バトルスピリッツ アナザースターター (謙虚なハペロット)
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Step.00 『バトスピ…?』

新作ですよ、新作!
やらないやらないとか言っておきながらこれですよ!

内容はかなり試験的なものになっております。
途中ギブアッポ(未完)となる可能性が大きいものとなっております。
予め言っておきますと、この作品は『アルティメットバトル06、07』までとなっております。


拙い作品ですが、お時間ありましたらこの作品にお付き合いいただけたらと思います。


『さぁバトルスピリッツ世界大会もいよいよ大詰め!

 決勝を争う二人は破竹の勢い!』

 

 

 『バトルスピリッツ』

 6つの色、カード達の命となるコアを使い対戦をするトレーディングカードゲーム。

 

 世界中を熱狂させる世界的TCGであり、そのバトルスピリッツには強さを分ける称号が存在する。

 

 プレイヤーは“カードバトラー”と呼ばれ、一般的な強さを“ランカー”。

そのランカーの中で、チャンピオンシップという規模の大きな大会で優秀な戦績を残したプレイヤーを“ハイランカー”。

 

 

『やはり誰もこの二人!

“灼熱”と“白銀”の二人を止めることはできない!』

 

 

 更には特別な枠として“輝石(きせき)”、“光主(ひかりぬし)”、“灼熱”、“白銀”といった『二つ名』が送られる。

 

 

 ……そして———

 

 

『二人の準備が整ったようだ!

 では皆、いつもの掛け声でバトル開始だ!』

 

 

 『 ゲートオープン!!

 

     界  放  !! 』

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━。

 

 

 街は、いや世界はバトルスピリッツというカードゲーム一色。

大人にも子供にも大人気という…まぁありきたりなもの。

 

「キャー!“ゼロ”様ぁ〜!」

「………」

「ああっ!ライフがもう残り1つに! やっぱり“白ゼロ”様凄すぎ〜!」

 

 大人から子供と言ったけど、子供は小学生から大人は千差万別。把握なんてバカらしくなるくらい普及している。

 

「あっ、あっ!“凛々(りり)”!見た?!今の見た!? “赤ゼロ”様の!」

「姉さんうるさい」

 

 今テレビで生中継されているバトルスピリッツの世界大会決勝にかじりついてる私の姉も、その大人の一人だ。

赤だか白だか何か分からないけど、何が面白いんだか。

 

「…出掛けてくる」

「えっ!?良いとこなのに!?」

「知らない。…昼頃には戻るから」

「そう…。あ、携帯とお財布持った? お金大丈夫?」

「心配しすぎ。…大丈夫だから」

「うん。後でお昼食べながら観ようね! 録画してあるから!」

「見ないっての。……行ってきます」

「行ってらっしゃい。車とナゾオトナに気をつけてね〜。あっ!赤ゼロ様が押し返してる!キャー!二人とも頑張ってー!!」

 

 馬鹿姉はほっといて身支度を整えてさっさと家を出る。普段はちゃんとしてるのにアレのことになると途端にこれだから困る。

朝っぱらからたたき起こされて、終わってもあの調子じゃさすがに付き合ってられない。

 家を出てもバトルスピリッツは嫌でも目に耳に入ってくる。溜息しか出ない。…すぐさま鞄からイヤホンを取り出して耳に挿し音楽を流す。

 

「……何が面白いんだか」

 

 そうひとりごちる。

…私はバトルスピリッツに興味が無い。

周囲の友人な知人は皆やってる。やってないのは私だけ。

何かとやろうやろうと誘われるが、全部断った。別にゲームが嫌いな訳じゃない。……ただ。

 

 

『灼熱の猛攻!白銀の鉄壁!

 どちらも一進一退!目まぐるしく代わる攻防!

 スピリット同士、アルティメット同士の魂のぶつかり合いだぁっ!!』

 

 

 近くのスタジアムにあるスクリーンにも、対戦の様子が映し出されている。

その様子はハリウッド映画も真っ青な、正に“怪獣同士が戦っている”。

それが時に怪獣同士、時に人間自身に向かってくるんだ。…そんなの冗談じゃない。随分前に体験したけど、あんな怖い思いも痛い思いもするののどこが良いのか、私には理解に苦しむ。いや、理解出来ないしたくない。

 

 ……気晴らしに外をふらつこうと思って逆に気分が沈むって何なの。

なんか買って帰ろっかな…。

姉さんには……テキトーでいいか。パック?とかいうのを買ってってやればいいや。

 

「………?」

 

 コンビニに足を向けた矢先、通り過ぎようとしたカードショップにふと目をやる。…気まぐれに目を向けた先に“友人”が成人っぽい男性と何か揉めてるのが見え思わず立ち止まってしまう。しかも友人の後ろには困った顔をした友人。更には小さい女の子が今にも泣きそうな顔をしていた。

 

(これヤバいな…)

 

 私的に面倒事は御免だけど、さすがに高校生二人とはいえ女の子。言い争ってる方は男三人だ。どう考えても分が悪い。…まさか殴り合いとかにならないとは思うけど…と、気が付けば私はカードショップの入口をくぐり店内へ入っていった。

 

「アンタら大人気ないと思わないの!? こんな小さい子のカード盗るなんて!」

「なんのこったよ」

「俺らは合意の上でアンティやったのに悪者扱いとは、たまげたなぁ…」

「オレら強すぎっから間違われるのは。ま、多少はね?」

「ふ、ふざけんなっ!」

 

 これは完全にあいつらが悪いパターンだ。

終いには“深緒(みお)”の怒声に女の子も我慢の限界かとうとう涙が零れ出す始末。それを“羽月(はづき)”がなだめようとするが、今にも大泣きしそうだ。

……一発ぶん殴ってやらないといけないか。

 

「この……っ! “リンリン”!」

「リンリン言うな。……あんた、随分みっともないことやってんじゃん」

 

 まだ殴らない。いきなり殴りつけたらこっちが難癖付けられてしまう。こっちが気合いを込めてぶん殴るのは向こうから手を出してきた時だ。

 

「なんだお前?」

「こっちの二人の友人だよ。クズども」

「Foo。この娘パッチェ気強いっすよ?」

「子供相手にしか強がれないクズが何言ってんの?」

 

 とにかく時間を稼ぐよう挑発しまくる。

警察何なり呼んでもらえればそれでおしまいだし、手を出せば出したで憂さ晴らしもできる。

 

「おし。今からお前にお兄さん達を罵った罰を与えっからな」

「やっちゃいます?」

「おうやっちまおうぜ」

 

「リンリン…!」

「だからリンリン言うなって。羽月とその子連れて下がってて」

 

 これは暴力を振るうしかなくなるか。

…他二人のリーダーっぽいのが懐に手を入れる。おそらくナイフか何かの武器だろう。さすがに無傷とはいかなくなったが、姉さんから“無手で武器を扱う相手に対して対峙する術”は学んでいる。バッグを深緒に向かって放る。わたわたとだがキャッチしたのを横目で確認。羽月が何か言いたそうだが手首を軽く振り返事をする。

後は気兼ね無くやれる。店で騒ぎを起こして出入り禁止になるのは私とこのクズ共だけで済む———

 

「やっちゃうよぉ?」

「来なよ。手加減して手首折るくらいで済ましてあげるからさ」

「リアル暴力は止めてくれよ…」

「…は?」

「は?」

 

 ……固まる空気。

何この私が間違えてるみたいな空気。

 

「…喧嘩じゃないの?」

「冗談はよしてくれ(恐怖)」

「だってあんたら武器出そうと…」

「な、何で物騒なもの持ち歩く必要あるんですか?(蒼白)」

「じゃあその懐に入れた手は何」

「とぼけちゃって(震え声)。これだよ」

 

 リーダー格の男が冷や汗かきながら取り出したのは……何かのケース?

いや、一見無害に見えて中から催涙スプレーみたいのが飛び出すかもしれないから殴る構えを取る。

 

「あ待ってくださいよ!」

「ほれ、中身見ろよ見ろよ」

「ただのカードじゃんアゼルバイジャン」

 

 慌てた様子でケースを開けて中身を見せてくる三人組。中身はカードで、全部出して危険なものは何も持ってないことを確認させてきた。…いや上着脱いでバサバサしなくていいから。分かったから。

 

「…で?」

「バトスピでケリつけましょうよ」

「カードで? 馬鹿も休み休み言いな……」

 

 三人組に気付かれないよう素早く周囲を確認する。既に店の人が何処かに連絡をしているのが見えた。…なら奴らの話に乗って時間稼ぎも手か?

 

「……まぁ、悪くないか」

「ありがとナス!」

 

 さて了解したはいいがカードを持ってない。…買うにしても値が張るだろうし。どうしたものか。

 

「凛々、凛々!」

「うわっ…何?」

 

 突然深緒に腕を引っ張られよろけてしまう。コケはしなかったがちょっと危ない。

そんなのは関係無いと深緒が顔を寄せ、声を潜めて焦ったように話し掛けてきた。

 

(何?じゃないって! 凛々デッキ持ってんの!?)

(持ってないよ?)

(ば…馬鹿じゃないの!?)

(馬鹿って…。男三人に喧嘩しようとした深緒の方が馬鹿でしょ)

(うっさい!とにかくあたしのデッキ貸すから!ルールは?)

(本の少しだけしか…)

(っ〜〜〜!)

 

 そんなまずいのかな…。

この世の終わりみたいに頭抱えられても反応のしようが無い。

 

 

「待てぇぇい!!」

 

 

 突然店内に響き渡る声。

女性みたいだが…あの娘か。

お店の中央辺りで腰に手を当て右手を突き出し待てという意思表示を全身で表している。

今時の娘らしい格好にショートヘアでキリッとした目許に可愛いと言うよりかっこいい部類の娘だろうか。

 

「話は聞かせてもらった!」

「誰?」

「あなたには名乗るけどあの三人組に名乗る名前は無い!」

 

 ……おかしな娘に絡まれてしまったようだ。

どうしよう、反応に困る。三人組もどう反応したらいいか迷っているみたいだ。

 

 

「はいはいそこまでだよ。でしゃばるなって言ったのに…」

 

 

「むっ! “麗ちゃん”がモタモタしてたのがいけないんじゃん!」

「タイミングと言うものがあってね…。あぁすまないね邪魔をして」

 

 次いで現れたのは…男性…?いや、女性だ。…リアルで麗人って人、初めて見た。スラリとした長身だが、出るところは出ている大人だ。

 

「君の名前は?」

「え、あ……り、凛々」

「リリ君ね。聞けばデッキが無いとか?」

「は、はい…」

 

 間近で話されると同性の私でもドキリとするくらいの美人。名前を呼ばれるだけでこれとは…。

 

「これを使ってくれ」

「え、でも…」

「いいさ。キミにあげるよ」

「でも…」

「大丈夫。キミならやれるさ。…キミには“彼女”に似てる感じがするからね」

「はぁ…」

 

 

 

「もういいっすか?」

「ああ、そっちも待たせたね。しかし、お店で騒ぎを起こしたのは見過ごせない。こっちの子を泣かせたのもだ」

 

 そう言い涙目の女の子の頭を優しく撫でる謎の麗人。

 

「そこで、丸く治めるためリリ君とバトルしてもらおう」

「は!?」

「ちょ!? 麗ちゃん!」

「“早苗”は少し黙ってな。…そちらが勝ったら、店の好きなカードを私持ちで全てあげよう」

「マジっすか!?」

「ああ。しかし、彼女が勝ったら、この子から取ったものを返して、二度とこんな事はしないと誓ってくれ」

「あ^〜いいっすね〜」

 

 向こうは二つ返事で了解した。

勝つ自信があるのか。

 

「テーブルはここでいいね? バトルするのは、君か。ではこちら側に。リリ君はこちらでいいね?」

 

 私が座る椅子を引いて座り易くしてくれる。…お、大人だ。

 

「あなた!負けたら承知しないからね!」

「…なら代わる?」

「…いいの?」

「何でそこで尻込みすんの…」

 

 サナエとか呼ばれた娘がちょっとうるさいが、何とかして勝つしかない。…こんなことに巻き込まれるくらいなら、姉さんの話、少しは聞いておくべきだったかな。

 

 

「凛々ちゃん大丈夫かな…」

「大丈夫……不安しかないよはづきん…」

 

 

   鴇峯(ときみね) 凛々(りり)

   【???】

 

 

「いい凛々? ここがライフ、ここがリザーブ、ここがコアのトラッシュとカードのトラッシュ。このライフが0になったら負けだからね!」

(凛々リザーブ4)

 

「そこは大丈夫」

「じゃあ、デッキの上から4枚手札にして」

「うん。…4枚っと」

(凛々手札4)

 

「先攻は譲りますよ〜おう感謝するんだよ」

「…あ?」

「センセンシャル!」

 

<凛々・先攻第一ターン>

「スタート…ステップ?」

「プレイシートのここにある部分を見ながらステップを宣言するといいよ」

「ふーん…。先攻にコアステップ?が無いんだ。ならこのドローステップか」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「リフレッシュステップも無しか。メインステップ?」

「ここで色々できるよ凛々ちゃん!」

「ん」

 

 “赤いカード”ばっかり。

たしか……何だっけ? この左上の数字が低いのから出してって、このリザーブにあるコアをやりくりしながら戦うんだっけ…。

 

「……この、気持ち悪い犬を出す」

「凛々君辛辣だねぇ…」

「えっと、1だから1つこっちに置いて…

「違う違う!カードを先に出してからコストを払うの!」

「あ、そうなんだ…。出してから1つ置く」

(手札5→4)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→1)

[スラスト・シェパード コア1 レベル1 BP1000]

 

赤 スピリット

《スラスト・シェパード(きもちわるいいぬ)》

コスト1 軽減赤1 <皇獣>

<1> Lv1 BP1000

<2> Lv2 BP2000

シンボル:赤

Lv2『このスピリットのアタック時』

このスピリットをBP+3000する。

 

「これも、出せるよね」

(手札4→3)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ1→3)

[燃える竜人の聖地 コア0 レベル1]

 

「…終わり」

 

 周りが安堵の息を吐いたのが聞こえた。何もそこまで不安にならなくてもいいんじゃないかな。

 

<男・後攻第二ターン>

「俺のターンいきますよ…いきますよ…」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「バーストをセットするゾ」

(手札5→4)

{バースト:無し→セット}

 

「ネクサス《そびえる甲天城》を配置しますよ。じゃけんお城乗っ取りましょうね〜」

(手札4→3)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→3)

 

「ターンエンドっすよ」

 

 

「相手は緑だったのか」

「あのネクサスなら何かはもう決まったも同然ね!」

「小さい子にあれぶつける大人ってどう思います?」

「ふむ…。この子は初心者なのかな?」

「はい。私達が教えてて、ちょっと目を離した隙に…」

「それは大人気ないねぇ」

 

 

<凛々・第三ターン>

「私の番。ここからコアを1つと、1枚引いて、コアをリザーブに…」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ1→3)

 

 

「あれ本当に大丈夫なの麗ちゃん?! カードの持ち方もコアの動かし方も危なかっしいよ!?」

「大丈夫さ」

「…勘?」

「ああ」

「勘って…。それであのデッキ渡しちゃうなんて、信じらんない」

 

 

「んっと…」

「凛々ちゃんの場に出てるカードの右下のマークの数だけ、手札のカードの左上のマークの数だけコストを減らして使えるよ!」

「ふ〜ん…。ならこれかな」

(手札4→3)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ0→1)

[リューマン・チャージャー コア1 レベル1 BP2000]

 

「余ったこれは……こっちに乗せると良さそう」

(リザーブ1→0)

[燃える竜人の聖地 コア0→1 レベル1→2]

 

「…仕掛ける」

「ならアタックステップだよリンリン!」

「だからリンリンって言うなって言ってんでしょうが。…アタックステップ?」

 

 攻撃を仕掛けられた側はカードで防御するかしないかを選べるんだっけ。

ならがら空きだから……

 

「えっと…これの効果」

「自分の場の赤のスピリット、アルティメットのBPを3千上昇させるのよ! …良いカードじゃない」

 

赤 ネクサス

《燃える竜人の聖地》

コスト3 軽減赤2

<0> Lv1

<1> Lv2

Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』

カード名に「リューマン」と入っている自分のスピリット/アルティメットすべては、相手の効果で破壊されたとき、疲労状態でフィールドに残ることができる。

Lv2『自分のアタックステップ』

自分の赤のスピリット/アルティメットすべてをBP+3000する。

 

 

「わっ、良いカードじゃん」

「3コスで破壊耐性に1コアで3千バンプは強いね」

 

 

[スラスト・シェパード BP1000+3000=4000]

[リューマン・チャージャー BP2000+3000=5000]

「両ほ…」

「1体ずつだよ凛々ちゃん…!」

「…気持ち悪い犬で攻撃」

「シェパード涙目。あと凛々、アタックをしたならカードを横にするんだよ」

「ん。こう?」

「そうそう」

「ライフで受けますよぉ」

(男ライフ5→4)

(リザーブ2→3)

 

「こっちでも攻撃。…アタック時1枚ドロー?」

「デッキから1枚手札にするのさ」

「ふむ」

(凛々手札3→4)

 

赤 スピリット

《リューマン・チャージャー》

コスト3 軽減赤2 <竜人>

<1> Lv1 BP2000

<2> Lv2 BP3000

<4> Lv3 BP5000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2・Lv3

カード名に「リューマン」と入っている自分のスピリット/アルティメットすべてをBP+1000する。

 

「それも受けますよぉ」

(男ライフ4→3)

(リザーブ3→4)

 

「ライフが3になったからバーストが爆発しますよぉ!

 《始甲帝》で、出ますよ…」

{男バースト:セット→発動}

 

「発動したときにライフが3以下ならそっちのスピリット、アルティメット1体を疲労させるゾ。でもいないから意味無いゾ。そしてレベル2でバースト召喚するゾ」

{男バースト:発動→召喚}

(リザーブ4→0)

[始甲帝 コア4 レベル2 BP15000]

 

 何かキラキラ光ってる気持ち悪い赤い虫のカードが出て来た。…何か最近人型の虫が出てくる漫画読んだからそれが頭を過ぎる。

 

「…終わりで」

 

<男・第四ターン>

「自分ターンいきますよ…いきますよ…。甲天城の効果発揮すんよ〜」

 

「…どういう効果なの羽月?」

「あの人のスタートステップにデッキの1番上をめくって、そのカードに[四甲天]って入ってるスピリットカードならコストを支払わずに出せるって効果だよ」

「…インチキ臭い」

 

緑 ネクサス

《そびえる甲天城》

コスト3 軽減緑1

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:緑

Lv1・Lv2『自分のスタートステップ』

自分のデッキを上から1枚オープンできる。それがカード名に「四甲天」と入ったスピリットカードのとき、コストを支払わずに召喚できる。

召喚しない、または、他のカードのときはデッキの上に戻す。

Lv2

カード名に「四甲天」と入っている自分のスピリットがいる間、このネクサスは、相手の効果で破壊されず、手札に戻らない。

 

「ほらいくどー」

●オープンされたカード

・《四甲天カメジュウジ》(スピリット)

 

「で、出ますよ」

[始甲帝 コア4→3 レベル2→1]

[四甲天カメジュウジ コア1 レベル1 BP1000]

 

「召喚時効果いきますよー。ボイドからコア1つ、カメジュウジに置くらなぁ〜」

[四甲天カメジュウジ コア1→2]

 

緑 スピリット

《四甲天カメジュウジ》

コスト3 軽減緑1 <殻人>

<1> Lv1 BP1000

<4> Lv2 BP2000

シンボル:緑

[四甲天カメジュウジ]はデッキに何枚でも入れることができる。

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア1個をこのスピリットに置く。

 

「続けんよ〜」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メイン入ります…。始甲帝をレベル2に戻してアタックステップいきますよ」

[四甲天カメジュウジ コア2→1]

[始甲帝 コア3→4 レベル1→2]

 

「始甲帝、オッスお願いしまーす」

「来た…」

「レベル2の効果発揮しますよー。手札の<殻人>スピリット1体をノーコストで喚び出すゾ。出すのは蜂ですよ〜蜂蜂。

 《蜂王フォン・ニード》をレベル2で出しますよ」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

[蜂王フォン・ニード コア4 レベル2 BP10000]

 

「さっきからインチキ臭いのばっかり…」

「あれが最近の緑の手だよリリ君。“白”にお株を取られてお冠なのか、踏み倒しまくるからね」

 

「召喚時効果発揮〜。ボイドからコア3つ蜂に乗せますよ〜」

[蜂王フォン・ニード コア4→7]

 

「そんでぇ、召喚できたんでぇ、始甲帝は回復しますよぉしますします」

[始甲帝 疲労→回復]

 

 深緒が小さく「ヤバい…」と呟くのが聞こえた。

相当私がピンチだって分かる。

 

緑 スピリット

《始甲天》

コスト8 軽減緑3 <殻人>

<1> Lv1 BP7000

<4> Lv2 BP15000

シンボル:緑緑

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のライフが3以下のとき、相手のスピリット/アルティメット1体を疲労させる。

この効果発揮後、このスピリットカードを召喚する。

Lv2『このスピリットのアタック時』

ターンに1回、自分の手札にある系統:<殻人>を持つスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚することで、このスピリットは回復する。

 

緑 スピリット

《蜂王フォン・ニード》

コスト7 軽減緑4 <殻人・怪虫>

<1>Lv1 6000 <4>Lv2 10000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア3個をこのスピリットに置く。

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

BP合計10000まで相手のスピリットを好きなだけ疲労させる。

Lv2『このスピリットのアタック時』

相手のライフを減らしたとき、このスピリットのコア3個を自分のトラッシュに置くことで、このスピリットは回復する。

 

「……防御しない。ライフのコアは、攻撃してるカードのマークの数だけ減らすから…2つか」

(凛々ライフ5→3)

(リザーブ0→2)

 

「もう一度始甲天でアタックしますよぉ」

「………」

 

 これを受けたら残りのライフが1つ。

相手には攻撃できるのが2体。…だけど深緒と羽月が見ていられないと視線を逸らした。負けたと思われてる。

 

「…たしか、これ使えるよね」

「…ほう。説明してないのにやるもんだね」

「やりますねぇ」

「えっと…《ドラゴニックウォール》。赤のマーク、シンボル?が3つだから…」

「コスト4引く2で2コストで使えるわよ」

「了解」

(凛々手札4→3)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ1→3)

 

「『自分の赤のスピリットを破壊することで、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。』だって。なら気持ち悪いのでいいか」

「スラスト・シェパードの不憫さに早苗も涙を禁じ得ないよ…」

[スラスト・シェパード 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

「攻撃は防御しない」

(凛々ライフ3→1)

(リザーブ0→2)

 

赤 マジック

《ドラゴニックウォール》

コスト4 軽減赤2極1

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

このターンの間、自分のスピリット/アルティメット1体をBP+5000する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

自分の赤のスピリット1体を破壊することで、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

この効果は、『相手のアタックステップ』でしか使えない。

 

「ターン終わりますよ〜」

 

<凛々・第五ターン>

「…私の番」

(リザーブ2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「…これを出せば変わるかな」

 

「っ!? 麗ちゃんあれ…!」

「使い熟せるかは、彼女次第さ」

 

「まず気持ち悪い犬を出して…」

「凛々ちゃん、スラスト・シェパード…」

(手札4→3)

(リザーブ6→5)

[スラスト・シェパード(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

「次にこれを出す…! 置くのって、こっちのに乗ってるのを移してもいいんだよね深緒」

「っ! …そう!いけいけリンリン!」

「次リンリンって言ったら叩く。…赤のシンボルが3つあるから、コストを3つ減らして、レベル…3?」

(手札3→2)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→3)

[燃える竜人の聖地 コア1→0 レベル2→1]

 

「えっと…けん、こう…?」

 

 見兼ねてサナエって娘が耳打ちしてくれる。…これそう読むんだ。

 

「《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》を召喚」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン コア1 レベル3 BP10000]

 

「剣輝龍皇!?」

「わっ、かっこいい!」

「召喚時って出したときの効果だよね。『手札の系統:<剣刃>を持つブレイヴカードを合計コスト7まで出せる』? ブレイヴ……この2枚で調度7か」

(リザーブ2→0)

[火槍アルタイル コア1 レベル1 BP1000]

[太陽神剣ソルキャリバー コア1 レベル1 BP4000]

 

赤 アルティメット

剣輝龍皇(けんきりゅうおう)シャイニング・リューマン》

コスト6 軽減赤3極1 <次代・剣使・竜人>

【召喚条件:コスト3以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<3> Lv4 BP14000

<5> Lv5 BP18000

シンボル:極

【U抜刀】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

自分の手札にある系統:<剣刃>を持つブレイヴカードをコスト合計7まで、コストを支払わずに好きなだけ召喚できる。

この効果でブレイヴが召喚されたとき、自分はデッキから1枚ドローする。

【合体時】Lv4・Lv5『このアルティメットの合体アタック時』

このターンの間、自分の合体アルティメットすべてをBP+3000する。

 

「これでブレイ“ブ”ってのを出せたから1枚引く」

(手札0→1)

 

「凛々、ブレイブじゃなくてブレイ“ヴ”だからね」

「何いきなり名前読んでるわけ?」

「苗字知らないし!」

「…“鴇峯”。」

「そう。じゃあ凛々、分かった?」

「結局呼び捨て…。まぁ、いいけど」

 

 出した…とはいえ、このブレイ…ヴ。シンボルが無い。てことはライフを減らせない。

 

「…合体?」

「そのブレイヴカードをスピリットに重ねるんだ」

「へぇ。じゃあこっちの剣を剣輝龍皇に…こう?」

「そう。重ねるときはどちらが上でも構わないが、コストと合体時効果が見えるように置くといいよ」

「ふむ…」

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

 

「えっ!?」

「アルティメットって、合体できないんじゃ…?」

「ウン(相槌)」

 

「ふっふーん! この“鷲座の彦星”と“太陽の剣刃”はそんじょそこらのブレイヴとは違うのよ!」

「この2枚は“アルティメットと合体できるブレイヴ”なのさ」

 

[太陽神剣ソルキャリバー コア1→譲渡]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) コア1→2]

[コスト:6+0]

[BP:10000+4000=14000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

赤 ブレイヴ

《火槍アルタイル》

コスト2 軽減無し <剣刃>

<1> Lv1 BP1000

<0> 合体 +1000

シンボル:なし

Lv1『自分のメインステップ』

このブレイヴがスピリット状態の間、このスピリットに赤のシンボル1つを追加する。

【合体条件:コスト3以上のアルティメット】

【合体時】『自分のメインステップ』

このアルティメットに赤のシンボル1つを追加する。

 

「アタックステップ。剣輝龍皇で攻げ「剣刃合体(ソードブレイヴ)アタックよ!」…攻撃」

「ちょっと!」

「えっと、こっちの効果で、BP4千以下のスピリットを破壊。じゃあその…カメムシ」

「あー↑」

[四甲天カメジュウジ BP1000 破壊]

(男リザーブ0→1)

 

「これのシンボルは…2つになってるの?」

「そうだよ凛々!ダブルシンボルだ!」

「受けますよぉ受ける受ける」

(男ライフ4→2)

(リザーブ1→3)

 

「…終わり」

「えっ!?」

「いいから」

 

 正直賭けになってる。

これを引いたら後はどうしようもない。

だけど……ここで負けるのは、気に入らない。

 

<男・第六ターン>

「勝ち確ですかねぇ。スタートステップ。甲天城使いますよ〜」

●オープンされたカード

・《双翼乱舞》

 

「じゃ、戻しますね…」

(リザーブ3→4)

(手札3→4)

 

「コアをフォン・ニードに乗せて決めますよ〜」

(リザーブ4→1)

[蜂王フォン・ニード コア7→10]

 

 どっちだ。どっちでアタックしてくる…。

 

「まず始甲帝でアタックするゾ。効果で手札の<殻人>スピリット、《金殻皇ローゼンベルグ》をノーコスト召喚して、回復するゾ」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

[金殻皇ローゼンベルグ コア1 レベル1 BP7000]

[始甲帝 疲労→回復]

 

「召喚時効果でコア3つ増やすゾ」

[金殻皇ローゼンベルグ コア1→4 レベル1→2 BP7000→9000]

 

「またシンボルが2つあるやつ…」

「いや強すぎっすよ〜」

「……気持ち悪い犬で防御」

「シェパードの扱いの悪さに涙がで、出ますよ…」

 

「ここ、しかないよね。

 《ドラゴニックウォール》!」

 

「ファッ!?」

 

「赤の気持ち悪い犬を破壊して、アタックステップを終了…できるよね」

「なかなか危なっかしいねぇキミも。その通りだ。既にブロックが成立しているからダメージは無し。スラスト・シェパードが破壊されても問題は無い」

(凛々手札1→0)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) コア2→1]

(トラッシュ3→4)

[スラスト・シェパード(2) 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

 

「調子に乗ってアタックする順番間違えましたよ…」

「馬鹿じゃねぇの」

「わかる?この罪の重さ」

 

<凛々・第七ターン>

「こっちの番!」

(リザーブ1→2)

(手札0→1)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「…これが、もう1枚の切り札っぽいね。

 《アルティメット・アーク》ってのを出すよ」

 

「アルティメット…アーク!?」

「名前的に、もしかして“シャイニング・アーク”のアルティメット!?」

 

「私、この早苗が解説!

 凛々の場には太陽剣、チャージャー、聖地。そしてスピリット状態のアルタイル! アルタイルはスピリット状態、またはアルティメットと合体している状態のメインステップに赤のシンボル1つが追加されるのよ!

よって!赤シンボル4つに究極シンボル1で最大軽減され2コストになる!」

「…早口で解説どうも」

「もっと有り難がってもいいのよ?」

「……とにかく召喚」

(手札1→0)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→2)

[アルティメット・アーク コア1 レベル3 BP11000]

 

「あのさ深緒、この剣をこっちのアークに移動させるには?」

「移動先が合体可能ならそのままそれをアークに重ねればいいんだよ!」

「了解」

 

剣輝龍皇シャイニング・リューマン

  ↓ 分離

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:11000+4000=15000]

[合体時:追加、発揮]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

「次に剣輝龍皇にアルタイルを重ね「合体(ブレイヴ)!」…重ねる」

「ちょっと!」

 

火槍アルタイル

  ↓ 合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[火槍アルタイル コア1→譲渡]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) コア2→3 レベル3→4 BP10000→14000+1000=15000]

[コスト:6+2=8]

[BP:10000+1000=11000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「アークにコアを2つ移して、聖地にも1つと…。多分これでいいんだよね」

(リザーブ3→0)

[アルティメット・アーク(合体) コア1→3 レベル3→4 BP11000→15000+4000=19000]

[燃える竜人の聖地 コア0→1 レベル1→2]

 

「……? 『【合体時】このアルティメットに赤のシンボル1つを追加する』?」

「ファッ!?」

[アルティメット・アーク(合体) シンボル極赤+赤=極赤赤]

 

「うえっ!? あのアーク、合体しただけでシンボル増えんの!?」

「そう!あれが次代のアルティメット、アルティメット・アークの力よ!」

「つまり、シンボルを持つブレイヴと合体すれば、“合体しただけで常時トリプルシンボル”になるのさ」

 

 シンボルが3つになったってことは、アークで攻撃すれば3つも破壊できるんだ。…へぇ、強いんだね。

 

「…アタックステップ。聖地の効果」

[リューマン・チャージャー BP2000+3000=5000]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) BP15000+3000=18000]

[アルティメット・アーク(合体) BP19000+3000=22000]

 

「チャージャーで攻撃。1枚引く」

(凛々手札0→1)

 

「し、始甲帝で守る守る」

「えっと、BPを比べて、負けてるから破壊されると」

[リューマン・チャージャー 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

「アークで攻撃。…“【Uトリガー】”?」

「解っ説!

 Uトリガー、アルティメットトリガーは相手のデッキトップ1枚をめくり、そのカードのコストが現在アタックしているアルティメット・アークより低いコストならばヒット! Uトリガーの効果を発揮できるの!」

「ふーん」

「Uトリガーを使うときは『アルティメットトリガー、ロックオン!』って言うの!いい?」

 

 …無視無視。

 

「コスト3のスピリット《四甲天カメジュウジ》っすよ」

「当たりだよね。えっと…『ヒットしたときBP7000以下のスピリット1体を破壊する』」

「7千以下のスピリットはい、ないです」

「『このアルティメットの合体時、かわりにBP15000以下のスピリット/アルティメットを破壊する』…これは?」

「ファッ!?」

 

「これも何もテキスト通り! Uアークは合体しているからBP7以下破壊を行う代わりにBP1万5千以下のスピリットかアルティメット1体を破壊できるの!」

 

赤 アルティメット

《アルティメット・アーク》

コスト7 赤4極1 <新生・星竜>

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP11000

<3> Lv4 BP15000

<4> Lv5 BP21000

シンボル:極

【合体時】Lv3・Lv4・Lv5

このアルティメットに赤のシンボル1つを追加する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、BP7000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

このアルティメットの合体時、かわりに、BP15000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

 

「じゃあ、そこの蜂で」

「蜂王壊れちゃ↑〜う」

[蜂王フォン・ニード BP10000 破壊]

(男リザーブ0→10)

 

「シンボルが3つだけど」

「さすがに通せないですよ先輩!金殻皇でブロックしますよ!」

 

SwordBrave Attack!!

アルティメット・アーク+太陽神剣ソルキャリバー

BP15000+4000+3000=22000

  vs

金殻皇ローゼンベルグ

BP9000

 

「これでダメージ、ないです」

 

「……いや」

 

「?」

 

「これを使うよ。《サンブレイカー》。赤シンボル3つに金色のシンボルがあるから、使うのは1つだけだよね」

(凛々手札1→0)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

 

「えっと…。『このターンの、自分の合体スピリット、合体アルティメットがBPを比べて相手のスピリット、アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフ1つをリザーブに置く』だって」

 

赤 マジック

《サンブレイカー》

コスト5 軽減赤3極1

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■自分はデッキから2枚ドローする。さらに、ヒットしたカードが赤のカードならガードとする。

フラッシュ:

このターンの間、自分の合体スピリット/合体アルティメットがBPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

 

SwordBrave Attack!!

アルティメット・アーク+太陽神剣ソルキャリバー

BP15000+4000+3000=22000 →win!! & Smash Bonus!!

  vs

Defense!!

金殻皇ローゼンベルグ

BP9000 →Lose... Penetration!! 1Damage!!

 

「ライフ1つ、いただくよ」

「やべぇよ…やべぇよ…」

[金殻皇ローゼンベルグ 破壊]

(男ライフ2→1)

(リザーブ10→11→15)

 

「次、剣輝龍皇で攻撃。…合体アタック時効果。『このターン中、自分の合体アルティメットのBPを+3000』だって。じゃあ更に上がるんだ」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) BP18000+3000=21000]

[アルティメット・アーク(合体) BP22000+3000=25000]

 

「はぇ…これ負けますね…。始甲帝でブロックしますよ…」

 

SwordBrave Attack!!

剣輝龍皇シャイニング・リューマン+火槍アルタイル

BP14000+1000+3000+3000=21000 →win!! &Smash Bonus!!

  vs

Defense!!

始甲帝

BP15000 →Lose... Penetration!! 1Damage!!

 

「これで、勝ち…!」

 

「Fooooo〜!!」

 

(男ライフ1→0)

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

 

「…ふう」

「初心者に負けるとかほんまつっかえ。辞めたらバトスピぃ」

「さて、君達。約束は覚えてるよね」

 

「「「センセンシャル!」」」

 

「うん。小さいレディもいいかな?」

「…うん」




駆け足の新編0話でした。
前作でキャラを作りすぎたと後悔している作者です。
ほぼお読みになっている方が知っている前提で書いているのはダメかなと思ってはいるのですが、また最初から説明しだすとダラダラ長くなってしまうので、すんごく端折りました。
許してください!なんでもしまむら!

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。



※余談枠
新主人公、捻りなさ過ぎて自分でも失笑してしまいます…。
非力な私を許してくれ…。
男キャラの喋らせ方、喋り方が全く解らない…。
解らないからといってクッソ汚い言語しゃべらてはいけない(反省)


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Step.01-a『気に入らないのよっ!』

いつもの遅くなりました。
やはりこう…どういうデッキ使わせるか迷うと時間が経つのが早いこと。
そして今回、茶番がながくなってしまったため2分割となります。


 

 私の人生…と言ってもたかだが16年程度だけど、何かと厄介事に巻き込まれることが多いと思う。

大概幼なじみの深緒が何かやって、羽月が私のところに来て、私が何とかする。…別に気にしちゃいなかったけど、今回は事情が違う。私から関わったんだ。

…しかもどうでもいいと思っていた、バトルスピリッツに。

 

 

「あの三人は帰ったよ。出禁食らってね」

「…そうですか」

 

 初めてではないけど、本腰入れての対戦ってのは初めてだったから何だか気疲れしてしまった。

 

「疲れたかい?」

「…まぁ」

「とにかくすまなかったね。厄介事を押し付けてしまって」

「いえ…。ほっといたら、二人がヤバかったんで」

「ふふっ。クールな見た目に似合わず、友達想いなんだね凛々君は」

「…どうも」

 

 お店の隅っこで話してるのは名前の知らない美人さん。私があそこで首を突っ込まなければ、この人が対戦して追っ払ってたんだって。

 

「…そういえば、お姉さんの名前…」

「ああ、名乗るほどじゃないよ」

「…はあ」

 

 カッコつけてるのか名乗る気は無いようだ。…ナチュラルに抱くように肩に手を置くのは何なんだろうか。

 ああ、深緒と羽月はさっき助けた女の子と、早苗って娘と仲良くバトスピをしている。

 

 

「よし!今だ!」

「うん…!アタック!」

「ぐはぁ!また負けたぁ!」

「早苗ちゃん2連敗だね」

「て、手加減よ!手加減!」

「手札事故しといて手加減とは…」

 

 

「早苗の相手までしてもらって悪いね」

「…あのやかましい娘って、お姉さんの何なんです?」

「バッサリだねぇ。早苗は私の従姉妹だよ」

「従姉妹…」

「似てないだろう? 誰の影響受けたのかねぇ」

 

 似てない、のかな。目許とか、顔立ちとか少し似てる感じがする。

…ああ、そういえばデッキ返さなきゃ。

 

「あの、これ…」

「ん? ああ。それはあげるよ」

「え、でも…」

「いいのいいの」

「…私、これに興味ないし」

「ふむ。光るものがあるんだけどなぁ」

 

 光るものって言われても、やる気が無いなら意味は無い。

それにこれは誰かに渡るものだったようだし、私みたいのが持っていたら、その人に失礼だ。

 

「…返しますね」

「う〜ん、残念だ」

 

「そうよ、それが良いわ!」

 

 デッキを返そうとしたとき、突然早苗が話に割って入ってきた。両手を腰に当て毅然している。

 

「おい早苗」

「麗ちゃんは黙ってて。やる気が無い凛々には相応しく無い!私がデッキを貰うから!」

「ならどうぞ」

 

 色々面倒な事になりそうだったからさっさと手渡す。

さっきのだって、中身を知っていたみたいだし、私より上手く扱ってくれるだろう。

 

「え…」

「だから何で言っといて尻込みすんの…」

「こ、ここは『勝てたら返す』とか言うところでしょ!?」

「何でよ…」

 

 この娘の感覚がイマイチ解らない。

私に何を求めてるのか、何がしたいのか全く理解できない。

 

「………」

「私、帰るから。深緒、羽月。明日また学校でね」

「あ、うん」

「凛々ちゃん…」

「えっと…、ありがとうございました」

「ああ。迷惑掛けたね」

 

 荷物をまとめてお店を後にする。

何となく、深緒と羽月の表情が寂しそうに見えた気がした。

別に、バトスピが嫌いな訳じゃない。合わないだけ。

 

 

 

「ちょっと!待ちなさい!」

 

「…っ!」

 

 日が傾き夕日が照らす帰路の途中、聞いたような喧しい声に突然左肩を掴まれ止められた。——瞬間、掴んだ手を捕まえ捻り上げる。

 

「ぎっ!? あ゛だだだだ…!」

「っ、早苗…?」

「痛い、痛いって!」

「ご、ごめん…」

 

 私を呼び止めたのは早苗だった。捻り上げた腕をすぐさま解き謝る。

でもいきなり肩を掴まれたら誰だってこうしてしまう。

 

「ったく、何なのあなた!」

「それはこっちの台詞だよ…」

 

 さっきだって突然乱入してきたと思えば相応しく無いだとかデッキを貰うだとか…。

 

「とにかく。…あの二人、深緒さんと羽月さん?あなたの友人でしょ?」

「まぁ。幼なじみだけど」

「なら!何で悲しい顔させるの!」

 

 やっぱりそうだったか。

…まさかそれを言いに追ってきたっていうの?

 

「…二人には申し訳無いとは思うけど、見てるだけでいいから」

「………」

「私の代わりに早苗が二人の相手してもらえたらいいかな」

「っ…!」

「早苗、カード強いんでしょ?なら……」

 

 二人が笑う顔は見ていたい。けど私じゃ無理だ。

 

「…あんたねぇ!!」

「っ!」

 

 凄い剣幕で胸倉を掴まれて迫られる。

 

「あんたのその、世の中知ってますみたいな澄まし顔が気に入らないのよっ!! 凄まじくっ!!」

「…だから何」

「親友を、幼なじみに寂しい想いさせといて、気取ってんじゃないっての!! 馬鹿じゃないの!?」

「………」

「…はっ、私に二人を盗られたとでも思ってるの?」

「……あ?」

「今のあんたに凄まれたって恐くも無いわ。そういうの、ふて腐れてるって言うの知ってる?」

「…好き放題言ってくれるじゃん」

 

 黙って聞いてれば…。

 

「怒るってことは自覚ありってことね」

「あんたに何が…!」

「解りたくもないし知りたくもない! ん!」

「っ!」

 

 突然離したと思ったら胸元に何か押し付けられたため思わず受け取る。…デッキケースだ。

 

「文句あるならこっちで言いなさい!」

「えぇ…」

「え〜じゃない!あんたのその捻くれた性根を叩き直してやるわ!」

 

 素人相手に同じ土俵でやらせるとかどうなの…。

 

「明日は学校が終わったら少し用事があるから、それまでにマシになっておきなさい!」

「………」

「ちゃんと自分の口から、教えてくれって頼むのよ!」

「………」

「用事が終わったら深緒さんか羽月さんに連絡入れるから、首洗って待ってなさい! それじゃあね!」

「ちょ…」

 

 言いたいだけ言ってすたすた帰ってしまった…。勝負を受けるなんて一言も行ってないのに。

 

「……ふて腐れてる、か」

 

 ああ言われた瞬間、苛立ったのは本当だ。本当にむかりとした。

……言われっぱなしじゃ、終われない。

 

 

 

 

 

「ただいま」

「お帰り〜。…どうしたの?」

「…何でもないよ。それより、お昼戻れなくてごめん」

「ううん、大丈夫よ」

 

 連絡を入れたとはいえ、姉さんとの約束破ってしまったのは申し訳無い。だから今日の料理当番は代わろう。

我が家は父親がいなくて、お母さんが働いてくれているため朝昼夕と一日いない。そのため自然と私と姉さんの家事スキルは上がっていったり。

 

「何が良い?」

「う〜ん。凛々が作ってくれたものなら何だって良いな〜♪」

「じゃあキャベツの切れっぱしとかでいいね」

「あー嘘嘘!いじわる無しよー!」

「…ふふっ」

 

 からかうのはそこそこにエプロンを出してテキトーに何か作ろう。

 

「……姉さん」

「ん〜?」

「………」

 

 姉さんに散々バトスピなんて〜とか言っておいて、今更虫がよすぎるだろうか…。

 

「……何でもない」

「………」

 

 

 

「…はぁ」

 

 結局夕飯が食べ終わっても話せなかった…。私こんなコミュニケーション苦手だったっけ? ……苦手だった。小さい頃、初めて深緒と羽月と会った時も丸で話せなかったんだっけ。

部屋に戻ってベッドに倒れ込む。…こんな精神的に疲れたのは初めてだ。

 

「………」

 

 視線が机に置いたデッキケースに合う。

鮮やかな赤に金色のマーク、究極シンボル?だっけ。それが印刷されたもの。

 

「………」

 

『…はっ、私に二人を盗られたとでも思ってるの?』

 

 盗られた? そんなこと、思ってない。

深緒にも羽月にも、ちゃんとした友人ができるなら何も文句は無い。……無いんだ。

 

『親友を、幼なじみに寂しい想いさせといて、気取ってんじゃないっての!! 馬鹿じゃないの!?』

 

 そんなことさせた覚えは無いし気取ってもいない。……馬鹿みたいなやつに馬鹿って言われると腹が立ってくる。

 

『今のあんたに凄まれたって恐くも無いわ』

 

 …私があんなやつにムキになったって?

 

『そういうの、ふて腐れてるって言うの知ってる?』

 

「……あんたに、なにが…」

 

 段々苛々が募ってくる。

あいつの顔が浮かんでくる度、少しずつ。

気付けば起き上がり、デッキを乱暴に取り上げていた。

これを見ると、あいつの真っすぐこちらを見る綺麗な瞳がちらつく。

分からないけど、ああいう人間は苦手だ。

 

『怒るってことは自覚ありってことね』

 

「あんたに私の何が解るっての…!会って数時間だけだってのに…」

 

 

『あんたのその、世の中知ってますみたいな澄まし顔が気に入らないのよっ!! 凄まじくっ!!』

 

「っっっ……!!」

 

 我慢の限界。

ベッドに向けて力任せにデッキケースを投げ付けた。ベッドの上で跳ねてキレイに枕へ落ちた。

 

「私は……!」

 

 自信に満ちてて

 悩み事も無さそうで

 真っすぐに私を見てくる。

 二人ともすぐ仲良くなれた。

 私と真逆にあるようなやつ。

 

 

「っ…。私は、あんたの見透かすような、真っすぐさが気に入らないんだっ!! 凄まじく!!」

 

 

 行き場の無い怒り。…こんなの、ただの逆ギレだ。

 全力で壁を殴る。…痛くはない。だけど凄い音がした。

 

「ふて腐れてるって、そうだよ!!」

 

 また壁を殴る。

 

「深緒と羽月も、私と話すときよりずっと笑ってた!ああ嫉妬だよ!!」

 

 三度壁を殴る。

 

「それよりも!言いたい放題!言って!どっからその自信が来るん…だっ!!」

 

 四度、五度、六度殴り、最後に壁にあの自信満々の憎たらしい顔を思い浮かべ、全力で…殴る。

……凄まじい音はしたが壁は何とも無い。息が荒く久々に大声も全力も出したせいか汗が…。こんなこと初めてだ。

 

「——凛々?」

「っ!?」

 

 …急激に頭が冷えていく。そりゃそうだ。あれだけドタバタやったんだ。これで姉さんに聞こえてなかったら私も人修羅に片足突っ込んでいた可能性もある。

 

「…入るわね」

 

 観念…いや、反省してベッドに座り込む。

 

「…隣、座るわね」

「………」

 

 疲れたせいか返事が出なかった。

…いや、出来なかった。

姉さんに怒られるのは初めてじゃない。けど、こんなしょうもないことで怒られるのは初めてだ。

 

 

「………」

「……っ!?」

 

 

 一瞬、頬を(はた)かれると覚悟して歯を食いしばった…が、来たのは柔らかな感触。……頭を抱える形で抱き寄せられていた。

 

「…ね、姉さん…」

「もう、悪い子ね」

「……ごめんなさい」

 

 あやすように優しく頭を撫でられる。

 

「お姉ちゃんに訳、話せる?」

「……うん」

 

 気が緩んだのか、言えなかったことをたどたどしくも話した。

不良?に絡まれた友人の助太刀に入ったこと。やけに美人な女性にデッキを貰ったこと。…そしてあの馬鹿のことも。

 

「ん。色々あったね」

「…うん」

「…ふふっ♪」

「…姉さん?」

「その、サナエ?って娘。凛々の良い親友になりそうね♪」

 

 っ!? 親友…!? あんなやつと!?

 

「そ、そんなの願い下げだよ…!あんなやつ!」

「んふふ〜♪ お姉ちゃんには未来が視えるのだ〜♪」

「わぷ…、もう、姉さん…」

 

 ぎゅーってされて頭をわしゃわしゃされる。

か、髪が、苦しいから…!無駄に大きいから埋まる!

 

「ちょ、ちょっと…!」

「あん」

「ふう…。…姉さん」

「なあに?」

 

「……私に、バトスピを教えてもらえるかな?」

 

 

 

━━━━

━━━

━━

 

 

「さて。何からしようか」

 

 落ち着いたところで、頭をリセットさせる+汗を流すためにお風呂に入った後、リビングで姉さんに『バトスピ講座』なるものが開かれた。

私がバトスピを知りたいというのが余程嬉しかったのか、私がお風呂に入ってる最中に深緒と羽月を呼んだようで…

 

 

「深緒と!」

「羽月と!」

沙夜(さや)お姉ちゃんの〜♪」

 

「「「第1回!おしえて!バトスピ講座〜♪」」」

 

「………」

 

「沙夜お姉さん、この、バトスピ講座って何なんですか〜?」

「は〜い深緒ちゃん♪ この講座は、バトルスピリッツ初心者の、凛々ちゃんのために創設された個人授業の会で〜す♪」

 

 ……なんだこの茶番は。

一体うちの何処にあったのか、深緒と羽月は学者が着るような白衣を羽織り、姉さんは姉さんで何故か教師のようなスーツを着ている。更には伊達眼鏡まで装着しているという徹底ぶり。

私はというと、いつの間にか用意されていた机にバトスピの対戦アイテム一式がある席に座っている。

羽月はドライヤーで私の髪を乾かしてくれている。…ありがとう。

 

「わー。お姉さんがその格好で個人授業って言うと、なんかいやらしく聞こえちゃうよー」

「あぁん♪ 女教師と女学生!しかも姉妹という禁断の花園!キャー!」

「早く進めろ」

「「あっはい」」

「凛々ちゃん前かけるよー」

「あ、うん」

 

 

 突然の茶番から始まった勉強会モドキはまず、バトルスピリッツを構成するカードの種類から始まり、各色の特徴、相性、デッキ構築についてと思ったより本格的。

そして授業内容は貰ったデッキのことへ。

 

「凛々はデッキの中身って把握してるかしら?」

「ううん」

「ならまず、デッキを開いて内容の確認からしましょう♪」

 

 デッキを開く。

羽月が補足するには、カードを広げて並べるということらしい。開くっていうのはデッキを本に見立ててのこと。

なるほど、並べれば1枚1枚確認していくより早いか。

 

「同じカードは重ねて、される3枚ならこっち。2枚ならこっち。1枚ならこっちってグループ分けするといいよ」

「ふーん…」

 

 ケースを開けて中のカードを取り出す。

まず見えるのは、相手にトドメを刺した《アルティメット・アーク》。

ぎこちないながらも、皆が協力して分けてくれたからすぐに済む。元々このデッキにあるカードの種類がそれ程無いからでもあった。

 

「えっと。スピリットが5種の13枚ね」

「ネクサスが2種の5枚、マジックが3種の6枚だね」

「ブレイヴが3種の7枚と」

「アルティメットが…5種の11枚。合計42枚か」

 

 深緒が言うには、“構築済みデッキ”という既にデッキが組まれているような簡単な内容のデッキに似ているらしい。

 姉さん曰く『基本的な赤デッキ』。

難しいものは一切無く、ただただ殴る(アタックしまくる)。初心者に良心的な設計のようだ。

 

「ねえ凛々。対戦する早苗ちゃんの実力は判る?」

「ううん。…深緒と羽月は?」

「あー、リンリ…凛々に協力したいのは山々なんだけど、そこを話したら、ねぇ?」

「うん。こればっかりはね」

「まぁそうよねぇ」

 

 相手の知れば勝つ確率は上がるが、3人ともそれはカードバトラーとしての矜持(きょうじ)があるから、他人のデッキ内容をバラすのは躊躇われるようだ。

 

「実際バトルしたって言っても、あたしのサブデッキ使ってだったから、本番で何使ってくるか分からないよ」

「なら、今できることを最大限やりましょうか。深緒ちゃん羽月ちゃ〜ん。あれ、お願いしま〜す♪」

「「あーらほーらさっさー♪」」

 

 謎の掛け声と共に何処から出したのか四角い小さなトランクのようなものを3つ出してきた。…よく見れば中にはギッシリとカードが詰め込まれている。これ、全部バトルスピリッツのカード?

 

「お姉ちゃん、心を鬼にして、厳しくいきます!

 今の凛々のデッキは、初心者用のデッキ!構築済みのデッキそのまま!」

 

 無駄にピシッ!と擬音が聞こえてきそうに短い指し棒をこちらに向けてくる姉さん。

 

「基本的なことを押さえたら、難しいことは考えずガンガン攻めて行けばいいの。…話を聞けば、上級者っぽい人に勝ったみたいだけど、厳しく言えばビギナーズラックでしょう」

 

 それは理解できる。

『アタックする順番を間違えた』とか言っていたからそうだと解る。

 

「でも次はそうはいかないかも知れない!相手のデッキも判らない! そこでお姉ちゃん、考えました!」

「……っ」

「凛々のデッキを強化すれば良い!

 そうすればお姉ちゃん株がストップ高になるって! お姉ちゃん大好き!結婚してって!」

「今ので紙屑だよ」

 

 何か妄想を始めた姉を無視し、深緒と羽月の許可を得てケース(キャリングケースと言うらしい)を開けてカードの束を手に取る。…見たこと無いカードばっかり、って当たり前だけど。

 

「さてはてまずどうしよっか?」

「この気持ち悪い犬の代わりになるのが欲しい」

「ここまで嫌われるスラスト・シェパードェ…」

「なら、0、1、2コストのカードだね。…ん〜〜とぉ」

 

 羽月が手際よくケースからカードを取り出し手品か何かのようにカードを広げて流し見ている。いつもおっとりしてる羽月からは想像できないくらい鮮やかな手つきだ。

 

「あはぁぁん♪……あら?」

 

 

「深緒ちゃん、これピックしとくね」

「あいよー。ウィソードだけど…」

「…何か問題が?」

「こればっかりは個人の好き好きだからねぇ。この召喚時効果あるじゃない?」

「んっと…『デッキの上から4枚オープンする。その中の系統:<剣刃(つるぎ)>を持つブレイヴカード1枚を手札に加え、残ったカードは破棄する』…これが?」

「この効果で頼みのブレイヴを引き込めて“デッキを掘れる”し、合体してレベル2なら常時BP5千アップは魅力的なんだけど、万が一“エース”2枚がトラッシュに落ちた場合やブレイヴが無かったときとかがネックなんだよね」

 

 深緒が指したのは《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》と、《アルティメット・アーク》の2枚。

このデッキの切り札の2枚だ。

 

「この《炎星斧エルナト》で手札に回収できるアルティメットのコストは5。中堅アルティメットたちを回収はできるけど、エースを回収できないからね」

「よし。なら外そう」

「え? そんなあっさり…」

「不確定より、確実に手札にできるのと交換しよう」

「ならこれとかだね」

 

 カードを物色していた羽が何枚かのカードをこちらに出してきた。…《ネオ・ダブルドロー》と《ネオ・コールオブロスト》。どちらも赤のマジックカードだ。

 

「こっちは、凛々ちゃんの場にアルティメットがいたら3枚ドローできて、こっちはバースト効果じゃないとドローができないけど、メインの効果でコスト7以下の赤のスピリットかアルティメットを回収できるんだよ」

「なるほど…」

「純粋な手札増強か、何らかの効果でUアークや剣輝龍皇が落ちたり破壊されたりしたときのリカバリーか。かな」

 

 …凄まじいくらい頭使うなこれ。

既に深緒流、羽月流の構築がまとまっているんだろうけど、私はまったくまとまらない。提示されたカードを見る度、あれもこれもと入れたくなる。

こんなんでデッキが出来上がるんだろうか…。

 

 

 

━━━数時間後。

 

 時間は日付が変わる時間帯。深緒と羽月は一足先に夢の中。

私はというと、今だデッキとにらめっこ中だ。

 

「二人とも良い寝顔ね〜♪」

「ちょっかい出しちゃだめだよ」

「ふふっ♪」

 

 姉さんは明日に備えて、二人の家から色々取ってきてくれたようで。

二人のご両親からもうちの姉は信頼されているからか、特に何事もなく一式を持ってきた。

 

「凛々も、余り根を詰めすぎないようにね。差し支えちゃうから」

「うん。…でももう少しだけ」

 

 姉さん達のおかげで何とか候補は絞ることができた。あとは、深緒が言ってた試運転?とか言うので微調整をするだけか。

 

「………」

「…凛々」

「ん?」

「明日、頑張ってね」

「…うん」

「それと、人生の先輩として、ひとつアドバイス」

 

「ただ闇雲にバトルしちゃダメよ?」

 

「…?」

 

「お互い、ムカー!ってなってガー!ってなってるけど、、相手の考えを理解する努力を忘れちゃダメよ?」

 

「…あんなやつの考えなんて理解したくないなぁ」

 

「ふふっ♪ それができるようになったら、凛々もカードバトラーだね〜♪」

 

「ちょ、抱き着かないでよ」

 

 

 † † † 

 

「よしっ!お休み麗ちゃん!」

「はいお休み。やけに気合い入ってるね」

「もちろん! …麗ちゃん」

「ん?」

「私、親友ができるかも!」

「…へぇ。それは楽しみだ」

 

 † † † 

 

 

 翌日、学校の昼休み。

深緒と羽月とお弁当を突きながらデッキの話。

…昨日までバトスピの濁点すら知らなかった私がこんな話をしているとは、分からないもんだ。

 

「結局あれからどったの?」

「何とか…」

「朝ちょっと見せてもらったけど、なかなか良い感じだったよ」

 

 とりあえず形にはなった…ような。完璧かと言われたら全くそんな事はなく…。不安が残る。

 

「…?」

「? なんか…」

 

 急に廊下辺りがざわざわし始める。廊下側のクラスメイトも何事かと見始めていた。

 

 

「食事中失礼っ!!」

 

 

「っ!?」

 

 教室の扉を勢いよく開け放ち、気合いの入った凛と響き渡る声の主を見て危うく箸を落としそうになる。

 

「いたー!」

「………」

「ちょ、ちょっと!何で顔隠すの! …あ、失礼。お邪魔します」

 

 今はまだ気持ちの整理が出来ていない状態で会いたくないやつが左手に何かを持って現れた。そのため机の教科書で顔を隠して他人のフリをする。フリを決め込む。フリをさせてほしい。

 

「…ふふん♪」

「………」

 

 何でこっちに来る。来るな。

 

「こんにちは。深緒さん、羽月さん」

「ど、ども」

「こんにちは〜。早苗さん、二年生だったんですね〜」

「そう!あなたたちの先輩よ!」

 

 ビシッという擬音が聞こえてくるようなぐらいにこれでもかと左胸の学年バッジを見せ付けてくる。

うちの学校は学年をバッジを表す。学校のイニシャルにリボンに線。

一年のは青のリボンに白線が1本。

二年は緑のリボンに白線2本。

三年は赤のリボンに白線無しでバッジに金縁が追加される。

 

「椅子、借りていいかしら?」

「ど、どうぞ!」

 

 近場にいた篠崎さんの許可を得て、椅子を借りてこちらの卓に入ってきた。

何しに来たんだ一体…。

 

「あのー、一体どんな…」

「強いて言うなら、一緒にお昼を食べようかと」

「…それだけ?」

「本当のところ、今朝偶然あなたたちがうちの生徒だって分かったから会いに来たってぐらいよ」

「そうなんですか〜」

 

 そう言って持っていた包みを開けると、それはお弁当箱だった。

私達のに比べて気持ち大きめ。

 

「ほら凛々もいつまで顔隠してんの」

「そいつが帰ったら」

「もう凛々ちゃん」

 

 昨日の今日でよく顔合わせられるなぁこいつも。深緒と羽月が嫌がってないから無下にできないのが辛い。

だから食べ終わるまでは片手に教科書で壁を作りやり過ごすことにする。

 

「むっ」

「………」

 

「意地でも顔合わせたくないんかい」

「もう少し見てようか」

 

「…ぬん!」

「あっ」

「私と!お食事!しましょうよ!」

「近い、近いから…!」

 

 急に教科書が取り上げられ間近にやつの顔が迫る。私がちょっとでも前に出ようとすればぶつかるぐらい近い。…驚いて思い切りのけ反る。

 

「今更臆したのかしら?」

「顔近いって言ってんの…!」

「ふふんっ。あなた、昨日より良い顔してるわ」

「…はぁ?」

「これは対戦が楽しみね…♪」

 

 この…。

余裕の表情で椅子に座り直すあいつ。調子狂わされっぱなしですごくムカつく。

…私も体勢を直して、ちらっと廊下側に視線を向ける。

すると、何人も扉からこちらをのぞき見ていた。反対側もそうだ。そりゃ二年生が一年の教室に乱入してきて一緒に昼食を食べてれば見られて当然だが……視線の意味が何か違う。

 

「おお! 早苗さん、これは幻のおかず、キンピーラ!」

「最近やっとできるようになったのよ♪ …味は保障できないけど。…凛々!」

「っ!?」

「ちょっと味見してごらんなさい」

「全力でお断り」

 

 そのキラッキラの期待しているのか調度良い毒味役を見つけたかのような目を止めろ。

や、止めろ!差し出してくるな!

 

「ほら!」

「い、いらないっての!」

「遠慮しない!ほら!深緒さん、羽月さん!」

「「あーらほーらさっさー♪」」

「み、深緒!?羽月!? この裏切り者おおぉぉっ!?」

 

 深緒と羽月に両腕をとられ、首を固定される。

 

「故あれば面白そうな方へ裏切るのさ!観念しなリンリン!」

「リンリン言うな!」

「凛々ちゃん、食べるだけなんだし食べちゃなよ〜」

「ふふふっ!キンピーラで凛々に指定アタック!」

「ふ、フラッシュ!フラッシュ!」

「残念ながら指定アタックなんだ凛々」

「強制ブロックだから牡牛座と同じくブロックされたら…だよ〜」

「やぁめろおおおおぉお゛ぉ゛ぉ゛っっ!!」

 

 ……抵抗はしてみたが、無駄だった。ムカつくくらい美味しかった。

 

 

「ご馳走さまでした」

「「ご馳走でしたー♪」」

「…ご馳走さま」

 

 昼食も食べ終わり片付けをしていたとき、こちらを見ている早苗の視線に気が付いた。

 

「さて。三人の顔も見れて腹も膨れたし、お暇するわ」

「まだ時間ありますよー?」

「それもいいけど、凛々がいい顔しないからね」

「凛々ちゃーん」

「私のせい…?」

 

 そりゃまぁちょっとはぶすっとしてたとは思うけど、周りの目もあるのだろう。お弁当箱を包み戻る準備をし始める。

 

「鴇峯凛々。放課後のバトル、楽しみにしているわ!」

「………」

「ふふっ。それじゃあ、お邪魔しました。また放課後に」

「また後でー♪」

「どうもー♪」

 

 宣戦布告して颯爽と教室を後にした早苗。

こういうのってどう反応していいのか困る。

 

「…はぁ」

 

「ねぇねぇねぇちょっとちょっと!」

「?」

 

 すると教室の数名がこちらの卓にやや興奮して集ってきた。…な、何?

 

「三人とも藍河(あいかわ)先輩と知り合いなの!?」

「かなり親しかったみたいだし!」

「鴇峯さんなんか超顔近かったし!」

 

 …何? あいつ人気者なの?

あんなのが!?

 

「知らないの? 結構有名なんだよ!」

「竹を割ったような性格!凛々しい顔立ち!それに優しい!一年、二年から結構人気があるんだよ! 三年生はどうかは知らないけど」

「ファンクラブみたいなのもあるみたいだよ」

「…へぇ」

 

 それは知らなかった。…いや別に知りたくなかった。結構嫌ぁなやつに絡まれたと嘆くしかない。

ああいうののファンクラブって、ちょっとしたことで目の敵にされてしまったりするから厄介。中学のときそれを他校で目撃したことがある。

 

「しかも鴇峯さん、先輩とバトスピするんでしょ?」

「しかも『楽しみにしてるわ!』ってフルネームで言われてたし!」

「いや…」

 

 口喧嘩したとかさすがに言えない。

一方的だったし、私の態度が気に食わなかったのも原因だ。

 

千歳(ちとせ)さん、朝比名(あさひな)さんは?」

「あたしと羽月は何回かバトルはしたよ。本デッキじゃなかったけど」

「「いいなぁ〜!」」

 

 そんなにいいのかあいつと対戦するのが。

それから昼休みが終わるまで質問攻めに遭ってしまった。これも全部あいつが悪いんだ…。

 

 放課後。荷物をまとめ帰る準備をしていたとき、深緒と羽月の携帯に着信が入る。着信相手はあの早苗らしく、先にカードショップで待っていろとのこと。

 

「荷物置いて着替えたら行く?」

「制服のままでもいいんじゃないかな? 凛々ちゃんは?」

「なら、着替えてからでいいかな」

「んじゃパパッと準備して行くどー!」

 




茶番が長くなったのは、これもすべてキャラクターたちが喋りまくるせいなんだ…。(謝罪)
理由付けが長くなってしまったとも言います(開き直り)
後半に続きます。


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Step.01-b『諦めるもんか…!』

さて後半はバトルです。
しかしこう、展開が強引にしすぎた感が否めません…。


構築済みデッキ「ソウルデッキ【烈風忍者】」発売中!
更に7月25日に【烈火伝 第2章】も発売予定!


 準備を終え現在昨日のカードショップ。

まだ店内に早苗の姿は見えない。…気のせいかお客が昨日より多いような?

 

「さって凛々。最終調整としてバトルしとく?」

「…やろうか」

「お、凛々ちゃん乗り気」

「まぁ。それに…」

「それに?」

「2人とも…対戦してみたかったし」

「なんだこの凛々天使か」

「照れながら言うところがまた可愛い〜♪」

「…や、やっぱ止めとく!」

 

 か、からかうならもう対戦しないし!

 

「やややごめんごめん! ほらほら見てごらんリンリン、あたしのデッキだよ〜」

「だから!リンリンって言うな!」

 

 結局対戦はせず、デッキを見てもらい、最終的なアドバイスを貰うことになった。試運転もせずぶっつけ本番ってなかなか無謀だと私も思う。

 

「赤を使うなら、“攻撃は最大の防御”ってのを心掛けるといいかもよ」

「猪突猛進はさすがに無謀だけど、アタックした後の事も見据えて動くのもね。赤は白みたいに何でもかんでもできる訳じゃないから」

「…ただ攻撃しまくればいいだけじゃないんだ」

 

 

 

「待たせたわね!」

 

「きた!早苗さんきた!」

「メイン先輩きた!」

「「これでバトる!」」

「何なのそれ…」

 

「私に会いたいと呼ぶ凛々と友人のために私は【神速】を使って普通ならまだ付かない時間できょうきょ参戦することができた!」

 

 私は一言もあんたに会いたいなんて口した事は一切無い。

 

「神速って、私を足に使っただけだろうに…」

「だって!麗ちゃんがモタモタしてるからでしょ?!」

「ものは言いようだねまったく」

 

 早苗に続いて来たのはあの美人さん。どうやら早苗を車で送ってくれたよう。

…美人さん、前は普段着だったのに今日はレディスーツで髪型も決まっている。見た目何処かのホステスみたいな感じだ。

 

「やあ凛々君。昨日は早苗がすまなかったね。私から謝らせてほしい」

「い、いえ…、そんな…」

「言い方はキツいしヒステリー気味だけど、ストレートなだけで悪気は無いんだ」

 

 美人さんに謝られてしまった。

そんなウインクしながら謝られたら許すも何もない。

 

「ちょっと麗ちゃん!聞こえてるんだけど」

「聞こえるように言ったからねぇ。じゃあ私はお仕事行ってくるから、終わったら…」

「はいはい!連絡すればいいんでしょ!」

「うん。それじゃあ早苗をよろしく」

「…はい」

 

 そう言い残し颯爽と…こういうところは似てて従姉妹なんだなって思う。

 

「ほんと一言二言余計なんだから…」

 

 こっちは学校で見た時とオフの時っていうのか、そういうのが違う。

どっちでもハイテンションだけど、あの人と一緒の時は我が儘娘みたいになる。子供っぽくなるというか。…ファンクラブはそれを知っているのか?

 

「まあいいわ。さあ凛々!約束のバトルよ!」

「っ…」

「バトルの理由は…もうどうでもいいわ」

「……は?」

「ふふん♪」

 

 あの余裕、やっぱりムカつく。

負けてもいいなんて思わない。一発デカいのかまして焦る表情を引き出せたら私の勝ちだ。私がそうする。

 

「『叢空(そうくう)』の 藍河(あいかわ) 早苗!

 参ります!!」

 

 

    VS 藍河 早苗

     【???】

 

 

 お互いデッキを渡し混ぜる。シャッフルだっけ。そして返す。

…しかしソウクウって、何? 厨二病ってやつかな。

 

「早苗さん“称号持ち”だったの!?」

「…称号?」

「簡単に言うと、大会で優勝したときに貰える名誉だよ凛々ちゃん!」

「大会優勝…」

「………」

 

 マジで? …でも早苗は不服そうな顔をしてる。簡単に説明されてご立腹なのか?

 

「いいえ。称号は返しました」

「…返した?」

「その理由はバトルが終わったら話すわ。今はこちらに集中を」

「…うん」

 

 あの目、あね表情。この話題は早苗にとって汚点なのか。

 

 

<早苗・先攻第一ターン>

「先攻はこちら! 叢空の第一ターン!スタートステップ!」

(リザーブ4)

 

「ドローステップ!」

(手札4→5)

 

 さっきの事は後回しにして、こいつ山札1枚引くのにどうしてこう格好付けるのか。最初の4枚も1回で綺麗に4枚引けるとか曲芸の域だ。

私なんか1枚1枚取ってるのに…。

 

「それあたしらもできるよ?」

「え」

「はいっ」

「ほら」

「………」

 

 深緒と羽月も自分達のデッキで同じように1回で綺麗に4枚の手札にした。……なんか腹立つ。

 

「慣れれば凛々できるようになるわ。メインステップ!

 まずはネクサス《三つ首竜の海賊旗》を配置!」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→3)

 

「おっ、青だ!」

 

 早苗がまず出してきたのは外枠が青のカード。

たしか、行動に色々制限を掛けたり何回も攻撃してくる色だったっけ。

 

「続けてバーストをセット!」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

「まずはこれでターンエンド!」

 

<凛々・後攻第二ターン>

「私の番。…スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。……《大旗艦ドラグニック》を出す」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「…これを伏せて、終わり」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

<早苗・第三ターン>

「ふむ、まぁ良い手じゃないかしら。叢空の第三ターン、スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ2→5)

 

「メインステップ。ネクサス、雷鳴棲まう海!《雷海域》を配置!」

(手札4→3)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→2)

 

「ルビはもう振ってるけど、かみなりじゃないわ!いかずちよ!」

「雷…回避成功200回…七曜…うっ、頭が…!」

 

 深緒と早苗が何かやってるけどサッパリ理解できない。羽月が理解して笑ってるけど…。理解した方がいいのかな?

 

「更にマジック《ストロングドロー》を使用!」

(手札3→2)

(リザーブ3→2)

(トラッシュ2→3)

 

「3枚ドローし、2枚破棄! 破棄するのは《光灯る三叉灯台》と《海の主の大口》!」

(手札2→5→3)

 

「ふむ。続けて《生還者バディ》をレベル1で召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→4)

[生還者バディ コア1 レベル1 BP2000]

 

「アタックステップ!」

「っ!」

「雷海域の効果!【招雷】を持つ私のスピリット全員のBPをプラス2千!」

[生還者バディ BP2000+2000=4000]

 

「バディでアタック!」

「通すよ!」

「そこは“ライフで受ける!”と言いなさいな!」

「ら、ライフで…受ける…」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

 こ、このライフで受ける〜って少し恥ずかしい気がする…。

それより、私のネクサスがあるのにアタックしてきたのはどうしてだろう。早苗のネクサスでBPが上がっていても、私のラインを突破してない。

 

「早苗の攻撃で私のライフが減ったから、大旗艦ドラグニックの効果。BP5千以下のそのスピリットを…」

「いいえ。バディは破壊されない」

「は? …無敵バリアとか子供じみた言い訳?」

「バディレベル1からの効果よ。相手からの効果では破壊されないの」

 

 破壊されないってそれズルじゃないの…?

 

「……効果って」

「解りやすく言えば“間接的に”と言えばいいかしら。BPは直接的、効果は間接的」

「大体分かった。ならバーストを使う」

「ほう、なるほど」

「バーストは《テスタロッサ・ドラゴン》」

{凛々バースト:セット→発動→召喚}

(リザーブ2→0)

[テスタロッサ・ドラゴン コア2 レベル2 BP6000]

 

「出した時…召喚時効果だっけ。BPをプラス1万する」

[テスタロッサ・ドラゴン BP6000+10000=16000]

 

「なるほど。ターン中効果とはいえ“次に対して壁を立てた”ということね」

「…次?」

「バトル終了時、バディの【招雷 5/6】発揮!」

「っ!」

「バディを破壊し、私の手札にあるバディと同じ系統と指定されたコストのスピリットをノーコストで召喚する!」

 

 ノーコスト!? どうしてこう皆ノーコストばっかり使うのか。

 

「来たれ!コスト5《巨人銃士クリフォード》!

 レベル1で、コーリングサンダー!」

(早苗手札4→3)

[生還者バディ コア1→0 消滅]

[巨人銃士クリフォード コア1 レベル1 BP5000+2000=7000]

 

青 スピリット

生還者(サバイバー)バディ》

コスト3 軽減青2 <護将・闘神>

<1> Lv1 BP2000

<2> Lv2 BP3000

<4> Lv3 BP5000

シンボル:青

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットは、相手の効果で破壊されない。

Lv1・Lv2・Lv3【招雷:コスト5/6】『このスピリットのバトル時』

バトル終了時、このスピリットを破壊することで、自分の手札にあるこのスピリットと同じ系統を持つコスト5/6のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚する。

 

「スピリットが出てきた…」

「更にクリフォードでアタック!クリフォードも雷海域の効果でBPが上がっているからそちらのネクサスには引っ掛からないわよ!」

「っ…。こっちに1万6千のテスタロッサ・ドラゴンがいるの忘れてはいないよね」

「ええもちろん。【招雷】の弱点は発揮するまでに生き残ってなければならないこと」

 

 つまり返り討ちにするなりして仲間を呼び出される前に倒してしまえばいいってことでしょ。

 

「テスタロッサ・ドラゴンで防御。返り討ちだよ」

「ふむ。…しかし!私のもう1枚のネクサスを忘れてもらっては困る!」

「っ!?」

「三つ首竜の海賊旗、レベル1からの効果! 【招雷】を持つ私のスピリットがBP比べで負けても発揮することができる!」

「は…!?」

 

青 ネクサス

《三つ首竜の海賊旗》

コスト3 軽減青2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:青

Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』

BPを比べ【招雷】を持つ自分のスピリットが破壊されたとき、そのスピリットの【招雷】の効果を発揮できる。

Lv2『自分のアタックステップ』

【招雷】を持つ自分のスピリットがブロックされたとき、自分はデッキから1枚ドローできる。

この効果でドローしたとき、自分は手札1枚を破棄する。

 

「クリフォードの【招雷7/8】!

 呼び出されるのは、私の“右腕”!」

「っ!?」

 

「雷鳴纏いて現れよ!

 大いなる荒波の超闘士!コスト7!

 《戦輝神ゼルドナーグ》!

 レベル1で、招ぉぉ雷ぃぃ!!」

(手札3→2)

[巨人銃士クリフォード 破壊 コア1→0]

[戦輝神ゼルドナーグ コア1 レベル1 BP6000]

 

 力強く手札から叩き付けるように出したのは前1つのキラキラしたカードとはまた違った、私のアルティメット・アークと近い光り方をしたカード。

これが早苗の切り札…。

 

「出た!光の青のXレア!」

「早苗さん格好良い!」

「Xレア…」

「さあ、青き超闘士の勇姿を特とご覧あれ!」

 

 その自信満々に語るのは何なんだ。

自分から勝てる手段を置いていくなんて、どういう考えをしてるのか。…やっぱりこいつは理解できない。

 

「まだアタックステップは継続してるわ! ゼルドナーグで、アタック!」

「っ!」

「アタック時効果! 凛々のデッキの上から5枚破棄!」

「えっ!?」

「青の特技の1つ、“デッキ破壊”!」

「ご、5枚…」

 

 と、とにかく上から5枚トラッシュに置けばいいの?

 

「凛々、上から1枚ずつ表にしてトラッシュにカードを置くんだよ」

「わ、わかった…」

●破棄されたカード

・《リューマン・インフィニティ》

・《サンブレイカー》

・《紅炎竜ヒノコ》

・《火槍アルタイル》

・《鳥星鎧シソバード》

 

「っ!?」

「風鳥座のブレイヴ…」

 

 姉さんから貰ったカードが…!

それに1枚しかないサンブレイカーまで!?

 

「破棄したカードの中にマジックカードを確認! ゼルドナーグに青のシンボル1つ追加!」

[戦輝神ゼルドナーグ シンボル青+青=青青]

 

 カードを重ねてないのにシンボルが2つに…!?

 

「さぁ、受けろダブルシンボルを!!」

「…ライフで、受ける!」

(凛々ライフ4→2)

(リザーブ0→2)

 

「ターンエンド!」

 

 たった1ターンでライフが3ても無くなった…。

これが、早苗のデッキ…!

 

<凛々・第四ターン>

「…くっ」

(リザーブ2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

「…メイン。《リューマン・スカイハイ》を出す」

(手札4→3)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ0→2)

[リューマン・スカイハイ コア1 レベル3 BP5000]

 

「このスカイハイが出たとき、こっちにあるこのカードが手札に戻る」

「ふむ。リューマン・スカイハイは<次代>アルティメット。そしてインフィニティの効果で手札に戻ると」

[リューマン・インフィニティ 手札に]

(手札3→4)

 

「次、《炎星斧エルナト》をスカイハイに直接重ね「直接合体(ダイレクトブレイヴ)よ!」…重ねる」

「ちょっと!」

(手札4→3)

(リザーブ4→3)

(トラッシュ2→3)

炎星斧エルナト

  ↓ 直接合体

リューマン・スカイハイ(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「合体アルティメット…。いかな程か」

「エルナトを出した効果。捨てられた《紅炎竜ヒノコ》を手札に戻す」

(手札3→4)

 

「次、《リューマン・インフィニティ》を出す」

(手札4→3)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ3→4)

[リューマン・インフィニティ コア1 レベル1 BP3000]

 

「えっと…、スカイハイにコアを移して…」

(リザーブ1→0)

[テスタロッサ・ドラゴン コア2→1 レベル2→1]

[リューマン・スカイハイ(合体) コア1→3 レベル3→4 BP5000→9000+3000=12000]

 

「…アタックステップ。インフィニティで攻「アタック!」…攻撃」

「ちょっと!」

「インフィニティの効果で1枚、スカイハイの効果で1枚引く」

(手札3→5)

 

「なるほど。インフィニティ自身の1ドロー効果にスカイハイの<リューマン>全体に1ドローを追加する効果が噛み合っているということね」

「さっさとライフで受けなよ」

「ライフで受けますとも!」

(早苗ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ライフ減少によりバースト発動!

 《ディクタトールレギオン》!」

{早苗バースト:セット→発動}

 

「ボイドからコア2つを私のネクサス1つに置く! 置くのは雷海域!」

[雷海域 コア0→2 レベル1→2]

 

「追加コストは支払わずそのまま!」

 

 ただコアを増やしただけ…? まぁいいや。エルナトの効果があればあの海域を退けられるし。

 

「スカイハイで…」

「待った!」

「っ!」

「雷海域レベル2の効果! 凛々のアルティメットは、アタックしたければリザーブにあるコア2つをトラッシュに置かなければアタックはできない!」

「はっ!?」

 

 リザーブのコアって、空っぽだっての…!それじゃあスカイハイがアタックできないじゃん!

 

「……ターンエンド」

 

<早苗・第五ターン>

「叢空の第五ターン、スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

(手札2→3)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メインステップ。…凛々」

 

「ん?」

 

「何故斜に構えて世界を見ているの?」

 

「…質問の意味が解らない」

 

 急に何だ。私の態度が気に入らないって言ってたけど、今の状況と何も関係は無いはずだ。

 

「そのデッキ、深緒さんと羽月さんらの知恵を貸してもらい組み上げたものでしょう。最終的な詰めとカードの決定は凛々が決めて」

 

「…そうだけど」

 

「ふむ。ならどうしてあのときつまらないような顔をしていたの」

「………」

 

「あの不良どもに食ってかかる度胸も、友達を守る勇気も、私に言われて逃げずに立ち向かうしたたかさもあるというのに」

 

「………」

 

「楽しくないの? 深緒や羽月達と一緒にいて」

 

「あんたが2人を呼び捨てにすんな! 楽しくない訳なんて無い!」

 

「なら捻くれてないで、2人の近くに行けばいい!」

 

「だから、あんたに何が解るっての!」

 

「解らないわね! ぶーたれてるだけで話そうともしないお子ちゃまの考えなんて!」

 

「おこ…!? 言わせておけば…!」

 

「怒るってことは自覚有りね!」

 

「うるっさい自己中我が儘厨二病!」

 

「なっ!? 厨二病はまだしも自己中に我が儘ですって!?」

 

「ふん!怒るってことは自覚有りってことなんでしょ?!」

 

「減らず口を…!」

 

 

「あの2人何で喧嘩してんの?」

「さあ? …早苗さんが昔の自分見てるみたいだからとか?」

「あ〜ありそう。でも何か姉妹喧嘩に見えなくもないね」

「あ、たしかに♪」

「うんうん。…てか早くバトル再開しないかなぁ」

 

 

 ああもう埒が明かない!

どうやったらこいつの口を閉じることができる!

 

「大体、私に言われて腹が立ったのなら殴るなり蹴るなりすればよかったんじゃないの?! 腕に自信はあるんでしょ!」

「誰とも知らないやつをすぐさま殴るほど子供じゃない!」

「だからわざわざこちらの土俵に?」

「そうしないと泣かせちゃうからさ」

「ああそう! ならここに立ったことで泣かせてやるわ!」

「言ってろ!」

「そして!」

「っ!?」

 

「バトルスピリッツが面白いものだっていうのを、叩き込んであげるわ」

 

「………」

 

「このターンで決める!

 “裏黄道十二宮、天秤の魂が一つ!”

 《天秤星鎧ブレイヴリブラ》!

 戦輝神ゼルドナーグへ、直接合体!!」

(手札3→2)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→2)

天秤星鎧ブレイヴリブラ

  ↓ 直接合体

戦輝神ゼルドナーグ(合体)

[コスト:7+5=12]

[BP:6000+5000=11000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「おおっ!早苗さん裏天秤座まで仕込んでたんだ!」

「驚くのはまだ早い! 召喚時効果により、トラッシュ、または手札のネクサス1枚をノーコストで配置する!」

「っ!?」

「私はトラッシュの《光灯る三叉灯台》を選択しノーコスト、レベル2で配置!」

(リザーブ4→2)

[光灯る三叉灯台 コア2 レベル2]

 

「更に三叉灯台の配置時効果!……は、手札にブレイヴカードが無いから発揮しない!」

 

 何度も何度もノーコストって、それだけやってるならこのコアを使う意味あるのか解らないじゃん!

 

「ではアタックステップ!

ここで三叉灯台レベル2の効果発揮! 私の<闘神>スピリット全員のレベルを最大にします!」

「なっ…!?」

[戦輝神ゼルドナーグ(合体) レベル1→3 BP6000→12000+5000=17000]

 

青 ネクサス

《光灯る三叉灯台(さんさとうだい)

コスト6 軽減青3

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:青

Lv1・Lv2『このネクサスの配置時』

自分の手札にあるブレイヴカード1枚をコストを支払わずに召喚できる。

ただし、『このブレイヴの召喚時』効果は発揮されない。

Lv2『自分のアタックステップ』

系統:<闘神>を持つ自分のスピリットすべてを、そのスピリットが持つ最高Lvとして扱う。

 

「ゼルドナーグ、合体アタック!!」

「来た…!」

「まずゼルドナーグのアタック時効果により5枚破棄!」

「また5枚…」

「更に!」

「っ!?」

「ゼルドナーグレベル2からの効果、【強化(チャージ)】! デッキ破棄枚数を更に1枚増やす!よって6枚破棄!」

「6枚!?」

●破棄されたカード

・《リューマン・リベリオン》(スピリット)

・《ドラゴニックウォール》(マジック)

・《炎星斧エルナト(2)》(ブレイヴ)

・《リューマン・インフィニティ(2)》(スピリット)

・《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》(アルティメット)

・《リューマン・インフィニティ(3)》(スピリット)

 

「剣輝龍皇が…!」

「ふふっ!マジックカード確認!青シンボル1つ追加!」

[戦輝神ゼルドナーグ(合体) シンボル青+青=青青]

 

「デッキが少なくなってきた…」

「まだまだ!裏天秤座の合体アタック時効果も発揮! デッキから1枚、【1強化《ワン・チャージ》】によって2枚破棄!」

「まだ棄てさせる気!?」

●破棄されたカード

・《太陽神剣ソルキャリバー》(ブレイヴ)

・《リューマン・スカイハイ(2)》(アルティメット)

 

「破棄した中にアルティメットカード確認!戦輝神ゼルドナーグは回復する!」

[戦輝神ゼルドナーグ(合体) 疲労→回復]

 

青 スピリット(光)

戦輝神(せんきしん)ゼルドナーグ》

コスト7 軽減青3 <闘神>

<1> Lv1 BP6000

<2> Lv2 BP8000

<5> Lv3 BP12000

シンボル:青

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

相手のデッキを上から5枚破棄し、マジックカードが破棄されたとき、このスピリットに青のシンボル1つを追加する。

Lv2・Lv3【強化】

自分の「相手へのデッキ破棄効果」の枚数を+1枚する。

Lv3『このスピリットのアタック時』

このスピリットが相手へのデッキ破棄効果を発揮したとき、相手の効果で1枚も破棄できなければ、ターンに3回まで、このスピリットは回復できる。

 

青 ブレイヴ

《天秤星鎧ブレイヴリブラ》

コスト5 軽減青3 <造兵・光導>

<1> Lv1 BP5000

<0> 合体 +5000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

自分の手札/トラッシュにあるネクサスカード1枚を、コストを支払わずに配置できる。

【合体条件:コスト5以上】

【合体時】『このスピリットの合体アタック時』

相手のデッキを上から1枚破棄する。

この効果で相手のトラッシュにスピリットカード/アルティメットカードが1枚以上置かれたとき、このスピリットは回復する。

 

「ダブルシンボルとデッキ破壊に追撃の回復効果でダメージはさらに加速する!」

「っ…!」

 

 まだだ、まだ諦めるもんか…!

 

「スカイハイで守る! こっちも効果でデッキ破棄してやる!」

「Uトリガーね。…コスト5、スピリット《星海の海賊ペルセース》!」

「当たり! スカイハイのBPを━━」

 

「トリガーカウンター!」

 

「っ!?」

 

「カウンターマジック、《スワロウテイル》!」

(手札2→1)

(リザーブ2→1)

(トラッシュ2→3)

 

「トリガーカウンターは相手のUトリガーがヒットしたときに割り込んで使える効果!」

 

 割り込み!? そんなルールあったの!?

 

「ヒットしたのは青のカード。よって効果使用制限を満たした! このターン中、スカイハイの効果は全て発揮されない!」

「なっ!?」

 

青 マジック

《スワロウテイル》

コスト3 軽減青2

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■ヒットしたカードが青のカードなら、このターンの間、相手のアルティメット1体の効果は発揮しない。

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。その後、自分は手札1枚を破棄する。

 

「効果が発揮されないって…」

「つまりトリガーも無効!」

「っ!」

 

 …太刀打ちできなくなった。あと5千足りない…!

 

「悔しがっているところ悪いけど、フラッシュタイミングをもらうわ!」

「っ、まだ…」

「マジック《ランダムボム》! ゼルドナーグに青シンボル2つ、海賊旗、雷海域、三叉灯台合わせて5つにより5軽減!」

(手札1→0)

(リザーブ1→0)

[雷海域 コア2→0 レベル2→1]

(トラッシュ3→6)

 

「凛々の手札を1枚、確認させてもらうわ。ああ、裏のままでいいから」

「………」

「このマジックの効果は、確認したカードのコスト以下のスピリット、アルティメット1体を破壊するの」

 

青 マジック

《ランダムボム》

コスト8 軽減青6

フラッシュ:

自分は、相手の手札1枚の内容を見て、そのコスト以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

 

「私が狙うのはテスタロッサ・ドラゴンを破壊できるコスト」

 

「………」

 

「そしてそれを凛々は引いている」

 

「っ…」

 

 早苗の手が伸び、私の手札1枚を掴む。

 それをゆっくりと引き抜いた。

 

「…ほら、《アルティメット・アーク》を引いてるじゃない」

「っ…!」

●確認したカード

・《アルティメット・アーク》(コスト7)

 

「Uアークのコストは7!よってコスト7以下のスピリット、テスタロッサ・ドラゴンを破壊!」

[テスタロッサ・ドラゴン コスト6 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

「改めて、スカイハイとバトル!」

 

Brave Attack!!

戦輝神ゼルドナーグ+天秤星鎧ブレイヴリブラ

BP12000+5000=17000 →win!!

   vs

Brave Defense!!

リューマン・スカイハイ+炎星斧エルナト

BP9000+3000=12000 →Lose...

 

「スカイハイ…!」

「打ち砕け!!」

[リューマン・スカイハイ 破壊]

[炎星斧エルナト 残留 コア3 レベル1 BP3000]

 

「くっ…」

「2度目の合体アタック!次は先に裏天秤座の効果で2枚破棄!」

●破棄されたカード

・《リューマン・リベリオン(2)》(スピリット)

・《フェイタルドロー》(マジック)

 

「スピリットカード確認。回復!」

[戦輝神ゼルドナーグ(合体) 疲労→回復]

 

「更に6枚破棄!」

●破棄されたカード

・《火槍アルタイル(2)》(ブレイヴ)

・《テスタロッサ・ドラゴン(2)》(スピリット)

・《アルティメット・ドラコレックス》(アルティメット)

・《大旗艦ドラグニック(2)》(ネクサス)

・《アルティメット・シュリケラプトル》(アルティメット)

・《ネオ・ダブルドロー》(マジック)

 

「マジックカード確認!青シンボル追加!」

[戦輝神ゼルドナーグ(合体) シンボル青+青=青青]

 

「……くそっ」

 

「悔しいけど、やはり凛々には光るものがあるわ。麗ちゃんが言った通りに」

 

「…何、勝者の余裕?」

 

「褒めてるのよ。…もしここで決められなかったら、負けていたのは私だった」

 

「………」

 

「悔しいと感じるなら、私を殴りたいって思う反骨の心があるのなら、深緒と羽月、色々な人と戦い、強くなりなさい」

 

「強く…」

 

「それまで待っていてあげるわ」

 

「……いつかその余裕、必ず泣かす」

 

「それは楽しみ。…ゼルドナーグはダブルシンボル!」

 

「……負けた…!」

 

(凛々ライフ2→0)

 

 

〔winner!! 藍河 早苗〕

 

 

 

「……はぁ…。こんなやつに負けたか…」

「こんなやつは余計よ。それより凛々」

「…何?」

「これで私とあなたは“マジダチ”よ!!」

「嫌」

「えっ」

「嫌」

「…マジダ」

「嫌」

「………」




今回の相手は謎(モロバレ)の麗人の従姉妹
vs藍河 早苗の青でした。
ぬわぁんデッキ破壊疲れたもーん!

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


※余談
早苗のデッキはとある人のお下がりで、自分なりに組み替えてつかっています。


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Step.02『先輩で先生だもん』

(白夜と暗夜を行き来してて)遅くなりました。
その割にバトル内容がうっすいものになってしまいました。お願い許して!


烈火伝第2章の発売も近づいてきました。
情報もちょくちょくで出揃ってきてますね。


※ミスが確認されたためバトル内容が一部変わってしまいました。
 勝敗に変更はないようです。


 早苗に挑まれた勝負。

お互い気に入らない事もあり、殴り合いの喧嘩ではなく、バトルスピリッツにて勝負を決めることになった。

 

 結果は私の負け。

経験の差がある以上、負けるのは必然だったか。…でもカードゲームだ。運がよければ勝てたかも知れない。

 

 

「ほら凛々〜。早苗さん落ち込んじゃったじゃ〜ん」

「しらないよ」

「………」

 

 対戦が終わった後、早苗がマジダチ〜とか訳の判らない事を言い出した。

羽月に聞けば、バトスピのアニメで主人公がそんなことを言っていたんだとか。迷惑な話だ。

その早苗本人はというと、お店の隅っこで立ったまま壁に向かって頭を付けて落ち込んでいた。漫画とかにある暗〜い何かが見えそうになる。それを深緒が背中を摩って慰めている。

 

「ほら早苗さん。凛々も本気でヤ〜って言ってる訳じゃないですって〜」

「……ぐすっ」

「あーほらほら早苗さーん。ほら見て見て青のカードだよー」

「…青のカード?」

「はーい」

「…ってこれ《青嵐帝 阪口》…何処から持ってきたの!?」

 

 

「ねぇ凛々ちゃん。反省会しよっか」

「反省会?」

「うん。今回早苗さんとバトルして負けた原因」

「…そう言われても…」

「だよねぇ。早過ぎてわかんないよね」

 

 羽月が提案してきた反省会。

と言われても、何を何処をどう反省したらいいか解らない。

 

「じゃあ、決め手になったのはどこかな?」

「……バディとかいうのを出してから?」

「そうだね。でもちょっと惜しいかな」

「?」

 

 羽月が指差す盤面は、さっきの対戦が終わったままの状態。

早苗の場にスピリットは3枚くらいとブレイヴが1枚。この2枚の組み合わせは頭おかしい。

 

「早苗さんの《巨人銃士クリフォード》のアタック辺りだね」

「ふむ…」

「この時の早苗さんの手札は3枚、リザーブは0。凛々ちゃんのライフはバディのアタックを受けていて残り4」

 

 羽月よくあの場面を覚えてるな…。

 

「クリフォードのアタックを、凛々ちゃんはバースト召喚されたテスタロッサ・ドラゴンでブロックした。多分、決したのはここだよ」

「…?」

「結果論だけど、ここでクリフォードのアタックを通していれば、次のゼルドナーグを受け止められたよ」

「…マジ?」

 

 羽月が言うには、守るタイミングを間違えたのが敗因という教え。

 

「あの時点でリザーブのコアは0でしょ?

 なら、ここで早苗さんが取れる手段、1万のBP差を返す手は無い。…“コスト参照破壊”ていうのもあるけど、今は置いといて。あ、早苗さーん!デッキ見てもいいですかー?」

 

「どうぞー…」

 

「ありがとうございまーす。…さてさてー……あ、やっぱ入ってたかー」

「ん?」

「アルティメットカード。これ《アルティメット・レーヴェン》」

「…アルティメットカード」

 

 早苗も持ってたんだ。私だけじゃなかったんだ。…いやそりゃそうだろう何考えてるんだ私。

 

「これをクリフォードと一緒に出されてたら完璧にアウトだったけどね」

「見てもいい?」

「それは早苗さんに聞いてね♪」

「……羽月が読んで」

「そこまで?」

 

青 アルティメット

《アルティメット・レーヴェン》

コスト7 軽減青3 <新生・獣頭>

【召喚条件:自分の青スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP12000

<2> Lv4 BP14000

<5> Lv5 BP19000

シンボル:極

手札にあるこのアルティメットカードは、【招雷】で自分のスピリットが召喚されたとき、コストを支払わずに召喚できる。

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

コスト1/2/3/4の相手のスピリット1体ずつを破壊する。

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

Uトリガーがヒットしたとき、コスト5/6/7の相手のスピリット1体ずつを破壊する。

 

「……デタラメもいいとこじゃない」

「だよね〜。出た当時は私もビックリしたけど、そうそう1から7が並ぶことは無いから大丈夫だよ。よくて2、3体くらいだし」

「…そうなんだ」

 

 羽月はほわほわしてそうに見えて実のところ抜け目無かったりする。

今話してるデッキやカードのことだって、悩みそうなところをさらりと流す辺り、やっぱりよく見ているんだろうな。

 

「ところで、次は私とバトルしない?」

「羽月と?」

「うん♪ まだ早苗さんも立ち直るのかかりそうだし、深緒ちゃんもかかりっきりになりそうだしね」

 

 さっきから深緒が慰めにかかっているからその間の暇潰しとのこと。暇潰しって、羽月言い方が私並にキツい時がある…。

対戦は断る理由が無いから勿論受ける。

 

「やった♪ 凛々ちゃんとバトスピやりたかったんだよね〜♪」

「そんな喜ぶこと?」

「喜ぶよ〜。だって誘っても断るだけだし、寂しかったんだよ? 私も深緒ちゃんも」

「…そっか」

 

 私と対戦するのがそんなに嬉しいのかさっさと早苗のデッキとコアを片し、自分のデッキを取り出して用意をし始める。…手つきは慣れたもので綺麗にデッキをシャッフルしている。

 

「はい。じゃあ凛々ちゃんも」

「うん」

「お互いのデッキをカット&シャッフル〜♪」

 

 

  VS 朝比名 羽月

    【???】

 

 

「羽月先生の凛々ちゃんは青と緑とバトルしたんだから他の色ともバトルして見識を広げ経験を積もうの会〜!」

「…おう」

 

 あれか。前にやった授業の羽月編ってこと?

 

<羽月・先攻第一ターン>

「羽月先生が先攻もらっちゃいます! スタートステップ!」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

 

「あっ、ほら早苗さん早苗さん!凛々と羽月がバトルしますよ!」

「バトル…!?」

 

 

「メインステップ。まずネクサスの《夢中漂う桃源郷》を配置するね」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「…それは黄色?」

「そうだよ。次にバーストをセットして、ターンエンド」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

 羽月は黄色を使うんだ…。

あの時特徴を聞いた限り、深緒曰く「いやらしくややこしくお花畑。あ、お花畑はエージェントイエローだ」らしい。…全くもって意味が解らなかった。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「私の番」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「……《大旗艦ドラグニック》を出す」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「う〜ん、そのネクサスか〜」

「これで終わり」

 

 ちょっと困り顔をする羽月。

これが牽制になってるなら、場を揃えるのを優先しよう。

 

<羽月・第三ターン>

「じゃあ私の番ね。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。《アルミラージ》をレベル2で召喚するね」

(手札4→3)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→3)

[アルミラージ コア2 レベル2 BP4000]

 

「黄色いウサギに黒い羽と角…。可愛い」

「それで、桃源郷の効果発揮。系統:<想獣>を持つスピリットを召喚されたから1枚ドローっと」

(手札3→4)

 

 出しただけで1枚引けるんだ。

こっちは攻撃しなきゃ引けないのにちょっとズルくない?

 

黄 ネクサス

《夢中漂う桃源郷》

コスト4 軽減黄2

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:黄

Lv1・Lv2『自分のメインステップ』

系統:<想獣>を持つスピリットが召喚されたとき、自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2『自分のアタックステップ』

相手のフィールドにシンボルが1色しかない間、自分の黄のスピリットすべては、BPを比べ相手のスピリットに破壊されたとき、疲労状態で自分のフィールドに残る。

 

「アタックステップ。アルミラージでアタック!」

「…ドラグニックを見て仕掛けてきたってことは、何か策があるんだ」

「そゆこと♪ アタックはどうする凛々ちゃん?」

「何も無いから通すよ」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「アルミラージのアタックでライフを減らしたから、アルミラージの【聖命】発揮! ボイドからコア1つをライフに置く!」

(羽月ライフ5→6)

 

「え? ライフって5つじゃないの?」

「ううん。上限は無いよ」

 

 ライフが増えたってことは、余計に殴らなきゃならないってことか。…深緒の言ってたいやらしいってこのことかも。

 

「…ら、ライフが減ったからドラグニックのが起動するけど…」

「アルミラージのBPは4千。ドラグニックの効果で破壊されるけど、レベル2からの効果発揮だよ。【聖命】を持つ私のスピリット全員は、凛々ちゃんのカードの効果によって破壊されたら疲労状態で残る」

「え、全員…?」

 

黄 スピリット

《アルミラージ》

コスト4 軽減黄2 <想獣>

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

<3> Lv3 BP6000

シンボル:黄

Lv1・Lv2・Lv3【聖命】『このスピリットのアタック時』

このスピリットのアタックによって相手のライフを減らしたとき、ボイドからコア1個を自分のライフに置く。

Lv2・Lv3

【聖命】を持つ自分のスピリットすべては、相手の効果で破壊されたとき、疲労状態でフィールドに残る。

 

 早苗のは破壊できなくて羽月のは破壊しても残るって、何なの一体…。赤って実は弱い?

 

「ターンエンド。凛々ちゃんの番だよ」

 

 

「羽月さんは黄色なのね」

「しかも厄介極まりない“【想獣】”ときてますからねぇ。凛々の眉間にシワがよってるのがわかりますよ」

「わかるわ。黄色にデッキ破棄なんてしたら何が飛んでくるか判らないからおっかなびっくりよ…」

 

 

<凛々・第四ターン>

「あれはどうするべきか…」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

「メイン。…《デブリ・ザード》を出す」

(手札5→4)

(リザーブ7→6)

[デブリ・ザード コア1 レベル1 BP1000]

 

「次に《リューマン・スカイハイ》を出すよ」

(手札4→3)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→2)

[リューマン・スカイハイ コア1 レベル3 BP5000]

 

「…それで、《ネオ・ダブルドロー》。2枚引いて、アルティメットがいるからもう1枚引けるんだよね?」

「うん。合ってるよ」

「じゃあ3枚引くと…」

(手札3→2)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ2→4)

(手札2→5)

 

 よしよし、まあまあ良い感じに引けたか。でも残ったコアは1つだけ。これをどう使うかな。

 

「う〜ん…、これを伏せて終わろうかな」

(手札5→4)

{バースト:無し→セット}

 

<羽月・第五ターン>

「はーい。じゃあスタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「う〜〜ん……。よし、こうしよう。《犬将クー・シー》をレベル1で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[犬将クー・シー コア1 レベル1 BP3000]

 

「今度は犬か…。黄色って可愛い絵柄が多いんだ」

「うん。特にイラストに力入れてるからね♪ あ、この子も<想獣>だから1枚ドローするね」

(手札4→5)

 

 赤より可愛いイラストが多いんだ黄色。

前の講義のときだって、数枚見せてもらったカードにも妖精とかや猫やら天使とかいったものだったし。…赤から乗り換えようかな?

 

 …いつの間にか観戦してた深緒と立ち直ったのか早苗の表情がこの世の終わりみたいな顔してるけど、何?顔芸でもしてるの?

 

「く…“クソ犬”…!?」

「羽月さんは黄色いクソ犬を使うの!?」

「…二人とも随分な言いよう」

「あはは…」

 

 口が悪い。このわんこを見て顔引き攣らせてクソ犬て。こんな可愛らしいのに酷い言い草だ。

 

「ともかく、アタックステップに入るよ。まずはアルミラージでアタック」

「また来た」

 

 これは守らざるを得ないだろう。

あの【聖命】ってのは攻撃を通したら羽月のライフが増える仕組みだ。ならここは…。

 

「スカイハイに任せる」

 

 スカイハイの効果が外れても返り討ちにできる。見た限りあのわんこも【聖命】を持っている。ならウサギの効果が及んでドラグニックじゃ退かせない。

 

「スカイハイの効果」

「トリガーは……コスト3、ネクサス《黄金の鐘楼》だからヒットだね」

「よし。スカイハイのBPを━━」

「待った!トリガーカウンターを使うよ!」

「っ!?」

「カウンターブレイヴ《兎星鎧ラビッタ》!」

(羽月手札5→4)

 

「このラビッタのコストは4。軽減が黄色2つに緑が1っつだから。2コストで使うよ!」

「早苗のと似たカードでも、ブレイヴ…?」

(羽月リザーブ1→0)

[アルミラージ コア2→1 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

 

「カウンター効果。バトルしてるBP1万5千以下のスカイハイはバトル中効果を失う!」

「効果を失うって、早苗の使ってたやつと同じ…!?」

「これでUトリガーは無効になるから、BPアップもできないよ。そしてアルミラージに直接合体!」

 

兎星鎧ラビッタ

  ↓ 直接合体

アルミラージ(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:3000+3000=6000]

[合体時:追加]

[シンボル:黄+黄=黄黄]

 

黄 ブレイヴ

《兎星鎧ラビッタ》

コスト4 軽減黄2緑1 <戯狩・星魂>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:黄

【トリガーカウンター】

手札にあるこのブレイヴカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に召喚できる。

召喚後次の効果を発揮する。

■このバトルの間、バトルしているBP15000以下の相手のアルティメットは効果すべてを失う。

【合体条件:コスト4以上】

【合体時】『このスピリットのブロック時』

このバトルの間、相手のアルティメット1体をBP-3000する。

 

「はいドーン!」

「ウサギとウサギの体当たりで負けるなんて…」

「ちなみに、このアルミラージって神話の獰猛な肉食獣なんだって」

「え」

「自分より大きな動物も人間も角で刺し殺して食べちゃうんだってさ」

 

 聞きたくなかった衝撃の真実…。

こんな可愛い見た目なのに恐ろし過ぎる。

 

「ドラゴンだってむしゃりむしゃり♪」

「えぐい…」

[リューマン・スカイハイ 破壊]

(凛々リザーブ1→2)

 

 最初の不良との対戦以来活躍できてないスカイハイ。これはどうフォローしたらいいものやら。

 

「次にクー・シーでアタック!」

「…通し、かなぁ」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ2→3)

 

「はいクー・シーの【聖命】でライフ1つ回復ね〜♪」

(羽月ライフ6→7)

 

「だけど、ドラグニックの効果で破壊させてもらうよ。アルミラージのレベルが下がってるなら破壊できるよね」

「うん。これは仕方ないかなぁ。せっかく出したのに~」

[犬将クー・シー BP3000 破壊]

(羽月リザーブ0→1)

 

 ライフの差が広がる広がる。7つとか、Uアークで3回殴らないと何ともならないなんて。

 

黄 スピリット

《犬将クー・シー》

コスト4 軽減黄2 <想獣・神将>

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

<3> Lv3 BP5000

シンボル:黄

Lv1・Lv2・Lv3【聖命】『このスピリットのアタック時』

このスピリットのアタックによって相手のライフを減らしたとき、ボイドからコア1個を自分のライフに置く。

Lv2・Lv3

【聖命】を持つ自分のスピリットすべては、Lv2/Lv3の相手のスピリットからブロックされない。

 

「バースト、行くよ」

「どうぞ~」

「《テスタロッサ・ドラゴン》。レベル…1でいいや」

{凛々バースト:セット→発動→召喚}

(リザーブ3→2)

[テスタロッサ・ドラゴン コア1 レベル1 BP5000+10000=15000]

 

「出しとけばシンボルの足しにはなるでしょ」

「ふむふむ。じゃターンエンドね」

 

<凛々・第六ターン>

「どう攻め込むか…」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

 ———来た。

どこまで削り取れるか解らないけど、やれるだけやる!

 

「たしか…デブリ・ザードの【スピリットソウル】?とかでシンボルを増やせるんだよね?」

「っ! そうだよ。指定された色のアルティメットを召喚するとき、その色のシンボルを1つ追加できるんだよ」

 

「なら、デブリ・ザードの【スピリットソウル:赤】でシンボル2つ、テスタロッサ・ドラゴンとドラグニックで4つ揃った。

 これで《アルティメット・アーク》を出す!」

(手札5→4)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・アーク コア1 レベル3 BP11000]

 

「おお来た!Uアーク!」

「次に、《太陽神剣ソルキャリバー》をUアークに重ねて出す!」

(手札4→3)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ3→5)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:11000+4000=15000]

[合体時:追加、発揮]

[シンボル:極+赤+赤=極赤赤]

 

「出た!凛々の合体しただけでトリプルシンボルアルティメット!」

「ここで引いた」のは、やはりというか」

 

「バーストを伏せて、アタックステップ」

(手札3→2)

 

 ライフは7つ。何とか次の攻撃に繋げないと後が無い。早苗みたくシンボル2つになって攻めてきても1回は堪えられる。それさえ凌ぎきれれば、勝機が見える!

 

「Uアークで攻「剣刃ブ」うるさい。攻撃!」

「酷い…」

「太陽剣でどっちでもいいから破壊する」

「じゃあクー・シーの方かな。疲労状態で残るよ」

 

「ここで攻め込むってことは、凛々は凌ぐ手段を握ってるってことですかね?」

「…おそらくそうでしょう」

「まーた落ち込むー」

 

「Uアークのシンボルは3つ。ライフ3ついただくよ」

「オッケー。ライフで受ける!」

(羽月ライフ7→4)

(リザーブ1→4)

 

「これで終わり」

 

<羽月・第七ターン>

「凛々ちゃんの切り札が来たね。スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ5→7)

 

「メインステップ。凛々ちゃんが切り札なら、私は“切り込み隊長”を喚ぼうかな!」

「切り込み隊長…?」

「アルミラージとラビッタを一旦分離させて…」

(リザーブ7→6)

[兎星鎧ラビッタ コア1 レベル1 BP3000]

 

「手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚でも呼び出すのかしら?」

「あ!それあたしも言おうかなって思ってたのにー!」

 

「暁の空駆ける黄金の霊獣、麒麟!

 《アルティメット・リーン》!

 レベル5で顕現!!」

(手札5→4)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・リーン コア3 レベル4 BP15000]

 

「アルティメット…! 羽月も持ってたんだ…」

「もっちろん! そしてもう1回アルミラージにラビッタを合体させて、浮いたコアをUリーンに渡してレベル5!」

[アルミラージ(合体) コア1→2→1]

[アルティメット・リーン コア3→4 レベル4→5 シンボル極+黄=極黄]

 

「アタックステップ!」

 

 来る…!ここを凌ぐ…!

 

「Uリーンでアタック!」

「っ!」

「“ダブルアルティメットトリガー”ロックオン!」

「ダブル…!?」

「デッキの1番上から2枚をめくるんだよ」

「2枚……。コスト5の《リューマン・リベリオン》と、コスト4の《炎星斧エルナト》」

「“ダブルヒット”!」

 

 羽月が持っていた手札を置いて両手で指を鳴らす。可愛らしいんだけど効果が解らないから恐ろしく感じる。

 

「ヒット効果でテスタロッサ・ドラゴンとデブリ・ザードを指定! その2体は、Uリーンのバトル中ブロックできないよ!」

「えっ!?」

 

 ブロックできない!?…いや、まだ大丈夫だ。焦るな、まだ受けられる!

 

「更に!」

「っ!」

「Uリーン、レベル5の効果で、常時黄シンボル1つを追加!」

「常時…!?」

「うん。凛々ちゃんのUアークと同じで、タイミング問わずの効果だよ!」

 

黄 アルティメット

《アルティメット・リーン》

コスト6 軽減黄3 <新生・想獣>

【召喚条件:自分の黄スピリット2体以上】

<1> Lv3 BP11000

<2> Lv4 BP15000

<4> Lv5 BP21000

シンボル:極

【WUトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

ヒットしたUトリガー1回につき、相手のスピリット/アルティメット1体を指定する。

指定したスピリット/アルティメットはブロックできない。

【ダブルヒット】:Uトリガーが2回ヒットしたら、さらにこのターンの間、自分のアルティメットすべては、BPを比べ破壊されたとき、回復状態でフィールドに残る。

 

 あの麒麟もシンボルを増やす…。それでもダブルシンボルだ、ギリギリ生き残る!

 

「…バースト!《ドラゴニックウォール》!」

{凛々バースト:セット→発動}

 

「テスタロッサ・ドラゴンのBPを5千上げて、下の効果を使う! デブリ・ザードを破壊して、羽月の攻撃を終わらせる!」

(凛々リザーブ1→0)

(トラッシュ5→6)

[デブリ・ザード 破壊]

(リザーブ0→1)

 

「おお!凛々返す!」

「…ふむ」

 

赤 マジック

《ドラゴニックウォール》

コスト4 軽減赤2極1

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

このターンの間、自分のスピリット/アルティメット1体をBP+5000する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

自分の赤のスピリット1体を破壊することで、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

この効果は、『相手のアタックステップ』でしか使えない。

 

「麒麟の攻撃は通す!」

「Uリーンはダブルシンボル!」

(凛々ライフ3→1)

(リザーブ1→3)

 

「ターンエンド」

 

<凛々・第八ターン>

「回った…!」

(リザーブ3→4)

(手札2→3)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ4→10)

 

「メイン。《フェイタルドロー》を使う! 私のライフが2つ以下なら3枚引ける!」

(手札3→2)

(リザーブ10→8)

(トラッシュ0→2)

(手札2→5)

 

赤 マジック

《フェイタルドロー》

コスト4 軽減赤2

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

自分のライフが2以下のとき、さらに、自分はデッキから1枚ドローする。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット/アルティメット1体をBP+2000する。

 

 引け…!引け…っ!!

 

「…っ!」

 

「やはり凛々には光るものがあるのは確かね。……悔しいけど」

「え?」

 

「《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》!」

(手札5→4)

(リザーブ8→5)

(トラッシュ2→4)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン コア1 レベル3 BP10000]

 

「うおっ!? 凛々引いた!」

 

「剣輝龍皇の【U抜刀】!手札の《炎星斧エルナト(2)》と《火槍アルタイル》をノーコストで出す!」

(手札4→2)

(リザーブ5→3)

[炎星斧エルナト(2) コア1 レベル1 BP3000]

[火槍アルタイル コア1 レベル1 BP2000]

 

「これでブレイヴを出せたから1枚引く! それで、エルナトの効果でトラッシュにあるコスト4のスカイハイを手札に戻す!」

(手札2→3→4)

 

「っ…」

「アルタイルを剣輝龍皇に、エルナトをテスタロッサに重ねて、剣輝龍皇にコアを追加してレベルを上げる!」

火槍アルタイル

  ↓ 合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[火槍アルタイル コア1→譲渡]

[コスト:6+2=8]

[BP:10000+2000=12000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

(リザーブ3→2)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) コア2→3 レベル3→4 BP10000→14000+2000=16000]

 

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

テスタロッサ・ドラゴン(合体)

[炎星斧エルナト(2) コア1→譲渡]

[コスト:6+4=10]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

[テスタロッサ・ドラゴン(合体) コア1→2 レベル1→2 BP5000→6000+3000=9000]

 

「合体スピリットと合体アルティメットが並んだ…!」

「おお凛々が一気に決めに行くか!」

 

 ここで一気に攻め立てなきゃ勝機を逃す!

 

「ここで今引いた《サンブレイカー》を使う!

私の重ねてるカードがBP比べに勝ったら、羽月のライフ1つをいただく!」

「…勝負だね、凛々ちゃん」

(手札4→3)

(リザーブ2→1)

(トラッシュ4→5)

 

「アタックステップ!テスタロッサ・ドラゴンで攻撃! エルナトの効果で桃源郷を破壊して、レベル2の効果【真・激突】!」

「ラビッタで強制ブロック!」

 

 これで討ち取れば残りライフ3つ!

Uアークに重ねてる太陽神剣の効果で残るだろうラビッタを破壊して、何もできなくさせれば押し込める!

 

「フラッシュは無いよ」

「ならそのままアルミラージを倒して、羽月のライフ1つを落とす!」

[アルミラージ 破壊]

[兎星鎧ラビッタ 残留]

(羽月ライフ4→3)

(リザーブ0→1)

 

「よし…!」

 

「ライフ減少で、バースト発動!」

 

「っ!?」

 

「《アルティメット・カグヤ》!」

{羽月バースト:セット→発動}

 

 ここでバースト!? しかもアルティメットを出してきた…!

 

「Uカグヤのバースト効果! ボイドからコア1つを私のライフに!」

(羽月ライフ3→4)

 

「か、回復された…」

「そしてこのターン、凛々ちゃんが追加でスピリットを出してももうスピリットでのアタックはできない!」

 

 追加で出すって、緑が使う【神速】ってやつ? 生憎このデッキを一緒に作った羽月なら解ってると思うけど、そんなの入ってないから!

 

「そしてレベル5で、バースト召喚!」

(リザーブ1→0)

[兎星鎧ラビッタ コア1→0 消滅]

[アルティメット・リーン コア4→1 レベル5→3]

[アルティメット・カグヤ コア5 レベル5 BP20000]

 

「くっ…」

 

 どうする…。ライフが回復するのは予想外だった。

これじゃ0にできないどころか剣輝龍皇でも相討ちにしかできない。

私が使ったサンブレイカーの弱点。姉さんたちから教わった限り、“逃げ”と“相討ち”が弱点らしい。

逃げっていうのは、BP比べをしようとしたとき…バトル中のフラッシュタイミングでマジックとかを使ってBP比べから“逃げる”こと。

これはバトスピをやる上での常套手段らしい。

 

 姉さん曰く『ブロックした、された時点でアタックによるライフダメージは無い』と言っていた。

 

 深緒曰く『ダメージを出すにはサンブレイカーのような貫通系の効果や、黄色が得意な“飛び越え”が必要』とも。

 

 羽月曰く『“相手〜だけ”の記述には、相討ちは含まれていない。BPで勝たなければいけない』と。

 

 剣輝龍皇の効果でBPを上げても1万9千。あのかぐや姫のBP越えることができない。

 

「凛々の手が止まった…」

「知ってか知らずか、羽月さんのトリガーカウンターを恐れてUアークのレベルを上げなかった。剣輝龍皇のレベル上げを優先しなかったのが裏目に出たわね。結果論だけど」

 

「………」

「………」

「……詰んだか」

「………」

「この状況、もう次の私の番は回ってこないね。投了する。続ける意味も無さそうだし」

 

 

 

〔give up!!〕

 

〔winner!! 朝比名 羽月〕

 

 

 

「羽月、そのかぐや姫の効果教えて」

「トリガーがヒットしたら、凛々ちゃんのレベル2のスピリットを全部手札に戻して、スピリットが戻ったらライフ1つをリザーブに置く効果だよ」

「…出た時点で負け確定だったか。さすが強いね羽月」

「えへへ…♪まだまだ凛々ちゃんには負けないよ。先輩で先生だもん♪」




反省会という名の可愛がり。
vs黄の羽月戦でした。
ほんらいはもっと鬼畜に
「クーシータマモシユウライフドリームアザッシター」をやろうかと思ってました。
今でもクー・シーとかを見ると発作を起こす方もいらっしゃるのでは?


またミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


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Step.03 『後が無いのはいつもの事!』

遅くなりました。
やはりどうも合体アルティメットをどう扱うかで時間が掛かりますねぇ…。


 

「深緒が黄色はいやらしいって言ってた意味が理解できた。今の私じゃこれは無理だ」

「そんなことないよ〜。この型だってアルティメットが出てから決まりづらくなってるし、一歩間違えたらこっちが負けてたもん」

「…そうかな」

 

 反省会と称し始めた羽月との初対戦は、攻めに失敗した私の負け、降参で幕を閉じた。

 

「さて凛々ちゃん。このバトルで感じたことは?」

「…自分の弱さ8割。デッキが噛み合ってない感じが2割?」

 

 いやデッキのせいにするのは間違いなんだろうけど、上手く使いこなせない私に責任がある。…せっかく姉さんと二人が調整してくれたというのに。

 

「ならば私の個人的な感想言ってもいいかしら」

「………」

「…い、いいかしら?」

「…いいよ」

「っ! では!」

「早苗さんすっごい嬉しそう」

 

「まず、パワー不足!」

「姉さんから貰ったカードや深緒と羽月が選んでくれたカードにいちゃもんつけんの?」

「いやいやそうではなく! 私が言っているのは…全体的なこと!」

 

 早苗が私のデッキから取り出して見せたのは《火槍アルタイル》。…なんだこっちか。もし選んだら無言でブロー叩きこんでやろうかと思ってたところだ。

まぁたしかにこの火槍にはちょっと疑問を持っていたのも事実。

 

「バランスは良い。しかしそこまで」

「ふむ」

「アルタイルは自分のメインに赤シンボルを追加するのみ。それならばアルティメットの究極シンボルを赤シンボルとしても扱える《紅炎竜ヒノコ》に代えた方が無難でしょう。アルティメットに合体してコストを上げる役割もあるでしょうが、それならエルナトで十分」

「アルタイルに軽減が無いのがとにかく痛い! さすがの緑でも無軽減はちょっとね〜」

 

 確かに。

これに代わるブレイヴがあるならいいんだけど、アルティメットに合体すること自体が初めてのことらしい。

 

「アルティメットが合体してコストが上がる事が異常よ。コスト変更効果は赤。コスト上昇効果は紫、黄、白、青。相手アルティメットのコストを下げるのが紫、緑、黄と。

それぞれが独自の手を作っていたの」

 

 何処からか早苗が青と白のカードを、羽月が黄色と紫のカードを、深緒が緑と赤のをカードを取り出してこちらに見せてくれた。

 

「これが白アルティメットをプラスする《運命姫神スクルド》。こっちがヒット効果で<次代>アルティメット1体のコストを上昇させる《獣将チーダス》」

 

「私のが、<天霊>アルティメットのコストを上げる《天使令嬢アサエル》。こっちが黄色アルティメットのコストを上げる《歌姫伯爵ココ》。

で、召喚時と破壊時に紫アルティメットのコストを上げる《ボーン・サーベルタイガー》ね」

 

「んでんであたしのが、<新生>アルティメットのコストを6か7に変える空母アカギ…じゃなくて《恐竜空母アパト》。こっちのが相手アルティメットのコストを2つも下げちゃう《殻法師シロカブト》だよ」

 

 すご…。見た限り、アルティメットのコストに触れるカードはやっぱり少ないようだ。

 

「パワー不足。或いは、アルティメット対策が進んでいるのもあるか」

「う〜ん…」

「そこで朗報!」

 

 すると早苗が自信満々に懐から1枚のビラを取り出した。

 

「近々発売予定! 『アルティメットバトル06』!」

 

「06!?」

「やっぱり発売するんですね〜」

「…?」

 

 四つ折にされたのを広げるとそれなりに大きな広告紙。その中心には大きく描かれた金色に光るドラゴンと、下に大きくアルティメットバトル06と書かれている。

 

「これで凛々のアルティメットも、私達のアルティメットもパワーアップ間違いなし!」

「おお…」

「早苗さん!発売日は!?」

「近々!」

「近々…?」

「そう!近々! …実を言うと公式がそれしか言わないから発売日もパック内容も全く解らないの」

「「え〜!?」」

 

 ふーん。…深緒と羽月がうんうん唸ってる。

二人が言うには、こんな事は初めてで、いつもなら2、3週間前には公式ホームページで公開され、『スゴイカード特集』という目玉カードが組まれるという感じらしい…のだが、全くの情報が一切無いという。

 

「くっそー!白の情報とかいらないから緑の情報だけでもくれー!」

「黄色は大丈夫かなぁ…。いつもの病気が発症してないといいけど…」

「青は……う〜ん、【招雷】はやり切った感があるから、また何か妙なことをしそうね」

 

 三者三様の悩み方、一体どんなカードが来るのか興奮気味に話しているが私が完全に蚊帳の外だ。

何が何だか解らないのに心配も何もない。……暇だからデッキ片してお店見て回るかな。

 

 

 

 見て回ると思い立って見てるのはいいけど、ほぼ知識の無い私にはキラッキラしたバトスピのカードがショーケースに並べられて値段が書かれてるって以外ちんぷんかんぷん。

 

「1枚1000円…?」

 

 高っ。こっちは1500円、こっち紫のは1700円。別のショーケースには2000円以上しているカードがちらほら。下手なコスメ品より高いとか一体どんな価値が…。

それぞれ何弾とかに分けられてるし。…でもピンキリなのかワンコインのもあった。

 

「てかよく見たら棚に『Xレア』って書かれてた…」

 

「何か、お探しですか?」

 

「えっ」

 

 不意に誰かから声を掛けられた。

て、店員さん? …かと思ったら見ず知らずの女の子だった。白いワンピースにショートの黒髪に何処か儚げな印象を受ける。

この子が私に声掛けてきたのかな。見る限り…小学生?っぽいけど。

 

「あ…いや…。何があるのかな〜って見てただけで」

「そうですか」

「……なんかこう、強いカードってある?」

「強いカード、ですか?」

 

 何とも言えないというような困り顔。

 

「えっと、何をもって強い…でしょうか」

「…よく解んない」

「カードは千差万別、です。強い弱いは、使い方次第。相性次第です」

「…なるほど」

 

 小さい子に諭されてしまった…。

短絡思考に走った結果がこれだよ。

確かに私のデッキで何のカードが相性が良いのか理解が無い以上、何を入れても腐らせるだけか。

 

「一応、お姉さんのデッキがどんなのか、聞いていいですか?」

「えっと……赤の…アルティメット?」

「っ! 赤アルティメット…」

 

 それを聞いて、女の子が少し驚いた。…私のデッキって変わってるのかな。

 

「うん。アルティメットに重ねられるようなカードとかあればいいんだけど」

「アルティメットに、重ねる? …合体(ブレイヴ)ですか」

 

 女の子が少し考え込み、すぐこちらに向き直り首を振る。

 

「…ごめんなさい。私が知ってる限り、アルティメットに合体できるなんてブレイヴは…」

「やっぱ知らないか」

「本当に、ごめんなさい…」

「いやいや、謝らなくていいよ」

「私より、“白姉さんたち”の方がしってるかも知れません…」

「…しろ、姉さん?」

「はい。私の、バトスピのお師匠さんなんです」

 

 バトスピの師匠、ねぇ。

話す姿は何処となく嬉しそうだけど、そんなに好きなのかな。

 

「白姉さんたちにも聞いて、調べて、おきますね」

「えっ、いやそこまでしなくても大丈夫だよ…!」

 

 さすがに小さい子にそこまでしてもらうのは気が引ける。諭してもらってカードまで探してもらったらもう私が色々形無しだ。

 

「そう、です?」

「うん、大丈夫。ありがとね。…えっと」

 

「あっ、えっと。白縫(しらぬい)、です。

 白縫(しらぬい) 理絵(りえ)、です」

 

 リエ、ね。了解覚えた。

 

「今度またカードのこと教えてね」

「はい…! そのときは、バトルもしてくれますか?」

「うん。勿論」

 

 そしてリエちゃんはお店の手伝いがあるとのことで、お店の奥へと姿を消した。……あっ、名乗るの忘れた。

 

 

「おおっ!凛々!どこ行ってたの」

「どこって、そこら辺うろついてただけだよ」

 

 話盛り上がってるところに口挟めなかったし? 素人の私が口挟んでも邪魔だったろうし? …別に拗ねてない。

 

「あーごめんね凛々ちゃん。ほらほら今早苗さんの連絡先送るからね〜」

「えっ、いらないよ」

「がっ!? い、いらない…!?」

「も〜凛々。また早苗さん拗ねちゃうじゃ〜ん」

 

 深緒には悪いが知ったことじゃない。

というか既に羽月が私の携帯に勝手に送ってる最中だ。後で空メールでもしてやればいい。

 

 

 暫く私のデッキについてあれこれ話はしたが、結局06とやらを待つしか無いと結論。下手に弄るとバランスが崩れるって。

そしていい時間となったため今日のところは解散となった。

早苗は美人さんを待つためお店に、私らはお先に失礼し、夕飯を食べたらまた家に集合という形に。…しかも開かれたのは

 

 

「深緒と!」

「羽月と!」

「沙夜お姉ちゃんの〜♪」

 

「「「第2回!おしえて!バトスピ講座〜♪」」」

 

「また始まった…」

 

「沙夜お姉さん、今回で2回目ですね〜」

「そうね深緒ちゃん。なんと今回、2回目で特別編で〜す♪」

「えっ?」

「ふぇ?」

「…特別編?」

 

 姉さんのこれには2人も予想外だったらしく、間の抜けた声を出して硬直してしまった。

 

「ふっふ〜ん♪ なんとなんと〜……ジャンジャジャーン♪」

 

 何やら衝撃の真実を明かされるような効果音を口にしながら上機嫌で何処かから取り出したのは……お店で早苗が見せた『アルティメットバトル06』のビラに描かれていたのとそっくりの箱。

 

「ええっ!?」

「06、ですか!?」

「そのとーりー♪ お姉ちゃん頑張っちゃいました!」

 

 今まで見たことないくらい興奮してる3人。

でもその06って発売する日が判明してないんじゃなかった? 何で姉さんが持ってるんだろ?

 

「沙夜さんこれどうやって入手したんですか!」

「知り合いの店長さんに拝み倒してね〜。1箱だけなんとか手に入れたのよ♪」

 

 やるな姉さん。でも何処となく疲れたように見えるのは何故だろうか。

 

「あのきちく店長に負けること十数回…。秘蔵の凛々ちゃん画像を数点生け贄に捧げることでようやく、ようやく手に入れたんだから…!」

「おい」

「そんなことより沙夜お姉さん、いや沙夜お姉様!」

「早く開封しましょうよ!」

 

 姉さんは今すぐその画像を消せ。

そんなことはお構いなしにはよ開けろと深緒と羽月が期待に湧いている。そんなことって何さそんなことって。

 

「ほらほら凛々も!」

「…わかった」

「は〜い♪一人5パックずつね〜♪」

「「わーい!」」

 

 言いたいことはあるが、姉さんから渡された5パックを受け取る。…ふ〜ん、パックってこんな感じなんだ。

 

「では、一足早く! パックオープン!」

「「開・封ー!!」」

 

 謎の掛け声とともにパックを剥いていく3人。…とりあえず私も剥くとする。

中には8枚のカード。当たり前だが見たこと無いのが全部。

 

「<剣使>アルティメット!?あでも<殻人>じゃーんくそー! <剣獣>はどしたー!」

「<天霊>の、【分散】? 新しい能力かぁ」

「あら。赤はやっぱり<竜人>推しなのね〜」

 

 私のは……なんか一番後ろがめっちゃ光ってる。色は緑みたいだけど…。

 

「うわっ、キモっ」

「ん? リンリンに有り難くキモいと罵られた名誉あるカードは何かな〜?」

「リンリンて言うな。…これ」

 

 光ってるカードを深緒に渡す。

すると、渡したカードを見て深緒の表情が変わった。驚愕一色だ。

 

「でえぇっ!? Xレアじゃん!!」

「そうなの?」

「えっ、嘘!」

「さすが私の妹〜♪」

 

 マジで? よく見てなかったから何とも言えないけど、それが当たったなら良いかな。

 

「り、凛々!沙夜お姉さん!こ、これ…」

「いいわよ〜♪差し上げちゃいます♪」

「マジっすか!? イヤッッホォォオオォオウ!!!」

 

 深緒が今まで見たことないような喜び方をした。夜だから静かに。完全に深夜テンションだ。

 

「<剣獣>じゃないのが悔やまれるけど緑Xアルティメットだー!!」

「良かったじゃん」

「ありがとー凛々ー!赤のX出たらあげるからねー!」

「分かったから抱き着かない」

 

 深緒が抱き着いてきてほお擦りをしてくる。嬉しいのは分かったから暑いし邪魔っけだから遠慮してほしい。

 

「羽月は?」

「………」

「…羽月?」

 

 羽月は何が出たのか…何かを悟ったような、遠い目をしているが何が当たったんだろう。

 

「………」

「ああっ!羽月が何も言わずにカードをパックに戻した!」

「あれが俗に言う“そっ閉じ”ってやつ?」

「かも。…ちょいと失礼」

 

 私もあんな表情する羽月は知らないし、そんな表情をさせるカードが何なのか気になる。深緒がそのパックを手に取り、件のカードを出して確認する。

 

「おっ、青のXレアじゃん」

「…《大剣聖イーグレン》?」

 

 勇ましい鷲頭の戦士っぽい。

青のシンボルが最初から2つあるけど、コストが9とかなり重い。何にしろ私のデッキとは縁が無い。

深緒は効果を読んでいるが、顔が段々と羽月と同じようになっていく。

 

「………」

「…深緒?」

「…これは、ハズレだ…。いや、ハズレ……う〜〜ん…」

「?」

 

 何で2人はそんな顔するのか。

…私も見てみるか。えっと。

 

青 スピリット

《大剣聖イーグレン》

コスト9 軽減青4極2 <剣使・獣頭>

<1> Lv1 BP9000

<3> Lv2 BP11000

<6> Lv3 BP15000

シンボル:青青

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から7枚オープンし、その中の系統:<剣使>を持つコスト8以下のスピリットカード/アルティメットカードを、召喚条件を無視して、コストを支払わずに好きなだけ召喚する。

ただし、それらの召喚時効果は発揮されない。

残ったカードは破棄する。

【連鎖:条件《究極シンボル》】

[極][極]:自分のトラッシュにある系統:<剣刃>を持つブレイヴカード2枚を手札に戻す。

 

「えっ、好きなだけノーコスト召喚? アルティメットも?」

 

 強いじゃん。何をそんな顔する必要があるのさ。…2人は話にならないから姉さんに聞いてみるか。

 

「姉さん、このカードなんだけど」

「はいはい。……あら、“魔帝龍騎”と似た効果なのね。ちょっと重すぎるけど」

「ま…何?」

 

赤 スピリット

《魔帝龍騎ダーク・クリムゾン》

コスト7 軽減赤4 <竜騎・龍帝>

<1> Lv1 BP6000

<3> Lv2 BP8000

<5> Lv3 BP10000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から7枚オープンし、その中の系統:<龍帝>/<竜騎>を持つスピリットカードを、コストを支払わず、【転召】させずに召喚できる。

ただし、それらの召喚時効果は発揮されない。

残ったカードは破棄する。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

系統/<龍帝>を持つ自分のスピリット1体につき、BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

 姉さんがキャリングケースから取り出した1枚のXレアカード。これが似てる、っていうか、一部変えただけみたいな感じがする。

 

「これで2人が落ち込む理由って?」

「この魔帝龍騎と同じで、専用構築をしなきゃならないっていう苦悩と……こんなのがXレアなのかっていう失望じゃないかな?」

 

 つまり、とにかく使い辛くてたまらないと。…まぁ私はいらないからいいや。

 

「それより凛々。新しい赤のカードでデッキ、強化してみない?」

「…いいの?」

「勿論♪ お姉ちゃんそのために頑張ったんだから!」

「…ありがと」

「えへへ〜♪凛々に感謝されちゃった〜♪」

「でも秘蔵画像とやらは消せ」

「断じてお断り♪」

 

 最後のは後日力付くで抹消するとして、カードの方は感謝しよう。…いつか恩は返さなきゃ。

今だ唸り続けてる深緒と羽月を呼び戻し、早速デッキをいじることに。私は赤を、深緒は緑、羽月は黄色のカードで強化を計ることになった。

 

「この“ネコ”は何で<剣獣>持ってないのさ…。持っててもバチは当たらんでしょ…」

 

「《アルティメット・イーズナ》…やっと!ああでもデッキが…!」

 

 深緒と羽月も結構悩んでるみたいだ。

私は、どうするかな。

 

「…これを入れたいな」

「なら、これとこれを1枚ずつ抜いて、これを2枚投入してもいいんじゃないかな?」

「なるほど…」

 

 ふむふむ…。これならパワーが上がった感じだ。この“新しいブレイヴ”も良い感じだし。早苗や羽月にもう少し対抗できるようななるだろう。

 

「よし」

「うんうん♪ じゃあ最後に…はいどうぞ♪」

「? …これは?」

 

 満面の笑みで何処かからか取り出してきた。

 

「店長からね、“赤のアルティメット使いさんに”って」

「…いいの?」

「うん♪」

 

 …なら、有り難く入れさせてもらうかな。

 

 

 

「うおっし!何とか形にゃなったべ!」

「う〜ん、今回はマジックを弄るくらいかな〜」

 

 こちらも何とか終わった。かなり入れ換えた感じがあるが、どう動いてくれるか。

 

「よし凛々!あたしと調整バトルと行きますか!」

「うん。いいよ」

「おしゃ!あたしだけ凛々とバトルしない分けられてにやいかないしね!」

 

 深緒も腕まくりしてやる気満々。

姉さんと羽月はそうくるだろうと予見してたのか既に対戦準備を整えていた。

 

 

   VS 千歳 深緒

     【???】

 

 

「念願叶って凛々とのバトル!勝っても負けても恨みっこなしでいこう!」

「深緒は話しぶりからして緑を使うの?」

「おう。噛ませ犬に定評のある緑だよ!」

 

 噛ませ犬て…。自分で言って軽く凹んでる深緒は何なんだ。

 

「ともかく先攻後攻ジャンケン!」

「ん。ジャンケン…」

「ジャッカル!!」

「はい反則負け」

「ぐあはぁ!!」

 

 深緒のやったジャッカルってのは、本人曰く『ジャンケン十三奥義』とか訳の分からない事を言っている。

 

<凛々・先攻第一ターン>

「先攻で行くからね」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

 見違えるくらい良い感じだ。

 

「じゃあ、《大地穿つ石剣》を出す」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「早速新しいのを使ってきたねぇ」

「まぁね。これで終わり」

 

<深緒・後攻第二ターン>

「新しくなったデッキの切れ味、受けてみんさい!スタートステップ!」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。こっちもネクサス《戦場に息づく命》を配置!」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「効果は次のターンのお楽しみ! バーストをセットしてターンエンド!」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

 緑か…。あの不良どもと対戦したっきりで、これで二度目の対戦になるのか。ばかばかコアを増やすけど、手札の枯渇がマッハ?とか言ってたっけ。

 

<凛々・第三ターン>

「こっちの番」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「《リューマン・ルクス》を出すよ。コストは1で、軽減のやつも1つだから、0で出せる」

(手札5→4)

(リザーブ5→4)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「新しいリューマンかぁ。スピリットソウル持ちのリューマン系サポートできる良いカードだ」

「らしいね。次に《ベアードイーグル》を出す」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→2)

[ベアードイーグル コア2 レベル2 BP4000]

 

「攻撃に入るよ。ベアードイーグルで攻撃。このとき1枚引く」

(手札3→4)

 

「それで、深緒の場にスピリットはいな——」

「いないと思ったらそれは違うよ! そのアタックに反応して、バースト発動!」

「っ!」

「バーストは《トライアングルバースト》!」

{深緒バースト:セット→発動}

 

「手札にあるコスト4以下のスピリット、《ムゲンドラゴン》をノーコストで召喚!」

(深緒手札3→2)

(リザーブ1→0)

[ムゲンドラゴン コア1 BP4000]

 

「ムゲンドラゴンのBPはベアードイーグルと同じ4千!」

「相打ち…?」

「いんや、ブロックはしないよ。わざわざ喚び出したのを相打ちにするのは勿体ないしね」

「なるほど。ならベアードイーグルの効果。深緒のライフを減らさない代わりに、1枚引ける」

(凛々手札4→5)

 

赤 スピリット

《ベアードイーグル》

コスト4 軽減赤2極1 <皇獣>

 

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

シンボル:赤

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

ブロックされなかったとき、相手のライフを減らすかわりに、自分はデッキから1枚ドローできる。

【合体時】Lv2『このスピリットの合体アタック時』

BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

「あのベアードイーグルっなかなか良いカードですね」

「相手にコアを渡さずに2枚ドローするのは優秀よね〜。合体時効果を合わせると“バル・ガンナー”みたいよね」

 

 よし、一気に2枚引けたのは良い。これなかなか良いな。

インフィニティと入れ替わりになったけど、優秀な良い鳥だ。

 

「これで終わり」

 

<深緒・第四ターン>

「ライフを減らさず手札を増やすては、赤も考えてきたね。スタートステップ! コアステップのときに戦場に息づく命の効果発揮!」

「ここで…?」

「コアステップでコアを増やさない代わりに1枚ドローに代える!」

(手札2→3)

 

「コアを増やさない…!?」

「更に規定のドローステップ!」

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ0→4)

 

「深緒も2枚引いた…」

「コアは犠牲になるけどまぁいいさ!」

 

緑 ネクサス

《戦場に息づく命》

コスト4 軽減緑3

<0> Lv1

<2> Lv2

Lv1・Lv2『自分のコアステップ』

ボイドからコアを自分のリザーブに置かないことで、自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2『相手のアタックステップ』

相手によって自分のライフが減ったとき、ボイドからコア1個ずつを、自分の合体スピリットすべてに置く。

 

「メインステップ。《クローフォックス》を召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[クローフォックス コア1 レベル1 BP3000]

 

「狐?」

「っぽいやつかな。そいで召喚時効果! 系統:<新生>のムゲンドラゴンにボイドからコア1つ追加!」

[ムゲンドラゴン コア1→2 レベル1→2 BP4000→5000]

 

「次にリザーブとムゲンドラゴンのコアをクローフォックスに移して、バーストセット!」

(リザーブ1→0)

[ムゲンドラゴン コア2→1 レベル2→1]

[クローフォックス コア1→3 レベル1→2 BP3000→5000]

(手札3→2)

{バースト:無し→セット}

 

「アタックステップ! クローフォックスでアタック!」

「むっ」

「レベル2からのアタック時効果発揮! ボイドから1つリザーブにコアブースト!」

(リザーブ0→1)

 

「さてどうする?」

「通すよ」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ターンエンド」

 

<凛々・第五ターン>

「このままじゃコアが増やされるか…」

(リザーブ1→2)

(手札5→6)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ2→4)

 

「…うん。まずは《リューマン・スカイハイ》を出す」

(手札6→5)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[リューマン・スカイハイ コア1 レベル3 BP5000]

 

「次に、《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》を出すよ」

(手札5→4)

 

「おおっ、これも新しいリューマン!」

「そうらしいよ。軽減は赤が1つで金色のが1つだから、払うのは1コスト。レベルにはベアードイーグルから…いいんだよね」

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

[ベアードイーグル コア2→1 レベル2→1]

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

「一気に攻める。まずベアードイーグルで攻撃して、1枚引く」

(手札4→5)

 

「そいつはさすがにこっちゃ通せないからブロック! こっちのが千高いから返り討ちさ!」

「役目は果たしたからいいよ」

[ベアードイーグル 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

「次、龍剣聖で攻撃。こっちも攻撃したら1枚引くよ」

(手札5→6)

 

「かぁー!羨ましいくらいもりもり引くなー!」

 

 確かに。前のでは信じられないくらい引きまくっていて私も驚いてる。

 

「アタックはライフで受けよう!」

(深緒ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「ライフ減少でバースト発動!

 《チワワンコ》!」

「っ! チワワ…!」

{深緒バースト:セット→発動}

 

「ボイドからコア1つリザーブにブーストして、疲労効果があるけどアルティメットがいないからそのままバースト召喚!」

(深緒リザーブ2→3→2)

[チワワンコ コア1 レベル1 BP4000]

 

「か…可愛い!」

「でしょ〜。この愛嬌、可愛らしさで相手をノックアウトさ!」

 

 可愛い!デッキに入れたい!テスタロッサ・ドラゴン退かして入れたい!今すぐ入れたい!

 

「…手が出せないからこれで終わりでいい」

 

<深緒・第六ターン>

「よしゃ!スタートステップ!息づく命の効果でドローに!」

(手札2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ2→4)

 

「メイン。まずはマジック《ライフチャージ》を使用! コスト3以上のスピリット、クローフォックスを破壊して3つコアブースト!」

(手札4→3)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→2)

[クローフォックス 破壊]

(リザーブ2→5→6)

 

「次はこいつ!

 犬騎士、《シュバリアン・ハスキー》をレベル4で召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ6→2)

(トラッシュ2→4)

[シュバリアン・ハスキー コア2 レベル4 BP8000]

 

「緑のアルティメット…」

「更に、あたしもやっちゃる!

 夜空に輝く雄々しき1番星!

 《星獣槍シリウス》を、シュバリアン・ハスキーに直接合体!」

(手札2→1)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ4→6)

星獣槍シリウス

  ↓ 直接合体

シュバリアン・ハスキー(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:8000+3000=11000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「アルティメットに…」

「遂にあたしもアルティメットに合体できた…! そしてシリウスの召喚時効果発揮! 凛々は自分のスピリット2体を選んで疲労させてね!」

「…今はルクスしかいないからルクスだけ」

[リューマン・ルクス 回復→疲労]

 

「最後にバーストをセットしてアタックステップ!」

(手札1→0)

{バースト:無し→セット}

 

 私のデッキだけの特権かと思ったら、新しいカードでもう広まったのか。

…なら、先駆者として負けてられない。

 

「ハスキーで、剣刃合体アタック! まずはシリウスの合体アタック時効果でボイドからコア1つブースト!」

(リザーブ0→1)

 

「来た…」

「更にハスキーの合体(ブレイヴ)アルティメットトリガー、ロックオン!」

「えっと、デッキの1番上をめくって……コスト5、《リューマン・リベリオン》」

「ヒット! ボイドからコア2つをハスキーにブースト!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア2→4]

 

緑 ブレイヴ

星獣槍(せいじゅうそう)シリウス》

コスト4 軽減緑1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

相手は、相手のスピリット2体を疲労させる。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリット/アルティメットの合体アタック時』

ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

このアルティメットのUトリガーを発揮させないことで、さらに、このアルティメットをBP+7000する。

 

 深緒の番でもう6つもコアを増やしてる…。一気に差が出来たけど、ならこっちは火力で差を付ければいい。

 

「攻撃は通すよ」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ1→2)

 

「ターンエンド!」

 

<凛々・第七ターン>

「やられた分は返す…!」

(リザーブ2→3)

(手札6→7)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

 …来た!

今なら、一気に行けるはず!

 

「ルクスの【スピリットソウル:赤】!」

「っ! Uアークか剣輝龍皇か!」

 

「そのどっちでもない、新しい切り札!

 《アルティメット・シャイニングドラゴン》!」

(手札7→6)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア3 レベル4 BP14000]

 

「…えっ!? “シャイドラ”!?」

「Uアークに続いて元の輝龍までアルティメットになってたんだ…」

 

 これが姉さんから貰った、新しい切り札!

 

「このまま攻撃に移る! Uシャイニングで攻撃! トリガーってのも使う!」

「トリガー持ちかぁ。…コスト5、マジック《バレットファイア》!」

「赤のカード? とにかくヒット、だっけ。えっと…」

 

「お姉ちゃん解説!

 BP5千以下の深緒ちゃんのスピリット1体を破壊! けどUシャイニングレベル4からの効果! Uシャイニングのトリガーによる破壊上限をプラス1万!」

 

「ぶぇっ!?じゃあ、1万5千以下破壊!? 元のシャイドラより強っ!」

「破壊するのは……チワワは無理。ムゲンドラゴンを選ぶよ」

[ムゲンドラゴン 破壊]

(深緒リザーブ1→2)

 

「更に解説〜♪

このUトリガーで相手スピリットを破壊できたら、凛々の手札にある赤のブレイヴ1つをノーコストで出せちゃいまーす♪」

「げぇっ!?そこら辺は元と一緒なんかぁ!」

 

「出すのはこれ!

 《太陽神剣ソルキャリバー》!

 Uシャイニングに重ねて出す!」

(手札6→5)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

「突然のダブルシンボル!?」

「さぁどうする深緒。言っとくけどチワワを差し出したら絶対許さない」

「ファッ!?」

「チワワで守ったら、殴る」

「ぼ、暴力反対! ライフで受けますぅ!」

(深緒ライフ4→2)

(リザーブ2→4)

 

「ライフ減少でバースト発動! 《絶甲氷盾》!」

{深緒バースト:セット→発動}

 

「今度は白のカード…」

「ボイドからコア1つをライフに置いて、追加コストを支払ってアタックステップを強制終了させる!」

(深緒ライフ2→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ6→10)

 

 あのムゲンドラゴンが色を変えたり、白のカードだったり…。深緒はどんなデッキなんだろ?

 

<深緒・第八ターン>

「これはキッツい…。スタートステップ! 息づく命の効果!」

(手札0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ10→0)

(リザーブ0→10)

 

「メイン! 一旦ハスキーのレベルを下げる!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア4→1 レベル4→3]

(リザーブ10→13)

 

「まず《アルティメット・セッコーキジ》を召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ13→11)

(トラッシュ0→1)

[アルティメット・セッコーキジ コア1 レベル3 BP5000]

 

「Uセッコーキジはメインステップ中、あたしのアルティメットの究極シンボルを緑、または赤のシンボルとしても扱える!」

「へぇ…。そんなことができるんだ」

「つまり、マジック《ネオ・ダブルドロー》も2コストで使えるってことよ!」

(手札1→0)

(リザーブ11→9)

(トラッシュ1→3)

 

「アルティメットがいるから3枚ドロー!」

(手札0→3)

 

「ぃよっしゃあ! 《ネコジャラン》を召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ9→8)

[ネコジャラン コア1 レベル1 BP2000]

 

「ネコジャランは緑軽減に加えて赤、青の軽減も持っていて、青と赤になれる稀有なやつ!」

「この猫も可愛い…!」

「聞いちゃいねぇ!」

 

緑 スピリット

《ネコジャラン》

コスト2 軽減緑1赤1青1 <遊精>

<1> Lv1 BP2000

<3> Lv2 BP4000

シンボル:緑

Lv1

このスピリットの色とシンボルは青としても扱う。

Lv2

このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。

 

「続けて、雄々しき星の爪!

 《撃爪アダーラ》を召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ8→6)

(トラッシュ3→4)

[撃爪アダーラ コア1 レベル1 BP1000]

 

 ブレイヴをそのまま出した…?

 

「撃爪アダーラはシンボルを持たない。けど、【スピリットソウル:緑】によって、緑シンボルを得る! これで全部引っくるめて最大軽減!」

「っ!」

 

「魔王の刃は、聖邪問わぬ平等なる断罪鎌!

 《アルティメット・マンティス》のご登場だよ!!」

(手札1→0)

(リザーブ6→1)

(トラッシュ4→6)

[アルティメット・マンティス コア3 レベル4 BP21000]

 

「緑のXレア、だっけ…」

「おうよ! 次に星獣槍シリウスをUマンティスへ換装合体!」

 

シュバリアン・ハスキー(合体)

  ↓ 分離

星獣槍シリウス

  ↓ 合体

アルティメット・マンティス(合体)

[コスト:8+4=12]

[BP:21000+3000=24000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「撃爪アダーラはシュバリアン・ハスキーに合体!」

撃爪アダーラ

  ↓ 合体

シュバリアン・ハスキー(合体)

(リザーブ1→0)

[撃爪アダーラ コア1→譲渡]

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア1→3 レベル3→4]

 

[コスト:4+2=6]

[BP:8000+1000=9000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「いっくぞー!“ソードブレイヴアルティメット”!

 アタックステップ! Uマンティスで剣刃合体アタック! 合体バトル時効果、凛々は自分のアルティメット1体を選んで疲労させる!」

「っ、アルティメットを疲労…!? ……龍剣聖を疲労させる」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 回復→疲労]

 

「続けて合体アルティメットトリガー・ロックオン! コストは12!」

「12!? …コスト3、《アルティメット・ブロンズ・ヴルム》」

「おっしゃヒット! このターン中、あたしの緑、赤、青のスピリットかアルティメットのアタックが通ったら、追加でライフ1つをいただくよ!」

「っ!?」

 

「へ〜。元の“黒蟲魔王”と同じで擬似ダブルシンボルにするんですね」

「しかも指定範囲が色だからかなり驚異的ねぇ」

 

緑 アルティメット

《アルティメット・マンティス》

コスト8 軽減緑4赤1青1 <新生・殻人>

【召喚条件:自分の緑スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP15000

<3> Lv4 BP21000

<5> Lv5 BP27000

シンボル:極

【合体時】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのバトル時』

相手は、相手のアルティメット1体を疲労させる。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このターンの間、自分の赤/緑/青のスピリット/アルティメットのアタックによって相手のライフを減らしたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

「星獣槍の効果で1コアブースト!」

(リザーブ0→1)

 

 今の私のライフ3…。アタックを通したらライフが2つ削れる…。

1回でも通したらもう守りきれない。

それに深緒はこのままアタックし続ければ勝つことができる。

 

「……通す!」

「っ! なら追加でライフを1つ砕く!」

(凛々ライフ3→1)

(リザーブ0→2)

 

「次!ハスキーで剣刃合体アタック! 合体アルティメットトリガー・ロックオン!」

「…コスト4、マジックの《フェイタルドロー》」

「ヒット!ハスキーに2コアブーストして、レベル5にアップ!」

[シュバリアン・ハスキー コア3→5 レベル4→5 BP8000→12000+3000=15000]

 

「スカイハイで守る! 効果!」

「——コスト…6!《雷極天サンダーウルフ》!」

「っ!? 外れた!?」

「これで終わりだよ凛々!」

「何を…!」

「アダーラの合体時効果! BP比べに勝ったらライフ1ついただく!」

 

緑 ブレイヴ

《撃爪アダーラ》

コスト2 軽減緑1 <剣刃>

<1> Lv1 BP1000

<0> 合体 +1000

シンボル:なし

Lv1【スピリットソウル:緑】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[緑]を追加する。

【合体条件:コスト3以上のアルティメット】

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

BPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

 や、ヤバい…! 相打ちを取れなかったどころか負けたら本当に終わりだ…!

逃げることもできない……逃げる…?

 

 

 

「…フラッシュ!」

「っ!」

「《ドラゴニックウォール》!」

「抱えてた!?」

「コストにはスカイハイから取って、ルクスを破壊!これで深緒の番は終わり!」

(凛々手札5→4)

[リューマン・スカイハイ コア1→0 消滅]

(トラッシュ3→4)

[リューマン・ルクス 破壊]

(リザーブ2→3)

 

「か、避わされた!?」

 

<凛々・第九ターン>

「後が無いのはいつもの事!」

(リザーブ3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ4→8)

 

 とは言え、今私の場に“これ”を最大軽減で出せるシンボルが無い。

…よく考えろ。どうやったらこいつを最大軽減で活かせるか。

 

「………」

 

 ……そうか、この“石剣”か。

 

「《星騎槍ガクルックス》を龍剣聖に重ねて出す!」

(手札5→4)

(リザーブ8→6)

(トラッシュ0→2)

 

星騎槍ガクルックス

  ↓ 直接合体

龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「出したときの効果。心苦しいけど、BP4千以下の猫を破壊する!」

[ネコジャラン BP2000 破壊]

(深緒リザーブ1→2)

 

 あとシンボル1つ…!

 

「次に《炎星斧エルナト》も出す!」

(手札4→3)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ2→3)

[炎星斧エルナト コア1 レベル1 BP3000]

 

「エルナトの効果で、トラッシュのスカイハイを手札に戻す!」

(手札3→4)

 

「これで整った…!」

「ど、どゆこと?」

 

「お姉ちゃん解説。

 大地穿つ石剣の効果で、凛々の場のシンボルの無いブレイヴ1つにつき、このネクサスに赤シンボルを1つ追加するの。

これはブレイヴの状態を問わないわ」

 

「私の場にはシンボルの無いブレイヴが2つ。だから、石剣に赤シンボル2つ追加!」

[大地穿つ石剣 シンボル赤+赤赤=赤赤赤]

 

赤 ネクサス

《大地穿つ石剣》

コスト4 軽減赤2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:赤

Lv1・Lv2

フィールドにあるシンボルを持たない自分のブレイヴ1つにつき、このネクサスに赤のシンボル1つを追加する。

Lv2

系統:<剣刃>を持つブレイヴと合体している自分の合体アルティメットのUトリガーがヒットしたとき、自分はデッキから2枚ドローする。この効果はターンに1回しか使えない。

 

「これで最大軽減!

 《アルティメット・アーク》!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ3→5)

[アルティメット・アーク コア2 レベル3 BP11000]

 

「うわっ、出た!?」

「次にUシャイニングのコアを龍剣聖とUアークに移す!」

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア3→1 レベル4→3]

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1→2 レベル3→4 BP5000→7000]

[アルティメット・アーク コア2→3 レベル3→4 BP11000→15000]

 

「Uシャイニングの太陽神剣を、Uアークへ渡す!」

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

  ↓ 分離

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:15000+4000=19000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:赤+赤+赤=赤赤赤]

 

「最後にエルナトをUシャイニングに重ねる!」

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

[炎星斧エルナト コア1→譲渡]

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア1→2]

[コスト:6+4=10]

[BP:10000+3000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「決める…!」

「やる気満々とか…!」

 

 決めるとは言ったが、肝心要のカードを引けてない。

なら、引けばいい!

 

「龍剣聖で攻撃! 龍剣聖とガクルックスの効果で、合わせて2枚引く!」

(手札3→5)

 

赤 ブレイヴ

《星騎槍ガクルックス》

コスト4 軽減赤1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

BP4000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリット/アルティメットの合体アタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

このアルティメットのUトリガーを発揮させないことで、さらに、このアルティメットをBP+7000する。

 

「龍剣聖の…“トリガー”!」

「——コスト3、スピリット《プロキワン》!」

「当たり! BPを5千アップ!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ BP10000+5000=15000]

 

赤 アルティメット

《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》

コスト3 軽減赤1極1 <次代・剣使・竜人>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP5000

<2> Lv4 BP7000

<4> Lv5 BP10000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

【合体時】【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットの合体アタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このアルティメットをBP+5000する。

その後、相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

 

「羽月、この“指定してアタック”って?」

「深緒ちゃんのスピリットに対してその通り指名して強制的にバトルさせるって効果だよ」

「なるほど」

「ちなみにあたしの場にスピリットはチワワンコだけだよ」

「っ!?」

 

「あーっと深緒ちゃんここで精神攻撃に入りましたね」

「カードバトラーなら、いえ、TCGをプレイしている人なら基本中の基本ね」

 

「その指定アタック効果は任意! 凛々!凛々はこの愛くるしいチワワに対して手をあげるのか!?」

「っ…」

 

 で、できない…!私にはできないよ!

 

「必死です。深緒ちゃん何とか逃れようと必死です」

「指定アタックは…しない!」

「っし!」

「浅ましい。これは深緒ちゃん浅ましいです」

「何とでも言え。あたしとて自分のライフを守らねばならん」

 

 物言わぬ動物を盾にするなんて…。やることが汚い!

 

「なぁぁんちゃって!!」

「っ!?」

「チワワンコでブロックだぁッ!!」

「深緒貴様あぁぁあ゛ぁ゛あ゛ッッ!!! 何のためにこんな真似をおぉッ!!!」

 

 潰す…! もうデッキが何色仕込んでるのだとかどうでもいい!

 必ず、深緒をゴッ倒す…!!

 

「フラッシュ!」

「何っ!?」

「倒すしか道が無いなら、無駄にする訳にはいかない!

 《サンブレイカー》!!」

(手札5→4)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア2→1]

 

「こっちの合体してるスピリット、アルティメットが相手だけを倒したら、ライフ1つをいただく!」

「ひぇ…!」

 

 ごめん、チワワ…。必ず邪悪の権化深緒を倒し、仇は取るからね…!

 

「こっちの勝ちだから、ライフ1ついただく!」

「ち、チワワを躊躇いなく…!」

[チワワンコ 破壊]

(深緒ライフ3→2)

(リザーブ2→4)

 

「Uシャイニングで攻撃! エルナトの効果でネクサスを破壊!」

[戦場に息づく命 破壊]

 

「トリガー効果——」

「ちょっと待った凛々!」

「っ!?」

 

 突然姉さんから待ったを掛けられた。な、何さ。ここで…。

しかも近くに来て耳打ちしてくる。

 

(凛々、手札をよく見て)

(…?)

(Uシャイニングのトリガーは、強いけど色々制限があるのよ)

(制限?)

(凛々の手札に赤のブレイヴ、深緒ちゃんの場にBP5千以下のスピリットがいないと、トリガー効果が不発になるのよ)

(…どういうこと?)

 

 姉さんが言うには

『Aすることで、Bする』当たるらしい。

この記述があるとき、今のUシャイニングのような『BP5000以下の相手スピリット1体を“破壊することで”、手札の赤ブレイヴ1枚をノーコストで“召喚する”』に当て嵌まる。

『A』が破壊、『B』が召喚。

このどちらも出来ていないと、発揮することができないようだ。

 

(何となく解った?)

(大体把握した)

(うん♪)

 

「…Uシャイニングのトリガーを撃つ、けど」

「コスト5、マジック《ハンドリバース》」

「当たりはした、けど…不発」

「手札にブレイヴが無いと見た!」

「どちらにしろ攻撃は通すの?ブロックするの?」

「ライフで受けます…」

(深緒ライフ2→1)

(リザーブ4→5)

 

「ラスト…!Uアークで攻撃! トリガー効果!」

「——コスト4、スピリット《ヴァルト・イエーガー》…!」

「当たり! BP5千以下のスピリット…じゃなく、Uアークが合体してるから、BP1万5千以下のアルティメットを破壊する! 選ぶのはそこの雉!」

「ひえぇ!」

[アルティメット・セッコーキジ BP5000 破壊]

(深緒リザーブ5→6)

 

「覚悟しろ深緒…!」

 

「やめろー!しにたくなーい!」

 

「動物を大切にしない奴は!

 太陽の炎に焼かれて、散れぇッ!!」

 

「うわああぁぁーーーっ!!?」

 

(深緒ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

 

 

「チワワンコ、プロキワン、ネコジャラン…。終わったよ…」

「凛々ちゃんがいつにも増してキリッとしてる」

「凛々が楽しそうで何よりね〜♪」




アルティメットバトル06投入回で、お相手はvs緑の深緒でした。
投入が少し速かったような気もしますが、05でも限界だったので投入した次第です。

アルティメットが合体可能になり、戦略の幅が凄まじく広がりました。
赤のパワーが上がりまくり、<剣獣>サポは07までお預け状態という現状。

ミス等ありましたら、気軽にご指摘ください。

※余談
後半完全に深夜テンションで書いたのが間違いでした。


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Step.04 『不様ね』

遅くなりました。
烈火伝2章も発売しさらに混迷を極める環境。
最近だとループを探すのが流行っているようで…。


烈火伝第2章 好評発売中!

オールキラブースター【名刀コレクション】。
2015年9月5日発売予定!
君も新たな剣刃『天下五剣』と、新たな剣使、ゾンビ化した大剣聖を手に入れよう!



 

「負けた〜!」

「チワワを盾に取った罪は重い。慈悲は無い」

「そのチワワに貫通効果使った人が言う?」

「私のログには何もない」

 

 既にデッキの調整だの何だのは関係無くなり、ただの対戦…いや、怨念返しとなった。悔いは無い。

 

「しっかし、ちょっと入れ換えただけで凛々のデッキ急に強くなったねぇ」

「うん。それは私も感じた」

 

 新しいのを数枚入れただけであれだ。

これなら、あいつの自信満々な顔を歪ませるのだって訳無いかも知れない。…っと、その前に理絵ちゃんに会って約束果たさないと。対戦するって約束したし。

 

「……ところでさ」

「うぃ?」

「深緒のデッキってどうなってるの?」

 

 それはそれとして、黄になった事を聞いてみる。

対戦して、深緒のデッキから赤や青やら…本当に緑なのかと疑いたくなる。

 

「あ〜、あたしのデッキは“緑タッチ赤”なんだよ」

「2色?」

 

 前に教わったときはなるべく1色にまとめた方がいいと言われてたけど、どういうこと?

 

「じゃあここから講座2回目。

今回は、『混色』についてかしらねぇ」

 

「混色ってのはそのままの意味で、デッキに2色以上混ざったタイプだね」

「最近は当たり前だけど、昔は単色が基本だったんだよ」

「へぇ」

「今の流行りは【赤緑】【白紫】【青緑】辺りかな」

 

 混色は、中心となっている色に対して補助的な意味で入れるのが基本で、デッキによっては色合いが半々になる場合があるらしい。

「あたしは緑をメインに据えて、赤を補助にしてる感じかな」

「凛々ちゃんの場合は無理に色を加えずに、メインを赤に置いて、防御寄りマジックの白とかを入れた方がいいかも。下手に混ぜるとデッキ事故の元だからね」

「なるほど」

 

 

 ——後日。

一人であのお店に行き、リエを捜した。が…2、3日学校終わりに通ったけど一度も会うことが出来なかった。店員さんに直接聞いてみたところ、“他のお店の子”と言われ、ここには手伝いで来ていただけだったようだ。

…なら会えるまで通い続けるしかないか。

 

 で、前に言われた白のカードが無いか見回り中。…カードの名前くらい聞いておけばよかった。

 

「……ん? これかな」

 

 ショーケースの中の1枚に目が止まる。……《デルタバリア》? これとかがそうなのかな。コスト4以上のスピリットのアタック、スピリットとマジックの効果の効果じゃライフが0にならないって結構とんでも無いんじゃ?

 

「何かお探し?」

「っ! …何だ早苗か」

「何だとは何よ」

 

 急に声を掛けられたと思えば、早苗だった。驚かせないでよ。

 

「で? 白マジックのところで何を探してたの?」

「防御マジックとかってのを。…早苗は? デッキ返せって?」

「それはいいの。とりあえず、あのバトルで熱い負けん気があったのは理解できたから」

「あっそ」

「ただし。またふて腐れるような事があれば、取り上げるかも」

「なにそれ」

 

 その自信満々の理解してるみたいな顔はなんなのさ。…まぁ別にいいけど。

 

「で、防御マジックだったかしら」

「うん。何かオススメがあるの?」

「ならこの《絶甲氷盾》ね。大概のデッキに2枚以上は入っているわ」

「マジ?」

「マジ。デッキのタイプによるけど、防御マジックに困ったらこれを入れておけって言われるくらいにね」

 

 早苗が指差した1枚。これが絶甲氷盾ってのなんだ。…1枚250円となかなかのお値段。光っているのは400円と、ちょっと高い。

 

「…!? 1500円!? こっちのは2000円!?」

「こっちのは公式の“バトスピ部”特別仕様ので、こっちの“ミロク”が描かれてるのはアニメ特別仕様だからよ」

「………」

 

 これは手が出せない。

…早苗が言うには、コレクション目的じゃないのならこっちので十分とのこと。

よかった、これじゃなきゃダメなのかと肝が冷えた。

 

「…やめとこ」

「買わないの?」

「うん」

 

 もう少し後で買うことにしよう。急いで買う程じゃないだろう、多分。

 

 

 

「すげぇな!これで9人抜きだぜ!」

「やるなあの子〜」

 

 

 何やらお店の一角が騒がしい。

対戦スペースで何か起こってるらしい。

 

「気になる?」

「…別に」

「じゃあ見に行きましょう!」

「何でよ…」

 

 早苗に腕を取られその一角に引きずられるように向かうはめになった。興味無いのになんで…。

集まっているギャラリーの隙間から件の連勝してる人物を捜す。

 

(凛々)

(ん?)

(あのテーブルの女の子みたいよ)

(………あの子?)

 

 早苗が指し示す先には、何やら暗い雰囲気をしているような女の子と対面でうなだれている男性の姿が。

話からして、あの女の子らしいが…何でどんよりしてるの?

 

「くそ…。ありがとうございました…」

「…ども」

 

 よく見れば暗い雰囲気なんじゃなくて、ただ眠そうなだけっぽかった。小さく欠伸してる。

 

(本当に眠いのか、余裕の表れか。凛々はどっちだと思う?)

(…さぁ。興味ない)

(少しは興味を持ちなさいな)

 

 そう言われてもなぁ…。

さっき9人抜きとか言ってたし、誰が10人目になるかくらいとしか。

 

(…凛々、あの子に挑戦してみない?)

(何で私が。興味がある早苗がやればいいじゃん)

 

 私に10人目の生贄になれと言うのか早苗は。ただの吊るし上げにしか見えないようなのになんかやりたくない。

 

(何事も経験!私や深緒さん、羽月さんとは別の人とバトルするものよ!さあ!)

(ちょ…!)

 

「失礼!」

「…?」

「挑戦よろしくて?」

「…どぞ」

「よし!ほら凛々!」

「だから何で私…」

 

 強制的に座らされた。…こら!デッキまで勝手に出すな!

 

「ヘイヘイ女の子だ。悪かねぇぜ」

「そこのあなた。今度余計な事と言うと口を縫い合わすわよ」

 

 

 

「うぅ…」

「………」

 

 対面する女の子は長い黒髪で前髪が少し目に掛かり、黒い服装一式で纏めてる。…寝ぼけてるのか半目状態だ。

 

「……やめる?」

 

 止めるかどうか提案された。

そりゃ止めたい、けど…周りがそれを許さないというか、早苗ががっしり肩に手を置いて逃がしてくれない。

 

「…よろしくお願いします」

「ん…」

 

 やるしか無いのか…。

というか、9人抜きしてる相手に私が敵うのか?

 

「では!ゲートオープン、界放!」

「かいほー…」

「………」

 

 

    VS ???

     【???】

 

 

 先攻後攻決めはお互いサイコロを投げて出目が高い方が選ぶことに。私の分は、既に使われていたのを貸してもらった。

 

「よっ。……4か」

「…ほい」

 

 女の子が指を鳴らすようにサイコロを投げた。ちょっとカッコイイじゃないの。

勢いよく回転しながら、デッキにぶつかり止まる。…出た目は5。

 

「………」

「………」

 

 手札を確認。…これはどうする。

 

「……せんこー」

「了解」

 

<???・先攻第一ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

 手つきはゆっくりだが、デッキからカードの引き方や手札の持ち方で早苗や深緒、羽月と同じ上級者だと見た。…いやだから9連勝してる時点でそうだろうに。

というか、何で連戦してるんだろう? 何かの修業か何か?

 

「………はふあ」

「………」

 

 …そうは見えないな。

 

「…メイン。ネクサスの《釣魂台》を配置」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「ほう、また珍しいネクサスを」

「紫…」

「バーストをセットして、ターンエンド…」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

 紫か…。これも話に聞いただけで何するか判らないんだよなぁ。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「えっと…」

 

 ちらっと早苗を見る。目が合い、ギャラリーの目もあるからステップ宣言はちゃんとしとけと訴えかけてきている。

 

「…スタート、ステップ。コアステップ」

(リザーブ4→5)

 

「ドロー…ステップ」

(手札4→5)

 

「め、メイン、ステップ」

 

 深緒との対戦で、ライフを減らしたらスピリットが飛び出してきたんだっけ。…ならやっぱこれは強いんだ。

 

「《ベアードイーグル》を出すよ」

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[ベアードイーグル コア1 レベル1 BP3000]

 

「アタ…クステップで、ベアードイーグルで攻撃。攻撃したとき1枚引くよ」

(手札4→5)

 

「…ん。何も無し」

「なら、ライフを減らさないで1枚引くのに変える」

(手札5→6)

 

「ほう。相手にコアを渡さず1ドローに変えるとは、良いカードね」

 

「これで終わり。…た、ターンエンド」

 

 ステップを言うのやっぱりちょっと照れ臭い…。

 

<???・第三ターン>

「ん。…スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン。…ネクサス《旅団の摩天楼》を配置」

(手札4→3)

(リザーブ5→4)

(トラッシュ0→1)

 

「配置時効果で…」

「…何で1コストだけ?」

「…?」

 

 相手の場に紫のシンボルは1つしかないのに何で1しかコスト支払わないの…?

 

「…釣魂台の効果」

「?」

「凛々。釣魂台の効果は、自身のバーストがセットされている間、ネクサスに紫シンボルを1つ追加する効果があるのよ」

「へぇ、そうなんだ」

 

 私の石剣に似てる効果なのか。…でも伏せるだけでシンボルを増やせるならこっちより使いやすいかも。

 

紫 ネクサス

釣魂台(ちょうこんだい)

コスト4 軽減紫2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:紫

Lv1・Lv2

自分のバーストをセットしている間、このネクサスに紫のシンボル1つを追加する。

Lv2『自分のエンドステップ』

自分の手札にある系統:<無魔>を持つスピリットカード1枚を破棄することで、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「…いい?」

「あ、ど、どうぞ」

「ん。…摩天楼の配置時効果。1枚ドロー」

(手札3→4)

 

「……《ソードール》を召喚。レベルは1」

(手札4→3)

(リザーブ4→3)

[ソードール コア1 レベル1 BP1000]

 

「…次に、次代の闇の主。

 《悪魔皇デビッド》を召喚。レベルは3」

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ1→3)

[悪魔皇デビッド コア1 レベル3 BP9000]

 

「紫のアルティメット…」

「…ソードールのコアを釣魂台に移して、ソードールは消滅。釣魂台をレベル2へ」

[ソードール コア1→0 消滅]

[釣魂台 コア0→1 レベル1→2]

 

 出したのにもう退かした? 一体どういうこと?

 

「…エンドステップ、釣魂台レベル2の効果。…手札の<無魔>スピリットカード、《バットナイト》を破棄して、1枚ドロー」

(手札2→1→2)

 

 また引いた…。紫って、黄色に次いで変なタイミングが多い感じがする。

 

「…ターンエンド」

 

<凛々・第四ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札6→7)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン、ステップ」

 

 …ベアードイーグルの効果を見たら相手だってタダじゃ放っておかないだろう。後は姉さんのアドバイス通り動いてみるか。

 

「《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》を出すよ」

(手札7→6)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→2)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

 

「次に、《星騎槍ガクルックス》を龍剣聖に重ねて出す」

(手札6→5)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ2→4)

星騎槍ガクルックス

  ↓ 直接合体

龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「……リューマン、赤のアルティメット、合体アルティメット…」

「…?」

「………」

「…気にしないで」

「う、うん。…じゃあ、ベアードイーグルのコアを龍剣聖に移して、アタックステップ」

[ベアードイーグル コア1→0 消滅]

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア1→2 レベル3→4 BP5000→7000+3000=10000]

 

「龍剣聖で攻撃。両方の効果で1枚ずつ引くよ」

(手札5→7)

 

「それで、トリガー効果。龍剣聖のコストは7」

「……コスト8、スピリット《冥府三巨頭ザンデ・ミリオン》」

「ぅえ、外れた…」

「…アタックはライフで受けるわ」

(???ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「…ライフ減少で、バースト発動。《ラウンドテーブルナイツ》」

{???バースト:セット→発動}

 

「…バースト効果。…トラッシュにあるコスト5以下のスピリット1体を、コストを支払わず召喚する」

「トラッシュから…!?」

「…復活させるのは、さっき破棄した《バットナイト》」

(リザーブ1→0)

[バットナイト コア1 レベル1 BP2000]

 

「…バットナイトの召喚時効果発揮。1枚ドロー。…私の場にアルティメット、Uデビッドがいるため更に1枚ドロー」

(???手札2→4)

 

紫 マジック

《ラウンドテーブルナイツ》

コスト5 軽減紫2

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のトラッシュにあるコスト5以下のスピリットカード1枚を召喚する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

カード名に「闇騎士」と入っている自分のスピリット1体につき、相手のスピリットのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

 赤と同じくらい引きまくってる。

方法は違うけどここまで引いているのを相手にすると怖いものがある。姉さん曰く『潤沢な手札は選択の幅を増やして、相手にもプレシャーを与える』とか。

 

「…これで終わり」

 

<???・第五ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メイン。…やっぱり違うか」

「…?」

「…気にしないで。独り言よ」

「はあ…」

「…“毒蛇の心臓”、《毒蛇鎌アルファルド》をUデビッドに直接合体」

(手札5→4)

(リザーブ4→3)

(トラッシュ0→1)

毒蛇鎌アルファルド

  ↓ 直接合体

悪魔皇デビッド(合体)

[コスト:5+2=7]

[BP:10000+1000=11000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「っ…」

「…Uデビッドのレベルを4に。…で、バーストセット」

(リザーブ3→1)

[悪魔皇デビッド コア1→3 レベル3→4 BP9000→10000]

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

「…エンドステップ。手札の《冥府三巨頭クイン・メドゥーク》を破棄して、1枚ドロー」

(手札3→2→3)

 

 まだ攻めてこない…。

手札が悪いのか、はたまた窺っているのか。何か不気味なものを感じる。

 

<凛々・第六ターン>

「スタート、ステップ」

(リザーブ0→1)

(手札7→8)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「………」

 

 1体だけなら何とかなるかもしれない。

だけど得体の知れない不安感は何だ。

 

「…ネクサスの《大地穿つ石剣》をレベル2で置くよ」

(手札8→7)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[大地穿つ石剣 コア1 レベル2]

 

「…アタックステップ。龍剣聖で攻撃。2枚引いて、トリガー効果」

(手札7→9)

 

「……コスト4、マジック《絶甲氷盾》」

「当たり。石剣の効果で2枚引くよ。あとは…BPを5千足して、指定アタックってのはしない」

(手札9→11)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) BP10000+5000=15000]

 

「……手札の数で決まるものじゃないわ」

「っ、攻撃はどうするの」

「…焦らないの。…Uデビッドでブロック」

 

Sword Brave Attack!!

龍剣聖リューマン・マスターエッジ+星騎槍ガクルックス

BP7000+3000+5000=15000 →win!!

  vs

Defense!!

悪魔皇デビッド+毒蛇鎌アルファルド

BP10000+1000=11000 →Lose...?

 

「これで勝ってるよ」

「…破壊されるわ」

[悪魔皇デビッド(合体) 破壊]

 

「…でも、Uデビッドの破壊時アルティメットトリガー発揮」

「えっ!? 破壊されたら使えるの…?」

「…そうよ」

「そんなのが…。こ、コスト5の《太陽神剣ソルキャリバー》…」

「っ!?」

 

 突然相手が目を見開いて、驚いたような表情で立ち上がった。…び、びっくりした。何、急に何?!

 

「………」

「…な、何…?」

「あなたそのカードを何処で?」

「え?」

「何処で手に入れたかって聞いてるの」

 

 さっきの状態とは打って変わって早口で荒い口調で迫ってきた。掴み掛かられてはいないけど、顔が近いですはい…。

 

「し、知り合いに貰ったんだけど…」

「知り合いって誰」

「誰って…」

「ちょっと失礼」

「んおう…」

 

 すると早苗が割って入ってきて、相手の肩を押して優しく席へ戻した。

 

「まぁ落ち着きなさい。そんな剣幕で迫られては話もできないわ。オーケイ?」

「……オッケイ」

 

 …早苗の方を見れば、いつの間に作ったのか『I Love バトスピ』と書かれているハートの形をした用紙みたいのを持っていて、余裕たっぷりに椅子に腰掛けていた。

…感謝しようと思ってた気持ちが全部吹き飛んだ。

 

「凛々のデッキはうちの“従姉妹”が渡したものよ」

「………」

「太陽神剣も本物。私と麗ちゃんが保障するわ」

「…“蒼穹”が? ……ふん」

 

 納得したのかしてないのか不満そうな顔をして何か考え込み始めた。

 

「…バトルを続けるわ」

 

 少し考えて、まとまったのか対戦に戻るらしい。完全に私がのけ者状態だ。話が見えない。

 

「そうしてもらえると助かるわね」

「何なの…」

「とにかくヒット時効果発揮。1枚ドローして、回復状態で場に残る」

「なっ…!?」

(???手札3→4)

[悪魔皇デビッド(合体) 破壊→回復]

 

「これじゃいくらBPを上げても…」

「…ふふっ。…パワー押ししかできないトカゲはやることが単純よね」

「なっ…」

 

 突然馬鹿にされた…。

 

「…終わり」

 

<???・第七ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札4→5)

(トラッシュ1→0)

(リザーブ2→3)

 

「メイン。…さて」

「っ…」

「…《堕天剣聖モロク》を召喚。レベルは3」

(手札5→4)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ0→1)

[堕天剣聖モロク コア1 レベル3 BP4000]

 

「…これで条件は揃った」

「揃った…?」

 

「堕天剣聖モロクは私の紫アルティメットの召喚条件を無視し、悪魔皇は私の究極シンボルを紫シンボルとして扱える…。

そして、私の場には究極シンボルが2つ。紫シンボルが3つ以上ある。

これで“骸の巨皇”が目を醒ます…!」

 

 これは、相手の切り札が来る…!

 

「骸の巨人は究極の命を啜り、新たなる皇となる…!

 《骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ》…!

 レベル3、覚醒っ!」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

[骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア1 レベル3 BP12000]

 

「い、色々何がなんだか…」

「…さっき言った通りよ。…モロクで召喚条件を無視。そしてUギ・ガッシャは召喚する際、コストを5として扱う。軽減は紫が3、究極が2。よって0コストで召喚できるの」

 

紫 アルティメット

《堕天剣聖モロク》

コスト3 軽減紫1極1 <次代・剣使・魔影>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP4000

<2> Lv4 BP6000

<3> Lv5 BP8000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5

自分の紫のアルティメットカードの召喚条件を無視する。

系統:<魔影>を持つ自分のアルティメットの究極シンボルすべてを紫のシンボルとしても扱う。

【合体時】【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットの合体アタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のアルティメットのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

紫 アルティメット

《骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ》

コスト8 軽減紫3極2 <新生・無魔>

【召喚条件:系統:<無魔>を持つ自分のスピリット3体以上】

<1> Lv3 BP12000

<3> Lv4 BP18000

<5> Lv5 BP24000

シンボル:極

このアルティメットカードは、召喚するときコスト5として扱う。

Lv3・Lv4・Lv5 ???……

 

「…Uデビッドの毒蛇鎌をモロクへ換装」

悪魔皇デビッド

  ↓ 分離

毒蛇鎌アルファルド

  ↓ 換装

堕天剣聖モロク(合体)

[コスト:3+2=5]

[BP:4000+1000=5000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「…そして、バットナイトと釣魂台のコアをUギ・ガッシャに移し、レベルを4に」

[バットナイト コア1→0]

[釣魂台 コア1→0 レベル2→1]

[骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア1→3 レベル3→4 BP12000→18000]

 

「なっ、ちょっと!?」

「ふふふっ…!Uギ・ガッシャの効果…! 私の<無魔>スピリットはレベル1の維持コアが0になり消滅はしない…!」

 

《骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ》

Lv3・Lv4・Lv5

系統:<無魔>を持つ自分のスピリットすべてのLv1コストを0にする。この効果以外でLv1コストは変更されない。

 

「消滅しない!?」

「凛々、あれが紫のひとつの到達点。生も死も超越した存在、それが【無魔】よ」

「…くふふっ。さすが“蒼雷”。よく知ってるわね」

「その名で私を呼ぶなァッ!!」

 

 早苗が突然キレてテーブルを全力で殴った。コアやら何やら浮き上がったが無事だ。

 

「…バトル中よ」

「今の私は“叢空”! その称号は返上した!」

「…はいはい。…次は“ズル”されなきゃいいわね」

「ッッ…!!」

 

 

「あのさ、うちの“友人”を挑発するのはそこまでにしてほしい」

 

「…! 凛々…!」

「………」

「私のことはいくらでも挑発したっていい。だけど、嫌がっている人に責め立てるのは趣味が悪いよ」

「…失礼」

 

「凛々…!今私のこと、友人って!」

「知らん」

「凛々ぃ…!」

 

「…アタックステップ。Uギ・ガッシャでアタック。…アルティメットトリガー。コストは8」

「——コスト4のマジック、《ドラゴニックウォール》」

「ヒット。…では、骸を揺り起こすとしましょうか」

 

 骸を揺り起こすって、軽くホラーだよね…。

 

「…ヒット時効果。…私の墓場に眠る<無魔>スピリット1体を蘇らせる。対象は《冥府三巨頭ザンデ・ミリオン》レベルは2!レベル分にはUデビッドから確保…!」

[悪魔皇デビッド コア3→0 消滅]

[冥府三巨頭ザンデ・ミリオン コア3 レベル2 BP10000]

 

《骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ》

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、自分のトラッシュにある、系統:<無魔>を持つスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

 

「さあ、このアタックはどうするの?」

「通す!ライフ!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「次、ザンデ・ミリオンでアタック…!」

「くっ…」

「…【神速】を握っているか知らないけど、一応忠告。…私の<無魔>スピリットのアタックを止めたければ、あなたのスピリットを破壊しなければブロックは無理よ」

「っ!?」

 

紫 スピリット

《冥府三巨頭ザンデ・ミリオン》

コスト8 軽減紫6 <無魔>

<1> Lv1 BP7000

<3> Lv2 BP10000

<6> Lv3 BP14000

シンボル:紫紫

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:<無魔>を持つ自分のスピリットがアタックしたとき、相手は、相手のスピリット1体を破壊しなければブロックできない。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

???……

 

「じ、じゃあ…」

「…あなたの場にスピリットは1体もいない。つまりブロックは不可能…!」

「…通す!」

「ザンデ・ミリオンはダブルシンボル…!」

(凛々ライフ4→2)

(リザーブ1→3)

 

「モロク、剣刃合体アタック…!」

「…フラッシュタイミング!」

「…悪足掻きかしら」

「《フレイムスパーク》を使う!石剣は自身の効果で赤のシンボルが2つになってるから2つコストを減らして、3コスト!」

(凛々手札11→10)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ4→7)

 

「合計BP5千までそっちのスピリットを破壊する! 残ったバットナイトを破壊!」

[バットナイト BP2000 破壊]

 

「更にトラッシュのベアードイーグルを手札に戻して、これでライフは…」

(手札10→11)

 

「凛々っ!」

「口出しは不粋よ。あなたが私の<無魔>を破壊したことで、ザンデ・ミリオンレベル2からの効果が発揮されるわ…!」

「っ!」

「破壊された<無魔>スピリットよりコストの低いスピリット1体をノーコストで復活させる…!」

「また復活!?」

 

《冥府三巨頭ザンデ・ミリオン》

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:<無魔>を持つ自分のスピリットが相手によって破壊されたとき、自分のトラッシュにある、破壊されたスピリットよりコストの低いスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

ただし、『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。

 

「復活させるのはコスト1の《ソードール》…! 勿論Uギ・ガッシャの効果によって、維持コアは0個でいい…!」

[ソードール コア0 レベル1 BP1000]

 

「凛々、ウカツ!赤のカトン・ジツは紫相手には効きづらい!」

「…っ」

「…経験不足どころか初心者ね。…モロクアタックは?」

「と、通す!」

(凛々ライフ2→1)

(リザーブ0→1)

 

「…これで終わりね」

 

「くっ…!」

 

「…プレイングもお粗末で合体アルティメットに振り回されてるだけ。…不様ね」

 

「……っ」

 

「ソードールでラストアタック。

 ……骸の澱に沈め、“紛いもの”…!」

 

「ま、紛いもの…!?」

 

(凛々ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! ???〕

 

 

 

 

 

「…10人抜き。…飽きたから今日は帰るわ」

「……くそっ」

「…悔しかったら、もっと強くなってきなさい。ビギナーさん」

「必ず…借りは返す!」

「…期待しないでおくわ」




合体アルティメットのパワーには参ったな!
vs紫の???とのバトルでした。
今回出せた冥府三巨頭最強の一角は脇役みたいな扱いでしたが、環境が変わったとはいえ今だ紫のトップに君臨するカードパワーはこういうところではなかなか使いどころが難しいものがあります。
現在は流石になりを潜めてはいる感じですが。


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Step.05 『見ておきなさい!』

超遅くなりました。
色々忙しかったので許してつかぁさい(土下座)
その上長くなってしまいました。


 

「凛々…」

「………」

 

 これ程悔しく思ったのは初めてだ。

こんなにも負けて悔しいと思ったのは。

早苗のときとは事情が違うし、デッキにだって多少の自信はあった。姉さん、深緒、羽月のアドバイス入りで、経験者の深緒に一応は勝ったんだ。だが今回は違った。

 

『不様』

 

 この一言に尽きる。

赤の他人にここまで切り捨てられるとは思いもよらなかった。

その言い放った本人は、デッキやらコアやらを片付けて既にお店にはいない。

周囲のギャラリーもただ事では無いのを察知したのか、静かに散っていった。

 

「凛々」

「………」

「今日は引き上げましょう」

「………」

 

 早苗が私のデッキを片付け、引きずられるように、逃げるようにしてお店を後にする。…途中聞こえてしまった。

 

『あれは可哀相』

『お粗末なのは初心者だから仕方ない』

『再起不能になるかも』

 

 などなど同情の声が。

 

 

 

 逃げ帰ってきた自宅。

姉さんはまだ帰ってきてないため、今いるのは私と早苗だけ。

 

「…さて」

「………」

「あれだけボロ負けした理由は?」

「…私が弱いから」

「ん。叱るから、泣かないこと」

 

 誰が泣くか。

 

「何なのあの腑抜けたプレイングは!」

「っ…」

「本当に2人に教えてもらったの!?」

「もらったよ…」

「にしては、あの子に言われた通りカードに振り回されていたようにしか見えないけど?」

「だ、だって…」

「だってじゃない!結果論だけど、何故あそこでベアードイーグルからコアを取ったの!次に続かないじゃない!」

 

 あの時か。…重ねた龍剣聖にコアを増やさなきゃ効果が使えない。ベアードイーグルはいっぱい引くためのものだって。

 

「おろかもの!」

「っ!?」

「スピリットはアルティメット召喚のための支え! 簡単に消すやつがあるか!」

「で…」

「でもじゃない! デッキ出せ!…って私が預かってた!」

 

 一人でツッコミ入れているあたり余裕が無いのか本当に怒ってるのか…。

バッグから私のデッキを取り出し、カードをテーブルに並べ始めた。

 

「なるほどデッキはまぁまぁ申し分は無い感じだけどスターターの領域を脱してないなら低コスト体を赤緑寄りに切り換えていやそうしたらこのデッキ自体を否定してしまうアルティメット主体ならやはりここは早出しから形勢を…」

 

 何やらぶつぶつ言い始める早苗。

デッキを見て何が悪いのかを考察しているみたいだが…。

 

「………」

「低コスト帯に問題有り…。この遺憾ともしがたい脆さを何とかするには………凛々!」

「っ!?」

 

 手持ち無沙汰になってどうしようかと思っていたところ、急に早苗に呼ばれびっくりしてしまう。

 

「ほら!受け取りなさい!」

「っ…。これ、あの“絶甲”とかいうのじゃん」

「最早悠長にあなたの成長を待ってる場合じゃなくなった!その他諸々黙って受け取れ!」

「う、うん…」

 

 鬼気迫る勢いで差し出されたのは、あの《絶甲氷盾》。しかも3枚も。それにたくさんのカード。

 

「凛々。あいつに負けて悔しくないの?」

「…悔しいに決まってる」

「ならば今日からスパルタで行くからそのつもりで!」

「お、おう」

「打倒!……あ」

「?」

「あの子の名前聞くの忘れた…」

「………」

 

 

 ——それから数時間。もう外も日が落ちた時間だ。

あれから現在進行形で早苗にとにかくデッキの動かし方を吐きそうになるくらい叩き込まれている。

 

「だ違う!今ルクスのコアをUアーク移してレベルを上げたら狙い撃ちにされるでしょう!」

「で、でもトリガーで厄介なのを退かせるでしょ?」

「前私と羽月にトリガーカウンターを喰らったのをもう忘れた?」

「…あ、あれか」

「あと、この《リューマン・ルクス》がいればリューマン系アルティメットの対象範囲をアルティメットにまで広げられるの。だから自壊させず、Uアークはあくまでトリプルシンボルを叩き込む決戦用として割り切る必要がある」

 

「ドローしまくるのは結構だけど、スピリットを失えば次のアルティメットに繋ぐ道を失うのよ。簡単に自壊させてはいけないわ」

「うん…」

 

「何だその腑抜けたアタックはぁ!今ので3回は負けてるわよ!」

「ただ龍剣聖で攻撃しただけなのに…」

 

 

 

 数時間、みっちりバトスピ浸けにされて頭がパンクしそうだ…。

 

「あら、もうこんな時間? …まぁ形にはなってきたけど、まだまだね」

「……ぁぃ」

 

 外は完全に日が落ちて夜。…ちょうど姉さんも帰宅したようだが、身体が上手く動かないし頭が重い。

 

「ただーいまー」

「お帰りなさーい!」

「おい」

「あら?凛々、お友達〜?」

 

 何で早苗が返事するの。いや私が多少グロッキーだからしょうがないけども。

 

「凛々ちょっと失礼」

「は?…わっ、ちょ!?」

 

 何をするのかと思えばいきなりの早苗が私にお姫様抱っこをして部屋を出た。な、何してくれてんの!? あれよあれよと言う間にリビングに降りて行き、しかも抱っこされている姿を姉さんに目撃される始末。

 

「あら〜」

「お邪魔してますお姉様!藍河 早苗です!凛々さんの親友です!」

「また親友ってレベルじゃない…!てか下ろせバカ!」

「あっあっ待って待って!今写真撮るから!」

「姉さんも撮らんでいい!」

 

 だから撮るな!早苗もポーズ決めんな!

 

 

「…で、早苗ちゃんは夕飯何がいいかしら?」

「はい!お姉様がお作りになるものなら何でも!」

「なら野菜の切れっぱしでもいいね」

「凛々も意地悪しないの」

 

 堂々と夕飯一緒、というか泊まる話になっている。…早過ぎる。しかもあの麗人さんから電話が着て、『迷惑掛けて申し訳ない。迷惑掛けるようなら連絡してくれ。すぐに引き取りに行く』とまで言われた。

……まぁ、礼儀正しいから大丈夫だとは思う。

 

「…お姉様、ひとついいですか?」

「はい?」

「お姉様は、凛々とバトスピでバトルはしましたか?」

「ううん、まだよ。デッキ構築でちょっとアドバイスしただけよ」

「そうですか…」

 

 …そういえば姉さんと対戦してなかったな。アドバイス貰うくらいで特にこれといって…。

 

「苦言を言うようですが、少々甘やかし過ぎなのでは?」

「…やっぱり」

「アドバイスは大いに結構なのですが、バトル面が甘過ぎます」

「う〜ん…」

「いくらデッキが良くても、扱うバトラーが未熟では宝の持ち腐れになってしまいます」

 

 宝の持ち腐れ、か…。

 

「強いカードは持ってれば嬉しいただのコレクションでは無いことは周知の事。……一部そういうのがあるかも知れませんが」

「そうねぇ…」

「ですので、よろしければ後で凛々とバトルしてほしいのです」

「………」

「勿論全力全開手加減無しで!」

 

 姉さんの本気とぶつかるとか勝てる気がしないんだけど…。

 

「凛々も勝つ気でやりなさい!」

「…善処する」

「もう!あんなこと言われて悔しくないの!?」

「悔しくよそりゃ」

「なら強くなるのよ!一緒に!」

「うん…」

 

 対戦したあの子は強かった。…いや、強いとか実感する以前に相手にされなかった。

その上、不様とまで言われたんだ。引き下がっては女が廃る。

 

「しかしお姉様の料理は最高ですね!おかわり!」

「おい」

「凛々もデュエルエナジーを消費してるんだからしっかり食べないと!」

「でゅ、デュエルエナジー…?」

 

 

 

「お風呂までいただいて寝間着まで貸していただき恐縮です!」

「凛々のはサイズが合わなかったから私のだけど、合ってよかったわ〜」

「………チッ」

 

 まさか早苗と2人してお風呂に入るとは思わなかった。まだ数日しか経ってないのに、早苗のコミュニケーション能力は高すぎる。

しかしお前の身体の成長具合はイレギュラーだ。いつか勝った暁には修正してやる…。

 

「さて!夜のバトスピ女子会といきましょう!」

「イエーイ♪」

「………」

 

 夜なんだから静かにね。…今更か。

 

「さて凛々。さっきまでの成果を…」

「あのさ、早苗」

「はい?」

 

 ちょっと疑問に思う事がある。

上手い人が私のデッキを使ったらどうなるんだろうって。私しか使って無いから気になった。

 

「私と姉さんが対戦するのは分かったんだけどさ、デッキをどう使えばいいのか教えてほしい」

「ふむ…」

 

 上級者ならどういう使い方をするのか、どういうやり方でをするのかを知りたい。言われてやるだけじゃ考え足らずの現状じゃあデッキが変わっても意味が薄い、と思う。

やってダメなら見て学べって聞いた覚えがある。いつ聞いたかは忘れたけど。

 

「一利ある。…お姉様、先にお手合わせ願えますか?」

「いいわよ〜。どう変わったのかも見てみたいしね〜」

「成立!では凛々、デッキを貸していただくわね」

「どうぞ、先輩」

「確かに。…凛々に先輩と言われると違和感あるわね」

 

 

    藍河 早苗

      VS

    鴇峯 沙夜

    【???】

 

 

「先攻は譲りますよ」

「あらいいの? じゃあ有り難くいただくわね」

 

 先攻を譲った? 二人の間にいるからお互いの手札は見えないけど、早苗の手札が悪いのか?

…それにしても姉さんと早苗の場は何だ。プレイシート?ってのじゃなくて、プレイマットっていうゴムに似たものでできているらしく、プレイシートより広く見やすく破れたりしにくいとか。聞けば布製のもあるとか。

両方自作らしく綺麗なイラストが描かれている。何が描かれているかは私には解らないが、バトスピ関連だろうきっと。

よく見れば姉さんの使うコアの色も違う。全部青じゃなくてピンクだ。

 

<沙夜・先攻第一ターン>

「さてぇどう行こうかしら。スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メインステップ。ここは、ネクサス《オールトの竜巣》を配置ね」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「赤!しかも<星竜>ですか!」

「せいりゅう…?」

「星の竜って書いて<星竜>。赤の代表的な系統ねぇ」

「ふ〜ん…」

 

 姉さんも赤使うんだ…。

でも私の<竜人>だっけ。それとは違うのを使うのか。赤同士の対戦か…。

 

「次にバーストをセットして、ターンエンドっと」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

<早苗・後攻第二ターン>

「これは少し急ぐ必要が出てきたわね…。叢空の第二ターン、スタートステップ!」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

 急ぐ必要…? あの紫みたいにヤバい部類なんだろうか。

 

「早速新たに投入したネクサス、《惑星十字直列》を配置!」

(手札5→4)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→3)

 

「ふむふむ」

「そしてバーストをセットし、ターンエンド!」

(手札4→3)

{バースト:無し→セット}

 

「…ねぇ早苗」

「?」

「言われるままそのネクサス入れたけど、ドラグニックを全部抜いてまで入れる必要あったの?」

「まぁ見てなさい。今の凛々のデッキなら十分活躍は見込めるはずよ」

 

 そう、なのかなぁ…?

たしかレベル2の効果がデッキと合わなかったような気がするんだけど…いいの?

 

<沙夜・第三ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。《デブリ・ザード》を召喚ね」

(手札4→3)

(リザーブ5→4)

[デブリ・ザード コア1 レベル1 BP1000]

 

「次に《ムーンボウ・ドラゴン》も召喚」

(手札3→2)

(リザーブ4→3)

[ムーンボウ・ドラゴン コア1 レベル1 BP1000]

 

赤 スピリット

《ムーンボウ・ドラゴン》

コスト2 軽減赤2 <星竜>

<1> Lv1 BP1000

<2> Lv2 BP2000

<5> Lv3 BP5000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットがスピリット/アルティメットの効果で消滅/破壊されたとき、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「次に〜マジック《ブレイヴドロー》! デッキから2枚ドローして、トップを3枚オープン♪」

(手札2→1)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ0→2)

(手札1→3)

●オープンされたカード

・《幻羅星龍ガイ・アスラ》

・《六分儀剣のルリ・オーサ》

・《星獣槍シリウス》

 

「っ!?」

「その中のブレイヴカード、シリウスを手札に加えるね〜♪」

(手札3→4)

 

 今姉さんが手札に加えたカードって深緒も使ってたカードか。…あと、最初にめくれたカードを見た早苗の表情が少しが歪んだ。マズいのが見えたって感じの。

 

「前言撤回、慎重に攻めなきゃならなくなったわ…」

「…?」

「残ったのはどっちでもいいからめくれた順で戻して〜」

 

赤 マジック

《ブレイヴドロー》

コスト5 軽減赤3

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

その後、自分のデッキを上から3枚オープンし、その中のブレイヴカード1枚を手札に加える。

残ったカードは好きな順番でデッキの上に戻す。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+2000する。

 

「更にマジック《スターリードロー》♪」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

 

「デッキトップを3枚オープン♪」

●オープンされたカード

・《六分儀剣のルリ・オーサ》(スピリット)

・《幻羅星龍ガイ・アスラ》(スピリット)

・《射手星鎧ブレイヴサジタリアス》(ブレイヴ)

 

「その中の系統:<光導>、<星魂>、<星竜>を持つスピリット、ブレイヴを全部手札に加える。

ルリ・オーサは<星魂>スピリット、裏射手座は<光導>ブレイヴ、ガイ・アスラは<星竜>スピリット。よって全部手札にするわね〜♪」

(手札3→6)

 

「うわ…」

「これでターンエンドよ♪」

 

赤 マジック

《スターリードロー》

コスト4 軽減赤3

メイン:

自分のデッキを上から3枚オープンする。

その中の系統:<光導>/<星魂>/<星竜>を持つスピリットカード/ブレイヴカードすべてを手札に加える。

残ったカードは破棄する。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1をBP+2000する。

 

<早苗・第四ターン>

「叢空の第四ターン、スタートステップ!」

(リザーブ2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「メインステップ! ……《リューマン・ルクス》を召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ6→5)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「続いて《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》を召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→2)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

「更にマジック《ネオ・ダブルドロー》を使用! アルティメットである龍剣聖がいるため3枚ドロー!」

(手札2→1)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ2→4)

(手札1→4)

 

「…アタックステップ! 龍剣聖でアタック!」

「ふむ」

 

 早苗が先に仕掛けた。

今一瞬何か考えたみたいだけど、何考えてたんだろ?

 

「アタック時効果により1枚ドロー!」

(手札4→5)

 

「アタックはライフで受けますよ〜」

(沙夜ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ライフ減少でバースト発動。《救世神撃覇》!」

「っ!」

「まずバースト効果で合計BP6千まで好きなだけスピリットを破壊するわね。まぁ対象はルクスのみだけど」

{沙夜バースト:セット→発動}

[リューマン・ルクス BP1000 破壊]

(早苗リザーブ0→1)

 

「それで追加コスト。1枚ドローして、追加でバーストセット♪」

(リザーブ1→0)

(トラッシュ3→4)

(手札6→7→6)

{バースト:無し→セット}

 

「ターンエンドです」

 

<沙夜・第五ターン>

「はーいスタートステップ〜♪」

(リザーブ0→1)

(手札6→7)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。ネクサス《ガイナロック大渓谷》を配置ね」

(手札7→6)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→2)

 

「これで赤シンボル4つ。竜巣の効果! 私の手札にある系統:<星竜>スピリットに赤軽減を1つ追加! よって、4軽減!

 《北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン》を召喚っと!」

(手札6→5)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ2→4)

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(赤) コア1 レベル1 BP5000]

 

赤 ネクサス

《オールトの竜巣(りゅうそう)

コスト4 軽減赤2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:赤

Lv1・Lv2

自分の手札にある系統:<星竜>を持つスピリットカードすべてに軽減シンボル[赤]を与える。

Lv2『自分のアタックステップ』

自分の合体スピリットが、BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、自分のトラッシュにあるスピリットカード1枚を手札に戻す。

 

「赤北斗!」

「召喚時効果発揮!手札のブレイヴ1つをノーコスト召喚。召喚するのはさっき手札に加えた《星獣槍シリウス》を直接合体!」

(手札5→4)

 

星獣槍シリウス

  ↓ 直接合体

北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(合体)

[コスト:6+4=10]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「ブレイヴをノーコストで出した…!?」

「あれが時代を席巻した北斗七星龍よ」

「今では1枚制限になってちょっと隠れがちになっちゃったけど、それでも十分強いカードよ♪ あ、ブレイヴの召喚に成功したから1枚ドローするね〜」

(手札4→5)

 

*(赤) スピリット

《北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン》

コスト6 軽減*(赤)3 <神星・星竜>

<1> Lv1 BP5000

<3> Lv2 BP8000

<5> Lv3 BP11000

シンボル:*(赤)

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分の手札にあるブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

この効果で自分のブレイヴが召喚されたとき、自分はデッキから1枚ドローする。

【合体時】Lv3『このスピリットのアタック時』

BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のスピリット1体を破壊する。

 

「やはり狙いは…!」

「その通り♪ 本気でって話だからね。アタックステップ!」

 

 あのカードがどれだけヤバいのかまだ解らないけど、明らかに早苗が動揺してるのは解る。

 

「北斗七星龍で剣刃合体アタック。シリウスの合体アタック時効果で、ボイドからリザーブにコア1つ追加ね」

(リザーブ0→1)

 

「ライフで受けます!」

(早苗ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「バーストが無いならこのままターンエンド」

 

<早苗・第六ターン>

「早苗、勝てるのこれ…?」

「正直厳しい。…しかし!」

 

 不安になる私を他所に目がぎらつく早苗。

何でそんな楽しそうに笑うんだろうか…。

 

「こうでなくてはバトスピでは無い!

 叢空の第六ターン!スタートステップ!」

(リザーブ2→3)

(手札5→6)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

「メインステップ!2体目の《リューマン・ルクス》を召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ7→6)

[リューマン・ルクス(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

「更に《星騎槍ガクルックス》を龍剣聖へ直接合体!」

(手札5→4)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→2)

星騎槍ガクルックス

  ↓ 直接合体

龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「ガクルックスの召喚時効果によってBP4千以下のスピリット、ここはデブリ・ザードを破壊!」

[デブリ・ザード BP1000 破壊]

(沙夜リザーブ1→2)

 

「……バーストは」

「ん〜。……無し」

「なら次に《大地穿つ石剣》を配置!」

(手札4→3)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ2→4)

 

「次に龍剣聖のレベル4へ上げる!」

(リザーブ2→0)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア1→3 レベル3→4 BP5000→7000+3000=10000]

 

「“あれ”が来るまでに何としても体制を整える!アタックステップ!」

「ふむ」

「龍剣聖、剣刃合体アタック! 龍剣聖レベル1とガクルックスのアタック時効果により1枚ずつドロー!」

(手札3→5)

 

「更に合体アルティメットトリガー、ロックオン! こちらのコストは7!」

「——コスト3、スピリット《生還者ネオ・アーク》ね」

「ヒット! BPプラス5千、そして北斗七星龍に指定アタック!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) BP10000+5000=15000]

 

 スピリットを狙った? 相手は防御に回れないし、残ってるのは弱いのばかりなんだから普通に攻撃しても良さそうだけど…。

 

「大型を残しておくのは愚策。叩けるならば叩いておくのが手よ。初めてバトルしたときのアレを思い返して見なさい」

 

 ……たしか、始甲帝、だったっけ。あいつからわんさか虫が湧いて来た記憶が。ライフを打つだけが戦術じゃないか…。

 

「何も無ければそのまま破壊!」

「ええ。破壊されましょう。シリウスは場に残すわね」

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン 破壊]

[星獣槍シリウス 残留 コア1 レベル1 BP3000]

 

「ターンエンド」

 

<沙夜・第七ターン>

「うーん、凛々のデッキは初速の遅さが弱点かな?」

(リザーブ2→3)

(手札5→6)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

「メインステップ。ここは《六分儀剣のルリ・オーサ》をレベル2で召喚ね」

(手札6→5)

(リザーブ7→2)

(トラッシュ0→3)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果で、私の赤のスピリット2体。ムーンボウ・ドラゴンと、レベル2から赤のスピリットとしても扱われるルリ・オーサにボイドからコア1つずつ追加っと」

[ムーンボウ・ドラゴン コア1→2]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2→3]

 

 また緑のスピリットでコアを増やした…。これが姉さん達が言ってた混色なのかな。

 

「次にマジック《リボーンフレイム》♪ メインの効果でトラッシュの北斗七星龍を手札に戻すわね〜♪」

(手札5→4)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

(手札5→6)

 

「なっ、渋いカードを使いなさる…」

「そうなの?」

「あれは20弾も前、【第七弾:天醒】カードよ」

「に、20弾…!?」

「あら、古くても使い方次第よ♪ 更にこのターン、私の手札にある系統:<星竜>を持つスピリットカードに、赤軽減1つを追加するね♪」

 

赤 マジック

《リボーンフレイム》

コスト4 軽減赤2

メイン:

自分のトラッシュにあるスピリットカード1枚を手札に戻す。

このターンの間、自分の手札にある系統:<星竜>を持つスピリットカードすべてに軽減シンボル[赤]を与える。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+1000する。

 

「そして、ムーンボウ・ドラゴンのコア1つを大渓谷に移してレベル2へ」

[ムーンボウ・ドラゴン コア2→1]

[ガイナロック大渓谷 コア0→1 レベル1→2]

 

「大渓谷は、メインステップに私が【合体時】効果を持つスピリットを召喚する際、大渓谷に赤シンボルを2つ追加するの。これで赤シンボルは6つ」

 

「ということは、また来る…!」

「その通り♪ 再び《北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン》を召喚! コストは大渓谷、レベルにはルリ・オーサから確保!」

(手札6→5)

[ガイナロック大渓谷 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ5→6)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア3→2]

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(赤) コア1 レベル1 BP5000]

 

「また出た…!」

「召喚時効果!手札のブレイヴ、《射手星鎧ブレイヴサジタリアス》をノーコストで北斗七星龍に直接合体!」

(手札4→3)

 

射手星鎧ブレイヴサジタリアス

  ↓ 直接合体

北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(合体)

[コスト:6+6=12]

[BP:5000+5000=10000]

[合体時:追加]

[シンボル:赤+赤=赤赤]

 

「遂に来たか裏射手座…!」

「何なの、あれ」

「端的に言えばアルティメット絶対殴るブレイヴよ」

 

 端的過ぎて全然解んないんだけど!とにかく何かマズいってことだけは解る。

 

「召喚に成功したから1枚ドロー。

次にシリウスをルリ・オーサに合体させて、シリウスとムーンボウ・ドラゴンのコアを北斗七星龍へ移してレベル2へ」

(手札3→4)

[ムーンボウ・ドラゴン コア1→0 消滅]

星獣槍シリウス

  ↓ 合体

六分儀剣のルリ・オーサ(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

[星獣槍シリウス コア1→北斗七星龍へ]

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(合体) コア1→3 レベル1→2 BP5000→8000+5000=13000]

 

「アタックステップ。まずルリ・オーサで剣刃合体アタック! 合体アタック時効果でリザーブにコア1つ追加ね」

(リザーブ0→1)

 

「アタックはライフで受けます!」

(早苗ライフ4→3)

(リザーブ0→1)

 

「続けて北斗七星龍の合体アタックで、龍剣聖を指定アタック!」

「龍剣聖で強制ブロック!」

「指定アタックって、スピリットに対してだけじゃないの?」

「あの裏射手座はスピリットがアルティメットに対して指定アタックすることができるブレイヴなの。龍剣聖のようにパワーが低いアルティメットの場持ちが悪くなるのよ」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 破壊]

(早苗リザーブ1→3)

 

「ガクルックスは場に残します!」

[星騎槍ガクルックス 残留 コア1 レベル1 BP3000]

 

「これでターンエンド。うん、順調順調♪」

 

「…早苗、これもう負けが見えてるんじゃない?」

「は?」

「だって、ここからひっくり返せる状況が思い浮かばいし…」

「冗談を。こんなの劣勢のうちにも入らないわ」

「マジで言ってんの…?」

「ふっ、マジも大マジ」

 

 あの気味悪いのが見えてる状況っ劣勢じゃないって、上級者って皆こんな思考してるの?

 

<早苗・第八ターン>

「叢空の第八ターン!スタートステップ!」

(リザーブ3→4)

 

「こういう時こそデッキを、カードを信じ、楽しむのがバトルスピリッツ!」

「何を…」

「ドローステップ! ……ほら♪」

「…嘘っ」

(手札5→6)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ4→8)

 

「メインステップ! 石剣の効果! 私の場のシンボルを持たないブレイヴ1体につき、石剣に赤シンボル1つ追加!」

[大地穿つ石剣 シンボル赤+赤=赤赤]

 

「これで最大軽減!

 究極の輝き放つ光の龍!

 《アルティメット・シャイニングドラゴン》!

 レベル4で、召喚!!」

(手札6→5)

(リザーブ8→2)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア3 レベル4 BP14000]

 

「Uシャイニングかぁ…。じゃあ大渓谷の効果で2枚ドローさせてもらうからね」

(沙夜手札4→6)

 

「姉さんの手札増やしてどうするの…」

「そんなのは後でどうとでもなる! 更に《アルティメット・シュリケラプトル》を召喚! レベルにはリューマン・ルクスから確保!」

(手札5→4)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

[リューマン・ルクス(2) コア1→0 消滅]

[アルティメット・シュリケラプトル コア1 レベル3 BP9000]

「あら。また2枚ドローね」

(沙夜手札6→8)

 

「Uシュリケラプトルの召喚時効果!そちらの合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する、狙いは勿論裏射手座!」

「あらら、まぁこれは仕方ないわね。手札の〜ってところかしら」

[射手星鎧ブレイヴサジタリアス 破壊]

 

「これでしばらくは“幻羅”に場を荒らされないで済む!」

「そんな警戒するものなんだ…」

 

 本当に切り返した。…一体何が早苗に味方してるんだろう。私の時はそうでも無かったのに。

 

「次にガクルックスをUシュリケラプトルに合体! ガクルックスのコアは石剣へと移す!」

星騎槍ガクルックス

  ↓ 合体

アルティメット・シュリケラプトル(合体)

[コスト:5+4=9]

[BP:9000+3000=12000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

[星騎槍ガクルックス コア1→譲渡]

[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]

 

「さあアタックステップ!」

「姉さんの手札が8枚もあるのに切り込むの?」

「ここで切り込まなかったらもっと負けが見えてくるわよ。Uシャイニング、アタック! アルティメットトリガー、ロックオン!」

「むっ。——コスト4、マジック《キャノンボール》」

「よしヒット!しかもいいのが落ちた!」

 

 …本当に楽しそうにやるなぁ早苗。

 

「カウンターが無ければヒット時効果! レベル4からのアタック時効果でトリガー効果の上限を1万上昇、よってBP1万5千以下の北斗七星龍を破壊!」

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン 破壊]

(沙夜リザーブ1→4)

 

「破壊に成功!手札から喚び出したるは太陽の聖剣!

 《太陽神剣ソルキャリバー》をUシャイニングへ直接合体!」

(手札4→3)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:赤+赤=赤赤]

 

「むむっ」

「更に石剣レベル2の効果により2枚ドロー! ——っ!」

(手札3→5)

 

「フラッシュタイミングはいただきます!」

「っ!」

「マジック《クリムゾンフレア》!」

(手札5→4)

[大地穿つ石剣 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ5→6)

 

 っ! 入れ換えたマジックカード…。

 

「シンボル1つの合体スピリット2体破壊!」

「ほほう」

「今は合体スピリットは1体のみのため、ルリ・オーサを破壊!」

「………シリウスは一緒にトラッシュに落とすわ」

[六分儀剣のルリ・オーサ 破壊]

[星獣槍シリウス トラッシュへ]

(沙夜リザーブ4→6)

 

「…ちぃ。ではこのアタックはどうしますか!」

「こっちもフラッシュタイミング!」

「っ!」

「マジック《ミストバラッジ》!」

(沙夜手札8→7)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ6→8)

 

「白のマジック…!」

「私のバーストがセットされてるから、Uシャイニングを指定。ターン中、Uシャイニングからダメージを受けない!」

「流石! 上手くやらせてはもらえないか…!」

「アタックはライフで受けます!ダメージは勿論無し!」

 

 受け流した…。姉さんも凄い…。

 

「ならばUシュリケラプトルで剣刃合体アタック! ガクルックスの合体アタック時効果で1枚ドローし、Uトリガーを発揮させずBPをプラス7千!」

(手札4→5)

[アルティメット・シュリケラプトル(合体) BP12000+7000=19000]

 

 Uシュリケラプトルのトリガーを使わなかった? 確かに今は防御する相手はいないし。…そういう使い方があるんだ。

 

「アタックは!」

「それはライフで受けます!」

(沙夜ライフ4→3)

(リザーブ4→5)

 

「ターンエンド!」

 

赤 アルティメット

《アルティメット・シュリケラプトル》

コスト5 軽減赤3 <新生・空牙>

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP9000

<3> Lv4 BP10000

<5> Lv5 BP15000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する。

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手は可能ならスピリット/アルティメットでブロックする。

相手のスピリットにブロックされたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

<沙夜・第九ターン>

「…ふふっ、お姉ちゃん少し燃えてきちゃった。スタートステップ…!」

(手札7→8)

(リザーブ5→6)

(トラッシュ8→0)

(リザーブ6→14)

 

「メインステップ」

 

「こっちが追い詰めた…?」

「いいえ。逆にこちらが追い詰められたのよ。まぁそうしたのは私だけど」

 

 姉さんからいつもとは違う空気を感じる。

目付きも何だか妖しいというか何と言うか、早苗と同じ目になってる。

 

「さて…。

 かつて“六色の世界”において『最強』と謳われた『天の名を戴く竜達』の、命の煌めき。

 ご覧あれ。

 マジック、《ビッグバンエナジー》!」

(手札8→7)

(リザーブ14→12)

(トラッシュ0→2)

 

「遂にきた…!」

「何あれ…」

「このターン中、私の手札にある系統:<星竜>を持つスピリットのコストは、現在の私のライフと同じ値になるのよ」

 

赤 マジック

《ビッグバンエナジー》

コスト4 軽減赤2

メイン:

このターンの間、自分の手札にある系統:<星竜>を持つスピリットカードすべてのコストを、自分のライフと同じ数にする。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1番をBP+2000する。

 

「次に、大渓谷をレベル2に」

(リザーブ12→11)

[ガイナロック大渓谷 コア0→1 レベル1→2]

 

「そして、2枚目の《リボーンフレイム》を使用! 勿論回収するのはさっき破壊された《北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン》!」

(手札7→6)

(リザーブ11→9)

(トラッシュ2→4)

(手札6→7)

 

「早苗ちゃんにも見えるでしょう? 赤く輝く七星の一つが!

 三度召喚!《北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン》!」

(手札7→6)

 

「ビッグバンエナジーによって北斗七星龍のコストは3になり、竜巣やリボーンフレイム引っくるめて0コストで召喚!」

(リザーブ9→8)

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン(赤) コア1 レベル1 BP5000]

 

「召喚時効果!手札のブレイヴ、《牙皇ケルベロード》をノーコスト召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ8→7)

[牙皇ケルベロード コア1 レベル1 BP5000]

(手札5→6)

 

「ケルベロードまで…!」

 

「更に!

 顕れたるは母なる星より生まれし、星喰らう凶津星(まがつぼし)

 《幻羅星龍ガイ・アスラ》!

 闇き空より、降臨ッ!!」

(手札6→5)

(リザーブ7→6)

[幻羅星龍ガイ・アスラ コア1 レベル1 BP8000]

 

「ガイ・アスラは元々のコストは10。だけどさっきと同様、コストは3になってるため、軽減含めて0コスト!」

「ガイ・アスラ…!何度見ても恐ろしいカード!」

「何なのあれ。Xレアってやつなの…?」

 

「驚き、慄くのはまだ早い!

 ジーク・アポロドラゴンを、【転召】!!」

 

「えっ!?」

「何ぃっ!?」

 

「終わりを告げるは獅子の凶天!太陽の名は星へ還す羅喉の使徒!

 《幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ》!!

 レベル2で、転 生 召 喚 !!」

(手札5→4)

[北斗七星龍ジーク・アポロドラゴン コア1→転召によりボイドへ→0 消滅]

(リザーブ6→2)

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ コア4 レベル2 BP12000]

 

「“獅子の尾”のデネボラまで仕込んでいるとは…、全く予想してなかった…!」

「ちょ、ちょっと…!」

「ふふふっ…! デネボラに牙皇ケルベロードを合体!これでレベル3…!」

 

牙皇ケルベロード

  ↓ 合体

幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ(合体)

[コスト:9+5=14]

[BP:12000+5000=17000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:赤紫+青=赤紫青]

[牙皇ケルベロード コア1→譲渡]

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ(合体) コア4→5 レベル2→3 BP12000→20000+5000=25000]

 

「BP2万5千のシンボル、3つ…!?」

「っ…」

 

「リザーブと大渓谷のコアをデネボラに移したところで。

 さぁ…。アタックステップと行きましょうねぇ…♪」

(リザーブ2→0)

[ガイナロック大渓谷 コア1→0 レベル2→1]

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ コア5→8]

 

 ね、姉さんの目が完全に絶対相手をぶち殺す目をしてる…。姉さんのことをこんな怖いと思ったのは初めて…!

 

「デネボラ、合体アタック」

「っ!」

「ケルベロードの合体アタック時効果、私のデッキトップから5枚破棄」

●破棄されたカード

・《白き楯の長城》(ネクサス)

・《星獣槍シリウス(2)》(ブレイヴ)

・《アルティメット・ジークヴルム》(アルティメット)

・《宝瓶星鎧ブレイヴアクエリアス》(ブレイヴ)

・《バーニングサン》(マジック)

 

「そして回復」

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ(合体) 疲労→回復]

 

「あれ反則でしょ…!?」

「あれがまかり通っているのだから反則じゃないのよ…!」

 

赤紫 スピリット

《幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ》

コスト9 軽減赤3紫3 <神星・星竜>

<1> Lv1 BP7000

<3> Lv2 BP12000

<5> Lv3 BP20000

シンボル:赤紫

【転召:コスト5以上/ボイド】

召喚コスト支払い後、自分のコスト5以上のスピリット1体のコアすべてをボイドに置かなければならない。

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

自分のスピリットすべては、アタックするとき相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

【合体時】Lv3『このスピリットの合体アタック時』

このバトルの間、破壊された相手のスピリットすべてのコアすべてはボイドに置かれる。

 

青 ブレイヴ

《牙皇ケルベロード》【1枚制限】

コスト5 軽減青2赤2 <異合・皇獣>

<1> Lv1 BP5000

<0> 合体 +5000

シンボル:青

【合体条件:コスト5以上】

【合体時】『このスピリットのアタック時』

ターンに1回、このスピリットは、自分のデッキを上から5枚破棄することで回復する。

 

「早苗ちゃんのライフは3つ。受けることはできないよ!」

 

「っ……ならば、フラッシュタイミング!マジック《ミストバラッジ》を使用! デネボラを指定し、このターン中、デネボラから受けるダメージを0に!」

(早苗手札5→4)

[アルティメット・シャイニングドラゴン(合体) コア3→1 レベル4→3]

(トラッシュ5→7)

 

「ふーん。なら、ガイ・アスラ、アタック」

「き、来たよ早苗…!」

「見りゃわかる!」

 

「フラッシュタイミング!

 凛々、見ててね。世の中にはこういう理不尽もあるってことを」

 

「な、何…?」

 

「幻羅星龍ガイ・アスラの【超覚醒】を発揮!

 デネボラからコア1つをガイ・アスラに移して、“回復”!」

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ(合体) コア8→7]

[幻羅星龍ガイ・アスラ コア1→2 疲労→回復]

 

「はあっ!? コア移しただけで回復!?」

「あれが一部のスピリットのみが持つ禁忌の能力、【超覚醒】よ…!」

 

赤 スピリット

《幻羅星龍ガイ・アスラ》

コスト10 軽減赤6 <神星・星竜>

<1> Lv1 BP8000

<3> Lv2 BP10000

<6> Lv3 BP13000

<10> Lv4 BP30000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3・Lv4

お互い、このスピリットのコアは取り除くことができない。

Lv1・Lv2・Lv3・Lv4:フラッシュ【超覚醒】

自分のスピリットから、コアを好きなだけこのスピリットに置くことができる。

この効果でコア1個以上を置かれるたび、このスピリットは回復する。

Lv4『このスピリットのアタック時』

このバトルの間、破壊された相手のスピリットすべてのコアすべてはボイドに置かれる。

 

 何なの本当に…!バトルスピリッツは反則的なのばっかで、もう対戦とかの次元じゃないでしょう!

 

「アタックはライフで受ける!」

(早苗ライフ3→2)

(リザーブ0→1)

 

「ガイ・アスラ、もう一度アタック! 【超覚醒】発揮!」

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ(合体) コア7→4 レベル3→2]

[幻羅星龍ガイ・アスラ コア2→5 レベル1→2 BP8000→10000 疲労→回復]

 

「っ、それもライフで受ける!」

(早苗ライフ2→1)

(リザーブ1→2)

 

「あと、1つ」

「………」

「早苗…」

 

 もう、駄目だ…。

勝ち目が無くなった…。

 

「何勝手に諦めてる訳?」

 

「…?」

 

「私はまだ1ミリも、負けを確信していない!!」

 

「追い詰められすぎて頭おかしくなったの!? どう見たって…」

 

「勝手に俯いて、目を閉ざして、可能性を捨てるとは…。まったく、私とのバトルで何を学んだの?」

 

「…だ、だって」

 

「カードバトラーは!

 最期のライフの一瞬まで、諦めたりはしない!!」

 

「………」

 

「ライフ減少で、バースト発動!

 凛々!あなたにあげたカード、投入したカードは覚えているわね!」

 

「は…?」

 

「絶甲氷盾は確かにライフを増やし、アタックステップを強制終了させるある意味最強の防御カード。

しかし!今のように、絶甲の追加コストを支払うにはコアが足りないとき、救済措置として投入した、あのカードを!」

 

 ……早苗と特訓してる時、何回もあった。

こんな似たような状況で、絶甲氷盾を使っても、攻撃を終わらせるためのコアが足りなかった事が。

似たような《ドラゴニックウォール》も、スピリットがいなければ使えない。

 

「カバーするカード…。さすが早苗ちゃん。抜け目無いわね♪」

「06で出た“あちら”と迷ったんですけど、赤なのでこちらを優先しました。

 バーストは《アルティメットウォール》!!」

{早苗バースト:セット→発動}

 

「バースト効果により、アタックステップを強制終了させる!!」

 

白 マジック

《アルティメットウォール》

コスト4 軽減白2

【バースト:自分のライフ減少後】

このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト3以下の相手のスピリット3体を手札に戻す。

 

「…あ!それ!」

「まったく…。投入したカードを忘れてたの?」

 

 正直言って忘れてました…。

焦りやら絶望感に完全に思考が諦めてて何も考える気が起きなかった…。

 

「あらら〜。ならターンエンドしかないわねぇ」

 

 番が回ってきたけど、この状況どうするのさ?

無限回復するやつに、シンボル3つを叩き込んでくるやつが仁王立ちしてるんだよ?

 

<早苗・第十ターン>

「叢空の、ファイナルターン!」

「ファイナルって…」

「何であろうとここでどうにかしなければ敗北は必至。正真正銘のラストターンよ!」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ3→10)

 

「メインステップ!」

 

 どうしよう…。早苗の手札を覗いて見たけど、ブレイヴが無い。Uシャイニングの効果は手札から出せるブレイヴが、姉さんの場に破壊できるスピリットがいないと発揮すらできない。太陽神剣も破壊できる範囲が小さすぎて破壊できる訳が無い。

Uシュリケラプトルは、スピリットにぶつかればライフを1つ奪えるけど、それじゃ解決にならない…。どうする、どうする…!

 

「そうよ凛々。その打開しようと、光明を探り当てるその姿勢が大事なの」

「探り、当てる…」

「今私が引かなければならないカードは2つ!」

「2つ…」

「それをこのドローに賭ける!

 マジック《フェイタルドロー》!」

(手札5→4)

(リザーブ10→8)

(トラッシュ0→2)

 

「これで引けなければ、完全敗北…!

 私のライフが3以下のため、3枚…ドローッ!!」

(手札4→7)

 

 

 

「………」

 

 

「………ふっ」

 

 …笑った?

 

 

「凛々。どんな凶悪な力にも、必ず弱点はあるの。……白は別として」

「う…うん?」

「デッキを、カードを信じ、あなたの戦友(とも)の姿を見ておきなさい!」

「早苗ちゃん、引き当てたのねぇ♪」

「ええ!では、攻略開始! まず一度、Uシュリケラプトルからガクルックスを分離させ、スピリット状態とする!これで召喚条件は達成!」

(リザーブ8→7)

[星騎槍ガクルックス コア1 レベル1]

 

「念のため補足!

アルティメットの召喚条件であるスピリットは、スピリット状態となっているブレイヴでも条件を満たすことができる!」

 

 てことは…!

 

「輝ける究極の聖鎧を纏い、今再び、聖域より降臨!

 《アルティメット・アーク》!

 レベル3で、召ッ喚!!」

(手札7→6)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ2→4)

[アルティメット・アーク コア1 レベル3 BP11000]

(沙夜手札4→6)

 

「アーク…!」

「更に、《アルティメット・ブロンズ・ヴルム》をレベル4で召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ4→5)

[アルティメット・ブロンズ・ヴルム コア2 レベル4 BP7000]

(沙夜手札6→8)

 

「最後に再度Uシュリケラプトルにガクルックスを合体され、残ったリザーブのコアとガクルックスのコアをUシャイニングへ渡し、レベル4へ!」

星騎槍ガクルックス

  ↓ 合体

アルティメット・シュリケラプトル(合体)

(リザーブ1→0)

[アルティメット・シュリケラプトル(合体) コア2→1]

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア1→3 レベル3→4]

 

「最後のアタックステップ!

Uシャイニング、アタック!アルティメットトリガー、ロックオン!」

「——コスト4、スピリット《ダークマター・ドラゴン》!」

「っ!薄々そんな予感はしてましたが、そのカードがあるということは、《アルティメット・ガイ・アスラ》も入っているということですね…」

「勿論♪」

「危なかった…。出されていたら玉砕レベルでした。石剣の効果で2枚ドロー!」

(手札5→7)

 

 玉砕って、出されなかった事自体幸運なのかな。早苗が冷や汗拭う真似をしたってことはそうなんだろう。

 

「とにかくヒット! レベル4からの上限アップに加え、Uブロンズレベル4の上限アップも追加し、BP1万7千以下のスピリットを破壊!」

「っ!」

 

赤 アルティメット

《アルティメット・ブロンズ・ヴルム》

コスト3 軽減赤1極1 <新生・星竜>

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP5000

<2> Lv4 BP7000

シンボル:極

【Uトリガー】Lv3・Lv4『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手は可能ならブロックする。ただし、アルティメットはブロックしなくてもよい。

相手のスピリットにブロックされたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

Lv4

自分のアルティメットの「BP破壊効果」の上限を+2000する。

 

「対象は、ぴったり1万7千のデネボラ!」

「…ケルベロードは残す!」

[幻羅獅龍アポロドラゴン・デネボラ(合体) BP17000 破壊]

[牙皇ケルベロード 残留 コア4 レベル1 BP5000]

 

「そして!破壊に成功したことにより、手札から赤のブレイヴ、《炎星斧エルナト》をUアークに直接合体!」

(手札7→6)

炎星斧エルナト

  ↓ 直接合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+4=11]

[BP:11000+3000=14000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「エルナトの召喚時効果により、トラッシュの龍剣聖を手札に回収し、Uアークの合体時効果により赤シンボルを追加!」

(手札6→7)

[アルティメット・アーク シンボル極+赤=極赤]

 

「ダブルシンボルのアルティメットが2体…」

「続けて太陽神剣の合体アタック時効果! Uブロンズの効果を受けてBP6千以下のスピリット1体、ケルベロードを破壊!」

[牙皇ケルベロード BP5000 破壊]

(沙夜リザーブ0→3)

 

「Uシャイニングはダブルシンボル!」

「…フラッシュ! 《メガ・ネウラー》を【神速】召喚!」

(沙夜手札8→7)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ4→6)

[メガ・ネウラー コア2 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果。私の赤のスピリット、ガイ・アスラにボイドからコア1つを追加!」

[幻羅星龍ガイ・アスラ コア5→6 レベル2→3 BP10000→13000]

 

緑 スピリット

《メガ・ネウラー》

コスト3 軽減緑1赤1 <怪虫>

<1> Lv1 BP3000

<3> Lv2 BP4000

<4> Lv3 BP5000

シンボル:緑

フラッシュ【神速】

手札にあるこのスピリットカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアをリザーブから使用することで召喚できる。

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア1個を自分の赤/白のスピリットに置く。

 

「これで——」

 

「それを待ってた!!」

 

「っ!?」

 

「フラッシュタイミング!

 マジック《フレイムスパーク》!!」

 

「っ、しまった…!」

 

「コストはUシャイニングから確保!」

(早苗手札7→6)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア3→1 レベル4→3]

(トラッシュ5→7)

 

「合計BP5千まで、メガ・ネウラーを破壊! ガイ・アスラをレベル4にはさせない!」

「っ…」

[メガ・ネウラー BP3000 破壊]

(沙夜リザーブ0→2)

 

「これで破壊したことにより、トラッシュにあるリューマン・ルクスを回収!」

(手札6→7)

 

「見たか凛々!」

「うん。見た…!」

「やられちゃったわねぇ…」

「これが【超覚醒】の弱点! 命を喰らう龍は、喰らう者がいなければ力は発揮できない!」

 

 状況を切り返した…。あれを気合で跳ね退けたような感じだけど、私のデッキでこんなことまでやってのけたのも驚いた。

 

「改めて、このアタックはいかがしますか!」

「……ライフで受ける!」

(沙夜ライフ3→1)

(リザーブ2→4)

 

「次!Uアーク、剣刃合体アタック!! アルティメットトリガーロックオン!」

「——コスト8、《アルティメット・ガイ・アスラ》。ガードね」

「エルナトの合体アタック時効果、相手のネクサス1つを破壊する。オールトの竜巣を指定!」

[オールトの竜巣 破壊]

 

「ガイ・アスラでブロック!」

 

SwordBrave Attack!!

アルティメット・アーク+炎星斧エルナト

BP11000+3000=14000

  vs

Defense!!

幻羅星龍ガイ・アスラ

BP13000

 

「フラッシュ! マジック、3枚目の《リボーンフレイム》!ガイ・アスラのBPをプラス1千!」

(沙夜手札7→6)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ6→8)

[幻羅星龍ガイ・アスラ BP13000+1000=14000]

 

SwordBrave Attack!!

アルティメット・アーク+炎星斧エルナト

BP11000+3000=14000

  vs

Defense!!

幻羅星龍ガイ・アスラ

BP13000+1000=14000

 

 BPがUアークと並んだ…! 姉さん、相討ちに持っていくつもりなんだ。

 

「お姉様の狙いはガイ・アスラのコアでしょう」

「あら、バレた?」

「【超覚醒】を持つ者の定めとして、乗せたコアを動かすことができない致命的なデメリットを持っています。ここでUアークと相討てば、《サンブレイカー》を封じながら次のコアも確保できると」

 

 てことは…詰んだ?

Uアークを道連れにされたら残るのはUシュリケラプトルだけ。姉さんの手札には何か対策も握ってるはず。…ここまで?

 

「ふっ…。かの“ラスボス”と相討つのならUアークも本望、と言いたいところですが……フラッシュタイミング!」

「っ!」

「マジック、《サンブレイカー》を使用!! 使用コストはUシャイニングから確保!」

(早苗手札7→6)

[アルティメット・シャイニングドラゴン(合体) コア1→0消滅]

(トラッシュ7→8)

 

「えっ!?」

「私の合体スピリット、合体アルティメットがBPを比べ相手のみを打ち果たしたとき、ライフ1つを砕く!」

 

 ちょ!? 今までの流れ無視してそれを使うの!?相討ちになったら発揮しないのは解ってるんでしょう!?

 

「今が絶好の好機!この機を絶対に逃さない! 更にフラッシュタイミング!」

「っ!」

「マジック《ネオ・ダブルドロー》!!

 使用コストはUブロンズから確保してフラッシュ効果!UアークのBPをプラス1千!」

(早苗手札6→5)

[アルティメット・ブロンズ・ヴルム コア2→0 消滅]

(トラッシュ8→10)

 

SwordBrave Attack!!

アルティメット・アーク+炎星斧エルナト

BP11000+3000+1000=15000 →win!!

  vs

Defense!!

幻羅星龍ガイ・アスラ

BP13000+1000=14000 →Lose...

 

「これは…!」

「断ち斬れ!ソードブレイヴアルティメット!!」

[幻羅星龍ガイ・アスラ 破壊]

(沙夜リザーブ2→8)

 

「サンブレイカーの効果発動! ライフ1つを、砕かせてもらう!!」

「うわちゃ〜!負けたぁ〜!」

(沙夜ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 藍河 早苗〕

 

 

 

「勝ったああぁぁっっ!!!」

「すごっ…」

「良い感じだったけど、勝負焦っちゃったわねぇ。早苗ちゃんが一枚上手だったか〜」




長くなってしまい申し訳ありません。赤(借り物)vs赤でした。
使う人が違うと動きも変わる~みたいな感じにしてみたかったのです…。
主人公のデッキ「とりあえずぶち込め!」感が強いですがそれなりに厳選?入れ替えはされてたり。
姉のデッキはただのロマンの塊です(白状)
今でももっと輝ける!…はず(願望)
アポロデネボラは作者の魂の相棒。


またミス等ありましたら、気軽にご指摘ください。


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Step.06 『畏まらないで…』

大分…1ヶ月くらい遅くなりました。思ったよりショック受けていたようです。
とりあえずの次話投稿です。


「どう凛々? あなたのデッキは逆境を乗り越える可能性を備えているのよ!」

「…やるね」

「早苗ちゃん強いわねぇ。あのまま押し潰せるかと思ったんだけど」

「お姉様も手合わせありがとうございました。今回は引きに助けられた部分もありました故…」

 

 これは私のデッキが強くなったのか……いや、早苗自身が強いんだ。最後まで諦めない、可能性を信じる心。

 

「…さて凛々。お姉様のデッキの特徴を述べてみなさい」

「と、特徴? ……えっと」

 

 緑で使えるコアを増やして、赤で攻撃をする…ぐらい? 見てた限り、役割がキッチリしてた感じに思えた。

緑が支援で、赤が攻撃。これが混色デッキのやり方なのかな。

 

「赤は本来攻撃が苛烈な分、マジックやネクサス、【連鎖】でもない限り使えるコアを増やすことが難しい色なの。それに緑をサポートに置くことで、お互いの欠点を補い合うようになってるのよ」

「なるほど…」

 

 なら私のデッキを別の色を組み込めばやれる幅が広がるのかな。…でも何を混ぜようか。

 

「普通ならば緑ね。アルティメットバトル04からのテコ入れでサポートには困らないわ。基本的なやり方は先程のお姉様のが手本よ」

「ふむ」

 

 なら緑にしてみようかな。

姉さんにアドバイスを貰いやすくなるし、基本的なら私でも何とかなるかも知れない。

 

「う〜ん……」

「…♪ あ、それと〜」

「?」

「赤と相性が良いのって、“青”もそうよね〜♪」

「っ!」

「青も?」

 

 へぇ。なんか青って、他といがみ合うような色なのかなって思ってたけど相性あるんだ。

 

「………」

「青を使うなら、良い娘がいるわよね〜?♪」

「早苗?」

「は、はい!」

 

 何焦ってんの。

…相性が良いのならやるか。あの紫の子の事もある。

 

「…よし」

「決めた?」

「うん」

 

 

 

「早苗と!」

「沙夜お姉ちゃんの〜♪」

「「第3回!教えてやる!バトスピ強化講座〜!」」

 

「代名が変わった。しかも上から目線になってる」

 

 姉さんはいつもの格好。早苗はいつ着替えたのかタイトスカートにワイシャツと学者白衣に眼鏡(スクエア型アンダーフレーム)。更には黒ストッキングまで完備と…。深緒と羽月とは違うエラい気合いの入れ方だ。

しかもその自信満々の笑みが決まっているのがなんか腹立つ。

 

「ふふん!どう凛々?似合ってる?」

「似合いすぎ」

「そうでしょそうでしょ!」

「は〜い。今回は、凛々の相方になる『青』についてお話ししま〜す♪」

 

 私が混色の相手に選んだのは、“青”。早苗が使う色で、一応の師匠みたいになる。

 

「青はバトルスピリッツ『第三弾:覇闘』から参入した属性。

 私が使う青い肌の巨人族、<闘神>。獣の頭に人の身体を持つ<獣頭>。神話の合成獣、かの偉大なるH・P・ラヴクラフト著書、クトゥルフ神話がモチーフの<異合>などがあるわ」

「主に使われる系統は、<闘神>、<異合>、<造兵>、<海首>かしら。アルティメットバトル01から05までだと、01が<造兵>。02から<闘神>と<獣闘>が主になったかな」

「特徴は『デッキ破壊』、『妨害阻害』、『レベル操作』、『ネクサス』、『コスト参照』など!」

 

 つまり、青は相手を邪魔しながら2つの方法で勝ちに行く色。

前に私と早苗が対戦したときに喰らった『デッキ破壊』がそれだ。

他の色と違いスピリットよりもネクサスを中心としていて、行動を制限・制約を付けたり、マジック自体使わせなくさせたりと、早苗曰く『初心者に優しくない色』、『絶望したヤツを見下ろすを地で行く色』だとか。

 

「それはともかく。青と組むのなら力が必要よ」

「力?」

「そう。それは“扱いにくさを制する力”よ」

「扱いにくさ…」

 

 姉さんが言うには、赤は一般的に誰でも扱える使い易さがある。青は強力な分、上級者でも扱いにくい部分があるらしい。テキスト…効果の解りずらさや、青単色・系統特化がそれなのだとか。

 

「今の凛々に青を使いこなすのは期待してないから大丈夫よ」

「…言い返せない」

「凛々のデッキで青がやることは“サポート”。それのみ!」

 

 サポートのみ。赤が攻撃、青が補助を担当する。

両立も出来るらしいが難しいとのこと。その方が私にはありがたい。やることが分かってるなら何とかなる。

 

「かなりピーキーになるけど、主体の赤を助けるための構築になるからね」

「うん。分かってる」

「とにかくこれを扱うには数、対戦数をこなす!これのみ!」

「了解」

 

 コストの低いカードとネクサスが数枚入れ替わってかなりクセが強くなった。まず軽減が噛み合わないから出だしをしくじるとグダグダになりやすい。

 

「大型は諦めてスピリットとマジックのみに絞り、赤の攻めをサポートと…」

「正直上手く回るかは凛々次第ね。試しに何か手加減出来るデッキは……」

「う〜ん、赤緑とかどうかしら?」

「それで行きましょう。凛々、お姉様のこれに5回勝てるまで試行するわよ! テキスト確認は大丈夫よね」

「…わかった。大丈夫のはず」

 

 5回、かぁ…。長い戦いになるな。そして言うが早いか早速お試し対戦。

姉さんの使う【赤緑】はさっき使っていたデッキとは違って、このデッキタイプが出た当初の型に近いものだった。

 

「う〜〜ん……。“バーンカラー”の召喚時効果が邪魔な気がする」

「ならば“オステア”で切ればいいわね。掘るのはドローマジックでもできるから…」

「少しは変わるかな」

 

 

「ちょっとは良くなった?」

「負けはしたけどやるようにはなったわね」

「ならマジックもちょっと見直してみる? 防御をバースト任せにすると緑とか白に対してキツいものがあるからねぇ」

「ああ、緑の封じと白の破棄は辛いものがありますものね」

 

 

 

 ちょっと、日付変わってるんだけど。まだ偶然取れた2勝しかしてないんだけど。早苗は爆睡しだすしでどうすんだこれ。

 

「はぁ……」

「あらあら♪ あと1戦やったら私達も寝ましょうか」

「うん。さすがに疲れたけど、あと1つでも取っておかないと後で文句言われそうだなぁ…」

「確かにねぇ♪」

「とにかく、ラスト1回」

「は〜い♪」

 

 さて、大方理解は出来たけどほんと難しくなったなこのデッキ。

“借り受けたカード”も合わせて上手く使わなきゃ。

 

 

 

 ───翌日、学校。

寝不足で三限にて睡魔がキツい。

次の四限は地理だっけ。…投げて後で羽月のノート見せてもらおうそうしよう。

 

「大丈夫?凛々ちゃん」

「あんま大丈夫じゃない…」

「さっき軽く船漕いでたもんねぇ。…でさでさ!凛々さんよ!」

「何?」

 

 何故かニヤニヤしながらがたがた椅子を鳴らしながらこちらに近寄ってくる深緒。…嫌な予感がする。深緒がこういう表情をするときは大概ロクでもない事を考えてる顔だ。噂やら色恋沙汰とか。

 

「今朝方、早苗さんと一緒に登校しましたよねぇ?」

「二人も一緒に来たでしょが」

「いやいやそうなんだけどさ!ちょちょちょい耳!耳!」

「何もう…」

 

 今朝は確かに早苗と家を出て二人に驚かれたが理由は話したはずだ。

 

「それでもさ、あたしらが一緒に来たから良かったものの、もし早苗さんと二人っきりで来てみ? あらぬ噂が尾鰭背鰭着いて学校中の女子(おなご)たちが色めき立つべ?」

「さよけ…」

「ファンクラブも黙ってなかったかもだよ?」

「…それはいかんね」

 

 本当にファンクラブを敵に回しかねない。…それは置いといて、眠気があっても頭からデッキのことが離れない。決め手が足りないってのがどうも気になってしょうがないし、どうにかしたい。まぁ当分はUアークたちにに頼る事になるしかないか。

 

 

 

 ───放課後、帰る直前。

支度してる最中にやはりというか、早苗が教室にやってきて皆でショップに寄って行こうという流れに。勿論私達も寄る予定だったから文句は無い。二人に教えてもらったカードを探す目的もある。

 

「さあ張り切って行きましょうか!」

「早苗さん元気ですねぇ」

「凛々がやる気を出したからね!」

「…こっちは寝不足だってのに」

 

 早速着いた先、カードも探すのと一緒にリエも捜す。…今日もいないのかな。

 

「凛々、赤のはこっちよ」

「ん…」

 

 早苗に言われそちらの方に行く寸前、ふと視界の隅に誰かが入る。

小さな影。…何故かあの子だって思えた。すぐさま踵を返してその影を追う。ここを逃したら……

 

 

「リエっ」

 

「っ! は、はい?!」

 

 

 やっぱりあの子だった。

お店のエプロンを着けて、何かを運んでいた最中だったみたい。…話し掛けるタイミング悪かったかな?

 

「あ、お姉さん…」

「やっと会えた」

 

 安堵のため息が漏れた。

やっと約束を果たせるのと、やっと見つけられたのもある。てか、これじゃ好きな人を追ってる人みたいな感じがしたがすぐに頭から追い出す。会うだけじゃダメだ。しっかり用件を言わないと。

 

「久しぶり」

「お久しぶり、です。えっと、店長さんから聞きました。…捜してたって」

「あ、うん。迷惑だったかな」

「い、いいえ!私こそ、会えなくてごめんなさい…」

「謝らないでよ。私の方が勝手に捜してただけだし、リエも手伝いで忙しかったんだろうし」

 

 まぁお互い様って事ですれ違いに関しては終わりにする。多分、奥ゆかしい感じのするこの子だとお互い私が私がみたいになりそうだから。

しかし店長さんに知られてたとは…。いやまぁ来てはカードも見ずキョロキョロして帰るだけだったから冷やかしとして覚えられていたんだと思う。

 

「これが終わったら、店長さんに話して——」

「その必要はないよ」

「ふぇ?」

 

 すると、誰かが横からリエの運ぼうとしてたものを取り上げた。取り上げたのは噂の店長さんだった。ネームプレートに店長って書かれてる。

 

「これはうちのやつらにやらせるから、“シロちゃん”はごゆっくりどうぞ」

「え、でも…」

「いいのいいの!シロちゃん働かせてばっかのうちのバカ共をこき使わなきゃね」

「あ、あはは…」

「こっちの手が足りないからわざわざ向こうから来てもらってるってのにまったく…」

 

 有無を言わさず荷物を持って奥へと戻る店長さん。

それを見て苦笑いするリエだが、そういえばリエと店長さん以外の店員さんを見ない。今の口ぶりからするとここの店員がサボってるみたいだ。

 

「山田ァッ!!いつまでサボってんだオラァッ!!」

「ひぃ!?」

「まぁたそれ見てんのか!何回目だ!」

「何回でも見ますよ山田は! 赤ゼロと白ゼロ戦のハイライトですよ!」

「仕事終わってから観ろや!!」

 

 

「…では、店長さんのお言葉に甘えて、こっちで」

「……あ、と、その前に」

「はい?」

 

 対戦するのもそうだけど、目的は買い物だ。先にそちらだ。

 

「探してるものがあるんだ。友達と探しにきてるんだけど…」

「あ、はい。何をお探しですか?」

「えっと——」

「凛々!どこに……おや」

 

 リエに探し物を尋ねようとしたとき、呼んでもこない私に痺れを切らした早苗が現れ、それに続いて深緒と羽月もこちらに来た。

 

「何してんのかと思ったら凛々さんこんなロリっ娘をナンパっすか!」

「えっ」

「凛々ちゃん、さすがに対象が低すぎるよ。せめて1こ下ぐらいじゃないと犯罪だよ?」

「いや…」

「り、凛々!いくら何でもそれは許さないから!」

「お前もか」

 

 イラついてきたので事情を説明。今まで通っていた事やら何やら。

 

「──てなわけ。次ナンパとか言ったらトインストーラーに噛んでもらうから」

 

 トインストーラーに噛ませる。それを聞き深緒が軽く怯え、羽月が苦笑し、早苗が頭にハテナを浮かべる。それを見てあたふたするリエだが大丈夫、軽い甘噛み程度にしておくから。

ちなみにそれは私の部屋においてある人形の名前だ。

 

「そ、それより、お探しのカードです…」

「ん、ありがとう。いくら?」

「これが30円で、こちらの3枚が1枚20円。こちらが50円で、お会計140円、です」

「うん。はい」

「お買い上げ、ありがとうございます」

「ありがとう」

 

 買い物完了。早速組み込もう。

 

 

「お? 凛々それにしたの?」

「なかなかシナジーあるんじゃないかな」

「ギリギリを詰めた形にしたのよ。…勝率はそれなりだけど」

「どんなデッキか、楽しみ、です」

 

 これとこれを入れ替えて、こっちのをこれと……よし。

 

 

 

「お待たせ」

「はい。お待ちしてました」

 

 組み替えた後、何度かデッキを切っては初手の4枚と最初に引く1枚を見る。これは姉さんに教えてもらったやり方で、スピリットカード1枚とネクサスカード1枚がペアとして、それがあれば大丈夫。これを10回くらいやって、6回ペアが出来たならOK。4回以下なら一部組み直し。3回以下なら全体見直し。ドローマジックがあれば妥協点とか。

結果は10回やってペアが出来たのが5回とギリギリ。ペアが無くドローマジックだけが6回と。まぁ上々だろう。

さて、デッキ内容を知らない相手にどこまで食いつけるかな。

 

 

「凛々ちゃんの新しいデッキ楽しみです♪」

「そうでしょうそうでしょう。……そういえば、彼女の名前は?」

「あ、言ってなかったっけ。シラヌイ リエって言うんだよ」

「……リエ? シラヌイ? ……何処かで聞いた覚えがあるような…」

「とにかくバトル開始の宣言してくださいよ早苗さぁん!!」

「決闘開始……じゃなくて、ゲートオープン!」

 

「界放、です!」

「界放。…いい加減慣れた」

 

 

 

   VS 白縫 理絵

     【???】

 

 

「先攻は私からでいいかな」

「はい、どうぞ」

 

<凛々・先攻第一ターン>

「じゃあ、スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メイン。《軍港都市オステア》を配置するよ」

「…青」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「えっ、オステア!?」

「…【強襲】?」

「凛々がそんな器用な事できると?」

「それもそっすね」

「…聞こえてるよ」

 

 そりゃそうだけど即納得する深緒ももう少し悩んでくれてもよかったんじゃないかな。

 

「バーストをセットして、ターン終了」

(手札4→3)

{凛々バースト:無し→セット}

 

<理絵・後攻第二ターン>

「では、スタートステップ、です」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メインステップ。オステアは、ちょっと、困りました…」

 

 そうは言う理絵だが小首を傾げ若干困った表情をするだけで本当に困った感じがしてない。…どうくる?

 

「それじゃ、ネクサス《水銀海に浮かぶ工場島》を配置、します」

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→5)

 

「この水銀島の効果で、凛々お姉さんのターンに、規程のドロー以外で手札を増やしたら、増やした分、破棄してもらいますね」

「げっ」

「そして、バーストをセットして、ターンエンド、です」

(手札4→3)

{理絵バースト:無し→セット}

 

「白紫!? 凛々、こりゃキツい相手だぞ!」

「そうみたいだね…」

 

 リエの手の動きを見てたけど、姉さんや早苗と似たような熟練の動きだ。しかも白と因縁の紫の混色…どう行くか。

 

<凛々・第三ターン>

「油断しないよう…。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン。《リューマン・ルクス》を出すよ」

(手札4→3)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→1)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「次に、リューマン・ルクスの【スピリットソウル:赤】。それで《アルティメット・エルギニアス》を出す。赤シンボル2つにオステアの青シンボルで0コスト!」

(手札3→2)

(リザーブ3→2)

[アルティメット・エルギニアス コア1 レベル3 BP5000]

 

「…ターン終了」

 

「お互い刺さるネクサスで牽制のしあい、だけど…」

「オステアでリエちゃんの白紫の連鎖は抑えられて、水銀島で凛々のドローが抑えられてる。でも凛々も召喚時が封じられてるから若干首絞めてるかなぁ…?」

 

青 ネクサス

《軍港都市オステア》

コスト4 軽減青2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:青

Lv1・Lv2

スピリット/ブレイヴすべての『このスピリット/ブレイヴの召喚時』効果と、ネクサスすべての『このネクサスの配置時』効果は発揮されない。

Lv2:フラッシュ『自分のアタックステップ』

このネクサスのコア1個を自分のトラッシュに置くことで、ターンに1回、このネクサスは回復する。

 

<理絵・第四ターン>

「赤と青…。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

「メインステップ。《シーホース・タンカー》をレベル1で召喚、します」

(手札4→3)

(リザーブ6→5)

[シーホース・タンカー コア1 レベル1 BP1000]

 

「次に、シーホース・タンカーの【スピリットソウル:白】、発揮です」

「っ!」

 

「白姉さんから受け継いだ“月”…。

 《アルティメット・ストライクヴルム》。

 レベル4で召喚、です…!」

(手札3→2)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・ストライクヴルム コア2 レベル4 BP15000]

「白のアルティメット…!」

「うおっ!? アルティメット我が友!」

「……受け継いだ…? たしか……」

 

 大型のアルティメット…。

あのネクサスのせいでドローしたらその分捨てさせられるみたいだし、まだ手札には無いけど《ネオ・ダブルドロー》を持て余してしまうのが痛い。

 

「アタックステップ、です。Uストライクヴルムで、アタックします」

「そのまま通すよ」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ2→3)

 

「ライフが減って、バースト!《ディクタトールレギオン》! ボイドからコア2つを、ネクサスのオステアに乗せる!」

{凛々バースト:セット→発動}

[軍港都市オステア コア0→2 レベル1→2]

 

「なるほど。ターンエンド、です」

 

「リエちゃんが先制1点して凛々が青のバーストで合わせて3コアブ!」

「コアの数は先制出来たね。白の牙城を凛々ちゃんはどう崩すかな?」

「何処かで……何処かで……」

 

<凛々・第五ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ3→4)

(手札2→3)

(トラッシュ1→0)

(リザーブ4→5)

 

「メイン。オステアのコアをリザーブに戻して…」

[軍港都市オステア コア2→0 レベル2→1]

(リザーブ5→7)

 

 調度欲しかったのが引けた。

あの厄介なネクサスを退かして、手札を増やさせてもらう!

 

「《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》をレベル2で出す!」

(手札3→2)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→2)

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー コア2 レベル2 BP5000]

 

 

「次に《炎星斧エルナト》をバーンカラーに直接合体させて出す!」

(手札2→1)

(リザーブ3→2)

(トラッシュ2→3)

炎星斧エルナト

  ↓ 直接合体

熱血剣聖リューマン・バーンカラー(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時効果:追加・発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「最後に《獣士スカイラーク》を出す!」

(手札1→0)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→4)

[獣士スカイラーク コア1 レベル1 BP1000]

 

「っ…」

「これで…!アタックステップ! バーンカラーで攻撃! …アタック時効果が重なった時はどっちを先に使うか決めていいんだよね?」

「そうよ。特訓の成果が出てるようね」

「なら、エルナトの効果から! 理絵のネクサス1つを破壊する!」

[水銀海に浮かぶ工場島 破壊]

 

「そしてバーンカラーの効果で1枚引いてBPを7千上がる。よってBP1万5千!」

(凛々手札0→1)

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー(合体) BP8000+7000=15000]

 

「更にスカイラークの効果! 系統:<剣使>を持つ私のスピリットかアルティメットがしたら、ボイドからコア1つを私のネクサスに乗せる!」

[軍港都市オステア コア0→1 レベル1→2]

 

「嘘っ、あの凛々が上手くなってる!?」

「あの凛々ちゃんが水銀島を回避してドローした上にコアブまで決めるなんて…」

「おい」

「うんうん! プロキシまで使って練った甲斐があったというもの!」

 

赤 スピリット

《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》

コスト4 軽減赤2極1 <剣使・竜人>

<1> Lv1 BP4000

<2> Lv2 BP5000

<4> Lv3 BP7000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から4枚オープンする。その中のブレイヴカード1枚を手札に加える。

残ったカードは好きな順番でデッキの下に戻す。

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットは、系統:<剣刃>を持つ自分のブレイヴの合体条件を無視して合体できる。

【合体時】Lv2・Lv3『このスピリットの合体アタック時』

自分はデッキから1枚ドローし、このスピリットをBP+7000する。

 

青 スピリット

《獣士スカイラーク》

コスト2 軽減青1 <剣使・獣頭>

<1> Lv1 BP1000

<3> Lv2 BP3000

<4> Lv3 BP4000

シンボル:青

Lv1・Lv2・Lv3

系統:<剣使>を持つ自分のスピリット/アルティメットがアタックしたとき、ボイドからコア1個を自分のネクサスに置く。

 

 これが赤と青、私の赤と早苗の青を合わせたデッキだ。赤が戦い、青が助ける。組み上げるのに時間が掛かったが、何とか良い動きをしてくれているみたいで良かった。

 

「そのオステアは、バーンカラーの召喚時効果を嫌って、自分から消したんですね」

「うん。前に深緒…こっちのうるさいのね。教わったんだ。デッキ下に行かせるよりは引けって」

 

 私がバーンカラーを嫌ったのは見た目もあるが、出した時の効果の事もある。

早苗曰く「戦闘向きになった《リューマン・ウィソード》」とのこと。

ブレイヴなら何でも1枚加えられるのはウィソードと違う利点だけど、ウィソードは残ったのをトラッシュに破棄。バーンカラーは下に行かせてしまうのがそう。

姉さん曰く『バトスピにはデッキから何かを探して手札加えるなどといったカードは無い。デッキ下に行ってしまったら、掘り起こさないと二度と使えないと思った方が良い』と言っていた。

 

「凛々ちゃんは安定性を取ったんですね」

「青の激しい取捨選択よりマシだけど、凛々のような初心者にイチバチは向かないと判断しただけよ」

「下に行かせるくらいなら全部ドローするくらいの気持ちで行け!ってことっすね早苗さん!」

 

「バーンカラーの攻撃はどうする?」

「ライフで、受けます」

(理絵ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ライフ減少で、バースト発動、です。《妖華吸血爪》。2枚ドローして、フラッシュ効果は使いません」

{理絵バースト:セット→発動}

(手札2→4)

 

「…これでターン終了」

 

<理絵・第六ターン>

「スタートステップ、です」

(リザーブ1→2)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ2→5)

 

「メインステップ。

 竜を討つ銀の英霊…。

 《英雄剣聖シグルド》、レベル1で召喚、です」

(手札5→4)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→2)

[英雄剣聖シグルド コア1 レベル1 BP4000]

 

「次に、シーホース・タンカーの【スピリットソウル:白】を発揮します」

「また来る…」

 

「白夜に煌めく、剣刃の龍…。

 《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》!

 レベル3で、召喚です…!」

(手札4→3)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ2→4)

 

「レベルには、シーホース・タンカーから、貰います」

[シーホース・タンカー コア1→0 消滅]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(白) コア1 レベル3 BP10000]

 

「っ!?」

「白の剣輝龍皇ですって!?」

「剣輝龍皇の召喚時効果発揮、【U抜刀】、です。

<剣刃>ブレイヴ、“白光する星”より来たる《星銃フォーマルハウト》と、“獅子の心臓”《獅甲の盾レグルス》を、Uストライクヴルムと剣輝龍皇に直接合体、させます…!」

(手札3→1)

星銃フォーマルハウト

  ↓ 直接合体

アルティメット・ストライクヴルム(合体)

[コスト:6+4=10]

[BP:15000+3000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

獅甲の盾レグルス

   ↓直接合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[コスト:6+2=8]

[BP:10000+1000=11000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「【U抜刀】に成功したので、1枚ドロー、します」

(手札1→2)

 

 嘘…!? 剣輝龍皇って、1枚だけじゃなかったの!?

 

「…っ! 思い出した!」

「えっ」

「白縫 理絵! 前々回の“称号戦”で優勝した、“白雪(しらゆき)”!!」

「うぇ!? 称号持ち!?」

 

 その上称号持ちとか、私とんでもない娘に対戦申し込まれたんじゃ…?

 

「あの…」

「は、はいっ」

「畏まらないで、いただきたい、です…」

「っ…」

 

 理絵の表情が曇る。

称号持ちだと聞いた私達に距離を感じたからだろう。…そりゃそうだ。

 

「…ごめん」

「いえ…」

 

 謝りはしたが、表情が晴れる気配が無い。強くてもまだ小さいんだ。知り合いから距離を置かれるのが辛いのは、私も理解している。

突然思い出した早苗が戦犯だ。

 

「本当ごめんね。ムカついたらこの早苗ってのを殴っていいから」

「ちょっと!?」

「え…?」

「私らが対戦してる最中に冷水ぶちまけられたものね」

「ぐ…」

「え、えっと…」

「こんなのは無視して私らは私らで対戦しよう。正直言って、称号が凄い強いってことくらいしかわかんないくらいの初心者だからさ私」

 

 理絵が称号持ちだとかそんなのはどうだっていい。今は対戦をするという約束を果たす。勿論、楽しんで。

 

「……」

「そんなくらいじゃ畏縮なんてしないよ。それとも、手加減しようか悩んでる?」

「っ! そ、そんなことないです!」

「ならさ、お互い楽しもうよ。もうひとつ実を言うと、身内以外で他の人と対戦するの初めてなんだ」

 

 あのナゾ不良たちとの対戦はノーカウントだ。

 

「気取られてたら私が勝っちゃうよ?」

「…はい! そうはいきません、から!」

 

 よし。何とか明るくなった。

早苗は後でアームロックだ。

 

「さ、続けて」

「はい。バーストをセットして、アタックステップ、です!」

(理絵手札2→1)

{理絵バースト:無し→セット}

 

「Uストライクヴルムで、剣刃合体アタック、です!」

「フラッシュは無い。通す!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ0→1)

 

「アタックステップは終了、します」

 

 残した? セットしてるのは何だ、この状況なら絶甲氷盾だろうか。

 

「エンドステップに、合体しているフォーマルハウトの効果発揮、です」

「っ!」

「エンドステップに、Uストライクヴルムは回復、します」

[アルティメット・ストライクヴルム(合体) 疲労→回復]

 

 アルティメットが回復…。1万8千の壁が起き上がってきたのはさすがに辛い。

 

白 ブレイヴ

《星銃フォーマルハウト》

コスト4 軽減白1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

BP8000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を手札に戻す。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『自分のエンドステップ』

このスピリット/アルティメットは回復する。

 

 これで防御に回れるのが3体。

このまま迂闊に攻めたりしたら全部返り討ちを食らう。…なら、手を増やすのが先決。

 

<凛々・第七ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

(手札1→2)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メイン。…よし、《ネオ・ダブルドロー》を使う。アルティメットがいるから3枚引くよ」

(手札2→1)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→2)

(手札1→4)

 

「来た…!」

「っ」

「リューマン・ルクスの【スピリットソウル:赤】! これで赤シンボル3つに究極シンボルが1つで軽減は満たした!

 《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》! レベル4!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ2→4)

[軍港都市オステア コア1→0 レベル2→1]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(赤) コア3 レベル4 BP14000]

 

「っ、赤の…!」

「召喚時の【U抜刀】! 手札の《太陽神剣ソルキャリバー》をノーコストで、剣輝龍皇に直接合体させて出す!」

(手札3→2)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

「【U抜刀】成功で1枚引く!」

(手札2→3)

 

「赤と白の剣輝龍皇!」

「一気に熱くなってまいりました!」

 

「アタックステップ! 剣輝龍皇で攻撃! 剣輝龍皇の合体してるときの効果で、ターン中私の合体してるスピリットとアルティメットのBPが3千上がる!」

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー(合体) BP8000+3000=11000]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) BP18000+3000=21000]

 

 これで白のアルティメットのBPは越えた。守らなければダブルシンボルを押し通すだけだ!

 

「更に太陽神剣の効果でBP4千以下のスピリットを破壊! 更にスカイラークの効果でオステアにコアを追加!」

[英雄剣聖シグルド BP4000 破壊]

(理絵リザーブ0→1)

[軍港都市オステア コア0→1 レベル1→2]

 

「この攻撃はどうする!」

「…ライフで、受けます!」

(理絵ライフ4→2)

(リザーブ1→3)

 

「バーンカラーで攻撃! スカイラークの効果でコアを追加して、BPを7千上げて1枚引く!」

[軍港都市オステア コア1→2]

(凛々手札3→4)

 

「バーンカラーの攻撃は——」

 

「そのアタックに反応して、バースト、発動します…!」

 

「っ!?」

 

「《次代機獣ブリザ・ライガ》…!」

{理絵バースト:セット→発動}

 

 ここでバースト…!しかも攻撃に反応するやつだったのか…。

 

「バースト効果。私のライフが3以下なので、お姉さんのバーンカラーをデッキの1番上に、戻します!」

「なっ!? …エルナトは残す!」

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー デッキトップへ]

[炎星斧エルナト 残留 コア2 レベル1 BP3000]

 

「そして召喚条件も満たしているため、レベル4で、バースト召喚します…!」

{理絵バースト:発動→召喚}

(リザーブ3→1)

[次代機獣ブリザ・ライガ コア2 レベル4 BP15000]

 

「エルナトは、Uストライクヴルムで、ブロックします。

 そして、レベル4からのブロック時“ダブルアルティメットトリガー”、ロックオン…!」

「だ、ダブル!?」

「トップを2枚めくって、コストを教えてください。こちらのコストは、10です」

「……コスト4の《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》と、コスト4の《大地穿つ石剣》」

「“ダブルヒット”!です!」

 

 攻撃したときじゃなくて防御したときに使うトリガーもあったのか…。

 

「まずダブルヒット効果で、凛々お姉さんのバーストを破棄します…!」

「っ!?」

{凛々バースト:セット→破棄(フレイムブラスト)}

 

 破棄された!? くっ、手札を増やせなくなった…。いやまだだ、まだ手はある…!

 

「次に、1ヒットにつき、バトルしてないそちらのスピリット1体を、手札に戻します…!」

「てことは、ルクスとスカイラークが戻されるのか」

[獣士スカイラーク 手札へ]

[リューマン・ルクス 手札]

(凛々手札4→6)

(リザーブ0→2)

 

白 アルティメット

《アルティメット・ストライクヴルム》

コスト6 軽減白3 <新生・武装>

【召喚条件:自分の白スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<2> Lv4 BP15000

<4> Lv5 BP19000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『相手のアタックステップ』

相手のアルティメットがアタックしたとき、このアルティメットは回復する。

【WUトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのブロック時』

ヒットしたUトリガー1回につき、バトルしていない相手のスピリット1体を手札に戻す。

【ダブルヒット】:Uトリガーが2回ヒットしたら、さらに、相手のバースト1つを破棄する。

 

「エルナトは、そのまま破壊します…!」

[炎星斧エルナト 破壊]

(凛々リザーブ2→4)

 

「…ターン終了」

 

 一気に場を蹴散らされた上に攻めきれなかったか…。

でもまだこっちのライフは3つ残ってる。

 

<理絵・第八ターン>

「スタートステップ、です」

(リザーブ1→2)

(手札1→2)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メインステップ。Uストライクヴルム、ブリザ・ライガのレベルを、上げます」

(リザーブ6→2)

[アルティメット・ストライクヴルム(合体) コア2→4 レベル4→5 BP15000→19000+3000=21000]

[次代機獣ブリザ・ライガ コア2→4 レベル4→5 BP15000→25000]

 

「バーストをセットして、アタックステップ、です」

(手札2→1)

{理絵バースト:無し→セット}

 

「ブリザ・ライガアタックです! アルティメットトリガー、ロックオン…!」

「…っ!? コスト5の《サンブレイカー》…!」

「ヒット、です! スピリットからブロックされません!」

 

 今私の場にスピリットはいない。…今Uエルギニアスを失う訳にはいかないし、ここは

 

「フラッシュ! マジック《絶甲氷盾》を使う! その攻撃が終わったらアタックステップを終わらせる!」

(凛々手札6→5)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ4→8)

 

「止められました…」

「攻撃は通す!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ0→1)

 

「なら、ブリザ・ライガのヒット効果発揮、です!」

「何っ」

「ブリザ・ライガ自身がライフを減らしたら、1ターンに1回、回復、します!」

[次代機獣ブリザ・ライガ 疲労→回復]

 

「また回復した!?」

 

白 アルティメット

《次代機獣ブリザ・ライガ》

コスト8 軽減白3極1 <次代・機獣>

【召喚条件:コスト3以上の自分のスピリット/アルティメット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<2> Lv4 BP15000

<4> Lv5 BP25000

シンボル:極

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

自分のライフが3以下のとき、相手のスピリット1体をデッキの上に戻す。

この効果発揮後、このアルティメットカードを召喚する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このアルティメットは相手のスピリットからブロックされない。

ターンに1回、このアルティメットは相手のライフを減らしたら回復する。

 

「ターンエンド、です」

 

<凛々・第九ターン>

「何とか…。スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

(手札5→6)

(トラッシュ8→0)

(リザーブ2→10)

 

「メイン」

 

 向こうには2万2千、2万5千、1万1千の壁。

剣輝龍皇は越えられるけど、頼みのサンブレイカーはトリガーでトラッシュに落ちた。…となれば、アイツを引くしかない。どの道一気に押し込んで切り開しか無い。

 

「《フェイタルドロー》を使う! 私のライフが2以下だから3枚引く!」

(手札6→5)

(リザーブ10→8)

(トラッシュ0→2)

(手札5→8)

 

「…っ! もう一度《リューマン・ルクス》を出す!」

(手札8→7)

(リザーブ8→7)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「これで最大軽減!

 《アルティメット・アーク》!レベル5!」

(手札7→6)

(リザーブ7→1)

(トラッシュ2→4)

[アルティメット・アーク コア4 レベル5 BP21000]

 

「…Uアーク」

 

 これじゃまだ、あの壁を越えることは出来ない。

だから、それを越えるために“青の力”を借りる!

 

「まず太陽神剣をUアークへ付け替える!」

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 換装

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:21000+4000=25000]

[合体時:追加・発揮可能]

[シンボル:極+赤+赤=極赤赤]

 

「出たっ凛々のトリプルシンボル!」

「でもまだ…」

「凛々…!」

 

「更に!」

「っ!」

「青シンボルが2つ、究極シンボルが2つで最大軽減!」

 

 押し通す力。荒波ように、“波濤の青”!

 

「《水星神剣マーキュリーブレイド》!

 剣輝龍皇へ、直接合体!!」

(手札6→5)

(リザーブ1→0)

 

「す、水星、神剣…!?」

「赤の力と青の力、合わせて攻め立てる!」

 

「凛々、この土壇場で引き当てたっての!?」

「水星神剣って、太陽神剣と同じ…」

「そう。同じ“惑星”名を冠する青の剣刃よ。…まさか引けるとはね」

 

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加・発揮可能]

[シンボル:極+青+=極青]

 

「ルクスとUエルギニアスのコアを剣輝龍皇へ移してレベル5へ!」

[リューマン・ルクス コア1→0 消滅]

[アルティメット・エルギニアス コア1→0 消滅]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) コア3→5 レベル4→5 BP14000→18000+4000=22000]

 

「アタックステップだ!」

 

 ここが最後…!

勝てるかどうかは、Uアークと私の運に掛かってる!

 

「Uアーク、攻撃! トリガー!」

「———っ」

 

 何だ、何が来た!

 

「コスト、6。《鋼極天ゴールデン・バッファロー》、です」

 

「っしゃあ!! ヒット!!」

 

 今恥ずかしいくらい気合入れて喜んでしまった…。言ってちょっと反省。でも、当たりは当たりだ!

 

「ヒット効果に合体重ねてBP1万5千以下のアルティメット、そっちの剣輝龍皇を破壊する!」

「っ…、レグルスは、残します」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(白) 破壊]

[獅甲の盾レグルス 残留 コア1 レベル1 BP1000]

 

「トリガーでアルティメットが当たったことで、太陽神剣の効果で合体してないアルティメットのブリザ・ライガを破壊!ついでにBP4千以下のレグルスも破壊する!」

「い、一気に…」

[次代機獣ブリザ・ライガ 破壊]

[獅甲の盾レグルス BP1000 破壊]

(理絵リザーブ2→7)

 

「Uアークはトリプルシンボル! 守らなきゃそのライフを消し飛ばす!」

「…Uストライクヴルムで、ブロックします!」

 

SwordBrave Attack!!

アルティメット・アーク+太陽神剣ソルキャリバー

BP21000+4000=25000 →win!!

   vs

Defense!!

アルティメット・ストライクヴルム+星銃フォーマルハウト

BP19000+3000=22000 →Lose...

 

「越えたっ!!」

「…フォーマルハウトは、残します」

[アルティメット・ストライクヴルム 破壊]

[星銃フォーマルハウト 残留 コア4 レベル1 BP3000]

 

 行ける…!

 

「剣輝龍皇で攻撃!水星神剣の効果【強襲】!ネクサスのオステアを疲労せて、回復!」

[軍港都市オステア 回復→疲労]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) BP22000+3000=25000]

 

「アルティメットが【強襲】した!?」

「効果での回復は知ってるけど、早苗さん。あれってアルティメット対応の光青剣ですよね」

「有り体に言えばそう。しかしアルティメットが起き上がってくる恐ろしさは、黄色を使ってる羽月なら理解してるでしょ?」

「そう、ですね」

 

青 ブレイヴ

《水星神剣マーキュリーブレイド》

コスト5 軽減青2極2 <剣刃>『水星』

<1> Lv1 BP4000

<0> 合体 +4000

シンボル:青

【合体条件:コスト5以上のアルティメット】

【合体時】

このブレイヴをコスト0として扱う。

【合体時】【強襲:1】『このアルティメットの合体アタック時』

このアルティメットは、ターンに1回まで、自分のネクサス1つを疲労させることで回復できる。

「究極と青のダブルシンボル!!」

 

「っ———」

 

 っ!? 目を閉じ小さく息を吐いて、呼吸を整えた理絵。

そして見開かれた理絵の目がさっきとはまるで違う、あの時の、あの“紫使いに近い目”をしていた。

 

「フラッシュ、タイミング。マジック《救世神撃覇》。フラッシュ効果で1枚ドロー、します」

(理絵手札1→0)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→4)

(手札0→1)

 

「………」

 

 引くマジック? 打開できるのを持ってなかったってこと? いや、まず目の前に集中しろ!

 

「……引きました」

「っ!?」

「フラッシュ、タイミング。

 マジック《ソードブレイカー》。

 剣輝龍皇の水星神剣を、破壊し、1枚ドローします」

「何っ!?」

(理絵手札1→0)

(リザーブ3→0)

[星銃フォーマルハウト コア4→3]

(トラッシュ4→8)

[水星神剣マーキュリーブレイド 破壊]

(理絵手札0→1)

 

 す、水星神剣が…!

ここでそれ引くとか、何なの…!?

 

紫 マジック

《ソードブレイカー》

コスト4 軽減紫2

フラッシュ:

相手の合体アルティメットのブレイヴ1つを破壊し、自分はデッキから1枚ドローする。

 

 まだだ、諦めるな!まだもう1度攻められる!剣の刀身が折れただけ!諦めて、なるもんか!!

 

「アタックは、ライフで受けます」

(理絵ライフ2→1)

(リザーブ0→1)

 

「ラス——」

 

「ライフ減少により、バースト発動!」

 

「っ!?」

 

「《ディメンションシールド》!バースト効果により、アタックステップは強制終了、です。更に追加コストを支払って、今ライフを減らした合体していない剣輝龍皇を、破壊します!」

{理絵バースト:セット→発動}

(リザーブ1→0)

[星銃フォーマルハウト コア3→0 消滅]

(トラッシュ8→12)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン 破壊]

(凛々リザーブ0→5)

 

「そ、そんな…」

 

白 マジック

《ディメンションシールド》

コスト4 軽減白3

【バースト:自分のライフ減少後】

このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

このバトルの間、相手の合体していないスピリット/アルティメットによって自分のライフが減ったとき、そのスピリット/アルティメット1体を破壊する。

または、このバースト発動時に自分のライフを減らした相手の合体していないスピリット/アルティメット1体を破壊する。

 

「救世神撃覇、ソードブレイカー、ディメンションシールド。ライフを1つ降ろされたことでピッタリ12個になったのね」

「神引き過ぎでしょ…!」

「まさかこうなるのを計算して…? そんなまさか…」

 

「………ターン、終了…」

 

<理絵・第十一ターン>

「最終ターン、です」

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ12→0)

(リザーブ1→13)

 

「メインステップ。…私のライフが3以下なので、このカードは召喚する際、コスト6になります」

「…まさか!」

 

「白の“六巨皇”、二重梁の統率龍。

 《六巨皇ディプロドックス》!

 レベル2で、進撃、です…!」

(手札2→1)

(リザーブ13→3)

(トラッシュ0→6)

[六巨皇ディプロドックス コア4 レベル2 BP20000]

 

「白の六巨皇…!」

「更に、“裏十二宮・神水の魂”が一つ。

 《宝瓶星鎧ブレイヴアクエリアス》。

 ディプロドックスへ、直接合体、させます!」

(手札1→0)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ6→9)

宝瓶星鎧ブレイヴアクエリアス

  ↓ 直接合体

六巨皇ディプロドックス(合体)

[コスト:12+5=17]

[BP:20000700027000]

[合体時:追加]

[シンボル:白白+白=白白白]

 

「に、2万7千のトリプルシンボル!?」

 

白 スピリット

《六巨皇ディプロドックス》

コスト12 軽減白6 <巨獣・機獣>

<1> Lv1 BP10000

<4> Lv2 BP20000

シンボル:白白

自分のライフが3以下の間、手札にあるこのスピリットカードを召喚するとき、コスト6として扱う。

Lv1・Lv2『相手のアタックステップ』

このスピリットは疲労状態でブロックできる。

 

「熨斗付けて、お返しします。アタックステップ、です。

ディプロドックス、合体アタック!」

 

「ふ、フラッシュ! 《ミストバ——」

 

「裏水瓶座の合体時効果、【超装甲:赤/白】!

 赤と白のスピリット、マジック、ネクサス、アルティメットの効果は、受けません!」

 

「っ!?」

 

「そしてディプロドックスは、トリプルシンボル、です!」

 

「っくそぉ…、ここまでか!! ライフしかない!!」

 

(凛々ライフ2→0)

 

 

 

〔winner!! 白縫 理絵〕

 

 

 

「読み負けたぁー…って、理絵、大丈夫? 汗凄いけど…」

「き、緊張が、解けて…。本当にやられると思い、ました…。凛々さん、強かったです」

「ありがと。…あのチリチリした感覚、すごく楽しかったよ」

「はい。私も、楽しかったです…!」

「いつかリベンジさせてくれる?」

「もちろん、受けて立ちます!」




赤青vs白タッチ紫?でした。
赤青と言っていいのか怪しすぎるデッキですが、現状はこういう形と相成りました。
書くのに苦悩したのが主人公のデッキだったり…。

赤青は剣使主体のデッキです。以上。

今回の白は昔ながらの防御重視型のようなものナニカ。
U我が友で守り、シグルドとディプロ+裏水瓶座or裏獅子座で圧殺する、星座編頃の懐かしい仕様になっております。
紫があるってことはまさか…と思われるかもしれませんが、アレは入っていません。
あくまでサポ用としての扱いです。

またミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


※余談。
烈火伝第3章になり、ますます混沌としすぎてもはや変な笑いが出てきます。
だが六天連鎖、お前は許さん。


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Step.07 『今後に期待ですね』

また大分遅くなりました。現在が着地点を見えず試行錯誤となってます…。



 姉さんと早苗と一緒に練った赤と青のデッキ。ショップで出会った少女、理絵との対戦。良いところまで食らい付けたんだけど、白の鉄壁に阻まれ押し潰されてしまい負けてしまった。

負けはしたけど新しく作ったデッキの調子は良いみたいだ。

 

「ありがとう、ございました」

「うん。こっちこそありがとう」

「でも、ちょっと、驚きました。凛々お姉さんの、デッキ」

「そうかな。そこの無礼なやつのを知恵を借りたデッキなんだけど」

 

 親指を立てて観戦してた早苗を指す。

指されてギクッとしたのか軽いうめき声を上げる早苗。そりゃ自業自得だろうに。

 

「さ、さっきのは申し訳無かったと言うか…」

「い、いえ、大丈夫、ですから…!」

 

 早苗も謝ったし理絵も許したみたいだから良しとするか。

しかし、白のカードは守りが堅くて驚いた。Uアークや剣輝龍皇でぎりぎりぐらいで、運が悪ければ越えられなかったほど。

相手からの攻め手を受け切る堅実な守勢、一撃を通してリカバリーも堅実な攻勢。

 

(これを組み込めたら私のデッキも少しは強くなるのかな…)

 

 赤の攻め、青の支援、白の守り。……完璧じゃん!

 

「…凛々ちゃん?」

「……ん、何、羽月?」

「今、白も組み込めたらな〜なんて考えてたでしょ」

「…い、いや?」

 

 笑顔で私の考えを見抜いてくる羽月。私ってそんな顔に出やすいのかな…。

 

「こんにちは凛々ちゃん」

「何か用かな?」

「今考えてましたか?」

「考えてない」

「そうですかありがとう白デッキ強かったですね」

「それほどでもない」

 

 白を組み込むと言っても枠が無いと思うし、入れられてもマジック辺りで精一杯だろう。現状でも白のは防御系しかないし。

 

「…いや、だってこの防御力があれば完璧じゃない?」

「一律ある。白の守りはさっきも体感した通り、固い。今この攻め手一辺の赤青には欲しい能力ではある」

「うんうん。裏水瓶座の【超装甲】があったっしょ? あれが厄介なのよな〜。味方として使えれば便利なんだけどさ」

 

 【超装甲】、か…。確かにこれをUアークとかに付けられれば退かされにくくなるかも。

でもUストライクヴルムだっけ?あれの回復する効果やブレイヴのも捨て難い。

 

「ねぇ、理絵」

「はい?」

「いきなりで悪いんだけど、わ———」

 

 

「ちょーっと待ったーー!!」

 

 

 理絵に頼み事を言おうとした瞬間、突然待ったの声。

前にテレビの懐かしのなんちゃらで待ったコールがどうのこうのあったな。

するとどこからともなくテーブルの脇からにゅっと現れた…アルバイト店員さん。

 

「りっちゃんに頼み事をしたければまず、この山田を倒してからにしてください!」

「…は?」

「み、みーちゃん…」

 

 自信満々に、ドヤ顔しながら立ちはだかる山田…さん。いや、ただの頼み事なのに何故倒さなくてはならないのか。

すると困惑している私と理絵をそっちのけでデッキケースを取り出しこちらに突き付けてきた。

 

「ターゲット!」

「!?」

「ふっふっふ…。ターゲットされたからには銀河バトスピ法に則り逃げることはできませんよ?」

「一体どういう…」

 

 何が何だか理解が追いつかないうちに理絵の了解を取り席を交代して準備に入ってるし。…えぇ…この流れはしなきゃならない流れなの? 深緒羽月早苗も「ターゲットされちゃあしょうがないかぁ」みたいな感じになってるし…。

 

「む〜…」

「まぁまぁそうむくれないでさ〜リンリン!」

「リンリン言うな!」

「他の人とバトルするのも経験だよ凛々ちゃん」

 

 …仕方ない。これはいくら足掻こうと無意味だ。気持ちを切り替えてやっていこう。

 

「むふふ。りっちゃんに勝てなかったのですからデッキは弱いはず!山田の勝ち星稼ぎになってもらいますよ!」

「……あ?」

「み、みーちゃん…!」

 

 理絵に負けたから自分より弱い?

 

「……泣かす」

「ふっふーん!そのままお返ししますよ!」

 

「深緒。凛々の煽り耐性は0なの?」

「いや、自分が弱いって言われても耐性はあるんですけど、早苗さんと一緒に組んだデッキが弱いって言われたのが逆鱗だったってことですよ」

「凛々ちゃん、自分よりも他の人優先なところありますから」

 

 

 

    VS 山田 愛美(やまだ まなみ)

     【???】

 

 

 

「先攻後攻はどうします?」

「どっちでもいい」

「なら山田が先攻で行きます!」

 

<山田・先攻第一ターン>

「山田の第一ターン!スタートステップ!」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「むふふ…♪ りっちゃん達のバトルを覗き見てて火が点きました♪」

「でも、みーちゃん。今のは…」

「心配しなくても大丈夫ですよ! バトスピ先輩として軽ーく揉んであげますから!」

「そういうことじゃなくて…」

「いいよ理絵、私のことは気にしないで」

 

 そう、気にしないでいい。

今私の頭の芯は極限まで冷えている。人のデッキを馬鹿にした小娘に泡吹かせろと言っている。

 

「メインステップ! ネクサス《天空を貫くバリスタ》を配置!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「そしてバーストをセットしてターンエンド!」

(手札4→3)

{山田バースト:無し→セット}

 

 シンボルが2つあるネクサスか…。

赤と緑ってことは姉さんのと似た感じなのか。コアを増やすのに注意しないと差が開く。こっちも負けじと増やしてやればいいかも知れないけどいくらかこっちが有利かな。向こうは召喚したとき、こっちは攻撃したときだ。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

 ……オステアが無い。

とすればどうする。赤と緑は下手にスピリットとかを出すと破壊される可能性がある。学んだ。……これかこれになる。

 

「メイン。………」

「おや?事故ですか?」

「いいや。……バーストをセット」

(手札5→4)

{凛々バースト:無し→セット}

 

「ターン終了」

「えっ」

 

「凛々何もなぁし!」

「やっぱり事故?」

「…いいえ。ふっ、トサカにキていても頭の回転は鈍ってないみたいね」

 

<山田・第三ターン>

「バーストのみ、ですか。山田のターン!」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。ふ〜む、山田はこう思いました。そのバーストは《絶甲氷盾》だと!」

「…理由は?」

「ズバリ!オステアで召喚時効果を封じるため、召喚時バーストとは相性が悪い!

あってもオステアを引き入れるための《双翼乱舞》か《ネオ・コールオブロスト》。赤青で除去しきれないのを除去するための《甲竜封絶破》だと予測しました!

《ディクタトールレギオン》は、さっきネクサスすら配置しなかったから除外して、《プテラヴァクセン》や《グラウンドブレイク》の可能性もありますが、見た限り枠の都合上入ってないだろうという山田の完璧な推理です!」

 

 …なるほど。

 

「今、山田の6色の脳細胞はキレにキレてます! これも赤ゼロのバトルを観たからでしょう!」

「ろ、6色って…。灰色じゃ、ないの?」

「バトスピの6色に掛けているんですよりっちゃん! 主に赤と緑が多めですけど!」

「………」

「り、凛々お姉さん、ごめんなさい…!」

 

 いや理絵が謝ることじゃないから大丈夫。

しかしこの娘は無意識に人を煽る才能があるのだろうか。バーストの予測までは良かったのに突然これだ。天然なら腹が立つどころか感心してしまいそうになる。

なら、その余裕たっぷりの笑みを崩すまで。

 

「気分が良くなったところで《ホムライタチ》をレベル1で召喚! バリスタのおかげで0コストで出せます!」

(手札4→3)

(リザーブ5→4)

[ホムライタチ コア1 レベル1 BP1000]

 

「更に《賢龍ケイローン》をレベル1で召喚! 赤軽減が2つに緑軽減が1つ、よってまるっと最大軽減2コスト!」

(手札3→2)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[賢龍ケイローン コア1 レベル1 BP5000]

 

 あのネクサス本当に厄介だな。2つの色軽減を持つカードと相性抜群じゃん。あのイタチや今出したやつみたく、あれだけでコストを2も減らせるんだから。

赤と青にもあればいいのに。

 

「ケイローンの召喚時効果発揮! 破壊とドローはできなくても【連鎖】は発揮されるため、【連鎖:緑】と【連鎖:緑緑】でケイローンにコアを2つ追加します!」

[賢龍ケイローン コア1→3 レベル1→2 BP5000→8000]

 

「緑シンボルが足りない…んじゃないのか」

「そう!ホムライタチは山田のメインステップ中、どこからともなく緑シンボルを1つ追加します!」

 

 シンボルを追加する…。姉さんのルリ・オーサや理絵のシーホース…だっけ?あれは色を変えるのに対して、これはシンボルを増やすだけなのか。

 

「次にマジック《ブレイヴドロー》を使います! コストはケイローンから取ります!」

(手札2→1)

[賢龍ケイローン コア3→1 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

 

「2枚ドローして、デッキトップ3枚をオープン!」

(手札1→3)

●オープンされたカード

・《ダンデラビット》(スピリット)

・《リカオスパーダ》(スピリット)

・《牡羊星鎧アリエスブレイヴ》(ブレイヴ)

 

「きたぁー!りっちゃんりっちゃん!山田キてます!やくまんですよ!」

「あわわわ…わ、わかったから…」

 

 当たりがきた喜びの余りか隣にいた理絵に抱き着き、離れたかと思えば肩を揺さ振りまくってある。理絵の頭がガクガクして目回すから止めなさい。

…騒がしい娘だな。

 

「くー!この中のブレイヴカード、裏牡羊座を手札に加えて、後はテキトーに戻します!」

(手札3→4)

●デッキに戻す順番

上・リカオスパーダ

下・ダンデラビット

 

「そしてそして《牡羊星鎧アリエスブレイヴ》をケイローンに直接合体させます! 軽減は緑2に赤1ですから最大軽減1コスト!」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ4→5)

牡羊星鎧アリエスブレイヴ

  ↓ 直接合体

賢龍ケイローン(合体)

[コスト:5+4=9]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:赤+緑=赤緑]

 

 綺麗にコアを使い切った。ここまで3枚使って手札が減らずもうダブルシンボルのスピリットまで出てくるとは、やっぱ赤緑って凄い。

 

「むふーん!これでそちらさんはアルティメットを召喚するとき疲労状態で召喚しなければなりません!」

「何っ」

 

 疲労状態で出さなきゃならないってかなりまずいんじゃない? 次が回ってくるまで動けないとなったら…。

 

「アタックステップ!バリスタの効果で山田の赤と緑のスピリット達のBPが2千上昇します!」

[ホムライタチ BP1000+2000=3000]

[賢龍ケイローン(合体) BP8000+2000=10000]

 

「ケイローンで合体アタック! 裏牡羊座の効果発揮!そちらのバースト発動できませんよ」

「っ…」

「ダブルシンボルですから素直に2点…」

「それは無い」

「はい?」

「フラッシュもらうよ。《ゴルディアスウェーブ》!」

「ふぁっ!?」

(凛々手札4→3)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→3)

 

「そっちの合体してるブレイヴを破壊。破壊できたら、合体元のスピリットの効果をバトル中無くして、更に私のバーストがセットされてるからコスト3以下のホムライタチを破壊する」

「んなぁ…!?」

[牡羊星鎧アリエスブレイヴ 破壊]

[賢龍ケイローン BP5000+2000=7000]

[ホムライタチ コスト2 破壊]

(山田リザーブ0→1)

 

青 マジック

《ゴルディアスウェーブ》

コスト3 軽減青1極1

フラッシュ:

相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊することで、このバトルの間、そのブレイヴを破壊されたスピリット1体の効果は発揮しない。

この効果発揮後、自分のバーストをセットしているとき、コスト3以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

「おお!凛々握ってた!」

「まぁね。…で、完璧な推理が何だって?山田さん」

「ぐぬぬ…!で、でもケイローンのアタックが残ってますから!」

「それは通すよ」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ2→3)

 

「ライフが減ったからバースト発動」

「絶甲ひ「ハズレ。《エナジーバースト》」

{凛々バースト:セット→発動}

 

「合計BP7千まで自由に破壊する。ちょうど7千ピッタリになってるケイローンを破壊!」

[賢龍ケイローン BP7000 破壊]

(山田リザーブ1→2)

 

「な、何てこったです…、山田の完璧な布陣が壊滅です…!」

「6色の脳細胞(笑)」

「むきー!ターンエンドです!今に見てろです!」

 

 よし、ネクサスは残したけど振り出しに戻した。流れをこっちに引き寄せて、場を固めないと。

 

<凛々・第四ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ3→4)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ4→7)

 

「メイン。《リューマン・ルクス》を出す」

(手札4→3)

(リザーブ7→5)

(トラッシュ0→1)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「次に《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》をレベル3で出すよ」

(手札3→2)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ1→3)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

 

「ぐぬぬ…」

「まだ。《炎星斧エルナト》を龍剣聖に重ねて出す」

(手札2→1)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

炎星斧エルナト

  ↓ 直接合体

龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:なし]

 

「アタックステップ。龍剣聖で攻撃。アタックでに1枚引いて、エルナトの効果でネクサス1つ、バリスタを破壊する」

(凛々手札1→2)

[天空を貫くバリスタ 破壊]

 

「凛々ちゃん逆転!」

「やるようになったじゃん凛々!」

 

「こ、こんなはずでは…」

「凛々お姉さんは強いって、言おうとしたのに…」

「い、今のは上手く捌かれただけです!すぐ建て直せます!」

「じゃあ龍剣聖の攻撃はどうする?」

「ライフで受けますよ!」

(山田ライフ5→4)

(リザーブ2→3)

 

「バーストが無ければ…終了だね」

 

 これで更地だ。

私を下に見たのはどうでもいい。私なんかのために力を貸してくれた2人のデッキにケチ付けた分は勝って取り消してやる。…私にだって負けたくないって意地くらいはある。

 

<山田・第五ターン>

「山田のターン!」

(リザーブ3→4)

(手札3→4)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ4→9)

 

「メインステップ!」

 

 山田さんが引いたのは《リカオスパーダ》だっけ?

今できるとしたら壁を増やすことぐらいしか無いだろう。更地から返すならさっきの私みたい何かしらで相手の場を崩さなきゃならなくなる。

 

「ぬぬぬ…。マジック《双翼乱舞》を使います! 2枚ドロー!」

(手札4→3)

(リザーブ9→5)

(トラッシュ0→4)

(手札3→5)

 

「これでターンエンド!」

 

 何もしないで終わらせた。…手詰まりか?

 

<凛々・第六ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

「メイン。ルクスの【スピリットソウル:赤】発揮。0コストで《アルティメット・エルギニアス》を出すよ」

(手札3→2)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→2)

[アルティメット・エルギニアス コア1 レベル3 BP5000]

 

「次に《獣士スカイラーク》を出す」

(手札2→1)

(リザーブ4→2)

[獣士スカイラーク コア1 レベル1 BP1000]

 

「最後に《剣帝眠る霊廟》を配置」

(手札1→0)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

 

「そして龍剣聖をレベル4にして、アタックステップ」

(リザーブ1→0)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア1→2 レベル3→4 BP5000→7000+3000=10000]

 

「龍剣聖で攻撃。まずスカイラークの効果で霊廟にコアを1つ乗せる」

[剣帝眠る霊廟 コア0→1]

 

「1枚引いてトリガー効果。」

(手札0→1)

 

「む〜、もちろんコスト3の《ダンデラビット》です」

「ヒット。BPを5千足すだけね」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) BP10000+5000=15000]

 

「ふっふーん!アタックに反応してバースト発動!」

「っ、何」

「《トライアングルバースト》! 手札にあるコスト4以下のスピリットかアルティメットを、召喚時効果を発揮させないでノーコスト召喚します!」

{山田バースト:セット→発動}

 

 向こうも絶甲氷盾じゃなかった。でも召喚時効果を発揮させないでって、手札にダンデラビット以外に出したいものがあるのか? アルティメットは召喚条件があるから無理だし。

龍剣聖の指定アタックも、タイミングが過ぎてるから出てきたのを倒すのは無理だけど。

 

「《暴皇ティーズ・ドラゴン》をノーコスト召喚します!」

(山田手札5→4)

(リザーブ5→4)

[暴皇ティーズ・ドラゴン コア1 レベル1 BP3000]

 

 ここでコスト4のスピリットか。召喚時効果持ちが多いからあれにしたのかも。…切り札を引いたとすれば、それを喚ぶための下地か。残念だけど、この1枚じゃどうこうできない。

 

「フラッシュタイミング! 《メガ・ネウラー》を【神速】召喚しますよ!」

(手札4→3)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ4→6)

[メガ・ネウラー コア1 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果で、赤スピリットのティーズ・ドラゴンに1コア追加!」

[暴皇ティーズ・ドラゴン コア1→2]

 

「ブロックはしないでライフで受けますよ!」

(山田ライフ4→3)

(リザーブ1→2)

 

「ターン終了」

 

<山田・第七ターン>

「きましたよ!山田の見せ場が!」

(リザーブ2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ3→9)

 

「メインステップ! 《六分儀剣のルリ・オーサ》をレベル2で召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ9→5)

(トラッシュ0→2)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果で赤スピリット2体にボイドから1つずつコアを追加します。乗せるのはティーズ・ドラゴンと赤になっているルリ・オーサ!」

[暴皇ティーズ・ドラゴン コア2→3 レベル1→2 BP3000→5000]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2→3]

 

「よしよし…。ではリリさんでしたっけ? あなた様には山田の本気を見せてあげちゃいます!」

「本気、ねぇ」

 

 それは出すであろうカードを確認してからだが、あれだけ自信満々なんだ。押し切る余裕があるということ。いくら物理的に隙だらけだからといって油断はしない。

 

—————

 

「ったく、いないと思ったら山田のやつ遊んでたのかまったく…。終わったら説教だ。……と、いらっしゃいませ〜…っとお二人か」

「こんにちは」

「どうも」

「はいどうも。すまないねわざわざこっちまで来てもらって」

「いいえ、こちらこそ申し訳ありません。こちらに届く物を代わりに預かっていただいて…」

「いいさいいさ、アイツへの貸しなんだからさ。ちょいと待っててな。今取ってくるからさ」

 

「…ここも賑やかですね」

「そうですね」

「それにしても、何で引き受けたんですか? “新弾のテスター”なんて」

「理由は特にありませんよ。…強いて言うなら、暇だったから、ですかね」

「はあ…」

「前もやってましたから、今更です」

 

—————

 

「山田の切り札!

 《アルティメット・サジット・アポロドラゴン》をレベル4で召喚です!」

(手札3→2)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ2→7)

 

「ええっ!?」

「アルティメットの射手座!?」

「な、それは…!」

 

 何? 3人の驚きようからしてただのアルティメットじゃないみたいだが、あれが切り札なのか。

 

「レベルにはティーズ・ドラゴンとルリ・オーサからいただきます!」

[暴皇ティーズ・ドラゴン コア3→1 レベル2→1]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア3→2]

[アルティメット・サジット・アポロドラゴン コア3 レベル4 BP20000]

 

—————

 

「お待たせ……って、山田のやつ!? あの馬鹿、展示品勝手に使って!」

「…あれ展示品だったんですか」

「Uサジットと聞こえましたから、まさかと思いましたよ」

「あれはご本人が使ってるののレプリカなんだよ。まったく、いくら憧れてるからってなぁ…」

 

—————

 

「バーストをセットして、アタックステップ!」

(手札2→1)

{山田バースト:無し→セット}

 

「Uサジットでアタック! ダブルアルティメットトリガー・ロックオンです!」

「2枚めくるんだったっけ。…コスト4の《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》とコスト4のネクサス《軍港都市オステア》」

「ダブルヒット! 1ヒットにつきBP1万5千以下のそちらのスピリットを破壊します! 更に両方ヒットしたため、究極シンボルを1つ増やしますよ!」

「…1万5千以下を2体破壊して、ダブルシンボルになる訳か」

 

 私のUアークも大概だけど、あれも相当だ。このまま動き続けられれれば、制圧されるのも時間の問題だ。…だけど、そうはいかない。制圧するのは私だ!

 

「トリガーカウンター!」

「にゃっ!?」

「《インパクトロア》! コストは龍剣聖と霊廟から使う!」

(凛々手札1→0)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア2→1 レベル4→3]

[剣帝眠る霊廟 コア1→0]

(トラッシュ3→5)

 

「私これ使ったはいいんだけど、私初心者だから効果忘れちゃったんだ。私より先輩の山田さん、教えてくれますか?」

「きー!嫌み、嫌みですか! バトル中のアルティメットのコストが、ヒットしたカードのコストに3を足した数以下なら破壊するんですー!」

「なるほど。教えてくれてありがとうございます。先・輩」

 

青 マジック

《インパクトロア》

コスト4 軽減青2

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■バトルしている相手のアルティメットがコスト(ヒットしたカードのコスト+3)以下のとき、そのアルティメット1体を破壊する。

フラッシュ:

コスト4以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

「てことは4+3は7だから、ピッタリコスト7のそのアルティメットを破壊!」

[アルティメット・サジット・アポロドラゴン コスト7 破壊]

(山田リザーブ0→3)

 

「にゃー!? や、山田のUサジットがこんな簡単にいぃ…!」

「みーちゃん…。それ、お店のだよね?」

「う゛っ」

「…え? 勝手に持ち出してたの?」

「い…いいえ?!や、山田が赤ゼロが使ってるUサジットの素晴らしさを伝えるためにですね?!」

「ようは勝手にって事だね」

「………山田は黙秘権を行使します!」

 

 いやもう白状してるようなもんだけど…。

 

—————

 

「あんの馬鹿たれが…」

「憐れですね」

「ふふっ。でも、あの娘も手札1枚でカウンターですか。…まるで“姉さん”みたい」

 

—————

 

「どうする? 攻撃続ける?」

「くぅ…。ターンエンドです!」

 

<凛々・第八ターン>

「よし、スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札0→1)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

「メイン」

 

 おお、これは幸運だ。

あとは何とか…。

 

「《ネオ・ダブルドロー》を使う。アルティメットがいるから3枚引くよ」

(手札1→0)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→2)

(手札0→3)

 

「…来た」

「ひっ」

「ネクサス《大地穿つ石剣》を配置」

(手札3→2)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→4)

 

「そして、こいつの出番。

 《鳥獣剣聖ペレグリン》!」

(手札2→1)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ4→5)

[鳥獣剣聖ペレグリン コア1 レベル3 BP6000]

 

「青のアルティメット!?」

「Uエルギニアスとルクスのコアをペレグリンへ移動」

[アルティメット・エルギニアス コア1→0 消滅]

[リューマン・ルクス コア1→0 消滅]

[鳥獣剣聖ペレグリン コア1→3 レベル3→4 BP6000→9000]

 

「次にエルナトをペレグリンへ付け替える」

炎星斧エルナト

  ↓ 換装

鳥獣剣聖ペレグリン(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:9000+3000=12000]

[合体時:追加・発揮可能]

[シンボル:なし]

 

「最後にバーストを伏せて、アタックステップ」

(手札1→0)

{凛々バースト:無し→セット}

 

「ペレグリンで攻撃。まずレベル4からの効果でボイドからコア2つをネクサスに置く。霊廟に追加してレベル2に」

[剣帝眠る霊廟 コア0→2 レベル1→2]

 

「更にスカイラークの効果で石剣にコア1つを追加してこっちもレベル2に」

[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]

 

 これを揃えるのに手間が掛かるけど、あの緑に負けないくらいコアは増やせる。

 

青 アルティメット

《鳥獣剣聖ペレグリン》

コスト3 軽減青1極1 <次代・剣使・獣頭>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP6000

<3> Lv4 BP9000

<4> Lv5 BP11000

シンボル:極

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、コスト7以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【合体時】Lv4・Lv5『このアルティメットの合体アタック時』

ボイドからコア2個を自分のネクサス1つに置く。

 

「更にトリガー。コストは7だよ」

「——コスト5のマジック《バレットファイア》です!」

「ヒット。まず石剣の効果で、1ターンに1度だけ2枚引く」

(手札0→2)

 

—————

 

「赤青アルティメット…。まぁまぁやりますね、彼女」

「うん。今後に期待かな」

 

—————

 

「更にトリガー効果で、コスト7以下スピリット、ルリ・オーサを破壊する!」

[六分儀剣のルリ・オーサ コスト4 破壊]

(山田リザーブ3→5)

 

「バーストは?」

「……ありません。アタックはライフで受けます!」

(山田ライフ3→2)

(リザーブ5→6)

 

「次、龍剣聖で攻撃。スカイラークの効果で石剣に1コア追加。更に霊廟レベル2の効果。私の系統:<剣使>を持つスピリットかアルティメットがアタックしたら、コスト6以下の相手スピリット、ティーズ・ドラゴンを破壊!」

[暴皇ティーズ・ドラゴン コスト4 破壊]

(山田リザーブ6→7)

 

青 ネクサス

《剣帝眠る霊廟(れいびょう)

コスト3 軽減青2

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:青

Lv1・Lv2

お互い、青以外のカードのバースト効果ではドローできない。

Lv2『自分のアタックステップ』

系統:<剣使>を持つ自分のスピリット/アルティメットがアタックしたとき、コスト6以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

「そして龍剣聖自身の効果で1枚引いて、コスト6以下のメガ・ネウラーを破壊!」

(凛々手札2→3)

[メガ・ネウラー コスト3 破壊]

(山田リザーブ7→8)

 

 コアも増やせて手札も戻せた。これなら押し返せる…!

 

「その前にフラッシュタイミング! 手札から《リカオスパーダ》を【神速】召喚!

相手のアタックステップで召喚しましたので、召喚時効果でそちらのスピリット2体、スカイラークを疲労させます!」

(山田手札2→1)

(リザーブ8→4)

(トラッシュ7→10)

[リカオスパーダ コア1 レベル1 BP2000]

[獣士スカイラーク 回復→疲労]

 

緑 スピリット

《リカオスパーダ》

コスト3 軽減緑1 <剣獣>

<1> Lv1 BP2000

<2> Lv2 BP3000

シンボル:緑

フラッシュ【神速】

手札にあるこのスピリットカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアをリザーブから使用することで召喚できる。

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

『相手のアタックステップ』で召喚されたとき、相手のスピリット2体を疲労させる。

 

「アタックはリカオスパーダでブロックします!か弱い山田を守る盾になってください!」

[リカオスパーダ 破壊]

(リザーブ4→5)

 

「スピリットの破壊でバースト発動!《夢幻祈祷》! ボイドからコア1つをライフに置きます!」

{山田バースト:セット→発動}

(山田ライフ2→3)

 

「…ターン終了」

 

<山田・第九ターン>

「ふー! 山田、危機的状況を回避しました! 山田のターンです!」

(リザーブ5→6)

(手札1→2)

(トラッシュ10→0)

(リザーブ6→16)

 

「メインステップ! 天は山田を見捨ててません!

 《ジェネラル・ドラゴン》をレベル3で召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ16→3)

(トラッシュ0→8)

[ジェネラル・ドラゴン コア5 レベル3 BP15000]

 

「ジェネラル! 山田店員押し切る算段か!?」

「みーちゃん、賭けに出たんだ…」

 

「ジェネラル・ドラゴンの召喚時効果発揮! BP1万5千以下のスピリット、またはアルティメット1体を破壊します!対象はペレグリンです!」

「っ!? …エルナトは残す!」

[鳥獣剣聖ペレグリン 破壊]

[炎星斧エルナト 残留 コア3 レベル1 BP3000]

 

「決めに掛かります!山田、健康一番です!」

「…けん、ん?」

 

「山田ちゃんは健康志向なの?」

「多分、乾坤一擲って、いいたいんだと、思います」

 

「アタックステップ!ジェネラル・ドラゴンでアタック! レベル2からのアタック時効果で、そちらのBP3千以下のスピリット全部を破壊します!」

[炎星斧エルナト BP3000 破壊]

(凛々リザーブ0→3)

 

「フラッシュタイミング! マジック《ストームアタック》を使います! 疲労させる対象はいませんが、ジェネラル・ドラゴンを回復させます!」

(手札1→0)

(リザーブ3→0)

[ジェネラル・ドラゴン コア5→4 レベル3→2 BP15000→12000]

(トラッシュ8→12)

[ジェネラル・ドラゴン 疲労→回復]

 

 こちらはがら空き。今仕掛けてきてるのはダブルシンボルのスピリット。

これはマズい…。

 

「…通す!」

(凛々ライフ4→2)

(リザーブ3→5)

 

「勝った!!第二部・完!! ジェネラル・ドラゴンでもう1度……」

 

「……その勝利宣言は早いよ」

 

「えっ」

 

「ライフが減って、バースト発動!《ドリームボム》!

 回復させるスピリットはいないけど、私のライフが2以下なら、トラッシュのコア1つを私のライフに置く!」

{凛々バースト:セット→発動}

(トラッシュ5→4)

(凛々ライフ2→3)

 

「アバー!?」

「これで0にはならない!アタックは通す!」

(凛々ライフ3→1)

(リザーブ5→7)

 

「受けきった!」

「た、ターンエンド、です…」

 

<凛々・第十ターン>

「スタートステップ!」

(手札3→4)

(リザーブ7→8)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ8→12)

 

「メイン。最期は一気に吹き飛ばす! まずは《リューマン・ルクス(2)》!」

(手札4→3)

(リザーブ12→11)

[リューマン・ルクス(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

「更にルクスの【スピリットソウル:赤】発揮!

 最大軽減で《アルティメット・アーク》をレベル5で出すよ!」

(手札3→2)

(リザーブ11→4)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・アーク コア4 レベル5 BP21000]

 

「更に、《太陽神剣ソルキャリバー》を重ねて出す!」

(手札2→1)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ3→6)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:21000+4000=25000]

[合体時:追加・発揮可能]

[シンボル:極+赤+赤=極赤赤]

 

—————

 

「っ! アーク…!」

「ああ、あの娘が噂の娘だったんだ…」

「取り戻しますか?」

「そんな事しても意味無いよ。姉さんに怒られます」

「そうですかね」

「ええ。むしろ、姉さんなら『自分より上手く扱える』って言うから」

 

—————

 

「アタックステップ」

 

「ままま待っていただきたい!」

「?」

 

「そのままアタックされるとトリプルシンボルですので、山田は負けてしまいます。…こ、ここは山田に免じて引き分けにしませんか?」

 

「NO」

 

「に、二百円で手を打ちませんか?」

 

「絶対にNO。ソルキャリバースウィフトでバラバラに引き裂いてそのまま骨にするからね。山田さん調子ぶっこき過ぎてた結果だよ?」

 

「し、しにたくなーーい!!」

 

「Uアークで、攻撃!トリガー効果!」

「…こ、コスト2の《ミストバラッジ》です」

「ヒット! Uアークのヒット時効果。合体してるからBP1万5千以下のジェネラルを破壊!」

[ジェネラル・ドラゴン BP12000 破壊]

(山田リザーブ0→4)

 

「これで、終わり! Uアークはトリプルシンボル!」

 

「あ……あ……! アバァァーーー!?」

(山田ライフ3→0)

 

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

 

 

「か、勝ったと思わないでください…」

「もう勝負ついてるから」

「みーちゃん、勝手に借りたカード使って、負けるなんて…」

「あ、あ、りっちゃん!そんな残念な目で見ないでくださいよ!?」

 

 

 

—————

 

「終わったみたいですね。引き上げましょう」

「ええ。…では店長。“『詩姫の交響曲』”、確かに受け取りました」

「あいよ。いつかあの馬鹿に手ほどきしてやっておくれよ」

 

—————

 

.




てなわけでvs(店にあるものを勝手に持ち寄って作った)山田赤緑でした。

しかし06で進めるのもそろそろ限界でしょうかねぇ。
やれてない部分もあるのですが、黄色だから大丈夫でしょう(楽観視)

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


※余談
色々発売したり秋イベがあったりするのでまた更新が遅くなりそうです。


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Step.08 『話だけではなんだろう?』

気付いたら年が明けて三が日も過ぎていた…。これもモンハンクロスと艦これのイベントってやつの仕業なんだ…。
ともかく超遅れました。


2016年1月30日に烈火伝第4章、2月20日にはディーバブースター【戦乱魂歌】、3月19日にはコラボブースター【ウルトラ怪獣超決戦】とサイフのライフがマッハな3ヶ月になりそうですね。

テーマパック第22弾 リバイバルブースター【龍皇再誕】発売中!!(今更)


 

 

「凛々は激怒した。かの邪智暴虐の山田を殴らねばならぬと」

「やめろ」

「暴虐の山田ってなんですか!」

「リンリンはバトスピ初心者である」

「やめろ。あとリンリン言うな」

「けれども仲間想いの優しい女の子なんだよね〜凛々ちゃん♪」

「やめてくださいしんでしまいます」

 

 何かいきなり勝負しかけて来た山田さんに勝ったと思ったらこの仕打ちは何だ。思わず顔から火が出そうになり両手で顔を覆う。このままでは私の羞恥心がストレスでマッハだ…。

 

「も、もう一戦!もう一戦しましょ!次は山田が…」

「くぉおらあァッ!!山田ァ!!」

「はひぃ!?」

 

 私の了解を得ずに再戦しようとする山田さんに、遂に店長さんの雷が落ちた。

 

「お前お客さんとバトルするならまだしも、展示品や店の品に手ぇ出すとはそこまで許可した覚えはねぇぞ!」

「ひ、ひいぃぃ…! だだだってぇ!」

「だってもクソもあるか!」

「ああ!山田のデッキが…あだっ!?」

 

 どうやら山田さんのデッキはお店の商品をくすねたものらしく、一応傷を付けないためにスリーブというもので守っていたらしいが、店長のげんこつ一発。山田さんの頭に直撃。

…そういえば…。

 

「いったーい!店長暴力はんたーい!」

「ったく…」

「あ、あの…」

「ん?なんだい?」

 

 少し気になることを店長に聞いてみる。

展示品のカードって言っていたが、どれの事なんだろうか。…切り札とか言ってたあれとか?

 

「ああ。これだよ」

「…Uサジット、ですか?」

「これね、イラストが違うんだよ」

 

 山田さんから取り上げたデッキから、1枚のカードを抜き出し、私達に見せてくれた。

やはり、あの《アルティメット・サジット・アポロドラゴン》だった。…舌噛みそう。確かに特別な感じになってる…ような?

 

「失礼。……これは」

「すごっ!イラストが違う!」

「加工の仕方も左下のマークも違ってる。アニメのとも違うんですね」

 

 イラストが違うUサジットを早苗深緒羽月がそれぞれの感想を述べる。…元のはどんなだったのか。

 

「すげぇでしょう。まぁこれレプリカなんだけどね」

「山田も!山田とりっちゃんも説明します!したいです!」

「え、ええ…?」

「山田は黙ってろ。代わりに理絵ちゃんが説明してくれるかな?」

「え、あ、はい…!」

 

 黙ってろと制された山田さんを横目に店長さんがそのカードを理絵に手渡す。それを受け取り、おずおずと説明を始めてくれた。

 

「えっと…。これは、“灼熱”さんへ特別に公式が作ってくれた、カードなんです」

「っ!? “あの人”の!?」

「嘘マジで!?」

 

 早苗と深緒が素で驚いた。

人目も憚らず本当に驚いたようだ。…灼熱って、称号がどうのこうの言ってたやつだっけ? 称号持ってる人に作るのなら皆こういうの持ってるんじゃないの?

 

「はいはいこちらにちゅうもーく」

 

 すると、店長さんがどこかからともなくショーケースを引っ張ってきた。中にはカードが飾られていて、どれも光っている。これ全部レアものなのかな。

 

「わぁ!すごい!」

「本邦初公開さ」

 

 羽月が感嘆の声を漏らす。

私には何が凄いか分からないが、お店にいた他のお客も何だ何だと寄ってきた。

 

「ここにあるのは全部レプリカだけど、あの灼熱が使ったカードが全て新規イラストの特別仕様でお目見えするってことさ。ただし、販売は無し。灼熱個人用さね」

 

 周囲からどよめきが起こる。

全部新しくしたってこと、だよね?

 

「ということは店長、コモンやアンコモン、マジック、ネクサス、ブレイヴも全て?」

「その通り。ほら、ここの《リューマン・クロウ》とか《リューマン・ドシャット》、《ガイナロック大渓谷》もそうさ」

 

 店長が指差すところを見る。

…これか。私のUアークと同じようなキラキラな加工とイラストが全体になっている。効果の部分を見てみると、確かにルクスと似たような効果だけだ。

 

「新規全面イラストに箔押しXレア仕様。あのケチ臭い公式がこんな…」

「キャンペーンで店舗によって貰えるカードが違うとか言っときながらたまに最終弾でそのかキャンペーンカード全部を枠に捩込むあの公式が!?」

 

 早苗と深緒の公式に対する愚痴は置いておくとして、口ぶりからしてこれは異例の事らしい。

羽月からの補足だと、こういう目覚ましい成績を残した人のデッキをプレミアムとかいうので販売するんだとか。

 

「そのときに使われたカードのXレアてか以外は全部Mレア仕様で、右の系統の上辺りにマークが付くんだよ」

「へぇ…」

「でもこれは違う。本当に初めてなの。しかも個人用カードなんてGXナンバー以来じゃないかな…」

 

 羽月でもこの驚きようだ。余程の事なんだろう。

…でもこんなの作られるなんて、その灼熱って人は趣味が悪いんじゃないの? こんなキラキラさせてさ。成金趣味というか。

 

 

 

「ここなら話せるか」

「は、はい」

 

 あの展示品の場所から少し離れた場所に理絵を連れ出し、話せる場所を確保する。あのざわついてる状態じゃゆっくり話もできない。他の四人もカードに夢中だし。

 

「えっと、凛々お姉さんのデッキに、白を組み込めるか、でしたっけ」

「うん」

「では、デッキをちょっと、広げてもらえますか?」

「了解」

 

 理絵に言われデッキをテーブルに広げる。そういえば誰かに見せるのは初めてだったな。そう思ってくると緊張してきた。一応、姉さんと早苗との突き詰めた結果だから、弱いと言われたら泣きそう。

…いや、山田さんとの時は下に見られたから怒ったんだけど、第三者に診断されてバッサリ斬られるのは別だ。

冷や汗をかきながら広げ終わり、理絵がじっくり診断見ている。

 

「………」

「………ふむ」

 

 大体このデッキでやることはさっきの対戦で見た通りだから、特に言う事は無い…ハズ。にしても緊張する。

 

「…はい。ありがとう、ございます」

「どうかな」

「そう、ですね…」

 

 理絵は左手を軽く口元に置いて少し難しい表情をしたのち、一言。

 

「白が入る余地は、無いかと思います」

「っ…」

「この、前のめり上等の赤青デッキに、白は不純物になりかねません」

「不純物…」

「たぶん、早苗さんに、言われていると思いますけど、今のデッキですと、白は《絶甲氷盾》や《アルティメットウォール》に抑えておかないと、この絶妙なバランスが、崩壊してまいかねません」

「ああ、うん…」

 

 挟む余地は無い、か。

そこを何とかならないかと頼むのは欲張り過ぎか。

 

「う〜ん………。ちょっと待ってくださいね。今、いくつか探してみますので」

 

 そういうと、理絵が眉間に皺を寄せて目を閉じ考えだした。…まさかカードの情報が全部頭に入ってるの?

 

「……………はい。いくつか、持ってきます」

「う、うん。お願いします」

 

 まとまったのか、席を立ち、小走りでカウンターの方へ消えて行ってしまった。

…ここからデッキを動かす。白も混ぜて攻防両立を目指すのはやっぱり無謀か。

 

 

「お待たせ、しました」

「おかえり」

 

 少しして、軽く息を上げ理絵が戻ってきた。大事そうにカードを抱え、頬は軽く赤くなっている。急がせるつもりなんてなかったんだけど…後で何か奢らなければ。

 

「とりあえず、これらをピックアップしてきました」

「おお…」

 

 広げたデッキを片して脇に寄せ、理絵が探してきてくれたカードを並べる。

当たり前だが全部白…いや、1枚青が紛れてる。

 

「はい。では、1枚ずつ、説明しますね」

「うん。……理絵の教えてバトスピ講座、か」

「?」

「あ、いや。気にしないで」

「…? はい。では、この《アルティメット・イグア・バギー》に、ついて、です」

 

白 アルティメット

《アルティメット・イグア・バギー》

コスト3 軽減白2青赤 <新生・機獣>

【召喚条件:自分の赤/白スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP5000

<2> Lv4 BP6000

シンボル:極

Lv3・Lv4『自分のメインステップ』

自分の究極シンボルすべてを赤/白のシンボルとしても扱う。

【Uトリガー】Lv4『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のスピリット1体を手札に戻す。

 

「凛々お姉さんが使ってる、Uエルギニアスと同じ、コスト3で、アルティメットに色を持たせるカード、です」

「これは白と赤になれるんだ」

「はい。Uエルギニアスと合わせれば、メインステップ中なら、赤青白の3色に、なれます」

 

 なるほど。アルティメットなら退かされにくいから、こっちの番なら赤のアルティメットを含めて3色軽減できる。コストも3だからガクルックスやエルナトの合体条件も満たしてる。

 

「いいね。採用したいな」

「え!? で、でも、ここから何をするかが、問題ですから…!」

「ああいやさ、ルクスでも出せるからこのまま採用してもいいかな〜なんて。とにかく次お願い」

「は、はい…。では、こちらです」

 

 次に理絵が指差したのはまたアルティメット。

 

「これは、“アルティメットバトル06”に収録された《アルティメット・シリマナイト》、です」

「おおっ、厳ついしかっこいい」

 

白 アルティメット

《アルティメット・シリマナイト》

【召喚条件:自分の白スピリット1体以上】

コスト4 軽減白1極1 <新生・甲竜>

<1> Lv3 BP6000

<3> Lv4 BP10000

シンボル:極

【Uトリガー】Lv3・Lv4『このアルティメットのブロック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このアルティメットをBP+5000する。

【クリティカルヒット】:ヒットしたカードがスピリットカードなら、さらに、このアルティメットをBP+5000する。

Lv4『相手のアタックステップ』

自分のライフは、シンボルが1つの相手のスピリットのアタック/効果では減らない。

 

「防御一辺倒のアルティメットか」

「トリガー効果で、BPを上げられれば、1万6千のブロッカーに。更にレベル4からは、シンボルが1つだけのスピリットから守ってくれます」

 

 理絵が言うにはこのUシリマナイトレベル4時からの効果。

そのテキスト通り、相手スピリットからのダメージをシャットアウトしてしまう強烈な効果。…欲しい。

 

「今、凛々お姉さんが入れられるアルティメットは、この2枚、かと」

「これだけ…」

「はい。でも、スピリットの方も、ありますから」

 

 2枚は少ないなと思ったけど、実際問題デッキに余裕が無い。なら2枚あっただけ儲け物と考えよう。

そして理絵が指差すスピリットカード。

 

「赤青白の潤滑役になってくれる《スタードライアン》。

自分のメインステップに、白のシンボル2つ追加する《ゲッコ・ゴレム》。

私も使いました、白の<剣使>《英雄剣聖シグルド》。

大体この辺り、でしょうか」

 

 理絵に示されたカードは、私にはどれも魅力的に見えた。

赤青白になれるやつ、白のシンボルを増やすやつ、更に新しい<剣使>を持つやつ。全部入れたい衝動に駆られるけど落ち着け。じっくり考えて、どれとどれを入れ換えるか見定めなきゃならない。

 

「……理絵なら、どう入れ換える?」

「そう…ですね。これをこことこことを換えて、いっそこれと換えてしまっても、いいかも知れません」

「なるほど…」

「その分、マジックによる防御が薄くなりますが、これで何とか持たせるのが目的、です」

「その辺は私次第ってことか」

 

 前向きに考えれば使い方次第で攻防両立出来て有利に進められるはず。…そうとなれば沸いてくるのは試運転したいという思い。

 

「理絵、このカード全部でいくらになる?」

「え? 買われるん、ですか?」

「うん。全部」

 

 懐が厳しくなるけど、背に腹は何とやら。必要経費に授業料だと思おう。

 

「え、えと、これは、私の私物なんですけど…」

「そうなの? ならお店のを見繕ってもらえるかな」

「いいん、ですか?」

「理絵にも協力してもらったし、糸目は付けないことにした」

「…じ、じゃあすぐ持ってきます…!」

 

「その必要は無いよ」

 

「…! 店長さん!」

 

 理絵が意気込んで探しに行こうとしたとき、いつの間にか店長さんが近くに来ていた。

しかもその手にはカードが握られている。

 

「話は聞かせて…いや、盗み聞かせてもらったよ」

「盗み聞いたんですか」

「まぁそこら辺は気にしないでおくれ。それより、お探しのはこれでよろしいかなお客様?」

 

 店長さんが持ってきたのは、今さっき理絵が出したカード達。

 

「ウチの山田が迷惑掛けたから、格安で譲ってあげるよ」

「本当ですか…!」

「ああ。ただそのかわりと言っちゃ何だが、お使いを一つ引き受けて欲しいんだな」

「…お使い?」

「身構えなくとも難しいことじゃないから安心しておくれよ」

 

 う〜ん…。店長さんが安くしてくれるって言ってくれているんだから引き受けてもよさそうだけど、内容次第じゃ普通に買うことにしようかな。難しい事じゃないっていう言葉は大体が難しい内容だったりするんだから。

 

 

 

 ————翌日。

結局店長さんの依頼を受けることになり、現在理絵を引き連れ電車に揺られながら隣町へ移動中。

 

「………」

「………」

 

 私も理絵も言い知れない不安を少なからず感じている。

何故か。依頼された事がなんというか、アバウトと言うか…。

 

 

『依頼内容はね、シロちゃんのお使いに同行してもらいたいのさ』

『…それだけですか?』

『いんやもう一つ。そこに“出没”するだろう“姪”に伝言をお願いしたいのがある』

 

 

 “姪への伝言”。

そんなの携帯やら文明の機器があるのにどうしてなのかと問えば

 

『私が掛けても出ないし、まぁ…ちぃーっと仲が、ね?』

 

 と、仲がよろしくない様子。

お互いに不器用なのか、距離を感じているようで。

そして、その言付かったのは……と、駅に着いたようだ。

 

「理絵、目的の場所って…」

「はい。えっと、私も、初めて行くんですけど…駅からすぐ近くの、“満足場”だそうです」

「………なに?」

「? カードショップ、『満足場(サティスファクションファクトリー)』…だそうです」

「………」

 

 一つ駅を跨ぐだけでまるで毛並みが違うというか、近付いては行けない雰囲気が店名から感じ取れる。

一応護身術を(かじ)ってはいるが、束になられるとキツい。店に着く前に脱出経路の確認といつでも理絵を逃がす用意はしておいた方がいいかも知れない。

 

(安請け合いしちゃったかな…)

 

 とりあえず軽い変装…というには程遠いけど、私は伊達眼鏡に髪を後ろで軽く結わい、理絵にはヘアピンでちょっと髪型を変えただけだが印象が違って見えるからこれでよし。

 ———で、その店の前なんだけど…。

 

「何で看板が西部劇チックなのか」

「さ、さあ…」

 

 もう既に引き受けた事を凄まじく後悔し始めている。しかし引き受けてしまった以上覚悟を決めて行くしかない。

意を決し、理絵を傍に寄せていつでも守れるようにし、店内へ入店する。

 

 

「俺のこの《冥犬ケルル・ベロス》により最高に高めたフィールで、狩らせてもらうぞ!貴様の《渚のトリックスター》を!!」

「ふん!ケモナーのフィールなどたかが知れている! 俺の《[プリティーガール]ラビィ・ダーリン》によるフィールで、貴様の推しメンを“シャイニーハーツ”へ変えてくれる!!」

 

「レジェンドールこそ最高のトップアイドルチームだ!」

「貴様、LDC《レジェンドールクラスタ》だな…?」

「何だお前は!」

「チーム間のサポートがまるで無いチームなどチームでは無い!」

 

「“姫ヒドラ”のループだって…!? 止めろォッ!こんなのバトスピじゃない!!」

「はぁ?バトスピだよ!こんなバトル、ウエハース食べながらだってできる!」

「飲食禁止ですよ」

「あっはい」

 

「アルティメットはアルティメットを対象に取る記述が明記されていない限り、対象に選ぶ事はできない。よって《白蛇帝アルデウス・ヴァイパー》のコアシュートは無効」

「何!? フィールド対象は場に出ているカードすべてを指すから対象に取れるのでは無いのか!?」

「公式Q&Aで回答済みだ」

「あんな『いいえ、できません』など投げやりな回答に…!」

「回答済みだと申した!!」

 

「場の動きを見ればわかる。それは“レオワイパー”」

「!?」

「しかし装甲青を付けなかったがために《キングスコマンド》に引っ掛かり無限アタックすることができなくなってしまいました。悔しいでしょうねぇ」

「テメェ!何で俺に気持ちよくワイパーさせねぇんだ!」

 

「耐えた…耐えたぞおおおっ!! 俺の場に<衣装>詩姫が5種類並び、ネクサス《ディーバステージ》レベル2の条件は満たし、《黄金の鐘楼》も配置している! これで特殊勝利して満足勝利するしかねぇ!!」

「《戦機皇ライドフェンサー》の合体バトル時効果でディーバステージを手札に戻してBPをプラス5千します」

「何故だ!?どうしてディーバ達のオンステージを邪魔するんだ!答えろ!答えてみろ!」

 

「ところで友人、こいつはお前の仕業か?」

「何のことだ?」

「バトスピ次元と他TCG次元の融合。これ程ふざけた茶番など悪ふざけしか有り得ない」

「俺は知らねえ!」

「確実に存在する…このバトスピ次元も、遊戯○次元も!」

 

 

 

「帰ろう」

「え!? で、でも、頼み事は…」

「いい。定価で買う。こんなところに女二人でいる方が危ない」

 

 悟った。もう約束事とか知らない。管轄外になった。今。

店長さんには申し訳ないが私には荷が重すぎたんだ。そう思おう。

 

「あら、見ない顔のお客さん」

「っ!?」

 

 理絵の手を取り一刻も早く店を出ようと踵を返したその時、突然目の前に大人の女性が立っていた。

見れば、店の名入りのエプロンを着けていて、右胸の辺りには名札…副店長のネームプレートがあった。

ショートヘアで目の細い、ふわふわしたような印象を受ける。

 

「ごめんなさいねぇ騒がしいお店で」

「い、いえ」

「何かお探しかしら?」

「えと、あの、織部(おりべ)店長さんからのお使いで」

「あら。あっちの?」

 

 織部店長というのは私らがよく通うカードショップの店長さんの名前。…今初めて知った。

 

「…人を捜してるんです。店長の娘さんを」

「ああ、あの娘ね。ちょっと待っててね。あっちの奥で“物色”してるから呼んでくるわね」

 

 別の店の人すら知ってるってことは有名人なんだろうか。…意味としてはこれから会って考える。

 

 

 

(せい)さーん、お客さんですよー」

「客? 待たせておいてください今この袋とじを…」

「お母さんからのお使いみたいだけど」

「なら尚更待たせてくださいよ。どうせロクな」

「可愛い女の子二人よ。高校生と幼女の」

「女の子、幼女!?」

 

 

 

「やっぱ帰ろうか」

「…えと、会うだけ、会ってみましょうか」

 

 店の奥から聞こえた会話に身の危険を感じ取れる。

メリケンやスタンガンくらい持ってきておくべきだったか。

 

 

「待たせて申し訳ない。君達が母からの?」

「………」

「……あなたが?」

「ああ。私が“織部 風巳(おりべ かざみ)”の娘

 “織部 星(おりべ せい)”だ」

 

 私と理絵の前に現れたのは…一言で言えば露出の多い美人。

真っ白い振袖のような服装なんだけど、膝上丈が極端に短い。スリットまで軽く入っていて、ちょっとでも動けば見えてしまうほど。しかも胸元まで開いていてこちらも下手したらその憎たらしいまでに大きい胸が零れるんじゃないか。

遊郭の人間かお前は。

 

「痴女」

「初対面なのに容赦無いねキミ。一応年上なんだけど」

「そう」

「ふふっ。その敬遠するような表情も可愛いね」

 

 不意に出てしまった悪態に笑って流す星さん。

…理絵は目のやり場に困ってるみたいだから、私が切り出さなければ。

 

「店長さんから伝言預かってる」

「ふむ、立ち話もなんだ。そちらの方で詳しく聞こうか」

 

 星さんが指差したのは隅っこの席。

本人が聞かれたくないのか何なのかは知らないけど対した伝言では無いはずだ。暗がりに誘って…なんて事を企んでいたりするのか。

 

「そう警戒せずとも大丈夫だ。人目があるのだからね」

「無ければ?」

「それはご想像にお任せするよ。さ、そちらのお嬢さんも」

「え…」

 

 理絵にも促されたが明らかに警戒して私の服の裾を掴み後ろに隠れた。

だって今理絵を見る目が明らかに違った。

 

「…そんな隅っこよりこっち側がいいかな」

「警戒されてるね。まぁいいさ」

 

 壁際だってことに変わりは無いけど人目に触れやすいし、副店長さんがいる場所から目が届く。

 

「さて。母からの伝言とは何かな」

「『帰ってこい』だってさ」

「は?それだけの為に二人を寄越したのかい? …まぁ何か考えがあるんだろうけど、自分から来ればいいのに」

 

 …お互い不器用なんだな。

 

「用はそれだけ」

「ああ。迷惑掛けたね」

「お母さんと仲良くね」

「善処はしよう」

 

 二言三言話した程度だけど悪い人じゃない気はする。服装が痴女レベルだけど。

 

「それじゃあ」

「おっと、そう急ぐこともない」

「ん?」

「初対面のバトラーが交わすのが、挨拶だけではなんだろう?」

 

 話を切り上げ立ち去ろうとしたら、星さんに止められた。そして不敵な笑みと共に袖から何かを取り出し、こちらに見せてきた。

…深緑色をしたデッキケースだ。

 

「どちらか私のお相手を頼みたいな」

「どうします? 凛々さん」

「……いいよ。私がやる」

「君か。リリとはまた可愛らしい名前だね」

「どうも」

「素っ気ない態度もまた良いね。すまない此江(このえ)さん、プレイマットとコアを貸していただきたい!」

「は〜い。少々お待ちを〜」

 

「凛々さん、何だか分からないですけど、頑張って、くださいね!」

「…テキトーに頑張る」

 

 

   VS 織部 星

    【???】

 

 

「さて先攻は…」

「譲る」

「なら有り難く先攻をいただくよ」

 

<星・先攻第一ターン>

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メインステップ。さて、まずはネクサス《戦場に息づく命》を配置だ」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「更にバーストをセットし、ターンエンド」

(手札4→3)

{星バースト:なし→セット}

 

 緑…。

コアを増やされて押し潰される前に何とかできればいいかな。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「ん。スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。……ネクサス《大地穿つ石剣》を出すよ」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「ふむ、赤かな」

「次に《リューマン・ルクス》をレベル1で出す」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「赤…アルティメット中心か」

「バーストを伏せて、ターン終了」

(手札3→2)

{凛々バースト:なし→セット}

 

 お互いネクサスとバーストを出しての牽制しあいから始まった。

星さんがここからどう展開してくるかが怖いところではある。

 

<星・第三ターン>

「さてさて、スタートステップ。コアステップに戦場に息づく命の効果。コアを増やさず1枚ドローに変換する」

(手札3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ0→4)

 

「メインステップ。《ウスバアゲハ》を召喚」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[ウスバアゲハ コア1 レベル1 BP2000]

 

「…見たことないやつだ」

「おや、そうかい? 召喚時効果でリザーブに1コアブーストだ」

(リザーブ1→2)

 

「更にネクサス《発見されし世界樹》を配置する」

(手札4→3)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ2→4)

 

緑 スピリット

《ウスバアゲハ》

コスト3 軽減緑1 <刃虫>

<1> Lv1 BP2000

<2> Lv2 BP3000

シンボル:緑

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

Lv2

系統::<殻人>を持つ自分のアルティメットがバトルしている間、相手はバーストを発動できない。

 

緑 ネクサス

《発見されし世界樹》

コスト4 軽減緑2

<0> Lv1

<3> Lv2

Lv1・Lv2

自分の緑のネクサスが破壊されたとき、このネクサスのコア1個を自分のトラッシュに置くことで、破壊されたネクサス1つを同じ状態で自分のフィールドに戻す。

Lv2

自分のスピリットが破壊されたとき、このネクサスのコア3個をトラッシュに置くことで、そのスピリットを疲労状態で自分のフィールドに戻す。

 

「ここまで。ターンエンド」

「そんな動かないか…」

「ふふっ、お楽しみはこれからってね」

 

<凛々・第四ターン>

「お楽しみ…か。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン。《アルティメット・エルギニアス》を出すよ」

(手札3→2)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→1)

[アルティメット・エルギニアス コア1 レベル3 BP5000]

 

「…おお、赤青なのか」

「これが私のデッキだから。次に《ネオ・ダブルドロー》を使う。アルティメットがいるから3枚引く」

(手札2→1)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ1→3)

(手札1→4)

 

 よし、巡りは悪くない。

後は順次出して行けば…。

 

「キミの手札が増えたとき、バースト発動!《エグゾーストエンド》!」

「っ!?」

{星バースト:セット→発動}

 

「増えた手札1枚につき、ボイドからコア1つをリザーブに追加する。今増えたのは3枚。よってコア3つリザーブに追加だ」

(星リザーブ0→3)

 

「マジで?」

「マジさ」

「欲しい」

「はははっ!正直だねぇ。しかしあまりオススメはしにくいな」

「…何で?」

「あの、凛々さん」

「え、何?」

「私も初めて見たカードですけど、相手に依存しきりのカードなので、私からも、ちょっと…」

 

緑 マジック

《エグゾーストエンド》

コスト3 軽減緑2

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

このバースト発動時に増えた相手のカード1枚につき、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手の手札2枚につき、相手のスピリット1体を疲労させる。

 

 理絵と星さんが言うには

相手を選びやすいカードらしく、手札をガンガン増やすタイプ…赤紫青などなら最低でも2コアは期待できる。

ただ、緑白黄など手札をまとめて増やす事がないようなタイプには腐らせやすく、1コアだけで妥協するしかない場合があるらしい。

 

「よく採用される赤の《双翼乱舞》やら紫の《妖華吸血爪》を使ってるならいざ知らず、それに頼っている間が勿体ない。しかも“相手自身が効果で増やさなければ”発動できないのもネックのひとつだ」

「リターンがそれなりなら、枠に割いてでもいいんですが、バーストが外れるのと、ブレがあり最低1コアが、増えた相手の手札と釣り合うのかと言われたら…」

「バーストは相手に警戒心を抱かせる見える地雷だ。はっきり言って、今みたく3つも増えれば釣り合うが、1つだけの妥協を考えるならば別のカードをオススメする。…まぁ結局、デッキよるとしか言えないが」

 

 難しい…。

 

「まぁ深い話は後々、そちらの“白雪”の彼女に教授してもらうといい」

「え…」

 

 星さん、理絵が二つ名持ちだって知ってた…?

 

「バトルに戻ろう。そこからどうする?」

「……ターン終了」

 

 服装や趣味がぶっ飛んでるけど、思った以上抜け目ないというか、色々食えない人だ。

 

<星・第五ターン>

「ではスタートステップ」

(戦場に息づく命効果 手札3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

「メインステップ。ネクサス《翡翠の剣刃探知機》を配置」

(手札5→4)

(リザーブ7→5)

(トラッシュ0→2)

 

「また知らないネクサス…」

「更に《翠鳳凰ニックス》をレベル3で召喚だ」

(手札4→3)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ2→4)

[翠鳳凰ニックス コア1 レベル3 BP10000]

 

「っ、アルティメット…」

「驚くのはまだ早いよ。

 《閃の剣聖ドルサリス》をレベル1で召喚! レベル維持にはウスバアゲハから頂戴する!」

(手札3→2)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ4→6)

[ウスバアゲハ コア1→0 消滅]

[閃の剣聖ドルサリス コア1 レベル1 BP4000]

 

「剣聖…!?」

「ドルサリスの召喚時効果。私の手札にある緑の<剣刃>ブレイヴ1枚をノーコストで召喚できる。《星獣槍シリウス》をノーコスト、ドルサリスへ直接合体で召喚だ!」

(手札2→1)

星獣槍シリウス

  ↓ 直接合体

閃の剣聖ドルサリス

[コスト:5+4=9]

[BP:4000+3000=7000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「シリウスの召喚時効果でリューマン・ルクスには休んでいてもらうよ」

「<剣刃>と一緒に一気に展開してきた…」

「未確認の、カード…」

 

緑 スピリット

(せん)の剣聖ドルサリス》

コスト5 軽減緑2極1 <剣使・殻人>

<1> Lv1 BP4000

<3> Lv2 BP6000

<4> Lv3 BP8000

シンボル:緑

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分の手札にある系統:<剣刃>を持つ緑のブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

相手のスピリット1体を疲労させる。

【合体時】Lv3『自分のアタックステップ』

このスピリットの「相手への疲労効果」の対象をスピリットからアルティメットに変更できる。

 

「最後にバーストをセットしてアタックステップ」

(手札1→0)

{星バースト:なし→セット}

 

 星さんが手札を使い切った。

あのバースト、またさっきのだったらまた差を付けられてしまいそうだけど、生憎あれを確かめるカードも退かせるカードも持ち合わせていない。

 

「ドルサリスで剣刃合体アタック。シリウスのアタック時効果によりボイドからリザーブに1コア追加」

(リザーブ0→1)

 

「何も無い。通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「ターンエンド。まずは1点だ」

 

<凛々・第六ターン>

「まだライフを1つ失っただけ。スタートステップ」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「メイン」

 

 さてどうする…。

エグゾーストエンドとかいうのを見た以上、2枚目のネオ・ダブルドローを使うのを躊躇ってしまう。加えて知らないネクサスが2つ。どう進めるべきか。

…エグゾーストエンドはさっきみたくまとめて引くとヤバいなら、1枚ずつ引けばさほど脅威では無いって言ってたから、ここは…。

 

「《星騎槍ガクルックス》をUエルギニアスに直接合体させて出す」

(手札5→4)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→2)

星騎槍ガクルックス

  ↓ 直接合体

アルティメット・エルギニアス(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「ガクルックスの召喚時効果でBP4千以下のスピリットを破壊するけど、対象がいないから不発」

「確かに不発だが、その召喚時はいただくよ」

「っ!?」

「相手のスピリット、ブレイヴの召喚時効果によりバースト発動。《双翼乱舞》。バースト効果で2枚ドローさせてもらう。追加コストは支払えないからそのまま」

{星バースト:セット→発動}

(星手札0→2)

 

 手札を増やされた…。

ちょっと警戒しすぎたかもしれない。だけどバーストが無くなったから好きに動ける。

 

「この隙に石剣をレベル2に、Uエルギニアスをレベル4に上げる!」

(凛々リザーブ4→1)

[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]

[アルティメット・エルギニアス(合体) コア1→3 レベル3→4 BP5000→7000+3000=10000]

 

「まぁそうなるな」

「アタックステップ。Uエルギニアスで攻撃。まずガクルックスの効果で1枚引いて、トリガーを使う!」

(手札4→5)

 

「——コスト1、《ホソアカクワガー》」

「よし、ヒ……」

「ホソアカクワガーの効果発揮。こいつが相手のUトリガーによりトラッシュに送られたとき、そのトリガーをガードする」

「なっ…!?」

 

緑 スピリット

《ホソアカクワガー》

コスト1 軽減0 <刃虫>

<1> Lv1 BP1000

<3> Lv2 BP2000

シンボル:緑

このスピリットカードは、相手のUトリガーによって自分のデッキからトラッシュに置かれたとき、そのUトリガーをガードとする。

フラッシュ【神速】

手札にあるこのスピリットカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアをリザーブから使用することで召喚できる。

 

「トリガーカウンターじゃないのにガードするカード…」

「それ系を採用してる方、初めて見ました」

「まぁそうだろうね。成功率は低いわ場所取るわで良いとこ無しだったが、こいつは【神速】を持っている。いざと言うときはマッハジー大先生のように使えるのさ」

 

 くっ、引けなかった。

このままだとニックスと相討ちになりそうだけど、星さんだってここでニックスを失いたくはないはずだ。防御に回してくることはしないだろう。

 

「アタックはライフで受ける」

(星ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「ターン終——」

「おっと、翡翠探知機の効果発揮だ。相手のアタックステップ中に私のライフが減ったら1枚ドローさせてもらうよ」

(星手札2→3)

 

「また手札が増えた…!?」

「《命の果実》とかと似た効果…」

「その通り。命の果実より範囲が狭くなったけど、レベル2からは探知機の名の通り緑の<剣刃>ブレイヴを探せる効果もあるんだ」

 

緑 ネクサス

翡翠(ひすい)の剣刃探知機》

コスト4 軽減緑2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:緑

Lv1・Lv2『相手のアタックステップ』

自分のライフが減ったとき、自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』

このネクサスを疲労させることで、自分のデッキを上から2枚オープンする。

その中の系統:<剣刃>を持つ緑のブレイヴカード1枚を手札に加える。

残ったカードは好きな順番でデッキの下に戻す。

 

「…ターン終了」

 

 まずい、私が引くどころか向こうに3枚も引かせてしまった…。これは危ういかも。

 

<星・第七ターン>

「巡ってきたな。スタートステップ」

(戦場に息づく命効果 手札3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ2→8)

 

「メインステップ。ではまず

 碧雷の極天が一つ、《雷極天サンダー・ウルフ》をレベル3にて召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ8→5)

(トラッシュ0→2)

[雷極天サンダー・ウルフ コア1 レベル3 BP9000]

 

「雷極天の召喚時効果、ボイドからコア2つをリザーブに置く」

(リザーブ5→7)

 

「コア差が開く…」

「そして更に、私のフェイバリットカード《夜蝶剣聖モルフォナイト》!

 レベル1で推参!」

(手札4→3)

(リザーブ7→5)

(トラッシュ2→3)

[夜蝶剣聖モルフォナイト コア1 レベル1 BP3000]

 

「フェイバリット…?」

「いずれ分かるさ。次にシリウスをニックスへ換装させる」

星獣槍シリウス

  ↓ 換装

翠鳳凰ニックス(合体)

[コスト:5+4=9]

[BP:10000+3000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「そして

 閃け、勇ましき翠獣の刃!

 《星獣刃プロキオン》を雷極天へ直接合体!」

(手札3→2)

(リザーブ5→4)

(トラッシュ3→4)

星獣刃プロキオン

  ↓ 直接合体

雷極天サンダー・ウルフ(合体)

[コスト:6+3=9]

[BP:4000+2000=6000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「プロキオンの召喚時効果。ボイドからコア1つを私のアルティメット、ニックスへ置く」

[翠鳳凰ニックス(合体) コア1→2]

 

「次にニックスをレベル4へ引き上げ、バーストセット」

(リザーブ4→3)

[翠鳳凰ニックス合体 コア2→3 レベル3→4 BP10000→14000+3000=17000]

(手札2→1)

{星バースト:なし→セット}

 

「更にマジック《ハンドリバース》。手札を全て破棄して、そちらの手札と同じ枚数ドローさせてもらう。現在リリ君の手札は5枚。よって5枚ドロー」

(手札1→0)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ4→7)

(てふだ0→5)

 

「0から一気に…」

「アタックステップ。まず雷極天で剣刃合体アタック! プロキオンの合体アタック時効果、相手スピリット1体、リューマン・ルクスを疲労させる!」

[リューマン・ルクス 回復→疲労]

 

「そしてここで華蝶…いや夜蝶仮面の効果発揮!」

「仮面…?」

「…夜蝶剣聖の効果発揮! 私のカード効果によって相手スピリットを疲労させたとき、ボイドからコア1つをリザーブへ置く!」

(星リザーブ0→1)

 

緑 ブレイヴ

《星獣刃プロキオン》

コスト3 軽減緑1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP2000

<0> 合体 +2000

Lv1『このブレイヴの召喚時』

ボイドからコア1個を自分のアルティメットに置く。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリットの合体アタック時』

このスピリットをBP+5000する。

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

相手のスピリット1体を疲労させる。

 

緑 スピリット

《夜蝶剣聖モルフォナイト》

コスト4 軽減緑3 <剣使・怪虫>

<1> Lv1 BP3000

<4> Lv2 BP6000

シンボル:緑

Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』

自分の効果によって相手のスピリットを疲労させたとき、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

Lv1・Lv2【抜刀】『このスピリットのアタック時』

BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、自分の手札にあるこのスピリットと合体可能な系統:<剣刃>を持つブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

【合体時】Lv2『このスピリットの合体アタック時』

相手のスピリット1体を疲労させる。

 

「夜蝶剣聖は強い者の味方だ!」

「屑い…」

「何とでも言え。私もコアを増やさなければならんのさ。ともかく、このアタックはどうする!」

「通すしかない!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ1→2)

 

「ライフが減ってバースト! 《救世神撃覇》!」

{凛々バースト:セット→発動}

 

「合計BP6千まで破壊する。対象はモルフォナイト1体だけを破壊」

[夜蝶剣聖モルフォナイト BP3000 破壊]

(星リザーブ1→2)

 

「夜蝶仮めーーん!!」

「や、夜蝶仮面が…」

「理絵も乗っからなくていいよ。追加コストを支払って、1枚引いてバーストをセットするよ」

(凛々リザーブ2→1)

(トラッシュ2→3)

(手札5→6→5)

{バースト:なし→セット}

 

 これで残るはニックスとあの狼。コアは増やされるけどギリギリ耐えられるはずだ。

 

「…だが、夜蝶はタダでは朽ちん!

 スピリットの破壊により、バースト発動!」

「っ!」

 

「神風閃雅! 黄金の衣纏いて舞い躍れ!

 《アルティメット・ウシワカ》!」

{星バースト:セット→発動}

 

「バーストから出てくるアルティメット!?」

「ドルクス・ウシワカの、アルティメット…!」

「バースト効果!そちらのスピリット2体、もしくはアルティメット1体を疲労させる! …が、対象不在だ。その後バースト召喚!レベル4!!」

{星バースト:発動→召喚}

(リザーブ2→0)

[閃の剣聖ドルサリス コア1→0 消滅]

[アルティメット・ウシワカ コア3 レベル4 BP13000]

 

「くっ…」

「凛々君、驚くのも、怯むのも、まだ早い!」

「っ!?」

 

 その瞬間、星さんが最後の手札1枚を抜き取った。

 

「私のアルティメットが召喚されたとき、このブレイヴはコストを支払わず召喚できる!!」

「こ、このタイミングで!?」

 

「大いなる地より顕現せしは悪鬼祓い断つ破邪の六叉剣!

 目覚めよ!《地球神剣ガイアノホコ》!

 アルティメット・ウシワカへ、直接合体!!」

(星手札5→4)

 

地球神剣ガイアノホコ

  ↓ 直接合体

アルティメット・ウシワカ(合体)

[コスト:5+0]

[BP:13000+5000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+緑=極緑]

 

「こんなタイミングで召喚できて、アルティメットに合体する惑星のブレイヴ…」

「これが私の“剣刃”さ。続けてニックス、剣刃合体アタック!」

「…!」

「シリウスのアタック時効果でリザーブに1コア追加し、ニックスのアルティメットトリガーだ!」

(星リザーブ0→1)

 

「…コスト3の《剣帝眠る霊廟》」

「ヒット!更にリザーブにコア2つ追加!」

(リザーブ1→3)

 

「…っ、通す!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ1→2)

 

「ではUウシワカで剣刃合体アタック!」

「ダブルシンボルのアルティメット…」

「ガイアノホコのバトル時効果! バーストは封じさせてもらう!」

「何っ」

「キミが《絶甲氷盾》をセットしたかもしれないだろう?」

「………」

 

緑 ブレイヴ

《地球神剣ガイアノホコ》

コスト5 軽減緑2極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +5000

シンボル:緑

手札にあるこのブレイヴカードは、自分のアルティメットが召喚されたとき、コストを支払わずに召喚できる。

【合体条件:コスト5以上のアルティメット】

【合体時】

???を持たないアルティメットと合体している間、このブレイヴをコスト0として扱う。

【合体時】『このアルティメットのバトル時』

相手はバーストを発動できない。

 

「こいつはダブルシンボルだ。後が無いぞ!更にバトル時アルティメットトリガー!」

「バトル時…!? …コスト4、《炎星斧エルナト》」

「おっと危ない。ヒットだ! 効果はお楽しみに」

「…っ、フラッシュタイミング! マジック《ミストバラッジ》! Uウシワカを対象にして、ターン中ダメージは受けない!」

(凛々手札5→4)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

 

「ほう。だがここでトリガーのヒット効果発揮!バトル終了時にUウシワカは手札に戻る!」

「えっ!?」

「ついでにガイアノホコも一緒に手札へ戻させてもらうよ」

[アルティメット・ウシワカ 手札へ]

[地球神剣ガイアノホコ 手札へ]

(手札4→6)

(星リザーブ3→6)

 

 自分で手札に戻ってくなんて、なんつーアルティメット…。

 

「そして…」

「まだある…!?」

「翠鳳凰ニックスを回復させる!」

「はあっ!?」

[翠鳳凰ニックス(合体) 回復]

 

緑 アルティメット

《アルティメット・ウシワカ》

コスト5 軽減緑3 <新生・殻人>

【召喚条件:自分の緑スピリット/アルティメット1体以上】

<1> Lv3 BP9000

<3> Lv4 BP13000

<4> Lv5 BP18000

シンボル:極

【バースト:相手による自分のスピリット/アルティメット破壊後】

相手のスピリット2体か、相手のアルティメット1体を疲労させる。

この効果発揮後、このアルティメットカードを召喚する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのバトル時』

Uトリガーがヒットしたとき、バトル終了時、このアルティメットを手札に戻すことで、自分のアルティメット1体を回復させる。

 

「【神速】を無くした代わりに、アルティメットへの回復効果を得たウシワカ、ですね」

「そう。回復するアルティメットの色などは問わない。これはAすることでBする効果だが、既にUウシワカが疲労しているだろうからほぼ確実に発揮させることはできるんだ。…意味は無いけども」

 

 …いや、まだだ。まだ負けてはいない!

 

「ニックス、2度目の剣刃合体アタック! コアを増やしてアルティメットトリガー!」

(星リザーブ6→7)

 

「…っ!? コスト6の《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》…」

「っ!…ほう。ヒットだ」

(リザーブ7→9)

 

 今、剣輝龍皇を見たとき星さんが小さく驚いたように見えたけど…。いや今はここを切り抜けることに集中しろ。

このアタックを通せばコアが増えて次に繋げられる。伏せてあるやつも使えば狼のも耐えられる!

 

「まさか耐えられるとお思いか?」

「っ!」

「フラッシュタイミング! マジック《バックアタック》!」

(星手札6→5)

(リザーブ9→4)

(トラッシュ4→9)

 

「リューマン・ルクスを手札へ戻してもらおう!」

「…これを?」

[リューマン・ルクス 手札へ]

(凛々リザーブ0→1)

 

「更に【連鎖:緑】発揮! このバトル中、バーストを封印させていただく!」

「なっ、またバースト封じ!?」

「隙を生じさせぬ二段構えさ!」

 

白 マジック

《バックアタック》

コスト5 軽減白3

フラッシュ:

相手のスピリット1体を手札に戻す。

【連鎖:条件《紫/緑シンボル》】

[紫]:疲労状態のコスト7以下の相手のスピリット1体を破壊する。

[緑]:このバトルの間、相手はバーストを発動できない。

 

 しまった、これじゃ伏せてた《ドリームボム》が使えない…!

 

「追撃のフラッシュタイミング!」

「まだ!?」

 

「いでよ!かつて世界を阿鼻叫喚の渦に叩き落した青き龍!

 《アルティメット・セイリュービ》!【烈神速】!!」

 

「ひっ…!?」

「り、理絵?」

「覇王編…トラッシュコア5個…3積みしてなきゃ紙束…」

「使う私自身も吐き気がするが、形振り構っていられない環境なんでね!

【烈神速】の効果発揮!」

 

 理絵は頭抱えて震えて星さんは青ざめて声音震えて2人そろって顔色悪いし、一体このアルティメットが何なの!?

 

「私のトラッシュにあるコアが5個以上あるなら、そのコア全てを場に好きなようばら撒き、その後召喚する!」

「………は?」

(星手札5→4)

(トラッシュ9→0)

[雷極天サンダー・ウルフ(合体) コア1→3 レベル3→4 BP9000→15000+2000=17000]

[発見されし世界樹 コア0→10 レベル1→2]

(リザーブ4→0)

[アルティメト・セイリュービ コア1 レベル3 BP10000]

 

「そしてアルティメットが召喚されたため、手札にある《地球神剣ガイアノホコ》をノーコストでUセイリュービに直接合体!」

(手札4→3)

[コスト:8+0]

[BP:10000+5000=15000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+緑=極緑]

 

 そうだ、これが戻ってたってか、もう頭の処理が追いつかない!

反則級のカードしか使ってないし、もう分からん!

 

緑 アルティメット

《アルティメット・セイリュービ》

コスト8 軽減緑4極1 <新生・華兵>

【召喚条件:自分の緑アルティメット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<3> Lv4 BP17000

シンボル:極

フラッシュ【烈神速】『お互いのアタックステップ』

自分のトラッシュのコアが5個以上のとき、自分のトラッシュのコアすべてを自分のアルティメット/フィールド/リザーブに好きなように置くことで、手札にあるこのアルティメットカードを、コストを支払わずに召喚する。

【Uトリガー】Lv4『このアルティメットのバトル時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のスピリット/アルティメット1体を疲労させる。

 

「さぁアタックはどうする!」

「……通す!」

(凛々ライフ2→1)

(リザーブ2→3)

 

「ラストアタックだ。この青龍が終わらせる! Uリュービ、剣刃合体アタック!!」

「くそっ! …何もない!ライフだ!」

「Uセイリュービはダブルシンボル!お命貰った!!」

 

 

(凛々ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 織部 星〕

 

 

 

「強い…。何も出来なかった…」

「今回は運が良かった。次はどうなるか分からんよ」

「痴女でロリコンで知らんカード使うやつに分からん殺しされたよ理絵…」

「え、えと、次、リベンジしましょ!」

「私に三重苦を貼付けるのは止めてくれないかな」




という訳でvs緑(深緑の大地っぽいの)でした。
皆大好きガイアノホコ。アルティメットを出せばオマケでPON★と出てくるお手軽ブレイヴ。
打点も増えてバーストも封じられて素敵!
当時全盛期では出てこられる度に辟易していた作者です。Uシードラやブリザライガに付けるのは止めるめう!(懇願)

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


※余談
現環境に関してはもう何が何やらイミワカンナイ!状態で負けてばかりです…。

※余談2
キャラの名前には色が入っていたりします。凛々なら「鴇」、今回の星なら「織部」とか。
今更どうでもいいことですが。


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Step.09 『運命感じちゃいますぅ♪』

遅くなりました(定期) その上短くこの程度で申し訳ありません。
黄色の扱いに四苦八苦しすぎてやる気が削がれてしまい遅くなった作者です…。
こんなんじゃいつまでたっても烈火伝へ世代交代できないどころか神皇編頃には飽きる可能性ががが…。


「強い。痴女のくせに強い」

「ふふん。今回は上手くいったからな」

 

 この痴女…星さんから挑まれた対戦は私の完敗に終わった。

 

「もう一戦いかが? と言いたいところだが」

「だが?」

「仕方ないが母に会ってくるよ」

「イヤそうだけど」

「イヤじゃない。…気恥ずかしいだけさ」

 

 そんな格好してて気恥ずかしいとは。

まあ会う気になったんだからいいとして、リベンジはまた今度になるかな。

 

「済まないね。二人はどうする?」

「あ、わ、私は、お店の方に用が…」

「ふむ。なら…」

「私は理絵を待つよ」

「そうか。何かあったら店の方々に言うといい。皆腕っ節には自信があるからね」

 

 …腕っ節? やっぱここ長居しちゃダメなところだったか。

 

「じゃあ、凛々さん。ちょっと行ってきます」

「うん。いってらっしゃい」

「私も行くよ。……ああ、凛々」

「呼び捨て?」

「いいだろう別に。バトルしたらマジダチという言葉もある」

「早苗と同じことを…」

「とにかく。一つ耳に入れたいことがね。拝借するよ」

「ん?」

 

 そう言って私を耳元に寄り、周囲に聞こえないような声で耳打ちしてきた。

 

(先程からこちらを盗み見ている者がいる)

(え?)

(あの後ろにいる灰色のキャスケット帽を目深に被っている娘だ。ああ見てはいけないよ。気付かれてしまうからね。視線だけ見てごらん)

(……あれか)

 

 お店の奥の方に確かにいた。

ディスプレイにあるカードやケースにまとめられいるカードを物色している人物。

帽子から出ている髪と服装からして確かに女性っぽいな。

あの人がどうかしたんだろうか。

 

(人は見かけによらないという)

(…意味わかんない)

(ふふっ。まぁ気をつけたまえ)

 

 意味ありげにそれだけ言うと離れて支度を始めた星さん。何か知ってるのか?

 

「そうそう最後に。これをあげよう」

「? ……これって」

「余ってるからね。使ってみるといい」

「…どうも」

「ではね。また逢おう」

 

 別れ際に渡された1枚のカード。

これは、またどうしろと。…とりあえず仕込んどくか。どう機能するか分からないけど邪魔にはならないだろう。

 

 

 

「あの〜、ちょっといいですかぁ〜?」

 

「…はい?」

 

 

 

 理絵を待っている時、不意に話し掛けられた。

その相手は、さっき星さんに用心しろと言われた人だった。

何処か甘ったるいようで間延びした媚びているような口調。近くで見て確信したが、身長的に同い年の女の子だ。

 

「はじめましてぇ〜♪」

「ど、どうも」

「突然ごめんなさぁい。私ぃ〜今ぁ〜、対戦してくれる方を捜してるんですよぉ〜」

「は、はあ…」

 

 な、何だこの…何…?

ぐいぐいくる感じなんだけど、凄まじい媚び媚びは。

 

「そしたらぁ!ちょうど同じ女の子が見つかったじゃないですかぁ〜♪」

「はあ…」

「同じ女性ですぅ!どうか、対戦していただけませんかぁ?」

 

 キャスケット帽を取ると、胸元まで長いゆるふわの金髪が目を引く、一目で美人・美少女と呼べるような娘だった。

帽子で隠してるってことはモデルか何かやってて有名だからだろうか。…しかし何故こんな媚び媚びなのか。妙な薄気味悪さを感じる。

 

「………」

「…えっと」

 

 なんか凄い期待されてる。

別に構いやしないけど、星さんが言ってた事が引っ掛かって素直に頷けない。

 

「どうか!お願いしますぅ〜!」

「あ…う…うん…」

「いいんですか!? ありがとうございますぅ〜!」

「う…おうっ!?」

 

 了承した訳じゃないんだけど了承と取られてしまい、めっちゃ喜ばれた上に手まで取られてしまった。両手で握られ胸元に引き寄せられ、帽子の陰から見えた満面のスマイルに抵抗なんかできる訳がない。

 

「うふふ〜♪ よろしくお願いしますねぇ〜♪」

「う、うん…」

 

 対面に座られ…もう断れる雰囲気じゃない。こうなったら気持ちを切り換えてやるしかないか。

私もデッキをシャッフルし準備を始める。

星さんの事もあるけど、まぁ、幾分注意しながらやっていこう。杞憂なら越したことは無い。そうだったらあの着物をひん剥いてやる。

 

 

     VS ???

     【???】

 

 

「ふふふふ…♪」

「…その、こういうの聞くのはアレなんだけどさ」

「はい?」

「一緒にやってくれる友だ」

「いませんよ」

「………」

 

 そんな真顔で当たり前みたいな言い方しなくても…。

 

「だあってぇ〜、始めたはいいんですけど、周りはやめてたりぃ、ファッション程度…嗜む程度だったりでどうしようもないんですも〜ん」

「…そう」

 

 つまりガッツリやりたいけど周囲が…か。私とは状況が逆みたいで、相手さんには迷惑かもしれないけどほんの少しだけ親近感を覚えた。

 

「だからぁ、こういうとこに来て、マジダチを増やせればな〜って♪」

「マジダチ、ね…」

 

 マジダチ云々はともかく、ちゃんと目的を持ってやってるんだ。

…それに比べて私は。

 

「そちらは?」

「私は……何だろ。誘われた訳じゃないし…」

「…目的も無くやってるんですか?」

「いや、まぁ…あるにはあるけど、あなたみたいに真っ当じゃないって言うか…」

「?」

「そのね、絶対勝ちたい相手がいるんだ。2人ほど。勝つためにやってる…のかな、多分」

「…へぇ」

 

 反応に困るよねそりゃ。

楽しいとか面白いからじゃなくて、偶然出来た因縁を追ってるようなもんだし。

 

「“勝ちたいだけ”ならぁ、強〜いカードとか環境デッキとか教えますよ?」

「えっ」

「絶対勝ちたいんですよねぇ? ならそれで勝てばいいじゃないですか」

「そ、それは…」

 

<???・先攻第一ターン>

「…先攻いただきますねぇ。スタートステップ♪」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メインステップ。ネクサスの《リズミック音楽堂》を配置しますねぇ」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→3)

 

「次にバーストをセットして、ターンエンドでぇす♪」

(手札4→3)

{???バースト:無し→セット}

 

「そちらの番ですよぉ♪」

「え、あ、うん…」

 

 強いカード、強いデッキ…か。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「………」

「他の大会で優勝したり、巷で噂の強いデッキを調べてぇ、デッキの動きを理解してぇ、自分のものにしちゃえば勝てますよぉ。相手のデッキタイプを把握しているなら、そのデッキをメタっちゃえばいいんですからぁ♪」

「………」

 

 ただ勝つのなら、それが一番手っ取り早いんだろう。

 

「……メイン。ネクサス《軍港都市オステア》を置く」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「青ですかぁ。なら紫の天敵ですしぃ、召喚時効果とトラッシュと手札をメタメタにしちゃえば楽勝ですよ♪」

「………バーストを伏せてターン終了」

(手札4→3)

{凛々バースト:無し→セット}

 

<???・第三ターン>

「はぁいスタートステップでぇす♪」

(手札3→4)

(リザーブ1→2)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ2→5)

 

「メインステップ。ネクサス《お菓子の豪邸》を配置しますぅ♪」

(手札4→3)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→2)

 

「ターンエンドですぅ♪」

 

<凛々・第四ターン>

「ネクサスを張っただけか…。スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「そのもう1人の勝ちたい相手って誰…何色使ってるんですかぁ?」

「…青。このデッキを考案してくれたやつなんだ」

「へぇ〜」

「ムカつくやつだけど、憎めない。強引なくせにヘタレっぽいし」

「………」

 

 友人として日は長くないしまだそれ程親密な仲とは言えないけど、あいつは不器用に良いやつなんだなってのは理解してるつもり。あいつにはいつか勝つなんて言い、あの紫使いには馬鹿にされた。そんなんでいつまでも燻ってふて腐れているつもりは無い。

羽月や理絵にも再戦を誓ってアドバイスを貰っている。

…目的が無い訳じゃない。

 

「良いですねぇ〜♪“彼女”さんの惚気ですかぁ?」

「ぶふぉっ!?」

「あれぇ〜?図星ですかぁ〜?」

「な、なに馬鹿なっ!! 大体同性だってのに!」

「はい」

「え?」

「ん?」

「………そいつの性別は女なんだけど」

「はい」

「私の性別も女」

「はい」

「ん?」

「問題が?」

「………《リューマン・ルクス》を出す」

「あっ無理矢理流す気ですねぇ?」

(手札4→3)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→1)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「ルクスのスピリットソウル発揮「できませんよぉ?」なんでや!?」

「リズミック音楽堂レベル1からの効果でぇ、お互いコスト3以下のスピリットソウルは無効化されて新しくも得られませ〜ん♪」

 

黄 ネクサス

《リズミック音楽堂》

コスト3 軽減黄2

<0> Lv1

<2> Lv2

Lv1・Lv2

コスト3以下のスピリットすべては【スピリットソウル】を無いものとして扱い、新たに得ることもない。

Lv2『お互いのアタックステップ』

【分散】を持つ自分のスピリットが相手によって破壊されたとき、自分はデッキから1枚ドローする。

その後、破壊されたそのスピリットすべてを手札に戻すことができる。

 

「私の精神的動揺を誘ってネクサスの効果を隠蔽するとかいやらしい」

「これぐらいで揺れるマインドじゃあ件の紫使いに勝つにはまるで全然程遠いですねぇ」

 

 た、たかだかスピリットソウルが封じられた程度別になんてことないし…。でも退かしておかないと、場が崩されたとき後々厄介になってくるか。

 

「……《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》をレベル3で出す」

(手札3→2)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ1→3)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

 

「このままアタックステップに入って、龍剣聖でアタック。アタック時効果で1枚引く」

(手札2→3)

 

「きゃ〜怖〜い♪ ライフで受けまぁす♪」

(???ライフ5→4)

(リザーブ3→4)

 

「ルクスもアタック!」

「きゃ〜ん♪ライフですぅ♪」

(???ライフ4→3)

(リザーブ4→5)

 

「ライフ減少でバースト、いきまぁす♪《イマジナリーゲート》!」

「っ!黄色!?」

{???バースト:セット→発動}

 

「手札にある黄色のスピリット1体を、召喚時効果を発揮させずにノーコストで召喚しちゃいまぁす♪ 召喚するのはぁ……」

「っ……」

「《天使マーチェル》でぇす♪」

(手札3→2)

(リザーブ5→3)

[天使マーチェル コア2 レベル2 BP5000]

 

「コスト6のカード。…ターン終了」

 

 ちょっと大きいのを踏み抜いたか…。

しかしあのバースト、黄色のスピリットなら何でもいいとかインチキ効果も甚だしいんじゃないか?

 

<???・第五ターン>

「先に2点取られちゃいましたねぇ♪ スタートステップ♪」

(リザーブ3→4)

(手札2→3)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ4→6)

 

「メインステップ。まずはぁ、《剣聖楽師オリヴィエル》をレベル1で喚んじゃいまぁす♪」

(手札3→2)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→2)

[剣聖楽師オリヴィエル コア1 レベル1 BP3000]

 

 また可愛らしい、綺麗なカードが出てきた。マーチェルってのも置かれてるネクサスもそうだけど、ファンシーなカードもあったんだ。

 

「………」

「? <天霊>が珍しいですかぁ?」

「今まで竜とか虫とか筋肉とか肉食の兎とかしか見なかったから、珍しいなぁって」

「前半はわかりますけど、筋肉と肉食兎…?」

「気にしないでいいよ」

「はあ…」

 

 バトスピってこんなのもあるのかって新しい発見があった。

 

「では、バーストをセット。オリヴィエルと豪邸をレベル2にしてアタックステップに入りますぅ」

(天使2→1)

{???バースト:なし→セット}

(リザーブ3→1)

[剣聖楽師オリヴィエル コア1→2 レベル1→2 BP3000→4000]

[お菓子の豪邸 コア0→1 レベル1→2]

 

「<天霊>は愛でるだけのカードじゃないんですよぉ♪ まずオリヴィエルでアタック!そして豪邸レベル2の効果発揮♪ 私の<天霊>スピリットが疲労したのでぇ1枚ドローしまぁす♪」

(???手札1→2)

 

黄 ネクサス

《お菓子の豪邸》

コスト3 軽減黄1

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:黄

Lv1・Lv2

相手によって自分のスピリットが破壊されたとき、ターンに1回、自分の手札にあるカード名に「グリム」と入っているスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

Lv2『自分のアタックステップ』

系統:<天霊>を持つ自分のスピリットが疲労したとき、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「っ、通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「マーチェルでアタック! 豪邸の効果でドローしまぁす♪」

(???手札2→3)

 

「通…」

「はぁいフラッシュタイミング!」

「っ!」

「筋肉センセーションなんかより可愛い天使達の魅力をお披露目しちゃいますよ〜♪ マジック《エンジェルストライク》! コストはリザーブと豪邸からいただきますねぇ♪」

(手札3→2)

(リザーブ1→0)

[お菓子の豪邸 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

 

「そちらのスピリット、またはアルティメット1体のBPを5千ダウンさせて、0になったら破壊でぇす♪」

「ルクスと龍剣聖、両方範囲内か…」

 

 でも片方だけならまだ挽回はできる。

シンボルが残るだけマシだ。

 

「でもぉ、私ぃ、1体じゃ物足りなくて満足できないんですよぉ…」

「?」

「そこでマーチェルレベル1からのバトル時効果発揮!【分散:2】! リューマン・ルクスと龍剣聖2体のBPを5千ダウン!」

[リューマン・ルクス BP1000−5000=0 破壊]

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ BP5000−5000=0 破壊]

(凛々リザーブ2→4)

 

「なっ!? い、1体って…」

「【分散】はマジックで“相手1体”と指定されてる効果を指定された数に対象を増やせる新効果なんですよぉ〜♪」

 

黄 スピリット

《天使マーチェル》

コスト6 軽減黄3極1 <天霊>

<1> Lv1 BP4000

<2> Lv2 BP5000

<4> Lv3 BP7000

シンボル:黄

Lv1・Lv2・Lv3【分散:2】『このスピリットのバトル時』

自分が相手のスピリット/アルティメット1体を対象としたマジックカードを使用したとき、その対象を2体にする。

Lv2・Lv3『相手によるこのスピリットの破壊時』

自分の黄のスピリット/アルティメット1体を疲労させることで、このスピリットは回復状態でフィールドに残る。

 

 そんな効果が…。てことは無闇にルクス、スカイラーク、Uエルギニアスを出せなくなる。

出したなら次にUアークとかをすぐに出さなければ意味が無くなる。…音楽堂でスピリットソウルを疎外しながら大型を出させない、か。だけど…!

 

「スピリットの破壊でバースト、《双光気弾》!」

{凛々バースト:セット→発動}

 

「2枚引いて、追加のコストを支払ってその邪魔な音楽堂を破壊!」

(手札3→5)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ3→6)

[リズミック音楽堂 破壊]

 

「あー!音楽堂焼き打ちしたら不幸のメロディが溢れちゃうじゃないですかぁ!」

「ふこ、はぁ?!」

「さてはマイナーランド出身ですか!?」

「まるで意味が分からん!分かるように説明しろ!」

「アタックはどうします?」

「自分から振っといてスルーすんな!通すよ!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ1→2)

 

「これでターンエンドでぇす♪」

 

 くっ、おちゃらけ媚び媚び美少女かと思ったら普通に強いぞ。やっぱ黄色は厄介だ…。

 

<凛々・第六ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ2→3)

(手札5→6)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ3→9)

 

「メイン」

 

 足場が悪い。まだ堪え時だ。

 

「ネクサス《大地穿つ石剣》を置く」

(手札6→5)

(リザーブ9→5)

(トラッシュ0→4)

 

「バーストを伏せて、ターン終了」

(手札5→4)

{凛々バースト:なし→セット}

 

 このデッキは足元が悪いと立ち直るのが難しくなる。あの音楽堂でリズムを崩さ……音楽関連のくせにリズムを乱すとか音楽堂名前詐欺か。それとも、静かにしていてくれ!と貼紙でもされてるのだろうか。

 

<???・第七ターン>

「スピリットやアルティメットを出さずに打たせて貯める姿勢ですかぁ? まぁいいですけど。スタートステップ♪」

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。でわでわぁ、マジック《マジックブック》!手札のマジックカードをオープンして、オープンした枚数ドローしますねぇ♪」

(手札3→2→0)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→3)

●オープンしたカード

・《ヘブンズパニッシュ》

・《ドリームブリザード》

(手札0→2)

 

「う〜ん、オステアの召喚時効果封じに黄色の万年コア不足。頭が痛くてやんなりますねぇ。豪邸をレベル2にしてアタックステップ」

(リザーブ2→1)

[お菓子の豪邸 コア2→1]

 

「オリヴィエルでアタック!」

(???手札2→3)

 

「通す!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ5→6)

 

「それでバースト!《絶甲氷盾》! ライフを1つ回復して、追加コストは支払わずそのまま!」

{凛々バースト:セット→発動}

(ライフ2→3)

 

「…? マーチェルもアタック!」

(???手札3→4)

 

「それも通す!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ6→7)

 

「…本当に打たせて貯めるんですねぇ。ターンエンドですぅ」

 

 これが悪手だったかはこれから解る。

今は少しでも場を何とかしなくちゃならない。

 

<凛々・第八ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ7→8)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ8→12)

 

「メイン。2体目の《リューマン・ルクス》!」

(手札5→4)

(リザーブ12→11)

[リューマン・ルクス(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

「そして【スピリットソウル:赤】!これで赤シンボル3つ!

 《アルティメット・シャイニングドラゴン》レベル3!」

(手札4→3)

(リザーブ11→7)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア1 レベル3 BP10000]

 

「へぇ。シャイニングドラゴン、しかもアルティメットですかぁ…」

「まだ!《星騎槍ガクルックス》をそのまま出す!」

(手札3→2)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ3→5)

[星騎槍ガクルックス コア1 レベル1 BP3000]

 

「石剣はメインステップの間、シンボルを持ってないブレイヴが1体につき、赤シンボル1つ追加する!」

[大地穿つ石剣 シンボル赤+赤=赤赤]

 

「次!《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》! レベル3!」

(手札2→1)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ5→7)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン コア1 レベル3 BP10000]

 

「っ!? …赤の剣輝龍皇」

「剣輝龍皇の召喚時効果発揮! 手札のブレイヴ、《水星神剣マーキュリーブレイド》をコストを支払わず直接重ねて出す! そんで1枚引く!」

(手札1→0)

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓ 直接合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:10000+4000=14000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+青=極青]

(手札0→1)

 

「ガクルックスをUシャイニングドラゴンに重ねて、コア1つを石剣に、リザーブのをオステアに移す!」

星騎槍ガクルックス

  ↓ 合体

アルティメット・シャイニングドラゴン(合体)

[コスト:6+4]

[BP:10000+3000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加なし]

[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]

(リザーブ1→0)

[軍港都市オステア コア0→1 レベル1→2]

 

「バーストをセットして、アタックステップ!」

(手札1→0)

{凛々バースト:なし→セット}

 

「……ちょっと質問いいですか?」

「っ、な、何?」

 

 攻める準備が出来ていざというときに突然彼女から待ったが来た。

質問って何だ。伏せたバーストは教えないぞ。

 

「その剣輝龍皇のことです」

「…これ?」

「何処で入手したんですか?」

「えっと、知り合いがくれた…」

「くれた?」

「うん」

「本当ですか?」

「本当だよ」

「………ふ〜ん」

 

 ど、どうしたんだ。

急に笑顔が消えて真顔になった。これがそんなに気になるのか。手札のカードで口元を隠して何か考え込み始めたしで何なのさ…。

 

「……………」

「……あの」

「あ、プレイを止めてごめんなさぁい♪ もう大丈夫ですので♪」

 

 …この剣輝龍皇、もしかしていわくつきのカードなんじゃないか?

 

「さあ。続けて続けて♪」

「お、おう…」

 

 急に元の笑顔に戻った。…本当に大丈夫だろうか。

 

「Uシャイニングでアタック! まずガクルックスの効果で1枚引く。トリガーは…使えない。どうする?」

(凛々手札0→1)

 

「あらぁ。お誘いですかぁ?」

 

 さて、乗るか断るか。

カウンターされても切り抜ける算段はある。今引いたから出来た算段だけど。

 

「……アタックはライフで受けます♪」

(???ライフ3→2)

(リザーブ0→1)

 

「さぁ、お誘いは受けましたよ。これからどう見せてくれますかぁ?♪」

「なら剣輝龍皇でアタック! 水星神剣の【強襲】で、オステアを疲労させて回復!」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) 疲労→回復]

 

「剣輝龍皇はダブルシンボル!」

「なるほどぉ。無理矢理にでも通すつもりですねぇ?」

 

 正直、アタックするのがUアークならよかったんだけど引けなかったから仕方ない。押し通るならこれぐらいしなければ!

 

「フラッシュタイミング!」

「っ!」

「マジック《イエローアラート》! このターンそちらのスピリット、リューマン・ルクスのBPを2千ダウン。更にそちらのターンに使用したため私の黄色スピリット1体、オリヴィエルを回復させます!」

(???手札4→3)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ3→4)

[リューマン・ルクス BP1000−2000=0]

[剣聖楽師オリヴィエル 疲労→回復]

 

黄 マジック

《イエローアラート》

コスト2 軽減黄1

フラッシュ:

このターンの間、相手のスピリット1体をBP-2000する。

このマジックカードを相手のターンで使用したとき、さらに自分の黄のスピリット1体を回復させる。

 

 守りに回して来たか!

だけどあと1回アタックを残してる。オープンしてる2枚のマジックは片方が白。今のあっちのコアじゃ使うのは厳しいだろうし、手札に回復させるマジックがあってもまだ大丈夫。切り返すのは可能だ。

 

「オリヴィエルでブロックします」

「BPはこちらが上…」

「フラッシュタイミング!」

「っ!」

「ちょ〜っと黄色を舐めてませんかぁ?」

「え?」

「手元のマジック《ヘブンズパニッシュ》を使いまぁす♪ コストにはマーチェル、オリヴィエル、豪邸からいただきますねぇ♪」

[天使マーチェル コア2→1 レベル2→1]

[剣聖楽師オリヴィエル コア2→1 レベル2→1]

[お菓子の豪邸 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ4→7)

 

「ふふふっ♪ お互いのデッキトップをチェキしましょ♪」

「え?」

「はい、私はコスト6のマジック《ディーバメドレー》ですぅ♪」

「……コスト4のブレイヴ《炎星斧エルナト》…」

「はぁい私の勝ちでぇす♪ よってそちらの剣輝龍皇のBPを1万5千ダウンさせまぁす♪」

「はあ!?」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) BP14000−15000=0]

 

黄 マジック

《ヘブンズパニッシュ》

コスト5 軽減黄5

フラッシュ:

お互い、デッキを上から1枚ずつオープンする。オープンした自分のカードのコストが相手のカードのコスト以上のとき、このターンの間、相手のスピリット/アルティメット1体をBP-15000する。オープンしたカードはデッキの下に戻す。

 

「オープンしたカードはデッキ下へ戻してくださいねぇ♪」

「くっ…」

「そしてぇ、BP0の龍皇は私のオリヴィエルがバラバラに斬り裂いてあげますからねぇ…♪」

「くそっ…! っ、水星神剣は残す!」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン 破壊]

[水星神剣マーキュリーブレイド 残留 コア1 レベル1 BP4000]

 

「さぁてターンエンドで…」

「ルクスでアタック!」

「っ!?」

「シンボルはまだ2つ残ってる!ルクスと水星神剣のアタックが通れば勝ちだ!まだ負けた訳じゃない!」

「っ…。ライフで受けます!」

(???ライフ2→1)

(リザーブ0→1)

 

「…ライフ減少でバースト発動!《絶甲氷盾》!ボイドからコア1つをライフに置きます!」

{???バースト:セット→発動}

(???ライフ1→2)

 

「ふ…ふふっ。これで最後の一太刀は届きませ…」

 

「水星神剣でアタック!」

 

「っ!?」

 

「フラッシュタイミング!マジック、《パワーブースト》!コストはオステアから使う!」

(凛々手札1→0)

[軍港都市オステア コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ7→8)

 

「ぱ、《パワーブースト》!?」

「水星神剣のBPを3千上げる! 更に【連鎖:青】で私のネクサス1つ、オステアを破壊して水星神剣を回復させる!!」

[水星神剣マーキュリーブレイド BP4000+3000=7000 疲労→回復]

[軍港都市オステア 破壊]

 

赤 マジック

《パワーブースト》

コスト3 軽減赤2

フラッシュ:

このターンの間、自分のスピリット1体をBP+3000する。

【連鎖:条件《青シンボル》】

[青]:自分のネクサス1つを破壊することで、自分のスピリット1体を回復させる。

 

「届かせる…っ!!」

 

「な…。っ、………ライフで受けます!」

(???ライフ2→1)

(リザーブ1→2)

 

「もう一度水星神剣でアタック!! これが、ラストアタックだ!!」

 

「………ライフで、受けますっ」

 

 

 

(???ライフ1→0)

 

 

 

 

 

「か、勝った…!!」

「………」

「…?」

「きゃあぁ〜〜ん! すごいですぅ〜!!」

「っ!?」

「この崖っぷちでそんなマイナーマジックを使っての2撃! 華麗ですぅ〜♪」

「え!? いや、これはたまたまで…」

「てことは神引き!?デスティニードロー!?最強のカードバトラーはデッキトップすらも創造するシャイニングドローですかぁ!? 運命感じちゃいますぅ〜♪」

「お、おう……」




vs黄色でした。しかしこの体たらくである…。
4回ほど書き直してどうやっても面白くなくなってしまうので再度作り直し分散デッキ(仮組)としました。非力な私を許してくれ…。
06の黄色じゃ展開速度が違いすぎてどうしようもなかとです。早く07に移らなければ…。

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


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Step.10 『称号ッてのはある意味強さの証』

読み感想を書く暇あれど作品を書く暇が全くとれない程忙殺され気付けば烈火魂が終わりダブルドライブが始まっており遅くなりました。
その上中身はどうしようもない出来となってしまっています。


「粗削りだけど強くて可愛い…♪ きゃー!素敵ですぅ〜♪」

「い、いや、そんな…」

 

 ちょっと大袈裟すぎる…。

しかし最後危うかったが、何とか紙一重で勝利を収めることができた。

 

「そ、それよりさ」

「はい?」

「名前教えてもらってもいいかな」

「名前ですかぁ? いいですよぉ♪

 姓は梔黄(くちなき) 名は詩乃(しの)

 黄色のカードバトラー梔黄 詩乃をよろしくお願いしまぁす♪」

 

 詩乃…。それが彼女の名前か。

可愛い姿と歯が浮くような媚びる喋り方が特徴のゆるふわ美少女。だがバトスピでは「強いやつに会いたい」という考え方は早苗に近く、他よりストイックな感じだと印象を受けた。

 

「バトルありがとうございましたぁ♪ あ、メアドと番号交換しましょ♪」

「え、あ、うん」

 

 今返事してしまったがこんな簡単に交換してしていいのか。「バトルすれば皆マジダチ」は本当なのか。

 

「はいオッケーでぇす♪ 今日はありがとうございましたぁ♪」

「こっちもありがとう」

「はぁい♪ではまた会いましょうねぇ♪ お互いに良いバトスピライフ&バトルを〜♪」

「お、おう…」

 

 再び帽子を被り店を後にした詩乃。

また会おうといってたけど、そうそう頻繁に会うのか?

 

 

「お待たせ、しました」

「お疲れ」

 

 詩乃が去りぼーっとしていたら理絵が帰ってきた。

頼まれた仕事内容は商品整理と明かせないもう一つらしい。まぁ深くは聞かないようにしよう。

星さんは理絵と店長さんに一言二言話したら裏口から出て行ったとのこと。

 

「大丈夫だった?」

「はい?」

「あの痴女に何かされなかった?」

「だ、大丈夫でしたよ。何もされませんでした」

 

 

 

  ※  ※  ※

 

 

 

 ——カードショップ満足場……から少し離れた裏路地。

 

「…………♪ ふふふふふっ!良い娘、見つけちゃいましたぁ〜♪」

 

「……随分御機嫌ね」

 

「盗み見ですかぁ? 良い趣味ですねぇ。“骸姫(むくろひめ)”さん…♪」

 

「…ふん」

 

「凛々さん。まだまだ強くなりそうでこれから愉しみねぇ♪」

 

「負けたくせに」

 

「正直舐めてましたからねぇ。油断が過ぎたのは素直に反省です。次はどうしましょうか♪」

 

「好きにすれば。興味無い」

 

「なら私が貰ってもいいですよねぇ」

 

「貰ってどうする気」

 

「知れた事♪ 強くなるんですよ〜♪」

 

「………」

 

「お互い強くなって、勝って負かして、芽吹いた自信と希望を……。 あの娘なら、雑魚と違って軽ぅくバネにしそうですし♪」

 

「……いくら“幼なじみ”でもあんたのソレには本当に付き合ってられないわ。精々足元掬われないように…。それじゃ」

 

「そのお言葉、そっくりお返ししますねぇ♪ ではまた〜♪」

 

 

 

  †  †  †

 

 

———理絵の用事を済ませお店を後にし、現在駅前。時刻は既に夕方に差し掛かっている。

 

「………」

「……あの」

「ん?」

「何か、ありましたか?」

「あ〜…。うん、まぁ。理絵が仕事してる間に変わった人と対戦申し込まれてさ」

「変、な?」

「変というか、やけにぶりっ子してたというか…」

 

 その件の人物、詩乃のこと。対戦を申し込まれたこと。強い相手を求めていること。

実際対戦した私が言えることじゃないけど、改めて口にしてみると変わってるって実感した。

 

「…えっと」

「はっきり言っていいよ」

「あ、いえそんな! じ、上級者の方達って、皆さん個性的で、素敵ですから!」

 

 理絵の心から精一杯のフォロー。

無理しなくてもいいのに。これを聞いたバトラーはしっかりしなよ?…って私も誰に向かって言ってんだか。

 

「…どう言っていいか分からないんだけど、強くなるってどういうことなのかな」

「………難しい、ですね」

 

 個人的にこういうのに強さの定義とかを付けるのって無意味な感じがする。

だけど、早苗にも詩乃にも強くなるって約束をした手前、どう目指したらいいものか迷う。

 

「デッキを強くしてしっかり回せるようになれば強くなったって言える?」

「それはちょっと、違うような…?」

 

 …なんかのスポーツみたいに心技体が揃えば〜とかなんか?

それはある意味精神論にたどり着くけど、違うような。こう、明確に「こういうのが強い人」みたいなのが欲しいところ。

 

「あの紫のより強そうな人……。理絵の師匠さんとか、早苗の従姉妹さんとか?」

「たぶん。……あっ、なら…」

「ん?」

「“これ”、一緒に観ませんか?」

 

 理絵がチラシの様な物をバッグから取り出し、おそるおそるこちらに差し出してきた。

何だろうと手に取り見てみると…。

 

「『バトルスピリッツ 春期称号大会』?」

「“称号戦”っていう大会なんですけど、会場に行けなくても、中継で、観られるんです」

「へぇ。大会ってことは強い人も集まるんでしょ」

「はい。…明確に、何をもって強い、とは、何とも言えないです。でも、これを観れば、少しは分かるかも、知れません」

「なるほど」

 

 称号戦か…。早苗が名乗ってるようなやつを獲得するための大会らしいから、それだけ腕自慢が集まる訳だ。何かしらきっかけみたいのが掴めれば、紫使いに対抗…勝てる確率が上がるかも知れない。

……そういえば早苗からこの話が無かったけど、出るんだろうか。

 

 

 ———数日後、噂の称号戦…の、放送日。

我が家に深緒、羽月、早苗、理絵を誘い皆で様子を観戦することになった。……が。

 

「お招きいただきありがとうございますぅ〜♪」

「うん。まぁ、観るなら詩乃の意見も欲しいしね」

「りんりん、その方はどちらさまで?」

「りんりん言うな。この前話した人だよ。梔黄 詩乃さん」

「どうも〜♪」

 

 皆に連絡を入れているところ、本人から連絡があり、観戦しないかとの申し出があった。目的は同じだから調度いいと誘った次第だ。とりあえず手短に紹介…という程付き合いは長くないが、これから付き合うだろうから初対面のうちに親睦をと。

 

「………」

「あぁん♪ “蒼雷”…じゃなくてぇ、今は“叢空”さんでしたっけ?そんな怖い顔しないでくださいよぉ♪」

「………」

「喧嘩は無しにしてよ」

「ごめんなさいね凛々さぁん♪」

 

 そう言ってじゃれついて来る詩乃さん。それを見て更に顔をしかめる早苗。

…頼むから喧嘩しないでよ?

 

「…藍河さん、後でバトルしますぅ?」

「いいわ。その申し出受けて立つ」

 

「理絵ちゃん。あれが噂の三角関係っていうやつだよ」

「は、はい」

「いやぁ沙夜姉さん、凛々はモテますなぁ」

「我が妹ながら将来が愉しみね♪」

 

 

 

 

『レディィースアーンズィエントルメェェーーン!!! 老若男女のバトラー諸君!今日はこの春期大会に集まってくれてありがとーー!!』

 

 画面から大音量で放たれる声と歓声。

ボリュームは普通なはずなのにめっちゃうるさい。

画面中央にマイクを持ち、アニメのキャラクターのような派手な衣装を身に纏っている女性がMCなんだろう。めちゃめちゃハイテンションだ。

 

『司会進行を勤めますのは皆様ご存知!わたくし、“MCモモ”でございまぁす!』

 

 MCの自己紹介に更に盛り上がる会場。

あの人そんな人気なのかな。

 

「最近取り立てられた人らしいわ。私が出た時にもいたみたいだし」

「へぇ」

 

『さてぇ、皆様方。お待ちかねの称号戦でございます! しかしその前にひとつ!エキシビションを催しておりますです!』

 

 テレビ越しに会場がざわついているのが分かる。

事前に知らされていなかったのか、それとも知っていてその前座に期待が高まりざわついているのか。

 

『っと、その前にいつもの方々をお呼びしましょう! バトスピ界のカリスマ、ジャスティス立花!マジカルスター咲!暗黒戦士ボンバー!』

 

 大歓声の中、会場内特設ステージの袖から現れたのはコスプレした三名の大人。赤い服と目立つサングラスをした男性を先頭に、大きな赤いリボン、肩のクマのぬいぐるみ、両袖にデカい爪らしきものを付けた女性。赤いアフロが特徴のやや太めの男性の三人が出てきた。

あれがカリスマ?とかいう人達なのだろうか。いやMCがカリスマだって言ってるんだからそうなんだろう。

 

『やぁ諸君!正義のカリスマ、ジャスティス立花だ!』

『はーいマジカルだよー』

『どうもボンバーですー』

 

 …凄まじく軽いというか緩い。

もっとこうノリノリでやるのかっ思ったけどそうでもないよう。

 

「毎回あんな感じですよぉ」

「ああ見えて、お三方とも、とても強いんですよ」

「…そうなんだ」

 

 教えてくれた詩乃さんと理絵には悪いんだけどとても強そうには見えない。

 

『ちなみにだが、ギャラクシーは別の仕事があるため今回出番無しだ!』

『いつものでーす』

『詳しくはバトスピ部日誌を見てね〜』

 

「…ギャラクシー?」

「ほい凛々。この人」

 

 深緒が携帯でそのギャラクシーって人の画像を見せてくれた。目に掛かるほどの金髪のカツラに黒いサングラス、銀と青を基調にした服をした男性。この人がギャラクシーなのか。

 

「偉い人なんだけど何かと不憫な方なの」

「立花さんから“金髪豚野郎”って罵られた時は笑いましたねぇ」

「あー、あんときは何も言わずに制限破ってミカファールとか使ったのが悪いよ」

 

 ……その人本当に偉いのか?

 

『さてぇカリスマ達の出演事情を聞いたところで本題と参ります!

今回称号戦の前のエキシビション!それは、応募により選出された称号を持たない三名と、称号持ち三名による特別バトルとなっておりまーす!』

 

 その催し物は、噂の称号持ちの人とバトルをするというものだった。

称号持ちは強いとのことらしい。たしかにそれは早苗と理絵との対戦で経験済みだ。

 

『話は到って簡単! 挑戦者は称号持ちに勝てば、チャンピオンシップのシード権と称号を進呈致しまーす!』

 

 歓声が上がる会場。

姉さんと羽月によれば、通常称号戦は勝ち抜いて最後の一人に贈られるもの。こういうのは、次にあるチャンピオンシップという大きな大会でのダークホース的なものとして組み込まれたとか。要は、称号持ちから勝ち星を取ったのだから、本大会でも期待できるだろうと。

 

『しかぁし!称号もシード権もそう容易いもんじゃあなぁい!!』

『そう!モモちゃんの言う通りだ! ただ一人のみに与えられる2つの権利を、易々と三人にも与えてしまっては、ここに集った称号獲得に挑むバトラー達が黙っていない!』

『そこで、マジカル達が選んだ三人の称号持ちが立ちはだかる訳なんだよ〜』

 

「まぁそうだよねぇ」

「でもこのエキシビションに選ばれるってくらいなんだから実力はあるんだよね」

「おそらく。どれ程のものか、凛々もしっかり見ておきなさい」

「うん」

 

『それでは挑戦者達に登場していただきましょう! 称号持ちに挑むのは、こぉの三人だぁー!!』

 

 MCとカリスマ達のいるステージの右袖からスモークが焚かれ、そこから男性が二人、女性が一人が現れた。観客席からは拍手と歓声、応援の声が聞こえる。

 

『そしてぇ、この三人のバトラーを迎え撃つ称号持ちは……この三人だぁっ!!』

 

 瞬間、会場の照明が落ち暗くなった。

ざわつく会場内。そこに3つのスポットライトがステージ側から見て反対側を照らし出す。

そこにいたのは、三人の女性。

その三人を確認した観客はさっきと違い大歓声と悲鳴に近い何かが聞こえてきた。

 

『会場のバトラー皆々様、放送をご覧のバトラー皆々様!! あれが!カリスマ達により選ばれた称号持ち!!

 “白銀(はくぎん)”、“熾天(してん)”、“神淵(しんえん)”の三名だぁーー!!』

 

 

「……これは誰か一人にでも勝てれば大金星のメンツね」

「白姉さん…!」

「えっ、どれ?」

「これ、この人、です!」

 

 いつになく理絵が興奮気味に称号持ちの一人を指差す。それは、三人の内真ん中の女性で腕を組み自信満々と言わんばかりの表情と何処かチャラそうな見た目をしていた。…え?マジでこの人が理絵の師匠なの?

 

『それではまず称号持ちの方々の自己紹介、お願いしまぁす!』

 

 疑わしい事実に頭を捻っていたら、こちらから見てその師匠さんの左の人。長い黒髪に眼鏡を掛け、まるで何処かの女優か何かかと思った。

 

『皆様。本日はこの大会に御来場、放送を観ていただきまことにありがとうございます』

 

 丁寧な挨拶とお辞儀になんて礼儀正しい人なんだと感心した。

 

「“祐依”さんも“白鐘(しろがね)”のお守りで大変ね。理絵ちゃん」

「あはは…」

「…え?早苗も知ってる人なの?」

「ええ勿論。何て言っても麗ちゃんのマジダチだもの」

 

『今回、称号エキシビション戦のお相手を勤めさせていただく黄ゼロの“熾天”こと、“緋立 祐依(ひだち ゆい)”です。

 そして、“神淵(しんえん)”こと“静鳴 雫(しずなき しずく)”』

 

 紹介された右の女性が少し照れながらお辞儀をする。

大人しそうというかあの人も称号持ってるんだ…。

 

『そして最後に……はい?』

 

 最後に璃恵の師匠さんの紹介というところに、その師匠さんが熾天さんの肩を叩き私に喋らせろみたいなことを言っている。

それを聞いた熾天さんが凄く嫌そうに顔をしかめている。えぇ?お前にマイク渡すの?みたいなのが見て取れた。……あ、渋々だが手渡したようだ。

 

『へへ〜♪テンキュ祐依ちャん♪ んんッ!』

 

 何を言うんだろうか。左の熾天さんが溜息ついた。

 

『イェーイ!シロちャーん!観てるー? 白お姉ちャんだヨー♪』

 

 いきなりこちらに向かって頭の悪そうなメッセージを理絵に送ってきた。しかもやりやがったよこいつみたいな表情で熾天さんが思い切り師匠さんの肩を(はた)いた。

 

「いつも通り。安心した?」

「はい。安心、しました」

「…称号持ってる人って皆変わってるの?」

「それは偏見……とも言い切れない、ような」

 

 早苗が珍しく歯切れの悪い返答。早苗も変わってるとは思うが、今知る限り理絵の師匠さんがぶっちぎりで変わってると思う。

 

『ニャはは〜♪冗談はここまでにしといてと…。さて!対戦する三人と称号戦に参加、観戦に来てくれた諸君!』

 

 さっきのチャラい雰囲気は何処へやら。一呼吸置いて引き締まった雰囲気で会場に呼び掛ける。

 

『ワタシがご存知、白ゼロこと“白銀”の“白鐘 璃恵(しろがね りえ)”だヨ〜♪ バトルを始める前にちョいお話しをネ。

 称号ッてのはある意味強さの証明。幾多のバトラーと鎬を削りあい、退け、ただ一人が掴める栄光だッたりするのサ。まァ何か別に自称しても何ら問題Nothingなンだけどネ♪ たァだァし!悪用はTaboo、厳禁だからネ!』

 

 悪用…か。身内は心配無いだろうけど、鼻に掛けてる奴らもいるんだ。ああいう事を伝えるってことは。

 

『ンなことは公式のお知らせに任せといてぇ!挑戦者たち!簡単にャ勝たせないから覚悟しとけヨ! ……ん?あ、マイク返せ?はい』

『…え〜、長々と申し訳ございません。雫さんからは特に無いそうなのでそちらにお返しします』

 

『なはは…。えーでは、改めてエキシビション戦を開始したいと思いまーす!!』

 

 ……まぁとにかく試合が始まるみたいだ。変な空気になってなかったのは師匠さんが元々ああいう人だからか? あんなんやったら普通は空気がおかしくなるはず。昔そんな人がいた。

 そんなことを考えていたらステージに挑戦者と称号持ちが集まり、いつの間にか特製っぽい対戦テーブルが用意されている。…対戦順はどうするんだろうか。

 

『さぁまず最初の対戦! 称号者側からはぁ〜……熾天の祐依さん!!』

 

 指名された熾天の人が一歩前に出て一礼をした。

 

「詩乃。あの人って何色使うの?」

「祐依さんは基本的に黄色と赤を使いますけどぉ、最近は紫も使うなんて聞きましたねぇ」

「へぇ。羽月と詩乃と同じなんだ」

 

 てことはかなーり厄介極まりないデッキの使い手なのかも知れない。称号を名乗るぐらいなんだから当たり前っぽいが、この二人であの厄介具合だ。それが上まで行くとどうなるか。

 

『そして相対する挑戦者は、過去称号戦、チャンピオンシップと幾多の公式戦でぶつかり合った自称生涯の好敵手! 榛堂 明日歌(しんどう あすか)さーん!』

 

 名前を呼ばれた挑戦者の紅一点。榛堂と言う長髪で金のエクステ、随分とパンキッシュが濃い服装をした女性。自信満々の笑みはただ一点、相対する熾天さんを見据えていた。自称ライバルを名乗るだけあって選ばれたのだから強いんだろうきっと。

 

『…っと。久しぶりだね熾天の祐依』

『いい加減その呼び方やめてもらえませんか? あとこの前前哨戦とか言ってカフェに乗り込んで来ましたよね』

『あれはあれさ。良い肩慣らし、良い息抜きになっただろ?』

『その息抜きで緊張から凡ミスやらかした人が言いますか』

 

 お互いが席に着き、ヘッドマイクを装着したときそんな会話が聞こえてきた。会話からして長い付き合いなのが分かる。

 

『さぁお互いデッキもシャッフルが完了!手元に4枚置いて準備万端!それでは皆様ご一緒にぃ!ゲーt』

『あーちョッと待ッた〜!! 報告ひとつ忘れてたワ!!』

 

 と、突然何か思い出したのか師匠さんがマイクで叫び出した。今まさにというところで止められたので全員がつんのめる形でざわつく。

 

『えッと、開発中の“バトルフィールド”の進展についてネ。前にワタシらが使ッてみせたあン時から進んで、ある問題を無視するならすぐにでもベータ稼動できるンだ』

 

「えマジで!?」

「あれが遂に使えるようになるんだ…」

「これは高まる! …しかしある問題とは?」

 

 深緒、羽月、早苗がそれぞれ言う中会場側もどよめきに包まれていた。…私は使うのは遠慮したいけど、その問題ってのは気になる。無視すれば〜って言うぐらいなんだから稼動初期なら気にしないでも良いんじゃ?

 

 

『実はネ…。黄色のベイベ達の挙動に全ッ然満足出来ないのサ!!』

 

 

「………ベ、何?」

「あ〜それは無視出来ない問題ですねぇ」

「下手したらバトスピの生命線に関わる重大事項ね!」

「え?そこまで?」

 

 詩乃と姉さんが納得するなか、会場側でもその問題に納得の声が聞こえてくる。

 

『だから稼動はもう少し待ッてほしい! ワタシ主導の元、完ッ璧にしてみせルからネ!! 全国全世界の紳士淑女諸君!待ち遠しくても、待てッ!!』

 

 謎の宣言の後大歓声が会場を包む。てか爆発した。そのベイベとやらが遅れている理由なら……で、結局ベイベって何だ。

 

「ベイベというのはこういうカードのことよ」

「ん? ……あっ」

 

 早苗から1枚のカードを渡される。渡されたのは《[超神星アイドル] ノア・フルール》という黄色のカード。

私も察しが良いのか大概を理解してしまった。

 

「ね?」

「ね?って詩乃…」

「つまりそういうことなんだよ凛々」

「そういうことなのか…」

 

『以上報告終了!次回報告をお楽しみに! 長くなったけど改めて祐依対明日歌! ゲート、オープン!!』

 

『「「「「 界 放 !! 」」」」』

 

 

『ああ、私の仕事がぁ〜!?』

 

 

 

 やっと始まったバトル。

ステージの大型モニターに場の様子が映されるみたいだから何がどうなっているか分からなくなる心配は無い。まぁ周囲に説明してくれる人がいるから大丈夫か。

そして、モニターの左半分光る。…どうやら先攻決めのやつらしく、先攻は挑戦者さんに決まったようだ。

 

<明日歌・先攻第一ターン>

『先攻は私だ! スタートステップ!』

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

『メインステップ。まずはネクサス、魔女達の夜会《ワルプルギスの夜》を配置!』

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

『更にバーストをセットして、ターンエンドだ』

(手札4→3)

{明日歌バースト:なし→セット}

 

<祐依・後攻第二ターン>

『では後攻、行きます。スタートステップ』

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

『メインステップ。…少々手札が悪いですね』

『…君の、君達の悪いは当てにならないから』

『では“詩魔法”ならぬ、“歌マジック”《キュート×キュート》を使用します』

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→5)

 

「っ! 未知のマジックだ!」

「黄色のだね。歌マジックって新しい種類?」

「イラストから見てぇ、詩姫用のでしょうか?」

「コスト5の黄色マジック…。それなりに強力なものでしょうね」

 

『それが噂の新カードかい』

『ええ。効果は、私の手札にある<詩姫(ディーバ)>スピリットカードを好きなだけ手元にオープンします。よって、私は“手札全て”の詩姫をお披露目します』

(手札4→0)

●オープン/手元に置いたカード

・《ローズ・ベリィ》

・《歌姫ロメーダ》

・《[闇夜の微風] セイナ・リューミン》

・《ディアナ・フルール》

 

『なぁんとー!オープンされたカードは全て新しい詩姫のカード! やはりやってくれるやってくれた我等が熾天プロデューサー! 黄色を使わせたら右に出る者は少ない名プロデューサー!』

 

「あれは誉められてんの?」

「最大の賛辞でしょうよ」

 

『更にオープンした枚数分ドローします』

『っ! 成程詩姫スピリット専用の《マジックブック》か』

『その通り。オープンしたのは4枚。よって4時枚ドロー』

(手札0→4)

 

『そしてこの歌マジックは、私の場に残り続けることができる特殊効果を持ちます』

『場に残る、とな?』

 

黄 マジック

《キュート×キュート》

コスト5 軽減黄2

【タイプ:歌】

メイン:

自分の手札にある系統:<詩姫>を持つスピリットカードを好きなだけオープンして手元に置くことで、オープンしたカード1枚につき、自分はデッキから1枚ドローする。

オープンしたスピリットカードは、ゲーム終了時まで、手札にあるときと同様に使用できる。

その後、このマジックカードを自分のフィールドに置くことができる。

 

黄 マジック

《マジックブック》

コスト5 軽減黄2

メイン:

自分の手札にあるマジックカードを好きなだけオープンして手元に置く。

このとき、自分はデッキから置いたマジックカード1枚につき1枚ドローする。

オープンしたマジックカードは、ゲーム終了時まで手札にあるときと同様に使用できる。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+4000する。

 

『バーストをセットして、ターンエンド』

(手札4→3)

{祐依バースト:なし→セット}

 

『お互いスピリットを展開せず黄色らしい静かな立ち上がり。しかし熾天の祐依さんが4枚ドローを炸裂させ一歩リードか!?』

 

<明日歌・第三ターン>

『ふん。手札の差ぐらい些細なものさ。スタートステップ!』

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

『メインステップ。《闇魔女サブリナ》をレベル1で召喚!』

(手札4→3)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→2)

[闇魔女サブリナ コア1 レベル1 BP2000]

 

『ワルプルギスの夜をレベル2に上げ、アタックステップ!』

(リザーブ2→0)

[ワルプルギスの夜 コア0→2 レベル1→2]

 

『サブリナでアタック! ワルプルギスの夜レベル2の効果により、私の<導魔>スピリットは【聖命】を持つ!』

 

黄 スピリット

《闇魔女サブリナ》

コスト3 軽減黄3 <導魔>

<1> Lv1 BP2000

<2> Lv2 BP4000

<3> Lv3 BP5000

シンボル:黄

【効果記述無し】

 

黄 ネクサス

《ワルプルギスの夜》

コスト4 軽減黄2

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:黄

Lv1・Lv2『相手のアタックステップ』

コアが1個の相手のスピリットのアタックでは、自分のライフは減らない。

Lv2

系統:<導魔>を持つ自分のスピリットすべてに

“【聖命】『このスピリットのアタック時』

このスピリットのアタックによって相手のライフを減らしたとき、ボイドからコア1個を自分のライフに置く”

を与える。

 

「<導魔>?」

「黄色の系統のひとつですよぉ。覇王編でちょびっとプッシュされたのが最後ですけど」

「クレオパトラスが悪さしたから、かなぁ天下?」

 

 詩乃と羽月が言うにはプッシュされたけどその系統を持つ主犯格辺りが悪さした、しかけたから打ち切られたとのこと。

黄色がやらかすのはいつもの事だが導魔サポ打ち切りは非常に残念だったみたい。

 

「<導魔>と<戯狩>は当時廃れていた【光芒】を推しての再登場だったのに、トリスタの【姫ヒドラ】とかいうのを生み出したばっかりに…」

「割を食うのはいつも黄色ですからねぇ。1ターンに1度の制限を付けないからこうなるのは確定的に明らかですぅ」

「………」

 

『アタックはライフで受けます』

(祐依ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

『では【聖命】発揮!ボイドからコア1つをライフに置く!』

(明日歌ライフ5→6)

 

『ならライフ減少でバースト発動。《歌姫提督ミレファ》。レベル1でバースト召喚します』

{祐依バースト:セット→発動→召喚}

(リザーブ1→0)

[歌姫提督ミレファ コア1 レベル1 BP6000]

 

『ふむ。ターンエンドだ』

 

『先制パンチを入れたのは挑戦者の明日歌! ライフは4対6と2点の差が出来はしましたがこの程度はバトスピのチャメシ・インシデント! 詩姫vs導魔となった対決、これからどう動くのかー!』

 

<祐依・第四ターン>

『スタートステップ』

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

『メインステップ。まずバーストをセットして、ミレファ提督のレベルを2へ上げます』

(手札4→3)

{祐依バースト:なし→セット}

(リザーブ6→5)

[歌姫提督ミレファ コア1→2 レベル1→2 BP6000→8000]

 

『そしてミレファ提督、レベル2からの効果。私のバーストがセットされている間、私の<詩姫>スピリットを黄シンボル2つにします』

[歌姫提督ミレファ シンボル黄→黄黄]

 

『これで黄色のダブルシンボル。続けてネクサス、《バックステージ》を配置します』

(手札3→2)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→2)

 

『バックステージも新しいカードか』

『効果はいずれ分かりますよ。では出番です。黄金乙女、手元の《ローズ・ベリィ》をレベル1でステージイン!』

(リザーブ3→1)

(トラッシュ2→3)

[ローズ・ベリィ コア1 レベル1 BP2000]

 

『出たー!新たな私服詩姫! 元ネタは……』

『そこまでです。すぐに分かります。このままアタックステップに入ります。そしてアタックの代わりにローズ・ベリィ、【オンステージ】!

私服ローズ・ベリィをデッキ下に戻し、手札または手元の<衣装>ローズ・ベリィをノーコストで召喚します。私は手札の《[アイドルクィーン] ローズ・ベリィ》を提示します。ここでネクサス《バックステージ》レベル1の効果発揮。このネクサスを疲労させることで、オンステージ元の私服スピリットをデッキ下に戻したものとして扱えます!』

(手札2→1)

[バックステージ 回復→疲労]

 

『成る程。舞台袖、舞台裏とはよく言ったものだ』

『更に私服ローズ・ベリィの効果発揮。オンステージによるドロー枚数を2枚追加します。よって3枚ドロー!』

(リザーブ1→0)

[[アイドルクィーン] ローズ・ベリィ コア1 レベル1 BP7000]

(手札1→4)

 

『何っ!?オンステージしただけで3枚ドローだと!?』

『驚くのは まだ 早い! 衣装ローズ・ベリィの召喚時効果発揮。ボイドからコア1つを衣装ローズ・ベリィに。更に【オンステージ】によって召喚されたため、コア2つ追加!よって3コアブースト!』

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ コア1→4 レベル1→3 BP7000→12000]

 

『3ドロー3コアブ、だと…!? こ、この効果、このコスト…。これはまさか…!』

『御明察。ローズ・ベリィの元ネタは《金殻皇ローゼンベルグ》!』

 

黄 スピリット

《ローズ・ベリィ》

コスト3 軽減黄2 <詩姫・私服>

<1> Lv1 BP2000

<2> Lv2 BP4000

<5> Lv3 BP8000

シンボル:黄

【チーム:アブソリューツ】

Lv1・Lv2・Lv3【オンステージ】『自分のアタックステップ』

このスピリットを、アタックするかわりにデッキの下に戻すことで、自分の手札/手元の系統:<衣装>を持つ「ローズ・ベリィ」1枚を、コストを支払わずに召喚し、自分はデッキから1枚ドローする。

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

このスピリットの【オンステージ】でドローする枚数を+2枚する。

 

黄 スピリット

《[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ》

コスト8 軽減黄4 <詩姫・衣装>

<1> Lv1 BP7000

<3> Lv2 BP10000

<4> Lv3 BP12000

シンボル:黄

【チーム:アブソリューツ】

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア1個をこのスピリットに置く。

【オンステージ】で召喚されたとき、さらに、ボイドからコア2個をこのスピリットに置く。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

【アブソリューツ】を持つ自分のスピリット1体につき、相手のスピリット1体を疲労させる。

 

『更に私服ローズ・ベリィをもう一度オンステージ! 手札にある2枚目の《[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ》をノーコストでステージイン!』

(手札4→3)

[ローズ・ベリィ コア→譲渡 デッキ下へ]

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(2) コア1 レベル1 BP7000]

(手札3→6)

 

『勿論これも3枚ドローし、召喚時効果で3コアブースト!』

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(2) コア1→4 レベル1→3 BP7000→12000]

 

「1ステップで6枚ドローして6つコア増やすとかインチキ効果も大概にしてよ」

「う〜ん、これぐらいしないと今の環境に名を上げるなんて黄色じゃできないですからねぇ」

 

『す、凄まじいドロー&コアブースト!元の金殻皇を彷彿とさせる爆発力は凄まじいの一言! しかも歌姫提督ミレファの効果は常時発揮されているため、2体の衣装ローズ・ベリィもダブルシンボルになっているー!! 既にキル圏内だー!!』

 

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(1) シンボル黄→黄黄]

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(2) シンボル黄→黄黄]

 

『ワルプルギスの夜レベル1のダメージカット効果もクリア。仕留めますよ。衣装ローズ・ベリィ(1)でアタック!』

『ら、ライフで受ける!』

『衣装ローズ・ベリィはダブルシンボル!ライフ2ついただきますよ』

(明日歌ライフ6→4)

(リザーブ0→2)

 

「更にもう1体の衣装ローズ・ベリィ(1)でアタック!こちらもダブルシンボルです」

『それも受ける!』

(明日歌ライフ4→2)

(リザーブ2→4)

 

『ライフ減少によりバースト発動っ! 《絶甲氷盾》!! ボイドからコア1つをライフに置き、追加コストを支払いそちらのアタックステップを終了させる!!』

{明日歌バースト:セット→発動}

(明日歌ライフ2→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ2→6)

 

『ターンエンド』

 

『熾天Pの強烈なカウンター! 1発殴られたら4倍にして丁寧にお返しする!左の頬を叩かれたら首を撥ねる勢いで相手の右頬をぶん殴っていくスタイル! 愛らしいアイドルの姿とは裏腹に殺意の塊だ!!』

 

<明日歌・第五ターン>

『ふ、ふふんっ。少々動揺はしたが精神的動揺は無いと思いたまえ! スタートステップ!』

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ1→7)

 

『メインステップ! 《冥土の魔女ヘレン》をレベル1で召喚!』

(手札4→3)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→3)

[冥土の魔女ヘレン コア1 レベル1 BP2000]

 

『召喚時効果により手札のマジック、《ミストバラッジ》と《サンダーウォール》を程度に公開し、公開した枚数分、つまり2枚ドローする!』

(手札3→1)

●オープンされたカード

・《ミストバラッジ》

・《サンダーウォール》

(手札1→3)

 

『更にネクサス、《朱に染まる薔薇園》を開園!』

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ3→6)

 

『最後にバーストをセットし、アタックステップだ!』

(手札2→1)

{明日歌バースト:なし→セット}

 

『サブリナでアタック!』

『ライフで受けます』

(祐依ライフ4→3)

(リザーブ0→1)

 

『【聖命】発揮! 更に薔薇園の効果により1枚ドロー!』

(明日歌ライフ3→4)

(手札1→2)

 

『続けてヘレンでアタック!』

『フラッシュタイミング。歌マジック、《ヒーリングメロディ》を使用します』

(祐依手札6→5)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ3→4)

 

『このバトル終了時にこちらのライフが2以下ならばアタックステップを強制終了させます』

『《サンダーウォール》互換か!だがそれを使ったところで私のアタックは終わる。歌マジックを残したいとみるね』

『長々とバトルする気はありませんからね』

『成程。ならばアタックは——』

『更にフラッシュタイミング!』

『っ!?』

『マジック、《ハードビート》を使用します! コストは衣装ローズ・ベリィ2体から!』

(手札5→4)

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(1) コア4→2 レベル3→1]

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(2) コア4→2 レベル3→1]

(トラッシュ4→8)

 

『衣装ローズ・ベリィ2体とミレファ提督の3体をデッキボトムへ戻します!』

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(1) デッキ下へ]

[[アイドルクィーン]ローズ・ベリィ(2) デッキ下へ]

[歌姫提督ミレファ デッキ下へ]

(リザーブ0→6)

 

『そして戻した体数分デッキトップをオープン! その中に<詩姫>スピリットをスカウト…もとい、召喚時効果を発揮させずにノーコスト召喚します!』

●オープンされたカード

・《[もふもふひつじ]セフィ・アリエス》(詩姫・衣装)

・《双星の歌姫ライラ姉妹》(詩姫・衣装)

・《[幻の姫君]マイ・アスカ》(詩姫・衣装)

 

『よし』

『なっ、総入れ替え!?』

『セフィ・アリエス、ライラ姉妹、マイ・アスカ!ステージイン!』

(リザーブ6→1)

[[もふもふひつじ]セフィ・アリエス コア1 レベル1 BP3000]

[双星の歌姫ライラ姉妹 コア3 レベル2 BP4000]

[[幻の姫君]マイ・アスカ コア1 レベル1 BP6000]

 

黄 マジック

《ヒーリングメロディ》

コスト3 軽減黄2

【タイプ:歌】

フラッシュ:

このバトルが終了したとき、自分のライフのコアが2個以下なら、アタックステップを終了する。

その後、このマジックカードを自分のフィールドに置くことができる。

 

黄 マジック

《ハードビート》

コスト8 軽減黄4

フラッシュ:

系統:<詩姫>を持つ自分のスピリットを好きなだけデッキの下に戻すことで、戻したスピリット1体につき、自分のデッキを上から1枚オープンする。

その中の系統:<詩姫>を持つスピリットカードを、コストを支払わずに好きなだけ召喚する。

ただし、『このスピリットの召喚時』効果は発揮しない。

残ったカードは破棄する。

 

『そしてヘレンのアタックはライラ姉妹でブロックします』

『迎え撃つか!』

『ライラ姉妹のブロック時効果発揮。私の場の<詩姫>スピリットの数分、そちらのデッキを破棄!』

『き、黄色がデッキ破壊!?』

『こちらの詩姫は“4体”。よって4枚破棄!』

『馬鹿な!何処に4体目がいる!』

『ライラ姉妹の常時効果。自身の効果で体数を計算する際、ライラ姉妹は1体で2体分と数えます!』

●破棄されたカード

・《魔導双神ジェミナイズ》(スピリット)

・《ハンドリバース》(マジック)

・《ライトニングデリバリー》(マジック)

・《グリームホープ》(マジック)

 

『ああっ!私の主要マジックがあっ!?』

『…双子座?』

『忘れられてるかも知れないけどこの子も系統:<導魔>を持ってるんだ!』

『……破棄した中にマジックカードを確認。破棄したマジックカード1枚につき、私のライフを回復します。破棄されたのは3枚。よってボイドからコア3つライフに置きます』

(祐依ライフ3→6)

 

黄 スピリット

《双星の歌姫ライラ姉妹》

コスト2 軽減黄2 <詩姫・衣装>

<1> Lv1 BP1000

<3> Lv2 BP4000

<4> Lv3 BP5000

シンボル:黄

Lv1・Lv2・Lv3

自分のスピリットの効果でスピリットの数を数えるとき、このスピリットをスピリット2体として数える。

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのブロック時』

相手のデッキを上から系統:<詩姫>を持つ自分のスピリットと同じ枚数破棄する。

この効果で破棄したマジックカード1枚につき、ボイドからコア1個を自分のライフに置く。

(Produce:阪口大助)

 

『ら、ライフ逆転! 熾天P、先程の状況を真逆にしました!』

 

「…やっぱ黄色ってえげつない」

 

 デッキを破壊しつつライフを回復して奇襲でスピリットの数を減らす。…あれが本当の黄色か。てか、まだ5ターン目なのに内容が濃すぎる気がする。

 

『ヘレンは返り討ちです』

『くっ…、破壊されるくらいならば…! フラッシュ!マジック《エレキトリック》!コストはワルプルギスから確保!』

(明日歌手札2→1)

[ワルプルギスの夜 コア2→0 レベル2→1]

(トラッシュ6→8)

 

『バトルしているヘレンを破壊! そして乗っているコア1つをライフに置く! そしてアタックステップ中にライフが増えたため1枚ドロー!』

[冥土の魔女ヘレン 破壊 コア1→ライフへ]

(明日歌ライフ4→5)

(手札1→2)

 

黄 マジック

《エレキトリック》

コスト3 軽減黄1

フラッシュ:

バトルしている自分のスピリット1体を破壊することで、そのスピリット上からコア1個を自分のライフに置く。

 

『…ターンエンドだ!』

 

<祐依・第六ターン>

『行きますか。スタートステップ』

(リザーブ1→2)

(手札4→5)

(トラッシュ8→0)

(リザーブ2→10)

 

『メインステップ。手元から《[闇夜の微風]セイナ・リューミン》をレベル2でステージイン!』

(リザーブ10→6)

(トラッシュ0→2)

[[闇夜の微風]セイナ・リューミン コア2 レベル2 BP5000]

 

『闇夜リューミンの召喚時効果。朱に染まる薔薇園を手札へバウンス』

[朱に染まる薔薇園 手札へ]

(明日歌手札2→3)

 

『続いて手元の《ディアナ・フルール》をレベル2でステージイン!』

(リザーブ6→3)

(トラッシュ2→3)

[ディアナ・フルール コア2 レベル2 BP6000]

 

『衣装セフィ、姫君マイをレベル2へランクアップ』

(リザーブ3→0)

[双星の歌姫ライラ姉妹 コア3→2 レベル2→1]

[[もふもふひつじ]セフィ・アリエス コア1→3 レベル1→2 BP6000]

[[幻の姫君]マイ・アスカ コア1→4 レベル1→3 BP6000→10000]

 

『アタックステップ。開始時にディアナ・フルール、レベル2からの効果発揮。私の場の歌マジック、《キュート×キュート》を破棄』

[キュート×キュート 破棄]

 

『これにより、私服ディアナをデッキ下に戻しオンステージ!

 黒の超神星、《[漆黒の女神]ディアナ・フルール》!

 レベル3にて、ステージイン!』

(手札5→4)

[双星の歌姫ライラ姉妹 コア2→1]

[[漆黒の女神]ディアナ・フルール コア3 レベル3 BP11000]

[ディアナ・フルール デッキ下へ]

→2)

 

黄 スピリット

《ディアナ・フルール》

コスト4 軽減黄3 <詩姫・私服>

<1> Lv1 BP4000

<2> Lv2 BP6000

<3> Lv3 BP7000

シンボル:黄

【チーム:トワイライトゴシック】

Lv1・Lv2・Lv3『お互いのアタックステップ』

アルティメットとバトルしている【トワイライトゴシック】を持つ自分のスピリットすべてをBP+10000する。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ開始時』

自分のフィールドにある【歌】を持つマジックカード1枚を破棄することで、自分の手札/手元の系統:<衣装>を持つ「ディアナ・フルール」1枚を、コストを支払わずに召喚し、このスピリットをデッキの下に戻す。

 

『さてお覚悟を』

『ふっ。こちらの手元のカードが見えてないのかい?』

『女神ディアナ、闇魔女サブリナに指定アタック!』

『何っ!?』

『女神ディアナレベル2からのアタック時効果による指定アタック。これはアルティメットに対しても有効です。何も無ければ破壊します』

『……いいだろう』

『そこでレベル1からの効果発揮。チーム【トワイライトゴシック】がBPを比べ勝ったとき、ライフ1点貫きます』

『か、貫通持ちか!?』

[闇魔女サブリナ 破壊]

(明日歌ライフ5→4)

(リザーブ0→1→2)

 

『更に衣装セフィ・アリエス、レベル2からの効果発揮。私のスピリットがBP比べに勝ったとき、<詩姫>スピリット1体を回復させます。女神ディアナを回復!』

[[漆黒の女神]ディアナ・フルール 疲労→回復]

 

黄 スピリット

《[もふもふひつじ]セフィ・アリエス》

コスト6 軽減黄3 <詩姫・衣装>

<1> Lv1 BP3000

<3> Lv2 BP6000

<4> Lv3 BP7000

シンボル:黄

【チーム:プリティアニマルズ】

Lv1・Lv2・Lv3

【プリティアニマルズ】を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

自分のスピリットがBPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、系統:<詩姫>を持つ自分のスピリット1体を回復させる。

 

『この回復効果、名前からして元は牡羊座か!愛らしい見た目に反して厄介な…! だがスピリットの破壊によりバースト発動!《双光気弾》!デッキから2枚ドロー!追加コストは支払わずそのまま!』

{明日歌バースト:セット→発動}

(明日歌手札3→5)

 

『続いて姫君マイでアタック。こちらもダブルシンボルです』

『ライフ——』

『フラッシュタイミング!』

『っ!?』

『歌マジック《コスチュームチェンジ》を使用!』

(祐依手札4→3)

[[漆黒の女神]ディアナ・フルール コア3→1]

(トラッシュ3→5)

 

『私の合体スピリット1体を分離させますが、これは意味はありません。が、本命の効果はこっちです。<詩姫>スピリットに対して手札の黄ブレイヴ1枚をノーコストで直接合体するよう召喚します!』

『今度は詩姫用の《バーニングサン》に似たマジック!?』

『どうです? ただ愛でて楽しいだけではなくなった詩姫の実力は。姫君マイに《夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア》を直接合体!』

(祐依手札3→2)

 

夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア

  ↓ 直接合体

[幻の姫君]マイ・アスカ(合体)

[コスト:8+5=13]

[BP:10000+5000=15000]

[合体時:追加]

[シンボル:黄黄+黄=黄黄黄]

 

『これでトリプルシンボル』

『ちょ、ちょっと待ちたまえ祐依!?』

『待ちません。大人しくライフで受けてもらいましょうか』

『くう…! ライフだ!』

『闇黄剣の効果によりライフ1つ回復!』

(祐依ライフ6→7)

(明日歌ライフ4→1)

(リザーブ2→5)

 

「ライフ7つ…」

「うわぁ、遂に詩姫が環境入りか〜」

「…あのライフ、Uアークでも削り切る自信無い」

「あのライラ姉妹が厄介ね。マジックが出ずとも有力なカードを減らす役割があり、コスト2だから回収も容易という」

 

『ライフが絶望的なまでに大逆転!! 7対1!!』

 

『衣装セフィ・アリエスでアタック!』

『フラッシュタイミング!手元の《ミストバラッジ》を使用!セフィ・アリエスを対象とし、ダメージを受けない!』

(明日歌リザーブ5→3)

(トラッシュ8→10)

 

『更に《サンダーウォール》も使用!バトル終了時に私のライフが2以下ならばアタックステップを強制終了させる!』

(リザーブ3→0)

(トラッシュ10→13)

 

『しぶとい。…ではアタックステップを終了します』

『しぶといさ。君に勝つまではね』

『ならエンドステップに闇夜リューミン、レベル2からの効果発揮。私の場に歌マジックがあるならば、トラッシュにあるコア全てを場のスピリットに自由に振り分けます』

『詩姫が【烈神速】…だと…』

 

黄 スピリット

《[闇夜の微風(そよかぜ)]セイナ・リューミン》

コスト5 軽減黄3 <詩姫・衣装>

<1> Lv1 BP4000

<2> Lv2 BP5000

<7> Lv3 BP10000

シンボル:黄

【チーム:トワイライトゴシック】

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

相手のネクサス1つを手札に戻す。

Lv2・Lv3『自分のエンドステップ』

【歌】を持つマジックカードが自分のフィールドにあるとき、自分のトラッシュのコアすべてを自分のスピリットに好きなように置く。

 

『トラッシュのコア2つをディアナに。残り3つを姫君マイに渡します。これによりディアナはレベル3、姫君マイは“レベル4”へランクアップします』

(祐依トラッシュ5→0)

[[漆黒の女神]ディアナ・フルール コア1→3 レベル1→3]

[[幻の姫君]マイ・アスカ(合体) コア3→6 レベル2→4 BP10000→15000+5000=20000]

 

『では、そちらのターンをどうぞ』

 

<明日歌・第七ターン>

『はん!その7つのライフを打ち砕けばいいだけの話! スタートステップ!』

(リザーブ0→1)

(手札5→6)

(トラッシュ13→0)

(リザーブ1→14)

 

『メインステップだ!』

 

 あの挑戦者の人、何であの夢も希望も無いような状況で不敵な表情を崩さないんだろう。

 

『まずは《ブーブラック》をレベル1で召喚!』

(手札6→5)

(リザーブ14→13)

[ブーブラック コア1 レベル1 BP1000]

 

『では、大博打と行こう!』

『っ!』

黒白(こくびゃく)三対の翼、冷厳なる天魔の龍!

 《堕天神龍ヴィーナ・ルシファー》! 降臨!!』

(手札5→4)

 

『堕天神龍は召喚の際、トラッシュにある黄シンボルも軽減に加えられる!よって1コスト、レベル3だ!』

(リザーブ13→7)

(トラッシュ0→1)

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー コア5 レベル3 BP10000]

 

『本当に博打に出るとは』

『更に再び《朱に染まる薔薇園》を開園!』

(手札4→3)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ1→4)

 

『最後にブレイヴ、《神弓鳥ペリュトーン》を堕天神龍に直接合体!』

(手札3→2)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ4→7)

神弓鳥ペリュトーン

  ↓ 直接合体

堕天神龍ヴィーナ・ルシファー(合体)

[コスト:6+5=11]

[BP:10000+4000=14000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:黄+黄=黄黄]

 

『アタックステップ! 堕天神龍、合体アタック!!』

『っ…』

『神弓鳥の効果発揮!デッキトップ1枚をオープン!』

●オープンされたカード

・《ダブルハート》

 

『マジックカード! これによりフラッシュ効果をノーコストで使用!よって黄シンボルを追加!トリプルシンボル!!』

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー(合体) シンボル黄黄+黄=黄黄黄]

 

赤 マジック

《ダブルハート》

コスト8 軽減赤3

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体に、そのスピリットが持つシンボルと同じ色のシンボル1つを追加する。

 

 またトリプルシンボル…。黄色ってこんなぶん殴り合いをする色だったっけ? 可愛らしいカードが沢山あるイメージと厄介なのがあるイメージにカチコミのイメージが私の中に追加された。

 

『更に堕天神龍のレベル3合体アタック時効果、フラッシュタイミングに発揮! 手札のスピリットカード、《時空の魔女グランディース》を破棄し、デッキからマジックカードが確認できるまで破棄する!』

(手札2→1)

●デッキから破棄されたカード

・《皇帝龍カイゼルドラゴン》(スピリット)

・《タフネスリカバリー》(マジック)

 

『っ!』

『はははっ!運が良い!《タフネスリカバリー》のフラッシュ効果を発揮! BPを2千プラスし、合計BPが1万を越えたため堕天神龍を回復!』

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー(合体) BP14000+2000=16000 疲労→回復]

 

黄 スピリット

《堕天神龍ヴィーナ・ルシファー》

コスト6 軽減黄5 <神星・導魔>

<1> Lv1 BP4000

<2> Lv2 BP7000

<5> Lv3 BP10000

シンボル:黄

手札にあるこのスピリットカードは、自分のフィールドのシンボルに加え、自分のトラッシュにあるカードのシンボルでも召喚コストを軽減できる。

【合体時】Lv3:フラッシュ『このスピリットの合体アタック時』

自分の手札にあるスピリットカード1枚を破棄することで、自分のデッキを上からマジックカードが出るまで破棄し、そのマジックカードのフラッシュ効果をコストを支払わずに即時に発揮する。

 

黄 ブレイヴ

《神弓鳥ペリュトーン》

コスト5 軽減黄2白2 <想獣>

<1> Lv1 BP4000

<0> 合体 +4000

シンボル:黄

【合体条件:コスト5以上】

【合体時】『このスピリットの合体アタック時』

自分のデッキを上から1枚オープンできる。

そのカードがマジックカードのとき、そのカードのフラッシュ効果をコストを支払わずに即時に使用できる。

使用しない、または他のカードのときは手札に加える。

 

『っ…。ライフで受けます』

『堕天神龍はトリプルシンボル!ライフを3つ砕かせてもらう!』

(祐依ライフ7→4)

(リザーブ0→3)

 

『二度目の合体アタック! ペリュトーンの効果発揮!』

●オープンされたカード

・《バスターハンマー》(マジック)

 

『っ!?』

『ふはははっ!! いいぞいいぞ!【青緑】用にと挿しておいた甲斐があったというもの! 効果発揮!黄色を指定し、その色のネクサス全てを破壊する!』

[バックステージ 破壊]

[ワルプルギスの夜 破壊]

[朱に染まる薔薇園 破壊]

 

『そして破壊した数、つまり3枚ドロー!』

(手札1→4)

 

赤 マジック

《バスターハンマー》

コスト5 軽減赤2

フラッシュ:

色1色を指定する。指定した色のネクサスすべてを破壊する。

この効果で破壊したネクサス1つにつき、自分はデッキから1枚ドローする。

 

『続けて合体アタックのフラッシュ効果!手札の《導化姫トリックスター》を破棄し発揮!』

(手札4→3)

●破棄されたカード

・《闇魔女サブリナ(2)》(スピリット)

・《アマゾネス・ガール》(スピリット)

・《ワルプルギスの夜(2)》(ネクサス)

・《ブリキタイガー》(ブレイヴ)

・《タフネスリカバリー(2)》(マジック)

 

『マジックカード確認!効果発揮! 堕天神龍のBPを更にプラス2千!そして合計BPが1万を越えているため回復!』

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー(合体) BP16000+2000=18000 疲労→回復]

 

『さぁどうする熾天!!』

『……フラッシュタイミング! マジック《パワーダウン》! 堕天神龍のBPを3千ダウンさせ、1枚ドロー!』

(祐依手札2→1)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ0→2)

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー(合体) BP18000−3000=15000]

(祐依手札1→2)

 

『………あとひとつ』

『いいカードは引けたかい?』

『どうでしょうね』

『ならば私もフラッシュタイミング! マジック《フェアヴァイレ》!』

(明日歌手札3→2)

(トラッシュ7→8)

 

『ライラ姉妹を指定! 時よ止まれ!!』

『ちっ…、新手のスタンドか何かですか』

『ライラ姉妹はターン中ブロックできない! 今その姉妹に動かれては迷惑なのでね!』

 

黄 マジック

《フェアヴァイレ》

コスト3 軽減黄2

【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】

バースト発動時に発揮した『このスピリット/ブレイヴの召喚時』効果を、自分のスピリットが発揮したものとして、同じ効果をもう1度だけ発揮できる。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手のスピリット1体を指定する。このターンの間、指定されたスピリットはアタック/ブロックできない。

 

『……ライフで受けます!』

(祐依ライフ4→1)

(リザーブ1→4)

 

「熾天の人まずいじゃん」

「あと1点でも通ったら負けちゃう!」

「…祐依さん」

「黄色には飛び越えるマジックや動きを封じるマジックが多いですからぁ、何か来てもおしまいでしょうねぇ」

 

 

『三度目の合体アタック! 神弓鳥の効果発揮!』

●オープンされたカード

・《ウィングブーツ》(マジック)

 

『っ!?』

『決まりだ!! 堕天神龍を指定!これにより、堕天神龍のレベル以下のスピリットを飛び越える!!』

 

「うわぁ!詩乃さんが言うから出ちゃったよ!」

「あらぁ♪」

「…これは終わったかな」

 

「……ううん、凛々さん」

「終わるはずが無いわ」

 

 

『これで終わりだ熾天使! そちらでブロック可能なのはレベル2のセフィ・アリエス、セイナ・リューミンとディアナ! ブロックしたとしてもウィングブーツの効果を受けている堕天神龍は飛び越えられる!』

『…そうですね』

『君という燃え盛る天を飛び越え、今!天へ咲き誇る!!』

『………』

 

『さぁ!!その魂(ライフ)を差し出すがいい!!』

 

『——フラッシュタイミング』

 

『っ!? まだ抵抗するか!』

 

『堕ちるにはまだ早いんですよ。マジック《ライトニングデリバリー》!』

(祐依手札2→1)

(リザーブ4→3)

(トラッシュ2→3)

 

『デッキから1枚ドロー。そして【光芒】、【聖命】持ちのBPをプラス1千しますが、こちらは無意味です』

『ふっ、苦し紛れかい熾天の!』

『これが苦し紛れ?とんだロマンチストですね。これは“幸運を届けてもらった”んですよ』

『ははっ!私好みの答えだ!! だが!ルシファーの翼の前に、立ち塞がる者がいないじゃないか!』

 

『いるじゃないですか。ここに一人』

 

『何?』

 

『詩姫が堕天使に対し歌と剣を持って挑む。スケールの大きい話じゃないですか。…フラッシュタイミング!』

 

『っ!まさか!?』

 

『マジック、《エターナルディフェンス》!』

(祐依手札2→1)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ3→6)

 

『姫君マイを指定!このターンの間、疲労状態でブロックできます! そして、現在マイのレベルは4。ウィングブーツの範囲を越えます!』

 

白 マジック

《エターナルディフェンス》

コスト3 軽減白3

フラッシュ:

自分のスピリット1体を指定する。

このターンの間、指定されたスピリットは疲労状態でブロックできる。

 

『天使と並び立つだと…!?』

『マイ・アスカの元は《幻羅星龍ガイ・アスラ》。堕ちた天使と同列に見てもらっては困ります』

 

黄 スピリット

《[幻の姫君]マイ・アスカ》

コスト8 軽減黄4 <詩姫・衣装>

<1> Lv1 BP6000

<3> Lv2 BP10000

<4> Lv3 BP12000

<6> Lv4 BP15000

シンボル:黄黄

【チーム:トワイライトゴシック】

Lv1・Lv2・Lv3・Lv4『このスピリットのアタック時』

自分のフィールドにある【歌】を持つマジックカード1枚を破棄することで、このスピリットは回復する。

Lv3・Lv4『このスピリットのアタック時』

【歌】を持つマジックカードが自分のフィールドにある間、BPを比べ破壊した相手のスピリットのコアすべてはボイドに置かれる。

 

『っ……! アタック時フラッシュ! 手札の《魅惑の覇王クレオパトラス》を破棄し効果発揮!』

(明日歌手札2→1)

●破棄されたカード

・《金星神龍ヴィーナ・フェーザー》(スピリット)

・《夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア》(ブレイヴ)

・《明星きらめく花園》(ネクサス)

・《鳳凰竜フェニック・キャノン》(ブレイヴ)

・《ヘブンズパニッシュ》(マジック)

 

『マジックカード! お互いデッキトップを公開し、コストを比べる!』

 

「ここで博打!?」

「何と豪胆な。祐依さんのライバルを名乗るだけあるわ」

「これって分悪すぎるでしょ早苗」

「何言ってるの。あなただってその悪い賭けをしてるのよ?」

「………」

 

『トップは《ヒーリングメロディ(2)》。コスト3』

『こちらは《ドクトル・ファウスト》!コスト12だ!圧倒的勝利! マイ・アスカのBPを1万5千ダウンさせ、お互いオープンしたカードはデッキの一番下へ!』

[[幻の姫君]マイ・アスカ BP20000—15000=5000]

 

 詩姫のBPが堕天神龍を下回った。

熾天さんの残る手札はあと2枚…。

 

『神龍の威光に平伏せッ!!』

 

『フラッシュタイミング!!』

 

『っ!?』

 

『マジック、《キズナブレード》! 不足コストはリューミン、ライラ姉妹、衣装セフィから受け取ります!』

(祐依手札2→1)

[[闇夜の微風]セイナ・リューミン コア2→0 消滅]

[双星の歌姫ライラ姉妹 コア1→0 消滅]

[[もふもふひつじ]セフィ・アリエス コア3→1 レベル2→1]

(トラッシュ6→11)

 

『女神ディアナ・フルールを疲労させ、現在BPをマイ・アスカに加算! 加算する値は1万1千!』

[[漆黒の女神]ディアナ・フルール BP11000]

[[幻の姫君]マイ・アスカ BP5000+11000=16000]

 

Brave Attack!!

堕天神龍ヴィーナ・ルシファー+神弓鳥ペリュトーン

BP10000+4000+2000+2000=18000

  VS

Defense!!

[幻の姫君]マイ・アスカ+夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア

BP15000+5000−15000+10000+1000=16000

 

『ああ゛あ゛っっと足りない!!!タフネスリカバリー1枚分届かないぃッ!!! これは熾天の祐依、まさか敗れてしまうのかぁ!?』

 

『それはどうでしょう』

 

『ふぇ?』

 

『フラッシュタイミング!

 力を合わせ、共に歌を紡ぐ。これが“詩姫達の交響曲”!

 マジック、《ディーバシンフォニー》!!』

(祐依手札1→0)

[[もふもふひつじ]セフィ・アリエス コア1→0 消滅]

[[漆黒の女神]ディアナ・フルール コア3→1 レベル3→1]

(トラッシュ11→14)

 

『でぃ、ディーバシンフォニー!?』

『相手の合体スピリット全てを強制分離させます!』

『何だと!? …くっ、ペリュトーンは残さずに破棄する!』

[神弓鳥ペリュトーン トラッシュへ]

 

『そして分離効果発揮後、堕天神龍とブーブラックのBPを7千ダウン! これでBPが0になったブーブラックを破壊!』

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー BP14000−7000=7000]

[ブーブラック BP1000−0 破壊]

(明日歌リザーブ0→1)

 

Brave Attack!!

堕天神龍ヴィーナ・ルシファー

BP10000+2000+2000−7000=7000 →Lose...

  VS

Defense!!

[幻の姫君]マイ・アスカ+夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア

BP15000+5000−15000+11000=16000 →Counter!!

 

 

『ば、馬鹿な…そんな馬鹿な!?』

[堕天神龍ヴィーナ・ルシファー 破壊]

(明日歌リザーブ1→6)

 

「嘘…」

「守り、きりました…!」

 

 凄い…。あれが称号を持ってる人の力…。

 

『どんな絶望的な状況でも、ライフがあり、手札があり、自分が信じるスピリット、アルティメットがいるなら恐れることはありません。カードを信じて戦うのみって、受け売りですけどね』

『………ふう。ターンエンドだ』

 

『挑戦者明日歌による起死回生、乾坤一擲の攻撃を、熾天の祐依が紙一重!首の皮一枚!詩姫達の絆で最後のライフを守り抜いたぁぁーー!!!』

 

 

<祐依・第八ターン>

『では、これがラストターンです。熾天の…いえ、詩姫達のファイナルターン!』

(リザーブ0→1)

(手札0→1)

(トラッシュ14→0)

(リザーブ1→15)

 

『メインステップ。手元の《歌姫ロメーダ》をレベル2でステージイン!』

(リザーブ15→11)

(トラッシュ0→1)

[歌姫ロメーダ コア3 レベル2 BP4000]

 

『召喚時効果発揮。手札の<詩姫>スピリット、《歌姫カノン》を破棄して2枚ドローします』

(手札1→0→2)

 

黄 スピリット

《歌姫ロメーダ》

コスト3 軽減黄2 <詩姫・衣装>

<1> Lv1 BP2000

<3> Lv2 BP4000

<4> Lv3 BP5000

シンボル:黄

【チーム:レジェンドール】

Lv1・Lv2・Lv3

コスト3以下の自分のスピリットすべては、相手の効果で破壊されたとき、疲労状態でフィールドに残ることができる。

Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分の手札にある系統:<詩姫>を持つスピリットカード1枚を破棄することで、自分はデッキから2枚ドローする。

この効果はターンに1回しか使えない。

 

『そしてフィナーレを飾るのは、この詩姫! ギター型ブレイヴ、《ゴールデンウィングV》を女神ディアナに渡します!』

(手札2→1)

(リザーブ11→9)

(トラッシュ1→3)

ゴールデンウィングV

  ↓ 直接合体

[漆黒の女神]ディアナ・フルール(合体)

[コスト:8+4=12]

[BP:11000300014000]

[合体時:追加]

[シンボル:黄黄+黄=黄黄黄]

 

黄 ブレイヴ

《ゴールデンウィング(ブイ)

コスト4 軽減黄2 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:黄

【合体条件:コスト4以上】

【合体時】『このスピリットの合体アタック時』

自分はデッキから1枚ドローし、BP6000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を指定する。

このターンの間、指定されたスピリット/アルティメットはブロックできない。

 

『アタックステップ!』

 

『はぁ…。手札0、ライフも0。これで何連敗かな』

 

『いつでもとは言いませんが、お待ちしてますよ』

 

『勿論だとも!君に勝つまで、勝っても挑み続けよう!我が生涯のライバル!!』

 

『ディアナ・フルール、合体アタック! ディアナはトリプルシンボル!!』

(祐依手札1→2)

 

『来い、祐依!! ライフで受けてやる!!!』

 

 

(明日歌ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 【熾天】緋立 祐依〕

 

 

 

 

 

『き…決まったああぁぁぁーーーッ!!!

 エキシビション戦第一試合目から極限のバトルを制したのは、熾天の緋立 祐依ぃぃぃーーーッッ!!!!』




無駄に長くなってしまいました…(辟易)
というわけで【交響曲詩姫】vs【導魔】でした。
誰だよ5世代くらい前の導魔をバトらせようって言ったヤツ!接待っぽくなっちゃったじゃないか!(すっとぼけ)
しかもお互い1ターンの行動が長いのも原因だったり…。でも導魔の復権を求みます。

ミス等ありましたら遠慮なくご指摘ください。


※余談
烈火魂はまぁ…最終バトルがカッコよかったです(小並感)
ダブルドライブは久々に激覇編と剣眼編が合わせたような面白さでこれから期待できますね。



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Step.11 『渡り合えるように』

いつもより早いようにみせかけて遅くなりました(定期)
作者のコアをトラッシュに送って連続アタックだ!


 理絵の誘いから、我が家で姉と友人達込みで観始めたエキシビション称号戦。第一試合からレベルの違いを見せ付けられ、唖然とするしかなかった。早苗達はあれを目指せと言うが、あんな仕込んでるのかと疑いたくなる強さをどう目指せと言うのか。具体的なやり方があるなら教えてほしいくらいだ。

 …でも、あれと渡り合えるようになったら、面白いだろうなって気持ちがほんの少しだけ湧いてきた。

 

「しかしアイドルみたいなカードが殴り合うって、バトスピもぶっ飛んでるね」

「あら、他のTCGでは当たり前よ。詩姫はそれが顕著なだけでね」

「なるほど…」

 

 しかしあの熾天さんがあのデッキならまだ戦いようはある。オステアで封じつつ変わられる前に潰せるか。そしてそんな事を考えていたら、会場内で動きがあった。

 

 

『華麗なマジックによるフラッシュ合戦、多シンボルによる苛烈な応酬!! 第一試合から凄まじいバトルを魅せ、称号戦に相応しい戦いをしてくれたお二人に盛大な拍手をお願いしまーす!!』

 

 大喝采。流石の大会戦。

対戦した二人は客席側を向き一礼し、お互い握手して対戦テーブルから下がった。

 

『さてぇ、続いて気になる第二試合! 組み合わせはぁ〜?!

 称号持ち側からは……“神淵”の静鳴 雫さぁーん!!』

 

 名前を呼ばれた神淵の人は見るからに大人しそうで、隣の理絵と雰囲気が似ていて、理絵よりも儚い印象が強い。

 

『そして挑戦者側からは、里島 浩二さぁーん!!』

 

 対戦者は眼鏡を掛けた男性。

さっきの派手な見た目の榛堂ってひとより見た目は普通だが、選出される実力はあるんだろう。特に何もいわず一礼して席に着いた。

そして対面の神淵さんが照れるように一礼する、が挑戦者はそれをちらりと見ただけで自分のデッキをシャッフルし始めた。

 

「…感じ悪」

「緊張してるんじゃない?」

「実力はあれど礼節がなってないわね」

「よくいますよねぇ。ああいう方」

「あ、手つき見てみ凛々。すっげぇ落ち着きないよ」

 

 深緒に言われ、映された挑戦者の手元を注視してみる。…確かに、お互いのデッキシャッフルが終わりデッキから4枚手札にするときも、コアを並べるときもどこか落ち着きが無い。何やってるか分からんけど手札を忙しなくシャッフルしてるように見える。

 

「シャカパチ?」

「あれは音が出ないやり方ね。ただあそこまで落ち着きが無いと音よりも目障りな部分が強いと思うけど」

 

 ふーん、身内でああいうのやってる人いないけど、あれはちょっとなぁ。対する神淵さんは大事そうにカードを握るというより抱え持つ?って言えばいいのかそういうふうに持っている。

 

「……あの神淵って人、お嬢様なの?」

「ん? 雫さんは何処に仕えてるかは忘れたけど、令嬢だって聞いた覚えがあるわ」

「早苗あの人も知り合いだったんだ」

「麗ちゃんのツテでね。麗ちゃん自身から『次期、いや現“青ゼロ”だ』なんて言われてる強者よ。…悔しいけど、私よりずっと強い」

 

 早苗の視線が僅かに下を向いた。本気でそう思っているんだろう。てか早苗より強いなんて聞いてない。

 

『お互い準備完了!では皆様ご一緒にぃ!二度目のゲート、オープンッ!!』

 

「そんなことよりほら凛々も一緒に!」

「え、えぇ…?」

「「「『『『  界  放 !!  』』』」」」

 

「か、かいほー…」

 

 カードゲームでこういう掛け声あるのは分かってるんだけど、如何せん気恥ずかしい。言れるままとりあえずやるけども…。

さておき、バトル開始の合図がされた。先攻は……神淵さんからか。

 

<雫・先攻第一ターン>

『では…、スタートステップ…』

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

 装着しているマイクで拾う声はか細かった。虚弱体質なのかと疑いたくなるぐらい。…気付けば会場と私の周囲が息を殺すかのように対戦を見ていた。喋らず、音を立てず、まるで神淵さんの声を聞き漏らすまいとしているようで。

 

「…そんな声小さいんだ」

 

 私がつい漏らした言葉が部屋中に聞こえるかというくらい静かだ。

 

「まぁ雫さんの声は小さいから。最近のマイクは高性能だから、拾い漏らすことは無いでしょう。そもそも、雫さんは人見知りタイプなんだから、初対面の人にはいつもあんなよ。私もそうだったし」

「へぇ…」

 

『メインステップ…。ネクサスの、《海底に眠りし古代都市》を配置します…』

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

 青のネクサスだ。会場の大画面モニターに詳細が出ている。…<異合>をサポートするネクサスなのか。

 

『…バーストをセットして、ターンエンドです…』

(手札4→3)

{雫バースト:なし→セット}

 

<浩二・後攻第二ターン>

『スタート。コア。ドロー。メイン』

(リザーブ4→3)

(手札4→5)

 

「早っ」

「左手でコア、右手でドローと。慣れるとあれができるけど、印象が良くないからやるなら身内でやるべきよ」

「…何で?」

「通常、間違いが無いようステップを1つ1つ丁寧に行うのが当たり前なんですけどぉ、同時にやることで取るコアやドローをごまかしたりする輩が稀にいるんですよぉ。

「慣れてくるとサッとやって時間短縮ぅ〜なんてやり始める人もいるけどさ、そんなのガンスリンガーだけでいいでしょっつーのねぇ羽月」

「うん。たま〜に無言で進めたりするんだけど、マナー違反だから、対戦する相手がいるならちゃんとやろうね。凛々ちゃんも気をつけてよ?」

 

 これだけ身内の印象が悪いものを誰がやるもんか。

 

『《ベアードイーグル》レベル1。バーストセット。アタックステップ』

(手札5→3)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[ベアードイーグル コア1 レベル1 BP3000]

{浩二バースト:なし→セット}

 

『アタック。1ドロー』

『…ライフで、受けます』

『ライフを減らさず1ドロー』

(浩二手札3→5)

 

『エンド』

 

「早過ぎる」

「映像出すスタッフさんも大変でしょうね」

「普段もああなんでしょうねぇ。どうだか知らないしぃ興味も無いですけど」

 

 片や丁寧、片や極速。

対照的な対戦スタイル……スタイル? 対戦の仕方にスタイルも何もあるのか?

 

<雫・第三ターン>

『スタートステップです…』

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

『…メインステップ。……えっと』

『………』

 

 神淵さんが悩んでる。どういう理由で悩んでるかは分からないが、悩む姿が可憐だなぁなんて関係無い事を思い軽く頭を振る。対する挑戦者は相変わらず落ち着きが無く絶えず手札をシャカシャカしてる。

 

『……では、ネクサスの《魔王蟲の根城》を配置します…』

(手札4→3)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

『…ターンエンドします』

 

『神淵の雫、定番のネクサスからのスタート。静かな立ち上がりはまさに嵐の前の静けさ。対する挑戦者は未だ赤の荒鷲1体。どういうデッキかはまだ推察できませんが、この沈黙はどちらが破るのでしょうか…! この静けさに実況の私やカリスマ達、会場もつい声を潜めてしまいます…!』

 

<浩二・第四ターン>

『スタートコアドローリフレメイン』

(リザーブ0→1)

(手札5→6)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

『《天空を貫くバリスタ》配置。《メガ・ネウラー》レベル1。召喚時ベアードイーグルに1コア追加。アタックステップ』

(手札6→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[メガ・ネウラー コア1 レベル1 BP3000]

[ベアードイーグル コア1→2 レベル1→2 BP3000→4000]

 

『ベアードイーグルアタック。1ドロー』

(手札4→5)

『…ライフで受けます』

『減らさず1ドロー』

(手札5→6)

 

『メガ・ネウラーアタック』

『…ライフで受けます』

(雫ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

『…ライフ減少後、バースト発動します。《ディクタトールレギオン》、です…。ボイドからコア2つを、魔王蟲の根城に置きます…。追加コストは支払いません…』

{雫バースト:セット→発動}

[魔王蟲の根城 コア0→2 レベル1→2]

 

『エンド』

 

<雫・第五ターン>

『…スタートステップ、です』

(リザーブ2→3)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

『メインステップ。……凶風に仕える翼の貴婦人、《ビヤーキー》をレベル1で、召喚します』

(手札4→3)

(リザーブ7→5)

(トラッシュ0→1)

[ビヤーキー コア1 レベル1 BP3000]

 

『…ビヤーキーは、青と緑の軽減を持っています…。魔王蟲の根城が緑と青のシンボルを、持っているので、1コストです…。そして、系統は、異合。…海底都市の効果で、ボイドからコア1つ、リザーブに追加します…』

(リザーブ5→6)

 

青 ネクサス

《海底に眠りし古代都市》【制限1枚】

コスト4 軽減青3

<0> Lv1

<3> Lv2

シンボル:青

Lv1・Lv2『自分のメインステップ』

系統:<異合>を持つ自分のスピリットが召喚されたとき、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

Lv2

系統:<異合>を持つ自分のスピリットすべてのシンボルを、そのスピリットが持つシンボルと同じ色のシンボル2つにする。

 

『出ました!神淵の雫の眷属と言っても過言ではない新カード、新<異合>スピリット! イラストは…相変わらず気味が悪いです!』

 

「うわっ気味悪っ」

「…雫さん、不満そう、です」

「え、不満?」

「おそらくイラストが気に入らないのでしょう。雫さん、異合には並々ならない熱があるから」

「まぁ…不満は…」

 

『…円卓の騎士であるトリスタンに“翼ある貴婦人”という名を貰ったのにその翼がありません…。ただ気持ち悪いだけですし…』

『アッハハッ♪ さッすが神淵の雫ゥ〜♪こだわるネェ〜♪』

『…先輩、何とか、なりません?』

『ちョッと難しいかナ?』

『……諦めます』

 

 凄く寂しそうな表情してる。

相当元になった何かに入れ込んでるようだ。神淵の人をよく知らない私でさえそう思えるくらい目に見えて落ち込んでいる。…あ、持ち直した。

 

『…申し訳ありませんでした。続けます、ね?』

『どうぞ』

『…では、《アトライア・ハイドラ》をレベル1で、召喚します』

(手札3→2)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ1→2)

[アトライア・ハイドラ コア1 レベル1 BP3000]

 

『ここで、ビヤーキーの効果、発揮です…』

『っ』

『私の、<異合>を持つスピリットが召喚されたとき、召喚したスピリットと同じコストの、相手スピリット、もしくはアルティメットを破壊します…』

『っ!?』

『アトライア・ハイドラは、コスト3。…ですので、コスト3の、メガ・ネウラーを破壊します…』

[メガ・ネウラー コスト3 破壊]

(浩二リザーブ0→1)

 

『…更に、ビヤーキーの【連鎖:緑】発揮、です。ボイドからコア1つ、リザーブに追加、です…。海底都市の効果も発揮して、1コア追加、です』

(雫リザーブ4→6)

 

『な、何とぉ!ビヤーキーの効果はコスト指定破壊からの生きる海底都市! 複数並べば召喚しただけで3、4コアブするのも夢じゃあない!』

 

『破壊時バースト発動。《双光気弾》。2ドロー。追加コストで海底都市を破壊』

{浩二バースト:セット→発動}

(浩二手札6→8)

(リザーブ1→0)

[ベアードイーグル コア2→1 レベル2→1]

(トラッシュ4→6)

 

『…母なる黒山羊、《異海剣聖シュブ・ニグラ》をレベル1で、お呼びします…』

(雫手札2→1)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ2→4)

[異海剣聖シュブ・ニグラ コア1 レベル1 BP3000]

 

『ビヤーキー効果で、コスト4の、ベアードイーグルを破壊し、【連鎖】で1コアリザーブに、追加です…』

[ベアードイーグル コスト4 破壊]

(浩二リザーブ0→1)

(雫リザーブ3→4)

 

『…更に、マジックの《ハンドリバース》を、使用します…』

(手札1→0)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ4→8)

 

『…手札全てを破棄して、そちらの手札と同じになるよう、ドローします…。そちらの手札は、8枚。よって、8枚ドローさせて、もらいます…』

(雫手札0→8)

 

『ば、爆アドー!! 最古にして最強の緑マジックの1枚、ハンドリバース!! 神淵の雫の手札が復活したー!挑戦者これは少々不用意だったかー!?』

 

『…バーストをセットして、ターンエンドです…』

(雫手札8→7)

{雫バースト:なし→セット}

 

<浩二・第六ターン>

『スタートコアドローリフメイン』

(リザーブ1→2)

(手札8→9)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ2→8)

 

『《ホムライタチ》レベル1、マジック《双翼乱舞》2ドロー』

(手札9→7)

(リザーブ8→5)

[ホムライタチ コア1 レベル1 BP1000]

(トラッシュ0→2)

(手札7→9)

 

『……不用意ですね』

『?』

『…効果によって、手札が増えたのち、バースト発動します。

 強欲の代償、《グリードサンダー》…』

{雫バースト:セット→発動}

 

 

「っ! 新しい青マジック…!」

「どういう効果だろ…」

 

『…そちらの手札が5枚以上なら、全て破棄してください…』

『っ!?』

『全てです…。そう、“全て”、です…』

『………』

●手札から破棄したカード

・《絶甲氷盾(1)》

・《賢龍ケイローン》

・《六分儀剣のルリ・オーサ(1)》

・《六分儀剣のルリ・オーサ(2)》

・《蜂王フォンニード(1)》

・《蜂王フォンニード(2)》

・《金殻皇ローゼンベルグ》

・《巨人猟兵オライオン》

・《絶甲氷盾(2)》

 

『も…持ってかれたー!完全に手札をがっつり持ってかれたー!! おそらくここで一気に攻め立てる算段だったのか時既に時間切れ! 主力がほぼ裏世界でひっそり幕を閉じてしまったー!』

 

『…その後、2枚ドローしてください…』

『………』

(浩二手札0→2)

 

『この慈悲なのか何なのか分からない2枚ドロー!あの《ハンドタイフーン》を彷彿とさせる効果だー!』

 

青 マジック

《グリードサンダー》

コスト5 軽減青3

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

相手の手札が5枚以上のとき、相手の手札すべてを破棄することで、相手はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト合計5まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

 

黄 マジック

《ハンドタイフーン》【禁止】

コスト5 軽減黄3

メイン:

お互い、手札すべてを破棄する。

その後、お互いデッキから4枚ドローする。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+3000する。

 

「…欲しい!」

「私も欲しい」

「あれどの色にも仕込めそうだよねー。赤とか紫辺りキツくなるんかな?」

「【赤緑】とかに結構効くんじゃないかなぁ」

「あの、あれらの、カードって…」

「“新弾”…ですかねぇ?」

 

『………』

『……バーストセット。エンド』

(浩二手札2→1)

{浩二バースト:なし→セット}

 

 挑戦者無表情…いや、脂汗が出ている。かなり焦っているな。テーブルの下では酷くはないにしろ貧乏揺すり、手元は更に忙しなくなっている。そりゃ9枚あった手札が0になったんだから焦りもするか。

 

<雫・第七ターン>

『…スタートステップ、です』

(リザーブ0→1)

(手札7→8)

(トラッシュ8→0)

(リザーブ1→9)

 

『…メインステップ。…ルルイエは、沈んだりしませんよ?』

『…?』

『《ルルイエ・ゴレム》…。レベル4で、目覚めます…』

(手札8→7)

(リザーブ9→4)

(トラッシュ0→2)

[ルルイエ・ゴレム コア3 レベル4 BP10000]

 

「ルルイエ…ゴレム!?」

「名前的にあのネクサスのアルティメット版ってやつ!?」

 

『…ルルイエ・ゴレム、レベル4からの効果です…。私の<異合>スピリットのシンボルを、2つにします…』

[異海剣聖シュブ・ニグラ シンボル青→青青]

[アトライア・ハイドラ シンボル青→青青]

[ビヤーキー シンボル青→青青]

 

青 アルティメット

《ルルイエ・ゴレム》

コスト4 軽減青2極1 <次代・造兵>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上か、自分のネクサス1つ以上】

<1>Lv3 5000

<3>Lv4 10000

シンボル:極

【合体時】【Uトリガー】Lv3・Lv4『このアルティメットのバトル時』

Uトリガーがヒットしたとき、コスト6以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

Lv4

系統:<異合>を持つ自分のスピリットすべてのシンボルを、そのスピリットが持つシンボルと同じ色のシンボル2つにする。

 

『…次に、マジックの《ストロングドロー》を使います…。…3枚ドローして、2枚破棄、します…』

(手札7→6)

(リザーブ4→3)

(トラッシュ2→3)

(手札6→9→7)

●破棄したカード

・《海帝国の秘宝》(ネクサス)

・《海魔巣食う海域》(ネクサス)

 

『…続けて、《コノハガニン》を、シュブ・ニグラ様へ直接捧げます…』

(手札7→6)

(リザーブ3→2)

(トラッシュ3→4)

コノハガニン

  ↓ 直接合体

異海剣聖シュブ・ニグラ(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:3000+3000=6000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:青青(固定)]

 

『…根城のコアをリザーブに戻して、シュブ・ニグラ様とアトライア・ハイドラをレベル2に上げ、バーストをセット。…アタックステップ、です…』

[魔王蟲の根城 コア2→0 レベル2→1]

(リザーブ2→4→2)

[異海剣聖シュブ・ニグラ(合体) レベル1→2 BP30005000]

[アトライア・ハイドラ コア1→2 レベル1→2 BP3000→5000]

(手札6→5)

{雫バースト:なし→セット}

 

『…シュブ・ニグラ様、合体アタック。…コノハガニンの効果により、レベルを1つ、上げます。それにより、レベル2へ…。

[異海剣聖シュブ・ニグラ(合体) レベル1→2 BP3000→5000+3000=8000]

 

『シュブ・ニグラ様、合体アタック。コノハガニンのアタック時効果で、レベルを1つ上げ、レベルを3へ。…【連鎖:緑】により、、シュブ・ニグラ様にボイドからコア1つ捧げます…』

[異海剣聖シュブ・ニグラ(合体) コア2→3 レベル2→3 BP5000→8000+3000=11000]

 

『…更に、合体アタック時効果により、更にコアをシュブ・ニグラ様に追加…』

[異海剣聖シュブ・ニグラ(合体) コア3→4]

 

『ライフ』

『ダブルシンボル…です…。魔王蟲の根城の効果発揮…。コノハガニンと合体したことで、シュブ・ニグラ様は【連鎖】を持ちました。よって、ボイドからコア1つリザーブに置きます…』

(浩二ライフ5→3)

(リザーブ5→7)

(雫リザーブ2→3)

 

『バースト、《絶甲氷盾》。ライフ1回復追加支払ってステップ終了』

{浩二バースト:セット→発動}

(浩二ライフ3→4)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ2→6)

 

『…ターンエンドです』

 

 挑戦者の絶甲が全部落ちた。手札を無くしても引いた2枚にあって首の皮一枚繋がってたか。無かったら完全に刈り取られていただろうし。

 

<浩二・第八ターン>

『スタートコアドローリフメイン』

(リザーブ3→4)

(手札1→2)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ6→10)

 

『《アルティメット・セッコーキジ》レベル3。《ネオ・ダブルドロー》3ドロー』

(手札2→1)

(リザーブ10→9)

[アルティメット・セッコーキジ コア1 レベル3 BP5000]

(手札1→0)

(リザーブ9→7)

(トラッシュ0→2)

(手札0→3)

 

『《アルティメット・サジット・アポロドラゴン》レベル4』

(手札3→2)

(リザーブ7→0)

(トラッシュ2→6)

[アルティメット・サジット・アポロドラゴン コア3 レベル4 BP20000]

 

『出たぁ!【赤緑】の一角を担うUアポロのお出ましだぁ!しかし少々厳しい状況!だが神淵のライフも一応の射程圏内だ!』

 

 

『バーストセット。アタックステップ』

(手札2→1)

{浩二バースト:なし→セット}

 

『Uサジットアタック。ダブトリ』

『…コスト2の《ミストバラッジ》、コスト3の《アブソリュートゼロ》、です…』

『ダブルヒット。これとこれを破壊』

『…ビヤーキーとアトライア・ハイドラ、ですね…』

『究極シンボル追加。指定アタックしない』

[ビヤーキー 破壊]

[アトライア・ハイドラ 破壊]

[アルティメット・サジット・アポロドラゴン シンボル極+極=極極]

 

『……アトライア・ハイドラの効果、発揮です…』

『っ!』

『…私の<異合>、または<殻人>スピリットが、そちらの効果により破壊されたとき、貴方の手札をランダムに1枚破棄し、疲労状態で残れます…』

『っ!?』

『これにより、2体は疲労状態で、残します…。複数同時に破壊された場合は、1枚破棄で、全て残れます…』

『………』

(浩二手札1→0)

●破棄された手札

・《ディメンションシールド》

[ビヤーキー 破壊→疲労状態で残留]

[アトライア・ハイドラ 破壊→疲労状態で残留]

 

『挑戦者の意地のドローを嘲笑うかのようにハンデスによって再び手札喪失チ! 恐るべき青のハンデス能力!…てか、疲労状態で残れる効果が3コスってなんなん!?』

 

青 スピリット

《アトライア・ハイドラ》【1枚制限】

コスト3 軽減青1緑1 <海首・異合>

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP5000

シンボル:青

Lv1・Lv2

お互いの『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。

Lv1・Lv2

系統:<異合>/<殻人>を持つ自分のスピリットすべては相手の効果で破壊されたとき、自分は、相手の手札1枚を内容を見ないで破棄することで、疲労状態でフィールドに残る。

Lv2『このスピリットのバトル時』

このスピリットをBP+2000する。

 

「ふ、ぶっ壊れっしょ!?」

「3コストで常時効果が2つ。先攻で出てきやすくてほぼ完全に近い効果破壊耐性かぁ…」

「<異合>だけならまだしもぉ、何で<殻人>まで範囲に入ってるのかちょっと理解に苦しみますねぇ」

「……効果での破壊がダメなら、理絵が使う手札に戻すとかしかないのかな」

「それも有効、です。あと、紫のコアシュートも、有効、です」

 

 紫、か…。

いつかああいうのが出た時の対処方法も考えとかなきゃならないか。

 

『…フラッシュタイミング、いたたきます…』

『っ…』

『…《槍使いのホーネッツ》を、レベル1で、【神速】召喚します…。軽減は、緑が2つと青が1ち。…根城の緑と青があるので、1コストです…』

(雫手札5→4)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ4→5)

[槍使いのホーネッツ コア1 レベル1 BP3000]

 

『そして【神速】からの、【連鎖:青】、発揮…。アタックステップ中に召喚されたなら、2枚ドローします。その後、1枚破棄果。…《海の主の大口》を破棄します』

(手札4→6→5)

 

緑 スピリット

《槍使いのホーネッツ》

コスト3 軽減緑2青1 <殻人>

<1> Lv1 BP3000

<3> Lv2 BP4000

<8> Lv3 BP10000

シンボル:緑

フラッシュ【神速】

手札にあるこのスピリットカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアをリザーブから使用することで召喚できる。

【連鎖:条件《青シンボル》】

[青]:『お互いのアタックステップ』で召喚されたとき、自分はデッキから2枚ドローする。その後、自分は手札1枚を破棄する。

 

『…更にビヤーキーの効果、発揮です…。ホーネッツは、コスト3。よってUセッコーキジを破壊します…。そして【連鎖】でリザーブにコア1つを追加…』

『っ!?』

『ビヤーキーの効果は、<殻人>も対象なんですよ…』

[アルティメット・セッコーキジ コスト3 破壊]

(浩二リザーブ0→1)

(雫リザーブ1→2)

 

青 スピリット

《ビヤーキー》

コスト3 軽減青1緑1 <異合>

<1> Lv1 BP3000

<4> Lv2 BP6000

シンボル:青

Lv1・Lv2

系統:<異合>/<殻人>を持つ自分のスピリット/アルティメットが召喚されたとき、それと同じコストの相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

【連鎖:条件《緑シンボル》】

[緑]:ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

 

『…Uサジットは、ホーネッツでブロックします…』

『破壊で』

[槍使いのホーネッツ 破壊]

(雫リザーブ2→3)

 

『……エンド』

 

<雫・第九ターン>

『…スタートステップ』

(リザーブ3→4)

(手札5→6)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ4→10)

 

『…メインステップ。

 …傲慢なる英雄殺めし蒼き天蠍

 《天蠍星鎧ブレイヴスコーピオン》。

 スピリット状態で、召喚します…』

(手札6→5)

(リザーブ10→6)

(トラッシュ0→3)

[天蠍星鎧ブレイヴスコーピオン コア1 レベル1 BP5000]

 

『っ!』

『…召喚時効果発揮、です。そちらのコストが最も低いアルティメットを1体、破壊します…。ですが、Uサジットしか存在しないので、Uサジットを破壊します…』

『………』

[アルティメット・サジット・アポロドラゴン 破壊]

(浩二リザーブ0→3)

 

「…さっき、Uセッコーキジをあのタイミングで破壊したのって」

「おそらく、裏蠍座を引いたため…でしょう。邪魔がしにくいフラッシュタイミングで小型アルティメットを処理し、1体のみになったところを仕留める。…他にも何かあるとは思うけど、相変わらずの抜目なさね」

 

『あぁーっとぉ!!挑戦者の切り札であるUサジットが、蠍の毒にやられてしまったぁ!! 流石は三大アルティメットキラーブレイヴの裏蠍座! 相手の構築や盤面に左右されやすいカードですが、元の神話の如く英雄(アルティメット)を相手にするなら任せておけと言わんばかり!』

 

「…神話?」

「理絵は師匠さんとかに聞いたことない? 蠍座の事。ギリシャ神話だけど」

「いえ、学校でも、習ってなくて…」

 

 今の学校で星座の神話を習うことがあるのか分からないけど、豆知識としてちょっと教えておく。

簡単に言うと、俺最強!と調子に乗ってたら怒った女神に調子乗んなとけしかけられたサソリに殺されたっていう。これが一番有名な話だったかな。

 

「凛々の講義に加えるならば、オリオン座は蠍座が西に沈むまで決して姿を現さない。なんて話もあるわ」

「蠍座は夏の星座、オリオン座は冬の星座。双方真逆の位置だから面白い神話ですよねぇ♪」

 

 私の拙い説明に早苗と詩乃がいくつか付け加えてくれた。助かる。

 

「へぇ…。勉強に、なります」

「まぁ記憶の片隅にでも、ね」

 

 

(沙夜姉さん。オリオンがアルテミスのヤンデレの末射殺されたってことは教えなくていいんですかい?)

(サソリの挑発に乗ってアルテミスに間違って射抜かれたっていうのも話さない方がいいですよね…)

(深緒ちゃん、羽月ちゃん。そんな夢を壊すような生々しい事実は存在しない。いいね?)

((アッハイ))

 

『…次に、マジックの《ライフチャージ》を、使います。コスト3以上の裏蠍座を破壊し、ボイドからコア3つをリザーブに、追加しますね…』

(手札5→4)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ3→6)

[天蠍星鎧ブレイヴスコーピオン 破壊]

(リザーブ3→6→7)

 

『そして、裏蠍座の破壊時効果発揮、です…。私のトラッシュにある、青のネクサス3枚を、ノーコストで配置、します…。《海底に眠りし古代都市》、《海帝国の秘宝》、《海魔巣食う海域》を配置…』

 

 一気に3枚ネクサスが並んだ。これで4枚。…仕留めに掛かるのか。

 

『…そして、灰暗きの海の秘術

《ディープシーイリュージョン》を使います…』

(手札4→3)

(リザーブ7→6)

(トラッシュ6→7)

 

『このターン、私がスピリット、もしくはブレイヴを召喚する際、ネクサスを疲労させた分のコストを支払ったものとして扱えます…。

海魔巣食う海域。海帝国の秘宝。魔王蟲の根城を疲労…』

[海魔巣食う海域 回復→疲労]

[海帝国の秘宝 回復→疲労]

[魔王蟲の根城 回復→疲労]

 

『これで、3コスト支払ったことになります…。そして…

 名状しがたき風、黄衣纏う王が破滅を囁きます。

 《異海双龍ハスターク》。

 レベル1。金牛の星団より降り立ちます…』

(手札3→2)

 

青 マジック

《ディープシーイリュージョン》

コスト3 軽減青2

メイン:

このターンの間、自分がスピリットカード/ブレイヴカード1枚を召喚するとき、自分のネクサスを好きなだけ疲労させることで、この効果で疲労させたネクサス1つにつき、1コストを支払ったものとして扱う。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+1000する。

 

『遂に姿を現した神淵の雫の切り札!黒い湖に棲む黄衣の王、名状しがたき者、邪悪の皇太子!《異海双龍ハスターク》!!まさに<異合>、【連鎖】の最終兵器!異合の集大成!!』

 

『最大軽減に、3コストを軽減。これでコスト9から3支払ったことになり、7コスト。更に最大軽減で3コストで召喚です…』

(リザーブ6→2)

(トラッシュ7→10)

[異海双龍ハスターク コア1 レベル1 BP8000]

(古代都市効果 リザーブ2→3)

(ビヤーキー連鎖 リザーブ3→4)

 

『…“最期”に、海底に眠りし古代都市を疲労させ、知られざる(ふち)に眠る蒼き終焉の剣刃

 《深淵の巨剣アビス・アポカリプス》を、ハスタークへ直接捧げます…』

[海底に眠りし古代都市 回復→疲労]

(手札2→1)

(リザーブ4→3)

(トラッシュ10→11)

深淵の巨剣アビス・アポカリプス

  ↓ 直接合体

異海双龍ハスターク(合体)

[コスト:9+5=14]

[BP:8000+5000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:青青(固定)]

 

『闇青剣の召喚時効果により、このターン中、私のスピリット達は最大レベルとなります…』

[ビヤーキー レベル1→2 BP3000→6000]

[異海剣聖シュブ・ニグラ(合体) レベル2→3 BP5000→8000+3000=11000]

[異海双龍ハスターク(合体) レベル1→3 BP8000→23000+5000=28000]

 

「一気にレベルが…!」

「これが未だ衰える…いいえ。未だ最強の剣刃の一振りと名高い闇の青のソードブレイヴよ。更に恐ろしいのは、合体時効果にもあるわ」

 

『…これでそちらは、場にあるシンボルと同じ色のマジックしか使用できません。…海魔巣食う海域をレベル2へ上げ、アタックステップ…』

(リザーブ3→2)

[海魔巣食う海域 コア0→1 レベル1→2]

 

『………』

『シュブ・ニグラ様、合体アタック…。御身の効果により自身に、【連鎖】により、ハスターク様に1コア追加』

[異海剣聖シュブ・ニグラ(合体) コア3→4]

[異海双龍ハスターク(合体) コア1→2]

 

『そして海魔巣食う海域とハスターク様の効果…。お互い赤、緑、白のバーストは発動出来ず、あなたのバーストが紫、黄、青であれば、コストを支払わねば発動出来ず、私の<異合>達を止めたければ手札1枚を破棄しなければなりません…』

『………っ』

 

「が、がんじがらめもいいとこじゃ…」

「凛々。これが【青】というものよ」

 

『…そちらに何も無いのなら、引導を差し上げます…。

 フラッシュタイミング、マジックの《インペリアルバースト》を使用します…』

『っ!?』

(雫手札1→0)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ11→13)

 

『コスト4以下のスピリット、ホムライタチを破壊…』

[ホムライタチ コスト2 破壊]

(浩二リザーブ3→4)

 

『更に【連鎖:赤/極】…。海魔巣食う海域の赤シンボルと、ルルイエ・ゴレムの究極シンボルで条件は満たしています…。よって、そちらのネクサス、バリスタを破壊…』

[天空を貫くもの 破壊]

 

青 マジック

《インペリアルバースト》

コスト5 軽減青2赤1

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

コスト5以下の相手のアルティメット1体を破壊する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト4以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【連鎖:条件《赤/究極シンボル》】

[赤][極]:相手のネクサス1つを破壊する。

 

 …挑戦者の場がバーストだけになった。

殲滅されたのか…。

 

『…もう、あなたを守るものはありません』

『ひっ…!? ら、ライフ…!』

(浩二ライフ4→2)

(リザーブ4→6)

 

『ハスターク様、剣刃合体アタック…!』

 

『ら……ライフ…!?』

 

(浩二ライフ2→0)

 

 

 

〔winner!! 【神淵】静鳴 雫〕

 

 

 

 

『あ……圧倒!?蹂躙!? 現環境最強二柱、【赤緑】を何もさせずに神淵の雫、完全勝利ぃー!! 新たに手にした力は、封殺!!理不尽そのものだぁーッ!!』




今回はアルティメットバトル07環境から猛威を振い、制限を受けても衰える勢いをみせず、当時【赤緑】【白紫】と3すくみの環境を築きあげた【青緑】でした。
一方的すぐる。
…リーフシードラ?…いえ、まったく知らない子です。
異合の切り札はハスタークとクトゥルムとアザートゥース。いいね?

ところで男キャラの喋らせ方が全く分かりません(真顔)

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


※余談
エゲゼシードの0コス早出しヤメロォ!(懇願)ヤメロォ!!(号泣)


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Step.12 『あれが“白銀”』

ミスが発覚したため一度消しての初投稿です(謝罪)
変更したのは一部です。


 行われたエキシビション第二試合。あれが一つ上…次元の違う対戦なのか。

 

「恐ろしいまでの制圧力ですねぇ」

「…どの色でも言えることだけど、使えるコアが増えればやれる事は広がる。軽いコストで破壊耐性が伴い、先手で相手の召喚時効果封じ、高い打点とマジック制限…と」

「更に更に<異合>と組んでる系統が、昔からあって何かとプッシュされる<殻人>。いやぁ出すだけでモリモリ増えるからねぇ」

 

 強固な拘束と出すだけで増えるコア。

詩乃、早苗、深緒曰く、やりたい放題やれるとの事。

 試しに頭の中でさっきの盤面と対戦させてみるが、速攻を掛けなければ厳しいという結論が出る以外に、スピードについて行けないという結論も出た。

 

(…召喚時効果を封じるなら私もやる。だけど出すだけでコアを増やされるのはどうしようも無い。【連鎖】元を龍剣聖で潰して……)

 

 

『挑戦者対称号持ち、第二試合を制したのは称号持ち側の神淵の雫!! 新たな力を手にした青の勝利となりました!

 さぁさぁエキシビションバトルもこれが最後! 称号持ち側からはこの方ぁ!!』

 

『モチロン!このワタシこそ!!

 “白銀”の璃恵だァーッ!!!』

 

 深く思案してたところにテレビから今まで以上の大歓声が上がり驚いた。見てみれば、マイク片手にデッキを高々と掲げる理絵の師匠さんがいた。隣の理絵を見れば、待ってましたと言わんばかりに目を輝かせている。

 

『そして対する挑戦者側! 最近になり急浮上してきた新星!バトスピ歴は浅いが才能は確かなもの!

 小暮(こぐれ) 政樹(まさき)さぁーん!』

 

 最後の挑戦者の男性。

バトスピを始めて日が浅いのに、挑戦者として選ばれたとのこと。

容姿は率直に言って美形の部類。熱血主人公でも張れるんじゃない?…そんな感じ。

どんなデッキを使うかは分からないが、よく見させてもらおう。

 

 

『さてェ、用意はイイかナ挑戦者殿?』

『………』

『おやァ?強張ッた顔してる。緊張かナ?』

『…やっと会えたな。白鐘』

『気安く呼ぶンじャあネェヨ』

 

 …話しぶりからして知り合いか?

にしては師匠さんの態度が素っ気ないというかなんと言うか。

 

『本当ならチャンピオンシップとやらで決着を付けるのがいいだろうが、良い機会を貰った』

『あァン?』

 

「…理絵、あの人知ってる?」

「いいえ、知りません…。白姉さん、とっても機嫌悪そう、です」

「そっか。早苗は?」

「う~~ん……、何か見掛けた記憶があるような無いような…?」

 

 

『さぁ二人の準備が整いました!称号エキシビション最終戦!!  ゲートオープンッ!!』

 

『『『『『『  界  放  !!  』』』』』』

 

「白姉さん、がんばれ…!」

 

 興奮気味の理絵を見れば、いつの間にか取り出していたアルティメット・ストライクヴルムのカードをお守りのように握って画面に注視している。

 

<璃恵・先攻第一ターン>

『おッと、ワタシが先攻か。なら白銀の第一ターン!スタートステップ!』

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

『メインステェップ! ふンふン♪ヤる気満々だネェお前たちィ♪』

 

 最初の手札5枚を見て、不敵な笑みを浮かべ満足そうな師匠さん。

そんなに良い手札なのか。

 

『まずはネクサス《ジグザール鋼鉄草原》を配置ィ♪』

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

 

『そンでバーストセットでターンエンド♪』

(手札4→3)

{璃恵バースト:なし→セット}

 

<政樹・後攻第二ターン>

『いくぞ。俺のターン』

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

『メイン。《水銀海に浮かぶ工場島》を配置する』

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

 

『ほッふ~ン? それから張るかい』

『バーストをセット。ターンエンドだ』

(手札4→3)

{政樹バースト:なし→セット}

 

「挑戦者は【白紫】ですかねぇ」

「強いって噂の?」

「ええ。しかし白鐘さん相手にそれで挑むとは」

 

<璃恵・第三ターン>

『白銀の第三ターン、スタートステェップ!』

(リザーブ0→1)

 

『ドローステップに鋼鉄草原の効果発揮ネ』

『工場島の効果により手札を破棄してもらうが?』

『だから何サ。ドローの代わりにトップをオープンして、それが<機獣>スピリットなら1コア追加する!』

●オープンされたカード

・《リーディング・オリックス》(機獣)

 

『OK!リザーブに1コアいただきィ♪ ンでオープンしたのは手札に入るヨン♪』

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

 

『…工場島レベル1からの効果。効果により手札を増やしたなら、増やした枚数1につき1枚破棄するんだ白鐘』

『はいはい《水銀海に浮かぶ工場島》を破棄しますヨ?。てか気安く呼ぶなッつッてンだろダボが』

(手札4→3)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「………思いだせない」

「何か凄い因縁ありそうなんだけど?」

 

 理絵に聞いてみたいけど食い入るように集中して観戦してるから聞くに聞けない。

 

『メインステップ。《リーディング・オリックス》をレベル2で召喚!』

(手札3→2)

(リザーブ6→2)

(トラッシュ0→2)

[リーディング・オリックス コア2 レベル2 BP4000]

 

『このままアタックステップ…は素通りして即終了!そこでオリックスの効果発揮! ワタシの場に白のカードのみの場合、再度ドローステップをやッちャう!』

 

白 スピリット

《リーディング・オリックス》

コスト3 軽減白2 <機獣>

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

<4> Lv3 BP6000

シンボル:白

Lv1・Lv2・Lv3【スピリットソウル:白】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[白]を追加する。

Lv2・Lv3

自分のアタックステップ終了後、自分のフィールドに白以外のスピリット/アルティメット/ネクサスがないとき、ドローステップを行う。

この効果はターンに1回しか使えない。

 

『ほいならドローステップ! そこに鋼鉄草原の効果が重なってトップオープン!』

●オープンしたカード

・《黒皇機獣ダークネス・グリフォン》(機獣)

 

『ほい1コアブースト。ンで手札に加わるけど、水銀島の効果でそのまま破棄ネ♪』

『何…』

(リザーブ2→3)

(手札2→3→2)

 

『ターンエンド♪』

 

『水銀島の効果がネックになり思うように手札を増やせない白銀! これは厳しい展開かぁ!?』

 

「っ…白姉さん…」

「安心なさいな白縫さん。あの白銀の白鐘さんよ?この程度苦戦にもなってないわよきっと」

「マジで?」

「マジよ凛々」

 

<政樹・第四ターン>

『黒皇機獣を捨てるとは…。俺のターンだ』

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

『好機。攻めさせてもらうぞ白鐘』

『どうぞご勝手に。…ヤれるもンナらネ』

『ならば《ボーン・ダイル》を召喚!』

(手札4→3)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→1)

[ボーン・ダイル コア1 レベル1 BP2000]

 

『更に《ジャコウ・キャット》を召喚する!』

(手札3→2)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ1→2)

[ジャコウ・キャット コア1 レベル1 BP2000]

 

『召喚時効果発揮! そちらのリーディング・オリックスを手札に戻してもらう』

『あいヨ』

[リーディング・オリックス 手札に]

(璃恵手札2→3)

(リザーブ3→5)

 

『そして【連鎖:紫】。1枚ドローする』

(政樹手札2→3)

 

『次…』

『おおッとォッ!召喚時効果にバースト発動だァッ!!』

『っ!?』

『甘ェンだヨ!! 《グラウンドブレイク》ゥ!!』

{璃恵バースト:セット→発動}

 

『なっ!? 赤のカードだと!?』

『バースト効果ァ! BP5千以下の猫と鰐、ネクサスの水銀島を破壊ィ!』

[ジャコウ・キャット BP2000 破壊]

[ボーン・ダイル BP2000 破壊]

[水銀海に浮かぶ工場島 破壊]

(政樹リザーブ2→4)

 

「わっ!わっ!」

「白鐘さんが赤のカードを…!?」

「……へぇ。珍しい」

「マジ!? こりゃ珍しいの見れたわ」

 

 理絵、早苗、詩乃、深緒が驚きの声を上げる。

そんなに珍しいことなのか。たった1枚赤を使うなら、アクセントで使ってる場合だってあるだろうし。

 

『誰より白のことを知ッてるワタシに、ンなテンプレパターンを見せ付けて良い気になッてンなッてのサ!』

『くっ、手札事故を起こしてたんじゃないのか…!』

『事故? ウププ♪ワタシのカード達が事故を起こす訳ないじャない♪』

『……《シーホース・タンカー》を召喚して、ターンエンド』

(手札3→2)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ2→3)

[シーホース・タンカー コア3 レベル2 BP2000]

 

<璃恵・第五ターン>

『今回のワタシは一味ちッがーう♪ 白銀の第五ターン、スタートステップ!』

(リザーブ5→6)

 

『鋼鉄草原効果発揮!』

●オープンしたカード

・《イグア・バギー》(機獣)

 

『Nice Timing♪』

(リザーブ6→7)

(手札3→4)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ7→9)

 

『メインステップ! まずは《イグア・バギー》カモン!』

(手札4→3)

(リザーブ9→7)

(トラッシュ0→1)

[イグア・バギー コア1 レベル1 BP1000]

 

『続いて《リーディング・オリックス》、もいッちョレベル2でカモン!』

(手札3→2)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ1→2)

[リーディング・オリックス コア2 レベル2 BP4000]

 

『更にィ《生還者スノーラビー》をレベル2でカモン!そしてアタックステップ!』

(手札2→1)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ2→3)

[生還者スノーラビー コア3 レベル2 BP4000]

 

『即スルーしてオリックスの効果発揮!ドローステップを再び行い鋼鉄草原効果!』

●オープンしたカード

・《鋼神将フォートエルク》(機獣)

 

『おッしバッチシ♪ 1コア増やして手札に加えるゥ♪』

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

 

『ターンエンド♪』

『………』

 

『お互い一進一退、いや、牽制のしあいが続いております白対白紫! 先程の第二試合とはまた違う緊迫感をわたくしモモは感じております!』

 

<政樹・第六ターン>

『…俺のターンだ』

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

『メイン。…白鐘、手を抜いているのか?』

『はァ?』

『俺は全力で戦いたかった。勝って次に進むために』

『勝つつもり?てか勝ッたつもりでいる気?』

『そんなことは無い』

『ならターンを進めな。“人の女”に手ェ出す奴と長々話したくないンだけど』

『あれは誤解だ』

『誤解? あれはワタシのだ!』

 

 …え?手を出したって、あの挑戦者って何なの?

 

「…………あっ!! 思い出したこの男!!」

「っ!? びっくりした…。何さ」

「こいつ!この男!」

「だから何」

「よく顔を出せた……!」

 

 そういうと早苗は慌てて携帯を取り出し何処かに電話を掛け始めた。

 

「………あっ麗ちゃん?私!今どこ?!……会場!?…ならあいつ……知ってた!?何で……もういい!麗ちゃんのバカ!」

「…何だって?」

「白鐘さんのこと見守ってろってさ…」

 

 納得いってないって膨れっ面で言うか。早苗がキレるくらいとか、一体どういう因縁なんだ?

 

 

『…メイン。もう1体の《シーホース・タンカー(2)》を召喚』

(手札3→2)

(リザーブ4→3)

[シーホース・タンカー(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

『そして、シーホース・タンカー2体の【スピリットソウル:白】を発揮!

 真白の翼広げ飛翔せよ!

 《アルティメット・グラン・ウォーデン》!

 レベル4で、召喚!!』

(手札2→1)

(リザーブ3→0)

[シーホース・タンカー(1) コア3→1 レベル2→1]

[シーホース・タンカー(2) コア1→0 消滅]

[アルティメット・グラン・ウォーデン コア2 レベル4 BP20000]

(トラッシュ0→4)

 

『ほう…』

『アタックステップ!このバトルに、君に勝ち、彼女に想いを伝える!』

『はン!寝言は寝て言えッての!』

『Uグラン・ウォーデンでアタック!アルティメットトリガー、ロックオン!』

『--ウププ♪ …いやァお前さんもお怒りのようで?』

『? カードは何だ』

『《次代機獣ブリザ・ライガ》、コスト8だよォッ!!』

『ちぃっ、ちょうど外したか…』

『甘いネェ!』

『っ!?』

『ワタシのウサギちャん、生還者スノーラビーレベル2の効果発揮!落ちたカードが系統:<機獣>を持ッているスピリット、またはアルティメットならお前のUトリガー後、手札に加えられるのサ!』

『何だと!?』

『今撃たれたブリザ・ライガは<機獣>のアルティメット。よッて手札に回収!』

(手札2→3)

 

白 スピリット

生還者(サバイバー)スノーラビー》

コスト3 軽減白2 <護将・機獣>

<1>Lv1 3000

<3>Lv2 4000

シンボル:白

Lv1・Lv2

お互いのデッキは破棄されず、このスピリットは相手の効果で破壊されない。

Lv2

系統:<機獣>を持つ自分のスピリットカード/アルティメットカードが相手のUトリガーでトラッシュに置かれたとき、Uトリガー後、それらのカードすべてを手札に加えることができる。

 

『お前が当てようが外そうが関係無いんだヨ!』

『くっ、だが機獣でなければ意味は無い!アタックは!』

『ライフで受けてやるヨ!』

(璃恵ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

『ターンエンド』

 

『白銀が出した新しい生還者は何とUトリガーを逆手に取ったバレットファイアに似た効果持ち!回収対象は<機獣>限定だが、護将共通の破壊耐性にデッキ破壊耐性も持っているなら申し分ないスピリットだ!』

 

<璃恵・第七ターン>

『白銀の第七ターン、スタートステップ!』

(リザーブ2→3)

●鋼鉄草原による効果

・《アルティメット・ヴォルス》

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

『メインステップ。まずは《鋼神将フォートエルク》レベル1!』

(手札4→3)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→2)

[鋼神将フォートエルク コア1 レベル1 BP5000]

 

『そしてェ!フォートエルクの効果によりワタシの手札に存在する<虚神>アルティメットのコストは5となる!

 来い!究極にして堅牢なる虚ろの神!

 《アルティメット・ヴォルス》!

 レベル5にて顕現ッ!!』

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ2→4)

[生還者スノーラビー コア3→1 レベル2→1]

[アルティメット・ヴォルス コア3 レベル5 BP29000]

 

『Uヴォルスの召喚時効果! シーホース・タンカー1体をデッキボトムへサヨナラ!』

[シーホース・タンカー(1) デッキの1番下へ]

(政樹リザーブ0→1)

 

『最後にバーストセット。さァて、またまたアタックせずに即スルー。そしてワンモアドローステップ!』

(手札2→1)

{璃恵バースト:なし→セット}

(手札1→2)

 

「さっきから全然攻めてないけど、本当に最強なの?」

「何かを待ってるようだけど…。さすがに白鐘さんの考えは分からないわ」

 

『ほいターンエンド♪』

 

 一体何を狙っているのか検討もつかない。ただただ防戦一方。スピリットを並べるだけ並べているようにしか見えない。数で押し潰す気なんだろうか。

 

<政樹・第八ターン>

『…俺のターンだ』

(リザーブ1→2)

(手札1→2)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ→6)

 

『メイン。立ちはだかる壁は厳しいほど良い。だからこそ、越え甲斐がある! 《星銃フォーマルハウト》をUグラン・ウォーデンへ直接合体だ!』

(手札2→1)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→3)

星銃フォーマルハウト

  ↓ 直接合体

アルティメット・グラン・ウォーデン(合体)

[コスト:8+4=12]

[BP:20000+3000=23000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

『フォーマルハウトの召喚時効果発揮。BP8千以下のスノーラビーを手札へ戻してもらう』

[生還者スノーラビー 手札へ]

(璃恵手札2→3)

(璃恵リザーブ0→1)

 

『更にUグラン・ウォーデンをレベル5にする』

(リザーブ3→0)

[アルティメット・グラン・ウォーデン(合体) コア2→5 レベル4→5 BP20000→30000+3000=33000]

 

『アタックステップ! Uグラン・ウォーデン、合体アタック! アルティメットトリガー、ロックオン!』

『……あー、やッぱウチのカード達は良い子達ばかりだワ♪ コスト4のスピリット、《フォックセイバー》!』

『クリティカルヒッ…』

『だァがァ?、フォックセイバーの効果発揮ィ!』

『っ!』

『この子は相手のUトリガーによッてデッキから落ちたとき、トリガーをガード扱いにして、手札に入ッてくる人懐ッこい狐サ♪』

(璃恵手札3→4)

 

白 スピリット

《フォックセイバー》

コスト4 軽減白2紫1 <機獣>

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

<4> Lv3 BP6000

シンボル:白

このスピリットカードは、相手のUトリガーによって自分のデッキからトラッシュに置かれたとき、そのUトリガーをガードとする。

その後、このカードを手札に加える。

Lv2・Lv3『お互いのアタックステップ』

???……

 

「嘘、二回連続でガードとか…」

「白姉さんなら、できます…!」

「あれを当てられるのは、あの人くらいじゃないかしら」

 

『…だが、Uグラン・ウォーデンのアタックはどうする! 白鐘のライフは4。伏せている獅子は出てくることはできないぞ!』

『ワタシのバーストを知ッていて且つ<武装>スピリットを置かずにアタックしてくる!蛮勇も行き過ぎると褒め讃えたくなるネェ! Uヴォルスでブロック! アルティメットトリガー・ロックオン!バキューン!』

『??コスト5、マジック《コアドレイン》』

『はいヒットォ!』

 

Sword Brave Attack!!

アルティメット・グラン・ウォーデン+星銃フォーマルハウト

BP30000+3000=33000

 vs

Defense!!

アルティメット・ヴォルス

BP29000

 

『BPはこちらが上、手詰まりのお前では止められん!』

『はァ?手詰まり?このワタシが? 冗談は顔と性格だけにしておけヨ! フラッシュタイミング!!』

『っ!』

『我が“義妹(祐依)”の力をお借りして、マジック《エレメンタルバーン》! 不足コストはオリックスから拝借!ここまで支えてくれてあンがと!』

(璃恵手札4→3)

(リザーブ1→0)

[リーディング・オリックス コア2→0 消滅]

(トラッシュ4→7)

 

『今度は黄色のマジックか!?』

『騙して悪いが、いつワタシが白単色だと錯覚したァ?』

『おのれ…!』

『ウププ…♪ Uグラン・ウォーデンのBPを1万ダウン!!』

『い、1万だと!?』

[アルティメット・グラン・ウォーデン(合体) BP33000?10000=23000]

 

『本当なら0になったアルティメット破壊できる黄色の割にャ頑張ッたカードなンだけど、今はダウンさせるだけで十分!』

 

黄 マジック

《エレメンタルバーン》

コスト4 軽減黄2極1

フラッシュ:

このターンの間、相手のスピリット/アルティメット1体をBP-10000する。

この効果でBP0になったアルティメットを破壊する。

 

『返り討ちサ!』

『…まさか、これを狙って…!』

 

Sword Brave Attack!!

アルティメット・グラン・ウォーデン+星銃フォーマルハウト

BP30000+3000?10000=23000 →Lose...

 vs

Defense!!

アルティメット・ヴォルス

BP29000 →Counter win!!

 

『姿形相手は違えど虚神に平伏せ純白の守護神!!』

『合体アルティメットが打ち負けるだと…』

『そこでヒット時効果だ! BP比べに勝ッたからお前のライフいただくヨ!』

『ちっ、フォーマルハウトは残す!』

(政樹ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

[アルティメット・グラン・ウォーデン 破壊]

[星銃フォーマルハウト 残留 コア5 レベル1 BP3000]

 

白 アルティメット

《アルティメット・ヴォルス》

コスト10 軽減白3極2 <新生・虚神>

【召喚条件:自分の白スピリット1体以上】

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

相手のスピリット1体をデッキの下に戻す。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのブロック時』

Uトリガーがヒットしたとき、BPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

『……ターンエンド』

 

『Uグラン・ウォーデン返り討ちぃ! 手詰まりかと思われた中、不意に現れたのは赤に続き黄色のマジック!いつもながら一体白銀のデッキはどうなっているのか!』

 

「こっちが聞きたいよ」

「白ゼロ様いつもより過激で素敵?♪」

「姉さん…」

 

<璃恵・第九ターン>

『このバトルも終わりが見えてきたネェ。白銀の第九ターン、スタートステップ!』

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ1→8)

 

『メインステップ! まずは《アルティメット・イグア・バギー》をレベル3で召喚!』

(手札4→3)

(リザーブ8→7)

[アルティメット・イグア・バギー コア1 レベル3 BP5000]

 

『これでメイン中ワタシの究極シンボルは赤か白として扱われる。ンで今来た《ネオ・ダブルドロー》! アルティメットがいるから3枚ドロー!』

(手札3→2)

(リザーブ7→5)

(トラッシュ1→3)

(手札2→5)

 

『……フフン♪』

『…何がおかしい』

『このバトル。ワタシの勝ちだ』

『バトルが終わってもいないうちに勝利宣言か』

『アンタは2度、ワタシに勝つ瞬間を逃した。…だけどアンタが負ける理由は別サ』

『別?』

 

 

『??テメェがワタシの女に手ェ出したッて理由だよ』

 

 

 瞬間、映像越しにも伝わって来た殺気。一音低くなった声音から感じる本気度は尋常じゃない。

 

『……彼女に君は相応しくない』

『ならお前は相応しいとでも?』

『今はまだ。だからこそ君に勝ち、彼女に勝ち、相応しい男になる。それに君と彼女は同性だ』

『だからどうした』

 

「…え? 何これ?」

「命知らずな…」

「あれは死にましたねぇ」

 

『俺は彼女と必ず添い遂げる!』

『フザけたこと吐かしてんじャねェヨ!!』

『ならばこそ勝つ!』

『………殺すッ!!』

 

『そこまでです。両者熱くなり過ぎですよ』

 

 …と、今にも師匠さんが挑戦者に掴み掛かろうと右腕を伸ばしたその時。いつの間にかその腕を熾天さんが掴んでいた。い、いつ動いて掴んだんだ?見えなかった…。

 

『バトルに私情挟み過ぎです』

『でも祐依ちャんこのクズ野郎…!』

『ならこうしましょう。このバトルで挑戦者さんが勝ったならば、私含め白銀と神淵。

“紫蓮”、“蒼穹”“緑迅”、“絳焔”、“禍黒(かこく)”、“神巫(かみなぎ)”、“爆竜(ばくりゅう)”、“紫陣(しじん)”。今上げた全員の総意として、称号とCS決勝のシード権利に加え、“灼熱”に挑む権利を与えます』

『はァ!?』

『……いいだろう』

『ではそれで』

『祐依ちャんそれは…』

『少々黙ってていただけます?』

『ハイ』

 

 すると、熾天さんが観客側に向き一礼。

 

『会場の皆様、映像により観戦されている皆様。自分勝手な私情によりこの場を汚してしまった事。心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ございません』

 

 深々と一礼し、再び顔を上げた。

 

『先程名を使い権利を与えると言いましたが、我々称号持ちにそのような権利は一切ありません。場を収める一時的なものと思ってください。

 時間さえ合えば、私達は皆様のお待ちしています。勿論、手心を加えるつもりは一切ありません。全力でお相手致します。灼熱も同じです』

 

「おちゃらけた騒ぎになるのはいつもの事だけど。あの男、称号戦や称号持ちの品位を下げかねないわ」

「…もし勝ったら?」

「有り得ない」

「もしも。万が一の話」

「……苦労せず称号とシード権を得て、あの人にプライベートでバトルを挑める事になる。前代未聞過ぎて荒れるだろうけど」

「…その噂の灼熱って人、そんな許可なきゃ会えないもんなの?」

「そんな訳ない。気さくな人よ。上位にいるせいか敬遠されがちだけどね」

「…ふーん」

「“赤姉さん”は、とっても優しい、人ですよ」

「理絵もか」

「私もぉ、昔手ほどき受けましたよぉ♪」

「マジで?」

 

 ……どんな人物か興味が沸いてきた。

うちの二人が言う人がどういうのなのか。

 

『お時間を取りましたが、二人のバトルに戻ります……。が、璃恵さんに一言』

『ン?』

『誰が義妹だって?』

『祐依ちャん』

『それをお前何言ってんの?みたいな顔で言わないでもらえます?』

 

 静まり返っていた会場がドッと笑いに包まれた。

また始まったとか、いつ白銀にデレるかとか、熾天と灼熱と白銀で三角関係になればいいとか聞こえてくる。

 

『とにかく。早く終わらせてください。話はその後にしますから』

『はいはいッと』

『…もういいか?』

『いいヨ。誰のせいでこうなッたンだかネェ?』

 

『一悶着ありましたがバトル再開!

 白銀のデッキに垣間見える灼熱の影は一体何なのか! そして熾天の祐依攻略ルートのパッチはいつになるのか!私とっても気になります!』

『パッチを当てると不具合によりお使いのHDDが第三砲塔しますがよろしいですか?』

 

 会場からはやめてくださいだのEはやめてくださいだの聞こえた。正直これはどうでもいい。

 

『さて、今日の真打ち堂々登場!

 《アルティメット・アポロドラゴン》!

 レベル2で降臨!!』

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ3→6)

 

『レベルに足りない分はフォートエルクから拝借ゥ!』

[鋼神将フォートエルク コア1→0 消滅]

[アルティメット・アポロドラゴン コア3 レベル4 BP14000]

 

『な…!?』

『これがワタシの太陽サ! そして更に!』

『っ!』

 

『輝ける白光纏い闇を照らせ我が月の翼!

 《月光神剣ウイングオブルナ》!

 究極の太陽へと直接合体!!』

 

(手札4→3)

 

『月光神剣!?』

『コストにはUイグア・バギーから拝借。出てきたところ悪いネ…』

[アルティメット・イグア・バギー コア1→0 消滅]

(トラッシュ6→7)

 

『噂に聞いたアルティメットに合体する、惑星ソードブレイヴか…!』

『アンタの唯一の幸運だヨ?ワタシがこれを抜刀(ぬく)んだから…♪』

[コスト:6+2=8]

[BP:14000+3000=17000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+白=極白]

 

 っ! 月のブレイヴ!?

私の太陽のブレイヴと同じ…。というか、まさかこれを待っていたっての?

…あの妙な引き運。あれが“白銀”の強さなのか。

 

『さァFinaleだ! アタックステップ!』

『っ!』

『太陽と共に闇を照らせ、ソードブレイヴアルティメット!!

 まず月光剣の効果発揮! お前のスピリット1体を手札に戻す!』

『バウンス効果か…!』

『だがしかァし!』

『っ!』

『相手のバーストがセットされているなら代わりにバーストを破棄して、手札ではなくデッキトップにバウンスする!』

『何だと!?』

『月を映すフィールド、則ち水面(みなも)に、余計なモンを置くなとサ!』

{政樹バースト:セット→破棄(絶甲氷盾)}

[星銃フォーマルハウト デッキの1番上へ]

(リザーブ1→6)

 

白 ブレイヴ

《月光神剣ウイングオブルナ》

コスト5 軽減白2極2 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:白

【合体条件:コスト5以上のアルティメット】

【合体時】

このブレイヴをコスト2として扱う。

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

相手のスピリット1体を手札に戻す。

相手がバーストをセットしているとき、かわりに相手のバースト1つを破棄し、相手のスピリット1体をデッキの上に戻す。

 

『お待ちかね!皆さンご一緒にィ!

 ダブルアルティメットトリガー・ロックオーン!!』

 

『『『『『 バキューン!! 』』』』』

 

「「「「バキューン!」」」」

 

「バキューン…!」

「……早苗、あれっt」

「バキューン!…え?何?」

「お前もか」

 

 これはスルー安定か。あまり引いていてもしょうがない。慣れるしかない。

しかしこう見ると、あの師匠さん人気者なんだ。言動からバトスピの腕以外DQNかと思ってたけど、舞台にいるカリスマってのと同じくらいカリスマがあるのか。

 

『皆アリガトー!愛してるぜー! ンで肝心の2枚は?』

『……コスト4の《星銃フォーマルハウト》と、コスト5の《ドリームボム》だ』

『Good!ダブルヒットォッ!! ライフ1つを砕く!』

(政樹ライフ4→3)

(リザーブ6→7)

 

『更に1ヒットにつきBP9千以下の相手スピリット1体破壊する! 対象はいないけどネ。そしてメインのアタックだ!』

『…ライフで受ける!』

『剣刃合体アルティメットはダブルシンボル!』

(政樹ライフ3→1)

(リザーブ7→9)

 

『ラストォ…。フィニッシュ頼ンだヨ!、イグア・バギー、アタックだ!』

 

『そ、そんな使い捨ての壁スピリットで終わらせるのか!』

 

『ワタシのデッキは全員がキーカード! 使い捨てなんてマジックぐらいだヨ』

 

『っ…!』

 

『そら!当たると痛ェぞ!』

 

『俺は…俺は……っ! ライフだッ!!!』

 

(政樹ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 【白銀】白鐘 璃恵〕

 

 

 

 

 

『決まったぁぁーー!! 昼ドラばりの第三試合を制したのは、白銀の璃恵だぁぁーー!!』

 

『ヒャッハーー!! “悠姫”ー!白ちャーん!見てるー? 間男ブッ飛ばしてやッたヨー!愛してるよ悠姫ィィーー!!』

 

 

 

 

  ∇  ∇  ∇

 

「あの馬鹿。次に彼女と顔を合わせた時が見物ね」

「あっはっは。いつもの事さ。…で、今し方メールが来たよ」

「何と?」

「今度会ったら覚えてろって伝えてくれとさ」

「はあぁ……」

「たはは! ああ、祐依君を止めないと。今にも璃恵君をどつき倒しそうだ」

「灼熱にあれ程慎めと言われていてあれなんですから、放っておいて構いませんよ」

「君も相変わらず辛辣だねぇ“彩音(あやね)君”」

 

  ∇  ∇  ∇




修正投稿しました。
この辺にぃ、アルティメットの召喚条件を無視してるぅ、作者がぁいるらしんすよぉ?じゃけん土下座しましょうねぇ~。
ご指摘くださり誠に恐縮でございました!


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Step.13 『思い切りは良いのですが』

連続投稿とか初ですか?
春イベが掘りまで終わったので遅れました(定期)


 エキシビション第三試合。

理絵の師匠、称号“白銀”を持つ白鐘 璃恵。

…呆気に取られた。さっきのやりとりだとか、今カメラに向かって満面の笑みでダブルピースをしたり大好き愛してると連呼しながら投げキッスを連発し、熾天さんから恐ろしく速い無言の手刀を腹に叩き込まれ…

 

「あっ!麗ちゃん!」

 

 舞台袖から現れた早苗の従姉妹、麗さんが青い顔の気絶した師匠さんを担いで退場したからではない。

あのバトルだ。

私が感じた、手の平で転がされているという感覚。

拮抗、押しているように見えて、実のところ相手が劇的に逆転勝ちする舞台を作られている。

 

(……どうやって勝つんだ)

 

 ピンチを演出してカタルシスをなんたらとか聞いたことあるけど、それをやってのける人間なんてそうそういない。

 更に興味が沸いたのが、件の“灼熱”、“ユキ”という人物だ。

たしか…姉さんが観てたのをチラッと見た気がしたが、覚えてない。というかあの白銀の舞台を越えた人物など皆目見当も付かない。

早苗、理絵、詩乃さん、姉さんの話ではとても良い人だと聞く。

 ………何だか信じられない。

今思い付く上級者が

アレ(妹離れ出来ない姉)とか

アレ(ヒステリー従姉妹)とか

アレ(露出狂じみたロリコン)とか

アレ(超ぶりっ子)とか

アレ(最強超絶同姓愛者)とか

 

 …麗さん、理絵、あの紫使いはマトモとしてもマトモなの少ねぇなおい。

 

 

 

 少しして称号戦の本選が始まった。

内容を見たくもあるが、少し席を外してある人に連絡を入れる。

 

「………」

 

 1コール、2コール……出た。

 

〔もしもし?〕

「あ、凛々ですけど」

〔君から私に掛けてくるとはね〕

 

  掛けた相手は露出きょ…ではなく、織部 星さんだ。

 

「で、その、観てました?称号戦」

〔ああ観てるよ。流石は称号持ち。並大抵じゃないね〕

「…そうですね」

〔…何か相談したいことでも?〕

「………その…」

 

 こんな事、この前会ったばかりのうえ対戦しただけの人に相談するのがおかしいか。

 

「星さんの知り合いにさ、バトスピ凄く強い人っています?」

〔……ほう〕

 

 

 

「…………」

 

 

 

 ———数日後。

星さんに取り合ってもらい、上級者を紹介してもらう事となった。そして現在、前に理絵と用事で来たカードショップ前で待ち合わせ中。

んな事より身内と渡り合えるようになるのが先だろと言われるだろうけどあの戦いを観て、その、なんだ。焚き付けられたというか…興味が出てきたんだ。あの白銀や…神淵、だっけ。私とならどういう戦い方をするのか。

どう戦えばいいのか。

 

(護身術とは嘘っぱちの武術まがいを習わされたばかりに…)

 

 自分でも分かる。火が着つと妙に好戦的になる気がある。姉さん曰く、生木みたく燻るけど火が着くと燃えやすいとか何とか。

 

「……敵う訳無いのに」

 

 あの三人の対戦を観て、何人が挑んでみたいなんて思うんだろうか。

普通、恐れ戦くか戦維喪失…じゃない。戦意喪失するかも知れない。あれで本気じゃないなら尚更だ。

 

 

 

「やぁ待たせたね」

「どうも」

 

 しばらくして現れた星さん。

相変わらず痴女めいた服装だが前よりは抑えている。前よりは、だ。ちゃんとすれば美人カードバトラーとか噂になるのに。

 

「で、件の事だがね。知り合いが快諾してくれたよ」

「本当ですか」

「ああ。武者修業だけなら恐らく断られたかも知れないがね…」

「…受けてくれた理由があると?」

「そこら辺は気にしないでいい」

「はあ…」

 

 どこか釈然としないがまぁいい。

とにかく会ったことの無い強い人と対戦できる良い機会なんだ。どんなデッキだろうとやってやる。今着いてる火を燃やさなきゃ。

 

 

 

「お前のライフはあと1つ!このまま行けば勝てる!この勝負、もらった!」

「何勘違いしているんだ」

「ひょ?」

「俺は手札から《オリンスピアの天使長オフィエル》を召喚!そして召喚時効果発揮!俺のセットされているバーストを破棄し、俺のライフが5になるようボイドからコアをライフに置くジークヴルム・ノヴァのような任意効果!」

「バカめ!と言ってさしあげよう!《水極天プリンセス・オト》の【Uハンド:黄】発動!手札の黄色バーストマジック、《フェアヴァイレ》を発動!こちらの場のスピリットの効果として発揮だぁっ!!」

「ヘアァッ!?」

「こちらもバーストを破棄しライフを5に回復させるぜぇ!」

「汚ねぇぞ!相手の効果を自分の物として使うなどとは!」

「お前のお気に入りカードの効果を利用され、逆転すら許されない!悔しいだろうさぁ!ヒャハハハハッ!!」

「貴様ぁぁーー!!」

「いいよその悔しそうな面ぁ!」

 

 

「……場所変えませんか?」

「気にする必要は無い。今回は個室だからね」

「………」

 

 あのテンションが振り切れてるのは見ててキツい。たとえスリップストリームに乗ってついて来いと言われてもキツい。

 

「《絶甲氷盾》!」

「絶甲絶甲と絶甲ばかり…。それ以外にバーストを知らないのか!」

「ならば俺にそれ以上にどんなデッキにも2、3積み安定と言えるカードを答えろ!答えてみろルドガー!」

(ダークセイリュービヲツカイナサイ…)

「何なのお前!?」

 

「俺は…一方的なバトルが嫌いだあああ!!だが、この牡牛座と射手座で絶対貫通させてやるぜえぇぇ!!待ってろよライフ3点ダメージいいいいーーー!!」

「俺は天才だあああ!!青緑だの赤緑だの白紫だの乗り越えてやるよおおお!!もう勝てる気しかしねぇぜええ!!ほァ!ほあああああ!!!」

「俺の実力はこんなもんじゃねぇだろおおお!!何でメタったところが、まるで当たらねえんだああああ!!」

 

 

 

 案内された個室。個室という割に結構ちゃんとしていて、知らずに案内されたらホテルの一室かと勘違いする程。当たり前だがベッドは無い。そしてその個室内には、見知らぬ二人の人物がいた。

 

「あのお二人だ」

「………」

 

 その二人は一言で言えば、“不良とお嬢様”。

片やテーブルに足を投げ出すように乗せ、椅子を傾かせ、両手を頭の後ろで組み退屈そうにしている黒服にフードを目深に被った人物。

片やその隣で座る行儀良い姿勢でカードを見ながら…整理しているのか?そんな事をしている髪の長い女性。

 

「お待たせしました」

「あら、星さん」

 

 こちらに気付いたのはお嬢様っぽい女性の方。立ち上がりこちらに来てもらった。もう片方は寝ているのかこちらを見ようともしない。

 

「そちらの方が?」

「はい。この子が先日お話しした対戦希望者です」

 

 私を紹介されたので会釈する。

…こう近くでみると本当に綺麗と言うか、こう、品格?みたいのを感じる。

 

「ど、どうも」

「はい。はじめまして。

 私、間燈(まとう) (さくら)と申します。今日はよろしくお願いしますね」

「あ、はい、えと、鴇峯 凛々です…」

 

 こんな人が強いのか…。あいや馬鹿にしてる訳じゃない。

 

「桜さん。本人の希望ですので手取り足取りみっちり鍛えてやってください」

「よ、よろしくお願いします」

「はい。よろしくどうぞ。“令毀”さんもいいですか?」

 

 レキと呼ばれたもう一人は、返事をせず片手を上げただけ。…やる気なさそう。

 

「こちらで準備してありますから、いつでも始められますよ」

「流石桜さん出来る女」

「褒めても何もでませんよ〜」

 

「………」

 

 

 

   VS 間燈 桜

    【???】

 

「さて。行きますが、デッキ調整はしなくても?」

「大丈夫です。行けます」

 

 調整…といってもどう弄ればいいか分からなかったから2、3枚ぶちこんだ程度。バランスは投げ捨てれば良いと聞いた。

 

「畏まりました。それでは…」

「先攻後攻決めは私にお任せあれ! これで決めますよ!」

 

 星さんが意気込んで胸元…胸の谷間から取り出したのは3枚のカード。バトスピのだが、どれも黄色のカードだ。…あ、何か嫌な予感がする。

 

「この3枚は左から《花の子リップ》、《アサガオの妖精ナパルコ》、《スズランの妖精ティンカ》と言うのだがね? 二人にはこの3枚のカードで誰が一番ペドいかを当ててもらう!さじ加減は勿論私だ!!」

「………」

「………」

 

 ドン引き。ここまで頭がおかしかったとは思いも寄らなかった。酷いなんてレベルではなく黄色い救急車、隔離病棟行きだ。

間燈さんも苦笑している。

 

「私はこのナパルコなんかイイと思う訳だ!この脇!このあんよ!そして伸ばした腕のライ…」

「死ね」

「ああ!凛々君辛辣!だがそれも良い!」

「ロリコンで痴女でマゾの三重苦とか人として最悪すぎるんですけど」

「その蔑む目!隠す気の無い嫌悪感丸出し表情!素晴らしい!!凛々君!君が先攻だ!!」

 

「…だそうですけど」

「いつもの事ですから、気にせずどうぞ♪」

 

 これがいつもの事なのか…。警察にご厄介になる日も遠くなさそうだ。もし理絵に手を出したら私が直々にブッ飛ばす。

 

 

<凛々・先攻第一ターン>

「じゃあ、スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メイン。……《惑星十字直列》を置きます」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→3)

 

「次に《リューマン・ルクス》を出します」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「バーストを伏せて、ターン終了します」

(手札3→2)

{凛々バースト:なし→セット}

「赤なんですね」

「初めて貰ったデッキがそうだったんで」

「ふふっ。お姉様みたいですね」

 

 お姉様って誰だ。…とにかく、こっちに集中しなければ。一応これでアルティメットの足場が出来た。

 

<桜・後攻第二ターン>

「では、こちらも行きますね。スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メインステップ。…うーん、どうしましょうか」

「………」

「そうですねぇ…。じゃあまず、バーストをセットしますね」

(手札5→4)

{桜バースト:なし→セット}

 

「このままターンエンドします」

「………」

 

 セットするだけで終わった…。まだ何色を使うかは分からない。しかもバーストだけじゃ判断もできない。…なら、やるだけやるさ。

 

<凛々・第三ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メイン。《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》をレベル4で出します」

(手札3→2)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→2)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア2 レベル4 BP7000]

 

「アタックステップ。龍剣聖で攻撃。アタック時効果で1枚引きます」

(手札2→3)

 

「そのままライフで受けますよ」

(桜ライフ5→4)

(リザーブ5→6)

 

「ライフ減少により、バーストを発動させますね」

「っ、やっぱりか」

「ふふっ♪ バーストは《堕天姫エルシャ》ですよ〜♪」

{桜バースト:セット→発動}

 

「っ! 紫!?」

「エルシャのバースト効果。私の手札にある【毒刃】を持つスピリットをノーコストで召喚しますよ。

呼び出すのは、美しき反逆の悪魔《堕天騎士ベリアルド》。レベルは2です♪」

(手札4→3)

(リザーブ6→3)

[堕天騎士ベリアルド コア3 レベル2 BP9000]

 

「いきなりコスト8!?」

「そして、エルシャ姫をバースト召喚。こちらもレベル2です♪」

(リザーブ3→1)

[堕天姫エルシャ コア2 レベル2 BP6000]

 

 一気に2体…。しかも片方は大型だし、見たことない紫のカード。…やばい。

 

「…ターン終了」

 

<桜・第四ターン>

「さて、動きますよ〜。スタートスタートステップ♪」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

 

「メインステップ。地獄の第四階層、ネクサス《魂の古都ジュデッカ》を配置しますね」

(手札4→3)

(リザーブ2→1)

(トラッシュ0→1)

 

「バーストをセットして、アタックステップに入りますよ」

(手札3→2)

{桜バースト:なし→セット}

 

「ベリアルド、アタック」

「動いた…!」

「レベル2からのバトル時効果発揮です。【毒刃:3】」

「毒…?」

「鴇峯さんのデッキの上から3枚を、“裏側のまま”龍剣聖の下へソウルインさせます」

「!?」

「はい。デッキをが〜りがり♪」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 毒3]

 

 デッキを裏のまま…!? 青のデッキ破壊とは違うのか!?

 

「ちなみにその毒は、場から離れない限り、解毒されることも、下にあるカードの確認もできません♪」

「名前通り毒なのか…」

 

紫 スピリット

《堕天騎士ベリアルド》

コスト8 軽減紫5極1 <魔影>

<1> Lv1 BP6000

<3> Lv2 BP9000

<5> Lv3 BP12000

Lv1・Lv2・Lv3

???……

Lv2・Lv3【毒刃:3】『このスピリットのバトル時』

相手のデッキの上からカード3枚を裏向きで相手のスピリット/アルティメットの下に置く。

下のカードはそのスピリット/アルティメットがフィールドを離れるとき破棄する。

 

「はい。アタックはどうされますか?」

「…ライフに通します!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ターンエンドです♪」

 

 デッキが削られるくらいならアイツの青で見たが、これはやり方がまた変化球だ。下に行ったカードを外す…解毒するには、破壊か消滅、手札に戻るくらいしか無いときた。だけど他に何かある訳…あるんだろう。ただ下に置くだけで済むはずがない。紫だぞ?

 

<凛々・第五ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ2→4)

 

「メイン。…やられる前にやる!《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》をレベル2で出す!」

(手札4→3)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→1)

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー コア2 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果発揮。デッキを上から4枚めくる」

●オープンしたカード

・《リューマン・ルクス(2)》(スピリット)

・《フレイムブラスト》(マジック)

・《太陽神剣ソルキャリバー》(ブレイヴ)

・《絶甲氷盾》(マジック)

 

「よし。その内のブレイヴ、太陽神剣ソルキャリバーを手札に加えて、残りはデッキの下に移す」

(手札3→4)

 

「太陽神剣、ですか」

「そしてそのままバーンカラーに直接重ねる! 支払うコストは龍剣聖から1つ確保!」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア2→1 レベル4→3]

(トラッシュ1→3)

 

「太陽神剣の合体条件はコスト4以上のアルティメットだけど、バーンカラーは合体条件を無視して合体できる!」

「…なるほど」

 

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

[コスト:4+5=9]

[BP:5000+4000=9000]

[合体:追加、発揮可能]

[シンボル:赤+赤=赤赤]

 

「アタックステップ!」

「ここでエルシャ姫レベル2からの効果発揮です」

「っ!?」

「毒が2つ以上蓄積されているそちらのスピリット、アルティメットは効果が発揮されません」

「何っ!?」

破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)…とはいきませんが、対スピリット・アルティメットならちょっとしたものなんですよ♪」

 

 やっぱり一筋縄じゃいかないか。触れない効果に効果を発揮できないなんて…。いや、アタックできるだけマシか!

 

「まずは、バーンカラーで攻撃! 合体してるバーンカラーの効果で1枚引いて、BPを7千上げる!」

(手札3→4)

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー(合体) BP9000+7000=16000]

 

「太陽神剣の効果は、スピリットに合体してるときはBP4千以下のスピリットを破壊するけど、対象はいません」

「はい。ダブルシンボルですね」

「どうします?」

「ライフで受けます」

「バーンカラーはダブルシンボルです」

(桜ライフ4→2)

(リザーブ1→3)

 

「ライフ減少により、バースト発動です」

「っ!」

「では、私の“騎士王さま”にご登場してもらいましょうか」

「またデカいのがくるか!」

 

「目覚める究極の騎士王。

 《アルティメット・アーサー》

 レベル4にて、召喚します」

{バースト:セット→発動→召喚}

 

「バーストのアルティメット…! 羽月のUカグヤや星さんのUウシワカみたいなもの!?」

「ええ。お友達の赫映姫(かぐやひめ)や、星さんの牛若丸のように、この“英霊”…んんっ。アルティメットも、バースト召喚できるんですよ」

(リザーブ3→0)

[アルティメット・アーサー コア3 レベル4 BP23000]

 

「バースト効果発揮。そちらのスピリット、蛮カラさんのコア2つをボイドへ還しますね」

「ボイド!? っ…、リューマン・ルクスからコアを使って、太陽神剣は残す!」

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー コア2→ボイドへ 消滅]

[リューマン・ルクス コア1→0 消滅]

[太陽神剣ソルキャリバー 残留 コア1 レベル1 BP4000]

 

 赤に貴重なコアが2つも持っていかれた上にライフまで…。しかも大型アルティメットまで喚ばれる始末。

どうする、しかも使えるコアが心許ない。

 

「…ターン終了」

 

 次が正念場だ。ここを何とか乗り越えなければ次は無い。

 

<桜・第六ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ1→0)

(リザーブ1→2)

 

「メインステップ。ブレイヴ《龍弩ラスタバン》を、Uアーサーに直接合体させます」

(手札3→2)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ0→2)

[コスト:8+4=12]

[BP:23000+3000=26000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「紫のブレイヴ…!しかもアルティメットに合体するやつか!」

「騎士王たるもの、ただ踏ん反り返って聖剣ぶっぱしてるだけではアレですからね。遠距離も熟してこそです♪ …と、ラスタバンの召喚時効果発揮。私のアルティメットに直接合体するよう召喚したとき、そちらの合体していないスピリットかアルティメットのコア1つ、リザーブに置かせてもらいますね」

「っ!」

「対象はその太陽の剣です」

[太陽神剣ソルキャリバー コア1→0 消滅]

(凛々リザーブ0→1)

 

「この効果で消滅したため、1枚ドローです」

(桜手札2→3)

 

紫 ブレイヴ

《龍弩ラスタバン》

コスト4 軽減紫1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:無し

Lv1『このブレイヴの召喚時』

自分のアルティメットに直接合体するように召喚したとき、相手の合体していないスピリット/アルティメット1体のコア1個を相手のリザーブに置く。

この効果でスピリット/アルティメットが消滅したとき、自分はデッキから1枚ドローする。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリット/アルティメットの合体アタック時』

相手のスピリット1体のコア1個を相手のリザーブに置く。

 

「バーストをセットして、アタックステップ」

(手札3→2)

{桜バースト:なし→セット}

 

「っ、凌ぐしかない!」

「まず、ベリアルドでアタック。【毒刃:3】で、龍剣聖に3つ追加します」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 毒3→6]

 

 どうする、相手は返り討ちにしてもあのジュデッカの効果で場に残ってしまう。…賭けるしかない!

 

「ライフに通します!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ1→2)

 

「次は…Uアーサー、剣刃合体アタック! アルティメットトリガー、ロックオンです」

「——コスト4、《軍港都市オステア》…」

「ヒットです。…でも、そちらに疲労しているスピリットかアルティメットはいませんねぇ」

「ならアタックはライフに通します!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ2→3)

 

「ターンエンドです」

 

<凛々・第七ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ4→7)

 

「メイン!《リューマン・ルクス(2)》を出す!」

(手札5→4)

(リザーブ7→6)

[リューマン・ルクス(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

「次に《ベアードイーグル》! 軽減は、惑星十字直列の効果により赤軽減1つが究極シンボルになっている。よって最大軽減、レベル1!」

(手札4→3)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ0→1)

[ベアードイーグル コア1 レベル1 BP3000]

 

「これで最大軽減、条件は満たした…!ルクスの【スピリットソウル:赤】発揮!

 《アルティメット・アーク》!

 レベル3!」

(手札3→2)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ1→3)

[アルティメット・アーク コア1 レベル3 BP11000]

 

「最後!《水星神剣マーキュリーブレイド》をUアークに直接重ねて出す!」

(手札2→1)

(リザーブ1→0)

[リューマン・ルクス(2) コア1→0 消滅]

[ベアードイーグル コア1→0 消滅]

(トラッシュ3→6)

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓ 直接合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:11000+4000=15000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+青=極青]

 

「Uアークの合体時効果で赤のシンボルが追加されてトリプルシンボル!」

 

 ここで決めなきゃ次は無い…。でも、こじ開けられればまだ勝てるチャンスはある!

 

「アタックステップ!Uアークで攻撃! 水星神剣の【強襲:1】で、惑星十字直接を疲労させてUアークを回復!そしてトリプルシンボル!受ければ…!」

[惑星十字直接 回復→疲労]

[アルティメット・アーク(合体) 疲労→回復]

 

「ん〜、フラッシュタイミング」

「っ!」

「思い切りは良いのですが、踏み込みが足りん!と言ったところでしょうか」

「踏み込み?」

「ええ。マジック《ライトニングポイズン》を使用します」

(桜手札2→1)

[堕天騎士ベリアルド コア3→2 レベル2→1]

(トラッシュ2→3)

 

「毒が3つ以上蓄積されているスピリット、アルティメット1体を破壊します。対象はそちらの毒が6つある龍剣聖です」

「っ!?」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 毒6 破壊]

(凛々リザーブ0→1)

 

「更に、その毒を別のカードへ感染させます」

「何!?」

「龍剣聖の下にあった毒は、Uアークへ」

[アルティメット・アーク(合体) 毒0→6 シンボル赤青極→青極]

 

「これでUアークはエルシャ姫の効果を受けるようになり、効果は消えてしまいます」

「毒が移るなんて…」

 

紫 マジック

《ライトニングポイズン》

コスト3 軽減紫2

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

自分はデッキから1枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

カードが3枚以上、下にある相手のスピリット/アルティメット1体を破壊し、そのスピリット/アルティメットの下にあるカードすべてを他の相手のスピリット/アルティメット1体の下に置く。

 

 龍剣聖の毒がUアークに移って、シンボルが増える効果も消えた…。だが、まだアタックは続いてる。あちらのライフは2。エルシャでブロックするか、マジックで守らなければフィニッシュまで行ける!

 

「安心するのは早いですよ?」

「え?」

「私の手札にもう1枚の《ライトニングポイズン(2)》がありますから♪」

「に、2枚目!?」

(桜手札1→0)

[堕天騎士ベリアルド コア2→1]

(トラッシュ3→4)

 

「毒が6つ蓄積されているUアークを破壊します♪」

「まさか、あの気弾で引かれたのか…!?」

[アルティメット・アーク 毒6 破壊]

[水星神剣マーキュリーブレイド 残留 コア3 レベル1 BP4000]

●毒になっていたカード

・《剣帝眠る霊廟》

・《絶甲氷盾》

・《ミストバラッジ》

・《獣士スカイラーク》

・《フレイムブラスト》

・《獣士スカイラーク(2)》

 

「くっ…」

「水星神剣はエルシャ姫でブロック。BPはこちらが上ですので、破壊ですね」

[水星神剣マーキュリーブレイド 破壊]

(凛々リザーブ1→2)

 

「……ターン終了」

 

 ここまでか…。

 

<桜・第八ターン>

「ラストターンですね。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札0→1)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。最後は《闇騎神ネメシス》にお願いしましょう。レベル2で召喚です」

(手札3→2)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→5)

[アルティメット・アーサー(合体) コア3→1 レベル4→3]

[堕天姫エルシャ]

[闇騎士ネメシス コア3 レベル2 BP11000]

 

「このままアタックステップ。ネメシスでラストアタック。ネメシスはダブルシンボルです」

「…参りました。ライフです」

(凛々ライフ2→0)

 

 

 

「勝負あり。桜さんの勝利だ」

「なんつーデッキ…」

「お手合わせ、ありがとうございます♪」

「こちらこそ、ありがとうございます。もう一度お願いしても?」

「喜んで♪ ですが、その前に…」

「その前に…」

 

 

 

「ボクの相手、シてもラおうかナ?」




今回はvs07のカードが加わった【毒刃】でした。
しかし修正してたら短くなってしまいました。1万以下て…。
【毒刃】カードもっと出て欲しいです。

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


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Step.14 『甘いナぁルーキー』

主人公に07のカードを使わせるタイミングが見当たらない(無責任)
主人公に未来はあるのか、ノゾミガタタレルのか


 間燈さんとの対戦でボロ負けののち再戦を申し込んだところ、今まで見向きもしていなかった人物に焦点、話が向いた。

真っ黒のレインコートのようなものを来た人物。

 

「おや、やる気になりましたかな?」

「ボチボチ…」

 

 先程の態勢から随分スタイリッシュに立ち上がってきた。必要な動きなのかは不明だ。

 

「凛々君、改めて紹介しよう。こちらは白鐘 令毀(れき)さん。かの“白銀”、白鐘 璃恵の義妹だ」

「え゛っ!?」

「ドーモ」

 

 目深に被っていたフードを取り、敬礼みたいなのをしてきた。病気なのかと疑いたくなるほど白い肌と白い髪、妖しく光る金色の目。本人には申し訳無いが、本の少しゾッとしてしまった。

 

「して、如何でした? 感想は」

「え?感想ってこっち見てなかっ…」

「ンまぁ、ソこソこジャなイ?」

「え?」

「何出したカチゃンと宣言しテたじゃン」

「ああそういう…」

 

 聞き耳立ててたって。

まぁひそひそやるものでも無いし、当たり前か。

 

「どうぞ令毀さん」

「ありガたク。にシても桜ヨ、手加減しテやっタらドウヨ?」

「あら。元から容赦なんてしない令毀さんに言われるなんて心外ですね」

「アぁン?」

 

 軽口たたき合うってことは、旧知の仲なのか。それにしてもこう…正反対の二人だ。

 

「トキミネ、ダっけ?」

「は、はい」

「【赤青】を使うンナら、ボクのも参考にナるかもネ」

「そっちも赤と青を…?」

「マぁ型が丸っキり違うかラ何とモだけド、ヤれば分かる。チゃチゃっと始メるぞ」

「はい…!」

 

 同じ赤青…。これはチャンスだ。型が違うらしいが、見て盗れるものは、負けてでもモノにする!

 

   VS 白鐘 令毀

     【???】

 

 

 

「先後攻決めは…ソこの三重苦にヤらせルよかコっちダ」

「さりげにディスるのはご勘弁ですよ」

「このカード。ドちらカがコスト10てコスト0だ。選びナ」

「無視ですか」

「ここは口を挟んじゃダメですよ星さん」

「………こちらを」

「ン。…コスト10の《ロイヤルストレートフラッシュ》。当たりダな。先攻後攻ドっチにするヨ?」

 

 ……この手札なら先攻を取るべきか。だがさっきは先攻取って失敗した感じだが、どうする。

 

「………先攻で」

「了〜解」

 

<凛々・先攻第一ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メイン。………ネクサス、《大地穿つ石剣》」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「バーストを伏せてターン終了」

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

 

<令毀・後攻第二ターン>

「コっチのターンだナ。スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メインステップ。ネクサス《灼熱の谷》を配置」

(手札5→4)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→3)

 

「バーストセット。ターンエンド」

 

 赤、か…。お互い低速だからか出だしはほぼ同じ。…手を出したら負けが加速するか?

 

<凛々・第三ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン。《ベアードイーグル》をレベル2」

(手札4→3)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→3)

[ベアードイーグル コア2 レベル2 BP4000]

 

「アタックステップ。ベアードイーグルで攻撃。アタック時効果で1枚引く」

(手札3→4)

 

「ライフだ」

「ならライフを減らさず1枚引くのに変える」

(手札4→5)

 

「手ぇ増やソうっテ算段か。マぁ赤なら当たリ前だナ」

「ターン終了」

 

 まずまずの集まり具合。…頼むから大きな動きだけはしないでよ。

 

<令毀・第四ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ2→3)

 

「ドローステップに灼熱の谷の効果。ドロー枚数を1枚追加シ、1枚破棄すル。破棄すンのは《獣竜アルドゥーム》」

(手札3→5→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「メインステップ。《戦竜エルギニアス》を召喚」

(手札4→3)

(リザーブ6→5)

[戦竜エルギニアス コア1 レベル1 BP1000]

 

「ンで《六分儀剣のルリ・オーサ》をレベル2で召喚」

(手札3→2)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→3)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果。赤のスピリット…ッて、コイツら元々赤ジゃナいけど。赤のスピリット、エルギニアスとルリ・オーサにボイドからコア1つズつ追加」

[戦竜エルギニアス コア1→2]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2→3]

 

「更にマジック《ライフチャージ》。用済みのルリ・オーサを対象にして破壊シ、リザーブに3コア追加ダ」

「…容赦無い」

「他のヤツらとは違うかラ」

(手札2→1)

[戦竜エルギニアス コア2→1]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア3→1 破壊]

(トラッシュ3→6)

(リザーブ0→3→4)

 

「最後にマジック《双翼乱舞》。2枚ドロー」

(手札1→0)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ6→8)

(手札0→2)

 

「ふム、アタックは無シ。ターンエンド」

 

 何であんな上手い具合に回るんだ。…構築の差か、実力の差か。

まぁそこは今はいい。場にはエルギニアスのみ。大型が飛んでこなかったから良しとする。

 

<凛々・第五ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札5→6)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メイン。《アルティメット・エルギニアス》をレベル3で!」

(手札6→5)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→1)

[アルティメット・エルギニアス コア1 レベル3 BP5000]

 

「更に《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》、《鳥獣剣聖ペレグリン》をそれぞれレベル3で出す!」

(手札5→3)

(リザーブ2→0)

[ベアードイーグル コア2→0 消滅]

(トラッシュ1→3)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

[鳥獣剣聖ペレグリン コア1 レベル3 BP6000]

 

「一気にアルティメット3体カ…」

「アタックステップ!龍剣聖で攻撃!そして1枚引く!」

(手札3→4)

 

「おオ、良い攻メ姿勢。ライフで受けル」

(令毀ライフ5→4)

(リザーブ2→3)

 

「ライフ減少でバーストォ!《ラウンドテーブルナイツ》!」

「っ、紫のカード!?」

「トラッシュにアるコスト5以下のスピリット1体をノーコストで復活さセる! 対象は《六分儀剣のルリ・オーサ》!」

{令毀バースト:セット→発動}

 

「い、色を選ばないの!?」

「コスト5以下なラ何だっテいいのサ! しかも、召喚時効果付きダ! レベル2で復活させ赤としテ扱い、エルギニアスとルリ・オーサに1コア追加ぁ!」

(令毀リザーブ3→0)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア3→4 レベル2 BP5000]

[戦竜エルギニアス コア1→2]

 

 手札1枚、ライフ1つと引き換えに相手にスピリットとコア2つを献上か。

まだ場はこっちが有利だけど、次で押し込むにはここからだ。これを維持しないことには始まらない。

 

「さテ、まだ来るかイ?」

「…ターン終了で」

 

<令毀・第六ターン>

「クヒヒッ、マぁ賢明だナ。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札2→4→3)

●破棄したカード

・《鳥竜エルドゥーム》

(トラッシュ8→0)

(リザーブ1→9)

 

「メインステップ。…まズは、その足元を崩しテやるヨ」

「っ」

「マジック《フレイムミーティア》ぁ!!」

(手札3→2)

(リザーブ9→7)

(トラッシュ0→2)

 

「お前のBP6千以下のアルティメット全て全滅滅滅!消し炭ダぁッ!!」

「な、アルティメット破壊!?」

「せっカく出したノに悪いコとしたナぁ!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ BP5000 破壊]

[鳥獣剣聖ペレグリン BP6000 破壊]

[アルティメット・エルギニアス BP5000 破壊]

(凛々リザーブ0→3)

 

赤 マジック

《フレイムミーティア》

コスト5 軽減赤3

フラッシュ:

BP3000以下の相手のスピリットすべてを破壊する。

または、BP6000以下の相手のアルティメットすべてを破壊する。

 

 場が全滅…!?嘘でしょ!?早まったせいか、いや混乱するな。まだ立て直せる!

 

「場が綺麗になっテ良いタイミングだ。お前にボクのアルティメットを見セてやるヨ」

「っ、来るか…!」

 

「来たれ終滅の神龍!

 《邪神龍ドゥーム・ドラゴン》!

 レベル3、降臨!!」

(手札2→1)

(リザーブ7→2)

(トラッシュ2→6)

[邪神龍ドゥーム・ドラゴン コア1 レベル3 BP11000]

 

「見たことないアルティメット…」

「ボクの分身サ。召喚時効果発揮ィ! トラッシュに眠る眷属、《獣竜アルドゥーム》と《鳥竜エルドゥーム》1体ズつを復活させル!」

[獣竜アルドゥーム コア1 レベル1 BP3000]

[鳥竜エルドゥーム コア1 レベル1 BP3000]

 

「一気に5体…」

「ホら、コの程度まだ序の口ダぞ。マジック《ネオ・ダブルドロー》! アルティメットであル邪神龍がいるたメ、3枚ドロー!」

(手札1→0)

[戦竜エルギニアス コア2→1]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア4→3]

(トラッシュ6→8)

(手札0→3)

 

「最後にバーストをセットして、宴の始まりダ!アタックステップ!」

(手札3→2)

{令毀バースト:なし→セット}

 

 手札のカード1枚をバースト伏せるところに、手札を持っている方で投げ付けるようにセットした令毀さん。何でそんな無駄にカッコイイやり方をするんだろうか。真似できる気はしないけど、あれが出来たら初心者卒業なら試したくなる。

 

「エルドゥーム、啄め!自身の効果で1枚ドロー!」

(手札2→3)

 

「ライフに通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ3→4)

 

「邪神龍、ヤれ! エルドゥームの効果によリ、1枚ドロー!」

(令毀手札3→4)

 

「アルティメットとシナジーしてる…。そんなカードもあるのか」

「コイツらは特別サ。てカ、元々アルティメットはシナジーが薄いからナ。そこヲどうにかすンのがカードバトラーの腕の見せ所ッテやつダ。アタックはどうスる」 「…通す!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ4→5)

 

「ライフ減少でバースト!《ディクタトールレギオン》! 大地穿つ石剣にコア2つ追加してそのまま!」

{凛々バースト:セット→発動}

[大地穿つ石剣 コア0→2 レベル1→2]

 

「ふ〜ン。アルドゥーム、食らい付け!」

「フラッシュタイミング! マジック《ネオ・フレイムテンペスト》!BP4千以下のスピリットを全部破壊する!」

「クヒッ!仕返しッテ?」

「お返しだ!」

(凛々手札3→2)

(リザーブ5→1)

[大地穿つ石剣 コア2→0 レベル2→1]

(トラッシュ3→9)

[戦竜エルギニアス BP1000 破壊]

[獣竜アルドゥーム BP3000 破壊]

[鳥竜エルドゥーム BP3000 破壊]

(令毀リザーブ0→3)

 

「クヒヒッ。コイツらまたまとメて破壊されテンなそういえバ」

「一番派手に破壊されていたのは、“あの時”ぐらいですか令毀さん」

「あン時は“聖皇”、今度は炎の竜巻。下っ端は辛いネェ桜サンよォ」

「ふふっ♪」

 

 …なんかよく分からんけど、小型は殲滅出来た。後は立て直す手立てを…!

 

「ンでさ、ウチの眷属を破壊したオマケだ!バーストォ、《フレイムブラスト》! バースト効果で2枚ドロー!」

{令毀バースト:セット→発動}

(手札4→6)

 

「手駒も塵になッチまっタし、ターンエンドだ」

 

<凛々・第七ターン>

「スタートステップ…!」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ9→0)

(リザーブ2→11)

 

「メイン!《リューマン・ルクス》、更に《熱血剣聖リューマン・バーンカラー》を出す!それぞれレベル1!」

(手札4→2)

(リザーブ11→7)

(トラッシュ0→2)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー コア1 レベル1 BP4000]

 

「バーンカラーの召喚時効果!デッキを上から4枚めくり、その中にあるブレイヴ1つを手札に加え、残りはデッキの下へ!」

●オープンしたカード

・《リューマン・スカイハイ》(アルティメット)

・《太陽神剣ソルキャリバー》(ブレイヴ)

・《グラウンドブレイク》(マジック)

・《水星神剣マーキュリーブレイド》(ブレイヴ)

 

 っ!? そっちがめくれたか…。

どっちを取る…。

水星神剣を取るなら、このターンで仕留めきれる可能性。

太陽神剣を取れば、このターンは無理でも、次に場を整えて着実に2点ずつライフを削る。ただし、水星神剣よりでかい地雷を踏む可能性もある。

どちらもタイミングは違うが2回アタックする必要がある。片方は今この瞬間、令毀さんの扱えるコアが少ないチャンスがある。片方は、攻撃こそ受けるだろうが、“この3点を貫けるシンボルをアルティメットが持てるのは稀だ”。ブロッカーさえ何とかすれば、仕留める可能性が高まる。今危険を侵してまでライフを打つ必要があるか。おそらくどちらにしろ五分五分……

 

「………」

「随分悩むナ」

「…あと数秒待ってください」

「フン」

 

 駄目だ、悩めば悩む程あの手札が恐ろしく感じてしまう。…しかし、バーストが無い今なら攻め時かも知れない。

 

「……水星神剣を手札に加えます。残りはデッキの下へ」

(手札2→3)

 

「そして、《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》をレベル3で出す!」

(手札3→2)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ2→5)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン コア1 レベル3 BP10000]

 

「ホう…」

「召喚時効果、手札の<剣刃>ブレイヴをコスト7まで自由に召喚できる。私はさっき加えた《水星神剣マーキュリーブレイド》をノーコスト、剣輝龍皇に直接重ねて出す!」

(手札2→1)

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓ 直接合体

剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体)

[コスト:6+0]

[BP:10000+4000=14000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+青=極青]

 

「これでブレイヴの召喚が成功したから、1枚引く…!」

(手札1→2)

 

「剣輝龍皇をレベル4、バーンカラーをレベル2に。バーストをセットしてアタックステップ!」

(手札2→1)

{凛々バースト:なし→セット}

(リザーブ3→0)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) コア1→3 レベル3→4 BP10000→14000+4000=18000]

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー コア1→2 レベル1→2 BP4000→5000]

 

「剣輝龍皇で攻撃!レベル4からの効果で、このターン中合体しているスピリットとアルティメットににBPプラス3千!」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) BP18000+3000=21000]

 

「更に水星神剣の【強襲:1】! 大地穿つ石剣を疲労させて回復!」

[大地穿つ石剣 回復→疲労]

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(合体) 疲労→回復]

 

 この2回アタック…、このアタックを通せるならまだ道が見える!バーストもある!

 

「クヒヒッ!フラッシュだ!」

「っ!」

「バーストが無イと思ったカ? マジック《救世神撃覇》ァ!!」

(令毀手札6→5)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ8→10)

 

「1枚ドロー!更にバーストセットぉ!」

(手札5→6→5)

{令毀バースト:なし→セット}

 

 このタイミングでバーストをセット!? 誘い出されたのか!?

 

「アタックはライフだ!」

(令毀ライフ4→2)

(リザーブ1→3)

 

「ライフ減少でバーストォ!《アルティメットウォール》! アタックステップは終ワりダァッ!」

{令毀バースト:セット→発動}

 

 切り返されたどころじゃない、これは非情にマズい…!

 

<令毀・第八ターン>

「クヒヒッ、ぐチャぐチャ悩ンでる暇は無イぞ? スタートステップ!」

(リザーブ3→4)

(手札5→7→6)

●破棄したカード

・《鳥竜エルドゥーム(2)》

(トラッシュ10→0)

(リザーブ4→14)

 

「メインステップ! 2体目の《戦竜エルギニアス(2)》を召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ14→13)

[戦竜エルギニアス(2) コア1 レベル1 BP1000]

 

「そして、ネクサス《海魔巣食う海域》を配置!」

(手札5→4)

(リザーブ13→10)

(トラッシュ0→3)

 

「更にブレイヴ《青獣鎚パンザーハンマー》をスピリット状態で召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ10→8)

(トラッシュ3→4)

[青獣鎚パンザーハンマー コア1 レベル1 BP2000]

 

「青のブレイヴ!?」

「コイツはコスト7以下のアルティメットの召喚条件を無視できるブレイヴさ! しカも、こちラの究極シンボルを青としても扱う! これで最大軽減ダ…!」

「っ!」

 

「究極に到りシ兇暴の化身!

 無慈悲なる(あぎと)に畏れ平伏し絶望しろ!

 《アルティメット・ガンディノス》!

 レベル5! 爆進ッ!!」

(手札3→2)

(リザーブ8→0)

(トラッシュ4→7)

[アルティメット・ガンディノス コア5 レベル5 BP24000]

 

「まだダ!

 金牛の爆心《大星斧アルデバラン》をUガンディノスへ直接合体!

 壊シ滅ぼセ! ソードブレイヴアルティメット!!」

 

(手札2→1)

大星斧アルデバラン

  ↓ 直接合体

アルティメット・ガンディノス(合体)

[コスト:7+4=12]

[BP:24000+3000=27000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「最後に青獣鎚を邪神龍に合体さセ、コア1つを海域に移しレベル2へ!」

青獣鎚パンザーハンマー

  ↓ 合体

邪神龍ドゥーム・ドラゴン(合体)

[コスト:7+2=9]

[BP:11000+2000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

[海魔巣食う海域 コア0→1 レベル1→2]

 

「アタックステップ! 覚悟決めナァ!」

「っ…!」

「Uガンディノス、蹂躙シろ!剣刃合体アタック!」

 

 マズい、BP2万7千の化け物なんてどう止めればいい…!?

 

表情(かお)が引き攣っテンぜェ? アルティメットトリガー、ロックオン!」

「……っ! コスト12!《六巨皇スカーレット・ドラグライン》!」

「!? クヒャハハハッ!まさか、止めラれるとハ思わなンダ!クヒャハハハ!!……だがァ、アルデバランの合体時効果に引ッ掛かッタなぁ!!」

「は!?」

「合体しテいるUガンディノスのトリガーがガードされた場合、相手に褒美としテBP2万以下の相手スピリットかアルティメットをブッ壊わス!!」

「な…!?」

「壊レちまえ蛮カラァ!!」

[熱血剣聖リューマン・バーンカラー BP5000 破壊]

(凛々リザーブ0→2)

 

赤 ブレイヴ

《大星斧アルデバラン》

コスト3 軽減赤2極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +3000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する。

【合体条件:コスト4以上のアルティメット】

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

このアルティメットのUトリガーがガードされたとき、BP20000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

 

「驚クのはまダ、早い! Uガンディノスレベル3からノアタック時効果、【強襲:2】!」

「き、強襲!?赤のカードなのに青の効果を持ってるの!?」

「元のコイツは悪名高き“裏Xレア”の1枚。裏Xは別々の効果を合わせ持ッテるンだヨ」

[灼熱の谷 回復→疲労]

[アルティメット・ガンディノス(合体) 疲労→回復]

 

赤 アルティメット

《アルティメット・ガンディノス》

コスト7 軽減赤2青2 <新生・地竜>

【召喚条件:自分の赤/青スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<3> Lv4 BP14000

<5> Lv5 BP24000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5【強襲:2】『このアルティメットのアタック時』

このアルティメットは、ターンに2回まで、自分のネクサス1つを疲労させることで回復できる。

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、BP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

 合体もしないで元から【強襲】持ち、しかも2回も回復できるなんて反則も良いところじゃないか…!

 

「さテ、アタックはどウスる!」

「……通します!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ2→3)

 

「分かッテるかは知らンけど、海域の効果で赤、緑、白のバーストは発動不可能ダからナ」

「……了解」

「Uガンディノス、二度目の剣刃合体アタック! アルティメットトリガー!」

「…コスト4、《炎星斧エルナト》!」

「ヒット!BP1万以下のスピリットをブッ壊す!ルクス、お前ダ!!」

「トリガーを当てても破壊してくるか…!」

[リューマン・ルクス BP1000 破壊]

(凛々リザーブ3→4)

 

「更に【強襲】で二度目の回復!」

[海魔巣食う海域 回復→疲労]

[アルティメット・ガンディノス(合体) 疲労→回復]

 

「ライフに通します…!」

(凛々ライフ2→1)

(リザーブ4→5)

 

「Uガンディノス、三度目の剣刃合体アタック!アルティメットトリガー!」

「…コスト6、《アルティメット・シャイニングドラゴン》」

「ヒット!…と言っテも、対象不在だけド。アタックは!」

「剣輝龍皇でブロック!」

 

Sword Brave Attack!!

アルティメット・ガンディノス+大星斧アルデバラン

BP24000+3000=27000 →win!!

  vs

Defense!!

剣輝龍皇シャイニング・リューマン+水星神剣マーキュリーブレイド

BP14000+4000=18000 →Lose...

 

「回復してタのが幸いしたナ」

「手詰まりですけどね…!」

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン 破壊]

[水星神剣マーキュリーブレイド 残留 コア3 レベル1 BP4000]

 

「ラスト! 邪神龍、剣刃合体アタック!」

 

 …ここまで。最後に引いて伏せた絶甲氷盾が悪手だったか。

 

「ライフで、受けます…!」

(凛々ライフ1→0)

 

 

 

「なんていう制圧力…!」

「クヒヒッ、マぁマぁだガ色々と甘いナぁルーキー?」

「是非!ご指導をお願いします!」

「へ?お、オう。…なんか調子狂うナ」




今回はvs赤青でした。
前のに幾らか07のをぶちこんだだけの手抜きデッキです。
コアブ力が高まり回転率が上がった程度ですが。

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


※余談
ダブドラはまだ序盤…評価にはまだ早い…。
そんなことより6月18日発売のドリームブースター【炎と風の異魔神】
夏発売予定コラボブースター【怪獣王ノ咆哮】
どちらも楽しみに待ちましょう。


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Step.15 『見直すべき』

いつも遅れる私を許してほしい…(無言じゃない謝罪)



「《アルティメット・マンティス》、剣刃合体アタック! ヒット時効果により、アタックでライフを減らしたとき追加でライフ1つを破壊する!」

「ま、待って!まだ主役のアルティメットが手札に…」

「関係ないよ!主役と一緒に逝けぇ!」

「関係なかった!!」

 

「《闇騎神ネメシス》、合体アタック。合体している《護星鎧エク・レウス》の効果で【毒刃】の枚数を1枚増やし、Uアークに毒を3枚仕込みます。これにより全体の毒は合わせて12枚。ブロックされたときレベル2の効果で下にあるカード3枚につきライフ1つ、よってライフ4つ砕きますね」

「ま、待ってください!まだ自壊用のマジックが…」

「関係ありません♪ 使いたかったマジックと一緒に逝ってください♪」

「関係なかった!!」

 

「《邪神龍ドゥーム・ドラゴン》に《獣竜アルドゥーム》3体の効果にデ赤のシンボル3つ追加ァ!!」

「ま、待って!まだ何もしてな…」

「関係ねェヨ! 抱えタ手札と一緒に逝ケェ!!」

「関係なかった!!」

 

 

 

 これが、特訓…。

冗談が言えるくらいにはなってきたが、早苗のときみたく噛み付くことすらままならないとは。良くて間燈さんに良いとこまで行けるのみ、あとはあしらわれて終わり。

 

「桜はまダしも、星に白星を1ツも取れナいッテなどういう構築してンの?」

「赤青を意識してはいるんですけど…」

「ふむ。では全員でチェックといこう。アドバイスはできるだろうし」

 

 てな訳で早苗と姉さん、理絵に見てもらって以来のデッキチェック。…おかしい。何故白のスピリットやアルティメットが引けないんだ。ちゃんと入ってるのに。

…本格的に見直すべきか。

 

「赤青に白ですね」

「……驚いた」

「4、5、6コスのスピリットがいナいだト?」

「あら、通りで」

 

 …そういえば改めて見てみるとそうかも。

 

「シンボル確保はネクサスの仕事かな」

「自然とそうなる形でしょうか。…ただ、纏めて処理されやすく脆いですね」

「例え低コストのアルティメットだロうと、究極シンボルの軽減がネックだカらナ。速攻型なら分からナくもナいが」

 

 三人からの評価は不評。

フィニッシャーやキーのUアーク、剣輝龍皇が1枚だからとにかく継続的に攻める力が足りないとのこと。嵌まれば強い…が、嵌まるまで相手が待つ訳が無い。

 

「ブレイヴの合体先が限定されているのも踏み切れ無い要因かもね」

「でも、アルティメットに合体させれば…」

「それまでの繋ぎだよ。例えばガクルックスならコスト3以上が条件だろう? 合体先が龍剣聖としても、アルティメットである以上ルクスかエルギニアスを先に出す必要が出てくる。しかし彼らはコスト1。一時的にでも合体させて置けないとなってしまうと、無防備に1コストのスピリット出しているようなものだ。まぁ破壊後バーストの囮としてなら話は違ってくるがね」

「なるほど」

「それを踏まえてスタードライアンはどうだ。レベル1のBPは3千と低めだが、レベル1から青、レベル2からは赤になれる。コア効率も良い。いっそエルギニアスを抜きこれを3枚採用しても良いかも知れないね」

「ふむ…」

 

「となれば、私からはこれをオススメしますね」

「…《トライアングルバースト》?」

「相手のスピリットのアタックに反応して発動するバーストです。コスト4以下のスピリットかアルティメットを召喚時効果を無効にして出せるので、鴇峯さんのデッキならば相性は良いかと」

「へぇ…。なら、オステアと入れ換えても良いかもですね」

「見たところバーンカラーとシグルド以外にこれといった召喚時効果も無い様子ですし、Uイグア・バギーもついでに外してしまっても良いかもしれませんね」

 

「ナらこレと一緒にヤるよ」

「え?」

「《トライアングルバースト》、《六分儀剣のルリ・オーサ》、《流星の剣聖シューティングスター》。好きに使いナ」

「そんな、勝ってもいないのに…」

「いいサ。ルリ・オーサは余ッテるし、ボクはシューティングスター使わナいから」

「…ありがとうございます」

「クヒッ、多少は強くナッてヨ?」

「はい」

 

 

 

 あれやこれやと話し合うこと数時間。

遂に見えた、今出来るデッキの極致。それは……

 

「全部ぶち込む」

 

「…今までの流れは何だったんだい」

「全部ですか? 交換したとしても50枚ぎりぎりですよ?」

「お前考えてルように見えテ深く考エるの苦手だロ?」

「…そ、そんなことないですよ」

「ったく、ナらぐちゃぐちゃしてナいで、貪欲な瓶並に何も考えズヤッたらどうダ?」

 

 正直に申しますと考えるのが面倒になってきたためです。はい。

 

「なんかこう、ネオ・ダブルドローとかもそうなんですけど、いっぱい引けるマジックとかって無いですか?」

「となると、令毀さん?」

「アアン?我が儘な注文だナァ。…灼熱の谷みたイなのカ?」

 

 それも良いんだが捨てたくない。破棄したくない。出来ればドロー枚数をプラスするのがいい。それを聞いた令毀さんが桜さんに何か取ってきてくれるよう頼んだ。

 

「お待たせしました」

「サンキュ。ついデに色々持ってケ」

「っ! こんなに!?」

「ただシ!コんだケくれてヤるンだ。絶対に強くなルって約束しろ。いいナ?」

「約束します」

「ではまた見直しかな凛々君」

 

 こんなに良くしてもらってボロ負けしてますじゃ申し訳が立たないどころではない。

 

 

 

 ——更に数時間。時計を見れば夕方の18時を回ろうとするところ。朝から対戦してからかなり時間が経過していた。

 

「もうこんな時間か…」

「小腹空いたなぁ」

「ん?」

「ん?」

「さておき鴇峯さん。一応組み上がりましたし、バトルしてみますか?」

「ならば私が相手だな」

 

 おそらく時間的に最後の対戦になる。そこに名乗り出た星さん。このごった煮のようなデッキでどこまで行けるかリベンジと行こう。

 

 

「さて、連敗記録はどこまで伸びるかな?」

「せめて露出狂からは1勝もぎ取る!このままじゃ恥だ!」

「酷い!」

 

<星・先攻第一ターン>

「繊細な私のハートは傷付いた!訴訟も辞さない!慰謝料として先攻をもらう!」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「ならまず服装から正すべきじゃ…」

「何!?この服装は普通では無いのか!?」

「媚びる気も無いのにんな服着るのが悪い!」

「…ううむ、ファッションを見直すべきか」

 

 やめるとかではなく見直すのか。

 

「まあ後で考えようメインステップ!《ウスバアゲハ》を召喚だ!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→3)

[ウスバアゲハ コア1 レベル1 BP2000]

 

「召喚時効果によりリザーブに1コアブースト。そしてウスバアゲハをレベル2にし、バーストをセットしターンエンド!」

(リザーブ0→1→0)

[ウスバアゲハ コア1→2 レベル1→2 BP2000→3000]

(手札4→3)

{星バースト:なし→セット}

 

 いつものコアブースト。このデッキじゃコア差を詰めることは無理。なら場を整えさせず、徹底的に荒らすのが上策。考えず暴れるのが良い。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。ネクサスの《炎の楽園》を置く」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「次にバーストを伏せてターン終了」

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

 

 デッキがまた様変わりしたから戦い方が変わった。道筋みたいのは構築するときに大体整えたが、あとは当たった流れでどうにかしろとのアドバイス。…何だその八百長を促すような助言は。

 

<星・第三ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ。《シマリース》くんを召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ4→3)

[シマリース コア1 レベル1 BP2000]

 

「更に《アルティメット・オニクワガー》を召喚だ! 維持コアにはウスバアゲハから確保!」

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ0→3)

[ウスバアゲハ コア2→1 レベル2→1]

[アルティメット・オニクワガー コア1 レベル3 BP7000]

 

「もう来たか…」

「ここはターンエンドとしよう。焦る必要はまだ無いからね」

 

 ということは次に攻めてくるつもりか。

 

<凛々・第四ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メイン。ネクサスの《大地穿つ石剣》を置く」

(手札4→3)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→3)

 

「次に《星騎槍ガクルックス》をスピリット状態で出す! コストは炎の楽園の効果で赤の軽減が1つ追加されているから、2コスト!」

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ3→5)

[星騎槍ガクルックス コア1 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果。BP4千以下のシマリースを対象に破壊する!」

「今さっき出たばかりのシマリースくんをいぢめるのかい?」

「………」

「いぢめる?」

「イラッと来る!吹き飛べ!」

「ああ゛っ!?シマリースくーん!!」

[シマリース BP2000 破壊]

(星リザーブ0→1)

 

緑 スピリット

《シマリース》

コスト1 軽減緑1 <遊精>

<1> Lv1 BP2000

<3> Lv2 BP3000

シンボル:緑

Lv1・Lv2【スピリットソウル:緑】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[シンボル:緑]を追加する。

Lv2『相手によるこのスピリットの破壊時』

ボイドからコア2個を自分のリザーブに置く。

 

「まあいい。その召喚時に反応してバースト発動!《双翼乱舞》! バースト効果で2枚ドローさせてもらう!」

{星バースト:セット→発動}

(星手札2→4)

 

 掛かった……いや、掛かりに来たのか。

何にしろ好都合だ!

 

「伏せてあるのだろう?わざわざ私に手札を増やさせたんだ!」

「勿論!手札が増えた後にバースト!《インペリアルバースト》!」

{凛々バースト:セット→発動}

 

「バースト効果でコスト5以下のアルティメット、ぴったりコスト5のUオニクワガーを破壊!」

[アルティメット・オニクワガー コスト5 破壊]

(星リザーブ1→2)

 

青 マジック

《インペリアルバースト》

コスト5 軽減青2赤1

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

コスト5以下の相手のアルティメット1体を破壊する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト4以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【連鎖:条件《赤/究極シンボル》】

[赤][極]:相手のネクサス1つを破壊する。

 

 これで同等と言いたいけどそうは行かない。場は空けたが手札2枚が対価だし。…星さんもデッキを改良してるだろうけど緑にガクルックスを破壊する手段が無い事を祈ろう。

 

「バーストを伏せてターン終了」

(手札2→1)

{凛々バースト:なし→セット}

 

<星・第五ターン>

「さて建て直すか。スタートステップ!」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「メインステップ。リズムを上げていこうか!《タマムッシュ》をレベル2で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ0→2)

[タマムッシュ コア4 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果!召喚した際のレベル分、タマムッシュにコアを追加する!」

「レベル分?」

「そう。召喚した際のレベル1な1つ、2なら2つ追加されるのさ!」

[タマムッシュ コア4→6]

 

緑 スピリット

《タマムッシュ》【1枚制限】

コスト3 軽減緑1 <怪虫>

<1> Lv1 BP2000

<4> Lv2 BP5000

シンボル:緑

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドから、このスピリットのLvと同じ個数のコアをこのスピリットに置く。

 

「3コストで2つ増やすか…」

「これが制限カードの力さ。更に《シュバリアン・ハスキー》をレベル3で召喚!」

(手札4→3)

[タマムッシュ コア6→3 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

[シュバリアン・ハスキー コア1 レベル3 BP6000]

 

「そして、先駆けたる獣の刃、《星獣刃プロキオン》!

 シュバリアン・ハスキーへ直接合体!」

(手札3→2)

[タマムッシュ コア3→2]

(トラッシュ4→5)

星獣刃プロキオン

  ↓ 直接合体

シュバリアン・ハスキー(合体)

[コスト:4+3=7]

[BP:6000+2000=8000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「召喚時効果!アルティメットであるシュバリアン・ハスキーに1コア追加!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア1→2 レベル3→4 BP6000→8000+2000=10000]

 

「最後にバーストをセットしアタックステップだ!」

(手札2→1)

{星バースト:なし→セット}

 

「ハスキー、剣刃合体アタック! プロキオンの効果、アルティメットと合体しているならば相手スピリット1体疲労させる!」

[星騎槍ガクルックス 回復→疲労]

 

「そしてアルティメットトリガーロックオン! こちらのコストは7だ!」

「…コスト2、《獣士スカイラーク》」

「ヒット!ハスキーにコア2つ追加!」

[シュバリアン・ハスキー(合体) コア2→4]

 

 コア差が開いてきた。だけどまだ余裕はある。…手札1枚だけど。

 

「アタックはライフに通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ライフ減少でバースト、《ディクタトールレギオン》!炎の楽園に2コア乗せて、追加は払わずそのまま!」

{凛々バースト:セット→発動}

[炎の楽園 コア0→2 レベル1→2]

 

「ターンエンド。さあ新しくなった動き、期待させてもらうよ」

 

 言われずともやる。やってやる!

約束した以上、ここまで力を貸してくれた以上、不様な負けを晒す訳にはいかない。

 

<凛々・第六ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

 

「炎の楽園レベル2の効果でドローステップで引く枚数を1枚増やす!」

(手札1→3)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ2→7)

 

赤 ネクサス

《炎の楽園》

コスト4 軽減赤2

<0> Lv1

<2> Lv2

シンボル:赤

Lv1・Lv2

自分の手札にあるブレイヴカードすべてに軽減シンボル[赤]を与える。

Lv2『自分のドローステップ』

ドローの枚数を+1枚する。

 

「メイン! 早速投入!《リューマン・ソードブレイカー》!」

(手札3→2)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→3)

[リューマン・ソードブレイカー コア1 レベル3 BP8000]

 

 令毀さんと桜さんから大盤振る舞いして貰ったカードの一つ! 後はただ流れに乗る!

 

「召喚時効果!合体しているスピリットかアルティメットのブレイヴを破壊する!」

「ほう!Uシュリケラプトルより範囲が広いのか!」

「シュバリアン・ハスキーのプロキオンを指定!」

[星獣刃プロキオン 破壊]

[シュバリアン・ハスキー BP10000−2000=8000]

 

「そしてガクルックスをソードブレイカーへ重ねる! これでレベル4!」

星騎槍ガクルックス

  ↓ 合体

リューマン・ソードブレイカー(合体)

[星騎槍ガクルックス コア譲渡]

[リューマン・ソードブレイカー コア1→2 レベル3→4]

[コスト:5+4=9]

[BP:8000→11000+3000=14000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「何も考えず…。《リューマン・ルクス》!」

(手札2→1)

(リザーブ3→2)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

 

「最後に石剣をレベル2、ルクスをレベル2、バーストを伏せてアタックステップ!」

(リザーブ2→1)

[大地穿つ石剣 コア0→1 レベル1→2]

[炎の楽園 コア2→0 レベル2→1]

[リューマン・ルクス コア1→3 レベル1→2 BP3000]

(手札1→0)

{凛々バースト:なし→セット}

 

「ソードブレイカーで攻撃!まずガクルックスの効果で1枚引いて、トリガー発揮!コストは9!」

(手札0→1)

 

「——コスト6、《剛の剣聖ルビート》!」

「ヒット!石剣の効果で2枚引く!」

(手札1→3)

 

 よし、手札が戻った!悩むな、押して行け私!

 

「ソードブレイカーのヒット時効果、このアルティメットのBP以下のスピリットを破壊する…けど、ルクスレベル2からの効果! 名前に“リューマン”を含む合体アルティメットのトリガー効果対象をアルティメットも含められる!」

「ルクスの隠された効果か!」

「使う機会がなかった!BP1万4千以下のシュバリアン・ハスキーを破壊!」

[シュバリアン・ハスキー BP8000 破壊]

(星リザーブ0→4)

 

赤 スピリット

《リューマン・ルクス》

Lv2

カード名に「???」/「リューマン」と入っている自分の合体アルティメットのUトリガーのヒット効果に書かれた「相手のスピリット」を「相手のスピリット/アルティメット」に変更する。

 

赤 アルティメット

《リューマン・ソードブレイカー》

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

コスト5 軽減赤2極1 <次代・竜人>

<1> Lv3 BP8000

<2> Lv4 BP11000

<5> Lv5 BP17000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

相手の合体スピリット/合体アルティメットのブレイヴ1つを破壊する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、このアルティメットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

 盤面をこっちに傾けられた…!手札も優位、蹂躙していけ!

 

「前より良い動きだ。しかぁし!私のアルティメットの破壊に反応し、バースト発動!」

「っ!」

「舞い躍れ疾風!《アルティメット・ウシワカ》!」

{星バースト:セット→発動}

 

 伏せてたか…。ソードブレイカーで出た時に引っ掛からなくてよかったと思うべきか。

 

「バースト効果でルクスを疲労!そしてバースト召喚レベル5!」

[リューマン・ルクス 回復→疲労]

{星バースト:発動→召喚}

(星リザーブ4→0)

[アルティメット・ウシワカ コア4 レベル5 BP18000]

 

「1万8千…!」

「Uウシワカでブロック!そしてバトル時アルティメットトリガーロックオン!」

「っ、コスト5の《フレイムスパーク》」

「同値で外したか。まぁいい。ソードブレイカーのBPでは4千届かない!何も無ければ返り討ちだ!」

「…ガクルックスは残す!」

[リューマン・ソードブレイカー 破壊]

[星騎槍ガクルックス 残留 コア2 レベル1 BP3000]

 

「ターン終了」

 

 上手く躱されたか。だけど焦るな、思考の沼に嵌まるな、前見て現状を打破する道を探れ…!

 

<星・第七ターン>

「シュバリアン・ハスキーを破壊されたのは想定外だったが、まだ利はこちらにある!スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

「メインステップ! 好機!まず2体目の《シマリース》くんを召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ6→5)

[シマリース(2) コア1 レベル1 BP2000]

 

「更にマジック、《ハンドリバース》を使用!手札を全て破棄し、そちらの手札と同じ枚数ドローする!そちらのドローはこちらとしても有り難い限りだ感謝してあげよう!」

(手札2→1→0)

(リザーブ5→4)

[タマムッシュ コア2→0 消滅]

(トラッシュ0→3)

 

「毎回思うんですけどあもりにも卑怯すぐるでしょう?汚いな緑さすが緑きたない」

「汚いは、褒め言葉だ。とどこかの忍者が言っていたな」

(手札0→4)

 

「ふふっ、この手札なら君のライフを撃つのも容易いだろう」

「…容易いかどうか、これを見てから判断すればいい!相手の手札が増えたことで、バースト発動!」

「っ!?」

「星さんから貰った《エグゾーストエンド》だ!増えた分コアを追加させてもらう! 6枚増えたから、リザーブに6コア追加!」

{凛々バースト:セット→発動}

(凛々リザーブ0→4)

 

「更に追加コストを支払って、そちらの手札2枚につきスピリット1体疲労させる! ウスバアゲハ(1)とシマリースを指定!」

(凛々リザーブ1→5→2)

(トラッシュ3→6)

[ウスバアゲハ(1) 回復→疲労]

[シマリース(2) 回復→疲労]

 

 これで6コアブーストして2体分穴を開けた!今まで増やされた分これでイーブンに持ち込めたはずだ!

 

「…まさか、私のあげたカードでその私が苦しくなるとは。熱くなってくるよ!」

「やっぱ、マゾヒスティックな感じなんですね」

「ふはははっ…!この高揚、この接戦!良い調子じゃないか凛々君!だが足りない!もっと私を苦しめてみせろ!」

「なんだ突然」

「そんなマジレスされちゃ私が困ってしまう」

 

 星さんが楽しくなってるのは理解出来たが、苦戦を楽しむか…。今の私じゃ理解が追い付かないと思う。今は、どう戦うかを考えるのに必死だ。

 

「では見せてあげよう、我がデッキの切り札!“風舞の牛若”、“烈刃の青龍”と並ぶアルティメットを! シマリースの【スピリットソウル:緑】発揮!」

「っ!」

 

「始祖にして終焉!

 連なりし最後の帝、《終焉甲帝》!

 流れ往く黄昏纏いて立ち上がれ!!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

[アルティメット・ウシワカ コア4→3 レベル5→4 BP18000→13000]

(トラッシュ3→7)

[終焉甲帝 コア1 レベル3 BP12000]

 

「終焉甲帝…」

「ご察しのとおり、モデルになったのはかの最後の皇帝“ラストエンペラー”だよ。

そしてアルティメットが召喚されたことにより、碧きの剣刃が目覚める!

 《地球神剣ガイアノホコ》を手札から提示!」

 

 3体目のアルティメットに地球神剣まで来た…。いよいよ本気を出してきたか!

 

「地球神剣を終焉甲帝へ献上! そして召喚時効果により自身にコア2つ追加!これによりレベル4!」

(手札3→2)

地球神剣ガイアノホコ

  ↓ 直接合体

終焉甲帝(合体)

[コスト:7+5=12]

[BP:12000+5000=17000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+緑=極緑]

[終焉甲帝 コア1→3 レベル3→4 BP12000→18000+5000=23000]

 

「暁へ刻め!ソードブレイヴアルティメット!!」

 

緑 アルティメット

終焉甲帝(ラストエンペラー)

コスト7 軽減緑3 <次代・殻人>

【召喚条件:コスト3以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP12000

<3> Lv4 BP18000

<5> Lv5 BP24000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

ボイドからコア2個をこのアルティメットに置く。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のスピリット2体を疲労させる。

Uトリガー後、自分のライフが3以下なら、さらに、XUトリガーを行う。

【XUトリガー】???……

 

 何戦かしても姿を見せなかったアルティメット…いや、敢えて使わなかったんだろう。星さんの切り札中の切り札、召喚時のコアブーストだけで済むはずがない。

 

「ではアタックステップ! 終焉甲帝、剣刃合体アタック!!」

「きた…!」

「地球神剣のバトル時効果によりバーストは発動できない!更にアルティメットトリガーロックオン!」

「…! コスト7《ネオ・フレイムテンペスト》!ガード…」

「いいやヒットだ!」

「えっ!?」

「終焉甲帝は“【XU(クロス・アルティメット)トリガー】”を持つ地球神剣の担い手!よって加算できる!」

「クロスアルティメットトリガー!?」

「今は発揮できないが、いずれ分かるさ。いずれな!」

 

「ヒット時効果によりそちらのスピリット2体を疲労!だが対象がいないか」

 

緑 ブレイヴ

《地球神剣ガイアノホコ》

【合体時】

XUトリガーを持たないアルティメットと合体している間、このブレイヴをコスト0として扱う。

 

「受けろ2点ダメージを!!」

「っ、ライフに通す!」

(凛々ライフ4→2)

(リザーブ2→4)

 

「続けてUウシワカでアタック! アルティメットトリガーロックオン!」

「…コスト3、《アルティメット・エルギニアス》!」

「ヒット!」

 

 Uウシワカのトリガーはアルティメットを回復させて手札に戻る効果。終焉甲帝を回復させて仕留めるつもりか。なら…!

 

「Uウシワカのアタックは…」

「甘いッ!!このカードを忘れた訳ではあるまいな!《アルティメット・セイリュービ》、【烈神速】の存在を!!」

(星手札2→1)

 

「トラッシュのコアは7つ!これをウスバアゲハに1つ、Uウシワカに1つ、残りを終焉甲帝に注ぎ【烈神速】召喚ッ!!」

(星トラッシュ7→0)

[ウスバアゲハ コア1→2 レベル1→2 BP2000→3000]

[アルティメット・ウシワカ コア3→4 レベル4→5]

[終焉甲帝(合体) コア3→8→7 レベル4→5 BP18000→24000+5000=29000]

[アルティメット・セイリュービ コア1 レベル4 BP10000]

 

 セイリュービ…!こいつもやっぱり手札にいたか…!

 

「ウスバアゲハレベル2からの効果! 私の<殻人>アルティメットがバトルしている間、そちらはバーストを発動できない!ガイアノホコを持ってなくともバーストは封じられるんだよ!」

「っ…」

「フゥーハハハーーッ!今更セットしようともう遅い!!」

 

「フラッシュタイミング!」

 

「…っ!?」

 

「マジック《絶甲氷盾》!!」

(凛々手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ6→10)

 

「手札から絶甲氷盾だとぉ!?」

「このアタックが終わったらアタックステップを強制終了させる! アタックはライフに通す!」

(凛々ライフ2→1)

(リザーブ0→1)

 

「ちぃ…! だがUウシワカのヒット時効果により自身を手札に戻し、終焉甲帝を回復させてターンエンドだ!」

[アルティメット・ウシワカ 手札に]

(星手札1→2)

(星リザーブ0→4)

[終焉甲帝(合体) 疲労→回復]

 

「さあ凛々君!きみのファイナルターンだ!」

 

 分かっている。ここを逃せばもう勝ちは無い。

余計な事は考えるな!勝ちを目指せ!

 

<凛々・第八ターン>

「スタートステップ!!」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ10→0)

(リザーブ2→12)

 

 っ!!!

…一瞬電流が走り抜けていく感覚。

これが来たなら、行ける!

 

「メイン!《炎星斧エルナト》をスピリット状態で出す!」

(手札4→3)

(リザーブ12→11)

(トラッシュ0→1)

[星騎槍ガクルックス コア2→1]

[炎星斧エルナト コア1 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果でトラッシュにあるコスト5以下の赤アルティメット、《リューマン・ソードブレイカー》を手札に戻す!」

(手札3→4)

 

「そして再び《リューマン・ソードブレイカー》を出す!」

(手札4→3)

(リザーブ11→7)

(トラッシュ1→4)

[リューマン・ソードブレイカー コア1 レベル3 BP8000]

 

「召喚時効果で地球神剣を破壊!」

「おのれまたしても!」

[地球神剣ガイアノホコ 破壊]

 

「ソードブレイカーにエルナトを重ねる!」

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

リューマン・ソードブレイカー(合体)

[炎星斧エルナト コア1→譲渡]

[リューマン・ソードブレイカー(合体) コア1→2 レベル3→4 BP8000→11000]

[コスト:5+4=9]

[BP:11000+3000=14000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

「シンボルの確保は十分!

 最大軽減で《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》をレベル3で出す!」

(手札3→2)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ4→6)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン コア3 レベル4 BP14000]

 

「ようやくお出ましか剣輝龍皇!」

「召喚時効果、【U抜刀】!

手札の<剣刃>ブレイヴ、《水星神剣マーキュリーブレイド》を剣輝龍皇へ直接重ねる!」

(手札3→2)

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓ 直接合体

[コスト:6+0]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+青=極青]

 

「成程。だが剣輝龍皇の効果を持ってしても終焉甲帝のBPは2万4千!越える事はできん!」

「まだだ!」

「っ!」

「U抜刀が成功したから、1枚引く!」

 

 このドロー効果で、アイツが来るかで、この対戦の結末が変わる。

勿論来なければ敗北。…だけど、来たのなら。

 

 

「………来いッ!!」

(手札2→3)

 

 

 

 

「………」

 

「……っ」

 

 “カードが応える”なんてオカルトだって思っていたけど、現金な話、今なら信じられる気がする!

 

「……来たのか!!

 《アルティメット・アーク》!レベル4!!」

(手札3→2)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ6→8)

[ry-マン・ルクス コア3→2 レベル2→1]

[アルティメット・アーク コア3 レベル4 BP15000]

 

「っ…!」

「最後だ!《太陽神剣ソルキャリバー》をUアークへ! コストはガクルックスから確保!」

(手札2→1)

[星騎槍ガクルックス コア1→0 消滅]

(トラッシュ8→9)

太陽神剣ソルキャリバー

  ↓ 直接合体

アルティメット・アーク(合体)

[コスト:7+0]

[BP:15000+4000=19000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:極+赤=極赤]

 

「今出来る最大限で勝負だ!アタックステップ!!」

[アルティメット・アーク(合体) シンボル極赤+赤=極赤赤]

 

「Uアーク、攻撃!トリガー効果!」

「——《アルティメット・セッコーキジ》、コスト3!」

「ヒット!まず石剣の効果で2枚引く! そして太陽神剣の効果でヒットしたカードがアルティメットだったなら、合体していないアルティメット1体を破壊する!対象は、終焉甲帝!!」

「なんとっ!?」

(凛々手札1→3)

[終焉甲帝 破壊]

(星リザーブ4→11)

 

「更にBP4千以下のウスバアゲハ、Uアークの効果でBP1万5千以下のUセイリュービも破壊!」

[ウスバアゲハ BP3000 破壊]

[アルティメット・セイリュービ BP10000]

(星リザーブ11→14)

 

「か、壊滅だと!?」

「そしてメインのトリプルシンボル!」

「ええい…、フラッシュタイミング! 《ブレイド・ジー》を【神速】召喚!」

(星手札2→1)

(リザーブ14→12)

(トラッシュ0→1)

[ブレイド・ジー コア1 レベル1 BP1000]

 

「ブレイド・ジーでブロックすれば3点ダメージはなくなるぞ凛々君!」

 

 普通の【神速】も抱えていた…けど今の私は、そんなんじゃ止められない!止まる君は無い!

 

「フラッシュタイミング!」

「っ!?」

「マジック《フレイムブラスト》! BP4千以下のブレイド・ジーを破壊!」

(凛々手札3→2)

[リューマン・ルクス コア2→1]

(トラッシュ9→10)

[ブレイド・ジー BP1000 破壊]

(星リザーブ12→13)

 

「また焼かれただと!?」

「最後の手札はUウシワカ!手は尽きた!!」

「……ふっ、確かに。ライフだ!」

(星ライフ5→2)

(リザーブ13→16)

 

「ラスト!これで…!」

「まさか、考え方を少し変えるだけでここまでやるようになるとは…。やるじゃないか」

「星さんたちのお陰ですよ」

「それは重畳」

 

 凄い…!この力と感覚! これならアイツに一発かませる…。後は遅れを取らないよう高めて行くのみ!

 

「剣輝龍皇、合体アタック!! 剣輝龍皇はダブルシンボル!!」

「最後のライフ2つ!受けてあげよう!!」

 

(星ライフ2→0)

 

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

──────

────

───

 

 

 

「今日はありがとうございました」

「いや。こちらもかなり有意義になったよ。凛々君も上達したみたいだからね」

「間燈さんも、令毀さんも、ありがとうございます」

「ン」

「…はい」

「頂いたカード、必ず役立てます!」

「入口まで送ろう。店内の連中にターゲットされてはアレだしね」

「は、はあ…」

 

 

 

 

 

  ◇  ◇  ◇

 

 凛々と星が出た個室。そこでは令毀と桜が浮かない面持ちで向かいあっていた。お互いやってしまったかと言った申し訳なさが伺える。

 

「………」

「………」

「…ヤッぱ、ボクは人に何か教えられルような器ジャないネ」

「それは私もです。…悪い事をしました」

 

 凛々が自信を付け、カードの扱いが上達したのは喜ばしい事ではある。…しかし、凛々が最後のアタックをする瞬間に見せたあの目。二人が何度も目にした、初心者や中級者成り立てがするあの特有の嫌な雰囲気。

 

「……」

「はァァ…。バカ姉と“義姉貴”に叱らレンなこりャ二人揃って」




突然の07投入!フラゲ組からいただいたと言うことで…。
しかし当初予定していた作品の内容からズレが生じている感じです。
まぁいっか(匙投げ)
フィールを高める主人公の結末はいかに。

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


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Step.16 『力さえあれば!』

ここが神皇次元か…(時代遅れ)
超遅れました(常套句)
先にお伝えしますが、次回投稿もまた遅れそうです(土下座)



※修正報告
一部状況を左右してしまうミスを発見していただいた為、一度削除し再度見直し、再投稿致しました。
ミス報告大変ありがとうございます。
まだミスがありましたらまた遠慮なくご指摘ください。


 

「羽月、対戦してほしい」

 

 あの強化特訓の夜。

帰宅したら深緒と羽月が家にいた。いや別に幼なじみだし、姉さんが上げたなら文句なんか無い。

でもこれは良い巡り会わせだ。前のリベンジに加えてこのデッキの突破力が通じるか確認できる。

 

「え、凛々なんかやけにテンション高くない?」

「そう? で、羽月。返答は?」「私は構わないけど、お姉さんが…」

「姉さん?」

「………おかえり♪」

「……遅くなってごめんなさいでした」

 

 笑顔で無言の圧力をかけてくる姉さん。速攻の土下座をして難を逃れる。

帰宅したとき既に夜の7時を回っているのに連絡を一切せず、ただいまも言わずいきなり対戦の申し込みをしたら誰だって怒る。…深緒の言う通り少し舞い上がってるのかも知れない。

 その後夕食(私のだけ少し量が少ない)と入浴を済ませ、早速対戦の時間。

夕食中もお風呂中も、羽月のデッキにどう対抗するか考えっぱなしだった。

 

「凛々が珍しくそわそわしっぱなしで深緒さんは気持ち悪いなと感じました」

「それはすまないと思うけど気持ち悪いとはなんだ」

「まぁまぁ」

「でも珍しいじゃん? クール&スパイシー(笑)の凛々がバトルしたくてウズウズなんてさ」

「深緒は殴られたくてワザと挑発してんの? 買うよ?」

「なはは♪冗談冗談〜」

「もう…。次は深緒だよ」

「え?私もやんの?」

「今の私なら連戦してもやれる気がする」

 

 謎の高揚感に言ってしまったが、まぁ大丈夫。やってやろうじゃん。…姉さんにも挑んでみるのもいいかも知れない。

 

 

   VS 朝比名 羽月

     【想獣】

 

 

「先後攻は、コイーン! …よっと。どっち?」

「私は…裏」

「じゃあ私が表だね」

「結果は〜……表!」

「羽月ちゃんの先攻でバトル開始の宣言をよろしく深緒ちゃーん!」

「決闘開始ィィィー!!」

 

 

<羽月・先攻第一ターン>

「夜中は静かにしろ姉と千歳ェ!」

「「かしこまっ☆」」

「あははは…。スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メインステップ。ネクサス、《四雲庵》を配置するね」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→3)

 

「ん〜、バーストをセットしてターンエンドかな」

(手札4→3)

{羽月バースト:なし→セット}

 

 バースト……黄色だから《イマジナリーゲート》とかだろうか。どちらにしろまだ動ける状況じゃないし、羽月の動きに注意か。

 

<凛々・後攻第二ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン。《ベアードイーグル》を出す」

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[ベアードイーグル コア1 レベル1 BP3000]

 

 とりあえずライフのコアもやらないで手札を増やせるコイツが適任だ。後は手札を増やしまくる!

 

「バーストを伏せてアタックステップ。ベアードイーグルで攻撃。アタック時効果で1枚引く」

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

(手札3→4)

 

「ライフで受けるよ」

「ならライフを減らさず1枚引くのに変える。コアは渡さないからね。ターン終了」

(手札4→5)

 

「さあ凛々選手、羽月選手にコアを渡さず2ドローを得ました。黄色にあるイマジナリーゲートを警戒してのプレイングでしょうか」

「今羽月ちゃんには余ったコアが1つあるから良い判断だと思うわねぇ。《絶甲氷盾》とか他のカードの可能性もあるかもだけど、今考えられる状況ではライフ減少か手札が増えた後でしょう。しかしいつまでもライフを減らさないと勝つことはできませんよぉ」

「姐さん解説あざっす!」

 

 外野うっさい。てかそのヘッドマイクどこから持ってきた。

 

「これ? お姉ちゃんね、ネット通じてバトルしててね♪」

「…たまに部屋から奇声が聞こえてくるのそれか」

 

<羽月・第三ターン>

「最近はショップに行けなくてもカメラとか使ってネット対戦も出来るしね。あ、スタートステップ。ここで四雲庵の効果を発揮させるね。手札の<想獣>スピリット、《シンリュー》を破棄してボイドからリザーブにコア1つ追加するよ」

(手札3→2)

(リザーブ1→2)

 

黄 ネクサス

四雲庵(しうんあん)

コスト3 軽減黄1

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:黄

Lv1・Lv2『自分のスタートステップ』

自分の手札にある系統:<想獣>/<星魂>を持つスピリットカード1枚を破棄することで、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

この効果はターンに1回しか使えない。

Lv2『自分のメインステップ』

自分がコスト7以上のスピリットカードを召喚するとき、このネクサスのシンボルを黄のシンボル3つにする。

 

「そして通常ステップを行うね」

(リザーブ2→3)

(手札2→3)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ3→6)

 

「メインステップ。まず《カチカチダヌキ》を召喚」

(手札3→2)

(リザーブ6→4)

(トラッシュ0→1)

[カチカチダヌキ コア1 レベル1 BP2000]

 

「で、カチカチダヌキの【スピリットソウル:黄】発揮。《聖天馬スカイ》をレベル4で召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ1→3)

[聖天馬スカイ コア2 レベル4 BP10000]

 

「このままアタックステップ。スカイでアタックしつトリガーロックオン!」

「——コスト3の《グラウンドブレイク》」

「ヒット!ライフにコア1つ追加して回復!」

(羽月ライフ5→6)

 

「ライフに通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「…バーストは無いみたいだね。ターンエンド」

 

<凛々・第四ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札5→6)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メイン。《リューマン・ルクス》をレベル1で出して【スピリットソウル:赤】を発揮。《アルティメット・シャイニングドラゴン》をレベル3で出す!」

(手札6→4)

(リザーブ6→1)

(トラッシュ0→3)

[リューマン・ルクス コア1 レベル1 BP1000]

[アルティメット・シャイニングドラゴン コア1 レベル3 BP10000]

 

「おおっと凛々!Uシャイニングをもう出してきたー!」

「勢いに乗って押し切る算段かしらねぇ」

 

「アタックステップ! Uシャイニングで攻撃!トリガー効果!」

「トリガーを使えるってことは、手札にブレイヴも握ってるんだよね。——コスト5のマジック《ドリームボム》」

「ヒット! BP5千以下のスピリット、カチカチダヌキを破壊して、手札の《星騎槍ガクルックス》をベアードイーグルへ直接重ねるように出す!」

[カチカチダヌキ BP2000 破壊]

(羽月リザーブ0→1)

(凛々手札4→3)

 

星騎槍ガクルックス

  ↓ 直接合体

ベアードイーグル(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:3000+3000=6000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

 良い流れだ。Uシャイニングを早めに引き込めたのも大きい。後はベアードイーグルと合わせて引きまくればいい。

 

「アタックはどうする?」

「ライフで受けるよ」

(羽月ライフ6→5)

(リザーブ1→2)

 

「ライフ減少後にバースト発動!」

「いつものイマジナリーゲートか…!」

「はっずれ〜。《アルティメット・カグヤ》だよ!」

「っ!?」

{羽月バースト:セット→発動}

 

 イマジナリーゲートじゃない!?それどころかもう切り札を伏せてたのか!

 

「バースト効果でボイドからコア1つをライフに置いて回復。更にこのターンは凛々ちゃんのスピリットはアタックできない! 召喚条件は聖天馬スカイが満たしてくれているから、レベル4でバースト召喚!」

(羽月ライフ5→6)

{羽月バースト:発動→召喚}

(リザーブ2→0)

[アルティメット・カグヤ コア2 レベル4 BP12000]

 

「ターン終了」

 

 ベアードイーグルの3枚引きはお預けか。でもまだUカグヤのBPは1万2千だからソードブレイカーとルクスの効果で退かせる範囲だ。…この火力は、楽しくなってくる。

 

<羽月・第五ターン>

「いくよ、スタートステップ。四雲庵の効果は使わないね」

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ。

 春の星、乙女の五連星。《星霊杖スピカ》を聖天馬スカイに直接合体!」

(手札2→1)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→2)

[コスト:5+4=9]

[BP:10000+2000=12000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「黄色のブレイヴ…」

「星霊杖の召喚時効果、手札かトラッシュにあるマジックカード1枚を手元に置くよ。選ぶのはトラッシュの《ドリームボム》!」

●手元にオープンしているカード

・《ドリームボム》

 

 さっき落としたマジックを置かれたか。たしか、手札にあるものとして扱って、手札を対象にした効果を受けないんだったっけ。

…黄色のブレイヴもただオープンするだけじゃないんだろうな。

 

「う〜ん、Uカグヤのレベルを下げるは怖いけど…。とりあえずネクサス《星見の観測所》をレベル2で配置するね。レベルにはUカグヤから1個借りてっと」

(手札1→0)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ2→4)

[アルティメット・カグヤ コア2→1 レベル4→3]

[星見の観測所 コア1 レベル2]

 

「このままアタックステップに入って、スカイで合体アタック。

まず星霊杖スピカの効果発揮。手元にあるコスト5のマジックのフラッシュ効果を、スカイの合体アタック時効果として発揮するよ」

「…つまり?」

「今私の手元にある《ドリームボム》のフラッシュ効果、『相手のアルティメット1体を手札に戻す』っていう効果が、スカイの効果になるって事だよ」

「なるほど?」

 

「凛々のあの顔はあんま分かってない顔だから説明! と言っても羽月の言ったまんまなんだけど、マジックを消費せず、アルティメット自身の色の合体アタック時効果として発揮されるから装甲を抜けられるのさ!合体条件も軽いから、低コストのアルティメットにも安心して使えるブレイヴだよ!」

「しかも【連鎖】まで発揮できるよ〜♪ ただし!合体時効果はアルティメット限定、果フラッシュ効果限定、コスト5限定、手元のマジックカード限定と色々制約があるから、もし使うとなったら採用するカードに気をつけてね〜♪」

 

 サンキュー解説。

…てことはUシャイニングが手札に帰ってくるのか。

 

「Uシャイニングを手札に戻す!」

[アルティメット・シャイニングドラゴン 手札に]

(凛々手札3→4)

(リザーブ1→2)

 

黄 ブレイヴ

《星霊杖スピカ》

コスト4 軽減黄1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP3000

<0> 合体 +2000

シンボル:なし

Lv1『このブレイヴの召喚時』

自分の手札/トラッシュにあるマジックカード1枚をオープンして手元に置く。

オープンしたマジックカードは、ゲーム終了時まで、手札にあるときと同様に使用できる。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

ターンに1回、自分の手元のコスト5のマジックカード1枚のフラッシュ効果を『このアルティメットの合体アタック時』効果として発揮できる。

 

「次にアルティメットトリガーロックオン!」

「——コスト3のアルティメット、《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》」

「ヒット!観測所レベル2の効果で、1枚ドロー。更にヒット時効果でボイドからライフに1つ追加!」

(羽月手札0→1)

(羽月ライフ6→7)

 

 ライフ7つ…。まだ手札差がある、焦るのは早い。崩せる機会はまだある!

 

「アタックはライフ!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ2→3)

 

「ライフ減少でバースト、《絶甲氷盾》!追加コストは支払わずそのまま!」

{凛々バースト:セット→発動}

(凛々ライフ3→4)

 

「ん〜。ターンエンド」

 

 ここまでお互いジャブのみ。手札差はあるけど、あの手元にあるマジックと聖天馬スカイに付いてるブレイヴが厄介だな。…いや、逆にソードブレイカーを出して破壊してやればいい。蹴散らすのみ。

 

<凛々・第六ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ4→7)

 

「メイン。…今がチャンスか。

 《メギド・ドラゴン》を出す!」

(手札5→4)

(リザーブ7→1)

(トラッシュ0→5)

[メギド・ドラゴン コア1 レベル1 BP6000]

 

「召喚時効果。合計BP1万3千まで羽月のアルティメットを好きなだけ破壊する!」

「っ!」

「対象は、合体してる聖天馬スカイ! BPはぎりぎり1万2千だから範囲内だ!」

「…スピカは残すね」

[聖天馬スカイ(合体) BP12000 破壊]

[星霊杖スピカ 残留 コア2 レベル1 BP3000]

 

「よし。次に破壊したアルティメットの数だけトラッシュのコアをメギド・ドラゴンに移せる。破壊したのは1体だけだから、1つメギド・ドラゴンに移してレベル2へ!」

(凛々トラッシュ5→4)

[メギド・ドラゴン コア1→2 レベル1→2 BP6000→8000]

 

赤 スピリット

《メギド・ドラゴン》

コスト7 軽減赤3 <星将・古竜>

<1> Lv1 BP6000

<2> Lv2 BP8000

<4> Lv3 BP12000

シンボル:赤

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

BP合計13000まで相手のアルティメットを好きなだけ破壊する。

この効果で破壊したアルティメット1体につき、自分のトラッシュのコア1個をこのスピリットに置く。

Lv2・Lv3:フラッシュ【覚醒】

自分のスピリットのコアを、好きなだけこのスピリットに置くことができる。

 

 これでスカイは退かせた。残ったブレイヴも消し飛ばす!いつまでも厄介なものを残す私じゃない。

 

「ベアードイーグルをレベル2に上げ、バーストをセットし、アタックステップ」

[ベアードイーグル(合体) コア1→2 レベル1→2 BP3000→4000+3000=7000]

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

 

「ベアードイーグルで攻撃!合体アタック時効果で、BP5千以下の星霊杖スピカを破壊!」

[星霊杖スピカ BP3000 破壊]

(羽月リザーブ0→2)

 

「そしてベアードイーグル自身の効果で1枚、ガクルックスの効果で1枚引く!」

(凛々手札3→5)

 

「アタックはどうする?」

「Uカグヤでブロック!で、フラッシュタイミング! マジック《ソウルリッパー》!」

(羽月手札1→0)

(リザーブ2→0)

[星見の観測所 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ4→7)

 

「ガクルックスを破壊して、1枚ドロー!」

[星騎槍ガクルックス 破壊]

(羽月手札0→1)

 

「うぬぬ」

「フラッシュが無ければ、ベアードイーグルは返り討ちだよ」

「…分かった」

[ベアードイーグル 破壊]

(凛々リザーブ0→2)

 

 やっぱり防いでくるか。さすがに3枚引くまではやらせてもらえない。…だけど、それじゃ終わらない!

 

「ベアードイーグルの破壊でバースト、《双光気弾》!2枚引いて追加コストを支払って、ネクサスの四雲庵を破壊する!」

{凛々バースト:セット→発動}

(凛々手札5→7)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ4→6)

[四雲庵 破壊]

 

「っ!釣られたかぁ」

「損害はデカいけど、4枚手札に来たから補填は効いたハズ!」

 

 Uカグヤも破壊出来れば文句なしだけど、高望みはしない。後でいくらでも破壊できる。それに、トリガー効果もレベル2のスピリットだけが対象だ。

ヒットはすれど、そうそう決まる効果じゃない。…とか言って、どうなるか分からないけども。

 

「ターン終了」

 

<羽月・第七ターン>

「手札差がキツいけど、どうしよっかな。スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ1→8)

 

「メインステップ。先にバーストをセットして、マジック《ハンドリバース》!手札を全部破棄して凛々ちゃんの手札と同じくなるようドロー!」

「なっ!…皆それ使うよね」

「色々便利なんだもん」

「色々って、まぁ…」

(羽月手札1→0)

(リザーブ8→3)

(トラッシュ0→5)

(手札0→7)

 

 赤みたくガンドコ引ける色じゃないのは理解できる。前観た試合でも使われていたし。ちくしょうめっ、どいつもこいつも便乗しやがって!

 

「んふ〜♪ほくほくですなぁ♪」

「ぐぬぬ」

「で、余ったコアでネクサス《ソルージュの丘》を配置してっと」

(手札7→6)

(リザーブ3→1)

(トラッシュ5→7)

 

「配置時効果でトラッシュにあるブレイヴ、《星霊杖スピカ》を回収♪」

「っ!」

(羽月手札6→7)

 

黄 ネクサス

《ソルージュの丘》

コスト3 軽減黄1

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:黄

Lv1・Lv2『このネクサスの配置時』

自分のトラッシュにある黄のスピリットカード/ブレイヴカード1枚を手札に戻す。

Lv2

自分のスピリットすべては、相手の効果で消滅するとき、自分のライフのコア1個をそのスピリットに置くことで、回復状態でフィールドに残る。

 

「Uカグヤをレベル4にして…アタックしてトリガー当たったらメギド・ドラゴンが戻ってまた破壊されちゃうからなぁ。このままターンエンドしようか」

(リザーブ1→0)

[アルティメット・カグヤ コア1→2 レベル3→4]

 

<凛々・第八ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札7→8)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ1→7)

 

「メイン」

 

 羽月の手札が増えたのがちょっと予想外なせいで殴り抜けるのに躊躇いが出てしまった。

今のデッキでは一度に6点奪うのが限界。それも条件が整えないとならない。だけど羽月の手元にはアルティメットを手札に戻すマジックが見えている状況じゃあ、Uアークを出しても戻されるだけ。…となれば、むやみにコアを与えない事。

 

「《六分儀剣のルリ・オーサ》をレベル2で出す」

(手札8→7)

(リザーブ7→2)

(トラッシュ0→3)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2 レベル2 BP5000]

 

「召喚時効果で、赤のスピリット2体にコアを1つずつ追加する」

[メギド・ドラゴン コア2→3]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2→3]

 

「次にネクサスの《大地穿つ石剣》を配置」

(手札7→6)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

 

「更に《炎星斧エルナト》をルリ・オーサに直接重ねる! コストにはルリ・オーサから使う!」

(手札6→5)

[六分儀剣のルリ・オーサ コア3→1 レベル2→1]

(トラッシュ5→7)

炎星斧エルナト

  ↓ 直接合体

六分儀剣のルリ・オーサ(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:3000+3000=6000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「エルナトの召喚時効果。トラッシュにあるコスト5以下のアルティメット、龍剣聖リューマン・マスターエッジを手札に戻す!」

(手札5→6)

 

「バーストをセットして、ターン終了」

(手札6→5)

{凛々バースト:なし→セット}

 

 ここは攻撃せず、コアを渡さずに次に備える。

龍剣聖なら手札に戻されてもまだ大丈夫。…となれば手札のUシャイニングが腐ってしまうけど致し方ない。

 

<羽月・第九ターン>

「さすがに警戒するよね〜。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札7→8)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ1→8)

 

「メインステップ。《天使ウィズエル》を召喚!」

(手札8→7)

(リザーブ8→7)

[天使ウィズエル コア1 レベル1 BP1000]

 

「ここで切り札投入!紫雲纏いて黄金の雲海より顕れよ!

 《アルティメット・リーン》!

 レベル4で召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ7→2)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・リーン コア2 レベル4 BP15000]

 

「っ!? Uリーンの召喚条件が合わないでしょ!?」

「星見の観測所レベル1の効果! 私がアルティメットを召喚するとき、このネクサスをコスト1の黄色スピリット2体として扱えるんだよ!」

「何っ!?」

 

黄 ネクサス

《星見の観測所》

コスト4 軽減黄2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:黄

Lv1・Lv2『自分のメインステップ』

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このネクサスをコスト1・黄のスピリット2体として、召喚条件に数えることができる。

Lv2『自分のアタックステップ』

自分の赤/黄のアルティメットのUトリガーがヒットするたび、自分はデッキから1枚ドローする。

 

 召喚条件をネクサスで解決できるのか…!

これは何としても破壊にかかるしかない。無視出来なくしてわざと攻めさせる算段か?

 

「それで、星霊杖スピカをUリーンへ直接合体!」

(手札6→5)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

星霊杖スピカ

  ↓ 直接合体

アルティメット・リーン(合体)

[コスト:6+4=10]

[BP:21000+2000=23000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「召喚時効果。手札のマジック、《エンジェルストライク》を手元にオープン!」

(手札5→4)

●手元にオープンされたカード

・《ドリームボム》

・《エンジェルストライク》

 

 またオープンされたか。

しかも今度はBPを下げて破壊するマジック。一回だけとはいえ、それが毎回飛んでくるんだ。隣にはアルティメットを手札に戻すマジックもあり、と。

だけどあの時は違うんだ。必ずあのライフを0にしてみせる…!

 

「Uカグヤのコア1つを観測所に移して、アタックステップ!」

[アルティメット・カグヤ コア2→1 レベル4→3]

[星見の観測所 コア0→1 レベル1→2]

 

「Uリーンで合体アタック! ダブルアルティメットトリガーロックオン! Uリーンのコストは10だよ!」

「——コスト5の《フレイムスパーク》と、コスト6の…っ!?《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》…」

「よっし!ダブルヒット! 観測所レベル2の効果で2枚ドロー!」

(羽月手札4→6)

 

 前のように華麗に両指を鳴らす羽月。

以前、深緒に羽月のあれは何かの真似か?と聞いてみたところ、アニメのキャラクターがトリガーヒットしたときにやる動きらしい。

 

「ヒット時効果でメギド・ドラゴンとルリ・オーサを指定。その2体はこのバトルの間ブロックできない!

更にフラッシュタイミング!手札の《エンジェルストライク(2)》を使用! Uリーンと観測所のコアを使って、ルリ・オーサを対象にBPを5千。ウィズエルの【1強化】(ワンチャージ)追加で6千ダウン! ちょうど0になったから破壊っと♪」

(手札6→5)

[アルティメット・リーン(合体) コア2→1 レベル4→3]

[星見の観測所 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ5→7)

[六分儀剣のルリ・オーサ(合体) BP6000−6000=0 破壊]

 

「ちぃっ、エルナトは残す!」

[炎星斧エルナト 残留 コア1 レベル1 BP3000]

 

「アタックはどうする?」

「通す!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ0→1)

 

「はいターンエンド」

 

<凛々・第十ターン>

「スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

(手札5→6)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ2→9)

 

「来た…!まず《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》!」

(手札6→5)

(リザーブ9→6)

(トラッシュ0→2)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア1 レベル3 BP5000]

 

「そして、《リューマン・ソードブレイカー》レベル4!」

(手札5→4)

(リザーブ6→2)

(トラッシュ2→4)

[リューマン・ソードブレイカー コア2 レベル4 BP11000]

 

「っ! 見たこと無いカード…」

「召喚時効果、Uリーンに合体しているスピカを破壊する!」

「えっ!? アルティメットを対象にできるの!?」

[星霊杖スピカ 破壊]

 

 2度目の破壊! 後は…!

 

「エルナトを龍剣聖へ重ねてレベル4! 続けて《大星斧アルデバラン》を最大軽減0コストでソードブレイカーに重ねる!」

(手札4→3)

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) コア1→2 レベル3→4]

[コスト:3+4=7]

[BP:5000→7000+3000=10000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

大星斧アルデバラン

  ↓ 直接合体

リューマン・ソードブレイカー(合体)

[コスト:5+3=8]

[BP:11000+3000=14000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

 

「凛々、ここで一気に動いたぁ!…でも見知らぬカードが2枚もあるってのは件の特訓とやらかぁ!?」

「まさか…凛々、遂にカードを創れたのね!」

 

 特訓を経てカードをいただいたのはそうだけど、カードを創るってなんだ…。てか、そんなのが一般人に出来てたまるか!

 

「最後、《リューマン・ルクス》をレベル2にしてアタックステップ!」

(リザーブ2→0)

[リューマン・ルクス コア1→3 レベル1→2 BP1000→3000]

 

「龍剣聖で攻撃! まずアタック時効果で1枚引いて、エルナトの効果でネクサス1枚、星見の観測所を破壊!そしてトリガー効果!こっちのコストは7だ!」

(手札3→4)

[星見の観測所 破壊]

 

「っ…、コスト5の《アルティメット・ヒポグリフィー》。カウンターは無いよ」

「ヒット! 無いなら龍剣聖の合体アタック時効果でBPプラス5千、エルナトの効果でBPプラス7千!合わせてBP2万2千だ!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ(合体) BP10000+5000+7000=22000]

 

「BP2万2千の龍剣聖!?」

「更にルクスレベル2の効果で、名称:リューマンを持つ合体アルティメットのトリガー効果対象にアルティメットを含めることができる!」

「っ!」

「Uリーンを指定アタック!」

 

Sword Brave Attack!!

龍剣聖リューマン・マスターエッジ+炎星斧エルナト

BP7000+3000+5000+7000=22000 →win!!

  vs

Compulsion Defence!!

アルティメット・リーン

BP11000+2000=13000 →Lose...

 

「撃破だ!」

「っ、Uリーン…」

[アルティメット・リーン 破壊]

(羽月リザーブ0→1)

 

「続けてソードブレイカーで攻撃!トリガー効果!」

「——! コスト10の《アルティメット・スフィンクロス》!ガードだよ!残ね…」

「それでいい!」

「えっ」

「アルデバランの効果発揮! トリガーがガードされたとき、BP2万以下のスピリットかアルティメットを破壊する!」

「嘘マジ!?」

「大マジだよ!当たろうが当たるまいが、破壊出来れば何だっていい! Uカグヤを破壊!」

[アルティメット・カグヤ BP8000 破壊]

(羽月リザーブ1→2)

 

 そうだ。どれだけ大層なモノを抱えていても、出てくれば的になる。そして、相手の手が尽きるまで破壊し尽くせば怖い事は無くなる!

ここではライフ1つしか撃てないけど、回復したいならすればいい。倒れるまで、何も考えず、徹底的に撃つだけだ…!

 

「あ、アタックはライフで受けるよ…!」

(羽月ライフ7→6)

(リザーブ2→3)

 

「ライフ減少でバースト発動!《イマジナリーゲート》!」

「やっと出して来たか」

「手札から黄色のスピリットをノーコスト、召喚時効果を発揮させずに召喚! 召喚するのは《水竜神ガルグイオス》レベル3!」

{羽月バースト:セット→発動}

(手札5→4)

(リザーブ3→0)

[水竜神ガルグイオス コア3 レベル3 BP10000]

 

「ダブルシンボルのスピリット…。ターン終了」

 

<羽月・第十一ターン>

「…スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ1→8)

 

「メインステップ。…ねえ凛々ちゃん、今日どうしたの?」

「何が?」

「なんか、ちょっと変わったような…。やる気がモリモリ感じられるようになったのは嬉しいんだけど、なんというか…」

 

 そんなに変に見えるのかな。

まぁ、今日の特訓でテンションが高めを維持してるのは自分でも理解出来てるんだけど、そんな人を心配するような目を向けられても困る。

 

「ちょっとテンションが上がってるだけだよ」

「……なら、いいんだけど」

「ほら、羽月の番なんだから」

「……うん」

 

 納得いってないって表情だが、また深緒と三人で一緒に寝れば不安げな表情も無くなるだろう。その前に、私がどれだけ前進したか見てもらわなければね。リベンジの意味も込めて!

 

「…ガルグイオスに《夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア》を直接合体!」

(手札5→4)

(リザーブ8→5)

(トラッシュ0→3)

夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア

  ↓ 直接合体

水竜神ガルグイオス(合体)

[コスト:8+5=13]

[BP:10000+5000=15000]

[合体時:追加]

[シンボル:黄赤+黄=黄赤黄]

 

「トリプルシンボルか!」

「召喚時効果は使わずそのままアタックステップ! ガルグイオスレベル2からの効果で、私のアタックステップ中BPプラス5千!」

[水竜神ガルグイオス(合体) BP15000+5000=20000]

 

「ガルグイオス、剣刃合体アタック! ブロックしたら回復、されなかったらライフを回復させるよ!」

「終わらせる気か羽月!」

「うん!フラッ…」

「その前に私のフラッシュタイミングだ!」

「っ!」

「マジック《ブレイジングバースト》!!」

(凛々手札3→2)

[リューマン・ルクス コア3→1 レベル2→1]

(トラッシュ4→6)

 

「赤のスピリットであるルクスを爆破して、このターン私のライフはスピリットからのダメージじゃ1しか減らせない!」

[リューマン・ルクス 破壊]

(リザーブ0→1)

 

「………」

「フラッシュが無いならブロックしない!」

「…なら、ライフを1つ回復するね」

(羽月ライフ6→7)

 

「ライフに通す!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ1→2)

 

「……ターンエンド」

 

 さあ、羽月も息切れ気味だ。

ここからは私が攻勢に出て、砕く!

 

<凛々・第十二ターン>

「スタートステップだ!」

(リザーブ2→3)

(手札2→3)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ3→9)

 

「メイン! マジック《フェイタルドロー》!私のライフが2以下だから3枚引かせてもらう!」

(手札3→2)

(リザーブ9→7)

(トラッシュ0→2)

(手札2→5)

 

「……ライフがいくつあろうと、シンボルを増やして消し飛ばせばいい」

「…?」

 

「《リューマン・ケーニッヒ》!纏めて消し飛ばせ!!」

(手札5→4)

(リザーブ7→0)

(トラッシュ2→5)

[リューマン・ケーニッヒ コア2 レベル2 BP12000]

 

「っ!?」

「召喚時効果!BP1万2千以下のスピリット1体、2万以下のアルティメット1体、そしてネクサス1つを破壊する!」

「さ、3枚も破壊するの!?」

「消えろぉッ!!」

[天使ウィズエル BP1000 破壊]

[ソルージュの丘 破壊]

(羽月リザーブ5→6)

 

「更に、ライフが3以下だから手札のコイツはコストが6になる!

最大軽減0コストで《六巨皇スカーレット・ドラグライン》!

 レベルにはメギド・ドラゴンから取る!」

(手札4→3)

[メギド・ドラゴン コア3→0 消滅]

[六巨皇スカーレット・ドラグライン コア3 レベル2 BP16000]

 

「ダブルシンボルが2体…」

「まだだ!龍剣聖のエルナトをケーニッヒへ、ソードブレイカーのアルデバランをドラグラインに重ねる!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ 合体→分離]

[リューマン・ソードブレイカー 合体→分離]

 

炎星斧エルナト

  ↓ 合体

リューマン・ケーニッヒ(合体)

[コスト:10+4=14]

[BP:12000+3000=15000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

大星斧アルデバラン

  ↓ 合体

六巨皇スカーレット・ドラグライン(合体)

[コスト:12+3=15]

[BP:16000+3000=19000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「そして、龍剣聖とソードブレイカーのコアを全部ドラグラインに移す!これでレベル3、トリプルシンボルになる!」

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア2→0 消滅]

[リューマン・ソードブレイカー コア2→0 消滅]

[六巨皇スカーレット・ドラグライン(合体) コア3→7 レベル2→3 BP16000→23000+3000=26000 シンボル赤赤+赤=赤赤赤]

 

「これで削り殺せる…! アタックステップ!」

「凛々ちゃん…」

「ケーニッヒ、レベル2からの効果! <竜人>スピリット、アルティメット1体につき自分のBPをプラス1万!」

[リューマン・ケーニッヒ(合体) BP15000+10000=25000]

 

赤 スピリット

《リューマン・ケーニッヒ》

コスト10 軽減赤3極3 <竜人>

<1> Lv1 BP7000

<2> Lv2 BP12000

<5> Lv3 BP17000

シンボル:赤赤

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

BP12000以下の相手のスピリット1体と、BP20000以下の相手のアルティメット1体と、相手のネクサス1つを破壊する。

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットは、相手の効果ではフィールドから手札/デッキに戻らない。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

このスピリット以外の系統:<竜人>を持つ自分のスピリット/アルティメット1体につき、このスピリットをBP+10000する。

 

「ドラグライン、攻撃!」

「っ…、ライフで受ける!」

「ライフ3つ!咬み砕く!!」

(羽月ライフ7→4)

(リザーブ6→9)

 

「次、ケーニッヒで攻撃!」

「ライ——」

「フラッシュタイミング!」

「っ!?」

「マジック《リブートコード》! 私のスピリットを全員回復させる!」

(凛々手札3→2)

[六巨皇スカーレット・ドラグライン(合体) コア7→4 レベル3→2 シンボル赤赤赤→赤赤]

(トラッシュ7→10)

[六巨皇スカーレット・ドラグライン(合体) 疲労→回復]

[リューマン・ケーニッヒ(合体) 疲労→回復]

 

白 マジック

《リブートコード》

コスト3 軽減白1

フラッシュ:

疲労状態の自分のスピリットすべてを回復させる。このターンの間、この効果で回復した合体スピリット以外のスピリットはアタックできない。

 

「ヤバ…!?」

「このアタックはどうする!」

「ら、ライフ!」

(羽月ライフ4→2)

(リザーブ9→11)

 

「ケーニッヒ、攻撃!」

「フラッシュ!マジック《エターナルディフェンス》!」

(羽月手札4→3)

(リザーブ11→8)

(トラッシュ3→6)

 

「ガルグイオスを指定!このターン中、疲労ブロッカーになる! ガルグイオスでブロック!」

 

 ———勝った…!!

 

「ブロックしたな?」

「えっ」

「フラッシュタイミング!

 マジック《サンブレイカー》!!」

(手札2→1)

[六巨皇スカーレット・ドラグライン(合体) コア4→2 レベル2→1 BP16000→12000+3000=15000]

(トラッシュ10→12)

 

「効果はもう知ってるな!」

「っ…、エンジェルストライクを使っても勝てない…!」

「消えろガルグイオス!!」

 

Sword BraveAttack!!

リューマン・ケーニッヒ+炎星斧エルナト

BP12000+3000+10000=25000 →win!!

 vs

Distress Defence!!

水竜神ガルグイオス+夢幻の天剣

BP10000+5000=15000 →Lose...

 

「ライフ1つ、貫く!」

「闇黄剣は残す…」

(羽月ライフ2→1)

(リザーブ8→9)

[水竜神ガルグイオス 破壊]

[夢幻の天剣トワイライト・ファンタジア 残留 コア3 レベル1 BP5000]

 

「最期だ!ドラグライン!!」

 

「……蹂躙、か」

 

「これが、答えだ!!」

 

「………ライフで受けるよ!!」

 

 

(羽月ライフ1→0)

 

 

 

 

〔winner!! 鴇峯 凛々〕

 

 

 

 

 

 勝てた、勝てたんだ!

この力さえあればあの澄まし顔を歪ませる事だって出来る!

あいつが無魔っていう不死を扱うなら、本当に死ぬまで破壊しつくせばいいんだ。蹂躙は簡単だ。

やれる、やれるんだ!私も!




なんだこの主人公は…(どん引き)

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


余談はないです…。ちょいと忙しく…。


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Step.17 『あいつのお守りも大変ね』

間に合った(間に合ってない)
リアルではもう神皇編が後半戦ですね。

今回色々初めての試みで、こんなに遅くなるとは作者自身も猛省しております。
それと、描写がくどいせいで長くなってしまいました。

すまない…。書き方に困り投稿が超絶遅くなって本当にすまない…。


 

 

「リューマン・ケーニッヒで攻撃!太陽神剣と合体で受けろトリプルシンボルのダメージをォッ!!」

「やだちょとSYレならんしょ…」

 

 二連勝…! 私もデッキもかなり良い調子になってる。パワーが上がったからか、押し切れる状況が作りやすい。引いて破壊してアルティメットの耐性に頼ってシンボルを押し付ける。確実に強くなれている!

 

「……ふふふ」

「凛々何その気味悪い笑いは」

「気味悪くない。調子が良いからだよ」

「そう…? 調子いいってならまぁ…」

 

 

 少しした後、深緒と羽月含め四人でショップに集まり早苗に経過報告。きっと少しは強くなれたことに誉め1に対してお叱り5辺り飛んでくるかと構えていたが……

 

「………」

 

 逆に表情は晴れず難しい顔をされ黙られてしまった。

確かにまだあいつに敵うか分からないけど、そんな真剣になって考えこむ程か。何が不満だってのさ。

 

「……凛々、バトルしなさい」

「は?」

「今の状態を確かめるにはこれが手っ取り早いわ」

「…分かった。望むとこ」

 

「あー!いたいたいましたぁ〜♪」

 

「ろ……っととと!?し、詩乃?!」

 

 お互いデッキを出して対戦しようとしたところ突然の乱入者、詩乃が背後から抱き着いて来たため危うくテーブルに顔面をぶつけそうになった。アンブッシュはやめろアンブッシュは! それと背中に当たるものでメンタルをバラバラに引き裂こうとするのは間接的に犯罪だからやめろ!

 

 

「あっちのショップに行ったら今日は来てないって聞いてぇ、こっちのショップにいるんじゃないかって言われたんで来ちゃいましたぁ♪ 捜しましたよ〜♪」

「わわわかっ、わかった、わかったからこれ以上抱き着くのはやめて…」

「い〜じゃないですか〜。知らない仲じゃないんですし〜」

 

 

「うわっ、詩乃さん大胆!」

「あれ凛々が男子だったら夢のようなシチュだよね」

「………」

「そしてこっちの早苗さんは不機嫌MAXだ!」

 

 

「……それより梔黄さん、捜していたとは?凛々に何か用があったんじゃないの?」

「ああそうでした♪ 実は渡したいものがあってですねぇ…」

 

 やっと離れてくれた…。

んで、空いてた他所の椅子を引っ張ってきて座った後、こほんと小さく咳ばらいした。

 

「奮闘する凛々さんのために、これをプレゼントしたいと思います!」

「プレゼント?」

「はい♪ どうぞ受け取ってくださいね♪」

 

 詩乃から手渡されたのは大量のカード。しかもどれも光ってる…。

 

「これは…」

「デッキがパワー不足って言ってましたから、余ってた強いのを差し上げます♪」

「《ジェネラル・ドラゴン》に、《砲天使カノン》!?」

「こっちは《魔星機神ロキ》に《次代機獣ブリザ・ライガ》まであるよ…」

「……《蜂王フォン・ニード》に《極覇龍アルティメット・ヤマト》、《アルティメット・ドライアン》まで。しかも3枚ずつとは…」

 

 三人が驚くカードばかりらしく、一部どのデッキに1枚は挿しておくと活躍し、取引…売買も高額なものらしい。

 

「先人は言ってました。“力こそパワー”、と!」

「…そいつ馬鹿だから名を残したんじゃ」

 

 名…迷言を残した某はいいとして、こんなに貰っていいのだろうか。確かに強いカードは欲しいところだけど、さすがに貰いすぎじゃないかと思う。

 

「凛々さんは“強くなりたい”のでしょう? “どんな形であれ”、ね」

「……それは」

「ならいいじゃないですかぁ♪遠慮せずど〜ぞ♪」

 

 ……気掛かりな部分はあるけど、強くなれるのなら有り難く頂こう。さて、じゃあ軽く組み直してみよう。深緒も羽月も早苗、詩乃もいるから、アドバイスも貰える。更に強力になれば、あいつの鼻っ柱を砕いてやれる。

 

「……梔黄さん、ちょっと」

「は〜い。詩乃って呼んでくださいよ〜♪」

 

 すると、不機嫌な早苗が詩乃を連れてショップの隅へ行ってしまった。…まぁ、掴み合いの喧嘩にならなければ大丈夫、か?

 

 

 

  ▼  ▼  ▼

 

「あなたが凛々を唆したのね」

「聞こえが悪いですねぇ。“背中を押した”って言ってほしいです」

「あんな押し方など…!」

「強くなってほしいと願うのは貴女も“同じ”でしょう」

「っ…!一緒にしないで!」

「一緒ですよぉ♪ただ“育て方”が違うだけで…♪」

「あ、あんたは…っ」

「私は行き着くのがどちらでも構わないんですよぉ。私は顔を出した“芽”に“愛”を与えるだけです♪」

「何が愛か!」

「それが嫌なら、しっかり見てあげてくださいね…♪」

「……なら一つ、頼みがある」

 

  ▼  ▼  ▼

 

 

 

「——よしっ。これでいいかな」

「…凛々、ほんとにこれでいいの?」

「なんかもう、元のデッキの原型が無い気がするよ?」

「そうは言うけど、デッキは生き物とか言うらしいじゃん。大概はそうなるんじゃないの?」

「んー、凛々がいいならいいけどもさ」

 

 協力してもらっておいて何だけど何処か不満げな深緒と羽月。まぁ確かに残ったのが少数だけど、更に強い動きができるんだから問題は無いはず。そうとなれば試してみたい。……早苗も戻ってこないし。

 

「…ん。深緒、実験台」

「ワッザ!?」

「あっ、深緒ちゃん私理絵ちゃんの手伝いしてくるね」

「直前でとんずらとかあもりにもひきょうすぐるでしょ…」

 

 早苗が相手でもよかったけどさすがにそこまで舞い上がってはいない。ごっそり半身を入れ換えたデッキでアレに挑むのは無謀蛮勇だろう。そこで近くの親友が役に立ってくれるというね。

 

「仕方ない…。こうなれば深緒様特製デッキが相手になろうではないか!」

「何でもいいから」

「言ったなぁ!」

 

 

「凛々」

 

 

 と、対戦を始めようとした矢先に早苗と詩乃が戻ってきた。…何かさっきより真剣か顔つきになってるけど、何があったの。

 

「私の方から挑んだのに申し訳無いのだけど、バトルはまた後日に」

「え?」

「ちょっと用事ができたの」

「……そんな思い詰めたような表情する用事が?」

「まあまあ♪ 実を言えば私からの相談なんですよ〜♪」

 

 詩乃からの相談? 深く聞くべきかどうか迷ったけど、あの状態じゃ聞いたところで気にするなって突っぱねられるか。

 

「……そう」

「はい♪ では早苗さん、行きましょうか」

「ええ…」

 

 それを最後にこちらに振り返りもせず足早にショップを出た早苗。詩乃はこちらに軽く会釈し、早苗を追ってショップを出た。……一体用事って何なんだか。

 

 

 ——某所。

 梔黄 詩乃に案内され、早苗が辿り着いたのはとある建物。標識のような物は無く、ただの空きビル…おおよそ3階建てあるか無いか程度…か何かと勘繰る。

騙されたかと疑うにしても騙して何をするのかは判断に困る。この女の事だから男でも潜ませて襲わせると予測をしてみようにも、今目の前に建つビルは天下の大通り。人が往来する場所に位置している。

なら室内で仕掛けてくるか。と思いはしたが自動ドアらしきものの向こう、ビル内に受付嬢が見えている。ますます判断に困る早苗だった。

 

「警戒しなくても何もありませんよぉ。エロアニメや同人誌でも無いんですからぁ」

「身も蓋も無い事言わないでくれる!?」

「あら失礼しました♪」

「くそっ、あなた可愛くないわ…!」

「恐縮です♪」

 

 ここに着くまで、初めて会った時からこの梔黄 詩乃という人物は苦手な人種だと早苗は思う。

彼女が思う、バトルスピリッツでも黄属性を好むバトラーは掴み所が無い人物が多いと。というか、反りが合わない。妙な人が多いというべきか。黄属性を愛用する故なのか。

単に早苗自身、認めた相手以外の人に茶化されるのを嫌う質なのもある。

 

「……とにかく、ここであいつが待ってるのね?」

「はい。丁度ここに用事で来てたみたいですからぁ、早苗さんの用件を飲むついでに…ですって」

「そう」

 

 とにかく入る決心は付いた。

それを見通したか詩乃が先に中へと入って行く。後に続く早苗。

そしてお疲れ様と受付嬢に挨拶をする詩乃。彼女を見知っているのか、あちらも快く挨拶を返す。

 

「“琉珈(るか)”はどこに?」

(るか…?)

 

 思うにそれがあの紫使いの名だと当たりを付ける。上の名前では無いとすると下の名前。…親しい間柄と見る。

 

燐導(りんどう)様でしたら、地下のBの2号室でお待ちです。そちらの方は『叢空』の藍河 早苗様ですね?」

「はい」

「ではゲストカードです。どうぞお通りください」

 

 受付嬢からゲストカード…裏面は何故かバトスピだ…を受け取る。早苗の名前と称号を知っていたのかはこの際気にしない。もうすぐ目的の人物と会えるのだ。気になる事は後回し。

 ……とは言え、嫌でも目に付くのは“メイド”。

あちらこちらの部屋から出入りするメイド、通路を行き交うメイド、罵声や怒号を浴びせあうメイド。今受付をした女性もメイドだった。やはり気にするべきか、突っ込むべきか悩む早苗だった。

先に歩く詩乃は見慣れているのか、すれ違う度に挨拶を交わしている。

 

 そして連れられ階段…よく見ればエスカレーターだ…を下り、更に少し歩き、扉に【B=2】と印された部屋へと着く。

 

「入りますよ」

「…ええ」

 

 自動ドアの開いた先、そこは研究室のような部屋だと早苗は感じた。

白一色、広い室内に高い天井。その中心には何かの投影機と思わしき八角形の台。と言っても家財等で目にするようなものでは無く、何かしらのSF映画やらで見るようなのとでも言えばいいのか。それに奥の壁面には横列びの鏡が埋め込まれていた。こちらが写し出されているということは、マジックミラーか。

そして、その端末機の傍に腰掛け携帯を操作する人物。

 

「お待たせしました、琉珈♪」

「…ん」

 

 詩乃が話し掛ければ、琉珈は軽く視線を向け、携帯の操作をやめ待ちくたびれたとばかりに伸びをした。

 

「…お久しぶり、かしら」

「………」

「ふあ…。さっさと始めましょ」

「約束は、守ってもらえるのね?」

 

 お互いに険悪な空気が漂う。

琉珈としては正直どうでもいいのだが、今の早苗にとってそうはいかない。

 

「…当たり前よ。あんたが勝ったら、馬鹿した事を謝って、あいつをみてやればいいんでしょ?」

「ええ」

「…ふん。あいつのお守りも大変ね、『蒼雷』さん?」

 

 同情なのか皮肉なのか、はたまた両方を悪い意味で言い放つ琉珈。

いつもなら自身が返上した二つ名に反応するが堪える。実際早苗自身、教わる事はあれど、誰かに1から手解きなどした経験が無かった。

 

「…ま、更に詩乃に目ぇ付けられたのも、運が無かったわ」

「あら酷い言い草」

「黙ってなさいな。…そうそう、私が勝ったらなんだけど」

「…何か」

「あんたには、あいつの指導を止めてもらおうかしら」

「っ!?」

 

 凛々の指導を止める。それを聞き一気に頭に血が昇るのを自覚した早苗。

 

「ふざけ…!」

「何も見放せって言ってるんじゃあない。事の成り行きを見守れって意味」

 

 琉珈が言うには、このままどうなるかを何もせず見ていろとのこと。

 

「聞けば舞い上がってるとか? どうせ詩乃が唆して、焚き付けたんでしょうよ」

「違いますよぉ。私も、早苗と同じく凛々さんを育ててたんですよぉ?」

「っは! 方便も良いところね」

「も〜琉珈ってば〜!」

「ふん。…向こうに行って操作しなさい」

「は〜い♪」

 

 いい加減喋り飽きたのか、何処かへ行けと琉珈が詩乃へ促す。

詩乃があの窓側のある壁面の左側に近付くと、一部が横へスライドし、奥へと続く道が現れた。隠し扉か。ならあちらがモニタールームで、こちらが実験室。詩乃があちらに入室すると扉も自動で閉じる。扉と壁の繋ぎ目が見えなくなるとは、金持ちの道楽でこんな凝った作りをしているのか。

 

「そこ。足元に小さい三角の目印があるでしょ」

「……? これかしら」

「それ。それの上に立ちなさい」

 

 言われた通り目印の上に。

あの端末機からはやや離れた位置に立つ。

 

〔はーい。では“バトルシミュレーター”起動しまーす〕

 

 スピーカーから詩乃声が聞こえ部屋に響く。…ざっと見回してもスピーカーらしきものすら見えない。それよりバトルシミュレーターとは、と早苗が問い掛けるより早く部屋に変化が起きる。

早苗と琉珈の足元から何かが生えてきたのだ。

 

「っ!?」

 

それは一定の高さ、丁度早苗の腰よりほんの少し高い位置で止まる。

何かとは、一本の四角い支柱に向こうが見える透明な板が付いている謎の物体……なのだが、早苗はこれに見覚えがあった。

 

「安心なさい。ただの“プレイボード”よ」

「ボード…?」

「モデルとして、“激覇編”と“星座編”のを採用したらしいわ」

「………あっ!」

 

 その瞬間早苗に電流走る。

これは彼の“光主”達や“ブレイヴ使い”が使用していたバトルフィールドのアレだ。通りで見覚えがある訳だと納得する早苗。

しかし同時に何故こんな物を?と疑問も浮かぶ。雰囲気作りのための趣向品なのか、はたまた——

 

「…説明は面倒だから、理解できたならデッキをセットなさい」

「え、ええ。……おお」

 

 やや斜め、こちらに向く形になっているボードに自身のデッキをいつものように、プレイシートの定位置である場所にセットする。普通、置く場所が傾いていれば、滑りやすい厚紙の束だ。滑り落ち床にばらまかれるのが道理。しかし不思議な事に、滑るどころかピタリと張り付いている。試しに置いたデッキを再び取っても、崩れることなく取れた。

 

「『再現するからには全力でやる』とのことよ」

「謎技術すぎる…」

「とにかくバトルを始めるわ。いいわね」

「っ、いざ!」

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

 

     藍河 早苗

       vs

     燐導 琉珈

 

 

 示し合わせずとも合わさったいつもの掛け声と共に、投影機が反応を示す。中心に映し出されたのはあの円形状の舞台。“バトルフィールド”の特徴である、山を半分切り取ったような逃げ場の無い決戦場。あの見慣れたフィールドだった。

 

「これが…」

「駄賃代わりに試験役になってもらうから。さて、私は謙虚だから後攻を譲ってあげてもいいけど?」

「生意気な!」

「ふん、行かせていただく。スタートステップ!」

<琉珈・先攻第一ターン>

 

 琉珈がターン開始の宣言をすると同時にボードが淡く光る。これもあのアニメでの演出を取り入れたのだろう。

 

「ドローステップ」

(琉珈手札4→5)

 

 掠め取るかのようにデッキトップからカードを1枚引く琉珈。あんな風に引いては普通デッキが某パワーウォールの如く弾け飛ぶか近くに置いてあるであろうボイドケースに振り抜いた手が当たりコアシュート(物理)をかます。しかしそうはならず、綺麗に1枚引いている。

 

「ちなみに多少の台パンでも大丈夫だけど、目に余るようなら強制停止もありえるからね」

「心得たわ」

「メインステップ。ネクサス《双蛇の剣刃探知機》を配置」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

 宙空にうっすらと現れたのは人間が扱うスマートフォン…のようだが見た目が何やら気味悪い。

石のような機械のような材質が解らないものに翼の生えた2匹の紫蛇が楕円形の画面に沿い、頭が下、尻尾は絡み合いアンテナのようになっている。

 

「あれは…」

「バーストをセットしてターンエンド」

(手札4→3)

{琉珈バースト:なし→セット}

 

<早苗・後攻第二ターン>

「お手並み拝見といきましょうか、“蒼雷”さん?」

「今は蒼雷に有らず!“叢空”の第二ターン、スタートステップ!」

 

「コアステップ!」

(リザーブ4→5)

 

「ドローステップ!」

(手札4→5)

 

 左下のリザーブにコアが自動的に追加され、やりたい気持ちに動かされ左から右へ弾き掠め取るようカードを引いてみる。案の定デッキは吹き飛ばず、驚いた事にコアに触れられ、感触があり、ボードから離しても消える事はなかった。

 

「どうかしら」

「かなり良いわね。アニメ覇王編を思い出す」

「店舗設置型だから上々ならまぁいいわ。コスト支払いとかはボードが自動的に音声認識で色々やってくれるから安心して」

「至れり尽くせりね。メインステップ! ———っ」

 

 いざカードを出そう。そう思い立つが先程から絶対に触れまいと決めた“物体”が視界にバッチリ収まってしまった。

あの奇妙珍妙なモノがちらつく度に今まで焦りやら何やらといった気持ちが吹き飛んでしまうというか、萎える。

 ちらりと琉珈と視線を交錯させれば「触れるな」というハイライトが消えかけた瞳で語り掛けられる始末。だが早苗は乙女座ではないが我慢弱い少女。アレがあそこで優雅に居座っているのを目にして口を出さずにはいられない。

 

「……あれは何!」

「触れるな」

「いい加減目障りなんだけど?!」

「……ふ、触れるな」

 

 その優雅に座るあまりにもアンバランスな物体。

何処から持ち出してきたのか分からないゴシック調の円形テーブルと椅子一脚。更にはティーセット一式と些かバトルの場に相応しくない。

更に言えば異様なのはその“人物”。

瀟洒なゴシックドレスに全くと言っていい程似合わないずんぐりとした頭。おそらく作り物でネコだというのは理解出来るが、バランスが悪いのと今さっき作った急拵え感を隠すどころかそれが味だと言わんばかり。勇ましくキリッとした眉と目なのだが、ズレていてところどころ透明なテープで補強されていたりと締まらない。

あれを気にせずバトルしろと言われ一切無視出来るバトラーがいるならば是非とも見てみたい。

 

「……はぁ、分かった。ちょっと待ってて」

 

 盛大な溜息をつき琉珈が面倒臭そうに得体の知れない物体へ向かっていく。

早苗としては溜息をつきたいのはこちらだと文句も言いたいところだが、対処してくれるようなので堪える。

 

「“師匠”。邪魔ですって」

「………」

「師匠、聞いてます?」

「………」

「…師匠?」

「………?」

 

 被り物の横に手を沿えるナゾのヒト。…あれはよく聞こえなかったのアッピル。

つまり外の様子は見えるが音が聞こえづらくなっているようだ。欠陥品もいいとこである。…世の中には翻訳機能を切ると全ての機能が停止する着ぐるみがあるというが、アレよりはマシか。

 

「そんなモン被ってるから聞こえないんでしょ……ちょ、被り物押し付けないでくださいよ!ああもう、取ってくださいぃ…!」

「っ!? …ッ!ッ!」

 

 琉珈が無理矢理被り物を引きはがしに掛かるが、嫌なのか被り物を掴んで必死の抵抗をするナゾのヒト。

 

「抵抗しないでくださいよもう!めんどくさいんだから…。ぅおぉらぁッ!!」

「ぷあっ!ちょっと!師匠に対して何するの!」

「何だ何も邪魔だって言ってるんですよ」

 

 遂に被り物を剥がされあらわになった素顔。……その人物に、早苗は覚えがあった。

低身長で黒と紫を基調にしたゴシックドレスを纏い、片目に金のカラーコンタクトを入れた紫使い。まさかあの人が琉珈の師匠とは夢にも思わなかった。

 

「私の“ニャモ”返しなさいよ!」

「返しますから引っ込んでくださいっつってんでしょ!」

「師匠に向かってその口の聞き方は何!」

「邪魔に邪魔って言って何が悪いんです!」

「むきぃー!」

 

 あの玩具を取り上げられたようにムキになっているのは、何を隠そうあの……

 

「“彩音(あやね)”さんだったんですか…」

「くぬ…! あっ、久しぶりね早苗」

 

 “澪紫 彩音(みおず あやね)”。

称号、『紫蓮(しれん)』を持つ重度の厨二…いや、屈指のカードバトラー。

早苗も彼女の手ほどきを受けた間柄でもあり、従姉妹の麗奈の親友でもある。

 

「何をしてらっしゃるんですか」

「ふっ、この“ソルマルタ・レーテル・トゥルーリーワース=蛇刳(じゃくり)”。第7次元よりの送信を受け、この時代に新たなる扉を——」

「御託はいいですから師匠は引っ込んでてください」

「あ、ちょっと!まだ台詞の途中…もがっ!?」

「はいはい後で言わせてあげますからこれ被ってあっちに行っててくださいねー」

 

 そう言ってニャモと呼ばれる被り物を彩音に被せ強制的に話を切り、回れ右をさせ先程詩乃が入っていった一室へ押し込まれる。

途中幅が大きかったためか頭がつっかえたがそこは無理矢理何とかした。

 

「はぁぁ…。師匠はあの言い回しだから話が長くなるのはご存知でしょ」

「…ちょっと迂闊だったわ」

「まぁこれで気兼ね無くバトルできる訳ね」

 

 確かに気になる物体がいなくなりはしたが、あれからかなり気が削がれてしまい、早苗としては正直後日仕切り直したい気分だった。

 

「ここまでやったんだからまた明日なんて悠長な事言わせないからね。このバトル、私が望んだものでもあるのだから」

「望んだ…?」

 

「“あの時”出来なかった決勝戦、今その前哨戦としてもいい」

 

「っ!」

 

「今は余計な考えなど捨て、私と詩い踊れ!」

 

「……ふふっ、やはり師弟は似るものなのね!」

 

「有り難く嫌味と受け取るわ」

 

「どうとでも!改めてメインステップ! ネクサス《海帝国の秘宝》を配置!」

(早苗手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「まぁそれを配置するのは定番ね」

「更に!」

「っ」

「ネクサス《雷海域》を配置!」

(手札4→3)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ4→5)

 

「最後にバーストをセットし、ターンエンド!」

(手札3→2)

{早苗バースト:なし→セット}

 

 早苗側のフィールドに何処からともなく海が押し寄せ、岸壁とも言える岩場がその海から生え現れた。そして海からは雷が空中へと立ち上る奇妙な現象の中、海の中心に淡い青の膜で覆われた紅い宝石のような物が宙に浮いている。

その宝石を抱える紺碧色の三つ首竜は、相手を見据え威嚇するよう護られていて、宝石の中には中心に渦巻く粒子が見える。

 

<琉珈・第三ターン>

「やはり【招雷】か。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。《ボーン・バード》を召喚」

(手札4→3)

(リザーブ5→2)

(トラッシュ0→2)

[ボーン・バード コア1 レベル1 BP1000]

 

 宙空から紫を示すシンボル、アメジストが現れ、弾けると共に骨だけの小さな鳥が出現しフィールドに降り立った。

骨だけだというのに翼と腿には黒い羽毛のようなものが生えており、翼には鋭い針のような羽根がいくつも並んでいて、胸元には3つの紫水晶が埋め込まれている。

 

「そちらもやはり【無魔】…!」

「あの紛い者の時と同じと思われるな? 多少手は加えてるのよ。ボーン・バードの召喚時効果発揮。デッキトップを3枚破棄したのち、1枚ドローする」

 

 ボーン・バードが紫の光に包まれ、烏とも鶏とも言えないような不気味な鳴き声を上げる。

するとその隣に出現したのはカードの山、デッキだ。ボーン・バードがそのデッキを突き、1枚を嘴で啣え何が気に入らないのか荒々しく放り捨てた。それを繰り返し、上から4枚のカードを啣えると放り投げず、琉珈に向かって投げつけたた。

 

一方琉珈のテーブルでは自動的にデッキから3枚のカードが破棄され、淡い紫色の光に包まれた4枚目のカードを手札に加え、早苗側では宙空に突然表示されたホログラムに今破棄されたカードが示されていた。

 

●破棄されたカード

・《旅団の摩天楼》(ネクサス)

・《ダークマター》(マジック)

・《バットナイト》(スピリット)

(琉珈手札3→4)

 

紫 スピリット

《ボーン・バード》

コスト3 軽減紫1極1 <無魔>

<1> Lv1 BP1000

<3> Lv2 BP2000

シンボル:紫

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から3枚破棄し、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「ふふっ、理想的な落ちね」

「手札では無くデッキを破棄してドローとは」

「紫にとって墓場(トラッシュ)は第二の手札よ」

「ならば、その召喚時効果に対しバースト発動!」

「…っ」

 

 早苗はセットされたバーストカードに左手を翳す。すると思った通り、弾け跳ぶように翳した手に来た。これはかの覇王編でもあった演出だ。これをやれたことに内心嬉しく思う早苗。

 

「《キングスコマンド》!3枚ドローし1枚破棄する! 破棄するのは《操舵手アイザック》!」

{早苗バースト:セット→発動}

(手札2→5→4)

●破棄されたカード

・《操舵手アイザック》

 

「手札を増やされたか」

「紫ならば召喚時効果を多様すると思ってね」

「そうね。なら私もバーストを発動させてもらうわ!」

「何っ!?」

「この発動キーは相手の効果により相手手札が増えた時。《エグゾーストエンド》!」

{琉珈バースト:セット→発動}

 

「緑のバーストマジック!?」

「今増やした手札の枚数1につきコアブースト。つまり3枚増やしたためコア3つをリザーブに置かせてもらう!」

(琉珈リザーブ2→5)

 

 ここは室内だというのに何処からか吹いてくる緑の風が3つのコアへと集約し、琉珈のリザーブへと落ちた。バースト1つにも凝った演出だ。

 

「青ならば手札効果を多様するでしょ?」

「意趣返しとはやってくれる!」

「まだ第一節にもならない序章。蒼と紫の協奏曲(コンチェルト)、稲妻の如く鮮烈に詩いあげてみせなさい。叢空の!」

「言われずとも!」

「その意気や良し!《ワンアイドデーモン》を召喚!」

(琉珈手札4→3)

(リザーブ5→4)

[ワンアイドデーモン コア1 レベル1 BP1000]

 

 紫のシンボルが弾け次にフィールドに姿を現したのは、肥大化した後頭部に額に短い角のようなものを生やし、ぼろ切れのような翼を持つギョロリとした蝙蝠似の一つ目悪魔。剥き出しの歯が薄気味悪い笑い声と共にカタカタと鳴る。

 

「そして…、ワンアイドデーモンの【スピリットソウル:紫】!」

「来るか、アルティメット…!」

 

 琉珈の声と共にワンアイドデーモンに変化が起こる。

身体の中心となっている青い水晶が紫色へと変化し、足元から紫シンボルを1つ、更に肥大化した後頭部が裂け、その内部から紫シンボルが輝き現れる。

さすがのリアルさに早苗も少々引き気味。

 

「舞い降りよ、火の智授けし金翼の王蛇!

 《アルティメット・ケツァルカトル》!

 レベル3にて、光来!!」

(手札3→2)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ2→5)

[アルティメット・ケツァルカトル コア1 レベル3 BP12000]

 

 宙空に現れたのは紫の輝きを放つ黄金の究極シンボル。

それは弾けること無く巨大な幾何学の魔法陣を形成し一匹の翼を持つ白蛇を喚び出した。

静かに、厳かに羽ばたき降りるのはアステカ神話において、人に豊饒と火の文明を齎したとされる“虹の羽毛を持つ蛇”。

 

「Uケツァルカトル…!確かに、他のスピリット達より巨大ね」

「どう?私のアルティメットは。最後にバーストをセットし、ここはターンエンド」

(手札2→1)

{琉珈バースト:なし→セット}

 

<早苗・第四ターン>

「先にアルティメットを出されたか…。叢空の第四ターン!スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ1→6)

 

「メインステップ! 星の海行く勇者の血統!《星海の海賊ペルセース》をレベル1で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ0→2)

[星海の海賊ペルセース コア1 レベル1 BP5000]

 

 荒波に雷立ち上る海から1粒の青い宝石、六角のサファイアが飛び出し雷が直撃する。最大10億ボルトにまで達する光が直撃したら消し炭処では無い。

その雷が弾け、未だ空間に帯電する雷を纏い現れた青い…“巨人”。

白を基調としたパイレーツハットには豪奢な赤い羽根。何処かの貴族と見紛うばかりの同じく白基調・薄紫の海賊に服。青白い肌に流れる青い長髪の美青年。

ただ違うとすれば、相対する骨の鳥、一つ目の悪魔が人間でいう大きさでサッカーボールくらいとするならば、この巨人は……三階建てのビル並。巨大なアルティメット、Uケツァルカトルより二回り程小さいが比較にならない。

 

「これが、私の戦友(とも)…」

 

 不意にペルセースが早苗に向き直ると、恭しく一礼した。勇者の血統がそうさせるのか。

 

(あれなら魂実装も間近ね…)

 

「頼むわよペルセース!」

 

 早苗の声に応えてか、琉珈の方に向き直りパイレーツハットの(つば)を軽く上げ不敵に笑うペルセース。それを挑発と取ったのか相対するボーン・バードとワンアイドデーモンが威嚇するように声を荒げる。一方のUケツァルカトルは気にする様子も無い。

 

「続けて、ブレイヴ《リボル・アームズ》をペルセースに直接合体!」

(手札4→3)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ2→5)

リボル・アームズ

  ↓ 直接合体

星海の海賊ペルセース(合体)

[コスト:5+4=9]

[BP:5000+3000=8000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

 次に現れた青のシンボルは海へと落ちた。そのまま水中で弾けゴボンと泡立ち、その中から額にサファイアを埋め込んだ、黄土色と焦げ茶色2色の機械魚が飛び出し海を走る。泳ぐ…のではく背鰭尾鰭がブースターになっていて、水上機が飛び立つよう真っ直ぐにペルセースに向かっていく。

ペルセースはそれを振り返りもせず見ずに軽く右手を上げるとリボル・アームズはピタリと留まり、魚型の姿から魚型の巨大な銃へと変型していく。口から胴のシリンダ部分まで縦に開くと、中からシリンダと同じく黒い銃身が出現した。銃口は2門。

 

「普通のスピリットにとっては巨大砲台なのに、青の闘神に持たせれば普通の銃ね」

「リボル・アームズの召喚時効果! 私のネクサス、海帝国の秘宝にボイドからコア2つを追加!」

[海帝国の秘宝 コア0→2 レベル1→2]

 

「すぐさまコアをペルセースへ移動させレベル2へ!」

[海帝国の秘宝 コア2→0 レベル2→1]

[星海の海賊ペルセース(合体) コア1→3 レベル1→2 BP5000→7000+3000=10000]

 

「バーストセット!さあ、アタックステップ! ペルセース、合体アタック!

雷海域レベル1からの効果により、【招雷】を持つペルセースのBPをプラス2千!」

(手札3→2)

{早苗バースト:なし→セット}

[星海の海賊ペルセース(合体) 10000+2000=12000]

 

 早苗がペルセースに攻撃を命ずる。

ペルセースはリボル・アームズを肩に担ぎ、走りだ…さず空いた左手の指を弾き鳴らす。その瞬間、“寄せる海の一部が走り出し”ペルセースを乗せまるで意思があるように滑走して行く。更には雷が後を追うように走り抜け、ペルセースに雷を宿らせる。

 

「BPが並ばれたか…。海賊ってのは一々カッコ付けないと気が済まないのかしら?」

「格好良ければそれで良し!

ペルセース、レベル2からの合体アタック時効果! 1ターンに1度トラッシュの<闘神>スピリット、先程破棄した操舵手アイザックを手札に戻し、ボイドからコア2つをペルセースに追加する!」

(手札2→3)

[星海の海賊ペルセース(合体) コア3→5]

 

 文字通りの波乗りで滑走するはペルセースが身体を傾かせ波を巻き上げ海を拡大させる。その巻き上がった波飛沫からカードとコア2つが飛び出した。ペルセースはコアを掴み、カードを早苗に投げて寄越す。

投げたカードがフィールドの外に出る瞬間、トラッシュにあった操舵手アイザックのカードが跳ね上がり素早く反応した早苗が掴み取った。

 

「更にリボル・アームズの合体アタック時効果! トラッシュは…と」

 

 早苗がトラッシュの確認は?と質問しようとした瞬間、早苗の左手側に投影モニターが出現した。

そこには、先程琉珈がトラッシュに落としたカード4枚の詳細が載っていた。

カードに触れれば拡大されテキストも表示されると。何とも至れり尽くせりのシステムだ。

 

「ほう…。この《ダークマター》というマジック。07のカードであり、とてつもなく厄介なカードね」

「ふん、バレたか」

「ならば2枚目を握っていると踏んでコスト3を指定!」

 

 早苗がコストを指定すると同時、リボル・アームズのシリンダに謎の弾を詰めるペルセース。カッコ付けか1回転させた後空に向かって撃ち出した。

青白い光球は見様によっては暗闇に放つ照明弾のようだが、それは独りでに空中で停止すると弾けて光の三角形を描いた。

 

「このバトルの間、そちらは今指定したコストのマジックを使えない!」

「まったく面倒ね」

「それが青!このアタックはどうする!」

「愚問ね。ライフをくれてやるわ」

 

 琉珈はライフで受ける事を選択。

同値のUケツァルカトルならば、マジックによる返り討ちも可能だが、向こうには使えるコアが2つある。比べ琉珈は0。自由にできるコアが2つもあるならBP上げるマジックを使うには十分。更に向こうは<闘神>の【招雷】。コストも軽ければ軽減も多く、加算値もそれなりに高い。

 アルティメットを失う義理も無いためその身で受ける選択をする琉珈。

小さいスピリット達を波乗りの要領で跳び越し、Uケツァルカトルを横目にすり抜け琉珈に迫る。その瞬間、琉珈のフィールド側縁に青い光の壁がせりあがってきた。

そこにペルセースは帯刀していたサーベルを抜き放ち振りかぶる。瞬間、青シンボルと一緒に叩っ斬り付けた。

 

「っ…」

(琉珈ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ダメージ演出は最強銀河タイプなのね」

「店舗設置型と言ったはずよ。流石に小さい子にアレとかは酷でしょう」

 

 アレとは激覇編、星座編、覇王編などのバトルタイプ。

調整等の話はまた別のお話。

一仕事終えたペルセースが戻り、やれやれといった感じに担いでいたリボル・アームズを降ろし、膝を付いた。

 

「招雷は無し、か」

「ターンエンド!」

 

<琉珈・第五ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ1→2)

 

「ドローステップ。ここで探知機の効果発揮」

「ここで?」

「ドローする代わりに、トラッシュにある紫のカード1枚を手札に戻す」

「なんと!?」

「戻すのは《バットナイト》」

(手札1→2)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ2→7)

 

 近場に漂っていた紫の探知機がここにきて反応をする。アンテナから淡い紫の波紋のようなものが発せられ、ボーン・バード近くに謎の発光が出現。何事かと地面を突いて掘り起こすとカードが出土。それを前のように琉珈に向かってぶん投げた。

 

紫 ネクサス

《双蛇の剣刃探知機》

コスト4 軽減紫2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:紫

Lv1・Lv2『自分のドローステップ』

ドローするかわりに、自分のトラッシュにある紫のカード1枚を手札に戻すことができる。

Lv2:フラッシュ『お互いのアタックステップ』

このネクサスを疲労させることで、自分のデッキを上から2枚オープンする。

その中の系統:<剣刃>を持つ紫のブレイヴカード1枚を手札に加える。

残ったカードは好きな順番でデッキの下に戻す。

 

「色指定のみの回収…。山羊座のような効果か」

「メインステップ。《バットナイト》を召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ0→2)

[バットナイト コア1 レベル1 BP2000]

 

 紫のシンボルを斬り割き出現したのはバットマ…いや、筋骨隆々、顔と胸に髑髏を模したペイントを。蝙蝠の翼は骨と皮膜に紅いマントを靡かせた超人…人?

 

「召喚時効果、1枚ドロー。しかしUケツァルカトルが存在するため2枚ドローとなる」

(手札1→3)

 

「更に《ソードール》を召喚。レベルにはワンアイドデーモンのを使う。よって消滅」

(手札3→2)

[ワンアイドデーモン コア1→0 消滅]

[ソードール コア1 レベル1 BP1000]

 

 紫のシンボルが弾けると同時に両腕が小刀の骨の兵士が現れ…たと思ったらワンアイドデーモンを踏み付け、飛び出たコアを掻っ攫いワンアイドデーモンは消滅するという某髭の配管工みたいな構図を見た。

 

「そして…!」

「またアルティメットか!」

「ご明察! 召喚条件である<無魔>スピリット3体は満たしている!」

 

 琉珈が仰々しく手札の1枚のカードを抜き取り高々と掲げた。

 

「究極なる骸の皇! 死せる魂に慈悲無き永久の生を!

《骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ》!

 レベル4にて、降臨!!」

(手札2→1)

 

 新たに現れた究極シンボル。

その周囲に何処からともなく大量の亡骸と彷徨う亡者の魂が嵐の様に集束し、Uケツァルカトルよりも巨大な姿を形作ってゆく。

その中心に、心臓が脈動するような音がシンボルから響く。漏れる光は黄金の輝きではなく、血のように赤く、その流れは胴体から頭部、両腕、両足、両翼へ至り、遂に骸皇がその身体を形成した。

 

「Uギ・ガッシャは召喚の際コスト5とする。よって紫が3つ、究極シンボル1つで支払うコストは1!」

(リザーブ4→2)

(トラッシュ2→3)

[骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア1 レベル3 BP12000]

 

「…っ」

「一人で亡者の軍勢に立ち向かう気分は如何程かしら? 勇者の血統さん。次に、ソードールのコアをUギ・ガッシャに移しレベル4。バットナイト、ボーン・バードのコアをUケツァルカトルに移動しレベル4へ」

 

(リザーブ2→1)

[ソードール コア1→0]

[殻皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア3→]

[バットナイト コア1→0]

[ボーン・バード コア1→0]

[アルティメット・ケツァルカトル コア1→3 BP12000→18000]

 

 Uケツァルカトルが鳴き、Uギ・ガッシャが巨大な手を翳す。するとソードール、バットナイト、ボーン・バードからコアが吸い取られ2体へ取り込まれる。

コア…魂が無くなったバットナイトはその身を保つことが出来ず、ボロボロと身体が崩壊していく。しかし、骸の皇がそれを許すはずもなく、中途半端なゾンビのような状態に成り果ててしまった。

周囲のスピリット達もビックリしている。お前達も同じそうだというのに。

 

「亡者と海賊…これは…、パイレ○ツオブカリビアン状態!」

「おい、やめろ馬鹿。…この程度はまだ序ノ口。アタックステップ!」

「っ!」

「Uケツァルカトル、やれ! アルティメットトリガー、ロックオン!」

 

 琉珈の指示により、翼を大きく羽ばたかせ飛翔する。更に琉珈の人差し指の先から紫の光球が弾丸のように撃ち出され、早苗のデッキトップを弾き上げた。

 

「っ!?」

「コストを詠みあげなさいな」

「…コスト4、マジック《インパクトロア》」

「良いのが落ちたわ。ヒット!」

 

 2発目の撃ち出された光弾がインパクトロアに直撃し、トラッシュに叩き落とされる。そして撃ち抜かれて散った粒子がUケツァルカトルへと集束された。

 

「ヒット時効果。あなたのスピリットのコア1つをボイドへ還しなさい。まぁ、選ぶと言っても1体しかいないけど」

「ちぃ、ペルセースのコアを選択!」

[星海の海賊ペルセース(合体) コア5→4]

 

 Uケツァルカトルへ集った粒子は高速で魔法陣を描きペルセースに降り注ぐ。プレッシャーのように浴びせられたペルセースは苦しみ、身体から1つのコアが虚空に吸い込まれていった。

 

紫 アルティメット

《アルティメット・ケツァルカトル》

コスト7 軽減紫4 <新生・妖蛇>

【召喚条件:自分の紫スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP12000

<3> Lv4 BP18000

<4> Lv5 BP23000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『自分のターン』

自分の「コア除去効果」で相手のスピリットが消滅したとき、自分のアルティメットのコア1個を自分のライフに置くことができる。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手は、相手のスピリットのコア1個をボイドに置く。

 

「アタックはライフで受ける! ——くおっ!?」

(早苗ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

 Uケツァルカトルから魔法陣越しに紫のゲロビ……いやいやブレスが放たれる。

それが紫のバリアに放射されると、何かが砕ける音と共に軽い衝撃波が早苗に襲い掛かった。

心地好い痛みやら何やらは無いが、感じとしては、あの段ボールで作った空気砲っぽいやつでボフッてやられた感じだ。

 

「こんなところまで再現するとは…」

「精々吹き飛ばないよう踏ん張りなさい。次に——」

「ライフ減少によりバースト発動!」

「っ!」

「《ディクタトールレギオン》!」

{早苗バースト:セット→発動}

 

 琉珈が次の攻撃指示を出そうとした時、ペルセースが不敵な笑みを浮かべ、早苗のバースト発動宣言と同時に指を鳴らす。

その瞬間、立ち上る雷が海に隠されていた1枚のカード…バーストカードを弾き上げ表になった。

 

「ボイドからコア2つを雷海域に追加!よってレベル2へ!」

[雷海域 コア0→2 レベル1→2]

 

「更にペルセースから1つ、雷海域から1つ追加コストを支払い、バーストチェック!」

[星海の海賊ペルセース(合体) コア4→3]

[雷海域 コア2→1]

(トラッシュ5→7)

 

 雷に包まれたカード、ディクタトールレギオンから撃ち出された稲妻が複雑な軌道を描きながらペルセースの持つリボル・アームズのシリンダへ装填され、すぐさま撃ち出される。

稲妻の弾丸は螺旋となって琉珈のボードに伏せられていたバーストに着弾した。

 

「《黒骸竜シャドルガー》。スピリットカードよ」

「ぃよし!スピリットカードだったからそのまま破棄する!」

{琉珈バースト:オープン→破棄}

 

 弾かれたカード、シャドルガーのカードがそのまま風穴だらけにされ破壊される。

 

「雷海域レベル2からの効果により、そちらのアルティメットがアタックする際にリザーブのコア2つを支払わなければアタックできない!」

「ちっ…」

「稲妻の嵐に阻まれる気分は如何程かしら?骸皇さん!」

「……はははっ!そうこなくちゃね!ターンエンドよ」

 

<早苗・第六ターン>

「叢空の第六ターン!スタートステップ!」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ2→9)

 

「メインステップ! こちらも行かせてもらう!」

「ほう」

「世界揺るがせし王の盟友! 《剣将スティオン》をレベル4で召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ9→4)

(トラッシュ0→3)

[剣将スティオン コア2 レベル4 BP12000]

 

 降り注ぐ稲妻の中から出現した究極シンボルが収束し、光の中から現れた青い肌の青年。流れる碧の長髪、ペルセースよりやや低い身長に細い身体は男性とも女性とも付かぬ巨人は優雅に静かに降り立った。

隣にいたペルセースがスティオンみ見て軽く会釈する。

スティオンはそれを横目で見遣ると同じく小さく頷いた。

大王の近衛騎士である彼と勇者の星を受け継ぐ彼とで、何か近いものを感じたのだろうか。

 

「アルティメット…」

「招雷だけでは無いというところを見せてあげる! 続けて…」

 

 早苗も手札の1枚を掴み取り、派手に振り翳した。二人は、いや全てのカードバトラーならここぞと言う時身振り手振りが派手になるのは性だ。

 

「澄み渡る蒼き星、波濤の剣刃!

 《水星神剣マーキュリーブレイド》!

 スティオン。この剣刃、貴方に預ける!」

(手札3→2)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ3→5)

水星神剣マーキュリーブレイド

  ↓ 直接合体

剣将スティオン(合体)

[コスト:5+0]

[BP:12000+4000=16000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+青=極青]

 

 突如雷の嵐が止み、フィールドの海に静けさが戻る。次の瞬間、浮かぶ秘宝の下に一振りの大剣が海を割って現れた。

地表まで割れた海を、静かな足取りで剣へと向かうスティオン。恭しく片膝をつき、頭を垂れる。

身の丈の倍程ある大剣。両の手でゆっくりと、しっかりと柄を握り締め大地から引き抜き、天へ翳す。その勇姿に将と剣刃は一対となり光を放つ。

スティオンが元の場所に戻ると割れていた海が閉じ、また雷が立ち上る荒々しい海へと姿を変えた。

 

 水星の剣刃を持つスティオンをペルセースが羨ましそうに見る。俺にも持たせてくれないか?と言っているよう。

スティオンは何も言わないが、合体条件が合わないだろうと呆れたように溜息をついた。

 

「アタックステップ!」

[星海の海賊ペルセース(合体) BP10000+2000=12000]

 

「スティオン、剣刃合体アタック! レベル4からのアルティメットトリガー、ロックオン!」

 

 攻撃を命じられたスティオンが動く。

空いた左手で剣指を作り、空に紋様を描く。描かれた紋章は水星神剣に光となって纏わせると、軽々と一薙ぎ。その剣圧に小さなスピリット達は慌てて身を屈め回避した。

 

「…コスト4、ブレイヴ《龍弩ラスタバン》」

「ヒット!」

 

 弾き上げたカードから光の粒子が飛び散り早苗のデッキに降り注がれる。淡く発光したデッキトップ2枚が浮き上がり、早苗はそれを手に取った。

 

「ヒット時効果。2枚ドローし、1枚破棄する!破棄するのは《生還者バディ》!」

(手札2→4→3)

 

青 アルティメット

《剣将スティオン》

コスト5 軽減青2 <次代・闘神>

【召喚条件:自分のコスト1以上のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP9000

<2> Lv4 BP12000

<5> Lv5 BP16000

シンボル:極

Lv3・Lv4・Lv5『相手のアタックステップ』

コスト3以下の相手のスピリットはアタックできない。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、自分はデッキから2枚ドローする。その後、自分は手札1枚を破棄する。

 

「そして水星神剣の効果【強襲:1】! 雷海域を疲労させ回復!」

[雷海域 回復→疲労]

[剣将スティオン(合体) 疲労→回復]

 

 スティオンが足に力を込め飛び出す。一足飛びでフィールドの半分まで跳ぶと、更に力を込め高く跳躍。かなりの巨大さを誇るUギ・ガッシャの頭上へあっさり到達し越えて行ってしまった。

 

「アタックはライフで受ける!」

「ソードブレイヴアルティメットはダブルシンボル!ライフを2つもらう!」

 

 大剣を振りかぶり、自身に究極シンボルと青のシンボルを宿すスティオン。そのまま気迫一閃。

 

「…、くっ!」

(琉珈ライフ4→2)

(リザーブ1→3)

 

「続け、ペルセース!合体アタック! トラッシュから《生還者バディ》を手札に戻し、コア2つ追加!」

(手札3→4)

[星海の海賊ペルセース(合体) コア3→5]

 

 攻撃を終えたスティオンがUギ・ガッシャの肩を足掛かりに三角蹴りをかまし早苗の下に戻る途中、波乗りで迫るペルセースとすれ違った。

 

「リボル・アームズの効果、コスト4を指定! このバトル中コスト4マジックを使えない!」

「バリア系を狙ってきたか…」

「このコストなら、氷盾は張れない!この勝負もらった!」

「調子に乗るなデコ助ぇ!!」

「で…!?でこは出してない!」

「フラッシュ!マジック《シンフォニックバースト》ォッ! 」

(琉珈手札1→0)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ3→6)

 

「コスト3の黄色マジックだと!?」

「阻めバットナイト! このバトルが終了したとき、私のライフが2以下ならアタックステップは終わりよ!」

 

 琉珈に迫るペルセースに半分肉体が崩れ落ちたバットナイトが飛び阻む。邪魔され顔をしかめるペルセース。

海賊とゾンビという言及すると色々アレな組み合わせだが、バットナイトが両手に持つ剣を交叉させペルセースのカトラスを受け止める…が、BP差が大きすぎるためそのまま両剣ごと叩っ斬られた。

 

「ターンエンド」

 

<琉珈・第七ターン>

「死者を使役する私が、命拾いとは皮肉ね」

「なら大人しく負けてたのかしら」

「っは! こちらのターン、スタートステップ」

(リザーブ0→1)

 

「探知機の効果は使わず、ドローステップ」

(手札0→1)

(トラッシュ6→0)

(リザーブ1→7)

 

「メインステップ。…ふっ」

「…?」

「見せてあげる。アルティメットトリガーの新たな境地を!」

「はっ! バイクにでも乗るつもり?」

「いずれ理解るわ。手札が0でも、紫ならどうとでもなる!」

 

 琉珈が先程までの妖しげな笑みから獰猛な笑みへと変わる。

 

「死せる剣聖、次代の闇騎士!

 《骸骨剣聖エグゾスカル》!

 レベル4にて、召喚!!」

(手札1→0)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→2)

[骸骨剣聖エグゾスカル コア2 レベル4 BP14000]

 

 琉珈のフィールドに究極シンボルが現れ、3体目のアルティメットが召喚される。

赤黒い霧が噴き出し究極シンボルを包む。中心に光る2つの眼が浮かび上がり、瞬間、霧を振り払い漆黒の鎧に身を包んだ骸の騎士がそこにいた。

 

「またアルティメット…」

「Uケツァルカトルのコアを1つ落とす」

[アルティメット・ケツァルカトル コア3→2 レベル4→3]

(リザーブ3→4)

 

「アタックステップ」

「スティオン、レベル3からの効果! そちらのコスト3以下のスピリットはアタックできない!」

「構うものかよ!かかれ、エグゾスカル! 雷海域のコストでリザーブのを2つトラッシュに置く」

(リザーブ4→2)

(トラッシュ2→4)

 

 琉珈の命を受け、携えていた紅い闘気が揺らめく真っ赤な曲剣・ショーテルを抜刀する。

 

「アルティメットトリガー、ロックオン!」

 

 琉珈の振り払った剣指から光弾が撃たれ、早苗のデッキトップを弾く。

 

「…コスト3、《剣帝眠る霊廟》」

「ヒット! ペルセースのコアを1つボイドへ!」

[星海の海賊ペルセース(合体) コア5→4]

 

 極自然な動作で振り放たれた赤い剣圧がペルセースに防御の体勢を取らせる前に直撃。苦悶の表情をし、身体から抜けたコアが暗闇に吸い込まれていった。

 

「またボイド送——」

「更に続けて…!」

「っ!?」

 

「X(クロス) アルティメットトリガー、ロックオン!!」

 

 次いで左手で剣指を作り、先程の光弾より強い輝きを放つ。カードから弾けた粒子がエグゾスカルの剣に集束され、赤い闘気が膨れ上がり、血のように赤黒いオーラを纏いだした。

 

「に、二発目!?」

「私のライフが3以下のとき、第二の詩弾が紡がれる! さぁ、コストを詠め!!」

「…コスト4、《船星鎧ブレイヴアルゴー》!」

 

「“クロスヒット”ォッ!!」

 

 琉珈の気迫の叫びに呼応してエグゾスカルも共に咆え、大上段に振り上げた剣を全力でスティオンに向け斬り払いダークパワーを纏った剣圧を放つ。

スティオンも防御の構えを取る…が、盾として構えた水星神剣を通り越しその身を貫通していった。

 

「クロスヒット時効果…、相手スピリット、またはアルティメット1体のコアを全てリザーブへ置く!」

「な…、アルティメットに触れられるアルティメット!? ……っ、水星神剣は残す!」

[剣将スティオン コア2→0 消滅]

(リザーブ2→4→3)

[水星神剣マーキュリーブレイド 残留 コア3 レベル1 BP4000]

 

 斬られたスティオン自身も何が起こったのか暫し理解出来なかったが、悟ったのか水星神剣を大地に突き立て静かに消滅した。

 

「スティオン…!」

「どう? これが【XUトリガー】よ」

 

紫 アルティメット

《骸骨剣聖エグゾスカル》

コスト6 軽減紫3極1 <次代・剣使・無魔>

【召喚条件:コスト3以上の自分の紫スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<2> Lv4 BP14000

<5> Lv5 BP19000

シンボル:極

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のスピリットのコア1個をボイドに置く。

Uトリガー後、自分のライフが3以下なら、さらに、XUトリガーを行う。

【XUトリガー】XUトリガーがヒットしたとき、相手のスピリット/アルティメット1体のコアすべてを相手のリザーブに置く。

 

「エグゾスカルのアタックをどうする!」

「……この身で受ける!」

 

 今だ黒いオーラを纏う剣を構え直し、腰溜めから振り抜き剣圧を飛ばす。剣圧は立ち上る雷を千切り、早苗を守る紫の壁を斬り裂いた。

 

「っ…!」

(早苗ライフ4→3)

(リザーブ3→4)

 

「Uギ・ガッシャ、やれ!」

(琉珈リザーブ2→0)

(トラッシュ4→6)

 

「アルティメットトリガー、ロックオン!」

「——!? コスト7、《戦輝神ゼルドナーグ》…!」

「ヒット!! トラッシュの<無魔>スピリット、《バットナイト》を蘇らせる!」

[バットナイト コア0 レベル1]

 

 骸皇から発せられる黒い霧が大地に染み渡る。霧が人の形を取り、先程斬られたバットナイトが幽鬼として再び復活した。

 

「召喚時効果発揮!アルティメットがいるため2枚ドローする!」

(琉珈手札0→2)

 

「私のスピリット達を遮る将は消えた。骸皇のアタックはどうする!」

「フラッシュ!マジック《ブレイクグラインド》!」

(早苗手札4→3)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ5→7)

 

「コスト3以下のスピリット3体! バットナイト、ボーン・バード、ソードールを破壊する!」

「っ!」

 

 早苗がマジック使用を宣言した瞬間、今挙げた3体の足元から光が漏れだす。何の光?と疑問に思った刹那、盛大に爆発を起こしギャグのように吹っ飛び破壊された。

 

「破壊したスピリット1体につき、デッキから2枚破棄する! 合計6枚破棄だ!」

「探知機が見えている上でのことかしら!」

●破棄されたカード

・《ラウンドテーブルナイツ》(マジック)

・《万本槍の古戦場》(ネクサス)

・《バットナイト(2)》(スピリット)

・《六巨皇ボーン・ケンタウロス》(スピリット)

・《コアロスト》(マジック)

・《生還者シールデンリッター》(スピリット)

 

青 マジック

《ブレイクグラインド》

コスト6 軽減青4

【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】

コスト合計3まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト3以下の相手のスピリット3体を破壊する。

この効果で破壊したスピリット1体につき、相手のデッキを上から2枚破棄する。

 

「アタックはライフで受ける!」

 

 骸皇の眼に強い光が走り、内包する究極シンボルが強い心音を打ち鳴らす。

すると、骸皇の胸部から右腕に向かい赤い力が奔流し、早苗に向けられた掌からそこだけぽっかりと黒い点が開く。そこに赤い電流に似た稲妻が走り抜ける。

 

「…? ……っ!?」

(早苗ライフ3→2)

(リザーブ2→3)

 

 瞬間、早苗を守るバリアが発生し、何も無い空間に無数の黒点が出現し、その穴から伸びる弾丸のような黒い針がバリアに嫌な音を立てライフを砕いた。

 

「くぉ…っ、ワームスマッシャー!?」

「ディストリオンブレイクでも可よ。ターンエンド」

 

<早苗・第八ターン>

「叢空の第八ターン、スタートステップ!」

(リザーブ3→4)

(手札3→4)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ4→11)

 

「メインステップ!」

 

 現在場の状況としては早苗の圧倒的不利という訳ではない。だが有利かと言われるとそれほどでも無い。

早苗は手札が2枚割れ、スピリットはペルセースと合体しているリボル・アームズ。アルティメットと合体しなければ本気出せない水星神剣。しかも手札のアイザックとバディでは合体どころの話でない。

 

(あちらに待ち構えているのはUケツァルカトルのみ。……だけど、あの手札2枚のうちどちらかがウォール系だとしたら)

 

 それならばマジック縛りで1点は通せるはず。しかしペルセースを通せばマジックが自由になってしまうし、あのトラッシュにあるコスト3のマジックのプレッシャーもある。……あと2点が遠い。

 

(なら、あの2枚でこのターン凌げるか試してやる!)

 

「………」

「考え事は終わったかしら」

「ええ。待たせたわね。…ネクサス、《三つ首竜の海賊旗》を配置!」

(手札4→3)

(リザーブ11→10)

(トラッシュ0→1)

 

 岸壁にいくつもの深い青の海賊旗が立つ。

その旗には、骨を交叉させ×の字を背後に骨の竜の頭部が三つ。

 

「透けてる手札に引いたのがそれ?」

「そこまで言うなら、堪え凌げるか勝負よ!」

「やってみればいい。……やはりバトスピはこうでなくちゃ面白くない」

 

 お互い挑発に挑発を重ね、それでも余裕の笑みを持って返す。

 

「次に、《生還者バディ》をレベル2で召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ10→7)

(トラッシュ1→2)

[生還者バディ コア2 レベル2 BP3000]

 

 現れたのは筋骨隆々の青い巨人。厳めしい顔付きに赤い短髪のオールバック。身に纏う黄金の武具に青い闘気渦巻いている。

 

「海賊旗をレベル2、ペルセースとバディ、水星神剣にありったけコアを乗せて、アタックステップ!」

(リザーブ7→0)

[星海の海賊ペルセース(合体) コア4→6 BP10000+2000=12000]

[生還者バディ コア2→4 レベル2→3 BP3000→5000+2000=7000]

[水星神剣マーキュリーブレイド コア1→3]

 

「バディでアタック!」

「そっちはライフで受けてあげる!」

 

 早苗の指令に素早く駆け出すバディ。

膝をつく骸皇を摺り抜け、琉珈に剛腕を振り上げる。展開された青いバリアに渾身の一撃を叩き込んだ。

 

「っ…」

(琉珈ライフ2→1)

(リザーブ0→1)

 

「ペルセース、合体アタック! トラッシュの《戦輝神ゼルドナーグ》を手札に戻し、コア2つを追加!」

(手札2→3)

[星海の海賊ペルセース(合体) コア6→8]

 

 波に乗り躍り出るペルセース。その表情は、先程までの余裕は無く、散った仲間の敵討ちだと言わんばかりに引き締まっていた。

 

「リボル・アームズの効果で指定するコストは……」

「………」

 

「……4!」

 

「フラッシュ!!」

 

「っ!?」

 

「マジック、《ネクロブライト》ォッ!!」

(琉珈手札2→1)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ6→7)

 

「私のトラッシュに眠るコスト3以下の紫のスピリット、アルティメット、ブレイヴのうちどれか1体をコストを支払わず復活させる!」

「な…!?」

 

紫 マジック

《ネクロブライト》【1枚制限】

コスト3 軽減紫1極1

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■相手のアルティメットのコア1個を相手のリザーブに置く。さらに、ヒットしたカードが紫のカードならガードとする。

フラッシュ:

自分のトラッシュにあるコスト3以下の紫のスピリットカード/アルティメットカード/ブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

 

「生還せよ我が騎士!《生還者シールデンリッター》レベル2!」

[骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア3→2 レベル4→3]

[骸骨剣聖エグゾスカル コア2→1 レベル4→3]

[アルティメット・ケツァルカトル コア2→1]

[生還者シールデンリッター コア3 レベル2 BP4000]

 

 大地に紫の幾何学魔法陣が浮き出し、紫シンボルが出現した。

シンボルが弾け、現れたのは薄紫色の全身甲冑騎士。片手には長槍、片手には二頭竜をエンブレムにし、中心にアメジストを埋め込んだ大盾。

 

「ここで紫の生還者(サバイバー)!?」

「ペルセースのアタックは、Uケツァルカトルが防ぐ!」

「海賊旗レベル2の効果発揮! 【招雷】を持つペルセースがブロックされたため1枚ドローし、1枚破棄! 破棄するのは《操舵手アイザック》!」

(早苗手札3→4→3)

 

(———っ!来た!)

 

 雷鳴と波と共に疾走するペルセースの行く手を黄金を纏う白蛇が遮る。

 

Brave Attack!!

星海の海賊ペルセース+リボル・アームズ

BP7000+3000+2000=12000 →Draw!!

vs

Defense!!

アルティメット・ケツァルカトル

BP12000 →Draw!!

 

 Uケツァルカトルが迫る。臨む所と迂回しようとはせず、真っ向から挑むペルセースはリボル・アームズを乱射しながらシミターを抜き放つ。Uケツァルカトルも迫る青い弾丸を幾何学魔法陣で跳ね返しお返しとばかりにブレスを放つ。

波から跳び上がり、身を翻して避わす。それを好機と見たかペルセースがリボル・アームズを放り投げ捨て一気に肉薄。Uケツァルカトルも再びブレスで撃墜しようとしたがシミターがブレスを斬り裂き瞬く間に間近に迫った。

 

「相討ちね」

「しかし、海賊旗レベル1からの効果!」

 

 最期とばかりにペルセースが全身全霊を込めブレスごとUケツァルカトルを斬り押し込んだ。だが、代償としてこれ以上戦うことができない。

しかし、Uケツァルカトルの爆発に巻き込まれる瞬間、ニヤリと笑い、指を鳴らし爆炎に飲まれ姿が見えなくなった。

 

「ペルセース…、ここまで戦ってくれたこと、感謝するわ。……BP勝負に負けても【招雷】を発揮できる!」

[星海の海賊ペルセース 破壊]

[リボル・アームズ そのまま破棄]

[アルティメット・ケツァルカトル 破壊]

(琉珈リザーブ0→1)

 

 海賊旗が淡く光る。

ペルセースがいた爆炎から一筋の稲妻が空へ走る。それは雲間へと消えたその時、先程の稲妻よりも特大の稲妻が落ちてきた。

 

「ペルセースの【招雷:コスト6/8】!

 ペルセースが遺したこのカード…。今こそ!コォォーリング、サンダァァーーッ!!!」

「コスト6か8のスピリットなど……っ!?」

 

 特大の稲妻から出現したのは……“究極シンボル”。

 

「このカードは、私のスピリットが【招雷】を発揮するとき、スピリットとして扱う!

 来たれ雷鳴宿りし究極の巨神よ!

 《次代巨神ブライバー》!

 レベル5! 招ォォ雷ィイ!!!」

 

(早苗手札3→2)

[星海の海賊ペルセース コア8→0]

[次代巨神ブライバー コア8 レベル5 BP29000]

 

 究極シンボルが弾け、渦巻く稲妻が辺り一帯に走り抜ける。

その中心から現れた巨人。

ペルセース、スティオンとは違い、Uギ・ガッシャに迫る巨体は赤く、靡く金の髪。額からは黒い2本の角と明らかな違いが見える。

 

「ブライバーだと…!?」

「行け、ブライバー! レベル4からのアタック時効果!コスト5以下の相手スピリット1体を破壊!」

 

 気迫と共に大地に振り下ろされた剛腕から青い衝撃波が疾走する。それは意思があるようにシールデンリッターに迫った。

 

「シールデンリッターは相手の効果では破壊されない!」

「生還者共通の効果破壊耐性か! ならばアルティメットトリガー、ロックオン!」

 

 シールデンリッターが大盾を地面に突き立て、来る衝撃に備える。するとブライバーの放った雷撃は直撃するも、あらん限りの力で跳ね返した。

しかし衝撃波は勢いを殺さず琉珈のデッキに直撃しそのままデッキトップを弾き出す。

 

「…コスト5、《悪魔皇デビッド》」

「ヒット!トラッシュの【招雷】を持つスピリット、ペルセースを手札に戻す!」

(手札2→3)

 

青 アルティメット

《次代巨神ブライバー》

コスト8 軽減青4 <次代・闘神>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP12000

<3> Lv4 BP16000

<6> Lv5 BP29000

シンボル:極

自分のスピリットが【招雷】を発揮するとき、手札にあるこのアルティメットカードはスピリットカードとして扱う。

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、自分のトラッシュにある【招雷】を持つスピリットカード1枚を手札に戻す。

Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

コスト5以下の相手のスピリット1体を破壊する。

 

「このアタックは———」

「この勝負、私の勝ちね!」

「もう勝利宣言とは!」

「貴女の轟かせる雷鳴が、私の戦友(とも)を喚び起こしたのさ!」

「何!?」

「シールデンリッター、レベル2の効果発揮!!」

 

 大盾を退かし、長槍を掲げる。すると弾き出された悪魔皇デビッドのカードから魔法陣が発生し、ブライバーから放たれた衝撃波の余波を取り込み始める。

 

「相手のUトリガーによって、紫のスピリットカード、またはアルティメットカードがトラッシュに置かれた時、Uトリガーの効果解決後、今射抜かれたカード全てをノーコストで召喚できる!」

「な…、トリガーを逆手に…!?」

 

紫 スピリット

《生還者シールデンリッター》

コスト3 軽減紫2 <護将・魔影>

<1> Lv1 BP3000

<3> Lv2 BP4000

シンボル:紫

Lv1・Lv2

お互いのデッキは破棄されず、このスピリットは相手の効果で破壊されない。

Lv2『お互いのアタックステップ』

紫のスピリットカード/アルティメットカードが相手のUトリガーでトラッシュに置かれたとき、Uトリガー後、それらのスピリットカード/アルティメットカードすべてを、コストを支払わずに召喚できる。

 

「さあ、来い!《悪魔皇デビッド》!レベル4!」

(琉珈リザーブ1→0)

[骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア2→1]

[生還者シールデンリッター コア3→2 レベル2→1 BP4000→3000]

[悪魔皇デビッド コア3 レベル4 BP10000]

 

 空中に出現した紫の魔法陣から這い出すように姿を見せた悪魔皇は、完全に現界すると華麗に降り立でた。

黄金の装飾、黄金の冠、頭の1対の旋角、翻る黒のマントがより皇である事を強調している。

大きさとしては早苗の束ねる巨人達より小さい。隣で膝をつくUギ・ガッシャよりも小さい。スピリットであるバットナイトより頭1つ分低いくらいだろうか。

 

「ブライバーのアタックはUデビッドでブロック。お相手をして差し上げなさいな」

 

 琉珈の言葉にやれやれといった仕草をすれば、マントを払い翻しゆったりと前に出た。

対峙するのは山かと見間違う程巨大な巨神。これは骨が折れると言いたげに小さく首を振るUデビッド。だが怯む様子は無く、逆に愉しむ余裕すら見える。

 

Attack!!

次代巨神ブライバー

BP29000 →win!!

vs

Defense!!

悪魔皇デビッド

BP10000 Lose...?

 

 BP差は歴然。ブライバーが動き、振り下ろされたのは雷を纏った左。

Uデビッドから見れば隕石が降ってきたようなものだがまるで動じず、ニヤリと笑うだけ。そのまま呆気無く叩き潰され、大地がその衝撃に噴出した。ブライバーが左手を引き、その跡には“何も無い”事を確認した。

 

「Uデビッドの破壊時アルティメットトリガー、ロックオン!」

 

 瞬間、ブライバーを嘲笑うかのような声が響き、Uデビッドがいた場所から紫の霧が発生した。その霧はブライバーを摺り抜け早苗のデッキトップを勝手に持ち上げ琉珈へ向ける。

 

「コスト3のマジック《ストロングドロー》ね…。ヒット!」

 

 命中宣言がされた瞬間、霧がカードからオーラのような何かを抜き出し、握り潰した。

握り潰されたオーラは青い飛沫となり、霧を伝い本体へと流れて行く。霧が靄となり確かな形を作ると、一気に飛散。するとそこには、傷一つ無い、無傷なままのUデビッドが現れた。

 

「Uデビッドのヒット時効果は……」

「ご存知の通り。私は1枚ドローし、Uデビッドは回復状態で場に残る」

(琉珈手札1→2)

[悪魔皇デビッド 疲労→回復]

 

「Uデビッドの復活を手引きし、アタックは防がれ、挙げ句ドローまで許す事になるとは…」

「引きに首が繋がったのよ」

 

 琉珈のあんまりな引きの強さに表情が引き攣る早苗。これが彼女の強さなのか。…だが、早苗は意外と恐怖も苛立ちも沸いては来なかった。仕方ないという諦めの境地でも無い。

あるのは、久々にこんな楽しいバトルが出来たという満足感と、凛々にこれからまた苦難を与えてしまうという罪悪感。

 

「どうする? 残ったその剣刃で――」

 

 

「水星神剣でアタック!!」

 

 

 突然、突き立っていた水星神剣が独りでに抜け、宙を滑るように琉珈に向け放たれた。

 

「――っ!? で、デビッド!!」

 

 予想だにしなかった事にUデビッドも一瞬対象が遅れる。しかし翳した手から発生した見えない防壁に阻まれた。ギリギリと音を立て、それでも勢いが死なない水星神剣に、舌打ちをするUデビッド。

拮抗は長くは続かなかった。Uデビッドが防壁をずらす事で軌道を変え、逸れた所に柄を掴み、力を流し込み刃のみを砕いた。

 

「………」

「ちっ。一寸届かないか」

[水星神剣マーキュリーブレイド 破壊]

(早苗リザーブ0→3)

 

「………ふふふっ、久々にほんの少し驚いたわ」

「今のがリアルじゃなくて良かったわね、リアルだったらゴーストリック・デュラハンになってたところよ」

「はっ!さすが青使いの不意だまスフィストはA+と言ったところかしら」

「それほどでもない。……ターンエンド」

 

<琉珈・第九ターン>

「ラストターンね。スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札2→3)

(トラッシュ7→0)

(リザーブ1→8)

 

「メインステップ。……もっと長く詩っていたかったけど、終局か。深い淋しさに包まれそうよ」

「力不足で申し訳ない」

「何を謝る事。逆に感謝したいくらいよ」

「……」

「あの娘のことは……何とかやってみるから、まぁ見てなさい」

「そのセリフは…」

「まずはその邪魔な雷を破壊する。マジック《双光気弾》を使用。対象は雷海域」

(手札3→2)

(リザーブ8→5)

(トラッシュ0→3)

[雷海域 破壊]

(早苗リザーブ1→2)

 

「Uギ・ガッシャをレベルを5に上げて、アタックステップ!」

(琉珈リザーブ5→1)

[骸皇アルティメット・ギ・ガッシャ コア1→5 レベル3→5 BP12000→24000]

 

「骸皇、アタック! アルティメットトリガーロックオン!」

「——コスト3、マジック《スワロウテイル》」

「ヒット。トラッシュに眠る我が紫の巨皇、《六巨皇ボーン・ケンタウロス》を復活させる!」

(リザーブ1→0)

[六巨皇ボーン・ケンタウロス コア1 レベル1 BP10000]

 

 Uギ・ガッシャが拳を振り下ろす。砕け散る大地から大量、無数の骨という骨が溢れ出してきた。それが繋ぎあい、重なりあい、砕け混ざりあい巨大な形を作り出す。上半身は人型、下半身は四脚の馬型の名の通りケンタウロス。

姿は骸骨というより、それぞれ違う形の骨が、謎パワーで繋ぎ止められたような姿をしている。

 

紫 スピリット

《六巨皇ボーン・ケンタウロス》

コスト12 軽減紫6 <無魔>

<1> Lv1 10000

<3> Lv2 16000

<5> Lv3 20000

シンボル:紫紫

自分のライフが3以下の間、手札にあるこのスピリットカードを召喚するとき、コスト6として扱う。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

相手のスピリット3体のコア1個ずつを相手のリザーブに置く。

 

「六巨皇……。Uギ・ガッシャのアタックはこの身で受ける!」

(早苗ライフ2→1)

(リザーブ4→5)

 

「っ…!」

 

「ボーン・ケンタウロス。敬意を持って、最後のライフを砕け!!」

 

 静かな唸り声と共に、ゆっくりと骨の蹄を鳴らし歩を進めるボーン・ケンタウロス。

 

「ボーン・ケンタウロスはダブルシンボル!」

 

「……しがらみなど関係無しに、楽しいバトルだったわ。

 ライフで、受ける!!!」

 

 ボーン・ケンタウロスが右腕に黒いオーラを纏い、紫のシンボル2を拳に握り締め展開されたバリアに殴り掛かる瞬間、早苗の目にやり切れないような表情したブライバーが入った。

 

 

「ブライバー、ペルセース、スティオン、ゼルドナーグ……。凛々…! 済まない…!!」

 

 

(早苗ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 燐導 琉珈〕

 

 

 

 

 

「……負けたか」

「…ありがとう、素晴らしいバトルだったわ。あなたがどう思おうとね。“早苗”」

「っ!」

 

 

 ◇

 

 

「流石は麗奈さんの血族。最後のときなんか麗奈さんそっくり」

「あっさり終わるかと思いましたけどぉ、私もちょっと興奮しちゃいました」

 

(――それに、なかなか良い見世物でしたし、ね)




なんだこの長さは…たまげたなぁ…(疲労)
今回は青vs紫。とりあえず新規キャラはやっと全員名前出たハズです。
疲労と長さがヤバすぎてもうニ度とこれはやりたくないのですが、まぁだ残ってると思うといつ終わるのか分かりません…。

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


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Step.18『“信じて”あげてください』

色々整理がついたので、今更ながら戻ってまいりました。
気づいたらもう煌臨編が終わって神煌臨編に移っていてバトスピも10周年という。

バトスピ新弾・神煌臨編をよろしく!



――一方の凛々側

 

 

 結局、早苗は戻って来ない。

 あれからかなりの時間が経ったけど、メールも電話も無くどうしたものか。だからとりあえず深緒と羽月相手にデッキ回しを重ねていたけどさすがに飽きた。

 

「…理絵に相手頼もうかな」

 

 既に連戦に次ぐ連戦で深緒も羽月もダウンしている。でゅえるえなじー?が尽きたとか何とか言ってたけど、一方私は1回負けたくらいで後は勝っていたため英気バッチシで疲れが無い感じ。

 デッキを整え、荷物を二人に頼み席から立ち理絵を捜す。少し見渡せばすぐに姿を見つけたがお手伝い中。ちょっと話し掛けづらい状況かな?

 

「……?」

 

 様子見をしていたところに理絵と目と合う。視線で忙しいなら気にしなくていいと伝える。…伝わるか?

と、店長さんに何か話してレジを離れこちらに小走りでやってきた。どうやら伝わらなかったよう。

 

「はい…!お待たせ、しました!」

「う、うん。ごめんね呼び出しちゃったみたいで」

 

 無垢な瞳に抗える訳が無いので私が用事があることにする。悪いのは私だ。

 

「用事って程じゃないんだけど、相手してもらえたらなぁって」

「はい、喜んで…!」

 

 言うが早いか何処からかデッキを取り出し、いつでもOKという意思を見せる理絵。ならば遠慮無く対戦しよう。ここで店番ありそうだからやっぱりいいや何て断ろうものなら……

 

「ほらどいて深緒」

「あいよ…」

 

 理絵を連れ元いたテーブルに戻る。

 未だ疲れた表情をしてる深緒を退かし対面に理絵を座らせ、私も着席。

 

「よろしく、お願いします」

「こっちこそまたよろしく」

 

 今のデッキなら理絵にだって劣らないはず。負けても“継ぎ足す”部分が増えるだけだから“負けても大丈夫”だ。あの白デッキから強いカードを見つけて、探して、組み込めばまた強くなれるんだから。

 

<凛々・先攻第一ターン>

「こっちから行ってもいい?」

「はい、どうぞ」

「ありがと。スタートステップ」

(手札4→5)

(リザーブ4)

 

「メイン。ネクサスの《天空貫くバリスタ》を置くよ」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→4)

 

「赤緑の…」

「バーストを伏せて、これで終わり」

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

 

<理絵・後攻第二ターン>

「では、スタート、ステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メインステップ。……《共鳴する音叉の塔》を、レベル2で、配置します」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→3)

[共鳴する音叉の塔 コア1 レベル2]

 

「次に、《シュライクン》を召喚して、バーストをセットして、ターンエンド、です」

(手札4→2)

(リザーブ1→0)

[シュライクン コア1 レベル1 BP1000]

{理絵バースト:無し→セット}

 

 前に見た馬…シーホース・タンカー、だっけ?あれじゃないのか。

 

<凛々・第三ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン。まず《ホムライタチ》をレベル1で出すよ。バリスタに赤と緑のシンボルがあるから0コストね」

(手札4→3)

(リザーブ5→4)

[ホムライタチ コア1 レベル1 BP1000]

 

「……」

「…ここは《賢龍ケイローン》を出すかな。メインにホムライタチは緑のシンボルを追加するから、全部軽減出来て2コストのレベル1で出す」

(手札3→2)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[賢龍ケイローン コア1 レベル1 BP5000]

 

「召喚時効果。BP5千以下のシュライクンを破壊」

「シュライクン、レベル1からの【超装甲:赤】で、破壊されません」

「む、耐性持ちか…」

 

白 スピリット

《シュライクン》

コスト1 軽減白1 <機獣・爪鳥>

<1> Lv1 BP1000

<2> Lv2 BP3000

シンボル:白

Lv1・Lv2【重装甲:赤】

このスピリットは、相手の赤のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。

Lv2

このスピリットの色とシンボルは緑としても扱う。

 

「効果は不発だったけど、続きの連鎖は発揮される。緑シンボルが2つあるから両方発揮でボイドからケイローンにコア2つ追加」

[賢龍ケイローン コア1→3 レベル1→2 BP5000→8000]

 

 よしよし順調。邪魔な奴を破壊出来なかったのは置いといて、まずはコアを1つリード出来た。

やっぱちまちまやるより圧倒的にこれが良いな。

 

「次に「《六分儀剣のルリ・オーサ》、ですね?」…そ、そうだけど…」

「先に、教えますね。私の音叉の塔は、コスト4以下のスピリットの召喚時効果は、発揮されなくなります」

「…マジか」

「更にレベル2からは、凛々さんのターンに、ドローステップ以外でドローしたら、私は1枚ドローします」

「しかも便乗してくるのか」

 

白 ネクサス

《共鳴する音叉の塔》

コスト3 軽減白1

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:白

Lv1・Lv2

コスト4以下のスピリットすべての『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。

Lv2『相手のターン』

ドローステップ以外で相手がドローしたとき、自分はデッキから1枚ドローできる。

 

 これは困った…。偶然ケイローンはコスト5だったから範囲から外れたけど、もしあの下級を破壊出来ていたら1枚引かれてたのか。…やっぱり白の強いのももっと欲しくなる。

 

「…なら引かれるの承知で《双翼乱舞》を使う。コストはケイローンから取って2枚引くよ」

「では、こちらは1枚ドロー、します」

(凛々手札2→1)

[賢龍ケイローン コア3→1 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

(手札1→3)

(理絵手札2→3)

 

「んー、ここは様子見で終わりかな」

 

 今引いたうちの1枚はさっき詩乃に貰った《蜂王フォン・ニード》。

これで更にコア差を付けて強いのを召喚しまくればたとえ理絵のアルティメットだってどうにかなるだろう。結局辿り着くのは“こういうこと”だ。

 

<理絵・第四ターン>

「スタート、ステップです」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メイン、ステップ。

 《夜明けの機神デリング》を、レベル4で、召喚します」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→2)

[夜明けの機神デリング コア2 レベル4 BP8000]

 

「白のアルティメット…」

「召喚時効果発揮、です。私の、白スピリット。シュライクンにボイドからコア1つを追加、します。」

[シュライクン コア1→2 レベル1→2 BP1000→3000]

 

「コアブーストするアルティメット!?」

「次に、ブレイヴ《星銃フォーマルハウト》を、デリングに直接合体させます。コストには、シュライクンと、音叉の塔から、確保、します」

(手札3→2)

[シュライクン コア2→1 レベル2→1]

[共鳴する音叉の塔 コア1→0 レベル2→1]

(トラッシュ2→4)

 

星銃フォーマルハウト

 ↓ 直接合体

夜明けの機神デリング(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:8000+3000=11000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

 もうあのブレイヴ握ってたか入ったのか。あれも手に入れば、私はもっと強くなれる…!

 

フォーマルハウトの召喚時効果発揮、です。BP8千以下のスピリットかアルティメット1体、賢龍ケイローンを、戻します」

「…こっち?」

「はい」

[賢龍ケイローン 手札に]

(凛々手札3→4)

(リザーブ1→2)

 

「アタックステップ、です。デリングで合体アタック、します」

「攻めてくるか」

「レベル4合体時の、アルティメットトリガー、ロックオン。合体してますから、コスト8、です」

「――っ、コスト6の《アルティメット・シャイニングドラゴン》」

「ヒット、です」

 

 ん? ヒットしただけじゃ特に何も起きないのか。なら大した事無い…と言っても、一拍置く系って大方厄介なのが多いんだよなぁ。

 

「…っ」

「…? 何も、ありません」

「アッハイ、じゃ通しで。バーストは無いよ」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ2→3)

 

「エンドステップ。フォーマルハウトの合体時効果で、デリングは回復します」

[夜明けの機神デリング 疲労→回復]

 

 

<凛々・第五ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ3→4)

(手札4→5)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ4→8)

 

「メイン。なら、ここはこいつを出しとく。《蜂王フォン・ニード》!」

(手札5→4)

(リザーブ8→2)

(トラッシュ0→5)

[蜂王フォン・ニード コア1 レベル1 BP6000]

 

「……」

「召喚時効果。ボイドからコア3つをフォン・ニードに追加」

[蜂王フォン・ニード コア1→4 レベル1→2 BP6000→10000]

 

「んで――」

「召喚時効果に反応して、バースト発動、します」

「っ!?」

「《甲竜封絶破》、です。そちらのスピリット、ブレイヴ、ネクサスのどれか1つを、デッキ下に戻します」

「何っ!?」

「フォン・ニードを指定、します」

{理絵バースト:セット→発動}

[蜂王フォン・ニード デッキの一番下へ]

(凛々リザーブ2→6)

 

 召喚時に反応するならさっきはどうして使わなかったんだ? まさか、フォン・ニードが手札にあるのを解ってたのか?

……まあいいさ。仕事は果たしたし、次のを呼べばいいだけ。まだ代わりはあるんだし。

 

「なら、もう一回ケイローンを出す! これで更にコア2つ増やす!」

(手札4→3)

(リザーブ6→3)

(トラッシュ5→7)

[賢龍ケイローン コア1→3 レベル1→3 BP5000→8000]

 

「次いで《焔竜魔皇マ・グー》を出す! 維持コアにはケイローンから取る!」

(手札3→2)

(リザーブ3→0)

[賢龍ケイローン コア3→1 レベル2→1]

(トラッシュ7→11)

[焔竜魔皇マ・グー コア1 レベル1 BP5000]

 

「皇マ・グーまで…」

「アタックステップ! 開始したときにマ・グーの効果で、トラッシュにあるコア全部をマ・グーに移す! これでレベル3になって、同じ<古竜>スピリットのケイローンにもBPを3千加算して赤シンボル1つ追加!」

(トラッシュ11→0)

[焔竜魔皇マ・グー コア1→12 レベル1→3 BP5000→10000+3000=13000 シンボル赤+赤=赤赤]

[賢龍ケイローン BP5000+3000=8000 シンボル赤+赤=赤赤]

 

「皇マ・グーでアタック!」

「デリングで、ブロックします。デリングのUトリガーは、ブロックしたときにも使えます!」

「バトル時効果か…!」

「アルティメットトリガー、ロックオン!」

「――っ!? コスト7の《アルティメット・アーク》…」

「ヒット、です」

 

 ここで守ってきたってことは何かあるのか…。

 

「フラッシュタイミングで、マジック《光速三段突》を、“0コスト”で使用します」

「っ!?ゼロ!?」

(理絵手札2→1)

 

「皇マ・グーを、デッキの一番下へ、戻します」

「っ、姑息なマジックを…!」

[焔竜魔皇マ・グー デッキの一番下へ]

(凛々リザーブ0→12)

 

 あのデリングとかいうアルティメット、マジックを弄る効果があるのか!?

 

「ヒット時効果は、このバトル中、手札の白マジックのコストを、1にする効果、です」

 

白 アルティメット

《夜明けの機神デリング》

コスト4 軽減白2極1 <次代・武装>

【召喚条件:コスト1以上の自分のスピリット1体以上】

<1> Lv3 BP5000

<2> Lv4 BP8000

シンボル:極

Lv3・Lv4『このアルティメットの召喚時』

ボイドからコア1個を自分の白のスピリットに置く。

【合体時】【Uトリガー】Lv4『このアルティメットのバトル時』

Uトリガーがヒットしたとき、このバトルの間、自分の手札にある白のマジックカードすべてをコスト1として扱う。

 

 くそっ、また下に送られた。

いや、まぁまだ次がある。一応コア回収の役目は果たした。それに伏せてあれもある。これは必要経費だ。

 

「ターンを終了するよ」

 

<理絵・第六ターン>

「スタート、ステップ」

(手札1→2)

(リザーブ0→1)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メイン、ステップ。……いきます」

 

 切り札、ストライクヴルムを引いたか?

今の状態ならライフ3つで済む。それに伏せてるので凌げるはずだ。…それにしても、何でか理絵の機嫌が良ろしくない気がする。表情が硬いというか何と言うか。

 

「悪神咬み砕く金色の狼、《アルティメット・フェンリル》を、レベル3で召喚、します」

(手札2→1)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→3)

[アルティメット・フェンリル コア1 レベル3 BP9000]

 

「あれじゃない…!?」

「次に、《月光神剣ウィングオブルナ》を、Uフェンリルに直接合体、させます」

(手札1→0)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ3→4)

月光神剣ウィングオブルナ

  ↓ 直接合体

アルティメット・フェンリル(合体)

[コスト:5+2=7]

[BP:9000+3000=12000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+白=極白]

 

「シュライクンと、デリングのコアを1つずつ移して、Uフェンリルをレベル4にします」

[シュライクン コア1→0 消滅]

[夜明けの機神デリング(合体) コア2→1 レベル4→3]

[アルティメット・フェンリル(合体) コア1→3 レベル3→4 BP9000→13000+3000=16000]

 

 シュライクンを切った? でも、理絵の手札は0、デリングもレベルが下がって、バーストも無い。これでこのターン負ける事は無くなった。返しに強いのを引ければこのまま押し潰す事もできる!

 

「アタック、ステップ。Uフェンリルで、ソードブレイヴアタック…!」

「来たか」

「まず、月光剣の効果、です。ケイローンを手札に戻します。が、凛々さんがバーストをセットしていますので、バーストを破棄して、ケイローンをデッキの一番上に戻します」

「ちぃ…」

[賢龍ケイローン デッキの一番上へ]

(凛々リザーブ12→13)

{バースト:セット→破棄(ドラゴニックウォール)}

 

「続けてアルティメットトリガー、ロックオン、です」

「一番上は賢龍ケイローンのコスト5。ヒットだよ」

「はい。ヒット時効果、凛々さんのネクサス、天空貫くバリスタを手札に戻して、Uフェンリルはスピリットからブロックされなくなります」

[天空貫くバリスタ 手札へ]

(凛々手札2→3)

 

「Uフェンリルは、ダブルシンボル、です」

「ら、ライフ!」

(凛々ライフ4→2)

(リザーブ13→15)

 

「デリング、合体アタック」

「っ……、通す」

(凛々ライフ2→1)

(リザーブ15→16)

 

「エンドステップ。フォーマルハウトの効果で、デリングは回復。ターンエンド、です」

[夜明けの機神デリング(合体) 疲労→回復]

 

 くそっ、深緒や羽月には上手くいったデッキなのに軽くあしらわれ過ぎでしょ。動きを読まれてるっていうか、目の仇にされてるような…。

 

<凛々・第七ターン>

「……ターン貰うよ。スタートステップ」

(リザーブ16→17)

(手札3→4)

 

「………」

 

 ドローマジックが来ない!? 今砲天使カノンを引いてどうすればいいのさ。手の内はバリスタにアルティメットのフレイム・クーガーとマスターエッジ。例え出しても、あの2体を退けてライフを狙える力は無い。そも合体させるブレイヴが来ない。

 

「……」

「……」

 

 これは……詰み、か? 動きは悪くなかったハズなのにどうしてここまで追い詰められたんだ。

いやまだ早い。次だ、次こそ…!

ネクサスを出すと戻されてブロック出来なくなるから、3体立てて壁を作る。これしかない。

 

「まずバリスタを出し直して…」

(手札4→3)

(リザーブ17→15)

(トラッシュ0→2)

 

 

「次に《龍剣聖リューマン・マスターエッジ》、《フレイム・クーガー》をそれぞれレベル5で出す!」

(手札3→1)

(リザーブ15→9→5)

(トラッシュ2→4→5)

[龍剣聖リューマン・マスターエッジ コア4 レベル5 BP10000]

[フレイム・クーガー コア3 レベル5 BP10000]

 

 

「これで終わり。その狼はスピリットを飛び越えるけどアルティメットは越えられない。これで凌いでを次に――」

 

「次は、ありません」

 

「え?」

 

<理絵・第八ターン>

「最期のスタートステップ、です」

(リザーブ0→1)

 

「カードを信じる心があれば、必ず、それに応えてくれます」

「理絵もそんなオカルトチックなことを…」

(手札0→1)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。一旦、月光剣を、分離させます」

[アルティメット・フェンリル コア3→2 レベル4→3]

  ↓ 分離

[月光神剣ウィングオブルナ コア1 レベル1 BP3000]

 

「そして……聳えるは美しき鋼の皇。

《アルティメット・イグドラシル》、レベル3で、召喚します!」

(手札0→1)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[アルティメット・イグドラシル コア1 レベル3 BP10000]

 

「ここにきてまた新しいアルティメット!?」

「月光神剣を、Uイグドラシルに合体させて、Uフェンリルのコアを渡して、レベル4にします」

月光神剣ウィングオブルナ

  ↓ 直接合体

アルティメット・イグドラシル(合体)

[コスト:6+2=8]

[BP:10000+3000=13000]

[合体時:追加]

[シンボル:極+白=極白]

[アルティメット・フェンリル コア2→1]

[コア1→2→3 レベル3→4 BP10000→15000+3000=18000]

 

「宵闇を照らせ、ソードブレイヴアルティメット…!」

 

「っ、だけど!そう簡単に!」

「Uイグドラシル、ソードブレイヴアタック! 月光神剣の効果、ホムライタチを手札に戻します!」

[ホムライタチ 手札に]

(凛々手札1→2)

(リザーブ5→6)

 

「アルティメットトリガー、ロックオンです!」

「――コスト5、ブレイヴの《太陽神剣ソルキャリバー》…」

「ヒットです!ヒット効果は、凛々さんのスピリット1体を手札に戻す効果なので、特に何もありません」

 

 手札に戻す…。もしスピリットを2体並べてたらアウトだったのか。ふっ、やっと運が向いて来たかな!後はこれを――

 

「フレイム・クーガーで……」

「Uイグドラシル、レベル4の、アタック時効果。凛々さんの場にスピリットがいない間、Uイグドラシルは、ブロックされません…!」

「……はあっ!?」

 

白 アルティメット

《アルティメット・イグドラシル》

コスト6 軽減白4 <新生・戦騎>

【召喚条件:自分の白スピリット1体以上】

<1> Lv3 BP10000

<3> Lv4 BP15000

<5> Lv5 BP20000

シンボル:極

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手のスピリット1体を手札に戻す。

Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

相手のスピリットが1体もいない間、このアルティメットはブロックされない。

 

「スピリットだけじゃなくて、アルティメットからもとか、どうなってるのさ!?」

「Uイグドラシルは、ダブルシンボルです!」

「そんな…このデッキでも勝てないなんて……!?」

 

(凛々ライフ1→0)

 

 

 

〔winner!! 白縫 理絵〕

 

 

 

「負けたか」

「あ、あの、凛々さん」

「ん?」

「…デッキが悪いとか、プレイングがじゃなくて、その、もっと“自分の力”と“元のカードたち”を“信じて”あげてください」

「信じるって…」

「……待ってますから」

「…う、うん」

 

 理絵はそれだけ言い残し手早く片付け、寂しそうな表情で店奥に戻って行ってしまった。

自分の力とカードを信じろってのはどういう事なんだろう。パワー不足だから見直せって事か? それとも―――

 

「………分からない」




とにかく強いカード群といったら一角の赤緑。
コアも増える手札も増える。強い!けど手の内が判ってたら、みたいな。
元のデッキからかけ離れた主人公はどうなるのか。

私にも分からん(狂気の科学者並感)

※ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


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Step.19 『終演としましょうか!』

ちまちま書いてはいたので連続で投稿しときます。ストックなど無い!
カードパワーがどーん!と跳ね上がるのやめてクレメンス…。



ブレイヴとソードアイズのバトスピ10周年ドリームデッキ
馬神弾、バローネ、ツルギ、ヤイバと共に戦え!
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好評発売中!!

新たなカード、その名は「創界神(グランウォーカー)」!
神煌臨編 第1章:【創界神の鼓動】
2018年4月21日発売!


 あれから少し、理絵がよそよそしくなった気がする。対戦を受けてはくれるのだが、全く敵わなずにいるのが現状。

強いと聞いたカードも入れ替え入れ替えやってはいるのだけれどやはり惨敗。見切られていると捉えやり方を少し、出すタイミングやら何やら変えてみたりはしているがそれでもダメ。

 何が足りないのか原因が全く分からないまま数日。

 

 ある日、知らないアドレスからメールが届いた。その相手は―――

 

『赤使いへ。

 青の招雷使いから聞き出したからこのアドレスで合ってるわね?

 本題。覚悟が出来たならいつでも来ればいい』

 

 一方的な宣戦布告。

察するに、あの紫使いだろう。

 

「……」

 

 返事は、短く返す。

 

『次の休みを空けておく。そっちも空けておけ』

 

 そういえば、名前を知らなかったな…。まぁいい、特に知る必要も無い。倒す。それだけ。

あいつに勝てれば早苗も理絵も見直すだろう。

 

―――三日後、約束の日。

その日の朝に来たメールに対戦する場所が書かれていて、案内は早苗がするとの事。で、早苗と待ち合わせた場所はカードショップから近場の駅。

先にいるのか気になったけど……気にする必要は無かった。すぐに見つける事ができた。背が高くで美人だから目立つ目立つ。

 

「来ましたね」

「うん」

「……準備はいいかしら?」

「勿論」

 

 対戦する準備は出来てる。そりゃあ不安が無い訳じゃない。色々ともやもやが残るけど、今はあっちに集中しなきゃ。

 それから電車で移動するのかと思ったら、少し待てと言うので大人しく待つ事に。早苗は何処かに連絡を入れてるようだけど……タクシーとか?

 

「来たわ」

「……?」

 

 来たと言うからそちらに目を向ければ、私らの前に停車したのは……高級車? リムジンとかじゃなく端からみてもかなり値段いってるスゲェのってのが分かる。

 

「やぁやぁお待たせ」

 

 左ハンドル…運転席から降りて姿を現したのは、スーツでキッチリ決めた麗奈さん。余計に周囲の目が集中してくる。

 

「麗ちゃん、車それしかなかったの?」

「いやね、知り合いに貸してくれって頼んだらこれしか空いてないって突っぱねられてさ」

「どうせ“(りん)”さんに頼んだんでしょ?」

「まあね。自分で買えよタラシ〜っ言われちゃったよ。薄給なのに無茶言うよねぇあっはっは!」

 

 知り合いに借りたらしい高級車で美人姉妹が戯れる姿を見に来た訳じゃないけど何だこれは。本題は何処行ったんだ。

 

「まぁさておき、凛々君。どうぞ助手席へ。早苗は後ろね」

「はいはい」

 

 早苗はさっさと乗り込んでしまったが、ちょっと、変な緊張が…。

 

「あぁ、心配しなくても大丈夫だよ。多少汚しても良い許しは得てるからね。と言っても事故は論外だけどね」

「笑い所が分からない…」

 

 車に揺られること大体10分くらい。

行き先を麗奈さんに聞いたら

 

「ちょいと遠いけど、まぁ隠れ家って言えなくもないところさ」

「隠れ家? てか、麗奈さんあいつの事知ってるんですか?」

「“琉伽(るか)”君だね。ああ知ってるよ」

 

 ルカ……それがあいつの名前か。

 

「彼女はまぁ……、友人の弟子でね」

「弟子、ですか」

 

 あんなのを弟子にするなんてどんなの何だか。きっとロクでもないのに決まってる。

 

「……私も、前に麗ちゃんから聞いて驚いたの」

「早苗も?」

「まぁ“桜”君と比べたら琉伽君を師弟と呼ぶにはちょっと程遠いけど、良い関係だと思うよ」

 

 師匠の方も紫使い…。ただ者じゃないってのは何となく理解できた。

……ん? というか、桜さんとも知り合いだったの?

 

「世間は狭いねぇホント」

 

 更にしばらく走ること大体20分。

辿り着いたのは……喫茶店?

 

「到着〜」

「ここは?」

「知り合いのお店だよ。ティータイムを楽しめてバトスピもできちゃう良いところさ」

「……変わった店ですね」

 

「 い ら っ さ い や せ ぇ ! ! 」

 

「っ」

「やぁ“琥珀”ちゃん。今日も元気いっぱいだね」

「凛々、大丈夫?」

「み、みみが……」

 

 お店に入った途端とてつもない挨拶をくらいのけ反る。物理的に圧がある挨拶とは。ウェイトレスであろう女性のだろうけど、居酒屋でも無いのにデカすぎる。

店の客はケロリとしているどころか何処吹く風。これが良いんだとばかりに談笑したり、スマホを見たり、テーブルにカードを広げて何かを相談しあったりと、完全に溶け込んでいる。

 

「琥珀君、マスターは?」

「今厨房に入ってますよ!」

「あー、なら呼ぶのは申し訳ないか。それとして“彼女”は来てるかな」

「はい!奥のバトル部屋でお待ちですよ!後でお飲みもの持ってきますね?」

「ああありがとう」

 

 元気が限界突破してそうな琥珀と呼ばれる垂れた犬耳みたいな髪のウェイトレスが案内してくれる。

個室完備とは一体ここら一帯はどういうところなんだ。

 

「あ!さなっち!暗い顔してるってことはまぁた麗奈さんとケンカしたなぁ?」

「なっ!? き、今日はまだしてないわよ!」

 

 案内された部屋。中は過度な装飾は無く小洒落た個室に一人、椅子に座り本を読む見覚えある女性がいた。

 

「やあやあ待たせたね琉伽(るか)君」

「どうも…」

 

 本から目を離し何処かけだるげに返事をしてこちりに向き直る。

 

「………」

「直接会うのは二度目だからお久しぶり、かしらね」

「………」

 

「…改めて。

 私は琉伽。

 姓は燐導(りんどう)

 名は琉伽(るか)

 以後宜しく」

 

「鴇峯。鴇峯 凛々」

 

 琉伽……。

それがこの紫使いの名前…。

麗奈さんと知り合いだったとかはこの際どうでもいい。こいつを、こいつを負かしさえすれば―――

……負かして、どうするんだったっけ。

 

「間怠っこしいのはお互い性に合わないでしょう」

「ならとっととやろうよ」

「…ふん。前のように楽しませてくれるならいいけど」

 

 言ってくれる。

私だって、強くなったんだ。その気取った態度をできなくさせてやる…!

 

「凛々…」

「私らは黙ってようね早苗」

「もっと何かしてやれてれば…!」

「はぁ、全く…」

 

   鴇峯 凛々

     vs

   燐導 琉伽

 

 お互い席に着き、既にテーブルに広げてあったプレイマットへデッキを置く。対面に座る琉伽……燐導は鮮やかな手つきでデッキをシャッフルし、上から4枚を手札にする。

 

「で、どちらを選ぶの?」

「どちらでも」

「……なら、また先攻ね」

 

 後攻なら後攻で奴の手を見れるしコア1つ分有利が取れる、が、それは向こうも先攻の有利がある。ならパワーで押し潰す。

 

<琉伽・先攻第一ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メインステップ。まずは《小悪魔デビッド》をレベル1で召喚」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→3)

[小悪魔デビッド コア1 レベル1 BP3000]

 

「召喚時効果発揮。デッキトップを4枚オープン」

 

●オープンされたカード

・《ワンアイドデーモン》(スピリット)

・《冥都アンテノーラ》(ネクサス)

・《黒骸竜シャドルガー》(スピリット)

・《暗極天イブリース》(アルティメット)

 

「その中のアルティメット1枚、《暗極天イブリース》を手札に加え、残りはワンアイドデーモンを1番下にして、アンテノーラ、シャドルガーの順にデッキボトムへ戻す」

(手札4→5)

 

「最後にバーストをセットして、ターンエンド」

(手札5→4)

{琉伽バースト:なし→セット}

 

「さぁ、あなたのターンよ。どうなったのか見物ね」

「っ…」

 

<凛々・後攻第二ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「メイン」

 

 初手から《リューマン・ケーニッヒ》…! これは良いぞ。大型じゃなけれスピリットとばネクサスも一緒にアルティメットをまとめて破壊できる。後は出すタイミングを見極めて…。

 

「ネクサスの《天空を貫くバリスタ》を置く」

(手札5→4)

(リザーブ5→1)

(トラッシュ0→4)

 

「バーストセット。ターン終了」

「ふん。赤緑に鞍替えってところ?」

(手札4→3)

{凛々バースト:なし→セット}

 

<琉伽・先攻第三ターン>

「こちらのターン、スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ。デビッドの【スピリットソウル:紫】発揮。極天の紫、《暗極天イブリース》をレベル3で召喚」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[暗極天イブリース コア1 レベル3 BP4000]

 

「召喚時効果で1枚ドロー」

(手札4→5)

 

「更に《堕天剣聖モロク》、レベル3で召喚。維持コアはデビッドから借り受ける」

(手札5→4)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

[小悪魔デビッド コア1→0 消滅]

[堕天剣聖モロク コア1 レベル3 BP4000]

 

 アルティメットを2体並べた…。まだ本気を出してないんだろうけど、返せる範囲だ。

 

「このままターンエンド」

 

<凛々・後攻第四ターン>

「……スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メイン。《ホムライタチ》をレベル1、次に《六分儀剣のルリ・オーサ》をレベル2で出す」

(手札4→2)

(リザーブ6→2)

(トラッシュ0→1)

[ホムライタチ コア1 レベル1 BP1000]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2 レベル2 BP5000]

 

「ルリ・オーサの召喚時効果で、ホムライタチと、赤になってるルリ・オーサにコアを1つずつ追加する」

[ホムライタチ コア1→2]

[六分儀剣のルリ・オーサ コア2→3]

 

「それで――」

「その迂闊な召喚時効果発揮にバースト!」

「っ!?」

「セットしているマジック《グラウンドブレイク》を発動」

「あ、赤のマジック…!?」

{琉伽バースト:セット→発動}

 

「いつ私が赤を使わないと錯覚した?」

「くっ…」

「バースト効果。BP5千以下のスピリット2体、ネクサス1つを破壊。対象は勿論そこの厄介な2体とバリスタよ。フラッシュは必要無いわね」

[ホムライタチ BP1000 破壊]

[六分儀剣のルリ・オーサ BP5000 破壊]

[天空を貫くバリスタ 破壊]

(凛々リザーブ2→7)

 

「っ、まだだ!マジックの《ネオ・ダブルドロー》! 2枚引く!」

(手札2→1)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ1→5)

(手札1→3)

 

「……ターン終了」

 

足場が全滅…。迂闊だったのか? だけどあいつが赤を使うなんて考えてなかった。くそっ、迂闊とかじゃなくて予想外だっただけじゃないか!

 

<琉伽・先攻第五ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札4→5)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ。《バットナイト》をレベル1で召喚。…一応説明しとくけど、モロクの効果で私の<魔影>アルティメットの究極シンボルは紫のシンボルとしても扱えるようになってるから」

(手札5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[バットナイト コア1 レベル1 BP2000]

 

「召喚時効果。私の場にアルティメットがいるため2枚ドロー」

(手札4→6)

 

「………」

「次にネクサス《旅団の摩天楼》を配置。配置時効果で1枚ドロー」

(手札6→5)

(リザーブ1→0)

(トラッシュ2→3)

(手札5→6)

 

「最後にバーストをセットしてターンエンド」

「…手を出さないのか」

「出しても良いけど、あなたの成長を見ずに終わらせたら本末転倒でしょ?」

「舐めくさって…!」

(手札6→5)

{琉伽バースト:なし→セット}

 

<凛々・後攻第六ターン>

「スタートステップ…!」

(リザーブ3→4)

(手札3→4)

(トラッシュ5→0)

(リザーブ4→9)

 

「メイン!2体目の《ホムライタチ》!」

(手札4→3)

(リザーブ9→6)

(トラッシュ0→2)

[ホムライタチ(2) コア1 レベル1]

 

「次、《フレイム・クーガー》レベル5!」

(手札3→2)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ2→5)

[フレイム・クーガー コア3 レベル5 BP10000]

 

「アタックステップ! フレイム・クーガーで攻撃! レベル4からのトリガー! こっちのコストは4だ!」

「――コスト3、《生還者シールデンリッター》」

「ヒット! 2枚引く!」

(手札2→4)

 

「そのアタックはライフで受けてあげる」

(琉伽ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「ひとつ!」

「たかがライフひとつでいい気になるな! ライフ減少でセットされているバースト発動!《ラウンドテーブルナイツ》!」

{琉伽バースト:セット→発動}

 

「バースト効果は覚えているかしら? トラッシュに眠るコスト5以下のスピリット1体を復活させる。 対象は当然今落とされたシールデンリッター!」

(琉伽リザーブ1→0)

[生還者シールデンリッター コア1 レベル1 BP3000]

 

 あの時のカードか…。今度は私が落としたのを利用されて数が増えた。でも乗っているコアも少ない。次で消し飛ばして……

 

「言った傍からまた油断?」

「っ!?」

「私の場の極天が見えていないようね。ライフ減少をトリガーにイブリースの【(アルティメット)ハンド:紫】が発揮されていることに!」

「あ、アルティメットハンド…!?」

「1ターンに一度、手札から指定された色のバーストを発動することができる。それがUハンド! 発動するのは《妖華吸血爪》!」

(琉伽手札5→4)

 

 っ、たかが手札からのバーストくらいでいい気になるな! たしか2枚引いてコア外しのフラッシュ効果だったはず。そっちに使えるコアは無いし、例え使えたとしてもホムライタチのコアを0にはできない!

次で必ず、必ず…!

 

「バースト効果で2枚ドロー。勿論フラッシュ効果は使わない」

(琉伽手札4→6)

 

「……くそ、ターン終了!」

 

<琉伽・先攻第七ターン>

「くふふ…、目論見が上手くいかず残念ね。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札6→7)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ。…頃合いかしらね」

「頃合い…?」

「見せてあげるわ。私の“剣輝龍皇”を!」

 

 私の……てことは、“紫のシャイニング・リューマン”!? こいつも持ってたのか!

 

「《剣輝龍皇シャイニング・リューマン》!

 レベル3、召喚ッ!!」

(手札7→6)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→2)

[剣輝龍皇シャイニング・リューマン(紫) コア1 レベル3 BP10000]

 

「…っ!」

「効果はもう知っているわよね! 召喚時効果、【U抜刀】! 手札の<剣刃>ブレイヴを合計コスト7までノーコストで抜き放つ!」

 

 相手の場にアルティメットが2体なら、片方はそう役に立たないブレイヴがあるハズだけど…!

 

「モロクにコスト3の《蛇星鞭サビク》を! イブリースにコスト4の《星獣槍シリウス》を直接合体させるように抜刀!」

(手札6→4)

 

蛇星鞭サビク

  ↓ 直接合体

堕天剣聖モロク(合体)

[コスト:3+3=6]

[BP:4000+2000=6000]

[合体時:追加、発揮可能]

[シンボル:追加無し]

 

星獣槍シリウス

  ↓ 直接合体

暗極天イブリース(合体)

[コスト:4+4=8]

[BP:4000+3000=7000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

 

「緑のブレイヴまで…!」

「U抜刀に成功したとき1枚ドロー! 更にサビク、シリウスの召喚時効果発揮!」

(手札4→5)

 

「更にシリウスの効果でホムライタチを疲労。 サビクの効果でコスト3以下のスピリットかアルティメットのコア1つをリザーブに置くけど、ホムライタチは0に出来ず、フレイム・クーガーはコスト4だから不発ね」

[ホムライタチ 回復→疲労]

 

 ホムライタチ以外を場に出していたら滅多討ちに遭ってた可能性があったか。

にしても誰から剣輝龍皇を……はこの際いい、紫と緑に赤まで使う。分かっていたけど前ど全然違う。

 

「余ったコアをモロクに与えレベル4にし、バーストをセットしてアタックステップへ移行!」

(リザーブ1→0)

[堕天剣聖モロク(合体) コア1→2 レベル3→4 BP4000→6000+2000=8000]

(手札5→4)

{琉伽バースト:なし→セット}

 

「イブリース、剣刃合体アタック! シリウスの合体アタック時効果によりリザーブに1コア追加!」

(リザーブ0→1)

 

「通す!」

(凛々ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

「次、モロクで剣刃合体アタック!」

「そいつも来るか!」

「モロクのアルティメットトリガー、ロックオン! コストは6!」

「――っ、《大星斧アルデバラン》。コスト3」

「ヒット。そちらのアルティメット、フレイム・クーガーのコアを1つリザーブへ置く!」

[フレイム・クーガー コア3→2 レベル5→4 BP10000→8000]

(凛々リザーブ1→2)

 

「アルティメットのコアを外してきた…!」

「驚いてる余裕はない! サビクの合体アタック時効果! 疲労状態のスピリット、またはアルティメットに指定アタックができる!」

「なっ、指定アタック!? 」

 

紫 ブレイヴ

蛇星鞭(じゃせいべん)サビク》

コスト3 軽減紫1極1 <剣刃>

<1> Lv1 BP2000

<0> 合体 +2000

シンボル:無し

Lv1『このブレイヴの召喚時』

コスト3以下の相手のスピリット/アルティメットのコア1個を相手のリザーブに置く。

【合体条件:コスト3以上のスピリット/アルティメット】

【合体時】『このスピリット/アルティメットの合体アタック時』

疲労状態のスピリット/アルティメット1体を指定し、そのスピリット/アルティメットにアタックできる。

 

 小型やBPが低いのを狙い撃ちにできるブレイヴだなんて、くそっ、これじゃホムライタチが――

 

「フレイム・クーガーへ指定アタック!」

「は!?」

 

 ホムライタチじゃなくフレイム・クーガー!? 何考えてるんだ!?

 

「BPは同値。フレイム・クーガーにはモロクと共に墜ちてもらうわ。サビクはスピリット状態で残す」

[堕天剣聖モロク(合体) BP8000 相討ち]

[フレイム・クーガー BP8000 相討ち]

[蛇星鞭サビク 残留 コア2 レベル1 BP2000]

(凛々リザーブ2→4)

 

 あいつの残ってるアタッカーはシャイニング・リューマンにバットナイト、シールデンリッターの3体。

全員が攻めてきても0にはできない。……相討ちしてまでやることがある?

 

「察したかしら? アルティメットの破壊をキーにUハンド発動! 手札のバーストマジック、《ダークマター》!」

「っ!?」

(琉伽手札4→3)

 

「私のトラッシュに眠る紫のカード6枚までをデッキトップかデッキボトムへ戻すことができる!」

「はぁ!? い、インチキ効果も大概に…!」

 

紫 マジック

《ダークマター》

【バースト:相手による自分のスピリット/アルティメット破壊後】

自分のトラッシュにある紫のカードを6枚まで、好きな順番でデッキの上か下だけに戻し、自分はデッキから1枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手の合体しているブレイヴ1つを破壊する。

 

「妖華吸血爪のみをデッキトップへ戻し、その後1枚ドロー。妖華吸血爪を手札に」

(手札3→4)

 

「バットナイト、アタック」

「!? …と、通す!」

(凛々ライフ4→3)

(リザーブ4→5)

 

「シールデンリッター!」

「通す!」

(凛々ライフ3→2)

(リザーブ5→6)

 

「ライフ減少でバースト!《絶甲氷盾》! ボイドからコア1つをライフに置いて、追加コストを払ってアタックを終わらせる!」

{凛々バースト:セット→発動}

(ライフ2→3)

(リザーブ6→2)

(トラッシュ5→9)

 

「ターンエンド」

 

<凛々・後攻第八ターン>

 

「スタートステップ!」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ9→0)

(リザーブ3→12)

 

「メイン! 2体目の《六分儀剣のルリ・オーサ》レベル2! コアを増やす!」

「………」

(手札5→4)

(リザーブ12→8)

(トラッシュ0→2)

[六分儀剣のルリ・オーサ(2) コア2→3 レベル2 BP5000]

[ホムライタチ(2) コア1→2]

 

「次に、その邪魔な奴らには退いてもらう!

 《リューマン・ケーニッヒ》レベル2!」

(手札4→3)

(リザーブ8→0)

(トラッシュ2→10)

[六分儀剣のルリ・オーサ(2) コア3→2]

[ホムライタチ(2) コア2→1]

[リューマン・ケーニッヒ コア2 レベル2 BP12000]

 

「リューマン・ケーニッヒ……。超大型の竜人スピリットか」

「召喚時効果! BP1万2以下のスピリット1体、BP2万以下のアルティメット1体、ネクサス1つを破壊する!!」

「っ!」

「スピリットはバットナイト、アルティメットはイブリース、ネクサスは摩天楼を選ぶ!」

[バットナイト BP2000 破壊]

[暗極天イブリース(合体) BP7000 破壊]

[星獣槍シリウス 残留 コア1 レベル1 BP3000]

[旅団の摩天楼 破壊]

(琉伽リザーブ1→2)

 

 これで残ったのはBPの低いカードばかり。コア差は圧倒的にこっちが上。2枚目の氷盾もある。次に《エグゾーストエンド》で立っているのを寝かせて総攻撃すれば終わりだ……!

 

「次!マジッ――」

 

「その効果、凄まじい効果よね」

 

「―――え?」

 

「“私にも使わせなさいよ”」

 

 つ、使わせろ? 何言ってるんだこいつは。負ける寸でになって命乞いか?

 

「ケーニッヒの召喚時効果をキーにして、セットされているバースト、発動!!」

「っ!?」

 

 ここで使う!? 召喚時効果ならルリ・オーサの時に……ワザと通したのか?

 

「バーストマジック、《フェアヴァイレ》ッ!!」

「黄色のマジックまで使う!?」

{琉伽バースト:セット→発動}

 

「ん〜、他色をタッチで入れてるところを見ると“彼女のデッキ”みたいだねぇ」

「………」

 

「バースト効果! 相手が今発揮したスピリット、またはブレイヴの召喚時効果を、私のスピリットの召喚時効果として発揮する!!」

「効果を盗る効果!?」

「盗るんじゃない!真似るのさ! リューマン・ケーニッヒの召喚時効果を、シールデンリッターの召喚時効果として発揮! BP1万2千以下のリューマン・ケーニッヒを破壊!」

[リューマン・ケーニッヒ BP12000 破壊]

(凛々リザーブ0→2)

 

「…………」

「フラッシュ効果は使わない」

 

黄 マジック

《フェアヴァイレ》

コスト3 軽減黄2

【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】

バースト発動時に発揮した『このスピリット/ブレイヴの召喚時』効果を、自分のスピリットが発揮したものとして、同じ効果をもう1度だけ発揮できる。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手のスピリット1体を指定する。このターンの間、指定されたスピリットはアタック/ブロックできない。

 

 ……何で

 何で、こんな……。

 

「………」

「……どうするの? 絶望してる暇があるならターンを進めたらどう?」

「っ、バーストを伏せて、ターン終了……」

(凛々手札3→2)

{凛々バースト:なし→セット}

 

<琉伽・先攻第九ターン>

「スタートステップ」

(リザーブ2→3)

(手札4→5)

(トラッシュ2→0)

(リザーブ3→5)

 

「メインステップ。まずシリウスをシールデンリッターへ再合体」

 

星獣槍シリウス

  ↓ 合体

生還者シールデンリッター(合体)

[コスト:3+4=7]

[BP:3000+3000=6000]

[合体:追加]

[シンボル:追加無し]

[生還者シールデンリッター(合体) コア1→2]

 

「続けて、マジック《ネクロブライト》を使用。トラッシュに眠るコスト3以下の紫スピリット、アルティメット、ブレイヴいずれか1体をノーコストで復活させる。

 私が選ぶのは《小悪魔デビッド》! 維持コストにはサビクから確保」

(手札5→4)

(リザーブ5→4)

(トラッシュ0→1)

[蛇星鞭サビク コア2→1]

[小悪魔デビッド コア1 レベル1]

 

「召喚時効果発揮!」

●オープンされたカード

・《龍弩ラスタバン》(ブレイヴ)

・《剣聖魔王ガープ》(スピリット)

・《六巨皇ボーン・ケンタウロス》(スピリット)

・《アルティメット・ザンデ・ミリオン》(アルティメット)

 

「ッ! アルティメット確認! 《アルティメット・ザンデ・ミリオン》を手札へ加え、残りはデッキボトムへ!」

(手札4→5)

 

 雰囲気が変わった。今手札に加えたのが相当なのか。

あの時みたく……いや剣輝龍皇以上、骸皇以上にヤバいのが来たのか!

 

「サビクをデビッドへ合体!」

 

蛇星鞭サビク

  ↓ 合体

小悪魔デビッド(合体)

[コスト:3+3=6]

[BP:3000+2000=5000]

[合体時:追加]

[シンボル:追加無し]

[小悪魔デビッド(合体) コア1→2]

 

「このターンで終演としましょうか!

 デビッド、【スピリットソウル:紫】発揮ッ!

 召喚条件は紫のスピリット2体以上! 役者は揃っている!」

 

 く、来る……!

 

「《アルティメット・ザンデ・ミリオン》!!

 レベル3、降臨ッ!!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ1→5)

[生還者シールデンリッター(合体) コア2→1]

[アルティメット・ザンデ・ミリオン コア1 レベル3 BP14000]

 

 アルティメット……ザンデ……。初めて対戦したときにやられた奴が、アルティメットになってる!?

口ぶりからして切り札級らしいけど、まだ、まだ生きる!生きられる!

 

「まさか、凌いで生き延びる事ができるとでも?」

「っ!」

「甘いッ!! ここで終わりだと言ったッ!!

 私の切り札、私の“惑星剣”が引導を渡してくれる!!」

 

 惑星剣まで!?

 

「八星の六、輪廻の遺産!

 必滅決殺の剣刃! 燈せ紫天の燐光!

 《土星神剣サターンスレイヴ》!

 アルティメット・ザンデ・ミリオンへ、抜剣ッ!!」

(手札4→3)

[小悪魔デビッド(合体) コア2→1]

(トラッシュ5→6)

 

土星神剣サターンスレイヴ

  ↓ 直接合体

アルティメット・ザンデ・ミリオン(合体)

[コスト:8+2=10]

[BP:14000+4000=18000]

[合体時:追加]

[シンボル:極紫+紫=極紫紫]

 

「万死を刻め、ソードブレイヴアルティメットッ!!」

 

 シンボル持ちの惑星剣……。早苗や理絵と同じのを使ってる。

私だって太陽や水星を使ってるのに、どうして、何が違うっていうんだ……!

 

「アタックステップ! Uザンデ、剣刃合体アタック!」

「あのザンデ・ミリオンと…同じなら…まさか…!?」

「覚えていたようね。その通り! レベル3からの効果! 私の<無魔>アルティメットがアタックに対し、あなたは合体しているスピリットかアルティメットを贄にしなければブロックすることは許されない!」

 

紫 アルティメット

《アルティメット・ザンデ・ミリオン》

コスト8 軽減紫4極1 <新生・無魔>

【召喚条件:自分の紫スピリット2体以上】

<1> Lv3 BP14000

<2> Lv4 BP21000

<5> Lv5 BP31000

シンボル:紫極

Lv3・Lv4・Lv5『自分のアタックステップ』

系統:<無魔>を持つ自分のアルティメットがアタックしたとき、相手は、相手の合体スピリットか合体アルティメット1体を破壊しなければブロックできない。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『相手による自分のスピリットの破壊時』

???………

 

紫 ブレイヴ

《土星神剣サターンスレイヴ》

コスト5 軽減紫2極2 <剣刃>

<1> Lv1 BP4000

<0> 合体 +4000

シンボル:紫

【合体条件:コスト4以上のアルティメット】

【合体時】

このブレイヴをコスト2として扱う。

【合体時】『このアルティメットの合体アタック時』

???………

 

「あなたの場には、頼りのアルティメット・アークもおらず!

 剣刃の太陽も無く、青い星の加護も亡い!!」

 

「っ…!」

 

「Uザンデはトリプルシンボル!!」

 

「……また、また負けた……」

 

 

 

 

(凛々ライフ3→0)

 

 

 

 

〔winner!! 燐導 琉伽〕

 

 

 

 

「“あの時”より歯ごたえが無くなったとは。指導者は一体何を教えていたのかしらね」

「………」




主人公vs紫使いの第2戦でした。
今回Uザンデと土星神剣はお目見えのみ。お楽しみは後回しだ!

今後も超絶亀更新になるかと思います。
続きは気長にお待ちいただけると幸いです。



余談。
バトスピアニメにモチベをどん底まで叩き落されるなんて誰が予想出来たであろうか。
アニメが再開するのであればニチアサに頑張っていただきたい。


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Step.19.5『私と一緒に』

すっげー短いのですがこの部分を次回に加えるとなんかもにょるので中途半端ですが投稿します。


「随分と弱くなったわね」

「っ!」

「あなたとカード達が不協和音しか起こしてないデッキでよく私に挑むなんて、私も舐められたものね」

「……」

「あなたにその気が残っているなら何度でも受けて立つ。それまでは待ってあげる」

 

 何も、何も出来なかった…。

太刀打ち出来ないどころじゃなく、こっちのやり方を歯牙にもかけてない。

 

「凛々……」

「……」

「もう一度、もう一度練り直しましょう! まだ詰められるはずだから、諦めず一緒に――」

 

「――うるさいっっ!!!」

 

「っ!」

「……」

 

 肩に置かれた早苗の手を思い切り振り払ってしまった。その勢いで、テーブルのデッキやらコアやらも弾き飛ばしてしまい、ゆっくりと舞ったカードがそこらに散らばった。

 

「……詰める? 諦めず? 一緒に? もういい加減にしてよ!!」

「っ、凛々…!」

「やったんだよ! 諦めなかったんだよ!! 考えたんだよ!! 必死に!! その結果がこれなんだろ!!」

「凛々、私は――」

「これ以上、一体何をどうしろっていうんだよ!!!」

 

 もう、いっぱいいっぱいだった。

早苗に当たり散らしても何にもならない。騒いでも感情を爆発させても意味は無い。

 ただ……限界を超えたんだ。

 

「早苗も理絵も羽月も深緒も!

 カードを信じるとか声を聞くとか、何馬鹿みたいな事言ってんの?!

 頭おかしいの!?

 言ってる意味が!これっぽっちも理解出来ないんだよ!!」

「そんな……」

「呼ぶとか対話とかそんなオカルトあってたまるか!

 “たかがカード”でしょ!?」

「っ! その物言い、取り消しなさい!!」

 

 瞬間、早苗の何かに触れたのか怒り出した。

もうどうだっていい。どうせ言ったところで返ってくるのは与太話も良いところの事ばかり。さすがに聞いてられない。

 

「凛々は何も解ってない!このカード達は……」

「解るもクソもあるかっ!! もう…、付き合ってらんない!!」

「凛々!? 待ちなさい! 凛々っ!!」

 

 このままだと何も分からず泣き出してしまいそうになる。早苗が呼ぶ声がしたが脇目も振らず全速力で部屋から飛び出した。

 

 

 

 ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

「もう、付き合ってらんない!!」

「凛々っ!?」

 

凛々が飛び出していく瞬間、目尻の涙が見えた。

茫然として立ち尽くすしかたなかった。追おとして、早苗がどんな言葉を掛けたとして聞き入れてくれるとは思えない。凛々をあそこまで追い詰めてしまったのは早苗だ。

 

「――待ちなさいっ!!」

「…はぁ。凛々君は私“達”が追うから、二人はカードの回収と片付けよろしく」

「…かしこま」

「麗ちゃん……」

 

追う為の一歩を躊躇ったのを見兼ねた麗奈が先に凛々の後を追う。私が、と言いたかった。前みたく。

 

「っと、もう一つ。戻ってくるまでに早苗も何が悪かったか考えておくように。―――ああ、“真桜”君。今飛び出していった娘を……。了解、すぐ行くよ」

 

懐の携帯を取り出しすぐさま誰か……あの忍者みたいな人と連絡を取り、店を出ていく麗奈。

残されたのは早苗と琉伽のみ。

今の早苗に何もできる事は無い。どうしようも無く、ただへたりこむしかない。

 

「……凛々」

「へたる暇があるなら拾いなさい。カード達が可哀相よ」

「っ……」

「ふん、XレアやらMレアを山積みしたのね。宝の持ち腐れ……いや、猫に小判と言うやつかしら」

 

力無く近くに落ちていたカードを拾う。それは、早苗が譲渡した水星神剣。先程のバトルでは、あのドロー量で引けずとは……。

他のも拾い上げると、今まで凛々が使っていたカードがほぼ無く、ここに到るまで何があったのか気になる程別のものに入れ代わっていた。名残があるのは、ブレイヴとマジックくらいか。

 

(悪くはない。典型的なものだけど、それでもあの不安定さは……)

 

琉伽はテーブルで散らばるカードを集める。レア度が高く、色を問わず投入できるカードが多い。凛々のデッキは、俗に言うグッドスタッフじみた状態になっていたはず。

プレイマットのカードを取り、残ったデッキは――

 

(……ボトムにUアークとはね)

 

 

 

 ◆ ◆ ◆

 

 

 

 一体何処を走り抜けたのか。いつまで走ったのか分からない。こんなときに体力の多さが反映されても嬉しくない。

 

何の気無しに見渡せばそこは何処かの土手。河川敷か。

既に日が傾いて夕方。太陽が沈み掛けて景色が赤く染まっている。

 

「……何やってんだろ、私」

 

 軽く上がった息、ぐちゃぐちゃになってる頭の中わ心を落ち着けるため坂に腰を下ろす。……スカートが汚れるけど、今はどうでもいい。

 

 ……正直、落ち着けようにも何にも考えられない。私自身、このままふさぎ込むとモノに当たってしまう質だ。だけど何をどうすればいいかなんてこんな状態で思考できない。

 あのデッキで何が悪かったとかよりも、早苗達の―――

 

「っ……、駄目だ。それは考えちゃ駄目だ」

 

 口にしなければ早苗達を、姉さんや深緒、羽月を拒絶する事になる。

オカルトみたいな発言は流せばいい。けど今浮かびそうに、怨嗟に近い酷い言葉は口から絶対に出さない。

そこに、高ぶった感情が落ち着きを取り戻すと同時に“自己嫌悪”が重くのしかかってくる。嫌な考えばかりがぐるぐるとループし始めた

 

 解ってる。早苗達が理解できないというよりは理解しようとしない私に衝突の原因がある。

昔からこうなのも解ってる。引っ込みが着かなくなるのも、この間早苗とぶつかった原因だ。……考えれば考える程頭がぐちゃぐちゃになり、視界が滲んでくる。

 

「謝る…? 何をどう謝ればいいんだよ……」

 

 

「―――どうしたの?」

 

 

「っ!?」

 

 突然、背後から声を掛けられた。

驚いて顔を上げて振り向くと、そこには心配そうな表情をしてこちらを覗き込んでいる女性が立っていた。

ヤバい。不審がられたか。慌てて目元を拭う。

 

「……い、いや、何でも」

「…そうか。隣、いいかな?」

「えっ? あ、どうぞ…?」

「じゃあ失礼して」

 

 私の隣に腰を下ろした女の人。

顔を見れば、肩口ぐらいの黒髪に、似合わない大きい黒縁眼鏡て輪郭をぼやかしている。それと“赤と白の綺麗な装飾がなされたヘアピン”を×の字に交差させてこめかみ辺りを留めていた。

私みたく体操座りせず、少し楽な体勢をとっているから見えたが、服の胸元にもヘアピンを挿していた。それぞれ黄色、紫、緑、青。どれもヘアピンにしておくには惜しい装飾が施してあった。

 

「余計なお節介かも知れないけど、何があったか聞いてもいいかな?」

「………」

「…見ず知らずの人間が急にこんなこと言うのもなんだけどさ。ほっとけなくて」

「………」

「詳しく話さなくてもいい。……話したくないなら、それでもいいさ」

 

 困ったような笑顔を向ける名も知らぬ人。どうして私何かにこんな優しくするんだろうか。……明言は避けて、ぼかしながら顛末を話した。

 

「そっか。何と言うか、災難と言えばいいのか」

「災難…。そうですね」

「あー、言い方が悪かったかな。……うん。出会い方が悪かった、かな」

 

 なし崩し的にバトスピを始めて、よく分からないうちに荒波に揉まれて、気がつけばこれだ。

この人の言う通り、災難が降り懸かったのかも知れない。

貰ったカードも何もかも投げ捨ててきちゃったし、もうどうでもいいけど。

 

「……良ければさ」

「…はい?」

「良ければなんだけど、私と一緒にまた始めてみない?」

「……は?」

 

 この人は何を聞いていたんだ。あの災難をまた1からやり直せっていうんだろうか。それは御免被りたい。……あんなイヤな思いはしたくないし、感じたくもない。

 

「………」

「出会い方が悪かったなら、最初から出会い直さない?」

「出会い、直す?」

「うん。キミさえ良ければなんだけど」

 

 出会い直す。

イマイチ、意味が理解出来ない。

けど、何処か暖かいものを感じた。

 

「どうかな」

 

 ―――弱ってるところに、そんな優しくされてしまうと揺れてしまう。……手を取ってもいい、なんて思う。

見ず知らずの、今さっき声を掛けられただけの、名前も知らない相手なのに。

 

「……名前」

「ん?」

「知らない人にはついて行くなって、教わりませんでした?」

 

 今できる皮肉を精一杯返す。声が震えてたかも知れないが、顔を見ずに言ったから気付かれては無いはず。

 

「あぁ、そういや名乗ってなかったっけ。ごめんね」

 

 本当に忘れてたような素振りをする……お姉さん? 年上なんだろうけど、何処か抜けてるのか。

すると、改めて私に向き直り、真っ直ぐにこちらを見つめてきた。

 

 

「私は“悠姫”。

 緋立(ひだち) 悠姫(ゆき)

 キミの名前を聞いても?」

 

 

 ヒダチ、ユキ……。

何か、何か引っ掛かった。何処かで聞いたような……。

 

「あ、えと、凛々です。

 鴇峯 凛々」

「リリ、か。改めてよろしくね」

 

 差し出された手を怖ず怖ずと握り返し握手を交わす。

屈託の無さそうな笑顔を向けられて、ちょっと気恥ずかしかった。

 

「気を悪くしたら申し訳無いんだけどリンリンって言われたりしない?」

「よくからかわれます。…えっと」

「名前で構わないよ」

「じゃあ…、ユキさんは名前でからかわれたりしないんですか?」

「最近は結構増えたね。名前が悠久の悠にお姫様の姫って書くから、大学の友人に姫〜なんて呼ばれて困ってるさ」

「へぇ…。……オタサーの?」

「違う。絶対違うから」

 

 

―――――

―――

 

 

「あ……、もうこんな時間か」

 

 ふと辺りを見れば、夕日が沈みかけて周囲が暗くなり始めていた。

気が付かなかった…。話に夢中になるなんていつぶりだろう。

……どうしよう。戻ろうにも麗奈さんならまだしも、早苗やアイツに顔を合わせるのはばつが悪い。家にそのまま帰ろうにも荷物類をあっちに残してきてしまってる以上電車もバスも使えない。今更ながら馬鹿やらかした自分が情けない。

 

「聞く限り戻りづらそうだね」

「はい…」

「ん〜……」

 

 お互い困った。

悠姫さんはどうするか迷った……ところに懐から携帯を取り出し、どこかに連絡を取りはじめた。

 

「……あ、母さん? 連絡遅れてごめん。さっき帰ってきたんだ」

 

 どうやら家に電話を掛けているよう。

 さっき帰ってって事は、何処か旅行か何かに行ってたのかな。でも旅行なら鞄とか一切持ってないみたいだけど……先に送っていたのか?

 

「その、ちょっと相談なんだけどさ。――えっと、“友人”を一人、泊めてあげたいんだけど……」

「!?」

「いい? ありがとう。もう少ししたら戻るよ。それじゃあ」

 

 と、泊まる?泊めていただける、のか? 有り難いけど良いのだろうか。名前も知ったけどさっきの今で宿泊は、人を信用し過ぎなのでは?

……あ、それに連絡も…。

 

「勝手に決めちゃったけど、いいかな?」

「は、はい。すみません…」

「いやこっちこそ。それと、親御さんについては心配しなくても大丈夫だよ」

「…え?」

「麗奈さんが連絡入れてくれてると思うからね」

 

 それは助かる…、けど、麗奈さんと知り合いなのか? 何だか信頼してる口ぶりだけど。

 

「じゃあ行こうか」

「お、お邪魔させていただきます…」




こんな短いの投稿するの初めて!でも長いとくどいしだれるだけなのん…。
主人公をナンパ…じゃなくて保護したのはいったいなにものなんだー


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Step.20-S 『向き合えるように』

前よりは早かったんじゃないかという錯覚。
次の回もまた遅くなりそうです。


 ◆ ◆ ◆

 

「………」

「早苗、いい加減落ち着きなって」

 

 凛々が保護された後の麗奈宅にて。

“忍びの様な友人”に凛々が無事の知らせを聞き、琉伽を見送り、いつまでも自分を責めつづける早苗を宥めかせるまで少々てこずり、何とか自宅まで帰ることができた。

 

「ちゃんと連絡も取れた。無事も確認取れたんだ。うじうじうだうだするのはもう止めな」

「でも…、でも…!」

 

 先程からこれである。

 先達、宿敵として手を引いていたはずが、凛々を追い詰めていた。後悔するばかり。

 

「一度お互い距離空けて、頭冷やして考える時間さ。焦りすぎだよ早苗」

「焦ってる……私が……?」

「好きな娘に強くなってほしい気持ちは理解出来るよ」

「す、好きって…!」

「だけど。引っ張り過ぎて、凛々君が疲れてて、躓いているのが見えてない」

「っ…」

「焦るのは、“あれ”が原因でしょ?」

 

 焦る原因。凛々を正しく導いてやらなければ、私と同じ目に遭ってしまうかもしれない。……凛々が“そちら側”になってしまうかも知れない。

 

 ―――とある大会で。

称号戦と呼ばれる大会で、早苗は絶対の自信と希望に溢れていた。

憧れた人達と肩を並べる、というのはおこがましいが、やっと一歩追いつけると思い臨んでいた。

 

結果、決勝で敗退――

 

 ――のはずだった

 

『先日の称号戦にて優勝となった■■■■選手の不正行為が発覚したため、今後大会に出場する権利を永久剥奪。称号剥奪とする。

 よって決勝対戦相手である藍河 早苗選手を優勝とし、後日称号を贈る』

 

 相手の不正。

 見抜けなかった自分。

 見せ掛けの称号。

 

 屈辱以外の何物でもなかった。

後に聞いた話だが、早苗を破った相手は新進気鋭の若者で、光るものがあったにも関わらず不正に走ったのは

 

「初めて敗北したとき、目の前が真っ暗になった。

 誰も助けてくれたり、教えてくれなかった。

 息詰まってたところに過去の不正話が目に入り、気まぐれにやってみたら誰も気付かなかった。

 自分にはカードを呼び込める何かがあった。だから合わせてここまでやれた。」

 

 凛々の初バトルを見て、最初は初心者だからこんなものかと思ってはいたが、“光るもの”があると麗奈が言う。

 紆余曲折……と言うより、早苗自身も何とかしたいと思っている癇癪もあったが、バトルした際確かに感じるものがあった。

 ならば、もう二度とあんな事にならないよう導く事。

だが結果は……

 

「………」

「んー埒が明かないね。…早苗」

「…?」

「ターゲット!」

「なっ…」

「こっちで語ろうよ」

「……今?」

「バトスピは対話。誰かが言ったもんだ」

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 突然麗ちゃんに挑まれたバトルに驚きはしたものの私はカードバトラー。挑まれたのならば臨まねばなるまい。

正直、気乗りしなかったけど、このままウジウジするよりはバトルして、見えるものがあるやも知れない。……焦りすぎ、か。

 

   VS 青凪 麗奈

     【???】

 

「悪いけど、麗ちゃんのデッキって一世代前のでしょ?」

「今の早苗なら二世代前だろうと余裕だよ」

「……言ったわね!」

「ふっへーん。だぁれがそのデッキの基礎を渡したのかと思っとるのかねぇ?」

 

<早苗・先攻第一ターン>

 

「なら先攻を取っても文句無いわよね! 叢空の第一ターン!スタートステップ!」

(リザーブ4)

(手札4→5)

 

「メインステップ! ネクサス《雷海域》をレベル2で配置!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→3)

[雷海域 コア1 レベル2]

 

「バーストをセットしてターンエンド!」

(手札4→3)

{早苗バースト:なし→セット}

 

 最初に海帝国の配置を考えたけど手札に無いから仕方がない。麗ちゃんはアルティメットを主軸に置いてるからこの海域を置いてお行けば相棒に早々ひき潰される心配は薄くなる。

 

<麗奈・後攻第二ターン>

「手堅いねぇ。まぁ私の相棒達を警戒してかな。

 では“蒼穹”の第二ターン。スタートステップ」

(リザーブ4→5)

(手札4→5)

 

「ふーむ……。こんなのはどうかな? ネクサス《海の主の大口》をレベル2で配置だ」

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

[海の主の大口 コア1 レベル2]

 

「っ!?」

「その昔レベル2の判定で揉めたカードさ。一緒に公式に凸電しただろう?」

「余計なモノを配置するとか麗ちゃん性格ずっこい!」

「同じ青使って言える台詞かい」

 

ネクサス 青

《海の主の大口》

コスト4 軽減青2

<0> Lv1

<1> Lv2

シンボル:青

Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』

コスト2以下のスピリットはアタックできない。

Lv2『相手のアタックステップ』

相手のスピリットがアタックしたとき、相手は、相手のリザーブのコア1個を相手のトラッシュに置かなければ、『このスピリットのアタック/バトル時』効果すべてを発揮できない。

 

「【招雷】はバトル時効果。あとは分かるな?」

 

 クッソ厄介なカードを……! っと、クソとか下品な言葉使うと麗ちゃんやお母さんに怒られちゃう。

にしても、こっちがスピリット中心でアルティメットは少なめだから厄介この上ない。こちらのアタックステップでのみの効果だけど受け身としてしか使えないのは、責め辛い。

 

「バーストセットでターンエンド」

(手札4→3)

{麗奈バースト:なし→セット}

 

<早苗・先攻第三ターン>

「くっ、叢空の第三ターン! スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ」

 

 大口のせいでコスト2以下のスピリットはアタックを封じられ、今の状態でコスト4以上を出すとアタックはできるけど【招雷】が発揮できない。

コスト3なら何とか……。いや、ならここは麗ちゃんの行動も封じる!

 

「《海賊砲手ハーヴィー》を召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→3)

[海賊砲手ハーヴィー コア1 レベル1 BP3000]

 

「ほう」

「レベル1からの効果! 麗ちゃんのコスト3以下のスピリットとアルティメットはアタックできない!」

 

スピリット 青

《海賊砲手ハーヴィー》

コスト4 軽減青2 <闘神>

<1> Lv1 BP3000

<2> Lv2 BP4000

<4> Lv3 BP6000

シンボル:青

Lv1・Lv2・Lv3『相手のアタックステップ』

コスト3以下の相手のスピリット/アルティメットはアタックできない。

Lv2・Lv3【招雷:コスト6/8】『このスピリットのバトル時』

バトル終了時、このスピリットを破壊することで、自分の手札にあるこのスピリットと同じ系統を持つコスト6/8のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚する。

 

「ターンエンド!」

「お互い青じゃ泥試合、いや、小野試合になるねぇ」

「決まるときは一瞬だけど」

 

 元から行動阻害・妨害がメインの青だ。

重なればこうなるのは必然。あとはヒテンミツルギスタイルよろしく一発で決まる……かも。

 

<麗奈・後攻第四ターン>

「蒼穹の第四ターン。スタートステップ」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ1→5)

 

「メインステップ。ここはまず先鋒《獣士オセロット》!」

(手札4→3)

(リザーブ5→4)

[獣士オセロット コア1 レベル1 BP1000]

 

「そしてネクサス《海帝国の秘宝》を配置だ」

「ちっ!」

「お先に〜」

(手札3→2)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→2)

 

「更にマジック《ブレシングコア》を使用。私のネクサス2つに1つずつコアを追加する」

(手札2→1)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ2→4)

[海の主の大口 コア1→2]

[海帝国の秘宝 コア0→1 レベル1→2]

 

「よしよし。ひとまずターンエンド」

 

 コアを増やしてきたってことは、あの1枚は麗ちゃんの右腕がもう手札にいる? だけど焦るな私。対抗手段はある。手札を使い切らせれば麗ちゃんだって一たまりも無い。

 

「そう。焦る必要は無いんだよ」

「っ…」

「そりゃ忘れろってのは無理な話だし、簡単に乗り越えろとは言わない」

「…………」

「だけど、思いやりが凛々君を追い詰めてしまったのは反省しなきゃね」

「……うん」

 

 凛々をああさせたくない。輝きを失う前に研かなければ。それが逆に輝きを曇らせたばかりか、傷付けていた。

 

「……謝らなきゃ」

「単純明解。ならばバトルして、気持ちに整理付けてけ青少女!」

「青少女って……」

 

 その自信満々に胸張ってエラソーにしてるのホント腹立つ。ムカつくから脛に蹴りを入れておく。

 

「んっ!」

「いっったぁ!?」

「あんがと!」

「感謝のカケラも無ぇな従姉妹ぉ!」

「感謝してんだよ従姉妹ぉ!」

 

<早苗・先攻第五ターン>

「叢空の第五ターン!スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札3→4)

(トラッシュ3→0)

(リザーブ1→4)

 

「メインステップ! マジック《ストロングドロー》を使用! 3枚ドローしてら2枚破棄する!」

(手札4→3)

(リザーブ4→3)

(トラッシュ0→1)

(手札3→6)

 

「破棄するのは《サポートフラッグ》と《サンダータクティクス》!」

(手札6→4)

●破棄したカード

・《サポートフラッグ》(マジック)

・《サンダータクティクス》(マジック)

 

「ハーヴィーのレベルを3に上げ、アタックステップ!」

(リザーブ3→1)

[海賊砲手ハーヴィー コア2→4 レベル2→3 BP4000→6000]

 

「ハーヴィーを指定!」

「ならば大口レベル2の効果だ。通行料を払いな」

「残したリザーブのコアをトラッシュに投げ込みバトル時効果発揮の許可をもらう!」

(リザーブ1→0)

(トラッシュ1→2)

 

 さぁ、どう動く麗ちゃん…!

 

「ライフで受けよう」

「っ!?」

(麗奈ライフ5→4)

(麗奈リザーブ0→1)

 

「何を驚いてるんだい?早苗」

「……飛び込ませたか!」

「さっきストドロを使った時に大口を素通り出来る算段が来たような顔してたからね。ライフ減少でバースト発動!」

「ちいっ!」

「《獣士アムール》! バースト効果でコスト6以下のスピリット1体を破壊する。ハーヴィーを指定!」

{麗奈バースト:セット→発動}

[海賊砲手ハーヴィー コスト4 破壊]

(早苗リザーブ0→4)

 

「そして効果発揮後、大口、秘宝、リザーブのコアを使いレベル2でバースト召喚だ」

{麗奈バースト:発動→召喚}

(リザーブ1→0)

[海の主の大口 コア2→1]

[海帝国の秘宝 コア1→0 レベル2→1]

[獣士アムール コア3 レベル2 BP7000]

 

 アムール……! <極竜>を補佐する獣士。ならやっぱりあれが手札に来てるか! だけどそんなの、麗ちゃんならそうなるはず。彼も駆け付けるのが速い。伊達に右腕なんて名乗っちゃいない。

 でも正直な話、あのバーストが手札増加時バーストじゃなくて内心ホッとしてる私がいる。

 

「ハーヴィーの破壊でバースト! 《双光気弾》! バースト効果で2枚ドローし、追加コストを支払いその邪魔な大口をぶっ飛ばす!」

 

{早苗バースト:セット→発動}

(手札4→6)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ1→4)

[海の主の大口 破壊]

(麗奈リザーブ0→1)

 

「アタックステップ終了。エンドステップにトラッシュの《サンダータクティクス》を手札に戻して、ターンエンド!」

(早苗手札6→7)

 

 手札にはかなり余裕ができた。けどこれで有利になったとは思えない。何せ私の師で二つ名持ちの麗ちゃんだ。

 

<麗奈・後攻第六ターン>

「蒼穹の第六ターン。スタートステップ」

(リザーブ1→2)

(手札1→2)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ2→6)

 

「メインステップ。手札はそちらが有利。だがこれならどうだい? 《バルカンバイソン》をレベル2で召喚」

(手札2→1)

(リザーブ6→1)

(トラッシュ0→3)

[バルカンバイソン コア2 レベル2 BP7000]

 

「っ!? イアンじゃない!?」

「更にバーストをセットし、秘宝をレベル2にしてアタックステップだ

(手札1→0)

{麗奈バースト:なし→セット}

(リザーブ1→0)

[海帝国の秘宝 コア0→1 レベル1→2]

 

「バルカンバイソンでアタック! レベル2からのアタック時効果、【強襲:1】で海帝国の秘宝を疲労させ回復!」

[海帝国の秘宝 回復→疲労]

[バルカンバイソン 疲労→回復]

 

「更にレベル1からのアタックステップ時効果。私のスピリット、またはアルティメットが【強襲】の効果によってネクサスを疲労させたとき2枚ドローし、1枚破棄する。しかし秘宝レベル2の効果により破棄枚数が1枚減るからそのまま2枚ドローとなるよ」

(手札0→2)

 

青 スピリット

《バルカンバイソン》

コスト6 軽減青3極1 <異合>

<1> Lv1 BP5000

<2> Lv2 BP7000

<5> Lv3 BP10000

シンボル:青

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

自分のスピリット/アルティメットの【強襲】で自分のネクサスが疲労したとき、自分はデッキから2枚ドローする。その後、自分は手札から1枚破棄する。

Lv2・Lv3【強襲:1】『このスピリットのアタック時』

このスピリットは、ターンに1回まで、自分のネクサス1つを疲労させることで回復できる。

 

 手札を補充してきた。だけどもうネクサスは無いからこれ以上の補充はできない。……だけど、今引いた2枚が何なのかが問題。

 

「ライフで受ける!」

(早苗ライフ5→4)

(リザーブ1→2)

 

「ターンエンド」

 

<早苗・先攻第七ターン>

「そろそろこちらも攻めさせてもらおうかしら! 叢空の第七ターン、スタートステップ!」

(リザーブ2→3)

(手札7→8)

(トラッシュ4→0)

(リザーブ3→7)

 

「メインステップ。《巨人船医ゴードン》を召喚!」

(手札8→7)

(リザーブ7→6)

(トラッシュ0→1)

[巨人船医ゴードン コア1 レベル1 BP1000]

 

「続けてネクサス《三つ首竜の海賊旗》を配置!」

(手札7→6)

(リザーブ6→5)

(トラッシュ1→2)

 

「更に2枚目の《ストロングドロー》! 破棄するのは《巨神ジュニアス》と《生還者バディ》!」

(手札6→5)

(リザーブ5→4)

(トラッシュ2→3)

(手札5→8→6)

●破棄したカード

・《巨神ジュニアス》(スピリット)

・《生還者バディ》(スピリット)

 

「手札に“彼”がいるのが見え見えだねぇ」

「致し方なし! ゴードンをレベル2、海賊旗をレベル2、バーストをセットしてアタックステップ!」

(リザーブ4→0)

[巨人船医ゴードン コア1→4 レベル1→2 BP1000→5000]

[三つ首竜の海賊旗 コア0→1 レベル1→2]

(手札6→5)

{早苗バースト:なし→セット}

 

 今攻めるのが好機! 引かれたとすれば、あの2枚は両方スピリットかアルティメットと見た! なら、一気に詰めて絶対優位に立つ!

 

「雷海域の効果により、【招雷】を持つスピリットにBPプラス2千!」

[巨人船医ゴードン BP5000+2000=7000]

 

「バルカンバイソンと並んだか。でも早苗の手札にサンダータクティクスがあるのは判ってるし、海賊旗の効果で殴り負けても【招雷】が発揮されると」

「その通り!ゴードンでアタック!」

「バルカンバイソンでブロック」

 

 守ってきた。ならあのバーストは雷海域を破壊する双光気弾か! 読みが当たった!

 

「海賊旗レベル2の効果! 【招雷】を持つゴードンがブロックされたため1枚ドローして、1枚破棄する! 破棄するのは《赤髭巨人バルバロス》!」

(手札5→6→5)

 

「何も無ければバトル解―――」

「言っただろう?」

「っ!?」

「大概の動きは解るさ。なんせ、海賊達は私のマブダチだからね。バースト発動!」

「手札増加バースト!?」

「《グリードサンダー》! 雷を使うなら私だって負けてないよ!」

{麗奈バースト:セット→発動}

 

 グリードサンダー!? このタイミングで発動させた……サンダータクティクスを回収したときやストロングドローを使ったときにも使えたはずなのに使わなかったのは、交換の瞬間を見計らわれたのか……!

 

「発動時に早苗の手札が5枚以上ならその手札を全て破棄させ、2枚ドローさせる!」

「っ、やられた…!」

(早苗手札5→0→2)

●破棄したカード

・《アルティメット・レーヴェン》(アルティメット)

・《サンダータクティクス》(マジック)

・《副船長チェスター》(スピリット)

・《巨人銃士クリフォード》(スピリット)

・《海皇巨神デュラン・キッド》(スピリット)

 

「ほらやっぱりレーヴェンとキッド握ってた」

 

青 マジック

《グリードサンダー》

コスト5 軽減青3

【バースト:相手の効果によって相手の手札が増えた後】

相手の手札が5枚以上のとき、相手の手札すべてを破棄することで、相手はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト合計5まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

 

「アムールのコア2つを使い追加コスト。合計コスト5までそちらのスピリットを破壊する。破壊するのは巨人船医ゴードン。海賊旗は効果破壊には対応していない!」

[獣士アムール コア3→1 レベル2→1]

(麗奈トラッシュ3→5)

[巨人船医ゴードン コスト1 破壊]

(早苗リザーブ0→4)

 

「っ…、まだぁッ! 私のスピリットが破壊されたことによりバースト発動! 《海賊参謀セーファス》!」

{早苗バースト:セット→発動}

 

「なるほど保険は掛けてたか」

「バースト効果でトラッシュの<闘神>スピリット、または<闘神>アルティメット1枚を手札に戻す! 戻すのは《海皇巨神デュラン・キッド》!」

(早苗手札2→3)

 

 麗ちゃんのバーストは無くなった! 【招雷】で喚ぶチャンスを逃しはしない!

 

「回収に成功したためセーファスをレベル3でバースト召喚!」

{早苗バースト:発動→召喚}

(リザーブ4→0)

[海賊参謀セーファス コア4 レベル3 BP7000+2000=9000]

 

青 スピリット

《海賊参謀セーファス》

コスト5 軽減青3 <闘神>

<1> Lv1 BP4000

<2> Lv2 BP6000

<4> Lv3 BP7000

シンボル:青

【バースト:相手による自分のスピリット/アルティメット破壊後】

自分のトラッシュにある系統:<闘神>を持つスピリットカード/アルティメットカード1枚を手札に戻すことで、このスピリットカードを召喚する。

Lv2・Lv3【招雷:コスト4/8】『このスピリットのバトル時』

バトル終了時、このスピリットを破壊することで、自分の手札にあるこのスピリットと同じ系統を持つコスト4/8のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚する。

 

「セーファスでアタック!」

「コスト5はまだ破壊できる範囲内だよ! フラッシュ!マジック《スパークバースト》!」

「にゃにぃっ!?」

「コストにはバルカンバイソン、オセロット、秘宝から拝借!」

(麗奈手札2→1)

[バルカンバイソン コア2→1 レベル2→1]

[獣士オセロット コア1→0 消滅]

[海帝国の秘宝 コア1→0 レベル2→1]

(麗奈トラッシュ5→8)

 

「合体しているブレイヴのコストを0とし、合計コスト5まで相手スピリットを自由に破壊する! 対象はコスト5ピッタリのセーファス!」

[海賊参謀セーファス コスト5 破壊]

(早苗リザーブ0→4)

 

 またしても……!

相変わらずだけどここまで招雷を封じられるなんて!

 

青 マジック

《スパークバースト》

コスト5 軽減青2

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

このターンの間、自分のスピリットすべてをBP+3000する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手の合体スピリットのブレイヴすべてをコスト0として扱い、コスト合計5まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

 

「読み焦ったね早苗」

「……エンドステップ。サンダータクティクスを手札に戻して、ターンエンド」

(早苗手札3→4)

 

<麗奈・後攻第八ターン>

「蒼穹の第八ターン、スタートステップ!」

(リザーブ0→1)

(手札1→2)

(トラッシュ8→0)

(リザーブ1→9)

 

「メインステップ。さあ、ファイナルターンと行こうかな」

「っ!」

「まずは《アルティメット・エルギニアス》を召喚」

(手札2→1)

(リザーブ9→7)

(トラッシュ0→1)

[アルティメット・エルギニアス コア1 レベル3 BP5000]

 

「そしてマジック《バスタースピア》を使用」

(手札1→0)

(リザーブ7→5)

(トラッシュ1→3)

 

「は!? 1弾のカード!?」

「案外便利なんだよコレ。気弾と比べる程じゃないけど、フラッシュでお互いのネクサスを対象にできてドローできるのは良いものだよ。シンプルイズベスト。テキストが短いものは強い」

 

赤 マジック

《バスタースピア》

コスト3 軽減赤2

フラッシュ:

ネクサス1つを破壊する。

相手のネクサスを破壊した場合、自分はデッキから1枚ドローする。

 

「破壊するのは雷海域。いい加減邪魔だしね。そして1枚ドローだ」

[雷海域 破壊]

(早苗リザーブ4→1)

(麗奈手札0→1)

 

「ふふん。良いタイミングだ。これで相方の召喚条件は整った。

 蒼き究極の彗星!

 《アルティメット・ドライアン》!

 レベル4で召喚!」

(手札1→0)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ3→6)

[アルティメット・ドライアン コア2 レベル4 BP17000]

 

 来た、麗ちゃんの切り札……! しかも今引きな上こっちの状況が最悪! 守りの雷海域も破壊されちゃったし……!

 

「バルカンバイソン、Uエルギニアスのコアをアムールに移してレベル2に上げ、アタックステップ!」

[バルカンバイソン コア1→0 消滅]

[アルティメット・エルギニアス コア1→0 消滅]

[獣士アムール コア1→3 レベル1→2 レベル1→2]

 

「イアンでアタック! ダブルアルティメットトリガー、ロックオン! アムールレベル2の効果で<極竜>を持つイアンがバトルしている間、早苗はマジックを使用できないぞ!」

「――コスト5アルティメットの《剣将スティオン》と、コスト4ブレイヴ《船星鎧ブレイヴアルゴー》!」

「ダブルヒット! ヒット時効果でレベルを2つ上げ、ダブルヒット時効果でイアンは回復する!」

[アルティメット・ドライアン レベル4→6 疲労→回復]

 

「……っ、ライフで受ける!」

(早苗ライフ4→3)

(リザーブ5→6)

 

「イアン、二度目のアタック! Wトリガーロックオン!」

「コスト4ネクサスの《海帝国の秘宝》、コスト4スピリットの《海賊隊長エドガー》!」

「ダブルヒット!回復!」

[アルティメット・ドライアン レベル4→6 疲労→回復]

 

「ライフ!」

(早苗ライフ3→2)

(リザーブ6→7)

 

「三度目!Wトリガーロックオン!」

「くっそが! コスト5ブレイヴ《水星神剣マーキュリーブレイド》、コスト4ネクサス《ビーストマウンテン》!」

「口が悪い!ダブルヒットで回復!」

[アルティメット・ドライアン レベル4→6 疲労→回復]

 

「ライフ!!」

(早苗ライフ2→1)

(リザーブ7→8)

 

 ……もはやここまで。

心が曇っているとこうもやられる、麗ちゃんにここまでこてんぱんにされたのはいつぶりだろう。

 

「さあラストアタックだ。イアン、四度目のアタック! Wトリガーロックオン!」

「――っ! コスト7スピリット《戦輝神ゼルドナーグ》、コスト10スピリット《海皇巨神デュランザム》!」

「ははっ!最期の最後で切り札達が救ってくれたじゃないか!」

 

 運が良いのか悪いのか。

トリガーはガードになったが使えるマジックもカウンター類も無い。

 ああもう! こんなんじゃ凛々に顔向けも謝るのもできないじゃない!

 

「早苗、今回の訓練は厳しく行くから覚悟しときなよ?」

「臨むところ!」

 

 ちゃんと悪夢に、凛々に向き合えるよう。

また一緒にバトスピできるよう。このぐしゃぐしゃの芯を叩き治さなければならない。へこたれるなんて私らしくない!

 

「アタックは、ライフで、受けるッ!!」

(早苗ライフ1→0)

 

 

〔winner!! 青凪 麗奈〕

 

 

 

「負けた!!完敗!!」

「私も指導の仕方見直して周知させなきゃねぇ。早苗をどうこう言えないよ」




青使いが主人公に厳しくする、若干ヒステリック気味な原因と青vs青でした。
青vs青とか一時期お互い巨人港と血塗られた魔具を貼り合ってルナティックシール使ってるのにキーカード引けず沼になるくらい不毛!
でもどっちが先に息の根止めるか勝負は見てるだけなら面白そう。
だからソリティアはやめろッテ!

ミス等ありましたら気軽にご指摘ください。


余談。
不正・横流し・窃盗ダメゼッタイ。
バシンBlu-ray企画がおしゃかになってしまったのは残念です。


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