オーバーロードは悪魔なので泣きません (みやま)
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1 終わりと・・・

「よぅ、モモンガさん。相変わらずシケタ面してんな?っうか・・・アルベドのデータ弄って何してんだよ?」

 

時刻は23:50、DMMO―RPG『ユグドラシル』終了時間の10分前である。

 

しかし、ギルド:アインズ・ウール・ゴウンの最奥・・・玉座の間には何人もの人影があった・・・が、プレイヤーは玉座に向けて言葉を発した・・・背中に大剣を背負った銀髪の青年と玉座に座しているモモンガと呼ばれた骸だけであった。

 

骸は一瞬いたずらが見つかった子供の様にビクッと身体を震わせて、声を発した人物を探し出し・・・

 

「・・・ダ・・・ダンテさん!?ダンテさんじゃないですか!!」

 

モモンガと呼ばれた骸はダンテに・・・というか俺に気づいて、嬉しそうな声で俺を呼びながら玉座から立ち上がりこちらに向けて・・・ワープして来た。

 

何というか流石超越者やら魔王とか言われてる人だよね・・・。

 

瞬間移動とか俺の十八番・・・トリックスターのエアトリックなんだが・・・。

 

「ああ、うん・・・まぁ・・・こうして顔を会わせるというか・・・このゲームにログインしたのも半年ぶりか・・・。」

 

 

半年。

 

そう、半年・・・半年ぶりに俺はこのゲームにログインした・・・。

 

何せ半年前にこのゲームのサービス終了の通知が有ったからである。

 

やる気なくなったよ・・・このゲームに対して。

 

だって、俺・・・世界級アイテム(ワールドアイテム)結構持ってるよ?

 

リベリオン、フォースエッジ、閻魔刀、魔剣スパーダ、デビルトリガー(無限)etc・・・。

 

嘘です、俺が持ってるワールドアイテムはこの5個だけです、他は神器級(ゴッズ)のレッドクイーン、衝撃鋼ギルガメス、無尽剣ルシフェル、ブルーローズ、エボニー&アイボリー、コヨーテ・A、災厄兵器パンドラです。

 

え?名前はダンテなのにネロの武器が在る?って・・・まぁ・・・アレだ・・・このユグドラシルというゲームはとにかく自由度が高くて人気だったんだ、敵を倒して素材集めてレッドクイーンとブルーローズを作れる位に自由度が高くて・・・人気だったんだァー!!

 

 

 

 

・・・人気だったんだよぉ・・・。

 

 

 

 

しかし、あまりにも自由度がというかワールドアイテムのキチガイっぷり(代表的なものに使用者および標的の完全抹消、運営へのシステム一部変更の要求、無限の攻撃力など)が原因でサービスが終了するという説も上がってたりもする。

 

 

 

っと大分話がそれたが・・・というか何故俺がこれら・・・デビルメイクライのダンテの格好やら武器を所持しているかというと・・・転生者だからである。

 

真っ白い部屋でイカレタおっさんに何か欲しいのある?とか言われてデビルメイクライのダンテとかの武器が欲しいです、後スーパーダンテのスペックが欲しいですって言って・・・目が覚めたら100年後位の世界でゲームしてました。

 

ダンテの格好をし、リベリオンとか(初期装備)で敵を斬り殺したり、エボニー&アイボリーとか(初期装備)で敵を撃ち殺してました・・・。

 

フル装備で尚且、デビルトリガー発動して・・・ユグドラシルを闊歩してたら・・・ギルド:アインズ・ウール・ゴウンに誘われて、そのままギルドに入り・・・半年前まではブイブイ言わせてました。

 

 

っと俺がこれまでの事を振り返っていると目の前まで来たモモンガさんが(´;ω;`)こんなアイコンを出してきたので・・・

 

「っと悪い、これまでの事を思い出してな・・・」

 

と、俺が告げると

 

「ええ・・・本当に色んなことがありましたね・・・」

 

モモンガは玉座の間を見回しながらそう告げた。

 

そこで俺達二人は黙りつつ・・・残り時間をこのゲームで過ごそうと言い・・・また色んな事を思い出しつつ・・・思い出話でもしようかなと思ったのだが・・・俺はふとそこで先程モモンガがアルベドのデータを弄っていたのを思い出し・・・データを見ると・・・

 

「え・・・ぶーwwwww」

 

と、盛大に噴き出した。

 

そんな俺の様子に気がついたモモンガが・・・俺が何をしていたかに気がつくと・・・バツが悪そうに・・・いや、寧ろ開き直って・・・こう告げた。

 

「最後だし・・・良いじゃないですかー!?」

 

と、言い始めた。

 

いや、構わないよ?俺だって・・・男だよ?アルベドみたいな女性に・・・。

 

そこで俺に電流が流れたというか・・・そう、ナニかが、ナニかが!!・・・というか悪魔の囁きが聞こえて来た。

 

「モモンガさん・・・この件については他言はしない。」

 

俺がそう言うとモモンガは笑った。

 

「その代わりと言っちゃなんだが・・・プレアデス全員にダンテを愛しているって書き加えてくれね?」

 

 

 

 

 



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2 change the wolrd

「・・プレアデス全員にダンテを愛しているって書き加えてくれね?」

 

そう、言葉を発した銀髪の青年━━━━ダンテ。

 

「いや・・・それは・・・う~ん・・・。」

 

と、言葉を濁すこの玉座の主に相応しい格好をした━━━━骸、モモンガ。

 

そんなモモンガを畳み掛けるようにダンテは

 

「もう、23時56分だぜ?もう他の人はログインして来ないだろ?だから・・・頼むよ。最後にちょろっと、そう、ちょろっとで良いんだ。アルベドに書いた様な文章を書いてくれよ。」

 

そんな俺の言葉を聞いてもモモンガは了承してくれなかったので俺は・・・とても、男性プレイヤーに向かって言うような台詞では無い事を言った。

 

「先っちょ、先っちょだけで良いから!!」

 

俺は右手の親指と人差し指を用いて「U」みたいな形にして顔の前まで持って来て・・・ジェスチャーした。ホンの少し、ホンの少しでいいから・・・と言った感じに。

 

すると俺の必死さが伝わったのかモモンガは

 

「ふふ、本当にダンテさんは仕方がない人ですね・・・分かりました。」

 

と、苦笑しながらプレアデスの設定を弄ってくれた。

 

プレアデスに『ダンテを愛している』と書き加えてくれたモモンガはこっちに振り向き

 

「これで僕とダンテさんは共犯者ですよ?絶対内緒ですよ!」

 

「当然だ」

 

と、ユグドラシル内にあるジェスチャー・・・俺の願い事を叶えてくれたでっかい太陽(モモンガさん)を敬って・・・

 

\(T)/

 

をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現時刻 23:59

 

後1分でこの世界が終わる━━━━。

 

ダンテとモモンガは待っていた。

 

仲間達がこの場にやって来てくれると。

 

待っていた。

 

最終日にこのギルドにに乗り込んでくるパーティーを。

 

しかし、ダンテとモモンガ以外誰一人としてこの場には来なかった・・・。

 

23:59:30

 

「まぁ・・・あれだ、モモンガさん。また何か面白いゲームあれば一緒にやろうぜ?メアドは交換してるし、いつでも連絡は取れるんだしよ。」

 

23:59:45

 

「そうですね・・・また連絡するので是非一緒にやりましょう!」

 

23:59:55

 

俺達はそう言い、目を閉じて・・・12時が来るのを待った。

 

56・・・59・・・

 

 

0:00:00

 

 

 

 

 

 

0:00:05

 

 

 

 

 

 

「あれ・・・?」

 

・・・どちらの声だろうか・・・

 

ダンテ、モモンガの両名は違和感を感じ、目を開けた。

 

見慣れた自室ではなく、ユグドラシル内の玉座の間だ・・・。

 

 

「ダンテさん?」

 

「モモンガさんだよな?」

 

ダンテとモモンガが互いを認識し・・・

 

俺は何が有ったのかコンソロールを呼び出そうとするが・・・

 

「んな!?モモンガさんッ!?コンソロール呼び出せるか?」

 

俺の焦った声を聞き、モモンガもコンソロールを呼び出すが・・・

 

「どう言う事だ!?」

 

モモンガの怒声が広い玉座の間に響いた。

 

「いや、まぁ・・・落ち着けってモモンガさん。っうかこれから・・・どうするよ?GMにコールとか強制終了も出来ないな・・・コレ。」

 

俺は他の機能を確認し、出来なくて・・・困惑した。

 

無論モモンガ他の機能を確認し、出来ない事に困惑した。

 

 

しかし・・・更に困惑する出来事が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうかなさいましたか?モモンガ様、ダンテ様。」

 

始めて聞く女性の声。

俺達は声の発生源探り・・・そして誰が発したのを理解し、唖然とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはNPC━━━━アルベドの声だった。

 

 

 

 

 



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