緋弾使い士道のデート・ア・ライブ (秋ピザ)
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暗殺者士道と物語の始まり
暗殺者士道のどうでも良いお話


緋弾。これを聞いて思い付く単語。

まぁ紅い弾丸って辺りが常識的答えだろう。

まぁ、この言葉は裏社会や政治家達の間では意味が変わる。

紅い弾丸から、最強最悪最低の暗殺者の名前に。

本人はその経歴を隠し、顔も名前も依頼主に隠し、いくら金を詰もうとも口を割らない。

しかも、金を渡せばそれ以上の金額を渡されない限り口を割らないから、信用も置けるには置ける。

そして、彼が緋弾と呼ばれるのには理由がある。

 

暗殺を運良く目撃した男いわく、『アイツが持っていた紅い銃から、真っ赤な弾丸が発射されていた』とか。

とあるボディガードいわく、『緋弾の銃は、殺した相手の血で真っ赤に染まっていた』とか。

とある鑑識いわく、『撃った弾丸は恐ろしい速度に耐えきれずにほとんど原型を留めて居なかった』だとか。

 

まぁ、この3つの内前者2つは完全に嘘である。

証拠?簡単だ……………何を隠そう、この俺、五河士道はその緋弾本人なのだから。

暗殺をしている理由は親が死んだから家族を支えるから。

金を詰めば口を割るのは、どうせ金だけ手に入れておけば後で足を洗ってまともな職業にも就けるから。

あと、弾丸が真っ赤だと言われているのは、弾が空気摩擦で熱を持っていたから。つーかそいつ、良く分かったな。

で、何故弾丸が空気摩擦を起こすほど速いかと言えば………腕の振り方と筋力とリズム感覚、その他諸々を合わせた結果、音を一瞬で追い抜けるレベルにまで達したからなのだ。

いや、一応銃も改造してあるぞ?

例えば、緋弾の名前にちなんで色を赤くしたときに、全体的な強度を上げまくってみたりだとか。

それに、弾丸にも細工が仕込んであって、特殊な形状を取る事による空気摩擦の軽減を狙ってはいるんだが………いかんせん速すぎて弾丸がひしゃげてしまうのだ。

まぁ、そんな最強最悪最低の暗殺者、緋弾こと俺だが、実は苦手な事もある。

それは学校である。

一応、暗殺者をいつでも辞めてまっとうな職業に就ける様にせめて高校には行こうと考えているんだが………1年目にして学校全員皆殺しにしてでも辞めたいレベルであった。

理由?簡単だ。校内に居ると何者かにストーキングされている気がしてならないんだ。

しかも、時々物を盗まれてすり替えられる始末………暗殺道具も隠せない。

最悪、カッターナイフでも殺せるには殺せるが、やはり銃の方が楽だからな………

だが、今年から二年生だ。

きっとあのストーカーも新たな出会いにきりきり舞いになってストーキング出来ないだろう。

あぁ!やっとスクールライフを普通に過ごせる!

俺はこのとき、割と本気で、全力全開でそう思っていた。

だが、良く考えれば、暗殺者なんてやっている俺に、普通の日常とかあるわけが無かったんだ。

 

鳶一レキside

 

今日も士道の観察。銃を持って手入れしつつ物憂げな表情………シャッターチャンス。

私は愛銃【ドラグノフ改呉】のスコープを外すと、それをカメラに取り付けて士道を撮影する。

私の想い人、五河士道。

十年前に私を救ってくれた人。私の全て。

だから、告白しようと考えていたんだけれど、どうしても出来なかった。

だけど、今年こそは絶対に告白して、士道の彼女にしてもらう………それが駄目ならペットとか愛玩動物でも良いけれど。

最悪、監禁されても軟禁されても構わない。

士道が望むならどんな性格にもなれる………気がする。

 

それにしても、士道が好き好んで読んでいるネット小説の『ヤンデレ』って一体………?

 

士道side

 

な、なんだ………今、全身を恐ろしい悪寒が走った………これは妄想とか空想だなんてちゃちな物とは断じて違う、マジもんのヤンデレに好かれてる様に感じた………正直生きた心地がしないぜ………



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主夫士道の慌ただしい朝

タイトルを付けてみた。
そして、琴里が原作よりブラコン三割増し。
今回はただの前座。
ちなみに五河家の食事は大概変な物(栄養的には優れてるらしいぜ)だとさ。


これはある日と書いて四月十日と読む日であり、入学式と書いて欝イベと読むイベントのある日にベッドの上で俺が考え込んでいた事である。

ところで皆さん、四月十日と言えば、何を思い浮かべるだろうか。

入学式だろう。だが俺は違う。

俺の場合、面倒な仕事が流れ込みやすい凶日である。

まぁ、今年は珍しく仕事も何も無く過ごせてるから、まだ良い方だと言えるだろう。

まぁ、そんなことよりも、俺が大事なのは、今日の朝食と仕事からの逃げ方である。

最悪、携帯の電源を切ってしまうのも考えたが………変なメールが来てもこまるので付けておく。

ウィルスメールに対してはウィルスを殺した上で自己進化し、更に酷いウィルスを返すプログラムが入ってるし、大丈夫だろう。

仕事から逃げるには………料金を今日だけ十倍って事にして乗り切ろう。

あとは朝食………何にするべきか………ハムエッグ?サンドイッチ?どれも魅力的だ。

「………ちゃん!」

 

うーん………ここは邪道で卵焼きか?

いや、あえておにぎり&カニタマで何故か飲み物が紅茶orコーヒーで和洋中全部揃えちゃいました系で行くのも………

「おにーちゃん!聞いてる!?」

 

「なんだ琴里か………おにーちゃんは今朝食を考えているんだ…………し、7:00だと…」

 

妹に声を掛けられやっと時間に気付く。

仕方ない。ここはあえて中華風味付けのチャーシューもどきとメンマもどきを入れたおにぎりを作るしかねぇ!

朝食だけならどうにか裏技というかチートを使えば7:15までには完成出来る!

俺は全速力で制服に着替えつつエプロンを着て、ついでにとある裏技2つの準備をする。

それは簡単、所謂気もどきというかなんと言うか………まぁあれだ、俺が暗殺に失敗しかけて返り討ちに遇って、そのとき辛うじて手に入れたもんだ。

これの起動条件は簡単、軽く体中を流れる血の動きを完全に掴み、心臓から少しずつ、俺の感覚では7つ以上ある何かを流す様にする。

すると、俺の体温が若干上がりだす。

ここで1つ、効果について説明しよう。

1つ目の効果は活性化(超)。使った時に俺の能力を底上げする。

2つ目は増殖。俺自身に使えば二人とか三人どころか何人にでもなれる。

そんな2つを一気に体に流し、二人に増えると朝食のいくつかの作業を同時平行で作り始める。

まず手間の掛からないおにぎりから作ろう。

自家製のチャーシューもどきを冷蔵庫から取り出し、自家製メンマと一緒に暖める。

まさかラーメンに拘るために作っておいたこれが役に立つとは。

まぁ気にせず続行し、温めたチャーシューとメンマを一度置いて白米と海苔を取り出す。

備えあれば憂い無しってな。

俺は高速でラップを30×30cm程度に切り、そこに海苔を乗せてから白米を敷き、白米にチャーシューとメンマを入れ、握る。

具材が出ない様にするのは難しいが、長年の主夫としての経験でなんとか完成させる。

そして、それをいくつか皿に乗せた後、サラダを作っていた俺からサラダを受け取るとあら不思議、和洋中揃った朝食だー。

サラダが洋に当たるかどうかは謎として。

俺はそれを無駄に活性化している体で運び、俺はあらかじめ(分身っぽいのが)作っておいたおにぎりを喰う。

具はNARUTO(ナルトの様でナルトじゃない、だがどこかナルトの様なもの。決して某忍者漫画じゃない)とラーメンの麺。

やはりこれもラーメンだが………気にするな。

 



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外道士道のある日の授業

(主に容赦も優しさもない発言が)外道な士道の話。
これの次に空間震まで持っていきたいですね。



さて、授業とは何か。

それを考えるには、授業の定義を知る必要があったりするんだが…………俺の結論を言わせてもらおう。

俺にとっては苦行である。

実際のところ学校は卒業だけした事にしておけば良いんだし、成績は後でいくらでも書き換える事が出来る。

だが、この日4/10だけは若干事情が違う。

まず、様々な資料が配られたりと忙しいので、教室に居ないと机の上が混沌とするのである。

いやまぁ、まだ俺は自らの通う“来禅高校”から100m以上離れた位置に居るので、まだ考えるのには早いのだが。

とりあえず、最悪の場合最低限の単位だけ取って行くしか無いよな………

「………道」

 

うーん、だけどそれじゃ殺し屋辞めた時面倒だし………最悪自分で店開いて自営業するとかの手もあるけどさ…

「…河…道」

 

まぁ、今年こそは頑張ってみますかね。

「五河士道。聞いてる?」

 

「………誰?」

 

「鳶一レキ。覚えてない?」

 

レキ………レキと言えば確か我が来禅高校が誇る天才ちゃんじゃないか。

そんな子に『覚えてない?』と聞かれるだなんて………ラブコメみたいじゃねぇか!

覚えてねぇけども。

「………そう」

 

俺が覚えてない(ほとんど初対面だから当たり前だが)のを確認すると、レキは寂しげにしながら去っていく。

いや、本当にラブコメっぽかったぜ。

俺にもしも友達が居たならこう言っただろうな。

『よう、セクシャルビースト五河』と。

これには証拠も何も無いが、なんとなくそう言われる気がする。いや、確実に言われただろ。うん。

まぁ、俺には友達が居ない………と言うより誰かに話し掛けられてもその時何かを考えていて話を聞いてなかったりするから友達どころか知り合いも少ない………一応近所のマダム達は全員名前覚えたけども。

山田さん鈴木さん松永さん如月さん…あと官房長官の斎藤さん某国の大統領鳳さんに………意外と多いな。

あれ?なんだか知り合いが仕事であったか近所に住んでるかの二択って………悲しいわ………入学早々帰りたくなってきた。

俺はそんな気分のまま、校門を通過する。

そのとき服装検査とかで待ち構えている風紀委員や生徒指導の教師は人混みで顔が見えにくいのを利用して回避する。

絡まれると面倒だと言うのもあるが、俺は前にうっかり生徒指導の教師………誰だっけ?

まぁ、生徒指導の教師と呼ぶことにしといて、その生徒指導の教師を殺しかけちゃったんだ☆ミ

いやー、まさか転んだ時に掴まった物体がアイツで、しかも運悪く俺の速度が高かった上に背中からぶつかられたアイツが押し倒された挙げ句俺の体重(53kg)の負担に耐えきれず骨が折れて折れた骨が肺に刺さって死にかけるとは………偶然をこれほど怖いと思った事は無かったZE。

まぁ、それ以来俺は生徒指導の教師に目を付けられているので、絡まれると面倒なのである。俺はスタスタと、そしてサクサクと進んで行き、2-4に辿り着く。

確かここが俺の教室。去年はうっかり数人が行方不明になった数日後に心身喪失状態で殺人鬼として見付かった事件があったからなー。今年は平和(笑)だといいなー。

「五河くん、いつも一人でつまらなくないのかい?」

 

なんか突然に話し掛けて来やがった知らない………とは言わないが個人的に嫌いな奴こと雲雀京也。

コイツ、やけに馴れ馴れしくて気持ち悪いんだよな………こういう奴ほど裏でヤバい事してたりするもんだ。ソースは俺の仕事。

まぁ、正直これ以上か関わられても困るのでひたすら呪いの様に罵って消えてもらおう。

「うわぁいきなり来やがったよ最悪のバッドエンド的欝ルートの最大要因が。お前のせいで俺のボッチ式百合色(ちなみにこの際の百合の意味は薔薇=ゲイ。百合=レズ。的な意味。ちなみに俺は薔薇はアウトでも百合は良いと思ってる)学園生活の予定がお前と言う名の害悪(ゴミ)のせいで滅茶苦茶だーどうしてくれるんだー」

 

すると、雲雀は黙りこむ。

ククク、俺の人をイラつかせる技術は数値に換算した場合約53000000なの(以下省略)

 

ー四時間経過ー

 

zzZ………ッ!!!

やべぇ。寝てた。

授業は眠くて仕方ない………つーか初日は配るだけだったりするから眠さが最初っから最後までクライマックスなんだが………

俺は、時計を見て確認する。

12:15ねぇ。とりあえず帰って飯を作れば良いよな………

 

『パルパルパルパルパルパルパルパル』

 

突然のパルパルに目が覚める。

なんだっての………そう言えば俺の携帯の仕事用の番号だとパルパル(正確には技術者の協力者特製滅びの歌(笑)だってさ)が流れる様にしてたんだっけ………

 

案の定、それは仕事の依頼だった。

まさか、いつもの十倍たる5000万円で依頼が来るのかよ………今度から依頼料1000万に変えるかな………

 

送り主:unnown

件名:依頼

本文:本日AM12:30に発生する空間震の際、下記の位置に来られよ。

 

このメールには地図データが添付されていた………付近のファミレス前か。

それにしても、なんで今日空間震が起きるって断言出来るんだろうな………

 

ジリリリリリリリリリリリ!

 

突然、警報が鳴り響く。

この音は………空間震か。

俺はその音を聞くと、とりあえずカバンを持って移動し、カバンから銃を取り出して持つ。

そして、付近のファミレスに向かって走り出した。

 



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殺し屋緋弾と巫女系プリンセス

今回、久し振りにレキが出ます………
ちなみに実は作者が行ったアンケートで一票だけ得ていたキャラも出ます………

そしてなんと、士道が使っていた分身的な物の正体?が明らかに!


運命論。まぁざっくり言ってしまえば人物A(仮)が自販機の前で立ち止まったとき、何を買うか。はたまた買わないか、もしくは金が無いか、金を落とす等の結果が既に確定していて、その結果を変えることは不可能だが、そこに至るまでの経緯などなら変えられると、俺は考えている理論である。

例えば。

「あなたが緋弾………信用出来るの?」

 

「腕だけは信用しておけ………そもそも銃が効かないほど硬いとかは無理かも知れないがな」

 

この様に自然に振る舞ってはいるが実は内心汗が止まらない状態にある理由が、鳶一レキである様に。

もしもここでコイツがいることを察知していれば心の準備が出来ただろう………運が悪い。

「レキ、この人は一応某国の大統領や元総理大臣………あと教皇とかを拳銃で、しかも1000m近い距離から撃ち殺したらしいから大丈夫よ………多分」

 

こ、コイツ俺のファンか!?(笑)

確かに過去に俺に憧れて弟子入り志願者が5000人越えたけれども、今じゃ一人だけ取った弟子に押されぎみだしよ………一応最強最悪最低名乗ってるだけでアイツの方が強いかも知れんぜ?

「そう…じゃあ、今回の仕事はこれ」

 

レキは俺に一枚の紙を渡して来る。

それは契約書で………何々?

 

契約内容

1.“緋弾”は式別名【プリンセス】とする精霊を殺害、もしくは撃退する。

2.“緋弾”は【プリンセス】を殺害した場合、報酬の満額を、撃退した場合報酬の1/2を得る。

3.“緋弾”が【プリンセス】を殺害した場合、日本政府は5000万円の報酬を支払う義務を負う。撃退時はその半分を支払う義務を負う。

 

中々の大口契約…………流石は国家!

さて。

とりあえずここにある【精霊】ってなんだよ。【プリンセス】って………なんだ。

「この契約書の【精霊】とはなんだ?」

 

「私達が戦っている…災害よ。詳しくは見てくれれば分かるわ」

 

見て確かめるのか。

まぁ、撃退で2500万円手に入るってことはそれくらいヤバい相手じゃないとなー。

俺は動き出そうとするが、レキじゃない方の奴…仮称春日部さんが制止して来るので一応従っておく。

言っていなかったがここは空間震警報の真っ只中。

この状況で俺が分かることは少ないため、こいつらに教えてもらおうと言う訳だ。

「緋弾、見てなさい。あれが………特殊災害指定生命体、【精霊】よ」

 

春日部(仮)が指差した方向を見ると、小さな黒い点が空間に現れて………一気に膨張して地面を削り、消滅させた。

そして、そこに巫女服にいくつかの装甲を取り付けた様な服を着た………巫女系黒髪少女(笑)が現れた。

「あれが精霊って………」

 

「えぇ、人間の様に見えるでしょ?でも、あれは精霊。人間の天敵よ」

 

「分かってる。金はもらったし、報酬分の働きはさせてもらうさ」

 

俺はそう言って、鞄から二丁の紅い銃を取り出す。

コイツに名前があったりはしないが、まぁ元々の銃がデザートイーグルだから、仮称【レッドホーク】で良いよな。

俺はレッドホークを両手で一丁ずつ持つ。

そして、俺は契約書をカバンに入れて走り出す。

「十ある緋弾、その1つをお見せしよう………」

 

俺はまじないとも言える台詞を口にすると、両手を交差させてから一気に振り抜きつつ連射する。

「二の緋弾、【嵐】!」

 

二の緋弾【嵐】。二丁のレッドホークから嵐のごとく異常な威力の連射を繰り出し、撃ち殺す。

俺の名の原典となった技、【緋弾】と言う名の技の1つであり、破壊力は一番高い技だ。

コイツを喰らった人間はほぼ100%死ぬし、喰らわずとも大きく動く事を強制させるため、そのあと確実に仕留められるんだが………俺はマガジンを変え、もう1つの【緋弾】を使う。

「十ある緋弾の1つ、四の緋弾【雷】!」

 

四の緋弾【雷】。守りと攻撃を兼ねた緋弾。

モーションが小さいため、すぐに守りに移れるし、これを利用して次の攻撃にも繋げられるのだ。

「貴方も………私を否定するんですか………」

 

どうやら効いていない様だ。

つーか、良く考えれば“普通の弾丸”じゃ人類の天敵には効かねぇよな………こうなりゃ最終兵器だ。

俺の切り札たる、天弾………普通の弾丸に気合と気もどき的な物を籠める事で弾丸が変質しいくつかの性質を持った物…を使いつつ緋弾全部使うくらいの気持ちでやれば殺れる。

俺は精霊に向けて、隙を作るために残った弾全てを撃ち、天弾の入ったマガジンをレッドホークに入れる。

「てなわけでこれで終わると思っちゃいねーがフィナーレだ………二の緋弾、【嵐】!」

 

そして、天弾を使った緋弾【嵐】を精霊に向けて放つ。

一応、俺が現在使用可能な技の中で破壊力だけならトップの技だ。流石に無傷って事は無いよな?

俺は精霊が居た場所を視認で確認する。

だが………そこに精霊は居らず、ただキチガイクラスの威力のハンマーを叩きつけられたかの様な破壊痕のみが残ってい………た……………

 




ちょっとした解説

緋弾
士道の2つ名。もしくは、士道が自分のテクニックのみで行う人間離れした技。

天弾
士道が気合と良く分からないPowerを籠めたことによっていくつかの特性を得た弾丸。(これ少し考えると死○気弾に似てる)

レッドホーク
士道が使う、デザートイーグルの改造版。
実はクレイモアと打ち合っても壊れないくらい堅い。


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教官候補士道の憂鬱な一幕

久し振りの投稿です………でも短いんです。雑なんです。書き溜めて無いんです。
そして、話は進まないのです。

あと、設定を変えてたりするので前話も時間があればどうぞ。


不条理。つまりは『アンタは鬼か!』的な感じ………だと思う。

まぁつまるところ、俺は今、そんな状況下にあると言いたいのだ。

「アンタらは鬼か、人外か………」

 

「性格には機械によって超人になれる人間ね」

 

ぬ………真面目に返して来やがったか………

とりあえず、ここは一回現状を受け止めて現実を見て打開策を考えよう。

俺は今、地面に拘束された椅子に縛らされていて足枷を填められていて手錠とロープで固定されている。

って、これ打開策無くね?ついでに言うと俺の目の前にいる人は銃を持ってて、俺は持ってない。

あぁこりゃ絶体絶命………いや、良く考えればこれは交渉(笑)の流れか?

「それで、貴方には1つ頼みたいことが」「依頼料を払った上で正式な契約をしたならばその頼みを聞いてやらなくもないぞ」「………なら話は早いわ、貴方の持つ戦闘技術を私達ASTに教えなさい。依頼料は、月40万を10年までなら出せるそうよ」

 

月40万が10年ねぇ。

単純計算でも6000万くらい行きそうだな………10年必要だが。

だが、良く考えれば10年現役で居れば良いだけだし、俺の持つ戦闘技術は………まぁ、真似できる奴は滅多にいねぇんだよな。

前に相手したハイザキって名前の真似が上手い用心棒も、俺の師匠も、あと俺を師匠の様に慕っていた奴の全力モードでも真似出来なかったしな………

よし、ここはこれを引き受けて、ある程度誰にでも出来る技術と俺にしか出来ない技術を教えよう。

もしも緋弾が真似されたりしたら大変だが………流石に出来る奴は居ないだろうし教える気もない。

「良いだろう。月40万×10年のその仕事、引き受けた」

 

ただし、俺が教えたからって万人に出来るだなんて言ってないがな。

「なら、早速だけどここにサインを」

 

女は契約書を差し出してくる。

何々?………内容細かい。長い。うざい怠い。

こんな面倒な書類だと裏社会じゃ避けられるぜ。暗殺者は単純にして難しい依頼を最も好むんだ。

それは俺だけの価値観かも知れないがな。

まぁ、とりあえず概要だけはここに纏めておこう。

1.乙(俺)はアンチ・スピリット・チーム(以下AST)に対し戦闘の訓練(契約書だと訓練の定義はあーだこーだ書かれているが省略)を週3日行う義務を負う。

2.甲(日本政府とか防衛省とか自衛隊とか色々混ざってたり)は乙に対し、この契約書の有効期間内に月400000円を支払う義務を負う。

3.この契約書の有効期間は、この契約書に乙がサインをしてから10年とする。

これが概要だ。まぁ普通だな普通。雇い主がおかしすぎる上に週3勤務で40万円稼げるという破格の仕事。

残りの4日間に暗殺者としての仕事もすれば年収が億を越えるのも(一応は)不可能じゃないな。うん。

俺は契約書に変な内容や相手ばかり有利になる内容がないことを確認したのち、サインをする。一応自分の指を切って(爪でやった。時には爪も暗殺道具になりうるから磨いているのだが、こんなときにも役立つのだ)血判を押しておく。

「これで契約が成立したものとしてみなすわ………あとはシフトを決めましょう」

 

まだあんのかい。

 



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教官士道の無駄な異常性

今回のタイトルの意味………ちょっと分かりにくいです。


「え………」

 

おいおい。まさかいきなりコイツと鉢合わせになるとは思わんかったぞ。

鳶一レキ。一応2-4所属で俺の右隣の席(俺はいわゆる主人公席と呼ばれる場所)に座り、時々俺の私物を盗んでいる容疑が掛かっていて、朝突然ラノベの主人公にありがちなイベントを起こしてくれた本人だ。

しかも無口無欠席無遅刻無感情………本当にラノベにありがちな個性してんなオイ。

「士道、貴方が………“緋弾”?」

 

「………」

 

しかも他人の聞かれたくない事も聞いてくる………俺にとってここまで苦手なタイプは無いぞ。

まぁ、ここはいっそのことバラすか?

コイツはASTだし、俺の事を口外されたとしてもどうにかできなくも無い。

最悪俺自身が緋弾の正体を知ったやつを出来るだけ殺して行き、緋弾の正体を知った奴は死ぬって噂を立ててやればどうにかなる。人間は死を恐れる物だからな。

「あぁそうだ。あと、俺は今日付けで週3勤務でASTに戦闘訓練をすることになった」

 

「………そう」

 

俺がそう伝えると、レキはどこかへ去っていく。

………そうだった。コイツみたいな性格のヤツあるあるとして、自分に害が無くむしろ利がある人間に対しては後ろめたい事も深く追及はしないってのがあったんだった。

いや、まさかこれまでの依頼主にこんなヤツが居たのを忘れていた。

依頼主が多いから相手の性格、パターンを大体の感じで読めるという俺の武器が………まぁ、今からこれまでの依頼主の名前と性格パターン…の中で特に濃いキャラだった人を一人ずつ思いだそう。

確か………

ツンデレ系で女性…篠幅依(しののえ)さんってのが居たな………恋敵を殺してくれって言ってたっけ。

ヤンデレ系なら渚だっけ?そんな人がやはり恋敵を………恋敵殺しの依頼が多いな俺。

良妻系………粉雪なる人が居た。彼女良妻ではあるんだが嫉妬深く腹黒く独占欲が強い………むしろヤンデレとも思えた。だが渚と比べると違ったから良妻系としてカウント。

狂気系…依頼主じゃなくてターゲットだし名字忘れたけどルーマニア辺りに住んでる吸血鬼らしいフランドールって子(500歳オーバー)だな。依頼主は………レミリアちゃんだっけ?(これまた500オーバー)ちなみにこのときの依頼はフランドールを正気に戻してくれってやつだった。

変態系………これもルーマニア在住の咲夜さん。レミリアちゃんに惚れて猛アタックを掛けてるらしい男の抹殺を依頼された。絶対ロリコンだよあの目は。

あと至って普通なのは………アラブの大富豪の知り合いで天才科学者らしい平賀さん。依頼は自分でうっかり作ってしまったヤバい機械の設計図を盗んだ奴を殺し、設計図とその研究所を完全に破壊してくれとの事だった。

俺は戦闘になったときその機械の概要を聞いたが………真面目に考案したやつの頭がマッドだと確定出来るくらいキチガイな機械だった。

まさか永久機関+機械を超高速で製造する機械の2つを作っていたとは。

もち、設計図は燃やして本体は破壊、盗人は全身の動脈を掻き切ったあとに急所を撃ち抜き、爆破しておいたんだっけか。

 

 

 

………あれ?俺の依頼の中にどう考えても物語の主人公がやってる様な事が含まれている様な気が…………うっ頭が。

 

 

 

 

ーとあるAST退院sideー

 

なん………だと………

あのレキが………RYSR(ロボットヤンデレ少女レキ)ことレキが……

他人との会話が三回以上続いただと!?

アイツ…今日付けで教官になったとか言っていたが、どう考えても人外だ………レキの態度から考えて。




今回のタイトルの意味
教官士道の無駄の(かなり多い顧客の)異常性。
士道くんの顧客はほとんど異常。しかもヤンデレ系が多い気が………
ちなみに粉雪ちゃんは白雪の妹という設定ではありません。


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教官士道と親衛隊

………ホワイ?

俺は何やらレキのファンクラブか何かっぽい奴等に囲まれている。

なんだこれは…あれか?勧誘か?それとも盗撮の依頼か?

ちなみに俺の依頼料は暗殺は一人辺り一千万、盗撮は対象によって違うが安いので二万、高いのだと六百万円くらいだ。あと怪盗の手伝いとかは暗殺よりある意味危険なことが多いので二千万以上。

今回こいつらがレキの盗撮を依頼しに来たんだったら三万くらいか?アイツくらいなら盗撮も楽だし、それ以前に俺が盗撮のとき依頼料の基準にしてるのは地位と盗撮の困難さ、あと手数料なので、手数料一万困難さ一万地位一万、合計三万となる。

「あ、あの、どうやったらレキさんとあれだけ長く話が続くんですか!?」

 

………ありゃ?

コイツらまさかあれで長話だと思っているのか!?

だとしたら恐ろしいぞレキ。

会話で三言喋らせただけで尊敬されるとか難易度高すぎだろ。

あれか?あれなのか?ある年に介護ロボットを作った会社が、その動きに拘り過ぎたが故に言葉のパターンが少なくなってしまったあの悲しいロボットと同じなのか?

良く考えるとあのロボットも寡黙な仕事人って感じがして良いと人気だったが、レキもミステリアスな感じがするってやつだろうか。

まぁ見た目は良いし、多分腕も相当に…なおかつ中々折れない感じがしたからな…

おっと、今は質問されているんだった。一応教官として(笑)、教え子の質問には答えることにしよう。

「なんで話が続くのかと聞かれてもな…ああ言うタイプは人の感情を気にせず話すし、さほど重要でもない会話だと基本一言で逃げられるとして、ここはアイツが欲しがってそうな情報を渡してみるとかが良いんじゃねぇか?」

 

俺は、どうにも微妙な答えをするが、それを聞いた隊員達は悩んでいるようだ。まぁ、大方レキが欲しがるような情報を持っていないのだろう。

そうだ、とりあえずここらで仕掛けてみるかな。依頼の話を。

「さて…ここで1つ良い話をしよう。お前ら俺に依頼をしないか?ちなみに値段は盗撮が大体3万から、尾行とかは滅多にないから応相談で、その他私物入手等は五万円からだ。どうだい?」

 

これは俺のビジネスであると同時に、信頼関係と言う名の発言力を手に入れる為であり、更に人に言えない事を共有することである種の一体感も生まれ、更に金を楽に稼げる。なかなかの妙案だろ?

まぁ、これに乗るかは分からねぇがな。

乗らなくても良いが、乗ってくれると後で楽になる。隊員との繋がりはかなり大事だしな。

「では、寝顔の盗撮をお願いします」

 

お、一人乗った。てか寝顔かよ………まぁ、侵入することが前提だがブービートラップとかに気を付けておけば行けるか。俺ピッキングは趣味から派生して得意だし。

「三万で契約金一万五千、成功報酬として一万五千、買い取りは一枚二千円な。ちなみに一枚だけ成功報酬と交換で買えるぞ」

 

俺がそう言うと、隊員…仮称依頼主Aは一万五千円を渡してくる。

契約成立だ。まぁ今日は一度ここの地理を頭に叩き込んで、実際に依頼をこなすのは明日か明後日………いや、明日、その夜にしよう。

明日は丁度綺麗に星空が見えると言っていたから、暗闇に紛れての侵入も容易だからな。

 



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暗“撮”者士道の無駄に洗練された無駄の内無駄に華麗な任務

あれ…………なんかマトモなの書こうとしたらこうなった……バテてんな俺………


ドゥエ。と言う言葉をご存じだろうか。

まぁ所謂TAS………ツール・アシステッド・スーパープレイと呼ばれる人達が行ったとか行ってないとか言う移動方である。

やり方は簡単。まず斜め前にジャンプ。そして急降下キック。そして地面に付くと同時にまたジャンプ………と言う具合に気持ち悪い動きである。

まぁ、それは人間にはほぼ確実に不可能なのだが、実は俺は出来る。

しかも走るよりどことなく速い速度で。

まず0.04秒で0.5m上にジャンプと同時に0.7m進む。そして急降下キックで0.06秒間に1.3m進む。

つまり0.1秒間に2m進めるのだ。まぁ弱点と言うとドゥエ中は何も持てず、しかも戦えないんだが………ただ進むだけならこれが一番速いと思う。

そんなドゥエを、俺は今回の依頼………暗撮に使うのだ。

理由は二つ。1つはASTの隊員や警備員の思考をフリーズさせて俺の顔を認識させない為と、高速で進み迅速に終わらせる為。その2つである。

つまり、変な動きで唖然とさせて一気に終わらせようという魂胆である。

今回の持ち物はレッドホーク一丁、高性能小型百徳カメラ、そして気合いだ。

まず、俺は現在も琴里に俺が暗殺業とASTの教官をしている事を悟られない様に住んでいる自宅から、夜の散歩をするかの様に歩き出す………何か居たな。

とりあえずそれは放置しよう。俺の部屋に侵入したらキツ~いキルトラップがあるからどうにかなるだろ。それに琴里のリボンには発信機を付けておいたから誘拐されても大丈夫。

よし、依頼続行だ。

俺はゆっくりと進んで行き、周囲に誰も居ない事を気配と百徳カメラの機能の1つ、レーダーを使って確認する。

そして………ドゥエる。

つまり斜め前にジャンプ、急降下キック、ジャンプ、キック、ジャンプキックジャンプキックジャンプキックジャンプキックジャンプキックジャンプキック………ドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエドゥエ………ハッ、俺は何をしていたんだ。

何かドゥエってるとまれに意識が飛ぶ。

まさかネコネコ動画に『変態に俺はなる~ドゥエリストを目指して~』と言うネタ動画の時にドゥエドゥエ言ってた後遺症か?早急に直したい。

まぁ、それでもドゥエが脳内再生だから良いとしよう。

ASTの宿舎だ。

ここにどう侵入するかが難しいが………実は既に目星を付けてある。

まず外壁の一部を凝視し、そこに足場を見付ける。

そしてそこに跳躍し、ベランダから侵入する。

そして、ベランダの窓の鍵は………おっと、催涙スプレーか。これは回避。

気を取り直して解錠………今度は黒い毛糸に鈴を付けたもの………どこまで警戒が深いんだか。

まぁそれは触れない様に体を曲げて対処。

これでようやく解錠作業が出来るぞ。

ここの鍵の構造は意外にも単純で、鍵1つで開け閉めが可能だ。ただし外からは開けられない………ちなみに鉄製。

なのでそこにカメラの機能の1つ、かなり強力な電磁石を使って鍵の持ち手を遠ざけて解錠する。

あとは寝室………呼吸音的にあっちか。

俺は寝室に向かう。

その途中のトラップは悉く回避して。だ。

あと途中に変な青髪の来禅高校一年生生徒の写真があったけど俺のではな………いよな?

まぁそんな訳で、俺は寝室に着いた。

ここからが正念場だ。

まず息を潜め、気配を消し、カメラを無音撮影に切り替え、部屋に入る。

するとそこには、ドラグノフ狙撃銃(最強と名高いC.C.Cより強い様に見える)を抱え寝るレキの姿が。お前の恋人は銃かっての。

とりあえず撮影。寝顔を撮る。

結構寝顔は売れそうだな………ククク。明日が楽しみだ。

俺は、大体二十枚ほど撮ってから、レキの家を脱出し、自宅に帰還した。

 

ー翌日・レキの部屋ー

 

「撮影成功………!」

 

昨晩、私の部屋に士道が来たらしい。

ドラグノフにこっそり取り付けた録画機能が、士道が私の寝顔を撮りに来ていたのを録画していた。

今回のは顔がしっかりと…しかもクールかつ光の加減で美しく写っているから早く印刷しないと………

それにしても士道は盗撮には弱い………弱点発見。

弱みを握るなりなんなりすれば私の物に出来る………

 

待ってて、士道。すぐに私の物にする。




はい、士道がドゥエりました。反省はしている、後悔はしていない。
実はIFでTAS~ツール・アシステッド・スーパーシドー~だなんてものを考えてた事もあります。
でも止めたけどね!乱数調整でknti(これなんてチョロイン?)になるから!
しかもこれでアリア要素付き………書けませんね。だから書かないです。
要望があれば頑張りますよ?

あ、次回からAST訓練回開始です。


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教官士道とASTの模擬戦

はい、ひさしぶりです。
はい、UA6000越えました…………感謝感激ですっ!

と、言う訳で1巻終了辺りで頑張って番外編を書こうと思います。
詳細はあとがきにて。


はーい、どーもー。士道さんだぜー。

あ、いや今のはただ変に間延びした言葉を発したくなったから言ったっつーか………ええいもう説明面倒くせぇ………

まぁ、一応ここで説明しないとどうにもならないから説明させてもらうが、今俺はASTの訓練施設に居る。

ちなみにその経緯はと言うと、学校帰りにASTに呼び出され、何やら今年入った隊員の訓練を頼むと言われたからである。ちなみにこの新入り達、俺の見立てじゃ全員で掛かっても生身だと俺には惨敗、多分ここで採用されているCR-ユニットを何百機も犠牲にして勝てるくらいだろう。勘だが。

ちなみに犠牲と言うのは、俺に特攻掛けて無理矢理随意領域で押さえつけて、そして心臓を一突きして殺すのに成功するまでの挑戦で必要とする数だ。

で、俺がもしCR-ユニット…しかも前に依頼で盗みの協力をしたときに盗んだCR-ユニット…確か名前は【ペンドラゴン】。ちなみに由来は遊戯王らしい。を使ったとしたら、多分精霊とガチで殺り合えるはずだ。

それは俺のCR-ユニットへの適性次第だがな?

さて、とりあえずお手並み拝見としようか…生身で。

「教官…本当にこっちだけ武器つかっちゃって良いんですか?」

 

「あぁ良いぜ?難ならこっちはお前を投げ飛ばしたら勝ち、お前は俺に少しでも当てられたら勝ちって事にしてやろうか?」

 

「いえ、それではこっちの面子が無いですからね………では、行きますよ!」

 

隊員は手に持つ武器…ヤリと見せ掛けたムチ、しかも俺がオーダーメイドでとある天才に作ってもらった物…を持って襲い掛かって来る。

あと、今の内にルールだけ説明するが、隊員達は一人ずつ俺と戦う。そのとき俺は素手、隊員は武器あり。隊員が使う武器は普通の武器と俺が用意した武器の二種類。ただしオール近接。

こんな所だ。

「ぜやぁぁぁ!!!」

 

俺の感想としては、コイツの速さは常人よか上。だが少し迷いがある…そこは直さないとな。

俺はその攻撃を横に飛んで回避し、ヤリの特性を持つが故に少しスピードが普通のムチより遅い部分を踏み、武器を奪い取る。

「さて、ここで最初に教えてやるが…何も武器を奪っちゃいけないとか言ってねーから」

 

俺は、奪った武器を横凪ぎに振るい、隊員を拘束する。

こういうときこれは便利だよな。ヤリの先端が遠心力により高速で動くからすぐに動きを止められる。

そして、隊員の足を掴み、最低限の動きで投げ飛ばす。

このテクニックは多対一の乱戦だと結構使える。投げた敵の体が障害物になって敵の動きを阻害することが可能だからな。

まぁ、一対一でも不意を付けばそれなりに使えたりするがな。

「「「「「き、汚い…」」」」」

 

「何を言ってるんだ?相手は精霊だろ?OK?卑怯とかねーから。戦い方はフリーダムだから」

 

この程度で汚いとかねーぜ?と言って、俺は次に戦う奴を募集する。

って…居ねぇのかよ情けねー。

そんなんじゃ精霊どころか犯罪者一人倒せねぇぜ?

そう挑発すると、隊長らしい奴が…パイルバンカー?を持って俺に戦いを挑む。

あ、?を付けたのは、それがただ右手に付けられたグローブに小型の物が複数付けられているからなんだが…こりゃ面倒な兵器の予感。

「対精霊新型武装、【杭打ちの嵐(パイルストーム)】テストしたいと思ってたのよね…」

 

「つまり、俺が最初の実験台って事か」

 

あれだな。これは実戦登用はまだだが理論上は滅茶苦茶強い兵器だ。

つまり、当たれば強いし外れたら途方もなく弱い。

前にこんな感じの“変態”とも戦ったが、そいつが使ってたあの刀と盾は強かったな。思わず奪って検査して俺の部屋に隠すくらいには。

使わないのは俺のスタイルに合わないからだったり。

まぁ、とりあえずこれがあの刀と盾と同じくらいの当たり武器か、ハズレ武器か試させてもらうとしよう。

「はぁっ!」

 

俺がそう思った次の瞬間、生身にしては速いスピードで殴り掛かって来た。

俺はそれを横に避ける。

これがハズレな感じなら全ての杭が飛び出て次回使用までに隙が出来るが…流石に無いか。

まぁ、ここでまだパイルバンカーとして杭を打ち込んで無いことから察するに、これは当たった衝撃で起爆、杭を打ち込むのだろう。

それも複数だ…いくら小さいと言えど喰らえば致命傷になりかねない。

 

って………いくら俺が強いからって危険な武器の実験台に使うなよ!なぁ!

俺は心中で盛大に突っ込みつつ、パイルストームを繰り出す隊長…確か名前は日下部の攻撃を避ける。

その間に少しずつ攻撃のクセ、武器の射程、生まれる隙などを分析する。

「ぜやぁっ!」

 

「おっと」

 

だが、まれに当たりかける一撃もあるから中々にやりづらい………もうこいつ、もうボクサーに転業してもやって行けるんじゃねーか…?

そう俺に思わせる程に、日下部の連打は強烈だった。

ならどうするか…簡単だ。

避けるのを止め、流せばいい。

俺は、動きを止める。

「これでっ…終わりよ!」

 

「お前がな!」

 

俺はパイルストームの一撃を腕で強引に受け流し、日下部の体制を崩す。

そして、足を引っ掛けて腕を思いっきり引っ張り………投げ飛ばす。

ハイ俺の勝ち。

 

 

 

ーside日下部隊長ー

 

うーん、まさかここまでボロクソに負けるだなんてねぇ………

私、一応趣味で空手(十段)柔道(3日で黒帯に勝った)ボクシング(ワンキル余裕)剣道(自衛隊内の大会で圧倒的勝利のみでの優勝)短距離走(100m8秒99)やってるんだけどねぇ………

今度、合気道と水泳でもやってみようかな………

あ、まずいパイルストーム新兵器だしDEMに現状顕現装置無しでもある程度使える中で最強クラスの装備として送られて来たのに、素手の人に負けちゃった………あぁ誤魔化しが大変だぁー!!!

 




えー、このたび、『緋弾使い士道のデート・ア・ライブ』のUAが6000を突破したことを記念して、番外編をやらせていただきます。
そしてその内容は投票で決定させて頂きます!

なので、以下の3つからお好きな物を選び活動報告にて実施するアンケートに書き込んでください。
締め切りは8/16とします。

はい、では選択肢です。
1.ドゥエルマスター士道(TAS士道のお話)
2.士道くんはどうやらホームズと戦うらしいです(原作アリアのホームズとの戦闘回)
3.もしもレキが妹だったならと言うIF(レキが琴里のポジションになります)

どれもカオスですが、投票よろしくお願いします。


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教官士道とその弟子とラタトスク

今回、かなり滅茶苦茶です………マジすいません。

でもキンジくん出るよ!やったね!


俺は今、中々にイライラしている。

何故かって?簡単さ。

「お前ら体力無さすぎだろもっと粘れよあと2日くらい!」

 

「「「「「普通の人間には無理です」」」」」

 

「いや、精霊殺すなら人外になる覚悟が必要だから。オーケー?」

 

そう、俺の訓練に着いていける奴が少なすぎるのだ。

まだランニング300m×500を5セットしかしてねぇぞ?

俺レベル(精霊と一対一で殺りあえる)になるにはこれを300セットくらい必要だが………まぁ集団だし顕現装置もあるからこの程度(生身)で良いんだが………

弱すぎるぞオイ。俺の弟子一号はこの三十倍を特殊なモード中とはいえこなしてたんだからな………つまり150セットをしてた。

 

まぁ、とりあえずこれは基本的に基礎体力の勝負だからな。

他に何か特化した物を持つ奴が居るかもしれん。

いわゆるスペシャリスト型だ。ちなみに俺はある程度なんでも出来るが銃を使った戦闘が一番得意なゼネラリスト兼スペシャリスト型。

なお、俺の様などっちも兼ね備えた人間は少ないので最悪近接特化の奴と遠距離特化の奴が居れば良いんだが………近接特化のアタッカーになれる可能性が高い奴がまさか三人とは。

まぁ一人は息を切らしまくってるし俺の勘だと狙撃手タイプっぽいから、一度除外するが。

次は銃撃訓練でもするかね。

あ、でも銃撃だったら随意領域で無理矢理当てる事も出来るが………いや、鍛えるに越した事は無いか。

メニューとしては俺が極一般的な構えで普通に撃った弾丸を撃ち落としたり、ドゥエで動く俺に付けられた的に当てる(俺は重り付き防弾シリーズ着用。ちなみに防弾シリーズは長袖チョッキ、長ズボン、覆面)とかかね?

とりあえず、今日はこの2つをやったら解散にするか。

まだ一日目だしな。無理して体壊したらいけない。

コイツらには精々強くなってもらって俺の安定した収入源になってもらうかね。

……………そういや唐突に思い出したんだが、俺の弟子今何やってんだろな…前に教えたいくつかの技で【緋弾】

唯一の教え子として有名になってたからな………アイツ数十件こなして数億円稼いでさっさと引退したらしいが…なんか嫌な予感しかしねぇ。

 

ー一方その頃、side士道の弟子ー

 

なんか、俺の師匠に警戒されている予感がした。解せない。

そして、なんか月給無し給料無し特無しで精霊なる摩訶不思議生命体と交渉してくれと言われた。解せない。

つーか元とは言え殺し屋にタダで何か依頼するとか考えられんわ。

それに俺、この状況ならここ制圧することも………師匠直伝の拳銃戦をすれば出来るな。

いや、あの赤いツインテールは師匠に気配が似てる………相当の実力者だな。

あとあの金髪は前に依頼のとき一度だけ見たことのあるエレン・M・メイザースと同じく、生身で弱くて顕現装置を使うと強すぎるってやつの可能性が高い。

「それで、答えはどうなのかしら?遠山キンジ」

 

「タダはお断りだ」

 

「あら、この状況でそれを言える立場だとでも?」

 

そりゃ普通に考えたらそうだろうな………だが俺には、隠したいが師匠以外のほぼ全人類に勝てる最強のモードがある。

それに、師匠から餞別に貰った切り札も…1つだけ残っている。

最悪それを使えば…勝利は簡単だ。

あとは師匠が1つだけ教えてくれた【緋弾】の俺式改造版、その名も【大地】を使うことも視野に入れるかね。

俺は、常にベレッタを隠して居るポケットに手を伸ばす。

師匠いわくポケットを深く、なおかつ中身が分かりにくくなる様にズボンを改造しておくとこういうとき役に立つと言っていた。それを実践しているが………この仕込みに何度命を救われたことか。

まぁ、出来ればこれを使わずに給料ありでやらせてもらえないかな………

「………それで、タダが嫌なら月どれくらいがお望みかしら?」

 

「月43万を俺の口座へ。振り込み用口座番号これな」

 

43万。死散ってな。

まぁ40万を越えた給料があれば問題ない。

だって俺の口座には既に暗殺で貯めた………何円だか数えるのが馬鹿馬鹿しいくらいあるから、それに月々43万………こりゃ大金持ちじゃねーか。

「少し待ってなさい。不知火!お偉方に月々43万出させなさい!」

 

「アイアイサー」

 

あ、お偉方に交渉するのね。じゃあ俺は今の内に頭の中を整理しておこう。

 

まず俺はここ………フラクシナスだっけ?に居る。

そしてフラクシナスは空中艦で、顕現装置という表には出ない技術で浮いている。

そしてフラクシナスはラタトスクという組織が精霊なる化け物少女と交渉して救済するための組織。

それでその交渉役として何故か俺に白羽の矢が立ったらしい。

で、その理由が俺の中にとある人間………本来ならその人に白羽の矢が立つ筈が、既に的に回って居たらしい………と同じ、精霊の力を奪える能力と同じ能力があるらしい。

ただしそれはキスでしか使えない。

俺はタダ働きさせられかけた。

それで給料要求したから今、お偉方に掛け合って貰っている。

 

………あれ?なんか将来的にヤンデレハーレムとか女たらしの称号を得るとかの嬉しく無いイベントが沢山訪れる気が………俺の勘、良く当たるけど今回ばかりは外れて欲しい物だな。

「どうやらお偉方は、貴方に給料を払う気は更々無いらしいわね。金は充分あるんだからボランティアとかチャリティーとしてやれって言ってるわよ?」

 

「そういう問題じゃ無くてだな、俺はアンタらも知ってるだろうが、殺し屋だぜ?何かを頼まれる時は金を貰うのがルールなんだよ。何か直接的な利害が無い関係は裏切りを生むぜ?って俺の師匠も言ってたしな。だから給料を出さないなら………俺はここの全員を虐殺して逃げるだけの覚悟がある」

 

俺は、師匠に昔、『いくら相手が貧乏だとしても、いくら相手が可哀想だとしても絶対に守れ』と言われた教えを思い出す。

今思うとこれは殺し屋が裏切られ、殺されない為の安全装置の様な物かも知れない。

それに、金を受け取っているから、それで逃げたらただの詐欺だ。

つまり自分の名が廃れ、殺し屋としてやっていけなくなる………つまり、自分自身が裏切れなくなる戒めでもあるのだ。

そして、依頼者側も、金を払ったふりだけして金を払わなければ自分がその殺し屋に殺されかねないし、そうでなくても『アイツは金を寄越さない』という噂が立って殺し屋を使えなくなる。

つまり、お互いに裏切れなくなるのだ………

だから、俺はこれまでずっとしっかり金を取ってきた。

たとえ相手が闇金による違法行為のせいで経営がヤバい会社だろうと、契約書に書いた額面はしっかりと取った。それのお陰でそういう相手にはこれまで裏切られた事は無い。

まぁ、これも引退寸前の奴には関係無いんだろうがな。

いくら名が落ちようとすぐに辞めるから意味が無く、最後だからその依頼主を殺して財産をかっぱらっても良い。

俺はそんな事はしたくないがな。流石に盗みには抵抗がある。

殺しは仕事だと割り切ってるから良いが、それ以外はな………

え?なに人殺しという最悪の犯罪をしている時点で犯罪への抵抗とか言われてもねぇ。だって?

なに言ってやがる殺しは仕事だよ犯罪じゃなくて仕事だよこれまでの歴史で何人が殺されたと思ってる言ってみろよ俺も分からねーけど。

だがな、殺し屋には信念と自分のルールって物がある。

そこらの殺人犯と一緒にするな。

…って俺何に怒ってんだか。

「………不知火!あとで43万円、経費として落としておきなさい!」

 

「了解でーすっ。でもバレたらヤバくないっすかー?」

 

「大丈夫よ。コイツが居ないとお偉方の目的も何もかも根底からゼロになりかねないから、コイツを雇うのに必要な経費として落とすのよ」

 

なるほど………交渉役を雇う為の経費として、俺の給料を払うのか。

でもそれじゃこの人………てか見た目中2の赤ツインテール幼女がクビになったりしそうで怖いな…

「アイサー」

 

「さて…これで良いわね?」

 

「このやり方じゃアンタがクビになったりするんじゃねーか?」

 

俺は、一瞬の判断で俺の給料を経費として落とすことを(勝手に)決めた幼女………今は俺を雇ってるんだし、雇い主さんと呼ぼう。に、さっきから気になっていた事を聞く。

「私は大丈夫だと思うわ。それに、乙女にはたくさんの秘密があるのよ」

 

秘密…ねぇ。例えば雇い主さんが精霊で、ここで本気出して暴れればこの船をすぐに落とせるとかか?

あとは………俺と同じ事が出来る敵の弱点になりうる人材とか?

分からんな。

まぁ、本人が大丈夫だと思ってるなら良いだろう。

俺はただの殺し屋。難しい事を考えはするがそれを口にする意味は無いしな。

 




はい出ましたキンジくん。
まぁ予想出来ていた人も居たのでは無いでしょうか。精霊が白雪っぽいですからね。
それにしても琴里ちゃんの行動が強引かつ雑でした………しかも不知火が神無月と入れ替わり…………カオスですね。
ちなみに不知火が神無月になった理由はこんな感じです。
神無月→顔が良い→不知火
単純な事でした。ちなみに無気力系なのは色々悟っちゃってるからです。
それではまた次回。


あ、まだアンケートは実施中ですよ!


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師匠士道と転校生の弟子

はぁ………俺は、通学路であることを分かってながらも、そんな溜め息が出るほど、昨日のASTの人材の微妙さは酷かった。

いや、一人一人は悪くないんだ。

ある奴は槍を持たせたら結構強かったし、とある銃がまったく当たらない奴は弓をジョークで持たせたら途端に命中率が上昇した。

それでも…そるは天才とは言えても天災の精霊に太刀打ちすることは不能だ。

しかも、精霊に普通の武器は効かねぇらしい(昨日の帰りに調べた)し…魔力で強化とか訳分からねぇ。

いや、なんとなく魔力という物質…エネルギー?で物体を強化して、精霊という常識外の存在にダメージが通りやすくなるって事だろうが………これまでの戦闘結果からして、多分ほとんど効いてない。

つまり、俺の【緋弾】も効かない………いや、もしかしたら【天弾】も効かないかもしれないな。

天弾が効かないとなると、俺にはどうしようと無いが…いや、まだ検証はされていない。効かないと決め付けるのはまだ早すぎる。

 

………よし、もうこの思考は一度放棄しよう。

学校生活を送る上で、なおかつ俺が緋弾であることをこれ以上多くの人間に知られない為にも、こんな秘匿事項だらけの事を考えるのはよそうじゃないか。

それに、今目の前に俺の個人的感想では一番めんどくさい奴が居るしな。

「五河士道」

 

「鳶一か。おはよう」

 

「おはよう。士道」

 

周囲から恨みの籠った視線を向けられるが、殺気は無いため無視。

鳶一レキ。俺はこいつを、今のところ一番めんどくさい奴兼、良く出来る奴と捉えている。

まず、めんどくさいと言うのは、コイツは学校では人気のため、コイツと一緒に居ると視線を向けられ、隠れにくい。

だが、ASTの俺が教えてる奴等の中では三位以内に入る奴だからな…邪険にも出来ない。

コイツはメリットとデメリットが釣り合っていて面倒だからな。

デメリットが大きいならさっさと逃げて無視して嫌われた方が良いし、メリットの方が大きいなら好感度を上げておく方が良い。

だが、メリットとデメリットが釣り合っているこいつの場合、邪険には出来ないが好感度を上げすぎるのも面倒………ほら、めんどくさいだろ?

まぁ、とりあえずは今のこの好感度を維持しますかね。

「で、何か用か?」

 

「特に用は無い」

 

「そうか」

 

これで会話は終わる。

これはこれでコイツのメリットとも言える………か?

まぁ、話がほぼ確実に短いから間違っても色恋沙汰だとは思われない。

それは一人で居る事が個人的に一番楽な俺としてはメリットである。

こんな有名人の色恋沙汰とか、相手にも新聞部とかの魔の手が迫る事は確実だからな。

後は、特に重大なイベントも小さなイベントも何も無かったため、割愛させて頂こう。

 

ー校舎内ー

 

つくづく思うのだが、何故俺の席はレキの真後ろなのだろうか。

あと、、今日は俺の対極側………通路側一番後ろには、いつもと違い、分かりやすく新たに設置された席がある。

前者はまぁ、割とどうでも良い。

だが後者は………一波乱の予感がするぜ。

俺がそんな事を考えているうちに、先生が入って来る。

「お、おはようございます!今日は、転校生が居ます!」

 

先生がそういうと、クラスの全体がざわめきだす。

まぁ、転校生なんて来ない事の方が多いしな。それが男だろうが女だろうが性別は問わずに、来たらざわめくだろう。

さて………来る奴は男か女か?

「先生!男子ですか!女子ですか!」

 

一人の生徒が、うるさいが、ほとんどのクラスメイトの気になっていた事を質問する。

「男子です」

 

すると、男子達がため息を吐き、女子達は歓声を上げる。

一体何が良いのやら。というかお前ら、一応HRなんだから落ち着こうぜ?

「先生、もう入って良いですか?」

 

「あ、はいどうぞ!」

 

!?

ちょっと待て……今の声アイツか!?

俺アイツに『もう、教える事はない』的な感じで肝心な所だけ教えずに(教えたら勝てなくなる気がした)逃げたんだぞ………殺されるかもしれん。

殺し屋の恨みって怖いからな………

「あ、どうも。遠山金次です」

 

大当たりだ………そして大外れだ。

アイツが…俺の唯一の弟子が来やがった。

遠山金次が。



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元師匠士道と元弟子金次

放課後の事だ。

一応ASTとの契約は週三だから、今日は教官としての働きはしない。

今日は、放課後にアイツも呼び出したしな………

「で、テメーは俺を殺しにでも来たのか?」

 

「あっ、いやししょ………「士道だ。他人に聞かれたらどうする」士道さん、俺は恨んで殺しに来たとかじゃなくて、仕事の一貫ですよ」

 

「そうか。なら良いんだ」

 

俺は、金次の話を簡単に信じたフリをして、気配を徐々に消しながら屋上を去っていく。

そして、壁の裏に隠れ、隠して置いた予備の銃………何も俺がレッドホークしか持ってないとは言ってない………を手に持ち、自分に二発の天弾を撃ち込む。

その天弾は【雲】と【霧】。

【雲】の効果は雲のごとく増殖する効果…つまり、分身生成だ。

そして、【霧】の効果は幻術………俺は今回それを、自らの姿を消す事に使用した。

今日は金次を追跡させてもらおう。アイツがどんな依頼を受けているかは俺の死活問題………というか俺の命に関わりかねないからな。

アイツの戦闘能力は一部の状況下においては俺に匹敵しうるし………俺を殺しに来る可能性が非常に高い。

いや、依頼がそういう類いのやつで無い方が俺的にも良いんだが、最悪殺されるって事を考えると先手は打って置いた方が良いんだよな。

俺は、まず【雲】の天弾を使い分身し、【霧】の天弾で自分の姿を消す。

そして、分身に家には帰らず、俺が金次が受けている依頼がどんなものか確認したら適当なデパートに行っていつでも入れ替われる様にしておけと命令し、俺は金次が来るのを待つ。

だが、アイツの足音はしない………まさか、顕現装置を使った転送装置でも使っているのか?

だとしたら面倒だな………追うのにも相当なリスクを伴うぞこりゃ………

だが、ここで追わずに何も知らないまま暗殺されるのも難だ。

よし、無茶を承知で突入しようじゃないか。

俺は、自分の姿が消えているのを確認すると、金次の居た場所を見る。

案の定、金次は転送されかけの様だ。

今回は俺も巻き込ませてもらうぜ?

それに、昔依頼で顕現装置を使った転移を邪魔して自分が割り込む方法も習ったしな。

まず、俺が使うのは天弾の1つ………今日は天弾を結構使ってるな…まぁ良いだろ、俺は天弾の1つ、【雨】を装填する。

そしてそれを即座に金次に撃ち込む。

【雨】の効果は鎮静。どんな物だろうが無理矢理鎮める事が出来る。

それが怒り狂った猛虎だろうと、魔法だろうとなんだろうと。

そして、それは顕現装置の力すら一時的に無効に出来る。

つまり………それを撃ったら転移し掛けていると言う状況を、転移する前の状況に戻せるのだ。

で、そうなっても転移装置そのものには鎮静の効果が働かないので、転移装置を止められなければ、俺でも使えるんだ。

そんなテクニックを利用し、俺は金次の転移を止めて、自分をどこかへと転移させた。

 

 

 

ー???内・恐らく転移装置が置かれて居るであろう突入口ー

 

さて、侵入成功だ。

で、恐らくここは空中で、この場所はそこを飛行する空中艦…しかも顕現装置を使った迷彩を施された空中艦だ。

つーかさ、こんなもんが天宮市の上にあるのかよ………あーいや、よく考えると顕現装置のシェアNo.1の…デウス・エクス・マキナ?和訳すると確か“機械仕掛けの神”なる意味を持ってた気がしなくもない厨二感溢れるネーミングの会社にいくつかあったな天宮市の上を飛んだやつ…とりあえず、ここの所属を暴くことも脳内に入れておこう。

さて………潜入開始だ!

 



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潜入士道と最悪の真実

お、遅れましたぁ!
すみません。マジですみません。
しかも今回完全なシリアス………その上ちょっと急展開。




さてと、まずはここの所属を調べるのが先決だが………マップかなんかがあるか探して見るか。

まず最初に見るべきは通路。その際にマップが無かった時に備えマッピングもしておくといい。

今回マッピングに使うのはスマートフォンの自作アプリこと『マップクリエイター』。

これを使うと効率よくマッピング出来る。

まず道幅をスマートフォンに入れておいた距離計測アプリで測る。そして道を壁に沿って歩き、マッピングを開始する。

そしてドアを見付けたらその部分にドアを示す記号を置いておく。

それを繰り返し、ひとまずこの階のマッピングは終了する。

よし、部屋を1つずつ探って行くとしよう。

まずは最初に居た部屋だ。念のため盗聴アプリ(自作。壁に押し付けると部屋の中の会話が筒抜けになる)で中に誰か居ないか確認し、侵入する。

どうやらここは顕現装置を使用した転移装置といくつかの機材だけしか無い様だな………

一応、パスワードは解析しておくか。

これはちょっとしたパスワード解析用ゴリ押しアプリ……ざっくり言うとシステムに侵入して正解のパスワードを見付ける為のアプリと鑑識風セットで解析するか。

まず特殊な粉を筆で塗る。

そしてそこにブラックライトを当てると…指紋が浮き出る。

使用されている数字は4829の4つか。

とりあえずこれを覚えておき、粉を慎重に拭き取る。証拠は残さない。

そして、パスワード解析用ゴリ押しアプリに4829の4つの数字を使用した数列のみを打ち込むよう設定、解析を開始する。

解析完了。4928298294か。長いもんだな。

まぁこれくらい長くないと面倒だがな。つーか何故にこれほどヤバい場所で数字オンリーのパスワード………よく考えればここ、入るのも難しいんだったな。だから簡単なパスワードで良いんだろ。

そう勝手に納得し、しっかりと頭に刻んでから携帯にメモし、その場を去る。

次はここの右の部屋だ。恐らくここの隣にあることから、負傷した誰かを拾った時のために医務室があるか、ちょっとした生活施設があるのだろうと検討をつけ、中に誰も居ないかどうかを盗聴して調べ、侵入する。

………どうやら倉庫の様だな。こんなところに倉庫を作るとか防犯意識がなってない…………そもそも俺みたいな例外を除けば入れないから防犯もクソもねぇか。

とりあえず少し見ておくか。何か情報があってもおかしくは無い。

まぁファイルとかは………なんで俺の写真があるんだ?

いや、きっと俺の情報を集めるためだろう。

あとは………今度は…厳重に封がされてやがる。多分これはこんな露骨な倉庫にあるわけが無いと言う固定観念が故に見付かりにくいとかの理由からだろう。

とりあえず、あとで直せる様に慎重に開封していく。

そして、十二枚ほど開いたところで、中身が出てくる。

見たところただの古いアルバムだが…この作りからして十年以内と思われる。

内容がどうなっているか気になる物だな。

「■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

 

しまった…誰か来たみたいだ。

ここに入ってくるとは限らないが…一応隠れないとまずいか?

とりあえずアルバムの封を全て隠し、アルバム本体は懐に忍ばせた。

あぁクソ、今の会話と声はドアの防音性能が中途半端に良いせいで聞こえなかった………まぁ良いだろう。

とりあえず今俺は透明なんだから、今来た奴等が入ってきたら速攻で脱出しようじゃないか。

「さて、リオ、ここらに君の訓練用ソフトが………」

 

ドアが開き、銀髪の女性と金次が入ってくる。

俺は、そのドアが開いている間に倉庫脱出し、別の部屋に移動することにした。

今度は、人があまり来なさそうな場所を探してそこで今のアルバムをじっくり見るとしよう。

さて、丁度良い場所は………あった。よく考えると多少明るくて人があまり来ない場所なら良いんだった。

つまるところ、適当にトイレに籠っていりゃ良いのさ。

都合の良い事に、さっきのマッピング時にトイレは見付けてある。

俺はそこに向かい、個室に籠った。

そして鍵がしっかりと閉まった事を確認すると、アルバムを開いた。

 

 

 

そこには……………

 

 

 

 

 

紅の着物を纏い、明らかにサイズの合っていない炎を纏う大斧を持つ琴里の姿と………

 

琴里が精霊であることを証明し、その戦闘力が他の精霊すらも圧倒する代わり、理性を蝕むというデータが記されていた。

 

………嘘だろ………?

いや、きっとこれは間違いだ。きっと顔が瓜二つで同姓同名の精霊だ…そうだそうなんだ………

いつもの俺なら『ああそうか』で済ませられる様な事だったが………身内で、唯一護りたいと思っていたただ一人の家族が、俺が殺さなければいけないかもしれない標的(ターゲット)候補の一人だったかもしれないだなんて………

 

俺は、自分が何を考えているのかすら分からないまま、次のページを開いていた。

 

そこには………

 

 

 

俺…否………“精霊”『グリムリーパー』の詳細なデータが記されていた。

 

 

俺も………人間じゃない?




真実は残酷。今回の話のコンセプトに近い物です。
あと意味深すぎる士道が精霊だったデータ………ちょっと理由ありです。

ちなみに次回投稿は未定ですが、ざっくり言うと次回は士道が色々吹っ切れます。

※オマケというかこれからの概要
※現在の予定なのでほほ確実に変わると言っても過言ではありません。

1巻⇒士道&???メイン
現在???さんは一度も出ていません。そしてキンジが空気化していてかなり不安だったりします。

2巻⇒四糸乃orレキメイン
四糸乃は癒しです。
そしてレキも癒しです(重要)。

3巻⇒???&狂三メイン
師匠。この一言に尽きます。

4巻⇒琴里メイン
もうお察しの通りです。
でも色々カオスになりそうです。


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災厄の精霊と更なる力
悩む士道と殺されたがりの精霊


えー、今回ちょっと1巻をサクッと終わらせる為にフラクシナス脱出を省きました。
あと、今回の最後に大事なお知らせがあります。










大事なお知らせがあります。
本当に大事な事だから二回言った。


俺は街の中を、何か意味があるわけでもなく、ただただ無意味に歩き回っていた。

琴里の事もなんとかケリを付けないといけないし、俺自身の事も何か新たな情報を見付けておかないといけない。

だが………今は何も考えられない。

これまで精神を揺さぶる様な事なんていくらでもあって、そのどれにも対処出来ていたと言うのに………今回はなんともならない。

これがバレてしまったら政府やASTは琴里を殺そうとするだろうから、誰一人として頼れない。

いや、頼る事が出来る奴も居る………だが、そいつを頼ればいずれ琴里を利用しようとするだろう。だからアイツは頼れない。

 

だから………俺一人でどうにかするしかない。

大丈夫だ、これまでずっと…一人で何千何百という命を奪って来たじゃないか。俺自身にそう言い聞かせる。

「そこの君!今何時だと思って…」

 

「黙れ…」

 

「ッ……!」

 

ずっと考え事をしていたからか、何者かに接近されていた様だ。

だから速やかに対処しよう。

念のため銃に手を伸ばし、脅しをかける。

本物の殺気を向けてやれば、普通の奴ならすぐに意識を奪える。

だからこれで終わる…筈だった。

「君はあのときの………」

 

「何を言っている」

 

「いや、君が覚えていないことを覚えているだけだよ。ただ、私について自己紹介するなら…君に昔救われてまた呪われただけの“精霊”さ」

 

精霊………そうか、道理で殺気を向けられて平然としているわけか。

精霊なら現れただけで敵意の対象となり、常に殺気に当てられる。

慣れる訳だよ。

………ただ、精霊だと言うならコイツは何者なのか。

一応あの資料は読んだが、アレには俺と琴里、【プリンセス】【ハーミット】【ナイトメア】【ベルセルク】【ディーヴァ】【ウィッチ】のデータがあったが、コイツの容姿からして既に見付かっている精霊では【ディーヴァ】が怪しいが…違う気がする。

あくまで直感なのでそれだけで判断するわけには行かないが、1つの可能性としてコイツが新たな精霊だと考えておいても良いだろう。

「だから………また私を救って………殺しておくれよ」

 

!?

何言ってやがる……誘いか?それとも本気か?

どちらにせよ、ここで殺しておけば精霊を減らせる…だが、コイツは俺が覚えていないことを覚えていると言った。

殺すには惜しい。

「俺はお前をタダで殺す気は無いぞ?」

 

「それなら対価として…君が欲しがっている全ての情報を、私が知る限り教えようじゃないか」

 

そう言ったあと、謎の精霊………名前は分からんから仮称【アンノウン】は『死人に口無しと言うし、秘密なんて人に教えた方が楽しいからね』と続けた。

一体なんなんだコイツ………考えが読めん。

自分を殺せと依頼する奴は初めてだし、そのために支払う対価を………それこそ政府にでも売れば数億してもおかしくないと推測出来る情報で支払おうとする。

 

それに、何故自分を殺せと言うのか。

例え精霊でも、自分自身が使う武器………天使で自分を攻撃すれば死ねるだろう。もしかしたら天使がたまたま攻撃に転用出来ないタイプなだけかも知れないが。

それに、精霊であるコイツが死にたいのなら、極論俺が一番頼りたくない知り合いの部下の奴の目の前に出てやれば殺してくれるだろう。嬉々として。

「あぁ、今何故私が君に私を殺してくれと頼んだか知りたいと思ったね?理由は1つだよ。君以外に殺されたくないのさ」

 

「何故………俺に殺されようとする。何故俺に殺されたいんだ」

 

「フフフ………それは君が、いつか自分で知らなきゃいけない事さ。まぁヒントはあげよう………影と緋には深い繋がりがあるんだよ」

 

影と緋………影は分からんが、緋は俺である可能性が高い。

なら影は…誰なのか。

「さて…長話も面倒だよね」

 

「そうだな」

 

「だと思って私はすでに君が知りたい事を全部一冊のノートにまとめてある」

 

アンノウンはそう言って俺に一冊の白いノートを見せびらかす。

そしてそれを開き、中身があることを伝える。

俺はそれを確認すると、懐から銃を抜き、アンノウンに突き付ける。

「さて…最期に2つの質問だ。お前は何故自殺せず俺に依頼した?」

 

「………それは私の天使を見てくれた方が早いね…【神忌邪業(ルシファー)】」

 

アンノウンは俺の問いに対して、天使を召喚することで答えを示そうとする。

 

神忌邪業。それがこの天使の名前。

七大罪の1つ、傲慢の悪魔としての一面と、天使としての一面を合わせ持つルシファーが示す通り、その姿は神々しくも邪悪、まるで同時に存在し得ない2つの何かが同時に存在しているかの様な姿で、常に何か白い鱗粉を撒き散らしている。

「これが私の天使さ……ただ存在するだけで世界を滅ぼす可能性を持ち、所持する精霊……私の命を世界に縛り続ける呪い」

 

アンノウンはそう語り、天使を消す。

存在するだけで世界を滅ぼす可能性を持ち、自分を殺させない天使………か。

道理で俺に依頼する訳だ。

何故知ったのかは分からないが、俺の持つ天弾には【あらゆる運動を鎮静化させる】【全てに置いて均衡を作り、それを維持させる】【例え何であろうと破壊する】3つの能力がある。

それを全て使えば、護りを天弾で無理矢理押し止め、その状態をニュートラルとして均衡を作りそれを維持、そして最後の天弾で命を奪える。

 

だが………いや、これを考えるのは止そう。俺の考える事じゃない。

俺はただ、報酬分の働きをするまでだ。

「それじゃ、ノートを渡してもらおう。精霊は死ぬとき死体ごと持っていた物が消滅するとかだと困るからな」

 

「良いよ。ほら」

 

俺はアンノウンからノートを受け取り、それをポケットにしまう。

そして………二丁のレッドホークに合計三発の弾丸を籠める。

そして腕を振り抜き、まず鎮静の天弾【雨】を撃ち込む。

この天弾を脅威と感じ取ったのか、神忌邪業は自動で現れそれを防ぐ。

だが天弾が持つ鎮静の力によりその動きは止まる。

そこで素早く二発目、調和の天弾にして俺が最初に造り出した天弾【大空】を撃ち込み、神忌邪業が完全に無効化されている現在の状態をニュートラルと誤認させる。

 

そして………………

 

 




大事なお知らせ

この度、この先のルートが僅かに(本当に僅かに)変わるアンケートを実施します。
まぁこの先のルートだけならそうですが1巻最後のバトルが人外(チートすら凌駕している)vs???か人外(一応まだギリギリ人間)vs精霊になるかってのもありますが。
そんな訳で活動報告にて、アンケートを実施します。
今回出てきたアンノウン(名前は一応決まっています)が士道に殺されたか否か。それを決めます。

殺された。なら1
生きている。なら2でお答え下さい。

期限は10月1日です。
ちなみに活動報告です。感想欄に書くと規約違反になってしまうので、ご注意を。


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番外編・病み気味士道とその想い人

とりあえずアンケートが終わるまで本編ではなく番外編を書こうと思って書いてみました。
実はこれ、別作品として考えた物を無理矢理この作品の要素を混ぜて作った物なんです。
だからもうてんやわんや。



ー士道side1ー

 

俺、五河士道の1日は最愛の人に近付く塵芥を痕跡を残さず消す事から始まる。

彼女は美少女すぎて周りに悪い虫が寄ってたかるが、優しい(ここ超重要)彼女は違法な方向性に走った奴等に魔力処理済みの銃を放ち植物人間にすることしかしていない。

まぁ、そんなことだから馬鹿で愚かで汚い虫共を毎朝片付けなければいけないのだ。

随分前に師匠に『暗殺の技術をそんなことに使うのはやめとけ』と言われたりしたが、仕方ないだろう、彼女に近付く悪い虫を無くして彼女の安全を護る事が俺の使命だ………って言って師弟で大喧嘩したが、彼女への想いで圧勝した。

おっとそんなこんなで語っている内に彼女が起床する時間が近くなってしまった。

急いで死体を片付けなければ。

こんなときは天弾【嵐】で完全に破壊してしまおう。

この虫程度に天弾を使うのは勿体ないが、彼女の精神への影響を考えるとこれを見せてしまう訳には行かない。

だから今日殺した虫共をサクッと消滅させる。

 

そして、家に帰り朝食を作り学校にまるで普通(笑)の高校生の如く通う。それが俺の日常だ。

 

だがそんな日常にも、極稀にボーナスがある。

登校中に彼女と軽く話せたり彼女を発見出来たりだ。

お前変態か!?って?何を言ってるんだかさっぱりだぜ。

「なぁ五河よ」

 

「なんだ殿町、ぶっ飛ばされたいのか?」

 

「出来れば女子更衣室ま………ふんぐるいっ!」

 

屋上で彼女の観察をしていたら近くに居たクラスメイトの殿町がうざかったので顎に盛大なアッパーを喰らわせて放置する。

これも俺の日常である。不本意………ものすごく不本意ながら。

 

そして、俺の最も大事な(暗殺の依頼の1.5倍くらい大事な)イベントは………体育の授業中にある。

いつも無表情な彼女がやはり無表情に汗を流す姿!最高じゃないか!だから俺はこの瞬間を(隠しカメラに)焼き付ける!

 

………すまんな。取り乱してしまった。

だが彼女の事は俺が我を失い掛けるくらい大事なのだ。

そこら辺は理解してくれ。

 

ーレキsideー

 

私、鳶一レキの1日は彼が今日も私と一緒に居てくれていたことを確かめる事から始まる。

彼は私なんかの為に力を振るってくれるし、変質者達から護ってくれる。

それに………彼は何回も何回も私の命を救っている。

彼自身に聞いたとしてもはぐらかされるだろうけれど、それでも私は彼が私を救っている事を忘れない。

それに………私が彼にどこまでも依存してしまっている。だから忘れようが無い。

離れられないし、離れたくない。

彼に嫌われる位なら死んだ方がマシだし、彼がどこかに行ったなら地獄の果てまで探す。

皆それを異常だとか言うけれど………きっとこれはただの愛なんだと思う。

 

ー士道side2ー

 

今日は何やら俺の運勢だけぶっちぎりの全世界一位みたいだ。

帰る為に下駄箱を開けたら手紙が入っていて、それを見たらラブレターの類いだったから僅か過ぎる可能性を夢見て送り主を確認したら………彼女だったのだ。

そう、彼女だったのだ。

それを見た瞬間色々吹っ切れた。

自然に体のリミッターを解除して指定の場所まで壁をすり抜け障害物を吹き飛ばし鉄格子は無理矢理こじ開けて走った。

そしてそこには………

 

 

不 良 A が 彼 女 を 押 し 倒 し て い た

 

よし死刑だ私刑。はよ死ね今死ねすぐに死ね。

彼女に触れた罪は重いつまり死ね。

 

おっと、少し取り乱してしまった。KOOLに行こ………COOLに、行こう。

まず警戒されている事を物ともせずニコニコと近寄り………不良Aに蹴りを入れる。

下手すれば内蔵が破裂しかねない威力のを。

死んだら死んだで問題ないし、内蔵だけにダメージが行くように気を付けて蹴ったから血が出ない。つまりただ気絶しただけだと勘違いされやすいのだ。

まぁそれは置いておこう。アレが死のうと俺には関係無いから。

本題は彼女なのだよ。不良はあくまで邪魔物。

「で、今日はどう言ったご用件で?」

 

とりあえず仕事の時のごとく(声が裏返ってるが)彼女にどう言う用件なのか聞こう。うんこれで大丈夫だ。

「………付き合って欲しい」

 

…………おっとフリーズしてしまったよ。付き合って欲しい………な、何を?

相当頭が混乱し出すが(どうにも俺は彼女に対する耐性がマイナス方面に振り切っているようだ)どうにか次の言葉を切り出す。

「ほ………why?何かやりたい事でも?」

 

「そういう意味じゃない………つまり」

 

数秒ほどインターバルを挟み、彼女は言う。

「私と交際して欲しい」

 

俺はこの一言を聞いた瞬間、混乱しまくったのと頭に血が上った事が重なり…失神して倒れてしまった。

これが仕事だったら死んでるな。俺。

 

 




結論。士道のレキへの想いがマジで重すぎて周りのレキファン達の命が危ない。

なんでこうなってしまったんでしょうねー、不思議ですねー。



まだ活動報告でアンケートは実施中です。奮ってご参加を!


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壊れた緋弾と気になる二人

今回のタイトルにシリアス感を感じた方、実は今回さほどシリアスじゃないです。
前回のシリアスどこ行った。
とりあえず色々お知らせを。

1.アンケート結果
2対0でアンノウンちゃん生存ルートへ。
とりあえずアンノウンちゃんを緋弾のアリア組の誰にするかを考えないといけないので、しばらくアンノウンちゃんの容姿は語られません。

2.祝!UA10000突破!
読者の皆様に全力の感謝を。
ちなみに作者の書いた物でUAも評価もこれがトップです(キリッ
でもお気に入り数は別のが一番………
でも10000はかなり嬉しいです。



4月半ば。天気も悪くない。

だが………どうにも気分が晴れない。というか違和感が拭えない。

俺はつい先日、仮称を【アンノウン】とした精霊に自分を殺せと依頼され………“依頼料の分だけ”殺してやった。

その時、『フフフ………君はやはり面白いね。私からの依頼を難癖付けて断る。か…まぁ、私が私を殺せないのは変わらないし………』と言って俺を押し倒してキスをしてきたのだが、その時依頼妙な違和感があるのだ。

あれ以来いつも通りの天弾が作れないし、緋弾を撃とうとしても弾が何故か検討違いの………正確に言うなら、弾を撃つ瞬間が遅くなってしまい検討違いの方向に飛んでしまうのだ。

理由は不明だが、原因の1つとしてあのキスに何かあったと考えても良いだろう。

だが、それは何なのか。原因が特定出来れば対処は出来るだろう。

だが………一切原因が見当たらない。

そもそも何故天弾がいつも通り作れないのか、緋弾を撃つのが一瞬遅くなってしまうのか。

 

かろうじて緋弾の方はこれまでより撃つタイミングを早くすることで対応出来ているが、それでも天弾がおかしいのは痛い。

普通の相手なら天弾が無くても殺せるが、もしもあの時殺せなかった精霊と再び戦うとしたら天弾は必要不可欠だ。

早急に原因を特定して対処しなければ………

 

俺はそう考えつつ、ある場所へ向かう。

 

 

 

ー商店街ー

 

商店街だ………理由は言うまでもなく食料の確保。

今家に帰るのは精神的にキツいし、それ以外に新たな拠点を作るにもここは日本、無駄に防犯カメラが多いからもしもの時に銃を使えない(しかも顔を隠しても高確率でバレる)。いや使えなくは無いんだが使っただけでお尋ねものだ。

まぁ………一応BO○KOFFで立ち読みしたマッサージ術と格闘術等諸々を組み合わせて相手の弱体に繋がるツボを押しまくればどうにかなるんだがな。

だかそんなことを戦闘中にやるのは難しい。

だから………しばらく野宿だ。

 

金に困りはしないし、脳を半分ほど休めつつ意識を保ち何時でも目を覚ませる状態になれる方法も知っている。

それに防寒具が無くとも寒さはよほど酷く無ければ(肌寒い程度なら不要。流石に動きに支障が出るようなら必須だ)だし、春は季節柄比較的温度変化が緩やかだ。

 

唯一警戒しておくべきはあの空中艦を擁する組織に監禁される事だが………まぁ、一応普通の銃弾は大量に所持しているし、それにあんな場所じゃトラップ以外に大規模な攻撃は行えない可能性が高い。

だからほぼ確実に攻撃は面で無く天になる。

そうなれば俺にとって有利なだけだ。

いまだレーザー兵器はさほど存在せず、連射が効きにくいから一対一の接近戦ではマイナスにしかならない。

だから使われるのは実弾銃。弾速は大体音と同じだが………見切って避けるのは容易だし、人間は小さいから動き回っていれば当てられにくい。

だからとりあえず、空中艦ついてはある程度楽観しておくことにする。

まずは食料を揃えるか。

一応折り畳みバッグは何かと便利だから持っているし、とりあえずパンをいくつかと食材(勿論、生で食べて問題の無い物だ)だけ買っておこう。

俺はそう決め、まず近所の何かとパンが美味いと評判のカフェに向かった。

 

そしてそこで………アイツを見付けた。

しかも【プリンセス】と共に居る………怪しすぎるぞ。

プリンセスは何故か来禅高校の制服を着ているし、あれじゃもはやデート………

「お、お客様………?店内で殺気を振り撒くのは………」

 

「すまないな。少しイライラしていただけだ」

 

コホン。

あの様子から同じ精霊である琴里がキンジとデートをする事をイメージしてしまい、殺気を放っていた様だ。

幸いにもキンジはプリンセスの相手に困惑していて気付いていないが………

 

一応追跡するか。もしもプリンセスがASTと交戦することになろうがどうでも良いが、二人の会話から何が目的なのか分かるかもしれない。

それに………キンジが耳に付けているインカム、あれは体に馴染んでいるから分かりにくいが、ある程度洞察力があるやつ………駆け出し探偵以上にはすぐバレるぞ。

まぁ精霊がそこまで洞察力があるとは思わんがな。

楽観のしすぎは良くないが………客観的に見てあの精霊は人間との交流などASTとしか無かっただろうし、洞察力が上がるとしても腕の動きに視線を誘導されてしまうだろうな。

まぁ、どうせ俺の事では無いのでそれは気にしない。

今は食料の確保と、キンジが属している?組織の目的を暴くことが重要だ。

だから一度パンを購入したのち、少し変装してから追加でアイスカフェオレ(S)を購入してイートインでダラダラと過ごすフリをして監視しよう。

 

俺は、一度店を出ると、この時間もっとも人通りが少なく、なおかつ監視カメラの無い場所………裏路地に移動し、残しておいた天弾【霧】を俺に撃ち込む。

 

霧の天弾は幻惑の天弾………自らに撃てば少しながら幻術を(五時間ほど、尚且つ声は変えられない)操れる様になる。

それの応用により姿を変え、何処にでも居る青年になる。イメージとしては細身で小柄、髪は男にしては多少長く、服装が適当な27歳公務員だ。

こんな時間に公務員がカフェにいるのも変だが………考えてもみろ、学校が休みになってるんだから公務員…正確には教師は休みになる可能性が高い。

だから一応不自然さは薄いはずだ。

 

 

 

俺は、そんな風に大丈夫だと自分に言い聞かせながら、再びカフェに入店する。

「どわぁっ!」

 

おっと失敬。入店と同時に店員が見事にカフェラテをこっちに飛ばして来たのでバクステからの自動ドア手動クローズをしてしまったよ。

まったく、迷惑な店い………

 

俺は、迷惑な店員だぜ。だなんて思った思考を瞬時に………

迷惑どころか世界レベルでの害悪だったらしい奴………仮称アンノウンがカフェラテを買ってイートインで食おうとしていたところ、滑って転んでしまっていた様だ。

「おや…また会ったね」

 

そしてアンノウン、何故俺の正体が…あ、まさか幻術に実態が無い(一応腰の高さとかは調整してるから違和感は無いがな)から、あの時の粒子を飛ばしてそれで確認だなんて芸当をやっているんじゃなかろうか。

まさか…まぁそれは問題ではない。

アンノウンが人間に馴染みまくってるのも問題ではない。

何故ここに居るのか………でもない。

 

お前、金どこで稼いだ?

そう考えていると、アンノウンは答える。

「いや、サクッと…誠組だっけ?にお邪魔してBANしてスって来た」

 

そうですかい。真面目に考えた俺が馬鹿馬鹿しくなった。

そんな事を思って居た時、横をあの二人が通りすぎた。

 

あぁ…コイツに気を取られ過ぎたか。

とりあえず尾行しよう。

アンノウンは無視だ無視。

 



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