空戦魔導士候補生の教官~死神と流星~ (狂った朱)
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プロローグ~死神と流星が駆けた戦場~
死神と流星は戦場を駆ける


この小説の敵は魔甲虫と呼ばれる大きい虫です。ですが、目から、ビームを撃ってきたりするのでぶっちゃけ化け物です。まぁデカイ虫の時点ですでに化け物なんですけどね。それとこの話と次回はあらすじよりも前の話です。


「先行する」

 

「まて、グリム‼。グリム・ナイト‼」

止める声を無視して、俺は、いや俺達は、空を飛び戦場を駆け抜ける。

 

「いいの?。グリム?」

相棒のアスカ・ユーベルが話しかけてきた。

 

「なにが?」

 

「上官凄く怒ってたよ「ふーん」あの死神《グリムリーパー》が!って」

死神《グリムリーパー》、俺に付けられた二つ名。なんの皮肉なのか、俺の名前を文字って作られた。その名は強いと言う尊敬と、仲間を見捨てて逃げたと言う事を揶揄している。たった一度なら部隊が全滅しても俺だけ生きていたとしても、奇跡としてみんなから、「運がよかったな」とか「無事でよかった」とか言われて励まされるだけで終わるだろう。だが、俺の所属した隊は三回全滅している。だが、アイツは三回とも俺を狙っているみたいに俺の隊を襲撃して俺以外を殺して消える。そんな事が続き、何時からか俺は仲間殺しと後ろ指を刺された。噂が広がるにつれ俺とチームを組む奴らは居なくなった。たった二人を除いては,,,,,。まぁ、そのうち一人はアスカだったんだけどな。こいつにも秘密があるのだけど,,,,,その秘密のお陰で俺は人には持てない力を手に入れれたんだけどな。

 

「あっそ、死神が居なくなってよかったじゃん。なぁ流星《ミーティア》さん?」

 

「なんか、グリムにその名前で呼ばれると、急に他人になったみたいだからやめて!?」

 

「なら、俺が死神としての話を聞きたくないの知ってるのに話すのやめてくれませんか?流星さん?」

 

 

「わかったよ~。でも、目の前の魔甲虫どうする?」

ミーナがそう言うので見てみると十匹の魔甲虫が此方に向かってきていた。

 

「知るかよ。前にいるなら斬るだけだ」

 

「言い切るね~流石に二人だとキツくない?」

 

「知るかよ、逆境上等‼厳しいほど楽しいからな‼」

 

「戦闘狂だね~」

 

「うるさい。やるぞ、付いてこれるだろ?」

そう言いながら黒一色の大鎌を取り出す。

 

「そりゃ~いけるけどね~。疲れるんだよ?。と言うか、グリム?「何だよ?」相変わらずその鎌なの?。」

そう言いながらも、アスカは双剣を構えた。

 

「これは、自分への、罰みたいな物だ。それにな、戦いにくい武器で戦って自分を鍛える為でもあるからな。さて、話はここまでだ行くぞ」

 

「はーい」

話が終わるのと同時に、俺達は加速して魔甲虫に接近して行く。

 

「おっ先~」

アスカは、流星の名に相応しい速度で俺を追い抜いて行き、早くも一匹の魔甲虫を細切れにした。

 

「負けてられないな‼」

 

そう言いなが俺も大鎌を振るって戦う。これが俺達の日常だった。だがこの戦場で俺達の人生を大きく変える出来事が起きてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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黒の剣聖《クロノス》

「こんなものか」

俺達は十匹の魔甲蟲を三分で殲滅した。すると、通信が入ってきた。

 

『此方、カナタ・エイジ。魔甲蟲に囲まれてしまった。俺の部隊は俺以外撤退が完了した。撤退のために援護を頼む』

 

 

「了解。グリムとアスカが援護に向かう」

 

『待て、グリム勝手に行動をして、隊列を乱すな』

 

「うるせぇ‼仲間が危ないのにお前の命令なんて聞いていられるかよ‼」

そう言いきるなり俺は通信機を鎌で叩き切った。

 

「あぁ~壊しちゃった~」

アスカが、そう茶化してくるが無視して一人で行こうとすると,,,,,

 

「あぁもう待ってよ‼。私も行くから‼」

 

「はぁ~最初からそう言えばいいのに,,,,,行くぞ「は~い」」

そして、俺達はカナタからの通信があったところへと向かっていた。そしてそこについた俺達が見たものは,,,,,

 

「よぅ,,,,,遅かったじゃねえか,,,,,。わりぃもう、限界だわ,,,,,」

そう言いながら、大量の魔甲蟲に囲まれ、その内の一匹に飲み込まれていくカナタの姿だった。そしてカナタは、そう言い終わる共に魔甲虫に飲み込まれた。

 

「マジかよ,,,,,カナタが殺られるとか,,,,,」

 

「黒の剣聖《クロノス》が負けるって,,,,,かなりの無理をしたんだね,,,,,」

 

「行くぞ「行くってどこへ?」カナタを助けに「死んでると思うよ?」関係ない。死んでるとか死んでないとか関係ない。仮に死んでたとしても魔甲蟲の腹の中のままじゃあアイツが成仏出来ないだろうからな」

 

「グリムらしいね,,,,,」

 

「だから、力を貸せ。あれを使うぞ」

 

「え~あれは危ないよ?」

 

「助けるためだ、多少のリスクは仕方ない」

 

「助けるって死んでるかも知れないのに?」

 

「関係ないって言っただろ?」

 

「わかった。言っても聞かないだろうから始めようか,,,,,」

 

「ありがとう,,,,,。アスカ」

そう会話してから、俺達は契約の言葉を唱えだした。

 

「「我らが示すは比翼の理、『我は魔』《我は呪》を持ち寄り一つに纏める。これより始まるは守るための破壊の宴なり‼」」

 

そう唱え終わると、俺の中に一つの力が入って来る感覚がした。入ってした力は呪力。その呪力はとても力強くかった。その力が俺の中に入り終わると同時に全てを破壊せよと囁く声が聞こえるのではないかと思うほど強烈な破壊衝動が俺を襲ってきた。

 

「グッ,,,,,」

しかし、それに耐えつつ俺の魔力と呪力を混ぜ合わせる。

 

「出来た,,,,,」

そして出来たのは、崩力。全てを壊せる力であり、世界の学者達がその存在を証明できない力。

証明できない理由としては、呪力は魔甲蟲の持つ力であり、人の身にその力を入れようとすると魔甲蟲の細胞が暴走し、その体を壊すからだ。そして、何でそんな力を持ってるかと言うと,,,,,

 

「よく耐えたね。それに耐えたのはグリムが初めてだよ」

 

「この、力の供給源がよく言うよ,,,,,」

 

相棒のアスカのお陰だ。こいつは実は人形の魔甲蟲で、俺の部隊を何度も襲撃してきた魔甲蟲に怨みがあるらしい。らしいと言うのは、こいつは過去を語らないから知らないからだ。こいつはここに来るまでその魔甲蟲に怨みがある奴らの所に行き俺と同じ契約をしては、共に戦ってきたらしい。契約の内容は、魔甲蟲とバレ無いようにフォローする事と、自分の魔力を半分与えると言うものだった。ちなみにその契約してきた奴らの末路は、呪力が中に入ると同時に気が狂い辺りを破壊したり、仲間を殺したりしたらしい。

 

「元々はお前の力何だから、お前が余裕なのは当たり前か,,,,,」

アスカも崩力を纏っていた。それに、俺と違って余裕そうに笑っていた。

 

「そうだよ。当たり前だよ?」

 

「はいはい,,,,,。もういいや、殺るぞ」

 

「字が違うような気がするけどいいや。行くよ」

俺達の一斉に飛び出した。俺達に気づいた魔甲蟲達は、カナタを飲み込んだ奴を除き、一人につき十匹ずつに別れて襲ってきた。

 

「邪魔だ‼。戦技、嵐《テンペスト》‼」

戦技、嵐《テンペスト》自分の持つ鎌に魔力や崩力を纏わせ全方向に斬撃を飛ばし自分の周囲を切り裂く技。

全方向に行くわけだから勿論、アスカの方にも斬撃は飛ぶわけで,,,,,アスカの方の様子を見ると双剣で、斬撃を打ち消していた。

 

「危なかった~」

 

「双剣だからだろ?。本気用の武器を出せよ」

 

「は~い」

そう言うと、アスカは一本の太刀を取り出した。

 

「コイツらに使うのは、ちょっともったいないような気がするけど,,,,,まっ、いいか!。それじゃあ私も行くよ。戦技、流星《ミーティア》!」

二つ名が着いた理由の一つのあの戦技か,,,,,。

戦技、流星《ミーティア》相手の反応出来る速度を超えて動き、相手を切り裂く戦技。のはずなんだけど,,,,,何でか見える?。崩力のお陰で動体視力とか、身体能力が高くなっているみたいだな。まぁ魔甲蟲には見えなかったようで特に抵抗らしい事は出来ずに斬られていった。

 

「さて、カナタを返してもらうぞ」

そう言った瞬間、カナタを飲み込んだ魔甲蟲が苦しみだした。

 

「えっ?何が起きてるの?」

 

「わからない。取り合えず武器を構えてろ」

中から破られていく見たいに魔甲蟲の体が歪んでいく。

そして中から一本の大剣が魔甲蟲を貫いた。

 

「「はっ?」」

 

「あれは、カナタのだよな?」

 

「ってことは、まさか,,,,,」

そう話している間にも大剣は魔甲蟲を両断していく。そして中から出てきたのは、紛れもなくカナタだった。

 

「「幽霊~‼」」

 

「生きてるよ‼」

 

「うん?、カナタお前,,,,,何か魔力が少なくなって呪力が入ってないか?」

そう、中から出てきたカナタは魔力が減り、呪力が体の中に入っていた。普通ならあり得ない状況だ。さっきも説明した通り人は呪力を使うことは出来ない。俺は契約でアスカから供給されているが普通なら契約出来る魔甲蟲は居ないので現実的に考えると使う方法と言うより、手に入れる方法が無いんだ。

 

「まぁいいよ,,,,,帰ってからどうするか決めようぜ」

 

「いいのか?。カナタ、そんなに軽くて?」

 

「いいんだよ。疲れたから帰ろうぜ」

 

「わかったよ」

そうして帰ろうとした矢先、俺は目の前が暗くなってきた。ふらついているのだろう。視界が揺れる。

 

「グリム!?」

アスカの声が遠くから聞こえる。

 

そうして俺は意識は手放した。カナタが生きていたことが夢では無いようにと祈りながら,,,,,。

 



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エピローグ~死神達の決意~

原作前の最後の話です。


 

 

遠くに、なにかが見える。

 

俺は、そのなにかを見るために近づいていった。

 

見えた物は,,,

 

赤く染まった空と墜ちていく仲間だった。

 

そして残ったのは、俺と一匹の人形魔甲蟲。

 

「今のお前も、まだ殺す価値もない」

 

そう言うと、ソイツが飛び去り目の前から消えた。

 

これで三度目だ。こいつに俺の小隊を潰されたのは,,,。

 

「クソが‼、何でだよ。俺の仲間を殺して何故俺は殺さない‼。何だよ‼。何故俺だけは、殺す価値もないのか‼」

 

その時の俺はその場で咽び泣いた。すると一つの影が近づいてくる。

 

「力が欲しい?。アイツと対等戦える力が?」

そう言われて俺は頷く。

 

 

「欲しい。アイツを殺せる力が得られるなら‼なんだってしてやる‼」

 

「そう,,,。なら力をあげる。アイツと戦える力を,,,」

そう言うとその近づいてきた影は一つの制約書を出してきた。

 

「これにサインしなさい。そうすれば契約終了よ」

俺は迷わずその紙をひったくりサインをする。

 

「それじゃあよろしくね?。私はアスカ・ユーベル。あなたは?」

 

「グリム,,,グリム・ナイト,,,」

名乗りながらアスカと握手をする。

 

これが、俺とアスカの出逢いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅん?」

目を覚ますと目の前に見えたのは、真っ白な天井。

 

「どうして、俺は寝ているんだ?」

体がダルいが、無理して体を起こそうとする。だが、体の右側になにかを乗っているようで体が起こせない。

 

「ぅん?」

そう声が聞こえたから見てみると、アスカが、俺にのし掛かったまま、寝ていた。

 

「看病してくれていたのか,,,」

 

「そうだ。アスカに感謝しろよ?」

 

「カナタ、通報していいか?」

とりあえず、いつの間にか窓から不法侵入しているカナタにそう言って置く。

 

「心配している友人に酷くないか?」

 

「不法侵入している奴にそんな優しさは持つ必要がない」

 

そう言われながらもカナタはへらへらと笑っている。だがすぐに顔が引き締まる。

 

「一つ聞かせろ。お前は崩力をどうするつもりだ?」

カナタは険しい顔をしたまま、俺に黒い大剣を突き付ける。

 

「さぁな、アイツを殺す以外考えてないからな。「それが終わったらどうするつもりだ?」分からないけど仲間でも守っていこうかな?。今度こそ何も失わないように,,,」

そう言うとカナタは、回答に満足したらしく大剣を下ろしたらしい

 

「そうか、俺はこの力をどう使うかは決めてない。だからこの力をどう扱うか決めるまでは俺達三人が崩力を使えるのは秘密にしてもらいたいんだか,,,いいか?」

 

「別に構わないぞ。話すつもりもなかったしなアスカにも言っておくよ」

そう言うとカナタは、そうかと、一言だけ言うと帰りも窓から飛び去った。それと同時にアスカが起きる。

 

「ふぁ~。グリム,,,起きたの?」

 

「あぁ、起きた。なぁアスカ「な~に~」今度こそ守るぞ。仲間を「うん,,,。分かっているよ」じゃあ頑張っていこうか,,,」

 

そう言いながらカナタが飛び去った方向を見て、俺は決意をする。今度は、守れた。守れることがわかったからアイツが来ても仲間を守る。たとえ、俺が死んだとしても,,,

 

俺は静かに決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 



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魔甲蟲と笑う影
起こし方にはご注意を?


さて、今回は前回より暫く時間が経って原作開始。でも本格的に原作に介入し出すのは次回から


魔甲蟲との大規模戦闘からは俺とアスカ、そしてカナタの立場は変わっていった。戦闘終了直後は俺とアスカは黒の剣聖(クロノス)を救った英雄としてカナタは小隊を守った前衛の鏡として...お互いに評価された。だがそれからが違っていた。それからの俺とアスカは二人だけの小隊でランキング戦を勝ち抜いたり任務をこなしたりしSランクの小隊となり死神となじられる事も無くなりむしろ死神とは魔甲蟲への絶対的な切り札とすら言われるようになっていった。だがカナタは徐々に任務やランキング戦をサボるようになりって行き、その代わりに装備科に入り浸りってここ最近は裏切り者と後ろ指を指されるようになった。

 

そんな風に俺とアスカ、カナタの回りの環境は大きく変化しながら時間がたっていった...。

 

 

「ふぁ~眠い...ここは寝やすくって良いな~」

俺は中庭の木の下でゆっくり昼寝をしていた。ここ最近は昼になるとこの木の下で寝ることが日課になった。そんな静かな昼休みに...

 

「グリム先輩‼昨日言いましたよね!?今日の昼休みは空戦魔導士科長(ガーディアンリーダー)の執務室に行くって‼先輩もここにはいないアスカ先輩も完全に忘れてましたね‼アスカ先輩は何処ですか‼」

 

「そうカリカリするなよ。ユーリ...ちなみにアスカなら、ほら木の上だ」

俺は弟子の少女に怒鳴られてた。怒鳴っているこいつはユーリ・フロストル。カナタと同じ小隊で小隊のランクはS。元々はカナタの弟子だったのだがカナタが任務やランキング戦をサボる様になってからは俺とアスカに弟子入りし今にいたる。

 

「ふぁ~眠いよ~ユーリうるさい...あんまりうるさいと...あの写真を売りに出すよ?」

 

「すいません‼やめてください‼お願いしますから‼」

大声で起こされ不機嫌なアスカに脅されユーリは、すぐに頭を下げる。アスカが言っている写真とはユーリが俺達に弟子入りした時に何か危機感があれば早く覚えるだろうとアスカが言い出しそれ以来、訓練前にお題出し達成できなければユーリをコスプレさせて写真を撮る様になった。今まで写真をとったコスプレの内容は昔あった国の伝統衣装チャイナ服、王道のメイド服など色々ある。まぁ要するに、エースのユーリからすると恥ずかしくばら蒔かれたりしたら二.三日は寝込むような品だ。

 

「でっ?何だっけ?空戦魔導士科長の執務室に呼び出されているんだっけ?」

 

「あっ!そうでした‼行かないとヤバイですよ‼」

 

「アスカは...「眠いし起こされ方が最悪だから行かな~い」だろうな...。起こしてくれてありがとなユーリ」

俺は起き上がりユーリの頭を強めにワシャワシャと撫でてから執務室に向かって歩き出した。後ろからは、

 

「そんな乱暴な撫で方しないでください‼」

とユーリが声をあげていた。

 

 

 

~執務室~

 

コン コン

 

入りなさい

 

「失礼しま~す」

中に入るとカナタと空戦魔導士科長のフロンそしてカナタと同じ小隊のクロエがいた。

「グリム・ナイト...あなたの相方はどうしました?」

 

「寝ていて起こしたのですが起きなかったので俺だけ来ました」

 

「相変わらずいつも道理だな」

 

「裏切り者は少し黙ってなさい」

フロンはカナタを少しだけにらむと溜め息を一つして、話を切り出した。

 

「さて、二人ともこの辞令を受け取りなさい」

そう、言われ俺とカナタは差し出された書類を受け取った。中身は三人の女子生徒の詳細な情報とこれからなる役職について書かれた紙。隣のカナタのもを覗き込むと俺が渡されているとの全く同じ物だった。

 

「マジかよ...」

俺とカナタの辞令には、一言こう書かれていた。

 

 

E601小隊の教官をせよと...

 

 



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