俺の妹がメイドカフェにいくわけがない (キラスト)
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俺の妹がメイドカフェにいくわけがない

俺妹のショートストーリーです。
最後に知り合いに書いてもらった絵があるので見て行ってください。


「お兄ちゃん、今日暇?」

桐乃はただいま言わずに学校から帰ってきたみたいだ。

「今日か?今日は・・・・・・・大学のレポートを終わらせてバイトのシフトも入ってないから大丈夫だと思うぞ。」

俺は今、大学に通っている。大学生活を初めて4ヶ月が経って大学がどういう物か分かり始めるくらいだと聞いている。

勉強の方はまずまずといった感じで先月のテストも真ん中あたりに順位をキープしている。

楽しいと言えば楽しいと言えるそんな感じ。

「じゃ、アタシも明日は全国大会終わって休みもらっているから行きたいところあるから付き合ってもらうから!」

桐乃も中学を卒業して高校生になった。通っている高校は陸上に力を入れており毎年全国大会出場している名門校に推薦されたのだ。

 高校になってもモデルの仕事は続けており、中学よりもさらに仕事が増えたみたいだ。それでも桐乃はどれにも手を抜かずに完璧にこなしている。

 

 

さすが我が妹だと恭介は桐乃が妹で良かったと思っている。

今日も、部活の後にモデルの仕事に直行して今帰ってきたのだ!!なので、制服姿!!JKの制服はまさに魔性の衣装だと俺は思っている。

ちなみに桐乃の制服は、ブレザーになっている。上は白のTシャツに紺色のブレザーになっており、首元には可愛らしいピンク色のリボンが付いている。スカートは少し膝上くらいで白と青色のストライブになっている。

そんなJKの制服を妹という建前を利用して感服している。

「分かったよ。今日何時に行くんだ?」恭介はキッチンの方に向かいコップにお茶を注いで桐乃に渡した。

「えっとね~。あと30分くらいに出るから。」桐乃は腕時計を確認しながら答えた。

「結構、急だな。」桐乃は恭介からコップを受け取る。

今から出かけるとはまたなにかのイベントに駆り出されるのかと恭介はヒヤヒヤしている。最近では星くず☆うぃっちメルルの3期記念イベントなんかもあるとネットに流れていたからその類であると思ってしまう。

「分かったよ。今から準備始める。」

「うん。じゃあ、よろしくね。」桐乃はコップのお茶を一気に飲んでしまい。空のコップを台所に置くとそそくさと二階の方に行ってしまった。

「本当、あいつはいつまで経っても変わらないものだな。」俺は大学生になって社会人一歩手前といった感じ。時間が経てば人は変わっていくものだと勝手に思い込んでいたがそんな簡単なものではなかった。

すると、恭介のポケットで携帯が鳴っていた。

 

 

「もしもし。」

「あ、お兄さんですか?」

その声は俺のマイスイートエンジェルあやせたんではないか!

「どうした? セクハラしに行こうか?」

「どうぞ。来てください。SPIを呼んでおくんで。」

あやせの声のトーンは特に変わっていなかった。もう、この流れを熟知してるんだろう。

「わかった。俺もまだ大学生活を楽しみたいからなしょうがないから辞めておくよ。」

「しょうがなくってなんですか?」

「まあまあ、で要件は?」

「そうでした。変質者の相手をするのははっきり言って不本意ですが桐乃と一緒に来てもらえませんか?」

あやせが桐乃を呼び出すため間接的に電話をかけてくるのは珍しいことだ!!

「なんで、俺にかけてきたんた?」

「犯罪者にかける理由があります?」

「俺の尊厳を勝手に落とさないでくださいます? あやせさん?」

「あ、すいません。人権なんてお兄さんにとってはもったいなかったですね。」

「さらりと、人間否定するな!」

こうして、こんなやりとりが10分以上続いた。結果的に俺はミジンコレベルまで退化してしまった。

電話の後2階から降りてきて桐乃にあやせから電話があることを伝えると用事とはそのことだったらしい。

 

 

あやせからの連絡は今仕事が終わったみたいだからそれで一緒に遊び行こうというものだったみたいだ。

それで何故か俺まで呼ばれるのかは桐乃に聞いたが教えてくれなかった。

「それで、今からどこに行くんだ?」

もう、俺たちは支度を済ませて部屋を出ていった。

「まあ、ついて来れば分かるわよ。」

桐乃はスマートフォンを弄りながら答える。

多分、あやせと連絡を取っているんだろう。

俺はというと、すぐに支度しろと言われたせいで手持ち無沙汰なのだ!!

それで俺は結局、下のタイルに沿って歩くことにした。色が赤色と白色の2種類に分かれているからその赤色だけを踏み続ける遊び。

俺はやっていて虚しさが溢れてくる。こんなことしたの小学生以来だぞ!社会人4歩手前のやつがすることじゃないぞ。

あ、でも意外とハマる…って初心に返ってどうする!!

俺は心の中でツッコミとボケを一人コントで繰り返す。すると....

 

 

 

「あ、ここよ。」

桐乃と目が合った。俺はタイルを頑張って華麗なステップを使って軽やかにダンスを踊っているかのようにしたところを見れる。

「あんた、精神年齢見てもらったら?」

「大丈夫だ。エロゲーしてるから健全で潔癖な大人だ。」

「そう。あんたが何言ってるか意味がわからないけど。」

何が大丈夫かは俺でも分からない。

「そんなことより、ここが言われた場所みたいよ。」

桐乃が指さしてる先には、噴水があって周りには特に何もない。

そう。まさに集合場所にうってつけというふうな感じの場所だったのだ。

何もない代わりに待ち合わせをしている人はチラホラいる。

おめかししている女性。学生服の男性。白いタキシードに全身纏って大きなバラの花をもち、髪型はオールバックにしている男性。

こんな場違いな男性が現実にいることに俺は内心驚いている。

「マイスイートエンジェルあやせたんはまだ来てないみたいだぞ?」

「マ、マイ…なんて?」

「悪かった。あやせはまだなのか?」

俺は言い直した。

「えっとー。もういるってよ?」

そう言われて、見渡すがあやせらしき人は見当たらない。

すると…後ろから…

 

 

 

「お待たせしてすいません。」

あやせの声がした。

「あ、あやせ~~」

桐乃が一足先にあやせを見つける。

俺も声のした方に目を向ける。そこには大人っぽい紺色のワンピースを着ており、その上からは可愛いピンクの服を羽織っている。流石あやせたんとても似合っている。

「桐乃ごめんね~ここまで来てもらって。」

「別にそんなこと気にしなくてもいいよ。」

ある程度桐乃と話し終えるとあやせは俺の方を見てきて

「お兄さん、目つきがいやらしいです。」

初球の毒舌はもう慣れたものだ。こいつと会話のキャッチボールは最初エグい球から来るのだから取る側にとっては苦労するものだ。

「お前が自意識過剰なんじゃないか?」

「お兄さんも言うようになりましたね。」

「お褒めに預かり光栄だよ。」

どうやら、人は集まったみたいだから俺達は目的に場所に向かっている。ただ俺はどこに行くのかは何も聞いてないからどこに行くのか分からないから内心ヒヤヒヤしている。

 

 

 

 

「それで、あやせお店ってどこなの?」桐乃があやせに聞いている。ただ、その様子は目のところにキラキラとエフェクトが入ってもおかしくないほど桐乃は機嫌がいいと俺は察した。

「うん。この道をまっすぐ行って突き当りを左に行ったところにあるよ。」

「それってなんのお店なんだ?」俺は何も知らないから思わず聞いてしまった。

「えっとですね。たまたま仕事帰りにここに立ち寄ったらメイドカフェがあったんですよ。」

「メイドカフェ??でもそんなのいくらでも......」

「まあ、言ってみればわかりますよ。」あやせはそう言って顔を前に向けた。俺らが話している内に桐乃は気持ちが先走って歩くスピードがいつもより1.5倍くらい速いからずんずん進んでいく。

それに気づいたのか桐乃がふと後ろを向いて。

「ほら、京介、あやせはやく~~~。」

「は~い。」

「へいへい。」俺とあやせは桐乃促され返事をする。

 

 

 

俺達は、桐乃に促され急がされてメイドカフェに着いた。

中に入るとテッパン中のテッパンであるご挨拶が…

「おかえりなさいませ~メルル様方~」

違ったーーーーーーーーーー。

今だけはどうやら期間限定で呼び方を変えてるみたいだ!!

ちなみに女の子はメルル。男の子はその父親という設定になっているようだ。

俺たちはそのまま窓際の席に案内される。

「メルル様だって!! メルル様だよ!!」

桐乃は終始興奮している。

「にしても、なんで今頃コラボやってるんだろうな? もう、2期も随分前に終わっただろ?」

俺は桐乃に聞いていたが、興奮冷めやらぬ中といった様子で聞く耳持たず。

「2期が人気だったので3期と映画化までもが決まったから今の時期にコラボを始めたみたいですよ。」

代わりにあやせが答えてくれた。

マジ天使。

「へぇー。いよいよ映画化までいったのか!!」

「そうですよ。2期のブルーレイ売上が結構良かったのが理由みたいですよ。」

あやせがズバズバ答えてくれる。

「お前なんでそんなことまで知ってるんだ?」

「え?そんなの桐乃がアニメの話をするからに決まってるじゃないですか。」

「あーー。あいつならやりかねない。すまんな。自由奔放で好きなことになるととことんになるから。」

「べ、別にお兄さんが謝る必要なんかありません。」

「そうか。これからも桐乃と仲良くしてやってくれな。」

「当たり前なこと言わないでください。私はずっと桐乃の親友です。」

「それは野暮なこと聞いたな。」

俺は笑いながら、心の中で再度あやせに感謝していた。オタクの桐乃を認めてもらってこうやって今も相変わらず親友としていてくれることに兄としては嬉しい限りだ。

 

 

 

 

「ねぇーねぇー。早くメニュー注文しようよ~。」

桐乃は早速メニューを開きながらウキウキという感じで端から端まで見ている。

俺も綾瀬と一緒に見ていると名前だけでなんの料理か全く想像できない…

メルル変身パラダイス。

ダークウィッチ降臨。

メテオインパクション。

全然何か分からない…。

ところが、桐乃とあやせはすぱっと決めて注文している。

え?これだけで何かわかるの?

俺のイマジネーションが乏しいだけ。そうこうしているうちに俺だけ迷っていたので、適当に目に入ったのを頼んでしまった。

そして、数分後に料理が運ばれてきた。

あやせは「メルルとオメガの仲良しこよし」っていうものを注文したみたいだ。

それは、簡単に言えばパフェだった。メルルの赤色とオメガのイメージカラーである黄色を基調としており一番したにはコーンフレークが散りばめられて、その上から生クリームを垂らして後は、イチゴ、バナナ、レモンが鮮やかに盛り付けられている。

「パフェなんて食べるの久しぶりです。」

「そうなのか? 最近だとどこでもあるもんだろ?」

「お兄さん。私がしてる仕事分かるでしょ?」

あやせは俺としゃべりながらイチゴを一つ口に放り込む。

「モデルだろ?」

 

 

 

 

「だからです。私だって体型くらい気にしてます。 食べたいものが食べられない気持ちはお兄さんには分からないと思います。」

なるほど。モデルにとって身体は商売道具みたいなものだからな。何かと気を使うことも多いのかもしれない。

「あー。そういうことか。女の子も大変なんだな。」

次は桐乃の料理が運ばれてくる。桐乃はスターダストメルルというメニューを頼んだみたいだ。

それは、カキ氷だった。

なるほど。星屑を英語にしてそれをイメージしたものってことか。

「カキ氷とか、小さい頃によく食べてたなぁ。」

カキ氷の上についてあるシロップはどうやらオリジナルみたいだ。

「うーーん。この頭にキーンってくる感じがいいんだよね~」

一口食べただけでどうやら恒例夏の風物詩が来たようだ。

「桐乃私にも一口ちょうだい。」

「うん。いいよ。私にもあやせのパフェちょうだい。」

お互いがお互いにスプーンを「あーん」している。

う、羨ましいーーーーー。

 

 

 

 

女の子に「あーん」されるとか男の夢だろ。

されたい。されたい。されたい。されたい。

俺が必死に心の中で願望を言ってるなか最後の料理が届いた。

俺の料理は、イカ墨パスタ......

「ダークなウィッチ」というものを頼んだのだが・・・・・・

完全に色で決定したと言う感じだった。

「あんた。凄いもの頼んだわね!」

「っていうか。メイドカフェにそんな手間のかかるものがあるんですね。」

みんながみんな驚いている。それはそうだどこのメイドカフェにこんなものを出すものがあるか。

しかたなく俺は一口食べてみるが意外と美味しかった。

パスタはもちもちしており、歯ごたえもちょうどいい!!

しかも意外だったことに、味はペペロンチーノをベースにしてイカスミの塩辛感がマッチして見た目以上に美味しかった。

「うん。うまい!!」

「私、イカ墨パスタ食べたことないけどどんな味するの?」

桐乃は興味深そうに聞いてくる。

「食べてみるか??」

俺はそう尋ねる。

「え…? でも…」

今桐乃はかき氷を食べているから手に持っているのはスプーン。

そして、パスタはフォークで食べるもの。もうこれで何を気にしてるか分かるだろう。

「別にいいじゃねぇか。兄妹なんだし。」

俺はフォークに巻いたパスタを桐乃の口元まで近づける。

「まぁいいっか。」

桐乃は諦めた様子で、右手で垂れていた髪の毛を耳に引き寄せて俺のフォークを口に含んだ。

その仕草に俺は不覚にもグッときてしまった。

間接キスの方を意識していたが突飛な仕草の方に気を取られていた。

 

 

 

 

「うん。美味しい!! こんな味だったんだ。」

桐乃も驚きを隠せないという様子だった。

ふと、俺はあやせのほうを見るとイカ墨パスタに視線を向けている。

「あやせ食べたいのか?」

「べ、別にそんなことは…」 っと言っているが本心は食べたいというのは顔を見ればバレバレと言う感じだ。

「そうか。なら全部頂かせてもらおうかなぁー。」

俺はそう言って綾瀬を煽る。

「う....う....」

あやせの苦悩な小声が聞こえる。

「大丈夫....大丈夫....桐乃が先に口をつけたから間接キスにはならない…ならない…」

あやせは何やらブツブツと言っている。

「どうするんだ? 全部食べるぞ。」

俺は再度同じことをいう。

「わ、わかりました。どういう味か気になるので頂きます。」

そう言って、桐乃と同じようにあやせの口元にパスタを近づける。

「はい。あーん。」

 

 

 

わざと俺は口に出してあやせにわざと羞恥を植え付けようとしている。

「お、お兄さん。わざわざ声に出さないで下さい....」

うわー。すっげぇ恥ずかしそうにしてる。

そう言いながらフォークに巻かれたパスタを食べる。

先程の反省を活かして、フォークを注意深く見てるとパスタに含まれる油のせいなのか。

あやせの唇が妙に艶っぽくなって色っぽく見える。

「何見てるんですか…?」

「あ。いや別に。」

唇に見とれたなんて言えるはずもない。

「うん。こういうの家で作ること滅多にないから分からなかったけどこういう味付けをするんだ。」

どうやら美味しかったみたいだった。

まあ、家で作るにしてもなかなかイカ墨というものは入手しづらいものだからなぁ。

それよりも、今俺の手元にはマイスイートエンジェルあやせたんが口づけしたフォークが。

俺はドキドキしながらフォークにパスタを絡ませようとするが.....

もう、お皿の中にはパスタはなかった…

「な、ない…」

 

 

 

最後の一口をあやせが食べさせたからだ。

「どうしたんですか?お•に•い•さ•ん」

なにか、含みのある言い方をしてくるあやせ。

俺のバカ。バカ。バカ。バカ。

どうやら、あやせはそこまで見越してパスタを口にしていたらしい。

この策士め~~。

流石に、フォークだけを舐めるわけにはいかないので俺はしょうがなくフォークをお皿に置いた。

俺が気分を落としていると…

「あ、あのお兄さん。先ほどのお礼というかお腹いっぱいなのでこのパフェ食べますか?」

あやせが少し残しているパフェを俺に差し出そうとしている。

「え?もういいのか?」

「はい。想像以上に量が多かったので。」

「そうか。なら、いただくよ。」

あやせはパフェをそのまま差し出す。

 

 

 

 

「えーー。そこはテッパンのあれでしょ?」

「なんで私があんなことしないといけないんですか?」

「どっちにしろ。俺持ってるのフォークだから食えないんだが。」

「そうですね。なら、一回だけですよ。」

そう言って、あやせは生クリームをすくって俺にスプーンを向ける。

「何か言うことがあるんじゃないんか?」

あやせは俺の言ってることを察しているようです顔を少し赤らめている。

「あ、あーん……」

やばい。やばい。女の子にこんなこと言われてなおかつ恥らいなんかプラスされてるせいで可愛いじゃ表しきれないほど可愛すぎる。

それに結構やられる方も恥ずかしいということにやられて気付いた......

俺はそんなこと思いながら、生クリームを頂く。

正直言って、味なんかの感想より男の夢が叶ったことに俺は感動している。

「あんたたち、そんな関係だったんだ。」

完全に俺とあやせは二人だけの世界に入ってたせいで桐乃からは冷たい視線と直に響く冷たい言葉をかけられたのは言うまでもない。

そうして、俺達はこのあとメルルのコスプレなんかできるらしいと聞いて桐乃とあやせ(無理やり桐乃に促されて)がしていた。

俺はそれは眺めて今日はとても久しぶりに充実した一日なりそうだとそう感じていた。

 

【挿絵表示】

 




ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
挿絵を描いてくれてありがとう~~。


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