ジョジョの奇妙な超次元 (風狼龍Ⅱ)
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スタンド使いと女神候補生たち
スタンド使いと女神


どうも、風狼龍です。
やりたかった……クロスオーバー。
第四部のあのトリオにでも行ってもらおうかと。
承太郎?
駄目だ、強すぎる。
pixivでも同じ題名のを投稿していますが、まったく中身が違います。
向こうは承太郎ですしね。
それではどうぞ。


ここは杜王町と呼ばれる町。

その町中を歩く三人の青年。

パッと見れば不良に見える……いや、不良だが。

一人はリーゼントだが、顔立ちが整っている青年。

もう一人は学生服に$のマークをつけている青年。

もう一人は二人と比べて小さく、少年ともいえる様な青年だ。

三人はさっき紹介した上から順に『東方仗助』『虹村億泰』『広瀬康一』である。

その三人は今、歩きながら会話をしている。

 

「今日はよォ~、ゲーセンにでもよっていかねぇかァ~?」

「うん、僕はいいけど、億泰君は?」

「俺も構わないぜェ~。たまにはいいかもなァ~!」

 

三人は不良と言っても、誰彼とケンカを売るわけではない……億泰はどうかわからないが。

三人はゲームセンターに来て、どのゲームをするか見て回っている。

すると、仗助がふと反応する。

見た事もないゲームだし、なぜか他のゲーム機から外れる様に置いてある。

別にそうしているだけ、ならば気にしないのだが、誰もやってなさそうなので、どういうゲームか確認しに行く。

それに反応した二人は仗助の後を追う。

それと同時に仗助はビクッと反応する。

 

「どうしたの?仗助君」

「今よ~、これから声が聞こえなかったか?」

「声だ~?」

「あぁ、壊れるとかなんとかなんだけどよ~」

「オイオイ、頭大丈夫かよ、仗助~?声なんて何も聞こえないぜ~?なぁ、康一」

「うん、ホントに聞こえたの?」

「あぁ、聞こえたんだけどよォ。気のせいだったか?」

『……よ』

「え?」

「やっぱり聞こえるぜェ!次は聞こえたよな~!?」

「き、聞こえたよ……。確かに何かを呟いている!」

「ま、まさか新手のスタンドかァ~!?」

 

三人はスタンドを出して警戒する。

周りの人はスタンドが見えないため、特に気にしていない。

幽波紋(スタンド)……それは生命エネルギーの(ビジョン)であり、それは一般人には見えず、同じ力を持つ者、もしくは才能がある者にしか見えない。

仗助は自分のスタンド……クレイジーダイヤモンドを出しながら警戒する。

 

「スタンドにしては何もしてこないね……」

「もしくはゲームをやらせて、何かをするタイプのスタンドか~?」

 

康一と仗助は考えるが、億泰は考えるのが苦手であるため、攻撃でもしようかと思っている。

仗助は慎重に近づいていく。

もし、スタンドならば何かを仕掛けてくる可能性があるからだ。

 

『……けて』

「? 今、『助けて』って聞こえた気がするんだけどよ~?」

「ホントに?」

「もしかしたらよ~、スタンドを通して助けを求めてきてる奴かもしれねぇぜ~!」

 

億泰がそういうと、仗助もそうなのかと考えながら、慎重に近づき、耳を傾ける。

そして、そっと画面を触れた瞬間だった。

 

『ゲイムギョウ界が壊れちゃう……。助けて!』

「!?」

 

そんな声が仗助に聞こえたと同時に画面が光り始め、仗助の腕が画面へと吸い込まれる。

それに驚愕し、仗助はクレイジーダイヤモンドで近くの壁を殴りつけ、拳をめり込ませる……が、それでも吸い込まれていく。

 

(こ、コイツぁ!?まるでエニグマに紙にされる時みたいにパワーが強い!?)

 

仗助は冷や汗を流すが、もう仗助の上半身は画面に飲み込まれている。

そして、クレイジーダイヤモンドまでもが一緒に飲み込まれ始めているのだ。

それを見た康一と億泰は急いで彼の足を掴む……が、それでも吸い込まれ始めている。

周りは気付いていないのかと康一は辺りを見渡すが、誰も気にしていない。

 

(ま、まさか……僕たちが見えていない?)

 

そんな事を思いながら、仗助は飲み込まれ、そのまま足を掴んでいた二人も画面の中へと飲み込まれる。

そして、そのゲーム機は……誰にも気づかれる事なく、消える。

元々、なかった様に消えるのだった。

 

 

 

 

「ハッ!?」

 

仗助は画面に飲み込まれた後、目を覚まして辺りを見渡す。

どこまでも広がる草原……そこに倒れていた。

仗助は近くで倒れている康一と億泰を見つけて、すぐさま駆けつける。

 

「康一!億泰!」

 

二人の傍に近寄ると、怪我がない事に安堵する。

何か怪我をしていては大変だと思ったのだ。

だが、ここはどこだろうか、という疑問がすぐに浮かんだ。

さっきまで自分たちはゲームセンターにいたハズなのに、気付けばこんな場所にいた。

瞬間移動でもさせるスタンドなのか?と考える。

変わった瞬間移動方法だが……こんな場所が存在するのだろうかと考える。

 

「ん……アレ?ここは」

「いててて……少し体を打っちまった」

 

二人が気が付いた。

そして、二人も辺りを見渡すと、驚愕して仗助に近づく。

 

「じょ、仗助君。ここは」

「俺にもよォ~、よくわかんねぇんだよなァ~。康一、こんな場所に見覚えがあるか~?」

「ううん、僕にはないよ……。億泰君は?」

「俺も知らねぇな~」

「ここは……」

 

考えていると、三人の前に驚く物が現れる。

それは……スライムか犬かわからない生き物である。

ゲームで出てきそうなスライムに犬を混ぜた様なものが出てきたのだ。

 

「す、スライム……?」

「い、いや……犬かな?」

「じゃあ、スライヌでどうだ~?」

「誰がうまい事言えって言ったよ~?億泰よォ~!」

 

三人が会話していると、その生き物……スライヌは仗助たちを見て身構える。

それに三人はビクッと反応し、スライヌが突撃してくる……が、当たってもそこまで痛くない。

 

「……アレ?」

「痛くないね……」

「ヌラ!?」

「俺たちのレベルが高いだけかもな~!」

「そうかもしれねぇな~!」

「もう、二人とも~!ゲームじゃないんだから~!」

 

仗助と億泰が笑いながら言っているのを見て、康一は苦笑いを浮かべながらツッコミを入れる。

そして、スライヌがもう一度突撃しようとするが、億泰が掴み上げて、どこかへと投げ飛ばす。

それにより、戦闘は終了である。

 

「呆気なかったな~……」

「た、確かに……」

 

仗助と康一はスライヌが投げ飛ばされた方向を見た後、辺りを見渡すとそのスライヌや馬と鳥を足した様な生き物などがいるのが見える。

地球には存在しない様な生物ばかりだ。

 

「も、もしかしてよ~?俺たち、ゲームの世界に来たとか、そういうのか~!?」

「え!?あのスタンドの能力によって!?」

「あ、ありえるかもしれねぇな~」

 

仗助の言葉に康一と億泰は驚いたり、納得したりしている。

実際、現実にあんな生物は存在しない。

だが、ゲームにしては少しおかしいところもある。

こんなゲームには見覚えがないのだ。

 

「なぁ、康一よォ?お前のエコーズで、周りに何かないか見てくれねぇか~?」

「うん、わかったよ。『エコーズ』!」

 

康一がそう叫んだ瞬間、『エコーズact1』が現れる。

そして、辺りをそれで探し始める。

 

「あ、誰かいる!」

「ホントか~!?」

「うん、女の子が三人」

 

康一の言葉に億泰が反応する。

仗助も人がいる事に安堵を覚える。

 

「とりあえずよ~?その子たちと合流してみようぜ~!」

「うん、そうだね」

 

仗助の言葉に二人は賛同し、その場へと向かう。

すると、その三人は巨大なスライヌと対立していた。

 

「で、でかい!?」

「さすがによ~、アレに体当たりされたら結構やばいぜ~?」

「呑気な事を言ってる場合かよ~!オメェはよ~!」

 

康一は驚いており、億泰がそう言っていると、仗助が怒鳴る。

だが、さすがに女が危険に晒されているのを見逃すわけにはいかない。

仗助はジョースターの血統だというのがよくわかる。

すぐに女の子三人を助けようと行動に出ようとすると、ピンク色に近い髪色のロングヘアーの少女が何かに怯えだした。

それに驚いている双葉を思わせるリボンをしている少女とそれを注意をしているであろうカチューシャをつけた少女。

そんな三人に巨大なスライヌが襲い掛かろうとする。

それと同時に仗助が走り出し、クレイジーダイヤモンドを出す。

 

「クレイジーダイヤモンド!」

『ドラァ!』

 

仗助がクレイジーダイヤモンドで巨大なスライヌを殴り飛ばす。

そして、康一はエコーズを巨大なスライヌの元まで行かせる。

 

「行け、エコーズ!」

 

エコーズact1で殴りつけていき、音を染み込ませる。

そして、次の瞬間、巨大なスライヌの中で音が何度も鳴り響き、それに耐えきれなくなった巨大なスライヌは元の大きさのスライヌとなって、バラバラに逃げていく。

それを確認してから、スタンドをけし、三人に近づく。

 

「大丈夫?」

「もう安心していいぜ~」

「え?あ、えっと……」

 

いきなり現れた三人の男に驚いている髪の長い少女。

代わりという感じでリボンをしている少女が仗助たちを見てくる。

 

「ありがとう、というべきかしらね。こういう時は」

「気にしなくていいぜ~。当然の事をしただけだからよ~」

「そう?それにしても、貴方達……スライヌに何したの?いきなり吹き飛んだと思えば、今度は何か苦しがってから逃げて行ったし」

「え?そ、それはよ~……そう!な、殴り飛ばしたんだよ!な~、康一!億泰!」

「う、うん!仗助君は凄いパワーを持ってるからね~!」

「え?さっきのはk」

「康一の言う通りなんだよ~!」

「そう。苦しがっていたのはアイテムか何かかしら?まぁ、いいわ」

(あ、危ねぇ!?)

(なんでクレイジーダイヤモンドだと言わねぇんだよ~?)

(バカか、オメェはよ~!そんな事言ったって信じてもらえないぜ~!)

(それに彼女たちを見て。僕たちはゲームの世界という仮説を立てていたけど、彼女たちは生きている様に見えるんだ。もうちょっと、調べてみる必要があるんだよ。ここの事を)

(だから、スタンドの事は話せないって事か~?)

(それによ~、一瞬だったとはいえ、何か見えましたと言ってもおかしくはねぇんだけどよ~、言ってこねぇ辺り、見えてねぇんだぜ~!このピンク色か?そんな髪色をした子はよ~、何かに怯えてて見てなかったけどよ~)

「何コソコソ話しているのよ?」

「な、何でもないぜ~!」

「そう?」

「あ、自己紹介がまだじゃない?仗助君。ここで会ったのも何かの縁だしさ」

「そ、そうだな!」

 

康一の言葉に仗助は頷く。

仗助たちはこの三人から情報を聞き出そうと考え、自己紹介などをして、警戒を緩めようと考えているのだ。

確かに少女三人は助けられて、恩を感じている……が、リボンをしている少女は何処か警戒している。

当たり前だろう。

初対面、それも男三人なのだから警戒して当たり前だ。

更には見た目が不良と来た……更に警戒心を抱かれるのも当たり前。

その警戒心を解くためにも自己紹介からして、親密になっていく必要がある。

 

「俺は東方仗助って言うんだ。よろしくな~?」

「僕は広瀬康一です」

「俺は虹村億泰って言うんだぜェ?よろしくな~!」

 

三人が自己紹介すると、髪の長い少女が慌てた様に頭を下げる。

 

「は、初めまして!私はネプギアです!」

「私はコンパですぅ!」

「……アイエフよ」

 

髪の長い少女はネプギア、カチューシャの少女はコンパ、リボンの少女はアイエフと名乗る。

ネプギアとコンパは問題なさそうだが、アイエフは少し警戒している目で見てきている。

 

「それにしても、仗助さんは力が強いんですね。大きなスライヌを殴り飛ばしたんですよね?」

「ま、まぁな~!これでも鍛えてるからな~!(う、嘘ついちまってるけど、仕方ねぇよな~?)」

「うわぁ、凄いですね!」

「うっ……ま、まぁな~!」

(凄い純粋な目だ……。仗助君も辛いだろうね)

 

ネプギアが純粋な眼差しで見てきており、仗助はたじろいでしまう。

康一はそれに苦笑いを浮かべ、アイエフは康一に近づく。

 

「思えば、康一って言ったかしら?エコーズとか叫んでたわね。もしかして、アイテム名?」

「そ、そうなんだよ~!僕の持ってるアイテムでさ~!」

「どういうアイテムなのかしら?あのスライヌ、何かに苦しんで逃げて行った様だけど。そうね、音みたいなものに」

「そ、そう!音を何度も響かせるアイテムなんだよ!僕はよくこれを使って、仗助君や億泰君の援護をしててね!」

「そう、どこで手に入るのかしら?」

「しょ、ショップかな~」

「……そう。貴方、嘘ついてるわね」

「!? な、何で?」

「ショップにそういうものなんて売ってないわ。ましてや、そういうアイテムなんて聞いた事もないもの。何を企んでいるの?」

「た、企んでなんかいないよ~!た、確かに嘘は吐いちゃったけど!」

 

康一はしまったと考える。

自分たちはここの事についてよく知らない。

誘導尋問された事に驚きながらも、康一は一歩下がる。

それに仗助と億泰は反応する。

 

「こ、康一……」

「さぁ、答えなさい。何を企んでいるの」

 

アイエフはカタールを取り出すと、その刃先を康一へと向ける。

康一はそれに冷や汗を流し、それに仗助と億泰は反応する。

 

「貴方達も動かないで!何を企んで、私達に近づいたかは知らないけど、ネプギアが目的?まさか、マジェコンヌの一員かしら?」

「ま、マジェコム?」

「仗助~、マザコンの間違いだぜ~!」

「二人とも間違ってるよ~!マジェコンヌだよ!」

「そのマジェコンヌ?って言うのは知らねぇぜ~!俺たちは本当に無関係なんだよ~!」

「信じられないわね……。怪しいところが多いのよ。そもそも、仗助が殴り飛ばしたって言うけど、貴方が拳で殴る瞬間なんて見えなかったわ。いきなり吹き飛んだといった方がいいかもしれないわね」

「くっ……!」

 

アイエフの観察力の高さに仗助は黙り込んでしまう。

嘘がいつまでも通じるとは思わなかったが、こうも簡単にバレるとも思っていなかった。

自分たちはこの世界について無知だ。

 

「落ち着くです、あいちゃん。さすがに人に刃を向けるのはよくないです」

「コンパ、コイツ等は何か企んでるのかもしれないのよ?なら、警戒して当たり前。それこそ、肉食動物に自ら食われに行く様なものよ。警戒しなければ」

「わ、わかったからよ~?俺たちの話を聞いてくれねぇか~?」

「……それじゃ、目的を話して。それを聞いたら考えてあげるわ」

 

アイエフはカタールを康一に向けたまま、仗助を見る。

いくら康一でも、スタンドが見えない少女を攻撃するわけにはいかない。

だが、カタールをどけるくらいならばと考えるが、仗助が何もするなと目で語り掛けてきている。

それに康一は頷く。

そうだ、今ここで何かをすれば、更に警戒されるだけだ。

ここは大人しくしておくのが一番だと考える。

 

「俺たちの目的はよ~?ちょっとした事を聞きたかっただけだぜ~。なぁ、億泰」

「おう、ここがどこか聞きてぇんだけどよ~?」

「? ここはバーチヤフォレストって言うダンジョンよ。プラネテューヌの近くにある」

「プラネテューヌ……?ってのはなんだ?」

「え?プラネテューヌはプラネテューヌですよ?仗助さんたちはどこから来たんですか?」

「俺たちはよ~!杜王町から来たんだぜ~!」

「杜王町……?知ってますか?コンパさん、アイエフさん?」

「知らないわ……」

「私もです」

 

その言葉で仗助と康一は思った。

ここはゲームの世界ではないと。

そもそも、感情がある時点で違う。

その時に立てていた第二の仮説……それは現実味はないが『異世界』だ。

まさか、ホントに異世界へと来ているとは思っていなかった。

 

「オイオイ~、ここは日本だろ~?」

「ニッポン……?何それ?」

「国の名前だぜ~?」

「新しい国でしょうか?」

「そんなの聞いた事ないですぅ」

「え?」

 

億泰はポカーンとなる。

そもそも、周りの生き物の違いの時点で地球じゃないのは確かだろうと仗助と康一はツッコミたくなるが、堪える。

なら、この世界の名前は何というのか。

仗助は気になり、質問してみる。

 

「ここはよ~『地球』って言う世界じゃあねぇのか~?」

「? いいえ。この世界は『地球』という世界ではなく、『ゲイムギョウ界』という世界ですが」

「グレート……マジで異世界な様だな」

「え?異世界……?」

「まさか、今度は異世界からの訪問者とか言ってごまかそうという魂胆じゃないでしょうね?」

「ほ、ホントなんだ!僕たちはゲイムギョウ界という世界の住民じゃあない!僕たちは『地球』という場所から来たんだ!」

「信じられないわね……。ホントの目的を吐きなさい!」

「こ、こうなったら……!『エコーズ』!」

(!? まさか、アイテムを!?)

 

そう思い、アイエフが身構えた瞬間、康一はエコーズact1でとある方法をとる。

それにネプギアは反応して、目を擦る。

 

「『信じて』!」

 

そう叫び、その言葉をエコーズが掴むと、アイエフへと投げつける。

その瞬間、アイエフの顔に信じてという文字が張り付き、何度も頭に響く。

すると、アイエフはカタールをしまい、康一に背を向ける。

 

「そうね……。少しは信じてあげてもいいわ。助けてくれたし……けど、異世界から来たというのは少し信じがたいわね」

「ふ、ふぅ……よかった」

 

康一がエコーズを戻すと同時にネプギアはもう一度確認しようと見てくる。

だが、エコーズの姿はもうなく、ネプギアは首を傾げる。

 

(気のせいだったのかな……)

「どうしたよ~?ネプギアよ~」

「え?あ、な、何でもないですよ」

 

ネプギアは挙動不審ながらもそう言い、仗助はそれに首を傾げる。

 

「とりあえずよ~、どこか街に案内してほしいんだけどよ~?」

「あ、なら私達、ちょうどプラネテューヌに戻るので、一緒に行きませんか?」

「お!ホントかよ~!同行させてもらうぜ~!」

「よかった……」

「これで街に行けるな~!仗助~!康一~!」

「面白い人たちですね」

「そうね……。それにしても、なんで言葉が心に響いたのかしら」

「あいちゃん?」

「なんでもないわ。さ、いきましょ」

 

アイエフは少し疑問を覚えたが、すぐに振り払って歩き出す。

これがスタンド使いと女神の出会いであり……仗助はまた、戦いへと誘われる。

それがジョースターの宿命だと言わんばかりに。

星の血筋と女神が出会い、物語は動き出すのだった。




如何でしたでしょうか?
ちょっとおかしなとこはあるかもしれませんが、許してください。
続きを見たいって言う人がいてくれたら嬉しいな(オイ
豆腐メンタルなので、あまりキツイ批判とかはやめてください……。
ヒロインはネプギアで行こうかな、なんて思ってたりしてます。
それではまた次回……と言えたらいいかも


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スタンド使い、プラネテューヌにつく

というわけで第二話です。
思った……仗助がいたら、回復魔法はいらないのでは!?
アレ……コンパの役目が、と思ったけど、仗助自身の怪我は治せないんだった。
そう思った風狼龍でした。
それではどうぞ。


仗助たちはネプギアたちについていき、プラネテューヌへと来た。

街を見た瞬間、仗助たちは驚愕する。

 

「す、スゲェぜ!仗助!アレ見ろよ!テレビが薄いぜ~!?」

「す、凄い!まるで近代未来都市だ!ぼ、僕たちは夢でも見ているのかな!?」

「お、俺でも驚きを隠せないぜ~!?」

「ホントに驚いているのね……」

「異世界から来たって言うのも本当かもしれませんね」

「そしたら凄いです!」

 

仗助たちは目を輝かせながら辺りを見渡しており、それを見たネプギアとコンパは微笑んでおり、アイエフはあの時疑っていたのが馬鹿らしく思えてきた。

というよりも、段々疑うのが馬鹿らしくなってきたのだ。

三人の反応は本物……。

だからこそ、疑う事がもうバカらしくなってきた。

 

「ん?あぁ、すまねぇな~!俺たちの世界じゃあ、ここまで技術が進んでねぇからよ~?」

「でもさ~、もう少しすればありえるんじゃないかな?僕たちの世界でもさ!」

「そしたらよ~、もう驚きの連続だぜ~!」

「いえ、何て言うか……仗助さんたちを最初見た時は不良かな~と思ってたんですけど、今のを見てると、普通の人と変わりないんだな~って思えてきました」

「まぁ、俺たちは不良だよな~」

「そうだな~」

「まぁ、そこら辺の不良よりかはマシだと思うよ」

「うおっ!仗助~、見てみろよ!ゲーム機が持ち歩けるくらいのサイズになってるぜ~!」

「おぉ!ホントだな~!これなら、どこでもできそうだよな~!」

「もう二人とも~!ネプギアちゃんたちが苦笑いを浮かべてるよ~!」

 

三人はあちこちを見て回り、ネプギアたちはそれに苦笑いを浮かべながらも、ついていく。

三人が止まるまで、教会にすぐに戻らなくても大丈夫だろうと考えたのだ。

すると、ネプギアたちの前に三人くらいの男が現れる。

ちゃらちゃらとした服装で、髪なども金髪に染めている。

所謂ヤンキーというものだ。

それに反応し、アイエフは相手を睨む。

 

「何か用かしら?」

「君たち、今暇?よかったらさ、俺たちとどこか行かない?」

「ゴメンだけど、暇じゃないのよ。わかったら通してくれないかしら?」

「す、すみません」

「と、通るです」

 

アイエフが男たちの隣を通り過ぎ、それに続く様にコンパ、ネプギアという順で行く。

早く仗助たちの元へと行かなければならない。

見失ったら、街の事を知らない三人は簡単に迷子になってしまう。

こういうのが増えたのも、きっと犯罪組織が原因だろう。

すると、ヤンキーの一人がネプギアの腕を掴む。

 

「オイオイ、そんなつれない事言うなよ」

「俺たちと楽しい事をしようって言ってるだけじゃないか」

「は、離してください!」

「アンタたち!いい加減にしなさいよ!」

「俺たちが優しくしてりゃ、調子に乗りやがって……オイ、あの二人も連れていくぞ!」

 

リーダーと思える人物がそういうと、残りの二人がアイエフとコンパを捕まえる。

二人は抵抗するが、振りほどけない。

ネプギアも逃げ出そうとするが、両腕を掴まれる。

周りに助けを求めようとするが、見て見ぬふりである。

当たり前だ、厄介ごとには関わりたくないのが普通である。

 

「ちょっと!離しなさい!」

「離してください~!」

「ダメだね」

「へへへ、安心しろって。悪い様にはしねぇから。楽しい事をするだけだからよ~」

「コイツ等……!」

 

アイエフが男たちを睨む。

ネプギアも必死に抵抗する。

それにイラッと来たのか、男は拳を振り上げる。

 

「大人しくしてろってんだ!」

「ッ!」

 

そして、ネプギア目掛けて拳を振り下ろす。

それにネプギアは目を閉じる……が、それと同時に腕を掴む手が一つ。

ネプギアはいつまで経っても来ない痛みに不思議に思い、目を開けると……そこには仗助がいて、男の腕を掴んで止めていた。

 

「い、イタタタ!?」

「女によォ~?手を上げるたぁ、どういう事だ~?」

「は、離せ、コノヤロー!」

「ならよ~、ネプギアを離せってんだよ~!」

「チッ!お前等、コイツを……アレ?」

「へっ!二人なら俺がのしてやったぜ!」

「アハハ……スタンドで、だけどね」

 

リーダーらしき男が叫んだが、二人は気絶しており、億泰がドヤ顔で立っていた。

それに康一は小さい声でツッコミを入れる。

男は歯軋りしながら、仗助を睨む。

 

「だからよ~、ネプギアの手を掴んでいる手を離せってんだよ~?」

「う、うるせぇ!ふざけた髪をしているくせに俺にケンカ売ろうとしているのか!」

「「あ!?」」

 

男の放った一言に億泰と康一はマズイという顔をする。

そして、すぐさま康一と億泰はネプギアの元へと行くと、無理矢理引きはがして、アイエフたちの元へと行く。

男は仗助を睨んでいたため、ネプギアを掴む手が緩まっていたのだ。

そのため、いなくなった事にさえ気づいていない。

 

「どうしたのよ、二人とも?慌てた様に」

「急にギアちゃんを連れ戻してきたです」

「い、いやぁ……その、巻き込まれないために」

「巻き込む?どういう事よ?」

「そ、それがよ~」

「オイ、テメェ今……俺の頭の事、なんつったァァァー!サザエさんみてぇだとォ!」

「「「え……?」」」

 

仗助のいきなりの変貌に驚いているネプギアたち。

次の瞬間、仗助が腕を動かしたかと思うと、クレイジーダイヤモンドの拳が飛び出し、相手を殴り飛ばす。

その時、ネプギアは驚き、目を擦って確認するが、やはり何もない。

 

(さっきから何かが見えている様な……気のせいなのかな?)

 

ネプギアはそう考える。

殴り飛ばされた男は鼻が折れており、鼻血が出ていて、歯も何本か折れている。

 

「あが……あがが」

「テメェ、今……俺の頭の事、サザエさんみてぇだと言ったな~?」

「そ、そんな事まで言ってな……ィィィィ!?」

「確かに聞いたぞ、コラぁ!」

 

男の頭を踏みつけて、地面とキスをさせる。

さっきまで温厚だった仗助の変貌っぷりにネプギアたちは驚くしかない。

 

「お、落ち着いて!仗助君!」

「そ、そうだぜ~!ネプギアたちがひいてるぜ~?」

「……」

 

仗助は億泰と康一の言葉に反応して、ネプギアたちを見る。

ネプギアの目はもうやめて、と語り掛けている様に見えた。

それを見た仗助は足を相手から退けて、ネプギアたちの元へと向かう。

 

「あ、あが……」

「!? さっき殴り飛ばされた男の顔が治っていく……?」

「で、でもさっきとなんだか違うですぅ」

 

殴り飛ばされた男の傷は治っていく……が、顔が変わったのだ。

男の鼻は大きく広がり、歯も変な形で治っている。

そう……これこそがクレイジーダイヤモンドの能力『治す』能力である。

だが、治すと言っても、元に治すか直さないかは本人次第であり、別の形へと変貌させる事もできる。

特に怒った状態の仗助に殴り飛ばされれば、ああいう顔に変貌する。

 

「早くよ~?仲間連れて逃げた方がいいぜ~?また仗助に殴り飛ばされるぜ~?」

「は、はいィィィィィ!」

 

男は倒れている仲間の二人を連れて逃げ出す。

それを仗助たちは見送り、ネプギアたちを見る。

 

「すまねぇな~、変なとこ見せちまってよ~」

「う、ううん。助けてくれてありがとうございます。それよりも、どうしていきなり……」

「仗助君は髪型をバカにされるとキレてしまうんだよ。なんでも、昔、自分を助けてくれた命の恩人がしていた髪型らしくてね……」

「なるほどね……。それで真似て、誇りを持っているって言う事なのね。つまり、その髪型を貶されるのは自分の恩人をも貶す事と同じ。だからこそ、怒るのね」

「そうなんですか……」

「そんな事があったんですね……」

「まぁ、気にしなくていいぜ~?それにしてもすまねぇな~。俺たちが道草食ったせいで、目的地に行けなくてよ~?」

「いえ、大丈夫ですよ。少し遅くなるだけですし。それじゃ、行きましょう」

 

ネプギアたちは歩き出し、仗助たちもそれについていく。

しばらく歩くと、プラネテューヌの中で一番高い建物の中へと入っていく。

 

「ただいま戻りました。いーすんさん」

「お帰りなさい、ネプギアさん……アレ?そちらの男性三人は」

「あ、紹介しますね。ダンジョンで出会った人たちで」

「「「……」」」

「右から順に東方仗助さん、虹村億泰さん、広瀬康一さんです」

「初めまして、私はプラネテューヌの教祖、イストワールと言います……それと私を見て、驚いてます?」

「え?あ、そのよ~?」

「よ、妖精だぜ~!仗助、妖精がいるぜ~!」

「お、億泰君!」

「大丈夫ですよ。初対面の人が驚くのも当たり前です」

「す、すまねぇな~?」

「大丈夫です。それよりも仗助さんたちはどこから来たんでしょうか?」

「どうやら『異世界』から来たみたいなんですが……」

「異世界から……ですか?」

「あぁ、地球から来たんだけどよ~?」

「地球……ですか」

「どうでしょうか、イストワール様?」

「ありえない事ではないかもしれません。こちらに来る際、何かありませんでしたか?」

 

イストワールに尋ねられて、三人は考え始める。

すると、仗助は思い出す。

ゲーム機から声が聞こえた事に。

 

「思えばよ~?ゲームセンターによったらよ、不思議なゲーム機があってよ~?そこから声が聞こえたんだよな~」

「どんな声でしょうか?」

「僕たちはよく聞こえなかったけど……」

「確かよ~。『ゲイムギョウ界が壊れちゃう……。助けて』って聞こえたぜ~!思えば、その声、ネプギアの声にそっくりだったんだよな~」

「私に……ですか?それにそれは……」

 

私が誰かに助けを求めて願った事……と考える。

つまり、その声が世界をも超えて、仗助たちを呼んだのではと考える。

 

「それって……ネプギアさんが助けを求めていたという事でしょうか?」

「いつの間に……」

「恐らくですが、心の奥底で一緒にこの世界を救ってくれる人を探していたのかもしれません。そして……ネプギアさんの願いにシェアクリスタルが反応して、消える寸前で仗助さんたちの世界へと飛んだ。そして、仗助さんたちを呼び寄せたと考えるのが普通でしょう」

「それじゃ……私が仗助さんたちを呼び寄せた?」

「そう考えるのが妥当ですね」

 

その話を聞いて、ネプギアは仗助を見る。

仗助はそれに反応してネプギアを見る。

その目は優しい目で、どこかホッとする。

 

「もし、そうだったら……仗助さんたちに迷惑を」

「あのよ~?ここが異世界だとわかったのはいいんだけどよ~?詳しく教えてくれねぇか~?」

「僕たち、この世界の事についてよく知らないんだ。来たばかりだからさ」

「教えてくれると助かるんだけどよ~?」

「わかりました。それじゃ、私が説明しましょう」

 

イストワールは仗助たちの問いに答える様にゲイムギョウ界について、何が起こっているのかを説明を始める。

 

 

 

 

一通り説明をすると、仗助と康一は理解しているが、億泰は何処か理解していないのが見てわかる。

女神という単語が出てきた時は驚いたが、異世界だという事で納得が行った。

 

「つ、つまりどういう事だ~?女神って言うのが捕まったら何が大変なんだ~?」

「もう!億泰君!つまりはこの街や国を護る人がいないって言う事だよ!」

「そ、それは大変じゃあねぇか~!?」

「で、ネプギアはその女神の妹って事か。女神候補生か……」

「ハイ……。私だけが助かってしまって……」

「……」

 

ネプギアの悲しそうな顔を見ると、仗助は黙り込む。

きっと、ネプギアは力になってもらえる人を呼んだ。

自分より承太郎さんの方が適任じゃないのだろうかと考える。

だが……そういうのは関係ない。

仗助の中にある黄金の精神が悪を許せない。

 

「……それだけでなく、私が願ったから仗助さんたちをこの世界に呼び出してしまって……」

「ねぇ、仗助君」

「あぁ、さすがにこんなのを聞かされて黙ってるわけにはいかねぇよな~!」

「え……?」

「仗助の言う通りだぜ~!犯罪組織なんざ許せないに決まってるぜ~!」

「僕たちが呼ばれた事に理由があるなら、それを手伝うよ。ゲイムキャラだっけ?それを集めるのも」

「で、でも……!」

「巻き込むわけにはいかないってか~?気にする必要はないぜ~!」

「確かに喧嘩は強そうだけど、それだけじゃ、アイツ等には勝てないわ。特に康一なんてケンカもできそうになさそうじゃない」

(は、話すしかないのか?)

 

仗助は話すしかないのかと考える。

だが、見えない力を信じてもらえるか?と聞かれれば、NOである。

人とは見えないものを信じる事は出来ない生き物なのだ。

だからこそ、一般人には見えない力であるスタンドを信じてもらえるハズがない。

ならば、魔法が使えるとでも嘘を吐く事にしようか?

だが、最初に色々と言ってしまっている。

腕力が凄いだの、アイテムを使っただの。

いや、嘘だと見抜かれているから、信じてもらえるかもしれない。

その時だった。

 

「思えば、仗助さんと康一さんから何か飛び出した様に見えたんですが……アレは気のせいでしょうか?」

「「「!?」」」

「あの二人から?何か飛び出したかしら?」

「いいえ、何も見えなかったです」

「やっぱり、気のせいなのかな……」

「待て、ネプギア」

「え?」

「まさかよ~、コイツが見えるのか?」

 

そういった瞬間、仗助はクレイジーダイヤモンドを出す。

見えているのか、ネプギアは驚いた顔をしている。

ネプギアだけじゃない、イストワールまで驚いているのだ。

 

「じょ、仗助さんから人みたいなのが!?」

「そ、それは一体……」

「!? まさか、ネプギアだけじゃなく、イストワールにも見えている!?」

「ほ、ホント?なら、『エコーズ』!」

「『ザ・ハンド』!」

 

康一と億泰も自分のスタンドを出すと、それに驚くネプギアとイストワール。

アイエフとコンパは見えていないためか、首を傾げている。

 

「康一さんと億泰さんからも!?」

「い、一体これは……」

「どうしたのよ、ネプギア?イストワール様も」

「え?あ、あそこにいるのが見えないんですか!?アイエフさん!仗助さんたちから何かが飛び出してきましたよ!」

「? 何もいないです」

「え……?」

「それは一体……」

「コレは俺たちの力でよォ?『スタンド』と呼ばれるものなんだがよォ~?普通なら、俺たちと同じスタンド使いか、もしくは才能がある者にしか見えないんだけどよ~」

「何の話をしているの?」

「その……アイエフさんとコンパさんには見えていない僕たちの力です」

「貴方達の力……?もしかして、巨大なスライヌが吹き飛んだり、不良がいきなり吹き飛んだりしたのも、貴方達の力なの?」

「思えば、変に治ったりしたです」

「アレはよ~、俺のクレイジーダイヤモンドの能力で『治す』能力のせいなんだよ~」

「治す能力……?にしては元には戻らなかったわね」

「どう戻すかは本人のイメージ次第。仗助君が怒っている状態では無理なんだ」

「だから、変わった形に治ったんですか」

 

普通に会話しているが、信じているのか?と考える仗助たち。

もしかしたら、女神であるネプギアや女神によって生まれたイストワールの言葉だから信じているのではないのだろうかと考える。

 

「だからよぉ、俺たちは足手まといにならないと思うんだがよ~?ダメか?」

「い、いえ!ダメじゃないです!ですが……巻き込むわけには」

「大丈夫だぜ~。元の世界じゃ、スタンド同士での戦いを経験してるからよ~!」

「殺人鬼とも戦った事あるしな~!」

「さ、殺人鬼と!?」

「そいつも俺たちと同じ力を持っていたからな~」

「どうかな?僕たちは戦闘だって経験あるし、足手まといにはならないからさ」

「……いいわ。戦力は多い方が助かるもの。それに貴方達のその力というもの……。もしかしたら、マジェコンヌの奴らには見えない力かもしれないしね」

「思えば、何で私といーすんさんには見えているんでしょうか?」

「恐らくだがよ~?女神の力か何かが関係してるんじゃあねぇか~?この世界の特別な存在みたいだしよ~!」

「なるほどね。貴方達スタンド使いは向こうの世界では特別な存在よね。特別な存在同士だからこそ、見えているという事かしら……」

「そうかもしれないね」

 

最初はスタンドの才能があるかと考えたが、女神の力が関係しているのでは?という方が強かった。

女神の力とスタンドの力がどう関係あるのかはわからないが、女神には見えるという事がわかった。

 

「それじゃ、協力してもらってもよろしいでしょうか?」

「任せてくれていいぜ~!ネプギアの姉ちゃんを助けるんだろ~?」

「それに国を回れば、帰る方法が見つかるかもしれないしね」

「旅は道草って言うしな~!」

「億泰君、それを言うなら旅は道連れだよ」

「ありがとうございます。仗助さん、康一さん、億泰さん」

「とりあえずよ~、プラネテューヌのゲイムキャラだよな~?」

「見つけるのに少し時間がかかるので、しばらくプラネテューヌを見て回ってはどうでしょうか?」

「そうだな~」

「僕たちも興味があるしね」

「あ、なら案内しますよ?」

「おぉ、それはありがたいぜ~!」

 

仗助たちはそうやって、話が盛り上がるのだった。




説明が難しい……。
楽しめたのなら幸いです。
それではまた次回。


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ゲイムキャラに会いに行こう

お気に入りが一気に増えていた事に驚き。
面白く書ける様頑張っていきます。
それではどうぞ。


ここはプラネテューヌの教会。

仗助たちが来て、数日が経った。

 

「あの、仗助さん。これ、直してもらってもいいでしょうか?」

「構わないぜ~。ネプギアには世話になってるからな~。クレイジーダイヤモンド!」

 

ネプギアが出してきた機械をクレイジーダイヤモンドで触れると、一瞬で直る。

それにネプギアは喜ぶ。

 

「ありがとうございます、仗助さん」

「いいって事だぜ~」

 

ネプギアの笑顔を見て、仗助は微笑みながら言う。

仗助の能力は便利で、壊れた機械さえも治す事ができる。

だからこそ、ネプギアだけでなく、アイエフやコンパもちょっと困った事があれば頼んでいた。

康一はこの世界についての本を読んでおり、億泰は窓から街を眺めている。

康一はこの世界の文字を一生懸命覚えようとしている。

一応、手元にはネプギアたちに教えてもらい、そこにメモをしたのがあって、それを見ながら読んでいる。

これがかなり苦労するらしい。

朗読するのにも、数時間かかるらしいのだから。

 

「仗助~!ちょっと出かけたりしねぇか~?」

「もうそろそろゲイムキャラの居場所がわかるかもしれないんだからよ~?お前はジッとしてらんねぇのかよ~!」

「だけどよ~!もっと見て回りたくねぇか~?」

「前も結構見て回ったと思うんだけどな~」

 

実はここ数日で仗助たちはプラネテューヌを探検したのだ。

だが、それでも物足りないのか、億泰は何度も頼んでくる。

それと億泰が喜ぶ理由がもう一つ。

可愛い女性や美人な女性が多い事である。

その時の億泰の反応ときたら、凄かった。

ネプギアやアイエフ、コンパなども美少女だ。

だからこそ、億泰はその後「誰がいい?」などと聞いてきたのだ。

仗助は一番仲良くしているネプギアだろうかとも考えたが、特にこれと言って考えてもいなかった。

 

「思えば、ネプギアちゃんって歳近そうだよね」

「まぁ、女神様だからよ~?年齢なんてあって、ない様なもんじゃあねぇのか~?なぁ、ネプギア」

「え?まぁ、そうですね……。女神は長い時を生きますから。人間みたいにこれと言った寿命はないんです」

「でもさ、見た目は僕らと同じくらいだから敬語で言われるのもね?」

「確かにそうだよな~!敬語使わなくてもいいぜ?ネプギア」

「え?で、でも」

「こう、周り全員によ~、敬語使うのも疲れるだろ~?俺らくらいには砕けていてもいいと思うぜ~!」

「仗助さん……」

「さん付けもなしな」

 

ネプギアは仗助たちを見渡すと、笑顔でうなずく。

 

「それじゃ、御言葉に甘えて。仗助さ……ううん、仗助君、康一君、億泰君」

「グレート。もっと仲良くしようぜ」

「うん、そっちの方がいいかな」

「そうだな~!」

「アハハ」

 

ネプギアは少し心が軽くなった気がした。

周りが自分より年上という意識もあり、敬語ばかりを使っていたが、仗助たちの申し出はとても嬉しかった。

こうやって、砕けた感じで話せるのは少しでも心が軽くなるのだ。

それによってか、更に話が盛り上がり始めたのだ。

それと同時にアイエフとコンパも入ってくる。

 

「それでね……。あ、アイエフさん、コンパさん」

「ネプギア、その三人といつも以上に仲良さそうね」

「ハイ。仗助君たちは友達ですから」

「仗助君……ですか?」

「ネプギア、さん付けしてなかったかしら?」

「仗助君たちがそう言ってくれって言ったので」

「俺たちがよ~、頼んだんだぜ~」

「なるほどね……。確かに見た感じはそうそう変わらないものね」

 

アイエフは納得が行ったという顔をしている。

すると、次にイストワールが入ってくる。

 

「皆さん。ようやくゲイムキャラの居場所を掴めました」

「ホントですか!?」

「やっとだな~」

「僕たちも行動に出られるね」

「で、どこにいるんですか?イストワール様」

「バーチヤフォレストの最深部にある様です」

「あの草原のとこの最深部か~」

「なら、さっさと向かうとしようぜ~!」

 

億泰の言葉に皆は頷くのだった。

ただ、少し……元気がないネプギアが気がかりなだけで。

 

 

 

 

バーチヤフォレスト最深部。

そこに仗助たちは来ていた。

 

「ここに、ゲイムキャラが」

「なら、さっさと見つけてよ~?協力をお願いしようぜ~!」

「うん」

 

仗助の言葉にネプギアが頷く。

何処から探そうかと思った時だった。

 

「待って、皆。あのモンスター、様子がおかしいわ」

「え?」

 

そういった瞬間、モンスターが黒い何かに覆われ、それが消えると汚染されたかの様に黒く染まっていた。

 

「え?え?一体何が?」

「モンスターに異変か~?」

「やっぱりね……」

「やっぱりって、何が起こったんだ!?」

「モンスターはね、犯罪神への信仰の力に影響を受けやすいのよ。で、強く影響を受けてしまったモンスターはあんな風に狂暴化するってわけ」

「私達はアレを汚染って呼んでるです」

「確かに汚染された様に見えるもんな~!」

 

億泰がそれに納得した様に頷く。

億泰でもこれは理解できたみたいだ。

 

「汚染前と汚染後じゃ、強さも段違いだから気を付けて」

「来るです!」

 

そういったと同時にモンスターが襲い掛かってきて、ネプギアたちは武器を構え、仗助たちはスタンドを出す。

 

「と言ってもよ~?相手はモンスターなんだろ~?」

「? 億泰、何か考えがあるの?」

「俺や康一の能力はまだ詳しく話した事はなかったな~!俺のスタンドは!『ザ・ハンド』!」

 

そうやって、右手を振るい、一体のモンスターにあてると……モンスターは削り取られた様になり、そのまま粒子となって、消滅する。

それにネプギアたちは驚く。

 

「俺の『ザ・ハンド』の能力は右手で触れたものはなんでも削り取っちまう!空間だろうとな~!」

「とても危険な能力じゃない!?」

「安心していいぜ~。億泰は人間には直接やらないからよ~?」

「それでも危険よ!?」

「それじゃ、次は僕だね。『エコーズact3』!」

 

そう叫んだ瞬間、人の姿をしたエコーズが飛び出す。

それにネプギアが驚愕する。

 

「アレ?前見た時はこう、虫に近かった様な」

「康一のエコーズはよォ!act1~act3まで三つの姿があるんだぜ~!」

「そうなの!?」

「そして、一つ一つもまた違った能力でよ~?」

「行くぞ、エコーズ!『3FREEZE』!」

『了解しました!』

「喋った!?」

 

ネプギアがそれに驚きながらも、射程距離内に入ってきた相手を殴り、重さをかける。

それにより、モンスターは倒れ、重さにどんどん耐えれなくなっていき、最後は潰れて消えてしまう。

 

「僕のエコーズact3の能力は『重さ』を操る能力だよ」

「なるほど……なかなか凄いじゃない。でも、私達も負けてられないわ!」

 

そういうとアイエフが走り出し、それに続く様にネプギアとコンパも行動に出る。

アイエフがカタールで斬った直後に素早い身のこなしで飛び込んできたモンスターを蹴り飛ばす。

ネプギアも素早い剣技で敵をビームソードで斬っていく。

コンパは地道にだが、一体ずつ巨大な注射器を刺して倒して行く。

コンパの武器に仗助たちが顔を引きつっていたのは言うまでもない。

それにより、汚染モンスターを倒し終える。

 

「終わったな……」

「うん、そうだね」

「俺、何もしてないぜ~」

「あ、アハハ……仗助君、落ち込まないで」

「まぁよ~?皆には怪我がなかったし、よしとするぜ~!」

「それじゃ、早くゲイムキャラを探しましょう」

「そうだね」

 

アイエフの言葉に康一は頷くと、皆は歩き出す。

周りにはモンスターがうろついており、襲い掛かってきたら対処するという感じで進んでいた。

結構奥まで来たのだが、一向に見当たらない。

すると、アイエフが何かに気付く。

 

「あ、あそこじゃない?なんかそれっぽいのがあるわ!」

「はいっ!あれ?誰かいるです」

「あれ……何かを壊そうとしてねぇか~?」

「! だ、ダメ!やめてください!」

 

仗助の言葉にネプギアは何か気付いたのか、走り出す。

それに続く様に仗助たちも走り出して、ネプギアの後を追う。

そこにいたのは女性で、灰色の肌に変わったパーカーをしている女性だ。

 

「あぁ?邪魔すんじゃねぇよ。誰だ、テメェ等!」

「それは僕たちのセリフだ!ゲイムキャラに何をしているんだ!」

「そうですそうです!」

 

康一の言葉にコンパが頷く。

 

「消すに決まってんだろ?コイツは我々マジェコンヌにとって、目障りなヤローらしいからな」

「アンタ、マジェコンヌの一味なの?」

「へっ、教えてやる義理はねぇが……。まぁ、いい。耳かっぽじってよく聞きな!」

「教える気があるのか、ないのか。どっちなんだよ~、アイツ」

「教えるんだろ、多分」

 

億泰の疑問に仗助が普通に返答する。

 

「犯罪組織、マジェコンヌが誇るマジパネェ構成員、リンダ様たぁ……」

「ブフッ!」

「!?」

 

いきなり億泰が吹いた事にリンダは驚く。

そして、いきなり笑い出す。

 

「お、オイ仗助よ~?今の聞いたかよ?構成員って……。アハハ!し、下っ端じゃあねぇか!それなのに、あんな風に堂々と言ってやがるぜ~!」

「お、オイオイ。億泰よ~?いくらなんでも、それで笑うのは……ブフッ!堪えていたのに!」

「下っ端ね」

「下っ端ですね」

「下っ端さんです」

「うん、下っ端だね」

「だ、誰が下っ端だ!?つうか、そこのお前等笑いすぎなんだよ!」

「アハハ!仗助よ~!相手は下っ端だぜ~!」

「だからよ~?お前は油断するなって言ってんだよ~!って、ダメだ……アハハ!」

「て、テメェ等……調子に乗りやがってェ!」

 

そういった瞬間、仗助と億泰を持っていた鉄の棒で殴り飛ばす。

二人はいきなりの事で驚き、そのまま倒れてしまう。

 

「こ、コイツ!?」

「仗助君!億泰君!」

「オラァ!」

「しまった!?」

 

そして、下っ端はそのまま康一を殴り飛ばし、ネプギアにアイエフ、コンパをも殴り飛ばす。

それにより、六人は倒れてしまう。

 

「つ、強い……。なんでただの下っ端がこんなに強いの!?」

「これも、マジェコンヌのシェアが強まってるせいですか?」

「影響というのは侮れないのかもね……」

「へっ、散々バカにしてくれた割にゃ、呆気ねぇな。さて、そんじゃ一人ずつ順番にぶっ殺してやるか。まずは……」

「クソ……!」

 

仗助は不意打ちをくらったとはいえ、何とか立ち上がろうとする。

ダメージを負った仲間をクレイジーダイヤモンドで回復させなければと考えているのだ。

確かに重い一撃だが、立てないわけではない。

こんなのに比べれば、杜王町で戦ったスタンド使い達とのダメージの方がきついに決まっている。

すると、下っ端の視線がネプギアに向いているのに気付く。

 

「まずはテメェからだ!ガキんちょ!」

「! いや……また、私……何もできないで……」

「危ないッ!」

 

アイエフが立ち上がって走り出したと同時に仗助も立ち上がり走り出す。

アイエフがネプギアを庇う様に前に立つと同時に仗助が二人の前に立つ。

それに二人は目を見開く。

そのまま頭を思いっきり殴られ、頭から血を流すが、下っ端を睨みつける。

 

「クレイジーダイヤモンド!」

『ドラァ!』

「!?」

 

下っ端は腹部に拳で殴られた感覚がすると同時に吹き飛び、倒れる。

仗助はネプギアとアイエフの方へと振り返る。

 

「大丈夫か?二人ともよ~」

「助かったわ、仗助」

「じょ、仗助君……頭から血が」

「ん?これくらいよ~、杜王町の時に戦ったスタンド使い達との事を考えれば、軽い傷だぜ~」

「アンタ、どれだけの重症を負ったのよ……」

 

仗助の言葉にアイエフは苦笑いを浮かべる。

 

「仗助君……私のせいで怪我を」

「気にする事はないぜ~?女が傷つくとこなんて見てられないからな~!」

「早くそれを治しなさい。自分の能力を早く使って」

「……」

「どうしたの?」

「仗助君の能力は……自分には使えないんだ」

「「!?」」

 

起き上がってきた康一が近づきながらも、そういう。

それに二人は反応する。

コンパも驚いている。

 

「なっ!?そうなの!?便利な能力だとは思っていたけど、そんな欠点があったなんて」

「そ、それじゃすぐに手当をしないと!」

「いや、それは後ででいいぜ。今はアイツだ」

 

仗助は下っ端の方を見ると、下っ端は咳き込みながらも立ち上がる。

 

「テメェ……一体、何をしやがった?」

「それを教えるバカはいないぜ~?」

「頭から血を流して、まだ強気でいられるのかよ!」

「仗助君!やっぱり先に治した方が」

「大丈夫だってよ~?それによ~……ネプギア、何に怯えてるかは知らねぇけどよ~?」

「……」

「確かに知らねぇけどよ~?勇気を持たなきゃァ、後悔したまま終わるぜ~?立ち向かわねぇとな~」

「……!」

「だけど、無理はしろとは言わないぜ。後は任せろ……。クレイジーダイヤモンド!」

 

クレイジーダイヤモンドを発言させると、皆に触れて傷を回復させる。

だが、仗助だけは頭から血を流したままである。

それにネプギアは嫌だと感じる。

 

(まだ怖い……だけど戦わなくちゃ。まだ怖いけど……私が強くないから、何も出来なかったらから……仗助君は傷ついた。もしかしたら、アイエフさんが傷ついていたかもしれない。また……誰かが傷つくのを見るのは……それだけは)

 

ネプギアは拳を強く握り締める。

 

「それだけは……絶対に嫌!」

 

ネプギアは仗助の隣に並び立つと、仗助はそれに反応して、ネプギアを見る。

アイエフはネプギアの顔を見て、微笑む。

 

「やっと……まともな顔になったわね」

「ネプギアちゃん、どこか迷いが消えたのかも。後は任せてみようよ」

「そうだな~」

 

アイエフや康一たちはそれを見守る。

仗助は隣に並んで立っているネプギアを見ると、微笑む。

 

「まともな顔してるじゃあねぇか」

「もう誰かが傷つくのを見てるだけは嫌なんです……!私が戦わないと!私は女神だから!」

「……」

 

確かに見えたもの。

ネプギアの中にもある、正義の心。

黄金の精神が確かにあるのだと仗助は考える。

そして、クレイジーダイヤモンドを出したまま、後ろへと下がる。

 

「ならよ~、今のネプギアならアイツに勝てるよな~?後は任せたぜ~?」

「うん、任せて。仗助君」

 

二人はすれ違いざまにバトンタッチをすると、ネプギアは光り出す。

それに仗助たちは驚く。

そして、姿を現したのは……女神化したネプギア。

 

「なっ!?テメェ、女神だったのか!?」

「……覚悟してください。貴方は私が倒します!」

 

そう言って、ネプギアは行動に出る。

仗助たちは姿が変わったネプギアに驚愕している。

 

「ね、ネプギアちゃんの姿が変わった!?」

「オイ、仗助~!アレ、露出多くねぇか~?」

「オメェはどこ見てんだよ~!」

「アレが女神化よ……。女神としての姿なの」

「アレが……」

 

アイエフの説明に仗助たちは驚く。

つまり、普段のアレは人の姿であり、あっちが女神としての姿なのだと理解する。

ネプギアは素早い剣技で下っ端に攻撃していく。

 

「ハァ!」

「ぐああああああああああああ!?」

 

そして、トドメと言わんばかりにビームまで放つ始末。

それに下っ端は倒れる。

 

「く、クソ!ずりーぞ!変身なんてしやがって!」

「さっきまで強気だった奴のセリフとは思えねぇな~」

「億泰君って正直だね……」

 

億泰の言葉に康一はツッコミを入れる。

 

「大人しく退いてください。そうすれば、見逃してあげます」

「はい、わかりました……。なんて言うわけねぇだろうが!こうなったら、最初の目的だけでも!」

「あ、やめなさい!」

「だから、テメェの言う事なんて聞かねぇって言ってんだろうが!」

「! 億泰!」

「わかったぜ~……。『ザ・ハンド』!空間を削り取る!」

「うおりゃああああああ……って、アレ?」

 

下っ端がゲイムキャラ目掛けて鉄パイプを振り下ろそうとしたが……下っ端がいたのはゲイムキャラの前ではなく、仗助たちの近くだった。

それに驚いて、辺りを見渡す下っ端。

 

「ど、どうなってるんだ!?確かに今、ゲイムキャラを」

「瞬間移動って奴だぜ~?」

「覚悟はいいかしら?」

「く、クソォ……ゲイムキャラだけでも!」

「させねぇって言ってんだろうがよ~!クレイジーダイヤモンド!」

『ドララララララ!ドララ!ドララァ!』

 

そこからクレイジーダイヤモンドの拳のラッシュで殴っていき、そのままギャグ漫画の様な感じで空へと吹き飛んでいく。

 

「あああああああ!覚えてろォォォォォ!」

「あ、殴り飛ばしちまった……」

「まぁ、いいんじゃない。結果的にはゲイムキャラは無事だったんだし」

「何をしたかは私達には見えなかったですけど」

「アハハ……クレイジーダイヤモンドの拳のラッシュで殴り飛ばされたよ、下っ端は」

「ラッシュしてたの!?」

 

康一の言葉にアイエフは驚く。

その間にネプギアが戻ってくる。

手にはディスクらしきものを持っている。

 

「力を借りる事が出来たみたいね」

「ハイ」

 

ネプギアは頷くと女神化を解除して、人の姿へと戻る。

と言っても、そこまで変わりはない。

そして、ネプギアは仗助の元へと行く。

 

「よくやったな~、ネプギア」

「そんな事ないよ」

「俺のジジィが言ってたんだけどよ~?ネプギアの中に『黄金の精神』を見たぜ~!」

「うん、そうだね」

「確かにそうかもな~!」

「『黄金の精神』……?」

「ジジィ曰くよ~、正義の中にある輝きらしいぜ~!」

「正義の中にある輝き……」

 

ネプギアはそうやって考える。

もし、自分がそれにあるのなら、それに恥じない様にしないといけないと。

ネプギアは笑顔を浮かべる。

 

「なら、その輝きを消さない様にしないとね」

「! お、おう……そうだな~」

 

仗助はネプギアの笑顔を見て、ピクッと反応する。

目を逸らしていたりする。

それにネプギアは首を傾げる。

 

「ゲイムキャラから力を借りる事も出来たし、戻りましょう。この事をイストワール様に伝えないといけないし」

「そうですね」

「あ、仗助さん。頭の怪我を治療するですよ」

「すまねぇな~、コンパ」

 

そうやって、仗助の治療をしてから、プラネテューヌへと戻るのだった。




さて……どうしようか。
オリジナルスタンドでも出そうか。
悩んでいる風狼龍です。
楽しめたのなら幸いです。
それではまた次回。


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ラステイションへ行こう

第四話です。
それではどうぞ!


仗助たちはプラネテューヌに戻ってきていた。

そして、教会では何があったのかをイストワールに報告していた。

 

「では、無事にゲイムキャラの力得られたのですね。しかし……」

「ハイ、マジェコンヌの連中もゲイムキャラの存在に気付いているって事ですよね」

「思えばよ~?あの下っ端、次はラステイションとか言うところに行くって言ってたよな~?」

「急いで追いかけましょう。でないと、また先を越されちゃいます!」

「ネプギアさんは……もう吹っ切れたみたいですね」

「あ……ハイ。まだちょっと怖いですけど、もう大丈夫です!」

「安心していいぜ~。俺たちもついているからよ~」

「うん、ありがとう」

 

ちょっと怖いという言葉に反応して、仗助がそういうとネプギアは笑顔でうなずく。

それにイストワールは安堵を覚える。

 

「安心しました。さて、そういう事でしたら、皆さんは急いでラステイションへ向かってください。そこでシェアの回復とゲイムキャラを……。ああ、そうです。もう一つ大切な事がありました」

「大切な事って?」

 

イストワールの言葉に康一は首を傾げながら聞き返す。

 

「ラステイション、そしてルウィーにはそれぞれ、ネプギアさんと同じ女神候補生がいます。彼女たちにも協力を仰いでみてはいかがでしょうか?」

「ノワールさんとブランさんの妹さんですね」

「私と同じ、女神候補生」

 

イストワールの言った事にコンパは笑顔で反応し、ネプギアは同じ女神候補生がいると聞いて考える。

 

「それぞれの国にも事情はありますし、すんなり頷いていただけるかはわかりませんが、まずは話しだけでも聞いてもらいましょう。彼女たちも、お姉さんである女神を救いたいという気持ちは同じハズですから」

「それじゃ、やることは決まったわね」

「そうだな~!」

「それじゃ、ラステイションという国へ行こうぜ~!」

 

億泰がそういうと皆は頷くのだった。

 

 

 

 

そして、しばらくしてからラステイションへと到着する。

 

「へぇ~、これがラステイションって言う国か~」

「なんだか、僕たちの世界の工場地帯に似てるね」

「わあ!凄い!本当に機械だらけの街なんですね!」

「ね、ネプギアの目が輝いている……」

 

ネプギアの目が輝いているのを見て、仗助は苦笑いを浮かべる。

思えば、ネプギアは機械好きだったな、と考えながらも、珍しそうに辺りを見渡す。

 

「仗助さんたちはともかく、ギアちゃんは来るのは初めてですか?」

「ハイ、話には聞いてたんですけど。お姉ちゃんが、たまにラステイションの機械を買ってきてくれたりして。あぁ、楽しそうだなぁ。色々見て回りたいな~」

「ね、ネプギア……目的を忘れてねぇか~!?」

「仗助の言う通りよ。今は我慢しなさい。やらなきゃいけない事が山積みなんだから」

「そ、そうですよね。私達が頑張らなきゃ、ラステイションもなくなっちゃうんだし……。よし、今日が我慢、我慢……」

(というよりも今日だけですまねぇよな~?)

 

 

ネプギアの言葉に仗助が内心そんな事を思っていたのは内緒である。

 

「あいちゃん、これから行く宛てはあるんですか?」

「まずはギルドかしら。情報収集もできるし、クエストでシェアの回復もしないといけないしね」

「そうだね。それが得策だね」

 

アイエフの案に康一は頷く。

皆は移動を開始し、ギルドへとやってくる。

だが、ギルドの中にはあまり人がいなかった。

 

「あんまり人がいないですね」

「ホントだな~。依頼も少ないしよ~?」

「それだけこの国も、マジェコンヌに支配されてるって事でしょうね。んー、まともな情報が集まるといいんだけど」

「その間に仕事でも探しておくか~?俺たちはよ~」

「う~ん、僕は情報を集めるのを手伝うよ」

「あ、私も一緒に仕事を探すよ。こっちの字、読めないでしょ?」

「助かるぜ~、ネプギア」

「なら、俺も康一と一緒に情報収集でもしとくぜ~!」

「オメェがか~?」

 

億泰の言葉に仗助は大丈夫だろうかと考えながらも、二手に分かれる。

 

「さっさと仕事貰って、シェアの回復をさせねぇとな~」

「うん、そうだね」

 

仗助の言葉にネプギアは頷き、カウンターのところまで来る。

 

「「すいません。クエストを貰いに来たんですけど」」

「ん?」

 

ネプギアの声と被る様にもう一人、言ってくる人物が一人。

言ったのは仗助ではない。

 

「え?」

「ん?」

(女の子か~?ネプギアとあまり変わらなさそうだな~)

 

そこにいたのは黒髪の少女であった。

ネプギアとそう対して変わらなさそうである。

 

「アンタたちもクエストを受けに来たの?」

「え?う、うん。そうだけど」

「ふ~ん、大丈夫なの?まだ子供なのに。もう一人は……不良だからケンカは強いんだろうけど、大丈夫なの?」

(やっぱりよ~?俺って、第一印象は不良なんだな~)

 

まぁ、恰好が恰好だから仕方のない事だろう。

それを聞くと、張り合う様にネプギアが少女に近寄る。

 

「ええ?そ、それを言ったら、貴方だって子供じゃない!」

(アレ?それじゃ~、俺も子供って事か~?いや、高校生はまだ子供だろうけどよ~)

「アタシはいいの。超強いし。それに、もっともっと強くなって、一日も早く追いつかなきゃいけないしね」

「追いつかなきゃ?」

「あー、こっちの話」

「にしても、超強いってよ~?スゲェ自信だな~」

「実際そうだからね」

「そういうのは、後で負けるタイプだぜ~?」

「何よ……」

 

仗助を少し睨みつけながらも、すぐに視線をネプギアへと戻す。

 

「で、アンタたちは何でクエストなんて?そこの不良は小遣い稼ぎ?」

「街の人達を助けて、少しでも女神のシェアを回復させるためだよ。って、仗助君も同じ目的だよ。仲間だから」

「うわ、優等生発言。アンタ真面目なのねぇ。そこの不良……仗助だっけ?優等生発言なんて」

「俺はよ~?ただネプギアの事を手伝っているだけだぜ~?」

「仗助君、真面目で何か悪いのかな?」

「いや、何も悪くないぜ~?ただ、真面目だなって言ってるだけだと思うがよ~」

「アハハ、ゴメンゴメン。同じくらいの子と話すの久しぶりだから、つい口が軽くなっちゃって」

「そうなんだ。私は仗助君と出会ってから、普通に話してたから」

「そうだな~。思えばよ~?自己紹介がまだじゃあねぇか~?」

 

仗助の言葉に少女とネプギアは反応する。

思えば、お互いまだ自己紹介をしていない。

 

「そうね。私はユニって言うの。アンタたちは?」

「ネプギアだよ。よろしくユニちゃん」

「俺は東方仗助だ。よろしくな~?」

「ネプギアと仗助ね……。ねぇ、二人とも。せっかくだしさ、これから一緒にクエスト行かない?」

「一緒に?」

「そう。いつもアタシ一人でやってるからさ。たまには誰かと一緒もいいかなーって」

「そういう事ならいいぜ~。楽しそうだしな~!」

「うん、そうだね!一緒に行こう!」

「そんじゃ~このクエストを頼むぜ~」

 

仗助はクエストを適当に頼み、その紙を貰うと歩き出す。

そして、康一たちと合流し、今はクエストへと来ていた。

 

「へぇ、それでギルドでお友達になったんですね?」

「そういう出会いもあるんだね」

「オイ、仗助。あの子もなかなか可愛いぜ~」

「オメェはいい加減にしろよな~?」

 

億泰が耳元でコソコソと言ってきたのに、仗助はため息を吐く。

相変わらずというべきか、どういうべきか。

 

「なーんだ、そっちは二人でクエストをしてるわけじゃなかったのね。まぁ、しょうがないか。アンタ超弱そうだし。仗助はまぁまぁかしら?」

「そ、そんな事……!まぁ、確かに強くはないけど……仗助君はすごく強いよ!不思議な力も持ってるんだから!」

「へぇ?そうなの?」

「まぁな~。ここにいる康一と億泰も同じ力を持ってるぜ~」

「ふ~ん……そこの背が低い男は大丈夫かな~って思ってたけど、そういう力を持ってるのね。どういった力なの?三人が持ってるのって」

「口で言っても、理解してもらえないと思うな~」

「まぁ、ユニからすればよ~?俺たちの力は見えない力だからよ~」

「そんな力があるの?」

 

仗助はそういうと、ユニは考える。

 

「ハイハイ。そろそろクエストに行きましょう」

「まぁ、七人がかりならこんなクエスト楽勝よね。ぱぱっと終わらせましょう!」

 

そういうと皆は歩き出す。

目的のモンスターを見つけ、それを倒す。

特にスタンドを使わなくてもいけた。

理由は七人でかかれば、それほど苦労する事でもなかったからだ。

 

「よっし、終了!やっぱり楽勝だったわね」

「うん、あっという間だったよ。ユニちゃん、ホントに強いね」

「凄かったぜ~」

「まさか、銃を使うなんてね」

「思えば、仗助たちは力を使ったの?」

「七人でかかればそうでもないからよ~?力は使ってないぜ~」

「そうなの?でも、まぁ……確かに使うほどでもなかったわね。それにしてもネプギアもやるじゃない。まぁ、私には遠く及ばないけどね」

「えー、そんな事ないよー」

「また意地張り合うのかよ~?」

「アハハ、仲良くなった証拠でいいと思うよ」

「確かにそうだな~」

 

仗助たちはネプギアとユニを見ながらそう思っていた。

その時だった。

 

「きゃああああああ!」

『!?』

 

後ろからアイエフとコンパの叫び声が聞こえ、振り返ると倒れている二人が目に入った。

 

「アイエフ!コンパ!」

「お前は下っ端だな~?」

「下っ端って言うな!それよりも、雑魚は先に始末したぜ。後はガキんちょと不思議ガキども!お前等だけだ!」

「誰よ、アイツは」

「下っ端!犯罪組織マジェコンヌの下っ端だよ!」

「オイ、下っ端~?まだ懲りてねぇのかよ~?」

「って言うより、クレイジーダイヤモンドの拳のラッシュをくらったのに、もう来てたんだ……」

「あぁ!だから下っ端って呼ぶんじゃねぇ!」

「下っ端だから事実だろ~?」

「テメェ等~!」

 

億泰の言葉が更に煽ったのか、下っ端は怒りを覚える。

まぁ、下っ端だから仕方ない事だと思う。

 

「マジェコンヌの……。いいわ、ネプギア、仗助たちも下がってて。あんな奴、アタシがやっつけてあげる」

「ううん、私も戦う。また私の大切な人を傷つけて……絶対許さない」

「下っ端よ~、また痛い目に遭うぜ~?」

「また仗助に殴り飛ばされたいのか~?」

「よくも二人を。許さないぞ!」

「へっ!粋がってんじゃねぇよ!この間は油断したが、たかがガキんちょ五人、それも一人は何かしら力を持ってるだけ。ケチョンケチョンに……ん?」

「「はあああああああああ!」」

「「「!?」」」

 

ネプギアとユニがいきなり光り出し、その光が消えると女神化したネプギアと……ユニが姿を現したのだ。

それに仗助たち三人も驚愕する。

ネプギアが変身した事ではなく、ユニが変身した事にだ。

 

「な、なんだそりゃ!?聞いてねぇぞ!?」

 

というよりも、どこで聞くというのだろうか。

これにはネプギアとユニも驚いている。

お互いが女神だったとは知らなかったのだ。

 

「く、クソォ!女神候補生が二人なんて聞いてねぇぞ!とりあえず、お前等だけでも!」

「! 『エコーズ』!」

 

康一はこちらに向かってくる下っ端に反応してエコーズact2を呼び出す。

そして、尻尾を文字に変えるとそれを下っ端の足元に飛ばす。

それは『ビュオオオオ!』という擬音である。

エコーズを見たユニは目を見開いて驚いている。

 

「アレは一体……」

「やっぱり、ユニにも見えているみたいだな~!億泰!アイエフとコンパを!」

「わかってるぜ~!『ザ・ハンド』!空間を削り取る!」

「!? 億泰からも!?」

 

億泰はザ・ハンドで右手を二回振るうと、アイエフとコンパが仗助たちの元へと来る。

それと同時に下っ端は康一が飛ばした尻尾文字を踏む。

その瞬間、強風に襲われた様な感覚がし、吹き飛ばされる。

 

「な、何が起こったんだァァァ!?」

「ネプギアちゃん!ユニちゃん!今だ!」

「うん!」

「え?えぇ、わかったわ!」

 

ネプギアとユニは行動に出る。

下っ端が起き上がると同時にユニが銃弾を撃ちこむ。

それにより、下っ端は怯み、そこにネプギアがM,P,B,Lを振り下ろし、下っ端を斬る。

それにより、下っ端は後ろに下がり、仗助たちを見る。

 

「畜生!汚ねぇぞ!女神候補生が二人がかりなんて……しかも、あのリーゼント以外にも変な力を持ってる奴らがいたなんて!お、覚えてやがれェーッ!」

「待て!って、逃げ足はホントに速いね……」

「仗助~、アイツ最初たかがガキんちょって言ってたよな~?」

「気にしちゃ負けだぜ~。それよりも。クレイジーダイヤモンド!」

「!? じょ、仗助まで!?」

 

仗助はクレイジーダイヤモンドで二人に触れると、二人の傷は治り、起き上がる。

 

「それよりも、ネプギア……アンタ……」

「ユニちゃん……ユニちゃんがラステイションの女神候補生だったんだね!よかった、私ユニちゃんの事探してたの」

「……ッ!」

「ユニが女神候補生だったとはな~。スタンドが見える理由も納得が行くぜ~。ネプギア」

「うん。ユニちゃん、私と一緒に戦ってくれるよね?お姉ちゃんたちを助けて、ゲイムギョウ界を救うために」

 

ネプギアが手を伸ばそうとした瞬間、ユニはネプギアを睨む。

 

「触らないで!」

「え?」

「お、オイオイ……。ユニよ~?急にどうしたんだよ~?」

「何で……なんでアンタがここにいんの!?お姉ちゃんじゃなくて、なんでアンタが!?」

「あ……そ、それは……」

「三年前、アタシは連れて行ってもらえなかった。アタシだったら、助けられたかもしれないのに!アンタじゃなくてアタシだったら!」

「オイ!ユニ!黙って聞いてりゃ、オメェよ~!」

「お、落ち着いて!億泰君!」

 

億泰がイラッと来たのか、ユニに詰め寄ろうとするが、それを康一が止める。

ネプギアはどうしていいのかわからず、顔を伏せてしまう。

 

「ご、ごめんなさい。確かに私は何もできなかったけど……。でも、今からでもお姉ちゃんたちを……」

「うるさい!話しかけないで……もう二度と話しかけないで!」

「待って!ユニちゃん!」

 

ユニは走り去っていき、それをネプギアは止めるが、聞かずにそのまま行ってしまう。

それに仗助たちはどうしたものかと考える。

 

「仗助、ありがと。痛みはなくなったわ。それにしても、あの下っ端……不意打ちをしてくるなんて」

「ありがとうです、仗助さん。って、アレ?ユニちゃんは?」

「ユニちゃん……」

 

ネプギアは手をギュッと握りしめて拳を作り、それに仗助は反応する。

 

「いくらなんでもよ~!あそこまで言う必要はねぇじゃあねぇかよ~!ネプギアだって、自分の姉や他の女神も助けようとしてるのによ~!」

「億泰君!きっと……勢いで言っちゃったんだよ!ホントはあそこまで言うつもりなんてなかったハズだよ!」

「ネプギア……大丈夫かァ~?」

「うん、大丈夫だよ……。大丈夫だから……」

「そうか……」

 

仗助はそれに頷くと、ユニが走って行った方を見る。

今度会ったら、少しでも話をしようと考えて。

そして、仗助たちはラステイションへと戻っていくのだった。




どうも、風狼龍です。
どうしようかな~、次回は。
とりあえず、それではまた次回!


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億泰とユニ

というわけで第五話です。
感想が地道に来てて嬉しいです。
それではどうぞ!


仗助たちはラステイションに帰ってきてから、ゲイムキャラの情報を聞いて回っていた。

仗助はネプギアと行動している。

他は億泰と康一で、アイエフとコンパで分かれて、情報収集をしている。

 

「なかなか見つからねぇな~。ゲイムキャラ」

「これだけ聞いてもダメって事は街の人達は知らないって事なのかな?」

「かもしれねぇな~。どうするんだ、ネプギアよ~?」

「と言われても……う~ん」

「……仕方ねぇなぁ~。アイエフに何も情報が手に入らなかったら、教会に来る様に言われてたから、向かってみようぜ~?もしかしたら、何かあるかもしれねぇからな~」

「教会……。そうか、教祖に聞けば……。うん、行こう。仗助君!」

「あぁ」

 

仗助はネプギアの言葉に頷くと、ラステイションへの教会へと向かう。

そして、教会に向かっている時だった。

 

「アハハ!痛ぁ!」

「ん?」

「あ、あの子転んだ……」

 

子供たちがはしゃいでいると、一人の男の子が転ぶ。

起き上がると、膝をすりむいており、涙を眼に浮かべていた。

マジェコンヌの信仰がある世界でも、ああやって遊ぶ子供たちもいるのだと考える。

それに反応したネプギアが急いでその子の元へと行く。

仗助もその子の元へと行く。

ネプギアはその子の前でしゃがみこむと、傷を見る。

 

「擦り剥いちゃったんだね。大丈夫?」

「うぅ、痛いよ~……!うぅ!」

「今、傷を……」

「心配しなくていいぜ~。お兄ちゃんが魔法で治してやるから、泣くんじゃねぇぞ~?」

「仗助君……」

「ホントに?」

「あぁ、ホントだぜ~?どれどれ、見せてみな」

 

仗助は優しい笑みを浮かべながら、子供の前に座り込む。

そして、膝の傷を見ると、子供を見る。

 

「これくらいの傷で男が泣くんじゃあねぇぞ?男は誰かを護るために強くなくちゃいけねぇからよ~」

「でも、痛いんだもん……!」

「安心しな。俺が治してやっから」

 

そういうと仗助は手で子供の傷口をそっと触れると同時にクレイジーダイヤモンドの手がその子の傷にそっと触れる。

仗助が手を退けると、傷はなくなっており、それに子供は驚く。

 

「どうだ?」

「痛くない……。傷もなくなってる!お兄ちゃん、凄い!もしかして、マジェコンヌからの遣い?」

「マジェコンヌ……」

 

やはりこの子供の影響も受けているのだろうかとネプギアは考えてしまう。

だが、仗助は首を横に振る。

 

「違うぜ」

「え?それじゃ、何なの?」

「俺は『女神様の遣い』だぜ」

「! 仗助君……」

「女神……?」

「あぁ、お前達を護ってくれるとても強い神様たちだぜ~?マジェコンヌなんかより凄いんだぜ~?」

「ホント!?」

「ホントだぜ~。ゲームの正しい遊び方だって教えてくれるとても優しい女神たちなんだぜ~?だから、マジェコンヌなんて信仰しちゃあいけねぇ。マジェコンヌは怪我しても、お前を見てくれねぇからな~」

「お兄ちゃんみたいに優しい遣いさんもいっぱいなの?」

「あぁ、いっぱいいるぜ~。俺みたいな力じゃないけど、強い人たちがな~!だから、女神様を信仰するんだぜ?もしかしたら、お前が女神様を護れるほど強くなれるかもしれねぇぜ~」

「そうなったら、お兄ちゃんみたいになれるかな!」

「おう」

 

仗助がそういうと、男の子は考えを改め始める。

ネプギアは自分たちのために女神の遣いなどと言ってくれたのかもしれないと考える。

そんな仗助の優しい笑顔を見ると、胸がトクンとなる感じがした。

ネプギアはその感覚に首を傾げ、少し頬が熱いのに不思議に思う。

そして、男の子を説得できたのか、男の子は笑顔で立ち上がると、手を振りながら走っていく。

 

「ありがとう!優しいお兄ちゃんとお姉ちゃん!」

「おう、また転ぶんじゃあねぇぞ~?」

 

仗助は笑顔で見送ると、ネプギアの方を見る。

ネプギアはすぐに顔を横に振ると、仗助を見る。

 

「仗助君の能力って、優しい能力だよね」

「ん?急にどうしたんだ~?」

「ううん、そう思っただけだよ。だって、治す事ができるから」

「……まぁ、死んだ人を治す事は出来ねぇけどな~」

「それは当たり前だよね……。そんな奇跡、仗助君たちの能力でも起こせないんだよね……」

「あぁ。まぁ、とりあえず、教会に向かおうじゃあねぇか」

「そうだね」

 

仗助とネプギアは急いでラステイションへの教会へと目指す。

 

 

 

 

仗助たちが教会につくと同時にアイエフとコンパが出てくるのが見える。

どうやら、先に来ていた様だ。

だが、アイエフの顔は何処か不満そうである。

 

「アイエフさん、コンパさん!」

「あ、仗助さんとギアちゃんです」

「仗助、ネプギア……」

「どうだったんだよ~?教祖様には会えたのか~?」

「まぁね……。知っているみたいだけど、代わりに頼まれごとをしたわ。所謂、等価交換ね。まぁ、向こうは女神の情報も要求してきたけど」

「頼まれた事……ですか?それは一体」

「宝玉と血晶よ……」

「それのどこが悪いんだよ~?」

「それは両方とも、超レア素材なのよ。まず、市場とかにも出回らないし、どこで手に入るのかもわからないのよ」

「なっ!?マジかよ~?」

「だから、困ってるのよ……。どうにかして、情報を得ないとね」

「ゆ、ゆっくりしている暇もないのに!」

「仕方ないわよ。とりあえず、街に出て情報収集よ。億泰と康一には……そうね。このままゲイムキャラの情報収集を任せましょう。もしかしたら、何かわかるかもしれないし」

「そうだな~。じゃあ、俺たちはその二つを探しに行こうぜ~?」

「あ、とりあえず二人にはNギアで連絡を入れておくね?」

 

そういうとネプギアは二人にメールを送り、四人は情報収集へと向かうのだった。

 

 

$

 

 

一方億泰と康一。

康一はメールが来た事に気付き、Nギアを取り出して確認する。

 

「なるほど……」

「なんて書いてあんだ~?康一~」

「アイエフさんとコンパさんがここの教祖に会ったみたいなんだけど、ゲイムキャラの情報をくれるには宝玉と血晶って言うレア素材が必要みたいでね。それを探すから、僕たちは変わらずにゲイムキャラの情報を集めてほしい……だそうだよ」

「なるほどな~」

 

億泰は頷くと、また歩き出す。

康一はそれについていく様に走り出し、隣を歩く。

それと同時に誰かとぶつかる。

 

「おっと、すまねぇな~……あ」

「私もゴメンなさい。少し考え事を……あ」

「あ……」

 

億泰がぶつかった人物に謝りながら見ると、それはユニであり、ユニも謝りながら億泰を見て反応する。

康一はそんな二人を見て、思わずつられて言ってしまう。

 

「「ああああああああああああ!?」」

「うわっ!?ビックリするなぁ!」

 

二人がお互いを指さしながら叫んだ事に康一は驚く。

すると、億泰はちょうどいいという顔をする。

 

「ちょうどいい時に会ったな~、ユニ!俺は少しテメェと話が」

「あのさ!」

「ん?」

「ね、ネプギア……今、どうしてる?」

「お前なァ~って……ん?」

「ネプギアちゃんなら、今はちょっとした事で忙しいけど……ユニちゃんの事を気にしてたよ」

「ホントに?嫌ってたりとかしてなかった?」

「ううん、だけど……少し傷ついてるかもしれないね」

「……」

「そうだぜ~!お前があそこまで言うから!」

「そう……よね。私も言いすぎたと思ってる。酷い事を言っちゃったって……!」

「「!」」

 

二人はユニがスカートの裾をギュッと握った事に反応する。

それに二人は黙り込むと、見合って頷く。

 

「と、とりあえずよ~?何処か落ち着ける場所で話しねぇか~?」

「そ、そうだね。あ、あそこの喫茶店でどうかな?僕たちが奢るからさ」

「奢らなくていいわ……。私もちょうど話がしたかったし……」

「それじゃ」

 

億泰たちは喫茶店へ入り、席に着く。

三人の前にはジュースがあり、それを飲む。

 

「さてと、話ってのは……やっぱりネプギアの事か~?」

「う、うん……。その、あそこまで言う気はなかったのよ……。ホントはわかってるの。ネプギアだって、辛い思いをしたって言う事くらい。それなのに、私はその時の怒りに任せて」

「あそこまで言っちゃったと」

「うん……」

 

ユニは頷くと、顔を伏せて、暗い空気を漂わせる。

落ち込んでいるのがよくわかる。

 

「ホントはわかってる。アタシが連れて行ってもらえなかったのは、アタシが未熟だったからだって。あの時のアタシがついていっても、足を引っ張るだけだって……。足手まといだって、わかってた」

「!」

 

ユニの言葉に億泰はピクッと反応し、兄の事を思い出す。

 

『億泰……オメェはよぉ。いつだって、俺の足手まといだったぜ……』

 

あの時のセリフが。

だが、吉良吉影戦の時にかけてくれた言葉がある。

そんな兄が大好きだった自分。

ユニも姉の事が好きで、あの時の自分じゃ何もできなくて悔しくて……あそこまで言ってしまったのだと。

億泰の怒りは冷めてしまい、逆にどこか境遇が似ていると感じてしまう。

 

「でも、だからアタシは頑張って、強くなって……」

「そうなんだ。努力したんだね……」

「だけど、アタシ……ネプギアにあんな事を言っちゃって」

「……仲直りすればいいじゃあねぇか」

「え?」

「億泰君……」

 

億泰の言葉にユニは驚く。

そう、仲直りすればいい。

単純だが、それだけの話だ。

 

「で、でも……ネプギアに次会ったら、何て話しかけたらいいか。私が二度と話しかけないでって言ったのに」

「けどよォ~?ネプギアは姉ちゃんを助けるために一生懸命なんだぜ~?お前もそうじゃあねぇのか~?」

「そうよ!」

「なら、尚更だなぁ~!ネプギアと仲直りして、一緒に戦うってのを考えなくちゃあいけねぇな~!」

「だけど、それができないから」

「億泰君の言う通りだよ。ただ、謝るだけでいい。ネプギアちゃんなら許してくれるよ。『ゴメンなさい』って。それだけ言えば、きっと許してくれる」

「俺たちもよ~?お前達の姉ちゃんは絶対助けてやりてぇと思ってるんだぜ~?」

「……どうして?」

「ん?」

「どうして、貴方達は私達のお姉ちゃんを助けたいと思うの?女神とはいえ、赤の他人よ?ネプギアからお願いされたから?」

「僕は見逃せないから……かな。仗助君も同じ理由だと思う」

「俺はよォ~?俺みたいに兄弟を失う苦しみを知ってほしくねぇんだよな~」

「え……?」

 

億泰の言葉にユニは固まる。

今の発言からして、億泰には兄弟がいたのだと判断する。

 

「俺たちのこの力はよ~?スタンドって言ってよ……普通なら同じスタンド使いにしか見えないんだがよ~?」

「え?なら、なんで私は見えて」

「仗助君や僕らの予想なんだけど、女神の力が関係しているんじゃないかと思っているんだ。僕たちが異世界から来たのも理由の一つかな」

「い、異世界?貴方達、別の世界から来たって言うの!?」

「まぁな~。『地球』って言う世界からな~。それはまた今度話すとしてよ~。俺の兄貴もスタンド使いだったんだよな~」

 

ユニはそれを聞いて考える。

家族関連でスタンド能力は発現するのだろうと。

だから、億泰の兄が持っていても不思議ではないと。

 

「それでよ~?兄貴はとある事をして、人を殺しすぎちまって……後戻りができないほどになってよ」

「……人を殺して」

「その……なんだっけ?」

「因果応報って言うべきかな」

「そうそう、それだ。それでよ~、別のスタンド使いに……殺されちまったんだよな~。俺を庇って」

「その……」

 

それを聞いて、ユニは戸惑ってしまう。

億泰からそんな重い話が出てくるとは思っていなかったのだ。

 

「お兄さんは……どういう風に殺されちゃったの?」

「相手は電気のスタンド使いでね?億泰君のお兄さんの体を貫いた後、電気になって、コードに潜り込んだ。そして……億泰君のお兄さんの死体は感電死した状態で電柱のコードにぶら下がってたんだ」

「!? 酷い……」

 

ユニはそれを想像しただけで吐き気が込み上げてきた。

酷い殺され方であると。

 

「その時に俺は言われたんだぜ~。兄貴に『いつだって、お前は俺の足手まといだったぜ』ってな~」

「……それは」

 

足手まといでいらないって事?と思うが、庇ったと言っていた。

ホントは家族思いの良い兄だったのかもしれないと。

 

「私と同じだ……」

「いや、同じじゃあねぇな~!オメェはまだ証明できるじゃあねぇかよ~!」

「どういう意味……?」

「お前達の姉貴はまだ生きているんだろ~?なら、連れ戻して見せつけてやればいいんだぜ~!三年の内でここまで強くなったんだってな~!」

「そうだね。億泰君はきっと、自分の様に兄弟や姉妹をなくす悲しみを覚えてほしくないから、手伝ってるんだ」

「……」

「確かに僕たちはネプギアちゃんやアイエフさんやコンパさんと友達なだけで、お姉さんの事は知らない。だけど、目の前で犯罪組織がやっている事を見逃すほど落ちぶれてもいないんだ。許せないんだよ。その行動やネプギアちゃんたちの姉を捕えている事が」

「アタシは……」

「仲直りの手伝いもしてやるぜ~?なぁ、康一ィ!」

「うん、僕たちでよければ手伝うよ」

「億泰……康一……」

 

億泰と康一が手を差し伸べると、ユニは少し戸惑いながらも二人の手を取る。

それに二人は笑みを浮かべる。

 

「交渉成立……だね」

「そうね。けど、どうやってネプギアと話をすれば」

「あ!話をしにくいならよ~?自然と作れる話題を作ればいいんじゃあねぇか~?」

「? どうやって?」

 

億泰の言葉にユニは首を傾げる。

康一は億泰の言葉を聞いて、なるほどという顔をする。

 

「そうか!これを手伝えばいいんだ!それをネプギアちゃんに渡すついでに、そのまま話へとつなげられる!」

「これって?」

「ネプギアちゃんたちはとある素材を探していて、宝玉と血晶って言うのを探してるんだ」

「なっ!?それ超レアアイテムじゃない!?」

「うん……。だからさ、この内の一つでも見つけて、渡せば話へとつながるんじゃないかな?そのまま謝れば」

「仲直りってわけだな~!よ~し!そうと決まれば、さっさと取りに行くぜ~!」

「ちょっ!?」

 

億泰はユニの手を掴むと歩き出し、喫茶店を出ていく。

それにユニは驚きながらも、微笑む。

それに康一はすぐに反応して立ち上がり、会計を済ませてから喫茶店を飛び出す。

 

「ま、待ってよ~!二人とも~!」

「宝玉か、血晶を見つけようぜ~!」

「そ、それはいいけど!どこにあるのかわかってるの!?」

「あ……」

「「……ハァ」」

 

ユニの言葉に億泰は思い出したかの様に止まり、それに康一とユニはため息を吐くしかなかったのだった。




どうも、風狼龍です。
クソ……億泰とユニの話が難しかったぞ!ジョジョォ!(八つ当たり
というわけで、別行動開始です。
二つ分も書くなんて面倒だな(オイ
それではまた次回!


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探し物をしよう

感想が欲しいな……(チラッ
それではどうぞ。


仗助たち、四人組は今、ダンジョンへと来ていた。

聞いても、知っている人達はおらず、結局出した結論は手当り次第にモンスターと戦ってみるであった。

モンスターが持っているのは確かなので、手当り次第にバトルすれば手に入るのでは、という事である。

モンスターを何体か倒したが、見つかる気配がない。

 

「全然見つからないですね」

「まぁ、そんな簡単に見つかるものなら、わざわざ頼んだりしないでしょうしね」

「やっぱり手当り次第じゃ無理なんでしょうか……」

「無理はあったと思うな~。やっぱりよ~、誰か知ってる人を探すしかねぇんじゃあねぇか~?」

「それはそうかもしれないわね……」

 

仗助の言葉にアイエフは頷くと、一同落ち込んでしまう。

そんな仗助たちに声をかける人物が。

 

「どうしたんだい?困った顔をしてるみたいだけど」

「はい?えっと……どちら様ですか?」

 

声をかけてきた人物は髪が赤く、それをショートカットにしている女性だ。

それにネプギアは首を傾げながら聞く。

 

「あぁ、失礼。私はファルコム。見ての通り、しがない冒険家さ」

「冒険家っすか~」

「ついでに言うと困っている人を見ると、つい首を突っ込みたくなる、お節介でもあるんだよ」

「冒険家ならよ~?何か知ってるんじゃあねぇのか~?」

「ありえるです。冒険家さんですし」

「そうね。宛てもないからダメ元で聞いてみましょうか」

「私達、宝玉と血晶という素材を探してるんです。でも、全然見つからなくて……」

 

ネプギアがファルコムに聞いてみると、ファルコムは思い出すかの様に考え始める。

 

「宝玉と血晶か……。血晶は聞き覚えはないけど、宝玉はこの辺りを探しても無駄じゃないかな。アレはプラネテューヌの、確か……バーチヤフォレストに凄むモンスターが落とすハズだよ」

「本当に知ってた!?」

「ラッキーだぜ~!コイツぁよ~!」

 

アイエフは本当に知っていた事に驚き、仗助は笑顔を浮かべながら指を鳴らす。

ダメ元で聞いてみたが、一つだけでも情報が手に入ったのだ。

嬉しいのは当たり前である。

 

「できれば案内してあげたいんだけど、あいにく旅の目的地が逆方向でさ。申し訳ないんだけど……」

「いえ、情報をいただけただけで十分です!」

「……よかった。元気になってくれたみたいで。それじゃ、あたしはここで失礼するよ。またどこかで会えるといいね」

「ありがとうございました~」

「ありがとうっすよ~!ファルコムさん!」

「まさか、プラネテューヌだったとはね。完全に盲点だったわ」

「急いで行ってみましょう!大分時間を使っちゃいましたし」

「そうだな~、さっさと行こうぜ~!」

 

仗助たちは急いでプラネテューヌへと戻る

そして、プラネテューヌに戻ってきて、すぐにバーチヤフォレストへと向かい、探し続けて最深部まで来る。

 

「どこにいるかな~。目的のモンスターはよォ~!」

「あ、あのモンスターじゃないですか?」

「おぉ、そうかもしれねぇなぁ~!」

「ようやく見つけたわね。三人とも、絶対に逃がすんじゃないわよ!」

「おう!」

「ハイ!」

 

四人がすぐにモンスターへと向かうと、そのモンスター……エンシェントドラゴンも仗助たちに気付き、雄叫びを上げる。

 

『グオオオオオオオオオオ!』

「行くぜェ!クレイジーダイヤモンド!」

 

仗助はクレイジーダイヤモンドを出し、エンシェントドラゴンが仗助たち目掛けて拳を振り下ろしてくる。

それに対抗するかの様にクレイジーダイヤモンドの拳を叩き込む。

すると、エンシェントドラゴンの拳が少しだけヒビが入るが、それだけである。

パワーは互角と言っていいだろう。

 

「覚悟してください!ミラージュダンス!」

 

そこにネプギアが現れて、音速でビームソードを振るい、エンシェントドラゴンにダメージを与える。

それにより、エンシェントドラゴンは怯んで後ろへと下がる。

そこにアイエフが現れる。

 

「ソウルズコンビネーション!」

 

アイエフは素早い身のこなしでエンシェントドラゴンまで一気に近づくと、カタールと蹴りの技を連続で繰り出し、エンシェントドラゴンにダメージを与える。

コンパはエンシェントドラゴンに近づくと、怯んでいるところに注射器を体に突き刺す。

それにより、エンシェントドラゴンは後ろへと下がる。

 

「これで終わりだぜ~!クレイジーダイヤモンド!」

『ドラララララララララララララララララ!ドララ!ドララァ!』

「グオオオオオオオオオオオオ!?」

 

トドメと言わんばかりにクレイジーダイヤモンドの拳のラッシュをエンシェントドラゴンに叩き込む。

それによりエンシェントドラゴンは倒れ込み、粒子となって消えると、宝玉を落とす。

 

「落とした!これだわ!」

「これが宝玉ですか!やっと一つ目です!」

「後は血晶だけだな~!」

「そうだね!早く見つけて、教祖さんに届けないと!」

 

四人が戻ろうとしたその時だった。

 

「そいつぁ無理だな。なぜなら、テメェ等はここでくたばる事になるんだからよ!」

「あ……また来たぜ、下っ端がよ~!本当に懲りねぇな~!」

「ホントにしつこいわよ、下っ端」

「何回負けても出てくるなんて……。下っ端さんは大変ですね」

「やっぱりどの業界でも、下っ端は労働条件が厳しいんでしょうか……?」

「だー!黙れ!同情すんじゃねぇ!」

 

仗助たちの哀れそうに見る目に思わず叫んでしまう。

だが、下っ端はすぐに笑みを浮かべる。

 

「……へっ、へへ。まぁ、いいさ。そのふざけた口も今日で最後だからな!出なっ!秘密兵器!」

 

そういうと機械型のモンスターが三体姿を現す。

 

「さすがに一人じゃ、勝てないってわかったみたいね。こんなに連れてくるなんて」

「時間が勿体ないです。女神化して、一気に倒します!」

「バーカ!そう同じ手を何度もくらうかよ!」

 

その瞬間、ネプギアに異変が起きる。

 

「え?アレ……」

「ど、どうしたんだ~?ネプギア?」

「め、女神化が……できない!?」

「なっ!?」

 

ネプギアの言葉に三人は驚く。

女神化できなくなった事に驚いているのだ。

 

「言ったろォ。秘密兵器だって。コイツぁ、女神の変身を封じるモンスターなんだよ!さぁ、ガキんちょの姿で精々足掻いてみな!」

「……俺の力はどうしようもしないんだな~!クレイジーダイヤモンド!」

 

仗助はクレイジーダイヤモンドを出しながら、下っ端を睨みつける。

それに下っ端はビクッと反応する。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

 

そんな凄味を仗助から感じるのだ。

 

「ここは前線は仗助と私達でやるしかないわね」

「仗助さんがいれば、十分だと思うです……」

 

そういって、アイエフとコンパも前に出ようとした時だった。

 

「待てーーーい!」

 

そんな声が聞こえ、皆はその声がする方向を見る。

 

「あぁ?誰だ?」

「悪の栄えた試しなし。この世の悪を滅すため、犯罪組織マジェコンヌ、蹴って蹴って蹴り飛ばす!」

 

現れたのは蒼い髪の少女である。

それに仗助はポカーンとしている。

 

「女神様の窮地に、颯爽とヒーロー登場!ゲイムギョウ界の正義の味方、日本一が来たからには、もう安心よ!」

『……』

 

日本一と名乗った少女の言葉を聞いて、皆は黙り込んでしまう。

 

「なんだ?あの頭の湧いたガキは……」

「女神様、助太刀します!」

「え?あ、あの……あなたは……」

「話は後!アイツを倒してからです!」

 

日本一の言葉に仗助たちはギクシャクと頷きながらも、身構える。

機械型モンスターを睨みつけると、仗助が先制に出る。

 

「やれ!まずは女神並に厄介な変な力を持っている奴から倒すんだ!」

『ウィィィィン……』

「遅いぜ~!クレイジーダイヤモンド!」

『ドララァ!』

 

機械型モンスターが仗助に襲い掛かろうとするが、その前に射程距離内に入り、クレイジーダイヤモンドの拳が二発叩き込まれる。

その瞬間、機械のモンスターに拳の跡ができ、そのまま爆発して倒れる。

それに下っ端は驚いている。

あくまで女神に対する兵器であり、スタンドに対する兵器ではないため、意味を為さない。

 

「おぉ、いきなり拳の跡ができた!もしかして、高速の拳!?」

「いや、これは俺の力でよ~。まぁ、説明は後だぜェ!」

「よぉし!」

 

日本一も張りきったかの様に走り出し、機械のモンスターの攻撃をかわし、一気に蹴りを叩き込んで、プリニーガンから出たビームサーベルで斬る。

それにより、その機械のモンスターは爆発する。

最後の一体の機械モンスターが襲い掛かろうとしてくる。

そこにアイエフが素早く現れて、蹴りを叩き込んで怯ませ、コンパが注射器で刺す。

それにより、粒子となって消え去る。

 

「あのガキ、ただのバカじゃなかったのか。それにやっぱりアイツの能力をどうにかしねぇとこっちが不利だ……。クソ、覚えてやがれェ!」

 

下っ端は叫びながら走り去っていく。

 

「清々しいほどの逃げっぷりね……」

「ホントだな~」

 

アイエフの言葉に同意するかの様に仗助は頷く。

 

「あの、ありがとうございました。助かりました」

「いえ、女神様をお助けするのは、正義のヒーローとして、当然の事です!」

「それで……結局、どちら様なんですか?何処かでお会いしましたっけ?」

「ううん、初めてだよ」

「で、誰なんだよ?」

「アタシは日本一。ゲイムギョウ界の正義のヒーローよ!」

「そういえば聞いた事があるわ。女神たちが消えた後、一人でマジェコンヌと戦ってる変な奴がいるって話。もしかして、アンタの事?」

「へ、変な奴……」

「そんな噂になってるんだー。アタシも有名になったものね!」

「変な奴って言われてんのにか~!?」

「そこは見事にスルーってわけね」

 

仗助は思わずツッコミ、アイエフはため息を吐く。

 

「でもね、実は最近、ちょっとへこんでたんだ。ずーっと戦い続けてきたけど、ちっとも悪は滅びないし。でも、そうやって悩んでた時にたまたま偶然!大ピンチの女神様をお見かけしたんです!」

「え?わ、私?」

 

日本一の言葉にネプギアは驚く。

正直、仗助がいただけで、勝てる可能性があったので別に問題はなかったというのは言ってはいけない。

 

「これぞ天思し召し!正義の出会い!女神様達も悪を滅ぼすために旅をしてるんですよね?ね?」

「は、はい。そうですけど……」

「何つうか、熱い奴だな~」

「やっぱり!お願いです!アタシも一緒に連れて行ってください!」

「ついてくるのか~?」

「え~?ダメなの~?でも、か弱い女神様を狙う悪の手!それを颯爽と振り払う正義のヒーロー!くーっ!痺れるぅ~!」

「な、何か変な奴だな~!?」

(アンタもキレたら、人の事言えないでしょ……)

 

仗助の反応に、アイエフは心の中でツッコミを入れる。

確かに仗助は一度キレると周りが見えなくなり、相手を完全にぶちのめす。

その変貌っぷりは初めて見る人は誰もが驚くだろう。

 

「は、はぁ……えと、どうしましょうか?」

「いいんじゃない?腕は立つみたいだし」

「俺もいいと思うぜ~」

「友達が増えるのも大歓迎です!」

「まぁ、ネプギアの守護者は仗助だろうけどね」

「? なんでそうなるんだ~?」

「そうだね……」

「よく一緒じゃない。アンタたち」

「まぁ、友達だからな~!」

「うん、話してて面白いし」

「そう」

 

アイエフはそれに笑みを浮かべる。

 

「それじゃ、よろしくね!女神様!」

「あの、女神様って言うのはやめてもらえませんか?私、まだ候補生だし。ですから、普通にネプギアって呼んでください」

「ハイ、わかりまし……じゃなくて。うん、わかった!これからよろしくね、ネプギア!」

 

日本一はネプギアにそういうと、仗助たちも自己紹介をする。

そして、ラステイションへと戻る道中。

 

「思えばさ、仗助のあの攻撃は何だったの!攻撃が見えなかったけど!もしかして、物凄く強い!?」

「違うんだよ~。アレは俺の力のスタンドって言うもんでよ~?これは同じ力を持つ奴か、女神にしか見えねぇ力なんだよな~!」

「え?そうなの?そんな力があるんだ……」

「後、仲間が二人いるんですけど、その二人も仗助君と同じ力を持ってるんですよ」

「そうなの!会うのが楽しみだな~!」

 

日本一は会うのを楽しみにしており、仗助はそれに微笑む。

とりあえず、ネプギアが仲間が増えた事を二人には報せてくれている。

 

「でね……」

「へぇ~。俺はな~……」

「ホント、仲良いわよね。あの二人」

「何もないんですか?」

「ないから、ああなんでしょう」

 

そういって、アイエフたちも仗助とネプギアの後についていくのだった。




というわけで宝玉ゲットです。
次回は億泰たちの方かな~。
それではまた次回!


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血晶を探そう

うおおおおおお!
感想が欲しいです!(オイ
それではどうぞ!


仗助たちが宝玉を手に入れて、ラステイションへと戻っている時。

億泰と康一はユニと行動を共にしていた。

 

「う~ん、ここまで聞いても情報が手に入らないなんて」

「それほど知られてないのね……」

「困ったな~」

「うん、そうだね。それにメールでは、もう宝玉を見つけたみたいだし、後は血晶だけだよ」

「ネプギアよりも先に見つける必要があるのよね……」

「まぁ、先を越された場合は他の方法で行くしかないだろうな~!」

「そうね」

 

億泰たちはどうするかと考えている。

どうにかして、血晶の情報を手に入れて、ネプギアたちよりも先に手に入れる必要がある。

だが、どうしようもない。

 

「このままだと、仗助君たちが先に見つけちゃうかもしれないね」

「それは……困るわ」

「その時は僕たちがどうにかするからさ。でも、どうにかして先に情報を手に入れないと」

「誰か知ってそうな奴はいねぇのかよ~?」

「誰かって言われても……」

「手当り次第モンスターを倒しても意味ないしね~」

 

どうしたものかと考えていると、ユニが何かを思いつく。

 

「そうだわ。ケイに聞いてみましょう!」

「ケイ?誰だ、そりゃ?」

「ラステイションの教祖よ。ケイなら何か知ってるかも」

「それなら行ってみる価値はあるね」

「それじゃあよ~?さっさと向かおうぜ~!」

 

億泰たちは急いでラステイションの教会へと向かう。

ラステイションの教会につくと、三人は中へと入る。

そこには中世的な顔立ちをした人物が立っていた。

男とも、女とも見える人だ。

 

「アレは……女か~?男か~?」

「ケイは女よ」

「え?男かと思ってた……」

「そろそろ来る頃かと思ってたよ」

 

まるでお見通しだと言わんばかりのケイの言葉に億泰と康一は驚く。

ユニは特に気にしておらず、ケイに詰め寄る。

 

「ケイ、血晶がある場所を知ってるかしら?」

「まぁ、知ってると言えば知っているね」

「なっ!?お前、知っておきながら仗助たちに頼んだのか~!?」

「そうだよ。虹村億泰君に広瀬康一君」

「!? ぼ、僕たちの名前を知っている!?自己紹介をした覚えはないぞ!」

「情報収集はビジネスの基本だからね。調べさせてもらったよ」

「じゃあ、僕たちが異世界から来たという事も……?」

「そこはさすがにわからなかった」

(という事はスタンドの事も知らない……?)

「ただ、不可思議な力を持っているという事くらいは知っているかな。それも、女神に対抗できるほどの」

「あ、侮れない……」

 

ケイの情報収集力に驚く康一。

ここまで知られるとは侮れない相手である。

ボロが出ない様に気を付けなければならないが、ユニが代わりに話してくれるから大丈夫だろう。

 

「場所を教えてくれないかしら?」

「構わないが……。なぜだい?それは仗助君たちに任せればいいじゃないか」

「なんでもいいから!」

「さっさとよこしやがれってんだよ~!」

「やれやれ、無理矢理というのは感心がいかないが……そうだね。僕も悠長には待ってられないからね」

「ホントか!」

「あぁ」

「どこにあるの!」

「それはセブテントリゾートにいるモンスターが落とすよ」

「リピートリゾートね……」

「よし。それがわかればよ~、急いで向かおうぜ~!」

 

億泰の言葉に二人は頷くと、急いで教会を飛び出す。

それを見送って、ケイは呟く。

 

「さてと、そろそろ向こうにも情報が行く頃かな」

 

ケイはそれだけを呟く。

 

 

 

 

『ドラァ!』

 

仗助たちは今、リゾートリピーチに来ていた。

実は血晶の場所を知っているという人物に会ったのだが、交換条件でモンスターを倒してほしいと言われたのだ。

クレイジーダイヤモンドの攻撃がトドメになったのか、モンスターは粒子となって消える。

 

「よーっし!お仕事終了!」

「思ったより早く済みましたね。早く街に戻って報告しましょう」

「そうだな~。それでさっさと教えてもらわねぇとな~」

「そうね。時間が惜しいわ」

「そうですね……。あ、ちょっと待ってください!」

 

コンパは何かに気付いたのか、とある方向へと走っていく。

 

「何か見つけたのか~?」

「そうなのかな?それにしても、本当に強いね!仗助の『クレイジーダイヤモンド』!」

「そうか~?俺なんかより承太郎さんの方がよっぽどスゲェぜ~?」

「承太郎?」

「あぁ、奇妙な話だが、年上なのに、俺の甥にあたる人でよ~?」

「本当に奇妙ね。まさか、仗助は隠し子とか?それはないわね。そうなるとあなたの父親、かなりの年齢に」

「もう八十くらいのジジィだぜ~?自分が六十代の時に浮気して、生まれたのが俺だからな~」

「……」

「あ、アハハ……」

 

仗助の言葉にアイエフは黙り込んでしまい、ネプギアは苦笑いを浮かべる。

日本一も苦笑いを浮かべている。

 

「色々と複雑な家系なのね……」

「まぁ、そこは気にしなくていいぜ~!それでよ~、その承太郎さんのスタンド『スタープラチナ』は俺のクレイジーダイヤモンドなんかより強いんだぜ~?」

「そんなに強いの?仗助君のでもかなり強いのに……」

「あぁ。なんせ、最強のスタンドだからな~!」

「さ、最強!?」

「そうだぜ~?しかも、能力は『時を止める』能力なんだぜ~!」

「時を止めるの!?うわぁ、凄い!」

「それは最強と言われてもわかるわね……むしろ、無敵じゃない」

「まぁ、スタンドがそうなだけで、本体は人間だからよ~?」

「そうね。本体を狙われれば終わりね」

 

そんな最強のスタンド使い、空条承太郎の話で盛り上がっていると、コンパが戻ってくる。

 

「お待たせです」

「何を見つけてたの……って、でっかいネズミじゃない!?あんなのほっとけばよかったのに」

「ダメです。怪我をしているのを見逃すわけにはいきませんから。もうすみましたし、行きましょう」

「そうだな~」

 

仗助たちは歩き出して、ラステイションへと戻っていく。

そして、情報を持っている人物の元へと来る。

 

「おじさーん!仕事終わったよォ!」

「お、おじさん!?私はまだ二十代で……」

「わかったからよ~?情報をくれねぇか~?」

「本当にわかってるのか?まぁ、いい。私が血晶を見たのはセブテントリゾートという場所だよ。恐らく、そこに凄むテコンキャットが落とした物だと思う」

「セブテントリゾートですね。ありがとうございます!」

「それじゃあ、さっさと向かって、手に入れて!ゲイムキャラの情報を聞き出そうぜ~!」

「そうね、急ぎましょう」

 

仗助たちは急いでセブテントリゾートへと向かう。

そして、セブテントリゾートにつくと、テコンキャットを探し始める。

しばらく歩き回っていると、目的のテコンキャットを見つける。

 

「おっ!アレじゃあねぇか~?」

「そうね。アレが聞いてたモンスターね」

「アレを倒せばゲイムキャラの情報が手に入る……よし!」

 

仗助たちがテコンキャットの方へと走っていくと、逆の方向から誰かが来る。

 

「やっと見つけたわ!」

「とっとと血晶を落とすんだぜ~!」

「って……あ、仗助君」

「ん?康一と億泰じゃあねぇか~!?しかも……」

「あ……ユニちゃん!」

「え?うわああ!?ネプギア!?」

「ユニちゃんも血晶を探しに!」

「そ、そうだけど、なんでアンタが……」

(これ、実は考えられていた事だったりしてな~。それだったら凄いぜ)

 

仗助は内心、そう思いながらも、二人を見ていた。

億泰と康一は仗助に近づくと、それに仗助は反応する。

 

「よぉ、お前等よ~?まさか、ユニと一緒だったとはな~!」

「まぁ、あの後出会ってね。謝るための話づくりとして、血晶を探してたんだけど、まさかばったり遭遇するなんて」

「っていうよりもよ~?ネプギアはもう話をしているけどな~!」

「別に血晶いらなかったか~?」

 

仗助が見ながらそういうと、億泰が首を傾げながら答える。

だが、ユニが謝ろうとしているのにネプギアがどんどん話を進めていくものだから。

 

「だーっ!もういい!あああ、アンタには血晶は渡さないわ!」

「え……?なんでそんないじわる言うの?まだ私の事、怒ってる?」

「変な方向に進んじゃってる~!?」

「アレ、どうにかできねぇのか~?仗助よ~!」

「何でも俺に振るんじゃあねぇぜ~!」

「うるさいうるさい!渡さないったら渡さないの!そう決めたの!」

「そ、そんなの酷いよ……。だったら私も、ユニちゃんにはあげないもん!」

「お、オイ?お前等~!?落ち着けよな~!変な意地張らずによ~!?なぁ、ネプギア~?」

「ゆ、ユニも落ち着けよな~!は、話せばいいんだからよ~!」

「仗助君は静かにしてて!」

「億泰、ちょっとうるさい!」

「「……」」

「仗助君、億泰君……」

 

二人が止めに入るが、二人に睨まれて、黙り込んでしまう。

それを見て、ため息を吐いてしまう康一。

 

「な、なぁ?ここは協力して倒そうぜ~!なぁ、億泰!」

「そ、そうだぜ~!血晶なんてよ~、最終的には同じ目的なんだから、どっちが手に入れても変わらねぇだろ~?」

「二人の言う通りだよ!」

「「ムムム……!」」

「お前等~!?言う事聞けよな~!?」

「というよりも、モンスターが目の前にいるのに……」

「お茶でもどうぞです」

「ぐあ!」

「な、和んでる~!?」

 

康一がチラッと見てみるが、コンパが水筒のお茶をモンスターに出しており、モンスターもそれを飲んでいた。

和んでいるのに驚く。

こんな敵と遭遇した事など、まずないであろう。

 

「この二人をどうにかしてくれ~」

「僕らじゃ、どうしようもできない……」

「ここは一発ギャグでもかましたらどうだ~?」

「何でそうなるんだよ~!」

 

億泰の提案に仗助はツッコミを入れる。

二人はまだ言い合っている。

どうしたものか。

だが、ケンカするほど仲がいいというものである。

 

「ユニちゃんには絶対に渡さないよ!」

「それはこっちのセリフよ!」

「だから~、いい加減にしてよ!二人とも~!」

「ぐぅ……グオオオオオオオオオオ!」

「「「!?」」」

 

モンスターらしき雄叫びに仗助と億泰、康一は反応して振り返ると、さっきまで和んでいたモンスターがいきなり変貌したかの様に敵意を剥き出しにしていたのだ。

それに仗助たちは驚き、すぐに身構える。

 

「ネプギア~!ケンカは中止だぜ~!今はあのモンスターだ!」

「え?うわあ!?物凄い暴れてる!?い、急ごう!仗助君!」

「あぁ!行くぜ~、億泰!康一!」

「うん、急ごう!」

「あぁ」

「あ、ちょっと!?待ちなさいよ!」

 

五人も駆けつけるとモンスターは仗助たち目掛けてとびかかってくる。

仗助はクレイジーダイヤモンドを出すと、拳を叩き込み、上空へと殴り飛ばす。

そこにユニが銃を構え、標準を合わせると銃弾を撃ち出す。

それがモンスターに直撃し、落ちてきたところにネプギアがビームソードを振り下ろし、斬りつける。

それによりモンスターは倒れて、粒子となって消える。

それと同時に血晶を落とす。

それと同時に仗助はチラッとだが、誰かが走っていくのが見えたが、恐らく下っ端だろうと考える。

 

「血晶が手に入ったな~!」

「これでゲイムキャラの情報が聞けるな~!」

「二人とも、頭冷えたかな?」

 

仗助と億泰がみあいながらそういうと、康一は二人に聞く。

それに二人は頷く。

 

「ハイ……すみませんでした。仗助君もゴメンね?億泰君に康一君も」

「気にする事はねぇぜ~?」

「うん」

「……」

 

ユニは黙り込んだままであり、仗助たちがケイの元へと向かおうとした時だった。

いきなりユニが女神化をする。

それに仗助たちは反応する。

 

「ユニちゃん?」

「アタシと戦って、ネプギア。アタシが勝ったら、血晶を置いていってもらうわ」

「まだそんな事を……」

「アンタと、一対一で戦いたいの。ネプギア」

「……わかった、いいよ」

「ギアちゃんまで、何言ってるですか?」

「いいんじゃあねぇか~?二人なりの考えがあるかもしれねぇしよ~!戦いが終わったら、俺が問題なく倒してやるぜ~!」

「多分、僕たちが何を言っても無駄だと思うよ」

「ありがとう。本気で来なさいよ?手加減なんてしたら、本気で怒るからね!」

「言われなくても、本気だよ。私はもう……絶対負けられないんだから!」

 

ネプギアは女神化すると、ユニと対決を始める。

それを仗助たちは見守っている。

その時だった。

 

「!」

 

仗助がビクッと何かに反応したのだ。

その仗助の反応に、誰も気付いていない。

仗助は辺りを見渡しながら、冷や汗を流す。

 

(な、何だ~?今の感覚は。だ、誰かに見られた様な……。正しくは俺の体の中の何かが反応したような感じだったな~。まるで……血が俺に何かを忠告しているような感じだな~)

 

仗助は冷や汗を流しながらもそう考える。

仗助が感じとったもの……それは自分の血筋に刻まれた何かが反応したかの様に思えた。

奇妙な話だが、自分の血筋が何かを知らせている様な感覚だったのだ。

『とても危険な奴に見られているぞ』というその感覚だったのだ。

とても危険な何かに見られた……そんな感覚だった。

そして、ネプギアとユニの方へと視線を戻すと、勝負がついており、二人の女神化は解けていた。

そのままユニはラステイションへと先に戻っていき、ネプギアはそんなユニの背中を見送る。

億泰と康一が声をかけたが、ユニは止まらずそのまま行ってしまった。

それを見た仗助は黙り込んだまま、ネプギアを見ると、ネプギアがこっちへと戻ってくる。

 

「行こう、仗助君。皆さん」

「アレでよかったのか~?ネプギア。お互い、そこまで重傷じゃなかったからよかったけどよ~」

「うん……いいよ」

 

それだけつぶやくと、ネプギアは歩いていき、仗助たちはそれに続くのだった。

 

 

 

 

ここはギョウカイ墓場。

そこに写真を一枚持っている金髪の男が一人。

そんな男に赤髪の女性……マジック・ザ・ハードが近づいてくる。

 

「そのスタンドとやらの能力……かなり便利そうだな」

「あぁ。だが、まさか……コイツの能力が残っていたとは驚いていたな。だが、これでもうコイツも終わりだ。だが……試しに使ってみたら、こんな奴が写るとはな。コイツは誰だ?承太郎でもないし、ジョセフでもない。だが……わかる。コイツは我が天敵、ジョースターの血統なのだと」

 

男は逆の手で掴んでいた女性の死体を投げ捨てる。

その女性は首から血を流しており、どこか干からびている。

 

「まぁ、いい。承太郎に殺され、気付けばこの世界に来ていた。この世界で時を支配できるのはこの私だけだ……」

「……」

「そのためにも……ジョースターの血統を先に始末しておかなければならないなぁ」

 

男はニヤッと笑うと、写真を投げ捨てる。

それにマジックは黙るだけだ。

 

「このDIOの天敵をな」

 

男……DIOはそれだけつぶやくとニヤッと笑うのだった。




駄目だ……これが限界なんだ!
もうすぐラステイションは終わりですね。
オリジナルスタンド、出せたらいいな。
それではまた次回。


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