コードギアス反逆のルルーシュ Children in succession to will (ラムネ便)
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R1シリーズ
俺は死んだ。だから手に入れた。


艦これも書いていきますよ!


赤い旧式グラスゴーがトンファで殴りかかってくる。恐らくレジスタンスか何かだろう。強奪されたと思しきサザーランドも戦闘に参加しており5機相手に一機は無謀だった。

 

『日本万歳!』

 

『イレヴンだ!殺せ!』

 

無線やら何やら飛び交う。

 

??『相手がサザーランド持ってるとか、、聞いてねーし。もう動けねーし、、あ、』

 

脱出装置すら動かなくなったサザーランドに銃弾が撃ち込まれ血が飛び散る。流れ弾か狙われたのか分からない。

 

ーどっかー

 

??『ここは、、?』

 

??『お前は死んだのだ。敵のとどめでな』

 

??『お前、、だれだ?』

 

??『私か?私はE.E(イーツー)』

 

??『イーツー?』

 

E.E『残念だよ。ブリタニアに弟達を殺され自分は半ば強制的にブリタニア兵として起用された悲劇の戦士。オーキス君』

 

オーキス『もう彼奴らはいない。死後位ゆっくりさせてくれないか』

 

E.E『そうは行かない。君は選ばれたんだ』

 

オーキス『選ばれた?何に?』

 

E.E『神殺しの人類の力、、ギアスに』

 

オーキス『ギアス?』

 

E.E『ギアスを与える役目というある意味呪いを背負った私達。他にもC.CやV.Vがいるんだ。だけど仲間の彼らとは気が合わなくてね。C.Cは黒の騎士団に。V.Vはブリタニア側だからね。私はどちらにもつかずに傍観者、というわけ』

 

オーキス『で、ギアスとは何だ。何かの力か?』

 

E.E『ギアスていうのは、、まあ超能力みたいなもんだよ。代償や弱点もあるけどネ』

 

オーキス『何故俺が?』

 

E.E『ギアス、、というか私が選ぶわけなんだけどサ。人によって能力は変わるし私と君は契約しなければならない。何故君を選んだかは教えない♡私の契約内容は、、世界を君というあってはならない存在により世界を変えて私を楽しませる』

 

オーキス『お前を、、楽しませる?』

 

E.E『いっただろ?私はギアスを与えられる生命体。C.CやV.Vのようにどちらかにつくわけでもない。ま、1人は恋路に落ちかけてるけど』

 

オーキス『分かった。契約しようか。お前を楽しませてやるよ』

 

E.E『ok!あ、タンマ!』

 

オーキス『次は何だ』

 

E.E『君のナイトメアだと誰にも勝てやしないだろう。折角素晴らしい技術があるのに勝てないなんてつまらない。ギアスとナイトメアをプレゼント!場所は飛んで成田連山!レジスタンス、、黒の騎士団が来るまで一ヶ月はある!その間にその機体に慣れておいて!私もすぐ向かうから!』

 

オーキス『ま、待て!話が飛躍しすぎ、、』

 

オーキスの目の前に巨大な光が近づいてくる。逃げる間もなく飲み込まれた。

 

ー成田連山ー

 

オーキス『ここは、、?』

 

E.E『成田連山だよ』

 

オーキス『E.E。ギアスとナイトメアをくれるんだよな。先にギアスの能力を教えてくれ』

 

E.E『いやいや私が他人のギアスなんて分かるわけないでしょーが。自分で確かめなさい』

 

オーキス『ちっ、、ナイトメアは?』

 

E.E『日本解放戦線がまだ来てないからね。このハンガーのドアを抜ければすぐそこさ!』

 

霧の中からナイトメアが出入り出来る程のハッチ解放口が出てくる。E.Eに案内されるままハンガーに向かう。彼女は普通の人間にしかみえない。だが死んだ自分を蘇らせたと考えれば信じるしかない。

 

オーキス『お前はナイトメアを開発出来る技術を持ってるのか』

 

E.E『そんなんあったら私が世界を荒らしてるよ。私のギアスは構築。アニメとか観たものを構築して現実化出来るのさ。はい!これが君へのプレゼント!最強ナイトメア”ゴットフリート”だよ!』

 

ゴットフリート。そう名付けられたナイトメアはサザーランドより頭身が高く装備も強かった。

 

E.E『この三角錐は無限にエネルギーを供給出来る、、あーもう説明が面倒だ!君の脳に直接送る!気絶しないでね!』

 

バチィ

 

オーキス『いたっ!』

 

オーキスの頭に大量の情報が流れ込む。操縦の仕方やスペック、、色々と頭にコピーされていく。そしてとんでもない事に気付いた。

 

オーキス『E.E!これはシュナイゼル殿下の専用機か!どこで強奪した⁈』

 

E.E『うーん、、どうやったっけ?とりあえずaf14で倒した事しか覚えてなーい』

 

オーキス『はあっ、、もういい。とにかく今はこの機体になれる事からだな』

 

E.E『あ!全部情報渡したから分かってるけど脱出装置ないから気をつけて!』

 

オーキス『俺は成田から離れる。E.Eはどうする気だ』

 

E.E『私はまた傍観してるよ。オーキス君。君の活躍は私が必ず見届けよう』

 

オーキスはゴットフリートのコックピットを閉じて再び市街地へ向かう。あの自分がサザーランドで死亡した場所だ。

 

ーゲットーにてー

 

カレン『なんだこの機体⁈速すぎる!』

 

??『エネルギーは十分にある。これなら行ける!』

 

??『女子をいたぶるのはあまりにも酷くないかい?』

 

??『上空から無線⁈飛ぶナイトメアなんてあるのか⁈』

 

ー上空高度500mー

 

オーキス『ゴットフリート、、エナジーフィラーを使わないナイトメア。いや、サクラダイトを使わないナイトメアはナイトメアではないか。ブリタニアも日本も俺には関係ない。俺は、、思うがままにやるだけだっ!』




コードギアスは割とまだ面白いと思います。ゴットフリートの機体については第2話に書いておきます!


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謎の撤退命令

最近忙しくてなかなか更新が出来なくてすいません、、


 

オーキス『さてと。本来なら俺を殺したあのグラスゴーのパイロットを殺したいところだが、、ブリタニアを裏切るのも悪くない。だがあとでグラスゴーは滅多斬りにしてやる』

 

ゴットフリートが謎のナイトメアに接近する。

 

??『日本のナイトメアじゃない。かと言ってブリタニアの機体でもない、、セシルさん!ロイドさん!』

 

ーG1ベースー

 

セシル『カメラから見ると確かに飛んでいます!ですが飛翔機能は開発途中の筈じゃ、、』

 

ロイド『捕獲したいところだねぇ』

 

セシル『ですがランスロットは武装があまりありません!エナジーフィラーも容量が少ないですし、、』

 

ロイド『だよねぇ』

 

セシル『スザク君!今のランスロットでは勝てないの!一度帰投するか、、』

 

『全軍に告ぐ! 直ちに停戦せよ!

エリア11総督にして第三皇子、クロヴィス・ラ・ブリタニアの名の下に命じる!全軍、直ちに停戦せよ!建造物等に対する破壊活動などもやめよ!負傷者は、ブリタニア人、イレヴンにかかわらず救助せよ!クロヴィス・ラ・ブリタニアの名の下に命じる!直ちに停戦せよ!これ以上の戦闘は許可しない!』

 

ーゲットーー

 

スザク『戦闘、、中止⁈』

 

カレン『ブリタニアが戦闘中止の勧告?』

 

オーキス『ブリタニアがだと?ありえない、、誰だ?何か引っかかる、、』

 

ーG1ベース 指令室ー

 

クロヴィス『指令は出した。次は何が望みだ?チェスの相手か?』

 

??『懐かしいですね。貴方にいつも勝っていた頃を思い出しますよ、、』

 

クロヴィス『なに、、?』

 

ルルーシュ『お久しぶりです。クロヴィス兄様』

 

ーG1ベース研究室ー

 

セシル『指令室へ入れません!何がどうなって⁈』

 

ロイド『電源関係をカットされたかなぁ。やるねぇ』

 

スザク『ロイドさん!戦闘中止とは一体⁈』

 

ロイド『さあねぇ』

 

ーゲットーー

 

オーキス『さっきのナイトメアは撤退したか。さてグラスゴーをやらせてもらおう』

 

カレン『こいつ!まだ戦う気⁈』

 

オーキス『さっきの恨みは半殺しで終わらせて貰おうか』

 

実体剣を出したオーキスはグラスゴーの頭部と残りの両足を破壊する。カレンの目で追いつけるような速度ではない。

 

カレン『くそ!脱出!』バシュ

 

脱出装置から出たカレンは謎のナイトメアを見つめる。ナイトメアもこちらを見て実体剣をしまう。

 

カレン(殺せるものなら殺してみろ!私にはまだ、、)

 

オーキス『グラスゴーの女!』

 

カレン(言い方は同じ、、だけど声が違う、、?)

 

オーキス『テメェへの復讐はこんなもんにしておいてやる。それと一つ。俺は日本にもブリタニアにも関わらない。いつお前の味方をし敵になるか、、楽しみにしておくんだな』

 

ゴットフリートは再び上昇しG1ベースへと向かう。その理由はただ一つ。自分の記録を末梢する為である。

 

オーキス『そういやクロヴィスとかいうブリタニア皇族もいたな。いたら俺が死んだ原因として葬ってやろう』

 

その頃G1ベースではルルーシュがクロヴィスを暗殺。脱出していた。

 

ルルーシュ『戦術的勝利などいくらでもくれてやる。今はクロヴィス。これで俺の計画に一歩近づいた。ナナリー、、』

 

ーG1ベースー

 

オーキス『データ削除は終わった。が、こりゃどういうこった』

 

目の前にあるのは頭を撃たれ死んでいるんクロヴィス。恐怖に怯えた顔をしている。

 

オーキス『無線で知ったが、、あのグラスゴーやレジスタンスを指示する奴がいたな。そいつか、、?まあいい。仕事が省けた。ブリタニアの近郊あたりに深い森があるはず。あそこなら隠せるな、、、』

 

 

ーゲットーー

 

ルルーシュ『あの白いナイトメアの情報も集める必要がある。そしてこのギアスの使い方も把握せねばな』

 

オーキス『な⁈頭に何かが、、っ』

 

ルルーシュ『ギアスが、、出ないだと⁈馬鹿な、、一度きりだというのか?あの女に聞いてみるしかないな、、』

 

オーキス『ギアス所持者、、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。現在はルルーシュ・ランペルージと名乗る。ギアスは”命令”、、ギアスをかけられた相手はその間記憶がない、、その代わり使えるのは1人につき一度のみ。使用条件は相手の目を見る。ギアスが情報を発信しているのか?つまり俺のギアスは無差別に発動する情報収集って事か』

 

ーブリタニア近郊の森ー

 

オーキス『ここにはあまり来たくなかったが仕方あるまい。宿とか食物を探さなければ、、』

 

E.E『やあ。元気?』

 

オーキス『E.E!』

 

E.E『見せて貰ったよ。十分に面白かったけど、、ランスロットとの戦いは見たかったね』

 

オーキス『ランスロット?あのナイトメアの名前か』

 

E.E『新型の第7世代。君にゴットフリートを渡して良かったよ』

 

オーキス『ゴットフリートが負ける確率は?』

 

E.E『自分でいうのもあれだけど微塵もないね。私が構築したフレームはある特異な機構かあるし武器は無限に撃てるし』

 

オーキス『情報の中にGNドライヴという永久機関らしきモノがあるが、、あれは太陽炉だろう?爆発したら危ないのではないか?』

 

E.E『そのための粒子だよ。無茶なエネルギー供給は機体に毒だからね。粒子で少しだしているんだ。ちなみに太陽炉って事はどういう事か分かるよね?』

 

オーキス『ミニチュアの太陽だ。磁力が凄いはず』

 

E.E『そう!半径3キロ圏内は太陽炉の効果で通信が不通になる!』

 

オーキス『やはり凄いナイトメアだな。それにサクラダイトを使わない機体なんて聞いた事がねぇ』

 

E.E『ギアスはどうだった?』

 

オーキス『俺のギアスは無差別に情報を収集するモノだ。ギアス所持者に近づいた瞬間発動した』

 

E.E『ん、、?君の願いは?』

 

オーキス『なんで俺の願いかは知らないが、、俺の願いは全てを変えること』

 

E.E『君もいい加減自分の思いを吐き出しなよ。知っているよ。君の願いは、、”全てを変える”じゃない。”全てを統一する”事だ』

 

オーキス『知っているなら言えよな、、。そう、俺は全てを統一する事により強者と弱者を無くす。弟達のように弱者が殺される世界を無くしたい』

 

E.E『つまり君のギアスは無差別な情報収集能力ではない』

 

オーキス『E.E?』

 

E.E『今更だが君のような人間にはこのギアスを与えてならないと思ってる。聞こう。君の意思を』

 

オーキス『俺の意思は決まっている。例え最強の能力を手に入れても平和を信ずる者達への道を邪魔するつもりはない。だが戦いに溺れた兵士は、、この手で排除する』

 

E.E『君同様、イカれた平和を望んでいる奴らもいると思うが?』

 

オーキス『殺しはしない。大切なのは分かり合う事だ』

 

E.E『、、、分かったよ。君の意思』

 

オーキス『、、、』

 

E.E『だが流石に必要な犠牲はある。いいよ。君の考えに賛成だ。私の全能力を使ってバックアップする。そして君とギアスへの願いは分かったよ。かつてこのギアスを所持した奴らは碌な考えはなかった。だが君ならたくせる』

 

オーキス『託せる?』

 

E.E『君のギアスは何百年と出ない最強の能力。”ギアスを制御するギアス”』

 

オーキス『ギアスを制御する、、?』

 

E.E『効果範囲は個人差があるけど君のギアスは射程圏内に入った瞬間ギアス所持者は君に逆らえない。それと所持者の意思に関係なく遠隔操作が出来る。例え深層心にギアスがいても探知して制御出来るギアス。そして、、』

 

オーキス『そして?』

 

E.E『このギアスに一度制御されたギアスは劣化版になるけど君も使えるようになる。もちろん指令タイプなら解除も可能だ。多分今の私にはギアスは使えない。これで君も構築のギアスが使える。これはブリタニアの皇帝陛下ですら手に入らない、、強い意思が必要なギアス。更に言えば王のcodeを使う君にギアスをかける事なんてまず出来ないんだ。能力に君が溺れないように気をつけて』

 

オーキス『そんな力か、、いいじゃないか。俺は本当は死なせたくないんだよ。ギアス所持者も日本もブリタニアもレジスタンスも、、』

 

E.E『君の願いが叶う日が来ることを願うばかりだね』

 

??『おーい!』

 

E.E『あ!来た来た!』

 

オーキス『誰だ?つーかあれは、、ブリタニアの機体?』

 

E.E『君に賛同してくれる同士を見つけてあげたよ。君と同じ境遇の人間。ナヴィス』

 

銀色の機体がゴットフリートの目の前に着陸する。

 

ナヴィス『俺の名前はナヴィス。ナヴィス・フォールン。よろしくな』

 

オーキス『俺はオーキス・テイル。所属は?』

 

ナヴィス『所属は元ナイトオブラウンズ、、の裏部隊だな』

 

続く




おまけ
ナイトメア名 ゴットフリート
推進機関 GNドライヴ
武装
収束エネルギー砲×2
実体剣×1
爆破型ダガー×4
スモークチャフ×2
ビームサーベル×2
ビームライフル×2

元シュナイゼル専用機。E.Eが何処からか強奪しオリジナルのシステムを追加。E.Eが好きなアニメからギアスにより武装やフレームを構築、換装してある。GNドライヴの色は銀色。特異能力は”再生”である。


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全てはこの時の為に

眠いー!


 

オーキス『ナイトオブラウンズの、、裏部隊?』

 

ナヴィス『ナイトオブラウンズってのは皇帝陛下の直属の騎士団だ。その裏部隊。裏と言っても操縦技術がナイトオブラウンズ級というだけでナイトメアは大したモノは支給されないのさ』

 

E.E『見た所サザーランドを強制改造して実験途中の飛翔機能を搭載するハリボテ機体だね』

 

ナヴィス『この機体で生き残ったのは俺だけだ』

 

オーキス『は?日本軍やレジスタンスと戦闘したのか?』

 

ナヴィス『違う違う。サザーランドを強制改造した紛い物だからいつ不具合起こして爆発するか分からない機体なんだ。パイロットが相当死んでるよ』

 

E.E『ま、ブリタニアも金不足って事さ。それより今は計画を立てないとね』

 

オーキス『計画?』

 

E.E『レジスタンスの次の狙いは分からない。それにずっとここにいる訳にもいかない。新しい宿が必要なんだ。居住性が高いゴットフリートでも流石に座りっぱなしはキツイだろうし、、フェデルマなんてまず居住性はないだろうからね』

 

オーキス『フェデルマはあの機体の名称か』

 

ナヴィス『名前は立派だが中身はスカスカだからな』

 

E.E『話を進めるよ。学校に通うって方法も思いついたけど、、2人とも年齢は?』

 

オーキス『22歳』

 

ナヴィス『同じく』

 

E.E『留年扱いでも大丈夫?クラブハウスがある学校らしくて学生寮もあるらしいんだけど』

 

オーキス『俺はやめてほしい。そんな事する位ならゴットフリートに乗り込んで生活する』

 

ナヴィス『あー、、俺も無理だ』

 

E.E『仕方ない。最終手段だね、、、エリア11に拠点を置く!』

 

オーキス&ナヴィス『はあ⁈』

 

ナヴィス『いやいや待て!あそこは激戦区だぞ⁈確かにブリタニアにいるよりはマシだが、、戦闘になったらフェデルマの存在がバレる!』

 

オーキス『だが悪くはない選択肢だと思うがな。あそこなら大量のゲットーが存在している。いくつかを仮拠点として使用しても大丈夫だろ』

 

ナヴィス『た、確かに、、』

 

E.E『決定だね』

 

ナヴィスはフェデルマに。E.Eとオーキスはゴットフリートでシンジュクゲットーまで移動を開始した。

 

ナヴィス『高度よし。進路よし。レーダー反応、、よし。これでシンジュクゲットーまで一直線で行ける』

 

オーキス『一定の高度まで上がるとレーダーが届かなくなるもんなんだな』

 

ナヴィス『俺が逃げてきた時と同じ手法さ』

 

ーシンジュクゲットーー

 

E.E『倒壊した橋、、この近くなら行けるかな』

 

ゴットフリートとフェデルマを近くに着陸させ橋の陰に隠す。ブリタニアのナイトメアも比較的巡回していない地域で見つかりにくいのだ。

 

オーキス『ここなら問題ないな。さてと。こっからどうするかね』

 

E.E『レジスタンスが動き出す時まで動かない方がいいと思う』

 

ナヴィス『賛成。レジスタンスの様子を伺おう』

 

 

ーアッシュフォード学園ー

 

ルルーシュはカレンに質問をした後、ギアスを再度かける事に失敗。走っていた。

 

ルル(クソ!今のはしくじった!やはりこのギアスは一回のみなのか?いや、、それ以前に俺が一度ギアスを出そうとした時にギアス自体が出現しなかった。詳しく調べなければ、、)

 

ークラブハウスー

 

ナナリー『お帰りなさい。お兄様』

 

ルル『ナナリー。ただいま』

 

ナナリー『声が少し小さいですわ。何か悩み事でも?』

 

ルル『なんでもないよナナリー。授業で少し疲れただけさ。俺は二階で休むから、、咲世子さん。ナナリーをお願いします』

 

咲世『分かりました』

 

二階へ向かうルルーシュ。彼のベッドには無防備な姿でピザを貪る緑髮の女が一人。

 

??『遅かったな。ルルーシュ』

 

ルル『ゲットーでの事後処理とギアスの実験に行っていたからな』

 

??『どうだ?ギアスは』

 

ルル『C.C、、お前が思うように制御出来る訳ではないようだ。これからもギアスについて詳しく実験するつもりだ』

 

C.C『そうか。まあ頑張れ』

 

ルル『なあC.C』

 

C.C『なんだ?』

 

ルル『ギアスが発動出来なくなる可能性は、、あるのか?』

 

C.C『コードを回収した人間ならともかく死ぬまでそのギアスは消えないぞ』

 

ルル『一瞬だがギアスが発動出来なくなった。誰かに見られたような気もした』

 

C.C『!!』ガバッ

 

ルル『どうした?』

 

C.C『いや、、なんでもない』

 

ルル『そうか。大人しくしていろよ』

 

C.C『ああ。分かっているさ』バタン

 

二階の部屋から出て行くルルーシュ。C.Cは少し笑顔になる。

 

C.C『そうか。お前にも出来たのか。世界を変える覚悟のある奴が。E.E、、』

 

ーシンジュクゲットーー

 

E.E『ヘクチッ!』

 

オーキス『風邪引いたのか?』

 

E.E『まさか、、この最強の私が風邪なんかひく訳ない!』

 

ナヴィス『風邪薬ならあるぞ。飲んでおけ』

 

E.E『thank you』

 

ナヴィス『オーキス。このエンジン見てみろよ』

 

オーキス『これは、、ヒデェ有様だな。タコ足にローラブレードへのエネルギー供給配線がショート寸前じゃねぇか』

 

ナヴィス『なおさんとな。バリアも試験的につけられたけどよぉ、、エナジーフィラーを喰いすぎるんだよ。改良の余地がありすぎる』

 

オーキス『まだ午後だ。今から整備すれば夜中には間に合うだろ。E.E!設計は思いついたか?』

 

E.E『言っとくけどさぁ、、ゴットフリート以外解体したりしてみた事ないから分からないよ!解体していいんならやるけど』

 

ナヴィス『それは勘弁だな。いつ出撃してもいいように整備しなきゃ意味ないからな』

 

続く!




おまけ2
ナイトメア名 フェデルマ
推進機関 試作型エナジーフィラー式飛翔機能 ローラブレード
武装
バルカン
ショットガン
トンファ
中距離バズーカ

サザーランドを強制改造された裏ナイトオブラウンズ機。死亡事故があったにも関わらず使用されている機体。元々はあらゆる兵器の実験機として使用されていたグラスゴーをサザーランドタイプに強制改造した機体でもある。ナヴィスの機体のみ彼によりこまめに整備されていた為か爆発事故は未だおきていない。


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スザク奪還

第4話のあたりから運命が変わり始める、、


 

ーアッシュフォード学園ー

 

カレン『アイツ、なんでシンジュクでの話を知っていたのかしら、、後で問いたださないと』

 

ミレイ『どしたの?カレンさん』

 

カレン『あ、何でもないです!』

 

リヴァル『へい皆!これはなーんだ!』

 

シャーリー『ビン?』

 

ミレイ『まさか、、』

 

リヴァル『そうそのまさか!じゃーん!』

 

リヴァルが紙包から出したものはなんとシャンパン。いくらしたかは分からないがしっかりとふってある。

 

ミレイ『未成年がよく買えたわね、、』

 

リヴァル『俺ン家にあったからパクッてきたのさ!じゃあカレンさんの生徒会入りを祝福して、、』

 

ルル『あ、馬鹿!方向を考えて』

 

ルルーシュが注意しないうちに放ってしまったシャンパンは見事にカレンに被る。

 

リヴァル『あ、、ごめん』

 

シャーリー『大丈夫⁈早くお風呂行って!風邪ひいちゃうよ!』

 

カレン『え、ええ』

 

ーバスルームー

 

ルル『あ、、タオルここに置いておくよ。遠慮しないで使って』

 

カレン『待ちなさい』

 

ポーチのナイフをルルーシュの手首に突きつける。

 

カレン『シンジュクの話ってなに?』

 

ルル『一体、、なんの事?』

 

カレン『とぼけないで!』ジリリン

 

ルル『はい、、はい。え?わ、分かりました。君に電話だけど、、』

 

??『無事だったようだな。グラスゴーの女』

 

カレン『え⁈』

 

ルル『じゃあ、、俺は行くから、、』バタン

 

カレン『アイツじゃ、、無かったんだ、、』

 

 

ークラブハウスー

 

ルル(簡単なトリックだ。ギアスにより他人に電話をかけさせ俺ではないと思わせる)

 

ルルーシュが戻ると一人の男がテレビに映っていた。

 

ルル(す、、スザク⁈)

 

ミレイ『クロヴィス殿下の殺害犯人ですって』

 

リヴァル『なんか大変だよな〜』

 

ーエリア11ー

 

ナヴィス『おい見てみろよ。クロヴィスの殺害犯だってよ。日本人か、、』

 

オーキス『いや、、アイツは犯人じゃない』

 

ナヴィス『は?』

 

オーキス『俺は自分のデータを末梢するためG1ベースに潜入した。だがその頃おそらくアイツは搭載しれてる整備ハンガーに向かったはず。俺が殺しに行こうとした時には死んでいた』

 

ナヴィス『とか言いながらお前が殺したんじゃないのか?』

 

E.E『無理だよ。何より、、第三者がいたらしいし』

 

ナヴィス『第三者?』

 

オーキス『G1ベース脱出した時に一人だけ近くにいた人間がいる。ルルーシュ・ランペルージというやつだ』

 

ナヴィス『じゃあそいつが?もしそうなら何でアイツが逮捕されてんだ』

 

オーキス『多分日本人だからという理由で逮捕されたんだろ。だからブリタニアってのは、、』

 

ナヴィス『E.Eに誘われた時、同じ境遇だと聞いた。お前も身内を?』

 

オーキス『日本人とブリタニアの間だからって酷すぎる、、』

 

ナヴィス『そうか、、俺もそうだ』

 

オーキス『え、、?』

 

ナヴィス『俺もハーフだよ』

 

E.E『だから言ったでしょ?同じ境遇だって』

 

オーキス『そういう事か』

 

ナヴィス『で、どうするんだ?アイツ』

 

オーキス『行きますか!』

 

E.E『その言葉を待っていたよ!ナヴィス!フェデルマを少しいじらせて貰ったよ!』

 

ナヴィス『爆発しないな?』

 

E.E『しないよ』

 

フェデルマとゴットフリートは上昇を始める。それぞれ武器を構えスザクが捕まっている橋にまで移動を始めた。

 

E.E『いやー、、パーティーが始まる時が来るのか!』

 

ーブリタニア主要道路ー

 

兵1『ジェレミア卿!前面にクロヴィス殿下専用車が!』

 

ジェレミア『クロヴィス殿下を侮辱する下衆が、、出てこい!』

 

??『私は、、ゼロ』

 

公道のど真ん中で仮面をかぶった男が姿を現す。

 

ゼロ『これを見ろ』

 

マントから出されたのは、、毒ガスカプセルだった。それもこの辺りに配置した愛国人は全員殺せるであろう量があるカプセルだ。

 

ジェレミア『な⁈』

 

ゼロ(借りは返す、、スザク。待っていろ)

 

ゼロ『ここにいる全員を殺す事が出来る量はある。さて、、取引と行こう。私の要求を受けて貰う』

 

ジェレミア(テロリスト如きにやられるとは、、なんたる屈辱!)

 

ゼロ『私の要求は、、クロヴィス殺しの罪に問われている枢木スザクだ!』

 

ジェレミア『笑止!それは無理な要求だな!殿下を殺した日本人を渡す訳には行かない!』

 

ゼロ『違うな。残念だがクロヴィスを殺したのは枢木ではない、、この私だ!』

 

??『こいつ、、事件をショーにするつもりか?おもしれぇ!』

 

セシル『そんな事って、、!』

 

ロイド『真犯人が来るなんて面白くなって来たねぇ!』

 

公道の人々が騒ぎ出す。

 

ゼロ『たった一匹のイレブンだけで多くのブリタニア人を救う事が出来るんだぞ?さあどうする?』

 

ジェレミア『こいつは狂っている!クロヴィス殿下の御陵車を偽装し侮辱した事を悔やむがいい!』

 

ゼロ『いいのか?公表するぞ。”オレンジ”を』

 

ジェレミア『なんの事だ⁈何を言っている⁈』

 

ゼロ『私が死んだ瞬間、即座に流される事になっている』

 

兵1『な、なんだ?オレンジって』

 

兵2『さあ、、』

 

ゼロ『貴様に命ずる、、我々を全力で見逃』ドォン

 

カレン『な、なに⁈』

 

扇『なんだ⁈今の爆発は!』

 

兵3『ナイトメアが接近中!飛んで、、⁈ぎゃあああ!』

 

姿を現したのは青と白と金のカラーをしたナイトメアと銀色をしたナイトメア。どちらも飛んでいる。

 

E.E『ゴットフリートの力を見せる時が来たよ!』

 

オーキス『ナヴィス!遅れるなよ!』

 

ナヴィス『分かってる!』

 

フェデルマの二丁バルカンが接近してくる純血派サザーランドを倒していく。

 

ナヴィス『来るなら来い!蜂の巣にしてやるからよぉ!』

 

ゴットフリートはGNドライヴを生かした戦闘を展開する。

 

オーキス『遅い!』

 

E.E『見切った!』

 

ビームサーベルで首を切り戦闘不能にする。四方から来る敵も難なく処理してゆく。実体剣も使用しその破壊力でスザクの囚われていた車両を破壊する。

 

ゼロ(想定外だ!だがこれでスザクは回収した)

 

ゼロ『全員撤退!急げ!』

 

スザクを連れ去り颯爽と逃げるゼロ達。オーキス達はまだ戦っていた。

 

ジェレミア『あのような機体は見た事がない、、しかし!』

 

ジェレミアのバルカンやトンファーがゴットフリートに飛んでくる。

 

オーキス『ん?なんだあのサザーランド。俺と戦う気か』

 

ナヴィス『純血派隊長機か。オーキス、ここは任せろ。先に行け』

 

オーキス『エナジーフィラーが限界に近いはずだ。俺がやる』

 

ナヴィス『じゃあ、、頼んだ』

 

ゴットフリートが実体剣を出しジェレミア機に突っ込む。

 

ジェレミア『隙がありすぎだ!貰った!』

 

E.E『トランザム!』

 

バズーカで攻撃したはずのナイトメアが消えた。

 

ジェレミア『なんだ⁈消えた⁈』

 

E.E&オーキス『こっちだああ!』

 

機体を真っ二つに斬るゴットフリート。脱出装置でジェレミアは脱出した。他のサザーランドも全て壊滅しポリスグラスゴーも破壊されていた。映像中継車も見事に破壊されている。

 

オーキス『戻るぞ。エリア11に』

 

ゴットフリートはトランザムを解除してフェデルマと共に仮拠点へと帰投した。

 

ーエリア11ー

 

ゼロ『枢木スザク。我々と共に来い。ブリタニアは支える価値のない国だ』

 

スザク『いや、、後一時間で軍事法廷が始まる。いかなきゃ。価値のある国に変えるんだ。ブリタニアの中から。間違った方法で手に入れた結果に価値はないと思うから』

 

ゼロ『行けばお前が死ぬぞ』

 

スザク『かまわない』

 

ゼロ『馬鹿だ。お前は』

 

スザク『昔よく言われたよ。友達に。この馬鹿って』

 

ーエリア11 仮拠点ー

 

ナヴィス『フェデルマのエナジーフィラーがヤバいな。どこかで調達しなければ、、』

 

E.E『ほい。エナジーフィラー』

 

オーキス『構築のギアスなめんなってか』

 

ナヴィス『助かる』

 

オーキス『なあナヴィス。お前、、E.Eが何者か知っているのか?』

 

ナヴィス『知っている。ギアス契約者だろ』

 

オーキス『お前も、、ギアスは要らないのか?』

 

ナヴィス『俺か?俺なら既にあるが』

 

オーキス『E.Eと契約したのか、、ギアスの能力は?』

 

ナヴィス『一定の範囲内で幻覚を見せる事が出来る。お前のギアスは?』

 

オーキス『ギアスを制御するギアスだ。詳しくはE.Eから聞いてくれ』

 

ゴットフリートの整備に向かうオーキス。ナヴィスはフェデルマのエナジーフィラーを取り替えオーバーホールし始めた。

 

E.E『フェデルマの修理は終わった?』

 

ナヴィス『今オーバーホールしている。少しでも爆発の危険性を無くしたい』

 

E.E『ほい』

 

ナヴィス『これは?』

 

E.E『新しいフレーム制御機。これでバリアのエナジーフィラー使用量と反応が良くなるはず』

 

ナヴィス『ありがとう』

 

E.E『なあナヴィス』

 

ナヴィス『なんだ』

 

E.E『つかの間の幻覚を見せてくれない?少し疲れた』

 

ナヴィス『まあ、、別にいいが』

 

ナヴィスがギアスを発動する。E.Eはそのまま倒れた。

 

E.E(ああ、、誰も私を分かってくれない。それなら一度でいい。幻覚で甘えさせて、、)

 

続く



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騎士?キシ?

コラボ開催中です!rainさん!ありがとうございます!僕の中のキシ君とrainさんのキシ君とは違うかもしれませんが、、よろしくお願いします!


??『転送完了、、キシシ♪』

 

??『キシ!転送場所はいいな?』

 

キシ『大丈、、夫じゃねぇな』

 

??『キシ、お前今どこにいる?』

 

キシ『エリア11じゃねぇ事は確かだな。狐ちゃん。転送場所間違ってねぇか?』

 

神狐『、、、すまん。座標軸ミスった。仕方ないから仲間と合流してくれ』

 

キシ『そんな事よりさぁ。囲まれてんのよ。助けて』

 

神狐『頑張れキシ!アデュ〜♪』

 

キシ『いいかげんな奴だな。だけどここで戦闘は面白そうだね。未知との戦闘、、めんどうだけど。キシシシシ♪』

 

ーE.E幻覚内ー

 

E.E(この記憶は、、子供の頃の記憶、、あれ?なんでオーキスがいるんだろ?)

 

オーキス(幻覚に逃げんな。同じ覚悟と呪いを受けたのはお前だけじゃねぇんだぞ)

 

オーキスが顔を近づけてくる。

 

E.E(す、ストップ!ダメ!)

 

オーキス(なんでだよ?)

 

E.E(心の準備が、、////)

 

オーキス(心の準備?要らねぇよ)

 

E.E(んむ⁈)

 

ーエリア11 現実ー

 

E.E『ああ、、ふふふ、、』

 

オーキス『気味悪ぃなおい。どんな幻覚見せたんだ』

 

ナヴィス『E.Eの望む幻覚だ。いい夢見てんだろ』

 

オーキス『これをこうして、、よし。できた』

 

ナヴィス『お、完成したか。4時間くらいかかったから空が白んできてるが』

 

オーキス『これでフェデルマもかなり使いやすくなる』

 

ナヴィス『エナジーレーザー供給システム。フェデルマのエナジーフィラー不足は解消されたな』

 

オーキス『それだけじゃねえ。劣化版だが構築のギアスで中身を一式変えた。飛翔機能が強化され爆発の危険性も0だ。シンプルな構造だが素晴らしい出来だ』

 

ナヴィス『バルカンの代わりにプラズマ砲か。よく考えたな』

 

オーキス『バルカンも消したわけじゃない。腰部に埋め込んだ。口径は一回り小さいが貫通するくらいには作ってある。で、更にもう一つ』

 

ナヴィス『グレネードランチャーか。バズーカより軽そうでいいな』

 

E.E『あ、ダメッ。こんな所で』

 

オーキス『、、そろそろ起こすか』

 

ナヴィス『せやな』

 

オーキスとナヴィスは交換部品の丸いドラのようなものを思い切り戦いた。

 

オーキス『おーきろー!』

 

ナヴィス『あーさでーすよー!』

 

E.E『にゃあん♡はっ!』

 

オーキス『起きたか。どんな夢見たんだ』

 

E.E『う、、聞かないで、、』

 

ナヴィス『オーキス。聞いていい事と聞いちゃいけない事があるんだ』

 

オーキス『分かって、、なんだあれ』

 

橋の上から近づいて来るのは1人の男と警察グラスゴー。

 

E.E『あれは味方だよ。私がちょっち交渉して連れて来た!』

 

ナヴィス『それはいいんだが、、なんか追いかけられてないか?』

 

ー橋ー

 

キシ『キシシシシシシ!これはちょっとヤバいかも!』

 

警1『止まれ!さもなくば射殺する!』

 

キシ『射殺?キシシシ♪やれるもんならやってみればいいのに〜。キシシ♪』

 

兵2『発砲許可を!』

 

兵1『許可する!射殺しろ!』

 

容赦なく装甲車からバルカンが撃たれる。

 

キシ『危なっ!仕方ない。サンライトイエローオーバードライブ!』

 

橋が波紋の力で柱に亀裂が入り倒壊する。グラスゴーや装甲車ごと奈落へと落ちてゆく。

 

キシ『キシシ♪俺に勝てるわけないでしょーが』

 

E.E『あ、あり?あんなに強かったっけ?アイツ』

 

オーキス『なんかすげー奴が来たな』

 

キシ『E.Eちゃん!』

 

E.E『キシ君!早く降りて!そこ倒壊するけど⁈』

 

キシはジャンプして一回転する。そのまま着地した。

 

キシ『E.Eちゃん久しぶりだねぇ。キシシ♪』

 

E.E『キシ君も元気そうで何よりだよ。ギアス交渉の件についてはいいんだね?』

 

キシ『okok!E.Eちゃんを嫁にもらっ』バキッ

 

E.E『それは契約内容にないはずだけど?』

 

キシ『キシシいいパンチ♪だけど甘い♪』

 

E.E『受け止めるなんて、、まあいいや。呪いは不老不死になるようなものだけど、、いいんだね?』

 

キシ『キシシ♪ナナリーも見ていたいしルルーシュとスザクの喧嘩はいつ見ても面白いからなぁ♪不老不死はウェルカムな条件だ。キシシシシ♪』

 

E.E『契約完了。キシ君のギアスはどんなものかな?』

 

キシ『発動したいのは山々なんだけどねぇ。発動できねっ!』

 

オーキス『あ、多分それ俺のせいだ』

 

ナヴィス『ギアスを制御するギアスか?ならなんでさっき俺はE.Eに対して発動できた?』

 

オーキス『ギアスを制御するギアスつっても所持者に任せると思えば解除出来るからな。ついでに言えばギアス情報もある』

 

キシ『てことはオーキス君なら俺のギアスも分かる訳だ』

 

オーキス『ああそうだな。キシ、君のギアスは、、免疫型ギアスだ』

 

キシ『面白そうなギアスだねぇ』

 

E.E『免疫型、、一度喰らったギアスなら二度目はかからないって事だね。オーキスは別なんだろうけど』

 

オーキス『それだけじゃない。かかって数十秒でギアスを解除。コピーも出来るみたいだな』

 

キシ『ならば君のギアスは無効化出来てたり?』

 

E.E『王のコードを持つ男だよ?コピーは出来ないし制御されたら何も出来ないよ』

 

ナヴィス『免疫型か。厄介なギアスだな。だがそれならばいくらギアスが存在してもオーキス以外はコピーして利用、もしくは解除出来るって事か。なかなか怖ぇな』

 

キシ『そーいえば来る途中でかわいい娘見たんだよねぇ。スザクといっしょにいたなぁ(こっちの世界じゃユフィは生きているのか。嫁に出来るのは確実かもな。ソウもいないし♪キシシ♪)』

 

ナヴィス『無線拾ったぞ。ユーフェミア皇女が消えたってよ』

 

E.E『ユーフェミアってあのブリタニアの?』

 

オーキス『部屋の中でしか何も出来ない生活も飽きてきたんだろ。ほっとけ』

 

キシ『いやいや。ちょっと行かない?確保したら何かしら貰えるかもよ?(デートの約束とか)』

 

E.E『どーせアンタの事だからデートでも見返りに頼むでしょーね』

 

キシ『キシシシシ♪まさか♪(読まれた、、)』

 

オーキス『行くのはいいがどうやって探す気だ?簡単にはわからないぞ?』

 

E.E『ナイトメアがあるじゃないか!』

 

オーキス『こんなもんがずっと空飛んでたら気味悪い』

 

E.E『ぱっぱらぱっぱっぱー。こーがくめいさいー(ダミ声)』

 

ナヴィス『光学迷彩ってお前、、』

 

E.E『ばれにくいと思うよ?』

 

キシ『まずバレはしないよな』

 

オーキス『仕方ない。それで行くか。キシはどうする気だ?フェデルマは一人しか入れないしゴットフリートもタンデム複座だが2人のみだ』

 

キシ『キシシシ♪俺にもナイトメアはあるんだよ♪』

 

オーキス『今ないんじゃ困るだろ』

 

キシ『、、、そーいやナイトメアどこにも転送されてない、、』

 

続く!




おまけ
ナイトメア名 フェデルマ(改良型)

推進機関 ローラブレード 飛翔機能

武器
内部バルカン←new
グレネードランチャー←new
ショットガン
トンファ

エナジーレーザー供給システムによりゴットフリートからエナジーフィラーを無線供給出来るようになったフェデルマ。武器もいくつか変わり爆発の危険性も無くなった。


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そこに痺れる憧れる⁈

連っっっ投!明日まで耐えきる自信がない!そしてコラボ第2話だ!


 

キシ『お!噂をすれば!』

 

オーキス『なんだありゃあ、、デケェ羽だな』ドォン

 

キシ『キシシシシ♪こいつが俺の愛機”幻月”だ。ラクシャータに頼んで製作して貰った特製の武器を搭載してるんだ。機動力も高いんだぜ?』

 

ナヴィス『どのくらいだ?』

 

キシ『並みの人間なら気絶するレベルだな♪』

 

E.E『怖っ』

 

オーキス『とりあえず光学迷彩を取り付けて、、』

 

キシ『そんじゃ、、行きますか!』

 

3機のナイトメアが飛び立ち光学迷彩を起動する。

 

キシ『さーてユフィはどこかな〜♪』

 

E.E『オーキス。こいつぶっとばせ』

 

オーキス『無理な話だな』

 

ナヴィス『残念なイケメンだな。その超人能力を活かせばもっとモテたものを』

 

キシ『キシシシシシ♪褒め言葉だよ♪』

 

ーブリタニア郊外ー

 

スザク『戦いを終わらせるためには、、誰かが勝たないと終わらない。それが誰かは僕にも分からない、、、だから見つけたいんだ。自分がするべき事を、、』

 

ユフィ『スザク、、』

 

その時一台の搬出トラックが止まった。同時に爆発も起きた。

 

セシル『スザク君!早く乗って!』

 

スザク『セシルさん?』

 

ロイド『純血さん達の仲間割れだよ。とっとと逃げよ。それと釈放残念だねぇ。また付き合って貰うよ』

 

スザク『待って下さい!今こそランスロットの戦闘データを取るチャンスではないのですか⁈』

 

セシル『スザク君、、』

 

ロイド『ほほぉ〜』

 

ユフィ『スザク、、』

 

スザク『ごめんユフィ。ここでお別れだ。僕は行かなきゃならない。ランスロットなら、止められるはずだから、、』

 

ー廃棄ドームー

 

ジェレミア『キュレイ!貴様、、ゼロ発見は虚偽だったか!』

 

キュレイ『コーネリア殿下が御着任される前に身内の汚れはすすがねばならん!ジェレミア!これが粛清だ!』

 

ジェレミア『うおおおお!』

 

しかしジェレミア一機に四機は無謀だった。ことごとく翻弄され飛び道具までもが破壊された。

 

ジェレミア『くそ、、四人がかりとは、、卑怯な!』

 

キュレイ『案ずるなジェレミア。戦死した事にしてやる。お前の家に傷はつかん』

 

ジェレミア『本気なのか⁈本気で私を、、キュレイ!』

 

キュレイ『黙れオレンジ!我等は何のために存在する⁈皇室のためにだ!オールハイルブリタニア!』

 

全ての機体が槍でジェレミアを殺そうとした瞬間、スラッシュハーケンで阻止される。

 

スザク『止めて下さい!ブリタニア軍人同士で!』

 

ジェレミア『あれは、、名誉ブリタニア軍人の共同兵器!ランスロット!』

 

キュレイ『特派が何用だ!邪魔をするなら撃つ!』

 

スザク『ダメです!意味のない戦いを見過ごすわけにはいきません!』

 

ー廃棄ドーム上空ー

 

E.E『あ!ランスロット!』

 

キシ『スザクか。、、何やってんだアイツ』

 

オーキス『あれは、、純血派同士の撃ち合いだな。何やってんだか』

 

ナヴィス『介入するか?』

 

E.E『ダメだよ。今は見よう』

 

キシ『キシシ♪俺はいくぜ!』

 

オーキス『あっ!馬鹿!』

 

オーキスの制止を振り切り廃棄ドームに向かうキシ。

 

ー廃棄ドームー

 

キュレイ(実用化されていたMVSに新型兵器、、やむを得まい)

 

キュレイ『皆下がれ』

 

スザク『キュレイさん!わかってくれたんですね!』

 

キュレイ『ケイオス爆雷を使う』

 

スザク『なっ⁈』

 

??『おやめなさい!』

 

スザク(ユフィ⁈まずい!間に合わな)

 

キシ『そおい!』

 

幻月の斬艦刀に弾かれた爆雷はキュレイのサザーランドに向かう。そしてキュレイに向かって爆雷は発射されコックピットを貫いた。

 

スザク『あ、、あのナイトメアは⁈』

 

ジェレミア『馬鹿な!爆雷を弾いて打ち返しただと、、』

 

ヴィレッタ『ジェレミア卿、、あのナイトメアは?』

 

キシ『キシシシ♪無事で良かったよ。ユーフェミア皇女様♪』

 

スザク『え⁈ユフィが、、⁈』

 

スザクがランスロットから降りて急いでユーフェミアの所へ向かう。

 

スザク『知らなかったとはいえ今までのご無礼、、申し訳ありませんでした!』

 

キシ『ユーフェミア皇女、、貴方は勇敢だ。ナイトメアの戦闘時に自ら向かうなんて、、キシシシ♪』

 

ジェレミア『貴様は何者だ⁈名を答えろ!』

 

キシ『俺?俺の名前は、、軍治キシ。さあユーフェミア様。俺とデートを、、』

 

オーキス『何をしている早く帰るぞ』

 

キシ『待てって!今いい所だからさ』

 

スザク『ユーフェミア皇女様を救って頂いた事には感謝する。しかし貴方がどこの所属で何者かがわかるまでは安心出来ません。連行していただけませんか?』

 

再びランスロットに乗り込み戦闘態勢になるスザク。

 

キシ『連行?無理だね♪ユーフェミア様とのデートを取り付けてくれるならいいよ♪』

 

ヴィレッタ『貴様いい加減にしろ!』

 

キシ『んん?なんでアンタなんかに従わなきゃならんのだよ』

 

ユフィ『私とデートすれば連行されてくれるのですね?』

 

キシ『そうそう!』

 

ユフィ『分かりました。明日、噴水前でデートに来てください。時間は朝の8時に』

 

キシ『キシシ♪了解♪』

 

幻月は空中に上がり別の機体と合流。戻って行った。

 

スザク『飛翔機能を搭載したナイトメア、、ここにもいたのか、、』

 

ジェレミア『まさか本当にokしたというのか?』

 

ヴィレッタ『よく、、分かりません』

 

ーエリア11ー

 

オーキス『嘘だろ、、本当にやりやがった』

 

E.E『これが、、女たらしの実力、、』

 

ナヴィス『だが罠で連行されたらどうする気だ?』

 

キシ『キシシシシ♪安心しろって。俺の身体能力を持ってすれば脱出なんて簡単♪』

 

オーキス『服はどうする気だ?まさかそれで行くのか?』

 

今キシが着ているのは全身黒ずくめのスーツ。就活していそうな人にしか見えない。

 

E.E『仕方ない。私が出してあげるよ』

 

コーディネート中、、、

 

E.E『やっべ。めちゃイケメン』

 

オーキス『それなら問題は無さそうだな。明日は気を張って行くんだな』

 

ナヴィス『後はその性格さえなけりゃな、、、』

 

キシ『キシシシ♪明日が楽しみだねぇ♪』

 

続く!




オマケ

人物名 軍治キシ

とある異世界からやってきた異端者。E.E達に協力する謎の人物。とりあえず色々凄い。


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やっていいのは覚悟のある男だけ

更に連投!筆がのるねぇ!コラボ第3話!今回は戦闘なし!


ー朝8時 噴水広場ー

 

ユフィ『あの方は一体どこに居るんでしょうか、、?』

 

キシ『ユーフェミア皇女様♪』ピト

 

ユフィ『ひゃあっ⁈』

 

キシ『暑いでしょう?飲み物です』

 

ユフィ『あ、ありがとう、、』

 

ー広場草陰ー

 

E.E『信じらんない!人前になればああなるの⁈』

 

オーキス『あの口癖が無いとなると、、本当に惚れてもおかしく無いよな』

 

ナヴィス『営業スマイルに近いモノだな』

 

E.E『ナヴィス。投石よーい』

 

ナヴィス『アイアイサー』

 

オーキス『落ち着けよお前ら。人の恋路は邪魔せず見守るのが鉄則のはずだ』

 

E.E『あのスマイルをぶち壊したい、、コーディネートしなきゃ良かった、、』

 

ナヴィス『以下同文』

 

ー噴水広場ー

 

キシ『では行きましょうか』

 

ユフィ『え?どちらに?』

 

キシ『楽しい場所ですよ♪』

 

キシ達がバスや電車を乗り継いで来たのは遊園地。最近人気の遊園地だ。

 

ユフィ『わあ、、楽しそうな場所ですね!』

 

キシ『遊園地に来た事は無いのですか?』

 

ユフィ『ほとんど家の中だけでして、、外に出たのは久しぶりなんです。遊園地なんて行った事ありませんでしたから、、』

 

ーアイスクリーム販売車付近ー

 

E.E『キシが間違いを起こさ無いようにユーフェミアとキシを監視する、、これが私達の任務』

 

オーキス『いくらアイツでもわきまえてはいるだろ。見守ろうや』

 

ナヴィス『任せろ。これでも昔はナヴィス13と呼ばれたスナイパーだ。失敗はしない』

 

E.E『よし。行くよ』

 

オーキス『やばくないか?アイツら、、』

 

ーコーヒーカップー

 

キシ『ちょっ、、回しすぎぃ!』

 

ユフィ『そうですか?私は楽しいです!』

 

キシ『ユーフェミアの三半規管が強すぎるっ!』

 

ユフィ『あははは!』

 

ナヴィス『おい狙えねーぞ。コーヒーカップ止めろ』

 

オーキス『無理にきまってるだろうが』

 

ーメリーゴーラウンドー

 

キシ『楽しいですか?ユーフェミア皇女様』

 

ユフィ『凄い楽しいです!それと、、私はユーフェミアではありません。ユフィと呼んで下さい♪』

 

キシ『ユフィ。次はどこ行きたい?』

 

ユフィ『沢山行きたい!』

 

E.E『なんか凄いバカップルになってるけど』

 

ナヴィス『それよりこれも上下動きすぎて狙えねーよ。オーキス。止めてこい』

 

オーキス『無理に決まってるだろーが。二回目だぞ』

 

ージェットコースターー

 

キシ『楽しいぃぃぃぃ!』

 

ユフィ『キャアアアア!』

 

オーキス→意識なし

 

ナヴィス→目が回り始める。

 

E.E→楽しんでる

 

ー隣接カフェー

 

ユフィ『ちょっと怖かった、、』

 

キシ『ユフィ大丈夫?』

 

ユフィ『なんとか、、』

 

キシ『何食べたい?奢るよ?』

 

ユフィ『えっとじゃあこれと、、』

 

 

ー裏側席ー

 

E.E『いつ並んでもジェットコースターは楽しいねぇ!』

 

オーキス『、、、、、』

 

ナヴィス『た、確かに面白いが、、1人気絶してんだけど』

 

E.E『そりゃあのジェットコースターの売り文句は”絶叫!走馬灯と共にあの夕日まで走ろうぜ!”だから』

 

オーキス『走馬灯と共になんか走りたくねぇ、、』

 

ナヴィス『生きかえったか』

 

ーお化け屋敷ー

 

ユフィ『キャ⁈』

 

キシ『大丈夫?』

 

ユフィ『だ、大丈夫です!ヒィ!』

 

キシ『俺の腕に捕まってろ』

 

ユフィ『は、はい!』

 

キシ『あったかいなぁ♪』

 

 

ー後方ー

 

E.E『全く怖くないから!ははは!』

 

オーキス『目が死んでるぞ』

 

ナヴィス『本当は行きたくないんじゃ、、』

 

E.E『大丈夫大丈夫!私だって200年くらいは多分生きてるからさぁ!』ガクブル

 

で、結局、、

 

E.E『オーキス!助けてぇぇ!』

 

オーキス『目の前にいるだろうが』

 

ナヴィス『E.Eやっぱ無理だな、、』

 

オーキス『目ぇつむってろ。背負って運んでやるよ』

 

E.E『うううう、、』

 

ー出口ー

 

キシ『じゃあ次はどこがいいかなー』

 

ユフィ『あ!あれ乗りたい!』

 

キシ『ジョーンズか、、行こうか?』

 

ユフィ『うん!』

 

ーアトラクション乗り場ー

 

ユフィ『キャアア!』ガバッ

 

キシ『ユフィの髪ってシャンプーのいい香りがするね』

 

ユフィ『えっ?、、あ!ご、ごめんなさい、、』

 

キシ(顔を赤くするユフィ、、可愛いなぁ♪キシシ♪)

 

そして時は過ぎて夕方。

 

ー観覧車ー

 

ユフィ『夕日が綺麗、、、』

 

キシ『ユフィの方が綺麗だよ♪』

 

ユフィ『そんな甘言で私は取り込めませんよ?(でも嬉しい、、)』

 

キシ『じゃあね、、こう言えばいいかな?』

 

ユフィ『?』

 

キシ『君のファーストキスが欲しい』

 

ユフィ『えっ?えっ!えええ⁈』

 

キシ『また鳥のカゴじゃ会えなくなるかもしれない、、なら今しかないよね?』

 

ユフィ『そ、それはそうですが、、』

 

キシ『どうする?』

 

ユフィ『え、えっと、、』

 

キシ『優柔不断だなぁ♪』

 

ユフィ『ん⁈』

 

ー観覧車下ー

 

オーキス『行ったあああああ!アイツやりやがった!』

 

ナヴィス『よく迷いなく出来るよな』

 

E.E『ちょっと私は見たくないなー』

 

オーキス『とかいいつつ見てんじゃねーよ』

 

ー観覧車ー

 

キシ『ユフィのファーストキスは貰ったよ♪』

 

ユフィ『誰も、、今の見てませんよね?』

 

キシ『見られてたら?』

 

ユフィ『私、、恥ずかし過ぎて、、』

 

観覧車が下まで降りてきて出てきた2人は遊園地を後にした。

 

キシ『さ、デートありがとう。でもおかしいなぁ?警察がいないけど』

 

ユフィ『もし貴方が私に害を加えるような真似をするなら今頃私は殺されています。でもあのとき、、貴方がいなかったら、、スザクだけでは私を守りきれなかったかもしれないです』

 

キシ『ありがたい言葉だねぇ♪』

 

ユフィ『また、、どこかで会えますか?』

 

キシ『さあ?でも、、君が助けて欲しいと願えば俺はいつでも来るよ。じゃあね』

 

ーエリア11ー

 

キシ『キシシシシ♪大成功♪』

 

オーキス『お前がまさかやるとは、、』

 

キシ『言っておくけど気づいてたからな?』

 

ナヴィス『ばれてたか』

 

E.E『デートというか、、いきなりデートしているカップルには見えなかったくらいだったし、、』

 

キシ『キシシシシ♪デートってのはその場で成功させたやつの勝ちなのさ♪だから次はE.Eちゃんと』ゴス

 

オーキス『スネにクリーンヒット』

 

キシ『キシシシ♪でも痛くないから♪』

 

E.E『硬いね、、』

 

ーコーネリア総督府ー

 

コーネリア『な、、なんだと⁈ユフィが、、私のユフィが男とデートしただとぉ⁈』

 

兵1『は。確かに目撃者がいました』

 

ユフィ『ただいま戻りました。お姉様』

 

コーネリア『ユフィ!大丈夫か⁈何かされなかったか⁈』

 

ユフィ『ええ大丈夫です』

 

コーネリア『全く、、お前は次の作戦での総指揮をするのだぞ。しっかりしろ!』

 

ユフィ『は、はい!』

 

ユーフェミアは自室へと戻って行く。コーネリアはそんな事よりもある事に頭がいっていた。

 

コーネリア『ゼロ、、私は許さんぞ。クロヴィスを殺した大罪人め、、!』

 

続く

 



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そうだ。キョウト行こう

コラボ第4話だ!眠い!でも書きたい!


 

ーとある異世界ー

 

ナナリー『そんな、、キシさんがそんな事、、』

 

C.C『残念だが真実だ。ソウの監視から発覚した。確定だろう』

 

カレン『あの女たらし、、』

 

C.C『行くなら行ってもいいぞ?私が手引きしてやる』

 

カレン『キシをぶっ殺す!今すぐ連れてって!C.C!』

 

C.C『忠告しておくぞ?異世界では時間系列が微妙に違う。恐らく今頃は、、ルルーシュが黒の騎士団を結成して発表する頃だろうな』

 

ナナリー『キシさんを粛清しなければなりませんね』

 

カレン『でもナナリーは立て、、え?』

 

ナナリー『粛清の為なら私も行きますから』

 

C.C(E.Eめ、、あたりにギアスをばら撒いたな。処理するのは私だぞ、、)

 

ナナリー『私もギアスを手に入れたんです〜。”希望で奮い立たせる”ギアスを〜』

 

カレン『ナナリーも立てたなら、、行くしかない!待ってろキシ!』

 

ナナリー『ええ。行きましょう。カレンさん』

 

C.C『それじゃあ行くぞ』

 

異空間へのゲートが開く。そして不運にも、、、

 

ルル『帰ったぞ。ナナ、、⁈』

 

C.C『あ、、ルルーシュも来い。いや来るんだ』

 

ルル『ま、待てC.C!うお⁈』

 

四人とも吸い込まれゲートは閉じる。

 

スザク『ルルーシュ!扇さんがこれからの経済について経済戦略を、、っていない?どこ行ったんだろ?』

 

ーエリア11ー

 

キシ『っ!この気配は、、』

 

オーキス『どうした?何かあったか?』

 

ナヴィス『カツ丼で腹壊したか?』

 

E.E『人が懸命に思い出して作ったご飯で腹壊さないでよ』

 

キシ『いや違う、、こいつはヤバイ、、来る!』

 

オーキス『はあ?何が来るんだよ』

 

ドササササ

 

ナヴィス『誰だ!』

 

銃を構えたナヴィス。しかし構えた先には、、、

 

カレン『痛ー!』

 

ナナリー『雑すぎます!』

 

C.C『私は無傷だが?』

 

ルル『それはお前が俺をクッションにしてるからだ、、、』

 

C.C『男だろ?しっかりしてくれないと困る』

 

ナナリー『キシさん!』

 

キシ『ナナリー!』

 

2人が抱きつこうとした瞬間、ナナリーだけが背後に周り腕で十字固めに首を絞め始めた。

 

ナナリー『誰と浮気したんですかねぇ?白状して下さい?』ギリギリ

 

キシ『分かっ、、ギブギブ!首が、、!息が、、!』

 

カレン『キシ?』

 

キシ『カレン!ナナリーを止めて、、』

 

カレン『歯ぁ食いしばりなさい?』ニコ

 

キシ『え?待って待って!』

 

カレン『昇竜拳!』

 

キシ『ゴフゥ⁈』

 

ルル『これは一体、、、俺達の住んでいた日本が廃墟に⁈』

 

C.C『ここは時間系列が違う異世界だ。キシが交渉し、連れて来られたもう一つの世界、、それがここだ。明日あたりにお前は黒の騎士団を発表するだろ』

 

ルル『もう一つの世界だと、、』

 

E.E『やあC.C。こっちのC.Cとは違うけど』

 

C.C『E.E、ギアスをばら撒くのはやめてくれ。処理するのは私だぞ』

 

E.E『まあまあ。ナナリーだって立てるようになったんだからいいじゃない』

 

オーキス『あ!お前あの時の、、』

 

ナヴィス『クロヴィス殺った奴!』

 

ルル『、、、、、』

 

『『よくやった!』』

 

ルル『、、は?』

 

オーキス『捨て駒扱いする嫌な奴だから良かった良かった!』

 

ナヴィス『よくもまあ裏ナイトオブラウンズを馬鹿にしてくれたからな。天罰だ天罰』

 

ルル『ま、待ってくれ!俺はこの世界の人間じゃない!俺は時系列が先の方から来た俺でこっちの俺はまだ黒の騎士団すら発表してないはず、、』

 

E.E『つまりだ。キシ君や今ここにきた彼らは別の世界から来た異端者という訳』

 

ナヴィス『なら未来を知ってるはずだろ⁈教えてくれ!』

 

E.E『ルルーシュ君。教えたところで無駄だよ。ナヴィス。この世界と別の世界、、未来はまるで違うんだ。その過程もね。所々同じ箇所はあるけど』

 

ルル『キョウト、、黒の騎士団か。懐かしい言葉ばかりだ』

 

カレン『さあ後96回!煩悩取り出すまでやめないからね!』

 

キシ『108回やるつもりか⁈やめろ!』

 

ナナリー『元をたどればキシさんですよ?私という正妻がいながらユフィさんをたぶらかした罪、、、そしてカレンさんをも口説いたその罪は私とカレンさんが粛清いたしますので』

 

キシ『ご、ごめんナナリー!』

 

カレン『とりゃあ!』

 

キシ『ドゥワ!』

 

カレン『95回!』

 

C.C『穏やかだな』

 

E.E『これを穏やかというの⁈』

 

数時間後

 

キシ『いや、、もうマジ反省してます。はい』

 

カレン『全く、、』

 

ナナリー『別世界とは言ってもユフィさんをたぶらかしてはいけませんよ?』

 

キシ『はい、、』

 

ルル『君の名前は?』

 

オーキス『俺はオーキスだ』

 

ルル『オーキス。良く聞いてくれ。もしかしたら違う未来かもしれない。でも頼みたい』

 

オーキス『なんだ。言ってみろ』

 

ルル『俺のミスでユフィは死にかけた、、こちらでもやってしまうかもしれない、、頼む。ユフィを、、助けてくれ』

 

オーキス『了解だ。しばらくはこちらの世界のお前を監視しておこう』

 

ルル『助かる、、』

 

カレン『もう帰るの?C.C』

 

C.C『いや。まだ帰らない。白兜を見に行きたい』

 

ルル『ランスロットをか?俺達の世界でもランスロットは幾らでも見てるだろ』

 

キシ『3世代前のナイトメアをみて何が楽しいんだ?』

 

C.C『キシ、お前はアレは上手いのに何故鈍感なのか分からないな。私はランスロットだけを見に行く訳じゃない』

 

ナヴィス『まさか、、E.Eとの契約内容の戦いを見たいとか言わないでくれよ?』

 

C.C『勘がいいな。その通りだ』

 

ルル『C.Cの計算があっていれば俺は明日修学旅行に行く頃のはず。キョウトへ向かう』

 

カレン『キョウト、、、か。紅蓮弐式の生まれ故郷、、』

 

E.E『ルルーシュ。協力して貰うよ。色々とね』

 

ルル『分かった』

 

ー翌日5月4日 エリア11ー

 

オーキス『ゴットフリートはよし。フェデルマもよし。幻月もよし。あとはタンデム複座式が幻月とゴットフリートしかいないから新しいナイトメアが欲しい所だ』

 

E.E『幾つか出すよ。多分ナナリーとキシは一緒に乗るはずだから、、カレンとC.Cとルルーシュだね』

 

ルル『蜃気楼があればな、、、』

 

E.E『アクエリオンいれば大丈夫かな?』

 

カレン『アクエリオン?』

 

E.E『詳細はC.Cに聞きながらやって』

 

E.Eは巨大なアクエリオンを想像する。すると赤い光からソーラーアクエリオンがでてきた。

 

カレン『これが、、アクエリオン』

 

ルル『想像以上にでかいな』

 

E.E『これで空にいればまずバレない。もし介入したいなら、、まあその時はその時だよ。頑張って』

 

キシ『いいかぁ!これから向かうのはキョウト!あの老人がいる場所だ!おやつは300円まで!』

 

ナヴィス『先生!バナナはおやつに入りますか⁈』

 

キシ『入らない!』

 

オーキス『茶番終わったか?そろそろ行くぞ』

 

それぞれが機体に乗り込んでオーキスを先頭に光学迷彩を発動。キョウトへと向かった。

 

ーキョウト行き列車内ー

 

シャーリー『私、トウキョウ租界を出るの初めてなんですよー』

 

ミレイ『ルルーシュも来れれば良かったのにねぇ?』

 

シャーリー『うう、、』

 

ミレイ『良いではないか!今夜は語りかわそうぞ〜』

 

ーキョウト付近 上空ー

 

カレン『キョウト、、懐かしい景色だな、、あんまり思い出したくはないけど』

 

C.C『このアクエリオンとやらは凄いな。色々と』

 

ルル『ああ。居住性も高い。これを貰っていけたらありがたいんだがな、、』

 

E.E『そんなの邪魔だからあげるよ』

 

ルル『いいのか?』

 

キシ『E.Eちゃんがいいって言ってるんだから貰いなよ。ルルーシュ』

 

ナナリー『キシさん!』

 

キシ『おっとすまない。通信を切るぞ』

 

ナヴィス『オーキス。無線供給は成功しているのか?』

 

オーキス『心配するな。今実際に供給しながら飛んでるんだからな』

 

ナヴィス『おお、、エナジーフィラーが減らないと思ったらそれのせいか』

 

ルル(ここから先はキョウト、、さて。こちらでは何が起こるのか、、不安しかないな)

 

続く



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黒の騎士団 発足

かなり話が飛んでないかって?アッシュフォードなんて軽くしか書けないよ!


ーキョウト上空ー

 

キシ『ナナリー。アレがキョウト。まだブリタニアの支配が及んでる頃だよ』

 

ナナリー『綺麗、、でも物騒な街ですね。ナイトメアがウヨウヨしてます』

 

キシ(ここでまたテロが起きるのか、、あまり起きて欲しくないな。ナナリーを危険にさらすわけには行かない)

 

オーキス『こちらゴットフリート。面倒な奴がいるぞ』

 

ルル『紫のナイトメア、、指揮官タイプだな。コーネリアがいる可能性が高い。各機は光学迷彩でもバレないよう気をつけろ』

 

オーキス『了解』

 

ナヴィス『了解です』

 

キシ『はいよ』

 

C.C『ルルーシュ。特派のトレーラーだ』

 

ルル『おそらくランスロット、、あの時リニア砲を破壊したのはスザクだったな、、』

 

カレン『ルルーシュ?』

 

ルル(別の世界だが、、あの時の借りを返すか)

 

隊列を乱さず進行するオーキス達。しばらく進むとあのホテルが現れた。

 

カレン『黒の騎士団発足の地、、』

 

ルル『ホテルジャック事件、、だな。まだあの時キシは騎士団にはいなかったな、、』

 

E.E『丁度いい着陸地点を見つけた!一時的に下に降りよう』

 

キシ『悪くないかもな。ブリタニアの日本大使として働いて疲れたナナリーにもいい息抜きになるだろう』

 

ー着陸地点ー

 

E.E『んーっ!疲れたぁ!』

 

ナヴィス『肩が凝るな、、』

 

オーキス『座席にマッサージ機能でもつけるか?』

 

ナヴィス『良さそうだが遠慮する』

 

カレン『光学迷彩がなかったら見つかってる所だね』

 

キシ『ナナリー、いつの間に立てるようになったんだ?』

 

ナナリー『キシさんにE.Eさんが交渉してたでしょ?E.Eさんの帰り際に貰ったの。希望の力を発揮するギアスをね』

 

C.C『ナナリーも面白いギアスを持っているな。希望を元に使うとは』

 

ナナリー『私の好きな言葉は希望ですから。願いもです』

 

E.E『あれからかなり飛んだからお昼過ぎだよ?お腹減ったー』

 

オーキス『お前のギアスでまた出せばいいだろ』

 

E.E『私のギアスの代償はエネルギーの大量使用。食べれば治るけどアクエリオンを出した時点でエネルギーは空っぽ。何も出せないし』

 

キシ『カツ丼でも消費したか』

 

オーキス『なら仕方ない。多分まだ俺の口座に金があったはず』

 

ナヴィス『いくらぐらいだ?強制起用とは言え給金は同じくらいのはずだ』

 

オーキス『あんまり使った事なかったからなぁ。寮使っていたから給金は減らないし、、あってれば多分200万くらいあるかな』

 

E.E『ふーん』

 

オーキス『だがなぁ、、俺は死んだ事になってるしあれから記録を抹消したから国に取られてなきゃいいんだが』

 

ー銀行ー

 

E.E『本当にあるの?』

 

ナヴィス『バンクカードを持っていれば後は指紋認証で出来るはずだ』

 

オーキス『バンクカードならG1ベースで発行して来た。ないかなぁ、、ん?あったわ』

 

E.E『いくら?』

 

オーキス『合計すると、、ざっくり900万はあるな』

 

キシ『スゲェな』

 

ルル『ブリタニアの給料は下っ端の騎士でもかなりの額が入るからな』

 

オーキス『更に公式には退職扱いされてる。10年以上音沙汰がなければ回収されるのがオチだな』

 

C.C『今使って足はつかないのか?』

 

オーキス『んな大した監視力がある訳ないだろ。使っても問題ないさ』

 

ルル『俺も死亡扱いでもそのまま入れたレベルの甘さだからな』

 

カレン『ねぇキシ、、まずい』

 

キシ『どうした?カレン』

 

カレン『シャーリーが来た!』

 

ルル『!!!』

 

C.C『異世界を知られては困る。早めに退散するとしよう』

 

ー銀行前ー

 

シャーリー『あれ?ルルーシュ?カレン?』

 

ミレイ『どしたの?シャーリー』

 

シャーリー『あれぇ?気の所為かな、、、』

 

ミレイ『さ!早くホテルに向かうぞー!』

 

ーファミレスー

 

カレン『案外この時間帯空いてるもんなのね』ズズ

 

C.C『2時は超えてるしな』

 

ルル『さて、、これからどうする?』

 

E.E『多分黒の騎士団発足はあってるはずなんだ。テロの決行日もルルーシュとC.Cの情報があってれば今日の夜。テロを止めるか否か、、』

 

オーキス『なあE.E。テロが襲う場所は?』

 

E.E『キョウトでも大きな存在感をアピールしてるあのホテルだよ。高性能らしいけど逆手に取られたらアウトだね』

 

ルル『E.E。別の世界だがスザクに借りを返したい。ゼロとして、、ランスロットの代わりに行きたい』

 

E.E『気にはしないけどリニア砲の威力は並のナイトメアなら壊滅。アクエリオンなら耐えらるかもしれないけどゼロが2人いるとは思われないでね』

 

C.C『作戦決行だな。アクエリオンで地下のリニア砲を壊滅させる』

 

カレン『でもアクエリオンの使い方はまだ分からないんじゃ、、』

 

C.C『私が機体内で説明しよう』

 

キシ『で、その間俺達はどうする?』

 

ナナリー『私達も行った方が良いのではないのですか?』

 

ナヴィス『上空から上がって白兵戦、、っていうのもナナリーが危ないしキシは良いかもしれんが』

 

オーキス『待つしかないな』

 

キシ『だが俺の幻月は絶対領域を出せる。リニア砲からの砲弾を受け止めつつ接近するのが可能になるはず』

 

E.E『じゃあそれで行こう。ナナリーは?』

 

ナナリー『キシさんと一緒なら何処へでも!』

 

E.E『決定だね』

 

店員『ギガステーキお待たせしましたー!』

 

ナヴィス『でけぇ、、』

 

E.E『これだけ食べないとやってけないからさ!』

 

店員2『スパイシー七面鳥お待たせしましたー!』

 

オーキス『俺だな』

 

ナヴィス『七面鳥を一人で食う気か⁈正気じゃねぇ、、、』

 

店員3『オレンジケーキお待たせしましたー!』

 

ナナリー『私でーす!』

 

キシ(嗚呼、、今日も可愛い愛しのナナリー、、)

 

ナナリー『旦那様♡はいあーん♡』

 

キシ『あーん♡』

 

周囲非リア(爆破しろ!)

 

E.E『あ、その七面鳥うまそ!ちょうだい!』

 

オーキス『あ、ああ』

 

ナヴィス『空気読んでやろうぜ、、オーキス』

 

E.E『あーん♡』

 

オーキス『くっ、、恥ずかしい、、』

 

ー会計ー

 

店員5『全部で18万8560円です!』

 

E.E『結構食べたなぁ』

 

ナヴィス『それで腹が膨らまないとか、、羨ましいな』

 

E.E『女性は皆欲しい体でしょうね』

 

オーキス『おろした50万がかなり減ったな、、』

 

E.E『これでエネルギー充填完了!元の場所へ戻ろうか!』

 

ー着陸地点ー

 

E.E『ナイトメアにも入った事だし、、休もうか!』

 

オーキス『夕方には起きてくれよ』

 

ー夜9時30分 テロ発生ー

 

E.E『こんな遅い時間にやるなんてね、、流石に白昼堂々とはやらないのが当たり前かな』

 

C.C『こちらの世界のルルーシュがゼロと名乗りホテルに入るまでざっと8分。それからアクエリオンで内部に進入。リニア砲を破壊。これですぐに帰るぞ』

 

カレン『訓練は5時間くらいだけどやったし、、頑張るしかないね』

 

E.E『ゴットフリートとフェデルマは上空で監視。幻月はアクエリオンと内部から破壊』

 

ナヴィス『危険と思ったら直ぐに退避しろよ。下手に味方は失いたくない』

 

キシ『了解!』

 

E.E『キシ君。幻月にあるものを仕込んだよ。きっと役に立つと思う』

 

キシ『ありがとうな。E.Eちゃん』

 

オーキス『全員準備はいいな?』

 

E.E『これより”オペレーションメテオ”を発動する!各機配置につけ!』

 

ーホテル前ー

 

ゼロ『コーネリア。どちらを選ぶ?死んだクロヴィスか?生きているユーフェミアか?』

 

コーネリア『っ!』

 

ゼロ(お前は甘い、、いつもユーフェミアを溺愛していたからな。そこが最大の弱点だ)

 

ゼロ『助けられる!私なら!』

 

コーネリア『ふん、、やれるならやってみろゼロ』

 

パージウァル『姫様⁈』

 

コーネリア『パージウァル。奴を先に行かせれば人質処刑にラグが産まれる。その瞬間をゼロごと叩く!』

 

中継車がホテル内に入り騎士団は粘着爆弾を。ゼロは次の作戦段階に入る。

 

ーホテル上空ー

 

ルル『算段は揃った。行くぞ』

 

E.E『アクエリオンと幻月、、面白い組み合わせだね。さあ!死神達よ!奴らに目に物見せつけてやれ!』

 

C.C『まあ、、勝利の確率は高い方だがな』

 

ー特派トレーラーー

 

ロイド『了解で〜す!ランスロット出していいってさぁ♪』

 

セシル『ええ⁈』

 

ロイド『内部のリニア砲に突っ込めだってぇ〜♪』

 

セシル『それって、、ランスロットを囮に⁈』

 

スザク『ロイドさん!緊急です!』

 

ロイド『んん〜〜?どしたの〜〜?』

 

セシル『ユグドラシルドライブの圧力が、、上がりません!』

 

ロイド『おっかしいな〜。確かにここに来る前は作動したはずなんだけどなぁ』

 

??『内部からリニア砲を破壊するのだろう?私がやろう』

 

スザク『今の声は、、ゼロ⁈』

 

ルル『ランスロットの代わりに私が行こう』

 

セシル『な⁈』

 

ロイド『あーあ。行っちゃった』

 

ートンネル内部ー

 

キシ『絶対領域展開!』

 

ルル『キシの絶対領域でリニア砲からの砲弾を防御。再装填には時間がかかるはずだ。そこを狙う』

 

キシ『了解!』

 

最大戦速でリニア砲に向かう二機。

 

日兵1『来ました!リニア砲発射!』

 

ーホテル内 日本解放戦線ー

 

日兵3『またも一撃です!使えますね!雷光は!』

 

指揮『ふふ、、ブリタニアの豚共め思いしったか』

 

ートンネル内部ー

 

指揮『ま、まて!撃破出来ていない!来るぞ!撃て!撃てぇ!』

 

キシ『この絶対領域を突破出来ると思ったか⁈』

 

指揮『何かの光が接近中!なんだあの光は⁈』

 

ナナリー『この光は、、みなさんの思いが一つに、、』

 

キシ『E.Eちゃんやるねぇ、、サイコフレームを搭載するとは!』

 

ルル『キシ!たたみかけるぞ!』

 

キシ『おう!』

 

ルル『愛の力の名の元に!』

 

キシ『喰らえ、、俺達の意志を!』

 

ルル&キシ『触愛!天翔突!』

 

リニア砲は二機の拳がぶつかり爆発する。

 

ートンネル外ー

 

ロイド『うっそぉ⁈』

 

セシル『こんな事って、、!』

 

ー移動指揮車ー

 

パージウァル『なに⁈ゼロがリニア砲を破壊した⁈』

 

兵1『は!内部カメラの映像です!』

 

ギルフォード『まさか、、本当か、、』

 

ーホテル内ー

 

ゼロ『ユーフェミア皇女。解放戦線の指揮官は死んだ。無意味な戦いだと悟ったのだ』

 

ユフィ『ゼロ、、』

 

ーホテル上空ー

 

ルル『オーキス!ナヴィス!柱を破壊しろ!ホテルを1段階下ろす!』

 

オーキス&ナヴィス『了解!』

 

兵5『空中を飛翔するナイトメアが出現!』

 

コーネリア『何⁈』

 

パージウァル『あの機体はまさか、、』

 

ギルフォード『姫様!お下がり下さい!あれは恐らく裏ナイトオブラウンズ!勝てる相手ではありません!』

 

コーネリア『裏ナイトオブラウンズだと⁈何故ここにいる⁈』

 

ナヴィス『グレネード発射!』

 

放たれたグレネードはホテルを支えている柱を爆破しホテルを下ろす。アクエリオンは上空に上がりホテルを見つめる。

 

ルル『あれは、、ゼロ。この世界の俺か』

 

ゼロ『空を飛ぶナイトメアだと、、見た事がない、、奴は何者だ⁈』

 

ドォン

 

ホテルが爆発し更に崩壊する。

 

スザク『ランスロットはまだなんですか⁈』

 

ロイド『無理だ!圧力とエネルギーが上がらない!予備エナジーフィラーも作動しない!』

 

ホテルの爆発の後人質は救助されていた。

 

ゼロ『人質は全員救助した。皆様の元へお返ししよう、、、』

 

コーネリア『ゼロめ、、裏を返せば我々が手を出せば人質に逆戻りという事だろう!』

 

ゼロ『我々は、、黒の騎士団!』

 

ロイド『テロリストがナイトを名乗るなんて皮肉だねぇ』

 

続く

 



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本当の姿

そう、、こいつらは最強だったのさ。
コラボ第6話!ちょっとシリアスかな?


ーキョウト地下ー

 

ルル『E.E。この研究所に何か用があるのか?ここは紅蓮弐式の開発元だが』

 

E.E『アイツには貸しがあるからね。武器と人員をもらいに来た』

 

キシ『武器と人員?』

 

??『おお、、来ましたか。E.E殿』

 

E.E『あの時の貸しは返して貰うよ?キョウトのじっちゃん』

 

??2『まさか其方から来るとは、、まあいい。紅蓮参式なら出来ている。持っていけ』

 

E.E『悪いねぇ。ま、紅蓮弐式の最新フレームとシステムの提供は私だから5割方製作は私だけど』

 

ルル『紅蓮、、参式?』

 

E.E『紅蓮弐式の最新フレーム。輻射波動の連続使用を可能とし輻射波動とバレそうな腕は通常の形になったのさ』バササ

 

埃除けマントから出されたのは紅蓮シリーズとは思えないナイトメア。ゴツい腕は無くなり近接に特化した形になっていた。

 

キシ『こいつが、、紅蓮シリーズ?まるで違うモノになっちまったな』

 

E.E『それでも威力や機動力、戦略性は十分にあるのが参式。人型に近くなってバイクタイプのコックピットが全天になったから後ろからの対処もバッチリだよ』

 

キシ『そういやなんでここの事をキョウトって呼ぶんだ?』

 

E.E『ここを支配している内部の反乱軍援助組織の名前がキョウトだからだよ』

 

キシ『変な感覚だな、、』

 

??『E.Eさん!』

 

E.E『タキセ⁈生きていたのか⁈』

 

タキセ『ええ。あの爆発時には死にかけましたがね』

 

ナヴィス『タキセ?タキセって言やあ、、1stKMFシリーズからあらゆるナイトメアフレームの開発に携わって来た日本人の?』

 

タキセ『そう。俺が軍用機や民間用KMFの製造と設計、販売を行う総元締めだ』

 

E.E『彼がいなきゃ多分ナイトメアはなかったろうね』

 

タキセ『あのエリア11での戦闘はある意味俺を消す為の工作だ。俺さえいなくなれば日本KMFは無くなりブリタニアの科学者のみで改良を重ねて新世代機を製作出来るからね』

 

オーキス『じゃあ、、ゴットフリートを開発したのも?』

 

タキセ『俺だ。シュナイゼル専用機と注文が来たからな。ま、サクラダイトを使用しない機体なんて初めてだがね』

 

オーキス『つまりゴットフリートは、、、元からサクラダイトを使わずに作られたのか?』

 

タキセ『そうそう。E.Eさんに出会った頃には完成していたし、、強奪してからは自由に改造していいって言ったしねぇ』

 

E.E『ま、あの機体に使われてたエナジーウィングはGNドライヴの邪魔だから捨てたけど』

 

タキセ『ファっ⁈俺の力作を捨てたの⁈あれがあればナイトメアは飛んで戦闘できるのに⁈』

 

ルル(この世界ではすでにエナジーウィングが開発されていたのか、、、)

 

ナヴィス『待て!飛んで戦闘できると言ったな?俺のフェデルマにも使えるのか?』

 

タキセ『うーん、、使えるかどうかは機体を見ないとなぁ、、とりあえず皆に言いたい事があるんだ。俺は狙われる可能性がある。だから紅蓮参式と共に君達と行動する!』

 

オーキス『それが目的でここに来たのか。整備員兼開発者、、世話になりそうだ』

 

タキセ『君がオーキスか、、E.Eさんもまた面白い人材を取ってきたもんだな』

 

ナヴィス『面白い人材?』

 

タキセ『そうか、、ナヴィス君もいたんだっけ』

 

ナヴィス『?』

 

タキセ『君達にはまず言わなきゃならない事がある』

 

E.E『タキセ?』

 

タキセ『ナヴィス。オーキス。君達は確かに日本とブリタニアのハーフだ。だが本当のことを言おう。君達は、、キョウト、ブリタニアを超える軍事力を所持していたシンフォニー家の子孫の1人だ。オーキスはその強大な軍事力を所持していた一族。ナヴィスは一言で世界を変えてしまうような政治的発言力と権力を持っていた一族。今もシンフォニー家といえばブリタニアや日本が勧誘してもおかしくないだろうな。つまり君達は遠からずも親戚って訳だ』

 

オーキス『だが名前は変わっているんだぞ。その辺りはどう説明するつもりだ?』

 

タキセ『ブリタニアと日本の戦争が始まってからシンフォニー家は強大な軍事力と権力を戦争に利用されないように隠したんだ。名前を変えてまでね』

 

ナヴィス『ならなんでオーキスは弟達を殺されたんだ⁈シンフォニー家ならブリタニアにとっても保護するべき人材じゃ⁈その軍事力さえあれば日本なんて簡単に制圧出来るだろう⁈』

 

タキセ『恐らくナヴィスの名前は伝わっていたがオーキスの名前は伝わってなかったんだろうな。シンフォニー家は世界各国に散らばり日本にいるのは二人だけ、、しかも名前も分からないとなるとグラウンドから砂にまみれた米粒2つ見つけろと言うようなもんだ』

 

オーキス『それだけ話されてもはいそうですかと納得出来ないな』

 

タキセ『なら見るか?この写真を』

 

ナヴィス『なんだよこれ』

 

タキセ『KMFを開発した俺が一番最初に販売したのはシンフォニー家だ』

 

オーキス『これって、、、』

 

タキセ『気づいたな。そうだ。俺の左隣で握手している人物、、それがお前の父親だ』

 

ナヴィス『本当にオーキスはシンフォニー家の軍事力専門一族だった訳か、、、』

 

タキセ『で、俺の右でワインを飲んでいるのがナヴィスの父親だな』

 

E.E『まさか2人は親戚関係で日本やブリタニアを脅かすほどの力を所持していたなんて、、、』

 

キシ『初耳ってレベルじゃねぇな』

 

C.C『それにしても欲がない家系だな。シンフォニー家は』

 

E.E『確かに、、戦争に利用された方が金は入るし儲かるはずじゃないの?』

 

タキセ『元々シンフォニー家は傭兵部隊を斡旋するボスみたいなものだったんだけど救助隊とか災害派遣隊とか新薬開発会社とかの医療、福祉関係に首を突っ込んだらもっと巨大な組織になったらしいよ。だからそっちの方でも収入源はあるし傭兵部隊はそれで賄える金額位でやりくりしてるから問題無いみたいだ』

 

オーキス『傭兵部隊はまだ組織されてるって事は、、』

 

タキセ『俺はまだシンフォニー家にKMFを供給してるよ。世話になった時もあるしサザーランドとかよりも上位の機体を供給してるけど』

 

キシ『サザーランドよりも上位の機体?』

 

タキセ『なんといえばいい、、そうだ!あのブリタニアのランスロットとか言う奴いるだろ?アイツの数百倍のスペックを持つ機体を渡してるね』

 

ルル『この時のランスロットの数百倍のスペックだと⁈』

 

タキセ『名前は”蒼炎”。常人でも一人一人が本来の潜在能力を最大限引き出せるようになってるのさ。今あるけど乗る?』

 

オーキス『なんであるんだ、、』

 

タキセ『紅蓮参式が出来てなかったらこいつで来るつもりだったからね』

 

ルルーシュは蒼炎に乗り込む。

 

ルル『これは、、!』

 

C.C『どうした?』

 

ルル『自分で触っているかのような感覚だ、、銃も脚も腕もだ』

 

タキセ『こいつはランスロットよりちょいコストが高い。だがシンフォニー家の財力からすれば大した額じゃないだろうな』

 

ナヴィス『すっげ、、、』

 

続く



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誕生日プレゼント

昨日は更新出来なくてすいません!rainさん!キシさんは終盤までお借りします!


タキセ『ああ、、言い忘れてた。オーキス。君の親父さんからビデオメッセージだ』

 

オーキス『ビデオメッセージ?』

 

ービデオメッセージー

 

??『私は、、シンフォニー家軍事力専門一族のライン・テイル、、いやライン・シンフォニーだ。ナヴィス。オーキス。君達が生きていると信じている。まずナヴィス。君の親父さんは生きている。安心してくれ。オーキス、、すまない。帰れそうにない。こちらで面倒事が起きてね。5.6年は帰れないだろう、、。タキセ君。彼らを頼む。まだ子供だ。万一の事があったら、、私はどうなるか分からない。明日ある身と断言は出来ない。オーキス。お前に誕生日プレゼントだ。タキセから受け取ってくれ。ナヴィス君。これを何時見ているかは分からないが、、親父さんはルフェン共和国にいる。会ってやってくれ』

 

ービデオメッセージ終了ー

 

タキセ『ビデオは俺も渡そうとした。だがナヴィスの居場所も分からずオーキスに至っては既に惨殺されたと聞いていた、、だが今見せられて良かった、、』

 

オーキス『なあ、、待てよ。俺が子供の頃からたしかに親父はいなかった。いつも母親に仕事でいつ帰れるか分からないと聞いていた、、いつ渡された?』

 

タキセ『、、、18年前だ、、』

 

ナヴィス『オーキス、、』

 

オーキス『はは、、あのクソ親父め、、責任とれよ、、あいつらだって見たかった筈なんだからよぉ、、あんたの顔、、』

 

キシ『、、、、』

 

オーキス『タキセ、、誕生日プレゼントってのは?』

 

タキセ『これだ、、』

 

オーキス『キー?』

 

タキセ『何のキーかは分からない。一体どこに使うのか、、』

 

オーキス『紙?』パサ

 

タキセ『キーの飾りから紙?』

 

その紙には戦争の真実が書かれていた。シャルル皇帝の陰謀、、シュナイゼルの計画、、果てはギアスについての研究まで書いてある。そして息子達への謝罪の言葉。

 

オーキス『こんな紙切れの為に、、』

 

タキセ『オーキス?』

 

オーキス『皆。行くぞ』

 

ナヴィス『行くってどこに行く気だよ⁈』

 

オーキス『俺の親父は戦前から真相を知っていた。だから殺された可能性がある。俺は、、親父の意志を受け継ぐ』

 

ルル『オーキス、、、』

 

オーキス『皇帝一人の陰謀の為にまた犠牲者を出す訳には行かない。その為に親父が残した切り札がある』

 

E.E『切り札?』

 

オーキス『親父が俺に残した切り札。それは、、』

 

キシ『それは、、⁈』

 

オーキス『地上宇宙兼用型最終戦略兵器!通称”スカアハ”!』

 

カレン『スカアハってケルト神話に登場するあのスカアハ?』

 

C.C『神話によれば7つの城壁に囲まれた影の国の女王だな。最強と呼ばれた槍ゲイ・ホルグを扱うクー・フーリンの師匠、、、』

 

タキセ『それがある場所は?』

 

オーキス『親父の紙切れ通りならばあるのは宇宙だ』

 

タキセ『宇宙⁈』

 

オーキス『シンフォニー家が所持している星、、火星にある』

 

『『『火星⁈』』』

 

ナヴィス『シンフォニー家が星すら掌握していたのか、、⁈』

 

タキセ『まずは宇宙に行かないとな、、だが行けるのは多分密閉構造の蒼炎、ゴットフリート、紅蓮参式とそこにある謎の行けそうなナイトメアだな』

 

E.E『ナイトメアじゃない!アクエリオン!確かに宇宙行けるけど!』

 

タキセ『お、おう、、』

 

キシ『俺のも一応行けるんだが』

 

タキセ『じゃあそれで、、』

 

ナヴィス『待て待て待て。俺だけ留守番かよ⁈』

 

タキセ『蒼炎使えばいいだろ?俺は参式を使うからな』

 

ナヴィス『良かった、、、だがフェデルマは?』

 

オーキス『無人操縦で連れて行くしかないな。ゴットフリートに任せろ』

 

ナヴィス『助かる』

 

ゴットフリート、アクエリオン、幻月、蒼炎、紅蓮参式、フェデルマは地下から地上に繋がる搬入口を通り上空に上がる。

 

ーキョウト上空ー

 

タキセ『だが、、本当にあるのか?』

 

オーキス『会った事ない親父でも、、一度だけ信じてみたい』

 

E.E『会わぬ父への信用、、か』

 

ルル『だがもしあったとしたら、、大変な戦力になるぞ』

 

カレン『私達の艦を超えるモノだったとしたら、、危険な代物ね』

 

夜のキョウトには6機の光が宇宙に向かって行った。

 

ー宇宙ー

 

タキセ『始めてだぜ、、宇宙に出るのは、、』

 

オーキス『こんな感じなんだな。だが火星なんてすぐ見つかる訳、、』

 

キシ『俺の幻月は一定だが地図がある』

 

ナヴィス『ナイスキシ!で、なんで小声?』

 

キシ『ナナリーは寝ているからな、、、』

 

E.E『その戦略兵器ってのはナイトメアが使うのかな?』

 

C.C『さあ、、見たこともない兵器など誰にも分かるまい』

 

キシ『火星の周期と世界の時刻を合わせた。これで見つかるはず、、』

 

ルル『あれじゃないか?』

 

キシ『意外とあっさり見つけたな、、』

 

ナヴィス『火星に入るぞ』

 

ー火星ー

 

ナヴィス『テレビで見たままの光景だな、、』

 

ルル『岩石だらけの惑星か、、見つかるのか?』

 

タキセ『神のみぞ知るって事か、、』

 

数十分後

 

ナヴィス『見つかんねーじゃん!やっぱないんだよ』

 

タキセ『こればっかりは仕方ない。帰るか、、』

 

オーキス『親父、、、』ピルン

 

キーが急に光りだした。

 

オーキス『え?』

 

”シンフォニー家の了承を確認。ドック上昇”

 

オーキス達の足元が盛り上がり基地が出てくる。

 

タキセ『おいおい、、まじかよ』

 

ルル『宇宙に基地があるとは、、』

 

オーキス『キーがあれば入れるみたいだ。入ってみよう』

 

ー基地内ー

 

タキセ『酸素供給システムか、、』

 

C.C『宇宙じゃ当たり前だろう』

 

オーキス『戦略兵器、、どこにあるんだ?』

 

ナヴィス『なあ。こっちに武器庫があるみたいだが?』

 

オーキス『行ってみるか』

 

ー武器庫ー

 

ナヴィス『まあ、、所詮は人間用だよな、、』

 

オーキス『銃ばっかりでナイトメアの武器なんざ一つもないな』

 

E.E『なんかさ、、目を奪われるようなもんがあるんだけど』

 

オーキス『”押すな!”って書いてあるな』

 

ナナリー『ポチっとな♪』

 

『『⁈』』

 

ナナリーがボタンを押した瞬間、武器庫の巨大ドアが開いた。

 

ナナリー『こっちに何かあるかもしれません!行って見ましょう!』

 

キシ『楽しんでる、、、』

 

ー謎の部屋ー

 

タキセ『待て待て、、、なんだコイツぁ、、』

 

ナヴィス『デケェ、、』

 

オーキス『こいつかもな。スカアハだ』

 

スカアハ。そう呼ばれた戦艦は静かに佇んでいる。しかしその大きさはかのアヴァロンや黒の騎士団の戦艦を遥かに凌ぐ大きさだ。

 

オーキス『昇降口がある。キーは、、ここか?』カチッ ピー

 

昇降口が開き電気がついた。

 

ー戦艦スカアハー

 

タキセ『ナイトメアが大量に積めそうなハンガーに整備室、、、攻撃システムはわからないがこれはまた、、』

 

ルル『バケモノだ、、』

 

E.E『シンフォニー家、、侮れないね』

 

オーキス『親父、、ありがとう、、』

 

司令席にゆっくりと座るオーキス。すると自動的に起動し始めた。

 

”スカアハ・・・・スタート!”

 

モニターが全てついてレーダシステムや専用モニターが座席から起き上がり異常警告システムも起動する。

 

ナヴィス『シンフォニー家の財力、、半端ねぇな』

 

タキセ『とりあえずナイトメアは全機入れておいた。スカアハはまだどういう兵器か分からない。マニュアルみたいのはあるか?』

 

オーキス『電子マニュアルならあるが』

 

タキセ『見せてくれ』

 

巨大モニターに表示されたスカアハの全てはタキセですら解明出来ない科学が使われていた。

 

タキセ『なんだよこれ、、こんなのが可能なのか⁈』

 

オーキス『どうした?』

 

タキセ『兵装は強大なエネルギーを消費するはずのモノだが、、兎に角まず言えるのは俺の技術力ですら分からない事だらけだ、、』

 

ナヴィス『この艦は誰が何のために開発したんだ、、?』

 

オーキス『少なくとも俺達が生まれる前に製作されてた可能性はあるな』

 

E.E『このスカアハは飛べるの?』

 

オーキス『さあ、、やってみない事にはな』

 

キシ『スカアハを使おう。オーキスの親父さんが残した最後の希望、、今使わないでいつ使うのか?』

 

オーキス『そうだな、、』

 

タキセ『そうとなったら行くしかないよな!』

 

オーキス『スカアハ起動!エンジンシステム異常なし!兵装システム異常なし!外殻隔壁閉鎖!オールグリーン!スカアハ、、出撃!』

 

”了解。スカアハ出撃”

 

固定していたロックが外れ整備クレーンが横に移動する。ハッチが開き吹き荒れる熱風がスカアハの周りを舞う。

 

タキセ『マジで飛べるのか、、⁈』

 

オーキス『最終安全鎖爆破!ナヴィス!舵を取ってくれ!』

 

ナヴィス『舵、、これか!』

 

オーキス『指示上昇角度32度!』

 

ナヴィス『スカアハ上昇!』

 

スカアハが基地から出ると基地は再び地下に潜り込む。

 

オーキス『巨大なデブリがあるな、、』

 

ナヴィス『迎撃するか』

 

タキセ『兵装はこれで選べるんだな』

 

オーキス『タキセ。頼んだ』

 

タキセ『了解!』

 

オーキス『針路は維持!前進減速!』

 

ナヴィス『前進減速!針路維持!』

 

タキセ『兵装は、、これでいいな。主砲”アーベント・スピアー”』

 

オーキス『アーベント・スピアー発射用意!』

 

タキセ『発射準備完了!』

 

オーキス『主砲発射!』

 

デブリは閃光に飲み込まれ消滅。その先のデブリも消滅してしまった。

 

タキセ『主砲の威力が尋常じゃねぇぞ、、ありえない、、!』

 

ルル『これをマトモに食らったらお陀仏だな、、』

 

オーキス『感心してる場合か!弾幕張れ!高密集デブリ地帯が広がってるぞ!』

 

タキセ『高密集には高密集を!局所障壁展開!』

 

E.E『高密集デブリをモノともしないバリア、、ありえない兵器ばかりだ、、』

 

カレン『私達の世界にはなかったモノ、、でも無くて良かったのかも』

 

オーキス『目的地は地球!最大戦速!』

 

ナヴィス『最大戦速!』

 

オーキス『ステルスシステム始動完了。光学迷彩、、完了』

 

キシ『で、まずはどうする気だ?』

 

E.E『多分事件は終わって今は何も起きてないはず、、エリア11に忘れ物を取りに行こ!』

 

ナヴィス『あの応急パーツの山を片付けに行くのか』

 

キシ『9割方フェデルマの応急パーツだったが、、、』

 

タキセ『応急パーツ?』

 

ナヴィス『俺は元裏ナイトオブラウンズ。あのサザーランド強制改修型の機体に乗ってた生き残り』

 

タキセ『裏ナイトオブラウンズは聞いた事あるが、、サザーランド強制改修型?』

 

ナヴィス『あれ、、知らないのか』

 

タキセ『見せてくれないか?どんな感じか見てみたい』

 

ナヴィス『分かった』

 

ースカアハ内 ハンガーー

 

タキセ『中身はまあまあだな』

 

ナヴィス『オーキスが中身を一式変えてくれたんだ。昔はもっと酷かった』

 

タキセ『例えば?』

 

ナヴィス『機動部隊の訓練中にローラブレードのエネルギー供給が切れたり急に動かなくなったり、、最悪爆発したり、、』

 

タキセ『爆発⁈』

 

ナヴィス『外見は立派だが中身は品質が悪い中古品で製造されたナイトメアだからな』

 

タキセ『ハリボテだな』

 

ナヴィス『仲間内での名前が”ダンボールで出来た馬”』

 

タキセ『そりゃひでぇな』ケラケラ

 

続く!



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帰る味方とスカウト

最近は中々大変です、、、コラボはある意味終わり!ここからはrainさんのキャラクターが本格的に此方の味方となります!


ースカアハ 操縦室ー

 

オーキス『全員に告ぐ。間も無く大気圏突入する。各自座席に着け』

 

スカアハの冷却システムや外壁の操作が行われ完全に大気圏突入を開始した。

 

ナナリー『あまり揺れませんね、、キャアっ⁈』

 

キシ『危ない!』ガシ

 

E.E『地球は青かった!、、てか』

 

ー大気圏突入完了ー

 

ルル『エリア11か、、仮拠点の近くだな』

 

オーキス『スカアハは巨大すぎて降下出来ない。すまないが誰か持って来てくれ』

 

ナヴィス『俺が行こう』

 

オーキス『お前ハンガーでやる事があったんだろ?いいよ』

 

ナヴィス『自分で取りに行く。つかよく操舵できたな』

 

オーキス『艦長席ならあらゆるシステムを完了・運用出来る。操舵なんて容易い』

 

ナヴィス『分かった。兎に角俺が取りに行く。待ってろ』

 

オーキス『あいよ』

 

ー20分後ー

 

ナヴィス『よし、、全部運び終えた。あれ?キシ達は?』

 

オーキス『居住区域だ。どんな感じか見たいらしいからな』

 

E.E『ほんと、、改めて驚いたよ。ナヴィスとオーキスが親戚。しかもあの巨大な一族のシンフォニー家とは、、』

 

オーキス『今まで通りで頼む。あまり他人行儀にされたくない』

 

ナヴィス『同じく』

 

E.E『うん、、これからもよろしく』

 

??『当主様ああああ!』

 

オーキス『ぎゃ⁈誰だ⁈』

 

??『驚かしてすいません!レーザー回線で話しております!』

 

ナヴィス『ビデオ通話の許可を求めてるが、、、』

 

オーキス『許可っと、、』ピ

 

??『当主様!初めまして!シンフォニー家精鋭傭兵部隊司令の安達です!』

 

??『副司令の木月です』

 

安達『お父様は立派な方でした。それとこのレーザー回線を拾ったと言う事は、、スカアハを手に入れましたか』

 

木月『当主様の思い通りに我々は動きます。ご指示を』

 

ナヴィス『安達。フォールン家のナヴィスだ。父はいるか?』

 

安達『ナヴィス様でしたか!御安心を!我々が保護しています!』

 

オーキス『安達。今君達は何処にいる?』

 

安達『はい。シンフォニー家の発祥地兼最大の基地、、ランファ州におります!当主様のご命令とあらば今からでもKMFを駆って全部隊を連れてきます!』

 

オーキス『現在の傭兵の数は?』

 

木月『ざっと18万人います。支部も含めてですが』

 

ナヴィス『流石シンフォニー家、、』

 

オーキス『しばらく待機だ。ナイトメアの整備を怠るな。それと俺はオーキスだ。これからよろしく頼む』

 

木月『了解です』

 

安達『了解!』

 

レーザー回線が閉じた。

 

オーキス『まじか、、傭兵が支部を含めても18万人?洒落にならねーぞおい、、』

 

ルル『その人数の傭兵にあのナイトメア、、ブリタニアは一瞬で壊滅するな、、』

 

ナヴィス『あの蒼炎を使う傭兵が何人もいるんだよな?怖いもんだ、、』

 

オーキス『だが傭兵部隊の力は借りない予定だ』

 

ルル『何故だ?』

 

オーキス『レーザー回線が閉じると同時に今の傭兵の状況を伝えるデータが届いた。3分の2位が現在別の紛争地域の停戦警備に着いているそうだ。人を直ぐに動かせば混乱する。今は動かすべきではない』

 

E.E『総合的判断だね』

 

タキセ『父親譲りだな』

 

ナナリー『オーキスさんは兄様のようにチェスが上手そうですね』

 

オーキス『やった事はないがな』

 

ナヴィス『これからどうする?』

 

ルル『とりあえず俺達は戻る。キシ。お前は、、、』

 

キシ『残る。こちらの世界でも皆救わなきゃならない。例え世界が違う赤の他人でも』

 

ルル『覚えてるか?キシ』

 

キシ『ん?』

 

ルル『お前が死のうとした俺に言った言葉、、』

 

キシ『例えどんなに矛盾がはらみ続けても存在し続ける、、それが生きる事』

 

ルル『その言葉、、お前にそのまま返す。必ず帰ってこいよ』

 

ルルーシュ、C.C、カレンはそのまま帰って行く。が、、

 

ナナリー『私はキシさんと行動します!私がいないと何しでかすか分からないし、、キシさんとは離れたくはないです、、』

 

キシ『とことん信用無いのな』

 

オーキス『当たり前だろ。正妻がいたなら円満に過ごす事を第一に考えるんだな』

 

キシ『はははは、、、こりゃ女の子をデートに誘うのは難しいな』

 

ナヴィス『この状況下でもまだ言うか』

 

キシ『そこに痺れる?』

 

E.E『憧れる訳ない』

 

ナナリー『辛辣なコメントありがとうございます』

 

キシ『困ったな〜』

 

 

ナナリー『私はナヴィスさんでもいいんですよ?』

 

キシ『すんません。まじすんません』

 

オーキス『全員聞いてくれ。これからの作戦計画だ。黒の騎士団が声明を発表して以来派手な動きは今の所見られない。だが奴らも武装組織。俺達と何ら変わりはしない。おそらく此方の世界のルルーシュがいるはずだ。だが彼に接触する事は此方の存在を明かす事になる。無用な接触は気をつけろ。次に黒の騎士団や日本、ブリタニアが戦うのは多々あるはずだ。本家から傭兵部隊を回収するのもいいが、、、基本的には現地の仲間を増やす』

 

E.E『フル○ン回収みたいにすればいいんだね。分かった』

 

オーキス『誰が敵兵の腰にバルーンをつけてヘリで回収するんだ?どちらかというとスカウトだ。これからも黒の騎士団やブリタニア、日本軍に入り死にかけた奴がいるだろう。そういう奴らを回収しシンフォニー家の傭兵部隊として起用する。居住区は1500部屋あるみたいだがせいぜい50人くらいで精鋭を作る』

 

E.E『兵站の補強もスカアハ内で出来るし裏切られても少数で見つけられる、、死にかけて助けてやったのに恩を仇で返す様な奴は粛清するって訳か。いい案だね』

 

ナヴィス『だがそんな簡単に入るもんなのか?』

 

オーキス『そこはお前の力だ』

 

ナヴィス『は?』

 

オーキス『少しでもいい。ナヴィスの発言力がどれだけの影響力を保持しているのかを知らしめ俺の保持する軍事力でシンフォニー家の軍隊を強くする。まさに表裏一体の策』

 

ナヴィス『悪くない考えだな』

 

ー時は過ぎて4日後ー

 

オーキス『ブリタニア兵1、日本兵1、志願兵2か、、』

 

E.E『激戦区で死にかけた奴らをゴットフリートで回収した甲斐があればいいんだけど、、、』

 

ナヴィス『受け入れたぞ。此方に協力してくれる』

 

キシ『少しばかり脅迫したがな』

 

ースカアハ内 ミーティング室ー

 

日兵『まず日本解放戦線は派閥争いで動きはないと思います。何かしら動きがあるとすれば、、』

 

ブ兵『黒の騎士団、、か』

 

志願1『でも黒の騎士団も戦力がないはずでは?』

 

ブ兵『馬鹿。ジェレミアを操りホテルジャックを打ちのめしたテロだぞ。必ず裏がある、、』

 

オーキス『どうだ?何かしら分かったか?』

 

『『当主様!』』

 

オーキス『オーキスでいい。で、目星は何かついたか?』

 

ブ兵『大した情報もなく現在では、、』

 

志願2『ブリタニアの兵士さんよぉ。アンタが司令官なら次に何処狙う?』

 

ブ兵『俺だったらまずしらみつぶしに反乱分子の家宅捜査、、だがそれじゃ甘いな。やるんだったら本拠地を探し出すな』

 

日兵『本拠地、、!』

 

オーキス『どうした?』

 

日兵『成田連山に本拠地があります!』

 

ブ兵『だがそれでも見つかるだろう。すでに幾つかの本拠地らしき場所が挙げられていた。見つかるのは時間の問題だな。そしてブリタニアがそこを攻めるのは確実。となると、、』

 

志願1『黒の騎士団がそこを狙うのは絶対的、、!』

 

オーキス『各員第4種戦闘装備!新人達よ!お前達を見殺す気は毛頭ない。だから、、生きろ』

 

『『了解です!オーキス当主!』』



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負けないぜ!

やはりこれからが忙しくなる時期なので最悪一週間に一回更新になる可能性が有ります、、、それでもよろしくお願いします!


ー成田連山ー

 

兵1『こちらδ2。所定の位置についた。いつでも狙える』

 

兵2『δ4、所定の位置についた。現在ブリタニア軍行軍中』

 

兵3『こちらβ3。作戦展開区域に敵、障害物無し。プラン1遂行可能と判断する』

 

兵4『こちらα1。日本軍の動き無し。黒の騎士団が現在頂上付近にて武装及びナイトメアを展開中』

 

オーキス『了解。全員そこで待機。指示を待て』

 

『『了解』』

 

ー数時間前ー

 

オーキス『ナイトメアでの作戦展開はせずに行う。今回の作戦としてはブリタニア、黒の騎士団、日本軍に均等にダメージを与える事が重要だ』

 

E.E『私が製作した対KMFライフル。BMSー1374、、、これはKMFの脱出装置の厚さの鉄板を貫通可能な弾を使用する。これでブリタニア、黒の騎士団双方にダメージを与える事が出来る』

 

ナヴィス『対KMF戦では役に立つ武器だな』

 

オーキス『そして今回の装備だが、、シンフォニー精鋭軍が使用している防弾、防爆、防刃ベストを着てもらう。何処の国にもない新しい防護服だ。しっかり着てくれ』

 

ナヴィス『次は標準装備についてだ。基本は潜入だがKMFの撹乱の為にチャフグレネードを使用する事を許可する。ロケットランチャーは自動ロックオン式FM4ミサイルランチャーを使用。最大装填数は6発。携行できるミサイルは15発だ。計21発、無駄なく使え。アサルトライフルはグレネード弾付属型MDー15の使用を許可する』

 

オーキス『ここまでで質問は?』

 

ブ兵『その防護服ってのはどのくらい凄いんだ?』

 

オーキス『一応戦車の185mm滑空砲の弾なら直撃3発耐えられる』

 

日兵『す、、すげぇ、、』

 

キシ『衝撃波吸収は?』

 

オーキス『もちろん大丈夫だ。ただ爆風で吹き飛ばされたら気をつけろ』

 

志願1『今回使用する武器、作戦の目標は分かりました。では作戦の概要を話してください』

 

オーキス『シンフォニーの諜報員から成田連山にて黒の騎士団が新兵器の実験をすると情報が入った。新兵器は輻射波動搭載機だ。しかし奴らを止めなければ山の下にある民間人がどうなるか分からない。奴らが頂上付近に向かっているのも気になるしな。そこで奴らの新兵器を止めブリタニアが行軍予定の地域から垂直に土砂崩れを起こし民間人がいない方向から黒の騎士団とブリタニアの衝突を避ける。こんな感じだ』

 

キシ『土砂崩れはどうやって起こす気だ?』

 

ブ兵『俺が陥没式爆弾を設置する。ブリタニア軍が発破線を踏んだ瞬間爆発するようにすれば、、』

 

オーキス『その考えは最もだ。だが陥没式爆弾だけでは足りない。キシ。地上特化型に幻月を武器を換装する』

 

キシ『俺は気にしないぜ?』

 

オーキス『ならいいんだ。それと、、土砂崩れが起きそうなくらいの爆弾を積んでおく。爆弾を手放して起動したらスカアハに帰投してくれ。飛翔機能は換装しないからな』

 

キシ『了解』

 

ー現在ー

 

兵2『δ4よりスカアハへ。黒の騎士団より赤い塗装のKMFを発見。左腕が異常特化している。ロケット弾のような兵器を地中に埋め込んでいる』

 

タキセ『スカアハ内タキセよりδ4。その機体は輻射波動搭載機だ。左腕には衝撃緩和の為の排莢部、ロケット弾のような兵器はパイルバンカーと呼ばれ地中からおそらく土砂崩れを狙う気だ。パイルバンカーを全機設置後必ず輻射波動を発生させる。その瞬間に排莢部を撃て』

 

兵2『了解。アウト』

 

兵3『ブリタニア軍行動予測地域に陥没式爆弾を設置。接触まで3分』

 

オーキス『了解。β3はミサイルランチャーを装備。陥没したところにミサイルを撃ち込め。全弾消費後は光学迷彩でスカアハ待機地域まで待避せよ』

 

兵3『了解。アウト』

 

兵4『こちらα1。黒の騎士団に動き有り。単独行動と思われる』

 

ナヴィス『そのまま報告せよ』

 

兵4『指揮官専用KMFにより撃破。全機脱出。回収しますか?』

 

ナヴィス『回収しなくていい。プラン1を実行する。退避せよ』

 

兵4『了解』

 

ースカアハ内ハンガーー

 

キシ『ナナリーはここにいてくれ。必ず帰るから』

 

ナナリー『絶対、、絶対ですからね』

 

オーキス『キシ。幻月の整備は終わった。民間人のいない方で土砂崩れを起こせ』

 

キシ『了解、、キシシシ♪』

 

ー成田連山頂上付近ー

 

ゼロ『カレン。輻射波動を使用しろ。3番だ』

 

カレン『了解!』

 

パイルバンカーに手を添えた紅蓮弐式。輻射波動のパワーがチャージされて行く。

 

カレン『輻射波d』

 

兵2『今!』タァン

 

カレン『なっ⁈』

 

ゼロ『どうした?』

 

カレン『輻射波動の排莢部を撃たれました!内部の破損度甚大!輻射波動が使えません!』

 

ゼロ(排莢部を狙うだと、、誰だ⁈)ドォン

 

黒兵『何かが爆発したぞ!』

 

ー成田連山中腹ー

 

ブ兵1『陥没式だとぉ⁈』

 

ブ兵2『早く脱出を!』

 

シ兵3『昔は仲間だったかもしれないが、、もう腐りきった組織にいるつもりはないんだ』ドォンドォン

 

陥没式爆弾にハマったサザーランドがミサイルランチャーで撃破されて行く。

 

パーシヴァル『姫様!お気をつけ下さい!敵は陥没式爆弾でこちらを落とし一網打尽にするつもりです』

 

ギルフォード『こちらもかかってしまいました。お気をつけて』

 

コーネリア『くっ、、テロリストが、、!』

 

キシ『お姫様がこんなところで何やってんだか。戦争する暇あるなら妹守るのが仕事だろう?』

 

コーネリア『貴様、、何者だ!』

 

キシ『俺か?俺は、、軍治キシ。コーネリア。悪いが引いて貰えるか?』

 

パーシヴァル『姫様ぁ!ここは我らにお任せを!』

 

ギルフォード『先にお行き下さい!』

 

キシ『あちゃー、、計画狂ったな。どーする?』

 

オーキス『もういい。爆発させろ。後は逃げるか、、、戦うか』

 

キシ『ギルフォード君。パーシヴァル君。そこ動かない方がいいよ?』カチッ

 

巨大な爆発の後に土砂崩れが発生する。行軍していたサザーランドは全て消え残るは被害がない指揮車と一部の近衛隊だけだ。

 

パーシヴァル『貴様ァァァァ!』

 

ギルフォード『よせ!パーシヴァル!』

 

キシ『パーシヴァル、、やっぱり熱すぎて周りが見えないのかな。デッカースパナ!』

 

スパナを投げて動きを止める。

 

キシ『喰らえっ!』

 

そのスパナを頭部に埋め込み戦闘不能にしてしまった。

 

パーシヴァル『申し訳ありません!姫様!』

 

キシ『ギルフォード君も遅いよね』

 

ギルフォード『な⁈』

 

ギルフォード機も同じように頭部をスパナで破壊して動けなくなった。

 

コーネリア『やる様だな、、、』

 

キシ『これでもまだ戦う気か?仕方ない、、ジャイアント・ジャレンチ準備よし!』

 

コーネリア『来い!』

 

キシ『オラァ!』

 

巨大な岩石を投げつけるキシ。しかし当たらない。

 

コーネリア『どこを狙っている!』

 

キシ『と、思うじゃん?』

 

キシはネイルガンで岩石にコーネリアごと打ち付ける。脚稼動部などに更に撃ち込みスパナで頭部を破壊した。

 

コーネリア『くそが、、!動け!』

 

キシ『オーキス。コーネリアとその近衛兵は倒した。あとは、、』

 

オーキス『黒の騎士団だ』

 

続く!

 




オマケ

ナイトメア名 幻月ーガンレオンverー

E.E、タキセにより地上特化となった幻月。飛翔機能はそのままガンレオンの装備が追加された。


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ナナリー・ワルツ

茶番劇も少し入れていこうと思います。


ー成田連山頂上ー

 

キシ『さて。黒の騎士団を倒すか』

 

オーキス『あまり派手にやるなよ?』

 

キシ『分かってるって』

 

黒の騎士団に接近するキシ。もちろん彼らからの抵抗もある。

 

黒騎1『うおおお!』

 

キシ『邪魔だ!どけ!』ガァン

 

黒騎1『しまった!ローラーが!』

 

カレン『輻射波動がダメでも、、これなら!』

 

紅蓮弐式がナイフを持ってこちらに襲いかかる。スパナと唾競り合いになった。

 

キシ『くそ、、速さは向こうが有利か、、!ブンマースパナ!』

 

カレン『何アレ⁈スパナでヌンチャクにした⁈』

 

キシ『でやああ!』

 

カレン『まだ、、まだ読める!』

 

キシ『これでも無理か、、』

 

カレン『こっちは速いんだ!アンタみたいな重武装とは違うところを見せてやる!』

 

ナイフだけで戦うカレンに苦戦するキシ。いくら地上特化型とはいえ重武装が邪魔をして速さが売りの紅蓮には中々勝てるものではない。

 

??『キシさん!』

 

キシ『ナナリー⁈何をする気だ!』

 

ナナリー『私達の邪魔をしないで!』

 

紅蓮の砲弾から防御したナナリー。純白の羽に包まれたナイトメアはさながら天使である。

 

タキセ『キシ!お前のナイトメアじゃ紅蓮に勝てねぇ。飛翔機能を使ってもキツイだろうからな。だからナナリーの為のナイトメアを準備した』

 

キシ『ナナリーの為の⁈』

 

オーキス『ナナリーはお前だけに任せたくないんだ。いくら最強の身体と操縦能力を持っている自分の旦那でも自分だけ何もしないのはあの時と同じだと言っていたからな』

 

キシ『つまり、、ナナリーは自ら戦いを選んだのか?』

 

ナヴィス『言葉を発する前に何か行動を起こさなければならない、、やり方は違ってもナナリーがルルーシュから教わった事だ』

 

ナナリー『キシさんだけいつも戦ってばかり、、兄さんもそうでした。私だけ何も出来なかった、、シュナイゼル兄様に利用されて終わりでした。私から動かないと、、何も変わりはしないんです!』

 

カレン『無駄な装飾をつけたところで!』カキィン

 

ナナリー『この羽は特殊金属、、例えカレンさんのKMFでも打ち破る事は出来ません!』

 

キシ『ナナリー、、』

 

ナナリー『これが私の戦いです!』

 

巨大な純白の羽は空に上がり銃を構えた。

 

ナナリー『ターゲットロックオン!排除します!』

 

巨大な銃から放たれたビームは成田連山の頂上を削って行く。

 

ナナリー『出力を最大にします!キシさんは離れて下さい!』

 

キシ『くっ、、了解!』

 

キシが離れると銃のビームは更に大きくなる。

 

ナナリー『出力最大!』

 

カレン『嘘、、』

 

ゼロ(また飛ぶナイトメアだと、、一体どこの所属だ⁈)

 

扇『ゼロ!どうする⁈』

 

ゼロ『全員退却!』

 

黒の騎士団は撤退していく。おそらくゼロが用意していた退路だろう。

 

ナナリー『兄さん、、世界は違ってもナナリーは信じています、、』

 

キシ『ナナリー!あの銃は、、』

 

ナナリー『はい!タキセさんとE.Eさんが出してくれた”ツインバスターライフル”と呼ばれるものです!出力最大にしましたけど死者は出ていませんから』

 

オーキス『頭部だけを狙ったのか?キシより器用なところがあるな』

 

E.E『私だったら全部一掃してるよ』

 

ー黒の騎士団アジトー

 

ゼロ(この前の猫といい今回といいアクシデントが多すぎる!猫はともかく、、飛翔するナイトメア、、)

 

扇『なあゼロ、、ちょっといいか』

 

ゼロ『なんだ?』

 

扇『あの機体、、俺達を倒そうとしたあのナイトメアの肩に描かれていたエンブレムなんだが、、』

 

ゼロ『エンブレムがどうした?』

 

扇『、、、』

 

ゼロ『扇。言ってみろ』

 

扇『キョウト、ブリタニアを超える発言力と軍事力を誇るあの家系だ』

 

ゼロ『シンフォニー家、、か』

 

扇『気になったから報告した。俺は戻るよ』

 

ゼロ『ああ』

 

ゼロの部屋から出て行く扇。ゼロは部屋をロックして考え始めた。

 

ゼロ(シンフォニー家。今は大規模な組織となった世界的権威だ、、。軍事力も恐らくブリタニア以上、、いやこの国の軍事力を持ってしても倒せないだろう。こちら側に引きずり込むか、、?)

 

C.C『ルルーシュ。奴らをこの戦争に引きずり込むのは不可能だと思うが?』

 

ルル『何を根拠に言っている』

 

C.C『日本には担当者がいないからだ。もしかしたら他の勢力がシンフォニー家の真似をしているだけかもしれないだろう?』

 

ルル『まあ、、可能性はあるな。確かにシンフォニー家の当主はこの地にいないと聞いている。ギアスだけでも武器だ。シンフォニー家などには頼らないようやるか』

 

C.C『当たり前だ。お前を信用してギアスを渡したんだからな』

 

ースカアハー

 

キシ『それにしても紅蓮弐式に遅れをとってしまうとはな、、情けねぇ』

 

タキセ『紅蓮弐式は確かに輻射波動が無くなればただのナイトメアだ。だがその速さは従来の機体よりもは速いほうだ。ガンレオンだけだと機動力に欠けた。また考え直しておこう』

 

キシ『E.E。ナナリーに渡したKMF、、、あれはなんだ?』

 

E.E『オーキスがナナリーに渡すナイトメアは従来のようなデザインより天使みたいなデザインがいいってね。それで決めたんだ』

 

オーキス『女子にゴツいナイトメアは似合わない。天使には天使の機体をってな』

 

タキセ『E.Eさんが出した時には驚いたさ。あんな機体が存在出来るんだからな』

 

キシ『と言う事は、、』グギュル〜

 

E.E『あはははは、、、お腹減ったなぁ、、』

 

盛大にE.Eの腹の虫が鳴いた。

 

キシ『今頃C.Cちゃんはピザかぁ〜』

 

E.E『カレー食べたい』

 

ナヴィス『また外食か?』

 

オーキス『いや、真空保存出来る調理場があった。何かしら買ってスカアハで作る』

 

ナナリー『私作れます!』

 

E.E『あ、一応私も』

 

オーキス『E.Eが自炊だと、、』

 

ナヴィス『信じられないな』

 

E.E『君達シンフォニー家の血筋は疑いすきだ』

 

オーキス『いやいや、、エリア11にいた頃確かに自炊はしていた。だがしかし!簡単なモノばっか作るからマトモなものを本当に作れるのかが心配だ!』

 

キシ『どこぞのマネージャーみたいに鍋にプロテインとかバナナとかサプリメントとか入れてそうだよな』

 

E.E『そんな事はない!ナナリーが監視していれば証明出来る。だから買い出しと調理は私とナナリーに任せてもらうよ!』

 

ナナリー『頑張ります!』

 

キシ『ナナリーとE.Eちゃんには裸エプロンを希望、、』

 

E.E『どこの球磨川先輩だゴラァ。その性格スキルで潰してやろうか?』

 

キシ『オールフィクションに負けはないのさ』

 

オーキス『よしナヴィス。買い出しには俺2人で行くぞ。いつになっても食える気がしない』

 

ナヴィス『了ー解』

 

続く




オマケ

KMF名 ウイングガンダム(EW)ーナナリーカスタムー

ナナリーがE.Eやオーキスに頼み出して貰ったKMF(?)
ツインバスターライフルを所持しており威力はタキセにより更に増幅されている。本家よりも耐久性・機動力が強化されている。


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契約者の危機

タイトルからして分かりますよね?そう!アイツがきます!


 

ースーパーー

 

オーキス『カレーか、、、食べるのは久しぶりだな、、』

 

ナヴィス『人参とか嫌いな奴が残すタイプの飯だよな』

 

オーキス『大丈夫大丈夫。嫌いな奴のカレーには代わりにサプリメントぶち込むから』

 

ナヴィス『ただのイジメやそれ』

 

ースカアハー

 

E.E『さてと。カレーかぁ、、肉じゃがならかなり作ったことあるんだけどなぁ。白滝入れたっけ?』

 

ナナリー『入れませんよ』

 

E.E『と、なると後は同じだね。2人が帰ってくるまでは待ってあげるかな』

 

ナナリー『それにしてもこの艦は凄いですねぇ。調理場はあるし巨大ホールはあるし医務室も居住区もあるし、、』

 

E.E『生活と戦闘する事を前提に考えて製造されてるしね。あ、、ナナリー。ちょっと待ってて』

 

ナナリー『はい。どちらへ?』

 

E.E『ちょっと、、ね』

 

ースカアハ内 エンジンルームー

 

E.E『18年前の最新技術、、と言ってもそりゃそうだよね、、、』

 

E.Eの目の前にあるのは6重ものロックがある部屋である。ガラスには放射線注意のマークがある。

 

E.E『核融合炉か、、確かにクリーンなエネルギーだけど未完成だから放射線注意マークを付けたのかな?』

 

E.Eはロックを全て解除してエンジンルームへと入っていく。

 

E.E『大した破損も無さそうだし稼働するには問題ないかな。後はこいつだね』

 

E.Eが袋から取り出したのはGNドライヴ。ゴットフリートと同型である。

 

E.E『取り付けるだけの技術は持ち合わせているから帰って来るまでには終わるよね、、』

 

ースーパーー

 

オーキス『それとルーと牛肉と、、 ⁈』

 

ナヴィス『オーキス?』

 

オーキス(ギアス所持者マオ、、心の声を聞ける、、C.Cとの元契約者みたいなものか、、?)

 

ナヴィス『おーい、、、ギョウザ冷食溶けるぞ?』

 

オーキス(これはキシに伝えるべきか?いやアイツに話したらどうなるかなんて想像出来る。潰しに行くだろうな、、、)

 

ナヴィス『オーキス!おい!』

 

オーキス(これ以上の詮索は、、無理か。消えやがった)

 

ナヴィス『無視すんなゴラァァァ!』バキッ

 

オーキス『アッパー⁈』

 

ナヴィス『気づいたか。どうしたんだ?いきなり黙りこんで』

 

オーキス『ギアス所持者が近くにいる。人格はかなり歪んでんな』

 

ナヴィス『歪んでる?そいつはヤバイな。つか目的とか分かるのかよそのギアス』

 

オーキス『王の力だからな。ギアス所持者の情報なんて簡単に入って来る』

 

ナヴィス『流石ギアスを制御するギアス。伊達じゃないか。で、そいつの力は?』

 

オーキス『劣化版だが、、人の心が読めるみたいだ。いや、聞こえてしまうみたいだな』

 

ナヴィス『いやなギアスだ。俺は違って良かった』

 

オーキス『会計行くか。アイツらが待ってる』

 

オーキス達は会計を済ませ近くの路地裏に光学迷彩で隠してあるKMFで再びスカアハへと戻る。

 

ースカアハー

 

E.E『これをこうしてっ、、、よしできた!GNドライヴ搭載完了!』

 

ナナリー『E.Eさん!買い出しから帰って来ました!カレー作りましょう!』

 

ースカアハ会議室ー

 

キシ『なんだオーキス?急に呼び出して、、』

 

オーキス『C.Cに危害を及ぼす可能性がある人物を特定した。名前はマオ』

 

キシ『またアイツか、、』

 

オーキス『向こうではどんな感じだった?』

 

キシ『狂ってやがる。直ぐに粛正したがな』

 

オーキス『他人から見ればお前も十分狂ってる訳だが』

 

キシ『アイツ、、マオは俺の比じゃねぇ。C.Cを切り刻んでまで一緒にいようとする奴だぞ』

 

オーキス『狂ってるな』

 

キシ『軽く捻り潰して来る』

 

オーキス『待てキシ。奴は夜に動く。そこを見計らい攻めた方がいいだろう。それにまだナナリーの手作りを食べていないだろ』

 

キシ『嫁の飯を吐き出すような夫ではない。たとえ青酸カリが入っていても完全に無毒化してやるよ』

 

オーキス『流石』

 

ナナリー『出来ましたー!』

 

キシ『ok!直ぐ行く!』

 

ー隣接休憩所ー

 

『『いただきます!』』

 

兵1『お、意外と美味い』

 

兵2『グリーンカレーは初めて食ったな』

 

キシ『ここでいきなり自己紹介ターイム!』

 

オーキス『は?』

 

キシ『アイツらの名前は知っておけよ。仲間だろ?』

 

兵1『ブレーンです!』

 

兵2『木葉です』

 

兵3『クレアです』

 

兵4『ベイリンです』

 

兵5『ナオトです』

 

キシ『紅月ナオト、、黒の騎士団所属の紅月カレンの兄だな。あのテロ現場から幻月で回収してきた。アンタの妹にKMF戦で負けるとはな、、』

 

ナオト『まあ、、カレンは強いですからね』

 

オーキス『何故黒の騎士団ではなくシンフォニーの傭兵に来た?』

 

ナオト『カレンを、、助ける為にです。黒の騎士団もいつ崩壊するか分からないし日本解放戦線に入るのも嫌でしたから』

 

ベイリン『妹思いだねぇ』

 

木葉『グラスゴーを操縦してポリスグラスゴーを3機葬った奴が言う事じゃないな』

 

ブレーン『ポリスのほとんどが素人だからじゃないのか?』

 

ナオト『それもあるな。旧式グラスゴー一機に何を戸惑ってるのかやら』

 

ナヴィス『元は敵同士なのによく話せるな』

 

クレア『いくらブリタニア兵でも反逆者くらいいるでしょう。分かりますか?殺したくもない人を殺す気持ちは、、、』

 

オーキス『俺がそうだった。他の奴もそうかもしれないがな』

 

E.E『辛気臭い話は終わり!カレー冷めるよ!』

 

ナナリー『二人でこれだけ作るの大変なんでしたからね!』

 

ー時は過ぎ夕方9時ー

 

E.E『毎回思うんだけどシャワーの水とか風呂とかどうやって出してるんだろうね』

 

タキセ『水はタンクに数十トンはあるし浄水施設もある。海水をろ過する装置もあるみたいだからそれで保っているんだろうな』

 

オーキス『親父は本当にとんでもないものを残してくれたな』

 

ナヴィス『オーキスの親父さんに感謝だ』

 

キシ『オーキス、、ちょっと涼んで来る』

 

オーキス『了解だ(キシ、、行ってこい)』

 

上空5000mのスカアハから一つの光が地上に向かった、、、。

 

ー警察前ー

 

ルル『算段は整った。後は実行あるのみ』

 

キシ『まあ待てよ。ルルーシュ君。いや、、ゼロ』

 

ルル『ゼロ?なんの話だ?』

 

キシ『いいか?C.Cを助けたければマオがいる遊園地にいろ。警察は呼ぶな。C.Cは必ず返す。それだけだ』

 

ルルーシュは後ろを振り向く。しかしそこには誰もいなかった。

 

ルル『、、、幻聴か?』

 

続く!

 

 



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マオ撃滅・前

マオ撃滅したあとは、、、スザク君かな?


ー遊園地ー

 

暗く少し冷たい風に揺れる緑の髪。そこにいたのはC.C。そしてもう一人、、、

 

??『やあC.C!』

 

C.C『マオ、、相変わらず子供だな』

 

マオ『白馬の王子様って言って貰いたいなぁ』

 

マオはメリーゴウランドから降りてC.Cに近づく。

 

C.C『それ以上近づくな』

 

懐から銃を取り出しマオに突きつけた。

 

マオ『C.C、、、?』

 

C.C『最初からこうすれば良かったんだ』

 

ー管理室ー

 

ルル『全く。女という生き物は理解しづらい。奴の言う事が本当ならいいが、、、まあ保険もある。今は待つか。、、、あのバカ』

 

ー遊園地ー

 

遊園地に銃声が響いた。撃ったのはC.Cではない。マオだ。

 

マオ『やっぱりC.Cは僕が撃てないんだ!僕が大好きなんだ!』

 

C.C『違う!私はお前を利用しただけだ!』

 

マオ『嘘はいけないよ嘘は!』チュイン

 

C.C『なっ⁈』

 

マオ『あれ〜おかしいな〜撃ったはずなんだけどなぁ?』

 

??『そこまでだ、、、マオ』

 

マオ『お前誰だよ』

 

キシ『俺は軍治キシ、、、マオ。お前を殺しにきた。それとそこの緑髪を返してもらうぞ』

 

C.C(殺しにきた、、⁈ルルーシュの差し金か?それとも、、、)

 

マオ『ダメダメー。C.Cは僕のものなんだからぁ』

 

ヘッドフォンを外し銃をキシに向けた。

 

キシ『心の声か?残念だな。ギアスにはギアスをだ』

 

マオ『あっはっはっはっ!何?君もギアスを持ってるの?そんなの無駄だからー』

 

キシ『俺のギアスは免疫機能型。喰らってからコンマ数秒でそのギアスは効かなくなる』

 

マオ『それがあるからって何も出来る訳ないのに来たの?バカだね』

 

キシ『ギアスだけならな』

 

マオ『は?』

 

キシ『マオ。お前に言いたい事は3つある。まず一つ。C.Cを撃ち傷つけた。二つ。C.Cを手放そうとしないその精神年齢の低さ。そして三つ。テメェは俺を怒らせた』

 

マオ『ふざけるな、、ふざけるなふざけるなふざけるな!C.Cは僕のものだ!』

 

キシ『話がかみ合わないから一方的に話すぞ。お前のギアスは法律にも他人にも見えねーし分からない。だからな、、ギアス所持者として俺が裁く!』

 

マオ『なーにが裁くだぁ、、、死ねぇ!』

 

マオは近くにあったチェーンソーでキシに襲いかかる。

 

キシ『クレイジー・チャリオッツ!』

 

オララララララララ!オラァ!

 

マオは吹き飛びスクリーンにめり込んだ。チェーンソーも破壊され起きる様子はない。キシは近づいて更に顔をめり込ませ手帳を開いた。

 

キシ『遊園地パスポートの領収書だぜ。招いてくれてありがとうな』パサッ

 

軍治キシと書かれたメモをマオの顔にはりつけC.Cに近づく。

 

キシ『よっと、、怪我はないか?いや怪我は回復するのか』

 

C.C『お前、、何者だ?何故私を知っている?何故ギアスを持っている?』

 

キシ『何者か?それは答えられないな。機密事項だ。ギアスは、、E.Eと言えば分かるか』

 

C.C『E.Eだと、、、』

 

キシ『そろそろ待ち人が来るみたいだな。これ渡しておけ。じゃあな』

 

キシはC.Cの目の前から消えて紙を落としていった。

 

ルル『C.C、、、』

 

C.C『ルルーシュ?何故ここにいる?』

 

ルル『奴に契約された、、それだけだ』

 

C.C『奴は一体、、、』

 

ルル『行くぞC.C。全てを話して貰おう』

 

ー幻月ー

 

キシ『マオ、、か。死んだとは思うが、、、まさかな』

 

オーキス〈キシ。終わったか?速く帰投しろ。ナナリーを安心させてくれ〉

 

キシ『了解した。すぐに帰る』

 

ースカアハー

 

ナナリー『遅いですよキシさん!何をしていたんです⁈』

 

キシ『ちょっと害虫駆除のバイトを、、』

 

ナナリー『ばれてますから』

 

キシ『だよねぇ』

 

E.E『マオ、、か』

 

キシ『E.Eちゃん?』

 

E.E『キシ以上の狂人と思うと震えるね』

 

ナヴィス『キシ以上か。辛いな』

 

ースカアハ操縦室ー

 

オーキス『全員寝たな、、よし。こちら戦略要塞スカアハ!潜水艦マーリン!』

 

了解。潜水艦マーリンにレーザー回線を繋げます。

 

??『潜水艦マーリン艦長のジル・ヴォイラです』

 

オーキス『ジル。現在の航行位置を』

 

ジル『現在ブリタニアの新型兵器であるハドロン砲の試験場近くにいます。ハドロン砲搭載型戦艦の完成は間近だと思われます』

 

オーキス『マーリンはそのまま待機。ハッキングによる監視カメラの映像監視を続けろ』

 

ジル『了解。オーキス当主』

 

レーザー回線が閉じられる。

 

ナヴィス『やはりか、、』

 

オーキス『ああ。どうやらシュナイゼルの開発チームはハドロン砲を完成させたみたいだ』

 

ナヴィス『脅威になるかどうかまだわからないな、、、』

 

ースカアハ居住区 キシ個室ー

 

キシ(本当にマオは死んだのか?いや、、どうだろうか、、あの銃撃を喰らって生きていたんだ、、、死んでない可能性もある、、、)

 

キシは個室の内線通信をかけた。

 

ナナリー『キシさん?どうしたんですか?』

 

キシ〈ナナリー、、、マオの事は覚えているか?〉

 

ナナリー『ええ、、あの時は強かったです、、、』

 

キシ〈また、、起こるかもしれない。あの時はスザクがいたからなんとかなった。だがここでは、、〉

 

ナナリー『私が殺されるかもしれない、、と』

 

キシ〈また俺が行く。ナナリーはここで待っててくれ〉

 

ナナリー『いえ、、私が行きます』

 

キシ〈ナナリー⁈〉

 

ナナリー『私に妙案があるんです!』

 

キシ〈妙案?〉

 

ナナリー『キシさんだけに話します。個室に来てください』

 

ーナナリー個室ー

 

キシ『で、、妙案って?』

 

ナナリー『こちらの私と私を交換するんです!』

 

キシ『ナナリー、、やめてくれ。死にかけた思いは何回もして来ただろ?もう安心して欲しいんだ、、』

 

ナナリー『大丈夫です!私には希望を源にするギアスがあるんですから!』

 

続く!

 

 



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マオ撃滅・後

ナナリー激おこです、、、怖いよぉ、、


ーアッシュフォード学園ー

 

ナナリー『私があの変態に閉じ込められるのはお昼過ぎ、、、ギリギリでやるしかないのね』

 

ー昨日ー

 

キシ『ナナリーが代わったとして、、どうやって脱出するつもりなんだ?あの学園は割と警備が厳重なんだぞ。俺が簡単に入れる場所じゃないし、、、』

 

ナナリー『私は私で脱出します。キシさんは逃げる時のお手伝いをお願いします!』

 

キシ『ナナリーがそこまで言うなら、、分かった。ナナリーを信じる』

 

ースカアハ 操縦室ー

 

オーキス『パワードスーツ?』

 

ナナリー『はい。パワードスーツで私が脱出します。車椅子に縄が縛られてありますけど細いので強化出来るものがあればと、、』

 

E.E『パワードスーツねぇ』

 

ナヴィス『それにしても、、よくこちらの自分と自分を入れ替えようと思うな、、』

 

ナナリー『あの変態にはキシさんが与えた以上の粛正を与えたいのです』

 

E.E『ま、悪くないと思うよ。でもパワードスーツか、、』

 

タキセ『対人戦に向けた兵装なんて作った事すらないんだが』

 

E.E『パワードスーツパワードスーツ、、、』

 

オーキス『E.Eが固まった』

 

ナヴィス『しばらく応答しねぇな』

 

E.E『パワードスーツ、、?あれなら行ける?』

 

E.Eは複数のパワードスーツを構築していく。

 

オーキス『ゴツいのばっかりだな』

 

ナナリー『普段着の下に隠すには流石に無理があります、、』

 

E.E『うぉぉぉぉ!思い出せぇぇ!』

 

最後に出て来たのは迷彩色の普通の服だ。

 

オーキス『ただの迷彩服だな』

 

E.E『はあはあ、、、た、ただの迷彩服じゃないからね、、ナナリー。着てみて、、』

 

ナナリーが迷彩服を着ていく。

 

ナナリー『なんか身体が軽くなったような、、』

 

E.E『魔法だよ』

 

タキセ『魔法⁈』

 

E.E『私が構築するものには科学の他に魔法系統もあるの。その服には重力の軽減と身体能力の強化、それと投げナイフがあるよ』

 

オーキス『よく切れそうだ』

 

E.E『その服を着ていればまず殴られても大丈夫だと思うよ。オーキス。殴ってみて』

 

オーキス『女性に拳を向けるのはちょっと、、、』

 

E.E『仕方ないなぁ』ダァン

 

ナヴィス『おい!撃つなよ!』

 

E.E『ナヴィス、、見てごらん』

 

ナヴィス『弾丸が、、、』

 

オーキス『直前で浮いている、、⁈』

 

E.E『魔○科高校の劣等生の装備だよ。6割私のオーダーメイドだけど』

 

ナヴィス『すっげ、、』

 

ナナリー『この銃はなんです?』

 

E.E『ああ、、それマテリアルバースト。スカアハから衛星でロックしてからそこに巨大な破壊魔法を生み出して攻撃する特殊兵器』

 

オーキス『威力は?』

 

E.E『えっとね、、、本家では確かイージス艦一隻沈めたっけ。私が構築したから多分威力は上がってるけど』

 

ナヴィス『はい。封印決定』

 

ーアッシュフォード学園ー

 

ナナリー『ナヴィスさんに封印されましたけど、、パワードスーツのおかげで身体も軽いし色々出来そうですね』

 

ークラブハウスー

 

ナナリー『ああ、、緊張する、』

 

ルル『ナナリー。俺はスザクと用があるから、、』

 

現ナナ『分かりましたわ。いってらっしゃい』

 

ナナリー『お兄様に見つからないように、、、』ガチャ

 

現ナナ『お兄様?』

 

ナナリー『ごめんね私。ちょっと寝ててね』パス

 

ナナリーが現ナナリーに麻酔を打ち込みルルーシュのベッドまで運んだ。

 

ナナリー『あとは座って目を閉じていれば、、立派な昔のナナリー!』ガチャ

 

??『ん〜やっぱここにいたんだね』

 

ナナリー(身体が持ち上げられた、、あの変態ですね、、、)

 

ー数時間後 エレベーター

 

ルル『くそ、、ガンランチャーか』

 

スザク『コンマ数秒のラグなら行ける。僕に任せて』

 

ルル『スザク!待て!』

 

ースカアハー

 

キシ〈よし、、、スザクが動き出した。後はやらせてもらうぜ。ナヴィス!〉

 

ナヴィス『全く、、無茶言うぜ』

 

スカアハは現在2人がいるビルにハッキングをかけガンランチャーの監視カメラの映像にノイズを動かしている。

 

オーキス『キシ。そろそろだ』

 

キシ〈了解〉

 

ーダクトー

 

キシ『ゲホッゲホッ!ダクトきたねぇな、、狭いし動きづらい、、』ダァン

 

キシ『危なっかしい、、ダクトにもガンランチャーがあるのかよ、、しゃあない』ダァン

 

ガンランチャーに見事直撃したキシの銃弾は跳弾する事なく止まった。

 

キシ『ナナリー、、ミスしないでくれよ、、俺が行くまでは、、!』

 

ー地下下水ー

 

ルル『ナナリー!』

 

ナナリー『お兄様?』

 

ルル『待ってろ!今すぐ、、』

 

スザク『待てルルーシュ!、、、爆弾だ』

 

ルル『くそがっ、、!』

 

マオ〈そうだよルルーシュ。近づいたら君ごとドカン!だからね〉

 

スザク『ルルーシュ。君には君の仕事があるはずだ。ここは僕に任せて』

 

ルル『分かった、、スザク』

 

スザク『ルルーシュ早く!』

 

ルル『、、、悲鳴が聞こえたら切ってくれ。場所は自分で判断しろ』

 

スザク『、、、了解!』

 

ー教会ー

 

マオ『来たね、、ルルーシュ』

 

ルル『やるんだろ、、ラストゲームとやらを』

 

ー地下下水ー

 

スザク『タイミングは完璧だ、、今しかない!』スパッ

 

スザク『よし、、!成功だ!』

 

ナナリー『スザクさんありがとうございます。これで、、存分にやれます!』

 

スザク『え?』

 

ナナリー『えい!』ビリィ

 

スザク『ナナリーが、、細いとはいえ縄を弾いた、、⁈』

 

ナナリー『スザクさん!私と教会へ行きましょう!』

 

軽快な動きで走りだすナナリー。もちろんパワードスーツの効果だ。

 

ー教会ー

 

ルル(くっ、、落ち着け、、)

 

マオ『君に勝ち目はないよ。はい。チェックだ』

 

ルル『やめろおおぉぉぉ!』

 

バリィィィィン!

 

マオ『なっ⁈』

 

ナナリー『お兄様!』

 

マオ『そんな、、立てないはずじゃ、、⁈』

 

ナナリー『黙って下さい。この変態!そんなにC.Cさんが欲しいんですか⁈幼稚な考えも程々にして下さい!』

 

スザク『ルルーシュ!』

 

ルル『スザ、、ク?』

 

スザク『僕はブリタニア名誉騎士枢木スザク!反乱罪で逮捕する!』

 

マオ『触るなこの人殺し!』

 

スザク『なっ、、⁈』

 

マオ『徹底抗戦の父親を殺せば戦争は終わる、、実に滑稽だよ!』

 

スザク『違う!あれは、、』

 

マオ『何が違うんだ?いつもいつも贖罪の為にしか生きれないで自分を死に追い込m』

 

ナナリー『、、、マオって言いましたよね?貴方』

 

マオ『ん?か弱い女は黙ってろ!』

 

ナナリー『キシさん、、すいません。ナナリーも限界です。今ここで、、この変態を粛正します!』

 

キシ『その必要はない!』バァン

 

ルル『お前は、、あの時の⁈』

 

キシ『久し振りだなぁ、、ルルーシュ』

 

マオ『またお前か!邪魔なんだよ!』

 

ナナリー『邪魔なのは貴方なんですよ、、』

 

その場にいた全員に鳥肌が立った。そう、、ナナリーの殺気だ。

 

ナナリー『言いたい事話して気は済みましたか?今から貴方を空にあげてあげますよ』

 

マオ『ガフォ⁈』

 

ナナリーは誰にも反応出来ない速度で近づきマオの鳩尾を殴る。その次は足、腹、背中と空中でマオの骨を砕いていく。

 

ナナリー『貴方は、、この世にいてはいけない存在です』ガキィ!

 

マオの顎関節を外し顔面を殴る。マオは吹き飛び外に飛んでいく。身体は修復不能レベルにまで粉々になっている。

 

マオ『ガッ、、アッ、、』

 

C.C『マオ、、』

 

マオ(C.C!)

 

C.C『マオ。先に行っててくれ。Cの世界へ、、』パスン

 

スザク『俺は、、俺は、、』

 

ナナリー『スザクさん、、、』

 

キシ『行くか、、』

 

ルル『待て!お前は何者だ⁈』

 

キシ『ギアスを持ったクレイジーな騎士、、そして別の世界から来た使者とその正妻と行ったところか』

 

ナナリー『こちら側の私は無事ですから、、お元気で。お兄様』

 

二人は教会で消えてしまった。残ったのは過去のトラウマに未だ囚われているスザクだ。

 

ースカアハー

 

オーキス『キシに一週間の外出禁止令を、、ナナリーには1日だけ謹慎を命ずる、、理由はわかっているな』

 

キシ『ワカリマセン!』

 

オーキス『では言おう!ナナリーは無理しないよう安静の意を込めての謹慎だが、、キシ!お前は甘すぎだ!確かに今回はナナリーだ。だがしかし!これほどまでにナナリーが荷を背負ったのはお前のとどめをささなかったそのせいだ!任務はきっちりこなすように!以上だ』

 

キシ『は!』ビシ

 

ナヴィス『キシ、、次は最後までやれよ?結局つきまとうのはこちら側なんだからな』

 

キシ『ああ。次は絶対にしないさ』

 

続く!




オマケ

軍治ナナリー

こちら側のナナリーとは性格がちょっぴり(?)違うナナリー。婚姻はしている。


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動き出す交響曲

コードギアスは展開が早いですからね。そこが好きなんですが。


ースカアハー

 

オーキス『レーザー回線を開け!拠点1!』

 

了解。レーザー回線開きます。

 

安達〈こちらシンフォニー傭兵師団司令安達だ。何があった?〉

 

オーキス『安達、俺だ』

 

安達〈失礼しました!オーキス当主様!どのようなご用件で?〉

 

ナヴィス『ブリタニアの強制収容施設に日本解放戦線の藤堂が囚われている事が判明した。作戦会議をしたい』

 

木月〈ブリタニアの強制収容施設?あそこは入り組んでいますから奪取するのは至難の業ですが?〉

 

安達〈それに諜報員によると黒の騎士団も狙ってるみたいです。藤堂もいいですが、、もっといい日本人がいますが?〉

 

オーキス『もっといい日本人?』

 

安達〈名前は黒金 翔。藤堂に並ぶ日本解放戦線の一人です〉

 

木月〈彼とは前からコンタクトを取っていますから協力的です。ですが、、、〉

 

安達〈藤堂より危険率が高いためより入り組んだ場所に収容されています〉

 

ベイリン『ブリタニアの強制収容所なら俺が案内する』

 

オーキス『ベイリン?』

 

ベイリン『元強制収容所の警備兵だ。場所なら分かる。あの眼帯つけた男の場所なら尚更な』

 

安達〈お前、、ベイリンと言ったか?なぜ黒金の事を知っている?〉

 

ベイリン『あのおっさんには借りがあるんでね。この傭兵師団を紹介してもらった借りがな』

 

木月〈そうか、、黒金が言ってた正義感の強いあの馬鹿っていうのはベイリン、、お前の事だったのか〉

 

ベイリン『そうみたいだな』

 

オーキス『と、なるとまずベイリンは絶対だな。蒼炎はまだ一機しかない。ベイリンは蒼炎に搭乗してもらうとして、、、あとは四人ほどいるな、、、』

 

安達〈では当主様、我々はこれにて、、、〉

 

オーキス『ああ。忙しい中済まなかったな』

 

レーザー回線が閉じる。同時にタキセも入って来た。

 

タキセ『整備終わったぜ』

 

オーキス『タキセ!蒼炎を今すぐ作れるか?』

 

タキセ『パーツがあっても流石に2日は欲しいな』

 

オーキス『だよなぁ、、、』

 

ナヴィス『攻撃に2人、黒金救出に2人でいいだろう。あまりスカアハの戦力を割く事は好ましくないしな』

 

タキセ『すまん、、詳しく話してくれないか?追いつけん』

 

オーキス『まず俺達はブリタニアの強制収容施設にいる藤堂という日本解放戦線のリーダーを回収するつもりだったんだが黒の騎士団も狙ってるらしから藤堂は無し。その代わり本家とコンタクトを取っていた黒金という日本人を救出する事になった。彼は協力的だそうだ』

 

タキセ『なるほど』

 

オーキス『で、編成を今考えていたところだ』

 

ナヴィス『全員会議室に集まるよう指示すればどうだ?』

 

オーキス『そうだな、、、』

 

”各位連絡!会議室に集合!繰り返す!会議室に集合!”

 

ー数分後 会議室ー

 

木葉『ベイリンの話で大体分かりました。編成はいかほどに?』

 

オーキス『ナヴィスやタキセの意見から出たのはこの4人だ』

 

オーキス

クレア

ナオト

ブレーン

 

木葉『俺はどうすれば?』

 

オーキス『GPSに従って俺らを誘導してくれ。操縦室でマップは表示してある。俺がいない間はナヴィスの司令に従え』

 

木葉『了解です』

 

キシ『俺は?俺は?』

 

オーキス『ナナリーとイチャついてろ』

 

キシ『イエッサー!』

 

オーキス『さて、俺とベイリンは機体があるからいいとして、、、ブレーンとナオトの機体が無いよな。E.E!』

 

E.E『準備はok!いつでも出撃出来るよう整備してあるよ!』

 

スクリーンに二機の機体が映し出された。

 

オーキス『君達の新機体だ。まずブレーンは中距離汎用タイプの”陽炎”だ。蒼炎の発展バリエーションだな。で、ナオト。君には中遠距離型の機体”ガンダムサバーニャ”だ。少し特殊なシステムだが問題はない。2人ともしっかりと使え!』

 

『『了解です!』』

 

ースカアハ ハンガーー

 

ブレーン『蒼炎の発展バリエーション、、それでも操縦のやりやすさと反応は損なわれていないのか』

 

ナオト『む、、難しい、、!』

 

オーキス『シミュレーションシステムはどうだ?』

 

ブレーン『俺は行けそうです』

 

オーキス『ナオトは?』

 

ナオト『結構大変です、、、何か補助があれば楽なんですが、、、』

 

オーキス『だそうだ。タキセ整備長』

 

タキセ『そうか?サバーニャのシステムから言って十分なはずだが』

 

E.E『あ、、入れ忘れてた』

 

タキセ『E.Eさん?』

 

E.E『サバーニャはマルチロックを主流とする方式だから補助がいるんだ。でも、、ライフルビットを操りながら攻撃してる時点で補助は無くても大丈夫じゃない?』

 

ナオト『やっぱり、、辛いです』

 

E.E『仕方ないなぁ。んじゃ、これでいいね』

 

ナオト『これは、、?』

 

E.E『自立型AIシステム。ハロ』

 

ナオト『ハロ、、?』

 

黄ハロ『ナオト!ナオト!』

 

オーキス『話せるのか!』

 

E.E『それだけじゃない!機体の管理から自動操縦まで行う高性能なAIだよ!』

 

青ハロ『高性能!高性能!』

 

ナオト『よし、、シミュレーションスタート!』

 

タキセ『お!すげぇ!さっきより被弾率が下がってマルチロックが更に多くなっている!ハロ二台だけでか、、』

 

キシ『トランザムはどうした?』

 

オーキス『今回トランザムを使用するほどヤバくはならないだろう』

 

キシ『念のためした方がいいだろ。タキセ、ちょっとシミュレーター貸せ』

 

タキセ『まあ、、いいが』

 

キシ『ナオト!更に敵は増えるぞ!』

 

キシが敵をなんとELSに変更。敵数は更に多くし味方機の強さを弱体化した。

 

ナオト『っ!』

 

キシ『どうしたナオト!その程度か⁈』

 

オーキス『ナオト、トランザムだ。一時的に全機能をブーストする』

 

ナオト『了解、、!トランザム!』

 

キシ『おお、、こいつぁ、、』

 

E.E『本家のロックオンより凄いかも』

 

ー黒の騎士団 アジトー

 

ラク『キョウトももっといいパーツを使って欲しいもんだねぇ』

 

研1『ロジックを変えてコード編成をします?』

 

ラク『そんな事しなくとも強化は出来る。考えな』

 

ーブリタニア強制収容施設ー

 

藤堂『、、、、』

 

??『よお、、藤堂。数ヶ月ぶりだな』

 

藤堂『黒金か。何をしている』

 

黒金『拷問を受けていただけだ。何もねぇよ』

 

ブ兵『話すな!歩け!』

 

黒金『へいへい』

 

黒金は奥の独房へと連れて行かれ再び閉じ込められた。

 

黒金『シンフォニー傭兵師団、、か。ベイリンは無事行けたかね』

 

続く!

 




オマケ

黒金 翔

日本解放戦線の副リーダー的存在。藤堂より年上でナイトメアの技術は藤堂を超える。


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囚人脱獄

この話の回は個人的に好きです。本家ですよ本家。


ー強制収容所 上空ー

 

オーキス『全員準備はいいな?』

 

ベイリン〈いつでも〉

 

ナオト〈問題はありません〉

 

ブレーン〈行きましょう。隊長〉

 

オーキス『威嚇する必要はない。確実に倒して行くぞ。木葉!』

 

木葉〈進入口は580m先の搬入口です。そこからなら行けるかと〉

 

ベイリン『搬入口、、か。確かにあそこなら手薄かもな』

 

オーキス『行くぞ』

 

ナオト〈了解〉

 

4機が強制収容所に進入する。同時に警報も鳴り出した。

 

アナ〈第三搬入口付近より侵入者有り。各隊員は迎撃に向かって下さい〉

 

沢山のサザーランドがこちらに向かって銃を撃ってくる。

 

黄ハロ『敵機接近!敵機接近!』

 

ナオト『GNミサイル!』

 

ベイリン〈いいぞナオト!次は左だ!〉

 

ブレーン『奴らめ、、こんなところにも警備KMFを、、!』

 

オーキス『止まるな!独房まであとどのくらいだ⁈』

 

ベイリン〈あと900!〉

 

青ハロ『敵機発見!敵機発見!』

 

ナオト『くそっ!収容所にしては警備が固すぎだ!ハロ!』

 

ハロ×2『ライフルビット展開!ライフルビット展開!』

 

ナオト『撃ちながら突っ込む!』

 

硬い防護壁を強制的に突破するオーキス達。ナオトは接近してくる敵をビームライフルで撃ち抜いて行く。

 

ブレーン『敵陣に風穴を開ける!ブラス砲発射!』

 

ベイリン〈ブレーンのおかげで第4防護壁まで突破した!あと少しだ!〉

 

オーキス『テメェらに時間をかける気は無い!』

 

オーキスはビームライフルを高出力モードに換装した。

 

オーキス『跡形も残さない!』

 

最後の防護壁が融解して目的の独房まで来た。

 

ベイリン『殴れば崩れるはず、、!』ドォン

 

黒金『んん?』

 

ベイリン『黒金のおっさん!助けに来たぜ!』

 

黒金『ふん、、遅かったな。ベイリン』

 

ベイリン『アンタには借りがあるからな!乗れ!』

 

黒金『あいよっと』

 

蒼炎に乗り脱出する黒金。サザーランドも更に来た。

 

ブレーン『邪魔を、、するなぁっ!』

 

ビームサーベルで腕を斬り飛び道具を使わせなくするブレーン。

 

オーキス『後は逃げるだけだ!一時バラけるぞ。合流地点は第一搬入口前だ!行くぞ!』

 

ー通常収容所ー

 

藤堂『この命は捨てたようなものだ。悔いはない』

 

??『ならばその命!私が貰おう!』

 

破壊された壁の向こうにいたのは黒の騎士団。ゼロがいた。

 

藤堂『厳島の奇跡を起こす気か』

 

ゼロ『あれは奇跡ではない。綿密な情報収集が功を奏したのだ。だからお前が欲しい』

 

藤堂『だが片瀬准将は死んだ。もう私は、、』

 

ゼロ『甘いな!お前は責任を取らなければならない、、奇跡の責任を!』

 

藤堂『っ!』

 

ー第三搬入口ー

 

ブレーン『お前らに勝機はない!』

 

ブレーンは単発銃二丁で敵陣を突っ切っていく。

 

オーキス『この速さから逃れる事は出来ないぞ!』

 

オーキスはトランザムを発動。合流地点までの敵を駆逐していく。

 

ベイリン『黒金のおっさん!見ていてくれよ。これが俺の戦いだ!』

 

黒金『荒いな。だがそこがいい』

 

ブラス砲やジャベリンで敵を吹き飛ばしていく。そしてナオトは、、、

 

ナオト『全員第一搬入口まで後少しだな。あと28秒!』

 

そして全員が第一搬入口まで集まった。第一搬入口は全ての搬入口が集まるため追い詰めらる。しかしそれは上空の砲撃があってこその戦略だった。

 

オーキス『ナオト!』

 

ナオト『ライフルビット展開!これで終わらせる!』

 

上空にいるサバーニャの足元に並んだライフルビットからビームが乱射され本体からもミサイルが真下に向かって砲撃を行う。3機を追って来た敵は全て壊滅。警報システムも破壊された。

 

ベイリン『うまくいったな』

 

黒金『ほお、、遠隔操作型兵器か。シンフォニーも面白いモノを考えたな』

 

ー同時刻 総督府ー

 

ダールトン『馬鹿な!情報が統制されているだと⁈』

 

執事『は。現在原因を探っています』

 

ギルフォード『ダールトン。緊急事態だ。一級テロリストと特3級テロリストが脱獄した』

 

ー収容所付近 海底ー

 

ジル『情報統制はうまくいってるかしら?』

 

メア『現在ブリタニアのほとんどを掌握しました。どうします?』

 

ジル『オーキス司令の作戦が終わるまで待ちなさい。足つかないように気をつけなさい』

 

メア『了解です!』

 

ー同時刻 黒の騎士団ー

 

カレン『あれは⁉︎』

 

藤堂『ブリタニアの新兵器か?』

 

ゼロ(いや、、朝比奈達以外の陽動部隊など送った覚えはない。またか、、)

 

藤堂『黒金がいる場所か』

 

その時だった。どこからかスラッシュハーケンが飛んでくる。

 

ゼロ『白兜か!』

 

仙波『ここは我々が!』

 

千葉『お逃げ下さい!藤堂中佐!』

 

藤堂『再び味方を見捨てる真似はしない』

 

藤堂は月下に乗り込みランスロットと戦闘を始めた。

 

ー管制塔ー

 

ロイド『どんなに凄くてもランスロットの本気にはついていけるかな?枢木中尉。リミッターを、、あれ?』

 

セシル『ロイドさん?』

 

ロイド『おっかしいな、、無線がつながらない?』

 

ー収容所ー

 

藤堂『仙波!朝比奈!仕掛けるぞ!朝比奈!応答しろ!』

 

スザク『ロイドさん!リミッター解除の許可を!ロイドさん!』

 

カレン『ゼロ!どうしますか?ゼロ⁈指示を!』

 

ゼロ『馬鹿な、、無線が使えないだと、、』

 

ナオト〈なんかあいつら連携が取れてないように見えるけど、、〉

 

ブレーン〈確かに。動きがバラバラだ〉

 

オーキス『GN粒子だ』

 

ナオト〈GN粒子?〉

 

オーキス『俺のゴットフリートとナオトなサバーニャにはGNドライヴが積まれている。こいつは簡潔に言うと太陽だ。つまり強力な磁場が発生している。故に無線がつながらないはずだ』

 

ベイリン〈だからか、、、〉

 

黒金〈だが、現に我々は通信しているが?〉

 

オーキス『複合データシステムでのやりとりだからだ。このシステムは電磁パルスを喰らわずにデータ通信が出来るからな』

 

ブレーン〈なるほど〉

 

オーキス『もう用はないな。行くぞ』

 

ベイリン〈了解〉

 

4機は上空のスカアハへと帰還していった。

 

ースカアハー

 

木葉『誘導灯を点灯。ハッチ開きます』

 

スカアハのハッチが開き4機が入っていく。

 

キシ『おかえりー』

 

ベイリン『あぁ、、疲れた』

 

ナオト『初戦闘だったからシミュレーションみたいにはうまくいかなかったな、、、』

 

オーキス『だが最後のライフルビットは良かった。上手くいったじゃないか』

 

ブレーン『ギリギリまで敵をよせてナオトな上空からの砲撃で敵を壊滅、、いい作戦だったな』

 

E.E『いい動きだったよ。機体が泣くような真似はなかったし』

 

タキセ『陽炎に関しては素晴らしいデータが取れた。ブラス砲の調整や反応向上も出来そうだ』

 

ブレーン『という事は、、、』

 

タキセ『ブレーン。完璧に俺がお前色に染め上げてやるよ』

 

ブレーン『俺専用カスタム機か!』

 

オーキス『ナオト。サバーニャも完全にお前専用にしろ。あれほど扱える奴は少ないからな』

 

ナオト『はい!』

 

ナヴィス『オーキス。上手くいったな。安達から通信が来てるぞ』

 

オーキス『ああ。すぐ行く』

 

ースカアハ 操縦室ー

 

安達〈黒金強奪成功おめでとうございます!〉

 

オーキス『楽だったがな』

 

黒金『そうか、、お前が今の当主か』

 

オーキス『改めて、、シンフォニー家当主のオーキス・シンフォニーだ。よろしく』

 

黒金『黒金翔だ。これからよろしく頼むぜ』

 

木月〈黒金。よく無事だったな〉

 

黒金『そこらの拷問じゃ死にゃしねぇよ』

 

ベイリン『さすが黒金のおっさん。その筋肉は無駄じゃねぇな』

 

黒金『どの口がいってんだ』

 

オーキス『黒金。一つ聞く。本当にシンフォニーにはいるんだな?』

 

黒金『はっ、、何を今更。日本解放戦線も壊滅した今、俺が暴れられるのはここだけだからな』

 

オーキス『そうか。ようこそ!シンフォニー傭兵師団へ!』

 

続く!




オマケ

ナイトメア名 陽炎

蒼炎の中距離に特化した発展バリエーション。遠距離主力の兵装が多い蒼炎に比べ近距離戦にも持ち込める。しかし蒼炎のような支援向きではなくなった。新兵器ブラス砲を装備しており威力はハドロン砲以上である。ブースターを脚部を含め8つ搭載。大容量エナジーフィラーを2つ装備出来る。腕部に特殊合金を採用しており並みのナイトメアなら装甲が吹き飛び一撃で倒してしまう。


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その先にあるものは、、、

今日も頭の中から湧き水のようにアイデアが出て来ます!これは、、スランプの前兆か⁈


ースカアハ ハンガーー

 

E.E『ゲフィオンディスターバー?』

 

タキセ『昔、後輩の後輩が考えた理論の一つさ。サクラダイトに干渉して制御系統の電子機器を全てエナジーフィラーからシャットアウトする。この理論が提唱されてからシュナイゼルのゴットフリートはサクラダイトを使用しない機体を頼まれた』

 

E.E『で、そのフレームは何で出来てるの?』

 

タキセ『これは機密なんだが、、まあ今更だよな。あれはリムーブフレームと呼ばれる金属からなるフレームだ。こいつはまた特異な性質を持っていてな、、』

 

E.E『特異な性質?』

 

タキセ『輻射波動などの物理的衝撃波やエネルギーを金属内から金属外に逃がすのさ。こいつを応用すれば輻射波動をモロ受けてもこちら側のエネルギーとして逆利用できる』

 

E.E『さ、流石タキセ、、』

 

ーキシ個室ー

 

キシ『ナナリーの髪はシャンプーのいい香りがするねぇ』

 

ナナリー『そうですか?』

 

キシ『フワフワで身体はあったかくて、、食べちゃいそうだよ』

 

ナナリー『もうっ、、今は駄目ですよ』

 

ースカアハ 操縦室ー

 

黒金『シンフォニー傭兵師団の人数はどのくらいだ?』

 

オーキス『現在は整備班などを含めると十数人だ。黒金を含めてな』

 

黒金『やけに少なくねぇか?』

 

オーキス『量より質だ。アンタにもナイトメアを渡しておく』

 

黒金『月下みたいなやつか?あれは勘弁してくれ。操縦系統がわかりづらい』

 

ナヴィス『安心しろ。黒金に合わせてカスタムする』

 

黒金『そりゃどうも』

 

ースカアハ ハンガーー

 

クレア『え?私の機体?』

 

E.E『オーキスからの直々の命令。全員に専用の改造を施した機体を補給だってさ。出すのは私なんだけどね、、、』

 

クレア『へぇー』

 

E.E『じゃあカラーリングとか希望ある?ここは私とナナリーしか女性が、、』

 

クレア『え?』

 

E.E『ん?』

 

クレア『私、、女ですけど、、』

 

E.E『あ、、ゴメン』

 

クレア『確かに私まな板ですけど!』

 

E.E『言わなくていいから!落ちついて!』

 

クレア『何なら証拠を、、!』

 

E.E『落ちついてー!やらなくていいから!』

 

木葉『すんませーん。黒金さんと俺の機体のスペックとか身体値とかのデータ持って来ま、、し、、た』

 

木葉は凍りつく。それもそうだろう。見た感じ女性2人が服を脱がせようとしているのだから。

 

木葉『は、はははは』ドサァ

 

木葉は倒れた。SAN値がメーターを振り切ってしまったのだ。

 

クレア『と、とりあえず離れましょうか、、』

 

E.E『そうだね、、(絶対着痩せしてるよ!私より大きいよこれ!)』フニ

 

クレア『E.Eさん、、?』

 

E.E『ゴメンゴメン!すぐ立つね、、』

 

ーオーキス個室ー

 

オーキス『いつになってもこれを手離せない俺は、、まだ引きずっているのか?もういないんだ、、前を向かないと、、』

 

緑ハロ『元気ない!元気ない!』

 

ベッドの近くにある棚に乗っているのは服の中に何年経ってもオーキスが大事にしていたもの。弟達の写真である。

 

オーキス『あれから8ヶ月か、、俺だけが生き残ったのは何かの因果なのか、、ただの偶然なのか。虐殺されていた彼奴らを見て何も出来なかった俺は、、生きていていいのか?』

 

オーキスはそのまま寝てしまう。彼が見るのは、、

 

ースカアハ操縦室ー

 

ナヴィス『あんにゃろー、、俺に仕事押し付けやがって!まあ仕方ないか、、あまり寝ていないみたいだからな。そろそろ俺もシンフォニーを名乗った方がいいのかね、、』

 

ジル〈オーキス司令。今後の作戦に関してなんですが〉

 

ナヴィス『シンフォニー傭兵師団の潜水艦部隊か。俺は副司令のナヴィス・シンフォニーだ。何か用か?』

 

ジル〈ナヴィス司令でしたか。失礼しました〉

 

ナヴィス『オーキスからの伝言だ。”作戦成功後、潜水艦マーリンはスカアハと合流。目的地まで同時航行する”だそうだ』

 

ジル〈了解です〉

 

マーリンとの通信が切れスカアハは海面に沈んでいく。向かう場所はアヴァロンが航行ルートにしていると思われる島。式根島である。

 

ナヴィス『式根島、、か。あそこには何もないはすだがな。新兵器の実験にはいいのかもしれないが』

 

静かな海を航行するスカアハのモニターに映るのは漆黒のみだ。

 

タキセ『深淵を見つめる時、また深淵もお前を見つめ返すのだ。ニーチェの善悪の彼岸より抜粋』

 

ナヴィス『タキセ、、何を言いたい?』

 

タキセ『いや。何か悩みごとがありそうな顔をしているから声をかけただけだ』

 

ナヴィス『悩みはない。悔いはあるがな、、』

 

タキセ『海ってのはいいな。地上みたいにうるさくなくて静かだ。まあ、その煩さがまた懐かしい時もあるが』

 

ナヴィス『機体の調整は終わったのか?』

 

タキセ『大体はな。フルチューンとなるとかなり大変だが、、まあ自動でやれる部分もあるし今のところ不便はないさ』

 

ナヴィス『そうか』

 

タキセ『そういやオーキスは?』

 

ナヴィス『個室にいるぞ。まあ開けてはくれないだろうがな』

 

タキセ『は?』

 

ナヴィス『今は、、話しかけない方がいい』

 

キシ『おーいオーキス!あれ、、いないのか』

 

ナヴィス『どうしたキシ』

 

キシ『いやなんか、、嫌な感じがするんだが』

 

ナヴィス『嫌な感じ?』

 

ナナリー『私のギアスは希望を源にして全てを可能にするギアスですからキシさんの言いたいことが分かりました。この艦のどこからか、、巨大な邪気を感じます』

 

タキセ『邪気?敵か?』

 

ナナリー『敵ではありません。人の心には、、敵かもしれませんが』

 

キシ『PTSD、、か』

 

タキセ『心的外傷ストレスだな。治すのは困難だぞ』

 

ナヴィス『や最終的には自分から治さないと無理なものだからな』

 

続く!

 



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過去を乗り越えて

最近はWガンダムのWhitereflectionやEWのopが好きです。


ー???ー

 

オーキス『ここは、、どこだ?』

 

自分の着ている服はスカアハにあった司令官の服ではなく学生服になっていた。見たことのあるノートと教科書。右手にはシャーペン。先生は黒板に白いチョークで数式を書いている。

 

??『オーキス!消しゴム貸してくれ!』

 

オーキス『はあ、、すぐ返せよ』

 

あれ、、なんで俺勝手に話してんだ?何も言う気なんかないのに。つか誰だ、、?

 

先生『ここはこうだからxはaの式は変換する為にbを、、』

 

ああ、、思い出した。ここは公立高校だ。まだ兵士になる前のあの時の、、

 

先生『今日はここまでだ。しっかりと復習をしておけよ』

 

俺は鞄に教科書を詰め込んでイヤホンをつけ、そのまま帰路につく。

 

オーキス『早く帰らないと、、今日の夕食当番は俺だからスーパーもよっていかないとね』

 

今思えばスーパーなんか行かなければ良かった。たった5分だけど行かなければ良かった。

 

オーキス『今日はハンバーグかな!さあ早く帰らないと!』

 

行くな、、行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな行くな!見たくない見たくなんかない!

 

オーキス『ただいまー!今日はレオの好きなハンバーグだよ、、』

 

目の前に広がっていた光景。それは弟レオとヤタと母親の死体。そして2人の治安部隊の人間。そこから先を覚えていない。気づいた時には治安部隊の2人は内蔵を抉られ眼は潰れていた。腕にはかすり傷。手には包丁。何をしたかわからなかった。

 

オーキス『俺が、、俺が殺したんだ。あの時寄り道さえしていなければ、、嫌だ、、嫌だ、、死んでないよな?死なないでくれよ、、俺を一人にしないでくれよ!』グスッ

 

あの時の後悔はいつまでも付いてくる。今更と思っても消えることのない生きていた中で最初で最悪の日だった。床には滴る血。リビングに入るとまだ小学生に満たない2人が書いた似顔絵。学生服についた血は消える事はなかった。その後俺は警察に捕まり現行犯逮捕。治安部隊の2人はブリタニア人のハーフを撲滅しようとするグループのメンバーだったらしい。裁判ではまだ未成年で正当防衛もあり刑期は1年半程で済んだ。刑期を終えた後、ブリタニアの騎士を募集していたので雑用として入った。まさかその後騎士として入るとは思わなかったが。

 

オーキス『見たくもない夢を、、なんで今見ているんだ、、思い出す為か?後悔する為か?目が覚めない、、早く起きてくれ、、!』

 

ースカアハー

 

ナヴィス『操縦室でロックは解除した。行くぞ』

 

タキセ『PTSD患者は自殺しないように特殊な病室に隔離すると聞いたが』

 

キシ『病状によって変わるさ』

 

ーオーキス 個室ー

 

ナヴィス『オーキス!入るぞ!』

 

タキセ『反応がないな。勝手に入るぞ』ガチャ

 

ベッドの上に座ってブツブツと何かを呟いているオーキス。話しかけても反応がない。

 

ナヴィス『おいオーキス!』

 

オーキス『触れるな!』

 

ナヴィスを突き飛ばして銃を構えた。

 

タキセ『落ち着け!自分が今何をしているのか分かっているのか⁈』

 

オーキス『俺の邪魔をする奴は、、排除するまでだ』

 

キシ『クレイジー・チャリオット!』

 

腹を殴られ気絶するオーキス。ナヴィスは銃を蹴飛ばし抵抗出来ないよう縛った。

 

ナヴィス『なんなんだ急に、、いきなり銃を突きつけるなんて、、』

 

ナナリー『本当に、、オーキスさんでしたか?』

 

タキセ『偽者じゃあるまい。何があった⁈』

 

キシ『人格の分裂化、、か?』

 

ナナリー『まさか!』

 

ナヴィス『面倒な事になったかもしれないな、、だが本当に別人格か?アイツは俺に銃を突きつけた時涙目をしていたぞ』

 

タキセ『暫くは医務室に入れるしかないのか?、、、』

 

ナナリー『いえ。その必要はありません!私が2人程オーキスさんの精神世界に分身を送り込みます。解決するかどうかは分かりませんが、、』

 

キシ『いい考えだよ。ナナリー。でもそれだけじゃ足りないな』

 

ナナリー『え?』

 

キシ『俺は暫くここにいるからE.Eに伝えてくれ』

 

ナナリー『分かりました!伝言は?』

 

キシ『えっとな、、』

 

ー???ー

 

オーキス『どうすれば、、どうすればいい、、俺は何をやっているんだ!もう無理だ、、死ねない身体に帰ってこないアイツら、、ドロ沼しかないループだ。もう何もかも捨てたい、、』

 

??『バカやろォォォ!』

 

オーキス『ガハッ⁈』

 

??『やはり引っ張っていたのか?いい加減気づけよ!』

 

オーキス『ナヴィス?キシ?』

 

キシ『ナナリーのギアスでお前の世界に入り込ませてもらった!いいか!お前の弟達はお前を恨んじゃいない!』

 

ナヴィス『最期まで自分達を悲しんでくれた兄貴に恨みがあると思っているのか?それは違うな。自分で全ての責任を押し付けているだけだ!なんの解決にもならない』

 

ースカアハ ハンガーー

 

E.E『はあ⁈幻月にクアンタムバーストをやらせる⁈』

 

ナナリー『キシさんからの伝言です。あと”俺が乗らずにオーキスが乗って操縦出来るようにしておけ”って言ってました』

 

E.E『できなくもないけどさぁ、、キシは何をするつもりなんだろう、、』

 

キシ『それは見てのお楽しみだ』

 

ナヴィス『早くしてくれ。オーキスを背負うのも限界がある!』

 

E.E『ちょっと待って。急造品になるけど戦闘に使われないならいけるから、、』

 

ー数分後ー

 

E.E『出来た!』

 

キシ『コックピット開けてくれ。オーキス。俺の指示通りにやれよ。(つってもナナリーのギアスで操ってるだけだがな)』

 

こくりと頷きコックピットを閉めたオーキス。そしてクアンタムバーストが起動した。

 

キシ『すげぇ粒子濃度だ!だがこれなら、、!』

 

ハンガーは高濃度のGN粒子で充満していく。

 

キシ『これが、、オーキス?』

 

ナヴィス『2人いるのか』

 

E.E『こんな事が、、!』

 

1人は起きる様子のないオーキス。しかしもう1人はキシ達を見つめている。学生服を着ていた。

 

ナヴィス『お前は何者だ?答えろ!』

 

オーキス2『さあ、、知らない』

 

キシ『お前は主人格か?それとも、、』

 

オーキス『黙れよ。”あの時の俺”』

 

キシ『あの時の、、?』

 

むくりと頭をかかえながら起き上がるオーキス。

 

オーキス『思い出した、、治安部隊の2人を殺した時にいたのはコイツだ』

 

キシ『やはり、、ショックによる人格分裂か、、そこにいるオーキスは何者なんだ?』

 

オーキス『家族の死体を見て俺は殺すという考えしかなかった。その時に生じた人格としか、、』

 

ナヴィス『つまり対象を殺す事に特化した人格って訳か。長年たって人格の融合が始まってから記憶を思い出すようになり主人格の知らない内に俺らを殺そうとした、、』

 

キシ『だがオーキス。自分のその人格と融合して元に戻るという事は苦痛を受けなければならない。お前が心の底にずっとしまい込んで来た最悪の記憶を蘇らせる試練が』

 

オーキス『もう、、逃げたくはない。いつまでも悔やんでる場合じゃない。心の内ではいつもそう思ってた。だがいつの間にかあの世で俺を責めているような気がしてならなかった。だけどこれで、、吹っ切る事が出来る』

 

E.E『クアンタムバーストがメーター以上の出力を出してる!これ以上は装甲が、、!』

 

E.Eの予想通り幻月の装甲は一部を残して外されていく。ハンガー内のGN粒子濃度はすでに数百%を超えている。ここまで来ると何が起きるか誰にも予想できない。

 

ナナリー『聞こえます、、光の中から希望の音が、、』

 

幻月のクアンタムバーストがストップした。ふわりと降りてくるオーキス。

 

キシ『オーキス、、?』

 

オーキス『ふん、、懺悔なんかしている暇はないよな。最大戦速でマーリンと合流する。急げ』

 

ナヴィス『オーキス、、変わったな』

 

ースカアハ 操縦室ー

 

オーキス『障壁を艦全体に展開。座礁や衝突に気をつけろ。タキセに武装選択を一任する。頼むぞ』

 

タキセ『頼まれた!』

 

キシ『やっと本調子になったか』

 

ナヴィス『これの方がオーキスらしいさ』

 

続く!

 




オマケ

ナイトメア名 幻月ークアンタム装備ー

オーキスの内部人格や精神状況を修復する為に急造品で作られた本家のGNドライヴを搭載し、戦闘用ではないクアンタムバーストシステムを導入した幻月。ELSと会話出来るかは不明。


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式根島

いやはや、、テスト近いからヤバイ!


ースカアハ 会議室ー

 

オーキス『これよりブリーフィングを始める。全員しっかりと聞くように』

 

スクリーンに式根島の地図が投影される。

 

オーキス『現在の航行位置は式根島から約20km離れた深海だ。この式根島に黒の騎士団がブリタニア軍を急襲するとの情報が入った。我々の任務は敵戦力の確認と遺跡の解析だ』

 

黒金『遺跡の解析だと?』

 

オーキス『そうだ。敵戦力偵察は潜水艦マーリンが任務に就く。スカアハチームはギアスに関係していると思われる遺跡の解析。ブリタニア軍が解析している可能性が高い。武装はKMFと護身武器としてアサルトライフルや単発銃を携行する事』

 

クレア『ブリタニア軍が解析しているのは何故ですか?』

 

オーキス『奴らも気づき始めたらしい。厳重警戒で行なっている』

 

木葉『チーム編成は?』

 

オーキス『チーム編成としては』

 

解析チーム

タキセ

E.E

クレア

ブレーン

 

周囲警戒チーム

ナヴィス

キシ

オーキス

ナオト

 

司令及び周囲観測チーム

ナナリー

ベイリン

木葉

黒金

 

オーキス『となっている。この編成に意見はあるか?』

 

E.E『はーい。なんで解析チームに私がいるの?観測チームか警戒チームに入れて』

 

ナヴィス『お前はギアス所持者の中でも特異点だ。近づけば何かあるかもしれないしな』

 

ナオト『警戒チームの主な任務は?』

 

オーキス『解析チームの周囲にいるKMFをダウンさせて歩兵や他KMFを対象に警戒装置を設置。近づく奴は片っぱしから潰せ』

 

木葉『観測チームの任務は』

 

オーキス『スカアハから半径300kmにレーダー範囲を設定。式根島から発せられるエネルギーや異常を感知する。何か異常事態が発生したら警戒チームに連絡だ』

 

タキセ『解析装備は?』

 

オーキス『HEー15型大容量メモリーと解析装置。地底簡易観測機に専用PCを用いて行え。関係あると思われる壁画や物は写真に収め可能なら物質を採取。しらみ潰しに調べてくれ。もしまずくなったら、、』

 

E.E『メモリーごと破壊して観測機は放棄しろって言いたいの?』

 

オーキス『そうだ。データは一応有線で幻月にバックアップとして送る。一切の痕跡を残さず逃げ切る』

 

キシ『つまりデータを取ったらトンズラしろって訳、、か』

 

オーキス『今回戦闘に介入すればシンフォニーの存在が更にバレる可能性がある。あくまでもノーキルで作戦を行う』

 

ー潜水艦マーリンー

 

兵1『艦長!スカアハからの信号をキャッチ!現在マーリンより後方53度に4kmを航行しています』

 

ジル『マーリンは式根島へ更に進行。スカアハならマーリンの速さに追いつけるはずよ』

 

メア『了解!操舵室!式根島へ進行!針路変更無し!戦速そのまま!』

 

兵2『了解です!戦速、針路変更無し!』

 

メア『対電子戦隊員はジャミングを開始!データ送信方式を変更!』

 

兵3『ジャミング作動!データ送信方式変更!』

 

ジル『副長。私は席を離れる。指揮を頼んだ』

 

メア『了解です!』

 

ジルは席から降りて通信管制室に向かう。

 

ーマーリン 通信管制室ー

 

ジル『首尾はどうかしら?』

 

兵4『現在海底火山を中心に変動を調査していますがめぼしいデータは取れていません』

 

兵5『海中観測機からのデータに異常ありません』

 

ジル『オーキス司令が式根島に向かって帰るまでは目を離さないで』

 

兵5『了解です!』

 

ースカアハー

 

オーキス『解析チームの装備は完了したな?』

 

E.E『うっ、、重い、、大容量メモリーなんて持ってく必要あるの?』

 

クレア『全く重くないですよ』

 

タキセ『実際1時間以上いた場合そいつは必須だからな。幻月にもメモリーは外付けで入れたが、、まあ装甲は外れてるわ変な装備のせいで配線が変わってるわで大変だった』

 

ブレーン『今回陽炎はどうするんです?』

 

オーキス『陽炎は近接及び中距離専用だ。それにブレーンは解析チームだ。必要ない』

 

キシ『ノーキルか、、出来るかどうか心配だぜ』

 

ー式根島ー

 

E.E『上陸!』

 

タキセ『海水浴と行きたいが、、目的は遺跡だしな』

 

ブレーン『これはまた、、熱中症になりそうな暑さだ』

 

クレア『水着持って来れば良かった、、、』

 

ー上空ー

 

ナオト『解析チーム上陸しました。作戦指揮を』

 

オーキス〈式根島付近に謎の浮遊兵器がある。ステルスは働いても何がどうなるか分からん。気をつけろ〉

 

解析チームと警戒チームが式根島の中腹辺りまで移動して行く。

 

ナオト〈隊長。あの島は?〉

 

オーキス『神根島だ。今は封鎖されているはずだが、、ブリタニアがいるみたいだな』

 

キシ〈式根島よりそっちの方が何かありそうな気がするね俺は。まあ向こうも向こうで面倒くさいみたいだから行かないけど〉

 

ナヴィス〈マーリンの観測情報は?〉

 

オーキス『異常なし。海底火山にも何ら変わりはない』

 

キシ〈式根島の遺跡、、何があるんだ?〉

 

オーキス『最悪外れだったとしても観測情報さえ取れれば問題ない。ブリタニアの企みを調べなければ』

 

ナオト〈後方2キロ前方に浮遊兵器を発見!迎撃態勢!〉

 

ハロ×2『狙い撃つぜ!狙い撃つぜ!』

 

高距離スナイパーを構えるサバーニャ。しかしバレる事はなく素通りしていった。

 

オーキス『アレが、、アヴァロン』

 

ナヴィス〈ウチより小さいが、、多分ジル艦長のハドロン砲を積んでるんだよな〉

 

ナオト〈バリアを展開しています。おそらく並みの実弾兵器では傷一つつきませんね〉

 

キシ〈アヴァロン、、、か〉

 

ー地上ー

 

タキセ『アヴァロンか、、』

 

E.E『まあ何が来ようと大丈夫でしょ。スカアハ!観測情報に異常は?』

 

ナナリー『今の所異常はありません。レーダーには浮遊する兵器がありましたが、、どうやら警戒チームは気づいていたみたいなので報告はいらなかったです』

 

ベイリン〈システム異常なし〉

 

黒金〈誤観測によるデータ修正もなし〉

 

E.E『了解。観測を続けて』

 

解析チームが数分歩いた頃だろうか。スカアハのレーダーに異常発生のマークが表示された

 

木葉〈スカアハより警戒チーム!後方5キロ先から強力なエネルギーシステムを探知!〉

 

キシ〈了解した。観測を続けろ〉

 

黒金〈了解!〉

 

ナヴィス〈オーキス!〉

 

オーキス『ジャミングだと、、向こうで何が起きている?』

 

タキセ〈ゲフィオンディスターバーだ〉

 

キシ〈ゲフィオンディスターバーって、、まさかあのジャミング装置か?〉

 

タキセ〈ジャミング、、というかコックピット以外の駆動系にはサクラダイトが使われている。それに磁気的干渉を及ぼすトラップ兵器。近づいたら厄介だぞ、、〉

 

キシ〈つまりアレには近づくなと〉

 

タキセ〈そういうこった。触らぬ神に祟りなし、、ってか〉

 

黒金〈エネルギー反応地から更に高エネルギー反応!〉

 

ナヴィス〈ハドロン砲か⁈ここで撃つなんて正気じゃないぞ!〉

 

オーキス〈全員!衝撃に備え!〉

 

ハドロン砲が放たれた。その後の震動波はナオトが全員に配置したサバーニャのシールドビットを少し弾いた。

 

ナオト〈震動波だけでこの威力かよ⁉︎〉

 

オーキス〈ハドロン砲か、、面倒なものを作りやがったなブリタニア、、〉

 

木葉〈浮遊兵器が神根島へ航行開始!どうしますか?〉

 

キシ(思考エレベーターか、、だが調べる価値はないな。あそこには何もないし、、あるっちゃあるけど開けるにはルルーシュ達と協力する必要があるし。今は黙っておくか)

 

ー潜水艦マーリンー

 

兵1『ふ、、副長、、これは、、』

 

メア『敵さんのハドロン砲、、厄介ね。何とかして情報を調べないと』

 

ジル『メア。調子はどうかしら?』

 

メア『敵さんのハドロン砲のせいて胃がキリキリいいます、、』

 

ジル『ふふ、、新人副艦長の貴方には重すぎたかしら?』

 

メア『も、問題ないです!』

 

ジル『あらそう。ならいいのよ』

 

続く!

 

 

 




オマケ

名前 ジル・ヴォイラ

シンフォニー傭兵師団所有の新型潜水艦マーリンの艦長。オーキスの命令により近くの海域を哨戒している。ハドロン砲についての情報を集めており戦略家としても名を馳せている。


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予想だにしない電撃

駄文なのは分かっていますよ、、少しづつ改善して行きたいので意見はギリ甘口でお願いします、、我儘ですいません。


ー式根島ー

 

『今のでビットが少しイカれた、、これは戦闘出来ないな』

 

ナオトはサバーニャのビットを戻していく。一部が戻らなくなり凹みがある。

 

『くそっ、、あの時にシールドビットの位置を変えておけば』

 

〈ナオト!シールドビットの破損度は?〉

 

ナオト〈すいませんタキセさん。三枚ほどイカれました。次に衝撃波が来たら無理です〉

 

〈ブレーン、解析を急げ。あまり長居をすると気付かれるぞ〉

 

〈了解。オーキス司令〉

 

観測機を設置して幻月にコードが繋がれた。メモリーに観測データが入込まれていく。E.Eは画面を見ながら呟く。

 

『ここにはやっぱり何かある、、神根島に近い場所にあるこの島が何の関係性もないとは思えないし。だとしたら、、っと』

 

E.EはUSBを差し込みプログラムを展開した。

 

『予想以上に難題ね、、』

 

『俺だって観測データだけじゃ分からないさ』

 

『タキセ?』

 

『神根島からのエネルギーがこちらに来ている。何が関係しているか分からんが、、』

 

ースカアハー

 

煙草を吸いに喫煙スペースにいた黒金は携帯式の通信機を持ちながら見つめていた。

 

『藤堂、、』

 

俺は日本人として片瀬少将と戦うだけだ

 

藤堂!お前は何も分かっちゃいない!テロリストになろうと解放戦線になろうと、、人殺しに変わり無い。

 

それでもやる価値があるならば、、やって見せなければならない。

 

『やる価値があるならやって見せなければならない、、か。藤堂らしい言葉だった。流石は厳島の奇跡を起こした男と言ったところか』

 

〈黒金のおっさん!煙草吸うのもいいが画面に張り付く位してくれよ!〉

 

〈ああすまないなベイリン。もう少ししたら戻る〉

 

通信が切れて二本目の煙草をふかす黒金。しかし

 

『ちっ、、ライターのガスが切れやがった』

 

黒金はライターと煙草の箱を胸ポケットに入れて換気システムを作動させる。

 

『今の俺は日本人の黒金ではなくシンフォニーの傭兵としての黒金、、それ以上でもそれ以下でもない』

 

そう言って彼は喫煙スペースを後にした。

 

『禁煙、、するか』

 

ー式根島ー

 

『ブレーン!解析は進んでるか?』

 

『タキセさぁん、、もうかれこれ一時間以上いるんですよ?カップラーメンに水、菓子だけじゃ無理ですって』

 

『貴方は私達の水着でも見たいと言うの?』

 

『クレア、、いいか?俺はそんな邪な考えはない。あくまでも暇なだけだ!』

 

『よく言うわね。本音は?』

 

『海水浴したーい!E.Eさんとか水着が見たい!』

 

『煩悩の塊だな。ブレーン』

 

『タキセさんだって見たいと思ってるんじゃないすか?』

 

『、、、否定はしない』

 

〈ブレーン働け!あと30分は解析をするんだからな!オーキス達だってクーラーの効いた機体に乗ってる訳じゃないんだから!〉

 

〈了解!、、キシさんも見たいですよね?水着〉

 

〈めっちゃみたい。個別回線だから言えるけど早く海行きたい〉

 

〈終わったら行きません?〉

 

〈行くか!〉

 

ー潜水艦マーリンー

 

『艦長!神根島方向から微弱なエネルギー波が来ました!データ回収中!』

 

『大きくなって来ています!なんだこれは、、、強大すぎる!』

 

『潜水艦マーリンの乗員は対衝撃波装備!マーリンのショックアブソーバーを作動させなさい!』

 

『了解です!副艦長より乗員へ!ショックアブソーバー作動!データ解析は続行!全員対衝撃波装備!』

 

『了解!対衝撃波装備!ショックアブソーバー作動!』

 

マーリンの外郭と内郭に制御棒が突出する。乗員達はイスのベルトを装着してデータ解析を進める。

 

『メア副艦長!オーキス司令に報告!』

 

『了解です!』

 

『大丈夫よ、、落ち着きなさいジル・ヴォイラ。私なら出来る私なら出来る、、、』

 

『エネルギー!更に増大!』

 

『ショックアブソーバーを最大出力に!全員衝撃に備え!』

 

ー式根島ー

 

〈こちらベイリン!神根島よりエネルギーを観測!予測から暴発まで残り三十五秒!〉

 

〈オーキスより全員に告ぐ!地上部隊は観測機から離れろ!キシ!コードを切り離せ!データ破損は仕方ない!スカアハはショックアブソーバーを作動!〉

 

〈スカアハよりナナリー!到達まで残り十五秒!〉

 

『クレア!メモリーのコードを切断しろ!お陀仏になるぞ!』

 

『分かってますよタキセさん!今やってます、、!』

 

『神根島からのエネルギー波、、こんなの見た事が、、』

 

『E.E!早くコードを遮断し』

 

観測機から電撃が発生した。周りの木々を焦がし緊急時のブレーカーも機能しなくなっていた。

 

〈こちらスカアハより黒金。キシ、、状況を〉

 

〈オーキスチームは傷害無し。観測チームは、、一応全員生きている。大容量メモリーは無事だ〉

 

〈キシ!幻月のバックアップは?〉

 

〈安心しなオーキス。きっちり取ってある。それよりあいつらの手当てをしてやらねぇと〉

 

ナイトメアから降りて応急セットで手当てをするキシ。しかしあの電撃の中で重症者が居ないのは奇跡だった。手当てを終わらせるとオーキスやナオトのナイトメアにタキセ達を乗せてスカアハへと帰還した。

 

ースカアハー

 

『いつつ、、ブレーカーも発動しないなんてな。ひでぇめにあった』

 

『確かにね。タキセ自身が作った筈なのにブレーカーが発動しないってそれは』

 

『分かっている!多分予想以上の高電圧で回路がショートどころか溶けて偶然繋がったんだろう。奇跡にもほどがある。それはそうと中身はどうだ?ブレーン』

 

『スカアハチームのおかげで何とかデータ破損は免れました。中途半端なデータもありますが、、』

 

『仕方がない。予想外だったし』

 

ー潜水艦マーリンー

 

『艦長、スカアハにデータを送信しました』

 

『ありがと。副艦長。マーリンはこれよりスカアハと合流。針路を四十三度変更!』

 

『了解!針路変更!速度変更なし!』

 

マーリンはスカアハへと向かう。上空には何も知らないガウェインが空を舞っていた、、、、

 

続く!

 

 

 




オマケ

今回は無し!ごめんなさい!


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始まるテロ

今現在株価を見ながらやっています。つまんねーからコードギアスのDVD見るか。


スカアハとマーリンが海上に現れ何人かがスカアハへと向かう。

 

ースカアハー

 

『改めまして、、潜水艦マーリン艦長のジル・ヴォイラ二等海佐です』

 

『副艦長のメア・ランティス一等海尉です』

 

『スカアハ艦長のオーキスだ。それと副艦長のナヴィス』

 

『スカアハ副艦長ナヴィスです。よろしくお願いします。ジル艦長』

 

『ええ』

 

二人が握手を交わす。

 

『さて、、立ち話も悪い。スカアハの会議室で再びブリーフィングを開始しようか。ジル二等海佐。こちらへ』

 

『ありがとうごさいます。オーキス司令』

 

ー会議室ー

 

『潜水艦マーリンの艦長のジル・ヴォイラ二等海佐です。まず我々が分かっている事から話します。メア。あれを』

 

『はい』

 

プロジェクターにデータグラフが表示される。

 

『私達の観測結果から神根島でのエネルギー暴発は物理的衝撃ではないと推測します。この場合プレート情報も考慮して結果を出しますが今回は不要と見なしデータのみとなっています』

 

『質問がある』

 

『はい?』

 

手を挙げたのは包帯などをつけて参加しているタキセだった。

 

『何故物理的衝撃波ではないと判断した?』

 

『スカアハのデータと照合しましたが近くにハドロン砲以外のエネルギーを出す兵器は見つかっていません。何より、、”思考エレベーター”の情報もありましたので』

 

『思考エレベーターだと?なんだそれは』

 

『詳細は不明ですが、、先代司令の情報から思考エレベーターとは意識集合体となっています。人々の意志を集めるものかと』

 

『ふう、、謎が謎を呼ぶというが、、これは厄介だぞ、、』

 

ースカアハ操縦室ー

 

『いきなり俺を呼び出すとはな。何の用だ?E.E』

 

『思考エレベーターについて教えておこうと思ってね』

 

『ああ、、親父のメモに書いてあった意味不明なモノか』

 

『あれの作成に私は参加していないから何なのか分からないけど、、V.Vが教えてくれた事をそのまま伝えるよ』

 

”あれは僕達の世界を創るために必要なモノなのさ。Cの世界に、、”

 

『新しい世界を創る、、だと?』

 

『つまりソレには世界を作り変えてしまうほどの力を持っているという事。兵器ではない別の何か、、』

 

『それを復活させてはならない、、という事か』

 

『そういう事。私も出来る限りは調べてみるけど、、』

 

『オーキス!大変だ!』

 

キシが急いでこちらに来た。

 

『どうした?キシ』

 

『フクオカブロックを占拠したテロリストが、、日本独立を宣言した!』

 

『そんな馬鹿な、、あそこはブリタニア拠点の中でも強固な防衛網を持っていたんだぞ。簡単に破られる筈がない』

 

『だが現実は違う。実際電波ジャックも起こして宣言をしている』

 

『これは私達が動いた方がいいのかしら、、?』

 

『フクオカブロックを陥落したKMF部隊だ。数が多いはず、、しかも敵の基地をそのまま使用している。簡単には落とせないだろう、、』

 

『だがオーキス!これ以上やったらブリタニアの部隊まで壊滅する可能性が、、』

 

『くくく、、先手必勝かな?』

 

『オーキス、、まさかお前、、』

 

ー会議室ー

 

『ジル艦長!』

 

『メア?』

 

『フクオカブロックが、、陥落したとの情報が!』

 

『嘘⁈』

 

会議室が騒つく。珈琲を飲んで大人しくしていた黒金ですら驚いた表情をしている。プロジェクターはすぐにテレビに切り替えられ独立宣言のニュースが流れた。

 

『おいおい、、まじかよ。信じられないな、、』

 

『黒金のおっさん、、』

 

『まだいたみたいだな。馬鹿な事を繰り返す野郎共が』

 

『ブリタニア拠点の中でも強固な方だ。そこらのKMF部隊じゃ破られないはず、、』

 

『ベイリン。お前が思ってるほど数に押されて勝てる基地はないと思うが』

 

『戦いは数、、か』

 

その時オーキスが靴音を響かせてプロジェクターの前に座った。

 

『いいかぁ!よく聞け!これよりスカアハは単艦でフクオカブロックに乗り込む!マーリンは巡航ミサイルで支援!そして今回基地制圧用であるサバーニャは現在修理で回せない』

 

『し、司令!では一体どうやって、、⁈』

 

『落ち着けクレア。まだもう一機いるんだよ』

 

キシはその言葉を聞いた瞬間苦笑いした。

 

『マリーメイアの核シェルター破壊を行なったあの機体を使う機か?』

 

『流石キシ!私の好み分かってるじゃん!』

 

『E.Eちゃんは好きだからね。羽とかは特に』

 

『キシ。分かっているとは思うが全機を派手に改造する暇はないんだ』

 

『オーキス司令の言う通りです。諜報員から情報が来ました。明日の1800に計画を実行するそうです』

 

ジルはタブレット端末で情報を整理していく。

 

『ナナリーにしか頼めない。やってくれるか?』

 

ナナリーは決意を固めたように言い放った。

 

『私が、、スザクさんを助けます!』

 

『キシ。決定だな』

 

『ナナリーがそこまで言ったのなら仕方ない、、だが護衛はさせて貰うからな?』

 

『なら私がピッタリの装備を出したげるよ!オペレーションメテオに相応しい装備をね、、!』

 

ー朝ー

 

朝聞く朝食を作る音。匂いに釣られて起きる兵士達。そして本日の料理人はキシ・オーキス・クレア・メアとなっている。

 

『鮭とか追加する?』

 

『追加しましょうか。クレアさん料理上手いですね』

 

『ここに拾われる前はレストランでバイトしてたしね』

 

『お、オーキスお前、、流石長男だけあるな、、』

 

『なめんなよ。本気出せば三ツ星取れんだぞ。つか前に創作料理で三ツ星取った』

 

『かてねーよ』

 

全員が朝食を食べ始める。備え付けのテレビにはフクオカブロックの話で持ちきりだった。

 

ースカアハ ハンガーー

 

『で、、朝四時に起こされて今かなりイラついてるんだが』

 

『そこは我慢してよタキセ!私だけじゃ片付かなくって、、』

 

『こんな装備を良く出してつけようと思うな、、あ、そのレンチかして』

 

レンチが投げられてキャッチしたタキセ。幻月の羽を外していく。

 

『確かに幻月だけじゃないと無理だな。サバーニャのシールドビットはしばらく調整しないと無理そうだ』

 

『どのくらいかかる?』

 

『少なくとも一週間はかかるな』

 

ー数時間後ー

 

『ふー、、こっちは設置完了!幻月の装備に互換性を持たせるのは想像で出来るし後は動くかどうかだけだね。そういえば紅蓮参式とフェデルマは?』

 

『フェデルマは根本から設計を見直さなきゃまずいから今設計中。参式は今輻射波動の試験中』

 

『駆動系は大丈夫なんだね』

 

『割と行けたからな』

 

現在時刻10:00

 

続く!

 




オマケ

今回も無し!ごめんなさい!


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作戦前の息抜き

戦闘が見たい方はもう少し待ってね!あと今回は短いよ!いつも短いけどね!


ースカアハー

現在時刻11:30

 

『あれから六時間くらいかかったけど、、ついに完成したね!』

 

『朝飯食いてぇ、、』

 

そこにある幻月は既に装備を換装されて二本の特殊な形をした剣を所持しておりマントと仮の余剰装甲をつけていた。

 

『耐ビームコーティングに大気圏突入にも耐えられる装甲。ヒートショーテルは本家よりも強くしてあるし、、もうバッチリだよ!あれ?タキセ?』

 

そこに既にタキセの姿は無かった。工具箱と共に”朝飯食ってくる”と書いてある紙しか無いのだ。

 

『まあ、、そりゃあお腹すくよね。私も行こ』

 

ースカアハ 食堂ー

 

椅子に座りとんでもない量をかきこんでいくタキセ。既にスクランブルエッグを相当食べてベーコンもあり得ないほど食べている。鮭に至っては残っていた全てを平らげていた。

 

『私より食べてるんじゃないの?ていうか私の分は⁈』

 

『ちゃんとありますから』

 

『ありがとう!えっと、、』

 

『メアです』

 

『メアちゃんありがとう!』

 

メアから朝食を貰いタキセの正面に座る。皿に乗っているオカズはとんでもない量が載っていた。しかしそれを難なくクリアしていくタキセ。

 

『ごちそうさまでした!』

 

『あれだけ食べて腹壊さないの⁈』

 

『五時間も飲まず食わずなら何があっても大体こうなる!』

 

タキセはそういうと満足そうな顔をして食堂を出ていく。E.Eはぽつんと一人食べて続ける。

 

『ケーキ作ったんですけど食べます?』

 

『食べる!』

 

ーキシ個室ー

 

キシの部屋ではオーキス、ジル、キシ、ナナリーが大富豪をしていた。

 

キシ→オーキス→ナナリー→ジルの順番でやっている。

 

『七渡し!』

 

『ちっ、、キシがこれ以上七を発動したら死ぬんだが』

 

『料理が上手いからって調子乗るからこうなるのさ』

 

『革命!』

 

『かーらーのー、、革命返し!』

 

ナナリーはオーキスの発動した革命を見事革命返しして卓の安全を守りきる。

 

『クーデター!』

 

『残念だったな!クーデター返し』

 

『そんな⁈』

 

『で、切りまして、、そして俺がジョーカー発動!あと一枚!』

 

『俺はスペ3返しだ。あがり』

 

『あり?という事はまさか俺、、』

 

『キシさんの都落ちです』

 

『負けタァァァ!』

 

『大☆貧☆民wwざまぁww』

 

『ちくしょおおお!』

 

『革命。あがり』

 

『私は貧民ですか、、』

 

『結果は俺一位、二位ナナリー、三位ジル。大☆貧☆民キシww』

 

『その言い方やめれ』

 

『大富豪もいいですが、、私はポーカーやりたいです』

 

『オーキス司令!』

 

『オーキス司令は堅苦しい。オーキスでいい』

 

『で、では、、オーキス君!』

 

『は、はい?』

 

『人狼やりましょう!』

 

『じ、、人狼だと⁈』

 

キシの顔色が悪くなっていく。

 

『ん?どした?』

 

『毎回毎回俺さ、、人狼やるたびに殺されるんだが』

 

『それはお前が疑われる事ばかりやるからだ。身からでたサビだな』

 

『妻は私ひとりですから。ね?』

 

ナナリーの最後の語尾には重低音が似合うと思うほど重みがあった。

 

『はい、、ちょっとトイレ行ってくる』

 

トイレに行ったキシ。他の三人は人狼の準備をしていた。

 

ートイレー

 

『ああ、、全く、、人狼か。コマとかソウとか神狐に毎回ノリで殺されてばかりだからな。元の世界に帰ったら人狼やって賄賂渡して混乱させてやろうか、、』

 

現在時刻十二時半。

 

ーナオト個室ー

 

『カレンは、、無事だろうか』

 

写真を見つめて呟くナオト。その背中は少し哀愁漂う。

 

『よぉーー!』

 

ドアを思い切り開けてきたのはなんとベイリン。黒金もいた。

 

『なんの用だ?』

 

『辛気臭いオーラ出してるから来てやったんだろうが!将棋やろう!』

 

『いきなり将棋⁈』

 

『囲碁もあるぞ?』

 

黒金は何処から持って来たのか大きな囲碁板を持っていた。

 

『将棋と囲碁、、どちらがいい⁈俺がやると黒金のおっさんに負けるんだよな〜』

 

『将棋なら、、出来るけど』

 

『決定!東!黒金!西!紅月ナオト!』

 

『『お願いいたします』』

 

ー操縦室ー

 

『自動操縦にしてあるから暇だ、、』

 

舵のある席でガムを食べる木葉。更にガム風船を膨らます。そしてパンクした。

 

『んむ⁈』

 

ー食堂ー

 

時刻は午後一時

 

昼の料理人はナオト、黒金、E.Eである。

 

『黒金さん強いですね、、』

 

『将棋もまた戦略の要だ。訓練にもなる。チェスと違って捕虜をこちら側の駒として使えるからな』

 

『二人とも手を動かして!』

 

本日のランチは玉子丼。消化の良さげなものをと黒金が選択した。

 

『醤油の量から卵の入れ方まで間違えてはならないぞ。ナオト』

 

『は、はい』

 

そんなこんなで完成した玉子丼は割と好評でお代わりした人も何人かいた。

 

『時間は、、一時半か。作戦開始まであと六時間半だな。タキセ!最終調整を行う。ナナリーとキシも来てくれ』

 

『はいよ』

 

四人はハンガーに向かう。

 

『皆聞いてくれ!オーキスは今ハンガーで仕事がある。残留組は俺がブリーフィングを行うからしっかりと聞いてくれ』

 

作戦開始まであと六時間

 

続く!




オマケ

KMF名 幻月ーサンドロックverー

サンドロックの装備を搭載した幻月。汎用機である事を生かした幻月に強力スラスターとヒートショーテルを装備させガンレオンよりも地上戦に特化した。


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フクオカ奪還作戦 前

あの話が一番ユフィの中の人がセリフ多い場所だと思いました。


ーフクオカブロック付近ー

 

現在時刻 午後五時四十七分

 

『作戦開始時間まで残り3分を切った。各員は配置につけ!』

 

オーキスが艦長席に座り指令を出す。これまでの時間にメアとジルはマーリンに帰っていた。

 

『フクオカブロック付近にブリタニア軍の海上艦を発見。オーキス司令!』

 

『黒金!第五型戦闘態勢に移行!ナヴィス!スカアハ上昇開始!』

 

『角度30!上昇開始!』

 

スカアハは海上から空中へと浮かんで行く。

 

『木葉!ジャミング開始!指示システムをマーリンと接続!ハッチ開放!』

 

『了解!指示システム接続!続いて第一ハッチ開放!』

 

スカアハの側部ハッチが開き幻月が姿を現した。

 

〈軍治キシ!幻月、出撃する!〉

 

カタパルトから出撃する幻月。フクオカブロックへと向かって行く。

 

〈キシ。ナナリーのツインバスター発射まで四分かかる。それまでは奴らをスカアハに近づけるな〉

 

〈了解した!〉

 

ーアヴァロンー

 

『ロイドさん!アヴァロン下に低空飛行する物体が!』

 

『なになになに⁈』

 

アヴァロンのモニターに映し出されたのは巨大すぎる戦艦だった。明らかにアヴァロンより大きく飛んでいた。

 

〈ロイドさん!あの艦は一体⁈〉

 

『シンフォニー、、傭兵師団、、⁈』

 

『ロイドさん⁈』

 

『なんで彼らがここにいるのさ、、!』

 

ースカアハー

 

『対空ミサイル接近!』

 

『タキセ!迎撃しなくてもいい。このスカアハがどれだけ凄いか見せてやろうぞ』

 

ミサイルは見事にスカアハに直撃した。しかし障壁で全て防御された。

 

『ナナリー!』

 

〈分かりました!出撃準備!〉

 

『クレア!ゼロカスタムにツインバスターライフルを装着』

 

『了解です。ツインバスターライフルを付与。システムオールグリーン』

 

〈ツインバスターライフル装着完了!〉

 

スカアハの上部ハッチが開きゼロカスタムが羽を畳んだ状態で上昇する。

 

『ゼロカスタム出撃!』

 

〈ナナリー、、行きます!〉

 

ゼロカスタムは再び羽を広げて飛行を開始する。付近では幻月がナナリーの道を開くためにKMFを倒していく。

 

ーアヴァロンー

 

『今更しのごの言っている暇はないよ!ランスロット発進させて!』

 

『了解です!枢木少佐。作戦は先程の通りに』

 

〈分かりました!〉

 

『ランスロット発進!』

 

ランスロットがフロートユニットを使って出撃した。しかし周りに敵はいない。そう!キシがスザクの為に片付けておいたのだ。

 

ーマーリンー

 

『ジル艦長!敵KMFが幻月に接近!』

 

『対空ミサイル発射よーい!』

 

『了解!発射管扉開放!対空ミサイル発射!』

 

マーリンから放たれた対空ミサイルは幻月の周りにいたKMFを撃墜した。

 

ー上空ー

 

『おらおらおら!死神様のお通りでぇい!』

 

キシはショーテルで中華連邦のKMFを破壊していく。その残りをツインバスターライフルで片付けるナナリー。

 

『フクオカブロックが見えました!キシさん!』

 

『よっしゃ!ナナリーは構えててくれよ!』

 

幻月はKMFの腕や武装を破壊し着陸と同時に余剰装甲をパージした。

 

『さあ来いよ!』

 

ランスロットも別の場所から参加し始めた。

 

〈キシ!ナナリーのゼロカスタムがまもなく発射準備完了だ〉

 

〈了解した。ランスロットは、、どうする?〉

 

〈ランスロットも回収してくれ。奴まで巻き添えにしたら敵と認識されかねん〉

 

〈りょーかい!〉

 

幻月は司令部付近まで接近していく。しかしKMFがうじゃうじゃと出てきた。

 

『邪魔だ!どけぇ!』

 

ショーテルを投げてまで応戦するキシ。その頃スザクは、、

 

『いつでも貴方はいきなりです、、!』

 

〈そうです!だから、、気づいちゃったんです〉

 

『すいませんが最後のお願いがあるんです』

 

〈最後の、、?〉

 

『セシルさんやロイドさん、、それに学校の皆にもいい訳をお願いいたします』

 

〈スザ、、ク?〉

 

『エナジーが、、底をつきました』

 

幻月と背中あわせになるランスロット。二機とも敵に囲まれていた。

 

〈貴方は、、何者なんですか?〉

 

〈さあな。少なくとも分かることは、、俺達ピンチだって事だ〉

 

〈つまり、、〉

 

〈俺も、、エナジー切れだ〉

 

続く

 




今回も短くてごめんね!


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フクオカ奪還作戦 後

な、なんかすげー疲れた、、、


ースカアハー

 

『幻月のエナジーが切れたぁ⁈あの馬鹿、、空中戦をやりすぎたか!』

 

タキセは冷や汗をかいてブツブツと言っている。

 

『幻月のエナジーが切れた以上、俺達が出来るのは、、』

 

『プランθだ。プランθを発動しろ』

 

『プラン、、θ⁈司令それは、、』

 

『ベイリン。お前なら分かっているはずだ。こんな時を想定してあるプランはこれしかないくらいは、、そうだろう?元戦略予報士』

 

『幻月のエナジーが切れるなんて数百万分の一の確率のはず、、』

 

『タキセ!そんな事を考えている暇はない。E.E!アレを出せ!』

 

『カタパルトに出してあるよ。いつでも』

 

『黒金!アンタにぴったりの機体がある。乗ってくれ』

 

『了解、、!』

 

黒金はカタパルトまで移動する。そして機体を横切る橋から見えたのは全身黒尽くめの機体。頭に金色のツノのようなものが生えている。

 

〈それがお前の新しい機体。”バンシィ・ノルン”〉

 

『バンシィ、、か』

 

〈時間はない!早く乗れ!〉

 

黒金はバンシィに乗り込む。背中に盾を装備させビームマグナムを装備させた。

 

『バンシィ・ノルン出撃!』

 

バンシィがカタパルトから出撃する。

 

〈NTーDスタート!〉

 

E.Eの通信と同時にNTーDが発動。バンシィの本当の姿が現れてゆく。

 

『行くぞ、、バンシィ』

 

フクオカブロックにとんでもない速度で接近する黒金。ビームマグナムを構え更に加速する。

 

ーフクオカブロックー

 

中華連邦のKMFに囲まれた二人は残り僅かなエナジーを使い敵から逃げる。

 

〈キシ!大丈夫か?〉

 

〈そろそろエナジーが本当に無くなる!援護は⁈〉

 

〈黒金を送った!バンシィでな!〉

 

〈ば、バンシィ⁈〉

 

どこからか赤いビームが空から飛んで来た。そしてスザク達の後方の部隊を全て壊滅してしまった。

 

『無茶な使い方だろうが、、今は手段を選べない』

 

黒金はバンシィを駆り敵を倒していく。しかし後からまだまだ出て来た。

 

『感覚が研ぎ澄まされてゆく、、』

 

ビームサーベルを肘と腕から出して無双していくバンシィ。敵もまけじと弾丸を飛ばすがビクともしない。

 

『食らえよっ!』

 

黒金はバンシィの盾のメガキャノンでコックピットを吹き飛ばす。貫通したエネルギー弾は更に後方の敵までを倒していく。

 

〈キシさん!〉

 

〈ナナリー⁈〉

 

〈これを!〉

 

上空にいるナナリーから投下されたのはなんとレーザー照射型エナジー供給機。フェデルマに使われているタイプの非接触型である。

 

〈それを設置すればスザクさんのエナジーもキシさんのエナジーも供給しながら戦えます!〉

 

〈感謝するよ!ナナリー!〉

 

供給機を地面に設置するとレーザーがランスロットと幻月にあたりエナジーが急速充電されていく。

 

『ランスロットのエナジーが、、!でもこれでまた戦える!』

 

ランスロットもフロートユニットを取り外し再び戦闘を始めた。

 

『幻月!行くぞ!』

 

幻月も再び動き出し敵を倒していく。

 

『そのナリでは小回りが利かないだろう』

 

その圧倒的加速に中華連邦のKMFが間に合うはずも無い。隙を見た黒金はバンシィのビームサーベルで五機を同時に貫いた。

 

『機転を制するものが勝利を得る!バンシィに負けてはいられない!』

 

キシは幻月のヒートショーテルを投げて隠してあった二丁のビームガンで敵を倒していく。

 

 

ー上空ー

 

『キシさん達が格納庫から離れた、、今!』

 

ナナリーのツインバスターライフルがKMFの格納庫に当たり融解していく。格納庫付近の施設も全て破壊され敵の混乱は深まっていく。

 

『二発目!行きます!』

 

二発目は三機の目の前にいた部隊を直撃。全て撃破してしまった。

 

〈ナイスナナリー!〉

 

〈キシさん!後方から敵が来ています!私が一掃しましょう!〉

 

三発目は更に威力が上がり敵が消えていく。ナナリーはもう一度構え直して司令部の周りにいる敵を一掃してしまった。

 

ーアヴァロンー

 

『単機だけであの威力なんて、、!』

 

『ハドロン砲以上の出力を持つ兵器ねぇ、、。シンフォニーならありえるかもね』

 

『悠長なことを言ってる暇なんて無いんですよ⁈状況分かってるんですかロイドさん⁈』

 

『分かってるって。確かにアレが敵に回ったら面倒だけど、、僕達に攻撃でき無いだろうしね』

 

『攻撃できないって、、』

 

『ま、君にはまだ早い事だよ』

 

ロイドは再び奇妙な笑顔をしてモニターを見た。

 

ーフクオカブロックー

 

『吹き飛ばす!』

 

バンシィのビームマグナムにより司令部のハッチが融解して三機が突入する。

 

〈君達の目的はなんなんだ?〉

 

スザクは敵を倒しながらキシに問う。

 

〈俺達か?俺達は、、まあどこにも染まらない場所を持つ人間さ〉

 

〈テロリストなのか?〉

 

〈テロリストじゃない。誰かに聞くこった。”交響曲”ってな〉

 

〈それって、、っ!〉

 

ランスロットが少しだけ被弾した。

 

〈何をしている!敵はまだいる。気をぬくな!〉

 

黒金がスザクを叱咤する。

 

〈敵司令部まであと少しだ!ここからは全員孤立無縁!生き残り司令部を潰した奴が勝ちだ!〉

 

キシがオープンチャンネルでそう言うと三機はばらけて各々が司令部まで敵を撃破していく。

 

〈私も参加させて貰おう〉

 

戦闘を行なっている三機に舞い降りたのはガウェイン。ゼロである。

 

ーフクオカブロック付近ー

 

『何?ゼロが戦闘に参加しただと?』

 

『はっ。現在謎の部隊のKMFと共にブロックを制圧して行っています!』

 

『ゼロ、、何を考えている?』

 

ー司令部 ヘリポートー

 

『沢崎ぃ!』

 

ヘリポートのヘリをショーテルで真っ二つにしたキシ。その後スザク、黒金、ゼロとヘリポートに集結した。

 

『沢崎さん!投降して下さい!』

 

その後中華連邦の幹部と沢崎は逮捕され、それぞれが元の場所へと帰って行く。

 

〈もう一度聞く。君達は、、何者だ〉

 

〈何回も言うぞ。俺達は何色にも染まらない。美しい音色を響かせる交響曲だ〉

 

キシはそういった後、設置型の供給機を回収。ナナリーのゼロカスタムと合流してバンシィと共にスカアハと帰って行った。

 

ースカアハー

 

『ははは、、やっべぇ今回ばかりは死にかけたぜぃ』

 

『黒金のバンシィがいなかったら危なかったな』

 

『なあオーキス。ナナリーに供給機をもたせたのはなんでだ?』

 

『元々はゼロカスタムの予備だったはずなんだが、、予想外な展開になった』

 

『空中戦のしすぎだな。キシ。それに最近幻月もボロくなってきただろう?』

 

『まあな、、』

 

『オーバーホールと改良をしてやる。その代わりと言っちゃなんだが参式を使ってくれ。三週間はかかる』

 

『整備は終わったのか?』

 

『ほとんど終わっている。後は、、実戦あるのみだ』

 

『両手に輻射波動があるKMF。面白そうだ』

 

続く!

 

 

 




オマケ

エナジー供給機

フェデルマに予備エナジーを送り込むために造られたレーザー照射型供給機。機体が対応していなくてもエナジーフィラーを十秒で最大まで充填可能。


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マーリン帰還。スフィア登場

テストが終わりました!やっとペースが戻って来ます。更新遅くてごめんなさい!


ー中東ー

 

黄色い砂埃の中、前進する巨大な軍。彼らの特殊スーツや兵器、KMFの肩には”SMD”のマークが入っている。シンフォニー傭兵師団の略称である。

 

『第一次攻撃部隊は更に前進!フォーメション2!テロリストを壊滅せよ!』

 

〈機甲歩兵部隊は遺跡内部へ攻撃開始!制圧せよ!〉

 

分厚い装甲を装備した機甲歩兵部隊はバルカンやショットガンで敵を倒していく。彼らにアサルトライフル程度の弾は勿論、ミサイルのニ、三発の直撃はダメージの内に入らないのだ。

 

〈国連より通達!遺跡内部の破損率は30%までならば良しとする決議可決!シンフォニー傭兵師団はISを撃滅せよ!〉

 

〈司令よりSMD全体に告ぐ!勝機は我等に有り!奴らを一人残らず潰せ!〉

 

マスクをかぶるテロリスト達はロケットランチャーを放つ。しかし機甲歩兵部隊にはバリアトーチカを装備しており並大抵の火力では破る事など不可能である。

 

〈撃てーっ!〉

 

機甲部隊の肩に装備された迫撃砲が土嚢を積んでいる部隊に直撃。テロリストが徐々に追い詰められて行く。

 

〈KMF部隊攻撃開始!奴らを一人たりとも逃すな!手加減はいらない!〉

 

遺跡内部にいたテロリストは突撃したバルカン機甲部隊により壊滅。KMF部隊は数々の装甲車を破壊しテロリストは一人も生きている者は居なくなってしまった。

 

〈作戦終了だ。全員スフィアに搭乗。後片付けは国連にまかせろ〉

 

戦艦に乗り込むKMFや傭兵達。全員を収容するとスフィアと呼ばれた戦艦は空に浮かび次の目的地へと向かう。

 

ー戦艦スフィアー

 

『流石シンフォニー傭兵師団の戦艦だな。KMFは190体収容可能。おまけに歩兵は500人収容可能なんだからな』

 

『フレイ艦長のおっしゃる通りです。シンフォニーには未だ隠された武器があるらしいですね』

 

『そういう事を言うなアーティア副長。探したくなるではないか』

 

『おっと失礼しました』

 

〈艦長。本部より回線がきました〉

 

『通せ。セキュリティは二重に』

 

〈了解〉

 

画面に映し出されたのは最高司令の安達だった。

 

『おやおや、、最高司令官殿ではないですか。どうしました?』

 

〈当主が見つかった。これからは当主の意向に沿って作戦を行う〉

 

『へいへい。当主ねぇ、、名前は』

 

〈オーキス・シンフォニー様だ。失礼の無いようにな。指揮能力に関しては問題は無い。父親譲り、、いや、それ以上かもしれん〉

 

『一度会ってみなきゃ信用ならんな。何処にいるんだ?』

 

〈ブリタニアだ〉

 

『あの内戦中の国かよ⁈正気か⁈』

 

〈当主様は兄弟を無くされた。その中で生きてきたんだ。生半可な覚悟ではあるまい〉

 

『直ぐに援護に向かう』

 

〈心配するな。向こうには援軍として潜水艦マーリンのジル艦長が指揮している〉

 

『ジルが?あの女、、戦いを嫌っていたのにか。5年もたちゃ人は変わるもんだな』

 

〈少なくとも現在スフィアを動かすのはシンフォニーが更にブリタニア、日本に敵対していると意思表示する事になりかねん。今は動くな〉

 

『了解』

 

ースカアハ ハンガーー

 

幻月を片っ端から解体していくタキセ。部品を一つずつ並べてX線にかけている。

 

『確かにいい装備だ。だがこれではあまりにもエネルギー消費が多い』

 

部品をいるものといらないもので分別を開始した。

 

『んー、、バックブースターが正直邪魔なんだよな。羽が無い方が楽だし、、』

 

そんな事を言いながら羽を解体して部品を洗浄機にかけた。

 

『何かお困りのようだね』

 

『E.Eさん』

 

『設計は私に任せて。タキセは組み立てだけやってくれる?』

 

『ゴットフリートをあそこまで改造した貴方なら、、まあ大丈夫ですね』

 

タキセは洗浄機の中にある部品を更に洗う。E.Eは幻月のフレームをじっと見つめる。

 

『さてと、、どうするかな〜。フレームからしてGNドライヴを乗っける余裕は無いし。外付けなら可能だけど破壊されたら何も出来ないから却下だね。ストフリにしてあげようかな。いや待てよ、、ストフリのドラグーンみたいに羽を増やしてやれば、、』

 

ースカアハ キシ個室ー

 

『ナヴィス。忙しい中すまない』

 

『別にいいさ。で、何の用だ?』

 

『ナヴィス、、君のギアス幻覚、、だったよな?』

 

『ん?ああそうだが?』

 

『この計画に、、協力してほしい』

 

『計画?』

 

『そうだ。だがおそらくこの計画にはE.Eちゃんも必要になる。そして、、ナナリーも、、』

 

『詳しく聞こうか』

 

『ユーフェミアは、、ルルーシュのギアスの間違いによって日本人を殺すというギアスをかけてしまう。俺はルルーシュの片目を見せない事により成功したが、、今回俺は公にいる訳じゃない。作戦としてはナヴィスの力でユーフェミアが殺される所を幻覚を展開。その前にユーフェミアを俺達が回収。ユーフェミアの人形をE.Eちゃんの力で作成してナナリーのギアスで操る』

 

『それが、、誰も悲しませない為の方法、、か』

 

『特区の施設が出来上がり見積もって1週間で出来る。その間に更にこの計画を濃密にしなきゃいけない。ナヴィス。やってくれるか?』

 

『やってやるぜ』

 

ースカアハ 操縦室ー

 

〈は?潜水艦マーリンを帰還させるのですか?〉

 

『ああ。仕事はしてくれた。後始末はスカアハだけで片付ける』

 

〈オーキス当主様。スカアハだけでは流石に、、〉

 

『分かっている。そちらに空きの部隊はいるのか?』

 

〈一応あります。第68連隊です。KMF部隊と歩兵部隊が集まった本格的部隊です。先程ISを壊滅してきたばかりなので本家で弾薬補給をしてから向かわせる事になりますが〉

 

『それで頼む。マーリンは暫く点検。ジル艦長やそのほかの船員に礼を言っておいてくれ。頼むぞ。安達』

 

〈はっ!〉

 

回線が閉じられてオーキスは椅子に腰深く座る。

 

『さて、、黒の騎士団。ブリタニア。どちらから出るか。先に出た方が勝つるか、、負けか、、。どちらにしろシンフォニーは知られずに動かなければならない』

 

ー戦艦スフィアー

 

『本家で補給してからオーキス当主の所に向かう?』

 

〈そうだ。KMFの整備も完全に終わらす。まだオーキス当主様は動く様子はない。本家に戻ってからでも遅くはない〉

 

『了解した。それと国連から、、』

 

〈聞いたぞ。あの難攻不落の遺跡を制圧。テロリストを全員締め出したらしいな〉

 

『物量作戦に置いちゃこっちが有利だからな。で、”死の商人”は見つかったのか?』

 

〈まあな、何人か始末した〉

 

『やるなぁ。安達司令殿は』

 

〈まあ、、いずれこの座を譲る時も来るだろうな〉

 

『最高司令官の座か?俺は興味ないね。前線に立ち続けるのが生き甲斐だからな』

 

続く!

 

 




オマケ

戦艦名 スフィア

スカアハの二世代前の戦艦”ルーファス型”ベースに現代技術でフルチューンした戦艦。浮遊システムはタキセのエナジーウィングのシステムを導入しておりエナジーウィングの羽は見えなくしておりあらゆる作戦に対応出来る。艦長はフレイ・アドヴァス


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特区進入

夏休みに入りましたが、、まあ部活やらと忙しいです、、。


ースカアハー

 

操縦室に全員が集合した。

 

『オーキス!今後はどうする気だ?』

 

『キシ。お前の世界のルルーシュはユーフェミアを助けてくれと俺に依頼した。おそらく何らかの事態が起きるのは必然、、お前の世界で起きたユーフェミアの惨事を教えてくれ』

 

『よし、、ユーフェミアはいずれ作成する特区内でルルーシュのギアスのオフを忘れて”日本人を殺せ”と命じた。故にユーフェミアはルルーシュに利用され殺されかけた。そこは俺が色々とやったがな』

 

『お前の言う通りなら、、ユーフェミアとルルーシュを止めなければならないな』

 

『ナヴィスには話した。それと計画も、、』

 

『計画?』

 

『この計画にオーキスは参加不可だ。お前のギアスは面倒だからな』

 

『面白そうだったのにな。まあいいさ。だが失敗は許さん』

 

『そんな事は当たり前だ!』

 

『あのぉ、、オーキス司令』

 

『クレア?』

 

『特区ってキシさん言いましたよね?まさかこれじゃ、、ないですよね?』

 

クレアの見ているモニターに全員が注目する。そこではなんと特区でのプレゼントにユーフェミアが出ていた。

 

『はああああああ⁈嘘だろ⁈』

 

『キシ!なぜだ⁈』

 

『キシの世界と私達の時間軸は違う、、仕方ないよ』

 

『E.E、、』

 

『のんきな事言ってる場合か!キシ!どうする⁈』

 

『困った時にはウチの参謀が役に立つのさ。ベイリン戦略予報士!』

 

『はい⁈無茶言わないで下さいよ!』

 

『頭を回せ!今すぐ考えろ!』

 

『だあああ!オーキス司令!特区に向かって下さい!その間に考えます!』

 

スカアハは機首を上げて北に急速旋回。トランザムで向かい始めた。

 

『キシさん、決してエレガントとは言えません。ですが有り合せで作りました』

 

『どうする?』

 

『キシさんの世界とは流れが違うかもしれませんが、、ナヴィス副艦長の力で幻覚を見せます。殺されるギリッギリで拉致します!』

 

『基本は同じだ。だがギリギリか、、上手くいくかどうか、、』

 

『キシ!特区に着いたぞ!時間はない!』

 

オーキス専用モニターには特区の姿があった。特区の上空へと来たスカアハはKMFハッチを開いた。

 

『無駄話している余裕はない!急げ!』

 

紅蓮参式に乗り込み出撃するキシ。ナヴィスは蒼炎に乗り特区へと向かう。しかし既に遅かった、、。

 

『日本人は殺すのです!』

 

ユーフェミアはルルーシュによりギアスで制御されKMFに乗り日本人の虐殺を始めていた。

 

『ああ、、、そんな、、』

 

キシは青い顔をして今にも気絶しそうだ。

 

〈落ち着けキシ!今は残った日本人を助けるぞ!〉

 

〈そうだ、、そうだよな。今は生きているやつを助ける!〉

 

2人は虐殺される日本人を庇いKMFの攻撃を迎撃し始めた。

 

〈貴様らはどこの所属だ⁈邪魔をする逆賊は粛清する!〉

 

指揮タイプと思しき機体は二機に攻撃を更に浴びせる。

 

〈数は向こうが有利だ!どうする?〉

 

〈ナヴィス!離れていろ〉

 

キシは紅蓮参式を上空にあげた。そして輻射波動の手に間をつくる。

 

『コイツで終いだ!遠慮はしないからな!』

 

輻射波動が手と手の間に固まっていく。

 

ースカアハー

 

『輻射波動を固めた⁈まだやった事すらないのに出来るなんて、、参式にはまだまだ可能性がある、、』

 

『タキセ?』

 

『なんでもないさオーキス。独り言だ』

 

ー特区ー

 

『うおおお!行くぞ、、元気だm、、じゃなくて!ストナァァァァァァ!サァァァン!シャィィィィィン!』

 

巨大な輻射波動の塊は特区の一部を消し炭にし、周りにいたナヴィス以外のKMFは全て蒸発した。

 

『す、、すげぇ、、』

 

〈ナヴィス!ユーフェミア探せ!〉

 

〈どうやって回収する⁈〉

 

〈拉致れ!〉

 

〈無茶言うぜ全く、、!〉

 

蒼炎を駆りユーフェミアのいるKMFを探す。しかし中々見つからない。

 

『見つけたぞ!ユーフェミア!』

 

一機だけ配色が違うKMFをパイロット部を残して破壊するナヴィス。その中には見事にユーフェミアがいた。

 

『日本人は、、殺さなければなりません』

 

コックピットだけになっても銃を放つユーフェミア。

 

『くそ、、あのままじゃナヴィスは回収出来ない、、ルルーシュに殺される、、!』

 

ースカアハー

 

『E.E!”幻月X”は行けるか?』

 

『オーキスが行くの⁈』

 

『あの状態じゃあナヴィスがギアスすら発動出来ない。それに、、親父が書いたギアスを解く方法を試したい。装備ならあるだろ?』

 

『音源ブースターパックの事?まあ装備してはあるけど、、っていないし!』

 

オーキスは既にハッチを手動で開いて幻月Xで出撃してしまった。

 

『おお!コイツはすげぇや!待ってろよキシ!ナヴィス!今すぐユーフェミアのギアスを解除してやる!』

 

続く!

 




オマケ

KMF名 幻月X

コードギアス KMF

KMF名 幻月X

詳細
今までの幻月を大幅改良した新しい幻月。従来の性能が更に数十倍上がり6枚羽ブースターは8枚羽となった。腰部に4基の小型ファンネルを装備。メインのエナジー直結レイピアMVSはジェネレーター装備型のレイピアとなった。ガントレットは並みのMVSを通さずストライクフリーダムと同様のバリアを装着。左手には輻射波動が組み込まれている。対艦刀の出力を更に上昇。二つの対艦刀を両腕に装備すればトランザムライザーが放てるようになった。スナイプヴァリスに高出力ビームモードを追加。また、機体の肩に装備されているビームサーベルを投げて使えばビームコンフューズが可能となる。装甲はタキセによるリムーブフレームを採用。試験的に物理衝撃波や輻射波動をエネルギーに変換するシステムが搭載された。エナジーフィラーが切れた際は内蔵されている核融合炉が再び再充電を開始。その間にも戦闘は可能である。これらの改良によりエナジーフィラーは機体のブースト、機動、バリアだけに限定されより省エネになった。ちなみに使用されたジェネレーター等の再充電も本体で賄える。

追加報告
幻月Xは内蔵AIが戦闘をサポートする。AI元はオーキス。より快適な戦闘をサポートする為にはXモードからXXモードに変更する必要がある。このXXモードはAIがナナリーに変更されキシの体感がそのままKMFに反映される。つまりダメージ感覚がないエヴァみたいなものである。但しこのモードはキシの感覚が”気持ちいい”時にしか発動しない。

追加兵装 音源ブースターパック


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俺の歌を、、!

バサラ君マジ最高ゥゥゥゥゥ!


ー幻月Xー

 

『音源ブースターパック発動!内部エナジーブースター作動!os起動!合言葉は”ファイア・ヴァルキリー”!』

 

”了解した。音源ブースターパック発動。及びスピーカー型弾装填完了”

 

『自分と話してると思うと気味悪りぃな、、E.Eに設置しろって言ったのは俺だけど』

 

肩部の巨大スピーカーが全開になりブースターパックのバルカンから大量のスピーカー弾が放たれた。コックピットには通常操縦桿の代わりにギター型の操縦桿が現れた。

 

『おいおい嘘だろ?いくらなんでも再現しすぎだ。ま、いっか。エレキギターは好きだし』

 

幻月Xはキシ達の上空を旋回し始め弾丸を飛ばす。そしてスピーカー音量を最大にした。

 

〈おいテメェら!戦いなんかやめて俺の歌を聴けぇ!〉

 

スピーカー弾と肩部スピーカーから大音量の音楽が流れ始めた。

 

〈dynamite explosion!〉

 

ー特区ー

 

『オーキスか!』

 

『過激にファイアー!いくぜルルーシュ!』

 

キシは体制を立て直して出てきたガウェインの相手を始めた。

 

『なんだ、、この歌は、!』

 

『ルルーシュ!テメェにこの歌はノれねーか⁈そりゃそうだ!今のお前はただの暴れん坊なんだからなぁ!』

 

放たれたスラッシュハーケンを掴み引き寄せてガウェインを殴る参式。ガウェインは飛んでいたランスロットに直撃。吹き飛んだ。

 

『おや?操縦ミスったかなぁ?』

 

キシは笑いながらランスロットとガウェインにバルカンを浴びせる。ガウェインのスラッシュハーケンがランスロットに絡まり抜け出せないのだ。

 

『ぐふ、、やっべまじ笑えんだけど』

 

二機の高性能機体を弄ぶキシに対してナヴィスはユーフェミアの変化に気づいた。

 

『うううっ、、』

 

『ユーフェミアに効いてきたのか!回収する!』

 

蒼炎から出て銃を蹴飛ばして捨てさせたナヴィスはユーフェミアを回収。蒼炎に再び乗り込んだ。ついでにスタンガンで気絶させた。

 

『ユーフェミアを回収!オーキス!』

 

〈馬鹿野郎!まだ曲は終わってねぇんだよ!最後まで歌わせろ!〉

 

ースカアハー

 

『オーキス司令の幻月Xの音源ブースターに変化有り!音の力が大きくなって来ています!』

 

クレアが幻月Xのモニターを見ながらデータを取ってE.Eは艦長席に座り指令をだす。

 

『ふぅん、、オーキスの親父さんが研究していた事は割と凄い結果なんだねぇ』

 

『俺はE.Eさんに音源ブースターを作れって言われた時は驚きました』

 

『タキセにとっては可笑しい事だよね。戦闘に必要ないスピーカーなんかを設置するなんてさ』

 

『まあ、、これで何となく分かりましたけど』

 

銃弾を上手くかわしながら曲を歌い続けるオーキスを見るタキセ。その顔は少し笑みが出ていた。

 

元司令、、今貴方の長男は立派に戦っていますよ、、

 

ー特区ー

 

『イェェェェェ!』

 

〈オーキス!もういい!〉

 

〈あん?まだまだ歌い足りな〉

 

〈ユーフェミア回収したぞ。キシ〉

 

〈ほんじゃま、、帰りますか!ユフィの姿を見せてくれ〉

 

ナヴィスからの映像にはユーフェミアはぐったりとして気絶していた。もちろんこれを見て平常運転のキシではない。

 

〈ナヴィステメェェ!〉

 

〈落ち着け!お前銃を乱射する女性をスタンガン無しで回収なんか出来ねぇよ!〉

 

〈弾丸くらい気合いで止めろ!男だろ!〉

 

〈お前の中にいるバケモンと俺は違うんだよ!〉

 

ナヴィスとキシが喧嘩を始めた。しかしオーキスは止めずに歌い始めた。

 

〈LET'S GO つきぬけようぜ。夢でみた夜明けへ。まだまだ遠いけど

MAYBE どーにかなるのさ

愛があればいつだって〉

 

〈お前は俺達を止めないのか⁈〉

 

〈キシ。気にするな。終わるまで歌いながら待ってやるよ〉

 

〈とっとと帰って来い馬鹿ども!〉

 

スカアハからの通信でE.Eが三機体同時に怒鳴り散らす。流石にコレには逆らえず急いで帰る三人であった。

 

ースカアハー

 

『はいお疲れ様』

 

『E.Eの怒った声を始めて聞いたな』

 

『おお怖い怖い』

 

E.Eをからかうキシ達。その間にベイリンと黒金、ナヴィスはユーフェミアを蒼炎からゆっくりと運び出し寝かした。

 

『つー訳でだ。ユーフェミアのギアスを解除するぞ』

 

『そーいやオーキスは解除出来るんだっけか』

 

オーキスはユーフェミアの頭に手を当て目を瞑る。少しずつユーフェミアから光る何かが出てきて消滅した。

 

『解除、、完了!』

 

オーキスは汗をかいて移動をしようとするが思ったように体が動かず立ち眩みしてしまう。

 

『おいオーキス司令。大丈夫か?』

 

『黒金か、、すまん』

 

『気にすんな。ちょっくら司令を個室連れてくわ。体力相当消費したみてーだし』

 

『ありがとう。黒金』

 

ナヴィスが礼を言うと黒金はオーキスの個室へと向かう。

 

『ユーフェミア様がまだ目覚めないんですが、、?』

 

クレアは少し怪我をしていたり返り血が付いているユーフェミアの顔を拭いていた。

 

『うーん、、仕方ないから個室に寝かせて置こう。医療設備も一応置いて常に監視するしかないよ』

 

E.Eは空いている個室までユーフェミアを背負って移動し始めた。

 

『俺が運ぼうか?』

 

『キシ、、アンタに渡したらどんな穢され方されるか分からないからダメ』

 

続く!

 




オマケ

音源ブースターパック

E.Eが製作したマクロス7の熱気バサラのファイアヴァルキリーが装備していたものと同じ装備品。しかし原作よりも更に歌の効果を発揮出来るよう改良済み。


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休暇を取ろう

失踪なんかしていませんよ⁈た、確かに更新は遅いのでそう思われても仕方ありませんが、、。


ースカアハー

 

ユーフェミアは個室兼医療室に厳重監視で保護。E.Eとクレア以外のメンバーは操縦室にてメンテナンスと弾薬整備に追われていた。

 

『タキセ、エネルギーシステムのメンテナンスなんて必要なのか?』

 

キシは船体の破損箇所を自動で探しながらタキセに問いかける。

 

『エネルギーだけで戦って来たからな。弾薬補助は要らなくともジェネレーターがやられたらエネルギー兵器も障壁も使えなくなる』

 

『整備員だからこその経験から来るものか』

 

『そういうもんだ。何時来てもゲストは迎えなきゃ行けないからな』

 

『それもそうだな』

 

タキセ達は再び黙り込んで作業を続ける。ベイリン、ブレーン、黒金、木葉、ナオトは現在全員のKMFをメンテナンスしている。オーキスは司令席で電子書類を片付けながらネットニュースを見ている。

 

『ユーフェミア皇女誘拐事件。黒の騎士団が連れ去った。黒の騎士団が皇女を脅迫したとみられている、、』

 

ブリタニアにとっては黒の騎士団を潰す最高の機会だ。逃しはしないだろう。だがコーネリア総督にとってゼロはユーフェミアを誘拐した犯人として倒す大義名分が出来上がる。

 

『こちらがユーフェミアを出すのはまず控えるべきか、、彼女はウチの切り札的存在だ。命を奪ってしまえばそれこそシンフォニーは潰される。彼女がいれば政治的にも役に立つ。それに捕虜ってのは俺嫌いなんだよな』

 

オーキスは席から離れてハンガーへ向かった。

 

『さてと、、アイツらに休み方を教えなきゃいけねぇな』

 

拳銃を胸ポケットに仕込んで早足になっていった。

 

ースカアハ ハンガーー

 

『ジェネレーター良好、システムosに異常なし。ビームマグナムは良し、、と』

 

黒金はバンシィを検査、テストして異常がない事を調べていく。ブレーンとナオト、木葉、ベイリンは整備を終わらせてコーヒーを飲みながらダベっていた。

 

『戦い続きだからさぁ、、休暇欲しいよな〜』

 

そう言ってベイリンはコーヒーを飲み干した。そしてコーヒーを淹れ直す。

 

『張ってでも戦うのが俺達だ。しかたあるまい』

 

『だが木葉。いくらなんでも休暇無しは辛いさ』

 

『ならブレーン。お前が残れ』

 

『嫌だね』

 

ブレーンはそう言ってりんごをかじる。シャクシャクと音を立てるりんごは食欲をそそる。

 

『そんなに心配なら黒金チームとナオトチームに別れればいいだろ。ナオトなら一人でもスカアハを守り切れるさ』

 

ベイリンは淹れ直したコーヒーにスティックシュガーとクリームをいれた。

 

『待て待て!なんでナオトチーム俺一人?なんで居残り決まってんの?』

 

『なんならナヴィス副司令にでも話せば大丈夫さ。ゴリラだって休暇必要だろ。なあナオト』

 

『ベイリン、、俺はゴリラじゃねぇ』

 

ナオトがりんごをかじろうとしたその瞬間だった。拳銃がナオトに向けられ撃たれた。

 

『な、ナオト⁈』

 

『冬眠が嫌ならここで永眠しな。牙の休め方すら分からねぇ獣共に冬を越すことなんざぁ出来ねぇよ』

 

『お、、オーキス司令⁈』

 

ブレーンが驚いている間にオーキスは銃をリロードする。オーキスの使っている銃はイーグル。片手では扱えない程反動が強いのに軽々と片手だけで使っていた。

 

『ああそうさ。ナオト。お前だけならいいだろう。だが、、お前は群れを率いるリーダーだ』

 

『あ、危ねぇ、、!』

 

起き上がるナオト。弾丸はナオトではなくりんごを貫いていた。

 

『お前の判断だけで群れは雪山の中に消える。それでもそのひび割れた牙で行くっていうのならば、、』

 

イーグルをベイリン達に向けた。明らかにセーフティを解除してある。

 

『俺がここでその牙を折る。明日ある眠りにつくか明日のない眠りにつくか、、今ここで選べ。三秒以内に選ばねぇと頭撃ち抜くぞ。い〜ちぃ』

 

オーキスはいきなりベイリンに撃った。

 

『ニと三は⁈』

 

『知らねぇな、、男は一だけ覚えときゃなんとかなるんだよ』

 

『木葉、、お前はどうする気だ』

 

『俺は残りますよ。他の奴らの埋め合わせしなきゃいけねぇし』

 

『駄目だぁ、、テメェも休め』

 

イーグルを木葉に撃ちこむ。

 

『どんだけ休ませたいんだ、、』

 

『まあいい、、全員休暇決定だな』

 

イーグルを胸ポケットにしまいこみKMFを見るオーキス。

 

『よっしゃあ!決定じゃあ!』

 

ブレーンは喜びながらコーヒーを飲み干してむせた。

 

『行き先は無人島の海だ。全員水着で明日朝甲板に集合しろ。ついでに言うとだな、、アイツがいる。ま、適当に相手してやってくれ』

 

オーキスはハンガーを出て操縦室まで戻っていく。

 

『アイツって、、誰だ?』

 

ナオトは不安感を覚えながらもコーヒーを飲んで気を紛らした。

 

ースカアハ 操縦室ー

 

『オーキス、本当に行くのか』

 

『無人島がこの近くにあるはずだ。操艦はナヴィスに任せる』

 

『そうじゃなくて、、遊ばせていいのか?と聞いているんだ』

 

ナヴィスはスカアハの行き先を設定しながらオーキスに問いかける。

 

『ゴリラも休ませなきゃ駄目だろ』

 

『ゴリラ言うな』

 

スカアハは上空から海中へと沈んでいく。画面はリアルモードからソナーモードへと切り替わる。

 

ースカアハ 会議室ー

 

『では、、作戦会議を行う。ユーフェミアに対しての問題だ』

 

キシはブレーンとベイリン、ナオトを集めていたのだ。

 

『キシさん、、まさか何かあるんですか、、?』

 

『いいかベイリン。あの天然ユーフェミアを如何にして着せるか、、これが最大の論点だ』

 

『やはりここは、、シンプルに行きませんか?赤だけで』

 

『赤だと?ブレーン!それは厳禁だ。赤などユーフェミアに似合う訳がない、、やはり水玉で』

 

『キシ!何を言っているんだ!水玉じゃ甘すぎる!髪色に合わせ合わせずの間にして、、紫はどうだ?』

 

『紫、、だと?姉の髪色しか思いつかんな。却下だ』

 

『、、、帰りたい』

 

このしょうもない会議はいつまで続いたのか?それは分からない、、

 

続く!

 

 

 




オマケ

名前 クレア・シルフィ

傭兵師団に入ったブリタニアの女性。医療関係において右に出るものはいないだろう。


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策士⁈ユフィ!

旅行で遅れました!すんません!


ー無人島ー

 

ここはブリタニアより数百キロ離れた人がいない無人島。自然はそのままに生き物達が生活する楽園である。

 

『イィィヤッホゥゥゥ!』

 

甲板から勢いよく海に入るビキニを着た女性チーム。その中にはユーフェミアもおり楽しんでいるように見える。そして男性チームはというと、、、

 

『無人島ゥゥゥ!上!陸!』

 

テンション上がりまくりのキシに大量の荷物を運搬する作業KMF。無人島の更に奥地に入っていく。

 

『で?ここで何をする気だ?女性チームは全員に特殊ビキニ着せてあるから大丈夫だとは思うが、、』

 

『オーキス!無人島といえば冒険!冒険と言えばロマン!ロマンと言えば立体機動装置!』

 

『何言ってるのか分かんないっす』

 

『無人島でしか出来ない事は沢山ある!テントに冒険に、、』

 

『あ、忘れていたが食料は自分達で確保するぞ』

 

『え?マジ?』

 

オーキスの発言に余裕を無くすキシ。いくらKMFを使っても食料確保は至難の技だ。

 

『この中でサバイバル生活をした事がある奴は?』

 

手を挙げたのはキシ以外の全員。まさかありえないと思うがベイリンはかつて空挺部隊に所属。サバイバルはお手の物だ。黒金、ナオト、ブレーンは元テロリストでありサバイバル生活どころか都会の中で自家栽培までしている。オーキスはバイトで経験がありナヴィスは昔父親に習わされたのである。

 

『やった事ないの俺だけかよ!』

 

『じゃあキシは中のバケモン使ってシカでも取って来てくれ。俺たちは野草とか魚取ってくる。全員これを使え』

 

KMFから出された武器は

・日本刀

・アサルトライフル

・ロケットランチャー

・槍

の4つ。

 

『司令、、食料を灰にするつもりですか?』

 

ブレーンは少し苦笑いしてオーキスに言った。しかしオーキスは

 

『護身用だ護身用』

 

と言い当たり前かのように振る舞う。

 

『いやいや、、熊が出て来るわけないですよ』

 

だがいくらなんでも無茶である。刀や銃はともかくロケットランチャーなど全てを灰にする殺戮兵器。食料どころの話ではない。

 

『なあブレーン。知ってるか?そういうのをなぁ、フラグを立て』

 

グォォォォォ!

 

木葉がブレーンに言おうとした瞬間、フラグは成立した。

 

『熊でたぁぁぁ!今日の食料決定ィィィィィ!』

 

キシはすかさずスタンドで熊を吹き飛ばしアサルトライフルを撃ちまくる。

 

『もうやめろ!熊のHPは0よ!』

 

『君がっ!泣くまでっ!殴るのをっ!止めないっ!』

 

ナオトが止めようとするがキシは熊のマウントポジションを確保して殴り続ける。

 

『よし。キシは無視して俺達は野草取りに行くぞ』

 

各々が武器を持って散らばり食料確保へと旅立った。

 

ー海ー

 

その頃、3人の女性は海を満喫しており砂浜でビーチバレーをしていた。

 

『どっせぇぇぇい!』

 

E.Eが打ち込んだビーチバレーはクレアを突破してユフィへと向かう。

 

『っ!でも、、この程度なら!』

 

E.Eの強烈な一撃を受け止め上へと上がったビーチバレーボールはクレアに落ちていく。

 

『私が全てを終わらせる!必殺!エクスカリバー!』

 

ボールはふわりと浮いてE.Eの足元に落ちた。

 

『あれ、、?勝った?』

 

『クレアさん凄いです!』

 

『ユフィ、、ありがと!』

 

ユフィはその綺麗な髪を一度解いて結びなおしていく。

 

『本当に、、皆さんには感謝してます。私があんな事をしていたなんて、、』

 

ユフィはすこし申し訳なく話した。

 

『仕方ないよ。ルルーシュのミスだからね』

 

E.Eは座って海を眺めた。

 

『スザクは私が死んでいると思ってるんですよね?』

 

『そうよ。私がさっき話した通り』

 

『会いたい、、スザク、、』

 

ユフィは髪留めで髪をまとめ直し立ち上がった。

 

『今は我慢します。いつか、、スザクに会えるなら、、』

 

『それまでは私達が家族みたいなものだからさ。いつでも頼ってね』

 

『はい!』

 

ユフィとE.Eの楽しい話が終わる頃、クレアはいなかった。

 

『あら?クレアさんは?』

 

『本当だ、、クレアがいない、、?』

 

ー海中ー

 

クレアvsサメ!

 

『さあ、、来なさい。楽しみましょ?あなたに効きそうな神経毒は沢山あるからさ、、』

 

クレアは大量のシリンダーと針を身構え一人サメに向かっていく。と、その時だった。サメのヒレが撃たれた。

 

ー崖ー

 

『あの馬鹿、、サメに薬物だけで勝てると思っているのか?仕方ない。助けてやるか』

 

オーキスは崖から飛び降りてサメにダイレクトアタックした。

 

『よーしよしよし。いい子だ、、だからっ!』

 

サメの中枢神経線を刺し一撃で仕留めたオーキス。

 

『っ!』

 

クレアはサメを一撃で仕留めたオーキスを見るとシリンダーをしまうと二人がいる海岸へと泳いでいく。

 

ー海岸ー

 

『あ、クレアお帰り〜』

 

E.Eがクレアに話しかけるが反応がない。下を向いたまま歩いている。

 

『ど、どうしたの?』

 

ユフィが顔を見るとその顔は真っ赤になり息が荒い。

 

『大丈夫⁈』

 

『あ、、』

 

クレアの頭にパッと出たのはオーキス。今までオーキスの顔をあまり見た事がない彼女にとってサメを一撃で仕留め支援してくれたオーキスを一人の男として認識していた。

 

『いえ、、あの、、あれ、、』

 

クレアは何も言えず走り出す。で、運悪くそこにいたのは

 

『おっと?』

 

『‼︎』

 

オーキスであった。

 

『おいおめーら!今日はフカヒレが追加されたぞ!』

 

『サメのヒレからしか取れないから貴重だよね〜』

 

E.Eとユフィがサメを見ている時にクレアはオーキスを前に硬直していた。それを見かねたユフィは、、

 

はい、クレアさん。大きく深呼吸して。

 

『スー、、ハー、、』

 

私が言う事を繰り返して大きく言ってね。”好きです。結婚して下さい”

 

『好きです!結婚して下さい!』

 

『⁈』

 

次に硬直したのはオーキス。今、彼の頭の中ではあらゆる情報が錯綜するなか最適な言葉を探していた。

 

『え、、?あ!』

 

とんでもない事を口にしていた言葉に気付いたクレア。彼女も答えを聞くまで動けなかった。

 

『う、、』

 

今にも泣きそうなクレアの顔。その顔は反則過ぎる!だがオーキスに断るという手札はない。一つ目は断ればキシ達から大量の反論を言い渡され血祭りにあげられるのは目に見えているから。二つめは女性2人を前に泣かしてしまえば自分の人間性を疑われる。ここで最善なのは”友達から”である。だがその考えは

 

『返事を聞くまで私達は移動しませんよ?』

 

ユフィのこの一言で消し去られた。”この戦いが終わったら”はフラグ成立にしかならない。つまり今オーキスに求められた答えは”YES”だけである。

 

続く!




オマケは、、また次回!これからもよろしく!


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showTime!

こんなペースでゴメンなさい!これでも読んで頂いている方には感謝しかありません、、、


ー無人島ー

 

オーキスは固まったまま何も言えない。しかしこの場で言わなければならない。選択肢を全て潰された彼に残った手札は一枚、、だったはず。しかしまだ手札がもう一枚あった!

 

『God Fleet!showTime!』

 

腕時計に叫んだオーキス。その声と言葉はスカアハに届いた。スカアハの上甲板部カタパルトにゴットフリートが乗った。カタパルトから射出されたゴットフリートはオーキスへと向かう。

 

『返事はまた後でだ!期待には応える!』

 

オーキスは降下してきたゴットフリートに乗り込む。

 

ーゴットフリートー

 

”CAST IN THE NAME OF GOD. YE NOT GUILTY”と表示され操縦桿が横から出てくる。

 

『God Fleet!Action!』

 

ゴットフリートは無人島の奥地へと向かってしまった、、、。

 

ー海岸ー

 

『あのアホ!女子の告白を前に逃げた!こんなんだったらオーキスのゴットフリート改良に手を貸すんじゃなかった!』

 

E.Eは奥地へ向かうゴットフリートを見ながら激怒している。しかしユフィは笑顔だった。

 

『E.Eさん。安心して下さい。これも私の策です』

 

『どういう事⁈』

 

『最後に司令さんが言いましたよね。”期待には応える”って。つまり逃げて答えを先延ばしにしたって事は司令さんにとって損しかないんです。最後の最後に断るとなったら、、あのキシさんに殺されますから』

 

『まあ、、確かに』

 

クレアは少し赤くなって顔を隠した。

 

『まさかこんな所でまた会えるなんて、、やっぱり気のせいじゃなくてオーキス君だった。私の、、王子様、、』

 

ー無人島奥地ー

 

ゴットフリートに乗りGPS反応を見ながら他のメンバーを探す。

 

『クレア、、中学の時助けた女子か?まさか、、だとしたら先延ばしにする必要は無かったな』

 

機器が反応して名前が表示される。近くにいたのは黒金だ。ゴットフリートを降下させて黒金に近づいていく。黒金は刀で野草をとっていた。

 

『刀で野草を採るとは、、粋な使い方だな』

 

ゴットフリートから降りたオーキスは黒金の周りを見渡す。しかし他のメンバーの姿が見えない。

 

『サバイバルナイフを忘れたんだ。仕方あるまい。他の奴らならふざけながら何処か消えていったぞ』

 

『分かった。食料も十分だろ。黒金はゴットフリートの複座式の後ろに乗ってくれ』

 

『了解』

 

ゴットフリートに乗り込むオーキスと黒金。GPS反応を再び探し始めると付近から人間にしてはありえない速さの群衆がいた。キシ達である。更にゴットフリートが感知したのは噴射するガスだ。何のガスかまでは分からないが黒金以外の6人の反応があった。

 

『木葉の奴、、やっぱ来たのか。嫌だとかいいつつも』

 

ー無人島(未調査領域)ー

 

その身を包んでいるのは緑のマント。腰には銀色に鈍く輝く刃とワイヤー。マントの背に描かれているのは黒い羽と白い羽が組み合わさったような紋章。その羽は”自由”を求め闘う鳥の羽。

 

『アンカーを刺せる雑木林を進むぞ!平地では勝てん!』

 

キシは刃をリロードして方向を変える。それに連れて他のメンバーもキシについて行く。

 

『木葉ぁ!お前行かないんじゃなかったのかぁ⁈』

 

キシは大きな声で木葉に問う。

 

『俺の勝手です。気にしないでください』

 

キシ達が進む方向に出たのは熊に追いかけられている鹿。キシはワイヤーを熊に刺すと抵抗する腕ごとうなじをそぎ落とした。

 

『後はお前らだけだ!やれぇい!』

 

ナヴィスが鹿の足元を崩し急所を一撃で仕留めたブレーン。もう一匹を三人が追い詰めて行く。

 

『木葉は牽制しろ。ナオトは足元を狙って足を崩せ。〆は俺がやる』

 

ベイリンの指示通りに動く2人。木葉が鹿の逃げ先を絞り込みナオトは低空ギリギリで鹿の走る道を予め潰していく。

 

『それ以上動くんじゃねぇぞ。綺麗に仕留められないからな』

 

ベイリンは身体を回転させ刃を鹿の首を切った。鹿の急所ではなかったし首を完全に取った訳ではないが鮮やかな動きだった。

 

『ほお、、やるな』

 

キシは熊を運び飛翔しているゴットフリート向けに信煙弾を放つ。ゴットフリートはそれを感知しキシ達の所まで降下した。

 

『で、首尾はどうだった?』

 

オーキスはゴットフリートから降りてキシに聞いた。しかしキシは、、

 

『何の成果もっ!得られませんでしたぁぁぁ!』

 

『いや熊二匹と鹿二匹いるじゃねぇか』

 

『ちょ、、ここ大切なシーンなんだが』

 

『後で幾らでも聞いてやるからゴットフリートの手にでも乗れ。夕暮れだ』

 

ゴットフリートは全員を乗せると上昇してゆっくりと海岸へと戻って行く。海岸には三人が火をおこして待っていた。

 

ー海岸ー

 

火を全力で起こすユフィ。彼女もどうやらサバイバル好きのようだ。

 

『火はおこしてあるよ〜』

 

数々の材料を揃えた今日の夕食は熊肉の可食部と鹿肉、そして安全な野草にスカアハにあった豚肉などなど。海岸で食べるBBQは一味ちがうものである。ナナリーは怪我したら危ないと言う事でキシが出させないようにしていた。過保護であるが、明日なら全員の監視付きなのでナナリーが事故に遭う危険度は下がる。キシはそこまで考えていた。

 

『これに酒があったらなー』

 

キシが小さく呟いた時、頭に乗っけられた一缶のビール。それは全員にプレゼントされたオーキスからの小さな礼だった。

 

『ま、一缶くらい貰わないと拗ねるよ俺』

 

キシはビールを開けて少しずつ飲む。しかしオーキスは飲んでいなかった。ゴットフリートがスカアハから回収してきたビール缶は女性陣にノンアルがある。しかし何故か男性陣ビールが一缶だけ、、余っていた。

 

『オーキス!この一缶飲んでいいのか?』

 

『ああ。別にいいぞ』

 

キシは一缶を取り出すと封を開けずにジュース缶の中に紛れ込ませた。

 

『オーキスが酒を飲むとどうなるのか?これに関しては興味が尽きないねぇ。ナヴィスとかナオト辺りは普通だしブレーンに至ると泣き上戸。黒金とベイリンと木葉は酒に強いみたいだしな』

 

暫く経つとオーキスはジュース缶の入った箱に手を入れた。そして何の違和感もなくコップにそそいでいく。オーキス、、すまない。これも実験なんだ。

 

『ヤバ、、ビール飲んじまった、、』

 

さあ!オーキスよ!お前の酒乱っぷりを魅せてくれ!

 

『捨てるか』

 

キシがその言葉を聞いた瞬間、スタンドによりオーキスは一缶飲まされてしまった。

 

『ゴホッ、、なんだ今のは⁈つか全部飲んでしまった、、』

 

〈!〉急性アルコール中毒になります。現実ではやらないようにしましょう。

 

BBQも終わった頃、後片付けをしている全員の中に異色の人間がいた。無言ではあるが、いつもよりテキパキと片付けを行っている。

 

『んだよ、、変わってねーじゃんか』

 

キシは少し期待外れでテンションが下がってしまった。金網等を洗い石の上に置くと全員が橋を架けてあるスカアハへと戻っていく。

 

ースカアハー

 

誰もいない操縦室の司令席に帽子と一緒に寝てるように見えるオーキス。しかし急に起き上がり廊下を歩いて行く。

 

『こ、こいつぁ、、夜這いか⁈オーキスの綺麗なイメージを保つ為に俺は行くぜ、、!』

 

キシが行こうとした時、その足を掴んだのは、、なんとナナリーだった。

 

『ナナリー⁈』

 

『もう、、危ないからってBBQの時しか呼ばなくて海を楽しめなかったんだから、、少し位私にお詫びをしてもいいと思うんだけど?』

 

『明日も!明日もあるから!』

 

ナナリーはキシの足を離すとオーキスを見た。暗い廊下とは言え非常灯くらいはついている。

 

『キシさん、、オーキス司令を追いかけましょう。心配です』

 

『オーキスのイメージを守る為にも、、俺は奮闘する!』

 

こうしてナナリーとキシによる”オーキスのイメージ保とうぜ!”作戦が決行された。

 

続く!




オマケ

装備名 調査兵団セット

調査兵団になりきれるE.E特性の装備。立体起動は勿論刃の交換まで忠実に再現されておりマント内部にはナイフなども収納できるよう作られている。


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生徒会長!オーキス!

第二の過去編、突入です!決して箱庭ではありませんし生徒会長はスキルなんて使いません。安心院さんなんていません!


ースカアハー

 

しっかりとした足取りでスカアハの連絡通路を歩くオーキス。個室に向かう先は分からない為キシ達はついていくしかない。

 

「ちっ、、何処まで歩くつもりなんだ?行き先が分からないんじゃトラップの仕掛けようもないし」

 

少し早足になったオーキスを追いかける二人。数分ほど歩いて止まった場所は誰がいるか分からない個室。死角ギリギリのキシ達はこれ以上近づけない。そしてオーキスはカードキーを挿して難なく入っていく。

 

「何を考えているんだ?アイツ、、」

 

「この部屋は、、クレアさんです!やはり夜這い!」

 

「仕方ない。健全なる俺が監視を」

 

「キシさぁん?覗きはいけませんねぇ?」

 

キシに銃を突きつけたのはナヴィス。仮にも副艦長だ。部下の失態は今から確実に潰すべきである。

 

「落ち着け!俺達はオーキスが夜這いしないかどうかの調査をだな」

 

「ああ、、オーキスとクレアか?安心しろ二人共了承済みだから」

 

「はい?」

 

〜ナヴィス説明中なう〜

 

「俺が熊狩りしてる間にそんな事があったとはな、、」

 

ナヴィスは銃をしまうとタブレット端末を腰から出した。そして個室の監視カメラを起動して確認した。

 

「バカ!それは覗き、、」

 

「健全なる異性交遊は管理者の下、監視されるべきだからな」

 

監視カメラは音も拾えるようで少しづつ会話が聞こえてくる。バレないようにキシの個室で監視カメラの映像を見る三人。はたから見ればただの変態三人組である。しかしこれは二人の健全の為という大義名分の下であるので大丈夫、、だと思われる。

 

「なあナヴィス、、俺らって変態か何かか、、?」

 

「管理者だ」

 

音を最大にまで大きくするナヴィス。タブレット端末からようやく聞こえてくる二人の会話。その会話は少し暗いものであった。

 

〈覚えてる、、?私が昔イジメにあってたの〉

 

〈よく泥だらけの制服で教室で泣いていたよな〉

 

ーオーキス中学時代ー

 

高校は違う学校に通っていたオーキスは中学生時代、生徒会長を務める遣り手の学生であった。そんな彼はある日、隣の教室に忘れ物をして取りに行く。それが彼女との出会いであった。

 

「泥だらけの制服に手には切り傷、、これで保健室に行っていないのか?」

 

オーキスは机に突っ伏している彼女に近づく。寝ているようなので罪悪感を感じながらも身体の傷を目視から確認する。

 

「おいおい。流石にこれはないだろ」

 

背中に見えたのは制服から出た血の滲みと鉄臭い匂いだ。

 

「異常過ぎるぞこれは!出血多量ってほどじゃあないけど危ない。起きないのはおかしいし、、ふむ。理由を聞かなければならないな」

 

オーキスは彼女が逃げないように教室のドアをロックした。更に引き戸タイプなので、片方だけ箒で閉じた。

 

「よし、、もしもし?」

 

もぞもぞ動きながら起きる彼女の頬からも血が出ていた。そしてオーキスの顔を確認した瞬間傷を隠して教室から出ようとした、、が転んだ。

 

「落ち着けって!お前今怪我してんだぞ?」

 

「か、階段で転んだだけです」

 

「ふーん、、顔に出来た傷にナイフのような切り傷。そして君の右目に出来たアザと背中の鉄臭い匂い。まずこれらは人為的にしか出来ん。イジメか」

 

「わ、私は何も、、!」

 

近づいて転んだ足を見るオーキス。その足にはやはり切り傷がある。

 

「言いなさい。君の為なんだ」

 

そして涙ぐみながら話し始めた。中学始めから友達がいなかったのである何人かのグループの中の一人が少しづつイジメ始めた事。共働きの親なので何も言えずただ耐えていた事を話した。

 

「もういや、、死にたいよ、、」

 

「死にたいなら死ねばいい。だが、、俺と組めば面白いものを見せる事が出来る」

 

「え、、?」

 

「お前、生徒会入れ」

 

いきなりの勧誘に戸惑いを隠せない彼女。そりゃそうだ。いきなりいじめられていた事を見抜かれ生徒会に所属しないかという男だ。何をされるか分からない。だがイジメられるより生徒会の人なら、、という希望も求めていたのかもしれない。

 

「でも生徒会に入るには申請がいるんじゃ、、、それに生徒会長と副生徒会長の許可も、、」

 

「ふっ、、カリウス副会長!」

 

「はっ!ここに!」

 

「申請書とペン」

 

天井から出てきた副会長はペンと申請書を机の上においた。

 

「サラサラっと書いて、、ほい完成」

 

「え、、?」

 

「今日!今から君は生徒会役員!執行部の一人となった!職務に励みたまえ!明日から仕事はある!」

 

オーキスは紙を折りたたんで胸ポケットに入れた。そして彼女の腕に執行部と書かれた腕章を付けた。

 

「頑張れよ!えー、、」

 

「クレア、、です」

 

「よろしく頼むぞ!クレア会員!それと怪我の管理を怠らないように!これ貸すから!」

 

絆創膏数枚と薬品を渡して教室を出て行くオーキス。クレアは腕に付けられた腕章を触り少し安して赤い顔になった。

 

「あの人が生徒会長さん、、かっこいい、、」

 

ー生徒会室ー

 

「会長。これで奴らに、、」

 

「ああ。あの強大なグループに裏付けを作れる。彼女自身生徒会に所属した方が安全だろう」

 

帰宅準備をしていく二人。生徒会室のドアが開き、ある役員が入って来た。

 

「会長!スパイ終わりました!」

 

「お疲れ。あのグループの男子はほぼ貢ぎだからな。大変だったろうに。今キンキンに冷えた茶を、、」

 

「会長!ビッグニュースですよ!つかヤバイです!学校存続の危機です!」

 

「なに?」

 

役員が紙を机の上に出して赤いボールペンが書かれた箇所などに付箋を貼って行く。オーキスはPCの電源をいれてプロジェクターを起動する。副会長はドアの鍵を閉め防音した。

 

「で、、奴らの企みは?」

 

「エグいです。こんな計画書が書かれたレベルですからね、、」

 

役員がプロジェクターに計画書のコピーを映し出した。その計画書はあまりにも酷すぎる内容だ。

 

「ほう、、これはマズイな」

 

内容を要約するとクレアをいじめていた女子グループ。そのグループがいじめた女子を祭りがある日に男子貢ぎ野郎共がヤッてしまおうという計画的犯行。そしてその標的にはクレアも含まれている。

 

「会長!」

 

「、、、祭りはいつだ?」

 

「4日後です。どうやら来ない女子は強制的に連れて来るそうで、、」

 

「会長、明日から夏休みに入ります。これは好機です!奴らを潰せば!」

 

「勿論そのつもりだ。だが準備がいる。そこで、、明日は仕事がある。放課後、陣を敷く!作戦会議だ。クレアも呼べ」

 

「はい!」

 

ー翌日ー

 

朝から仕事を終わらし昼食の時間になる。そして午後は作戦会議となった。

 

「テメェらァァァァァ!今日こそ奴らを学校から排除する事が出来る作戦会議!最高の作戦に仕上げる!」

 

大声で会議室に叫ぶオーキス。今までこのイジメグループはオーキスが入る数年前から続くしがらみであり全てを終わらせるために努力して来た。しかし裏付けを取れないまま野晒しにしてしまった先代達の悔しさをはらす最高のチャンスである。

 

「さて、、と。先生方!何か意見は?」

 

「オーキス君。確かに君の言う事も一理あるだがしかしな、、」

 

「レミング先生。貴方はあのイジメグループの御曹司から賄賂を受け取っているでしょ。これが証拠写真だ!」

 

写真を公開された先生は何も言えずただ黙っている。

 

「すいませんねぇ。貴方はこうなる事の見せしめなんです。では」

 

他の先生方に連れ出され会議室から出て行く汚職先生。いや、汚職野郎だな。

 

「会長。貴方の意見は?」

 

校長がオーキスに問いかける。

 

「予算が多いのですが、、それでもよければ」

 

「あの御曹司の親に言えばなんとかなるだろう」

 

「では、、」

 

ー今回の作戦ー

 

計画書通りであれば会場付近の森にある暗い場所で行なわれる為、そこに大量のトラップを仕掛ける。トラップは簡単なもの。目標がワイヤーをひっかけられたら配置された大量のスポットライトがあてられヘリからもスポットライトを投光。一気に炙り出し周囲に自警団と警官を配置。一網打尽にする。祭り主催者には予め話をつけておき協力を得る。なお、生徒会の役員メンバーは全員警官用ゴム弾ショットガンを装備。抵抗する人は全員鎮圧する。なお、会場の外にも警官を配置してもらい学生は学校名と氏名を答えてもらう。

 

「これまた、、軍部が考えそうなやり方だな」

 

「奴らを消せば学生達への見せしめになります。では、、これで良いですね?拒否権は皆様にあります」

 

誰一人否定的見解を示さず全員がオーキスの作戦に賛成した。これにより作戦は決定。配置数などは後ほど決めるとし、会議は終わった。

 

「生徒会最後の戦いだ。気合い入れるぞ」

 

「「はい!」」

 

会議室に生徒会の声が響いた。

 

続く!

 




名前 オーキス・シンフォニー(中学生)

中学時代と侮るなかれ。彼はこの頃から戦略師としての知識を発揮している。


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オーキス 目覚める。

1人カラオケで歌った時のletなんとかですが、、なんと25点!ありえない!


ー祭り会場ー

 

初日で既に会場は大賑わいとなっていた。勿論この中で何かあってもおかしくない。今、オーキスの右手には午前までに取り付けたスポットライトのスイッチ、そして警察から拝借したゴム弾ショットガンがある。縁日の間を通り役員が手に入れた計画書の会場に行くと既に主犯グループも貢ぎ男グループもいた。被害女子はまだ何もされていない。

 

「クレア。分かっているな?お前はあえて生徒会の腕章を破り捨てる。その後タイミングを見てライトを俺に送れ」

 

「う、上手くいくかな、、」

 

「何かアクシデントが起きたらすぐに行く。落ち着いて行ってこい」

 

「うん、、」

 

会場に近づいて色々話しているクレア。オーキスは近くの草むらで隠れて見ている。そして10分程たった頃クレアは腕章を落とした。作戦開始だ。今回主犯グループに気づかれないよう通信の際はイヤホンマイクに接続されたモールス信号器を使用する。

 

”ダイサンチュウタイハ ミギゼンポウニ マワリコメ”

 

”サクセンカイシ。スポットヨーイ”

 

”リョウカイ”

 

スポットライトが主犯グループを照準におさめ警察が周りを囲む。そしてクレアがライトをこちらに光らせる。眼鏡を外した彼女は性格が変わったように叫んだ。

 

「光のシャワーを存分に浴びたまえ!そして人の怒りの重さを思い知るがいい!これで全て終わりよ!」

 

「なんだこいつ⁈狂ったのか⁈」

 

クレアの行為に驚いたグループはスポットライトが一斉にあてられ警察官が乗り込む。それにつれて五人の武闘派役員が数十人規模の男子グループを鎮圧した。女子グループはナイフを出したりしてはいるが脅しにしかなっていない。被害女子は警察が保護をして主犯グループは女子でも武闘派役員に容赦確保されていく。

 

「会長!会場外で六人確保!周辺で二人確保しました!」

 

「ご苦労。で、、いい加減諦めたらどうだ?」

 

オーキスの目の前には少し大柄な女子がクレアにナイフを突きつけた。恐らくリーダーだろう。

 

「こいつがどうなってもいいのか⁈」

 

クレアを盾にされている以上、ゴム弾ではクレアごと傷つける可能性がある。しかしだからといって逃すわけには行かない。オーキスは通販で購入しておいた特殊合金製の十手を構えた。

 

「会長、、私はいいんです!早くそれでこの人を」

 

「うるさい!」

 

肩をさされたクレア。血が流れ地面にうずくまるクレアを踏みつけたリーダーは更に首にナイフを突きつけ脅してくる。

 

「本当に私は殺すぞ生徒会長!お前などに負けるわけには行かないからな!」

 

正気ではない。人1人を殺すのがどれだけ罪が重い事なのか、、未遂でもかなりの罪がある。それが分からない輩には罰を与えなければならない。

 

〈なあ。こいつ生意気だよな?〉

 

その感情はあってはならない感情。本来なら人間にあってはならない野性的感情。それがオーキスには備わっていた。

 

「くっくっくっ、、、あはははは!」

 

狂ったかのように笑い出したオーキス。その笑い声はその場にいた全員の背筋がぞっとするほど恐怖めいていた。

 

「一時の感情に身をまかせる、、それは君にはまだ早いんだよ。くっくっ、、」

 

オーキスは十手をリーダーに投げつける。その十手はリーダーの手にあたりナイフが落とされた。しかしそれだけではすまない。中学生にしては人間離れしたかのような動きでリーダーの足をける。そこからは鈍く、何かが折れた音がした。

 

「おい、、どうしたんだ?まだやらないのか?さっきの威勢はどうした?」

 

泣き喚く事すら出来ないリーダーに更に蹴り上げるオーキス。しかし彼女はそれなりの事をした。誰も止める事は出来ない。

 

「さっきの!威勢は!どうしたって聞いてんだろうがぁぁぁぁ!」

 

オーキスの蹴りは強そうな彼女ですら気絶するレベルの力。足の骨はほぼ無いに等しいだろう。そこでオーキスの進撃は止まった。冷静になった彼はクレアを運び出し近くにあるパトカーに乗り病院に行く事となった。犯人グループはパトカーで一時的に拘置所に送られた。

 

「チンピラ共が、、俺の我慢にも限度がある」

 

ー病院 精神科ー

 

「オーキス君。やはり君には備わっていた。今回の事件に今までのマインドテスト、、君は一種の二重人格だ」

 

精神科医の話を聞いて黙り込むオーキス。

 

「まあ自閉症スペクトラムみたいなどこかが減ってどこかが伸びているわけじゃなくて常人の感情に闘争心が何倍にも追加された感しだよ」

 

「先生。この二重人格化を止めるには、、」

 

「しばらく怒るような事は何とかして避けるしか無いね。PTSDの原因になるような事が起きれば、、二重人格化は避けられない」

 

「ありがとうございます」

 

精神科を出て行くオーキス。救急医療室の彼女は麻酔をかけられ刺されたところを縫われていた。まだ起きてはいない。少なくとも彼女に会う事は無くなる。卒業まで後八ヶ月程あるが学年は二年下。生徒会は二度と入りたくないだろうし教師も離れている。今彼女に会うのは失礼に相当する。オーキスは学校へと向かった。

 

ー学校ー

 

校長室に向かうオーキス。そこでは生徒会の腕章をつけた役員がこちらを見つめていた。見下す目でも恐怖の目ではない。1人の先輩としてみる目だ。

 

「オーキス君。一応警察としては学生要注意人物として彼女がいたから今回の件については大目に見ると言ってきた。君の病気は知っている。だが今まで問題を起こしていない君を信じ、無事卒業まで勉強できる事を祈るよ。以上だ」

 

「はい。ありがとうございます」

 

校長室から出たオーキス。非難されても仕方ない。そんな気持ちで外に出た彼が見たのは十手と紙を持ったクレア。そして役員達だった。

 

「会長!気にすることなんてありません!俺達は会長を信じてますから!」

 

「会長みたいな上司がいるなんて絶対にないからな」

 

「会長、、あの!これ、、」

 

クレアが渡してくれたのはずっしりとしたオーキスの十手。そして紙は始末書、、と思いきや生徒会執行部申請書だった。つまり彼女は生徒会にまだ残るという事だ。

 

「物好きだな、、本当にいいのか?」

 

「はい。そちらのほうが何もない日常よりはいいかな、、と」

 

オーキスは紙を受け取りポケットにしまう。そして生徒会長と書かれた腕章を腕にしっかりとつける。

 

「なに、、まだ終わったわけじゃない。生徒会長は最後までやらさせてもらうさ!」

 

オーキスは再び生徒会室へと戻って行くのであった。

 

ーキシ個室ー

 

「そ、壮大すぎるだろ⁈」

 

完全に話に聞き入っていたキシは話があまりにも大きい事なんて思わなかったのだ。そしてそれが仇になった。

 

〈確かにクレアに出逢ってから色々変わったさ。例えば、、お前らとかなぁ!〉

 

そう。オーキスは気づいていた!彼らの存在に!ナヴィスは端末の電源を切るとコードを急いで片付け始める。

 

「オーキス、、いつ気づいた?」

 

「わかんねぇ。とにかく逃げねぇとな。キシ!後は頼んだ」

 

「へ?」

 

キーロックを変えていたにも関わらずドアが勝手に開くキシの個室。そこにいたのは恥ずかしそうな顔をしたクレアと完全に怒り身体から何かが出ているオーキスだ。

 

「オーキス!すまなかった!本当にすまない!」

 

「許せねぇな、、特にキシ!テメェはな!」

 

キシは後ろを見たがそこには誰もいなかった。あったのは小さな紙。そこには”後は頼んだ”と書かれた紙。つまり二人に逃げられたと言う事だ。ナナリーのギアスは希望を元に全てを可能にするギアス。テレポートなど簡単だ。

 

「ならば、、クレイジー・チャリオッt」

 

「どうした?スタンドを出さないのか?」

 

キシはその時震撼した!そう!スタンドの名前ならオーキスが知っていてもおかしくはない。しかし!突破するためならなんでもするキシ。そんな彼がなぜスタンドを出せないのか?それはオーキスの横にあった!

 

「その膝と額のハート、、そして筋肉質な金色に輝く人型!まさか、、」

 

「お前が言うスタンドなのか?これが」

 

何故彼がスタンドを持っているのかは分からない!しかし危険なスタンドに変わりない。だがキシに反撃できる隙はない。一体何故か?

 

「ば、バカな、、オーキス!お前まさか!」

 

「俺の時間止めに制限は、、ない」

 

ありえない!かつてのDIOですら九秒が限界だ!クレイジーチャリオットは光速で動く事が可能だが時間止めと言う中では動くのは不可能だ。つまり!オーキスが時間止めをするギリなら動かせたのだ!ただしマグロのように動き続けなければならない。

 

「どうする、、気、、だ、、」

 

「あ、固まった。流石に動くのは不可能か」

 

時止めを解除した瞬間に懐に飛び込んでくるクレイジーチャリオット。しかしそのレイピアはオーキスのスタンドにより粉々に消えていた。

 

「そんな、、」

 

「ゆっくりとやったぞ?それも5分以上もかけてな」

 

「くっ、、」

 

「あのう、、もういいですか?私寝たいんですけど、、」

 

眠たい目をこすりながらオーキスの腕に絡みつくクレア。髪にはシャンプーのオレンジの香りが漂う。

 

「分かった分かった。今寝室に連れて行ってやるから、、。キシ!今回は許す。お前以外にもいたみたいだからな」

 

「分かってたんかい!」

 

オーキスは再び消えてクレアを連れて行った。キシは冷や汗を流してクレイジーチャリオットを消した。

 

「はあっはあっ、、なんであいつがワールドなんかを、、」

 

〈私が説明しよう!〉

 

個室の天井からにょきりと出てきたのは神狐だった。着地すると笹に包まれた焼きおにぎりをキシに手渡しベッドに座る。

 

「久しいの。キシ」

 

「なんでお前が?つか説明するって、、」

 

「ちょっと暇だから見せてもらった。無様だったの?」

 

ニヤニヤと笑いながら焼きおにぎりを食べる神狐。竹筒からお茶を出して飲み込み二つ目に突入した。

 

「あのオーキスとやら、、意識の力が途方もなくある。スタンドを表せたのも偶然ではあるまい」

 

「つまり感情の大きさ、、二重人格化は脳の力の一部が制御を逃れたから出来た。そしてスタンドが発動出来た、、、と」

 

「そうじゃ。人間の力とは脳の制御システムさえ無ければ最強に等しいからの」

 

焼きおにぎりを食べきったキシは近くのペットボトルに入った麦茶を神狐の竹筒に入れていく。ついでにガラスのコップを取り出してそちらにも麦茶を注いでいく。

 

「だがオーキスが脳の力でスタンドを出してるってこたぁ、、脳によるエネルギー消費がデカイはずだ。何故あいつはエネルギーを維持出来る?」

 

「あーはいはい。エネルギーに関してはのぅ。奴はギアス?とやらの力で脳や身体、更にギアスが、、いやこれ以上はキシ、主が調べぃ。わしは帰る」

 

神狐は竹筒を持ち笹を片付けて再び消える。キシはベッドに寝転びテレビをつけた。そこには衛星放送の通販番組が出ている。

 

「美味かったな、、焼きおにぎり」

 

続く!




オーキス・シンフォニー(現代ver)

能力
ギアスを制御するギアス
スタンド
???



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黒の騎士団 壊滅作戦

r1もそろそろ終盤。r2はまだ構想中です。


ー翌日ー

 

午前から海で遊ぶ女子に険しい表情のオーキス。キシは細かい所まで作り上げた砂城を築いて毎5分ごとに”露出少ない”とか”面積広すぎ”などと呟いているが気にしないでおこう。

 

「むう、、やはりな」

 

オーキスは頭を抱え作戦指示書を丸めて捨てた。

 

「黒の騎士団が予想以上に進行していやがる。このまま放っておいたら何を起こすか分からんな」

 

「どうした?艦長」

 

「ナヴィス。これ見ろよ。ウチの諜報員からの情報」

 

端末を受け取ったナヴィスが見たのは黒の騎士団による破壊行為の数々と被害状況。そしてルルーシュの計画の全容などが記されていた。

 

「マジか。つかこれさぁ、、騎士団に勝利が行くんじゃねーの?」

 

「勝利の方程式が必ずとも当てはまる訳じゃない。いくらでもどんでん返しはあるさ。こいつとかな」

 

端末を切り替えてオーキスがナヴィスに見せたのは飛翔型のランスロットの詳細スペック。蒼炎やその発展バリエーションがあるシンフォニーにとって敵ではないがランスロットを関係なく潰せば疑いがかかる。それらを踏まえてオーキスが出した答え。それは

 

「黒の騎士団を壊滅させる!」

 

「それには賛成だな。おそらく面倒ごとも丸く収まるだろう」

 

「皆にはすまないが午後には作戦を行う。そう伝えてくれ」

 

「了解」

 

ナヴィスは端末をオーキスに返して砂浜を歩く。その後オーキスはキシに作戦概要を説明する。

 

「黒の騎士団を壊滅、、か」

 

「非殺傷とは行かないだろうな」

 

「だがルルーシュとスザクは生かせよ?あいつらが死んだら皇帝の企みを潰すのは難しくなる」

 

「了解だ」

 

砂浜で遊ぶ彼女達にはスカアハに残ってもらい戦うのは整備班のタキセを除く男だけにする事に決定した。もちろん反論も出た。しかしこれで黒の騎士団に加担した所で各国からの信頼が落ちる。ならば時を待ち影から世界を変えていく。それがオーキスの下した決定だった。

 

ー数時間後ー

 

スカアハに乗り込んだ全員は再び戦闘態勢に入り緊張感が溢れる艦内となった。

 

「全員第二種戦闘態勢!動力起動ヨーイ!」

 

「動力起動ヨーイ!第一から第五ブロックまでの動力起動!」

 

タキセの掛け声と同時にエンジンが起動。熱量が上昇して行き装甲が変形する。

 

「軸ブレーキ脱!最大航行開始!スカアハ上昇!針路56!速力133!上昇角48度!高度は2600まであげろ!」

 

オーキスの指令と同時にスカアハが離海。操縦室にいる全員が誰一人が無駄な話をせずに緊張感に溢れている。

 

「これからの運命はオーキス。お前の行為によって決まる。間違った判断をしないよう、、頼むぜ」

 

「ふん、、分かっているさ」

 

キシとの会話はそれだけだった。ブリタニアの主要都市に向かうスカアハ。スピードは既に音速を超え急行する。

 

〈こちら戦略要塞スカアハ!戦艦スフィアに告ぐ!黒の騎士団壊滅作戦を行う!総出撃!〉

 

〈了解!〉

 

スカアハとは別方向に現れたスフィアが光学迷彩を解除してKMFを出撃させた。歩兵武器倉庫を改造しKMFを増やしたのでその数は約200体。つまりランスロット以上の機体が200体いる事になる。

 

ー主要都市 上空ー

 

「作戦を開始する。俺達のやる事はただ一つ。黒の騎士団を壊滅しろ」

 

オーキスの声に迷いはない。それぞれが自分のKMFに乗り込みカタパルトに上がった。

 

「スカアハ遊撃部隊、、出撃!」

 

タキセの掛け声でカタパルトの機体が全て射出された。スカアハは光学迷彩と障壁を展開して全体からの攻撃からの対策を講じる。

 

ー主要都市ー

 

バンシィ、幻月X、ゴットフリート、陽炎、蒼炎が黒の騎士団の兵器を破壊してゆく。

 

「ビームコンフューズ!」

 

キシの幻月Xによる攻撃により主要部隊が壊滅。生存者はいない。キシは何も考えずに黒の騎士団を追い詰める。いや、考えてはいけなかった。

 

「仕方が、、ないんだ。これが戦争だ、、」

 

ナオトのガンダムサバーニャもGNビットを使用して数で押してきた黒の騎士団の大砲部隊を壊滅。全範囲攻撃を何回も行いナオトを囲んでいた部隊はチリ一つ残さず消え去った。

 

「ゴットフリート、、俺は、、俺は自分の判断を間違ったとは思わない。全機!ついてこいよ!」

 

ゴットフリートがトランザムを発動。更に後方に待機していた部隊にナヴィス達と共に奇襲をかける。

 

「排除するまでだ」

 

黒金はバンシィを駆りNTーDを自ら発動。キシとナオトに近づく追撃部隊を壊滅してゆく。更にスフィア部隊の動きにより黒の騎士団のKMFは全て壊滅。残党狩りはブリタニアに任せる事となった。と、その時

 

「ゼロォォォォォ!」

 

スザクの駆るランスロットがゴットフリートに強襲してきた。

 

「こんのクソ野郎が、、」

 

「オーキス!」

 

「こいつは俺がやる。下がれ」

 

ナヴィス達を下がらせたオーキスはビームサーベルを二丁出してランスロットと戦闘を開始する。MVSとのつば競り合いに勝ちビームライフルを左足に直撃させる。

 

「これで動くのは、、な⁈」

 

それでもフロートユニットで上昇したランスロットはスラッシュハーケンを発射する。

 

「うおおおお!」

 

「フロートユニットか!だがな!」

 

スラッシュハーケンを避けたゴットフリートは空中で体制を崩したランスロットを背負い投げする。そして二本のMVSをビームライフルで破壊。そしてフロートユニットも背負い投げした時点で破壊された。

 

「くそがぁっ!動け!」

 

ランスロットを強制的に稼働させるスザク。しかし、、

 

「よくやったよ、ランスロット。だが神には勝てない。出直せ」

 

ランスロットのラジエータと頭部を破壊して両腕を切断。ランスロットは動けなくなりオーキスは思い切りゴットフリートで蹴り飛ばした。

 

「頭を冷やすんだな。バカ野郎」

 

「待て待て待て!ランスロットは破壊しないんじゃないのか⁈」

 

ナヴィスに言われ今更気付くオーキス。しかしここで引き下がる訳にはいかない。

 

「、、、キシ。本来の流れは?」

 

「最終的にはスザクにルルーシュは捕縛されて皇帝の座まで連れて行かれるんだが」

 

「ナヴィス。幻覚使って俺をスザクに見せかけろ。後はなんとかする」

 

「荒技すぎるだろ、、」

 

オーキスはキシ達と上空へと消えて行った。諜報員を回収するのと最速で入って来た情報の包囲された学校の救出である。

 

「これよりアッシュフォード学園の救出に向かう。全機校舎の破損は最小限に留めろ」

 

〈〈了解〉〉

 

「スフィア歩兵部隊は1833に突撃。生徒及び民間人への誤射は最小限にしろ。また、保護対象の確保を優先せよ」

 

〈〈イエッサー〉〉

 

アッシュフォード、、そういやカレンがいたな。いいのか?俺はナオトとカレンを戦わせて、、。いやもう遅い。今勘付かれる位ならこちらからカレンを引き離すしかない。リムーブフレーム仕様のサバーニャから確かにカレンに勝てる。しかし勝ち負けじゃない。ナオトはカレンが今騎士団にいるのは知っていると思う。二人を戦わせては、、ダメだ。

 

「俺ぁ、、兄妹の殺し合いなんか見たくないからな」

 

ーアッシュフォード学園ー

 

「隊長。司令が学園付近に接近。作戦開始まで5.4.3.2.1...」

 

「作戦開始。各員光学迷彩を発動」

 

「イエッサー」

 

スフィア歩兵特殊部隊は学園に潜入を始めた。まず一階部分からクリアリングを行い二階へ。ここで別れてクラブハウスに向かう特殊部隊四人は騎士団の人員を確認する。

 

「隊長。目標は六人。発砲許可を」

 

〈デルタ1。発砲許可を出す。弾はホローポイントを使用。致命傷を与えるな〉

 

「イエッサー」

 

サブマシンガンをリロードしてナイフを構える四人。そして、、

 

「ムーブ!」

 

仲間の一声で光学迷彩を解除してクラブハウスに突入。騎士団の団員はこちらに発砲してくるが素早い動きに追いつけず足に直撃弾を受ける。ナイフで腕を斬られた団員は何も出来ず逃げ出す。

 

「こちらデルタ1。保護対象を確保。二階クリアリング部隊。応答せよ」

 

〈こちらクリアリング部隊。全階のクリアリング完了。攻撃対象は全て排除。こちらの負傷人ゼロ。攻撃対象死傷人三人〉

 

クリアリング部隊が行なった後はうずくまる団員達が大量にいた。高性能兵器や防弾服を装備した部隊にとって数の黒の騎士団は敵ではなかった。

 

ーアッシュフォード学園付近ー

 

オーキス達の降下ポイントにはまだ大量のナイトメアがいる。しかしナオトのGNビットにより全て排除。残るは紅蓮弐式がいた。

 

「ここでナオトと戦わせるわけにはいかないな、、ナオト!」

 

〈どうした?〉

 

「ここは俺らに任せて他のKMFをブレーンとベイリンを連れて潰しに行ってくれ」

 

「分かった。無理はするなよ」

 

ナオトのサバーニャについていく陽炎と蒼炎。残るは幻月X、バンシィ、ゴットフリート、そして木葉、ナヴィスの蒼炎が紅蓮弐式の前に立ちはだかる。

 

「ナオト、、すまない。カレンを今は助けられない。だが、、必ず!」

 

紅蓮弐式とスカアハ部隊の戦闘が始まるのであった。

 

続く!



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終幕への道

終幕です!第一部はね!


ーアッシュフォード学園付近ー

 

「オーキス。紅蓮弐式は輻射波動装備型のKMFだ。いくらこちらが高性能機でも甘く見てると死ぬぞ」

 

「何を言うキシ。俺達に輻射波動は効かないのを忘れたか?」

 

「ははっ。完全に忘れていたよ。シンフォニーの全機体にはリムーブフレームが採用されてんだっけな」

 

最初に動き出したのはバンシィだった。ビームマグナムを撃ちながらリボルバーカノンを撃つ。煙幕に飛び込むバンシィ。しかし紅蓮弐式はギリギリで避けた。

 

「こんなんで私に勝てると思うなぁ!」

 

紅蓮弐式はスラッシュハーケンで壁に登りバンシィの突撃を避けた。次は蒼炎のビームライフルによる攻撃だ。

 

「カレンには当てるなよ。アイツは必ず動く」

 

キシの予言通り廃ビルの壁が剥がれ落ちビームライフルを当てるまでもなかった。しかし地面に降りてからもフロートユニットを装備せずとも高機動な動きをする紅蓮弐式。ナイフ攻撃を避けた遊撃部隊はビームライフルを撃つ。なぞの光学兵器があたるはずもない。カレンはそう思っていた。

 

「次はカレンがこちらに輻射波動を向けてくる。黒金。背後頼むぜ」

 

しかしカレンは忘れていた。廃ビルに潜んだ悪魔を。あのビームライフルはカレンを地面に降りさせる為の布石。後ろには廃ビルに突っ込んだバンシィがいた。

 

「出直すがいい!素人が!」

 

バンシィの高速機動は弐式を遥かに超えていた。カレンは反応する余裕もなくビームサーベルにより脚部と右腕を失う。

 

「まだ、、まだ輻射波動が一発だけ使える。あの重武装野郎に一撃やれば、、!」

 

弐式は脚部を損傷しているにもかかわらずその微妙な安定感で幻月Xを捕まえる。

 

「最後の一発!喰らいな!」

 

カレンの輻射波動が幻月Xに直撃。爆発、、しなかった。それどころか傷一つ付いていない。

 

「そんな、、!」

 

「カレンちゃん。すまないけどその左腕はもらうよ」

 

幻月Xの左手が弐式の左腕を掴む。

 

「お前こそ喰らえぃ!幻月Xの吸収した紅蓮の輻射波動と俺の輻射波動を足した必殺!大出力輻射波動!」

 

キシが放った輻射波動は弐式が腕をパージしたから良いものの、その腕は跡形もなく消え去る。

 

「よし。紅蓮弐式もつぶした。となると残るは、、」

 

こちらの戦闘を見ていたのは空中にいたガウェイン。この空気では戦うのはただ一人。指揮官と指揮官による戦いだ。

 

「ほう、、面白い装備を持つKMFだな」

 

「あれがガウェイン。だが俺のゴットフリートを前に負けるわけにはいかないな」

 

ゴットフリートが動き出す。ビームサーベルを一本だけ出しガウェインに突っ込む。

 

「ガウェイン!お前の力を見せてみろ!」

 

ビームサーベルを避けてガウェインがハドロン砲を放った。クラッキングやスラッシュハーケンを出し装備を全て使いゴットフリートに襲いかかる。

 

「あのKMF、、この機体では難しいな」

 

「ああ。それに余裕がないな。コーネリアが何も知らないならそれでいいが、、」

 

ゴットフリートはハドロン砲をシールドで受け止めて融解したシールドを破棄する。ガウェインもその驚異的スピードに追いつき近接戦を許さない。

 

「所詮は砲台か。ならば!」

 

ゴットフリートが赤く染まる。背中の粒子の量が多くなりさらにスピードが上がる。

 

「くっ、、最後の一発か!」

 

ハドロン砲を撃てなくなるガウェイン。ゴットフリートは避けるガウェインの腕を切断した。そしてまた距離を作ると両腕に装備した中距離用ビームバルカンでガウェインに容赦なく撃つ。

 

「この十字砲火をかわすのは不可能だ!」

 

ゴットフリートのビームバルカンは更に別方向からも来る。左右上下にビームバルカンがある。

 

「ルルーシュ!」

 

「まさかガウェインの弾が無くなるとは、、撤収地点まで後退する!」

 

ゴットフリートの射程距離から離れるガウェイン。

 

「逃がさねぇぞ、、」

 

ゴットフリートに装備された高出力ビームライフルを構えるオーキス。長距離射程モードに帰るとガウェインをロックする。

 

「オーキス!撃つな!」

 

キシの声でまたもや失敗するところだったオーキス。

 

「落ち着け!ルルーシュまで潰したらやばくなるって」

 

「すまん、、」

 

ゴットフリートが装備を仕舞うと帰ってきたナオト達とも合流した。

 

「さて、、これからどうする?」

 

「この後の運命は、、ジークフリートっつうKMFがいる。多分そいつが邪魔をする」

 

「ゴットフリートにあれだけのダメージを与えられたんだ。多分そいつに潰される」

 

ナヴィスの確実な意見。ゴットフリートに負わされたダメージや武器の消費は比ではない。あまりにも使用し過ぎた為ジークフリートに負けてもおかしくはない。

 

「つまり、、ジークフリートを潰せと?キシ」

 

「ナヴィスの意見は最もだ。オーキス」

 

「分かっている。ジークフリートの反応を探せ」

 

「「了解!」」

 

レーダシステムを最大まで上げてジークフリートを探すオーキス達。その時、ナヴィスの蒼炎に緊急報告がはいった。

 

〈ナヴィス副司令!〉

 

〈スフィア歩兵部隊か。どうした?〉

 

ーアッシュフォード学園ー

 

「学園にて大量破壊兵器を確認!サクラダイトを使用した爆発兵器です!」

 

〈何⁈大きさは⁈〉

 

「残念ながら現在画像による通信機器は破損を防ぐためありませんが目視でも二、三メートルはあるかと、、」

 

〈爆発した時の、、予測被害数は?〉

 

「出ました体長!予測被害は、、東京租界、、全域です」

 

〈そんな、、まだ市民は大勢いるんだぞ⁈〉

 

「体長!女子生徒がKMFの中に!」

 

「なんだって⁈」

 

部下の言う通りそこにはニーナがいた。起爆スイッチを持って。

 

「隊長!発砲許可を!」

 

「麻酔弾を使用しろ!彼女は今錯乱しているようだ!下手に麻酔を減らしたらどうなるか分からん!ヒトに使用出来る最大量で撃て!」

 

「しかし後遺症の危険が!」

 

「責任は俺が取る!撃て!」

 

麻酔弾に麻酔を装填する部下。下では学生達による説得が続いているが無駄だろう。

 

「ゼロは、、どこ?」

 

「ニーナ!早く降りて!今ここでやったら皆死んじゃうのよ⁈」

 

「ユーフェミア様の仇を取れるなら、、別にいいです!」

 

ボタンを押そうとガタガタ震えるニーナの手。

 

「麻酔装填完了!一発で当てろよ!」

 

「んなこたぁ分かっている!」

 

麻酔弾をスナイパーに渡しニーナの首を狙う。

 

「グッバイ。子猫ちゃん」

 

スナイパーの撃った麻酔弾は見事ニーナの首に当たりニーナはすぐ寝てしまった。すぐに回収して地面に下ろすシンフォニーの部隊員。

 

「麻酔の後遺症が残らんように処置をしろ!間に合わなくなるぞ!」

 

注射器で薬品を注入している間、ブリタニアのアヴァロンが近くまで降下した。

 

「後は頼んだ。ブリタニア」

 

「はい。貴方達は?」

 

「シンフォニー傭兵師団の特殊歩兵部隊だ」

 

ヘリポートにあったヘリでスフィアに向かう部隊員。これで租界が消えるのは阻止できた。

 

ースカアハー

 

ジークフリート討伐に向かったゴットフリート以外は全機体がスカアハへと弾薬補給に戻った。

 

「さっきの爆弾犯はニーナだろ」

 

「キシ、、分かるのか?」

 

「ああ。かなりのマッドサイエンティストだ。ユーフェミアが死んだと勘違いしているがな」

 

「私が、、ですか?」

 

シンフォニーの隊服に着替えて総司令官の座席に座っているユーフェミアは話を聞いた。

 

「キシさんは異世界の人ってE.Eさんに聞きました。ニーナちゃんって」

 

「Yes。学生なのに大量破壊兵器を作り出す可哀想なやつさ。ユフィ。君が死んでないと気付かずにね」

 

「今すぐ止めに!」

 

焦るユーフェミア。しかしナヴィスはコーヒーを飲みほしてユフィに言った。

 

「そいつならウチの特殊部隊が麻酔弾で眠らせた。後遺症の残らんよう処置したそうだ」

 

ユフィはほっとした顔になる。

 

「それより、、なんだ。隊服から胸が出ているんだが、、」

 

「ええと、、隊服に入らないんです、、」

 

「ユフィ!good!」

 

「!!」

 

無駄な言葉を言った瞬間ユフィに回し蹴りされ股間にクリーンヒットするキシ。無論、最強の生物でも股間へのダメージは気絶する。白目をむきかけて倒れたキシ。

 

「ハイヒールで股間はないよぉー」

 

「す、すいません、、クレアさんから護身術を習ったので、、」

 

「く、クレアから?」

 

キシがクレアを見るとその目はオーキスを見る女の目ではない。養豚場の豚を見るような目だ。キシにとってご褒美でもなんでもない。瞳に光がない。

 

「あ、あすこにいるのはリサリサ先生か、、⁈」

 

クレアはじっとこちらを見ている。やはり変わらないその目。しかし正面を振り直した彼女はオーキスとのツーショットを見て瞳に光が戻った。更によく見ると、、

 

「な、ナヴィス」

 

「どうした人外。いや変態」

 

「変態言うな。クレアの指、、なんかおかしくね?」

 

「ああ。光る何かがあるな」

 

クレアの薬指には銀色の指輪があった。もうこれはキシが知らなくてもおかしくない。

 

「あいつ、、プロポしたのか」

 

ーゲットー 上空ー

 

ジークフリートと戦闘するオーキス。ビームバルカンで次々と兵装を破壊する。

 

「図体がデカイのが仇になったな」

 

ビームサーベル二丁を高出力モードに変更するとゴットフリートはジークフリートに突っ込んでいく。

 

「三枚下ろしだ!」

 

三枚下ろしにされたジークフリートは爆発してゲットーへと落ちていく。後はキシに聞かなければわからないため、スカアハへと帰還した。

 

ースカアハー

 

程なくして終わったジークフリート戦を見ていたらしいクレアはオーキスが帰って来るなり抱きついて泣いた。なだめている間にナヴィスがキシの話を聞いてこれからの作戦を全て構成してしまった。

 

「つーわけで、、後は終わらせるだけだ。オーキス」

 

キシは運命の流れを全て説明した。これから起こることも全て話した。しかしそれでも変えられる場所はいくつでもあった。

 

「よし、、後は皇帝がいる場所へと向かうだけだな。ルルーシュには済まないことをするな、、」

 

「ま、気にするなよ。ルルーシュにはまた後で色々やれるよう支援すればいいさ」

 

キシはオーキスにそう言うと自分の持ち場へと戻る。オーキスも再び司令席に戻り帽子をかぶった。

 

「スフィアには帰還命令を出した。俺達は最終目標の神根島に向かう。速力159!針路109に変更!急速発進準備!全員固定器具を装着!」

 

「全員固定器具装着ヨシ!」

 

ユフィが全て確認するとオーキスは司令を出した。

 

「スカアハ!急速発進!」

 

スカアハは神根島へと方向を変え猛スピードで向かう。

 

続く!

 




第一部は次で終了です。第二部まで皆様どうか見守ってください。


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R1 終幕

 

神根島についた彼らはナヴィスの幻覚ギアスを使用してスザクに見せかけたオーキスはルルーシュがゼロと知らない振りをしてキシの言う通りにしルルーシュを捕縛し皇帝の座まで連行。皇帝のギアスによりルルーシュは記憶を改竄された。そして同時にオーキスは皇帝のギアスを手に入れた。

 

ー牢屋ー

 

「皇帝のギアスは記憶を改竄する能力みたいだな。俺も改竄出来るみたいだが、、外部からの情報がないと記憶喪失をしたのと同じだ」

 

「そこまでわかるのかよ、、」

 

「そういうギアスだからな」

 

牢屋で虚ろな目をしているルルーシュ。言葉をかけても反応が全くない。全員が試しているが誰にも反応しない。もちろんユフィにもだ。

 

「しゃあねぇ。俺が性格を作成してやるよ。とりあえず皆出て行ってくれ」

 

キシはルルーシュの入っている牢屋に入りボソボソと何かを話し始めている。他の皆は牢屋の外で待つ事になった。

 

ー十分後ー

 

「いいぞー。入って来い」

 

牢屋に入るとルルーシュは普通に立っておりなんら変わりないように見える。しかし雰囲気が違う。全員少し緩くなっいるような気がしてならない。

 

「えー、、名前は?」

 

クレアが名前を問う。

 

「俺の名前はジョセフ・ジョースター。ジョジョって呼んでくれよな」

 

これは別人になりすぎである。あんなに恨みに満ちていた顔や雰囲気が変わりふざけたような策士のような波紋の戦士になっていた。

 

「うん、、そうだな。そこの桜色の髪をした君。貴方様が次に言うのは、、”ルルーシュ?わたしの事忘れたの?”だ」

 

「ルルーシュ?わたしの事忘れたの?、、え⁈」

 

「ジョジョ。彼らに君の技を見せてやってくれ」

 

「えー?仕方ねぇな」

 

ルルーシュはバンダナを取ると波紋を流し込み泡を出し始めた。

 

「必殺のシャボンランチャー!」

 

ルルーシュはシャボンランチャーで牢屋の壁を破壊した。更にアメリカンクラッカーに波紋を流し込みドアを吹き飛ばす。

 

「ま、こんなもんよ!」

 

「か、変わり過ぎてルルーシュだなんて思えない」

 

ユフィは泣くというより完全に引き気味だ。何よりキシが吹き込んだ事が酷すぎる。だが今から彼が受ける苦しみを考えるならこれくらいの方がいいのかもしれない。この後ルルーシュは俺達と街で別れスカアハ部隊の全員はシンフォニーの本拠地へと向かう事となった。

 

「ユーフェミア。本当にいいのか?」

 

オーキスはブリタニアに戻らずこのままシンフォニーについていく決断をしたユーフェミアの最終確認をとる。

 

「今私が行ってもまた狙われるだけだと思いますし、、最後まで終わらせてから自分が生きている事を示そうと思います」

 

「それならいいんだが」

 

スカアハは本拠地があるイギリスへと向かう事となっておりスフィアもすでに向かっている。

 

「じゃあ、、全員いいな?これよりスカアハは本拠地があるイギリス向かう。高度3580!針路78!速力89!」

 

これより空白の1年間が過ぎる。その間シンフォニーは表舞台ではなんら活躍もせず消える事になる。イギリスでも今までの事を忘れないよう過ごすオーキス達。彼らの戦いはまだ終わっていない。

 

R1 END

 

 

第一部終了にあたってキャラの詳細を書いていこうと思います!

 

 

オーキス・シンフォニー

日本人とブリタニアのハーフ。高校時代このハーフを許さない過激派により弟二人と母親を失う。結果ブリタニアの下っ端としてKMFに乗るが味方の流れ弾で死亡。E.Eとの契約で最強のギアス、コードを手に入れた。機体はゴットフリート。父親は死亡したと見られている。また、脳の一部の力が制御をすり抜けておりスタンドを発動出来る。まだ不明の能力がある、、?

 

能力

ギアスを制御するギアス

スタンド

???

 

 

クレア・シンフォニー

オーキスと結婚した元医師。医療技術は世界でも類稀なる才能を発揮している。何故彼女がシンフォニーに入ったかは不明。オーキスと同じ中学だった。薬学知識も胸も豊富な女性。

 

ナヴィス・シンフォニー

オーキスと同じハーフ。オーキスと親戚関係でスカアハの副艦長を務める。オーキスがギアスを手に入れた直後E.Eによりスカウト。幻覚のギアスを手に入れた。機体は蒼炎、フェデルマ。

 

能力

幻覚のギアス

 

 

軍司キシ

異世界からE.Eが誘ってきた人外。イケメンだが言う事は会社であれば訴えられてもおかしくない。しかし実力は本物。おそらく生身でもKMF一個中隊を潰せると思われる。異端者故に身体能力などは一部制限されている。異世界では一夫多妻制をとり沢山の嫁がいる。機体は幻月X

 

能力

スタンド

波紋

ギアスを防ぐギアス(免疫型)

その他etc...

 

 

紅月ナオト

紅月カレンの兄。死にかたところをキシに助けられシンフォニーに入った。機体はガンダムサバーニャ。カレンはまだナオトが生きているのを知らない。

 

 

ブレーン・クロウス

元ブリタニア空挺部隊所属の兵士。しばらく兵士を辞めていたがキシのスカウトを受けてシンフォニーに入る事となった。機体は陽炎。

 

 

ベイリン・フォール

元ブリタニア警備兵。その後昇進してKMF部隊へと入った。しかしブリタニアのやり方に違和感を覚えシンフォニーへと入った。機体は蒼炎。

 

木葉龍大

ナオトと同じテロ組織にいた。ナオトと爆死寸前でE.Eの乗ったゴットフリートにより救出。シンフォニーへと入る事になる。機体は蒼炎。

 

黒金翔

日本解放戦線の中でも藤堂以上に危険視されていた人。シンフォニーと裏で諜報員としての役目も担っていた。機体はバンシィ・ノルン。

 

 

オマケにあるスペックと違いがある可能性がありますがこちらが決定版です。質問は感想か活動報告のコメにお願いします。第二部は構想中です!しばらくお待ちください!また、その前にイギリスでの皆を少し書こうと思っています。そちらもお願いします!



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イギリス編
番外編1


イギリス書いていくぞい!皆さん!冷たいようで冷たくない、少し暖かい目でどうか見ていてください!


ーイギリス シンフォニー本家ー

 

スカアハが着陸場に近づくと作業員が赤灯棒で誘導を開始。スカアハの巨大な船体に合わせていたのか円の中にぴったり収まる。そして地下に収納されていくスカアハ。周りには大量の空上戦艦が整備を受けていた。昇降口が設置されスカアハから全員が出た。

 

「ここがシンフォニー本家の整備基地、、デカイ!」

 

タキセはその立派な機器を見て興味が尽きない。スカアハは超音波検査場と書かれた場所へと運ばれてゆく。そして昇降口付近にいたのは木月と安達だった。

 

「安達大佐!到着しました!」

 

「木月中佐。到着しました」

 

「二人とも御苦労。直接会うのは初めてだったな」

 

オーキスは二人の司令を連れて奥へと向かってしまう。取り残されたナヴィス達はついていくしかない。

 

ー地下基地 広場ー

 

オーキスを初めて見た兵士達はピシッと敬礼を向ける。薬学部門と書かれた者も敬礼を向ける。安達はオーキスにマイクを持たせた。

 

〈あー、、はじめまして。シンフォニーの総司令でスカアハの艦長を務めているオーキスだ。最初皆が認めてくれないのは分かっている。ここのルールを教えて貰いたいと思っているしあまり当主だからと甘くはないのは百も承知。これからよろしく〉

 

オーキスの演説に少しだけ拍手が起きる。周りを見回すと女性が多い事がよく分かる。

 

「木月。女性が多いのは何故だ?」

 

「はい。データを見たと思いますが傭兵師団にいるのは男性のみ。何人か志願者で女性がいますが、、ここの広場は福祉部門が集まりやすい場所ですから」

 

「なるほど、、ってあいつ!」

 

木月の説明を聞いている間、女性が多いとなればユフィやクレア、E.E、ナナリーが話しているのはおかしくない。だが、、キシは例外だ。

 

「そこお嬢様。今夜BARで飲まない?」

 

「あら?私と飲み比べするつもり?勝てるかしらねぇ」

 

少し色気がある女性。キシはその魅力に惹かれていた。しかし許さない女性が一人いた。

 

「キシさん?」

 

「分かってるって!」

 

「残念ねぇ。こんな可愛い奥さんいるんじゃ。ヘタレ坊やと遊んであげたのに」

 

「ヘタレじゃないっ!」

 

オーキス達が止めに入る。これ以上痴話喧嘩は抑えてほしい。

 

「まったく、、いいかげん若い男性を狩るのはやめて下さい。フォン薬学部門長」

 

「や、薬学部門長⁈」

 

キシが驚くのも無理はない。こんな美しい年上女性がまさか薬学部門長というとんでもポジションにいるのだから。

 

「ところで、、御年齢は?」

 

「あら、新しい当主様はレディに対する考え方が浅いのねぇ。私が筆下ろししてあげようかしら?」

 

「わ、私がいるから間に合ってます!」

 

庇うようにオーキスの前に出てきたクレア。その身体は少し震えている。

 

「またまたぁ〜。あなた未経験でしょ?そんな事が出来るのかしらねぇ」

 

フォンがクレアをからかう。だがそれはクレアを涅隊長にしてしまう最大の原因であった。つまりクレアの弱点は下ネタによる沸点が低いという事。

 

「ふざけないでくださる?これでも神経に効く薬ならごまんとあるんで」

 

クレアが白衣を脱ぐとスカアハ専用隊服に大量のシリンダーと針、ナイフが装備されている。

 

「ふぅん、、流石はクレア・シルフィさんと言ったところかしら」

 

ブリタニア医学学科を卒業後、私ですら遂に開発できなかった毒素を開発した彼女。勝ち目はないわね。

 

「冗談よ。気にしないで」

 

「次に貴方がこのような事を言ったら、、多分私はプッツンします」

 

笑顔でそう言うがその奥に隠れた感情は計り知れない。クレアの怒りは新婚の旦那を寝取られかけた状況を目前にした嫁以上。いや、9秒前でロードローラーから脱出した承太郎以上だ。そうキシはそう感じた。

 

「薬学ねぇ、、フォンさん。このネタが分かるかい?」

 

雰囲気を壊す為にキシはオーキスの被っていた艦長の帽子を借りて白い手袋をする。帽子のツバを持つとこう言った。

 

「我がドイツの医学薬学は世界一ィィィ!」

 

「出来ん事はぁ、、!」

 

「「無いぃぃ!!」」

 

フォンとキシのタイミングは完璧。まさにあの機械人間と同じ事を言っている。女性とは思えないほどアニメには興味があるようだ。

 

「はいはいそこまで。まだ用事があるんだからな」

 

ナヴィスが二人の暴走を制止する。そして各々にキーを渡した。

 

「それぞれの部屋の鍵だ。この鍵は一年間使うもんだから失くさないように」

 

「私は?」

 

「クレアはオーキスの部屋に泊まってくれ。キシも同じように頼む。俺はまだやる事がある」

 

そう言ってナヴィスは隊服のままエレベーターに乗り移動する。ナヴィスの向かう先は連絡モノレールを使用して数分の病棟だ。

 

「親父にあわねぇと、、オーキスについても知りたいし何よりあのクソ親父を見ないと気が済まねぇ!」

 

オーキス達は渡された鍵の部屋に向かう。居住棟は以外と大きく二人用はリビングもある。シンフォニーは居住棟にも医者を構えているらしく無料で診療を受けられるらしい。

 

「普通のリビングとなんら変わりしないな、、」

 

オーキスは荷物をベッド付近においてシンク周りやタンスを調べる。どうやらイギリスの品を特に使用しているみたいだ。

 

「それにしても、、どうやって胸ポケに入れたんだ?」

 

オーキスの胸ポケットに入っていたのはフォンがいつの間にか入れていた招待状。実験室まで来いと書いてある。

 

「クレア!俺はもう少し基地を知ろうと思う。だから基地周りをしてくる」

 

「うん。私疲れたから寝てるね、、」

 

すぐに寝付いてしまうクレア。オーキスはばれないように実験室にむかうのであった。

 

ー実験室ー

 

実験室についた。しかしそこにはタキセとキシ、ナオト、ブレーンがいた。

 

「お前らも呼ばれたのか。黒金はどうした?」

 

「ベイリンと肴食べながらダベッてる。ここには居酒屋もあるらしいな」

 

タキセも一応ベイリンを呼んだらしいが他の隊員達と話が合いずっとそのまま。どうなっているかは分からないという。

 

「皆さんよく来てくださいました。特に当主様」

 

「で、何の為によんだんだ?まさか冷やかしで呼んだんじゃあるまい」

 

「これを飲んで欲しいのです」

 

フォンに渡されたのは黄色の炭酸ジュースと思しき飲料。柑橘系の香りが強めの炭酸だ。

 

「なんだよこれ、、美味そうやん」

 

キシは何の躊躇いもなくコップ一杯飲み干してしまう。一瞬何かが起きると思ったが、、変化がない。

 

「問題ないなら、、まあ」

 

ブレーンも飲み干し全員が飲んだ。もちろんなんら変化はない。

 

「明日になったら驚くべき姿になっていますよ。では。戻ってください」

 

フォンは全員を実験室から出すと再び薬品を整理し始めにやりて笑った。

 

ー翌日ー

 

「んー、、なんか身体が軽い〜、、服がだるだるじゃねーかよ。誰だよ脱がせた、、の、、」

 

オーキスは自分の身体に驚く。しかし驚いて声が出ない。隊服が緩すぎて着ていない。だが子供になっているわけではない。声が高くなっていていつもの自分ではない。髪の毛が伸びてロングになって色が黒から茶髪になり胸には、、謎の実が。

 

「いやぁ、、嘘だよね、、?」

 

鏡を見たオーキス。それで見てしまった。自分の身体を。

 

「そ、そんな馬鹿なぁぁぁ!女になってるぅぅ⁈しかも顔まで⁈」

 

「オーキス!」

 

扉を大袈裟に開けたその先には赤髪の女性がいた。

 

「えー、、どちら様ですか?」

 

「タキセでーす」

 

冷や汗しか出ない。今クレアが起きたら全てが終わる。仕方ないのでタキセと共にキシの部屋に行く事にした。

 

ーキシの部屋ー

 

ゆっくりと扉を開けるオーキス。一応服を変えて歩けるようにはなっている。

 

「キシ、、?」

 

目の前には紫の髪をした謎の女性。多分キシだ。少し錯乱している。

 

「ははははは、、」

 

「キシ!落ち着け!」

 

「この大空ぁにぃ〜翼を広げぇ〜」

 

「戻れぇぇぇ!」

 

キシにワールドの一撃を喰らわす。どうやら目が覚めたようだ。

 

「はっ⁈」

 

「どうすんだよ、、」

 

「まだ!まだブレーンがいる!希望を捨てるな!オーキス!」

 

「俺がどうかしたか?」

 

廊下にいたのはスリムで少し背が小さい和風な格好をした翠の髪をした女性。

 

「ブレーン、、か?」

 

「ご名答。俺が、、いや私がブレーンよ」

 

タキセの問いにしっかりと女性らしく答えるブレーン。

 

「全員、、行くぞ。全ての根元に」

 

四人は研究室へと向かう。全員が武装を持ち誰一人甘い顔をしていない。そして実験室前でジョジョのように並び扉を開けた四人であった。

 

続く!




オーキス 容姿
らき☆すたの泉こなたが茶髪になり背が高くなった感じ。

キシ容姿
ハルヒのまんま長門。頭がいいかどうかは不明。

ブレーン容姿
東方projectの風見幽香を少しゆるくした感じ。

タキセ容姿
キルミーベイべの没キャラをもう少し赤い髪にした感じ。瞳は緑ではなく青。


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番外編2

構想はまだまだ続いています。R2の変化はかなり大きいので構想が苦労します


ー研究室ー

 

「頼もぉぉぉ!」

 

クレイジーチャリオットで強制的に扉を開けるキシ。しかしそこにいたのはフォンではなく別人であった。

 

「あ、お前ら来たのか」

 

キシはその姿と声に覚えがあった。無造作な髪型に赤というより少しピンクに近い髪色をした女性。カレンだ。

 

「カレン⁈」

 

「あー、、やっぱそう見えるか」

 

彼女はそう言って来ている上着を脱いだ。その下は隊服で男性用。少し大きいが着こなしている。腰にはスカアハにあった護身用の刀を差してある。

 

「俺だ。ナオトだ」

 

「ナオトか、、あ、お前の存在忘れてたわ」

 

「やめてくれ。悲しくなる」

 

キシの一言がナオトの心にダメージを与えてしまった!

 

「とりあえず、、フォンはどうした?」

 

「朝から探してはいるんですが何処にも居ません。隠れたのか、それとも楽しんで見ているのか」

 

「私はここだ」

 

黒服に黒ネクタイという黒づくめの男が一人、研究室に入って来る。オーキスはワールドを出して警戒する。

 

「誰だ?」

 

「フォン薬学部門長だ」

 

「フォン⁈お前が⁈」

 

どうやら彼が昨日のフォンらしい。しかしフォンは女。男ではない。それにこんなに大柄でもなかった。タキセは彼に近づく。

 

「フォン、、まさかあんたも?」

 

「よく分かったね」

 

「何故男に?」

 

「昨日飲んでもらった薬品は一種の捜査用薬品。これは身元の掴めない人間に使用するものなんだ」

 

「身元の掴めない人間?」

 

タキセの質問が終わりオーキスの質問が始まる。

 

「種明かしを頼もうか」

 

「ああ。この薬品の特徴、それは配偶者か近縁者の姿に変われるものだ。但し兄妹や過去の人間、そして逆の性になるがな」

 

「それは何故だ?」

 

「未来の配偶者のDNAが取れれば赤ん坊の出で立ちも分かるようにはなる。だが配偶者がいないなら過去の人間か姉か妹になるのは当たり前の事だ。逆の性になるのは男性は女性ホルモンを摂取しなければなれないから。その逆もまた然り」

 

フォンは薬品の入った瓶を洗い流し高音殺菌機に投入する。そして昨日の薬品を再び見せてくる。

 

「これを飲んでなった姿は、、何代か前の君達のご先祖様の可能性があるという事になる」

 

ならばナオトがカレンになった理由もよくわかる。つまり今彼らは親戚か、先代の配偶者などの血縁者の姿になっているという事。

 

「これが捜査用という理由は?」

 

「当主様。シンフォニーにも素性の分からない人間はいます。その為に一体どこの誰の家系なのかを明らかにして安全かどうかで採用する基準になっています。警察にはその姿になってもらい探している親戚を探すという事にも使われていますが」

 

フォンは見せた薬品を別のビーカーに流し込み別の薬品を更に配合して行く。途中で英語で精製水と書かれた瓶を取り出しスポイトで適量を入れていく。精製水を必要とする薬品。つまり雑菌が入れば失敗する薬品だという事を全員は理解した。

 

「それで、、戻す為にはこれが必要になる」

 

フォンが再び見せたのは緑色をした透けている薬品。無味無臭のようだ。

 

「これを飲めば治るのか?」

 

「はい。で・す・が」

 

フォンは薬品に蓋をして実験台に置く。そしてタンスの中からとんでもないものを出してきた。

 

「フォン、、やめてくれよ。今は女とはいえ元男だ。その服を着るのは抵抗が、、」

 

オーキスが苦笑いして出された服を見る。その服は恐らくフォンが大好きなアニメキャラクターの服。それが何着もある。

 

「これを着て下さい。ちなみに私は先程飲みましたので明日には元に戻ってます」

 

全員の心情は”こいつ、、ぶっ飛ばしてやりてぇ”だった。しかし彼女、、いや彼を潰したら薬品すら作れなくなる。既に試着室もあり、ここはおとなしく従うしかなかった。

 

「じゃ、俺はコレ着るわ」

 

キシが選んだのはセーラー服に浮き輪。少々小さく見えるがギリギリ着れるサイズかと思われる。

 

「なら、、俺はコレで」

 

ナオトが選んだのは青いワンピースに緑のリボン。そしてサンダル。そして名札に何故か⑨と書かれている。

 

「究極の選択ならこれを選ぶ」

 

タキセが何の焦りもなく選んだのはメイド服。趣味ならば引いているところだが今はそういう時じゃない。

 

「生まれて初めてだ、、女になるのも女物に着替えるのも、、」

 

ブレーンがそんな事を呟きながら選んだのはサラシに学生服。なんとなく結果は分かる。残されたのはオーキスだけだ。

 

「くっ、、あまり露出の少ないものを希望するしか、、」

 

結局選んだのは謎のタンクトップ。それ程まずいわけでも無さそうなので選んだ。全員が着替え終わり試着室から出た。

 

「皆個性強すぎだろ」

 

オーキスの言う通り全員似合ってはいるが服が更に個性を増しているのだ。キシは艦これの島風に。ブレーンは承太郎が女性化した感じに。ナオトは湖の妖精に。タキセは普通にメイド服だ。

 

「多分一番おかしいのお前だよ。オーキス」

 

オーキスはというと黒いタンクトップに下は迷彩服。頭にはボロボロのバンダナを巻いて腰には本物のサバイバルナイフと自前のデザートイーグルが装備してある。

 

「いや、、これ完全に何処ぞの蛇だよな?俺は生身なんかで機械を相手にしたくねーよ」

 

「オーキス、、お前は英雄だ!そう!あのピースウォーカーを破壊した」

 

「キシ。俺は英雄じゃない」

 

「ならなんと呼べばいい?ああ、、そうか。”BIG BOSS”か」

 

称号をもらった所で大して嬉しくはない。だが皆割と楽しんでいるようだ。

 

「なあ、、お前ら楽しんでない?」

 

「滅多にない事だしな。嫌がるくらいなら楽しんだ方がいいだろ?」

 

タキセの意見は最もだ。確かに滅多にない状況で戦いしかしてこなかった自分達にはいいガス抜きかもしれない。だが気をつけなければならないのは彼女の言った事だ。着ただけで薬を差し出すとは言っていないのだ。

 

「それで明日、君達にはステージに登ってもらう」

 

「「はい?」」

 

「明日来るはずだったアイドルグループが急遽予定変更で来れなくなってな。それで代わりに出て欲しい」

 

「やらないと薬は出さない、、と」

 

「当主様とあれど今回はやってもらいます」

 

アイドルグループが出れなくなったからといって自分達を出すのは勘弁してほしいものだ。しかし薬を貰わないと戻れない。

 

「分かった、、ところでフォン。何故男言葉を使う?」

 

「確かに元は女性です。しかしシンフォニーに入る前はこの薬で男性として過ごしてきたのもあってある程度は慣れています。男として過ごすのは慣れないので三日が限界ですが」

 

これ以上詮索するのはよそう。この薬品で男になり何かから逃げていた。それを遠回しに言っている。

 

「で?俺達は何を歌えば?」

 

キシがフォンに聞くと紙を出してきた。約五曲。四曲は女性が歌っているものだ。その中に一曲だけ変わった曲がある。〆に歌うらしい。

 

「ん、、待てよ?明日アイドルグループが着く予定って、、」

 

「明日にはリハーサル、本番だ」

 

ナオトが気づいたことにフォンが答えたのは絶望的結果。今は午前7時30分。1日で全て相当の練習量をこなすという訳だ。

 

「無茶言うなよ!楽器なんて俺は使った事ない!」

 

確かにナオトが使った事が無くてもおかしくはない。他にもタキセが弾けないことが分かった。

 

「仕方ない。フォン。演奏室とかあるのか?」

 

「ある。とっておきのがな」

 

ー演奏室ー

 

オーキス達がついたのはオペラとも思えるほど大きいステージ。もちろん敷地が広いのでおかしくはないが。

 

「このあたりの楽器は演奏部門に許可を得たから勝手に使っていい。ただ壊すなよ」

 

オーキスはそう言ってエレキギターを出す。キシはキーボード、ブレーンはドラムを選んだ。つまり残るはベースとボーカルだけだ。

 

「楽器としては簡単なベースだ。ボーカルかベース、どちらがやるか決めてくれ」

 

タキセもナオトも歌う位ならベースをやりたいらしく段々揉めてきた。

 

「機械扱えるならベース位出来るさ!だからお、、私がベースをやる」

 

「いや、、案外普通の整備をしていた奴の方が出来ると思うなぁ」

 

どちらも一歩たりとも引かない。しかしこのままでは話が続かなくなりリハーサルすらまともに出来なくなる。それだけは避けなければならなかった。

 

「二人ともなんでもいい!歌え!それで俺達三人が決めてやる!」

 

キシの提案に異議を求める者はおらずベースはAIに任せて彼らの好きな歌を歌わせる事となった。

 

「まずはナオトから!選曲は?」

 

「trust youで」

 

キシは選曲機から選びタッチパネルに歌詞と楽譜を表示した。

 

「いくぞ」

 

 

花は風に揺れ踊るように、雨は大地を潤すようにこの世界は寄り添いあい、生きているのに。

何故人は傷つけ合うの?

何故別れは訪れるの?

 

ーナオト終了ー

 

「次はタキセ。選曲は?」

 

「嵐の中で輝いて」

 

「了解」

 

 

嵐の中で輝いて

その夢をあきらめないで

傷ついた あなたの背中の

天使の羽 そっと抱いて

抱いてあげたい。

蒼く果てない宇宙(そら)の片隅で

生まれた夢が 今小さくても

あなたの瞳に映る明日を

誰よりそばで 信じていたい

 

ー結果発表!ー

 

三人が採点機能がついたシステムで点数を確認しつつ追加点数をつけて行く。

 

「えー結果発表だ!詳細はオーキスから!」

 

オーキスは二枚紙を持って二人の前に出る。

 

「とりあえずだ、、二人ともありえないというかもしれんがみてくれ」

 

ナオトとタキセのカラオケ点数は完全に同点。更に三人の評価も同じだ。

 

「これじゃボーカルもベースも決まらないじゃん!」

 

ナオトがさらなる文句をつけてくる。こちらとしても奇跡としかいいようがない。

 

「しゃーない!私がやる」

 

名乗り出たのはタキセ。端数を切って出していたが実際タキセが0.01点上回っていたのだ。

 

「元々楽器は苦手だし、、久しぶりに歌いたくなった」

 

「決定、、でいいんだな?」

 

「だったら俺が!」

 

「気にすんなナオト!俺は昔これでもブリタニア整備班のカナリアと呼ばれた猛者だぜ!お前はベースを頑張ってくれ」

 

タキセの顔は明るく笑顔で満ち溢れている。この状態で歌わせた方が多分いいだろう。

 

「タキセ、、頼んだ」

 

「頼まれた!」

 

タキセはマイクの位置を変えて歌いやすい場所を再確認する。ナオトはキシにベースの初歩を習い少しずつだが上達していっている。

 

ー数時間後ー

 

「それじゃあ、、適当な歌やってみようか」

 

オーキスがエレキギターを構える。

 

「さあ始まるざますよ」

 

「行くでがんす〜」

 

「ふんが〜」

 

「まともに始めろー!」

 

続く!




フォン・ウーファー

エヴァの赤木ナオコに似ている。薬を飲むとビッグオーのロジャーのようになる。


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番外編3

肉料理ならなんでもウェルカム!


ーその頃の女子達(本物)ー

 

プロジェクター室のPCの周りに集まっていたのはシンフォニーの女性隊員とE.E達。何をやっているのかというと

 

「今ダクトから足音しなかった?」

 

「いやいやだって三番ルームに呼んだんだよ?いないでしょ」

 

「三番ルームってダクトの扉閉めた?」

 

「閉めて、、ないねコレ」

 

ウサギのような着ぐるみが壊れた謎の敵に見つかりゲームオーバーとなる。彼女達がやっているのは、、あの有名なバイト系ホラーゲームだ!

 

「三番ルーム呼んだのミスったかなぁ、、」

 

「っていうかオーディオがエラー出してたじゃん?あれリセットしなかったのがダメなんじゃないの?」

 

「やっと四日目なのにクリア出来ないなんて、、ユフィ!やって!」

 

「わ、私が⁈」

 

女性隊員が席を譲りユフィがPCの前に着く。ヘッドフォンをつけてキーボードをタイピングするユフィ。

 

「あの子がクリア出来ない四日目なのに二日目で無理だったユフィさんに任せていいの?」

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

謎の自信を見せる隊員。その時ユフィは音に集中、全ての動きを脳に叩き込む。

 

「アレの動きは所詮AI、、人の動きではないし私が本気になれば!」

 

数分後、四日目を簡単にクリアする。ヘッドフォンには6時になった事による子供達の声が聞こえる。

 

「私が勝ちます!」

 

「すごーい!」

 

ユフィは色々な隊員からコツややり方を求められる。今までは姫や指揮官として生きてきた彼女としては新鮮でまた、姫ではない事の解放感を知った。自分が上でも下でもない同じように接してくれている友人がいる事というのは大切な事である。

 

「えっとね。この子がこういう動きをするからこうして、、」

 

話をしているユフィを見るE.Eとクレア。

 

「本当に変わったよね」

 

「私にあんな事を言わせたユフィさんが姫じゃないところを見たのは初めて、、」

 

「そういえばナナリーは?」

 

「さっきエレベーターで下まで行ったまま帰ってこないよね。何かあったのかな?」

 

ー地下 商店地区ー

 

シンフォニーの本拠地は数々の人種がそろった巨大な組織。言語は東亜語、英語等が使われている。よく使われているのは英語だが東亜語を自ら話す人の方も多い。故に本拠地には食堂というものがない。その代わり世界各国のレストランや商業施設が並んでいるのだ。勿論売るのはシンフォニーの隊員”販促部門”が行う。

 

「色々なものが売っていますね〜。東亜語以外にも言語が沢山あるし面白そう」

 

ナナリーが歩いて行くと目に付いたのは古びた看板をした小さな店。東亜語でロシア料理と書かれている。

 

「ロシア料理、、風情があるお店なのね。入ってみようかしら?」

 

看板の真下にあるドアを開けるとカウンター席が五席。通常の席が二つあり全席禁煙と書かれた張り紙が貼ってある。

 

「いらっしゃい」

 

英語で無愛想に店文句を言うマスター。グラスを一つ拭いてはまた一つ、丁寧に拭く。戸棚には数十本以上の瓶が並び奥には銀に輝く調理場が見える。

 

「ここいらじゃ余り見ない顔だな。この地区に来たのは初めてか」

 

「あ、はい」

 

マスターはそれっきり何も話さない。同じようにグラスを見つめ磨くのを繰り返す。

 

「えーと、、おすすめは?」

 

「ビッキー」

 

「ビッキー?」

 

「牛肉をクリームで煮た料理。少し時間はかかる」

 

「ビッキーでお願いします!あとガルショーチクも」

 

「はい」

 

マスターは調理場に入り準備を始める。カウンター席からは少ししか見えないので暇になる。出されていた水を飲みながら周りを見回すナナリー。壁にはマスターと思しき人物が犬ゾリに乗りながら走っている姿の写真が飾ってある。

 

「ビッキーはまだ時間がある。ガルショーチクお待ち」

 

ナナリーの前に置かれたガルショーチクはパイ生地が見た目からしてパリパリっとしている。スプーンでパイ生地を割り中のビーフシチューを食べる。

 

「これは、、」

 

咲世子さんの作るビーフシチューとはまた違う味、、少し香辛料が強目だけどそれが牛肉の味や野菜の味を引き出している!

 

「ビッキーお待ち」

 

クリームソースで煮込まれた牛肉をナイフで切ると柔らかく香りも良い。肝心の味は、、凄くおいしい!

 

「こんなにおいしいのに、、」

 

「昼時になればある程度は来る。まだ11時を過ぎた頃。あと一時間はしないと来ない」

 

そう言ってマスターはナナリーの前に一つのグラスをおいて葡萄ジュースを注ぐ。ナナリーが食べていると何人か入って来た。

 

「マスター!いつもの!」

 

カウンター席に座ったのは少し汗臭い顔にススがついた男達だ。

 

「おっと、、この服だと女性に失礼だった」

 

「あ、大丈夫です」

 

少し会釈を返した男に渡されたのは青いカクテル。他の人にも同様のものを出していく。

 

「マスター。彼女と同じ奴。時間ないからガルショーチクだけで」

 

「俺たちも」

 

「はい」

 

マスターが再び調理場に入りオーブンを再起動したりビーフシチューを作る。

 

「ここには何年くらい来ているんですか?」

 

ナナリーは先ほどの男に話しかける。

 

「俺達は店が開いてからの常連さ。他にもいい料理が沢山あるんだ」

 

「ここのボルシチは美味いんだぜ!今は時間無いから頼まないけどな」

 

他の男達もナナリーにこの店がとても良い事を示してくる。しかし言われずとも分かる。料理にこめられたマスターの丁寧な仕事は客を離す事は無いのだ。

 

「ガルショーチクお待ち」

 

ガルショーチクを早めに食べてカクテルを飲み干す男達。勘定を済ませて店を後にした。

 

「マスター。あの人達は?」

 

「彼らは整備部門の精密検査担当の隊員だ。カクテルはオマケみたいなもの」

 

マスターはグラスを片付けて洗い始める。

 

「マスター。ここの通貨決まってる?」

 

「どこの通貨も使える」

 

「円でお願いします」

 

レジで計算をするマスター。伝票を印刷してナナリーに渡す。

 

「1580円ですか、、2000円で」

 

精算をしてもらい釣り銭をもらう。店を後にしたナナリーはエレベーターに乗って自分の部屋に戻る。

 

「キシさんもいたら良かったのに、、何処行っちゃったんだろ」

 

ー演奏室ー

 

簡単な曲ならばなんとか上手くなって来た五人は難しい曲を挑戦しようとしていた。

 

「これが難しいな。練習したいならこれやろうぜ」

 

キシの選曲機を見る四人楽譜を見ると簡単そうに見えるが中々やり甲斐のある曲だ。

 

「これで行こう」

 

オーキスはタッチパネルに楽譜を表示するナオト達もタッチパネルに表示して楽器を構える。タキセもマイク前に立ち深呼吸する。

 

「1.2.3!」

 

ドラムのブレーンがタイミングを見計らってスタートのリズムを取る。

 

「「ラヴィ!」」

 

「おまたせ ようこそみなさん〜

いまから「きせき」がはじまる

キンギョを吐いたり ロウソク消したり コウモリ吹いたり ペンキで塗ったり お店のカートで激走〜。

成層圏から地上ヘダイブ!怪我ひとつないぜ俺たち」

 

「そうです みなさん おぼえて〜

われらの名前は”ラブラビッツ”」

 

「「ラヴィ!」」

 

「蟻酸を浴びたり ミサイルよけたり

波間で揺れたり ビルから落ちたり

高速道路で前転〜。

大蛇の腹から緊急脱出 傷ひとつないぜ俺たち〜」

 

これを見ていたのは偶然見ていたE.Eであった!

 

「こ、これは酷い、、」

 

E.Eは扉をそっと閉めて名も知らないバンドグループに別れを告げた。それがオーキス達とは知らずに。しかし彼らも何も知らずに歌を歌うのであった。

 

続く!

 




日本語とは出来ないので東亜語になっています。ご了承下さい


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番外編4

番外編は5か6までの予定です。R2の構想は6割終わりました。あと四割を頑張りたいです。


ー情報施設ー

 

シンフォニーが最近建設した新型サイバー対策専用施設。数年前新規に”情報部門”が設立されあらゆるハッカーを雇い対クラッカーに全力を尽くしている。また、基地内部の管理もここで行われ異常がある際は整備部門と協力して基地を管理している。人工衛星にも対応しており全世界の情報を集めている。

 

「すいませーん。なんかここにしか新聞ないって言われたんですが」

 

そこに来たのはE.Eだった。実は地下商業地区には新聞が無く情報部門がオーダーメイドで作成していた。新施設が完成した後も好きな国のニュース等をまとめて作成している。作成した新聞は個室に標準装備であるプリンターで配達され個室の人が読みやすいように工夫されている。

 

「はい。ではそちらのタッチパネルで注文して下さい。数分後には配信します」

 

情報部門の役員はそう言ってE.Eを近くにある注文タッチパネルまで案内する。

 

「知りたいのはブリタニアと日本だけでいいかな」

 

国を設定して部屋の番号、名前を入力する。全ての処理が終わるとE.Eは自分の部屋に戻った。

 

ーE.E 個室ー

 

「お、本当に届いてる」

 

プリンターの前に置かれた新聞はネットの情報をただまとめたのではなくオリジナルでしっかりと書いてある。文字も読みやすく紙数も少ない。忙しいシンフォニー隊員のために辿り着いた情報部門のレイアウトが人気を誇るのもおかしくはない。

 

「新聞とったんですか?」

 

「ええ。ネットの情報だけだと不安要素が大きいからね。ユフィは取らないの?」

 

「あまり興味なくて、、」

 

オリジナルの新聞を渡すE.E。ユフィは少しだけパラパラと読む。

 

「なんかブリタニアが凄いことになってますね。日本も荒れてるし、、あれ?私の追悼式典?」

 

「死んだことにされてる〜」

 

「自分の遺影をこの目で見るなんて、、少し複雑です」

 

新聞をE.Eに返すとナナリーが入ってくる。クレアもだ。

 

「旦那知りません?」

 

「とうとう旦那と呼びますか、、」

 

苦笑いで嬉しそうなクレアに言うユフィ。

 

「もう”将来の”ではありませんし。国籍はイギリスで取りました」

 

クレアとオーキスは元々ブリタニアの国籍だが内乱で消し去られている可能性もあるので国籍を変えたのだ。

 

「結婚式は?」

 

「挙げるのは面倒だからいいです」

 

「えー。ブーケトスをそのまま金属バットでホームラン打ってあげたのに」

 

「E.Eさん何を考えているんですか。やめてくださいよ」

 

「数百年生きて結婚式をぶち壊したのは何回あったけなぁ」

 

不老不死のE.Eにとって結婚式などというふざけた事は許せないというがただの逆恨みである。

 

「それより本題ですよ!クレアさん!」

 

「あ、そうそう。旦那とキシ達見てない?私が起きる前からいないの」

 

「そういえば朝からいませんでしたね。黒金さんとベイリンさんは正面の居酒屋にいましたけど」

 

ー居酒屋ー

 

「やっぱ酒より肴が大切だよな。肴の良さで居酒屋の価値は決まる」

 

黒金が肴についとベラベラと話している間、ベイリンと他の隊員は焼き鳥を食べながらビールをのむ。

 

「あのなぁ、、酒を飲ませろ!酒を!黒金のおっさん!」

 

「話を聞けぃ!」

 

「テメェが聞けぇぇぇ!」

 

ベイリンと黒金の喧嘩が始まり殴り合いが始まる、、かと思えば居酒屋で勘定を済ませてゲーセンへと向かって行った。

 

ー演奏室ー

 

「さ、流石に限界だ、、昼食を食べたら練習再開しようぜ、、」

 

オーキスはそう言ってエレキギターをしまう。ナオトは完全にダウンしてキシは目に光がない。タキセは声が枯れている。明日が心配だが、、暫くはなんとかしてもらうしかない。元気なのはブレーンだけだ。

 

「全員体力ねぇな」

 

「おま、、なんでそんなに元気なんだ?」

 

「そりゃキシ、、俺は栄養価MAXのレーション食べてるから。冷えてるからあまり美味くないけど」

 

「ずるいだろ!」

 

「ほれ。全員分あるから」

 

ブレーンはレーションを全員に配布して水も渡した。レーションを食べて回復した。

 

「タキセは本番前に声が死ぬとヤバイから休憩。BGM系統で練習しよう」

 

今度はオーキスが選曲をして譜面を出す。本番は明日午前。何とかして楽器になれて早めに本曲をやらなければならない。その為に彼らは必死に練習を行う。どんなに難しい譜面でも気を抜かず諦めなかった。

 

続く!




短くてすんません!R2の方に力を温存したいので、、眠い、、夏休みも終わりました。これから寒くなりそうですがシャツ一枚で今年も過ごして行きたいと思っています。


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番外編5

遅れてすいません!色々とイザコザがありまして投稿すら出来ない状態でした、、、


ー集中治療病棟ー

 

広い病室に大量の生命維持機器。その真ん中にあるのは白いベッド。そして点滴をうっている一人の男がいた。

 

「ナヴィス、、か」

 

「来たぜ。クソ親父」

 

ナヴィスはベッドに横たわる父親をじっと見つめる。自分が見ていた立派な父親は何時の間にか痩せた老人になってしまっている。

 

「アンタは、、アンタは家族を捨てた。その代償がオーキスの親父と残した紙切れだ。何か言う事はないか?」

 

「私には懺悔などする資格はない。殺すも殺さないも、、お前の自由だ」

 

ナヴィスは銃を父親に向ける。そして引き金を引いた。しかし出たのは弾ではなく空気。空砲だった。

 

「まだアンタを殺す事はしない。まだ聞いてない事がある」

 

ナヴィスが銃をしまうとポケットからメモリーチップを出す。そしてタブレット端末を父親に見せる。

 

「親父!吐いてもらうぞ。このアーカーシャの剣についてな!」

 

全てを見せられたナヴィスの父親は何も言えなかった。しかし直ぐにその口を開いた。

 

「アーカーシャの剣。あれは触れてはならんものだ、、、」

 

「あの禍々しい螺旋をした像はなんなんだ⁈」

 

「神とは人々の無意識下において出来たものだ、、これを破壊しようとするのがアーカーシャの剣。少し分かりにくいだろうから要約しよう」

 

神とは人々の無意識が集まったものであり人は産まれ、意識を持つ事により人格を形成する。その意識は神と繋がっており死ねば融合してまた一つの神となる。この神を潰せば意識は無意識から離れコントロール可能になる。そうなると死者にも出会える。欲のない誰も不幸にならない世界が出来上がる、、。

 

「これを阻止する為にブリタニアに潜入した、、それがこのザマだ」

 

ナヴィスの父親の左目は眼帯をしている。その眼を開くとギアスが発動していた。

 

「ギアス、、⁈」

 

「ある者と契約して破棄した後だ。あるのは形だけだ」

 

眼帯を元に戻しベッドから立ち上がる父親。そしてナヴィスにある黒い箱を渡した。その箱は軽くて少し長かった。

 

「彼が、、ラインが死ぬ前に息子とお前に渡したいと言っていた物だ。お前達だけで開けてくれ」

 

そう言ってベッドに戻り再び眼を閉じた。静かに寝息を立てて寝ているが彼にとってはかなりの体力を消費した筈だ。

 

「今開けさせて貰うか」

 

ゆっくりと箱を開いていくナヴィス。そこから出て来たのは二本の細長い試験管のようなものだ。中には赤い液体が入っている。一本ずつナヴィス、オーキスと名前が書かれている。

 

「血、、なのか?いや赤い薬品かもしれない。俺じゃ分からんし、、クレアに見てもらうしか、、」

 

試験管をバッグにしまい病室を後にするナヴィス。その後ろでは少しだけ笑う父親がいた。

 

ー研究室ー

 

フォンはすでに女に戻り人体用薬の開発を進めていた。あらゆる人工薬品から自然の漢方薬まで全てを配合、調整して試しては廃棄の繰り返しをしていた。

 

「あのウイルスに関係するモノは全て試したけどやっぱ無理よね。人工モノだけで試すしかないのかしら」

 

用具を洗浄機にかけて紙に今までの数式を書いてバツをつけた。

 

「失礼する。ナヴィス・シンフォニーだ」

 

「どうぞ」

 

ナヴィスはドアを開けて近くのソファに座る。そして本題に入った。

 

「フォン。君を見込んで頼みたい事がある。クレアと同等の技術を開発した君なら」

 

「権力の当主様に逆らう訳にはいかないわよね。見せて」

 

ナヴィスはフォンに赤い液体の入った試験管を手渡した。しかしフォンは見た瞬間に疑問を感じた。その試験管は空気がなく密閉状態で入っている。何より試験管に口がない。つまり出せないのだ。

 

「こんなのが、、」

 

「わかるか?」

 

「密閉状態だから内部構造も分かりません。ですが薬品ではないです」

 

「何故?」

 

「空気に触れてはならない薬品はシンフォニーでは専用の保管庫で管理、作業されます。しかしそんな箱でしまっていたという事は、、血です」

 

「だが誰の血かは分からない、、か」

 

フォンは箱の中を物色すると緩衝材の下にある紙を見つけた。瞬間、フォンは言葉を失う。

 

「どうした?何が、、⁈」

 

紙には中身について書いてあった。血である事は正解だったが驚愕なのはその内容だ。

 

「名前が書いてある方の血を体内に流し込み力を得る、、だと⁈」

 

「何なのよコレ、、信じられないです」

 

シンフォニーの代々伝わる儀式、それは自分の父親の血液を自分に流し込むという事だ。父親の血液は父親が産まれた瞬間に採取され特殊な方法により保管される。そして20を超えた頃の子息に血を渡す。これにより力が目覚めるという漫画にしかないような事だ。

 

「力を得るだと?戯言だな」

 

「ですが、、」

 

「科学的根拠がある訳でもないがない訳でもない、、と?」

 

「はい。実際ライン当主様とアヴェレフ当主様は超能力を使用していました」

 

「親父が?」

 

フォンから聞いた体験談。それはオーキスの父親は血管にハッキリとした赤、又は青がでており隣にいた親父と100人のアメリカの特殊部隊を訓練とはいえCQCで全て倒したというものだった。

 

「なんなんだよ、、シンフォニーの一族ってのは」

 

ー牧場ー

 

自給自足も可能にする為に古い施設を改造した牧場では新しいシンフォニーの部門である”酪農部門”が行っておりチーズなどが生産されている。人工太陽の下、全てを基地内で賄う為病気に感染する危険性はない。しかしいざという時にそなえ薬学部門から引き抜かれた”獣医部門”が配属されている。

 

「なあ、、なんで俺達ここで酪農やってんの?」

 

「お前が気晴らしにやろうっつったんだろうが。やれ」

 

オーキス達はブレーンの提案により酪農部門の手伝いをやっていた。最初は男だけで作業していたらしく後から女性隊員達がやって来て現在牛舎にて作業中だ。

 

「牛舎めっさ暑い〜。牛乳飲みてぇ〜」

 

ブレーンが餌になる穀物を分量通り入れていくとどこからかピチャピチャと水が垂れる音がした。しかしそれは水ではなかった。

 

「オーキス⁈汗ヤバくないか?」

 

「大丈夫大丈夫」

 

汗を気にせず黙々と作業を続けるオーキス。そんな中、ある一人の男がいた。

 

「もうすこしで終わるよな。ヨーグルトがあるから休憩しないか」

 

立派な作業着姿で立っていたのはなんと木葉だった。あの時から消えて何処にいたのか分からなかったのだ。

 

「似合ってんなぁ。いっそのこと牧場に入ればいいのにな」

 

「一理ある」

 

牛舎の仕事を終わらせた二人は木葉が用意しておいてくれたヨーグルトを食べる。まろやかで美味しい。

 

「オーキス。アンタ暫く女のままでいいんじゃないのか?」

 

「絶対に無理だ」

 

「だがオーキスってのは確かランの花の総称で花言葉は”淑女”とかあるけど」

 

「残念ながら俺の名前の由来は女じゃない。誕生日の花はラン科のアングレカム。花言葉は”祈り”。そして”いつまでも貴方と一緒”だ」

 

ー地下訓練施設ー

 

大型LEDライトで照らされる巨大な訓練施設。その訓練施設は戦車の砲弾をも貫通させず下手すれば地表貫通型核爆弾すら防げる特殊複合装甲を存分に使った場所だ。そんな場所にいたのはE.Eとユフィだった。

 

「私が、、戦うんですか?」

 

「シンフォニーに居ようと居なかろうと戦闘はどこでも起こる。その為の自衛だよ」

 

E.Eは手からあるイヤリングを生成してユフィに渡した。それは穴を開けなくても自分からくっついて痛みがないイヤリング。綺麗な青色の宝石も入っている。

 

「これはどのような効果を持っているのですか?」

 

「そだね。強いて言えば英雄殺しが出来るね」

 

「英雄、、殺し?」

 

「そのイヤリングは想像した通りのものが出来る。但し現実化させるには強い念が必要だけ、、ど⁈」

 

ユフィのイヤリングには炎がつき何時の間にか部屋は黒い何かに囲まれていた。しかもユフィの姿だけはしっかりと見える。

 

「何か新しい事をする時、それは初めから呼吸のように当たり前であるとしてやる、、クレアさんから教えてもらったメンタルトレーニングが役に立ちました」

 

「クレアの訓練はメンタルトレーニングも組み込んでいたのね、、」

 

黒い空間に大量の槍や剣、銃などが出てくる。更には光る鎖が付いた刀を出した。E.Eはギアスで壁を作り出す。ここの複合装甲より頑丈なものだ。

 

「行きます!」

 

ユフィの頭上に現れた武器は複合装甲の壁に向かっていく。

 

「およ?もう壁がヘコんだ、、」

 

辛うじて弾いていた壁だが一分過ぎた頃ついに壁は破壊された。

 

「ここまでやれるんなら心配ないかな。あとはユフィ次第、、」

 

続く!

 



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番外編6

おくれました!R2も頑張ります!


ー翌日 演奏会場ー

 

アイドルが来るというだけでやはり大量の隊員がいた。実際ドタキャンしたグループは相当の人気を誇っていたらしく代わりとはいえ自分達に出来るのか。しかし今更そんな心配は野暮だ。行くしかない。

 

「全員準備はいいな?行くか」

 

ステージに立つ五人。スポットライトが当てられ曲が始まった。

 

ー地下第二訓練施設ー

 

ここではKMFではなく身体に直接つける機械。つまりパワードスーツの研究が行われている。戦闘部門が研究、および実験をしている。そこにはナヴィスもいた。

 

「白兵戦に向けた対KMF兵器か」

 

「はい。万一KMFが破壊されてもパイロットを脱出、および白兵戦を行えるようになり生存率もかなり上がりました」

 

パワードスーツを装備しながら模擬戦闘する隊員達。しかし隣の壁が壊れ警報が響く。

 

「あの馬鹿どもが!」

 

”模擬戦闘は中止せよ!繰り返す!模擬戦闘を中止せよ!”

 

警報を聞き模擬戦闘をやめる隊員達。しかしオペレーターが中止を呼びかけるも戦闘を続ける二人の影。それは他とは違ったスーツを装備した戦闘隊員だ。

 

ー訓練施設 戦闘場ー

 

「傲慢さを償え!ニムバス!」

 

「償うだと?貴様と私、、どちらがEXAMに相応しいか決めようではないか!」

 

模擬戦闘とは言え試験段階のビームライフルやロケットランチャーを放つ。双方ともホバーとは思えない機動性を見せつける。

 

「喰らうがいい!」

 

「当てられてたまるかよ!」

 

全身青のスーツを装備した隊員は空中からの攻撃も全て回避して反撃する。空中にいてもアンカーで高速で移動する肩が赤いスーツを着た隊員も反撃弾を回避した。

 

「このままではまずいな。コレ借りるぞ」

 

「はい⁈ま、待ってください!」

 

ナヴィスは近くにあったパワードスーツを装備して起動する。フェイスマスクもしっかりと装備。カタパルトで降りると激しい戦闘の後がよく見える。

 

”ナヴィス司令!それは本当に戦闘訓練さえ積んでいないスーツなんですよ⁈”

 

「丁度いいじゃないか。戦闘データを集めろ」

 

”止めてください!それは”

 

ナヴィスはスーツのスラスター推力をあげて二人に突っ込んでいく。変形して流れ弾を避けた。

 

「変形出来るのか」

 

”体制が横になってしまいますが変形出来ます”

 

人型に戻り装甲の一部がパージされ有線ファンネルになりスラスターを全開にして二人のスーツについているホバーを破壊。ライフルを構えてロックオンした。しかし弾が出ない。

 

「弾が無いのか⁈」

 

”ハイパービームランチャーはまだ開発途中なんですよ!”

 

「ちっ、、有線兵器以外飛び道具がないのか」

 

隙を見た二人の攻撃は明らかにナヴィスに当たる距離にあった。ナヴィスも当たる覚悟だった。

 

ALICE START

 

ナヴィスのフェイスカメラに映ったのはALICEと表示された文字。避けられないはずのロケット弾を回避、そして脚部にあるパワードスーツの動力源を破壊した。

 

「何が起きた、、?」

 

ナヴィスは有線ファンネルを戻しフェイスマスクを外す。身体に装着された装甲を外してオペレーターの座る場所へと向かった。

 

「あの時の加速はなんだ?」

 

「ALICEです。パワードスーツでの戦闘において有効なAIをex−sは積んでいます」

 

「ex−s?」

 

「AIを搭載した新しい形のパワードスーツの一番型です。本パワードスーツの正式名称はExtraordinary-Superior」

 

「 Extraordinary-Superior 、、異常なスペリオル」

 

オペレーターは負傷している隊員のパワードスーツのデータとex−sのデータを端末に出す。

 

「元々はスペリオルと呼ばれた量産パワードスーツの欠陥を補う為に改良されました。しかし高コスト、そして追加された姿勢制御バーニアに耐えらない隊員が続出。今までは開発が凍結されていたものです。ですが司令が使うというのであれば話は別です」

 

「開発を指示する。一週間で開発、改良しろ」

 

その時オペレーター達の目に浮かんだのは絶望なんかではなかった。むしろ好機とばかりに輝いている。

 

「了解です!ナヴィス司令の為に全力で開発します!」

 

勢いよく敬礼するオペレーター。しかし使えるものならスカアハに積み込んでおきたいものだ。

 

「使えるパワードスーツはスカアハに積み込んでくれ。あとオーキスのはあるのか?」

 

「あります!オーキス司令には素晴らしいスーツが!」

 

ex−sのカプセルの横には見えなくなっていたカプセルが一つ。そのカプセルが開きコードが外される。

 

「F91。ex−sと同等の機動性を確保したバランス型です。但し武装の多さ故にパワードスーツ単体としてしか扱えません。これも積み込みますか?」

 

「頼んだ」

 

追加兵装やスラスターの点検を行なっていくオペレーター達。聞いた話によるとチェック項目は約900あるらしく時間がかかりそうだ。そんな時ブレーンと黒金が来た。

 

「お前ら、、居酒屋で見てから半日以上経っている筈だが。よくピンピンしているな」

 

二人とも目にクマなどなく元気があった。パワードスーツに目がいかない訳もなく話しが変わる。

 

「面白そうなもん作ってんな。ここ」

 

「うむ。商業地区とはまた違う感じだな」

 

近くにあるスーツを見て動かないブレーン。そのスーツには初代と英語で刻まれた盾を肩に装備している。

 

「紅いスーツ、、ジョニーのか」

 

「ジョニーを知っているんですか?」

 

オペレーターの一人が目を丸くして黒金に聞いてきた。

 

「ああ。ゲーセンで意気投合して知り合った爺さんだ。現役時代は”真紅の稲妻”とか呼ばれていた時があったらしいな」

 

「真紅の稲妻、、ジョニー・ライデン。それが彼の名前です」

 

ー演奏会場ー

 

「大嫌い!嫌い嫌いな僕が見えてますか?」

 

「「「ルンパッパァァァ!」」」

 

盛り上がる会場。テンションが下がらない隊員達。クーラーをガンガンにつけていてもまるで効果なんてない。逆に温度が上昇していく。ケミカルライトの光が会場に広がり人々の熱気を更に帯びていく。

 

「爪噛む悪いクセ、今更止めても」

 

「意味ないじゃん!」

 

ー地下第一訓練施設ー

 

イヤリングの力を駆使できるようになってきたユフィ。徐々にE.Eの訓練も激しさを増していく。

 

「剣技は元々貴族だから上手いのは当たり前、、か。だけど!」

 

ユフィの剣をギリギリで避けてカウンターを仕掛けるが隙がない。それほど彼女の剣は洗練され無駄がないのだ。

 

「流派!東方不敗は!」

 

E.Eが急に立ち止まり叫び始めた。

 

「王者の風よ!全新!系裂!天破侠乱!見よ!東方は、、」

 

E.Eにオーラが立ち込める。グローブをつけた右手にはキングオブハートのエンブレムが出てきた。

 

「赤く燃えている!」

 

ユフィの剣技をものともしない速さのラッシュ。剣一つ一つの動きを超えた動きは剣を破壊した。

 

「まだ、、まだです!」

 

霧からトンファーを生み出したユフィは更にトンファーを伸ばしてE.Eを誘い込んで行く。

 

「シュトゥルム・エント・ドランク!」

 

「なあっ⁈」

 

E.Eのラッシュが外れユフィの技が炸裂した。

 

「こ、、ここまでとは」

 

E.Eはその場に倒れこみ起きなくなった。K.Oである。

 

「あわわわわ!すいません!大丈夫ですか⁈」

 

この後E.Eは医務室にて応急処置を受け商業施設がある地区へと連絡モノレールを使いお茶を飲みにいった。

 

ー数時間後ー

 

ライブも終わりオーキス達は元の姿に戻ることが出来た。いつの間にかスカアハに色々積み込まれていたがナヴィスの判断らしいのでオーキスは気にしなかった。E.Eによるとユフィは事件に巻き込まれても大丈夫になったと言う。それから数ヶ月間各々修行や書類を整理してとうとうブリタニアへと向かう日となった。

 

ー地下艦隊整備場ー

 

「木葉、、本当に残るのか?」

 

「ああ。ここでの生活もいいし。済まないが戦いからは離脱させて貰う」

 

「お前の判断だ。間違いはないさ」

 

ナオトは木葉と固く握手して別れた。そして木葉の代わりとしてナヴィスが選んだ隊員がスカアハの近くで敬礼していた。

 

「本日付でスカアハ遊撃部隊に配属となりました。ユウ・カジマ着任しました」

 

「本日付でスカアハ遊撃部隊に配属となりました。ルーファス・ゴードンです」

 

「ようこそ。スカアハ遊撃部隊へ。これから向かう場所は全てが混在した戦場。決して呑み込まれるな」

 

ナヴィスが二人に激励する。全ての準備を終えスカアハに乗り込むオーキス。途中整備員に呼び止められた。

 

「司令!御報告があります」

 

「どうした」

 

「スカアハの一部の実弾兵装が古かったので最新式に換装しておきました。それと、、スカアハの主砲にちょっとした改造をしました。使って下さい」

 

詳細データをオーキスの端末に送り込み敬礼をする整備員。確かにスカアハの周りにある装甲の一部が変更されてよりスリムになっていた。収納式主砲の近くにも対空兵器が増設されて近接系の薄かった対空力が増した。

 

「それとスカアハの二番艦を現在建設しています。スカアハが基地に来たので今まで分からなかった所を全て解析。完成率は70%辺りです」

 

「了解した。では、行ってくる」

 

「お気をつけて!」

 

全員がスカアハに搭乗。開閉ハッチが完全密閉されスカアハの下部にあるエレベーターで基地地表まで上昇する。

 

「動力源全開放。GNドライヴ正常稼動」

 

「主翼を地上から空上に変更。対空兵器起動確認」

 

「安全装置解除を完全解除。スカアハ離陸準備完了」

 

司令席が二つに増えた操縦席でナヴィスとオーキスがレーダーを確認。そして威厳のある声でオーキスは命令を発した。

 

「スカアハ離陸開始!針路158!速力133!目標はブリタニア!」

 

スカアハは基地から離陸。青い空へと向かう。速度が更に上がりスカアハの姿は見えなくなった。向かうのは混沌とした戦場。そして世界の命運が決まる場所だ。それをまだ彼らは分かっていなかった。

 

R2に続く!



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R2シリーズ
ルルーシュ 始動


始まりましたR2!これからも頑張ります!


ースカアハー

 

ブリタニアに向け高速で移動しているスカアハ。操縦席ではオーキスとキシが話していた。

 

「なあオーキス。忘れていたんだが、、」

 

「何かあったのか?」

 

キシは話したくなさそうだがその重たい口を開いてオーキスに明かした。

 

「ルルーシュの人格の変化にはラグがあるのを忘れてた、、下手したら死ぬかもしれん!」

 

「馬鹿!なんでそんな重大な話しを今更話す!」

 

「落ち着いてくれ。策は巡らせてある」

 

「策?」

 

キシはニヤリと笑う。その笑いはまるで悪戯を仕掛けた少年のように無邪気のようで、、勝利を目前にしたものだ。

 

「ルルーシュには本来の人格、消された後の人格、ジョジョの人格、そしてもう二人いる」

 

「あれだけではないのか?」

 

「ああ。一人は傭兵。一人は、、ライバルだな」

 

ータワーの宴会会場ー

 

ロロ達が見守る中劣勢に立たされていたルルーシュ。周りの客もルルーシュはもう何も出来ない、、そう思った時だった!

 

「くっくっ、、あははは!馬鹿らしい!こんな事で俺を出し抜こうなんてなぁ!」

 

ルルーシュは高らかな笑い声をあげてチェスを動かす。

 

「馬鹿なぁっ!」

 

そう!ルルーシュの相手はイカサマしていた。だがその裏の裏をかいたルルーシュ、、いやジョジョの勝利だ。

 

「またまたやらせて頂きましたァん!」

 

「こんな事がぁっ、、、」

 

ルルーシュは負けた相手に波紋を流したパンチを喰らわせる。顎が粉砕して椅子ごと吹き飛んだ。

 

「ふぃー。きったねぇ顔だったな。二度と見たくねぇぜ」

 

ルルーシュは手をはたいて近くにあった水を飲み別の場所へと向かった。その時ビルが突然揺れ始め停電した。その衝撃でルルーシュはジョジョの人格から抜けた。

 

「兄さん!」

 

ロロはルルーシュを起き上がらせて逃走ルートを行く。途中途中にある分厚い防護壁を開けては閉めながら逃げる。

 

「重いのは、、嫌いなんだがなっ!」

 

屋上付近から逃げるルルーシュ。しかし爆破に巻き込まれ吹き飛び大きい穴に落ちていった。

 

「しま、、兄さん!」

 

ロロが手を出す暇もなくルルーシュは落ちていく。このまま死ぬのだろうか。その感情が出た時彼の頭の中で何かが目覚めた。

 

「ふん!」

 

上手く着地をして傷一つないルルーシュ。そのやり方はある者を彷彿とさせる動きだ。

 

「高度1000mから落ちた時に比べれば、、楽な方だ」

 

ポケットにしまってあったボロボロのバンダナを巻きながら電子タバコを吸うルルーシュ。

 

「ふぅ、、武器がない、、か。一服している暇はなさそうだな」

 

近くにある死体から単発銃一丁と予備弾薬を拝借したルルーシュは瓦礫をよじ登り上に向かう。途中見つけたのは、、ダンボールだ。

 

「ダンボールか。持っていこう」

 

ダンボールを背中に背負い更に上に上がる。そのフロアで見たのは大量の死体だ。ルルーシュは手を合わせ、死体の中から弾薬を拝借する。目の前にはKMFがいる。

 

「これを使うのもアリかもしれん」

 

KMFのコックピットが開き長い髪をした女性が出てくる。

 

「誰だ」

 

「私だ。ルルーシュ」

 

コックピットから降りてルルーシュに近づくC.C。しかし銃を構えたままルルーシュは下ろさない。

 

「すまないが、、君のアレを拝借したい」

 

そういった時、C.Cは撃たれた。

 

「ちっ、、狙撃か?いや至近距離からの弾だ。近くにいる」

 

予測通り近くにはKMF。そして何人かの兵士がいた。

 

「アサルトライフルにあれは無理がある、、何かあれば、、!」

 

兵士が腰からぶら下げているのは携行式ロケットランチャーだ。

 

「悪くない」

 

散開して近くに探しに来た兵士を一人確保するルルーシュ。腰に下げてあるナイフを首に突き付ける。

 

「吐け」

 

「見ていろ、、すぐに仲間がくるぞ、、!」

 

首を思い切り締めて気絶させるルルーシュ。全ての武器を回収してC.Cの乗ってきたKMFの前につく。

 

「showTimeだ」

 

ルルーシュはアサルトライフルで近くの兵士を殺し手榴弾で更に被害を大きくすり。そしてKMFに乗り込もうとする司令官を拳銃でヘッドショットした。

 

「敵は全て排除した。あとは、、」

 

「ルルーシュ!」

 

C.Cに呼び止められキスをされたルルーシュは全ての記憶を思い出す。今まで自分が誰であったのか、、それ以外も全て。

 

「ふん、、こうして見ると汚い街だな。いや、前より汚くなっている」

 

天井から現れた二機のKMFはルルーシュを前に跪いてこう言った。

 

「ゼロ様!御命令を!」

 

「いいだろう、、何故ならば私は世界を破壊し、世界を創造できるからだ!」

 

ースカアハー

 

司令席に座る二人はレーダ解析やブリタニアの新しい情報を得るのに必死だ。そんな中ナヴィスはオーキスにあの血の入ったカプセルを渡した。

 

「これは?」

 

「俺とお前の父親が残した血だ。体内に押し込めば力を手に入れられる」

 

「まあ、、詳しい事は後でだな」

 

「オーキス!ナヴィス!ようやく始まったぜ!」

 

キシが指したモニターにはゼロが映っていた。テレビ局が放送を止めないのはおそらくハッキングされたのだろう。

 

「始まった、、ここからだ」

 

ナヴィスは息を呑んで放送を見る。オーキスはすかさずルーファスに命令を出した。

 

「ルーファス!KMFに搭乗し黒の騎士団を援護、および新型機のデータを取れ!」

 

「了解」

 

ルーファスは席から離れ無線機を耳にかける。スカアハの収納ハッチにある新型の機体に乗り込み起動。昇降エレベーターに移動する。

 

「KMFカタパルトにアストレイレッドフレームが到着。カタパルト装着完了しました!」

 

ユフィはカタパルトの状況を全て確認して最終確認の画面をパスした。レッドフレームのカタパルトが後ろまで完全に下がる。

 

「レッドフレーム!発進!」

 

空に飛んだアストレイはヘブンズタワーへと急降下していく。背中に装備したバズーカで壁を破壊して中に乗り込む。

 

「レッドフレーム、、アストレイは現在ヘブンズタワー十二階に突入した。マップを送る」

 

ナヴィスはアストレイにマップや詳細位置情報を転送した。

 

「ルーファス。ここからはお前の判断に任せる。ただし、黒の騎士団のKMF破壊は認めん」

 

「了解しました」

 

アストレイは白兵戦を始める事となった。

 

続く!




オマケ

KMF名 アストレイレッドフレーム

もはやKMFではなくMSの機体。ルーファスが扱う新型機でブルーフレームは本拠地にある。ルーファスのレッドフレームはガーベラを二本、ビームサーベルを三本装備しておりバズーカやビームライフルなどの武器も入ったロウが使うアストレイより更に強化されている。


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ようやく見つけた

原作崩壊にもほどがあるって?そういう作品なんですよ!


ーヘブンズタワー 十二階ー

 

アストレイはタワーの十二階にいる敵を排除し始める。ガーベラでサザーランドを斬り壁を破壊。ルルーシュの戦略とは半分違うが大した問題ではなかった。

 

「アストレイ、、蒼炎とは違い強い。これが、、俺の機体か!」

 

サザーランドのバルカンなど効かないアストレイ。普通なら避ける為敵パイロットが驚いてもおかしくはない。

 

「馬鹿な!バルカンが効かない⁈」

 

「堕ちろ」

 

ガーベラでコックピットごと貫かれたサザーランドは爆発。その煙で視界が塞がれる。

 

「司令部!こちらD4!現在謎の敵と戦闘中!て、テロリストではありません!し、シン」

 

〈D4!D4応答せよ!〉

 

三機のサザーランドを一瞬にして破壊したアストレイは十一階に降りる為バズーカを下に向けて放つ。下には大量のサザーランドが潰されていた。

 

「よし、、十一階到達。ビームライフル出力最大。貫く!」

 

アストレイのビームライフルはヘブンズタワーの外壁を融解させアストレイはそこから外に出る。スラスターでホバリングしながらタワーをバズーカで破壊する。

 

ーヘブンズタワー 監視室ー

 

ルルーシュの戦略には無理はなかった。確かに一部別の機体が謎の行動を繰り返してはいるが別に自分の兵力を潰されているわけではないので無視するしかない。

 

「C.C。C4の設置は?」

 

〈今やっている。後五分まて〉

 

「了解した。カレン!行くぞ」

 

「はい!」

 

紅蓮弐式とルルーシュのサザーランドが発進して途中で卜部と合流。そのまま十階まで降下する。しかし途中で潰されていく兵力が気になった。そいつは単独行動でポーンを八機以上撃墜している。

 

「消える機体だと?面倒な奴だな」

 

卜部がレーダで警戒してはいるが中々見つからない。撃墜された味方兵士の通信ログから考えるとステルスではなく消えると言った方がいいのか?そのように考えている暇は無くなった。

 

「奴か⁈イレギュラー、、!」

 

瓦礫から出てきたのは金色の機体。ランスロットとは違った。

 

「近接戦ならこっちが上だ!」

 

カレンと卜部が仕掛けるが一瞬にして避けられルルーシュまで到達する。

 

「神速、、だと⁈」

 

「何よ今の、、速すぎる、、」

 

KMFは剣を二つに合わせ薙刀状にし、ルルーシュのサザーランドに照準を合わせた。

 

「馬鹿な、、物理的ではありえん、、やられる、、!」

 

その時突如として天井から来たアストレイが右腕を切断した。敵機は後退する。

 

「また⁈」

 

アストレイはガーベラを構え一歩たりとも動かない。もちろん、向こうもである。

 

「先手必勝とは言うものの、、相手が相手だ。迂闊には動けない。いや向こうも同じか」

 

「あの機体、、ボクの速さについて来ている。下手に動いたら、、」

 

〈ルルーシュ。時間切れだ〉

 

C.Cからの通信が入る。どうやらC4を全て設置し終わり退避も完了したみたいだ。

 

「ちっ、、あの二機を見たかったが仕方あるまい」

 

ルルーシュは手に持っている起爆スイッチを押す。設置されたC4が全て爆発、誘爆して十一階以上は全て崩れ落ちてゆく。卜部とカレン、ルルーシュのサザーランドは廊下が陥没して瓦礫から避けた。

 

「ビルを爆発させた⁈せっかくバズーカで不安定な場所は取り除いてやったのに、、無礼な奴らだ」

 

アストレイは瓦礫が落ちてくる中盾で瓦礫を防御して上空まで上がる。

 

「間に合えぇ!」

 

無事ヘブンズタワーから脱出したアストレイは上空に更に上がりスカアハへと帰還した。

 

「これで上にいる敵は叩きつけられるって訳か、、流石はゼロだな」

 

「それだけではない」

 

卜部の言う通り確かに上の敵や増援部隊は全て壊滅。その巨大な瓦礫はカラデス総督率いる部隊に直撃するコースにあった。

 

「さようならだ、、カラデス総督」

 

ルルーシュの笑い声と共に指揮ベースは押しつぶされ部隊は全滅。都市部には甚大な被害だけが残った。

 

ースカアハー

 

「こちらアストレイ、入艦ハッチ開放。制御アンカー射出する」

 

アストレイからのワイヤーがハッチに伸びて専用の金具にセットされ順調に回収される。それを監視カメラで見ているオーキスは急に立ち上がりハッチへと向かう、

 

「よくやってくれた。敵機はどうだ?」

 

「瞬間移動します」

 

「そうか。瞬間移動、、は?」

 

「本当です」

 

KMFが瞬間移動出来るなど聞いたことがない。万が一出来たとしても次元演算をしない限り瞬間移動など無理だ。それ以外の可能性は一つしかない。

 

「時、、」

 

「司令?」

 

「ん?ああ、、考え事だ。ルーファス。敵の情報収集には感謝する。ゆっくり休んでくれ」

 

ルーファスは敬礼してハッチを去る。オーキスはその瞬間移動について考えて見るがやはり考えられるのは一つ。

 

「時だ、、時を止める事が出来る!それしか考えられない。まさか俺以外にも、、」

 

しかしオーキスは考えるのをやめた。今はブリタニアの情勢を知る事と今のKMFの進化を確かめなければならない。あのランスロットも今頃完全な形で修理されて稼働しているのは間違いない。

 

「ついでに降りてみるか、、」

 

オーキスはゴットフリートを起動してハッチを開放。カタパルトに乗り発進。ブリタニアの都市へと降りて行った。

 

「オーキスが都市へ降りたか、、仕方ない。暫くは俺が指揮を執るしかない、、」

 

ーブリタニア都市部ー

 

広がる店に人通り。そんな中私服で歩く一人の男がいた。

 

「ルルーシュのギアスは役に立つな。なにせ一回しか使えなくとも命令すればなんでもする。ゴットフリートを見た兵には自分から寝てもらったし問題はなさそうだ」

 

数時間フラフラと歩いて行くオーキス。金もあるしいざという時にはスタンドもKMFも無線もある。警戒するに越した事はなかった。

 

〈ル、、す、、せよ、、〉

 

「無線?軍用にしては甘ちゃんな周波数だな」

 

無線機の周波数を合わせ音質をあげる。近くの喫茶店に入りコーヒーを飲みながら無線を傍受する。

 

「へぇ、、面白くなって来てらぁ」

 

〈ルルーシュはどうだ?動いたか?〉

 

〈全く、、怪しい動きは一切ありません〉

 

無線の内容は筒抜だ。つまりルルーシュをエサとしてC.Cを捕獲しようという謎の動きだ。何故C.Cなのかは分からないが恐らくルルーシュ側についているからだろう。その点E.Eは楽な方だ。

 

「ヘックショイ!」

 

「風邪でも引きました?」

 

クレアがE.Eにポケットティッシュを渡した。そのティッシュで鼻を拭くE.E。

 

「誰か私を馬鹿にしたのかな?」

 

喫茶店でゆっくりコーヒーを飲むオーキスは試着室に入ったまま出てこないルルーシュを見ていた。

 

「ホモじゃないから男が着替えるところなんて見たかねぇんだよな」

 

暫く見ていると放送がかかる。テロリストが爆弾を仕掛けたという暗号放送だ。もちろんデタラメである。オーキスは地雷や爆発物を検知可能な端末を所持している。それは一切反応しなかった。恐らくルルーシュがパニックを起こす為にやったのだろう。予想通りどこかで火災警報が鳴り響く。人々は恐れ出口へと走り出す。

 

「フゥ〜。折角のカプチーノがゆっくり飲めないじゃないか。仕方ない。迎えに行くか」

 

オーキスは無線をきって本を閉じる。店員がいなくなった喫茶店の会計口に伝票と金を置き端末で逆探知を始めた。

 

「さぁ、、隠れ蓑をあばいてやる。蛇が出るか、、鬼がでるか?それとも、、」

 

逆探知を行い見事指揮通信室を発見した。

 

「ビンゴ!」

 

オーキスは端末を仕舞い人一人いなくなった商店街を歩いて指揮通信室に向かった。

 

ー指揮通信室ー

 

ロロは指揮通信室に急いで向かう。エレベーターを上がりドアが開いた。しかしそこには誰もいない。そして銃を突きつけたルルーシュがいた。

 

「やっぱり、、目覚めていたんだね、、」

 

「残念だったな。どうやらお前らはC.C確保に全力を尽くしていたようだが、、それが仇になったな。これから俺の学園は鳥籠ではなく、俺の城になる!分かったか?ロ、、ロ⁈」

 

ルルーシュの銃は手から離れロロの手に渡っていた。しかも背後を取っている。

 

「ギアスだと、、⁈」

 

「はいはい終わりだよ。そんな馬鹿げた茶番劇は」

 

手を叩きながら近づいてくる男。オーキスだ。腰に下げてあるイーグルを取り出してロロの頭に突きつけた。

 

「銃を下げてくれないかな?ロロ、、いや。その名前は皇帝が与えた偽名か。本当の名前は、、デンファレ。デンファレ・シンフォニー」

 

「な⁈」

 

ルルーシュもロロもオーキスが放った言葉がよく分からない。

 

「デンファレ・シンフォニー。俺の弟よ!」

 

続く!



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今は信じて待つ。

ロロの服を考えなければ、、


ー指揮通信室ー

 

「僕が、、お前の弟⁈」

 

ロロは困惑した状態でも銃をルルーシュから離さない。だが震えていた。

 

「記憶を上塗りされたか、、じゃあこれなら思い出すか?」

 

ポケットから取り出したのはドックタグだ。そのタグは名前の他にも父親や生年月日が刻まれている。そしてその裏には小さい三人が映る写真が貼り付けられていた。

 

「あれ、、?」

 

ロロの脳内では何かが来ていた。

 

「あの日俺は絶望して銃を放った。だが問題はそこからだ。俺は母さんの死亡を確認した後、お前らの姿がなかった。てっきり記憶外で処分したと思っていた。だがそれは違った!」

 

ドックタグをロロの首につけてルルーシュに突きつけていた銃を下ろさせた。そして自らもイーグルを仕舞いロロの銃を没収した。

 

「ギアスを手に入れ皇帝のギアスをコピーした後、俺は自分の記憶を覗いた。そしてようやく知った!俺は処分なんかしちゃいない。二人を救急搬送させ自分は警察に保護された。記憶が抜け落ちていたのではない、、自分で閉じ込めていたんだ。つー訳で!」

 

オーキスはロロの頭を頭突きし気絶させる。ぐったりとして動かないロロを担ぎ指揮通信室を出て行こうとするオーキスをルルーシュが引き留めた。

 

「待て。お前は何者だ?何故ギアスを持っている?」

 

「教える義理はない。が、ヒントならやる」

 

「ヒントだと」

 

「ツーは、、一人だけかい?」

 

「っ!」

 

ルルーシュは目を開き疑うような顔をした。自分が考えていた事の全てがそれで繋がるのだ。皇帝にギアスを与えたのはC.Cではない事は分かっている。つまりまだツーがいるのだ。

 

「じゃあな。義兄さん」

 

オーキスはそう言ってエレベーターに乗って地上へと降りていく。ルルーシュは何とも言えない結論を胸に学園へと戻って行った。地上に出たオーキスは誰もいなくなった商店街をロロを担いで移動する。天井などの上空に障害物がないところでロロを下す。

 

「スカアハ。応答せよ」

 

〈こちらスカアハ。E.Eだよーん〉

 

「E.E。ヘリはあるか?ないなら誰かランディングゾーンまで来てくれ」

 

〈ランディングゾーン?捕虜でも捕まえたの?〉

 

「ああ。ゴットフリートまで連れて行くのは骨がいる。軽いが機体までは遠いからな」

 

〈やってもいいんだけどねぇ、、黒の騎士団が復活してからは対空レーダーが多すぎて無理なんだよ。ゴットフリートはステルスなんだから頑張って持って来てね〜〉

 

E.Eはそう言って無線をきってしまう。こうなってはロロをゴットフリートまで連れて行くしかない。オーキスはロロを背負い直して見つからないようにゴットフリートまで移動する。

 

「ここから二キロか、、面倒だなぁ」

 

ースカアハー

 

ナヴィスはスカアハのシミュレーション室に入りあるデータチップを挿入する。中のデータはスザク以外のナイトオブラウンズ全員分だ。

 

「さて、、始めるか」

 

機体を紅蓮参式に設定してシミュレーションがスタートした。ナヴィスが選んだのは多人数戦。つまりナイトオブラウンズ全員と戦うのだ。

 

「久しぶりにクリア出来なかったところだ。やらせてもらおう」

 

ナヴィスは裏ナイトオブラウンズ時代のサングラスをかけてシミュレーションに挑んだ。その顔は本気であった。

 

ーゴットフリートー

 

「今は複座じゃないからな、、狭い」

 

オーキスはロロをスカアハへと護送する為にゴットフリートに強制的に押し込んで現在上空1500mに到達していた。レーダーの範囲からはまだ逃げていないので油断してはならない。

 

「と、、思った矢先にこれか」

 

来たのは戦闘機三機。どれも偵察機だが早めに排除する為にビームライフルをセットした。

 

「すまないな。今見つかったら面倒なんでね」

 

ビームライフルで貫かれた戦闘機は空中で爆発。二機はゴットフリートに気づいたが既に遅く撃墜された。

 

「よし。あとは帰るだけ、、おい。やめろ」

 

なんと気絶させたロロがオーキスの頭にイーグルを突きつけていた。だがその顔は敵を見る目ではない。

 

「、、、合言葉は?」

 

安全装置を外して引き金を引きかけるロロ。しかしオーキスはすぐに答えた。

 

「願いは祈るものではない。叶えるものである。エレン・ガイ著、ルーレンの第三節から抜粋」

 

ロロはイーグルをオーキスのケースに戻して姿勢を楽にした。

 

「ただいま、、兄さん」

 

「おかえり。そして、、ようこそ。スカアハへ」

 

スカアハにたどり着いたゴットフリートは制御アンカーをフックに引っかけてスカアハのハッチへと戻って行く。コックピットから出たロロは伸びをしてオーキスが出るのを待っている。

 

「先に行ってろ。デンファレ」

 

「だって僕この戦艦わからないし」

 

「そりゃそうか」

 

コックピットから出たオーキスはデンファレを操縦室まで案内していく。操縦室についたデンファレを見たキシは目を疑った。

 

「お、オーキス?こいつは?」

 

「俺の一つ下の弟。デンファレだ」

 

「待てよ!こいつはロロ!シャーリーを殺そうとした張本人だぞ⁈」

 

それでもオーキスは何ら困惑する事はなく涼しい顔をしていた。逆に端末であるカルテをキシに見せてきた。それはよくデンファレに似ていた。瞳の色も口元も全てだ。

 

「本当に、、オーキスの弟なのか?」

 

「はい」

 

「ならオーキスの事で知っている事を話せ」

 

「いいですよ。兄さんのエロ本の隠し場所は大体棚のお」

 

オーキスは冷や汗を流しながらデンファレにイーグルを突きつけてた。もちろん安全装置を付けたままだが。

 

「デンファレぇ?それ以上言ったらお前の命がないぞ?」

 

「はいはい」

 

イーグルを仕舞い司令席に座るオーキス。デンファレは近くの座席に座って無線をつけた。出力を上げて軍用周波数を合わせる。

 

「あ、ヴィレッタさん?今ルルーシュを見つけたんですが、、逃げられました。はい。はい。分かりました。暫く単独行動をします」

 

デンファレは無線をきりオーキスに近づく。

 

「兄さん。ここ逆探知とかないの?」

 

「あるにはあるが、、何に使うつもりだ?」

 

「無線の周波数をあわせたからルルーシュを追尾したいんだ」

 

「それはC.C確保の為か?それとも、、」

 

「短い間だったけど義兄さんだから。僕は義兄さんを守りたい!」

 

オーキスはデンファレに逆探知機を渡す。デンファレは無線にセットしてモニターに接続。あらゆる兵士の位置や会話が入ってきた。代わりにスカアハの無線をつけて通信傍受を始めた。

 

「兄さん。オンシジュームは、、?」

 

デンファレが無線でオーキスに聞いてくる。オーキスは少し帽子を深く被り直してカルテデータをデンファレのモニターに送った。

 

「オンシジュームは、、、まだ見つからない。退院したのは記録にあるものの何処にいるかまでは、、」

 

「ありがとう、、兄さん」

 

デンファレは再びデータ回収に集中し始める。オーキスは深く被った帽子の中で暗い考えだけが浮かんでしまう。

 

「信じよう、、生きていると」

 

続く!

 




オマケ

デンファレ・シンフォニー

皇帝のギアスによる記憶改竄によりルルーシュの弟として生きてきた。義兄としてルルーシュを慕いオーキスは実の兄として尊敬している。


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金色はいいものだ。

なんか不思議ですよね。金色って


ースカアハー

 

各局のテレビ放送を閲覧して動きを監視するオーキス。ルルーシュが動くとすれば今やっている中華連邦外での公開処刑だろう。しかしそれは明日。今から機体を用意したとしても間に合うはずがない。おまけに相手はギルフォード率いる精鋭だ。迂闊に動けばルルーシュが被害を被る事になる。

 

「ルルーシュなら切り捨てるか?それとも拾いにくるか、、捨てる神いれば拾う神あり、、」

 

ナヴィスも別のチャンネルを見ている。しかしどこも公開処刑の事しか報道していない。

 

「処刑人は騎士団の中でも幹部。どう動くと思う?」

 

オーキスの質問にナヴィスは紙コップに入っていたコーヒーを飲んでゆっくりと話した。

 

「ルルーシュは拾う。それに賭ける」

 

「ギャンブラーだな。だが、、それがありえるかどうかはわからない。もし助けない場合は」

 

「俺達が騎士団の代わりに奴らを貰う。それでいいのか?」

 

「死なれるよかいいさ」

 

オーキスは司令服を脱いで戦闘服になりタキセとE.E、デンファレを呼んでハッチへと向かった。ナヴィスはデータチップを見て呟いた。

 

「今は勝てたとしても、、次はどうなるか、、ジノ。俺はお前にまだ勝っちゃいない。必ず潰してみせる、、!」

 

ハッチについた四人はガラ空きのKMFキャスターの前に座りデンファレの機体の用意を始めた。

 

「えーと、ルーファスが見たあの機体は?」

 

E.Eがデンファレに見せたのはルーファスのアストレイと戦闘したあの金色の機体。どのKMFもそうだが速さが売りなので装甲は明らかに薄い。特にデンファレがロロであった時の機体は当たり前でる。

 

「あれはヴィンセント。最近開発された機体でサザーランドに次ぐ次期主力機体、、って埋め込まれたけどコスパ悪いから多分無理だよ。当分はサザーランドのまんま」

 

デンファレは苦笑いしながらヴィンセントを馬鹿にしてはいるが時を止めるギアスを持つデンファレに取っては扱いやすく戦略的にもいいのだろう。

 

「ただ向こうに置いて来てしまったしなぁ、、そうなると似たような機体をギアスで作成するしか、、」

 

「似たような機体ならあるよ」

 

E.Eが端末から出したのはヴィンセントに似ている機体。赤い部分がないだけで金色、形状はかなり酷似している。

 

「機体名は暁!ファンネルタイプのシラヌイより高速起動タイプのオオワシの方がオススメだよ!」

 

そう言ってデンファレの意見を聞かずに暁を生成していくE.E。簡単に仕上がってはいるが彼女の体力はもちろん相当量消費している。

 

「あーあ、、デンファレ。どうすんだ?E.Eは作りだしたら止まらないぞ」

 

「悪くなさそうだし、、装甲も硬そうだから使うよ。ciwsの弾くらいなら簡単に防御出来そうだ」

 

デンファレはやはり使っていたヴィンセントを手放したくはないようだ。しかし今のヴィンセントで戦えば恐らく不慮の事態に陥った時対処できない。

 

「ゲホッ、、出来たぁ〜」

 

汗だくになって寝転ぶE.E。持ってきていた水を二リットル一気に飲んでいく。

 

「お!アカツキじゃん」

 

ハッチに来たのはキシだった。アカツキを見た時の言い方から考えるとどうやらキシはこの機体を見たことがあるようだ。

 

「キシ。こいつを見たことがあるのか?」

 

「そりゃあなぁ。戦艦のビーム系主砲をヤタノカガミで完全防御の挙句に跳ね返すやつだし。シラヌイなんか使われたらドラグーンでやられちまうな。ま、幻月Xに比べれば大したことないけどな!」

 

キシは盛大に笑っているがさらりと重要な事をいった。このアカツキという機体はヤタノカガミなるもので戦艦級のビーム系主砲を跳ね返す、、つまりハドロン砲など跳ね返すのだ。E.Eはとんでもないものを生成してくれたものだ。

 

「そ、そうか。他には何があるんだ?このアカツキは」

 

「そうだな、、ビームライフルも特徴だがやっぱり素晴らしいのは背中にある二つのビーム砲だな!」

 

ヴィンセントで言うところの二本装備されたMVSである。しかしそこはあくまでもMVSをマウントする場所でありビーム砲などはない。

 

「名前は73F式改高エネルギービーム砲だ。多分威力は高い。うん。多分」

 

「信用ない説明だな」

 

「そうは言っても戦った事ないし、、」

 

キシは困った顔でアカツキを見る。知ってはいても戦闘はしたことが無い。ならば試すしかない。

 

「クレア!幻月Xを出せ。模擬戦を行うのでなるべく早くな」

 

〈りょーかい!〉

 

クレーンで幻月Xが搭乗キャスターまで移動されてキシの前に出された。整備はイギリスで完璧にしてあるので問題など一切ない。

 

「え?マジで?」

 

「頑張ってねぇー。オーブ軍vs連合軍」

 

幻月Xに搭乗してOSを起動するキシ。全ての装備を核融合炉に接続確認するとカタパルトにのった。

 

「キシ!行きまーす」

 

カタパルトから盛大にでるキシ。幻月Xの羽を広げてスラスターの推進力を高めていく。アカツキに乗ったデンファレも起動してカタパルトから発進した。

 

〈この機体はヴィンセントと操縦方法が同じなんだね。なら大丈夫だよ〉

 

アカツキはオオワシを広げて幻月Xの前に出た。ビームサーベルを薙刀にして幻月Xに向かっていく。

 

「この位なら!」

 

対艦刀でつばぜり合いになるアカツキと幻月X。しかしギアスを使わなくともこの戦いは圧倒的にキシが不利なのだ。

 

「ビームライフルが使えないんじゃあね、、よく考えつくねぇE.Eちゃんは!」

 

ビームライフルを連射して幻月Xの軌道を絞っていくアカツキ。しかし幻月Xはまだビーム以外の兵器を持っていた。

 

「ビームライフルはダメでもヴァリスなら無理だろ!」

 

スナイパーヴァリスでアカツキを狙う。もちろんコックピットは狙わず足などを狙って撃つ。しかし当たらない。

 

「待て待て、、デンファレ君がギアスを使っていないとしたら、、スナイパーヴァリスの弾を避けてる事になるんだぞ⁈」

 

単純にスナイパーライフルは単発拳銃の約三倍以上の速度を保持している。理由は至極単純。銃身が明らかに長くその中ではライフリングにより高速回転を起こしているからである。銃身長による威力と飛距離の差は大きい。ランスロットのヴァリスに比べ更に高威力、高速の弾丸を放つスナイパーヴァリス。これを避けるなどキシは想定出来なかった。

 

「だが、、負けてはいられないんでな!」

 

幻月Xの背中から謎の緑色の光が出てくる。これはGNドライヴではない。その光はゆらめいており暖かさを感じるものだ。

 

「サイコフレームが共振を始めた⁈さてはE.Eちゃん、、アカツキを生成する際にサイコフレームを埋め込んだな?」

 

数十分戦闘した末、引き分けとなりスカアハへと戻って来た二機は羽を収納して搭乗キャスターに戻って来た。

 

「どうだった?デンファレ」

 

「とても良かったよ。ヴィンセントより反応が良くて僕には合ってる」

 

「スナイパーヴァリスを避けられるなんて、、ニュータイプなのか⁈デンファレ君」

 

この後機体を全て整備して再び本来の任務に戻る。翌日の戦闘に備えて夜は自動運転に切り替え全員個室へ向かい就寝する。キシの部屋は相変わらず煩いが詮索しないほうがいいと判断したオーキス。布団にもぐり眠りについた。

 

ー翌日ー

 

朝から甲板で景色を眺めるオーキスはある事を考えていた。そう。デンファレの弟。オーキスの二つ下の弟であるオンシジュームだ。カルテをルルーシュのギアスで手に入れたのはいいが退院記録の後の行動が不明。デンファレはブリタニアの機密事項から抹消はされていたがロロとして生きていたのを発見したのは幸運だった。これも全てシンフォニーの諜報員のおかげだ。

 

「だが、、シンフォニーの諜報員を持ってしても見つからないオンシジュームは何処にいるんだ?データは復元すればなんとかそこから辿れると考えたが、、オンシジュームはカルテにあってもブリタニアの個人情報からは消えていた。デンファレと違い破片すらなかった、、」

 

ドックタグを握りしめて操縦室へと戻るオーキス。デンファレは既に起きていて早くも報道番組を見ている。食べていたのは機内食だった。

 

「兄さん。おはよう」

 

「ああ、、おはよう。ルルーシュは?」

 

「動いてない。本当に見捨てるつもりなのかな、、?」

 

司令席に座り機内食を食べるオーキスは公開処刑されるビルのデータをハッキングして入手。構造図を全て確認していく。

 

「デンファレ。心配する事はない。これを見てみろ」

 

デンファレにビルの構造図データをモニターに表示した。

 

「兄さん!これって、、」

 

「ああ、、ルルーシュはこいつを使うだろうな」

 

数時間後、報道番組では処刑までのカウントダウンをしていた。なんとも酷い事をするものだ。デンファレは学生服からシンフォニーの戦闘服に着替えてアカツキに搭乗。護衛として黒金のバンシィと共に処刑場付近まで降下していく。

 

ー公開処刑場ー

 

ゼロは一人ギルフォード卿率いる部隊の中に入っていく。相手は高性能指揮官用KMF。しかしゼロは日本製の無頼。しかも応急修理したばかりのだ。

 

「義兄さんの無頼!でもどうやって、、C.C確保なんてそんな事から解放されたから今は気にしないけど無頼は流石に、、、」

 

〈デンファレ。アカツキのライフルをギルフォードに向けておけ。ゼロが消えた場合シンフォニーがあの囚人を頂く〉

 

「了解です。えっと、、」

 

〈黒金翔。日本人だ〉

 

処刑場でタイマンの言葉を交わし自らの正義を貫く騎士と皇子。しかしそのような事は無駄でしかなかった。

 

「ギルフォード卿。一つ質問がある。正義で倒せない悪がいる時、君ならどうする?悪に手を染めてでも悪を倒すか?それとも己が正義を貫き悪に屈するをよしとするか?」

 

この通信を傍受していたデンファレは一つの結論しか出ない事に気づく。

 

「どうなろうと、、悪は消えない、、」

 

ギルフォード卿はKMFを加速させて巨大な槍をゼロに向ける。

 

「我が正義は姫様の為に!」

 

「なるほど。私ならば!悪を成しても恐怖を討つ!」

 

後少しのところでギルフォードの槍は届かずビルの一部が傾いていく。それはビルに設計されたあるシステムを利用した方法だった。

 

「あれって、、ブラックリベリオンの時の!」

 

デンファレはアカツキと中華連邦の領土に突撃する。バンシィもそれにつづいた。ビルが傾きブリタニアの精鋭一人が押しつぶされゼロはギルフォードが落ちないよう刺したハーケンを頼りに暴徒鎮圧用盾をボード代わりにして中華連邦領土に飛び込んだ。

 

「黒の騎士団よ!敵は我が領土に入った!敵を殲滅し同胞を救い出せ!」

 

数々のKMFが入り乱れる中華連邦。カレン率いる部隊は救出が最優先だ。しかしその間にもブリタニアは体制を整えていく。

 

「仕方ない、、デンファレ。援護するぞ」

 

「はい!」

 

バンシィとアカツキが体制を立て直したサザーランドを撃墜していく。上手く煙幕に隠れてバンシィはデストロイモードへと移行する。アカツキはギルフォード卿の精鋭部隊と戦っていた。

 

「キンメル卿⁈何をしている!」

 

「残念だけどこれヴィンセントじゃないんだよねっ!」

 

ロケット弾を盾で全て防いだアカツキはビームサーベルを出して突っ込んでいく。壁に叩きつけられた精鋭部隊員は槍でアカツキを頭上から刺そうとする。

 

「この!」

 

「ゼロ距離でのビーム砲をとくと味わってよ!」

 

オオワシのビーム砲をKMFにゼロ距離で放つ。コックピットが貫かれKMFは爆発した。

 

「ゼロ!逃がさんぞ!」

 

ギルフォードが放った槍がルルーシュの無頼に向かって飛んでいく。しかし槍は途中で融解してしまった。

 

「なんだと⁈」

 

上空ではスカアハにぶら下がりながらナオトがサバーニャに装備された大口径ビームスナイパーを使い援護していた。

 

「狙い撃つのは得意なんでね」

 

アカツキはバンシィと共にバレない低空を飛行してブリタニアの追跡をかわし上空へと上がっていく。二機とも光学迷彩を発動。スカアハへと帰還していった。サバーニャも二機を確認すると下降ハッチに戻された。

 

「はあー、、終わった終わった!」

 

「オワッタ!オワッタ!」

 

「今日もありがとうな!ハロ」

 

三人が操縦室に戻り戦果を報告。その後シャワーを浴びに行った。オーキスはモニターで報道番組を見ていたが彼らの姿は全く見えなかった。

 

「見えなかったからいいものの、、流石にサバーニャはばれたか?だが7600m上空からの狙撃だ。バレはしない」

 

オーキスはブリタニアのレーダーのログなどを解析するが問題はなさそうだ。だが、、外に出たいという問題が残っていた。

 

「そろそろ艦内も飽きてくるからさー!都市部に行きたい!お願い!旦那様!」

 

「んー、、今は危ないしやめといた方がいいんじゃないかな?クレアが怪我したら俺嫌だし」

 

「えー⁈」

 

クレアが文句を言ってくるが仕方がない。地上に降りるには色々準備が必要だ。今は考えなければならない事で沢山だが万一クレアが怪我をしたら正直正気でいられる自信がない。

 

「じゃあいい!デンファレ!」

 

シャワーから出てきたデンファレを捕まえたクレア。

 

「私達結婚してるんだけどね?何かオーキスの弱みはないかなー?」

 

「義姉さんに話せる弱みといえば、、アレがありますね。今も覚えているんですけど兄さんが昔中学生の時の必殺技名を勉強そっちのけで考えてる時期ありました。多分厨二病の一種かと」

 

クレアがオーキスを見ると一見涼しい顔をしているように見えるが冷や汗かきまくりの顔が青ざめていた。クレアは隙を見てオーキスをじっと見た。

 

「いいですよね?」

 

「あ、はい」

 

あっさり承諾してしまったオーキス。兄弟とは怖いものである。

 

「ありがと。旦那様」

 

オーキスにキスをして走って個室に向かうクレア。オーキスは再びナヴィスに指揮を任せる事にした。

 

続く!



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女の買い物と用事は長い。

最近は色々と大変でしてね、、


ーブリタニア都市部ー

地上にクレア達を降ろすためゴットフリートで都市部の付近に光学迷彩をつけて降下するオーキス。もちろん彼女達の買い物に付き合わなければならない。

 

「さあ!今回はぜーんぶ旦那に荷物持ちも代金も持ってもらうからE.Eもユフィもナナリーも沢山買おうね!」

 

「おい!そんな事聞いて」

 

「デンファレ君」

 

「すいませんした!」

 

オーキスはすぐさま頭をさげる。シンフォニーの軍事課最高司令官とは思えないほどクレアに従っている。

 

「レッツゴー!」

 

クレア達に連れられ商店街に来たオーキス。代金持ちならまだいいが荷物持ちが一番辛い。女物の下着コーナーに引きずられた時は他人に変な目で見られたのは確実。早く帰りたい。

 

「凄い量買いましたねー」

 

数時間後、多分ユフィとクレア、ナナリーが買った量が一番凄い。E.Eは自分で出せるので便利グッズだけだが三人はメイド服から水着まで買うので量が尋常ではなかった。大変だったと言えばユフィが一瞬バレそうになった事くらいだ。

 

「あなた!こっち行きましょ!」

 

クレアがオーキスに見せてきたのはアッシュフォード学園でやるお祭りのチラシだ。休憩も出来るかもしれないので行く事にした。

 

ーアッシュフォード学園ー

 

色々な人が来ているアッシュフォード学園の学園祭。屋台も広がりチラシの裏には巨大ピザを焼くというものまで書いてあった。

 

「つ、、疲れた、、」

 

「私達は向こういきません?」

 

「行こう行こう!」

 

クレア達はまるで学生時代に戻ったかのようにはしゃいでいる。オーキスに取っては休める時間なので肩凝りをほぐしながら待つ事にした。

 

「あ、ゴットフリートをランディングゾーン近くに移動させるか」

 

端末でゴットフリートを操作するオーキス。ランディングゾーン付近にゴットフリートを配置してベンチでゆっくりする。この後面倒な事が起こるともわからずに。

 

ー旧型KMF配置場所ー

 

アーサーと遊ぶ会長にKMFの上で日記帳に書き込んでいるスザク。

 

「今はどうなんですか?ロイドさんとは」

 

「んー、、婚約してるのかしていないのか分からないのよねぇ」

 

「それって危なくないですか?」

 

「あははは。まあ留年してよかった事もあったし。私はあんまり気にしてないわよ」

 

「そうですか、、あ!」

 

会長との遊びに飽きたのかアーサーはスザクの羽ペンを咥えて持っていってしまう。

 

「待ってアーサー!それはユフィの大切な羽ペン!」

 

いくら足が速いスザクでも猫には追いつけない。急いで追いかけて行くとアーサーは路地に入りある四人組の間に入ってしまった。

 

「あらどうしたの?猫ちゃん。迷っちゃったのかにゃ?」

 

「すいません!今ここに猫、、が、、」

 

「これって私の羽ペン、、ダメよアーサー。私の羽ペンはスザクにあげたんだから」

 

E.Eとクレアとナナリーは少し後ずさりする。冷や汗をかいて困った顔をしていた。ユフィは三人の顔を見て不思議に思っている。E.Eは買った花束をユフィに渡すと

 

「グッドラック!」

 

と言って後ろに振り向かせた。そこでは細い涙の線を引いたスザクがいた。持っていた日記帳など手から落としてユフィを抱きしめた。

 

「ユフィ、、ユフィィィ!」

 

「スザク、、」

 

二人とも涙を流しながら抱きしめあっていた。死んだと思っていたかつての恋人がそこにいれば再会で涙を流さないはずがない。

 

「うーん、、こりゃマズイねぇ」

 

E.Eはオーキスに電話をかけた。

 

〈はい。オーキスです〉

 

「オーキス。やばい。ユフィがスザクに見つかった。私が買った花束渡して振り向かせたから今も抱きあってる」

 

〈いやいや、、お前らがなんとかしてくれよ。俺買い物の荷物番だぞ〉

 

「今からそっちにスザク向かわせる」

 

〈は⁈おいちょっ〉

 

会話を強制的に切りスザクに話しかけるE.E。

 

「えー、、枢木スザクさんですよね?今からちょっと来てくれません?」

 

スザクは静かに頷いてオーキスのいるベンチにおとなしく向かってくれた。荷物番をしているオーキスに会うといきなり頭を下げた。

 

「話は聞きました。ユーフェミア殿下の保護感謝します。これの報告は」

 

「待て。ナイトオブセブン」

 

オーキスはスザクの話を止めて胸ポケットからゴソゴソし始めた。スザクはユフィを守るため一瞬身構えた。しかし出てきたのは凶器ではなく小さな箱だ。

 

「箱?」

 

「この中を渡すには条件がある。一つ目はユーフェミアはこちらに渡す事。二つ目は君が我々と交戦しない事を約束する事。三つ目は一つ目を承認してから話す」

 

スザクはオーキスの目を見る。ルルーシュと似た目だ。だが悪意などはない純粋な目でもある。

 

「一つ目の条件の理由は?」

 

「俺達はシンフォニー傭兵師団。ユーフェミアはただ保護するためだ。いや、、彼女の方から依頼した」

 

「ユフィから?」

 

「依頼内容は、、私がスザクと結婚出来るまでスザクと私を守ってくれ、、というものだ。さあどうする?」

 

スザクはユーフェミアを見た。オーキスの言う事について肯定していた。脅されて言われている訳ではない事が分かりスザクはこくりと頷いた。

 

「分かった。一つ目は承認しよう。二つ目は君達次第なのではないのか?」

 

「もちろん約束する。報酬は後払いで大丈夫だ」

 

「三つ目は?」

 

「今ここで仮の結婚式でも挙げたらどうだ?ウチには面白い奴がいるからドレスなんてすぐ出来るぜ?」

 

E.Eを親指で指した。E.E自身は不満げだがここは職権を使わせて貰おう。いざという時は艦長命令だといって強制力をつけてやる。

 

「つまりその箱には、、」

 

「ダイヤモンドだ。ウチには金だけはあるんでね」

 

「艦長、、ありがとうございます!」

 

ユーフェミアは頭を下げて指輪に感謝した。スザクに薬指にはめてもらいキスをしようとした時、目の前をクラシックスターが走っていく。ついでにアーサーも羽ペンを咥えたまま走り出してしまい追いかけられる形になってしまった。

 

「ええ⁈だれがクラシックスターを?まさか、、ジノ⁈」

 

〈あったりー!面白いな!庶民の学校ってのはさ!〉

 

トマトのコンテナをシェイクするジノ。それを追いかける会長とルルーシュ。多分ルルーシュは別件だが。

 

「アーサーを捕まえるわよ!突撃ー!」

 

軽いキスをしてアーサーを追いかけるスザク。E.Eは四人分のローラスケートを出してアーサーを追いかける。

 

「ちょっと待て!俺の分は⁈」

 

「荷物番よろしくー!」

 

颯爽とかけていくクレア達。しかしそれを見て追いかけないオーキスではない。

 

「ちっ、、ゴットフリートを呼び出して先に荷物を積むか、、後はキシに全部お願いするしかないよなっ、、!」

 

学生がいないので光学迷彩を解除。荷物を詰め込んでスカアハに自動操縦で向かわせた後、自分でローラスケートを出して四人を追いかける。走りに弱いルルーシュは早々にリタイアした。

 

「こんなの、、俺のジャンルじゃ、、」

 

「待てー!その顔見せなさい!」

 

「猫ちゃーーん!」

 

「アーサー!羽ペン返しなさい!」

 

「うおおおお!あいつら速ええ!」

 

走る着ぐるみにシャーリー。四人の女性と全力で追いかけるオーキス。その中にユフィがいてもルルーシュはそんな事を考えている暇はない。

 

「このままでは、、ピザ女がまずいことに、、絶対に阻止する!」

 

ルルーシュは他とは反対の方向に向かいギアスをかける準備を行った。数分後クラシックスターはC.Cが入ったままのトマトコンテナを持ってピザへと向かっていく。しかしルルーシュは間に合いそうにない。

 

「さあ!ナイトオブラウンズで我が校出身の英雄!枢木スザクがクラシックスターでアンデストマトを持って来てくれた!スザク!皆君を待っていた!」

 

リヴァルが盛大なアナウンスをしたがクラシックスターの前を走っていたアーサーを回収したのはスザクだった。

 

「待ってた、、けど、、」

 

「中の人違いまーす!」

 

ジノはトマトコンテナの扉を開けて巨大なピザに大量のトマトを落とす。コンテナにギリギリまでつかまっていたC.Cだがジノが残りのトマトを降り落とすと同時にC.Cも落ちていく。

 

「え?あれC.C、、ヤバそうだから助けてあげるか。貸しは作ってなんぼ!」

 

E.Eがローラスケートでピザに向かって行く。前にはクレアとユフィがいた。クレアはE.Eをタイミングよく上に上げてユフィは幻術で噴水を作り更に上に上げた。ナナリーは上空でE.Eを吹き飛ばす。

 

「ほっ!」

 

C.Cを見事上空でキャッチしてピザがある場所より200m離れた所に着地した。ピザは更にクレーンでチーズやハムを乗せられて巨大な釜で焼かれていく。

 

「危なかった、、実際三人の息が合っていなかったら今頃釜で焼かれてたね」

 

「E.E、、」

 

近くの校舎の屋上まで上がりベンチに座るE.EとC.C。手には缶コーヒーを持ち巨大ピザが焼かれている姿をじっと見ていた。

 

「あの時、C計画に参加しなかったのは何故だ?」

 

「私は第三のツーとして師匠が委ねたギアスを守るために計画に賛同しなかっただけ。あれを見せられて正気でいたのが不思議なくらいだよ」

 

E.Eは青く長い髪をゴムでまとめて額にあるギアスのマークを触る。

 

「V.Vが何をしようとしてるかは知らないけどアレを起動するのであれば私は相手になる」

 

「そうか」

 

C.Cは屋上から颯爽と行ってしまった。E.Eは缶コーヒーを飲み干してダストボックスに投げ入れてC.Cを追いかける。

 

「C.C!143年前の質問、、今なら答えられる」

 

「私達に明日は必要あるのだろうか?という質問だったな」

 

C.Cは階段の上にいるE.Eを見た。

 

「私は過去があるから明日を願いたい。必要かどうかなんて関係ない。そして私はだから今日という日を守り明日を迎える。それが私の戦いだと思ってる」

 

E.Eは階段を降りてC.Cの肩を叩き小さく呟いた。

 

「敵になった時は、、よろしく」

 

ースカアハー

 

キシが搭乗キャスター前に立ちゴットフリートのコックピットをじっと見つめた。四人の回収には幻月を向かわせたがゴットフリートの内部カメラを見た途端にやる気が起きなくなった。開けたら絶対に出てくるパターンだからだ。

 

「ば、バランスが良ければ多分何とかなるはず、、」

 

意を決してゴットフリートのコックピットを開ける。ギリギリのバランスで荷物は保っていた。キシはゆっくりと解体作業を進めて荷物を何とか全て降ろした。しかし一人で運べる量ではない。

 

「本当はこういう使い方はしないんだけどな、、クレイジー・チャリオット!」

 

スタンドを発動したキシは荷物を生身とスタンドに分けて運び始めた。一体誰のものかは分からないがオーキスのはないだろう。何故なら女物しかないからだ。逆にこの中にオーキスの物が入っていたとしたらそれはそれで興味がある。

 

「さて、、姫様方がお帰りか」

 

幻月が引っかけたアンカーを外し搭乗キャスターに入る。コックピットからはオーキスと四人の姫様達が出てきた。

 

「お帰りなさいませ。姫様」

 

キシが荷物を持ちながら跪いた。四人組は自分達の部屋へと戻り服を運び始めた。色々落としたり運ぶのは少し苦労した。

 

続く!



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沈む神。目覚める極限

機種変するかもです、、、


ー黄昏の間ー

 

幻想的な景色が見れる遺跡のような足場にいるのは小さな老人とおおきな老人。惑星のようなものを見ながらそこに佇んでいる。

 

「なんでナナリーに教えなかったの?ゼロの正体。それにギアスのことも」

 

V.Vがシャルルに問いかける。

 

「その必要はないでしょう、、」

 

「シャルル。君はまだ幼いね」

 

「そうですかねぇ。兄さん」

 

皇帝とV.Vは景色を眺めてある話を切り出した。

 

「ねぇシャルル。E.Eはどうするの?」

 

「あれは兄さんに任せたはずですが?」

 

「悪いけどあのギアスに勝てるのはC.Cだけなんだ。シャルルからなんとかしてもらわないと」

 

「分かりました」

 

シャルルは浮いてる階段をゆっくりと降りていく。全て降りおえたところでV.Vに呼び止められる。

 

「シャルル。あとオーキス・シンフォニーの事なんだけど」

 

「安心して下さい。あの者は処分しました」

 

シャルルはV.Vの方を向いて少し笑いながら言った。

 

「オーキス・シンフォニーはルルーシュの完成系のようなものでした」

 

「ま、あの男には一手取られたけどね」

 

V.Vもシャルルの元に降りて黄昏の間を出ていく。歩きながらV.Vは口を開く。

 

「オーキスとルルーシュの魂は同じものなんでしょ?あの男はルルーシュの魂をコピーして自分の息子に混ぜ込んだ。しかもシュナイゼルの魂も混ぜ合わせて」

 

「ですから殺したのです」

 

ースカアハー

 

洋服の整理を手伝いを終わらせた後再び司令席に座りレーダーや観測データを回収する。キシはヘッドホンをつけながら任務をこなしている。

 

「オーキス。依頼が来ている」

 

「依頼?基地を通さずにか」

 

ナヴィスは依頼が書いてある紙を印刷してオーキスに渡した。6枚あり3枚は作戦について。2枚は報酬。一枚は依頼人だ。しかもその依頼人はスザクだった。

 

「スザクか、、報酬は前払い。クレジットで約二億。さてどうするか、、」

 

ナヴィスに紙を返すと作戦内容を見ている。その作戦内容について色々書いてはあるが結局は黒の騎士団から新総督を守れというものだ。但し手段は問わないという。

 

「手段は問わないってことは、、非殺傷もありだよな。脱出装置を狙わずにやってみるか」

 

「それで行くか。出撃するのは、、三人でいいな。ナオト!キシ!翌日一四〇〇に仕事が入った。俺と共に黒の騎士団から新総督を守れ」

 

ナオトは早速格納庫に向かいサバーニャの整備などに向かう。しかし命令が聞こえているはずなのに反応しないキシ。モニターを監視モードに変更するとキシが見ていたのはレーダーでもエネルギー管理システムでもない。競馬だ。

 

〈さあローズマリーが前に出た!フィニッシュまで後30秒!エメラルドに追いつくか⁈〉

 

「よし、、逃げ切ってくれよ」

 

馬券を握りしめてモニターに集中するキシ。しかし背後には殴る準備を終えたナナリーとオーキスがいた。

 

「とっとと仕事を、、」

 

「やりなさい!」

 

二人の拳骨は見事キシにクリーンヒットした。頭を抱えながらモニターを見た。負けていた。

 

「いってぇな!何、、しているんでしょうか?」

 

「キシさん、、ギャンブルやったらどうなるか話しましたよね?」

 

「す、すまないナナリー!」

 

ナナリーが着ている服は前が開いた学ラン。サラシと帽子のせいで余計怖く見える。オーキスは操縦室から離れキャスターに向かう。後ろからは悲鳴が聞こえていたのは言うまでもない。

 

「坊やだからさ、、」

 

オーキスはそう言い残してゴットフリートまで向かう。そこにはアカツキの整備を進めているE.Eもいた。

 

「E.E。アカツキはどうだ?」

 

「問題はないよ。ただ相変わらず目立つね」

 

油汚れがついた顔でアカツキを見上げるE.E。その後ろにはゴットフリートがある。司令服を脱いで作業服を着るとコックピットにはタキセがいた。

 

「タキセか。どうだ?ゴットフリートは。明日の空中戦に使えるか?」

 

「問題ない、、と言いたいところだがキツイかな」

 

タキセはコックピットのOSを更新している間に頭部のメインカメラの交換をしながら話し続けた。

 

「元々ゴットフリートの設計思想は第四世代KMFを引き継がれたものだ。E.Eさんの改良のおかげで確かに使えてはいたが、、GNドライヴが無くなれば蒼炎にすら勝てない機体。しかもそのGNドライヴでリムーブフレームに限界が来ている」

 

「そんな機体をシュナイゼルに?」

 

「エナジーウイングやゲフィオンが開発されかけていた時点で試作機扱いだったのさ。確かにロールアウトはした。だがそこからは個人に合わせた新しい機構を備えた機体を作成予定だった」

 

頭部カメラを交換し終えコックピットに再び乗りOS設定をしていく。タイピングした後、ゴットフリートのキーをオーキスに渡した。

 

「E.Eさんが言っていたトランザムとか言うリミッターを外すシステムだが、次やったら爆散する可能性があるのを頭に入れておいてくれ」

 

タキセは書類や工具を片付けながらゴットフリートからサバーニャのOS更新を始めた。オーキスはキーを握りしめて別のキャスターへと向かう。そのキャスターは隠しキャスターで数体分入るようになっている。艦内での敵進入を考えての設備だ。しかしこれを知っているのはオーキスだけだ。

 

「 分かっているさ、、だからこいつを作って置いたんだ」

 

隠しキャスターの照明に照らされたのはオーキスが一人で作成したある機体だ。その機体はキシが教えてくれた機体。だが実現してはいないものだった。しかし例え空想でも創造のギアスさえあれば作れない物は生命を除き無いに等しい。

 

「使う時には注意しなきゃな。こいつの破壊力は計り知れん」

 

隠しキャスターを出て行くオーキス。その頃キシは反省して仕事をしていたがモニターを二枚に増やしてある機体のデータを出した。

 

「オーキスに教えた機体、、本拠地にいる時に全て仕上げたとか言っていたが大丈夫なのか?この機体はバケモンだから作成にも時間がかかると思ったんだけどな、、。エクストリームガンダムtype-レオスⅡヴァリアント・サーフェイス。スペックも武装も完全に桁違いだ、、」

 

電子シガレットを吸い始めモニターを監視モードに切り替え。コードを使い隠しキャスターの監視カメラに切り替えを行う。

 

「さて、、オーキスのエクストリームの出来を調べてやろうじゃないか」

 

カメラをCTプログラムによってCT映像にしていく。中の設計を全て見尽くしたキシは一瞬言葉を失う。

 

「は、、?何だこれ、、」

 

CT映像を更に拡大していく。

 

「全身にサイコフレーム、内部に設置する露出しないタイプのGNドライヴ、アイオスにファンネルバリアを取り付けてある、、こりゃ本気でやる気かよ」

 

スカアハは夜の内に作戦区域に入る。それも超上空での任務だ。全員夕食を済ませナオトはサバーニャの中に入り眠る。キシはレーダー監視。オーキスはゴットフリートの一部に仕掛けをしていた。他は就寝した。

 

「ゴットフリート、、今までありがとうな。だがお前の一部は新しい身体に乗り換えておいた。頼んだぜ」

 

オーキスはキャスターから離れて司令席に戻り眠りについた。

 

ー翌日ー

 

作戦時間になりゴットフリートで出撃するオーキス。サバーニャと幻月はバックアップとして後方で待機している。

 

「あれが、、新総督の乗っているのか。デカくて狙われやすいな。と、、矢先にこれか」

 

何騎かの機体が輸送用機に吊られて輸送されていく。ゴットフリートで輸送団に向かう。

 

「来たぞ!撃て!」

 

敵がバルカンを撃ってくるが関係なしにKMFを切り刻んで行く。ビームライフルやサーベルで撃墜していくなかキシから通信が入る。

 

〈オーキス!こちらは陽動だ!本陣はすでにとりつかれた!〉

 

「ちっ、、すぐに向かう!キシ!ナオト!味方には当てるなよ!」

 

〈〈了解!〉〉

 

ゴットフリートで急いで本陣に向かう。しかし緊急時の作戦内容にあったナイトオブラウンズの援護がない。遅れているのだろうか?

 

「スザクゥ、、頼むから早く来てくれ」

 

金と白のカラーリングをした航空機にはキシの報告通り敵が取り付いていた。勿論ゴットフリートで剥がさなければならない。

 

「悪いが海に落ちてくれ!」

 

オーキスも主翼に乗り無頼を切断した。しかしあの面倒な相手もいた。

 

「紅蓮弐式!」

 

「誰だか知らないけどここで消えて貰うよ!」

 

紅蓮と交戦している途中、ナイトオブラウンズが来る。

 

「ん?なんだあの機体?戦っている?まあスザクが何も言っていないならいいよな!」

 

ジノの機体が攻撃を開始。朝比奈や仙波が撃墜されてゆく。紅蓮をゴットフリートが吹き飛ばし主翼から落とす。しかし何も知らないジノはゴットフリートを主翼から叩き落としてしまった。

 

「はあ⁈スザク、、俺を殺す気なのか⁈」

 

ゴットフリートの機体はジノにやられたダメージで上手く稼働しない。GNドライヴも稼働しなかった。

 

「あの機体にやられたダメージがデカすぎる!このままだと、、、1分で海水浴か、、ならば!」

 

オーキスは無謀にもコックピットから出てスカイダイビングを始めた。パワードスーツなどは来ていない。オーキスは落ちながら叫んだ。

 

「エクストリィィィィム!」

 

スカアハでは隠しキャスターからエクストリームガンダムが出撃。ゴットフリートが自爆して破片が散らばる。オーキスはギリギリで回避したがもうそろそろ海に落ちる。

 

「早く、、早く来い!」

 

紅蓮が飛翔滑走翼を装着して新しい腕を手に入れる。紅蓮は高く空に上がり援護に来たギルフォード卿の機体を撃破しナイトオブラウンズに目をつけた。そして同時に海で高熱源が起きる。

 

「今の熱源は⁈」

 

ラクシャータがレーダーを見ると見慣れない速度で艦を横切る一機の機体がいた。それはオーキスの新しい身体。エクストリームガンダムだった。

 

「極限の希望をくれてやる!」

 

オーキスも紅蓮可翔式の高さへと向かっていく。

 

「ナイトオブラウンズ!貴様らの所業は後で枢木卿に話させて貰おう!だが、、その前に!」

 

拡散輻射波動をファンネルバリアで防御して二機を守り紅蓮に向かっていく。

 

「格闘技には格闘技で応えなければならないな!」

 

紅蓮の輻射波動を避けながら接近するエクストリームガンダム。一部が金色に発光して燃えるような色になった。

 

「極!限!ゼノン!」

 

紅蓮にラッシュを食らわせ吹き飛ばす。紅蓮は直ぐに体制を立て直すが更に連続攻撃を仕掛ける。

 

「極限ぶっ壊れろぉぉぉ!」

 

〈オーキス司令!先程の無礼は謝る!だが今は総督を!紅蓮は僕が止める!〉

 

スザクからの通信とモニターに航空機の墜落計算が表示される。残り四十秒しかない。

 

「間に合うか⁈」

 

スザクから送られた地図を元にメインブリッジの甲板を破壊して総督を回収するがそこにはゼロもいた。

 

「今は総督が優先だ」

 

オーキスは新総督を回収して墜落していく航空機を見ていた。ゼロも脱出したようだ。

 

「危ねぇ、、キシ!ナオト!援護に感謝する」

 

〈いつもの事さ!それよりオーキス。やっぱり完成させてたんだな〉

 

「ああ」

 

この後新総督はスザクにより回収。アヴァロンに乗せられ救出に成功した。ジノのミスに関してはスザクの連絡ミスということでカタがついた。スカアハに回収されたエクストリームはキャスターに移送。ゴットフリートの場所はエクストリームの場所となった。

 

続く!



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これは危険な光だ!

お待たせしました!


ースカアハー

 

エクストリームがキャスターに収納された後オーキスは司令席に戻り再び基地に送られてくる依頼の内容を確認、指示を始めた。キシはE.E、タキセと共に搭乗口の橋から白いある機体をみていた。

 

「ブリタニアからの第二の依頼は、、ナイトオブラウンズの新機体の試作ねぇ。でもコイツ使うのは無理じゃないか?」

 

キシは機体を見上げて何も話さないE.Eに冗談交じりでそう言った。タキセはただただ二人の話しを聞いている。

 

「あながち間違いではないよ。バンシィ程の強力な武器、スペックを保有する機体に乗るパイロットは精神力が強くなければならない。黒金は適合者だった訳だよ」

 

「だがスザクにもアーニャにもジノにも精神力の高さはあまり無い。あのビスマルクですら皇帝がいなければ脆い」

 

「でも心を持つ人がコレを使えないなんて何時、誰が言った?」

 

E.Eは電子シガレットを点けて深呼吸する。キシは暫く黙ったあとイギリスの本拠地に来てからユフィが自分に対して欲しい物があるというクイズを出されて困惑した時の事を思い出した。あまりにも謎めいていたが機体を見た瞬間浮き上がってきたのだ。

 

「私のたった一つの望み、、それは可能性の獣。希望の象徴、、」

 

「キシ?」

 

「箱を守るのは白き天馬と黒き獅子。なら箱は何なんだ?あのタペスリーに描かれたのと同じ意味なら箱は国。貴婦人はユフィ。じゃああの従者は誰だと言うんだ、、?」

 

キシはブツブツと言い話しかけにも反応しなくなった。E.Eはキシにコーヒーを側に置いておきタキセとユニコーンのコックピットに乗り出す。

 

「E.Eさん。本当に良いんですね?」

 

「うん。ユニコーンにAIを積み込んで置いて。コレが機体のスペックを解析、パイロットを選出すると思うから整備員はバッジを付けて整備しないといけなくなるけど、、まあ無いよりはいいからさ」

 

タキセはユニコーンの回線とAIの回線を接続して初期設定を始めた。全天モニターにあらゆる数列が並びはじめタキセは高速でプログラミングしていく。E.Eが橋に降りるとそこにはユフィがいた。キシと何かを話している。

 

「ユフィ、、あの時の謎が分かったよ」

 

「流石はキシさんです。では答えをどうぞ?」

 

「私のたった一つの望み。これはフランスにある六面連作タペスリーの六面目の絵”私の唯一の望み”に掛けたもの。次に白き天馬と黒き獅子。これは日本とブリタニアを示す。中央にいる貴婦人がユフィで箱は軍。中身は領土。従者はナナリーを示す、、どうだ?」

 

ユフィは微笑んで答えた。

 

「惜しかったですね。あの絵を見た時、私はあの女性は従者ではないと思いました。五感を継ぐもの。娘あるいは後継人です。つまり、、」

 

「箱は”持たされている”のではなく”継承している”ということか、、」

 

 

キシがそう言いユフィに近づこうとしたその時、あるものがキシとユフィの間に壁を作り出した。鉄のような手で腕には四角いビームサーベルが装備されていた。ユニコーンだ。

 

「おいおい、、タキセ。止めてくれよ。ユフィに気があるのか?言っておくが彼女と付き合うには面倒だぞ?」

 

タキセはコックピットでモニターを見たまま動かない。口を半開きにして死んだように動いていなかったが息はしていた。タキセが見ているモニターには英語である文字が表示されている。

 

”Yes, Your Majesty”

 

「い、いきなりパイロットを選んだのか⁈」

 

そのタキセの一言にキシはユニコーンのコックピットに歩いていく。

 

「ユニコーン。俺を選んだのか?」

 

次の瞬間キシの頭上に手が落ちてくる。それをスタンドで支えつつキシはユニコーンを見つめる。機体のツインアイはマスクで見えないが明らかにキシではなく別の方向を見ていた。

 

「そうか、、お前は、、」

 

手をキシから放してユフィに掌を出した。

 

「お前はユフィを選ぶのか」

 

ユフィが掌に乗るとユニコーンがタキセのいるコックピットまで移動させてユフィを乗せようとした。タキセはすぐにAIを解除するが制御を受け付けない。今ユニコーンはユフィの言うことしか聞かないのだ。しかたなくコックピットから降りてユフィを中に入れ起動する。幻月X、エクストリーム、アカツキ、バンシィからは光が出ていた。

 

「ユフィが乗っただけでサイコフレームが共振を始めた、、それも暖かい光だ、、」

 

サイコフレームが露出していない状態でも共振が可能な五機の中でも恐らくオーキスのエクストリームとユニコーンは同等の力を保持しているだろう。

 

「ん?サイコフレーム、、そうか!オーキスはそれを恐れてエクストリームの全身にサイコフレームを使用しているのか!」

 

キシが気づいたのはファンネルだ。ユニコーンやバンシィは覚醒、、つまりNT-Dが発動するとファンネルなどのサイコミュ兵器を我が物にすり替える事が出来る。あのサイコジャックを恐れオーキスは全身にサイコフレーム素体の機体を使ったのだ。だが気になる事があった。その素体はなんなのか?あらゆる可能性の中でも一番あり得るのはただ一つ。

 

「ユニコーンガンダム三号機フェネクス、、いくらオーキスでもバンシィやユニコーンと全く同じ素体を使うのは嫌だとか言ってたしなぁ。ま、ネタ提供したのは俺だからあいつがベースにしててもおかしくないか!忘れきって驚いたのが馬鹿みてぇ、、」

 

そんな事を言って笑いながら橋から去るキシ。エクストリームの関節部分や羽の一部は緑ではなく青く発光していた。そのコックピットにはデンファレが乗っていた。しかし誰も気付いていない。

 

「やっぱり、、僕達はただの人間じゃない。オンシジュームも僕も兄さんもカルテに病児扱いされてる跡がある。兄さんが教えてくれないからこんな事をしてる訳だけど、、」

 

カルテの病名欄は白紙。備考欄に記載されていたそれは”高速適応進化”ということものだった。これは病気か何なのか未だに不明でわからない事が多い。しかし分かった事もある。昔自分達が病気を起こしても直ぐに治癒したのは治癒ではない。”身体がウイルス又は細菌などを取り込み進化した”のだ。

 

「この進化は自分の体外環境に体内環境を合わせるから自滅進化というのは起こらない。兄さんのレポートは信憑性が高い物ばかり、、誰かから貰ったのかな?それとオンシジューム。弟じゃないのになぁ。いつまで男って言い続けるつもりなんだろう」

 

操縦室ではオーキスが依頼の有無を確認してこなしていく。他のメンバーは全員休憩に入り何人かは個室で寝ていたりしているが大体遊んでいる事が多く寝るのは二人くらいだ。ブリタニアからの依頼を見ていると一件だけキシに任せていたものがある。

 

「キシ!ブリタニアの新機体の依頼はどうした?お前とE.Eに全て一任したはずだが」

 

「あー、、ユニコーンがユフィを選んじまったからな。適当な奴でいいだろ。設計図が送られて来れば楽なんだがなぁ」

 

「あるけどな」

 

「はい⁈」

 

しかしブリタニアから送られてきた設計図には無理難題を突きつけるものばかりでタキセですら非現実的過ぎると駄目出しするくらいコレを描いたエンジニアは酷すぎる。新人ですらこんなものは設計しないだろう。

 

「搭載型ハドロン砲二基に大型MVSを一基。ランドスピナーの最高時速を250以上。しかも遠隔操作武器を三基。フロートユニットを装備してマニューバ性能を上げる、、か」

 

「懐かしきフェデルマを思い出す」

 

ナヴィスはふっと笑いながら紅茶を飲む。紅茶は色と香りからして恐らくダージリンだろう。かっこよく飲んではいるが猫舌なのでかなり緩いはずだ。

 

「そーいやフェデルマはどうしたんだ?スカアハじゃ見ないんだが」

 

キシはナヴィスの紅茶をぶんどって全て飲み干してしまう。少しイラツキを表しながらも話を続ける。

 

「基地に置いてきた。主力機体を参式に変えたからな」

 

紅茶を再び淹れ直しに行くナヴィス。また熱々の紅茶に少し水を加えて冷まして司令席にまで戻って来た。オーキスが置いた設計図をよく見ると二枚目には研究費、建造費はこちら持ちと書いてあった。

 

「オーキス。費用はあちら持ちだと記載されているがどうする?」

 

「量産基じゃないなら、、料金ぼったくって資金集めでもするか。幸い二人もモノを作れるやつがいるしな」

 

オーキスは設計図をナヴィスから受け取りキャスターへと移動。途中デンファレをエクストリームから連れ戻してE.Eと共に新機体の開発を始めた。タキセはユニコーンとユフィの様子を見ながら姿勢制御プログラムを打ち込む。ルーファスとユウはレッドフレームのOSをカスタムして起動試験をしていた。その頃クレアはオーキスの為に夕食を作り始めていた。

 

「弟君の為にも頑張らなきゃね〜」

 

下ごしらえを終わらせた後ナナリーが手伝いに来て一緒に作業を進める。

 

「クレアさんは指輪貰ったんですか?」

 

「貰ったよ。サファイアの指輪よ」

 

ダイヤ以上の輝きを放つサファイア。ダイヤもいいがサファイアのように落ち着いた青も悪くないと言ってオーキスがクレアに渡したものだ。

 

「プロポーズはなんて?」

 

「”貴方を一生をかけて守り通します”って言われたのよ。あの時はね、、心臓が爆破しそうだった」

 

顔を赤くしながら作業を進めるクレア。指によくつけているサファイアの指輪をじっと見つめているナナリー。

 

「見てみる?」

 

「あ、はい!」

 

指輪のサファイアを見るナナリー。ガラスではなく本物だ。いくらしたかは分からないが綺麗で光をあてると六条の光が出てきた。価値が高いスターサファイアだった。

 

「スターサファイアですね。綺麗な光を反射してます。あの人はくれなかったのに、、」

 

ナナリーは指輪をクレアに返すと作業を黙々と進めていく。クレアも負けじと素早く作業を進めて行った。キシはその時謎の殺気を感じていた。

 

「⁈」

 

「どうした?風邪ひいたか?」

 

ナヴィスは一瞬震えたキシを労わりコーヒーを差し入れてくれた。コーヒーを一気飲みして深呼吸するとナヴィスに謎の質問をした。

 

「ナヴィス、、指輪って何がいい?」

 

「さあ?俺が女だったらルビーかエメラルドかな」

 

「そうか、、」

 

機体を完成させたオーキスはスカアハをブリタニア総督府エリア18に針路を変更。新機体は機体譲渡の為に専用の汎用キャスターに収納され固定された。

 

「機体はとっとと渡す。面倒事は嫌いだからな」

 

オーキスは全員にそう言って公海空域を離脱。一気にブリタニア空域へと進んだ。

 

ーブリタニア総督府 エリア18ー

 

「そうですか。了解致しました。え?到着は明日午前?早いですね。では各書類に明記してもらいたいので本国にて直接お願いします。はい。それでは」

 

「新機体の譲渡かね?」

 

シュナイゼルがスカアハと連絡をしていた従者に話しかける。

 

「はい。到着は明日午前だそうです」

 

シュナイゼルは笑みを浮かべる。そして設計図をシュレッダーに入れてその場を離れた。

 

翌日スカアハは総督府エリア18に到着。スカアハの全長は750メートルとその巨大さ故に発着地がないため空中での待機となった。イギリスならば発着基地があるがエリア18の発着地は小さい。キャスターをバンシィとエクストリームで搬送し基地への譲渡を開始した。

 

「こちらスカアハ総司令官オーキス・シンフォニー。総督府シュナイゼル・ヴィ・ブリタニアとの直接面会を要求する」

 

〈ふざけた事を仰らない方が身の為ですが?〉

 

グロスター系統のKMFがエクストリームとバンシィに槍と銃を向けた。しかしオーキスは感応ファンネル”アイオス”を展開して全てのKMFを緊急脱出させた。誰もアイオスの速さに追いつけないのだ。

 

〈いやはや見事だったよ。素晴らしい機体だな。これならシンフォニーを信用しても大丈夫そうだ〉

 

シュナイゼルはオープンチャンネルで総督府司令所から通信してきた。

 

「こちらも仕事だ。下手な事はしない」

 

オーキスは機体から降りて総督府司令所まで歩いていく。新機体の汎用キャスターは別のKMFにより整備場まで搬送された。黒金はバンシィから降りて総督府内の汎用キャスターを見ていた。そしと機体譲渡は滞りなく進んでいく。

 

「君は、、どことなく弟に似ているな」

 

「弟と言いますと?」

 

「ははは。私の愚弟だよ。今は何処で何をしているかは知らないがね」

 

「それは私に対しての皮肉と受け取ってよろしいのでしょうか?」

 

「私は君に愚弟と同じ扱いなどはしないよ。逆にこの上ない素晴らしい契約相手だと思っている」

 

書類に全てサインすると従者は書類を全て預かり別の場所へと保管した。そしてチェスを出した。

 

「これは?」

 

「見ての通りチェスだよ。君の力を見たくてね」

 

シュナイゼルは黒の駒がある方になっている。つまりシュナイゼル自身が後攻を選んだという事だ。淡々と進む戦局にオーキスはある事に気付いた。

 

負けに来ている、、⁈

 

自ら悪手をうつシュナイゼルに対してオーキスは不信感を覚えていた。しかしそれはすぐに払拭された。

 

「シュナイゼル殿下。貴方は、、何の為に」

 

その時整備場付近で爆発が起きた。窓を見ると暴れているのは金色にフレームが光るバンシィ。フレームが本来の緑色ではないところを見ると黒金が操縦している訳ではなさそうだ。銃がないだけマシだがこのまま放って置くわけにもいかない。

 

「シュナイゼル殿下。すみませんが一時中断です」

 

オーキスは外していた無線とジャケットを着てエクストリームへと戻る。黒金は別のグロスターでバンシィを食い止めていた。

 

「黒金!何が起きた⁈」

 

〈機体を奪取された!すまない!〉

 

「あやまるのは後だ!搭乗者は⁈」

 

〈服と髪色、あの雰囲気は、、コーネリア!〉

 

バンシィは黒金のグロスターを吹き飛ばしエクストリームに突っ込んできた。すかさず拳で殴り飛ばしたが直ぐに体制を立て直す。オーキスはバンシィを切断するつもりでビームサーベルを構える。

 

「仕方あるまい、、やるしか!」

 

〈レーダーに機影あり!あの識別番号は、、〉

 

グロスターのレーダーが捕捉したのは純白の機体。それは接近するにつれて変形して緑色の光が増してバンシィの前に立ちはだかった。

 

「私達の可能性を見せつけましょう。ユニコーン!」

 

ビームサーベルをバンシィに向けるユニコーン。

 

「ユフィの威厳は、、私が守る!」

 

「お姉さま⁈」

 

バンシィはユニコーンに突っ込みビームサーベルを降る。それを盾で腕ごと止めるユフィ。その場には巨大なサイコフィールドが発生した。

 

「やめて下さい!お姉さま!」

 

「光、、私と妹を救ってくれる光、、誰にも奪わせはしない!」

 

「違う、、違いますお姉さま!これは普通じゃない!これは光らせてはいけない憎しみの光です!」

 

バンシィの勢いに後退するユニコーン。上空ではある飛行機が空を舞っていた。

 

「ふふふっ。今から行くよ。お兄ちゃん」

 

戦闘機はバンシィとユニコーンの間を通り抜けエナジーフィラーの入ったタンクを別離。コックピットが変形して下半身と上半身のパーツがレーザーアンカーを出しながら合体を始めた。何故かスカアハから射出されたパーツもありそれをドッキング。機体が赤く染まり巨大な対艦刀を叩きつけるとコンクリートが割れた。

 

「識別番号20868!アーニャ、、じゃなかった。オンシジューム・シンフォニー!ソードシルエットインパルス!いきます!」

 

続く!

 

 

 



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三人目

特区日本でゼロがやった事について、、原作者様を見習いたいくらいです!


二つの対艦刀を合体させて薙刀にするインパルスはバンシィに向かってブースターを全開。体当たりした。ビームサーベルを一本破壊はしたが直ぐに別のサーベルで対艦刀と鍔迫り合いになる。

 

「こんなの、、出力が違いすぎるよ、、!」

 

ビームサーベルで破壊される対艦刀。もう片方の対艦刀で何とかコアを破壊されるのは免れたが残る武器はイーグルシュテインにビームサーベルだけ。だがバンシィを止めるには破壊しなければならない。バンシィに取り込まれたパイロットは殺すか強い衝撃で正気を取り戻すしかない。

 

「下がって!私がやります!」

 

盾を構えながらバンシィに突っ込むユニコーン。再びサイコフィールドが発生した。

 

「お姉さま!早く、、早く目覚めて下さい!私達は敵ではありません!」

 

「私を攻撃するものは、、全て敵だ!ユフィの紛い物は消え去れ!」

 

「私です!本物です!」

 

バンシィを壁に激突させて動きを封じるユニコーン。黒金はグロースターでサイコフィールドが発生する危険地帯へと進む。オーキスはエクストリームでバンシィへのハッキングを試みている。

 

「バンシィ、、止まれ、、止まってくれ!」

 

必死にデータの書き換えをしようとするが何重にもあるセキュリティを破れない。何度も繰り返しやるしかなかった。

 

「くそ!」

 

オーキスはエクストリームでユニコーンとバンシィの間に入る。更にサイコフィールドは巨大化して周りの建物をのみ込んでいく。

 

「バンシィ!思い出せ!お前の主人はその女じゃない!俺だ!」

 

グロスターでサイコフィールド内部にいる黒金はコックピットから出てくる。バンシィのツインアイが黒金を見つめる。するとコックピットにはあらゆる数列が並び出しノイズを発生。ユニコーンが手を離すとコックピットをあけてコーネリアを出した。それを回収するユフィ。バンシィはNT-Dを自ら解除すると黒金の為にコックピットを開放した。

 

「バンシィ。お前を一人にはさせない」

 

黒金はそう言ってバンシィに乗り込む。コックピットが正常に起動を開始。何ら問題なく再び黒金の物となった。

 

「バンシィ、、嘘だろ?パイロット選出AIがないのに黒金を見て自らコーネリアを降ろした。これがキシが言っていたサイコフレーム、、いや人の可能性だというのか⁈」

 

オーキスは先に黒金を帰還させインパルスにビームライフルを向けた。

 

「何故お前がインパルスに乗っている?」

 

「お兄ちゃんを助ける為っていうのはどうかな?」

 

「いいだろう。ならお前だという事を証明してみろ。ただしデンファレとの合言葉は不可だ」

 

「ちぇ。分かったよ。旧約聖書のバベルの塔から抜粋でいい?」

 

「ああ」

 

「エホバくだりて、かの人々の建つる街と塔を見たまえり。いざ我らくだり、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。ゆえにその名は、バベルと呼ばる」

 

「はあ、、まだ覚えていたのか」

 

「お兄ちゃんがやれって言ったんでしょ⁈」

 

しかし途中で通信が切れてしまう。どうやらギリギリでインパルスを動かしていた為かエネルギーパックがほぼなくなっていた。何とか無線は通じるが自力での帰還は不可能だろう。

 

「インパルスのエネルギーが切れたか。仕方ないな、、スカアハ!こちらオーキス!」

 

〈こちらスカアハ。ユウです〉

 

「ユウ。搬出用ワイヤーを六本用意してブリタニアまで降りてきてくれ。ユフィは俺にコーネリアを渡して先にスカアハへ帰還、俺は後始末をする」

 

〈分かりました〉

 

ユフィはコーネリアをオーキスに預けて空へ飛んでいく。すれ違いにレッドフレームが搬出用ワイヤーを使ってインパルスを回収した。オーキスは総督府に入り再びシュナイゼルと面会した。

 

「申し訳ございません。こちらの不注意で基地に甚大な被害を与えてしまいました。賠償額は、、」

 

「ああ気にしなくていいよ。元々作り変える予定だっからね。手間が省けた」

 

「では我々はこれで」

 

オーキスはエクストリームに戻りスカアハへと帰還の準備を始めた。エクストリームは青いサイコフレームの光と銀色のGN粒子を出しながら青い空へ飛んで行った。飛んでいくエクストリームを見ながらシュナイゼルはチェスを動かして少し真剣な表情になる。

 

「不思議なものだな。丸で自分と共にルルーシュが私に挑んでいるように見えた。いや、そんな事は今はどうでもいい。機体を解析しろ。ダモクレスの予備として使う」

 

「はっ」

 

スカアハに帰還したオーキスはエクストリームをキャスターに格納し操縦室に戻る。そこには既にオンシジュームもいた。

 

「オンシジューム、、お前は一体どこに?」

 

「私が記憶を取り戻したのは最近。あの新総督警護作戦の時。それまではナイトオブラウンズのアーニャとして重KMFモルドレッドに乗ってたわ」

 

「それにしてもまさか此方ではアーニャがオーキスの妹だったとはな、、」

 

キシはオンシジュームをじっと見つめていた。自分が見ていた世界とは違い感情豊かで慕う事のできる兄がいるアーニャ。あの時感じた冷たい感情しか残らない彼女ではない。

 

「そういや言ってなかったな。一人は弟だが二人目は妹だ。年齢は確か、、15だっけか」

 

「そうよーん」

 

「い、妹さんがいたなんて!」

 

クレアはオンシジュームの頭を撫でて顔を見る。背が小さくデンファレと違い更に素直そうだ。

 

「私はクレアよ。よろしく」

 

「オンシジューム。これからは僕達の義姉さんになる人、、ていうか義姉さんなんだけどね」

 

オンシジュームは目をキラキラさせながらクレアに握手した。

 

「よろしくお願いします!義姉さん!」

 

元々男三人女二人だったので姉や妹に憧れていたオンシジューム。彼女にとってクレアは待望のお姉さんという事だ。しかしこれはオーキスにとって更に苦しくなる事になる。

 

「じゃあ早速オンシジュームちゃん!旦那様の過去を教えて?特に恥ずかしい思い出を」

 

「ええー、、何があったかな、、」

 

「オンシジューム。それよりお前ナイトオブラウンズを抜け出して良かったのか?」

 

オーキスの発言通りオンシジュームはおそらくまだアーニャとしてナイトオブラウンズに所属している筈だ。ここで何かしていたら軍法会議にかけられてしまう。だが彼女はとんでもない事を言った。

 

「え?私はもうアーニャなんて名前は捨てたしナイトオブラウンズに所属もしてないよ?」

 

「は?」

 

「私、退職願い出してきたもん」

 

「な、ナイトオブラウンズで出せるのかそれ⁈」

 

オンシジュームがどうやって記憶を取り戻したかは分からないが何者か気付いてすぐナイトオブラウンズを離脱したらしい。あの新総督作戦後、アヴァロンに隣接していた為スカアハに密かに乗艦していたのだ。

 

「だからインパルスを、、だがなんで簡単に信用された?」

 

「デンファレお兄ちゃんに見つかって、、」

 

「夕食食べてたら目線を感じたからね。兄さんは多分気付いてなかったと思うけど」

 

オンシジュームは夕食を後からデンファレに食べさせてもらい未使用の個室で寝ていたそうだ。昔から美味しいものに目がない妹ならではのやり方だ。

 

「オンシジュームさん。貴方どこかで見たような気がするんだけど、、」

 

「ユーフェミア様⁈」

 

オンシジュームはユフィの手を取り顔を近づけてきた。

 

「良かったー、、幽霊じゃないんですね。私はユーフェミア様の騎士をしていたものです」

 

「もしかして私に花冠を教えてくれた?」

 

「そうです!」

 

あまりの偶然に喜ぶ二人。ユーフェミアもオンシジュームも友人のような存在で花畑ではよくコーネリアに追われていたらしい。そんな頭も花畑状態の二人を後ろにナヴィスは司令席にあるソナーを見ていた。ブリタニア付近に投下しておいたソナーブイからは一対二十の戦いが見えている。

 

「潜水艦を投下したか、、ん?魚雷を敵の真下に撃った、、。確かあそこには」

 

ナヴィスがスカアハのデータベースから海底地図を合わせるとあるものが表記されていた。

 

「メタンハイドレート採掘基地か、、何をする気だ?」

 

「メタンハイドレートは巨大な泡だ。それで転覆させるつもりだろ」

 

オーキスは司令席に座ってナヴィスと同じ位置まで椅子を上昇させる。ソナーには謎の爆音が走り船が転覆する音が聞こえてきた。スザクがいたとしてもオンシジュームがいないのではジノも大変だろう。

 

「これはこれは、、面白そうな事になってんじゃないか!」

 

キシはランスロットのモニターをハックしてスカアハのモニターに表示した。ゼロが自ら滑走翼をつけたKMFに乗りスザクに言った。

 

「黒の騎士団は全員!特区日本に参加してせよ!」

 

続く!

 



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二機のEXAM

あ、、遅れました。


上空6000mに浮かぶスカアハではゼロの動きに対する会議が行われていた。会議ではキシが教えてくれた運命の道筋も前提に順調に進んでいる。

 

「キシの言う通りであればゼロ、、ルルーシュは日本人全員にゼロの服装を着せて国外追放したと」

 

「ああ。オーキス。これに対する動きは特に必要性はないから安心してくれ。だが問題はその次だ」

 

キシは会議室のスクリーンにある映像を映し出し再生した。その映像はキシの世界でゼロが行った天子強奪の真っ只中を激写したものだった。

 

「何やら面白そうだな」

 

「クーデターを起こした張本人はこの男。星刻。こいつは俺の攻撃を凌いだ武術の達人だ。生身で勝てる相手はそうそういないだろう、、」

 

会議の途中で本拠地から依頼の通信が届きスクリーンに投影するオーキス。今回の依頼は黒の騎士団でゼロが直々にビデオメッセージを添付していた。普通なら文で済ませてしまう所だ。

 

『シンフォニー傭兵師団に依頼がある。新機体の開発だ。ブリタニアに渡した機体より強力な物を依頼する。報酬は既に払ってある。では、頼んだ』

 

ビデオメッセージはそこで終了。他には何もなく設計図すらなかった。つまりシンフォニーのやるようにやる事が出来るという事でもある。

 

「この時期から依頼を渡すって事は、、星刻のクーデター計画を分かっていたのか」

 

キシが前払いされた報酬金額を見ながら呟く。オーキスは会議室のドアを開けて出て行こうとしていた。

 

「オーキス!まだ会議は、、」

 

「悪いがやっててくれ。俺は用事ができた」

 

ナヴィスにそう言って会議室を出て行くオーキス。途中歩きながら端末を起動してイギリスに連絡を始める。

 

「安達か?牢獄から奴を出せ。役には立つだろう。ユウ?そういや仲が悪いみたいだな。だが奴は地獄の第586連隊の中で生き延びた。あの死神旅団の中でな。機体はブルー三号機と二号機でいい。一号機?アレは使うな。システムとパイロットに機体が追いついていない。ああ。頼んだ」

 

オーキスが釈放したのはユウにライバル心を抱きイギリスならではの騎士精神を併せ持つ隊員。ユウとの戦闘以降牢獄に収監され今は少佐の階級を持つニムバス・シュターゼン。彼のKMF操縦技術は群を抜いておりオーキス程ではないが撃墜王に数えられるパイロットだ。パワードスーツ試験段階でKMFに搭載可能となったAIを使いこなす数少ない熟練パイロットでもあり明日にはブリタニアに偽装輸送船がニムバスと共に二機の機体とスカアハに着任する。二機ともAI搭載型で高性能機体だ。

 

「で、、お前はいつまでいるつもりだ?死神」

 

オーキスの肩には小さな女の子が乗っておりニコニコしていた。ゴスロリを着て背中には巨大な鎌をぶら下げている。しかし今まで誰も気づかない。オーキスしか認識出来ないのだ。器用に片足で立ってはいるがオーキス本人は重さを感じていない。

 

「言ったはずよ?私は戦争を司る死神。貴方を最後まで見てあげる」

 

「本当に、、お前は誰なんだ?」

 

「さあ?少なくとも私の御主人様は貴方の近くにいるよ。場合によっては貴方も私の御主人様になるわね」

 

「その黒髪、、どこかで見た気がするんだが思い出せないな。誰だっけか」

 

「貴方のパートナー。それが私のご主人様よ」

 

「ん?まさかそれって⁈」

 

死神は消えていた。死神に目をつけられた者は生きて帰れないというが別の死神もいるものだ。魂を狩るだけが仕事ではないのかもしれない。

 

「昔からいたが、、相変わらずよくわからんやつだな。死神ってのはよ」

 

肩に残るふわりとした感触。触ることができるかどうかは知らないが死神の顔立ちと髪色は似ていた。自分の妻であるクレアに。E.Eも気づいていない所を見るとクレアとオーキスにしか見えない深い何かがある。それが浮気対策なのか勝利へのお守りかは分からない。

 

「まあ、、勝利の女神がいると思えばいいか」

 

会議室では星刻に渡す機体の選定を進めていた。あらゆる種類のKMF、MS、MH等が挙げられたが結果的に天子を防衛するのを最優先とし、状況に合う機体を作成する事で決まった。その機体はクロスボーンX0。砲撃に耐えられるようにフルクロスに換装してドクロマークを排除。偽装用マントには対ビームコーティングを施しハドロン砲を弾き返せるようになる。設計を始める為にキシとE.E、タキセはキャスターへ向かう。それ以外の隊員は操縦室へと戻っていった。しかしクレアだけキャスターに移動する。

 

「あり?クレア先輩じゃないっすか」

 

E.Eがクレアに気づいて創成を中断する。タキセは途中のパーツを組み立ててクロスボーンを少しずつ完成させていた。

 

「E.Eさんなら、、出来ますよね?」

 

「ん?何が?」

 

「私だけの機体をオーダーメイドで作って下さい!」

 

「別にいいけどさぁ。機体によるからなぁ、、KMF操縦したことある?」

 

「以前バイトで少しだけ、、」

 

「となるとクレアは一から新しい操縦を覚えた方が良さそうだね。KMFかぁ。いやいっその事MHにした方が良いかね。ん、、サファイアの指輪、、宝石、、宝石の乙女、、ジュノーン!んで外装だけKOGにしてやれば完璧じゃないか!」

 

不気味な笑いを浮かべながらクレア機のパーツ創成を始めたE.E。しかしクレアが見たパーツは明らかに大きく組み立て後の並のKMFのような大きさではないことが分かる。しかもデンファレ以上の黄金ッぷりである。タキセがE.Eに文句を言ってくるが

 

「うるさい!クレアだけの騎士を製作中なんだから黙れ!」

 

この一言でクレームは一蹴されてしまいタキセはブツブツ言いながらパーツの組み立てをキシとともに再開した。

 

「ソープは”欠点のないMHなんてつまらない”なんて言ってたけど、、私は最恐のMHを創り出してみせてやるし!クレアというオーキスの大切な物を守る騎士を!」

 

数十分後全パーツ創成完了したE.Eは息を切らしながらでクロスボーンのパーツを創成し始める。栄養ドリンクを飲みながら頑張っている。暇になったキシはジュノーンのパーツを組み立てしていく。キシも驚くほど金ピカで如何にも強そうだ。両腰にビームサーベル更に両肩にはバスター砲が装備され火力も万全だ。

 

「その機体は只者じゃない装甲だからミサイルの百や二百は簡単に防御可能。心配する必要はないよ」

 

E.Eは心配そうに見ていたクレアに言った。しかしMH、、モーターヘッドはスパコン並の頭脳を持った擬似生命体ファティマを必要とする。本来ならクレアだけで動かせるはずなんてない。ましてや操縦すらできない素人には到底無理だ。

 

「でも私、、操縦方法も知らないし大きいからもう一人必要に見えるんだけど、、」

 

「その為のトレースデータだよ。クレアの動きを全てKOGに叩き込んである。イギリスでユフィに教えていたCQCから武術までね」

 

「あの機体は私自身だと言いたいの?」

 

「その通り!」

 

夜通しでKOGの操縦訓練を行う事になったクレア。翌日ブリタニアの海運輸送の要である港には巨大な輸送船がベースに到着。勿論中身にはイギリスからのLNG等の他にブルーとパイロットの土産付きである。

 

〈こちら輸送船エメラルド。艦橋より少佐に報告。”納品は自分の足で”だそうです〉

 

「了解した。座標を」

 

ブルー二号機の画面にスカアハの航行位置と予測位置が表示される。ニムバスはブルー三号機に操縦システムを連結させ発艦準備を開始。同時に偽装LNGタンクドームが開きブルーがブリタニアの日を浴びる。風に吹かれて機体固定ワイヤーが唸りを上げていた。

 

〈第二ドーム開放完了!ブルー二号機、三号機とのシステム連結を確認。ワイヤー発破!〉

 

ワイヤーの付け根から小爆発が起きて機体固定を解除。追加ブースターが三号機と二号機を上げる。

 

〈少佐!幸運を!〉

 

「イギリスの騎士を舐めてもらっては困るな」

 

空に上がるブルー。スカアハの航行位置を特定して猛スピードで青空を駆けて行った。その頃スカアハはブルー回収と作戦実行の為に中華連邦に向かっていた。

 

「付近に機影無し。レーダー反応なし。速度170を保ちつつ中華連邦へ残り30kmです、、んー、、」

 

ユフィが全ての安全確認を終え伸びをする。クレアはあれからE.Eの猛特訓について行きあと少しの所に来ていた。オーキスはエクストリームの整備に行きナヴィスは世界各国の情報収集。ユウ、ルーファス、ブレーン、ナオト、キシ、ナナリーはユフィと共にレーダーをずっと見ている。一時間ほど経った頃ブレーンのレーダー早期警戒警報が鳴った。

 

「四時の方向に熱源二機!」

 

〈全員第二種戦闘配備!機体発進用意!〉

 

オーキスが艦全体に戦闘配備を発令。キシとユウが武器を制御。ミサイル発射管を全て開放して主砲を開いた。二機の熱源をロックオンするとユウが毛嫌いするあの声が聞こえて来た。

 

〈こちらブルー二号機、ニムバス・シュターゼン。スカアハ着艦許可を願う〉

 

「ニムバス、、シュターゼン、、!」

 

続く!




オマケ
機体名 ナイト・オブ・ゴールド=ジャッジメント・ミラージュ

機体名が長いのでE.Eが命名したのはナイト・オブ・ミラージュ。クレアの生体データから動きまですべてトレースデータにより運用される機体。アカツキより金色がある。外見はナイト・オブ・ゴールドだが中身にはアマテラスの機体を破壊した唯一の機体ジャッジメント・ミラージュを使用しており高出力ビームサーベルを装備。ファティマの代わりにAIを使用する。また、ハドロン砲を超える威力を所持したバスター砲を二丁肩に装備しておりMSやKMFを超えた装甲をつけている。


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クーデター

またまた遅れました!ごめんなさい!


空に浮かぶ青い機体。スカアハは格納庫の扉を開放して二機をキャスターへと移動させる。ニムバスはブルー二号機から降りてオーキスに敬礼した。

 

「本日よりスカアハに着任します。ニムバス・シュターゼン。到着しました」

 

「ニムバス。お前を牢獄から出したのはお前の腕を信じているからだ」

 

「有難き御言葉」

 

ユウはニムバスが操縦して輸送して来た機体を見物している。羽のようなパーツにブルーに塗装された機体。クレーンで追加ブースターが外され羽の代わりにエナジーウイングが装備された。

 

「ユウ・カジマ。本部から貴様への餞別だ。受け取るがいい」

 

ニムバスに渡されたのはKMF起動キー。つまり試作段階の機体をユウにも渡されたという事だ。ユウはキーを握りしめてブルー三号機のコックピットに座る。OSが起動して全ての自動確認を終えると機体名が表示された。機体名は”Blue Wolf”。

 

「蒼き炎は蒼き狼へと変貌したか、、!」

 

「ユウ!その機体は多分太陽炉がある筈!エンジンを起動してくれ」

 

 

タキセの言う通りメインエンジンを始動させる。背中のエナジーウイングには少しだけ粒子が出て来ていた。

 

「太陽炉を教えた甲斐があったってもんだね!」

 

E.Eは高く笑いながらブルーを手で叩く。E.Eはいつの間にかイギリスの整備課に太陽炉の技術を伝えていたらしい。しかしだとしたら追加ブースターなどは要らないはずだ。実はコレはブルーを安全に輸送する為のシンフォニーで決められている規則だからである。新機体だとメインエンジンを過度に稼働させてしまった場合オーバーフローしてしまい使い物にならなくなるからだ。

 

「よし。ブルーの整備を進めておけ。もう少しで中華連邦上空に出る」

 

「でもさオーキス。領空侵犯とか大丈夫なの?」

 

E.Eの意見は最もだ。しかし領空侵犯のレーダー如きで何もできないスカアハではない。

 

「馬鹿。じゃあ俺達は今までどうやってブリタニアのレーダーを擦り抜けた?全てスカアハのレーダー無効化で来たんだからな」

 

「それもそうだね。光学迷彩以外にもスカアハには私の思いつかない様なもんばっか積んでるんだもんね、、」

 

苦笑いするE.E。オーキスは二機の新型をキャスターに移動させてキシと中華連邦での作戦会議に入りクレアはナイト・オブ・ミラージュの操縦訓練をくりかえしている。

 

「オーキス。俺から基地の防衛線にとやかく言うのは可笑しいのは分かっている。だがこいつならもっと防衛戦を強化出来る筈だ!」

 

キシがオーキスに手渡したのは設計書。二足歩行で重装備なKMF、、いやKMFではない。かなり巨大でレールガンも搭載している。その姿はまるで恐竜のよう。しかし腕がない。

 

「腕がないじゃないか」

 

「腕なんざいらねー!そいつは腕がなくてもレールガンとかで何とかできる!」

 

「だがこいつは、、」

 

「巨大過ぎて価値が無いと?」

 

「そうだ。KMFなら小回りも効く。今更こんな巨大兵器を作らずともいいだろう?」

 

「分かってねぇな。それは局地防衛戦の要となる機体だ。KMFを配備しなくても歩く弾薬庫にすればいいだけの話さ。華奢なKMFよりかは使えるぜ」

 

確かにキシの言うことも一理ある。KMFの様な多種多様な機体を現地整備するにはどうしても同パーツ機体を作らざるを得ない。しかし隊長機や熟練パイロットに向けるパーツ生産が追いつくとも限らない。ならば紙装甲のKMFよりも巨大な弾薬庫で敵を屠る方が弾薬代だけで済む。

 

「うん、、まあ採用出来るかどうかとして悪くはないかもな、、」

 

キシの設計図にはレドームの他にバリエーション豊かな兵装が売りと書いてある。その最後のページには機体の名前が書かれていた。

 

「メタルギアREX」

 

「人と機械を繋ぐミッシングリンク。まさに金属の歯車だ。そいつが必ず役に立つと言えることを約束するぜ」

 

「ま、、いつかな」

 

「今すぐ見せられないこともないが?」

 

キシはキャスターの艦橋を移動してある広い格納庫へとオーキスを連れて行く。そこには設計書通りの機体が存在しておりコックピットとなる口が開いていた。KMFより巨大で堅牢な機体。数々のコードが繋げられた状態でメタルギアREXは佇んでいた。

 

「チタン・セラミックを材料に複合装甲を活用したメタルギアだが、、一応MVS位なら防げる。ハドロン砲は流石に無理だがな」

 

オーキスは近くに設置されていた階段からメタルギアREXの頭部に登る。平たい頭部にはミサイル発射管が十二セル設置されており目の様なカメラ付近にはバルカン砲が設置されている。長いレールガンが右に。レドームが左に設置され被弾しても防御出来るようカバーが着けられていた。

 

「やはりデカイな。本当に使えるのか?」

 

「あー、、あんま刺激しない方が身の為だぜ?」

 

「は?」

 

オーキスが頭にいるにも関わらず頭部が動き出し始め恐竜のような咆哮を上げた。そして振り払うように暴れる。軽くジャンプして艦橋に戻るオーキス。

 

「だから言っただろ、、」

 

「待て待て待て!ロボが咆哮上げるなんて聞いた事ない!」

 

「当たり前だろ。俺がプリセットしたんだからな。REX!おさまれ!」

 

REXは暴れるのを止めてミサイル発射管の扉を閉める。レールガンのチャージも中止して足を元の場所に戻した。全長20M程ある巨体がスカアハで暴れたら大惨事である。

 

「こいつにもAIが組み込んである。馬鹿にするとパイロットであろうと殺しにかかるから舐めると酷い目にあうからな」

 

「先に言ってくれ、、」

 

数分後中華連邦上空に到着。投下用ワイヤーをクロスボーンに固定して星刻に渡す準備を進めてメタルギアREXは同時に投下コンテナに積まれていく。キシ曰く本来なら対中華連邦との戦闘用にイギリスで作製していたので後は姿勢制御プログラムの誤差修正だけで済む話らしい。しかしキシが乗ると思いきや、、

 

「オーキス。お前乗れよ」

 

「ん?俺にはエクストリームがあるんだが」

 

「違う違う。REXに謝る代わりに乗ってみるんだ。必ず許してくれる。そして必ず役に立つ」

 

「、、、分かった」

 

REXのコックピットが開き折りたたみ式モニターが搭乗の邪魔をしないように畳まれ座席が調整される。座席に座ったオーキスはコックピットを閉じて機体全体の確認を行いOSの起動確認をするとモニターに文字が表示された。

 

”オマエ ツギハ ナイ”

 

「分かってるって。役立たずなんて言ってすまないな。だがお前の真価を見るまでは半信半疑でいさせて貰おう」

 

”イイダロウ”

 

オーキスがREXの最終調整を終える頃キシはユフィを呼び出してブリーフィングをしていた。

 

「つー訳でだ。ユフィ。君にはパーティ会場への降下を命令する。いや、、言わなくとも行く気だったのかな?」

 

「ふふ。分かっているじゃないですか」

 

「スザクの連絡先があったおかげでパーティ会場は分かっているからな。後はユフィ次第だ」

 

「じゃあ、、行って来ます」

 

ユフィは会議室からキャスターまで移動してユニコーンの前に立つ。コックピットが開きユフィは華やかなドレスを着ながら搭乗階段に登って行く。E.Eやクレア、ナナリーが送り出しをしてユニコーンはスカアハから出撃した。更にニムバスがユニコーンを追うように出撃。光学迷彩を起動して消えていった。

 

「ほんじゃ、、俺達も準備しますか」

 

ルーファスはユウと対人兵器格納庫に行きパワードスーツを装着してアサルトライフルや拳銃をレッドフレームに装備。キシはオーキスにある話をつけに行った。

 

「オーキス。前に言ったとは思うがルルーシュには伝説の傭兵、ジョジョ、更にもう一人の人格が混ざっていると言ったよな?」

 

「ああ。何を仕込んだ?」

 

「人格はキラ・ヤマト。平和を愛し自由と言う名のMSを駆り青空を飛んだ優男だ。だがルルーシュに引けを取らない程の演算処理能力にOSを戦闘中にリプログラム出来るプログラマーでもある」

 

「何も問題はなさそうだな」

 

その頃パーティ会場にニムバスと共に行くユフィ。受付には幻覚で作り出した招待状を渡して堂々と入って行く。綺麗なドレスを着ながらも顔を隠しながら歩くユフィは他の兵士や貴族達に気味悪がられながらもチェスをする二人の横へと入る。

 

「なら、、これでどうかな?」

 

シュナイゼルは前の様にキングを目の前に出して負け戦に出てくる。しかしルルーシュはそれに合わせる様にキングを移動させキング同士にした。仮面の外では冷静だが内面かなり困惑している。天子の真横にいる貴族は少し苦笑いしてチェスを見つめていた。

 

「あらあら、、これでは勝負になりませんわ」

 

シュナイゼルの左から聞こえてきたのは女の声だ。そう。まるで死人が蘇りここにいるかの様な感覚なのだ。

 

「こうしてはいかが?」

 

綺麗な手は二人のキングを倒してしまう。公式ルールにはないがつまり二人共降参してしまえという意味だ。ベールを脱いで顔を露わにするユフィ。近くにいたスザクの手を引いて腕を組む。

 

「ダメじゃないですか。シュナイゼルお兄様」

 

「ユフィ。君が生きていたとはね」

 

「今更私はブリタニアに戻るつもりはありません。私は国籍をイギリスに移しました。だからスザクと結婚するのも自由です」

 

「ユフィ、、」

 

「さ、スザク。行きましょ。暫く会えなくて寂しかったんですから」

 

別の場所へと移動してしまう新婚二人。ニムバスはスザクに近づき耳元で囁いた。

 

「枢木卿。総司令からの伝言です。”ユフィを守れ。時間はない”」

 

「何?」

 

「裏情報ですが何者かがクーデターを企んでいるもようです。お気をつけを」

 

ニムバスは会場から出てブルーを起動。ビームライフルやバルカン砲の最終チェックを済ませていく。夕方になりニムバスが昼寝をしていた頃、騒ぎが始まった。

 

続く!

 




メタルギア名

メタルギアREX

作者と同じ名前の二足歩行戦車。レールガンや対戦車ミサイルを搭載しておりKMF以上の超高火力を秘めている。説明するまでもないが作者は二足歩行ではあるが超高火力などは積んでいない。勿論咆哮も上げない。


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予定通り?

試験が、、、


ニムバスはブルーをユニコーンの動力システムと連携させてユニコーンを起動。クーデターが起きている会場にKMFごと向かう。スカアハではユウのブルー二号機とルーファスのレッドフレームがクロスボーンの降下準備を行っていた。

 

「クロスボーンのワイヤー固定完了。REXの最終調整もそろそろ完了する。姿勢制御も万全だし、、いよいよ明日か。ルルーシュが蜃気楼を出すのは」

 

キシはブツブツ言いながらキャスター内で作業を進めていた。クレアはようやくナイト・オブ・ミラージュの操縦方法を覚えてシミュレーション訓練を受けた後はオーキスとイチャついていた。E.Eはナヴィスと電子書類の整理を進めていく内にある依頼を見つけた。

 

「ん?ナヴィス!」

 

「どうした?」

 

「黒の騎士団から依頼。戦闘時には助けてくれだってさ。時間は向こうから連絡来るらしいよ」

 

「前金は払い済みか、、まあオーキスならやるだろうな」

 

その頃パーティ会場は大騒ぎになっていた。何人かの兵士が星刻と戦い鎮圧しようとしているが誰一人触れる事すら出来ずに打ちのめされていく。ユフィはスザクの手を引いてニムバスが連れてきたユニコーンに乗る。近くの公道では中華連邦の機体が星刻の後援に向かっていた。

 

「ああもう!折角の食事会が台無し!もー許さないから!」

 

ユフィはユニコーンのビームマグナムとビームバルカンを出してブースターをフルで動かして公道の上空へと上昇した。

 

「ユフィ!ちょっと落ち着いて⁈」

 

「ユフィ特務。申し訳ございませんがスカアハから帰還命令が出ています。機体の破壊はそれからでお願いします」

 

「ならスザクも連れて行くしかないわよね」

 

「いや、、ユフィ。僕を下ろしてくれ。シュナイゼル殿下の援護をしないと」

 

「駄目です!お兄様の命令より私の命令が絶対です!」

 

スザクの頼みを聞かずにユニコーンをデストロイモードに変形。最大出力でブルーと共にスカアハに帰還。数分かけてスカアハに到着したユフィはキャスターにユニコーンを収納して艦橋に降りた。スザクも一緒に降りてオーキスの元へと操縦室に向かった。

 

「これが、、シンフォニーの戦艦」

 

「それと私の新しい家」

 

操縦室の自動ドアが開くとオーキスやキシが作業を進めておりユフィには気づいていない。ユフィが何か言おうとした時肩を掴まれ思わずスザクに抱きついた。顔を埋めてカタカタと震えているその後ろにはE.Eがいた。

 

「あ、、ごめんごめん。驚かすつもりはなかったんだけどさ」

 

「幽霊かと思いました、、」

 

「枢木卿」

 

オーキスが帽子を脱いで白い手袋を外し敬礼した。対してスザクも敬礼する。

 

「そこでいい。座ってくれ」

 

互いにソナー用モニターの座席に座り話を始めた。他から見たらただ単に世間話をしているにすぎないが中身は濃くブリタニアを内部崩壊させる為の工作でもあった。スザクにはシンフォニーからの間接的な支援を行う代わりにブリタニアの皇帝についての情報を提供する事となった。

 

「もう夜も更けた、、シュナイゼル殿下にはユフィを助けてくれた礼として報告しておこう。今日はウチの個室を貸そう。好きに使ってくれ」

 

「ありがとうございます」

 

オーキスに渡された個室用カードキーを持って個室に向かうスザク。自動ドアを超えて行こうとした瞬間オーキスはスザクを呼び止めた。

 

「ユフィ特務のカードキーと君のは同じだ」

 

スザクの頭に思い浮かんだのはユフィと同じ部屋というあり得ない状況。スザクは頭の中で淫乱な想像を掻き消して個室に向かう。個室は意外に広くシャワールームもついているので甘い香りが漂って来ていてもおかしくない。そして個室に入った瞬間ユフィは既に寝ておりスヤスヤと寝息を立てていた。スザクはシャワールームでリフレッシュした後ベッドに横になった。

 

「ユフィ。今日はありがとう」

 

ユフィに軽いキスをして背中を向ける。すると後ろから寝返りしたユフィの吐息がうなじに当たってきたのだ。何とか耐えてはいたが少しずつスザクの理性が解けていく。そしてユフィの一瞬の喘ぎ声で理性は一気にぶち切れた。

 

「ユフィッ!」

 

「え⁈」

 

ユフィの服を剥いで一気に襲い掛かるスザク。今までユフィが死んでいた事になっていたので捨てた筈の恋心と欲が全面剥き出しになっている。自分の上半身の服を脱いでユフィの肌にふれるとざらつきがない上ふんわりとして甘い香りが微かに漂う。ユフィは一切抵抗せずに目を強く閉じたまま腕で胸を隠している。

 

「す、、スザクの好きなようにし、、していいから、、」

 

「ユフィ、、」

 

一方操縦室ではブリーフィングが行われていた。

 

「いやはや、、斑鳩が予想より早く移動しやがった。これは俺の運命とはそぐわない。さあ、どうする?司令官殿」

 

キシは司令席に座り手を組んでいるオーキスに指示を仰ぐ。オーキスは手袋をはめ直して司令用モニターに地図を表示。あらゆる可能性があるルートを各色で表示した。赤色が危険なルートだが成功確率が高い。黄色は五分五分。青は安全なルートだが成功確率が低い。それぞれを表示したオーキスはナヴィスとナオトに質問した。

 

「ナヴィス。ナオト。お前らがもし黒の騎士団最高指揮官だったらどうする?」

 

ナオトは考え始めたがナヴィスは直ぐに答えを出した。

 

「俺なら戦艦を海に隠すな。潜行出来るかどうかは無しとして奪い取った天子を何かの象徴、見せしめにする」

 

「け、結構当たってるな、、」

 

「まあ、、俺も戦略家だからな」

 

キシが驚いているがオーキスだけが戦略家ではない。ナヴィスにナオト、ベイリンに至っては戦略予報士と呼ばれる。つまりこの艦には戦略家が四人もいる事になる。

 

「俺ならどっかに隠れて中華連邦の星刻とやらを仲間にするけどな。やり方は、、一部だけ協力体制を構築するとか」

 

「それだぁぁ!」

 

「はい⁈」

 

ナオトの答えにキシが大声をあげる。ナオトの答えたやり方は完全にキシの世界にいるルルーシュのやり方とまるで同じなのだ。星刻の計画していた人民丸ごとを巻き込むクーデター。これを知っていたルルーシュはディートハルトに大宦官の天子の扱いなどをそのまま各所のモニターをハックして流した。天子も助け星刻の計画も望む形ではないものの成功。ここまでされると協力体制を構築するしかない。

 

「で?結局どうするんだ?オーキス」

 

ナヴィスがオーキスに最後の決断を仰ぐ。

 

「ナヴィス。確かお前言っていたよな?依頼内容に黒の騎士団から援護の依頼があったとか」

 

「ああ。それが?」

 

「場所は」

 

「中華連邦西地区に存在する鉱山跡地。何をするつもりかは知らないが、、」

 

「そうか」

 

オーキスはニヤリと笑う。モニターに表示されていたルートが全て消えて新しい一本のルートが表示された。それは敵の砲撃を受ける事なく確実に鉱山跡地に行けるルートだ。更に衛星からのデータをもとに戦力も表示。それを見たデンファレは少し苦笑いした。

 

「兄さん、、やっぱりすごいや」

 

「そう褒めるな。オンシジュームはどう思う?」

 

「まあ、、兄さんらしいやり方かなーと」

 

「馬鹿にしてんのか?あ?」

 

「妹に暴力する兄は嫌われちゃうよ?お兄ちゃん」

 

オンシジュームの言う通り座席の下からは何らかの殺気を感じた。下を見ると凄い笑顔をして待っているクレアがいた。何かのオーラが出ていて今下に降りたら確実に屠られる。オーキスは恐怖を感じていた。

 

「姐さん駄目だよ。今は安静にした方が、、」

 

「デンファレ君は黙ってなさい」

 

「はい!」

 

思わず敬語になったデンファレ。勿論怒った顔ではないがオーラが違う。

 

「わかったわかった、、降りるよ」

 

座席を下ろしてクレアの前に出る。顔では冷静だが内面は相変わらずビビっていた。

 

「いい知らせと悪い知らせ、、どちらがいいですか?」

 

「じ、じゃあ悪い知らせで、、」

 

「オンシジュームちゃんに何かしたら、、神経麻痺だけじゃすまないわよ?」

 

「はい!」

 

「いいお知らせはねぇ、、」

 

オーキスの耳に小さく一言言って笑うクレア。オーキスは何も言えなかった。しかし直ぐに取り乱して周りから見て明らかに凄い事だという事が分かった。自分の顔を何回か叩いて確かめているほどだからでもある。

 

「は、、は⁈マジで⁈本当に⁈」

 

「本当だって!」

 

「ああ、、俺もなる日が来たか、、」

 

オーキスは色々な気持ちが錯乱している状態なので誰も聞く事は出来ない。なのでオンシジュームはクレア本人に聞く事にした。少し聞いただけで彼女はびっくりして声をあけだ。

 

「えええ⁈」

 

「ね?凄いでしょ?」

 

「おめでとうございます!」

 

オンシジュームはクレアに頭を下げる。しかし何故かデンファレを睨む。

 

「なんでデンファレ兄さんは知っていたの?まさか、、」

 

「やってない!そもそも僕がクレア姐さんと釣り合う訳が、、」

 

「そうよ。もし襲ってくるならばトリカブトの数十倍の毒を打ち込むわ」

 

恐怖しか感じない発言だがクレアがそれだけオーキスだけを旦那と認めている訳だ。オーキス以外が襲うようならば恐らく何ら躊躇いもなく相手を殺しにかかるだろう。とりあえず周りの人は全く理解していないようなのでクレアはカミングアウトする事にした。

 

「えー、、この度私クレア・シンフォニーは、、」

 

オーキス達以外が唾を飲み込み集中しきりE.Eとナナリーは特に聞き入っている。

 

「第一子を授かりました!」

 

続く!

 

 




遅れてすんません!現在新作プロット開発も並行しています!


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超強力兵器!レールガン!

テスト終わりました!それでも執筆スピードはあまり変わりませんが、、


クレアの大胆な宣告から数時間後、全員が眠りにつき明日の作戦に備え始めていた。そんな中タキセは一人で艦首に設置されていた主砲のエンジンルームにいた。

 

「前回撃った主砲は所詮副砲程度。本当に主砲を撃つならヒューズ管が必要になってくる。だが主砲を本当に撃ったら核ミサイル五十発以上の威力。オーキスには整備しとけと命令されたが、、」

 

ノートパソコンを閉じるとジェネレーターに触れる。堅牢なジェネレーターは強大な内部エネルギーを作り出し反動でエネルギー弾を吹き飛ばす。空中に撃てば自然消滅するが地面や物質に当たればウイングゼロ以上の破壊力を生み出す。まさに主砲と呼ぶには相応しい。タキセは整備を進め終わらせると報告書にまとめて座席で眠りについた。

 

朝六時になり朝日がスカアハを照らす。全員起きると朝食を済ませて十時に鉱山跡に向かう。ベイリンやブレーン、黒金、キシ、ナオトはレーダーシステムで監視を続けユウにルーファス、オーキス、ニムバス、ユフィは格納庫で各々の機体の最終チェックを。司令席ではナヴィスとクレアが担当してナナリーは無人のレドーム搭載機でモニタリングしていた。

 

「メタルギアREXとクロスボーンの降下準備完了。ニムバス!強行用ワイヤーは?」

 

「設置完了です。司令」

 

「よし、、ユウ!ユフィ!ルーファス!先に降下を開始しろ。鉱山跡まで残り四百メートルもない。先行して敵勢力の偵察を行え。それと、、スザクは返して来いよ」

 

「えー⁈」

 

ユフィの気持ちも理解出来るがスザクには帰るべきところがある。シュナイゼルにも翌日には必ず帰ると伝えてしまいどうしようもない。

 

「ナイトオブラウンズを辞めてしまえば済ませては立場上あまりよろしくなくなる。だが安心しろ。スザク。いざという時はウチが雇うからな」

 

「はあ、、ありがとうございます」

 

『カタパルト解放一分前!スタンバイを!』

 

ブレーンの声が格納庫に響き渡る。それぞれ機体に乗りカタパルトへと移動していく。一番カタパルトから三番カタパルトまで解放してカウントに合わせてブルーや蒼炎、レッドフレーム、ユニコーンが大空に飛び立っていった。スカアハは艦体の上方に存在するレドームを出してレーダーを発し始めた。鉱山跡にはまだ来ていないが既に近くに斑鳩がこちらに来ていた。ユフィは斑鳩の真上を飛んでアヴァロンが飛んでいる後方支援陣形に向かった。その他はレーダーを地面に撃ち込んで情報戦の準備をしていた。

 

「レーダーポット撃ち込み完了。これより帰還します。ユニコーンがまだ来ていませんが」

 

『ニムバス。アヴァロンには接近するな。各隊員もレーダー網に罹らないよう注意しつつスカアハに帰還しろ』

 

「了解」

 

ナヴィスの指示でスカアハに帰還する偵察部隊。アヴァロンではユフィがスザクにあるものを渡してユニコーンに乗りスカアハへと帰路についた。

 

「スザク君。それは、、」

 

「何なんでしょうかね」

 

セシルが気になっていた封筒を開けると中からは体温計のようなものが入っていた。セシルがよくよく見てみるとそれはとんでもないものだった。

 

「え、、?」

 

「セシルさん?」

 

「え、、あ、、大丈夫!何でもないわ!」

 

セシルが見た体温計のようなもの。それはスザクがスカアハでやっていたことを示すとんでもないものだった。そう。検査薬だ。

 

「に、、妊娠させてる、、それも皇女殿下を、、」

 

飛んで行くユニコーンの中でユフィは少しだけ笑って呟いた。

 

「スザクごめんね。安全日って言うのは嘘だったの」

 

アヴァロンでは取り乱すセシルに何の事だか全くわからないスザク。ロイドも検査薬を見るとスザクに嫌な笑みを浮かべたあと回りながらランスロットの整備に向かった。ユニコーンはスカアハに帰還。そのまま格納庫に移送された。同時にオーキスがREXに乗りこみ降下の最終チェック、そしてクロスボーンは自動操縦に従い鉱山跡に構えた斑鳩の真上に向かった。

 

「オーキス!REXは高度二百までなら耐えられる。地上に降りたら存分に暴れてこいよ」

 

「ああ。行ってくる」

 

オーキスがキシに敬礼するとREXが強行突破専用コンテナに格納されてパラシュートと共に物質用カタパルトにセットされた。

 

『物資カタパルト発射カウントはいります。十。九。八。七。六。五。四。三。ニ。一、、発射』

 

ブレーンのカウント通りにカタパルトから勢いよく放たれてブースターで偵察用ポットと同じ座標に向かっていくコンテナ。REXの中でオーキスはラジオをつけてジャズを聴いていた。曲はジャイアントステップス。有名な曲だ。そんな中星刻は大宦官に騙され見事に立場を奪われてしまいブリタニア軍と戦闘していた。

 

「羽をつけただけのKMFに何ができるって言うんだい?」

 

ジノの攻撃を避けながら敵勢力のKMFを破壊していく星刻。しかし圧倒的機体スペックの溝を埋めるのは星刻でも無理だ。何故か出てきたモルドレッドの砲弾を避けなければならない中、不意に斑鳩の甲板に出てきてしまった天子を死守する為に向かった。しかしそこを狙われた。

 

「くっ、、フロートが!」

 

機体警報がフロート部分に集中しており飛ぶ事はこれ以上は無理なようだ。大量に飛んでくる鉄の暴風を備え付けの武装で守り抜くのも限界がある。そんな中ルルーシュは星刻に問いかけた。

 

「星刻。どうだ?これで理解したはずだ。貴様が残れるのはここだけだ。そして天子を守るのもな」

 

「貴様に頼るくらいなら死んだ方がよほどいい!」

 

「そうか。だが私は君に死んで貰っては困る。故に私は君にプレゼントを用意した。受け取るがいい」

 

砲弾を輻射障壁で防衛している間に斑鳩の甲板に降りてきたのはクロスボーン。銀に輝く機体はより大きく巨大な羽をつけていた。星刻はコックピットからでて天子を担ぐとそのままクロスボーンに乗り込む。輻射障壁が消えた瞬間大量の主砲級の砲弾が飛んでくる。

 

「この機体、、まさか、、」

 

巨大な羽で砲弾を全て受け止めビクともしないその機体はブリタニアですら未知の金属を使っている。しかし驚いたのはそこではない。彼が驚いたのは自分が使ったいたKMFと操作法がまるで同じことだ。

 

「おいおい、、なんなんだよあれ。戦艦級砲弾を防ぐKMFなんて聞いた事ないぞ」

 

ジノはそう言いながらもクロスボーンに攻撃を仕掛ける。しかし軽々と回避され挙句には発射したワイヤーごと引かれてビームサーベルで右腕を切断されてしまう。

 

「へえ、、意外と面白い機体じゃないか」

 

そんな中一つのコンテナが斑鳩の前に落ちてくる。パラシュートで落下速度は落ちているが勢いよくコンテナが削れていた。

 

「行くぞ、、REX」

 

コンテナを突き破り出て来たのは巨大な咆哮を上げた怪物のようなロボット。大宦官が指揮をとる戦艦が主砲をREXに当てるが傷一つ付きはしなかった。クロスボーンはそのままジノと戦闘に入る。REXは爆散型対空ミサイルを上空に撃ち爆撃機を全て撃墜した。

 

「ははははは!そんな武器じゃREXの装甲を撃ち破るなんて出来ない!ついでにお土産だ!受け取れ!」

 

REXの右に装備されたレールガンが余剰電気を出しながらチャージしていく。その間ルルーシュは斑鳩の防衛に蜃気楼を出して大宦官の通信記録を中華連邦に流していた。

 

「緊急入電です!首都で人民蜂起が発生!各地にて広がっています!」

 

「馬鹿な⁈何故このタイミングで?」

 

大宦官が驚愕するのも無理はない。ディートハルトのコネは大きく広げる事などは簡単だ。

 

「ディートハルト。よくやった。おかげで計画は実行された」

 

「いいえ。ゼロ。まだ広げる事はできますよ」

 

中華連邦の腐敗した政治家達の本音はブリタニアだけでなく世界中にも広がる。もはや止めることなど無理だった。

 

「全く、、全軍に伝えなさい。大宦官が連邦を代表する権利は失われた。我々が中華連邦を援護する理由はなくなった。撤退しろと」

 

「は!」

 

シュナイゼルの命令により撤退していくナイトオブラウンズ軍。オーキスはそれを確認するとレールガンの矛先を大宦官の乗る戦艦に向けた。

 

「さあ!その身で罪を償え!」

 

レールガンの放った砲弾は戦艦に直撃。三分の一を削りとって何人かの兵士は死亡。残る大宦官は星刻の刀で切り刻まれた。この後しっかりとした航空基地で会談が行われてオーキスはルルーシュと握手してシンフォニーの機体にREXを吊り下げながらスカアハへと帰って行った。専用の個室に戻ったルルーシュはオーキスの感覚に違和感を感じていた。

 

「あの男、、まるでシュナイゼルのようだ。だがシュナイゼル以外の何かも感じた。アレは、、俺なのか?」

 

続く!



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大波乱!ミレイ会長学園祭!前編

やっぱり何回か書いていないと鈍るものですね。


中華連邦の騒動から四日。スカアハは深度九百の海の中にいた。それぞれが自分の仕事や役目を果たして休暇になっている。朝の四時半から騒々しくキシが操縦室に入って来た。

 

「オーキス!遂に完成したぞ!」

 

「んあ?」

 

座席で寝ていたオーキスを起こしてスリムな縦長銃を見せつけるキシ。ところどころ光っていて近未来感を出している。

 

「携行型レールガンだ!今のところ弾倉には三発しか装填できないがこれからは増やしていく予定だ!」

 

「携行型レールガンねぇ、、電力消費は?」

 

「一発につき単ニ乾電池六個分くらい」

 

「もうちょい軽減出来ないのか?」

 

話し合いをしていると巨大モニターに通信マーカーが表示される。受話マーカーをタッチするとそこに出て来たのはルルーシュだった。ゼロの姿をせずにため息をつきながら暗い顔をしていた。

 

「ルルーシュ?どうした?」

 

『はあ、、』

 

「ルルーシュ!」

 

『あ、ああ。すまない。シンフォニー。俺の存在を知る君達に頼みたいことがある』

 

ルルーシュがゼロとしてではなく個人的に依頼するというのは極めて稀だ。他の隊員達にゼロの正体を知られたのだろうか。それとも命を狙われているのか。

 

『事の発端は昨日の夜六時だ』

 

アッシュフォードの図書館地下に存在する秘密地下室に戻ったルルーシュ。咲世子が代わりを務めてくれたおかげで自分がゼロとは見なされていない。しかしそれのせいでとんでもない事態が起きていた。ルルーシュがいない間に起きた事をレポートにまとめるのも命令したのでそれを見ていると見慣れない報告がいくつかある。中でもルルーシュが一番驚愕した報告があった。

 

「シャーリーと⁈」

 

「はい。キスをさせて頂きました」

 

ナイトオブラウンズがアッシュフォードに来たので何としてでも素性を隠さなければならないのに余計面倒事になって来ていた。しかもシャーリーとキスしたなどという既成事実が残ってしまうとシャーリーにも気を回さなければならなくなる。ルルーシュの頭はこんがらがるばかりだ。

 

「咲世子さん、、失礼ですがそこまでする必要が?」

 

「はい。シャーリー様にこの司令室の事が明るみに出るよりかはいいかと。ルルーシュ様には円滑な人間関係を築くよう命令されていましたので」

 

ヴィレッタの質問に何食わぬ顔で返答する咲世子。本人が元々天然であった事を計算に入れなかったルルーシュのせいでもあるが。

 

「ルルーシュ様。明日のスケジュールですが」

 

「明日?」

 

渡された端末に書き込まれたスケジュールはゼロとしての仕事の他に大量の女子生徒達のデートが詰まっていた。彼女の性格は頼まれたら断れきれないところがある。その数はシャーリーを含めて百八人。咲世子はルルーシュに煩悩を振り払えとでもいいたいのだろうか。

 

「睡眠を三時間として百八人の女性と約束をさせて頂きました。キャンセル待ちは十六件。デートは六ヶ月待ちという事になっております」

 

もはや人気スイーツ店の予約レベルにまで達してしている。自分は見世物ではない。しかもこれだけ隙間なく埋め込まれてはスケジュールを見るだけで頭が痛くなりそうだ。だがここで諦めてはいけない。組まれたものは仕方がない。やり通すのが一番良い方法だ。

 

「分かった、、咲世子。明日の支度をある程度済ませておいてくれ」

 

「かしこまりました」

 

咲世子は司令室を出て行く。ヴィレッタはナイトオブラウンズの入学データをイスに置いてルルーシュの置いた端末を拝借してスケジュールを見る。常人とは思えない程の量だった。

 

「ルルーシュ。死ぬなよ」

 

「分かっている。だが、、確証は出来ないな」

 

そして今にたどり着くという事だ。

 

「まあ大変だな。お前も」

 

「待て!オーキス!なんでルルーシュはお前の事を知っているんだ⁈」

 

親しげに話しているがルルーシュとオーキスにはあまり面識が無いはずだ。それでも友人のように話せるのは疑問が生じる。

 

『会談した時に正体を明かしたからな。俺が隠したままではフェアではないだろう?』

 

「そういう事だ。あまり気にしない方がいい」

 

納得がいかない顔をするキシ。とりあえずオーキスは人の懐に入るのが得意という事でケリをつけた。ルルーシュの目はモニター越しでもわかるほど死んでいた。既に光がないのだ。

 

「で?依頼は?もう五時になる」

 

『ああ。依頼としては代わりに中華連邦の通商式にゼロとして行って貰いたい。出来るか?』

 

「場所は」

 

『斑鳩の甲板にあるデッキで行う。滞在時間は三十分以下で済ませてくれ。その後は二時間待ってからショッピングモールに向かってくれ。俺が渡す写真の生徒がいる。次は一時間後に水族館へ』

 

何枚か送られてきた写真を端末に移動するオーキス。同時に咲世子が組み込んだスケジュールも送り込まれてきた。オーキスも目をみはるものがあり一人でこなすには代役が必要だ。そしてスケジュールの最後に記載されていたのはシャーリーとのデートだった。

 

『やれるか?』

 

「問題ない。丁度艦の一斉点検をするところだった。依頼の通りにすると最後の奴もする事になるがいいのか?」

 

『いや、、彼女は色々誤解があってな。対応は俺がやる』

 

「了解した」

 

通信が切れてモニターには砂嵐だけが残っている。オーキスはキシを連れて格納庫に向かった。偶然にもそこにはE.Eがいた。

 

「お前、、よく格納庫にいるよな」

 

「数十年間は整備士だったからねぇ。機械の前で死ぬのが本望だよ」

 

「いやお前死なないだろ」

 

冗談を交わしながら笑うE.E。エクストリームの整備は完全に終わっているという事なのでオーキスはエクストリームを起動。OSのカスタムを始めた。

 

「タキセが開発したOSは気に入らないのか?」

 

「そんな事はない。ただ細かいところで動き難い箇所がある。それを修正するだけさ」

 

そういうキシの幻月XもOSは全てタキセが開発している。というかスカアハにある機体全てにタキセが開発したOSを搭載していて整備の簡略化を図っている。それぞれ細かい箇所は違ったりするが”パイロットの好きな様に設定出来る”という利点だけは全ての機体に共通している。最近来たブルーウルフもスカアハでタキセのOSに書き換えている。

 

「E.E。少々聞きたいことがあるんだが」

 

「ん?私に答えられる範囲なら幾らでも答えるけど?」

 

「高校の女子生徒と付き合う時に注意した方がいい事はあるか?」

 

E.Eは一瞬凍りついた。平然と言った発言は浮気どころか犯罪の匂いしかしない。これは止めなければならない!

 

「オーキス、、ちょっと考え直したら?ほら、クレアも妊娠してる事だし浮気っていうのも、、。そもそも高校生とデートする事自体が犯罪臭漂うといいますか?何というか、、」

 

「E.Eちゃん。落ち着いて。これ任務だから」

 

「にに、、任務⁈何⁈金払うからみたいな⁈」

 

キシが伝えたい任務とはルルーシュの依頼の事だがE.Eから見ればただ単に浮気。更に悪い条件を追加すれば漢字二文字通りの事をしている事になる。

 

「まあ、、金は貰うかもしれないけど」

 

「なら尚更止めなきゃいけないじゃん!」

 

完全にE.Eは今でいう援○を考えている。勿論そんな訳ではない。あくまでもルルーシュの代役でありオーキス自身は高校生と付き合わない。端から見ればただのカップル。代役だと気づかれなければそれでいいのだ。だが彼女には全く伝わっていないようである。

 

「キシ。ルルーシュの言っていたことをそのまま伝えていいぞ。面倒だしな」

 

「ああ。言いたいさ。でも、、ね。ちょっと身体が痺れてきた、、か、、な」

 

キシはそのまま倒れこみ動けなくなった。E.Eも顔が青ざめている。オーキスはキシに近づこうとエクストリームから降りると後ろにいたのはクレアだった。誤解が誤解を招くというがまさにその通りだ。ニッコリと笑っているクレア。右手にはキシに刺したであろうシリンダーと注射針があった。しかしオーキスは逆に困る事なくクレアに事情を説明する事にした。

 

「クレア。薬品を俺に打ち込むのは聞いてからでも遅くない。だから聞いてくれ」

 

クレアに事情を全て説明するオーキス。なんとか理解して貰ったがやはりオーキスが代役とはいえ他の女性と付き合うのが気にくわないらしい。だからと言って他の部下を巻き込むのも悪い気がする。そこでオーキスはある人物を代役にさせる事にした。

 

「ナヴィス!頼みたい事がある」

 

「なんだ?また外に行くなら俺が指揮を執るが」

 

「いや。今回は逆だ」

 

「は?」

 

イギリス以来ほとんど外に出ないでスカアハで指揮を執っていたナヴィス。彼を出せば問題ない。理由はいくらでもあるがクレアを納得させるにはナヴィスを代役に立てるしかない。キシを出せば何をやらかすか分からない。ルルーシュに怒られるのは目に見えている。オーキスは地毛が金髪だが彼なら黒髪なので変装も軽めで済む。話を進めた結果ナヴィスは承知してくれた。

 

「済まないが誰かアシストをつけてくれ。俺だけだと不測の事態が起きた時に対応仕切れない」

 

「あー、、誰にしようか」

 

なにをしでかすか分からないキシでも女性へのエスコートは上手い。更にナナリーとユフィをつければ恐らく問題はない。コレで決定したナヴィス達は午前六時にスカアハを海上に浮かばせてブルーウルフに乗り発艦準備に入る。キシの痺れはなんとか取れて歩けるくらいには治癒している。

 

「ナヴィス。あとは頼んだ。キシ!ルルーシュのスケジュールは端末に反映しておいた。くれぐれも本物と鉢合わせするなよ。ユフィとナナリーはキシが下手な真似をする前に抑えてくれ。通商条約は斑鳩まで行く時にナヴィス以外は必ず光学迷彩でコックピットに。注意事項はそれだけだ」

 

『ブルーウルフ二号機はカタパルトへ。発艦まで一分を切りました』

 

無機質な自動音声が鳴り響きブルーウルフのコックピットが閉じる。キシとナヴィスはオーキスに敬礼してカタパルトへ向かった。オーキスは操縦室に戻ってルーファスのモニターまで行く。

 

「ブルーウルフ二号機はカタパルトについたか?」

 

「はい。残り三十秒で射出します」

 

ルーファスが担当する一番カタパルトが開いてブルーウルフが乗る。狭いはずのコックピットには改造がされており四人くらいなら乗れるようになっている。

 

「ナヴィス司令!グッドラック!」

 

『thank you!』

 

カタパルトからブルーウルフが射出されて海上を上昇していく。最初は斑鳩で行う条約の締結。上手くやれるかどうかはナヴィスにかかっている。

 

「行ったね」

 

「デンファレか。どうした?オンシジュームもいるじゃないか」

 

「思い出した事があったんだ。咲世子とか言う人、、確か結構強い人だった気がする」

 

「世話係がか?」

 

「お兄ちゃんは知らないだろうけどただのお世話係じゃないみたい。アッシュフォード家に雇われた篠崎流の三十七代目当主」

 

そういってオンシジュームが見せてきたのは篠崎咲世子の経歴データ。明らかに改竄されているが身体能力は常人とは思えないほど高い。オーキスはシンフォニーのデータにリンクして調べていると面白い事が分かった。SPの家系である篠崎家からは何人か優秀な人材が輩出しており三人程シンフォニーが雇っていたのだ。特に身辺警護を担当していた。

 

「篠崎家には世話になってんだな、、ウチも」

 

続く!

 




少し分からなくなっている可能性があるので人物を書いていきます!
ただし現在スカアハに乗っている人物のみです。

1オーキス・シンフォニー
2ナヴィス・シンフォニー ちなみに二人は親戚。

3デンファレ・シンフォニー : 元ロロ。本当の兄はオーキス。
4オンシジューム・シンフォニー :元アーニャ。 三番目。上記と同様。

5クレア・シンフォニー: オーキスの妻。

部下(関係上)
6ブレーン・クロウス
7紅月ナオト
8軍司キシ
9ベイリン・フォール
10黒金 翔
11ルーファス
12ニムバス
13ユウ
14ナナリー
15ユーフェミア
16E.E
17タキセ


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大波乱!ミレイ会長学園祭!中編

最近は書く事がなくなってきました、、。


朝七時半頃、斑鳩の甲板に着いたブルーウルフは着艦許可を得てKMF用キャスターに収納される。ナヴィス以外は光学迷彩を起動してコックピット外に降りる。ナヴィス本人はC.Cに案内されてゼロの衣装を身につけて通商条約の締結に向かった。テレビ放送局も生放送で来ているがボイスチェンジャーで全てルルーシュの声に出来るので予め用意されていた質疑応答メモを元に淡々と答えていく。その頃ルルーシュ本人はデートをこなしてスケジュール通りに進めていた。スカアハでもゼロの質疑応答を見守りナヴィスがミスしない事を祈るばかりだ。

 

「質疑応答は終わり。次はショッピングモールだったな。キシ!時間は?」

 

「ルルーシュの言っていた三十分は過ぎてない。急いで行くぞ。全員乗れ!」

 

ゼロの衣装を返してブルーウルフに搭乗するナヴィス達。ルルーシュの変装マスクや服を着て五分でショッピングモールに着くと待っていたであろう女子生徒が近づいてくる。

 

「ルルーシュくぅーん!」

 

「待たせてしまったね。済まない」

 

「ううん。いいのー。早く行こ!」

 

キシ達は別人の振りをしてナヴィスを追いかけていく。服を選んだりペットを見たりと大忙しだがナヴィス自身は久しぶりの外で悪くない気分だった。

 

『こちらキシ。目標の四十分まで残り五分切った。急いで戻れ。オーバー』

 

キシからの無線を聞いたナヴィスは時計をわざと見て離れる準備をした。

 

「ああ、、もうこんな時間か。済まないけど予定が入ってるんだ。また今度」

 

「分かったー。じゃーねー」

 

手を振って別のショッピングモールへと走るナヴィス。体力はかなりある方なので別の女子生徒を待たせないよう全力で走りだした。キシはナナリーを背負いユフィとナヴィスを追いかける。

 

「なんか最近ナナリー重くなって、、いだ⁈」

 

「女性に言うような事じゃありません!」

 

意外と速いユフィはナヴィスの背後を一定の距離でしっかりとついている。一方キシはナナリーを背負っているので少し遅い。三分全力で走ってなんとか間に合い再び同じようにデートを始める。時々キシやナナリー、ユフィの助言を受けながら十時間以上かけて九人の女子生徒とデートをした。その後は四人だけで街を歩いた。ルルーシュはなんとかシャーリーのデートに間に合わせ訳を説明する。

 

「と、、言うことなんだ。分かってくれたならいいんだけど」

 

「ふぅーん。そうなんだ」

 

まだ素っ気ない態度しか取らないシャーリー。訳を話したがまだ足りないところでもあるのだろうか。ルルーシュが考えているとシャーリーは自分から切り出した。

 

「ルル!あ、、あの時のキスはどういう事?」

 

「あ、ああ。アレは、、」

 

そのまま黙ってしまうルルーシュ。プラネタリウムを偶然近くの座席に座っていたナヴィス達はルルーシュを見守っていたがナナリーとユフィが痺れを切らした。

 

「ユフィさん!」

 

「分かってるよね!ナナリー!」

 

二人はこくりと頷くとナナリーはルルーシュに向けてギアスを発動。ユフィと同期させる事によりルルーシュを二人の制御下においた。ルルーシュ自身は全く気付いていない。

 

「ルル。やっぱりいいよ。言いたくないなら大丈」

 

「シャーリー。済まないが少しだけ黙ってくれ」

 

「何よ!ルルがした事、、」

 

シャーリーの目の前が真っ暗になる。停電ではない。手で目を隠されているだけだ。最後列なので人は少ない。他の人がやったとは思えない。そして唇に感じる暖かいもの。一瞬で頭の中が真っ白になって何も考えられなくなっていく。ルルーシュも自分が何をしているのか分からなかった。だが重要なのはそこではない。制御下に置きシャーリーを口説くつもりだったナナリーとユフィの作戦は完全に破られたのだ。つまりこの行為はルルーシュがやった事という意味になる。

 

「あの時の続き、、のつもりだったんだが、、」

 

ルルーシュは自分で何も考えられなくなりとにかく頭に浮かんだものを口に出していくしかない。シャーリー自身は言われた事が頭に入って来ない。プラネタリウムが終わり外に出た二人。気不味い雰囲気で手を貸したくなる。

 

「お兄様、、ここはお兄様自身がなんとかしなければ進展しないんです!頑張って!」

 

「やっぱりいつ見てもアイツはヘタレだな」

 

「別の世界のアイツもあんな感じか」

 

「早く!早く言わないと!頑張ってヘタ、、じゃない!ルルーシュ!」

 

いい雰囲気の中で近づいてくる影。リヴァルやジノだった。気付いたユフィが幻覚でもう一人創り出してジノ達を別の場所に誘導していく。他の女子達も移動させて完全に二人きりの状態を作り出した。

 

「ルル!わ、私、、貴方と、、」

 

「シャーリー。今日n」

 

「ルル!私から逃げないで!」

 

ルルーシュの予想外の事をされて固まってしまう。抱きつかれた状態では何も出来ない。何より今までC.Cに女子関係は任せていたので方法を全く持ち合わせていない。知ってる方法といえばただ一つ。戦争に巻き込ませない為に断るということ。しかし断る前にミレイ会長が近くで拍手をしながら走ってきた。

 

「シャーリーおめでとう!ルルーシュもしっかりしなさいよね!いつまでも女子に任せ切りじゃ何も出来ないわよ!」

 

「か、会長⁈何故ここに⁈」

 

「シャーリーのデート作戦を展開したのは私よ!このミレイにかかればくっつける事なんて楽勝!」

 

笑いながら自慢気に話すミレイ。これではルルーシュは断る事が出来ない。ルルーシュが多数の女子に対応しているのを知っている状態で組んだのだ。ジノやリヴァルもただの様子見であり隠れていたミレイからの意識をそらせるための囮だった。つまりミレイの策略にまんまと嵌りルルーシュとシャーリーをくっつけたという事になる。

 

「ま、まあ何とかなったからいいんじゃない?早くスカアハへ帰りましょう?」

 

ユフィがそういうと草叢に隠れていたナヴィス達はブルーウルフに乗りスカアハへと帰路についた。空には綺麗な月が出ていて満月の夜。しかし月から来るような一機の機体が見えた。レーダーにも反応しており識別番号が一切ない機体だ。カメラをズームするとブリタニアのエンブレムが刻まれているのがみえる。

 

「こちらブルーウルフ二号機。スカアハ応答せよ」

 

『こちらスカアハ。E.E。どうしたのナヴィス?何かあった?』

 

「識別不明機が接近中。指示を」

 

『識別不明機?距離は?』

 

「距離六千。不明機からのレーダー照射はない」

 

『外装は?』

 

「通常の戦闘機と同じだ。ただ、、なんだアレは。レドームか?」

 

『レドーム?偵察機?』

 

「いや、、あれは、、」

 

『ブリタニア軍特殊警護部隊に配属されている無人偵察機だ!ナヴィス!今直ぐその空域から離れろ!撃墜される!』

 

オーキスがそう叫んだ時無人偵察機からのレーダー照射を受けハドロン砲のエネルギー波を感知。更に通常回線が使えなくなり複合長波データリンクに切り替わる。どうやら相手は電磁パルスによるジャミングを行っているようだ。

 

「ハドロン砲⁈俺の世界じゃ無人偵察機につけるなんて聞いた事がないぜ!」

 

「しかもレドームは偽装。電磁パルスでジャミングしてる。厄介だな。撃墜してもいいか?」

 

『撃墜しろ。但し一撃でな』

 

「了解」

 

ハドロン砲が放たれ直撃コースに迫ってくる。それを避ける為に一気に上昇するブルーウルフ。無人偵察機が追いつけない速度で翻弄されていく。小回りが利くブルーはまだ最後の手段を残していた。

 

『EXAMシステム。スタンバイ』

 

機械音声の声が流れて機体の一部のフレームが赤く変色する。同時に隠されたブースターが露わになり加速度が上昇。ナヴィスはKMFにあってはならない高機動をみせ腰に装備されたバルカンを速度を落とした無人偵察機の眼前で逆さまの状態で構えた。

 

「一発あれば十分だ」

 

トリガーを引いてセミオートで一発だけ放つ。弾丸は無人偵察機のど真ん中を貫き無人偵察機は海上に落ちていく。そして一分も経たない内に爆発した。

 

「撃破成功。帰艦する」

 

再びスカアハへの帰艦ルートを辿るブルー。スカアハでは無人偵察機の情報収集にあたっていた。オーキスはスザクの端末に連絡をとり無人偵察機の確認をしている。

 

「ハドロン砲装備型無人偵察機。コイツに見覚えは?」

 

『いや、、一切ない。シュナイゼル殿下が開発を命じたとしてもこんな非効率な戦闘機は作らない』

 

「だとしたら誰が?」

 

『分からない、、だが目星ならつけている』

 

「流石ナイトオブラウンズ。中身は幾らでも調べられるのか」

 

『危ない橋だけどね、、。それでその目星は』

 

「ギアス卿団。でしょ?」

 

『正解』

 

続く!

 



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大波乱!ミレイ会長学園祭!後編

原作から離れてくるので中々難しいですね。


ギアス卿団についての出来る限りの情報を確保したオーキス。ブルーも無事に帰艦して格納庫に収納された。ナナリーは目が回りフラフラした状態で個室に行き就寝したが何故かユフィだけは何ら問題なく歩いていた。恐らく高いGに対する体質があるのだろう。スカアハは再び海中に沈み発見されない深度まで下がっていく。だが丁度深度二百を超える直前に通信が入った。

 

「こちらシンフォニー傭兵師団。御用件は」

 

『すまない、、シンフォニー。俺だ』

 

「、、はあ。今度はどうした?前回は無料にしてやるが今回は代金とるからな」

 

『もうそれでいい、、。依頼内容なんだが、、俺の代役を再び勤めてほしい』

 

「了解した。武器は何を持って行けばいい?何らならスカアハの主砲で艦隊ごと消滅させるが」

 

『話を聞け!ウチの生徒会長のせいでつまらん遊びに付き合う事になった。一人でいい。だしてくれ』

 

「遊び?」

 

ルルーシュの説明によるとキシ達が報告した時間の後にミレイという生徒会長が最後の学園祭記念として何らかの計画を作っていたらしく全員強制参加らしい。オーキスは少し苦笑いしながらスカアハを再び海上に上げてエクストリームガンダムを自動でカタパルト付近の最終チェック場まで移動させると通信を端末に切り替えて司令官の服から私服に着替え格納庫に向かう。そこにはエクストリームをギリギリまで整備していたタキセがいた。

 

「おお。行くんだよな?」

 

「タキセ。いつもありがとう」

 

「司令官ともあろう方が整備士にお礼かい?」

 

「ここにはタキセとE.Eしか整備士がいないからな。俺も出来るが応急整備が精一杯。こんなに多くの機体をいつでも使える様にしてくれているのは有難い事。しかもタキセ。親父のメッセージを俺に届けてくれた礼もある」

 

「俺の年間契約は賃金高めで頼むぜ」

 

「年間契約?はっ、、お前は一生シンフォニーが雇い続けてやるさ」

 

「その言葉、、忘れるなよ」

 

タキセからエクストリームのキーを受け取り起動させる。カタパルトデッキにまで上昇するとスカアハから出撃。アッシュフォードまでスラスターを全開して向かう。

 

「ルルーシュ。アッシュフォードに行く。お前は?」

 

『俺も今アッシュフォードにいる。すぐに来てくれ』

 

「了解」

 

青い光を出しながら飛行するエクストリーム。機械の羽から出てくるGN粒子とサイコフレームは綺麗なん夜空を飾りながらアッシュフォードへと向かった。三十分で到着したオーキスは近くの林にエクストリームを隠してアッシュフォードに潜入。ルルーシュに予め転送された地図に従い図書館まで移動する。そこには謎の被り物をしたルルーシュが月明かりに照らされていた。

 

「ルルーシュ、、どうしたそれ」

 

「会長の悪遊びに付き合わされると同時に渡されたものだ。何に使うすら分からん」

 

渡されたコーヒーには綺麗なラテアートがされていて挽きたての香りが開いた窓から流れ出ていく。昨日と似た様な、、いやそれ以上の満月に照らされ二人は机に座り本題に入る。

 

「それで。そのハート型の被り物をしながら何かするのか」

 

「ああ。内容は簡単。女子や男子から追いかけられる。急いで逃げきれ。当日はおれが無線で援護する」

 

「分かった。変装マスクはこちらで用意してある。俺は金髪だからカツラでも被る」

 

「後は頼んだぞ」

 

ルルーシュはクラブハウスに戻りオーキスは用意されていた学生服を着て装備していた専用の武器などを隠す様にしてルルーシュに変装した。ボイスチェンジャーもつけて外見や声はルルーシュになった。しかし問題がある。実はオーキスはルルーシュより身長が高い。かなり差がある。だがバレはしないだろうと思いオーキスはそのまま図書室で夜を明かした。朝になりミレイは自分の生徒会長室に私物を大量に持ち込み備えた。時間を経てとうとうミレイ会長の最後の学園祭が始まった。

 

『さあ!これから私の最後の学園祭!キューピッドの日を開催します!必ずターゲットから二メートルは離れてね!帽子を取ったらその相手とは強制的に恋仲になります!』

 

女子が多いこの学校で狙われるのは恐らくイケメン男子。勿論オーキスは追いかけられる側なので何としてでも捕まってはならない。

 

『えーここで皆さんにお知らせです!副会長のルルーシュ・ランペルージとシャーリーは見事昨日結ばれましたので、、女子はカップルにはなれません!で・す・が!それではつまらないので、、』

 

「、、、嫌な予感しかしねぇ」

 

『捕まえた人の部費を十倍に増やします!それではぁ!スタート!』

 

花火が打ち上げられて沢山の女子や男子がルルーシュを、、オーキスを捕まえようと走って追いかけてくる。誰も彼もがルルーシュだけを目指して狩人の目で追いかけてくる。

 

『シンフォニー。次の角を左に曲がれ』

 

「了か、、うぉっと⁈」

 

ばらまかれていた石鹸水に足を取られ見事なスライディングをかますオーキス。しかしその時に無線機も落としてしまう。

 

「しまっ、、無線機が!」

 

滑る靴をはきながら走るオーキス。無線機を諦めてそのまま捕まりそうになるとスタンドを発動した。

 

「時よ止まれ!」

 

オーキス以外の時間が静止してその間に図書室で着替える。それから近くの昇降口から中庭へと出て行く。安心して解除するとあっさり見つかり追いかけられ始めた。

 

『全部活連盟に通達!ルルーシュは中庭へ逃げた!引っ捕えなさーい!』

 

「部費十倍は我々のものだぁぁぁぁっ」

 

ラグビー部の部員達がオーキスめがけてアタックを仕掛けてくる。しかしオーキスはスタンドを一切使わずCQCだけで屈強な男八人相手を簡単に倒してしまう。

 

「筋肉だけが全てじゃないんだぜ」

 

そう吐き捨てると追いかけてくる生徒達を女子男子関係なくCQCで倒していく。何とか校舎内に戻り無線機を回収するとさっきの石鹸水に引っかかる生徒達を後ろに無線でルルーシュに連絡をつけた。

 

「すまないルルーシュ!石鹸水で滑って無線機を失くしていた!次の指示を!」

 

『まだ捕まってないんだな?なら北側昇降口まで走り抜けろ。そこから右に行けば数分は稼げる。だが科学部がいる可能性がある。注意しろ』

 

ルルーシュの予想通り科学部がロケット花火を構えていた。

 

「撃てー!」

 

掛け声と同時に大量のロケット花火が発射される。オーキスは避けることなく突っ込んでいくが実は腰に装備していたタキセの試作品であるサクラダイトをふんだんに使ったランスロット並みのバリアを展開する装置をつけていた。人の目には見えないが花火くらいなら簡単に防げる。科学部の部員を精神的に落とす。暫く走っていると目の前にスケートボードがあった。

 

「ちょっと借りるぜ!」

 

スケートボードに乗り絶妙なバランスで野球部のノックやアーチェリー部の吸盤付き矢を避けていくオーキス。後五分ほど逃げ切ればいいのだが更に面倒なのが立ちはだかっていた。

 

『幻惑部隊は前へ!』

 

際どい服に際どい水着。女子高生にしては体つきがよくイケてる女子がいた。だがオーキスはルルーシュがシャーリーと作った関係以上の既婚者。クレア以外の女性には振り向かない。

 

「今の俺に女体は意味はないんでね!」

 

女子高生達を軽々と避けるとジノが追いかけられていた。だが遊んでいるかのように逃げているのでオーキスは無視して校舎を迂回していく。

 

『後二分後には一時休憩で俺の参加権はなくなる。それまでには図書室までに来い。それとそこから三十メートル先にテニス部がいる。ボールを回避しろ』

 

「簡単に言ってくれるな、、よっ!」

 

テニス部のボール射出機から発射されるテニスボール。ボールを避けながらスケートボードからローリングして降りると走り続けていたスケートボードは見事延長コードにぶつかり射出機の電力が断たれボールは来なくなる。その間にもオーキスは逃げるが面倒な事に図書室からかなり離れてしまい走っては間に合わない。馬術部の馬舎にまで来て休憩しようとすると1匹の馬が目に入った。大量の馬が出て行っている最中に純白の馬だけが繋がれている。

 

「お?”危険!近づくな!”?白毛の馬に失礼な看板だな。しゃあねぇ。お前の背中、、借りさせてくれないか?」

 

馬はオーキスが近づくと前足を上げて打ちのめす。しかし防ぐことなくオーキスは白馬の目をじっと見て静かに話した。

 

「俺と、、ひと暴れしないか?」

 

それから馬は頭を下げて背中を低くした。オーキスは背中に乗って手綱を取りサドルに足をかけた。すると馬は馬舎の簡易柵をおもいきり破壊して荒い鼻息をあげる。

 

「なあ馬!いや!馬じゃダメだな。お前の名前はだな、、速そうで強い。で、めちゃくちゃ白い。更にメスときた。となると?」

 

「ルルーシュがいたぞ!捕まえろ!」

 

大量の生徒達が色んなものを持ちながらオーキスに襲いかかる。そんな中オーキスは笑って言った。

 

「お前はまるで我儘な美女!そうだ!お前の名前は今日からデンドロビウムだ!」

 

デンドロビウムが大きい声で鳴いた。するととんでもない速さで大群の中を突っ切っていく。競技用の馬よりも速く走り続けいつの間にかリヴァルの乗っていたバイクを抜かしていた。

 

「そんなのありかよぉ⁈」

 

「翔けろ!デンドロビウム!」

 

ルルーシュの姿で走るのは少し申し訳ないが時間いっぱい逃げ切りデンドロビウムと共に校舎付近まで来た。図書室に行きルルーシュの変装を解除すると早速文句が来た。確かにルルーシュ以上の動きをして怒られない訳がない。しかし何とか捕まらずに逃げきったので報酬の話になった。

 

「で、、報酬の件なんだが」

 

「あー。金はいらん。だからアレくれ」

 

「アレ?」

 

ルルーシュが窓の下を覗くと誰一人乗りこなせず馬舎に閉じ込められていた白毛の白馬がいた。本来上級者向けにミレイがアッシュフォード家のコネを使い手に入れた代物らしいが馬自身が馬術部の部員全員を嫌いミレイすら乗せてくれないらしい。身の回りの世話は出来るが背中に乗るのは出来ないという。

 

「あの馬に乗っていたのか⁈」

 

「無線はウザイから切ってた時に拝借した」

 

「まあ、、会長に言えば何とかなるか」

 

「それじゃあ俺は帰る。報酬の件、よろしく頼んだぞ」

 

オーキスは変装をバックにしまい校舎の正門を抜けて近くの林に隠したエクストリームでスカアハまで帰艦する。数十分後着艦用カタパルトに到着したオーキスは艦橋に出るとナヴィスが紙を持って待っていた。

 

「ナヴィス!また指揮を任せてすまない!今回の事は穏便に済ませて欲しいんだが、、」

 

「なぁに何時もの事だろ?それよりほら。シュナイゼルから依頼が来ている」

 

「シュナイゼルから?」

 

学生服から司令官の服を着たオーキスは操縦室に向かいモニターを開いてブリタニアの省庁に直接連絡をかける。交換手を何度も重ねてシュナイゼルがモニターの前に現れた。

 

『久しぶりだね。シンフォニーの諸君』

 

「今回の依頼は?」

 

『長期契約になるが、、いいかね?』

 

「ええ。無理のない範囲なら」

 

シュナイゼルからある計画書が転送されてくる。セキュリティがかなり高い秘匿回線からの通信だ。そこには目を疑うような事がかかれていた。

 

「、、、正気ですか?」

 

『私も少々賭けに乗ろうかと思ってね。マリアンヌ暗殺事件に関して』

 

続く!



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主人を探して三千里

まさか、、三千里ってヤバイ距離ですから。ジェレミア君そこまで歩けませんよ。おとなしく蜜柑でも収穫していて下さい。


数々のデマが存在する情報戦では真実を見極める事が重要な事である。マリアンヌ皇妃暗殺事件にはあまりにも大量の説がある。有力過ぎる説もあるがどれも説得性に欠ける。

 

「どれを見ても納得は出来ませんね。特に、、貴方の計画に関しては」

 

『情報については仕方ない事だよ。それより私の示した計画になんの無理があるというのだね?』

 

「貴方は自分の命が惜しくないんですか⁈」

 

シュナイゼルが示した計画は予想であるが、これから先にルルーシュが何らかの方法により皇帝を亡きものにした後、自分に戦いを仕掛けてくるというもの。恐らくシュナイゼルとルルーシュを消し邪魔物を排除すべく皇帝が持つ直属の親衛隊が動き出し皆殺しにする。ここを狙うというのだ。ダモクレスのデータは渡されたがシュナイゼル自身はハリボテを使うつもりだ。そしてシンフォニーに供与された新型KMFで親衛隊を迎え撃つ。しかし一機で相手出来るかどうか分からない。

 

『命とは安いものだよ。特に私のはね』

 

「なら最初からルルーシュと共闘すれば、、!」

 

『もし私とルルーシュとシンフォニーが組んだところで発見される。分かるかね』

 

「敵を騙すには味方から、、とでも?」

 

『その通りだ。では。よろしく頼んだよ』

 

通信はそれで終わった。依頼されたからには受けるのが商いだがこれに関してはキシに聞かなければならない。運命を知る彼なら何かが分かるかもしれない。オーキスはキシに連絡をかけて操縦室に来るよう招集した。数分後キシは歩きながら来た。

 

「キシ、、この依頼を受けるか教えて貰いたい。シュナイゼルだからこその計画らしい。助言が欲しいんだが」

 

「ん、、ちょっと見せてくれぃ」

 

六枚ほどに纏められた計画書を見ていくキシ。だがその顔はページ数を増やすごとに険しくなっていった。

 

「悪いが、、助言は無理だ。俺が辿った運命とはまるで違う。それにまさかシュナイゼルがルルーシュと組んで皇帝の親衛隊を迎え撃つなんてな、、。俺はシュナイゼルとルルーシュが戦った時、双方共に甚大な被害を出して戦闘を強制的に終了させたんだが」

 

「物騒なやり方だな」

 

「あん時はその位やらんと終わらなかったからな」

 

ルルーシュにしろシュナイゼルにしろ共通する点はただ一つ。”自らの命を捧げて人民を導く”という事だ。キシの世界ではシュナイゼルはよく分からない人物らしいがこちらではどちらも自分を軽視しすぎている。だがそんなことは許されない。二人共最後まで残しマリアンヌ皇妃暗殺事件の真相を教えなければならない。

 

「二人共死なせない。いや。死なせるかよ」

 

「そうだ。あの馬鹿兄弟二人を止めるぞ。それと忘れてた事がある。ジェレミア卿って知ってるか?」

 

「ああ。そいつがどうした?」

 

「シンフォニーの情報部門で知ったんだがな。ナリタ連山での作戦覚えてるか?俺の世界ではカレンが輻射波動をぶち込んで死にかけた訳だ。だがどうやらその運命からジェレミアは逃げきれないみたいだ。俺達が知らない間に輻射波動を市街戦で紅蓮にぶち込まれてた。ここで重要になってくるんだ。ジェレミアは義体化してルルーシュの元に行くんだが彼の身体はサクラダイトを使っていた。ゲフィオンディスターバーで壊れなきゃいいんだが、、」

 

「分かった。取り敢えず今日は遅い。寝よう」

 

スカアハは海中に沈んでいく。深海八百で固定してシンフォニーはそこで夜を明かした。ルルーシュは昼になりスザク、シャーリーと共にデパートで買い物をしていた。何ら変化がないように見えるがシャーリーは解けかけていくルルーシュのギアスで何が本当で何が嘘なのか、、だんだん分からなくなっていた。

 

「何なの、、ルルーシュもスザクもナナちゃんも、、誰が本当なの?誰が嘘なの⁈」

 

シャーリーはいつの間にか二人から逃げるように屋上の端に歩いていく。彼女には恋人であるルルーシュでさえ仮面をした人物にしか見えない。スザクにも同様だ。

 

「シャーリー⁈」

 

「いや!来ないで!」

 

「落ち着け!シャーリー!」

 

ルルーシュが落ちそうになるシャーリーを引っ張り助けたが逆にルルーシュが落ちそうになってしまった。

 

「!ルルーシュ!」

 

スザクが間一髪で手を掴み取り助かったルルーシュ。スザクとしてはルルーシュが死んで貰っては色々と困る。

 

「ははは、、死ぬっていうのはこういう事だな」

 

「洒落にならないよルルーシュ、、」

 

「ご、ごめんルル。私どうかしてて、、」

 

「最近疲れたのか?そろそろ帰ろうか」

 

笑いながら帰ろうとするルルーシュ。しかし途中で連絡が来た。ヴィレッタから咲世子が倒され治療中だという事と更にあのジェレミアが復活してルルーシュを殺しにかかっているという情報がきた。ルルーシュは急いでシンフォニーに連絡を取った。

 

『はい。こちらシンフォニー。クレア司令補佐』

 

「シンフォニー!急いで渋谷まで来い!緊急だ!」

 

『了解しました。急いで向かいます』

 

クレアは連絡を切ると格納庫に向かった。しかしそこには通信を聞いたE.Eがナイト・オブ・ミラージュのコックピットに乗り待っていた。

 

「E.Eさん、、」

 

「行くんでしょ?早く!」

 

「ありがとう!」

 

スカアハが急速に海上に浮かぶ。カタパルトデッキが展開されてE.Eとクレアの搭乗したナイト・オブ・ミラージュがカタパルトから発進。急いで渋谷まで向かった。ルルーシュはジェレミアを鉄道ホームにまで誘導。シャーリーはスザクから離れて銃を持ちルルーシュを探す。

 

「ルル、、どこにいるの?」

 

ミラージュがルルーシュの位置を逆探してショッピングモールの大きな屋上に置いてクレアはE.Eとルルーシュを探しに行った。停止したエスカレーターを降りるとそこには銃を持った少女がいた。

 

「貴方がシャーリー?銃を降ろして。私は敵じゃないわ」

 

「ルルから何か言われたの?私を隔離するため?」

 

「いい?落ち着いて銃を地面に置いて」

 

「貴方は、、ルルの味方?敵?」

 

シャーリーは銃口を向けたまま微動だにしない。トリガーに手をかけてクレアに撃つ準備は整った。

 

「クレア。離れて。ここは私が」

 

「E.Eちゃんが離れていて。私が何とかする」

 

クレアは隊服の裏に隠していた大量のシリンダーを出すと注射針を装着。投げる準備をした。

 

「見てなさい。赤ちゃん、、レックス。これがお母さんの力よ」

 

シャーリーが銃を撃つ。弾丸はクレアの真横を通り過ぎシリンダーはシャーリーの腹部に刺さる。クレアは素早い動きでシャーリーの懐に入り込み銃を落としてシリンダーの薬品を撃ち込んだ。

 

「大丈夫よ。中身は鎮静剤。死にはしないわ」

 

E.Eにシャーリーを任せてクレアはルルーシュの位置情報をもとに鉄道ホームへ駆けこむとそこにはゲフィオンディスターバーで動けないジェレミアとルルーシュがいた。

 

「なぜ、、何故貴様はゼロとして君臨し実の父親である皇帝に刃を向ける⁈」

 

「俺がルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだからだ!」

 

倒れこむジェレミア。血のオイルを流しながらジェレミアは語り始めた。

 

「やはり、、そういう事でしたか、、。分かります、、私はあそこにいました」

 

「まさか!」

 

「はい、、初任務でした、、。敬愛するマリアンヌ皇妃の護衛、、しかし私は体を張る事すら出来なかった!忠義を果たせなかったのです!」

 

「お前は俺を殺しに来た訳ではない⁈」

 

「私の主人はV.Vではない、、私の主人はただ一人、、マリアンヌ様、、」

 

「ジェレミア!」

 

ゲフィオンディスターバーを解除してジェレミアに駆け寄るルルーシュ。その時ギアスキャンセラーが失われると同時にV.Vの呪縛から解き放たれた。

 

「殿、、下」

 

「ジェレミア・ゴットバルト。貴殿の忠義はまだ終わっていない筈だな?」

 

「yes...your majesty!」

 

しかしジェレミアの身体はゲフィオンディスターバーのせいで完全に稼働出来るかと言えばせいぜい走るのが限界だ。クレアはジェレミアに駆け寄り端末を接続した。

 

「私はクレア・シンフォニー。助けに来たわ」

 

「ああ、、助かった。ジェレミアはどうだ?」

 

「ゲフィオンディスターバーで義体にガタが来てるわ。後少しだけ発動状態で稼働していたらジェレミアの電脳ごと吹き飛んでいたところよ」

 

「何故わかる?」

 

「この人間を義体化する術式は私がプロトタイプを開発したのよ。開発者が分からないなんて情けないわ」

 

端末で調べた結果クレアが開発したプロトタイプを少し改良しただけみたいだ。その分痛覚などの神経系統はサクラダイトに依存しているので血液は専用のオイルでなければいけない。しかもサクラダイトのエネルギーが不安定過ぎる。クレアはジェレミアを立たせるとミラージュのいる方向に向かわせた。

 

「ルルーシュさん。ジェレミアさんはかなり重症よ。ウチで治すから後はやれるわね?」

 

「ああ。ありがとう」

 

ジェレミアはクレアに担がれながらミラージュに向かった。E.Eは動けないシャーリーを病院に送りミラージュに戻る。ジェレミアがいるので少々狭いが問題なくスカアハに帰還した。

 

「さあ、、やっとついた」

 

『聞こえるかね?クレア?』

 

「あ、あなた、、」

 

『今回は俺が悪い。怒らないから早く来な』

 

ミラージュが格納庫に入りジェレミアはE.Eに連れられて医務室へ。クレアはオーキスのもとに行って抱き締められた。その結果顔が真っ赤になり挙句にはキスまでされて倒れた。オンシジュームが支えていたので問題はなかったが彼女がいなければジェレミアを治療出来ない。急いで正気に戻すとジェレミアのいる医務室に向かった。

 

「サクラダイトを使用している状態だから義体に下手に触れない。でもサクラダイトを抜いたらジェレミアさんの電脳に後遺症を残す可能性がある。どうするか迷いどころね」

 

「スカアハの動力源から取れば?ただでさえ核融合炉と大型GNドライヴ二機積んでるんだからスカアハのエネルギーに影響はないと思うけど」

 

「そうねぇ、、どうかしら?あなた?」

 

『エネルギー消費は移動にしか使われていない。三割程度なら大丈夫だろう。なあ?タキセ整備長?』

 

『問題はありません。ですがエネルギーチューブは積んでいないかと』

 

「それは、、ジェレミアさんの体内に埋め込まれているは、、ずっ!」

 

ジェレミアの体内からエネルギーチューブが出されてスカアハの動力源に直結された医務室の電源に繋ぐ。ジェレミアは義体用の麻酔で寝ているので早めにすませる必要がある。サクラダイトの塊を抜き出して後は義体を変える。ただクレアが開発した新たな義体は本拠地にあり輸送機で運んでもらうには時間がかかる。

 

「どうすれば、、」

 

「ねえクレア。その義体ってどんなの?」

 

「私が新しく開発した義体はアメリカの大学で開発されたものを実用可能にまで仕上げたCNT筋繊維。それと眼を失った人の為に開発した人工マルチ義眼。筋繊維と接続すれば大量に流れてくる情報を瞬時に処理できるわ。ただ後は動力源よね。サクラダイトはゲフィオンディスターバーでエネルギーが封じられてしまうから、、燃料電池かGNのどちらかね」

 

「ま、まるで雷電、、」

 

「とにかく筋繊維が届かない事には始まらないわ。仕方ないから新しいサクラダイトを埋め込んで今は応急処置を施すしかないわね」

 

「まったクレア!CNT筋繊維の量は?」

 

「んー、、ジェレミアさんの型に合わせなきゃいけないから正確な数字は分からないわね。あ!でも私の術式がそのまま使われてるのなら外れるかも!」

 

そういったクレアはジェレミアの右腕部と左脚部を丸ごと外してしまった。整備をしなければならない身体なのですぐに外せるようになっており以外とシンプルな構造だ。どこぞのドイツ人と違いジェレミアは整備を必要とする義体なのだ。

 

「この量を二つずつ。それと胴体に燃料電池ね」

 

「了解!ちょっと待っててね、、」

 

ジェレミアの腕と似たような少し金属光沢を持つ腕と脚を生成していくE.E。その間にクレアはジェレミアの体内金属部品を取り外した。電脳は問題ないので変える必要はない。

 

「後は義眼だよね。ライジングと同じ物なら代用出来る」

 

「さ、、ジェレミアさん。生まれ変わる準備は終わりましたよ。あとはやるだけ」

 

義眼と生体部品を生成したE.Eは部品をクレアに渡して慣れた手つきでクレアはジェレミアに部品を組み込んでいく。基本胴体は金属だけなので骨となるフレームにはチタン・セラミック製の強化フレームを導入してある。基本的に食べる事も出来るが排泄される事はない。心臓部に燃料電池を設置してそれらを全てのCNT筋繊維と電脳に接続。脊髄の神経はそのまま流用。E.Eのオマケでクレアには知らされずにナノペーストによる自己修復機能を追加。三十分程度で全ての修理が完了してエネルギーチューブをコネクターから取り外すとジェレミアが再起動した。

 

「ジェレミアさん?分かりますか?義眼も駄目になりかけていたので義眼と身体全体を変えました」

 

ジェレミアの義眼にあらゆるデータ情報が出されるが意識的に消せるので問題はない。ジェレミアは立ち上がると自分の身体を鏡で見た。

 

「とても動きやすいですね。あの義体のような不安定な身体ではない、、筋繊維タイプですか」

 

「ご名答。ですが貴方の腕に付けられていた剣は使えないです。代わりにコレを」

 

ジェレミアがE.Eに手渡されたのは使っていた両刃タイプの剣ではなく御約束の高周波ブレードだ。赤く変色はしないが殆どはこれで切り裂く事が可能でもちろんゲーム通りに燃料を吸収出来る。ただ少しだけ違うのはジェレミアの手だ。そこだけが何故か特殊加工されており超高熱に耐えうる金属になっている。特別目立つほどゴツゴツしているわけでもないので武器を確認したジェレミアはスカアハからオーキスにヘリを飛ばしてもらいブリタニアへと戻っていった。ヘリが飛んで行く時にE.Eはちょっとだけ笑った。

 

「ジェレミア君!頑張りたまえ!君の手で敵を倒しヒート・エンドに持ち込むんだよー!」

 

そう叫んでE.Eは艦内に戻った。

 

続く!




ジェレミア・ゴットバルト(シンフォニー仕様)

クレアのプロトタイプの術式から新タイプの術式により壁走りや斬撃モードが追加されその他諸々の性能が飛躍的に上昇した。義眼が変更されてギアス・キャンセラーが使えなくなった代わりにレーダーモードやサーモグラフィーが使用出来る。プロトタイプよりも滑らかな動きになり動力源や義体がサクラダイトから解放された為、ゲフィオンディスターバーの影響を受けなくなった。ちなみに両手からはゴット・フィンガーが撃てる(⁈)


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ギアス卿団

あけましておめでとうございます!本年もよろしくお願いします!


ブリタニアの総督府内で一人椅子に座り動かないシュナイゼル。そこに入って来たのはオーキスだ。ヘリでジェレミアを降ろした後総督府まで飛んできたのだ。

 

「殿下。貴方の依頼について話があります」

 

「ほう、、それは一つ目のかい?」

 

「ええ。二つ目の計画についてはもう少し検討させていただきます。依頼のコーネリアは現在ギアス卿団が捕らえています」

 

「コーネリアが?」

 

「潜入任務にでも就かせたのですか?」

 

「ああ。丁度暇そうだったからね」

 

シュナイゼルは立ち上がり計画書を持ち出してオーキスに渡した。ギアス卿団の活動状況や予算の不自然な流れを見つけるために潜入させたらしい。公式にはユフィの死とギアスの破壊の為に行くと流されているが軍内で中佐の位置を変えられていない。そんな儀装情報を流しているのはシンフォニーだけだ。

 

「それと我が愛しの妹はどうしてるかね」

 

「しっかりしてますよ。殿下が思っている以上に」

 

「そうか、、」

 

その頃スカアハでは鎮静剤を打ち込み回収したシャーリーの精神状況と身体的影響を回復させる為に集中治療室に運び込まれあらゆる手を尽くして検査をしていた。E.Eによる異次元の検査機までも使用して精神状況を調査しているが成果が出ないのが現状だ。

 

「んー、、鎮静剤で大人しくしているからいいけど何がどうなってるのやら、、師匠なら分かるかもしれないのになぁ」

 

「師匠?」

 

「あ、クレアは知らないよね。私の師匠はギアス所持者だった。そのギアスは人を操ったり殺したりするものじゃないんだよね」

 

「と、言うと?」

 

「人の精神にダイブ出来るギアスを持っていたんだ。但し下手したら自分の精神ごと蝕んでいく事になるけど」

 

「それは、、欲しいものですね。師匠さんのお名前はなんて言うんですか?」

 

「名前は確か、、グラハム・リード。誰かと結婚してたんだよね。職業は軍人」

 

「へぇー」

 

シャーリーの精神を修復する為にはやはり真実を全て伝えるか精神にダイブするか通常の精神療法を行うしかない。今は暴れて余計混乱しないよう落ち着かせるのが優先事項だ。

 

「義姉さん。兄さんから連絡が来ているんだけど」

 

「デンファレ君。今は手を離せないって伝えて置いて」

 

「分かった」

 

デンファレはオーキスに旨を伝えると連絡をきった。操縦室に入るとオンシジュームは飴玉を舐めながら少し露出が多い服でずっとモニターを見ていた。

 

「オンシジューム、、その格好はやめてくれないか?」

 

「ん〜?デンファレ兄さん興奮してるの?」

 

「妹の露出で興奮したら終わりだと思ってる」

 

「ちっ、、」

 

「舌打ちしない。っていうか、、君は誰?」

 

「あらん?バレちゃった?」

 

「オンシジュームは確かに露出の多い服を着る事はあるさ。でもその服は下手したら全脱ぎになる。そんな事をする妹じゃない」

 

「流石はオーキス君の弟と言ったところね。そう!私はこの子に仮初めの身体として貸してもらっているブリタニアの皇妃。マリアンヌ様よん」

 

「今は目覚めないでほしかったな」

 

「なんでかしら?」

 

「オンシジュームは、、今相当怒っているから」

 

「え、、?」

 

マリアンヌの意識は少しずつ押されていきオンシジュームの本来の意識が戻ってくる。瞳が赤くかかっている状態から片目だけギアスを自力で解除してフラフラと立ち上がるとモニターを消して鏡代わりにするとオンシジュームはモニターに向かって話し始めた。

 

「我が心は一つ。何人たりとも我に踏み込む者を禁ずる!この場から消え去れ!」

 

「何故、、⁈何故ギアスを⁈」

 

「わた、、しは、、アンタなんかに、、渡さない。私は、、私だ!」

 

オンシジュームのギアス。それはとても微弱な力だが使い方次第ではオーキスすら凌駕するギアスである。デンファレとE.Eだけが知る唯一オーキスに勝てるであろう力。言葉を具現化し形にするギアス。それは自分の身体にも発動可能だが条件として対象を身体でもなんでも良いので見る必要がある。

 

「それでも私を消せないのよ。残念ね」

 

マリアンヌは最後にそう言い残して意識から消え去った。オンシジュームはその場に倒れて意識を失った。その頃ブリタニア総督府でオーキスはシュナイゼルが報酬として出してきた大金を現金で受け取り帰ろうとしていた。

 

「オーキス君。聞いてほしい事がある」

 

「何です?話があるならまだ聞きますが」

 

「最近、よく夢を見るのだよ。この先起こりそうな事柄をよく、、」

 

「仕事で疲れているのでは?」

 

「そうかも、、しれないな。今日はゆっくり休むとしよう。三つ目の依頼を頼んだよ」

 

「ええ。了解しました」

 

ブリタニア総督府から出たオーキスはカバンを忘れずに持ってヘリに乗り込んだ。燃料をブリタニアで補充した後ヘリポートから離陸しようとした時ある女性は此方に走って来た。丸眼鏡をかけブリタニアの科学者の服装をして手には可愛く飾ったラッピングが施された箱を持っている。

 

「おい。離れた方がいい。これから離陸に入る」

 

「待って下さい!コレを、、」

 

「ん?配達屋じゃないんだが」

 

「違います!コレをユーフェミア様に、、」

 

「分かった。必ず渡そう」

 

彼女はユフィへのプレゼントをオーキスに渡すとヘリから離れた。ヘリは離陸してブリタニア総督府を後にした。オーキスは無線をつけてスカアハに連絡をかけた。

 

「こちらG3656。ピークォード。スカアハ応答せよ。繰り返す。こちらピークォード応答せよ」

 

『こちらスカアハ管制官。ナヴィスだ。ピークォード何が起きた?』

 

「ナヴィス。俺だ俺」

 

『オーキスか、、ピークォードを積んでたな』

 

「ああ。新型のヘリだからな。ハインド型より使いやすい」

 

『まあハインド型を未だに使っていた本拠地もどうかと思ったがな、、』

 

「戦前の機体だしな」

 

『あなた!オンシジュームちゃんが、、』

 

『ああそうだった。オンシジュームが倒れた』

 

「あいつがか?分かった。すぐ帰る」

 

ピークォードのティルトローターのギアを最大まで上げてスカアハまで全速力で帰るオーキス。数分後スカアハの垂直離着陸専用甲板にピークォードを降下させオンシジュームの元へ走った。同時刻ルルーシュは自力でギアス卿団を見つけ出して逆探知を始めていた。ジェレミアに残されていた回線を逆用してV.Vの位置を特定するつもりだ。

 

「奴らの位置を特定するまでは攻撃をするな。合図をしたと同時に突入。残りはC.Cの指揮に従え」

 

『『了解!』』

 

そして地下にある基地ではV.Vがコーネリアを幽閉してある場所でコーネリアと話していた。

 

「コーネリア。僕は思うんだ。兄弟っていう関係は世界一美しいものなんだって」

 

「それがどうした?今更ユフィは戻らない」

 

「だからだよ。僕とシャルルの計画が成功すれば君の妹も帰ってくる。それまでは大人しくしていて欲しいな」

 

V.Vは歩いて牢獄から離れていく。しばらくしてV.Vが見えなくなるとコーネリアはKMF奪取用のカードキーを挿しこんで解析。牢獄の扉を開けて脱出した。

 

「どうやら偽装情報は未だ生きているようだな。ユフィは生きている。それでも奴はユフィが帰ってくると言った。まだ私が軍と関係を捨てユフィの仇を取ると思い込んでいる。まだ調べることは多い。バトレーが死んでいなければいいのだが、、」

 

コーネリアは足に隠していた無線機を取り出してステルス回線を開いた。途中で行われていたルルーシュの作戦を聞き出し近くの武器庫でアサルトライフルを拝借してバトレーの元へと走っていった。突撃部隊にいたC.CのKMF通信機にスカアハからの通信が来た。回線を開くと片手にジュースを持ちながら暇を持て余すE.Eがいた。

 

『やあC.C。元気ぃ?』

 

「今は作戦の途中でな。後にしてくれないか」

 

『別にC.Cを邪魔しようなんて思ってないよ。ただシュナイゼルが面白い力に目覚めた事だけ報告してあげようと思ってさぁ』

 

「面白い力?」

 

『ひと言で終わらせるからよーく聞いてね?シュナイゼルはニュータイプだよ。じゃね』

 

「は?おい!ちょっとま、、」

 

『C.C。作戦を開始しろ』

 

「、、、分かった」

 

ルルーシュからの命令でギアス卿団の基地に攻撃を始めた突撃部隊。沢山の研究者たちを排除していく中コーネリアは運良くバトレーを確保。近くにあった破損機体を改修してバトレーを乗せた。

 

「コーネリア様!ご無事でなによりです!」

 

「バトレー!話は後だ。脱出する!」

 

コーネリアが機体を駆り降ってくる瓦礫を避けながら出口に向かった。外に出るとそこには異様な姿をした機体が一機。ジークフリートだ。

 

「まさかジークフリートがいるとは、、」

 

「コーネリア様!ここは危険です!退避を!」

 

「奴を残して逃げるなどギアスの元凶を野放しにすることになる!」

 

機体を別の場所に移動させ全ての武器を連結させたコーネリア。そして上空ではV.Vのジークフリートとルルーシュの指揮する騎士団が戦闘を始めていた。

 

「V.V!その機体は我が忠義の為にある証!忠義を果たす相手がゼロ、、ルルーシュ様ならば私が真に仕えるべき主はマリアンヌ様ただ一人!」

 

「お前もその名を口にするか!ジェレミア!」

 

「貴様の呪われた身体!精神!このジェレミアがジークフリートごと斬り刻んでくれる!」

 

なんとジェレミアは足だけでKMFを操作してコックピットから出てきた。ジークフリートの攻撃を回避しながら機体を体当たりさせてジークフリートに乗り込んだ。

 

「ジェレミア!そんな身体で僕にかなうとでも⁈」

 

「私は生まれ変わった!V.V!貴様が思っている以上の力を私は手に入れたのだ!」

 

ジェレミアはジークフリートの特殊装甲を高周波ブレードで切断していく。近くにある武装を破壊して電磁石の応用装置により下部も切り刻んでいく。更に中心部に装備されたエナジーフィラーを斬撃モードで斬り刻み燃料を吸収。ジークフリートのコントロールを指揮する基盤があるコックピット近くを途轍もない速さで切断して砂漠の上に降りた。上空から不時着したあとジークフリートがジェレミアの後ろで爆発した。

 

「生体反応だと⁈V.V、、一体どうやって脱出した⁈逃がさん!」

 

ルルーシュの蜃気楼は近くの遺跡に進入してV.Vを発見した。だが彼が見て一番焦ったのはただ一つ。目の前にあるギアスの遺跡。思考エレベーターだ。

 

「神根島の思考エレベーターと同一物か⁈まずい!」

 

「戻れルルーシュ!」

 

遺跡内に入って来たのはC.C。蜃気楼を吹き飛ばして意識を送らないようにした。蜃気楼は近くに不時着してルルーシュはコックピットから出た。近くにV.Vの遺体はなくC.Cの機体も蜃気楼の真横に降下してきた。

 

「危なかったな」

 

「ああ。まさかまだあるとは、、」

 

同時刻ブリタニア実験場では強力な爆発を起こすフレイヤの実験に成功。試験的にランスロットに積み込まれていく最中だ。シュナイゼルはスカアハへ連絡をとり依頼の最終確認を行った。

 

「オーキス君。これで大丈夫だ。フレイヤは開発された。これで皇帝陛下の気を引ける」

 

『分かりました。では、、その設計で開発を進めます。納期は最短一ヶ月になります。それでは』

 

スカアハと通信をきりシュナイゼルは部下に自分の新機体にはフレイヤを搭載しないよう連絡すると臣下に皇帝の研究についての報告レポートを渡して焼却するよう命じた。

 

「これで皇帝の逃げ道は封じた。後はルルーシュと私次第だな」

 

「よろしかったのですか?この設計書を見る限りではフロートユニットを搭載していない旧式に見えるのですが、、」

 

「既に結果は見ている。問題はないよ」

 

「はあ、、」

 

「さて、、HI-νG-HWSとやらがいつ来るか。楽しみだ」

 

続く!




オマケ
シュナイゼル専用機体 HI-νガンダムHWS(シュナイゼル仕様)

皇帝陛下親衛隊を迎え撃つ為にE.Eが示した設計書の中で最も迎撃に向く機体でオーキスがシュナイゼルに提示した結果見事に開発までこぎつけた機体。νガンダムの完成系でフィン・ファンネルを複数持つサイコフレーム搭載機体。ルルーシュなどと違い高速演算は出来ないが代わりに第六感を持ち鋭い考えを持っているシュナイゼル仕様になっており取り外し可能なHWS(ヘビー・ウェポン・システム)を追加装甲としてつけている。


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全てが繋がる

まだ、、まだですよ。東京租界戦は。


青い海の中に沈むスカアハの中でクラシックを奏でていたのはデンファレ。ヴァイオリンの演奏を一人だけしていないパッヘルベルを音源で代用し綺麗な音を立てていた。デンファレ自身はロロとして生きていた部分を忘れ去るには丁度いいという。オーキスはそれを聞きながら寝ている。それをシャーリーのいる集中医療室にもかけて安心感を出した。

 

「兄さん兄さん」

 

「オンシジューム?どうしたんだい?」

 

「ほら見て、、くくっ、、」

 

「オ、オンシジューム!ダメだってこれ、、ちょ、、まじやめて、、あはははは!」

 

「んだよ煩いな」

 

「はい!鏡!」

 

「なんだ?なんかついて、、んじゃこりゃぁぁー!」

 

「寝ているオーキス兄さんが悪い!」

 

オーキスは寝起きの寝癖を直しながら顔を洗いにいった。オンシジュームとデンファレは笑い転げて止める事が出来なくなっていた。ナヴィスは途中でオーキスに会い逆に驚いてグロックを構えたりと悪い目にしかあっていない。

 

「次は私がやるよ。曲は”主よ、人の望みの喜びよ”で!」

 

少し小規模なオルガンを使い曲を演奏するオンシジューム。彼女とデンファレはクラシックが得意だが何故かオーキスだけはドラムなどの近代楽器しか奏でる事ができない。顔を洗い元に戻したオーキスは依頼を確認する為に操縦室に戻った。寝ているナヴィスに上着をかけて司令席ではなくモニターの席に座る。何故か隣では当直であるはずのキシが寝ていた。確かに緊急時には自動迎撃や警報が鳴る。しかしだからといって当直が寝ていては元も子もない。

 

「おいキシ。起きろ。昨日ナナリーとお楽しみしていたのは知っているんだぞ」

 

「んー、、親父にもぶたれた事ないのにぃ、、」

 

「はあ?早く起きろ」

 

今日はルーファス、ユウ、ニムバスが休暇でありナナリーは寝ているしE.Eとクレアは患者の様子を見なきゃならない。ユフィと黒金、ブレーンは夕食の準備に追われナオト、ベイリンはVR訓練。タキセはピークォードの整備をしなければならないのだ。

 

「俺はぁ、、ナナリーと添い遂げ、、る」

 

「はよ起きろ!減給するぞ」

 

「うぇい⁈」

 

変な声を出しながら起きたキシは一瞬辺りを見回し目をこすりオーキスを見るとじっと見て言った。

 

「ん、、?ミスター・ブシドー?」

 

「誰がミスター・ブシドーだ。変な名前つけずに早く仕事しろ!」

 

「へ?、、あ、あああ!すまん!何時間寝た⁈」

 

「一時間くらいか」

 

「仕事に戻りますっ!」

 

キシは今まで見た事がない早さで事務処理を終わらせていく。よく見ると印刷してまとめるのを何故かスタンドがこなしていた。二時間後夕食を済ませて司令席でレーダー警戒をしていたオーキス。するとブリタニアから秘匿回線で再びシュナイゼルから連絡がきた。少し面倒くささを感じながら回線を開くとそこには酔ったシュナイゼルがいた。

 

「殿下⁈」

 

『おお。オーキス君じゃないかぁ。聞いてくれよ。ルルーシュがまたやらかしてざぁー!もう嫌になっちまうよチクショーめ!』

 

「落ち着きましょう殿下。とにかくその酒瓶を置いて、、」

 

シュナイゼルはオーキスの話を聞かずに酒瓶を一升丸呑みしてしまう。完全に出来上がった酔っ払いほど対応が面倒なものはない。

 

『もうさぁ!予算もギリギリなんだよ!んだよあのクソジジィ!変な研究に時間と金使うなら俺を即位させろよ!』

 

「あ、、えっと、、」

 

『こっちだってなぁ!忙しいんだよ!書類は溜まるわ始末書は書かされるわウンザリなんじゃボケェ!』

 

「、、、」

 

『ただでさえ事後処理に大量の予算をつぎ込まなきゃならん!そもそもエリア11なんかに侵攻する意味がわかんねぇよ!俺がやったんじゃないのになんで弟から責められなきゃならん訳⁈コーネリアに至ってはユフィに負けるとは、、しかも婿はナイトオブセブン!これ以上ない相手だ。だが彼女は既に婚期は過ぎたも同然!ついでに言えばヨーロッパと喧嘩する暇があるなら租界に拘る必要なんか皆無だ!もう冷静を装ったイケメン皇子は疲れきった!明日は一切仕事しない!』

 

シュナイゼルは通信を乱暴に切った。オーキスはいつもは見ないシュナイゼルの心の闇を見て放心状態にあった。数分後再び通信がきて回線を開く。しかしそこには誰もいない。誤作動だったようだ。すぐに切ろうとすると声が聞こえて来た。

 

『おらぁ!これから夜の街に繰り出すぜぃ!ナイトメアとナイトオブラウンズを呼べぇ!』

 

『殿下!落ち着いて下さい!』

 

『あああ!酒造からどれだけ取り出してきたんですか⁈もう五本目に入ってますよ⁈酒保の隊員から様子がおかしいと聞いて来てみれば、、』

 

オーキスは静かに通信を切ってヘッドホンをつけて別の曲を聴き始めた。脳内ではシュナイゼルのギャップを消す為に必死になっている。そして夜が明ける頃、シュナイゼルから秘匿回線で昨日の事はなかった事にしてくれと頼まれた。勿論データは削除。シュナイゼルの酒乱状態動画はスカアハには残っていない。そう。スカアハの本体サーバーは。

 

「俺だって商いをする人間だ。弱みは握らないとやってられないからあいつには悪いけどコピーさせてもらったぜ」

 

オーキスはコピーしたディスクを保管ボックスに移送させ司令席から降りると朝食を済ませにいった。操縦室で仕事を終わらせ何とかやってのけたキシはオーキスが出て行く音に気付いて起きた。伸びをしながら欠伸してボサボサの髪の毛を掻いて朝食を取りに行こうとした時、ある写真が目に入った。オーキスの昇降式司令席に貼ってある写真で学生服を着たオーキスやクレアがいる。だがそこにはキシが見覚えのある人物も写っていた。

 

「ん?オーキスの横で仏頂面してるコイツ、、どっかで見た気がすんな、、誰だっけ?」

 

長い髪を後ろに縛り眼鏡をかけて如何にも生徒会にいそうな人物だ。

 

「誰だっけ〜⁈首あたりまで答えが来ているんだけどなぁ、、」

 

その時操縦室に入って来たユフィがキシに気付いて近寄る。キシが見ている写真を後ろから見ているとユフィはある男の事を思い出した。

 

「あー!この人ギルフォード卿ですよ!オーキスさんと同じ写真にいるなんて奇遇ですね」

 

「そうだ。こいつギルフォードだった。ん?ギルフォード?」

 

一瞬でキシの顔は青くなり血の気が引いていく。ナナリーが死にかけた時と同じスザクがルルーシュのギアス”生きろ!”をかけられた故に起こしてしまった最大最悪の事態。スザクがフレイヤを放ち東京租界の中央を丸々削り出してしまった時。このフレイヤはニーナが作成した”クリーン核兵器”とも呼ばれた代物だが正直まともとは思えない。急造品であるアンチフレイヤシステムをルルーシュとスザクがデータ入力に19秒、プログラム実行にコンマ04で成功させた奇跡。あれがこちらでも成功するとは限らない。

 

「租界中央部が壊滅、、ナナリーは何とか助かったが今回はどうなるか分からない。オマケに今のランスロットにフレイヤが搭載されてるかどうかすら不明だ。下手に近づけば蒸発は必須。もしフレイヤの一撃を耐えられるとすれば、、アレしかないか」

 

戦略級核兵器にまで匹敵しているフレイヤだがランスロットに試験搭載として装備されたフレイヤはリミッターがかかっており直径十キロ以内が爆発の範囲。いわゆる戦術核兵器だ。あくまでも脅しでありリミッターがある時点では敵を完全に捻りつぶす事は考えられていない。少なくとも東京租界のど真ん中で戦略級核兵器、、つまりリミッター無しのフレイヤなど放てば発射した機体はもちろん、敵味方関係なく葬り去る事になり内戦どころではない。このようにフレイヤを未然に防ぐ方法はアンチフレイヤシステムが開発されるまでないが機体保護ができない事はない。戦術級ならば片腕を代償に守る強固なシールドが存在する。サイサリスに装備されたガンダムに存在する唯一の超冷却ラジエーターを導入した大型ラジエーター・シールド。

 

「あのシールドがあればギルフォードを守る事ができるはずだ。だがエクストリームの推力にそんな余裕があるかどうか、、」

 

「キシさん?」

 

「いや、そもそもラジエーターシールドを運ぶことすら出来ない可能性もある。なんなら幻月Xで輸送するか?」

 

「おーい?」

 

「待てよ?幻月Xの絶対領域、、無理だな。と、なると残る方法は一つか。サイサリスを作成してもらうしかない」

 

「キシさん?先程から貴方の愛妻が凄い睨んでくるのでなんとかして下さいな」

 

ユフィがとやかく言うので文句を言おうとした瞬間後ろからナナリーに殴られて気絶したキシ。そのまま彼女に引きずられ操縦室から出て行った。取り残されたユフィは暇になったので一人モニターに向かって将棋を始めた。食堂ではオーキスは食事をとりながら計画書を見つめE.Eに作成してもらう機体やシュナイゼルの提示してきた依頼を確認。ついでにキシにこれからの助言を頼む事にして書類を机に置いた。E.Eは相変わらず常人とは思えない程の量を食べている。HI-νの部品にピークォードの消耗品などを連続で生成しているので疲労も相当溜まっている筈だ。

 

「E.E。今日含めて四日休暇を渡す。部品の生成は暫く休んでいいぞ」

 

「え?マジ?よっしゃァァ!」

 

そう言うと更に食べるE.E。だがいつもより空元気を出しているような感じだ。食器洗浄機に入れて片付けたオーキスは操縦室に戻りキシは探しに来たが何故かいない。各機体が格納庫から発進した様子はないのでどこかで休んでいるのは間違いない。格納庫に一応向かったがいたのは朝の訓練を終えたナオトやユウ達しかいない。ベイリンは戦術予報士として別の部屋でシンフォニー本拠地とのテレビ会議をしているのでいなくてもおかしくない。タキセは近くで弁当を食べてゆっくりとしている。だがやはりキシはいない。

 

「どこいったんだ?あいつ・・」

 

「ホントねぇ」

 

「クレア⁈脅かさないでくれ・・・」

 

「んー?最近構ってくれないから私から行こうかなぁって」

 

「で?どうしたんだ?」

 

「足むくんじゃって。揉んでくれる?あと運んで。だ・ん・な・さ・ま?」

 

「はいはい。それじゃウチの可愛い嫁さんを連れていきますか」

 

オーキスは本来の目的を達成する前にクレアを個室に運び足のマッサージをした。操縦室ではモニターを見つめて肘をつくE.E。そこに来たのはナヴィス。

 

「おいE.E。何してるんだ?オーキスから業務連絡が来てお前を休ませるよう頼まれた。個室で寝てきたらどうだ?」

 

「ん〜・・そだね」

 

そのまま沈黙が続く操縦室。ナヴィスは隣の座席に座り紅茶を渡した。気づいたE.Eは紅茶を受け取りゆっくりと飲んでいく。暫く何も話さない二人だったがE.Eが話し始めた。

 

「ねぇナヴィス。多分君のお父さんから聞いた事があると思うんだけどさ、、なんでお父さんがギアスをなくしたか知ってる?」

 

「あー、、誰かとの契約を強制的に切ったとか」

 

「実は違うの。アレは契約を切った訳じゃなくてそういうギアス。自分のギアスとその目を犠牲に人を生かす能力。その力は、、私に行使された」

 

「は?」

 

「君のお父さんに生かされた罪深き契約執行者。それが私なんだよ」

 

一瞬ナヴィスは声が出なくなった。不老不死の呪いを持つ女が自分の親によりなんらかの理由で助けられ親の目とギアスを犠牲に生きた人間。普通はありえない。だがギアス自体が常軌を逸している能力。何も言えない。

 

「昔皇帝の懐まで潜入した私だけどヘマしちゃってね。死にかけた時ナヴィスのお父さんに助けられたんだ。今まで黙っててごめん」

 

「ちょっと理解が足りてないかもしれないが、、取り敢えず言える事は無理はしないでほしい。親父に救われた命なら尚更だ。アレはオーキスの親父と同様に家族を守る為に家族を置いていった。それでも俺達がこうしてアーカーシャの剣を破壊する行動に移せるのは親父達とタキセ、E.Eだ。過去が無ければ今はない。艦長命令だ。頼むから今すぐ休め。過去は振り返れても変えられない。今出来るのは未来を変える事だ。以上」

 

ナヴィスは上着をE.Eの頭の上に置いてオーキスを探しにいった。彼女は上着の中で大量の涙を流しそこで泣き続けた。操縦室に入ろうとしたナオト達は廊下を引き返して各々の個室へと帰り休憩に入る。数十分泣いたE.Eはナヴィスの上着を羽織って涙の跡を消し個室に入って寝た。二時間ほど経った頃、演奏室のカメラをオンにしていたE.Eの部屋に大きな音がなり始めた。それは徐々に楽器が増えて更に大きくなっていく。そしてオーキスの大声がスピーカーから大音量で流れた。

 

『dynamite explosion!』

 

『イェェェアァァァ!』

 

キシの大声もでてきたせいで完全に眠気が吹っ飛んでしまったE.E。ちょっとイラつきながら音量を下げて演奏室の映像を見るとそこには少しお腹が膨れたクレアも電子ドラムを使って演奏している。そしてシンフォニー三兄妹。誰もが昔の事など忘れたかの様に歌っている。実はキシ自身過去の事をあまり話したがらない。彼の過去を知るものはこの世界にはいない。それでも歌い楽しむ。

 

「過去は引きずるものではない、、か。師匠は医者だったから患者が死ぬ度に言ってたなぁ」

 

『それでは陰気で現在伏せている根暗女E.Eちゃんにプレゼントがあります!』

 

「キシは見かけたら死刑決定」

 

『シンフォニーの科学力と追跡力、更に各国の大使館の力を結集しぃぃ!手に入れたのはグラハム・リード、、おっと失礼!本名グラハム・シンフォニーの肉声とE.Eちゃんに向けられた遺言をここで公開致します!』

 

「へ?シンフォニー、、?はあああ⁈」

 

E.Eが驚くのも無理はない。不老不死で暇だった彼女は医術を知るべく半ば強行的に弟子入りした訳だがグラハム・リードと名乗っていた師匠がシンフォニーであったのだから。そもそもオーキスを気まぐれで助けた訳だがここまで繋がっていると逆に怖くなってくる。ナヴィスの父親もシンフォニーとは名乗っていなくナヴィスを見つけたのは腐れ縁で頼まれたから。彼女はオーキスを除き何の他意もなく他人を助けてきた。それが今ここで全て繋がった。もはやただの偶然ではない。

 

『読むから耳をかっぽじってよく聞けよ!原本と肉声デジタルデータはE.Eに渡しておくけどな!』

 

オーキスはE.Eに向けられた遺言をゆっくりと読み始めた。

 

【E.E。この手紙を書いている時、俺は肺癌でやばくなっている。時間がないから簡潔に示す。医師たるもの、患者を全力で助けろ。 手段がなかったら新しい手段を探れ。もしそれでもなかったら最後まで患者を看取る事。そして患者を絶対に助けるという思いと悲しむ心を忘れるな。その思いと心を忘れた時、お前は医師失格だ。息子のロッドにも伝えておくが次にお前がシンフォニーの家に来る時は茶菓子位は出してやる。最後に、、お前の不老不死を俺にもくれたら良かった。あと冷蔵庫のロールケーキ食っただろ。絶対に許さん。未来永劫呪ってやる。じゃあな。元気で。グラハム・シンフォニーより】

 

『と、いう訳だ。ちなみにロッドってのは俺の祖父にあたる人だな。初めてシンフォニー傭兵師団を立ち上げた人。顔は見た事がないがな』

 

続く!

 

 



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フレイヤ

コードギアスR3なんてでたら面白そうですねぇ、、


発表が終わると同時に艦が揺れた。大した揺れではないが操縦室に駆け足で戻っていくオーキス達。ナオト達KMF隊員は格納庫に行き各々の機体に搭乗。機体OSを起動して出撃準備を整えた。操縦室では警報が鳴り響き緊張感を増していく。オーキスとナヴィスは昇降式司令席に座った。

 

「動力緊急再起動!急速発進!オールタンクブロー!」

 

「ここを感づかれたか!だが一体誰が、、」

 

「敵は水中KMFシリーズ!目標数四!」

 

「ベイリン!ピンガーを発射!敵の位置を!」

 

数々の魚雷を装甲と障壁で防御しながら急速上昇を始めるスカアハ。その巨体は的にしかならないので急いで空中戦闘に持ち込まなければならない。水中ではKMFやMSすら出撃させるのは不可能だ。

 

「敵位置特定!空母一!護衛二!潜水一!」

 

「左舷より接近物!コレは、、」

 

「大型誘導魚雷です!計八本接近!」

 

「弾幕を張れ!七番多弾頭発射管解放!F-ADCAP発射!」

 

「四番、六番通常弾頭管注水を開始しろ!H-MD発射!」

 

急速に上昇していくスカアハに潜水艦が接近。最悪な事に中身は無人。つまり敵はスカアハに特攻させるつもりでその海域に配置したのだ。一番嫌なのは弾頭がフレイヤである可能性がある事。無人であるところを生かした素早い動きでスカアハに接近していく。

 

「いい腕してやがる、、」

 

「オーキス!そんな悠長な事を言ってる場合か!」

 

「分かってる。ユフィ!アップトリム75!動力最大!全速前進!総員身近なものに掴まれ!海上まで急上昇!EMP弾頭用意!」

 

「深度40..25..15..10..9..突破します!」

 

海から出てきたスカアハは空に上がると艦後方に設置されたミサイル発射管を二つ解放しEMP弾頭の音響魚雷を海に叩き込んだ。空母からはフロートユニットを装備したKMF部隊がスカアハを取り囲む為に攻撃を開始。スカアハは障壁のエネルギー密集率を高め高威力弾頭に備える。

 

「KMF接近!数は3!」

 

「オーキスより各機に告ぐ!自由落下で出撃!迎撃戦だ!鳥になって来い!」

 

『了解!チームデルタ出撃!』

 

「位置は四時の方向2500m先!護衛艦が空母付近にいるはずだ。ミサイルに注意しろ」

 

ナオトを隊長とする重機動部隊がカタパルトルームから自由落下で出撃していく。ブルーウルフシリーズ、幻月X、レッドフレーム、バンシィ、サバーニャの計六機が青い空に舞い上がる。

 

『敵は空母にKMFを常駐させている筈だ!フロートユニットの燃費は良くない。各個撃破で追い詰めるぞ!』

 

『バンシィ了解』

 

『レッドフレーム了解』

 

『ブルーワン了解』

 

『幻月了解』

 

『ブルーツー了解』

 

スカアハを取り囲んでいた機体を全て撃破したデルタ部隊は近くの海域に空母を確認した。フロート式の機体を大量に持ち込みこちらに向かってミサイルやハドロン砲を浴びせて来るがスカアハに格納されている全ての機体はIフィールドと電磁パルスによるバリアを搭載している。当たったところで損害はない。

 

『敵機六機確認!空母を死守しろ!』

 

『ハドロン砲効果無し!実体弾に切り替え!』

 

沢山の砲弾の光が見えてくるなか、飛行中の味方にすら当ててくる空母のKMF隊。シールドビットを展開してバリアのエネルギーを温存するナオトはバンシィが前に出た瞬間ビットを戻した。他の五機も離れていく。

 

『黒金さん』

 

「どうした?」

 

『初弾で決めてください』

 

「了解」

 

バンシィが背中から出したのはビーム・マグナム。盾の方向を変えて邪魔をしないようにし、照準機を構えたバンシィは艦橋にいるKMFを目印にしてビーム・マグナムを撃ち込んだ。

 

「沈め」

 

大きな爆発を起こしながら沈んでいく空母。一撃だけハドロン砲が飛んできたがバンシィのIフィールドが相殺してスカアハのチームには一切の損害無しで戦闘は終了。周囲にいた護衛艦も黒金が空母に放ったビーム・マグナムの餌食となり強大な熱量に耐え切れず蒸発している。

 

『各機に連絡。敵KMFの一部を回収しろ。敵勢力の確認を行う』

 

「「了解」」

 

水平位置に戻したスカアハからキシの搭乗したピークォードが飛ばされデルタチームと共に撃墜したKMFの残骸回収を行わせた。数時間後回収が終了して損害が少ない機体一機をヘリとブルーウルフで吊り上げながらスカアハへと輸送。物資搬入甲板のハッチを開放してタキセの指示で機体を慎重に降ろしていく。

 

「オーライ!オーライ!」

 

『この位置でいいか?』

 

「ああ。キシ、ユウ、ニムバス。回収ご苦労」

 

ヘリと重機動部隊は別の格納庫に入りしっかりとワイヤーと固定具で固定された順からコックピットを降りていくナオト達。物資搬入甲板はハッチが閉まると同時に床が降下してオーキスのいる物資搬入口で固定された。

 

「タキセ。どう見る?」

 

「さあ、、見たところフロート式の機体としか言えない。コックピットが無傷だがサザーランド自体密閉率がいいわけではないからパイロットが生きてるかどうかは不明。ということで、、」

 

タキセは近くに置いてあったショートバレルの軽機関銃をオーキスに手渡しタキセ自身はアサルトライフルを肩にかけるとサザーランドの頭部ユニットに登ると頭部の回路を強制的に開き端末に接続してコックピットを開こうとするが開かない。

 

「ちっ。ブラックボックスの入力プロトコルが破損してやがる。オーキス司令。すまないがこれは」

 

「物理的破壊手段のみ、、か。サザーランドのコックピットの耐久性は?」

 

「C4でも仕掛ければパイロットごと消し飛ぶ」

 

「仕方ない。レーザーカッター用意」

 

レーザーカッターでゆっくりとコックピットの壁を切断していく。最後まで切断して壁を取り払いコックピット内部を見るとそこには宇宙服のようなものを着用してヒトの形をしている。マジックミラー式のフェイスを使用しているので息があるかどうか分からない。そもそも人間かどうかすら不明なのでオーキスはスタンドでパイロットを引っ張り出して軽機関銃を頭部に向けた。

 

「さてと、人か機械か。どちらがあってるのかやら」

 

ヘルメットを少しだけ回して外すと首の頚椎辺りに謎の機械を装着して気絶している女性パイロットがいた。コックピットには水が半分まで浸水しており周りの機器は全てショートしている。ブラックボックスがイカれたのも恐らく頭部ユニットに浸水してしまったからだろう。雨や生活用水ならば防水出来るのだろうが海水は別だ。首につけている小さい機械は直接人体に装着されコードは宇宙服に繋がっている。

 

「人体に機器を直接装着するとは、、」

 

「分かるのはクレアだけだな。クレア!」

 

『ん?何かあったの?』

 

「鹵獲したサザーランドから女性パイロットが出てきた。シャーリーとかいう奴と同じ集中治療室に搬送出来るか?」

 

『別に大丈夫だけど、、どうする気?』

 

「検査する」

 

『その前に、その人生きてるの?』

 

「頸動脈に異常なし。息はしている。意識はないが顔色は悪くない」

 

『なら集中じゃなくても大丈夫よ?』

 

「頚椎に機器が装着されている。下手に触れん」

 

『頚椎に?ちょっと待ってね、、』

 

内線にガサガサと雑音が入り混じり色々クレアの独り言が聞こえてくる。数分程待っていると更に大きい雑音の後にクレアの声が聞こえてきた。大きすぎるのでオーキスは一瞬無線機を外したが直ぐに付け直した。

 

『えーと、頚椎に機器よね?それは最近開発された耐圧スーツに装着する為の機器よ。内部には薬品投与も可能だからパニック障害の人にも使われているようね。ただし!人体にあまりいいとは言い切れないわ。それのシリアル番号は?』

 

「EA3500」

 

『なら簡単に取り外せる人体間接タイプよ。外しても構わないわ』

 

「了解、、クレア。ありがとう」

 

『御礼はガトーショコラよ?下手なもの作ったら承知しないから!』

 

「り、、了解、、」

 

無線を切ってため息をついたオーキスは頚椎の機器を外すとパイロットの目が開いた。タキセはアサルトライフルを頭部に向けた。しかしオーキスはタキセが向けた銃を下ろさせた。パイロットはゆっくりと立ち上がり宇宙服の背後にあるロックを自動で解除した。内部の服はブリタニア軍の服を着ている。

 

「ふぅ、、死ぬとこだったわ。で?ここは?ブリタニア軍の指揮戦艦?」

 

「君は何者だ?」

 

「人に名前を聞く時は自分からって知らない?」

 

「、、、俺はシンフォニー傭兵師団当主。オーキス・シンフォニー」

 

「そう。私は元ブリタニア軍ヴァルキリエ隊所属。ラン・エニード。よろしく」

 

「ああ」

 

手を出してきたので握手するのかと思いきや、その手を掴みとられ思い切り背負いなげされるオーキス。しかしその動きを利用してエニードを倒した。

 

「へぇ、、いい動きするのね」

 

「生憎、元々ブリタニアの部隊にいたからな」

 

暫く睨み合っていた二人。しかしナオトが入ってきた瞬間状況は一変した。

 

「司令。あの部隊について報告、、が、、、」

 

「、、ナオト?もしかしてナオト⁉︎」

 

「司令、、そいつから手を離さないでください」

 

「ナオトォォ!」

 

エニードはオーキスの手から逃れてナオトに思いっきりタックルを食らわせた。そのまま倒れこむ二人。ナオトはあまりの衝撃に気絶したがエニードだけはナオトにスリスリと顔を擦り付けていた。先程までオーキスをCQCで倒そうとしていた彼女とはまるで違う。エニードは抱き締めているがナオトは全く気付いていない。落ちていたナオトの報告書を拾い上げタキセに渡したオーキスは彼らを後に甲板から出ると早足で廊下を歩き始めた。

 

「タキセ!エンブレムについて簡潔に報告書を読め!」

 

「は!敵部隊のエンブレムはブリタニア軍ではなくギアス卿団のものと判明。あの機体以外は全て無人機。以上!」

 

「ちっ、、ギアス卿団が絡んでくるな、、」

 

「どうする?」

 

「決まっている!ギアス卿団の今の本拠地が潰れた以上別の本拠地を探すしかあるまい」

 

『オーキス!ブリタニアから救援要請!場所は東京租界!』

 

「了解した」

 

『各パイロットに告ぐ!緊急出撃準備!目標は東京租界!』

 

スカアハが東京租界へ方向を変えて進み始めた。キシはE.Eに頼み込んで急造でガンダム試作二号機を作成してもらい大型ラジエータ・シールドも作成。キシは幻月ではなくガンダム試作二号機に搭乗した。

 

「ブレーン!東京租界までの距離は?」

 

「約79km!到着予定時刻は1958!」

 

「4時間のロスか、、ユフィ!トランザムを起動!」

 

トランザムを起動したスカアハは途轍もない速さで東京租界まで飛んでいく。各パイロットはナオト以外全て配置につき各機起動開始。そして1時間半で東京租界上空に到着したスカアハはカタパルトルームよりブルーウルフ、ガンダム試作二号機、バンシィ、レッドフレームが出撃した。

 

『各機に通達!いいか!敵は黒の騎士団!くれぐれも味方のブリタニアを攻撃するなよ』

 

「「了解!」」

 

既に東京租界上空は乱戦となっておりゲフィオンディスターバーを破壊したブリタニアが少しだけ黒の騎士団を押している形になっている。中にはあの紅蓮弐式聖天八極式が空を可憐に舞っている。その速さに追いつけないKMFばかりで現在は無双状態にある。シンフォニーの部隊はそれぞれコックピットを極力狙わずに撃墜していく。そして黒金が操るバンシィと藤堂が駆る斬月に鍔迫り合いが始まった。

 

「藤堂ォォォォォォ!」

 

「黒金か!」

 

互いに機体を蹴りバルカンを放ちそれを互いに回避し、そして再び鍔迫り合いになった。

 

「日本を捨てた貴様に話す舌などは持たん!」

 

「いつまで減らず口を!」

 

ビームマグナムも持ち出して斬月の片腕と頭部を破壊したバンシィは周囲にビームバルカンをばら撒いていく。輻射波動弾を電磁パルス・ガードで弾き敵を倒していく。キシはラジエータシールドを傷つけない様に攻撃していく。そしてシールド内部に装着された大口径ビームランチャーを発射した。

 

「ソロモンよ!私は帰ってきたぁぁ!」

 

レッドフレームやブルーウルフも応戦している中で一機の機体が光を出しながら飛んでいく。オーキスのエクストリームガンダムだ。アイオスを飛ばしながら高純化兵装”エクリプス”を起動して高速戦闘を行った。別の空域では紅蓮が間に合わずヴァルキリエ隊により蜃気楼は撃墜。ルルーシュは脱出したものの見つかるのは時間の問題であった。

 

『ゼロを撃墜した!探せ!』

 

「蜃気楼が敗れるとは、、っ⁈」

 

一瞬の頭痛の後にルルーシュの顔が変わりある方向に向かって走り出した。

 

「やらなきゃ、、僕が、、」

 

急に止まりある巨大な倉庫を見上げた。倉庫の扉を開き布切れで被されている機体を出す。そこには青い羽とフレームが金色に輝く機体がワイヤーに固定されている。ルルーシュはコックピットに乗り込みOSを起動した。

 

「ジェネレーター起動確認。第二第三動力源起動確認。ドラグーンシステム起動確認。自動平均値を確認。システム全てオールグリーン」

 

パイロットが乗りメインカメラが光る。フレームが金色に光り出し羽からはプラズマ粒子が出た。自由の鐘を叩く機体は主人を手に入れ東京租界の上空に舞い上がった。

 

「ストライク・フリーダム、キラ・ヤマト!出撃します!」

 

ストライクフリーダムは再びヴァルキリエ隊に突撃。あの蜃気楼を撃墜したナイトオブテンも未だにいた。

 

「性懲りもなくまた来たかぁ?ゼロぉ!」

 

「討ちたくない、、討たせないで」

 

ストライクフリーダムはビームライフルを重ねて高出力ビームモードにしてナイトオブテンに発射していく。しかしことごとく回避され間合いに入られた。ビームサーベルを出して槍状の武装と鍔迫り合いになった。

 

「ヴァルキリエ隊は周れ!ゼロを再び仕留める!」

 

「「了解!」」

 

「止めないんだね、、なら僕は君達を、、討つ!」

 

羽からドラグーンが飛び出しヴァルキリエ隊の頭部ユニットを全て破壊した。さらにナイトオブテンから間合いを外してドラグーンシステムによる攻撃を絶やさない。

 

「クソが!小賢しいんだよ!」

 

再び槍状の武器で狙うナイトオブテン。一直線に来たKMFをルルーシュは腹部に装備されたカリドゥス複相ビーム砲にドラグーンとレールガンを一斉発射した。勿論盾は耐えきれず槍状の武器は溶解。ナイトオブテンのKMFは完全に破壊された。そしてランスロットは紅蓮に追い詰められ遂にフレイヤを発射。未だに操られ機体の一部が損傷しているギルフォードをキシがふきとばしシールドに内蔵された八つの大型ラジエーターを起動。キシ以外は退避して残ったのは逃げ遅れた人間か撃墜された機体だけになった。

 

「さて。頼むぜラジエータ・シールド、、フレイヤ暴発まで3...2...1...!」

 

続く!



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俺は誰?

こんばんは!そろそろ新作の最終調整をしようとしている俺氏です!


フレイヤが組成を変えながら超爆破を起こし周りの物体を全て消滅させていく。その中一機だけイレギュラーな存在がいた。ギルフォードの機体をその堅牢な機体と盾で守り続けるサイサリスだ。

 

「フレイヤ終了まで8秒!耐えろラジエータ・シールド!」

 

しかし堅牢なラジエータ・シールドですら熱量に耐えられず僅か数秒でラジエーターが一基、また一基と故障していく。残ったのは中心部にあるラジエーター五基だけだ。ラジエータ・シールドだけではない。サイサリスの大型高出力ブースター四機が悲鳴をあげコックピット内では警報の合唱と成り果てている。機体のユーティリティ画面がモニターに表示されている時点でサイサリスは相当なダメージを受けていた。

 

「はは、、何だかエヴァのシンジを守るレイみたいな気分だ、、」

 

ユーティリティ画面に制御不能の文字が出される部位が広がっていきラジエータ・シールドは完全に機能しなくなってきている。数秒後キシがモニターを見て青ざめたのはラジエータ・シールドの最後のラジエーターが故障。機体に積まれた予備のラジエーターが起動するが耐えられるか全く分からない。何よりキシが本来の世界で見たフレイヤの持続時間は10秒だったが此方では20秒以上のようだ。スカアハでもそれは計測されE.Eは最終手段の兵器をサバーニャに装着。ナオトはスカアハの甲板へ上昇して強力なMS級大型エネルギー砲”コルタナ・バースト”を構えた。簡単な話だ。目には目。歯には歯という事である。

 

「司令!ラジエータ・シールドが崩壊!機体のラジエーター三基も破損!これ以上は機体が、、キシ少尉が!」

 

「ナオト!最終入力は完了した!後の誤差は手動で決めろ!」

 

『了解!』

 

「銃身固定位置!砲身冷却水注水完了!」

 

「スカアハ動力源とのエネルギーシステム直結!予備電源に切り替え!」

 

スカアハの予備電源が作動して主電力は全てサバーニャに回された。しかし誤差修正をスカアハのスパコンでやらないという事は本来相当な技量が必要となる。しかしナオトは銃身式スコープを除き爆発の中心部に一回で照準を合わせると最後の安全装置を解除。引き金に指をかけた。

 

「目標、、フレイヤ爆発内部。発射!」

 

コルタナ・バーストの金色に光るエネルギーの筋はフレイヤの爆発の中を貫通。組成を変えながら未だ反応を起こす弾頭に直撃した。弾頭が消えて爆発が反応が終息した東京租界は学園のギリギリまで破壊し丸くクレーターのようにその爪痕を残した。キシのサイサリスはブースターの推進剤とエネルギータンクを全て使い切り地面に派手に落下。盾の溶解度は激しく原型をとどめていなかった。

 

「予備電源は、、無理か。コックピットも開かない。と、なれば!」

 

スタンドでコックピットのハッチを吹き飛ばし計器をどけて外に出るとキシが見たとき以上の残虐さが残り焦げ臭さと血生臭い感覚が漂っている。吐き気を催し機体の近くで嘔吐したキシは目を当てる事が出来なかった。自分が知る以上の兵器である事は知っていた。見た。だがキシ本人はKMFでルルーシュの手伝いをしただけ。モニターでしかクレーターを見ていない。しかも爆発直後と来たら尚更吐き気がしてもおかしくない。スカアハではサイサリスとキシの回収を行う為ピークォードとブルーウルフをクレーターの底に向かわせた。甲板ではコルタナ・バーストの緊急冷却を開始。冷却水が使い物にならなくなる程熱い為スカアハ内部に格納出来ないのだ。キシはヘリに乗り操縦していたタキセがオーキスの命令でギルフォードを回収。スカアハへと帰還した。

 

「ただいま、、ナナリー、、」

 

「あら?キシさんどうしたんですか?」

 

「今、、今だけ、、」

 

キシはナナリーを固く抱き締めた。ナナリーは少しだけ苦しそうにしていたが直ぐにキシの頭を撫で始めた。彼女の腕の中にいるキシは何時ものキシではなかったのに気付いたからだ。震え、声にならない叫びだけが心に詰まっている。キシの中で目覚めたのは初めての”恐怖”。今まで自分の力で助けてきたがそれは万能ではない。キシにとって兵器の恐ろしさと残虐さを身に染みこまされた日となった。会議室ではオーキスがフレイヤの爆発途中に送られて来たシュナイゼルの通信についての説明が行われていた。

 

「E.E以外に説明をしなかったのは謝罪する。だが通信が来た時にはキシの身が危なかった」

 

「司令。出し渋らないで早く説明を」

 

「ああ、、すまないナオト。シュナイゼルからの通信の内容としてはだな。要約すると」

 

フレイヤ弾頭の制御システムが何者かにより変更・設定されリミットがかけられた本来の威力よりも強力になった。勿論我々は牽制としか考えていなかったし威力も大した大きさでは無いはずだった。

 

「らしい」

 

「やっぱりギアス卿団の誰かが、、⁈」

 

「惜しいなE.E。確かにギアス卿団の仕業だ。いや、正しくは元か」

 

「司令?」

 

「いいか?全員よく聞け。これから俺達が相手にするのはブリタニアでも日本でも世界でもない。ラグナロク計画を発動し世界を我が物にしようとしている皇帝もそうだが、、皇帝を倒してからが本当の勝負になる」

 

「司令!その敵、、とは?」

 

「V.V主導で作られたギアス卿団の後続組織。”サンズ・オブ・パトリオット”」

 

「”愛国者の息子達”、、ねぇ」

 

「愛国者とは言えない行動しか起こしてないがな」

 

「ナヴィスの言った通り奴らはありえない行動ばかり起こしている。これからはより警戒する必要性がある。前回の襲撃戦もサンズ・オブ・パトリオットが原因だ。問題としては回収した女パイロットについてだが、、どうやらただ連れてこられただけらしい」

 

「つまり自分の意思ではないと?」

 

「そういう事になるな。その点については調査を実施している」

 

「司令!ならブリタニアのシュナイゼルに報告して捜査をしてもらった方がいい良いのでは?」

 

「ブレーン。それは半分正解で半分不正解だ。ギアス卿団という組織の内部はあやふやな点が多い。あまりあちこち調べ回ると気づかれる。スパイというのもあるが一番怖いのは”信仰”だ」

 

「信仰?」

 

「どの戦争でも絡むのは宗教。その影響は計り知れない。人々の間をすり抜けるように伝わる為止めるなど不可能だ。ギアス卿団の信仰者がブリタニアにどれだけいるかなど把握出来ん」

 

「人間いつ敵になるか分かったものじゃないな」

 

「以上だ。質問は、、無しだな。各員は第二戦闘配置で警戒を怠るな。解散」

 

会議室から出て行く隊員隊。オーキスはキシが回収された甲板に向かった。辿り着くとそこにはベンチに座って覇気がないキシが一人で座っていた。ナナリーは隣りで立ってキシを見つめている。オーキスはキシの胸ぐらを掴むと思いっきり平手打ちした。

 

「ぶったね!親父にも殴られた事ないのに!」

 

「黙れ!お前自身はその能力で世界を救ったかもしれん。だがお前の住んでいた世界とここは違う!戦場に身を置く俺達は血如きで吐いて沈んでる場合なんかじゃない!モニターだけ見て世界を全て見た気になるな!お前が倒してきたパイロットも大量の血を流し死んでいっている。それは俺達も例外じゃない。それでも進む。敵味方関係なく屍を超えて生きなければならないのが人間だ!これ以上何かあるのなら勝手に帰ればいい。まあ、、そんな軟弱な気持ちだけで世界を救ったというなら、戯言も大概にするんだな」

 

「なら!ならオーキスは世界を救えると断言するのか⁈」

 

「バカヤロウ!お前は世界を救ってなんかいねぇ!能力に溺れブリタニアと日本という国しか見ていない!見るなら主観ではなく客観的に見ろ!なすべき事は生きている以上無限に産まれる。ナナリーを守りたいならまずは自分を知る事から始めろ。以上」

 

オーキスは靴音を立てて廊下を速歩きで去っていった。キシは叩かれた頬に触れながら再びベンチに座り込み何も言わなくなった。ナナリーはただキシの真横に座り何も言わず隣りにいる事しか出来ない。一部始終を見ていたE.Eは速歩きで行くオーキスを引き止めた。

 

「何を説教垂れてんの⁈20代の若者が!」

 

「E.E。あいつにはいて貰わなきゃ困る。だが血生臭い感じだけで吐いてしまうのでは役に立たない」

 

「だからってあんないい草は、、」

 

「自分を知らないからやる気が出る。だがそんな物は空っぽの自信に過ぎない。一度支えを失えば簡単に崩れ去る。奴に足りないのはチカラでも権力でも頭でもない。自分自身が何者か?そして自分の周りを客観的に見る事だ。俺自身はシンフォニーという一つの巨大企業を背負う人間の一人であり、、ギアスやスタンドを持っている。だが弱い。スカアハを作成したエンジニア。ギアスを与えてくれたE.E。親父の真相を届けてくれたタキセ。他にも沢山の人々に頼りながら生きている。それと目標がない戦士は崩れ去るだけだと奴が気づけばいい話だ」

 

キシはナナリーを別の個室に寄越して自分は個室の扉をロックしてベッドの中に潜り込んだ。

 

「俺は、、何なんだ?ナナリーを守る夫?ブリタニアを守る騎士?違う、、違う、、」

 

頭の中が真っ白になっていくキシ。真っ暗闇の個室の中では自分自身が何者で何の為に存在しているのか自問自答を繰り返した。頭を抱え逃げたい気持ちだけが募っていく。もう自分が誰でもいい。自分の存在意義など感じる必要はない。世界なんて見ないで背ければいい。自分の能力さえあればナナリー以外にも守れるものはある。血生臭いのが無理で何が悪い?やりたい事をやれば別にいいじゃないか。

 

 

自分を知る事から始めろ・・・・・

 

「分からない!俺はなんなんだ⁈軍司キシという名前をした別の存在?俺は、、誰だ?」

 

「こんの大馬鹿モノ!貴様の存在意義など自分で見出せ!」

 

「無理だ、、ん?狐ちゃん⁈」

 

「久しいの。それにしても暗い個室だのう。明るくせんと気持ちまで暗くなっていくぞ?」

 

神狐は個室の電気をつけるといつものように焼きおにぎりと麦茶をキシに差し出した。だが彼は一向に食べようとしない。いい焼き色がついているのに食欲があまり湧かないのだ。

 

「ん?食べないのか?」

 

「なあ狐ちゃん。俺って、、誰なんだ?」

 

「はあ?お主はワシが認めた最強主人公!軍司キシではないか!」

 

「違う!コードギアスじゃない、、”本当の俺”だ」

 

「、、、お主の本当の名前は知らぬ方がいい。黄泉の国に引きずり込まれるぞよ」

 

「何故?」

 

「名とは黄泉と現世を繋ぐ鎖。ワシは神のルールの隙を縫って新しき魂として名を変え”軍司キシ”と名付けた。今のお主は軍司キシ。それ以下でも以上でもない」

 

「俺は軍司キシ、、か」

 

「なんと言われたかは知らんが惑わされてはならんぞ?お主はなんだ?」

 

「軍司キシ、、ナナリーとC.Cの夫」

 

「仲間は?」

 

「ルルーシュとかスザクとか、、他にもこっちならE.Eちゃんとかオーキス、ナヴィスがいる。多分考えているより沢山いる」

 

「うむ。なら大丈夫そうだな」

 

「狐ちゃんは一体何の為に来たんだい?」

 

「ワシはお主が能力に溺れて一人突っ切ってないか心配してきたのだ。時々根拠のない自信を持つ事が多いからのう」

 

「あはははは、、そういうことか。くく、、あはははは!」

 

「キシ?」

 

「狐ちゃん!礼を言うぜ!」

 

「き、キシ⁈どこへ行く⁈」

 

キシは個室のロックを解除して操縦室に走り込んでいった。自動ドアが開くと全員がキシを見ていた。キシはオーキスに近づくと思い切り眼前に立ち塞がった。その顔は覇気がなくなった死人のような顔ではなく今まで以上に輝き、そして来た時よりも笑っていた。

 

「で?答えは?」

 

「俺は軍司キシ!ナナリーの夫でありスカアハ重機動部隊少尉!俺一人では何も出来ない!だからオーキス!この世界を救う為に力を貸す!いや、、貸してくれ!」

 

「世界?それはブリタニアか?日本か?」

 

「全てだ!俺がいる世界いない世界関係なく戦いを終わらせる!」

 

「机上の空論だな」

 

「、、、人間一番怖いのは死なんかじゃねぇ。為すべき事から逃げ世捨て人になることだ!失敗を恐れ何もしないなど死んだも同然!確かに俺は能力に溺れていた。全てやりきったと思い込んでいた。だが、、」

 

「生きている以上やる事は無限に産まれる」

 

「ナナリーやC.C。皆を守る事は周りを平和にしていく事と同じだ。他人の力無しじゃ生きて行く事なんて不可能だ」

 

「気づいたか。その結果に辿り着くまで大した時間はかからなかったようだが」

 

「生憎、、俺も一度死んでるんでね。もはや死なんぞに興味はない。ここまで来たんだ。とことん荒らしまくって俺の知らない理想郷へ会いにいく!」

 

「はっ。ようやく出来たか。目標が」

 

「は、はあ?」

 

「俺がお前に気付いて欲しかったのは能力に溺れて他人無しでも出来るという自信がちょっとの影響で恐怖に変わるのを防ぐこと。二つ目はフラフラしていた目標を定めさせることだ」

 

「つまりオーキスは俺の尻に火をつけた訳か⁈」

 

「当たり前だ。旧友のギルフォードを救ってくれた事は感謝している。それと此方のナナリーは別の場所にいた。フレイヤは食らっていないから安心しろ。だが世の中は理不尽だらけだ。能力で脅しているのは皇帝のやっている事と同類。俺達も確かに同類かもしれん。だが俺達は俺達の信念がある。それをなくしたら終わりだ」

 

オーキスはキシにある紙を渡した。今までシンフォニーにいた分の給料明細書だ。今まで給料を払われていた事すら知らなかったキシだが内容を見て更に驚愕した。シンフォニーに属してから約一年半が過ぎているキシの給料は軽く八百万ポンドを超えており講座はシンフォニーが後ろ盾をしているイギリスの銀行に預けられていた。オーキスは明細書を見せた後ニヤリと笑いキシにいった。

 

「これ以上迷惑をかけるなら給料は半減。だがお前のこれからを期待して、、問題を起こさなかったら給料二倍。更にスカアハに一切の損害を出さず戦いきった際には」

 

「には、、?」

 

「追加ボーナス。二百万ポンド追加だ」

 

キシは一瞬すごい額のように感じたがレートを見た事がないのでよく分からない。イギリス領に存在しているシンフォニー本拠地なら使えるが戻る時は円に換算しなければならない。

 

「ベイリン。今のレートをキシに見せてやれ」

 

「了解!」

 

モニターに表示された現在のレートではイギリスポンドに対し円は169.78。キシは頭の中で計算していくと円でとんでもない額で取引されている事に気づいた。今あるキシの預金額だけでも十億を超えている。ボーナスも追加すれば一生遊んで暮らせるだけの額がある。更にこれから二倍の給料。他にも費用がかさばる予定のキシにとっては破格の条件だ。

 

「よっしゃ、、やってやらぁ!それにしてもよくそんな額が出せるな?」

 

「中華連邦への不信感のおかげでシンフォニー系統の会社が儲かっていてな。ついでに言えばブリタニアや黒の騎士団から支払われた金額は数百億を超えている。そろそろ一兆いくんじゃないか?」

 

「国家予算級の利益を、、!」

 

「傭兵師団の整備システムとか維持費を見直すだけで数億は削減した。例えば使わない施設を改装して有料貸し出しするとかな。後はスカアハの機器を幾つか最新式に換装した際に太陽炉の解析をして電力供給をシンフォニーだけにした」

 

他にもオーキスは商業部門が担当している地下商業施設の乱立した電線の地中化や新型の耐震骨格を使用したコストの低い店舗の拡大を目指し一部に広がる地下水の問題をクリア。軍需系、生活系、農業系、福祉系に分けて伝達ミスを大幅に減少させた。あまり使われていない外部にある巨大演奏ルームの一つをはイギリスに貸し出しオーケストラ専用とした。整備施設は使われていない機器を解体。使える部品で幾つかを修理出来るようになっている。巨大なスカアハ級戦艦用整備施設は快適になり耐震骨格を多めに導入。地震に強く電力供給が可能な基地となった。

 

「そういやシンフォニーの本拠地はロンドンのど真ん中にあるんだよな。苦情とか来ないのか?」

 

「キシ、、説明したはずだ。シンフォニーの工場は地下でバッチリ防音してある。夜間飛行も控えてるし政府からは公認されている。酪農については他の酪農家を圧迫しない程度でやっている」

 

「流石は巨大企業の社長。考える事が違うぜ」

 

笑いあう二人。操縦室にも笑い声が沢山出てきて今までにない笑いだ。心の底から笑うのは全員久しぶりなのだろう。誰も笑わないやつなどいなかった。そんな事をしているとモッフモフのキシの師匠が操縦室に迷い込んできた。驚いたオーキス達はとっさに銃を神狐に向けた。

 

「おお。キシ、ここにいたのか。で?何故ワシに全員銃を向けておるのだ?」

 

「えっと、、だな。取り敢えず銃を皆様下ろしてください。悪い奴ではないので」

 

「キシ。こいつは誰だ?五秒以内に説明しろ」

 

「俺の命の恩人です。はい」

 

「こいつがか?」

 

「まあ、、うん。色々事情がありまして、、」

 

「ふ。ワシに銃を向けた事を後悔する前に下ろした方がいいぞ?」

 

「なら、、やってみろよ」

 

「キシ。離れてな」

 

「狐ちゃん?」

 

神狐はその着物を脱いだ。下には普段着を着ており長袖の腕をまくると何かの刺青をしたと思われる右手をオーキスの前に出して何かを言い始めた。

 

『体は剣で出来ている。血潮は鉄で心は硝子』

 

「狐ちゃん⁈その詠唱はヤバいから!」

 

『幾たびの戦場を超えて不敗。唯の一度の敗走もなく、唯の一度も理解されない』

 

「ストップ!ストップトーキング!」

 

『彼の者は常に独り剣の丘で勝利に酔う。故にその生涯に意味はなく、、』

 

「ヤバいから!艦が堕ちる!」

 

『その体はきっと』

 

『「剣で出来ていた/ゲート・オブ・バビロン」』

 

神狐の背後から放たれた大量の剣は別の剣で全て防がれた。神狐が剣が出てきた方向を見てみるとそこには両手をポケットに入れて不気味な笑みを浮かべたE.Eだった。神狐はE.Eを睨みつけ剣を出そうとしたが直ぐに引っ込めた。

 

「ふう、、わしがやりすぎた。帰る」

 

神狐はその場から跡形もなく消え去ってしまった。E.Eは未だに睨みつけてながら鎖を握っていた。後からキシがE.Eに聞いたところ神狐はE.Eとロンドンにいた時に喧嘩したらしく以降不仲のようだ。その後神狐を呼び出しオーキスとキシが説教したのは言うまでもない。

 

続く!



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ダモクレスと神根島

さあ終盤に来ました!これからどうなるのか⁈そして彼らに明日はあるのか⁈


数日後、夜中のスカアハ操縦室に一件のメールがきた。送り主はゼロ。内容はダラダラと長く書かれていたが最初の件名でメールを見たオーキスは寝ているキシを叩き起こした。強制的に幻月Xとエクストリームを作動させてスカアハの火器管理・監視システムを端末で操作。カタパルトルームを開いた。

 

「とうとう来たか、、」

 

「騎士団がシュナイゼルに真実を伝えられてルルーシュを公開処刑するとはな」

 

「結局はこうなることは本人も自覚していたはず。今更驚きはしないだろ」

 

「そういえば、、あのストライクフリーダムはどうやって配備した?」

 

「E.Eちゃんに頼んで配備したのさ。とにかく今は行かねぇと!」

 

カタパルトルームから二機が出撃。その後ろ姿を見ていたのはデンファレ。そしてユフィだった。かつてロロとして活動していた時に渡されたキーホルダー。義兄とはいえ見過ごす訳にはいかなかった。だが自前の機体である暁はよりによって整備中。使えるのは誰も使用していない新型MSだけ。使えるかどうかすら分からない。

 

「せめてキーさえあれば、、」

 

「キーですか?ならここに」

 

ユフィの手に乗っていたのは機体の起動キー。本来起動キーは中佐以上だけが自分で管理でき以下では特定の場所な保管することが義務付けられている。なのでユフィはキーを持っていることはおかしい。しかし彼女には霧のイヤリングを装備している。つまりキーを幻覚で複製したのだ。

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ルルーシュをお兄さんと一緒に助けに行きたいんでしょう?早く行ってあげて」

 

コックピットハッチを開いて乗り込んだデンファレはカタパルトルームから発進。大きな赤い羽から光を放ち二機の後を追いかけていく。

 

「どうか、、皆様が何事も無く返って来れますように、、」

 

カタパルトルームが閉じて強風は収まった。斑鳩に向かう二機は途中で接近してくる高熱源体を察知。デンファレである事が判明すると三機は北に向かった。スカアハにはシュナイゼルからのメールが届いていたが誰も気づいてはいなかった。そこに書かれた内容は一文だけ。

 

『手段は問わない。ルルーシュを救え』

 

それだけだ。数十分後斑鳩上空に辿り着いた三機は甲板に密かに降り立つと全員がアサルトスーツ姿で斑鳩に潜入。各々特技を活かした配置へとついた。ルルーシュはエレベーターに乗り斑鳩のKMF収納スペースまで降下していく。だがこの時点でルルーシュはシンフォニーなど来ないと割り切っていた。シュナイゼルが来ていた事は元々承知しておりチェックされるのはこちらだと考えは纏まっていた。

 

「いいかカレン。君は生きろ」

 

「え、、?」

 

「シュナイゼルが来ている。何を話したかなど予想はつく」

 

「それじゃあルルーシュは!」

 

「、、どうなるか分からない。これ以上話す事はない」

 

エレベーターを降りるとルルーシュの予想以上の団員とKMF、そしてカメラを回したディートハルトがいた。銃を向けられ何をされるか、何を言われるか分かりきった事。全ては道を違えたあの時からだった。何もかもに絶望し自ら戦いを選びそして憎むべき兄の手により殺される。運命は変えられない。スザクもシャーリーもナナリーにも迷惑をかけてきた。ならば彼が取る行動は一つ。ここで遺恨となるが果。全てはここで終わる。自分が目指したナナリーが過ごせる優しい世界を作る事が。

 

「ゼロ!お前は今まで俺達に嘘をついていた!違うならその素顔を見せろ!」

 

「ルルーシュ、、!」

 

「ははは、、今更気づいたか!お前らは全員私の駒だ。所詮はボードの上の駒に過ぎん!」

 

「全団員構え!」

 

「ここで終わり、、か」

 

藤堂の号令に合わせ全員が銃を向け引き金を引こうとした瞬間斑鳩が急に動き出しKMFは一瞬よろけた。斑鳩の操縦室にあるモニターには”HASTA LA VICTORIASIEMPRE”と書かれた文字だけが存在し主機能は完全に第三者に掠め取られた。ダクトの中でアサルトスーツに装備されたクラッキングキットを使っていたのはデンファレだ。

 

「僕達は、、勝利まで永遠に!」

 

斑鳩のサブシステムまで乗っ取られてしまい奪還不可となったが藤堂は号令を下しルルーシュに向かって銃を放たせた。しかしその銃弾は全て弾かれ全員の肩に飛ばされた。そんな芸当が可能なのは一人。キシだけだ。

 

「よく聞けアホども!俺達はシンフォニー傭兵師団だ!死にたくなけりゃそこをどけ!」

 

「構わん殺せ!奴の身体ごと撃ち抜け!」

 

KMFの銃弾と通常の銃弾が降ってくるが全てを弾きかえすキシ。クレイジーチャリオッツの性能に比べれば銃弾を弾くなど赤子の手を捻る以上に簡単な仕事である。リロードタイムになり驚愕する団員達。そして上層部をC4で破壊して収納スペースに来たのはオーキスだ。ワールドを出してキシの背中合わせになった。

 

「キシ。あの脅しを使え」

 

「教科書通りのか?」

 

「ああ」

 

「了解、、よく聞け野郎ども!この斑鳩は我等が乗っ取った!操縦系統は全てこちらの手中にある!デンファレ!左舷回頭!高度を下げながらエネルギーシステムのオーバーロードを開始!」

 

シュナイゼルの搭乗していた戦艦が弾き飛ばされ斑鳩が少しずつ高度を落として着水した。輻射波動による動力を採用しているエンジンなど暴発させれば容易い。もしオーバーロードして撃沈しなくても水圧で潰されていく。

 

「さあ、、どうする?このまま死ぬか?ルルーシュを解放するか?」

 

「くっ、、」

 

「キシ。時間だ。デンファレ!行くぞ」

 

『了解!』

 

「ザ・ワールド!時よ止まれ!」

 

完全に止まった世界でオーキスはキシとルルーシュを運び出し機体に乗せた。一方デンファレは未熟なギアスとザ・ワールドの掛け合わせにより自分の指定した範囲ならば動けるようになっているので彼は自分で機体に戻り斑鳩から飛び立つ。幻月Xとストライクフリーダムは自動操縦でエクストリームの指示した方向に進んでいく。

 

「、、そして時は動き出した」

 

倉庫では三人が一斉に消えて藤堂は操縦室に主砲発射を命じた。斑鳩はメインシステムを取り戻すと瞬時に主砲を回頭。四機に向けて輻射波動砲を放った。

 

「兄さん達は、、僕が守る!」

 

デンファレが機体の背中から取り出したのは機体の第二の象徴とも言えよう高出力と長射程を兼ね揃えたスライド式ビーム砲。M2000GXである。ビーム砲本体にエネルギーを供給するヴォワチュール・リュミエールとラジエータにエネルギーを供給する小型GNドライヴタンクの重ね合わせにより長時間の照射が可能となっている。その為相殺した後発射してきた対象に直撃するのは必須である。

 

「斑鳩に被弾!デンファレ!よくやった!これで奴らの足は断たれた。暫くすれば戻るだろうがな」

 

「シンフォニー、、だと?何故俺を、、」

 

「頼まれた依頼は無断破棄しないのがウチの売りでね。しっかり料金は払ってもらうからな。覚悟しとけよ!」

 

「はっ、、金なら幾らでもやる。それより何処に向かうつもりだ?」

 

「俺達の戦艦。各国から集まった隊員達がいる。ならず者の巣ではないが、、レジスタンスもいるな」

 

『僕達の艦は冥界の神だよ。義兄さん』

 

「そうか。ならその艦とやらは、、」

 

「その通りだ。ようこそ。俺達の家、、全環境対応型戦略要塞”スカアハ”へ」

 

スカアハのハッチが開き四機が一斉に着艦。ワイヤーと固定器具による専用キャスターに各機格納されるとコックピットが開放。降下艦橋が出てきてコックピットから出たオーキス達はルルーシュを会議室へ案内して椅子に座った。デンファレはコーヒーサーバーからコーヒーを人数分持ってきて手渡すと空いている椅子に座った。

 

「あー、、疲れた。斑鳩のダクトがあんなに狭いなんて分からなかったよ」

 

「ま、成功したんだから良しとしようや。オーキス!メールが来ているぞ?なんか俺達が行った直後に送られてきているみたいだが」

 

「メール?、、ああ。シュナイゼルからか」

 

「内容は」

 

「愚弟を助けろだとよ。どうする?ルルーシュ。場合によっては身柄の引き渡し拒否が可能だが」

 

「いや、、別にいい。今更なにも、、」

 

「今更なにも?貴方が決めた心は弱いものですね。ゼロ。いいえ、、ルルーシュ」

 

会議室の扉を開けルルーシュの真後ろにいたのはユフィ。ルルーシュは一瞬身体が硬直してしまった。またあのギアスが出てしまうのではないか?命令させたくなかったあのギアスを。だがその心配は一切なかった。顔を横に引っ張られ悪戯してくるユフィにギアスの兆候など目に見えてない。それどころかブリタニアにいた頃より元気で活気に満ちている。左手には指輪をはめて右の耳には綺麗なイヤリングをした彼女を見てルルーシュは安堵した。

 

「ユフィ。その、、なんだ。あの時はすまなかった。俺もギアスのストップがかけられなくて、、」

 

「あら?気にしなくていいですよ?こうやって生きているのですから。まあ埋め合わせはして貰いますがね」

 

「埋め合わせ、、か。何でもしよう。死の瀬戸際まで追い込んでしまった俺が悪い」

 

「何でも?分かりましたぁ!なら、、ちょっとお父様を倒してきましょうか」

 

「ああ分かっ、、はあ⁈」

 

「シュナイゼルお兄様!誘導完了です!」

 

『ご苦労。ユーフェミア。さて、、我が愚弟ルルーシュ。私の条件を呑んでもらおう。これはユーフェミアへの償いと思いなさい』

 

「シュナイゼル、、!こ、これは誘導尋問だ!」

 

『その訴えは却下する。芝居はよして本題に移ろうか。ルルーシュ。君が父上を倒そうとしているのは知っている。私はあまり興味がなかったが面白くなってきてね。クロヴィスを殺した事やその他を不問とする代わりに父上を倒してから君が政権を握るのはやめてほしい』

 

「なら貴方が政権を握ると?全て不問に処す代わりに政権を貴方に渡せと?」

 

『ははは、、まさか。私はこんな性格だが政治にさほど興味はなくてね。日本の独立は認めよう。我々も馬鹿げた戦争に予算を組む余裕はない。戦争が終われば私は勝手きままに旅をする。ルルーシュ。君はナナリーの補佐をしたまえ。彼女に全ての実権を委託する。だが目付役として年m、、失礼。コーネリアを置く。シンフォニーには長期契約としてナナリーの護衛をつけた。後は君次第だな。ああ。一つ言い忘れていたがルルーシュ。皇帝の件が片付いたらフレイヤのクレーター処理は任せる。私はこれ以上仕事をしたくない。早めにPS5を購入して新作のS◯Oをやらなければならない。キ◯トの新ビジュアルを見たいのでね。そういえばイラストがTwit◯erにあったな、、見るか』

 

唖然として動かないルルーシュ。シュナイゼルがここまで興味を持ちやろうという気持ちを持つこと自体が珍しい。だが同時に政治には一切興味がないというのは初耳。しかも仕事をしたくないという理由だけでフレイヤの処理を任せている。というか仕事が面倒になって来たから全てルルーシュに丸投げしているだけだ。

 

「さて、、こう言ってる訳なんだから皇帝を軽く捻り潰しに行くぞ。まあ計画についてはプロが担当してくれないと困るがな」

 

「プロですか?」

 

「E.E!」

 

会議室に入って来た彼女は大量の資料をルルーシュとオーキスの前に置く。そして端末を出して近くにあるスクリーンに資料の概要をまとめたものを出すと装着型マイクをつけた。

 

「えー、、それでは私E.Eが黄昏の間についての最終的な結果を出します。それと今まで言わなかった秘密も」

 

黄昏の間はE.Eのギアスである創造のギアスにより作成された次元の違う場所。本来なら魂の力を増幅させて本当に不可能を可能にする場所。ある意味核シェルターとしても発動出来るが彼女がいないと自由な出入りは不可。しかし思考エレベーターを活用すれば入れない事もなく無限に広がる世界が存在している為アーカーシャの剣を造るにはうってつけの場所となっている。無意識集合体への接続は少し次元を弄れば簡単に開く。そして皇帝がいる時点でおそらく彼女が作成したセキュリティも掌握された可能性がある。ギアスをかけられた者・ギアスを持つ者・契約者だけが入れるようになっているがシステムが変わらずとも一部は変えられるのでどうなっているか不明。

 

「だけど絶対に変わらないセキュリティがある。これは私が最後に出た時に設定したセキュリティ。自分の負の側面と戦わなければならないの。魂の世界は負の側面が大きいほど暴走しやすいわ」

 

「だからセキュリティが頑丈なのか。だがE.Eなら通れるんじゃないか?」

 

「確かにオーキスの言う通りだけど私しか通れないの。皆が負の側面と戦ってる間に私は皇帝を倒す。多分皇帝は、、若くなっている。しかも物理的にも精神的にもより強くなって。でもそれは多分戦闘用の皇帝の魂。アーカーシャを起動する為の魂は別にあるはず。それはオーキス達に任せるよ」

 

「よし、、侵入要員を配置するぞ。ギアス所持者にギアスの被験者は全員配置。E.E以外の女性隊員は全員スカアハに残ってもらうか」

 

「ま、そうしたとしてもユフィとかナナリーとかクレアは行くっていうだろうね」

 

「何故だ?」

 

「全員が全員覚悟を決めてる。スカアハにいる時から戦闘に巻き込まれるなんてザラだしクレアは死神がいる。ユフィは擬似的なUBWを使える。ナナリーは希望のギアスで全てを可能にしてしまう。エニードさんは、、どうやらナオトの補助をする気みたいだよ?」

 

「、、馬鹿どもが。勝手にしろ」

 

オーキスが編成した黄昏の間突入部隊はギアス被験者であり霧のイヤリングを使うユフィ。そしてギアス所持者のナナリー・ルルーシュ・デンファレ・オーキス・ナヴィス・キシ・E.Eに決定。クレアにはスカアハの艦長の妻として副艦長を務めてもらう事になった。しかしこの数分後オンシジュームがフォースインパルスを強奪。タキセの整備中にキャスターから緊急発進してどこかへ飛んでいった。だがこの事はあらかじめオンシジューム本人からデンファレに伝えられ向かう場所も把握済み。そして悪い事がシュナイゼルから告げられた。

 

「シンフォニー。ビデオ依頼で済まない。だが事は一刻を争う。一回しか言わない。よく聞いてくれ。

ノーリミッター式フレイヤ弾頭約50発と試作量産型ランスロット8機、更にオリジナルのランスロットとダモクレスを何者かが強奪。閣僚府からナナリーが拉致され現在行方不明。ダモクレスの位置はトウキョウ湾より数キロ離れた海上。敵総数は700を超えている。黒の騎士団もダモクレスと共に行動を開始した」

 

シュナイゼルが入っている事が確かならば奴らは恐らくフレイヤを日本以外にもばらまくだろう。オーキスは司令室から全隊員に命令を下した。

 

『スカアハに搭乗する全隊員に告ぐ!サンズ・オブ・パトリオットがダモクレスを強奪した!ランスロットにその紛い物八つ!更にノーリミッター式フレイヤのオマケ付きだ!だがラグナロクを無視するには行かない!キシ!E.E!ナヴィス!ルルーシュ!デンファレ!ユフィ!今呼んだ奴らはカタパルトルーム三基を解放する。今すぐに神根島へ迎え!残る隊員は全員スカアハでダモクレス戦に備えろ。第三種戦闘配置!目標!ダモクレス・黒の騎士団!サンズ・オブ・パトリオット!」

 

続く!

 



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最終決戦1

ランスロット・アルビオンが、、


カタパルトルームが解放され各々が専用の機体で出撃していく。E.Eはデンファレが使っていたディスティニーを使って神根島へと向かっていく。スカアハはカタパルトルームを閉めるとトウキョウ湾へと急速発進。キシとナヴィス、E.Eがいない状況で作戦をやれるのは戦略予報士であるベイリンとオーキスだけになった。

 

「シュナイゼルが送ってきたダモクレスの情報が正しければ二重構造式のブレイズ・ルミナスを備えている。この最初のバリアを突破しなければフレイヤの破壊は無理だ」

 

「方法としては二つありますね。超高火力兵器でブレイズ・ルミナスを撃ち破る。又はスカアハの主砲でダモクレスごと消し去るか」

 

「ダモクレスにはナナリーがいる可能性がある。だとすれば二つとも無理だ。さて、、どうしたものかね」

 

強力な主砲で消し去る事も出来なければバリアを貫く兵器を導入する事もできない。だが闇雲に戦闘を続けてもいたずらに弾薬を消費してしまうだけだ。向こうは黒の騎士団にブリタニアの兵士と兵器を抱えている。シュナイゼルが出したロイヤルガード隊とヴァルキリエ隊、裏ナイトオブラウンズを再編成したソルブレイヴズ隊、そしてナイトオブラウンズを再構成した新規部隊”クラレント隊”はこちらに合流するとのこと。KMFやMSに関わらず400機は入る事ができる格納庫があるので機体は大丈夫だが人数はざっと見積もっても約五十数名。スカアハの戦闘用員は少ない為数人が限界である。よりによってナイトオブワンのビスマルクが機体を強奪して逃走。ヴィンセント16機を相手に全てを撃墜していた。しかもスザクのランスロットはない。クラレント隊にスザクの名はあったが恐らくヴィンセントを使うだろう。

 

「人数も武器数もあちらが上、、か。白旗を上げた方がよほどマシですね」

 

「一応E.Eのギアスを使えるがどこまで生成できるかまでは把握していない。まさかこんな時に使うことになろうとはな」

 

「で、どうします?ブリタニア湾から目標が移動したみたいですよ。方向は更に海側に行きました。黒の騎士団もいます」

 

「シュナイゼルに繋げろ」

 

シュナイゼルに通信を繋げたオーキスはシュナイゼルに譲渡するHI-νガンダムの完成報告とスザクの機体について聞いたところでは、やはり量産型のヴィンセントでスカアハに合流するらしい。オーキスは創造のギアスを使い機体を作り始めた。イギリスではキシに嫌という程ロボアニメを見せられ機体のスペックや利点は全て分かっている。ただキシ曰く

 

「ランスロットは紅蓮に勝てなかった。これはスザクのせいではなく機体のスペックの溝が深すぎてしまった故の敗北」

 

だという。つまり紅蓮に勝つにはランスロット以上の機体を作成しなければならない。謎のサイコミュをつけている紅蓮聖天八極式を倒すにはそのスペックを何倍にも引き離した機体を見つける必要があった。そしてオーキスはここ最近でそれを見つけた。化け物にはバケモノを。しかしスザク自身が適性があるかどうかは分からない。もしアニメ通りなら世の中にいる人々は皆イノベイターのはず。だからといってスザクがその通りとは限らない。それでもオーキスは作った。スザクの能力とそれを悪用しない感情を信じて。

 

「もうこれしかない。ただでさえ意味が分からないこの機体がどう動くかなんて分からないが、、スザクを信じる。頼んだぞ。ELSクアンタ」

 

異彩を放つELSクアンタはオーキスがそういった時に頷いているかのように見えた。一方神根島に向かった一行は森にフォースインパルスを確認。付近に敵勢力が無いことを確認したのち着陸させE.Eは近くの岩にギアスのマークをチョークで描いた。すると岩が割れて金色に光る黄昏の間が現れ一行は足を踏み入れた。

 

「ここが、、黄昏の間」

 

「もう話したから分かってると思うけどセキュリティがこの先にある。ルルーシュは私と一緒にこの扉から。他の皆はあの扉から入って。あ、デンファレはちょっと待って」

 

「E.Eさんどうしたの?もう行かないと、、」

 

「そんな未熟なギアスじゃ勝てないから私と再契約しよう。黄昏の間にいるから私がギアスを指定するね」

 

E.Eはデンファレに埋め込まれたギアスを消し去り手に自分の血でギアスのマークを描いた。その血はE.Eの詠唱と共に体内に入っていき新しいギアスがデンファレに埋め込まれた。そして全員が扉の前に立つとE.Eとルルーシュは遺跡の扉を開き二人とも消えた。同時に扉も消えていき残るはキシ達の扉だけとなった。それぞれが武運を祈りそれぞれの扉へと入っていった。自らの負の側面が相手となるこの戦いはどうなるか誰も見当などつくはずがない。

 

「E.E。本当に良かったのか?」

 

「少なくとも私とルルーシュは入れるようになってる。私は元々だけどなんでルルーシュが、、」

 

そう思った時剣が飛んで来た。E.Eはルルーシュを庇いなんとか避けた。目の前にいたのはブリタニア皇帝の若き日の姿。大量の剣を横に浮かばせていつでも飛ばせる準備ができていた。

 

「ルルーシュ。走って」

 

「なんだと?」

 

「走りなさい!トレース・オン!」

 

飛んで来た剣をコピーした剣で全て弾き飛ばしたE.Eは扉を開きルルーシュを突き飛ばした。そして扉を消すと徒手の構えをしてブリタニア皇帝に向けた。

 

「やっぱり、、ここでルルーシュを」

 

「殺すよ。それが僕の願いの妨げになるならばね」

 

「このゲスが!」

 

「なんとでもいえばいいよ。この僕に勝てるならばの話になるけど」

 

「偽・螺旋剣、、カラドボルグⅡ!」

 

「さあ、、始めてあげようか。殺し合いでも」

 

剣と剣がひしめき合う戦闘が行われているその下でルルーシュは走っていた。黄昏の間は魂の力が無限に宿る場所であるが流石に体力は増えない。それでも走り続けるルルーシュ。それがナナリーを守りシャーリーを救うならば自らの身を投げ捨ててでもやり遂げる。彼が考えていたのはそれだけだった。現世では数時間が過ぎスカアハに全ての部隊が揃いに揃っていた。ヴァルキリエ隊に所属予定だったエニードは友人と何やら言っていた。クラレント隊はスザク、ジノ、モニカ以外はまるで違う陣営となっておりドロテアというナイトオブフォーはビスマルクをランスロットで援護したらしい。それぞれ機体を持ってはいたがやはりスザクのランスロットを奪われたのは痛い。

 

「スザク。どうする気だ?まさかあの量産型で行く気じゃないだろ?」

 

「ジノ。仕方がない。ランスロット・アルビオンを強奪されたんだ。僕に使える機体はこれしかない」

 

「失礼、、私は新ナイトオブツーのクロウだ。これからよろしく頼む。聞きたいのだが貴殿の機体、、ランスロット・アルビオンは本当に強奪を?」

 

「ああ。まさかキャメロットの起動OSを改造して強奪できるようにしていたとは考えつかなかった」

 

「ナイトオブツー。今考えるべき事はそれではないはずだ」

 

「ナイトオブエイト、、シャルエとか言う名だったな。それは分かっている。シュナイゼル殿下の直属の命令によるのも把握している。だが戦力となるのはシンフォニーの戦闘用員を除き52名。ナイトオブワンとフォーはブリタニア軍を裏切り残る戦闘に長けたナイトオブセブンの心配をするのは当たり前だろう」

 

「確かに機体がないのはあまりにも不幸すぎる。ナイトオブセブン。貴殿の量産ヴィンセントでは反応が追いつかないだろう?いいのか?」

 

「これもまた運命。仕方がない事です」

 

『あーあー、、ブリタニア精鋭部隊の諸君。スカアハまでの移動ご苦労。君達がブリタニアの味方である事を信用する。まずは自己紹介だな。私はシンフォニー傭兵師団の総司令。オーキス・シンフォニーだ。君達と共にダモクレスを破壊する。これより一切の指揮は私に入る。物資の供給はこの艦スカアハが行う。後1時間後には戦闘地域に入る。準備をしておけ。以上!』

 

話が終わり全員がばらけていく。オーキスはスザクに近づきキャスターに来るよう伝えた。ジノやクロウ、シャルエが行ってこいと背中を押されキャスターに向かう。スザクが案内されたのはブリタニア軍のKWFが収納されている一番ハッチではなくシンフォニー専用のハッチだった。

 

「スザク。これが君の新しい機体だ」

 

スザクが見上げるとそこには貝の裏のように光り輝くELSクアンタ。その異様な形はスザクを少しだけ恐怖させた。オーキスに勧められコックピットに搭乗するとモニターが自動的について操縦桿もスザクの手に合わせるように変形していく。システムもスザクの知るランスロットの操縦法に変わった。しかしスザクの身体に少しずつELSが侵食していた。スザクは一瞬声が出なくなり叫びも出なくなった。身体が全てELSに侵食された彼は数分後ゆっくりと降りてきた。瞳が金に変わり髪の毛が少し銀色に変わっている。

 

「スザク。どうだった?」

 

「、、、夢を見た。昔の自分。今の自分。そしてユフィ。不思議な、、幸福になった自分がいた。そして機体に聞かれた。”お前が望むものはなんだ?”ってね。俺は”ユフィと幸せに暮らしたい”といった。そしたらあいつ”私ができるのは対話と融合だ。幸せに出来るかどうかは貴殿次第である”だと」

 

「スザク、、決まったな」

 

「ああ。シンフォニー。この機体、、貰い受ける」

 

格納庫からスザクとオーキスが消えた後ELSクアンタはゆっくりと武器の生成を始めた。スザクの記憶にある可変型ライフルやMVSが造られていく。オーキスが生成した影響なのかGNビットも造られた。全ての武器の生成が終わりシステムをシャットダウンして停止したクアンタ。その頃ジノはフラフラとスカアハを歩いていた。休憩室を見つけ自販機からコーラを買い飲んでいると女性が入ってきた。ナナリーである。

 

「総督⁈」

 

「え、、?あ、、」

 

「ご無事でしたか!」

 

「えーと、、」

 

「いやー良かった良かった!これで心配なしでダモクレスをぶっ壊す事が出来る!」

 

「ジノさん、、でしたよね?よく聞いてください。私はナナリーです。ですがこちらのナナリーではありません」

 

「はい?」

 

「あまり信じられないかもしれませんが私は別の並行世界に存在しているナナリーです。つまり同一人物にして別人。ともかくこちらの世界のナナリーは別にいます」

 

「んー、、よく分からんけどナナリー総督であり別人ということでよろしいのですか?」

 

「まあそんな感じです。ダモクレスに囚われているナナリーは私ではありません」

 

「分かりました。ところでナイトオブセブンはどちらにいるかご存知ですか?」

 

「ナイトオブセブン?ああ、、スザクさんの事でしたら今オーキス艦長と一緒に格納庫へ行きました」

 

「ありがとうございます!」

 

ジノはナナリーにそういって格納庫へと走っていった。しかも迷っているにも関わらず走っているので偶然にもオーキスのエクストリームが格納されているキャスターにまで来てしまった。ジノはエクストリームを見て珍しく感じていた。KMFとはまた違う機体で羽がある。脱出機構がまるでないのでどう乗るか分からない。とりあえず珍しいだけなので適当に見回っていると美人な女性が端末を操作してジノに近づいてくる。

 

「これはこれは、、美しいですね」

 

「私に何か用?」

 

「失礼。俺はクラレント隊所属のナイトオブスリーのジノ・ヴァインベルグと申します。貴女の御名前は?」

 

「私の名前はクレア・シンフォニー。艦長の妻よ」

 

「あらら、、結婚してましたか」

 

「ふふ、、残念ね」

 

「ところでスザクを見てませんか?」

 

「みてないわねぇ」

 

ジノは結局元来た道が分からずクレアに案内されて何とか戻った。スザクは体内に蓄積されたELSの影響で少しずつ髪の色が銀色に変わっていっていた。ELSと共存する身体なのだから死んでしまってはELS自身が困り果ててしまう。なので大した問題は一切ない。ジノがスザクを見た時には別人のように見え一瞬スザクとは思えなかった。1時間後全ての整備と補給を終わらせた部隊がカタパルトルーム全8基を開放したスカアハより発進していく。最後に残ったのはスザクだけとなりクアンタはカタパルトに乗ると発進体勢をとった。

 

「スザク。使い方を間違えればそいつは一瞬で大量破壊兵器になる。気をつけろよ」

 

『了解です。ELSクアンタ。枢木スザク。出撃する』

 

カタパルトから放たれ戦闘空域まで進んでいく最後尾のクラレント隊。暫くするとシュナイゼルがアヴァロンでスカアハに隣接させHI-νを受け取るとクラレント隊の後を追いかけるように飛んでいった。アヴァロンはシュナイゼルの命により撤退。オーキスはスカアハを進ませ主砲の直線位置にダモクレスを設定した。

 

「遂にここまで来た。俺達の戦争は最後まで柵をつけたまま終わらせるわけにはいかない。全発射管開け。目標、、ダモクレス!」

 

続く!

 




久しぶりのオマケ!

ELSクアンタ

オーキスがキシに教えられた機体の一つ。侵食力と融合能力で敵を圧倒させる生物兵器。変形可能な金属生物なので搭乗者の記憶から類似した武器を創り出すこともできる。ただしそれは下手すれば全人類を滅ぼす剣となる。


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ユフィvsユフィ

え?スザク強すぎないかって?、、、さあ?


 

扉に入ったユフィは目の前にもう一人の自分を見つけた。剣を持ちじっとユフィをみつめていた。ユフィが剣を出すと向こうのユフィ、、ブラックユフィも剣を鞘から抜くとぼそりと呟いた。

 

『人の中から発した光、、この暖かさを持った人達が、、虚しすぎる、、』

 

ブラックユフィは剣を振り回しユフィと鍔迫り合いになる。ユフィのキックでよろけたが直ぐに持ち手を狙って武器を叩きおとした。しかし幻覚で再び剣を作り出したユフィは避け続けて今度は打撲武器でブラックユフィを裏拳との組み合わせでノックアウトさせた。それでも立ち上がってくる。だが驚くべきところはそこではない。彼女には傷一つついていないのだ。

 

「貴方は、、私じゃない!」

 

『私は貴方。だけど貴方は何も知らない。いいでしょう、、見せてあげます。全ての終わりを』

 

ブラックユフィが地面に剣を刺すとそこからは沢山の歴史が流れ始めた。ブリタニアが産まれるずっと前からその後の未来まで。速すぎる時の流れを過ぎた二人がいたのはただの闇。二人は互いが見えるが周りの遺跡は消えていた。

 

『光なく、、時間すら無くなった完全なる虚無。コレがこの世の果て。時の終わりに訪れる世界。人がどれだけ足掻こうと結末は変わらない。貴方にも分かるはず。希望も可能性も人が虚無の入り口で見る一時の夢に過ぎないの。慰めにもならない幻。それが人を間違わせ無用な争いを起こしているの』

 

「それが、、何よ、、」

 

『ただ存在して消えるだけの生命に過分な期待は持たせないものよ、、』

 

「それがなんだって言うのよ!私はそれでも諦めない!スザクがいてルルーシュがいて皆がいる!」

 

ユフィのブレスレットに装着されていた小型のサイコフレームが光り出し暗闇を討ち破って遺跡が見えるようになっていく。ブラックユフィの剣と鎧は崩れ去り塵と化して消えてしまった。

 

『熱、、暖かな光。こんなものが幾つ集まっても何も、、そう。何も、、!』

 

再び剣を出してユフィに斬りかかる。何度も弾き返し刀身は割れあい再生するを繰り返した二人の戦いは黄昏の間にヒビをつけた。しかし体力の上限が一切ないブラックユフィが有利でありユフィ本人は相当なダメージを受けていた。何箇所も斬られ頭部からの出血もある。内出血もひどく逆に昔のユフィならば簡単に殺されていた。そして隙をつかれ蹴られたユフィは壁に当たり吐血した。

 

『その思想ごと消え去りなさい。貴方にはもう抗う力なんてない』

 

倒れているユフィに目を向けたブラックユフィはあり得ない光景を見た。土煙の中で彼女の傷ついた箇所、出血している箇所から光が溢れ傷が修復されていく。魂の力ではない。ましてやサイコフレームの力でもない。一体なんなのか。それはユフィがE.Eに渡されたもう一つのイヤリングにあった。青と金の装飾を施されたそれはシュナイゼルの兵器の名前にも使われ伝承では彼の王はそこで眠るとされ全ての傷を癒す。F◯TEでは最強の鞘とまで呼ばれた。その名はアヴァロン。

 

『何が起きているの、、?』

 

「この地獄の連鎖を断ち切る為に抗い続けた人達の願い。私はそれを実現したい。もしそれが機械的な人生でも偽善に満ちていたとしても、、最後まで正義の味方を張り続けてみせる!」

 

『貴方は皆に裏切られた。まだ分からないの?』

 

「身体は、、剣で出来ていた、、」

 

ユフィが出したのはなんと干将莫耶。今まで使って来た剣とは全く違い厚みがあり二刀流。髪飾りは消えて長い髪は斬られた。ピンクの鮮やかな髪はいつの間にか黒髪に変色しており干将莫耶には赤いギアスのマークが書かれていた。

 

「誰かに負けるのはいい、、だけど自分に負けるのだけは絶対に出来ない」

 

『それがどうしたの?私にはここまで戦い続ける理由が理解出来ない』

 

「所詮あなたは人間の振りをするナニカよ。人じゃないただの感情。その腐りきった感情はもういらない。ここで消え去りなさい!」

 

『そう、、なら私は貴方を殺して貴方になるだけ』

 

「やれるものならやってみなさい!」

 

干将莫耶とブラックユフィの剣が凌ぎを削る。何度も互いの剣で傷つける事はならず常に火花を散らし決着がつかない。だがブラックユフィはあのイヤリングとブレスレットから並々ならぬ力を感じていた。一回きりの効力だと思っていた彼女だがすぐに気づいた。

 

『おかしい、、』

 

どんなにユフィを蹴り飛ばす事も斬りつける事も出来ないなければ隙を見つける事も出来ない。先程と比べ体力は増え動きは明らかに良くなりつつある。いつかは必ず自分を追い越すだろう。何より一番ブラックユフィが恐れたのは干将莫耶の存在だ。ただの厚みのある二刀流の剣だと思っていたが掠った服が斬られた。普通ならば問題はないと感じるだろう。だがブラックユフィの服は黄昏の間の魂による力で作成されている服。やすやすと貫通したり斬られるようなものではない。干将莫耶で斬られたというその事実が指し示すもの、それはただ一つ。変性した魂を切り刻む事が可能なのだ。理由は魂の叫びで分かる。

 

『夫婦が同時に高炉へと身を投げ込み素材を完成させ弟子に鍛えさせたのがその剣。まるで貴方達のようね』

 

「スザクと私の事かしら?悪いけど干将莫耶の夫婦と違って生半可な覚悟じゃないのよ。例え身が燃え尽きようともそこから生還する。それが私の意志よ」

 

ユフィはニヤリと笑うとブラックユフィはそれが気に入らなかったらしく少し怒りを見せて本気で打ち合って来た。その斬撃は干将莫耶すら折り回避するのが精一杯の速度。最後に重い一撃を上から振り下ろされたユフィはギリギリで回避。そしてブラックユフィが間合いを取った。干将莫耶を再び構成しようとした瞬間彼女はE.Eの言葉を思い出した。

 

「私に、、やれるかな、、?」

 

ユフィは少し怖がりながらもE.Eが個室でよく言っていた詠唱とそれを再現する為になんとかイメージを膨らませながら言い始めた。

 

「I am the bone of my sword.

 

Steel is my body, and fire is my blood.

 

I have created over a thousand blades.

 

Unknown to Death. Nor known to Life.

 

Have withstood pain to create many weapons.

 

Yet, those hands will never hold anything.

 

So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS! 」

 

景色は一切変わらず特殊な効果も何もない。やはりE.Eのように出すのは無理のようだ。仕方なく別の両刃剣を再構成してブラックユフィの斬撃を受け止めていく。すると少しずつだがブラックユフィの剣の構造が見えるようになってきた。同じ剣を複製してオリジナルを粉砕すると焦りを見せたブラックユフィが間合いをかなり遠めに引いた。再び塵から剣を創り出したが、どこからともなく飛んできた剣に破壊されてしまった。

 

『何、、今の』

 

「貴方の剣筋も剣の構造も全て理解したわ。もう負けない!」

 

『私は、、私は、、』

 

剣を再び構成するブラックユフィ。だがその剣は脆く今にも崩れそうだ。ユフィは干将莫耶を創り出しブラックユフィと最後の斬撃をした。互いに全ての力と信念をぶつけ合ったその果てはブラックユフィの敗北であった。干将莫耶は刀身が割れてなくなり脆き両刃は砕け散る。そしてブラックユフィは腹部の深い斬撃を最後にユフィを見て笑い光となっていく。

 

『そうよね。私は、、どっちも間違ってなかった。ほんと嫌になっちゃう』

 

消えたブラックユフィを見送ったユフィの掌にはスザクを騎士として認めた時と同じ剣とブローチを握りしめていた。髪色が元に戻り現れた扉に入ろうとした彼女は最後に残った剣破片を見て少し険しい顔になる。

 

「これが別世界にいた私の果て、、なのね」

 

E.Eがユフィにだけ説明していた事実。それは負の側面というのは只のフェイクであり本当に戦いあう敵は並行世界に存在し残虐な終わり方を果たした自分の末路。このユフィは全ての夢や人民を救えずルルーシュに殺され絶望した一つの運命の果て。全てを消し去り何も認めず最終的な結果のみに執着した彼女は結局全て失くす事になった。ルルーシュ以上に汚い結末を迎え全てを拒否した彼女に勝つ事こそユフィが黄昏の間に入る試練だったのだ。

 

「さてと。ルルーシュが待ってるから早く行かなきゃね。貴方も一緒に、、ね」

 

ユフィは落ちていた破片をポケットにしまいこむと扉に入っていく。扉が閉じて消える瞬間ブラックユフィが見ていた。腹部の傷は包帯が巻かれており行ってしまった自分に

 

「負けないでね。その先が例え焼かれた土地だったとしても」

 

と呟いて振り向き歩いてどこかへと消えていった。

 

続く!




オマケ
ブラックユフィ
原作のユフィよりも残酷な死に方をしたユフィ。ルルーシュに撃たれてからギアスにより強制的にリビングデッドと似た形で復活。変えようとしたからこそ結果だけを求め過ぎた結果、最愛のスザクの手により排除されブリタニアの裏切り者として名を馳せた。黄昏の間では別の自分を殺し自分を消そうとしたが圧倒的力量差と覚悟の差を前に自らの愚かさを感じ信じてきたものが揺らいで負けた。そして愛の覚悟を知った。


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キシvsキシ・・?

次の投稿は多分本編でない可能性があります。面白いかどうかは別として、、


 

キシの入った先には一人の男性が私服を着てキセルを咥えていた。舞っている煙は空に消えていく。カツンという火種が落ちる音と共にキセルが落下していき男は赤い髪をこちらに振り向かせキシを見た。男はニヤリと笑うと足を一歩踏み出す。そしてキシの眼前にいた。慌てることもなく突き出された拳を弾きナイフで首元を刺したキシ。しかし男は自分からナイフを抜くとそこからは血が流れ出ることなく何もなかったかのように抜いたナイフを捨てた。

 

『ん・・痛くないな。これがお前か』

 

「お前か。俺の分身!」

 

『どう思うかは勝手だけどサ?ナイフで刺すなんて安い殺し方だよね』

 

「なに?」

 

『もっとさ、楽しい事をヤロうぜ?ナあ兄弟?』

 

キシは彼を見た瞬間悟った。赤い髪や話し方は違うが明らかに自分だ。どういう奴かも大体は判断できた上で不死の身体を持ちながら彼は身震いしこう感じた。コイツは・・・ヤバイ!

 

『んんん?来ないの?ならこっちから行ってあげるよ。安心しなさい。バラバラは一瞬だからサ』

 

彼の素手の攻撃は一見ただのパンチやキックに見えるがその一撃一撃は人間の弱点をついており無闇に戦えば彼にとって好都合になり隙を与えてしまう事になる。キシはそれらを判断する暇はなく、ただ当たったら死ぬという直感だけで避け続けた。その顔にいつもの余裕はなく誰も見た事がないであろう真剣な顔で戦っていた。得体の知れない自分への恐怖とやらなければ殺られるという感情だけが頭に浮かんで集中出来ない。スタンドどころの話ではないのだ。避け続けるのが限界になったキシは一回後ろに飛び腰からグロックを3発脳天にぶち込んだ。彼は頭から倒れたが何事もなかっかのように起き上がり自分の少し垂れた血を見て気持ち悪くニヤついた。

 

「お前・・誰だ?」

 

『んん?誰って決まってるじゃないか。俺の名前は軍司キシ・・おっとこいつは偽名か。真名は”ーーーー”だ』

 

「狂ってやがる・・・」

 

『狂ってる?最高の褒め言葉じゃないか!僕達の為に存在しているといっても過言じゃない!人の血を見ると凄くゾクゾクするんだよなぁ!さて、違う俺の血は何色なのかな?』

 

「っ⁈」

 

彼が出してきたのはコンバットナイフ。先程キシが出したナイフと違い対人戦闘に特化された形になっている。ギリギリで回避するキシは冷静さを失いかけていた。自分がこんなにも怖く感じたことは全くない。ギアスは使い物にならない状況ではなに一つ考えが浮かばない。兎に角隙を見つける事に専念したいところだ。

 

『おいおい?避け続けちゃ血が見えないじゃん?早く攻撃して来いよー』

 

「クソがっ・・!」

 

挑発に乗ってしまい腹部へ向けて一撃食らわせ彼を思い切り吹き飛ばす。しかしその足には血が流れていた。全く痛みがない斬り方をしているのか下手すれば斬られている事すら分からない。ナイフについた血を舐めた男はもっと笑いキシに斬りかかってくる。とうとうキシの頭の中に浮かぶ文字は死というものだけになった。今まで感じた事がなさすぎてよく分からなくなって来ている。その時だった。キシの中にあった何かが切れた。

 

『お?やっぱりバラバラにされたいよねぇ!』

 

「バラバラ?キシシシシ♪」

 

男はコンバットナイフを引っ込めた。彼はキシから何かを感じたのだ。全く雰囲気が違う。自分よりもヤバイ奴を相手にした。男はそう思った。

 

『そういう事かぁ。これは一本取られたかな』

 

「そうそう・・これだよコレ!俺が求めてきた血で血を洗う戦い!面白い!面白すぎる!」

 

『・・いやだなぁ。”ジャック・ザ・リッパー”』

 

「ジャック・ザ・リッパー?キシシシ・・俺は軍司キシ!狂いまくった人生の覇者さ!」

 

キシの戦い方は今までのものと一線を画していた。例え何度斬られようと何度刺されようと男に向かっていく。男が打ってくる人間の弱点など効かない。スタンドと波紋だけで男が肉塊となり果てる直前まで攻撃を繰り返す。コンバットナイフを素手で折り曲げ常人ならば首が吹き飛んでいるキックで男を確実にボコしていく。

 

『いや・・やっぱ勝てないわ。降参降さ』

 

「アデュー♪」

 

グロックを最後に何発も打ち込みシリンダーが全て尽きるまで続けた。男はヒトとしての原型をとどめている訳がなくキシは消えるのを確認するとグロックを投げてその場にへたり込んだ。

 

「はあっはあっ・・・死ぬかと思ったぜ・・」

 

キシ自身狂ったように戦わなければ恐らく肉塊になっていたのは自身だったろう。狂った野郎には狂った性格と戦い方をする。キシは回復を待ち血が止まるのを確認すると現れた扉に入った。血まみれの上着を脱ぎ捨てゆっくりと入っていった。

 

「そういえばナヴィスとデンファレは無事か?いや・・俺がどうにか出来る問題じゃないよな」

 

続く!

 




オマケ!

キシ?(真名”ーーーー”)

キシの過去でもなく未来でもなく並行世界の人物ではない詳細不明の人物。自分の真名を知りキシとはまた違う性格をしておりつかみどころがない。キシの性格をジャック・ザ・リッパーと呼び何かを知っているようだが、、


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ロロvsデンファレ

データが飛んだのでおふざけはまた今度、、


デンファレが行った先には謎の花園が存在していた。今まで見てきた遺跡と夕暮れだけの景色ではない。しかし甘い花園の中に一箇所だけ血腥い香りと返り値を被る誰かがいた。その目にはギアスを持ち左手に銃を持っている。デンファレはシングルアクションアーミーを構えた。

 

「自分と戦うのは初めてだから・・・あまり容赦出来ないな」

 

『君が別世界の僕か。つまりこいつを倒せば兄さんについていける。あの黒の騎士団なんかいらなくなる!』

 

別世界のデンファレ・・ロロはギアスを展開した。別世界にいる彼も同じように時を止める事が出来るみたいだが面倒な事に心臓を気にしていない。余程心臓が強いのか時間制限式なのか判断するには材料が少ないデンファレは一瞬で眼前まできた銃弾を避けてギアスを発動した。

 

『君もギアスを・・でもそうさ。僕以外の僕は心臓が弱いからそんなに持たない。ギアスを出したところで勝ち目なんてない』

 

「それが甘いよ。僕のギアスは最早時を止めるギアスじゃないんだよ」

 

SAAをしまったデンファレは手からマイナスネジを出してきた。ロロはそのネジを見ても何も感じない。これはE.Eがデンファレを彼の様にならないで欲しいという思いと”過負荷”の能力に耐えうる精神力は彼しかいないのが理由だった。ギアスはロロから見ればただ出ているだけであり素人が銃を向けて脅しているにすぎない。しかしデンファレの中で勝利は確信されていた。何故ならば黄昏の間で死ぬことはなくても肉体はとられるだろうが魂まではとられない。たとえ負けようとロロに勝てる。

 

「僕の象徴であり兄さんに再会するまで溜め込んだ負の感情。”大嘘つきの脚本家”」

 

『ふざけるのも大概にしたら?君のギアスなんかはどうでもいい!』

 

時を再び止め大量の銃弾を固定したロロはリロードを済ませた上でギアスを解除。銃弾はデンファレに向かっていき全弾が彼の体を貫いた。血を吐きその場に倒れこむと動かなくなった。ロロは肉体を回収しようとデンファレに近づいた。瞬きをしたあと彼の死体は消えた。ロロが後ろを向くと学生服を着てマイナスネジを両手に持つデンファレがいた。

 

「流石クマ先輩のスキル。E.Eさんも再現には苦労したろうに」

 

『こんな事が・・・⁈』

 

「これこそが僕のギアスの本領。”現実を虚構にし設定を変えるギアス”。そうだね・・名付けるのならば手ぶらジーンズ先輩のままでいこうかな。僕のギアスは通称”オールフィクション・メーカー”」

 

現実を虚構にする。つまりデンファレはロロに”殺された”という現実を虚構にしたのだ。流石のクマ先輩でもE.Eでも人を蘇らせるスキルやギアスを創ることなど到底出来ない。人の死から背く事は世の理に反する事だからだ。だが死が”無かったこと”にするならば反する事など一切ない。E.Eが考えたオールフィクション・メーカーの利点はそれだけではない。本来のブックメーカーのシステムを大幅にいじって”自分と同じように弱くするスキル”から”好きに設定をいじれるスキル”に改変された。つまりオールフィクションの致命的弱点であった”無かったことを無かったことに出来ない”というところを改変して”無かったことを無かったことに出来る”ようになっているのだ。

 

「君が死のうと気にはしないよ。だって【僕は悪くない】んだから」

 

『その奇怪なギアスをどこで!』

 

「さあ?君に教えるような事は一切ないよ。僕はただクマ先輩のように蹂躙する事だけ」

 

ロロは銃を構えデンファレに向けた。しかし手にあげようとしたモノはなくなっており金属の感覚すら消えてしまった。次にナイフを投げ込んだがナイフすら消え最終的にはロロの周りから金属製品は消え去った。

 

『銃もナイフもない・・さっきまであったはずなのに⁈』

 

「ん?簡単な話じゃないか。僕は一時的にこの黄昏の間から”金属”という概念を消しただけだよ?」

 

しかしネジは未だにデンファレの手中にある。いったい何故か?あくまでもデンファレの出しているネジは象徴であり金属ではない。殺傷力はあろうと金属ではない別の何かなのだ。有り余る欠陥を持つのが人間だがそれを補うように道具を創り出してきた。それと同じである。

 

『僕は・・道具のまま消えていけないんだ!自由を勝ちとる為にも!』

 

「だから自由を求めたいとでも?分かっていないね」

 

ロロは最後に隠していたカーボンナイフを投げた。金属という概念がない中での最後の武器に等しい。しかし見事に破壊され巨大なネジを締められた彼は声にならない涙と共に消えた。ギアスを解除したデンファレは手のネジを消して地面に刺さったままのネジを見た。

 

「いいかい?雨の中、街で踊る人がいてもいい。それが自由というものさ。君は晴れたところでしか踊る事は出来なかったみたいだけどね」

 

ネジも消えて扉に入っていくデンファレ。その後ろ姿にはニヤついた顔が見えていた。

 

「あーあ。”また勝てなかった”」

 

続く!



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ナヴィスvsナヴィス

最近暖かくなってきたせいか、、疲れ目が出てきました。皆様、体にはお気をつけて下さい。


ナヴィスが扉の先に見たのは同じシンフォニーの戦闘服を着用している自分だった。鏡合わせのようにその姿は寸分にも満たずに狂いがない。だがギアスは持っていないようだ。

 

『さて。自己紹介から始めようか。俺はシンフォニー傭兵師団副艦長のナヴィスだ』

 

「俺も同様だ。だが・・お前はなんだ?不思議な感じがする」

 

そう言ってナヴィスは思い切り彼に鳩尾へ重い一撃を入れた。彼は血を吐き一瞬だけ倒れたが足を引っ掛けて体勢を崩させたあとナイフを足にめがけて投げつけた。気づいたナヴィスは崩された体勢を変えてナイフを避ける。

 

「全く・・俺と戦うのは初めてだ」

 

ナヴィスは腰につけていたグロックを数発放った。銃弾は彼の体を貫通したかに見えたがその1発1発は全てありえない方向へと曲がっていた。全ての弾丸を撃ち尽くしたシリンダーを投げ捨て再びリロードしている間に飛んでくるナイフをリロードした弾で弾いていくがナイフより弾の方が少ない。彼が持っているナイフは未知数でナヴィスが持つ残りの弾は計15発。あまりにも分が悪い。

 

『俺は知っている!俺は何でもできる!だから誰一人振り向かせる事が出来ない!ただの器用貧乏だといのは俺達が一番よく知っているはずだ!』

 

「だから?」

 

『艦の外に出たことは少ない。それもよく知っている!いいか⁈俺達は所詮中途半端なまま生きているんだ!』

 

「そうか・・俺は逆に光栄だな。もしオーキスが俺を残しているの理由がそれだとしたら奴は俺のことなど信用しないだろう」

 

『強がりを!俺達はいいように使われているだけだ!』

 

ナイフと銃から徒手空拳に切り替わる二人。互いに一歩も引かないその戦いは若干ナヴィスに負けがきていた。受け止めては流すの繰り返しをして次第に動きは更に鋭くなっていく。二人の顔はあのナヴィスの顔ではなく戦士のそれとなっていく。やがてナヴィスの空中蹴りで彼は顎を強打。倒れこんだが立ち上がり抜けた歯や血を口から出した。それでも構えた彼はナヴィスの肋骨を肘鉄で折り腹部を蹴り飛ばす。

 

『ここで勝てないと俺達は意味の無い存在となり果てる。思いを持ったまま溺死だけは勘弁だ!』

 

「そうか・・・俺はてっきり知っているうえで言ってるかと思った。お前は一つ勘違いをしている。オーキスより俺達は下だと思ってるだろ?」

 

『は?下に決まっているだろ?』

 

「どうやら本当に知らないようだな。確かにオーキスの能力や身体能力は高い。だがな、俺は身体能力だけならオーキスの数段階上にいる。ついでに言えばあいつより頭はいいぞ。ただテンプレ的な作戦しか考えられないがな。オーキスは全員が考えつかないような作戦を考える。更に俺より一人前の経営者としての腕もある。その辺りを考慮すれば全体的にはオーキスが上だろうな」

 

『は・・は⁈』

 

「自分から成長を止めたお前など不要!その感情を今直ぐこの場で消し去る!騎士は徒手にて死せず!”ナイト・オブ・オーナー”!」

 

立ち上がったナヴィスはどこからともなく取り出した回転式機関銃で彼に大量のAE弾の雨を浴びせる。その勢いは止まることなく砂煙を上げていた。しかしそんな中でナイフを振るい銃弾を切断して少しずつナヴィスに近づいていく影があった。その体は穴だらけで常人ならば死んでいてもおかしくはない。黄昏の間の効果もあっての事だとしても消えていくのが普通だった。彼を突き動かしているのは執念と恨み。それは自らのような中途半端な存在に対して能力を上回る人物に向けてのもの。だがその刃は中途半端な自分へのあてつけに過ぎなかった。

 

「安らかに眠れ。もう・・・お前の幕は閉じた」

 

機関銃を地面に落として構えをとりとナイフを捨てた彼の渾身の一撃が飛んできた。しかしギリギリで回避されて最後の手向けにナヴィスが放った拳は股間に命中し彼はそのままうずくまると光となって消えていった。ナヴィスは近くの岩に座ると胸ポケットに入っていたガムを一つ食べて深呼吸をした。そして現れた扉を開ける前に後ろを振り向くとガムを一個置いて呟いた。

 

「すまない。いくら俺でも股間は痛い」

 

続く!



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E.Evsシャルル

めちゃくちゃ書いた気がする!だけど少ねぇ!


 

E.Eは大量の剣を回避しては弾くを繰り返しおこない何度もシャルルを仕留める機会をなくしていた。剣が割れて盾を使い重い剣を防御すると盾は粉々に砕け散る。

 

「E.E!君に逃げ道なんてもうありはしない。ここで死ぬか?僕に忠を尽くすか?」

 

「忠?逃げ道?どちらも私の辞書にないわね。あ、そうそう。忘れていたけど”黄昏の間”を創り出したのは私だから」

 

「それがどうしたの?今更意味はないよ。ラグナレクは完全に僕の手中にあるんだよ」

 

「そうじゃない。ここは私のコンバットフィールドという事よ」

 

E.Eは破れた袖をまくって腕に刻まれたギアスのマークを前に出した。すると赤い光ではなく綺麗な蒼い色を発し始め周りの景色が変わり始めていく中E.Eはゆっくりと詠唱を始めた。

 

『身体は武器で出来ている。血潮は銃弾。心は刀身。幾たびの時を経て不死。ただの一度の死もなく、ただの一度の共感もなし。担い手はここに独り。鉄屑の山で武器を創る。ならばこの生涯に意味は不要ず。我が魂は無限の武器で出来ていた!』

 

夕陽が映えた景色は歯車と青空に切り替わり地面には大量の種類の武器が刺さっていた。夕陽は消えて雲一つなくなるまでになりE.Eの服はシンフォニーの隊服から古代の鎧に切り替わっている。これがE.Eと神狐が考えだしたギアスの力を最大限に使い武器を無限に内包した世界を創り出す最強の詠唱魔術。日本語では無限の武器作製。通称”unlimited weapon works”である。

 

「さあ・・こっからが本当の勝負よ。行こうか。ブリタニア皇帝。武器の貯蔵は十分かな?」

 

「僕に勝てるとでもまだ思ってるのかい?E.E・・いや。裏切り者のライプニッツの一人娘!」

 

大量の武器がシャルルめがけて弾丸やビーム砲など御構い無しに放たれていくその景観はまさに巨大な花火といえるものであった。今まで彼女が創り出してきた武器は約8,000。砲撃の隙を見て剣をぶつけて破壊するシャルル。砲撃の位置とはまるで別の位置を走り抜けていくE.Eは片手にビームジャベリンを持ち思い切りシャルルに投げた。シャルルは剣を全て重ね合わせてジャベリンを弾くとその上からはビームマグナムが二丁。狙いをつけて撃つがしなやかな動きで軽々とかわしていく。シャルルを囲む土煙から日本刀を持ったE.Eが斬りかかった。

 

「こんのぉォォ!」

 

「こんな剣では僕に勝てやしない!」

 

日本刀を割り剣を振るうシャルル。しかしその剣もE.Eの剣により破壊された。上空に大量の剣を出したシャルルは彼女の頭上に落とす。また大量の土煙が出てE.Eを見失ったシャルルは全体的に剣を放った。全体が爆発に巻き込まれたが上空を見ると回避したE.Eがバリアーを展開して接近してくる。

 

「ブレイズ・ルミナス!」

 

「贋作ごときの分際で・・!」

 

剣を振るう二人の力はギアスの力を超え火花を散らしていく。両刃剣をぶつけあう戦闘に痺れを切らしたのはシャルル。今度は剣だけでなく大量の機関銃をぶちまけてきた。しかもシャルルが使っている弾丸は全て劣化ウラン弾。黄昏の間ではまるで意味がないと思いがちだが、その破壊力は未だ存在しているのだ。ブレイズ・ルミナスで防御していくが少しずつバリアに穴ができていく。辛くなってきたE.Eはブレイズ・ルミナスの真後ろにロー・アイアスを展開した。更に武器を展開したE.Eはミサイルを発射させたがシャルルには今ひとつ効いていない。そして彼が煙の中で掴んだのはミニチュア版のアーカーシャの剣。思い切り横に振るとロー・アイアスすらうち破りE.Eは吹き飛ばされた。未だ経験した事がない物理・精神的激痛を被った彼女は地面に叩きつけられ動けなくなった。

 

「ここで・・終わり・・なのかな」

 

E.Eが倒れこむ瞬間、見えてきたのは仲間の姿だった。全員別の世界の自分を倒すのに成功したみたいだが自分だけはシャルルに負けてしまった。それが場数の敗北か物量の敗北など分からない。心配するユフィの影と声が少しずつ掠れていきそのまま彼女は深層意識へと落ちていった。彼女が意識の中で目覚めたのは懐かしく、そして最も忌むべき光景。いつも数式にから回っていた自分がいた。亡き父親の研究を続け数式だけでギアスを完成させようとしている。自分自身を実験台にして埋め込んだ呪い。しかしそれを決心したには理由があった。思い出した時若い頃のE.Eは今のE.Eに質問をしてきた。

 

「そうだよね。私はいずれ辿る最悪の地獄を見たんだ」

 

「私は正しかったの?未来の私」

 

「全く・・・器用じゃなかった。私はただ失うのが怖くて意地を張りすぎたのよ。何もかも失ったあの日みたいに」

 

「父さんが起こしたギアスの実験・・全てを破滅させるギアス」

 

「うん。だから私は・・その最初の地獄を見た」

 

若い頃のE.Eが消え去り出てきたのは火事や黒い塊が残る荒れ果てた都市。それは暗く夕暮れの空に皮肉にも映えていた。瓦礫の中でただ一人父親に守られ難を逃れた少女が一人、そこにいた。

 

「ルナ・・お前には私の全てを教えた。後は頼んだぞ・・我が娘よ」

 

「お父さん?お父さん!ねえ!」

 

父親の死を感じた少女は泣きながら一人歩き始めた。父親の小さな紙包みを持って火事の中を歩いていく。よろよろとおぼつかない足取りで前進していくその後ろ姿は力強さを感じた。

 

「待ちなさい!・・その先は地獄よ」

 

しかしまるで聞こえていない。その先をぐんぐん歩いていく少女。若い頃のE.Eもその少女の後をついていくと髪の毛が緑色のあるシスターに出会った。少女の泣きついたシスターの身体は暖かった。泣き止んだ少女はシスターの手を繋ぎ光に包まれると一つのランプになった。小さなランプだがそれは強い光を発している。若い頃のE.Eはそれを今のE.Eに手渡した。

 

「これが私の忘れてしまったもの。世界を傍観していればいいっていう消極的な心になった原因。確かに私は憧れが最初だった。でも根底にあったのは願い。父さんはギアスの数式化するよう命じられて仕方なくやっていた。ギアスに対抗できるのはギアスだけ。来ると予感していた地獄を覆したいっていう願い。誰かの力になりたかったのに結局何も出来なかった男の・・叶えきれなかった願い。私が叶えなければならない最後の仕事」

 

「ゴットフリート・ライプニッツの娘である私が最後の始末をする。さて・・」

 

「行くの?」

 

「行かなきゃね。皆に迷惑をかける訳にはいかないしイギリスに帰って師匠の墓前にロールケーキを供えるまで死に切れないから!」

 

深層意識から表層意識へと戻され目覚めたE.E。起き上がり正面を見ると自分が倒れていてもシャルルに立ちはだかる勇姿があった。一人は干将莫耶を、一人は螺子を、一人はスタンドを、一人は銃を持ち全員ダメージを受けているが誰も諦めたような顔などしていない。逆に何人かは戦いを繰り返して血の気が盛っている状態だ。

 

「もう君達は理解しているはず。僕には勝てない。それでもまだ戦うのかい?」

 

「勝てないと知って、出来ないと分かっているからこそ殺り甲斐があるもんだろうがっ!大人舐めてんじゃねぇぞクソガキ!」

 

「遅くはない内に君の精神ごと螺子ふせてあげるから覚悟したら?」

 

「スタンドのパワーなんてセコイと考えていたからちょっとは手加減してやろうかと思っていたところを・・・そんなに負けない自信があるようだな!」

 

「私が教育し直してあげますよ。シャルル・ジ・ブリタニア!」

 

ユフィにつけられたアヴァロンにより全員の傷が修復されていくのを見たシャルルは不機嫌な顔になり剣を五人に向けて一斉掃射した。巨大な爆音とともに砂が舞い鼻で笑ったシャルルは背を向けて歩き始める。しかし瞬間後ろから何かが自分の頬を擦っていった。再び砂煙を見た彼の目に飛び込んできたのは更に不機嫌にさせるものだった。ブレイズ・ルミナスを展開しているE.Eと槍を持つオンシジュームがいたのだ。しかも彼女が持つ槍は一番シャルルが毛嫌いしている物語の武器。

 

「お前・・その槍は!いやその前に何故お前がここにいる⁈」

 

「私?私はね、こんな時の為に彼女をコピーして置いただけ。でも彼女の魂の力って本当に使えるものなのね。”閃光のマリアンヌ”」

 

「やはりお前などにマリアンヌの魂のバックアップを渡したのが間違いだったよ!」

 

「まあまあ。今はマリアンヌの魂じゃないわ。色々私が付け加えたからね。じゃ、後は全部頼んだわよ。スカアハ」

 

「あれ?スカアハ?オンシジュームちゃん!まさかそのスカアハって・・」

 

オンシジュームが目を閉じて数秒すると瞳の色は赤から青に変わり右手の赤い槍を背中の収納機にしまうと左手の赤色の槍を構えた。その構えはかつての戦士と同じものでありシャルルの見当が間違っていなければケルト神話で有名なクーフーリンの師匠。スカアハのものだ。

 

「全く・・世界から嘘をなくす?そんなものはなんら解決策になどなり得ない。お前が未だ幻想を持ち歩いていると言うのであればこのスカアハがその体ごと貫いてみせよう」

 

「ほ、本当に冥界の女神を⁈」

 

「この者はセタンタと同じ程の力を持つ。それとも私が現界したのがそれほど不思議か?」

 

「だ、だってスカアハは神話上の・・」

 

「ここは黄昏の間というそうではないか?魂の力を増大させ不可能を可能にする場。私がいてもおかしくはない」

 

「ごちゃごちゃと・・何人増えようが同じ事だ!」

 

先程よりもかなり多い量の剣と機関銃を背後に出すと一瞬の光で全ての弾丸と剣が六人を襲う。有り得ないほど大きい剣も出てきて何本も容赦なく突き刺しシャルルの攻撃がやむことはない。煙と焦げ臭さが舞い上がり地面はえぐれていく。しかしその煙の流れが一部だけ違う箇所があった。何十本、何千本と剣と弾をまともに喰らい回避する瞬間や隙すら見せないその攻撃は一人の人間により弾かれているのだ。

 

「私はっ!変わるっ!今っ!ここでっ!」

 

火花を散らし重力速度以上で飛んでくる剣を弾いていたのは干将莫耶を持つユフィだった。戦闘服の動きやすさもあるが動きは全て予想していたかのように剣をひとつたりとも見逃しはしない。割れそうになろうと新しく複製して何度と防ぎ続けるその顔は穏やかな世間知らずの顔ではない。

 

「兄さん達と過ごした日々は嘘なんかじゃない!」

 

シャルルが気づくとユフィに蹴り飛ばされ上空へと来たデンファレが螺子を打ち込んできた。盾で螺子を弾き返し破壊されたシャルルが盾から視線を離すと目の前にはキシがトンファーで鋭く重い一撃一撃をかましていく。なんとか回避するシャルルは苦し紛れの機関銃三丁を出し至近距離で発射したが全てスタンドにより弾き返されていく。更にそのトンファーを足場にして飛んできたのはナヴィス。お得意の徒手空拳でシャルルの苦手な近接戦闘に持ち込んだ。おぼつかない足で回避していくがよろけた瞬間に腹部へ蹴りを喰らい吹き飛んで行った。遺跡の崖から降りて下の足場に立つが蹴り飛ばされた痛みで少し意識が朦朧としていた。なんとか走り出して別の場所へと逃げ始める。しかしその足場へ降りてきたスカアハに追いかけられ槍の攻撃を凌ぐしかなくなった。槍の長さを逆手に取り弾かれた姿だが背中の槍を上に掲げるとそこに降りてきたのはE.E。手には長剣を持っている。

 

「この願いは間違いなんかじゃないんだ!」

 

「贋作者がァァァ!」

 

E.Eの長剣は盾で砕けたが即座に手からレールガンを創り出すと盾に向かって最大出力で引き金を引いた。盾を貫通した弾はシャルルの腹部に巨大な風穴を開けた。突き刺ささっていた剣や武器が消え去っていき下の足場へ全員が来る頃には光となり消えていく最中。そこをキシは全員をどかしてシャルルの胸ぐらを掴むと顔を近づけて質問した。

 

「消える前にひとつ聞きたい事がある。ジャック・ザ・リッパーとはなんだ?」

 

「くくっ・・言葉通りだよ。君の魂は切り裂きジャック。あの大量殺人事件を起こした大罪人。あれから変わったじゃないか・・・そうか。君にも大切な人が出来たんだな。僕とは違って・・間違いの先に見つけたんだね。自分の居場所を。後は君に託す事にしようかな・・為すべき事を・・成すんだ」

 

光の粒が消えて体が消滅したシャルル。キシは立ち上がり現れた扉の前に近づいてゆっくりと開いた。その先に見えたのは新しい場所。少しだけ向こうにルルーシュの姿が見えた。

 

「行こう。この世界は嘘なんかじゃない事を証明しに」

 

六人は扉に入っていき遺跡を後にした。全員が見落としていた岩には剣がささったまま放置されている。そこからシャルルが現れるとすぐそばに桜が生えて咲き始め満開となった。小さな赤い布が掛けられた木製の黒い長椅子に座り団子と茶をすする。

 

「これで良かったのかもしれないよ。もう帰ったらどう?」

 

「いや。俺はここで見届ける。ルナを見てからでも遅くはない」

 

「君は裏切り者じゃないよ。あの時はアドリブだから許してくれ。僕の頼みで最後までギアスを調べてコードを消す方法も研究してくれた。あそこで兄さんに邪魔さえされなければ・・」

 

「もういい。ルナにも帰る場所が出来た。それが確認出来れば嬉しい」

 

「じゃあ最後まで見ようか。許された時間まで一緒に団子でも食べながらさ」

 

「そうだな。じゃあ嘘と真実の混沌の世界に」

 

「「栄光あれ」」

 

ワインのグラスで乾杯した二人の魂は桜の下で彼女達の勇姿を見届ける。ゆっくりと。のんびりと。

 

続く!

 



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皇帝の最後。そして新たなる危機。

長期間音沙汰なしですいません!そろそろ期末テストが終わります。あとは簡単な教科だけなので書きながら頑張って行きたいと思っています!


ルルーシュのところまで走ったE.E達はそこで苦笑いするような光景を見た。ルルーシュの左手にはアメリカンクラッカーがあり右手にはアサルトライフルを持っている。どこもかしくも破壊された形跡が多々存在しておりキシが見ても何をしたかなど全く想像がつかない。

 

「ルルーシュ!何故分からないの?私達は貴方達を愛してるから嘘のない世界を作ろうとしているのに邪魔をするの⁈」

 

「ああ⁈愛だ?嘘のない世界だぁ?んなもんタコスにでも挟んで食ってろババア!テメェらのやってる事はただの自・己・満・足だっつってんだろ!」

 

「愚かなりルルーシュゥ!貴様の願いを叶えるという事はシュナイゼルの望む世界になるという事!貴様の願いなど塵になる!」

 

「関係ないな。生き残った者が後を継ぐ。それだけだ」

 

どうやら今のルルーシュはキシが埋め込んだあらゆる人格が目まぐるしく変化している状況のようだ。怒りはジョジョ。冷静はスネーク。となると優しさはキラとなるのだろう。何度も論戦を繰り返し噛み合わない答えにうんざりしたルルーシュの身体からは漏れ出てくる怒りとして波紋が滲み出ている。

 

「貴様も分かっているはず!我等にその能力もギアスも効果などなぁい!C.Cがいないのは無念だが奴がいなくともラグナレクの接続は可能!今こそ我等の夢をここに!」

 

「おいクソジジィ。ちっとは老人として労わってやろうかと思えば舐めた真似しやがってよ!ここまできたらその気持ち悪ぃウネウネを破壊してやる!」

 

深呼吸すると滲み出ていた波紋は全身に広がっていきキシが把握している以上のエネルギーがルルーシュから発せられている。ゼロの衣装から学生服に切り替わり手には白い手袋をつけた。波紋が手に貯められていき脚を曲げて力を入れ最後まで息を吐くと一瞬で肺に空気を取り込む。皇帝とマリアンヌを人間離れした脚力で飛び越したルルーシュは手に貯めた波紋エネルギーを全て解放した。その色は橙から綺麗な水色に変化していきラグナレクにとりついた。

 

「俺の力を全てここに集中させる!震えるぜハート!燃え尽きる程ヒート!刻む血液のビート!己がために震えよ愛のビート!超!波紋疾走!」

 

波紋疾走による攻撃はラグナレクの先にまで伝わりその影響で出来たヒビは先にまで到達。そして耐えられなくなったラグナレクは崩れ始め上空から数々の銅像などが落下していく。ルルーシュはそこから一回転して降りると指を向けてこういった。

 

「シャルル!次にお前は”何をしているのだ!貴様の願いはナナリーではないのか⁈”という!」

 

「何をしているのだ!貴様の願いはナナリーではないのか⁈・・・何っ⁈」

 

「E.Eちゃん。ラグナレクはどうせ破壊なんざできねぇ。ただ再生を遅らせる事はできるから俺とルルーシュで時間稼ぎをする。あいつを呼んでくれ」

 

「あいつって・・・」

 

「外で待たせている。今頃渡しておいた装備を整えてウズウズしてるんじゃないか?」

 

「いつの間に・・・まあいいや。じゃあキシ。頼んだよ」

 

「任せんしゃい!」

 

ルルーシュが何度も攻撃を繰り返している中にキシがスタンドを使い乱入すると他も彼に続いて攻撃を始めた。いくら攻撃しようとも崩れては再生を続けるラグナロクに対して体力が限定されているルルーシュ達には後がない。ここで彼女を待たなければ。E.Eが回路を開いて彼女を連れてくるまでは如何なる敗北も許されはしない。しかし痺れを切らした皇帝はラグナロクに結界を張り巡らせキシ達の攻撃を全て無効化してしまった。

 

「もう無駄だと分かったはずだ!ラグナロクの接続は眼前にある!ルルーシュ、そして愚かな勇しき隣人たちよ!今ここを以って貴様達の望む世界が形成される。古き世界は壊れ新しき時代が始まる!」

 

「シャルル。もう止めないか?」

 

遺跡に広がる回路がゲートを開き彼女を通した。回路の接続に少々手間取ったもののE.Eは汗をかきながらニヤリと笑い彼女を見る。その女性は緑色の長髪をなびかせパワードスーツを着用し沢山の武器を装備している。ヘッドセットタイプのサングラスが折りたたまれて素顔を見せた時、ルルーシュの目は瞬時に変わる。

 

「C.C⁈今までどこにいたんだ⁈」

 

「すまないなルルーシュ。黄昏の間に入るのに手こずって遅くなった。さてマリアンヌ。お前達に聞きたいことがある」

 

「なぁにC.C?なんでも聞いて?」

 

「マリアンヌ。貴女が望むのは大きな変革?それとも見続ける夢?」

 

「私が望むのは変革よ。嘘のない世界を作るために世界を変革してあげるの」

 

「・・・機能しない名ばかりの力より嘘のある夢を見たくはないのか?」

 

「私は嘘が嫌いなの」

 

「そうか・・・人の価値観にとやかく言う主義じゃないが私は夢を見たい。現実しか直視出来ない世界を私は見たくない。だが死んだ人も共にいるのは現実どころか夢ですらない。晴れることのない暗闇の中を光なしで歩くことと同じだ。人は別れと出会いを繰り返して生きている。恐怖を克服し人は自らの器を一生をかけて作り出していく。工芸品と同じ磨き上げるのが人。ならば不老不死の役目など知れている。80年という人の寿命を超えた私達が出来ることは正しい選択を出来るよう器を磨くこと」

 

「そう。じゃあその正しい選択はどうなったの?」

 

「私が出した答えは一つ。ルルーシュだけだ」

 

C.Cが目線を移した先にはギアスを解放して神のいる光に向かって顔を上げたルルーシュがいた。そして血涙を流しながら訴えるかのように叫び始めた。

 

「神よ!集合無意識よ!これは命令だ!時の歩みを止めないでくれ!」

 

「ありえん!神にギアスをかけるなど不可能!」

 

「ルルーシュ!あなたって子は」

 

マリアンヌが近づこうとした時C.Cは高周波ブレードの鋒をマリアンヌの首に突き付けてルルーシュの元へ向かわせなかった。さらにE.Eも後ろから銃を突き付けて安全装置を外す。

 

「それでも俺は!明日が欲しい!」

 

ルルーシュの何もない片方の目にギアスが現れ覚醒するとラグナロクの剣が人間のような悲鳴をあげながら崩れ去り塵となっていく。もはや再生する余地はなく完全に破壊された剣は塵から光となり集合無意識に戻っていく。仮面を取らない世界を選んだルルーシュを見てユフィは呟いた。

 

「やっと帰って来たね・・・ルルーシュ」

 

そのユフィ達の背後では魂の道理に背いた二人が既に消滅寸前にあった。C.Cは消えずに刀を常にマリアンヌの目玉に突き付けたまま何かしようとはせず見つめている。その顔には消えていく哀れな魂への同情など一切ない。いつもの無表情だ。

 

「なんで・・・?C.Cは私達に賛同してくれたじゃない?あんまりよ!」

 

「C.C。惑わされないで。こいつらはただの犯罪者同然よ」

 

「E.E。私が介錯する。手は出すな」

 

C.Cは高周波ブレードをしまい消えゆくマリアンヌの手を取るとルルーシュの前まで連れてきた。そしてギアスにより完全に消されたシャルルのことを彼女に話すとルルーシュまでをも言い訳として取り込もうとする。そんな彼女の姿をルルーシュに見せたかったのだ。

 

「ルルーシュ。これがマリアンヌの本性だ。どうするかはお前次第だな」

 

「母さん。貴女がどれだけ自分達の事を考えていたか分かりました。そしてどれだけ醜いかも理解しました」

 

「ちょ・・・ルルーシュ!」

 

「最後にマリアンヌ。私はあの時賛同したな?」

 

「そうよ!貴女は私達の夢に賛同してくれた!貴女まで嘘に取り込まれたいの⁈」

 

「ああ・・・あの時のことだが」

 

C.Cは一瞬後ろを向いて数秒後に今までにないとびっきりの笑顔を見せた。今までの無表情な感覚とは違い本当の少女みたいだ。しかし言ったことは裏腹にゲスかった。

 

「アレは嘘だ」

 

絶望の顔をして消え去ったマリアンヌ。流石に恥ずかしかったのか顔を赤らめて下を向いたまま何もしないC.Cに対してキシは可愛いと感じているのだろうが全員が全員彼女の上げまくったところから落とすその本性に少しだけ驚きを隠せなかった。

 

「ま、まあとりあえず皇帝の企みは打ち破った訳ですし此処から出ませんか?」

 

「ユフィの言う通りだね。一部のシステムはまだ取り戻してないけど早めにスカアハと合流しないと」

 

「ん?私は此処にいるぞ?」

 

「あー・・・スカアハさん。すいませんがオンシジュームに戻ってくれませんかね?」

 

「そうか。また会おう。青髪の娘よ」

 

オンシジュームの瞳の色が戻り赤になった。しかし何かを呟いたあと槍と倒れてしまい寝てしまう。デンファレが鼻ちょうちんを膨らませたり萎ませたりする妹をおぶり槍はナヴィスに持ってもらい黄昏の間から撤退を始めた。青空の下の遺跡はいつの間にか綺麗な草原へと変貌を遂げふかふかの土の上を歩きながら出口を目指した。

 

「あ!出口よ!」

 

「ようやく帰れるのか・・・」

 

「なんか引っかかる事言われて気に入らないが気にしないでおこう。いつか分かるだろうし」

 

各々が自分の機体に乗り込むと光学迷彩を解除してスカアハの発しているビーコンへ自動誘導で帰艦を始めた。流石のキシも体力切れなのか通信からは幾つかのコックピットから寝息が聞こてくる。いつの間にか起きているのは遠隔自動操縦をしているデンファレと戦況を見るナヴィスだけになっていた。

 

「ナヴィスさん。皆・・・寝ちゃいましたね」

 

『ああ。だが向こうの戦況は、あまりよろしくないみたいだ。オーキスから送られてきた戦況情報が芳しくない』

 

「じゃあ着いたら兄さんの手伝いをしないとね。今頃必死なんだろうなぁ」

 

しかしそんなのんびりした空気は目を覚まさせるデカイ警報音で壊された。全員叩き起こされモニターに表示されているデータを見る。それは驚く程度ならまだしも驚いている余裕なんて一切ないものであった。警報音と共にモニターに出ていたのはブリタニア本国から発射されたとされる大陸弾道ミサイルの推定弾道・着弾データ。更に弾頭は全てフレイヤであるとされている。ルルーシュはデータソースを確認するためにネットワーク回線を使用したが一分も経たないうちに全てのネットワークが遮断されてしまいソースの確認すら出来なくなってしまった。

 

「大陸弾道ミサイル・・・ICBMが⁈嘘だろ⁈」

 

『ルルーシュ!早くデータソースを確認して!貴方なら出来るんでしょ⁈』

 

「無理だユフィ!ネットワーク回線が全て遮断された!衛星もホットラインも閉鎖されている!確認ができない!」

 

『スカアハ!スカアハ応答せよ!』

 

ナヴィスの呼びかけにスカアハが独自回線で応答した。独自回線なので少々繋がりが悪いがそうは言っていられない。ノイズの入るモニターに出てきたのはマルチモニターで戦況を処理していくオーキスだった。

 

「オーキス!」

 

『ナヴィスか。こっちはまだ終わりそうにない。そっちは終わったんだろうな?』

 

「馬鹿!ブリタニア本国から大陸弾道ミサイルが飛んでんぞ!」

 

『はあ⁈冗談いうな!』

 

「こんな状況で冗談言ってる暇なんてありゃしねぇよ!いいか⁈そっちに情報が渡ってないなら口頭で伝えておく!レコーダーオンにしとけよ!」

 

『レコーダー入れた!早く言え!』

 

「まずブリタニア本国から発射された大陸間弾道ミサイルは1500基!弾頭はフレイヤ弾頭!推定弾着地は・・・おいおい悪い冗談だろ⁈イギリスのロンドン!」

 

『ロンドンのど真ん中に落とすか⁈クッソ!正気じゃないだろ!だがこちらにデータは全く来ていないが・・・』

 

「何が起きている⁈」

 

「兄さん!もしかしたらシンフォニーはシンフォニーの衛星回線は別だからじゃないの?」

 

『いや・・・だとしたら敵も弾道ミサイルに気づいてないわけがない。今初めて聞いたんだ。疲れている中済まないが全機体の回線を全てシンフォニーに切り替えてくれ。回線を変えてなくなったら今使用している回線に情報が回っている可能性が高い!』

 

全ての機体がネットワーク回線を通常からシンフォニーに切り替えると警報音が消えてモニターに出ていたICBMの早期警戒情報がまるで嘘のように消えていく。一部の機体を除いて通常回線は全てブリタニアに依存しておりシンフォニーの衛星通信はイギリスの秘匿回線と同様のものを使っているので情報がこなくなってもおかしくはない。ただ問題なのはあくまでもシンフォニーは”イギリスの国防総省の回線と同レベル、或いはそれ以上のセキュリティを持つ回線”でありイギリスの秘匿回線ではないということだ。もしもルルーシュ達が拾っていた情報がブリタニアではなく”あらゆる国に飛ばされる高周波数の警戒情報”だと話が違う。

 

「オーキス。警戒情報は解けた。ただ通常回線だと警戒情報を拾う。何かしらタネがあるはずだがルルーシュ曰く回線が全て閉じられて元が辿れないらしい。逆探出来るか?」

 

『やってみる。ルーファス!タキセ!』

 

『『了解!』』

 

オーキスの目の前には大量の戦況データが氾濫しているがその先では二人が賢明にサブシステムによる介入だけで通常回線の逆探を開始。ルーファスは逆探していたがタキセはマルチモニターで情報がどこまで飛ばされているかの調査を始めていた。あらゆる方法で飛ばされない回線を選び抜いて3分も経たない内に逆探に成功した。

 

「司令!逆探に成功!情報は全てダモクレスより警戒情報の回線に流出しています!衛星写真によるミサイル自動追跡情報からではブリタニア本国からのICBMの存在は確認できず!全て偽装情報です!」

 

「ナヴィス!逆探に成功した。情報は全て偽装!警戒する必要はない」

 

『本当か⁈よかったな・・・だが流出している情報は何処に行ってるんだ?』

 

「さぁな。今はこちらを片付けるのが先決」

 

「司令!流出先が判明!EUのICBM早期警戒情報へ流れています!」

 

「EUにだと⁈」

 

「で・・・その情報の所為で今とんでもない事態になっています」

 

「どうした?」

 

「イギリスのMODに流れてます。今・・・デフコンが3に引き上げられました」

 

「デフコン3⁈イギリスが撃つつもりなのか⁈」

 

「EU各国もデフコンを引き上げています。フランス・ドイツ・オーストリアではデフコンを更に引き上げるかどうかの会議に入りました」

 

「偽装情報、回線の強奪、フレイヤ弾頭・・・根元は一つだ。全機に命令!総督の奪取を最優先に!成功後はダモクレス破壊を優先!周りの雑魚は無視しろ!」

 

『だがよ総司令!ブレイズ・ルミナスに特攻するのは自殺行為だぜ?』

 

「ちっ・・・なんとか打開策を見つけなければ全面核戦争に突入することになる。残された時間は少ない」

 

更にモニターを増やすと左に戦況情報を出して右側に警戒情報の回線をタキセに回してもらい一部の戦況データを部下に任せたオーキスはフ◯スクを一つ食べる。目つきが変わり全力で処理を始めた。

 

「やるしかっ・・・ねぇ!」

 

続く⁈

 



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ダモクレスと魔王。

ようやく終わります!辛かったなーR2。


E.Eが黄昏の間から数時間ほど前にオーキス達はダモクレスへの攻撃を開始。ソルブレイヴズ隊はクラレント隊の前衛を務め敵の露払いを行う。更にヴァルキリエ隊もソルブレイヴズ隊に連なり敵を倒していく。大量の弾が飛び交う中で一回も被弾していない彼らはまさに熟練パイロット。動きも只者ではないのがよく分かる。

 

「ソルブレイヴズ隊に告ぐ!ヴァルキリエ隊に続きなさい!クラレント隊の道を開くのよ!」

 

『『イエス・マイロード!』』

 

隊列が砕けてヴィンセントが各個撃破に移り始めた頃スカアハではカタパルトデッキが開きサバーニャとバンシィが出撃準備を始めていた。それぞれ今回の戦闘のために強化された装備を使いカタパルトルームへキャスターごと移動。最終チェックを終えるとサバーニャのコックピットに乗り込んだナオトは少し違和感を感じた。なぜか座席複座になっていたのだ。そして前には彼女がいた。

 

「おい・・・お前なんでここにいるんだよ」

 

「ん?何か悪い?」

 

「エニード!すぐそこから離れろ!」

 

「死なれちゃ困るから?それとも?」

 

「あのな・・・分かった。邪魔はするなよ」

 

「分かった!」

 

サバーニャがカタパルトから出撃してその後に続いてバンシィも出撃。風を切りながら猛スピードで戦闘空域を通過する二機だったが途中で敵と遭遇。すぐに撃墜したが何機も集まってきたせいで援護すべきスザクの元へと向かえない。業を煮やした黒金はバンシィはユニコーンモードからデストロイモードへ変身させてビームマグナムでスザク達がいる空域への道を開いた。

 

「行けナオト!ここは私が受け持つ!」

 

「しかし!」

 

「行け!」

 

サバーニャはビームマグナムが空けた敵の大軍の中を突っ切ってスザクの元へと急いだ。バンシィは更にデストロイモードの赤いサイコフレームから緑のサイコフレームに変わり覚醒モードへと変身。ビームサーベルを器用に使い敵をものともせず撃破していく。その姿はバンシィというに相応しい勇姿だ。敵もハドロン砲で接近してくるバンシィを迎え撃とうとしてくるがIフィールドにより無効化され撃破されていく。クラレント隊に追いついたサバーニャはソルブレイヴズ隊とヴァルキリエ隊だけでは処理しきれない敵を片付け始めていた。しかしダモクレスに近づいていくほど敵は増えていきクラレント隊も応戦を始めた。

 

「チッ!キリがねぇ!エニード!」

 

「ん!トランザム!」

 

トランザムを発動したサバーニャは軽々と敵を撃破していきクラレント隊についていた敵機を引き剥がすとワザと自分に攻撃を向けさせた。本隊から離れた場所からサバーニャはいきなり上空に上がりGNビットを広範囲陣形”フィールド・スプラッシュ”に広げると足からミサイルも出してビームとミサイルの雨を降らせた。その雨は敵を全て撃滅。ナオトはクラレント隊に戻った。更に数分後にはクラレント隊がダモクレスまで数百メートルという目と鼻の先にまで来たがブレイズルミナスが破壊できていなかった。ここでE.E達が帰ってきたのだ。そしてクラレント隊の侵攻ルートの反対側にはブリタニア皇国のトレーズ・クシュリナーダであるシュナイゼルがHI-νガンダムのファンネルにより直接手を下さないで周囲の敵を片付けてしまっていた。

 

「ふむ・・・物足りないな。これくらいならばセイバーの中の人の生アフレコに行った方がよほど良かった。しかし仕方がない・・・もうお出ましか」

 

シュナイゼルが気づいたのは巨大な剣を持つKMFと一部改造されたランスロットだった。一機はナイトオブワンであるビスマルクの愛機ギャラハッドであり皇帝より授けられたとされるエクスカリバーを装備していた。もちろん本物だ。

 

「シュナイゼル殿下!今ならまだ間に合います!今すぐ撤退を!」

 

「撤退?私が撤退だと?実にエレガントではない方法だな。ナイトオブフォーよ。私はシュナイゼル殿下ではない。ただのシュナイゼルだ」

 

「殿下!」

 

「止めろドロテア。殿下は・・・いやシュナイゼルは我等の敵と成り果てたそうだ。ならば容赦などいらぬ。ここで不穏分子は片付けさせて頂く!」

 

エクスカリバーを引き抜いたギャラハッドがHI-νに向かって斬りつけてきた。巨大なMVSに対して涼しい顔でスレスレで回避していくシュナイゼル。ランスロットのスラッシュハーケンに驚く事なく回避して回避するの繰り返し。

 

「これぞ皇帝の与えし最強の剣!エクスカリバーである!シュナイゼル!貴様を断罪するにはふさわしい剣だ!」

 

「ほう?エクスカリバーか。皮肉だな。我が指揮下にあるクラレント隊はまさに叛逆の騎士団。例えるならば私はモルドレッド。殺すには槍が必要となる」

 

エクスカリバーを一瞬の隙に叩きつけられたがシュナイゼルの機転により逆さまになったHI-νの足蹴りでエクスカリバーを弾き返すとビームサーベルでエクスカリバーを一刀両断した。背後からはハドロンモードに切り替えられたヴァリスからハドロン砲が飛んできたが盾に装備されたIフィールドにより弾き返された。直後にランスロットのMVSが投げられたが逆にキャッチして突っ込んできたランスロットのコックピットを前装甲ごと貫き戦闘不能にさせる。

 

「シュナイゼル!我がギアスを解放させた事を後悔し懺悔するがいい!」

 

ビスマルクの左目の拘束が解放されギアスが発動した。シュナイゼルの全ての攻撃を回避してビームライフルをも予備のMVSで破壊してくる。しかしシュナイゼルも負けてはいない。読まれているはずのビームサーベルをギャラハッドに当てたりと人間離れしている。

 

「何故だ・・・何故倒せない」

 

「ナイトオブワン。私は君のような脆弱な人間とは違うのだよ。ギアスなどに頼っていては勝てる戦いも勝てない。私は・・・新人類。ニュータイプなのだから」

 

ビスマルクは未来を見る事が出来る。しかしそれはその選択をした場合に限り分かる。シュナイゼルはニュータイプとしてあらゆる可能性の未来を見る事ができ、かつその中でも似た未来を選んでいる。つまり微妙な選択の位置でビスマルクのギアスをかいくぐって攻撃していたのだ。更にビスマルクのギアスはあくまでも自らの視点に頼っている為彼の目にはHI-νのファンネルは映らない。ギャラハッドのレーダー警報音が鳴った時にはシュナイゼルがオールレンジでギャラハッドを撃墜していた。

 

「未来を見るギアス・・・か。だが私に勝つ為には周りをよく見なければならなかったな」

 

シュナイゼルはギャラハッドとランスロットの残骸をキャメロットに回収するよう命ずるとアヴァロンの中継システムを起動させ総督府の緊急対策本部と繋げた。

 

『シュナイゼル殿下!ダモクレスの穴を見つけました!』

 

「ほう。で、穴とは?」

 

『ダモクレスプログラミング担当のミエクが説明します』

 

『技術部プログラミング班長のミエクです。あのダモクレスはシステム上エナジーフィラーの間に合わない箇所があり何箇所か穴が空きます。その穴は基本ランダムですが0コンマ数秒空きます』

 

「そこまで分かればいい。ご苦労」

 

シュナイゼルは通信を切断して装備していたビームライフルを構えた。そして50秒待ってから一瞬だけ開く前の穴にビームライフル撃ち込むと見事ダモクレスのブレイズルミナスの穴を通り抜け発生装置に直撃。ブレイズルミナスが消え去る事によりスザク達が突撃可能となったが敵にとっては混乱を招いてしまう状況となった。この好機を見逃さないクラレント隊はダモクレスに突入を開始。周囲の対空砲火を物ともせず速度を限界まで上げていく。

 

「スザク!俺達はお前が帰ってくるまで待つ!総督を救助して来い!」

 

「我々ならばこの程度の十字砲火を持ち堪える事が可能です。お早く」

 

「了解した」

 

スザク以外の味方機は全て強烈なマヌーバで敵の背後に回り攻撃を始めた。周囲を完全に敵に囲まれてからの彼らの動きは人間技とは思えない。ハドロン砲や輻射波動型グレネードを回避していくその姿に追いつけるものなどどこにもいなかった。そしてスザクはELSクアンタの前方にGNビットを展開。強力なエネルギーを集中させた上でダモクレスに突っ込んだ。

 

「総督のいる位置まで侵攻する。クアンタ。もう少し下だ」

 

クアンタが下にまで掘削していくとそこには衝撃の影響で気絶しているナナリーがいた。ダモクレスのキーを海に落としナナリーを回収したスザクはコックピットに乗り込んで脱出。クラレント隊が飛び交う中GNビットを再び展開。ゲートを作り出しスカアハまでワープした。

 

「おぉ⁈スザクが消えた⁈」

 

「これが枢木スザクの代替機体の力・・・」

 

『諸君。ナナリーの回収は終わったかね?』

 

「殿下!」

 

『私の事はシュナイゼル・・・いやトレーズとでも呼んでくれればいい。仕事は終わったようだな。後は周りの雑魚を片付けるだけか』

 

「殿下・・・いえトレーズ隊長」

 

『クラレント隊に告ぐ。私に続き雑魚を蹴散らせ。ダモクレスの制御回線をキャメロットに掴ませ太陽にまで移送させる作戦に移る。奴を運ぶ程度のエナジーフィラーならばまだ残っているはずだ。ソルブレイヴズ、ヴァルキリエ隊にも言っておけ。戦闘は終盤だ。ケツの穴を引き締めて行けとな』

 

「「了解!」」

 

殲滅戦が始まり戦火が激しくなっていく。ワープしたスザクは気絶したナナリーをスカアハに預けたあと再び戦闘空域までワープした。ある空域ではよりによって最悪の組み合わせが戦闘を行い続いていた。

 

「輻射波動装備型のKMFか。第9世代タイプにサバーニャが敗北したとなっちゃあ笑われるな」

 

「ナオトどうするの?」

 

「俺もあいつも腹くらいくくってるだろ。向こうがそんなに速いならこちらもやってみるしかない」

 

「トランザム?」

 

「まさか・・・ちょっとした試験だよ」

 

紅蓮が速度を上げてこちらに近づいてくる。レーダーでは捕捉しきれない速さから眼前に現れ輻射波動の為に手を開いてサバーニャを捕まえカレンはいつものように輻射波動のマスコンを回転させて放とうとした。

 

「もらった!」

 

「チェックメイト」

 

輻射波動が発射する寸前に紅蓮はいきなりシャットダウンしてしまった。真っ暗になり動かなくなった紅蓮を強化ワイヤーで釣り上げてスカアハに帰還したサバーニャは甲板デッキに紅蓮を置いた。サバーニャ自体はキャスターでマイクロミサイルの補給の為にキャスターで整備デッキに移され紅蓮は鹵獲専用キャスターに移動させられエナジーフィラーを解除。危険な輻射波動や武装はタキセにより全て取り外された。

 

「紅蓮を傷なしで鹵獲するなんて・・・ナオトは一体どんな方法を」

 

「簡単な話さ。タキセ君」

 

「ナオト?」

 

「サバーニャには予め司令に用意してもらったものがあってね。クラッキング専用の兵装で紅蓮のOSを初期化したのさ。まあ簡単に言うなればECMのクラッキングシステム付きってとこだな」

 

「電磁パルスによる障害とクラッキングか・・・確かに素晴らしい兵装かもな」

 

「で?中身は?」

 

「ブラックボックスなら開けたよ。まあ幼稚な技術だけだから役には立たないけどな」

 

「パイロットは?」

 

「一応機体から出られる訳だけど出ようとしない」

 

「当たり前だよなぁ。鹵獲されたんだからな」

 

鹵獲キャスターの紅蓮の中では予備電源による付属OSのバイタルチェックをしているカレンがいくつか脱出する方法を考えていた。エナジーフィラーは抜かれ武装もなし。更に輻射波動装置も取り外され武器と呼べるものは何一つない。しかもカメラも使いものにならないのでは外がどうなっているのかすら不明だ。

 

「あの時・・・何をされたのか分からない。急に紅蓮が起動しなくなって・・・」

 

『開かないならこっちから開くしかないな。どうやって開けんだよ?』

 

『そのタイプは上下開閉式だ。上から持ち上げればなんら問題ない』

 

『そんじゃ開けますか。オープンセサミ〜』

 

この後紅月兄妹二人が再会し驚愕したのは言うまでもない。そしてクラレント隊やヴァルキリエ隊によりダモクレスは無事太陽にまで輸送するルートが決まりダモクレスは太陽に向かう軌道に入った。戦う目的を失った黒の騎士団やブリタニア兵は半数以上が投降。4分の3以上が罪に問われる事なく解放された。二日後にルルーシュは何故かシュナイゼルの注意を聞かずにブリタニア本国にて皇帝となり各政界にて政治力を発揮。EUなど反ブリタニア連合も武力による脅迫を恐れルルーシュの打ち出した政策に批准。ついに新生ブリタニア帝国の皇帝ルルーシュは反逆人の処刑を命じる。処刑は明日。それを前にルルーシュはスザクを呼び出した。

 

「ルルーシュ・・・本当にやるんだね?」

 

「ああ。今人類の憎しみは俺に向かっている。これでようやく少しは住みやすい世界になるだろう」

 

「だからといって死ぬのはやめて頂きたいな。皇帝ルルーシュ殿」

 

「オーキス当主か。だが俺のゼロ・レクイエムはこれで完遂する。これで人類に明日がくる」

 

「なら俺からもお前に明日をくれてやる。スザク。この剣でルルーシュをさせ。んで、ルルーシュ。お前はこの薬を歯に仕込め。スザクに刺されたら薬を噛め」

 

そんな話をして解散した三人。遂に処刑の日がやってきた。何機かの護衛を引き連れて偽の公開処刑を行う準備ができている。ルルーシュは椅子に座りナナリーは下で鎖に繋がれている。しばらく進んでいくとゼロが現れルルーシュの乗る処刑車に全速力で走ってきた。KMFはワザと汚い撃ち方をしてスザクに回避させる。更にジェレミアも足台になりゼロはルルーシュを刺した。大衆がざわつき始めコーネリア率いる反乱組織が処刑器具から助け出される中多量の出血を起こし転がり落ちたルルーシュはナナリーに手を取られ息を引き取った。その遺体はシンフォニーにより丁重に葬られ土の中に埋められた。

 

続く!

 



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始まったそれぞれの生活

R2が終了!さあ次はどうするかな。


夜は雨になった。スカアハや病院で治療を受けたシャーリーは裏切り者と魔王の烙印を押された墓石の前に立ち花を供えている。傘をさしただボーッと見て目を閉じると数秒間止まり帰っていった。彼女の姿が見えなくなった頃二人の影が現れた。スコップを持ち墓石の下を掘り下げると皇帝の服を着たまま棺桶に入れられたルルーシュがいた。一人の男が彼に薬を飲ませると彼は目を覚ましゆっくりと起き上がる。

 

「こんばんは。調子はどうだい?今はお前が殺された日の真夜中だよ」

 

「まさか仮死剤を使うとはな。見上げた実力だ」

 

「オーキス当主。君は一体どこでこれを?」

 

「元々諜報活動で必要なものを改良しただけさ。仮死剤で死んだようにして剣はペラッペラの玩具。しかも刺したのは血糊で刺した側の大衆は皆シンフォニーだから問題はない。あとは蘇生剤で復活するだけということだ」

 

「で?ここまでして何故俺を生かす?」

 

「ルルーシュ。お前は死んだんじゃない。蘇ったんだよ。彼女の目的を果たす為に」

 

「彼女?」

 

「ルルーシュゥ?」

 

「その声は・・・シャーリー⁈」

 

「本当ナイーヴだよねルルーシュは!やりたいことは分かるけど私との約束を疎かにしちゃ駄目よ!」

 

「約束?」

 

「私とのデート!一つは終わったけど二つめがまだ終わってない!次から潰したら私が・・・」

 

「分かった分かった。だが服装がこれでは」

 

「ほれ。持ってきたぜ。ルルーシュ・ランペルージでいいんだろ?」

 

「あ、ああ」

 

「スザクは暫くゼロとして活動するがお前は身分が辛いだろう?だから新しい住所を用意した。なに、金の心配なら要らんぞ。全てお前の報酬から払わせてもらったからな。敷地もシンフォニーが買い占めた郊外だ。安心して暮らせ」

 

「ルルーシュ。君は全て失った。だから今から作っていくんだ。ブリタニア皇帝の魔王としてではなくルルーシュ・ランペルージとして」

 

「じゃあな。スザク。いくぞ」

 

「それじゃルルーシュ。もう一人も頼んだよ」

 

「もう一人?」

 

スザクとオーキスはそう言って近くにあるKMFで移動してしまった。近くの道ではジェレミアが車にカレンを乗せて待機。二人で取り合いが起きたらしいが彼のその先は知らない。ジェレミアは手元に残った大金で柑橘農業とルルーシュの支援を行い忠誠を誓った。他のナイトオブラウンズ達やブリタニア兵はナナリーを守るエリート騎士団として黒の騎士団に入るか本国へと帰り囚われていた技術者達は残留するロイド派と私立の設計局を立ち上げるラクシャータ派に分かれた。ニーナはロイド派に行き他はラクシャータ派の私立設計局へと移る事となる。ナナリーは大統領に就任。ブリタニア本国でルルーシュが行った貴族制廃止による効果でナナリーが危険に及ぶ事は少なくなった。スカアハで治療を受け復活したギルフォードはオーキスに礼を言ってスザクの妻であるユーフェミアの下につき教育係をする事となった。キシはE.Eの黄昏の間のゲートによりナナリーとともに帰り向こうの世界でPMCを開業。C.Cは暇になったのでE.Eの住むシンフォニーの基地内で過ごしている。そして一番気になるシュナイゼルはナナリーから分けてもらった餞別で声優として就職した。ウケがいい人気の声優らしく元次期ブリタニア皇帝という肩書きがあるので味方・悪役関係無しに皇帝役をする事が多い。こうして彼らの戦いは幕を閉じたのであった。

 

 

場所は東京。魔王ルルーシュが討たれてから3年後の日本は扇内閣が発足。平和な国を築き上げていた。サクラダイトが掘り尽くされたトウキョウの郊外では巨大な施設が建てられシンフォニー日本支部として活動している。その広さは東京ドーム3個分。異例の広さをオーキスが買い占めた理由は”自分が過ごした家を取り込む”というものがあったからだ。ついでに言えば廃棄された採掘場なのでサイクル式になっており巨大なスカアハを収容するにはとても良い条件だったからだ。その敷地内ではルルーシュ達もいる。

 

「よぉ。元ブリタニア皇帝サマ」

 

「その呼び方は止めろと言っている」

 

「休みの日なんだから子供と遊びに行ったらどうだ?俺なんか昨日遊園地行ってきたぞ」

 

「二人も側室が居ては家計が火の車でな。確かに新型KMFの設計は良い支払いだが少々キツくて中々行けない」

 

「せめてラファーエットとユウカと遊んだらどうだ」

 

「いや・・・と言ってもいるんだろ?」

 

「ご名答」

 

オーキスの後ろにいたのは茶髪のルルーシュ似の少年と赤みがかった髪の少女。二人ともお父さんとルルーシュを呼んで足元に抱きついていた。二人を持ち上げると膝の上に乗せて遊び始めた。ルルーシュの机の上に広がる設計図を見ると頼んである新型の工事用KMF以外にバイクの設計図もあった。

 

「なあルルーシュ。これは・・・」

 

「ああ。ロイドに頼んで民間用にまで推力を減衰させたフロートユニット式のバイクだ。エナジーフィラー駆動だがゲフィオンの効果は受けないよう設計してある。再充電も可能だから早い内に提案しようと思っていたんだが」

 

「こいつは採用だ!売り上げの8割はお前に渡すから売り込んでみよう。いいねぇ。まさに軍事の平和利用だ」

 

「おとーさんバイクつくったの?わたしにちょうだい!」

 

「はいはい。成長したらユウカにバイクをあげるからそれまで我慢しような」

 

「はーい」

 

「コイツの名前はどうするんだ?」

 

「まあ・・・フロート・バイクかな」

 

この後バイクは従来のタイヤ式よりも安全かつ関節駆動部のゴムの交換だけで済むようになるので大量に売れた。もちろん特許もとり日本のバイクはリヴァルのような旧式愛好家のみがタイヤ式にしておりほとんどがフロート・バイクを使うようになっていった。さらにアッシュフォード家から報酬として貰ったオーキスの愛馬デンドロビウムはルルーシュにも乗りこなせるようになり乗馬場でよくカレンやシャーリーを乗せている。あれからシャーリーとカレンが一応仲は良くなったらしいが未だに取り合いが激しいらしい。ユウカは紅月優香として日本国籍をとりラファーエットはラファーエット・ランペルージとしてブリタニア国籍をとっている。イザコザが消えた今気にする必要など無くなったからだ。

 

「スザクはどうしている?」

 

「スザクならしっかりとゼロとしてやっているよ。ただユフィの愛妻料理を食べ過ぎて少し太った」

 

「元気にやってるならそれでいいんだ」

 

「おとーさん昔なにしてたの?」

 

「ん?お父さんはな・・・」

 

ルルーシュの昔話が始まりユウカ達は興味津々で聞いていた。オーキス達に助けられてきた事や最終的に死んだ事になっている事まで話した。その頃ジノは再びスザクの家で酒を飲んでいた。

 

「ジノ・・・いくら暇だから言って飲み過ぎだ」

 

「気にすんなって。もうトリスタンはないからやる事ないし暇なんだよ。やる事と言ったら一つ。生放送に限る!」

 

「生放送?」

 

「つー訳でおはこんばんちわ!生放送のジノ君だよーん。今日はゲストとしてイケメン騎士をお呼びしてまーす!」

 

「ジノ⁉︎」

 

いつの間にかテレビにはゲームがセットされ日本で静かな丘と呼ばれるゲームを始めていた。ジノは完全に酔っ払った状態でプレイをしているがスザクは急に現れるドッキリ要素に衝撃を受けて同じゲームをプレイするようになった。ユフィはユフィで髪を切り二人の子育てをしている。ルルーシュとはまだ連絡を取っておりシュナイゼルは声優が忙しくて音信不通らしい。こんな平和な世界をルルーシュは望んでいた。そして世代は交代する事となる。

 

R2 終わり

 



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Children in succession to will 編
意志を継ぎし子供達


まずは20年後から。次に25年後を書いていきます!


20年後、トウキョウの巨大クレーターはルルーシュの作っておいた計画書と支援金によりナナリーの命令のもとで駐車場から近未来都市として地下にはジオフロントが建設された。近くにあるアッシュフォード学園の一部は修復され昔より綺麗になっている。そんな学園では馬鹿騒ぎする男子高校生が三人いた。名前はレックス、ラファーエット、アーサーの三人。その姿はかつての三人を彷彿させるものだ。

 

「ラファーエット。レックス。学園生活で大切な物はなんだと思う?」

 

「学園祭じゃね」

 

「生徒会だろ。親父は色々やったらしいし」

 

「違う!如何にしてモテるかだ!放課後の教室だからこそ話せるがラファーエット!お前は魔王ルルーシュの息子!レックス!お前はシンフォニー傭兵師団当主オーキスの息子!そして俺は!」

 

「・・・ヤンデレ気味な妹を持つ枢木スザクの息子か?」

 

「なんであんな妹が出来たか知りたいぐらいだな。いくら俺のヴァルキリーでもそこまでヤバくないぞ」

 

「なんでか知りたいのは俺の方だ!母さんのようにあそこまで素晴らしい容姿と能力を持っていながら何故ヤンデレに・・・」

 

「安心しろ。いざという時は俺の弟差し出す」

 

「ジョセフを?」

 

「ああ・・・そういや一目惚れしたとか頻りに家で言ってたな。もうブリタニアとか関係ないから本当にくれないか?」

 

「あとで釣ってくるわ」

 

どうでもいいことを話す三人だがルルーシュ達も別の出会いをしていればこうなっていたのだろう。戦争など気にせずただゆっくりと平和な世界で生きる。何も考えずとも明日が来る。そんな日々があの頃いつまでも続いていたらどれだけ良かっただろうか。スザクはそんな事を考えながらゼロの衣装をクリーニングに出して洗濯物を乾かしていた。あれから猫のアーサーはユフィの膝の上で他界。次の日に彼女が身籠ったことを考えるとアーサーの名前が相応しいと考えた二人により彼の名前はアーサーになった。

 

「ユフィ。洗濯物まだある?」

 

「もう無いですよ。お茶でも飲みましょう。アルテミス!」

 

「えー・・・私MG42の分解清掃やりたいんだけど。WW2時代の払い下げアサルトライフルをヴァルキリーからようやく手に入れたのにー」

 

「そんな事はあと!早くお父さんにコーヒーでも作ってきなさい。いつもの戸棚に入ってるから」

 

「はぁーい」

 

戸棚でインスタントコーヒーを出して作っているのはアーサーの妹アルテミス。巨大な屋敷に住んでいるので部屋も広く中でも彼女が使っている二部屋の内一部屋は全て旧式のライフルが飾られている。実弾はないが昔ながらのM1ガーランドやM16A1。新型の普及で隠れた名作と呼ばれた日本の89式などスザクが発掘してきたものから友人から貰ったものが沢山ある。コーヒーを三人分作り終わったところでフロート・バイクの止まる音が玄関前でした。アルテミスが扉を開けるとそこにはアッシュフォード学園の制服を来た金髪の女子がいた。

 

「頼まれてたやつ持ってきたよ。でも拳銃は保存状態悪いから部品変えないとあんまり良くないかも」

 

「大丈夫大丈夫!また自作するから」

 

金髪の女子はシンフォニーの次期当主候補とされる長女。ヴァルキリー・シンフォニーだ。特別外見で目立つ特徴がある訳ではないがアルテミスとは旧知の間でクレー射撃仲間であり彼女に旧式の銃を渡している。エングレーブを掘ってある銃のみを渡し他の銃は処分しており危険ではないような生産されていないコレクションを増やす為にアルテミスに協力している。

 

「へぇーコルトのSAAかぁ。初期のブリタニアで生産されたピースメーカー。リロードが一番面倒な奴だね」

 

「振り出し式なんて存在しない時代だから仕方ないわよ。それとコレ!貴方が一番欲しかった奴をこっちで仕入れて組み上げてきたわ」

 

「とうとう来たのね!私の一番好きなレバーアクション式ライフル!ウィンチェスター!」

 

「レバーアクションはシンフォニーのブリタニア支部の倉庫でバラバラの状態のを見つけたのよ。エングレーブ付きでレバーアクションも出来るわ。実弾は・・・あったかしら」

 

「もう無いんじゃない?あっても銃が古いから本体が保てないわよ」

 

「それもそうね。私はこれで帰るわ」

 

「いいの?」

 

「ええ。遅くに帰って母さんに絞られるのは嫌いだし銃の清掃は貴方が一番得意でしょ?」

 

「うん。じゃあね」

 

フロート・バイクに荷物を乗せるとシンフォニーの基地まで帰っていくヴァルキリー。アルテミスは台所に戻るとコーヒーを居間の机にまで持っていく。席に着くといつの間にか横には彼女の一番嫌いな人がいた。その顔は老けてなお威厳を保っておりKMFの技術は至って衰えていない。彼こそアルテミスとアーサーの教育係となったギルフォードだ。

 

「アルテミス様。銃の清掃もいいのですがやる事はやって貰わなければ困ります」

 

「ギルフォードは固いなぁ。大丈夫よ。宿題は終わらせてあるし予習も済ませたんだから」

 

「そちらは問題ありません。私が言っているのはKMFの操縦訓練です。アルテミス様のクレー射撃の腕前は知っていますが訓練用KMFで当てられなくては意味がありません」

 

「訓練用なんか使わなくても私には黒金おじさんから誕生日プレゼントで貰ったのがあるからいいもん!」

 

「アルテミス?」

 

「あ、ヤバ」

 

「その誕生日プレゼントとは何なんだい?父さんに言いなさい」

 

「・・・シィ」

 

「ん?聞こえるように言いなさい」

 

「バンシィ」

 

「あーバンシィか。は?バンシィ⁈」

 

アルテミスが言っているバンシィとはまだオーキス達がスカアハでブリタニアと戦っていた頃にシンフォニーの隊員である黒金の愛機であったMS。KMFというのに値するかは無しとして考えてもバンシィに搭載されたNT-Dをアルテミスが使いこなせるかどうかは未知数だ。何故黒金が愛機であるはずのバンシィを手放したのか?その理由は至極単純。単に老体のせいでバンシィに身体が追いつかなくなったからだ。誰にも使われず格納庫の肥やしになるくらいならばとアルテミスに所有権を譲りシンフォニーの専用整備施設にて現在も動けるよう整備中である。ユニコーンもバンシィと同じ場所で整備を受けている。

 

「確かに黒金さんは老体だ。だがアルテミス。バンシィは母さんのユニコーンより機体性能は上。付属武器こそ少ないがその加速は並の人間では耐えるのは不可能。返してきなさい」

 

「枢木卿。お言葉ですが・・・アルテミス様の耐G体質は知っているはずです。液体式耐Gスーツを着て訓練した熟練パイロットが10Gのところを彼女は何も着用せずに11Gを耐え切ることが出来ます。それも数分以上。もはやバンシィなど軽いのでは」

 

「だが彼女を戦いに出したくない。確かに今もブリタニアの爪痕は残っているが・・・」

 

「だからこそのバンシィでしょう。自衛の為なら所持していても問題は無いはずです」

 

「・・・アルテミス!バンシィを使うなら気をつけて使いなさい」

 

結果的にアルテミスはバンシィに乗る事を許された。この後シンフォニーの基地まで向かった彼女は黒金から起動キーを受け取りVR操縦訓練を受けた。NT-DをタキセがOSの書き換えてアルテミスに設定。バンシィはアルテミスの物となった。敷地内だけをバンシィで飛び回り模擬弾を的に当てたりと喜んでいる。バンシィの整備をしていた整備員達は黒金の全盛期を彷彿とさせるものだとして写真や動画を撮り始めた。彼らにとって最高の整備をした機体が飛びまわるのは素晴らしい事だ。誰も扱えない機体という訳ではないが最大限に引き出せる新しいパイロットがいるだけで報われるというもの。彼女を嫌うものなど一人もいない。

 

『そろそろ降りなさい。バンシィのエネルギーは大して入れてないんだから』

 

「え?エネルギーないの?もっとやりたかったなぁ」

 

仕方なくバンシィを所定の位置に戻してコックピットからでると整備員達が群がってきた。敬礼をしてアルテミスに乗り心地を聞いたところ加速度の滑らかさが少ない。マスコンが硬すぎるなど幾つかの問題点を聞いて早速カスタマイズを始めアルテミスは帰る前にある所へ向かった。そこはシンフォニー兄妹の家。父となったオーキスの住んでいたマンションは事件後住居人は全て退去させられ封鎖されていた。しかし買取ってから綺麗にしたり事件後の部屋に三人で供養したりして現在一番最上階は六部屋分兄妹の部屋となっている。もちろんだが流石に事件が起きた部屋には誰も入れていない。アルテミスはマンションに入りエレベーターで最上階まで上がると806号室のドアノブを回して入った。

 

「ジョセフー!」

 

「アルテミス⁈なんでまた来たんだよ?明日も学校で会えるだろ?」

 

「やっぱりジョセフの布団はジョセフの匂いが・・・たまらないぃぃぃ!」

 

「暴れるなって!布団がめちゃくちゃになる!」

 

学生服のままで暴れていたアルテミスはジョセフに取り押さえらたものの上手く体術を使い股がる形になった。部屋に二人きりでジョセフに股がるアルテミス。この状況では何が起こるか分からない訳がないジョセフだった。彼はどちらかというと例え付き合っている女子が上になっていても理性が保つ方だ。しかしアルテミスはというと漫画や18禁ゲーム、そして彼氏であるジョセフの部屋という好条件のせいで理性が崩壊するのは時間の問題だ。そしてそこに転がり込んできたのは面倒極まりない状況だった。ジョセフの部屋に来たのはゲームを借りに来た妹達。下からレイ、ローズ、エクスの三人。全員ジョセフを見るとローズがレイの目を塞いで部屋から出て行った。

 

「ジョセフ兄さん。ゴムはしてね」

 

というとエクスもスポットライトがない瞳で出て行った。ジョセフは冷や汗を流し急いで起き上がろうとするがアルテミスが阻止。引き剝がそうとする彼をじっと見つめる。しかし阻止しようとする腕はより強くなっていき最早脱出不可能。かと思われたが一瞬でジョセフは消えてしまう。彼は妹達の部屋に移動したのだ。

 

「あ、ジョセフお兄ちゃん」

 

「あれは間違いだ!あいつが暴れるからとりおさえたらアルテミスが抵抗してきただけで決して」

 

「兄さんスタープラチナで逃げてきたでしょ。私は父さんと同じワールド持ってるから同じ時間が停止した状態でも動けるんだよ」

 

「ローズがワールド使ってるくらい知ってるわい!そのくらい力が強いんだよ!」

 

「もういっその事くっついた方がいいでしょ。兄さんとアルテミスさんは結婚しててもおかしくないって」

 

「お兄ちゃん結婚するの⁈」

 

「違うのレイ。今のはエクス姉さんのジョーク。まあ結婚しても問題ないとは思うけど」

 

結局部屋に戻ったジョセフは再びアルテミスに襲われかけたものの今度は抵抗。上側についたかと思われたが彼女の身体が少しずれたせいで漫画にしか展開しないであろうラッキースケベが発動。ショックで身体が麻痺したジョセフは頭も眼前もブラックアウト。この後レックス達が入ってきてアーサーにこれからアルテミスをよろしくと握手された。ラファーエットの異母兄妹である優香も呼ばれその夜は豪華なレックスの手料理が並んだのであった。その頃オーキスは別に作られていた日本庭園の縁側で熱燗を黒金とだけで呑んでいた。

 

「あれから20年・・・最初は戦って後は六児の父親としてやって来たわけだが充実した人生だな」

 

「お前さん方は適応進化とやらで半永久的に生き続けてしまうのだろう?人生はまだまだ長い」

 

「黒金さんも老けたな」

 

「アンタが若すぎるだけさ」

 

「・・・月が綺麗だ。星屑も輝いてらぁ」

 

「ああ・・・」

 

続く!

 

 

 




オーキス・シンフォニー (20年後)
六児の父親の役割を果たすまであと少しとなったオーキス。エクストリームガンダムを今も愛用しており適応進化薬を開発したことにより妻のクレアも半永久的に生き続けている。そもそもコードなど必要ない彼はコードを誰かに渡すまで所持。保管している。老いることはないが精神年齢は既に45歳を過ぎており20歳くらいの姿。


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25年後の彼ら

いきなり戦闘⁈そうです!戦闘回です!


場所は太平洋のど真ん中。深度800の海中に沈んでいたのは改良に改良を加えられ無人化されたスカアハ。二人の男が司令席に座っていた。静かな海に響くソナー音。暫くするとスカアハが起動。海中からたった数分程度で海面に顔を出す。若い方の男がレーダーに映る多数の敵機を見て小さく呟いた。

 

「遂に来たか。アクエステ。対空戦闘用意。エネルギー回路を兵装にまわせ」

 

『了解。スカアハのエネルギー回路を全兵装に開放。対空戦闘モード』

 

「第二フロートエンジンを起動しろ。上空での空間戦闘に持ち込む。針路83」

 

『フロートエンジン起動。針路83』

 

スカアハが海面から離れると敵のKMFが大量のミサイルと共にハドロン砲の雨を降らせてきた。対してスカアハは前方に集中障壁を展開。同時に無人偵察機が障壁の周りに陣形をとって警戒情報の作成を始める。全ての攻撃を跳ね返しながら前進していく。背面からはGNドライヴの粒子が装甲で囲まれた排出口から出てきており本体を改良してなお使っているのがよく分かる。その真下では味方の潜水艦が行動を開始。スカアハのレーダーと警戒システムを連携させて敵の数を把握し始めた。

 

「出航ルートE。出力15」

 

「前方進度クリア。障害物無し」

 

「無人哨戒機より入電。敵影は未だ見えず」

 

「アクエステを起動。ASW!」

 

「ASW用意!」

 

「ジョセフ艦長。潜れます」

 

「よし。潜行する!出力そのまま!モードクイック!深度40でホールド!」

 

「全モーター出力そのまま!深度40!」

 

「全トリムタンク注水!ダイブ!」

 

潜水艦がゆっくりと海に沈んでいき各兵装に注水が始まった。沢山のレーダー音に囲まれた広いCICでジョセフはあるパイロットを招集。組み込まれたKMFの収納スペースまで案内する。

 

「水中戦及び水中から地上に出て強襲出来るよう改造された機体です。操縦法は従来の機器と連携させました。貴方なら使いこなせるはずです」

 

「耐水圧装甲にしたKMFか・・・はっ。40代の俺に無茶言うもんだぜ」

 

「承知の上でこの潜水艦アルテラに搭乗してもらったので無理ならば強制はしません」

 

「艦長命令とあっては仕方ねぇ。たまには暴れさせて貰おうじゃんか」

 

パイロットは収納スペースに整備されているKMFのコックピットに乗り込む。数秒後エナジフィラー充填コードが外されて内部耐圧カバーと外部の耐水装甲が閉じた。機体が起動を始めレーダーシステムや操縦システムの異常確認を自動で行っていく。全ての確認を終え全周囲モニターに表示されたオールグリーンの文字。ソナー情報から上空の情報まで表示されていくが彼は邪魔そうに指をタッチパネルを触り情報を全て端にやった。

 

「少尉!機体はいけますか?」

 

「ああ。コイツも久しぶりだ」

 

「ではよろしくお願いします」

 

機体の周りに海水が流れ込んで圧力が少しずつ低下していき1分もしない内に収納スペースは海水で満たされる。機体はエレベーター式で拘束具から外され水中に放たれモーターを全開にした。

 

「トリスタン。出るぜ!」

 

「グッドラック。ジノ」

 

ジノ。元ナイトオブラウンズのパイロットでありながら自機のトリスタンを没取されてからは何もする事がなかった騎士。しかしギルフォードやスザクらの誘いで25年間の間VR訓練を受けていた。その効果もあってか水中での動きでも何ら問題なく進行していくトリスタン・マリン。周囲にデコイをばらまきながら変形していく。

 

「追加ベント解放。フロートユニット起動。トリスタン浮上!」

 

海中から出てきたトリスタンはヴァリスで敵の戦艦を下から攻撃を始める。浮遊しているので勿論下への迎撃弾も飛んできたがそんなものはジノにとって問題ではない。三機の戦艦の内一艦が下からのヴァリスによりフロートユニットのエナジーフィラー収納部に直撃。浮力を失った戦艦は少しずつ海に近づいていく。

 

「第三、第二フロートユニット破損!エジェクター作動しません!」

 

「予備エンジンで体勢を立て直せ!敵はデカイが一艦のみだ!まだ発進していない部隊もいる!海水に不時着するぞ!」

 

戦艦が海水に不時着した瞬間真上からのハドロン砲が戦艦のCICを貫いた。あの戦いから25年間がたった訳だが技術が進歩しないわけがない。ハドロン砲の威力はより高くなり専用でないKMFも水中での活動が追加ユニットにより限定的だが出来るようになっている。そして現在使われているバリアには大体の場合でブレイズルミナスが採用されているが既に旧式化しており省電力化した輻射障壁が採用されることも多くなってきている。スカアハの障壁はGN粒子で形成されているがラクシャータの輻射波動制御システムを導入した新システムにより障壁の防御率がより向上している。

 

「一番艦が撃墜!艦長!」

 

「クッ・・・このまま突撃する!我々愛国者の力を見せつけてやるのだ!」

 

未だ残る艦隊は更にスカアハに接近してきた。周囲の護衛KMFも攻撃を更に激化させて仕留めにくる。その中スカアハから一機の機体が空に飛び出した。その機体は羽から虹色に輝くプラズマ粒子を流している。羽の青い部分が外れたかと思うと自動的に攻撃を始め敵を各個撃破していく。本体はクルクル回りながらビームサーベルを敵戦艦の真横で斬りつける。斬りつけられ融解した場所から誘爆しはじめた戦艦は爆発しながら空中分解。戦艦の艦長が最後に見たのは機体のコックピットに書かれた機体番号だった。

 

「SMDーX105・・・strike freedom ・・・だと?シンフォニー傭兵師団は解体されたんじゃないのか⁈情報が違うじゃ・・・ない・・か」

 

爆発する戦艦を後にするストライクフリーダム。その機体に乗っていたのはルルーシュの分身とも言えよう存在。ラファーエットだ。ビームサーベルを使い敵を倒していくその姿は敵護衛機に捉えられることなど出来ない。最後の戦艦も撃墜しあらかた片付けたスカアハは全ての機体を回収して再び海中に潜行していった。

 

「サンズ・オブ・パトリオットが犯行声明を出してから2ヶ月。太平洋の進出も激しいな。中々家に帰ってゆっくりともいかんものだ」

 

「親父。もうそろそろ帰ろうぜ?俺たちは12時を超えたら日本の戦艦と警備を交代するはずだ」

 

「はあああ。疲れたぁ。クレアに甘えてぇ」

 

『第58艦隊が到着しました』

 

「もう来たのか。基地に帰るぞアクエステ。ジョセフにも帰還するよう伝えておけ」

 

『了解』

 

潜行したまま日本へ帰るスカアハ。背後の潜水艦も最大戦速で追いかけるように進んで行った。今の日本は世界でブリタニアに次ぐ経済力を持ち復興支援も順調に進み2年後の2037年には全復興が終了する予定だ。荒れ果てていた港も活気を取り戻しておりKMFは作業用や警備部隊、藤堂率いる日本国防軍が持っている。騎士制度はブリタニアで続いているがナイトオブラウンズの殆どは辞めてしまい形骸化している。暇なジノはシンフォニーに就職してかつてのトリスタンを使い依頼された警備やテロの対策部隊に駆り出されている。オーキスはというとギアス饗団・・・現サンズ・オブ・パトリオットが二ヶ月前にテロ声明を発表して以来ゆっくりするわけにも行かずスカアハや様々な機体で戦闘をしている。だがこんな戦闘の裏では同時多発を引き起こす場合も多くシンフォニーの部隊も数十人は死んでいる。この事を想定していなかったオーキスは傭兵師団の余剰予算を確保せず福祉に回していたせいで今傭兵師団は火の車だったりしている。一応遠征部隊の為の予算は確保されていたのでそこから当分の間は予算を組むしかなかったがようやく予算委員会が開かれる予定で傭兵師団への予算を増やすことが出来るのだ。なのでオーキスが日本に帰る頃にはバーチャル会議による予算委員会が開かれる。彼にとっても肩の荷が軽くなる。

 

「やっと予算が組めるなー。少しはマシになりそうだ」

 

「火の車だった傭兵師団がアイツらに反撃するのも夢じゃないな」

 

『オーキス司令。日本支部より緊急入電。枢木亭が何者かにより攻撃を受けているとの事です。既に援護部隊がスタークジェガンで攻撃を開始しています』

 

「スザクの家だと⁈」

 

「アーサー・・・間にあえよ」

 

枢木亭は燃え盛る炎に包まれていた。周囲では未だ敵KMFがシンフォニーの部隊と交戦している。アーサーは地下にいた。彼の目の前にはスポットライトで照らされた白い悪魔。一角ヅノが象徴であるその機体は自らコックピットを開いて導くようにこちらを見てくる。昇降ワイヤーに乗りコックピットに乗り込む前面のガードが閉じて全てのシステムがスタンバイ完了。全周囲モニターも機能している。

 

「ユニコーン。お前が俺の覚悟を受け入れるならば・・・俺に力をくれ!」

 

ユニコーンのツインアイが光りだしOSがパイロット用に切り替わる。モニターに表示されたのは日本語。彼女が乗っていた頃のデータも蓄積されていりAIは今も従順な部下として搭載されている。更にAIにはアーサーがユフィの血縁者である事も書き込まれており彼をパイロットと見なすように設定されている。故にかける言葉は一つしかない。

 

『恐れるな。自らの可能性を信じろ。私はお前に無二の力を与え、道を開こう』

 

「ユニコーン・・・」

 

大量のミサイルが飛び込んでくる中突っ込んでいくアーサー。ブースターを最大にして煙の中から脱出した。すると第12世代主力KMFヴァスディウスがハドロン砲を撃ってきた。しかしそれを弾いていくユニコーン。

 

「俺に力をくれ!ユニコーン!」

 

ユニコーンの封印が解かれサイコフレームが露出状態になるとビームサーベルを出して敵を容赦無しに切っていく。

 

「あ、ありえねぇ!あんな・・・」

 

パイロットが怯えるほどユニコーンは速く、追いつくことすら出来ない。ハドロン砲を何度もあてようとするが全て弾かれるか回避されてしまう。彼らにとってあの得体の知れない機体はただの化け物に等しい。

 

「機械のする動きじゃない!警戒しろ!」

 

「パイロットは持つのか⁈そんな馬鹿な⁈」

 

「ああ・・・思い出した。かつてユーフェミア皇女殿下が搭乗していた機体・・・し、白い悪魔!ガンダムだ!」

 

ユニコーンは赤く光るサイコフレームを見せながらその高機動で更に敵を倒す。しかしアーサーはNT-Dに飲み込まれかけていた。とにかく敵を倒し排除するだけ。ニュータイプを排除する為に作られたシステムはアーサーというニュータイプをパイロットに迎え入れた今、もはや敵はいないかった。

 

「敵は倒す。敵は・・・あのエンブレムだけだ!」

 

咄嗟にシステムから意識を戻すアーサー。駆けつけにきたシンフォニーの援護部隊を破壊しないように特徴のあるエンブレムの機体だけを破壊する。飛んでくるハドロン砲を回避していくと一機の機体が背中合わせとなった。

 

『アーサー様!ここは我々とシンフォニーがカバーします!』

 

「ギルフォード先生!身体は大丈夫なのか⁈」

 

『この程度で寝込んではいられません!さあ!』

 

「すまない!」

 

アーサーはバンシィに乗るアルテミスを助けに行く為枢木亭裏に向かった。ギルフォードはチャンネルを変えてシンフォニーの機体だけに連絡をいれると敵を通り越し援護部隊と合流する。

 

「シンフォニー援護部隊に告ぐ!ここはこのギルフォードが指揮を執る!続け!」

 

『『サー!イエッサー!』』

 

ギルフォードと援護部隊のスタークジェガンが敵に向かって攻撃を始める。新しい機体になってもやはり衰えない操縦技術は敵パイロットを大きく上回りシンフォニーの熟練隊員をも追い越していた。アーサーがアルテミスを助けにいくその頃、アルテミスはユフィとスザクをバンシィに乗せて近づいてくる敵機に向けてビームバルカンを撃っていた。ゲージから何とか脱出したのはいいもののロクな装備がない状況で無限に沸いてくるような奴らを相手に少しはイラついてもくる。

 

「敵多すぎぃ!」

 

「アルテミス!六時の方向に高熱源体!アーサーかしら?」

 

「いやあれはアーサーじゃない。別の機体だ」

 

周りを囲っていた機体が突如出現した二基のファンネルにより破壊されバンシィの前に降り立つ。ビームサーベルを出して包囲していた敵を撃墜すると通信を入れた。

 

「こちらシンフォニー司令官補佐。エクス・シンフォニー。デルタカイで援護する」

 

『エクス?』

 

「アルテミスさんでしたか。ヴァルキリー姉さんは今いませんよ」

 

『あのバカ・・・こんな時に何処にいるのよ⁈』

 

と二人のレーダーに感知システムが作動した。シンフォニーの援護機体が殆どだったが一機だけ動きがおかしいのがいた。それはレーダー上でも分かるほど速くユニコーンやバンシィ並みの機動力で先頭を飛んでいる。数秒後にはユニコーンよりも速度を上げてきた。

 

「高熱源体接近!どういう事・・・敵の対空砲火をこんな避け方出来るはずないのに⁈」

 

『ああ・・・ようやく分かったわ。あの子は渡していたのよ。彼女に』

 

「彼女?渡していた?」

 

『ふふ・・・見ればわかるわ』

 

空から流星のように飛んでくる援護機は対空砲火を器用に回避しながらこちらにやってくる。そのうち一機の機体は夜空に対して白くツインアイ。更に背中の特徴的なブースターは高速移動を可能とする高出力タイプだ。バルカンとビームサーベルだけを持ったそれはユニコーンに似ているがよく見ると少し違う。破損した盾を投げ捨てると真下にいたKMFのコックピットをビームサーベルで貫いてしまった。

 

『敵機体は5!直上より急降下して来た!先頭の一機は・・・通常の三倍の速さで攻撃中!各機あの機体には注意しろ』

 

「ここまで集まられては仕方ないわね。ヴァルキリー。見せてもらうわよ。この機体の・・・シナンジュ・スタインの本当の強さを!」

 

続く!

 



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戦闘と強奪

生きてます!走りきるまで諦めませんよ!


炎が燃えさかる枢木亭。そこに立ったのは一機の機体。パイロットは、かつて黒の騎士団最強パイロットの座に座っていた紅月カレンの娘であり今もなお技術向上が収まるところを知らない。名前を紅月優香。その技術はルルーシュの遺伝子も混ざりあっての事か機体に搭乗し戦闘中でも作戦指揮を行うことが出来る。

 

「こちら紅月。シナンジュで援護する。」

『優香ー!』

「ガンダムタイプ⁈しかもこの声は・・・」

『優香先輩。今は枢木亭にいる敵を殲滅する事が優先です。』

「エクスまで駆り出されたの⁈全く・・・あの馬鹿兄貴共は何処にいるの?」

『レックス兄さん、ジョセフ兄さん、ラファーエットさんは太平洋の警備部隊にいます。アーサーさんはユニコーンで迎撃中です。』

 

タダでさえ忙しい時に何やってんのよ!あのクソ兄貴!各個撃破で迎撃を始める為それぞれ防衛拠点をマップに配置してもらって、そこに向かわせたけどシナンジュ自体がまだ未整備でヴァルキリーにも機体にあまり無理をさせないよう釘をさされてしまった。この際下手な戦闘をするよりも味方と防備を固めた方がいいかも。

 

「各機に通達。ここからは私、紅月優香が指揮を執ります。これより各部隊はマップに表示された防衛拠点に向かいなさい」

『『了解!』』

「これで部隊の配置は完了。防衛はナイトとポーンに任せてクイーンである私が敵のキングを探すだけね。それにしても何処から指揮を出しているのかしら・・・ドルイドシステム!」

『ラジャ』

 

無機質な機械音声の後に現れたのは蜃気楼よりも未来的になったドルイドシステム。シナンジュ・スタインをフルに活用する為に優香の希望で設置されたものだが実質的にはインテンション・オートマチックシステムがシナンジュの機体の制御を殆どを占めておりドルイドシステムは使われていない。しかし戦況の把握や数々の機器に対して遺憾なく効果を発揮出来る。ルルーシュ譲りのタイピングで繋がり得る全てのネットワークに介入してみたがめぼしい物は出て来なかった。

 

「チッ。やっぱそう簡単には出してくれないのが当たり前よね。」

『ゼロだ!ゼロがいるぞ!』

「何を言っているのM3。早く防衛任務に戻りなさい。」

『司令!あれはゼロです!間違いありません!』

「ゼロって・・・あんなダサい衣装まだ存在していたの?」

 

燃えさかる庭園の中、あの懐かしい蜃気楼がそこにいた。フロートユニットにハドロン砲。デザインは昔ながらで下手に言えば古すぎて笑えないが上手く言えば撃墜された機体とは言えども拡散構造相転移砲を積んだ初の機体だ。あれから相転移砲は戦術的に無意味とされたが蜃気楼の設計図を持つラクシャータにより改修されていたのだ。しかし、おかしいところがひとつだけあった。背中に謎の兵器が積まれているのだ。それは機体を覆うほど大きくとてもじゃないがKMFの規格とは思えない。

 

「私にコレを扱わせるとはな。ルルーシュも私を乱暴に扱うようになったものだ」

 

ゼロの正体はC.Cだった。仮面を外し蜃気楼の座席に座ると本来の制御とは違う命令を下した。するといきなりシステムにノイズが走り始めた。外から見ると変な兵器がどんどん変形し始めてひとつの柱と砲のようなものが組みあがったと思えば三脚のようなものに砲を乗せて柱はテスラコイルのように電気を発し始める。

 

「少し遊んでやろうか?V.V」

『不明なユニットが接続されました。システムに深刻な障害が発生しています。ただちに使用を中止して下さい』

 

砲もどんどん電気を発生して各機の高熱源反応レーダーのメーターが完全に振り切っている。蜃気楼を攻撃しようとする敵機を迎撃する為に味方部隊の増援が駆けつけてきた。ギルフォードも防衛拠点から移動して援護部隊の増援と共に応戦してシナンジュは上空に上がりバルカンで迎撃を始める。

 

「折角ヒュージ・キャノンを撃つんだ。シンフォニーに作らせた、ある意味KMF専用の規格外兵器。当たってくれよ」

 

C.Cの構えた先はなんと市街地。巨大ビルだ。しかしそこは未だにゲットーとなり完全には復旧していない場所でもある。モニターに表示された薬室内のエネルギー圧縮率が100を超え柱のような形をしているユグドラシルドライブは更に赤くなって今にも爆発しそうだ。

 

「さあ・・・こんがりと焼かれて来な!」

 

蜃気楼が放った一撃は見事ビルに直撃。バランスを失い崩れ去っていく中で何かの機体が一機だけ飛び去っていってしまった。ユグドラシルドライブを停止させるとヒュージキャノンも元の形に折り畳みパージする。蜃気楼のパーツの殆どに火花が散り変形も数多くできていた。いくら近代化したとはいえ当時の機体をそのまま使うのは、やはり無理があったようだ。

 

「これ以上は無理そうだな。優香。V.Vは泳がせる。今はこの場の戦力を全て排除してくれ。私は蜃気楼をここに置いて内部の戦力を確認する。くれぐれも破壊されないよう頼むぞ」

『了解です。こちら指揮機シナンジュ。各機は撃破後に機体を回収。158番ゲートに輸送車を手配します。ブラックボックスが無事な機体は片っ端から運び出して下さい。』

 

その後全ての機体が回収・撃破され敵パイロットは全員死亡が確認された。枢木亭の被害は地下には及ばず地表での被害に留まりアルテミスの保管していた珍銃コレクションも無事だった。火事も消火KMFにより別棟に燃え広がるのを防ぐ事に成功。内部に歩兵部隊は展開されていないことも確認され更に大事になるのを阻止できた。それでも整備されていた日本庭園の三分の一は焼け野原になってしまった。その光景を機体から降りて足に座ったアルテミスとエクスが見ていた。

 

「あ〜あ。綺麗だった庭が焼け野原ひろしになっちゃったよ。」

「何ですかその・・・焼け野原ひろしって」

「アレだよアレ。アニメのキャラで係長だったのに主任に降格されて荒れたから。」

「多分知ってるのはアルテミスさんだけです。」

「ところでローズは?レイも。」

「二人とも学校です。」

「エクスも学校じゃなかったの?」

「大学は今日休みです。この騒動のせいで臨時休校になりました。次来たら八つ裂きにしてやるクソ野郎ども・・・」

 

なんかエクスの私怨が聞こえた気がしたけど多分気のせいだね。結局私の部屋の大半が壊れちゃったしバンシィは銃撃戦のせいで余計なダメージを追加された。タダでさえ維持費がかさむのに修理費どうやって捻出しようかな・・・。でも一応機体保険には加入してるし安く済むよね。こんなんになるんだったらヴァルキリーの言う通りビームマグナムの一つぐらい積んでおくべきだったかなぁ。でもアレの破壊力は凄すぎるし・・・実弾兵器が一番私はいいのだけれど次どう来るか分からないし。これはシンフォニーに行って相談する必要がある!

 

「エクス。これからシンフォニーに行ってもいいかな?後処理は警察に任せてバンシィの相談をしたいの」

「大丈夫です。レイ!ローズ!アルテミスさんが来るわ。準備しておいて。特にローズ。貴方は部屋を散らかしてるんだから直ぐに。」

『アルテミスさんが来るの⁈』

『分かってるよ。っていうか姉貴こそ片付けたら?彼氏さんが来て整理してるよ?早くしないとベッドの下の執筆中のアレも見つかるかもしれな』

「ちょっと私は先に帰ります。アルテミスさんはフロートバイクじゃなくてバンシィで来てください。整備するんで」

 

エクスのデルタカイはナイトロを変形させて加速モードにすると最大戦速で枢木亭を後にした。暫く休憩したアルテミスはコックピットにいたユフィとスザクと共にシンフォニーの日本支部へと向かいギルフォードは警察とシンフォニーの部隊と共同で瓦礫の片付けを始める。慌ただしく枢木亭も夜には落ち着きを取り戻し非常線が貼られた。その頃シンフォニーではヴァルキリーとレックスが補佐として、オーキスが総司令として各支部長との状況報告と予算編成に関する会議を開始。とうとうシンフォニーの反撃が始まる瞬間のようなものだ。

 

『現在、中華連邦並びに各国がサンズ・オブ・パトリオットの被害が深刻化。イタリア支部も大きな損害を被りました。』

『ブリタニア支部でも被害は甚大。やはりこれはREXを導入するしかないかと。』

『EUは既にシンフォニーへの協力が不可欠だと判断しています。EU支部の予算も福祉から傭兵師団に切り替える必要があります。』

「我々は日本支部の関連企業及び枢木亭が攻撃を受けました。・・・被害報告はもういいでしょう総司令。決断を」

「現時刻を以って各支部の日本支部による一括予算決定権を凍結。同時に各支部による自主的予算決定権の凍結を解除。陸戦要塞兵器REXの導入を各支部15機まで許可する。以上だ。」

『『ヴェーズ・ラ・シンフォニー!』』

 

各支部との通信が切断され予算措置は決定。キシが開発したメタルギアはシンフォニーのもとで更に改良や開発を繰り返され陸戦要塞兵器とまで呼称されるようになっている。しかしオーキスによる予算決定権の凍結のせいで今まではREXが各支部に二機のみ存在していた。しかも戦後20年で100以上に独立した国に存在する96の支部でも30前後の支部しか持っていない。これも被害が深刻化してしまった原因だ。REX自体は計画当初、戦車に足をつけただけと各支部の技術部から揶揄されてきたがレドームの小型化や武装の換装システムが完成して以来、有用性があるとされキシが作り出した初代のREXは換装システムによりレールガン以外にも多連装ミサイルシステムや大型レーザー誘導システムなど多種多様なものが完成している。中でもゲフィオンを使用しGNドライヴによる安定性を獲得し、財政的にも優しくなったハドロン砲が使用されていることが多い。今スカアハに積まれているREXはレックスのみが使っているが大型ハドロン砲と6連装式の7式対空誘導ミサイルが装備されている。

 

『総司令。客人が来ました。既にロビーに通しました。』

「何?アクエステ。お前は総司令の許可なしに客人をロビーに通す権限など与えていない。客人がスパイだとしたらどうする気だ?」

『申し訳ございません。しかし客人は司令の客人リスト内に入っておりましたので。』

「客人リスト内に?名前を答えなさい。」

『ヴァルキリー補佐。これは総司令しか開示出来ない情報です。』

「別にいい。客人の名前を言え。」

『了解。客人の名前は軍司零。査察の目的で来社しています。』

「軍司?聞いたことがないな。」

「懐かしい名前だ。あの頃を思い出す。」

「あの頃?」

「ついて来い。レックス。ヴァルキリー。俺の戦友の生き写しを見せてやる。」

 

VR会議室を出て連絡用シャトルに乗り地下から地表へ高速で上昇していく。暗いコンクリートからエレベーターが出ると強化ガラス張りの柱を移動し客人ロビーへと輸送される。ロビーにシャトルが到着すると近くの隊員は皆敬礼した。その中で一人だけ向こう側にあるソファで備え付けの茶を飲んでいた。遠くから見ると白髪だが近くでみると少しだけ茶髪も混じっている。こちらに気づいた彼は茶を置いてこちらに向かって敬礼した。

 

「新規PMC『リバティー』の総指揮の軍司零です。貴社の査察交渉の協力。感謝致します。」

「軍司キシ・・・今奴はどうしている?」

「リバティーのフロント企業の社長としてやっています。今回の査察には来社しない予定です。」

「そうか。邪魔しない程度ならどこに行こうと構わない。部屋は割り当てられた場所を使え。以上だ。何か質問は?」

「緊急時の対応を教えてください。」

「敵強襲時には貴方の独自行動を許可する。但し貴社による攻撃を確認した場合は・・・分かっていると思うが撃墜する。」

「了解です。オーキス総司令。」

 

シャトルに再び乗ってロビーを後にするオーキス。レックスとヴァルキリーはそれぞれの自室へ戻る為に別のシャトルで居住区域に向かう。シャトル内でオーキスは自分のヴェアラブル端末を開くと様々なデータが表示され電話がかかった。

 

『はい。こちら株式会社ルックです。アポイントメントの予約でしょうか?』

「アポイントメントナンバー6852。」

『アポイントメントナンバー6852・・・オーキス・シンフォニー様ですね。直ぐに社長にお繋ぎします』

 

無機質な待たされ曲を流されている間シャトルから景色を眺めて缶コーヒーを飲むオーキス。総司令室に着くまでは5分かかるので少し暇になる。その間は基本的にシャトルから見えるシンフォニーの基地を見つめている。ふと総司令室行きのボタンを見た彼は行き先を総司令室から屋上に変更。シャトルの分岐レールがセットされて屋上に向かうルートに乗った。同時に電話の待たされ曲が終わり懐かしい声が聞こえてきた。

 

『よぉオーキス!次元透過通信システムの整備が出来たのか!』

「ああ。ちょっと原理が面倒だったがそこはウチの技術部が解決させた。光より速い物質以外で次元間の通信が出来るとは・・・」

『GNドライヴはまだ解明してないシステムが多い。役に立つものは試してみるのが俺のやり方だからな!』

「で?何故シンフォニーの基地査察に来ない?」

『んー色々とあってな。ナナリーがちょっと寝込んでる。元々身体が強い方ではないし仕事で無茶したからかも。』

「そっちの情勢はどうだ?」

『やっぱPMCを雇いたい国は多いね。大体の場合で警護部隊の要請だけど重武装KMFを積まないと警護部隊がやられちまう。』

「重武装KMFを配備するというのは?」

『こっちはKMFの派生機体が続々でてなぁ。対処が面倒なんだ。そっちは?』

「ナナリー大統領と扇首相のおかげでKMFの基本的データは流出したが肝心なものは流れてない。確かに亜種は流れているがKMFも鹵獲されないように万全の体制をとってる。なんだかんだでこっちも大変さ」

『ほぅ・・・ところで息子達にギアスは与えたのか?まあ今さら要らないとは思うが』

「要らないと思う?馬鹿言え。V.Vを取り逃がしたせいでギアスが逆にいるようになった。ギアスは並行世界にないものまで生み出す。おかげでKMF戦はギアス持ちとの戦闘が主だ。しかもそのギアスは全て身体能力の向上が多い。どこから流出したかは知らんがアレがまだ残っていたらしい。」

『アレ?』

「C.Cの人体実験のデータだ。」

『あんなのがまだ残ってたのかよ!』

 

オーキス達が話している人体実験のデータとは、かつてのギアス饗団がバトレーに命令しC.Cのギアス発現能力やその不老不死性を同じ人間に試そうとしたもの。何人かの天才が参加していたらしいが全て失敗。その副産物として出来たのが現在もルルーシュに仕えているジェレミアだ。彼の身体は幾つかが擬似人体により保護されていたのでクレアのCNT筋繊維に全て置き換えが可能だった。しかし本来の人体実験は生身の人間に分子レベルでC.Cのデータをねじ込みギアスを発現させる。原理は未だに不明だが無論生身の人間が耐えられるようなものではない。ただでさえ意味不明な因子をギアスの力無しで受け入れるなど自殺に等しい。しかしV.Vは成功させた。削除されたはずのデータを復元し問題点を全て今の技術により克服させてしまった。

 

「そこで俺はE.Eに相談した。ギアスに対するギアスはないのかってな。」

『答えは?』

「勿論ノーだ。俺のような全てを奪うギアスなんてのは無いだと。だが代わりに特定の弱いギアスなら人為的に発現可能だと言われた。それを活用させている。」

『面白そうな話をしているな?私も混ぜろ。』

『C.C!ビール5缶も買いやがったな⁈』

『ん?コレは・・・アレだ。気にするな。』

「・・・何か騒がしいが続けるぞ。その弱いギアスってのが”自分の願いを一つだけ、可能な範囲で叶える”というものだ。ギアスによる願いで今のやつらは強くなった。俺よりもな」

『どんな願いなんだ?是非聞かせて欲しいねぇ。主にヴァルキリーの』

「そうか・・・そっちのお前はヴァルキリーを可愛がっていたな。あいつの能力は面白いぞ。もはやギアスからかけ離れているが」

『聞かせてくれ。』

「ヴァルキリーの手に入れた能力。それはUBWだ。自分からフェイカーと呼んでる。」

『ハハハハ!アイツらしいな!』

「レックスは単純に合気道だ。夢が無いが現実的だった。エクス含む下はまだギアスを与えていないがジョセフは確か・・・スフィア?」

『スフィア?んだよそれ聞いたことがねぇ』

「ジョセフは”揺れる天秤のスフィア”とか言ってたが正直分からん。」

 

シャトルが屋上に到着し会話しながら歩いていると一人屋上から居住区域とは違う方向にあるエアポートを眺めている人物が一人いた。髪は少しだけ金髪で旧ブリタニア帝国の貴族の服を着ていて片手には赤ワイン。オーキスに気づいた彼はゆっくりと振り向くと爽やかな笑顔を向ける。

 

「マスターキートン。ただいま参上・・・とでも言えばいいのかね?」

「シュナイゼル!」

『お?シュナイゼルか。そーいや声優に転職したんだっけ。今は儲かってるのか?』

「その声は忘れない。並行世界の私をイラつかせる声だ。」

『そっちいってメチャ殴りてぇ・・・』

「冗談だ。気にしてはいけないよ。ところでオーキス君。私は事務所に休暇を申請してシンフォニーに寝泊まりしているわけだが・・・ルルーシュは上手くやっているか?」

「しっかり二児の父親の役目を果たしたよ。そのあとどうするか知らんが。」

「そうか。あともう一つ。空軍の二佐であるコーネリアから伝言を頼まれている。」

「コーネリアから?」

「ああ。『5式試作型大口径実体弾』と『87式規格採用型KMF砲塔』の二つが強奪されたとのことだ。」

「は・・・?5式が強奪された?嘘だろ⁈洒落になんねぇぞ!」

 

続く!

 



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零久の視察

さて・・・どうしようかな!色々と!


5式大口径実体弾。それは対テロリスト作戦に使われるはずだった試作品の一つ。日本とブリタニアの共同開発により完成した傑作品の一つでルミナス・ブレイズや輻射障壁を易々と貫通してしまう危険な代物だ。

更にそれを発射するための機構として同時期に完成した87式規格採用型KMF砲塔。この二つがあれば撃墜出来ないKMFはいない。

 

「空軍の機密倉庫で保管していたのにか・・・」

 

「定期点検の際にいつの間にか搬送されていたそうだよ」

 

『警備ザル過ぎんだろ・・・』

 

「キシ。すまんが切るぞ」

 

『ああ。零久の事を頼んだぞ』

 

「了解」

 

オーキスは屋上から降りると無線の通信回線をシンフォニーの秘匿支部回線に切り替え対策本部の設置命令を出した。

それと伝言を頼んだコーネリアの空軍回線に割り込み専用回線を使って呼び出し本部に配置する事にした。

 

「コーネリア!シンフォニーに来い!あ?空軍の対応で忙しい?あの件なら対策本部を設置した。直ぐに基地に直行しろ!シンフォニーが受け持つ。どうせ軍内じゃ解決出来ないだろう?後手に回る前に片付ける!」

 

そういって乱暴に回線を閉じた。次に学園都市にあるジオフロント司令部に繋がる回線を開かせ、とある人物に連絡をかける。

 

「よお藤堂。軍の編成以来か?」

 

『オーキス総司令か。どうした?』

 

「ちょっと問題が発生してな。学園都市にあるジオフロントの特殊装甲35層を全部出しておけ」

 

『何だと?総力戦でもする気か?』

 

「5式が強奪された」

 

『・・・了解した』

 

ジオフロントの司令部にいる藤堂の命令で学園都市に存在する特殊装甲を全て展開した形になり周囲からは兵装ビルが地下から出て来た。地上では警戒情報が流れアッシュフォードは閉鎖。数々のビルも閉鎖されていく。

それを映像で確認したオーキスは第180会議室に出来た対策本部で支部との連絡を開始。これまでに例のない大規模な会議となった。

翌日、零久による視察が本格化してきて整備員や隊員もソワソワしている。彼が最初に行ったのは情報管制室。昔の情報部門が更に機能アップして情報統制部門として活動中だ。

 

「ここのサーバーの管理はどのように?」

 

「ウチのサーバーは全部この下にあってな。緊急時には強制手動停止が認められている。イギリスの本家と同じ手法だ」

 

「やはり分離するよりも?」

 

「ああ。あとアクエステっつうAIも手伝ってくれてるんで脆弱性の穴潰しはハッカーとAIの共同作業でやってる」

 

「AIとの共同作業・・・やっぱMAGI作らせた方が早いか」

 

サーバールームに案内され強制停止の方法など説明を受けるとシンフォニーの中核ともいえる福祉部門に向かった。

福祉部門は25年間を経て巨大になり各支部が追加の敷地を購入してまで広げている。この日本支部も随分と広くなった方なのだ。

 

「こんちわー。査察員の零久です」

 

「ようこそ。私は福祉部門の最高責任者のユージーンだ」

 

「今日はよろしくお願いします。ここではどのような事を?」

 

「最近はアフターケアとかの介護。あとそれに関連する保険やコミュニティの作成だ」

 

「最近?」

 

「国際情勢で福祉は変わってくる。必要な物は頭を柔軟にして判断する。これはどこの会社でも同じ事だ」

 

メモを取り撮影許可がおりた場所だけカメラで撮影し録音をする零久。福祉部門の棟は相当大きく介護関連以外にも学資保険を担当する部署があれば準公務員である衛生指導員を育成する部署も存在しており全てフル活用している。物置場所がないわけではないが空き部屋はほとんど無い。

 

「しかしそうなると別の会社などの摩擦が大きいのでは?」

 

「その点は各会社をテナントとして勧誘して摩擦を少なくしていてな。実際シンフォニーの福祉部門に入るとシンフォニー側の福祉会社もあるが別の会社に入る事も出来るようなっている」

 

「テナント・・・ですか?」

 

「ああ。だが福祉の会社というのは少なくてな。NPO法人だけでは足りなくて行政も苦労しているんだ。そこでシンフォニーが行政の依頼を受けて介護士を育成するわけ」

 

「なかなか面白いシステムだな・・・」

 

「資格の大半はこの棟で受けられる。一般市民も自由に出入り出来るようになってるがタグ付けさせて貰ってる」

 

「タグ付け?」

 

「不審者の対策だ。まあ本棟に行くには声認証、顔認証、指紋認証、他十数箇所のセキュリティを突破する必要があるがな」

 

シンフォニーのセキュリティについての説明は流石に詳しくは教えてくれなかったが俺にとって勉強になる事ばかりだ。

リバティーはまだ新規のPMC。しかも弱小では兼業も必要となる。特に福祉は人材を補填しても足りないほど人材不足に悩まされてきた。それをもビジネスに活用してしまうシンフォニーの創立者は素晴らしい。

中には介護のような福祉をビジネスに転用してはならないという意見もあるが、正直言って国の支援で足りているかと言われればNOが答えだ。資本経済であるこの世界で税金を使い半民営化だけしては介護報酬は落ち込む。どこに行こうと急がれるのは福祉の新しいモデルということか。

 

「他の部門は昨日周ったし・・・あとは最後のお楽しみ、傭兵師団にでも行くか」

 

シンフォニー傭兵師団。再びブリタニアと戦った時に強力な支援があったからこそ自分のように一人ではなく仲間と戦えた。そんな事を親父は言ってた。特にE.Eと呼ばれたC.Cと同類の人は空間的ギアスを持っててギアスの儀式を数式化に成功した人らしい。元々数式化を考えたのは彼女の父親だと聞いている。

 

「さて・・・無駄なことを考えていたら傭兵師団の整備場に到着。親父に聞いた通りKMFじゃないもんまであるし」

 

「零久少尉」

 

「はい!何でしょう⁈」

 

「落ち着け。俺は傭兵師団の中佐。ニムバスだ。君が零久君だな?」

 

「はい」

 

「案内しよう。ついてきたまえ」

 

巨大な橋を渡っていると真下に見覚えのある機体がクレーンで固定された状態で流れていく。知らない機体もいくつか流れているが見ていると大部分が破損しているものが多い。

 

「ここは大破した機体の修理をしている。部品交換で済むものから解体するものまで流れているのだが大抵は解体だ。ここ最近テロのせいで大破する機体が多い」

 

「となると依頼金も相当な金額を?」

 

「いや。解体する機体の殆どを此方によこして貰ってる。金額を安くする代わりに資材を再利用しているわけだ」

 

「しかし政府だけの依頼だけでは利益がないのでは?」

 

「危険指定された国や私設部隊には武器を売っていない。武器を売る事が出来るのは国家の緊急時のみだ」

 

「やはり福祉で?」

 

「福祉は利益が比較的安定している。シンフォニーという武器商人は非正規部隊にも対応しなければならない。まあ・・・世界が必要とするのは戦いと救いということだ」

 

どこぞのミグラントと違い、見境なしに大量の武器を売りさばいているわけではなさそうだ。

どこかの本で読んだ事がある。

AKシリーズのアサルトライフルは耐久性が優れ、清掃も簡単。そのような武器が存在してしまった故に武器商人が戦争で儲けるには大規模な戦争が必要だと。

だがシンフォニーは簡単に武器を売る事が許されていない。なので派遣部隊と日本とブリタニアから依頼されるKMFの修理や各国からの修理依頼で稼いでいるのだ。

 

「だが最近サンズ・オブ・パトリオットが過激な活動を起こすようになって国防軍の兵力だけでは足りなくなっている。そこで我々が現在駆り出されている」

 

「迷惑な話ですね」

 

「ところで君の機体は旧世代の機体だな?」

 

「ウチでは最新式ですが?」

 

「最新式・・・⁉︎アレがか⁉︎」

 

零久が乗ってきたのはアチラでは最新式の第16世代のKMF。通称ローダースター。確かに幾つか進化した箇所もあるがエナジーウィングやヴァリスなどコチラから見れば旧世代式のものが多い。

 

「ふ・・・む。これは・・・」

 

「え?古いんですか?此方では?」

 

「まずエナジーフィラー式自体が古いんだ。官給品ならともかく傭兵師団は太陽炉を搭載した機体を使っている」

 

「太陽炉?GNドライヴの事ですか?」

 

「太陽炉の別名を知っているのか。だが一部の機体を除いて基本的には量産や応急修理が可能なように下位互換の太陽炉が使われている」

 

「下位互換の太陽炉か・・・」

 

ニムバスは零久の機体があるハンガーまで移動している途中、無線が入り会話を始めた。俺が自分の銀色に輝く機体を見つめていると隣に造りかけの機体があった。寝かされた状態で部品が散らばっている。ちょっとアンバランスな機体はクローアームなど特徴的なパーツが多い。

 

「ああ・・・分かった。は?再起動に失敗?分かった。ユウに二号機の試験中止を伝えておけ。一号機?OSの起動試験が上手くいかん。今日の起動実験はスケジュールを繰り下げる。全く・・・これでまた補佐からどやされるのか・・・」

 

「どうしたんですか?」

 

「試験機体の実験だ。今君の機体の横にあるものと同型機の」

 

「OSが起動しないと聞きましたが」

 

「聞いていたのか・・・その通り。新システムが上手く動作しない」

 

「どのようなOSなんですか?」

 

「同時火器管制ロックオンシステム、高度戦況予測システムを導入したものだ。Firearms rock and advance tactical situation system。通称FATS」

 

「FATS・・・」

 

「気軽にファットシステムとでも呼ぼうか。こいつは理論上980の敵を同時ロックオン出来る。だがシステムが何故か機体に搭載しても起動しない。様々な原因を考えたが・・・」

 

「起動しないと?」

 

「そうだ」

 

更に聞いた話によるとインテンション・オートマチックシステムを更に改良したOSだという。だがどんなに原因を突き止めて改良やシステムの書き換えをしても試作機が起動しない。

一号機と二号機の再起動実験すら失敗し総司令の息子であり補佐であるレックス大佐には延期を繰り返し申請していたのでこれ以上は計画自体が凍結してしまう可能性があるのだそう。

 

「あの・・・三号機はアレなんですよね?」

 

「ああ。そうだが?」

 

「起動実験に・・・俺を乗せてください!」

 

続く!

 

 




オマケ

試作機 クルセイド
一号機から四号機まで開発された新型機。制空権の確保を優先して設計されており新システムFATSを搭載されている。元のデータとしてはE.Eが独自の見解で提出したバイアラン・カスタムを流用。しかし一号機、二号機共にまだ起動実験が上手くいってない。


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空の王者と陸の帝王

早くメンテナンスおわんないかな。ゲームの。


太陽光に反射するバイザータイプの複合ツインアイカメラ。両手にクローアームを装備し腕の枝分かれした部分には補助ジェネーレーターが後付けされている。コックピットの内部は試作機にしては珍しいモニター方式を扱ってデータを取るようだ。組み立てられた三号機に乗り込んだ俺は試験場の太陽に晒されながらオペレーターの指示通りに起動を開始した。

 

『補助ジェネーレーター出力異常無し。クローアーム動作確認』

「動作確認!」

『脚部スラスター異常なし。背部一番から四番スラスター異常なし。点火確認』

「点火確認!」

『クルセイド三号機のモニター接続完了。内部圧力問題無し。カメラを作動』

 

座席が下に下がっていきコックピットハッチが閉まる。メインカメラの映像が足元にまで映し出されOSが作動を始める。幾つかのデータ欄をスワイプして退けさせると試験場の遠くにあるフェンスが映し出された。ここまではまだ大丈夫なようだがFATSをまだ起動していない。

 

「カメラ異常なし。OS不具合無し。あとはFATSのみ・・・」

 

FATSを起動させる為オペレーターに合図を送って起動させた。すると瞬く間にエラーが表示されてしまいコックピットハッチが開き座席が上に上がって元の状態に戻ってしまった。もう一度オペレーター側から再起動を繰り返しかけたが、FATSが起動をする度にエラーを起こして振り出しに。

 

「んー・・・ニムバスさん。FATSの詳細は教えて貰いましたがOSの構成はどうなってるんです?」

『通常の機体OSにFATSを載せただけだが』

「あ、分かった。だからだ。ニムバスさん。機体OSで武器システムだけ外したものをこちらにインストールして下さい。これで解決します」

『そうか。元の武器選定システムにFATSが干渉してしまった訳か。単純なミスだった・・・』

 

この後特定の機能を外したOSをインストールしたクルセイド三号機はFATSを見事に起動。無人機による訓練とはいえ、単騎で空の制空権を確保出来る程の戦闘力や機動力を俺に見せつけた。一時間の訓練で大量のデータを解析出来たのでスラスターを今も使っている理由を聞いたが教えてくれなかった。代わりにとFATSの基礎データは貰えた。やったぜ。コイツを持ち帰ってルルーシュおじさんに再度プログラムして貰おう。もちろん残業代なしで。

 

「よし。なんやかんやでデータ貰えたし土産話も出来た。明日には帰ろうかな〜」

「零久」

「ニムバスさん。どうかされたんですか?」

「いや・・・少し聞きたい事がある。私がアレを旧式だと言ってお前は最新式と言ったな?だがお前の世界でも旧式なはずだ」

「何故です?」

「特殊なフレームだからだ」

「ありゃ。ばれましたか」

「あんな機体フレームでは内部の形態も旧式にするしかあるまい」

「アレは元々並行世界間を移動する為に作られた物でしてねぇ。内部形状が特殊なんで旧式のサクラダイトを積まないとフレームに負担がかかるんですよ」

 

エンジンの性能の向上は同時に機体のフレームへのダメージ上昇が付き物だ。次元間の航行という正気とは思えないその技術は機体に特殊なフレームと大型化してしまったサクラダイトに小型化という難題を突きつけた。他の問題は片付いたものの、サクラダイトの小型化は未完成となったので旧式のサクラダイトを流用し合わせて武器も旧式を使用するしかなかった。これが現実だ。

 

「それにしてもフレームなんてよく分かりましたね。どこかで聞きました?」

「勝手ながらCTを撮らせて貰った」

「ああーそういうことですか」

「すまない」

「大丈夫ですよ。別に見られて減るもんじゃないですし」

 

橋を渡りニムバスと別れたあと明日帰ることを総司令に伝える為に総司令室に向かおうとした。足元から変な音がする。この下には自分の機体が収納されたハンガーがある。機体を見るとツインアイが光り起動していた。ハンガーの留め具を無理矢理外すと目の前に次元ゲートを開いて自分から飛んでいく。ゲートは閉じて俺は取り残されてしまった。

 

「え?ちょ?マジで⁈俺帰れなくなった⁈」

『警告。敵による爆撃を基地が受けています。非戦闘員は地下へ退避。戦闘員は各機体に搭乗し迎撃を開始して下さい』

「こんな時にかよ!今は・・・行くしかねぇ!MAGI!」

『はい』

「クルセイドの機体パスワードは分かるか?」

『肯定』

「クルセイド三号機のコックピットを開ける。迎撃するぞ!」

 

俺は先程の試験場へ走ってハンガーに収納されているクルセイドを見つけるとMAGIでパスワードを入力してコックピットに入る。起動したとはいえモニタリングしながらの状況だったので何が起きても保証出来ないのが面倒だなぁ。

 

「クルセイド三号機。零久!出る!」

 

三号機はハンガーの扉を開くとスラスター全開で空に飛んだ。攻撃が激しい場所では一機の巨大兵器が放たれたミサイルやハドロン砲を受け止めている。その堅牢な機体のフレームにはR.Sの文字がナイフで削られたような傷で刻まれている。巨大な軋む咆哮を上げたソイツはメタルギアREX。レックスの相棒であり、兄弟。

 

「行くぞREX。弾薬を惜しむなと親父から言われてんだから暴れさせてもらうぜ!」

『ヒャッハァー!盛り上がってきたねぇ!』

「パーティーの時間に間に合わない馬鹿どもの為に時間稼ぎくらいしてやらんとな」

『んじゃ、始めますか兄弟!』

「言われなくとも!」

 

REXは追加されたミサイルを大量に打ち上げると空には煙幕が張られた。そこに赤外線誘導ミサイルを放ち確実に当てていく。ステルスミサイルとも称されるコレもシンフォニーと日本の共同開発兵器だ。

 

『よっしゃぁぁ!同時撃墜16機!初だぜ!』

「ああ!もっとやれるさ!」

『っと兄弟。チョイとパーティがつまらなくなりそうだぜ。クルセイドが来た』

「クルセイド?未完成機じゃなかったのか?」

 

空を自由に舞うクルセイド。正門から強行突破してきた敵を逆さまの状態でロックオンし小径弾で敵を制圧状態に持ち込む。そこをすかさずREXが突撃し一網打尽。あり合わせの戦法でも十分に戦えるのが二人のいいところだ。

 

「おい!クルセイド!応答しろ!クルセイド!」

『反応なしですなぁー。ま、今は目の前の敵が優先だ。ドーム輻射障壁も展開したし、あとは残存兵力を片付けるべ』

「了解した。仕掛けるぞ」

 

侵入してきたのは基地のレーダーと連携して確認した限りではKMFが5機。歩兵部隊が8くらいだ。東側の門の迎撃にはストライクフリーダムでラファーエットが向かってくれている。じきに鎮圧してくれるだろう。ふとレーダーの警報機が鳴りハドロン砲を上空に構える。肉眼で見るとそれはデルタガンダム。エクスが帰ってきたようだ。ついでに何か黒いやつもいる。ジョセフの嫁だ。

 

『兄さん!攻められてるじゃないですか!近くの部隊は迎撃します。中は頼みますよ』

『うあ〜ん。残業じゃない!ジョセフとイチャコラしたいのに!』

「はあ・・・ジョセフ。聞こえるか?」

『はい。何か用?』

「嫁が会いたがってるぞ。早く帰れ」

『嫁って・・・わかったよ。スグに帰る』

「あ、多分帰ったら饅頭ないけどゴメン」

『は?オイ、クソ兄貴。それは一体どうい』

 

チャンネルを限定周波数に切り替えると外も中も派手に爆発が起き始める。どうやら他も暴れ始めたようだ。増援も来てガンガン押し返してるのでレックスはやることがなくなった。数分後東門の部隊から敵殲滅が報告されて鎮圧に成功。被害は軍事棟に関連するもののみ。しかしシンフォニーに直接攻め込んでくるということは、それなりに武装が整っている事を示している。

 

「各隊員は負傷者の集計を急げ。正門の警備隊を最優先に治療しろ」

『司令補佐に通達。オーキス総司令より通信が入ります』

「父さんが?」

『レックス。ちょっと用事が出来た。帰るのは暫く先になる。それまでは総司令をレックス。お前に任命する。あとは頼んだぞ』

「・・・了解」

 

父さんはそういって通信を切ると自前の機体で大空に飛び立つ。それを見届けるとフロートバイクで駆けつけたジョセフが此方を見ていた。もちろんアイツの饅頭食ったのが原因。だが残念だったのは俺みたいだ。

 

「おう・・・やべ・・・腹がイテェ」

『どした兄弟?変なもん食ったのか?』

「ジョセフの饅頭が傷んでたみたいだぜ」

『んじゃ、早く降りな。コックピットが臭くなるのは勘弁だ』

 

REXがアゴのコックピットを開いてくれたので全力でトイレに向かったレックス。ジョセフは残されたREXに乗り込むとフロートバイクを自動モードで片付けてREXのシステムメンテナンスに入った。

 

『レックスの野郎。傷んでた饅頭食ったみたいだぜ?いいのか?』

「いつもの事だし大丈夫。それよりもREX。お前さ、最近もっと人間らしくなったよな」

『人間らしくねぇ。俺はAIだが自己学習能力が組み込まれてる。それもあんだろ?』

「いや・・・昔と比べたら全然違う。ただの片言外国人が急に日本人になったみたいだ」

『ほお。ま、褒め言葉として受け止めてやらぁ。それより早くメンテナンス終わらせてくんない?俺寝たいんだけど』

「分かったよ・・・早めにやる」

 

夕日に照らされたREXを陰に負傷者の応急処置が進められ、何人か重傷者はいたものの死者はゼロ。破壊された警備棟は仮止めで固定。その夜、対KMF戦を想定した武装隊員が警備隊として警備についた。REXなどの機体は全てハンガーでメンテナンスを受けた上で収納され零久は休憩室へ行ってしまった。で、ジョセフはというと腕を巨大なその二つの実に挟まれながら生活区域へ歩いていた。

 

「ジョセフぅ〜」

「あのね・・・結婚しても人前で引っ付くのはどうかと思いますが?」

「どうしたんだよ補佐!嫁さんから離れたいってか?今のうちだぜ?こんなにしてもらえる事なんかないんだからな!」

「そうそう!」

 

この桃色の髪と綺麗な私服を見てるだけでも凄いのに引っ付くところまで来ると俺も理性の制御が難しいものでして。少し前までは彼女の方から寄ってきたのだが余計可愛くなって・・・2回ほどやってしまった前科を持ってしまった。その後に結婚の申し入れをしたらアッサリと結婚出来たのは驚いたなぁ。

 

「ねぇ。お義父さんは?」

「ん?父さんは出掛けたらしいよ。何の用事か知らないけど。何か用でも?」

「ふふふふ・・・コレを見なさい!」

 

彼女の右手から出てきたのは母子手帳。とうとう来たか。

 

「要するに・・・デキました!これからよろしくね!お父さん!」

「あ、あえ?お父さん?マジでか!」

「ヴァルキリーにも報告してあるから全てバッチリ大丈夫よん!」

「ヴァルキリー姉さんに?そういえば最近見てないな・・・」

「私ならここにいるわよ。勝手に殺さないで」

 

そんなこんなで夜の食事を済ませるために何人かの友人整備員達と話しながら食堂へ向かったジョセフ一行。ちなみにレックスは未だにトイレから出てなかったりする。そしてエクストリームに乗って用事を済ませに行ったオーキスはE.Eと神根島にいた。

 

「さて・・・ここの思考エレベーターを使うのも久しぶりだね。開け。次元の扉よ。我が命に従い法を捻じ曲げ存在させよ」

 

思考エレベーターをフルで活動させ異次元の場所を確保。扉に入った二人は目の前の白い空間に閉じこもる。その空間には三つの椅子。机の上にカップと紅茶の茶葉が入った淹れる容器が置かれている。オーキスが瞬きをした瞬間、椅子の一つに狐のような姿をした女性が座って優雅に紅茶を飲んでいた。

 

「・・・遅かったのう?」

「神様が俺なんかに何の用だ?今更俺にアドバイスなんかするつもりか?」

「まさか。儂が興味あるのはキシのみ。他がどうなろうと知ったことではない」

「じゃあ何の用だ?」

 

神狐は一息つくと浮かない顔をしてオーキスとE.Eを椅子に座らせた。話すのすら嫌そうな感じが出ている。それでも必死に口を動かそうとしているところから話さない訳にはいかないみたいだ。

 

「キシについて・・・話しておかなければならない事がある。本名を・・・教えなければ」

「本名?軍司キシが本名ではないのか?」

「この世界では・・・な。あやつの本名、それは・・・」

「それは?」

「河上彦斎。人呼んで・・・人斬り彦斎」

 

続く!



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人格崩壊大作戦

そんなこんなでもう五月の中旬。これから暑くなってくるのでスポーツをやる人もやらない人も気をつけて下さい。


「人斬り・・・彦斎?」

「キシは・・・いや彦斎は、この世界の住人ではない。儂が異世界から連れてきたのだ」

「異世界からなんだ。まあそれはいいとして、その彦斎がどうしたの?」

 

紅茶を一口飲んでカップを元に戻したあと震える唇で真実を話し始める。

 

「あやつには病気で死んだとかで適当に誤魔化したが・・・本当の死因は自殺じゃ」

「自殺⁈あのキシがか⁈」

「あやつは多重人格を患っておった。普通の優しい青年と人斬りの青年。血すら見れない優しい青年のあやつは人斬りを自分の記憶外でしていたことに気づき自殺した」

「で?それが?」

「儂は確かに神だが所詮は力の乏しい神。あやつの人斬りは・・・消えてない」

 

人斬りが消えてない。それはE.Eが黄昏の間という自分のギアスを取り戻し戦闘の記憶を回収した時以来、疑問が消えない原因の一つだったもの。別世界の誰かと戦うのがあの戦闘の掟。ただ、キシの分身ともいえる彼が自身を『ジャック・ザ・リッパー』と呼んだのには疑問が消えなかった。

 

「なら俺と同じ方法で統合すれば・・・」

「彦斎の人格は完全に乖離しておる。統合は不可能じゃ」

「じゃあキシは?どうなるの?」

「自分の意志で封じるのは難しい。じゃがキッカケが無ければ出ることは無い」

「つまり・・・」

「キシを戦場に出してはならん。人斬りを出したら最後。奴は止まらんぞ」

 

超がつくほど人外レベルにまで強化されたキシの剣術は帰り際に自慢されていたので分かる。だがもし、その人外レベルの剣術を彦斎が使えばどうなるかは全く分からない。更にPMCを立ち上げたからには戦場に出ない可能性など少ないだろう。

 

「それと彦斎には痛覚抑制を施してある」

「痛覚抑制?クレアがジェレミアに組み込んだものと同じなのか?」

「彦斎の痛覚抑制は精神的なものじゃ。人を斬る事や倒す事による罪悪感の減少を目的としてかけてあるが・・・そろそろ限界が近い」

「要するに時間がないと」

「そうだ。しかしこの責任は儂にある。だから其方達に話しておきたかった」

 

この件を聞いたオーキスは、ある案を弾き出し神狐に提案した。それは神狐を震え上がらせたがオーキスはE.Eに命令し強引にキシのいる並行世界へと向かわせる。三人は光に包まれ現界したのはキシがいるフロント企業。しかも社長室に直で。

 

「よおキシ」

「ん?オーキスじゃないか!久しぶりだな!どうした?」

「ちょっと来い」

「え?」

 

キシがその一言を聞いた瞬間、社長室ではなく嵐が吹き荒れ雨が激しく地面に叩きつけらる音がする場所に移動していた。神狐はキシに何か言っているが奴には聞こえない。何故ならE.Eに空間を作らせたからだ。いるのは俺とキシの二人だけ。

 

「どうしたんだよ⁈何処なんだ此処は⁈」

「キシ。お前は心のどこかで迷っていたはずだ。世界が平和になって平穏に暮らすことも出来た。だがお前は自ら戦場に足を運んだ」

「オーキス・・・何を・・・」

「キシ。その腰にある剣は何の為にある?」

「そりゃ仲間や愛する人を守る為に」

「違う。剣はどこまで突き進めようと人斬り包丁に過ぎない。それが剣でなくとも」

「・・・」

「もう抑えつける必要はない。剣をとれ。キシ。”ジャックに戻る刻が来た”」

 

神狐はキシの顔が一瞬だけ下に向いたのを見ると顔が真っ青になる。当たり前だ。いくら限界に来ていたとは言え神の付けた封印のようなものを能力が人外ですら不可能のはずなのに自分から解除してしまったのだから。

 

「痛覚抑制を外しおった・・・しかも自力で」

 

彦斎は一回だけ自分の顔を手持ちの剣で少し斬ると、付着した血を手で拭き取る。そしてキシではない笑い方でオーキスに剣を向けた。

 

「ハッハッハッ・・・死にたいのはお前か。ハッハッハッ!俺の名前は河上彦斎。又の名前をジャック・ザ・リッパー。冥土の土産に俺の戦い方を持っていくがいい!」

 

その眼は完全に人ではない。知性のある獣に近い何かだ。

 

「KMFにも使われる強化金属製の両刃剣か。俺は玉鋼を10年かけて鍛えさせた戦国太刀に高周波システムを導入したコイツを使わせて貰う」

 

オーキスは彦斎の両刃剣を見ながらブレードの刀身を露わにする。赤いチタンコーティングをされたそれは、その長い刀身に雷を纏い鞘にはトリガーが付いていた。

 

「現代の英雄!お前に私を殺せるか⁈」

「行かせて貰おうか。大昔の人斬りさんよぉ」

 

一歩前に進んだ彦斎。だが、その一歩から放たれた一振りはオーキスの黒い防刃ジャケットを容易く切り裂いてしまう。一方オーキスは斬られた直後に鞘のトリガーを引き、太刀の柄を顎に直撃させた。一瞬退け沿いた彦斎だが、バク転して距離を置く。

 

「ほぉ。人外になると脳震盪すら効かんのか」

「それだけか?見せてみろ。お前のチカラを!」

 

そういって挑発してくる彦斎は剣に波紋を流し込んで強化する。持ち方も変えて両手持ちで構えると動かなくなった。

 

「波紋・・・か。なら俺も少し本気になるかな」

 

太刀を鞘に収めて居合斬りの構えになるとギアスを発動。彦斎は上段からの一撃に特化した構えだがオーキスより剣先が長く、もし居合切りが遅ければ勝機は彦斎にある。

 

「人斬り彦斎。一つ聞いておこう。お前が人を斬る理由を教えろ」

「理由などない。俺は人を斬ることが生きる事に直結して・・・」

「?」

「違う・・・俺は・・・人斬りなんて・・・」

「まだ迷いがあるのか」

「人斬り?そうだ・・・。よくもまあ俺を蘇らせてくれたな。神狐」

 

神狐の事を未だに分かっているところを見ると前の記憶が失われている訳ではないようだ。それどころか更に前の記憶まで思い出している。彦斎は剣先を空間の仕切りに向けると、なんと斬り裂いてしまった。

 

「は⁈嘘でしょ⁈ギアスの空間を斬り裂くなんて聞いた事がないんだけど!」

「記憶を取り戻しおった。まさかこんな事が出来るとは」

 

剣を出したまま神狐に近づく彦斎。数秒後、剣が握られていた彼の右手はどこかに吹っ飛んでいた。俺にもE.Eにもその原因は一切分からない。これが神の力ってやつなのか?

 

「殺気垂れ流しで近づく阿呆がどこにおる。儂を殺したければ神にでもなるのだな」

「そうか。知ってるか狐。世の中には狐狩りってのがある」

「ほお?で?」

「貴様を狩らせて貰おう」

「やれるというなら・・・やってみるがいい。人斬り如きに遅れをとる儂ではない」

 

瞬間、神狐の可憐な着物がいつの間にか再生された彦斎によって斬られる。だがその下に着込んでいたのは防刃ベストなどの防具ではなく普通の服だ。刃先は服によって止められていたのではなく刃先自体が服に触れる事ができない。つまりどんなに刃が届いていようと神狐の前には意味がない事を示す。

 

「勝手に俺の記憶を刷り込みやがって・・・人斬りを転生させた事を後悔しろ!」

「後悔すんのは貴様の方だ」

 

オーキスの居合切りが先程の鞘の爆発力により途轍もない勢いで飛んできたが、彦斎は背後の状態で受け止めた。更に高周波ブレードの斬撃が波紋による強化で剣自体が破壊できていない。

 

「転生時に厄介な能力を組み込んだもんだ」

「儂は単に無双する映画を撮りたかっただけなんだがな。撮影が終わってからの後始末がこれだけ面倒だとは思わなんだ」

「神ってのは無責任なのが売りなのか?」

「まさか」

 

E.Eはこの世界を維持しているので隠れて貰っているが、彼女のギアスの維持はかなりのエネルギー消費が付き物。もしも限界がくれば彦斎の並行世界での戦闘となる。絶対に俺の作戦を成功させなければ後でどうなるか分からない。

 

「来るがいい人斬り!追い込まれた狐はジャッカルより凶暴だぞ!」

「クソ狐が!」

 

神狐はオーキスが彦斎の素早い剣戟を防いでる隙に大量の札を用意。隙をついて連続的に札を彦斎にあてていくが止まる様子など一切見せない。本来なら封印の効果で止まるはずだが人外の能力で殆どが無力化されており彼にとっては蚊同然。彼を止める術はない。

 

「どうした!俺を止めてみせろ!」

「・・・時よ止まれ」

 

全ての時間が止まりあらゆるものが動かなくなる。俺は彦斎の腹部を刺し切断した。

 

「そして時は動きだす」

 

彦斎は腹部から真っ二つに斬られたところを見ると俺を気味の悪い笑みで見つめ倒れる。大量の出血をしていながらも小さく笑い再び振り向いた時、奴は既に身体をくっつけていた。これが無限ループするのだからジリ貧になるな。仲間くらい連れてくりゃ良かったか。まあいい。作戦の下準備は終わった。

 

「彦斎。確かにお前は人外レベルの能力を持つ。だが残念だったな。キシ!覚醒の時間稼ぎはしたぞ。その人格を捻り潰せ!」

「何を・・・⁈」

「SEEDの種割れは覚醒!彦斎!統合が無理ならば主人格に潰されて消滅するがいい!」

 

この方法が確実だと思ったのは単にキシという人格の方があらゆる面において強いからだ。神狐の話や彦斎の言動を聞く限り『人を斬る事』が人生の目標。だが、もしそれが強者弱者関係なく殺っているのならば彦斎に勝ち目はない。

 

「彦斎。さっき人を斬ることが生に直結すると言ったな。あながち間違ってはいない。しかしお前は決定的なものが欠けている。自分のプライドを守る人斬りと家族を守る青年。さてどちらが強いのかね?」

「うるせぇ!俺は俺だ!」

「そう。お前はお前だな。河上彦斎。だがお前に居場所はない」

「返してもらうぜ。人斬り!」

 

何かが吹っ切れたように白いモヤが蒸気のように噴き出し彦斎はその場に倒れた。だが数秒もしない内に立ち上がり剣を収めると澄み切った顔をこちらに向ける。

 

「彦斎か?」

「もう人斬りはいらない。そうだろう?」

「お疲れだったな。キシ」

 

キシは人斬りの人格を追い出す事に成功しているようだな。これなら神狐が心配するような事は二度と起こらないだろう。人格を概念化出来る空間を作ってくれたE.Eには感謝せねば。

 

「んー。そろそろ次の予定の準備をするかの。撮影は終わってる事だし」

「は?」

「キシ。其方に儂の加護はもう要らぬ。よって能力を全部返してもらうぞ」

「はい⁈今⁉︎」

「今だ」

「いや・・・ちょっと勘弁してもらえませんかねぇ?まだやる事とかあるし・・・」

「いい加減生への執着を断ち切れ。オーキスはこれでも自らの力と先代の技術力の結晶で生きておるのだからな」

「じ、じゃあ条件付きで!俺がオーキスに一番いい礼品を渡せばどうだ⁈」

「それなら許可する」

 

キシは胸ポケットからタッチパネル式端末を出すとアクセサリーを外して俺に渡した。受けとって画面を見てみると青い画面の中心にctOSと表示されたマークがクルクルと回っている。

 

「コレは?」

「俺の最高傑作品だ!このスマホ一つでガス、水道、電気を操り車の警報機を消し、あらゆるネットをクラッキング。人物のプロファイリングも可能だ。脆弱性がある電子機器ならショートさせたり制御も出来る。これさえあれば負けることはない!」

「そんなことが?」

「出来るんだよ!この『ctOS』なら!」

 

キシの言ってる事を要約すると、コレに搭載されているOSによって凡ゆる電子機器を操る事が可能だということだ。例え対象がネットワークに繋がっていなくても。

 

「面白いが足りんな。代わりに六割の能力を」

「待てぃ!まだだ!まだ終わらんよ!」

 

キシは謎の石をどこからか取り出し俺に渡した。見た感じ純度の高い紫の鉱石だがルビーでもない。それに割と人工感が半端ないほど綺麗な正八面体をしている。大きさは手の平にちょっと収まらないくらいだ。

 

「・・・いや本当は渡したくはないんだけどな?能力が返されるよりかはいいし。でもなぁ。コレ回収するまでアチラの世界に何度行ったことか」

「そんなに凄いものなのか?」

「ctOSの比じゃない。ヤバイもんだ」

 

先程の端末も十分凄い。だがキシが渡すのを渋るという事は珍しい。

 

「ま、いいか!また行きゃいいもんな。色々迷惑かけた礼の一つだと思って受けとってくれ」

「で、コレは一体なんだ?」

「フォールド・クォーツ」

「は?なんだそれ。ダイヤ的な?」

「ダイヤより価値は高い。それさえあれば半永久的に機械を動かせる。これなら良かろう」

「よっしゃ!」

「じゃが幾つかは返してもらうぞ。剣術と波紋と覇気。あとスタンドの弱体化。これは絶対だ」

「え?ちょ・・・」

 

神狐はコインをポケットから出すと思い切り弾いてキシの額に直撃させた。かなり痛かったのか気絶してしまい膝から崩れる。光るコインを回収した神狐は小さな穴を作り出す。

 

「これで少し動きやすくなった。さて。儂は新しいタレントを探す。元気でな」

 

穴が広がって神狐はそこへ消えていった。キシは未だに気絶しているので元の世界に返しておき俺とE.Eは空間を出て基地に帰還後、渡されたフォールド・クォーツなるものの研究を開始した。だが俺達はまだ分からなかった。このフォールド・クォーツの研究ミスがあんな化け物を蘇らせる事になるなんて。

 

続く



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アンドロイド J

ちょっと予定を早めます!


場所は日本のシンフォニー支部。そこにはオーキスが渡されたフォールド・クォーツなるものが全面強化ガラスで囲まれた状態で保管されている。それは研究室に持ち込まれ凡ゆる実験が交代交代に夜通しで行われた。そして研究が始まってから二日目。事件は起きた。

 

「アクエステが使えなくなった?」

『はっ!原因はフォールド・クォーツの実験により輩出された強大なエネルギーと思われます。現在復旧作業を急いでいます』

「早急に復旧させろ。外部ネットワークの遮断はしたのか?」

『外部ネットワークは遮断済みです』

「復旧作業に当たる人員を投入する。班長の指示に従え。以上」

 

アクエステが止まってしまうとは珍しい。8年前、開発途中の実験中にバグで止まったのを最後に全く異常がなかった。一応ライフラインだけはネットワークを介していないので止まることはないだろう。取水弁はどうなってるか知らんが。

 

「こんな時こそctOS。さ、どうなってんのかね」

 

起動すると総司令室にあるPCから侵入する。端末が異常がありそうな箇所を片っ端から調査していき一つの結論に達した。そこはアクエステのサーバールームの更に真下にある場所。俺も忙しくて行けなかった階だ。ネットワークに触れていない旧型のエレベーターだけが行ける。それにあそこは古参の隊員ですら行った事がないらしい。

 

「あんま行きたくねぇな。かと言って行かないと復旧しねぇ。・・・行くか」

 

オーキスは総司令室を出て動かないシャトルをctOSで制御し情報棟に向かう。真昼間だから明るいが夜中だったら酷い事になっていただろう。数分も経たないうちに情報棟に到着した彼は近くにある地下行きエレベーターで下っていった。

一方出かけているシンフォニー兄妹の内、基地内に残って宿題をしていたレイが異常に気づいて歩き回っていた。

 

「もー!アクエステを呼んでもお菓子もジュースも出ないんだから!お母さんとお兄ちゃん達いないしお父さんは仕事だし・・・」

「お、レイじゃないか」

「士郎先生!」

 

紅月士郎。シンフォニーの歩兵部隊の中でも狙撃に特化した集中力を持ち外したことはない。父親の機体であるサバーニャを愛機としておりレイの家庭教師。それとスナイパーとしての技術も教授している。

 

「レイ。宿題は終わったのか?」

「うん!でもアクエステ呼んでもお菓子もジュースも出ないからこっち来たの」

「アクエステはどうやら故障したらしい。今復旧作業中だ」

「ふーん」

『あーあー。聞こえるー?』

 

ノイズと共に聞こえてきたのは誰かの声。だがアクエステは現在も復旧出来ていない。アナウンスも不可能なはずだ。だがシンフォニーのネットワークに入り込めるのはアクエステやctOSだけではない。REXだ。

 

『そこにいるのは可愛いレイちゃん?お久〜。REXだよ』

「REXだと?」

『情けない事に俺は格納庫で身動き出来なくなっちゃってさぁ。頭脳を零久君にネットワークに繋いでもらって話しかけてるのよん』

「REXさん!今どうなってるの?お菓子食べたい!」

『まあ落ち着いて。今オーキス君が向かってるからサ』

「総司令がか⁈いったいどこに⁈」

『それは言えないなぁ〜?俺にも秘匿情報開示権利なんてないからネぃ?』

 

ふざけた話し方で明らかに煽っているREXの背後では零久が必死に回線を奪われまいとキーボードを叩いていた。

既にESCキーが吹っ飛んで壊れているが。

ついでに次元通信でキシに連絡をとっていた。

 

「親父ぃ!助けてくれ!帰れなくなった!」

『ああ。アレの事か。安心しろ。タイマー設定で帰還させただけだ。ちゃーんと替えの新型渡すから安心したまへ!』

「そうかよ!それと今大変な事にな・・・って切りやがったよ!ちくしょーめ!」

 

無線機を地面に投げつける零久。だがその間にも回線は奪還されつつある。やはり高性能といえノートパソコンだけでは無理があったようだ。数秒であっというまに回線を奪われ再びアナウンスシステムとの回線が切れた。

 

「すまん・・・回線盗られた」

『まあまあ。おかげでレイちゃん達を誘導出来たから問題はないよ』

「ならいいんだが・・・。で?どこに誘導したんだ?まさか地下に誘導したんじゃあるまいな」

『そのまさか』

 

レイ達は緊急用の連絡通路を利用してオーキスがいる地下に向かっていた。少々ジメジメしているが清掃は行き届いている。

 

「なんでお父さんが地下に・・・」

「分からん。今は進むだけだ」

 

地下行きのエレベーターを見つけて更に地下まで行く二人。古臭いエレベーターが嫌な音を発しながら目的の場所につくとオーキスが厳重なロックをかけられた人型アンドロイドと話していた。華奢な機械の身体はカチャカチャ動いている。

 

「お父さん!」

「レイ?何故ここにいる?」

「REXに教えてもらったの」

「あの野郎・・・」

「総司令。このアンドロイドは・・・?」

『我が名を聞くか。若僧』

 

一瞬ビックリした。まさかアンドロイドが話すなんて分からなかった。つかアンドロイドはまだ開発途中だってのになんだコイツは⁈オーパーツじゃねぇかよ!

 

『我が名はJ。死神である』

「死神?」

『さあ。私を今すぐ出せ。シンフォニーを継ぎし者達よ。その為に私を蘇らせたのだろう』

「こんな事を言ってるが一応シンフォニーが作成したAIらしい」

「らしい?」

「士郎。お前の父親のナオトが探し出してくれたデータにコイツはなかった。ただ試作でアンドロイドが作り出されたという履歴だけしかない」

 

履歴だけが残っているというこたぁ・・・計画が凍結されたのか?父さんが戦後に資料の整理に一時回されたのは聞いたことがあったがそんなもんを探し出していたなんてな。教えて欲しかった。

 

「で、今出してくれと騒いでる訳なんだがな。出す訳にはいか」

「はいどうぞ。外れたよ」

「「レイ⁈」」

 

なんとレイが外部からかけていたロックを外してアンドロイドのJを開放してしまったのだ。頭部に接続されていたコードが外されていき剥き出しの金属製の肩を回すとレイに手を出す。

 

『礼を言うぞ。娘。名をなんという?』

「レイ・シンフォニーだよ!よろしくね!ジャック!」

『ジャック?誰だそれは』

「私が今つけた名前!貴方の名前がJだけだと呼びにくいでしょ?」

『そう・・・だな。受け取ろう。シンフォニーの娘』

 

レイと話している所をみるとどうやら危害を加える訳ではないらしい。ナオトが見つけてくれた資料には戦闘用とまで書かれていたのに、まさかこんな人間くささ溢れるアンドロイドとは思わなかった。だがコイツが何時から存在するかは『彼』自身も分からないという。

 

「J・・・ジャック。お前がこの事件を起こしたんだよな?」

『む?何を言っている?確かに先程質問した通り強大なエネルギーで私が目覚めたのは認める。だが何故私がシンフォニーのネットワークを占領する必要がある?』

「・・・レイ。士郎。ジャックを整備棟に連れて行け。一応気をつけろよ。ついたらクレアに身体ごと取り換えてもらってくれ」

「了解です。総司令は?」

「ここに残る。先に行け」

 

レイと士郎は歩いてエレベーターに乗り上の階に上っていった。クレアにもメールした。さて、ここからはctOSを使わずとも分かるぞ。どうやらジャックは本当に関係ないようだからな。ついでに言えばアクエステが落ちた原因はここだ。フォールド・クォーツに電圧をかけてエネルギーの取り出しに成功した。だがその電力はジャックの起動以外にも様々な老朽化したコードに走りショートした。漏電を感知したブレーカーはサーバールームの電力を落としたというわけだ。

 

「これだけで済んだのなら・・・良いんだが」

 

ジャックは地上についてから整備棟に連れて行かれ連絡を受けていたクレアを中心に整備班による様々な改装が施される事になった。容姿はレイやローズの好みによりアチラのジャック。いわゆる雷電になる事が決定。だが裏ではもっと面倒な事が始まっている。

場所は変わって学園都市のジオフロント。藤堂率いる国防軍は、様々な兵器を持ち出したサンズ・オブ・パトリオットの攻撃を受けていた。シンフォニーに支援要請を入れても連絡はつくはずがない。しかしそこは厳島の奇跡を起こした男。シンフォニーの連絡がつくまで持ち堪えていた。

 

『第4地区に損害!被害甚大!』

『第25兵装ビル群が破損!損害不明!』

「敵勢力はオダワラ防衛ラインを突破!」

「地表の特殊装甲が貫通されました!」

「うろたえるな!追加予備装甲を展開!シンフォニーとの連絡がつくまで持ち堪えろ!学園都市にある全ての兵力を特化運用!僅かでもいい。食い止めろ!」

 

続く!



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防衛ライン

3年待たせたな!だが!終わらせないとまずいんです…


 

炎に包まれる学園都市。破壊されていく装甲板。だが耐えなければならない。我々は、このような瞬間の為に備えてきた。例え試作兵器を奪取されようとも我々は耐え抜かなければならない。必ず援軍は来る。それを信じて、戦うほかはない。

 

《敵部隊第2防衛ラインを突破!畜生!なんて奴らだ!》

 

《援軍はまだなのか⁈こんな弾幕の中じゃ…》

 

《3番機がやられた!だめだ!防衛ラインが崩壊する!》

 

《だれかいないのか⁈俺しかもう生き残っていないのか⁈頼む!だれか救援を!》

 

悲鳴に包まれる無線通信。特殊装甲板をもってしても止められない敵の進行。奇跡などは起きない。奇跡は起きなかった。厳島の男は、ただ自身の無力さを前に容赦なく立ちはだかる壁に向かって走り続ける他なかった。

しかし、しかしそれこそが、その意思こそが厳島の男の本領である。

 

「藤堂司令…!これ以上防衛ラインを維持することはできません…!」

 

《こちらα1!退却する!》

 

《敵の攻撃は苛烈!繰り返す!敵の攻撃は苛烈!》

 

「…まだだ」

 

「しかし!」

 

「敵の大規模侵攻。そして奇襲に近い電撃戦。我々は…まだ負けていない」

 

厳島の男、藤堂はわかっていた。敵が大規模な侵攻を仕掛ける理由を。例えここがフレイヤ爆心地の跡地を利用したジオフロントでブリタニア・日本の合同軍駐屯拠点であったとしても、戦力はここ以外にも多数ある。わざわざ合同軍に攻撃を仕掛けるのは、ここが『最も叩かなければならない重要拠点』であるからに他ならない。

かつて日本がまだエリア11と呼ばれた時代。自分らの仲間が取ろうとした作戦。敵主力部隊を電撃戦にて奇襲し、武器食料弾薬をまるごと利用する。無謀にも見えるが、精鋭戦力で奇襲しピンポイントで局所攻撃すれば決して不可能ではない。

 

「…⁈藤堂司令官!」

 

「やはりな…敵の狙いは、ここそのものだったか」

 

《敵の攻撃が弱まったぞ!反攻作戦だ!装甲板を盾にしろ!各個撃破で前進する!》

 

《こちらαチーム。なんとか復帰した。これより敵部隊に攻撃を仕掛ける!》

 

奇襲に近い攻撃に加え、瞬間火力で押し込む。考え方は悪くなかったがこの藤堂、その程度の作戦が見抜けないわけはない。我々も同じ道を歩こうとしていた。だからこそ、この戦い方には既視感があった。いつか弾薬類が尽きてくる頃合いが必ず出てくる。ハドロン砲とて、無限に撃てるわけではない。エネルギーが底を着けばただの鉄塊に成り果てる。

そして、ここまで来れば奴らが出してくるであろうものは容易に想像できる。

 

「対実体弾迎撃フレイヤ起動しろ。目標、敵砲台」

 

「フレイヤ弾セット!発射用意!」

 

「敵砲台、発射位置に入りました!解析の結果、5式実体弾と確認!来ます!」

 

「弾頭、時限信管をセットしろ」

 

「速度計算及び距離計算完了!時限信管設定完了!」

 

「味方機へ通達!これよりフレイヤ弾頭を使用する!各位、特殊装甲板の下へ!」

 

「フレイヤを投射しろ」

 

「フレイヤ、射出します!」

 

基地VLSから放たれた1発のミサイル。かつてここの基地を作る理由となった悪魔の兵器。だがそれらをうまく組み合わせれば、時に人々を守る盾にもなることを忘れてはならない。

 

「3…2…1…信管作動!今!」

 

時限信管が作動し、短い爆発が基地上空を包み込む。特殊装甲板に隠れていた味方機は無事だったが、敵部隊はフレイヤの強力な熱量を前になすすべなく溶けていく。発射されかけた5式実体弾はすぐさま蒸発し、凄まじい爆発音と爆風と共に敵軍隊は完全に殲滅された。

 

《イヤッホゥ!助かったぜ!》

 

《あれがフレイヤ弾頭か…!えげつないが、よくやってくれたぜ!》

 

《こちらβ2!敵反応無し!やった!俺たちは守りきったぞ!やったぞ!》

 

《奇跡だ!奇跡が起きたんだ!》

 

《普通なら負けそうだが、これだけ持ちこたえたのはすげぇ…》

 

《さすが厳島の男!藤堂鏡志郎!》

 

《負け戦だって彼についてけば勝てる!》

 

《奇跡の男か!》

 

ブリタニア人、日本人が関係なく誰もが藤堂、藤堂と勝利の雄叫びをあげる。しかし当の本人はまた別のことを考えていた。

 

「…藤堂司令官?」

 

「シンフォニーとの連絡は?」

 

「それが…未だに音信不通です…」

 

何が起きている?シンフォニーに連絡がつかない。日本ブリタニア合同軍がここにいたからこそ我々は持ちこたえられた。日本の国防軍にもブリタニアの騎士団にもここの襲撃についての連絡がついたことで今はこちらに全速で防衛戦力を回している。

12分後にはブリタニアと日本の軍が防衛部隊として急遽配備された。我々の戦いを知らない世代も多少はいる。だが、ブリタニア人と日本人がともに背中合わせで守り合う姿は感銘を受けた。これこそ、我々が追い続けた理想の結果だ。

しかしながらシンフォニーとは未だに通信がつながらず、更にはホットラインとして伸びているはずの枢木亭に連絡すらつかない。しかし我々はここを守らなければならない。無闇に動くことはできん。私も防衛司令としての役割がある。

 

《こちらブリタニア第28騎士団。藤堂司令官はいるか》

 

「聞こえている。どうした」

 

《貴殿が奇跡の男か。敬意を表する。だが今は暇がない。シンフォニーの連絡員をつれてきた》

 

「連絡員だと?」

 

《藤堂さん。お久しぶりです》

 

《ご無沙汰してます〜》

 

「スザクか!ユーフェミア皇女…いや、ユフィも無事だったか」

 

《私たちも心配してよ!》

 

《俺たちは生きてるぜー!》

 

「アーサーにアルテミス…どうやら、枢木一家は無事だったみたいだな」

 

《今シンフォニーは敵にネットワークをやられて専用の緊急封緘命令書に従って行動しています。藤堂さんにも送ります》

 

スザクから送られてきた封緘命令書にはシンフォニーのデジタルサインが書かれ、何もせずとも勝手に開く。そこには対ギアス饗団用の最終作戦が書かれていた。

現在、シンフォニーは神根島へ全力推進中。黒の騎士団と一部ブリタニア騎士団はコーネリアを中心とする特殊部隊と共にシンフォニーの戦艦に乗り込み、『オペレーション・クサナギ』を実行しているとのこと。

 

「ルルーシュらは無事なのか?」

 

《被害は無かったので今はみんな実家にいます。でもルルーシュだけ…》

 

《ルルーシュだけ、今はシンフォニーの仲間達と共に行動しています。おそらく、例のアレにケリをつけに行くつもりかと》

 

「なるほどな…。スザク。今はここに身を隠した方がいい。機体はないが…」

 

《機体なら自前のがあるから大丈夫大丈夫!》

 

《俺達だってそこらのKMFなんか蹴散らせるさ!》

 

その後、スザクとユフィの子供達が操る機体、バンシィとユニコーンが自動操縦で来たのは言うまでもない。

一方シンフォニー率いる特殊部隊は予定より早く神根島上空に到達。襲いかかるサンズオブパトリオットを蹴散らし、敵の本拠地に空挺強襲を開始。コーネリアの揚陸作戦群が空挺KMFにて神根島の敵最終防衛ラインまで肉薄していた。

 

「口ほどにもないな。先程までの戦力はまるで無かったかのようだ」

 

《気をつけろコーネリア。どこに伏兵がいるか分からん》

 

「分かっている。ルルーシュ。貴様に世話になるほど落ちぶれてはいない」

 

ルルーシュと会話しながら作戦を進行するコーネリア。そして降下から12分で見事に敵のKMFを全て撃破してしまった。

 

《総督!敵を全て撃破致しました!》

 

「総督はやめろ。私は少佐だ」

 

《し、失礼いたしました。コーネリア少佐》

 

「地上鎮圧部隊は進行を開始。神速で進め!GO!」

 

コーネリアの指示で神根島遺跡へ鎮圧部隊が進行する。数分後には隠れていた伏兵が全て完全に排除され、入り口が確保された。

 

「見事だコーネリア。まだ腕は腐っていないようだな」

 

「ルルーシュ。私はお前を許すつもりはない。はずだが…許さなければ前に進めない時もあると、最近思うようになった。ふっ…私も老いたからか、丸くなった気がする」

 

「ただ老けただけだろうが…」

 

「何か言ったか?」

 

「いや。コーネリア。例を言う。あとは俺の仕事だ」

 

「何言ってんだバカ。これは『俺達』の仕事だ」

 

並び立つ面々はかつての仲間達。ギアスを持つ男達に加えてE.EとC.C。過去のしがらみを全て捨て去るために、彼らは集まった。ついでに弱くなってしまったあの男も。

 

「待ってくれよオーキス。なんで弱っちい俺も連れてくんだよ…」

 

「キシ。いいか。落ち着いて聞け。お前は能力を取られた。だが…それはおそらく『こちらの世界だけ』の話だ。これから先はお前の力は使わない方がいいとあの狐は判断した。俺はそう考えた」

 

「…確証なんかないんだろ?」

 

「ない。だが俺には分かる。ここから先はお前に見ていてほしい。これが…俺達の世界の選択だ」



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始まりの始まり

え?打ち切りみたいだって?しゃーないやろ!


 

「…ようやく来たね。ギアスに選ばれた人が」

 

「V.V。もう終わりなんだ。終わりにしよう。アーカーシャの剣はもうない。E.Eが空間ごと全て消去した。何もないのになぜ戦うんだ」

 

「C.C。僕はね。理想の為に戦ってきた。不老の呪いに身をやつしてまで。でも全ては無意味と化した。意味もなくなってギアス饗団はサンズオブパトリオットとして活動を始めた。僕は…死に場所が欲しかった。シャルルもいない。何もない。道具もない。だから、君達が羨ましかった。創ることができないなら別の何かを破壊するしかない。そう言うものさ」

 

V.Vの目には何もない。虚空だけが彼の目に浮かんでいた。何も手に入れられず、ただ不老の身を引きずって生き続ける亡者そのものだ。

 

「それに…今の僕ならまだ君達にお礼くらいはできそうだからね」

 

「礼だと?」

 

V.Vは謎の薬品が入ったシリンダーを自分に突き刺して注入。そのまま苦しそうにへたり込み、その場で倒れる。

 

「さあ…受け取るがいい…せめてもの報いだ!ギアス契約が無くても、僕には…身体が…コードが…!」

 

瞬間、コーネリア含む特殊部隊ごとギアスの結界が広がって神根島を飲み込んだ。そして、ルルーシュ達の目前には破壊したはずのアーカーシャの剣が、今にも接続されそうな勢いで伸びていくのが見えた。

 

「そんな…!また…!」

 

「V.V…お前はそこまでして…!」

 

「なら俺がもう一度集合無意識に」

 

「無駄だルルーシュ…やられた。私たちは完全にやられたんだ。お前のギアスは…『一度しか効果がない』」

 

「C.C…」

 

「ふむ。集合無意識か。なるほど。これが亡き皇帝陛下が夜中シコシコ作っていたというアーカーシャの剣とやらか」

 

「何を悠長に構えてるコーネリア⁈世界が変わるかもしれないんだぞ⁈」

 

「ルルーシュ。何か勘違いしていないか?お前は1人じゃない。前回は集合無意識とやらにお前一人で語りかけることにより崩壊を防いだのだろう。なら人数がいればいい。思いは強くなる。そうだろう?『不可能を可能にする男』よ」

 

ルルーシュはただ一人佇んでいた。そう今回はスザクはいないが代わりに仲間達がいる。そして自分の子ども達が待っている。子供達の為に、次の世代に託す為に、この世界はなんとしても維持しなければならない。

 

「そうだな。俺は不可能を可能にする男。ゼロ。皇帝の後始末だ。手伝ってもらうぞ。ギアス持ち諸君」

 

「いいとも!全て終わらせてやる!」

 

「この世界を破滅させたくないからな」

 

「さあ。仕事を終わらせようぜ」

 

この後、神根島は忽然と姿を消してあらゆるエネルギー活動は観測されなくなった。こうして俺達の長きに渡るギアスの束縛は消え去った。

だが集合無意識は俺達が消えることを、そしてギアスを消すことを望まなかったらしい。コードは消えたがギアスという異能は残った。俺達はまだ見届けなければならないらしい。カレンとの娘が、シャーリーとの息子が、スザクとユフィの子供が、そしてシンフォニーの子供達が産み出す未来の世界を。そうして老いて死んでいくことが俺達の役割であると。

不老も不死もなくなった。ここは静かになった。もう…魔王も姫もいらない。

 

 

 

《オーキス!お前の言ってた通りだ!俺の身体も能力も元通りになってる!》

 

《言っただろ。で…またこっちに来るのか?こっちに来ても弱くなるだけだぞ》

 

《ん、いや…強い能力がない身体も悪くないなって思ってさ》

 

《また来ればいいさ。いつでも俺達は歓迎する。ああ!それと遂にうちの企業が宇宙に進出したんだ。これからは宇宙の時代だぜ》

 

《おお!遂にやったか!こっちもいつか宇宙に上がってやるからな!待ってろよ!》

 

END

 




いや、まあ3年間放置してすんませんでした。言い訳としては社会人になってしまい、それによる暇の無さが主です。
これからは書かない…訳ではありませんが、趣味でなろうにも投稿しています。ラムネ便で検索すると出てくるかも…?ただ、こちらも暇がなくて不定期になっています。そこはあしからず…。
ではまた、別の作品で会いましょう。
ps rainさん。キシ君の長期間の貸し出しに感謝を表します。本当にありがとうございました。


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