龍亞の闇 心の悲しみ (なめらかプリン丸)
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1話

どうも初めましてなめらかプリン丸です。

いや~緊張しますねこれ。

初めましてなのでおかしな文章だらけかもしれません。

ですが暖かく見守って頂けたら嬉しいです。


俺達双子は、初めから扱いが違った。

 

そりゃあ体が弱い龍可は、皆に心配されたし、俺はお兄ちゃんだから龍可を守らなきゃいけない。

 

それに龍可は俺と違って賢いし、デュエルも強い。

 

だから俺は悔しかった。

 

龍可を守るって言いながら、俺が迷惑をかけてるんじゃないかと思うと、よけい悔しかった。

 

皆は龍可をちやほやする。そして俺なんかいないかのように、見向きもしない。

 

龍可は何も言わないけど、俺のことどう思ってるのかわからない。

 

もしかしたら、皆と同じで俺なんかいらないと思ってるかもしれない。

 

やっぱり俺は“いらない子”なのかな。

それに龍可にはシグナーの痣がある。

 

なんでもこれの痣は、特別な力を持っているらしい。

 

親は喜んでいた。それに周りの皆は揃いも揃って、

 

「やっぱり龍可ちゃんは凄いね。」

 

「それに比べて、駄目な兄だな。」

 

と言った。

 

ますます俺は悔しくそして、悲しかった。

 

なんで龍可だけ特別なんだ。

 

なんで龍可だけ誉めるんだ。

 

なんで龍可だけ愛するんだ。

 

心の奥に出来たどす黒い感情を俺は、どうすることも出来なかった。

 

けれど俺は、龍可を守らなきゃ、お兄ちゃんとして危険から守らなきゃいけないから我慢してきた。

 

龍可「どうしたの龍亞?顔色悪いわよ。」

 

龍可は時々こうやって俺の心配をする。

 

けど違う。

 

皆が龍可にする心配とは違う。

 

心からの心配ではなかった。

 

けれども、けれどもそれでも俺は嬉しかった。

 

それだけで自分の心を保つことができる気がした。

 

龍亞「大丈夫だよ龍可。だっておれはお兄ちゃんだから。

龍可を守らなきゃいけないからな。」

 

龍可「何それ?変な理由。

それに龍亞に守ってもらわなくても私大丈夫よ。」

 

これが俺の幸せだと思っていた。

 

こんな何でもない会話が、俺の壊れそうな心の支えになっていた。

 

そして俺達が11歳になったころから、両親は仕事で家に帰ってこない日が続いた。

 

当然龍可と、二人暮らし。

 

だけど、二人暮らしが始まってから龍可は変わった。

 

いや、変わってなどいない。本性を現しただけだ。

 

龍可「何でこんなことも出来ないの!」

 

「近寄ってこないでよ。」

 

等言われた。

 

やっぱり龍可も俺が迷惑だったんだ。

 

親や周りの皆への、ポイント稼ぎだったんだ。

 

けれど俺は耐えた。

 

何を言われても、されても俺は兄として、人として耐えた。

 

けど、龍可のある一言が俺の心を壊した。

 

龍可「私より弱いのに、何も力が無いのに、私を守るとか言わないでよ。」

 

俺の全てを否定された。そんな気持ちだった。

 

その日以来俺は、本当に独りになった。




どうですか。まずは龍亞のコンプレックスと悲しく、シリアスさを出してみました。

自分で書いてて胸が悲しくなって来ました。

この龍可ちゃんは照れ隠しですよね。(そうであってほしい)

けどなめらかプリン丸は双子両方すきです。

コメントや誹謗中傷等お待ちしております。

ちょっと生意気ですかね^_^;


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2話

「ミストウォームでダイレクトアタック!」

 

龍亞「ぐゎ~!」

 

学校でのデュエルで俺はまた負けていた。

 

「これで100連敗だな。」 「お前本当に龍可の兄貴かよ?」

 

等とバカにされ、暴力を振るわれた。

このデュエルはただの憂さ晴らしである。

 

テストが悪い点だった。悪口を言われた。

龍可にふられた等、ストレスが溜まったら、こうやって俺相手に、発散する。

 

こんな事が長い間続くと、自分の意思と言うものはなくなってしまった。

 

俺は何のために学校に来てるのかわからなくなっていた。

それでも居場所を求めて、こんな地獄に来てるのかもしれない。

 

皮肉なことに、皆に殴られ、けなされている時が唯一自分の居場所なのかもしれない。

 

それが辛くて、それが悲しくて、誰かに助けてもらいたくても誰も、俺なんか助けてくれない。

 

龍亞「はぁぁ、帰っても龍可は居ないか。」

 

龍可は最近、友達の家に泊まってるらしく、全然帰ってこない。

俺は独りで家に帰り、ご飯を食べて寝る。

 

そんな生活のせいで、周りの人を信用できなくなってきた。

 

十六夜「あら、どうしたの龍亞。」

 

龍亞「あ、アキ姉ちゃんこんにちは。」

 

この人は十六夜アキ。この学校のマドンナ的存在である。

 

十六夜「どうしたの?一緒に帰ろうよ。」

 

龍亞「駄目ですよ。皆に見られますよ。」

 

アキ姉ちゃんとは色々あって仲良くなっていた。

けれど俺は、信用できない。と言うより何を企んでくかわからない。

 

十六夜「大丈夫よ、学校から離れてるし。それに龍亞と、色々話したいしね。」

 

俺達は近くの誰も寄り付きそうにない公園に、来た。

 

俺はベンチに座ると、アキ姉ちゃんも隣に座ってきた。

 

龍亞「何で隣なんだよ!」

 

十六夜「何顔赤くしてるの、照れちゃって。」

 

龍亞「うるさい。」

 

なんてやり取りをしてアキ姉ちゃんは楽しそうに笑っていた。

 

けど、いきなり真面目な顔になった。

 

十六夜「私は貴方に、助けられた。 とても感謝してるわ。だからちゃんとお礼を言いたかったの。」

 

アキ姉ちゃんの言っていることはわかってる。

けど、それでも、それでも俺は辛くなった。

 

龍亞「そんなの、誰だって一緒だよ。他の人が助けてたら、アキ姉ちゃんは俺なんて相手にしてないよ。」

 

俺は震えていた。この人も結局は俺から離れてしまう。そう思うと、涙が止まらなかった。

 

すると、アキ姉ちゃんはおれを後ろから抱き締めてくれた。

 

十六夜「確かに貴方に助けてもらえなかったら、貴方に会えなかった。

けど、今は貴方に助けてもらった。それだけよ。」

 

十六夜「それに、私は貴方の全てが好きなの。

大丈夫。私はどこにも行かない。貴方を独りになんかさせないわ。」

 

俺は涙が止まらなかった。

 

 




泣けますね。
アキさん、マジでいい人ですね。感動です。

これで少しは龍亞は救われたのかな?

それにしても、照れや泣くって、どうやって表現すればいいですか?
誰か教えてください。 お願いします。


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3話

少し時間がたって、俺は泣き止んだ。

同時にアキ姉ちゃんが抱き締めてる事を思い出して、恥ずかしくなってきた。

 

龍亞「さ、さて帰ろうかアキ姉ちゃん。」

 

俺はなんとか話題をそらそうと、アキ姉ちゃんの手を、引っ張った。

 

けど、アキ姉ちゃんは少し微笑んだ。

 

十六夜「手、繋いでくれてありがと。けどこの後、ここで会わなきゃいけない人がいるの。

ごめんね。」

 

俺はちょっとだけがっかりした。

けれど、アキ姉ちゃんにはアキ姉ちゃんの予定があるから、しょうがない。

 

龍亞「わかった。じゃあまた明日ね。」

 

俺は笑顔で手を振って公園を後にした。

 

けど、俺はこの後この公園で恐ろしい戦いがおこるなんて、知るよしも無かった。

 

 

~~~その後の公園~~~

 

十六夜「全く、あんなに笑顔になって、可愛いんだから。 龍亞の支えになるのは、妻である私…」

 

龍可「何が妻よ、この泥棒猫。」

 

アキが全てを言い終わる直前に、草影に隠れていた龍可が、機嫌悪そうに出てきた。

 

十六夜「あら、やっぱり龍亞を付けてたのね。」

 

隠れてたのを知っていたのか、アキはとても冷静だった。

 

二人は向かい合わせに立ち止まった。

片方は上機嫌で、もう片方は、凄く不機嫌だ。

 

龍可「ああやって、色々と男を手玉に取ってるのね。

そんな汚い女は、龍亞に近寄らないで。」

 

十六夜「何言ってるの?あれは本音よ。

それに他の男なんか、眼中に無いわよ。」

 

何故かアキは勝ち誇ったように、得意気になっている。

 

龍可「このアバズレ。」

 

これを聞いた途端、アキの怒りのボルテージが吹っ切れた。

 

アキ「黙って聞いてたら、何よ。」

 

どうやら、アキにとって禁句だったらしい。

 

アキ「あんなに龍亞と いい雰囲気だからって、嫉妬してるんでしょ。」

 

アキの発言に龍可は、怒りで震えていた。

 

アキ「龍亞の前だと、素直になれないからって、ひがんでるんでしょ。」

 

ブチッ!!

 

この瞬間、龍可の中で何が切れる音がした。

 

龍可「何よ!その通りよ、文句あるの!」

 

アキ「やっぱりじゃない。このチビガキ!」

 

龍可「言ったわね、このおばさん!」

 

ワーワー!! ギャーギャー!!

 

この後数分間、二人は子供のように言い合いを続けていた。

 

アキ「ハァ、ハァ、ハァ、」

龍可「ハァ、ハァ、ハァ、」

 

辺りが、暗くなってきた時、二人の口喧嘩が終わった。

 

龍可「全く、あなたのせいで、もうこんな時間じゃない。

もう帰る。」

 

そう言って龍可は、公園を出ようとした。

 

アキ「あら、今日はお泊まりじゃなかったの?」

 

龍可「あんたには、関係ないでしょ。」

 

アキ「全く、素直じゃ無いんだから。」

 

~~~その後、龍亞龍可の家~~~

 

龍亞「あれ、今日は泊まりじゃなかったの?」

 

龍可「うるさい。どっちでもいいでしょ。」

 

龍亞「けど、龍可と二人きりなんて、久しぶりだな。」

 

この時の龍亞の笑顔を、不覚にも可愛くて、ときめいてしまった龍可であった。




今日この話を書いて一言。

女って怖いなです。

いや~けど龍可ちゃん照れ隠しで良かった。(本当に良かった。)

これ書いてて少し幸せな気持ちになれました。

あぁ彼女欲しい←こんなのだからできないのかも。

まだ先の話ですが、この小説で龍亞たちのデュエル描写って書いたほうがいいですか?

できたらコメント下さい。


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4話

龍亞「いってきます。」

 

今日は遠足、と言うより会社見学の日。

残念ながら龍可は、風邪をひいていけないけど、楽しみだな。

 

龍亞「にしても、龍可大丈夫かな?」

 

龍可のことは、アキ姉ちゃんに任してある。

アキ姉ちゃんたち上級生は、学校が休みらしい。

 

俺は、遅刻しそうにないから、少しゆっくり歩いていた。

すると目の前に、一枚のカードが落ちていた。

 

龍亞「お、カードが落ちてる。何だろう?」

 

龍亞「何だこれ、何も書いてない。」

 

そのカードには、何も書かれてなかった。

けど、何故かこのカードは、大事なカードだと、思えた。

 

龍亞「まぁ、いいや。何かには使えるだろ。」

 

俺はカードを拾い、また歩き始めた。

 

少し歩いた曲がり角で、いきなり横から、何かにぶつかった。

 

龍亞「イテテ、何だよ一体。」

 

「ごめんよ、大丈夫かいボク?」

 

そこにはとても、ガタイの良い大柄な男が立っていた。

 

龍亞「大丈夫だよ。それに子供扱いするなよ。」

 

「すまないね、ボク。おじさん考え事をしてたから、前が見えて無かったよ。」

 

またこの人は、俺のことを子供扱いしてくる。

少しカチンときて、不機嫌になった。

 

龍亞「ボクってのを止めてよ。俺には龍亞って名前があるんだ。」

 

するとこの人は、「ごめん、ごめん」と微笑んだ。

 

「龍亞か、カッコいい名前だね。おじさんはルドガーって言うんだよ。よろしく」

 

と、ルドガーさんは握手をしてきた。

こうしてる内に、時間が来てしまった。

 

龍亞「すみませんルドガーさん。もう時間なので失礼します。」

 

ルドガー「そうか、気をつけてな。」

 

俺は、急いで学校まで走り始めた。

 

プルルル~プルルル~

ルドガー「俺だ。あぁ、前に話した我らの王、それがわかった。

多分、今日お前のとこに行くはずだ。頼んだぞ。 名前は、“龍亞”だ。」

 

~~~見学先~~~

 

ここが、見学する会社、アルカディア・ムーブメント。

なんでも、色々な実験をしてるらしい。

 

先生「皆さん、今日は特別にゴドウィン長官が来てくれてます。粗相の無いように。」

 

ゴドウィン

なんでもお偉いさんらしい。けど、俺には関係ないかな。

 

それより、速く色々見て回って、龍可や、アキ姉ちゃんに教えてあげなきゃ。

 

俺は、単独行動を始めた。

 

それ以前に、どうせ誰も俺とはグループなんて組まない。

 

結果的に一人になってしまうのだ。

 

随分奥に来たな~。元々見るものが無かったけど、これ以上先に行っても無駄かな。

 

そう思い、帰ろうと思い回れ右をした時、後ろから声をかけられた。

 

「やぁ、初めまして。君が龍亞君だね。」

 

知らない人に名前を呼ばれて少し戸惑った。

 

龍亞「そ、そうですけど…、貴方は誰ですか?」

 

「私はディヴァイン、この会社の社長だ。よろしく。」

 

 




さて、いよいよ大変な事になって来そうな感じです。

ルドガーさんやディヴァインの登場です。
今回はルドガーさんはダークシグナーと、関係が有るのか否か。

それに王とはなんの事なのか!

波乱が起きそうですね。


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5話

今回の話は、ちょっと本編から外れます。
それは、家でお留守番をしている龍可と、龍可を看病しているアキの話です。

本編を書こうと思ったのですが、まだまとまって無いので、休憩をかねてです。

それでは、お楽しみ下さい。


龍亞「いってきます。」

 

龍亞が、会社見学に出発してしまった。

何でこんなときに風邪をひいてしまったのか。

 

始めて、自分の体の弱さを痛感した感じです。

 

龍可「ハァ~、最悪風邪をひいたのは、まだいいわ。それより…」

 

私は、大きくため息をして私の看病を任された、あの女を見た。

 

龍可「何で、あなたがいるのよ。他の男のとこにでも、行ってきなさいよ。」

 

十六夜「私だって本当は、あなたの看病なんて、ごめんよ。」

 

そう言うと、この女は頬を赤らめて、

 

十六夜「でも、龍亞の頼みなんだから、なんでも聞いちゃうわよ。」

 

と、嬉しそうに言い放った。

ムカつく。凄いムカつくけど、正直一人は寂しいから、たとえこの女でも嬉しいわ。

 

十六夜「何よ、案外嬉しそうじゃない?まだまだ子供ね。」

 

龍可「う、うるさい。嬉しくなんかない!」

 

顔に出てたのか。凄く恥ずかしい。

 

にしても、改めてこの女と二人きりになると、何を話して良いのかわからないわ。

 

この前、口喧嘩したばかりだから少し、気まずいわ。

 

龍可「あ、あの、この前はその、言い過ぎたわ。ごめんなさい。」

 

私は、恥ずかしさを我慢して、この前の事を謝った。

 

すると、物凄く驚いた顔をしていた。

 

十六夜「何よあんた、熱にやられてるの。いきなり謝って。」

 

この女に、我慢して謝った私が間違ってたわ。

私の気も知らないで。

 

龍可「何よ!折角謝ったのに。この気まずい空気が嫌だったのよ。」

 

すると、この女は少し微笑んだ。

 

十六夜「なんだ、そんかことか。気にしてないわよ。」

 

そう言うと、ベットに座り込んで話を続けた。

 

十六夜「あなたはどう思ってるか知らないけど、私はあなたの事、嫌いじゃ無いわよ。

 

むしろ、良いライバルだと思ってるわ。だから気にしないで。」

 

と言って、私の頭を撫でてきた。

それは、とても暖かくやさしいものだった。

 

だから恥ずかしくなり、手をどけた。

 

龍可「いきなり何するのよ。子供扱いしないでよ。」

 

自分でもわかるくらい、顔が赤くなっている。

 

 

龍可「ついでにそこの、ぬいぐるみ取ってよ。」

 

私は、机の上のウサギのぬいぐるみを指差した。

 

十六夜「ん、これね。随分前からあるのね。ちょっとボロボロじゃない。」

 

私はそのぬいぐるみを大事に胸に抱き締めた。

 

龍可「これは昔、龍亞が誕生日にくれた大事なぬいぐるみなの。たとえ、ボロボロでも捨てないわ。」

 

十六夜「なるほど、それでそんなにも、大事なのね。」

 

私は、この短い時間で、この女に対しての感情が、変わっているのを感じた。

 

まだ嫌い。だけど、この前のような敵意は、全くない。

 

十六夜「さてと、お粥でも作ってくるわ。」

 

そう言って、ベットから立ち上がった。

 

龍可「ねぇ、ちょっと。」

 

私は、決意をした。

 

龍可「私はあなたが嫌い。けど、ライバルとしては好きよ“アキ”」

 

それを聞いたアキは嬉しそうに笑った。

 

十六夜「えぇ、私だって好きよ。けど、龍亞は渡さないわ。」

 

私はこの日、龍亞以外で始めて、心の許せるライバルができた。

アキ、負けないわよ。




本編のシリアスの裏に、感動的な友情が生まれてましたね。

良い話だ~♪感動だな。
この二人なら、良い勝負ができると思います。

時間軸的には、この後に龍亞と、ディヴァインの出会いです。

いや~この二人の話の時は、この前の喧嘩があったから、どうなるかと思ったけど、中々良い感じになりました。

感想等、お気軽にどうぞ。


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6話

龍亞「社長ですか、そんな人が俺に何のようですか?」

 

するとディヴァインは楽しそうに笑った。

 

ディヴァイン「いやいや、君に用があるのは、私じゃない。」

 

と言い、俺の後ろ側に回り込んだ。

まるで、俺を逃がさない様に追い詰めてきた。

 

ディヴァイン「さぁ、この先にある部屋に来てもらうぞ。」

 

この時、本能がこの人が危ない、と言った気がした。

 

龍亞「い、いやもう、帰らなきゃ。」

 

けれど、肩を捕まれて、身動きが取れなかった。

誰か、龍可、アキ姉ちゃん、助けて。

 

「相変わらずだな、ディヴァイン。手荒な真似はするなと、言ったはずだぞ。」

 

ディヴァイン「すみません。こいつが逃げようとしたのでつい。」

 

そこには、黒装束を身に纏い、フードを深く被った男が立っていた。

 

「この者が、無礼を働き、誠に申し訳ございません、龍亞様。」

 

その男は、俺の前に膝まづいた。

俺は、突然の事で頭がついていかず、キョトンとしていた。

 

ディヴァイン「ダンナ、龍亞君がついていけてませんよ。」

 

いつの間にかディヴァインは、肩から手を、離していた。

けど、目の前で起きている事がわからず、動けずにいた。

 

「そうでした。すみません龍亞様。」

 

すると、この男は、椅子を取り出して、俺の前に置いた。

 

龍亞「え、どこから出したんですか?」

 

ディヴァイン「気にしないで下さい。良くあることです。」

 

あんまり釈然としないけれど、しょうがないから、椅子に腰掛けた。

 

「私達は、世間から弾かれた、悲しい者たちです。

名を、光の使者、シグナーの対をなす存在、闇の王の使者、ダークシグナーで御座います。」

 

ダークシグナーだって。それじゃあこの人は悪い人なのか。

そう思いながら、心の中ではこの人たちの悲しさが少し、わかる気がした。

 

龍亞「けど、ダークシグナーさんと、俺になんの関係が?」

 

「それは、貴方が我らの王に、選ばれたからです龍亞様。」

 

そんな!俺がダークシグナーの王だなんて。

信じられない。

 

龍亞「何かの間違いじゃないですか。」

 

「そんな事はありません。私達は貴方の心の闇を知っています。」

 

この人はまた、俺の前に膝まづいた。

 

「それに、闇の王のカード、貴方は既に、お持ちになられております。」

 

王のカード?そんなの持ってないぞ。

まさか、このカードの事か。

 

俺は、今朝拾った何も書いてないカードを、取り出した。

 

「そのカードで御座います。選ばれし闇のカード、貴方が王である証で御座います。」

 

ディヴァイン「話は終わりましたね。では、私達についてきてください。」

 

俺は、もう何も考えられなかった。

気付けば、ディヴァインの後をついて歩いてあた。




まさか、龍亞がダークシグナー達の王だったとは…
何となくわかっていたかも知れませんが、やっぱり驚きです。

ディヴァインがダンナと呼ぶこの男、一体誰なのか!
このまま龍亞は、どうなってしまうのか!

まだまだ、先が読めそうにありませんね。


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7話

奥の部屋は、研究所らしく、色々な機械が置いてあった。

 

「ディヴァイン、例の装置は出来ているな。」

 

男からの問いかけに、ディヴァインは誇らしげに胸を張っていた。

 

ディヴァイン「勿論です。今回のために、改良を重ねた特別製です。」

 

すると、白衣を着た人たちに押さえられ、俺は椅子に、固定された。

 

龍亞「おい、どうする気だ、離して。」

 

「ディヴァイン、説明を。」

 

そう言われたディヴァインは、俺の目の前に立ち塞がった。

その手は、謎の液体が入った注射器が握られていた。

 

ディヴァイン「この薬は、人の心の奥底にある、悲しみや、憎しみなどの、負の感情を何倍にも、倍増させる薬です。」

 

そう説明をしている顔は、まるで壊しがい

のある玩具を前にした、子供のようだった。

 

俺は心の底から、感じたことの無い恐怖に、襲われていた。

 

龍亞「いや、止めて、止めてください。」

 

涙を流して、訴えた。

 

けど、泣けばそのぶん、嬉しそうに近づいてきた。

 

ディヴァイン「大丈夫、ちょっとチクッとするだけだから。」

 

そう言って、俺の首にその薬を、注射した。

 

すると、体の奥から熱くなってきた。

胸が、頭が痛い。苦しい、呼吸が出来ない。

 

これまでの、自分の感情で押し潰されそうになる。

重い。そして、黒い。

そんな何かに、自分が支配されそうな気がした。

 

「ダークシグナーになって、人の心の闇が見れるようになったが、これ程の闇は、見たことがない。」

 

ディヴァイン「時間的に、もうすぐです。」

 

もうだめだ、そう思ってしまった。

けど、何故か暖かくて、優しい何がそれの支配を止めた。

 

龍亞(何だ、何が起きたんだ。 あれは、人影、二人の人だ。)

 

誰かはわからなかったが、その二人のお陰で、俺は助かった。

 

龍亞「ハァ、ハァ、ハァ、」

 

ディヴァイン「そんな、失敗したのか!ありえない。」

 

がっかりするディヴァインとは逆に、男はとても、満足そうだった。

 

「いや、成功だ。後は我々が最後の希望を壊す。」

 

そう言って、俺を椅子から解放した。

けど、あまりの苦しさに、俺は動けずにいた。

 

「ディヴァイン、龍亞様を丁重に家まで御送りしろ。」

 

俺は、必死に体を動かして、二人から逃げた。

 

ディヴァイン「逃げたか、まぁいい。」

 

「我らの王に、栄光あれ。」

 

~~~公園~~~

 

龍亞「ハァ、ハァ、ハァ、」

 

体が、自由になる頃には、この前の公園に来ていた。

 

会社の外に出ると、誰もいなかった。

 

龍亞「置いてかれたのか、当然だよな。」

 

そう思うと、さっきの黒いものが出てきたような気がした。

 

龍亞「ハァ、帰らなきゃ。」

 

俺は、自分の身に、起こった事の重大性に、いまひとつわからないまま、帰ることにした。




龍亞がダークシグナーにならなくて良かった。
にしても怖い大人たちですね。

けど、龍亞を助けた二人って、やっぱりあの二人なのですかね。

これからシグナーと、ダークシグナーとの本格的な戦いに、入っていくのか。

龍亞が心配な私です。


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8話

龍可「龍亞、起きてよ。」

 

俺は、龍可に起こされて、目が覚めた。

おかしいなぁ、今日は土曜日のはずなのに。

 

龍可「速く起きて、出掛ける用意をして。」

 

龍亞「朝からどうしたの?」

 

龍可から、手紙を渡された。

 

そこには、シグナー宛に届いた、招待状だった。

 

龍亞「なるほど…けど、俺となんの関係が?」

 

すると、龍可は呆れた顔をした。

 

龍可「何言ってるのよ。私達は双子よ。

それに、龍亞が行かないなら、私も行かないわ。」

 

龍亞「そっか、いや、その…ありがとう。」

 

何故か凄く恥ずかしかった。一気に眠気も覚めた。

 

龍可(か、可愛い~。じゃ、なくて。)

 

龍可「速く着替えてね。」

 

~~~玄関~~~

 

龍可「何であなたがいるのよ。」

龍亞「アキ姉ちゃんおはよう。」

 

着替え終わり、出発しようと玄関に行くと、そこにはアキ姉ちゃんがいた。

 

十六夜「まぁ、気にしないで。あと、おはよう龍亞。」

 

龍可「まぁ良いわ。それより急ぎましょう。」

 

龍可は、俺の手を引っ張り急いで玄関を出た。

 

少し走った後、俺達は息を整えるため、走るのを止め、歩いた。

 

龍可「ふぅ、これで撒けたはず。」

 

十六夜「そんなに急がなくても間に合うよ。」

 

いつの間にかアキ姉ちゃんが、後ろにいた。

と言うか、いつの間にか抱き抱えられた。

 

龍亞「アキ姉ちゃん、離してよ。」

 

俺は恥ずかしさもあって、速く離れたかった。

それに、龍可の視線が怖すぎる。

 

龍可「アキ、龍亞が嫌がってるでしょ。離して。」

 

それを聞いたアキ姉ちゃんは、より俺を強く抱き締めた。

 

十六夜「あら、本当に嫌かしら?こんなに嬉しそうなのに。」

 

アキ姉ちゃんは、あからさまに龍可を、挑発した。

 

龍亞「いや、アキ姉ちゃん恥ずかしいよ。それに、その、当たってる。」

 

赤くなってるのがわかる。男なら誰でも夢見るシチュエーションだけど、皆が見てるし、龍可も見てるよ。

 

十六夜「あら、やっぱり龍亞も男の子ね。嬉しいわ。けど、時間が無いから残念だけどしょうがないわ。」

 

と言って、俺を離した。

アキ姉ちゃんの顔は、とても残念そうだった。

 

何故か罪悪感が沸いてきた。

 

龍亞「そんな顔しないでよ。終わったら、しても良いから。」

 

そしたら、物凄い笑顔になっていた。

そして、龍可の方を見たら、胸の部分に手を当てて、地獄を見たような顔をしていた。

 

龍亞「え、え~と、俺は大きさなんかどっちでも良いよ。」

 

すると、龍可はこっちを見た。

その顔には、少しだけ光が戻っていた。

 

龍亞「俺は、そんなので人は選ばないよ。それに、俺は龍可もアキ姉ちゃんも大好きだよ。」

 

龍可「龍亞~♪」

十六夜「龍亞~♪」

 

二人が抱きついてきた。

 

龍可「離しなさいよ。龍亞は私が好きって言ったのよ。」

 

十六夜「何言ってるのよ、私が好きって言ったのよ。」

 

このままだと遅刻しちゃうよ。

 

 




ほのぼのしてますね。
この前がシリアスだったから、余計にそう思います。

いや、難しいです。
このようなシリアスの後のほのぼのは。


話がとても変わりますが、積水ハウスと、いすゞのトラックのcm ソングにfullバージョンがあるのにびっくりしました。

あるものですね。(伏せ字無しだけど、良いのか?)


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9話

そして、着いたのがみたのことのないガレージに着いた。

 

龍亞「ここが、目的の場所?」

 

十六夜「そうよ。ちょっと待っててね。」

 

そう言って、アキ姉ちゃんは、車庫を開けて中に入っていった。

 

十六夜「遊星、遊星、皆揃ったわよ。」

 

俺達もアキ姉ちゃんに続いて、ガレージの中に入っていった。

 

そこには、一人の男が自分のと思われる、赤いDホイールの整備をしていた。

 

十六夜「龍亞、龍可、紹介するわ。今回の主催者、遊星よ。」

 

遊星「遊星だ。よろしくな。」

 

そうして、まずは龍可と握手をした。

そして、俺を見て握手をするために、手を差し伸ばしてきた。

 

優しい人。第一印象はとても、良かった。

 

けど、あの日の事件以来、俺はマーカー付きの人達が凄く怖かった。

だから、俺は龍可の後ろに隠れて震えていた。

 

龍可「どうしたのよ龍亞?何かあったの?」

 

龍可は、心配そうな顔をしていた。

遊星は、申し訳無さそうな顔をした。

 

遊星「ハハハ、嫌われちゃたかな、ごめんよ。」

 

龍亞「いや、ち、違います。ちょっとビックリして。」

 

そう言って俺は、龍可の後ろから出て、遊星と握手をした。

けど、その体は、まだ震えていた。

 

十六夜「あれ、あとの二人はどうしたの?」

 

遊星「あぁ、今日は用事があって来れないそうだ。」

 

俺は、また龍可の後ろに隠れた。

何故か龍可の体温が上がってるような気がした。

 

遊星「そう言えば、龍亞君は何で長袖何だ。」

 

それは、遊星からの質問だった。

確かに、まだ5月だが、長袖を来てると、少し暑いくらいだ。

けど、俺には長袖を着なくちゃいけない、理由がある。

 

十六夜「そう言えばそうよね。龍亞の半袖姿、見たこと無いわ。」

 

龍可「確かに、私も見てないわ。」

 

そう。俺はあることがきっかけで、他人に自分の肌を、見せなくなった。

 

十六夜「まぁ、いいわ。それより今回集まったのは、交流を深めるためよ。」

 

龍可「交流を?どうしてなの。」

 

遊星「理由は簡単だ。来るダークシグナーとの戦いの前に、シグナー同士仲良くなろう、と言う考えだ。」

 

なるほど、そう言うことか。

やっぱり選ばれた人達は、選ばれた人達同士で、仲良くなるんだ。

 

俺は、ここでも自分が孤独になった様な気持ちになった。

それに、俺は真偽はわからないが、皆の敵になるかも知れない。

 

龍亞「じゃあ、俺はここにいらないね。帰るよ。

龍可をよろしく。」

 

俺はガレージを出ようとした。その目には涙が流れていた。

何処にいても、俺の居場所なんか無いんだ。

 

そんなとき、誰かが、俺の手を引っ張った。

 

遊星「何言ってるんだ。君もいて良いんだよ。

君の事は、アキから聞いてる。けど、そんなの関係無い。」

 

俺は、不思議だった。この人は嘘をついてない。そう思った。

 

 




はい、どうですか。
今回は遊星の初登場です。

ちょっと迷いました。ここで出すかどうか。
まぁ、他の二人の登場はまだ未定です。

龍亞が長袖な理由と、マーカー付きが怖い理由は同じです。
いずれその過去も書きたいと思います。


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10話

遊星「それじゃあ、しっかりつかまってろよ龍亞。」

 

龍亞「わかった。」

 

何故、俺と遊星が、二人でDホイールに乗っているかと言うと、数十分前に話は戻る。

 

~~~数十分前~~~

 

十六夜「そしたら、男子チームと、女子チームに別れるわよ。」

 

それは、アキ姉ちゃんの突然の提案だった。

 

アキ姉ちゃん以外の三人は、少しポカーンとしてある。

 

遊星「どうして、その別け方なんだ。」

 

十六夜「そんなの決まってるじゃない。私と遊星は、今更だし、龍可と二人は危ないしからよ。」

 

十六夜「それに、龍亞に同性の友達も必要でしょ。」

 

そんなものなのか。

俺は、そもそも友達が良くわからない。

 

遊星「なるほど、一理あるな。良し、決まりだ。」

 

そう言うと、遊星は俺にヘルメットを渡してきた。

 

遊星と同じ赤いヘルメットだ。

 

龍可「じゃあ、私達はショッピングでも行きましょ。」

 

あれ?龍可とアキ姉ちゃんって、そんなに仲が良かったっけ?

けど、この二人には仲良くして欲しかったから、凄く嬉しいな。

 

龍可「それと龍亞に、もしもの事があったら、許さないわよ!」

 

遊星「わかったよ。心配するな。」

 

~~~現在~~~

 

そして、現在に至る。

おれは、始めて乗るDホイールに凄く緊張した。

 

遊星「じゃあ、何処か行きたい場所はあるか。」

 

そう聞かれても、俺はこの辺の事は良くわからない。

だから、遊星に任せることにした。

 

龍亞「俺は、自分の知らない場所を見てみたい。 だから任せるよ。」

 

俺達は、色々な場所を見て回った。

見たことのない花が咲いてる花畑、大きな噴水のある広場、そして今は遊星の生まれ故郷、サテライトのスクラップ置き場に来ている。

 

龍亞「ここが遊星の生まれた場所、サテライト。」

 

遊星「あぁ、ここの廃物でこのDホイールを作ったんだ。」

 

へぇ~、凄いな。遊星は手先が凄く器用なんだね。

いつか俺も、作って貰おうかな。

 

遊星「龍亞が、ライセンスを取ったら、龍亞専用のDホイールを作ってあげるよ。」

 

龍亞「本当に!じゃあ御願いしちゃおうかな。」

 

はぁ~、大人になるのが楽しみだな。

 

遊星「さて、次の場所でも行くか。」

 

俺達は、次の場所を目指して道路を走っていた。

 

すると、後ろから別のDホイールが走ってきた。

黒いD ホイールに乗った黒いフードをかぶった男だった。

 

その男は、俺達の前に止まった。

 

男「お前は赤き龍に選ばれたシグナーだな。」

 

この前の男とは、違うダークシグナーの男。

何故か、そう断言できた。

 

すると、遊星の腕のシグナーの痣が、赤く光った。

 

遊星「くぅ、この感じ、まさかダークシグナーか。」

 

すると、その男は右腕を見せてきた。

その腕にはシグナーのとは違う、黒色の痣が光っていた。

 

男「そうだ。俺は巨人の痣を持っている。名は、鬼柳京介。」

 

遊星「そ、そんなまさか本当に鬼柳なのか。」




シグナーとダークシグナーの初対面です。
鬼柳の登場です。

この話では、どんな役回りなのか、凄く楽しみです。

次回、なめらかプリン丸始めてのデュエル描写の挑戦です。

至らない点が多々あると思いますが、多目に見てください。


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11話

今回、始めてのデュエル描写です。
ルールは先行ドローありで、スピードワールド2の設定です。

基本、原作キャラのデッキですが、違うカードを使う時があります。
オリジナルカードも入れるかも知れません。

色々と、変な所がありますが、暖かく、見守って下さい。


遊星「本当に鬼柳か。何でお前が、ダークシグナーなんかに。」

 

すると、その鬼柳と呼ばれた男は、俺達の方に向かって歩いてきた。

 

鬼柳「さぁな、そんなもの覚えてないな。」

 

そして、俺達の前まできた。

その顔には、マーカーが付いていた。

俺は怖くて、遊星に抱きついた。

 

鬼柳「そう言えば、マーカーが怖いんでしたねすみません。」

 

そう言うと、鬼柳はマーカーが見えない様に、フードをかぶった。

 

遊星「鬼柳、どうしてお前がここに。それに、ダークシグナーの目的はなんだ。」

 

鬼柳「そんなもの決まってるさ。」

 

そして、俺の前に来て手を差し伸ばしてきた。

 

鬼柳「あなたをお迎えに上がりました。」

 

龍亞「え、そんな、嫌!」

 

鬼柳は、少しため息をし、自分のDホイールの方に戻っていった。

 

鬼柳「やはり、一筋縄じゃいかないか。なら、」

 

鬼柳の痣が光り、地面から炎のようなものが、大きな巨人の痣を作った。

 

鬼柳「デュエルだ遊星。俺が勝てばわかってるな。」

 

遊星「くっ、逃げられないか。わかった、デュアルだ。」

 

遊星・鬼柳「ライディングデュエル、アクセラレーション!」

 

今、二人のデュエルが始まった。

俺は遊星の後ろで遊星の勝ちを、祈っていた。

 

~~~鬼柳1ターン目~~~

鬼柳「先行ドロー、俺はカード3枚伏せる。」

 

鬼柳「そして、《インフェルニティーガーディアン》を守備表示で召喚。ターンエンド。」

 

鬼柳は、見たことのないモンスターを召喚してきた。

骸骨の怖いモンスターだ。

 

遊星「大丈夫だ龍亞。俺が守ってやる。」

 

~~~遊星1ターン目~~~カウンターお互い1

 

遊星「俺のターンドロー!手札から《エンジェルバトン》を発動。」

 

遊星「デッキからカードを2枚ドローし、1枚捨てる。」

 

遊星「そして、《ジャンクシンクロン》を召喚。効果で墓地の、《スピードウォリアー》を特殊召喚。」

 

遊星は一気にモンスターを2体も出した。

 

遊星「レベル2《スピードウォリアー》に、レベル3《ジャンクシンクロン》をチューニング。」

 

遊星「シンクロ召喚。現れろ、《ジャンクウォリアー》」

 

遊星はいきなりシンクロモンスターを召喚した。

 

凄いかっこいいな。

 

遊星「《ジャンクウォーリアー》で攻撃、『スクラップフィスト』」

 

やったー、相手のモンスターを破壊したぞ。

 

鬼柳「この瞬間、罠カード《冥福への供物》を発動。

500LPと、手札2枚を墓地に送り、破壊された《インフェルニティーガーディアン》を特殊召喚。」

 

そんな、折角破壊できたのに。けど、相手の手札はすでに0枚、これは行けるぞ。

 

龍亞「やったね遊星。これでこっちがリードだ。」

 

けど、遊星の顔は晴れなかった。

 

遊星「カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

鬼柳「ふっ、お楽しみは、これからだぜ。」




いきなりオリジナルカード出してしまいました。
すみません。

けど、インフェルニティーってかっこいいですよね。
ハンドレスコンボ、実際も良く使います。

もし、デュアル描写に質問や、こうしたほうが良いなど、色々待ってます。


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12話

どうも、プリン丸です。
今回もデュエルの続きです。

また、オリジナルカードを出します。
ご了承下さい。


~~~鬼柳2ターン目~~~カウンターお互い2

 

鬼柳「俺のターンドロー」

 

相手は手札が1枚、どんな戦法をしてくるんだ。

 

鬼柳「俺は《インフェルニティーネクロマンサー》を守備表示で召喚。」

 

遊星「この瞬間、罠カード《エフェクトキャンセル》を発動。」

 

遊星「その効果で、このターン、シンクロモンスター以外の効果を無効にする。」

 

鬼柳「なるほど、だがその罠の効果で、無効になったモンスターの数だけカードをドローするぜ。」

 

鬼柳「2枚カードを伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~遊星2ターン目~~~カウンターお互い3

 

遊星「俺のターンドロー、俺はカードを2枚伏せる。」

 

遊星「くっ、伏せカードは多いが、ここは様子見だ。《ジャンクウォリアー》で《インフェルニティーネクロマンサー》を攻撃。」

 

遊星「食らえ『スクラップフィスト』」

 

良し、次こそ倒せたか?

 

鬼柳「やはり、こっちから攻撃してきたか。」

 

龍亞「良かった。何も発動しなかったね。」

 

遊星「鬼柳!何故何も発動しない。自分のモンスターが無惨にやられても良いのか!」

 

すると、鬼柳は高笑いをし、Dホイールを並走してきた。

 

鬼柳「何綺麗事言ってるんだ。そんなもの、勝つために決まってるだろ。」

 

と言い、Dホイールのスピードを上げ、また俺達の前を走っていった。

 

遊星「くっ、ターンエンドだ。」

 

鬼柳「そうだ、その顔だ!その顔こそ、我らが王の喜びなのだからな。」

 

それを聞いた俺は、身震いをしてしまった。

怖かったのだ。この時のあいつの黒いオーラに。

 

~~~鬼柳3ターン目~~~カウンターお互い4

 

鬼柳「俺のターンドロー!」

 

この時、また鬼柳のオーラがより黒く、より多くなった。

 

遊星「どうした龍亞、怖いのか。」

 

龍亞「遊星見えないの!」

 

そんな、まさかゆっくりダークシグナー化してきてるのか。

 

鬼柳「どうやら、このターンで終わりの様だな。」

 

鬼柳「罠カード《リビングデットの呼び声》発動。《インフェルニティーネクロマンサー》を攻撃表示で特殊召喚。」

 

すると、上空に謎の形のものが現れた。

 

鬼柳「2体のモンスターを生け贄に、召喚!《地縛神CcapacApu 》」

 

すると、空に浮かんでるものに、沢山の何かが吸い込まれていった。

 

鬼柳「あれは、人達の魂だ。」

 

すると、巨体なモンスターが現れた。

 

鬼柳「《地縛神CcapacApu 》でダイレクトアタック!」

 

巨体な手が、俺達を攻撃してきた。

遊星は、何とか避けたけど、その攻撃で道が壊れて、俺達は下に落ちていった。

 

鬼柳「くそっ!命拾いをしたな。次こそ迎えに行きます龍亞様。」

 

遊星「待て鬼柳!話はついてないぞ。待て!」

 




下手くそでごめんなさい。
ほとんど、台詞しかありませんでした。

原作とほぼ同じ結果ですね。
地縛神わりと私は好きです。

感想や意見、誹謗中傷お構いしに下さい。
御願いします。


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13話

遊星「龍亞、何処にいるんだ。」

 

下に落ちた時、廃材が崩れ、龍亞を見失ってしまった。

 

遊星は、後悔していた。

デュエルには負けて、龍亞に怖い思いをさせたかも知れない。

それに、怪我だってしてるかも知れない。

 

遊星「くそ!見当たらないな。」

 

そして、数分歩いたら所に、赤いD ホイールが見つかった。

しかし、そこにも龍亞の姿は無かった。

 

遊星「やっぱりいないか…うん?これは。」

 

そこには、尖った廃材に赤い何かが付いていた。

 

遊星「これは、まさか龍亞の血!まずい速く見付けなければ。」

 

遊星は、青ざめていた。

そして、少し歩いたところに、龍亞は倒れていた。

 

その体からは、やはり出血をしていた。

 

遊星「大丈夫か龍亞!しっかりしろ。」

 

しかし、龍亞は気を失っていて反応をしない。

 

遊星は、龍亞を背中におぶって、自分のD ホイールの所まで歩いていった。

 

その時、遊星は先程のデュエルを思い出していた。

 

自分の古くからの親友が、ダークシグナーになっていたこと、あの巨体なモンスターの攻撃。

 

全く、歯が立たなかった。

それどころか、遊星はあのモンスターに、鬼柳に恐怖している。

 

遊星(もし、次に鬼柳が来たとき、俺は戦えるだろうか。)

 

そんなことを、考えてる内に、D ホイールの所に着いた。

 

遊星は、龍亞が落ちないように、自分と龍亞をヒモで縛った。

そして、Dホイールを廃材の山から、走れる道まで手で押していった。

 

道につくと、遊星は龍亞の出血具合を見てみた。

服の上からでは良く見えないが、血は止まっていない。

遊星「速く帰って、治療しなければ。」

 

遊星は、Dホイールに跨がると、急いでガレージに向かった。

 

~~~ガレージ~~~

 

ガレージに帰ってくると、そこには白いDホイールが、止めてあった。

 

ジャック「何処に行っていたんだ遊星!心配したぞ。」

 

そこには、遊星の仲間、ジャック・アトラスがいた。

 

遊星「すまない、だが急いで救急箱を持ってきてくれ。」

 

いきなりの頼み事にジャックは戸惑った。

 

ジャック「どうしたんだ、ん?何だその子供は。」

 

ジャックは今、龍亞にきずき、状況を把握した。

 

ジャック「何だか知らんが、俺の部屋を使え。」

 

と言い、急いで救急箱を取りにガレージの中に、入っていった。

 

遊星はジャックに言われた通りに、龍亞をジャックの部屋まで、運んだ。

 

遊星「龍亞、もうすぐだ。辛抱してくれ。」

 

遊星は、龍亞をジャックのベッドに寝かせた。

 

ジャック「遊星!持ってきたぞ。」

 

ちょうど良いタイミングに、救急箱が届いた。

 

遊星「ありがとうジャック。さて、先ずは傷を見なくては。」

 

そのために、遊星は龍亞の服を脱がせた。

だが、龍亞の肌を見た二人は、驚きを隠せなかった。

 

 




皆様、誠に申し訳ございません。

デュエルがデュアルになってました。
本当にすみません。


今回はいよいよ龍亞の過去が露になります。
次回は、龍亞が長袖な理由と、マーカーが怖い理由を書く予定です。

お楽しみに。


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14話

今回は、前にもお知らせした通り、龍亞の過去話です。

それでは、お楽しみ下さい。


これは、俺達双子が4歳か5歳くらいの時のお話。

 

龍亞「もうすぐ、龍可の誕生日だなぁ。今年こそは、何かプレゼントあげたいな。」

 

あと1週間位で、俺達双子は誕生日を迎える。

けど、俺には関係無い。

 

両親は、龍可だけを祝うし、俺なんか見向きもしない。

だから俺にとって誕生日とは、龍可の誕生日なのだ。

 

龍亞「けど、何をあげようかな。龍可には聞けないし。」

 

今、龍可は意識不明の状態で、病院に入院中だ。

両親は付きっきりで看病して、家に帰ってこない。

 

俺は、お見舞いに行きたいけれど、両親が許してくれない。

 

龍亞「何か龍可が喜びそうなのないかなぁ。」

 

なんて考えながら歩いてると、ひとつのヌイグルミが、目に入った。

 

それは、少し前に龍可が欲しがっていた、ウサギのヌイグルミだ。

 

龍亞「これだ!これなら、龍可も喜んでくれるよ。」

 

けど、値段を見た。3万円ちょっとする。

そんな大金、子供の俺が持ってる訳がない。

両親が俺なんかにお金をくれる訳もない。

 

このヌイグルミ代は、自分でゲットしなくてはならないのだ。

 

龍亞「どうしよう、こんなお金どうすれば良いんだ。」

 

働こうにも、俺みたいな子供なんて、どこも雇ってくれない。

どうしたら良いんだよ。

 

そして、少し歩いたところに、1枚の張り紙があった。

そこには、『好きなだけお金をあげます。年齢無制限、何時でもいいです。』と書かれていた。

 

それを見て俺は、これだ!、と確信した。

まだ、世の中をよく知らない子供ながらの考えだった。

 

龍亞「これなら、あのヌイグルミを買える。良し、場所は…」

 

俺は、その張り紙に書いてある場所に行ってみた。

 

~~~暗い倉庫~~~

 

ここか、けど人がいる気配がしないな。

 

龍亞「すみません、張り紙を見て来ました。」

 

俺は、倉庫に入り、中に呼び掛けてみた。

凄く響く、あまりの大きさに奥が見えない。

 

金髪「何だ、このガキは?」

 

赤髪「うわ!トップスのガキじゃねーかよ。」

 

奥から、二人の男が出てきた。

その顔には、マーカーが付けられていた。

 

龍亞「あ、あの、張り紙を見て来たんですけど。」

 

すると、金髪の男は嬉しそうに笑うと、しゃがんで目線を合わせてきた。

 

金髪「こんな所に来るなんて、ボクは何を考えてるんだ。」

 

その顔は、笑っているけど怖かった。

今すぐ逃げたかったけど、赤髪の男に捕まった。

 

赤髪「こいつが噂の、見捨てられてる双子の片割れじゃん。」

 

すると金髪は、少し驚くと赤髪に合図を送った。

 

金髪「さて、こんな良いおもちゃを手に入れたんだ。楽しませて貰うぜ。」

 

 

俺は、赤髪に掴まれて倉庫の奥へと、連れていかれた。




途中で終わってすみません。
一応、前後半で乗せる予定ですのでご了承下さい。

次こそ、長袖とマーカー嫌いの判明するかも!
お楽しみにしててください。


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15話

そして俺は、何もない部屋に連れていかれた。

 

龍亞「何だよこの部屋。」

 

赤髪「さて、どうするよ。」

 

すると金髪は、ガムテープを持ってきた。

そして、俺の口を塞いだ。

 

金髪「騒がれると面倒だ。これで、やりたい放題だぜ。」

 

そう言いながら、俺のみぞうちをおもいっきり殴った。

 

龍亞「ング!」

 

俺は、その場に倒れてしまった。

 

赤髪「まだ、お寝んねは速いぜ。」

 

胸ぐらを掴まれて、無理矢理立たされた。

そして、顔面に一発殴られた。

 

それから俺は、二人に殴られ、蹴られた。

 

赤髪「ッチ、気を失っていてやがる。このガキ。」

 

金髪「まぁいいさ、時間はたっぷりある。」

 

それから何日も俺は、監禁された。

まだ子供だった俺は、すでに心は壊れて、何も考えられなかった。

 

金髪「さてと、次は何をしようかな。」

 

金髪は、辺りを見渡し、カッターナイフを見つけた。

 

金髪「おい、ガキの服脱がせ。」

 

赤髪は、言われた通りに、俺の服を脱がせた。

痣や、内出血だらけで、見るだけでも痛々しい傷跡だ。

 

赤髪「女見たいな身体だな。これを切るのか、そそるな。」

 

赤髪も近くにあった、カッターナイフを手に持っていた。

 

グサ、ザク、

 

俺の体から血が出る。

痛いけど、俺は言葉が出なくなっていた。

 

赤髪は、火のついた松明を持ってきて、俺の切り傷につけた。

 

俺は、その熱さに悶絶し、気を失った。

 

金髪「寝てんじゃねーぞガキ。」

 

無理矢理起こすと、また松明をつけてきた。

 

それから同じことを何度も繰り返し、俺の体には、消えない切り傷と、火傷がたくさんついた。

 

元々の肌が見えないくらいにつけられた。

 

ここは地獄だ。

俺はここで死ぬんだ。ごめんよ龍可、プレゼント買ってあげられなくて。

 

金髪「ん、何だこの音。」

 

外から何かの音が近づいてくる。

この音は、確かセキュリティのパトカーの音だ。

 

赤髪「やべーよ、ばれちまった。どうするよ。」

 

金髪「んなもん、ガキおいて逃げるぞ。」

 

二人は、俺を最後に蹴り、逃げていった。

 

俺は安心したのか、意識を失った。

 

~~~病院~~~

 

目が覚めるとそこは、病院のベッドだった。

体には、包帯が巻かれている。

 

御影「気がついたのね。」

 

そこには、一人の女の人が立っていた。

 

御影「はじめまして、私は狭霧御影、セキュリティの者よ。」

 

俺は、包帯を取って体の傷を見た。

治療はしてあるけど、ほとんど変わってない。

 

御影「ごめんなさい。もう少し速くみつけていれば。その傷は、ほとんど治らないらしいわ。」

 

龍亞「ご、ごめんなさい。」

 

俺は、泣きながら謝った。

何故か謝罪の言葉が、口から出た。

 

御影さんは、俺を抱き締めた。

 

 

次の日、俺は無断で病院を出ていった。

帰らなきゃ、龍可の誕生日過ぎちゃったな。

 

俺は、家までの長い道のりを一人帰っていった。




どうでしたか、龍亞の過去。
最初の予定より、少し軽めにはしました。

一応、ヌイグルミは、帰りの途中、御影に見つかり買って貰いました。

龍可が目を覚ましたのは、龍亞が帰ってから4日後です。
その時には、もう長袖です。



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16話

龍亞「うぅ~ん、何があったの。」

 

俺は、状況が読めないでいた。

少しだけ、気を失っていていたから、記憶障害を起こしていた。

 

遊星「お、起きたか龍亞。気分はどうだ。」

 

遊星は、何故か顔色が悪かった。

どうしたんだろう。

 

ジャック「全く、この俺に感謝するんだな。」

 

そこには、俺の憧れのデュエリスト、ジャック・アトラスがいた。

 

龍亞「何で、デュエルキングがここに?」

 

遊星「それは俺の仲間だからだ。」

 

それで、ジャックがシグナーだとわかった。

そして何故か、ジャックの顔色も優れなかった。

 

龍亞「二人とも顔色が、悪いよ。どうしたの?」

 

二人は、お互いに気まずそうな顔をした。

そして、意を決して遊星は、口を開いた。

 

遊星「龍亞、聞きにくいことだが…、その、服の下の傷、何があったんだ。」

 

そんな、見られてしまった。

俺は、体が震えていた。

 

頭が痛い。怖いよ。

俺は、涙を流していた。

 

遊星「大丈夫か龍亞!落ち着くんだ。」

 

龍亞「ハァ、ハァ、ハァ、」

 

数分たって、俺は落ち着きを取り戻した。

さっきまでの頭痛が無くなっていた。

 

龍亞「ごめんよ遊星。もう大丈夫たから。」

 

俺は、少し時間をおいて二人に、この傷のついた理由を話した。

その時も、俺の体は震えが止まらなかった。

 

ジャック「そんな、なぜ今まで言わなかった!」

 

遊星「辛かっただろう。きずいてやれなくて、すまない。」

 

この時の、二人の顔を見ると、御影さんの顔が頭をよぎった。

あの人は今、何をしてるんだろう。

 

龍亞「心配しないでよ。昔の事だから。」

 

俺は無理矢理、笑って見せた。

けど二人の顔は、晴れなかった。

 

遊星「アキ達にも、伝えなければ。」

 

遊星は立ち上がり、電話をかけようとした。

俺はあわてて遊星の手を、掴んだ。

 

龍亞「止めてよ遊星。龍可や、アキ姉ちゃんには、言わないで。」

 

遊星「けど、これは…」

 

俺は必死に遊星を止めた。

二人には、どうしても知られたくないのだ。

 

遊星「だうして、知られたくないんだ?」

 

龍亞「嫌われたく無いんだ。」

 

俺は泣いていた。

自分の感情を止められなかった。

 

龍亞「俺が、こんな傷だらけだなんてわかったら、俺は捨てられちゃう。」

 

龍亞「だから、知られたくないんだ。」

 

二人だけには、嫌われたく無い。

俺の唯一、そう思える大切な繋がりなんだ。

 

遊星「そうか…、わかった。なら、内緒にする。なぁ、ジャック。」

 

ジャック「全く、キングたるこの俺が、こんな子供の言うことに、従うとは。」

 

ジャックは、渋々だったが、内緒にしてくれた。

 

龍亞「ありがとう。二人とも。」

 

俺は、笑顔でそう言った。

 

遊星(な、何で可愛いんだ!)

 

ジャック(落ち着け!相手は男だぞ。)

 

二人とも、顔を赤くして、震えていた。

どうしたんだろう?




何か、龍亞が天然のジゴロみたいですね。

いや~二人にバレちゃいましたね。
けど、男同士のお約束!
三人だけの秘密です。

そういえば、血のついたジャックのベッド、ほったらかしですね。


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17話

龍亞「あの、ごめんなさい。」

 

俺は、ジャックに謝罪した。

等の本人は、なんのことかわからずに、ポカンとしていた。

 

龍亞「ジャックのベッドに、俺の血を着けちゃったから。ごめんなさい。」

 

ジャック「なんだ、そんなことか。」

 

そう言い、ジャックは俺の頭に手を置いた。

その手は、とても優しく嬉しかった。

 

ジャック「気にするな、このジャック・アトラス、そんな細かいことは気にせん。」

 

そう言って、俺の頭を撫でてきた。

龍可や、アキ姉ちゃんとは違って、ちょっと雑で力が強いけど、優しかった。

 

龍亞「ありがとう、ジャック。やっぱりジャックは、俺のヒーローだ。」

 

遊星、ジャック(か、可愛い!)

 

龍亞「二人とも、どうしたの?鼻血が出てるよ。」

 

ジャックと遊星は、俺がそう言うと、慌てて血を止めた。

 

遊星「と、兎に角、もうすぐアキ達が帰ってくる。怪しまれない様に、下に行くか。」

 

俺達は、ジャックの部屋を後にした。

それと、ほぼ同じタイミングでアキ姉ちゃん達が、帰ってきた。

 

十六夜「ただいま、ってジャック来てたのね。」

 

龍可「へぇ~、この人がジャック・アトラス。それより…」

 

龍可が、そこまで言うと、ジャックを睨み付けた。

その時の龍可には、恐ろしいオーラが漂っていた。

 

ジャック「何だ!俺に何が様か。」

 

ジャックも感じたのか、少し驚いていた。

 

龍可「何で、龍亞と手を繋いでるの。」

 

十六夜「あ!本当じゃん。ジャック、速く離れて。」

 

二人は、俺がジャックと手を繋いでるのが、気に入らないらしい。

俺は、不思議そうに遊星を見た。

遊星も、やれやれと言った様な顔をしていた。

 

龍亞「何で怒ってるの?俺から繋ぎたいって言ったんだよ。だってジャックは、俺のヒーローなんだから。」

 

俺は、恥ずかしくて赤面してしまった。

すると、アキ姉ちゃんはジャックの目の前に立ち、ジャックの胸ぐらを掴んだ。

 

龍亞「あ、アキ姉ちゃん!何してるの。」

 

俺が、驚いていると、龍可が俺を引っ張り、ジャックから引き離した。

 

ジャック「何の真似だ!」

 

十六夜「何のつもりかしら?鼻の下伸ばして、まさか貴方龍亞の事、好きなの?」

 

え、ジャックが俺のことを。

もし、本当だったら嬉しいな。

 

ジャック「そ、そんなわけ無いだろ!何を言うか!」

 

十六夜「私の、目を見て話なさいよ。」

 

龍亞「そんな、ジャックは俺のこと、嫌いなの?」

 

そうだよね、あんな傷を見た後だ。俺の事なんか、誰も好きにならないよね。

 

俺は、ため息をついた。

そしたら、何故か龍可がぎゅっと、抱き締めてくれた。

 

十六夜「何龍亞を泣かしてるのよ。謝ってよ。」

 

そう言い、アキ姉ちゃんはジャックを離した。

ジャックは、俺の前まで来て、目線を合わしてきた。

 

ジャック「龍亞、その、大丈夫だ。本当に嫌いじゃない。どちらかと言えば、好きな方だ。」

 

龍亞「ほ、本当に!やった、嬉しいな。」

 

俺は嬉しくて、ジャックに抱きついた。

 

ジャック「ば、バカ、そんなことしたら、おい、落ち着け二人とも、うゎぁぁ!!」

 

ジャックの叫び声がこだました。




更新が遅れてすみません。
私事でした。

そう言えば今回、遊星がほとんど空気でしたね。
忘れてませんよ。



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18話

遊星「さて、これからどうするんだ。」

 

遊星は、誰にも相手にされてなかったからか、少しすねていた。

 

十六夜「それはもう、龍可と決めたのよ。」

 

龍可「そうよ。それは…」

 

二人は、微笑みながら顔を、見合わせた。

 

十六夜・龍可「皆で、銭湯に行きましょう。」

 

す、凄い。息ぴったりだ。

 

ジャック「銭湯だと、キングであるこの俺が、そんな庶民の場所など。」

 

十六夜「別に貴方は来なくて良いのよ。」

 

さっきの事があったからか、アキ姉ちゃんがジャックへの態度が、冷たい。

 

龍亞「ジャックは、来ないの?一緒に行こうよ。」

 

遊星「そうだぞジャック。龍亞も頼んでるんだ。」

 

するとジャックは、おれてくれた。

 

ジャック「全く、龍亞が言うからだぞ。」

 

~~~銭湯~~~

 

龍亞「へぇ~、ここが銭湯か。大きいな。」

 

龍可「凄いでよ龍亞。しかも貸しきりよ。」

 

貸しきり!凄いな。

こんなに広い所を貸しきりにするなんて、何があったんだろう。

 

遊星「それじゃあアキ、俺達はここで。」

 

遊星はそう言うと、俺を引っ張って暖簾のかかった所の、中に入っていった。

 

~~~男湯~~~

 

俺達は脱衣場についた。

初めて見るものばかりで、俺は凄く興奮していた。

 

ジャック「やれやれ龍亞、速く服を脱いで籠に入れろ。」

 

へぇ~この籠に、脱いだ服を入れるのか。

けど、二人は知ってるとはいえ、あんまり肌を見せたくないな。

 

龍亞「あのさ、二人とも先に入っててよ。」

 

二人は、不思議がってたが、なんとなく察してくれて、先に行ってくれた。

 

俺は服を脱いだ。

その時、目の前の鏡に写る自分の姿を見て、俺は傷跡を手でなぞった。

 

遊星「ん、龍亞やっときたか。」

 

これが銭湯。色々な温泉があって凄い所なんだ。

 

ジャック「何してるんだ、速く来い。洗ってやる。」

 

俺は、半ば無理矢理ジャックの前に座らせれ、頭と体を洗って貰った。

 

龍亞「やっぱり、シグナーの痣って、普段も見えるんだ。」

 

お湯に浸かりながら俺は、二人に訪ねた。

 

遊星「そうだけど、どうしたんだ?」

 

龍亞「だって、それって選ばれた証じゃん。俺だって、強くなりたいんだ。」

 

俺は、自分の右腕を見つめた。

そこには、二人みたいな力の印はなく、あるのはおぞましい過去の傷跡しかない。

 

ひ弱で、無力の証だ。

それを見て俺の目には、涙が流れていた。

 

龍亞「龍可だって、アキ姉ちゃんだって、弱い俺なんて、いつか捨てちゃうに決まってる。」

 

俺は、両膝を抱えて、震えていた。

 

龍亞「それが怖いんだ。龍可達に捨てられたら俺、誰もいないだ。」

 

遊星「龍亞…」

 

すると、ジャックが無言で頭を撫でてきた。

 

ジャック「何かと思えば、そんなことか。あいつらは、そんなことでお前を見捨てたりはしない。信じてやれ。」

 

ジャック…、そうだよね。

そんな事を気にする二人じゃないよね。

 

それに、いつか俺だって強くなって、皆を守れる様になるんだ。




あれ?気のせいかな。
龍亞とジャックの絡みが多い気がするぞ。

私としては、健全な恋愛を龍亞にはしてほしいけど…。
最後に龍亞が幸せになればいいかな~なんて。

こういうほのぼのとしたのって良いですね。

けど、この後にシリアスが待ってると思うと、ちょっと辛いですね。


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19話

遊星達と、初めて会った日から数日後、俺は一人で街を歩いていた。

 

これといって、大切な用事はないが、暇を潰すために歩いている。

 

龍亞「にしても、人があんまりいないな。どうしたんだろう?」

 

今はお昼過ぎ、いつも人通りが少ない場所とは言え、いつもより少ない。

何故か嫌な予感がするな。

 

それに、気のせいかも知れないが、誰かに後をつけられている気がする。

後ろから凄く視線を感じる。

 

龍亞(しまったな。ここは一本道だから、逃げられないかな。)

 

俺は、駆け足でその路地を抜けた。

そこには、広い埋め立て地があった。

 

住宅地の近くに、こんな場所があったなんて、知らなかったな。

なんて感心していると、後ろから声をかけられた。

 

「お前が、龍亞だな。」

 

そこには、黒い服装、ダークシグナーの服を着た男がいた。

 

「我が名は、ディマク。猿の痣を持つものだ。」

 

その男の右腕には、黒い猿の痣が光っていた。

 

どうしよう、こんな所じゃ隠れる場所何か無いし、第一逃げられないかも知れない。

 

すると、俺達の周りに黒い炎が出てきた。

これはこの前、遊星と鬼柳が戦った時に出ていたものと同じた。

 

龍亞「そんな!どうして、何が目的なんだ。」

 

ディマク「そんなもの、決まっているだろう。」

 

そう言うと、何処から出したのか、俺にデュエルディスクを渡していた。

 

ディマク「私とデュエルだ少年。お前が負ければ、お前の魂は我々の物だ。」

 

クソ、もう逃げられないのか。

なら、ここで戦うしかない。シグナーの力が無くても、戦えるって事を証明してやる。

 

龍亞・ディマク「デュエル!」

 

~~~ディマク1ターン目~~~

ディマク「私の先行ドロー!私は、フィールド魔法《暗黒の密林》を発動。」

 

ディマク「それにより、フィールド上の獣属は、攻撃力を200Pアップする。」

 

ディマク「カードを2枚伏せて、ターンを終了する。」

 

そんな、モンスターを召喚しないなんて。

手札事故か、それともこいつの作戦なのか。

 

ディマク「フッ、少年よそんなに身構える事は無い。すぐに楽にしてやる。」

 

~~~龍亞1ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!」

 

よし、この手札なら1ターン目でシンクロ出来るぞ。

これなら一気に流れがこっちになるぞ。

 

ディマク「この瞬間、罠カード《獣の天秤》を発動。これにより、このターン少年が召喚出来るモンスターは、私のフィールド上のモンスターの数と同じになる。」

 

そんな!相手の場にはモンスターが1体もいない。

これじゃあ俺も、モンスターを召喚出来ない。

 

いや、待てよ。

これなら行けるぞ。

 

龍亞「手札から魔法カード《手札断殺》発動。お互いは、手札を2枚捨て2枚ドローする。」

 

龍亞「そして、魔法カード《ジャックBOX》発動。墓地の《D・スコープン》を攻撃表示で特殊召喚。」

 

ディマク「なるほど、特殊召喚なら《獣の天秤》の対象外だ。考えたな。」

 

龍亞「《D・スコープン》の効果で《D・ラジオン 》特殊召喚。」

 

龍亞「レベル4《D ・ラジオン》にレベル3《D ・スコープン》をチューニング!」

 

龍亞「現れろ愛と正義の使者《パワー・ツール・ドラゴン》」




パワーツール召喚しましたね。
、パワーツールって、見た目がかっこいいですよね。

今のところディマクのカードは全て、オリジナルです。
なんか、ディマクのイメージはゴリラしか無いので、こうなりました。


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20話

龍亞「《パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。デッキから、《シンクロ・ヒーロー》を手札に加える。」

 

龍亞「それを、《パワー・ツール・ドラゴン》に装備。攻撃力500Pアップ。よし、ダイレクトアタックだ。くらえ『クラフティ・ブレイク』」

 

龍亞LP4000ディマクLP 1200

 

龍亞「良し、一気にライフを削ったぞ。これなら行ける。ターンエンド。」

 

すると、ディマクは不敵に笑った。

 

ディマク「この瞬間、フィールド魔法《暗黒の密林》の効果発動。お互いのプレイヤーは、自分のエンドフェイズに、自分の獣属以外のカードを破壊しなければならない。」

 

そんな!このフィールド魔法にこんな効果があったなんて。

けど、《パワー・ツール・ドラゴン》は、装備カードを捨てることで破壊されない。

 

ディマク「なるほど、破壊を逃れたか。だが、いつまで続くかな。」

 

~~~ディマク2ターン目~~~

ディマク「私のターンドロー!私はカードを1枚伏せて、ターンを終了する。」

 

まただ、また何も召喚しないでターンを終了した。

何を企んでるんだ。

 

ディマク「どうした少年よ?私のフィールドは、がら空きだぞ。」

 

くそ、戦略がわからない。

 

~~~龍亞2ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!」

 

ここは、大事をとって守備を固めるのが一番だ。

おう思い、俺は《パワー・ツール・ドラゴン》を守備表示にしようとした時、ディマクが動いた。

 

ディマク「罠カード《バトル・マニア》発動。これにより、少年のモンスターは戦闘を行わなければならない。」

 

しまった。多分ディマクの狙いはもう一枚の伏せカードだ。

攻撃によって発動するはずだ。

 

龍亞「くそ、だったら《パワー・ツール・ドラゴン》の効果。《ダブルツールD&C》を手札に加え、装備。攻撃力1000Pアップ。」

 

攻撃しかできないから、やってやる。

これが通れば、俺の勝ちだしな。

 

龍亞「くらえ、『クラフティ・ブレイク』」

 

ディマクは、これを狙っていたため、迷わずに伏せカードを発動した。

 

ディマク「罠カード《名誉の贄》発動。攻撃を無効にし、私のフィールドにトークンを2体、特殊召喚する。そして、デッキから、《地縛神》を手札に加える。」

 

《地縛神》ってこの前のデュエルでも、鬼柳が召喚していた、あの巨人の事だよね。

まさか、ディマクも召喚するのか。

 

~~~ディマク3ターン目~~~

ディマク「私のターンドロー!フィールド上の2体のトークンを生け贄に、現れよ《地縛神Call 》」

 

突然空が暗くなり、上空にあの時と同じものが浮いていた。

そして、鬼柳が言ってた人々の魂が吸い込まれていった。

 

そして、巨大な猿のモンスターが現れた。

 

 




一応、パワーツールはアニメのサーチ効果です。
そっちの方が書きやすいので、そっちにしました。

ディマクがモンスターを出さないのは、展開的にこうなりました。
すみません

いよいよデュエルも佳境に入りましたね。
明日をお楽しみに。


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21話

前回書き忘れてましたが、フィールド魔法の効果でパワーツールの装備は、破壊されてます。

ご了解下さい。


~~~龍亞龍可の家~~~

 

龍可「はぁ、暇だな。」

 

龍可は、一人で家にいた。

龍亞が一人で出掛けてるからだ。

 

アキと遊ぶつもりだったが、急な予定が入ったららしく、またの今度になった。

 

龍可「ん、何かしらあれ?」

 

窓の外を見ると、謎の物体が空に浮かんでいた。

すると、龍可の腕にあるシグナーの痣が光った。

 

龍可「何事なの!それに、あの方向は龍亞が出掛けた所。」

 

龍可は、夢中で家から駆け出した。

嫌な予感がしたのだ。

 

その直後、その場所に巨大なモンスターが、姿を現した。

 

~~~ディマク3ターン目続き~~~

ディマク「《地縛神Cusillu 》の攻撃力は、フィールド魔法の効果により3000になる。」

 

ディマクの体からは、黒いオーラが出ていた。

それは、鬼柳もあの巨人を出した時と同じものだった。

 

ディマク「それでは、行くぞ少年。《地縛神Cusillu 》少年にダイレクトアタック。」

 

その巨大なモンスターは、俺に向かって攻撃をしてきた。

俺は、大きな手から必死に逃げた。だが、ギリギリで当たってしまった。

 

龍亞「グァァ!痛い、凄く痛いよ。」

 

右足が凄く痛い。

多分、この攻撃で折れてしまったのだろう。

 

龍亞LP 1000ディマクLP 1200

 

ディマク「フッ、このデュエルではダメージは、現実のものとなるのだ。ターンエンドだ。」

 

龍亞「く、ク…クソ、まだ終わってないぞ。」

 

ディマク「ほぉ、まだ立てるのか。なら少年のターンだ。」

 

~~~龍亞3ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!《パワー・ツール・ドラゴン》の効果で《ミストボディ》を手札に加え、装備。」

 

クソ、今のままじゃあのモンスターに、歯が立たない。

どうすれば、良いんだよ。

 

龍亞「俺は、カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

今は、耐えるしかない。

必ず、逆転の手立てはあるはずだ。

 

~~~ディマク4ターン目~~~

ディマク「私のターンドロー。難儀なものだな。何時までも破壊を免れるおんぼろ機械、無様だな。」

 

龍亞「俺の《パワー・ツール・ドラゴン》をバカにするな。俺の大切な相棒なんだぞ。」

 

ディマク「ならば、その相棒から消してやる。手札から永続魔法《野生の暴発》を発動。フィールド上の獣属は、攻撃宣言をするたびに、攻撃力を200Pアップさせる。」

 

ディマク「《地縛神Cusillu 》あの機械を、スクラップにしてしまえ。」

 

地縛神の手が、俺の大切な《パワー・ツール・ドラゴン》に迫る。

そして、破壊されてしまった。

 

その衝撃で、俺は吹き飛ばされた。

今度は、あまりのダメージで立てそうにない。

 

龍亞LP100ディマクLP1200

 

ディマク「これで、ターンを終了する。どうした?少年のターンだぞ。」

 

駄目だ。

目の前が霞んできてる。 今度こそ終わりだ。

 

龍可「龍亞、大丈夫!何があったの。」

 

何処からか、龍可の声が聞こえる。

後ろから、龍可が走ってきた。




原作同様に、双子が揃いましたね。

もしかしたら、残りLPの計算が間違ってる事があるかも知れません。
その時は、指摘の方をお願いします。


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22話

龍可「龍亞!大丈夫なの!クッ、貴方誰なの!」

 

龍可は、凄い見幕でディマクを睨んだ。

 

ディマク「我が名は、ディマク。ダークシグナーだ。」

 

龍可「ダークシグナー、遊星が言ってた人達のことね。」

 

龍亞「そ、そうだから、龍可は逃げて。こいつの狙いは俺なんだから。」

 

俺は龍可を危険な目にあわせる訳にはいかない。

お兄ちゃんとして、龍可を守るんだ。

 

ディマク「どうやって、中に入ったか知らないが、邪魔をするな。」

 

龍可「邪魔なんかしないわ。」

 

そう言うと龍可は、俺の腕からデュエルディスクを外した。

そしてそれを、自分の腕につけた。

 

龍可「今からは、私が相手よ。」

 

龍亞「だ、駄目だ。あいつのモンスターは、普通じゃない。危険なんだよ。」

 

ディマク「ほう、なるほどお前、シグナーだな。」

 

ディマクは、状況を理解していた。

 

ディマク「ならば、お前も倒さなければならないな。認めてやろう、少女のターンだ。」

 

~~~龍可1ターン目~~~

龍可「私のターンドロー!」

 

駄目だ。俺が戦わなくちゃ。

けど、これまでのダメージで体が、動きそうに無い。

 

龍可「大丈夫よ龍亞。私はシグナーだもん。私がダークシグナーを倒さなきゃ。」

 

その時、俺は変な気持ちになった。

また、シグナーだ。俺は力が無いから、自分が戦うことも、出来ないのか。

 

龍可「龍亞が残したこの希望。罠カード《シンクロ・リサイクル》発動。墓地のシンクロモンスターを除外、そしてそのシンクロに使った、モンスターを特殊召喚する。」

 

龍可「そして、レベル4《D・ラジオン》に、レベル3《D ・スコープン》をチューニング!」

 

龍可「現れて《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》」

 

これが、龍可のエースモンスター。

凄い輝いてる。

 

ディマク「それが、シグナーのドラゴンか。だが、私の《地縛神Cusillu 》には、勝てない。」

 

龍可「《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》の効果発動。フィールド魔法を破壊する。」

 

ディマク「そんな!これでは、《地縛神Cusillu 》が破壊されてしまう。そんな、これがシグナーの力なのか。」

 

龍可「《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》でダイレクトアタック。『エターナル・サンシャイン』」

 

ディマク「グワァァ!そんな、私が負けるなんて。」

 

龍可LP 1100 ディマクLP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

ディマク「ふ、フハハ、私は負けたが目的は果たせた。残念だったな、少女よ。」

 

どう言うことだ。

こいつの目的は、俺を倒すことじゃ無かったのか。

 

龍可「どう言うことなの。答えなさい。」

 

龍可が駆け寄ったが、その前にディマクの体は、灰となり風に消されてしまった。

 

こうして、俺達は勝つことが出来た。

だけど、その為に、払った代償は大きかった。




なんか、急展開でしたか?
ですが、こんな感じです。

果たしてディマクの本当の目的とは、いったい何なのか。

いずれわかる日が来るでしょう。


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23話

何だここは?

暗く、先が見えない。ここは夢の中なのか。

 

俺は、暗闇を闇雲に歩いていると、何処からか声が聞こえてきた。

 

「もうすぐ、もうすぐなんだ。」

 

そこには、黒髪でロングヘアーの女の人がいた。

どことなく、龍可に似ている。

 

いや、よく見ると龍可と言うより、俺に似てる気がする。

 

龍亞「あの、貴方は誰ですか。そして、ここはどこですか。」

 

その女性は、俺に気付くと、嬉しそうに抱きついてきた。

 

「ボクの愛しの龍亞。会いたかったんだよ。」

 

俺はびっくりして、抱きつかれたまま、尻餅をついた。

そして、女性は俺の匂いを嗅いだ。

 

「これが、龍亞の匂い。あぁ~♪最高だよ。」

 

凄く恥ずかしいけど、なぜかこの女性の事を俺は、少しでも拒む気は起きなかった。

 

「けど、もう時間だ。またね、ボクの大好きな龍亞♪」

 

その女性は、俺から離れて闇の中に消えていった。

 

~~~ジャックの部屋~~~

 

うぅん、ここは確かジャックの部屋だよな。

俺は、さっきまでディマクと戦ってたはずじゃ。

 

遊星「起きたか龍亞。」

 

そこには、遊星とジャックがいた。

状況から見て、多分あの後俺は気を失ったんだ。

 

そして、龍可が助けを呼んで、今にいたるんだ。

 

ジャック「全く、龍可から聞いたぞ!何て無茶をするんだ。龍可が来なかったら良かったものの。」

 

何だろう、心配してくれてるのに、心には黒い感情が出ている。

 

また龍可だ。

また俺の行動を否定している。

 

龍亞「ごめんなさい…」

 

俺は謝ったが、心のモヤモヤは大きく、そして暗くなっていた。

 

龍亞「じゃあもう帰るよ。迷惑かけたくないし。」

 

俺は逃げるように、ジャックの部屋から出ていった。

走り出したかったけど、右足にギブスを着けてるので、俺は歩いた。

 

「おいおい、聞いたかよ。シグナーがダークシグナーを倒したんだとよ。」

「ああ、聞いたぜ。何でもその戦いで人達の魂が消えたんだと。」

 

街を歩いていると、色々な噂が飛び交っている。

 

「アイツって、たしかシグナーの兄貴の。」

「そうそう、何でも今回の件、アイツのせいらしいぞ。」

 

その噂は、俺のせいで人達の魂が消えてしまった、と言う無いようだ。

 

「あんたのせいで家の子供が消えたんだ。」

「お前が俺の妻を消したんだ。」

 

どこにいても、俺は否定され、暴力を振るわれる。

何時も龍可だけを認めて誉める。

 

俺が何をしても、人のために頑張っても、誰も俺の事を誉めてくれない。

 

どうしてなの?俺の何がいけないんだよ。

俺は、耐えきれなくなり、人気の無い路地裏に逃げ出した。




闇の中にいたあの女性は、誰だったのか。
気になりますね。

にしても、皆酷いですね。
本当に頑張ったのは龍亞なのに。

がんばれ龍亞、なめらかプリン丸は何時までも、龍亞の味方だぞ。


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24話

~~~路地裏~~~

 

俺は、暗い路地裏で膝を抱えて、座り込んだ。

そして、堪えきれない涙が俺の目から、流れた。

 

大通りでは、俺を探し回る人達の、非難や罵倒がまだ聞こえる。

 

何で俺はいつも、こうやって独りになるんだ。

俺が何をしたって言うんだよ。

 

寂しいよ、悲しいよ。

誰か俺の事を、愛してくれよ。

 

男「ならば、心の闇を受け入れて、我らの王になるしかありません。」

 

そこには、アルカディアムーブメントで会った、フードの男がいた。

 

けど今回は、前の時みたいに黒いオーラは、無かった。

それよりも、他の人とは違い、俺の事を必要としている気がした。

 

男「龍亞様は、十分に耐えました。しかし、あんな連中のために傷付く事は、もう止めましょう。」

 

龍亞「どうして、こんな俺なんかに優しくするんだよ。」

 

俺は、涙でクシャクシャになった顔で、男を見つめた。

 

男「それが、我々の願いであり、龍亞様の中に眠る王の願いだからです。」

 

それが願い。

じゃあ俺は、この人についていけば幸せになれるの?

悲しみや苦しみが無くなり、愛してもらえるの?

 

俺の心の中に、色々な感情が渦巻いている。

 

龍亞「けど、俺には力が無いし、幸せになる資格もないんだ。」

 

俺はまた、膝を抱えこんだ。

すると、後ろから誰かが抱き締めてきた。

 

それは今までで一番優しく、一番暖かかった。

振り替えると、夢の中で会った黒髪の女性だった。

 

女性「大丈夫よ龍亞。力なんて無くても良いんだよ。」

 

その女性は、とても心地のよい声だった。

とても良い匂いで、心が満たされている。

 

女性「君の存在は、ボクの生きる意味なんだ。ボクは、君の心から作られた存在。

けど、君を愛する気持ちは本物だよ。」

 

俺の心から作られただって。

よくわからないけど、一つだけわかる事がある。

 

それは、この女性の言葉に、ウソや偽りは無い事だ。

本当に俺の事を必要としている。

 

龍亞「じゃあ、俺を助けてよ。もう限界なんだ。」

 

すると、女性が俺の唇にキスをしてきた。

初めての大人のキス、俺は拒む事無く、抱き締めた。

 

~~~数分後~~~

 

そこには、もう女性の姿がなかった。

 

男「お目覚めですね。お待ちしておりました。」

 

男は、龍亞の前に膝まずいた。

龍亞は、ゆっくりと立ち上がった。

 

だが、いつもと雰囲気が違う。

 

龍亞「これで、やっと君を呪縛から解放してあげるよ。」

 

そこには、ダークシグナーの格好をした龍亞がいた。

そして、人格はあの女性のものだった。

 

龍亞「ボクの大好きな、愛しい龍亞。ボクは幸せだよ。」

 

そして、男と龍亞は闇の中に消えていった。





【挿絵表示】


いよいよ龍亞がダークシグナーになりました。
一応私のイメージが、上の画像です。

美しいですね。
下手したら私、惚れてしまいます。

これからの展開が楽しみですね。


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25話

今日私は、長島スパーランドにいきました。
いや~、凄いですね花火。

感動で涙が流れます。




龍可「龍亞がいないってどういう事。」

 

龍可は、遊星たちのガレージで騒いだ。

何故なら、龍亞を迎えに来たからだ。

 

遊星「すまない、こんなことになるなんて。」

 

遊星は龍可に、龍亞が目をさました所から、今までの経緯を話した。

 

龍可「何でそんな酷いこと言ったの、そんなこと言ったら龍亞が可哀想だわ。」

 

龍可はその目に、うっすら涙を浮かべていた。

それを見た二人は、とても罪悪感が襲ってきた。

 

遊星「わかった。アキも呼んで、龍亞を探そう。待っててくれ。」

 

遊星達は、龍亞を探すためにD ホイールに乗った。

龍可は、遊星の後ろに乗った。

 

ジャック「遊星、俺は先に探している。集合場所は、あの場所だ。」

 

そう言ってジャックは、一人で走って行ってしまった。

遊星達は、アキを呼んで龍亞を探すために走り出した。

 

~~~秘密の場所~~~

 

ダークシグナー達が集まる秘密の場所。

その場所に、4人のダークシグナーが彼、いや彼女の到着を待っていた。

 

鬼柳「にしても、遅いな王様は。」

 

女性「うるさいよ鬼柳、静かに待てないの?」

 

巨人の痣をもう男、鬼柳と一人の女が話していた。

 

その女にも、ダークシグナーの痣がある。

その腕には、ハチドリの痣があった。

 

男「お前たち、もうすぐ我らの王がいらっしゃる。」

 

そこには、龍亞と面識のある、あの男がいた。

その後ろには、トカゲの痣を持つ女がいた。

 

トカゲの痣「貴方たち、粗相の無いようにね。」

 

等と話していると、大きな扉が開いた。

そこには、ダークシグナーとなった、龍亞がいた。

 

龍亞「皆おはよう。遅れてゴメンね。」

 

龍亞は謝ると、椅子に座った。

その姿は、優雅な花のようだ。

 

龍亞「愛する龍亞の為に、準備が大切だからね。」

 

トカゲの痣「龍亞様、そろそろお時間です。」

 

龍亞「そっか、あとボクがダークシグナーの王だ。龍亞は関係無いよ。」

 

龍亞は、明らかに不機嫌になった。

それを感じたのか、トカゲの痣を持つ女は、直ぐに謝った。

 

龍亞「まぁ良い。じゃあ皆、シグナーの皆様にご挨拶と行こうか。」

 

龍亞は立ち上がり、扉を出た。

そしてその後を、4人のダークシグナーは静かについていった。

 

~~~スクラップ場~~~

 

ここは、サテライトのスクラップ場。

遊星達は、龍亞を見つけられず、ここに集まっていた。

 

ジャック「全く、どこにいるんだか。」

 

ジャックは、少し機嫌を悪くしていた。

けれど、今回の原因は、自分にもある事を承知しており、余計にイラついていた。

 

遊星「しかし、こんなに探したけど、見つからないなんて。どこにいるんだ。」

 

龍亞「そんなに会いたいなら、会わせてあげるよ。」

 




今回の小説は、三人称で進めてきました。

ダークシグナーになった龍亞と、シグナー達のご対面です。

これからとうなるのか。
楽しみですね。


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26話

龍亞「そんなに会いたいなら、会わせてあげるよ。」

 

遊星達が振り替えると、そこにはダークシグナーの龍亞が立っていた。

その後ろには、やはり4人のダークシグナーがいた。

 

龍可「龍亞!何処にいたのよ。心配したんだから。」

 

龍可は、龍亞に向かって歩き出した。

だが、いつもと雰囲気が違う龍亞に、違和感を感じた。

 

十六夜「貴方は誰なの。龍亞は何処にいるの!」

 

龍亞「へ~凄いね、ボクの存在に気づくなんて。」

 

アキに言われた龍亞は、笑いながら遊星達に、近付いた。

 

龍亞「ボクはダークシグナーの王。そして、龍亞を救う者だ。」

 

龍亞はそう言うと、指を鳴らした。

すると、4人の内、男以外がフードを脱いで正体を現した。

 

龍亞「紹介するよ。鬼柳にカーリー、そしてミスティだ。」

 

龍亞に紹介された3人は、腕の痣を見せた。

 

鬼柳「俺は巨人の痣を持つ者だ。」

 

カーリー「私はハチドリの痣を持つ者。ジャック、貴方に会いたかったわ。」

 

ミスティ「私はトカゲの痣を持つ者。十六夜アキ、私は貴方を許さない。」

 

3人は、各々お互いの因縁がある相手を、見た。

だが、シグナー側は、身に覚えが無いようだ。

 

龍亞「しょうがないよ。恵まれた者は、ボクたちみたいな者の事なんて、興味が無いんだ。」

 

龍亞は、右回りをして帰ろうとした。

 

遊星「待て!お前達、ここで俺達とデュエルしろ。」

 

遊星は叫んだ。

それは、龍亞に向けてなのか、鬼柳に向けてなのか。

 

けれど、遊星は揺るえていた。

少し前の鬼柳とのデュエルで、地縛神の衝撃が忘れられないでいる。

 

男「そう急ぐな。決戦は1週間後、場所は各々の因縁が深い場所だ。」

 

そう言うと、男は龍亞をエスコートしていった。

それに続き、3人も帰りっていった。

 

ダークシグナーが帰り、遊星達だけになった。

龍可とアキは、絶望していた。

大好きな龍亞を守れなかった。その思いで、押し潰されそうになっていた。

 

ジャック「遊星、なぜ鬼柳がいたんだ。アイツはたしか3年前に…。」

 

ジャックが言い切る前に、遊星は話を止めさせた。

自分もわからないのだ。鬼柳のことが。

 

それにジャックは、自分に因縁があると言った女、カーリーの事を考えていた。

 

けれど、全く身に覚えが無い。

カーリーに会った事も、記憶にないのだ。

 

だが、アキは違った。

最初は自分も覚えて無かったが、少しだけミスティの事を思い出した。

 

それは、龍亞に会う前の時、龍亞に助けられる前の事だ。

 

龍可「どうしてくれるのよ。貴方達のせいで龍亞が、龍亞が大変な事に。」

 

龍可は龍亞がダークシグナーになった事に、とてもショックを受けていた。

だから、遊星達にあたるしか無かったのだ。

 

決戦の日まで遊星達は、自分の運命を受け入れて、自分の因縁を思い出せるのか…




どうですか、ちょっと原作と違いますね。(ちょっと所じゃ無いだろ!)

ダークシグナー達は、シグナーに対して何かしらの因縁があるようです。
それは何なのか、原作と同じなのか、只今絶賛考え中です。

出来れば皆さんに頼みがあります。
それは、黒髪ロングヘアーの女性、そうダークシグナーの王の名前を考えて欲しいのです。

コメント等で募集します。
どうかお願いいたします。


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27話

~~~ガレージ~~~

 

遊星達はガレージに帰ると、各々が考えていた。

これまでの事や、これからの事を。

 

十六夜「私はどうしたら良いの?何時までもあの頃が付きまとう。助けてよ龍亞。」

 

龍可「私のせいだ。私が龍亞の事を守ってあげれなかった。ごめんなさい龍亞。」

 

女子二人は、自分を責めて泣いていた。

こうなった理由はわからず、気持ちは押し潰されそうだった。

 

遊星「鬼柳、どうしてダークシグナーなんかに。」

 

遊星は、写真たての中に入っている写真を、切なそうに見ていた。

そこには、遊星やジャック、鬼柳が写っていた。

 

昔、サテライトにいた頃に撮った写真だ。

これが唯一の鬼柳の過去の手がかりなのだ。

 

ジャック「いったい、誰なんだあの女は。全く記憶にないぞ。」

 

ジャックは自分のベットに、横になって考えていた。

自分がキングで在るため、沢山のファンがいるのはわかっている。

 

だが、直接因縁を持たれるような関係では、無いはずだ。

けれど、カーリーの事を思い出そうとすると、何故か心が寂しくなる。

 

ジャック「クソ!このジャック・アトラスが、一人の女に悩まされるとは。」

 

ジャックは怒りながら、扉を開けて力任せに閉めた。

 

~~~秘密の場所~~~

 

夢を見ていた。

古い思い出、辛くて苦しくて、救いの無い悲しい夢。

 

龍亞「…ん、寝てたのか。嫌な夢だったな。」

 

男「お目覚めですか。随分とうなされてましたよ。お体のほどは。」

 

男に言われた龍亞は、自分が泣いているのに、気が付いた。

その涙は龍亞なのか、それともダークシグナーの王なのか、それはわからないが泣いていた。

 

龍亞「それより、3人の様子は?」

 

龍亞は、無理矢理話を変えた。

 

鬼柳「何も心配ありませんよ。何時でも、遊星と戦えます。」

 

今すぐにでも、と言う勢いで鬼柳は話してきた。

その目に写る、遊星への復讐の心は、どす黒く燃えていた。

 

カーリー「そうよ、私だって今すぐジャックと戦いたいの。」

 

二人は、自分の因縁に今すぐ決着をつけたかった。

だからか、二人はより強く黒いオーラを放っていた。

 

ミスティ「貴方達、龍亞様に失礼よ。いずれ、決着はつけれるわ。焦ってはいけないわ。」

 

ミスティは落ち着いていた。

が、自分も今すぐにでも大切な人の仇を取りたがっている。

 

すると、龍亞は立ち上がって鏡の前に立った。

 

龍亞「龍亞、ボクの愛する龍亞。あと1週間後だよ。そしたら、ボクが君の楽園を作ってあげられる。」

 

龍亞の涙は、止まらなかった。

龍亞自身が、これまでの深い悲しみから解放されたがっている。

 

王は、それを叶えたかった。

それが自分がしてあげられる、唯一の事だからだ。

 

龍亞「愛してるよ、ボクの龍亞。」

 

王は、鏡に写る龍亞にキスをして、笑った。




龍亞が話のメインじゃないと、難しいですね。
けど、仕方ないですよね。

黒髪のロングヘアーは女性なのに、王って何か変ですよね。
けど、そう言う肩書きみたいな物なので、気にしないでください。

まだまだ、黒髪のロングヘアーの名前を募集してますので、お願いいたします。


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28話

今回は、龍亞が監禁されてから、龍可が目をさます4日間のお話です。


俺は、あの忌まわしい日の次の日、外にいた。

それは、一人で寂しかったからである。

 

俺が帰っても、両親は龍可に付きっきりで、家にいない。

それに耐えられなくなり、逃げるように外に出たのだ。

 

龍亞(ハァ、寂しいな。どうして、俺は独りぼっちなんだろう。)

 

そんな考えをしながら、公園の前を通った。

そこには、一人の俺と同じ年頃の男の子がいた。

 

その子も一人で、ブランコに乗っていた。

俺は、少しでも寂しさをまぎらわすため、その子に声をかけた。

 

龍亞「あの、君も独りなの?」

 

その子は、少しだけ驚いた顔をした。

けど、直ぐに笑うと答えてくれた。

 

男の子「一人だけど、君は?」

 

龍亞「俺の名前は、龍亞って言うんだ。よろしくね。」

 

俺は、手を差し出して握手を求めた。

その子は、快く俺の手を握り返した。

 

男の子「へぇ~、龍亞って名前なんだ。ボクはルチアーノよろしく。」

 

ルチアーノか、かっこいい名前だな。

俺と違って、しっかりしてそうだし、皆に好かれそうな外見だな。

 

ルチアーノ「で、ボクに何か用なの?」

 

そうだった。

俺は、少し恥ずかしくなり、顔を赤くした。

 

龍亞「え~と、良かったら俺と遊んでくれない?」

 

俺は必死にお願いした。

ルチアーノとなら、良い友達になれる気がしたんだ。

 

ルチアーノ(何だ!この可愛い小動物は!)

 

ルチアーノは、何故か鼻血を出していた。

あと、どうしてか目が少し怖かった。

 

龍亞「あ、あの、俺の話聞いてる?」

 

ルチアーノ「っハァ、聞いてるよ。良いよ遊んであげるよ。」

 

やったー、あんまりにも嬉しくて、俺はルチアーノに抱き付いた。

初めての友達だ。凄く嬉しいな。

 

ルチアーノ(凄く幸せだ。このまま、お持ち帰りしたい。)

 

俺は、ルチアーノの手を引っ張って、公園を飛び出した。

そして、二人で街を歩いて回った。

 

龍亞「エヘヘ、楽しいねルチアーノ♪」

 

ルチアーノ「そうだね。街をこんなに歩いたのは、初めてだよ。」

 

俺達は、ベンチに座って話をしていた。

と言っても、ほとんど俺が話を聞くだけだったけどね。

 

ルチアーノ「そう言えば、君は長袖何だね。」

 

それを言われた俺は、昨日までの事を思い出した。

体が震えている。怖いよ、痛いよ、助けてよ、そんな感情が一気に押し寄せてきた。

 

あまりの恐怖に、呼吸が苦しくなってきた。

目がくらくらする。

 

ルチアーノ「おい!龍亞、大丈夫か!しっかりしろ。」

 

ルチアーノの声が聞こえるけど、俺はそのまま意識を失った。

 

~~~2時間後~~~

 

ルチアーノ「良かった、目が覚めたんだね龍亞。」

 

意識が覚めた俺の目に、ルチアーノの顔が写った。

よく見ると、ルチアーノが膝枕をしてくれてたのだ。

 

龍亞「あ、ルチアーノごめん。迷惑かけたよね。」

 

するとルチアーノは、起き上がろうとする俺を押さえて、寝かしつけた。

そして、そのまま俺の頭を優しく撫でてくれた。

 

ルチアーノ「何言ってんだよ龍亞。ボク達は、友達だろ。」

 

ルチアーノ(それに、龍亞を膝枕とか、ご褒美だしね。)

 

友達か、やっぱりルチアーノとは良い友達になれたんだ。

俺は凄く嬉しくて、涙が流れた。




龍亞の過去話です。
あの日からの続きを、書こうと思いました。

まさか、ルチアーノと会っていたとは。
この話では、イリアステルはどう関わってくるのか、楽しみですね。

まだ、過去話は続きます。
本編を待ってくださる方々、本当に申し訳ございません。


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29話

龍亞「ルチアーノ、もう平気だよ。」

 

俺の目が覚めてから5分間、ルチアーノは俺の頭を撫で続けてくれた。

嬉しかったけど、凄く恥ずかしくて俺は起き上がった。

 

ルチアーノ「そっか、なら良かった。けど、凄く残念だな。」

 

最後の方は聞こえなかったけど、やっぱりルチアーノは良い人だ。

 

ルチアーノ「さて、これからどうするの龍亞?」

 

ルチアーノに言われた俺は、考えた。

どうしようか、誰かと遊んだ事なんて無いから、わからないよ。

 

龍亞「どうしよう、ルチアーノは何したい?」

 

ルチアーノは、少し考えると俺の肩を掴んだ。

 

ルチアーノ「良し、カードショップに行こう。」

 

~~~カードショップ~~~

 

俺達は、公園から近くのカードショップについた。

そこには、少ないがお客さんがいた。

 

その中には、俺をいじめる人達もいた。

俺は、気づかれないように、こっそり店内に入った。

 

ルチアーノ「どうしたの龍亞?何してるの。」

 

ルチアーノは、不思議そうに俺を見た。

確かに、事情を知らないルチアーノは今置かれてる、状況を知らない。

 

龍亞「いや…その、何でもないよ。」

 

なんて話していると、近くにいたいじめっ子グループが俺に気付いて、話しかけていた。

 

いじめっ子A「おい龍亞!何でお前がいるんだよ。」

 

いじめっ子B「お前が触って良いカードは、無いんだよ。さっさと帰れよ。」

 

いじめっ子AとBは、俺を殴りながら俺を罵倒した。

すると、ルチアーノが不機嫌になって、二人の前に立ちはだかった。

 

ルチアーノ「おい、ボクの友達に何するんだよ。」

 

いじめっ子A「何だよお前、見かけない顔だな。」

 

いじめっ子B「まさか、龍亞の友達か。そんな訳無いよな。」

 

やっぱり、俺は独りの方が良かったのかも知れない。

少し呼吸が苦しくなった。

 

ルチアーノ「煩いよ、このサル共。今すぐ龍亞の前から消えろよ。」

 

ルチアーノは、喧嘩腰で二人にくってかかった。

当然、二人は怒ってルチアーノに襲いかかった。

 

龍亞「ルチアーノ、危ない!」

 

と叫んだけど、ルチアーノは襲いかかる二人を簡単に、あしらった。

 

ルチアーノ「さて、龍亞逃げるよ!」

 

ルチアーノは、俺の手を引っ張って、店を飛び出した。

 

いじめっ子A「クソ!覚えてろよ。」

 

いじめっ子B「次に会ったら、容赦しないぞ。」

 

二人の言葉が聞こえたけど、何を言ってるのか良く聞こえなかった。

 

~~~公園~~~

 

龍亞「ごめんねルチアーノ。俺のせいでこんな事になって。」

 

ルチアーノは、俺の頭をまた撫でた。

 

ルチアーノ「気にして無いよ。それより、あの調子じゃ君はカードをほとんど、持って無いよね。」

 

その通りだ。

何時も皆に、仲間外れにされてるから俺は、デッキなんて持って無いのだ。

 

ルチアーノ「なら、このデッキを君にプレゼントするよ。」

 

なると、ルチアーノは俺に1つのデッキをくれた。

それは、ディフォーマーを主体とした、機械族のデッキだ。

 

しかも、シンクロモンスター《パワー・ツール・ドラゴン》までくれた。

 

龍亞「良いのこんなに?俺からあげられる物なんて無いよ?」

 

すると、ルチアーノは微笑んだ。

 

ルチアーノ「良いんだよ。それより、ボクが大きくなって、強くなって君を迎えにいくよ。」

 

そこまで言うと、ルチアーノは顔を赤くした。

 

ルチアーノ「そ…その時は、ボクの伴侶になってくれないな?」

 

何の事かわからなかったけど、またルチアーノに会えるのなら、俺の答えは決まってる。

 

龍亞「わかった、良くわからないけど、俺はルチアーノの事を待ってるよ。」

 

ルチアーノ「本当か!じゃあ待っててね龍亞。今日は楽しかったよ。」

 

ルチアーノは嬉しそうに、帰っていった。

 

ルチアーノ、俺も君に会えて凄く楽しかったよ。




龍亞の過去話、終了です。
まさか、龍亞のデッキはルチアーノから貰った物だったとは、ビックリです。

にしても、しょうがないとは言え、龍亞も大変な約束をしましたね。

次からは、本編に入ります。
おたのしみに。


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30話

~~~秘密の場所~~~

 

ディヴァイン「おい、どう言うことだよ。」

 

シグナーとの戦いまで、後5日に迫っている時、ディヴァインがダークシグナーのアジトにやって来た。

 

ディヴァイン「ダンナ、話が違うじゃないか。」

 

ディヴァインは、クモの痣を持つ男を訪ねて来たのだ。

 

龍亞「騒がしいな、何があったの?」

 

奥から、龍亞が不思議そうに歩いてきた。

そして、ディヴァインと男を交互に見てから、椅子に座った。

 

男「龍亞様、心配ございません。ただの捨てゴマの1つです。」

 

男が静かに言うと、ディヴァインは男の胸ぐらを掴んだ。

明らかに、怒っているのが見てわかる。

 

ディヴァイン「今回の計画が成功したら、俺に力をくれる約束だろ。」

 

ディヴァインは、男にすがるように聞いた。

けれど、男はディヴァインに目もくれず、龍亞を見ていた。

 

男「すみません龍亞様。このわからず屋の処分は、私にお任せください。」

 

龍亞は、少しだけ考えると、手を叩いて何かを思い付いた。

 

龍亞「いや、ディヴァインの処分はボクがやるよ。着いてきて。」

 

そう言うと、龍亞は歩き出した。

その後ろを、ディヴァインを引っ張りながら男が着いていった。

 

~~~デュエル場~~~

 

着いたのは、広いデュエル場だった。

龍亞は、ディヴァインにデュエルディスクを投げると、所定の場所に立った。

 

ディヴァイン「何をする気なんだ。」

 

少し警戒するディヴァインを見て、龍亞は笑った。

 

龍亞「大丈夫だよ。するのはボクと君のデュエルだよ。」

 

龍亞は、ディスクにデッキをセットしながら、ディヴァインに説明した。

 

龍亞「君が勝てたら、君の欲しいものを何でもあげるよ。」

 

それを聞いたディヴァインは、誇らしげにデッキをセットした。

 

ディヴァイン「良いんだな。お前の強さは知らんが、私の勝ちは絶対だぞ。」

 

龍亞・ディヴァイン「デュエル!」

 

~~~龍亞1ターン目~~~

龍亞「ボクのターンドロー。ボクはカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

ディヴァイン「ふん、大口叩いた割りに、その程度か。」

 

ディヴァインがそう言うと、龍亞は不敵に笑った。

 

~~~ディヴァイン1ターン目~~~

ディヴァイン「私のターンドロー。私は魔法カード《テレポートマジック》を発動。デッキから、レベル4のモンスターを特殊召喚する。来い《サイコウォールド》」

 

ディヴァイン「そして、《サイキックパワード》召喚。そして、レベル4《サイコウォールド》に、レベル4《サイキックパワード》をチューニング。」

 

ディヴァイン「《メンタルスフィア・デーモン》をシンクロ召喚。」

 

龍亞「この瞬間、手札から罠カード《命削りの賭け》発動。お前のライフを半分にして、その数値を全てのモンスターの攻撃力に加える。」

 

ディヴァイン「そ、そんな!手札から罠カードを発動するだなんて!」ディヴァインLP 2000

 

龍亞「まだだよ、伏せカード《絶対的襲撃》発動。ボクとお前のライフの差を、ダメージとしてお前に与える。」

 

ディヴァイン「バカな!こんな事が、こんな事があり得るか!」

 

ディヴァインは、ダメージの衝撃で吹き飛ばされた。

 

龍亞LP4000 ディヴァインLP 0

 

~~~デュエル終了~~~




圧倒的ですね。
私もこうやって、一瞬で勝ちたいですね。

今回の後書きは少ないくてすみません


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31話

鬼柳「何だ何だ、何の騒ぎだよ。」

 

龍亞とディヴァインの、デュエルが終わった時、鬼柳達3人のダークシグナーが、現れた。

 

カーリー「あら、龍亞様がデュエルしてたのね。」

 

早速、3人は今の状況を理解できた。

そして、這いつくばるディヴァインを、ミスティは哀れな目で見ていた。

 

ミスティ「この人も、自分の力を見誤ったのね。だから、このような目に遭うのよ。」

 

すると、男はディヴァインを担いで部屋を出ようとした。

 

男「龍亞様、私がこの出来損ないを、捨ててきます。」

 

そう言うと、男は部屋から出ていった。

それを見届けた龍亞は、3人の方を見て、少しだけ微笑んだ。

 

龍亞「この際だから言っておく。ボクは君達に期待していない。」

 

鬼柳「何だと!俺達が期待出来ないだと!」

 

鬼柳は、明らかに機嫌が悪くなっていた。

他の2人も、声には出さないが想いは、鬼柳と同じだった。

 

だが龍亞は、こうなることを想定していたらしく、不敵に笑うと口を開いた。

 

龍亞「そうだよ。けどね、これからの戦いをボクの為に、いや、龍亞の為に勝てたら、君達に永遠の幸せを約束しよう。」

 

龍亞がそう言うと、3人は驚いてお互いの顔を見合った。

 

龍亞「そうさ、誰も君達を見捨てない。皆が愛し合う、そんな世界を作るのさ。」

 

それを聞いたミスティは、龍亞の前に膝まづいた。

それを見たカーリーも、一緒に膝まづいた。

 

それは、龍亞に完全に忠誠を誓った証なのだ。

 

龍亞「良いよ、2人とも。さて、貴方はどうなの鬼柳?」

 

すると、鬼柳は真剣な眼差しで龍亞を見た。

その目には、龍亞に対する期待と不安が、見て取れた。

 

鬼柳「確かに魅力的な話だ。だけどよ、本当だろうな?」

 

龍亞「フフっ、君は心配症だね。けど、心配なんか要らないよ。その代わり、君達がシグナー達に勝てたらの話だけどね。」

 

鬼柳「そうか、そうかよ。」

 

それを聞いた鬼柳は、震えていた。

それは、自分が求めていた物が手に入りそうだからだ。

 

それに、今までに無い位の武者震えをしていたのだ。

 

鬼柳「その話、乗ってやるよ。俺は必ず遊星に勝つ。そして、あんたの掲げる理想郷に行ってやる。」

 

鬼柳は、覚悟を決めた。

端から、決まっていたのかも知れない。

 

男「ついに、お前達も龍亞様のお考えに、ついて行く決意が出来たか。」

 

何時の間にか、ディヴァインを何処かに置いてきて、男が帰って来ていた。

 

カーリー「貴方はどうなのよ。やっぱり、自分の理想郷の為なの?」

 

すると、男は大笑いをして3人の前に立った。

 

男「何を言う?私は龍亞様について行くだけだ。例え、それが破滅を望んでいてもだ。」

 

男には、大きくて硬い意志が感じられた。

 

こうして、心の底から龍亞に全てを捧げる決心をしたダークシグナー達。

後、3日に迫ったシグナーとの戦いに向けて、抜かりはない。




もうすぐ、この話を作ってから1ヶ月ですね。
ここまで来れたのも、皆さまの応援が在ってこそです。

本当にありがとうございます。
これからも、応援をしてもらえたら、嬉しいです。

やっぱり、敵のチームは心のからの忠誠を誓うのは、良いですね。
これでこそ、応援のしがいがあります。


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32話

~~~サテライト~~~

 

ダークシグナーとの戦いが後、2日と迫った今日、遊星はサテライトに来ていた。

 

それは、自分と戦うであろう男、鬼柳との因縁を思い出す為である。

 

しかし今のところ、全く思い出せないでいる。

それどころか、本当に鬼柳と因縁が有るかすら、疑問に思っている。

 

遊星「クソ、何も思い出せない。ここまで探しても、何も思い出せないとは。」

 

遊星は、自分の首に掛けてあるペンダントを見た。

そのペンダントは、遊星達が昔サテライトで暮らしてたときに、鬼柳やジャックと共に、着けていた絆の証である。

 

それを握りしめて、遊星は遠くを見た。

そして、まだ探してない場所に行くことにした。

 

遊星「あそこに行って、思い出せなかったら、もう希望は無いぞ。」

 

そう言うと遊星は、自分のD ホイールにまたがり、目的地を目指して走り出した。

 

~~~廃墟のビル~~~

 

ここは、遊星達がサテライトでグループを作って、サテライト中にデュエルを挑んでいた時の、秘密基地である。

 

ここが、遊星の家であり帰るべき場所だったのだ。

 

遊星「ここに来るのも、久し振りだな。何か、鬼柳についてわかれば良いが。」

 

そう言い遊星は、D ホイールから降りて、中へと足を踏み入れた。

 

中は、昔と変わらずにまるで、時間が止まっているかの様だった。

遊星「にしても、何も変わっていないな。これなら、何かしらのヒントがあるはずだ。」

 

そして遊星は、目の前にあった机の引き出しを開けてみた。

少しだけ、開けにくかったけれど、中にはジャックの使い古しの鉛筆が入っていた。

 

遊星「ここはジャックの席だったな。確か、鬼柳の席はこれだな。」

 

遊星が引き出しを開けると、一冊のノートが出ていた。

そのノートは、遊星達がおこなっていた、交換ノートであり、皆の日記帳だった。

 

遊星はノートを、ペラペラとめくって見た。

そこには、楽しかった思い出や、大変だった事、皆でおこなった下らない会話などが、書いてあった。

 

遊星「懐かしいな。そう言えば、こんな事もあったな。」

 

遊星はノートをみて、過去の思い出に浸っていた。

けれど、あるページを境に、書いてある内容が少しだけ変わってきていた。

 

それは、遊星達がちょっとしたミスをして、セキュリティに追われた日からだ。

 

遊星(そう言えば、あの時セキュリティに追われたのって、どうしてだったか。)

 

何て事を考えながら、ページをめくっていると、あるページにたどり着いた。

 

それを見た遊星は、全てを思い出した。

何故、自分はこんなにも大切は事を忘れていたのか。

 

遊星は、急いでビルから出て、D ホイールにまたがり、ガレージへと帰っていった。

 

全ての原因を思い出し、決着をつけるためである。




秘密基地にあったノートには、何が書かれていたのか、鬼柳との因縁とは一体!

まだ先が読めませんね。

今回で調度、この作品を作ってから1ヶ月がたちました。
皆さま、応援をありがとうございます。

そして私は、これを記念に皆さまと1ヶ月記念に何かが、出来たらと思っております。

何か、良い案がありましたら、コメント等で教えて下さい。


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33話

~~~決戦当日~~~

 

ここは、サテライトのとある廃墟のビルの前。

そこには、二人の男がDホイールに乗っていた。

 

鬼柳「遊星、逃げずに良く来たな。俺はこの日を、ずっと待ってたんだ。」

 

鬼柳はそう言うと、遊星に近づいていった。

遊星もDホイールから降りて、あるものを取り出した。

 

遊星「鬼柳、このノートを見て思い出したんだ。すまない、お前を見捨ててしまって。」

 

遊星は、頭を下げて鬼柳に謝罪をした。

それを見た鬼柳は、足を止めて遊星を見ていた。

 

遊星「あの日、俺のせいでお前はセキュリティに、追われ捕まってしまった。」

 

鬼柳「そうさ。そして、あいつらは取り調べと称して、俺に暴力をふるった。

それは地獄のようだった。けど、いつかお前らが助けてくれるって待ってたんだ。」

 

鬼柳は一通り話終えると、自分のD ホイールの方に戻っていった。

 

遊星「鬼柳、今からでもやり直せないか。お前を、助けたいんだ。」

 

だが、鬼柳は遊星の話に聞く耳を持たない。

その後ろ姿には、硬い意志を感じることが出来た。

 

遊星「俺はお前と戦いたく無いんだ。昔の様に、お前と仲間でいたいんだ。」

 

遊星は、続けて叫んだが、鬼柳はD ホイールに座ってしまった。

そして、右腕の痣が光ると地面から炎が出てきて、巨人のコースを作った。

 

鬼柳「遊星、これはケジメなんだよ。過去を壊して、新しい理想郷に行くためのな。」

 

遊星「鬼柳、止めるんだ。」

 

しかし、もう遊星は戦うしか出来なくなっていた。

遊星も、それをわかってるからこそ、鬼柳を止めたいのだ。

 

鬼柳「もう遅いんだよ。お前への復讐だけなら、多分お前の謝罪で事がすんだかも知れない。」

 

そこまで言うと鬼柳は、自分のD ホイールを遊星のD ホイールの隣まで、走って止まった。

 

鬼柳「だがな、今の俺を動かすのは、龍亞様への忠誠心だ。

そして、龍亞様の目指す理想郷に、俺も連れてってもらうためさ。」

 

遊星「どうして、そんなにも龍亞に従うんだ。それに、理想郷ってどう言う事だ。」

 

遊星が必死に聞くと、鬼柳は驚いた顔をして、高笑いをした。

 

鬼柳「そんなこと、お前に教える必要なんか無い。お前は俺に負けて、消えるだけだからな。」

 

鬼柳「さて、そろそろ始めるか。ライディングデュエル、アクセラレーション!」

 

~~~鬼柳1ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー!俺は《インフェルニティ・ドワーフ》を守備表示で召喚。」

 

鬼柳「そして、カードを2枚伏せて、ターンエンド。」

 

遊星「鬼柳、どうしても止められ無いのか。」

 

遊星は、なんとかして鬼柳との、戦いを止めようとした。

 

鬼柳「煩いな、これはシグナーと、ダークシグナーとの戦い。誰にも止められないんだよ。」

 

鬼柳「さぁ遊星、お前のターンだ。」




始まりました、シグナー対ダークシグナーの対決。
最初は、鬼柳と遊星ですね。

鬼柳の恨みは、大体原作と同じ様な感じですね。
しかし、今では復讐じゃありません。

龍亞の為に、ダークシグナーとして戦っています。

黒髪の女性の名前や、1か月記念の案、まだまだ募集中です。


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34話

~~~遊星1ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー!俺は、手札を1枚捨てて、《クイック・シンクロン》を攻撃表示で、特殊召喚。」

 

遊星「そして、《レベルスティーラー》を攻撃表示で召喚。レベル1《レベルスティーラー》に、レベル5《クイック・シンクロン》をチューニング。」

 

遊星「現れろ《ターボ・ウォリアー》

《ターボ・ウォリアー》で攻撃、『アクセル・スラッシュ』」

 

《ターボ・ウォリアー》の攻撃で、鬼柳の《インフェルニティ・ドワーフ》は、破壊された。

 

だが、鬼柳はそれを嬉しそうに笑って見ていた。

 

遊星「どうして笑っているんだ鬼柳!」

 

鬼柳「決まってるさ、嬉しいんだよ。何だかんだ言っても、お前は俺に躊躇無しに攻撃した。

それだけわかれば、問題ないさ。」

 

すると、鬼柳は自分の2枚の伏せカードを発動した。

 

鬼柳「速攻魔法《インフェルニティ・マジック》、罠カード《常闇への誘い》発動。」

 

鬼柳「《常闇への誘い》は、自分のモンスターが戦闘で破壊された時、デッキからカードを2枚捨てる。」

 

鬼柳「さらに、《インフェルニティ・マジック》の効果で、デッキから捨てられた、《インフェルニティ》と名のつくモンスターを攻撃表示で、特殊召喚する。」

 

鬼柳「来い!レベル10・ダークチューナーモンスター《インフェルニティ・クリエイター》」

 

鬼柳のフィールドには、巨大な機械のモンスターが現れた。

まるで、鬼柳の心の悲しみを表しているかのような、悲しいモンスターだ。

 

遊星「俺はカードを3枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

遊星は、ターンを終了すると、鬼柳のD ホイールと並走して、走った。

 

遊星「鬼柳!何だそのカードは。ダークチューナーとは、何なんだ。」

 

遊星の問いかけに、鬼柳は遊星の方を見た。

けれど、すぐ前を向いてスピードを出し、遊星の前を走り出した。

 

~~~鬼柳2ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー!俺はレベル1《インフェルニティ・デスマーチ》を攻撃表示で召喚。」

 

すると、鬼柳は嬉しそうに高笑いをした。

 

鬼柳「そんなに知りたきゃ、教えてやるよ。俺はレベル1《インフェルニティ・デスマーチ》に、レベル10《インフェルニティ・クリエイター》をダークチューニング。」

 

すると、鬼柳のフィールドには、何やら禍々しい黒いオーラが感じられた。

 

鬼柳「これが俺達と、龍亞様の繋がりだ。

出でよ、ダークシンクロモンスター《深淵龍デストロイ・ドラゴン》を攻撃表示で召喚。」

攻撃力3000 守備力3000

 

 

 

 




やっと、ダークシグナー編の要の1つ、ダークシンクロモンスターが出てきました。

いや~、私はこれをリアルタイムで見ていて、凄く憧れてました。

OCGでもしたかったな、ダークシンクロ。

今回は少し短いですが、きりの良いところで区切ったので、こうなりました。
申し訳ございません。


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35話

鬼柳のフィールドには、首が三本あり、単眼の漆黒のドラゴンが現れた。

 

鬼柳「《深淵龍デストロイ・ドラゴン》の攻撃『デストロイ・オブ・ブレス』」

 

鬼柳のドラゴンは口から、黒い炎をはいて遊星の、モンスターを攻撃してきた。

 

遊星「くっ、罠カード《くず鉄のかかし》を発動。相手の攻撃を向こうにする。」

 

鬼柳「だったら、《深淵龍デストロイ・ドラゴン》の効果発動。相手が魔法、罠カードを発動した時、デッキから1枚ドローする。」

 

鬼柳「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ。遊星、遠慮せずにもっと来いよ。」

 

~~~遊星2ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー!俺は《スチーム・シンクロン》を守備表示で召喚。」

 

遊星「さらに、魔法カード《激動の選択》を発動。このターン、シンクロが出来ない代わりに、次のターンまで戦闘での破壊を無効にする。」

 

鬼柳「なるほど、そこまでしてモンスターを守るか。お前らしいがな。」

 

遊星「さらに、墓地の《レベルスティーラー》の効果で、フィールドの《ターボ・ウォリアー》のレベルを下げ、守備表示で特殊召喚する。」

 

遊星のフィールドには、モンスターが3体も揃っている。

だが、遊星が発動した魔法カード《激動の選択》の効果で、新たなシンクロが出来ない。

 

遊星「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

~~~鬼柳3ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー!」

 

遊星「この瞬間!《スチーム・シンクロン》の効果発動。

レベル1《レベルスティーラー》と、レベル5となった《ターボ・ウォリアー》に、レベル2《スチーム・シンクロン》をチューニング。」

 

遊星「飛翔せよ《スターダスト・ドラゴン》」

 

遊星のフィールドに、白く輝くドラゴンが現れた。

白と黒、二人の相対するドラゴンが、お互いのフィールド上で、睨み合っている。

 

鬼柳「ふっ、それがお前のドラゴンか。これでこそ、因縁の戦いらしくなってきたな。」

 

鬼柳「俺は手札から魔法カード《運命の御霊》を発動。その効果で《御霊トークン》を2体、攻撃表示で特殊召喚する。」

 

鬼柳「そして、2体の《御霊トークン》を生け贄に、現れろ《地縛神CcapacApu 》」

 

遊星達の上空に、謎の物体が現れた。

そして、その直後に巨大な巨人のモンスターが、遊星達の横に現れた。

 

鬼柳「《地縛神CcapacApu 》のダイレクトアタック。」

 

遊星「この瞬間、罠カード《くず鉄のかかし》を発動。この攻撃を無効にする。」

 

鬼柳「だからなんだ。《深淵龍デストロイ・ドラゴン》の効果で1枚ドロー。

そして、《深淵龍デストロイ・ドラゴン》で攻撃!《デストロイ・オブ「ブレス》」

 

遊星「グゥッ!だが《スターダスト・ドラゴン》は、戦闘での、破壊を無効にする。」

遊星LP 3500 鬼柳LP 4000

 

鬼柳「何時まで、耐えれるかな。俺はターンを終了する。」

 




今回で地縛神とダークシンクロモンスターが、並びましたね。
原作では、ダークシンクロモンスターが破壊されたら、地縛神が出る!みたいな流れですね。

しかし、ただ単に私が並べて見たかっただけです。

感想等、お待ちしております。


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36話

~~~遊星3ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー!」

 

鬼柳「この瞬間、永続罠カード《悪魔の規制》を発動!この効果で、フィールド上の伏せカードを1枚選択する。

このカードが有る限り、選択したカードは発動出来ず、俺のメインフェイズ時に500Pのダメージを与える。」

 

鬼柳「選択するのは勿論《くず鉄のかかし》だ。これで、俺の攻撃を防げない。

これが、お前のラストターンだ。」

 

遊星「く、確かにこのままでは、負けてしまう。だが、俺は最後までデッキを信じる。」

 

遊星「俺は魔法カード《星屑の導き》を発動!

自分フィールド上に《スターダスト・ドラゴン》がいる時、デッキから1枚、ドローする。」

 

遊星「そのカードがモンスターなら、その攻撃力分のダメージを与える。」

 

遊星「俺はデッキを信じる。ドロー!

良し、ドローしたカードは《ボルト・ヘッジホッグ》800Pのダメージだ。」

遊星LP 3500 鬼柳LP 3200

 

遊星「そして、永続罠カード《エンジェル・リフト》発動。墓地の《レベルスティーラー》を攻撃表示で特殊召喚。

さらに手札から《救世竜セイヴァー・ドラゴン》を攻撃表示で召喚。」

 

遊星「レベル8《スターダスト・ドラゴン》と、レベル1《レベルスティーラー》に、レベル1《救世竜セイヴァー・ドラゴン》をチューニング。」

 

遊星「光来せよ!《セイヴァー・スター・ドラゴン》

その効果で《地縛神CcapacApu 》の効果を無効にし、その効果を使用する。」

 

鬼柳「そ、そんな!《地縛神CcapacApu 》の効果を使うだと!」

 

遊星「《セイヴァー・スター・ドラゴン》で《深淵龍・デストロイ・ドラゴン》を攻撃。『シューティング・ブラスター・ソニック』」

 

鬼柳「何故、こっちを攻撃してきたか知らないが、そうはさせない。罠カード《命削りの忠誠心》を発動。

相手の攻撃を、別の自分のモンスターに移し変える。」

 

《セイヴァー・スター・ドラゴン》から攻撃を、《地縛神CcapacApu 》が代わりに受けた。

 

まるで、王を守る1人の、ナイトのように《深淵龍デストロイ・ドラゴン》を守っていた。

 

鬼柳「《地縛神CcapacApu 》の効果は、破壊したモンスターの、元々の攻撃力分のダメージを、与える効果。

これで、俺のライフは0になったか。」

 

遊星LP 3500 鬼柳LP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

遊星「鬼柳!大丈夫か。」

 

遊星は、急いで鬼柳の所へ、走っていった。

鬼柳は、攻撃の衝撃でD ホイールから飛ばされていた。

 

遊星「どうして、攻撃対象を変えたんだ。」

 

遊星が聞くと、鬼柳は優しく笑った。

 

鬼柳「そ、そんなもの、決まってんだろ。あのモンスターは、俺と龍亞様との、目に見える唯一の繋がりだ。

それを破壊されるわけには、いかないだろ。」

 

そう言うと鬼柳は、遊星の手を優しく握った。

 

鬼柳「遊星…、こんな形だったけど、このデュエル、凄く楽し…かった…ぜ。」

 

そう言い終えると、鬼柳の体は灰になってしまった。

 

遊星「そ…そんな…、嘘だろ、鬼柳…、鬼柳!」

 

遊星の心からの叫びが、空まで響いた。




決着が付きましたね。
鬼柳は、良いデュエリストですね。

龍亞との絆のカードを守るとは。
かっこいいですね。

そう言えば、スターダスト相手で使えませんでしたが、デストロイドラゴンには、他にも効果があります。

1ターンに1度、墓地のカードを1枚、デッキに戻す事で、フィールド上のカードを1枚破壊する効果がありました。


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37話

遊星「鬼柳、何でお前とこんな戦いをしなきゃ、ならなかったんだ。」

 

遊星は、さっきまで鬼柳が存在していた所を見ながら、涙をこらえながら呟いた。

 

ふと、良く見てみると何かが落ちていた。

遊星はそれを、拾って何か確認してみた。

 

遊星「こ、これは!俺達の絆の証のペンダントじゃないか!あさか、鬼柳がまだこれを、持っていたなんて。」

 

遊星は、鬼柳のペンダントを握り締めた。

すると、我慢していた涙が、ほほを伝うと止まらなくなっていた。

 

遊星「すまない鬼柳。俺が…俺が必ず、お前の仇をとって見せるからな。」

 

遊星は、流れる涙を拭きながら、心に固く誓いをたてた。

 

男「仇を取るとは、どういうことかな?」

 

いきなり、遊星の後ろにクモの痣を持つ男が立っていた。

足音も気配も無かったため、遊星は驚いたが、直ぐに冷静さを取り戻した。

 

遊星「そんなこと、決まっている。鬼柳をこんな戦いに駆り立てたお前たちを、俺は許さない。」

 

遊星「だから、俺は鬼柳の為に、お前たちを倒さなきゃ行けないんだ。」

 

遊星は、男の目を真っ直ぐ見ながら、自分の決意を語った。

だが、男はそれを見て静かに笑った。

 

男「戦いに駆り立てた?鬼柳の為に?可笑しな事を言うな。」

 

そう言うと、男は鬼柳のDホイールに近づいて行った。

そして、鬼柳が召喚していた《深淵龍・デストロイドラゴン》を見つけると、そのカードを手に取り、遊星の方を見た。

 

男「お前は、私たちがこの者を、戦わせたと言ったな。」

 

遊星「そ、そう言ったけど…違うとでも言うのか。」

 

男「当たり前だ。鬼柳は自分の意思でダークシグナーになり、お前と戦ったのだ。」

 

男「それに、お前たちに私たちの苦しみがわかるか。

人々に見捨てられ、希望を失った私たちの苦しみ。

そして、そんな私たちに救いの手を出してくれた、龍亞様への思いが、お前たちなんかに理解されてなるものか!」

 

男の迫力と心からの叫びに、遊星は怯んでしまった。

 

男「鬼柳は、どうしてもお前と戦い、勝ちたかった。

それは、自分のけじめであり、龍亞様への忠誠心なのだ。」

 

遊星「自分のけじめや、龍亞への忠誠心だと。」

 

男「そうだ。だから、ダークシグナーの力である、地縛神ではなく、龍亞様との繋がりである、ダークシンクロモンスターを残したのだ。」

 

遊星「鬼柳も、龍亞との絆について話していたが、どうしてそこまで従えるんだ。」

 

遊星の言葉に、男は笑った。

そして、遊星の方に近づいて歩いてきた。

 

男「だから、お前たちにはわからなくても、良いことだ。

そのペンダントは、くれてやる。では、また会おう。」

 

そう言うと、男は何処かに消えてしまった。

遊星は、鬼柳のペンダントを見つめて、考えていた。

 

その心中に、何を考えているのか、誰もわからない。




どうでしょうか。
ダークシグナー達と、龍亞との間には、強い絆の繋がりを感じさせられます。

私もこう言う仲間がほしいです。

次回は、十六夜アキ対、ミスティを予定しています。
しかし、もしかしたらジャック対、カーリーになるかもしれません。

ご了承ください。


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38話

~~~シティ南側~~~

 

ここは、遊星達のガレージから凄く離れた、新しい病院。

ここに、孤高のデュエルキング、ジャック・アトラスは、いた。

 

ジャック「この病院、何故だか見覚えがある。しかし、何も思い出せない。」

 

そう言いジャックは、白いD ホイールから降りて、病院の中に入ろうとした。

 

すると、遠くから誰かのD ホイールの音が、聞こえる。

そして、その音は少しずつ、ジャックの方へと近づいて来ていた。

 

ジャック「何事だ!聞いたことが無い音だ。」

 

そして、そのD ホイールはジャックの前に、止まった。

真っ黒いD ホイールに、1人の女性が乗っていた。

 

ジャック「お前は、カーリーだな。俺に何の因縁が、有ると言うんだ。」

 

カーリーは、ヘルメットを外して、ジャックを見つめた。

そして、優しく微笑むとジャックの方に、歩いて行った。

 

カーリー「やっぱり、覚えて無いのね。酷いわジャック。」

 

ジャック「黙れ、俺はキングだ。お前の様な女1人の事など、知らん。」

 

ジャックは強く、そしてきつくカーリーに良い放った。

するとカーリーは、悲しむどころか嬉しそうに、ジャックに抱き付いた。

 

カーリー「フフッ、あの日と同じ事言ってるわ。やっぱり、ジャックは変わらないね。」

 

カーリー「けど、貴方とは戦う運命にあるの。シグナーとダークシグナーとして。

そして…」

 

カーリーは、ジャックから離れて寂しく、言った。

けれど、途中までしか言わずに、考え込んで自分のD ホイールに戻っていった。

 

ジャック「おい!何を言いかけてたんだ。」

 

ジャックが聞くと、カーリーの右腕のハチドリの痣が光り、地面から炎で痣と同じ、ハチドリの道ができた。

 

ジャック「こ、これは!まさか、龍可の言っていた、ダークシグナーのフィールドか。」

 

カーリー「そうよ、ジャック。それに、私が言いかけた事、私に勝てたら教えてあげるわ。」

 

ジャックは、この炎が出てしまうと、デュエルに勝たなければ、出れない事を龍可から聞いている。

だから、自分はカーリーと戦わなければならないことを、悟ったのだ。

 

ジャック「お前が誰で、俺に何の因縁があるのかはまだ、思い出せない。

だが、このジャック・アトラス!挑んできた相手は、全力で相手する。」

 

ジャック「この勝負、受けて立とう。この俺に、挑んだ事を後悔するがいい!」

 

カーリー「そうよ、それでこそ、ジャックよ。私が戦うべき相手に相応しいわ。」

 

熱くなったジャックとは対称的に、カーリーは冷静で笑っていた。

 

カーリー「ではジャック!楽しいデュエルにしましょう。」

 

ジャック・カーリー「ライディングデュエル・アクセラレーション!」




始まりました、ジャック対カーリーの戦い。
皆様すみません。

最初に予告していた、十六夜アキ対ミスティは、自分の考えたストーリー上、この戦いの後の方が、良いと判断しました。

カーリーの、フォーチュンレディーは、私も実際に使っているデッキの1つです。
中々、癖のあるカードが多く、楽しいデッキです。

この小説では、どんなデッキになるのか、お楽しみにしててください。


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39話

~~~ジャック1ターン目~~~

ジャック「キングは常に先を行く、ドロー!俺は《ダーク・リゾネーター》を守備表示で召喚。

さらに、カードを3枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

カーリー「あら、ジャックにしては消極的ね。」

 

カーリーは、ジャックにもわかるように、微笑んだ。

 

ジャック「フン!キングのデュエルは、エンターテイメントで無ければならない。

お前にも、少しの見せ場をやる。せいぜい、退屈させるなよ。」

 

カーリー「フフッ、ジャックは相変わらず甘いんだから。

それが命取りなのよ。」

 

~~~カーリー1ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー!私は魔法カード《魔術師の秘術》を発動。デッキから、レベル3以下の魔法使い族を手札に加える。」

 

カーリー「私は《フォーチュンレディ・ライティー》を手札に加える。」

 

カーリー「そして《フォーチュンレディ・ライティー》を攻撃表示で召喚する。

そして、カードを2枚伏せて、ターンエンド。」

 

~~~ジャック2ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!俺は手札からレベル1《シンクロ・ガンナー》を捨て《パワー・ジャイアント》を攻撃表示で特殊召喚。」

 

ジャック「《パワー・ジャイアント》は、捨てたモンスターのレベルの分だけ、自分のレベルを下げる。よって、レベルは5になった。」

 

ジャック「俺はレベル5となった《パワー・ジャイアント》に、レベル3《ダーク・リゾネーター》をチューニング。」

 

ジャック「我が魂《レッド・デーモンズ・ドラゴン》」

 

カーリー「この瞬間!伏せカード《霊術の生け贄》を発動。フィールド上の《フォーチュンレディ・ライティー》を墓地に送り、相手フィールド上のモンスターを守備表示にする。」

 

ジャック「そこまでして、俺の攻撃を止めにきたか。」

 

カーリー「それだけじゃ無いわ。《フォーチュンレディ・ライティー》がカードの効果でフィールドを離れた時、デッキから『フォーチュンレディ』を1体特殊召喚する。」

 

カーリー「私が特殊召喚するのは、《フォーチュンレディ・ウインディー》よ。」

 

ジャック「クッ!俺はこのままターンエンドだ。」

 

~~~カーリー2ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー!フィールド上に、魔法使い族がいる時、このカードは特殊召喚できる。

私はレベル9ダークチュナーモンスター《ダーク・ヴァイオレット》を特殊召喚」

攻撃力1500 守備力1000

 

ジャック「レベル9を特殊召喚だと!そんなカード見た事が無いぞ!」

 

カーリー「当たり前じゃない。ダークシンクロモンスターは、私達と龍亞様だけのカードよ。

私はレベル3《フォーチュンレディ・ウインディー》に、レベル9《ダーク・ヴァイオレット》をダークチューニング。」

 

カーリー「漆黒の闇を見るがいい!現れよ《闇の魔術師ダーク・メフィスト》」




カーリーがダークシンクロモンスターを、召喚しましたね。
どうして、原作でカーリーとミスティは、ダークシンクロをしなかったのでしょうか?
意外に気になってます。

何と私、なめらかプリン丸はTwitterを始めました。
リンクの乗せ方を知らないので、乗せれませんが、Twitterでなめらかプリン丸と、検索すれば出ます。

そちらで、アンケートや他に色々な事をしたいと思っております。
ぜひ、フォローの方をよろしくお願いします。。


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40話

前回、書き忘れてました。
《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》の攻撃力は1500、守備力は2000です。


カーリー「私は《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》の効果発動。

手札の魔法カードを1枚、捨てることにより、相手に1000Pのダメージを与える。」

 

ジャック「何だと!そんなバカげた効果など、あり得んぞ。」

 

ジャックLP 3000 カーリーLP 4000

 

カーリー「これが、闇の力よ。私はターンを終了する。」

 

~~~ジャック3ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で、お前の《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》を攻撃!」

 

ジャック「全てを突き貫け!《アブソリュート・パワーフォース》」

 

ジャックの《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の攻撃は、見事に《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》に炸裂した。

 

しかし、《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》は、何事も無かったかの様に、不敵に笑いながらフィールドに残っていた。

 

ジャック「どう言うことだ!攻撃は、通ったはずだぞ!」

 

ジャックLP 3000 カーリーLP 2500

 

カーリー「《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》は、戦闘では破壊できない。残念だったわね。」

 

ジャック「クッ!ならば、ターンエンドだ。」

 

~~~カーリー3ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー!効果発動。と、行きたいけど、魔法カードが無いわ。」

 

カーリー「仕方がないけど、これでターンエンドよ。ん?どうやら、鬼柳の方も始まったみたいだわ。」

 

ジャック「鬼柳の方だと。と言うことは、戦っているのは遊星か。」

 

カーリー「その通りよ。けどね、今は私とのデュエルに集中してよね。」

 

~~~ジャック4ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!俺は魔法カード《紅蓮魔竜の壺》を発動。デッキから2枚、ドローする。」

 

カーリー「フフッ、この2枚に逆転のカードがあると良いわね。」

 

ジャック「煩い!効果でドロー!

良し、俺は魔法カード《クリムゾン・バーニング》を発動。

俺のフィールドに《レッド・デーモンズ・ドラゴン》がいる場合、相手フィールド上のモンスター1体を破壊し、その攻撃力分、回復する。」

 

カーリー「そんな!私の《漆黒の魔術師ダーク・メフィスト》が。」

 

ジャックLP 4500 カーリーLP 2500

 

ジャック「《クリムゾン・バーニング》の効果で俺は、バトルを行えない。ターンエンドだ。」

 

すると、いきなりジャックは酷い頭痛に見舞われた。

 

ジャック「ウグッ!あ…頭が。

お前はまさか、カーリーなのか?」

 

突然、ジャックは意味のわからない事を言い出した。

 

カーリー「ジャック!少しだけ、記憶が戻って来たのね。」

 

カーリーは、嬉しそうだったが、ジャックは浮かない顔をしていた。

 

カーリー「大丈夫よ。まだ私達のデュエルはこれからよ。ゆっくり思い出してね。」

 

~~~カーリー4ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー!」

 

カーリー「どうやら、私達のデュエルは、もう終わりのようね。」

 

ジャック「何を言っているんだカーリー!」

 

カーリー「私は伏せカード《賢者への供物》を発動。

墓地の魔法使い族を2体除外して、私のフィールドに、《供物トークン》を2体特殊召喚する。」

 

カーリー「そして、その《供物トークン》を生け贄に《地縛神Asllapiscu 》を召喚。」

 

ジャック達の上空に、地縛神の心臓が現れた。

そして、回りの人の魂が、その心臓に吸収された。

 

そして、巨大なハチドリのモンスターが2人の上空に、姿を現した。




いよいよ、地縛神Asllapiscu 登場です。
Asllapiscu の地上絵って、多分一番有名ですよね。
私も初めて地上絵を知ったのが、その地上絵でした。



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41話

カーリー「《地縛神Asllapiscu 》の攻撃。

ジャックに、ダイレクトアタックよ。」

 

《地縛神Asllapiscu 》は、ジャックめがけて攻撃してきた。

ジャックは、その攻撃に直撃しないように、D ホイールで、上手く避けた。

 

だが、その衝撃は凄まじく、避けたのに、ハンドルを持っていかれる程だった。

 

カーリー「上手く避けたわね。私は、ターンエンドよ。」

 

ジャックLP 2000 カーリーLP 2500

 

ジャック「これが、地縛神の力なのか。何て規格外何だ。

だが、俺はジャック・アトラス。何人たりとも、この俺から勝利はもぎ取れん。」

 

~~~ジャック5ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!俺は魔法カード《デビルズ・リレー》発動。

デッキからカードを2枚墓地に送り、墓地からカードを1枚、フィールドに伏せる。」

 

ジャック「俺が伏せるのは、《クリムゾン・バーニング》だ。

だが、《デビルズ・リレー》の効果で、このターン、バトルフェイズを行えない。ターンエンドだ。」

 

カーリー「なるほど、次のターンで私の《地縛神Asllapiscu 》を破壊出来るのね。面白いわ。」

 

~~~カーリー5ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー!」

 

カーリーは、ドローしたカードを見て、嬉しそうに、そして少しだけ悲しそうに笑った。

 

カーリー「残念だわジャック。貴方の作戦は、無駄になるわ。」

 

カーリー「私は、魔法カード《地縛旋風》を発動する。

私のフィールド上に、地縛神がいる場合、相手フィールド上の魔法、罠カードを全て破壊する。」

 

ジャック「何だと!これでは、俺の伏せたカードが、無駄になったでは無いか!」

 

カーリー「《地縛神Asllapiscu 》でジャックに攻撃。」

 

地縛神は、もう一度ジャックに向かって攻撃をしてきた。

 

ジャック「同じ轍は踏まん。手札から《バトルフェイダー》の効果発動。

相手のダイレクトアタックを無効にし、このカードを特殊召喚する。」

 

カーリー「残念だわ。けど、次のターンで止めをさせるわ。ターンエンド。」

 

~~~ジャック6ターン目~~~

ジャック「このターンで、けりをつける。

俺のターンドロー!」

 

ジャック「来た!俺は《救世竜セイヴァー・ドラゴン》を召喚。

そして、レベル8《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と、レベル1《バトルフェダー》に、レベル1《救世竜セイヴァー・ドラゴン》をチューニング。」

 

ジャック「大いなる魂《セイヴァー・デモン・ドラゴン》

《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果で、相手モンスターの効果を無効にし、その攻撃力分、攻撃力をupさせる。」

 

ジャック「《セイヴァー・デモン・ドラゴン》で《地縛神Asllapiscu 》に攻撃。『アルティメット・パワーフォース』」

 

《セイヴァー・デモン・ドラゴン》は、《地縛神Asllapiscu 》の体を突き抜いて、カーリーのライフを0にした。

 

カーリー「流石ね…ジャック。私の愛した愛しい人。」

 

~~~デュエル終了~~~

 




カーリー対ジャック、無事終わりました。
いや~、やっぱりこのデュエルは、原作でも中々、感動のデュエルだと思います。

次は十六夜アキ対ミスティです。
アキと、ミスティの因縁とは一体!

次回をお楽しみに♪


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42話

ジャック「カーリー!カーリー!」

 

ジャックは、D ホイールから降りて、急いでカーリーの所へと、走っていった。

 

ジャック「しっかりしろ、カーリー。大丈夫か!」

 

ジャックは、カーリーの所に付くと、カーリーの体を抱いて、強く抱き締めた。

 

カーリー「じ…ジャック。何処に…い…るの?見えない…よ。」

 

カーリーは、先程のデュエルで、目が見えなくなっていたのだ。

 

ジャック「カーリー、俺はここにいる。ずっとお前の、すぐそばにいるぞ。」

 

そう言うと、ジャックはカーリーにキスをした。

 

ジャック「全て、思い出したんだ。お前との、あの日の事を。

そして、あの日お前に約束した事を。」

 

すると、カーリーは体が痛むのか、苦しそうに、けれど嬉しそうに、笑った。

 

自分の成し遂げたかった事が、今ここで叶った。

ダークシグナーになってまで、思い出して欲しかった、あの日の事を思い出してくれた。

 

それだけで、カーリーは心の底から、嬉しくなり、その目からは涙がこぼれていた。

 

カーリー「や…やっと、思い…出してくれた…のね。

うれしい…わ、ジャック。私、がん…ばった、意味が…あったん…だから。」

 

カーリーは、今すぐにでも、消えそうな声でジャックに、喋りかれると、ジャックの頬を手探りで探し、優しく触った。

 

ジャック「すまない。俺がお前の事を忘れてしまうから、こんな事に。」

 

すると、カーリーは弱々しくだが、ジャックの体を抱き返した。

 

カーリー「だい…じょう…ぶよ。私は、き…にして、な…いわ。だ…から、なかな…いで。」

 

カーリーに言われて、初めて自分が泣いている事に、ジャックは気付いた。

姿は見えなくても、声が震えていた。

それだけで、カーリーはジャックの事が、わかっていたのだ。

 

カーリー「もう…いっか…い、キスを…し…て。こん…どは、おとな…のキス…よ。」

 

カーリーがそう言うと、ジャックは優しく大人のキスをした。

さっきのキスよりも、愛を込めて、そして相手を抱き締めて、キスを交わした。

 

カーリー「や…やっぱり、ジャック…はやさ…しいの…ね。

さ…すが、わた…し…が、あいし…た、さい…こう…の、おと…こなん…だか…ら。」

 

そう言うと、カーリーの体は灰となり、風に消えていってしまった。

ジャックは、大粒の涙を流し、カーリーの最後を見届けた。

 

ジャック「カーリー、必ずお前を取り戻す。

それまで、少しの間だけ、辛抱していてくれ。」

 

ジャックは、涙を拭いて、自分のDホイールの方へ戻っていった。

 

すると、少し遠くの空に、カーリーが地縛神を召喚した時と同じ、心臓が現れた。

 

ジャック「たしか、あの方向はサテライトの方だ。

と言うことは、戦ってるのは遊星と鬼柳か。」

 

ジャックは、最後にカーリーがいたところを見て、遊星達が戦っている所へと、走っていった。




いや~、大人の恋愛って書きにくいですね。
単に、私の恋愛経験不足ですが…。

泣けますね。ジャックとカーリーの、恋の話は。
どうして、ダークシグナー編の後で、カーリーはその時の記憶が全部無いんでしょうかね。

折角、戦いの後に、結ばれたのに。
凄く、残念です。


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43話

~~~シティ北側の大広場~~~

 

十六夜「ここが、私達のデュエルの場所ね。」

 

アキは、一通の手紙を良く読みながら、この大広場に来ていた。

 

さっきまで、はるか上空に、巨大なモンスターが2体、現れていたのを見て、アキは少し不安になっていた。

 

ミスティ「ちゃんと、来てくれたのね。待ってたわ。」

 

噴水のふちに、アキのデュエルの相手、ミスティが座っていた。

ミスティは、アキの顔を見ると、静かに笑って、立ち上がった。

 

十六夜「早速だけど、教えてちょうだい。私になんの因縁があるの?」

 

と、アキが聞くと、ミスティは一枚の写真を取り出した。

その写真には、龍亞と同じ年位の男の子が写っていた。

 

十六夜「残念だけど、その子に見覚えは無いわ。」

 

すると、ミスティは怒る事無く、アキに近付いてきた。

 

ミスティ「それはそうよ。この子は、私の弟、貴方のファンだったのよ。」

 

ミスティは、アキの目をまっすぐ見て、写真をしまった。

アキは、思い出したく無い、昔の事を思い出して、少し震えていた。

 

ミスティ「この子はね、貴方のデュエルを見た帰り道、一台の車に跳ねられて、意識不明の重体になっているのよ。」

 

そう言ったミスティも、体が少し震えていた。

それは、怒りなのか、悲しみなのか、わからない。

 

ミスティ「ダークシグナーになることで、ドライバーの男は、地獄に堕ちてもらったわ。

けど、何故か満たされないの。」

 

ミスティ「だから、最後に貴方に復讐する事にしたの。

身勝手な事だって、自分でもわかってるわ。

けど、もう後戻りは出来ないの。」

 

ミスティはそう言うと、右腕のトカゲの痣を光らせた。

すると、地面から黒い炎が巨大なトカゲを作り、二人をおおった。

 

ミスティ「これで、私達は逃げられないわ。

鬼柳と、カーリーが負けた今、私が最後の刺客として、貴方に挑むわ。」

 

十六夜「わかったわ。私と貴方は、戦う運命にあるようね。

けど、私も負ける訳にはいかない。必ず、龍亞を取り戻すまでは。」

 

そう言うと、二人はお互い、離れて距離をとった。

二人がデュエルをする事が出来る、距離を開けたのだ。

 

ミスティ「貴方と私、このデュエルに懸ける思いは、どちらも負けてないようね。」

 

十六夜「そうね。もしかしたら、こんな出会いじゃ無かったら、私達、仲良くなれたかもしれないわ。」

 

十六夜・ミスティ「デュエル!」

 

~~~アキ1ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私は《ガード・ヘッジ》を守備表示で、召喚。

さらに、カードを2枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

 




アキ対ミスティの勝負が始まりましたね。
ミスティは、原作では弟は死んでしまいましたが、この小説では意識不明の重体です。

これが後に、大きく関わってくるかもしれません。


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44話

~~~ミスティ1ターン目~~~

ミスティ「私のターンドロー。私は、カードを1枚伏せて、手札からフィールド魔法《スネーク・デス・ライン》を発動。」

 

ミスティがフィールド魔法を発動すると、地面が血で赤黒く染まった。

そして、その血の池から、蛇が顔を覗かしている。

 

十六夜「何なのこのカードは!見たこと無いわ。」

 

アキが驚いていると、その姿を面白そうに、ミスティが笑っていた。

 

ミスティ「このカードが有る限り、お互いはレベル7以上のモンスターを特殊召喚出来ないだけよ。」

 

ミスティ「フフッ、魔女と呼ばれた貴方が、驚くなんて、とても面白いわ。」

 

ミスティは、アキを挑発するように、言葉を選んで話した。

 

ミスティ「さらに私は《レプティレス・ゴルゴーン》を攻撃表示で召喚。

これで、ターンを終了するわ。」

 

~~~アキ2ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。」

 

アキは、自分の手札を良く見た。

すでに手札には、自分のエースモンスターである、《ブラック・ローズ・ドラゴン》を、召喚出来る準備は整っている。

 

だが、ミスティの発動している《スネーク・デス・ライン》の効果で、召喚出来ないのである。

 

十六夜「だったら《コピー・プラント》を攻撃表示で召喚。

効果で、レベル3の《ガード・ヘッジ》のレベルと同じになる。」

 

十六夜「レベル3《ガード・ヘッジ》に、レベル3になった《コピー・プラント》をチューニング。」

 

十六夜「聖なる薔薇の騎士よ、今ここにその力を示せ!

シンクロ召喚!切り裂け《ナイトオブ・ローズ》」

 

攻撃力2100 守備力1900

 

ミスティ「この瞬間、伏せカード《毒蛇の束縛》発動。

相手モンスターを1体選択し、このターン攻撃力を0にする。」

 

血の池から、1匹の毒蛇がアキの《ナイトオブ・ローズ》に、噛みついた。

 

すると、《ナイトオブ・ローズ》は、攻撃力が0になってしまった。

 

十六夜「クッ、なら私はこれでターンエンド。」

 

~~~ミスティ2ターン目~~~

ミスティ「私のターンドロー。フフッ、ハハハ。」

 

十六夜「何が可笑しいのよ!」

 

ミスティ「だって、あの魔女が私相手に、常に後手に回ってる。

こんな面白い事なんて、他に無いわ。」

 

ミスティ「私は《レプティレス・スキュラ》を攻撃表示で召喚する。

そして《レプティレス・ゴルゴーン》で、《ナイトオブ・ローズ》に攻撃。『ポイズン・グランス』」

 

アキLP 4000 ミスティLP 3300

 

十六夜「どうして勝てないのに…まさか!」

 

ミスティ「その通りよ。《レプティレス・ゴルゴーン》が攻撃したモンスターは、攻撃力が0になり、表示形式を変更できない。」

 

ミスティ「さらに《レプティレス・スキュラ》で追撃。」

 

十六夜「この瞬間、伏せカード《イバラの守護》を発動。

墓地の植物族を除外して、相手の攻撃を1度だけ無効にする。」

 

十六夜「私が除外するのは《コピー・プラント》

貴方の《レプティレス・スキュラ》の攻撃は無効よ。」

 

地面から、イバラが出てきて、アキの《ナイトオブ・ローズ》を守った。

 

ミスティ「流石は魔女、簡単には勝たせてくれないのね。

私はターンエンドよ。」




今さらですが、モンスター召喚の口上を書くことにしました。
やっぱり、カッコいいですよね。

私は密かに、召喚の時、口上を言うのに憧れてました。

アキに、オリジナルシンクロモンスターを作りました。
以外と自信作です。


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45話

~~~アキ3ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私は手札から、装備魔法《薔薇の刻印》を《レプティレス・スキュラ》に装備。

その効果で、墓地の植物族を除外して、コントロールを得るわ。」

 

十六夜「私は、墓地の《ガード・ヘッジ》を除外するわ。」

 

ミスティの《レプティレス・スキュラ》の顔に、薔薇を模した刻印が刻まれると、アキのフィールドへと、移動していった。

 

ミスティ「なるほど、《ナイトオブ・ローズ》の攻撃力は0だから、私のモンスターを使うのね。」

 

十六夜「その通りよ。さらに《ナイトオブ・ローズ》の効果発動。

除外されている、植物族1枚につき、このカード以外の自分フィールド上の、モンスターの攻撃力を200Pupさせる。」

 

《ナイトオブ・ローズ》の効果により、《レプティレス・スキュラ》の攻撃力は、2200へとupした。

 

十六夜「《レプティレス・スキュラ》でダイレクトアタック!」

 

アキLP 4000 ミスティLP 1100

 

十六夜「私はこれで、ターンエンドよ。《薔薇の刻印》は、自分のターンエンド時に、装備モンスターのコントロールは、相手に戻るわ。」

 

ミスティ「やっぱり、貴方は強いわね。

その強さは自分のため?それとも、愛のため?

まぁ、いいわ、どうせ私には勝てないのよ。」

 

~~~ミスティ3ターン目~~~

ミスティ「私のターンドロー。私は魔法カード《モンタージュ・レプティレス》を発動。

ライフを800払うことで、フィールド上の《レプティレス~》と名のつくモンスター1体と、同じステータスのトークンを特殊召喚する。」

 

ミスティ「さらに、《レプティレス・スキュラ》と、《レプティレス・スキュラトークン》を生け贄に捧げる。」

 

すると、アキ達の上空に、地縛神の心臓が現れた。

そして、その心臓にたくさんの人々の魂が吸収されていった。

 

ミスティ「現れよ《地縛神Ccarayhua 》」

 

ミスティの後ろに、巨大なトカゲのモンスターが現れた。

そのモンスターは、ギョロっとした目玉で、アキの事を、見ていた。

 

ミスティ「行くわよ《地縛神Ccarayhua 》で、プレイヤーにダイレクトアタック!

恐怖をその身に、味わいなさい。」

 

《地縛神Ccarayhua 》は、アキに向かって攻撃をしてきた。

 

アキ「クッ、伏せカード《黒薔薇への生け贄》発動。

エクストラデッキの《ブラック・ローズ・ドラゴン》を墓地に送ることで、相手の攻撃を無効にする。」

 

ミスティ「なら、私はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

ミスティ「シグナーの竜を捨ててまで、勝ちたいのね。」

 

十六夜「そうよ。龍可と約束したの。

必ず貴方に勝って、一緒に龍亞を迎えにいくってね。」

 

~~~アキ4ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー!」




いい感じに終わりました。
アキと龍可の約束、いつの間にこんなに仲良くなっていたのですかね。

地縛神の名前って凄く、凝ってますよね。


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46話

十六夜「私は魔法カード《ローズ・ディフェンス》を発動。

2ターンの間、お互いはバトルフェイズを行えない。

私はターンエンド。」

 

ミスティ「《地縛神Ccarayhua 》の攻撃を防がれたわね。

けど、それも2ターンだけ。」

 

~~~ミスティ4ターン目~~~

ミスティ「私のターンドロー。」

 

ミスティは、《地縛神Ccarayhua 》を見て、静かに微笑んだ。

 

十六夜「どうして、笑ったのよ。」

 

ミスティ「だって、可笑しいじゃない。

こんな化け物が、私の自分勝手な復讐の道具、こんなにも、馬鹿げてるものは無いわ。」

 

ミスティ「私はカードを2枚伏せて、ターンエンド。」

 

~~~アキ5ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私は手札から、魔法カード《受け入れし運命》を発動。

相手は、デッキからカードを1枚確認する。

そのカードを手札に加える場合、自分フィールドのカードを1枚、破壊する。」

 

ミスティ「なるほど、デッキは運命。

その運命を受け入れるか、そのままか、まさに今の私に相応しいわ。」

 

その時、ミスティの持っていた携帯電話の、着信の音が鳴り響いた。

まるで、ミスティが決定する、運命の幕開けを宣言するかのように。

 

ミスティ「はい…、えっ!本当ですか!はい、わかりました。」

 

電話を切ると、ミスティの目からは涙が流れ出した。

 

ミスティ「《受け入れし運命》の効果で、確認するわ。

なるほど、やっぱりさっきの電話と言い、このカード、私の運命は決まっていたのね。」

 

十六夜「さっきの電話は、何だったの。

まさか!弟さんの身に何か!」

 

すると、ミスティは涙を流しながら、優しく微笑んだ。

 

ミスティ「弟の意識が回復したそうよ。」

 

ミスティ「鬼柳は、過去の友とのケジメのため、カーリーは愛する人との思いでのため。

私には、もう戦う意味が無くなった。」

 

そう、ミスティの戦う原因であった弟が、無事回復したため、もうアキとの因縁が無くなったのである。

 

十六夜「だったら、こんなデュエル今すぐ…」

 

ミスティ「けど、今確認したカードで決めたのよ。

私は手札に加える代わりに、フィールド魔法を破壊するわ。」

 

すると、自身の効果で《地縛神Ccarayhua 》が破壊されていった。

 

十六夜「どうして!貴方達、ダークシグナーのモンスターなのに。」

 

ミスティ「これで良いのよ。今からは、貴方への憎しみじゃなく、私のダークシグナーとしての使命、龍亞様への忠誠心で戦うの。」

 

ミスティ「私は手札からレベル10、ダークチューナー《ダーク・アボック》を特殊召喚。

このカードは、私のライフが500以下の時、特殊召喚できる。さらに《レプティレス・ナージャ》を召喚。」

 

ミスティ「レベル1《レプティレス・ナージャ》に、レベル10《ダーク・アボック》をダークチューニング。」

 

ミスティ「悲しみを超えた2つの命よ、今!変わる事の無い忠誠心の為に!

シンクロ召喚!永遠の混沌を《スネーク・スパイラル・ドラゴン》」

 

攻撃力2400守備力2000

 

十六夜「なら、伏せカード《復活の黒薔薇》発動。

手札からレベル7になるように、カードを除外し、墓地の《ブラック・ローズ・ドラゴン》を復活させる。」

 

十六夜「私はレベル3《夜薔薇の騎士》と、レベル4《ロードポイズン》を除外し、現れよ《ブラック・ローズ・ドラゴン》」




更新遅れてごめんなさい。
最後まで、どのような展開にするかを、悩んでました。

地縛神を捨てて、龍亞の為に戦う。
カッコいいですね。

ダークシグナー達、一人一人が戦う理由が、とゃんとあって良いですね。


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47話

今さらですが、ミスティはアキのターンに、勝手にシンクロしてますね。

それについては、ダークチューナーの効果としてください。

すみませんでした。


十六夜「私は手札から魔法カード《猛毒の果実》発動。

手札の植物族を除外して、フィールド上のモンスター1体の攻撃力を、除外したモンスターの攻撃力分、downさせる。」

 

十六夜「私は《フェニキシアン・クラスター・アマリリス》を捨てて、貴方の《スネーク・スパイラル・ドラゴン》の攻撃力を2200P、downさせる。」

 

十六夜「《ブラック・ローズ・ドラゴン》で、《スネーク・スパイラル・ドラゴン》に攻撃!

『ブラック・ローズ・フレア』」

 

ミスティ「この瞬間、伏せカード《ショート・ブラッド・スネーク》を発動。

自分フィールド上のモンスターの攻撃力が変化して攻撃された時、攻撃力を元に戻して、その数値分、相手フィールド上のモンスターの攻撃力を、downさせる。」

 

ミスティ「返り討ちにしなさい。

『ポイズン・メテオ・バーン』」

 

《スネーク・スパイラル・ドラゴン》は、《ブラック・ローズ・ドラゴン》の攻撃を、ものともせず、そのまま《ブラック・ローズ・ドラゴン》に向かって、攻撃をした。

 

アキLP 1800 ミスティLP 0

 

十六夜「どうして、貴方のライフが0になってるの!」

 

ミスティ「フフッ、それはね、《ショート・ブラッド・スネーク》のコストとして、バトル終了後、500LPを払うの。」

 

~~~デュエル終了~~~

 

十六夜「どうして、自分のライフを0にしてまで、こんなことを。」

 

アキは、ミスティのもう1枚の伏せカードを確認した。

そのカードは、《攻撃の無力化》だった。

 

十六夜「このカードを発動すれば、敗北は無かったのに。」

 

すると、ミスティは微笑むと、アキの顔を良く見た。

 

ミスティ「言ったでしょ。私は、龍亞様への忠誠心で戦うって。

最後に、ダークシグナーとして、貴方のシグナーとしての証でもある、《ブラック・ローズ・ドラゴン》を倒したかったのよ。」

 

そう言うと、ミスティはポケットから1枚の紙を出した。

そこには、どこかの住所が書かれていた。

 

十六夜「何よこの紙…まさか。」

 

ミスティ「そうよ。そこの場所が私達、ダークシグナーの隠れ家よ。

そこに、龍亞様もいるわ。」

 

するとミスティは、立ち上がり歩き始めた。

 

十六夜「どこに行く気なの。そっちには何も無いはずよ。」

 

ミスティ「知ってるわ。けど、最後に少しでも弟の近くに行きたいのよ。

それが、私の最後の願いなの。」

 

振り向いたミスティの目に、一筋の涙が流れていた。

そしてその瞬間に、ミスティの体は塵になり、消えてしまった。

 

十六夜「ミスティ…、わかったわ。私達が、龍亞を助けて、直ぐ貴方達も助け出すわ。それまで、待っていてね。」

 

アキは、硬く決意をして、紙に書いてある場所へと向かった。




どうも、一応これで因縁の戦いが全て終わりました。
どうでしたか。

これからの展開としては、シグナーとダークシグナーとの最終決戦になります。


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48話

~~~ダークシグナーの隠れ家~~~

 

龍亞「そっか、3人とも負けちゃったんだ。」

 

龍亞は、椅子に座りながら男に静かに聞いていた。

 

男「はい。ですが、3人の地縛神のカードと、ダークシンクロモンスターは全て、回収いたしました。」

 

男は、合計9枚のカードを龍亞に差し出した。

龍亞はそれを受け取ると、そのカードを良く見た。

 

その目には、大粒の涙が流れていた。

それに気づいた龍亞は、その涙をぬぐいカードをデッキにしまった。

 

龍亞「はぁぁ…、悲しいんだね龍亞。大丈夫だよ。初めての仲間と呼べる人達だもんね。

けど、まだ終わらせないよ。このまま、シグナー達の思い通りにはさせないから。」

 

男「小耳に挟んだのですが、シグナー達が何故かこちらの場所を知り、向かっているとの情報です。」

 

男「十六夜アキ、妹ぎみの龍可様が真っ先に到着する模様です。」

 

男は不思議そうに、そして少し焦りながら今自分に入ってきた情報を、龍亞に報告した。

 

けれど、龍亞のほうは全く驚くこと無く、むしろ当たり前のような態度でいた。

 

男「もしかして、こうなる事を見越しておられたのですか?」

 

すると、龍亞はニッコリと笑い椅子から立ち上がった。

 

龍亞「まさか、ここまでは考えてなかったよ。けど、ミスティならボク達の隠れ家の場所を、教えるかも…って、思ってただけだよ。」

 

少し楽しそうに話ながら、男の方へと歩いてきた。

だが、龍亞が放っていたオーラは、男が恐怖するほど大きく、そして黒かった。

 

龍亞「それにね、アキと龍可だけは他の誰かじゃなく、直接ボクが龍亞の目の前で、倒さなきゃいけないんだよ。わかったね?」

 

男「は…はい。ですが、どうして龍亞様はそのお2人に、こだわるのですか。」

 

すると、龍亞は男の前に立つと、男を顔を睨んでいた。

 

龍亞「どうしてだと…、そんなもの決まってるさ!龍亞をタブらかした雌狐だからだよ。

そのせいで、ボクの愛する龍亞の心に闇を作る原因に、なったからだよ。」

 

そう言うと龍亞は、鏡の前に立ち、そこに写る龍亞の頬を優しく撫でた。

 

龍亞「辛かったよね。苦しかったよね。

大丈夫だよ龍亞。もうすぐボクが君を助けてあげれるよ。」

 

男「それでは、不動遊星とジャック・アトラスの事はどうしますか。」

 

男がそう言うと、龍亞はハッと思い出したかのように、男に振り向いた。

 

少し考えて、いい案を思い付いたのか、男に近付きながら男に話し出した。

 

龍亞「良し!決めたよ。その2人はお前に任せる。最悪、2人とも倒せなくとも、動けなくしておいてね。」

 

男「ハッ!この命、龍亞様の為に必ずや、シグナーを倒して見せます。」

 

龍亞「そっか、期待してるよ。さて、外が騒がしいね。

いよいよ、ボクか、雌狐2人のどちらが、龍亞に相応しいか決める時が来たんだね。」

 

そう言うと、龍亞はデュエルディスクを腕にはめて、外に続く大きな扉を開けて外に出ていった。




いよいよ、龍亞(ダークシグナーの王)対アキ&龍可との、対決です。

凄く楽しみで、しょうがないです。
どのような戦いになるのか、お楽しみにしててください。

けど、そのまえに遊星達と男との戦いが先ですけど…
ごめんなさい。


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49話

龍亞「やぁ、久し振りだねお二人さん。ようこそ、ボクと龍亞の愛の巣へ。」

 

隠れ家の外には、既にアキと龍可が来ていた。

 

龍可「あなた!今すぐ龍亞を返してよ!」

 

十六夜「そうよ。この勝負、私達シグナーの勝ちよ。」

 

2人がそう言うと、さっきまで優しく笑っていた龍亞が、いきなり真顔になり黒いオーラを出した。

 

龍亞「龍亞を返して?私達の勝ち?何を言ってるの?

ボクともう1人、まだダークシグナーは残ってるんだよ。

それに、龍亞はボクが 守っているんだ。君達より、ボクと一緒にいる方が、龍亞の為なんだよ。」

 

そう言うと、龍亞は2人にゆっくり歩きながら、近づいてきた。

 

龍亞「今すぐここで決着をつけたいけど、その前に大事なデュエルがまだ、残ってるんだよね。」

 

十六夜「残ってるって…まさか!」

 

アキは、状況を理解したらしく、今すぐ遊星に連絡を取ろうとしていた。

 

龍亞「もう遅いよ。多分、もうすぐボク達にもわかるよ。」

 

すると、2人のシグナーの痣が赤く光り、意識が遊星達のいるところにいた。

 

~~~鬼柳と遊星のデュエル場所~~~

 

ジャック「遊星、やっぱりここにいたのか。」

 

ジャックは、遊星と合流して速くダークシグナー達の隠れ家に行きたがっていた。

 

男「そこまでだ不動遊星、ジャック・アトラスよ。」

 

遊星「お前はさっきの!」

 

遊星達の後ろに、いつの間にかクモの男が立っていた。

 

ジャック「そこをどけ!俺達は龍亞に用があるんだ。」

 

ジャックは、少し強く言ったが男はそれを聞いて、大声で笑い出した。

 

ジャック「何が可笑しい!」

 

男「いや、すまない。ジャックよ、まだ、私達ダークシグナーは残っているんだぞ?

それなのに、お前達が龍亞様の所のに、行けると思ってたのか?」

 

男は少しバカにしたように言った。

ジャックは怒り、男に近寄ろうとしたけれど、遊星が止めた。

 

ジャック「遊星!なぜ止めるんだ!」

 

遊星「落ち着けジャック。相手のペースに乗せられるな。」

 

遊星の言葉に、ジャックは冷静さを取り戻していった。

 

遊星「1つだけ教えてくれ。アキと龍可はどこにいるんだ。」

 

遊星の質問に、男はゆっくりと答えた。

 

男「その2人なら、既に龍亞様の所にいる。

龍亞様が特別に許可したのだ。」

 

男「さて、そろそろ私達、ダークシグナーとお前達、シグナーとの戦いに決着をつけようか。」

 

そう言うと男は、自分の被っていたフードを脱いで、自分の素顔をさらした。

 

男「一応、挨拶をしておこう。私の名はルドガー、龍亞様をお守りする為に、ダークシグナーになったのだ。」

 

そう言って、ルドガーは右腕のクモの痣を光らせ、地面に大きなクモの地上絵を作った。

 

ルドガー「さて、これで逃げられないぞ。さぁ、2人まとめて私が片付けてやる、かかってこい。」

 

遊星「ジャック、久し振りのタッグデュエルだな。」

 

ジャック「あぁ、精々この俺の足を引っ張るなよ。」

 

ルドガー、遊星、ジャック「デュエル!」




始まりました。ダークシグナー対シグナーの最終決戦。

龍亞も残ってますが、私の中では龍亞は、ダークシグナーとは別格なので、ダークシグナーには入りません。

最後の男の正体は、ルドガーでしたね。
まぁ、おおよそ皆さんはわかっていたと、思いますが、私自身最後まで、ルドガーにするかを迷っていました。


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50話

1対2の変則デュエルは、ルドガー側にハンデはありません。
あしからず。


~~~ルドガー1ターン目~~~

ルドガー「私のターンドロー。私は《シールド・スパイダー》を守備表示で召喚。」

 

攻撃力0 守備力2000

 

ルドガー「そして、カードを2枚伏せて、ターンエンドだ。

さぁ、シグナー達よ、精々龍亞様を退屈させないでくれ。」

 

~~~ジャック1ターン目~~~

ジャック「遊星、俺が先をもらうぞ。俺のターンドロー!

相手のフィールドのみにモンスターがいる時、攻撃力を半分にすることで、特殊召喚することができる。」

 

ジャック「来い!《バイスドラゴン》そして《ブロック・リゾネーター》を攻撃表示で召喚。」

 

ジャック「レベル5《バイスドラゴン》に、レベル2《ブロック・リゾネーター》をチューニング。」

 

ジャック「王者に従えし魂よ、今王を守りて輝け!

シンクロ召喚!守り抜け《レッド・ブロック・ソルジヤー》を攻撃表示で召喚。」

 

攻撃力2300 守備力2000

 

ジャック「《レッド・ブロック・ソルジヤー》がいる限り、俺のモンスターは効果では破壊されない。

俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

ルドガー「おやおや、ジャック・アトラスにしては、随分と守りのデュエルだな。」

 

ジャック「うるさい!キングたるもの、まず環境を作ることが先決。

キングのデュエルはここからだ!」

 

~~~遊星1ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。俺は魔法カード《調律》を発動。

デッキから《クイック・シンクロン》を手札に加え、デッキからカードを1枚墓地に送る。」

 

遊星「そして、手札を1枚捨てて《クイック・シンクロン》を攻撃表示で特殊召喚。

さらに《スピード・ウォリアー》を攻撃表示で召喚。」

 

遊星「レベル2《スピード・ウォリアー》に、レベル5《クイック・シンクロン》をチューニング。」

 

遊星「俊足の風を操る戦士よ、このフィールドに勝利の風を巻き起こせ!

シンクロ召喚!吹き荒べ《ストリーム・ウォリアー》を守備表示で召喚。」

 

攻撃力1800 守備力2700

 

遊星「そして、カードを2枚伏せて、ターンを終了する。」

 

ルドガー「フフッ、お前も守りに入るのか。

つまらんな。そんなデュエルでは、私には勝つことは出来ないぞ。」

 

遊星「いや、お前の戦略がわからない今は、このデュエルが普通なんだ。」

 

~~~ルドガー2ターン目~~~

ルドガー「私のターンドロー。まぁいい、なら私もお前達のようにシンクロ召喚をするとしよう。」

 

ルドガー「フィールドの昆虫族を1体を生け贄に、レベル8ダークチューナー《ブラック・インセクト》を特殊召喚。」

 

攻撃力1000 守備力500

 

ルドガー「さらに私は《ダーク・スパイダー》を攻撃表示で召喚。

レベル1《ダーク・スパイダー》に、レベル8《ブラック・インセクト》をダークチューニング。」

 

ルドガー「闇より生まれし漆黒の怒りよ、光を飲み込む野望となれ!

シンクロ召喚!常闇の使者《デストロイ・デビル・スパイダー》を攻撃表示で召喚。」

 

攻撃力2500 守備力2500




初っぱなから飛ばしますね、3人とも。
けど、実際は遊星のデッキって最初のターンのシンクロに特化してますよね。

遊星もジャックも、オリジナルのシンクロモンスターです。
いや~オリジナルモンスターって、作るのが楽しいですね。


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51話

ルドガー「《デストロイ・デビル・スパイダー》の効果発動。

手札を1枚捨てることで、フィールド上のカードを1枚、破壊できる。

さぁ、我がモンスターよ、遊星の《ストリーム・ウォリアー》を破壊しろ!」

 

ルドガーの《デストロイ・デビル・スパイダー》は、遊星の《ストリーム・ウォリアー》に向かっていった。

 

だが、遊星は臆することなく余裕の笑みを浮かべた。

 

遊星「この瞬間、伏せカード《閃光の星屑》を発動。

相手モンスターの効果の発動を無効にし、デッキからカードを1枚ドローする。」

 

ルドガー「なるほど、上手く危機を回避し、自分の利益に変えるか。

やはり、お前達のやり方は変わらんな。《デストロイ・デビル・スパイダー》は、効果を使用したターン、バトルは行えない。

私はターンエンドだ。」

 

~~~ジャック2ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!俺は《ダーク・リゾネーター》を守備表示で召喚。

さらに手札から魔法カード《王者の選択》を発動。

デッキの上から3枚確認し、好きな順番にしてデッキに戻す。

そして、相手はデッキからカードを3枚、墓地に送る。」

 

遊星「さすがジャック。デッキの調節と相手のデッキ破壊を同時にするとは。」

 

ジャック「さぁ!キングの命令だ。速くデッキからカードを捨てるがいい!」

 

ルドガー「やはりな。お前達のような下等な存在は、他人を傷付ける事しか出来ない。

だから、鬼柳やカーリーはお前達と戦う事になったのだよ。」

 

ジャック「だ、だからなんだと言うんだ!」

 

ルドガーと言葉に、遊星とジャックは動揺していた。

確かに、理由はどうあれ鬼柳とカーリーがダークシグナーになったのは、自分達に原因がある。

 

遊星「けれど、俺達はあのデュエルを通じて、和解したんだ。」

 

遊星は少し大きな声を出してしまった。

ルドガーはそれを聞き逃さずに、大きな声で笑った。

 

ルドガー「なら、どうしてお前達はそんなにも動揺しているんだ?

まぁ、それももう終わりだ。もうすぐ、龍亞様が全てを終わらせる。

お前達のような人間はいない、愛に溢れた夢のような世界だ。」

 

遊星「俺達のような人間はいないだと?どういうことだ。」

 

ルドガー「フフッ、決まってるさ。龍亞様に選ばれた人間以外はこの世から、消えてもらう。」

 

ジャック「ふざけるな!そんなことが許されると思ってるのか!」

 

ルドガー「許す、許さないは龍亞様が決めること。

さぁ、デッキからカードを捨てたぞ。ジャック・アトラス、お前のターンの続きだぞ。」

 

ジャック「クッ、俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

ルドガー「フフッ、フハハハ!苦しめ、絶望しろ!

それがお前達への、天罰なのだからな。」

 

 




ここに来て、ダークシグナー達の目的が発覚しました。
選ばれた人間だけの理想の世界を作る、何となくイリアステルと似てますね。

自分達の未来の為に、ネオドミノシティを壊そうとしたイリアステル、そして自分達の理想の為に、他の人間の消滅を図る、ダークシグナー。
どうですか?

今日、調べて驚いたことがあります。
それは、私なめらかプリン丸と十六夜アキの誕生日が、8月16日と同じだったことです。

いや~驚きです。ダークシグナー編の時のアキは、確か16歳だった気がします。
ですから、まだ私の方が少しだけ歳上です。


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52話

~~~遊星2ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。」

 

遊星は、先ほどルドガーが話していた事を、考えていた。

確かに、鬼柳を見捨てたのは自分なんだと、考えている自分と、それを否定している自分がいる。

 

遊星はそれを振り払うかのように、デュエルを続けた。

 

遊星「俺は《ストリーム・ウォリアー》の効果発動。

1ターンに1度、相手フィールド上のカードを1枚、除外して500LP回復する。」

 

遊星「俺は《デストロイ・デビル・スパイダー》を除外する。」

 

ルドガー「バカめ、伏せカード《傲慢な糸》を発動。

自分の昆虫族が、効果の対象になった時、その効果を無効にして、デッキから昆虫族を1体、手札に加える。」

 

ルドガー「何を考えているかわかるぞ。認めたく無いのだろ。

自分の不甲斐なさを、自分が犯した罪の重さを!」

 

遊星「俺はターンを終了する。」

 

ジャック「どうした遊星!お前らしく無い戦略だぞ!何をしている!」

 

ルドガー「何を言っても無駄だ。

そいつはもう、罪の重さに支配されている。このまま、立ち直ることは無いのだ。」

 

~~~ルドガー3ターン目~~~

ルドガー「私のターンドロー。《デストロイ・デビル・スパイダー》の効果を発動。

遊星の《ストリーム・ウォリアー》を破壊しろ!」

 

《ストリーム・ウォリアー》は、なすすべなく破壊されてしまった。

 

ルドガー「この瞬間、永続罠《寄生虫の卵》を発動。

昆虫族が、相手モンスターを効果で破壊した時、相手フィールド上に《寄生虫トークン》を守備表示で特殊召喚する。」

 

遊星のフィールドに、気味の悪い寄生虫が現れた。

その寄生虫は、今の遊星を嘲笑うかの様に、大声で鳴き出した。

 

ルドガー「この《寄生虫トークン》は、戦闘でしか、フィールドを離れる事が出来ない。

私はターンエンドだ。」

 

ジャック「遊星!しっかりしろ。今は、このデュエルに集中するんだ!」

 

ジャックは遊星に、激を飛ばした。

けれど、遊星は何の反応も示さない。

 

そんな遊星の、不甲斐なさにジャックは、怒りや呆れを感じていた。

 

ジャック「お前が何を考えているかは、しらん。

だが、こいつに勝たなければ、全てが終わってしまうんだぞ!」

 

遊星「じ…ジャック、だが、そんなことを言っても…」

 

ジャック「もう良い!お前には何の期待もせん!

こいつは、この俺1人で倒す!」

 

ルドガー「何を仲間割れをしている?どうせ、消え行く運命に有る、仲間同士だろ?

最後くらい、仲良く消えて行け。」

 

~~~ジャック3ターン目~~~

ジャック「うるさい!俺の運命は、他人ではなく、俺が決めることだ!俺のターンドロー!」




ジャックと遊星が少しギクシャクしてきましたね。大変ですね…。

私の中では、遊星は皆より、精神的に弱いイメージがあります。
どうしてでしょうか?


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53話

ジャック「俺は手札から魔法カード《王者の風格》を発動。

手札のモンスターを1枚捨て、そのモンスターの攻撃力の半分を、自分のモンスターに加える。

俺は《マッド・デーモン》を捨て、その攻撃力1800の半分、900をフィールドの《レッド・ブロック・ソルジヤー》の攻撃力2300に加える。」

 

攻撃力3200

 

ルドガー「さすがはキング。仲間が戦えなくなるなると、戦略を攻撃的に変えるか。」

 

ジャック「まだ終わらん。俺は伏せカード《強化蘇生》を発動。

墓地の《マッド・デーモン》のレベルを1つ上げ、蘇生させる。」

 

ジャック「そして、レベル5になった《マッド・デーモン》に、レベル3《ダーク・リゾネーター》をチューニング。」

 

ジャック「王者の鼓動、今ここに列をなす。

天地鳴動の力を見るが良い!シンクロ召喚!我が魂《レッド・デーモンズ・ドラゴン》」

 

ルドガー「来たか!シグナーの竜よ。

フフッ、絶景だな。憎き相手のエースが私の前に現れるとは。」

 

ジャック「くらえ!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で、お前の《デストロイ・デビル・スパイダー》に攻撃!

『アブソリュート・パワーフォース』」

 

ルドガーLP 3500 遊星LP 4000 ジャックLP 4000

 

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の掌底が、ルドガーの《デストロイ・デビル・スパイダー》を、見事に破壊した。

 

ジャック「まだ終わって無いぞ!《レッド・ブロック・ソルジヤー》でダイレクトアタック。

『灼熱の滅殺剣』」

 

ルドガー「これは通さん。伏せカード《スパイダー・エッグ》を発動。

ダイレクトアタックを無効にして、私のフィールドに《スパイダートークン》を3体、攻撃表示で特殊召喚する。」

 

ルドガー「残念だったなジャック・アトラス。けれど、お前らしい、キングらしい攻撃だったぞ。

やはり、お前は攻撃に特化しているな。カーリーを傷付けただけはあるな。」

 

ジャック「うるさい黙れ!カーリーの話は今は、関係無いことだろ!」

 

ルドガー「いや、そうでは無いぞ。私は龍亞様からの最後の刺客、そしてダークシグナー達のリーダーなのだ。

先に負けてしまった、私の仲間の敵討ちをするのは、当然のことだろ?」

 

ジャック「クッ、減らず口を。《王者の風格》の効果はエンドフェイズまでだ。俺はこれでターンエンドだ。」

 

遊星「ジャック、本当にこのデュエルに勝たなければ、いけないのか?」

 

ジャック「遊星何を言い出すんだ!?

確かに、鬼柳達をダークシグナーにしたのは俺達だ。

だから、俺達で全てを終わらせるのが、まず俺達のできる、罪滅ぼしだろうが!」

 

ルドガー「フフッ、良いぞもっとだ。もっと、傷付けあうがいい。

まったく惨めだな。私達の宿命の相手がこのようなものだったとは。」

 

 




雰囲気が相変わらず悪いですね。

けど、遊星の気持ちは少しだけわかる気がします。
どっちが悪いのか、わからなくなりますよね。


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54話

遊星「ジャック、俺達がダークシグナー達や、今の龍亞に勝ったところで、俺達が犯した罪は消えないじゃ無いか。」

 

ジャック「だが!それでも、俺達でこの戦いに決着をつけなきゃならんのだ!」

 

ルドガー「不動遊星、お前の言う通りだ。たとえ、お前達シグナーが龍亞様を倒したとしても、過去の悲劇は消えないのだ。」

 

ルドガーの発言に、遊星はより自分の戦う意思が弱くなってきてた。

 

それを感じたのか、ジャックは遊星の所まで走って行き、遊星の頬を力一杯殴り付けた。

 

遊星は、殴られた衝撃に耐えきれずに、その場に倒れこんでしまった。

 

ジャック「見損なったぞ遊星!お前がサテライトからシティに来たのは、これまでの自分の過去と戦う為だっただろ。

それなのに、たった1つの過去の失敗くらいで、挫けて根をあげてどうする!」

 

ジャックの一喝で、遊星はその場から立ち上がった。

 

遊星「そうだった。俺はサテライトを出たあの日、自分に誓ったんだ。

何があっても、俺は諦めない。諦めずに、戦い続けると。」

 

ジャック「そうだ。それでこそ、俺がよく知っている遊星だ。

お前が本当に、戦う気持ちを取り戻したのなら、自然とデッキは答えてくれる。」

 

~~~遊星3ターン目~~~

遊星「デッキが答えてくれる…、俺はデッキを信じている!

俺のターンドロー!良し、ありがとう。お前達の想い、受け取った。」

 

遊星「俺は《ジャンク・シンクロン》を攻撃表示で召喚。

そして、《ジャンク・シンクロン》の効果発動。

墓地のレベル2以下のモンスターを特殊召喚する。」

 

遊星「俺は墓地から《スピード・ウォリアー》を攻撃表示で特殊召喚。」

 

ルドガー「いつの間に《スピード・ウォリアー》を墓地に…。

なるほど、最初のターンの時《クイック・シンクロン》の召喚コストにしたのか。」

 

遊星「その通りだ。だが、まだ終わりじゃ無いぞ。

俺は《スピード・ウォリアー》を生け贄に、手札の《ターレット・ウォリアー》を特殊召喚。」

 

遊星「《ターレット・ウォリアー》は、フィールドの戦士族1体を、生け贄に差捧げることで特殊召喚できる。

そして、生け贄にしたモンスターの元々の攻撃力を、自分の攻撃力に加える。」

 

ジャック「良いぞ遊星。《ターレット・ウォリアー》と《ジャンク・シンクロン》のレベルの合計は8、あのモンスターを召喚出来るぞ!」

 

遊星「俺は、レベル5《ターレット・ウォリアー》に、レベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング。」

 

遊星「集いし願いが、新たに輝く星となる。光りさす道となれ!

シンクロ召喚!飛翔せよ《スターダスト・ドラゴン》」

 




遊星が立ち直り、自身のエースモンスター、《スターダスト・ドラゴン》が出ましたね。

いや~良かった、良かった。



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55話

ルドガー「ほぉ、はじめて見るが、とても綺麗なドラゴンだな。」

 

遊星「どうだ!これが、俺達の希望の星、そして逆転のモンスターだ。」

 

すると、ルドガーは大声で笑い始めた。

 

ジャック「なぜ、笑っていられる!俺達のエースドラゴンが揃った。

今のお前に勝つ可能性は、微塵も無いのだぞ!」

 

ルドガー「それはそうだろ?シグナーの証であり、お前達の絶対的なエース、そのカードを私がかんぷなきままに、叩き潰せるのだからな。」

 

そう言うと、またルドガーが高らかに笑いだした。

 

ジャック「ふざけた事を!

遊星!さっさとお前の《スターダスト・ドラゴン》の力を見せてやれ!」

 

遊星「わかった。《スターダスト・ドラゴン》で、お前の《スパイダートークン》に攻撃!『シューティング・ソニック』」

 

ルドガー「だからお前は甘いのだ。

墓地の《ブロック・スパイダー》の効果発動。

このカードを除外する事で、相手の攻撃を無効し、バトルフェイズを終了する。」

 

遊星「なら、俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~ルドガー4ターン目~~~

ルドガー「私のターンドロー。私はフィールド魔法《邪悪なるクモの巣》を発動。

1ターンに2度、私のフィールドの昆虫族はお前達の魔法、罠カードの対象にならない。」

 

ジャック「なんだと!なんて強力な効果なんだ。」

 

ルドガー「まだだ。これからが本当の地獄の始まりだ。

私はフィールド上の《スパイダートークン》2体を生け贄に、《地縛神Uru 》を召喚。」

 

遊星達の上空に、地縛神の心臓が現れた。

けれど、これまでの地縛神よりも、巨大で禍々しく、邪悪なオーラを放っていた。

 

ルドガー「これが、最強にして最大の地縛神。

来い!《地縛神Uru 》よ。

シグナーをその底無しの闇に、葬ってしまえ。」

 

ルドガーの後ろに、とても巨大なクモのモンスターが現れた。

そして、遊星達はその迫力と、圧倒的な闇のオーラに、身震いをしてしまった。

 

遊星「これが、最強の地縛神…。

こんなにも、恐ろしいものはこれまで、見たことが無いぞ。」

 

ジャック「あぁ、けれどそれがどうした!

相手がどれ程、強力だろうと俺達は、諦める訳にはいかないんだ。」

 

ルドガー「さすがは、地縛神と戦っただけはあるな。

だが、この《地縛神Uru 》は、他の地縛神とは全てが違う。」

 

ルドガー「《地縛神Uru 》の効果発動。

フィールドの昆虫族を1体、生け贄にして相手モンスター1体の、コントロールをエンドフェイズまで、を得る。」

 

ルドガー「俺は《スパイダートークン》を生け贄に、不動遊星の《スターダスト・ドラゴン》を選択する。」

 

《地縛神Uru 》がはいた糸に、《スターダスト・ドラゴン》が、絡み取られてしまった。

 

遊星「《スターダスト・ドラゴン》!」

 

ルドガー「《地縛神Uru 》で、不動遊星にダイレクトアタック。」

 

遊星「クッ、伏せカード《くず鉄のカカシ》を発動。

《地縛神Uru 》の攻撃を無効にする。」

 

ルドガー「まだ攻撃は残っているぞ。

さぁ《スターダスト・ドラゴン》よ、自分の主人に攻撃だ。」

 

遊星「グワァァ!!」

 

ルドガーLP 3500 遊星LP 1500 ジャックLP 4000

 

ルドガー「そしてカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。

どうた?自分の愛するモンスターに攻撃された気持ちは?

辛いだろ?痛いだろ?苦しいだろ?

だが、龍亞様が受けた痛みや苦しみは、もっと大きいんだ!」




《地縛神Uru 》登場です。
この地縛神は、私がはじめて使った、地縛神です。

そのため、少し愛着が沸いています。
けれど、それは本編に影響しませんので、あしからず。


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56話

~~~ジャック4ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!俺は魔法カード《紅蓮魔竜の壺》を発動。

デッキから、カードを2枚ドローする。」

 

ジャックは、ドローしたカードを見て、少しだけ苦い顔をした。

 

ルドガー「どうした?逆転のカードが、引けなかったようだな。」

 

ジャック「クッ、俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。

遊星!次のターンの為に、お前に託すぞ!」

 

遊星「ジャック…、あぁ、次のドローに全てをかける。」

 

~~~遊星4ターン目~~~

遊星「デッキよ。俺達の想いに、答えてくれ!

俺のターンドロー!」

 

遊星「来た!これが、逆転のカードだ。

俺は《ロード・ランナー》を守備表示で召喚。」

 

ルドガー「そんな、ちっぽけな小鳥が逆転のカードだと?笑わせるな。」

 

遊星「このモンスターを、甘く見ていると、次のターンに痛い目を見るぞ。

俺はターンエンドだ。」

 

~~~ルドガー5ターン目~~~

ルドガー「私のターンドロー!

私をバカにするなよ。《地縛神Uru 》よ、ジャック・アトラスにダイレクトアタックだ。」

 

遊星「この瞬間、伏せカード…」

 

ルドガー「無駄だ!私は伏せカード《ブレイク・トラップ》を発動。

相手がバトルフェイズ中に、罠カードを発動する時、その発動を無効して、その罠カードを破壊する。」

 

ルドガー「残念だったな、私の戦略に死角はない!

さぁ行け!《地縛神Uru 》よ。シグナーに、恐怖を!」

 

ジャック「クソ、逃げられん!グワァァ!!」

 

遊星「ジャック!大丈夫か。」

 

ルドガーLP 3500 遊星LP 1500 ジャックLP 1000

 

ジャック「だ…大丈夫だ。問題ない。」

 

ルドガー「ボロボロではないか。フフッ、無様だなジャック・アトラスよ。

私はこれで、ターンエンドだ。」

 

遊星「すまない…、俺のせいで。」

 

ジャック「気にするな。それに、この攻撃で希望が繋がった。」

 

~~~ジャック5ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー。俺は魔法カード《二重螺旋召喚》を発動。」

 

ルドガー「ま、まさか!そのカードは!」

 

ジャック「そう。このカードは、手札のモンスターを相手に見せて、そのモンスターと同じレベルのモンスターが、フィールドにいる時、そのモンスターのコントロールを得る。」

 

ジャック「ただし、このカードを発動するには、残りライフ全プレイヤーの中で、最も低くなければならない。」

 

ルドガー「だから、さっきの攻撃をお前は、防がなかったのか。」

 

ジャック「その通り!そして、俺が見せるカードは、レベル1《救世竜セイヴァー・ドラゴン》だ。

今、フィールド上にいる、レベル1は遊星の《ロード・ランナー》だけだ。」

 

遊星の《ロード・ランナー》は、ジャックのフィールドへと、移動していった。

 

ジャック「そして手札から《救世竜セイヴァー・ドラゴン》を召喚。

レベル8《レッド・デーモンズ・ドラゴン》と、レベル1《ロード・ランナー》に、レベル1《救世竜セイヴァー・ドラゴン》をチューニング。」

 

ジャック「研磨されし孤高の光、真の覇者となりて大地を照らす!光輝け!

シンクロ召喚!大いなる魂《セイヴァー・デモン・ドラゴン》」




いよいよ、デュエルも佳境に突入です。
いきなりハイペースで、すみません。

結構前に募集した、ダークシグナーの王の名前ですが、募集の締め切りを今週の金曜日までにします。

もし、それまでに来なければ、今来ている「ルイズ」か、私が自分で考えた名前にします。


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57話

ルドガー「これが…、赤き竜の力。」

 

ジャック「そうだ!この《セイヴァー・デモン・ドラゴン》は、俺とカーリーを再び結びつけたカードだ。」

 

ジャック「いくぞ!《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の効果発動。

お前の《地縛神Uru 》の効果を無効にし、その攻撃力3000Pを、《セイヴァー・デモン・ドラゴン》に加える。」

 

ルドガー「ここで、私が負けるか…。

だが!龍亞様がいる限り、我々はまだ負けてはいない。

それにお前達程度では、龍亞様を心の闇からは救えはしない。」

 

ジャック「うるさい!この一撃で、終わりだ。

《セイヴァー・デモン・ドラゴン》で《地縛神Uru 》に攻撃! 『アルティメット・パワーフォース』」

 

《セイヴァー・デモン・ドラゴン》の攻撃で、最後の地縛神《地縛神Uru 》は見事に、倒された。

 

ルドガーLP 0 遊星1500 ジャックLP 1000

 

~~~デュエル終了~~~

 

遊星「ジャック。俺達の勝ちだな。」

 

遊星は、ジャックに近付いて行き、ハイタッチをした。

 

ルドガー「ふ…フフッ、お前達随分と余裕だな。」

 

ジャック「なんだと。どう言うことだ!」

 

ルドガーの発言の意味を、ジャックは理解できなくて、聞き返した。

 

しかし、遊星はその意味を感じとり、少し焦ってルドガーに聞き返した。

 

遊星「ルドガー!まさか、俺達を道連れにする気なのか。」

 

遊星の言葉に、ジャックはルドガーの所に走って行き、胸ぐらを掴んで問いただした。

 

ジャック「おい!遊星の言った通りなのか!

なんとか言え!」

 

すると、ルドガーは静かに笑うと、ジャックの手を払い大声で笑い出した。

 

ルドガー「道連れか…、考えても見なかったな。

だが、私も誇り高きデュエリストだ。敗北は敗北だ。」

 

そう言うと、ルドガーはポケットから1枚の紙を取り出して、遊星達の方に投げた。

 

その紙には、ミスティ同様に、ダークシグナーの隠れ家の場所が、書かれていた。

 

遊星「ルドガー、もしかしてこの場所は…。」

 

ルドガー「そう、我々の隠れ家、そして龍亞様とシグナーとの、デュエル場所だ。」

 

ジャック「シグナーとだと…、まさか!龍亞とデュエルするのは!」

 

遊星「2人が危ない。急ぐぞジャック。」

 

遊星とジャックは、急いで自分のDホイールにまたがり、ルドガーからもらった紙に、書いてある場所へと向かった。

 

それを見届けたルドガーは、空を見て涙を流した。

 

ルドガー「すみません龍亞様。貴方の命令を守れませんでした。

それに、鬼柳にカーリー、お前達の仇はうてなかった。」

 

ルドガー「けれど、最後までこの命、龍亞様の為に。」

 

そう言うと、ルドガーはボロボロの体をひきずりながら、隠れ家へと向かった。

 




ひさしぶりに、デュエル以外の文を書いた気がします。
だから何だって、話ですけどね…。

敗北したルドガーは、原作とは少し違いましたね。
最後まで、龍亞の為なんて、このダークシグナー達、凄く信頼し結束してますね。

名前の募集、待ってます。
締め切りは、今週の金曜日です。


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58話

遊星「ジャック、少し急ぎすぎじゃないのか。」

 

遊星は、前を走っているジャックに尋ねたけれど、ジャックは返事をしなかった。

 

遊星「どうしたんだジャック。様子がおかしいぞ。」

 

ジャックに追い付いた遊星は、ジャックの前に止まって、ジャックの進行を止めた。

 

ジャック「何をするんだ遊星!さっさとそこをどけ!」

 

遊星「ジャック!何があったんだ。」

 

遊星の問いかけに、ジャックはハッと我にかえり、冷静さを取り戻した。

 

ジャック「すまん遊星。だが、どうも嫌な予感がするんだ。それに…」

 

遊星「それに何だ?」

 

ジャックは、少しためらいながら、自分の話を続けた。

 

ジャック「さっきのデュエルで、ルドガーの《地縛神Uru 》の攻撃を、くらったときに、龍亞の身にこれまでよりも、恐ろしい事がおこる未来を見たんだ。」

 

遊星「龍亞の身にだと!本当かジャック。

だったら急がなければ。」

 

遊星は急いでD ホイールに乗り、ダークシグナーの隠れ家に続く、長い道を再び走り出した。

 

~~~隠れ家~~~

 

十六夜「ついに、貴方1人になったわ。」

 

龍可「そうよ、だから速く龍亞を返して!」

 

すると、龍亞はいきなり涙を流して、そのまま止まることは無かった。

 

龍亞「1人か…、ルドガーがボク達の仲間の中でも、一番ボクへの忠誠心が強かったんだよ?

それに、ボクだけでなくて、龍亞にも従ってくれてたんだ。」

 

そう言うと、龍亞は空を見て少し目を閉じた。

そして、再び2人の方を見た。その時には、涙は止まっていた。

 

龍亞「お前達に、今の龍亞の気持ちがわかるのか!今の龍亞の苦しみ、哀しみが理解できるの!」

 

龍可「な…何を言ってるのよ、わからないわよ。」

 

十六夜「えぇ…それに、今は関係無いことでしょ。」

 

2人がそう言うと、龍亞は諦めた様な顔をして、話を続けた。

 

龍亞「やっぱりね、やっぱりお前達なんかに、龍亞は渡せない。」

 

龍亞はそう言った後、龍亞本来のデッキから、何も書かれていないカードを取り出して、今のデッキの中に入れてシャッフルをした。

 

龍亞「そう言えばさっき、これで1人になったって、言ったけど間違いよ。

龍亞は、元々独りぼっちだったんだ。

だから今のボクがいて、今こうしてお前達と対立してるんだ。」

 

龍可「龍亞が独りぼっちって、どう言う意味よ。」

 

龍可の発言を聞いて、龍亞は笑った。

 

龍亞「もしかして、気がつかなかったの?

なにも知らなかったの?」

 

龍亞「そう言う態度や言葉が、龍亞を追い詰めてたって何で、わからないの!」

 

龍亞は、感情的になり、声が大きくなってしまった。

 

龍亞「まぁ良いわ。どうせ、ボクに負けて消えるだけのお前達だ。

今頃、どうも出来ないしね。」

 

そう言うと、いきなり2人の前が明るくなった。

 

すると目の前に、龍亞が倒れていた。

そして、その横に黒いロングヘアーの女が、立っていた。

 

女「はじめまして、ボクがダークシグナーの王にして、お前達の相手だ。」

 




さぁいよいよ、最終決戦です。
心が踊るな♪

今更ですが、女なのに王って、前にも書いた気がしますが、違和感がありますね。

さて、募集している名前ですが、明日の午後9時30分を最終締め切りとします。

皆さんからのコメントをお待ちしております。


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59話

ダークシグナーの王の、名前が決まりました。
それは、『ルイズ』です。

と言うか、それしかコメントが来なかっただけですが…。

では、本編をお楽しみください。


十六夜「貴方が、ダークシグナーの王ですって。」

 

アキは、目の前に現れた黒髪の女に向かって、少し自信なさげに聞いた。

 

女「そうだよ。名前は…そうだな、『ルイズ』とでも呼んでよ。」

 

龍可「だったらルイズ、今から私とデュエルよ。」

 

ルイズ「心配要らないよ、今からのデュエルは、ボク対お前達2人だよ。」

 

ルイズはそう言うと、デュエルディスクに自分のデッキをセットした。

 

そして、それを見た2人もデュエルディスクにデッキをセットした。

 

ルイズ「さぁ始めようじゃないか。この世の全ての人、そしてボク達の愛する龍亞をかけてね!」

 

ルイズ、十六夜、龍可「デュエル!」

 

~~~龍可1ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私はカードを2枚伏せて《三日月の精霊》を守備表示で召喚。」

 

レベル3チューナー

攻撃力1000 守備力1500

 

龍可「私はこれで、ターンエンドよ。」

 

~~~アキ1ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私はカードを1枚伏せて《ボタニティ・ガール》を守備表示で召喚。」

 

十六夜「私はターンエンド。さぁ次は貴方のターンよ。

どんなデュエルを、見せてくれるのかしら。」

 

ルイズ「そんなに、身構えなくても良いよ。どうせ、ボクの勝ちは決まってるんだから。」

 

ルイズは、わざとらしく2人を挑発した。

けれど、2人はその挑発に乗らずに、冷静さを保っていた。

 

ルイズ「なんだ、つまんないな。

まぁ良いや。落ち着いていられるもの、今だけだからね。」

 

~~~ルイズ1ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。ボクは手札から、永続魔法《純粋なる選択》を発動。

その効果で各プレイヤーは、自分のメインフェイズに、デッキからカードを1枚ドローするか、500LP回復かを選ぶ。」

 

ルイズ「ボクが選ぶのは、ドロー効果。

カードをドロー。まぁ、まずまずかな。」

 

ルイズ「ボクは《悲劇の剣士》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル4

攻撃力1500 守備力0

 

ルイズ「ここで攻撃!…っと行きたいけど、まだしないよ。

わざわざ、相手のデッキサーチの手伝いをする必要も無いからね。

ボクはカードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

するといきなり、倒れている龍亞の下から、台座が出てきて、龍亞を乗せた。

 

十六夜「ルイズ!これは何事なの。」

 

アキは、龍亞を心配してルイズに問いただした。

すると、ルイズはフフッ、と笑うと、龍亞の方を見た。

 

ルイズ「何って、倒れたままじゃ可哀想でしょ?

それに、こうすればボク達のデュエルに、巻き込まれる事も無いしね。」

 

ルイズの無邪気な、そして本気で龍亞を思っている発言に、2人は何も言えなかった。




ついに、始まりました!
おそらく、オリジナルカードがたくさん出ます。
ご了承下さい。

最近、後書きを書くのにてこずってます。


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60話

ルイズ「どうしたの?速く、ドローしなよ。」

 

ルイズに言われて、龍可はハッとなりデュエルを続行した。

 

~~~龍可2ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私は《レグルス》を攻撃表示で召喚。」

 

龍可「そして、レベル4《レグルス》に、レベル3《三日月の精霊》をチューニング。」

 

龍可「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる。

シンクロ召喚!降誕せよ《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》」

 

龍可「(本当は、守備に徹底するべきだけど、今は攻めよ。)私は《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》で《悲劇の剣士》に攻撃!

『エターナル・サンシャイン』」

 

ルイズLP 3400 龍可LP 4000 アキLP 3500

 

十六夜「ど、どうして私のライフまで減っているの?」

 

ルイズ「教えてあげるよ。《悲劇の剣士》が攻撃表示で戦闘で破壊された時、相手に500Pのダメージを与える。

そして、デッキから《悲劇の剣士》を任意の数、守備表示で特殊召喚する。」

 

ルイズは、クスクス笑いながらアキを見ていた。

 

ルイズ「お前達には、たくさんの苦しみを味わって貰うよ。

まずは十六夜アキ、お前からだよ。」

 

龍可「ご免なさいアキ。私のせいで、」

 

十六夜「良いのよ気にしないで。これで、相手の狙いがわかったんだから。」

 

アキが、龍可をなぐさめているのを、ルイズは気に入らない目で見ていた。

 

龍可「わかったわ。私はこれで、ターンエンドよ。」

 

~~~アキ2ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私は《ナイトローズナイト》を攻撃表示で召喚。

効果で、手札からレベル4以下の植物族を特殊召喚することができる。」

 

十六夜「私は《ローズ・ウィッチ》を特殊召喚。

そして、レベル4《ローズ・ウィッチ》に、レベル3《ナイトローズナイト》をチューニング。」

 

十六夜「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!

シンクロ召喚!咲き乱れよ《ブラック・ローズ・ドラゴン》」

 

十六夜「《ブラック・ローズ・ドラゴン》で《悲劇の剣士》に攻撃!

『ブラック・ローズ・フレア』」

 

十六夜「私はターンを終了するわ。」

 

ルイズ「わかったよ。そんなに、ボクを本気にさせたいんだね。

なら、見せてあげるよ。」

 

~~~ルイズ2ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。ボクは《ロスト・ダイロス》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル3チューナー

攻撃力1200 守備力1000

 

ルイズ「お前達に見せてあげるよ。ボクと龍亞の絆を。

僕はレベル4《悲劇の剣士》に、レベル3《ロスト・ダイロス》をチューニング。」

 

ルイズ「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!

シンクロ召喚!愛と正義の使者《パワー・ツール・ドラゴン》」




ルイズがパワーツールを出しましたね。
実はこのパワーツールは、この後進化?します。
お楽しみに!


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61話

前回、すっかり忘れてましたが《純粋なる選択》で、龍可はドロー、アキは回復、ルイズはドローを選びました。

よって、今のライフは、ルイズ3400 龍可4000アキ4000です。


十六夜「どうして、貴方が《パワー・ツール・ドラゴン》を、使っているの。」

 

龍可「そうよ。そのカードは、龍亞の大事なカードなのよ。」

 

ルイズ「うるさい、黙れ!お前達が龍亞を語るな!」

 

突然、冷静だったルイズが大声を出して、2人に憎悪を出した。

 

ルイズ「龍亞の何を知ってるんだ。龍亞の忌まわしい傷痕を見たことがあるのか!」

 

ルイズはそう言い、指をならした。

すると、龍亞を乗せていた台座が下がり、ルイズの高さまで下がってきた。

 

そして龍亞を抱き締めて、ルイズは優しく龍亞の服を脱がした。

 

その傷痕を見て、2人は言葉を失っていた。

 

ルイズ「龍可!お前の目が覚めなかったあの日、龍亞はお前の為にこんなにも、傷付いた。」

 

ルイズ「なのに、何でお前達家族は、誰も龍亞の事を心配しなかった。」

 

龍可「そ、そう言われても、私は知らなかった。」

 

ルイズ「そうだろうな。お前達、力を持っているものは、本当に傷付いている人に気がつかない。」

 

そう言って、ルイズは龍亞に服を着させた。

そして、龍亞の事を強く抱き締めた。

 

ルイズ「ダークシグナーのディマクの時だってそうだ。

みんなを守るために、1人で戦った龍亞に世間は批難の声をあげる。

そして、後から来て手柄を持っていった、お前は英雄扱いだ。」

 

ルイズ「どうしてだ!龍亞がお前達に何をしたんだ!

十六夜アキ、お前もそうだ。

お前を助けるために、傷付いた龍亞をみんなは嫌い、お前は悲劇のヒロイン扱い。」

 

ルイズ「ボクはそんな下らない…いや、救い様の無いこの世界なんて、消えてしまえば良いんだ。

ダークシグナーになった、皆に対してもこの世界は、最低だ。」

 

ルイズ「傷つけられ、ダークシグナーになるしかなかったのに、お前達はそれを“悪”と呼び、消そうとした。

ふざけるな!そんなお前達が、愛を語るな!

正義を語るな!」

 

ルイズ「龍亞は、苦しかったんだ。

誰かに“龍亞”として、1人の人間として認めて貰いたかったんだ。

なのに、龍亞はお前達から罵倒され、殴り蹴られて、助けを求めた。」

 

ルイズ「どうして、助けてあげなかった?

どうして、お前達まで龍亞を苦しめた?

だから、龍亞は渡せない。いや、それだけじゃない。」

 

ルイズ「鬼柳も、カーリーも、ミスティも、ルドガーも、皆お前達には渡さない。

全て、龍亞の仲間だ。龍亞の理解者だ。龍亞の生きる希望なんだ。

お前達の様な、苦しい時にどこにでも、逃げ道があるような甘ったれた、連中とは違うんだ!」

 

ルイズ「龍亞には、逃げ道はここしかないんだ。

ダークシグナーの皆しかいないんだよ。

だから、ボクはお前達と戦っているんだ!だから、ボクは生まれてきたんだ。」

 

ルイズは、とても大きくどす黒いオーラに包まれていた。




ルイズの気持ちがすごい伝わって来ますね。

私自身、書いても書いても、手が止まりませんでした。

ダークシグナーと龍亞の間には、見えない繋がり、そしてお互いに離れることのない友情?がありますね。


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62話

ルイズ「デュエルを続けるよ。ボクは魔法カード《暗黒の培養術》を発動。

フィールドのモンスター1体を選択し、そのモンスターよりも、レベルが1つ多いトークンを特殊召喚する。」

 

ルイズ「さらに、そのトークンはダークチューナーでもある。

そして、レベル1モンスター《リトル・メルト》を攻撃表示で召喚。」

 

ルイズ「レベル1《リトル・メルト》に、レベル8《パワー・ツール・ドラゴントークン》をダークチューニング。」

 

ルイズ「愛する人の為に今、すべてを捧げる。

我に従いし魂よ、ボクに力を!

ダークシンクロ召喚!これがボクたちの希望だ。降臨せよ《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》」

 

攻撃力2300 守備力2500

 

龍可「く…黒い《パワー・ツール・ドラゴン》…」

 

ルイズ「そうさ、これが龍亞と対をなすボクのエースモンスター。

そして、ボクやダークシグナー達の力の全てだ!」

 

ルイズ「《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》がいる限り、フィールドの《パワー・ツール・ドラゴン》は、カードの効果は効かず、攻撃対象にならない!」

 

ルイズ「バトルだ!《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》は、攻撃するとき、デッキから《地縛神》を1枚、手札に加えることで、加えた《地縛神》の攻撃力分、攻撃力をエンドフェイズまで、UPさせる。」

 

ルイズ「ボクはデッキから《地縛神CcapacApu 》を手札に加える。

そしてその攻撃力、3000P攻撃力UPだ。」

 

ルイズ「まずは、十六夜アキからだったね。《ブラック・ローズ・ドラゴン》に攻撃!

『クラフティ・ダーク・ブレイク』」

 

十六夜「クッ、伏せカード《攻撃の無力化》を発動。

貴方の攻撃を、無効にするわ。」

 

ルイズ「チッ、防がれたか。まぁ良い《純粋なる選択》のもう1つの効果により、このカードを墓地に送り、デッキから2枚ドローする。」

 

ルイズ「ボクはカードを2枚伏せて、ターンエンド。

さぁ、これからが楽しい時間だよ。」

 

~~~龍可3ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私は《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を守備表示に変更。

さらに、魔法カード《精霊の導き》を発動。

次の私のターンまで、シンクロモンスターは戦闘で破壊されない。」

 

龍可「私はこれで、ターンエンド。」

 

ルイズ「わかるよ、何も出来ずにただ耐えるだけしか手はないよね。

少しは、龍亞の気持ちがわかったかな?」

 

龍可「うるさい。そんな言葉に私達は惑わされない!」

 

~~~アキ3ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。《ブラック・ローズ・ドラゴン》を守備表示に変更するわ。

そして、カードを1枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

ルイズ「フフッ、守備表示で逃げたつもりなの?

ボクは逃がさないよ。お前達にはもっと苦しんで貰うんだ。」




ついに、出ました!
ルイズのダークシンクロモンスター。

このモンスターって、ダークシグナー側の全てですよね。

龍亞のエースであるパワーツール、そしてダークシグナー達の力であるダークシンクロ、そしてルイズのエースモンスター。

まさに、原作で言うところの、《シューティング・クエイサー・ドラゴン》ですかね?(少し違う気がしますが…)

さらに効果に、地縛神を使っているので、感動です。


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63話

~~~ルイズ3ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。ボクは《パワー・ツール・ドラゴン》の効果を発動。

デッキから、装備魔法を1枚ランダムに、手札に加える。」

 

ルイズ「ボクが手札に加えたのは《デステニィー・パワー・ツール》だ。

そしてボクは《デステニィー・パワー・ツール》を《パワー・ツール・ドラゴン》に装備。」

 

ルイズ「この効果は、1ターンに1度デッキの一番上のカードを確認する。

それがモンスター、魔法、罠カードによって効果が変わる。」

 

ルイズ「さて、デッキの上は…魔法カードだ。

これにより《デステニィー・パワー・ツール》を装備しているモンスターは、相手にダイレクトアタックが出来る。」

 

龍可「そんな、それじゃあ私が発動したカードの意味が無くなるわ。」

 

ルイズ「そう言うことさ。《パワー・ツール・ドラゴン》よ、十六夜アキにダイレクトアタックだ! 『クラフティ・ブレイク』」

 

十六夜「クッ、何?本当に痛みがおきてるわ。」

 

ルイズLP 3400 龍可LP 4000 アキLP 1700

 

龍可「アキ、大丈夫なの!」

 

十六夜「え、えぇ、なんとか平気よ。

それよりルイズ、このデュエルはどうなっているの!」

 

ルイズ「そう言えば教えて無かったね。このデュエルでのダメージは、自分達への現実のダメージになるんだよ。」

 

ルイズ「だから、頑張ってね~。」

 

ルイズの声には、少しの心配や情けは感じられ無かった。

 

~~~龍可4ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私は《フェアリー・アーチャー》を守備表示で召喚。

《フェアリー・アーチャー》の効果発動。

フィールドの光属性1体につき、400Pのダメージを与える。」

 

龍可「私のフィールドに光属性は、2体いる。

よって貴方に800Pのダメージを与えるわ。」

 

ルイズLP 2600 龍可4000 アキLP 1700

 

龍可「私はこれで、ターンエンドよ。」

 

ルイズ「戦闘で勝てないなら、効果でダメージか。

けど、所詮は800Pのダメージだ。痛くも痒くも無いよ。」

 

~~~アキ4ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私は《ブラック・ローズ・ドラゴン》を攻撃表示に変更する。

そして《ブラック・ローズ・ドラゴン》で、貴方の《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》に攻撃!

『ブラック・ローズ・フレア』」

 

ルイズ「伏せカード永続罠《愛する者への想い》発動。

ボクのフィールドのモンスターを1体、選択する。

そのモンスターがいる限り、他のモンスターは戦闘で破壊されない。」

 

ルイズ「ボクが選択するのは、もちろん《パワー・ツール・ドラゴン》さ。

龍亞がいる限り、ボクは負ける訳にはいかないからね。」

 

十六夜「その代わり、ダメージは受けて貰うわ。」

 

ルイズLP 2500 龍可4000 アキLP 1700

 

十六夜「私はターンエンドよ。」

 

 




感想を見ていて、思いました。
前々から登場させる気でいた、クロウを出すタイミングを失いかけています。

どうしましょうかね^_^;


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64話

~~~ルイズ4ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。ボクは《デステニィー・パワー・ツール》の効果発動。

デッキの上は…、モンスターだ。」

 

ルイズ「モンスターの時の効果は、そのモンスターを除外することで、このターン相手はカードの効果を発動出来ない。」

 

ルイズ「これで、伏せカードに心配することなく、攻撃出来るよ。

《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》で、龍可の《フェアリー・アーチャー》に攻撃!

その鬱陶しいモンスターを砕け!『クラフティ・ダーク・ブレイク』」

 

ルイズ「ボクはこれで、ターンエンドだ。」

 

~~~龍可5ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。良し!

私は魔法カード《精霊の写し鏡》を発動。

相手フィールドのカード1枚の効果を、このターンだけ使用できる。

私が選ぶのは《デステニィー・パワー・ツール》よ。」

 

ルイズ「チッ、ムカつくよ。

装備ではなく、効果のコピーだなんてね。お前達らしいけどね。」

 

龍可「デッキの一番上は…やったわ、魔法カードよ。

これで、ダイレクトアタックが可能になったわ。

私は《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を攻撃表示に変更。」

 

龍可「そしてルイズ、貴方にダイレクトアタック!

『エターナル・サンシャイン』」

 

ルイズ「グッ!き…効かないよこんなの!」

 

ルイズLP 400 龍可LP 4000 アキLP 1700

 

龍可「私はターンエンドよ。」

 

ルイズ「ボクのライフを沢山削ってくれたね。

やっぱり、龍亞の妹だからって優しくしていたら、調子に乗って!

許さない!お前にも苦しみを与えてやる!」

 

~~~アキ5ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。心配しなくても、直ぐに貴方の負けよ。

私は魔法カード《ローズ・ザ・トリック》を発動。

このターンだけ、私のフィールドの《ブラック・ローズ・ドラゴン》か、植物族の攻撃力を600P 、UPさせる。」

 

十六夜「この攻撃が通れば、貴方の負けよ。

《ブラック・ローズ・ドラゴン》で《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》に攻撃!

『ブラック・ローズ・フレア』」

 

ルイズ「クッ、本当にムカつくね! ボクは伏せカード《地縛神の加護》を発動。

ボクのモンスターが攻撃された時、デッキから《地縛神》を1枚、手札に加える事で、このターンの戦闘ダメージ半分にする。」

 

ルイズLP 50 龍可LP 4000 アキLP 1700

 

十六夜「私はカードを1枚伏せて、ターンエンドよ。

これで、貴方のライフは残り少しよ。私達の勝ちは決まったわ。」

 

アキが勝ち誇っていると、ルイズは下を向き震えていた。

それは、恐怖や敗北感からでは無く、怒りや憎しみ、そして絶対に負けたくないと言う想いから震えているのだ。

 

ルイズ「このまま、無様に敗北するわけにはいかないんだよ!

龍亞の為だけじゃない!ボクは、ダークシグナーのリーダーなんだ。

誰一人の仇も伐てないなんて…そんな敗北は出来ないんだ!」

 

~~~ルイズ5ターン目~~~

ルイズ「ボクの…ターンドロー!」

 

 




気付けばルイズのライフが凄く減ってますね。
そして何故か無傷の龍可、別になにかしらの意図があるわけでは無いです。

気付けばこうなっていました。

ここまで見てみると、どっちが主人公側かわかりませんね。
残りライフ、仲間への想い何かを見るとルイズ、いや…ダークシグナーが主人公側じゃないか?
と、思っている私であります。


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65話

書き忘れですが《地縛神の加護》で手札に加えたのは《地縛神Ccarayhua 》です。


遊星「龍可、アキ!大丈夫か。」

 

ルイズ達のデュエルに、自分達のデュエルを終えた遊星とジャックが、来ていた。

 

ルイズ「来たか。これで、ここに龍亞を傷付けた偽りの仲間たちが、揃ったね。

このデュエルが終わったら、次はお前達の番だよ!」

 

ジャック「やかましいぞ!今のフィールドの状況から、お前の勝ちは絶望的だぞ。」

 

ルイズ「わかってるよ。けどね、まだ希望はあるんだよ。

ボクは《デステニィー・パワー・ツール》の効果を発動!

デッキの上は…、罠カードだ。

それにより、ボクはデッキをシャッフルして、カードを1枚ドローする。」

 

ルイズは自分のデッキをシャッフルし、目を閉じて祈るように、カードをドローした。

 

そして、ドローしたカードを見てルイズの目からは、大粒の涙が溢れ出てきていた。

 

ルイズ「何で…何でボク達じゃなくて、こんなにも龍亞を傷付けたシグナーの、味方をするんだよ!

ボクが…ボク達ダークシグナー達の方が、龍亞を大事にしてるし、幸せに出来るのに!」

 

ルイズ「………、わかったよ。神様すらも、龍亞の敵なんだね。

だったら、最後までボク達は龍亞の為に戦うよ!」

 

ルイズ「ボクは魔法カード《地縛神の共鳴》を発動。

手札に《地縛神》のカードが2枚以上ある場合、デッキから《地縛神》を1枚手札に加える。

ボクはデッキから《地縛神Asllapiscu 》を手札に加える。」

 

ルイズ「バトルだ!《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》で《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》に攻撃!

『クラフティ・ダーク・ブレイク』」

 

龍可「キャァー!!」

 

ルイズLP 50 龍可LP 3800 アキLP 1700

 

十六夜「龍可大丈夫!」

 

龍可「心配すること無いわ。それよりも…、これで準備が整ったわ。」

 

ルイズ「何を言ってるのかわからないけど、これ以上ボクを怒らせない方が良いよ。

カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

~~~龍可6ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私は《クリボン》を守備表示で召喚。

そして、カードを1枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

ルイズ「案外早いじゃないか?自分のエースモンスターが破壊されたから、打つ手なしかな?」

 

龍可「何とでも言ってなさい。貴方の勝ちはほぼ無いのよ。」

 

~~~アキ6ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。フフッ、どうやらこのデュエルのラストターンが来たようね。」

 

十六夜「私は魔法カード《ブラック・ローズ・ストリーム》を発動。

私のフィールド上の《ブラック・ローズ・ドラゴン》は、お互いのシンクロモンスター1体につき、攻撃力500PUPさせる。」

 

ルイズ「そうはさせないよ。伏せカード《友情の護り》を発動。

手札のレベル8以上のモンスター1体につき、相手モンスターの攻撃力を800Pdownさせる!」

 

すると龍可は、これを見越していたのか、冷静に笑った。

その笑いには、少しの狂気が含まれていたのに、誰も気が付かなかった。

 

龍可「この瞬間、伏せカード《精霊の猛毒》を発動。

相手のカードの効果によって、モンスターの攻撃力が下がった時、フィールドの攻撃力500以下のモンスターを生け贄に、相手に800Pのダメージを与える。」

 

ルイズ「そ…、そ…んな、ボクが負けるなんて、そんなの可笑しいよ!

何で…どうして…」

 

ルイズLP 0 龍可LP 3800 アキLP 1700

 

~~~デュエル終了~~~




決着がつきました。

ルイズ負けちゃいましたね。
ルイズが、龍亞の何も書かれていないカードを使わなかったのには、ちゃんと理由があります。


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66話

ジャック「おい女!早く、カーリーや他の人達を返せ!」

 

ジャックは、ルイズの胸ぐらを掴んで大声で捲し立てた。

 

けれど、ルイズはデュエルに負けたショックで、放心状態で体に力が入っていなった。

 

ジャック「聞いているのか!答えろ。」

 

ジャックは返事をしないルイズに、痺れを切らして殴りかかった。

 

遊星「ジャック、落ち着け。これじゃあ話にならないだろ。」

 

遊星は、ジャックの腕を掴んで殴るのを止めさせた。

遊星に止められて、ジャックはルイズから手を離し、落ち着きを取り戻した。

 

十六夜「遊星、ここは私達に話をつけさせて。」

 

アキの申し出に遊星は、二つ返事で了承した。

やはり、デュエルで戦ったもの同士通じ会うと言うことを、遊星はわかっている。

 

十六夜「ルイズ、貴方がどれ程龍亞の事を大切にしてるかは、良くわかったわ。

けれど、勝ったのは私達よ。さぁ、龍亞を返して。」

 

アキがそう言うと、さっきまで下を向いていた、ルイズが顔を上げた。

その時ルイズの目からは、涙が沢山流れ出していた。

 

ルイズ「何で何時も何時も、お前達は龍亞の幸せを邪魔するんだ!

龍亞が幸せになっちゃ駄目なのか!

その幸せを夢見ちゃ駄目なのか!」

 

龍可「私達だって、龍亞の為にしてきたつもりよ。

だから…」

 

ルドガー「それ以上、龍亞様を追い詰めないでくれ。」

 

龍可が言い終わる前に、遊星達に負けたルドガーが、現れた。

 

ジャック「ルドガー、何しに来たんだ!

お前は俺達に負けたはずだろ。」

 

ルドガー「あぁそうだ。私は既に敗北している。

だが、最後まで私の使命を果たすために、ここに来たのだ。」

 

ルドガーはそう言うと、ゆっくりとルイズ達のいる所に歩いて近付いてきた。

 

ルドガー「龍亞様、いや…我らの王よ。貴方の龍亞様に対する愛は、誰も文句をつけることは出来ません。

けれど、デュエルで敗北してしまった。」

 

ルドガー「けど、安心して下さい。」

 

そう言ってルドガーは、自分のデッキから《地縛神Uru 》のカードを取り出した。

 

そしてそのカードを、ルイズの前で真っ二つに破り捨てた。

 

ルイズ「ルドガー!何をしてるの!?

そんなことしたら、お前は元の人間に戻れなくなるんだぞ!

それでも良いの?」

 

ルドガー「良いのです。私の命は、ダークシグナーの為、そして龍亞様が幸せになる為だけに存在してきました。

そして、貴方の代わりに私が身代わりになります。

こうすることで、貴方は人間としてこの世界に、龍亞様の隣に居続ける事が出来ます。」

 

ルイズにそう言った後、ルドガーは遊星達の方を向いた。

 

ルドガー「シグナー達。今回の戦いはお前達の勝ちだ。

ダークシグナーになった者や、地縛神の生け贄にされた魂も、もうすぐ帰ってくるだろう。」

 

遊星「ルドガー、お前はどうなるんだ!」

 

遊星がルドガーに聞くと、ルドガーは優しく微笑んだ。

 

ルドガー「私の魂は帰っては来ないだろう。

けれど、後悔はしていないさ。これが私の使命だからだ。

王、龍亞様と幸せにお過ごしください。

これが私達、ダークシグナーの願いです…」

 

ルドガーはそう言い終わると同時に、塵になり来てえしまった。

 

ルイズ「わかった…、わかったよ。ルドガー、お前の分まで龍亞の為に尽くすよ。

今度は、普通の人間として。

ありがとう、ルドガー、鬼柳、カーリー、ミスティ、お前達の事は絶対に忘れないよ。」

 

ルイズは空を見上げ涙を流しながら、そう強く誓った。

 

こうして、シグナーとダークシグナーとの因縁の戦いは幕を閉じた。

だが、この戦いはこれから龍亞の身に起こる、より大きな哀しみの予兆に過ぎなかった…。




ダークシグナー編完結です。
皆さんが納得出来た終わり方とは思えませんが、ここまで見ていただいて本当にありがとうございます。

一応、この次からは前々から書きたかった日常編を書きたいと思っています。

そして、ある程度書けたら、今度はオリジナルストーリーを書こうと思っています。

今後とも、よろしくお願いいたします。


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67話

~~~十六夜アキの家~~~

 

十六夜「それじゃあ、遊星の所に行ってくるわ。」

 

十六夜母「行ってらっしゃい。」

 

十六夜父「遊星君に迷惑をかけないようにね。」

 

アキの両親は、にこやかに見送りの言葉を言った。

そして、アキの隣にいるもう1人に視線を向けた。

 

アキ「ほら、貴方も今はこの家族の一員なのよ。」

 

アキがそう言うと、もう1人はめんどうくさそうに、ため息をついた。

 

ルイズ「わかったよ、全く。行ってきます…これで良いんでしょ。」

 

十六夜母「そうよ、良く言えましたね。

も~可愛いわこの子!本当に家族になっても良いのよ!」

 

十六夜母は、ルイズを抱き締めて目一杯愛でた。

ルイズは顔を赤くして、無理やり離れようとした。

 

ルイズ「離せよ!ボクを子供扱いするなよ。」

 

~~~15分後~~~

 

ルイズ「全く、ボクはお前のお母さん苦手だよ。」

 

十六夜「良いじゃない。妹が出来たみたいで嬉しいのよ。」

 

あの後、なんとかルイズは十六夜母から逃げ出して、遊星のいるガレージに向かっている。

 

そして、大通りに出るとシグナーを称えるパレードが行われていた。

 

ルイズ「今では、お前達はこの町を救った英雄か…。

何回聞いても、気分が悪くなるよ。」

 

ルイズは、あからさまに機嫌を悪くしてアキに、悪態をついた。

 

ルイズ「こいつらの称える英雄に、龍亞はいないからね。

それどころか、龍亞に対する態度がもっと悪くなったみたいだしね。」

 

十六夜「そうよね、皆の中じゃ龍亞はダークシグナーのリーダーだからね。

しょうがないわよ。」

 

アキの発言にルイズは、舌打ちをした。

そして、速くここから立ち去りたくて、走ってガレージに向かった。

 

十六夜「ちょっと待ちなさいよ!」

 

アキの言葉に聞く耳を持たなかった。

アキはルイズの後を急いで追いかけて行った。

 

~~~遊星達のガレージ~~~

 

十六夜「遊星、遊びに来たわよ…あら、貴方1人だけなの?」

 

遊星「あぁ、ジャックは知っての通りだ。

けど、さっき連絡が在ったんだが、クロウが来るみたいだ。」

 

十六夜「クロウが!わかったわ。

今日は、パーティーでもしようかしら。」

 

楽しそうなアキとは反対に、ルイズは遊星を睨み付けていた。

 

ルイズ「おい!それより、ボクの龍亞の様子はどうなんだよ。

そっちの方が、他の何より大事だろうが。」

 

ルイズの問い詰めに、遊星は顔色を悪くして首を横に振った。

 

遊星「だめだ。出来る限りの事はしたさ。

けど、相変わらずあの日のままなんだ。

すまないルイズ…。」

 

遊星がそう言うと、ルイズは大急ぎでガレージの中に入っていった。

 

少しでも速く、愛しの龍亞に会うためである。




どうも、ダークシグナー編が終わってから初の話です。

どうしてルイズがアキの家にいたのか?
龍亞がどうなっているのか?

この2つは次回解明されます。
お楽しみに!


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68話

~~~ジャックの部屋~~~

 

ルイズ「龍亞、調子はどうだい?」

 

ルイズが扉を開けると、ジャックのベッドに龍亞が座っていた。

 

龍亞は、ルイズを見ると笑顔で迎え入れた。

けれど、その笑顔は儚く消えそうな、そんな笑顔だった。

 

龍亞「調子は良いよ…、ごめんね、俺がこんな状態だから皆に迷惑かけて。」

 

謝る龍亞の頭を、ルイズは優しく撫でた。

 

ルイズ「大丈夫だよ。龍亞は悪くない。

それに、ボクは迷惑だなんて思ってないよ。」

 

シグナーとダークシグナーとの戦いが終わってから、龍亞の心には大きなダメージが残ってしまった。

 

自分のせいで、沢山の人々の魂が生け贄になってしまった事、そのせいでシグナーの皆を、傷付けてしまった事。

 

そして、元に戻った事で、本当に独りになってしまった事実が、今の龍亞を苦しめていた。

 

ミスティは、元の女優業に忙しく、カーリーは、ジャックとハネムーンに行っている。

 

そして鬼柳は、ダークシグナーだった時の罪滅ぼしとして、1人放浪の旅に出ている。

 

ルイズ「龍亞、例え世界中の人間が龍亞の敵になっても、ボクは、ボクだけは最後まで君の味方だよ。」

 

龍亞を慰めるルイズだが、次の龍亞の言葉に何も言えなかった。

 

龍亞「そう言えばルイズ、家族は楽しい?」

 

龍亞に悪気はない。

何故なら、ルイズにアキの家へ住むように言ったのは他でもない、龍亞自身なのだ。

 

ルイズには、せめて家族の愛を知ってほしい。

家族の大切さを感じてほしい。

 

その思いで、龍亞がアキに頼んでいたのだ。

 

ルイズ「た、楽しいよ。けど、ボクは龍亞さえ居れば良いんだ。

他に何もいらないんだ。」

 

龍亞「駄目だよルイズ、君は普通の人間なんだ。

家族と過ごして、家族の愛を受けるのは当然なんだよ?」

 

そう諭す龍亞だが、ルイズは最後までこの事を反対していた。

何故なら、龍亞自身が家族からの愛情を知らないからだ。

 

それなのに、自分よりもルイズの事を心配して考えている事に、申し訳がなかった。

 

龍亞「そんなに暗い顔しないでよ。

俺の心配なんてしなくていいよ。これで元の独りぼっちに戻っただけだよ。

それに、少しの間だけでも、仲間って呼べる人に会えて俺はもう、充分だよ。」

 

そう言って寂しく微笑む龍亞を見ていると、ルイズは心が苦しくなっていた。

 

自分が龍亞を戦いに、巻き込んだせいで龍亞をもっと苦しめている。

これ程、自分が憎いと思った事はない。

 

ルイズ「龍亞、ごめんなさい。

だから、ボクが必ず君の為に生きるよ。

これからは、君に苦しい想いなんて絶対に、させるもんか!」

 

ルイズは龍亞に聞こえないように、固く誓ったのであった。




龍亞良い人過ぎるでしょ。
それなのに、こんな仕打ちは酷すぎるよ。

けど、ここまで見てて思った事は、龍亞の中には、遊星達とは心の距離があるみたいですね。


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69話

それから約10分後、ルイズがジャックの部屋から出てきた。

 

十六夜「ルイズ、龍亞の様子はどうなの?」

 

ルイズは、アキの発言に少し機嫌を悪くした。

 

ルイズ(何だよ!龍亞の気持ちも知らないで。何でそんなにも、無責任な発言が出来るんだよ!)

 

だが、ルイズは心から沸き上がる怒りの感情を、顔に出さないように感情を、押し殺した。

 

ルイズ「大丈夫だよ。今さっき、疲れて眠っちゃったよ。」

 

遊星「そうか、それなら安心だよ。」

 

遊星は、安心した顔をしたが、それでもルイズの気は晴れなかったのだ。

 

ルイズは、ふと時計を見てみた。

そして、さっきから気になっていた事を聞いてみた。

 

ルイズ「こんなことは無いと思うんだよ?

ボクの記憶が正しければ、どうして龍可は1回も龍亞のお見舞いに来てないんだよ。」

 

遊星「い、いや…それは…その、」

 

ルイズは、静かに冷静に話したつもりだったが、ルイズからは黒いオーラが感じれた。

 

そのオーラを遊星は感じとり、ルイズの事を真正面から見れていなかった。

 

十六夜「龍可が来ない理由は、ご両親に龍亞へのお見舞いを止められてるからよ。」

 

アキの発言を聞いた瞬間、今まで表情は穏やかだったルイズの我慢に限界が来たらしく、怒りを、爆発させた。

 

ルイズ「両親に止められてる?何をふざけた事言ってんだよ!

龍亞を愛してるなら、例え親だろうが神様だろうが、誰が止めても来るのが当たり前だろ!」

 

ルイズ「それに両親も両親だよ!本当に龍亞の家族なら、誰よりも真っ先に龍亞の心配をするのが普通だろ!

そんなこと、家族が出来たばっかりのボクてさえ、わかるよ!」

 

ルイズの発言に、2人が何も言えないでいると、外から1台のDホイールの音が聞こえてきた。

 

遊星「もしかすると、クロウが来たのかも知れないな。」

 

遊星は少しでも今この空間から、逃げ出したくて真っ先に外に出ていってしまった。

 

ルイズ「はぁ~、お前達のリーダーは精神的にまぬけだな。」

 

十六夜「全く、珍しく貴方と意見が合うわ。

これじゃあ、先が思いやられるわ。」

 

残された2人は、遊星のヘタレぶりにさっきまでの、真剣な雰囲気がなくなったので、仕方なく遊星の後を追って、外に向かった。

 

ルイズ「そう言えば、そのクロウってどんな人なの?

もし、龍亞に危害を加える様なら、ボクが黙ってないよ!」

 

十六夜「大丈夫なはずよ。クロウは、子供や女の人には、優しかったわ。

どんな人か…、そうね、私も良く知らないわ。

わかるのは、シグナーって事だけよ。」

 

そうやって、たわいもない会話をしながら外につくと、黒いDホイールに乗った男が遊星と親しそうに、話していた。




やっと、クロウの登場ですね!

別に龍亞に対するヒロインを決めてる訳じゃ無いですが、ルイズって龍亞とお似合いですね。


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70話

ルイズ「あそこにいるのが、噂のクロウなの?」

 

十六夜「そうよ。結構デュエルが強いらしいわよ。」

 

ルイズは、クロウに興味をあまり示さなかった。

所詮は、龍亞を苦しめるだけの、他の人と同じ。

 

ルイズの中では、シグナーやシティの人達に対する、考えはそれだけだった。

 

クロウ「それでな!…ん?遊星、あいつがお前の言ってた女か?」

 

クロウは、ルイズの事に気付くと遊星に聞いていた。

 

遊星「あぁ、そうだ。紹介するよ、ルイズだ。」

 

そう言われたルイズは、遊星達の方に近づいていった。

 

そして、クロウはルイズを良く見て、握手をするために笑顔で手を伸ばしてきた。

 

クロウ「俺の名前は、クロウ・ホーガンだ。

よろしくなルイズ。」

 

クロウに名前を呼ばれたルイズは、露骨に嫌そうな顔をして、クロウを手を払った。

 

ルイズ「どういうつもりか知らないけど、気安くボクの名前を呼ばないでよ。遊星、お前もだ。

それに、ボクに触って良いのは、龍亞だけなんだよ。」

 

ルイズの怒濤の発言に、遊星は恐怖で後退りをし、クロウは少しムッとした。

 

クロウ「何だよその言い方!お前は遊星の仲間だろ。

だったら、遊星の仲間でもある俺とも仲間じゃねーのかよ!」

 

ルイズ「遊星の仲間だと…。」

 

ルイズは、クロウの前まで歩いて行き、クロウを睨み付けていた。

 

ルイズ「何ふざけた事言ってるの?ボクはこんな男の仲間の訳ないでしょ?

ボクは龍亞の仲間…いや、龍亞だけの所有物なんだ。

龍亞を傷付けたお前達シグナーなんかと、一緒にしないでよ。」

 

そう言うと、ルイズは回れ右をしてガレージの方に歩いていった。

 

クロウ「おい!どこ行くんだよ!話はまだ、終わってねーぞ!」

 

ルイズ「本当に煩いな、ボクはもう話すことは無いよ。それに、」

 

ルイズ「龍亞が泣いてるからボクが近くにいなきゃ駄目なんだよ。」

 

ルイズは、顔を赤くして幸せそうに言うと、そのままガレージの中に入っていった。

 

クロウ「何だよあの女、俺は好きになれねーな。

歳上に対する礼儀ってのを、知らねーのかよ。」

 

ルイズの態度に、クロウがふてくされていると、遊星に1本の電話が入ってきた。

 

遊星「もしもし、あぁ俺だ。……何!本当か、わかった。

いつ頃これそうだ?あぁ大丈夫だよ。

わかった、待ってるよ。」

 

十六夜「遊星、誰からの電話だったの?結構嬉しそうだったけど。」

 

アキが聞くと、遊星は嬉しそうに答えた。

 

遊星「聞いてくれ、帰ってくるんだって。」

 

遊星は、興奮していて誰が帰ってくるのかを、良い忘れていた。

 

クロウ「おい遊星、誰が帰ってくるんだよ?」

 

遊星「す、すまない、嬉しすぎて言い忘れていたよ。

帰ってくるんだって。あいつが、鬼柳が帰ってくるんだって。」




どうも、中々の展開ですね。
鬼柳が帰ってくて、龍亞とルイズはどうするのか、楽しみです。

龍亞の所有物って、ルイズは本当に龍亞の事を、大切にしてるんですね。(ちょっと行き過ぎな気もしますけど…)


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71話

~~~ジャックの部屋~~~

 

龍亞「う…うぅ、ごめんなさい。

捨てないでよ、もう独りになりたくないよ…。」

 

龍亞は、悪夢にうなされながら、悲しそうに泣いていた。

 

ルイズ「龍亞…、やっぱり君は今でも苦しんでいるんだね。」

 

ルイズは、泣いている龍亞を優しく抱き締めて、龍亞の涙を舐めた。

 

ルイズ「ボクが君を護りきれなかったせいで、こんなに君を苦しめてるなんて。」

 

ルイズ「だから、ボクは君に誓うよ。もう君以外の全てを捨ててもいい。

その代わり、もう絶対に君を独りなんかにさせないよ。」

 

ルイズはそう言うと、龍亞の頭を泣きながら撫でていた。

 

ルイズ「……ぅん、何だか下が煩いな。

ごめんね龍亞。またすぐに戻ってくるよ。」

 

そう言い残し、ルイズは部屋を後にした。

その時龍亞を見ると、まだ悪夢を見ていた。

 

~~~ガレージ~~~

 

十六夜「本当なの遊星!?鬼柳って、貴方と戦ったダークシグナーの人よね。」

 

遊星「あぁそうだよ。今までは、ダークシグナーの時の罪滅ぼしで、1人旅してたんだ。」

 

遊星達がそんな話をしていたら、遠くから1台のDホイールの音が近づいてきた。

 

その音を聞いたことがある遊星は、嬉しそうに音の方を見た。

 

そして、そのDホイールは遊星達の近くに止まり、ドライバーが降りていた。

 

遊星「久しぶりだな、お帰り鬼柳。」

 

鬼柳「あぁ本当に久しぶりだな。ただいま遊星。」

 

鬼柳と遊星は、言葉を交わしながら固く握手をした。

 

クロウ「へぇ~、あんたが鬼柳か。初めましてだな、俺はクロウだ。よろしくな。」

 

鬼柳「クロウ・ホーガンだな。噂は聞いてるよ。

《鉄砲玉のクロウ》だろ?よろしく。」

 

鬼柳とクロウも、握手を交わした。

 

遊星「そう言えば、旅はもう終わりなのか?」

 

遊星が聞くと、鬼柳は少し苦い顔をして、答えに戸惑っていた。

 

鬼柳「いや…、まだ旅は続けるつもりだよ。今日は、近くを通ったからと…。」

 

そこまで言うと、鬼柳はより答えにくそうにしていた。

 

十六夜「それと、龍亞の事が心配になったのね。」

 

アキが、鬼柳の心中を察して助け船を出した。

 

鬼柳「あぁそうだ。俺達の戦いが終わった事で、俺達は元の生活に戻った。

いや、自分達の因縁が解決して、今までよりも良い生活になった。」

 

鬼柳「けど、そうなったことで龍亞様は、今まで通りの苦しくて寂しい生活に戻ってしまった。

もしかしたら、希望を与えられた分、余計に心にダメージを負っているかも知れない。」

 

鬼柳はそう言うと、少し前までダークシグナーの痣があった、右腕を見て寂しそうに話していた。

 

すると、ガレージの中から、ルイズが様子を見に、出てきた。

 

ルイズ「お前達煩いよ!龍亞が起きたらどうする気なの!

ん、お前はもしかして鬼柳なの?」




いよいよ、鬼柳とルイズの接触です。
今思えば、ルイズとして会ったことがあるのって、ルドガーだけですね。

鬼柳が今でも龍亞の心配をしていて、良かったです。


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72話

鬼柳はルイズを見ると、ルイズの前に膝まづいた。

 

鬼柳「お久しぶりです。覚えてますか?鬼柳です。」

 

ルイズ「覚えてるよ。久しぶりだね鬼柳。

それに、ボクは今はルイズって、名乗ってるから。

立ち話もなんだから、中に入ってよ。」

 

ルイズはそう言うと、鬼柳をガレージの中に案内した。

そして、遊星達もルイズの後についていって、中に入っていった。

 

クロウ「なんだからって、別にお前のガレージじゃねーだろ。」

 

クロウは、そんな悪態をつきながら、渋々ルイズの後をついていった。

 

~~~ガレージの中~~~

 

ルイズ「で、早速だけど、お前は今は龍亞の事をどう思ってるの?」

 

ルイズの質問に、鬼柳は少し考えて、そしてルイズの目をしっかりと見ていた。

 

鬼柳「はい。俺は今でも龍亞様の事を、仲間…、いや、俺達ダークシグナーだった者達の心から忠誠を誓っている、人物だと思っています。」

 

鬼柳の答えを、ルイズは静かに聞いていた。

そして、立ち上がるとそのまま龍亞のいる所に向かおうとしていた。

 

ルイズ「鬼柳、お前の想いは充分に伝わったよ。

だから、特別に龍亞の所に来てもらうよ。ついてきて。」

 

鬼柳「っハイ!わかりました。

じゃあ遊星、俺は行ってくるよ。」

 

遊星「あぁ、わかった。

鬼柳、龍亞を少しでも助けてあげてくれよ。」

 

遊星の切実な頼みに、鬼柳は何も言わずに首を縦に振って、ルイズの後をついていった。

 

遊星「これで良かったのかな。俺達が龍亞を救うことは、出来なかったのか。」

 

十六夜「けど、これしか方法は無いのかも知れないわ。

龍亞の仲間だった、あの人達なら龍亞を救ってくれるわ。」

 

~~~ジャックの部屋~~~

 

コンコン

 

ルイズ「龍亞起きてる?龍亞に会わせたい人を連れてきたよ。」

 

ルイズは、龍亞の了承を得て、部屋の扉を開けた。

 

龍亞「俺に会わせたい人って、誰の事なの?」

 

ルイズ「フフッ、驚かないでね♪

おい!入って来て。」

 

ルイズは、まだ部屋の外にいた鬼柳を読んだ。

鬼柳は、入り辛そうにゆっくりと部屋に、入ってきた。

 

鬼柳「ど、どうも、お久しぶりです龍亞様。

ダークシグナーだった鬼柳です。」

 

龍亞「お、お久しぶりです…、鬼柳さん?って呼べば良いのかな?」

 

龍亞への挨拶が終わると、鬼柳はいきなり龍亞に向かって土下座をしだした。

 

龍亞「ちょっと鬼柳さん!いきなり、何をしだすんだよ。

速く起き上がってよ。」

 

突然の事で、龍亞は困惑していた。

けれど、鬼柳は構わずに土下座のまま、話を始めた。

 

鬼柳「龍亞様、この度は本当に申し訳ございません!

俺達が不甲斐ないばかりに、龍亞様に幸せを与えられませんでした!」

 

鬼柳「そして、この部屋に来る途中ルイズ様に、心に傷を負っていることを聞きました。

この鬼柳、償えない事は百も承知ですが、このつまらない命を全てかけても、龍亞様への償いをして行きたいと、思っております。」

 

鬼柳は、真実の言葉を心から発していた。

そして、鬼柳は感情を押さえられずに、大粒の涙を流していた。

 

鬼柳「俺達を恨んでいても構いません!

ですが、俺達の龍亞様への気持ちはダークシグナーだった頃から、変わってはございません!」

 

龍亞「鬼柳さん…、もう良いよ、顔を上げてよ。」

 

龍亞に言われて、鬼柳は顔を上げた。

すると、龍亞の目からも涙が流れていた。

 

龍亞「本当にありがとう…、そんなにも俺の事を心配してくれたんだね。

それに、恨んでなんかいないよ。だから、そんなに堅苦しくしないでよ。」

 

龍亞「これからも、俺とルイズの事をよろしくね。」

 

龍亞は、弱々しくだが今までよりも優しく、希望に溢れた笑顔をしていた。

 

 

 




龍亞とダークシグナー達の絆が、まだ残っていて本当に良かった!
感動的だな。

これで、龍亞の心が少しでも救われたかな?


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73話

ルイズ「龍亞、本当にもう大丈夫なの?

無理しなくても良いんだよ?」

 

龍亞「心配しなくても大丈夫だよ。俺はもう元気になったから。

だから、皆に心配かけたから、謝んなきゃ。」

 

外に出ようとしている、龍亞をルイズはとても心配しながら、止めようとした。

けれど、龍亞の真剣な眼差しを見ていると、どうしても止められなかった。

 

ルイズ「わかった…わかったよ。けど、無理だけは絶対にしないでよ。

嫌になったら、真っ先にボクに言ってね。わかった?」

 

ルイズは龍亞とそう約束すると、龍亞の手を握って、龍亞を優しくエスコートした。

 

~~~遊星達のいる所~~~

 

遊星「それは本当か鬼柳!」

 

遊星は、鬼柳の肩を掴んで問いただした。

 

十六夜「そうよ、もし嘘だったら私は、貴方の事を容赦しないわ。」

 

鬼柳「だから、本当だって言ってるだろ!龍亞様の容態は少しだけだが、良くなったんだよ。」

 

そんな会話をしていると、ルイズと龍亞の足音がゆっくりと近づいてきた。

 

鬼柳「ほら、言ってる側から来たろ。」

 

遊星とアキが、足音のした方を見ると、そこには龍亞が立っていた。

 

遊星「龍亞!だいじよ…」

 

十六夜「龍亞~♪心配したんだよ!大丈夫だった?

本当にごめんなさい。私達のせいなのに、龍亞に迷惑をかけて。」

 

遊星が言い終わる前に、アキが龍亞に抱き付いて、涙を流していた。

 

龍亞「アキ姉ちゃん、くすぐったいよ。それに、そんなに泣かないでよ。」

 

けれど、龍亞の言葉を聞かずにアキは龍亞に抱き付いたままだった。

 

十六夜「何、照れてるのよ?私はいずれ貴方の奥さんになるのよ?

こんなことで、照れてちゃダメじゃない。」

 

遊星「お…おいアキ、その辺にしといた方が良いんじゃな…無いかな?」

 

遊星は、龍亞を見て少し怖がりながらそう言った。

正確には、龍亞の横にいたルイズの恐ろしい殺気を感じ取って、身の危険を回避したいのだ。

 

ルイズ「そうよ速く離れなさいよ。

お前みたいな、ダメ女じゃ龍亞に迷惑をかけるだけなんだから!」

 

龍亞「る…ルイズ!?落ち着いてよ。

アキ姉ちゃんも、もう大丈夫だから離れてね。お願い!」

 

龍亞の頼みに、アキは渋々龍亞から離れた。

そして、ルイズの方を見て少しルイズを、睨んでいた。

 

ルイズ「何?ボクは本当の事を言ったまでだよ?

それに、抱き付いた位で嫁発言何て…、甘いんだよ!ねぇ、龍亞♪」

 

ルイズの問いかけに龍亞は、一瞬何の事だかわからなかったが、自分がダークシグナーの王になった日を思い出し、顔が凄く真っ赤になった。

 

ルイズ「良かった!覚えてたんだね!何だったら、このわからず屋の前で、もう一回する?」

 

十六夜「おい!龍亞に何をしたの!

龍亞!嫌な事をされたんだったら、私に相談して!」

 

龍亞は、恥ずかしくなり急いで鬼柳の元へと、走って逃げていった。




どうも!
龍亞が元気になって本当に良かったですね!

龍亞とルイズがした事を、皆さんは覚えてますか?

それに、鬼柳の所にいく辺り、やっぱり信用しているんですね。


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74話

クロウ「へぇ~、お前が噂のダークシグナーの王様、龍亞か?」

 

クロウに名前を呼ばれた龍亞は、鬼柳の脚にしがみつきながら、クロウの方に体を向けた。

 

クロウ「俺はクロウ・ホーガン、一応シグナーだけど、よろしくな!」

 

クロウは、ルイズの時と同じように握手を求め、手を伸ばした。

 

けれど、龍亞はクロウの顔にある沢山のマーカーを見て、怖くなって鬼柳の後ろに隠れた。

 

クロウ「おい!何隠れてんだよ、照れてんのか?」

 

クロウは、そんな龍亞の様子に気付かずに、龍亞に近づいていった。

 

龍亞「あ、あの!貴方の事はわかりました。

だから…あんまり、俺に近づかないで下さい。」

 

龍亞の発言にクロウは、バカにされたと思い、龍亞を無理矢理、鬼柳から引き離して胸ぐらをつかんだ。

 

クロウ「バカにしやがって!ルイズもそうだしこいつも!

なら、今から礼儀ってのを教えてやろうか!」

 

そう言いながらクロウは、龍亞を殴ろうとしていた。

それに気づいたルイズは、クロウを止めようとしたけれど、このままでは間に合わない。

 

ルイズは、“もうダメだ!”と思ってしまった。

 

だが、その拳は龍亞に当たること無く、その場に止まっていた。

 

鬼柳「おいお前!それ以上龍亞様に失礼をしてみろ!

ルイズ様だけじゃなく、この俺も容赦はしないぞ!」

 

鬼柳に止められたクロウは、悪態をつきながら、龍亞を離した。

 

クロウ「チッ!まぁいい、俺は今から仕事があるから失礼する。」

 

クロウはそう言い、ガレージを出ていった。

 

ルイズ「龍亞大丈夫!怪我はない!」

 

龍亞「うん…大丈夫だよ…、けど少し気分が悪いから休んでくるよ。」

 

龍亞はそう言って、重い足どりでジャックの部屋へと、歩いていった。

 

ルイズは龍亞についていこうとしたけれど、龍亞に止められ、呆然としていた。

 

遊星「その、すまなかった。

俺の親友が、龍亞に嫌な想いをさせてしまって。」

 

遊星の謝罪に、ルイズはハッ!として、遊星の方を睨んだ。

 

ルイズ「これだから、お前達シグナーや、人間たちは消えるべきだったんだ!

優しい顔で近づいて、龍亞を傷つけてばっかりだ!

もうお前達と、話す事なんて何もないよ!」

 

ルイズはそう言うと、涙ぐんでいた。

鬼柳はそれを見て、ハンカチを差し出していた。

 

ルイズ「鬼柳!今すぐに龍亞の所に行くよ!

全く、こんなことになるなら、ダークシグナー達とボクで、龍亞をかくまっていれば良かったんだ!」

 

ルイズは、機嫌を悪くしてしまい、早速龍亞の所に行ってしまった。

 

鬼柳「お待ちくださいルイズ様!

すまない、俺はお前達の味方をしたいが、龍亞様とルイズ様に忠誠を誓っている。

だから、龍亞様の所に行かなければならない。」

 

鬼柳はそう言って、ルイズのあとをついていった。




なんだか、クロウが凄く悪い人っぽくなってしまいました…。

けど、悪気はありません!


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75話

龍亞「遊星、俺今から家に帰ろうと思うんだ。」

 

日も落ちてきて、辺りが暗くなり始めた時、龍亞が遊星に向かって、そう言った。

 

ルイズ「ちょっと!本当に言ってるの!?あの家は龍亞にとって、害しか無いんだよ!」

 

十六夜「そうよ。このガレージが嫌になったのなら、私の家に帰りましょ?」

 

龍亞の突然の発言に、ルイズとアキは何とかして、龍亞の帰宅を止めた。

 

だが、龍亞の意思は固くて、誰がなんと言おうと、自分の考えを変えようとはしなかった。

 

遊星「本当に帰るのか。龍亞、お前は知ってるだろ?

あそこは、お前の帰るべき場所じゃないんだ。」

 

鬼柳「そうですよ!貴方の幸せは、ルイズ様といることでは無いんですか!」

 

龍亞「大丈夫だよ。だって、俺の家族だもん。

これまで、色々あったけどあそこが、龍可のいる所が、俺の帰る場所だよ。」

 

龍亞はそう言うと、遊星達に笑顔を見せて、ガレージから自宅へと帰っていった。

 

~~~龍亞の家~~~

 

龍亞は、久しぶりに自分の家の玄関の前に立っていた。

 

ダークシグナーになってから、2週間以上この中に、足を踏み入れてない。

 

そのせいか、足や手が震えて、大量の冷や汗をかいていた。

 

龍亞(大丈夫だ、絶対に歓迎はされないけど、やっぱり家族と過ごすのが、一番のはずだ。)

 

そう自分に言い聞かせ、龍亞は目の前の重い扉をゆっくりと開けた。

 

龍亞「た、ただいま…、」

 

龍可「その声は龍亞!龍亞なのね!」

 

龍亞が帰ると、真っ先に龍可が迎えてくれた。

 

龍可「本当にごめんなさい龍亞!会いに行きたかったけど、親が止めるから。」

 

龍可は泣きながら、龍亞に抱き付いて謝った。

泣いている龍可は、少しやつれていた。

 

龍亞「心配かけたね龍可。謝るのは俺の方だよ、ごめんね。」

 

双子父「何事なんだ!」

 

双子母「そうよ龍可ちゃん、何の騒ぎなの?」

 

少し遅れて、龍亞の両親が状況が掴めずに、現れた。

 

龍亞「そ、その…ただいま帰りました…、龍亞です。」

 

龍亞は、ほとんど初めてに近い両親との会話を、緊張しながらした。

 

すると、両親が龍亞の事を睨み付けると、母は、龍可を抱き抱えて奥へと入っていった。

 

龍可「お母さん離してよ!もっと龍亞と話してたいよ。」

 

龍可の言葉を聞かずに、連れて行かれてしまった。

 

父は龍亞を睨み付けて、龍亞の頬を拳で殴り付けた。

 

~~~約25分後~~~

 

父の、一方的な話に龍亞は、泣きながら家を飛び出していった。

 

そして、龍亞は真っ暗な外を、さまよい歩いていた。

 

すると、後ろから1台のDホイールの音が近づいてきた。

 

クロウ「おい、お前もしかして龍亞か?こんな夜遅くになにしてんだ?」

 

龍亞「貴方は、たしかクロウさんでしたね。」

 

顔が腫れ、出血をしている龍亞を見て、クロウはただ事では無いことを理解した。

 

そして、龍亞はこれまであった事を、クロウに全て話した。

 

クロウ「そうか…そんな事があったんだな…。

すまねーな、ガレージではあんな態度しちまって。」

 

そして、クロウは少し考えて龍亞にヘルメットを投げて渡した。

 

クロウ「龍亞!行き場所が無いんなら、俺んとこ来い!」




なんだか、この小説を書いていると、親子愛って何なのかを、考えさせられます。

そして、龍亞に対して罪悪感が凄いです。


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76話

龍亞「けど、こんな夜遅くに迷惑じゃ無いの?」

 

龍亞は、クロウの事を心配して、聞いてみた。

この表情は、暗く曇っていた。

 

クロウ「ったく、子供がいらん心配何かすんじゃねーよ。

ほら、後ろに乗れ。」

 

クロウに言われた龍亞は、ゆっくりDホイールの後ろに乗った。

 

クロウ「良し!少しとばすからしっかり、掴まってろよ!」

 

クロウはそう言うと、Dホイールを発車させた。

龍亞は、さっきまでの辛く苦しい事が頭をよぎり、クロウをしっかりと掴んだ。

 

~~~クロウの家~~~

 

クロウ「龍亞、ついたぞ。ここが、俺達の家だ。

遠慮すんなよ。さぁ、入った、入った!」

 

クロウに案内され、龍亞は目の前の一件の家の中へと入っていった。

 

男の子「お帰り♪クロウ兄ちゃん。」

 

女の子「クロウ、お帰り♪あら?見た事ない子がいるけど?」

 

中に入ると、龍亞よりも年齢が高そうな2人の子供が、出迎えにやって来た。

 

クロウ「ただいま帰ったぜ!龍亞、紹介するわ、こいつは風月でこっちは、リーシャだ。

風月、リーシャ、こいつは龍亞だ。」

 

風月「俺は風月だ、よろしくな!龍亞。」

 

リーシャ「私はリーシャよ。仲良くしてね♪」

 

2人の、笑顔を見て龍亞は戸惑っていた。

自分に向けられる感情で、一番少ないものだったからだ。

 

龍亞「えっと…その…、龍亞です、よろしくお願いします、風月さんに、リーシャさん。」

 

3人の挨拶を、微笑ましそうに見ていたクロウは、手を叩いた。

 

クロウ「良し!挨拶はこれぐらいにして、飯にするか。

龍亞は、まだ食ってないんだろ?」

 

龍亞「食べてませんが…良いんですか?」

 

そんな心配をする龍亞に、リーシャは優しく接してくれた。

 

リーシャ「心配しなくても良いのよ。貴方が、どう言った事情でここに来たのかは、知らないけど、ここにいる皆の事を家族って思って、良いのよ。」

 

リーシャにそう言われた龍亞は、家族と聞いて自分の両親の事を考えていた。

 

~~~食事の時間~~~

 

クロウ「じゃあ、今から食べるか!」

 

クロウの合図と共に、龍亞以外の人は食事を始めた。

 

楽しそうに食べながら、色々な話をして笑いながら、食事をしていた。

 

リーシャ「どうしたの龍亞?大丈夫よ、味は保証出来ないけどね。」

 

リーシャは、恥ずかしそうに笑っていた。

それを見て龍亞は、あわてて目の前の食事を口にした。

 

リーシャ「どう?口にあってる…って!どうして泣いてるの龍亞!

そんなに美味しく無かったの!」

 

龍亞「ち、違います。嬉しいんです俺。暖かい料理が食べれて、誰かと一緒に食事をしてる、

初めての事なんです。」

 

そんな龍亞を、クロウは優しく見ていて、頭を撫でた。

 

龍亞は、家族の愛に似たものを、初めて体験して、涙が止まらなかった。

 




これで、龍亞の心のしこりが少しでも無くなれば、私は本望です。

クロウの家の2人の名前は、私が独断で決めました。
ちょっと、お気に入りです。


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77話

~~~入浴中~~~

 

クロウ「にしても、お前から聞いたより、ひどい怪我だな。」

 

クロウは、龍亞の体を洗いながら龍亞につけられた、古傷を見てそう呟いた。

 

クロウ「まだ、その2人組は捕まってないんだろ?

俺がそいつらに、地獄を見せてやろうか?」

 

クロウの発言を、龍亞は苦笑いをしながら聞き流した。

 

龍亞「そう言えばクロウさん、風月さんとリーシャさんは、どうして一緒に暮らしてるんですか?」

 

龍亞のちょっとした質問に、クロウは答えるべきかどうかを考えていた。

 

そして、龍亞の体についている泡を流して、その重い口を開いた。

 

クロウ「あいつらは、たしか2年くらい前から暮らしてんだよ。

理由は、さすがにお前ほど重くはないけど、あいつらも居場所が無くなっちまったんだ。」

 

そう言うと、クロウは浴槽に入っていった。

龍亞も、クロウの後に続いて、浴槽の中に入っていった。

 

クロウ「風月の両親は、行方不明になっちまって、リーシャの親は離婚して、父親についてったけどよ、父親が病気で亡くなっちまった。」

 

クロウ「2人とも、サテライトの出身だから、その後誰も育ててくれる人がいなかったんだ。」

 

龍亞は、クロウの話を静かに真剣に聞いていた。

自分より、重いか軽いかなど龍亞には関係の無い事だった。

 

龍亞「2人とも、辛かったんだろうね。クロウさんは、2人にとって父親みたいな存在なんですね。」

 

龍亞に褒められたクロウは、柄になく照れてしまい、顔が赤くなっていた。

 

クロウ「別にそんなんじゃねーよ。ただ…、ガキは親の愛情を受けるのが義務みたいなもんだろ。」

 

クロウ「さて!もう出るか。あんまり長く入ってると、リーシャが怒るぞ。」

 

クロウはそう言い、あわてて浴槽から出ていった。

そして龍亞も、クロウに続いて浴槽から出る事にした。

 

~~~寝床~~~

 

クロウ「良しガキども!今日も疲れただろ。

明日に備えて寝るぞ!」

 

クロウはそう言って、部屋の電気を消した。

月明かりが窓から入って、部屋はそれなりの明るさが出ていた。

 

クロウ「んじゃ、おやすみ。」

 

風月「おやすみ、クロウ兄ちゃん。」

 

リーシャ「おやすみ2人とも。あと、おやすみね♪龍亞。」

 

皆は思い思いの事を言い、布団の中で眠りについた。

 

~~~約20分後~~~

 

龍亞は、眠れずにベランダに出て、夜風に当たっていた。

 

空に綺麗な満月が、上っていた。

 

龍亞「綺麗な月だな~。この月を、ルイズも今見てるのかな。」

 

リーシャ「どうしたの龍亞?眠れないの?」

 

龍亞の後ろから、リーシャが静かに声をかけてきた。

 

龍亞「あっ、リーシャさん。すみません、馴れない事の連続で、ついていけなくて。」

 

リーシャ「そう…、何で貴方がここに来たのかは聞かないわ。

けど、本当に私達の事を家族だと思ってね。」

 

リーシャは龍亞の頭を優しく撫でた。

 

龍亞の涙が月明かりに照らされて、キラキラと輝いていた…。




クロウの家で、初めての家族を経験しましたね。

リーシャは、ヒロインのポジションとしては、お姉さんですね。(けどそれって、アキと被るような…)


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78話

~~~同時刻、十六夜アキの家~~~

 

ルイズ「綺麗な満月だな~。もしかしたら、龍亞もこの月を見てたらな~。」

 

ルイズは、自分の凄くキザで、恥ずかしい台詞を言ってしまい、ものすごく赤面していた。

 

十六夜「こんな時間にベランダに出て、何してるの?」

 

アキは、ベランダにいるルイズを見つけて、近づいてきた。

 

十六夜「もしかして、龍亞の事が心配なの?

その気持ちは、良くわかるわ。」

 

ルイズ「それはそうだよ。何で、よりによってあいつの家なんかに行くんだよ!」

 

龍亞がクロウの家に、泊まっている事は、クロウ本人から電話で伝えられた。

 

ルイズは、その事をあまり良く思ってないのだ。

 

十六夜「それは、しょうがないじゃ無い。

たまたま、龍亞を保護したのがクロウって、だけだから。」

 

それでも、ルイズの顔には不安の色が消えては、いなかった。

 

十六夜「どうしたの?やっぱり、何か心配なのね。」

 

ルイズ「そうなんだ…。ボク達が、ダークシグナーの頃に、ルドガーから聞いたんだ。

あわよくばボク達を使って、ルドガーの弟が、何か大変な事をする気らしいんだ。」

 

ルイズ「そして、その為に龍亞を物のように、扱うつもりなんだ!

そんな事、ボクが命をかけても阻止して見せるんだ!」

 

~~~シティ治安維持局~~~

 

ゴドウィン「ではイェーガー、あの計画はどこまで進みましたか?」

 

イェーガー「はい長官、プランΩの方ですが、やはり龍亞の存在なくしては、完成しません。」

 

イェーガーの話を聞き、ゴドウィンは少しだけ気分を悪くした。

 

だが、それも想定内だったのか、すぐに気持ちを建て直した。

 

ゴドウィン「なら、出来るだけ速く龍亞を連れてきなさい。

手段は問いません。最悪、動けなくなっても生きてさえいれば、問題はありません。」

 

ゴドウィンの笑った顔に、イェーガーは狂気を感じ取り、恐怖していた。

 

イェーガー「し、しかし長官。なぜそんなに、急いでおられるのですか?

そんなに急がなくとも、時間をかければ…、」

 

イェーガーが言い終わる前に、ゴドウィンはイェーガーの胸ぐらを掴んで、話を止めた。

 

ゴドウィン「言葉を慎みなさい!

私は、あの3人よりも早くに、この計画を成功させなければなりません!」

 

ゴドウィン「そして、私が3人の上に立ち、優位に立たなければなりません。

その為にも、龍亞を使わなければならないのです。」

 

ゴドウィンはそう言い、イェーガーを離して、そのまま自分の部屋へと歩いていった。

 

イェーガー「ま、待ってください長官!」

 

これから、このシティを揺るがす大事件が起こることなど、まだ誰も知るよしは無かった…。




ゴドウィンとイェーガーの登場です。

ゴドウィンの企む計画とはいったい何なのか。

そして、あの3人とはいったい誰なのか。

今後も、お楽しみにしてて下さい。


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79話

リーシャ「本当に、行っちゃうの?

もうここにずっと住んでも良いんだよ?」

 

龍亞「そうはいきません。俺の帰るべき家は、やっぱり龍可のいる我が家だから。」

 

まだ、日がのぼったばかりの6時過ぎくらいに、龍亞はクロウの家を後にしようとしていた。

 

龍亞「あの、クロウさんや風月さんに、お礼を言っておいて下さい。」

 

するとリーシャは、自分のポケットから1枚の紙を、龍亞に渡した。

 

その紙には、一件の電話番号が書かれていた。

 

リーシャ「これは私の電話番号よ。何かあったら、電話してね♪

それに、何もなくてもかけてきていいわ♪」

 

そう言って、リーシャは龍亞に優しく微笑んだ。

龍亞は、初めての事で唖然としていたが、電話番号を渡されるという事は、自分が信用されている証拠だと思い、頬を赤らめて喜んだ。

 

龍亞「はい!必ずかけます。あの…本当にありがとうございました。」

 

龍亞は、深く頭を下げてリーシャに別れを告げた。

 

リーシャ「行っちゃったか…。にしても、素直で可愛らしい子だったわ。

電話か~、フフッ♪」

 

リーシャはそう呟き、嬉しそうに家の中へと入っていった。

 

~~~公園~~~

 

龍亞は、いくあてもなく公園に来ていた。

ルチアーノにあったあの公園だ。

 

龍亞「懐かしいな…。そう言えば、ルチアーノ元気にしてるかな…、会いたいな。」

 

そう龍亞は、静かに寂しそうに呟いた。

 

そして、公園に入ると、既にブランコに1人の先客が来ていた。

 

龍亞はその先客を良く見て、驚いて急いでその先客のもとへと、走っていった。

 

龍亞「ルチアーノ!会いたかったよ!」

 

ルチアーノ「龍亞!?本当に龍亞なの!?」

 

龍亞は、ルチアーノに抱きついて、大粒の涙を流しながら再会を喜んだ。

 

龍亞「寂しかったんだよ。今まで何処にいたんだよ。」

 

ルチアーノ(ヤバイ!久しぶりの龍亞が、こんなにも愛しくなってるなんて!

それに、龍亞の泣き顔も可愛いな~、フフッ。)

 

ルチアーノは、龍亞に抱きつかれてとても嬉しそうに、していた。

 

龍亞「ルチアーノ聞いてる?ちょっと、雰囲気が怖いよ…。」

 

龍亞にそう言われ、ルチアーノは我に帰って、龍亞の頭を撫でた。

 

ルチアーノ「ごめんよ龍亞。久しぶりだから、思い出に浸ってたんだ。」

 

そして、2人はベンチに座って色々な事を話し合った。

 

龍亞が、孤独で寂しかった事、今では信頼できる大切な仲間がいる事などを、ルチアーノは龍亞の話を真剣に聞いていた。

 

ルチアーノ「そっか、そんな事があったんだね…、ごめんね、ボクが側にいられなくて。」

 

ルチアーノはそう言うと、立ち上がって龍亞の前に、立った。

 

龍亞「ルチアーノ、い、いきなりどうしたの?」

 

ルチアーノ「龍亞、君と別れたあの日にボクが言った事を覚えてる?

今日は君を迎えに来たんだ。」

 

そこまで言うとルチアーノは、龍亞の顎に手を当てて、そのまま龍亞の頭を少しだけ上にした。

 

そして、そのまま龍亞の口に、ルチアーノは大人のキスを交わした。




やっぱり、リーシャ良い人ですね。
本当に、よかった。

そして、ルチアーノの再登場です。
って!大人のキスって、いきなり急展開です!


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80話

龍亞は、自分が何をされているか、一瞬わからなかった。

 

永遠のように感じた10数秒間、理解した時に、龍亞の顔は真っ赤になり、何も考えられなくなっていた。

 

ルチアーノ「いきなりごめんね。けど、これで龍亞に対する、ボクの気持ちが本当かわかったでしょ?

それに龍亞とのキス、凄く幸せなんだ。」

 

ルチアーノはそう言うと、呆然としていた龍亞の口に、もう1度キスをした。

 

龍亞「え、えっと…その…あの…」

 

龍亞は、頭が回らなくなりそのまま、気を失った。

 

~~~約10分後~~~

 

龍亞が目を覚ますと、あの時の様に、ルチアーノに膝枕をされていた。

 

そしていつの間にか、ルイズも来ていた。

 

ルイズ「あっ!龍亞起きたんだね!心配したんだよ?」

 

体を起こした龍亞に、ルイズは泣きながら抱きついた。

 

龍亞「ルイズ、いつの間に来てたの?それに、どうしてここに?」

 

すると、ルイズは真剣な顔つきになり、龍亞を見つめた。

 

ルイズ「クロウの家の、リーシャに聞いたよ。

どうして、そこまでしてあんな屑の住んでる家に、帰ろうとするの?

あそこには、龍亞の幸せは無いんだよ。」

 

ルイズ「ボクは、龍亞が傷つく姿のを、黙って見てられないんだよ!

なのに、どうして自分から辛い目にあいに行こうとするの!」

 

ルイズは、泣きながら龍亞に自分の想いをぶつけた。

 

龍亞は、そんなルイズを見て、少しだけ悩んでいた。

 

そして、ルイズの頭を撫でながら、口を開いた。

 

龍亞「ルイズの言いたい事は、良くわかってるよ。

けど、俺だって皆みたいに、家族で過ごしたいんだ!

パパやママに、愛して欲しいんだ!認めて欲しいんだ!

息子として、家族として扱って欲しいんだ!」

 

龍亞「俺には、そんな当たり前の幸せすら、願っちゃいけないのかよ。

幸せになる、権利すら無いのかよ。」

 

龍亞はそう言いながら、涙を流していた。

心の底にある、龍亞の1番の願い。

 

龍亞は、哀しみのせいで体が震えていた。

 

すると、ルイズは龍亞の涙を嘗めた。

それと同時に、ルチアーノも龍亞の涙を嘗めた。

 

ルイズ「おい!何してるんだよ!まだボクは、お前の事を認めてないんだぞ!」

 

ルチアーノ「煩いな!お前の許しなんか不必要だ!

だってボクは、龍亞と結ばれたんだからね。」

 

2人は、お互いに譲らなかった。

そして、ルイズは龍亞の方を見て、優しく龍亞の頭を撫でた。

 

ルイズ「龍亞、君の想いは間違ってはいないよ。

けどね、今は龍亞を傷つけるだけだよ。」

 

ルイズ「けど、いつか龍亞の願いが叶う時は、ボクがこの命をかけて龍亞を幸せにするからね。

愛してるよ、ボクの大切な龍亞♪」

 

ルイズはそう言って、龍亞の口に優しい大人のキスをした。

 




なんか龍亞、キスされまくりですね…。
まぁ、龍亞が幸せになるなら、いくらでも良いですけどね。

明日はハロウィンですね。
ですので、明日はハロウィンに関する特別編を作りたいと思います。

お楽しみにしてて下さい。


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81話

今回は、ハロウィン特別企画!

ジャック・オ・ランタンのお話を、私の独自解釈で、改造します。

それでは、お楽しみ下さい!


ここは、とある国のとある村のとある場所。

そこに、1人の加治屋…、改め、1人の女の子が暮らしてました。

 

その女の子は、とても気性が荒くていつも他の人に迷惑をかけていた。

 

村人A「おい、女!本当にお前は落ち着きのない奴だな。」

 

ルイズ「煩い!お前ら人間なんか、この世に存在する価値なんか、無いんだよ!」

 

ルイズは、その村人を押し退けて、自分の家へと入っていった。

 

~~~ルイズの家~~~

 

ルイズ「全く、何が落ち着きが無いだよ!

他人に迷惑をかけて、何が悪いんだよ!」

 

ルイズはそう言いながら、自分のベッドにダイブして、怒りながら寝ていった。

 

すると、寝ているルイズの隣に、地獄の使い魔、悪魔が現れた。

 

ルイズ「な、何事なの!

ま、まさか…悪魔なの!」

 

ルチアーノ「何でボクが悪魔役なんだよ…、まぁいいや。

そうさ、ボクは悪魔だ。」

 

悪魔はそう言うと、ルイズを指差した。

 

ルチアーノ「お前の行いは、とても良いものとは言えない。

よって、お前を地獄に連れていく事に決めたのだ!」

 

ルイズ「地獄だと…、そうだ!

これをあげるから、ボクの地獄行きを見逃してよ。」

 

ルイズは、ルチアーノに龍亞の写真集をプレゼントした。

 

ルチアーノ「しょ、しょうがないな~。その代わり、これからは心を入れ換えて、天国に行けるようにするんだぞ!」

 

そう言うと、悪魔は帰っていった。

しかし、ルイズは心を入れ換えてずに、今まで以上に、他人に迷惑をかけ続けた。

 

そんなある日、ルイズは死んでしまい、死後の世界に来てしまった。

 

ルイズ「ここが、天国と地獄の境目か…。

薄暗い所だな。んっ?あれはたしか、あの時の悪魔だ。」

 

ルチアーノ「ようこそ天国と地獄の境目へ。

今からお前が、天国か地獄かのどちらかに行くんだ。」

 

悪魔がそう言うと、ルイズの前に1人の天使が降りてきた。

 

龍亞「この格好、恥ずかしいな…。

えっと始めまして、天国の使いである天使です♪」

 

天使は、ポーズを決めながら、ルイズにそう言った。

けれど、恥ずかしくなり、天使はものすごく赤面してしまった。

 

ルイズ「天使様、今すぐ貴方の奴隷にしてください。」

 

ルイズは鼻血を出しながら、天使に膝まづいた。

 

ルチアーノ「何を言ってるんだよ!お前が天国に、行けるわけ無いだろ!」

 

ルイズ「けど、お前との契約でボクの地獄行きは、無いはずだろ?」

 

ルイズの正論に、悪魔は何も言えなかった。

けれど、ルイズの胸ぐらを掴んで、怒鳴った。

 

ルチアーノ「お前みたいな、危ないやつを天使の下に行かせられるか!」

 

ルイズ「お前も、天使を見て鼻血、出てるよ?」

 

龍亞「っちょっと!そんなに、俺の事をじっと見ないでよ。恥ずかしいよ。」

 

ルチアーノ「いや、それはしょうがないよ。

あんなにも、愛らしい天使を見て、鼻血が出るのは当たり前だ!

だから、ボクが代わりに天使の奴隷になる!」

 

ルイズ「うるさい!天使の奴隷はボクだ!」

ルチアーノ「いや、ボクだ!」

 

こうして、ルイズは悪魔と喧嘩をして、永遠に天国にも、地獄にも行けずにいました。




どうでしょうか?
ハロウィンの主役でもある、ジャック・オ・ランタンを題材にしてみました。

龍亞の天使姿、見てみたいですね。
ルイズとルチアーノは、幸せものですね。


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82話

ルイズ「それで、お前は何の用事があって、龍亞に近づいたんだ?」

 

ルイズは、ルチアーノの方に体を向けて、静かにルチアーノに聞いた。

 

龍亞「ど、どう言うことなのルイズ!?」

 

ルイズ「大丈夫、心配要らないよ龍亞。こいつの龍亞への愛は、どうやら本物だ。

けど、それだけで龍亞の前に姿を現した訳じゃ、無いんだよ。」

 

ルイズは龍亞の頭を撫でながら、ルチアーノを睨んだ。

 

そして、ルチアーノは観念したように、ため息を吐き出した。

 

ルチアーノ「全く、お前は何者だよ…。わかった、教えるよ。君達は、こいつの事を知ってるだろ?」

 

ルチアーノは1枚の写真を取り出し、龍亞とルイズに見せた。

 

その写真には、治安維持局のゴドウィンが、写されていた。

 

龍亞「これって、治安維持局のゴドウィン長官でしよ?

それが、どうかしたの?」

 

ルイズ「龍亞、こいつは悪い人なんだよ。

龍亞を使って、何か企んでるんだよ。」

 

ルチアーノ「その通りだよ。ゴドウィンは、龍亞の持っている、何も書かれていないカードを使って、この世界を滅ぼすつもりなんだ!」

 

ルチアーノの発言に、龍亞は驚いていた。

そして、自分のデッキからそのカードを取り出し、恐る恐る見ていた。

 

ルイズ「真偽は兎も角、ゴドウィンの企みは良くわかった。

けど、それを何でお前が知ってるんだ!」

 

ルチアーノ「それは…、話すと長くなるな…。」

 

そう言って、ルチアーノは立ち上がって龍亞の前に来た。

 

ルチアーノ「ボクは、イリアステルと言う組織に入っているんだ。

そして、ボク達イリアステルは、龍亞のカードの恐ろしさを知り、カードの消滅を図ったんだ。」

 

ルチアーノ「けどカードは覚醒させなきゃ、他の誰にも手が出せないんだ。

だから、ゴドウィンに覚醒しないように、監視を頼んだんだ。

けど、カードの力を知ったゴドウィンは、龍亞を拐って、カードを覚醒させようとしてるんだ。」

 

ルイズ「そんな…、だったらそのイリアステルで、ゴドウィンを止めれば良いでしょ?」

 

ルイズはルチアーノを見てそう言った。

しかし、ルチアーノは申し訳なさそうに、ルイズから目をそらした。

 

ルチアーノ「それは出来ないんだ。既に、イリアステルの中に、ゴドウィンからの監視が来てるんだ。

だから、迂闊に行動できないんだよ。」

 

龍亞「じ、じゃあ俺はこのまま、ゴドウィン長官に、利用されるだけなのかよ!」

 

最悪な未来を想像し、怯えている龍亞をルチアーノは、強く抱きしめた。

 

ルチアーノ「大丈夫、心配しないで。

今、覚醒しなくても消滅出来るように、研究が行われているんだ。

その研究も、もうすぐ終わりそうなんだ。だから、怖がらないで。」

 

ルチアーノの声に、龍亞は落ち着きを取り戻したが、恐怖は消えずルチアーノを抱き返した。




今回、色々な事が判明しました!
龍亞の拾ったあのカードの事。

ゴドウィンの目的に、イリアステルの存在。

今後、どのようになってしまうのか、わかりませんね。


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83話

ルイズ「にしても、朝早くだから他に誰もいないね。」

 

ルチアーノ「そうだね。まるで、ボク達の貸し切りみたいだね。」

 

龍亞、ルイズ、ルチアーノはシティに来ていた。

 

なぜ、こうしているかの事の発端は、数分前の公園でのルイズの発言である。

 

~~~数分前の公園~~~

 

龍亞は、ルチアーノに抱きつきながら、恐怖で震えていた。

 

自分がまた、傷つくかもしれない。

そして、今度は世界中の人達を巻き添えにするかもしれない。

 

そんな恐怖で、龍亞の心はは今にでも、崩れそうだった。

 

ルチアーノ「龍亞…、泣かないでよ。

ボク達が、必ずにそのカードを消滅させて見せるよだから…。」

 

ルチアーノの優しい言葉も、今の龍亞には届かなかった。

それほどまでに、龍亞は苦しんでいたのだ。

 

ルイズ「……良し龍亞!今から、ボクとデートをしようよ!

何、心配要らないよ。まだ、朝早くだから他に誰もいないよ。」

 

龍亞「ルイズ…、どう言うこと?」

 

ルチアーノ「そうだよ!いきなり何言ってるんだよ!」

 

そんな2人を差し置いて、ルイズは龍亞の手を引いて公園から出ていった。

 

ルイズ「そんなの気にしないで。気分転換だよ、気分転換。

さぁ、楽しもうよ。」

 

ルチアーノ「おい!ちょっと待ってよ。ボクもついていくよ。」

 

~~~現在の龍亞達~~~

 

ルチアーノ「全く、お前のいきなりの発言には、ビックリさせられたよ!」

 

ルイズ「うるさいな。本当だったら、お前なんかお呼びじゃ無いんだよ。」

 

2人は、龍亞を挟んで口喧嘩を始めた。

すると、その口喧嘩を聞いていて、龍亞は嬉しそうに微笑んだ。

 

ルイズ「ど、どうしたの龍亞!?何が可笑しかったの?」

 

龍亞「2人とも、仲が悪そうにしてるけど、本当に心から俺の事を、心配してくれてる。

それが嬉ってつい、微笑んじゃたんだ。」

 

龍亞の無邪気な笑顔に、2人とも恥ずかしくなり、赤面してお互い、顔をそらした。

 

そして、3人は誰にも見つからないように、シティでのデートを楽しんだ。

 

ふと龍亞は、すぐ近くの裏路地を見つけた。

その路地は、龍亞がダークシグナーになった、あの路地である。

 

ルイズ「どうしたの龍亞?あぁ、ここか。

懐かしいな~、もうけっこう昔の事みたいだね。」

 

ルイズは、その時の事を懐かしみ、そしてその時に龍亞にした事を思い出し、恥ずかしそうに赤面していた。

 

ルチアーノ「へぇ~、ここが龍亞とルイズの思い出の場所か。

雰囲気が出てるな。」

 

龍亞は、その路地に入っていき、懐かしそうにしていた。

 

龍亞「にしても、ルドガーは何処に行ったのかな…。

元気にしてるかなぁ。」

 

龍亞は少し涙ぐみ、ルドガーの事を考えていた。

 

ルイズ「龍亞…、大丈夫だよ。いつか必ず、ボクがルドガーを、連れ戻して見せるから!」

 

ルイズは龍亞を抱き締めて、そう誓った。




一応、ほのぼのパートをしてみたした。
良いですね、龍亞とルイズとルチアーノが、仲良くしてると。

これからも、こんな幸せがずっと続いたら良いですね。


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84話

イェーガー「始めまして、私は治安維持局の者です。

龍亞様、お迎えに参りました。」

 

辺りを良く見てみると、イェーガーと名乗った男と、屈強な男達に龍亞達は囲まれていた。

 

ルチアーノ「不味いね…、いつの間にかボク達は、尾行されていた様だね。」

 

ルイズ「このままじゃ、3人とも無事じゃすまないね。

龍亞、ボクから離れちゃ駄目だよ!」

 

ルイズとルチアーノは、龍亞を体で被いながら、逃げ道を探していた。

 

イェーガー「一応、選択肢をあげましょう。

その少年を差し出して、安全で優雅にこれからの、生活を送るか、ここにいる15人の男と、力比べをするか、さぁどうしますか?」

 

イェーガーの選択肢を聞いて、龍亞は2人の事を考えて、自ら治安維持局に行こうとした。

 

しかし、ルイズとルチアーノは龍亞の気持ちを既に読めていて、龍亞を止めた。

 

ルイズ「今、龍亞が何を考えているか、ボク達にはすぐにわかったよ。

けど、そうはさせないよ。」

 

ルチアーノ「そうだよ!ボク達は龍亞を守るために、今まで生きてきたんだ!

だから、君を危険な目には合わせないよ!」

 

イェーガー「やはりですね…、しょうがない、お前達!やっておしまい。」

 

イェーガーの合図と共に、男達が龍亞を捕まえるために、向かってきた。

 

ルチアーノ「ルイズ!お互い、最後まで諦めない様にね!」

 

ルイズ「ルチアーノこそ!この勝負、負けるわけにはいかないよ!」

 

2人は拳を軽く当て合って、男達に向かっていった。

 

イェーガー「凄いですね…、こちらは治安維持局の精鋭達なのに。

しかし、所詮は子供と大人、結果は覆りはしませんでしたか…。」

 

イェーガーの呟いた通り、ルイズとルチアーノは、男達に押さえられてしまった。

 

そして、激しい暴行を受けて、無惨に傷だらけになっていった。

 

龍亞「や…止めてよ…、もう止めてよ…、

俺が目的だろ!」

 

そんな光景を見ていた龍亞は、心が不安定になりかけていた。

 

イェーガー「そうはいきませんよ。これは、教育です。

治安維持局に歯向かえば、どうなるかを体で教えなければ、ならないのです。」

 

そして、2人が動かなくなると、男達の暴行は終わり、龍亞に近づいてきた。

 

男1「イェーガー様、あいつらは気を失っております。

ので、この少年を拐うなら今かと思われます。」

 

イェーガー「それもそうですね…、では計画通り、少年の連行を行います。

すべてはゴドウィン長官の為に。」

 

男達「ゴドウィン長官の為に!」

 

男達は敬礼をして、龍亞の方を向いた。

 

そして、龍亞の殴って気絶さて、龍亞を拐っていってしまった。




大変です!ついに、治安維持局が動きました!

そして、龍亞が拐われてしまいました!
これから、どうなってしまうのか。


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85話

~~~治安維持局~~~

 

龍亞「うぅ…、こ…こは、」

 

龍亞が目を覚ますと、体が鎖で縛られていた。

 

龍亞「そうだ!ルイズとルチアーノは!」

 

ゴドウィン「死んではいませんよ。」

 

龍亞の前に、今回の事の計画者である、ゴドウィンがゆっくりと歩いてきた。

 

ゴドウィン「やはり、君を使わなければ、このカードは覚醒しないようだな。」

 

そう言ったゴドウィンの右手には、白紙のカードが握られていた。

 

龍亞「そのカードは!クッ!今すぐ返せ…」

 

龍亞がいい終える前に、ゴドウィンは龍亞の顔面を拳で、殴りつけた。

 

ゴドウィン「全く、君は自分の状況をわかっていないようだな。

良いものを見せてあげよう。」

 

ゴドウィンは指を鳴らすと、2人の前に大きなスクリーンが、用意された。

 

そして、そのスクリーンには龍亞が拐われるまでの、状況が写し出されていた。

 

ゴドウィン「見てわかるでしょう?君のせいで、あの2人はあんなにも大怪我を、しなければならなかったんだ。」

 

龍亞は、そんな現実から目をそらしたかった。

だが、ゴドウィンはそんな龍亞に追い討ちをかけた。

 

ゴドウィン「君は何時もそう、ダークシグナーの時も、今回も、君のわがままで沢山の人が傷ついている。

そんな君は、誰からも愛される資格など、無いんですよ。」

 

ゴドウィンの言葉に、龍亞の心は壊されていた。

そして、龍亞は涙を流すしか無かった。

 

すると、龍亞から黒い闇が、ゴドウィンが持っている白紙のカードに、吸い込まれていった。

 

ゴドウィン「おぉ!いよいよ、復活の時だ!

これで、私がこの世界の支配者だ!」

 

カード「マダダ…、マダ足リナイ…。

コレ程ノ、傷ミト苦シミデハ、完全ナ復活ニハナラナイ。」

 

突然、カードから声が聞こえてきた。

その声は冷たく、そして残酷な声だった。

 

ゴドウィン「そんな…、ではどうすれば宜しいのですか。

これ以上、この少年からは何も望めません。」

 

カード「ソンナ事ハ簡単ダ。

4人ノ人間ヲ、連レテ来い。ソノ4人ノ痛ミガ、最後ノ材料ダ。」

 

ゴドウィン「その4人は、どのようにお決めになりますか?

私が決めても…。」

 

カード「誰ニスルカハ、モウ決マッテイル。

不動遊星、ジャック・アトラス、鬼柳京介、ソシテ一番重要ナノハ、ルイズダ。

コノ4人デ無ケレバナラナイ。私ガ完全ニ復活シタ暁ニハ、オ前ニ私ノ力ノ全テヲ、約束シヨウ。」

 

カードの提案に、ゴドウィンは興奮を隠せなかった。

もうすぐで、全てが自分のものになる、そう思うといてもたってもいられなかった。

 

ゴドウィン「イェーガー、今すぐその4人を、ここに招待しなさい。

そして、3人衆もここに呼びなさい。」

 

ゴドウィンの命令に、イェーガーはすぐに従った。

 

ゴドウィン「任せて下さい。必ず、私が貴方を完全に復活させてみます。」

 

ゴドウィンの不敵な笑いが静かなこの部屋に、響いていた…。




ついに、白紙のカードが復活してしまいました!

しかし、不完全らしいですね。
遊星達に、全てがかかっている様ですので、応援を宜しくお願いいたします。

カードの言葉が、読みにくかったら、本当にすみません。


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86話

~~~遊星達のガレージ~~~

 

遊星「ジャックお帰り。けど、帰ってくる予定日より、速くないか?」

 

遊星は、ハネムーンから帰ってきたばかりの、ジャックに質問した。

 

ジャック「あぁ、じつはカーリーが嫌な予感がするって言うから、帰ってきただけだ。」

 

鬼柳「嫌な予感か…、確かに何か感じるな。」

 

3人が話していると、突然ガレージのシャッターが開いた。

 

そして、傷だらけのルイズとルチアーノが、足を引きずりながら、入ってきた。

 

鬼柳「ルイズ様!どうして、その様な傷を!

それに、そちらの方は…。」

 

ルイズ「その事は、後でゆっくり話すよ。

それより…、遊星にジャック!お前達は、治安維持局とコンタクトが取れるらしいな。」

 

ルイズのいきなりの質問に、2人は困惑した。

 

遊星「出来ないことは無いが…、いきなりどうしたんだ。」

 

イェーガー「その理由は、私から説明させてもらいましょう。」

 

突然の事に、ガレージの中にいた5人は、イェーガーの方を急いで向いた。

 

ジャック「お前は…、確か治安維持局のイェーガーではないか!

何故、お前がここにいるんだ!」

 

イェーガー「それはです…!」

 

イェーガーの話の途中で、ルイズとルチアーノはイェーガーに迫り、今にでも殴りかかろうとしていた。

 

ルチアーノ「ごたくは要らないよ。龍亞を返せよ。」

 

ルイズ「先に言っとくけど、龍亞の為なら他人の命なんて、ボク達には関係無い事だよ。」

 

2人の発言に、イェーガーは後ずさりをしていた。

そして、ポケットから小型のテレビを出した。

 

そこには、捕まって暴行を受けている、龍亞が写し出されていた。

 

ルイズ「お前…、殺す!」

 

ルイズは、本当にイェーガーを殺そうとしていた。

 

イェーガー「待ちなさい!あの少年を、生かすも殺すも、私達の自由なのですよ?

良いのですか?自分勝手な行動で、愛する人のか弱い命が無駄になっても。」

 

ルイズ「クッ!姑息な真似を!」

 

鬼柳「龍亞様が拐われたとは、どう言うことだ、このエセピエロ!」

 

ルイズ「鬼柳落ち着け!ボク達が不甲斐ないばかりに、こうなってしまったんだ…。」

 

イェーガーは、ルイズ達の絶望している顔を見て、笑いが止まらなかった。

 

イェーガー「今回私が来たのは、不動遊星、ジャック・アトラス、鬼柳京介、ルイズの4人を迎えに来たのです。」

 

ジャック「迎えだと!ふざけた事をぬかすな!

誰にものを言っているかわかっているのか!」

 

ルイズ「ジャック!それ以上、こいつを刺激するな!」

 

ルイズの一喝に、ジャックは少し怯んでしまった。

 

イェーガー「そうですよ。貴方達は、私の言うことに従うしか、もう少年を助ける術は無いのですよ?」

 

ルチアーノ「おい!ボクも勝手についていかせてもらうよ。

これは、ボクにも責任があるからね。」

 

イェーガー「まぁ良いでしょう。では皆様、今から治安維持局に、案内しましょう。

ゴドウィン長官も、お待ちしておりますよ。」

 




いよいよ、龍亞救出ですね!
しかし、確実に主導権は治安維持局にあります。

とても、心配です。


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87話

イェーガー「それでは、今から治安維持局にご案内致します。

ついてきてくださいね。」

 

イェーガーはそう言って、車に乗り込んだ。

そして、直ぐ様出発していった。

 

ルイズ「良し!お前達、龍亞を助けるために気を引き締めていけ!行くぞ!」

 

ルイズの合図で、遊星とジャックと鬼柳は、自分達のDホイールに乗り、イェーガーの車の後を追った。

 

そしてルイズとルチアーノは、鬼柳のDホイールに、乗っていた。

 

~~~治安維持局前~~~

 

イェーガー「皆様、つきましたよ。ここが、治安維持局で、御座います。」

 

ルチアーノ「ここに、龍亞が捕まっているのか…。」

 

ルイズ「鬼柳、今すぐ乗り込んで!」

 

すると、ルイズ達の前に、巨大なスクリーンが用意された。

 

そのスクリーンには、ゴドウィンと傷だらけの龍亞が、写し出されていた。

 

ゴドウィン「そんなに、焦らなくても良いんですよ。ここは、治安維持局ですよ?

普段は立ち入り禁止の場所ですから、ゆっくりしていって下さい。」

 

ゴドウィンはそう言いながら、ルイズ達に笑顔を見せていた。

 

ジャック「ゴドウィン!貴様、何をしているのかわかっているのか!」

 

ルイズ「おい…、今、龍亞を解放すれば、楽に殺してやるよ。

もし、龍亞を返さなければ、地獄を見るぞ!」

 

ルイズの黒いオーラに、ここにいる全ての人が、恐怖を感じていた。

 

ゴドウィン「ま、まぁ落ち着いて下さい。

貴方達の前に、3つの扉があるでしょう?その扉に、カギを1つずつ置いてあります。」

 

ゴドウィン「そのカギが無ければ、この少年を解放出来ません。

それに、各扉にカギを守るデュエリストを配置させています。」

 

龍亞「だ…駄目だ…よ、ルイズ…俺…の事は…気にし…!」

 

龍亞は、今にでも消えそうな声で、ルイズの安全を心配した。

が、その途中でゴドウィンは、龍亞の鳩尾を力一杯殴りつけた。

 

ルイズ「龍亞!おいお前!忘れるなよ、必ずお前の所に行き、ボクの龍亞を傷つけたことを懺悔させながら、殺してやる!」

 

ゴドウィン「フフッ、楽しみに待ってますよ。では諸君、健闘を祈るよ。」

 

そう言うと、スクリーンの映像は途切れた。

 

ジャック「面白い!このジャック・アトラス、挑まれた闘いは逃げん!」

 

そう言うとジャックは、左がらの扉の中へと走り去っていった。

 

遊星「鬼柳、それにルイズ、今の俺に何も言う権利はない。

だが、必ずカギを手に入れて見せる。」

 

ルチアーノ「不動遊星、ちょっと待って。

お前に渡したい物があるんだ。」

 

ルチアーノは、遊星に1枚のシンクロモンスターを手渡した。

 

ルチアーノ「時期尚早だけど、もしお前がそのカードに選ばれた場合、使いこなせるようになる。」

 

遊星「このカードを…、わかった。必ず使いこなせるようにして見せる。」

 

そう言うと、遊星は真ん中の扉の中に走っていった。

 

鬼柳「行ったか…、ではルイズ様俺達も行きますよ!」

 

ルイズ「待っててね龍亞。必ず、ボクが君を助けてみせる!」




更新遅れてすみません。
私情です。

いよいよ、龍亞救出チームと治安維持局との決戦です。
扉の中で待つ、ゴドウィンからの刺客とはいったい!


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88話

~~~左側の扉内~~~

 

ジャック「にしても、この道はどこまで続いているんだ。

終わりが見えないぞ。」

 

ジャックは、薄暗くて長い道を、Dホイールで進んでいた。

 

すると、目の先に明るい光が見えた。

 

ジャック「やっとか。このジャック・アトラスを、このような道を走らせるとは、いい度胸だ!」

 

ジャックがその部屋に入ると、紫色の髪をした1人の男がジャックに背を向けて、椅子に座っていた。

 

ジャック「おいそこの男よ。お前がカギを守るデュエリストか。

もし、素直にカギを渡すのなら、お前を見逃してやる。」

 

ジャックはDホイールから降りて、その男に近づいていった。

 

すると、男が大きな声で笑い始めた。

 

ジャック「何が可笑しいんだ!」

 

男「そりゃそうだろ?目の前の敵と戦わずして見逃す、そんな弱腰な言葉俺が現役の時にすら、聞いたことないぞ?

それでも、偉大なるデュエルキング、ジャック・アトラスなのか?」

 

ジャック「貴様!この俺を侮辱するのか!

ならば、お前の言う通りにしてやる。」

 

すると、男は深い溜め息を吐くと、ゆっくり立ち上がった。

 

男「全く、俺の声で誰かわからんのか?

これだからガキンチョは嫌いなんだよ。」

 

男はそう言うと、ジャックの方に振り返った。

 

ジャックはその男の顔を見て、驚きを隠せないでいた。

 

ジャック「な、何でおまえがここに…、クッ!今まで、どこにいたんだ!」

 

ジャックは、その男の胸ぐらを掴むと、自分の感情を爆発させた。

 

男「何だ、俺の事覚えてんのか?」

 

男は、そんなジャックを見て嬉しそうに微笑んだ。

 

ジャック「当たり前だろう!例え、何が起こってもお前を忘れるわけは無かろう!『サイス・アトラス』よ!」

 

サイス「フッ、まだお前がアトラスの姓を、名乗っているなんて俺は、凄く嬉しいぞ。

しかし、やはりお前と戦うのは少し、心が痛むものだな…。」

 

ジャック「サイス、何故あの時俺を捨てたのだ!俺は今でもお前の事を…。」

 

サイスは、ジャックの口に自分の人差し指を当てて、ジャックの話を止めた。

 

そして椅子の下から、デュエルディスクを取りだし、自分の腕に装着した。

 

サイス「ジャックよ、聞きたいこと、言いたいことは沢山あるだろう。

だが!お前に教えただろう、答えを知りたければ、デュエルをすればわかると。

さぁディスクを着けろ!」

 

ジャック「そうだったな、お前の言う通りだな。

サイスよ、例えお前でもこのジャック・アトラス、手加減はせんぞ!」

 

ジャックはそう言うと、自分もディスクを装着した。

そして、サイスとデュエルが出来るように、十分な距離を取った。

 

サイス「にしても、お前とのデュエルも久しぶりだな…。

ジャックよ!俺こそお前が相手でも、手加減はしないからな。」

 

サイス、ジャック「デュエル!」




三人衆とルイズ側との、最初のデュエルが始まりましたね。

初戦はジャックです。
さしてジャックの相手のサイス、ジャックと何かしらの過去があるみたいですね。

ジャックと同じ姓ですし、何があるのか楽しみですね。


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89話

~~~サイス1ターン目~~~

サイス「俺のターンドロー。さ~て、どいつを召喚しようかなと…。」

 

サイス「良し、こいつにするか。

俺は《マッド・デーモン》を攻撃表示で召喚する。

そして、ターンエンドだ。」

 

ジャック「この俺を相手にして、カードを伏せずしてターンを終えるとは、自殺行為だな。」

 

サイス「フッ、沈黙は金、雄弁は銀と、教えただろう。」

 

ジャック「フン!キングのデュエルは、エンターテインメントだ、ともお前から教わったぞ。」

 

サイス「そうだったな、さぁお前のターンだぞ!」

 

~~~ジャック1ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!相手フィールド場にのみ、モンスターがいる時《バイス・ドラゴン》を特殊召喚する。」

 

ジャック「そして俺は、チューナーモンスター《ダーク・リゾネーター》を攻撃表示で召喚。」

 

ジャック「俺はレベル5の《バイス・ドラゴン》に、レベル3《ダーク・リゾネーター》をチューニング!」

 

ジャック「王者の鼓動、今ここに列をなす。

天地鳴動の力を見るがいい!

シンクロ召喚!我が魂《レッド・デーモンズ・ドラゴン》」

 

サイス「出たか、お前のエースにして…、いやもう関係無いか…。」

 

ジャック「《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で、お前の《マッド・デーモン》に攻撃!」

 

サイス「《マッド・デーモン》の効果を発動。

このカードが、攻撃対象に選ばれた時、守備表示になる。」

 

ジャック「そんなもの関係無い!《レッド・デーモンズ・ドラゴン》よ、奴のモンスターを粉砕しろ『アブソリュート・パワーフォース』」

 

ジャック「俺は、カードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 

~~~サイス2ターン目~~~

サイス「俺のターンドロー。にしても、後攻速攻シンクロ、相変わらずだな。

だが、それも想定内だ。」

 

サイス「俺は《バイス・ドラゴン》を特殊召喚。効果の説明はいらないよな?

そして《ファーム・リゾネーター》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル3 チューナー 悪魔族

攻撃力 1200 守備力800

 

ジャック「嫌な気分になるな、自分と同じ戦法を取られる言うのは。」

 

サイス「元々、俺がお前に教えたやり方だろ?

俺はレベル5《バイス・ドラゴン》に、レベル3《ファーム・リゾネーター》をチューニング。」

 

サイス「強者の脈動よ、今弱者を討つ!運命創造の力を垣間見るがいい!

シンクロ召喚!我が力の象徴《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》」

 

レベル8 ドラゴン族

攻撃力 3000 守備力 2500

 

ジャック「来たか!お前のエースドラゴン!」

 

サイス「懐かしいな~、俺の《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》と、お前の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が並ぶとは…。

さぁ、ジャックよ!楽しもうぜ!」




さぁ、ジャックとサイスのデュエルが始まりました!

やはりこのサイスと言う男、いったい何者なのでしょうか。


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90話

サイス「俺は《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》で《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に、攻撃…と言いたいが、伏せカードもあることだし、俺もカードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 

~~~ジャック2ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー。」

 

ジャックは、サイスの《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》と、自分の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》を、交互に見ていた。

 

ジャック(やはり、俺のモンスターとサイスのモンスターは、似ている…。

これも、全て俺に課せられた運命なのか…。)

 

サイス「どうしたジャック?いきなり黙りこんで。怖じ気づいたのか?」

 

サイスの言葉で、ジャックは今のデュエルに、意識を戻された。

 

ジャック(クッ!情けない!今になって、昔の事を思い出して、感傷に浸ってしまうとは…。)

 

ジャック「そんな訳は無かろう!お前に勝つための、作戦を練っていたのだ!」

 

ジャック「俺は《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で、お前の《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》に攻撃! 『アブソリュート・パワーフォース』」

 

サイス「臆せずに攻撃してきたか…、だが、攻撃力は同じだぞ?さぁ、何をして来るのかな。」

 

ジャック「俺は伏せカード《王者の逆鱗》を発動。自分フィールド場の、シンクロモンスターの攻撃力を、このターンのみ1000PUPさせる!」

 

サイス「なるほど、単純な攻撃力強化か…。

悪くないが、相手が悪いな。

伏せカード《攻撃の無力化》を発動。相手モンスターの攻撃を無効にして、このターンのバトルフェイズを終了させる。」

 

ジャック「防がれたか!俺はカードを1枚伏せて、ターンを終了する!」

 

ジャックはターンを終了させて、サイスの方を見ると、サイスは嬉しそうに涙を流していた。

 

ジャック「な、何を泣いているんだ!」

 

ジャックに言われて、サイスはハンカチを取り出して、自分の涙を拭いた。

 

サイス「いや~、あの時の幼かった子供が、今ではシティで1番デュエルの強い、キングになった。

そして、そうやって成長したお前と、こうやってデュエルをしてる。こんな幸せって良いな…、って思ってよ。」

 

ジャック「何を言っているんだ。

そう思っているなら、何でお前は俺の前から消えていったのだ!」

 

サイス「お前の為だよ。お前は、昔から言ってたな、キングになると。

だから、教えれる事は全てお前に教えた。

俺は、役目を終えたから消えただけだよ。」

 

サイスは、ヘラヘラ笑いながら、ジャックを諭した。

 

サイス「それに、前々から決めていたんだよ。

いずれ、お前はキングになる器を持った男だ。

その時、俺の教えを忘れて慢心をうむことになる。

だから、そうなった時お前と戦うために、お前の元から離れたのだ。」




ゆっくりですが、サイス・アトラスのと言う男の事が、わかってきていますね。

ジャックと昔から親交がある。
そして、ジャックの前から消えた。

まだこれだけですので、まだわかりませんね。


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91話

~~~サイス3ターン目~~~

サイス「俺のターンドロー。さて、思い出話も終わりにして、もうそろそろ終わらせにいくか。」

 

サイス「俺は永続魔法《王政の強制出兵》を発動。自分のターンのエンドフェイズに、ライフを500P支払うことで、効果を発動出来る。」

 

サイス「相手は、自分のメインフェイズ時に、自分の手札のモンスターを特殊召喚しなければならない。

そして、特殊召喚したモンスターは効果は無効になり、攻撃出来ない。」

 

サイス「俺はこれで、ターンエンドだ。

ジャック、お前用に拵えた破滅のコンボだ。楽しんでくれよ。

俺はライフコストを払う。」

 

~~~ジャック3ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー。俺は《王政の強制出兵》の効果で《トップ・ランナー》を守備表示で、特殊召喚する。」

 

ジャック「そして《レッド・デーモンズ・ドラゴン》で《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》に攻撃!『アブソリュート・パワーフォース』」

 

サイス「そんな見え見えな攻撃、通ると思ってるのか?

永続罠《カラミティ・オペレーション・シールド》を発動。」

 

サイス「自分フィールドに《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》が存在する場合、相手フィールドのモンスターの数が2体以上の場合、相手は攻撃宣言を行えない。」

 

ジャック「クソッ!俺はこのまま、ターンエンドだ。

《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の効果で、攻撃宣言をしていない、自分のモンスターは破壊される。」

 

サイス「この瞬間《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》の効果を発動。

相手モンスターが、自身の効果でモンスターを破壊した時、相手ライフに1000Pのダメージを与える。」

 

サイスLP 3500 ジャックLP 3000

 

サイス「どうだジャック。お前のデッキの事は、俺が良く知っている。

それに見た所、あの頃とあまりデッキが変わって無いじゃないか。」

 

ジャック「うるさい!これが俺なりの覚悟だ。

それに、お前への尊敬の表れでもある。」

 

~~~サイス4ターン目~~~

サイス「俺のターンドロー。嬉しい事、言ってくれるね。

けど、だからって手加減はしないよ。

俺は永続魔法《激戦への情け》を発動。」

 

サイス「このカードが有る限り、お前はスタンバイフェイズに、デッキからレベル4以下のモンスターを1体、手札に加えなければならない。」

 

サイス「これこそが《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》の効果と《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の効果を最大限発揮した、俺の最大のコンボだ。」

 

サイス「俺はこのまま、ターンを終了する。

そして《王政の強制出兵》のライフコストを払う。

これでお前は逃げられないぞ…。」




サイスのデッキは、まさにジャックキラーですね。
《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の破壊効果を、自身のカードで強制的に発動させる。

そして《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》のダメージ効果で、確実に終わりへと向かわせる。

中々のプレイングです。


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92話

《王政の強制出兵》の効果で、サイスのライフを減らすのを、忘れていました。

なので、サイスの残りライフは3000です。


~~~ジャック4ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー。」

 

サイス「この瞬間、永続魔法《激戦への情け》の効果と、永続罠《王政の強制出兵》の連続効果が発動する。

さぁ、モンスターをサーチして特殊召喚するがいい。」

 

ジャック「クッ!ならば俺は《アタック・ゲイナー》を特殊召喚する。」

 

サイス「そしてこの瞬間に《カラミティ・オペレーション・シールド》の効果が発動。

お前の攻撃、そして戦略全てを無意味にする。」

 

ジャック「これで…ターンエンドだ。」

 

ジャックのエンドと共に《レッド・デーモンズ・ドラゴン》の効果が発動し、そして《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》の効果が発動した。

 

サイスLP 3000 ジャックLP 2000

 

~~~サイス5ターン目~~~

サイス「俺のターンドロー。このままだと、お前のライフを0にするのに、あと2ターンの猶予がある。

だが、そんな希望も摘み取ってやる。」

 

サイス「手札から魔法カード《ダブル・スター・ボム》を発動。

このターンのエンドフェイズまで、自分フィールドのモンスターを除外する。」

 

サイス「そして、除外したモンスターのレベル×200Pのダメージを、お互いが受けるのさ。」

 

サイス「俺が除外するのは、当然《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》だ。

よって、お互い1600Pのダメージを受ける。」

 

サイスLP 1400 ジャックLP 400

 

サイス「そして俺は、ターンエンド。そして《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》は、戻ってくる。そして《王政の強制出兵》のライフコストも当然支払う。」

 

サイスLP 900 ジャックLP 400

 

サイス「さぁジャック、お前のラストターンだ!」

 

~~~ジャック5ターン目~~~

ジャックは、サイスの圧倒的な自分封じの前に、敗けを認めてしまい、カードが引けなかった。

 

そんなジャックを見たサイスは、呆れ、そして怒りを露にしてジャックの前に、カギを投げ渡した。

 

ジャック「サイス、何のつもりなんだ。

このデュエル、お前の勝ちなのに…。」

 

サイス「なんと情けない男になっちまったんだ。

そんなお前とは、勝ち負け以前の話だ。

さっさと、そのカギを拾って何処へでも、行っちまえ。」

 

ジャックは、自分のプライドを傷つけられて、怒りに燃えていた。

だが、サイスの言う通りなので、何も反論出来ずにいた。

 

サイス「俺と別れてからの13年間、お前は何をしてたんだ?

俺を越えるんじゃ無かったのか?俺はお前の成長を楽しみに、わざわざゴドウィンに協力してるんだ。

それに、最後の最後まで諦めるなと、デュエルに負けても、心だけはキングを貫き通せと、教えだろ。」

 

サイスの激で、ジャックは目を覚ました。

 

ジャック「そうだ、俺はお前を越えたかったんだ。その為に、シティに出て来て、キングになったんだ。

まだ、俺は負けてはいないぞ!」

 

ジャック「俺のターンドロー!デッキからモンスターを加える。

そして俺は《ダーク・スプロケッター》を特殊召喚。」

 

ジャック「そして手札から《クリエイト・リゾネーター》を召喚する。

レベル8の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》に、レベル1《ダーク・スプロケッター》と、レベル3《クリエイト・リゾネーター》をダブルチューニング!」

 

ジャック「王者と悪魔、今ここに交わる。

荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ。

シンクロ召喚!出でよ《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》」




《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の登場です!
いよいよ、デュエルも佳境です。

ジャックがいつ、どの様に《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》を手に入れたかは、いずれ書きたいと思います。


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93話

サイス「《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》…、それがお前の本当の成長か…。」

 

ジャック「そうだ!これが、俺が見つけ出した、お前を越えるための全てだ!

《ダーク・スプロケッター》がシンクロに使用された時、相手の魔法・罠カードを1枚、破壊する。」

 

ジャック「俺はお前の伏せカードを、破壊する。

これで、お前を守る物は無くなった!

この攻撃で終わらせてやる。」

 

ジャック「《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は、墓地のチューナーの数×500P、攻撃力がUPする。

墓地のチューナーは5体、よって、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》の攻撃力は、6000になる。」

 

ジャック「《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》で《カラミティ・デーモンズ・ドラゴン》に攻撃!

『バーニング・ソウル』」

 

サイス「まさか俺が負けるとはな…、強くなったな息子よ、嬉しいよ。」

 

サイスLP 0 ジャックLP 400

 

~~~デュエル終了~~~

 

ジャック「サイス大丈夫か!」

 

ジャックは、その場に倒れてしまったサイスの所に、走って行った。

 

そして、サイスを抱き起こした。

 

サイス「何を心配してんだよ。俺がこれだけで、くたばるわけ無いだろ。

…にしても、強くなったなジャック。」

 

サイスはそう言うと、ジャックの頭を撫でながら、涙を流していた。

 

サイス「フッ、お前の頭を撫でるなんて、本当に久しぶりの事だな。」

 

サイスは、遠い昔を思い出しながら、ジャックに微笑んで見せた。

 

サイス「さぁジャックよ、そのカギを持って先へ進むがいい。

ゴドウィンが、何を企んでいるかは知らん。

だが、必ずあいつの野望を食い止めてくれ。」

 

ジャック「当たり前だ、俺を誰だと思っている。

俺はジャック・アトラス。デュエルキングにして、サイス…お前を倒した男だぞ。

…任しておけ、父上よ。」

 

ジャックはサイスと、固い握手を交わして、Dホイールに乗り、先に進んでいった。

 

~~~長官室~~~

 

ゴドウィン「たった今、ジャック・アトラスがサイス・アトラスを倒しました。」

 

ゴドウィンは、目の前にある3つのモニターを見ながら、透明なケースにしまってある、カードに話しかけた。

 

ゴドウィン「どうですか、少しは復活へのエネルギーになりましたか?」

 

カード「マダマダ、全然足リナイナ。龍亞カラノエネルギート比ベルト、ゴミノヨウナモノダ。」

 

カード「ソレニ、私ガ期待シテイルノハ、他デモナイ、ルイズカラノエネルギーダケダ。

ルイズガ傷ツケバ、必然的ニ龍亞ノ心ニモ大キナダメージガ起コル。

ソウスレバ、必ズ私は復活出来ルダロウ。」

 

カードの言葉を聞いたゴドウィンは、痛々しく傷つき、気を失っている龍亞を見て笑った。




ジャックとサイスの、関係がわかりましたね。
息子と父親見たいです。

細かいことは、またいずれ。



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94話

今回は、ジャックの過去のお話です。

事の始まりは、15年くらい前に遡ります。
原作でも起こった、ゼロリバースが起きてシティと、サテライトが別れてしまいました。


~~~サテライト~~~

 

あのおぞましい、ゼロリバースが起きてからもう2週間がたっていた。

 

既に、瓦礫の山となっている道を1人の男は、歩いていた。

 

男「にしても、ここもすっかり変わったな。

はぁ~、悲しいもんだね~ウン?」

 

男はそうぼやいていると、1人の子供が目に入った。

その子供は、お腹を空かしているのか、元気が無かった。

 

男「ほら、握り飯だ食べな。

遠慮すんな。ガキは大人からの施しを、無償で受けるもんだぜ。」

 

男の差し出したおにぎりを、子供は美味しそうに食べていた。

そんな光景を見て、男は嬉しそうに微笑んだ。

 

そして男が、子供の横を通り過ぎようとした時、、子供が男の服の袖を引っ張った。

 

男「ったく何だよ?礼には及ばないぜ。

なんだって、俺が勝手にした事だしな…、って!何泣いてんだよ!」

 

子供「ありがとう…、俺の家族、この前の事故で死んじゃったんだ。

だから、オジサンありがとう。」

 

子供は、明るい笑顔を見せながら、男にお礼を言った。

男は照れくさそうに、そっぽを向いた。

 

男(この前の事故って言えば、多分ゼロリバースだろうな。

まさか、ゼロリバースでこんな孤児が、出来てたとはな…。それに、ゼロリバースが起きたのは、博士だけで無く、俺にも責任があるよな。

だったら…。)

 

男は、決意を固めて子供の肩を掴んだ。

突然の事で、驚いている子供に、男は話した。

 

男「帰る場所が無いなら、俺と一緒に暮らさないか?

1人旅も、少し飽きてきた所だったしな。」

 

子供「言いのオジサン!けど…、いきなりじゃ迷惑になるんじゃ…。」

 

男の事を心配して、下を向いてしまった子供に、男は肩車をした。

 

男「何ガキがいっちょ前に、大人を心配してんだよ。

ガキ1人を養うくらい、訳ねーよ。」

 

子供「本当に!じゃあ、よろしくねオジサン!」

 

男「あぁ、よろしくなガキ。

…それに、俺はまだ23歳だ!オジサンは止めてくれよ。」

 

男は肩車を止めて、ゆっくり道を歩き出した。

そんな男の後を、子供はついて行き、男と手を繋いだ。

 

子供「けど、名前知らないし…、オジサンは何て名前なの?」

 

男「だからオジサンって…、まぁ良いや。

俺の名前か?俺の名前は、サイス。

サイス・アトラスだ。」

 

男「今日から俺はお前の父親だ。

だから、俺の呼び方は、呼び捨てか親父くらいかな?」

 

サイスの提案に、子供は顎に手を当てて考えていた。

そして思い付いたのか、サイスの顔を笑顔で見た。

 

子供「わかった!よろしくねサイス。」

 

サイス「いきなり呼び捨てかよ、全く…。

そう言えば、お前の名前は何だ?」

 

子供「わかんない…、何故か覚えてないんだ。」

 

すると、サイスはポケットからペンダントを取り出し、そこに入っている写真を見た。

 

そして、そのペンダントを子供に手渡した。

 

サイス「そうか…、だったら今日からお前の名前は、ジャック・アトラスだ。

良い名前だろ?大事にしろよな。」

 

ジャック「うん!ありがとうサイス、これからもよろしくね。」

 

2人は笑いながら、終わりのない旅へと進んでいった。




いかがだったでしょうか。
ジャックとサイスの出会いですが、まだサイスには、謎がありますね。

ゼロリバースに、どの様に関係しているのか。
ペンダントの写真は、誰なのか。

これらが、わかる日が来ることを願っています。


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95話

今回は、何と豪華2本立てです!

いや~私、頑張ってみました。
では、どうぞ!


~~~真ん中の道~~~

 

ジャックとサイスのデュエルが始まった位の時、赤いDホイールに乗った遊星は、暗いくて長い道を走っていた。

 

遊星は、真ん中の扉に入るときに、ルチアーノから貰ったシンクロモンスターを、見ながら色々な事を考えていた。

 

遊星(このカードからは、何か力を感じる。

けれど、正義なのか悪なのかは、何故か感じ取れない。)

 

すると、目の前に明かりが見えた。

遊星は、そのカードをしまって、気を引き締めながら、その明かりのする部屋へと入っていった。

 

すると、中には大きなデュエルサーキットがあった。

 

遊星「治安維持局の中に、こんな大きなサーキットが作られてたなんて…。」

 

遊星が驚いていると、既にサーキットを走っていた、紫色のDホイールが遊星の前に止まった。

 

遊星「まさか、お前がゴドウィンの言っていた、カギを守るデュエリストか。」

 

遊星が聞くと、そのDホイールに乗っている男は、ヘルメットを脱いで遊星の方を見た。

 

そして、ニヤリと笑うと、Dホイールから降りて、遊星の前に立った。

 

「お前が、ゴドウィン様の言っていた、シグナー達のリーダーか。

思ってたより、貧弱そうだな。」

 

男は、遊星を小バカにして、大声で笑い出した。

 

「自己紹介が遅れたな。

俺の名前は、黄泉倫太郎だ、よろしくシグナーのリーダーよ。」

 

黄泉は、遊星に握手を求めたが、遊星はそれを断った。

 

遊星「それより、カギはお前が持っているのか。

持っているのなら、早く渡すんだ。」

 

遊星は、黄泉の胸ぐらを掴んでそう捲し立てた。

 

すると、黄泉は舌打ちをして、遊星の顔面を殴り付けた。

 

黄泉「ったく、胸くそ悪いぜ。

ひとつ聞いておく、何故そんなにカギが欲しいんだ?

あの哀れなクソガキを助けるためか?」

 

遊星「そんなもの、龍亞を助け出すために決まっているだろ。

龍亞は、俺達の仲間なんだ。」

 

そんな遊星の答えに、黄泉は嬉しそうに高笑いをした。

 

遊星「何がそんなに、面白いんだ!」

 

黄泉「だってよ、クズの偽善者が答える正解と、まさしく同じ答えを出すからよ。

全く、何が龍亞を助け出すだ?龍亞は、俺達の仲間だ?」

 

黄泉「やっぱり、ゴドウィン様が仰った通り、お前達はクズの集まりだな。」

 

遊星「どう言うことだ!俺達の何が、そんなにも言われなければいけないんだ。」

 

すると黄泉は、Dホイールに跨がり、そのまま発進した。

遊星も、そんな黄泉の後を、自分のDホイールで追いかけていった。

 

黄泉「そんなに知りたければ、教えてやろう。

お前は、あのガキの為に来たんじゃない。自分の為に来たんだよ。」

 

黄泉の言葉に、遊星は意味がわからなかった。

 

黄泉「フッ、お前は、あいつの事を本当に心配してないんだよ。

昔から傷つき、苦しんでいる、そして1度は、自分達と敵対した。

そんなカギを、助け出す自分に酔いしれているんだよ!」

 

何故かこの時、遊星は黄泉の言葉をすぐに、否定出来なかった…。




何か、黄泉のキャラって、原作のダークシグナーの、鬼柳みたいですね。

黄泉の最後の指摘に、遊星が何を思っているのか、知りたいですね。


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96話

黄泉「まぁ、何でも良いや…。

お前を倒せ!…と、ゴドウィン様に言われているからな。」

 

黄泉「さぁ偽善者よ。お前はカギを、俺はゴドウィン様の為に、デュエルしようじゃないか!」

 

黄泉「ライディングデュエル・アクセラレーション!!」

 

~~~黄泉1ターン目~~~

黄泉「まずは俺のターンだ、ドロー。

俺は手札から、永続魔法《六道輪廻》を発動。」

 

黄泉「その効果により、自分のスタンバイフェイズ時に、デッキから《六道》と名のつく魔法・罠カードを1枚、手札に加える。」

 

黄泉「俺は《黄泉の渡舟》を守備表示で召喚する。

俺はこれで、ターンを終了するぜ。

さぁて、お前のデュエルを見せてくれよ。」

 

レベル3 アンデット族

 

攻撃力 0 守備力 0

 

~~~遊星1ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。俺はスピードスペル《エンジェル・バトン》を発動。

デッキからカードを2枚ドローし、手札を1枚墓地に送る。」

 

遊星「さらに、手札から《ジャンク・シンクロン》を攻撃表示で召喚。

効果で、墓地から《ドッペル・ウォリアー》を守備表示で特殊召喚する。」

 

遊星「レベル2《ドッペル・ウォリアー》に、レベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし星が新たな力を呼び起こす。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!いでよ《ジャンク・ウォリアー》」

 

遊星「シンクロ召喚に使用された《ドッペル・ウォリアー》の効果で《ドッペル・トークン》を2体、攻撃表示で特殊召喚する。」

 

遊星「《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力は今、3100だ!

《ジャンク・ウォリアー》で《黄泉の渡舟》に攻撃!『スクラップ・フィスト』」

 

黄泉「《黄泉の渡舟》が戦闘で破壊された時、デッキから《黄泉の~》の名のついたモンスターを、1枚墓地に送る。」

 

黄泉「俺は《黄泉の防人》を墓地に送る。」

 

遊星「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~黄泉2ターン目~~~

黄泉「俺のターンドロー。永続魔法《六道輪廻》の効果を発動。

その効果により《六道・畜生道》を手札に加える。」

 

黄泉「そして魔法カード《六道・畜生道》を発動。

墓地のモンスター1体、特殊召喚する。

現れろ《黄泉の防人》」

 

レベル5 アンデット族 チューナー

 

攻撃力 0 守備力 0

 

黄泉「さらに《黄泉の契約者》を攻撃表示で召喚する。」

 

レベル3 アンデット族

 

攻撃力 0 守備力 0

 

黄泉「俺はレベル3《黄泉の契約者》に、レベル5《黄泉の防人》をチューニング!」

 

黄泉「永遠なる地獄を守護する獣よ。

今こそ我に従い、黄泉への架け橋に!

シンクロ召喚!地獄の門番《黄泉の獣・ケルベロス》」

 

レベル8 アンデット族

 

攻撃力0 守備力 0




黄泉のデッキ、面白いですね。
攻撃力と守備力0って、原作の紅蓮の悪魔の使いみたいですね。

それに、六道輪廻を題材にしています。
まだまだ、奥が深そうですね。


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97話

遊星「これがお前のシンクロモンスターなのか…。」

 

黄泉「そうさ。俺は装備魔法《六道・修羅道》を《黄泉の獣・ケルベロス》に装備する。

装備モンスターが、相手モンスターに破壊された時、そのモンスターを破壊する。」

 

黄泉「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

黄泉「さぁ、攻撃してこいよ。一緒に黄泉の国へ旅しようぜ。」

 

~~~遊星2ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。俺は魔法カード《死者甦生》を発動。

墓地から《ジャンク・シンクロン》を特殊召喚する。」

 

遊星「俺はレベル5《ジャンク・ウォリアー》に、レベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし願いが新たに輝く星となる。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!飛翔せよ《スターダスト・ドラゴン》」

 

黄泉「来たか!お前の力の象徴が!フフッ、フハハハ!

最高だね、全く!これでこそ、倒しがいがあるもんだ。」

 

遊星「うるさい!《スターダスト・ドラゴン》で《黄泉の獣・ケルベロス》に攻撃!

『シューティング・ソニック』」

 

黄泉「《黄泉の獣・ケルベロス》が破壊される時、ダメージを無効に出来る。

さらに、装備魔法《六道・修羅道》の効果を発動。」

 

遊星「この瞬間《スターダスト・ドラゴン》の効果発動。

このカードをリリースすることで、破壊効果を無効にする。

そして、このターンのエンドフェイズに、フィールドに特殊召喚する。」

 

遊星「俺はこれで、ターンエンドだ。」

 

黄泉「フフッ、フッフフッ、フハハハハ~!

あ~可笑しいねホント。まさに俺が話した通りじゃね~かよ。」

 

遊星「何を言っているんだ!お前の話した通りとは、どう言う意味なんだ。」

 

黄泉「じきにこのデュエルで、証明してやるよ。それじゃあ、デュエル再開だ!」

 

~~~黄泉3ターン目~~~

黄泉「俺のターンドロー。永続魔法《六道輪廻》の効果発動。デッキから、カードを手札に加える。」

 

黄泉「着々と、準備が進んで俺は、嬉しいよ。

伏せカード《六道・地獄道》を発動。

相手モンスター1体を選択する。そのモンスターは、このデュエル中、攻撃宣言出来ない!」

 

遊星「そ、そんなバカな!そんな強力な効果があるなんて。」

 

黄泉「だから地獄なんだよ!さらに手札から《六道・餓鬼道》を発動。

自分フィールドに《餓鬼トークン》2体を特殊召喚する。」

 

黄泉「2体のトークンを生け贄に《黄泉の狩人》を攻撃表示で召喚する。」

 

レベル7 アンデット族

 

攻撃力 0 守備力 0

 

黄泉「《黄泉の狩人》の効果発動。

墓地の《黄泉の》と名のつくモンスター1体につき、相手に400Pのダメージを与える。

俺の墓地には4体存在する。よって、1600Pのダメージだ!」

 

黄泉LP 4000 遊星LP 2400

 

黄泉「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」




思ったのですが、この小説でスターダストを召喚する時、ほとんど《ジャンク・シンクロン》使ってますね…。(マンネリとか言わないで。)

そう言えば、ディヴァインは今、何をしているんでしょうかね。


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98話

~~~遊星3ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。」

 

黄泉「この瞬間、伏せカード《六道・天道》を発動。

お互いの手札を全て墓地に送り、デッキからカードを2枚、ドローする。」

 

黄泉「これで、俺達のデュエルは佳境を迎える!さぁ偽善者よ、最後まで世迷い言を唱えていろ。」

 

遊星「クッ!だが、準備が整ったのはこっちもだ。伏せカード《エンジェル・リフト》を発動。

墓地から《ロードランナー》を特殊召喚。」

 

遊星「そして《エフェクト・ヴェーラー》を攻撃表示で召喚する。

俺はレベル1《ロードランナー》に、レベル1《エフェクト・ヴェーラー》をチューニング!」

 

遊星「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー

《フォーミュラー・シンクロン》」

 

遊星「《フォーミュラー・シンクロン》の効果で、デッキからカードを1枚、ドローする。」

 

そして遊星は、ルチアーノから貰ったカードについて、考えていた。

 

正体はわからない。だが、今の自分の新たな力になる、それだけは何故かわかっていた。

 

遊星「今こそ!進化する時だ!

俺はレベル8《スターダスト・ドラゴン》に、レベル2《フォーミュラー・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。

光さす道となれ!アクセルシンクロ!

生来せよ《シューティング・スター・ドラゴン》」

 

2人の前に、神々しい光に包まれた白いドラゴンが、現れた。

遊星は、このドラゴンの召喚に喜んでいたが、黄泉は軽蔑の眼差しで見ていた。

 

黄泉「それが、お前の力の行き着いた結果か…。

惨めだな、誰からそのカードを貰ったか知らないが、そいつの意図が良くわかったぜ。」

 

遊星「どう言うことだ!お前に何がわかると言うんだ。」

 

黄泉「すぐに教えてやるよ。墓地に存在する《黄泉の地縛霊》の効果発動。

フィールドの《黄泉の》と名のつくモンスターを破壊することで、相手のバトルフェイズをスキップする。」

 

遊星「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~黄泉4ターン目~~~

黄泉「俺のターンドロー。永続魔法《六道輪廻》の効果で、カードを手札に加える。

手札から魔法カード《六道・人間道》を発動。

ライフを1000P払うことで、次のターンに自分フィールドのモンスターの攻撃力を、1500PUPさせる。」

 

黄泉「これで…これで、全てが揃った!

墓地に《六道》と名のつくカードが6種類ある時、フィールドの《六道輪廻》を破壊することで、あるモンスターを特殊召喚出来る!」

 

黄泉「愛を信じ、愛に捨てられた女神よ!

醜き姿になりて、永久の苦しみを!

現れろ!《悲運な女神・黄泉津大神》」

 

レベル12 アンデット族

 

攻撃力 3500 守備力 3500




黄泉の切り札の登場です。
六道は仏教なのに、黄泉津大神は日本神話ですね…。

直接な関係はありませんが、どちらも死後の世界の事ですので、使わせてみました。


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99話

黄泉「醜いだろ?汚ならしいだろ?だがな、こんな姿になったのもお前たちのような、エゴのせいなんだよ。」

 

遊星「ど、どう言うことなんだ…、俺達のエゴとは…。」

 

黄泉「日本神話を知らないのか?日本を創造した神、イザナミとイザナギ。

2人は仲の良い夫婦であり、兄妹だった。

だが、イザナミは訳あって黄泉の国に行ってしまった。」

 

黄泉「当然、イザナギは助けに行ったさ。

自分の大切な妻の為にな…。だが、イザナギは失敗してしまい、醜くなったイザナミを見たのさ。

するとイザナギは、イザナミを黄泉の国に閉じ込めた。なぜだと思う?」

 

遊星「それは…、黄泉の国の神になったイザナミを、外に出さないためじゃ…。」

 

黄泉「それがエゴなんだよ!理由は簡単さ、自分の為だよ!

イザナギは、美しいイザナミを助け出す、そんな自分を想定してたんだ。

だが、イザナミは既にバケモノになっていた。

だから閉じ込めたのさ!」

 

黄泉「これが、お前の想いなんだよ。

《悲運な女神・黄泉津大神》の効果発動。

墓地の《六道》と名のつくカードの数×400P、つまり2800Pのダメージを与える。」

 

黄泉「さぁ苦しめ、泣き叫べ!

それが、お前にふさわしい!」

 

遊星「クッ!伏せカード《ハーフダメージ》を発動。効果ダメージを半分にする。」

 

黄泉LP 3000 遊星LP 1000

 

黄泉「ならば《悲運な女神・黄泉津大神》で《ドッペル・トークン》に攻撃!

『黄泉への誘い』」

 

遊星「《シューティング・スター・ドラゴン》の効果発動。

このカードを除外する事で、相手の攻撃を無効にする。」

 

黄泉「なるほど…だが、ただでは終わらん!

相手モンスターが効果を発動した時《悲運な女神・黄泉津大神》の効果で400Pのダメージを与える。

俺はこれで、ターンエンドだ。」

 

黄泉LP 3000 遊星LP 600

 

~~~遊星4ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー!

来た!これが逆転の希望だ!」

 

遊星「手札から魔法カード《ファイブ・セメタリー・フォース》を発動。

自分の墓地のモンスターが、5種類以上の種族がある時、フィールドのモンスターの攻撃力を2500PUPさせる!」

 

黄泉「な、何!そんな滅茶苦茶な効果だと!

だが《悲運な女神・黄泉津大神》は戦闘では破壊さないぞ。」

 

遊星「そんなこと関係無い!《シューティング・スター・ドラゴン》が攻撃する時、デッキの上のカードを5枚、確認する。

その中の、チューナーの数だけ攻撃出来る!」

 

遊星「1枚目《調律》、2枚目《ターボ・シンクロン》、3枚目《集いし願い》、4枚目《クイック・シンクロン》、5枚目《ニトロ・シンクロン》、よって3回の攻撃が可能になった!」

 

黄泉「そんな、こんな所で俺が負けるなんて…クッ!ゴドウィン様に栄光あれ!」

 

遊星「《シューティング・スター・ドラゴン》の攻撃!『スターダスト・ミラージュ』」

 

黄泉LP 0 遊星LP 200

 

~~~デュエル終了~~~




黄泉と遊星のデュエル終了です。
最後に遊星のライフが、減っているのは《悲運な女神・黄泉津大神》の効果です。

一応、イザナミが黄泉津大神になり、イザナギに閉じ込められた話を、簡単に書きました。

本当は、もっと詳しく書きたいのですが、長くなるので止めました。


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100話

~~~長官室~~~

 

カード「偽善者カ、オ前ガ言ワセタノカ、ゴドウィン。」

 

遊星と黄泉のデュエルを見ながら、カードがゴドウィンに問いかけていた。

 

その声には、少しだが喜びが感じられた。

 

するとゴドウィンは、真ん中のモニターの電源を落として、カードの方に体を向けた。

 

ゴドウィン「その通りで御座います。心の痛みが、貴方をより完全な復活へと導くのなら、当然の行いです。」

 

カード「ソウカ、ソレハ嬉シイガ、黄泉ト言ウ男ハオ前ノコトヲ、崇拝シテタノニ見捨テルノカ?」

 

と、カードが聞くとゴドウィンは静かに笑いだした。

 

ゴドウィン「心にもない事を。

それに、あいつはただの捨て駒なのです。こうすることで、2人分の痛みが手に入ります。」

 

そう言ったゴドウィンとカードは、意識を取り戻しかけている龍亞に、気がつかなかった。

 

龍亞「ル…イズ、ルチ…アーノ、来ちゃダ…メだ…。」

 

だが、龍亞の言葉は誰にも届かなかった。

 

~~~真ん中の扉の中~~~

 

遊星「黄泉、このデュエルは俺の勝ちだ!

さぁカギを渡してくれ。」

 

遊星は、最後の攻撃で飛ばされた、黄泉の所に駆け寄った。

 

そして、黄泉を無理矢理起こして、カギを要求した。

 

遊星「約束だろ、早くカギを渡すんだ。」

 

急いでいる遊星を見て、黄泉は楽しそうに笑いだした。

 

黄泉「そうだ…、そうだよ!こう言うことなんだよ!

自分の欲望の為なら、例え相手が倒れてようが、関係無い。それが、お前達の正体なんだよ!」

 

黄泉はそう言うと、ポケットからカギを出して、遊星に渡した。

 

遊星「違う!そんなことは無い!

俺達は、正しい正義の為に戦っているんだ。

これは、しょうがない事なんだ。」

 

遊星は、黄泉の言葉を否定するかのように、首を振りながら、言葉を発した。

 

黄泉「正義の為だと…、面白いこと言ってくれるね!

正義の為なら、相手を叩きのめしても良いんだな。

自分の欲望の為に、あのガキを傷つけても良いんだな。」

 

黄泉「随分とまた、自分勝手で残酷な正義だな。これだからお前は、偽善者なんだよ。」

 

黄泉の発言を聞いた遊星は、怒りを感じてそのまま黄泉を床に倒して、逃げるように自分のDホイールに向かっていった。

 

そして、Dホイールに跨がろうとした時、また黄泉が大声で笑い始めた。

 

黄泉「そんなに怒って、もしかして図星だったのか?なら謝るぜ。

だがな、お前が手にした新たな力、いずれあのガキを苦しめ、傷つけるただの兵器になるだろうな!」

 

黄泉「まぁ、今回が最後の仲間ごっこだ。

せいぜい、楽しめよ!」

 

遊星は、黄泉を睨み付けてそのまま、Dホイールを走られていった。




なんだか、遊星が凄い悪者みたいになって来てますね…。

こうなるなんて、予想していませんでした。


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101話

~~~左の扉~~~

 

ルイズ「ルチアーノ、お前に聞きたいことがある。

あの時、あいつに渡したカードは何の意味がある。」

 

ルイズは、ルチアーノに向かって質問をした。

 

ルチアーノは、何の事だかわからない、と言う様な顔をしていた。

 

ルイズ「惚けても無駄だよ。お前は隠れて渡してたつもりだったけど、ボクにはお見通しなんだよ。」

 

ルチアーノ「やっぱり、君はただ者じゃ無さそうだね。

わかった、教えるよ。」

 

ルチアーノ「あのカードは、あいつの心を調べる天秤なんだよ。

今回の戦い、龍亞の為ならあのカードは使えない。

だが自分の欲望の為ならば、あのカードを使えてしまうんだ…。

君達はどっちだと思う?」

 

ルチアーノは気まずそうに、2人に問いかけた。

鬼柳は、答えに困っており、なかなか答えようとはしなかった。

 

だが、ルイズは違った。

迷うことなく、そして軽蔑の眼差しをしていた。

 

ルイズ「そんな事、決まってるだろ?

あいつは、龍亞の事なんか気にも止めてないんだ!

龍亞を守れるのは、ボクとお前、そして元ダークシグナーのみんなだけだよ。」

 

鬼柳「ならばルイズ様、治安維持局の条件とは言え、どうしてあの2人とご協力なんかを…?」

 

ルイズ「ボクも本当なら、あんな連中とは死んでも組みたくないよ。

けどね、ボクにとって最も大切な事は、龍亞と共に生きることなんだ。

その為なら、我慢出来るよ。」

 

ルイズの怒りのこもった言葉に、鬼柳は言葉を失っていた。

 

それと同時に、わかりきった質問をした自分の浅はかさを、実感していた。

 

鬼柳「すみませんルイズ様。

この鬼柳、口が過ぎました。この処分は、何なりと申し付け下さい!」

 

そんな2人のやり取りを、静かに見ていたルチアーノが、何かを思い出したのか突然、声をあげた。

 

鬼柳「どうしましたルチアーノ様、気分が優れないのですか…。」

 

ルチアーノ「違うよ、ルイズにこのカードを渡すのを、すっかり忘れていたよ。

ほら、本来なら龍亞にも渡すけど、最初に君にあげる。」

 

そう言って2枚のカードを取り出し、ルイズに手渡した。

 

ルイズは、そのカードの使い方を即座に理解し、このカードに秘められた、龍亞を守ると言う使命を、改めて実感していた。

 

ルイズ「確かに、このカードはボクと龍亞が持ってこそ、真の力を発揮するみたいだね。

大丈夫、任せてよ。このカードを貰わなくても、龍亞は必ず守り抜くよ。

それがボクの生きる意味、そして生きる義務なんだ。」

 

すると、3人の前に部屋の明かりが見えてきた。

3人は、自分の守るべき人を取り戻すため、もう1度、気合いを入れていた。




久々に、ルイズとルチアーノの登場です。
いや~長かった!

そしていつの間にか、鬼柳は執事の様になっていますね。
けっこう似合いそうですけどね。


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102話

3人が、その部屋の中に入ると、紳士服をきた1人の長身の男が立っていた。

 

鬼柳「ルイズ様、ルチアーノ様、どうやらあいつがカギを守る、使者の様です。」

 

「初めまして。私の名前は、西條永月(えいげつ)と申します。

以後、お見知り置きを。」

 

永月は、にっこりと笑いながら、ペコリと腰を曲げた。

 

だが、その作った笑顔をルイズとルチアーノは、信用できないでいた。

 

ルイズ「鬼柳、遠慮はいらないよ。龍亞を傷つけるクズの仲間だ。

徹底的に、痛め付けてやれ!」

 

鬼柳「承知しました。

おい、そこのすかした野郎!ご託は抜きだ。

今すぐ、俺とデュエルしろ!」

 

鬼柳は、デュエルディスクを自分の腕に装着し、ゆっくりと永月の方へと歩みを進めた。

 

永月「落ち着いて下さい。

私はゴドウィン様の執事をしております。

そのゴドウィン様から、貴方達にメッセージがあるそうです。」

 

そう言うと、永月は後ろにあったモニターの電源を入れた。

 

そこには、憎きゴドウィンと龍亞が、写し出されていた。

 

永月「ゴドウィン様、用意が出来ました。」

 

ゴドウィン「そうか。 お久し振りですねルイズさん、鬼柳さん、貴方達のお目当ての少年は、すっかり弱りきっていますよ?

速く治療しないと、大変な事になりますね。」

 

ゴドウィンは茶化す様に、ルイズ達を小バカにした。

 

ルイズ「調子に乗るなよクズが。

お前みたいな小物が、龍亞に触れる事すらおこがましい。

ボクを甘く見ない方が良いよ。ボクにとって、龍亞の幸せを脅かす者の命なんて、無いに等しい事だよ。」

 

ルイズの怒りと憎しみ、そして殺意のこもった言葉に、ゴドウィンは少し恐怖を感じていた。

 

そして、これこそがカードが求めている、心の痛みだとわかり、喜びを隠せないでいた。

 

ゴドウィン「それにしてもルチアーノ、貴方にはガッカリしましたよ。

私達治安維持局と、貴方達イリアステルは仲間だと、思っていたのですが…。」

 

ルチアーノ「バカにするなよ!ボクも龍亞を守るために、ここにいるんだ!

それに、ボク達イリアステルにとって、龍亞は希望にして、全てを犠牲にしてでも守るべき人間なんだ!」

 

ゴドウィン「それは残念ですね。ならば永月、貴方の実力でこの者達に心からの絶望を、与えてあげなさい。」

 

そう言うと、モニターは切れてしまった。

 

永月「ゴドウィン様の仰った通り、私は貴方達と戦わなければなりません。

3人まとめて相手をしましょう。 さぁ、かかってきなさい。」

 

鬼柳「何バカな事を言ってるんだ?わざわざ、ルイズ様のお手を煩わせる必要も無い。

相手は俺1人で充分だ。」

 

永月、鬼柳「デュエル!」




始まりましたね、鬼柳のデュエル。

このデュエル、執事vs 執事みたいですね。

そして、イリアステルと龍亞の関係性とは!


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103話

~~~鬼柳1ターン目~~~

ルイズ「鬼柳!あのクズの手下の前で、無様な格好を見せたら、只じゃおかないよ。」

 

鬼柳「わかっております。

俺のターンドロー。俺は《インフェルニティ・ドワーフ》を守備表示で召喚する。

そして永続魔法《虚無の輝き》を発動。

1ターンに1度、手札をデッキに戻し、シャッフルする。」

 

鬼柳「その後、カードを2枚ドローする。

俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

永月「なるほど…、お前らしい初回の戦法だな。」

 

~~~永月1ターン目~~~

永月「私のターンドロー。

私は《ガーティアン・ソルジャー》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 戦士族

 

攻撃力 1400 守備力 500

 

永月「そして魔法カード《軽装の侵略》を発動。

フィールドの戦士族1体の、攻撃力を半分にしてダイレクトアタックが出来る。

喰らえ『リトル・ソード』」

 

永月LP 4000 鬼柳LP 3300

 

鬼柳「やるな、だが俺の方が一枚上手だったな。伏せカード《闇の洗礼》を発動。

自分がダメージを受けた時、デッキからレベル3以下のモンスターを、特殊召喚する。」

 

鬼柳「現れよ《インフェルニティ・ショットガン》」

 

レベル1 悪魔族チューナー

 

攻撃力500 守備力 500

 

永月「やりますね。なら、私はカードを2枚伏せて、ターンエンドです。」

 

ルチアーノ「なんだろう、今ここの空気が重く感じるよ。」

 

ルイズ「そうだね。認めたくないけど、あいつもこのデュエルにかける想いが、強いって事だよ。」

 

~~~鬼柳2ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー。ルイズ様、ルチアーノ様、心配しないで下さい。

相手が誰であれ、この鬼柳、龍亞様の為に負けるわけにはいきません!」

 

鬼柳「俺はカード。1枚伏せる。

そして、2体のモンスターを生け贄に《インフェルニティ・デス・ブレーダー》を召喚!」

 

レベル8 悪魔族

 

攻撃力 2700 守備力2000

 

鬼柳「《インフェルニティ・デス・ブレーダー》でガーティアン・ソルジャー》に攻撃する。

手札が0枚の時《インフェルニティ・デス・ブレーダー》が与える戦闘ダメージは、倍になる。

喰らえ!『ブレード・カタストロフ』」

 

永月「どうやら今回は私が、上手の様だな。

伏せカード《前線撤退》を発動。

フィールドの戦士族1体を、手札に戻す。」

 

鬼柳「フッ、破壊は免れるがダイレクトアタックになるだけだぞ。」

 

永月「言っただろ?私の方が上手だと。

もう1枚の伏せカード《起爆地雷・バニシング・ボム》を発動。

自分のフィールドにモンスターがいない時、相手の攻撃を無効にし、相手は自分フィールドのモンスターを破壊するか、そのモンスターの攻撃分のダメージを受ける。」

 

鬼柳「クッ!だったら破壊を選択する。

ターンエンドだ。」

 

 

 

 




更新遅れてすみません!

永月のデッキを考えていました。

なかなか、ハイレベルな攻防ですね。


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104話

~~~永月2ターン目~~~

永月「私のターンドロー。私は手札から魔法カード《増援》を発動。

デッキから、戦士族1体を手札に加える。」

 

永月「そして《切り込み隊長》を攻撃表示で召喚。

《切り込み隊長》の効果で、手札からレベル4以下の戦士族1体を特殊召喚する。

現れろ《ツインブレード・ムサシ》」

 

レベル4 戦士族チューナー

 

攻撃力1600 守備力 800

 

永月「さらに手札から《後衛支援》を発動。

手札から戦士族1体を特殊召喚出来る。

その代わり、このターン、バトルフェイズは行えず、、特殊召喚したモンスターは、エンドフェイズに墓地に送る。

来い!《刀狩りの武者・弁慶》」

 

レベル5 戦士族

 

攻撃力2000 守備力2200

 

永月「私はレベル3《切り込み隊長》と、レベル5《刀狩りの武者・弁慶》に、レベル4《ツインブレード・ムサシ》をチューニング!」

 

永月「歴史に名を残す伝説の騎士よ、時を越えて今、我が主の力となれ!

シンクロ召喚!これが正義の剣だ!《レジェンドナイト・アーサー》」

 

レベル12 戦士族

 

攻撃力 4000 守備力 3800

 

鬼柳「レ、レベル12のシンクロモンスターだと!クッ!悔しいが、お前の方が上手みたいだな。」

 

永月「《後衛支援》の効果で、私はバトル出来ない。だが《レジェンドナイト・アーサー》の効果発動。

1ターンに1度、墓地の戦士族1体を手札に戻し、相手に1500Pのダメージを与える!」

 

鬼柳「1500Pのダメージだと!ふざけた効果だぜ。」

 

永月LP 4000 鬼柳LP 1800

 

永月「私はこれで、ターンを終了する。」

 

~~~鬼柳3ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー。俺は魔法カード《虚無の守護壁》を発動。

デッキの上からカードを3枚まで、墓地に送る。

そして、墓地に送った枚数だけ、相手のバトルフェイズをスキップする。」

 

鬼柳「俺は3枚を墓地に送る。

よつて、お前のバトルフェイズを3ターン、スキップする。」

 

永月「確かに、手札が0枚、フィールドには伏せカード1枚のお前には、うってつけのカードだな。

だが、私の《レジェンドナイト・アーサー》は、攻撃せずともお前に、ダメージを与えれるぞ?」

 

鬼柳「わかってる…、だがこれ以上、俺に出来る事は無いんだ。

俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

永月「所詮は、お前もこの程度だった訳だな。

やはり、最後に笑うのはゴドウィン様の様だな。」

 

~~~永月3ターン目~~~

永月「私のターンドロー。さぁ死へのカウントダウンだ!

《レジェンドナイト・アーサー》の効果発動。

さぁ、1500Pのダメージを受けてもらおう!」

 

鬼柳「グァァ~!!」

 

永月「フハハハハ!惨めだな!

主人が弱ければ、それに仕える者も弱いものだな。

全く、力が無いとは罪なことだな。

私はターンエンドだ。

さぁ、お前のラストターンだ。せいぜい、悪あがきはしてくれよ?」




いきなり鬼柳大ピンチです!
ヤバイですね。

最後で永月のキャラが、変わりましたね。
と言うより、確立されましたね。

相手を見下し、力を行使する。
なんだが、龍亞を苦しめる人間は、基本的に同じような感じですね。


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105話

~~~鬼柳4ターン目~~~

永月「さぁ、ドローするんだな鬼柳京介。

それとも、ご主人を見捨てて敗北か?」

 

ルチアーノ「駄目だよルイズ。この絶望的な状況に、多分だけど鬼柳は諦めかけてるよ。」

 

ルイズ「確かにな…。

ふざけやがって!」

 

ルイズはそう言うと、俯いている鬼柳のもとまで走っていって、胸ぐらを掴んだ。

 

そして鬼柳の顔をひっぱたき、涙目になっていた。

 

ルイズ「このマヌケ!クズ!アホ!

何を諦めてるんだよ!お前は龍亞を救うために、戦ってるんじゃなかったのかよ!

それなのに…それなのに、負けもしてないのにふざけるな!」

 

ルイズはそのまま、泣きながらもう1度鬼柳を叩いた。

そんなルイズの魂からの叫びに、鬼柳は自分のなすべき事を思い出していた。

 

鬼柳「そうだ…、俺は龍亞様のお力になるために、もう1度ここに戻って来たんだ…。

なのに、まだ龍亞様の為に何もなし得てないのに、下なんか向いてられないんだ!」

 

鬼柳「俺は、龍亞様にお仕えする最強の男だ!

まだ、終わって無いぞ!」

 

永月「何!まだ諦めてないだと!?

だが、この状況は奇跡でも起きなければ変えられん。」

 

鬼柳「ルイズ様、誠にすみませんでした。

この鬼柳、一生の不覚です。」

 

ルイズ「まぁ良いよ。

その代わり、必ず勝つんだよ。」

 

ルイズはそう言って、もといた場所に、帰っていった。

 

鬼柳「永月よ、お前はさっき、奇跡でも起きなければと言ったな。

なら見せてやるよ。これが龍亞様への忠誠心による奇跡だ!

俺のターンドロー!」

 

鬼柳はドローしたカードを見て、ニヤリと笑った。

 

鬼柳「どうやら奇跡は起きたみたいだな。

手札が0枚の時《インフェルニティ・デーモン》をドローした時、特殊召喚出来る。

来い!《インフェルニティ・デーモン》」

 

鬼柳「さらに《インフェルニティ・デーモン》が特殊召喚された時、デッキから《インフェルニティ》と名のつくカードを、手札に加える。

そして手札から永続魔法《インフェルニティガン》を発動。

このカードを墓地に送る事で《インフェルニティ》と名のつくモンスター2体を、特殊召喚する。」

 

鬼柳「現れろ《インフェルニティ・ナイト》、《インフェルニティ・ネクロマンサー》

さらに《インフェルニティ・ネクロマンサー》の効果発動。

手札が0枚の時、墓地から《インフェルニティ》と名のつくモンスターを特殊召喚する。」

 

鬼柳「《インフェルニティ・ビートル》を特殊召喚!

俺はレベル4の《インフェルニティ・デーモン》と、レベル3《インフェルニティ・ネクロマンサー》と、レベル3《インフェルニティ・ナイト》に、レベル2《インフェルニティ・ビートル》をチューニング!」

 

鬼柳「虚無より生まれし儚き絶望の力よ!

暗黒を纏いて、我に従え!

シンクロ召喚!これが龍亞様に捧げる最凶の力だ。現れよ《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》」

 

レベル12 ドラゴン族

 

攻撃力 4000 守備力 4000




鬼柳の最強のモンスターの登場です!
何か、1ターンで凄く特殊召喚をしましたが、実際のデュエルでも《インフェルニティ》のデッキは、こんな感じだと思います。

ルイズの激に、目をさます鬼柳。
やっぱり、龍亞側の友情や絆は、見ていて感動しますね。


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106話

鬼柳「《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》の効果発動。

1ターンに1度、墓地のカードを任意の数デッキに戻す。

そして、戻した枚数だけフィールドのカードを破壊または、除外する!」

 

鬼柳「今、お前のフィールドには《レジェンドナイト・アーサー》しか、存在しない。

よって俺は墓地から1枚、カードを戻し《レジェンドナイト・アーサー》を破壊する!」

 

永月「そ、そんな強力な効果を持つモンスターが、存在するなんて!

だが、私のモンスターはただでは死なん!

《レジェンドナイト・アーサー》が破壊された時、相手モンスターを道ずれにする!」

 

永月「フハハハハ、ハハハハハ!惜しかったな。」

 

鬼柳「ただで死なないのは、こっちもだぜ。

《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》が破壊された時、相手ライフを半分にする。」

 

永月LP 2000 鬼柳LP 300

 

永月「クッ!最後の最後まで、油断出来ない男だな…。

だがこのデュエル、私の勝ちだ!

私の手札には、バトルフェイズ中の罠カードの発動を無効にする《古株の戦略武士》がいる。

手札0枚のお前には、勝ち目はない!」

 

永月は、勝ちを確信して高らかに笑いだした。

ルチアーノとルイズも、すでに希望を失っていた。

 

だが、そんな状況でも鬼柳は笑っていたのだ。

 

永月「貴様!何が可笑しいのだ!

お前の負けは、すでに決まっているのだぞ!」

 

鬼柳「言っただろ?俺は龍亞様にお仕えする最強の男だと!

永続罠《主君への忠誠心・ラストスピリット》を発動!

このターンに効果で破壊された、自分のシンクロモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!

復活しろ!《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》」

 

永月「嘘だ、ありえない!

悪魔だ、悪魔でなければこんなデュエルは行えない!

ゴドウィン様こそ、この世界の新たな支配者なのだ!」

 

鬼柳「悪魔か…、確かにな。

このモンスターは、今の俺の力の全てだ。

そして、龍亞様を幸せにするために、邪魔な者を消し去る最凶のモンスターだ!」

 

鬼柳「さぁ《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》よ!

邪魔する者をを焼きつくし、全てを無へと返すがいい!

これで終わりだ!喰らえ!『エターナル・ヴァニティ・フレア』」

 

永月「止めろ、止めてくれ!

ギャァァァ~!!」

 

永月LP 0 鬼柳LP 300

 

~~~デュエル終了~~~

 

鬼柳「さて、このデュエルは俺の勝ちだ。

さっさとカギを渡せ……、って、気を失ってやがる。

全く、主人がひ弱だと、それに仕える者もひ弱だな。」

 

鬼柳はそう悪態を吐き、永月のズボンから最後のカギを探して、手に入れた。

 

鬼柳「ルイズ様、ルチアーノ様、ご心配をかけました。

ですがこの鬼柳、龍亞様の為に勝利できました。」

 

ルチアーノ「良かった~、最後はどうなるかと思ったよ。」

 

ルイズ「全くだね、けど勝てたなら良いよ。

さぁ!速い所、龍亞の所に向かおう!」

 

3人は、Dホイールに乗り込んで、長官室に続く道を走り出した。




見事に鬼柳の、大逆転勝利です!
やりました!これでいよいよ、残るは最終決戦のみです。

先に報告しますが、ルチアーノはまだデュエルはしません。
ご了承下さい。


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107話

~~~長官室前~~~

 

遊星「オッ、鬼柳!遅かったな。」

 

すでに、遊星とジャックは長官室の前に揃っていた。

そして、鬼柳を見つけると遊星は大きく手を振った。

 

鬼柳「これで、カギが全て揃ったな。

お前ら、良くやったな!」

 

鬼柳は、2人の事を労り、硬く手を交わしあった。

だが、和やかな雰囲気の中で、ルイズは遊星の事を軽蔑の眼差しで睨んでいた。

 

遊星はそれに気づかず、まだ鬼柳と会話を続けていた。

そんな呑気な態度も、ルイズは気に入らなかった。

 

ルイズ「鬼柳、そんな茶番劇はしなくていいよ。

それより、早く扉を開けて龍亞を救い出すよ!」

 

ルイズはそう言い、目の前の扉を自分で開けて、中へと入っていった。

 

鬼柳「ルイズ様、お待ちください!

お前ら、速く行くぞ!」

 

鬼柳の言葉で、ルイズの後を追って、中へと入っていった。

 

~~~長官室内~~~

 

ゴドウィン「これはこれは…、お待ちしておりました。

皆様、デュエルお疲れ様です。」

 

中に入っていった、5人に向かって労いの言葉と絵顔をかけた。

 

ルイズ「黙れ…、それより、龍亞は何処だ!

速く、龍亞を解放しろ!」

 

ゴドウィン「そんなに、焦らないで下さい。

心配しなくても、ここにいますよ。」

 

ゴドウィンが指を鳴らすと、局員が鎖を引っ張って、龍亞を引きずりながら連れてきた。

 

龍亞の姿は、先程映像で見たより、ボロボロになっていた。

 

ゴドウィン「全く、ここの局員達はこの少年の扱いが、なってませんね。

まるで、盛りのついた獣のように襲い掛かる。

野蛮なものだな。」

 

ルイズ「お前ら…殺す!

今すぐ殺してやる!」

 

今すぐにでも、ゴドウィン達を殺そうとするルイズを、ルチアーノは何とかして止めた。

 

ルチアーノ「ルイズ、落ち着いて!

まだ、龍亞があいつらのもとにいる以上、ボク達は余計な手が出せないよ。

それに、今ゴドウィンを殺しても、あのカードは消えないんだ。

あのカードは、デュエルで倒さなきゃ消えないんだ。」

 

ルイズは、ルチアーノを押し退けてまでゴドウィンのもとに行こうとした。

 

だが、ルチアーノの怒りで手を握り、爪が手のひらに食い込んで、出血しているのを見て少しだけ、落ち着いた。

 

ゴドウィン「さてお前達、カギを持っているでしょう?

出しなさい。」

 

ゴドウィンがそう言うと、3人はカギをポケットから、取り出した。

 

すると、そのカギは消えてしまい、ゴドウィンの手に渡った。

 

そしてゴドウィンは、そのカギで龍亞の鎖を解放した。

 

ゴドウィン「約束は守りしたよ。

この少年は、ちゃんと返しますよ。しっかりとキャッチしてくださいよ。」

 

ゴドウィンは、龍亞の胸ぐらを掴むと、そのまま持ち上げて、ルイズに向かって投げつけた。

 

ルイズは、飛んできた龍亞を優しくキャッチすると、ゴドウィンを睨みつけた。

 

ゴドウィン「さて私と貴方、最後のデュエルをしましょう!

そんな怖い顔なさらずに、楽しみましょう。」




龍亞の救出成功です。

やはり、ゴドウィンに仕える治安維持局の局員も、救いようがないですね。

ルイズとルチアーノの心中をお察しします。


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108話

ゴドウィンの言葉に、ルイズは立ち上がって受けてたとうとした。

 

だが、誰かがルイズの服を引っ張り、ルイズを引き留めた。

 

龍亞「ルイズ…、ダメだ…よ。

この…デュエル…は、俺が戦…うよ。」

 

ルイズ「龍亞!気がついたんだね!

もう心配しなくても良いんだよ。

ボクが、あいつを地獄におとすから。」

 

龍亞は、無理矢理立ち上がると、ルイズの着けていたデュエルディスクを取り、自分に装着した。

 

ルイズ「何してるの龍亞!

速く休んでいなきゃ…。」

 

龍亞「嫌だ!もう、俺のせいで大切な人達が、傷つくのをみたくないんだ!

それに、これは俺の因縁だ。

俺が決着をつける!」

 

ゴドウィン「あれほど、痛めつけたのに、まだ立ち上がるとは…。

フフッ、誰が相手でも私はかまいません。

この少年の次は、貴方ですよ。」

 

ゴドウィンはそう言うと、デュエルディスクを装着し、透明なケースに入っている、あのカードを取り出してゆっくりと、龍亞に近づいていった。

 

そして、ルイズは何かを決心し、龍亞の横に並んで立った。

 

ルイズ「その必要はないよ。

だって、今から戦うのはボク達だからね!

鬼柳!お前のデュエルディスクを渡せ!」

 

ルイズに頼まれた鬼柳は、自分のデュエルディスクを、ルイズのもとまで届けた。

そして、それをルイズは装着して、歩いてくるゴドウィンの方に、体を向けた。

 

ルイズ「ゴドウィン!ボク達は、タッグで戦いたい。

その代わり、お前に何かしらのハンデは与える。それでどうだ?」

 

ゴドウィンは立ち止まり、ルイズの提案にアゴに手を当てて、考え出した。

 

そして、考えをまとめたのか、ニヤリと笑ってルイズ達を見た。

 

ゴドウィン「よろしい。この2vs1の変則デュエル、この私が認めましょう。

その代わりのハンデは…、ライフ8000と1ターンに2枚のドローで手を打ちましょう。」

 

明らかに、ゴドウィンは自分に凄く有利なハンデを、提案してきた。

だが、ルイズと龍亞はどんなハンデが来ようと、そのハンデを認める気でいたので、あっさり了承した。

 

龍亞「良いよ。それで、俺も戦えるんだったら、認めるよ。

だけど、俺達は絶対に負けないからな!」

 

ルイズ「龍亞の言った通り、ボクも認めるよ。

例え、どれ程ハンデをあげようと、僕と龍亞の愛の前では、全て無に等しいことを、身をもって教えてあげるよ。」

 

そして、ルイズはデュエルをするために、龍亞の横から移動した。

 

すると、地面から出てきた機械に、ルイズの左足首が固定された。

 

ゴドウィン「一応の枷です。貴方が、暴れないようにね。」

 

ルイズ「フフッ、相変わらずムカつく男だね。

さぁ、速く始めようよ。」

 

ゴドウィン、龍亞、ルイズ「デュエル!」




龍亞&ルイズvsゴドウィンの、変則デュエルが幕を開けました。

ダークシグナーの時といい、何だが最終決戦はずっと、2vs 1ですね。(狙ってはいません。たまたまです。)




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109話

~~~ゴドウィン1ターン目~~~

ゴドウィン「今回のデュエルは特別に、ダメージが現実になる闇のデュエルになっています。

最後まで、お楽しみ下さい。」

 

ゴドウィン「私のターンドロー。私はフィールド魔法《神の門前・スピリチュアルフィールド》を発動。

このカードの効果は、私が与える、効果および戦闘ダメージを、どのプレイヤーに与えるかを、選ぶ事ができます。」

 

ゴドウィン「私は永続魔法《破壊の神の神殿》を発動。

私のエンドフェイズに、墓地のモンスターカードを1枚除外し、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを、相手に与える。」

 

ゴドウィン「そして、私は《冥界の巫女》を攻撃表示で召喚。

カードを1枚伏せて、ターンエンドです。」

 

天使族 レベル1 チューナー

 

攻撃力 0 守備力 100

 

ゴドウィン「さぁ、この世界の命運をかけた、デュエルは始まった始まったばかりです。

この私を、楽しませて下さい。」

 

~~~龍亞1ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー。俺は《D・モバホン》を攻撃表示で召喚。

《D・モバホン》の効果発動。サイコロをふり、出た目数だけデッキをめくり、その中からレベル4以下の《D》と名のつくモンスターを、特殊召喚出来る。」

 

龍亞がふったサイコロの目は、5だった。

龍亞は、デッキから5枚確認した。

 

龍亞「俺は《D・ラジカッセン》と《D・リモコン》を特殊召喚!

そして、レベル4《D・ラジカッセン》に、レベル3《D・リモコン》をチューニング!」

 

龍亞「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!

シンクロ召喚!愛と正義の使者《パワー・ツール・ドラゴン》」

 

龍亞「《パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。デッキからサーチしたのは《シンクロ・ヒーロー》だ。

それを《パワー・ツール・ドラゴン》に装備する。」

 

龍亞「そして《パワー・ツール・ドラゴン》で《冥界の巫女》に攻撃!

『クラフティ・ブレイク』」

 

ゴドウィン「《冥界の巫女》の効果発動。

1ターンに1度、デッキからモンスターを1枚、墓地に送ることで攻撃を無効にする。」

 

龍亞「クッ!俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。

ルイズ、もしカードのコストで、カードが必要なら、俺のカードを使ってよ、遠慮なんかしなくて良いからね。」

 

ルイズ「龍亞…、わかった。

その代わり、君が必要な時は、ボクの命そのものを使って良いよ。」

 

~~~ルイズ1ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。ボクは魔法カード《愛しき人への狂愛》を発動。

フィールドのシンクロモンスターと、同じレベル、同じ攻撃力、同じ守備力を持つシンクロモンスターが、ボクのエクストラデッキにいる時、そのモンスターと同じ種族のモンスターを生け贄にして、そのモンスターをシンクロ召喚出来る素材を、特殊召喚する。」

 

ルイズ「ボクは龍亞の《D・モバホン》を生け贄に、レベル3チューナー《ダーク・ブレイカー》と、レベル4《終焉の奇術士》を特殊召喚!

そしてレベル4《終焉の奇術士》に、レベル3《ダーク・ブレイカー》をチューニング!」

 

ルイズ「愛する人を守るため、ボクの龍亞への愛と力が今まじわる!

シンクロ召喚!これがボクと龍亞の絆だ《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》」




龍亞とルイズが、いきなりお互いのパワーツールを召喚しました。

《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》の召喚口上は、《パワー・ツール・ドラゴン》の口上を、参考にしました。


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110話

ゴドウィン「来ましたか、貴方のエースにして、愛のモンスター。」

 

ルイズ「このまま、攻撃したいけど、無意味だからしないよ。

ボクはカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

~~~ゴドウィン2ターン目~~~

ゴドウィン「私のターンドロー。私は魔法カード《おとり人形》を発動。

効果で、ルイズの伏せカードを発動させる。」

 

ルイズ「ありがとう。伏せてあったカードは《愛する者への想い》だ。

効果により《パワー・ツール・ドラゴン》を選択する。」

 

ゴドウィン「これで、破壊を免れますか。

ですが、私の戦略に戦闘は無用です。

私は《冥界の旅人》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 天使族

 

攻撃力 1500 守備力 1400

 

ゴドウィン「《冥界の旅人》は、攻撃対象には出来ない。

私はカードを1枚伏せて、ターンエンドです。

そして永続魔法《破壊の神の神殿》の効果を発動。

除外するのは、攻撃力3000の《ドラゴ・ブァルキリア》です。

よって、1500Pのダメージを…、龍亞に与える。」

 

すると、龍亞の頭上から一筋の雷が降ってきた。

 

龍亞「グァァァ~!!」

 

龍亞は、あまりのダメージにその場に倒れこんでしまった。

 

ルイズ「龍亞!龍亞!大丈夫!

ゴドウィン!何で龍亞を狙ったんだ!」

 

ゴドウィン「そんなこと簡単ですよ。

龍亞の方が、弱いからです。そして、もしこのデュエルで龍亞が死んだ場合、ルイズの心の痛みが増加するからです。」

 

ゴドウィンは、ルイズにたいして優しい口調で話し、崇拝するような眼差しをしていた。

 

ゴドウィン「さて、いつまでそこで倒れているんだ?

君が起きなければ、これからこの痛みをルイズに味わってもらいますよ?」

 

ゴドウィンは、龍亞の事をまるでゴミを見るかの様に、見下していた。

 

龍亞は、傷ついた体を無理矢理立ち上がらせた。

 

龍亞「ま…まだだ!俺はまだ戦えるぞ!

俺が立っている限り、ルイズには指1本触れさせないぞ!」

 

ゴドウィン「あのダメージを受けて、たいした度胸と想いだな。

それが、いつまで続くのか楽しみですよ。」

 

ゴドウィンLP 8000 龍亞LP 2500 ルイズ LP 4000

 

ルイズ「まてゴドウィン!もうこれ以上龍亞を傷つけないで!」

 

ゴドウィン「その願いは、お聞きできません。

これは、あのカードの願いでもあります。」

 

ルイズ「カードの願いだと?

何ふざけた事を言ってるんだ!」

 

ゴドウィン「ふざけてなどいませんよ。

カードは、龍亞を殺して貴方の心の痛みを増加させるのともうひとつ、目的があります。

その目的は、龍亞の身体そのものです。

貴方を倒し、完全に復活した暁に、ちゃんとした身体が必要なのです。」

 

ゴドウィンはそう言うと、高らかに笑いだした。

まるで、子供の様だった…。




新事実です。
カードの目的は、龍亞の身体の様です。

どうして龍亞の身体を狙うのか、理由がわかりませんね。


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111話

~~~龍亞2ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!俺は…。」

 

ルイズ「龍亞大丈夫!やっぱり、デュエルが始まる前からのダメージが、蓄積されてるんじゃ!?」

 

龍亞は、さっきの攻撃とこれまでのダメージで、すでに体力が限界に達していたのだ。

 

今こうして、立ち上がりデュエルをしている事が、奇跡に近いのである。

 

龍亞「心配いらないよ。俺はこんな事じゃ、倒れないよ。

俺はターンエンドだ。」

 

龍亞は強がっているが《パワー・ツール・ドラゴン》の効果を忘れるくらい、深刻な状態である。

 

ゴドウィン「まだ、威勢の良い言葉を話せるくらいは、体力が残っている見たいですね。

ですが、その体力すら許しません!

永続罠《冥界の猛毒》を発動。手札を1枚捨てることで、相手のエンドフェイズに500Pのダメージを与える!」

 

龍亞「グァァァ、アァァ!!」

 

ゴドウィンLP 8000 龍亞LP 2000 ルイズLP 4000

 

再び、龍亞に激しい痛みが襲ってきた。

そのダメージのせいで、龍亞は吐血をしてしまった。

 

ルイズ「ゴドウィン!貴様!」

 

ゴドウィン「そんなに睨まないで下さい。

さぁ、貴方のターンですよ?」

 

~~~ルイズ2ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー!ボクは魔法カード《パワーツール・ライフ》を発動。

フィールドの《パワー・ツール・ドラゴン》と名のつくモンスターの数×800P、ライフを回復する。」

 

ルイズ「フィールドには今、2体いる。

よって、1600P回復だ!

龍亞、受け取って!」

 

ゴドウィンLP 8000 龍亞LP 3600 ルイズLP 4000

 

龍亞のライフは回復したが、龍亞は変わらず苦しそうにしていた。

 

ルイズ「どうして!ライフは回復したはずなのに!」

 

ゴドウィン「そう言えば、いい忘れました。

この闇のデュエルは、ライフが回復しても、これまでのダメージは回復しません。

ですので、ライフが残っていても、死ぬ可能性はありますよ。」

 

ルイズ「クソッ!だったら魔法カード《手札滅殺》を発動。

相手の手札を全て、墓地に捨てさせる。

これで《冥界の猛毒》の効果は発動出来ない。

ボクはこれで、ターンエンドだ。」

 

ゴドウィン「やられましたね。しかし、私のデッキはダメージに特化しています。

ですので、まだ危険は避けられませんよ?」

 

~~~ゴドウィン3ターン目~~~

ゴドウィン「私のターンドロー。私は《冥界の策士》を攻撃表示で召喚します。」

 

天使族 レベル3

 

攻撃力 500 守備力 200

 

ゴドウィン「《冥界の策士》が召喚に成功した時、デッキからカードを2枚、ドローする。

そして《冥界の巫女》を守備表示に変更します。

《冥界の巫女》が守備表示の時、相手はこのモンスターしか攻撃出来ない。」

 

ゴドウィン「私はこれで、ターンを終了します。

永続魔法《破壊の神の神殿》の効果発動。

墓地の《ラスト・グラビティ》を除外し、1400Pのダメージを与える。」

 

ゴドウィン「さて、このダメージをどちらに与えようかな…。」

 

龍亞「ゴドウィン!ハァ…ハァ…、まだ俺は生きてるぞ!

そのダメージは、俺に与えてみろ!」

 

ルイズ「止めて龍亞!それ以上ダメージを受けたら、本当に死んでしまうよ!」

 

ゴドウィン「わかりました。ならこのダメージは、龍亞に与えましょう。」

 

龍亞「グァァァ~!!」

 

ゴドウィンLP 8000 龍亞LP 2200 ルイズLP 4000

 




このままでは、本当に龍亞が危険ですね。

間違いなく、このままデュエルに勝っても、龍亞の体は無事ではすみません。


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112話

~~~龍亞3ターン目~~~

龍亞「お…れの、ターン…、ど…ドロー。」

 

龍亞は、カードをドローしたがとてもデュエルを続行できる状態では、無かった。

 

龍亞「この…カード…は…、何…だ?」

 

ルイズ「龍亞!もしかして、眼が見えなくなったの!?」

 

ルイズの推測通り、龍亞はあまりのダメージのせいで、眼が見えなくなってきていたのだ。

 

龍亞「ハァ…ハァ…、たし…か…、この…カードだっ…たな。

俺は…カードを1枚…伏せ…て、ターン…エンドだ…。」

 

ゴドウィン「たいした生命力ですね。さすが、カードが欲しがる器なだけ、ありますね。

ですが、もう限界みたいですね。

《冥界の猛毒》の効果発動。」

 

ゴドウィンLP 8000 龍亞LP 1700 ルイズLP 4000

 

すでに、龍亞は悲鳴さえ出来ないほどに、衰弱していた。

 

龍亞「あ…れ…?音…がき…えた…な。何で…だろ…う。」

 

龍亞は、視力だけではなく、聴力もダメージで奪われてしまった。

 

ルイズ「龍亞!龍亞!

嘘だよね?ボクの声が聞こえるよね!ねぇ!」

 

ルイズは必死に龍亞に向かって、叫んだ。

だが、その声は龍亞には届かなかった。

 

ゴドウィン「さて、そんな茶番劇は後にして、デュエルを再開してください。」

 

~~~ルイズ3ターン目~~~

ルイズ「茶番劇だと?ゴドウィン!調子に乗るなよ…。

ボクのターンドロー。ボクは《陽炎の獣剣士》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル3 獣族

 

攻撃力 1900 守備力 1700

 

ルイズ「バトルだ!

《陽炎の獣剣士》で《冥界の巫女》に攻撃!」

 

ゴドウィン「無駄です。

《冥界の巫女》の効果で、攻撃を無効にします。」

 

ルイズ「そんなこと、わかってるよ。

《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》で《冥界の巫女》に攻撃!

『クラフティ・ダーク・ブレイク』」

 

ルイズ「この瞬間《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。

デッキから《地縛神CcapacApu 》を手札に加え、攻撃力を3000PUPさせる。

そして《陽炎の獣剣士》の効果でボクのモンスターは、貫通効果を得る!」

 

ゴドウィンLP 2700 龍亞LP 1700 ルイズLP 4000

 

ルイズ「ボクはこのまま、ターンエンドだ。」

 

ゴドウィン「クッ!いきなり、大きなダメージを受けましたね。

《冥界の巫女》が破壊させるとは、思いませんでしたよ。」

 

~~~ゴドウィン4ターン目~~~

ゴドウィン「ですが、これも計画の内です。

私のターンドロー。私は《冥界の翼鳥》を攻撃表示で召喚。

《冥界の翼鳥》が召喚に成功した時、デッキから《冥界の翼鳥》を1体、特殊召喚する。」

 

レベル2 天使族

 

攻撃力 400 守備力 300

 

ゴドウィン「そして魔法カード《冥界の復活》を発動。

墓地から《冥界の巫女》を特殊召喚。」

 

ゴドウィン「私はレベル2《冥界の翼鳥》2体と、レベル4《冥界の狩人》と、レベル3《冥界の策士》に、レベル1《冥界の巫女》をチューニング!」

 

ゴドウィン「大地が割れ、海が枯れる時、この世界を滅ぼす新たな力。

我の物となり、全ての覇者となる!

シンクロ召喚!これが最悪の闇だ!《冥界の破壊神》」

 

レベル12 天使族

 

攻撃力 4000 守備力 4000




今さらですか、ゴドウィンのライフが4000に、なっていました。

本当にすみません。

ついに、あのカードが召喚されてしましました。
破壊神なのに、天使族って無理がありますかね?


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113話

ルイズ「あれが、破壊の力…。」

 

すると《冥界の破壊神》から、黒いオーラが出てきて、そのオーラはゴドウィンの体の中へと入っていった。

 

破壊神「クフフッ、フハハハハ!!

完全ナ復活デハ無イガ、ヤット仮ノ体ガ手二入ッタ!」

 

ルイズ「なるほど、ゴドウィンを唆したのは、お前だったのか。

何でそこまでして、龍亞の身体が欲しいんだ。」

 

破壊神「ソンナコト決マッテイル。

龍亞ノ私以上ノ破壊ノ力、ソシテ何ヨリソノ精神力ガ、欲シイノダ!

龍亞ハ本当二素晴ラシイ。マサニ神二選バレタ唯一ノ存在ダ。

ソノ身体ヲ手ニシテコソ、私ノ目的ハ達成出来ルノダ!」

 

破壊神は、龍亞の身体を狙う理由を話し、狂った様に笑っていた。

その笑い声を聞くだけで、体の芯から恐怖が押し寄せて来たのだ。

 

だが、ルイズだけは違った。

恐怖よりも、龍亞に対する愛の方が強かったのである。

 

破壊神「最後二聞イテオキタイ、貴様モ私ト同ジデ、龍亞カラ生マレタ言ワバ、仲間ダ。

私二龍亞ノ身体ヲ、差シ出シテハクレナイカ?」

 

ルイズ「ふざけた事言わないでよ…。

お前と仲間なんて、虫酸が走るよ。

龍亞を差し出せだと……、寝言は寝ていってよ!」

 

破壊神「ヤッパリカ…、私モ無駄ナ争イハ好キデハ、無インダガ…。

悲シイナ、オ前トナラワカリアエルト、思ッタノダガナ…。」

 

破壊神はガッカリしながらそう言うと、その場から歩いて龍亞の方へと近づいていった。

 

ルイズ「おい!それ以上、龍亞に近づいたら、ボクが許さないぞ!

聞いているのか!」

 

破壊神「動ケナイノナラ、ソコデ大人シクシテイロ。

大丈夫ダ、龍亞二危害ハ加エナイツモリダ。」

 

破壊神は、龍亞の前に立ちふさがった。

龍亞も、何も聞こえず何も見えないが、目の前に得体の知れない者がいることを感じとり、恐怖していた。

 

破壊神「見テミロ、コノ恐怖二染マッタ龍亞ノ顔。

何トモ素晴ラシイモノジャナイカ。

イマスグニデモ、龍亞ノ全テヲ滅茶苦茶二破壊シタクナルナ。」

 

破壊神「ダガ、マダ私ハ完全デハ無イ。

コノデュエルデオ前達二、勝利スル事ニヨッテ、私ハ完全ナル破壊ヲ司ル神トシテ、龍亞ノ身体ヲ手二スル事ガ出来ルノダ。」

 

破壊神はそう言い、龍亞から離れて、さっきまでいた所に戻っていった。

 

ルイズ「そうか…、ならお前は龍亞の身体は諦める事だな。

お前ごときでは、ボクと龍亞の愛には勝てやしないよ。」

 

ルイズ「一応、お前に聞いておきたい事がある。

お前は、龍亞の身体を手にして何をする気だ。

お前の目的は何なんだ。」

 

破壊神「私ノ目的ダト?

ソンナモノ決マッテイルサ。

コノ世界ヲ滅ボシ、私ダケノ永遠ナル楽園ヲ作リ出ス事ダ!」




なんと、ゴドウィンの体が乗っ取られてしまいました。

そして、破壊神の目的が判明しました。
龍亞の身体を使い、この世を破滅されるようです。


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114話

破壊神「サテ、ソロソロ全テノ総仕上ゲ二移ルトスルカ…。

私ハコノ瞬間、私自身デモアル《冥界の破壊神》ノ効果ヲ発動スル!

コノターンノバトルフェイズヲ、スキップスル代ワリニ、相手ライフヲ1二スル!」

 

破壊神「サスガニ、私ノ効果ヲ受ケレバ、龍亞ノ命ノ鼓動モ終ワリヲ迎エルダロウ。

音ヲ奪ワレ、光サエモ失ッテシマッタオ前ニハ、 目ノ前二存在スル圧倒的ナ恐怖ガ手ワカラナイダロウ。

ソレガセメテモノ情ケダ、死ネ龍亞!」

 

ルイズ「止めろ!もう龍亞は戦えない!

先に殺すなら、ボクを殺せ!

頼む、龍亞だけは見逃して欲しい!」

 

だが、そんなルイズの頼みは、破壊神の心に届かなかった。

ゆっくりと龍亞の所へ《冥界の破壊神》は、近づいてきていた。

 

龍亞「ルイ…ズ、最…後に君に…言いた…い事…がある。」

 

龍亞は、何も見えないはずだが、本能的に自分の命の最後を、理解したのだろう。

 

最後の力を振り絞り、ルイズへ自分の想いを伝えようとした。

 

龍亞「例…え、俺がしん…で…も、怒ら…ないでく…れ。

1人に…なって…も、諦め…ない…で、ゴドウィン…を…倒し…てく…れ。」

 

ルイズ「な、何言ってるんだよ龍亞?

それじゃあ、まるで遺言じゃないか?

止めてよ、止めてよ!ボクは君を守るために…。」

 

龍亞「じゃあ…ねル…イズ。

君と…過ごし…た今まで…は、ほんと…うに楽しか…ったよ、あり…がとう。

そし…て、俺…のせいで…ルイ…ズと、ル…チアーノをキズ…つけ…たね。

ほん…とうに、ご…めんね…。

2人と…も、だ…いす…きだよ…。」

 

《冥界の破壊神》の効果により、龍亞のライフは残り1となった。

そして、龍亞はその場に倒れこんで、動かなくなってしまった。

 

破壊神「ヤッタ、ヤッタゾ!

コレデ残リハルイズ、オ前ヲ倒スダケ…。」

 

ルイズ「殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す。

目玉をくりぬいて殺す…、手足を引き裂いて殺す…、窒息させて殺す…、内蔵を全て潰して殺す…、体中を焼いて殺す…、2度と喋れない様に口を縫いつけて殺す…、お前の体をミンチにして殺す…、お前にこれまで生きてきた事を後悔させて殺す!」

 

ルイズの怒りと怨みから出る、殺意という闇のオーラに、破壊神は恐怖してしまっていた。

 

破壊神「ソ、ソンナ馬鹿ナ!

私ノ望ンダ心ノ闇ダゾ!何ヲ恐怖シテイルノダ…。

コレガ、本当ノ心ノ闇ナノカ!」

 

ルイズ「殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…殺す…。

……………そ、そんなこれって!?」

 

ルイズは、自分のフィールドを見て驚きで、冷静さを取り戻した。

 

ルイズ「どうして、龍亞の《パワー・ツール・ドラゴン》が……まさか!」

 

ルイズは急いで、龍亞のフィールドを見てみた。

すると、1枚の罠カードが発動されていた。

 

破壊神「ソノカードハ《愛する人に捧げる全て》ダト!

フ、フザケルナ!コンナ事ガアリ得ルハズガナイ!」

 

龍亞が発動していた《愛する人に捧げる全て》は、自分が相手モンスターの効果で、ライフが減った時、自分フィールドのモンスターを、別のプレイヤーのフィールドに移す効果である。

 

ルイズ「龍亞…、どうして君は最後まで、自分を傷つけてまで、ボク達の為に…。

わかったよ龍亞。必ずボクが破壊神を殺して、龍亞の仇をうつよ!

ボクのターンドロー!」

 




まさか…龍亞が死んでしまいました…。

ルイズ、怖かったですね。
見ている立場で、助かりました。

そして、龍亞は最後まで自分を貫き通しましたね。


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115話

~~~ルイズ4ターン目~~~

ルイズ「このカードは…、なるほど。

ルチアーノ!早速、君からもらったこのカードを、使われてもらうよ!」

 

ルイズ「ボクは手札から、速攻魔法《パワーツール・フュージョン》を発動!

フィールドの《パワー・ツール》と名のつくモンスターを2体以上、デッキに戻すことで融合召喚出来る!」

 

ルイズ「ボクは《パワー・ツール・ドラゴン》と《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》を、デッキに戻し融合!」

 

ルイズ「ボクと龍亞、2人の全てがここに交わる。

龍亞を苦しめる者に、愛の鉄槌を!

融合召喚!これがボク達の最大の力にして、究極の愛!

現れろ《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》」

 

ルイズのフィールドには、神々しい光に包まれた《パワー・ツール・ドラゴン》が、現れた。

 

その光はまさに、苦しみを浄化し、痛みを消す癒しの光だ。

 

ルイズ「さらに《パワーツール・フュージョン》の効果発動。

このカードの効果でデッキに戻した《パワー・ツール》と名のつくモンスターの、攻撃力の合計だけ、ライフを回復する!

龍亞、これがボクの愛だ!受け取って!」

 

ゴドウィンLP 2700 龍亞LP 4601 ルイズLP 4000

 

破壊神「コレガ、究極ノモンスターダト…、ソンナ、ソンナ訳ガナイ!

最モ優レタ力ハ、コノ私ダ!」

 

ルイズ「違う!

この世で最も優れた力は、偽りの平和の為に龍亞を傷つけるシグナーじゃ無い!

お前の様に、自分の下らない目的の為に龍亞を傷つける破壊の力じゃ無い!」

 

ルイズ「この龍亞とボク、そしてルチアーノの力を合わせた《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》こそ、最強にして最大の力だ!」

 

レベル12 機械族

 

攻撃力 5000 守備力 5000

 

龍亞「………何だか、暖かいな…。」

 

ルイズ「龍亞!無事だったんだね!

良かった…、心配したんだよ。」

 

破壊神「ソンナ馬鹿ナ!

龍亞ハ、私ノ力デ確実二死ンダハズダ!

アリ得ナイ!コレガ、究極ノ力ダト言ウノカ!」

 

ルイズ「そうだ!

そして《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動!

全てのエクストラデッキの《パワー・ツール》と名のつくモンスターの、攻撃力と効果を得る!」

 

ルイズ「よって攻撃力を、4600PUPさせる!

さらに、全てのプレイヤーの手札及び、墓地のモンスターをデッキに戻すことで、そのモンスターの効果と攻撃力を得る!

ボクは手札の《地縛神CcapacApu 》を戻す。

よって、攻撃力3000PUPさせる!」

 

ルイズ「さらにさっき得た《パワー・ツール・ドラゴン》の効果を発動!

効果で手札に加えた《パワーツール・オーバー・クラッシュ》を装備。

効果で、ボクのライフを1000単位で払うことで、払った分だけボクのモンスターの攻撃力を上げる。」

 

ルイズ「ボクは同然、3000払う。

よって3000Pが攻撃力に加算される。

バトルだ!《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》で《冥界の破壊神》に攻撃!」

 

ルイズ「この瞬間《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動!

デッキから《地縛神CcapacApu 》を手札に加える。よって攻撃力を3000PUPさせる!

喰らえこれがボクの怒りだ!

『アルティメット・クラフティ・ブレイク』」

 

破壊神「ヤメロ、ヤメロ…ヤメテクレ!!」

 

ゴドウィンLP 0 龍亞LP 4601 ルイズLP 1000

 

~~~デュエル終了~~~




ついに決着がつきました!

この《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》は、私がこの小説を書こうと想ったきっかけでもありす。

にしても、オーバーキルにも程がありますね。
5000+4600+3000+3000+3000で、攻撃力の合計が18600ですね。

さらに《地縛神CcapacApu 》の効果で4000のダメージですから、トータルで多分18600のダメージですね。

まさにルイズの怒りですね。


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116話

破壊神「ナ、何ダ!

力ガ抜ケル、体ガ動カナイゾ!」

 

デュエルに負けた破壊神の体から、黒いオーラが漏れだしていた。

 

そして、漏れだしたオーラは全て、龍亞の体の中へと入っていった。

 

破壊神「コウナッタラ、オ前達全員道ズレダ!

死ネ!」

 

破壊神は、ポケットからスイッチを取り出して、そのスイッチを押した。

 

すると、爆発音が聞こえるといきなり部屋が、崩れ始めた。

 

ルイズ「しまった!龍亞、しっかりして!」

 

足の拘束が解かれたルイズは、龍亞の下へと駆け寄った。

 

龍亞は、気を失っていたが、無事のようだった。

 

ルイズ「良かった…、本当に良かった。

鬼柳!龍亞とルチアーノを連れて、速く脱出して!」

 

鬼柳「し、しかしそれではルイズ様は、どうなさるつもりですか!」

 

だが鬼柳は、ルイズの真っ直ぐな眼差しを見ると、それ以上余計なことは聞かなかった。

 

鬼柳「わかりました。

ですが、必ず生きて龍亞様の下に帰って来てください!」

 

鬼柳はそう言うと、龍亞を連れ出して脱出した。

 

ジャック「遊星!俺達も速く脱出するぞ!」

 

ジャックと遊星も、鬼柳に続いて脱出していった。

 

ルイズ「さてと、これでひとまず安心だな。

ボクも速く用を済まして、龍亞の所に行くか。」

 

ルイズはそう言って、ゆっくりと倒れて動けなくなっている、破壊神の所へと近づいていった。

 

破壊神「何故ダ!何故私ノ力ガ無クナッテシマッタノダ。」

 

ルイズ「決まってるでしょ?お前の破壊の力、すなわち世界を支配出来る力は、龍亞が持つに相応しい力何だよ。

お前みたいな、3流…4流程度の分際で、使いこなせる訳が無いだろ?」

 

そのままルイズは、破壊神の頭を足で踏みつけた。

 

破壊神「今スグ、ソノ足ヲ退ケロ!

私ハコノ世ヲ支配スル、破壊神ダゾ!」

 

だが、そんな破壊神の叫びを聞いてルイズは、とても嬉しそうに笑っていた。

 

ルイズ「本当にお前はクズだな。

言っただろ?お前に地獄を見せながら、殺してやるって。

それに、この世界を支配出来るのは、龍亞しかあり得ないんだよ!」

 

そう言うとルイズは、破壊神の目をつま先で勢い良く蹴りあげた。

 

そして、もがき苦しむ破壊神の顔面を力いっぱい踏みつけた。

 

ルイズ「痛いだろ、苦しいだろ?

だがな、お前達が龍亞にした事はこれ以上何だよ!

お前に救いの道何て、初めから無いんだよ!」

 

そのままルイズは、もう1つの目を踵で踏みつけた。

 

破壊神「助ケテ!助ケテ下サイ、オ願イシマス!

何デモイタシマス!ノデ助ケテ下サイ!」

 

ルイズ「フフッ、フハハハハ!

あ~、面白い。惨めだね本当に。

思えば、お前もシグナーのクズ達も、龍亞がいたから力を手に入れられたのに、龍亞を傷つけるだけ…。

当然の報いだね!」

 

ルイズは破壊神から足を退けて、そのまま出口の方に歩いていった。

 

ルイズ「両目が見えなくなったお前に、耳よりの情報だよ。

もうすぐ、お前の所に巨大な瓦礫が落ちてくる。」

 

それを聞いた瞬間、破壊神の顔が真っ青になった。

 

ルイズ「最後に、自分のした事を悔いながら、死んでいけ!

それじゃあ、ごゆっくり~。」

 

破壊神「嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ嫌ダ!

死ニタクナイ死ニタクナイ死ニタクナイ死ニタクナイ!

ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!」

 

破壊神の最後の叫びに、ルイズは全く耳を傾けはしなかった。




ルイズ、凄くドSですね。
鳥肌がたちました。

これで、治安維持局編が無事終了!
…っと言いたいのですが、まだもう少しだけ続きます。

次の展開に繋がる、大切なデュエルが残っています。
ので、最後までお付きあい下さい。


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117話

~~~ダークシグナーの隠れ家~~~

 

龍亞「うぅ~ん、ここはどこだ?

何だが、懐かしい感じがするけど…。」

 

ルイズ「龍亞、目が覚めたんだね!

心配したよ!体は痛くない?目眩は?

気分は悪くない?」

 

ルイズは、泣きながらベッドに寝ていた龍亞に、抱きついた。

 

龍亞は、何が起きたのかわからなかったが、少しだが状況を理解した。

 

龍亞「そういえば、ゴドウィンと戦ってて…。

あの時、俺は確か死んだはずじゃ…。」

 

そう言って、龍亞は自分の手を握ったり開いたりしてみた。

 

そして、自分が生きている事を理解して、とても安心し、泣いているルイズの頭を撫でた。

 

龍亞「ありがとうルイズ。

君がゴドウィンを、倒してくれたんだね。

そういえば、ルチアーノ達はどこなの?」

 

ルイズ「あぁ、その事ね。

ルチアーノなら、イリアステルの所に今回の事についての、大事な会議があるんだって。

あと、鬼柳はお買い物。」

 

龍亞「そっか、なら良かった。

ルイズ、ちょっとゴメンね。少し、横になるよ。」

 

そう言って、龍亞はベッドに横になった。

そして、疲れていたのかそのまま、眠りについていった。

 

ルイズ「龍亞…、やっぱり疲れてるよね。

本当にゴメンね。ボクが不甲斐ないばっかりに、いつも龍亞を傷つけてばかりだ。」

 

ルイズ「なのに龍亞は、そんなボクに笑顔を見せてくれる。

そして、ボクなんかを好きでいてくれる。

やっぱり、龍亞は優しすぎるよ。」

 

ルイズは眠っている、龍亞を撫でながら寂しそうに呟いていた。

 

すると、玄関の扉が相手、鬼柳が買い物から帰ってきた。

 

鬼柳「ルイズ様、ただいま戻りました!」

 

ルイズは、龍亞を起こさないように、静かに部屋から出ていった。

 

ルイズ「鬼柳、お帰り。

あと少しうるさいかな?龍亞が起きちゃうよ。」

 

ルイズは少し呆れながら、鬼柳を見た。

 

すると、鬼柳は嬉しそうに喜んでいた。

 

鬼柳「ということは、龍亞様の意識がお戻りになられたんですか!

良かった…本当に良かった…!!」

 

ルイズ「わかったから、それより外の状況はどうなってるの?

治安維持局が崩壊したんだから、ただ事では無いはずだけど…。」

 

ルイズの質問に、鬼柳は少し言いにくそうに渋っていた。

 

だが、ルイズの頼みの為、鬼柳はその重い口を開いた。

 

鬼柳「その…状況は最悪です。

外の連中は、治安維持局が崩壊したのは、ゴドウィンの汚職だと思っております。

そして、遊星とジャックがその汚職を見つけた、英雄という扱いになっております。」

 

ルイズ「そうか…それで、龍亞についてはどうなってるの?」

 

鬼柳「はい…。

龍亞様についてですが、今回のゴドウィンの汚職に関与している、という扱いです。

それどころが、ゴドウィンをたぶらかした張本人と噂されてま…!!」

 

鬼柳は最後まで、言うことが出来なかった。

何故なら、目の前から感じるおぞましい恐怖に耐えられなかったからである。

 

ルイズ「やはり、ゴドウィンと一緒に皆を消すべきだっね。

さて鬼柳、夕食の準備でもしよっか。」

 

ルイズの恐怖のオーラに、鬼柳は動けずにいた。




龍亞が無事、目をさましました。
良かった!

しかし、大変な事態になって来ましたね。

ダークシグナーと時よりも、酷い噂が流れていますね。

これから、どうなってしまうのでしょうか。


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118話

龍亞「その話って、本当の事なのルイズ、鬼柳。」

 

いつのまにか、龍亞は目をさまし、2人の会話を聞いていたのだ。

 

ルイズ「龍亞…、その…えっと…、何と言うか…疲れは取れたんだね。」

 

鬼柳「そ、そうですよ!

本当に良かったです。この鬼柳、心から喜び申し上げます。」

 

2人は、何とかして話題をそらそうとした。

だが、龍亞は真剣な眼差しで2人を見続けていた。

 

龍亞「俺を心配して、無理矢理話を変えなくても良いよ。

今更何をしたって、皆からの俺の評価は変わらないから。」

 

龍亞は、少し寂しそうにそう呟くと、そのままルイズに抱きついた。

 

ルイズ「龍亞!いきなり何をするの!」

 

ルイズは赤面しながら驚いたが、龍亞が泣いてるのをしり、ルイズも抱き返した。

 

龍亞「ゴメンねルイズ。けど、落ち着くまでこうさせてよ。」

 

ルイズ「龍亞…、もう我慢しなくても良いんだよ。

君の想いをボクが聞いてあげるから。」

 

龍亞「俺は…少しでも、誰かに認めて欲しかった。皆と仲良くしたかった。

なのに、何をしても皆は俺を認めてくれない。

何でだよ!俺の何が悪いんだよ!

俺と遊星達は、何が違うんだよ!」

 

龍亞「もう傷つきたく無いよ。辛い目にあいたくないよ。

俺が傷つくと何で、遊星達が良い想いをするんだよ。何で遊星達は、俺を助けてくれないんだよ!

それってやっぱり、俺に力が無いからかな…。

俺が誰よりも、無力だから誰からも愛されないのかな。」

 

龍亞「そんなにシグナーは、そんなに凄いのかよ!俺はそんなシグナーの為に、いつまで傷つけば良いんだよ!

もう嫌だよ。もう苦しいよ。」

 

ルイズ「龍亞、わかったからもう止めて。」

 

龍亞「俺は生まれたときから、ずっと誰かしらに、傷つけられ、利用されてきたんだ。

誰からも助けられる事もなく、誰からも愛されずに、生きるしか俺には出来ないんだ!

俺の生きる意味なんて、あるのかな?

俺がいなくても、哀しむ人なんていないし、泣く人なんていない。

だったら、もう俺は生きてる意味無いよ。」

 

ルイズ「もうやめて!これ以上、自分を傷つけなくて良いんだよ!」

 

龍亞「そうだよね。

いずれ、誰かに騙されて傷つくのなら、今のうちに…。」

 

ルイズ「龍亞!それ以上言うんだったら、ボクは怒るよ!」

 

ルイズは、目が虚ろになっていた龍亞を強く抱き締めて、龍亞の話を止めた。

 

龍亞「ルイズ…、けどいつか君だって力の無い俺を捨てるに決まってるんだ。

それが、俺が生きている理由なのかも知れないな…。」

 

ルイズ「そんな訳はない!何があっても、ボクは龍亞を見捨てたりなんかしないよ!

ボクだけじゃない!

ルチアーノも、鬼柳も、カーリーも、ミスティも、ルドカーも、絶対に君を独りになんてしない!

だから、生きる意味が無いなんて言わないでよ。龍亞がいなかったら、ボクはこの世に存在する意味が無いんだよ!」

 

ルイズ「だから、それ以上自分で自分を傷つけないで。」

 

龍亞は、ルイズの言葉を聞いて、その場に泣き崩れてしまった。




今回は、龍亞の本音を書いてみたした。
確かにそうですよね。

しかも、本当だったら龍亞はもっと言うつもりだったみたいです。

私は無力ですので、ルイズやルチアーノ達に龍亞を任せるしか出来ません。


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119話

あれから約10分後、ようやく龍亞は落ち着きを取り戻した。

 

龍亞「ルイズゴメンね…、やっぱり迷惑だったよね。」

 

だが、自分の気持ちに整理がついてないのか、顔色は悪いままだった。

 

龍亞「ちょっと気分が悪いから、外の風に当たってくるね…。

夕食までには、戻るからね…。」

 

今の雰囲気に耐えきれない龍亞は、そう言って逃げる様に外へと走っていってしまった。

 

ルイズ「龍亞…、迷惑なんかじゃ無いのに…。

けど、本当に気分が悪そうだったけど、大丈夫かな…?」

 

ルイズはそう言って、鬼柳の方を見た。

 

すると、鬼柳の顔色は真っ青になっていた。

 

ルイズ「ど、どうしたの鬼柳まで!

何があったの?」

 

鬼柳「その…ルイズ様、龍亞様をあのまま1人にさせるのは、あまりよろしく無い気がします…。

龍亞様は今、心がたいへん弱っております。

その心に、今のシティの奴等の言葉を受けたら…。」

 

鬼柳の発言に、ルイズは少し状況を考えた。

 

そして、鬼柳の言いたい事を理解して、ルイズは青ざめていた。

 

ルイズ「本当だ!大変だよ!

鬼柳、今すぐ龍亞を探そう!」

 

鬼柳「はい!かしこまりました!」

 

ルイズと鬼柳は、龍亞を探すために大急ぎで隠れ家を飛び出していった。

 

ルイズ「龍亞…、速まらないでね!

今すぐ、ボクが探し出すからね!」

 

~~~シティの中心部~~~

 

その頃龍亞は、シティの中心部を歩いていた。

 

嫌、歩いていると言うよりは、ただ体が動いているだけだった。

 

「おい!あれって、もしかして噂の…。」

 

「そうそう、ゴドウィン長官をたぶらかしたって言う…。」

 

「あいつの妹と、その仲間はこのシティの誇りなのに。」

 

「おいそこの疫病神!お前みたいな奴が、シティを歩くなよ!」

 

龍亞は、シティの人達の罵詈雑言や暴力を受けて、その場にうずくまって動けなくなっていた。

 

「このクズが!お前のせいで、あの治安維持局は潰れたんだ!」

 

「速く死んじまえ!お前なんて、生きてる意味なんて無いんだよ!」

 

倒れて動かない龍亞に、シティの人達は容赦なく暴行を繰り返していた。

 

それでも、龍亞は何も感じてはいなかった。

 

龍亞(やっぱりな…。俺は何処に行っても、誰かに殴られ、罵倒されるんだな…。)

 

龍亞(何でだろうな…。俺の人生、どこで間違えたんだろうな…。

嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…嫌だよ…。)

 

龍亞(死にたく無いよ!俺だって、幸せになりたいよ!

誰か俺の事、助けてよ!)

 

龍亞はうずくまりながら、涙を流していた。

それを見た人達は、それが気に入らなかったのか、余計に龍亞に暴行を加えた。

 

そして、そんな暴力が15分位続くと、人達は飽きが来てゆっくりと、その場から帰っていった。

 

龍亞(やっと終わったか…。けど、終わりじゃ無いよね…。

いつまでたっても、この地獄は終わらない…。)

 

龍亞(俺が死んだら、さすがにこの生き地獄は終わるかな…。

俺が死んだら、俺は幸せになれるのな…。)

 

龍亞はそう考えながら、その場から立ち上がった。

そしてまた、目的の無い道を独り、足を引きずりながら、ゆっくりと歩いていった。

 

自分が誰よりも、幸せになれる。

そんなあるはずの無い場所を、独りゆっくりと歩くしか、今の龍亞には救いが無かった…。




本格的に、龍亞の心が危ないですね。
このままだと、本当に命を自分から終わらせる、そんな最悪の事態になりかねません!

ルイズ!急いで、龍亞を見つけてくれ!


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120話

気がつくと、龍亞はシティでも人気の無い場所に来ていた。

 

すでに日は落ち、辺りは光を失い暗闇に包まれていた。

 

傷ついた龍亞に、漆黒のとばりと凍てつく風が吹き付けていた。

 

龍亞(寒いな…、何だろう…、俺は何処に向かって歩いてるんだろう…。

暗いな…、誰もいないな…。)

 

だが、龍亞の体はすでに限界に達してしまったのだ。

龍亞の体は、まるで糸の切れた人形の様に、その場に倒れこんだ。

 

龍亞(ダメだ…、もう体が動かないな。

ここで死ぬのかな…、嫌だ…。)

 

龍亞は、そのまま目を閉じて、全てを終わらせようとした。

だが、そんな龍亞を何か暖かいものが包んだ。

 

リーシャ「ダメだよ龍亞。龍亞は、独りなんかじゃ無いんだよ?」

 

龍亞「リーシャさん…、どうして…。」

 

龍亞は、不思議そうにリーシャを見ながらたずねた。

 

リーシャ「ルイズから全て聞いたんだよ。

龍亞、辛かったね…。けど、私は貴方の味方よ。」

 

そう言って、リーシャは涙を流しながら、龍亞を強く抱き締めた。

 

龍亞「……どうして、リーシャさんもルイズも、俺に優しくするんだよ。

どうしてだよ!俺は何時も独りなの…!」

 

リーシャは、龍亞の口を閉じるように龍亞にキスをした。

 

それは、ルイズやルチアーノのような、龍亞を愛している優しいキスだ。

 

リーシャ「龍亞、確かにシティの奴らは、龍亞を傷つける。

けどね…、私やルイズは貴方を傷つけたりしないよ。

だって、龍亞の事を愛してるから。」

 

龍亞「ち…違う!そんな訳ないよ!

俺は誰からも愛され無いんだよ。なのに、おかしいよ!」

 

ルイズ「龍亞!龍亞!」

 

リーシャの言葉に、龍亞の心が揺らいでいる時、ルイズが息を切らして走ってきた。

 

ルイズ「龍亞、ゴメンね!

ボクがクズだから!ボクが無力だから!

龍亞を傷つけて、ばかりだから!」

 

ルイズは泣きながら、龍亞に謝り続けた。

そんなルイズを見て、龍亞の心に少しだが、光が差し込んだ。

 

リーシャ「言ったでしょ?君は愛されてるって。

だから泣かないで。龍亞は独りぼっちじゃ無いんだよ。」

 

ルイズ「そうだよ!

龍亞は悪くない!龍亞は独りじゃ無い!

例えシティのクズがいても、関係無い!ボク達が、龍亞の幸せになる!

必ず、龍亞を幸せにしてみせる!」

 

龍亞は泣いていた。

自分の傷ついた心を、救ってくれた事。

 

自分の存在が否定されなかった事。

そして、自分は幸せになっても良い事。

 

それを2人から聞かされて、龍亞は涙を止めることが出来なかった。

 

リーシャ「そうだよ、龍亞は何にも悪くない。

龍亞を苦しめる悪の原因は…。」

 

リーシャ「お前達にあるんだよ?

わかっている、不動遊星?」

 

リーシャは、後ろを見ながらそう言った。

 

リーシャの後ろには、いつの間にか遊星が自分のDホイールに跨がりながら、止まっていた。




リーシャが久しぶりの登場です。

良かった、龍亞の味方で本当に良かった。
しかし、龍亞はモテモテですね。

そして、龍亞の心にルイズの愛が届きました。
これで龍亞が救われます。

そして急展開です!
まさかの遊星との遭遇です。

これからどうなって、しまうのでしょうか!


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121話

龍亞「どうして遊星がここにいるの?

もしかして、遊星も本当は俺の事心配して…。」

 

龍亞は、そうであって欲しい期待の眼差しで、遊星を見ていた。

 

遊星「いや…、シグナーの痣が突然光って、何か嫌な予感がしたんだ。

だから、皆で集まって何か考えてたら焦りながら走ってるルイズを見て…。」

 

リーシャ「それって、龍亞を心配して来たんじゃ、無いってことですね?」

 

リーシャは、遊星に全てを見透かした様な疑惑の眼差しを、向けた。

 

遊星はリーシャの言葉が、正しすぎてリーシャの目を見れなかった。

 

ルイズ「はぁ~~、どうせそうだと思ったよ!

それで、お前から龍亞に何か言う事は無いのか?

元々はお前達のせいで、龍亞は酷い扱いをされてるんだぞ!

なのに、お前は心が痛まないのか!何も思わないのか!」

 

ルイズは、遊星の胸ぐらを掴み怒りを露にした。

そして、遊星の右の頬を思い切り殴りつけた。

 

殴られた遊星は、その場に尻餅をついてルイズを見上げていた。

 

ルイズ「殴られると痛いだろ!

だがな、龍亞はずっと…ずっとこれよりもずっと、痛い想いをしてきたんだ!

そんな事、お前達は知ってただろ!なのに、どうして龍亞を守ってあげなかった!

助けてあげなかったんだよ!」

 

ルイズはそのまま、遊星をもう1度殴り、倒れた遊星からマウントを取った。

 

ルイズ「ボクだって、龍亞を守りたかった…、救いたかったよ!

けど、何時もボクは龍亞の心の中から、見守る事しか出来なかった!だから良くわかるんだ、

龍亞がどれだけお前達に、救いを求めたかが!

龍亞の苦しみや痛み、龍亞の心にうごめく闇の深さだって、誰よりも知ってる!」

 

ルイズ「だからボクは、絶対にお前達を許さない!

ふざけるな!ふざけるな!何が英雄だ、何がシティの誇りだ!

死ね!死をもって龍亞に、謝罪しろ!

お前達シグナーだけじゃない、シティのクズも全員死ね!」

 

ルイズは大粒の涙を流しながら、遊星に自分の想いの丈をぶつけた。

 

ルイズ「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!

龍亞の為に死ね!」

 

龍亞「ルイズもう良いよ、もう十分だから…。」

 

龍亞は、ゆっくりと立ち上がりながら、ルイズを止めた。

けれど、龍亞の足はフラフラで今にでも、倒れそうだった。

 

リーシャ「そうですよルイズ。今はそんな人にかまってる時間は無いですよ?

それより、龍亞を支える方がよっぽど大切ですよ?」

 

リーシャにそう諭されたルイズは、遊星を睨んでから、龍亞を支える為に戻ってきた。

 

龍亞「遊星、聞いても良いかな…。

遊星は、俺の事どう思ってるの…、今のシティの人達の事、どう思ってるの…、教えてよ。」




ルイズが暴走しかけましたね。
まぁ、遊星達の自業自得ですが…。

なんだか、リーシャの台詞の後ろに必ずと言って良いほど、?がついてますね。
別に狙ってでは無いですよ。

いつかの後書きに、治安維持局編はまだ続き、大切なデュエルが残ってる。
と書きましたが、予定変更です。

デュエルはしません。
ご了承下さい。


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122話

遊星「そ、それはその…、何と言うか…。」

 

龍亞の質問に、遊星は完全に目が泳いでしまってした。

 

それだけを見ても、遊星が龍亞をどう思ってるのか、それがわかって来る。

 

遊星「どちらも、大切な存在に決まってるだろ…。当たり前じゃないか。」

 

ルイズ「だったら、何でクズ共に本当の事を言わないんだよ!

そんなにも、自分達の名誉が大切なのか!」

 

遊星「そんな訳無いだろ!俺達の名誉より、龍亞の方が大切に、決まってるだろ!

けど、人の噂はそう簡単には正せないんだ。」

 

遊星の答えに、リーシャはため息を吐きながら、龍亞をルイズに任せた。

 

そして、遊星に近づいて行き力強いビンタを、喰らわせた。

 

リーシャ「やっぱり、心底惨めな存在ですね。

自分達でも、そう思いませんか?

良い大人達が、揃いも揃って1人の可愛いいたいけな男の子を、救え無いんですよ?」

 

遊星「違う!そんな訳じゃないんだ。

俺達だって、龍亞を救いたかった…、けど!」

 

龍亞「それ以上は、もう良いよ…。

それより、もう1つ質問するよ。もし、龍可やアキ姉ちゃんが俺の立場だったら、遊星はどうする気なの?」

 

遊星「そんな事、決まってるじゃ無いか!

何が何でも…!」

 

遊星は、最後まで言い切る前に気づいてしまった。

自分の中で、龍亞よりも龍可やアキを優先してしまった事。

 

そして、その2人なら何が何でも守ってみせる、と思ってしまった事。

 

それはすなわち、龍亞を見捨ててしまった、と言う事に他ならない。

 

リーシャ「やっと、本性を現しましたね。

それが、貴方が龍亞に対する思いですよ?」

 

遊星は、自分の考えを否定したかった。

だが、その答えを認めてしまった自分がいるせいで、否定出来なかった。

 

龍亞「やっぱりか…、信じてたのにな…。

ルイズ、リーシャ、俺は決めたよ。」

 

龍亞は、遊星を顔を睨んだ。

龍亞の目には、うっすらと涙がこぼれていた。

 

龍亞「遊星、俺は遊星達を叩き潰すよ!

ダークシグナーの王としてじゃ無く、遊星達に復讐する1人の男として、遊星達シグナーに立ち向かうよ!」

 

リーシャ「良く言ったわ龍亞。それでこそ、私が愛する最高の男だわ。」

 

リーシャはそう言うと、龍亞に大人のキスを交わした。

 

ルイズ「あ~!リーシャだけずるい!

ボクも、龍亞にキスする!」

 

それを見たルイズも、龍亞に大人のキスを交わした。

 

龍亞「遊星、お前達は最強の戦力を用意しといてね。

俺は最高の仲間を連れて、それを倒すから!」

 

龍亞はそう言うと、ルイズとリーシャに合図をしてその場から、離れようとした。

 

龍亞「それと遊星!その…。」

 

龍亞は続きを言うのを戸惑っていた。

これを言えば、自分は本当にシグナーと対立してしまうからだ。

 

けれど、龍亞は覚悟決めて続きを話し始めた。

 

龍亞「遊星、龍可を守ってあげてね。

俺はもう、龍可を守ってあげられないから…。」

 

そう言って龍亞は、その歩みを進めた。

もう2度と、戻ることは出来ない道を、これまでの思い出を噛み締めながら歩いていった。




いよいよ、完全対立です!

これで、治安維持局編は終わりました。
そして、新たな戦いの始まりです。

シグナー達を戦力、自分達を仲間言う辺り、龍亞の本気が見えますね。

あと、ルイズもリーシャも、鬼柳に連絡を入れてないので、今も1人で龍亞を探してます。


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123話

龍亞「ごめんねルイズ、リーシャ。俺の勝手な行動で、迷惑をかけて。

しかも、シグナー達との戦いにまで巻き込んで…。

もし、戦いたく無いなら俺の事なんか、ほっといても良いよ。」

 

ダークシグナーの隠れ家までの帰り道、龍亞は自分の想いを2人に、伝えた。

 

龍亞「俺は1人で戦えるよ。

だから、俺の意見なんて一切聞かなくても良いからね。」

 

龍亞は申し訳なさそうに、2人向かって言った。

すでに、自分のせいでルイズとルチアーノに、怪我をおわせてしまい、嫌な想いをさせてしまったと、思っているからだ。

 

龍亞「これからは、皆に絶対に迷惑をかけないつもりだよ。

だから、2人は自分の為にこれから生きてよ…。」

 

龍亞は本当は、2人に自分と共に戦って欲しい。

だが、龍亞は自分の想いを押し殺してまで、自分を愛してくれる人を守りたかったのである。

 

ルイズ「自分の為ね…、だったらボクの答えは最初から決まってるよ。

ボクは龍亞の所有物なんだよ?龍亞の為にシグナー達を、根絶やしにしてやるよ。」

 

龍亞「ルイズ、何バカな事を言ってるんだよ!

この前の戦いで、もうわかっただろ!

俺の存在は、他人を傷つけるだけなんだ。だから、もう俺は皆を傷つけたくないんだよ!」

 

龍亞は、自分がいつの間にか泣いている事に気がついたのだ。

 

自分を愛し、自分と共に戦う事を決めたルイズを、ルイズを守るために拒絶しているからである。

 

龍亞「これは俺と遊星達との戦いなんだ。

だから、誰も巻き込みたく無いんだよ!」

 

そんな自分を言葉で、傷つけている龍亞に、ルイズは口を塞ぐようにキスをした。

 

ルイズ「もう無理しなくても、良いんだよ龍亞。

それにね、ボクは龍亞を守り、龍亞と共に生きることが、ボクの存在意義なんだよ。

だから、いくらボク達の為にボク達を拒絶したって、ボクは龍亞と一緒にあいつらと戦うよ。ねぇ、リーシャ。」

 

リーシャ「えぇそうよ。私は生半可な気持ちで、龍亞の事を愛してはいないのよ?

私の全てを、龍亞に捧げる為に今こうして、龍亞と共に歩いてるのよ?

だから、私も龍亞と一緒に戦うわ♪」

 

龍亞「ご…ごめんね2人共。俺なんかの為に、シグナーの敵にしちゃって。

あと…、俺を見捨てないでいてくれて、本当にありがとう…。」

 

龍亞はその場で、大粒の涙を流してしまい、泣き崩れてしまった。

 

そしてルイズとリーシャは、泣いている龍亞を優しく愛を込めて、抱き締めた。

 

ルイズ「龍亞が思ってるより、ボク達の龍亞への想いは、簡単にはたちきれないよ。

だから心配しないで、ボク達は最後まで龍亞の味方だからね。」




いや~、龍亞は相変わらず優しいですね。
自分を傷つけてでも、誰かを救おうとするなんて。

正に、生まれながらに、愛されるべき存在ですね。


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124話

~~~遊星達のガレージ~~~

 

龍可「龍亞と、敵対したって本当なの遊星!」

 

龍亞と別れた遊星は、その足でガレージに向かい、シグナー達を集合させた。

 

遊星「残念だが…、全て本当の事だ…。

すまない龍可。」

 

龍可「何で龍亞を、守ってくれなかったの!どうしてその時、龍亞に優しい言葉をかけてあげなかったよ!

ねぇどうしてなの、遊星!答えてよ!」

 

龍可は、物凄い剣幕で遊星の胸ぐらを掴み、今にでも遊星を殴ろうとしていた。

 

十六夜「落ち着きなよ龍可。遊星だって、出来るだけの事をしたのよ。

だから、遊星を責めても始まらないわ。」

 

アキに止められて、龍可は遊星から手を離した。

けれど、龍可の気持ちは落ち着いてはいなかった。

 

遊星「龍可、本当にすまないと思っている。

だが、俺にとっても龍亞も大切な存在だ。それは、わかってくれ。」

 

龍可「そんな口だけの言葉、信じられないよ!

だって、それが本気じゃ無いなら、龍亞は離れていったんでしょ!」

 

龍可は、そのまま大泣きをしてしまった。

そんな龍可を見て、遊星は何も言えなかった。

 

すると外から、1台のDホイールのエンジン音が近づいてきた。

 

クロウ「遊星見損なったぞ、どう言うつもりなんだよ!」

 

クロウは、ガレージに入って来るなり、遊星を思い切り殴りつけた。

 

そして、倒れた遊星を無理矢理立たせて、もう1度クロウは、遊星を殴った。

 

十六夜「クロウ落ち着いてよ!いきなり殴るなんて、クロウらしくないわ!」

 

遊星「良いんだアキ。俺のせいで、龍亞は離れていったんだ。殴られて当然だ…。」

 

遊星の言葉を聞いて、クロウはもう1度殴ろうとした。

だが、話を進めるために我慢をした。

 

遊星「だがクロウ、俺は龍亞を守りたかったんだ。」

 

クロウ「だったら…、だったら何で、龍亞をシティの人達から、守ってやらねーんだよ!

何で、俺にも相談しなかった!お前とジャックは、真実を知ってるんだろ。龍亞を守りたいなら、何で言わなかったんだ!」

 

クロウ「そして今日集めたのは、どうしてだよ。まさか、シグナー達で龍亞を倒そう、って話をするためじゃねーだろな!

どうなんだよ遊星!なんとか言えよ!」

 

クロウの質問に、遊星はただ申し訳なさそうに、顔を背けるだけだった。

それは、クロウの言葉を肯定するだけだった。

 

クロウ「ふ…ふざけるなよ!チッ!」

 

クロウはそのまま、ガレージを出ていこうとしていた。

 

遊星「クロウ何処に行く気だ!」

 

クロウ「そんな事、決まってるだろ!

お前と一緒になんか、戦う訳無いだろ!

俺は俺で、龍亞を助けて見せる。」

 

クロウはそう言って、ガレージを飛び出していった。

そして、ジャックもクロウの後に続いて、出ていこうとしていた。

 

十六夜「そんなジャックまで!どうしてなの!」

 

ジャック「すまない遊星。だが、カーリーが先程誰かから電話が来て、家を出ていった。

多分、電話の相手はルイズだろう。」

 

ジャック「俺は、遊星が正しいか正しく無いか、そんな事今は関係無い。

だが、俺はカーリーの夫だ。あいつが、家族より龍亞を守る方をとった。

だから俺は、龍亞達とはもう戦えない。」

 

ジャックは、遊星に申し訳無さそうに頭を下げると、ガレージを出ていった。




なんだか、シグナー達は戦いの前なのに、バラバラですね。

クロウとジャック、2人も遊星と対立してますね。

ジャックは本当に、カーリーが好きなのですね。ちょっと、見直しました。


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125話

~~~ダークシグナーの隠れ家~~~

 

鬼柳「龍亞様、ご無事でなによりです。

この鬼柳、心より貴方の為に戦うつもりです!」

 

鬼柳は、龍亞の前で膝まずきながら、龍亞と共に戦う事を宣言した。

 

龍亞「鬼柳…、心配かけて本当にごめんね。

そしてわかったよ。一緒に頑張って、戦おうよ!」

 

龍亞は、鬼柳に手を差し出した。

そして鬼柳は、その手の甲に優しくキスをし、涙を流した。

 

龍亞「ど…どうしたの鬼柳!

俺、何かダメな事言ったかな?」

 

鬼柳「そんな!滅相もございません!

感動しているのです。龍亞様の為に、もう1度戦えるなんて…。

考えるだけで、この鬼柳、負けられません!」

 

ルイズ「はぁ~、相変わらず義理堅い男だね。

それより、ミスティに伝えたのか?」

 

鬼柳「はい!ルイズ様の命令通りに、伝えました。もうすぐつくはずです。」

 

すると、隠れ家の入り口の扉が開いて、カーリーが中に入ってきた。

 

カーリー「龍亞様!大丈夫ですか!」

 

龍亞「カーリーまで、けど本当に良いの?

カーリーには、ジャックとの生活があったのに。それを捨てるなんて。」

 

そう聞いた龍亞の前に、カーリーも膝まずいた。

 

カーリー「確かに、私はジャックの妻として、新たな幸せを掴みました。

ですが、私の本当の幸せは龍亞様の為に戦い、龍亞様を幸せにする事です!

私は龍亞様の僕です。ですので、龍亞様の為に、全てを尽くします!」

 

龍亞「カーリー、本当にありがとう。

俺は十分幸せ者だよ…。」

 

龍亞は、嬉しくて涙を流してしまった。

そして、カーリーに抱きついた。

 

龍亞「本当にありがとう…、俺の為にごめんね…。けど、必ず勝ってみせるからね。」

 

龍亞の抱き締める強さが、これまでの龍亞の寂しさと、嬉しさを物語っている。

 

ミスティ「すみません龍亞様、ルイズ様。

遅れてしまいました。」

 

龍亞「ミスティ~!ミスティまで来てくれて、ありがとう!」

 

龍亞は、カーリーにした様に、ミスティにも抱きついていった。

 

ミスティ「すみません龍亞様、寂しい想いをさせてしまって。

ですがもう心配しないで下さい。私達は最後まで、龍亞様の味方です。」

 

そんな龍亞達を、リーシャは1人、少し離れた所から見ていた。

 

リーシャ「フフッ、龍亞って本当に皆から、愛されてるんだね。

けど残念だな…。私もあの輪の中に入りたかったな…。」

 

ルイズ「けど、今からは龍亞の仲間なんだよ。

だから、泣く事ないよ。」

 

リーシャ「そうね。これから、他の皆と仲良くなれば良いだけよね?」

 

リーシャとルイズは、2人で話しながら、龍亞の方へと歩いていった。

 

ルイズ「龍亞、今回の戦いの目的を、皆に伝えた方が良いよ。」

 

龍亞「それはそうだね。

皆、今回の敵はシグナー、いや俺達仲間以外の人間全てだ!

先ずは、奴等の希望でもある、シグナー全員を倒してここに連れてこい。歯向かう者も殲滅だ!」

 

鬼柳、カーリー、ミスティ「ハッ!!」

 

今ここに、龍亞の仲間が、固い絆で繋がった。

そして、シグナー狩りが今、始まろうとしている。




龍亞達のメンバーが、集まりましたね。
しかし、これで全員ではありません。

いよいよ、シグナーと龍亞達との全面戦争が幕を開けました。


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126話

~~~次の日の昼過ぎ~~~

 

双子母「龍可ちゃん、いい加減元気出してね?」

 

双子父「そうだぞ。このままだと、周りの人に変な誤解を招くだけだ。」

 

この日龍可は、父と母に連れられて、近くのショッピングモールに来ていた。

 

昨日遊星の考えに、はっきりとした答えが出せなかった龍可は、まだ龍亞の事を考えていた。

 

双子母「そうだ!龍可ちゃんはヌイグルミが、好きだったわね。新しいヌイグルミを買いましょう。」

 

双子父「そうだな。家にあるボロボロの、ヌイグルミなんか捨てて、新しいヌイグルミに変えよう。」

 

すると、今まで下を向いていた龍可が、2人の方を見た。

その目は、怒りに満ちていた。

 

龍可「ふざけないでよ!あのヌイグルミは、私の誕生日に龍亞から貰った、一番の宝物なんだ!」

 

ルイズ「宝物って、このヌイグルミの事だろ?」

 

3人の前に、いつの間にかルイズが立っていた。

その右手に、龍亞があげたヌイグルミを持っていた。

 

龍可「貴方は、ルイズ!どうしてここにいるの!

それより、どうしてそのヌイグルミを持ってるの、返してよ!」

 

双子父「き、君はどことなく、あいつに似ているが…。」

 

父の発言に、ルイズは怒りを感じ舌打ちをした。

 

ルイズ「龍亞に向かって、あいつ呼ばわりか…。本当にムカつくね。

おいお前ら!1つ聞きたい事がある。龍亞は、産まれてからずっと、お前達出来損ないのせいで傷ついてきた!なのに、どうして龍亞を助けなかった!」

 

ルイズは、両親に向かって質問をした。

答えは決まってるが、有りもしない希望を信じて聞いていた。

 

双子父「そんな事…そんな事決まってるだろ!

あいつが、使い道の無い出来損ないだからだ!

何も、特別な力を持ってない。何をしても、出来の悪い。

そんな奴を、どうして守らなければならんのだ!

あいつを産んでしまったのが、そもそもの間違いだったんだ!私達の子供は、龍可1人で十分だったんだ!」

 

母は、父の怒濤の言葉に否定をいっさいしなかった。

それは、肯定を意味する行動でもある。

 

龍可「2人とも何を言ってるの!ふざけた事、言わないでよ!」

 

両親の言葉、行動にルイズは怒りを通り越して、呆れていた。

 

ルイズ「はぁ~、やっぱりだったね。お前達に、ほんの少しでも期待したボクが、大馬鹿者だったよ。

これでお前達の処罰が、決定したよ。皆殺しだ…、と言いたいけど、龍可だけは龍亞の所に連れて行かなければならないね。」

 

ルイズはそう言って、右手に持っているヌイグルミを見ていた。

 

ルイズ「それにしても、腹立たしいね。龍亞からのプレゼントなんて。

けどね、もう龍亞の敵になったお前に、これは必要ないよね。」

 

そう言ってルイズは、ボロボロのヌイグルミの首を、引きちぎり、残った体もバラバラにした。

 

龍可「そ…そんな…、ひどい…。」

 

ルイズ「フフッ…フハハハハ、ハッハハハハ!!

お前の絶望に染まったその泣き顔、実に面白いね。まぁ、当然の報いだけどね。

さぁて、最後のそう仕上げとしますか。龍可、今からボクとデュエルだ。」




全面戦争の最初の戦いは、ルイズvs龍可です。
この勝負、私の中で一番楽しみでしょうがない、戦いでもあります。

やはり、両親は相変わらずのクズっぷりでしたね。


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127話

双子父「何をおかしな事を言っている!お前みたいな、怪しい者と龍可を戦わせれるか!」

 

双子母「そうよ!今すぐ、私達の前からいなくなってよ!」

 

ヌイグルミを壊されて、泣き崩れてしまった龍可を守るように、両親は龍可の前に立った。

 

ルイズ「本当にお前達は、ボクをイラつかせる天才だね。

はっきり言って、目障りなんだよ!後でたっぷりいたぶってあげるから、さっさと下がってよ!」

 

ルイズの怒りの言葉に、両親は怖じ気づいてしまっていた。

 

ルイズ「それに龍可、お前はそれで良いの?

言ってしまえば、このショッピングモールの客は、全て人質なんだよ?ボクはこいつらを殺す事に、何の抵抗も罪悪感も無い。

さぁもう1度だけ聞いとく、お前はそれで良いのか?」

 

龍可は、周りの人を見渡してみた。

事の深刻さに気づいて、怯える者。まだ、何も知らずに、買い物を楽しんでいる者。

 

それら全ての命が、自分の判断1つで、左右されているこの状況に、龍可は少し焦っていた。

 

ルイズの言葉、そして殺意に嘘はない。

本当に、他の人の命を何とも思ってはいない、それだけはしっかりと感じ取れた。

 

双子母「龍可ちゃん…、無理しちゃダメよ?貴方は体が弱いんだから。」

 

双子父「そうだ。ここでお前が戦っても、何のメリットが無いじゃ無いか!」

 

ルイズ「クズ達はこう言ってるけど、お前はどうするの?

ボクとデュエルするのか、しないのか!」

 

龍可は、この時龍亞と事を考えていた。

龍亞は何時も、どんなに傷ついても、自分を守ってくれていた。

 

今、自分は守られる立場から、守る立場に立っている。

 

龍可(龍亞、誰かを守るってとても勇気が、いる事だったのね。

今なら、少しでも龍亞に近づける気がするわ。)

 

龍可「わかったわルイズ。このデュエル、受けて立つわ!

その代わり、私が勝ったら龍亞を返してもらうわ!」

 

ルイズ「やっと、戦う気になったね。まぁ、どれだけの条件をつけようが、どうせボクの勝利は、決定してるから関係ないか。

よし!これより、お前達シティのクズ達を、絶望に染めるデュエルを行う!

せいぜい、お前も絶望するんだな。」

 

ルイズ、龍可「デュエル!」

 

~~~ルイズ1ターン目~~~

ルイズ「ボクの先行だ、ドロー。

ボクはカードを2枚伏せて《悲劇の剣士》を攻撃表示で召喚!」

 

ルイズ「フフッ、懐かしいだろ?あの時のデュエルでも、ボクが最初に召喚したのは、このモンスターだったね。

ボクはこれで、ターンエンドだよ。」

 

ルイズ「さぁ愚かな小娘よ、クズ達の希望よ!

お前の敗北より、ボク達のシグナー狩りの、始まりなんだよ!」

 




ルイズvs龍可のデュエルが、いよいよ始まりました。

まさに、絶望の始まりらしく、見物客がたくさんいますね。


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128話

~~~龍可1ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私は《レグルス》を攻撃表示で召喚。」

 

龍可「そして私は《レグルス》で、貴方の《悲劇の剣士》に攻撃!」

 

ルイズLP 3800 龍可LP 3500

 

ルイズ「クッ!けど破壊された《悲劇の剣士》の効果を発動。

攻撃表示の、このモンスターが戦闘で破壊された時、相手に500Pのダメージを与え、デッキから《悲劇の剣士》を任意の数、守備表示で特殊召喚する。」

 

ルイズ「ボクは2体の《悲劇の剣士》を、特殊召喚するよ。」

 

龍可「なら、私はカードを2枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

ルイズは、龍可の顔をじっと見つめついた。

 

ルイズ「ふ~ぅん、何だか吹っ切れた様な顔つきじゃん。

もうちょっと、絶望に染まってるかと、思ってたけど…。」

 

龍可「そうね…、確かに私は後悔してる。

私が、ワガママな小娘だったから、龍亞を傷つけるだけだった。

けど、私は貴方とのこのデュエルで変わるの!」

 

龍可「誰かに守って貰うだけじゃ無い!

私が、誰かを守れるような…、龍亞を守れるような強い人間に、生まれ変わる!

その為にこのデュエル、貴方と本気で戦うつもりよ!」

 

龍可の、真剣な偽りの無い眼差しを、ルイズは感心しながら見ていた。

 

ルイズ「その言葉に、嘘偽りは無いみたいだね…。腐っても、龍亞の妹か…。

フフッ、わかったよ。お前の本気、伝わった!

なら、お前の龍亞への愛に敬意を持って、ボクも本気で相手するよ!」

 

龍可「ええ!今からが、私達のデュエルの本当の始まりよ!」

 

双子父「龍可、何をバカな事を言ってるんだ!あんなクズの事なんか…。」

 

龍可「パパもママも、もう黙ってよ!

私は、もう貴方達の人形じゃ無い!私は、パパ達の為に戦ってるんじゃ、無い。

1人の女として、龍亞を守るために戦ってるの!」

 

龍可の言葉を聞いて、両親の顔が絶望に染まっていた。

 

ルイズ「フフッ、ハハハハハ!

良く言ったよ龍可。感動したよ、今さらだけど、ヌイグルミの事は謝るよ。」

 

龍可「もう良いわよ…。確かに悲しかったけど、あのヌイグルミは、弱い私の象徴だったかも知れない。

お陰で、固い信念が持てたわ。」

 

~~~ルイズ2ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。正直、ボクはお前を見下してた。

けど、見直したよ。」

 

ルイズ「ボクは伏せカード《技の代償》を発動。

自分フィールドの、モンスターを1体選択する。

そのモンスターをチューナーにする代わりに、レベルを1つ下げる。」

 

ルイズ「ボクが選択するのは当然《悲劇の剣士》だ。

そして、レベル3チューナーとなった《悲劇の剣士》に、レベル4《悲劇の剣士》をチューニング!」

 

ルイズ「同じ愛を持つ者と戦う今、その力を示し、愛への祝福を!

シンクロ召喚!これが龍亞への愛だ!降臨せよ《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》」




《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》を召喚する時の、口上が毎回違いますね。

召喚する時のルイズの心を、反映させてるつもりです。

やっぱり、龍可は本当に龍亞が好きな様ですね。
ルイズが認めた様ですし、なかなか本物の愛ですね。


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129話

龍可「出たわね、貴方のエースモンスターが。」

 

ルイズ「《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》で《レグルス》に攻撃!

「クラフティ・ダーク・ブレイク」」

 

龍可「伏せカード《攻撃の無力化》を発動。

《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》の攻撃を、無効にする!」

 

ルイズ「止められたか…、この攻撃は通ると思ったけどな…。

ボクはこのまま、ターンエンドだ。」

 

龍可「ルイズ、貴方どう言うつもりなのよ!

どうして《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》の効果で、地縛神を手札に加えなかったの!」

 

ルイズ「何だ、そんな事か。答えは簡単だよ、全ての地縛神は持ち主のデッキに、帰って行ったよ。

お陰で、本当の意味でボクは自分の力で、お前と戦ってるんだ。」

 

ルイズの覚悟と誠意に、龍可はそれ以上何を聞かなかった。

 

~~~龍可2ターン目~~~

龍可「私のターンドロー。私は《秋風の妖精》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル3 天使族 チューナー

 

攻撃力 1100 守備力 650

 

龍可「私はレベル4《レグルス》に、レベル3《秋風の妖精》をチューニング!」

 

龍可「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる。

シンクロ召喚!降誕せよ《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》」

 

ルイズ「来たね。けど、折角のシンクロモンスターが、守備表示なんて少し寂しいね。」

 

龍可「言ったでしょ?貴方とは本気で戦うって。勝てない攻撃力だから、守備表示で出しただけよ。

《秋風の妖精》の効果発動。

このモンスターが、シンクロに使用された時、デッキからカードを1枚ドローする。」

 

龍可「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

龍可「何だか、ここまではあの時とほとんど同じ、展開だわ。

やっぱり、貴方に勝つにはあの頃よりも、強くならなくちゃダメみたいね。」

 

ルイズ「確かにそうだね。けどね、強くなったのは貴方だけじゃ無いんだよ。

見せてあげるよ、これがボク達の新たな力だ。」

 

~~~ルイズ3ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー。ボクは《レベル・ジャグラー》を守備表示で召喚。」

 

レベル4 魔法使い族

 

攻撃力 1300 守備力 1000

 

ルイズ「このモンスターのレベルは、3としても扱える。

そして手札から魔法カード《マジシャンズ・サモナー》を発動。

お互いは、デッキか手札から魔法使い族1体を、特殊召喚出来る。ボクは《マジシャンズ・ウォーリアー》を攻撃表示で特殊召喚。」

 

レベル4 魔法使い族 チューナー

 

攻撃力 1800 守備力 1400

 

龍可「だったら、私は《精霊の占い師》を守備表示で特殊召喚。」

 

レベル2 魔法使い族

 

攻撃力 600 守備力 500

 

ルイズ「《マジシャンズ・ウォーリアー》が、特殊召喚された時、デッキからカードを1枚ドローする。

さてと、これがボク達の新たなる力だ。」

 

ルイズ「ボクはフィールドの《レベル・ジャグラー》と《マジシャンズ・ウォーリアー》で、オーバーレイネットワークを構築。

エクシーズ召喚!」

 

ルイズ「龍亞に捧げる勝利の為に、新たな力が今ここに解き放たれる!

《PNo.16・異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》」

 

ランク4 機械族

 

攻撃力 2300 守備力 2500




なんと、ルイズがエクシーズモンスターを召喚しました!

PNo. のPは、平行世界の意味であるパラレルワールドからとりました。読み方は、パラレルナンバーズです。

一応エクシーズは、イレギュラーなモンスターであるためです。

エクシーズする前の口上って、あんな感じでしたっけ?
私は正直、ゼアルも詳しくは見ていないので、うろ覚えです。


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130話

龍可「エ…エクシーズモンスターだって…。そんな召喚方法、見た事無いよ…。」

 

ルイズ「そうだろうね。これこそが、龍亞と共に戦う者に与えられた、希望の力にしてボク達の新たな絆だ。」

 

ルイズ「《PNo. 16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》の効果を発動。

このモンスターの、オーバーレイユニットを1つ取り除く事で、デッキからカードを1枚選んで手札に加える。」

 

ルイズ「ボクが手札に加えるのは…、このカードに決めた。

そして、相手ライフに800Pのダメージを与える。」

 

ルイズLP 3800 龍可LP 2700

 

龍可「なんて強力な効果なの!

これが、エクシーズモンスターなの…。」

 

ルイズ「ボクはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。

さぁ、ボクの進化を君に見せたぞ?次は君の力を見せてくれよ。」

 

~~~龍可3ターン目~~~

龍可「私のターンドロー!

私の進化か…、それなら私も強くなりたい!」

 

龍可「私は《希望の女神》を攻撃表示で召喚!」

 

レベル1 天使族 チューナー

 

攻撃力 0 守備力 500

 

ルイズ「この場面で、新たなチューナーを召喚するとは…。

なるほど《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》を使うか…。」

 

龍可「そうよ!これが、私の新しい可能性なの!

私はレベル7《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》に、レベル1《希望の女神》をチューニング!」

 

龍可「聖なる守護の輝き、永久に交わりて、愛の力になる!

シンクロ召喚!これが希望の光《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》」

 

レベル8 ドラゴン族

 

攻撃力 3300 守備力 3200

 

ルイズ「それが龍可の希望の光か…。

良いね!これでこそ、本気で戦う価値があるよ!」

 

龍可「《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》で《PNo. 16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》に攻撃!

『エターナル・エナジー・バースト』」

 

ルイズ「クッ!なんて力だ。

これまで、味わった事のない攻撃だよ。」

 

ルイズLP 2800 龍可LP 2700

 

《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》の攻撃は決まったが、どうしてか《PNo. 16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》は、破壊されてはいなかった。

 

ルイズ「これで、ボク達のライフが並んだね。

けど、これからが大変だよ。」

 

龍可「ルイズ!どうして《PNo 16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》は破壊したはずなのに!」

 

龍可の驚いた顔を見て、ルイズはとても嬉しそうに笑っていた。

 

ルイズ「やっぱり驚いたね。どうして、破壊されてないか教えてあげるよ。

《PNo .16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》は、《No. 》と名のつくモンスター以外の攻撃では、破壊されないんだ。」

 

龍可「そ、そんな強い効果があるなんて!

私はターンエンド。」




《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》が、なんと進化しました。

本当に物凄いデュエルになって来ましたね。


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131話

~~~ルイズ4ターン目~~~

ルイズ「ボクはのターンドロー。《PNo. 16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。

オーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキからカードを1枚選んで手札に加える。」

 

ルイズ「そして、相手ライフに800Pのダメージを与える。」

 

ルイズLP 2800 龍可LP 1900

 

ルイズ「そして、ボクは手札に加えたこのカードを発動する。

速攻魔法《パワーツール・フュージョン》を発動し、フィールドの《パワー・ツール・ドラゴン》と名のつくモンスターを、2体以上戻し融合召喚を行う!」

 

ルイズ「君に見せてあげるよ。これが、破壊の神さえも倒した《パワー・ツール・ドラゴン》の究極の姿だ!

現れろ!《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》。」

 

龍可「これは…、何だか暖かいな。

それでも!まだ負けてないぞ!」

 

ルイズ「フフッ、そんな強がりがいつまで続くかな?

《パワーツール・フュージョン》の効果発動。

デッキに戻したモンスターの、攻撃力の合計ライフを回復する!」

 

龍可「この瞬間を待ってたよ!《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》の効果を発動。

相手ライフが回復した時、それを無効にしてその数値分、攻撃力をアップさせる!」

 

龍可「これで、貴方の作戦は無効になったわ。

しかも、攻撃力も上回ったわ。」

 

ルイズ「まさか、そんな効果を隠してたなんてね…。しかも、まだ他にも隠してるみたいだね。

けど、こっちもそうなんだよ!《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。

全てのエクストラデッキの《パワー・ツール・ドラゴン》の攻撃力と守備力の合計を、このモンスターの攻撃力と守備力に加える。」

 

ルイズ「これで、こっちが攻撃力を上回ったね。

さぁ、次はどうする気だ?」

 

龍可「だったら、伏せカード《最終戦争・ラグナロク》を発動。

自分のライフを500P単位で払う。そして、払ったライフをフィールドのモンスターの、攻撃力に加える。

私は1500Pを払うわ。これで、貴方のモンスターと、私のモンスターの攻撃力は並んだわ。」

 

ルイズLP 2800 龍可LP 400

 

ルイズ「やるわね。だけど、これだけじゃボクには勝てないよ。

《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》は、戦闘じゃ破壊されないし、君のカードの効果を受けない。

このまま、戦闘しても君のモンスターが破壊されるだけだよ。」

 

龍可「まだ《最終戦争・ラグナロク》の効果は終わって無いわ!

このカードを発動したターンのバトルで、相手モンスターを破壊した時、モンスターの攻撃力分のダメージを受ける。

そして、もし両方のモンスターが残った場合、お互いがそのモンスターの攻撃力の合計の、ダメージを受ける。」

 

ルイズ「なるほどね、だけどまだこれだと、ボクの勝ちは変わらないよ?」

 

龍可「まだよ!伏せカード《神々の気まぐれ》を発動!

このターン、お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローする。

そして、このターン戦闘を行うモンスターの攻撃力は、そのドローしたモンスターの攻撃力分、アップする!」

 

ルイズ「これで、勝つか負けるかは運になったね。

わかったよ、その賭けにのってあげるよ。

《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》で攻撃!

『アルティメット・クラフティ・ブレイク』」

 

龍可「返り討ちにしてあげる。

負けないで《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》。

『エターナル・エナジー・バースト』」




すごいデュエルですね…。

これで、どっちが勝つかわからなくなりましたね。
けれど、どっちが勝っても最高のデュエルになりますね。

あと《最終戦争・ラグナロク》の効果、ちょっと無理矢理ですね。


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132話

龍可「この瞬間《最終戦争・ラグナロク》の効果が発動!」

 

ルイズ、龍可「ドロー!!」

 

カードをドローした、龍可の顔は曇っていた。

 

ルイズ「どうやら、この勝負はボクの勝ちみたいだね。

ボクがドローしたのは、攻撃力700の《ダーク・トルーパー》だ。

行け!《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》、止めだ!」

 

龍可「キャァァ!!」

 

ルイズLP 2800 龍可LP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

双子母「そ、そんな…龍可ちゃんが負けるなんて…、龍可ちゃん!」

 

両親は、気絶してしまった龍可の下に、駆け寄ろうとしていた。

 

ルイズ「お前らクズ共!それ以上龍可に近づくな!」

 

ルイズの一喝で、両親はその場で足を止めた。

 

そのまま、ルイズは龍可に近づいて行った。

 

ルイズ「可笑しいね《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》は、さっき破壊したはずなのにね…。」

 

ルイズは、目の前に存在している1体のドラゴンを見上げながら、ひっそりと呟いた。

 

そして、龍可のデュエルディスクから、カードを取って確認した。

 

ルイズ「1ターンに1度の、戦闘破壊耐性か…。

なるほどね、もしボクが攻撃力400未満のモンスターを引いていたら、引き分けにされてたのか…。」

 

ルイズ「やっぱり、最後まで油断出来ない、強い女だね、本当に見直したよ…。」

 

ルイズは、龍可のデッキの1番上のカードを確認し、自分のデッキの1番上のカードも確認した。

 

ルイズ「ボクの次のカードは、魔法カードで龍可の次のカードは、攻撃力3000のモンスターか…。

もし、タイミングが違ったら負けてたのは、ボクの方だったね。」

 

そう言って、ルイズは龍可のディスクを外した。

すると、目の前にいたドラゴンの姿が消えた。

 

ルイズ「さてと…、次はお前らクズの番だね。

どうしてやろうかな?」

 

ルイズは、両親の方を見て嬉しそうに笑いながら、ゆっくりと近づいて来た。

 

双子母「や…止めて、止めて!私達は何にも、関係無いはずよ!」

 

双子父「そ…そうだ!お前の敵は、龍可のはずだぞ!

俺達は無関係だ!」

 

ルイズ「はぁ~、本当につくづくお前達は、存在価値の無いクズだね。

そうだ決めた!お前達に1番の、最高のショーだよ?楽しんでね。」

 

ルイズが指を鳴らすと、ルイズの体から黒いオーラが出てきた。

そして、そのオーラが双子母の中に入ると、双子母はこの世の者とは思えない、おぞましい叫び声をあげた。

 

双子父「き、貴様!何をしたんだ!」

 

ルイズ「教えてあげるよ。お前達には、今から地獄の苦しみを、永遠に味わってもらうよ。」

 

ルイズの爽やかな笑顔に、双子父は恐ろしくなり、動けなくなっていた。

 

双子父「や、止めろ、止めてくれ!頼む、俺だけは見逃してくれ!」

 

ルイズ「バカじゃないの?見逃す訳無いじゃん?

けど、心配しないで。この苦しみから逃れる方法はあるよ?」

 

双子父「本当か!なら、教えてくれ!」

 

双子父は、ルイズに泣きつきながら必死になって、聞こうとした。

 

ルイズ「簡単な事だよ。龍亞と龍可を、心の底から本当に、家族として愛し、1人の人間として、認める事だよ?

まぁ、お前達には無理な事か♪」

 

ルイズは笑顔で、双子父を蹴りつけた。

そして、黒いオーラが双子父の中に入っていった。

 

ルイズ「さてと、後は龍可を龍亞と所に、連れて行くだけだね。」

 

ルイズは、龍可を抱き抱えて、その場から離れていった。




ルイズと龍可のデュエル、無事に終了しました。

どっちが勝っても、可笑しくないデュエルでしたね。

両親は、絶対にルイズの罰からは、助からないでしょうね。ざまぁみろ!


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133話

~~~ダークシグナーの隠れ家~~~

 

ルイズ「龍亞~、帰ったよ~。

あれ?いないのかな?」

 

ルイズは、隠れ家に帰るなり龍亞に勝利の報告を、しようとしていた。

 

だが、龍亞からの返事は帰っては来なかった。

 

ルイズ「可笑しいな。まぁいいや、龍可は連れて来れたからね。

さてと、龍可を何処に休ませようかな…、他のシグナーだったら、床に捨てても良いけど。」

 

ルイズは目の前にあった、ソファーに龍可を寝かせた。

すると、龍可が目を覚ました。

 

龍可「あ…あれ、ルイズここは何処なの?」

 

ルイズ「あっ!目が覚めたんだね龍可。ゴメンね、あんなに手荒な事して。

けど、こうするしか無かったんだ。」

 

龍可が目を覚まし、ルイズが気づいたすぐに、階段から誰かが降りてくる音がした。

 

龍亞「ゴメンねルイズ、部屋の掃除をしてたん…だ…、

龍可、来てたんだ。」

 

龍可の存在に気づいた龍亞は、申し訳無さそうに龍可から顔をそらした。

 

龍亞「その、ゴメンね龍可。俺の勝手な考えで、龍可を傷つけて。」

 

龍亞「龍可には、遊星達や、シティの人達と平和に暮らす幸せが、あったのに…。

許されない事をしたって、俺だってわかってるんだ!

けど、もう止まれないんだよ。」

 

龍亞の心からの叫びは、涙で震えていた。

ルイズが、泣いている龍亞を慰めようと近づくより速く、龍可が龍亞のもとに駆け寄った。

 

龍可「何言ってるのよ龍亞。龍亞が私に、謝る必要は無いんだよ。

それより、謝るのは私の方。私が貴方の優しさに、甘えていたせいで貴方を、そんなにも傷つけ、追い詰めてたなんて、私は想いもしなかった…。」

 

龍可「けど、ルイズの戦って気づいた…、いいえ、気づかされたわ。

これからは、貴方の横で貴方と共に、生きていく。

それが、私の幸せよ。」

 

龍可はそういって、龍亞を優しく抱き締めた。

そして、龍亞の口に愛のこもったキスを交わした。

 

龍可「だから、今ここにいることには、怒ってないわ。

それよりも、また龍亞に会えて嬉しいの。」

 

龍亞「ご…ゴメンね龍可、こんなダメダメなお兄ちゃんで、本当にゴメンね。

あと、こんな俺なんかを愛してくれて、ありがとう。」

 

龍亞と龍可の、仲直りをルイズは寂しそうに見ていた。

 

ルイズ「はぁ~、本当だったら龍亞を慰めるのは、ボクの役目だったのにな。」

 

リーシャ「まぁまぁ、龍亞がこれで幸せに近づくのなら、少しは我慢出来るでしょ?」

 

ルイズは、後ろから話してきたリーシャに、少し驚いていたが、すぐに、冷静になった。

 

ルイズ「リーシャはまだ戦いに行って無いんだ。

って事は、次の戦いは誰なの?」

 

リーシャ「フフッ、私はもうちょっと、様子見かな?

多分だけど、次はミスティだと思うよ?」

 

ルイズ「そっかミスティか。なら心配無いな。

って言うより、鬼柳もカーリーも心配無いけどね。」

 

とルイズは言いながら、不敵に笑った。




今回の話で、龍亞と龍可が仲直りしました!
よかった!これで、龍亞の幸せが増えたね。

それよりも、龍亞はまたキスされましたね。
本当に龍亞は、モテモテですね。


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134話

~~~中央広場~~~

 

人混みがまだ少ない、シティの中央広場のカフェテラスに、ミスティは座っていた。

 

そして、ミスティはその人混みの中に、1人の女を見つけ出し、ゆっくりと近づいていった。

 

ミスティ「あらっ、お久しぶりね十六夜アキ。私の事、覚えてくれてるかしら。」

 

十六夜「えぇ覚えているわ、久しぶりねミスティ。

私に、何か用かしら。」

 

アキは、ミスティの用事を知っていて、様子を見るためにわざととぼけてみた。

 

ミスティ「フフッ、貴方の考えは読めてるわ。

私だって、本当ならこんな争いはしたくないの。」

 

ミスティ「けどね、今回の戦いは逆恨みじゃない、ちゃんとした理由の下で戦うの。」

 

十六夜「ちゃんとした理由ですって?それは、何なのよ。」

 

アキがミスティにそう聞くと、ミスティは少し嬉しそうに微笑んでいた。

 

十六夜「何が笑えるのよ!バカにしてるの!」

 

ミスティ「いえ、そんな事無いわ。

そんなに知りたいなら、教えてあげるわ。」

 

ミスティ「私達の目的は、貴方達シグナーを倒して、龍亞様の所に連れて行く事よ。」

 

ミスティの言葉に、アキは驚きを隠せないでいた。

まさかあの龍亞が、自分達を倒そうとしているなんて、想いもしなかったからである。

 

ミスティ「そして、まずルイズ様が成功した様ね。

龍可様を倒して、無事に連れて行かれたみたいだわ。」

 

十六夜「そ、そんな!龍可が負けたなんて!

ミスティ、貴方達龍可を連れ出してどうするつもりなの!」

 

アキは、物凄い見幕でミスティを睨み、龍可を心配した。

 

ミスティ「龍可様なら、何も心配いらないわ。どうやら、龍亞様と完全に和解なされた様だわ。

けど、貴方は龍亞様と会うことは無いわ。」

 

ミスティ「だって、ルイズ様より、地獄の様な苦しみを与えろと、言われているわ。

それに、ルイズ様は貴方に大層お怒りの様よ。」

 

そう言ってミスティは、自分の右腕にデュエルディスクをセットした。

 

そして、アキにもう1つのデュエルディスクを投げて渡そうとした時、誰かがミスティの腕を止めた。

 

ミスティ「誰かは知らないけど、私の邪魔をするなら容赦しないわよ。」

 

ミスティが振り替えると、ガタイの良い大男がミスティの腕を掴んでいた。

 

十六夜「貴方は…、確かボマーだったわね。どうして、貴方がここにいるの。」

 

ボマー「十六夜アキ、話は遊星から聞いている。

ここは私に任せて、速く逃げろ。」

 

ボマーにそう言われて、アキはその場から走り去っていった。

 

ミスティ「貴方のせいで、十六夜アキに逃げられたじゃない。

まぁ良いわ。十六夜アキはあの子が、倒してくれるもの。」

 

ボマーがミスティの腕を離すと、ミスティはデュエルディスクを、ボマーに投げつけた。

 

ミスティ「本当なら、シグナーじゃ無い貴方に、用は無いわ。

けど、龍亞様が邪魔する者も倒せ、とおっしゃった。」

 

ミスティ「貴方は、見せしめとして私と、戦って貰うわ。」

 

ボマー「なら好都合だ。私もその為に、ここに来たからな。」

 

ミスティ、ボマー「デュエル!!」




なんと、ボマーの登場です。
いや~ビックリしましたね。

ミスティの言っていた、あの子とは一体誰なのか!


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135話

~~~ボマー1ターン目~~~

ボマー「私のターンドロー!私はカードを2枚伏せる。

そして《トラップ・リアクター・RR》を、守備表示で召喚。」

 

ボマー「私はこれで、ターンを終了する。

さぁ、次はお前のターンだ、遠慮無くかかってこい!」

 

ミスティ「なるほど、貴方のデッキは噂通りのデッキみたいね。

そんなデッキで、本当に私に勝つつもりかしら?」

 

ミスティ「それに、貴方は本当ならこちら側にいるべき、人間の様だわ。」

 

ボマー「お前が、何を言っているのかは知らない。

だが、私は遊星に借りがある。その借りを返す事が、私の戦う理由だ!」

 

~~~ミスティ~~~

ミスティ「私のターンドロー。私は《レプティレス・ゴルゴーン》を攻撃表示で召喚。」

 

ボマー「この瞬間、伏せカード《隠れ兵》を発動する。

その効果により、手札から《マジック・リアクター・AID》を守備表示で特殊召喚する。」

 

ミスティ「なら《レプティレス・ゴルゴーン》で《マジック・リアクター・AID》に攻撃!

『ポイズン・グランス』」

 

ボマー「その攻撃も読めていた。伏せカード《フェイク・エクスプロージョン・ペンタ》を発動。

戦闘破壊を無効にし、手札から《サモン・リアクター・AI》を攻撃表示で特殊召喚する。」

 

ボマー「どうだ!これが私の、最強のコンボだ!

今のお前には、この私を倒す事は出来まい。」

 

ミスティ「カードを、1枚伏せて、私はターンエンドよ。

フフッ、全て自分の作戦通りと思ってるけど、それはどうかしらね。」

 

ミスティは、意味深な言葉を、ボマーに聞こえない位の小さな声で、呟いた。

 

~~~ボマー2ターン目~~~

ボマー「私のターンドロー。《サモン・リアクター・AI》の効果発動。

自分フィールドの、このカードと《マジック・リアクター・AID》と《トラップ・リアクター・RR》を、墓地に送る事で、手札、デッキ、墓地から《ジャイアント・ボマー・エアレイド》を特殊召喚する。」

 

ボマー「来い!我がデッキの最強の切り札よ。

《ジャイアント・ボマー・エアレイド》を特殊召喚!」

 

ミスティ「全く、貴方の戦略はワンパターンしか無いのね。

伏せカード《ポイズン・ハンティング》を発動。

相手フィールドに、モンスターが特殊召喚された時、自分フィールドに《レプティレス》と名のつくモンスターが存在する時、そのモンスターのコントロールを得る。」

 

ミスティ「残念だったわね。貴方の切り札は、今こうして私が貰ったわ。」

 

ボマー「クッ!なら、私はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 




いきなり、ボマーの切り札《ジャイアント・ボマー・エアレイド》が、ミスティに奪われました。

ボマー、早速ピンチです。

ミスティの言っていた、こちら側とはいったいどう言う意味なのでしょうか。


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136話

~~~ミスティ2ターン目~~~

ミスティ「私のターンドロー。

ボマー、貴方に聞きたい事があるわ。さっき、遊星に借りがある、と言ってたけれどそれはどんな借りなのかしら?」

 

ボマー「…わかった、教えよう。

私の生まれ故郷は、数年前から謎の実験の為に、支配されていた。

その実験は、なんでも破壊神をとある子供から、解放する実験だったらしい。」

 

ボマーの説明を聞いたミスティは、ルイズから聞いた話を思い出していた。

 

その実験を行ったのは、間違いなくゴドウィンだ、と確信できた。

 

ミスティ「なるほど…、けれども、その話と遊星は何も関係性が無いわ。」

 

ボマー「そうでは無い。私は独自のやり方で、その実験についてを調べていた。

そして、その実験を行ったのが治安維持局の、ゴドウィンが行っていた事がわかった。」

 

ボマー「私は許せなかった。私の故郷を実験に使った事もそうだが、それだけじゃ無い!

ゴドウィンが、何も罪の無い少年を傷つけるなんて、絶対に許せない事だ!」

 

ボマー「だが、私がこのネオドミノシティについたときには、もう治安維持局は崩壊、ゴドウィンは行方不明の扱いだった。

それをやり遂げたのが、不動遊星だった。」

 

ミスティ「それで遊星には、大きな借りが出来たのね。

けどその話、誰から聞いたのかしら?」

 

ボマー「治安維持局の崩壊は、ニュースで見ただけだが、私は本人から直接聞いたのだ!

それに、シティの人達に聞いても、遊星は英雄だと言っていた。だから…!」

 

ミスティ「フフッ、無理しなくても良いのよ。

本当は、貴方は真実を知ってるんでしよ?それなのに、何を言っているのかは隠しているのかしら。」

 

ミスティは、ボマーの心の中を見抜いているのか、ボマーに静かに問いかけた。

 

ボマー「な…何を言っているんだ!

私は何も隠してなど…。」

 

ミスティ「隠してもムダよ。私の直感だけど、貴方は多分脅されているのね。

遊星に、私達を倒す様に言われてる、その焦りがこの《ジャイアント・ボマー・エアレイド》ね。」

 

ミスティ「普通のデュエリストなら、もう少し警戒してエースを出す。

けど、貴方は勝ちに急いでいる。だとすれば、出てくる答えは1つよ。」

 

ミスティの推察に、ボマーは何も言えずにいた。

そして、その思い口を開いた。

 

ボマー「あぁ…、推察通りだ。だが、1つだけ誤りがある。

私は遊星に脅されているのでは無い。」

 

ミスティ「じゃあ、誰がなんと貴方を脅しているの?」

 

ボマー「治安維持局のイェーガーと名のる男に、私の兄弟を人質に取られている。

お前達を倒したら、兄弟達を解放してくれる約束だ。」

 

ボマー「本当に解放する保証は無い!だが、それしか方法は無いんだ!だから、治安維持局の崩壊や、遊星達の真実を知っていても、お前達と戦わざるを得ないんだ!」




まさかの事態です。
ボマーは、龍亞の事を知っている様です!

ですが、兄弟を人質に取られ、龍亞達と戦わなければならない、最悪の状態です。


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137話

ミスティ「そうだったのね。けど、わざと負ける訳にはいかないわ。

私にも、勝たなければいけない理由があるわ。

私は《レプティレス・ボア》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 爬虫類族

 

攻撃力 1300 守備力 1400

 

ミスティ「私はレベル4《レプティレス・ゴルゴーン》と《レプティレス・ボア》で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ミスティ「荒ぶる大蛇の毒牙よ、今その猛毒を用いて邪な者を滅ぼせ!

現れよ!《PNo.21レプティレス・メデューサ》」

 

ランク4 爬虫類族

 

攻撃力 600 守備力 500

 

ボマー「エクシーズ召喚だと…、何て新しい召喚方法なんだ。これが、真実の正義にしかなし得ない事か…。」

 

ミスティ「さぁ、バトルよ。

《ジャイアント・ボマー・エアレイド》で、ダイレクトアタック!」

 

ボマー「甘い!伏せカード《和睦の使者》を発動。

このターン、私は戦闘ダメージを受けない!」

 

ミスティ「なら、手札から魔法カード《神秘の解毒剤》を発動。

私のフィールドのモンスターのコントロールを、相手に移すことで、お互いは手札を全て墓地に送り、デッキからカードを3枚ドローする。」

 

ミスティ「私は《ジャイアント・ボマー・エアレイド》を、貴方に返すわ。

さぁ、手札を捨てドローしましょう。」

 

ボマー「なんだと!《ジャイアント・ボマー・エアレイド》を返すなど、私をバカにしているのか!」

 

ミスティ「そんな訳は無いわ。これも私の戦略の1つよ。」

 

ボマー「その作戦が、己の身を滅ぼす事になる。

後悔をするなよ。」

 

ミスティ「私はカードを1枚伏せて、ターンを終了するわ。」

 

~~~ボマー3ターン目~~~

ボマー「私のターンドロー!私はカードを2枚伏せる。

そして《ジャイアント・ボマー・エアレイド》で《PNo.21レプティレス・メデューサ》に攻撃!

『デス・エアレイド』」

 

ミスティ「貴方こそ甘いわ。

《PNo. 21レプティレス・メデューサ》の効果発動。

このモンスターの、オーバーレイユニットを1つ取り除く事で、相手フィールドのモンスター全ての、攻撃力と守備力を0にするわ。」

 

ボマー「な、何て恐ろしく強力な、効果なんだ!

これが、エクシーズモンスターの力なのか…。」

 

ミスティ「えぇ、これが龍亞様の恩恵を受けた者にしか、扱えない力よ。

本来なら、貴方にもその資格はあるのよ。」

 

ボマー「クッ!またわからない事を。

私はこのまま、ターンエンドだ。」

 

すると、ミスティの携帯に1本の電話が入った。

 

ミスティ「もしもし…えぇ、わかったわ。

それで、無事に…、ご苦労様だわ。」

 

ミスティは、電話を切った後に、ボマーを見て不敵に笑った。




ミスティもPNoを、召喚しましたね。

そして《ジャイアント・ボマー・エアレイド》を、巧みに扱い、ボマーを追い詰めてます。

ミスティにかかってきた電話は、誰からで内容は何なのか!


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138話

ミスティ「ボマー、どうやらこのデュエルの意味が、たった今無くなったわ。」

 

ボマー「どう言う意味だ…、ま…まさか!」

 

ミスティ「えぇ、その通りよ。今の電話は、貴方の兄弟を無事に保護したと言う内容の電話よ。」

 

ボマー「本当か!そうか…、マックスとアニーは無事なのか…、良かった、本当に良かった…。」

 

ボマーは、先ほどまでの張りつめた表情から一変して、安心した顔をして涙を流した。

 

ボマー「すまない、見苦しいものをみせてしまったな。

私の兄弟を助けてくれて、本当にありがとう。

感謝しても、しきれない。」

 

ミスティ「別に、私に感謝しなくても良いのよ。

全て、龍亞様の指示による、ある意味オマケだから。」

 

ボマー「オマケとは、どう言う意味だ?

それに、どのような指示だったんだ。」

 

ミスティ「龍亞様は、治安維持局の残党が、良からぬ事を考えているとお考えになった。

だから、その残党を調査していたら、貴方の兄弟を無事に保護出来たのよ。」

 

ボマー「そうだったのか…、オマケでも構わないさ。

お陰で、兄弟が無事だったからな。」

 

ミスティ「それで、このデュエルをどうするの?

貴方を脅していた理由も、無くなったし、貴方には龍亞様に、力を貸して欲しいしね。」

 

ミスティの言葉に、ボマーは少しの間考えていた。

そして、ある答えを決めたのか、覚悟を決めてミスティを見た。

 

ボマー「私の答えは決まった。

今すぐ、私をデュエルで倒してくれ。」

 

ミスティ「あら、本当にその答えで良かったの?

このデュエルを、無効にしても良いのよ。」

 

ボマー「いや、そんな訳には行かない。

私は、理由はどうあれ敵として現れたのだ。

お前達の支える、龍亞と言う人間に力を貸すには、当然のけじめだ。」

 

ミスティ「…わかったわ。覚悟してね。」

 

~~~ミスティ3ターン目~~~

ミスティ「私のターンドロー。私は手札から魔法カード《RUM-The Dark Rular》を発動。

自分フィールド、墓地、エクストラデッキのエクシーズモンスターを1体、選択する。

そして、選択したモンスターを素材として、そのもよりもランクの1つ高い、エクシーズモンスターを特殊召喚する。」

 

ミスティ「私が選択するのは、当然《PNo.21レプティレス・メデューサ》を選択する。

《PNo.21レプティレス・メデューサ》1体で、オーバーレイネットワークを再構築、カオスエクシーズチェンジ!」

 

ミスティ「神に支えし毒蛇よ、その聖なる力を持って私を勝利に導いて!

エクシーズ召喚!降臨せよ《PCNo.21レプティレス・メリュジーヌ》」

 

ランク5 爬虫類族

 

攻撃力 1000 守備力 1000

 

ミスティ「《PCNo.21レプティレス・メリュジーヌ》が《PNo.21レプティレス・メデューサ》をエクシーズ素材にしてる時、相手フィールドの攻撃力0のモンスターを1体選択する。

そのモンスターの元々の攻撃力を、このモンスターの攻撃力に加える。」

 

ボマー「なるほど、これで一撃で勝負が決まるな。」

 

ミスティ「《PCNo.21レプティレス・メリュジーヌ》で《ジャイアント・ボマー・エアレイド》に攻撃!

『デス・ポイズン・オーバー』」

 

ミスティLP 4000 ボマーLP 0

 

~~~デュエル終了~~~




デュエルの決着がつきました。

無事に、ボマーの兄弟を保護いたしました。
それにしても、最後までボマーは漢でしたね。


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139話

ボマー「これで、私の完全敗北だ。

私のこの命、お前達が自由に使ってくれ。」

 

ボマーは、その場に座り込み、ミスティに頭を下げた。

 

その姿は、とても凛々しく、雄大なオーラを感じられる程だった。

 

ミスティ「ボマー、頭を上げて。私には、貴方をどうするかの、決定権はありません。

決定権を持っているのは、龍亞様と…。」

 

ルイズ「ボクだよねミスティ。

デュエルご苦労様、良く勝ったね。」

 

ミスティの後ろに、いつの間にかルイズが立っていた。

だが、ミスティは驚く事は無く、ルイズの前に跪いた。

 

ミスティ「ルイズ様、わざわざこの様な所まで来なくとも、私の方から行きますのに…。」

 

ルイズ「そんな小さな心配、全くいらないよ。

それよりも、ボクも直接そのボマーって言う、男を見てみたかったしね。それに…。」

 

ルイズ「龍亞には、龍可がべったりだからね。

あの雰囲気を、壊すわけにはいかないからね。」

 

そう言ってルイズは、ボマーの前に立って、ボマーの事をじっくりと見ていた。

 

ルイズ「君がボマーか、なるほどね…、確かに君には龍亞に従う、権利があるね。

気に入ったよ!宜しくね、ボクの名前はルイズだよ。」

 

ルイズは笑顔で、ボマーに握手を求めるために、手を差しのべた。

 

だが、ボマーはルイズのオーラ、カリスマ性に魅了されて、呆然としていた。

 

ルイズ「あれどうしたの?握手はわかるよね。」

 

ボマー「……はっ!すみません。

しかし、貴方みたいな人も、心から従っているその龍亞という少年、一体どれ程の男なのですか。」

 

ボマーの質問に、ルイズは少し考えていた。

 

ルイズ「そうだね…、一言で言うならまさにボク達の希望だよ。

ボク達は、龍亞の為だけに生きて死ぬ、そして龍亞はボク達を愛してくれる。」

 

ルイズ「それが、ボク達の喜びであり、生きる意味だ。

それが、龍亞を幸せにする、1番の方法なんだ。」

 

ルイズの言葉に、ボマーは言葉を失っていた。

それほどに、今のボマーはルイズの言葉に、まだ見ぬ龍亞の虜となっていた。

 

ルイズ「さて、今更だけど君に聞くよ。

君は今から、龍亞の為だけにその命を使える?

他の人間を、不幸せに出来る?

それが出来るなら、君は立派なボク達の仲間だ。」

 

ボマーの答えは、すでに決まっていた。

ボマーは、ルイズの前に跪いた。

 

ボマー「このボマー、龍亞様の為に、この命を使う事をここに、宣言いたします。

ルイズ様、私は龍亞様に心から従います!」

 

ボマーの宣言に、ルイズは嬉しそうに笑うと、ボマーに手を差しのべた。

 

ルイズ「なら、これからは龍亞の為に頑張ろうね。

宜しく、ボマー。」




ボマーが、龍亞の仲間に無事なりました!

龍亞は、カリスマ性や魅力が半端ないですね。


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140話

~~~元治安維持局跡地~~~

 

カーリー「さて、ミスティさんに連絡もすんだし、後はこの卑怯者を、どうしようかな?」

 

カーリーは、ミスティへの電話を切って、目の前にいるイェーガーを、見ていた。

 

そのイェーガーは、自分の計画を邪魔された事で、怒りに震えていた。

 

カーリー「本当なら、お前みたいなクズ野郎の相手なんか、したくは無いけれど、龍亞様にとって害をなす者だし…。」

 

イェーガー「本当に、貴方達は私達の邪魔を、沢山してくれますね!

お陰様で、ゴドウィン長官の長年の計画が、水の泡になりましたよ!」

 

イェーガーは、あからさまにカーリーに、怒りをぶつけてきた。

 

カーリーは、そんなイェーガーの惨めな姿を見て、笑いが止まらなかった。

 

カーリー「何を変な事を言ってるのかしら?

この世界で、龍亞様以外の人間の思い通りになるなんて、絶対にあり得ないわ。

それに、ゴドウィンもお前も、弱かったからでしょ?」

 

カーリーは、わざと言葉を選んでイェーガーを、挑発した。

その挑発に乗って、怒りを露にしている姿が、より見苦しかった。

 

イェーガー「良いでしょう…、貴方のその挑発に、受けてたちましょう。」

 

カーリー「本当に良いの?私に負けて、より惨めな想いをするだけだよ?」

 

イェーガー「その代わり、私が勝ったなら、貴方達のリーダーである、龍亞を差し出しなさい!」

 

イェーガーの発言に、カーリーは笑いを止められなかった。

 

カーリー「やっぱり、負け犬の発言その物だね。

本当に面白いね!良いよ!どうせ、私の勝ちは決まってるわ。」

 

カーリーは、デュエルディスクを自分の腕に装着して、イェーガーと距離を開けた。

 

そして、デッキをセットしようとした時、後ろから1台のDホイールが、近づいてきた。

 

カーリー「誰かしら?今から、楽しいデュエルが始まるのに…。」

 

カーリーは、音のする方を振り向いて、驚愕してしまった。

 

そこには、白いDホイールが止まっていて、そこからカーリーの夫である、ジャック・アトラスが立っていた。

 

カーリー「ジャック…、ジャックなの!

どうして、貴方がここにいるの。」

 

ジャック「カーリー、今の龍亞なら必ず、治安維持局の残党を片付けると思ったんだ。

そして、そこに行くのは、お前しかいないと感じたんだ。」

 

ジャックの突然の登場に、さっきまで怒りに震えていたイェーガーの顔に、笑いが込み上げてきた。

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!これは、大変面白い事になって来ましたね!」

 

カーリー「ジャック、貴方が来た理由は良くわかったわ。

なら貴方はどうするの?私の敵?

それとも…、何しに来たのよ。」

 

カーリーの言葉に、ジャックはその重い口を開いて、質問に答えた。




カーリーと、ジャックが劇的な再会ですね。

どうなるのでしょうかこのデュエル。
そして、カーリーとジャックの仲は、どうなるのか?


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141話

ジャック「すまないカーリー。

正直、俺はどうすれば良いのかが、全くわからないんだ。」

 

ジャック「だが、遊星が間違ってる事くらいは、わかっている!

けれど、1度は龍亞の敵として、お前達ダークシグナーと戦った身だ。

そう簡単には、その罪は償えないだろう…。」

 

ジャックはそう言いながら、カーリーに深々と頭を下げた。

 

カーリー「ジャックらしい言葉ね。

ならこうしましょう。」

 

カーリーはそう言って、ジャックに向かって、デュエルディスクを渡した。

 

カーリー「私達はデュエリストよ。

全ての答えは、デュエルでしかわからないわ!」

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!三つ巴の変則デュエルですか。

面白い、実に面白い提案ですね。」

 

ジャック「カーリー、わかった。

俺はキングだ!挑まれたデュエルは、絶対に逃げん!

そして、このデュエルで、答えを探しだす!」

 

カーリー、ジャック、イェーガー「デュエル!」

 

~~~イェーガー1ターン目~~~

イェーガー「私のターンドロー。私は《仮面道化の玉乗り男》を、守備表示で召喚。」

 

レベル2 魔法使い属性

 

攻撃力 200 守備力 650

 

イェーガー「《仮面道化の玉乗り男》の効果を発動。

このカードが、召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする。

私は、カードを3枚伏せて、ターンエンドです。

さぁ、次はどちらのターンですか?キングのターンですか?

それとも、憎たらしいクソ女のターンですか?」

 

イェーガーは、カーリーを小馬鹿にする発言をした。

 

ジャック「イェーガー貴様!

俺への批判は、構わん。

だが、カーリーへの批判は絶対に許さんぞ!」

 

~~~ジャック1ターン目~~~

ジャック「俺のターンドロー!俺は《ロケット・リゾネーター》を攻撃表示で召喚!」

 

レベル3 機械族

 

攻撃力 1400 守備力 900

 

ジャック「そして手札から《共鳴する音叉》を発動。

自分フィールドに《リゾネーター》と名のつくモンスターがいる時、手札を2枚墓地に送る事で、デッキから《リゾネーター》と名のつくモンスター1体を、守備表示で特殊召喚する。」

 

ジャック「俺が特殊召喚するのは《ダーク・リゾネーター》だ。

俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

ジャック「イェーガーよ、お前のデッキがどれ程の、強さかは知らん。

だが、この俺には勝つ事は出来ない!

カーリーを侮辱した罪は、重いぞ!」

 

カーリー「ジャック…、やっぱり貴方は変わらないわね。

でも、そんな所が…。」

 

~~~カーリー1ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー。私は《フォーチュンレディ・ベクトリー》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル1 魔法使い族

 

攻撃力 ? 守備力 ?

 

カーリー「このカードの、攻撃力と守備力はレベルの数×200Pになる。

そして、私のスタンバイフェイズ毎に、このカードのレベルは1つあがる。

そしてフィールド魔法《フューチャー・ワールド》を発動!」




まさかの、3人デュエルですね。
初の試みです。

カーリーが最後に発動した《フューチャー・ワールド》というカード。
一体、どんな効果があるのでしようか。


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142話

イェーガー「《フューチャー・ワールド》?

聞いた事も、見た事も無いカードですね。」

 

カーリー「それはそうよ。

このカードは、龍亞様が私の為に特別にお造りになられた、世界で1枚しか無いカードですもの。」

 

カーリー「そして《フューチャー・ワールド》の第1の効果を発動。

手札を1枚と、ライフを500Pをコストにすることで、自分のフィールドを、1ターン先の未来へと進ませる。」

 

イェーガー「なっ、なんですって!

そんな強力なカード、卑怯ですよ!」

 

ジャック「黙れイェーガー!

龍亞が造ったカードだと、言っていただろう。

だから、龍亞を傷つけた俺達には、何も言う権利は無い!」

 

カーリー「ジャック…。

私は、手札を1枚墓地に送り、ライフを500P払う。

そして、私は未来へと進むわ。」

 

カーリーLP 3500 ジャックLP 4000 イェーガーLP 4000

 

カーリー「未来へと進んだ事により《フォーチュンレディ・ベクトリー》のレベルは2となる。

私は、カードを2枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

イェーガー「《フューチャー・ワールド》の効果を、発動しないのですか?

もしかして、忘れていますか?」

 

カーリー「全く、お前の挑発は品が無いね。

《フューチャー・ワールド》の第1の効果は、1度発動したら、次の私のスタンバイフェイズまで使えないのよ。」

 

~~~イェーガー2ターン目~~~

イェーガー「私のターンドロー。

そうですか…、ならば、その未来すらも汚してあげましょう。

私は永続魔法《鳴り止まぬ呪いの鐘》を発動。

このカードの効果により、お互いはシンクロ召喚を行えない。

そして、貴方達は自分のデッキから、カードを手札に加える毎に、500Pのダメージを受けますよ。」

 

ジャック「何だと!

シンクロを防がれただけではなく、ドローすらもダメージに変えるだと!」

 

イェーガー「ドローだけでなく、サーチすらもですよ。

私はこのまま、ターンエンドです。」

 

~~~ジャック2ターン目~~~

ジャック「クッ!俺のターンドロー。」

 

カーリーLP 3500 ジャックLP 3500 イェーガーLP 4000

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ、イーヒッヒッヒッ!

楽しいですね!最高ですね!

あのデュエルキングが、ドローを躊躇してるなんて、サイスが見たら失望しますよ。」

 

ジャック「サイスだと…。

イェーガー、お前はサイスのなにを知っているんだ!」

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!

貴方の知らない、事ですよ。

知りたければ、私と協力してあの女を倒すのです!

そしたら、サイスが貴方を捨て、何をしていたか、貴方に会う前の、サイスの事全てを教えますよ。」




《フューチャー・ワールド》の第1の効果、とても強力ですね。
いや~、本当に強い!

そして、イェーガーからまさかの提案がありました。

ジャックがずっと知りたかった、サイスについての事。
イェーガーは、どこまで本当の事を、知っているでしょうか。


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143話

ジャック「お前ごときが、サイスを知っている訳無いだろ!

ハッタリも、いい加減にしろ!」

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!

良いのですよ?信じるも良し、信じないも良し。

ですが、サイスの真実を知っているのは、もう私しかいないのですよ?」

 

ジャック「お前だけだと。どう言うことだ!

まさか!ゴドウィンも、知っていたのか!」

 

イェーガー「えぇ、まさにその通りですよ。

他にも、長官の御兄様である、ルドガーや不動遊星の父親である、不動博士も知っていますよ。」

 

カーリー「ジャック、さっきから名前の出てる、サイスって人は誰なの?

ジャックの関係者なの?」

 

ジャック「そう言えば、カーリーには言って無かったな。

サイスは、幼かった俺を育ててくれた、父親のような存在だ。」

 

カーリー「ジャックのお父様ですって!

そんな、今すぐにご挨拶に向かわなきゃ!」

 

ジャック「すまないなカーリー。

実は、サイスの居所が今の俺には、わからないんだ。」

 

カーリー「そんな…、だったら、次に会うときまでに、私達の子供をつくりましょう!」

 

イェーガー「お前達!何2人で、イチャイチャしてるんですか!

それでジャック、貴方はどうするか、決めたのですか?」

 

ジャック「そうだったな。

ならイェーガー、俺の答えは決まっている。」

 

イェーガー「それはそうですよね!

ならば、共に戦いましょう!」

 

ジャック「イェーガー、お前のその提案は、了承出来ない。

確かに、サイスの事は今すぐにでも、知りたいと思う。

だが、俺はそんな理由で、カーリーの敵にはなれない!」

 

カーリー「ジャック!

そこまで、私の事を…。」

 

イェーガー「なるほど…、ならば良いでしょう。

貴方のその選択で、必ず後悔しますよ。」

 

ジャック「そんな事は無い!

例えもう2度と、サイスの過去を知るチャンスが無くても、俺はカーリーとの愛を守る!」

 

ジャック「俺はフィールドの、2体のモンスターを生け贄に《ナイトメア・スカーレッド・デーモン》を、攻撃表示で召喚!」

 

レベル8 悪魔族

 

攻撃力 3000 守備力 2000

 

ジャック「お前は、俺達のシンクロを封じることで、このデュエルに勝ったつもりだが、そう簡単にはいかないぞ!

例え、シンクロが出来なくても、お前ごときには負けん!」

 

ジャック「《ナイトメア・スカーレッド・デーモン》で《仮面道化の玉乗り男》に攻撃!

『ナイトメア・パワー・アブソーバー』」

 

ジャック「《ナイトメア・スカーレッド・デーモン》の効果発動!

このカードが相手モンスターを破壊した時、手札を1枚捨てることで、相手ライフに2000Pのダメージを与える!」

 

イェーガー「そんな!

何て強力なモンスターですか!クッ!」

 

カーリーLP 3500 ジャックLP 3500 イェーガーLP 2000

 

ジャック「俺はこれで、ターンエンドだ。」




ジャック、良く決断しましたね!
それでこそ男です。

そして、ジャックの強力な新モンスターの、登場です。
これなら、シンクロ無しでも戦えますね。

1月の1、2、3日の更新時間は、11時過ぎになります。
ご了承下さい。


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144話

~~~カーリー2ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー。」

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!

この瞬間、永続魔法《鳴り止まぬ呪いの鐘》の効果が発動!

さぁ、苦しみを味わいなさい!」

 

ジャック「カーリー!

イェーガー、カーリーには手を出すな!お前の相手は、俺がする。」

 

イェーガー「そうは行きませんよ!

これは、復讐であり、粛清でもあるのですからね!

イーヒッヒッヒッ、イーヒッヒッヒッ…!

どうして、ダメージを受けて無いのですか!」

 

カーリー「ジャック、心配しなくても良いのよ。

《フューチャー・ワールド》の第2の効果を発動。

自分が相手のカードによって、ダメージを受ける時、ダメージ500Pにつき、このカードにカウンターを乗せ、そのダメージを無効にする!」

 

カーリー「けれども《フューチャー・ワールド》が破壊された時、カウンターの数×500Pのダメージを受けるわ。」

 

イェーガー「そ…そ…、そんなバカな事が許されますか!」

 

カーリー「これが、龍亞様の力よ!

私はフィールドのモンスターを、1体生け贄に《フォーチュンレディ・スマイリー》を攻撃表示で召喚。」

 

レディ6 魔法使い族

 

攻撃力 ? 守備力 ?

 

カーリー「このカードの攻撃力は、レベルの数×400になる。

そして、このカードも、スタンバイフェイズ毎に、レベルが1つあがる。」

 

カーリー「そして《フューチャー・ワールド》の第1の効果を発動。

手札を1枚とライフをコストにする。」

 

カーリーLP 3000 ジャックLP 3500 イェーガーLP 2000

 

イェーガー「なるほど、そのモンスターの攻撃で、私の敗けが決定しますね。」

 

イェーガーの不気味な笑いに、カーリーは不安が襲ってきた。

 

カーリー「私は《フォーチュン・イリュージョン》を発動。

フィールドの《フォーチュンレディ》と同じレベルの《フォーチュンレディ》1体を、デッキから特殊召喚する。

来い!《フォーチュンレディ・ケミストリー》」

 

レベル7 魔法使い族

 

攻撃力 ? 守備力 ?

 

カーリー「私はレベル7の《フォーチュンレディ・スマイリー》と《フォーチュンレディ・ケミストリー》で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

カーリー「賢者の力を受け継ぎし魔女よ、その魔力を持って、邪を祓え!

現れよ、孤高の魔女《PNo.50フォーチュンレディ・ダルキュリー》」

 

ランク7 魔法使い族

 

攻撃力 2800 守備力 2800

 

イェーガー「エ…エクシーズ召喚ですって…。

何なのですかそのモンスターは、その召喚法は!」

 

ジャック「そ…、それが、龍亞に選ばれた者の力か…、繋がりか…。

羨ましいな…。」




カーリーのエクシーズモンスターの登場です。

このカードの攻撃力は《フォーチュンレディ・スマイリー》の効果を、参照しました。

最後のジャックの呟き、何だが悲しいですね。


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145話

カーリー「《PNo.50フォーチュンレディ・ダルキュリー》で、イェーガーにダイレクトアタック!

『マジカル・フォース』」

 

イェーガー「この瞬間、伏せカード《攻撃の道化化》を発動。

相手モンスターの、ダイレクトアタックを無効にして、全てのプレイヤーはデッキから、カードを5枚ドローする。」

 

ジャック「なんだと!

それでは《鳴り止まぬ呪いの鐘》の効果で、大ダメージを受けるじゃないか!」

 

イェーガー「その通りです。

さぁ、苦しみながら、ドローしなさい!」

 

カーリーLP 3000 ジャックLP 1000 イェーガーLP 2000

 

カーリー「けれど、私へのダメージは《フューチャー・ワールド》の効果で、カウンターになるわ。

よって、カウンターは今、6個よ。

私はカードを2枚伏せて、ターンエンド。」

 

~~~イェーガー3ターン目~~~

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!

私のターンドロー。私は《ピエロのギャンブル》を発動!

プレイヤーを1人選んで、そのプレイヤーは、デッキからカードを4枚ドローし、このターンのエンドフェイズに、手札を全て除外する。」

 

イェーガー「選ぶプレイヤーはカーリー、貴方です!

さぁ、ドローしなさい!」

 

カーリー「何を企んでるつもりなの?

そんなダメージは、私には効かないわ。」

 

カウンター総数10個

 

イェーガー「イーヒッヒッヒッ!

待ってましたよこの時を!

私は伏せカード《ジャグリング・ピエロ・ボム》を発動!

相手が、カードの効果で、デッキからドローした時、相手フィールドの魔法または、罠カードを1枚破壊する!」

 

イェーガー「私が破壊するのは、当然《フューチャー・ワールド》です!

絶望しなさい!悲しみなさい!」

 

カーリー「そ…そんな。

私が、こんな所で負けるなんて…。ごめんなさいジャック。

ごめんなさい龍亞様…。このカーリー、貴方のお役に立てませんでした…。」

 

ジャック「そうはさせん!

伏せカード《デモンズ・ダメージ・リクエスト》を発動!

自分フィールドの、悪魔族を1体墓地に送る事で、このターンに発生するダメージ全てを、俺が受ける!」

 

カーリー「ジャック!どうして貴方がそんな事を!

このデュエルには、貴方がそこまでする必要なんて無いのに…。」

 

ジャック「そんな事は無いぞ、カーリー。 

俺はこのデュエルで、俺の出すべき答え、するべき事を思い出したんだ…。」

 

カーリー「貴方のするべき事って何よ…。」

 

ジャック「それは、お前を2度と悲しまない事だ。

ダークシグナーだった、お前を助けた時に心から誓ったんだ。

俺の残りの人生を、お前を幸せにするために使うと…。」

 

カーリーLP 3000 ジャックLP 0 イェーガーLP 2000




まさかのジャックのライフが、0になってしまいました。

けれど、ジャックらしい男の敗北です!


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146話

イェーガー「イーヒッヒッヒッ、イーヒッヒッヒッ!

これはこれは、実に愉快な事になりましたね!

これが、あのデュエリスト達のカリスマ、ジャック・アトラスの姿ですか!」

 

カーリー「イェーガー!

お前は、絶対に許さない!必ず、絶望の淵に追い込んでやる!」

 

イェーガー「出来る物ならどうぞ。

私は、カードを2枚伏せて、ターンエンドです。」

 

イェーガー「さぁ、そのエクシーズモンスターとやらの、力を見せて下さいよ?

勿体ぶらないで、さぁ!」

 

カーリー「ジャックだけじゃなく、龍亞様から貰った、このモンスターまでも、侮辱するなんて!

良いだろう!望み通り、この力を見せてやる!」

 

~~~カーリー3ターン目~~~

カーリー「私のターンドロー。」

 

カーリーLP 2500 ジャックLP 0 イェーガーLP 2000

 

イェーガー「この瞬間、永続罠《エンターテイメント・パフォーマンス》を発動!

お互いのプレイヤーは、エンドフェイズ毎に、自分フィールドのモンスター1体の、攻撃力500につき、カードを1枚ドローする。」

 

イェーガー「これで、貴方は終わりです。

イーヒッヒッヒッ!これこそ、袋のネズミですね!」

 

カーリー「そんな事、このターンでお前を倒せば、関係無い!

《PNo.50フォーチュンレディ・ダルキュリー》で、イェーガーにダイレクト!

『マジカル・フォース』」

 

イェーガー「そんな見え見えの攻撃、私には通用しませんよ!

罠カード《愚者の餞別》を発動。前のターンに発動した、罠カードをもう1度発動できる。」

 

イェーガー「私が発動させるは、当然《攻撃の道化化》です。

どうせ、攻撃しようとも、しなくとも、貴方の敗けなのですよ!」

 

カーリー「読めてるのは、此方の言葉だ!

《PNo.50フォーチュンレディ・ダルキュリー》の効果発動!

このカードの、オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手が発動している、カードの効果を無効にして、破壊する!」

 

イェーガー「そ…その様なおかしな事が起こるなんて…。

そ…そんな、私は治安維持局の副長官だぞ!

いずれ、ゴドウィン長官をも超える、逸材だぞ!」

 

カーリーLP 2500 ジャックLP 0 イェーガーLP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

カーリー「所詮お前も、権力が無ければ、何も出来ない愚か者じゃない。

龍亞様とは、大違いね…、って聞こえてないか。」

 

カーリーは、倒れているイェーガーを見下して、ジャックの所に駆け寄った。

 

カーリー「ジャック、しっかりして!

私の声が、聞こえたら返事をして!」

 

ジャック「カーリー、ちゃんとイェーガーに、勝てたのか…。

俺は、何も出来ない足手まといだったな。」

 

カーリー「そんな事無いよ!

ジャックがいなかったら、私はあいつに負けてたんだから。

そうだ!速く龍亞様の所に行こうよ。」

 

ジャック「だが、俺は龍亞に顔向け出来る様な、人間じゃない…。」

 

カーリー「大丈夫だよ!

今の貴方なら、堂々と胸を張って龍亞様に会えるよ。

それくらい、貴方は立派な夫よ。」

 

カーリーはそう言って、ジャックを立たせた。

 

そして、2人で龍亞の下へと、ジャックのDホイールで走っていった。




これで、治安維持局は本当に壊滅しました!
やった!

そして、龍可に続いてジャックも、龍亞の下に行きましたね。

つぎはぎ誰のデュエルなのでしようか?


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147話

「おい聞いたかよ!」

 

「あぁ、聞いたよ。その話って、本当なのかよ。」

 

今、シティではとある噂が人から人へ、伝わっていた。

 

その噂は、シグナーがデュエルに負けて、連れ去られている、という噂だ。

 

勿論、この噂の正体は、龍亞達によるシグナー狩りの事である。

 

「何でも、あの龍可ちゃんとデュエルキング、ジャック・アトラスが負けたらしい。」

 

そんな、シティの人達の不安の声を、嬉しそうに聞いている人間が、1人いた。

 

ルチアーノ「フフッ、このシティのクズ達の慌て様、面白いよ。

ルイズと龍亞は、キッチリ復讐を果たしてるんだね。」

 

ルチアーノ「それなら、ボクも少しでも、龍亞の役にたってみようかな。」

 

ルチアーノはそう言って、とある場所に向かって、歩き出した。

 

~~~セキュリティ本部~~~

 

ルチアーノは、シティの安全性を守る、セキュリティの本部の前に来ていた。

 

ルチアーノ「それにしても、セキュリティの人間も慌ただしいね。

これなら、目的を果たしやすいね。」

 

そう言ってルチアーノは、セキュリティの中へと入っていった。

 

ルチアーノ「さてと、あの人のいるところは…、この下か。」

 

ルチアーノは、地下へと続いている、階段を見つけ出し、ゆっくりとその階段を下りていった。

 

真っ暗な地下、そこには沢山の使われていない、地下牢があった。

 

そしてルチアーノは、その地下牢の横を歩いて行き、1つの牢の前で、その足を止めた。

 

ルチアーノ「酷いね。

龍亞を守るために、ゴドウィンに意見をしただけで、こんな汚い地下牢に、閉じ込められるなんて…。」

 

ルチアーノ「けど、そんな苦痛も今日で終わりだよ。

さぁ、共に龍亞の為に戦おうよ、狭霧深影!」

 

ルチアーノの目の前には、地下牢に閉じ込められ、縛られている深影がいた。

 

深影「貴方は…、誰なの。

それに、龍亞君の為にって、いったい何を言っているの。」

 

ルチアーノ「驚かないで。ボクも、うまく説明出来ないけど、龍亞が酷い目にあってるんだ。

それも、全てゴドウィンやシグナー、シティのクズ達のせいだ!

だから、貴方みたいな正しい心を持った、龍亞の味方を探してるんだ。」

 

ルチアーノの答えに、深影は全てを聞く事はしなかった。

聞かなくとも、ある程度の事はわかったのである。

 

深影「私は…、龍亞君が傷ついたあの日から、少しでも龍亞君の心の支えになりたかった。

でも、何をすれば良いのかが、全くわからなかった。」

 

深影「でも、今なら龍亞君の支えになれる。

こんな私なんかで良ければ、喜んで力を貸すわ!」

 

深影の宣言に、ルチアーノは感動して地下牢の鍵を開けた。

 

ルチアーノ「さて、今から2人で龍亞の所に行くよ。」

 

こうしてまた1人、龍亞を支持する強力な仲間が、龍亞の下へと、集まろうとしていた。

 




まさかの深影さん登場!

ゴドウィンの考えに反対して、地下牢に閉じ込められてたなんて…、治安維持局は相変わらず、クズですね。


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148話

黄泉「ふざけやがって!

ゴドウィン様が、行方不明だ?そんな訳無いだろ、なぁ、永月!」

 

永月「本当にそうですよ。

あの人は、いずれこの世界を支配する力を手にするに、相応しい人です。」

 

ゴドウィンの忠実な下僕だった、黄泉と永月はルイズと龍亞に怨みを抱いていた。

 

永月「必ず、あの2人を見つけ出して…、あれは確か…、あの時に一緒にいたような…。」

 

永月は、深影を連れて歩いていた、ルチアーノを偶然見つけてしまった。

 

そして永月は、黄泉に今自分が思い付いた計画を、耳打ちした。

すると、黄泉はその計画に賛同するように、ニンマリと笑った。

 

黄泉「あいつから、その2人の居場所を聞き出すんだろ?

そんな事、簡単すぎるぜ!」

 

永月「黄泉よ、必ず情報を聞き出すんだ。

その為なら、手段は問わない。」

 

黄泉と永月は、ルチアーノに向かって行こうとしたが、後ろから誰かに止められた。

 

「おいおい、大の大人2人が、あんな若い女相手に、何をする気だ?

…あぁ、そう言えば、1人は男だったな。」

 

黄泉「おい!誰だお前は!

俺達の邪魔をするなら、容赦はしないぞ。」

 

永月「私達を誰だと思っているのですか?

身の程を知りなさい。お前は何者だ、名を名乗りなさい。」

 

「やれやれ…、それじゃあただのチンピラだぜ?

自己紹介ね…、俺の名前は鬼灯暦(ほおずきこよみ)だ。

よろしく。」

 

暦は2人に、笑いかけると、親指を立てた。

 

永月「鬼灯暦…、何処かで聞いたような…。

まぁ良いでしょう。私達には、どうしても果たさなければならない、復讐があるのです。

邪魔立ては無用です。」

 

暦「この俺も、龍亞の居場所を知ってる…、って言ったらどうする?」

 

暦の発言に、2人は驚いたが、直ぐにルチアーノから暦に、標的を変えた。

 

黄泉「おい!痛い目にあいたく無かったら、今すぐにそいつの居場所を、教えろ!

そうしたら、見逃してやるぜ。」

 

黄泉の言葉に、暦は笑いが止まらなかった。

 

黄泉「何がそんなに、可笑しいんだよ!」

 

暦「だってよ、面白いじゃんかよ。

全く、散りゆくからこそ、どんな花でも、美しく見えるんだぜ?

お前達は、龍亞達に負けたんだ。おとなしく散ってゆけよ。

まぁ、負け犬の手下ごときに、そんな大層な考えは無理か。」

 

暦の挑発に、黄泉と永月は冷静さを失っていた。

 

永月「貴様!

その戯れ言を止めろ!さもなくば、容赦はしないぞ。」

 

暦「図星だからって、暴力かよ。

お前達も、一応はデュエリストだろ、一応は。

だったら、龍亞の居場所はデュエルでゲットしろよ。」

 

永月「ほぅ、だったらお前にデュエルで勝てば、そいつの居場所を、教えてくれるんだな?」

 

暦「当たり前だろ?俺は誇り高いデュエリストだぞ。

デュエルでの嘘は、絶対につかないよ。

さぁ、2人まとめてかかってこい!遊んでやるよ。」

 

暦、永月、黄泉「デュエル!」

 

 




新キャラ、鬼灯暦の登場です。
この男は、龍亞の味方なのか敵なのか、まだ正体はわかりません。

そして、何故龍亞の居場所を知っているか!
謎だらけです。


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149話

~~~永月1ターン目~~~

永月「私のターンドロー。私は《ナイトメア・ソードマン》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 戦士族

 

攻撃力 1500 守備力 1300

 

永月「そして《ナイトメア・ソードマン》の効果発動。

1ターンに1度、手札のレベル2以下のチューナーを、特殊召喚できる。」

 

永月「私は《武器商人・源次郎》を攻撃表示で、特殊召喚する。」

 

レベル2 戦士族 チューナー

 

攻撃力 400 守備力 300

 

暦「いきなり、チューナーとモンスターを揃えるとは…。

ゴドウィンの執事の名は、伊達じゃ無いようだね。」

 

永月「当たり前だ!私は、世界を支配する男の執事だぞ。

全てのデュエルに、慢心は無い!

私はレベル4《ナイトメア・ソードマン》に、レベル2《武器商人・源次郎》をチューニング!」

 

永月「荒野を駆ける伝説の男よ、その弾丸で弱者の幕を引け!

シンクロ召喚!撃ち抜け《レジェンドガンマン・ザ・ショット》」

 

レベル6 戦士族

 

攻撃力 2200 守備力 1800

 

暦「意気揚々と召喚して、攻撃力2200だなんて…、普通だな。」

 

永月「フッ、何とでも言ってなさい。

私は、カードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~黄泉1ターン目~~~

黄泉「俺のターンドロー。チッ…、来なかったか。

まぁ良い。俺は《黄泉の飛行船》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル1 アンデット族

 

攻撃力 0 守備力 0

 

黄泉「《黄泉の飛行船》の効果を発動!

このかカードを生け贄にする事で、デッキから《黄泉の運転手》を任意の数、特殊召喚できる。」

 

黄泉「俺は《黄泉の飛行船》を生け贄に、デッキから《黄泉の運転手》を2体、特殊召喚する!」

 

レベル3 アンデット族

 

攻撃力 0 守備力 0

 

暦「何だよ?攻撃力と守備力が0の、モンスターを生け贄にしたと思ったら、同じ様なモンスターが2体に増えただけかよ。」

 

黄泉「甘いな!俺が、そんな無駄な事をすると思ったか!

《黄泉の運転手》はな、墓地に《黄泉の飛行船》がある場合、相手モンスターからの攻撃対象に選ばれない!

わかったか?例え、攻撃力と守備力が0でも、俺にかかれば最強の道具になるんだよ!」

 

暦「道具ね…、俺そう言うの嫌いだな。

もうちょっと、優しい言葉をかけれないのかよ。

お前のデッキの、大切なモンスターだろ?」

 

黄泉「クフフッ、ハハハハハ!

何が優しい言葉だよ!大切なモンスターだ?

面白いな、教えてやるよ!このカード達は、俺が勝利する為だけの、ただの道具だ!

それ以上でも、それ以下でも無い。」

 

永月「その通り。私達は、ゴドウィン様に絶対の勝利を与える為に、デュエルをしています。

勝つためならば、何をしてでも勝ちますよ。

それに、所詮はカードゲームです。何をそんなに、熱くなっているのですか。」

 

黄泉「そうだぜ!下らない!

俺はカードを3枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

暦「やっぱり、お前達みたいなクズ野郎は、龍亞に近づいて欲しくないね。

見てるだけでも、虫酸が走るよ。」




暦のデュエルが、始まりました。

暦と言う男、本当に龍亞とはどういう関係何でしょうか?

それに、どんなデッキを使うのでしょうか?


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150話

~~~暦1ターン目~~~

暦「さてと、俺のターンか…、ドロー。

どいつにしようかな…、良し!こいつに決めた。」

 

暦「俺は手札から《エナジー・バスター》を発動。

その効果で、エクストラデッキから、カードを3枚まで墓地に送る。

墓地に送ったカード1枚につき、500Pのダメージを相手に与える。」

 

暦「俺は、3枚カードを墓地に送る。

よって、1500Pのダメージを永月、お前に与える。」

 

暦LP 4000 永月LP 2500 黄泉LP 4000

 

永月「クッ、貴様!

この私に、ダメージを与えた事を、後悔するが良い!」

 

暦「あぁ、後悔させてくれよ。

墓地に送った《PNo.5セメタリー・アンデット》の効果発動。

このカードが、カードの効果によって、墓地に送られた場合、1度だけ墓地から、特殊召喚できる。」

 

暦「墓地に眠りし亡霊よ、今宵復活の雄叫びを上げろ!

復活しろ!《PNo.5セメタリー・アンデット》」

 

ランク2 アンデット族

 

攻撃力 300 守備力 1000

 

黄泉「な…何だよそのモンスターは!

黒枠のカード何て、見た事も聞いた事も無い!」

 

永月「えぇ…、確かに初めて見るカードですね。

それに、何とも禍々しいオーラを、纏っているのでしょうか…。」

 

暦「そうだろう?凄いだろう?

けど、これで終わりじゃ無いんだよ。」

 

暦「《PNo.5セメタリー・アンデット》が、自身の効果で、復活した時にある効果を発動できる。

それは、このカードをエクシーズ素材に、墓地のエクシーズモンスターを、召喚条件を無視してエクシーズ召喚できる。

さぁ、甦れ《PNo.8ウォンデット・ワイバーン》。」

 

ランク6 ドラゴン族

 

攻撃力 2600 守備力 1400

 

黄泉「また、変なモンスターを召喚しやがった!

何がどうなってるんだよ!」

 

暦「何を怯えてるんだよ。みっともないぜ。

さぁ、これからがショータイムだぜ!

自分フィールドに、ランク6以上のモンスターがいる時、ライフを1000P払う事で、そのモンスターをエクシーズ素材に、このカードをエクシーズ召喚する!」

 

暦「暗黒の古城に住む王よ、我との血の契約を持って、この世に舞い戻れ!

エクシーズ召喚!これが闇の王《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》」

 

ランク8 悪魔族

 

攻撃力 3600 守備力 2900

 

暦LP 3000 永月LP 2500 黄泉LP 4000

 

永月「す…素晴らしい!

なんて素晴らしい召喚なんだ!感動だ、感動するしかない!」

 

黄泉「あぁ、凄いぜ。

何故か、目が離せない位、俺達は虜になってるぜ。」

 

暦「やれやれ…、お前達の心が弱いから、さっそくこのカードに、魂を掴まれてるよ。

まぁ、それでも龍亞の為に、お前達には消えて貰うけどね。」




まさかの、PNoの大量召喚です!

本当にこの男、いったい何者なのでしょうか!
謎が謎を呼びますね。


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151話

暦「でもまぁ、龍亞が俺にくれたカードの中でも、この《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》は、最高傑作だから、仕方ないか…。」

 

暦「けど、それとこれは別だから、キッチリと終わらせてあげよう。

《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》がエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドの魔法、罠カード全てを破壊する!」

 

永月「そんな無駄な!

強い…、強すぎる。そんな効果が、許されるはずがない!」

 

暦「今から宣言しよう。

このターンで、お前達2人はこの《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》の前に、敗北する。」

 

黄泉「何を馬鹿な事を言ってるんだよ?

いくら、強いモンスターを出しても、それだけじゃ勝てないぜ!」

 

暦「フッ、そうでも無いぜ?

《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》の効果発動!

1ターンに1度、フィールド、墓地、エクストラデッキから《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》を、このモンスターの下に置く。」

 

暦「そして、このモンスターのオーバーレイユニットを、1つ取り除く事で、相手フィールドのモンスター全ての効果を無効にし、無効にしたモンスター1体につき、攻撃力を1000Pアップさせる!」

 

永月「そ…そんな馬鹿な!

あり得ない!あり得ないぞ!」

 

黄泉「あぁ…、だがそれだけじゃ、俺達2人は倒せないぜ。

残念だったな。詰めが甘かったな。」

 

暦「そんなに焦るなって。

まずは永月、お前からだな。」

 

暦「《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》で《レジェンドガンマン・ザ・ショット》に攻撃!

『ナイトメア・オブ・ザ・ブラッド』」

 

永月「グァァァァ!」

 

暦LP 3000 永月LP 0 黄泉LP 4000

 

黄泉「クッ!まさか、永月を一撃で倒すなんて。

だが、お前の攻撃もこれで終わりだ。

フッ、フハハハハハハ!」

 

暦「無駄な高笑いは止めろよ。

言っただろ?このターンで、終わらせるって。

《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》は、自身のエクシーズ素材の分だけ、追加攻撃が出来るんだよ。」

 

黄泉「な…、と言うことは、このターンにあと2回も、攻撃が出来るだと!」

 

暦「残念だったね。これで終わりだ!

《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》で《黄泉の運転手》に攻撃!

『ナイトメア・オブ・ザ・ブラッド』」

 

黄泉「止めろ…、止めてくれ!

ギャァァァァ!」

 

暦LP 3000 永月LP 0 黄泉LP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

暦「さてお前達、これから龍亞によって、地獄を見てもらうよ…。

あら?既に、魂を《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》に、吸収されたか。」

 

暦「まぁ良いや。

俺も久しぶりに、龍亞会いたいけども、あいつを野放しに出来ないからな…。」

 

暦はそう言うと、そのあいつの場所に向かって、歩いていった。




暦のPCNo、強いですね。

ちょっと、強すぎますね。

それにしても、暦と龍亞は、昔に面識があるみたいですね。
まだ、謎は解けませんね。


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152話

十六夜「ハァ、ハァ。

ここまでこれば、大丈夫ね。」

 

ボマーに逃がして貰ったアキは、遠くに走って逃げていた。

そして、遊星達のガレージの近くに、来ていた。

 

十六夜「それにしても、ボマーは大丈夫かしら…。

あの人が、負けるとは思わないけど、ミスティも強いし…。」

 

アキは、1人残ったボマーの事を心配していた。

 

ボマーが、龍亞のカリスマ性に魅せられて、既に龍亞達の仲間になっている事など、心にも思ってなかった。

 

十六夜「遊星は、この中にいるのかしら?

もしいるのなら、これからの話をしなければ…。」

 

「話し合いの必要は、全く無いよ。」

 

アキが声のする方に振り向くと、1人の少年が立っていた。

 

その少年に、アキは見覚えがあった。

だが、何処で見たのかが、思い出せなかった。

 

十六夜「必要が無いって、どう言う事よ。

それに、貴方は誰なの。何処で見た事があるけど…。」

 

すると、その少年はいきなり笑いだした。

その笑いは、誰かに似ていて、アキは余計に少年の正体が、気になっていた。

 

「誰って、直接会った事は無いけど、酷いね。

お姉ちゃんから、写真を見せられたって、聞いたけど…。」

 

「まぁ良いや。改めて自己紹介するよ。

初めまして。俺の名前は、トビー・ローラ。

お前と戦った、ミスティ・ローラの弟だ!」

 

トビーの自己紹介に、アキは驚きを隠せないでいた。

 

ダークシグナーとしての、ミスティと戦う原因であり、ミスティが心から心配していた、肉親である。

 

十六夜「貴方がトビーなのね…。

けど、どうして貴方がここにいるの。

言いたくは無いけど、私と貴方は関係無いはずよ。」

 

アキの言葉に、トビーは呆れていた。

 

トビー「十六夜アキ、お前は今、シグナー達がおかれている、状況をわかってるだろ?

俺は、龍亞様からの刺客として、お前を倒しに来たんだよ。」

 

トビー「けど…、お姉ちゃんと違って、俺はまだ龍亞様に、会った訳じゃないけどね。」

 

トビーは照れながら、静かに笑っていた。

 

十六夜「本当に龍亞は、私達全員を倒すつもりなの!

あの龍亞が、そんな酷い事を考える訳無いわ。」

 

トビー「俺は、龍亞様に会って無いから、詳しい事は知らないけど、お姉ちゃんから聞いた話は聞いたよ。

自業自得だよ。お前達は、自分に与えられたその力で、龍亞様を傷つけていた。」

 

トビー「本当だったら、もっと前にお前達は、消されるはずだよ。

けど、龍亞様は信じてたと思うよ。

お前達が、自分達の犯してる罪の重さに、龍亞様の心の傷に気づくのを!」

 

トビー「それに気づけない、お前達だから倒されるんだよ。

さぁ、前座は終わりだ。」

 

トビーはそう言うと、デュエルディスクを装着した。

 

トビー「楽しい楽しい、デュエルをしようよ。

十六夜アキ…いや、魔女よ。」

 

トビー「デュエル!」

 

 




アキとトビーの、デュエルが始まります!

ミスティが言っていた、あの子は、トビーの事だったんですね。

トビー、君は良い子だね。


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153話

~~~アキ1ターン目~~~

アキ「私のターンドロー。

私は永続魔法《エデンの果実》を発動!

そして《ローズ・ガードナー》を守備表示で召喚。」

 

レベル3 植物族

 

攻撃力 600 守備力 1900

 

トビー「最初に発動した、その《エデンの果実》の効果が、どんな効果か知らないけど、発動しないの?」

 

アキ「心配いらないわ。

このカードは、破壊された時に効果を発動するカードだからね。

そして、植物族モンスターが召喚に成功した時《エデンの果実》にカウンターを2個乗せる。」

 

アキ「私は、カードを2枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

アキ「トビー、貴方がどんなデッキを使うのかわからないけど、私は負けるわけにはいかないわ。」

 

トビー「負けるわけにはね…、その理由って俺の考えだと、あの人…、暦さんが関係してるよね?」

 

アキ「な…何を言ってるのかしら!

そんな訳無いでしょ!龍亞の為に、決まってるじゃない!」

 

トビー「まだ自分を偽るのか。

まぁ良いよ。このデュエルが終わる頃には、その偽りの仮面は取れ、素直になってるからね。」

 

~~~トビー1ターン目~~~

トビー「俺のターンドロー。

俺は《スネーク・トーテム》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 爬虫類族

 

攻撃力 1000 守備力 500

 

トビー「《スネーク・トーテム》が召喚に成功した時、手札からレベル3以下の、爬虫類族モンスター1体を、攻撃表示で特殊召喚する。

こい!《トロイ・アリゲーター》。」

 

レベル3 爬虫類族 チューナー

 

攻撃力 1300 守備力 900

 

トビー「そして、レベル4《スネーク・トーテム》に、レベル3《トロイ・アリゲーター》をチューニング!」

 

トビー「優しき心の猛獣よ、その巨大な体に秘められた力を解放しろ!

シンクロ召喚!なぎ倒せ《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》」

 

レベル7 爬虫類族

 

攻撃力 2900 守備力 2500

 

トビー「さぁバトルだ!

《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》で《ローズ・ガードナー》に攻撃!

『デビル・レプティレス・バイス』」

 

トビー「カードを1枚伏せて、ターンエンド。

速くも、俺が有利になってるよ。

本当なら、俺だってエクシーズ召喚したいけど、龍亞様に会って無いからな…。」

 

アキ「エクシーズ召喚って、何の事を言っているの!

それに、本当に後戻り出来ないの!

今なら、まだ話し合えるはずよ。」

 

トビー「本当にしつこいなお前は。

もう遅いんだよ!お前達は、龍亞様に倒される運命しか、残されて無いんだよ!

そのしつこさだから、暦さんに相手にされずに、龍亞にも捨てられるんだよ!」

 

 




また暦の名前が、出てきましたね。

本当に、暦の正体が謎ですね。

トビーのデッキは、ミスティと同じく爬虫類族ですね。
仲良し兄弟ですね。


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154話

~~~アキ2ターン目~~~

 

十六夜「そんな事、貴方には関係無いでしょ!

私のターンドロー!」

 

十六夜「私は《ナイトローズナイト》を攻撃表示で召喚。

《ナイトローズナイト》が召喚に成功した時、手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を、特殊召喚する。」

 

十六夜「その効果で《ローズ・ウィッチ》を特殊召喚!

そして、レベル4《ローズ・ウィッチ》に、レベル3《ナイトローズナイト》をチューニング!」

 

十六夜「冷たい炎が世界の全てを包み込む。

漆黒の花よ、開け!

シンクロ召喚!咲き乱れよ《ブラック・ローズ・ドラゴン》」

 

トビー「《ブラック・ローズ・ドラゴン》か…。

昔の俺は、そのモンスターを操り戦う、お前のデュエルに魅せられていた。

だが、今はお前に対する想いは違う!

有るのは、憎しみと恨みだけだ!」

 

十六夜「言ってくれるわね。けど、その気持ちだけじゃ、私には勝てないわ!

《ブラック・ローズ・ドラゴン》の効果を発動!

このモンスターがシンクロ召喚に成功した時、フィールドのカードを全て、破壊する!」

 

十六夜「そして《エデンの果実》は、破壊された時にこのカードに乗っていた、カウンター1つにつき、800Pのダメージを与える!

今乗っているカウンターの数は4つ、よって3200Pのダメージを与えるわ!」

 

トビー「けど良いのかよ?

《エデンの果実》の効果を使う為だけに、自分のエースモンスターを破壊して。」

 

十六夜「心配いらないわ。

私の手札には《死者蘇生》がある。

これを使えば、このターンで貴方は終わりよ。

さぁ《ブラック・ローズ・ドラゴン》よ、全てを破壊しなさい!」

 

だが《ブラック・ローズ・ドラゴン》は、自分の効果を発動しなかった。

 

十六夜「どうして、効果が発動してないの!

それに《ブラック・ローズ・ドラゴン》の攻撃力が、0になってる!」

 

トビー「今頃気づいたのかよ。

《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》の効果を発動したんだよ。

その効果で、1ターンに1度だけ、相手モンスターの効果を無効にして、そのモンスターの攻撃力を0にする。

そして、そのモンスターは表示変更が出来ない。」

 

十六夜「クッ!私はこれで、ターンエンドよ。」

 

トビー「あの魔女が、自分のピンチで苦しんでるよ。

実に不様だよ!」

 

~~~トビー2ターン目~~~

トビー「俺のターンドロー。

さぁ、最もお前には苦しんでもらうよ。」

 

トビー「《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》で《ブラック・ローズ・ドラゴン》に攻撃!

『デビル・レプティレス・バイス』」

 

トビーLP 4000 アキLP 1100

 

トビー「一気に大ダメージだね。

俺は、カードを1枚伏せてターンエンドだ。」




トビー大活躍ですね。
《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》の効果、そしてアキを罵る時の言葉選び、やっぱりミスティの弟ですね。

《ブラック・ローズ・ドラゴン》を破壊され、ライフを大幅に削られた、アキに逆転は難しいですね。


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155話

~~~アキ3ターン目~~~

アキ「私のターンドロー。

私は手札から《死者蘇生》を発動。

墓地から《ブラック・ローズ・ドラゴン》を、守備表示で特殊召喚する。」

 

トビー「思惑が大きく外れ、自分のエースは守備表示。

これが、シグナーのデュエルと思うと、涙が出てくるよ。」

 

アキ「私は、伏せカードを1枚墓地に送り、永続罠《黒薔薇の花園》を発動。

このカードが有る限り、私のフィールドの《ブラック・ローズ・ドラゴン》は、戦闘では破壊されない!」

 

アキ「これで、貴方の攻撃を少しは、耐えれそうね。

私のデュエルは、こんな惨めは事では終わらないわ!

必ず、逆転のカードを引いてみせるわ!

私はこれで、ターンエンドよ。」

 

トビー「今度は、負けない為に《ブラック・ローズ・ドラゴン》を、盾にするか…。

そんな戦略ごときで、俺の攻撃を防げると思う事が、実に不愉快だよ!」

 

~~~トビー3ターン目~~~

トビー「俺のターンドロー!

おっ!これは、凄く最高のカードが来たよ。」

 

アキ「例え、どれほど強力なカードが来ても、私の《ブラック・ローズ・ドラゴン》を、倒す事は出来ないわ!」

 

トビー「その考えが愚かなんだよ!

俺は伏せカード《レプティレス・パワード・シャッフル》を発動!

その効果により、手札の爬虫類族モンスターを除外する事で、自分フィールドの爬虫類族モンスター1体は、その除外したモンスターの効果を得る!」

 

アキ「そのカードが、どうしたのよ!

そのカードだけじゃ、私は倒せない…、まさか!」

 

トビー「そう、そのまさかだよ!

俺は《ランサード・カメレオン》を除外する!

《ランサード・カメレオン》の効果は、お察しの通り、貫通能力だ。

そして《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》に《ランサード・カメレオン》の、貫通能力を与える!」

 

トビー「いくら《ブラック・ローズ・ドラゴン》が、戦闘で破壊されなかったとしても、貫通能力を得た《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》の攻撃で、お前は終わりなんだよ!」

 

トビー「さぁ!感動のフィナーレだ!

《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》で、お前の愚かな象徴でもある《ブラック・ローズ・ドラゴン》に攻撃!

『デビル・レプティレス・バイス』」

 

アキ「そんな!私が負けるなんて!

遊星!後は任せたわよ!」

 

トビーLP 4000 アキLP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

トビー「やった!勝てたよ。

これで、俺も晴れて龍亞様の仲間入りを果たせるよ。」

 

トビーは喜びながら、倒れているアキに近づいた。

そして、アキが気を失っているのを確認し、トビーはアキを担いだ。

 

トビー「もう皆揃ってるかな?

けど、いざ龍亞様に会うと思うと、緊張が止まらないな。

どうしよう…、楽しみだな。」

 

トビーは、期待と不安を胸に秘め、ゆっくりと龍亞のいる、ダークシグナーの隠れ家へと、歩いていった。

 




無事に、トビーが勝利しました!
これで、残りのシグナーは遊星だけですね。

トビーの初さが、なんだが親近感や、好印象を感じますね。
これからの、トビーの活躍を心から、願っています。


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156話

~~~ダークシグナーの隠れ家~~~

 

ミスティ「トビー!大丈夫だったの!

怪我は無い?痛いところは?気分は悪くないの?」

 

トビーが、隠れ家に着くとミスティが、心配そうにトビーに駆け寄った。

それだけで、この兄弟の繋がりの強さが、感じ取れる。

 

トビー「だ、大丈夫だよお姉ちゃん。

それより、ちゃんと倒して連れてきたよ、十六夜アキを。」

 

ルイズ「へぇ~、君がミスティの弟のトビーか。

凄い働きだね!これで、龍亞も喜ぶよ。」

 

ルイズは、気を失っているアキを見て、嬉しそうに、満足そうに微笑んだ。

 

ルイズ「まぁ、こんな玄関じゃ何だから、中に入ってよ。」

 

ルイズの案内で、トビーは隠れ家の中へと、足を踏み入れた。

それは即ち、龍亞の仲間になった事を意味している。

 

トビー「す…凄いですね。

こんなにも、龍亞様に仲間がいるなんて。」

 

既に中には、鬼柳と暦を除いた、龍亞の仲間が揃っていた。

 

ルチアーノ「ルイズ、その人がさっき言ってた、ミスティの弟だね。」

 

ルイズ「そうだよ。

それよりも、龍亞は何処にいるの?

それに、ジャックと龍可の姿も見えないけど…。」

 

カーリー「ルイズ様、龍亞様なら只今自室におります。

 

カーリーがそう言うと、龍亞の部屋の扉が開き、龍亞とジャックと龍可が降りていた。

 

だが、龍可とジャックに、何か違和感をルイズは感じていた。

 

ルイズ「龍可、龍亞の部屋で何してたの?

少し違和感を感じるけど…あれ?まさか!」

 

ルイズが違和感の正体に気づくと、龍可は嬉しそうに自分の右腕を見せた。

 

龍可「貴方の考えている通り、私達は龍亞に、シグナーの痣を消して貰ったのよ。

これで、身も心も龍亞に尽くせるわ。」

 

龍亞「龍可、身も心もなんて大袈裟だよ。

それより…。」

 

龍亞は、トビーに気がつくと、トビーの前に立って、握手を求めた。

 

龍亞「話はミスティに聞いてるのね?

俺が龍亞だ。宜しくね。」

 

トビー「ト…トビー・ローラです!

こちらこそ、宜しくお願いします!」

 

トビーは、緊張しながら、龍亞の手を握りしめた。

 

そして龍亞は、楽しそうに笑いあっている、自分を慕って集まった、皆を見渡すと、静かに外に出ていった。

 

ルイズは、龍亞の行動に気づき、龍亞の後を追った。」

 

ルイズ「龍亞どうしたの?

いきなり、外に出ているなんて…!

龍亞、涙なんか流して、どうしたの!何か嫌な事でもあったの!」

 

ルイズは龍亞を心配していたが、龍亞はルイズに嬉しそうに笑いかけた。

 

龍亞「違うよルイズ。俺は嬉しいんだよ。

俺は自分が、誰からも愛されない、愛される資格が無いって思ってた。

けど本当は、あんなにも俺の為に集まってくれる、仲間がいる。

それが嬉しくて、我慢できなかったんだ。」

 

龍亞はそう言って、空を見上げた。

その時の龍亞の顔は、寂しそうだった。

 

龍亞「俺は十分、幸せ者だよ。

けど…、この喜びを本当だったら、ルドガーに真っ先に伝えたかったな…。」

 

ルイズ「龍亞…、ボクもルドガーに会って礼をしたいよ。

ボクが今もこうして、龍亞と過ごせるのは、全部ルドガーのお蔭だからね。」

 

2人は、寂しそうに空を見上げた。

そして、ルドガーに伝わるように、感謝と想いを心から、伝えた。




龍亞の仲間、大集結ですね。

そして、龍可とジャックの、シグナーの痣が見事に消えました!
これで晴れて、本当に龍亞の仲間になれました!

そして、龍亞とルイズは、ルドガーへの想いを語ってます。
感動!ルドガー、今の龍亞はもう、独りじゃ無いよ!


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157話

龍亞とルイズが、感傷に浸っていると、遠くから1台のDホイールのエンジン音が、近づいてきていた。

 

ルイズ「誰だろう、この音?

鬼柳でも無いし…、まさか、遊星が直接乗り込んで来たんじゃ!」

 

ルイズは心配して、龍亞を自分の体で隠した。

そして、そのDホイールは2人の前に止まった。

 

クロウ「龍亞!やっぱりここにいたんだな!

あっちこっち、探し回ったぜ。」

 

龍亞「クロウ、どうしてクロウがここにいるの?

龍可から、クロウは遊星と一緒には戦わないって、聞いたのに。」

 

クロウ「あぁ、龍亞の言った通り、遊星の考えには共感できない。

だが、それでも俺はお前を止めに来たんだ!」

 

クロウはそう言って、龍亞に近づいたが、ルイズがクロウの前に立ちふさがり、クロウの足を止めた。

 

ルイズ「お前、何様のつもりで龍亞に意見してるんだよ。死にたいのか。」

 

ルイズの威圧感に、クロウが怯んでいると、隠れ家の扉が開き、ジャックが出てきた。

 

クロウ「ジャック!どうして、お前がここにいるんだよ!

やっぱりお前だって、龍亞を止めたかったんだな!」

 

ジャック「龍亞を止めるだと…、何を可笑しな事を言ってるんだ?

お前ごときが、龍亞を…いや、龍亞達を止めれると、思ってるのか。」

 

ジャックは、物凄い剣幕でクロウを睨むと、龍亞の横に並んで立った。

 

ジャック「遊星の前では、あんなにも言葉を並べておいて、実際は遊星の同じだな。」

 

クロウ「ジャックお前、自分が何を言ってるかわかってんのかよ!

確かに、俺はこうして龍亞の前に現れた。

だが、俺は遊星とは違う!」

 

クロウ「そして、俺は遊星と同じシグナーとして、遊星の親友として、遊星と龍亞を止めるんだ!

お前だって、その義務があるだろ!」

 

クロウの言葉に、ジャックは鼻で笑うと、自分の服の袖を捲り、自分の右腕をクロウに見せた。

 

ジャック「義務があるだと?ふざけるな!

俺のシグナーの痣は、既に遊星への友情と共に、消え去った。

今の俺は、己の全てを龍亞に捧げる、龍亞の仲間の1人だ。」

 

ジャック「お前のその言葉、龍亞への侮辱でしかならない。

それを許す訳にはいかない!」

 

シグナーの痣が消えた、ジャックの右腕を見たクロウは、ショックを隠せないでいた。

 

ジャック「さぁクロウ!今から、俺がお前の相手をしてやろう!デュエルだ!」

 

リーシャ「クロウとのデュエル、私に譲ってくれないかなジャック。」

 

いつの間にか、リーシャが龍亞を後ろから抱き締めていた。

 

リーシャ「私は、龍亞の仲間になったけど、まだ何も龍亞の為に、してあげられて無い。

だから…少しでも、龍亞の役にたちたいの。」




クロウが、龍亞達の隠れ家に現れました!

そして、ジャックの言葉には、感動を隠せません。
ジャック、今のお前は完全に、龍亞の仲間だよ。

そして、ジャックのクロウのデュエルかと思ったら、リーシャが、龍亞の為にジャックと交代です。


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158話

クロウ「リーシャ…、リーシャなのか?

どうして、お前までここにいるんだよ!」

 

ルイズ「えっ?リーシャ、あいつに黙ってたの?」

 

ルイズが、リーシャの方を見て聞くと、リーシャは少し照れながら、ルイズの質問を肯定した。

 

龍亞「駄目だよリーシャさん!

せめて家族には、全てを話しておかないと!」

 

龍亞は、こんな時でもリーシャとクロウの、家族の絆を守ろうとしていた。

 

それは、自分が両親から貰えなかった、家族の愛をリーシャに捨てて欲しくないからである。

 

リーシャ「やっぱり、龍亞は何時でも優しいね。

けど、何も心配いらないよ?

確かに、クロウには感謝してるよ。けれども、それよりも龍亞を愛する気持ちの方が、強いだけだよ。」

 

リーシャはそう言うと、龍亞にキスをして、クロウに近づいていった。

 

クロウ「リーシャ、お前が龍亞を本当に愛してるなら、どうして龍亞を止めないんだ!

愛する人を、肯定するだけが正しい訳じゃ無いだろ!」

 

すると、クロウが言い終わると直ぐに、リーシャはクロウの右頬を叩いた。

 

リーシャ「煩い!お前が、私の愛を語るな!

龍亞を愛する、私達の愛を語るな!」

 

リーシャ「初めて、龍亞に出会ったあの日、私は龍亞が味あわされてきた、沢山の悲しみを聞いた時に想ったの。

私が、龍亞の心の支えになりたい!ってね。

既に、龍亞の心には沢山の支えがある。

龍亞が最終的に、私ではない女の子を選んでも、私は後悔はしない!

だから、貴方に指図される筋合いは無いわ!」

 

リーシャの発言を聞いた龍亞は、恥ずかしさで赤面してしまった。

 

龍亞「でも、最後には1人を選ぶんだよね…。

皆の中から、誰か1人を…。

そんなの選べないよ!だって、皆俺にとってかけがえの無い、大切な人なんだ!」

 

龍亞は自分の思いの丈を述べ、感情を抑えきれずに泣いてしまった。

そして、ルイズはそんな龍亞を優しく抱き締めた。

 

リーシャ「ごめんね龍亞…、こんな酷い事を言った私なんて、好きになれないよね?

けど心配しないで。クロウは必ず、私が倒すから。」

 

龍亞「リーシャさん…、そんな事で俺はリーシャさんを、嫌ったりしないよ。」

 

リーシャ「ありがとう龍亞…。

さぁ!クロウ、貴方はもう逃げられないわ!

私とデュエルよ!」

 

リーシャ「デュエル!」

 

~~~リーシャ1ターン目~~~

リーシャ「私のターンドロー。

私は《純白の天使・ウェンディーネ》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 天使族

 

攻撃力 1600 守備力 1400

 

リーシャ「私は、カードを2枚伏せる。

そして、永続魔法《天使達の祝福》を発動するわ。

私はこれで、ターンエンドよ。」

 




リーシャとクロウの、デュエルが始まりました!

私も、最後に1人を選ぶなんて、死んでも出来ません!
龍亞は、全員を選んで全員で幸せになる、資格があります!

だから、龍亞を女誑しなんて言う奴は、絶対に許さないぞ!


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159話

~~~クロウ1ターン目~~~

クロウ「俺のターンドロー。」

 

クロウ「龍亞、本当にもう止まれないのかよ!

今なら、前みたいに俺達と過ごす事が、出来るはずだぞ!」

 

ルイズ「クロウ!お前は、しつこいよ!

止まれないんじゃない!お前達が、止まらせないんだ!」

 

リーシャ「そうよ。龍亞には、愛が足りていなかった。

私も風月も、物心つく前から親からの愛はすくなかった。

でも龍亞は違う!私達よりも、愛が足りないのよ。

だから、龍亞の全てを否定する人は、例え誰だろうと許せないわ!」

 

クロウ「お前ら…、クッ!龍亞、お前はどうなんだよ!

シティの人達を敵に回してまで、今のお前のしている事は、成し遂げたい事なのかよ!」

 

龍亞「煩い!遊星もクロウも、俺の何を知ってるつもりなんだよ!

俺は我慢したんだ。産まれてからずっと、皆からの仕打ちを耐えてきたんだ。

けど、もう限界なんだよ!」

 

龍亞「だから、俺はこのネオドミノシティを離れて、何処か遠くで暮らす事にしたんだ。

でも、その前にお前達シグナーと、決着をつけたいんだ。

この戦いは、俺の忌まわしい過去を捨てるための、大事な戦いなんだ!」

 

ルイズ「龍亞良く言った!

それでこそ、ボク達の支配者にして、ボクの愛する男だよ。」

 

龍亞の言葉に、ジャックは驚いていたが、すぐに龍亞の想いを理解した。

 

ジャック「龍亞…シティを離れるのか…。

だが、その事を龍可に伝えたのか?」

 

龍亞「まだ言ってないよ…、でも、今の龍可ならわかってくれるはずだよ。」

 

クロウ「そうか…、もう俺は戦うしか道は無いのか…。

なら、もう遠慮はしねぇ!全力で戦ってやる!」

 

クロウ「俺は《BF-銀盾のミストラル》を、守備表示で召喚!

そして、自分フィールドに《BF-》モンスターがいる場合、手札から《BF-黒槍のブラスト》を特殊召喚出来る!

来い!《BF-黒槍のブラスト》」

 

クロウ「行くぜ!《BF-黒槍のブラスト》で《純白の天使・ウェンディーネ》に攻撃!

『デススパイラル』」

 

リーシャ「この瞬間、手札から《幻影の代行者・ヴァルキューネ》を手札から捨てる事で、相手モンスターの攻撃を無効にする。」

 

クロウ「クッ!だったら、カードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

リーシャ「この瞬間《天使達の祝福》の効果が発動!

私の墓地に、天使族モンスターが置かれたターンのエンドフェイズに、墓地から天使族モンスターを2体まで、特殊召喚出来る!

その効果で《幻影の代行者・ヴァルキューネ》を守備表示で、特殊召喚する。」

 

レベル4 天使族

 

攻撃力 1200 守備力 1600

 




龍亞の本音が、聞けましたね。
まさか、シティの離れるなんて…。

ですが、例え龍亞が何処に行こうとも、私は最後まで龍亞の味方です!


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160話

~~~リーシャ2ターン目~~~

リーシャ「私のターンドロー。

私は《幸運の導き手・サラフィーネ》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル3 天使族

 

攻撃力 900 守備力 1100

 

リーシャ「そして私は、フィールドの3体の天使族を生け贄に《大天使長・ミカエル》を、攻撃表示で特殊召喚する。」

 

レベル8 天使族

 

攻撃力 3000 守備力 3200

 

クロウ「通常召喚をした後に、そのモンスター達を生け贄だと!

それに、リーシャのそのモンスター、初めて見るぜ…。」

 

リーシャ「フフッ、リアクションが小物だよクロウ?

それに、これだけで驚いてちゃ駄目だよ。

凄いのは、これからなんだから。」

 

リーシャ「《大天使長・ミカエル》は、2体のモンスターを生け贄に、通常召喚も出来る。

でも、このカードを特殊召喚した時に、生け贄に捧げたモンスターの数まで、私のフィールドに《守護天使トークン》を、特殊召喚出来る。そして、このトークンは罠カードとしても、扱うわ。」

 

リーシャ「そして、その《守護天使トークン》のレベルは、私が自由に選ぶ事が出来る。

私はレベル8の《守護天使トークン》を3体、特殊召喚する!」

 

レベル8 天使族トークン

 

攻撃力 0 守備力 0

 

クロウ「何かと思えば攻撃力、守備力0のトークンを3体、並べただけかよ。

焦って損したぜ。」

 

リーシャ「だから言ったでしょ?驚くのは、まだ速いって。

私はレベル8の罠モンスター《守護天使トークン》3体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

リーシャ「光と闇の戦いの最中、闇よりの使者が神の産声と共に、私に従え!

エクシーズ召喚!美しき最強の天使《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》」

 

ランク8 天使族

 

攻撃力 3600 守備力 3400

 

リーシャ「神が創造した天使の中でも、最も神に近いルシファー、そしてそのルシファー堕天後、天使達のリーダーになったミカエルが、今私のフィールドに並んだわ。」

 

龍亞「凄い…、凄いよリーシャさん…、神々しいよ。」

 

リーシャ「流石は龍亞だね。良くわかってる。

さて!そろそろ攻撃にするよ。

《PNo103暗黒の堕天使・ルシファー》の、オーバーレイユニットを1つ取り除き、効果を発動!

このカードは、相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来る。

そして、このカードがダイレクトアタックをする時、相手はカードの効果を発動出来ない。」

 

クロウ「カ…カードの効果を発動出来ねぇだと!

そんなふざけた効果があるかよ!

インチキ効果も、いい加減にしろ!」

 

リーシャ「さぁ《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》よ、裁きの一撃を!

『ザ・ラスト・ジャッジメント』」

 

クロウ「グッ!グワァァァァ!」

 

リーシャLP 4000 クロウLP 400

 

リーシャ「《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》が、オーバーレイユニットを取り除いて、効果を使用した時、他のモンスターは攻撃出来ない。

私はこれで、ターンエンドよ。」

 

 




リーシャのエクシーズが、満を持して登場!
強い!ただ強いの一言です。

そして、この小説でもクロウの名言?が登場しました。
《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》の効果に、相応しい言葉ですね。


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161話

~~~クロウ2ターン目~~~

クロウ「俺のターンドロー!

俺は手札から《猛禽の黒風》を発動!

俺のライフが、1000P以下の時に発動できる。その効果で、デッキからレベル3の鳥獣族モンスター1体を、効果を無効にして、守備表示で特殊召喚する!」

 

クロウ「来い!《BF-疾風のゲイル》。

そして、レベル4《BF-黒槍のブラスト》に、レベル3《BF-疾風のゲイル》をチューニング!」

 

クロウ「荒ぶる黒き神風よ、その暴風を纏いし羽で、空を斬れ!

シンクロ召喚!吹き荒べ《BF-黒烏のハリケーン・ウィルマ》。」

 

レベル7 鳥獣族

 

攻撃力 2800 守備力 2300

 

リーシャ「《BF-黒烏のハリケーン・ウィルマ》、私もそのカードを見た事が無いわ…。

でも、例えどんなモンスターを召喚しようとも、私達には勝てないわ!」

 

クロウ「フン!それは、戦って見ねーとわかんねーだろ!

俺は、永続罠《エボリューション・クロウズ》を発動!

俺のフィールドの鳥獣族モンスターが、相手モンスターと戦闘を行う時、相手モンスターの攻撃力を半分にする!」

 

リーシャ「そんな!半分にするなんて!」

 

クロウ「これが俺の全力だ!

《BF-黒烏のハリケーン・ウィルマ》で《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》に攻撃!

『クロニクル・ウィング』」

 

リーシャ「クッ…何てね♪

伏せカード《光の道しるべ》を発動。

このターンのバトルフェイズに、手札の魔法カードを1枚墓地に送る。

そして、墓地に送った魔法カードの効果を、発動する事が出来る!」

 

リーシャ「私は《RUM-The Dark Rular》を墓地に送る。

そして、その効果で自分フィールド、墓地、エクストラデッキのエクシーズモンスターを、1体選択する。

そして、選択したモンスターを素材として、そのモンスターよりも、ランクが1つ高いエクシーズモンスターを、特殊召喚する。」

 

リーシャ「私が選択するのは《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》。

《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》1体で、オーバーレイネットワークを再構築、カオスエクシーズチェンジ!」

 

リーシャ「この世に光をもたらすもの、今その全ての力を解放し、祝福の輝きを!

エクシーズ召喚!解き放て《PCNo.103暁の熾天使・ルシファー》」

 

ランク9 天使族

 

攻撃力 4000 守備力 3800

 

クロウ「な…そんな事ありかよ!

だが、それでも俺の《BF-黒烏のハリケーン・ウィルマ》は《エボリューション・クロウズ》の効果で、攻撃力が上だ!」

 

リーシャ「私のエースモンスターが、進化したんだよ?

お前の策略が、通じると思ってるの?

《PCNo.103暁の熾天使・ルシファー》が《PNo.103暗黒の堕天使・ルシファー》をエクシーズ素材にして、エクシーズ召喚した時、相手フィールドのカードの効果を、全て無効にする。」

 

リーシャ「さぁ《PCNo.103暁の熾天使・ルシファー》よ、惨めな烏を返り討ちにしろ!

『セラフィム・ジャッジメント』」

 

クロウ「グワァァァァ!」

 

リーシャLP 4000 クロウLP 0

 

~~~デュエル終了~~~




見事にリーシャの、完全勝利です!
良かった!

そして、クロウが召喚した《BF-黒烏のハリケーン・ウィルマ》のウィルマは、史上最低の気圧を記録した、ハリケーンの事です。


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162話

リーシャ「龍亞~♪勝ったよ。

これで、私も少しは龍亞の力に為れたかな?」

 

龍亞「そんな…、少し所じゃ無いですよ。

俺が、シグナーと戦おうと決心出来たのも、リーシャさんのお陰でもあるんですよ。」

 

リーシャ「そっか…、龍亞がそう言ってくれるなら、私も嬉しいよ。」

 

リーシャはそう言いながら、ニッコリ笑った。

そして、ポロポロと嬉し涙を流した。

 

ジャック「クロウ、クロウ…、駄目だ気を失っている。

龍亞、俺はクロウを家の中に連れて行くぞ。」

 

ジャックは、クロウを担ぎ上げて、隠れ家の中に入って行った。

 

リーシャ「これで、残りのシグナーはあの憎き、不動遊星だけだね。

それに、不動遊星を倒しに行ったのが、鬼柳さんだから、この戦い勝ったも同然だね♪。」

 

既に見えている勝利に、喜んでいるリーシャとは別に、何故かルイズの顔は、暗かった。

 

龍亞「どうしたのルイズ?

まさか、鬼柳が遊星に負けると思ってるの?

大丈夫だよ!鬼柳なら、必ず遊星を倒してくれるよ!」

 

ルイズ「大丈夫だよ龍亞。

ボクだって、鬼柳が負けるなんて微塵も思って無いよ。

ただ…、どうしてもあの男が、気になってしょうがないんだ。」

 

龍亞「ルイズ、あの男って誰の事なの?」

 

ルイズは、シグナーよりも厄介なあの男がどうしても、忘れられなかった。

 

~~~サテライト~~~

 

ここは、サテライトのとある1軒のビル。

そのビルの前に、永月と黄泉を倒した暦は立っていた。

 

暦「やっと着いたよ。

さて、早速俺の最後の仕事に、取り掛かろうかな。」

 

暦は、そのビルの中に入り、階段をゆっくりと上がっていった。

 

そして、4楷のとある部屋の扉の前に立つと、その歩みを止めた。

 

暦「確か、この部屋だった様な気がするな…。

良し!気合い入れてくぞ!」

 

暦はそう言うと、その扉を蹴破った。

 

その部屋の中には、研究に使う様な機材が、沢山並んでいた。

この部屋はまさに、研究室と言えるだろう。

 

その研究室に、1人の男が此方を向いて、椅子に座っていた。

 

暦「どうやら、この部屋で正解みたいだな。

それにしても、俺が来る事をわかってた様だな。」

 

「あぁ、当たり前だ。

今シティを騒がしている、シグナーの敗北…。

そんな馬鹿げた事をするのは、ダークシグナー達しかいない。」

 

「それなら、私は邪魔をするに決まっているさ。

それに気づいた、誰かが来るとは思ってたが、まさかお前が来るなんて、予想外だよ暦。」

 

その男は、椅子から立ち上がって暦に、近づいて来た。

 

すると、遠くにDホイールのエンジン音が聞こえていた。

 

暦「ん?誰のDホイールだ…、確かあいつは、龍亞の仲間の鬼柳だったな、と言うことは。」

 

暦「一触即発のムードだけど、ここは少し休戦と行こうや。

この近くで、シグナーとダークシグナーとの、デュエルが有るみたいだしな。」

 

「……、そうだな。

少し癪だが、お前の口車に乗ってやろう。

だがそれが終われば、お前に地獄を見せてやる。」




暦の、久々の登場。
まさかの、サテライトに行ってましたね。

そして暦が接触した、ルイズの気になる男の招待とは!

その前に、鬼柳と遊星のデュエルです。


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163話

鬼柳は、サテライトのとあるスクラップ場に来ていた。

 

鬼柳「にしても、お前とここで出会ってから、もう10年もたつんだな。

本当に懐かしいな…、なぁ遊星?」

 

鬼柳がそう言って振り替えると、そこには遊星が立っていた。

 

鬼柳「お前と出会ったこの場所で、お前を倒すして全てを終わらせる。

これも、何かの縁なのかも知れないな。」

 

遊星「鬼柳…、本当に俺達が戦う事に意味が有るのか。

ただ、無駄にお互いが傷つくだけじゃないのか。」

 

遊星「それに、お前とはあの時のデュエルで、ちゃんと和解出来たはずじゃ無いのか。

何とか言ってくれ鬼柳!」

 

鬼柳は、遊星の言っていたあの時、自分がダークシグナーとして、遊星と戦った時を思い返していた。

 

鬼柳「確かに…お前の言う通り、あの時のデュエルで、あの頃のわだかまりは、解消できたと思っている。

だが、今回は全てが違う!」

 

鬼柳「この戦いに、俺の自分勝手な感情は無い!

全てが龍亞様の為、龍亞様の幸せの為のデュエルだ!

それに、お前は俺と戦うしか道は無いんだよ。」

 

遊星「そんな事は無い!俺達なら、戦わずとも話し合いで、解決できるはずだ!

まだ俺達は、龍亞とわかり会えるはずだ!」

 

遊星の言葉に、鬼柳は怒りを感じ、遊星に近づいていって、遊星を力いっぱい殴り付けた。

 

鬼柳「龍亞様とわかり会えるだと!

何を世迷い言を!ふざけるな!

お前ごときが、龍亞様の心がわかるはずがない!

龍亞様の心の痛みが、わかるはずがない!

龍亞様の孤独がわかるはずがない!」

 

鬼柳「そのわかりきった様な態度が、気に食わないんだよ!

龍亞様を救う事すら出来ないで、何が英雄だ!」

 

鬼柳はそう言った後、ゆっくり深呼吸をして、自分の感情を落ち着かせた。

 

鬼柳「だからこの俺が、直接お前を倒しに来たんだよ。

さぁ遊星、俺とライディングデュエルだ。」

 

遊星は立ち上がると、ただ静かに鬼柳を見ていた。

 

そして、数秒のちんもくが続いた後、遊星は自分のDホイールに、近づいていった。

 

鬼柳「そうだ…、それがお前だよ!

色々な御託を並べてたが、実際はデュエルする事しか考えてない。

相手を負かして、自分の考えを強制させる。

それが、お前の本当の姿だ偽善者!」

 

偽善者と言われた遊星は、治安維持局と戦った時、自分と戦った黄泉の事が、頭をよぎった。

 

遊星「違う…違う!

俺は偽善者なんかじゃない!俺の正義は、間違って無い!

俺は本気で、龍亞を助けたかったんだ。」

 

鬼柳「“助けたかった”って言っている時点で、偽善者だってわかるんだよ。

それに、本当にお前の正義が正しいなら、この俺に勝ってから言うんだな!」

 

鬼柳、遊星「ライディングデュエル・アクセラレーション!」




遂に、鬼柳と遊星のデュエルの火蓋が、切って落とされました!

鬼柳からも、偽善者って言われちゃいましたね遊星。
ショックでしょうね。


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164話

~~~遊星1ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。俺は《ニトロ・シンクロン》を、守備表示で召喚。」

 

遊星「そして、自分フィールドに《シンクロン》と、名のつくモンスターが存在する時、手札から《チューニング・クリエイター》を守備表示で特殊召喚する。」

 

レベル4 機械族

 

攻撃力 0 守備力 100

 

鬼柳「チューナーと、モンスターが1体ずつ…、早速シンクロしてくるか。」

 

遊星「その通り!

俺は、レベル4《チューニング・クリエイター》と、レベル2《ニトロ・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「燃えたぎる闘志が、大地を揺るがす。

灼熱の戦士よ、ここに現る。

シンクロ召喚!爆裂しろ《ダイナマイト・ウォリアー》」

 

レベル6 戦士族

 

攻撃力 2600 守備力 2000

 

遊星「俺は、カードを1枚伏せてターンエンドだ。」

 

鬼柳「遊星、お前はそうやって龍亞様を、心配した様な言葉をかけるが、実際は見ての通りだ。

1ターン目からのシンクロ、それがお前の正体だ。」

 

遊星「うるさい!そんな事は無い!

俺は、本気で龍亞を助けたいんだ!」

 

鬼柳「まぁ良い。

どうせ、この俺に敗北するだけだからな。」

 

~~~鬼柳1ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー。

俺は永続魔法《虚無の威光》を発動。」

 

鬼柳「そして《インフェルニティ・ガーゴイル》を、攻撃表示で召喚する。」

 

レベル3 悪魔族

 

攻撃力 1800 守備力 1200

 

鬼柳「俺は《砕け散る退路》を発動。

その効果により、手札を全てゲームから除外する。

さぁバトルだ!」

 

遊星「鬼柳何を考えているんだ!

お前のモンスターの攻撃力では、俺のモンスターの攻撃力には、到底敵わないはずだぞ!」

 

鬼柳「フッ、甘いんだよ!

俺の手札が0枚の時《インフェルニティ・ガーゴイル》は、相手プレイヤーにダイレクトアタックが、出来るんだよ!

喰らえ!『グラビティ・クラッシュ』」

 

鬼柳LP 4000 遊星LP 2200

 

鬼柳「そして俺は、このままターンエンドだ。

どうだ遊星、これが本当の正義の攻撃だ。

偽善者のお前には、物凄く効くだろ?」

 

鬼柳「今思えば、お前と始めて出会った時も、この道で俺達はこうやって、ライディングデュエルをしていたな。

あのデュエルが、俺達の全ての始まりなら、このデュエルは俺達の全てを賭けた、終決のデュエルだな!」

 

遊星「違う!これは、終わりのデュエルなんかじゃない!

まだ俺達は、やり直せるはずだ!」

 

鬼柳「本当にしつこいぞ!

お前のワガママには、もうウンザリなんだよ!

さぁ遊星、次はお前のターンだ!」

 

 




早速、鬼柳の先制攻撃が炸裂!

流石は、我等の鬼柳ですね。


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165話

~~~遊星2ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。

俺は《Sp-エンジェル・バトン》を発動。デッキから、カードを2枚ドローする。

そして、手札を1枚墓地に送る。」

 

遊星「そして、俺は《ロード・ランナー》を、守備表示で召喚する。バトルだ!

《ダイナマイト・ウォリアー》で《インフェルニティ・ガーゴイル》に攻撃!

『ソールド・パニッシュ』」

 

鬼柳「この瞬間、永続魔法《虚無の威光》の効果を発動!

俺の手札が0枚の時、1ターンに1度だけ相手モンスターの攻撃を、無効にしそのモンスターを破壊する!」

 

鬼柳「残念だったな。お前の戦略は、手に取るようにわかってるつもりだよ。」

 

遊星「クッ…なら、伏せカード《シンクロン・チャージャー》を発動。

自分フィールドのシンクロモンスターが、効果によって破壊された時、墓地からチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。

現れろ《ニトロ・シンクロン》」

 

遊星「俺は、カードを1枚伏せてターンエンドだ。

鬼柳、お前はさっき俺の戦略が、わかると言ったな。

だが、俺もあの時のデュエルから、大きく進化しているんだ!そう簡単には、倒されないぞ!」

 

鬼柳「そう簡単には…か、遅かれ速かれお前は、俺に敗北する運命からは、逃れられないんだよ!

それにな、進化したのはお前だけじゃ無いんだよ。

見せてやる、俺の進化…俺達の絆の力を!」

 

~~~鬼柳2ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー!

フフッ…どうやら、神もお前の敗北を望んでいるようだ。

俺は手札から《魔王の施し》を発動!

エクストラデッキのカードを、1枚墓地に送る事で、デッキからカードを5枚ドローする。」

 

鬼柳「俺が墓地に送るのは《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》を墓地に送る。

そして、カードをドローする。」

 

遊星「カードを一気に、5枚もドローするだと!

なんて強力な効果なんだ…。まさに、魔王からの施しだな。」

 

鬼柳「その通りだ!

そして、俺は《インフェルニティ・ガーゴイル》を墓地に送り、手札から《インフェルニティ・サラマンダー》を攻撃表示で、特殊召喚する!」

 

レベル9 悪魔族 

 

攻撃力 100 守備力 0

 

遊星「レベル9のモンスターを、特殊召喚するだと。」

 

鬼柳「《インフェルニティ・サラマンダー》は、墓地にモンスターがいない場合、フィールドの《インフェルニティ》と名のつくモンスターを、墓地に送る事で特殊召喚する事が出来るんだよ。」

 

鬼柳「そして俺は、カードを3枚伏せる。

そして《インフェルニティ・モンタージュ》を攻撃表示で、召喚。」

 

レベル1 悪魔族

 

攻撃力 300 守備力 300

 

鬼柳「《インフェルニティ・モンタージュ》は、俺の手札が0枚の時に、自分フィールドのモンスターと同じレベルになる。」




鬼柳のフィールドに、レベル9のモンスターが並びました。

次の話で、鬼柳のエクシーズは確実ですね。

頑張れ鬼柳!負けるな鬼柳!


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166話

鬼柳「俺はレベル9《インフェルニティ・サラマンダー》と《インフェルニティ・モンタージュ》で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

鬼柳「大地が生んだ守護竜よ、我に従い逆らう者に怒りの咆哮を!

エクシーズ召喚!これが神の力《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》」

 

ランク9 ドラゴン族

 

攻撃力 3000 守備力 2400

 

遊星「エクシーズ…召喚だと…。

それが、お前達の進化の象徴なのか…。」

 

鬼柳「そうだ!これが、俺達の新たな絆だ!

《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》で《ニトロ・シンクロン》に攻撃!

『ザ・ユニバース・ブロー』」

 

遊星「クッ!ならば、伏せカード《リバイバル・シンクロン》を発動!

自分フィールドのチューナーが破壊された時、墓地のシンクロモンスターを、レベルを1つ下げ攻撃力守備力を0にして、特殊召喚する。

甦れ!《ダイナマイト・ウォリアー》。」

 

鬼柳「無駄な悪あがきを。俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

遊星「これが、無駄な悪あがきかどうかは、最後までわからないぞ!」

 

~~~遊星3ターン目~~~

遊星「見せてやる、これが俺の希望の光だ!

俺のターンドロー!

…来た!これで、勝利への活路が見えた。」

 

遊星「俺は手札から《調律》を発動。

デッキから《シンクロン》と名のつくモンスターを、1枚手札に加える。

そして、デッキをシャッフルしその後、デッキの1番のカードを墓地に送る。」

 

遊星「俺は《ジャンク・シンクロン》を攻撃表示で、召喚。

そして、レベル5となった《ダイナマイト・ウォリアー》に、レベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし願いが新たに輝く星となる。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!飛翔せよ《スターダスト・ドラゴン》」

 

鬼柳「何かと思ったら《スターダスト・ドラゴン》か。

だが、今さら《スターダスト・ドラゴン》を召喚しても、俺には勝てないぞ!」

 

遊星「まだだ!まだ終わってないぞ!

俺はレベル1《ロードランナー》に、レベル1《ターボ・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー《フォーミュラー・シンクロン》」

 

遊星「《フォーミュラー・シンクロン》の効果で、カードを1枚ドローする。

そして、レベル8《スターダスト・ドラゴン》に、レベル2シンクロチューナー《フォーミュラー・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。

光さす道となれ!

アクセルシンクロ!生来せよ《シューティング・スター・ドラゴン》」




遊星の《シューティング・スター・ドラゴン》が召喚されました。

これで、このデュエルももうすぐ終局を迎えそうですね。
負けるなよ鬼柳。


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167話

前回、書き忘れてましたが《ターボ・シンクロン》は《ジャンク・シンクロン》の効果で、特殊召喚されました。


鬼柳「《シューティング・スター・ドラゴン》、それがルチアーノ様が言っていた、裏切り…そして偽善者の力の象徴か。」

 

遊星「違う!これこそが、俺達シグナーの希望の力だ!《シューティング・スター・ドラゴン》の効果発動。

自分のデッキの上から、カードを5枚めくる。そして、その5枚のカードの中のチューナーの数だけ、攻撃が出来る!」

 

遊星「チューナーの数は2枚、よって2回の攻撃が可能になった。

《シューティング・スター・ドラゴン》で《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》に攻撃!

『スターダスト・ミラージュ』」

 

鬼柳「この瞬間、伏せカード《無常な身代わり》を発動。このカード以外の魔法、罠カードを任意の数、墓地に送る。

墓地に送ったカード1枚につき、相手モンスターの攻撃を1回、無効に出来る。」

 

鬼柳「俺は2枚の伏せカードを、墓地に送る。

よって、お前の攻撃を2回無効にする。」

 

遊星「防がれたか、なら俺はターンエンドだ。」

 

~~~鬼柳3ターン目~~~

鬼柳「俺のターンドロー。この瞬間、さっきのターンに発動した《悪魔の施し》の効果が発動する。

このカードを発動した、次のターンのスタンバイフェイズに、手札を全て墓地に捨てる。」

 

遊星「鬼柳、これでお前の勝利の可能性は無くなったぞ。

お前のモンスターでは、俺のモンスターの攻撃力には届かない。」

 

鬼柳「なめるなよ!手札が0枚で、自分フィールドに《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》しか存在しない時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除く事で、墓地のドラゴン族モンスターを可能な限り、召喚条件を無視して、特殊召喚する!」

 

遊星「だが、お前の墓地にドラゴン族なんていないはずじゃで…まさか!」

 

鬼柳「《悪魔の施し》のコストに、1枚墓地に送ってあるんだよ!

甦れ!龍亞様を護る最強の楯《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》」

 

遊星「攻撃力4000だと!

だが《シューティング・スター・ドラゴン》は、相手の攻撃を無効に出来る。」

 

鬼柳「詰めが甘いぜ遊星!

《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》の効果発動!

墓地のカードを任意の数デッキに戻す事で、その枚数だけ相手フィールドのカードを破壊、または除外する。」

 

鬼柳「俺は墓地から、カードを1枚デッキに戻す。

よって《シューティング・スター・ドラゴン》を、除外する!」

 

鬼柳「これで、お前のフィールドはがら空きだ!

さぁ止めだ!《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》で、遊星にダイナマイトアタック!

『ザ・ユニバース・ブロー』」

 

遊星「クソ!グァァァァァァ!」

 

鬼柳LP 4000 遊星LP 0

 

~~~デュエル終了~~~




無事に、鬼柳の圧勝で終わりましたね。

《インフェルニティ・ディアブロス・ドラゴン》が、龍亞を護る楯なら《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》は、龍亞に害する者を壊す矛ですね。


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168話

暦「鬼柳が勝ったか…、これでシグナーの全敗が、決定したな。

お前の計画が、どんどん遠ざかってくぞ?」

 

鬼柳と遊星とのデュエルを見届けた暦は、嬉しそうに笑いながら男の方を見た。

 

暦「まぁ…龍亞達を倒して、全てを自分の思い通りにする事自体が、最初から無謀としか言いようがないな。」

 

「うるさい、うるさい!

お前ごときに、私の何がわかると言うんだ!

お前達みたいな、世界を支配者になれる資格を持つ者に、私の全てを否定するな!」

 

男は、興奮しながら暦の胸ぐらを掴んで、今にでも殴りそうな雰囲気だった。

 

暦「おいおい。間違えてるぜ。

支配者になれる資格を持ってるのは、俺達じゃ無くて“龍亞”ただ1人だけだぞ。」

 

暦はそう言うと、カウンター気味に男を殴り付けた。

 

男は、殴られた衝撃で座っていた椅子に、勢い良くぶつかっていった。

 

暦「けど、元ダークシグナーの面々も龍亞以下だけど、資格ありだから、あながち間違いじゃないか。」

 

と、今の雰囲気に似合わない笑顔で、暦はその男を見下ろしていた。

 

そして男は、殴られて出てきた血を袖で拭いながら、ゆっくりと立ち上がった。

その足は、ダメージでフラフラだった。

 

「お前はいつも、そうやってヘラヘラ笑いながら、私の計画を邪魔してくるな。

あの時も、お前さえいなければ今頃は、私がこの世を支配していたのに!」

 

「いや…、お前だけじゃ無い!

あのガキもそうだ!今も昔も、私の全てを壊してくる。

お陰で、私はこれ迄の地位も金も、壊滅寸前にまで追い込まれたんだぞ!」

 

暦「地位と金?あぁ、あの時のあの事か。

お前って、つくづく不運だな。」

 

暦はそう言って、近くの窓から外の風景を眺めた。

 

暦「けどよ、もう俺達みたいな人間は、表舞台に出るべきじゃ無いんだよ。サイスの口癖だったな。

これからの時代を創るのは、俺達過去の人間じゃ無くて、龍亞達みたいな若い人間だ。

……って、俺はまだ23歳だけどな。」

 

「過去の人間か…、お前にしては的確な言葉選びだな。

だが私は違う!

サイスやお前が、人並みの幸せを掴んでいる間にも、ずっと我慢をして耐えてきたんだ。」

 

「サイスでは出来なかった事。お前でも出来なかった、この世の支配者となる為に、残りの全てをかけてきたんだ!

お前とは、覚悟が違うんだ!」

 

男の言葉に、暦は腹を抱えて大笑いをした。

 

「な、何がそんなに面白いんだ!」

 

暦「ハッハハハハハ!

いや~面白いよお前。はぁ~最高だよ。」

 

暦「我慢してきた?全てをかけた?

違うだろ、お前は俺達みたいに幸せになれなかっただけだ。

それに、お前のは覚悟じゃ無い。ただの、言い訳だよ。

なぁ、“ディヴァイン”よ。」

 

 




男の正体は、まさかのディヴァイン!
わかりやすかったかな?

ディヴァインと暦とサイスに、どのような過去があったのか。
謎が謎を呼びますね。


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169話

ディヴァイン「言い訳か…、お前は相変わらずやる事は適当だが、的確に物事を判断できるな。」

 

暦「当たり前だろ?それが、俺の取り柄の1つだからな。」

 

ディヴァイン「確かに、お前の言った通り言い訳だよ。

だがな、言い訳の何が悪いんだ!私には、もうそれしか道は残されて無かったのだ!」

 

すると暦は、デュエルディスクを装着した。

 

暦「昔から、サイスが言ってただろ。

デュエリストなら、最後は言葉ではなくて、デュエルで己を示せ。ってな。

さぁディヴァイン!デュエルだ。

俺達のこれ迄の全てに、決着をつけようぜ!」

 

ディヴァイン「お前とは、これ迄1度もデュエルをした事が無かったな。

これが、最初で最後のデュエルだな!」

 

暦、ディヴァイン「デュエル!」

 

~~~ディヴァイン1ターン目~~~

ディヴァイン「私のターンドロー。

私は、カードを2枚伏せる。そして《ギャラクシー・コマンダー》を攻撃表示で召喚する。」

 

レベル4 サイキック族

 

攻撃力 1300 守備力 1400

 

ディヴァイン「《ギャラクシー・コマンダー》が召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする。

私はこれで、ターンエンドだ。」

 

暦「何だ、お前でも普通にデュエル出来るんだな。

ちょっと見直したぜ。」

 

ディヴァイン「当たり前だ。私はあの、アルカディアムーブメントの総帥だぞ?

それに、黒薔薇の魔女と呼ばれていた十六夜アキに、デュエルタクティクスを教え込んだのは、他でもなく私だ。」

 

ディヴァイン「アキならば、必ずや私の全てを受け継でくれると、思っていた…。

だが、それすらもお前の邪魔のせいで、無くなってしまった!」

 

暦「フフッ、そうだったな。

このデュエルが始まる前に、お前は幸せを掴めなかったと言ったな。

でもな、俺はお前が羨ましかったんだ。」

 

ディヴァイン「な、何を言い出すんだ?

私が羨ましいだと…、そんなはずはないだろ。」

 

暦「お前には十六夜アキ、サイスにはジャック・アトラスという、お前達の後継者がいた。

だが俺には後継者はおろか、誰にも俺の全てを教える事は出来なかった。」

 

ディヴァイン「だが、お前には龍亞という後継者がいるはずでは。」

 

暦「残念だけど、龍亞は俺の後継者じゃない。

龍亞は、ルドカーさんの後継者だ。

たが、俺はそんなお前に負けるわけにはいかない!」

 

~~~暦1ターン目~~~

暦「俺のターンドロー。

俺は手札から《漆黒の夜会》を発動。

ライフを800P払う事で、デッキからレベル4以下闇属性のモンスターを1枚、手札に加える。」

 

暦LP 3200 ディヴァインLP 4000

 

暦「俺はたった今手札に加えた《イグニオン・レアル》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 獣戦士族

 

攻撃力 1900 守備力 1000




いよいよ、運命のデュエルが始まりました。
このデュエルは、龍亞とシグナーの戦いに、直接関係しないかもしれませんが、最後までお付き合いください。

暦のデッキテーマは、種族統一ではなくて《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》及び《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》を、召喚する為のデッキです。


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170話

暦「行くぜディヴァイン!《イグニオン・レアル》で《ギャラクシー・コマンダー》に攻撃!

『闇の獣人拳』」

 

暦LP 3200 ディヴァインLP 3400

 

暦「《イグニオン・レアル》が、相手モンスターを破壊した時、そのモンスターよりレベルが1つ上のモンスター1体を、守備表示で特殊召喚する。

来い!《サンダー・ウィプス》」

 

レベル5 雷族

 

攻撃力 2300 守備力 2000

 

暦「俺は、カードを1枚伏せてターンエンドだ。」

 

~~~ディヴァイン2ターン目~~~

ディヴァイン「私のターンドロー。私は伏せカード《旧式破壊魔法》を発動。

墓地に存在する、サイキック族モンスター1体を、特殊召喚する。

その代わり、そのモンスターは効果を発動出来ず、攻撃出来ない。

復活しろ《ギャラクシー・コマンダー》」

 

ディヴァイン「そして《プラチナ・メンター》を攻撃表示で召喚する。」

 

レベル3 サイキック族 チューナー

 

攻撃力 0 守備力 100

 

暦「チューナーを召喚か。

そう言えば、お前は速攻シンクロが得意だって、サイスが言ってたな。」

 

ディヴァイン「その通り!

私はレベル4の《ギャラクシー・コマンダー》に、レベル3《プラチナ・メンター》をチューニング!」

 

ディヴァイン「愚者と賢者、今ここに交わる。

復讐の業火を灯し、世界を嘲笑え!

シンクロ召喚!これが最凶の頭脳《アルティメル・ブレイン・テュポーン》」

 

レベル7 サイキック族

 

攻撃力 3000 守備力 3300

 

暦「おいおい…、たった2ターン目にして、攻撃力3000のモンスターかよ。笑えないぜ…。」

 

ディヴァイン「哀れだな。《アルティメル・ブレイン・テュポーン》よ、あの哀れな男に、私の怒りを!

《アルティメル・ブレイン・テュポーン》で《イグニオン・レアル》に攻撃!

『ティターン・エトナ・ノヴァ』」

 

暦「クッ!だが、見事に作戦通りだ!

伏せカード《先鋒から継ぎし魂》を発動。

自分のレベル4以下のモンスターが、相手の攻撃で破壊された時、その戦闘ダメージを無効にして、破壊されたモンスターより、レベルが1つか2つ高いモンスターを、デッキから特殊召喚する。俺は《ドラゴライノス》を特殊召喚。」

 

レベル6 恐竜族

 

攻撃力 2100 守備力 2700

 

ディヴァイン「悪運だけは、高い様だな。

私は、カードを2枚伏せてターンエンドだ。」

 

~~~暦2ターン目~~~

暦「俺のターンドロー。俺は、フィールドの2体のモンスターを生け贄に《マスカット・バブラー》を攻撃表示で召喚。」

 

レベル7 植物族

 

攻撃力 600 守備力 900

 

暦「《マスカット・バブラー》の効果発動。

ライフを半分払う事で、デッキから同名モンスターを可能な限り特殊召喚する。俺は《マスカット・バブラー》を2体、特殊召喚する。」

 

暦LP 1600 ディヴァインLP 3400

 

暦「俺は《マスカット・バブラー》3体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

暦「暗黒の古城を護る騎士よ。王の為に命を散らし、王に魂の安らぎを!

エクシーズ召喚!純朴なる騎士《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》」

 

ランク7 悪魔族

 

攻撃力 3000 守備力 2500




《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》も召喚され、このデュエルも盛り上がりを見せてきました。

暦とディヴァイン、そしてサイスにどのような関係があるのか、全ての決着とはいったい何なのでしょうか!


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171話

ディヴァイン「こ、これが新しい可能性、エクシーズ召喚か…。

近い…だが、あれとは違う。あれよりも、光を感じる…。」

 

暦「ディヴァイン、お前は何の事を言っているんだ!

そう言えばお前、あの時に何を見たんだ。それと関係があるのか。」

 

ディヴァイン「お前の目的は、このデュエルで私達の過去との決着だろ?

全てを知りたければ、私に勝つしか道は無い。」

 

暦「そうだったな。なら、遠慮はしないぞ!

《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》で《アルティメル・ブレイン・テュポーン》に攻撃!

『エターナル・ブラッド』」

 

暦「《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》は、戦闘では破壊されない!

お前のモンスターだけ、くだけ散れ!」

 

ディヴァイン「ならば、伏せカード永続罠《破滅の呪い》を発動。

このカードが自分フィールドに有る限り、私のサイキック族モンスターは戦闘では破壊されない。

そして、お互いのエンドフェイズ毎に、私のフィールドのモンスターは、攻撃力を500Pアップする。」

 

暦「チッ!小賢しいカードだな。まぁ、それがお前らしいけど。

だったら、俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」

 

~~~ディヴァイン3ターン目~~~

ディヴァイン「私のターンドロー。

さっきお前は、私にあの時何を見たのか聞いたな。

なら、私もお前に聞きたい。お前は何を見たんだ。

お前ほどの男が、私なんかに何時までも関わり続けるのも、それが原因か?」

 

ディヴァインにそう聞かれた暦は、窓の外の景色を見た。

既に、太陽は沈み始めて辺りに、夜のとばりが広がろうとしていた。

 

暦「あの時も、こんな肌寒い夜だったな。

俺もデュエルで負けてないのに、お前に教える訳にはいかない。

だが、俺はあの時に3つ見たんだ。」

 

ディヴァイン「3…3つも見ただと!

そんな…、そんな酷い事だなんて考えもしなかった…。

それほど、お前は背負わされていたなんて。」

 

暦「その時の1つに、俺とお前、そしてサイスとルドカーさんが、仲良く笑い合っていたんだ。

けど、ルドカーさんはもういない。」

 

暦「あれは、覆る事は絶対に無い。

なら、あの笑顔は何だったのかを知りたいんだ。」

 

ディヴァイン「……、今さらやり直せる訳無いさ。

私はこんな底辺まで堕ち、お前とは仲違いしている。

それが、私達の真実だ。」

 

暦「そうかもな。俺は何を、期待してたんだろうな。

でも…俺は今でも、お前の事は大切な仲間だと、想ってるよ。」

 

ディヴァイン「暦…。

だが、私にも背負わされた事がある!デュエルを続行させる。

《アルティメル・ブレイン・テュポーン》で《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》に攻撃!

『ティターン・エトナ・ノヴァ』」

 

暦LP 1100 ディヴァインLP 3400

 

ディヴァイン「私はこれで、ターンエンドだ。」




2人だけがわかる、2人だけの会話。

それが、何を示すのか。
どんな話なのかが、私達にもわかる日まで、ゆっくり待つしかないですね。


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172話

~~~暦3ターン目~~~

暦「俺のターンドロー!

ディヴァイン、俺達はどれだけあの日から抗っても、未来に希望が無くても、俺達には逃れる事の出来ない過去がある。」

 

暦「だが、俺はそれを受け入れたい。

このカードに、俺とお前のこれからの全てをかける!

伏せカード《未来への分岐》を発動。」

 

暦「自分ライフが、相手のライフより2000P以下の時、カード名を1つ選択する。

その後、相手は俺のデッキからカードを1枚選び、そのカードを手札に加える。

もし、そのカードが選択したカードなら、相手ライフを2000P減らす。違ったら、俺は2000Pのダメージを受ける。」

 

ディヴァイン「フン、このままでは勝てないとわかったから、一か八かの賭けに出たか。

だが、その賭けは命懸けだぞ?」

 

暦「わかってるさ。それこそが、俺達の運命だ。

この賭けに勝てば、俺は自分に枷られた運命を、喜んで受け入れよう。

さぁ行くぞ!俺が選択するカード名は《RUM-The Dark Rular》だ!ディヴァインよ、カードを選べ!」

 

ディヴァイン「お前らしい、運命のケジメだな…。

なら、私も最後まで付き合おう。

私が選ぶのは、このカードだ!」

 

暦は、ディヴァインの選んだカードを恐る恐る見た。

 

暦「やった…やったぞ!お前が選んだカードは《RUM-The Dark Rular》だ!

俺は手札から《RUM-The Dark Rular》を発動!」

 

暦LP 1100 ディヴァインLP 1400

 

暦「俺は《PNo.109ナイト・オブ・ヴァンパイア》1体で、オーバーレイネットワークを再構築、カオスエクシーズチェンジ!」

 

暦「暗黒の古城に住む王よ、我との血の契約を持って、この世に舞い戻れ!

エクシーズ召喚!これが闇の王、そして俺達を運命へと導く光《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》」

 

ディヴァイン「それが、お前の切り札か…。

運命へと導く光…、これが光…。」

 

暦「そうだ!《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》が、エクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドの魔法、罠カードを全て破壊する!」

 

暦「これで《アルティメル・ブレイン・テュポーン》の攻撃力は、元の3000に戻った!

さらに《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》の、オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのモンスター全ての効果を無効にし、無効にたモンスター1体につき、攻撃力を1000Pアップする!」

 

暦「この攻撃で、終わりだ!

《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》で《アルティメル・ブレイン・テュポーン》に攻撃!

『ナイトメア・オブ・ザ・ブラッド』」

 

暦LP 1100 ディヴァインLP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

暦「ディヴァイン…ディヴァイン大丈夫か!

おいしっかりしろ!」

 

暦は、倒れているディヴァインに駆け寄り、上体を起こさせた。

 

ディヴァイン「フッ…、お前にしん…ぱいされる様じゃ…、この…私も終わり…だな…。

そう言えば、私…が見た物だったな…。」

 

ディヴァインは、最後の力を振り絞って、暦に自分があの日に見た事を耳打ちした。

 

暦はその内容に驚いたが、そのお陰で自分が見た事、そして自分の運命がわかった。

 

暦「ディヴァイン、お前は最後までこの未来を避けようとしてたのか…。

それで、こんな研究所まで作って。

すまないディヴァイン、例えこの世に危機が訪れても、俺は抗わない。」

 

そう言って暦は、息を引き取ったディヴァインの為に、小さな墓を作った。

 

そして、龍亞の下へと歩いて行った。




全てが謎だらけの、2人のデュエルが終わりました。

この戦いが終わったら、暦達の過去を書きたいと想っております。
全ての始まり、そして希望の終わりのお話です。


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173話

~~~ダークシグナーの隠れ家~~~

 

鬼柳「龍亞様、この鬼柳見事に不動遊星を連れて参りました。」

 

鬼柳は、連れてきた遊星を雑に放り投げると、龍亞の前に跪いた。

 

龍亞「鬼柳お帰り!鬼柳なら、絶対に遊星に勝つって、信じてたよ。」

 

龍亞の言葉に、鬼柳は喜びの余りに、嬉し涙を流してしまった。

 

鬼柳「龍亞様から、お褒めの言葉をいただけるなんて、これ程の名誉は、他にありません。

それよりも龍亞様、見ない内に人が増えていますね。」

 

ダークシグナーの仲間以外の人達を見て、鬼柳は少し疑問に思い、龍亞に聞いた。

 

ルイズ「そう言えば、鬼柳には言ってなかったね。

これが、新しい龍亞の仲間…そして、龍亞の為に全てを捧げる者達だよ。」

 

鬼柳「そうだったのですか。それならばこの鬼柳、より一層龍亞様の為に生き無ければいけません!」

 

龍亞「玄関での話もなんだから、中に入ってよ鬼柳。

さぁ速く。」

 

龍亞に手を引かれて、鬼柳は部屋の中へと入っていった。

 

そして、後から合流した鬼柳と皆が、仲良く話していた時、隠れ家の玄関が開いた。

 

暦「よう龍亞、久しぶりだな!元気してたか…。

ってあれ?何だか、空気が変だな…。」

 

暦の元気な登場に、さっきまでの雰囲気から一変、場の空気が凍った。

 

暦は、周りをゆっくり見渡して少し考えた。

そして、今起きている事をしっかりと理解できた。

 

暦「え~と、龍亞以外は知らん顔だな。

一応自己紹介しとく、俺の名前は鬼灯暦23歳だ。

まぁ少なくとも、お前達の味方だか…ら!」

 

暦が言い終わると同時に、龍亞が物凄い勢いで、暦に向かって走っていった。

 

そして、暦はその勢いに尻餅をついていた。

 

暦「ゴホッゴホッ!龍亞、久しぶりの挨拶がこんなタックルは無いだろ?」

 

龍亞「ごめんない…。でも、会いたかったよ暦兄ちゃん!今まで、何処に行ってたんだよ!」

 

龍亞は、暦の胸の中で静かに、涙を流していた。

それに気づいた暦は、優しく龍亞の頭を撫でた。

 

暦「すまねぇな龍亞、お前に寂しい想いさせて。

だが、俺にもやらなければならない事があったんだ。」

 

龍亞「うん。わかってるよ暦兄ちゃん。

それも全部、俺の為だったんでしょ?なら、全然気にしてないよ!」

 

龍亞はそう言って、暦に最高の笑顔を見せた。

 

龍可「あの…龍亞。その人と、どんな関係があるの?

それに、お兄さんって何の話!」

 

2人だけの謎の空間に、龍可が勇気を出して入っていった。

 

龍亞「そう言えば、龍可には何を説明してなかったね。

この人は暦兄ちゃん。龍可を除けば、この中で一番速く、俺の事を大切にしてくれた人だよ。」

 

暦「ご紹介の通りだ。まぁ、何と言うかよろしくな龍亞の妹の、龍可ちゃん。」

 

暦は、龍可に向かって右手を伸ばした。

 

そして龍可は、まだ全てを理解していないが、龍亞の大切な人だということはわかり、その握手に応じた。

 




これで、役者が全て隠れ家に揃いました。

これから何が行われるのか、全くわかりません!

龍亞と暦の出会いは、ルチアーノよりも前だったのですね。


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174話

龍可「暦さんが、龍亞の味方ということはわかったわ。

でも、どうして貴方はここに来たの?」

 

龍亞「そう言えばそうだね。暦兄ちゃんは、なんで俺がここにいるって、わかったの?」

 

龍亞は、まだ自分の頭を撫でている暦の顔を見て聞いた。

 

ミスティ「龍亞様それは、私が暦に教えたからでございます。」

 

龍亞「あれ?ミスティは、暦兄ちゃんの事を知ってたの?それだったら、その事を俺に教えてくれても、良かったのに。」

 

龍亞は、少しだけ不機嫌になってミスティと暦を、交互に見た。

 

暦は龍亞を抱き上げ、その場から立ち上がって、龍亞に肩車をした。

 

暦「すまんすまん。お前をびっくりさせようと、俺が内緒にしてもらったんだ。

ミスティとは、お前と別れてから数年後に会ったんだ。」

 

暦はそう言って、ソファーの前へと歩いて行き、龍亞をそのソファーに座らせた。

 

暦「シグナーは全員、龍亞の仲間達に敗北しここに揃った。

お前の作戦を良くは知らないけど、最後に何かをするんじゃ無いのか?」

 

暦に言われ、龍亞は自分の最終目的を思いだし、ハッとした。

 

龍亞「そうだった!皆、悪いんだけど、奥の部屋に遊星とクロウとアキ姉さんを、連れてってくれない?

そこで、最後の仕上げをするから。暦兄ちゃんも、絶対に見守っててね!」

 

龍亞からの命令に、ボマーがアキを、ジャックがクロウを、鬼柳が遊星を奥の部屋へと運んでいった。

 

そして、残りのメンバーもゆっくりと3人の後を追って、部屋へと入っていった。

 

龍亞「ルイズ、暦兄ちゃん、そんな所で立ってないで、速く来てよ。」

 

龍亞も、急いで部屋に入っていった。

 

暦「やれやれ…、あの元気。若いって良い事だね、全く。

さてと、君は龍亞と一緒に行かないのか?」

 

暦は、龍亞を見届けた後に、近くにいたルイズを見てそう聞いた。

 

ルイズ「ボクは、龍亞の中でお前を見ていた。

だから、お前が龍亞の味方って事はわかってる。だけど、わからない事がある。」

 

暦「龍亞の中で…、あぁ!お前がミスティの言ってた、ルイズって子か。

で、わからない事って何だ?俺の答えれる事なら、答えるよ。」

 

ルイズ「なら聞くよ。ボクは、元は闇その物だった。

だから、他人の闇が今も良く見えるんだ。」

 

ルイズ「だけど、お前から見える闇はなにかが違う。

大きさも質も量も、全てが見た事が無いんだ!

種類は違うけど、龍亞よりも深く悲しい闇だ。」

 

暦「そうだな…。まぁ、君になら教えるか。

今から言うことは、絶対に龍亞には内緒だよ?」

 

そう言って暦は、ある事を洗いざらいルイズに話した。

 

それを聞いたルイズは、その話の内容に驚きを隠せなかった。

 

ルイズ「そ…そんな…、だったら、お前は…。」

 

暦「まぁまぁ、君の言いたい事は良くわかる。

けど、俺は運命を受け入れたんだよ。」

 

暦はそれだけ言うと、奥の部屋に入っていった。

 




龍亞は、シグナーを集めて、何をするのでしょう!

そして、暦がルイズに話した事の内容とは!
全く、予想が出来ません。


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175話

遊星「うぅ~ん、俺はいったい…。

確か、鬼柳とデュエルして…。」

 

遊星は目を覚ますと、見た事の無い所にいた。

 

そして辺りを見渡すと、アキとクロウが十字架に吊るされていた。

 

遊星「アキ、クロウ!どうして、お前達が!

今助けるぞ…、何だ!」

 

遊星が、立ち上がり駆け寄ろうとしたが、足に何かの力がかかり、進めなかった。

 

足元を見ると、右の足首に枷がつけられていた。

 

遊星「クッ!誰が、何のためにこんな事を。」

 

龍亞「それは、全ての決着をつけるためだよ、遊星。」

 

声のする方に顔を向けると、龍亞とその仲間達全員が、立っていた。

 

龍亞「手荒な真似してごめんね。でも、こうするしか無かったんだよ。」

 

遊星「龍亞…どうしてお前が。それに、ジャックに龍可!何で、お前達はそっち側に立っているんだ!」

 

遊星の言葉に、龍可とジャックは…いや、それを聞いた全ての者が、呆れ果てていた。

 

ジャック「遊星、お前は本当にその理由がわからないのか。

はぁ、やはり俺の決断は間違って無かったな。」

 

龍可「ジャックの言う通りね。それに、私は龍亞の為に生きていくって、この命に誓ったのよ。」

 

龍亞「龍可!だから、そんな事考えなくても良いって言っただろ。俺はお兄ちゃんだから、俺が龍可を護るんだ!」

 

龍亞は恥ずかしそうに赤面し、龍可の方を見た。

一見、微笑ましい光景だが、遊星は気が気では無かった。

 

遊星「そ、そんな…。お前達、嘘だろ…。だって、俺達は赤い痣で繋がった、仲間だろ?なぁ?」

 

遊星は何かにすがるように、ジャックと龍可を交互に見た。

 

ジャックと龍可は、黙って自分達の右腕を見せた。

そこには、既にシグナーの痣は残ってはいなかった。

 

遊星「ジャック…龍可…、冗談だろ?おい、何とか言ってくれよ!」

 

龍亞「今の遊星の気持ち、俺には痛いほど良くわかるよ。

信じていた人、愛する人から捨てられて、孤独になり、絶望を味わう。辛いでしょ?」

 

龍亞「でもね、俺はもっと辛かったんだ!悲しかったんだ!苦しかったんだ!遊星は良いよね、まだアキ姉ちゃんとクロウがいて。

だけど、俺には誰もいなかったんだ!」

 

龍亞「でも今は違う。こんなにも、俺の事を愛してくれて、心から支えてくれる大切な人達がいる。

遊星達の、見かけ倒しの友情ごっことは違うんだよ!」

 

龍亞の言葉に、遊星は何も言い返せずに、ただ下を向いて涙を流すだけだった。

 

暦「流石は龍亞だよ。言葉選びが、最適だわ。

全く、これがシティの英雄だなんて、憐れすぎて言葉も出ねぇ。」

 

龍亞「さて、前置きはここまでだよ。いよいよ、本当に最後の戦いだ!

さぁ、遊星!俺とデュエルだ!」




龍亞格好いい!
最高だ!遊星を罵倒するところ、痺れますね。

最後は、龍亞と遊星のデュエルみたいですね。


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176話

遊星「龍亞、お前とデュエルだと! 

だが、俺とお前では…。」

 

龍亞「何だよ?実力の差があるって言いたいの?

それなら大丈夫だよ。今の俺は、誰が相手でも負ける気がしない。」

 

遊星「それでも、俺がお前とデュエルする意味が無い!」

 

遊星がそう言うと、龍亞はため息を吐いて十字架に吊るされている2人を、指差した。

 

龍亞「遊星、あれが何を意味してるかわかるよね。

言いたくは無いけど、あの2人は人質なんだよ?

遊星の言葉1つで、大変な事になるんだよ。」

 

暦「龍亞…、格好いい事言ってるけど、大変な事って何だよ?

アバウト過ぎだろ。」

 

暦は茶化す様に、龍亞の頭に手を置いた。

 

龍亞は恥ずかしくなり、顔を赤くして暦の手をはらった。

 

龍亞「う、うるさいよ。

話は逸れたけど、遊星にもう逃げ場は無いんだ。

大人しく、俺とデュエルするだ。」

 

龍亞の言葉を聞いて、遊星は下を向いて考えていた。

そして、考えがまとまったのか、龍亞の方を見た。

 

その顔には、もう迷いは無かった。

 

遊星「わかったよ。その代わり、俺が勝ったらアキとクロウは、返してもらうぞ!」

 

龍亞「やっと覚悟を決めたんだね。わかってるよ、だけど俺に勝てたらの話だけどね。」

 

遊星、龍亞「デュエル!」

 

~~~龍亞1ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー。そうだ遊星、俺達のデュエルはリアルタイムで、全世界に中継されてるよ。」

 

遊星「な、何だと!龍亞、どうしてそんな事を!」

 

ルイズ「そんな事決まってるだろ。お前達シグナーや、シティのクズ共の、愚かな姿を見せるためだよ。」

 

ルチアーノ「その通り。そして、イリアステルの力でお前達の真実を、余すことなく世界中に伝えたよ。

そしたら、皆がわかってくれたよ。」

 

龍亞「お陰で、応援の手紙や音声メッセージとか届いて、凄く恥ずかしいけどね。

わかったよね遊星、このデュエルで遊星が負ければ、これまでの威厳やシティの繁栄も失うんだよ。」

 

遊星「クッ!なんて卑怯な!

ならば、余計にお前達に負ける訳には行かなくなった!」

 

龍亞「酷いな、俺達を卑怯者扱いなんて…。

まぁ、そんな無駄な言葉もこのデュエルで終わりだ。

俺は《D・レンジン》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル1 機械族

 

攻撃力 500 守備力 300

 

龍亞「そして、永続魔法《ギミティク・パワー》を発動。その効果により、自分フィールドの機械族の攻撃力は、レベルの数×300Pアップする。

《D・レンジン》の効果発動。このカードが攻撃表示の時、自分の手札1枚につき、300Pのダメージを与える。」

 

龍亞LP 4000 遊星LP 2800

 

龍亞「俺は、カードを3枚伏せて、ターンエンドだ。

さぁ遊星!お前達の最後の晴れ舞台だ。惨めに終わるなよ。」




早速、2人のデュエルが始まりました。
そして、まさかの世界同時生中継。凄くお金かけてるね。(ツッコミ所が違うね。)

龍亞初のオリジナルモンスターの、登場!
レンジンって、ダサいですね。


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177話

~~~遊星1ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー!俺は…何だ?

痣が光って、何故か胸騒ぎがする。」

 

ルイズ「流石はシグナー様だね。シティの異常がわかるんだ。

教えてあげるよ。」

 

ルイズがそう言うと、巨大なモニターにシティの様子が映し出された。

 

そこには、シティの人達が次々と倒れていた。

 

遊星「何だこれは!ルイズ、これはなんの真似だ。」

 

ルイズ「何って、言ったでしょ?ボク達は、お前達を許さないって。

お前がダメージを受けるたびに、シティのクズ共の魂は消えていくんだ。」

 

ルイズ「けど、お前が負けても全ての人が死ぬ訳じゃ無いよ。

その方が、残ったクズ達は恐怖を感じるからね。」

 

遊星「お、お前達!このデュエルは、俺と龍亞のデュエルだ!シティの人達は、無関係だろ!」

 

龍亞「遊星、御託はもう充分聞いたよ。

速くターンを進めてよ。」

 

遊星「龍亞!今なら、まだやり直せる!だから…。」

 

龍亞「遊星、お前のターンだ。速くしろ。」

 

遊星「クソッ!俺は《ジャンボ・ナックラー》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 戦士族

 

攻撃力 1800 守備力 1700

 

遊星「そして、手札から《集いし星》を発動。

自分フィールドのモンスターを、1体選択する。

デッキから、選択したモンスターと同じレベルのモンスター1体を、特殊召喚する。

来い!《グランド・サポーター》」

 

レベル4 戦士族 チューナー

 

攻撃力 900 守備力 300

 

龍亞「レベルの合計が8…と言うことは、シンクロ召喚するモンスターは、あのモンスターだね。」

 

遊星「行くぞ龍亞!お前のその間違った考えを、俺が全てを否定する!

俺はレベル4《ジャンボ・ナックラー》に、レベル4《グランド・サポーター》をチューニング!」

 

遊星「集いし願いが新たに輝く星となる。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!飛翔せよ《スターダスト・ドラゴン》」

 

龍亞「来たね、遊星のデッキの象徴であるモンスター。だったら、俺のデッキの象徴も見せてあげるよ。

伏せカード《エレメント・モンタージュ》を発動。

相手がシンクロモンスターを召喚した時、自分フィールドのモンスターを全て守備表示にする。」

 

龍亞「そして、相手が召喚したモンスターのレベルから、自分フィールドのモンスター1体のレベルを引いたレベルのモンスターを、自分のエクストラデッキから守備表示で、特殊召喚する。

俺のフィールドには、レベル1の《D・レンジン》だけ。

よって、レベル7のモンスターを特殊召喚する。」

 

龍亞「来い!愛と正義の使者《パワー・ツール・ドラゴン》」




遊星のダメージで、シティの人達の運命が左右されます。
これで、手っ取り早くシティの人達にも、地獄を見せれますね。

やっぱり、龍亞といえば《パワー・ツール・ドラゴン》ですよね!


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178話

遊星「《パワー・ツール・ドラゴン》か、だが今さらそんなモンスターを出しても、俺の《スターダスト・ドラゴン》には勝てない!」

 

龍亞「…遊星の言う通りかもしれない。だけど暦兄ちゃんと出会い、この《パワー・ツール・ドラゴン》や、このデッキをルチアーノにもらってから、俺の全てが始まったんだ!

敵を倒す為だけに召喚した、遊星のモンスターとは、絆の強さが違うんだ!」

 

遊星「そんな事は無い!俺達は、切れることの無い絆で、繋がっているんだ!

《スターダスト・ドラゴン》で《D・レンジン》に攻撃!

『シューティング・ソニック』」

 

遊星「俺は、カードを2枚伏せて、ターンエンド。

見たか龍亞、これが俺と《スターダスト・ドラゴン》の、絆の力だ!」

 

龍亞「それが、偽りの絆だって言ってるのに…。可哀想な《スターダスト・ドラゴン》。

だけど、このデュエルで君も解放されるんだ。」

 

~~~龍亞2ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー。俺は手札から《パワー・ツール・マジカル》を発動。

自分と相手のライフに、1000P以上の差がある場合、自分フィールドのモンスター1体と、同じレベルのモンスターをエクストラデッキから、攻撃表示で特殊召喚出来る。」

 

龍亞「さぁ来い!ルイズの絆のモンスター《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》」

 

遊星「こ、このモンスターは確か、ルイズのシンクロモンスターのはず…。

どうして、それが龍亞のデッキに入っているんだ。」

 

ルイズ「それは簡単な理由だよ。ボク達は、龍亞の全てを差支えたい。

だから、せめてボク達のモンスターで、龍亞のエクストラデッキをサポートしてるんだよ。」

 

龍亞「その通りだ。だから、今遊星と戦ってるのは、俺だけじゃない!

ここにいる皆が、遊星を倒す為に戦ってるんだ。

《パワー・ツール・ドラゴン》の効果により、デッキから装備魔法を加える。」

 

龍亞「俺は《ミストボディ》を《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》に装備。

俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

遊星「《スターダスト・ドラゴン》より、攻撃力の低い《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》を、攻撃表示のままにするなんて、俺を罠に誘っているのか!」

 

暦「おいおい、シグナーのリーダー様が、シティの全てがかかってるのに、うろたえてるぜ。情けないねぇ~。

やっぱり、お前は不動博士と違って、命をかけて人を助ける気なんて、無いんだよ。。

だから、お前のせいであの忌まわしいゼロリバースが、起きたんだよ。」

 

 

 

 

 




新事実発覚です!

暦は不動博士、遊星の父親を知っている見たいです。
本当に、暦は謎だらけですね。


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179話

遊星「なんだと!そこのお前、あのゼロリバースが俺のせいだと!

世迷い言を言うんじゃない!」

 

暦「お前呼ばわりって…、まぁ信じるも信じないも、お前の勝手だがよ。」

 

~~~遊星2ターン目~~~

遊星「俺のターンドロー。俺は《アンノウン・シンクロン》を、攻撃表示で召喚。

そして、手札から《ワン・フォー・ワン》を発動。

手札を1枚捨て、デッキから《チューニング・サポーター》を、守備表示で特殊召喚。」

 

遊星「そして俺は、レベル1《チューニング・サポーター》に、レベル1《アンノウン・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー《フォーミュラー・シンクロン》」

 

遊星「《フォーミュラー・シンクロン》が、シンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚《チューニング・サポーター》をシンクロ素材にした時、デッキからカードを1枚、合計で2枚ドローする。」

 

龍亞「《フォーミュラー・シンクロン》なんてモンスター、今まで見た事が無いよ。

遊星と戦った鬼柳なら、あのモンスターが何かわかるよね。」

 

鬼柳「はい。あのモンスターは、シンクロモンスターにして、チューナーでもある不思議なモンスターでございます。

さらに《スターダスト・ドラゴン》とシンクロし、新しいモンスターを、召喚してくるはずです。」

 

遊星「鬼柳の言う通りだ!龍亞、お前にも見せてやるよ、俺の力を!

俺は、レベル8《スターダスト・ドラゴン》に、レベル2《フォーミュラー・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。

光さす道となれ!

アクセルシンクロ!生来せよ《シューティング・スター・ドラゴン》」

 

龍亞「これが、遊星の新たな力…。

何て愚かで、何て可哀想な力なんだ。遊星、気付かないの!《スターダスト・ドラゴン》が、泣いてるよ!」

 

遊星「うるさい!もう、お前の戯言に耳を傾ける必要も無い!

《シューティング・スター・ドラゴン》の効果発動!

デッキの上から、カードを5枚めくる。その中の、チューナーの数だけ、このモンスターはバトルフェイズに攻撃が出来る!」

 

龍亞「遊星!本当に、お前を見損なったよ!いくら、俺達の倒すべき相手でも、それでも誇り高いデュエリストだったのに!そんな遊星に、俺は憧れてたのに!

遊星、お前だけは絶対に許さない!」

 

遊星「何とでも言っていろ!さぁ、行くぞ!

1枚目《レベル・スティーラー》、2枚目《スピード・ウォリアー》、3枚目《エンジェル・リフト》、4枚目《サルベージ・ウォリアー》」

 

遊星「クッ!運が悪い様だな。だが、1度の攻撃だけは喰らわせてやる。

行くぞ!5枚目《スターダスト・シャオロン》…。な、なんだと!1枚もチューナーが出ないだと!

どうしてなんだ。《シューティング・スター・ドラゴン》、いや《スターダスト・ドラゴン》、本当にお前は!」

 

龍亞「わかっただろ遊星!これが、偽りの絆なんだよ!

《スターダスト・ドラゴン》、ちょっと待ってて。

今から遊星に、本当の絆を見せてやる!」

 




遊星と《シューティング・スター・ドラゴン》、そして《スターダスト・ドラゴン》の仲違いが起きました。

自分のモンスターにさえ、見捨てられるなんてなんとも惨めですね。

さぁ、これから龍亞達の絆の結晶が、登場します。
どの様なモンスターなのでしょうね。


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180話

~~~龍亞3ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー。俺は《パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。

デッキから、装備魔法をランダムに手札に加える。」

 

龍亞「そして、手札から装備魔法《重力の鏡》を《シューティング・スター・ドラゴン》に装備。

このカードを装備したモンスターは、効果を無効にし、攻撃宣言をする事が出来ない。

その代わり、装備モンスターをコントロールするプレイヤーは、ドローフェイズにカードをもう1枚ドロー出来る。」

 

龍亞「これで、遊星の攻撃を防いだ。

俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

暦「うん?確かあのカードは…。

全く、相変わらず龍亞は心優しい奴だよ。こんな時でも、あいつらの為に動くなんて。」

 

ルイズ「それはどう言う事なの暦!あのカードって、何の事なの。」

 

暦「まぁまぁ、落ち着けよルイズ。次の遊星のターンに、全てがわかるよ。」

 

~~~遊星3ターン目~~~

遊星「俺のターン…、ドロー!」

 

龍亞「この瞬間、伏せカード《死神の激薬》を発動。

相手は、自分フィールドのモンスターの、攻撃力分のダメージを受けるか、そのモンスターを破壊するかを選ぶ。

さぁ遊星、自分のライフを残すか《シューティング・スター・ドラゴン》を助けるか。」

 

遊星「攻撃力分のダメージだと。それを受ければ、俺はデュエルに負けてしまう…。」

 

暦「そうだ。これが、お前に与えられた最後の試練だ!

この試練を、お前は乗り越えればならない。

さぁ、選べ遊星!自分の命か、それとも繋がりか!」

 

遊星「俺に与えられた試練だと…。自分の命か、繋がりかだと…。

そんなもの、どちらを選ぶかなんて、決まっている。」

 

遊星「俺が選ぶのは……《シューティング・スター・ドラゴン》を残す事だ!」

 

暦「ほぉ~、思い切った選択だな。だが、それだとお前はダメージで、敗けが決定するぞ?

それに、そのモンスターはお前を見捨てているんだぞ?

それなのに、お前は《シューティング・スター・ドラゴン》を、選ぶのか?」

 

遊星「確かに、俺は既に《シューティング・スター・ドラゴン》そして《スターダスト・ドラゴン》に見捨てられている。

だが、それでも俺はこいつと過ごしたこれまでの日々を、自分の為だけに消す訳にはいかないんだ!」

 

暦「成る程、それは良くわかったよ…。だが、お前が負ければシティの人達はどうなる?

それこそ、お前の為だけに消す訳にはいかんだろ?」

 

遊星「わかっている。例え俺が負けても、アキやクロウがいる。それに、まだシティは死んでいない!」

 

暦「…クッフフ、フハハハハ!やっぱり、俺の言った通りだろ龍亞。」

 

龍亞「うん。暦兄ちゃんの言う通り、遊星はやっぱり誇り高きデュエリストだよ。

《スターダスト・ドラゴン》への想いは、本物だよ。」

 

龍亞「心配しないで遊星。《重力の鏡》の効果で、このカードを破壊して、効果ダメージを無効にしたから。

それに、遊星が勝っても負けても、シティの人達は元に戻すよ。」

 

遊星「どういう事だ龍亞…。じゃあ始めからお前は、これを狙ってたと、言うのか…。

だけど、これはお前の復讐のはずじゃ無いのか!」

 

龍亞「遊星の聞きたい事は、良くわかるよ。

確かに俺は、シティの人達や遊星達に戦いを挑んだ。

でも、それは復讐の為じゃない。俺の気持ちの決別の為なんだよ。」

 

暦「その通り。始めから龍亞は、お前達シグナーと戦って、勝利する事でシティから離れるんだよ。

それが、龍亞の決別であり、お前達とのケジメだ。」




皆さん、勘違いしていますが、別に龍亞は遊星達やシティの人達を殺すとか、消すとか、そんな事は考えてもいません。

ただ、デュエルで勝ちたいと想っているだけです。
そして、遊星と《スターダスト・ドラゴン》との、絆を取り戻しただけです。

その為に、ちょっとヒールをかってでたけど。


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181話

遊星「龍亞、お前はなんでそんなにも、優しくて強いんだ。」

 

龍亞「そんな事無いよ。それに、まだ遊星のターンだよ。募る話は、デュエルが終わってからだよ。」

 

ルイズ「お前には、こうなる事がわかってたのか暦。

だから、龍亞にあんな事をさせたんだね。」

 

暦「フッ、どうだかね。だが、これだけは言える。

龍亞は、例え誰が相手でも、その優しさは失わないだけだ。」

 

遊星「俺は手札から《シンクロ・リスタート》を発動。

自分フィールドのシンクロモンスター1体、選択する。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地に存在する選択したモンスターの、シンクロ素材を特殊召喚する。

復活しろ!《フォーミュラー・シンクロン》そして《スターダスト・ドラゴン》」

 

龍亞「わざわざ《シューティング・スター・ドラゴン》を戻してまで《スターダスト・ドラゴン》を、出すなんて。

今度は、どんな戦法なんだろう。」

 

遊星「俺は《クリエイティブ・スター》を発動。

自分フィールドのモンスターをレベルを、任意の数下げる。

そしてデッキから、下げたレベルと同じレベルのモンスターを、特殊召喚する。」

 

遊星「《スターダスト・ドラゴン》のレベルを、5下げる。

よってデッキから、レベル5の《サルベージ・ファイター》を特殊召喚する。」

 

レベル5 戦士族

 

攻撃力 1200 守備力 1000

 

 

遊星「《サルベージ・ファイター》の効果発動。

墓地のモンスターを、特殊召喚する。来い!《チューニング・サポーター》」

 

龍亞「遊星のフィールドには、モンスターが4体か。

フフッ、やっぱり遊星は凄いよ!」

 

遊星「龍亞、お前のお陰で俺と《スターダスト・ドラゴン》は、再び絆を取り戻せた。ありがとう。

そして俺は、新しい何かが見えた気がするんだ。

だから今、その新しい何かに挑もうと想う。今なら、失敗しない。

俺達の絆なら、乗り越えられるよ。」

 

遊星「行くぞ龍亞!《チューニング・サポーター》は、レベル2としても扱える。

俺は、レベル2《チューニング・サポーター》と、レベル5《サルベージ・ファイター》と、レベル3となった《スターダスト・ドラゴン》に、レベル2《フォーミュラー・シンクロン》をチューニング!」

 

遊星「集いし絆の力が、闇をも照らす星になる。

光さす道となれ!

シンクロ召喚!俺達の絆の証、輝け《シューティング・エターナルタイズ・ドラゴン》」

 

レベル12 ドラゴン族

 

攻撃力 4000 守備力 4000

 

龍亞「これが、遊星と《スターダスト・ドラゴン》の、絆の結晶か…。かっこいい!

だけどね、俺だって皆との絆の結晶のモンスターが、いるんだ。

そのモンスターと、遊星のそのモンスター、歴史に残る凄いデュエルになるね!」




原作の《シューティング・クェーサー・ドラゴン》に変わるモンスター《シューティング・エターナルタイズ・ドラゴン》の登場!

エターナルタイズとは、永遠の絆という意味です。


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182話

遊星「これが、俺と《スターダスト・ドラゴン》、お前の新しい絆の姿なのか…。

ありがとう龍亞。そして、ありがとう《スターダスト・ドラゴン》」

 

その瞬間、遊星の右腕にあるシグナーの痣が、大きく輝き始めた。

 

遊星「な、何だ!今までで、1番の光を放っている!

龍亞、これもお前の計画なのか。」

 

龍亞「違うよ遊星。まさか、シグナーの痣が光るなんて、考えてもなかったよ!暦兄ちゃん、これは何なの?」

 

ルイズ「そうだよ!まさか、こうなる事まで見えていたって、言うんじゃ無いでしょ!」

 

3人は、一斉に暦の方を見た。

 

暦「ちょっと待てお前ら。そんな俺を見るなよ。

あと龍亞、涙目になるんじゃ無いよ。」

 

暦「俺だって、シグナーの痣が光だすなんて、思いもしなかったわ。

だから、これからどうなるかなんて、わかんねぇ。」

 

すると、痣の光がより強く光って、このデュエル場にいる全ての人間を、包み込んだ。

 

そして、少し時間がたつと、光は弱くなってゆき、そのまま光が消えていった。

 

遊星「何が起きたんだ…。俺達の体には、特に目立った変化は見えないが…。」

 

遊星はそう言って、自分の右腕を見てみた。

 

右腕を見た遊星は、自分の身に起こった事に、驚きが隠せないでいた。

 

龍亞「どうしたの遊星!右腕に、何があったの…まさか!」

 

遊星「シグナーの痣が、消えている!」

 

「その通りです不動遊星。貴方には、もうその痣は必要ありません。」

 

何処からか、女性の声が聞こえてきた。

 

遊星「誰だか知らないが、もう俺には痣が必要無いって、どういう事だ!」

 

「自己紹介が、まだでしたね。私は神の使者です。

不動遊星、貴方は既に、シグナーの力を越えた、真の真心と優しさ、そして絆を手に入れました。

ですので、貴方の痣を私の勝手で、消させてもらいました。」

 

ルイズ「ちょっと!貴方が神の使者で、凄い力を持っている事はわかったわ。

なら、どうしてその力で龍亞を助けてくれないの!」

 

「ルイズ、貴方の言いたい事、私に対する怒りと憎しみは、良くわかりました。

ですが、私にはそこまでの力は無いのです。」

 

ルイズ「力が無いって、どういう事なの!」

 

暦「落ち着けルイズ。この人…、神の使者を人呼ばわりするのは、どうかと思うけども、この人には俺達の生活や、生命に関わる事を変える力は無いんだ。

だろ?使者さんよ。」

 

「その通りです。今の私には、不必要な痣を消す位しか、出来ないのです。」

 

龍亞「いいんですよそんな。確かに、これまでの俺の過去は、今すぐにでも消したいものだけど、その過去のお陰で、こんなにも最高の仲間が出来たんですから。」

 

「そうですか…。龍亞、貴方は本当に強い心を持った子ですね。」




遊星の痣が消えました!
しかも急展開、神の使者が登場です。

自分でも、ゴールまでの道のりが良く見えていません。

ですが、しっかりと終わらせられるつもりです。


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183話

「そんな清らかで、優しい心を持っているからこそ、貴方が破壊神の力の元である、世界を支配できる力。

すなわち、世界を変える事の出来る力に選ばれたのですね。」

 

遊星「俺の痣が消えた理由はわかりました。

ですが、他の仲間、アキやクロウの痣はどうなるのですか?」

 

遊星「それに、俺やジャック、龍可の消えた痣は、何処に行ったのですか。」

 

「その大切な説明が、まだでしたね。残っている痣についてですが、既にその力を無くしていて、いずれは消えて行くでしょう。」

 

「そして、消えていった痣についてですが、シグナーの腕から消えた後、赤き龍の元へと帰って行き、またいつかにこの地上へと、舞い戻るでしょう。

その時には、貴方達はもうこの世におりません。」

 

龍亞「と言うことは、遊星達はもうシグナーじゃ無いって事だよね。」

 

暦「そう言う事だ。それに、これで龍亞やダークシグナー、それにあいつの因縁が終わったって事だ。だろ?使者さんよ、これも神の作戦勝ちか?」

 

「いえ、神はここまでは想定外の様でした。シグナーのリーダーである遊星、世界を支配できる力を持つ龍亞、すでに2人は神の力を越えていました。」

 

ルイズ「神を越えた存在か…。でも、遊星はシグナーじゃ無い。

なら、神を越えた唯一の存在は、この世でただ1人…、龍亞だけだね。」

 

「確かに、今は龍亞のみがこの世で唯一、神を越えています。

ですが、暦も知っている通りで、いずれ数年後には、限り無く私達に近い力を持った、存在が現れるでしょう。」

 

ルイズ「貴方達に近い力ですって…。それに、暦が知ってるって、どういう事?

まさか、その時がさっき言っていた事に、関係するって事なのね。」

 

ルイズは、なるべく小さな声で、龍亞に聞こえない様に暦に聞いた。

 

暦「わざわざ、気遣いありがとうな。

お前の考えている通り、俺が見た通りの未来。そして、ディヴァインが見た通りの未来が、やって来るんだ。

こればかりは、誰の力でも抗えないんだ。」

 

「その通りです。暦から、何処までの話を聞いているのかは知りませんが、人間には変えられない運命があるのです。

例え、貴方の様な人を越えた存在でもです。」

 

暦「わかったかルイズ。俺の運命は、変えられないんだ。

だからお前は、お前の出来る事。やるべき事を、成し遂げるんだ。」

 

ルイズ「ボクのやるべき事か…。わかったよ暦、ボクは必ず龍亞を幸せにして見せるよ!」

 

暦「フッ、そうか。ディヴァイン、やっと俺にも後継者が出来るかも知れねぇな。」

 

龍亞「遊星、今の遊星はシグナーじゃ無い普通の人間だけども、そんな事は関係無い!

俺達のデュエルは、そんな事で終わらせないよ!」

 

遊星「あぁ、わかっている。行くぞ龍亞!ここからが、最終決戦だ!」

 




シグナーやシティの人達に対する、龍亞の行動には、皆さん賛否両論あるかも知れませんが、ここはただ優しく事の全てを、見守っていて下さい。


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184話

遊星(龍亞のフィールドには、2枚の伏せカードがある。

下手に攻撃して、罠にかかる必要も無いな。)

 

遊星「俺は、手札から《スターダスト・リミッター》を発動。墓地の《スターダスト・ドラゴン》を除外する事で、自分フィールドのモンスター1体の攻撃力は、次の自分のエンドフェイズまで、倍になる。

その代わりに、このターンのバトルは行えない。俺はこれで、ターンエンドだ。」

 

~~~龍亞4ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!この瞬間を、待ってたんだ。

遊星、見せてあげるよ。これが俺達の、絆の姿だ!」

 

龍亞「俺は伏せカード《永遠の絆》と《1度だけの陣営》を発動!

《1度だけの陣営》の効果は、このターンだけ魔法、罠カードゾーンにも、モンスターを特殊召喚出来る。」

 

龍亞「そして《永遠の絆》の効果は、自分フィールドに召喚されてから、1度も相手の攻撃、カードの効果を受けなかったモンスターが、2ターン以上存在し、自分のライフが変化してない時に、発動出来る。

その効果で、このターンだけエクストラデッキから、可能な限り、召喚条件を無視してモンスターを、特殊召喚出来る!行くよ皆!」

 

暦「なるほどね。《1度だけの陣営》で、8体もフィールドに出せる訳か…。まさに、1度だけのコンボだな。」

 

龍亞、龍可「聖なる守護の輝き、永久に交わりて、愛の力になる!

これが希望の光《エンシェント・サンシャイン・ドラゴン》」

 

龍亞、ルイズ「龍亞(俺達)に捧げる勝利の為に、新たな力が今ここに解き放たれる!

《PNo.16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》」

 

龍亞、ミスティ「神に支えし毒蛇よ、その聖なる力を持って私(俺)を勝利に導いて!

降臨せよ!《PCNo.21レプティレス・メリュジーヌ》」

 

龍亞、カーリー「賢者の力を受け継ぎし魔女よ、その魔力を持って、邪を祓え!

現れよ、孤高の魔女《PNo.50フォーチュンレディ・ダルキュリー》」

 

龍亞、暦「暗黒の古城に住む王よ、我との血の契約を持って、この世に舞い戻れ!

これが闇の王《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》」

 

龍亞、トビー「優しき心の猛獣よ、その巨大な体に秘められた力を解放しろ!

なぎ倒せ《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》」

 

龍亞、リーシャ「この世に光をもたらすもの、今その全ての力を解放し、祝福の輝きを!

解き放て《PCNo.103暁の熾天使・ルシファー》」

 

龍亞、鬼柳「大地が産んだ守護竜よ、我に従い逆らう者に怒りの咆哮を!

これが神の力《PNo.9インフェルニティ・ムシュフシュ》」

 

龍亞「俺は、自分フィールドの全てのモンスターで、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!」

 

龍亞達全員「仲間達と結ばれた堅い絆が、奇跡を呼び起こす。眩い灯火となり、幸せの未来を照らし出せ!

光来しろ!最愛の優しさ《PNo.0究極神龍王エターナル・ゴッド・ドラゴン》」

 

ランク13 創造神族

 

攻撃力 ? 守備力 ?




龍亞達の、最高の絆のモンスターの登場です!

そして、ホルアクティに次ぐ2体目の創造神族です。
《永遠の絆》の効果で、本当なら全てのモンスターを出したかった…。


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185話

遊星「これが…、龍亞達の絆のモンスターか…。

凄い、美しい…。それしか、言葉が出てこない…。」

 

龍亞「《PNo.0究極神龍王エターナル・ゴッド・ドラゴン》の攻撃力は、このモンスターのエクシーズ素材の、攻撃力の合計になる!よって攻撃力は、27500だ!」

 

遊星「27500だと!なんて破格の、攻撃力なんだ!

これが、究極神龍王の力なのか。」

 

龍亞「それだけじゃない!《究極神龍王エターナル・ゴッド・ドラゴン》は、エクシーズ素材となったモンスターの効果を、コストと条件を無効にして使用出来て、さらにエクシーズ素材となったモンスターと、ルール上同名となる!」

 

龍亞「先ずは《PCNo.109キング・オブ・ヴァンパイア》の効果で、エクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドの魔法、罠カードを全て破壊する!」

 

遊星「クッ!だったら、伏せカード《起爆式ダイナマイト》を、チェーンで発動する。その効果で、相手フィールドのモンスター1体を、破壊する。」

 

 

龍亞「甘いよ遊星!《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》の効果で、自分フィールドの《パワー・ツール・ドラゴン》は、相手のカードの効果を受けず、攻撃されない!

さらに《漆黒巨獣コモド・ドラゴン》の効果で、相手フィールドのモンスター1体の効果を無効にて、攻撃力を0にする!」

 

龍亞「そして《PCNo.21レプティレス・メリュジーヌ》の効果で、相手フィールドの攻撃力0のモンスターを選択する。そのモンスターの、元々の攻撃力を自分の攻撃力に加える。

よって《シューティング・エターナルタイズ・ドラゴン》の元々の攻撃力、4000を《PNo.0究極神龍王エターナル・ゴッド・ドラゴン》の攻撃力に加える。」

 

遊星「…、自分自身の効果だけじゃ無く、仲間の力を借りて戦う…。

龍亞、お前とのデュエルは、俺がこれまでしてきたデュエルの中で、最高のデュエルだ!」

 

「龍亞とあうあの少年、やはり人々を導き、正義の光をもたらす素質がありますね。

やはり、貴方には同情…いや、かける言葉がありませんね暦。」

 

暦「あの時にも言っただろ?俺は、所詮は歴史の裏の裏の、歯車程度の男だ。

だが、龍亞は歴史を創る男だ。後悔は無いよ。」

 

龍亞「行くよ遊星!《PNo.0究極神龍王エターナル・ゴッド・ドラゴン》で《シューティング・エターナルタイズ・ドラゴン》に攻撃!

これで…、これで長かった俺達の戦いも終わりだ!

『ジャッジメント・オブ・ゴッド・ブレイク』」

 

龍亞LP 4000 遊星LP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

 




本当に、長かった戦いが今終結致しました!

ですが、最初のシグナーvsダークシグナーの時や、ゴドウィンの時、今回のシグナーとの戦いは、作中時間で行くと、全て1日で終わっていますね。

それを考えたら、何だか涙が出てきます。


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186話

遊星「龍亞、本当にシティから出ていくのか…。」

 

デュエルが終わると、遊星は龍亞に心配そうに聞いた。

 

龍亞「ごめんね遊星、もう決定してるんだ。

それに、今すぐ出てく訳じゃ無くて、明日出ていく予定だよ。」

 

遊星「そうか。龍亞が、1人で考えて決めた事なら、俺が何かを言う資格は無い。

龍亞、今まで本当にすまなかった。これからは、自分の幸せを掴めよ!」

 

龍亞「遊星、もう帰っちゃうの?もっと色々、話そうよ…。」

 

龍亞は遊星にそう言ったが、遊星は笑顔で振り向いた。

 

遊星「俺達は、お前達の敵だったんだ。いつまでも、ここにいるわけには、いかないさ。

それに、お前とはデュエルで、言葉以上の事を感じ合えた。それだけで、今は充分さ。

またな龍亞。今度会う時は、最初から笑い合おうな!」

 

遊星はそう言うと、アキとクロウを連れて部屋から出ていった。

その後ろ姿を、龍亞はしっかりと目に焼き付けた。

 

龍亞「やっぱり、遊星はかっこよかったよ…。

さて、俺は明日にはこのシティから出ていくけど、皆はどうするの?」

 

龍亞は涙を拭いながら、皆に聞いた。

 

ルイズ「ボクは当然、龍亞と死ぬまで一緒だよ。

龍亞のいない生活なんで、あり得ないからね!」

 

ルチアーノ「ボクも龍亞についてくよ…。と言いたいけど、一旦はイリアステルの所に行かなきゃ駄目なんだ。

始末書とか、書かなきゃいけないからね。」

 

龍亞「ありがとう2人とも、こんな俺についてきてくれるなんて…、本当にありがとう。」

 

そう言いながら龍亞は、ルイズとルチアーノに抱きついた。

2人は、鼻血を出しながら、嬉しそうに笑っていた。

 

ボマー「龍亞様ルイズ様、私達は故郷に帰ります。

少しでも、故郷に尽くそうと思っています。」

 

ルイズ「そうか、わかったよボマー。兄弟共々、仲良く暮らすんだよ。」

 

ジャック「龍亞俺は、カーリーと一緒にサイスを探す旅に出る。」

 

龍亞「そうなんだ、ジャック頑張ってね!

…それで、サイスって誰?」

 

サイスについては、横にいた暦が龍亞に教えた。

 

ミスティ「龍亞様、私は仕事で少し休みを貰いましたので、色々は場所を見て回ろうと思います。」

 

龍亞「世界旅行か…、楽しそうだね!

そういえば、鬼柳はどうするの?」

 

鬼柳「俺ですか!俺はその…、えっと…。」

 

たどたどしい鬼柳に、ルイズが耳打ちをした。

 

ルイズ「そんなにミスティが心配なら、一緒に行けば良いじゃん。これを逃したら、いつまでも仲間以上には、進展しないよ。良いの?旅先で、他の男に取られるよ。」

 

鬼柳「なっ!別に俺は、そんなつもりなんて…!

ルイズ様!何を言うのですか!」

 

鬼柳は、激しく赤面しながら、ルイズとミスティを交互に見た。

 

ミスティ「フフッ、私とトビーだけじゃ心細いわ。

私達を護ってくれる、ボディーガードが欲しいと思うの。引き受けてくれるわね鬼柳?」

 

ルイズ「やったじゃん鬼柳。もしかしたら、脈ありかもよ。」

 

鬼柳「茶化さないで下さい!ですが、ミスティがそう言うなら、しょうがねぇな…。」

 

龍可「龍亞、私も貴方についていくわ!」

 

龍亞「龍可でも…、わかった。もう何も聞かないよ。

一緒に、幸せになろうね!」

 

そんな皆を、暦は見届けながら、静かに部屋から出ていった。

 

暦「全く、進むべき場所があるって、美しいもんだね。

さて、俺も最後の仕上げをするか…。」

 

暦はそう言いながら、凍てつく月夜を歩いていった。

 

~~~治安維持局後~~~

 

瓦礫の山となった、治安維持局後に1人の男が立っていた。

 

「確か、この辺りのはずじゃ…あったあった!」

 

その男は、目の前に落ちていたある物を、嬉しそうに拾った。

それは、あの破壊神のカードである。

 

「感じる感じる、恐怖と怒り、そして復讐心。

これだけの負のオーラなら、あの人の計画に少し位は、役立つだろ。」

 

龍亞達はまだ、気づいてはいなかった。

1つの争いが終われば、また争いに巻き込まれている。

 

そしてこの争いが、世界を破滅に導いているなんて…。




全てが終わった…と思ったら、謎の人物の登場です!
破壊神のカードを使って、何をするのでしょう。

書けませんでしたが、御影さんはセキュリティに残りました。


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187話

そういえば、昨日の話にリーシャが出てませんでしたね。
リーシャは、龍亞についていきます。


龍亞「俺の見送りに、わざわざこんなにも来てくれるなんて。本当に嬉しいよ。」

 

翌日、シティを旅立つ龍亞達に沢山の見送り…と言っても、遊星とクロウそして、御影と風月とアキの両親だけだが…。

 

十六夜母「ルイズちゃん、龍亞ちゃん、龍可ちゃん、それにリーシャちゃん。

あんまり、夜更かしはダメよ?それに、寝る時は暖かい格好じゃなきゃ、風邪ひくからね?

これ、皆の分のお弁当よ。」

 

十六夜父「おいおい…、ピクニックに行くんじゃ無いんだぞ。

まぁなんだ…、もし寂しくて帰りたくなったら、私達の所を訪ねなさい。いつでも、待っているよ。

お前達は、私達の子供だと思っているからな。」

 

十六夜父はそう言って、龍亞の頭を撫でた。

そして龍亞は、嬉しそうに笑顔を見せた。

 

龍亞にとって、初めての親からの愛情だからである。

例えそれが、本当の両親からで無くとも、龍亞には嬉しいのである。

 

龍亞「ありがとう…。そう言えば、龍可の両親は?

それに、アキ姉ちゃんもいないよ?」

 

ルイズ「龍亞、あのクズな親共はここには来れないよ。

だって、今でも永遠の苦しみを味わってるからね。」

 

龍可「それに、もうママやパパなんてどうでも良いじゃない。

あの人達と、私達は住む世界が違うのよ。」

 

ルイズと龍可の真顔に、龍亞は謎の恐怖を感じそれ以上、何も詮索しなかった。

 

クロウ「アキの事は、すまねぇな龍亞。呼ぼうと思ったんだが、家にいなかったんだ。

両親も、アキの居場所を知らねぇみたいだしな。」

 

龍亞「そっか…、ちょっと寂しいな。アキ姉ちゃんと、話をしたかったのにな…。」

 

リーシャ「クロウ、風月。今まで、沢山お世話になったわ。ありがとね。

これからは、龍亞達と一緒に、幸せになるわ。」

 

風月「あぁ、頑張れよリーシャ。クロウの事なら、俺が面倒見るから、心配いらないぜ。」

 

クロウ「何をバカ言ってるだよ。お前に面倒見られる程、やわじゃねぇぞ!」

 

風月とクロウのじゃれあいに、皆が笑っていた。

 

クロウ「リーシャ、俺からは何も言う事は無い。

けど、1つ約束してくれ。後悔する様な事はするなよ!」

 

リーシャ「わかってるわクロウ。私は龍亞と一緒なら、何処に行っても後悔しないわ。」

 

風月「龍亞、色々な事に負けんじゃねぇぞ!

俺が応援してるからな!」

 

龍亞「フフッ、何だがクロウみたいだね。

わかったよ、何にかわからないけど、負けないよ。」

 

龍亞と風月は、堅い握手を交わし、お互いの顔を良く見ていた。

 

ルイズ「さてと、そろそろ挨拶も終わりにして、行くよ龍亞。」

 

龍亞「うん。じゃあ、行ってくるね皆。皆も、元気でね!」

 

龍亞は、これから広がる、幸せな未来に向かって、歩き出したのだ。




アキの両親は、龍亞やシグナーの事情を、知りません。
ですので、シティ唯一の龍亞達に対して、優しくて良い人です。

次回からは、新シリーズの始まりですが、その前にほのぼのな日常を、書きたいと思います。


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188話

龍亞「もう、ネオドミノシティがあんなに後ろに見えるね。」

 

龍亞は、ふと足を踏み止めて後ろを向いた。

 

ルイズ「そうだね龍亞。思えば、龍亞が自由になるこの日まで、長い年月だったね。

でもこれからは、あんなクソの様な所で人生を無断にしなくてすむね。」

 

リーシャ「そうよ。これからは、私達と一緒に幸せになるのよ…、ちょっとルイズ!何龍亞に引っ付いてるのよ!」

 

龍可「そうよ!貴方だけの龍亞じゃ無いのよ!ってリーシャも、どさくさに紛れて龍亞に抱きつかないでよ!」

 

3人は、その場でちょっとした口喧嘩を始め出した。

それを龍亞は、微笑ましそうに見ていた。

 

何故なら、皆はお互いを嫌っている訳では無い事を、龍亞は気づいているからである。

もちろん3人供も、お互いを認め合っている。

 

龍亞「3人供、口喧嘩も程々にね。

にしても、俺の中ではあのネオドミノシティが、世界の全てだった。でも…。」

 

龍亞はそう言って、目の前の崖から下の景色を眺めた。

そこには、沢山の街や人、見た事も無いもので溢れていた。

 

龍亞「世界って、こんなにも広くて綺麗で、こんなにも希望に道溢れているんだね!

それに、俺は今以上に幸せは求めないよ。」

 

龍可「ど、どうしてなの龍亞!貴方は、誰よりも幸せになる、権利があるのに!」

 

龍亞「だって、独りだった俺に何よりも大切な、仲間を造ってくれたルイズ。

壊れかけた心に、暖かい優しさをくれたリーシャさん。

そして、俺の唯一の大切な家族になってくれた龍可。」

 

龍亞「それ以上の幸せなんて、この世に存在しないと想ってるんだ。

俺は、世界一の幸せ者だよ。ありがとう皆、愛してるよ。」

 

龍亞は、とびっきりの笑顔で3人に微笑んだ。

それを見た3人は、嬉しさの余り泣き出して、龍亞に抱きついた。

 

ルイズ「龍亞!ボクも愛してるよ!」

 

龍可「私もよ龍亞!誰よりも愛してるわ。」

 

リーシャ「何言ってるのよ?私が1番愛してるに、決まってるでしょ?好きよ龍亞。」

 

4人が、ラブラブしていると、誰かが近づいてきた。

 

暦「全く、お前はモテモテで羨ましいね龍亞。

元気してたか?」

 

龍亞「アッ!暦兄ちゃん!暦兄ちゃんこそ、元気だった?

突然、俺達の前からいなくなっちゃったんだもん。」

 

暦「すまんすまん。色々とやる事があってな。他の連中の、見送りをしたかったんだがな。」

 

そう言うと暦は、龍亞に1枚の紙を渡した。

その紙には、何処かへの道のりと、謎の住所が書いてあった。

 

暦「この紙の通りに進むと、小さな町がある。

その町には、既にお前達の住む家を用意して貰った。

今日からそこが、お前達の新しい愛を育む場所だな…なんてね。」

 

暦は少しずつ茶化したが、龍亞は暦の準備の速さ、そしてそこまでしてくれる、優しさに感謝していた。

 

暦「まぁなんだ、俺がしてやれるのはここまでた。

元気でな。それに忘れんなよ、これからもずっと俺は、お前の仲間だからな。じゃあまたな!」

 

暦は、そのまま龍亞達の目的地とは逆の方に、歩いていった。

 

龍亞「暦兄ちゃん、ありがとう!俺だって、暦兄ちゃんの事、大好きだよ!」

 

こうして、龍亞達の新しい生活が始まろうとしていた。




今日はバレンタインデーですね。
本当なら、バレンタインネタを書きたかったのですが、時間とネタがありませんでした。

ですので明日、1日遅れのバレンタインを出来れば良いな…、と思っております。


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189話

本日は、バレンタイン特別編です。


龍亞「ルイズ、龍可、リーシャさん。いつもありがとう。これ、俺の手作りのチョコレートなんだ、受け取ってよ。」

 

龍亞の手には、綺麗にラッピングされた袋が握られていた。

 

ルイズ「どうして、ボク達にチョコレートを?」

 

龍亞「あれ?ルイズは知らないの?今日は、バレンタインデーだよ。」

 

ルイズ「いや、バレンタインデーは知ってるけど…。」

 

龍可「そうよ。バレンタインって、女が好きな男にチョコレートや、お菓子をあげる日じゃ無かったっけ?」

 

龍可の言葉に、龍亞は驚いていた。

 

龍亞「バレンタインデーって、そんな日だったの?

だって暦兄ちゃんが、バレンタインデーはお世話になった人に、日頃の感謝を伝える日だって言ってたから。」

 

龍亞「だから、皆の分のチョコレートを作って、配ったのに…。

俺のした事って、間違ってたんだね…ごめんね。」

 

龍亞は、少し涙目になりながら、3人に頭を下げた。

 

リーシャ「いや!そんな事無いよ龍亞!私達、龍亞にチョコを貰って、凄く嬉しいわ。

さぁ、ルイズ、龍可。速く龍亞に貰った、チョコを頂きましょう。」

 

リーシャの言葉で、3人は龍亞からのチョコレートを開けた。

そこには、ハート型のチョコに、龍亞からの感謝の言葉が書かれていた。

 

龍可「凄い…。書いてある言葉が、皆それぞれ違うんだね。」

 

ルイズ「そうだね。このチョコから、龍亞の愛を凄く感じるわ!」

 

リーシャ「龍亞、本当にありがとう。

あの…これは、私達からのバレンタインのプレゼントよ。」

 

3人はそれぞれ違うプレゼントを、龍亞に手渡した。

プレゼントを貰った龍亞は、凄く喜んでいた。

 

龍亞「ありがとう皆!皆から、プレゼントを貰えるなんて、本当に俺は幸せだな~。

後は、ルチアーノにチョコレートを渡すだけだな。」

 

すると後ろから、ルチアーノが物凄い勢いで走って来た。

 

ルチアーノ「龍亞~!今日は、バレンタインデーなのに、遅れて来て本当にごめんね!

龍亞に、何をあげようかを、ずっと迷ってたんだ!」

 

龍亞「ルチアーノ、待ってたよ。

はいこれ。俺からのチョコレートだよ。俺の手作りだから、味は保証出来ないけど。」

 

ルチアーノ「龍亞からのチョコレートか…エヘヘ。

龍亞の手作りだから、世界中で1番美味しいよ!絶対!」

 

ルチアーノはそう言うと、龍亞が持っている3つの袋を見た。

そして、ニヤリと笑うと、ポケットから板チョコを取り出した。

 

ルチアーノ「成る程ね。これはお前達の手作りか…。

残念ながらボクは、料理が下手だから、手作りじゃ無い。」

 

ルチアーノ「けど、お前達に負けない事をしてあげるよ!」

 

そう言ってルチアーノは、板チョコを少しだけ自分で食べた。

そして、龍亞の前まで来ると龍亞へとキスをした。

 

ルチアーノの口の中で程よく溶けたチョコレートが、龍亞の口へと運ばれた。

 

龍可「ちょっと!何してるのよ!」

 

リーシャ「ふざけないで!何龍亞に、口移ししてるのよ!」

 

ルイズ「ルチアーノ、ボクはお前に、ゴドウィン以上の殺意を感じたよ…。

今すぐ、殺してやる!」

 

そんな外野にお構い無しに、ルチアーノは龍亞とのキスを堪能した。

 

ルチアーノ「あぁ~美味しかったね龍亞…、あれ?気を失ってる…。

ちょっと龍亞には、刺激が強すぎたかな。」

 

こうして、龍亞達の楽しいバレンタインデーは、幕を閉じたのだった。




龍亞の女子力が、物凄く高いですね。

そして、ルチアーノの大胆さ。なんだか、格好いいくらいです。

私も欲しかったな…バレンタインチョコ…。


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190話

龍亞達は、暦から貰った紙に書いてあった、小さな町についた。

 

町長「いやいや、お待ちしておりましたよ龍亞殿。

わしは、この町の町長をしております、エストリスと申します。」

 

町に入ると、町長と名のる80は越えているであろう、白髪のお爺さんが、龍亞達を出迎えた。

その後ろには、この町の住人と思われる人達もいた。

 

龍亞「どうも。これから、この町でお世話になります。

でも、どうして俺の名前を知っていたんですか?」

 

町長「それはですね、暦殿から話を聞いていたからですよ。暦殿とは、昔からの知り合いでしてね。

さぁ、立ち話も何ですので貴方達の家に、案内します。」

 

龍亞達は、町長の後についていき、町の中へと入っていった。

 

町長「此方が、貴方達の新しい家になります。 

必要な家具は、ある程度ご用意してあります。もし、他に必要な物がある時は、遠慮せずに申して下さい。」

 

ルイズ「町長さん、1つ聞きたい事がある。

いくら暦の頼みとは言え、どうしてボク達みたいな、見知らぬ人間に優しくするんだ?」

 

ルイズの質問に、町長はニッコリと笑いながら、4人の頭を撫でた。

 

町長「わし達も、あの日の放送を見ていたのですよ。

それにこの町は、大なり小なり世間から追い出された、人達が集まって出来たのです。

このわしだって70年前位に、正当防衛とは言え人を殺めてしまっているのですよ。」

 

町長はそう言うと、寂しく笑いながら、歩いていった。

 

龍亞「町長さん…、何だが寂しそうだったな…。

聞いちゃいけない事、聞いちゃったのかな…。俺、謝ってくるよ!」

 

龍亞はそう言って、町長を追いかけて、走っていた。

 

龍可「龍亞!もう、龍亞って素直と言うか、一直線と言うか。」

 

3人は、龍亞の素直さに少しだけ呆れながら、家の中へと入っていった。

 

龍亞「ハァ、ハァ、ハァ、町長さんは何処に行ったんだろう。

ん?何だか、町の入り口が騒がしいな…。」

 

龍亞は、沢山の人達の声がする方へと進んでみた。

 

町人A「お前、何者だ!この町に、何の用だ!」

 

町人B「そうよ!これ以上、この町には1歩も入れないわ!」

 

「全く、うるさい奴等だ。おい!お前達、この町に龍亞と言う子どもがいるはすだ。」

 

町人C「龍亞くんだと!まさか、シティの奴か!」

 

町人D「そんな人を、龍亞くんに合わせる訳にはいかない!」

 

「そうか。俺は、物事の解決法に力は使いたく無いが…。

しょうがないか…。」

 

その男が、何かをしようとしているのを、龍亞はいち速く気づき、町の人を護るために飛び出した。

 

龍亞「俺なら、ここにいるぞ!これ以上、町の人達に手は出させないぞ!」

 

「フッ、お前が龍亞か。どう見ても、ただのひ弱なガキにしか、見えないが。

本当にお前が、ゴドウィンやシグナーを倒したのか?」

 

男は、龍亞を小バカにした様に笑った。

 

龍亞「ムッ、お前が俺の何を知ってるんだよ!

誰だお前!」

 

「自己紹介がまだだったな。俺の名前は、プラシド。

ルチアーノと同じ、イリアステルのメンバーだ。」




2人目のイリアステル、プラシドの登場!
でも、なんだが雲行きが怪しそうですね…。

はたして、プラシドの目的とは!


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191話

龍亞「イリアステルのプラシドだって…。

確かイリアステルって、ルチアーノが所属してる軍団だったよね?

そのイリアステルの人が、俺に何の用だよ。」

 

プラシド「フンッ、ここでは邪魔な奴が多すぎる。

少し、場所を移すぞ。ついてこい。」

 

プラシドはそう言うと、回れ右をしてそのまま町の入り口から、離れていった。

 

町人A「龍亞くん…。なにも、あいつについていく事は無いぞ…。」

 

心配をする町人に、龍亞は優しく笑いかけた。

 

龍亞「大丈夫ですよ。ただ、あの人と話をするだけですから。

その…、見知らぬ俺なんかを護ってくれて、ありがとうございました!」

 

龍亞は、町人達に深く頭を下げると、プラシドの後を追いかけた。

 

町人D「礼儀正しくて、優しい子だな。さて、私達はどうする?」

 

町人B「取り敢えず、町長には伝えましょう!」

 

龍亞を見届けた町人達は、町長に事の一部始終を伝えるために、町長の家へと向かった。

 

~~~とある岩場~~~

 

町から、少し離れた岩場についたプラシドは、そこで足を止めた。

 

プラシド「ここまでこれば、当分は大丈夫だろう。

だが、いつ邪魔が入るかわからないから、速く済ませるか。」

 

プラシド「おい!まず、お前に聞いておきたい事がある。

お前は、俺達イリアステルについて、何処まで知ってるつもりだ?」

 

プラシドからの質問の答えを、龍亞は考えてみた。

 

龍亞「えっと…、俺が知ってるのは、イリアステルの目的は、ゴドウィンの野望を止める事くらいかな…。」

 

確かに、龍亞はルチアーノと長くはないが、沢山過ごしてきた。

だが、自分はイリアステルという巨大な組織について、何1つ知らない、全くの無知である。

 

プラシド「それだけか?ったく、ルチアーノもお人好しなのか、酷い奴なのか…。」

 

そう言うとプラシドは、近くにあった岩に腰を下ろした。

 

プラシド「お前の答えは、間違ってはいない。

ゴドウィンの野望を止める事も、イリアステルの目的の1つだ。」

 

龍亞「目的の1つだって…。じゃあ、他に何が目的何ですか?」

 

プラシド「今から話す事を、信じるも信じないも勝手だ。

俺達は、今から遥か先の未来からやって来たんだ。」

 

プラシドの言葉に、龍亞は驚きを隠せなかったが、プラシドの話が、嘘では無い事だけは理解できた。

 

プラシド「何だ、あっさり信じてくれるんだな。」

 

龍亞「はい…。確かに、信じがたい話ですけど、プラシドさんが嘘を言ってない事は、目を見ればわかります。」

 

プラシド「そうか…。確かに、皆が言う通り純粋な奴だな。」

 

プラシドは、龍亞には見えないように、静かに微笑んだ。




イリアステルの全貌が、ほんの少しだけ判明しました!

原作と同じで、未来から来たようですね。
そして、イリアステルの真の目的とは?

まさか、アーククレイドルが登場するかも!?


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192話

龍亞「それで、貴方達の本当の目的って、何なのですか?」

 

龍亞からの質問に、プラシドはふと我に帰って、龍亞の目を見た。

 

プラシド「そうだったな。俺達のいた未来は、様々な事件や災害のせいで、破滅の道を辿っていた。

そしてイリアステルは、何とかして世界を救おうとしていた。」

 

プラシドは龍亞に、自分が産まれた時代を見させた。

そこは、まさに地獄の様だった。

 

プラシド「だが、何をしても世界は変わろうとはしなかった。

だが…とある老人が教えてくれた。」

 

プラシド「今から約80年前の、とある少年の数奇な運命が、この世界の破滅に導いている…、とな。」

 

龍亞「とある少年って、まさか!」

 

龍亞の想像を、プラシドは理解できたのか、大きな声で高笑いをした。

 

プラシド「そうさ!この少年は、お前だよ龍亞!

だから俺達は、この時代にやって来たんだよ!」

 

龍亞「そ、そんな…、俺が産まれたせいで、未来が破滅してたなんて…。

そんな残酷な事って、あんまりだよ!」

 

龍亞はその場で膝をつき、ポロポロと泣き始めてしまった。

自分の命はいつも、誰かに…何かに、害を及ぼしてしまう。

 

そんな自分の運命の歯車から、抜け出す事は許されない。

その事実だけで、今の龍亞の心は簡単に、崩れてしまいそうだ。

 

龍亞「やっぱり…、俺は産まれてくるべきじゃ、無かったんだ。

俺のせいで、破壊神の力が目覚めたり、ルチアーノ達の産まれた時代をめちゃくちゃになったんだ。」

 

プラシド「だがイリアステルは、そんなお前を護る事にしたんだ。

それが、未来を救う唯一の方法だと、わかったんだ。」

 

プラシド「けど、俺は気に食わない!イリアステルのこれまでの長年の研究や歴史が、1人のガキのせいで無駄になったんだ!

今の俺が、ガキみたいな屁理屈を言ってる事くらい、良くわかってるさ。」

 

プラシド「だから俺は、今のお前に未来を託すだけの、価値があるのかを、確かめにしたんだ!

なのに、こんなガキだったとはな。あの時の老人と、どんな関係があるのか知らないが、上の連中はわからん。」

 

プラシドはそう言うと、踞って泣いている龍亞の前まで行き、龍亞の胸ぐらを掴んだ。

 

そして、そのまま龍亞を殴ろうと右腕を後ろに下げた。

 

だがその右腕は、龍亞を殴る事なく誰かに止められていた。

 

「プラシド、少し調子に乗りすぎだ。この右腕を、どうするつもりだったんだ。

これは立派な、裏切りになるぞ!」

 

プラシド「フッ…誰かと思えば、イリアステルの幹部様の登場か。

お前こそ、誰の邪魔をしているかわかってるのか?

なぁ、パラドックス。」




何だか最近、新しい小説のアイデアやストーリーが、わんさか出てきます。
既に、何本かは文字にはしていますが…。

出来れば、速いところに公開したいです。


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193話

プラシドとパラドックスが、言い合いをしている時に、龍亞は色々な事を考えていた。

 

自分がこれまでしてきた事、それにより得た物や失った物。

そして、自分がこの世界に生まれてきた理由。

 

だが、考えれば考えるほどに、龍亞には答えがわからなくなっていた。

 

龍亞(俺のせいで、未来が破滅する。だからって、俺1人の力では、何1つ変えられない。でも…でも!)

 

龍亞は涙を拭いて、その場から立ち上がって、プラシドの前に立った。

 

パラドックス「本当にわかっているのか!お前1人の勝手な行動で、我々の計画が失敗に終わるかもしれないんだぞ!」

 

プラシド「わかってる!それに、俺にだって考えはあるんだよ…、パラドックス、お前との話は少し中断だ。」

 

プラシドはそう言うと、目の前に来ていた龍亞の方に、体を向けた。

 

プラシド「どうした龍亞?何か、覚悟を決めた様な、面構えだが。

もしかして、俺に泣かされた仕返しでも、しに来たのか?」

 

プラシドがそう茶化すと、龍亞は深く深呼吸をした。

 

龍亞「プラシドさん俺、色々考えました。

俺が産まれたせいで、未来を破滅からは救えない事、そしてプラシドさんが俺を嫌いな事。」

 

龍亞「でも!それがどうした!俺が産まれた事で、未来に破滅が訪れるなら、俺が生きることでその未来を変えてみせる!」

 

プラシド「だが、お前1人ごときで未来を本気で、変えれると思ってるのか?」

 

龍亞「当たり前だ!俺は既に、シグナー達やゴドウィンと破壊神の力に、勝っているんだ!

それに、俺1人だけじゃない。これまでだって、仲間達と力を合わせて、自分の未来を切り開いて来たんだ!

今回だって、皆がいるんだ。それに、イリアステルだっている。

それでも、未来が変わらないのなら、俺を殺すなり好きにすれば良い!」

 

龍亞の決断を聞いたプラシドは、そのまま静かに腕を振り上げた。

 

パラドックス「プラシド止めろ!」

 

パラドックスは、プラシドを止めようとしたが、その手は龍亞を殴る事は無かった。

 

プラシド「フッハハハハハ!それが、お前の心からの覚悟か。

さすが、イリアステルが…いや、Z-ONEが希望を託す訳だな。」

 

プラシドの手は、龍亞の頭を優しく撫でていた。

 

パラドックス「プラシドお前、最初から龍亞君を試す気だったのか。」

 

プラシド「あぁそうだ。こいつが本当に、Z-ONEの言っていた最後の希望なのかどうか、俺は直接感じたかったんだ。

すまない龍亞、少し手荒なまねをしてしまって。

さぁ帰るぞパラドックス!」

 

プラシドはそう言って、町とは違う方へと歩いていった。

 

パラドックス「待てプラシド!龍亞君、本当にすまなかった!だが、これだけは信じて欲しい。

私達は別に、君を恨んだりはしてはいない。」

 

そしてパラドックスも、プラシドの歩いた方へと体を向けた。

 

パラドックス「あっそうだ。1つだけ、言い忘れた事がある。

もう少ししたら、また大きな災いが君達に訪れる。

でも、諦めないで立ち向かって欲しい。それだけだよ。」

 

龍亞は前を歩いている、2人の背中が見えなくなるまで、ずっと見届けていた。

 

 

 

 




龍亞の大きな決断です!
龍亞カッコいい!

最近、誰からも感想が無くて、何だか今の話が蛇足の様に感じます。
はたして、このままで良いのかな…。


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194話

先に伝えておきます。
この小説では、アポリアとルチアーノ、ホセ、プラシドは、別の人間です。




~~~イリアステル本部~~~

 

ここは、世界のとある場所に存在する、イリアステルの本部とも言える場所である。

 

少し広めの円卓に、4人の人間が座っている。

 

アンチノミー「ホセ、今回のプラシドの件について、どう説明をしてくれるんだ!」

 

アポリア「その通りだ。お前の役目は、感情的なプラシドを止める事だろ。」

 

2人の男は立ち上がり、目の前にいる老人に物凄い剣幕で問いただしていた。

 

Z-ONE「アンチノミー、アポリア、少し落ち着きなさい。今回の事を、ホセに問いただしても、無意味ですよ。

それに、プラシドにだって、考えがあっての行動のはすです。」

 

今にでも、爆発しそうな2人を、仮面をかぶった男が落ち着かせた。

Z-ONEの言葉に、アンチノミーとアポリアは渋々椅子に座った。

 

Z-ONE「すまないホセ。ですが、気を悪くしないで下さい。

アンチノミーやアポリアだって、我々の未来を想っているのです。」

 

ホセ「わかっているさZ-ONE。それに、私だって何も気にして無いさ。

それで、今回はどうして私達を集めたんだ?」

 

ホセがそう聞くと、円卓に1人の男が映し出された。

その男こそ、龍亞と遊星のデュエルの後で、破壊神のカードを持っていった男である。

 

アポリア「たしかこの男は…。あの日に治安維持局跡にいた男ではないか。」

 

アンチノミー「確かにそうだな。だがZ-ONE、この男がどうかしたのか?」

 

Z-ONE「えぇ、それも悪い意味で重要な男です。

この男、私達が聞いていた歴史では、現れない男なのです!」

 

Z-ONEの言葉に、3人は驚いていた。

イリアステルのメンバーは、未来でとある男から聞いていた、過去を変えに来たのだ。

 

だが、この男の出現についてなど、誰1人聞いてはいなかったのである。

 

Z-ONE「驚くのも、無理はありません。ですが、私が心配しているのはそれだけではありせん。

この男が、“あれ”に関わってくると、龍亞の身に何が起こるか、わからなくなります!」

 

アポリア「そ、そんなバカな…。だったら、私が直接その男にあって、早々に始末してやる。」

 

アンチノミー「駄目だアポリア!私達は、この時代の人間とは、直接関わる訳にはいかないと、Z-ONEが言っただろう!」

 

ホセ「その通り。只でさえ、ルチアーノが龍亞と暮らすために、ここを離れていった。

これ以上は、私達の管轄外だ。」

 

4人の男達が、ある種の絶望を感じていたその時、部屋の入り口が開き、1人の男が入ってきた。

 

暦「おいおい、ここがイリアステルの本拠地かよ。

思ったより、普通だな。

何を悩んでるんだ男4人、龍亞に危害が及ぶ?寝ぼけた事言ってんなよ?」

 

Z-ONE「貴方は確か、龍亞の所にいた男ですね。

どうしてここに、来れるのですか!」




イリアステルのメンバーって、一人称が“私”の人が多いですね。

久々の暦の登場です!
本当に、この男は何なのでしょうね。


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195話

暦「まぁまぁ、そんな小さい事は気にしないで。」

 

暦はそう言うと、円卓に近づいて行き、机の上に腰を下ろした。

 

アポリア「貴様!Z-ONEの前で、なんて無礼な態度だ!」

 

アンチノミー「落ち着けアポリア。こいつが、Z-ONEの言っていた、暦という男だ。」

 

アポリア「この男が、私達の歴史には存在しない男か。

どおりで、ふてぶてしいな。」

 

アポリアが悪態をつくが、暦はあんまり気にせず笑っていた。

 

Z-ONE「それで暦、貴方はなんの用でここに来たのですか。用件によっては、それなりの対処はしますよ。」

 

暦「おいおい、随分と嫌われたもんだね。まぁいいや。

今日ここに来たのは、頼みがあったんだが…。」

 

暦はそう言って、机の上を歩いて行きZ-ONEの前まで来た。

そして、Z-ONEの前に座りその頼みを耳打ちで、伝えた。

 

暦「どうだ?出来ない事では無いだろ?」

 

Z-ONE「確かに、私達の力を使えば可能ですが…。

でも、どうしてそんな頼みを。」

 

ZONEがそう聞くと、暦はニッコリと笑った。

 

暦「お前達と同じ様に、俺だって龍亞の為に行動しているだけさ。

それに、さっきまでの話を聞かせて貰ったが、どうしてお前達はそこまで龍亞にこだわる?」

 

Z-ONE「イリアステルでは無い、貴方に全てを教える訳にはいきません。

ですが、これだけは教えてあげます。あの子は、私達にとって大きな希望なのです。」

 

Z-ONEがそう答えた時、また部屋の入り口が開き、プラシドとパラドックスが帰ってきた。

 

パラドックス「Z-ONE遅れてすまない!プラシドを連れてくるのに、手間がかかった。」

 

プラシド「うるさいな!だったら、先に帰ってろって、言っただろ!全てを俺のせいにするな…よ!」

 

プラシドは円卓の上に座っている、暦を見つけると驚いていた。

 

プラシド「お、お前はあの時の!どうしてお前が、ここにいるんだ!」

 

アポリア「なんだプラシド。この男と知り合いなのか?」

 

暦「なんだよプラシド、お前もイリアステルのメンバーだったのかよ。

にしても懐かしいな、確か5~6年ぶりくらいか?」

 

暦は嬉しそうに話をした後、円卓から降りて入り口へと近づいていった。

 

Z-ONE「もう帰るのですか?もう少し、ゆっくりしてても、良いのですよ?」

 

暦「まだ、やる事があるんでね。それに、お前達に教えといてやるよ。

もうじき龍亞に…いや、この世界にまた大きな災いが起こる。」

 

暦「だが、なんの心配もいらない!何故なら、その災いから世界を護るのが龍亞だし、お前達の心配している龍亞への被害は絶対に無いさ。

その為に俺がいるのさ。それが、俺に課せられた運命なんだよ。」

 

暦はそう言って右手を上げ、そのまま部屋から出ていった。




本当に、話が進むほどに、暦がわからなくなってます!
何を隠しているのか、何をどこまで知っているのか。

正真正銘のキーパーソンです。


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196話

龍亞達が住み始めた町の名前は、ATMさんのアイデアを戴きまして、「ニューライフ・タウン」にしました。

ATMさん、本当にありがとうございます。


~~~ニューライフ・タウン~~~

 

町長「全く、何の騒ぎなのですか?良い年した大人が、こんなに集まって。」

 

町人A「あっ、町長!それが、大変なんですよ!見知らぬ男が、龍亞君を連れて行ってしまったんです!」

 

龍亞が、プラシドと町を出ていった後に、町長が町の入り口にやって来た。

そして、町人達の話を聞いて事の重要性を理解し、焦り始めた。

 

町長「な、なんですと!それは、本当なのですか!なら、急いで追いかけなくては!」

 

町長や町人達が、あたふたしていたその時、遠くから龍亞が此方に向かって歩いて来ていた。

 

町人B「ちょっと皆!あれ、龍亞君じゃない!」

 

町人Bの言葉に、皆が龍亞の存在に気づいた。

 

龍亞「すみません皆さん。大変、ご迷惑をかけました。

でも、俺はこの通り大丈夫です。」

 

と龍亞は、皆に笑いかけた。

その偽りの無い笑顔を見て、町長達はひとまず一安心した。

 

町長「そうですか…、それならば安心です。皆さん、ここはわしに任せて下さい。」

 

町長がそう言うと、他の皆は申し訳無さそうに、自分達の家へと帰っていった。

 

龍亞「町長さん、身勝手な行動をしてすみませんでした!でも詳しくは言えませんが、これだけは避けては通れない道だったんです。」

 

龍亞の真剣な目を見た町長は、それ以上余計な事は聞かずに、優しく微笑んだ。

 

町長「それならば、何も言いません。人間は、人生に避けては通れない事が必ず、起こります。

それを逃げずに、立ち向かう事が出来たならば、貴方はより素晴らしい人間になったのですね。」

 

そう言って町長も、自分の家のある方へと歩いて行こうとした。

 

龍亞「あの、町長さん。さっきは、いやな事を聞いてしまって、本当にごめんなさい。」

 

町長「いやな事ですか…?あぁ、わしの過去の話ですか。

良いのですよそんな事、既に思い出話ですから。」

 

町長「それに、わしは間違った事はしていない…。と、自分で想っています。

それだけを想っておれば、過去の失敗や悲劇、これから起こるかも知れない色々な事を、自分で理解し認める事が出来ます。」

 

龍亞「自分で理解して、認める事が出来る…、ですか…。」

 

町長「えぇ、その通りです。貴方の人生は貴方だけの物です。

ですから、嫌な事や苦しい事すらも、自分の糧とすれば幸せに生きられますよ。

このジジイが言うのですから、本当の事ですよ。」

 

町長はそれだけ言って、ゆっくりと歩いて行った。

 

龍亞は町長に向かって、深々と頭を下げた。

 

龍亞「町長さん、わかりました。俺ももっと、自分の過去としっかりと向き合いたいと、想います。」

 

そして龍亞は、もう1度頭を下げて、ルイズ達が待つ我が家へと走っていった。




町長さん、カッコいい!
まさに、亀の甲より年の功ですね。

けど、わりと有りがちな言葉ですかね?


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197話

~~~龍亞達の家~~~

 

龍亞「皆、ただいま。ちょっと、遅れちゃってごめんね。」

 

太陽が沈み、辺りが暗くなり始めて来ていた。

龍亞が帰宅すると、家の中からルイズ達が出てきた。

 

その中で1人、物凄い勢いで飛び出してきた人影があった。

 

ルチアーノ「龍亞~、会いたかったよ❤

ボクこそ、遅くなってごめんね。でも、これからはボクも一緒に、住むよ。」

 

飛び出してきたルチアーノは、龍亞にいきなり抱きつくと、頬擦りをした。

 

ルイズ「おい…、何をしてるんだよ。」

 

龍可「そうよ!速く龍亞から、離れてよアバズレ!」

 

リーシャ「ルチアーノ、抜け駆けは許さないわよ?」

 

3人の黒い嫉妬のオーラに、ルチアーノは渋々龍亞から離れた。

 

龍亞「皆仲良くしてよ。それに、アバズレってどう言う意味?」

 

ルチアーノ「龍亞は、気にしなくて良いんだよ。

それに、今回はすぐ離れたけども、それだけで良い気になるなよ?

本当のお楽しみは、これからなんだよ。さぁ龍亞、速く中に入ろうよ!」

 

ルチアーノはそう言って、龍亞の手を引っ張っていった。

 

~~~家の中~~~

 

リーシャ「さて、まだ夕御飯には速いから、先にお風呂にしようか。」

 

龍可「そうね。歩きっぱなしで、私達も汗だくだからね。

で、どうゆう順番で入るの?それとも、全員で入るの?」

 

龍可の提案に、龍亞は物凄く赤面しながら、その案を否定した。

 

龍亞「駄目だよ龍可!全員で入るなんて、そんなの恥ずかしいよ!」

 

ルイズ「龍亞がそう言うなら、しょうがないね。

だったら、どうやって入る?」

 

すると、なぜかルチアーノが嬉しそうに笑い始めた。

 

ルチアーノ「クフフッ、フハハハハ!」

 

ルイズ「どうしたルチアーノ?ついに、おかしくなったのか?」

 

ルチアーノ「お風呂に入る順番なら、何も心配はいらないよ!

なぜなら、龍亞とボクが一緒に入るからね!」

 

ルチアーノの発言に、龍亞はまた赤面し、3人は怒ろうとしていた。

 

ルチアーノ「考えても見てよ。ボクと龍亞は男だ。

一緒に入るのは、当然の選択だろ?だから、大人しくしててね♪」

 

龍可「そんな事言うんだったら、私と龍亞は双子なのよ!だから、私が心配一緒に入るわ!」

 

リーシャ「それには及ばないわ!私はこの中で、最年長だわ。

だから、私が責任を持って龍亞をお風呂に入れるわ!」

 

ルイズ「ふざけるな!ボクは龍亞の所有物だ!

それにボクは元々、龍亞の心の中にいた。だから、ボクと一緒に入るのが、1番無難だね!」

 

4人は、龍亞と2人きりで風呂に入るために、お互いに主張を譲らなかった。

 

龍亞「もう!喧嘩は駄目って、言ったでしょ!

何度言ったら、わかるんだよ!」

 

その後龍亞の提案で、4人が入った後に、龍亞が1人で入る事になった。

 

そして4人は、普段は優しい龍亞だが、怒ると誰よりも怖い事を知ったのだった…。




今回は、ほのぼのですね。
そう言えば、ルチアーノって性別は男でしたね。

だから、アバズレは本当なら間違いですね。

そして、初めて怒った龍亞。
いつも優しい人が怒ると、物凄く怖いですよね。


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198話

~~~夜~~~

 

龍亞達は食事を済まし、寝室にやって来た。

 

そこには既に、4つのベッドが用意されていた。

 

ルチアーノ「あれ?ボクの分まで、用意してあるんだね。

本当に暦って男、用意周到だね。」

 

そしてそれぞれのベッドに、各々の名前が書いてあった。

 

龍可「どうして、ルイズとルチアーノが龍亞の隣なのよ!」

 

リーシャ「そうよ!私だって、龍亞の隣で寝たいのに。」

 

龍亞「だから、喧嘩しないでよ。別に、誰が隣でも俺は気にしないよ?」

 

またもや、龍亞の提案により、じゃんけんでその日の龍亞の隣を決める事になった。

 

そして今日は、ルイズとルチアーノに決まった。

 

龍亞「それじゃあ皆、お休みなさい。」

 

龍亞はそう言って、部屋の電気を消した。

 

 

皆が寝静まった深夜深く、龍亞はどうしても眠れずにいた。

 

そして龍亞は、皆を起こさないように、ベッドを出てベランダへと出ていった。

 

龍亞「今日は満月なんだ。しかも、月がおっきいな。」

 

ルイズ「どうしたの龍亞?眠れないの?」

 

後ろを振り返ると、そこにルイズが立っていた。

 

龍亞「起こしちゃってごめんね。

そうなんだ、どうしても眠れないんだよ。」

 

ルイズ「そうだったんだね。龍亞、もし悩んでいる事があるんなら、遠慮せずに相談してよ。」

 

龍亞「大丈夫だよルイズ。何も悩み事なんて無いよ。

むしろ俺は、幸せな限りだよ。」

 

ルイズは、静かに龍亞の隣まで歩いてきた。

 

龍亞「それに、ルイズには感謝してもしきれないよ。

だって、人の優しさや暖かさを、俺に教えてくれた。

今だって、こんな俺なんかを心配してくれる。」

 

ルイズ「そんな事無いよ龍亞。ボクは何もしてないよ。

それに、ボクは龍亞の両親を滅茶苦茶にしちゃったしね。」

 

龍亞「ルイズ、俺にはもう両親に対する想いは、何も無い。

だから、気に病む事は無いよ。

それに、俺にとって1番大切な人達と、今は一緒に入るのは暮らしてるんだからね。」

 

そう言うと龍亞は、ルイズを正面から見て、少し頬が赤らめていた。

 

龍亞「ルイズには、色々な物を貰いっぱなしだね。

だから…その…、えっと…。」

 

ルイズ「どうしたの龍亞?何を照れてるの?」

 

すると龍亞は、顔を真っ赤にして何かの覚悟を決めた。

 

龍亞「ルイズ!その…、目を瞑って。」

 

ルイズ「別に、それくらいなら良いけど…。」

 

龍亞「これは、俺からの感謝のお礼だからね!」

 

そして龍亞は、ルイズの頬に優しくキスをした。

 

ルイズ「え…、龍亞…もしかして、ボクに…キ、キスを…。」

 

龍亞「ごめんねルイズ!その、お休みなさい!」

 

今まで以上に、顔を真っ赤にさせた龍亞は、この場から逃げるように中へと入っていった。

 

ルイズ「ボクに龍亞が…、キスを…、キスを…し、幸せ…。」

 

ルイズも、顔を真っ赤にさせた後に、その場で気を失った。

 

 




大胆ですね龍亞。

というか、龍亞からは初めてのキスですね。

この流れで、龍亞は誰に初めての唇へのキスをするんでしょうね。


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199話

~~~次の日~~~

 

そして次の日、ルイズは暖かい日の光りを浴びながら、ベランダで目を覚ました。

 

ルイズ「あれ…、どうしてこんな所で寝れたんだっけ?

そう言えば昨日は…。」

 

ルイズは、寝起きの頭を回転させて、昨夜の出来事を思い出そうとしていた。

 

ルイズ「思い出した!そうだった、龍亞がボクの頬にキスしてくれたんだ。」

 

そう言ってルイズは、龍亞にキスされた右頬を嬉しそうにさわり、嬉しそうに笑った。 

 

ルイズ「エヘヘ…、エヘヘへへ♪もう、龍亞ったら大胆なんだから♪」

 

普段のルイズからは、考えられない程のニヤケ顔になっていた。

 

ルチアーノ「朝っぱら、気持ち悪いよ。

何、ニヤケてるんだよ。」

 

ルイズ「あっ、ルチアーノ。聞きたい?そんなにも聞きたいの?

もう、しょうがないから教えてあげるよ♪ウフフッ、ボクって本当に幸せ者だな♪」

 

ルチアーノ「興味無いよ。それより、速く来て。

緊急事態なんだ!」

 

ルチアーノの焦り様に、ルイズは冷静になった。

そして、急いで中へと入っていった。

 

ルイズ「どうしたの龍亞!何があったの!」

 

ルイズが、リビングに入ってくると、昨日の事があったからか、龍亞は誰にも見えない様隠れて、顔を赤くした。

 

龍可「ルイズ、これを見て!」

 

龍可から渡されたのは、特に何も変わった所は見えない、手紙と龍亞達全員分の、何かのチケットだった。

 

ルイズが手紙に書いてある事を、読もうとした時、真っ先に驚く事が、目に入った。

それは、この手紙の差出人の名前である。

 

ルイズ「こ、これはどういう事なの!?差出人が“治安維持局長官、ゴドウィン”だなんて!

だってゴドウィンは、あの時確実に…。」

 

ルチアーノ「ルイズ!それ以上は、何も話さなくても良い!

それよりも、速く手紙を読んだ方がいい。」

 

ルイズが、ゴドウィンが死んだ事を言おうとした時、ルチアーノが止めた。

それは、間接的であれ、自分が原因で誰かが死んでしまったと、龍亞が知ってしまわない為である。

 

ルイズ「ごめんルチアーノ。

わかったよ。さて、この手紙の内容は…。」

 

その手紙にはまず、決まり文句から始まって、特に内容の無い事ばかりが書いてあった。

 

そして、5日後に選ばれしデュエリストによる、“レジェンドデュエル・フェスティバル”の開催のお知らせと、それに強制参加させる。という内容だった。

 

ルイズ「なるほど…このチケットが、そのフェスティバルの招待状という訳か…。

それに、参加しなければこの町の人達の命はない…か。

で、どうするつもりなの龍亞?」

 

龍亞「うん。俺も色々と考えて見たんだ。差出人は、物凄く怪しいし、何かの罠かもしれない。

だけど、町長さんや、この町に住む人達を巻き込む訳には行かないよ!」

 

龍亞「だから、俺はこの招待を受ける!」

 

龍亞はそう言うと、目の前にある招待状を1つ手に取った。

それを見た他の4人も、何の躊躇いも無く招待状を手に取った。

 

龍亞「皆、これから何が起こるかわからない。

だけど、俺達が力を合わせれば、何だって出来るよ!」

 

龍亞達が、改めて結束を深めているのを、遠くから見ている人がいた。

 

暦「さて、いよいよ大きな闇が動き始めたか…。

俺も、失敗する訳にはいかないな。」

 

暦はそう言って、その場を後にした。

暦の手には、“レジェンドデュエル・フェスティバル”の招待状が、握られていた。




いよいよ、新シリーズがスタートしました!

差出人のゴドウィンとは?
あの時、治安維持局にいた男の正体とは?

そして、暦やイリアステルの行動は?

まだまだ、始まったばかりですね。


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200話

町長「レジェンドデュエル・フェスティバルですか…。

それに、差出人の名前があの治安維持局の長官から…。」

 

龍亞達は出発する前に、町長の家に来ていた。

 

龍亞「はい。確かに、俺達を誘き寄せる罠の可能性が高い。

けど、この誘いを断る訳にはいかないんです!」

 

ルイズ「そう言う事です。まぁ、道中に襲われるかも知れないけどね。」

 

ルイズがそう言うと、町長は扉の方を見た。

 

町長「その心配は無い様ですね。暦、ボディーガードは頼みましたよ。」

 

暦「俺に気づいてたのかよ。相変わらず、喰えないじいさんだな。」

 

と、入り口から暦が入ってきた。

 

龍亞「暦兄ちゃん!新しい生活、結構慣れてきたよ。」

 

入ってきた暦に、龍亞は嬉しそうに抱きついた。

 

暦「そうか龍亞。だったら、紹介したかいがあったって、もんだぜ。

それに龍亞、さっき言ってた事は本当なのか?」

 

龍亞は、何の事がわからずにキョトンとしていた。

 

暦「わかんないなら、教えとく。俺にも、招待状は届いたんだ。

だが俺への差出人は、ゴドウィンじゃ無い。」

 

暦の言葉に、龍亞達は驚きを隠せなかった。

 

龍可「そんな!じゃあ、貴方への差出人は誰なのよ!」

 

暦は龍亞達に、自分が貰った手紙を渡した。

その手紙の差出人の名前は、“ロデニア・クーランド”となっていた。

 

リーシャ「ロデニア・クーランド…、聞いた事無い名前ですね…。」

 

ルチアーノ「ちょっと待って。クーランドって、何処かで聞いた事あるような…。」

 

町長「ロデニア・クーランドの祖父、アルタニア・クーランドは、この町出身の男です。」

 

町長はそう言って、1枚の古ぼけた写真を持ってきた。

そこには、若い日の町長や沢山の町人達が、笑顔で写っていた。

 

町長「わしの隣に写る男が、アルタニアです。

もう10年も前に、亡くなったと聞いてはいますが…。」

 

町長の隣には、大柄な男が写っていた。

 

龍亞「町長さん、このアルタニアって人は、どんな人なんですか?」

 

町長「他でもない。アルタニアは、あの治安維持局の初代長官を勤めた男です。」

 

暦「マジかよ…、初めて聞いた話だな。

だとしたら、このロデニアって男はただ者じゃ、無さそうだな。」

 

ルイズ「そうだね。既に消えたはずのゴドウィンの名前、そして初代長官の孫。

これは、ただ事じゃ無いね。」

 

龍亞「だけど、だからって逃げる訳には行かないよ!

もし俺達に、本当に危険な事が起きたって、皆の力を合わせれば、乗り越えられるよ、さぁ行こう!」

 

龍亞の合図と共に、皆はゆっくりと町長の家から出ていった。

 

そして、龍亞が出ようとした時、町長が止めた。

 

町長「龍亞くん。今のわしには、何もしてあげる事は出来ない。

だから、せめてもの気持ちだ。持ってって欲しい。」

 

龍亞は、町長から1枚のカードを渡された。

 

龍亞「町長さん、これって?」

 

町長「なぁに、昔はわしもデュエリストだったのですよ。

役に立つかはわかりませんが、この町の皆の想いが詰まっています。」

 

そのカードからは、皆からの暖かい心が感じられた。

 

龍亞「本当にありがとうございます!

必ず、無事に帰って来ます。待っていて下さい!」

 

龍亞は町長にそう言って、飛びっきりの笑顔を見せた。

 

 




まさかの急展開!
ゴドウィンの名前は、龍亞達だけの様ですね。

しかも、初代長官の孫まで登場です。

本当に、先が読めないですね。


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201話

~~~道中~~~

 

ルイズ「おい暦。お前に聞いて起きたい事がある。」

 

ルイズは、他の人に聞かれない程の小声で、暦を読んだ。

 

ルイズの声を聞いた暦は、黙ってルイズの隣に来た。

 

暦「聞きたい事って何だ?小声で聞く位だから、内緒の話なんだろ?」

 

ルイズ「そうだよ。お前は何処まで、今回の事を知ってるんだ?

もしかして、あの時ボクだけに話していた事と、関係があるのか?」

 

暦「あの時…?あぁ、龍亞と遊星とのデュエルの前の話ね。

正直に言おう。関係はあるはずだが、それ以上はわからない。」

 

2人だけで話していると、龍亞が心配して近づいてきた。

 

龍亞「どうしたの2人とも。歩くペースが落ちてるよ?

まさか、体の調子でも悪いの?」

 

龍亞の心配そうな顔を見て、暦は笑いながら龍亞を持ち上げ、肩車をした。

 

暦「心配すんなって!良し、遅れた分走るぞ~。ついてこい!」

 

そう言うと暦は、龍亞を連れたまま物凄い速さで、走っていった。

 

龍可「行っちゃった…。どうする、もう姿が見えないよ。」

 

ルチアーノ「大丈夫だよ。目的地は、もうすぐだし。」

 

走っていった暦とは反対に、残された4人はゆっくりと歩いた。

 

~~~目的地~~~

 

暦「ここが、手紙に書いてあった会場か…。

こんなに近いなら、走る事無かったわ。」

 

龍亞「暦兄ちゃん、この大きなお屋敷が会場なの?

大豪邸だね。」

 

龍亞は、暦の肩から降りて目の前の大きな屋敷を見上げた。

 

その建物は、どこか治安維持局に似ている様にも見える。

 

リーシャ「いましたよ。もう、こんな短い距離を走るなんて、体力の無駄でしょ?」

 

少し遅れて、4人も建物の前に到着した。

 

門番A「おい!貴様ら!この屋敷に、なんの用だ!」

 

もうすぐB「そうだとも!この屋敷は、あのロデニア様の屋敷だぞ。

お前達みたいな、一般の平民ごときが近づいて良い場所では無い!

さっさと帰れ!」

 

龍亞達が、建物の門の場所へと移動すると、2人の門番に止められてしまった。

 

暦「何かムカつく言い方だな…。ほら、そのロデニアからの招待状だ。

さっさとここを、通して貰うぞ。」

 

暦が差し出した、招待状を門番はマジマジと見た後、門を開いた。

 

門番A「確かに、これは本物の招待状だ。」

 

門番B「よって、ここを通る権利を与えよう。

そして、後ろの子供達は何の用だ…あっ!あのガキは…。」

 

門番は、龍亞を見るなり驚き、2人だけで何かの話をし始めた。

 

門番A「おい!あのガキって、確か。」

 

門番B「あぁ、まさしくロデニア様と“あの御方”が言っていた、龍亞本人だ。」

 

そして、再び龍亞達の方を見た。

 

門番A「宜しい。お前達も、参加者の様だな。」

 

門番B「さぁ、この門を通るが良い。」

 

門番から許可を得て、龍亞達はその門から中へと入っていった。

 

これから起こる、世界を巻き込む大事件からは、逃れる事は出来ないのである…。




いよいよ、敵陣に乗り込みです!
さぁ、ここからが本物の戦いの始まりです!

でも大丈夫だよ龍亞。
だって、私達もついている!

一緒に戦おう!


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202話

~~~会場内~~~

 

中に入った龍亞達は、その大広間の広さに驚いていた。

 

暦「何だよ…この広さ…。それに、ちらほら見た事のあるデュエリストがいるな。」

 

大広間には、沢山のデュエリスト達がいた。

これも全て、今回のフェスティバルに参加する為だろう。

 

クロウ「おっ、龍亞達も呼ばれてたのか!どうやら、元気そうだな!」

 

遊星「龍亞、新しい幸せはどうなんだ?」

 

声のする方に振り向くと、そこにはクロウと遊星がいた。

 

龍亞「遊星、クロウ!2人も参加するんだね。でも、アキ姉ちゃんは参加するしないの?」

 

龍亞からの質問に、クロウと遊星は気まずそうな顔をした。

 

遊星「すまない龍亞。アキは、未だに行方不明なんだ。」

 

クロウ「噂じゃ、シティから出ていったって話だが…。

全く、情報が無いんだ。」

 

ルチアーノ(それはおかしいぞ。Z-ONEの話では、十六夜アキはシティに残って、親孝行するはずなのに…。)

 

自分が聞いた過去との違いに、ルチアーノは困惑するしか無かった。

 

暦「死んだ筈のゴドウィンの名前、そして初代長官の孫ロデニア、元シグナーの2人。

これはもしかしたら、俺やイリアステルが考えているより、大変な事態になるかも知れないな…。」

 

暦が小さな独り言を言った時、突然大きなモニターが現れた。

 

「な、何だあのモニターは!」「あぁ、それに何時まで俺達は、ここに集められるんだよ!」

 

周りのデュエリスト達が、口々に不満を漏らし始めていた。

 

すると、目の前のモニターに1人の男が映し出された。

 

「やぁやぁ、皆さん落ち着いてよ。もうすぐで、お待ちかねのレジェンドデュエル・フェスティバルが始まるからね。」

 

いきなり話し出した男に、デュエリスト達はいまいち状況がわからないでいた。

 

「あぁそうか。自己紹介がまだだったね。

俺が、今回のフェスティバルの主催者兼責任者でもある、3代目クーランド家当主、ロデニア・クーランドだ。」

 

暦「あいつが、ロデニア…。思ったよりも、ガキじゃねぇかよ…ん?」

 

暦とルイズは、そのモニターに何かの違和感を感じた。

 

正確に言えば、そこに映っているロデニアと、その背後にである。

 

龍亞「どうしたのルイズ、暦兄ちゃん?もしかして、何か嫌な予感でもするの?」

 

龍亞の言葉に、ふと我に帰った2人は、笑いながら龍亞の頭を撫でた。

 

ルイズ「大丈夫だよ龍亞。ただ、ボーとしてただけだよ。」

 

暦「そうそう!それに、あんな巨大なモニターを、見た事が無かったしな。」

 

2人は、なんとか誤魔化す事が出来た。

 

「それでよ!どうしてお前は、俺達を集めたんだよ!」

「そうだそうだ!」

 

ロデニア「フフっ、教えてあげよう!今回、集まって貰ったのは、他でもない。

お前達みたいな、選ばれたデュエリストによる、史上最大のデュエルをしてもらいたい!」




新シリーズの敵、ロデニアの登場です!

そして、フェスティバルの目的が発覚しましたね。
どうやら、ちょっとしたデュエル大会?ですね。

暦とルイズが感じた、違和感の正体とは?


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203話

~~~ロデニアの部屋~~~

 

ロデニア「それじゃあ、皆に部屋を用意してあるから、あと1時間後にスタートするから、ここに集合してね。」

 

ロデニアはそう言うと、モニターの電源をオフにした。

それを合図に、デュエリスト達はロデニアが用意した部屋へと、歩いていった。

 

ロデニア「さてと、今からの時間をどう過ごそうかな。」

 

そう言いながらロデニアは、監視カメラの映像を、別のモニターで見ていた。

 

そこには、龍亞が繊細に映されていた。

 

ロデニア「この小さい子供が、本当に貴方が言っていた力があるとは、思えないね。

まぁ、見た目で決めるのは3流のする事だな。」

 

ロデニアは、後ろに座っている男の方に体ごと振り向いた。

 

だがその男は、ロデニアには目もくれずただ、モニターに映る龍亞だけを、見ていた。

 

ロデニア「出来るだけの事は、やったつもりですよ?

死んだゴドウィンの名前を使ったり…、まぁ、使ったのは、名前だけじゃ無いけど。」

 

ロデニア「それに、貴方が龍亞と一緒に必ず呼べと言った、あの暦という男。

俺達の事を調べてたが、多分貴方まではたどり着いて、無いでしょう。」

 

その男は頬杖をしながら、ロデニアには返事をしなかった。

その代わりに、ロデニアを静かに睨み付けた。

 

ロデニア「わかってますよ。この計画には、何の抜かりもありませんよ。

けど…いつになったら、貴方の目的の全てを教えてくれるんですか?」

 

すると男は、さっきよりも恐ろしいオーラを出して、ロデニアを睨み続けた。

 

ロデニア「わかってる!わかってますよ本当に!

俺には、到底及ばない次元の話なんでしょ!わかったから、そんなに怒らないで下さいよ…。」

 

ロデニアが謝ると、男はオーラを抑えて龍亞へと視線を戻した。

 

ロデニア(ふぅ~怖い怖い。全く、いつも俺だけには厳しいんだから。

でも、どんな目的があろうとも、楽しければ良いんだけどね俺は。)

 

そしてロデニアは、1枚のモンスターカードを手に取り、マジマジと眺めた。

 

そのカードは、男のデッキの最強モンスターである。

 

ロデニア「いつ見ても、恐ろしく強いモンスターだね。

攻撃力も、効果も、破格の力を持っている。

でも、このカードを持ってしても、1度は負けたんでしょ?どれだけ、強い相手と戦ったんですか?」

 

ロデニアは笑いながら、軽い気持ちで男に話しかけた。

男は、ロデニアをまた睨んだが、直ぐに視線を戻した。

 

ロデニア「まぁ、今回は負けない様に俺達も、サポートしますよ。

貴方が勝つ方が、面白い世の中になりそうだしね。」

 

ロデニア「頑張りましょうね…、“ドン・サウザンド”様。」

 




まさかの事態です!
あのドン・サウザンドが、今回の敵だなんて!

そんな…、龍亞達は本当に勝てるのでしょうか…。


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204話

~~~控え室~~~

 

ロデニアが用意した控え室は、大広間に負けず劣らず豪華だった。

 

暦「ロデニアが、どんな目的があるのは全くわからないが…。」

 

暦「誰がターゲットかは、判明したな。」

 

暦は、控え室に設置してあった監視カメラを見て、そう言った。

 

クロウ「監視カメラなんか見て、何がわかったんだ?

俺には、さっぱりわからねぇ。」

 

暦「さっきの部屋にも、監視カメラはあった。

そして、その監視カメラは俺達だけを映す様な位置にあった。」

 

ルイズ「なるほど。それで、ロデニアの狙いが龍亞だって、わかるんだね。」

 

暦「まぁな!けどまだ、推測の位置だけどな…。」

 

それを聞いた龍亞は、驚きと恐怖を感じ、少し顔色が悪くなっていた。

 

暦「だからよ、俺達大人がこいつら子供達を、全力で護らなきゃならない。

だが敵は多分、今までよりも強力で未知数だ。それでも、護るぞ。遊星、クロウ!」

 

暦は、遊星とクロウに了承を確認する意味で、右手を差し出した。

 

クロウ「そんなもん、決まったるだろ!

俺は最初から、龍亞達を護るつもりだぜ!」

 

クロウは笑いながら、暦の右手をガッシリと掴んだ。

 

暦「流石はクロウ・ホーガンだ。頼りにしてるぜ!

そして遊星、お前はどうなんだ?」

 

暦はクロウの手を離して、遊星の方を見た。

 

遊星「俺は…、この前の戦いで龍亞の心を傷つけ、本当に酷い事をしてしまった…。

なのに、俺と《スターダスト・ドラゴン》との、絆を取り戻してくれた。」

 

遊星「だから龍亞には、謝っても謝りきれないし、感謝してもしきれないんだ!

今度は、龍亞の為に戦う!俺にも、龍亞達を護らせてくれ!」

 

遊星を固い覚悟を聞いて、暦は静かに微笑むと遊星の右手を、掴んだ。

 

暦「面白い!それでこそ、元シグナーのリーダーだ!

気に入ったよ。ようし、ロデニアに俺達大人の力を見せつけてやろうぜ!」

 

暦達大人の、暑苦しい空気に、龍亞以外のメンバーは呆れていた。

 

ルイズ「なんだか、安っぽいドラマみたいだね。」

 

龍可「そうだね。やっぱり、男って単純だわ。」

 

ルチアーノ「全く、その単純さが後で何かしらの、ピンチを招くのにね。」

 

リーシャ「ルチアーノの言う通りだわ。それにルチアーノ、貴方も男でしょ?」

 

4人の的確な言葉と、冷やかな雰囲気に大人達のテンションも、下がっていた。

 

だが1人だけ、皆とは違う言葉を発した。

 

龍亞「カッコいい…、凄くカッコいいよ暦兄ちゃん、クロウ、遊星!

俺も、3人みたいなカッコいい大人になりたいな!」

 

暦「ハハハ…、龍亞は相変わらず純粋だな…。

それよりルイズ、お前に話がある。」




これといって、大きな進展はありませんね。

ルイズに話とは、何なのでしょう。


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205話

ルイズ「話って、何かのよ暦?」

 

ルイズがそう聞くと、暦は辺りを見渡した。

 

暦「チッ、どこも人だらけか…。ここじゃあ、話しにくいから、外で話すぞ。」

 

ルイズ「はぁ、わかったよ。その代わりに、なるべく速く済ませてよね。」

 

暦とルイズは、そう言って部屋から出ていった。

 

~~~大広間~~~

 

暦とルイズは、最初に集まった大広間に来ていた。

 

暦「ここなら、誰にも話は聞かれないだろうな。」

 

ルイズ「ボクをこんな所にまで連れてきて、一体どれ程重要な話の?」

 

すると、暦は自分のポケットからペンダントを取り出して、ルイズに投げた。

 

ルイズ「何なのこのペンダントは?

随分と、使い込んであるようだけど…。」

 

暦「このペンダントは、俺の唯一の宝物にして、繋がりなんだ。」

 

ルイズ「繋がり…、それって誰との繋がりなの。」

 

暦「今から約15年前、旧モーメントの研究チームだ。

その研究のせいで、ゼロリバースが起きたがな…。」

 

暦はそう言って、1枚の古ぼけた写真をルイズに見せた。

そこには、幼き日の暦や、遊星の父親、ゴドウィン兄弟、ディヴァインとサイスが写っていた。

 

暦「それが、俺の所属してた研究チームだ。今のお前達みたいに、固い絆で結ばれてたんだ。

だが、今は俺しか生き残っていない。だから、この遺品とも言えるペンダントを、俺の後継者であるお前に託すんだ。」

 

ルイズ「ボクが、お前の後継者だって…。でも、どうしてボクを選んだの。言いたくは無いけど、ボクはお前ほど強く無いよ。」

 

暦「お前を選んだのは、強さだけじゃないさ。俺はお前の、大切な人を護りたいその想いを、選んだんだ。

そのペンダントには、大切な人を護ってくれる特別な、力がある。その力で、龍亞を護ってやれ。」

 

ルイズ「だったら…お前にも、護りたい人がいたのか。」

 

暦「あぁ、俺は皆を護りたかった…。皆が楽しく笑えたあの頃を、もう1度創りたかった。

だが現実は、全くの逆だ。」

 

暦は写真を見ながら、静かに涙を流していた。

 

ルイズ「……、わかったよ。ボクがお前のその想いを、受け継ぐよ。

そして、ボクは必ず龍亞を護ってみせる!」

 

ルイズの宣言に、暦は微笑んでルイズの頭を撫でた。

 

ルイズ「それで、このペンダントを渡すのが、目的だったんだね。」

 

暦「まぁそれもあるが、それだけしゃ無いさ…。」

 

暦はそう言うと、後ろの方を見て叫んだ。

 

暦「こそこそ隠れて無いで、とっとと出てこいよ!

ここなら、邪魔者はいないぞ!」

 

「いつから、俺達に気づいてたんだろうね兄貴。」

 

「流石は、ロデニア様が警戒なさる男だ。これでこそ、倒しがいがあるな。」

 

2人の男が、ゆっくりと此方に近づいて来た。

 

「俺の名前は、ハーミルド。そしてこいつが、弟のユリストだ。

ロデニア様からの命令で、お前を消し来た。さぁ、デュエルだ!」




これで、ルイズが暦の後継者に決まりましたね。

そしていよいよ、このシリーズ初のデュエルが始まりそうですね。

一体、どんなデュエルになるのでしょうか。


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206話

ユリスト「ちょっと待ってよ兄貴!今回の仕事は、俺達2人でだろ。

抜け駆けは、止めてくれよ!」

 

ハーミルド「それはわかっている。だが、この暦と言う男は強い。

お前では、相手にはならないさ。」

 

ユリスト「そんな事無いよ!俺だって、1人でも戦える位の力はあるよ。」

 

ユリストとハーミルドが、口喧嘩をし始めた時、暦は後ろを見た。

 

暦「ルイズ、ここは俺が引き付けておく。その隙に、速く龍亞達は所に戻れ!」

 

ルイズ「そんな…、けどあの兄弟の強さは、本物だよ。

それを、お前1人で相手するのは、無理だよ。」

 

暦「うるさいぞ。そんな事はわかってるさ。たがな、俺の眼の黒い内は、自分の後継者を護るさ…。

だから、速く行け!」

 

暦はそう言って、ハーミルド達兄弟の方に歩いて近づいていった。

 

暦「おい、漫才兄弟。下らん喧嘩は止めとけよ。そんなに戦いたいんだったら、お前ら2人まとめて相手してやるよ。」

 

ユリスト「へぇ、俺達をまとめて相手するだってさ。

随分と、大口を叩いてくれるね。」

 

ハーミルド「全くだ。ならば良かろう。望み通り、俺達2人でデュエルしてやろう。

その代わり、お前にハンデはやらんぞ?」

 

暦「フッ、お前らこそ、ハンデはいらないのか?

まぁ、ご託は良いからかかってこい!」

 

暦はルイズを見て、言葉を発する事無く合図をした。

その合図は、今がここを脱け出すチャンスだ。と言う合図である。

 

ルイズ(暦は、ああやって合図をくれるけど、本当にそれで良いのかな…。

ボクの目的は、龍亞を護る事。だったら、速く龍亞の所に行かなくちゃ駄目…けど!)

 

ルイズは、自分の中で大きな葛藤が生まれていた。

 

ルイズ(ボクは、暦の後継者だ。あいつは、大切な人を護れって言った。だったら!)

 

ハーミルド「それでは、今から始めるか。」

 

暦、ハーミルド、ユリスト「デュエ…。」

 

ルイズ「そのデュエル、ちょっと待った!

ボク抜きで、デュエルを始めるなんてどうかしてるよ!

ボクも参加して、タッグデュエルだ。」

 

暦「おいルイズ!お前、俺の話を聞いてただろ!

速く龍亞の所に行って、龍亞を護れって言っただろうが!」

 

暦が怒りながら言ったが、ルイズは関係無しに暦の横に立った。

 

ルイズ「ボクはお前の後継者だ!だから、お前がボクを護りたい様に、ボクもお前を護るんだ!

だって、龍亞の大切な人は、ボクにとっても大切な人だからな!」

 

ルイズの真剣な顔に、暦は何も言えずに微笑んだ。

 

暦「やれやれ…、お前は俺に似て、本物の頑固者で本物のお人好しだな。

わかったぜ!だったらルイズ、お前のその言葉を信じて、デュエルの参加を認めよう!

おい、お前達はこれで良いか?」

 

ハーミルド「異存はありません。その女も、俺達のターゲットですからね。」

 

暦「そうか…、だっから始めようぜ!」

 

ルイズ、暦、ハーミルド、ユリスト「デュエル!」




次回、タッグデュエルの始まりです!

アニメの5Dsでも、タッグデュエルは少なかったですね。
もしかしたら、名前のあるキャラでは、初めてかもしれません。

もっとも、全員小説オリジナルキャラですが…。


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207話

このタッグデュエルは、フィールドが個人個人別れています。

そして、ライフは1人4000Pです。
原作の遊戯王の、タッグデュエルと同じ感じです。


~~~ユリスト1ターン目~~~

ユリスト「兄貴、先攻は俺が貰ったぜ!ドロー!

俺はまず、カードを3枚伏せる。」

 

ユリスト「そして《霊獣の守護者・ゼルネーゼ》を、守備表示で召喚する。」

 

レベル4 魔法使い族

 

攻撃力 100 守備力 2000

 

暦「初っぱなから、守備力2000のモンスターかよ。

守りだけは、速いな。」

 

ユリスト「言いたいだけ言ってろ。《霊獣の守護者・ゼルネーゼ》の効果発動!

このモンスターが、召喚に成功した時、お互いのプレイヤーは、手札からレベル3以下の《霊獣》と名のついたモンスターを、特殊召喚出来る!」

 

ユリスト「俺は《霊獣の守護者・ラルク》を、守備表示で、特殊召喚!」

 

レベル2 雷族

 

攻撃力 350 守備力 1650

 

ハーミルド「そして俺の手札にも、《霊獣》モンスターがいるんだな。

俺は《霊獣の侵略者・サクオル》を、攻撃表示で特殊召喚。」

 

レベル3 獣族

 

攻撃力 1700 守備力 100

 

ルイズ「お互いが、同じテーマのデッキを使ってるなんて!」

 

暦「俺達の様な、即席で作ったタッグじゃ無く、戦い慣れているタッグだ、と言う事だな。」

 

ハーミルド「その通り!《霊獣の侵略者・サクオル》が、効果で特殊召喚された時、手札の《霊獣》と名のつく魔法カードを、発動出来る。」

 

ハーミルド「俺はフィールド魔法《霊獣の休息場》を発動。」

 

ユリスト「流石は兄貴だ。抜け目が無いぜ。俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

~~~暦1ターン目~~~

暦「俺のターンドロー!俺は《ナイト・バッド・ソルジャー》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 悪魔族

 

攻撃力 1500 守備力 1200

 

暦「《ナイト・バッド・ソルジャー》を、召喚した場合、デッキからカードを1枚ドローする。

そして、カードを2枚伏せる。」

 

ユリスト「どうしたどうした?もしかして、それだけでターンエンドするつもりか?」

 

ハーミルド「まぁ、無理もないさユリスト。あいつ達のデッキは、シングルデュエルでは最強レベルのデッキかも知れない…。

だがこれはタッグデュエルだ。俺達の様に、タッグデュエルに特化したデッキとは、戦術が違うんだ。」

 

暦「くそ~、馬鹿にしやがって!けっ、1人じゃ戦えない腰抜けじゃ無いかよ!」

 

ユリスト「誰が腰抜けだ!ふざけやがって!」

 

ハーミルド「落ち着けユリスト。あれは、ただの挑発だ。真面目に相手をする事は無い。」

 

暦「チッ、その冷静さ。ハーミルドお前、シングルデュエルでも、場数を踏んでるな。

おいルイズ!このデュエルでは、結束や協力が、勝利するには重要だ。

なら、お前は攻めるか?守るか?」

 

ルイズ「ボクのデッキは、どちらかと言えば攻めのデッキだ。

だから、ボクは攻めだ!」

 

暦「良く言った!なら、俺が全力でサポートしてやる。

思う存分やっちまえ!

俺はターンエンドだ。」

 

 




さぁ、始まりましたタッグデュエル!
ハーミルド、ユリストのデッキは、まさにタッグに特化してますね。

果たして、暦とルイズは勝てるのだろうか!


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208話

~~~ハーミルド1ターン目~~~

ハーミルド「俺のターンドロー。俺はフィールドのモンスター1体を生け贄に《霊獣の侵略者・ロメリード》を、攻撃表示で召喚!」

 

レベル6 戦士族

 

攻撃力 2800 守備力 500

 

暦「レベル6で、攻撃力2800とは、反則なレベルだぜ。

攻撃に専念しすぎだろよ…。」

 

ハーミルド「その通りさ!俺のデッキには、守りのカードは入っていない。そして、ユリストのデッキには攻撃のカードが無い。

だからこそ、タッグデュエルで俺達は、敵無しなんだ。」

 

ハーミルド「そして、フィールド魔法《霊獣の休息場》の効果により、《霊獣》と名のついたモンスターを召喚したプレイヤーは、デッキからカードを1枚ドロー出来る。」

 

ハーミルド「さて、俺はカードを1枚伏せて、ターンを終了するか…。

ユリストよ、これで俺達の勝利の方程式は揃った!」

 

ユリスト「やったぜ兄貴!今回のデュエルも、呆気なかったな。」

 

暦「まだ、始まったばかりなのに、調子に乗りやがって!

所詮は、2人揃わなきゃ攻撃も守備も出来ない半端者だって事を、教えてやれルイズ!」

 

~~~ルイズ1ターン目~~~

ルイズ「わかったよ暦。ボクのターンドロー!ボクは《リトル・メルト》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル1 機械族

 

攻撃力 600 守備力 500

 

ハーミルド「クッ、フハハハハハハ!そんなザコモンスターで俺達に、何を教えてくれるんだって?」

 

暦「なるほど、その手で行くのか…。

笑っていられるのも、今のうちだぞ?」

 

ルイズ「自分フィールドに《リトル・メルト》1体の時、相手に500Pのダメージを与える。」

 

ルイズLP 4000 暦LP 4000 ハーミルドLP 4000 ユリストLP 3500

 

ルイズ「そしてこのターン、手札のモンスターでシンクロ召喚が出来る!

ボクはレベル3の《ソプラノトイ》に、レベル4《闇夜の祈祷士》を、チューニング!」

 

ルイズ「全てを受け継ぎしボクに、力を貸して!

清純の愛を持って、悪を蹴散らせ!

シンクロ召喚!後継者の使命を果たして!《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》」

 

ユリスト「これが、あいつのエースモンスターか…。

見た事無いモンスターだな。」

 

ハーミルド「あぁ、これがゴドウィンを倒した、女か…。」

 

暦「後継者の使命か…。何とも泣かせる事言いやがるな。やはり、お前を選んで正解だな。」

 

ルイズ「行くよ!《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》でユリストの《霊獣の守護者・ラルク》に攻撃!

『クラフティ・ダーク・ブレイク』」

 

ルイズ「ボクは、カードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」




流石はルイズ!
1ターン目から《暗黒機龍パワー・ツール・ドラゴン》を、召喚しましたね。

これで、暦・ルイズチームが1歩リードしてます。


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209話

~~~ユリスト2ターン目~~~

ユリスト「俺のターンドロー。どうやら、凶悪なカードを引いてしまった様だな!

魔法カード《冥府との闇契約》を発動する。」

 

ユリスト「その効果で、手札からモンスターを1体、特殊召喚する。そして、そのレベル×500Pのダメージを、相手に与える!」

 

ルイズ「ダメージを、ボク達に与えるだって!そんなの、強すぎるよ!」

 

ユリスト「黙れ黙れ!これが、あの御方のお力だ!

俺はレベル4の《霊獣の守護者・イスカルム》を守備表示で特殊召喚!そして、2000Pのダメージは暦、お前が受けてもらう!」

 

ルイズLP 4000 暦LP 2000 ハーミルドLP 4000 ユリストLP 3500

 

暦「グッ!何だこの痛みは…、まさか!」

 

ユリスト「そのまさかだ。だが、安心しろ。ダメージによる傷みを味わうのは、お前達だけだからな。」

 

レベル4 鳥獣族

 

攻撃力 0 守備力 1800

 

ユリスト「そして《霊獣の守護者・ナトルメ》を、通常召喚する。」

 

レベル4 海竜族

 

攻撃力 200 守備力 1950

 

ユリスト「俺は、レベル4の《霊獣の守護者・ゼルネーゼ》と《霊獣の守護者・イスカルム》と《霊獣の守護者・ナトルメ》の3体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ユリスト「聖なる力を与えられし獣よ、鋼鉄の鎧を纏いて、全てを守れ!

現れろ!最強の盾よ《霊獣の守護神・グレンカルラ》

俺はこれで、ターンエンドだ。」

 

ランク4 獣族

 

攻撃力 0 守備力 3000

 

ルイズ「な…、何でお前達何かが、エクシーズ召喚を使えるんだよ!」

 

暦(あいつのエクシーズモンスターから感じる、あのオーラは…。

これが、ディヴァインが言っていた事か!)

 

ハーミルド「驚くのも無理は無いさ。俺達だって、このエクシーズ召喚をするのは、このデュエルが初めてだ。」

 

ユリスト「あぁ、だがこの力は素晴らしい!

これも総て、ドン・サウザンド様のお陰だ!」

 

暦「ドン・サウザンドだと?お前達のボスは、ロデニアじゃ無いのか…、なるほどな、そのドン・サウザンドが、今回の黒幕って事か。」

 

ルイズ「じゃあ、貴方達の狙いは何なの!どうして、龍亞を狙うの!」

 

ハーミルド「聞かれた事には、出来るだけ答えよう。

俺達兄弟は、ドン・サウザンド様を見た事も、声を聞いた事も無いんだ。

エクシーズモンスターだって、ロデニア様から渡されただけだ。」

 

暦「それじゃあ、お前達はロデニアやドン・サウザンドの目的を知らないって、事なのか。

それって、もしもの為の捨てゴマだな。」

 

ハーミルド「確かに、その通りだな…。

だが、それでも俺達はロデニア様に、心からお仕えしている!例え、ロデニア様に捨てられようが、その程度で消える、忠誠心では無い!」




まさかの、エクシーズモンスターの登場です!
ドン・サウザンドからって事は、バリアンの力を持っているのでしょうか?

そして、最初に謝って起きます。
本当にすみません!

文章だけでは、私の気持ちが伝わらないかも知れませんが、本当にすみませんでした!
 
謝罪の理由は、速ければ明日にお伝えします。


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210話

~~~暦2ターン目~~~

暦「俺のターンドロー。良し、俺は《巨大ウサギ》を、攻撃表示で召喚。」

 

レベル4 獣族

 

攻撃力 1800 守備力 1200

 

暦「《巨大ウサギ》の効果発動。このカードと、自分フィールドのモンスターのレベルを、1つ上げる。

レベル5となった《ナイト・バッド・ソルジャー》と《巨大ウサギ》の2体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

暦「大いなる2つの魂交わりて、灼熱の業火となる。

命を育む業火よ、華やかに燃え上がれ!

エクシーズ召喚!業火の精霊《PNo.92フレイム・ウォー・ガントルト》」

 

ランク5 ドラゴン族

 

攻撃力 2500 守備力 2600

 

ハーミルド「これが、お前達のエクシーズ《PNo》か!

俺達とは違い、明るい何かが感じられるな…。」

 

暦「これで終わりじゃねぇぜ!《PNo.92フレイム・ウォー・ガントルト》のオーバーレイユニットを、2つ取り除き、次のターンデッキから同レベルのモンスター2体を、特殊召喚する。俺はターンエンドだ。」

 

~~~ハーミルド2ターン目~~~

ハーミルド「俺のターンドロー!フッ、俺も強力なカードを、引かせて貰ったよ。

俺は《冥府からの生け贄》を発動!その効果で、自分フィールドに《冥府トークン》を1体、出現させる。その後、デッキからカードを1枚ドローする。」

 

ハーミルド「そして《冥府トークン》を生け贄に《霊獣の侵略者・タイタニア》を攻撃表示で召喚!」

 

レベル6 戦士族

 

攻撃力 2600 守備力 0

 

ルイズ「レベル6が2体…。じゃあ、お前もエクシーズをするのか。」

 

ハーミルド「その通り!見せてやろう、ユリストと対をなすモンスターを!

俺はレベル6の《霊獣の侵略者・ロメリード》と《霊獣の侵略者・タイタニア》の2体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ハーミルド「全てを貫く最強の矛よ、面前の敵を薙ぎ倒し、我らに勝利の祝杯を!

現れよ!最強の矛よ《霊獣の侵略神・ツタリノルド》」

 

ランク6 ドラゴン族

 

攻撃力 3000 守備力 0

 

ハーミルド「さぁ行くぞ!《霊獣の侵略神・ツタリノルド》で《PNo92フレイム・ウォー・ガントルト》に攻撃!

『ラスト・アゲレイション』」

 

ユリスト「この瞬間、永続罠《鉄壁の守備・攻撃の構え》を発動!その効果により、自分フィールドの《霊獣》と名のついたモンスターの守備力分、相手モンスターの攻撃力、守備力を下げる!」

 

暦「クッ!だったら、罠カード《異次元エスケープ》を発動。

自分フィールドのモンスター1体を除外し、相手のバトルフェイズを無効にする。

そして、相手のエンドフェイズに、そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。」

 

ハーミルド「流石のお前でも、この攻撃には耐えられないか…。

教えてやろう!攻撃とは最大の防御、防御とは最大の攻撃になる。

これこそが、俺達の戦闘スタイルだ!

俺はこれで、ターンエンドする。」




皆さん本当にすみませんでした。  

攻撃と防御、その2つを操るハーミルドとユリスト。
もしかしたら、最大のタッグかも知れませんね。


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211話

~~~ルイズ2ターン目~~~

ルイズ「ボクのターンドロー!暦、そろそろボク達も反撃に出るよ!」

 

暦「後の事は、心配すんなよ。やるなら、遠慮するんじゃねぇぞ!」

 

ルイズ「うん。ボクは《悲劇の剣士》を、攻撃表示で召喚。

そして手札から《マジシャンズ・サモナー》を発動!

お互いのデッキか手札から、魔法使い族1体を、特殊召喚出来る。」

 

ユリスト「俺は、特殊召喚出来るモンスターがいない。」

 

ハーミルド「俺も同じ。」

 

ルイズ「フッ、ボクは《マジシャンズ・ウォーリアー》を特殊召喚!《マジシャンズ・ウォーリアー》が、特殊召喚された時、デッキからカードを1枚ドローする。」

 

ルイズ「ボクはレベル4《悲劇の剣士》と《マジシャンズ・ウォーリアー》の2体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ルイズ「龍亞に捧げる勝利の為に、新たな力が今ここに解き放たれる!

《PNo.16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》」

 

ルイズ「《PNo.16異次元機龍パワー・ツール・ドラゴン》のオーバーレイユニットを1つ取り除き、デッキからカードを1枚選んで、手札に加える。

そして、相手ライフに800Pのダメージを与える。」

 

ルイズLP 4000 暦LP 2000 ハーミルドLP 3200 ユリストLP 3500

 

ユリスト「たかが、1体のエクシーズモンスターをしさした所で、俺達の鉄壁の防御と、最強の攻撃の敵では無い!」

 

暦「まだまだ、ルイズのターンはここからだぜ。」

 

ルイズ「ボクは、速攻魔法《パワーツール・フュージョン》を発動!フィールドの《パワー・ツール・ドラゴン》と名のついたモンスター2体以上を、デッキに戻し融合!」

 

ルイズ「現れろ!ボクの最強のモンスター!《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》

《パワーツール・フュージョン》の効果で、暦のライフを4600P回復させる!」

 

ルイズLP 4000 暦LP 6600 ハーミルドLP 3200 ユリストLP 3500

 

ルイズ「そして《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》自身の効果により、攻撃力を4600Pupさせる。

《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》で《霊獣の侵略神・ツタリノルド》に攻撃!

『アルティメット・クラフティ・ブレイク』」

 

ハーミルド「甘い!伏せカード《霊獣の禁術》を発動!

その効果で、自分フィールドの《霊獣》と名のつくモンスターの数だけ、フィールドのモンスターの攻撃力を、0にする。そして、そのモンスターの攻撃力分、自分フィールドのモンスターの、攻撃力を上げる!」

 

ハーミルド「残念だったな!中々の攻撃と戦略、今までのどのデュエリストよりも、手強かったぞ。

だが、俺達の勝ちだ!ハッハハハハハ!」

 

ハーミルドは、嬉しそうに高笑いをしていた。

だが、それでも暦とルイズは顔色を変えなかった。

 

暦「甘いのはお前の方だよ。行くぜルイズ、これが俺の出来るサポートだ!

カウンター罠《サクリファイス・ジャッジメント》を発動!相手が発動したカードによって、モンスターの攻撃力が4000以上変わる場合、その発動を無効にし、変化した数値分をダメージとしてユリスト、お前に与える!」

 

ユリスト「そ、そんな…い、嫌だ!」

 

ルイズ「これで、ボクの攻撃を防ぐ手立ては無くなった!

これで、終わりだ!行け《究極機龍神パワー・ツール・ドラゴン》!」

 

ルイズLP 4000 暦LP 6600 ハーミルドLP 0 ユリストLP 0

 

~~~デュエル修了~~~




無事、ルイズと暦の圧勝で、タッグデュエルの幕はおりました。

私の中では、相手の発動したカード、相手モンスターの攻撃力を利用して戦う。
そんなイメージが、ルイズと暦にあります。

別に、そんなシーンがあった訳では無いのに…。


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212話

暦「結構時間を喰っちまったな。もうすぐ、1時間だな。」

 

暦は、大広間に飾ってある巨大な柱時計を見ながら、呟いた。

 

暦「さてとお前ら、今からいくつか質問をする。正直に答えた方が、身の為だぞ?」

 

ハーミルド「クフフッ、フハハハ!俺達に、拷問でもしようと言うのか?

良かろう、だがな…、俺達は深い事情は何も知らん。」

 

ハーミルド「それに、知ってたとしても、言う訳無いだろ!

例え捨てゴマだろうとも、腐っても俺達はロデニア様の部下だ!」

 

そう言ってハーミルドは、暦とルイズを睨み付けた。

その圧倒的な威圧感に、ルイズは少し後退りしてしまった。

 

ユリスト「その通りだ!俺達の覚悟を、見くびるなよ!」

 

ハーミルド「だが、良いデュエルだったよ。

俺達は敗北した。その敗北者には、罰が待っているんだよ。」

 

暦とルイズを押し、ハーミルド達から離れさせた。

すると、ハーミルド達の足下が開き、2人はそのまま転落していった。

 

ハーミルド(去らばだお前達。せめて、生きてこの建物から出て行けよ。)

 

2人が落ちると、床は元に戻った。

 

暦「ハーミルド…。敵ながら、その忠誠心に敬意を評する。安らかに眠ってくれ。」

 

ルイズ「ただ下に落ちただけだよ。まだ、死んでないよ。」

 

ルイズの的確なツッコミが決まった時、ぞろぞろとデュエリスト達が、大広間に集まってきた。

 

すると、巨大スクリーンの電源が入り、そこにロデニアが映し出された。  

 

ロデニア「皆、時間通りだね。それでこそ、デュエリストだ。それでは、只今よりレジェンドデュエル・フェスティバルを開催する!」

 

ロデニア「と、言いたいんだけど、その前に1つ簡単なゲームをしよう。そこにいる少年、龍亞を俺の所に連れてきた人に、100万円をやろう。」

 

ロデニアの突然の発言に、デュエリスト達がざわつき始めた。

 

そして皆が一斉に、龍亞の方を見た。

 

暦「おいロデニア!なぜそこまで、龍亞を狙うんだ!教えろ!」

 

暦とルイズ、そして龍可達は龍亞を護る為に、龍亞の周りに集まった。

 

ロデニア「なら、教えてやろう。まぁ、これを見れば一目瞭然だろうがな。」

 

そう言ってロデニアは、1枚のカードを取り出してスクリーンに映した。

 

ルイズ「そのカードは、あの破壊神のカード!どうして、お前が…まさか!」

 

そのカードを見て、ルイズと暦とルチアーノ、そして龍亞が、ロデニアの目的を理解した。

 

龍可「ねぇ龍亞。あのカードは何なの?それに、ロデニアの目的は何なのよ。」

 

ルイズ「ロデニアは、あのカードの力を使って、この世界を滅ぼすつもりなんだ。その為にも、龍亞を倒して、世界を支配する力を、手に入れるのが、こいつの今回の目的なんだ!」

 

 

 

 




ロデニアの目的が判明しました!
やはり、破壊神のカードを持っていったのは、ロデニアでしたね。

いつまでも、龍亞には忌まわしい因縁がまとわりついていますね。


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213話

「世界を滅ぼすだと!ふざけんなよ!」「その通りだ!そんな事に、俺達を巻き込むな!」

 

ルイズの言葉を聞いた、他のデュエリスト達がロデニアに向かって、反論をし始めた。

 

ロデニア「そうですか…。俺としては、皆さんの協力を得てこそ、物事が速く進むと思ったんだが…、まぁ良い。」

 

そう言うとロデニアは、パチンと指を鳴らした。

すると、さっきまで騒いでいたデュエリスト達が一斉に、気を失い出した。

 

ロデニア「無理やり、俺達の作戦に参加させてやるよ。

お前達に、自我も意見もいらない。ただ、龍亞を捕まえて連れてこれば良いんだよ。」

 

龍亞「ロデニアお前!この人達に何をしたんだ!」

 

龍亞は、ロデニアを睨み付けて言った。

 

ロデニア「簡単に説明しようか?こいつらは既に、俺が洗脳してあるんだよ。少し時間がかかるが、もう少しで目が覚めるだろうな。」

 

ロデニアは、龍亞の優しさを嘲笑うかの様に、小バカにした言い方をした。

 

ロデニア「そこで1つ、提案を出そう。今すぐ俺達の為に、死んでくれないか?

そうしたら、そいつらを解放してやっても良いぜ?」

 

ロデニアの提案に、龍亞は本気で悩んでいた。

 

すると、暦が笑いだした。

 

暦「おいおい、龍亞が死んで困るのは、お前達の方だろ?龍亞を倒さなければ、龍亞の持つ力は手に入らない。そうだろ?」

 

ロデニア「クッ!だが龍亞、お前にそいつらを無視して、逃げる程の非道さは無い!

そいつらは人質だ。さぁ、速く俺の所に来い!」

 

すると、気を失っていたデュエリストが1人、また1人と目を覚ました。

 

だが、その人達の様子は少しおかしかった。

ロデニアの言う通り、洗脳されているのが良くわかる。

 

ロデニア「良い忘れてたよ。洗脳された人間は、約30分後には、死ぬ。

でも、そいつらをデュエルで倒せば、洗脳は解けるがどうする?制限時間は、長く見積もっても40分だろうな。」

 

ロデニアは、龍亞の哀しみと怒り、絶望に染まった顔を見て、嬉しそうにしていた。

 

リーシャ「そんなの、間に合う訳無いでしょ!洗脳された人は、100人以上もいるのよ!」

 

ロデニア「そう言う事だ。龍亞お前は、そいつらを置いて来るのか?

だが、そいつらはお前達を逃がしはしない。」

 

ロデニアの言う通り、デュエリスト達はゆっくりと龍亞達に近づき、逃げ場を無くそうとしていた。

 

ルイズ「お前、最低だぞ!」

 

そんな龍亞達にはお構い無しに、どんどんデュエリスト達は近づいてきた。

 

ロデニア「俺がいる場所は、この建物の4階だ。楽しみに待ってるよ。」

 

龍亞「ロデニア!お前だけは、絶対に許さない!

必ず、俺が倒してやる!」

 

龍亞がそう言うと、ロデニアは軽く笑いスクリーンの電源を、切った。

 

龍可「でも龍亞。この状況はどうするの。このままじゃ、囲まれて本当に逃げ場が無くなるわ!」

 

すると、龍亞の前に2人の人が立った。

 

遊星「龍亞、ここは俺達に任せて速く行け!」

 

クロウ「そうだぜ!俺達が食い止める。だから速く!」

 

龍亞「遊星、クロウ!だけど、2人を置いてくなんて、俺はやだよ!」

 

嫌がっている龍亞を、暦が抱き上げて扉へと走っていった。

その後を、ルイズ達も追いかけていった。

 

龍亞「暦兄ちゃん、離してよ!」

 

暦「龍亞!お前は、あいつらの覚悟を無駄にする気か!

お前は優しい。だが、その優しさがあいつらの心を、お前を護ると言った心を、無駄にしてるんだぞ!」

 

暦に言われ、龍亞はハッ!とした。

そして、暦に下ろされて遊星達の方を見た。

 

龍亞「遊星、クロウ。その…ご免なさい!

でも、1つだけ約束して。必ず、無事でいてね!」

 

龍亞はそれだけ言って、走り出した。

 

遊星「やっぱり、龍亞は良い子だ。」

 

クロウ「あぁ、だから俺達みたいな大人が、こう言う面倒事を受け入れなきゃならねぇ。

さぁ遊星!気を引き締めろよ!」

 

遊星「勿論だ!行くぞクロウ!」




カッコいい…。
遊星もクロウもカッコいいですね。

でも、なんだが遊戯王ぽく無いですかね…?

何かの、青春物みたいですね。


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214話

大広間を出た龍亞達だが、上の階に続く階段の場所がわからないでいた。

 

龍可「ねぇ、ここからどう進むのよ?地図も無くて、目の前に2つの道しか無い。」

 

暦「確かにな…。さて、どうする?」

 

だが、龍亞は何も迷わずに右側の道を進み始めた。

 

ルチアーノ「龍亞、待ってよ。どうして、此方だってわかるんだよ。」

 

龍亞「感じるだ!あの時は、目も見えなくて耳も聞こえなかったけど、破壊神の邪悪な心はわかるんだ!」

 

他の皆も、龍亞の言葉を疑う事無く、龍亞についていった。

 

すると、上に繋がっているであろう、階段が見えて来た。

 

暦「さすがは龍亞だ。さぁ、さっさとあの野郎をぶっ潰しに行こうぜ!」

 

~~~2階~~~

 

龍亞達が2階に上がると、何処かからロデニアの声が、聞こえてきた。

 

ロデニア「無事に2階に来れたね。労いの言葉を送ろう。

さて、3階に続いている階段の場所だが、特別に教えてやろう。

ここから、左に行くと大きな客間がある。そこの客間に、階段がある。」

 

リーシャ「そんな!だれが貴方の言う通りにしますか!」

 

ロデニア「まぁ、それ以外の道は既に、通行止めだけどな。」

 

ロデニアは、高笑いをしながら、スピーカーを止めた。

 

ルイズ「しょうがないね。ここは癪だけど、あいつの言う通りにしよう。」

 

龍亞達は、ロデニアの言った道の通りに進んでいった。

 

すると、目の前に客間が見えて来た。

 

龍亞「じゃあ皆、準備は良い?入るよ。」

 

龍亞はそう言って、客間の扉を開け、客間へと入っていった。

 

~~~客間~~~

イェーガー「イッヒヒヒヒ!イッヒヒヒヒ!お待ちしておりましたよ。」

 

そこには、元治安維持局副局長の、イェーガーが立っていた。

 

ルイズ「お前はあの時の、クソピエロ!どうしてお前が!」

 

イェーガー「何やら、見覚えのある顔がありますね…。

それに、久しい顔もいますね、ねぇ暦さん。」

 

イェーガーは不気味に笑っていた。

 

龍可「どう言う事なの暦。あの人と、知り合いなの?」

 

龍可がそう聞くと、暦は物凄く嫌そうな、苦虫を噛んだような顔をした。

 

暦「ガキの頃に少し、話しただけだ。あんな奴と、知り合いだと思うと、虫酸が走るわ。」

 

イェーガー「ムッ!相変わらず貴方は、口が悪いですね。

ですが、直ぐに私に対して、そんな口は聞けなくなりますよ!」

 

すると、イェーガーは何かのスイッチを取り出した。

 

イェーガー「このスイッチが、何かわかりますか?

教えてあげましょう。このスイッチを私が押せば、一瞬にしてあの階段を、破壊する事が出来ます!」

 

イェーガーの衝撃の言葉に、龍亞達は驚いていた。 

 

イェーガー「イッヒヒヒヒ、その驚いた顔が堪りませんね!

さぁ龍亞!今すぐ私に、土下座しなさい!そして、治安維持局を潰した事を、ここで償って貰いましょう!」




まさかの、イェーガー登場です!
びっくりですね。今のところ、敵キャラとして1番登場してますかね?

イェーガーが出た!と言う事は、他の懐かしいキャラも登場するかも!?


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215話

ロデニア「イェーガー、何を勝手な行動をしてるんだ?お前の仕事は、龍亞以外の人間を、1人でも多く足止めする事だろ。与えられた任務を、遂行してくれ。」

 

ロデニアの声が聞こえ、龍亞達は声の出所を探していた。

 

ロデニア「そこじゃない。上を見たまえ。」

 

ロデニアに言われ、皆が上を向くと客間の天井が、巨大なスクリーンとなって、ロデニアの姿を映していた。

 

イェーガー「うるさい!私が、どんな手段を使おうが、貴方には関係の無い事でしょう!」

 

ロデニア「そうは行かないんだよ。そもそも、お前ごとき3流の男が、相手に出来る男では無いんだよ龍亞は。」

 

ロデニアがそう吐き捨てると、イェーガーは怒りに震え顔が真っ赤になっていた。

 

イェーガー「どいつもこいつも…、私をバカにして!

私を誰だと思ってるのですか!私は、治安維持局副局長ですよ!」

 

ロデニア「わかってるよ。“元”副局長だろ?」

 

プライドを傷つけられ、大きな隙が出来たイェーガーに、暦は走って近づいた。

 

そして、躊躇いもなくイェーガーに右ストレートを決めた。

 

暦「全く、そうやって直ぐに挑発に乗る所が、3流何だよ…て、あれ?もしかして、1発でのしちゃった?」

 

暦の拳を受けて、イェーガーは1撃で伸びていた。

 

龍亞「暦兄ちゃんカッコいい!今度、俺に稽古つけてよ。」

 

暦「おっ!良いぞ龍亞。やっぱり男は、強くなきゃな!」

 

暦と龍亞のやり取りを見て、ロデニアは何かを悟り笑った。

 

ロデニア「なるほど…、そう言う事ならば、次の地獄を受ける人間は、決まったよ。」

 

ルイズ「もう龍亞。そんな野蛮な事は、しなくても良いんだよ?」

 

龍亞とルイズが、暦に近づいて行くのを確認した後、ロデニアは何かのボタンを押した。

 

すると地面から、鉄の檻が出てきて、龍可とルチアーノと、リーシャを閉じ込めた。

 

龍亞「龍可!ルチアーノ!リーシャ!

おいロデニア、速く3人を解放しろ!」

 

ロデニア「クフフッ、フハハハハ!解放しろだと?ヤダね、コイツらは人質なんだから。

今は檻だけだが、他に何をするかわからんぞ?」

 

龍亞「クッ!だったら、どうしたら解放してくれるんだ。」

 

ロデニア「簡単な事さ。さっさと、3階へと足を進めれば良い。まぁ、楽しみにしてるよ。」

 

ロデニアはそう言うと、スクリーンの映像を切った。

 

龍亞「そんな…、でも、3人を置いて行くなんて、絶対に嫌だ!」

 

龍可「甘ったれた事は、言わないで龍亞!」

 

ルチアーノ「そうだよ!ボク達は別に、どうって事無いよ。だから、速く行ってよ!」

 

リーシャ「龍亞、貴方はロデニアの野望を打ち砕くと言う、使命がある。

私達は、その使命の手伝いをしに来たの。だから、貴方は私達を置いて行かなければなりません!」

 

リーシャ「それが、貴方の為に来た私達に対しての、優しさです。

さぁ速く行きなさい龍亞!行って、ロデニアを倒して来て!」

 

3人の後押しに、龍亞は涙を流していた。

そして、その涙を拭うと3人に敬意を込めて、深く礼をした。

 

龍亞「わかった…、わかったよ皆。3人の想いは、絶対に無駄にしない!

必ず、無事に助けるから!待っててね!」

 

龍亞はそう言って、階段へと走っていった。

ルイズと暦も、龍亞の後を追って走り出した。

 

暦「いよいよ、もうすぐか…。速かったな…。」

 

暦は誰にも聞こえない様に、静かに呟いた。

その時の顔は、とても淋しそうに…だが、とても満足した顔だった。




イェーガー早々の退場です!
もう少し、出番をあげても良かったかな?

最後の暦が呟いた、言葉の意味とは!


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216話

~~~3階に続く階段~~~

 

暦「龍亞、お前に伝えて置かなければならない、重要な話がある。」

 

階段を、登り始めて直ぐに、暦は龍亞を止めた。

 

龍亞「話って何なの?もしかして、ロデニアについて何かわかったの?」

 

暦「いや、それじゃ無いんだ。だが、敵の黒幕はわかった。

そいつの名前は、ドン・サウザンドと言うらしい。」

 

龍亞「ドン・サウザンド…、聞いた事無い名前だな。

その、ドン・サウザンドって、どんな人なの?」

 

龍亞がそう聞くが、2人はばつが悪そうな顔をして、顔を横に振った。

 

暦「すまん龍亞。名前意外の情報は、全くわからないんだ。だが…。」

 

暦は、先程のハーミルドとユリストとのデュエルを、思い出していた。

2人が召喚した、エクシーズモンスター、そして初めにロデニアのスクリーンから感じた、あの違和感。

 

そして、ディヴァインから聞いた話で、とある結論に達していた。

いや、それ以外の答えが思い付かない程だ。

 

暦「龍亞、これは俺の勝手な憶測、そして不確定な答え何だが…、そのドン・サウザンドと言う存在は、別の世界の…、俺達とは根本的に違う生命体だと思うんだ。」

 

ルイズ「根本的に違う生命体だって?それって、どう言う事なんだよ?」

 

暦の大胆仮説を、ルイズと龍亞は理解が出来ていなかった。

 

暦「あぁ、その…何と表して良いのかわからないが、ドン・サウザンドの力は既に、神の領域に達してる筈だ。」

 

龍亞「神の領域だって!でも、暦兄ちゃんがそう言うんだったら、俺は信じるよ!」

 

龍亞は、何の疑いも無く暦の摩訶不思議な話を、信じてくれた。

 

暦「ありがとうな龍亞…。それにしても、何だか妙だな。」

 

ルイズ「何か妙なの?特別何か変わった事は、感じないけど。」

 

暦は、その場にしゃがみこんで、階段を触った。

 

暦「どうやら、気が付きにくい様に、ご丁寧に加工してあるが、確実にここの階段だけ、材質が違う。」

 

暦に言われ、龍亞とルイズも触って確かめてみた。

確かに、これまでの階段とは違う触感だった。

 

龍亞「全然違う。これって、鉄なのかな?」

 

暦「その様だな。しかも、随分と頑丈な鉄を使っている。 

それに、ここから少し見える3階だが、多分そこにもここと同じ、あるいはここよりもより頑丈な素材を使ってそうだな。」

 

ルイズ「でも、どうしてそんな事がわかるんだ?」

 

暦「まぁ、急ピッチで3階を改造したんだろう。壁を塗り忘れている。そして、たった今触ったこの階段、塗料が剥げて元の色に戻っている。」

 

暦「そして、階段の色と部屋の壁の色が、似たような色をしている。

それと、俺の勘だな。」

 

龍亞「流石は暦兄ちゃんだ、凄いよ!暦兄ちゃんがいれば、これから先も恐いもの何だね。」

 

龍亞はそう言ったが、当の暦は何故か悲しそうな顔をした。

 

龍亞「良し!いよいよ、3階だね。皆、頑張ろうね!」

 

 




何故か、暦が推理キャラっぽくなって来ました。
 
そして、暦のドン・サウザンドに対する推理、合ってる様な、間違っている様な…。

3階には、いったいどんな罠が待ち受けているのでしょう。


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217話

~~~3階~~~

 

龍亞達は、3階について驚いた。

なぜなら、3階は巨大な1つの部屋だけしか無かったからだ。

 

そして、その部屋には何も無いのである。

 

ルイズ「驚くほど、殺風景だね。これまでみたいに、沢山部屋があると思ったのに…。」

 

龍亞「そうだね。だけど、余計に何があるかわからないよ。皆、気を付けてね!」

 

そして、扉を抜けて中に入ると、いきなり扉が閉まり開かなくなった。

 

龍亞「しまった!閉じ込められちゃった!どうしよう。」

 

ロデニア「気にする事は無い。入り口は無くとも、出口は用意してある。」

 

と、また何処からロデニアの声だけが聞こえてきた。

 

暦「それで、速く出口の場所を教えろや。」

 

ロデニア「焦る必要は無いさ。この広い部屋の何処かに、出口を出現させるスイッチがある。だが、違うスイッチを押してしまった場合、キツイ罠が待っている。

さぁ、頑張って探すと良い。」

 

ロデニアはそれだけ言うと、それ以上何も話さなかった。

 

龍亞「良し!速くそのスイッチを見つけ出して、この部屋を出よう!」

 

龍亞達は、出口のスイッチを探す為にこの広い部屋を、歩き回った。

 

だが、出口のスイッチどころか、スイッチ1つが見つからなかった。

 

龍亞「あれ?全く、見つからないな。本当に、スイッチなんてあるのかよ?」

 

すると、目の前に赤いスイッチが出てきた。

 

龍亞「あっ!スイッチ見っけ!」

 

龍亞はそう言って、そのスイッチを押そうとした。

だが、その龍亞の手を暦は遮り、スイッチを押すのを止めた。

 

龍亞「暦兄ちゃん、どうして止めるんだよ?」

 

暦「落ち着け龍亞。どうも、このスイッチ…、いや、この部屋自体、怪しい。

まぁ、部屋を用意したのはロデニアだから、当たり前と言えば当たり前だがな。」

 

龍亞「この部屋が怪しいって、どう言う事なの?」

 

暦「あぁ、まずロデニアは出口のスイッチを押せば、出口が出ると言った。なのに、なかなかスイッチ自体見つからない。 

そして、ご丁寧に目の前にスイッチが現れた。」

 

暦「恐らく、このスイッチは罠でこれを押すと…。」

 

龍亞とルイズを、スイッチから離れさせ、暦は赤いスイッチを押した。

すると、何処から沢山の銃声が聞こえ、暦がその場に膝をついた。

 

龍亞「暦兄ちゃん、大丈夫なの!?」

 

龍亞が暦に駆け寄ると、暦は肩や膝から、大量の流血をしていた。

 

暦「だ…大丈夫だ、こんなもの、かすり傷だ。それより、お前らは、ケガしなかったか?」

 

ルイズ「ボク達に、ケガは無いけど…、一体これは何なの!」

 

暦「これが、ロデニアの言っていたキツイ罠だ。そして、膝は兎も角俺の肩を射抜く高さと角度、自惚れたくは無いが、奴の狙いは俺のリタイアだ。」




いきなり、ショッキングな罠が作動しました!
暦が射たれた!

これまでの罠に比べて、質が悪い意味で上がりましたね。


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218話

龍亞「そんな事よりも、速く止血とかの処置をしなきゃ!」

 

暦「だから、心配するなって!むしろ、お前達の方が心配だ。これから、スイッチは俺が押す。」

 

暦は立ち上がり、足を進めた。

 

その場から少し歩くと、今度は緑色のスイッチが現れた。

 

暦「また、このスイッチ1つだけか…。お前達、なるべく俺から離れておけよ!」

 

龍亞とルイズが離れたのを確認して、暦はそのスイッチを押した。

すると、地面から虎ばさみが飛び出し、暦の右の足首を捉えた。

 

まるで、木が折れるような、鈍い音が響いた。

 

暦「ウグッ!グァァァァァァ!

だ…大丈夫だ!こ…、こんなも…んは、何とも無い…ぜ。」

 

暦は、声にならない程の苦しそうな声をあげた後直ぐに、龍亞とルイズを心配させないように、強がった。

 

ルイズ「大丈夫な訳無いでしょ!さっきの音、貴方の右足、折れてるはずよ!」

 

暦「だから!これは、捻挫だわ!」

 

そう言いながら、暦は力ずくで虎ばさみを引きばかした。

暦の右足は、おびただしい出血、そして足首は有らぬ方向に曲がっていた。

 

龍亞「もう、これ以上は無理だよ!これ以上、暦兄ちゃんが傷つく所を、見たくないよ!」

 

ロデニア「いや~、まさかそこまで、自分の体を犠牲にするとは、予想外だよ暦。」

 

暦「やはり、ずっと見てたのかロデニア。随分と、趣味が悪いな。」

 

龍亞「ロデニア!速く、出口のスイッチを出せ!」

 

すると、ロデニアは嬉しそうに笑い始めた。

 

ロデニア「そんなに出して欲しいなら、そうだな……、決めた!

暦、今すぐここで、自分の左目を取れ。そしたら、スイッチを出してやる。」

 

ロデニアからの、狂気に染まった要求に、龍亞の顔は真っ青になっていた。

 

ロデニア「フハハハハハ!流石に、そこまでは出来まい!一生この部屋で、苦しむが良い。フハハハ…!」

 

ロデニアが、高らかに笑ったが、その笑いが止まるほど、衝撃的な事が起きた。

 

暦「おい、お前の望み通りにしたぞ。さっさと、スイッチ出せや。」

 

暦の右手には、何かが握られて、血がついていた。

なんと、自分の左目をこの場で取ったのである。

 

暦の行動に、龍亞とルイズ…そしてロデニアは声を出せないほど、驚いていた。

 

暦「なんだ?左目だけじゃ、満足しないのか?だったら、次は何だ?右目か?足か?それとも、内臓か?」

 

ロデニア「な…お前、自分が何をしたのか、わかってるのか!」

 

暦「うるさいな。お前がやれって、言ったんだろうが…。」

 

龍亞「ロデニアの言う通りだよ!どうして本当に、実行するんだよ!」

 

龍亞は泣きながら暦に聞いたが、当の本人は無邪気に笑っていた。

 

暦「気にすんなよ龍亞。俺の体1つで、この部屋から出れるなら、安い物だぜ?」

 

ロデニア「じ…上等だよ!面白い。お前のその行動に免じて、スイッチを出してやる。

最後まで、お前達を見てたいが、そうも行かないらしい。残念だ。」

 

ロデニアの声が終わると、3人の目の前に青色のスイッチが乗った、台が現れた。

 

暦「どうやら、これが出口のスイッチらしいな。」

 

ルイズ「暦!こんなの、間違ってるよ!

お前は…、お前は、これで良いの!本当にこれが、お前の望んだ幸せなのか!」

 

ルイズは泣きながら暦に抱きついた。

抱きついた…、と言うよりこれ以上歩かせない様に、止める様だった。

 

暦「ルイズ、前も言っただろ?俺は、運命を受け入れたって。例えそれが、死ぬ運命だとしても、大切な人を護れるなら、それ以上の幸せは無いさ。」

 




な!なんて事なんだ!

まさか、暦に待っていた運命が、死だったなんて…。
そんなの、残酷すぎる!


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219話

龍亞「死ぬ運命だなんて!そんな事、あり得ないよ!」

 

暦「黙ってて、悪かったな。お前だけには、知られたく無かったんだ…。」

 

暦は、弱々しく笑った。

 

暦「だがな、後継者も出来た。龍亞を護れた。

俺が死ぬ事に、後悔も無念も無い。」

 

その直後、暦はその場に座り込んだ。

その時の暦の顔に、既に生気は無かった。

 

暦「でも、1つだけ未練があるならば、お前達に何にも形見をやれない事かな?

まぁ、あるとすれば俺の左目かな。」

 

座っている暦の前に、涙を流しながらルイズが前に立った。

 

ルイズ「ボクは、昔からお前のその暖かさ、生きざまに憧れていたんだ。

だから、お前がボクを後継者に選んでくれて、本当に嬉しかった。少しでも、お前に近づけると想って、嬉しかった。」

 

ルイズ「だから…だから、ボクがお前の、鬼灯暦の後継者として生きてく!

だから、お前のその左目は、ボクが受け取る。鬼灯暦から、託された者として、ボクが受け継ぐ!」

 

暦「何だよ…。最後になって、俺を泣かせに来たのかよ。全く、お涙頂戴には強い筈だけどな。」

 

ルイズの言葉に、暦は涙を流しながら、右手に握られていた左目を、渡そうとした。

 

だが暦の右手を、龍亞が止めた。

 

暦「どうした龍亞?黙ってた俺が、許せないか?」

 

龍亞「そんな訳無い…、そんな訳無いよ!暦兄ちゃんが、俺に心配かけないようにしてた事くらい、わかったよ!

暦兄ちゃんはいつも、肝心な事は内緒にして、俺を安心させてたね。」

 

龍亞「でも、俺だってもう一端の男だ!目の前で起きてる事を、ちゃんと理解出来てる!

だから、俺は泣かないよ!絶対に泣かないよ!」

 

暦「既に、滝のように涙流してるじゃねぇか…。

龍亞、今まで色々と迷惑かけたな。すまなかった。」

 

暦はその場で、龍亞に向かって頭を下げた。

暦の行動に、2人は何も言葉を発しなかった。  

 

龍亞「俺は強くなる!暦兄ちゃんが、心から安心出来る様に、強くなる!

だから俺が、その左目を受け継ぐ!」

 

ルイズ「いくら龍亞の頼みでも、それだけは譲れない!」

 

龍亞とルイズの言い合いを見て、暦は微笑んだ。

そして、何の躊躇いも無く左手で、残っていた右手を取った。

 

暦「お前ら、こんなぼろ雑巾ごときのせいで、喧嘩は止めろや。

俺の目は、ちゃんと2つある。左目はルイズ、右目は龍亞にやる。だから、仲良くしろ。」

 

暦はそう言って、自分の両手を差し出した。

 

そして、龍亞は右目を、ルイズは左目をそれぞれ、受け取った。

 

暦「さて、そろそろスイッチを押そうかね。お前達、その目玉、いらなくなったら、捨てても良いぞ?」

 

ルイズ「何があっても、この左目と龍亞だけは捨てないよ!」

 

龍亞「そうだよ!暦兄ちゃんの右目は、俺の命よりも重いよ!」

 

2人の言葉に、暦は少し引きながら笑った。

 

そして、スイッチの台を頼りに、暦は立ち上がりスイッチに手を置いた。

 

暦「お前達、いつまで泣いてんだよ?まぁ、そんな最後も悪くないか…。

そろそろ、押すとするか。じゃあなお前ら、幸せにな!」

 

スイッチを押そうと力を入れた時、暦の瞼の裏に昔の走馬灯が映った。

それは、旧モーメント研究メンバーと過ごした日々だった。

 

楽しそうに笑う皆。暦は満足した笑顔を見せ、スイッチを押した。

 

すると、出口の出現と共に、1本の槍が暦の頭を貫いた。

 

暦は、糸の切れた操り人形の様に、その場に崩れ落ちる様に、眠りについた…。




……暦、お前はかっこ良かったよ。
ありがとう。



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220話

眠っている暦を見て、龍亞とルイズは涙が止まらなかった。

 

泣くなと言われていたが、我慢する事は出来なかった。

 

龍亞「ルイズ、進もう!暦兄ちゃんの全てを無駄にしないために、ロデニアを…、ドン・サウザンドを倒そう!」

 

ルイズ「そうだね。ボク達が目的を達する事が、暦の生きた証だ!」

 

2人は拭いきれない涙を拭い、暦の目をポケットにしまった。

そして最後に、暦に深く頭を下げた。

 

龍亞「暦兄ちゃん、もう行くね。でも絶対、暦兄ちゃんから教わった事、忘れないよ!」

 

ルイズ「本当にありがとう。これからも、龍亞の幸せを願っていて下さい。

それじゃあ、さようなら。ボクが唯一尊敬し憧れた男、鬼灯暦。」

 

そう言って2人は、暦が出現させた出口から出ていった。

 

ロデニア「まさか、自分の命を捨ててまで、お前達をの部屋から出すとはな。」

 

部屋から出ると、目の前にロデニアが立っていた。

 

龍亞「クッ!お前だけは絶対に、許さない!」

 

今までの龍亞からは、考えられない程の怒りと憎しみが、感じられた。

 

ルイズ「龍亞、こいつを殺したい気持ちは痛いほどわかるよ。

でもこいつはボクに任せて、速くドン・サウザンドを、破壊神を倒して来て!」

 

ルイズは、龍亞とロデニアの間に割り込んだ。

そして、龍亞の背中を押した。

 

龍亞「ルイズ…、わかったよ!必ず俺は、ドン・サウザンドを倒す!

だから、ルイズも負けないでね!」

 

龍亞はそう言うと、振り向かずに4階への階段に走っていった。

 

ロデニア「ま、待て!速まるな!

まだ速い!まだ、準備が出来てないんだ!まだ、ドン・サウザンド様は…。」

 

何故か異様に、ロデニアは焦りながら龍亞を止めようとした。

だが、ロデニアの言葉は虚しくも、龍亞には届かなかった。

 

ルイズ「なにやら、訳あり見たいだね。でも、そんな事は今のボク達には関係無いんでね。

龍亞の邪魔はさせないよ!」

 

ロデニア「ふざけるな…ふざけるなよ!たかが、クソガキ2匹ごときに、ドン・サウザンドの邪魔をするな!」

 

いきなりロデニアは怒り狂って、ルイズを殴り付けた。

殴られた衝撃で、倒れこんでしまったルイズに、容赦なく暴力を浴びさせた。

 

ロデニア「死ね!死ね!死んでしまえ!」

 

ルイズは暴力を受けながらも、暦の左目だけは必死で護り続けた。

 

ロデニア「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。これだけやれば、当分は動けないだろう。

だが、あいつが少しでも龍亞を止めてくれるだろう。

あいつも、復讐に燃えてるしな。」

 

ロデニアは、動けなくなったルイズを置いて、階段へと進もうとした。

 

だがその時、窓ガラスが割れて1人の人間がロデニアの前に、飛び込んできた。

 

「それ以上、進ませる訳には行かない!」

 

ロデニア「誰だお前?俺の邪魔はしないでくれ。」

 

ルイズはその人間を見て、驚きと怒りを隠せないでいた。

 

ルイズ「どうして、お前がここにいるんだよ!龍亞がシティを出る時に、いなかったくせに!

どう言うつもり何だよ、“十六夜アキ”!」




久し振りに、行方不明だったアキの登場です!
今まで、どこにいたのでしょうね?

そして、今回は龍亞の味方なのでしょうか!


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221話

ロデニア「十六夜アキ…、十六夜アキって、どこかで聞いた事があるような気がするな。」

 

ロデニアは、腕を組みながらこの場で思い出す為に、考え始めた。 

 

そして思い出したのか、手を叩いた。 

 

ロデニア「そうだ!確か、シグナーの1人だったな。

なるほど、龍亞はシグナー全員までも、手駒にしていたのか。」

 

ルイズ「ふざけた事を言うな。シグナーは龍亞にとって、ジャックと龍可以外は仲間だと認めてない!

それに、辛うじて遊星とクロウは許すけど、この女は論外だ!」

 

最後にアキを睨みながら、ルイズは声を張り上げた。

 

ルイズ「何しにここへ来たんだよ!それに、どうしてここがわかったんだ。」

 

ルイズはまた、アキを睨み付けて効いた。

当の本人は、表情を崩さずこちらを見て、笑いかけてきた。

 

それがルイズには、理解出来なかった。許せなかった。 

 

ボロボロの体で無理やり立つと、ルイズはアキの胸ぐらを掴んだ。

 

ルイズ「何で、笑っていられるんだよ!どうして、何も感じないんだよ!

ボクは、お前を殺したい程大嫌いなんだ。」

 

ルイズ「でも、それでも龍亞はお前が見送りに来てくれるのを、心から信じてたんだよ!

今でもお前の事を、ボク達と同じ大切な人と想ってるんだよ!だから嫌いだ!龍亞の気持ちをもて遊んだ、お前が大嫌いだ!」

 

ルイズの心の叫び、そして心からの悲しみの涙を見て、アキは優しくルイズの手を、自分の胸ぐらから離した。

 

十六夜「ルイズ、貴方の言っている事はわかるわ。

そして、龍亞の気持ちも…。でも、龍亞を悲しませて置いて、龍亞の前に現れる訳には行かないでしょ!」

 

十六夜「私は、龍亞と遊星のデュエルの後から、これまでの自分を見つめ直す為に、シティを離れたの。今のままでは、もう1度龍亞に会う資格は無かったわ。」

 

十六夜「そして私は、紆余曲折あって決めたの。

私のこれからの生き方を。

それは、戦う事。龍亞の為だけに、戦い続ける事よ!

だから私は、ここに来たの!」

 

アキの言葉には、嘘偽りは無かった。

それでも、ルイズの怒りは収まる事は無かった。

 

ロデニア「おいおい、お前ら。2人で、ドラマチックな話し合いは良いけど、俺の事を忘れて無いよな?

速くそこを退いてくれないか?」

 

十六夜「って言ってるけど、貴方はどうするつもりなのルイズ?貴方は立っているのがやっと。私はピンピンしてる。

ここは、私に任せてくれないかしら?」

 

ルイズ「嘗めた事を忘れて言うな!龍亞を護るのは、ボクの役目だ!

暦から、ボクが託されたんだ!お前に、ボクを…暦のこれまでの全てを否定されて、たまるか!」

 

ルイズはそう言って、アキを無理やり押し退けて、デュエルディスクを構えた。

 

だが、ロデニアからのダメージが既に限界に達し、この場で気を失ってしまった。

 

ロデニア「チッ!こんなボロボロのくせに、なんて殺気と気迫なんだよ!」

 

アキは、倒れたルイズを端に移動させた。

 

そして、デュエルディスクを構えた。

 

十六夜「ルイズはもう、戦えないわ。でもまだ、わたしがいる!

ここを通りたければ、私を倒してからにして!」

 

ロデニア「面白い…。そんなに負けたいのなら、望み通りにしてやろう!」

 

十六夜、ロデニア「デュエル!」




ルイズとアキの仲、険悪ですね。
仕方ないと言えば、仕方ないですが…。

ルイズの誇りは、暦の誇り。それをバカにされたと、思ってるんですね。
少し、わかる気がします。

そして、最後のアキの台詞、悪役の台詞ですね。


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222話

~~~アキ1ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私はフィールド魔法《生命の大樹》を発動。

その効果により、私の植物族モンスターの攻撃力は、400Pアップする。」

 

ロデニア「初っぱなから、飛ばしてくるな。それほど、俺を警戒してるのか?」

 

十六夜「それもあるけど、1番の理由は速く貴方を倒す為よ!

私は《黒百合の乙女》を守備表示で召喚するわ。」

 

レベル4 植物族

 

攻撃力 0 守備力 1600

 

ロデニア「何だ、せっかく攻撃力を上げる、フィールド魔法を発動してるのに、守備表示で召喚とは。

まぁ、攻撃表示でもたかが知れてるがな。」

 

十六夜「デュエルは、攻撃力だけで決まるモノじゃ無いわ!

《黒百合の乙女》の効果発動。このカードが召喚に成功した時、デッキからこのモンスターと同じ守備力を持つ、植物族モンスターを守備表示で、特殊召喚する。

現れよ!《向日葵の妖精》」

 

レベル2 植物族

 

攻撃力 100 守備力 1600

 

十六夜「私は、カードを3枚伏せて、ターンエンドよ。」

 

ロデニア「特殊召喚したと思ったら、ただの通常モンスターか。

全く、シグナーは強い!…と聞いていたが、どうやら期待外れみたいだな。」

 

十六夜「まだデュエルは、始まったばかりよ。

私の実力を決めつけるには、速すぎるんじゃ無いかしら?」

 

ロデニア「それはそうだな…。だが、どう足掻いても結果は同じ事だ。」

 

~~~ロデニア1ターン目~~~

ロデニア「俺のターンドロー!

さて、どいつでいたぶってやろうかな?」

 

ロデニア「良し、こいつに決めた。

俺は《人造地雷・マインスイープス》を、攻撃表示で召喚する!」

 

レベル4 雷族

 

攻撃力 1500 守備力 1500

 

十六夜「今まで、見た事の無いモンスターね…。

やっぱり、貴方は侮れないわ。」

 

ロデニア「驚く事は、これだけじゃ無いぜ!

さらに俺は、手札から《エレメント・クライ》を発動!

手札を1枚墓地に送り、ライフを500P払う事で、手札の同じレベルのモンスター2体を、特殊召喚する!」

 

アキLP 4000 ロデニアLP 3500

 

ロデニア「来い!《裁きの海魚兵・ギルマン》《カオスマンボウ》」

 

レベル4 戦士族

 

攻撃力 1900 守備力 600

 

レベル4 魚族

 

攻撃力 1200 守備力 1150

 

ロデニア「そして俺は、レベル4の《人造地雷・マインスイープス》と《裁きの海魚兵・ギルマン》と《カオスマンボウ》3体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ロデニア「天空を疾駆する神馬よ、選ばれし者のみを乗せ、神の玉座へと我を導け!

神速の狩人《アースガルズ・スレイプニル》」

 

ランク4 獣族

 

攻撃力 2900 守備力2800




ロデニアのエクシーズモンスター登場!
 
今思い出したのですが、アキってシグナーで唯一エクシーズモンスターを、今まで見た事無いですよね?

特に、贔屓とか仲間外れにしているつもりはありません。


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223話

十六夜「それが、新しい召喚方法、エクシーズ召喚なのね…。」

 

ロデニア「その通りさ!凄いだろう。

龍亞達の、紛い物のエクシーズモンスターではなく、正真正銘の本物のエクシーズモンスターだ!」

 

ロデニア「さぁ行くぞ!《アースガルズ・スレイプニル》で《向日葵の妖精》に攻撃!

『スヴァディル・ファリ』」

 

ロデニア「俺は、カードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~アキ2ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー。私は《棘の守護者》を、攻撃表示で召喚する。」

 

レベル3 植物族 チューナー  

 

攻撃力 300 守備力 400

 

ロデニア「チューナーモンスターか。今さら、シンクロ召喚ごときで、俺のエクシーズモンスターが倒されるとは、道程考えられないが…、念には念を入れとくか。」

 

ロデニア「この瞬間、永続罠《強き者からの迫害》を発動!その効果により、モンスター名を1つ宣言する。

このカードが有る限り、宣言したモンスターを召喚、反転召喚、特殊召喚出来ない!」

 

ロデニア「俺が宣言するモンスターは、お前のデッキのエースモンスター《ブラック・ローズ・ドラゴン》だ!」

 

十六夜「そ、そんな!クッ!なら、私はこれでターンエンドよ…。」

 

ロデニア「まぁ、自身のエースモンスターを封じられてしまえば、シグナーも所詮はこの程度か…。」

 

~~~ロデニア2ターン目~~~

ロデニア「それでも、手を緩める気は無い。俺に歯向かった事を、死ぬほど後悔させてやる!

俺のターンドロー!」

 

ロデニア「手札から魔法カード《掟破りの補給術》の、効果を発動する。

手札にこのカードしか無い場合、このカードを墓地に送る事で、デッキからカードを5枚ドローする。」

 

ロデニア「そして、手札から《選ばれし1つ星》を発動。お互いに、手札にあるレベル1のモンスターを特殊召喚する!」

 

ロデニア「俺は《カライズル・エイプ》を特殊召喚する。」

 

レベル1 獣族

 

攻撃力 200 守備力 100

 

十六夜「私は、レベル1のモンスターは無しよ。」

 

ロデニア「さらに《カライズル・エイプ》の効果により、ライフを500P払う度に、デッキから《カライズル・エイプ》を特殊召喚出来る。

俺は、1000P払う。よって、デッキから2体の《カライズル・エイプ》を特殊召喚する。」

 

アキLP 4000 ロデニアLP 2500

 

十六夜「レベル1のモンスターが3体、もしかしてまた、エクシーズ召喚をするつもりね!」

 

ロデニア「察しの通り!俺は、レベル1の《カライズル・エイプ》3体で、オーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

 

ロデニア「幻惑に生きる魔術師よ、全てを欺きて勝利への糧とせよ!

エクシーズ召喚!奇抜なペテン師《トリニング・ジュピティール・マジシャン》」

 

ランク1 魔法使い族

 

攻撃力 300 守備力 2200

 




2体目のエクシーズモンスターです!
さらに、《ブラック・ローズ・ドラゴン》を封じられて、アキの大ピンチですね!

そう言えば、今年の4月1日から《サウザンド・アイズ・サクリファイス》が、禁止が解除され制限になりますね!

凄く嬉しいです!私が初めてゲットした強いカードが《サウザンド・アイズ・サクリファイス》だったので、もう涙出ますね。


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224話

十六夜「2体目のエクシーズモンスターね…。」

 

ロデニア「そうだ!これからが、お前をいたぶる本当の始まりだ!

自分フィールドに《アースガルズ・スレイプニル》以外の、エクシーズモンスターが存在する時、このモンスターのオーバーレイユニットを1つ、取り除く事で、このモンスターはダイレクトアタックが出来る。」

 

十六夜「ダイレクトアタックですって!そんな、その為の2体目なのね!」

 

ロデニア「まぁ、それもあるがな。さぁ行くぞ!

《アースガルズ・スレイプニル》の、オーバーレイユニットを1つ取り除き、お前にダイレクトアタックだ!

『スヴァディル・ファリ』」

 

十六夜「だったら、伏せカード《精霊の加護》を発動!

このターンの、ダイレクトアタックを無効にする。」

 

ロデニア「やるね。だが、そんな程度の防御は無駄だ!

《トリニング・ジュピティール・マジシャン》のオーバーレイユニットを1つ、取り除く事で相手が発動した、魔法、罠カードを無効にし、このターン相手は他の魔法、罠カードを発動出来ない!」

 

十六夜「そんな、デタラメな効果だなんて!

クッ!キャァァァ!」

 

アキLP 1100 ロデニアLP 2500

 

ロデニア「カードを1枚伏せて、俺はターンエンドだ。おっ!やっと、傷だらけのクソ女が、目を覚ましたか。」

 

ルイズ「うぅ~ん…、ボクは確か…ハッ!

十六夜アキ!お前に邪魔は…クッ!」

 

ルイズは、急いで立ち上がろうとしたが、とても立ち上がれる体力さえも残っていなかった。

 

十六夜「ルイズ、貴方はもう無理出来る体じゃ無いわ。

大人しく、私達のデュエルを見ていて。」

 

十六夜「それに、今さら遅いわ。言いたくは無いけど、今の貴方は無力なのよ。龍亞を護る邪魔になる、黙って待っているのが、先決よ。」

 

アキの言葉に、怒りの我慢が限界になったルイズだが、体中の痛みのせいで、上手く立てなかった。

 

ロデニア「俺が言うのは、検討違いかも知れんが、言い過ぎだろ。」

 

ルイズは、今の自分ほど情けなく殺したいと想った事は、無かった。

 

アキにはきつい言葉を言われ、ロデニアには情けの言葉をかけられた。

あまりの情けなさに、ルイズは泣く事しか出来なかった。

 

ロデニア「あ~あ、とうとう泣いちゃったよ。全く、最近の若い衆は心が弱いな。」

 

ルイズ「殺してやる…殺してやる…殺してやる…殺してやる!

お前達2人とも、必ず殺してやる!

死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」

 

ほとんど、放心状態でうわ言に違い様に、ルイズは泣きながら怒りをぶつけるしか、無かった。

 

 




あまりの仕打ち…、ルイズに何と言葉をかけるべきなのか…。

つい昨日、中学の親友達と食事をしました。
その中で、私のポジションがツッコミだと言うことを、改めて教えられました。


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225話

~~~アキ3ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー!」

 

ロデニア「おいおい、そいつをほっといてデュエル続行かよ!酷いねぇ。」

 

十六夜「しょうがないわ。それに、初めてルイズとデュエルした時から想っていたけど、ルイズは心が脆いのよ。

一途ゆえの、弱点でもあるわ。だから、それを乗り越えて欲しいのよ。」

 

ルイズ「うるさい!いつから、そんなに上から話をするんだよ!

ボクは、暦の後継者だぞ!」

 

十六夜「あら?以外と速く、復活したわね。これなら、余計な心配しないで、デュエルに集中出来るわ。」

 

ロデニア「デュエルに集中か…。だが、今のお前には勝ち目どころか、無駄な足掻きすら出来まい!」

 

ロデニアは、勝ち誇ったかの様に笑っている。

 

ルイズ「十六夜アキ、ボクはお前が本当に大嫌いだ。

でも、それ以上に龍亞を護れない方が、もっと嫌だ!

だから、今はお前に任せる…。」

 

ルイズは、ばつが悪そうにそっぽを向きながら、言った。

 

十六夜「全く、素直じゃ無いんだから。わかったわ、貴方の言う通りこのデュエル、私があいつを倒すわ。」

 

十六夜「貴方!確かに、私のデッキのエースモンスターは《ブラック・ローズ・ドラゴン》だわ。

でも、私がシティを出て、何も進歩してないと想ったのかしら!」

 

十六夜「見せて上げるわ!これが、私の新たな力よ!

私は《クラン・アマリリス》を、攻撃表示で召喚!」

 

レベル3 植物族

 

攻撃力 500 守備力 600

 

十六夜「そして、レベル3《クラン・アマリリス》と、レベル4《黒百合の乙女》に、レベル3《棘の守護者》をチューニング!」

 

十六夜「世界を体現する巨木よ、私に新たな力を!

神々をも凌駕する永遠の叡智を私に与えたまえ!

シンクロ召喚!この世の全てを包み込む希望の光《世界樹の聖騎士王ヘルヘイム・パラディウス・ユグドラシル》」

 

レベル10 戦士族 

 

攻撃力 3600 守備力 3000

 

ロデニア「レベル10の、シンクロモンスターだと!

そんなバカな!俺の調査では、お前の最高レベルのシンクロモンスターは、レベル7の《ブラック・ローズ・ドラゴン》の筈だろ!」

 

十六夜「言ったでしょ!これが、私が得た新しい力、新しい希望よ!

さらに《世界樹の聖騎士王ヘルヘイム・パラディウス・ユグドラシル》は、植物族とも扱う事が出来るわ!」

 

ロデニア「だとすると、フィールド魔法の効果により、攻撃力4000だと!ふざけてる、ふざけるな!」

 

十六夜「行くわよ!《世界樹の聖騎士王ヘルヘイム・パラディウス・ユグドラシル》で《アースガルズ・スレイプニル》に攻撃!

『ドリュアデス・メリアデス』」

 

アキLP 1100 ロデニアLP 1400

 

十六夜「私はこれで、ターンエンドよ。」

 

 

 




アキの新たな切り札の、登場です!

なんだか最近、モンスターの名前が、北欧神話関係ばかりな気がします。
でも、カッコいい名前多いですよね。


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226話

~~~ロデニア3ターン目~~~

ロデニア「俺のターンドロー。」

 

ドローしたカードを見て、ロデニアは苦虫を噛んだような顔をした。

 

十六夜「どうやらこのデュエル、勝負あった様ね。

諦めて、サレンダーをすれば、貴方を見逃してあげるわ。」

 

ロデニア「サレンダーだと…、ふざけた事を言うな!

これは、ただのデュエルじゃないんだ!」

 

ルイズ「そいつの言う通りだよ。お前の役目は、そいつを倒す事。下らない情けは無駄だよ。」

 

ロデニア「その通りさ。俺は、このままターンエンドだ!フ、フフッ、フハハハハハ!十六夜アキ、お前は自分が、綺麗な人間だと思ってるのか?違うね!お前は、俺達と同じ目的の為なら、他人を傷つける事を何とも思わない、屑なんだよ!」

 

ルイズ「おい!ボクを、お前なんかと一緒にするなよ!」

 

十六夜「違う!私は、そんな事は絶対にしない!ただ、ふつうのデュエルで、貴方を倒すだけだわ!」

 

ロデニア「だったら、躊躇せずに攻撃してこいよ?」

 

~~~アキ4ターン目~~~

十六夜「私のターンドロー!私は《世界樹の聖騎士王ヘルヘイム・パラディウス・ユグドラシル》の効果を発動。

自分のライフを、500P払う事でこのカード以外のカードを、全て破壊する!」

 

アキLP 600 ロデニアLP 1400

 

十六夜「《世界樹の聖騎士王ヘルヘイム・パラディウス・ユグドラシル》で、貴方にダイレクトアタック!

『ドリュアデス・メリアデス』

 

ロデニア「グァァァァァァ!」

 

アキLP 600 ロデニアLP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 

ロデニア「グフッ!フハハハ…、そうだこれがお前なんだ。」

 

ロデニアは、吐血しながら笑っていた。

 

十六夜「違うわ!私はただ、デュエルに勝っただけ。貴方のダメージは、私には関係ないわ。」

 

アキはそう言って、ロデニアを見下ろした後、ルイズの元に駆け寄った。

 

十六夜「1人で立てるルイズ?駄目だったら、私の肩を使っても良いわよ?」

 

ルイズ「誰がお前なんかの、手助けを受けるかよ。

速く龍亞の所に行きたいけど、少し休憩してからにするよ。」

 

ルイズは、壁にもたれながら座った。

 

ロデニア「先に進まなくて良いのか?龍亞を信じてるのか、それとも俺達を嘗めきってるのか。」

 

アキからのダメージが大きかったのか、ロデニアは苦しそうに話した。

 

ルイズ「確かに、龍亞の事は信じてるけど、それだけしゃ無い。あの破壊神を止めるのは、龍亞の使命なの。

それを、ボクが邪魔する訳にはいかないよ。」

 

ロデニア「チッ、そうかよ、最初から、俺とは全てにおいて覚悟が違うのか…。」

 

そう言ってロデニアは、静かに目を閉じた。

その顔は、全てを吹っ切れた様に、笑った顔をしていた。




アキとロデニアのデュエル終了です!
余談?ですが、ロデニアは気を失っただけです。 

何だか最近、色々と疲れてきました…。


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227話

皆様、お久し振りです。
長い闘病生活を越えて、無事に回復いたしました。

ほぼ、1週間ぶりですので可笑しな文章になるかも、しれません。
ですので、今回はリハビリ感覚でお読みください。


~~~4階部屋の前~~~

 

龍亞「いよいよ、この扉を開けて中に入れば、全ての元凶がいるんだ。

そいつを倒せば、俺達の勝ちなんだ。」

 

龍亞は、気合いを入れるため、深く1呼吸をした後に目の前にある、巨大な鉄の扉を力いっぱい押し開けた。

 

~~~部屋の中~~~

 

部屋の中に入ると、そこは明かりがついて無く薄暗かった。

辛うじて、自分の周りが少し見える暗いの明るさしか、無かった。

 

それでも龍亞は、ゆっくりと部屋の奥へと足を進めていった。

 

部屋の中には、薄気味悪い物ばかりが置いてあった。

見た事の無い絵、見た事の無い置物。

 

それらがより、この薄暗い部屋を不気味にしていたのである。

 

歩みを進めて行くと、とある場所にのみ沢山の明かりが集まっていた。

龍亞はその場所に立ちよく見てみると、ここはロデニアが作ったであろう、デュエルをする為のデュエルフィールドだった。

 

龍亞「どうして、こんな所にデュエルフィールドがあるんだ?それに、ここだけに明かりがあるのも、わからない。」

 

「それは簡単な事さ。俺とお前のデュエルの為だけに、用意された特別なステージだからな。」

 

龍亞とは反対の暗闇から、誰かの声が聞こえてきた。

そして、誰かの足音がゆっくりとこちらに近づいて来ていた。

 

龍亞「お前が、ドン・サウザンドなのか!答えろ!」

 

「その通り…、とも言いたいがそうではない。

だが、完全に違う訳でも無い。」

 

龍亞「何を訳のわからない事を、言ってるんだ!

下らない話は止めて、速く姿を現せ!」

 

そして声の主が、暗闇からデュエルフィールドへと姿を現した。

龍亞は、その姿を見て驚きを隠せないでいた。

 

「ようこそ龍亞、よくぞここまでたどり着いた。俺が、ロデニアを影で操り、お前の仲間に危険を与えた男だ。はじめまして…、そう言っておこうかな。」

 

龍亞「どうして…、どうしてお前がここにいるんだよ!」

 

「どうしてだと?質問の意味がわからんな。」

 

龍亞「どうしてお前がいるんだよ…、どうしてだゴドウィン!」

 

龍亞の前に現れたのは、あのゴドウィンだった。

だが、今のゴドウィンからはあの時のゴドウィンとは違う何かを感じていた。

 

「あぁ、この体の事か。心配は無い、この体は既に死んでいる。

こいつはただの、脱け殻だ。」

 

ゴドウィンの言葉に、龍亞は驚いていた。

そして、ゴドウィンの中に入っている存在に何となくだが、覚えがあった。

 

龍亞「お前はゴドウィンじゃ無いなら、誰なんだ!」

 

「俺が誰だと?まぁ、気がつかなくて当然か。あの時、お前は視力と聴力が、失われていたからな。 

しようがない、特別に教えてやろう!俺の正体は…。」

 

「俺の正体は、あの破壊神だ!」




まさかのゴドウィンと、破壊神の登場です!
はたして、ドン・サウザンドとどの様な関係があるのでしょうか!



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228話

龍亞「お前が、破壊神なのか!じゃあ、今回の黒幕のドン・サウザンドは、いったい何処にいるんだ!」

 

龍亞がそう聞くと、破壊神は高笑いをした。

 

破壊神「ドン・サウザンドが何処にいるだって?教えてやる。

ドン・サウザンドは、ここにいるんだ!」

 

と言って、破壊神は自分の体を指差した。

 

龍亞「自分の体を指差すなんて、どう言う事なんだよ。」

 

破壊神「話は、簡単には説明できないさ。まず、このドン・サウザンドと言う男、自分のいた世界で2人のガキにデュエルで、負けたらしい。」

 

破壊神「だが、なんとか一命を取り戻したドン・サウザンドは、デュエルに負けたせいで自分の力が、ほとんど消えてしまった。だから、その力を取り戻す為にこの世界に来たんだよ。」

 

破壊神の言葉は、とてもでは無いが信じられる様な話では無かった。

 

それでも龍亞は、破壊神の言葉1つ1つを、何の疑いも無しに信じていた。  

 

破壊神「この世界に来たドン・サウザンドは、ロデニアと出会った。

そして、ロデニアは兼ねてから考えていた計画の為に、ドン・サウザンドを利用したんだ。

だがまぁ、利用されていたのはロデニアの方だったがな。」

 

破壊神「そしてロデニアは、力なきドン・サウザンドの為に、この俺を復活させたのだ。俺の力を、ドン・サウザンドの力に加える為だろう。

だが、まだひ弱なドン・サウザンドだ、俺が力の支配権を握らせて貰っている。」

 

龍亞「それじゃあ、今のお前はこの前の破壊神じゃ無くて、ドン・サウザンドの力を持っているって事か。」

 

全ての状況を龍亞は理解出来た。

そして龍亞がそう聞くと、破壊神は嬉しそうに拍手をした。

 

破壊神「その通りだ。以外とお前も、頭は冴えている様だな。

それでこそ、復讐のしがいがあると言うものだな。」

 

龍亞「おい!お前はさっき、ロデニアの計画って言ってたけど、その計画って何の事なんだ。」

 

破壊神「知りたがりだな。まぁ、ロデニアは敗北したから別に良いか。

教えてやるよ。ロデニアは、この世界の支配者になりたかったのさ。

自分だけの力では、何も出来ない癖に支配者だと。全く、惨めだよな?」

 

破壊神は、ロデニアを小バカにした様な言い方をして、龍亞に同意を求めた。 

だが、龍亞は破壊神の問い掛けに答える事は、無かった。  

 

破壊神「無視か…。まぁ関係ない。俺は、お前を倒してお前の体を手に入れられれば、良いだけだ。」

 

そう言って、破壊神はどこからかデュエルディスクを取りだし、自分の腕に装着した。

 

破壊神「さぁ、ちゃっちゃと始めるとするか。

このデュエルが、力と力、世界と世界をかけた最後のデュエルだ!」

 

龍亞、破壊神「デュエル!」




いよいよ、最終デュエルが始まろうとしています!

そして、ドン・サウザンドと破壊神の関係、まさに共存ですね。


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229話

~~~龍亞1ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー。何を召喚しようかな…、良し、こいつに決めた!

俺は《D・ブラウン》を、守備表示で召喚する。」

 

レベル2 機械族

 

攻撃力 300 守備力 1500

 

破壊神「ブラウン管のモンスターか。随分と、懐かしい物を模したモンスターだな。

だが、見た目は弱そうにしか見えないぞ?」

 

龍亞「うるさい!確かに、俺のモンスターの個々の力は弱い。

でも、皆が力を合わせれば、強大な力になるんだ!」

 

破壊神「フッ、全くもって下らない考えだな。まさに弱者の考え方だ。 

そんなクソガキに負けたなんて、本当に恥だぜ!」

 

龍亞「だったら、もう1度デュエルで負かして、大恥かかせてやるぜ。

俺は《D・ブラウン》の効果発動。このカードが守備表示の場合、デッキからカードを3枚まで墓地に送る。

墓地に送ったカード1枚につき、相手ライフに400Pのダメージを与える。

俺は、3枚墓地に送る。よって、お前に1200Pのダメージだ!」

 

龍亞LP 4000 破壊神LP 2800

 

龍亞「俺は、カードを2枚伏せてターンエンドだ!

どうだ、これが俺の力だ!」

 

破壊神「なるほど…、あの小娘の力が無くても、少なくともちゃんとしたデュエルは出来るみたいだな。

素直に感心したぞ。だが、それだけだ。その程度の力では、俺は倒せない。」

 

~~~破壊神1ターン目~~~

破壊神「俺のターンドロー!

俺は《透視能力》を発動。その効果により、お前の手札を確認する。

さぁて、どんなカードを隠し持ってるのかな?」

 

破壊神「なっ!この魔法カードは、エストリスの魔法カードじゃないか…、なるほどなこのカードをエストリスから貰ったのか。」

 

龍亞「どうして、お前が町長さんの名前を知ってるんだよ!」

 

破壊神「知ってるも何も、あいつの若い頃にあいつに人殺しをさせたのは、間接的ではあるが俺のせいなんだよ。にしても、随分と発動条件の酷しすぎるカードを渡したな。

相手とのライフ差が、3000Pの時だもんな。」

 

龍亞「お前が、町長さんの人生を狂わせたなんて!

お前だけは絶対に許さない!」

 

破壊神「黙ってろクソガキが!あんな死に損ないのクソジジイの事なんて、既に関係ない。

俺は《ダークネス・カタストロフ・パンサー》を、攻撃表示で特殊召喚する!」

 

レベル6 悪魔族

 

攻撃力 2200 守備力 2000

 

龍亞「レベル6のモンスターを、ノーコストで特殊召喚するなんて!」

 

破壊神「ノーコストどころじゃ無いぜ?《ダークネス・カタストロフ・パンサー》を特殊召喚した時、自分が効果ダメージを受けていた場合、そのダメージを回復させる。」

 

龍亞LP 4000 破壊神LP 4000

 

龍亞「クッ、だったら、永続罠《D・バインド》を発動!

自分フィールドに《D・~》と名のつくモンスターが存在する場合、相手のレベル4以上のモンスターは攻撃出来ず、表示変更も出来ない!」

 

破壊神「まぁ、このターンは無理に攻撃する必要は無さそうだな。

俺はこのまま、ターンエンドにしよう。」




ニューライフ・タウンの町長の過去に、破壊神が関係があるなんて!

本当に、破壊神は人の人生を狂わしますね。


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230話

~~~龍亞2ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー。俺は、守備表示の《D・ブラウン》の効果発動!

墓地に送る枚数は2枚だ!」

 

破壊神「そう何度も、同じダメージを受けると思うなよ。俺は手札から《インビシブル・ラッカー》を墓地に捨て、お前が発動したダメージ効果を無効にし、そのダメージをお前に与える!」

 

龍亞LP 3200 破壊神LP 4000

 

龍亞「なら、俺は《D・ドライヤン》を、攻撃表示で召喚する!」

 

レベル3 機械族

 

攻撃力 1000 守備力 900

 

破壊神「ふぅん?《D・ブラウン》に続いて、これまでのデュエルでは使わなかった、ディフォーマーだな。

だがまぁ、相変わらず見た目は貧弱な機械だな。」

 

龍亞「見た目で判断すると、痛い目見るぜ!《D・ドライヤン》の効果発動。 

このカードが攻撃表示の場合、ライフを500P払う事で、お前の手札を全て、墓地に送る!」

 

龍亞LP 2700 破壊神LP 4000

 

龍亞「どうだ!参ったか!

俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

~~~破壊神2ターン目~~~

破壊神「俺のターンドロー。ウザイ効果のモンスターだな。まさに、俺の計画やドン・サウザンドを邪魔するお前に、ピッタリだな。」

 

龍亞「ふん!何とでも言ってろ!例えウザイ効果だろうと、俺のフィールドに《D・バインド》が有る限り、俺のモンスターは負けないぜ!」

 

破壊神「くだらん。全く持って、くだらない戦略だな。その程度の罠で、俺を攻略したつもりでいるなんて、甘いな。

俺は自分の墓地に存在する魔法カード《テクニカル・フォルテ》を除外する事で、相手フィールドの魔法、罠カードを1枚破壊する。」

 

破壊神「よって、お前の頼みの綱である《D・バインド》を破壊した。これで、お前を護るカードは無くなったな。

さぁて、そろそろ攻撃と参るか。」

 

破壊神「《ダークネス・カタストロフ・パンサー》で、そのダメージを与えるオンボロ機械を、コナゴナにしてしまえ!

『オーバー・ディスロック』」

 

破壊神「俺は、手札を1枚伏せてターンエンドだ。手札を全てつかいきる事で、もう1体の雑魚モンスターの効果も、使えなくなったな。

所詮はこの程度なんだよ。さっさと、敗けを認めろや。」

 

龍亞「ふざけるな!たかが、2体のモンスターを防がれただけじゃないか!

たったそれだけで、良い気になるのは速すぎるんじゃ無いか?

それに、俺達のデュエルはこれからが正念場だ!敗けを認めるなんて、無様な真似は死んでもしないね!」

 

破壊神「まぁ、言いたいだけ言っていれば良い。どうせ、結果は変わらないさ。」




嫌なデュエルをしますね、破壊神は。

それでも、私達の龍亞は負ける訳はありません!
絶対に応援していて下さい!


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231話

~~~龍亞3ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!俺は《D・モバホン》を攻撃表示で召喚する!

そして《D・モバホン》の効果発動。このカードが攻撃表示の場合、サイコロを振り、出た目の数だけデッキをめくる。その中のレベル4以下の《D・~》と名のつくモンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚する!」

 

龍亞はサイコロを振った。

そして、出た目は2だった。

 

龍亞「俺は《D・リモコン》を特殊召喚する。

そして、レベル1《D・モバホン》とレベル3《D・ドライヤン》に、レベル3《D・リモコン》をチューニング!」

 

龍亞「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!

シンクロ召喚!愛と正義の使者《パワー・ツール・ドラゴン》」

 

破壊神「今さらそんな、時代遅れの機械龍でこの俺を倒せると思ってるのかよ。

だとしたら、傑作だな!」

 

龍亞「そんなもの関係ないね!《パワー・ツール・ドラゴン》の効果を発動。

その効果により、デッキから《パワー・ツール・ロケット》を手札に加える。」

 

龍亞「そして《パワー・ツール・ドラゴン》に《パワー・ツール・ロケット》を装備する。

《パワー・ツール・ロケット》を装備したモンスターが攻撃する時、相手フィールドのモンスター全ての攻撃力を、半分にする!」

 

破壊神「なっ!なんて強大な効果なんだ!」

 

龍亞「そうだ!これでお前のモンスターを、ほとんど無力にしてやる!

《パワー・ツール・ドラゴン》で《ダークネス・カタストロフ・パンサー》に攻撃!

『クラフティ・ロケット・ブレイク』」

 

破壊神「《ダークネス・カタストロフ・パンサー》の効果発動。このカードが戦闘によって破壊される時、デッキからカードを1枚ドローする事で、戦闘ダメージを無しにする。」

 

龍亞「クッ!ズルい効果のモンスターだな!

そのモンスターも、お前の力で創ったんだろ。本当にズルいな。」

 

破壊神「黙れ!いくら俺のモンスターの攻撃力を、上回っていようとも、ダメージを受けなければ無駄な努力なんだよ。」

 

龍亞「ふんだ!俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ。」

 

~~~破壊神3ターン目~~~

破壊神「俺のターンドロー。俺は手札から《強欲な壺》を発動する。

その効果で、デッキからカードを2枚ドローする。」

 

龍亞「お前、デュエリストの癖に何を平気に、禁止カードを使ってるんだよ!」

 

破壊神「黙れと言っただろうが!この俺がデュエリストだと?笑わせるな!俺の目的は、例えグズの様な戦略だろうが、お前を倒してその体を貰う事だ!

その為なら、どんな事でもしてやるさ!」




禁止カードを使うなんて、本当にグズ野郎ですね!
最低です!

そんな、デュエリストの風上にも置けない男を、叩きのめして龍亞!


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232話

破壊神「そして、手札から《禁じられし進化》を発動!

デッキからカードを2枚ドローする事で、このデュエル中お前は、エクシーズ召喚は出来ない!」

 

龍亞「また、自分に有利な効果だな!しかも、ノーコストだなんて卑怯だぞ!」

 

破壊神「まだ終わらないぜ?俺は伏せカード《バリアン・エクスタシー・エクシーズ》を発動!このターンのみ、俺は自分のエクストラデッキ及び、手札のモンスターでエクシーズ召喚する事が出来る!」

 

破壊神「俺は、エクストラデッキのレベル12《冥界の破壊神》《深淵の破壊神》と、手札のレベル12《アルティメット・ブレイカー》《グレート・バルティス》《冷血の破壊神》の5体で、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

破壊神「異世界の神と破壊の神、2人の神の力が今この場で集う。全てを越える最強の力を持って、我に刃向かう愚者に終わりを!

エクシーズ召喚!これこそが、世界の支配者たる証だ!

《ヌメロニアス・ヨルムンコアトル》」

 

ランク13 天使族

 

攻撃力 5000000 守備力 500000

 

龍亞「こ、攻撃力500000だと…。そんなのあり得ないよ…。」

 

破壊神「《ヌメロニアス・ヨルムンコアトル》は、レベル12のモンスター5体をエクシーズ素材にした時のみ、エクシーズ召喚出来る最強のモンスターだ!

この破格の攻撃力、そして圧倒的な存在感。その全てがお前達ごときとは、違うんだよ!」

 

龍亞「だったら、伏せカード《命を護る奇跡》を発動!

相手フィールドのモンスターの攻撃力が、自分フィールドのモンスターの攻撃力を、倍以上も上回っている場合、このターンだけそのモンスターは攻撃出来ない。」

 

破壊神「なるほど…。いくら破格の攻撃力だろうと、攻撃させなければ意味が無いからな。

だが、詰めが甘い!」

 

破壊神「《ヌメロニアス・ヨルムンコアトル》のオーバーレイユニットを1つ、取り除く事で、相手ライフに2500Pのダメージを与える!」

 

龍亞「そんな!クッ、グワァァァ!」

 

龍亞LP 200 破壊神LP 4000

 

破壊神「クフフッ、フハハハハ!ハッハハハ!苦しいか?痛いか?これが力だ!これが破壊だ!

それにしても、あの時のデュエルと同じだな。」

 

破壊神「まぁ、余りのダメージで答える事は出来ないだろうがな。

さてと、ダメージも与えれたし、俺はこのままターンエンドにするか。」

 

破壊神「あの時のデュエルは、あの小娘のせいで負けたが、今回は違う!

お前1人の力では、この程度が限界なんだよ。」




攻撃力500000のモンスター!
強すぎるだろ!

《ヌメロニアス・ヨルムンコアトル》の元は、名前から分かると想いますが、ドン・サウザンドの切り札《CiNo.1000夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア》です。


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233話

~~~龍亞4ターン目~~~

龍亞「俺の…ターン…ドロー。俺は永続魔法《ダメージ・スルー》を発動。

手札を1枚、デッキの1番下に戻す事で、このカードがフィールドに存在する限り、俺は効果ダメージを受けない!」

 

龍亞「《パワー・ツール・ドラゴン》を守備表示に変更する。そして《パワー・ツール・ドラゴン》の効果発動。

そして、効果で手札に加えた《ダブルツールD&C》を《パワー・ツール・ドラゴン》に装備する。」

 

龍亞「俺はこのまま、ターンエンドだ。」

 

破壊神「フン、効果ダメージを防いだつもりかも知れないが、それだけじゃ無いんだよ…。」

 

~~~破壊神4ターン目~~~

破壊神「俺のターンドロー。俺は手札から《RUM-バリアンズ・ジェネレーション・フォース》を発動!

この効果によって、俺のエクシーズモンスターはより高みへと昇華するのさ!」

 

破壊神「俺は《ヌメロニアス・ヨルムンコアトル》1体で、オーバーレイネットワークを再構築、カオスエクシーズチェンジ!」

 

破壊神「交わりし最強の力が、混沌を纏いて神を越える!

新たな世界を創造する究極の闇、底無しの闇。

希望の光を覆いて、全てを我の手中に納めたまえ!

 

エクシーズ召喚!混沌の支配者にして、この偽りの世界を塗り替える闇の創造者だ!《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》」

 

ランク14 天使族

 

攻撃力 900000 守備力 900000

 

龍亞「そ、そんな…、さらに進化するなんて…。」

 

破壊神「絶望的だろ?だが、まだ絶望は終わらないんだよ!《RUM-バリアンズ・ジェネレーション・フォース》を使用して、ランクアップした場合、相手のデッキの上からカードを3枚墓地に捨てさせる。」

 

破壊神「さらに《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》が、フィールドに存在する時に、墓地に送られた、除外されたカードはこのデュエルに使用できない!」

 

龍亞「そんなバカな!只でさえ、ランク14って常識を越えてるのに、そんな効果だなんて!」

 

破壊神「さらに、使用でき無くなったカード1枚につき、俺はライフを1000P回復する。」

 

龍亞LP 200 破壊神LP 7000

 

破壊神「さて、いよいよフィナーレと行こうかな。

《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》で《パワー・ツール・ドラゴン》に攻撃!

『天地創造』」

 

龍亞「《パワー・ツール・ドラゴン》が破壊される時、このカードに装備されている装備魔法を、代わりに墓地に送る。」

 

龍亞LP 200 破壊神LP 8000

 

破壊神「破壊を免れたか…。だがフィナーレ言っただろ?

《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》が攻撃した時、このカードのオーバーレイユニットを任意の数取り除く。

取り除いたカード1枚につき、相手のデッキの上から、カードを5枚墓地に送る。そして、相手のライフを半分にする。」

 

破壊神「俺は全てのオーバーレイユニット、つまり5枚取り除く。よって、お前のデッキから25枚のカードを墓地に送る!」

 

龍亞LP 100 破壊神LP 33000

 

破壊神「圧倒的なライフ差、そして攻撃力の差。

そして、お前のデッキはあと1枚だけ。もうお前に成す術は無い!フハハ、ハハハハ!

俺は、ターンエンドだ。さぁ、この世界のラストターンだ。」




まるで、小学生が考える様な強いカードですね。
でも、これならドン・サウザンドの《CiNo.1000夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア》を、越えれたかな?

龍亞と破壊神のライフ差、アニメの闇遊戯(アテム)vs乃亞をも越えましたね。


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234話

龍亞は、これまでのダメージと疲労のせいで、その場に倒れこんでしまった。

 

破壊神「流石に、立っていられる訳無いか。あの時のデュエルよりも、状況は酷いもんな。」

 

必死に立ち上がろうとする龍亞だったが、足に力が入らなかった。

その為、龍亞は破壊神を睨み付けた。

 

破壊神「気に入らねぇ…、絶望な状況なのに諦めない、その眼が気に入らねぇ!

あいつと同じだ!お前達並みに、俺の邪魔をしてきたあいつと同じ目付きだ!」

 

龍亞「誰の事を言ってるのかは知らないけど、何があっても俺は倒れない!

例え、ライフが0になろうとも、心臓が止まろうとも、お前を倒したい想いは消えない!」

 

龍亞はそう言って、もう1度立ち上がろうとした。

 

破壊神「無駄だ!お前が何を想ってようが、体がついていかないんだよ。

根性論だけじゃ、越えられない壁ってのは、存在するんだよ…何!」

 

破壊神は、自分の目を疑った。

なぜなら、立ち上がれない程にボロボロの筈の龍亞が、ゆっくりとだが立ち上がり始めていたのである。

 

破壊神「あり得ない!そんな事、絶対にあり得ない事だぞ!なぜ立ち上がれるんだ…何だあれは?」

 

破壊神は、目の前で起きている事に驚きを隠せないでいた。

有りもしない何が、龍亞に肩を貸しながら、龍亞の手助けをしていた。

 

それはうっすらとしか見えず、何者なのかが見えなかった。

だが、龍亞が立ち上がるにつれて、ゆっくりとその姿が見えてきた。

 

破壊神「クッ!クソがぁぁぁ!またお前か!またしても、俺の邪魔をする気か!

そんなにも、そのクソガキが大切なのか?

お前は死んだんだ。幽霊になって、助けに来たとでも言うのか?ふざけるな!」

 

破壊神「あり得るか!お前ら人間は、死んだら終わりだ!何もない。

それが、お前らの弱さだろうが!そうだろ、鬼灯暦!」

 

龍亞に肩を貸していたのは、なんと暦だったのだ。

そして、龍亞が完璧に立つと、暦は破壊神を見た。

 

暦(お前の言う通りかもしれんな。俺は所詮死んだ身だ。これ以上、龍亞に何もしてやれない。

だがな、死ぬ前に俺の意志を託した!それさえあれば、俺がこの世に存在した意味ってのが、あるだろ?)

 

破壊神にのみ聞こえる様に、暦は話し掛けた。

そして、龍亞の頭に手を置いた。

 

暦(龍亞、この声はお前には届かない。けど、お前なら絶対に負けないって、信じてるぜ。

お前は俺にとって、最高の仲間であり、弟みたいな大切な存在だぜ。)

 

暦はそう言うと、暦の姿が消えてしまった。

 

龍亞「破壊神!俺は立ち上がれたぞ!けど、お前の言った根性でじゃない。

俺が立ち上がれたのは、お前を倒すって暦兄ちゃんと約束したからだ!

俺の中に、暦兄ちゃんの意志が生き続けている限り、俺は倒れない!」




やっぱり最後まで、暦はカッコいいですね。
それに、暦の意志を受け継いだ龍亞も、凄くカッコいいですよね。

龍亞頑張れ!


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235話

~~~龍亞5ターン目~~~

龍亞「俺のターンドロー!」

 

破壊神「最後の希望のカードか…。だがな、その希望に釘を刺す様で悪いんだが、この《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》は、カードの効果ではフィールドを離れないし、このカードより攻撃力の高いモンスターがいなければ、俺はダメージを受けない。」

 

破壊神「だから、お前には逆転の手立ては無いんだよ。

教えてやるよ、奇跡ってのはな、偶然起こるんじゃない。起きるべきして起きるんだよ!

実力の無い者に、奇跡は起きないんだよ!フハハハハハ…、何か大切な事を忘れてる気がするが、まぁ関係ないか。」

 

龍亞「確かに、今ドローしたカードでは、この状況は帰られない。でも、お前のお陰で、このカードの力を発揮できる様になったんだよ!」

 

龍亞「俺は手札から《希望をかけた奇跡》を発動!」

 

破壊神「しまった!どうして俺は、そのカードを忘れていたんだ!そんな…そんな!」

 

龍亞「このカードは、自分のライフが相手のライフより、3000P以上離れている時にのみ発動出来る!

このターン、相手はカードの効果を発動出来ない。さらに、相手フィールドのモンスターの攻撃力を0にして、その数値を自分のモンスターの攻撃力に加える。」

 

《パワー・ツール・ドラゴン》の攻撃力は、902300となり《CXヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》の攻撃力は、0となった。

 

龍亞「このカードの力は、これだけじゃ無いぜ!

さらに、自分のライフと相手のライフの差を、自分のモンスターの攻撃力に加える!

俺のライフは100、お前のライフは33000。その差は32900。

そして、32900Pが《パワー・ツール・ドラゴン》の攻撃力に加わる。よって《パワー・ツール・ドラゴン》の攻撃力は、935200だ!」

 

破壊神「そんな…、俺の《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》は、この世界で最も強く、無敵のモンスターだぞ!

そして俺こそが、この世界の新たな支配者だぞ!こんな所で、またお前ごときクソガキに負けるなんて、あってはならんのだぞ!」

 

龍亞「お前の言う通り、お前のモンスターは強いし、今のお前には世界を支配する力はある。

でも、お前は持ってない物があるんだ。」

 

龍亞「それは仲間との絆の力と、自分を大切にしてくれる人、そして命をかけて護りたい大切な人の存在だ!

それが無ければ、どんなに強い力を持っていても、勝てないんだ!」

 

龍亞「《パワー・ツール・ドラゴン》で《CX-ヌメロニアス・フェンヴルム・ヨルムンコアトル》に攻撃!

これで全てを終わらせてやる!喰らえ!

『クラフティ・ファイナル・ブレイク』」

 

破壊神「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、まだ死にたく無い!

こんな所で、俺の野望が終わるなんて…、嫌だ!

グワァァァァァ、ギャァァァァァァァァ!」

 

龍亞LP 100 破壊神LP 0

 

~~~デュエル終了~~~

 




無事、龍亞が勝ちました!
やったぜ!

あの時のデュエルと同じで、物凄いオーバーキルですね。


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236話

龍亞「勝った…、俺は勝ったんだ!やったー。とうとう、勝ったんだ!」

 

龍亞は、さっきまでのダメージや疲れが感じられない位に、喜びを感じていた。

 

龍亞「これで、龍可達は助かるし、遊星とクロウも解決したはずだね。

多分、これを押せば良いのかな?」

 

近くにあったボタンを押すと、全ての階の映像が巨大なモニターに映し出された。

 

その映像では、2階の龍可達は牢から救出され、1階の操られたデュエリスト達は、正気を取り戻していた。 

 

そして、3階の映像が映し出されると、龍亞は静かに目を閉じた。

そこには、暦が映っていたからだ。

 

龍亞「暦兄ちゃん、全てが終わったよ。これで、安心して眠れってくれるね?」

 

すると、倒れていた破壊神が無理やり立ち上がった。

 

破壊神「俺が…、負けるなんて…。あり得ない!ウグッ!」

 

立ち上がった破壊神だが、余りのダメージのせいで体を保てずに、溶け始めていた。

 

破壊神「痛い…苦しい…辛い…。これが、死か。」

 

龍亞「破壊神、もうお前は助からない。後はこの世からいなくなるだけだよ。」

 

龍亞は、溶けている破壊神を哀れむ訳でなく、かといって見下す事をしなかった。

ただ、目の前で起きている事を受け入れ、そして何も言わずに全てを認めていた。

 

破壊神「チッ!相変わらず、お前のその優しさが嫌いなんだよ。誰に対しても、必ずお前は愛を持って接する。

それがあの、糞みたいな両親でもな。」

 

破壊神も全てを悟り、龍亞に向かって笑いかけた。

 

龍亞「破壊神お前は、本当は何が欲しかったんだ?お前にとって、世界の支配者になる事って、そんなに大切な事じゃ無いはずだよ。」

 

破壊神「何もかもお見通しって訳か。なるほどな、少なくとも俺が長い間、心の中に潜んでいたからか。」

 

破壊神「その通りだよ!俺の目的は、世界の支配なんかじゃないんだよ!欲しかったんだよ俺も!

お前達が言う、仲間や絆が!でも、昔から闇その物だった俺に、仲間なんて無い。絆なんて無い。」

 

破壊神「だから否定したんだ!そうしなきゃ、俺の存在の意味が無くなるんだよ!

クソ…、もう限界みたいだな。あぁ~あ、最後の最後まで夢が叶わなかったな。それにしても、やっぱり仲間と絆は素晴らしい…。」

 

破壊神はそれだけ言うと、体が完全に溶けて無くなってしまった。

 

龍亞「これで、本当に終わりなんだ…。もし、お前が産まれ変わったなら、俺の所においでよ。

その時は、俺の仲間として…、大切な存在として迎え入れるから。

待ってるからね。」

 

破壊神が溶けた所を見て、龍亞は静かに微笑んだ。

その微笑みは、優しく、哀しそうだった…。




もしかしたら、破壊神の本当の目的について、色々と言いたい事があるかもしれません。

ですが、この事は最初から決めていた事です。
ですので、何も言わずに見守って下さい。


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237話

龍可「それにしても龍亞、大丈夫なのかな…。」

 

既に建物の外には、遊星とクロウ、そして龍可、リーシャ、ルチアーノがいた。

 

クロウ「心配すんなって。もしもの時があっても、あの暦がいるから大丈夫だ。」

 

遊星「その通りだ。少なくとも、暦は俺達の中で1番強くて頼りになるさ。」

 

真実を知らないクロウと遊星が、龍可を慰めていた。

 

すると建物の入り口から、2人の人影が見えてきた。

 

ルチアーノ「あれは!ルイズと十六夜アキ!どうしてあの女がここにいるんだよ!

それに、龍亞はどうしたんだ!」

 

出てきたルイズとアキに、皆は走りよっていった。

 

リーシャ「どうしたのルイズ?そんなに傷だらけで。中で上の階で何があったのよ。」

 

リーシャがそう聞いたが、ルイズは答えなかった。

その代わりに、ルイズの目からは涙が流れていた。

 

ルイズは3階で起きた事を、思い出して泣いてしまった。

暦の死を受け入れた筈だったが、心の何処かでは信じきれないのである。

 

遊星「何か深い訳がありそうだな。だが、其以上に聞きたい事がある。

アキ、お前は今まで何処にいたんだ!それに、とうしてここにいるんだ!答えてくれ!」

 

遊星の真剣な言葉に、アキは軽く息を吐きながら、質問に答えた。

 

十六夜「そうね、何処にいたのか…って言う質問には、答えられないわ。ごめんなさい。

でも、どうしてここにいるのかは答えるわ。」

 

十六夜「私がここにいる理由は、龍亞への償いの為よ。

私のせいで、龍亞の心に大きな傷をつけてしまったわ。

だから、せめて今回からは、龍亞の為に戦おうと想ったのよ。」

 

ルイズ「だから!勝手に悲劇のヒロインぶるなよ!なんだ?傷ついた龍亞を助ける私って、なんて優しいの?

なんて気持ちなんだろ!ふざけるなよ!お前ごときが、龍亞の心を語るな!」

 

ルイズの叫びに似た様な、想いに誰も何も言えずにいた。

 

だが、その中でも龍可とリーシャ、そしてルチアーノは何も言わないが、ルイズと同じ想いになっていた。

 

十六夜「相変わらず、私には厳しいのね。まぁいいわ。

そろそろ、私は行くわ。」

 

遊星「行くって、どう言う事だ。」

 

アキは笑いながら、歩き始めた。

 

十六夜「今の私には、龍亞に会う資格は無いわ。

だから、私がここにいた事は龍亞に内緒にしていてね。」

 

そう言って、アキはどんどんルイズ達から離れていった。

 

ルイズ「2度と、ボク達の前に現れるなよ!」

 

アキの姿が見えなくなった時に、建物中から龍亞が出てきた。

 

龍亞「皆、遅れてごめんね。本当ならもっと速く到着するつもりだったけど、何度も転けちゃって中々進めなかったんだ。」

 

照れながら笑う龍亞だが、なんと龍亞は暦をおぶりながら来ていたのだ。




もうすぐ最終回かもしれません。

最近ですが、ツイキャスに興味を持って来ました。
私も、生配信とかしてみたいです。

そこで、色々な意見交換や作品に関する質問に答えたりと、面白そうですね。
 
皆様のご意見、御待ちしております。


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238話

遊星「龍亞、大丈夫か!それに、暦も傷だらけじゃないか!何が起きてたんだよ。」

 

遊星は、龍亞に近づいて龍亞と暦の様子を確認した。

 

龍亞「そんなに心配しなくても、大丈夫だよ。俺はなんとも無いし、暦兄ちゃんだって無事に連れてこれたからね。」

 

クロウ「連れてこれたって、暦は既に…。

上で何があったんだよ!」

 

そう言ってクロウは、より深く追求しようとしたが、ルイズの涙と龍亞の寂しそうな顔を見て、それ以上何も聞かなかった。

 

龍亞「クロウ、そんなに暗い顔しないでよ。そんなんじゃ、暦兄ちゃんが怒るよ?それよりも、暦兄ちゃんに手を貸してよ。俺じゃあ、ちょっと重いからね。」

 

龍亞に言われ、クロウはハッとして我に帰った。

そして、龍亞の言う通りに暦に肩を貸した。

 

龍亞「ありがとうクロウ。それじゃあ、速く町に帰ろうか。」

 

ルイズ「えぇ…。クロウ、暦を丁重に連れてってよね。

頼んだわよ。」

 

2人は、傷だらけの体を引きずりながら、町へと歩いて行こうとした。

 

すると目の前に、いつのまにかイリアステルのプラシドが、立っていた。

 

龍亞「貴方は確か、イリアステルのプラシドさんですよね?どうして貴方がここに?」

 

ルチアーノ「そうだよ。お前は、Z-ONEの所に残ったはずでしょ?」

 

プラシド「色々と、用があってな。それより、暦はどこ行ったんだよ。Z-ONEが、約束は守ったって伝えて。って、言われてるんだが…。」

 

プラシドは、暦を探すために辺りを見回した。

そして暦を見つけると、暦の状態をすぐさま理解し、龍亞の頭を撫でた。

 

プラシド「それがお前の、願った結末なのかよ。なんともお前らしい最後だな。

暦、お前の頼み通りにしておいたぞ。それに、龍亞の事を護ってくれて、ありがとうな。」

 

静かに暦へ言葉をかけた。

 

龍亞「そうだ!1つだけ、頼みたい事があったんだ。

イリアステルは、未来から来たんだよね?だったら、これを身近に持っていたいんだけど…。」

 

龍亞はそう言って、ポケットに入っていた暦の右目を取り出した。

それを見たルイズも、龍亞と同様に暦の左目をポケットから出した。

 

ルイズ「このまま持ってたら、腐ってしまうかも知れない。そんな事は、絶対に嫌なんだ。ボクからも御願いするよ。」

 

プラシド「もしかして、それは暦の両目か…。全く、暦のやつめ。子供になんて物を渡してるんだよ。」

 

プラシド「ハァ…、わかったよ!そんな目で俺を見るんじゃねぇ!暦の両目については、俺が責任をもってZ-ONEに頼んでおくよ。

それより龍亞、お前にどうしても会わせたい人がいるんだ。おい!こっちだ。」

 

プラシドが手招きをして、呼び寄せた人間を見て、龍亞とルイズは驚き、そして喜びの涙を流した。

 

ルドガー「お久しぶりでございます、龍亞様、ルイズ様。あの頃よりも、随分と凛々しくなられましたね。」




ルドガー復活だ!
やった!

感動の再開に、私は目頭が熱くなって来ました。


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239話

龍亞「ルドガー!会いたかったんだよ!

俺、あの頃よりも強くなったんだ!もう、誰にも心配かけないくらい、強いんだ!」

 

ルドガーに会えた喜びのお陰なのか、龍亞は自分のダメージが無くなった様に、ルドガーに向かって走って抱きついた。

 

龍亞「エヘヘ、やっぱりルドガーだ。本物のルドガーだ。

もう俺は、孤独じゃ無いんだ。だって、ダークシグナーの皆やルイズ、それにリーシャや風月さん、ボマーやボマーの兄弟に御影さん、龍可やジャック達シグナー。

それに、暦兄ちゃんが俺の大切な存在なんだ。」

 

嬉しそうに話す龍亞を、ルドガーも嬉しそうに話を聞いていた。

 

ルドガー「そうだったのですか。やはり、龍亞様は全ての人間に愛されるお人ですね。

このルドガー、嬉しさのあまり涙が止まりません。」

 

嬉し泣きをするルドガーに、龍亞はより愛を込めて抱き締めた。

 

ルチアーノ「おいルイズ、お前は行かなくても良いのか?あの感動の再会に、お前も参加する権利はあるんだよ。」

 

ルイズ「な!ボ…ボクは別に…。それに、龍亞の時間を邪魔する訳にはいかないし…。」

 

ルイズは否定するが、その顔は今すぐにでもルドガーの所に行きたい!っと、想う気持ちが伝わってくる。

 

ルチアーノ「何を下らない意地張ってるんだよ。今くらいは、自分の心に素直になったら?」

 

龍可「ルチアーノの言う通りだよ。あの日から、ルドガーにお礼が言いたかったんでしょ?

だったら、今がそのチャンスじゃない!」

 

2人の言葉を聞いて、ルイズの心は決まった。

実際は、最初から決まっていたのかもしれない。

 

ルイズ「わかった。今だけは、龍亞に遠慮しないよ。

ボクだって、ルドガーに会いたかったんだから。」

 

そう言ってルイズも、ルドガーの所に行き、ルドガーに抱きついた。

 

ルイズ「ルドガー、あの時は本当にありがとう。

ルドガーのお陰で、ボクの今の幸せ人生があるんだ。感謝してもしきれないよ。

本当にありがとう、会いたかったよ。」

 

言葉を言い終わると同時に、感極まってルイズは涙を流した。

 

ルドガー「まさか、ルイズ様までもが私に会いたかったなんて、私こそ感謝の極みです。

これ程も、私は幸せ者だったなんて知りませんでしたよ。」

 

ルドガーはそう言って、龍亞とルイズの頭を撫でた。

 

そして暦を見て、暦の行った事の大まかな事情を把握した。

 

ルドガー「あのイタズラ小僧が、命をかけて龍亞様とルイズ様を護るとは…。

暦、お前は自分の運命を全うした。私から、2人を護ってくれた事に感謝する。ありがとう暦、そして安らかに…。」

 

ルドガーからは、さっきとは違った涙が流れていた。

それは、哀しみの涙である。

 

ルドガー「それに龍亞様、ルイズ様。私の愚弟が大変なご迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ございません!」

 

ルイズ「そんな事、ボク達は気にしてないよ。」

 

龍亞「そうだよ!それに、そのお陰では無いけど、またルドガーと会えたんだ!それで良いよ。」

 

龍亞とルイズは、飛びきりの笑顔をルドガーにした。

 

ルドガー「本当に申し訳ありません。でもこれで、レクスも浮かばれます。本当にありがとうございます。」

 

ルドガーも龍亞とルイズを強く、そして沢山の愛を込めて抱き締めた。




な、泣ける~!!
ルドガーともう1度会えて、本当に良かったね、龍亞、ルイズ。

それに、ルドガーも2人に愛して貰えてて、本当に良かったですね!


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240話

ルドガー「それにしても、まさか貴方までもが、龍亞様の為に戦ったとは…。」

 

ルドガーは、遊星を見て、軽く嫌味の様に、呟いた。

 

ルドガー「今回の細かい内容はわからないが、お前達は龍亞様を傷つけたシグナーだろ?」

 

クロウ「誰だか知らないがよ、随分と嫌味たらしい言い方だ…、遊星。」

 

遊星はクロウの言葉を止め、ルドガーへと近づいていった。

 

遊星「確かに、俺はシグナーのリーダーとして、龍亞を追い詰めていた。つい最近まで、俺のせいでシグナーの皆の絆までも、メチャクチャにしていた。」

 

そう言うと遊星は、この場でルドガーに向かって深く頭を下げた。

 

遊星「すまなかった、ルイズ、ルドガー!俺が不甲斐ないばかりに、こんな事になってしまって、本当にすまない!」

 

遊星は謝罪をしながら、目には涙を浮かべていた。

 

ルドガー「何に対しての謝罪かはわからんが、私への謝罪はいらん。

龍亞様が許しているなら、私も緩そう。だがもし龍亞様が、貴様を恨むのならば、私もお前を恨むだけだ。」

 

ルイズ「ボクも、ルドガーと同意見だよ。お前の独り善がりな、自分を許すための言い訳の謝罪を聞いたって、ボクは死んでも許さないだけだよ。」

 

そう言ったルイズは、遊星に対して恐ろしい殺気を放ちながら、睨み付けた。

 

龍亞「もうルイズ、遊星を睨んじゃ駄目だよ。

それに遊星も、もう謝罪なんていらないよ。俺はもう、あの時のデュエルで自分の辛く、苦しかった過去を捨てたんだ。

だから謝らないでよね。」

 

遊星「わかったよ龍亞。こんな俺なんかを許してくれるなんて、本当にありがとうな龍亞。」

 

遊星と龍亞との1つの蟠りが解けた。

その時に、龍亞達から離れていたプラシドが、時計で時間を確認しながら、近づいて来た。

 

プラシド「もうそろそろ、良い頃だろう。おいルドガー、そろそろ帰るぞ。」

 

ルドガー「もうそんな時間ですか。まだ龍亞様とルイズ様と、お話をしていたいのですが…。

龍亞様、ルイズ様、名残惜しいのですが私はそろそろ、おいとまさせて貰います。」

 

ルイズ「そんな!もうちょっとだけでも、ここにいてよ。」

 

龍亞「そうだよ!それに、なんだったら俺達の新しい家に来ても良いのに…。」

 

2人の優しい言葉に、ルドガーはより後ろ髪引かれてしまった。

 

ルドガー「ありがとうございます。ですが、私はこの世に戻れた条件として、イリアステルの一員になりました。

ですので、イリアステルのルールには従わなければなりません。ですが、心配しないで下さい。

私の、龍亞様とルイズ様への忠誠心は絶対に消えません。その新居には、遊びに行かせて貰います。」

 

龍亞「わかったよ…、それだったらしょうがないよ。

でも、絶対に泣かないよ。」

 

ルイズ「ルドガー、絶対に家に来てよね。楽しみに待ってるから!」

 

ルドガー「わかりました。このルドガー、必ず新居に参ります。それまでの少しのお別れですね。」

 

プラシド「龍亞にルイズ、お前達から受け取った暦の両目は、身近に持てるうえに腐らない様にして、なるべく速く返す。じゃあな。」

 

そう言ってルドガーとプラシドは、イリアステルの本部へと帰っていった。




まぁ、これと言って後書きはありませんが、強いて書くなら、もうじきインフィニット・ストラトスの新作を出します。

オリジナルの主人公です。お楽しみに!
普通にただの宣伝です。


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最終回

リーシャ「さてと、私達もそろそろ自分達の家に帰りましょうね?」

 

ルドガーとプラシドが見えなくなったのを見計らって、リーシャがそう提案した。

 

ルチアーノ「それもそうだね。こんな嫌な場所から、速く離れようよ。」

 

ルイズ「ルドガーとも会えたし、帰ろっか龍亞。」

 

龍亞「わかったよ皆。遊星にクロウ、俺達もう帰るから、暦兄ちゃんは俺が連れて帰るよ。」

 

龍亞はそう言って、クロウから暦を受け取った。

 

龍亞「アキ姉ちゃんには、会えなかったけども、もし遊星達がシティに帰ってアキ姉ちゃんに会ったら、絶対に遊びに来てって、言ってね。」

 

遊星「必ずアキに伝えておくよ。元気でな龍亞。俺達も遊びに行くからな。」

 

クロウ「風月も連れてくから、楽しみに待ってろよな!」

 

龍亞「絶対に来てよね!待ってるから。それじゃあ、じゃあね2人とも。」

 

龍亞は、遊星とクロウに握手をして、ニューライフ・タウンへと、歩いていった。

 

クロウ「本当に強くなったな龍亞は。これで、俺達大人の仕事は無事に終わったな。」

 

遊星「そうだな。初めて会った時から、デュエルの実力は相当上がったけども、1番成長したのはやっぱり、心の強さだな。」

 

遊星「これも全て、龍亞にとってかけがえのない大切な存在が出来たからだ。

もう、俺達の出る幕は無いかもな。」

 

龍亞達の後ろ姿を見送りながら、遊星とクロウは感傷に浸っていた。

自分達の弱さに龍亞の強さ、そしてこれまでの自分達の愚かさを噛みしめた。

 

そして自分達も、シティへと帰っていった。

 

~~~ニューライフ・タウン~~~

 

町長「まさか、暦が命を落とすなんて…。ですが、よくぞ無事に帰って来てくれましたね。お帰りなさい。」

 

町についた龍亞達は、真っ先に町長の所に行き、全ての経緯を話した。

すると町長は、暦の死に涙を流した。

 

そして、無事に帰って来た龍亞達に、抱擁をした。

 

龍亞「くすぐったいよ町長さん。それでその…、1つだけ頼みがあるんですが…。」

 

町長「頼みのは何でしょうか?」

 

龍亞「その…、俺達の家の近くに、暦兄ちゃんのお墓を建てたいんです。良いですか。」

 

龍亞が少しだけ申し訳無さそうに聞くと、町長は優しく龍亞に笑いかけた。

 

町長「なんだ、そんな事でしたか。貴方達は既に、この町の大切な住人です。

ですから、何をしようと自由ですよ。」

 

龍亞「ありがとうございます!じゃあ、今すぐにお墓を建てます!」

 

そう言って龍亞は、暦を連れて飛び出していった。

 

龍可「待ってよ龍亞。本当にそそっかしくてすみません。」

 

龍可達も、龍亞を追いかけていった。

 

町長「暦や、お前が命をかけて護った笑顔は、この世のなによりも輝いているよ。

本当にお疲れ様だ、時期にわしも歳でそっちに行く。

少しの間だけだけど、待っていてくれ。」

 

町長は、淋しそうに蒼く清みわたった空を見て、静かに呟いた。

 

~~~龍亞達の家~~~

 

新居の裏に、新しい墓が作られていた。

 

龍亞「良し、これなら暦兄ちゃんも満足するだろうね。」

 

龍亞の手は、泥だらけになっていた。

何故なら、暦の墓作りだけは自分がする。と言って、自分1人で作業したからだ。

 

龍亞「暦兄ちゃん、俺はもう強くなったから。ルイズ達と一緒に、頑張ってくから…だから。」

 

龍亞は、零れそうな涙を必死に堪えて、暦に飛びきりの笑顔をした。

 

龍亞「だから、空の上から見守ってよ。絶対に、暦兄ちゃんの想いは、消さないからさ。」

 

龍亞は合掌をして、家へと帰ろうとした。

 

暦「ありがとよ龍亞。お前に会えて、本当に良かったぜ。」

 

風の音に、暦の声が聞こえた様な気がした。

龍亞はグッと涙を堪え、振り返った。

 

龍亞「俺だって、暦兄ちゃんに会えて、良かったよ!

本当にありがとう、暦兄ちゃん。」

 

そう言って龍亞は、深く頭を下げた。

そして、皆が待っている家へと帰っていった。

 

愛する人達が待つ、自分の大切な居場所へ…。




今まで、こんな駄文を読んで下さりまして、本当にありがとうございます。

この話は、今回で終わりですが、近々この話の外伝を出します。

その外伝では、この小説のキャラの過去話などの、描けなかった話や、小説を作っていた時の想いや色々な話を書きます。
お楽しみにしていて下さい。

ここまでお付き合いして下さいまして、誠にありがとうございます。


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