ハイスクールD×D〜ドラゴンに転生しました!〜 (瑠夏)
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第1話 転生します!

やってもーーーたぁぁぁぁぁあああ!間違えて全部消してしまった!
お気に入りに登録してくれていた皆さん、本当に申し訳ございません。評価してくれていた人も同様申し訳ございません。

幸い、保存していたので、何とかなると思います。

本当に申し訳ないです。これからまた、今までのを更新していきますので、また読んでくれたら幸いです。


「目が覚めたか?」

 

不意に声をかけられて意識が覚醒する。目を開けると辺り一面真っ白な世界が広がっていた。

 

「…ここは?」

見たこともない場所にいたため混乱しながらも、現状を知るために

声の主へ質問する。

 

「ここは転生するものが訪れる世界の狭間じゃよ」

「転生……ってことは、俺は…死んだのか。…ってことはあんたは神様なのか?」

「そうじゃよ」

 

 

少年ーー龍夜は、普通の高校生だった。ただの一般家庭で、親とは仲が悪かった。その日もいつものように学校へ行き、行きつけの喫茶店で友達とだべり、帰るなはずだったのだ。

だが、喫茶店からの帰り道で大型トラックに轢かれそうな子供が目に入った。

 

龍夜はとっさに駆け出し、轢かれかけていた子供を突き飛ばした。

しかし、自分はトラックにはねられ死亡した。

 

「ーーということじゃ」

「そっか〜…。でも、どうして俺は転生することになったんだ?」

「お主がこのまま死ぬのは可哀想だと思ったのじゃよ。お主もこのまま死ぬなんていやじゃろ?」

「それは……そうだが…。けどさ、そんな理由で人をほいほいと転生させていいのか?」

「いや、そんなほいほいと転生なんてさせとらんよ。まぁ、正直に言うと儂の機嫌が良かったから、お主を転生させることにしたのじゃ」

 

機嫌が良かったからて…そんなでいいのか?神よ

 

「いいんじゃよ」

「人の心を読むなよ」

「それは無理じゃ、ここではおぬしが考えていること全てが儂に伝わってくる」

「おいおい、プライバシーもクソもねーなここは」

「ま、そこは我慢してほしいのぉ」

 

「別にいいさ、心が読まれても、どうせここには後少ししかいねーんだろうしな」

「ほぉー、察しがいいのぉ、その通りじゃよ。

さて、そろそろ本題に入るとするか」

本題?なんだろうな。

 

「お主にはハイスクールD×Dと言う世界に行ってもらう」

ハイスクールD×D?確か高校の友達がめちゃくちゃ好きだったやつだな。確か主人公がおっぱいでどんどん強くなっていく話だったかな?まぁ、詳しいことはどうでもいいか。

 

「そう、その世界にお主は行ってもらう。それでお主はなにがほしい?」

「ん?」

「転生特典という奴じゃ。好きなものを申してみよ。三つならなんでも叶えてやる」

え?そんなの貰えるの?

 

「当たり前じゃ。転生するのだからな」

そっか〜。何でもいいのか。……なら。

 

「モンハン3のアマツマガツチとしての転生が一つ。ドラゴンスレイヤーを効かなくしてくれ、これが二つ。ん〜、あとは、デート・ア・ライブの今出ている精霊が所持している天使全て、これが俺の望みだ」

 

「わかった。お主の望みを叶えよう。じゃが、モンハンのアマツマガツチと言うのは能力も容姿もそのまんまということでいいのじゃろうか?」

 

「あぁ、それでかまわない。よろしく頼む。

あ、ついでに人間の姿にもなれるようにしておいてくれないか?」

 

「わかった。ならそうしておこう。

よし!準備はよいな?そろそろ送るぞ」

 

「うん。ありがとう。神様」

「うむ。お主も元気での」

 

神様はそう言った瞬間、俺の足元に大きな黒し穴が空いた

 

あ、やっぱりテンプレどうりなのね。

次の瞬間、もう、俺に意識はなかった。




もう一度、本当に申し訳ございません。楽しみに待ってくれている方々(いてくれることを願う)のために早く、更新していきます。


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第2話 いきなり戦場です!

2話目です。


俺の意識が戻ったとき、まず、目に入ったのが赤と白のドラゴンだった。

 

そして、その二匹のドラゴンを、純白の翼をもち、頭の上に輪っかを浮かした者、純白とは真逆の真っ黒な翼を持った者、コウモリに似た翼を持った者が囲んでいた。

 

(んー。これはあの二匹のドラゴンを倒そうとしているのか?)

二匹のドラゴンを囲っているものは皆、あのドラゴンに向かって攻撃をしている。ので、間違い無いだろう。

 

だが、俺はあそこにいる者達では、倒すことは出来ても相当苦労するだろうと思っている。

 

なんでそんな事がわかるのかって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなの…………なんとなくだよ。

なんとなく分かるんだよ。

ホントだぞ!嘘じゃないからな!

 

多分、アマツになったことが原因だろう。

アマツになったことで自分の力が桁違いに上がり、相手の実力や、自分との力の差などが測れるようになった。そういう事だろう。

 

話は戻るが、あいつらだけでは、あの二匹のドラゴンを倒すのは苦労する。だから、俺が手伝ってやろうと思う。

 

まぁ、手伝うとか言ったが、実のところ今の自分がどのくらいやれるか試したいと思ったからだ。

 

あ、言うの忘れてたが、俺は今、アマツマガツチの姿で浮いている。もちろん常に風も纏っている。だが、ただ浮いているだけなのに周りの被害がハンパない。俺は大体地上から約1キロは離れている。にもかかわらず、下にあった森と大きな山が、吹き飛んでいた。

 

風の被害は、何も自然だけでなく、下にいた者達にも被害が及んでいた。

 

「なっ、なんだっ!」

「おいおい、さっきまであった森や山は一体どこへいったっ!?」

「っというよりなんなんだこの風はっ!まともに飛ぶこともできないっ!」

襲い来る未知の風にただ、騒ぎ始めた。そこで、1人の男が震える指でこちらを差してきた。

 

「…………お、おいっ!あ、あれっ!」

男の声を聞き、皆が指をさしている方へ向いた。さっきまで戦っていたはずのドラゴンすらもこちらへ向いていた。

 

そこにいたのは、今までに見たこともないドラゴン。

 

 

赤と白のドラゴンの倍近くはある大きさ、全身は真っ白で、頭には大きな角がある。そしてなにより、一番目につくのは、体全体を覆っている凄まじい風だった。

 

「あんなドラゴン見たことねーぞっ!」

「そんなことよりあいつ、次元の狭間から出てこなかったか!?」

「ほ、ホントだ!あいつの後ろに入り口があるぞ!」

 

『次元の狭間』の出現により、一層騒ぎが大きくなったが、それを遮るものがいた。

 

「貴様っ!我らの戦いの邪魔をするかっ!」

「邪魔立てするのなら貴様から葬ってやろう!」

赤と白のドラゴンだった。

 

そして、その二匹のドラゴンが、俺へ襲い掛かってきた。全速力で飛んでくる二匹だが、俺の元へたどり着く前に、吹き飛ばされた。

理由は簡単。俺が纏っている風に吹き飛ばさた。

ただ、それだけだ。

 

吹き飛ばされたドラゴンは、体制を整え、直ぐに赤いドラゴンは、口に炎をためて、攻撃態勢に入っていて、俺へ炎を吐き出した。

 

赤ドラ(もう、めんどいからこれからは赤ドラで、白い方は白ドラで)が吐いた炎は、威力が馬鹿げていた。

 

(この威力……。日本で吐いたら近畿地方の半分ぐらいは消し飛ばせんじゃね?)

そう思うほどの威力だったが、それですら俺に届くことはなかった。

 

「なっ!今の威力でも、あの風を突破できないのかっ!」

赤ドラは、相当ショックだったのか唖然として、動きが完全に止まっていた。それは白ドラも同じで、自分のライバルである赤ドラの強力な一撃を受けて無傷だったことに驚きを隠せなかった。

 

そんなことは知らない俺は、止まっている今がチャンスと思い二匹のドラゴンの頭上で嵐を起こし叩き落とした。

 

凄まじい轟音が響き渡る。

また起き上がって攻撃されるのは鬱陶しいのでトドメにブレスをお見舞いした。

 

するとーーーーーーーーー

 

 

ドゴオオオオオオオン!!!!!!

 

 

‥…………は?思わず間抜けな声がでた。

いや、だって、これは仕方ないでしょ!

トドメと言ってもしばらく動けないぐらいにするはずだったのに、今の下手すりゃ死んでるよ!?

適当にブレス吐いただけでこの威力!?もう地形すら変わっている。

滅茶苦茶おっきなクレーター作っちゃったよ!

ほら!今の戦いを見てた翼を持った人たちなんて全員が口を開けてポカンとしてるよ!…………ハハハ。

 

 

これあの二匹のドラゴン大丈夫かな?

俺のブレスが当たる直前に、『Divite(ディバイド)』

て聞こえたし、どっちかが何かしたのだろう。だってブレスの威力が半分近く削られたからね。

 

…………いや〜、半分削られてあの威力か……。

もし、威力が削られてなかったら、俺を除いたここにいた者達は全員死んでいただろうなぁ〜。

 

巨大なクレーターの真ん中にはボロボロの格好で赤白のドラゴンが倒れていた。

 

よかった〜、どうやら生きているようだ。

 

これ以上面倒ごとはごめんなので、俺は『次元の狭間』?の入り口に入っていった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…………何だったんだ?あいつは…」

「……あの二天龍がたったの一撃?」

「……ば、馬鹿げてる……」

謎のドラゴンが去った後、残された者達は、困惑していた。それも当たり前だ。敵であるはずの奴らと手を組んで、最大戦力で倒しにかかっても、倒すことが出来なかった二天龍を、突然現れた謎のドラゴンが一撃で倒したのだ。困惑しないほうがおかしい。

 

 

「おい!お前ら!今のうちに二天龍を封じるぞ!」

黒い翼のリーダーらしき人物が、真っ先に我に返り、そう叫んだ。

 

「確かに今がチャンスですね」

「あぁ、あいつらがまた目覚める前に終わらせるぞ!」

 

「「「「「「おう!!!!!」」」」」

その場にいたものが全員やっと、我に返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、二天龍は、神器(セイクリッドてギア)に封じ込められたのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅー」

俺は次元の狭間へ入った後はただただ浮きながら愚痴を漏らしていた。

そらもそうだーーーー

 

「戦争のど真ん中に転生させるか?普通ぅ〜」

こう愚痴りたくなるのは仕方ないと思う。

転生場所が、争っているところだぞ?なんで転生初めにあんなのに巻き込まれなきゃいけないんだ!

 

 

まぁ、今の自分がどれくらいなのかある程度わかったからいいけどさぁー。

 

けど…………これからどうしよ?



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第3話 赤い怪物倒します!

3話目です。


どうも、アマツマガツチに転生した風見龍夜です。俺が赤白のドラゴンを倒した日から結構な月日がたちました。

(結構たったと言っても半年ぐらいだろうが)

 

俺はあの後、次元の狭間の中を飛び回っていた。

 

だがはっきり言ってもう、ただ飛び回っているのに飽きた。

 

まぁ、ただ飛び回っていただけではないが…。

 

この半年でわかったことがある。まず俺は何も食べなくても生きていけるということがわかった。だが、物を食べなくても生きていける、ということはわかったが、これから何も食わない!なんて選択肢はない。俺だって美味しいもの食べたいし。ということで俺は最近、次元の狭間から出て人間の姿でこっそり湖で釣りをして、釣った魚を焼いて食べている。

 

ちなみに、人間の姿にはすぐになれた。ただ念じるだけで人型になれたのだ。

容姿をいうと、腰まで伸ばした透明感のある綺麗な白髪で肌は雪のように真っ白。目の色は赤でなんとも中性的な顔をしていた。

それは良い。白髪や銀髪なんて二次元が好きなら奴なら憧れるだろう。問題は俺の服装だ。

俺の服装は真っ白なワンピースだけ。肩からは綺麗な腕が露出しており、誰がどう見ても女の子にしか見えない。

 

この世界の情報を知るべく朝から人間の姿になったのはいいが、これでは恥ずかしい。けど、この格好以外着替えれるものが無かった為、しかたなくこの格好のままで、外にいた戦闘服みたいなのを着た人たちに聞いて回った。そしてわかったことはこうだ。

 

ここは冥界で悪魔が住んでいる場所。昔から天使と堕天使と長い間戦争をしていたそうだ。そして戦争の途中で二匹のドラゴンが暴れ出し、戦争なんてやっている場合じゃなくなり、敵同士手を組み二匹のドラゴンを倒しにかかったらしい。

 

なるほど………ということは俺が最初に居合わせた場所があのドラゴンとの戦いの場所だったのか………。

(長い間戦争をしてきた者同士で手を組むということは相当酷かったんだろうなぁ)

 

まだ話の続きがある。

手を組んでまでしてドラゴンを神器(セイクリッド・ギア)に封じ込めようと戦ったが、二匹のドラゴンはあまりにも強過ぎたため苦戦をしいられた。このままでは押し切られると思っていたところに突然凄まじい風を纏った真っ白な謎のドラゴンが現れたという。

 

あ………それ俺だ………。

 

謎のドラコンは二匹のドラゴンを全く寄せ付けないほど強かったと言われている。謎のドラゴンのおかげで二匹のドラゴンを神器(セイクリッド・ギア)に封じることが出来た。

 

だが、謎のドラゴンは三大勢力のなかで、《絶対に敵対してはならない物》とまで言われるほど恐れられているらしい。

 

おれ………そこまで怖がられているんだ。ただ、苦労してたから助けてあげただけなのに…………。とは言っても、実際は力試しが目的で攻撃したわけだから怖がられたって全然いいんだけどねっ!

おっと、話が脱線してしまった。

 

それで。これ以上戦争をすると今度こそ三大勢力全てが共倒れになる恐れがあるからってことで休戦して、今は冥界の復旧に向けて動き出しているようだ。悪魔にとって一番の被害は四大魔王が死んだことなのだ。

 

ありゃりゃ、魔王死んじゃったのか。ってか魔王4人もいたのか。

 

あ、あとこの世界で一番強いのは誰かと聞いたらなんでもドラゴンらしい。無限を体現したドラゴン。無限の龍神『ウロボロスドラゴン』オーフィスというらしい。

 

 

 

無限とか………絶対強いよな。

たが、次元の狭間にいる赤龍神帝グレートレッド、こいつもウロボロスと同じくらい強いそうだ。普段はただ飛び回っているだけでなんの害もないらしい。

 

おいおい、次元の狭間って俺が今住んでいる

場所じゃないか。

………どうしよ、次元の狭間飛び回っているときに会ったりしたら………。おれ、死ぬかな?大丈夫だよな?飛び回っているだけで害わないよな?

 

もし戦闘になっても勝てないぞ?転生して半年で死ぬなんて絶対イヤっ!

 

話は変わるが、俺が飯を調達に行ってる湖だが最近怪物が住み着いているらしい。その怪物は子供を拐い食うと言うのだ。悪魔のお偉いさんにも話したらしいが今はやらなければならないことが多いためこちらの対処が出来ないらしい。その怪物を村の人らは赤い怪物と呼んでいるそうだ。

 

赤い怪物…………か。最近何もなかったから楽しみだ。

 

 

 

俺は今、人間の姿で冥界に来ている。今日の食料を調達しに来たのだ。調達って言っても毎回湖で釣った魚だが…….。

 

「いや〜、今日も大量大量」

俺の後ろには魚の山が出来上がっていた。

今日の食料を補充できた俺は、次元の狭間へ引き上げようと準備していたら………。

 

ドスン!ドスン!

大きな地響きが後ろから聞こえてきた。後ろを振り向くと大きなヤドカリがいた………。

「………………」

 

いや、そう言い表すしかないもん。

背中に大きな顔型の殻を背負っており、体は真っ赤でハサミ見たいな手をし、口の横から触覚みたいなものが伸びたヤドカリ。

 

ん?…ってかこいつどっかで見たことあるような……………なんだっけ?思い出せない。

 

俺はずっと黙っていたが、相手から話しかけてきた。

「俺はダイミョウザザミ。ここの湖の支配者だ。最近湖の生き物が減っていると思っていたら貴様が原因だったか!」

 

!?そうだ!こいつダイミョウザザミだ!モンハン2Gのモンスターだ!だからか、どっかで見たことあると思ったのは。

 

そのダイミョウザザミが殺気を放ってくるが全く怖くない。というかこいつ馬鹿なのか?自分より格上の相手に向かって殺気なんか放って、気の短いやつだったら一瞬で殺されてんぞこいつ。それに支配者って……。

 

「おい小僧!無視するなっ!俺の話を聞け!俺を舐めてんのか!あ?」

おいおい、ヤドカリってこんなに饒舌に喋れたっけか?いや、まずヤドカリは喋れないよな?なのになんで喋れるんだ?

 

「あぁ、ちゃんと聞いてるぞ。それとなんでお前言葉喋れんの?普通喋れないだろ?なのになんで……」

俺は疑問に思ったことを聞いてみた。

まぁ、予想はついてるんだが…………正直当たってて欲しくないな。

 

「あ?なんでそんな事気にすんだ?ま、いいぜ、特別に教えてやるよ!なんで喋れるようになったか?だよな。それはな、近くの村に住む人間?いや悪魔か、悪魔の子供を食いまくってたらいつの間にか喋れるようになったんだよ!」

 

人の顔ではないからわからないが、こいつはきっと今、ゲスい笑みを浮かべているだろう。

 

「お前は子供を食うのに何も思わなかったのか?」

 

「当たり前だろ!あいつらは俺の餌なんだからよ!大人しくこれからも喰われてればいいんだよ!そして……それはお前も一緒だっ!」

 

ダイミョウザザミはそう言い、右腕を俺へ振り下ろしてきた。だが、俺はそれを避けないで片手で受け止めた。

 

「っ!!!!?」

まさか受け止められるとは思っていなかったのかダイミョウザザミは慌てていた。

 

受け止めたときの余波で大量にあった魚が吹き飛んだ。

 

ああ〜、俺の飯が…………。

こいつ………許さない!食べ物の恨みのは怖いというのを教えてやろう。あ、もちもん喰われた子供達のぶんもしっかり潰すが、いや、もうこいつ殺そう。うん、そうしよう。

 

「確かお前の腕と殻は硬かったよな?」

そう問いかけると、

 

「っ………あ、あぁ。俺の腕と殻はめちゃくちゃ硬ぇぞ!」

最初は狼狽していたが、途中から我に返り強気に出た。

 

それを聞いた俺は、ニヤリと笑い………。

「そいつはよかった。ちょうどこいつの切れ味を確かめたいと思っていたらところだからな」

 

「〈神威霊装・十番〉《アドナイ・メレク》……っ!」

周囲の景色がぐにゃりと歪み、俺の体に絡みついて、荘厳なる霊装の形を取る。

そしてーーーーーー

 

 

 

 

「〈鏖殺公〉《サンダルフォン》!」

俺は、地面に踵を突き立てた。

瞬間、そこから巨大な剣が収められた玉座が出現した。

 

俺はトン、と地を蹴ると、玉座の肘掛けに足をのせ、背もたれから剣を引き抜いた。それは、幅広の刃を持った、巨大な剣だった。

虹のような、星のような幻想的な輝きを放つ刃。

 

「……っ!」

 

ダイミョウザザミは大きな、そして虹色に輝く剣を見て後ずさった。本能的に恐怖を感じのだ。

(この俺が恐怖してる?あの剣を恐れてる?ふざけんなっ!こんなのただの太い棒だ!そんなもので………そんなもので)

 

「俺を斬れるわけないだろぉぉぉお!!」

突っ込んでくるダイミョウザザミを避け、後ろへ回り込んだ。ダイミョウザザミも直ぐに方向を変え追いかけてくる。

俺はそこで、〈鏖殺公〉を振りかぶり、ダイミョウザザミへ向かって振り下ろした。

〈鏖殺公〉から放たれた斬撃が一直線に伸び、ダイミョウザザミの右腕を切断した。

だが、斬撃はそこでは止まらず、湖を、山を半分に切り裂いた。

 

俺から一直線に、全てのものが切り裂かれていった。

 

(……まさかここまで斬れるとは予想外だ)

ダイミョウザザミも流石の斬れ味に固まっていた。

だが、腕を斬られていたことに気づき、途端に激痛が襲った。

 

「ぐあああぁぁぁあっ!!俺の腕がぁぁぁぁあああ!!!!」

腕の切れたところからおびただしい量の血が吹き出していた。

あまりの痛さにその場で暴れ出したが、こちらへ向き、憎しみのこもった目で睨んできた。

 

「貴様ぁぁぁぁあああ!よくも俺の右腕をっ!」

そう言って、口に溜まっていた泡を吹き出した。

 

俺は奴の頭上へ飛んだ。軽く飛んだとはいえ、奴には俺が消えたように見えただろう。

 

〈鏖殺公〉の剣先をダイミョウザザミへ向ける。そして、俺は風を蹴って一瞬にしてダイミョウザザミとの距離をなくし、突き刺した。

 

「お、お…のれ……」

ダイミョウザザミは半分に割れ絶命した。




誤字がありましたら教えてください。


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第4話 無限の龍神

4話目です。


俺はダイミョウザザミを倒したあと、村に報告した。最初は半信半疑だった村の悪魔たちだが、ダイミョウザザミの死体を見せると泣いて感謝された。その事を悪魔のお偉いさんにまで話がいき、お礼として家を貰った。結構大きな家だ。一人で暮らすには少し大きい。まぁ、そろそろ次元の狭間で暮らすのも飽きてきたし丁度いいかな。

 

 

 

 

家を貰っていたら昼になっていた。俺は残った魚で昼食にしようと湖へ向かった。魚はさっきの戦闘でだいぶなくなったが、それでもまだ十分な量がある。

 

後からわかったことだが天使の力を使うとき、姿も変わるのだ。具体的に言うと髪の色と、髪型が変わる。

 

正直、〈神威霊装・十番〉で霊装の姿になるのはわかってはいた。だが、髪の色や髪型まで変わるとは思ってもいなかった。

 

そう、今の俺は髪の毛は闇色で可愛いリボンで結ばれた、格好だけで言えばデート・ア・ライブの夜刀神十香のそれなのだ。

 

(まじか……格好だけでなく髪色、髪型まで同じになるのか………まぁ、別にいっか、最初っから女みたいな容姿だったし……)

 

そう、自分を納得させた。

 

っと、いい加減めしめし。

ここの魚、結構美味しいんだよなぁ〜。なんて魚なのかな?そう疑問に思いながらも、火を起こして、魚を焼き始めた。

 

 

魚がいい感じに焼き上がり、食べようとしたら……………。

 

次元の狭間から、女の子が現れた。

…………え?女の子?

次元の狭間から現れたのは10歳ぐらいの女の子。髪は黒く、長いストレートでゴスロリの格好をして、胸にはバッテンのシールを貼っていた。

 

その少女はこちらをジーーーーっと、見つめていた。いや、俺じゃなくて手に持ってる魚を見つめていた。

 

んー。もしかして欲しいのかな?

「これ、いるか?」

俺が魚を少女の方へ差し出すと、少女はそれを受け取り、食べ始めた。

 

(やっぱり欲しかったのか…)

食べ終わったら帰るだろうと思っていたのだが、心なしか、次は俺のことをジーーーーっと見つめてくる。

 

謎の沈黙に気まずくて顔を背けていたら少女の方から口を開いた。

 

「やっと見つけた。未知なるもの」

っと、訳のわからないことを言い出した。

「……は?み、みちなるもの?」

「そう、未知なるもの。あんなドラゴン見たことない。だから未知なるもの」

 

「っ!……なぜ俺があのドラゴンだってわかった?」

「今までに感じたことのない気配を感じる。だからわかった」

なるほど。まさか気配でバレるとはな。

 

「はぁー、そうか。君の言った通り俺はあのドラゴンだよ。名前は風見龍夜。龍夜でいいぞ」

「我はウロボロス。『オーフィス』とも呼ばれている」

 

ん?ウロボロス?オーフィス?それって………無限の龍神様じゃないかぁ!!!!え?まじでっ!この10歳ぐらいの少女が世界最強っ!?人は見かけによらないとは言うけど、って俺たちはドラゴンか。

 

ってそうじゃねえぇーーー!なんでいきなり俺の前に世界最強が現れんのっ!もしかして俺を殺しに来たのっ!?嫌ダァ!俺はまだ死にたくない!

 

俺が頭を抱えて唸っているとーーー

 

「我、龍夜見たい」

「……は?」

「龍夜、他のドラゴンと違う。我ともグレートレッドとも違う」

ここまで言われて気づく。

つまり、オーフィスはーーー

 

「我、見てみたい。龍夜がなんなんか、どんな存在なのか」

やっぱりか。自分の知らないものに興味が湧く。それは至極当然だ。

 

「んー。なら、俺と一緒にいるか?」

俺がそう聞くと、オーフィスはコクリと、頭を縦に振った。

やだ、可愛い。そう思った俺は悪くないと思う。

 

それからはとりあえず、魚を全部食べ終え、くつろいでいた。

 

「ふぅー、食った食った。なぁ、オーフィスお前いつもどこで暮らしてるんだ?」

ふと思った疑問を聞いてみた。

 

「我、どこにも暮らしていない」

「どこにも暮らしてない?どういうことだ?」

「我の帰る場所、次元の狭間。今、グレートレッドがいる」

 

うわ、ここでまさかグレートレッドの名前が出てくるとはな。

 

「なら、俺の家に来るか?」

「龍夜の家?我、行っていい?」

「あぁ、一人で暮らすには少し大きいからな。オーフィスが来てくれると俺は嬉しいよ」

 

ん?なんでさっきまでビビってたのに一緒に暮らすか?とか言ってるのかって。

それは、別にこいつが俺を殺しに来たわけじゃないとわかったからだよ。それに、一人より二人の方が暮らしてて楽しいからな。

 

「………わかった。我、龍夜と一緒に住む」

オーフィスはそう言ってまだだべ終えていなかった魚を食べたのであった。

 

 

オーフィスと暮らし始めて半年近くがたった。この半年は、はぐれ悪魔を狩って暮らしていた。オーフィスと一緒にやっているから逃すなんてことは絶対にない。

 

そして、そのオーフィスだが、今は俺に懐いている。その証拠に今、俺の膝枕で可愛くお昼寝中。俺はオーフィスを起こさないように優しく頭を撫でる。髪がサラサラのため非常に撫で心地がいい。いつまでも撫でてたくなるくらいだ。

(こいつ、笑えば絶対に可愛いと思うんだけどな)

オーフィスはいつも無表情だ。笑ったとこなんて見たことがない。笑えば可愛いと言ってもオーフィスは可愛く首をかしげるだけ、本当に勿体無い。そう思いながら、俺はオーフィスが起きるまで頭を撫で続けるのだった。

 

 

 

 

オーフィスは起きたら起きたで、すぐに出かけてしまった。俺はすることがなく久しぶりに次元の狭間をぶらぶらしようと考えた。

 

その考えが直ぐに後悔するとも知らずに……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりにアマツの姿で次元の狭間を飛んでいる。俺は半年近くアマツの姿になっていない。そのため、今日はのびのびとしていた。

 

どのくらい飛び続けていただろうか、もうそろそろ帰ろうとしたとき、俺は真っ赤で俺よりちょっとでかいぐらいのドラゴンと出会った。いや…………出会ってしまった。

 

………………次元の狭間で、真っ赤なドラゴン…………も、もしかして…こ、こいつが……赤龍神帝グレートレッド!!!!

 

どうやら俺はヤバい奴と出会ってしまったらしいです。………まじでどうしよう。

 

 

気づいたらグレートレッドは俺の前にきていた。

 

マジでヤバそうなんだが、と焦っている俺に御構い無しにグレートレッドはゆっくりと口を開く。

 

「貴様は何者だ?ただのドラゴンではないな」

ただ喋っただけ、ただそれだけのことなのに心臓を握られたような感覚になる。そこにいるだけで押しつぶされそうなほどの威圧感、そして、存在感。

 

オーフィスと同格の存在。半端ない。

俺は恐怖心を抑え、答えた。

 

「……何者って、俺はただのドラゴンだよ」

そう答えたがグレートレッドは………。

 

「貴様がただのドラゴンではないのはわかっている。まぁ、答えなくていい……なんせ」

 

なんだよっ!なら聞くなよ!っと思っていたがどうやら続きがあるらしい。

 

「貴様はここで死ぬのだからな」

……………は?死ぬ?なんで?

「一年近く前からワシの知らない者が、次元の狭間を出入りしていた。次元の狭間はワシの縄張り。縄張りに入ってきたものは容赦なく潰す。そして今回次元の狭間を出入りしていたものの気配が近くに感じてこうして潰しにきたのだ」

 

まじかこいつ。たったそれだけで潰すとか、どんだけ短気なんだよ。

ちょっと待てよ?次元の狭間って最初オーフィスがいたとこじゃないか?

 

「ちょっと待て、次元の狭間って最初はオーフィスがいたんじゃないのか?それを自分の縄張りって何言ってんだ」

そうだ、おかしい。ここはオーフィスの場所だ。なのに自分の縄張りなんて。

 

「ふん、貴様が知ったことではないわ」

グレートレッドは静かに言い放つ。そして戦闘態勢に入った。

「知ったことだよ!お前がいるからオーフィスが帰れないんだよ!」

俺もそう言い、戦闘態勢に入った。正直勝てる気がしない。それもそうだ、相手はあの無限の龍神と同格なのだから。けど、もう引けない。俺はオーフィスのために戦う!

そして、二匹のドラゴンが激突した。



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第5話 VS赤龍神帝グレートレッド!

5話目です。


俺の頭とグレートレッドの頭が激突したとき凄まじい激突音が次元の狭間に鳴り響いた。

やはり世界最強と肩を並べる存在だから、俺の風なんて関係なしに頭突きしてきやがった。あの赤白のドラゴンは近づくことすらできなかったこの風を!

 

一旦距離をとりブレスを吐いた。今回は相手が相手なので手加減する必要がない。

だが、俺のブレスはグレートレッドが吐いた炎によって相殺された。

 

まじかよ………アレを簡単に相殺するか普通!俺が放ったブレスはあの二匹に吐いたときよりも桁違いに威力は高いものだ。それをいとも簡単に……。

 

「なんだ?もう終わりか?なら、次はワシから行かせてもらう」

「ッ!?」

 

俺は一旦考え事をやめ、意識を相手に向けた。グレートレッドは俺にブレスを放ってきた。相殺しようとこちらもブレスを放つが……

「クッ!」

相殺出来なかった。勢いは失ったものの桁違いな威力に周りの風で守ったが余波が襲ってきた。

 

まずいな。根本的に力が違う。

今度は連続でブレスを放ってくる。その数、十四発。ブレス一つで苦労したのにこんなに撃たれたらまじで死ぬよっ!

 

十四発のブレスを同じ数のブレスで返したが威力に差があり十四発全て相殺出来なかった。

 

「グ………ッ!」

 

俺は体全体に嵐を起こし、全てのブレスをなんとか耐えきり、安堵した。だが、その一瞬の隙をグレートレッドは見逃さなかった。ブレスを防いだことで安堵したその隙、グレートレッドは俺との距離をなくし、ゼロ距離でブレスを放った。

 

「グッオオオオオオオ!」

俺の体からおびただしい量の血が噴き出した。

ブレスを受け、怯んだ俺へ、またもブレスを吐こうとしていた。まずいと思い、俺は次元の狭間から出た。

 

 

 

次元の狭間から出た俺は、まず誰もいない大きな自然に囲まれたとこへ移動した。俺とグレートレッドの戦いが冥界の真ん中でやれば冥界が滅ぶ。いや、冥界で戦う以上被害は尋常じゃなくなるだろうが、そこは許してもらいたい。

 

グレートレッドはすぐに追いついてきた。

「貴様はその程度なのか?だとしたら興ざめだな」

「ハァ、ハァ、興ざめってことは……ハァ、ハァ、興味を持ってくれていたわけか」

「言っただろう。興ざめだ、とな。今のお前に何の興味もない。今すぐ楽にしてやる。だから、もう諦めて楽になれ」

「ハッ!それは出来ないな。俺は絶対にお前に勝って、オーフィスに次元の狭間へ、帰ってもらう」

「何故貴様はオーフィスに構う。貴様は奴のなんだ?ただ知り合っただけであろう?なのになぜーーー」

「うるせぇ!あいつはこの半年近く一緒に暮らしてきた家族だ!大切な家族なんだっ!その家族が行きたい場所が、帰りたい場所があるって言ってんだっ!ならその手伝いをしてやるのが家族ってもんだろうが!だから俺はオーフィスのためにお前を倒すっ!!」

 

俺はそう言い大きく吠えた。

するとーーーーー

 

 

 

 

 

俺の体からの所々が赤く光り、いつも俺を覆っていた風も今は、大嵐のように荒れ狂っていた。それだけでなく空を見ると、雨は降り、雷は鳴り、グレートレッドすら呑み込むであろう大きな竜巻が五つ出ているなど、天候が荒れに荒れていた。

 

「ッ!?」

流石のグレートレッドもこの変化には驚いた。だが、今グレートレッドが驚いてることは他にあった。それは、この竜巻の威力だ。竜巻の出現により、山だらけだった地平が、全て無くなっていたのだ。いや、無くなっているのではなく竜巻に吸収されている。それに加え、赤龍神帝と呼ばれ、世界最強と肩を並べる自分が、この竜巻にそして、目の前の謎のドラゴンに押されているのだ。この自分が自由に飛ぶことが出来ないな。

そんなことを考えていたグレートレッドだが、目の前のドラゴンがこちらに言い放つ。

 

「行くぞ!グレートレッド!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

冥界は今、窮地に立たされている。その原因は、次元の狭間から現れた二匹のドラゴンだ。片方は赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオンを封じるときに突然現れた真っ白なドラゴン。そして、今では次元の狭間を永遠に飛び続け、世界最強と肩を並べる赤龍神帝グレートレッド。その二匹のドラゴンが争っているのだ。

 

グレートレッドは基本無害なドラゴンだ。それが、今では白色のドラゴンと争い、冥界を、いやこのままでは冥界はおろか、天界、人間界まで被害がいくだろう。下手をすれば、全世界が滅びてしまうかもしれない。そう思えるほど、二匹の激突は凄まじいものだった。それこそ、あの赤龍帝と白龍皇の二匹のが霞む程にっ!

 

今は、冥界全土に大きな結界を張っている。全土といっても冥界の中心部から一般の悪魔が住んでいる辺りまでの範囲だ。結界に覆われていないのは、山やら森やらの自然だけだ。そして、この結界を貼るのに、冥界の一般の悪魔を含めた全員が魔力を注いでいる。それは、上級、最上級悪魔、果ては、我々四大魔王全員も、魔力を注いでいる。だが、それでもこちらまで余波届き、所々結界にヒビが入っている。本当に規格外のたたかいをしている。

 

「サーゼクスよ」

サーゼクス。そう呼ばれた男は赤髪の長髪でいかにも魔王、といった風格を漂わせていた。

 

「なんだ?」

私が聞き返すと………。

「今日で冥界は終わりかもしれないな」

っと縁起でもないことを言ってきた。

「そうさせないために、我々まで出てきているのだろう」

 

四大魔王が動くことなど滅多にない。それほど今回の出来事は大き過ぎるのだ。

 

もう、今はすぐにこの争いが終わることを願うしかない。



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第6話 決着!

6話目です。


「行くぞ!グレートレッド!」

俺はそう言って、最初のようにグレートレッドと頭と頭を激突させた。

 

「……グハッ!」

怯んだのは、グレートレッド。今の俺を覆う大嵐状態の風は、グレートレッドすらも押し返す程。そのできた隙に、ブレスを連続で三発放った。そして、グレートレッドに直接、一つの竜巻を当てる。

「グガアアアァァァアアッ!」

 

流石にこれはダメージを与えれたようだ。

俺は、もう一つの竜巻の中に入り、そのままグレートレッドの背中へ衝突し、叩き落とした。

 

ドゴオオオオオオオオン!!!!

 

グレートレッドが地面に叩き落とされた瞬間………並み大抵じゃない爆音が鳴った。

 

竜巻のおかげで、アマツの巨大な格好でもかなり速く飛ぶことができ、その速さで真上からぶつかられたら幾らグレートレッドでも飛び続けるとは難しいだろう。

 

地面に落ちたグレートレッドに、ブレス放つ。だが、今放ったブレスはこれまでのとは違い、風を纏わせていた。そのせいもあり、ブレスの威力がこれまでとは段違いに上がった。グレートレッドも、相殺しようと炎を吐き出すが、今回は相殺しきれず食らってしまう。グレートレッドの叫び声が聞こえてくる。

 

もう一度ブレスを放とうとすると、それは起こった。

 

 

 

 

グレートレッドの周りはおろか、周囲は全て、炎に囲まれていた。

 

「貴様アアアァァァ!ワシを本気で怒らせたなァァァアア!!!」

 

ーーーーっ!グレートレッドの形相に思わずビビってしまった。それ程に迫力があった。はっきり言って怖い。めっちゃ怖い。

だけど、オーフィスのためにも負けるわけにはいかないんだ!

 

 

 

あれからはただ力と力のぶつかり合い。お互いブレスを放ち、グレートレッドが炎で俺を囲み、突進してきた。それを俺も受けてたち、突進したが互いに風と炎がぶつかり合い、周囲の地面を抉りに抉った。

 

だが、グレートレッドは俺とは地力が違い、だんだん押され始めた。

そしてーーーーーーーー

 

 

 

俺は力負けし、吹き飛ばされた。

地へ落ちる瞬間、パリンッ!っとなにか結界のようなものを破った。そして俺は、大きな湖に落ちた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「サーゼクス!急いで結界をっ!」

「わかっている!」

結界が破られた。これは最悪なことだ。今結界を破られれば、冥界の人々が死ぬ、いや、冥界自体が滅んでしまう!

「急げ!一般市民を速く避難させ直ちに結界を修復するんだ!」

 

冥界が滅ぶこと………本当に覚悟しなければならないな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

グレートレッドは湖をジッと見つめていた。だが、いくら経っても出てこない。もう終わったと判断したグレートレッドは、次元の狭間へ帰ろうとした。

 

そのときーーーーーー

「グガアアァッ!」

湖から水のレーザーのようなものがグレートレッドの首元からお腹までを一直線に斬り裂いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「……ん…」

 

少しの間、気を失っていたようだ。

くそッ!体が動かねぇ。俺の負けか……。

なんか悔しいなぁ〜。このまま負けるなんて………だからせめて、最後の悪あがきしてやるッ!

 

確かアマツってゲームでは水属性だったよな。水のレーザーみたいなん吐いてたし。ここには今、大量の水がある。なら………。

 

俺は大きく口を開き、そこに風で水を集め、大きな水の玉を作った。それを風で纏い、水の玉をレーザーのように細く、そして速く吐き出した。

 

(うん。激流ブレスと名ずけよう)

この激流ブレスは水がなくても打てるが、威力は下がってしまう。だがここは水中。水がある限り威力が上がるうえに永遠に撃てるっ!

 

グレートレッドを覆う炎を貫通し、直撃した。悲鳴が聞こえる。相当なダメージのようだ。

 

グレートレッドは全身から莫大な炎をほとばしらせた。すると、湖の水が全て蒸発した。

襲いかかってくる炎を、俺の周りに暴風を作り、炎を消しとばす。

 

すぐに地面から飛びグレートレッドと向かい合った。

 

「………ここまでやるとはな………ハァ、やるではないか貴様……」

「赤龍神帝に……ハァ、言われると光栄だな」

「ふん、だが次で終わりだ」

「あぁ。それはこっちも同じだ」

 

俺は水を、グレートレッドは炎をため、いっせいに放った。

 

そしてーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭になにか柔らかいものが当たっている。

ゆっくりと目を覚ますと………オーフィスの顔があった。

 

この柔らかいのはオーフィスの太ももらしい。つまり今俺は、膝枕されているのだ。

 

目を開けたとき、オーフィスと目があった。

「龍夜、起きた?」

「あ、ああ。ありがとな………。なぁ、オーフィス俺はどのくらい眠っていたんだ?」

「一ヶ月」

「一ヶ月!そんなに寝てたのかっ!って、もしかして…………俺が起きるまでの一ヶ月、ずっと膝枕してくれてたのか?」

こいつなら平然としてそうだ。俺は恐る恐る聞いてみた。

「うん」

…………まじか。一ヶ月ずっと膝枕。

「ごめんな。俺のことは布団に寝かしといてよかったのに………」

 

俺が申し訳なく思っていると。

「我、いつも龍夜に膝枕してもらってる。膝枕、気持ちよかった。だから我も、寝ている龍夜に膝枕した」

オーフィスの気持ちが嬉しくて顔がにやけてしまった。いつもする側だったがされてみると確かに気持ちい。

 

オーフィスはゆっくりと俺の頭を撫でながら言った。

 

「我、嬉しい」

「嬉しい?」

オーフィスの口からそんな言葉が出てくると思っていなかった俺は、つい聞き返してしまった。

コクリと頷いて続けた。

 

「龍夜、我のために戦った。勝てる相手じゃないのに戦った」

「も、もしかしてお前、あの戦いを見てたのか?」

「次元の狭間から出てきた後から、ずっと見てた」

見てたなら助けてくれよ、と思った俺は悪くないだろう。

俺の思っているとことが分かったのか

 

「龍夜、死にそうになったら助けに行った」

「そっか。ならいいや」

本当は良くないが今助かって、オーフィスに膝枕されているからいい。

 

「龍夜、我を家族と言ってくれた。最初は家族、わからなかった。でも、龍夜が教えてくれた。家族と言われて嬉しかった」

そう言うとオーフィスは一瞬だが……………笑った。

…………………え?笑った?あのいつも無表情のオーフィスが?

オーフィスの笑顔はすごく可愛かった。

不覚にもドキッとしてしまった。今の俺の顔は真っ赤だろう。

 

「だけど、俺は負けた。お前の帰る場所を取り返せなかった」

そう俺は負けたのだ。最後のブレス、力と力の勝負で負けた。

情けなくて暗い顔していたら、

 

「別にいい。今、ここが我の帰る場所。次元の狭間じゃない。龍夜がいるここが、我の帰る場所」

そう言ってオーフィスは顔を、俺に近づけ…………俺の唇をそっと塞いだ。

それは一瞬でしかなかった。だが、唇と唇がしっかりと触れ合ったキスだった。

………………。

キ、キスゥゥゥゥゥ!?

お、俺!オーフィスとキスしちゃったよ!

え?まじでキス!?

 

「我と龍夜、家族。一緒にいる」

そう言うオーフィスの表情は無表情だったが声がほんの少しだけだが弾んでたような気がした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ときを少し遡る。

 

グレートレッドが次元の狭間へ帰っていくのを見届けた私、サーゼクスはホッとしていた。それは私に限ったことではなく、全員がホッとしていた。冥界が滅びずにすんだのだ。

 

「サーゼクス。あの白いドラゴンはいったい何なんだろうな」

「わからないさ。あのドラゴンが何者かなんて。……しかし驚いたよ。まさかあの赤龍神帝と互角にやりあうとはね」

「それは同感だな。赤龍神帝はウロボロスと並び、世界最強だ。負けたとはいえ、赤龍神帝にも相当なダメージを与えていた」

「これは、各神話体系も慌てずにはいられないだろうな」

 

 

 

 

このあと、三代勢力、各神話の主神も集まり、話し合いがおこなわれた。そして、赤龍神帝グレートレッドと互角に戦った謎の白いドラゴンを、

とてつもない風を操ることから「暴風と竜巻を従える龍」もしくは「風神」と呼ばれるようになり、そのドラゴンの名を、「天津禍津神」「天災の龍」これらからアマツマガツチと名ずけられ、赤龍神帝と並び、白龍神皇と呼ばれたよになった。

 

 

 

 

 

そして俺は……白龍神皇アマツマガツチとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 




急いで6話まで更新しました。
そのため誤字がありましたら教えてください。

これからもこの作品をどうかよろしくお願いします。


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旧校舎のディアボロス
第1話 駒王学園に行きます!


この話の最後で原作に入ります。


あの戦いからもう何年もたった。

俺はグレートレッドに負けて以来力をつけるためにオーフィスに毎日次元の狭間で特訓してもらっている。そこでわかったことだが、天使を顕現させなくても天使の能力を使えるらしい。威力は半分以下しか出せないが、これは便利だ。

 

 

え?次元の狭間に居てグレートレッドに気づかれないかって?次元の狭間はバカ広いから気づかれても会うことなんて滅多にないし、もし会いそうになったらダッシュで逃げる!

 

 

オーフィスとの特訓のおかげでだいぶ力がついたが、まだまだグレートレッドには届かないだろう。

 

 

話は変わるが俺は今、冥界では結構な有名人だ。何故ならはぐれ悪魔を狩りまくっているからだ。時々SS級のはぐれ悪魔も狩ったりしていたら、魔王クラスだの神クラスなどと騒がれ、それが今の四大魔王の耳にも入り、魔王様たちに呼ばれてお礼を言われたりと、いろいろあり冥界では、『大剣の守護者』なんて呼ばれて英雄扱いされている。

 

ついでにはぐれ悪魔には真っ白なコートで戦う姿が神々しく見えたみたいで、『天からの使徒』なんて呼ばれて恐れられているらしい。

 

四大魔王達には俺がドラゴンだとバレたが、冥界で既に人気のある俺を追い出すことや、殺そうとすることはなかった。っと言うより四大魔王全員のノリが軽すぎる。俺がドラゴンなのにいいのか?と聞くとあいつらこういったんだぜ?

 

「ははは。ドラゴンであっても君はもう冥界の英雄じゃないか」

「そうだ。冥界の民が君を応援しているんだ。そこにドラゴンなんて関係ないことだ」

「サーゼクスちゃんとアジュカちゃんの言う通り。君のおかげで民は安心してくらせているんだぞ☆」

「え〜、面倒くさいからどうでもいい」

だぞ?おかしくないか?ちょっと前までドラゴンと戦争してたんだぞ?冥界がドラゴンに滅ぼされかけてたんだぞ?こいつら。

 

 

あ、俺が謎の白いドラゴンだとは言っていない。言えばいくら冥界で有名でも流石に冥界にはいれなくなるだろうし、タダで帰してもらえるとも思えないからな。

あいつらの事だからもう暴れないでくれよ?とか言って終わりそうだが、まだ言う時期じゃないだろう。

 

 

そのおかげでこうしてオーフィスと冥界で暮らすことが出来ているんだけどな、

ちなみにオーフィスのことも言っていない。それを言ってしまえば俺と同様大変なことになるからだ。

 

そのオーフィスだが、あのキス以来俺はオーフィスを抱きしめて寝ている。オーフィスもそれを受け入れている。が、逆にオーフィスからも抱きついてくることもある。

 

それが滅茶苦茶可愛いんだよなぁ〜。

 

 

 

 

 

それからまた何年も過ぎた頃、オーフィスから話があると言われたので訓練の後、聞くことにした。

 

俺は訓練が終わった後、シャワーで汗を流し、リビングへ向かう。

 

「んで?話ってなんだ?」

「我、今日でこの家を出る」

予想外の言葉に俺は一瞬固まった。だが、すぐに我に返り、オーフィスに聞いた。

 

「家を出るってどういう事だ?ここでの暮らしはもう飽きたか?」

「違う。我の力、必要とする者がいる。だからそこに行く」

「それは……俺も一緒じゃダメなのか?力が必要なら俺もいて損はないと思うが…」

だが、オーフィスは首を横に振った。

「龍夜は、来なくて大丈夫。我、一人で出来る」

「…………そっか」

相変わらず何を考えているかわからないがオーフィスがやると決めたのなら黙って送り出してやるか。

「我、龍夜にまた会いに来る。我と龍夜、家族」

その言葉を聞き、嬉しくてオーフィスを抱きしめた。

「………あぁ。俺とお前は家族だ。だから、いつでも会いに来い」

俺はそう言い、オーフィスを送り出した。

 

 

オーフィスが家を出てもう、2年は経つ。あいつのいない生活には慣れたがやっぱり寂しい。

 

(オーフィスのやつ、元気でやってるかな)

物思いにふけていると、目の前に知っている魔法陣が現れた。そこから出てきたのはメイド服を着て、銀色の髪をした見知った女性だった。

 

「お久しぶり。グレイフィアさん」

メイド服を着た彼女はグレイフィアさん。サーゼクスの妻であり、最強の女王。

「お久しぶりです。龍夜様」

「それで?グレイフィアさんが来たってことは、サーゼクス達が俺を呼んでるの?」

グレイフィアさんがここに来たってことはそれしか考えられない。

 

「はい。正確にはサーゼクス様個人ですが」

彼女は仕事のときは、夫のことを様ずけで呼ぶのだ。公私混合はしたくないそうだ。

 

「サーゼクス個人から?珍しいな。今まで魔王全員からの要件が多かったのに…」

「それは魔王様に直接お聞きしてください」

「ん。わかった。なら、用意ができたらすぐに向かう」

 

俺は外室用の服に着替え家を出た。

 

 

俺は今、サーゼクスの部屋でグレイフィアさんが入れた紅茶飲飲みながら雑談していた。

 

「で?サーゼクス今回は何を俺に頼みたいんだ?」

このままでは中々本題に入れないと思い、俺から切りだした。

「そうだった。今日は君にお願いがあったんだ。楽しい雑談で忘れるとこだったよ」

最後に、ははは。と笑った。こんなんで大丈夫か?本気で心配してしまう。

 

「君には学校へ行って欲しいんだ」

ん?サーゼクスが訳の分からんことを言ってきた。学校?俺が?何故?訳が分からずサーゼクスに聞いた。

 

「何で俺が今更学校に行かなくてはならない?」

それはそうだ俺は学校なんて通う歳じゃない。なのに何故?そう思っていると……

「その学校には妹がいるんだ」

…………………。

 

「はぁ〜、なるほど。つまり俺は、お前の妹の護衛をしろって事か?」

「いや、少し違う。妹とはもう高校3年だ。そうではなくて、最近堕天使に不穏な動きがあるんだ。それにその堕天使が凶暴な使い魔を持っていると言う情報がある。このまま放置しておくわけにもいかないから君にお願いしたんだ」

 

「ようは、妹が心配だから、俺が行って片付けて来いってことだろ?」

遠回しに言ってくるサーゼクスに対し俺は結論だけ述べた。

 

「そういう事だよ」

このシスコンめっ!

俺はそう毒づいた。

「それで、受けてくれるのかい?」

断る。と言ったところで次はグレイフィアさんにお願いされるだろう。俺はグレイフィアさんに昔、お世話になったからお願い事を断ることができない。つまり、もう詰んだのだ。受けるしかない。その事をサーゼクスはわかっててやってるからタチが悪い。

 

「………わかったよ。受ける」

「受けてくれるか。ありがとう。君ならそう言ってくれると思ってたよ」

なんだよ、ハメといてよく言うぜ。

 

「で、いつから行けばいい?」

「もう編入の手続きは終わっているから明日から行ってもらうけど、いいかな?」

断らすきなかったんじゃねぇーか!

今頃騒いでももう遅いので大人しく従うことにした。

 

(はぁ〜、オーフィスごめんな俺人間界行くわ)

 

オーフィスの事だから会いに来るときは俺の気配を辿って会いに来るだろう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

おっす!俺は兵藤一誠!両親や、学校の奴らは俺のことを「イッセー」と呼ぶぜ。

 

俺は学校では、エロくて有名だ。他にも2人エロ奴がいて、そいつらとあわせて変態3人組、なんて呼ばれている。

 

 

私立駒王学園。

俺が通っている高校だ。

現在は共学だが、数年前までは女子高だったせいか女子が多い。俺がこの学園を最大の理由だ!女子に囲まれて授業を受けたい。ただそれだけのために俺はこの学園を選び、通っていた。

 

だが、全くもって彼女はおろか、女友達も出来ない。モテるのはイケメンだけで、他の女子は俺なんて眼中にない。

 

クソ!なんでだ!俺はただ女の子と仲良くなりたいだけなのにっ!

 

って言ったものの、それには理由がある。

それも全部自分のせい。

 

剣道部の着替えを覗いたり、教室で堂々とエロ本や、エロDVDなどを出し、エロトークに燃えたりと、エロ過ぎて誰もが引いていくのだ。

 

けど………エロくて何が悪いんだよ!って思う。まぁ、俺の場合はエロ過ぎるのがダメなんだろうけど今更直すことなんてできない。

 

俺はため息をつきながら教室に入るなり、自分の席に腰掛けた。二人の男が声をかけてきた。この二人が変態三人組の残りだ。丸刈り頭の松田。キザ男のように格好つけてるメガネが元浜。俺の悪友二人だ。後は、チャイムが鳴るまで、この二人と話して時間をつぶした。

 

そしてチャイムが鳴り、教室に先生が入ってくる。皆んなが席に座ったのを見ると、いきなりびっくりすることを言い出した。

 

「え〜、今日はいきなりですが、このクラスに新しい仲間が増えます」

先生のいきなりの言葉に……

『ええええええええええええええええええええええええええっ!』

クラスの全員が驚いた声を上げた。

そこで男子の一人が聞く。

「先生!女子ですか!美少女ですか!」

おお!ナイスだ!そこは俺も気になっていたぜ!女子達も目を輝かせていた。

 

「女子の皆んなは期待してていいですよ?男子は残念でしたね。今回は男子です」

先生がそう言うと、女子は騒ぎ出し、男子は俺を含めてテンションがダダ下がりになった。

 

「それでは、風見くん。入って来なさい」

すると教室のドアが開き1人の男が入って…………お、男?まじで?あれが?

クラスの全員が困惑している。何故なら今入ってきた生徒は、腰まで伸びた白髪に肌は雪のように白く、体はすらっとした、中性的な顔。見た目では完全に美少女だ。しかも超がつくほど。

 

「今日から、このクラスに転入してきた、風見龍夜です。よろしくお願いします」

と、頭を下げた。するとーーーーー

『きゃああああああああああああああっ!』

女子の連中が黄色い声を上げる。

 

「すごいキレイな髪!」

「一見美少女に見えるけど、男と知ったら超美少年に見える!」

「肌もキレー!こんな子が男の子なんて信じられない!」

女子が興奮してる中、男子たちは面白くなさそうな顔をしていた。が、ごく一部の男子が「あんなに可愛かったら男でもありじゃね?」とかわけのわからんことを言ってる。

 

俺は絶対女の子のほうがいい!いくら可愛くても男は男だ!

そう思いながらも、女子に囲まれている、転校生をみているのであった。

 

 

 

う、羨ましいとか思ってないからな!

 



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第2話 あいつに彼女ができました!

2話目です。


俺は言われた通り人間界へ行き、サーゼクスの妹の学園に転入生として通うことになった。

 

転入当日、俺は職員室へ行き担当の先生と挨拶していた。最初俺が来たとき先生は驚いていたが、予鈴のチャイムが鳴ったため話を切り上げ教室へ向かった。俺の学年は2年生らしい。どうしてリアスと同じ3年にしないのかと聞いたら、

 

「近すぎて気づかれる可能性もあるから」らしい。

サーゼクスがそう言うのなら別にいいが、

「風見くんは少しここで待っててもらえるかな?」

いつの間にか教室の前まで来ていたようだ。

「はい。大丈夫です」

先生は「呼んだら入ってきて」と言い残し教室へ入っていった。

 

何か教室が騒がしいが何かあったのかな?そう思っていると、

「それでは、風見くん。入って来なさい」

 

俺は呼ばれたので教室へ入った。入った途端、皆んなが困惑したような顔をしていた。

 

(そんなことよりサッサと挨拶しないとな)

「今日から、このクラスに転校してきた風見龍夜です。よろしくお願いします」

俺が頭を下げた瞬間ーーーー

『きゃああああああああああああああっ!』

クラスの女子全員が、黄色い悲鳴を上げた。

 

うわぁ!何これ、なんでこんなに悲鳴あげてんの?女子達が一斉に集まってきた。

 

「すごいキレイな髪!」

「一見美少女に見えるけど、男と知ったら超美少年に見える!」

「肌もキレー!こんな子が男の子なんて信じられない!」

 

…………な、なんか、女子の目が怖い!獲物を見つけたときの目だよ!これ。

 

後ろの男子どもから「あんなに可愛かったら男でもありじゃね?」なんて会話が聞こえてきた。

 

今、めっちゃゾッ!とした。鳥肌も半端ない。男に性的な目で見られるなんて危機感しか感じねぇよ。

 

「はいはいそこまでだ。風見くんの席は兵藤くんの隣ね」

今の状況を見かねた先生がその場を収めた。

だが、その時女子からやたら悲鳴が聞こえてきたのだが………なんでだ?

 

俺は兵藤と呼ばれていた生徒の隣に座った。

「風見龍夜です。これからよろしくお願いしますね」

 

「同級生なんだから敬語は止めろよ。普通にタメでいいぜ。俺は兵藤一誠。こっちこそよろしく」

「あぁ。わかった」

その日はつつがなく終わった。

 

 

 

転入から数日、俺は今イッセー達と一緒にいる。ここ数日で俺はイッセーと仲良くなった。イッセーに教えてもらったドラグ•ソボールの漫画を見て、面白いと一日中イッセーの家で語り合った。そのときから、俺はイッセーと呼ぶようになり、向こうも俺を龍夜と呼ぶようになった。イッセーと一緒にいる奴らとはあまり面識はないが、変態ということがわかった。この学園ではイッセーもあわせて変態三人組と呼ばれているらしい。

 

それでいいのかイッセーよ。

本人に聞けばいいらしいです。もう開き直ってるよ。今も俺の隣で「おっぱいは大きい方がいい」だの「いや!おっぱいは小さい方がいい」だとかくだらない話をしている。

 

俺にも話を振ってくるが、適当に答えて流していた。こいつらは正真正銘のバカだ。この前なんて剣道部の着替えを覗いて、それがバレてシバかれてたからな。だけどこいつらといると楽しいことは楽しい。

 

楽しくて、最初は何しにこの学園に来たか忘れてたからな。サーゼクスやグレイフィアさんにバレたらなんて言われるか……ま、バレなきゃいいだけの話だけどね。

 

話は変わるが、時々イッセーからドラゴンの気配が感じられるんだよね。しかもこの気配、どっかで会ったことある奴だと思うんだが………駄目だ。思い出せん!

 

いっか。いつかわかることだろうしその時まで待てば。

 

近いうちに分かるだろうと、なんとなくそう思う俺だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

久しぶり!兵藤一誠だ。

 

いきなりだが、俺の隣に転校生が座ることになった。その時、女子どもが悲鳴をあげていた。俺だって嫌だよ!イケメンと隣なんてゴメンだ!などと思っていた俺に、隣に座った転入生が挨拶してきた。

「風見龍夜です。これからよろしくお願いしますね」

と敬語で挨拶してきやがった。俺は同学年同士で敬語とか好きじゃない。だから俺は風見にむかって「同級生なんだから敬語は無しにしよう」そう言った。

 

向こうもそれを承諾してくれた。案外話せるやつなのかもしれない。

 

龍夜が転入してきて数日が経ち、俺は龍夜と随分打ち解けた。俺が紹介したドラグ•ソボールを見てはまり、熱く語り合った。

 

あいつはわかってる!ドラグ•ソボールの話を完璧に理解している。だからつい、学校が休みの日、俺の家で一日中語り合っちまった。今では互いに名前で呼び合っている。

 

そう言えば母さん。龍夜が来たときすっげー興奮してたな。あの時は見てて恥ずかしかったよ!

 

俺は松田、元浜、龍夜と別れ、家へ帰っているとき、突然声をかけられた。

 

振り返れば超可愛い女の子がいた!その子は黒髪がツヤツヤでスレンダーな女の子だった。

 

名前は天野夕麻ちゃんって言うらしい。本当に可愛い女の子だった!めちゃくちゃ可愛くて出会った瞬間一目惚れしました!

 

俺は、夕麻ちゃんから目を離せなかった。

すると、夕麻ちゃんが驚く言葉を言った。

 

「兵藤くん!好きです!付き合ってください!」

俺は一瞬何を言われたのか分からなくて固まっていた。だが、ようやく言われたことが理解でき……はい!即答でOKしました。

 

彼女いない歴=年齢の男子にとって、こんな可愛い子に告白されるなんて夢のシチュエーションだ。

俺は今日、彼女ができました!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ブー、ブー、ブー

夜の十一時前。机の上に置いてある携帯が鳴った。

こんな時間に電話なんてあいつからかな、

 

「もしもし」

「やぁ、高校生活はどうだい?」

「予想以上に楽しいよ。それで?どうしたんだサーゼクス」

そう、電話の相手は魔王サーゼクス・ルシファーからだった。

「依頼だよ。君に倒してほしい奴がいるんだ」

「誰だ、そいつは?」

「人じゃないんだ。生き物なんだけど、これがまた、厄介なやつでね、毒を使うんだよ。それも猛毒で、討伐に行った者が全員死んだんだ。その中には上級悪魔もいてね。これ以上被害を増やすわけにはいかない」

「だから俺に依頼しようとしたのか」

「そうだ。君の風なら大丈夫だろう?」

「確かに俺の風ならいけるな。……よし!わかった。受けようその依頼」

電話の向こうではホッとした感じだった。

「ありがとう。依頼料はいつものようにしておく、それと居場所だが町外れの山奥に大きな川があるだろ?その付近だ。じゃあ、よろしく頼んだよ」

プッ。

電話が切れた。

 

「ふぅ、じゃ、さっさと仕事しますか」

(町外れの山奥の大きな川って言ったらあそこだけだよな?でも、あそこって川以外あとは木々に囲まれているだけじゃなかったか?)

空を飛びながら、考えていた。毒使いで悪魔じゃなくてモンスター。またなにかモンハンのモンスターかな?でも、モンハンの猛毒って言ったら、ギギネブラ?

 

………さ、最悪だ。もしギギネブラならもうここら一帯まるまる吹き飛ばそう!うん!きっとその方がいいに決まってる!

 

俺は夜の空を駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第3話 あいつ悪魔になったそうです!

3話目です。


今聞こえているのは川の水が流れる音。

 

俺は何があって大丈夫なように「絶風の神域」を展開している。

「絶風の神域」は、昔オーフィスと特訓していたとき名付けたもので、アマツ状態のときに体に纏っている風を人間時に発動させたものだ。これを展開しているときは、神でもトップクラスの者でないと「絶風の神域」を破ることはできない。そして今使っているように結界を作り、結界の中に入ったらわかるようにもできる。この結界内は俺の支配下。ここでは俺に攻撃は通らないうえ、逆に入った最後、風の嵐に逢うかまたは俺に殺られるだけだ。

 

 

 

何もないまま数分がたち、今日は帰ろうとした。

 

ーーーー瞬間

 

何かが結界に引っかかった。直後、紫色の玉が複数飛んできが、全て風で防いだ。

いや、防ぐ前に爆発した。そして、霧のように広がっていく。周りの草などが、腐って枯れていく。見てわかるように、猛毒だ。

 

(なるほど。こうやって殺されたのか……。)

 

風を使って毒霧を晴らすがまたすぐに、霧に囲まれる。

 

(霧を晴らすより根源を潰したほうが早いな)

 

決めたら即決行。

霧を発生させている奴を叩きに、走り出した。

 

 

「……見つけた」

川の近くでこっちを睨んでいる。

地面に張り付いているような格好でどっちが頭か中々わからないめんどくさい奴がいた。

…………………ギギネブラだ。

最悪だ。なんて思っていると、

 

ギギネブラが毒を吐いた。

瞬く間に毒が充満するが、同じように吹き飛ばす。

 

ギギネブラは毒が効かないことを悟ったのか、突進してきた。

 

まともに相手をするつもりがなかった俺はさっき言った通りここら一帯を全てを氷らせた。

 

《『氷結傀儡』(ザドキエル)》これは冷気を操り周りのものを氷らす天使の能力。

 

俺は氷っているギギネブラを粉々に粉砕した。

 

 

昨日。ギギネブラを消したあと、サーゼクスに連絡し依頼が終了した。

 

寝不足だが学校へ向かい、教室の席に座った。俺は机に伏せ、寝ようとしたが、上機嫌で学校へ来たイッセーの話で一瞬にして目が覚めた。

 

イッセーの言ったことが全く理解できなかったのだ。それは松田、元浜も一緒のようで何言ってんだこいつ、気でも狂ったか?的な目で見ていた。

 

だってそうだろ?変態三人組とまで言われて、駒王学園の女子生徒ほとんどに避けられてるイッセーが、そんなイッセーに

……………彼女が出来た。

 

あり得ない。そう思っていたが、彼女の写真とメルアド、携帯番号まで見せられたら認めざるおえない。

 

けど、まじか!あいつに彼女!まぁ、突然言われてびっくりしたが、ここは友達として応援してやるか!

 

「そっか。イッセー、おめでとう。彼女と上手くやれよ」

俺の言葉にイッセーは嬉しそうに笑った。

だが、松田、元浜は目から血を流し、イッセーを睨んでいた。

 

「この裏切り者!|

「我らは仲間じゃなかったのか!」

と言ってイッセーを殴った。

 

いや〜、だけど彼女ができたのはおめでたい。だけど何故だろう、イッセーから堕天使の気配を感じる。これは何かありそうだな。

 

 

 

 

 

日曜日。確か今日はイッセーが彼女の天野夕麻ちゃんっいう子とデートって言ってたよな。

 

イッセーには悪いが尾行させてもらう。

(すまんな。イッセー)

俺は心の中で謝り、すぐに家を出た。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おっす!兵藤一誠です!

 

今日は夕麻ちゃんと付き合って初めてのデートの日!

 

前々から練っていたプランを決行する日が来た。

 

待ち合わせの時間までかなりあるが、前を通り過ぎるメガネっ子を百まで数えたぜ!

途中、よくわからないチラシを手渡しされた。渡されたチラシには『あなたの願い叶えます』って、魔法陣と一緒に書いてあり、何だろう?と興味を持ったが今は夕麻ちゃんのことで頭がいっぱいだからポケットにしまった。

 

その時ちょうど夕麻ちゃんがやって来た。

夕麻ちゃんの「待った?」て言葉をカッコよく「いや、俺も今来たとこだから」っと返してやったぜ!決まった!俺はこれをずっと言いたかったんだ!

 

俺たちは手を繋いで歩き出した。感動して泣きそうになった。嬉しくてしかたがない。

 

そのあと洋服屋に行ったり、アクセサリーなどを見たりしてデートを満喫した。

 

お昼はファミレスで楽しく話しながら食べた。

生きてて良かったァァア!本当に良かった!

俺を生んでくれた両親に感謝だぜ!

 

そしてもう夕暮れ。俺らは手を繋いだまま公園へ行った。その公園には人一人いないため今すごく緊張している。

 

「今日は楽しかったね」

俺は黙って頷いた。

「ねぇ、イッセーくん」

「なんだい、夕麻ちゃん」

「初デート記念で、ひとつ、私のお願い聞いてくれないかな?」

来た!俺の待っていた展開来たよ!

「な、なにかな?」

「死んでくれないかな」

…………。

……は?え?いま、死んでくれないかなって?

俺は混乱していた。だって、いきなり彼女に死んでくれないかななんて言われたんだから……。

冗談か聞こうとした瞬間ーー。

 

夕麻ちゃんの背中から黒い翼が生えた。

 

 

そしてーーーーーー

 

 

 

「ばいばい、イッセーくん」

夕麻ちゃんの右手に光の槍が生まれ、それが俺の腹を貫いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は家を出たあとイッセーの気配をたどり、あいつの尾行を開始した。その途中町にいたほとんどの人が俺を見て顔を赤くしてたけど何でなんだ?

っと、そんな事よりイッセーのデートだ。

 

イッセーは上手くやっている。初めてのデートで、ガチガチになってアホなことするかと思っていたがそれはなさそうだ。

 

 

そしてもう夕暮れ。そろそろデートも終わりだ。何もなかったことに俺は安心した。

だが、それがいけなかった。

 

俺が安心した瞬間、天野夕麻に黒い翼が生え、光の槍を構えていた。

 

っ!しまった!

俺はイッセーを助けようとしたが、一足遅かった。

 

堕天使の光の槍がイッセーを貫いた。

 

「イッセーッ‼︎」

俺は慌てて駆け寄っり、イッセーの傷を見た。それに堕天使が気がつき、

 

「あれ?人払いの結界を張っていたのになんでいるのかな?まぁ、見られたからにはあなたにも死んでもらうけど」

堕天使は、そう言って俺に光の槍を投げてきたが俺はそれを片手で掴み、握り潰した。

 

「なっ!あり得ない!人間ごときが、私の槍を片手で潰すなんて………っ!」

俺は殺気を堕天使にぶつけた。

それだけで相手は怯え、ガタガタ震えが止まらなくなった。

下級堕天使如きじゃ、今や白龍神皇と呼ばれている俺に勝てるわけがない。

 

俺は殺気を放ったまま、静かに言い放つ。

「今逃げるなら見逃してやる。だが、まだイッセーを狙うなら容赦はしない」

「クッ!」

堕天使は、涙目になりながら首を縦に振り、すぐに飛んで逃げた。

 

俺はすぐにイッセーの傷を治すため、治癒をかけようとしたが、後ろに、グレモリーの魔法陣が現れた。

 

多分サーゼクスの妹、リアス•グレモリーだろう。今グレモリーと会うと面倒なことになりそうなので、俺はすぐにここを離れた。

 

イッセーのことはグレモリーが何とかするだろう。

 

 

 

次の日、イッセーが俺に詰め寄ってきた。

「なぁ!龍夜は覚えてるか?俺の彼女の夕麻ちゃん!何故か松田、元浜は夕麻ちゃんのこと全く覚えてないんだ!」

 

「あ、あぁ。覚えてるぞ。天野夕麻ちゃんだろ?」

「だよな!覚えてるよな!じゃあ、なんであいつらは忘れてんだ?」

そう言うイッセーから悪魔の気配が感じられた。…………そっか、イッセーは悪魔になったのか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺、兵藤一誠は学校が終わると、松田の家でエロDVD鑑賞会をしていたが、どうしても気分が良くなくて途中で帰ることにした。

 

頭の中を回るのは天野夕麻ちゃんのことばかりだ。そのまま歩き続けていると昨日の公園へたどり着いた。

 

「……ここで、確かに夕麻ちゃんと……」

「おや?貴様はレイナーレが殺したはずだが……そうか、悪魔になったか。誰の眷属かは知らんが、死んでもらおう」

 

知らないオッさんに話しかけられたと思ったらいきなり俺に向かって光の槍を投げてきた。

 

俺はギリギリそれを避け、全速力で駆け出した。

予想以上の速度に自分もビックリだ。

これが火事場の馬鹿力ってやつなのか?

 

必死に逃げていたが、向こうは夕麻ちゃんと同じ黒い翼を生やし追いかけてきている。

 

何なんだよ!何で俺だけこんな目に遭わなくちゃならないんだよ!

 

無我夢中で走っていると、光の槍が俺の脇腹をかすった。かすっただけなのに激痛が走る。

 

「ぐ……あああ……」

痛い!まじで痛い!

俺は蹲った。

そして、もう一本の光の槍が俺の心臓の部分に向かって飛んできた。俺は死を覚悟し、目をつぶった。だが、来るはずの痛みがいつまでたってもこないそこで目を開けるとーーーー

 

「り、龍夜!」

そこには、友達の龍夜が光の槍を掴み立っていた。

 

 

 




今回、《氷結傀儡》「ザドキエル」の能力が出てきました。
ただ、能力が出ただけで「ザドキエル」は顕現させていません。
顕現させるまでのない相手ですからね。



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第4話 オカルト研究部へ行きます!①

4話目です。


俺はまた、堕天使がイッセーを襲ってくるだろうと思い学校が終わると町中を歩いていた。普通なら気配でわかるが、今はうまいこと隠れているようだ。イッセーに付いていれば一番安全だろうが、あの時脅したから一緒にいれば出てこないだろう。それでは意味がない。早いとこ堕天使を始末しておかないとイッセーが危険だし、なによりサーゼクスの依頼だからな。

 

空が暗くなり始めたとき、イッセーの近くに堕天使の気配をひとつ見つけた。俺は風を使って空を猛スピードで飛んだ。

 

俺がたどり着いたときには、イッセーの横腹が抉られ、倒れているところを堕天使がトドメを刺そうとしていた。

 

堕天使がイッセーに向かって光の槍を投げるが、それはイッセーに届くことはなかった。何故なら俺がそれを掴んでいたからだ。

後ろから俺の名前を呼ぶイッセーの声がしたが無視した。

 

「ッ!私の槍を素手で掴みますか。やりますね」

「へっ!この程度、俺にとっちゃ爪楊枝みたいなもんだぞ。あ、あとこれ返しとくな」

俺は手に持った槍を、空を飛んでいる堕天使に投げる。

 

「クッ…!」

男は何とかギリギリ躱した。

そこで、グレモリーの魔法陣が現れ、リアス•グレモリーが出てきた。

「……紅い髪……グレモリーの者か…」

男は憎々しげに女性を睨んでいる。

「リアス•グレモリーよ。ごきげんよう、堕ちた天使さん。この子にちょっかいを出すなら容赦しないわよ?」

 

「なるほど、あなたの眷属ですか。ですが、下僕は放し飼いにしないことだ。私みたいな堕天使が、狩ってしまうかもしれんからな」

「ご忠告痛み入るわ。」

「……グレモリーの次期当主よ。我が名はドーナシーク。再び見えないことを願う」

男は最後に俺を睨みつけてから翼を使って、夜の空へ消えていった。

 

次にグレモリーがこちらへ振り向き、

「私の下僕を助けてくれてありがとう。それで貴方は何者なの?その制服着てるってことはうちの生徒ね?」

 

はぁ〜。やっぱりそこ聞くよなぁ〜。んー。どうしよ。

 

まぁ、とりあえずはーーー

 

「俺の正体より先に彼をどうにかした方がいいですよ」

俺がそう言った。グレモリーは不満そうな顔をしていたが、俺の言った通り、まずこちらを何とかしないといけない。

 

「わかったわ。明日、放課後使いを出すわ。この子と一緒に来てちょうだい」

無視すると後々面倒くさいだろう。

ならーーーー

 

「わかった」

とだけ答え、家へ帰った。

 

 

 

朝。眼が覚めると俺の寝ている布団の中に誰かが入っているのがわかった。家の中に無断で入り、俺の布団に入ってくるやつなんて一人しか知らない。

 

「龍夜。おはようにゃ」

布団から顔を出したのは着物を着ていて、頭にネコミミ、そして尻尾が付いている胸のデカイ美少女だった。

 

「おはよう黒歌。っていうか勝手に入って来るなって言ってあるだろ?」

彼女の名前は黒歌。昔、ある理由から主人を殺し、はぐれ悪魔になったそうだ。その時追っ手の悪魔とモンスターに殺されそうなところを俺が助けた。あとからはぐれ悪魔だとわかったが、はぐれになった理由を聞いた俺は黒歌を捕らえることはせず、傷の手当てをして少しの間だが一緒に暮らした。すぐに出て行ったが、ちょくちょく帰ってきては俺の寝ている間に布団に潜り込んでくる。ま、黒歌との出会いの話はまた時間のある時にでも……。

 

「別にいいじゃない。ここには貴方しかいないんだから」

「そういう問題じゃないんだよ……全く」

「龍夜怒ってるにゃ?」

「いや、怒ってないよ」

あーだこーだ言っても黒歌が来てくれるのは嬉しい。俺は照れ隠しに黒歌の頭を優しく撫でた。

 

「にゃん♪ん〜もっと撫でて欲しいにゃ〜」

黒歌は気持ち良さそうに目を細め抱きついてきた。俺も黒歌を抱きしめ返し、さらに撫でてあげた。

黒歌は「にゃ〜♪」なんて言いながら俺に体重を預けてくる。甘えん坊だな、なんて思いながら登校時間まで抱きしめ撫で続けた。

 

 

 

 

俺はいつものように学校へ向かった。俺が通り過ぎる度に女子、男子関係なしに誰もが俺を見る。そして、毎度顔を赤くし走り去っていく。今日も同じようなことが何度もおきた。

 

(なんでみんな、俺を見て逃げていくんだ?地味に傷つくんだが……)

俺は若干俯きながら歩いていると、周りの登校している生徒たちが、悲鳴を上げた。

なんだ?と思い原因を見てみると…………イッセーがいた。それだけなら何ともないが、その隣にいる人が問題だ。なんせあいつの隣にいるのは、駒王学園の二大お姉様の一人でリアス•グレモリーなのだ。

 

みんなの憧れの先輩が、変態三人組の一人と歩いていたらそれは悲鳴も上げたくなるだろう。

 

 

教室へ行くと、やはりと言うか松田、元浜がイッセーを尋問していた。その光景を見て平和だなぁ〜、なんて思う。

 

 

授業が終わり、放課後。

「や、どうも」

一人の男子生徒が入ってくる。彼は確か、木場祐斗。この学園一のイケメン君だったような。そのイケメンが俺とイッセーの所へ来た。

 

その木場くんが来た途端、女子達から黄色い歓声が湧いてくる。

イッセーは、イケメンの登場に不機嫌になり、ちょっと当たるような言い方で質問した。

 

「何の用だよ」

「リアス•グレモリーの使いで来たんだ」

その一言で十分だった。

それはイッセーも同じだったようだ。

 

「わかった。で、俺たちはどうしたらいい?」

「僕についてきてほしい」

イヤー!

女子の歓声が悲鳴に変わった。

「う、嘘!木場くんと兵藤が一緒に歩くなんて!」

「汚れてしまう、木場くん!」

「木場くん×兵藤なんて絶対に許せない!」

「違うわ。もしかしたら兵藤×木場くんかも!」

「違うわよ!絶対!木場くん×風見くんよ!」

「きゃああー!そのカップリング最高!!」

「本当風見くん×木場くんもありかも!」

などと、わけのわからないことを女子が話していた。中には鼻血を出してな気絶している子もいる。

んー、よくわからん!

 

 

 

グレモリーの……いや、ここでは先輩の方がいいか、先輩の使いである木場くんに連れてこられたのはーーー!

 

『オカルト研究部』

 

…………。

 

「部長連れてきました」

 

俺はなんとも言えないような顔をしていると、木場くんが部屋へ入っていった。

 

部屋の中を見て、イッセーは驚いていた。

俺?俺は、オカルト研究部なんて名前だったからある程度予想できていた。

 

そこで俺はソファーに座っている小柄な女のコを見つけた。

 

確かあの子は………搭城小猫ちゃん。一年生でマスコット的な存在の子。

そして黒歌の妹………。

 

「こちら、兵藤一誠くん。それでこちらが、風見龍夜くん」

木場くんが紹介してくれた。

ペコリと頭を下げる、塔城小猫ちゃん。

「あ、どうも」

俺たちも頭を下げた。

 

んー、呼び出した先輩がいないな、と思っていたが、奥からシャワーの音が聞こえてきた。それを見たイッセーの顔が半端なくにやけていた。

 

すごい。部室にシャワールームがある。

キュッと水を止める音。

「部長、これを」

どうやら、カーテンの奥にも人がいるようだ。

「ありがとう、朱乃」

 

「………いやらしい顔」

小さく吐き出された言葉。その通りだ。

イッセーは若干ショックを受けていた。

 

「ごめんなさい。昨日、イッセーのお家にお泊まりして、お風呂に入れなかったの。だから今、汗を流していたの」

あー、なるほど。

 

先輩はシャワールームから出てきた。その後ろに、黒髪のポニーテールをした、女性が目に入った。

 

あれは確か……姫島朱乃先輩だったような…。グレモリー先輩と並んで二大お姉様の一人。男子女子問わず憧れの的。

 

「あらあら、初めまして、姫島朱乃と申しますわ。これからどうぞ、よろしくお願いしますわ」

 

「これは丁寧にどうも、風見龍夜です。こちらこそよろしくお願いします」

俺がそう挨拶すると、イッセーも俺に習って挨拶した。

 

「これで、全員揃ったわね」

先輩が周りを見渡し、そしてーーーーーー

 

「あなた達を歓迎するわ………悪魔としてね」

 

 

 

 

 

 

 

 




次の話は、今日の23時頃に投稿します。


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第5話 オカルト研究部へ行きます!②

本日2度目の投稿です。
リアルでもうすぐテスト週間に入りますので、次の更新は少し遅くなると思います。
だから今日のうちにこの話は投稿できて良かった!

急いで話を作ったので、おかしな点があるかもしれません。その場合は教えてください。

それと感想についてですが、次の話を更新するときに全て返させてもらいます。感想を送ってくれた方、申し訳ありませんがご了承ください。


俺とイッセーは今、姫島先輩の入れてもらったお茶を飲んでいた。

 

「単刀直入に言うわ。私たちは悪魔なの」

そう言われたイッセーは驚いていた。

「貴方は、驚かないのね」

先輩の問いに

「最初から知っていましたから」

とだけ答えた。

「そう。貴方のことは後で聞かせてもらうは、まずはこの子が先ね。今から説明するわ」

 

 

 

 

 

長い説明が終わった。

 

イッセーは今もやっぱり混乱している。当然だろう。今まで普通の高校生だったのにいきなり悪魔だの堕天使だの言われたら混乱するに決まってる。

 

先輩の話を簡単にまとめるとこうだ。

 

昔から天使、堕天使、悪魔が戦争をしていた。そしてその戦争で純血の悪魔が減り、このままでは滅びそうになったから、悪魔の駒〈イーヴィル・ピース〉を作り、人間を悪魔に転生させると言うシステムを作った。

 

そして、イッセーが一番知りたかったことであろう、天野夕麻。

 

彼女は堕天使で、イッセーの中に眠っているものが原因で殺されたようだ。

 

途中、先輩がイッセーに自分の中で一番強いものをイメージさせた。

ちなみに『ドラゴン派!」とかやってた。

プッ!

 

するとイッセーの手に赤色の籠手生まれた。出現により興奮していたな。

 

その籠手は神器〈セイクリッド・ギア〉と言うらしい。籠手は一度発動すれば出すもしまうも自由自在にできるらしい。

 

最後になぜイッセーが生きているか?と言う問いは、デートの前に渡されたチラシが原因で、そのチラシは悪魔を召喚するものらしい。イッセーは死ぬ瞬間に、先輩を召喚し、悪魔の駒〈イーヴィル・ピース〉で悪魔に転生した。それがイッセーの生きている理由。だいたいこんなものだ。

 

話し終えた先輩は次に俺の方へ向き、俺に説明を要求してくる。

 

「それで、貴方は一体何者?答えるまで帰すつもりはないから、そのつもで」

………しかたない。少しぐらいなら話しても大丈夫か。

 

「まず、俺は人間ではなくドラゴンです」

俺は腕の表面にドラゴンの鱗を出した。

「「「「「っ!」」」」」

俺を除いたみんなが驚いているが無視する。

 

「気配はこれで、誤魔化すことができます」

質問されるのが面倒なためまず初めに首からかけているネックレスを見せ、効果を教えた。このネックレスは俺が人間界へ行くときにアジュカのやつが、渡したものだ。

 

「随分とあっさり自分の正体を教えるのね」

「別に隠す意味なんてないですからね。それに隠したら隠したで監視を付けられても嫌ですからね………話に戻りますよ?」

俺の問いかけに先輩は頷いた。

 

「小さい頃から両親はいなくて、はぐれ悪魔を狩って暮らしていました」

最初の半分は嘘だが、後半は本当だ。まぁ、これぐらいの嘘はついてもいいだろう。

 

「俺は、この年までずっと冥界で住んでいました。少し大きい屋敷で暮らしていて、近くには確か大きな湖がありましたね」

 

と、ここまで話した途端、先輩が慌てて止めた。

 

ん?どうかしたのだろうか?

「ち、ちょっと待って!貴方が住んでいたところってもしかしてグレモリー領?」

「ん?そうですよ」

なんで俺の家を先輩が知っているのか疑問に思った。あそこで俺が暮らしていることを知っている奴は………あいつか。

赤髪の魔王様が笑っている所が脳裏に思い浮かぶ。

 

あんの野郎〜!次会ったら絶対一発は殴る。

俺が心にそう決めていると、先輩が震える声で聞いてきた。

 

「……も、もしかして…あなたが、「大剣の守護者」……なのかしら?」

 

「……………」

 

「……本当に「大剣の守護者」なんですか?」

「「大剣の守護者」って………あの?」

「ほんとう……ですの?」

小猫ちゃん、木場くん、姫島先輩が、驚いた様子で問い詰めてくる

 

「先輩。なんですか?「大剣の守護者」って」

 

「いい?イッセー。悪魔にははぐれ悪魔がいるの。爵位持ちの悪魔に下僕としてもらった者が主人を裏切り、また主人を殺して、自由に暴れる悪魔がいるの。それがはぐれ悪魔。はぐれ悪魔にもレベルがあってSS級のはぐれ悪魔なんかになれば、最上級悪魔クラスになるの。当時は戦争後だったため対処に物凄く困っていたのよ。だけどそこで現れたのが……「大剣の守護者」なの」

そこで一旦話を区切りグレモリー先輩は紅茶を飲んだ。

 

「「大剣の守護者」はSS級のはぐれ悪魔を淡々と狩っていったわ。当時、魔王クラスとまで言われていた悪魔を無傷で倒した、とまで言われていて、実力は魔王クラス以上で神クラスとまで今れているわ。そして、何故「大剣の守護者」なのかと言うと、その人が使っていた武器が大剣だったからよ。その大剣ではぐれを狩る。そして、一度だけ村の人々が大量のはぐれ悪魔に殺されそうなところを助け、村の人々を守りながら、戦い、勝った。そこからきたのよ。大きな剣を振るい、人々を守りながら戦った。だから「大剣の守護者」なの」

 

先輩は少し興奮気味に話していた。だが、それは先輩だけではなく、他の部員のみんなも、そしてイッセーも目を輝かせていた。

 

「す、スゲ!龍夜スゲェよ!まじでかっけぇぇ!」

イッセーがスゲェを連呼して興奮している。

そして、先輩はどうなの?と聞いてくる。

 

その目は確信に近いものがあった。もう逃げることができないとわかり正直に話した。

 

「……はい。俺がその「大剣の守護者」ですよ。でも先輩はなんで俺が「大剣の守護者」だってわかったんですか?あれだけの情報でわかるわけないと思うんですけど…」

 

「それはね、その人が戦っているときは闇色の髪、戦い終わって武器をしまった後は髪が長くてキレイな白髪だって聞いていたからよ。そしてあなたの住んでいる場所。お父様やお母様がグレモリー領の湖の近くにあるお屋敷に「大剣の守護者」様が暮らしているって話、聞いたことあるのよ。だからさっきの話からもしかしたら貴方がそうなのかな?って」

 

そっか〜。教えたのは先輩の両親か。

まぁ、別にバレたからって何もないんだしいっか。俺は一人で納得していた。

 

すると先輩はキラキラした目でこちらに乗り出してきた。

「ねぇ、貴方。龍夜と呼ばせてもらうわね。私の下僕にならない?」

「…………え?下僕?」

「ええ!貴方、悪魔になってみない?」

聞かれるだろうとは思っていたけど、まさかこんな直球に聞かれるとわ。だけど……

「お断りします」

流石の先輩もここまでハッキリと断られるとは思っていなかったようだ。

 

「………どうしてかしら?」

「そんなの自分がドラゴンのままがいいからです」

「……………………それだけ?」

「はい」

「………………」

俺の答えに先輩は口を開けて固まっている。

「そう………わかったわ」

先輩はそう言うとイッセーの方へ行った。

そして入れ替わりで木場くんがきた。

 

「ねぇ、風見くん。今度僕と模擬戦をしてもらえないかな?」

木場くんは先輩の『騎士』だ。『騎士』として、剣士として戦ってみたいと思ったのだろう。

 

「うん。別にいいよ」

何も俺に支障はないのでOKした。

俺と木場くんが模擬戦の約束をしてる間、先輩はイッセーにこれからのことを教えていたようだ。

 

「二人にはオカルト研究部に入ってもらうけどいいかしら?これから私のことは先輩、ではなく部長と呼ぶこと。それと龍夜、私は貴方を諦めた訳ではないわ。必ず私の眷属になってもらうから」

最後の方は少し拗ねたような感じで言った。

 

 

「悪魔になるつもりはありませんが、この部に入るのは大丈夫です。部長」

「はい!俺も全然大丈夫です!部長!」

俺とイッセーは頷いた。

 

 




前書きでも書きましたが、次回の更新は遅くなります。


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第6話 金髪シスターと出会います!

遅くなって申し訳ございません。
もうそろそろテストが始まりますので、次の話も更新が遅くなるかもしれません。

なるべく早く更新するようにします。



俺とイッセーがオカルト研究部に入って早数日。部長には眷属にならない?と、何度も聞かれたが断った。どっちにしろ無理だろ。“悪魔の駒”は確か神クラスには適応できないってアジュカが言ってたからな。

 

 

 

それからイッセーは毎日夜に契約をとりに自転車で走り回っている。

 

なんで悪魔なのに魔法陣で移動しないのかって?…………そ、それは………………イッセーの魔力が少なすぎ転送できなかったんだよ。いや〜、あのときは爆笑したね。

イッセーが契約取ってきます!ってカッコつけたのはいいものの、いざ転送しようとしても魔力がなくて自転車で行くことになったんだからな。

 

あー、思い出しただけでも笑える。

そして俺だが、俺は基本何もしていない。

ただ部室に行き、お菓子食べてお茶飲んで帰るだけ。あ、ときどき旧校舎の裏で木場くんと、模擬戦をしたりしてる。もう、20試合ぐらいして全部俺が勝っている。それは当然だ。なんせ俺は世界最強と毎日トレーニングしていたんだからな。

 

(そういや、オーフィス元気でやってるかな〜)

確かこの前も同じことを考えていたような、ないような……。

 

 

 

今、俺はイッセーと一緒に学校から帰っていた。ドラグ・ソボールの話で盛り上がっていたところ、

 

「はわう!」

 

と、いう声と、誰かが転んだような音がした。俺が助けに行こうとしたときにはもう、すでにイッセーが転けた子に手を差し伸べていた。

 

はえーな!おい!どんだけ女の子に俊敏なんだよ!お前は………。

 

そう俺が呆れている間にもイッセーと転けた子は仲良く話していた。

 

「大丈夫かい?怪我とかしてない?」

俺はイッセーに助けられていた子に尋ねた。

 

「はい。大丈夫です。あ、私今日からこの街の教会で暮らす、アーシア・アルジェントと言います。アーシアと呼んでください」

 

教会ねぇ〜。面倒なことが起きなきゃいいけど。

「わかった。俺は風見龍夜だ。龍夜と呼んでくれ」

と、自己紹介が終わったところで、

「うわぁぁぁん!」

公園から男の子の泣き声が聞こえてくる。

どうやら、転んでしまったらしい。

 

(ま、母親も近くにいるようだし、心配ないな)

 

なんてことを、公園に顔を向けて考えていたら、アーシアがその子の元へ走っていった。それを見て、俺たちもついていった。

 

アーシアは、男の子に向かって、

「大丈夫ですか?男の子ならこのくらいで泣いてはいけませんよ」

 

そう男の子に言い、手を傷の部分に近づけた。

 

「おおう、まじが……」

 

思わず驚きの声をあげてしまった。

アーシアの手が、淡い光に包まれそれを男の子の怪我の部分に当てた。

すると、男の子の傷が瞬く間に消えていった。

 

うーん、これは回復系の神器か……。

 

「はい、傷はなくなりました。もう大丈夫です」

アーシアは子供の頭を撫でると、俺たちのほうへ顔を向ける。

 

「すみません。つい」

と、舌を出して、小さく笑った。

キョトンとしていた母親は頭を下げると、子供の手を引いてそそくさと去っていった。

 

「ありがとう!お姉ちゃん!」

子供の感謝の声が聞こえてくる。

それを聞いたアーシアは嬉しそうに笑っていた。

 

「その力は?」

 

「はい。治癒の力なんです。神様から頂いた素敵なものです」

 

 

 

「あ、ここです!良かったぁ」

地図のメモと照らし合わせ、アーシアは安堵していた。

 

「良かった。ここの街の教会って言ったらここしかないから」

「はい。本当にありがとうございます。今日のお礼もしたいので、中でお茶でもどうですか?」

 

すると、真っ先に誘いに乗ると思っていたイッセーが、

 

「いや、今日はこの後に用事があるんだ。だからまた今度な」

それを聞いたアーシアは、少し寂しそうだった。

 

「そうですか。でしたら暇なときなどでいいのでよかったら来てください。今日のお礼もしたいですし」

 

「ああ、機会があったらまた来るな」

イッセーがアーシアに手を振って言った。

 

「はい!」

と、満面の笑みで頷いた。あ、イッセー顔赤くなってる。

 

 

その日の夜。

イッセーは部長に「教会に近づくな」

と、強く言われていた。

悪魔が教会に近づくと、光の槍が降ってくるそうだ。今回はシスターを案内していたため攻撃はなかった。と、部長は言っていが。

 

部長の長い説教が終わったのを待っていた姫島先輩が、部長に報告した。

 

「大公から、討伐の依頼が届きました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




短くなって申し訳ないです。

活動報告でヒロイン募集アンケートをしています。
是非、アンケートに答えてくれるとありがたいです。


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第7話 アーシア救います!

お待たせしました、7話です。今回で旧校舎のディアボロスは終わりです。

アンケートに協力してくださりありがとうございます。
以外にもオーフィス一筋というのが多くて驚きました。
今からオーフィス一筋は無理なので、ヒロインはあまりの増やさず、なるべくスポットをオーフィスに当てていこうと思います。

モンハンのモンスターは使い魔とし登場させます。


俺たちオカルト研究部のメンバーははぐれ悪魔の討伐に向かっていた。

討伐場所へ向かっている間、イッセーは悪魔の駒〈イーヴィル・ピース〉について教えてもらっていた。

 

俺は冥界で暮らしていたときに、アジュカに教えてもらったから知っている。

アジュカというのは、現四大魔王の一人でサーゼクスと一緒で『超越者』の一人だ。

あいつ、自分が興味持ったことはどんなことしてでも調べようとするから怖いんだよなぁ。っと、今はそんな話しなくていいや。

 

とりあえず、悪魔には悪魔の駒があり、それはチェスと同じで、『女王』『騎士』『戦車』『僧侶』『兵士』と、五つの特性に分かれる。

 

その駒で下僕を増やし、競い合う。

それを『レーティングゲーム』と呼んでいる。

 

「じゃあ、部長!俺の駒の特性って何ですか?」

やはり気になるのか、イッセーは自分の駒の役割を聞いた。

「そうねーー。イッセーの特性はーー」

 

そこまで言って、リアス部長は言葉を止めた。俺はとっくに気づいていたが、すぐ近くに、今回の討伐対象のバイサーがいる。

 

「……血の匂い」

小猫ちゃんが呟く。

「イッセー、龍夜。貴方たちは見ていて。ついでに下僕の特性を教えるわ」

 

「美味そうな匂いだ。不味そうな匂いもある。どいつが美味いんだろうな〜」

今回の討伐対象、バイサー。自分から出てくるとはな。

 

駒の特性だが、『騎士』の特性はスピード、『戦車』はバカげた力に、高い防御力、『僧侶』は仲間をフォロー、『兵士』はプロモーションすることで『女王』にも、他の全ての駒にもなれる。そして『女王』は全ての駒の特性を持つ。

 

説明が終わった頃にバイザーも死んでいった。最後の見てたが、朱乃先輩ってドSなんだな。初めて会ったときからなんとなくそう思ってたんだけど、やっぱり当たってたか。

怖いな〜。苛められたくないな。……気よつけよ。

 

みんな、バイザーを倒したことで気が抜けていた。それは戦場では命取りだ。戦場にいるのは敵一人とは決まっていない。

 

「部長!危ない!」

木場くんが気づいたけど、遅かった。部長に、赤色をした大きな塊が直撃する寸前だった。他の部員も全員慌てていた。

 

だが、部長に直撃することはなかった。突然部長の体の周りに風が出現し、弾いた。

 

はぁ〜。来といて正解だったな。

心の中でため息をつき、俺は自分の半径10メートルの風の結界を張った。その直後、さっきと同じものが、三発激突した。

 

全員が目を見開いて俺を見ていた。

「戦場じゃあ、敵は一人とは限りませんよ」

俺の一言に、全員が我に返ったようだ。

 

「……え、ええ。わかったわ。……そ、それとさっきはありがとう」

「いえ、気にしないでください。そろそろ部室へ戻りましょう。依頼はすんだのですから」

「そうね、みんな、帰るわよ」

魔法陣で部室へ飛ぶ前に俺はさっき攻撃が飛んできた方を見ていた。

(………あれは火のブレスだった。こんな近くにモンスターがいるのか?)

 

「ま、用心するににこしたことはないな」

俺はボソッと自分しか聞こえないように呟いた。

 

 

パン!

いきなりだが、今イッセーがリアス部長にビンタされてます。なんでも、バイザー倒した次の日の夜。

 

イッセーはいつも通り契約をとりに自転車で、呼ばれた人の家へ向かった。

だが、その家の主は死んでおり、そこで悪魔祓い通称エクソシストと出会った。そこで戦闘になったらしい。その途中で、アーシアと会ったらしく、ボロボロのイッセーを見て庇った。エクソシストは悪魔を庇ったアーシアを殴り飛ばしたらしい。そこでリアス部長たちが助けに入り、アーシアを置いて帰ってきた。そのあと、アーシアと偶然再会し、一緒に遊んでいたら、堕天使レイナーレが儀式をすると言ってアーシアをさらって行ったらしい。

 

そして今に至る。

 

「何度言ったらわかるの!シスターの救出は認めないわ!」

「俺は一人でも助けに行きます。それに堕天使の儀式ってのも気になります。アーシアが無事ですむとは思えませんから」

だのと、言い争っている。

 

リアス部長が初めて激昂した姿を見た。

それでもイッセーは止まらなかった。

何度も何度もアーシアを助けに行くといい続けた。話が終わりそうになかったが、朱乃先輩がリアス部長に駆け寄り、耳打ちする。

何かあったらしい。朱乃先輩の表情も険しい。リアス部長は、朱乃先輩の話を聞き終えると、席から立ち上がり、

 

「大事な用事ができたわ。私と朱乃はこれから少し外へ出るわね」

そう言った。

イッセーはまだ話は終わっていないと食い下がるが、リアス部長がイッセーの話を遮る。

 

そして『兵士』の能力を教え、魔法陣でどこかへ飛んだ。

 

イッセーは一人でも行くと言っていたが、木場くんと小猫ちゃんが自分も行くと言った。

そこで、残りの俺に視線がいく。

 

「心配するな、俺も行く。アーシアとは一度しか会ってないが、いい子だと思うからな」

俺が行くと言うと、みんなが笑った。

 

(ま、確かめたいこともあるしな)

 

 

教会の扉の前にきた。どうやって乗り込む?とか話してたら小猫ちゃんが扉を蹴り飛ばしちゃった。手で開けたんじゃなくて、蹴り飛ばした。………静かに開けようぜ?ま、堕天使たちは、俺らが来たことなんてもうわかっていると思うけど、

 

パチパチパチ。

音のなっている方を向くと一人の男がいた。

 

そいつを見た瞬間イッセーの雰囲気が変わった。なるほど、アーシアを殴ったのはあいつか。それならあいつはイッセーたちに任せるかな。なんて考えていると、さっきの男、エクソシストが、こちらを向き、

 

「あんたが、うちの上司が言ってた危険な奴ですか。そうですか。なら、あんたの相手は俺じゃ無理だからこいつにしてもらいます!じゃーん。バサルモス〜。こいつものすっげぇーぞ?そこの悪魔くんの作った剣なんかじゃ傷一つつけることができないくらいね!ってことでお前さんは死んじゃってください!」

 

突然教会の入り口前にはバサルモスが現れた。今までゲームでしか見たことのなかったバサルモスだが、想像以上にデカイ。それに本当に硬そうな体してる。

 

………なんでバサルモスなんかいんの?どうやって捕まえたんだ?こいつらじゃ絶対バサルモスなんて捕獲できないぞ?

 

…………黒幕がいるな、こいつらにバサルモスを渡した奴が。

そんなことよりまずはこいつを倒すことが先か。…………よし!

 

イッセーたちが俺に何か言っているが、それを無視し、バサルモスを殴り飛ばした。

バサルモスは吹っ飛び、木々の奥へ飛んで行った。こいつを相手するのはイッセーたちじゃ無理だな。

 

「イッセー!あいつは俺がやるからお前らはアーシアを救ってこい!」

俺はそれだけ言って、教会をでた。

 

 

俺が到着したあたりで、バサルモスはちょうど起き上がった。

 

バサルモスは俺を近づけないようにするためか火炎ガスを放出する。そのせいで視界が悪くなり、風で対処したがその時にはバサルモスが火炎ガスのブレスを吐いた。

 

「……チッ!」

すぐに地を蹴り火のブレスを躱し、バサルモスへ駆ける。そこで風を使い加速し、バサルモスへ強烈な突風を放つ。

 

バサルモスの体は、いたるところが崩れ、吹き飛んだ。

 

「グワアアアアアァァア!」

衝突音とともにバサルモスの悲鳴が聞こえる。

 

「ふ〜ん。あれに耐えるか………なら試してみるか」

今の攻撃はそこらのモンスターや悪魔なら潰れてもおかしくない威力だった。

……ならあれを試してもいいだろう。

 

「ちょうどいいは、完成したこいつを使ってみたかったしな」

右腕を横へ伸ばし、手を開く。すると、次元の狭間から一本の刀が現れた。その刀は見るものを魅了するであろう純白と言える真っ白な刀だった。

「この刀の名は【叢雲】。さあ、バサルモス、お前で確かめさせてもらう」

【叢雲】は俺がまだ冥界にいたとき、自分の鱗を使って作ったものだ。

 

 

俺は刀を鞘から引き抜いた。刀身には赤い刺青が施されいて、刀身の部分には風が渦巻いていた。それを構え、バサルモスと向かい合う。

 

バサルモスは、荒い息をしながら火炎ガスを放出し続け突進してくる。

俺もバサルモスへ向かって走り出し、交差する瞬間【叢雲】を一振り。それだけでバサルモスは粉々に斬り刻まれた。

 

「ふぅ〜。予想以上に斬れたな」

 

刀を仕舞い俺はイッセーたちのいる教会へ戻った。

 

 

 

そこには部長と、姫島先輩、そして堕天使レイナーレだっけ?そいつがいた。

 

「よっ、そっちは終わったのか?」

俺がイッセーに聞くと、

「…………あ、ああ、終わった。お前の方は?って終わったから来たのか」

「ああ、片付いた。それで、アーシアはどうした?」

とたん、イッセーが俯いた。それではわかった。アーシアを助けられなかったのだ。

 

「……………」

俺は何も言えず黙っているだけだった。

 

 

あれからは、堕天使レイナーレを部長が消しとばし、悪魔の駒を使いアーシアを『僧侶』として復活させた。

 

イッセーは泣いていたな。もう絶対に死なせないって言ってた。

本当、熱い奴だよ。

 

それから、アーシアは駒王学園に転校してきた。俺たちと同じクラスだ。やはりアーシアは可愛いのですでにクラスの人気者だ。

 

アーシアはイッセーに学校へ行きたい。と言っていたそうだから、夢が叶って良かったなと思う。

 

 

 

朝早くから呼び出され、何だ?と思ったが、新しい部員ができたからパーティをしよう、というものだった。先輩方の手作りケーキを食べ、イッセーが一発芸「ドラゴン派!」をやり馬鹿受けしたりと、楽しいパーティだった。

 

アーシアはイッセーと一緒に入れて幸せそうだった。俺はイッセーたちの様子を眺めながら、パーティを楽しみ、こらからの授業に備えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、バサルモスを捕まえた奴のこと聞くの忘れてたな。…………ま、いいか。いつかわかるだろうし、今はこのパーティを楽しむか。




次回から戦闘校舎のフェニックス編が始まります。



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戦闘校舎のフェニックス
第8話 部長の婚約者現れます!


テストやっと終わったぁぁぁあああ!
長かった。とにかく長かった。



今日からまた更新していきます。


朝の四時十五分。

俺はいつもこの時間からトレーニングを行っていた。これはオーフィスがいたときから続けていることだ。いつものようにジャージに着替え、走りに出かけた。

 

俺は約束の公園まで走った。

約束というのは、部長が俺のトレーニングのことを聞いてから、それにイッセーを参加させほしいと言われ、今日からイッセーと一緒にトレーニングだ。

 

なんでイッセーがいきなりトレーニングを始めたかだが、どうやらイッセーの神器が原因らしい。教会の一件でイッセーの神器が何なのか判明した。最初はただの『龍の手』と思っていたが実は、『赤龍帝の籠手』だった。

『赤龍帝の籠手』は神滅具(ロンギヌス)の一つで十秒ごとに自分の力を倍にしていく力らしい。極めると魔王や神すらも超える力を得られるそうだ。

 

んー。やっぱりこの気、どっかで感じたことあるんだよな〜。………前より思い出しそうだが、どうしても思い出せん!

いつかわかるだろうから無理に思い出さなくていいか。

 

それで、今のイッセーでは扱えないから修行して基本スペックを上げようと、考えたわけだ。イッセーが赤龍帝と言うことは、白龍皇とかいうのと戦うことになるのか。

 

確かに今代の「白龍皇の光翼」の所持者は歴代最強って言われてるから、このままだったらイッセーは絶対死ぬ。だから特訓はイッセーが死にたくないなら絶対にしないといけないことだ。

 

 

 

 

公園にはすでにイッセーと部長がいた。

 

「おはようございます。部長。それとイッセーとアーシアもおはよう」

「ええ、おはよう。いきなり混ぜてほしい、なんて言ってごめんなさいね」

「いえいえ、気にしないで下さい。俺も一人より楽しくできますので」

「龍夜、おはよう!今日からよろしくな!」

「龍夜さん、おはようございます。イッセーさんのことよろしくお願いしますね」

全員の挨拶が終わり、トレーニングに入った。

 

どうやらアーシアはイッセーの家で暮らしているようだ。イッセーはエロの権化とか言われているが、相手が嫌がることは絶対にしない奴だとわかっているから安心して任せられるだろう。アーシアもイッセーのことが好きだろうし、それがいいだろう。

 

ちなみにこれは余談だが、小猫ちゃんも俺の家に住むことになった。何故?とも思ったが、いつでも連絡を取れるように自分の眷属を置いておいたほうが良いと思ったからだそうだ。だが、本当のところは小猫ちゃんが強く要望したからだとかなんとか……。

 

確か今日から来るとか言ってたな。今日はご馳走作ってやるか!

 

ちなみに黒歌には言ってあるので小猫ちゃんと会うことはないだろう。

 

 

 

 

俺はイッセーと、そして他の女子たちと楽しそうに話しをしているアーシアを見て、穏やかな気分になった。

 

アーシアは今、みんなの癒し的存在になっていた。アーシアと話したり、見ていたりすると癒されるらしい。

 

確かにアーシアを見ていたら癒されるっていうのには同感だ。こんなに優しい子なんてそうそういないだそう。アーシアは純粋すぎて将来騙されないか不安だ。

そのときはイッセーや、部長がなんとかするだろうが。

 

 

 

俺は最近、小猫ちゃんのお菓子係みたいなのになっている。前に小猫ちゃんが部室のソファーで倒れていた。心配した俺は小猫ちゃんを起こし、わけを聞いてみたら、「……お腹が空いた」とだけ言って、また倒れたのだ。俺は部室のキッチンを使って、小猫ちゃんにクッキーを焼いてあげた。その日以来、毎日お菓子を要求してくるようになった。別に俺自身料理や、お菓子作りは好きなので毎日作ってあげても全然問題ない。時々あ〜ん、なんかも要求してくる。餌付けしてる気分だ。

そんなこともあり、小猫ちゃんはよく俺に懐くようになった。俺から懐かしい匂いがする。とも言っていたからそれも原因のひとつなのだろう。

 

 

今日は小猫ちゃんが家に来る日。そのため、家中を綺麗にし、夕食の準備をしていた。

今日は小猫ちゃんのためとびっきりの料理を用意した。

 

美味しいって言ってくれたら良いけどな。なんてことを考えているとーーー

ピンポーンと家のベルが鳴る。

 

すぐにドアをあげる。そこは、予想通りの人がいた。

 

「今日からお世話になります。龍夜先輩」

ペコリと頭を下げる。

「うん。いらっしゃい!今日は小猫ちゃんのために美味しい料理をたくさん作ったから、遠慮なく食べてくれよ!」

俺の言葉を聞いた小猫ちゃんの目が輝きだした。

 

「はい。ご馳走になります」

「うん。それじゃ、上がって」

「……お邪魔します」

俺は小猫ちゃんの方へ振り向き、

「お邪魔しますじゃないよ。ただいま、だろ?今日からここが子猫ちゃんの家なんだから」

そう言うと小猫ちゃんは嬉しそうに笑いーー

 

「ただいま」

と、言った。

 

 

最近部長の様子がおかしい。はっきりとはわからないが、いつもの部長らしくない。

 

イッセーに聞いても、気づいてはいたが理由は知らないらしい。

 

ただ、昨夜部長に夜這いされたらしい。

とうとう頭逝ったか?とも思ったが、それはないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

今日も授業がつつがなく終わり、木場くんとイッセーとアーシアで部室へ向かった。

だが、教室を出たときから部室あたりに、感じたことのある気配があった。

 

あの人が来たってことは、多分あいつの使いだろう。

 

「……僕がここまで来て初めて気配にきづくなんて………」

部室の前に来たとき、木場くんが気づいた。

 

顔を強張らせる木場くんをイッセーはなんだ?と、気にしていたが、気にせず部室の扉を開く。

 

中には、部長と、姫島先輩、そして……グレイフィアさんがいた。

不機嫌な部長。

いつものようにニコニコしている姫島先輩。

俺たちが入ると、部長が一人一人確認して、口を開く。

 

「全員揃ったわね。では、部活を始める前に少し話があるの」

「お嬢さま、私がお話ししましょうか?」

部長はグレイフィアさんの申し出をいらないと手をっていなした。

「実はねーー」

部長が口を開いた瞬間だった。床に魔法陣が光りだす。

イッセーは魔法陣が現れたことに困惑していた。

 

あの紋章は確か………。

「ーーーフェニックス」

木場くんが口からそう漏らした。

やっぱりかフェニックスか。

 

ボワッ!

魔法陣から炎が巻き起こり、一人のホストっぽい男が佇んでいた。

 

「ふぅ、人間界は久しぶりだ」

 

ホスト男は部室を見渡し、リアス部長を目で捉えると口元をにやけさせた。

 

「愛しのリアス。会いに来たぜ。さあ、リアス。さっそくだが、式の会場を見に行こう。日取りも決まっているんだ、早め早めがいい」

男は、部長の肩に腕を回し連れて行こうとした。

 

「…………離してちょうだい、ライザー」

部長は男の手を払った。……部長、怒ってるね。完全に起こってますね。

 

「おい、あんた。突然きてなに訳わかんねぇこと言ってんだ」

イッセーが、イライラした様子でライザーとか言う男に突っかかった。

 

「あれ?リアス、俺のこと下僕に話してないのか?つーか、なんでこんなとこに人間なんかいんだ?」

「話す必要がないからよ。それに、あの子は部活の部員よ」

「ふーん。別に人間がいようが別に構わないが」

………あの〜。俺、人間じゃなくてドラゴンなんですが?

 

いつの間にか俺が人間ってことね話が進んでいるんだが………。

グレイフィアさんの方をチラッと向くと、俺に向けて頷いていた。これで良いということだろうか?ん〜、ドラゴンということがバレたら問題になるからだろうか?……グレイフィアさんがそう言うなら大人しく黙っているか。

 

 

「兵藤一誠さま」

「は、はい」

グレイフィアさんが、イッセーへ話しかる。

 

「この方はライザー・フェニックスさま。純潔の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家の三男であらせられます。そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます」

やっぱりか〜。さっき式とか言ってたしな。

だが、イッセーの頭はついていけてないみたいだ。

 

「リアスお嬢様と婚約されておられるのです」

その一言にーーー

「ええええええええええええええええええええええええええッッ!!!」

イッセーが絶叫する。………うるさい。横で大きな声を出さないでほしい。

 

 

 

また、面倒なことになってきたな〜。

 

 

 



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第9話 特訓始めます!①

更新です。
どうぞ


部長は必要以上に触れてくるライザーと、結婚しないだの純潔悪魔がどうだのと、俺からしたらどうでもいいことを言い争っていた。

 

「あなたとは結婚しないわ、ライザー。私は私が良いと思った人と結婚する。家柄があろうと、これぐらいの権利はあるわ!」

その言葉を聞いたライザーが不機嫌になった。

 

「……俺もな、リアス。フェニックス家の看板背負ってんだ、その名前にドロを塗るわけにはいかなんだよ。こんな狭くてボロい人間界なんて来たくなかったんだ。それにな、俺は人間界はあまり好きじゃないんだ。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては、耐え難いんだよ!」

直後、ライザーのまわりに炎が上がる。

「リアス、俺は君の眷属を全部燃やし尽くしてでもキミを連れ帰るぞ」

 

ライザーが殺気が部屋中に広がる。イッセーとアーシアは震えているが、他のみんなは臨海体制に入っている。部長も紅のオーラを全身から発し始めていた。

 

一触即発の中、それを止める人物がいた。

ーーーーグレイフィアさんだ。

「お嬢さま、ライザーさま。落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙って見ているわけにはいきません。私はサーゼクスさまの名誉のため遠慮などしないつもりです」

 

「……最強の『女王』と称されるあなたにこう言われては引くしかないな。流石に怖い」

 

流石がグレイフィアさん。今の一触即発の空気を一言で変えたよ。

 

「こうなることは旦那様もサーゼクスさまもフェニックス家の方々も重々承知でした。今回が最後の話合いでした。そして、これで決まらなければ、『レーティングゲーム』にて決着をつけてはいかがでしょうか?」

それには、部長もライザーも頷き、『レーティングゲーム』で、決着をつけることに決定した。

 

「なあ、リアス。ここにいる面子が君の眷属か?」

「だとしたらなに?」

ライザーはクスクスと笑う。

「これじゃ話にならん。キミの『女王』の『雷光の巫女』しか俺の可愛い下僕に対抗できないじゃないか」

そう言いライザーは、指を鳴らす。すると、魔法陣が浮かび上がり、そこには15人の少女、女性が佇んでいた。

 

「これが俺の可愛い下僕たちだ」

おれはそれを見て即座にイッセーのを見た。

案の定、イッセーは泣いていた。ライザーを見ながら。

 

「お、おいリアス。君の下僕くん、俺を見ながら号泣してるぞ」

「その子の夢はハーレムなの。きっと、ライザーの下僕たちを見て感動しているんだわ」

「きもーい」

「ライザーさま、気持ち悪いです」

ライザーの眷属の子たちから心底気持ち悪がられていた。

………可哀想なイッセー。

なんて思っているとーーー

 

ライザーは自分の眷属の一人とディープなキスをし始めた。

うわっ!気持ち悪ッ!今すぐぶっ飛ばしたいぐらいだ。婚約者の前で違う女のキスするなんて………まじか。そんなことを思っていると、イッセーがキレていた。

 

「お前みたいな女たらしと、部長が釣り合うわけねぇーだろ!」

ブーステットギアを発動させ、イッセーがライザーへ殴りかかる。

 

「おい、イッセー!行くな!」

完全に頭に血が上っているため、イッセーは俺を無視し、突っ込んだ。そして、ライザーの眷属の一人に吹っ飛ばされていた。

 

はぁ〜、だから言わんこっちゃない。今のお前じゃ誰にも勝てないのに。

 

それにしても俺、こういう人嫌いなんだよな〜。誰かを見下すやつ。それにこういう奴って自分の力を過信しすぎる雑魚タイプだし、すぐやられるキャラだな。

 

「おい、貴様………。今なんと言った?」

 

ん?あいつは誰に言っているんだ?

「貴様だ!そこの人間!今、俺のことを力を過信してる単なる雑魚と言ったな!ただの人間の……ゴミの分際で、よくも言ってくれたな!」

ライザーはそう言い、炎を燃え上がらせた。

 

あれ〜、もしかして口に出てた?

 

ライザーの炎が力を増す。すごい形相だ。

どうやら口に出ていたらしい。今度から気をつけなければ………それにしても、さっきからクソ暑い。この炎消してもいいよな?熱いし。

 

俺は未だに上がっている炎を消しとばした。

 

「「「「「「…ッ!!」」」」」」

グレイフィアさん以外の者全員が驚いていた。特にライザーは、自分の炎が、消されたことに唖然とし、そして怒りで顔を真っ赤に染めた。

 

「何をした!人間風情が、俺の炎をどうやって消した!」

 

俺はその問いに答えないでそっぽを向いていた。それを見てライザーは余計に激昂したが、すぐに冷静になり、俺へ言った。

 

「おい、人間!お前も今回の『レーティングゲーム』に参加しろ!そこで、お前を殺してやる!」

 

その言葉に、俺の正体を知っている部長たちは、驚いた顔をした。

俺は困った顔でグレイフィアさんを見た。やはりと言うか、グレイフィアさんも戸惑っていた。

 

だが、グレイフィアさんが魔王様に言っておくといい、俺の参加は保留で終わった。そして、ゲームは十日後に決まった。

 

 

………ライザーよ、俺が参加してもいいのかい?

 

 

 

その日の晩。俺の携帯に電話がかかってきた。相手はわかりきっている。

 

「もしもし」

「やあ、こんばんは龍夜くん」

「何の用だ?」

「分かっているんだろ?レーティングゲームのことさ、キミが出るってグレイフィアから聞いて驚いたよ」

「ああ、まさか俺もゲームに出ろ!なんて言われるとは思ってもみなかったからな」

 

「うん。その事なんだけどね。キミのゲーム参加が認められたよ」

「は!?認められたのか!俺が戦えばライザーなんて瞬殺なんだが?ゲームにすらならないんだが?」

 

本当に俺が参加するとすぐにゲームが終わるんだが?どうすんだ?サーゼクスのやつ。

「認められたと言っても、龍夜くんが英雄とは誰も知らないからね。人間がいようといまいと関係ないからいい。とのことらしい。だが、私から言っておくが、龍夜くんには制限つきで戦ってもらう。まず、「大剣の守護者」としての力を使うことは禁止だ。それに、力は全て中級悪魔程度に抑えてくれ」

 

「やっぱりそうなるよな。うん、わかった」

そうだよな、《鏖殺公》なんて使えばいくらフェニックスといえど一撃で殺してしまうからな。それなら【叢雲】で戦うか。

 

サーゼクスとの電話を切り、俺は眠りについた。

 

 

 

そして次の日の朝。

 

オカルト研究部のみんなで修行するため山に向かった。

 

「ひー、ひー」

イッセーの背中には尋常じゃない荷物が背負わされている。自分の身長より遥かに大きい荷物。普通なら持てるはずがない。だが、悪魔になった今では、身体能力はかなり上がっており、持つことができる。できるのだが、やはり重いものは重い。今もイッセーは死にかけている。

 

「ほら、イッセー。遅いわよ」

先に進んでいた部長に檄をとばされる。

 

途中、木場くんが山菜を採ったり、小猫ちゃんがイッセーの倍はある荷物を軽々と背負っていたり、アーシアがイッセーに「私も手伝います」と、健気に言ったりしていた。

 

本当にええ子やな、アーシアは。

 

 

 

え?俺はどうしたって?そんなのイッセーために荷物の上に座っているよ。別に怠いから上に乗ってるわけじゃない。これはイッセーを思ってのことだ。決して怠いからじゃない。

 

 

 

やっとの思いで、別荘にたどり着いたイッセーは、着くなりその場に寝転がってしまった。途中、俺が荷物の上に座っていることに対してすっげぇ怒ってたが、まあ、問題ないだろう。

 

 

とりあえず、修行を始めるためにジャージに着替える必要がある。女性陣は二階へ着替えに行った。

 

「僕も着替えてくるね」

木場くんもジャージをもって浴室へ向かう。

「覗かないでね」

 

「ふざけんな!なんで俺が野郎の着替えなんざ覗かなきゃなんねぇんだよ!ぶっ飛ばすぞ!」

あら〜、イッセーがマジギレしてるよ。ま、そりゃ男の着替えを覗くやつと、誤解されたらキレるはな。

 

…………あ、いいこと思いついた。

 

俺もジャージを手に取り、木場くんに続いてーーーー

 

 

「イッセー。俺の着替えも覗くなよ」

と言うと、

「な、なに言ってんだよ!お、おおれが覗くわけないだろう!?」

 

……………なにまじになってんだ。顔赤くして、こいつ一瞬覗こうとか考えたな。

注意しとかないとな。

そう思い、俺はジャージへ着替えに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第10話 特訓始めます!②

遅くなり申し訳無いです。

では、どうぞ。


全員が着替え終わり、リビングへ集まった。

 

「さあ、修行を始めるわよ」

 

「俺はどうしたらいいですか?」

「そうね……。あなたには祐斗と小猫の相手をしてほしいの」

 

木場くんと小猫ちゃんか……

「よろしくね、風見くん」

「よろしくお願いします。龍夜先輩」

「ああ、びしびし行くから覚悟しろよ」

俺は二人に冗談まじりでそう言うがーーー

「はははは、手加減しよ?」

「お手柔らかにお願いします」

 

マジで返された。

 

げせぬ。

 

 

 

今は、イッセーとの特訓が終わった木場くんと木刀で撃ち合っていた。『騎士』なだけあって、スピードはまあまあ速い。

 

だがそれだけだ。スピードが速いだけで、一撃一撃が軽すぎる。これでは相手がタフなとき相当苦戦するだろう。

 

俺は木場くんと撃ち合っていてそう思った。

この先、絶対にスピードだけでは勝ち進めなくなる。木場くんより速いやつなんてごまんといるしな。

 

木場くんが振り下ろした木刀を俺は一振りし叩き折った。

 

「なッ!」

そのことに木場くんは大層驚いていた。

「ここまでだな」

「流石だね、いつもの事だけど手も足も出なかったよ。流石、「大剣の守護者」だね」

そう言いつつもやっぱり悔しさのある顔をしていた。

 

「まあまあ、そう落ち込むなって。前より良くなってるよ。ただ、何度か模擬戦したときに言ったけど木場くんの攻撃は軽い。もっと自分の体重を乗せないとな。せっかくスピードがあるんだからその速さを利用して剣を重く、そして鋭くしたらいい。木場くんはそこの点を重点的にね」

そう言い、俺は小猫ちゃんとの特訓に入った。

 

 

 

今日の特訓は終わり、みんなで夕食を食べている。イッセーは今日の特訓の疲労で倒れていたが、今日の夕食を作ったのが姫島先輩と聞いた瞬間起き上がり、料理にガッツいた。

 

おい、さっきまでお前倒れてたじゃねぇか。

思わずそうツッコンでしまうほど復活が早かった。

 

「さて、みんな。今日一日修行してみてどうだったかしら?」

部長がみんなを見ながら聞いた。

 

一番最初に答えたのはイッセーだった。

「俺が一番弱いってことがよくわかりました」

「そうね。それは確実だわ」

 

うわ、はっきり言った。これは結構心にグサッと来るだろうな………。

 

「祐斗や小猫は実戦経験があるから大丈夫でしょうけど、イッセーとアーシアは相手から逃げるだけの力は欲しいわ」

 

「逃げるって。そんなに難しいんですか?」

 

「ええ、逃げるのも立派な戦術だわ。格上の相手から逃げるのは難しいのよ。もちろん、真正面から戦うかやり方も教えるわ」

 

「了解です!」

「はい」

イッセーとアーシアが一緒に返事をする。

二人とも気合が入っているな。

 

「祐斗と子猫はどうだったの?龍夜と修行して」

次に部長は木場くんと小猫ちゃんに聞いた。

 

「はい。全くもって相手になりませんでした。僕も最初の模擬戦のときよりは力をつけたと思っていたのですが、それでもまだまだですね。だけど、課題は見つかりました。これからの修行は、そこを重点的に鍛えていくつもりです」

木場くんの報告を聞き、部長は嬉しそうに頷いていた。

 

「私も祐斗先輩と同じです。いくら撃ち込んでも全て防がれてしまいます。今日の修行中、一度も攻撃を当てられませんでした」

小猫ちゃんはやはり悔しかったのか、俯き加減に話した。

 

それを聞いた部長は、俺を見る。

「流石ね。祐斗や小猫が手も足も出ないなんて」

「いえ、それでも木場くんも小猫ちゃんも両方ともいいもの持ってますよ。磨けば絶対に強くなれますよ」

 

「そう。なら祐斗と子猫をよろしくね。それとちょうど食事も終えたしお風呂に入りましょうか」

部長の一言で、イッセーが「お、お風呂!」とか言って興奮してるよ。

 

「僕は覗かないよ、イッセーくん」

「右に同じく」

即座に俺と木場くんが言った。

「バッカ!お、おまえらな!」

おうおう、動揺しとるぞ。覗く気満々だな。

 

「あら、イッセー。私たちの入浴を覗きたいの?」

部長が平然と言う。

「なら、一緒に入る?私は構わないわよ?」

なんでそんなこと言うかな、イッセーがその気になってるじゃないですか。

俺がそんなことを思ってるなんてつゆ知らず、部長はみんなに聞く。

 

「朱乃はどう?」

「ええ、別に構いませんわ。うふふ。私、殿方の背中を流してみたいですし」

 

「アーシアはどう?愛しのイッセーがいるなら大丈夫よね?」

部長の問いかけにアーシアは顔を真っ赤にして小さくだがコクリとうなずいた。

 

だんだんイッセーが興奮していく。

 

「最後に小猫。どう?」

「……いやです。ですが、龍夜先輩ならいいです」

 

小猫ちゃんが最後、爆弾発言をする。

おいおい小猫ちゃん!なんてこと言ってくれてんだよ!

それを聞いた部長と姫島先輩はーー

 

「あらあら、うふふ。小猫ちゃんがまさかこんなことを言うなんて、相当懐かれていますわね」

「本当。小猫からお風呂に入ってもいいって言うなんて思いもしなかったわ」

 

小猫ちゃんは自分で言っていて恥ずかしかったようで、顔を赤くして俯いていた。

 

…………小猫ちゃん。恥ずかしいならそんなこと自分から言っちゃダメだよ。

 

「イッセーは残念ながら無理ね。でも、小猫は大丈夫って言ってるし、龍夜だけでも一緒に入らない?」

 

何てことを部長は聞いてくる。それを聞いたイッセーは血の涙を流しながら、俺を物凄く睨んでいた。

 

「い、いや、遠慮しときます。俺は普通に男子風呂に入りますから!」

 

俺がそう答えると、小猫ちゃんは肩を落とし「残念です」と呟いて、部長たちとお風呂へ入っていった。

 

 

 



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第11話 特訓始めます!③

更新です。



修行二日目。

 

二日目は、勉強会が開かれた。

天使、堕天使、悪魔のことについて勉強している。

俺は冥界にいた頃、グレイフィアさんに(無理やり)←ここ重要!覚えさせられたため、頭に入っている。

 

だけど、最近悪魔となったイッセーと、アーシアはわからないだろう。だから二人のために今、勉強会が行われている。

 

イッセーが四大魔王のレヴィアタンに絶対に会う!とか言ってたな。あいつの中のイメージと本物のレヴィアタンとは全然違うだろうな。会ったときが楽しみだ。

 

そうして、午前の勉強会が終わり、午後の修行へと移った。

 

 

午後の修行は昨日と同じで木場くんと子猫ちゃんの相手。木場くんとは剣で撃ち合い、小猫ちゃんとは格闘戦。イッセーは昨日と同じで姫島先輩に魔力の使い方や、筋トレをしていた。

 

その時のイッセーの顔が暗く、沈んでいたのが気になった。

 

 

 

夜。俺は喉が渇き、水を飲むためリビングへ向かった。その途中で、部長とイッセーが話し合っているのが聞こえた。

盗み聞きは良くないが、今日の午後からのイッセーの顔が沈んでいたのが気になりその場にとどまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

おっす!本当に久しぶりの兵藤一誠です!

 

昨日から部長の別荘へ修行をしに来たが、修行をしていて俺が一番弱いってことがわかった。いや、わかっていたがこのままでは役立たずのまま終わってしまう!俺はそんなのは絶対にいやだ!俺は強くなって部長の役に立ちたい!

 

他のみんなは強くなってる。木場も子猫ちゃんも龍夜の修行で確実に強くなってる。アーシアは魔力の使い方に慣れはじめ、回復スピードも上がってきた。それに比べて俺は………自分が情けない!俺にはすげぇ神器を持ってんのにこれじゃ宝の持ち腐れだ!

 

俺は部屋を出て、キッチンの方へ足を向ける。台所で水を一杯飲むでいるとーーー

 

「あら?起きてたの?」

リビングから部長の声がした。見ればテーブルのところに部長がいた。

 

「ちょうど良かったわ。少しお話ししましょう」

部長の言葉にうなずいた。

 

俺はそこで、ライザーの今までのゲームの成績を聞き、絶句した。十戦して八勝二敗。しかもこの二敗は相手の家のことを考えてわざと負けたらしい。だから実質無敗。それにフェニックスは不死鳥。何度倒しても再生する。はっきり言って最強だ!無敵すぎる!

こんなの倒しようがない!

 

だが、フェニックスを倒す方法というのはあるらしい。それは圧倒的な力で押し通すか、起きるたびに何度も何度も倒して相手の精神を潰すか。この二つだけ。しかも前者の方は神クラスの力がないとできないらしい。後者はライザーの精神が尽きるまでこちらのスタミナを保つこと。体が再生できても心までは不死身じゃない。倒すたびに確実に相手の精神も疲弊する。これを繰り返し、ライザーの精神を削りきり勝つ。今回はそんな作戦らしい。

 

けど、神クラスって、確か龍夜は神クラスの実力者だよな?なら龍夜がいれば簡単に勝てるんじゃないか?俺は堪らず部長に聞いた。

 

「部長。神クラスなら龍夜がいるじゃないっすか。龍夜ならライザーなんてすぐ倒せるんじゃないですか?」

俺のこの問いに部長首を横に振る。

 

「グレイフィアから聞いたのだけど、今回龍夜は中級悪魔程度の力しか使ってはいけないの。だから龍夜じゃライザーを倒すことはできないわ」

 

俺はそのことに絶句する。だって、最後の希望の龍夜が力を使えないなんて最悪にも程がある。

 

「部長。部長は何でライザーのことを嫌っている……っいうか、今回の縁談を拒否してるんですか?」

 

俺の問いに部長は嘆息する。

 

部長は自分のことを『グレモリー』じゃなく、『リアス』として見て欲しい。『リアス』を見てくれる人と結ばれたい。家系じゃなく自分を見てくれる人。そんな人と結ばれるのが夢であり、ライザーを拒否する理由でもあるそうだ。

 

俺は乙女の心情も悪魔社会の構図もわからんから、うまいこと言えそうにないな……。

「俺は部長のこと、部長として好きですよ」

俺の言葉に目を丸くしている部長。

「グレモリーの家とか悪魔社会とか俺にはわかりません。でも、俺にとっては部長は部長であって………。うぬぬ、難しいことはわからないけどいつもの部長が一番です!」

俺がそう言い切ると、部長の顔が赤くなっていた。

 

「ぶ、部長。俺、変なこと言いました?」

部長は「な、なんでもないっ!」と慌てていた。なんだ?まあ、いいか。

 

それから部長の話を聞いていくうちに俺は自分の未熟さに挫けそうになった。

 

「部長。俺全然ダメです」

「イッセー?」

「修行して自分がどれ程未熟なのかわかりました。俺がたとえスゴい神器を持っていたとしても、俺が持ち主じゃ、意味がない。まさに宝の持ち腐れです」

 

俺は部長の前で涙を流した。悔しくて、自分が情けなくて、無様に俺は泣いた。

 

部長はすっと立ち上がり、俺の横へ移動した。

スッ。

 

部長は俺をやさしく抱き寄せた。何度も俺の頭を撫でてくれた。

 

「自信が欲しいのね。いいわ、あなたに自信をあげるわ。ただ、いまは少しでも休むこと、眠れるようになるまで私がそばにいるから」

 

部長の温もりが俺の心身を癒してくれる。

今はそれだけで十分だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「まさか、イッセーがあんな事を思ってたなんてな…………」

 

俺はイッセーと部長の話を聞き終えたあと、こっそりと部屋へ戻るのだった。

 

 

 

 

あ、水飲むの忘れてた……。

 

 

修行も順調に進み、ゲームまであと二日となった。俺はこの修行期間、木場くんと小猫ちゃんを鍛えた。はじめの頃に比べたらだいぶマシになっただろう。

 

そして今、目の前でイッセーと木場くんが、模擬戦を始めようとしている。

イッセーはブーステッド・ギアを発動させ、十秒ごとに力が倍になっていく。それを二分間し、部長がストップをかけ、

そしてーーーーー

 

「その状態で祐斗と手合わせしてちょうだい。ーーーでは………………始め!」

 

部長のあいずとともに、木場くんの姿が消える。騎士のスピードで接近し、木刀がイッセーへ迫る。イッセーは咄嗟の判断で腕をクロスし防ぐ。

 

「っ!」

 

その事実に木場くんは驚く様子を見せ、その隙にイッセーが拳を突き出す。だが、当たることなく、木場くんは距離を取っていた。

 

イッセーは木場くんを殴ろうと飛び込むが、木場くんは既にその場にはいない。イッセーは辺りを見回した。直後、木場くんがイッセーの背中に一撃いれる。

 

「いってぇ………!」

 

打たれた場所を抑えもせずすぐに殴りるがまたも空振り。

 

「イッセー!魔力の一撃を打ってみなさい!」

 

焦っているであろうイッセーに部長が指示を出す。

 

イッセーは部長の指示に従い、魔力を左手に集めた。集まった魔力は米粒程度。

 

「こんのおぉぉぉぉ!」

 

イッセーは米粒程度の魔力を打ち出す。速度のある魔力の塊が木場くんへ迫るが、それはあっさりと躱されてしまう。目標を失った魔力の塊は奥の山へ飛んでいきーーーー

 

ドッゴォォオオオオオオオオンッッ!!

 

刹那、凄まじい爆音が鳴り、山が吹っ飛んだ!

 

ほ〜。まさかイッセーがここまで力を上げてるなんてな。

 

「そこまでよ」

部長がイッセーと木場くんの手合わせをとめた。イッセーは自分が山を吹っ飛ばしたことを未だに信じられないようだ。

 

「祐斗、どうだった?」

「はい。最初の一撃で決めるつもりでしたので、防がれて驚きました。木刀を魔力で強化していたんですが、イッセーくんの体が硬すぎて大したダメージも与えられませんでした」

そう言った木場くんの木刀はすでに折れかけていた。

 

「それに、最後の一撃。あれは、上級悪魔クラスでした」

 

「イッセー。あなたはこの修業期間で随分強くなったわ。だから自信を持ちなさい。もうあなたは役立たずじゃない。あなたをバカにしたライザーに教えてあげましょう。相手がフェニックスだろうと関係ないわ。リアス・グレモリーの眷属がどれだけ強いか、思い知らせてやりましょう!」

 

『はい!』

 

部長の眷属が決意を新たに結束を深め、その後修行は順調に進み、無事に終わりを告げる。

 

 

そして、俺たちは決戦当日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第12話 レーティングゲーム開始!【前編】

更新です。


決戦当日

 

決戦は深夜から始まるらしい。

なので、今日は学校が終わると、小猫ちゃんと一度家へ戻った。何か考えている様子な小猫ちゃん。もしかしたら、今日の決戦について何か思うところがあるのかもしれない。俺は何も言わずそっとしておいた。

 

夜の十九時。

 

小猫ちゃんは家に帰ってからずっと俺の膝に座っている。座ってくれるのは嬉しいが、何も言わず黙ったまま座っているのは勘弁してほしい。気まずい。とにかく気まずい。何か話そうと話を振っても、「はい」「そうですか」「いいえ」ってな感じで会話にならないんだよ。本当、どうしたんだろ?

もう決戦まで時間が僅かだし、悩みがあるなら聞いてあげたほうがいいかな?

 

「なぁ、小猫ちゃん。何か悩み事でもあるの?今日帰ってるときからずっと下向いたままだし、帰ってきても膝に座ったきり何も話さないし。何かあるなら俺に相談してくれ」

 

小猫ちゃんの頭に手を置き、言う。

 

「?悩み事なんてないですよ?ただ……」

「ただ?」

「今日の晩御飯は何なのか、ずっと気になっていただけです」

「…………はい?」

「だから、今日の晩御飯は何かなと、龍夜先輩のご飯は美味しいですし、いつもの楽しみなので」

「な、なんだ。晩御飯についてずっと考えていたのか……俺はてっきり今日は決戦だから何か不安でもあるのかなって思ったよ」

 

小猫ちゃんはこんな時でも平常運転らしいです。

 

「そっか、悩みがないなら良かった。……でも、もし何かあったらどんなことでも相談してくれていいからな」

俺は先程小猫ちゃんの頭に乗っけたままの手を動かし、撫でた。

 

「……んっ…」

少しくすぐったそうにする小猫ちゃんを見てから、台所へ行き、晩御飯を作った。

 

 

深夜十一時四十分頃ーーー。

 

俺と小猫ちゃんを合わせて、全員が部室に集まっていた。

 

 

 

あの後、小猫ちゃんと一緒に晩御飯を食べ、戦闘服ーーと言っても今回は真っ白のコートじゃなくて学校の制服だが、それに着替え、時間まで小猫ちゃんとくだらない話をした。

 

決戦前のいい息抜きになっただろう。小猫ちゃんはリラックスできている。

 

イッセーとアーシアは緊張している様子だったが、その他はみんないい感じに落ち着いていた。

 

俺は小猫ちゃんの隣に座り、静かに時間を待つ。

開始十分前になった頃、部室の魔法陣が光りだし、グレイフィアさんが現れる。

「皆さん、準備はお済みになられましたか?開始十分前です」

グレイフィアさんがそう言うと、皆が立ち上がる。そして、グレイフィアさんは説明を始める。

 

「開始時間になりましたら、ここの魔法陣から戦闘フィールドへ転送されます。場所は異空間に作られた戦闘用の世界。そこではどんなに派手なことをしても構いません。使い捨ての空間なので存分にどうぞ」

ん〜。最後の言葉のとき、俺をチラリと見たような……………。

 

「そして、今回の『レーティングゲーム』は両家の皆さまも他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になります。さらに魔王ルシファーさまも今回の一戦を拝見されておられます。それをお忘れなきように」

 

やっぱりサーゼクスの奴も見るか。あいつはシスコンだし当たり前っちゃ、当たり前だけど。

 

イッセーは魔王が見ているということにさっき以上に緊張している。…………大丈夫かな?あいつ………

 

それに、今度は魔王が、部長のお兄さん!?とか言って驚いているし……。

 

「そろそろ時間です。皆さま、魔法陣へ」

おっと、もうそんな時間か。

「なお、一度あちらへ移動しますと終了するまで魔法陣での転移は不可能となります」

 

グレイフィアさんの話が終わり、俺たちは戦闘フィールドへ転送された。

 

 

転送された場所はいつもと変わらない部室だった。転送を失敗したのか?とも思ったが、グレイフィアさんが失敗なんてまずあり得ないだろう。ってことは……ここが、今回のフィールドってことか。

 

ここで、グレイフィアさんの放送が入る。

今回の『レーティングゲーム』の審判はグレイフィアさんらしい。

 

そして、転送された場所が自分たちの本陣で、ライザーとか言う奴は生徒会室らしい。『兵士』が『プロモーション』するには相手の本陣まで行かないとできない。

 

とりあえず、イッセーは『プロモーション』しないとダメだな。

 

そう、一人で考えていると、

 

「全員、この発信機器を耳につけてください」

姫島先輩がイヤホンマイクタイプの通信機器を俺たちに配る。

それを耳につけながら部長は言う。

 

「戦場はこれで味方同士やり取りするわ」

 

 

 

『開始のお時間となりました。なお、このゲームの制限時間は人間界の夜明けまで。それでは、ゲームスタートです』

 

学校のチャイムが鳴り響く。

これが、『レーティングゲーム』の始まりの合図らしい。

なら、終わりもまたチャイムかな?

 

 

さて、『レーティングゲーム』が始まったわけだが、俺はどう動けばいいだろうか?

 

「部長。俺はどう動いたらいいですか?」

俺は部長に尋ねた。尋ねたのだが、何故か部長はイッセーを膝枕していた。

 

…………おい、そんなにのんびりしてていいものなのか?俺は気にしないが、敵の『兵士』全員に『プロモーション』されたら面倒だぞ?

 

なんて思っていると、俺の右袖を引っ張る者がいた。………………小猫ちゃんだ。

 

小猫ちゃんは俺をソファーに座らせた。そして、チョコンと、俺の膝の上に座った。

 

すると、それを見た姫島先輩が、

 

「あらあら、うふふ。随分小猫ちゃんに懐かれているのですね?」

と、ニコニコしながら言ってくる。

 

「はい。龍夜先輩のここ、すごく落ち着きます」

 

そうなんだ。だからか?いつもの俺の膝に座るのわ。

 

別に不都合はないため小猫ちゃんを座らせたまま、部長の指示が来るのを待った。

 

部長はイッセーと何か話したあと、俺たちに指示を出す。

 

「とりあえずは、祐斗と小猫、龍夜は森にトラップを仕掛けてきてちょうだい。予備の地図を持っていって、設置場所に印もつけてきて。設置完了まで、他のみんなは待機よ」

 とのことなので、俺たちは各自行動を開始した。その後、無事完了した俺は新しい指示により、小猫ちゃんと、そしてイッセーは木場くんと行動することに決まった。

 

「さて、私のかわいい下僕たち。準備はいいかしら?もう引き返せないわ。敵は不死鳥。さあ!消し飛ばしてあげましょう!」

『はい!』

 

 

一名、悪魔ではないのだが空気を読んで返事をしたのだった。

 

 

俺はラッキーなことに小猫ちゃんと行動している。心なしか小猫ちゃんもテンションが高いような気がする。

 

俺は小猫ちゃんと体育館に向かっている。そして、体育館の裏口から入った。

 

「……気配。敵」

「ああ、そうだな」

 

「そこにいるのはわかっているわよ、グレモリーの下僕さんと、ライザー様に楯突いた愚かな人間」

まったく、みんな人間ってだけで見下すね。ま、俺は人間じゃないんだが。

 

別に隠れるつもりもなかったので、堂々と壇上に姿を見せる。

そこには女性悪魔が四名。

 

チャイナドレスを着た子に、双子、それと部室でイッセーを吹っ飛ばした小柄な子がいた。

 

チャイナドレスを着た子が『戦車』であとの三人は『兵士』か。さて、どうするかな。

 

「…………龍夜先輩は『兵士』をお願いします。私は『戦車』を」

「了解」

 

俺と小猫ちゃんは互いの相手と対峙する。

小柄な女の子が棍で構え、双子が小型のチェーンソをニコニコ顏で構えている。チェーンソって……、あんなの小さい子たちに持たせて大丈夫なのか?

 

ドル、ドルルルルルルルルルル!

 

「「解体しまーす♪」」

双子が楽しそうに宣言する。

あの子たち、ヤバイな。チェーンソを持ってあんな笑顔なんて……。

 

隣では、すでに戦闘が開始している。

 

ヒュン!

部室でイッセーを吹っ飛ばした少女。棍を器用に回していた。

 

「バラバラバラバラバラ!」

双子がチェーンソを床に当てながら同時に直進してくる。そして、俺へ目掛けてチェーンソを振り上げた。

 

ドルルルルルルル!

目の前にチェーンソが迫っているが、俺はその場に突っ立ったまま、避けることをしなかった。

 

バシンッ!

 

「「え?」」

 

ふたつのチェーンソが俺に当たる寸前で弾かれた。

 

ヒュッ!

次は俺の背後から何かが向けられる音。

だがそれも、同じように回避することはない。

 

バシンッ!

 

「うそッ!?」

 

双子と同じように棍もまた弾かれた。

再度、チェーンソで斬りかかり、棍で突いてくるが、全て弾かれていく。これは俺の体に相手に気づかれないぐらいの力で風を纏わせているからだ。

 

「あー、もう!ムカつくぅぅぅ!」

「どうして弾かれるのよ!」

「……何故当たらないの?」

三人は、攻撃が当たらないことにムカついているようだった。

 

だけど、こうして見ると、この三人が可愛く見える。なんて言うの?こう、小さい子供が必死に大人を倒そうと頑張っている姿?そんな感じがしてすごく可愛い。

 

「……龍夜先輩。今、何か変なことを考えていませんでしたか?」

「いや!何も考えてないよ?」

ビックリした。小猫ちゃん鋭すぎだろ。というより、小猫ちゃんがライザーの『戦車』と戦いながら俺を見ている!おい、しっかり敵を見て戦いなよ。相手の子、結構怒ってるよ。

 

「もう!人間なんかに負けたらライザー様に怒られちゃうよ!」

未だ俺に、攻撃をしている三人。

いつまでも見ていたいけど、さすがにゲーム中だからな。そろそろ終わらせるか。

 

俺は手に、野球ボールぐらいの風の玉を作った。それをーーー

 

「えい」

 

疲れたのか、俺から距離を取っている三人に目掛けて投げた。

 

その玉は、彼女たちの近くで一気に大きな竜巻へと変わる。

 

「…………え?」

素っ頓狂な声を上げたの者がいた。

それはライザーの眷属ではなく、子猫ちゃんでもない。そう、俺だ。何でお前なんだよ!とか言われるかも知れない。だけど、これは仕方ないんだ!サーゼクスに言われた通り、力をセーブして攻撃をした。だが、俺は生まれてこの方、中級悪魔ほど力を抑えたことがない。そのため、力の調整が曖昧になり、自分の想像以上の攻撃をしてしまった。

 

結果。

 

『ライザー・フェニックスさまの「兵士」三名「戦車」一名、戦闘不能』

俺は自分の相手だけでなく、小猫ちゃんが相手をしていた『戦車』までも倒してしまった。

 

それと、小猫ちゃんが巻き込まれていない理由だが、俺はやり過ぎたと気づいた瞬間に小猫ちゃんの周りを風で守っていたからだ。

 

審判のグレイフィアさんの無情な声が届く。

 

「「…………」」

俺と小猫ちゃんは何も言えず全壊した体育館を眺めていた。

 

だが、隣の小猫ちゃんを見ると、制服がところどころ破れ、下着が見えているのに気づく。

 

「ッ……!?」

俺はすぐさま小猫ちゃんから視線をそらす。そして俺は制服の上を脱ぎ、小猫ちゃんに着せる。

 

「…………り、龍夜先輩?」

「そ、その、なんだ。そのままだと目のやり場に困るからな。取り敢えず今はそれを羽織るなり着るなりしてくれ」

 

俺は少し顔を赤くしながらも小猫ちゃんに笑顔を向る。

すると、小猫ちゃんの顔が赤くなり、慌てて俺の制服を着、そして俯いてしまう。あれ?俺何か余計なこと言ったかな?なんて思っていると、

 

「………龍夜先輩、わ、わたしのために……とっても嬉しいです。それと、制服……あ、ありがとうございます」

 

か、かわいい!今の小猫ちゃん、いつも以上にかわいい!!そんなバカなことをしていると、

 

「小猫ちゃん!危ない!」

突如、頭上から大きな魔力が落ちてくる。

一早くそれに気づいた俺はすぐに周りに風を張り巡らせる。

 

ドォンッッ!!

 

突然の爆発音に、小猫ちゃんが驚く。

 

今のは小猫ちゃんを狙った攻撃だったな。今の食らったら一発で終わりだった。俺が一緒でよかった。

 

「あら、今のであなたたち二人を、もしくはそこの小さいのを始末するつもりでしたのに、失敗だわ」

頭上から声が聞こえる。上を見るとライザーの『女王』が、佇んでいた。

 

「お前か、小猫ちゃんを狙ったのわ。………お前、ここで死んどくか?」

俺はすでに次元の狭間から出していた、【叢雲】を鞘から抜き、殺気を放つ。

 

「ッ!?」

尋常じゃない殺気が、ライザーの『女王』……確か、ユーベルーナか?を襲った。

全身を恐怖で震わせるユーベルーナ。ここで一気に倒そうと、斬りかかろうとしたが、姫島先輩が俺とユーベルーナの間に入りそれを止める。

 

「あらあら、ダメですわよ、龍夜くん。この方は私がお相手致しますわ」

「姫島先輩。でも……」

「小猫ちゃんが狙われて怒るのはわかりますわ。ですが、ここは私にまかせていただけないかしら?」

本当は自分で倒したいが、姫島先輩がそう言うならしょうがないだろう。

 

「わかりました。そいつは姫島先輩にお任せします………小猫ちゃん、行こう」

俺はさっきの衝撃で地面に座ったままの小猫ちゃんと共にイッセーと木場くんの元へ向かった。




今回は急いで書き上げました。なので誤字や矛盾な点があれば、教えてください。


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第13話 レーティングゲーム開始!【後編】

更新です。


『ライザー・フェニックスさまの「兵士」三名、リタイヤ』

俺たちがイッセーと木場くんの元へ向かっている途中、グレイフィアさんのアナウンスが入る。

どうやら二人が倒したようだ。

 

これで残りは九名。

 

運動場へ走る途中、イッセーと木場くんの気配を察知し、そっちに駆け寄る。

 

「イッセー、木場くん」

「おう、龍夜。そっちは終わったそうだな!」

イッセーが笑顔で拳を向けてくる。俺もイッセーと同じように拳を作り、当てる。

「ああ、終わったぞ。そっちも『兵士』を倒したようだな」

「うん。そうだけど……これからが大変だよ」

木場くんは運動場へ視線を向ける。

木場くんの話では、ここには『騎士』、『戦車』、『僧侶』が一名ずつらしい。

 

「私はライザーさまに仕える『騎士』カーラマイン!腹の探り合いをするのも飽きた!リアス・グレモリーの『騎士』よ、いざ、尋常に剣を交えようではないか!」

 

俺たちがどうするかを考えていた矢先に、ライザーの騎士が名乗りを上げた。

 

ライザーの『騎士』か、あれは木場くんみたいな根っこからの剣士だな。

 

「名乗られてしまってら、『騎士』として、剣士として、隠れるわけにもいかないか」

ほら、やっぱり出て行くと思ったよ。

 

木場くんに続き俺と小猫ちゃん、イッセーが出て行く。

 

「僕はリアス・グレモリーの眷属、『騎士』木場祐斗」

「俺は『兵士』の兵藤一誠だ!」

「同じく『戦車』の搭城小猫です」

「俺はオカルト研究部の部員、風見龍夜だ」

 

俺たちが名乗りを上げたあと、木場くんは向こうの剣士と戦い始めた。

 

「おい、あんたらは出てこなくていいのか?」

 

近くに隠れている残りの相手を俺は呼び出す。

 

「あら、気づいておりましたの?人間の割には少しはやりますわね」

そう言って出てきたのはお姫さまみたいなドレスを着た、頭の両端にドリルのような縦ロール型の美少女がいた。その少女の後ろから六人控えている。

 

『兵士』二名、『僧侶』二名、『騎士』一名、『戦車』一名。六人か。

 

俺は一旦視線を屋上へ向ける。そこにはライザーと部長がすでに戦っていた。部長が圧倒的に不利だ。それを見て俺は隣にいる小猫ちゃんとイッセーへ声をかける。

 

「小猫ちゃん、イッセー、ここは俺一人で十分だから、二人は部長の元へ向かってくれ」

「ッ!そんなのダメです。龍夜先輩が残るなら私も残ります」

「小猫ちゃんの言う通りだ!お前一人、置いていけるわけねぇだろ!」

やっぱりと言うか、二人は俺へ詰め寄ってくる。だが、俺は屋上へ指をさし再度言う。

 

「それでも、あのままじゃ、部長は負ける。だから二人行って助けてやれ。これは『王』が負けたら終わりなんだ。だから絶対に部長がやられるわけには行かない。………小猫ちゃんならわかるだろ?」

 

俺の言葉に小猫ちゃんは渋々ながらも頭を縦に振りイッセーを引っ張って行った。

 

「ちょっ!小猫ちゃん!こんなとこに龍夜一人置いてくわけには行かないだろ!」

なおも、イッセーは反抗していたが小猫ちゃんの力に抗えるわけがなく、ズリズリと引きずられて行く。

 

「あら、残ったのは人間のあなただけですの?神器も持っていない人間なんてただの雑魚ですわ。これならすぐ終わってしまいますわね」

金髪ドリルが、扇子を広げ、悠々とした態度で言う。金髪ドリルの言う通りだ。すぐに終わる。

 

「そうだな。君の言う通りすぐ終わる」

「あら、わかっていますのね。愚かな人間かと思ったら少しは頭が回るようですのね」

 

「いや、俺が言ったのは、君たちがすぐ終わるって言ったんだよ」

『なッ!』

俺の言葉に全員が驚く。まさか人間相手にすぐ終わる、などと言われるとは思っていなかっただろう。

 

「本当、人間は口だけ達者ですのね。少しでもあなたが愚かではないと思った私がバカですわ。………イザベラ、この愚か者に自分の立場を教えて差し上げなさい!」

 

顔半分に仮面をつけた女性が現れる。

 

「おいおい、自分では戦わないのか?」

俺の問いにイザベラと呼ばれた女性が答えた。

 

「あー、別に気にしないでくれ。彼女はいつもこうなんだ」

「なんだそりゃ」

 

「彼女はーーいやあの方はレイヴェル・フェニックス。ライザーさまの実の妹君だ」

………………ま、まさか。あいつ実の妹を眷属にするなんて……ただの変態じゃないか!

俺はつい、金髪ドリルーーもといレイヴェル・フェニックスを見てしまった。

 

「なっ、何なんですの、その可哀想な人を見るような目は!や、やめなさい!そんな目で私を見ないでください!」

 

顔を扇子で隠してしまった。

…………あの子………苦労してるんだな…。

 

「では、そろそろ行くぞ、人間よ!」

イザベラはひと蹴りで俺との距離を縮め、殴りかかってくる。だが、俺はその場で【叢雲】を抜き、一閃。

 

「なっ!」

『ライザー・フェニックスさまの『戦車』一名リタイヤ』

アナウンスと同時にイザベラの体が光に包まれ消えていく。

 

「あなた!いったい今何しましたの!」

慌てた様子で俺へ聞く。だか、

 

「今のが見えなかったんならあんたらじゃ、勝負にすらならねぇな」

俺がそう言い【叢雲】を構える。

 

「くッ!あなたたち!全員でかかりなさい!」

残りの『騎士』、『兵士』、『僧侶』が一斉に攻めてくる。

 

「けど……雑魚が何人こようが、俺は倒せないぞ」

俺はその場から消える。正確には風を使い素早く動いただけだが、彼女らには消えたように見えただろう。

 

俺は『兵士』の二人、『僧侶』の一人、『騎士』の一人を一瞬でその場に斬り伏せた。

 

『ライザー・フェニックスさまの「兵士」二名、「騎士」一名、「僧侶」一名、リタイヤ』

 

「さて、あとはあんただけだけど、戦わないんだったな」

レイヴェル・フェニックスに聞くが、唖然としたまま動かない。ま、いいか。と思い俺は地を蹴り、飛んだ。

 

来る途中姫島先輩と木場くんがリタイヤした。やったのはライザーの女王だろう。

 

屋上へ行くとイッセーが、ライザーにボコボコにされている所だった。

 

俺は空中から一気に加速し、ライザーを地面へ踏みつけた。

 

「このクソガキ、俺の炎でもえーーへぶら!」

ライザーの悲鳴が聞こえたが、無視だ無視。

 

「おい、イッセー大丈夫か?」

「……り、りゅ……や、お、おれは……ま、まけない」

イッセーはすでに意識が飛びかけていた。

「アーシア!イッセーの治療を!」

俺はイッセーをアーシアへ渡した。それと同時にライザーも起き上がる。

 

「こ、この、人間風情がぁぁぁぁあああ!!この俺を踏みつけるどういーーぐあああ!」

ライザーが起き上がり、踏みつけられたことに激昂しかけていたが、そんなことは気にせずライザーを斬った。

 

「貴様!俺が話しているときにこうげーーグハッ!だから、おれのーーーうっ!く、クソ!あんまりちょうしーーぐぁぁぁああああ!って、俺に話をさせろぉぉぉおおお!!!」

 

ついにライザーも怒り、特大の炎が俺を囲む。だが、【叢雲】に纏っている風の威力を強くし一振り。それだけで炎はおろか、ライザーもろとも斬り裂いた?

 

またも悲鳴をあげるライザー。だが、俺はそこで止まらず更に攻撃を加える。普段使う竜巻に水を加える。

 

「火を消すにはやっぱり水が一番だよなぁ!」

 

俺は水の竜巻をライザーを中心に発生させた。

 

「くそぉぉおお!炎が……俺の炎がぁぁぁぁあああっ!!」

 

例え威力を下げようが、水と風。火を消すには十分すぎる。

 

ライザーの最大の武器である炎が簡単に消されていく光景を見て部長、小猫ちゃん、アーシアはただ呆気にとられていた。

 

俺はライザーを斬るのが楽しかった。しかし、そのため部長の後ろにいたユーベルーナに気づくのに少し遅れた。

 

「ッ……!部長!後ろ!」

俺が即座に言うが遅かった。すでにユーベルーナは攻撃準備が整っていた。俺は瞬時に【叢雲】をユーベルーナへと投げる。間に合うか間に合わないかギリギリのところ。

 

「……ら、ライザー、さま」

 

『ライザー・フェニックスさまの「女王」リタイヤ』

 

ユーベルーナは胸に【叢雲】が刺さりリタイヤ。

 

なんとか間に合った!

と、ホッと胸を撫で下ろして、もう一度ライザーへ向き合うとそこにはライザーがいなかった。

 

「ユーベルーナ!く、くそッ……!」

 

ユーベルーナが倒されたことに怒りを感じながらも俺に勝てないとわかったのか、ユーベルーナに気を取られている隙に、ライザーは部長へ狙いを変えた。

 

「逃げんじゃねえ!この焼き鳥野郎!」

 

俺は背を向けているライザーに水と風の斬撃を飛ばす。部長とライザーが煙で包まれる。

 

 

そしてーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『リアス・グレモリーさまリタイヤ』

『よって、このゲーム、ライザー・フェニックスさまのしょうーーーえ?』

 

クソ!間に合わなかったか!

……でも、グレイフィアさんがあんな声出すなんて珍しいな。何かあったのか?

 

俺の疑問はすぐにわかった。煙が消え、そこにはライザーだけが見える。だが、ライザーの体はすぐに光に包まれ、この場から消失した。

 

『ら、ライザー・フェニックスさまリタイヤ』

 

 

 

あれ?これってどっちが勝ちなんだ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第14話 婚約パーティ乗り込みます!

遅くなり申し訳無い!
更新です。


 

 

結果から言えば『レーティングゲーム』は引き分けに終わった。

 

どちらも王がやられたため、部長は再試合を望んだが、ライザーはそれを認めず、先にリタイヤした部長を負けと言い張った。話し合いは平行線で、最終はライザーと部長の一騎討ちで話がついた。そして、部長はその戦いに敗れ、婚約を認めるしかなくなった。

 

 

そして、イッセーだが、傷が酷くゲームが終わって二日が過ぎても目覚める様子はない。

 

まあ、あれだけ派手にやられればしょうがないっちゃあ、しょうがないが……。

 

イッセーのやつ、この結果に納得できるか?いや、絶対無理だろう。あいつの事だ、会場に乗り込んでまで助けに行くかもしれない。どうするかはイッセー次第。だけど、グレイフィアさんが言うには、式に邪魔が入らないようモンスターが生息する森の中にある城で婚約を行うとのこと。イッセーでは、絶対にたどり着けない。だが、もしあいつが助けに行くなら俺も手伝うつもりだ。助けに行かないなら…………それまでだな。

 

俺はベットに寝転びながらそう考えていた。ちなみに子猫ちゃんは今家にいない。今は、部長とライザーの婚約パーティに主席している。俺も呼ばれたが、辞退した。俺は一応人間ということで話が通っている。人間が悪魔のパーティに混ざるのは相手側からして気分のいいものではないだろうしな。

 

 

突然俺の部屋に魔法陣が浮かび上がった。

グレモリーの紋章………グレイフィアさんか。

 

「お久しぶりです、龍夜さま」

「お久しぶり、って程ではないですが……それで、どうしたんですか?」

「はい。イッセーさまが目を覚ましました」

お!イッセーのやつ目を覚ましたか。

 

「イッセーさまは、婚約パーティに乗り込むつもりです。真正面からリアス・グレモリーを取り返しに。ですが、婚約パーティの屋敷の周りには強力なモンスターがいます。万全なグレモリー眷属でも全く歯が立たないでしょう」

「いや、ちょっと待ってください。それなら転移場所を屋敷内にしたらいいじゃないですか。何でわざわざ屋敷の外なんですか」

 

「いえ、それは出来ません。屋敷には、モンスターが入ってこないよう強力な結界が張られています。そのため、転移では屋敷内に入ることは不可能です。ですから、あなたがイッセーさまを導いてあげて下さい。では」

 

そう言い残し、グレイフィアさんは帰っていった。

 

「強力な結界ねぇ……」

 

考えても仕方ないか、とりあえずイッセーのところに行くか。

 

俺はイッセーに携帯で「今からそっち行く」とだけ送り、久しぶりに戦闘服の真っ白なコートを羽織り、家を出た。

 

 

「イッセー、準備は出来たか?」

アーシアと何やら話があったらしく、俺は部屋の前で待っていた。

 

「ああ、こっちも準備OKだ」

準備が整ったイッセーはグレイフィアさんに渡された紙を出した。

「それじゃ、部長を取り返しに行くか」

「おう!絶対部長を助けるんだ!」

 

俺らは魔法陣で冥界へととんだ。

 

 

 

「ちっ!なんだよここ!屋敷前に転送するって言ってたのに結構離れてるじゃんか!」

「おい!龍夜!早くしないと手遅れになっちまうぞ!」

「わかってるよ!」

 

俺たちは冥界へ来た。来たのだが、目標の屋敷まで少し遠い。

 

「くそッ!もういい!イッセー!俺にしっかり捕まっとけよ。一気に行くぞ!」

俺は戸惑っているイッセーを無視し森を駆け抜けた。途中、モンスターが結構出たが、俺が走り去ったあと、跡形もなく消えている。

 

そして、屋敷の近くまで行きこのまま一気に屋敷内突入しようとしたその時ーーー

 

「「ギャオオオオオオンッッ!!」」

 

空から二体のドラゴンが降りてくる。

 

ここでこいつらか……確かに今のグレモリー眷属じゃ、勝つのは無理だな。

 

俺たちの目の前に現れたのは、

一体は緑の色をしたドラゴン。もう一体は赤の色をしたドラゴン。

 

 

リオレウスとリオレイアだった。

 

 

「ど、どどどど……ドラゴン!?ちょ、ちょう、龍夜!これどうするんだ!ドラゴン二匹なんて俺じゃ絶対勝てないぞ!」

 

うん、そうだな。お前が戦っても瞬殺だろうし、ってかまず、相手にすらされないだろう。

 

リオレウスとリオレイアは一旦地面に降りたがすぐに空中へいき、空からブレスを連発してくる。

 

ビビっているイッセーの襟元を掴みブレスを交わす。何とかかわし続けた。すると二体のブレスがやんだ。今がチャンスと抜けようとするが、それを阻むようにリオレイアが、俺とイッセーを捕食しようと突っ込んでくる。

 

リオレイアの攻撃を避けると、すぐにリオレイアの攻撃が来る。

 

(こいつら仲よすぎだろ!何でこんなに連携攻撃できんだよ!)

 

このままでは全てが終わってしまう。ならここはイッセーには体を張って我慢してもらうしかないな。

 

「おい、イッセー。このままじゃ、間に合わない。だから俺がこいつら二体を相手するからお前は屋敷へ行って、部長を取り戻してこい」

「ちょっと待て!お前一人でこいつらを相手する気か?無茶だぞ!それにこいつらもいるし、結界もあるしで俺じゃあ屋敷に入れねーだろ!」

「いや、入れるさ……。イッセー、あの二体に隙を作る。その瞬間お前をあそこまでぶん投げる。それだけだ。シンプルだろ?だから、そこからは自分でなんとかしろ…っよ!」

 

リオレイアが空中から地面に急降下する。そして、リオレイアが、地面に足をつける瞬間を狙って、足を氷らせた。そしてーーー

 

「イッセー。行ってこぉぉぉおおおい!!」

「ぎゃあぁぁぁぁあああっ!!」

 

イッセーに強力な風を纏わせ、ロケットのように綺麗に飛ばし、そのまま屋敷の結界、扉を破り、中に侵入した。

 

いくら強力な結界といっても、この森にいる強いモンスターはリオレウス、リオレイヤ程度。それならあの風さへあれば十分だ。

 

「あとはお前次第だぞ、イッセー」

俺は空を飛ぶ二匹を見据え、そう小さく呟いた。

 



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第15話 vsリオレウス&リオレイア

二ヶ月も更新を止めてしまい申し訳ありません!
久々の更新です。




 

 

「ふぅ、何とか屋敷に入れたな……さて」

俺はイッセーが中に入ったのを見届けると、意識を二体のドラゴンへ戻した。

 

二体のドラゴンは、氷った状態から自力で脱し、今は空高く飛んでいる。だが、俺も翼はないけどドラゴンだ。飛ぶことはできる。いや、飛ぶと言うより浮くの方が正確だろうが。

 

 

リオレイアへたどり着くまでに五発ほどのブレスが来たが、全て真っ二つ。そして、リオレイアへ向かい、【叢雲】を振るう。

 

何かに気づいたのかリオレイアはすぐに回避行動に出たが、尻尾が根っこから斬られた。

 

「チッ!今ので真っ二つにしてリオレイアは終わりと思ったのにな………少しはやるな………ッ!」

 

リオレイアの姿が見えないと思っていたら、助走をつけて頭突きしてきた。それをギリギリで気づき、【叢雲】で何とか受け止める。

 

だが、相当なスピードがあったため俺は吹っ飛ばされた。

 

ドカァン!

 

 

「いつつ……まさか吹っ飛ばされるとは……ってやば!」

 

俺はすぐに立ち上がり、その場を離れた。直後、その場にブレスが直撃する。

 

あぶねぇ〜。あと少し遅かったら今のくらってたな……。まさか、連携されるとここまで厄介なやつだなんて思いもしなかった。

 

「さて、どうしたものか……」

 

俺は【叢雲】を構えながら、考える。

が、相手はそんな時間など与えてくれない。

 

特にレイアは、尻尾を斬られたことで当然のごとく怒っている。連続でブレスを吐いたと思ったら、すでに飛行に入っていて、回避しようとすると、次はレウスがそれを止める。

 

あー、本当に面倒くさい。

 

俺は一旦距離を置くために自分の周りに風を発生させ、それを大きく広げる。すると、俺の周りのものは全て押し返されていく。

 

そして、俺は体に風を纏いレイアへ一瞬にして近づく、レイアは鉤爪で俺を切り裂こうとしたが、それを難なく上に避け、右手をレイアの背中へ向ける。

 

「おら!」

 

ドオォォォォオオオオオンンッ!

レイアは強力な風で地面に叩きつけられた。

悲鳴をあげるレイア。俺はとどめを刺すために、レイアに近づこうとするとレイアを守るようにレウスが前に降り立ってくる。

 

「もう面倒くさいなー。終わらせるか」

俺はは地面に足をつき、《鏖殺公》を顕現させようとしたが止めた。

 

「最近《鏖殺公》ばっかり使ってるからなー。それに、俺が全力で相手できる敵がいないから身体が鈍っちゃうし。………今回は武器に頼らず素手で倒すか」

 

そう決めると、俺は一気に地を蹴り加速する。

そして、両腕に圧縮した風を纏わせる。

 

「オラッ!」

ドンッ!!

 

と、殴った箇所から思いっきり鈍器で殴った音がした。いや、実際に殴ったのだが……。

 

「もういっちょう!」

ドンッ!!!

俺の右ストレートが立て続けにレイアの腹に突き刺さる。

 

「ギャオオオオオオン!」

レイアから悲鳴の声が上がる。

 

「どうした?レイアにとって陸とは得意な場所じゃないのか?」

 

倒れているレイアを見て、俺はそう呟いた。確か、レイアは「陸の女王」とか呼ばれていたような気がする。レウスは「空の王者」。

 

「いつまで倒れてるんだよっ!」

倒れているレイアの尻尾を掴み、上空にいるレウスに向かって投げる。

 

「ギッ……!」

二匹が上空でぶつかり合う。その隙に、俺も上空へと移動し、重なるようにして二匹めがけて、さっき以上の威力で地面へと殴りつけた。

 

轟音を響かせながら森へと叩き落された二匹は、絶命していないだろうが当分は目を覚ますことはないだろう。

 

んー、リオレウス、リオレイヤといえどこんなもんかな?

 

 

俺は二匹仲良く地面に倒れている姿を見てそう思った。

 

 

 

「あーーー。最近、全然力を出せる相手がいない……」

 

ドラゴンだからなのか、弱い相手と戦っていると、心の底から強者と戦いたいという気持ちが高まっていく一方だ。超越者と呼ばれるサーゼクスやアジュカと戦ってみたいが、そう簡単にはできないからなー。

 

まじで、強者カモーン!

 

 

 

レウス、レイアを倒した後、俺も屋敷へ入り、今みんながいるであろうパーティ広場へと向かっていた。

 

また何かが襲ってきたときのために【叢雲】は握っている。

歩いて行くと、鎧を着た悪魔たちがいっぱい倒れていた。多分イッセーが倒していったんだろう。そして、今もライザーと戦っている。さっきからライザーの魔力とドラゴンの気配がバンバンするからな。

 

歩くこと数分。やっとパーティの会場に着いた。っていうか、この屋敷広すぎ!さすがグレモリーとフェニクスだろうけど……

 

扉が開いたままだった。扉の向こうにはたくさんの貴族悪魔と、部長、ライザーの眷属が揃っていた。だが全員、ひとつの画面に目を向けている。俺も、その画面に見てみると、写っていたのはイッセーと、ライザーだ。そしてちょうどイッセーが、ライザーを倒したところだった。上級悪魔のライザー・フェニクスが、いくら赤龍帝だからといって。たかが下級悪魔に負けるなんて思ってもいなかっただろう。その証拠に、貴族の方々は皆口をポカン、と開いたまま塞がらない様子だった。

 

こっそり中へ入ろうとしたが、それを一人の男の言葉によりできなかった。

 

「おや?今来たのかい?龍夜くん」

 

ーーーーーーーサーゼクスだ。

 

サーゼクスの言葉に全員が画面から入り口にいる俺へと向けられる。 貴族の方々は俺を見て固まっていた。顔を赤くしている男性も多い。だが、我に返ったのか、一人の男性が俺を指差して言う

 

「何で人間なんかが冥界の、しかもグレモリーとフェニクッスの婚約会場にいる!」

「おい!誰かあいつを摘み出せ!」

「ここは人間みたいな下等種族がいていい場所ではない!」

 

男貴族が、警備兵に指示を出す。そして、俺を取り押さえようとするが、

 

「まちたまえ。彼は私が呼んだ大事な客人だ」

サーゼクスのこの一言に会場は騒然とする。

 

「サーゼクスさま、何故人間などを呼んだのですか!」

一人の男性貴族が聞く。

 

「彼は私の友人であり、そして今冥界の英雄でもある「大剣の守護者」ですよ」

 

「「「「「「えっ!!」」」」」」

 

部活のみんなは俺が「大剣の守護者」だとは知っていても、サーゼクスと友人だったことは知らなかったため、みんなと同じようにかなり驚かれた。

 

「あんな人間の少女みたいな少年ががあの英雄さまなのか!?」

「でも、確かに聞いた通りじゃない?」

「あの方が本当に「大剣の守護者」さま!?」

「きゃぁあああ!まさかあの「大剣の守護者」さまを生で見られるなんて!」

 

 

俺は貴族たちが騒いでいる中、サーゼクスの元へ歩いて行く。

 

「おい、サーゼクス。なんで転移場所がここから離れたあんな場所なんだ?」

【叢雲】をサーゼクスの首筋に当て少し怒気を孕んだ声で言う。

 

「い、いや、簡単にここまでたどり着いても面白くないと思ってね……。お姫様を助けるのに、困難な道のりの方が燃えるだろう?」

サーゼクスは少し気圧された感じになる。

 

「はぁ、やっぱりそんな理由かよ………ま、確かにこうでもしないと俺が来る必要がないからな」

俺はそう言いながら【叢雲】をしまう。

 

「良かったな、イッセーが勝って。お前も嬉しいだろ?」

俺はサーゼクスにだけ、聞こえる音量で言う。

 

俺の問いにサーゼクスはただ笑うだけだった。

 

 

 

 

 

こうして、パーティは終わりはしたが、あの後貴族の、特に女性の貴族の方々からサインをくれと、迫られたのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いつの間にかお気に入りが1000を超えていてびっくりです!
それと同時に嬉しいです!

今日から他の作品と平行して更新していくので、これからもこの作品をよろしくお願いします!


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月光校舎のエクスカリバー
第16話 球技大会です!


いや〜。なんとか今年中に投稿できました!


 

朝。布団から起き上がろうとしたが右腕が動かなかった。いや、動かせなかった。

 

はぁ、また来たのか。ここには子猫ちゃんがいるのに、バレたらどうするつもりだ?

 

「おい黒歌。起きろ、朝だぞ」

俺はとりあえず寝ている黒歌を起こすことにした。………起こさないと、俺が起きれない。

 

「……んにゃ、…んっ……」

「黒歌、起きてくれ。お前が起きてくれなかったら俺がおきれないから」

「だったら……まだ、りゅうやも…ねてるにゃ……」

俺は起きない黒歌を見て、ため息をつく。

さて、どうしたものか?と、考えていると、黒歌が俺に抱きついてくる。

 

そしてーーーーーー

 

「んっ……ちゅっ…んじゅっ…んむっ」

いきなりキスをしてきたと思ったら、舌を絡めてくる。

 

「むぐっ!……んっ…ちょ、くろ…ちゅぅっ…んちゅっ」

 

突然のことに対処できなかった俺は、黒歌にいいようにやられる。

 

「ちゅ…はむ……んむっ……ふぁ」

唇を離した黒歌の舌先から、透明な銀の糸が引く。

 

「久しぶりの龍夜とのキスにゃ」

俺はまだ、ボーっとしていたが、キスをした黒歌は顔を赤らめて、幸せそうにしていた。

 

そんな顔されたら怒るに怒れない。

「わかったから、黒歌は早く帰れ」

「にゃ!何でにゃ!私ここ最近龍夜と会えなくて寂しかったにゃ!だからもう少しだけこうしているにゃ!」

黒歌は俺の腕に抱きついたまま離れようとしない。でも……。

 

「ダメだ。お前もわかっているだろ?ここには今小猫ちゃんがいるんだ。もしここで小猫ちゃんと会ったらどうするつもりだ?」

 

「うぐっ……」

黒歌も俺が言ったことが理解できているため大人しく帰っていく。

 

その帰り際に俺は黒歌を呼び止め、シュンと落ち込んでいる頭を撫でた。

 

「ッ…!」

「今回はこれで許してくれ、今度小猫ちゃん来たときはもっとゆっくりしていいから」

 

黒歌はさっきまでの暗い顔が嘘のように、キラキラと輝く。そして「嬉しいにゃ!」と言い残し帰っていった。

 

 

 

ライザーとの一件以来、部長もイッセーの家に住み始めたようだ。その時、アーシアが涙目で、なにかを決意したような顔になっていた。あれは家で何か一悶着あっただろう。そんなこんなで今は平和に暮らしている。

 

そういや、俺がサーゼクスと知り合いだったことが部長にバレ、どういう関係なのか聞かれたときは大変だったな。何とか適当に誤魔化したが全然納得している様子は無かった。

 

 

 

どうやら今日のオカ研はイッセーの家でやるようだ。もちろんオカ研のメンバー全員参加なので俺も行った。行ったのだがーーー

 

 

「で、こっちが小学校のときのイッセーなのよー」

「あらあら、全裸で海に」

「幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー」

「………イッセー先輩の赤裸々の過去」

 

このように昔のイッセーのアルバム鑑賞会になっている。俺は別にイッセーの子供の頃の写真なんて興味ないので、今は一人、ドラグ・ソボールを読んでいる。

 

やっぱりこれ面白いなぁ。

 

なんて一人でゴロゴロしていたら、急に木場くんの気配が変わった。なにごと?と思い、そちらに視線を向けると木場くんは一枚の写真を手に取りイッセーに写真の中に写っている剣に見覚えがないか聞く。

 

当然、イッセーが知っているわけがなく、この場では木場くんは何も言わず、先ほどの写真を見つめるだけだった。

 

木場くんの雰囲気から察するに、あの剣になにやら深い憎しみがあるようだ。

 

 

カキーン

晴天の空に金属音が木霊する。

「オーライオーライ」

 

俺たちは、放課後を使って球技大会の練習を行っていた。どうやら部長はこの手の学校行事が好きらしく、相当気合が入っている。

 

そのため、一人だけ練習中にボーっとしている木場くんは非常に目立つ。

 

木場くんはイッセーの家であの写真を見てからずっとあの調子だ。さすがに心配になりこの前声をかけたのだが、「大丈夫だよ」の一点張り。大丈夫じゃないのがまるわかりだが、人には言いたくないことなんてひとつは絶対にあるだろうから、木場くんが話すまでは黙ってとくことにした。

 

 

 

球技大会当日。俺たちオカルト研究部は部活対抗戦でドッチボールをすることに決まった。

 

そしてーーーーー

 

 

 

 

 

 

「兵藤を狙え!」

「うおおおおおっ!ふざけんなぁぁぁああ!」

開始早々、集中的にイッセーが狙われていた。部活対抗戦の初戦は野球部。そのため投げる球が結構早い。野球部皆がイッセー以外狙わない。理由は簡単。

 

部長ーー駒王学園の二大お姉さまの一人。大人気の学園のアイドル。当てられない。

 

姫島先輩ーー部長と同じく二大お姉さまの一人。学園のアイドル。当てられない。

 

アーシアーー二年生ナンバー1の癒し系天然美少女。しかも金髪!当てられない。

 

木場くんーー全男子の敵だが、当てたら女子に恨まれる。当てられない。

 

龍夜ーー学園の『女神』。全校生徒全員が認めた『女神』様。又は『歌姫』とも呼ばれている。当てたら全校生徒に恨まれる。絶対当てられない。

 

男の俺に『女神』っていうのはどうだろうか?『歌姫』ならまだ、まだ! 納得できるが……。

 

イッセーーーなぜこいつが美男美女ばかりのオカ研にいるのかわからない。当てても大丈夫だろう。いや、むしろ当てるべきだ。

ということだ。

 

イッセーは必死に逃げ回りながら、俺と木場くんに向けて言う。

 

「おい!龍夜と木場!お前らもちゃんとやれよ!」

 

「……………………」

「いや〜、人気者だな、イッセー。人気者のイッセーの邪魔はしたくないから俺はコートの端で応援しておく」

 

俺はコートの端まで歩いていく。

 

「ちょ!龍夜!ふざけん…うわぉ!」

その時、ちょうどイッセーが、俺の前の位置で止まった。その瞬間、野球部が投げた。イッセーはそれをギリギリのとこで避ける。そのボールはイッセーの背後にいた俺に向かって飛んでくる。

 

バシッ!

 

無論。余裕でキャッチした。

 

途端ーーーーーーー

 

 

 

 

「「「「「「…………………」」」」」」

さっきまで応援?(イッセー殺せ!的なやつ)で騒がしかった体育館が一瞬にしてシーンと、静まりかえった。

 

狙っていなかったとはいえ、俺に投げてしまった野球部の生徒は顔を真っ青にして、体を震わせていた。

 

そして、オカ研以外の体育館にいた生徒が俺にボールを投げた野球部部員へ集まる。

 

「ヒッ!ま、まて!あ、あれは不可抗力だ!だから、こっちくんな!」

 

「不可抗力なんて関係ないのよ。あなたが投げたボールが風見くんに当たった」

「そうそう。風見くんがボールをとったからいいものの、もし顔とかに当たっていたらどうするつもりだったの?」

「風見はこの学園の『女神』だぞ?『歌姫』なんだぞ?そんなお方にボールを投げるなど言語道断!それをしたお前は万死に値する!」

「恨むなら風見様にボールを投げてしまった自分の下手くそさを恨むんだな」

「さあ、連れていくわよ」

 

一人の少女の合図で、野球部員が複数の男子生徒に体育館の外へ連れて行かれる。

 

 

 

それからすぐに試合を再開た。相手はもうやけくそで木場くんを狙った。普段なら避けれるが、今の木場くんはボーッとしていてそれに気づかない。木場くんにあたる直前に、イッセーが「何ボーッとしてやがるんだ!」と、木場くんを庇う。そのボールが股間に当たっためイッセーはここでリタイヤ。アーシアがその治療にいき、部長がイッセーの弔い合戦よ!と、今回は俺も参加し、数十秒で勝負がついた。その時、部長は祐斗を少し怒った様子で見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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