艦これ -兼任提督は楽じゃない- (ラリカ)
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序幕

 暗い暗い空間。

 

 あたりを覆う闇の中。

 

 なのになぜかしっかりと見える、そんな場所。

 

 私はそこにいた。

 

 気付いたらそこにいたのだ。理由なんてわかるわけがない。

 

 その空間には私だけじゃなく、もう二人、そこにいた。

 

 一人は白い服を身にまとい、どこか威厳のある壮年の男性。

 

 もう一人はいわゆる海兵服を身にまとった少女。

 

 男性の表情はただただ暗く、拳は震えるほどに握られていて。

 

 また、少女の表情は、そう、例えようがなく複雑で。

 

 自分がそこにいることが、すごく、場違いに思えた。

 

 なのに。

 

 なのに、どこか彼女と共にあることが当然で、男性こそが場違いなようにも感じる。

 

 私たち3人がここにいて。

 

 しかし、誰一人言葉を発しない。否、言葉が形を成していない。

 

 私自身の言葉でさえ、悲しみ、怒り、諦め、恨み。

 

 そんな感情が、色々混ざりあっているのかもしれない。

 

 とても長い時間が、あるいはごく短時間が過ぎた頃、ようやく言葉は意味をもつ。

 

「すまない。」

 

 はたして男性が発したのか、私が発したのかは定かではない。

 

 しかし、その言葉が切っ掛けとなり、意味のある言葉が行き交う。

 

「あのとき撤退していれば・・・」

 

「提督は悪くない・・・」

 

「慢心などあってはいけなかったんだ・・・」

 

「見通しが甘かったんだ・・・」

 

「練度はたりていたんだ・・・」

 

「修練が足りなかったから・・・」

 

 ただただ後悔の言い合い。

 

 私は思い浮かぶ全てを吐き出していく。

 

 それは彼らには伝わらないのかもしれない。

 

 しかし、言葉にせずにはいられなかった。

 

 彼らも同様なのか、途切れることなく言葉は紡がれる。

 

 このまますべてを吐き出すかと思われた。

 

 だけど。

 

 気付いた。

 

 気付いてしまった。

 

 男性が黒に飲まれかけていて、少女もわずかに飲まれている。

 

 私は咄嗟に手を伸ばし、彼らの手を掴む。

 

 しかし、少し遅かったらしい。

 

 男性は手を振り払い、一言だけ鋭い声をあげ、まるで自身の運命を受け入れるかのごとく、安らかな顔で飲まれて、消えていく。

 

 そして少女もまた。

 

 どこか安らかな声で。

 

 私を安心させようとしているかのように、強く握り返し。

 

 そして、消えていく。

 

 残されたのは、白い2つの光。

 

 それらは漂い、わたしの手元に近付く。

 

 それはひどく幻想的で。

 

 私は慟哭して、あるいは慟哭しようとして。

 

 

 そして、私も黒に飲まれた。

 

 

 ただひとつ、言えることは。

 

 私たちの出会いは、最高で最低で。

 

 きっとサイコロの6の目という奇跡なのだろう。

 

奇跡なのだ。"死という逃れ得ぬ定めへの抗いは。"

 

徐々に失う感覚。再び得たその感覚は、しかし、前回と異なり。

 

 そして私は――――――――――――



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第1話

数年置いた次話投稿!

次はいつになるのやら・・・


気がつけば、さざめく波の音と潮の香り。

視界をやき尽くしてしまいそうな白は徐々にその力を押さえ、視界を助け出してくれていた。

忌々しいそれから解放されようと、私の瞼を開いていく。

 

海。

 

「――――――――!」

 

その蒼を目にした時、言葉を発していた、ような気がする。

どこかここが現実と思えなくて、深い哀しみを吐き出していた。

 

どれだけの時間そうしていたかは分からないが、私の慟哭が収まった頃には既に、日も沈み、街頭の灯りが点々と主張するかのように道路を照らしていた。

 

それに気がついた時、スっと。

・・・スっと暖かい何かに包まれた気がして。

 

そして、私は先程までの哀しみが呆気ないほど静まり、ポツリと記憶よりも高い声で、しかし記憶通りのこえで。

 

「ここ、どこ?」

 

呟いていた。

 

 

 

 

 

 

現状があまりわかっていなかった私は、落ち着いたその頭で周囲を見渡す。

しかしそこはやはり、海岸線のどこかで。

記憶を探ってもパソコンの前に座り、ゲームをしていたところで今に繋がっていた。

 

「え、ほんとここどこ?」

 

とりあえず重たかった金属製の何かをそこに脱ぎ捨て、道路へと向かった私は、錆び付いた標識をみて、やはり混乱した。

そこに書かれていた地名から場所はすぐに分かった。

けれど。

 

「なんで北海道なのさ」

 

どうやら私は、東京から遠路はるばる北海道まで運ばれてしまったらしい。

 

 

 

それから私は道路をひたすら歩いた。

私個人の感想で言わせて貰えるなら、ほぼ夜通し歩いたような気さえする。

何かで読んだ、少し移動すれば見つかるというセイ○ーマー○も見つからず、いい加減疲れもピークになった時、ようやっとあかりが見えた。

 

そのあかりにたどり着く頃には日も昇り始めていて、人々の生活の騒めが聞こえてきて。

 

目の前に人がいた事で、私の意識は闇に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ちのに・・・んなとこ・・・るわけないだろ!」

「・・・んのものはよくきとるらしい」

「にげ・・・か!?それもあんなち・・・いてにげたやつらが!?」

 

目が覚めた。

目覚めに重い体を起こしつつ、目を擦り、呟く。

 

「ここは・・・?」

「あ、起きた?・・・ごめんね、お父さん達がうるさくって」

 

その少女の声に、周りの男たちの声は一気に静かになる。

 

「いや、えーっと、なんか、ごめんなさい・・・?」

「ううん、こっちこそごめんね。ほらお父さんたち、うるさすぎだよ!」

「あー、悪かったな、嬢ちゃん」

「あ、いえ、別に、大丈夫、です」

「いきなり目の前で倒れたからびっくりしたよー、あ、わたしは楠木 楓(くすのき かえで)。あなたは?」

「え、あ、ありがとうございます・・・。私、は・・・」

 

名前。

ナマエ。

なまえ。

 

「・・・」

「あ、あれ、だ、大丈夫?・・・思い、出せないの?」

「あ、いや、えーっと・・・」

 

どうしてか、名前が出てこない。

いや、出てきてはいる。

でもそれが、自分の名前だと認識しているのに、認識していないのだ。

しかし、いつまでも返さなければ、この少女やその父親達の不安そうな顔に、私は更なる罪悪感を得てしまうだろう。

 

・・・仕方ない。

「多摩、だと、思います。」

「えーっと、・・・たまちゃん、なんだね!」

頷けば、そっかそっかと呟く楓と、難しい顔をしてるその父親たち。

「・・・なあ嬢ちゃん、覚えてなけりゃしゃーねーんだが、どこから来た?」

「道路を、まっすぐ、です」

「じゃな、いや、・・・その前は?」

「・・・わからないです。気がついたら砂浜で・・・」

「そう、か。悪かったな、いきなりで」

「いえ・・・」

 

なんだろう、質問の意図が見えない。

ここは日本で、外通信のしっかりと整った国、のはず。

なのに、漫画とかアニメみたいな過疎地とか中世の村に来たよそ者に対するような質問のようで。

「あー・・・とりあえず、風呂に入っておいで。その間にご飯でも準備しといてもらおう」

いや、そこまでしてもらう訳には、なんて言葉も発する間もなく、老人は婆さんやと、その場を離れていた。

 

「素直に受け取っとけ?じゃなきゃうちのガス代が無駄になっちまう。」

「あ、ありがとうございます・・・」

 

服は私のでとりあえずいいね!なんて楓の言葉に、え?困惑しているうちに、連れられて服を脱がされ風呂場に突っ込まれ、私は固まってしまった。

 

鏡にうつしだされた一糸まとわぬ多摩の姿を見て。

 

「な、なっ」

 

・・・とりあえず、分かったことがある。

私は、多摩で間違いないようだ。

たとえ記憶では違おうとも。

 

風呂をあがり、色々な意味で真っ赤になった私は、なるべく平静を保とうとしながら、楓の服に袖を通し、楓のお婆さんが作ってくれた鹿肉料理を頂きながら、火照りを冷ますことになる。

 

 

 

 

それからは少しだけ飛ばすことにしよう。

といっても、この数日間は普段私が目にしていた女子高生たちの普段の過ごし方とそう変わらないものだった、と言えよう。

 

楓の家に住ませてもらうことになり、楓の学校が終わるのを待ち、その間家事を手伝い、学校が終わるや否や1度帰宅した楓に連れられてカラオケやカフェなどに連れられていって友人を紹介されたり。

夜には楓にわかる範囲でだが勉強を教えたり、逆に教わったりしていた。それだけなのだから。

 

 

 

 

その間におきた特筆すべきことといえば、いくらインターネットで検索しても、艦隊これくしょんの文字は一切見つからなかったこと。

これに尽きる。




と、いうわけで、久しぶりの投稿(ほんといつぶりなのか)

しばらくは更新するつもりだけど、うちだからなぁ・・・

そして未だに艦これ要素がほんのちょっとしかない

まー、まだ起承転結の起の序盤も序盤、てか、そのまえですからね!(?)

それでは、いつ更新されるかはうちにも分からないですが、ここまで読んでくださって次話も待ってやるよっていう優しい方は、ぜひ次も会いましょう。

それでは!


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第2話

新年あけたね!


あれからなんてことは無いと言えてしまうほどに平和な日々を過ごした私だが、過ごしていて幾つか分かったことがある。

 

まず最たるものは深海棲艦が事実として存在していることだろう。

 

テレビや新聞などで大々的に言われていれば、嫌でも分かることでもあるが。

 

それに伴い、鎮守府及び艦娘の存在も確認出来た。

 

とはいえ、艦娘の情報は相当隠蔽されているようで、艦娘という名称があった訳じゃない。

 

オカルト的写真のように、水上を走る彼女らの姿が見られたからだ。

 

次に、交通に関して、だいぶ異なっているらしいこともまた、わかった。

 

飛行機や船など、海を渡る手段は激減しているようで、鎮守府の周囲でしか漁は行われておらず、人を渡す行為は事実上行われていない。

 

ある意味当然といえば当然だが、深海棲艦によって損なわれているらしい。

 

しかし、このことを知った時から、一つだけ疑問があった。

 

楓の家で過ごさせてもらっている今、時折魚料理が出てきている。

 

楓に連れられるうちに、魚屋があることも確認している。

 

鎮守府は数が多くなく、調べた限りだと私が知るサーバーの場所程度しか無いこともわかっている。

 

故にこそ、ここ、苫小牧で何故魚が取れるのか。

 

楓に聞いても、考えたこともなかったなんて言われては、どうしようもないが。

 

 

 

そんな思考を、米とぎをしながらしていると、慌ただしく帰宅の音と、たまちゃんと、大きく私を呼ぶ声がする。

 

楓のお婆さん、節子さんの方を見てみれば頷きを返したので、ありがとうと伝え、玄関へと向かう。

 

玄関にはもちろん、楓がいた。

 

「たまちゃん、今日はスイーツ食べに行こ!スイーツ!」

 

「うん、ほら、慌てないで。」

 

行ってきますと声をかけて、家をあとにする。

 

今日学校でねーなんて話をする楓の話を聞きながら、楓についていく。

 

当然のことだが、私は未だにここの街の地理は詳しくない。

 

きっと案内も含まれているだろうことに、気が付かない訳もなく。

 

有り難さと申し訳なさに挟まれながら、その好意を受け取ることにしている。

 

そしてひとつ。

 

ここのケーキはとてもおいしかった。

 

 

 

「多摩ちゃん、今日もお使いかい?」

 

また別の日、買い物に出た私はこうして声をかけられるほどには馴染んでいた。

 

その道中、気になる会話が聞こえた。

 

 

「最近警報がなくて助かるわねぇ。」

 

「ほんとにねぇ。」

 

「そういえばあの子、未だに引き取り手が居ないのでしょう?」

 

「あんな所に1人取り残されて、可哀想にねえ。」

 

「軍がもっとしっかりしてさえいればあんなこと無かったでしょうし、早い所あの子も幸せになって欲しいわね」

 

 

気になったとはいえ、足を止めてまでというのはどうかと思い、これしか聞けなかったが、どこか気になってしまっていた。

 

しかし、この事は楓の家で話題になることは無い。

 

一度、楓の父、桂梧に聞いた時、強く拳を握り、絞り出すようにまだ早いと言われてしまったのだから。

 

 

 

 

再び時は流れ、ある日の夕食時。

 

その日、運命の歯車は回りだし。

 

私の運命が定まることとなった。

 

もし、なんて言葉があるが。きっとそれに意味なんてなくて。

 

ただひとつを除いて、後悔なんて無いと、その日を超えた私は思ってさえいただろう。

 

しかしそれは、未来から見た私であり、今を過ごす私にはまだ目前の事にさえ、気付いていなかっただけなのだから。

 

大きく鳴り渡る、警報の音が街中に鳴り響くまで。




てわけでこうしーん

きょうはこのまま次の話を書く予定ー

未だに原作がほとんど無いね!

でも次あるから!


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第3話

ようやく始まるよ


街に鳴り響く警報の音。

 

途端慌ただしくなったこの家族を見て、けれど私は、ひとつの考えをしていた。

 

逃げるよと、手を引こうとする楓から逃れ、悔やんでいたり、慌てていたり、悲しんでいたりする彼等に、先に行ってと伝える。

 

震えるように零したその声は、私自身の考えに逃げがあるようで、自身の頬を強く叩かせた。

 

あっけに取られる彼等に、再度、先に避難して、と伝える。

 

今度は震えてはいなかった。

 

「私は、多摩。球磨型軽巡洋艦二番艦、多摩。だからここを、あなたたちを守るために、海に出る!」

 

自分に言い聞かせるように、声を張り、その意志を彼らへと伝える。

 

例え異物が混ざっていようとも、私は私が信じた多摩である。

 

桂梧は強く拳を握り、しかし、絞り出すように情けない大人ですまない。頼む、あんたの持ち物は納屋にある。

 

そう告げ、必死の形相でなんで、早くたまちゃんも逃げないと、と叫ぶ楓を抱えあげ、外へと向かっていった。

 

最後に出る時に見せた楓の姿に、決意が鈍りそうにもなった。

 

しかし、そうしている時間も惜しい。

 

急ぎ納屋へ向かい、私自身を身に纏う。

 

ほっぽり出してしまっていた艤装は、しかし待っていたと言わんばかりに私に力をくれる。

 

待たせたね。

 

そんな声をかけて、私は海へと足を進めた。

 

 

 

 

 

海へと出た私は、すぐさま水上偵察機を飛ばし、祈るように足を進める。

 

身体が覚えているとでも言うのか、戸惑いはなかった。

 

飛び立つその機内にいた妖精が、サムズアップして飛んでいくのを見て、場違いなことも考えてしまったが。

 

しかし、運良く見つけることは出来た。

 

その事を妖精さんは伝えてくれる。

 

その事実がまた、私を多摩とさせてくれていた。

 

故に。

 

漁港へ一直線に向かっている奴ら、魚のように見えなくもない夥しい数の化け物達を、沈める。

 

そのために、奴らの前に姿を見せつけた。

 

「ここから先には行かせない。・・・守るために、私は私としてお前らを沈めてやる。」

 

そう、睨みつけた。

 

撃つ、撃つ、撃つ。

 

狙いは程々に、されど必中させて撃つ。

 

もちろん、奴らは案山子なんかじゃない。

 

その数の優位故に雨のように撃たれている。

 

しかし、その痛みなど、耐えられるほどの思いがこの身にはあった。

 

この街に住む皆への思い。

 

この身への後悔。

 

そして。

 

「例えゲーム内でも”俺”は彼女をここに送らせていたんだ。」

 

「その彼女に取り返しのつかないことをした。」

 

「けれど。」

 

「いや、だからこそ!」

 

「この程度にやられるものかっ!」

 

 

 

 

あれから、どれほど戦いは続いたのか、闇に包まれてしまった今では分からない。

 

しかし、四肢が痛みで動きを鈍らせる頃、あれほど居た奴らは、数えられるほどにまでなっていた。

 

撃つ、沈める。

 

撃つ、沈める。

 

しかし、これだけ鈍くなった今、あと一隻という所で、気がついてしまった。

 

すぐ真横、手の届きそうなところに大きく口を開けた化け物。

 

その口から出る砲塔が、ハッキリと私を狙っていることに。

 

その衝撃を恐れ、目を瞑ってしまったが、しかし、思っていた以上に衝撃は少なかった。

 

目を開けてみれば、なんてことは無い。

 

奴が沈むのが見えるだけ。

 

「大丈夫、ですか?」

 

声をかけられ、ようやくそちらを向けば、いつの間にか、一人の少女がいた。

 

見れば彼女もボロボロだった。

 

「大丈夫、えーと、その、ありがとう。」

 

「こちらこそありがとうなのです。・・・あなたがいなかったら、あのままきっと・・・」

 

それから私たちは周囲を警戒し、しかしこれ以上居ないこともわかり、陸へ戻ることにした。

 

「自己紹介がまだだったのです。駆逐艦、電です。」

 

「軽巡多摩、です。」

 

「えーっと、多摩さんは、どちらに所属をされているのです?」

 

「その事だけど、私はどこにも所属してないから、出来たら入渠施設を借りたいんだけど・・・」

 

「・・・ごめんなさい、電は入渠施設が無いのです。」

 

どういうことかと聞けば、なるほどと、思ってしまった。

 

電は軍から文字通り外されてしまっていた。

 

出来れば戦いたくない、命を救いたいその思想故に。

 

だからこそ、鎮守府に向かうことも出来ず、施設もないままに戦い続けたらしい。

 

この地を守るために。

 

そんな話をしていれば、いつの間にか漁港へと着いていた。

 

こっちで少しお話を聞きたいのです、なんて言われ、案内されたのは倉庫の一角。

 

どうやらここで暮らしているらしい。

 

そちらに座ってくださいと勧められた椅子に座った瞬間。

 

心がざわついた。

 

なんと表現したらいいのか分からないが、確かな事がわからされた。

 

提督が着任したという事が。

 

驚いた顔でこちらを見つめる電に、帰ってこれた実感を持って。




ようやく着任!

ここから始まる訳ですが、更新はいつも通りで、気まぐれです

気長にお待ち頂けたらとは思います

あと一つ

知識そんなにある方じゃないので間違いとかあったりすることがありますが、現実世界ではない世界ということで納得頂けたらなと思います。

やってた時期かなり前だからユルシテ!


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第4話

途中まで書いてたけど15日たったから自動保存消えててやり直し

プロットもないから覚えてないからなぁ・・・

つらい(´・ω・`)


「司令官さん・・・なのですか・・・?」

 

驚いた顔のままこちらに聞いてくる電。

 

きっとこのまま私は多摩である事を、嘘を突き通すことも出来るだろう。

 

けれど、私はそうしたくなかった。

 

きっと思っていた以上に、私は現実に疲れていたんだろう。

 

もしかしたら、戦闘の高揚がまだ抑えられてないのかもしれない。

 

あるいは。

 

・・・いや、理由なんて正直私も分からない。

 

ただ事実として、私の口から発された言葉は肯定だった。

 

「・・・私にも、何が起きてこうなったのか分からないけど。」

 

口を暫しぱくぱくとさせた後、電は。

 

「電はうれしいのです。」

 

その言葉は、私を少し困惑させる。

 

「電はここで、皆さんを守るために海に出てきました。」

 

「軍からも見捨てられた電は、一人で何とかしなきゃって、ずっと戦ってきたのです。」

 

「けれど、今日。」

 

「多摩さんが一緒に戦ってくれて、とっても嬉しかったのです。」

 

「そんな多摩さんが司令官さんなら、電はもっともっと頑張れるのです。」

 

だけど、ここまで聞けば私の考えがただの邪推でしか無いと思い知らされた。

 

裏切られたとか、そんな事は思ってなどいなくて。

 

心の底から私をそのままに受け入れてくれている。

 

そう、感じてしまう。

 

「・・・もしかしたら、私は電にとって、いい提督じゃないかもしれない。」

 

「それでも、電は多摩さんを信じたいと思ったのです。」

 

「私の提督としての力は大きくないかもしれない。」

 

「司令官さんとしての力はこれから一緒に成長すれば大丈夫なのです。」

 

「・・・詳しく知ってる訳じゃないけど、軍とも敵対してしまうかもしれない。」

 

「電だって、もう既に見捨てられてるのです。」

 

「・・・電の知り合いとも、戦うことになるかもしれない。」

 

「ここを守っている時点で、・・・覚悟はしているのです。」

 

「・・・」

 

だめだ。

 

言葉が、口が震えて、体にぞわりと、寒気が走る。

 

泣きそうになる私を、温かく包むように抱きしめる電。

 

「・・・こんな私でも・・・本当に・・・いいの・・・?」

 

「電はそんな司令官さんが良いのです。」

 

その温かさは。

 

私の生誕なのかもしれない、なんて、思えた。

産声をあげるように泣き、電の優しさに包まれて。

 

お互いにボロボロのまま、意識が無くなるまでそうし続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼんやりとした意識のまま、温かい何かに包まれながら、目を開ける。

 

白と黒と肌色。

 

どこなのか思い出そうとして、一気に覚醒する。

 

椅子に座る電に抱きつく形で私は眠っていた。

 

回された腕を起こさないように外して立ち上がる。

 

少し痛む目で周囲を見渡すと、困惑が広がる。

 

移動はしていない、はず。

 

電と、電が座るソファは眠る前に見ていたものと変わらない。

 

けれど、大きくこの倉庫が様相を変えていた。

 

見知らぬ壁が増えていたり、ドアが出来てたり。

 

海側を見れば外が見えていたはずのそこは窓からのみ外を映し出していて。

 

机を見れば、敬礼する妖精さんがいた。

 

ドヤ顔で。

 

固まっている私をよそに、時間はしっかりと流れていて。

 

ポーンと机から飛び降り走っていく妖精さんを眺めながら、困惑するしか無かった。

 

しばらく惚けていた私は、電の起きる声でようやく再起動する。

 

と同時に、何なのですコレ!?と驚く電に、妖精さんが多分、やったと伝える。

 

「聞いたことも無いのです・・・。」

 

妖精さんが勝手にここまでのものを作り上げることは、どうやら電も知らなかったようだ。

 

大丈夫なの、これ?と聞いてみれば、しょ、正直に言うしかないのです・・・とのこと。

 

ドアを開けると、そこは廊下のようで、他にも扉があった。

 

確認のために見ていけば、工廠や寮、食堂に入渠施設があった。

 

電と顔を見合わせ、先に入りなと伝えてみると、一緒に入ればいいのです、と返される。

 

「元は私は男だったんだよ?」

 

そう言ってみても、今は女の子なのですよね?と返されてしまう。

 

結局流されて入ることにはなったものの、ここから先は私の胸に秘めておくことにする。

 

・・・別にやましい事はしてないが。




てなわけでこーしーん!

あんまし進んでないけどね!

ところで今回の話。

うちの普段使ってるハンドルネームが沢山出てきてなんか書いてて変な気分だった!


あと電がここまでマッマになるとは思ってませんでした。

なんか違うんだけど等ありましたら、そういうものだと思ってください。

うちの!限界!です!


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