サルえもん短編集 (サルえもん)
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短編二次創作
男はその時何を考えたのか(原作:GS美神)


 おはこんばんちわ、サルえもんです。長編の息抜きとして短編集を書きました。ふと頭に浮かんだものが元になっているものです。
 短編集第一弾は『GS美神』のアシュタロス編終了直後の話。頭の中で思い浮かんだものを書き留めようとして書きました。


 人は大切な人を亡くした時、何を思いどう考えるのか。親友や家族、恋人…ひとそれぞれであるが、その根底には愛する心があるだろう。

 これは世界の存亡を掛けた戦いで、惚れた女を犠牲にして世界を護った一人の男の話である。大切な女性を亡くした彼の思い…彼の内に秘めるものは何か?

 これは無数に存在する世界の一つの可能性の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~とある安アパート~~~~~~~~~~

 

 昭和の古さを醸し出す古いアパート、そこに横島忠夫が帰ってくる。彼が自身の部屋のドアの前に立つと最初に目に映るのがドアの至る所に落書きされた彼に対しての多数の誹謗中傷の文字である。その落書きを見て後日消しておくかと考えた彼は鍵を開けて中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部屋の中は年頃の男性の典型のように散らかっているが、所々不器用ながらも綺麗にしようとした形跡がわずかに残っていた。横島は少しボロボロの座布団の上に座り、ポケットから手のひらサイズの小箱を取り出した。蓋を開けてみるとそこには体が淡く光っている蛍が入っていた。弱弱しくも光るその蛍を眺めた後、蓋を閉じてちゃぶ台の上に置くと彼はその場に寝転がった。そして昼間、事務所で言われたことを思い返していた。

 

 

 

 

 

横島「自分の子供として転生、か…。」

 

 

 

 

 

 それは事務所で過去の美神美智恵が元の時代へ戻った後、現在の美知恵がお腹に赤ちゃんを身ごもった状態で登場した時のことである。そこで言った美神令子の言葉が印象的に残っていた。

 

 

 

 

 

美神『もし、転生先が横島君の子供だとしたら!?』

 

 

 

 

 

 あの戦いで失ったルシオラを復活させるには彼女の霊体が足りなかった。横島の中に大量にある彼女の霊体も彼の中に完全に同化してしまう。人間では魂の切り離しは不可能であり、彼女を復活させる手段は何もなかった。

 それに対して美神は両親の細胞から作られる魂の影響について話し、元々の転生前の霊体が同じものなら彼の子供として転生する可能性を指摘した。その場にいた小竜姫達もその可能性に僅かに希望を見据えた。横島も一度はそれで納得はして、将来生まれてくる子供に愛情を注げばいい。そう納得して目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~???~~~~~~~~~~

 いつの間にか横島は真っ暗な空間にいた。そこは周りを見渡しても何もない闇が広がっていた。ふと後ろを振り返るとそこには人型のナニカがいた。それは横島に目線を向けると彼に問いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――本当にそれでいいのか?

 

 

 

 

 

横島『…どういう意味だ。』

 

 

 

 

 

――――本当はわかってるんでしょ?美神令子の言った案に納得していない。

 

 

 

 

 

横島『…小竜姫さま達でさえ何もアイデアが出なかったんだ、それしか方法がないんだよ。』

 

 

 

 

 

――――しかしそれしか方法がないとしたらあまりにも哀しい結果。

 

 

 

 

 

――――誰よりも世界を護るため戦った男は大切な女を失ってしまったのだから。その女も恋人として接することができない。

 

 

 

 

 

横島『…アシュタロスを倒すとルシオラに誓ったんだ。あいつもそれを望んでいたんだ。子供のこともあいつは待ってくれるって…。』

 

 

 

 

 

――――それじゃあ仮にその方法を行うとしても誰に頼む?

 

 

 

 

 

――――昔の恋人を蘇らせるために産んでくれと言う?

 

 

 

 

 

――――それで一体誰が了承する。

 

 

 

 

 

横島『!それは…。』

 

 

 

 

 

――――美神令子?彼女は自分が一番でないと気が済まないから難しいんじゃない。

 

 

 

 

 

――――氷室キヌ?彼女は優しいからおそらく了承するかもしれないが、それでも心に傷を負うと思う。

 

 

 

 

 

――――犬塚シロ?彼女はあなたを慕っているから可能性はありそうだが、純粋なあの子が自分が一番でないと知ったらどうなることか。

 

 

 

 

 

――――それとも花戸小鳩や愛子?自分が裏切られた時ショックを受けるのはまず避けられないから同じだけど。

 

 

 

 

 

――――どちらにしてもルシオラを産んでくれる女なんていない。あなたもそう考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソレは横島に対して傷をえぐるかのように言葉を紡ぐ。それは彼が”考えなかった”事をソレは言葉にする。そして彼が反論する間もなく次々と言葉を口にする。それは彼を囲むように。

 

 

 

 

 

横島『…それ、は…。』

 

 

 

 

 

――――自分は世界を守るために戦っているのに、『人類の裏切者』って民衆から中傷された気分はどうだった?

 

 

 

 

 

――――その人類の裏切者として魔族と一緒に美神美智恵によって消されようとしたし。

 

 

 

 

 

――――そもそもあの選択の時なぜあなたが選ばなければならなかったのかな?

 

 

 

 

 

――――あなたの人生あの親子のおかげで狂わされたね。

 

 

 

 

 

横島『美神さん達は関係ないだろ…!』

 

 

 

 

 

――――美神令子の元で働くことになって貧乏暇なしになっちゃって。

 

 

 

 

 

――――時には八つ当たりに近い折檻を受けてしまって。

 

 

 

 

 

――――あなたの周りもそれを普通と捉えてろくな支援もしてくれない。

 

 

 

 

 

――――美神美智恵も過去を変えようと時間移動を繰り返した結果が、ルシオラを失ったことに繋がった。

 

 

 

 

 

――――彼女がそうまでし時間移動した理由は?本来あの戦いで死ぬのは美神令子であった。

 

 

 

 

 

――――ルシオラは美神令子の代わりに犠牲になった。それが歴史修正の結果。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソレが放つ言葉には横島の心に異様なまでに響いていた。昔ならそのことについて言われたとしても考えなかった事であった。元々美神のもとで働いたのは自分から望んだことであるし、折檻もよく受けるが大半は自業自得、それに彼女の元で働くのは何も悪いことばかりではなかったから。それがあの戦いのあともそう思えていたらの話であるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――あなたはルシオラのことをなかったことにしようとする彼女たちを許せない。

 

 

 

 

 

――――仲間だと思えない。

 

 

 

 

 

――――あの場所が辛いものだと思っている。

 

 

 

 

 

――――しかしあなたはあの時道化を演じた。

 

 

 

 

 

――――それが彼女たちの望む”横島忠夫”だから。

 

 

 

 

 

――――なぜ固執する?

 

 

 

 

 

――――それがルシオラの望みだから?

 

 

 

 

 

――――だとしたら実に滑稽なものだこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつの間にか横島はソレの放つ言葉に反論できなくなっていた。そうじゃないと反論しようとしてもなぜか何も言えなかった。そしてソレがまた口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――あの親子が憎いと思っている?

 

 

 

 

 

――――あの親子の人生を狂わせたいと思う?

 

 

 

 

 

――――もしそうしたいのなら私が手を貸そう。

 

 

 

 

 

――――あの親子のすべてを壊したいとあなたが願うのなら。

 

 

 

 

 

――――…すぐには答えないのね。

 

 

 

 

 

――――ならばまた時が来たら訪れよう。

 

 

 

 

 

――――このまま道化を演じるのか。

 

 

 

 

 

――――彼女たちに反逆するか。

 

 

 

 

 

――――あなたの中で答えが出るのを待とう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう話すとソレは横島の目の前で薄らいでいく。そして横島は周りが明るくなっていくのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目を開けるとカーテンの隙間から窓の外からの光がこぼれていた。どうやらいつの間にか眠っていたようだ。今日もバイトに行く準備をする中で横島は先ほどの夢について考えていた。はっきりと頭の中であの夢の中のことがおぼえられていて、離れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横島「…俺は俺だ。道化とかそんなの関係ないんだ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言って準備を終えた横島はちゃぶ台の上のルシオラの霊体が入った小箱を押入れの中に仕舞う。そして事務所に向かって部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 横島が出ていった後、突然黒い球体が出現するとそこから女性が出てきた。大きく胸元の開いた修道女のような服を身に纏う、ミステリアスな雰囲気を漂わせる妙齢の女性は嗤っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『さぁて、この世界の”横島忠夫”はどんな選択をするのかしら?美神親子と離反する展開はもう見飽きたから、面白い答を期待してるわね。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言うと女性はまた黒い球体を生み出してその中に入る。その球体がうっすらと消えていった後、そこにまた静寂が包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 横島忠夫の選択…それがもたらすものは何か、それはまだ分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくれてありがとうございました。
 この話は現在構想中のGS美神の長編に繋がっている話です。スマブラαがひと段落ついたら書く予定です。
 今回の話はたまに見かけるGS美神の『美神親子アンチ・ヘイト』に関するものです。横島がどうして何を考えて美神の元から離反したのかを自分なりに表現しました。あくまで私の考えなので他所の方々に考えを押し付けたりしないようお願いします。
 最後に出てきた人物は前述の長編のボスの予定です。誰なのか一部の人は分かると思います。それでは皆様ここまでありがとうございました。

追記:誤解する人がいると思ったので述べますが、私自身はアンチやヘイトはあまり好きでないです。この分野だとアンチ側もアンチする側も性格が大きく変わるんですよね。書いたのはアンチする側の気持ちも考えることがSS書きの進歩の一つと思ったからです。


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絶望への反抗!!サムライの遺志を継ぐもの(原作:ストパン)

 皆さんお久しぶりです、サルえもんです。去年投稿が少なかった分、頑張っていきたいと思います。
 今回は某イラスト投稿サイトで見つけた『宮藤芳佳中佐』の設定からできたものになっています。素人ながら精いっぱい考えて表現したものをどうかご覧ください


 物語において『IF』というのは数多くある。もしも別の選択をしていたら、もしもとある人物の生死が変わったら、そう思ったことはないだろうか。私たちが知らない世界で、もしかしたらその『IF』があるのかもしれない。

 これは一人の人物の死から分岐した中の複数ある可能性の一つの物語…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───私は甘かった

 

 

 

 

 

───人型のネウロイと接触した時、もしかしたら分かり合えるかもしれないと思っていた

 

 

 

 

 

───それが間違いだと、あの時の私は気づかなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『何をしている宮藤!』

 

 

 

 

 

『坂本さん…!』

 

 

 

 

 

『撃て!撃つんだ、宮藤!』

 

 

 

 

 

『違うんです!このネウロイは…!』

 

 

 

 

 

『何をしている!?早く撃て!』

 

 

 

 

 

『駄目です!待ってください!』

 

 

 

 

 

『惑わされるな!そいつは人じゃない!』

 

 

 

 

 

『違うんです、そんな事では…!』

 

 

 

 

 

『撃たぬならどけッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───護るために敵を撃つ覚悟があの時の私はブレてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『きゃあぁー!?』

 

 

 

 

 

『少佐!?』

 

 

 

 

 

『坂本さんッ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───奴らとわかりあえるという幻想を抱いてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あ…あぁ…』

 

 

 

 

 

『坂本さん、目を開けて下さい…!坂本さん…坂本さん…!坂本さん!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───あの時、私にもっと力があれば坂本さんは助かったかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『坂本美緒大佐は名誉の戦死を遂げた』

 

 

 

 

 

『美緒…美緒…!』

 

 

 

 

 

『彼女は上官、部下からの信頼も厚く、大変素晴らしい軍人であった』

 

 

 

 

 

『坂本さん、どうして…』

 

 

 

 

 

『その戦役を終え、ネウロイの脅威から解放された彼女は……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───坂本さんが治癒魔法をかけ続けても助からないと知った時に涙は流し尽くした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方のせいよッ!!貴方が勝手な行動をとらなければ坂本少佐は!!』

 

 

 

 

 

『あのネウロイの事もですわ!いくら人の形をしていてもあれはネウロイです!!』

 

 

 

 

 

『すぐに落とさなかったあなたの甘えが、少佐を殺したのよ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───そう、坂本さんを殺したのはネウロイではなく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私が殺したの』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───私はようやく理解できた

 

 

 

 

 

───ネウロイは人類の敵であり、殲滅するべき悪であると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あなた…』

 

 

 

 

 

『ペリーヌさんの言う通りです』

 

 

 

 

 

『ネウロイと分かり合えるかもなんておめでたい考え(・・・・・・・)…』

 

 

 

 

 

『そんな甘え切った精神で戦場に出ていた自分に、反吐が出ます』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───自分の甘さで人類にとって大きな損失を生んでしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『坂本さんはまだ死ぬべき人じゃなかった』

 

 

 

 

 

『もっと多くの人を救えただろうし、もっと多くのネウロイも倒した筈です』

 

 

 

 

 

『だから私は坂本さんの分まで……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───人を救うなんて事私にはできないから

 

 

 

 

 

───最期の時まで命燃やして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ネウロイを殲滅してやる…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~1948年 第501統合戦闘航空団基地(以下501JFW)・海岸~~~~~~~~~

 地平線の彼方から太陽が顔を覗き始める頃、一人の女性が海岸沿いで扶桑刀を振るっていた。日に照らされる長い黒髪を後ろに纏め上げてポニーテールにし、扶桑で着用される青と白の制服を着たその女性は、演舞を魅せるが如く華麗な技を披露する一方で、彼女が発する殺気に似た雰囲気は見る者を恐れさせるであろう。

 

 

 

 

 

「…フッ!…シッ!」

 

 

 

 

 

「ハアァァ…!」

 

 

 

 

 

 

「ズェア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女が扶桑刀を振るう度に波が押し寄せて水しぶきが飛び、長い時間行っていた証の汗が飛び散っていく。一太刀振るう毎に圧倒させるような剣幕で続けていた彼女が一度体勢を整えると、基地に設置された時計を確認する。時間を確認すると扶桑刀を鞘に納め、体に滴る汗を近くに掛けてあったタオルでふき取り、水筒の蓋を緩めて中の水で喉を潤わせる。それが終わると元々着ている制服と首にかけている銀色の眼帯の上に、白い軍服を羽織ると基地に歩いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして今日もまた、彼女……【宮藤芳佳(みやふじよしか)】中佐の一日が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午前の訓練を終えた宮藤中佐は、次の午後の訓練の準備に取り掛かろうとしていた。そんな時後ろから声を掛けてくる人物がいた。薄茶色の髪に後ろを三つ編みにし、服の上からでも分かる豊満なバストが特徴であるストライクウィッチーズの射撃手【リネット・ビショップ】少佐である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「芳佳ちゃん、ここに居たんだね。ミーナさんが芳佳ちゃんに伝えたいこ…」

 

 

 

 

 

「何の要件だビショップ少佐(・・・・・・・)

 

 

 

 

 

「…すみません、宮藤中佐。ミーナ司令が宮藤中佐に伝えたいことがあるから指令室まで来てほしいと」

 

 

 

 

 

「解った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 言葉少なくそう言うと宮藤中佐は指令室へと歩を進めた。リーネはそんな彼女の背中を悲しい目をしながら黙って見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 坂本美緒の死亡から4年、ネウロイの侵攻は増す一方であった。かつては週一度の襲撃だったのが今やほぼ毎日の上、同時に2体以上出現する日がある程になっていた。更にウィッチの数も激化する戦場により戦死者が続出、また坂本美緒の一件以来から【19歳後半になった者は戦役から降ろされる】規則が新たに生まれてしまい、その数はネウロイの数に反比例して減少の一途を辿っていた。

 501JFWもその例に漏れず大きく変わっていった。【ゲルトルート・バルクホルン】と【エーリカ・ハルトマン】は規則に則って戦役から降ろされ、所属していたカールスランド軍に戻っていった。【サーニャ・V・リトヴァク】は軍に残ろうとしたが【エイラ・イルマタル・ユーティライネン】から引き止められ、本来の両親探しの旅に出ていった。【シャーロット・E・イェーガー】も同じく年齢による引退、彼女に着いていこうとした【フランチェスカ・ルッキーニ】をなだめて後にした。また【ペリーヌ・クロステルマン】はあの日以降宮藤中佐に対して考えが変わっていったのをここに追記する。

 今の501JFWに残っているのは宮藤中佐、リーネ、ペリーヌ、ルッキーニそして入隊したての新米ウィッチが複数と現在部隊の指揮を執っている司令(・・)といったものになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~501JFW・司令室~~~~~~~~~~~~~~~

 司令室に1人、両手を顎の近くで組んでいる女性が居た。彼女はここ501JFWの隊長を務めている【ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ】准将である。ウィッチとしては引退したが、本人の高い指揮力から今なおストライクウィッチーズを纏め上げている存在である。そんな彼女の机の向こうにある扉からノックの音がした。

 

 

 

 

 

「入りなさい」

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その声と共に扉が開かれ宮藤中佐が姿を現した。彼女はミーナの前に進んでいく。第三者から見たらその重苦しい雰囲気に圧倒されそうなものがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「話とは何ですか、ヴィルケ准将」

 

 

 

 

 

「それはあなた自身がよく解っていることでしょう?宮藤さん」

 

 

 

 

 

「…さて、何の事でしょうか?」

 

 

 

 

 

「命令外の単独出撃、ストライカーの無断使用、無謀にもほどがある接近戦での戦闘…挙げればキリがないわね。あなたが躍起になるのは解るけど、軍人としての規律を乱すのは…」

 

 

 

 

 

「小言を言うためにわざわざ呼んだのですか?」

 

 

 

 

 

「言いたくもなるわね、でもそれは次の機会にしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミーナがそう言うと机の引き出しから一枚の報告書を取り出し、宮藤中佐に見えるように机の上に置いた。それは新たに出現したネウロイの巣に関するものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先日帰還した巡視兵から報告があってね、新たに発生した巣の調査をしたとき見たらしいのよ……4年前のあの日から姿を消した人型ネウロイ(・・・・・・)が発見されたそうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉を聞いてそれまで静観していた宮藤中佐の表情が一変した。それは憎しみと怒りに満ちた表情でミーナを睨んでいた。彼女はその表情に眉一つ動かさず自身に向けられる目をまっすぐ見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先日!?なぜ今になってそんな重要なことを!!奴は私がこの手で討つと…!」

 

 

 

 

 

「だからよ。この事を伝えれば貴方は一人出撃するでしょう、4年前(・・・)の時みたいに」

 

 

 

 

 

「ッ!」

 

 

 

 

 

「調査はペリーヌさんとルッキーニさんに行かせています。もうすぐ帰還するでしょう」

 

 

 

 

 

「私は…!」

 

 

 

 

 

「話を聞きたければそれまで待ちなさい。それともまた一人で出て仲間を危険にさらす?美緒みたいに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人の雰囲気が険悪なものになっているその時、指令室の扉が大きな音を立てて開いた。そこには501JFWに配属されて間もない新人のウィッチの一人が息を切らしていた。ここまで走ってきたであろう彼女は乱れた息を一度整えてから切り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します!!近海に大型ネウロイが突如出現、現在こちらに猛スピードで接近中です!」

 

 

 

 

 

「何ですって!?」

 

 

 

 

 

「…!」

 

 

 

 

 

「どうやらステルス機能を備えており監視も気づけず、火器の整備もこのままだと間に合わないです!ですのでっ宮藤さん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時報告を聞いてすぐに新人ウィッチの横を宮藤中佐が通り抜けていった。そして廊下を駆けていく足音と共に彼女の姿は小さくなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~501JFW・発着場~~~~~~~~~~~~

 ネウロイ出現に慌ただしくなっているその間を通り抜けて行く宮藤中佐は自身のストライカーユニットの前に到着し装着する。魔力を使用した際出現する犬耳としっぽと足元に広がる魔法陣が出ると飛行準備に移る。魔力によって足元にプロペラが発現して回転し始め、軍服が風に揺れ、背中に装備した扶桑刀の鞘が小窓から漏れる光に反射して煌いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「宮藤芳佳、出撃する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その一言が発せられると同時に宮藤中佐は飛び出していった。加速を増していくほど体は徐々に前に倒れていき、最後に飛び上がるときに平衡を保って大空へと飛んでいった。後ろから新米のウィッチ達が何かを言っていたがすでに飛び立った彼女には聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮藤中佐が飛び立って数十分後、彼女の前方数キロ先に大型の飛行物体が接近しているのが確認できた。それがネウロイだと確認した宮藤中佐は背中の扶桑刀の柄を手に取り、鞘から刀を抜いた。日の光に反射するその刃を握りしめ構え、そしてネウロイに向かって高速で接近していく。

 自身に向けられる敵意に気づいたネウロイはビームを発射するが、宮藤中佐はそのビームに対して最小限の動きによる紙一重の回避力で避けていく。下手すれば撃墜されかねない程その動きは危ういもので、しかし確実に避けていく。

 ネウロイの懐に入り込んだ宮藤中佐は刀に魔力を集中して込めると、その刃は光り出す。そしてその煌く刃でネウロイの上部の装甲に斬り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シッ!」

 

 

 

 

 

「ハァ!!」

 

 

 

 

 

「ゼァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮藤中佐の刃はネウロイの体の一部をまるでバターのように切り裂き、続けざまに再生する間も与えないようにその刃を振るっていった。その間のネウロイによる反撃のビーム攻撃もまるで見えているかのように回避していく。数度彼女の皮一枚削るが、それを気にも留めず刀を振るい続けた。

 そしてついに宮藤中佐の眼の前に赤く輝くネウロイのコアを見つけた。それに対して扶桑刀の切っ先をそのコアに狙いを定める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…終わりだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう言うと勢いをつけてその刃がコアを貫通していった。そしてネウロイは悲鳴にも似た音を立てた後、砕け散った。ネウロイの体の破片が宝石のよぅに光りながら散っていく中、宮藤中佐は周囲の確認を終えた後一息吐いて、基地へと帰還していった。帰還の途中整備を終えたリーネ達の部隊が合流したが、撃墜したことをリーネに伝えるとまた飛んでいった。また宮藤中佐が出撃した後、調査を終え帰還していたペリーヌ達も別のネウロイと戦闘していたという報告が入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~501JFW・宮藤中佐の部屋~~~~~~~~~~~~

 太陽が沈み月が辺りを照らす光が窓から漏れているその部屋に宮藤中佐が入っていった。帰還していつもの無断出撃をミーナに咎められた後、彼女は食事を取って入浴を終えた後である。部屋に入った彼女は棚に乗っている写真立てに目を向けた。そこにはかつての自分と坂本美緒の笑顔が写っていた。その写真の前に彼女は立ち、言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「坂本さん、今日も私はネウロイを撃破しました。そしてあのネウロイの手がかりをようやくつかむことが出来ました。近日中に奴を討伐するための準備に入ります」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 待ち望んでいたペリーヌ達の報告によれば、あの日の人型ネウロイは他の巣を行ったり来たりを繰り返しているようで、その情報を元にした討伐作戦を現在練る所であった。ミーナの忠告が聞いたのか宮藤中佐は無断出撃を行わなかった。その報告後、彼女はベッドに入り就寝していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~???~~~~~~~~~~~~

 そこは一面色とりどりの一面の花で埋め尽くされていた。宮藤中佐はその景色の中にポツンと立っていた。彼女が周囲を見渡すと遠くに人影が見えた。その人影に向かって彼女は進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 段々その姿が視認できる距離になった時であった。その人影は彼女の着ているものと同じ白い軍服を纏っていて、艶やかな黒髪を後ろにまとめていた。そして人影が宮藤中佐のほうへ振り返った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこには右目を銀色の眼帯を付けた女性、坂本美緒であった。彼女の元に行こうと宮藤中佐は進もうとするが、そこから先にどうしても進めなかった。それでも彼女は声を上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『待ってください!坂本さん!…坂本さん!!』

 

 

 

 

 

『………』

 

 

 

 

 

「私、あれから強くなったんです!大型のネウロイも倒せるようになって、階級も中佐まで上がりました!もう昔の弱い私ではないです!」

 

 

 

 

 

『………』

 

 

 

 

 

『だから…お願いです…そんな哀しい顔をしないでください…坂本さん…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宮藤中佐の眼に映る美緒は、哀しい表情であった。その姿も涙でぼんやりとしていた。涙を拭っても、どんなに叫んでも彼女の表情は変わらなかった。そんな様子の宮藤中佐に対して美緒が口を開き、何かを話そうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───』

 

 

 

 

 

『…どうして私は坂本さんが何を言っているのか分からないの(・・・・・・・・・・・・・・・)?どうして…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美緒が何かを話していることは解る、しかし何を言っているのか今の宮藤中佐には聞こえなかった。そして美緒は彼女から顔を背け、進んでいった。それに気づいた宮藤中佐は進もうとあがくが、先ほどと変わらず進めなかった。それどころが美緒も周りの景色も段々遠のいていくばかりであった。そして彼女の必死の叫びも虚しく、自身の意識も遠くなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 窓から漏れる僅かな光に照らされるように目が覚めた宮藤中佐は、上体を起こす。その眼には涙の跡が残っていて、それを拭うと彼女はベッドから床に足を付けて起き上がる。寝汗で着いた服を脱いで汗を拭っていく。その体には無数の傷が残っており、4年間の戦いで着いたものであった。そして着替えを終えると、首に銀色の眼帯を身に着け、立て掛けていた扶桑刀を手に取ると彼女は部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…強くならなくちゃ、奴らを殲滅なんてできない。昨日も僅かに掠ってしまったから…もっと強くならないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分にそう言い聞かせるようにして宮藤中佐は今日も訓練を行う。あの人型ネウロイを倒すため、ネウロイを殲滅するため彼女は戦う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 復讐に燃える彼女の行きつく先に何が待っているのか、それは未だに分からない…

 

 

 

 

 

 

 

 




 今回の話はもう一つ書く予定があります。ここでは宮藤中佐の視点で見てきましたが、ほかのウィッチ達の行動や思惑を中心にしたSSも投稿しますので、そちらも見てくださると幸いです。少しでも早く見せられるよう頑張ります。


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一発ネタ
【ネタ】もしもサーヴァントが学校の先生だったら(原作:FGO)


 長編の息抜きに作成。公式の悪ふざけほど面白いかは知らない


ファントム「3年F組」 ぐだ子「ファントム先生!」

 

 

 

 

教室

 

ファントム「クリスティーヌ おお クリスティーヌ 我が愛 我が歌姫――」

 

 

 

 

 

ファントム「微睡む君へ 私は唄う 愛しさ込めて――」

 

 

 

 

 

生徒一同「「「クリスティーヌ…」」」

 

 

 

 

 

ファントム「私と唄おう もう一度 もう一度 クリスティーヌ クリスティーヌ 私の歌姫」

 

 

 

 

 

生徒一同「「「クリスティーヌ…」」」

 

 

 

 

 

 

ぐだ子「受験間に合うかな…」

 

 

 

 

 

英霊豆知識:ファントム・オブ・ジ・オペラ

 十九世紀を舞台とした小説『オペラ座の怪人』に登場した怪人。

オペラ座の寄宿生でコーラス・ガールを務めていたクリスティーヌという女性に恋をした彼は、音楽の天使と名乗って彼女をオペラの女性主役歌手プリマドンナに仕立て上げるため彼女に歌を教えていたが、彼女が幼なじみへの求愛に答える姿を見て嫉妬に狂い、恐ろしい事件を引き起こしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオ二ダス「3年F組!!」ぐだ夫「レオ二ダス先生!」

 

 

 

 

 

教室

 

レオ二ダス「でぇえりやぁ!!!」←板書中

 

 

 

 

 

レオ二ダス「ふんぬー!!!」←蛇が這ったような文字見たい何か

 

 

 

 

 

レオ二ダス「はい、ここテストに出ますよ…」←かろうじで読める文字で筋肉と書いてある

 

 

 

 

 

 

ぐだ夫「やってらんねー……」

 

 

 

 

 

英霊豆知識:レオ二ダス1世

 テルモピュライの戦いで300人の兵士を率いたスパルタ王。十万人のペルシャ軍に対してわずか三百人で立ち向かったとされる偉業が有名だが、デルポイの神託で「王が死ぬか、国が滅びるか」と告げられ、死を覚悟した彼は出陣の直前に妻に「よき夫と結婚し、よき子供を生め」と言い残したという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダヴィンチちゃん「3年F組!」ぐだ夫「ダヴィンチ先生!」

 

 

 

 

 

教室

 

ダヴィンチちゃん「1980(イチキュッパ)の限定礼装が2割引き!ボーナス一括払いで5%OFF!今ならポイント還元が13%ついて!」

 

 

 

 

 

ダヴィンチちゃん「さて!いくら!?」←数学の小テストを聞き取り形式にした

 

 

 

 

 

 

ぐだ夫「6割引きだったよ…」←結果10点中4点

 

 

 

 

 

英霊豆知識:レオナルド・ダ・ヴィンチ

 ルネサンス期を代表する博学者で『モナ・リザ』などの作品から画家としての名声が高いが、芸術以外にも医学、科学、数学、建築などに精通し、当時としても計り知れない先進的、且つ莫大な知識を示したために「万能人」の異名を持つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アストルフォ「3年F組!」ぐだ子「アストルフォ先生!」

 

 

 

 

教室

 

アストルフォ「次、次、次の問題は~♪島、島、島崎さん!」

 

 

 

 

 

ぐだ子「3Xです」

 

 

 

 

 

アストルフォ「~♪」←無駄にのりのよいダンス

 

 

 

 

 

アストルフォ「違います」←真顔

 

 

 

 

 

 

ぐだ子「傷つくわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英霊豆知識:アストルフォ

 フランク国王に仕える武勇に秀でた12人の配下『シャルルマーニュ十二勇士』の騎士(パラディン)の一人。

偶然から触れた相手を必ず落馬させる「魔法の槍」を始めとした様々な魔法のアイテムを入手し、様々な功績を立てている。月世界旅行のエピソードは一種の皮肉になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランサーアルトリア(以下Lアルトリア)「3年F組!」ぐだ子「アルトリア先生!」

 

 

 

 

 

教室

 

Lアルトリア「授業だ。この問題が分かる者は居るか」←愛馬ラムレイに乗馬中

 

 

 

 

 

Lアルトリア「…居ないのか」

 

 

 

 

 

ぐだ子「…はい」

 

 

 

 

 

Lアルトリア「頭が高い!!」

 

 

 

 

 

 

ぐだ子「どうすりゃいいのよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英霊豆知識:アルトリア(ランサー)

 エクスカリバーで有名なアーサーだが、ほかにも様々な神器を持っていたとされる。その中でロンゴミアントはアーサー王が愛用していた槍で、初登場の際は、穂先から血を滴らせた白い槍と描写されている。その威力は凄まじく、一振りで数百人を吹き飛ばす程だという。カムランの丘の戦いでアーサーがモルドレッドを倒すのに使用された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディルムッド「3年F組」ぐだ夫「ディルムッド先生!」

 

 

 

 

 

教室

 

ディルムッド「芭蕉の句には……」

 

 

 

 

 

ソラウ「ディルムッド!」バンッ!←教室のドアを開けて入ってくる

 

 

 

 

 

ディルムッド「ソラウ様!?」

 

 

 

 

 

ソラウ「私の愛を今日こそ受け取ってもらうわ!!」

 

 

 

 

 

ディルムッド「いえ、一応教師と生徒なのでそれを受けるわけには…!?」

 

 

 

 

 

ケイネス「…令呪を持って命じる、ランサー」←|M0)ナズェミテルンディス!状態

 

 

 

 

 

ディルムッド「お待ちくださいケイネス様ー!?」

 

 

 

 

 

 

 

ぐだ夫「授業しろよ…」

 

 

 

 

 

英霊豆知識:ディルムッド・オディナ

 フィン物語群で語られるフィアナ騎士団の一員。騎士団の中でも優れた戦士で、美しい容姿である上に女性を虜にしてしまう魔法の黒子を、妖精によって額(または頬)に付けられていた。主君のフィンの婚約者グラーニアが彼に恋して逃避行することになったり、何とか許してもらって彼女と結ばれたのもつかの間魔猪の牙によって致命傷を負わされて、グラーニャの件を根に持っていたフィンから見殺しにされたり、かなりの不幸体質。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マルタ「3年F組」ぐだ夫「マルタ先生!」

 

 

 

 

 

教室

 

マルタ「漢字テストを行います、島崎さん。マスターでしたら読めるはずです」←黒板に吐露非狩古鬱と書いてある

 

 

 

 

ぐだ子「読めません…」

 

 

 

 

 

マルタ「ト・ロ・ピ・カ・ル・フルーツだ!!」ゴスッ!!←黒板に拳を叩き込んでひびを入れる

 

 

 

 

 

 

ぐだ子「そんな無茶な…」(黒板にひび入れるって…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英霊豆知識:マルタ

 悪竜タラスクを鎮めた、一世紀の聖女。妹弟と共に歓待した救世主の言葉に導かれ、信仰の人となったとされる。聖者・殉教者列伝の『黄金伝説』では一心の祈りと聖水を振りかけることでタラスクを抑え込むことに成功し、鎖に繋がれて飼い犬のように聖女の下にひれ伏した怪物を、長らく苦しめられ続け、家族を喰われてきた村人たちは石礫でもって打ち殺したという。

 

 

 

 

 

 

 

黒髭「3年F組!」ぐだ夫「黒髭先生!」

 

 

 

 

 

教室

 

士郎「ここか…?」ストン←人間サイズの黒髭危機一髪一本目成功

 

 

 

 

凛「ここね」ストン←二本目成功

 

 

 

 

ぐだ夫「とりあえずここに…」ストン

 

 

 

 

 

ドーン!!!←黒髭危機一髪が爆発した音

 

 

 

 

 

メフィスト「は~い、掃除当番で~す」←教室のドアから入室

 

 

 

 

 

放課後

 

ぐだ夫「爆発オチなんてありかよ……」

 

 

 

 

 

黒髭「拙者はまさかの名前オチでござるよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

英霊豆知識:エドワード・ティーチ

 「黒髭」の名で知られる世界で最も有名な大海賊。海賊として身を起こし、瞬く間に大船団を作り上げると、カリブ海を支配下に置き、酒と女と暴力に溺れ、莫大な財宝を手に入れた。豊かに蓄えられた髭には、ところどころに導火線が編み込まれていて、後の海賊のイメージを固めた。

 

 

 

 

英霊豆知識:メフィストフェレス

 ゲーテの戯曲で有名なファウスト博士の伝説に登場する悪魔。諸説あるが、その名は【光を愛さない者】を意味するという。ファウストが自身の魂を代償に召喚し、彼の底なしの欲望を満たすために様々な力を貸すことになる。戯曲では、神にファウストの運命の行く末を賭けて勝負し、ファウストのあらゆる願いをかなえた後、契約通りに魂を奪おうとしたところで神に邪魔され、ファウストはそのまま昇天して救済される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギル「イベントだ」ぐだーず「校長先生!!」

 

 

 

 

 

体育館

 

マルタ「校長の話です」

 

 

 

 

 

ギル「明日からイベント」

 

 

 

 

 

ギル「の!はずだったが!!」←鎧をキャスト・オフ

 

 

 

 

 

ギル「(ファウ)が走り続けているため、アプリに入れないので」←Stay/nightの服装に変わる

 

 

 

 

 

ギル「イベント開催を延長する!!」

 

 

 

 

 

 

ぐだーず「「もーいや!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英霊豆知識:ギルガメッシュ

 古代メソポタミア、シュメール初期王朝時代のウルク第1王朝の伝説的な王。数多くの神話や叙事詩に登場するこの王は実在の人物であったと考えられている。ギルガメシュという名は「祖先は英雄」という意味を持つ。彼の伝説は後に『ギルガメシュ叙事詩』と呼ばれる一つの説話へとまとめられていった。これは今日最も知られているシュメール文学である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルデア内

 

ぐだ夫「という夢を見たんだけど、マシュはどう思う?」

 

 

 

 

 

マシュ「先輩、今日はぐっすり休んでください。疲れてるんですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 


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