ウルトラマンネクサス『IF』 ~光と闇の適能者~ (金欠生首)
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プロローグ「 始動 ービギニングー」
普段投稿している『ダークネス・ストラトス』とは関係ないですのでこちらでの『ダークネス・ストラトス』へのコメントはおやめくださいますようお願いいたします。
あの時、僕は突然すぎる事態の変化に混乱して理解できていなかった。
けたたましいサイレンの音がコンリートの壁には反響して無機質な廊下に鳴り響く。
その音が僕の心に一層ゆさぶりをかけていた。
右にディバイトランチャー、左に気を失った平木隊員の肩を担いで僕たちは医務室へ急ぐ。
とにかく基地全体には異様な雰囲気が漂っていた。
「早く詩織を医務室に届けて、凪を追うんだ」
「はい!」
平木隊員の左肩を担いでいる和倉隊長の表情は怒りに満ちていた。
こんな感情的な隊長をみたのは溝呂木が起こした事件以来の事だ。
これも全てあいつのせいだ。
あいつは何故こんなことをするのだろうか?
石堀隊員…いや、アンノウンハンドの突然の襲撃によってTLT(ティルト)極東本部フォートレスフリーダムは大変な混乱に陥っていた。
平木隊員はアンノウンハンドに撃たれ、負傷。
ウルトラマンの光を受け継いだ西條副隊長は司令室を出たアンノウンハンドを追って行ってしまった。
『早く副隊長を追わなくてはいけない』
僕もそう思っていた。
なにか取り返しがつかない事が起こる…そんな胸騒ぎがした。
「孤門!」
誰かが僕を引き留める。
振り返るとスーツ姿の男女が二人立っていた。MPの野々宮瑞生とその同僚だ。
「孤門、いったい何があったの?セクション中のシャッターがしまっちゃうし、サイレンは鳴りっぱなしだし・・・」
瑞生はかなり取り乱していた。この異様な雰囲気は誰もの感情を狂わせてしまうのだろうか?
「ごめん、詳しいことはあとで話す。今は平木隊員を医務室へ!」
戸惑いで歪んでいた瑞生の表情がキッと引き締まった。
「わかった。孤門はどこにいくの?」
「俺たちは凪を、石堀を探しに行く」
僕が答える前に隊長が答える。
「分かりました」
「よろしく頼む」
僕たちは瑞生とMPの同僚に平木隊員を託して、副隊長を探した。
和倉隊長と二人で資料やゴミと言った色々な物が散乱している薄暗い階段を駆け下りた。
僕にはアンノウンハンドと西條副隊長がどこにいってしまったのかまったく見当がつかなかった、でも隊長には思い当たる場所があるみたいだ。
「隊長…、僕たちはどこに向かっているんですか?」
「極東基地、最深層部section0だ」
「…section0?なにがあるんですか?」
「わからない…だがTLTにとって最も重要かつ、最も危険なものがあるはずだ。」
僕はそれ以上聞けなかった。
何故だかは分からない・・・ただ階段を一段一段降りていくたびに異様な雰囲気が一層深まってくることが分かった。
「ここだ…」
『~Section0~』
そこは殺伐としたフォートレスフリーダムの中で異彩を放っていた。コンクリートの壁とは対照的に、見たことの無いような光沢質の材質で作られた巨大な扉で小さなビルくらいなら通れそうなほどの高さがある。とても人間の作ったものだとは思えない。これも『来訪者』のもたらしたテクノロジーなのか。
僕と隊長はそんな異質な空間を走り抜けた。
「何故ナイトレイダーに潜入したの?答えなさい!」
女性の怒鳴る声が聞こえる。副隊長の声だ!
僕たちは狭い通路を走り抜け、広い空間に出た。
忘却の海『レーテ』、有機的でグロテクスな巨大な物体を前に3人が立っている。
イラストレーター、アンノウンハンド、そして西條副隊長だ。
「凪!」
「イラストレーター!」
僕たちはディバイトランチャーの銃口をアンノウンハンドに向ける。
アンノウンハンドは怯むことなく、淡々と話始めた。
「俺は凪が光を受け継ぐのを予知していた。」
アンノウンハウンドの目はまるで死んだ魚のように感情を伺うことができない。
「ファウストやメフィストを作ってぶつけたのは光のパワーを強化するため。斉田リコや溝呂木を利用したのは・・・凪。お前の心に闇を植え付けるため。」
信じられなかった。
アンノウンハンドは…仲間だと思っていた石堀隊員はリコの命を奪ったことに何の罪悪感も感じていない。
僕の心に怒り…憎しみが込み上げてきた。
「ナイトレイダーにいるのは都合がよかったのさ」
「何ぃ?」
隊長が声を上げる。
「すべては俺が元の姿を取り戻すための・・・道具だ!」
その時、アンノウンハンドの目が赤く輝きその体は高く浮き上がった。
「ふざけるなぁあああああ」
アンノウンハウンドに向けて僕たちは一斉射撃を行った。
僕はかつての仲間に銃口を向けることに違和感を覚えたがそれよりリコを殺した黒幕に対する憎しみの方が強かったんだ。何発撃ったのか覚えていない。
光弾は全く命中しなかった。『奴はバリアを張っている』そうわかった時には僕たちの体は衝撃波で吹き飛ばされていた。
「俺は18年前のあの夜から…ずっとこの時を待っていた。」
アンノウンハンドはと倒れこんだ僕たちを見下ろして話を続けた。
その目はさっきと違ってたしかに笑っていた。
横を見ると副隊長の顔が引きつっている。
「副隊長?」
アンノウンハンドは僕たちじゃない、副隊長だけに話しかけているんだ。
次の瞬間、副隊長は何かを思い出したかのように大きく目を開いた。
「思い出したか?」
「貴様ぁあああぁああああ」
副隊長は立ち上がって、適能者《デュナミスト》の変身道具を取り出した。
「ここで変身してはいけない!!」
イラストレーターが慌てて静止しようとするが…遅かった。
Section0の広い空間に隊長の叫び声が響き、真っ白な光と真っ黒な光が解き放たれ、まぶしくて僕は目を開けていることが出来なかった。
「歓迎しよう・・・凪」
石堀隊員の謎の発言と爆音とともに僕の意識は途切れた。
気が付くと、Section0は崩壊していた。壁はボロボロと崩れさり水が流れ出てきている。レーテからは爆炎が上がっていて、原型がわからない状態になっていた。
TLTは『最も重要かつ、最も危険なもの』を爆発によって失った。
そして、この爆発が消してしまったのはレーテだけではない。
あの二つの光はアンノウンハンド、石堀光彦と西條凪副隊長の姿を消してしまった。
何が起こったのか誰にも分からなかった。そしてこの事件がこれから始まる悪夢の序章に過ぎないことを誰も知る由がなかった。
-To be continued-
次回予告
「凪の事も大事だがここにいる以上は常に何事にも対処出来るように構えておけ」
「都市郊外の山奥に新たなビースト反応を確認」
「新しい・・・ビースト」
「副隊長!」
「・・・邪魔をするな」
第1話 『鴉 -クロウ-』
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第1話 『鴉 ークロウー』
『貴様ぁぁぁぁ!!』
『ここで変身してはいけない!』
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
――――――――――――――――――――――――――――――
「副隊長・・・」
あの時、レーテの前で変身し、石堀と共に姿を消してしまった副隊長。
僕と隊長は消えた副隊長を度々捜索していたが目ぼしい成果もなくその度に何時もの司令室であの時に消えた副隊長と石堀の事を思い出す。
「孤門、凪の事も大事だがここにいる以上は常に何事にも対処出来るように構えておけ。平木が戻ってきてない今は俺たち二人だけでやらなくちゃいけないんだ」
「・・・了解」
頭では分かっているつもりだけど体はそれについてきていない・・・まるで、頭と体が別々の様に感じる。
そんな時、急にサイレンが鳴り始めた。
『都市郊外の山奥、エリア11 ポイント454に新たなビースト反応を確認。 ナイトレイダー、出動してください』
「了解。孤門、行くぞ」
「はい!」
そう言われて僕もデイバィトランチャーを持ってハンガーに入った。
左右を見ても僕と隊長しかいない・・・前までは副隊長に平木さんもいたのに・・・
「出動ォォォ!!」
隊長のいつもの声も心なしか覇気がない様に感じる。
石掘隊員・・・いや、アンノウンハウンドは僕らから色んなものを奪っていった。
それを止めることが出来なかった僕は・・・なんて無力なんだろう。
――――――――――――――――――――――――――――――
『こちらナイトレイダー。現場に到着』
『こちらCIC。ナイトレイダー、ビースト反応が急速に上昇…来ます』
―コァァァァァァ―
イラストレーターの通信の後に目の前が歪んで鴉の鳴き声を少し高くしたかの様な声が聞こえるとそいつは姿を現した。
「隊長・・・あれって・・・」
「新しい・・・ビースト」
『ビースト振動波の波長を見る限りどうやらその様ですね。ナイトレイダー、速やかに攻撃してください』
「了解。行くぞ孤門」
「はい!」
そして、隊長はα、僕はβで攻撃を開始した。
―コァァァァァ!!―
攻撃が入るたびに苦しみの声を上げるコルクゥスだが何かがおかしい・・・まるで、何かを考えている最中に攻撃を受けてるように見える
―…恐怖…ハ…更…ナル…恐怖ヲ…―
「え・・・」
―コァァァァァッ!!―
「・・・ハッ! しまった! うわッ!」
ビーストから聞こえた声に気をとられてしまった僕はビーストの放った光弾に気付くのが少し遅れて被弾し、チェスターとともに墜落していった。
「孤門!」
―コァァァァァァッーーー!!―
「しまった! ぐっ!!」
隊長も僕の墜落に一瞬だけ気を取られたのか、ビーストにやられてしまった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「孤門! 無事か!」
「はい。なんとか…ところで隊長」
「何だ」
「あのビーストから何か声みたいなものが聞こえませんでしたか」
「声? 俺には聞こえなかったが」
「そうですか・・・」
―Prrrr! Prrrr!―
「こちらCIC。ナイトレイダー、応答してください」
「CIC。こちら、ナイトレイダー」
「どうやらビーストにやられてしまった様ですね。作戦エリアにはレッドトルーパーを出撃させるのでお二人は作戦エリアから速やかに離脱してください」
「了解。おい孤門。撤退するぞ」
「すいません隊長・・・それは出来ません」
「何を言っているんだ孤門」
「僕が別部隊到着まであいつの注意をひきつけます!」
「おい! 何を馬鹿なことを言っている! 待て! 戻れ孤門!」
僕は隊長の静止を振り切り、ディバイトランチャーを手にビーストに向かって走り出した。
その時、僕のディバイトランチャーに何処からか飛んできた光弾が直撃した。
結果、僕はディバイトランチャーを落としてしまった。
「何者だ!」
隊長が僕を撃ってきた光弾の飛んできた森の方に向かって叫んだ。
すると、森の奥から確かにこちらにやってくる足音が聞こえた。
足音が近づくにつれてぼんやりとしか見えなかった輪郭がはっきりと見え始めて来た時、僕は驚きを隠せなかった・・・なぜなら
「・・・凪」
「副隊長!」
それが行方の分からなくなった凪副隊長だったから・・・
「邪魔をするな」
ナイトレイダーの制服の上から黒いコートを羽織ってそう言う凪副隊長が持っているディバイトシューターを見て僕はやはりさっきのは凪副隊長がやったのだと理解した。
「副隊長! 何でここに! あのビーストはいったいなんなんですか!」
僕は気になった事を一気に話しながら副隊長に迫って行ったがその歩みは副隊長が僕の足元に放ったディバイトシューターの光弾に止められた。
「さっきも言った筈だ・・・邪魔をするな」
「・・・副隊長」
「・・・凪、いったい何があったんだ」
「隊長。貴方に言う気はありません・・・ただ」
「・・・ただ?」
「あのビーストは復讐の手がかりになる・・・だから、邪魔をしないでもらいたい」
副隊長の言葉とともに重苦しい沈黙が広がる僕達三人の空間にはビーストといつの間にか到着していた別部隊の戦闘がとてもよく聞こえた。
―To be Continued―
―次回予告―
「復讐? あのビーストが何故、復讐に繋がる?」
「あいつの近くに石掘の気配を感じた…つまり、あいつを追えば石掘に通じるはず」
「副隊長はその為に人々を犠牲にするつもりですか!!」
「ザ・フォース…貴方はどちらになるのでしょう」
「ジェァッ!!」
第2話 『憎悪 -ディアブル-』
※フィンディッシュタイプビースト 『コルクゥス』(挿絵は申請が降り次第、登場シーンに追加します。
カラス型のビースト。
高い再生能力(ガルベロスやノスフェルのように)を持ち、人の言葉を話すことができる。
知能が高く、襲った人間の記憶の中の言葉を繋ぎ合わせて喋る。
鳴き声は映画『ULTRAMAN』に登場したビースト『ザ・ワン』がカラスを吸収し、翼を得た際にネズミの顔から出てきたカラスの声
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第二話 『憎悪 ~ディアブル~』
先に謝罪しておきます。
だいたい、2週間に一回の投稿です。
「あのビーストは復讐の手がかりになる・・・だから、邪魔をしないでもらいたい」
副隊長が言ったその言葉に僕は訳が分からず呆然としていた。
近くからはビーストといつの間にか到着していた別部隊の戦闘が聞こえている。
「復讐? あのビーストが何故、復讐に繋がる?」
隊長も同じ疑問を持ったのか副隊長に質問していた。
―何か考えての復讐だろう…だから、副隊長は人々に危険が及ばないようにしてくれる!―
「あいつの近くに石掘の気配を感じた…つまり、あいつを追えば石掘に通じるはずだ」
―ほら、副隊長はこの現況である石掘を倒す為に動いていたんだ! きっと…―
「この復讐は必ず果たす。その為ならば、いくら犠牲が出ても構わない」
―きっと、もう一度一緒に戦っt・・・え?―
「副隊長…今、なんて」
―そんな…まさか、副隊長がそんな事を言うはずがない―
そう思いながら副隊長に近づいた僕は見えない何かに体を弾き飛ばされた。
「下がれ。二度も言う気は無い」
そう言いながら右手をこちらに向ける副隊長の手には姫矢さんや憐が持っていたあの銃の様なものが見えた。
つまり、さっきのはあの銃の様なものから出た衝撃波なのだろう。
「凪…今の犠牲が出ても構わないと言うのは本当か」
やっぱり、僕の聞き間違いじゃなかったのか。まさか、副隊長がそんな事を言うなんて…僕にはまだ信じられない。
「本当だ。あいつは私から多くの大切なものを奪った。あいつを倒せるのなら、どれほど被害が出ても構わない」
「凪・・・少し、かんg」
「そんな…副隊長はその為に人々を犠牲にするつもりですか!!」
僕は隊長が何かを言おうとしているのに構わず再び叫びながら副隊長に迫った。
その時、再び衝撃波で弾き飛ばされたけど僕は起き上がって副隊長に詰め寄った。
「副隊長はビーストを憎んでいても人々を守ろうとしていたのに…なのになんで!」
そう叫んで副隊長の肩を掴んだ瞬間、副隊長は僕の手を払って腹部に蹴りを放った。
「っぐ。副…隊長」
「私は人々を守ろうとしていたわけではない。憎きビーストを倒したかっただけだ。そして、全ての原因である石掘を倒せるならいくら犠牲が出ようと構わない!」
そう言い切ると副隊長はコートのポケットから適合者<デュナミスト>のアイテムを取り出した。
それは今まで僕が見たものと違って、少し黒くなっていた
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
そう叫びながら副隊長は黒くなった適合者<デュナミスト>のアイテムを水平に引き抜いた。
そうすると、辺りはSection0の時の様な黒と白の混ざった光に包まれた。
光が収まると立っていたのは何時ものウルトラマンではなかった。
「・・・・・・」
確かに、顔は何時ものウルトラマンだけど目は黒く、心なしか全体的に暗い色をしていた。
「ジェアッ!」
いつもより低い声とともにウルトラマンは溝呂木の変身した巨人の様に右腕にクロー状の武器を出した。
そして、黒い目のウルトラマンはゆっくりとビーストの方へ向きを変えると…
「ジェァァァァァァァァッ!!」
雄叫びとともにビーストに走り出し、組み合った。
ウルトラマンから繰り出される攻撃の数々に、僕は副隊長の抱く憎悪が籠もっている様に感じた。
――――――――――――――――――――――――――――――
その頃、フォートレス・フリーダムでは…
「あのウルトラマンからは闇の巨人達と同じ反応も感じられる…何故なんだ」
イラストレーターがモニターに映し出されているネクサスとビーストの戦いを見て、呟いていた。
「ザ・フォース…貴方はどちらになるのでしょう」
そう呟くイラストレーターの声には少しばかりの焦りと不安が混ざっていた。
―To be continued―
・ウルトラマンネクサス(ディアブル)
・第四の適合者<デュナミスト>である西条 凪が変身するネクサスで初期形態であるアンファンスを介さずに変身する。
・目は黒く、腕にはダークメフィストの様なクローを装備することが可能で体のラインも全体的に黒くなっている。
・攻撃方法は荒々しく。まるで憎悪を含んでいるかのよう。
画像は現在、所持していませんがYouTubeやニコニコに投稿した『ウルトラマンネクサスIF 予告編』で見ることが出来ます。
完成次第、挿絵にします。
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第3話 『負傷 ~ルーザー~』
「ジェアァッ!」
あれから、どれほどの時間が過ぎたのか分からないけど。
「ジェアァァ!」
僕はただ、副隊長が変身したであろう黒い目のウルトラマンの戦いを見ていた。
組み合った直後、ストレートを決めて距離を離すと腕の装飾で斬りつけたり、腕のクローで切りつけたりするなど、とにかく荒々しい戦い方に見えた。
「ジェアァァァァァァァァ…ジェア!」
そして、今のようにビーストを殴打して殴り飛ばすのも何度も見てきた。
でも、やっぱり僕にはその一つ一つから副隊長の憎しみや怒りが感じられる。
そして、黒い目のウルトラマンが再びクローを振り下ろすとビーストはそれを回避し、その結果、後ろにあった送電塔が壊れてしまったがウルトラマンはそれを気にする事なく再びビーストに向かっていった。
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「ターゲット補足、発sy…またかっ!」
俺は再び、目の前に見えていたターゲットに攻撃が出来なかった…その理由は…
「何故、邪魔をするんだ! 答えろ!」
目の前に出てきたクローの様な物を振り下ろしてきたこいつの所為だ!
「答えろ! ウルトラマン!」
ウルトラマンが現れてからの戦闘中、幾度の攻撃の機会があっても全てウルトラマンに邪魔された。最初は偶然かと思ったが何度も同じ事を繰り返され、それがわざとだと感じるには十分な要素だった。
「隊長、あのウルトラマン…何故、邪魔ばかりしてくるのでしょうか?」
「そんなもん知るか! 今はターゲットに集中しろ!」
「了解!」
部下が疑問に思い、通信で質問してきたのを俺は少しばかり声を荒らげて答えてしまった。
よし! 今なら…またかよクソッタレ!
『レッドトルーパー、応答してください』
「こちら、レッドトルーパー。 ターゲットへの攻撃がウルトラマンの妨害によって困難だがどうすればいいんだ!」
いつもでは絶対にしないが今回ばかりはイライラし過ぎていた所為でイラストレーターとの通信でも少し声を荒らげてしまった。
『やはりそうですか……この際、止むを得ません。レッドトルーパー、ビーストに攻撃が当てられると判断した場合にはウルトラマンに構わず攻撃してください。』
「それはつまり、ウルトラマンに当たっても構わないという事なんだな?」
『えぇ。ですが、ウルトラマンへの故意な攻撃はやめてください』
「了解」
そう言うと俺は通信チャンネルをレッドトルーパーのメンバー全員に切り替えた。
「と言うわけで、さっき聞こえたとおりだ。…行くぞ!」
『『『『了解!!』』』』
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ネクサスとコルクゥス、そして、レッドトルーパーの三つ巴の戦いは続いていた。
コルクゥスは余程のダメージを受けていたのか全体的に動きが鈍っており。
ネクサス(ディアブル)も同様なのであろう、胸のエナジーコアが明滅していた。
「コァァァァァァァァァァ!!」
そんな中、コルクゥスは泣き声とともに両腕を合わせるとそれが新たな顔にへと変わっていった。
それと同時に脚の突起が伸びた後に羽となりコルクゥス(飛翔体)となった。
ネクサスはコルクゥスの上空に開いた次元の穴に逃げようとしているのを阻止しようと飛翔した…だが。
「今だ…発射!」
時同じくしてレッドトルーパーの隊員が登場しているクロムチェスターαの放ったホーミングマイクロミサイル、通称『スパイダーミサイル』がコルクゥスに向けて放たれていた。
それは…ネクサスの飛翔ルートを横切るかのような位置から発射されていた。
その結果、コルクゥスには逃げられてしまい、ネクサスにも大きなダメージが残った。
ネクサスが消えた森の中にいるのは・・・
「…クッ」
負傷した左肩を庇いながら移動する凪だった。
To be continued
~次回予告~
「平木詩織。戻ってまいりました!」
「あの~…ところで副隊長は?」
「それは・・・」
「微量のビースト振動波がある地点から大量に検出されました。調査に向かってください」
「・・・なんだ、これは」
第四話 『幻覚 ~ミラージュ~』
「あれが・・・副隊長」
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