【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち (DICHI)
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主人公設定 (2017年 4月23日改定)

これから話数が増えていくにつれて、???の部分を改定を行います。改定後は改定を行った日にちを書きます。




遠藤 遊輝

 

前世 17歳 現在 12歳→14歳

 

誕生日: 12月12日

 

シグナーの痣:太陽

 

外見:腰までの黒髪、大きな目で見た目は女性、身長が150手前しかないので女子小学生と間違える事も、緑色のチェニックに水色のシャツを重ね着、シャツは半分折ってある。(ようは見た目は女の子な男の娘なのだ)

(イメージはリトルバスターズ!の直枝理樹)

 

トレードマーク:赤のカチューシャ

 

 

 

デッキ

1・・・ガガガエクシーズ→ガガガ魔術師

2・・・聖刻龍

3・・・マドルチェ(女装した(させられた)時のみ使用)

 

 

その他、海馬コーポレーションのテストプレイヤーとして色々なデッキを作ってはいるが基本的に上3つが主流。

 

 

 

 

精霊

・ダイヤ(ガガガマジシャン)

・パール (ガガガガール)

・プラチナ (銀河眼の光子竜)

・ブラック (ブラック・サン・ドラゴン)

・ホワイト (ホワイト・サン・ドラゴン)

・サファイア (ガガガシスター)

 

 

担当:ギター・ヴォーカル・(ベース)

 

 

突然死んで5D'sの世界にきたこの小説の主人公で、アカデミア五剣士。

決闘は前世でもやっており好きだが、いわゆるファンデッキなので、大会では良くて3回戦まで。

使っているデッキは、初期はZEAXLの遊馬をモチーフにしたデッキだが、途中から《ガガガ》を中心にしたエクシーズデッキになっていき、色んなエクシーズモンスターを出せる。(この世界のルールでは危ないため、マシュ=マックは禁じ手として余程の事がない限り使わない)

 

 

自分の身を守るためといって空手・柔道・剣道を習ってた。剣道の腕前は異常によく、習って4年で全国優勝した。そのためリアルファイトで負けたことが滅多にない。中学時代はよく不良に絡まれたいじめっ子を助けるために一人で果敢に挑んでいた。

 

身体の治癒力は異常なまでに良く、骨折が一晩寝たら治ってしまう。

幽霊とか怪談は苦手で、しょっちゅう気絶している。

恋愛感情は鈍感。同い年の女子と寝ても何も思わないほど。それ以前に見た目が可愛い女の子みたいな感じなので「恋愛対象」ではなく「お人形」と見られる事も重なっている。

 

 

上記の通り、見た目が見た目なのに普段は男にしか見えない。理由は本人がクールな振る舞いと「俺」口調をしているため。しかし、前世の学園祭の劇の時に無理矢理女装させられた結果、とてつもない美人になる事が判明。劇終了後、教室に帰るまでに10近くの男子生徒に告られたという伝説(という名の黒歴史)を持っている(笑)

 

 

そして、とにかく料理がうまい。中学校卒業のとき、海外の三ツ星レストランからスカウトがくるほど。本人曰く「家族で作れるのが俺だけだから」。幼少期に外食ばかりしていた母親に「料理を作って」と言われて出された料理を食べた後、原因不明の病気で3日ほど入院されられて、それ以来自分で料理をするようになった。ヒマさえあれば、料理研究や市場にいって珍しい食材を探す。

 

 

 

 

アカデミア編入の次の日に、軽音部にほぼ強制的に入部させられて、しかも1ヶ月後に文化祭のコンサートがあったため、レミ達のスパルタ指導によりわずか1ヶ月弱でギター・ベース・ヴォーカルが出来るようになった。ただ、奏がヴォーカルに専念し、レミがベースになったのでギターを弾く事が多い。

 

 

 

 

転生した先の文化祭で女装させたらかなりの美女だということを皆に暴露てしまい、よくレミに捕まり、コスプレをやらされてしまう。最近、感想内でも「主人公ではなくヒロインではないか」とか「性別絶対に変えるべきだ」とか「性別偽っているんじゃね?」と、まあ色々言われている。(笑)

(メイド服・ウィンダ・マジョレーヌetc・・・・・)

 

他にも、電気が流れる伊達メガネをかけられて執事になって面倒事の解決を任されてしまうなど、確実に苦労人の道を辿っている。

 

 

海外公演後、シグナーの能力覚醒で新たに生命を司る能力を得た。自分や相手の怪我・体力などを回復したり神経を操って潜在能力向上・ヒト特有の神経を変えたりすることができる。ただし、あまり使い過ぎると自分自身の生命力が落ちてしまい、3日間くらい寝続けたり、もっと酷い事になるため使い過ぎないようにしている。

 

海外のファッションショー後、モデル事務所からオファーが来てしまったが、茜のお母さんが勝手にモデル契約をしてしまった。レミが電話すればいつでも女装モデルとして働く運命になってしまい、レミに逆らえなくなってしまった。



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オリキャラ設定 人物編 (2020年12月15日改定)

葵 レミ

13歳→15歳

 

誕生日:7月12日

 

シグナーの痣:羽

 

外見:大きな茶色の髪にポニーテールをして纏めている。赤のカチューシャをして大きな目をしている。ワンピを着ている(イメージは・・・・・・考えてない。一応、響ミソラ)

 

トレードマーク:緑のバレッタ

 

デッキ : ドラグニティ

 

精霊

・ドラグニティーファランクス

・フェザー・ウィング・ドラゴン

 

担当:ベース・ハーモニカ・ギター・(コーラス・ヴォーカル・etc・・・・)

 

 

アカデミア軽音部のリーダーで、アカデミア五剣士の1人。

別名、龍の姫。

響・奏・スバルとは小等部からの幼馴染で仲が凄く良い。そのため、バンドでは息があい、かなりのレベルである。

父親が楽器の製造会社に関わっていたため、幼い頃から楽器にはたくさん触れており、響たちに「バンドをやろう!」と言ったのもレミが始まり。

 

デュエルの腕前は中等部1位を争うほどあるのだが、突発して掛けている物が無いので、スバルとやるとチートドローで負ける。

 

決断力が早く、行動力があるため、バンドのリーダーを務め、レミが仕切った公演は全て大成功と収めている。

手先も器用で、現在までにある程度までなら全ての楽器を弾くことが出来る。が、本人が「ベースの方が得意からベース」とベースを務めている。

だが、料理は下手。遊輝曰く、「これ・・・・俺では教えられない・・・」

 

 

 

遊輝を女装させたら美女だということを気づいてから、何かに目覚めてしまい、今まで以上に暴走するようになり、暴走したら誰も止められず、寧ろ返り討ちにあって巻き添いを喰らう。

過去に他の作者方のキャラを数人メイド服や執事服・コスプレをさせた凄い人物。

 

海外公演後、シグナーの能力が覚醒して時を操ることが出来た。自分自身の意思で時間を止めたり、動かしたりする事が出来る(過去にいったり未来にいったりすることは出来ない)。そのため、時を止めている間に色々と準備をするようになったため、1日が実質30時間以上感じることもあり、最近良く欠伸をする機会が増えている。

 

 

 

 

遊城 スバル

12歳→14歳

 

誕生日: 1月12日

 

シグナーの痣: 剣

 

外見:肩に届きそうで届かない黒髪に大きな黒目、首には緑色のネックレスをかけていて、赤のチュニックを着ている。(イメージは遊城十代の髪を黒髪)

 

トレードマーク:オレンジのバンダナ

 

デッキ

1・・・・属性ヒーロー

2・・・・M・HERO

 

 

精霊

・ハネクリボー

 

担当:ドラム・(コーラス)

 

 

アカデミア五剣士の1人で、GXの十代の子孫。

別名、大地の戦士

十代同様デュエル馬鹿で、勉強の方はダメだけど「楽しいデュエル」をモッ等にしている。

それでも、部内だとまだしっかりしていてデュエル以外の事になれば、奏についでの常識人。

 

デュエルの腕前は言うこともなく、五剣士の中で1番を争うほど強く、十代譲りのチートドロー持ちでここぞの場面でキーカードを引く。そのためか、龍可と何故か話が合う。(それでも、龍可に負け越している)

 

ドラムは中等部進学時にレミに誘われて(脅されて)始めた。レミや奏たちの指導をうけ、みるみるうちに上達していき、遊輝が入った時には、皆が認める程上手になっていた。

 

意外や意外に、機械に強い。デュエルデスクの修理ならお手の物で、車を分解・組み立てが出来る。

そこで、家に居るときは修理屋として小遣い稼ぎをしている。

 

 

 

上記のように、機械に強く本人が「大きな発明をしたい!」と言って、レミから頼まれた全自動着替えマシンを開発した。(ただ、どうしても着替えが出来なくなるボタンを付けないと、上手くいかないらしい。この辺がまだまだな所)

肝心の機械はレミが持っているので、開発した本人でもレミの暴走は止められない。

 

 

海外公演後、シグナーの能力が覚醒、地面だけでなく植物や木々などの地球上に生息する生命を持つものを操る事ができるようになった。そのためか、植物の状態などに詳しくなってしまい、どのようにすれば元気になるかなどの知識も勝手に習得してしまった。

 

 

 

小野寺 響

13歳→15歳

 

誕生日: 5月16日

 

シグナーの痣:水

 

外見:赤茶色の髪をツインテールにして、それでも腰より上まで伸びている。黄色のリボンカチューシャをしている。普段はTシャツにノースリーブのパーカー、キュロットと男っぽい服装(イメージは北条響)

 

トレードマーク:水色のシュシュ

 

デッキ:氷結界→氷結ヒーロー→氷結界

 

精霊

・ブリザード・プリンセス

 

担当:キーボード・(コーラス)

 

 

アカデミア五剣士の1人。

別名、水の先導者

両親が有名な音楽家でピアノを弾いていたが、父親と些細なことでケンカをしてしまいピアノをやめてしまう。

そこからは音楽と離れていたが、レミに「もう一度やろう!」と言われピアノを再び始め、父親とも仲直りする。

それからは、レミと奏、中等部から入ったスバルと共にバンドをする。

 

明るく奔放な性格で、人一倍正義感が強いが、寂しがり屋でおっちょこちょい。(本編にはそんな仕草がほとんど無いが)

 

デュエルの腕前は、なかなかの物でレミやスバルと対等に戦える。最近、スバルからヒーロー関係のカードを譲って貰い、試行錯誤しているが、それでも良い勝負。

 

大の甘い物好きで、奏の作るカップケーキを毎日食べている。

 

そんな訳で普通は太っても良いんだが、本人は運動好きで毎朝ジョギングをしている。そして部活が無い日は、運動部の助っ人で試合に出させてもらっている。

運動能力が鬼畜過ぎて、男子プロ選手と同レベルのスキルがあり、助っ人で入ったチームを優勝・準優勝に導く。

(どれくらい凄いかと言うと、硬球を投げさせた時、サイドスローで平気で150km/h越え、テニスのサーブで200km/h近く出る)

 

 

海外公演後、シグナーの能力が覚醒。水だけでなく、氷を扱う事もできるようになった。そのため、夏でも簡単に雪を降らす事ができ、よく近所の子供たちの奉仕作業で雪や氷を作っている。

 

 

 

 

水野 奏

 

13歳→15歳

 

誕生日: 6月8日

シグナーの痣:雷

 

外見:亜麻色の髪をポニーテール 、ピンク色のリボンで結んでいる。大きな目で黒目のところが緑色の目をしている。淡いピンク色のチュニックを着ている。(イメージは南野奏)

 

トレードマーク:黄色の伊達眼鏡

 

デッキ

1・・・代行者パーミッション

2・・・終世→堕天使

 

精霊

・神秘の代行者 アース

 

担当:ヴォーカル・ギター

 

 

アカデミア軽音部のメインヴォーカルを務める。

家業がカップケーキ屋でケーキ作りが得意で、部の中で1番勉強ができる。

しっかりとした性格で芯が強く、相手にしっかりと本音を言える。(作者が受験勉強の時に預かってもらっている間に性格が変わっている気もするが・・・・・)

 

可愛いもの好きで、たくさんのぬいぐるみが部屋に飾ってある。

また最近、ぬいぐるみ以外にも目を行き始め、可愛い物ならなんでも抱きつこうとしてしまう。

 

アカデミア入学時は、デュエルの腕はあまり良くなかったが、レミやスバルたちと触れ合う内に強くなっていき、後に途中編入の遊輝と加わり、アカデミア五剣士となった。

別名、雷の天使

 

 

 

ギターは小等部にレミの勧めで始め、ヴォーカルは自分から務めると言った。

(ヴォーカルの技術もバンド結成当初では、4人の中で1番だったということもある)

 

家業がカップケーキ屋という事もあり、ケーキ作りは遊輝よりも上手。ただ、本人は「これでもまだまだ納得していない」とさらに向上を目指す。暇な時には店の手伝いでケーキを作る。

 

 

 

海外公演後、シグナーの能力が覚醒。光を操る事ができるようになった。周りの明るさで自身の身体を光彩によって見えなくしたり、光になって光速移動する事も出来る。シグナーの能力だけで見れば、他の4人よりもかなり強いのだが、何せ本人の身体能力が高くないため部内でやるリアルファイトではまだ能力を上手く使いこなせず負けてしまう事がある。

 

 

 

櫻井 祈

 

10歳→12歳

 

誕生日: 12月8日

 

外見:赤のカチューシャを着けた少し赤に近い茶色の髪、タレ目をしている。赤のジーパンコートに白のTシャツを着て、淡いピンクのスカート(イメージは調辺リコ)

 

デッキ:ジェムナイト

 

 

 

龍亞と龍可の同じクラスにいる小等部の女の子。

 

龍亞と龍可達に出会う前から人見知りの性格で、いつもおどおどとした話し方をしている。そのためにデュエルでも積極性を欠いてしまい、チャンスの場面でもなかなか攻めていなかった。

しかし、アカデミアデュエル大会の決勝戦でスバルとのデュエルをきっかけに積極性が着いてきて、本人もデュエルを楽しめて、明るくなった。

(それでも、デュエル以外はおどおどしているが・・・・)

龍亞と龍可がいない時に一度だけ、実技の部門で小等部1位まで登り詰めた経験があり。

 

なお、アカデミアデュエル大会の事がありスバルに恋心を抱くが、ここにも積極性を欠いてしまう。龍亞と龍可が軽音部の部室に遊びに行く機会があるので、ほとんど付き人みたいな感じで付いていき、世間話をするのが限界。

 

 

新学期明けに異世界から来た奈津芽凛というデュエリストと遊輝のデュエルに凄い感銘を受け、またその時に凛からカードを貰った。そこから、いつの日か本当のデュエリストになり、凛とデュエルして勝利を得るために、また、スバルに告白するためにデュエルの練習を説教的にすることが多くなった。

 

 

 

成田 恭輔

 

11歳→13歳

 

誕生日: 4月16日

 

外見:明るい茶色髪、細縁のメガネを掛けていて緑色の瞳、Tシャツの上に水色のシャツみたいなものを前を開いてきている。(イメージはヒーローバンクの天野ナガレ)

 

デッキ:ヒロイック軸戦士ビート→テラナイト

 

 

 

龍亞・龍可と同じ小等部5年の男の子。クラスは5ー2。

保健室でため息ばかりついていたところを遊輝が目を付けて、デッキを改造し、アカデミア小等部初の本格的にエクシーズモンスターを主力として戦うデュエリストへと成長した。

 

自分の運の無さを嘆えていたが、遊輝から色々と教わり、逆に師匠と仰ぐようになる。

 

師匠のためならと、何でも遊輝の手伝いをしていき、気づいたら軽音部のスタッフみたいな立場になった。軽音部がコンサートを開催する時には、陰で色々とサポートしている。(もちろん、コンサートを見る事も多いが)

 

また、遊輝の手伝いをしていったら自然と料理することにも興味も持ち、料理の研究もし始めた。(腕はまだまだ)

 

 

 

新年明けに龍亞・龍可・祈、天兵たちとお年玉で買ったパックでエクシーズモンスターを引き当てて、龍亞たちから譲り受けたパーツで【テラナイト】を構築。すぐに小等部実技1位まで上り詰めて、三学期の間は1位を守り続けたが最終日に龍亞に負けてしまい、最後の最後で2位に落ちてしまう。プトレマイオスが現役だった頃は誰も恭輔には勝てず、無双状態だった。

 

 

栗城 茜

 

12歳→14歳

 

誕生日: 2月4日

 

外見:ピンク色の長い髪を伸ばさずにそのまましている。パッチリ目であり、服は赤のコートでその下には普通のTシャツ、下はスカートをはいており、白色のマフラーをしている。(イメージは黒川エレン)

 

トレードマーク:紫のクリップ

 

デッキ:ヴェルズ(除外軸)

 

精霊:ヴェルズ・ケルキオン

 

担当:ギター・パーカッション・サブヴォーカル

 

 

 

 

 

レミの友達で、母親の仕事の関係で小等部2年の時にパリに引っ越した。それでも、メールのやりとりなので交流は続いている。レミの教えで、ギターをやっており、とある事からパーカッションも担当する事になった。

 

口癖は「〜〜っち」

雑誌モデルの時に「何か特徴がある方が良いわよ」と母親に勧められて始めた口癖だが、今では完全に定着している。

 

母親が有名ファッションデザイナーでその関係でファッションモデルをやっており、昔レミも誘って人気者だった。

 

柔道二段・空手三段・合気道初段のかなりの武道派。理由はパリで柔道が流行っていたこともあるけど、自分自身の護身のため。

 

デッキは遊輝が海馬コーポレーションにエクシーズモンスターを提供した1ヶ月後の先行販売で、唯一売られていたエクシーズ主体のデッキを母親が買って貰って、それ以来そのデッキを使っている。

デッキがデッキだけにかなり強く、さらに自分から除外関係のカードを入れて、進化していった。

 

 

 

 

栗城 すみれ

 

36歳→38歳

 

誕生日:6月24日

 

外見:茜と同じピンク色に髪をポニーテール、目はキリッとしていてかなり細め

 

 

 

茜のお母さん。

世界的ファッションデザイナーで下積み時代にはデザイナーだけでなくヘアリストとしても勉強していた。業界内では知らない人はいない。

少し思考回路がおか・・・ゲフンゲフン、少し変わった人で、良いと思った人は容赦なくモデルとして勧誘(強制)させる。(例えそれが男の娘でも・・・・・)。また、レミ以上のある意味ヤバイ人で人を拘束する癖があり、自分の娘にはやらないが対象と決めたモデルには朝からドッキリとか言って部屋に侵入して、縛って撮影場所に無理矢理連れて行く。ようはS。

 

 

 

アリア・リューベック

 

19歳

 

誕生日:8月20日

 

外見:透き通った青い髪の毛が腰近くまで伸びて、水色の目をしている。小顔でキリッとしていて手足は華奢。(イメージは魔女の旅々のイレイナ)

 

デッキ:様々なデッキを使用

 

 

輪廻転生でこの世界にきた人物。元の世界は遊輝と同じ世界。

 

名前の通り、日本人ではなくヨーロッパ系に住んでいた。生まれた直後から親に捨てられたため、物心ついたときにすでに孤児院にいた。小学校では孤児院出身ということでいじめられてしまい、すぐに行けなくなり、さらには孤児院も潰れてしまって路頭でハイエナのように回っていた。死因は雨の日から続いた風邪から重い病になってしまったこと。

 

 

この世界にきてからも親に捨てられたがトールモンドに救われて、精霊世界の街グリモワールで魔法使いとして育てられる。魔法学校に入学してから、魔法を使えないことから劣等生として先生や生徒から扱われ、家から飛び出す。そこで手に入れた禁断の書で魔法使いとしての才能が開花、2年間の修行を積み魔法使いとして戻ってきた。しかし、今度は逆に凄くなりすぎて、周りが離れてしまい、結局孤独な人生を送ることになってしまい、機械的な感情を持ち始めた。

 

 

遊輝と出会い、始めて人の温もり・優しさなどを感じて、機械的な感情が徐々になくなっていき、人間的な感情を覚えていった。

 

遊輝には龍可という彼女がいることを知っているがそんな事御構い無しに『一夫多妻制』を宣言して遊輝に好き放題したり、甘えたりするようにしている。

 

趣味は裁縫、アニメ・ライトノベル。そのため、コスプレ衣装の腕前はプロ級。すみれさんにスカウトされて今はすみれさんの事務所で唯一の裁縫担当をしている。



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オリキャラ設定 精霊編 (2015年10月31日改定)

・ダイヤ (ガガガマジシャン)

 

遊輝の精霊の1人で、ガガガマジシャンの精霊

パール・サファイアの3人兄弟の一番上の長男。しっかり物の性格で、遊輝に一番頼りにされている。

精霊世界でエンディミオンの魔法学校を首席で卒業したため、見た目と違ってかなり頭は賢い。ちなみに専門は魔法薬と魔法術。

遊輝がボケた時のツッコミ担当でもある。

 

 

 

 

・ パール (ガガガガール)

 

遊輝の精霊の1人でガガガガールの精霊。

ダイヤ・サファイアの3人兄弟の真ん中の長女であり、一番上の女性と言うこともありプラチナと良くブラックとホワイトの子守を担当する。

見た目と違って、ギャル語は使わない。だが、頭は決して良い方ではない。

精霊世界の魔法学校で卒業したが、その時も実は単位スレスレだった。ちなみに専門は教養。ただし、本人のレベルで一番通れそうな所だったため、誰にも勉強を教えるつもりはないらしい。

 

 

 

・サファイア (ガガガシスター)

 

最近、魔法学校を飛び級で卒業した遊輝の精霊で、ガガガシスターの精霊。

ダイヤ・パールの3人兄弟の一番の末っ子で、年齢は15。だが、見た目が見た目なのでよく子供と勘違いされる。また、年頃の女の子なので、結構遊んだり、甘えたりなど一番手前がかかったりもする。

ブラックとホワイトの良き遊び相手。魔法学校から帰ってきた日から3人で外に出掛けては1日中駆け回ることもしばしば。

専門はダイヤと同じく魔法薬と何故か地理。本人の得意分野らしいが、魔法と関係あるのか?

 

 

 

・プラチナ (銀河眼の光子竜)

 

遊輝の精霊の1人で、銀河眼の光子竜の精霊。

生まれて10年の時に、広い世界に憧れて1人で故郷(宇宙)から離れこの世界で旅をしていた。雨宿りで困った時にダイヤ達の家に泊めてもらい、何故かそのまま住み続ける事になった。

この中でドラゴンということもあり、擬人化ができる。擬人化した時は女の子。

働かないとダイヤ達に迷惑をかけると思って、たまたま広告にあった芸能人のオーディションに行った所、一発で合格。そのまま芸能界の世界に入っていき、そこそこの有名人となった。

 

 

 

 

・ブラック (ブラック・サン・ドラゴン)

 

遊輝の精霊の1人で、遊輝のシグナーの龍であるブラック・サン・ドラゴンの精霊。

ホワイトと双子の赤ちゃん。容姿はポケモンのマナフィを黒くすれば一発である。モンスター状態はポケモンのゼクロムに青いタスキ。声は『きゃっ』

遊輝がシグナーと分かったその日、ダイヤが見つけた古い箱を開けると見つかりそのまま遊輝が子守をすることになった。遊輝がアカデミアにいる時は、パールとプラチナが子守を担当する。

上級魔法使い族でも無いのに、実体化の能力を持っている。

遊輝が親バカであるため、かなりの甘えん坊。好物はビーフシチュー。

 

 

 

 

 

・ホワイト (ホワイト・サン・ドラゴン)

 

遊輝の精霊の1人で、遊輝のシグナーの龍であるホワイト・サン・ドラゴンの精霊。

ブラックとは双子の赤ちゃん。容姿はポケモンのマナフィを白くすれば一発である。モンスター状態はポケモンのレシラムに赤いリボン。声は『キャッ』

ブラックと同じく、遊輝がシグナーとなったその日に見つかり、遊輝がお世話する事になる。

またブラックと同様に、実体化の能力持ちでよく勝手に実体化しては甘えてくる。好物はグラタン。

 

 

 

 

 

・ファランクス (ドラグニティーファランクス)

 

レミの精霊の1人で、ドラグニティーファランクスの精霊。

とにかく無口。何を考えているのかレミさえも分からない。ドラグニティのエンジンになるため、かなり過労死組に入るが、もしかしたら余計な事で体力を使いたくないのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

・フェザー (フェザー・ウィング・ドラゴン)

 

レミの精霊の1人で、レミのシグナーの龍であるフェザー・ウィング・ドラゴンの精霊。

レミが幼い頃に一度だけ夢の中で会い、フォーチュン・カップの時に再会した。そこからはレミの頼れる相棒。

ファランクスが無口なので、レミとの喋り相手になることもしばしば。また、遊輝以外の他のシークレットシグナーのメンバーの龍が精霊では無いので、移動手段でもある。

 

 

 

 

 

・ハネクリボー

 

スバルの精霊で、良き相棒。GXの十代から受け継がれてきた。

スバルの隣にいることが多いのだが、奏が勝手に実体化させて抱きしめられる事もしばしば。

 

 

 

 

・プリンセス (ブリザード・プリンセス)

 

響の精霊で、ブリザード・プリンセスの精霊。

その名の通り、とある氷の世界の姫だが好奇心旺盛・天真爛漫な性格のため、城から抜け出してダイヤ達の街に遊びに行く事が多い。つまり、姫様の業務をサボる事が多い。

響の精霊だということもあり、どんどん運動神経は良くなっていく一方。姫様らしい姿が消えていく。

 

 

 

・アース (神秘の代行者 アース)

 

奏の精霊で、神秘の代行者 アースの精霊。

天空の聖域を拠点に各地で起こる犯罪を裁く裁判官・・・・・・・・の補佐を一応勤めている。(本人的にはやめたいらしい)

凄く眠たがりで、しょっちゅう寝てる。1日中寝ているということも・・・・・・・・

奏のカップケーキを食べる事が日課。まぁ、これ1食という日が多いけど・・・・・・・・

 

 

 

 

・ケルキオン (ヴェルズ・ケルキオン)

 

茜の精霊で、ヴェルズ・ケルキオンの精霊。

元の世界で、創星神をセイクリッド・ソンブレスと共に倒した後、1人気ままに精霊世界を旅していた。(まんま、マスターガイドと同じです)

茜がヴェルズのデッキを手に入れた時に、こっちの世界に現れた。

茜との生活に満足し、楽しんでいる。

ちなみに言葉は片言でしか喋られない。元々、喋れなかったのを茜の日本語で少し学んだみたいだ。

 



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オリカ集

この回では、今までこの小説に出たオリカをまとめただけです。
今後、新しくオリカが出た場合、ここに掲載して行きます。

投稿されたオリカには、カードの名前の横に〈○○さん投稿〉と記載しています。




・遠藤 遊輝

 

 

 

 

ホワイト・サン・ドラゴン ★6

光属性 ドラゴン族 攻2400 守1500

☆6モンスター×2

このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードにX素材が存在する場合、このカードはカード効果では破壊されない。

②このカードのX素材を1つ取り除き自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターは、このターン、相手に直接攻撃ができる。

選択した以外のモンスターは、このターン、攻撃できない。

③このカードが破壊され墓地へ送られた時、墓地に存在するSモンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

 

 

ブラック・サン・ドラゴン ☆8

闇属性 ドラゴン族 攻1000 守2100

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

①このカードの特殊召喚成功時、自分の墓地に存在するXモンスター1体を選択して、装備カードとしてこのカードに装備する。

②このカードの攻撃力は装備したXモンスターの攻撃力分アップする。

③このカードが破壊される時、代わりにこのカードに装備した装備カードを墓地に送る事で破壊されない。

④このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するXモンスター1体を特殊召喚して、このカードをX素材として下に重ねる事ができる。

 

 

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン ★7

光属性 ドラゴン族 攻3000 守2100

☆7モンスター×3

「CXホワイト・ゴッド・ドラゴン」の③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードにX素材が存在する場合、このカードは1ターンに2度まで、相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない。

②このカードが破壊され墓地に送られた時、自分の墓地に存在するSモンスター1体を特殊召喚する。

③このカードは「ホワイト・サン・ドラゴン」をX素材としている場合、以下の効果を得る。

・このカードのX素材を1つ取り除き発動する。

相手フィールド上に存在する表側表示モンスターを全て破壊する。

 

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター ☆10

闇属性 ドラゴン族 攻1500 守2600

①このカードは通常召喚できない。

②このカードは「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚できる。

③このカードの特殊召喚成功時、自分の墓地に存在するXモンスター1体を選択して、装備カードとしてこのカードに装備する。

④このカードの攻撃力は装備したXモンスターの元々の攻撃力の倍の数値分だけアップする。

⑤このカードは装備カードを装備している時、相手のカード効果によって破壊されない。

⑥フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、自分の墓地に存在する「ブラック・サン・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。

 

 

白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン ★12

光属性 ドラゴン族 攻4000 守4000

光属性☆12モンスター×5

自分フィールド上に「暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン」が存在しない場合、このカードの②③④の効果は無効になる。

①このカードはX召喚及び「未来へと登りし太陽」の効果でしか特殊召喚出来ない。

②このカードは魔法・罠・モンスター効果の対象にはならず、カード効果では破壊されない。

③このカードの特殊召喚成功時、このカードと「暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン」以外の表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする。

④このカードにX素材が存在する場合、このカードは以下の効果を得る。

・このカードがフィールド上に存在する限り、相手は1ターンに1度しか魔法・罠・効果モンスターの効果を使用できない。

・このカードがフィールド上に存在する限り、相手は1ターンに1度しかモンスターを召喚・特殊召喚・反転召喚できない。

 

 

 

暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン ☆12

闇属性 ドラゴン族 攻4000 守4000

闇属性チューナー2体+闇属性モンスター3体

自分フィールド上に「白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン」が存在しない場合、このカードの②③④の効果は無効になる。

①このカードはS召喚及び「未来へと登りし太陽」の効果でしか特殊召喚出来ない。

②このカードは魔法・罠・モンスター効果の対象にならず、カード効果では破壊されない。

③このカードは1ターンに2度まで攻撃することが出来る。

④このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 

 

不死鳥龍フェニックス・ドラゴン ★8 〈DDさん投稿〉

光属性 ドラゴン族 攻3600 守1000

☆8モンスター×2

「不死鳥龍フェニックス・ドラゴン」の②の効果はデュエル中に1回しか使用できない。

①1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドのカードを2枚まで持ち主の手札に戻す。

②このカードが墓地に存在する場合、お互いのエンドフェイズ時に発動できる。

自分の墓地のこのカード以外のモンスターを全てゲームから除外してこのカードを特殊召喚する。

この方法で特殊召喚した場合、相手のフィールドのカード3枚まで持ち主のデッキに戻す事が出来る。

この効果発動に対し相手は魔法、罠カードを発動できない。

 

 

ガガガレディ ☆7 〈光さん投稿〉

闇属性 魔法使い族 攻2300 守2000

チューナー1体+「ガガガガール」

このカードは墓地から特殊召喚出来ない。

①1ターンに1度、特殊召喚されたモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力を0にする。

この効果は相手ターンにも使用することができる。

②このカードが除外されたとき、デッキ・墓地から「ガガガガール」1体を特殊召喚する。

 

 

ガガガマザー ★6 〈追中命さん 投稿〉

闇属性 魔法使い族 攻撃力? 守備力?

闇属性・魔法使い族☆6モンスター×3

①このカードの攻撃力・守備力は自分フィールド・墓地・除外されている魔法使い族モンスターの数×1000ポイントアップする。

②この効果は以下のモンスターをX素材にした場合のみ発動する。

・ガガガマジシャン・・・このカードは戦闘及びカード効果では破壊されない。

③この効果は以下のモンスターをX素材にした場合のみ発動できる。

ガガガガール・・・1ターンに1度、自分のメインフェイズに発動できる。

相手は自分フィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない。

④この効果は以下のモンスターをX素材にした場合のみ発動できる。

ガガガシスター・・・1ターンに1度、相手がモンスターを特殊召喚した場合にこのカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その特殊召喚を無効にして持ち主のデッキに戻す。

 

 

 

XNo,39 希望太陽龍 ソル・ホープ ☆10 〈SD・クロニクルさん 投稿〉

光属性 ドラゴン族 攻4000 守4000

No,39 希望皇ホープ+ブラック・サン・ドラゴン+ホワイト・サン・ドラゴン

このカードは闇属性モンスターとしても扱う。

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

①このカードが融合召喚に成功した場合、自分の墓地に存在するXまたはSモンスター1体を対象にして発動する。

そのカードを装備カードとしてこのカードに装備する。

②このカードの攻撃力と守備力は装備したモンスターの攻撃力、守備力分アップして、装備モンスターの効果を得る。

③このカードに装備カードが装備されている場合、このカードは相手の魔法・罠・モンスター効果を受けない。

④このカードがフィールドに存在する限り、このカード以外のフィールドの魔法・罠・モンスターの効果は全て無効になる。

 

 

 

魔の革命デス・ザ・ロスト ☆8 〈メタルダイナスさん 投稿〉

闇属性 悪魔族 攻3000 守0

このカードを特殊召喚するターン、自分はこのカード以外のモンスターを特殊召喚することが出来ず、このカードを特殊召喚したターン、このカード以外のモンスターは攻撃出来ない。

「魔の革命 デス・ザ・ロスト」はデュエル中に1度しか出せない。

①このカードは自分フィールド上の闇属性モンスター1体をゲームから除外した場合のみ、手札から特殊召喚が出来る。

②このカードとの戦闘によって破壊したモンスターは墓地には行かず、ゲームから除外される。

③自分のライフが1000以下の時、このカードは相手モンスターに1回ずつ攻撃出来る。

④自分のライフが500以下の時、このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。

⑤エンドフェイズ時、この効果で特殊召喚したこのカードはゲームから除外する。

 

 

ガガガゲット 通常魔法 〈祝札さん投稿〉

①デッキから「ガガガ」と名のつくモンスター1体をデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。

 

 

聖なる呪術の宝札 通常魔法 〈龍南さん投稿〉

①自分の墓地の罠カードを3枚除外して発動する。

デッキから2枚ドローする。

 

 

未来へと登りし太陽 通常魔法

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスター効果は発動できない。

①自分フィールド上に「ホワイト・サン・ドラゴン」と「ブラック・サン・ドラゴン」が存在して、自分のライフポイントが1000ポイント以下の時のみ発動できる。

自分のフィールド・墓地のカードを全てゲームから除外して、自分のエクストラデッキから「白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン」と「暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン」2体を特殊召喚する。その後、このカードを「白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン」のエクシーズ素材として下に重ねる。

 

 

バーニング・サン 速攻魔法 〈SD・クロニクルさん投稿〉

①このカードを発動したフェイズによって以下の効果を発動する。

・自分のメインフェイズ:デッキの上からカードを5枚見て、その中から2枚を選んで手札に加える。

それ以外のカードをデッキに戻してシャッフルする。

この効果を使用したターン、モンスターの召喚・特殊召喚できない。

・互いのバトルフェイズ:自分のモンスター1体の攻撃力をダメージステップ終了時まで倍にする。

その後、次の自分のメインフェイズ2まで攻撃力・守備力は0になり、効果を無効にする。

・相手のメインフェイズ:相手の魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する。

この効果の発動に対して、魔法、罠、効果モンスターの効果を発動することはできない。

この効果を使用したターン、このカード以外の魔法・罠を発動することができない。

 

 

 

ルナティック・レイン 永続魔法 〈SD・クロニクルさん投稿〉

①自分または相手がモンスター効果を発動するたびにこのカードにルナカウンターがを1つ乗せる。

このカードにルナカウンターが8つある時、このカードを墓地に送って、デッキから3枚カードをドローする。

このカードが自身の効果で墓地へ送られたターン、自分はLv5以上のモンスターを召喚・特殊召喚できない

 

 

 

・龍亞

 

 

 

D・ソードン ☆4 〈無零武さん 投稿〉

 地属性 機械族 攻1200 守800

このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このモンスターがフィールドに存在する場合、装備魔法扱いとして「パワー・ツール・ドラゴン」に装備する事ができ、攻撃力が1200ポイントアップする。

②このカードを装備したモンスターがフィールド上に存在する場合、表側表示のカードを1枚破壊する事ができる。

③このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

・攻撃表示:自分フィールド上に存在する「D」と名のついたモンスター1体をリリースし、自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる。「D・ソードン」のこの効果は1ターンに1度しか使えない。

・守備表示:このモンスター以外の「D」をリリースし、デッキから「D・シールドン」を特殊召喚する。

 

 

D・シールドン ☆3 〈無零武さん 投稿〉

 地属性 機械族 攻300 守1800

 ①このモンスターがフィールドに存在する場合、装備魔法扱いとして「パワー・ツール・ドラゴン」に装備する事ができ、守備力が1500ポイントアップする。

 ②このカードを装備したモンスターがフィールド上に存在する場合、相手の魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にならない。

③このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。

・攻撃表示:このモンスター以外の「D」をリリースし、デッキから「D・ソードン」を特殊召喚する。

・守備表示:相手モンスターが攻撃宣言した時、このモンスターを攻撃対象に変更することが出来る。

 

 

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター ☆9 〈祝札さん投稿〉

地属性 機械族 攻2800 守3000

このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードは通常召喚できない。

②このカードは「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚ができる。

③デッキから装備魔法を1枚手札に加えることができる。

④このカードは装備魔法を装備している時、カード効果では破壊されない。

⑤このカードを対象とするカード効果が発動した時、このカードに装備されている装備カードを1枚墓地に送ることにより、そのカードの発動と効果を無効にして、破壊することができる。

⑥このカードが破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「パワー・ツール・ドラゴン」を特殊召喚できる。

 

 

表裏の解放者リベレイター ゼネディクル ☆10 〈忍丸さん投稿〉

光属性 戦士族 攻2500 守1500

チューナー+チューナー以外の☆4以下のモンスター2体以上

「表裏の解放者 ゼネディクル」の②と③の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

①このカードは攻撃できない。

この効果は無効にされない。

②このカードがS召喚に成功した場合、デッキの上から五枚を確認する。

その中に存在するレベル4以下のモンスターを召喚条件を無視して可能な限り特殊召喚できる。

残りはデッキに戻してシャッフルする。

この効果で特殊召喚したモンスターの戦闘ダメージは0となる。

③このカードが墓地に送られた場合、自分の手札・墓地からレベル4以下のモンスターを可能な限り特殊召喚できる。

 

メタルジェノサイダー 通常罠 〈SD・クロニクルさん投稿〉

①自分フィールド上の機械族モンスターを対象にして発動する。

このカードを攻撃力1000ポイントアップする装備カードとしてそのモンスターに装備する。

②装備モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手に自分の手札の枚数×300のダメージを与える(最大1500まで)。

 

 

 

ツール・アタッチメント 装備魔法 〈suraさん投稿〉

「ツール・アタッチメント」の①の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①デッキから装備魔法を墓地へ送り発動する。

このカードは次の自分のスタンバイフェイズまで墓地へ送ったカードと同名カードとなり墓地へ送ったカードと同じ効果になる。

 

 

 

・龍可

 

 

ライトロード・スネーク キラー ☆3 チューナー

光属性 爬虫類族 攻600 守1100

①このカードはデッキから墓地に送られた時、墓地から特殊召喚できる。

この方法で特殊召喚したこのカードがフィールドから離れる時、ゲームから除外する。

②このカードをS素材とする場合、他のS素材は「ライトロード」と名のついたモンスターでならなければならない。

 

 

 

ライトロード・バタフライ ファルファッラ ☆1 チューナー

光属性 昆虫族 攻0 守0

①このカードがデッキから墓地に送られた時、このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。

 

 

ライトロード・シャーク スクァルス ☆3 チューナー

光属性 魚族 攻300 守300

このカードは通常召喚出来ない。

①このカードはデッキから墓地に送られた場合、特殊召喚できる。

②1ターンに1度、このカードは戦闘では破壊されない。

 

 

 

ライトロード・オラクル ゼウス ☆12

光属性 雷族 攻4000 守4000

「ライトロード・オラクル ゼウス」の②の効果は1ターンに1度しか発動できない。

また、このカードは通常召喚できない。

①自分フィールド上の「裁きの龍」が破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時のみ手札から特殊召喚できる。

②自分のライフを半分払って発動できる。

このカード以外のフィールド上に存在するカードとお互いの手札を全て墓地に送る。

この効果の発動に対して、相手は魔法・罠・効果モンスターの効果を発動出来ない。

この効果を使ったターンのエンドフェイズ時、このカードをゲームから除外する。

 

 

 

エンシェント・コメット・ドラゴン ☆8

光属性 ドラゴン族 攻0 守4000

チューナー+エンシェント・フェアリー・ドラゴン

このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードはカード効果では破壊されない。

②このカードが戦闘で破壊されたエンドフェイズ時、墓地に存在するこのカードをゲームから除外することで、墓地に存在する「エンシェント・フェアリー・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。

③フィールド上のカードを1枚選択して破壊することができる。

この時、破壊したカードの種類によって以下の効果を得る。

・モンスター・・・このカードの攻撃力は、破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。エンドフェイズ時、このカードの攻撃力を0にして、このカードを守備表示にする。

・魔法・・・デッキからカードを1枚ドローする。そのカードが、魔法カードだった場合、相手に見せることでもう一枚ドロー出来る。

・罠・・・自分の墓地に存在するカードを1枚選択して手札に加える。

 

 

 

ジャスティス・ロード フィールド魔法 〈祝札さん投稿〉

このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードがデッキから墓地に送られた時、墓地からこのカードを発動する。

②手札の「ライトロード」と名のついたモンスター1体を墓地に送る事で、デッキから「ライトロード」と名のついたモンスター1体を墓地に送る事ができる。

③このカードが破壊された時、デッキからカードを2枚墓地に送る。

 

 

 

・ 葵 レミ

 

 

 

ドラグニティーバッカー ☆1 チューナー

風属性 ドラゴン族 攻200 守800

①このカードがカードの効果によって装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターが魔法・罠カードの対象になった時、装備されているこのカードを墓地に送る事で、そのターン、装備モンスターは魔法・罠カードの効果の対象にはならない。

 

 

 

 

フェザー・ウィング・ドラゴン ☆8

風属性 ドラゴン族 攻撃力2800 守備力1500

風属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地に存在するドラゴン族モンスターを任意の数だけ選択し、このカードに装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

②このカードに装備された装備カードを墓地に送る事でこのカードは破壊されない。

③墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻すことで、フィールド上のカード1枚を手札に戻す。

 

 

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン ☆10

風属性 ドラゴン族 攻3000 守1700

風属性チューナー+フェザー・ウィング・ドラゴン

「風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン」の④の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。

②このカードがS召喚に成功した時、墓地に存在するドラゴン族モンスターを任意の数だけ装備カードとしてこのカードに装備する。

③このカードの攻撃力はこのカードに装備されている装備カードの数1枚につき100ポイントアップする。

④このカードに装備されている装備カードを1枚墓地に送る事で、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体の効果を無効にして攻撃力と守備力を0にする。この効果を使用したターン、このカード以外の自分フィールド上のモンスターは攻撃できない。

⑤このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「フェザー・ウィング・ドラゴン」を特殊召喚できる。

 

 

 

 

聖なる呪術の宝札 通常魔法 〈龍南さん投稿〉

①自分の墓地の罠カードを3枚除外して発動する。

デッキから2枚ドローする。

 

 

 

・ 遊城 スバル

 

 

E・HERO マッハ・ウィンド ☆2 チューナー

風属性 戦士族 攻300 守300

①自分フィールド上に「E・HERO」と名のついた融合モンスターが2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 

 

 

E・HERO ダーク・ネオ ☆3 チューナー

闇属性 戦士族 攻0 守0

①このカードが召喚に成功した時、手札の「融合」または「フュージョン」と名のついたカードを1枚墓地に送る事で、自分の墓地に存在する「HERO」と名のついた融合モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ下がる。

また、攻撃力は0になり、効果は無効化になる。

エンドフェイズ時にこの効果で特殊召喚したモンスターは破壊する。

 

 

E・HERO グランドマン ☆2 チューナー

地属性 戦士族 攻 100 守 100

このカードは特殊召喚できない。

「E・HERO グランドマン」はデュエル中に1度しか使用できず、またこのカードを召喚したターン、自分はこのカードをS素材としたSモンスターのS召喚での特殊召喚しかできない。

①このカードをS素材とする場合、他のS素材モンスターは墓地の融合またはSモンスター1体でなければならない。その際、このカードとS素材にしたモンスターはゲームから除外する。

 

 

 

E・HERO マジカル・ウィッチ ☆4 〈龍南さん投稿〉

闇属性 魔法使い族 攻1400 守1000

①このカードの召喚に成功した時、自分フィールド上にこのカード以外の「HERO」と名のつくモンスターがいる場合、自分のデッキから魔法カードを1枚手札に加えることができる。

 

 

 

E・HERO スピリット・ドラゴン ☆8

地属性 ドラゴン族 攻撃力 2200 守備力 2000

チューナー+チューナー以外の戦士族モンスター1体以上

このカードの①の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①自分の墓地の「HERO」と名のつく融合モンスターを除外する事で次の相手ターンのエンドフェイズまで、除外したモンスターの元々の攻撃力の半分の攻撃力を加え、除外したモンスターと同じ効果を得る。

②このカードが破壊された時、この効果で除外した「HERO」と名のつく融合モンスター1体を特殊召喚する。この特殊召喚は融合召喚扱いとする。

 

 

 

地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン ☆10

地属性 ドラゴン族 攻2500 守2400

戦士族チューナー+E・HERO スピリット・ドラゴン

「地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン」の③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。

②このカードのS召喚成功時、ゲームから除外されている「HERO」と名のついたモンスターを全て墓地に戻す事ができる。

③墓地に存在する「HERO」と名のついた融合モンスターを選択して発動する。

次の相手のエンドフェイズ時まで、このカードの攻撃力はこの効果で選択したモンスターの攻撃力分アップして、同じ効果を得る。

④このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する「E・HERO スピリット・ドラゴン」を特殊召喚できる。

 

 

 

エレメンタル・トリック 速攻魔法

①自分フィールド上に存在する「E・HERO」と名のついた融合モンスター1体リリースして発動する。

墓地に存在する魔法カード1枚を手札に加える。

この効果で手札に加えたカードはこのターン発動できない。

 

 

摩天楼3-ミラージュタウン フィールド魔法 〈龍南さん 投稿〉

「摩天楼3ーミラージュ・タウン」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使えない。

①1ターンに1度、「HERO」と名のついたモンスターを1体墓地から除外することでカードを1枚ドローできる。

②1ターンに1度、①の効果で除外した「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

ヒーロー工場 フィールド魔法 〈追中命さん 投稿〉

「ヒーロー工場」の①の効果は1ターンに1度しか使えない。

①このカードの発動時の効果処理として、手札を1枚捨てることでデッキから「HERO」と名のついたモンスターを1枚手札に加える。

①自分フィールド上の「HERO」と名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

 

 

 

・小野寺 響

 

 

氷結界の龍 ロンギヌス ☆10

水属性 ドラゴン族 攻2300 守1900

チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上

①このカードがS召喚に成功した時、このカードのS素材となったモンスターの数まで相手フィールド上に存在するカードを選択して墓地に送る。

 

 

氷結界の神龍 ヴォルガルス ☆12 〈メタルダイナスさん 投稿〉

水属性 ドラゴン族 攻3000 守2000

チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上

①このカードがシンクロ召喚に成功した場合、相手のフィールド上のカードを全て除外する。

②このカードがフィールド上に存在する限り、このカード以外の「氷結界」と名のついたモンスターは戦闘及び相手の効果では破壊されない。

 

 

 

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン ☆12 〈雷影さん 投稿〉

水属性 魔法使い族 攻3300 守2800

「氷結界」と名のついたチューナー+チューナー以外の「氷結界」モンスター2体以上


①このカードがシンクロ召喚に成功した場合、このカードのチューナー以外のシンクロ素材に使用したモンスターの数まで相手の手札・フィールド・墓地の中からそれぞれ選んでゲームから除外する。


②このカードがフィールドから離れた場合、エクストラデッキから「氷結界」と名のついたSモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

 

 

 

アイス・ スプラッシュ・ドラゴン ☆7

水属性 ドラゴン族 攻撃力 2500 守2500

チューナー+チューナー以外の水属性モンスター1体以上

「アイス・スプラッシュ・ドラゴン」の②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードがS召喚に成功した時、相手の手札をランダムに1枚墓地に送る事が出来る。

②自分フィールド上の水属性モンスター1体を選択して、そのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える。この効果を使ったターン、自分は攻撃出来ない。

 

 

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン ☆10

水属性 ドラゴン族 攻2800 守2600

水属性チューナー+アイス・スプラッシュ・ドラゴン

「水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン」の③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。

②このカードのS召喚時に発動出来る。相手フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。

③自分フィールド上に存在する水属性モンスター1体を選択し、そのモンスターのLv×300ポイントのダメージを与える。

この効果を使ったターン、自分は攻撃出来ない。

④このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「アイス・スプラッシュ・ドラゴン」を特殊召喚できる。

 

 

氷結界の意志 魔法

①自分の墓地に存在するLv4以下の「氷結界」と名のついたモンスター1体をゲームから除外して発動する。

除外したモンスターと同じレベルの「氷結界」と名のついたモンスター1体をデッキから特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力と守備力は0になり、効果は無効になる。

 

 

聖なる呪術の宝札 通常魔法 〈龍南さん投稿〉

①自分の墓地の罠カードを3枚除外して発動する。

デッキから2枚ドローする。

 

 

・ 水野 奏

 

 

共鳴の代行者 ネプチューン ☆3 チューナー

光属性 天使族 攻1100 守500

①1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカード以外の「代行者」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターのレベルをこのカードと同じレベルにする。

②「天空の聖域」が存在する場合、このカードは手札の天使族・光属性モンスター1体とS召喚する事ができる。

この方法でS召喚したシンクロモンスターはエンドフェイズ時、墓地に送る。

 

 

 

導きの代行者 プルート ☆2 チューナー

光属性 天使族 攻300 守300

①このカードがS素材としたSモンスターがS召喚に成功した時、エンドフェイズまでSモンスターの攻撃力を300ポイントアップする。

②フィールド上に「天空の聖域」が表側表示で存在する場合、自分は通常召喚に加えて「代行者」と名のついたモンスター1体を召喚できる。

 

 

 

 

堕天使リリス ☆6 〈フュージョニストさん投稿〉

闇属性 天使族 攻2450 守1000

①このカードが墓地から特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、エンドフェイズまで攻撃力を1000ポイントダウンする。

 

 

 

堕天使クリスティア ☆8 〈龍南さん投稿〉

闇属性 天使族 攻2800 守2300

①このカードはデッキから「大天使クリスティア」を除外した場合のみ手札から特殊召喚できる。

②このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はモンスターを特殊召喚できない。

③このカードがフィールド上から墓地に送られる場合、墓地へはいかずゲームから除外される。

 

 

 

輝く聖皇 アリエース ☆7 〈メタルダイナスさん投稿〉

光属性 天使族 攻2400 守1000

このカードは通常召喚できず、このカードの効果でしか特殊召喚できない。

「輝く聖皇 アリエース」はフィールドに一体しか存在できず、S素材とX素材にはできない。

①自分フィールドの天使族モンスターの攻撃宣言した場合に発動できる。

そのモンスターの攻撃を無効にして、そのモンスターをリリースし、手札のこのカードを特殊召喚する。

②このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからカウンター罠1枚を手札に加えることができる。

③このカードがフィールドを離れる場合、墓地のカウンター罠をゲームから除外できる。

 

 

時の革命 ミラダンテ ☆8

光属性 ドラゴン族 攻3000 守2800

このカードは通常召喚できず、このカードの効果でしか特殊召喚できない。

「時の革命 ミラダンテ」は自分フィールド上に1体しか存在できない。

①自分の墓地の光属性・天使族モンスターを3種類除外してこのカードを特殊召喚する。

このカードが特殊召喚したターン、自分はこのカード以外のモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚はできない。

②このカードの特殊召喚成功時、相手フィールド上の全てのモンスターを守備表示にする。

この効果で守備表示になったモンスターは次の相手ターンのエンドフェイズまで表示形式を変更できない。

③自分のライフポイントが500以下の場合、相手はモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚・セットはできない。

 

 

 

ライトニング・ エンジェル・ドラゴン ☆6

光属性 ドラゴン族 攻2300 守1600

光属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地のカウンター罠を1枚を手札に加えることが出来る。

②このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、カウンター罠以外の罠カードを発動する事はできない。

③手札のカウンター罠を墓地に送る事で、デッキからレベル4以下の天使族モンスター1体を手札に加える。

 

 

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン ☆8

光属性 ドラゴン族 攻2600 守2000

光属性チューナー+ライトニング・エンジェル・ドラゴン

「光玉霊 トパーズ・ドラゴン」の②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。

①このカードはS召喚でしか特殊召喚出来ない。

②相手が魔法・罠カードを発動した時、その発動を無効にして破壊することができる。

この効果は相手ターンでも使える。

③このカードの攻撃宣言時、このカードが攻撃する相手モンスターの攻撃力と守備力をバトルフェイズ終了時まで入れ替える。

④このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「ライトニング・エンジェル・ドラゴン」を墓地から特殊召喚できる。

 

 

神殿に眠る天使 通常魔法

①自分の墓地に存在する「神の居城ーヴァルハラ」をゲームから除外して、自分フィールドの天使族モンスターと墓地の天使族モンスターを1体ずつ選択して発動する。

選択したモンスターを破壊して、墓地から選択したモンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、攻撃できない。

 

 

雷の矢 カウンター罠

①自分フィールド上に「ライトニング・エンジェル・ドラゴン」が表側表示で存在する時発動できる。相手が発動した魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にし破壊する。

 

 

 

・櫻井 祈

 

 

ジェムナイト・クォーツ ☆4 〈フュージョニストさん 投稿〉

光属性 岩石族 攻1500 守1500 (通常モンスター)

 

 

 

ジェムナイト・マジシャン ☆3 〈龍南さん〉

光属性 魔法使い族 攻1000 守1000

①1ターンに1度、手札の「ジェムナイト・フュージョン」を1枚を捨てることで、除外されている「ジェムナイト」と名のついた融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

②このカード以外の「ジェムナイト」と名のついたモンスターが自分の場に存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。

 

 

 

ジェムナイト・クンツァイト ☆8 〈フュージョニストさん 投稿〉

光属性 天使族 攻2000 守1800

『ジェムナイト・クォーツ』+『ジェムナイト』と名のついたモンスター

このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

①このカードの融合召喚に成功したとき、墓地の『ジェムナイト』と名のついたモンスターを5枚までゲームから除外するが出来る。

②このカードの攻撃力と守備力は、それぞれ除外したカードの枚数×300ポイントアップする。

③このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、罠の効果を受けない。

 

 

 

ジェムナイト・ダークパール ☆9 〈フュージョニストさん 投稿〉

地属性 岩石族 攻3300 守2200

『ジェムナイト』と名のついたモンスター×3

このカードは融合召喚およびこのカードの効果でのみ特殊召喚できる。

『ジェムナイト・ダークパール』の①②の効果は、1ターンに1度どちらかしか発動できない。

『ジェムナイト・ダークパール』はフィールド上に1体しか存在できない。

①このカードの融合召喚成功時、自分フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、相手フィールド上のカードを2枚まで選び破壊する事ができる。

②このカードが墓地に存在する時、自分のスタンバイフェイズ時に1度だけ、手札の『ジェム』と名のついたモンスターを2体ゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する事が出来る。

 

 

 

・成田 恭輔

 

 

星輝士 ミルキー・ウェイ ★4 〈ドロイデンさん投稿〉

光属性 戦士族 攻1000 守3000

☆4「テラナイト」モンスター×2

①このカードが魔法・罠・効果モンスターの効果でフィールドから離れる代わりに、このカードのエクシーズ素材を一つ取り除く。

②このモンスターが墓地に送られた場合、デッキから「テラナイト」モンスターを1体特殊召喚する。

 

 

 

・十六夜 アキ

 

フレア・ローズ・ドラゴン ☆8 〈忍丸さん投稿〉

炎属性 ドラゴン族 攻3000 守1500

植物族チューナー+ブラック・ローズ・ドラゴン

このモンスターはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。

「フレア・ローズ・ドラゴン」の①と③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。フィールド上のカードを任意の枚数選択して持ち主のデッキに戻す。

②このモンスターの攻撃宣言時、自分のライフが相手よりも低い場合、このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで倍になる。

③自分のスタンバイフェイズ時、墓地からレベル5以上の植物族またはドラゴン族モンスター1体を特殊召喚できる。

 

 

・鬼柳 京介

 

 

インフェルニティ・デス・リーパー ☆1

闇属性 悪魔族 攻0 守0

「インフェルニティ・デス・リーパー」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①自分の手札が0枚の時に相手が「自分フィールドのモンスターを破壊する」効果を持つ魔法・罠・モンスター効果が発動した場合、墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動できる。

その発動を無効にする。

その後、相手は以下の効果から一つを選択する。

・相手はデッキからカードを1枚ドローする。

そのカードがモンスターカードだった場合、自分フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、1000ポイントのダメージを受ける。自分フィールド状にモンスターがいない場合、自分は1500ポイントのダメージを受ける。

モンスターカード以外だった場合、相手フィールド・手札・墓地のカードを全てゲームから除外して、除外したカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える。

・このターン、相手フィールドのカードは破壊されない。

 

 

 

・ハンス

 

 

カラクリ天魔王 無頼 ☆10
 〈ドロイデンさん 投稿〉

地属性 機械族 攻3100 守1500


地属性チューナー+チューナー以外の機械族モンスター2体以上


① このカードがシンクロ召喚に成功した時、デッキから『カラクリ』と名のつくモンスターを1体特殊召喚する。


② 1ターンに1度、このカード以外のフィールドの『カラクリ』モンスター1体と手札の『カラクリ』チューナーモンスター1体を墓地へ送ることで、そのモンスターのレベルの合計と同じレベルのチューナー以外の地属性SモンスターをS召喚扱いでエクストラデッキから特殊召喚する。

 

 

 

SP

 

SPーシンクロ・リフト

①SPCが6つ以上ある時、墓地のSモンスター1体をゲームから除外して発動する。

除外したモンスターよりもレベルが高いSモンスター1体を選択して墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化となり、エンドフェイズ時にゲームから除外する。

 

 

 

 

SPーエレメンタルチェンジ

自分のSPCが3つ以上ある時に発動出来る。

自分フィールド上のモンスター1体を選択して、選択したモンスターの属性をこのターンのエンドフェイズまで自分が宣言した属性にする。

 

SPーガガガリベンジ 装備魔法

自分のスピードカウンターが6つ以上ある場合、自分の墓地の「ガガガ」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。

このカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターを破壊する。

また、装備モンスターがエクシーズ素材になる事によってこのカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上の全てのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする。

 

 

SPーマジック・プランター 通常魔法

自分のスピードカウンターが4つ以上存在する場合、自分フィールド上に表側表示で存在する永続罠を1枚墓地に送って発動する。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

SPーRUMーバリアンズ・フォース 通常魔法

自分のスピードカウンターが3つ以上ある場合、自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高い「CNo,」または「CX」と名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

その後、相手フィールド上にエクシーズ素材が存在する場合、相手フィールド上のエクシーズ素材1つを、この効果で特殊召喚したエクシーズモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。

 

 

SPーマスク・チェンジ 速攻魔法

①自分のスピードカウンターが3つ以上ある場合、自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。



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第1章 フォーチュン・カップ・ダークシグナー編
第1話 転生!新たなるスタート


すぴばるで投稿しているDICHIというものです。
こちらでは新参者ですので、色々とアドバイスをくれたらありがたいです。
では、すぴばるで投稿している私の最初の作品をどうぞ!


??? side

 

「う、う〜ん?」

 

意識を取り戻して目を開けるとそこには天井が見えた。そして仰向けになっている身体にはかなりフカフカとしているベッドによって支えられていることがわかった。そして寝起きで思った最初の一言・・・・・

 

「(ここ・・・・何処だ?)」

 

確か友達とカラオケに行ってその帰りでトラックがなんか突っ込んで来て・・・・・・もしかして病院?俺、事故って入院?

「(それにしては部屋が広すぎる・・・・ベッドが一つしかないし、何より鏡やらタンスやらおいてある。もしかして家か?)」

 

それだったら俺、人様に迷惑をかけてしまったな。全く知らない赤の他人の家のしかもかなり豪華なベッドの上で寝ていたのか。失礼な事をしたな。

そんなことを思っていたら・・・・・・・

 

「あ、起きた?」

 

ドアの方から声が聞こえてきた。

目を擦りながらその声をした方へと顔を向ける。そいつの顔はよく見えてなかったが、特徴的な事に明るい緑色の髪をポニーテールように纏めていた。しかし、声のトーンからして何となく男だということが分かる。

 

「(・・・・・・ちょっと待てよ?あの声、何処かで聞いたことがあるぞ?)」

 

「龍可〜!!早くこいよ!!あの人起きたよ!!」

 

「ちょっとうるさいよ!お客さんに失礼でしょう龍亞!」

 

「(ああ・・・・・そうか、あの声は龍亞だったか、納t・・・・・・龍亞!?)」

 

龍亞ってあの遊戯王5D'sに出ていた龍亞!?何でここに龍亞がいるの!?ていうか今、「龍可」って言った!?あの二人はアニメのキャラでしょ!?現実世界にはいないよ!?

いろいろ考えているうちに双子の兄弟が近づいてきた。その顔を見て俺は気絶しそうになった。緑色の髪をポニーテールにして、目がクリッと大きく、両腕に少し大きめのリストバンド?みたいな物をしている少年と同じく緑色の髪をツインテールにしている龍亞と同じくらいの身長、赤いTシャツの上に薄いピンクのジャケットを着た女の子・・・・・・・アニメの世界にいるはずの双子、龍亞と龍可だった。

「あなた大丈夫?玄関の前で倒れていたのだけど?

 

「あ、ああ大丈夫」

 

「よかった〜。玄関開けた時は本当にビックリしたんだから。俺の名前は龍亞。こっちが双子の妹の」

「龍可よ」

 

「あ、ああ・・・・・よろしく」

 

俺が言うのも何だけどこの双子、よく玄関前に倒れている見ず知らずの人を家に上げて介抱したな・・・・・

 

「ねぇ、名前何ていうんだ?」

 

「え、えっと・・・・・」

 

「龍亞、まだ起きたばっかで何があったのか分からないみたいだから少し時間を起きましょう」

 

「あ、だ、大丈夫だから・・・・・あれ?これなんだ?」

 

適当にズボンのポケットを探っていたら、何かの角みたいな物に触れたのでそいつを取り出す。それは俺の名前と写真の入ったカードと四角に折れていた1枚の紙だった。

「へぇ〜遠藤遊輝ていうんだ」

 

「ちょっと!勝手に見て!」

 

「ははは、別にいいよそれぐらい」

 

そう、俺の名前は遠藤遊輝。そこらへんにいそうな普通の高校生だ。

 

 




こちらに載せているのはすぴばるで載せていた物を改訂した物ですが、こうやって1話を投稿するのは初心を思い出しますね。
これからもこんなあやふやな感じになりますがよろしくお願いします。


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第2話 現状!矛盾するカードたち

遊輝 side

 

現在、この家のリビングらしき部屋にある机で俺と龍亞・龍可が対面するように座っている。あの後、手紙を呼んだ俺は気が動転しそうになりながらでもとりあえずの状況を手紙を見せながら説明した。

 

「・・・・ごめん、整理させて」

 

「なんか・・・・混乱して落ち着かないの」

 

「ああ、いいぞ」

龍亞と龍可の顔が困惑してる。さすがにいっぺんに言い過ぎたかな?しかも俺の状況が状況だったし。

 

「えっと・・・・まず遊輝はこことは別の世界に住んでいた」

 

「そう」

 

「そして、手紙には神様という人が遊輝宛にこんな事が書いてあった」

 

「遊輝は事故で死んでしまった。だけどそれは、神様が間違って遊輝を殺してしまった」

 

この手紙に書いてあることを鵜呑みにすると、どうやら俺は前の世界で死んでしまったらしい。だけどそれは神という奴が間違えて殺してしまい、俺は俗に言う転生をしたらしい。『らしい』というのは、俺自身、正直言ってそんな実感がない。神様とか言う奴にもあってないし、いきなりベッドの上で目覚めたから何が何やらさっぱりなんだよ。

「このままだと神様が天界から追放されて不味いから、遊輝を死なせてしまった償いとして遊輝を生き返らせて、別の世界に転生させた」

 

「それが俺たちが住んでいるこの世界。ここまでは合っている?」

 

「ああ、合っている」

 

転生された世界はどうやら5D'sの世界だった。龍亞と龍可がいるし確定だろう。まあ、遊戯王シリーズの中で1番見てたアニメだったけど・・・・

 

「遊輝はその前の世界では高校生だったけど、この世界では12歳と登録されている」

 

「そして、遊輝の世界には俺たちの世界とは違うルールのデュエルがあって」

 

「あと、遊輝には精霊が見えている」

 

「ついさっき届いたたくさんの荷物は、神様が遊輝宛に送ったたくさんのカードでこれでデッキを作ってくれと」

 

「もし何か聞きたいことがあれば、手紙に書いてあったこの番号に電話してくれ・・・これでいいかな?」

 

「ああ、今俺の身に起きたことだ」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

「二人とも驚くよな。俺だってビックリしたよ。突然のことすぎて何が何やら分からなくなっちまうよ」

 

突然死んでしまって、しかもいきなり別の世界に転生をするなんて、普通、誰も思わないだろう。なぜか

12歳になってて精霊が見えるという謎のことまでしたのか分からないが・・・・・・

精霊が見えたっていうのは、リビングに移動した時、龍可の横にクリボンがパッと現れるのが見えたから、これには驚いたよ。

 

「・・・・・・・遊輝はこれからどうするの?」

 

「うん?まだ考えてなかったな・・・・・・まずはこの世界で住む場所を探して、働き口を見つけないといけないかな」

 

「だったら此処で住めばいいじゃん!!ここだったら人1人増えたくらい別に問題じゃないし!!」

 

龍亞がバンッ!!!と大きく机を叩いて立ち上がって俺に言ってきた。こいつ、簡単に住めばとか言ってきたけど・・・・・・(汗)

 

「う〜ん・・・・・いいのか?俺はお前たちから見れば不審者同然の立場なんだぜ?それに龍亞が良くても、龍可やお前たちの両親にだって許可がいるし」

 

「親は出張ばっかでたまにしか帰ってこないし、龍可もいいよな?」

 

「(そういえばそうだな。この二人の両親ってアニメでも見たことがなかったな)」

 

「ええ、精霊も良い人って言ってくれてるし、龍亞と二人だと退屈だったから」

 

「・・・・・・本当に良いのか?」

 

「大丈夫だって!!親には俺からも説得するから!!」

 

「・・・・それじゃお言葉に甘えようかな」

 

「やったー!!」

 

「部屋はどうしたらいいんだ?」

 

「あの部屋を使っていいわ。来客用の部屋はまだあるし、あの部屋にしかタンスや鏡を置いていないから」

 

「そうか、ありがとう龍可。まずはこのダンボールからだな。よいしょっと」

 

「私も手伝ってあげる」

 

「サンキュー」

 

宅配便で送られてきた数箱のダンボールを俺が目覚めた部屋にとりあえず積み上げるように置いていく。1個ずつ開けていくと、俺の私服やら前世で使っていた物、さらには沢山のカードやデュエルディスクまで送られていた。そいつらの場所を考えつつ整理整頓をしていたら、突然龍亞が部屋に入ってきた。右腕にはデュエルディスクがセットしてある。

 

「遊輝って前の世界でもデュエルをしていたんでしょ!?早速俺とデュエルしようぜ!!」

 

「ちょっと何言ってるの龍亞!?いきなり失礼でしょ!!まだ荷物を整理してないし!!」

 

「あはは・・・・・(汗)仲がいいな〜。ちょっと待ってて、少し物を片付けてからデッキを作るから」

 

仲を打ち解けてからの開口一番がデュエルか・・・・・流石、デュエルで問題を解決する社会だな。

さて、この世界に来たからデッキは作らなきゃいけないんだが問題は・・・・・・

 

「そういえばこの黒いカードたちはなに?俺、見たこともないんだけど」

 

「龍亞!勝手に見ない!・・・・・・でも本当にこのカードたちは何なの?」

 

「これはエクシーズモンスターと言って、俺の世界ではシンクロの次に登場したモンスター達なんだよ」

 

問題点というのがエクシーズモンスター。ここは5D'sの世界のはずだが、何でか知らないが送られた荷物の中に平然とあった。こいつは後で神様にOHANASHIをしなくちゃな・・・・

 

「へぇ〜・・・・ねぇこのカードたちでデュエルして!!」

 

う〜ん・・・・・・使ってくれとは言われてもだな・・・・・この世界で登録されているかも分からないし・・・・・

 

「(後で問題が起きそうだけどまぁ、いいか)いいぜ、ちょっと待っといてくれ」

 

遊輝 side out

 

 

龍亞 side

 

あの人不思議な人だなぁ〜・・・・・別の世界で死んで俺たちの世界に生き返るだなんて。漫画みたいなことが現実に起きちゃって。優しくていい人そうだから、俺はそんな事全く気にしてないけどね。

デッキを組み上げた遊輝をベランダに呼んでデュエルディスクを起動させる。俺の家の庭、無駄に広いからこうやってデュエルも出来るんだぜ!

 

「じゃあ早速やろうぜ!」

 

「ああ!」

 

さあ、エクシーズモンスターがどんなモンスターか気になるけどこの決闘を楽しもう!

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

 

龍亞 side out

 

 

龍可 side

 

 

不思議だったなあの人・・・・・突然死んで私たちの世界に転生だなんて。最初はおっかない人に思えたけど、何だか優しそうだし、何より精霊が見えるって言ってくれた、それが何だか嬉しいかった。私以外にも精霊が見える人がいて、少し安心したわ。

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

あっ、デュエルが始まるわね・・・エクシーズモンスターか・・・楽しみだわ!

 




遊輝「どうも、主人公の遠藤遊輝と」

この小説の作者、DICHIです。今回は後語りについて話していきたいと思います。後語りは主に、その話に出てきた主要な人物に今回の話の感想みたいなものをそれぞれ思うままに言っていきたいと思います。

遊輝「また、この小説にはオリカがあるため、オリカが出た場合はオリカのテキストを載せながら解説をしていきたいと思います」

さて今回は改定作業中なので、ちょっとこの小説が投稿された時の裏話でもしましょう。

遊輝「ずっと先の展開も俺は当然しっているんだが・・・・・まぁタイトルダセェな」

しゃあなかったんや!!どうしてもいいタイトルが出なかったんや!!

遊輝「ちなみに実は、この小説のタイトルは2代目で、初代は別にあったことをご存知でしょうか?」

この小説が【小説家になろう】に投稿された時、テーマが今と違っていたからタイトルも違ったんだよ。残念ながらタイトルはもう覚えてないが。

遊輝「そこは覚えておくべきだろうが!!まぁ・・・・・今ではこのタイトルが定着しちゃったしな」

色んな方々の小説にコラボして貰ったりしてこの名前を売り出しちゃったからね、仕方ないよ。

遊輝「次回はいよいよ俺がこの世界に来て初めてのデュエル!【VS龍亞!始動!エクシーズ召喚!】」

では、改定作業はまだまだ続きますが、今後とも【遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち】を宜しくお願いします。次回もよろしくお願いします。


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第3話 VS龍亞! 始動! エクシーズ召喚!

今回からメインキャラが交代して、作者と一緒に、その話にデュエルした中でも目立ったカードを最強カードとして紹介をするよ!!記念すべき1発目は・・・・・・

遊輝「どうも、主人公の遠藤遊輝です」

主人公の遠藤遊輝に来てもらいました!

遊輝「これ毎回やる必要あるのか?」

あぁ、こう言うのは必要だろ?

遊輝「大丈夫かな?そこまで知識ないのに」

シャラップ!!余計な事を言わなくてよろしい!!

遊輝「事実だろうが、フリーの時、どんだけ人様のカードを見ているんだよ」

そんなことより最強カードの紹介といきましょう!

遊輝「逃げたな」

今回の最強カードは、No.39 希望皇ホープ!

遊輝「いわずと知れたZEXALの主人公、遊馬のエースモンスター」

エクシーズ素材を取り除くことで攻撃を無効に出来る。こいつは自身が攻撃対象じゃなくても発動できるぞ!

遊輝「自分のターンに効果を発動するのは、アニメでやってたようにダブル・アップ・チャンスとのコンボが有名だな」

それにLv4のモンスターを2体揃えればいいので、簡単に場に出しやすいぞ!

遊輝「ただし、エクシーズ素材が無いときに攻撃対象にされたら、問答無用で破壊されるから、そこは注意しないといけないぞ」

では記念すべき一発目のタイトルコール、遊輝!!

遊輝「第3話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

龍亞 LP 4000 遊輝 LP 4000

 

突然転生して、荷物の整理をしていた時に言われた龍亞とのデュエル。デッキもエクシーズモンスターを使ってくれって言ったから突貫工事で仕上げたデッキだけど、まぁ楽しまないとな!・・・・・・あれ?

 

「なぁ、先行・後攻てどうやっt「俺のターン!ドロー!シャキーン!」・・・・・・・・・」

 

龍亞の元気な声が聞こえてきて、勝手にドローしてプレイを始めている。・・・・・・やっぱり言ったもん勝ちなのか、この世界は・・・・・・(汗)にしてもあいつ、あんなこと言って恥ずかしくないのかな?俺にはとても無理だね。

 

龍亞 手札 6枚

 

「俺はD・モバホンを召喚!シャキーン!」

 

D・モバホン 攻100

 

携帯電話の形をしたモンスターが現れて、シャキーン!!という擬音と共に上から順番に変形していき人型のロボットみたいなものがでてきた。ふむ・・・・ここでもやっぱりディフォーマーを使うのか。

 

「どう!かっこいいでしょ!」

 

「はは・・・確かに」

 

目を輝かせながら聞いてくる龍亞に俺は苦笑いをして返す。正直、ヒーロー物とかロボットアニメとか見てきてないから何処が良いのかさっぱり分からない。

龍可は、「また・・・」て言って呆れているし・・・・・・

 

「モバホンの効果発動!攻撃表示のとき、ダイヤルの1〜6の出た目の数字だけデッキをめくることができ、その中にDがあれば特殊召喚出来る。ダイヤル〜オン!」

 

モバホンの胸にある1〜6の数字がランダムに点滅を始めて、『3』の数字で点滅が終わる。出た目は3か・・・・・

 

「3だ!よって3枚めくる!・・・・・あった!D・マグネンUを特殊召喚‼」

 

D・マグネンU 守800

 

U字型の磁石のモンスターが現れて、モバホンの方に傾けて磁力みたいなものを出す。

 

「マグネンUは守備表示のとき他のモンスターに攻撃出来ない!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 LP4000 手札 4枚

【モンスターゾーン】

D・モバホン 攻100

D・マグネンU 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

ディフォーマーにしては妥当な所かな?龍亞のデッキってどっちかって言ったら装備魔法を装備して攻撃力を上げていくタイプだからね。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

モバホンを破壊したいんだけどマグネンが邪魔だな・・・・この手札だと戦闘で破壊するしか方法がないか・・・・

 

「ズババナイトを召喚!」

 

ズババナイト 攻1600

 

黄色の仮面を被った剣士のようなモンスターが現れて剣を振り回す。

今回、俺が使っているデッキは遊馬のデッキをメインにして作ったデッキだ。突発的に思いついたのがこのデッキだったからな。

 

「見たことないモンスター・・」

 

そりゃそうだろうな。この世界には存在しないモンスターだから。

 

「攻撃力1600!マグネンの守備力を超えてきた!?」

 

おいおい龍亞・・・・・マグネンの守備力を超えられただけで驚くなよ。1600だったら全然低いほうだぞ。

 

「バトル!ズババナイトでマグネンUを攻撃!ズババソード!!」

 

ズババナイトがソードを持って、マグネンUに向かっていった。

 

「待ってました!リバースカードオープン!ディフォーム!!」

 

そう言った瞬間、マグネンUがズババナイトの攻撃をカキンカキンと鳴らしながら受け流して、変形していった。

 

D・マグネンU 守800→攻800

 

「ディフォームは相手モンスターの攻撃を無効にし、攻撃対象になったDの表示形式を変える!」

 

攻撃を防がれたか・・・・モンスターを残したくはなかったが仕方ない。

 

「カードを伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 LP4000 手札 4枚

【モンスターゾーン】

ズババナイト 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 5枚

 

「俺はモバホンの効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

再びモバホンの胸が点滅を始めてある数字で止まる。今度は4か・・・・・そろそろ仕掛けてくるか?

 

「よっしゃ!D・ラジオンを特殊召喚をドコーン!」

 

D・ラジオン 攻1000

 

げ!?ラジオン!?ここでそいつはキツイぞ!?

 

「ラジオンは攻撃表示のときフィールド上のDの攻撃力を800ポイントアップする!」

 

D・モバホン攻100→900

D・マグネンU攻800→1600

D・ラジオン攻1000→1800

 

「でもってマグネンUは守備表示に変更」

 

D・マグネンU攻1600→守800

 

??何で表示形式を変えた?そのままパンチしないってことは・・・・・まさか、

「手札から2体目のマグネンUを守備表示で召喚!」

 

D・マグネンU 守800

 

やっぱりそうか!!

マグネンから磁力みたいのを出しあってお互いを引き寄せるように向き合った。

 

「へへ〜!マグネロックの完成だ!!」

 

「五月蠅すぎよ、龍亞」

龍亞が大声ではしゃいでいる所をまた龍可がつまらなさそうにして注意をする。

龍亞がしたのは相手の攻撃を引き付けるモンスターを2対並べて相手の攻撃をシャットダウンしてしまう、いわゆる切り込み隊長のロックみたいなものだ。

 

「バトル!ラジオンでズババナイトを攻撃!イヤホーン・シュート!」

 

ラジオンの手からイヤホンが飛んできてズババナイトを攻撃しようとする。

 

「甘い!リバースカードオープン!聖なるバリア〜ミラーフォース〜!!」

 

「なっ!?しまった!!」

 

「説明不要だよな?攻撃を無効にして攻撃表示のモンスターを全て破壊する!」

 

イヤホンがバリアに跳ね返ってしまって、その反動でラジオンとモバホンを巻いてしまい破壊されてしまう。

 

「そ、そんな〜・・」

 

「調子に乗るからだよ」

 

がっかりして肩を落とす龍亞に対して、涼しい顔でさらっと言ってしまう龍可。結構きついことを言うな・・・・そこは励ましてやらないのかよ・・・・(汗)

 

「でっ、でも、マグネロックはとかれてない!遊輝は攻撃出来ない!ターンエンド!」

 

 

龍亞 LP4000 手札 4枚

【モンスターゾーン】

D・マグネンU 守800

D・マグネンU 守800

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

ミラフォでモバホンとラジオンが破壊されてマグネン2体だけになったか、これで少し楽になったはずだ。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

思いっきりよく引いたカードを確認する。・・・よし!これならマグネンを倒せる!

 

「速攻魔法、エネミーコントローラー発動!」

 

ゲームのコントローラーが現れた。しかし、出てきただけで何も起こらない。・・・これはあれってことか言えってことか?じゃあ・・・

 

「上・下・A・B・C・右!」

 

適当に思いついたコマンドを言っていったら、マグネン1体の表示形式が変わっていく。これって・・・・毎回違ってもいけるのか?

 

D・マグネンU 守800→攻800

 

「えっ!?な、何で表示形式が変わったの!?」

「えっ?・・・・効果知らないの?結構有名だと思うけど?」

 

「はぁ〜・・勉強しないから分からないのよ。エネミーコントローラーには2つ効果があって、一つがモンスター1体リリースする代わりに相手モンスターのコントロールを得る効果、もう一つが相手モンスターの表示形式を変更する効果、今回は下の効果を使ったのよ。常識でしょ?」

 

「うっ・・・・そういえばそうだったな・・・あはは・・・(汗)」

 

ため息を尽きながら説明する龍可に、龍亞の乾いた笑い声が聞こえてくる。額には汗が流れている。龍亞、勉強ぐらいしろよ・・・・・・

 

「さてと、いよいよだしますか!ガガガガールを召喚!」

ガガガガール 攻1000

 

ギャルのような格好をした魔法使いと少々が出t『や〜〜と会えた〜!』きて・・・・・・えっ?喋った?

 

「もしかして・・・精霊?!」

 

『うん、そうだよ!マスター!!』

 

「「「え、えええ〜〜〜!!」」」

 

まさかガガガガールが精霊だなんて・・・・・・

 

『あっ、あとお兄さんも精霊だから♪』

 

え!?お兄さん!?お兄さんってもしかして・・・・・・・

 

「まさか・・・・ガガガマジシャンも精霊?」

 

『うん♪』

 

ははは・・・・・精霊が2体か・・・・・俺の周りも一気に賑やかになったな。

 

「色々と聞きたいことがあるけど後で良いか。じゃあ行くぞ!!」

 

『OK♪』

 

「俺はLv3のズババナイトとガガガガールをオーバーレイ!!」

 

「「お、オーバーレイ!?」」

☆3 × ☆3 = ★3

 

ズババナイトとガガガガールが黒い小さな光の球となりブラックホール?みたいな物に吸い込まれていき、爆発する。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,17 リバイス・ドラゴン!!」

 

No,17 リバイス・ドラゴン 攻2000

 

最初に青い球体でブラックホールから現れて、俺の身長を超えたところで球体の形を崩し、羽根を伸ばして青い細長い龍が現れた。右側の角には〈17〉と刻まれている。

 

「すげぇ!これがエクシーズモンスター!」

 

「すごい・・・・・・」

 

二人とも驚いているね。さすがに何も教えないのは不味いからそろそろタネ明かしとでも行きますか。

 

「これがエクシーズモンスター。自分フィールドの同じLvのモンスターを2体以上存在する時に、素材となるモンスターたちを重ねることでエクストラデッキから特殊召喚出来る。そして、素材となったモンスターは墓地にはいかずにオーバーレイユニットとしてエクシーズモンスターをサポートする」

 

「「オーバーレイユニット??」」

 

「そう、ほら、リバイス・ドラゴンの周りで2つの白い玉が円を描くように回っているだろ?」

 

リバイス・ドラゴンの周囲を回っている2つのオーバーレイ・ユニットを指差す。龍亞と龍可もどれなのか分かったみたいだ。

 

「エクシーズモンスターはこのオーバーレイユニットを消費して初めて効果が使えるんだ。あとエクシーズモンスターはLvが存在しないんだ」

 

「Lvが存在しないの!?」

 

「ああ。その代わりなんだがランクっていう物が存在している。だから《レベル制限B地区》などLvに関するカードの効果はきかない。その代わりにシンクロ素材や儀式モンスターの素材にも使用出来ない。今回はLv3のズババナイトとガガガガールを素材にしてランク3のリバイス・ドラゴンを召喚したんだ」

ふぅ〜こんな感じかな。人に説明するなんてあんまりした事なかったから不安だったけど、どうやら二人とも理解してくれたみたいだな。龍亞はまだ目がキラキラと輝いてリバイス・ドラゴンを見ているよ。

 

「すげぇよ!遊輝!それにそのモンスターもかっこいいよね!」

 

確かにこいつはかっこいいな。まぁ、俺が知ってる限りその後使われた事はあんまりなかったけど。

 

「行くぞ!リバイス・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い攻撃力を500ポイントアップする!」

 

No.17 リバイス・ドラゴン OVR2→1

攻2000→2500

 

「攻撃力2500!?」

 

だからそんなに驚くほど高くないって!龍亞はいちいちリアクションをしないと気がすまないのか?

 

「バトルだ!リバイス・ドラゴンで守備表示のマグネンを攻撃!バイス・ストリーム!」

 

 

No.17 リバイス・ドラゴン攻2500

D・マグネンU守800

 

「マグネン!」

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 LP4000 手札 2枚

【モンスターゾーン】

No.17 リバイス・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

「うう〜、でも俺は負けない!俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 5枚

 

さあて、龍亞はどうやってこのモンスターを突破するか見さして貰おうじゃないか。

 

「きたーーー!!!俺は、チューナーモンスターD・スコープンを守備表示で召喚!スコープンは守備表示のとき、Lvが4になる!」

D・スコープン 守1400

D・スコープン ☆3→4

 

これでレベルの合計は7か、あいつの登場か!!

 

「俺はLv3のマグネンにLv4となったスコープンをチューニング!」

 

スコープンが4つの輪になって、その中にマグネンが入り3つの星になって光る。

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

五体がバラバラとなった機械が一つずつ合体していき、最後の頭が合体されたところで、ロボットがクルクルと横に回転してポーズを決める。

出てきたな龍亞のエースモンスター、パワー・ツール!

 

「これが俺のエース!パワー・ツール・ドラゴンだ!効果発動!1ターンに1度、デッキからランダムに装備魔法を選択し手札に加える!パワー・サーチ!」

 

「(!?アニメ版効果だと!?まずい!どんなカードを選ばれるか全くわからない!)」

 

デッキがオートシャッフルされて1枚カードがデッキから飛び出す。龍亞はそのカードを手札に加えて確認するとさらに大きくはしゃぎだした。

 

「よっしゃ!手札に加えた装備魔法、ダブルツールD&Cを発動!さらに手札から装備魔法、魔導師の力をそれぞれパワー・ツール・ドラゴンに装備!」

 

おいおいおい!?ダブルツールD&Cを加えただと!?それに魔導師の力握ってたのかよ!!攻撃力がヤバイことになるぞ!!

 

「ダブルツールD&Cの効果で1000ポイント、そして魔導師の力の効果で魔法・罠ゾーンのカード1枚につき500ポイントアップ!攻撃力4300だ!」

 

パワー・ツール・ドラゴン攻2300→4300

 

「バトル!パワー・ツール・ドラゴンでリバイス・ドラゴンを攻撃!この瞬間ダブルツールD&Cの効果発動!装備モンスターとバトルする相手モンスターの効果を無効にする!」

 

このままだと2300のダメージを受ける!しょうがない。

 

「リバース・カード・オープン!速攻魔法、サイクロン!ダブルツールD&Cを破壊する!これでダブルツールD&Cの効果はなくなる!さらに魔法・罠ゾーンのカードが減ってパワー・ツールの攻撃力も下がる!」

 

パワー・ツール・ドラゴン攻4300→2800

 

「でもまだパワー・ツール・ドラゴンの方が上だ!行けパワー・ツール!クラフティ・ブレイク!!」

 

パワー・ツール・ドラゴン攻2800

No.17 リバイス・ドラゴン攻2500

 

遊輝 LP 4000→3700

 

「俺はこれでターンエンド!」

 

 

龍亞 LP4000 手札 3枚

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン攻2800

【魔法・罠ゾーン】

魔導師の力《パワー・ツール》

 

 

「どう!もう俺の勝ち決定じゃん!」

 

胸を張って自身満々に宣言する龍亞。それを見た龍可は逆に呆れ顔だ。

 

「まだ終わってないでしょ?」

 

「だって俺のフィールドにはパワー・ツールがいる!遊輝のフィールドには何もないじゃん!」

 

確かにフィールドには何もないが、手札はそこそこ良いし、ドロー次第では逆転もあり得るかな?とりあえずここはGXの主人公のセリフを借りて龍亞にはこう言っておこう・・・・・

「龍亞!龍可の言うとおりだ!まだ決闘は終わってない!このドローで世界が変わるかもしれないからな!」

 

「そんなのわからないじゃん!」

 

「ああ確かにな!だけど此処で世界を変えたら面白いよな!」

 

「フゥ〜」と息を吐き、デッキトップに手を掛けて目を瞑る。

 

「(・・・・皆、頼むぜ!)俺の・・・・・ターーーン!!!」

 

遊輝 手札 3枚

 

「・・・・・・・俺の勝ちだ!」

 

「なっ!?でもパワー・ツール・ドラゴンには装備魔法を墓地に送って破壊を無効にする効果がある!1回だけなら破壊されない!!」

 

知っている、だからこそ破壊なんか考えずに一撃で決めにいく!!

 

「魔法カード、死者蘇生!その効果により墓地からガガガガールを特殊召喚!」

 

『は〜い♪』

 

ガガガガール 攻1000

 

ガガガガールが元気よく飛び出してきて、顔に右手に持っている携帯を近づけさせてウィンクする。

 

『このターンで決めるの?』

 

「そのつもりだ」

 

『そう、頑張ってね♪』

 

「もちろんだ!そしてガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

鎖を右腕に巻いて背中『我』と書いてある学ランのような物を着た不良っぽい魔法使いがガガガガールの隣に現れる。

『あ、お兄さん♪』

 

『マスター始めまして』

 

ガガガマジシャンがこっちに振り向いて頭を下げてくる。なんか・・・・・不良っぽい性格じゃなさそうだな、ギャップが激しい・・・・(汗)

 

「ああ、色々と聞きたいことがあるけど先にこの決闘だ」

 

「それが遊輝の精霊たち?」

 

「ああ、ガガガマジシャンとガガガガールだ」

 

『龍可さん、始めまして』

 

『よろしく♪』

 

精霊が見えている龍可は確認のためなのか、ガガガガールとガガガマジシャンに確認を取る。俺が代弁でその質問に答えて二人もそれぞれの対応をした。

 

「だけどパワー・ツールの攻撃力より低い!それにLvが違うからエクシーズ召喚も出来ないよ!」

「まぁそうだな。()()Lvは違うもんな。ガガガガールの効果発動!自分フィールド上のガガガマジシャンを選択し、選択したモンスターと同じLvになる!」

 

ガガガガール☆3→☆4

 

「Lv変換能力モンスター!?」

 

「Lv4となったガガガガールとガガガマジシャンをオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!No,39希望皇ホープ!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

 

ブラックホールから現れた大きな黄色い剣がリバイス・ドラゴンと同じく変形を初めていき、最後に背中から出した剣を持ち、ポーズを構える。

 

「なんだろう・・・・このモンスター・・・」

 

「暖かくて・・・・不思議なモンスター・・・」

 

「こいつが俺の勝利への希望!そしてエース!希望皇ホープだ!!そしてこの瞬間、オーバーレイ・ユニットにあるガガガガールの効果発動!」

 

「えっ!?まだあるの!?」

 

「ガガガガールは自身を含む《ガガガ》と名のついたモンスターだけでエクシーズ召喚に成功した時、そのエクシーズモンスターに効果を追加する!」

 

「効果の追加!?」

 

「ああ、その効果は・・・・・・相手フィールド上の特殊召喚したモンスター1体の攻撃力を0にする!」

 

ガガガガールが携帯電話の番号を押して、パワー・ツールに向けると携帯から不思議な力が出て、パワー・ツールが跪いた。

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2800→0

 

「そ、そんな・・・・・・パワー・ツールが」

 

「バトルだ!希望皇ホープでパワー・ツールを攻撃!」

 

希望皇ホープの手に持っている剣を振りかぶりパワー・ツールに襲う。

 

「パ、パワー・ツールの効果発動!装備魔法を墓「この瞬間!希望皇ホープの効果発動!」え!?」

 

「オーバーレイユニットを1つ取り除き、この攻撃を無効にする!」

 

No.39 希望皇ホープ OVR 2→1

 

切りつけようとした瞬間にホープの持っていた剣が消えて、パワー・ツールへの攻撃が空振りに終わってしまう。

 

「何で自分から無効にしたの!?攻撃力は勝っているのに!?」

 

「そうだよ!!何で無意味なことしたの!?」

 

「その答えがこれだ!!手札から速攻魔法、ダブル・アップ・チャンス!!モンスターの攻撃が無効になったとき、そのモンスターの攻撃力を2倍にしてもう一度攻撃出来る!!」

 

No,39 希望皇ホープ攻2500→5000

 

「こ、攻撃力5000!?そ、そんな・・・」

 

「本当に世界を変えた・・・・・・・」

 

「ラスト!希望皇ホープよ!もう一度パワー・ツール・ドラゴンに攻撃!ホープ剣・ダブルスラッシュ!!」

 

「う、うわぁーー!!」

 

No.39 希望皇ホープ攻5000

パワー・ツール・ドラゴン攻0

 

龍亞 LP 4000→0

 

WIN 遊輝 LOS 龍亞

 

 

 

「ま、負けたーー!」

 

デュエルデスクを付けたまま、龍亞が大の字になって後ろに倒れる。いや、俺もまさかあの状況でダブル・アップ・チャンスを引くとは思ってもいなかったよ。

 

『おめでとう♪マスター』

 

『初勝利おめでとうございます、マスター』

 

精霊の状態で俺の隣に浮いているガガガガールとガガガマジシャンが俺の勝利を祝ってくれる。

 

「ありがとう。ところで何で俺のことマスターて呼ぶの?」

 

『それはですね・・・あ、あの龍亞っていう人こっちにきましたよ』

 

ガガガマジシャンに言われて向こうの方を見ると、龍亞がだんだんとこっちに近づいてきた。その顔は凄い充実そうな笑顔である。

 

「遊輝ありがとう!こんな楽しいデュエル初めてだよ!」

 

「?ごめん、意味が分からないのだけど?」

 

「俺、今までデュエルに負けて悔しくて泣いてたけど、こんなにもワクワクする決闘初めてだよ。だからこの決闘、純粋に楽しかったんだ!!」

 

あ〜、そういうことか、確かにアニメだと最初の遊星とのデュエルに負けて泣いていたな。

 

「こっちも楽しかったぜ」

 

「龍可もデュエルしたら?遊輝とやったらすっごい楽しいよ!」

 

「えっ?」

 

 

遊輝 side out

龍可 side

 

 

「ま、負けたーー!!」

 

龍亞がそんなこと言いながら大の字に倒れていく。このデュエルを見て最初に思ったこと・・・・・・

 

「(すごい・・・・・)」

 

フィールド上にカードが無かったあの状況から、あの人は本当に逆転した。誰もが逆転を信じない場面でもあの人は最後まで諦めなかった。

龍亞の方を見てみると、龍亞が楽しそうに遊輝に話しかける。龍亞が泣かずにあそこまで笑顔になるなんて・・・・・・それに精霊たちがあんなに楽しくイキイキしているところを初めて見た気がする。

 

「龍可もやったら?この人とやったら楽しくよ!」

 

「えっ?」

 

デュエルか・・・いつもはやらないけど、あの人とだったら・・・

 

「うん・・・・デュエルしよう!」

 

なんだか楽しくできそう!

 

「じゃあ準備しておいで。こっちで待っているから」

 

「うん!」

 

さて、私のデュエルディスクは何処に片付けたかな?

 

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

 

龍亞に続いて龍可とデュエルか。連戦はちょっとキツイな。慣れてないっていうのもあるし。にしても龍可ってデュエルに対してあんな積極的だったかな?

 

「悪い。話はまたあとで」

 

『わかりました』

 

俺が区切りを付けて終わらせるとガガガマジシャンとガガガガールが消えていった。それと同時タイミングで龍可がデュエルディスクを腕に付けてやってくる。

 

「龍可、楽しいデュエルをしような!」

 

「うん!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」




遊輝「というわけで後書き初登場、双子の兄弟、龍亞と龍可で〜す」

龍亞「いえ〜〜い!!龍亞だよ!!」

龍可「龍可です。よろしくお願いします」

遊輝「にしても龍亞、お前、あんな事言って恥ずかしくないのか?」

龍亞「あんな事って?」

遊輝「『シャキーン!』とか『ドゴーン!』とか」

龍亞「何で恥ずかしいの!?かっこいいじゃん!!」

龍可「ハァ・・・・聴いている私が恥ずかしくなるからやめて」

遊輝「(・・・・龍亞のセンスがちょっと分からない(汗)」

龍亞「次回は遊輝と龍可がデュエルするよ!」

龍可「【VS龍可!デュエルの楽しさ】」

遊輝「次回もよろしく」


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第4話 VS龍可!決闘の楽しさ

*・・・・・この後、暫くして主人公の設定を1話の前に投稿します




さて今回ここに来てくれたのはこの子。

龍亞「やっほーい!龍亞がきたよ!」

龍亞に来て貰いました。

龍亞「作者、今回は何で俺?」

それは今回の話にほとんど出番がな ・・ゲフンゲフン、ただの順番だよ。

龍亞「今、出番がないて言おうとしたでしょ」

そんなことないよ。

龍亞「いや、今間違いなく「じゃあいきましょう!!」・・・・・今回はヴェルス・ウロボロスだよ!」

ランク4のモンスターで、テキスト、イラストからエクシーズ版のトリシューラと呼ばれてるよ。

龍亞「エクシーズ素材を1つ取り除くことで
・相手フィールド上のカードを1枚手札に戻す。
・相手の手札1枚をランダムに捨てる。
・相手の墓地のカード1枚を除外する。
という3つの強力な効果の中から1つを選ぶことができる!」

ただし、フィールド上で1度しか使えないから、どれを選ぶか慎重に考えないといけないよ。
そして素材にLv4のモンスターを3体必要だから出すのは、少し難しい。

龍亞「第4話、デュエルスタート!」


遊輝side

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

龍可 LP 4000 遊輝 LP 4000

 

龍亞とのデュエルに続いて今度は龍可とのデュエルか。どんなデュエルになるのかね。

 

「俺の先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

う〜ん、まずは様子見からだな。初手はあまり動けないし。

 

「ゴゴゴゴーレムを守備表示で召喚。カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 LP4000 手札 3枚

【モンスターゾーン】

ゴゴゴゴーレム守1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

龍可 手札 6枚

 

「(・・・・・そういえば龍可ってどんなデッキ使ってたっけ?)」

 

「私はサンライト・ユニコーンを召喚」

 

サンライト・ユニコーン 攻1800

 

「サンライト・ユニコーンの効果発動。デッキのトップをめくりそれが装備魔法ならば、そのカードを手札へ、それ以外ならデッキの一番下に戻す」

 

「(なんだよそのギャンブル効果!でもメインキャラだから)」

 

「デッキトップは幸運の鉄斧、よって手札に加える」

 

やっぱり装備魔法だー!!あのチート能力欲しいよ〜〜。

 

「装備魔法、幸運の鉄斧をサンライト・ユニコーンに装備して、バトル。サンライト・ユニコーンでゴゴゴゴーレムを攻撃」

 

サンライト・ユニコーン攻1800→2300

 

どこから斧が出てきてそれがサンライト・ユニコーンの角に重なり大きくなった。

・・・そんな強化の仕方なの?!もっといい方法があるでしょ!

サンライト・ユニコーンが突進してゴゴゴゴーレムを体当たりしたが、ゴゴゴゴーレムは無事だ。

 

「何で!?攻撃力は勝っているのに!?」

 

「効果を知らなければそういう反応だよな。ゴゴゴゴーレムの効果で表側守備表示のとき、1度だけ戦闘では破壊されない」

 

攻撃されても破壊されていない事に驚いた龍可に対して、俺はゴゴゴゴーレムの効果を説明する。

 

「そう・・・ならカードを3枚伏せてターンエンド」

 

「そのエンドフェイズ時速攻魔法、サイクロン発動!真ん中のカードを破壊する」

 

「そんな・・・」

 

破壊したのは・・・シモッチによる副作用!?まさか龍可のデッキはシモッチバーン!?あっぶねぇ〜、キーカードを潰したのか。

 

龍可 LP4000 手札 2枚

【モンスターゾーン】

サンライト・ユニコーン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

幸運の鉄斧〈サンライト・ユニコーン〉

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

引いたカードは・・・良し!ここは一気に攻めよう!

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

下に大きくて縦長になっているコンテナを運ぶ戦闘機に乗ったゴブリンが現れた。

 

「ゴブリンドバーグは召喚に成功した時、手札からLv4以下のモンスター1体を特殊召喚出来る!ただしこの効果を使ったときゴブリンドバーグは守備表示になるけど。来い!ガガガマジシャン!」

ガガガマジシャン 攻1500

ゴブリンドバーグ攻1400→守0

 

ゴブリンドバーグの下にある鉄の倉庫?から、鎖を持ったマジシャンが出てきた。

 

『さっき話していたあの子とですか』

 

「ああ、油断は出来ないぞ」

 

『分かってます』

 

「Lv4が2体・・来るわね」

 

「お望みどおり出してやるよ!Lv4のゴゴゴゴーレムとガガガマジシャン、ゴブリンドバーグでオーバーレイ!」

 

「「3体で⁉」」

何を驚く必要があるんだ?俺は「2体以上」ってちゃんと説明したのに。

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ヴェルズ・ウロボロス!」

 

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

 

ブラックホールから出てきたのはトリシューラのような格好をした闇落ちした雰囲気を醸し出す龍だ。・・・・・・しかしこいつ、こうやって出して見たらトリシューラに本当そっくりだな。

 

「うおーーー!!かっけぇ!!!」

 

「うるさいよ龍亞!!」

 

「だってものすごくかっこいいんだよ!ねぇ俺の決闘の時にも出して!」

 

「はは、分かった分かった。それじゃヴェルズ・ウロボロスの効果発動!こいつは1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで3つの効果の内1つ選ぶことができる」

 

「3つも!?」

 

「ああ、1つ目が相手フィールド上のカード1枚を選択して手札に戻す。2つ目が相手の手札1枚をランダムに墓地へ送る。3つ目が相手の墓地のカード1枚を選択して除外する」

 

「なっ!」

 

「なんだよそれ!インチキじゃん!」

 

おい龍亞!!それはクロウのセリフだ!!奪ってやるなよ!!

 

ヴェルズ・ウロボロスOVR3→2

 

「まあ、フィールドに存在する時に1回しか選択出来ないけどね。俺は1つ目の効果を選択!サンライト・ユニコーンを手札に戻すぜ!破壊神の咆哮!」

 

ウロボロスの3つの口から咆哮がでて、サンライト・ユニコーンは耐えられず手札に戻った。

 

「サンライト・ユニコーン!」

 

「バトル!ヴェルズ・ウロボロスでダイレクトアタック!ダーク・ブレス!」

 

「リバースカードオープン!魔法の筒〈マジック・シリンダー〉!」

 

「うえい!?」

 

「効果により、ヴェルズ・ウロボロスの攻撃を無効にし、その攻撃力分のダメージを与える」

 

ウロボロスの攻撃が筒に吸い込まれ、もう一つの筒が俺に向かって光の球が襲ってきた。

 

遊輝 LP 4000→1250

 

「あいてて・・・・伏せカードにすべきだったか。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン。永続罠、シモッチによる副作用」

 

「はい!?!?」

 

嘘でしょ!?何でデッキに3枚しかないカードを初手に2枚も持っているの!?これはまずい!!シモッチバーンが来る!!

 

 

遊輝 LP1250 手札 1枚

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・ウロボロス攻2750

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー。」

 

龍可 手札 3枚

 

「魔法カード、ソウルテイカー。この効果によりヴェルズ・ウロボロスを破壊して、相手LPを1000ポイント回復する。だけどシモッチによる副作用の効果により1000ポイントダメージを与える」

 

ヴェルズ・ウロボロスが破壊されて、その反動が俺に襲ってくる。

 

遊輝 LP 1250→250

 

あ〜あ、もうLPが500を切ってしまったか、龍可は強いな。何より・・・・・・

 

「龍可!このデュエル楽しいな!!」

 

「え!?」

 

さすが天才少女と呼ばれる実力だ。相手のライフを確実に削っていって、ライフアドバンテージを自分のものにしていっている。

 

「何で?私、効果ダメージしか与えて無いのよ?卑怯だと思ってないの?」

 

「?何で卑怯だと思うんだ?立派な戦術じゃねぇか?」

 

「だって私、今までこんな形でしか勝てていなかったから・・・・・・ヒクッ!いつも・・・皆卑怯だと言うの、ヒクッ!だから・・・デュエルは・・・・あまりじたく無いの」

 

龍可の様子がおかしくなったので龍可の顔を良く見ると、龍可の目から涙が溢れていた。

なんか変な感じになってしまったな・・・・にしてもそんなことでデュエルしないのかよ・・・・・正直、呆れてくるな。

 

「別に俺は卑怯だと思ってない」

 

「どうしてよ?ヒクッ・・・・私、こんなデュエルしかできないのよ」

 

「だってそれが龍可の戦術で、それをするために組んだ、自分が信じているデッキなんだろ?」

 

「えっ・・・・・・・・」

 

龍可が驚いたような顔でこっちを見ている。

 

「龍可がこうすればいい、こうすれば勝てると思って組んだデッキなんだろ?そしてそれを信じて精霊たちをいれて、使っているんだろ?だったらその戦術でいいじゃないか!それが龍可のデュエルなんだから!龍可がその通りのデュエルをしているから俺はこのデュエルが楽しいんだ!!」

 

 

遊輝side out

 

龍可side

 

 

「その戦術で良いじゃないか!!」

 

遊輝に言われたこの一言が心の底で突き刺さった。なんていうか・・・・・兎に角嬉しかった・・・・・・今までデュエルした相手は

「こんなのでしか勝てないのかよ!」

「卑怯な勝ち方が嬉しいのかよ!」

としか言ってくれず、いつも嫌な思いしかしない。だからデュエルなんてしたくなかった。でも・・・遊輝は受け入れてくれた。初めてだった・・・・・・・私のデッキやデュエルを受け入れてくれる人・・・・・・・何でだろう?

 

「アーマード・ホワイトベアを召喚」

 

アーマード・ホワイトベア 攻1800

 

こんなにも・・・・・・デュエルが楽しいのは!

 

「バトル!アーマード・ホワイトベアでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、次元幽閉!アーマード・ホワイトベアをゲームから除外する!まだ終わらせないよ!この楽しいデュエル!」

 

「くっ・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍可 LP4000 手札 1枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

シモッチによる副作用

伏せカード 1枚

 

 

龍可 side out

 

遊輝side

 

 

「(いい目になったな、やっぱデュエルはこうでなくちゃ!)俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚

 

このターンでは流石に決められなかったか・・・でもいつまでも続けたいな、このデュエル!

 

「リバースカードオープン!罠カード、エクシーズ・リボーン!」

 

「エクシーズ・リボーン?」

 

「エクシーズ・リボーンは墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚し、このカードを下にしてエクシーズ素材にする。戻ってこい!ヴェルズ・ウロボロス!」

 

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

 

地面に穴が開いてヴェルズ・ウロボロスが咆哮を上げながら出てきた。

 

「またそのモンスターが!!」

 

さて、問題はどっちの効果を使うかだな・・・・・伏せカードを戻したいけど、手札にサンライト・ユニコーンがいるし・・・・・・でも普通に考えたら伏せカードだよな。

 

「ヴェルズ・ウロボロスの効果発動!OVRを1つ取り除き1つ目の効果を使う!そのリバースカードを戻すぜ!破壊神の咆哮!」

 

ヴェルズ・ウロボロス OVR1→0

「チェーンでリバースカードオープン!強欲な瓶!デッキからカードを1枚ドローする!」

 

龍可 手札1枚→2枚

 

ウロボロスの3つの口から咆哮が出て、龍可の伏せカードをふきとばそうとしたところで、龍可が伏せカードを使ってしまい、空打ちになってしまう。・・・・・・まさか強欲な瓶だったとは、ハンデスにすればよかったな。

 

「ねぇ、何でウロボロスの1つ目の効果が使えるの?」

 

顔を傾けて腕組みをしている龍亞が不思議そうな口調で問いかけてきた。ふむ・・・・・やっぱり龍亞はあまり理解していなかったな。

「ウロボロスが1度フィールドから離れたからだよ。【フィールドで1度しか効果が使えない】モンスターたちは、1度フィールドから離れてもう一度フィールド上にでるともう一回発動できるんだ」

 

「へ〜、そうなんだ〜」

 

「龍亞、後で勉強な」

 

「そ、そんな〜」

 

龍亞は本当に知識を入れないとダメだからね。知識を入れたら少しはプレイングも上達するだろう。

「バトル!ヴェルズ・ウロボロスでダイレクトアタック!ダーク・ブレス!」

 

3つの口から黒いビームが龍可に当たる。

 

龍可 LP4000→1250

 

「ようやくライフを削れたぜ・・・・カードを2枚伏せターンエンド!」

 

遊輝 LP250 手札 0枚

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

龍可 手札 3枚

 

「・・・・・遊輝、ありがとう!」

 

「(うん?何か俺やったけ?)」

 

「遊輝のおかげでデュエルの楽しさを思い出したの!だからありがとう!デュエルってこんなにも楽しいのね!」

 

「あ〜・・・・いいよそれぐらい。むしろこんなちょっとした事で思い出してくれるとは思わなかったよ」

 

「でも、勝つのは私だからね!」

 

「それは俺も同じだ。負けねえぞ!」

 

「手札から魔法カード、死者への手向けを発動!手札のサンライト・ユニコーンを捨てて、ヴェルズ・ウロボロスを破壊する!」

 

「げっ!?ウロボロス!」

 

地面から包帯が出てきて、ウロボロスを巻いて破壊した。

でも・・・・サンライト・ユニコーンを何故捨てた?もう1枚手札があることだし・・・・・

 

「これが最後!魔法カード、死者蘇生!サンライト・ユニコーンを特殊召喚!」

 

「ファッ!?」

 

サンライト・ユニコーン 攻1800

 

死者蘇生だと!?それでサンライト・ユニコーンを捨てたのか!

 

「これで終わり!サンライト・ユニコーンで遊輝にダイレクトアタック!」

 

「まだ通さないって!!リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!ユニコーンの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

「決めれなかった・・・・ターンエンド」

 

 

龍可 LP1250 手札 0枚

【モンスターゾーン】

サンライト・ユニコーン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

シモッチによる副作用

 

 

なんとか防いだが、俺の伏せてカードは《リビングデッドの呼び声》。今の墓地のカード達じゃ・・・・サンライト・ユニコーンは突破できるけど決めることは難しいな。

 

「(つまりこのドローで決まる!!)俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚

 

・・・・!?まさかここでこんなカード引くとはな!!

 

「魔法カード、ブラック・ホール!フィールド上の全てのモンスターを破壊する!」

 

「この状況でブラック・ホール!?」

 

上空にブラックホールが現れ、ウロボロスを吸い込んでいく。

 

「そしてリバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地のモンスターを復活させる!蘇れ!ガガガマジシャン!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

今日だけで3度目の登場となるガガガマジシャンが鎖を回しながら出てきて、俺の横に立つ。

 

『フィニッシュですか』

 

「ああ、何度も悪いな」

 

『大丈夫です』

 

「私の負けか・・・でも遊輝!」

 

「うん?」

 

「このデュエル楽しかったよ!もう一度しよう!」

 

「・・・・ああ!ラスト!ガガガマジシャンでダイレクトアタック!ガガガマジック!」

 

ガガガマジシャンが鎖をブンブン振り回し、縄を投げるような要領で鎖を投げて龍可に攻撃した。・・・・・・ておい!マジックて言ったのに何で鎖で攻撃するんだ!!

 

龍可 LP1250→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍可

 

 

 

「(ふぅ〜危なかった。強いな龍可は)」

 

『私も思いました。あの少女は強いですね』

 

「ああ、マジで危なかったよ。最後にブラックホールを引かなければこっちが負けていたな」

 

「遊輝〜〜〜!!!」

 

デュエルデスクを直したところど大声で龍可が呼びながらこっちにやってくる。

 

「どうした?」

 

「遊輝ってとても強いわね」

 

「ありがとう。龍可も強かったよ。それよりも、もうこんな時間か」

 

既に太陽が沈んで西日が差している。この家はマンションの最上階みたいなところだから、街を望むことができて、一部のビルがネオンを灯し始めている。

 

「ほんとだ。龍可〜、ご飯作ってよ」

 

「(うん?そう言えばこの2人、両親が単身赴任って言ってたな)ご飯っていつもどうしてるの?」

 

「龍可が作ってるよ」

 

「両親がいなくて、龍亞は料理出来ないからね」

 

「それじゃ龍可が大変だろう?・・・・よし、世話になるし、俺が作るよ」

 

「えっ、でも遊輝料理できるの?」

 

「一応、元いた世界で俺が家族のご飯を作っていたから大丈夫」

 

というより俺しかできなかった。母さんが飯を作ったら・・・・今でも思い出すよ、あの惨劇・・・・(ブルブル)

 

「じゃあ、遊輝が作ってよ!龍可もそれでいいでしょ?」

 

「そうね。遊輝に今日はお願いするしようかしら」

 

「おっし、任せておけ」




龍亞「うっまい!!!遊輝、すごい料理うまいじゃん!!」

遊輝「サンキュー。料理と剣道しか取り柄がないから」

龍可「本当に美味しかった・・・・プロの料理人みたい・・・・」

遊輝「(スカウトが来たって話があるけど、なんか黙っといた方が良さそうだな・・・・)」

龍亞「あ、そう言えば龍可のデッキは次回から変わるよ」

龍可「改訂前の時から見てくれている人なら分かるけど、多分私がこのデッキを使うなんて誰も思わないだろうね」

遊輝「(その結果、龍亞が悲惨な目に合うとはこの時誰も想像をしていなかった・・・・・)」

龍亞「次回は【不動遊星登場!開催!フォーチュン・カップ!】」

遊輝「ようやく原作主人公の遊星さんが登場です」

龍可「次回もお楽しみにしてね」


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第5話 不動遊星登場!開催!フォーチュン・カップ!

最強カードの紹介!今回は・・・・・・

龍可「龍可です」

龍可が来ました。

龍可「今回つなぎの回だよね?何でするの?」

一応、決闘があるので載せました。

龍可「あるんだ・・・・・まぁやりましょうか」

今回の最強カードは裁きの龍〈ジャッジメント・ドラグーン〉!

龍可「私の新しい切り札ね」

墓地にライトロードと名のつくモンスターが4体以上存在するときのみ、特殊召喚出来る。が、ライロならそんな事簡単に出来てしまう。

龍可「ライフを1000ポイント払うことで、このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する!まさにジャッジメントね!」

だけど、ライトロードは墓地に送るカード効果を持っているので、墓地に送られることもあるよ。最近のライロはこのカードに頼らずとも役に立つカードが沢山あるけどな。

龍可「第5話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

「ふぅ〜〜・・・・あとは煮込むだけか」

 

この世界に来て何ヶ月経ったかな・・・・・やっと今の生活も落ち着いて慣れれきたよ。え?話が飛びすぎて分からない?じゃあこの数ヶ月で何が起きたか順を追って話すよ。

 

1つ目 精霊のこと

 

俺の精霊、ガガガマジシャンとガガガガールは何でも、前の世界でも俺の精霊だったらしいんだ。だけど、前の世界にソリッドビジョン技術なんてあるはずがないし、霊とか信じられていない世界だったからずっと影で俺の事を支えていたらしい。

ちなみに2人には名前を付けた。マジシャンがダイヤ、ガールがパールだ。

 

 

 

2つ目 エクシーズモンスターのこと

 

あのデュエルの後、前世から持ってきてたスマートフォンで神様にエクシーズモンスターの事で電話したら、海馬コーポレーションのシステムにハッキンg・・・ゲフンゲフン、データを入れたからしばらくはバレないとのことだ。

 

 

 

3つ目 龍亞と龍可

 

まずは2人の両親だね。最初、家に帰ってきた時はものすごく驚いていた。そりゃ、自分たちの家にまったく知らない人間が普通にくつろいでいたんだから。2人に事情を話して、龍亞と龍可も懐いてたこともあって「ここにいてもいいよ」と言われて安心した。もし無理だったら、今頃そこら辺の安い賃金のアパートで貧相な暮らしをしなくちゃいけなかったから。

そして龍可の方はという・・・

 

「ねぇ遊輝!デュエルしよう!」

 

「今は料理中だから無理だよ」

 

龍亞ほどではないが、前よりもずっと明るくなって、積極的・活発的になった。これは非常に嬉しいことだ。子供である以上、元気でいてくれないとな。ただ、たった一つ、たった一つだけ、新たな問題が生まれてしまった・・・・・・

 

「それより龍亞は?ベランダで一緒にデュエルをしていたんだろう?」

 

「したよ!5回も!!」

 

「ふ〜・・・・ちょっと待って!?5回!?30分しかたってないのに!?」

 

「全部ワンショット・キルで決めた!あ・・・・ちょっと用事思い出したから部屋に戻るね!」

 

そう言って龍可は自分の部屋に戻っていく。

龍亞が急に心配になったのでベランダの方に顔を向ける。ふらふらと歩きながら放心状態の龍亞がソファにゴロンと転がった。

あれは徹底的にやられたな・・・・・・・(汗)

 

「遊輝〜、龍可がめちゃくちゃ強いよ〜。どうやったら勝てるの?」

 

「悪い、俺もわからん」

 

問題というのが龍可の容赦ない性格。これがまた・・・・・・酷い。何でこんなに変わってしまったんだ?参考までに昨日の龍亞と龍可のデュエルを・・・

 

 

 

 

 

---------回想---------

 

 

1ターン目 龍亞 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻3800

【魔法・罠ゾーン】

ダブルツールD&C〈パワー・ツール〉

魔導師の力〈パワー・ツール〉

伏せカード【奈落の落とし穴】

 

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

「魔法カード、大嵐!フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!これで邪魔なカードがなくなった!魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・ドラゴングラゴニスを捨て、カードを2枚ドロー、その後デッキの上から2枚墓地に捨てる!」

 

落ちたカード

・クリッター

・ライトロード・ハンターライコウ

 

「続けて魔法カード、光の援軍!デッキの上から3枚を墓地に捨て、ライトロード・パラディンジェインをサーチ!」

 

落ちたカード

・カオス・ソーサラー

・ライトロード・マジシャンライラ

・ネクロ・ガードナー

 

「手札から2枚目のソーラー・エクスチェンジを発動!ライトロード・パラディンジェインを捨て、2枚ドロー、デッキの上から2枚墓地に送る!」

 

落ちたカード

・サイクロン

・バトルフェーダー

 

「墓地にライトロードと名のつくモンスターが4体存在するため、手札の裁きの龍〈ジャッジメント・ドラグーン〉を特殊召喚!そして裁きの龍の効果発動!LPを1000払って、このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する!ジャッジメント・ライト!」

 

龍可 LP 4000→3000

 

「墓地の闇属性モンスターのカオス・ソーサラーと光属性モンスターのライトロード・ハンターライコウを除外して、カオス・ソルジャー〜開闢の使者〜を特殊召喚!まだまだいくよ!!」

 

「ちょっ!?俺のライフもう0だよ!!」

 

「やるんだったらとことんやるわ!墓地に闇属性モンスターが3体だけになった!ダーク・アームド・ドラゴンを特殊召喚!さらにカードガンナーを召喚して効果発動!デッキの上から3枚までを墓地に送ることで攻撃力を1枚につき500アップする!3枚を墓地に送って1500アップする!」

 

カードガンナー攻400→1900

 

落ちたカード

・ライトロード・サモナールミナス

・裁きの龍

・強欲で謙虚な壺

 

「最後に魔法カード、死者蘇生!墓地からライトロード・ドラゴングラゴニスを特殊召喚!グラゴニスは墓地のライトロードと名のつくモンスター1種類につき300アップ!墓地のライトロードは3種類!」

 

ライトロード・ドラゴングラゴニス攻2000→2900

 

何があったのか分からない人の為に、ちょっとフィールドを整理してみよう。

 

 

龍可 手札 0枚 LP3000

【モンスターゾーン】

裁きの龍 攻3000

カオス・ソルジャー〜開闢の使者〜攻3000

ダーク・アームド・ドラゴン攻2800

カードガンナー攻1900

ライトロード・ドラゴングラゴニス攻2900

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

龍亞 手札 1枚 LP4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

これは酷い、龍亞が唖然としてるよ。

 

「バトル!全てのモンスターでダイレクトアタック!」

 

龍亞 LP4000→1000→ー2000→ー4800→ー6700→ー9600

 

 

-------回想終了---------

 

 

とまぁ、こんな感じに・・・・・・

今の回想で分かったと思うけど、龍可のデッキはライトロードに変わった。

俺がこの世界に来たその日、晩飯食べ終わった後に「デッキを変えたい」っていきなり言ってきた。どうしようかなとダンボールを漁っていたらライトロードのカテゴリーが目に入ったので、それとそれに合うカードたちをあげて一緒に組んでみた。クリボンとか精霊たちも入っている。最初は難しそうだったけどもう慣れたみたいだな。

・・・・・・・龍可ってあれなのかな?GXの主人公並にチートドローなのか?

初手に必ずソーラー・エクスチェンジと光の援軍があるし、切り札は墓地にいかず手札に加えるし。

それより龍可ってSなのか?毎回あんな感じだし・・・きっとそうだな。エs「何を考えいるの?遊輝」ものすごい笑顔で龍可が聞いてきた。でも目が笑ってない・・・・・・

あなたさっき自分の部屋に行くって言ったよね!?それに人の心読めるの!?

 

「い、いいえ・・・・何も考えておりません」

 

「そう、ならいいや」

 

普通の顔に戻った龍可がまた部屋に戻っていく。

危なかった・・・・(汗)もう少しで殺される所だった。

「やっぱり激流葬を入れようかな、それとも神の宣告とかカウンター系かな?」

 

「龍可にはあまり効かないと思うし、ディフォーマーで激流葬は合ってないよ」

 

「う〜ん、どうしようかな?」

龍亞にもあの日以来、猛勉強させた。最初の方は音を上げていたけど、今では原作以上にカードの知識や、ルールを分かっているので強くはなっている。

まあ、龍亞も龍亞で困った事になったけど・・・・・・

 

ピンポ〜ン

 

「郵便で〜す」

 

「?は〜い」

 

手紙?しかも郵便ってかなり珍しいね。なんだろう?

 

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

 

私はベッドの上でゴロゴロと転がりながら考え事をしている。

 

「(・・・・・何で最近、遊輝の事しか考えてないのだろう?)」

 

ここ数日の間、遊輝の事が頭から離れられてない。何でだろう?初めて会った時は不思議な人としか思わなかったのに・・・・・

最初にデュエルして以降、ライトロード達を貰って一緒に料理したりして楽しかったな・・・・・これって・・・・・・恋なのかな?

 

「郵便で〜す」

 

「郵便?珍しいわね?」

 

届いた物を確認しに部屋から出ていく。この事はまた別の日に考えましょう。

 

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

 

「えーと、龍亞様・龍可様、そして遠藤遊輝様宛です。ここにはんこをらお願いします」

 

「はい(龍亞や龍可だけじゃなく俺も?誰からだ?)」

 

「ありがとうございました」

 

配達員が挨拶して帰っていく。

俺は手紙の差出人を見るために貰った封筒を裏返して相手方の住所や名前を見る。

「(治安維持局?まさか・・・・)」

 

「ねえ、誰宛にきたの?」

 

「俺たち3人、治安維持局から」

 

「「治安維持局から?」」

 

リビングに戻って俺は2人に封筒を渡して開ける。そこ中には1枚の手紙と1枚のチケットのような物が入っていた。

 

「これって・・・・フォーチュン・カップの招待状!?やったーー!キングとデュエル出来る!」

 

「まだ決まってないでしょ。優勝しないとデュエル出来ないから」

 

チケットを片手に持って大はしゃぎの龍亞に龍可が突っ込む。でも、何で俺と龍亞に招待状が届くんだ?

フォーチュン・カップは確かシグナーを探す為の大会のはず。龍亞はずっと先のアポリア戦の時にシグナーとして覚醒したはず。

それよりも、俺は別の世界から来たからシグナーでもないんだけど・・・・・。

 

「でも遊輝と龍可も届いたてことは・・・・大会に出るってことだよね」

 

「そういうことだな」

 

「その時は私が勝つわ!」

 

「俺だって遊輝のおかげで強くなったんだ!大会では絶対に勝ってみせる!」

 

2人とも気合入っているな。龍可も参加するようだし俺も参加しないといけないな。

 

「それよりご飯出来たぞ。デュエルするならちゃんと飯を食べないといけないからな」

 

「「は〜い」」

 

今日のメニューはシチュー。楽しく夕食・・・・・のはずが・・・

 

「「いただきま~す・・・・・ぶーー!!!」」

 

スプーンで一口すくって口に入れた時、思わなぬ味になって俺と龍可はシチューを吐き出してしまった。

 

「何でこんなに甘いの!?」

 

「俺確認した時こんな味じゃなかったぞ!?」

 

「・・・・・ニシシシ」

 

しかめっ面で俺と龍可が文句を言っているのを隣でニシニシと笑っている龍亞。まさか・・・・・

 

「龍亞!お前!」

 

「そうだよ!遊輝と龍可のシチューに砂糖を大量に入れたんだよ!」

 

「龍亞!!!」

 

切れた龍可が笑顔の龍亞を追いかける。この龍亞、何故か凄いイタズラ好きなんだよ。何でこんな事になったんだ?

この後、龍亞は捕まり、龍可に厳しく怒られた。

そして夕食も食べ終わって寝る前に・・・・

 

ガッシャーン!!

 

「ねえ・・・今、下で大きな物音がしなかった?」

 

「見に行ってみる?」

 

「そうだな。行ってみるか」

 

突然鳴り響いた何かがぶつかった音を確かめるために俺たちは家から出て一番下のフロアまでエレベーターで移動する。

・・・・・・あの音、もしかしたら・・・・・

 

「あそこに誰か倒れているよ」

 

「どうする?」

 

「気絶しているようだし、とりあえず家に運んで寝かせてあげよう」

 

やっぱり原作主人公の不動遊星か。しかしDホイールって以外と重いんだな。アニメの中でよく2人とも運べたよな。

 

 

 

その後の展開は原作通り。

だけど原作と違うところが幾つか出た。まず遊星と龍亞のデュエルの後に遊星と龍可がデュエルした。結果は龍可の勝ち。序盤は遊星がライトロードだと気付いて飛ばしたが、最後に裁きの龍をだして決着をつけた。そして、魔女の噂にも龍可はついて行った。こうやってみると、本当に龍可の性格変わったな。

 

〜〜数日後〜〜

〜〜ネオドミノシティ・決闘スタジアム〜〜

 

 

「いよいよ始まるね!フォーチュン・カップ!」

 

「ああそうだな」

 

大会が始まる前でテンションMAX状態の龍亞をクールに返す遊星。

 

「皆、この大会楽しもうな!」

 

「ええ、楽しいデュエルしよう!」

 

そして開会式が終わって《開会式何てなかったんや》・・・・・何か聞こえたがスルーで。

 

『さあお待ちかねの対戦表の発表だー!』

 

第1試合 遠藤 遊輝 VS 葵 レミ

第2試合 十六夜 アキ VS 来宮 虎堂

第3試合 不動 遊星 VS 龍亞

第4試合 龍可 VS フランク

 

俺が第1試合か、相手は全く知らない相手だな。にしても・・・・めちゃくちゃ変わったな〜。ボマーさんいないし、遊星と龍亞が早くも2戦目か〜。

 

「最初は遊輝か!頑張ってよね!」

 

「頑張れよ」

 

「ああ、いってくるわ!」

 

さて、頑張りますか!




遊輝「と言うわけで後書き初登場、遊星で〜す」

遊星「よろしく」

遊輝「(自己紹介ぐらいしても良いじゃないか・・・・・(汗))

龍亞「何か一気に飛んだんだけど・・・・俺、あの日から龍可に一度も勝てない・・・・・」

龍可「あのデッキ、回すのが楽しい!!遊輝、ありがとう!!」

遊輝「お、おう・・・・(こっちもこっちで問題だな)」

遊星「次の話は遊輝とあの子とのデュエルだな」

龍可「【VSアカデミア三剣士!目覚めよ!聖なる印に刻まれた龍!】」

龍亞「遊輝が使う二つ目のデッキが登場するよ!」

遊輝「次回もお楽しみに」


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第6話 VSアカデミア三剣士!目覚めよ! 聖なる印を刻む龍!

さて、今回はこの人!

遊星「不動遊星だ」

不動遊星に来てもらった!・・・・・・お願いだからなんか喋って。

遊星「何も話すことないだろう。まだあまり出てないから」

何かすいません・・・・・・最強カードの紹介と行きましょう。

遊星「今回は銀河眼の光子竜〈ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン〉だ」

アニメで出た遊馬のライバル、カイトのエースモンスターだ!

遊星「攻撃力2000以上のモンスターを2体リリースすると特殊召喚出来るが、通常召喚や蘇生条件には満たないのでレダメやミンゲイドラゴンで出した方が効率がいい」

自身または相手がこのカードと戦闘を行う時、このカードと戦闘するモンスターを除外することが出来る!つまり戦闘ではほぼ無敵だ!

遊星「そしてそれが、エクシーズモンスターだった場合、そのモンスターのエクシーズ素材1つにつき500ポイント攻撃力が上がる・・・それで、エクシーズモンスターて何だ?」

今回の話でわかるよ。

遊星「そうか・・・第6話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

『Everybody Listen!さあデュエルの時間だ!1人目はアカデミアの中等部三剣士の一人、龍の姫こと葵レミーー!!!』

 

《ワァーーーーーーー!!!!》

 

すっごい歓声だな。さすが、治安維持局が運営する大会だな。

俺の相手はアカデミアに通っている生徒か。しかも三剣士って呼ばれてってことは結構強いということか・・・・・・・楽しみだな。でもあのMC、確か龍の姫とか言ってたな。俺の使うデッキと種族被ってしまったかな?今回はこの世界では初めて使うもう一つのデッキで挑むから。

 

『対戦者は未知の力を持つ少年!遠藤遊輝!』

 

「(おいMC。微妙な紹介するなよ。なんだよ未知の力って。向こうの方が紹介文良かったじゃねぇか)」

 

文句をブツブツと言いながら昇降台によって俺はデュエルスタジアムの中央のステージに上がる。デュエルフィールドの反対側にはアカデミアの女の子制服、赤いジャンパーみたいな物に白いYシャツと黄色いリボン、黒の裾折りのスカートを履いた俺と同い年ぐらいの女の子だった。見た目は。少し茶染めの長いロングポニテに赤いカチューシャ、少し大きな栗目をしている子だった。

 

「あなたが私の対戦相手ね。よろしく」

 

「こちらこそよろしく」

 

『さあ1回戦!双方のデュエリストはどんな決闘が見せてくれるのか!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 レミ LP 4000

 

『先行は遊輝からだーー!』

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

これは・・・この後のドロー次第で決着が着くかもな。

 

「カードを2枚伏せ、カードカー・Dを召喚!」

 

カードカー・D 攻800

 

車体にDのマークをつけた車が疾走と走ってきた。

 

「カードカー・Dの効果発動!このカードを召喚したメインフェイズ1にこのカードをリリースしてカードを2枚ドローする」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

「そしてカードカー・Dの効果でエンドフェイズになる。ターンエンド」

 

 

遊輝 LP 4000 手札5枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

『おっと!!カードを伏せただけでこのターンを終わらせたぞ!!手札事故か!?』

 

「(MC、うるさい。そして周りも騒ぐな。モンスターがいないだけじゃないか)」

 

--------------------

控え室

 

「遊輝どうしたんだろう?いつもならモンスターを出すのに」

 

「何か考えているんじゃないのかしら?」

 

「おそらく何か待っているんだろう。次のターンにくればいいが」

 

--------------------

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

ドローしたカードを確認した後、レミの唇が少し動く。

 

「遊輝!リバースカードがあるからって安心しないでよ!このデュエル!私の勝ちよ!」

 

『おおと、葵選手はワン・ターン・キルを宣言した!一体どうやって決めるつもりだ!?」

 

「へぇ〜、面白いじゃない。じゃあ見さしてもらおうか!」

 

「言われなくても!魔法、カード大嵐!フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

「げっ!?大嵐!?」

 

不味い!!伏せカードにフリーチェーンを組めるカードがない!!大嵐がフィールドを吹き荒れて俺の2枚の伏せカードが飛ばされていった。

 

「リバースカードはミラーフォースと・・・・・・何これ?エクシーズ・リボーン?・・・・・まぁいいわ。これであんたを守るものは何もないわ!」

 

『あーとリバースカードが破壊されたぞ!これはピンチだーーー!!』

 

「(MC!!黙れ!!煩すぎだ!!それにまだ防ぐ手段はあるぞ!!)」

 

「フィールド魔法、竜の渓谷を発動!」

 

俺のMCへのツッコミをよそに、周りが夕日に染まる、色々な竜たちが飛び交う渓谷になった・・・・・・竜の渓谷、ていうことはドラグニティか!

 

「竜の渓谷は手札を1枚捨てることで、『デッキからLv4以下のドラグニティと名のついたモンスターを手札に加える』か『デッキのドラゴン族モンスターを墓地に送る』のどちらかを選択する!手札のドラグニティーファランクスを捨てて、2つ目の効果を選択!デッキからドラグニティアームズーレヴァティンを墓地に送る!」

 

『あーとデッキのモンスターを墓地に送ってしまった!!何でだ!?』

 

「(脳なしMC!!戦術を知ろう!!そして黙れ!!)」

 

「あのMC・・・うるさいだけじゃなく、戦術を知らないんだね」

 

「(あっ、同じこと考えている)やっぱりあのMCうるさいと思う?」

 

「あんたも同じことを考えていたのね。なんか気が合いそうね」

 

「そうだな。仲良くなれそうだな」

 

「でもデュエルは別!ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「そしてドゥクスの効果発動!召喚に成功した時、墓地のLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを選択して、装備カードとしてこのカードに装備する!墓地のドラグニティーファランクスを装備!」

地面からファランクスが出て来てドゥクスの腕にくっつく。

 

「ドゥクスはフィールドのドラグニティと名のつくカード1枚につき攻撃力を200ポイントアップする!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1900

 

「これで終わりじゃない!墓地のドラグニティアームズーレヴァティンの効果発動!《ドラグニティ》と名のついたカードを装備したモンスターを除外して、手札もしくは墓地からこのカードを特殊召喚できる!フィールドのドゥクスを除外して出でよ!ドラグニティアームズーレヴァティン!」

 

ドラグニティアームズーレヴァティン 攻2600

 

ファランクスを装備したドゥクスがその下から出てきた竜巻のような物に囲まれて消える。渓谷に吹く風がどんどんと強くなっていき、レミの後ろから大きな刃を持ったオレンジ色の竜が出てきた。

 

『な、何と!!墓地から攻撃力2600のモンスターが召喚されたぞ!!そのためにさっき墓地に送ったのか!!』

 

「(それぐらい想像つけよ。周りも騒ぐな、別にそこまで高い攻撃力じゃない)」

 

「レヴァティンは特殊召喚に成功した時、墓地のドラゴン族モンスターを選択してこのカードに装備する!もう一度来て!ファランクス!」

 

またファランクスが出て来て、レヴァティンの腕にくっつく。

 

「そして装備状態のファランクスの効果発動!カードの効果で装備カード扱いとなっている場合、このカードを特殊召喚できる!来て!チューナーモンスター、ドラグニティーファランクス!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

腕にくっついていたファランクスがレーヴァテインの腕から離れてフィールドに出てくる。・・・・・・こいつ大変だな、さすがドラグニティの中枢。こいつが働かないとドラグニティは動けないもんな。

 

「大丈夫?ファランクス」

 

レミさんが心配そうにファランクス尋ねるとファランクスが頷いた。・・・あれ?もしかして・・・・・・

 

「ねぇ、変な質問するけどそのファランクス、もしかして精霊?」

 

「!!あなた精霊が見えるの!?」

 

レミさんが目を飛び出すような驚いた表情でこっちを見てくる。

 

「やっぱり・・・・レミさんも精霊が見えるんですね」

 

「驚いたわ・・・・アカデミアの仲間以外に精霊を見える人がいるなんて」

 

「えっ?レミさんの友達も精霊が見えるんですか?」

 

逆に今度は俺が驚いてしまい、レミさんに質問をする。

 

「え〜、今日は来ていないけどね。それと、私のことレミって呼んで良いよ。私もあんたのことを遊輝って呼んじゃってるし」

 

「わかったレミさ・・・・じゃなくてレミ。まさか、アカデミアに精霊が見える人がいるなんてね」

 

「私もアカデミアの友達以外にいてビックリよ。さて、デュエルの続き、カードを1枚伏せてLv8のレヴァティンにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「竜の渓谷に封印されし伝説の竜が火山の噴火とともに目覚める。暴れ回れ!シンクロ召喚!カモン!トライデント・ドラギオン!」

 

ファランクスが輪になり、レヴァテインが中に入って星となって一つとなって行ったが・・・・・

 

「なぁ、トライデント・ドラギオンは何処におるんだ?」

 

トライデント・ドラギオンの姿が全く見えない。イラストだとあんなイカツイ三首をした龍なのに全く姿が見えない。

 

「慌てないの、トライデント・ドラギオンの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、自分フィールド上のカードを2枚まで選択して破壊することができる!バーニカルバースト!」

 

レミがそういった瞬間、竜の渓谷の奥にあった火山が噴火して、レミのリバースカードを破壊しながら火山の頂上が崩壊していってトライデント・ドラギオンが現れた。・・・・・・・すごい派手な登場の仕方だな、おい。

 

「そしてトライデント・ドラギオンは自身の効果で破壊したカード1枚につき通常の攻撃に加えて攻撃できる!2枚のカードを破壊したので合計3回攻撃できる!」

 

トライデント・ドラギオン 攻3000

 

『なっ、何と!攻撃力3000の3回攻撃!!遊輝のフィールドにこの攻撃を防ぐ手段がない!!このデュエル、葵選手の勝ちだ!!!』

 

 

--------------------

 

「ま、まずい!!まずいよ!!攻撃力3000の3回攻撃!!」

 

「おまけに遊輝のフィールドにカードが1枚もない・・・だが」

 

「え〜、まだあるわ!この攻撃を防ぐ手段が!」

 

「えっ!何処にあるの!?」

 

--------------------

 

「これで終わりよ!トライデント・ドラギオン!ダイレクトアタック!バーニング・ブースト三連打!!」

 

トライデント・ドラギオンの3つの口から赤い炎をためて、俺に向かって打とうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・だけど

 

「!?どうしたのトライデント・ドラギオン!?何で攻撃しないの!?」

 

トライデント・ドラギオンは、攻撃を放つ寸前に口の炎が消えた。

 

『どういう事だ!?何故攻撃出来ない!?故障か!?』

 

「全く煩いな・・・・今タネ明かししてやる。手札から速攻のかかしの効果を発動した」

 

「速攻のかかし?」

 

「そう、こいつは相手モンスターのダイレクトアタック宣言時、このカードを手札から捨てることで、そのモンスターの攻撃を無効にしバトルフェイズを終了する!」

 

「なっ!?そんなカードがあるなんて・・・・・」

 

知っているでしょ。手札から発動出来るカードを、エフェクト・ヴェーラーなんか超有名じゃん。

 

「で、でもあなたのフィールドにカードはない!攻撃力3000のトライデント・ドラギオンを簡単に突破出来ない!カードを伏せターンエンド!!」

 

 

レミ LP 4000 手札 0枚

【モンスターゾーン】

トライデント・ドラギオン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

--------------------

「手札からか・・・確かに防ぐカードがあるけど。でもどうするのこの状況?」

 

「確かに・・・・レミさんのフィールドには攻撃力3000のモンスターがいる。遊輝はどうやって打開するの?」

 

「確かに厳しい状況だ・・だけど遊輝は諦めてない・・・さて遊輝のデュエル、見さしてもらおうか」

 

--------------------

 

 

 

フゥー、速攻のカカシがなかったら負けていたな。

レミの手札は0枚・・フィールドは、トライデント・ドラギオンと、リバースカードのみ・・・勝機は、このターンのみ!!

 

「俺のターン!ドローー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

・・・・・来た!!

 

「レミ!このデュエル楽しいな!」

 

「何を言うかと思えば・・・・・でもまあ、楽しいよ。私もアカデミアの仲間以外に全力を出せたのは久しぶりだし」

 

「そうだよな。じゃあこのデュエル終わらそうか・・・・・俺の勝ちで!」

 

「なっ!?」

 

『何と!!今度は遊輝が勝利宣言だ!!しかしどうやってこの状況から逆転するんだ!?』

 

「手札から聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

白い輝きを放つドラゴンが空から降りてきてフィールドで現れた。

 

「知らないカード・・・何でLv6のモンスターが特殊召喚出来るの?」

 

「トフェニドラゴンは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚出来る。ただし、この方法で特殊召喚した場合、このターントフェニドラゴンは攻撃出来ないけどね」

 

もう一つのデッキは聖刻龍だ。何か龍可に勝てる速攻デッキ無いかな〜と思って考えのがこれだ。所謂、ワン・ショット・キルを狙いにいくデッキだ。

 

「そんなモンスターいるのね・・・・・でもそこからどうするの?」

 

「トフェニドラゴンをリリース!聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

トフェニドラゴンの身体が薄くなって消えていき、今度は青い体をしたドラゴンが現れた。

 

「シユウドラゴンはフィールド上の聖刻と名のつくモンスターをリリースして特殊召喚出来る。そしてリリースされたトフェニドラゴンの効果発動!」

 

「リリースされて!?」

 

「まぁリリースされたモンスターの効果なんて滅多に無いわな。聖刻龍は共通の効果を持っている」

 

「共通の効果?」

 

「聖刻龍達はリリースされた時、デッキ・手札・墓地からドラゴン族の通常モンスターを攻撃力・守備力を0にして特殊召喚出来る!トフェニドラゴンの効果により、デッキからエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

さて、素材自体は揃ったがまずはあの後ろを割りに行かないとな。

 

「すごいね。こんなにも高レベルモンスターを簡単に操るなんて」

 

「そりゃどうも」

 

「でもたとえ高レベルモンスターを揃えてもトライデント・ドラキオンには勝てない!一体どうするつもり!?」

 

「まぁ慌てるなよ。下準備は執拗だろう?シユウドラゴンの効果発動!手札または手札の《聖刻》と名のついたモンスターをリリースすることで、相手フィールドの魔法か罠1枚を破壊する!手札の聖刻龍ーネフテドラゴンをリリースしてその伏せカードを破壊!」

 

シユウドラゴンがネフテドラゴンの魂を吸収して、ゴッドバードのように突進してレミの伏せカードを破壊した。

 

「(攻撃の無力化が!!)」

 

「さらにリリースされたネフテドラゴンの効果。再びデッキからエレキテルドラゴンを攻守を0にして特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン 攻/守 2500/1000→0/0

 

「グッ・・・・でも、攻撃力0のモンスターを2体並べても意味無いわよ!!」

 

「だったらこうするんだよ!Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!!」

 

「オーバーレイ!?!?」

 

2体のエレキテルドラゴンが下に出来たブラックホールに光の玉となって吸い込まられていく。そのタイミングで一気に観客席がざわめきだした。

 

「(・・・・あっ、ここ公の場だった。まぁいいか)」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

ブラックホールの中が一気に光輝、神々しい輝きを放ちながらアトゥムスが出てきた。

 

「な、何よそのモンスター!?それにエクシーズ召喚なんて聞いたことがない!!」

 

『おい、お前知ってるか?』

『いや、知らね』

 

「(やばい、何か騒ぎになりそうだな。とりあえず説明っと)」

 

俺は龍亞と龍可に説明したように会場の観客とレミにエクシーズモンスターとエクシーズ召喚を同じように説明した.

 

「なるほどね。でもそんなカード治安維持局が知っているの?」

『レミさん、心配しなくても結構です。既にシステムにデータがあるので我々は知ってます』

 

突然、会場のビジョンにゴドウィンが現れてレミや観客に説明して、観客を落ち着かせるように言う。

 

『ですが遊輝さん、このデュエルの後、一度来てもらえませんか?』

 

・・・・・・やっぱりそうなるのね。うん、分かってたよ。どうやって逃げようかな?・・・・おっと、デュエルに集中しないと。

 

「続けていい?」

 

「ええ、構わないわ。エクシーズモンスターがどんなのか分かったから」

 

「それじゃ続けるぞ。聖刻龍王ーアトゥムスの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除いてこのターンの攻撃を放棄する代わりに、デッキのドラゴン族モンスター1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!来い!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

攻/守 2800/2400→0/0

 

アトゥムスの咆哮がスタジアム全体に響き渡り、上空から体が鋼のレッドアイズが現れた。

 

『な、何という事だ!1ターン前ガラ空きだった遊輝のフィールドには上級ドラゴンモンスターが3体も並んだ!!』

 

「でもトライデント・ドラギオンの攻撃力を超えるモンスターはいないわよ!!一体どうするの!?」

 

「こうするのさ!レダメの効果!1ターンに1度、手札か墓地からドラゴン族モンスターを特殊召喚する!」

 

「何ですって!?

 

お前を出すのは久しぶりだな・・・・・・もう一度頼むぞ!

 

「現れろ!銀河を宿いし光の龍‼銀河眼の光子竜〈ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン〉!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

 

今度はレダメの芳香により上空に突如、大銀河が現れる。その中から青い体をした龍が光を発しながら舞い降りた。

 

『やっと私を出しましたか、主よ』

 

・・・・・えっ・・・・喋った?

 

「まさか・・・・・ギャラクシーアイズも精霊?」

 

『はい、私も主がいた世界から見守ってました』

 

ハハハ・・・・・(汗)

これで3人目か・・・・・・また賑やかになったな。

 

「出すのが遅くなってしまったな。また一緒に戦ってくれるか?」

 

『もちろんです』

 

「サンキュー」

 

「すごい・・・・こんな綺麗なモンスターがいるなんて・・・・・それにそのモンスター精霊なの?」

 

「あ、ああ、あと2人いるが今回は出ない」

 

「そうなんだ。でもそれでも攻撃力が同じになっただけ!それにレッドアイズの攻撃力は0だし、アトゥムスはこのターン攻撃出来ない!まだ私のターンには続くわよ!」

 

「まだ終わってねぇぞ!聖刻龍の展開力はこんなものじゃねぇぜ!ランク6の聖刻龍王ーアトゥムスで再びオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

「!?エクシーズモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!?」

★6→★7

 

「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!見参せよ!迅雷の騎士 ガイア・ドラグーン!」

 

迅雷の騎士 ガイア・ドラグーン 攻2600

 

三たびブラックホールが現れてアトゥムスが吸収されていき、代わりに出てきたのは馬に乗って颯爽と現れた騎士だ。

 

「これで打点は足りるだろう?」

 

『な、なんという事だ!!1ターン前までガラ空きだった遊輝のフィールドには攻撃力0になったモンスターも含めて4体の上級ドラゴンが一気に並んだ!!』

 

「そ、そんな・・・たった1ターンでここまで・・・」

 

「バトル!銀河眼の光子竜でトライデント・ドラギオンを攻撃!そしてこの瞬間、ギャラクシーアイズの効果発動!!」

 

ギャラクシーアイズがトライデント・ドラギオンに近づき、自身の身体を強く光らせる。

 

「ぐっ!?な、何!?」

 

「自身または相手がこのカードを攻撃対象にした時、バトルフェイズ終了時までこのカードと攻撃対象となった相手モンスターを除外する!」

 

光が消えると、さっきまでいたはずのギャラクシーアイズとトライデント・ドラギオンの姿がどこにも居なくなっている。

 

「(サンキューギャラクシーアイズ。お前のおかけで無事に勝てそうだ)」

 

『この後は任せましたよ』

 

「(OK!)バトル続行!ガイア・ドラグーンでダイレクトアタック!スパイラル・シェイパー!!」

 

レミ LP 4000→1400

 

「ラスト!シユウドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「きゃあーーー!」

 

レミ LP 1400→0

 

 

WIN 遊輝 LOS レミ




遊輝「というわけで今回はオリキャラ、レミに来てもらいました」

レミ「葵レミです。みんな、よろしくね〜」

遊輝「いや〜、実はこの話、改定前読んでくれた人は知ってると思うけど、フィニッシュの方法が変わったんだよね」

レミ「最初はギャラクシーデストロイヤーを出して超攻撃力でトライデントを倒してたんだけど・・・・」

遊輝「ねっ・・・レダメがこの話の後に制限カードになっちゃってどうしても出せなくなったんだよね」

レミ「あっちの方が夢のある終わり方なのに、今となってはガイア・ドラグーンで終わっちゃって・・・」

遊輝「まぁ・・・・しゃあなかったんだけど・・・・」

レミ「次回はちょっとした会話の後に龍亞君と遊星さんのデュエルだね」

遊輝「(君付けなんだ・・・・)タイトルは【ゴドウィンの策略 遊星VS龍亞 前編!】策略も何もタダの会話何だけどね」

レミ「次回もよろしく〜」


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第7話 ゴドウィンの策略! 遊星VS龍亞 前編!

最強カードの紹介!今回はこの人!

レミ「私だよ!」

葵レミだよ!

レミ「ここに呼ばれるて言う事は私、メインキャラ!?」

一応ね。今はまだ準レギュラー

レミ「えっ、じゃあ・・・」

しばらく出番はほとんどない!

レミ「そんな〜〜」

さっさと最強カードの紹介に行きましょう。

レミ「今回はジャンク・アーチャーだよ」

遊星が使う、☆7のシンクロモンスターだよ。

レミ「1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体をゲームから除外できる!1体だけなら、ダイレクトアタックができるよ!」

だけどチューナーモンスターが、ジャンク・シンクロンに限られているから注意する必要がある。それと攻撃力は2300だから次のターンにやられる可能性があるのでそこは注意だ。

レミ「それでは、第7話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

『決まったーー!フィールドに何もない状態から見事な逆転勝ち!勝者!!遠藤遊輝!!』

 

《ワァーーーー!!》

 

「ふぅ〜〜・・・・・」

 

デッキケースにデッキを直して、デュエルデスクをデュエルしよう前に戻す。ちょっと危ない場面もあったけど、何とか初戦は突破したな。

 

『おめでとうございます』

 

ギャラクシーアイズが精霊状態で俺の隣に出てくる。大きさも考えてくれて、俺と同じくらいだ。

 

「ありがとうよ。それより名前も決めないと」

 

ダイヤやパールだけあだ名でギャラクシーアイズだけそのままっていうのは何か変な感じがするし。

 

『名前ですか・・・・・・それではプラチナはどうですか?

 

プラチナか・・・・・ダイヤ、パールと宝石つながりでいいな。

 

「いいぜ、今後もよろしくな、プラチナ」

 

『はい』

 

プラチナが消えてカードの方へと戻っていく。

 

「(さて、レミに挨拶しないと)」

 

俺はレミの所まで歩いてくが、レミは全く反応しない。よく見てみるとレミの顔がまだ引きつっている。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「え?・・・・ええ、大丈夫よ。少し引いてしまったけどね。すごいね、あの状況から」

 

「そうかな?前にこれ以上の事されたし」

 

リチュアでターンくる前に手札0になったり、キラメテックで6桁のオーバーキルをくらったり・・・・・・

この世界だったら龍可にライロでオーバーキルされまくったな。

 

「そう・・・またデュエルしましょう!」

 

「ああ!」

 

俺とレミは握手を交わす。・・・そう言えば何か忘れているような・・・・・

 

『では遊輝さん、一度来てもらいましょう』

 

アナウンスだけになったがゴドウィンが俺に来いっと連絡をする。

あっ、そうだった。どうやって逃げようかな。

 

「イ〜ヒッヒ、逃げようなんて無駄なこと考えても無理ですよ。既にあなたの周りは包囲されてますから」

 

突然出てきたイェーガーが俺に対して言い放ち、周りを見るとSP見たいな奴らが俺の周りを囲んでいた。・・・・・・人の心読むな。

それより参ったな、この人数じゃちょっとキツイな。暴れてもいいが、周りに観客がおるし、何より治安維持局の前だから下手したらセキュリティに捕まるしな・・・・・・仕方ない、諦めて行きますか。

 

「分かった。行くよ」

 

「ではついて来てください」

 

そう言って、イェーガーが歩きだし俺もSP見たいな人に囲まれてついていく。

 

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

 

やった!遊輝が勝った!

 

「すげえ!あの状況から勝った!やっぱ遊輝はすごいな!」

 

龍亞がはしゃいでる。何か私もすごく嬉しい!・・・でも何でだろう?遊輝があのレミっていう人と楽しそうに話してると、何か・・・・心がモヤモヤする。

 

「初めて見たが流石だな。しかし・・・」

 

遊星がうでくみをして何かを考え始めた。

 

『では、ついて来てください』

 

テレビではイェーガーっていう人が遊輝をつれてあのゴドウィンっていう人のところまで行こうとさせる。

 

「(・・・遊輝、無事でいて)」

 

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

 

現在、イェーガーに連行されてゴドウィンの所に行っている。周りのSPがゴツいから蒸し暑くてたまんないよ。

 

『(マスター、どうしますか?)』

 

「(どうするって言われてもな・・・とりあえず誤魔化してみる)」

 

『(大丈夫なのですか?)」

 

ダイヤが先に出てきて、適当な返答をしたら今度はプラチナが出てきた。

 

「(多分いける。もしやばそうになったら、頼むぞ)」

 

『『((はい))』』

 

「着きました。この部屋に長官がいます」

 

2人が消えていったタイミングでイェーガーが前の扉が開いた。奥にネオドミノシティの長官・・・・レクス・ゴドウィンの姿が見える。

 

「ようこそ、私が治安維持局長官、レクス・ゴドウィンです」

 

ゴドウィンが頭を下げて挨拶する。

 

「俺の名前は・・・って言わなくてもいいか」

 

「ええ、貴方の名前は遠藤遊輝。知ってますよ」

 

まあ、治安維持局長官だから知っててもおかしくないか。それにさっきMCにさんざん叫ばれていたし。

 

「で、俺に何のようだ?」

 

「単刀直入に聞きます。貴方はそのカードをどこで手に入れましたか?」

 

「(まぁそうだよな。とりあえず適当に返すか)気づいたら持ってました」

 

「気づいたらですか・・・本当ですか?」

 

「ああ、嘘を言っても何も得を得ないだろう?」

 

全くの嘘だけどな。こいつに転生者って言ったら何されるかわからないからな。それに遊星さんも言ってたし、「カードは拾った」って。

 

「そうですか・・・分かりました。控え室に戻っても結構です」

 

「さいですか。じゃあ戻ります」

 

そう言って俺は部屋を出で控え室に戻る。良かった良かった、あれ以上追求してこなくて。

 

「(気づいたら持ってたか・・・もう一度彼の事を調べる必要がありますね)」

 

--------------------

 

控え室

 

「あっ、遊輝!」

 

龍亞がこっちに向いて俺を呼ぶ。それに反応して遊星や龍可,さらにレミも反応する。

 

「大丈夫だった?」

 

「大丈夫、大したことじゃないから」

 

「よかった〜、心配したんだから」

 

心配そうに話しかけてきたので大丈夫だと伝えたら安堵の表情をされた。心配かけるような事か?話をして来ただけなのに?

 

「遊輝、ちょっと聞きたい事が・・」

 

「何?遊星」

 

「お前、そのカードをどこで・・・」

 

遊星もその質問か・・・遊星は信頼出来るし話すか。

 

『(いいの?この人に秘密を話して?)』

 

「(ああ、仲間は多い方がいいからな)いいぜ、レミも聞きたいだろ?」

 

「ええ、確かに気になるけど」

 

「じゃあ話すぞ。今から言う事は全て事実だからな」

 

俺は遊星とレミに転生者である事・エクシーズモンスターの事を言った。

 

「・・・そんな事があったのか」

 

「あんた、いろいろ大変だったのね」

 

遊星は腕を組みながらいい、レミは話を聞いて俺に同情する。

 

「でも遊輝は遊輝だよ!」

 

「そうだな。たとえ異世界から来ても変わりのない事だからな」

 

「何か困った事があれば相談しに来てね」

 

龍亞・遊星・レミ・・・ありがとな、俺のために

 

「ああ、いつでも聞きにいくよ」

 

「あっ、2回戦が終わったわ」

 

龍可がそう言って、俺たちはテレビの方を向く。結果は・・・

 

『ウ、ウィナーー!十六夜アキーー!!は、早く救護班を!!』

 

『魔女めーー!!消えろーーー!!』

『さっさと魔女の住処に帰れーー!!』

 

MCの声が聞え、観客が罵声を飛ばす。

やっぱりアキさんが勝ったか・・・相手が傷ついて倒れてるよ。

サイコパワーか・・・恐ろしいな。

しかし本当にうざい観客だな。お前達のせいでアキさんが苦しんでいるのに。

 

「十六夜アキが勝ったか・・」

 

遊星が呟いている。

 

「次の対戦相手、大丈夫かな?あの人相手に」

 

レミが心配そうに言う。

でもさ、アキさんの次の相手ってトーナメント表で見たら俺じゃねの?まだ決まってないけど。

 

『さあフォーチュン・カップも3回戦目だ!次のカードは・・・!』

 

不動 遊星 VS 龍亞

 

「おっ、俺と遊星のデュエルじゃん!」

 

「そうだな」

 

「遊星、楽しいデュエルしような!」

 

「ああ」

 

2人はそう言って決闘会場へと向かう。

 

「ねえ遊輝、遊輝はどっちが勝つと思う?」

 

「難しいね・・・・・あの時は遊星が勝ったけど、龍亞もあの後色々考えていたしね」

 

「そう、どうなるのかしらね」

 

その言葉を最後に龍可はテレビの方を見る。

さて、遊星と龍亞の2回目のデュエル・・・どっちが勝つかな?

 

 

遊輝side out

 

龍亞 side

 

 

やっと俺のデュエルの番だ!相手は遊星、あの時は負けてしまったけど、俺だってあのデュエルの後頑張ったんだ!必ず勝ってみせる!

 

『さあ、3回戦の始まりだ!まずは双子の天才決闘者の1人!龍亞だーー!』

 

《ワァーーーー!》

 

MCの紹介で皆が俺を見る。俺って世間からそう思われてたんだ!

 

『対するはサテライトの流れ星!不動遊星だーー!』

 

『サテライト住民は来るんじゃね!』

 

『とっとと帰りやがれ!』

 

遊星の紹介に観客が罵声を飛ばす。

何でだよ!サテライトでもシティでも変わんないじゃん!

 

「龍亞、気にするな。デュエルを楽しめばいいだけだ」

 

俺が凄いムカつくような表情をしてたら遊星がそう返してきた。

 

「・・・そうだよ!今はこのデュエルを楽しむだけだ!いくぞ遊星!」

 

「来い!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

龍亞 LP 4000 遊星 LP 4000

 

先行は・・・・・俺か!

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 6枚

 

さてと、遊輝が言っていたな。1ターン目は相手の様子を見るためにあまり動かない方が良いって。

 

「俺はD・ステープランを守備表示で召喚!シャキーン!」

 

D・ステープラン 守1000

 

ホッチキスの形をしたモンスターが現れて俺の前に盾のような感じで現れる。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 LP4000 手札 4枚

【モンスターゾーン】

D・ステープラン 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

遊星のデッキは高速シンクロ。だけどまだ動かないだろう。あのデッキは手札を凄く消費するからね。

 

「魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動!手札のモンスター1体を墓地に送ってデッキからチューニング・サポーターを特殊召喚!」

 

チューニング・サポーター 攻100

 

鉄鍋のような物をかぶったモンスターが現れた。・・・何か嫌な予感が・・・

 

「さらに手札のスピード・ウォリアーを捨てて、チューナーモンスタークイック・シンクロンン特殊召喚!」

 

クイック・シンクロン 攻700

 

「(チューナーモンスター!?もしかしてもうシンクロするの!?)」

 

「そしてジャンク・シンクロンを通常召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロンの効果発動!召喚に成功した時、墓地のLv2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚する!戻ってこい!スピード・ウォリアー!」

 

スピード・ウォリアー 守400

 

仮面を被ったローラースケートのような物を履いたモンスターが出てきた。・・・もうフィールドにモンスターを4体も揃えた!?

 

「チューニング・サポーターはシンクロ素材となる場合このカードのレベルを2にする事ができる!」

 

チューニング・サポーター ☆1→2

 

「Lv2となったチューニング・サポーターにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆3 + ☆2 = ☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

 

ジャンク・シンクロンとチューニング・サポーターが一つになり、光の中から青い体をしたモンスターが出で、右の拳を突き出してポーズを決めた。

 

「ジャンク・ウォリアーはシンクロ召喚に成功した時、フィールドに存在するLv2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする!フィールドには攻撃力900のスピード・ウォリアーがいる。パワー・オブ・フェローズ!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻 2300→3200

 

スピード・ウォリアーとジャンク・ウォリアーが共鳴してジャンク・ウォリアーの攻撃力が上がった。

 

「いきなり攻撃力3200!?」

 

「さらにシンクロ素材となったチューニング・サポーターはシンクロ素材として墓地に送られた時、カードを1枚ドローする」

 

遊星 手札1枚→2枚

 

「そしてLv2のスピード・ウォリアーにLv5のクイック・シンクロンをチューニング!クイック・シンクロンはシンクロンと名のついたチューナーの変わりに素材にできる!」

 

クイック・シンクロンが銃を取り出し、ジャンク・シンクロンのカードを撃ちぬいた。

 

☆5 + ☆2 = ☆7

 

「集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く。光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・アーチャー!」

 

ジャンク・アーチャー 攻2300

 

「1ターンに2回シンクロ召喚!?!?」

 

不味い!!不味すぎる!!しかもよりによって出てきたのはジャンク・アーチャーだし!!

 

「ジャンク・アーチャーの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体をエンドフェイズまで除外する!デイメイション・アロー!」

 

ジャンク・アーチャーが矢を持って、ステープランに向け撃った。

まずいよれガラ空きだ!

 

「バトル!ジャンク・ウォリアーでダイレクトアタック!スクラップ・フィスト!」

 

ジャンク・ウォリアーの拳が大きくなって俺に向かって突進してくる。

 

「リバースカードオープン!和睦の使者!このターンの戦闘ダメージを無効にする!」

 

女神が出てきてジャンク・ウォリアーの攻撃を止めた。

 

「そうこなくちゃ。カードを伏せターン・エンド。このエンドフェイズにD・ステープランは戻ってくる」

 

 

遊星 LP4000 手札 1枚

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻3200

ジャンク・アーチャー 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

いきなり2体のシンクロモンスター!俺のフィールドはステープランのみ!でも遊輝見たいに俺も諦めない!デュエルを楽しんでこのデュエル勝ってみせる!




龍亞「いえーーい!!今回は俺が後書きをしきるぜ!」

遊星「(・・・・・大丈夫なのか?)」

遊輝「(まぁ様子を見ましょう)」

龍亞「前回のデュエルから引っ張るけどさ〜、何で遊星や遊輝、龍可ってああも簡単にワン・ショット・キルを簡単に狙えるのさ」

遊輝「そらまぁ・・・・デッキの種類によるだろ」

遊星「デッキによって違うからな。龍亞のディフォーマーはどっちかというと数ターンかけて場を整えるタイプだし」

龍亞「むぅ〜・・・・俺のデッキにももうちょっと展開力あるやつ来ないかな?」

【※・・・この時代、スマホンなんてカードは無かったんや・・・・】

龍亞「実際、俺の最初のターン番着なはずだったのに」

遊輝「たまたまだろ?遊星」

遊星「デッキが答えてくれただけさ」

龍亞「答えになってないよ!!」

遊輝「次回は後半戦。【遊星VS龍亞 後編 機械龍VS閃光龍!】」

遊星「次回もよろしく」


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第8話 遊星VS龍亞 後編! 機械龍VS閃光龍!

今回はこの人!

パール「は〜い♪ガガガガールことパールです」

遊輝の精霊、パールに来てもらいました。

パール「私まで呼ばれるの?」

まだメインキャラが少ないからね。

パール「それより私の出番を増やしてよ!」

ちゃんと出しますから。最強カードの紹介をしましょう。

パール「今回はスターダスト・ドラゴン!」

誰もが知っている5D'sの主人公、遊星のエースモンスターだ!

パール「☆8シンクロモンスターとして、一時期エクストラデッキには必ず入れていたカードね」

フィールドを破壊する効果が発動した時自身をリリースすることで無効に出来るぞ!

パール「そしてその効果を使ったエンドフェイズ時、墓地から特殊召喚できるよ♪」

だけどエンドフェイズ時に墓地にいなくちゃいけないから、死者蘇生に使われたり、除外されたら特殊召喚出来ない。

パール「では第8話、デュエルスタート!」


前回までの状況

 

龍亞 手札 4枚 LP4000

【モンスターゾーン】

D・ステープラン 守1000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

遊星 手札 1枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻3200

ジャンク・アーチャー 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

龍亞 side

 

状況は不利だけど俺も遊輝見たいに諦めない!ここから逆転だ!

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 5枚

 

とは言ったものの・・・・今の手札じゃ突破出来ないな。だけどまだ耐えることは出来る!

 

「D・ビデオンを守備表示で召喚!ドゴーン!」

 

D・ビデオン 守1000

 

ビデオの型をしたモンスターがホッチキスの隣に出てきた。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

龍亞 LP 4000 手札 3枚

【モンスターゾーン】

D・ステープラン 守1000

D・ビデオン 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

「マックス・ウォリアーを召喚!」

 

マックス・ウォリアー 攻1800

 

「ジャンク・アーチャーの効果発動!対象はD・ステープラン!デイメイション・アロー!」

 

アーチャーの矢がまたステープランに当たって、ステープランが消えてしまう。

 

「バトル!マックス・ウォリアーでD・ビデオンを攻撃!スイフト・ラッシュ!マックス・ウォリアーはモンスターと戦闘する場合、攻撃力を400ポイントアップする!」

 

マックス・ウォリアーが杖を回してビデオンを破壊した。

 

マックス・ウォリアー 攻1800→2200

D・ビデオン 守1000

 

「ビデオン!」

 

「マックス・ウォリアーは戦闘でモンスターを破壊した場合、次の俺のターンのスタンバイフェイズまでレベルが2になり、攻撃力と守備力は半分になる」

 

マックス・ウォリアー ☆4→☆2

攻撃力/守備力 1800/800→900/400

 

「ジャンク・ウォリアーでダイレクトアタック!スクラップフィスト!」

 

「それだけは通さない!リバースカードオープン!罠カード、ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドローする!」

 

龍亞 手札 3枚→4枚

 

「このターンでは決められないか・・・・・ならばジャンク・アーチャーでダイレクトアタック!スクラップ・アロー!」

 

ジャンク・アーチャーが俺に向かって撃ってきて、その攻撃を直接受けてしまい吹っ飛ばされる。

 

「うわっ!」

 

龍亞 LP4000→1700

 

「カードを1枚伏せてターン・エンド。そしてD・ステープランは戻る」

 

 

遊星 LP4000 手札 0枚

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻3200

ジャンク・アーチャー 攻2300

マックス・ウォリアー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

まずい!さっきより不利だよ!俺のデッキよ!応えてくれ!!

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 5枚

 

・・・きた!これで何とかなる!

 

「魔法カード、D・スピードユニット!手札の《D》と名のついたモンスターをデッキに戻してフィールドのカードを1枚を破壊する!」

 

「何!?」

 

「手札のD・チャッカンを戻して、対象はジャンク・アーチャー!」

 

チャッカンが銃みたいなものにセットされて、ジャンク・アーチャーに向けて撃ち、破壊する。

 

「くっ、ジャンク・アーチャーが・・・・・」

 

「そしてスピードユニットの効果により1枚ドロー!」

 

龍亞 手札3枚→4枚

 

引いたカードは・・・ラッキー!1番いいカードだ!

 

「D・モバホンを召喚!シャキーン!」

 

D・モバホン 攻100

 

「モバホンの効果発動!攻撃表示の時、ダイヤルの1〜6で止まった数字だけデッキのトップをめくり、その中にDと名のついたモンスターが存在する場合、1体だけ特殊召喚できる!ダイヤル〜オン!」

 

モバホンの胸にある1から6の数字が点滅を始め、数秒たったところで止まる。出た目は・・・・・・6だ!

 

「出た目は6!よってデッキから6枚をめくる!モンスターは・・・いた!D・ボードンを特殊召喚!」

 

D・ボードン 攻500

 

スケートボードの形をしたモンスターが現れてロボットのように変形していく。

 

「ボードンは攻撃表示の時、フィールド上の《D》と名のついた全てモンスターはダイレクトアタックができる!」

 

「何だと!?」

 

「ステープランを攻撃表示にしてバトル!D・ボードンでダイレクトアタック!」

 

D・ステープラン 守1000→攻1400

 

ボードンが変形して遊星に攻撃する。

 

遊星 LP4000→3500

 

「続いてモバホンでダイレクトアタック!」

 

遊星 LP3500→3400

 

「くつ、やるな!」

 

「ステープランでダイレクトアタック/」

 

ステープランがホッチキスを飛ばして攻撃する。

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!効果により戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドローする」

 

遊星 手札 0枚→1枚

 

これは防がれたか・・・さすが遊星。隙がない。

 

「カードを伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 LP1700 手札2枚

【モンスターゾーン】

D・ステープラン 攻1400

D・モバホン 攻100

D・ボードン 攻500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

「スタンバイフェイズ時、マックス・ウォリアーのステータスは元に戻る」

 

マックス・ウォリアー ☆2→☆4

攻/守 900/400→1800/800

 

「バトル!ジャンク・ウォリアーでD・モバホンを攻撃!スクラップフィスト!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!ジャンク・ウォリアーの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

ジャンク・ウォリアーの攻撃が渦に入っていく。

 

「くっ、これでも決められない!ターン・エンド!」

 

 

 

遊星 LP3400 手札 2枚

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻3200

マックス・ウォリアー 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

何か俺のペースになってきたぞ!このまま行くぞ!

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 3枚

 

・・・来ったあああ!!!!!

 

「まずはD・モバホンの効果発動!ダイヤ〜ルオン!」

 

今度は・・・4!!

 

「4が出たから4枚だけめくる!めくったカードの中には・・・いた!D・パッチンを特殊召喚!」

 

D・パッチン 攻1200

 

「パッチンは攻撃表示の時、このカード以外の《D》と名のついたモンスター1体をリリースして、フィールド上のカードを1枚破壊する!この効果でモバホンをリリースしてジャンク・ウォリアーを破壊!」

 

モバホンがパッチンにセットされて、発射しジャンク・ウォリアーを破壊した。

 

「くっ、ジャンク・ウォリアー!」

 

「そしてチューナーモンスターD・リモコンを召喚!」

 

D・リモコン 攻300

 

「Lv4のパッチンにLv3のリモコンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

リモコンとパッチンが光の輪となり、五体を変形ロボットのように合体してパワー・ツール・ドラゴンは現れた。やっぱパワー・ツールはかっこいいな!

 

「パワー・ツール・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、デッキから装備魔法1枚をランダムに手札に加える!パワー・サーチ!」

 

俺のデッキがシャッフルされて、カードが1枚飛び出した。そのカードを手札に加えてどんなカードが手札に加わったのか確認する。・・・よし、俺の勝ちだ!

 

「手札に加えた装備魔法、団結の力をパワー・ツールに装備!装備モンスターの攻撃力は自分フィールドのモンスターの数×800ポイントアップする!パワー・ツールの攻撃力は・・・・・・」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→3900

 

「まだだ!装備魔法、ダブルツールD&Cをパワー・ツールに装備!パワー・ツールの攻撃力を自分のターンの間1000ポイントアップ!」

 

パワー・ツールの両手の武器が、ドリルとカッターに変わる。

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻3900→4900

 

「攻撃力4900だと!?」

 

「バトルだ!パワー・ツール・ドラゴンでマックス・ウォリアーに攻撃!クラフティ・ブレイク!」

 

パワー・ツールが構えて、マックス・ウォリアーに向かった。

 

「この瞬間、ダブルツールD&Cの効果発動!装備モンスターと戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻4900

マックス・ウォリアー 攻1800

 

遊星 LP 3400→300

 

「ぐつ、マックス・ウォリアー!」

 

「遊星を守るカードはもうない!これで終わりだ!ステープランでダイレクトアタック!」

 

ステープランが遊星に攻撃する。これで俺の勝ちだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキーン!!!!!

 

「えっ!?」

 

ステープランの攻撃が決まらなかった。それどころか遊星のフィールドにプロテクターのようなモンスターがいる。

 

「危なかった・・・手札からジャンク・ディフェンダーを特殊召喚した」

 

「ジャ、ジャンク・ディフェンダー?」

 

ジャンク・ディフェンダー 守1800

 

「ジャンク・ディフェンダーは相手モンスターのダイレクトアタック宣言時、手札から特殊召喚できる!」

 

「なっ・・・・・そんな」

 

しかも守備力は1800。ステープランじゃ倒せない。・・・・・・・俺の手札はモンスターカード1枚だけ。このターンは何もできない。

 

「でもまだ俺の方が有利だ!ダブルツールD&Cは相手ターンの時、装備モンスターしか攻撃対象を選べない!たとえ遊星がパワー・ツールより攻撃力が高いモンスターを出しても、パワー・ツールは効果で戦闘では破壊されない!」

 

それにダブルツールD&Cは、装備モンスターが攻撃対象になった時、バトル終了時モンスターを破壊する。もし守備表示で出しても次のターンで決める!俺の勝ちだ!

 

「ターンエンド!そしてダブルツールD&Cの効果によりパワー・ツールの攻撃力は変化する」

 

龍亞 LP1700 手札 1枚

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻4900→3900

D・ステープラン 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

団結の力《パワー・ツール》

ダブルツールD&C《パワー・ツール》

 

 

龍亞 side out

 

遊星 side

 

 

まさかこの数日間でここまで強くなるとはな。龍亞も成長したな。

今、俺の手札はモンスターのみ。だがこのモンスターではパワー・ツールには勝てない。・・・このドローで決まるな・・・・・

 

「(デッキよ、応えてくれ!)俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

これは!?・・・・・・まさか1回戦からお前に頼むとは・・・

 

「チューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

「デブリ・ドラゴンは召喚に成功した時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを特殊召喚する!蘇れ!チューニング・サポーター!」

 

チューニング・サポーター 攻100

 

チューニング・サポーターをフィールドに出したところで俺はエクストラデッキにある1枚のカードを取り出す。頼むぞ・・・・・スターダスト!

 

「Lv1のチューニング・サポーターとLv3のジャンク・ディフェンダーにLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆4 + ☆1 + ☆3 = ☆8

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

デブリ・ドラゴンが作った輪にチューニング・サポーターとジャンク・ディフェンダーが入って一つの光となると、星屑が降ってきてスターダスト・ドラゴンが姿を現した。

 

「綺麗・・・・・・・」

 

龍亞が呟いている。その時

 

「!ぐっ!?」

 

右腕の痣が現れ光りだした。前にも出た、赤い痣だ。

 

「(これが矢薙の爺さんが言ってたシグナーの痣なのか!?)」

 

「な、何これ!?右腕が光った!?」

 

「何だと!?」

 

驚いて龍亞の方を向くと、龍亞の腕も俺と同じ赤い痣が浮き出ている。

 

「(龍亞もシグナーなのか!?だとすれば龍亞のドラゴンはパワー・ツール・ドラゴン!?」

 

『ギャアアアアアァァァ!!!!』

 

『グオオオオォォォ!!!!!』

 

-------------------ー

控室

遊輝 side

 

そんなバカな!?龍亞がもうシグナーとして覚醒しただと!?確かに原作以上に強くなったけど幾ら何でも早すぎる!!

 

「何!?右腕が熱い!?」

 

「何これ!?この痣は何なの!?」

 

2人の異常事態に驚いて俺は2人の方に向く。龍可とレミの右腕が赤い痣で光っていた。

どうしてだ!?龍可は分かるが何でレミまで!?・・・そんな事を思っていたら・・・

 

「!!何だこの感覚!?」

 

右腕に凄い熱い感覚を覚えて慌てて右腕をめくると太陽のような痣ができていた。

 

「(まさか俺もシグナー!?完全に原作崩壊しているじゃねえか!!)」

 

「遊輝も痣が出たの!?」

 

「あ、ああ」

 

「一体この痣は何!?」

 

「(一応知っているがまだ言わない方がいいだろう)後で考えよう。今は、遊星と龍亞のデュエルだ」

 

それだけを言って皆テレビの方に向く。

 

--------------------

遊星 side

 

「遊星も痣が出ているの!?この痣は何!?」

 

龍亞が興奮して質問してくる。

今答えたいがこの観衆、特にゴドウィンの前で言うのは不味い。

 

「その質問は後だ、今はデュエルだ。俺はチューニング・サポーターの効果でカードを1枚ドローする」

 

これは・・・あの時遊輝に貰ったカード・・・待てよ、あのカードをサーチすれば・・・・これで勝利の方程式が出来た!

 

「魔法カード、おろかな埋葬を発動!効果によりレベル・スティーラーを墓地に送る」

 

「墓地に送った・・・どんなカードだ?」

 

「リバースカードオープン!リミット・リバース!墓地に存在する攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚する!来い!クイック・シンクロン!」

 

クイック・シンクロン 攻700

 

「そして墓地のレベル・スティーラーの効果発動!Lv5以上のモンスターのレベルを1つ下げて、墓地から特殊召喚する!クイック・シンクロンのレベルを下げ特殊召喚!」

 

レベル・スティーラー 攻600

クイック・シンクロン☆5→☆4

 

「さっき墓地に送ったカードか!」

 

「さらに手札のワンショット・ブースターは通常召喚に成功したターン、手札から特殊召喚できる!」

 

ワンショット・ブースター 攻0

 

「そして墓地のボルト・ヘッジホッグの効果発動!フィールドにチューナーモンスターが存在する場合、墓地から特殊召喚できる!」

 

ボルト・ヘッジホッグ 攻800

 

「そんなモンスター何時の間に・・!ワン・フォー・ワンのコスト!」

 

「その通り。行くぞ!Lv1のワンショット・ブースターとレベル・スティーラー、Lv2のボルト・ヘッジホッグにLv4となったクイック・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆1 + ☆2 + ☆4 = ☆8

 

「集いし闘志が怒号の魔人を呼び覚ます。光差す道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ!ジャンク・デストロイヤー!」

 

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

 

「また1ターンに2度のシンクロ召喚・・・でもパワー・ツールには勝てない!」

 

確かに今の攻撃力では負けている。だが、攻撃力だけで解決するほど甘くないのがデュエルだ。

 

「ジャンク・デストロイヤーの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、素材となったチューナー以外のモンスターの数だけフィールドのカードを選択してくる破壊する!」

 

「!?ジャンク・デストロイヤーのチューナーを除いたシンクロ素材は3体・・・・・!!!」

 

「俺が選ぶのはステープランと2枚の装備魔法だ!」

 

ジャンク・デストロイヤーが地面を叩いて、その衝撃でステープランと装備魔法が破壊される。

 

パワー・ツール・ドラゴン攻3900→2300

 

「あ〜あ、また俺の負けか・・・でも遊星!楽しかったよ!」

 

龍亞が大声で言ってくる。

 

「ふっ、俺もだ。バトル!ジャンク・デストロイヤーでパワー・ツール・ドラゴンを攻撃!デストロイ・ナックル!」

 

ジャンク・デストロイヤーが4つの腕を交互に連打してパワー・ツール・ドラゴンを破壊する。

 

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

龍亞 LP1700→1400

 

「スターダスト・ドラゴンでダイレクトアタック!響け!シューティング・ソニック!」

 

スターダストが力を蓄えて、銀色の光線を龍亞に打つ。

 

龍亞 LP1400→0

 

 

WIN 遊星 LOS 龍亞




龍亞「良いところまで行ったんだけどな、あと一歩押し切れなかったよ」

遊星「いや、手札にジャンク・ディフェンダーが無かったら負けていた。龍亞も成長したな」

龍亞「でしょ!?」

遊輝「調子に乗るなよ。痛い目に合うぞ」

龍亞「大丈夫大丈夫!俺強いし!!」

遊輝「(人の話を聞いてないな・・・)」

遊星「次は龍可だな」

遊輝「タイトルは【謎のシグナー 龍可VSフランク 前編 精霊世界へ】」

龍亞「次回もよろしく!」


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第9話 謎のシグナー 龍可VSフランク 前編! 精霊世界へ

今回は!

ダイヤ「始めまして、ガガガマジシャンの精霊ダイヤです」

ダイヤにきてもらったよ~。

ダイヤ「今回でもするのですか?」

デュエルがある限り絶対にする!

ダイヤ「あんまり見所がないのにですか?」

言うな!最強カードの紹介にいくよ。

ダイヤ「今回は超魔神イドです」

龍可の相手、フランクが使うモンスターだ。

ダイヤ「自身がフィールドに存在する限り、このカードのプレイヤーは召喚・特殊召喚・反転召喚が出来ない。またフィールドに1枚しか存在出来ない」

カード効果で破壊された場合、次のスタンバイフェイズに復活するぞ!スタンバイフェイズなので相手ターンでもOK!

ダイヤ「ただし、特殊召喚した時、このカード以外の自分フィールドのモンスターを破壊しなければならない。・・・やはり今回必要でしたか?」

デュエルがある限りするの!

ダイヤ「そうですか・・・では、第9話、デュエルスタート!」

【今回、デュエルの展開上、エンドフェイズ毎の表記が出来ませんでした。よって、モンスターのテキストを召喚した時に載せています。予めご了承ください】


龍亞 side

 

『決着ーーー!見事なコンボで逆転勝ち!勝者!不動遊星ーーー!』

 

《ワアーーー!!》

 

MCの声で観客が騒ぐ。

惜しかったな〜、あとちょっとだったのに。でも、俺もまたまだダメだね。・・・よ〜し、次は絶対に勝つぞ!

そんな事を考えてたら遊星が近づいてきました。

 

「成長したな、龍亞」

 

遊星が俺を褒めてる!むちゃくちゃ嬉しい!

 

「ありがとう!でもやっぱ遊星にはかなわないね」

 

「そんな事ないさ。デブリドラゴンを引いてなかったらわからなかった」

 

「またデュエルしよう!」

 

「ああ」

 

「あっ、そう言えば、遊星はこれが何かわかる?」

 

遊星に右腕に出来た痣を見せる。

 

「それは赤き龍の痣だ」

 

「赤き龍?」

 

聞いた事ないカードだな。遊星は知っているのかな?

 

「詳しい事は控え室で話す。この場で話すのは不味い」

 

「不味い?何で?」

 

「とりあえず控え室に戻ろう」

 

「あっ、ちょっと待って!」

 

遊星が控え室に戻るので急いで後を追う。

赤き龍?一体何だろう?

 

 

龍亞 side out

 

遊輝 side

 

 

遊星が勝ったか・・・龍亞も惜しかったけどね。色々とフラグ立ててしまったからね。しかし・・・何で痣が出来るんだ?

 

「あっ、遊星!龍亞!」

 

入り口を見てみると遊星と龍亞が帰って来た。

 

「ねえ遊星。この痣が何かわかる?」

 

龍可が自分の痣を遊星に見せる。

龍可の痣は原作通りか・・・主要キャラの痣は変わってないか。

 

「!?龍可も痣が出たのか!?」

 

「え、え~・・・あと遊輝とレミさんも痣が」

 

「え~あるわよ」

 

レミが右腕の袖をめくって見せる。

レミの痣は羽のような痣だ。そんな痣見た事ないけどな。

 

「俺もだ。俺は太陽みたいな形をしてる」

 

「え!!龍可たちも痣が出たの!?」

 

龍亞が驚いている。

こっちが驚いたよ。もうシグナーとして覚醒したんだから。

 

「龍亞も!?」

 

「遊星さん、これは?」

 

「赤き龍の痣だ。レミたちはシグナーになったんだ」

 

「「「シグナー??」」」

 

俺以外の皆が首を傾ける。初めて聞くんだし、反応としてはそうなるよな。

 

「俺より矢薙の爺さんのほうが詳しい。ちょっと呼んでくる」

 

遊星が控え室を走って出て行く。確かにこういう事なら矢薙の爺さんの方が良いだろうな。

 

「シグナー・・・・遊輝は分かる?」

 

「詳しい事は分からないけど、ちょっとだけならね」

 

「ホント!?教えて!!」

 

龍亞だけじゃなく龍可やレミも向いている。うーん、簡単な事ならいいか。

 

「じゃあ、話す「連れて来たぞ」・・・必要がなかったな・・・」

 

遊星さん早いね・・・観客席からここまで結構な距離があるよ。

 

「おっ、君たちはあの時の」

 

「魔女の騒動以来だな」

 

矢薙の爺さんと氷室さんが挨拶してくる。

 

「お久しぶりです」

 

「爺さん、赤き龍の事について頼むぞ」

 

「まかしとけ!まずはワシの話から」

 

「そんな余計な事話さんと、さっさと話してくれ」

 

矢薙の爺さんから、赤き龍の事・シグナーの事を聞いた。ここは龍亞の痣の事を除けば原作と同じ。どう違うかというと、最初から伝説ではシグナーは5人ではなく、6人だと言う事。だけど・・・

 

「ねえ、その痣って龍の頭・手・足・翼・心臓・尻尾だけだよね」

 

「ああ、伝説ではそうなっとる」

 

「じゃあ、私と遊輝の痣は何?」

 

 

そうなんだよな。レミの言った通り、矢薙の爺さんの話だと俺とレミの痣は何も無いってことになる。

 

「その痣は・・・ワシも分からん。こんな痣見た事も聞いた事もない」

 

矢薙の爺さんも知らないか・・・・・・こうなったら駄目元で頼んでみるか。

 

「ダイヤ、ちょっと」

 

『何でしょうか?マスター』

 

俺はダイヤを呼ぶ。が、一部の人たちがなんか変な目で俺のことを見てくる。

 

「遊輝、遊星たち精霊が見えないのよ」

 

「あっ・・・・」

 

「遊輝・・・お前、誰と話してるんだ?」

 

完全に忘れてた!すっげ~恥ずかしい!!

 

「遊星さん、モンスターの精霊って知ってますか?」

 

「聞いた事はある。モンスターには精霊が宿っていて、一部の人がそのモンスターの精霊が見えると。確か伝説の決闘者武藤遊戯さんや、遊戯十代さんが見えていたと記録されてたはず・・・」

 

・・・・・・遊星、あんたその知識どこから得たの!?確か原作じゃ知らないはずだよ!?

 

「そうよ。それで遊輝は今精霊と話しているのよ」

 

「そうなのか」

 

顔を赤くして髪をあさっている俺の代わりにレミが代弁する。

 

「ちなみに私も見えるから」

 

「えっ、レミさんも見えるんですか!?」

 

龍可が驚いてレミの方を見る。

 

「龍可ちゃんも見えるの!?」

 

「よかった~、私や遊輝以外に見える人がいて」

 

嬉しそうだな。さてと・・・・・・

 

「頼みたい事があるんだけど」

 

『何でしょうか?』

 

「精霊世界で俺とレミの痣について調べて欲しいんだけど・・・」

 

俺の考えは精霊世界で俺たちの痣について探すこと。あの世界だと何かしらの情報を得ることが出来るかもしれないからな。

 

『なるほど、わかりました。少し時間がかかりますがよろしいですか?』

 

「別に良いよ。正直、駄目元だし」

 

『わかりました。では・・・』

 

それだけを言って、ダイヤは消えた。

 

「精霊世界?」

 

分からないよね。説明しないと。

「精霊たちはちゃんと自分たちが住む世界があるんだ。それが精霊世界」

 

「へえー、じゃあクリボンたちも住んでるのかな?」

 

「多分住んでいるよ」

 

龍可の質問に返事して、龍可が「へえー」と言って関心を示す。

 

「精霊世界・・・・・・確かに何かあるかもしれないね」

 

「もしかしたらな。ここはダイヤに任せよう。それよりも次の試合が始まるぞ」

 

『さあー次が1回戦最後のカードだ!』

 

龍可 VS フランク

 

「最後は私ね」

 

「頑張れよ龍可!」

 

「うっ、うん!(もうすごく嬉しい!やっぱり私・・・)」

 

元気いっぱいに龍可が出て行く。でも龍可の相手は・・・

 

「相手のフランクという人、誰か分かる?」

 

「いや、俺も聞いた事がない」

 

相手はフランク。原作通りなら龍可を精霊世界に無理矢理送った相手。今の龍可なら大丈夫だと思うけど・・・

 

「ねえ、龍可ちゃんのデッキは何なの?」

 

「ライトロードだよ。しかもものすごく強い」

 

「ものすごくって、どれくらい?」

 

「いつも俺相手にワンターン・キルとオーバーキルをやるほど」

 

レミが聞いてきた質問に龍亞が真顔で返すとレミの顔がまたしても引いてしまっていた。

 

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

 

ようやく私の番!皆勝っていってるから私も勝たないとね!

・・・あの時、遊輝に「頑張れよ!」って言われてものすごく嬉しかったな・・・やっぱり私遊輝の事が好きなのかな・・・

うんうん、今はデュエル!せっかくの大舞台だからおもいっきり楽しまいとね!

 

『さあ1回戦の4試合目が始まるぞ!次なる決闘者は、双子の天才決闘者の妹!先ほどの兄のリベンジとなるか!?龍可ーー!!』

 

《ワァーーーー!!》

 

MCが私を紹介する。別に天才って呼ばれるほど凄くは無いんだけど・・・・

 

『対するはデュエルカウンセラーの異名を持つプロヘェッサーフランク!』

 

私の相手はあの人か・・・・・何か気味が悪いね。

 

「初めまして龍可さん」

 

「はぁ、・・・はぁ〜」

 

「さあ、このデュエルであなたの深層意識に隠された本当のあなたを見つけましょう」

 

何!?この人!?いきなり意味不明な事を言って・・・

 

『クリリン・・・』

 

クリボン・・・あなたも怖いのね。・・・大丈夫!こんな気味が悪い人に負けないから!

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

龍可 LP 4000 フランク LP 4000

 

「先行は私!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

・・・手札があまりよくない。こんな時に限って・・・・仕方がない。

 

「私はカードガンナーを守備表示で召喚」

 

カードガンナー 守 400

「カードガンナーの効果発動!デッキの上から3枚落としてこのターンの攻撃力を1500ポイントアップする!」

 

 

・墓地に落ちたカード

・ライトロード・マジシャン ライラ

・ライトロード・モンク エイリン

・ライトロード・パラディン ジェイン

 

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍可 手札 4枚 LP4000

【モンスターゾーン】

カードガンナー 守400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

フランク 手札 6枚

 

「私はシンメトリー・ロールシャッハを召喚」

 

L⇔R・ロールシャッハ 攻1200

 

フランクのフィールドからモンスターが出てきたけど・・・

 

「なっ、何これ?」

 

形が決まってなくてなんか黒い霧みたいなのがもやもやとしている。・・・モンスターも気味が悪いわ。

 

「あなたはロールシャッハテストというのをご存じですね」

 

何よそれ・・・聞いた事がない。

 

「このモンスターをどのように感じるかによって、あなたの抱える心配・不安・問題を解き明かすための手掛かりを得るためのテストです。さあ龍可さん、あなたはこのモンスターは何に見えますか?」

 

何って言われても・・・ただの気持ち悪いモンスターにしか見えないけど・・・

 

「あなたは何に見えますか?さあ、答えてください」

 

「何って・・」

 

「さぁさぁ、何に見えます?」

 

この人本当に何言っているの?デュエル中にこんなことをして・・・

それにそんなに言われても何も変わら・・・あれ、形が変わってきてる・・・あれって、サニーピクシー?

 

「よっ、妖精!?」

『クリリン!』

 

えっ!?突然クリボンの声が聞こえ慌てて意識を相手に向ける。

 

「スパイラル・マインド」

 

するとロールシャッハが怖い顔をして、カードガンナーを攻撃した。

 

「えっ、何!?何が起こったの!?」

 

「フフフ・・・、これはあなたが心の奥底で恐れていたものを露わにするものだったのです。あなたは妖精や精霊を恐れている。違いますか?」

 

「そ、そんなこと・・・」

 

何!?この人本当に何なの!?

 

「大丈夫ですよ。このデュエルであなたの抱えていた悩みを解き明かし、開放してあげましょう」

 

悩み?私に悩み何て・・・・・

 

「そのためにも勇気を持ってあなたの深層意識に住むもう一つの世界・・・デュエルモンスターズの精霊世界へと旅立っていただきましょう」

 

今まで目を閉じてたフランクの目が開いた。

デュエルモンスターズの精霊世界?確か遊輝が言っていた精霊の住む世界・・・

 

「知ってますよ。あなたは精霊の言葉を感じることができる。だったら不思議ではないでしょう」

 

「なっ!?」

 

どうして!?精霊の言葉は、私や遊輝・レミさんしか理解出来ないはず!?それに、この事を知っているのは、龍亞や遊星さんぐらい・・・・・あの人、もしかして精霊が見えるの!?

 

「シンメトリー・ロールシャッハの効果発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、相手のデッキの一番上のカードを表向きにする。ピーピング・マインド!」

ロールシャッハが光る。その前に・・・

 

「それにチェーンしてカードガンナーの効果発動!このカードが破壊されて墓地に送られた時1枚ドローする!」

龍可 手札 4枚→5枚

 

「では逆順処理でロールシャッハの効果発動!ピーピング・マインド!」

 

デッキの一番上のカードをめくる。めくったカードは・・・

 

『クリリン・・』

 

あなただったのね、クリボン。

 

「可愛い精霊のカードですね。もしや、その子の声も聞こえてるんじゃないですか?」

 

確かに私や遊輝は、精霊の声が聞こえる。でも、それが一体どんな関係があるの?

 

「私はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

フランク 手札 3枚 LP4000

【モンスターゾーン】

シンメトリー・ロールシャッハ攻1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

何?・・・意識が・・・もうろうとしてる・・

 

「私の・・・ターン・・ドロー・・・」

 

龍可 手札 6枚

 

「私は・・・クリボンを・・・召喚」

『クリリン・・・・』

 

クリボン・・・・・・

 

「この瞬間、リバースカードオープン。罠カード、深層へと導く光を発動。このカードは、相手が光属性モンスターを召喚した時、相手のデッキから5枚カードを墓地に送り、6枚目のカードをお互いに確認しあい、手札に加える。このターン、そのカードをプレイしなかった場合、相手プレイヤーは2000ポイントのダメージを受ける。さあ、デッキからカードをめくってください」

 

 

何?・・・光?

ぼんやりとしながら、私はカードをめくる。

 

 

墓地に落ちたカード

・サイクロン

・ライトロード・ウォリアー ガロス

・ライトロード・ハンター ライコウ

・カオス・ソーサラー

・冥府の使者 ゴーズ

 

 

そして、6枚目のカードをめくる・・・

 

「ほぉ・・・・それはフィールド魔法、古の森ですか。全てのモンスターは攻撃表示となり、守備表示で召喚することも守備表示に変更することも出来なくなる。攻撃を行ったモンスターはバトルフェイズ終了時に破壊される。フッフッフッ・・・全てをあからさまに、そして決して争うことを許されない世界、さぁ・・・デュエルモンスターズの精霊世界へ」

 

その言葉を最後に完全に意識が消えた・・・

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

「(古の森!?今の龍可のデッキには入ってないはず!!くそっ!!ここは原作通りになるのか!?)」

 

「私のターン、ドロー」

 

フランク 手札 4枚

 

まずい!フランクがせめてくる!

 

「永続罠、ゲシュタルト・トラップ発動。このカードは相手モンスターの装備カードとなります。クリボンに装備」

 

クリボンが鉄の輪に拘束された。

・・・すごい苦しそうだ・・くそっ、今は何も出来ない‼

 

クリボン攻/守 300/200→0/0

 

「装備モンスターは効果が無効になり、攻撃力・守備力は0になる」

 

龍可が全く聞いていない・・・精霊世界に行ってしまったか・・・

 

「お、おい。龍可ちゃんの様子おかしくないか?」

 

「フランクの声が聞こえてない・・・いや、周りが見えてない」

 

「どうしたんだろう?龍亞君は分かる?・・・あれ?龍亞君?どうしたの?」

 

皆が龍亞の方に向く。

龍亞の目が龍可と同じになっている!

 

「おい!龍亞の意識がないぞ!」

 

「た、大変じゃ!すぐに医務室に連れていかないと!」

 

氷室さんが龍亞を担いで、矢薙の爺さんと一緒に医務室に向かう。

 

「遊輝は行かないの?」

 

「本当は行きたいが龍可の様子もおかしい。それに俺は医務的な事が分からない。あまり大人数で行っても困るだけだと思うからここにいる」

 

「じゃあ・・・私も残る」

 

この場には、俺とレミ、そして遊星が残った。

テレビの方に向けると・・・

 

「シンメトリー・ロールシャッハをリリースして、超魔神イドをアドバンス召喚!」

 

形のない悪魔のようなモンスターが現れた。

 

『マスター!!大変だよ!!』

 

パールが突然大声を出して目の前に出てきた。そんな近くで騒ぐな、耳が痛い。

 

「どうした?何が大変何だ?」

 

『えっと、あっと・・とにかく大変何だ!!』

 

「だから何が大変何だ!!ちゃんと言ってくれ!!」

 

『落ち着きなさい。主、あの者がモンスターを召喚した途端、精霊世界の森の様子がおかしくなりました』

 

「おかしくなった?どういう事だ?」

 

『突然泉が枯れたり、妖精たちの姿が見えなくなったの!このままじゃ森が枯れてしまう!』

 

「何だって!?」

 

森が枯れる!?非常にやばいじゃないか!!

 

「何か策はあるのか!?」

 

『あのモンスターを倒すしかないですね。それもデュエルで』

 

『だけど早くしないと枯れてしまうよ!』

 

龍可があのモンスターを倒さないといけないのか・・・だけどデッキが違うから原作通りになるか分からない。

・・・こうなったら

 

「パール、俺を精霊世界に送ることは出来るか?」

 

『出来ないことはないけど・・・どうするの?』

 

「出来るんだな?俺を精霊世界に送ってくれ!」

 

『え、えーー!!無理だよ!!あの世界は人間にとって危ない所だよ!!』

 

「それでも行かないと、このままじゃ龍可が危ない!それにいつ森が枯れるのか分からないのだろ!」

 

『私も主に賛成です。龍可様1人よりは多い方がいいです』

 

俺の強制的な意見にプラチナも後押しをする。

 

『・・・わかった。じゃあ行くよ』

 

パールが何かしらの呪文みたいなものを唱えて、俺の回りに魔法陣みたいのが浮かび上がる。

 

「待って!私もいく!」

 

「レミは残れ!さっき話聞いただろう!?危ない所なんだぞ精霊世界は!!」

 

「わかっているよ!それでも行く!私も龍可ちゃんと精霊世界を助けたい!」

 

何が起こるかわからないためにレミを止めようとしたが、レミが引き下がらない。頑固そうだな。・・・しょうがない。

 

「パール、レミも行けるか?」

 

『精霊が見えるから行けるけど・・・』

 

「わかった。一緒に行こう!」

 

「うん!」

 

レミも魔法陣の中に入る。

 

「俺はデュエルフィールドで龍可の様子を見てくる」

 

「頼む」

 

遊星がデュエルフィールドに向かう。

現実世界は頼んだぞ、遊星。

 

『じゃあ行くよ!』

 

次の瞬間、魔法陣が光って、光が消えた時には俺とレミの姿がなかった。




レミ「ふんふんふ〜ん♪」←カメラとか入れている

遊輝「・・・・・・何してんの?」

レミ「カメラとか財布とか色々入れてるの!」

遊輝「・・・・観光に行くんじゃねぇんだぞ」

レミ「ちょっとくらい大丈夫でしょ!」

遊輝「(ダメだこいつ、早く何とかしないと・・・・(汗))」

レミ「というわけで次回は精霊世界だよ!」

遊輝「【龍可VSフランク 後編!龍可の怒り】」

レミ「次回もよろしく〜


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第10話 龍可VSフランク 後編 龍可の怒り!

今回は!

プラチナ「初めまして、銀河眼の光子竜の精霊、プラチナです」

プラチナだよ~。

プラチナ「今回は・・・デュエルメインの回ですか?」

色々暴露するけど、ちゃんとデュエルも構成したんだからね。

プラチナ「何処からみても違うと思いますが」

しつこい!最強カードの紹介に行くよ!

プラチナ「今回はカオスソルジャー~開闢の使者~です」

龍可が使うもう一つの切り札だ!

プラチナ「墓地の光属性と闇属性のモンスターを除外することで特殊召喚出来る」

1ターンに1度、相手モンスターを問答無用に除外出来るぞ!ただし、この効果を使ったらこのターン攻撃出来ないけどね。

プラチナ「また相手モンスターを戦闘で破壊した場合もう一度攻撃出来る。流石に元禁止カードだけありますね」

ところがどっこい、最近はカオス要素が無くてあんまり見かけなくなったけど。

プラチナ「・・・・第10話、デュエルスタート」


遊輝 side

 

気がついたら知らない所にいた・・・

この下り2回目だな。もっとネタないのかよ。それより・・・

 

「ここが精霊世界?すごい発展しているね」

 

レミがそう行ってるが俺はこの街を知っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何でZEXALの世界が精霊世界なんだーーー!?

おかしいだろ!!どう考えても現実世界より科学技術が発展してるだろ!!

 

『マスター!こっちです!』

 

パールの声が聞こえたので、振り返ってみるとパールがいた。しかし・・・

 

「なぁパール。プラチナはどこにいるんだ?そして隣の女の子は誰?」

 

プラチナの姿が見えない。そしてパールの隣には、水色のTーシャツにミニスカートをはいていて、長めの髪に小顔だ。身長は俺とほぼ同じくらいだ。

 

『・・・主、私です』

 

えっ、今の声・・・まさか・・・・

「もしかして・・・プラチナ?」

 

『そうです』

 

俺はレミと顔を合わせる。レミも同時タイミングで合わせる。どうやら考えていることは同じのようだ。

 

「レミ、合わせようか?」

 

「そうね」

 

「いっせ〜の〜で」

 

「「ええええーーーーー!!!!!」」

 

俺とレミの叫びが街に響く。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

「まさかプラチナだったとは・・・」

 

「そして女の子だったとは・・・」

 

ようやく落ち着いたよ。本当ビックリしたよ。プラチナって雰囲気的に男のイメージがあったから・・・・

 

「でも何で人間の姿をしてるの?」

 

『この街にいるからですよ』

 

「うん?どういうことだ?」

 

『プラチナはこの街ではちょっとした有名人なの。それで擬人化してるの。まぁ、 ドラゴンの姿で街におるのも不味いでしょ』

 

「そうだったんだ・・・」

 

プラチナって有名人なんだ・・・後者の理由はわかるけど・・・

 

「さて、早く助けに行こう!グズグズしてると森が枯れてしまう」

 

『待って!お兄さんを呼ばないと!あの森に行くにはお兄さんの力が必要なんだ!』

 

「そうなんだ。じゃあダイヤの所に行こう」

 

「遊輝、場所がわかるの?」

 

「もちろん・・・・・わからない!」

 

レミがずっこける。当たり前じゃん。始めてきたんだよ。

 

『はあ・・・私についてきて』

 

『では行きましょう』

 

パールとプラチナが歩き始める。俺とレミはその後をついて行く。

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

『ここよ!ここで私とお兄さん、そしてプラチナも住んでるよ』

 

どうやら家についたようだ。

・・・ってこの家!遊馬の家と一緒じゃん!

 

「へぇ〜立派な家ね」

 

『待っててね。今お兄さんを呼ぶから』

 

パールが家に入ってダイヤを呼びに家の中へと入っていった。

「そう言えば、なんでダイヤの力が必要なんだ?」

 

『あの森はとても広いのです。その中で人を探すのはとても困難な作業です。ですが、ダイヤは魔法の力で人を探すことが出来るのです』

 

「だからダイヤの力が必要なのね」

 

俺がプラチナに疑問をぶつけるとプラチナは直ぐに答えてくれて俺とレミは納得する。確かにあの森はかなり広そうだな。

 

『きましたよ』

 

玄関の方を向くとパールがダイヤを連れて出てきた。

 

『事情はわかりました。ちょうどこちらの調査も終わったのですぐに行きましょう』

 

「よし行こうか。・・・森はどっち?」

 

『マスター・・・私についてきてください』

 

ダイヤに連れて俺たちは森に行く。

 

ー(移動中)ー

 

「なぁダイヤ。俺たちの痣が何かわかった?」

 

俺はダイヤに聞く。

 

『はい、ですがその話は後です。どうやら本当に森が枯れてきてます』

 

周りを見てみると、木で生い茂っているずの森がどんどんと枯れていき、暗い雲に覆われている。

 

『ここからは非常に迷いやすいです。私の後ろについて来てください』

 

「「おう(はい)」」

 

待ってろよ龍可。今助けに行くからな。

 

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

私は今、化け物から逃げて石版のある場所へついた。

 

「ここは・・・・・」

 

あの石版の描かれているの・・・ドラゴン? ?

 

『龍可・・・ここだ。私はここに・・・』

 

今の声・・・あの岩山から?・・・・・あっ、そうだわ。

 

「知ってる・・・私はあなたを・・・・エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

次の瞬間、光が光って別の景色に変わった。

 

「な、何が起こっているの?」

 

よく見るといろんな精霊が駆け回っている。そして・・・

 

「あれは・・・.私?」

 

精霊の中に一人だけ、小さい頃の私がいた。

何でこの世界にいるの?それに後ろにいるのはエンシェント・フェアリー・ドラゴンじゃないの!

 

『いずれ悪なる物の意思はこの世界に入り、けなし、思いのままに操るだろう。だが、それを食い止める方法が1つあるのだよ』

 

「食い止める?」

 

・・・・・思い出した。私のした約束を・・・・

 

『どうかこの精霊世界で私たちと共に過ごして欲しい』

「私・・・・1人ぼっち・・・・お父さんもお母さんもお仕事が忙しくて、もう自分の事しか考えない・・・けど!ここは楽しい!!私ここにいる!!あなたたちを守る!!」

 

ビジョンが消えていき、目の前に石板が目に写る。

 

「そう・・・あの時私は確かに約束した。『この世界を守る』・・・・・でも・・・」

 

「龍可!龍可!」

 

あの時、龍亞の声が聞こえて、それで・・・

私は膝をついた。

 

「そう・・・私はあなたたちを置いてここから逃げた。龍亞の叫びを理由にして・・・でも本当は・・・本当は怖かったの・・・ここで私1人であなたたちを守ることが怖かったの!それで私、忘れようとこの世界を心に閉じ込めて・・・」

 

『クリリーー!』

 

突然クリボンが叫んだ。後ろに向くとあの化け物が姿を現した。

 

「そ、そんな・・・」

 

そして化け物がフランクに変わった。

 

「フッフッフッ、これがデュエルモンスターズの精霊世界・・・この私が取り込まれるとは・・・やっぱりお前はシグナー!」

 

!!どうして!?何であいつがシグナーを知ってるの!?

 

「お前の力を欲する物がいる。さぁ、おじさんと一緒に行こうじゃないか。お前の力を正しく引き出す世界に、さぁ・・・」

 

フランクが私を誘おうとしてる。その時・・・

 

「龍可・・・・龍可・・・・.」

 

龍亞の声が聞こえてくる。

 

「龍亞!どこにいるの!?」

 

大声で私が叫ぶ。すると下から水たまりが出て、そこから龍亞の姿が見えた。

 

「龍亞!お願い!私をあの時のように連れ戻して!」

 

必死にお願いする。しかし・・・

 

「駄目だよ。俺も見てた。皆と約束したんだろ?」

 

「何で!?何で龍亞まで!?」

 

「俺は遊星や遊輝みたいに強くなる。だから龍可は俺が守るから、龍可はその世界を守ってあげて・・・」

 

「龍亞・・・」

 

それを最後に水たまりが消えていった。・・・そうだよ!今の私は昔の私と違う!遊輝や遊星、レミさんと会って変わったんだから!

 

「私は・・・この世界を守る!クリボンや皆を守る!」

 

「そのいきだぜ龍可!」

 

えっ・・・・今、遊輝の声が・・・

 

「やっと見つけたわ!」

 

後ろを振り返ると・・・・・遊輝にレミさん!それにダイヤやパール!・・・・あの女の子は誰だろう?

 

 

龍可 side out

 

レミ side

 

 

やっと龍可ちゃんを見つけたわ!でも何でフランクがいるの!?

 

「ほほう、お前らもシグナーか。だがここで邪魔をしてもらっては困る!超魔神イド!奴らから倒せ!」

 

フランクがそういうと、超魔神イドが襲ってくる。・・・・・・・へっ!?こっちに来る!!

 

「レミ!!レミさん!!」

 

もう駄目!避けられない!覚悟をして私は目をつむる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガギンッ!!!

 

「(・・・・・あれ?何で無事でいるの?)」

 

「なっ、なんだと・・・」

 

一向に身体に痛みが来ないのでゆっくりと目を開けるとフランクが驚いたような表情をしている。

 

「レ、レミ・・・お前・・・後ろ・・・」

 

「後ろ?」

私は遊輝に言われて後ろを向く。そこには・・・

 

『怪我はないですか?レミ様』

 

銀色の翼を持っている緑色の龍が私を庇っていた。・・・この龍!

 

「この龍・・・前に夢で見たことがある・・・!」

 

「何だって!?それ本当か!?」

 

「え、ええ・・・・昔1度だけだけど夢の中で見たことがあるわ」

 

『やっと私に気づいてくれたのですね』

 

「あ、あなたは・・・」

 

恐る恐るな感じで私は助けてくれた龍に名前を聞く。

 

『私の名はフェザー・ウィング・ドラゴン。レミ様のシグナーの龍です』

 

「なっ!?フェザー・ウィング!?」

 

「レミさんのシグナーの龍!!」

 

うそ・・・夢で見たあなたが・・・私のシグナーの龍・・・

 

『白紙のカードをお持ちですね』

 

「白紙のカード?確かに持っているけど」

 

『取り出してみてください』

 

フェザー・ウィング・ドラゴンに言われ、エクストラデッキにずっと入れていた白紙のカードを見る。

 

「うそ・・・!?」

 

今まで白紙だったのが、絵と文字が浮かびフェザー・ウィング・ドラゴンの姿になる。

 

『これからはレミ様と一緒にこの命が尽きるまで行動します』

 

「・・・・うん、こちらこそよろしく!!」

 

私はフェザー・ウィング・ドラゴンのカードを戻す。

 

「レミさん、いつそのカードを手に入れたのですか?」

 

「お父さんにドラグニティを貰った時に一緒に貰ったの。不思議な感じをしたからずっとエクストラデッキに入れてたの」

 

「そうか・・・まぁよかった!」

 

うん!新しい仲間を手に入れて!

 

「お前ら!私を忘れるなーー!」

 

「「「えっ、居たの?」」」

 

何でこんな時に喋るのよ!空気読めないわね!!・・・・後は頼んだよ!龍可ちゃん!

 

 

レミ side out

 

龍可 side

 

 

良かった~。レミさんが無事で。それにシグナーのカードも見つかったし。

 

「ぐっ、おのれシグナー供!・・・まあいい。私はシグナーなんてどうでもいい。私はお前らを精霊世界を苦悶する表情を見ればいいのさ!」

 

「(!!何ですって!!)」

 

「お前!何て事を言いやがる!」

 

「精霊世界がどうでもいいですって!」

 

「ああどうでもいいさ!俺は苦悶を見ればそれでいいのさ!」

 

フランクが大声で笑う。

 

「・・・・・さない・・・」

 

「うん?何だって?」

 

「許さない!精霊を、森を、破壊するあなたを絶対に許さない!」

 

「フン、なら私を倒してみろ!この状況から!」

 

「絶対に倒して見せるわ!」

 

『マスター!かなりまずいです!』

 

『もう森が持たないよ!」

 

ダイヤとパールが叫ぶ。森の被害はかなり深刻な状況であるようだ。

 

「大丈夫!このターンで決めてみせる!」

 

今のフィールドは・・・・・

 

 

龍可 手札 5枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

クリボン攻0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

古の森 (フィールド魔法)

 

 

フランク 手札 3枚 LP 3400

【モンスターゾーン】

超魔神イド 攻2200

【魔法・罠ゾーン 】

永続罠 ゲシュタルト・トラップ《クリボン》

装備魔法 不死のホメオスタシス《クリボン》

永続魔法 悪意の波動

 

 

そして今の手札は・・・良し!いける!

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ時、不死のホメオスタシスの効果で300ポイントのダメージを受ける!」

 

龍可LP1200→900

 

そんなの今までの事と比べると痛くもない!まずは・・・

 

「手札から魔法カード、光の援軍!デッキから3枚を墓地に送りライトロード・マジシャン ライラをサーチ!」

 

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・サモナー ルミナス

・ライトロード・シーフ ライニャン

・ライトロード・スピリット シャイア

 

 

「魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・マジシャン ライラを捨て2枚ドロー、デッキから2枚墓地に送る!」

 

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・ドルイド オルクス

・ネクロ・ガードナー

 

 

「もう一度ソーラー・エクスチェンジを発動!ライトロード・ビースト ウォルフを捨て2枚ドロー、2枚墓地に送る!」

 

 

墓地に落ちたカード

・強欲で謙虚な壺

・ライトロード・エンジェル ケルビム

 

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からカードガンナーを特殊召喚!」

 

カードガンナー 攻400

 

「カードガンナーの効果発動!デッキから3枚まで墓地に送ることで送った枚数×500ポイント攻撃力をあげる!私はデッキから3枚墓地に送る!」

 

カードガンナー攻400→1900

 

墓地に落ちたカード

・裁きの龍

・ライトロード・ドラゴン グラゴニス

・ライトロード・マジシャン ライラ

 

 

「おっ、おい龍可!どれだけカードを墓地に送るんだよ!」

 

「もうすぐデッキが切れるよ!」

 

大丈夫!まだ準備の途中だから/

 

「魔法カード、大嵐を発動!フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

「何だと!?」

 

突然フィールドに嵐が吹きあふれ、クリボンを拘束してたカードたちがなくなった。

 

『クリリーー!』

 

クリボンがお礼をいってる。

 

「いいよ、あなたが無事で良かった!そしてカードガンナーの効果発動!破壊された時カードを1枚ドローする!」

 

私は1枚ドローしてカードを見る。・・・・・・もうちょっと続きそうね。

 

「3枚目のソーラー・エクスチェンジ発動!」

 

「おい!1ターンにソーラー・エクスチェンジ3枚って!どんなドローしてるんだ!」

 

何か遊輝が騒いでるけど別に気にする事じゃないと思うけど・・・・

 

「ライトロード・ブリースト ジェニスを捨て2枚ドロー、2枚墓地に送る!」

 

 

墓地に送ったカード

・ダーク・アームド・ドラゴン

・ライトロード・モンク エイリン

 

 

やっと準備が整った。さあ、処刑の始まりだよ!

「なにをしたいが知らないが、お前のデッキは残り数枚。数ターンがたてば私の勝ちだ!」

 

「あなたにそんな時間を与えない!言ったでしょ!このターンで決めるって!裁きの龍を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

後ろから光輝く龍が現れた。

 

「攻撃力3000をノーコストで特殊召喚!?」

 

「裁きの龍は、墓地にライトロードと名のつくモンスターが4種類以上存在する場合手札から特殊召喚出来る!続いて墓地の闇属性モンスター 、冥府の使者ゴーズと光属性モンスター、ライトロード・エンジェル ケルビムを除外してカオスソルジャー~開闢の使者~を特殊召喚!」

 

カオス・ソルジャー 攻3000

 

右手に剣を持った青い戦士が上から降りて来た。

 

「そのカードは世界に数枚しかない伝説のカード!?なぜお前が持っている!?」

 

遊輝に貰ったの。このデッキと一緒に、事実よ。

 

「魔法カード、死者転生!手札のカオス・ソーサラーを捨てて、ダーク・アームド・ドラゴンを加えてそのまま特殊召喚!」

 

ダーク・アームド・ドラゴン 攻2800

 

下から闇の穴が出て来て、その中からダーク・アームド・ドラゴンが現れた。

「ダーク・アームド・ドラゴンは墓地に闇属性モンスターが3体だけの時、特殊召喚出来る!」

 

何か皆、口を開けてポカ~ンとしてる。いつも通りの事をしてるのに。

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地のライトロード・ドラゴン グラゴニスを特殊召喚!」

 

ライトロード・ドラゴン グラゴニス 攻2000

 

「グラゴニスは墓地のライトロードと名のつくモンスター1種類につき300ポイントアップする!」

 

「何だと!?」

 

えっと今、私の墓地にいるライトロードは18種類だから・・・

ライトロード・ドラゴン グラゴニス 攻2000→7400

 

「こ、攻撃力7400!?」

 

ちょっとフィールドを整理してみようか。

 

 

龍可 手札 1枚 LP 900

【モンスターゾーン】

クリボン 攻300

裁きの龍 攻3000

カオスソルジャー~開闢の使者~ 攻3000

ダーク・アームド・ドラゴン 攻2800

ライトロード・ドラゴン グラゴニス 攻7400

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

フランク 手札 3枚 LP 3400

【モンスターゾーン】

超魔神イド 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

こんな感じ、うんいつも通りだね。

 

「そんな・・・た、たった1ターンで・・・」

 

さてと、皆もやる気満々だね。

 

「森の怒り!精霊の怒り!そして私の怒りを思いしりなさい!バトル!カオスソルジャーで超魔神イドを攻撃!そしてダメージステップ時、手札のオネストの効果発動!」

 

カオスソルジャーの背中にオネストの羽がつき、カオスソルジャーが飛ぶ。

「オネストは光属性モンスターが相手モンスターとバトルする時手札から墓地に送ることで、相手モンスターの攻撃力分、戦闘する光属性モンスターの攻撃力をあげる!よってカオスソルジャーの攻撃力は・・・!」

 

カオスソルジャー~開闢の使者~ 攻3000→5200

 

「ば、馬鹿な・・・・・こ、ここまで・・・」

 

「行けカオスソルジャー!アルテメットマジカル・ブレード!」

 

カオスソルジャーが急降下してイドを斬りつける。

 

カオスソルジャー~開闢の使者~ 攻5200

超魔神イド 攻2200

 

フランク LP 3400→400

 

「ぐわーーー!」

 

フランクが吹っ飛ぶ。だけど私のバトルフェイズは終わらないよ!

 

「まだよ!カオスソルジャーの効果発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、もう一度攻撃出来る!」

 

「なっ!?」

 

「カオスソルジャーで追撃!アルテメットマジカル・ブレード2!」

 

カオスソルジャーがもう一度構えてフランクに攻撃する。

 

フランク LP 400→ー4800

 

「お願い皆!裁きの龍、ダーク・アームド・ドラゴン、グラゴニス、クリボンでダイレクトアタック!」

 

皆が構えてフランクに攻撃をしていき、最後にクリボンが攻撃をした。

 

フランクLPー4800→ー7800→ー10600→ー18000→ー18300

 

 

WIN 龍可 LOS フランク

 

 

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

 

「ねえ遊輝・・・・・龍可ちゃんって・・・・いつもこんなデュエルをするの・・・・」

 

レミの声でやっと俺の思考が動いた。

 

「あっ・・・・・えっと・・・・いつもこんなデュエルをするけど、今回はかなり怒っていたみたいね・・・・(汗)」

 

始めて見たぞ、グラゴニスの攻撃力が7000を超えるのを、てかあいつ、攻撃力そこまで上げれるんだ・・・・・・フランクが気絶してるよ・・・・・これからは龍可を怒らせないようにしないと本当に命がなくなってしまうよ・・・

 

「遊輝!レミさん!」

 

龍可が俺たちを呼ぶ。俺とレミは龍可の方に行く。

 

「よくやったな龍可!」

 

「すごかったよ、壮絶なオーバーキルね」

「ありがとう!」

 

俺とレミが龍可の勝利を讃える。

龍可の顔がとても嬉しいのを物語っている。その時・・・・

 

『龍可・・・』

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴンの声が聞こえてきた。皆がエンシェントの方に向く。

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴン・・・」

 

『もう一度聞きます。私たちと一緒に精霊世界を守ってくれますか?』

 

エンシェントが龍可に聞く。

 

「もちろんよ!龍亞が私を守るように私もこの世界を守ってみせる!」

 

よかった~、これでしばらくは大丈夫だな。

 

『龍可・・・今、私は捕らわれの身です・・・』

 

「えっ!?」

 

そういえばこの時、ディマクに捕まってたな。

 

『いずれ私を救出する時がくるでしょう・・・・そして』

 

エンシェントが俺の方に向く。

 

『遊輝、あなたもドラゴンを解放する時期がもうすぐきます』

 

「はっ!?マジ!?」

 

『遊輝、あなたのシグナーの龍は・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラック・サン・ドラゴンとホワイト・サン・ドラゴンの2体です』

 

・・・・・えーと聞き間違いだよね?・・・・今、シグナーの龍が2体いるって言ってたけど絶対に聞き間違いだよね?そうだよね?

 

『いいえ、あなたにはシグナーの龍が2体いるのです』

 

エンシェントの声が聞こえる。・・・良し、言い返そう。

 

「いやいやいや!?何でシグナーの龍が2体いるの!?シグナーの龍って普通1人1体でしょ!?何で俺だけシグナーの龍が2体いるの!?そして人の心読むな!!」

 

『詳しい事はダイヤに聞いてください。もう時間がありません』

 

エンシェントがそう言うと、俺たちの周りに光が出てきた。

いやちょっとまてよ!!ちゃん答えろよ!!

俺の願いは届かず、俺たちは意識を失っていく・・・・・

 




遊輝「・・・・・・何でこうなったの?」

龍可「わ、私に聞かれても知らないわよ(汗)」

遊輝「オカシイナ〜、シグナー二ナッタノハマダイイトシテナンデニタイモイルノカナ〜〜?」

レミ「別に良いじゃない。2体も切り札を出せて」

遊輝「世の中には常識って物がありまして・・・・・」

レミ「そんな物にとらわれたらダメでしょ。ていうか、誰が決めたのよ?シグナーの龍が1人1体っていう」

遊輝「原作」

龍可「それを言ってはダメでしょ・・・・(汗)」

レミ「次回はデュエル無し。私と遊輝のシグナーについてよ」

龍可「【シークレットシグナー 遊輝のシグナーの龍】次回も楽しみにしてください」


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第11話 シークレットシグナー 遊輝のシグナーの龍!

今回はデュエルがありませんので最強カードの紹介はありません。
今回からオリジナルの話を入れます。

またダイヤが言う太陽の事はフィクションであり作者の個人的に作った嘘の設定です。信じなくていいですからね?


遊輝 side

 

ここは・・・控え室か・・・

どうやら無事に戻ってこれたようだな。

 

「遊輝、テレビを見て!」

 

レミに言われテレビを見る。そこには・・・・・

 

『き、決まったーー!!フランクの猛攻に耐え一瞬にして倒した!勝者!龍可ーー!」

 

《ワァーーーー!》

 

MCの声が聞こえる。フゥ~、まずは1つ片付けたね。

 

『これにてフォーチュン・カップ1回戦は全て終了だ!2回戦は明日始まる!組み合わせはこうだーー!』

 

 

第1試合 遠藤 遊輝 VS 十六夜 アキ

第2試合 不動 遊星 VS 龍可

 

 

次はアキさんか・・・確かまだサイコパワーをコントロール出来てなかったよね。・・・良し!遊星ではないが出来る限りのことはしよう!

そして遊星と龍可か・・・遊星勝てるのか?今の龍可、誰にも負けないような気がするけど。

 

『それでは明日も来てくれ!See you!』

 

MCの別れの言葉を言った後、テレビの画面は消える。さて、ダイヤに色々聞かないとね。

 

「遊輝!レミさん!」

 

龍可の声がしたので振り返る。

そこには龍可と遊星、そして龍亞や矢薙の爺さん、氷室さんも一緒だ。

 

「龍亞君、もう大丈夫なの?」

 

「ああもう平気だよ!」

 

「こいつ普通に寝てて夢を見てただとさ!」

 

「はぁ~、本当に人騒がせだね」

 

氷室さんが言ったことに龍可が呆れる。龍亞だしいね。さてと・・・

 

「ダイヤ、調査結果を話して」

 

『わかりました。それと皆さんに分かるように実体化します』

 

えっ、ダイヤって実体化出来たの?確かに魔法使い族だけど・・・

そんなことを思ってたらダイヤのまわりが白く光った。

 

「うわっ!?」

 

「これは!?」

 

「どうしてモンスターが実体化してる!?」

 

突然ダイヤが出てきたことに3人が驚く。始めて精霊を見るからね、無理もないか。

 

『初めまして。マスター、遊輝の精霊ダイヤです。モンスター名はガガガマジシャンです』

 

ダイヤが皆に挨拶をする。

 

「せ、精霊!?何で俺精霊が見えるの!?」

 

「これが精霊・・・」

 

龍亞と遊星がモンスターが目の前に出てきたことにまだ驚いている。

 

「ダイヤが実体化したんだ」

 

「実体化?」

 

「実体化は簡単に言うと精霊が見えない人でも精霊の力で見えるようにする事。ダイヤは実体化が出来るみたいだね(俺も初めて知ったけど)」

 

「すげー!じゃあいろんな精霊も実体化すれば見れるの?」

 

「確かにそうですが、実体化は上級魔法使い族のみ使えます」

 

龍亞の質問にダイヤが答える。

でもダイヤのレベルは4だよ。よく実体化できたね。

 

「じゃあ頼むよ」

 

『はい、まず伝説では赤き龍は5000年前邪神との戦いが終わると、赤き龍の痣、つまり手・翼・足・尻尾・心臓そして頭に別れ封印された。それが人間界のシグナー』

 

「ああ、間違いない。確かに伝説ではそうなっとる」

 

ダイヤの説明に矢薙の爺さんは答える。確かにそうだっな。

 

『ですが封印されたシグナーはこれだけではなかったのです』

 

「ここからってところか」

 

『先ほども言いましたが5000年前、赤き龍は邪神と戦ってました。そしてその時、邪神と戦っていたのは赤き龍だけではありません』

 

「どう言う事だ?」

 

『邪神との戦いに赤き龍と共に5人の使者がいたんです』

 

「5人の使者?」

 

そんな話聞いた事がない。赤き竜とその僕であったシグナーの龍が戦っているのは俺も覚えているが、完全に原作から離れてるな。

 

『赤き龍と5人の使者が力を合わせ邪神を倒したのです。ですが3000年前、星の民によって呼び出され神として崇められたのは赤き龍のみ。ですからシグナーは赤き龍に関係してる6つのみと言われてきました』

 

龍亞の頭から煙が出ている。もうショートしてるのね。

 

『その後、5人の使者の痣は封印されたまま今に至ります。何故今になって封印が解かれたのかわかりませんが、マスターやレミさんの痣は封印されて隠されたシグナー・・・シークレットシグナーと言うべき物ですかね』

 

シークレットシグナー・・・・・俺とレミの痣がそんな事に関係してたのか・・・

 

『そして5人の使者には特別な力を持ってました』

 

「特別な力?」

 

レミが質問する。

 

『はい、1人が太陽を操る者、1人が大地を操る者、1人が水を操る者、一人が雷を操る者、最後に風を操る者。これが5人の使者の特別な力です』

 

「なるほどね。ということは俺は、太陽の痣だから太陽を操るシグナーなのね」

 

「私は羽だから風を操るシグナーね」

 

俺とレミが納得して頷く。でも待てよ・・・・・

 

「ダイヤ、お前の話からしてシークレットシグナーは後3人いるのか?」

 

『その通りです。シークレットシグナーは合計5人。マスターとレミさんがシークレットシグナーなので、後3人います』

 

遊星の質問にダイヤが答える。やっぱりそうか。ていうことは後3人シグナーとして覚醒するのか。

・・・11人もシグナーかよ。多すぎるぞ。

 

『そしてマスターのシグナーの龍ですね』

 

あっ、忘れてた。

 

「何で俺は2体もいるんだ?」

 

「何!?シグナーの龍が2体!?」

 

「あんちゃん、それホントか!?」

 

遊星と矢薙の爺さんが驚いてこっちを見る。だから俺が聞きたいんだよ。

『マスターのシグナーが太陽だからです』

 

うんよくわからないや。何その理由?それで分かると思うの?

 

『太陽には表と裏、2つの存在があるのです』

「どういうこと?」

 

『普段私たちが見てる太陽は表の太陽、つまり光を与える太陽です。ですが普段私たちから見えない方にももちろん太陽はあります。しかし、そちら側の太陽は逆に世界を暗くする言わば、暗黒の太陽なのです。ですからシグナーの龍も2体いるのです』

そうだったんだ・・・始めて知った・・・

 

「それでいつシグナーの龍の封印を解きに行くの?エンシェント・フェアリー・ドラゴンの話だともうすぐって言ってたけど」

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴン?」

 

「私のシグナーの龍よ。今は持ってないけどね・・・」

 

「大丈夫よ、必ず救えるから!」

 

龍可が暗くなるのをレミが励ます。

 

『じつは・・・・・・』

 

そう言ってダイヤが箱を出した。よく見ると、ふたの模様が太陽になっている。

 

「何これ?」

 

『開けてみてください』

 

ダイヤに言われて、俺は箱を受け取って開ける。その中には白と黒の枠で描かれた2枚のカードが入っていた。

 

「ブラック・サン・ドラゴンとホワイト・サン・ドラゴン!?何でここにあるの!?」

 

中身は俺のシグナーの龍であるブラック・サン・ドラゴンとホワイト・サン・ドラゴンだった。

 

『マスターに言われてシグナーの事を調べていた時、古い本と一緒にその箱がありました。今まで何とも思わなかったですがシークレットシグナーについて分かった時、もしやと思いその箱を調べたら・・・』

 

「シグナーの龍が入っていたと・・・」

 

ダイヤから「はい」という返事が返ってくる。

あっけないな・・・こんな簡単に手に入るとは思わなかった・・・

 

「それが遊輝のシグナーの龍?見せて!」

 

「ちょっとまって、確認してから見せてあげるよ」

 

はしゃぐ龍亞に急かされて俺はシグナーのカードを手にとる。その時、

 

「うわ!」

 

「何!?急に光って!?」

 

「眩しい!」

 

カードが突然光出した。そして光が収まって目を開けると・・・

 

『きゃっ♪きゃっ♪』

 

『キャッ♪キャッ♪』

 

・・・・・・皆、空いた口が閉まらない・・・

小さい白い龍と黒い龍が目の前にいるからだ。と言っても、例えると2匹ともポ○モンのマ○フィにそっくりだ。何故ポ○モンというツッコミは無しでね。

 

「ダイヤ・・・説明を・・・」

 

『ブラック・サン・ドラゴンとホワイト・サン・ドラゴンの精霊ですね。どうやら双子の赤ちゃんのようです』

 

何でそんなに冷静なの?精霊に赤ちゃんがいるの?そして何で遊星たちが見えているの?

 

『不思議ですね〜。この2匹の龍は実体化しています』

 

へぇ~、そうなんだ・・・じゃねぇよ!

 

「何故実体化出来るんだ!?魔法使いだけだろ!?そして何故赤ちゃん!?」

 

『そんな事、私に言われてもわかりません』

 

ダイヤの声が虚しく聞こえる。

・・・誰か、頭痛薬をくれ。

 

「可愛いーー!おまけにふかふかしていて温かい!」

 

「ホントだ!凄くポカポカしてる!」

 

龍亞がブラックを、龍可がホワイトを抱いている。温かいのは二人が太陽の龍だからかな?

 

「へぇ~、ブラック・サン・ドラゴンはシンクロモンスターで、ホワイト・サン・ドラゴンはエクシーズモンスターか」

 

俺はカードのテキストを見る。ん、何で驚かないって?もうこれ以上驚いたら疲れるだけだからね。効果は・・・うん、なかなか強いね。

 

『私が調べて分かった事は以上ですが・・・』

 

「十分だよ。俺やレミの痣の事が分かったし、何より俺とレミのシグナーの龍が見つかったからね。ありがとう」

 

それを言って、ダイヤが精霊の状態に戻る。

やっぱりブラックとホワイトは実体化したままなのね。2人のお世話をしなくちゃいけないのか・・・

 

「じゃあ家に帰って、デッキを調整しようかな」

 

「遊輝、お前チューナーを持っているのか?」

 

「それなら家にあるから大丈夫。明日まで間に合うよ。遊星も来る?」

 

「ねえまた来てよ!そしてデュエルしよう!」

「そうだな、お言葉に甘えるか」

 

プルル~♪

 

「あっ、俺だ」

 

携帯が鳴ったので、ポケットからスマフォを取り出して電話に出る。

 

「もしもし?」

 

「やっほ~♪元気にしてる?」

 

・・・・何であんたなんだよ。今は関係ないじゃん。

 

「今度はなんの用?神様」

 

「嘘!?神様!?」

 

「また電話が掛かってきたの?」

 

レミが驚いて、龍亞が呆れてる。

電話の相手は俺を転生させた神様だ。ただ、いつも暇だしくしょっちゅう電話が掛かってくる。いい迷惑だ。

 

「じゃあ簡単にいうね。Dホイールを家に送っといたから」

 

・・・・・・・はあーーーー!?

 

「おい!なに勝手にDホイールを送ってるんだよ!俺は12歳だぞ!」

 

「中身は17歳でしょ?それにバイクの運転出来るからいけるでしょ。マニュアルも一緒にあるから、それ読んで運転してね♪じゃあね♪」

 

プー、プー、プー

 

・・・何が「運転してね♪」だよ!そんな簡単に乗れるわけないだろ!バイクとDホイールは全く違うんだぞ!

 

「ね〜、今、Dホイールを送ったって言ってたけどまさか・・・」

 

「ああ、あの神様、勝手にDホイールを家に送ったとか言ってたよ」

「マジで!?やったー!Dホイールに乗れる!」

 

「龍亞は乗れないよ。遊輝が乗るのだから」

 

龍可の言葉を聞いた瞬間、龍亞がものすごく悔しがった。当たり前だろ、まだ小学生なんだから。

 

「遊星頼む!Dホイールの乗り方教えて!今日の晩飯作るから」

 

俺は手を合わせて遊星にお願いする。いくら何でもマニュアルだけじゃ乗れない。ここは経験者のアドバイスを貰わなくちゃ。

 

「それくらいの事なら構わない。ついでに整備も一緒にやろうか?」

 

「お願いするよ、Dホイールの整備は出来る気がしないからな。じゃあ帰ろうか」

 

俺の一言で皆がいっせいに歩き始める。Dホイールの運転か・・・出来るかね?

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

遊輝にお願いして、ホワイト・サン・ドラコンを抱いて帰っているよ。龍亞も頭にブラック・サン・ドラゴンを乗せている。それにしても

『キャッ♪キャッ♪』

 

可愛い〜!遊輝のシグナーの龍ってこんなにも可愛いのね。おまけにものすごく暖かいし、まるで遊輝みたい・・・

 

「遊輝、明日は大丈夫か?十六夜とのデュエル、今日みたいなことが起きるとかなりまずいが」

 

・・・そうだった・・・

 

「大丈夫だよ!遊輝が絶対勝つ!」

 

「何で龍亞が答えるの?まあ大丈夫だと思う」

 

遊輝はそう言ってるけど、・・・私は遊輝の方に行く。

 

「遊輝・・・」

 

「ん?どうした龍可?そんな顔して」

 

「お願い!明日のデュエル棄権して!」

 

「!?何を言い出すんだ!?」

 

私が言った一言に遊輝が驚いてる。遊輝だけじゃない、皆がこっちを向く。

 

「あんな危険なデュエルしないで!遊輝が傷つくの嫌なの!」

 

あんな危険なデュエルを遊輝にさせたくない。その思いで必死に説得する。だけど・・・

 

「なるほどね・・・でも俺はする」

 

「どうして!?」

 

「今回は単純にデュエルを楽しむだけじゃないんだ」

 

デュエルを楽しむだけじゃない?

よく見ると遊輝の顔が真剣な顔になっている。

 

「あの十六夜アキっていう人、何か苦しんでいると思う」

 

「苦しんでいる?」

 

「何かを拒絶したり、怒ったり・・・・それだけじゃない。まだ何かあると思うんだ。だから明日のデュエルでそれを確かめる」

 

「でも・・・」

 

「はぁ~~、龍可」

 

そう言って、遊輝が私の頭を撫でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ・・・遊輝が私の頭を撫でている・・・

 

「うん?どうした?急に顔を赤くして?」

 

当たり前でしょ!好きな人に突然頭を撫でて貰っているのよ!何で遊輝は何も思わないのよ!

 

「俺は明日必ず勝つ!そして絶対に無事に帰ってくる!大丈夫!俺を信じろ!」

 

遊輝が私と同じ目線で言ってくる。

・・・やっぱり何度言っても無理だね。

 

「絶対に無事に帰ってきてね!」

 

「ああ!絶対に帰ってくる!」

 

遊輝が私の頭を強く撫でる。

だから何で何とも思わないの!

 

「(へえ〜・・・・龍可ちゃんって遊輝に恋してるのか~、遊輝はいつ気づくかな~?)」

 

 

龍可 side out

 

 

 

遊輝 side

 

 

 

まさか龍可にあんな事言われるとは・・・約束しちゃった以上、絶対に勝たないとな!

・・・何で頭撫でている時あんなに赤くなったんだろう?熱かな?でもその後何ともなかったし。

 

『マスター、何も思わないの?』

 

「思う?何が?」

 

『(パール、無理ですよ。主は鈍感ですから)』

 

『(そうね。龍可ちゃんこれから大変だね)』

 

何かパールとプラチナが喋っている。まあ、俺には関係ないか。

 

「やっと着いたよ」

 

皆家に入る。ちなみに今来てるのは遊星のみだ。レミは自分の家に帰って、矢薙の爺さんと氷室さんは、雑賀さんという人の所にいった。

 

「すげー!これが遊輝のDホイール!?」

 

龍亞に言われ俺はリビングの方に向く。

あの神様・・・マジでDホイールをおくりやがった。

 

「見た事がないフォルムだな」

 

遊星が言っている。

俺のDホイールはワールドチャンピオンシップに出てくるΩフレームだ。

わからない人は調べてね。

 

「じゃあ早速練習するか」

 

「そうだね。時間があまりないし」

 

その後、遊星にDホイールの乗り方、ライディングデュエルのやり方などを教えてもらつた。Dホイールって以外と気持ちいいな。アニメ見ていた時、「何でバイクを乗ってデュエルをするの?」と思っていたけど、すげ~気持ちいい!

そして、ブラック・サン・ドラコンとホワイト・サン・ドラコンにギミックするように2つのデッキを改造して・・・

 

 

『さあ、フォーチュン・カップ2日目だーー!準決勝が始まるぞーー!まずは十六夜アキーー!』

 

『魔女は帰れーー!』

『こんな所に来るんじゃねーー!』

 

MCがアキさんを紹介したとたん、心のない観客達が一斉に罵声を飛ばす。

お前らのせいでアキさんが傷ついているんだぞ!

 

『対するは遠藤遊輝ーー!』

 

『エクシーズ使い頑張れよ!』

『魔女を倒せーー!』

 

俺の紹介をすると、今度は打って変わって皆が俺に応援をする。

 

「始めましてアキさん。今日はよろしくお願いします」

 

「昨日、控え室で見てた。あなたも忌むべき力を持っているのね」

 

アキさんに挨拶をするが、完全に俺の事を敵対関係として見ている。アキさん・・・完全にこの痣を憎んでいる。

 

「その力を排除しなければならない!」

 

「どうかな?本当に忌むべき力か考えたの?」

 

「間違いない。私はこの力のせいで全てを失ったんだから」

 

駄目だ、完全にこの痣のせいにしてる。だったらこのデュエルで分からせる!

 

「本当に忌むべき力か確かめるんだな!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」




ブラック「きゃっ♪きゃっ♪」

ホワイト「キャッ♪キャッ♪」

遊輝「何でこんな事になったんだ?」←二人の子守をしている。

龍可「私に聞かれても知らないわよ」

龍亞「それにしても可愛いよな。これが大人になったらどうなる事やら・・・・」

遊輝「何で龍亞にそんな事想像されなくちゃいけないんだ・・・・」

龍可「次回は準決勝、遊輝とアキさんが激突するわ」

龍亞「【遊輝VSアキ 心を開け!希望皇ホープレイ!】次回もよろしく!」


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第12話 遊輝VSアキ 心を開け!希望皇ホープレイ!

今回も始まったー!最強カードの紹介!今回は・・・

遊輝「なぜ俺?」

遊輝にきてもらったよ!遊輝、まだキャラが少ないからね。

遊輝「だから2週目かよ!他のメインキャラは!?」

ジャック→出てない クロウ→出てない
アキ→この前から ブラック&ホワイト→喋れない

遊輝「・・・じゃあ行きましょうか・・・」

今回はCNo,39 希望皇ホープレイだ!

遊輝「遊馬が使っているホープの進化したモンスターだな」

素材にLv4の光属性モンスターが3体必要だけど、希望皇ホープの上に重ねることで特殊召喚ができるぞ!

遊輝「自分のLPが1000ポイント以下の時、エクシーズ素材を取り除くことで、自身の攻撃力を500ポイントアップして、相手モンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンさせるよ」

この効果は発動回数に制限がないから、このターンで決める!という時に使えばいいぞ!

遊輝「その代わりにエンドフェイズまでしか効果が続かないので、そのターンに決められないと返しのターンにやられる可能性が高いからね」

こっから始まったホープのコスプレ・・・・制作側はホープに何を求めるのか・・・・

遊輝「・・・・第12話、デュエルスタート」


遊輝 side

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 アキ LP 4000

 

アキさんとのデュエルが始まる。

アキさんの心を開く為に出来る限りのことはしよう。

 

「私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 6枚

 

「私はボタニカル・ライオを守備表示で召喚」

 

ボタニカル・ライオ 守2000

 

首に牡丹の花をつけたライオンがでてきた。何で守備表示なんだ?攻撃表示でもこいつはいいと思うけど。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

アキ 手札 4枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ボタニカル・ライオ 守2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

さて、守備表示にしてくれたおかげでボタニカル・ライオは倒せそうだな。

 

「ズババナイトを召喚!」

 

ズババナイト 攻1600

 

このデッキの切り込み隊長、ズババナイトがでてきた。

今回は遊馬のデッキだ。聖刻龍だとすぐ終わってしまう。勝つだけならそれでいいかもしれない。でもそれじゃアキさんの心は開かない。長期戦を覚悟してこのデッキにした。

 

「バトル!ズババナイトでボタニカル・ライオを攻撃!」

 

『ボタニカル・ライオの方が守備力が高いぞ!!自爆する気か!!』

 

「ズババナイトは表側守備表示モンスターを攻撃する時、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する!ズババソード!」

 

ズババナイトがボタニカル・ライオを斬りつける。

 

「やるわね・・・」

 

「そりゃどうも。カードを伏せターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ズババナイト 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

とりあえず先制したかな。でもこれからだ。

 

「私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 5枚

 

「ローンファイア・ブロッサムを召喚」

 

ローンファイア・ブロッサム 攻500

 

「(ロンファ!?やばい!何かくる!)」

 

「ローンファイア・ブロッサムの効果発動!フィールドの植物族モンスターをリリースして、デッキから植物族モンスターを特殊召喚する!ローンファイアをリリースして、ギガプラントを特殊召喚!」

 

ギガプラント 攻2400

 

ロンファが地面の中に吸い込まれていき、地面からでっかい怪物が現れた。ギガプラント!?これで手札にスーペルヴィスがあったら・・・・・

 

「手札から装備魔法、スーペルヴィスをギガプラントに装備」

 

持ってたーー!?やばいよ!!完全に動いてくるじゃねか!!

 

「スーペルヴィスの効果によりギガプラントは再度召喚状態になる。ギガプラントの効果発動!1ターンに1度、手札か墓地から植物族モンスターを特殊召喚する!墓地からローンファイア・ブロッサムを特殊召喚!」もう一度ローンファイア・ブロッサムの効果を発動!自身をリリースしてデッキから椿姫ティタニアルを特殊召喚!」

 

椿姫ティタニアル 攻2800

 

とてつもなくでかい椿姫が出てきて、その中からティタニアルが現れた。

まずい!ガチじゃねえか!ギガプラントに椿姫ティタニアルってどうやって倒そう・・・

 

「バトル!ギガプラントでズババナイトを攻撃!」

 

ギガプラントの蔓がズババナイトを襲う。

 

「リバースカードオープン!永続罠、グラヴィティ・バインド~超重力の網~」

 

上空から網が落ちてきて、ギガプラントの攻撃を止めた。

 

「知ってますよね?効果によりLv4以上のモンスターは攻撃宣言出来ない!」

 

このカードと《レベル制限B地区》はこのデッキとギミックするからね。こういう時に助かるよ。

 

「厄介ね・・・ターンエンド」

 

 

アキ 手札 3枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ギガプラント 攻2400

椿姫ティタニアル 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

さてと・・・どうしよっかな?まあ、あの人の言葉を借りてドローしてから考えるか。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

これは・・・・・・ダメージを受けてしまうが打開策がないし・・・しょうがない!覚悟しようか!

 

「ズババナイトを守備表示に変更」

 

ズババナイト攻1600→守900

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ズババナイト 守900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 4枚

 

まあ、グラビティバインドがあるから数ターンは持つかな?

 

「速攻魔法、サイクロン。グラヴィティ・バインドを破壊する」

 

フィールドにサイクロンが出てきてグラヴィティ・バインドを破壊した。

・・・うっそーー!1ターンしかもたなかったー!ちくしょう!やっぱロックカードは破壊される運命なのか!

 

「ギガプラントの効果発動!対象は墓地のボタニカル・ライオ!ボタニカル・ライオは自分フィールドの植物族モンスター1体につき攻撃力を300ポイントアップする。私のフィールドには植物族モンスターは3体!」

 

ボタニカル・ライオ攻1600→2500

 

やばい!ダメージを覚悟してたとは言え、攻撃力2000オーバーが3体!

 

「バトル!ギガプラントでズババナイトを攻撃!」

 

ギガプラントの蔓がズババナイトを襲う。

 

ギガプラント攻2400

ズババナイト守900

 

「ボタニカル・ライオでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ダメージ・ダイエット!このターン、俺が受ける全てのダメージを半分にする!」

 

俺の前にバリアが貼られる。

 

遊輝 LP4000→2750

 

「ぐわあああーー!!」

 

ボタニカル・ライオが種を飛ばして、地面に当たって爆発した。

これがサイコパワー!?これ程の衝撃をうけるのか!?

 

「椿姫ティタニアルでダイレクトアタック!」

 

ティタニアルが近づいて、蔓を鞭のようにして攻撃した。耐えきれず俺は吹き飛ばされる。

 

「ぐわっ!ぐっ・・・」

 

遊輝 LP 2750→1350

 

ぐぅ・・・・身体中蔓の後がついている。おまけに全身血が出てる。覚悟してたとは言えここまで痛みがくるとは。

 

「リ、リバースカードオープン!ショック・ドロー!このターン俺が受けたダメージ1000ポイントにつき1枚ドローする!2650のダメージを受けたので2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

まさかもう使うとは・・・くっ、ドローする時も腕が痛むのか・・・・

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

アキ 手札 3枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ギガプラント 攻2400

椿姫ティタニアル 攻2800

ボタニカル・ライオ 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード1枚

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

顔から汗が流れ、地面に落ちる。かなりライフをもっていかれたな・・・だが手札が増えたお陰で何とかなる!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札6枚

 

まずはモンスターの除去からだ!

 

「魔法カード、ブラック・ホール!フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

上空からブラックホールが出てきて全てのモンスターを吸い込んだ。

 

「くっ、スーペルヴィスの効果発動!表側表示に存在するこのカードが破壊された時、墓地の通常モンスターを特殊召喚する!ギガプラントをもう一度特殊召喚!」

 

ギガプラント 攻2400

 

また出てきたな・・・何とかしてこのターンで倒さないと次のターンからまたデュアルして展開される。

 

「魔法カード、死者蘇生!アキさんの墓地のボタニカル・ライオを特殊召喚!」

 

ボタニカル・ライオ 攻1600→1900

 

「何故ティタニアルにしない・・・ギガプラントを倒せるのに・・・」

 

何か言ってるけど気にしない。今はこれでいいからな。

 

「ゴゴゴゴーレムを召喚!」

 

ゴゴゴゴーレム 攻1800

 

「さらに手札からカゲトカゲを特殊召喚!」

 

カゲトカゲ 攻1100

 

ゴゴゴゴーレムのカゲからトカゲが出てくる。

 

「カゲトカゲはLv4のモンスターを召喚に成功した時、手札から特殊召喚出来る!」

 

ふ~・・・・やっと息が整ってきた。さあ反撃開始!

 

「Lv4のボタニカル・ライオ、ゴゴゴゴーレム、カゲトカゲでオーバーレイ‼」

 

ボタニカル・ライオとカゲトカゲとゴゴゴゴーレムが下に出来たブラックホールに吸い込まれる。

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!来い!No,32 海咬龍 シャーク・ドレイク!」

 

No,32 海咬龍 シャーク・ドレイク 攻2800

 

巨大なサメのようなモンスターが下のブラックホールからでてきた。胴体に32と刻まれてる。

 

「攻撃力2800・・・」

 

『いいぞーー!』

『そのまま魔女を倒せー!』

 

また観客が罵声を飛ばす。いい加減にしつこいぞ!

 

「バトル!シャーク・ドレイクでギガプラントを攻撃!デプス・バイト!」

 

シャーク・ドレイクがギガプラントに噛み付いて、ギガプラントが倒れた。

・・・グロいな、小さい子が見たら泣くぞ。

 

No,32 海咬龍 シャーク・ドレイク攻2800

ギガプラント攻2400

 

アキ LP4000→3600

 

「ぐっ!」

 

「まだだ!シャーク・ドレイクの効果発動!戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、1ターンに1度オーバーレイユニットを1つ取り除き、破壊したモンスターの攻撃力を1000ポイント下げて特殊召喚する!」

 

No,32 海咬龍 シャーク・ドレイク OVR3→2

ギガプラント攻2400→1400

 

「そしてシャーク・ドレイクはこの効果を使ったバトルフェイズにもう1度攻撃できる!」

 

「何ですって!」

 

「シャーク・ドレイクで再びギガプラントを攻撃!デプス・バイト!」

 

もう一度シャーク・ドレイクがギガプラントに噛み付く。

 

No,32 海咬龍 シャーク・ドレイク攻2800

ギガプラント攻1400

 

アキ LP3600→2200

 

『いけーー!魔女を倒せ!』

『魔女なんか消えろーー‼」

 

カチン!

 

「てめぇら・・・いい加減にしろおおおおおおお!!!!!」

 

完全に観客に切れてしまった俺の声が会場全体に響き渡る。突然の事で観客が黙ってしまった。

 

「さっきから人を盾にして言いたい事言いやがって!!!そんなに言いたい事があるならお前らがデュエルしろ!!!何も出来ない奴がごちゃごちゃとうるせぇんだよ!!!!」

 

俺の一言一言が怒鳴るよつな口調でスタジアム全体に響き渡る。

 

「それとも俺に文句があるのか!?いいぜ!!!!掛かって来いよ!!!相手にしてやる!!!!」

 

俺の挑発的な行為も誰も言い換えせずに黙ったまま下を向く観客が多いの。本当にムカつくな・・・・自分勝手な奴が多くて。

 

「止めて悪かった・・・続けよう」

 

「・・・何で止めたの?」

 

疑問に思ったことをアキさんが質問してくる。そんなの、ただ一つだけだ。

 

「俺は純粋にあなたとデュエルがしたいんだ。あなたは魔女なんかじゃない、決闘者だ、そして人間です。人間に対してあんな事をいう奴らのほうがおかしいんです」

 

俺の考えをアキさんに言った。アキさんは「そう・・・」としか帰ってかない。まだ開いてくれないか・・・

 

「これでターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP1350

【モンスターゾーン】

No,32 海咬龍 シャーク・ドレイク攻2800

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 4枚

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からギガプラントを特殊召喚!」

ギガプラント 攻2400

 

またか・・・これで3度目だぞ。ティタニアルじゃないあたり、またデッキから高攻撃力のモンスターを出そうしてるのか?

 

「チューナーモンスター、コピー・プラントを召喚」

 

コピー・プラント 攻0

 

「(チューナー!!来る!!)」

 

「Lv6、ギガプラントにLv1、コピー・プラントをチューニング!」

☆6 + ☆1 = ☆7

 

「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ!開け!シンクロ召喚!現れよ!ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

 

アキさんの後ろに大きなバラの花が咲いて、花が開くとブラック・ローズ・ドラゴンがでてきた。

来たよ・・・・アキさんのエースモンスター!

 

「ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、フィールド上のカードを全て破壊する!ブラック・ローズ・ガイル!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンの周りに風が吹き始めて、シャーク・ドレイクと一緒に破壊された。

 

「(くっ!またガラ空きだ。だけどそれは向こうも一緒、何とか1ターンは持つだろう・・・)」

 

「魔法カード、星屑のきらめき!墓地のドラゴン族シンクロモンスターを選択、そのモンスターと同じレベルになるように選択した以外のモンスターを除外して選択したモンスターを特殊召喚する!」

 

・・・何でそんなカード持ってるの!?それは遊星の使ったカードのはず!てかよくデッキにいれたな!?ドラゴン族シンクロモンスターってブラック・ローズ・ドラゴンだけだろ!?

 

「墓地のLv6ギガプラントとLv1コピー・プラントを除外して再びあらわれよ!ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

 

また来たか・・・結局シャーク・ドレイクしか破壊されなかったか・・・

 

「装備魔法、憎悪の棘をブラック・ローズ・ドラゴンに装備!攻撃力を600ポイントアップする!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400→3000

憎悪の棘!?完全に俺を叩きのめすきか!!あんなの食らったら終わっちまうぞ!!

 

「バトル!ブラック・ローズ・ドラゴンでダイレクトアタック!ヘイト・ローズ・ウィップ!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンが俺に向けて棘の鞭を向けてきた。直ぐに身体が反応して手札のカード1枚をデスクにセットする。

 

「手札のガガガガードナーの効果発動!相手のダイレクトアタック宣言時、手札から特殊召喚する!守備表示で特殊召喚!」

 

ガガガガードナー 守2000

 

右手に盾を持ったモンスターが現れた。

これで何とかダメージだけは・・・

 

「モンスターを出しても無駄よ!憎悪の棘を装備したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える!」

 

なっ!?そういえばそうだった!!

 

ブラック・ローズ・ドラゴン攻3000

ガガガガードナー 守2000

 

遊輝 LP1350→350

 

「がああぁぁーーーー!!!!」

 

ガガガガードナーが攻撃され、鞭が俺を攻撃した。

ぐっ!?頭から血が・・・

 

「憎悪の棘を装備したモンスターと戦闘したモンスターは破壊されない。その代わり、攻撃力と守備力が600ポイントダウンする」

 

ガガガガードナー攻/守1500/2000→900/1400

 

やばい・・・意識が・・・飛びそう・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

アキ 手札 0枚 LP2200

【モンスターゾーン】

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

憎悪の棘《ブラック・ローズ》

伏せカード 1枚

 

 

駄目だ・・・持たない・・・

ガタッ!

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

 

うそ・・・!?遊輝が倒れた!?

 

『あーーと!!遊輝が倒れてしまった!!このまま立たなければデュエル続行不可能となり、十六夜アキの勝利となる!!」

 

「そんな!?」

 

「まずいよ!遊輝が負けてしまう!!」

 

「だけどあいつ頭から血が流している!!このまま続けたら死んでしまうぞ!!」

 

そんな・・・遊輝が死んでしまう!?

 

「どうしよう・・・大会のルールでデュエル中にデュエル会場には行けないし・・・」

 

このままじゃ遊輝が・・・・・・

「(お願い!立って!立って遊輝!)」

 

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

 

「絶対に無事に帰ってきてね‼」

 

龍可の声が頭に響く。

・・・そうだったな・・・帰ってくるって約束したんだな。こんな所で寝ている場合じゃないな・・

 

「ぐっ・・・・ぐおっ!このっ!」

 

『ななな、何と遊輝が立ったーー!!!、しかし頭から血が出ている!!そんな状態でデュエルをしても・・・』

 

うるさいんだよ。身体が動いているんだからデュエルぐらいやれるわ!

 

「どうして・・・何故諦めない」

 

「まだ諦めるわけにはいかねぇんだよ・・・。帰りを待ってくれてる仲間の為にな!それにデュエルは終わってない!デッキがある限り絶対に諦めない!」

 

「そんなの・・・まやかしにすぎない!」

 

今まで冷静だったアキさんが声をあげる。・・・今が言うべき所かな?

 

「・・・貴方は・・・破壊を楽しんでいるな?」

 

「破壊を・・・楽しむ?私が・・・」

 

そうだよ!貴方は今まで破壊を楽しんできた。だから苦しんでるのだ。

頭から血が流れてる・・・このターンで決めないと!

 

「俺の・・・・ターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚

 

・・・来てくれたか。これで勝てる!まずは・・・

 

「速攻魔法、サイクロン!そのリバースカードを破壊する!」

 

サイクロンが現れて、リバースカードを破壊する。

破壊されたのは・・・ミラーフォースか・・・これで行ける。

 

「くっ・・・・たとえリバースカードを破壊しても攻撃力3000のブラック・ローズ・ドラゴンは倒せない」

 

『グオオオーーーー!!』

 

アキさんの声に合わせてブラック・ローズが咆哮をあげる。

 

「そいつはどうかな?ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

『マスター!頭から血が・・・』

 

そんなの分かっている!だからこのターンで決めるのだよ!

 

「あとちょっとで終わる。心配するな」

 

『・・・・わかりました』

 

「何をするかと思えばLv4のモンスターを召喚しただけじゃ・・・!Lv4が2体!」

 

「気づくのが遅かったな。Lv4のガガガマジシャンとガガガガードナーでオーバーレイ!」

 

今度はガガガガードナーとダイヤが吸い込まれる。

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!No,39 希望皇 ホープ!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

 

ブラックホールからホープが姿を現した。頼むぞ・・・・・俺のエース!

 

「攻撃力2500・・・ランク4のモンスターがでてきてもブラック・ローズには勝てない!」

 

「まだだ!希望皇ホープは進化する!希望皇ホープをエクシーズ素材としてカオス・エクシーズチェンジ!」

 

「カオス・エクシーズチェンジ!?」

 

ホープが剣に変形してまたブラックホールに吸い込まれて次の瞬間、ブラックホールが爆発した。

 

「現れろ!CNo,39!混沌を希望に変える覇者!希望皇ホープレイ!」

 

CNo,39 希望皇ホープレイ 攻2500

 

中央に水色の球体を持つ大剣が現れて、それが変形していって、ホープレイが現れた。

 

「なに!?そのモンスターは!?」

 

「諦めなければ奇跡は起きる!こいつは希望皇ホープが進化したモンスターだ!」

 

「それでも攻撃力は2500!ブラック・ローズには勝てない!」

 

「そんな事はない!言っただろ!諦めなければ何か変わる!貴方はずっと苦しみから逃げて来たんだろ!」

 

「逃げる・・・私は逃げてなんか・・・」

 

「いや逃げて来たのさ!貴方は破壊を楽しんだ!その事に苦しんで、苦しみに耐えられずに逃げたんだろ!」

 

「それは・・・」

 

俺の説得するような言葉にアキさんが動揺してる。もう少しだ!

 

「破壊を楽しむから苦しいんだ‼最初俺は言ったよな?この痣が本当に忌むべき力かって?違うな!この痣は本当の仲間を導いてくれる痣だ!」

 

「仲間を・・・導く?」

 

「そうだ!この痣があるから俺は今の仲間と会えたんだ!そして貴方の痣も仲間を導いてくれる!貴方自身が変わる時が来たんだ!それを自分で考えるんだ!」

 

「仲間・・・魔女の私に・・・仲間なんて・・・いない・・・何を考えばいいの・・・ディヴァインが私を導いて愛してくれれば・・・」

 

アキさんが泣きながら言っている。

ディヴァインかよ!あいつ余計な事しやがって・・・

 

「自分で愛して、自分で考えて、自分で答えを見つけるんだよ!そして本当の仲間を自分で探すんだよ!希望皇ホープレイの効果発動!自分のLPが1000ポイント以下の時、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、攻撃力を500ポイントアップする!俺は全てのオーバーレイユニットを使う!オーバーレイ・チャージ!」

 

CNo,39 希望皇ホープレイOVR3→0

攻2500→4000

 

希望皇ホープレイの大きな剣に、3つのオーバーレイユニットが吸収される。

 

「そしてこの効果で使ったオーバーレイユニットの数だけ相手モンスターの攻撃力を1000ポイントダウンさせる!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン攻3000→0

 

これで準備は整った。後はアキさんが心を開けてくれるかどうか・・・

 

「希望皇ホープレイ!アキさんの心の苦しみを開放しろ!ブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃!ホープ剣・カオススラッシュ!」

 

両手に持った剣を重ねて、ブラック・ローズ・ドラゴンを切りつけた。

 

「た・・す・・け・・て・・・」

 

CNo,39 希望皇 ホープレイ攻4000

ブラック・ローズ・ドラゴン攻0

 

アキ LP2200→0

 

 

WIN 遊輝 LOS アキ

 

 

 

「(か、勝った・・・・)」

 

ドタッ!

 

『決まったーー!勝者!遠藤遊輝ーー!し、しかし、勝者が倒れてしまった!」

 

『仕方ありませんね。準決勝第2試合が終わるまでに彼が目覚めなかった場合、十六夜アキを決勝戦に進出させましょう』

 

「(はぁ・・・はぁ・・・結構やばいな・・・ちょっと無茶をしすぎたかな?)」

 

「遊輝!」

 

「(・・・・る・・・・か?)」

 

龍可の声が頭に響く・・・悪いな・・・約束守れそうにないわ・・・

俺の意識は飛んで行く・・・




遊輝「キッツ・・・・・・しんどかったわ・・・・」

レミ「・・・何で平気に立ってらるのよ?(汗)」

遊輝「だってこれ、収録後の後語り」

レミ「メタ発言やめなさい」

遊輝「へ〜い・・・・・何とかアキさんに勝てたが、危ないところだらけだったな」

レミ「植物族・・・・主にロンファとギガプラントの展開力。やっぱり凄いね」

遊輝「俺、トラウマになりそうだよ」

レミ「勝った人が何を言ってるのよ」

遊輝「次回は準決勝第2試合、遊星と龍可のデュエルだ」

レミ「【準決勝第2試合 遊星VS龍可 前編】次回もよろしくね〜」


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第13話 準決勝第2試合 遊星VS龍可 前編

今回は・・・

龍亞「龍亞だよ!2回目の登場だね!」

お前は相変わらず元気だよな。

龍亞「元気に過ごす事が子供の宿命だからね!」

そのエネルギーをもう少し頭の方に活かせよ。

龍亞「無理」

即答するな!最強カードの紹介に行こう。

龍亞「今回はレインボー・ライフ!」

罠カードでそのターンに受けるダメージを全て回復出来るぞ!

龍亞「同様なカードにドレインシールドがあるけど、あっちは戦闘ダメージを1度だけしか回復できない。その代わりこのカードは手札コストが1枚いるけどね」

それにこのカードはフリーチェーンが出来るのも1つの強みだな。

龍亞「じゃあ第13話、デュエルスタート!」


龍亞 side

 

遊輝のデュエルが終わったので、皆急いでデュエル会場に走って行く。

 

「遊輝!」

 

龍可が1番最初に着いたようだ。

・・・龍可は体力がなかったよね?やっぱ好きな人が傷ついたからかな?誰よりも心配してたし・・・と、そんな事より!

 

「遊輝!大丈夫!?」

 

「・・・・・・・・」

 

・・・遊輝の返事が帰ってこない。

 

「このままだと本当に不味い!直ぐに医務室に行かないと!」

 

「よし、俺が運ぼう!」

 

遊星が遊輝を担ぐ。

 

「遊星さん急いで!遊輝の顔色が悪くなってきてる!」

 

確かに顔色が悪い!早く行かないと!

 

ー (移動中)ー

 

 

「とりあえずこれで大丈夫だろう」

 

遊輝を医務室に連れて行き、先生に治療してもらった。頭に包帯を巻いているが、もう大丈夫みたい。

 

「遊輝・・・」

 

龍可が心配する。

 

「大丈夫よ龍可ちゃん。先生が言ってたでしょ。しばらくしたら目が覚めるって」

 

「だけど・・・」

 

相当ショックだったんだろな・・・

よし、兄として励まさないと!

 

「大丈夫だよ!遊輝ならすぐに目覚めてまた元気な姿を見さしてくれるって!」

 

「でも・・・」

 

「龍亞君の言う通りだよ!元気な姿を見さしてくれるよ!だから龍可ちゃんも元気を出して!」

 

レミさんも一緒に励ます。だけど・・・

 

「うん・・・」

 

龍可の返事に元気がない。やっぱり遊輝が起きてくれないと無理かな・・・

 

『さあ準決勝第2試合が始まるぞーー!どちらが決勝戦に行くのか!?組み合わせは・・・」

 

 

不動 遊星 VS 龍可

 

 

「俺と龍可だな・・・・先にデュエルフィールドに行っておく」

 

遊星が医務室を出てデュエルフィールドへと向かう。でも、今の龍可は・・・

 

「・・・じゃあ、私もいくね・・・」

 

「龍可・・・」

 

今の龍可じゃデュエルをしても集中しない。これじゃ遊星とのデュエルを楽しめそうにもない。どうすれば・・・

 

「う、うーん・・・」

 

「!遊輝!」

 

レミさんが驚いた。俺も驚いて遊輝の方を向く。

 

「あれ?確か俺、アキさんとのデュエルが終わって・・・・そっか、倒れたのか・・・」

 

遊輝が目覚めたのだ。

 

「大丈夫?怪我は?」

 

「・・・・もう大丈夫だな。決勝戦も出れる」

 

「そう・・・・・あまり無茶はしないでね」

 

ケロっとした表情で返されたのでレミさんが呆れてる。さっきまで怪我をして寝ていた人のセリフでは無いね・・・・・

 

「そう言えば遊星と龍可は?」

 

「もうすぐデュエルだから会場に行ったよ。だけど・・・」

 

「だけど?」

 

「龍可は遊輝が倒れたのが相当ショックだったみたいで、こう、なんか・・・」

 

「【デュエルを楽しめそうにない】でしょ?」

 

「何でレミさんが言うの!まあ、そうだけど」

 

今の龍可じゃ本当に楽しめない。どうすれば・・・

 

「・・・よし、じゃあ龍可を励ましに行くか!」

 

「えっ!?でも怪我は・・・」

 

「さっき言ったでしょ、もう大丈夫って。そんな事より龍可を励ましに行こう!」

 

遊輝がそう言って、ベッドから飛び出して医務室を出て行く。

 

「・・・・あの人、本当にさっきまで倒れていた人?」

 

「気持ちはわかるよ、レミさん」

 

あんなのくらって、こんなにも早く復活なんてしないよ。ていうか、何事もなかったようにしているし。

 

「龍亞君も励ましに行ったらどう?」

 

「うん、そうするわ」

 

俺はレミさんに返事をして、遊輝のあとを追う。

・・・龍可、頑張れよ!

 

 

龍亞 side out

 

龍可 side

 

 

もうすぐ遊星とのデュエルが始まる。

いつもならデュエルを楽しみたい、だけど今は・・・

 

「遊輝・・・・」

 

遊輝のことで頭がいっぱい。あんなデュエル見たらデュエルをする気がしない。

それに遊輝の事がとても心配。ずっと傍らにいたい・・・

 

「どうしようかな・・・・このデュエル棄権しようかな・・・」

 

「龍可ーーー!」

 

「!?遊輝!?」

 

私は驚いて振り向いた。そこには、さっきまで頭を怪我して寝ていた遊輝が私のところまで走ってきてた。

「何で!?怪我は!?」

 

「もう大丈夫!次の決勝戦も出るよ!」

 

良かった~・・・・でも本当に治っているの?あんなに攻撃をくらったのに。

 

「もう大丈夫だって。さっき先生が走っている遊輝の姿を見たから。【化け物だ・・・】って言ってたよ!」

 

龍亞がゲラゲラと笑いながらやってきた。そんな事言ってたら・・・

 

「ほお~・・・じゃあ龍亞君、その化け物が君に襲ったらどうなるかな~~」

 

「えっ・・・いや・・・あの〜・・・」

 

遊輝が指をポキポキと鳴らしながら、龍亞を脅迫してる。龍亞の顔色が青くなる。自業自得ね。

 

「覚悟せえ!」

 

遊輝が龍亞の身体を押さえ込み、何かのプロレス技みたいな物を龍亞にかけている。

 

「ぎゃあああ!!!ごめんなさい!もう言いません!!許して下さい!!」

 

必死に謝る龍亞。だけどよっぽど怒っているのかな?なかなかやめない。この様子だと本当に大丈夫なのね・・・確かに化け物だね・・・

 

「そんな事より何しに来たの?」

 

龍亞がかわいそうだし、このままだと本当に何をしに来たのか分からないままデュエルフィールドに行っちゃいそうだよ。

 

「おっとそうだ。励ましに来たんだ」

 

「励まし?」

 

「龍亞とレミが【龍可が元気じゃない】って言うから励ましに来たんだ!」

 

そうなんだ。・・・確かに元気がなかったけど・・・遊輝が目覚めてくれたから大丈夫だけど・・・

 

「・・・大丈夫って言いたいけど、正直、デュエルが怖いの。遊輝のあのデュエルを見て」

 

遊輝が無事になってくれたから少しは良くなったけど、あんなデュエルを見たらデュエルが怖いの。

 

「そっか・・・・でも龍可とデュエルするのは遊星だよ。遊星なら楽しいデュエルができるよ!俺のデュエルは忘れて、楽デュエルを楽しんで来いよ!」

 

「だけど・・・・・」

 

「うーん・・・・じゃあ龍可」

 

遊輝がしゃがみ込んで私と同じ目線になる。

 

「龍可がこのデュエルを良いデュエルにしたら、俺ができる範囲で何かしてあげるよ!」

 

「本当!?嘘じゃない!?」

 

「ああ!本当だ!男に二言はない!」

 

「やった!じゃあ頑張る!」

 

「そうそう、その笑顔!頑張って来いよ!」

 

遊輝と龍亞が戻って行く。

遊輝と約束したんだ。頑張って勝って見せるよ!

 

 

 

『さあ準決勝第2試合が始まるぞーー!まずは不動遊星ーー!』

 

《わあーーーー!!》

 

遊星の登場で観客席から歓声が沸き立つ。遊星が皆サテライト出身だってことを忘れているみたいね。

『対するは1回戦見事なオーバーキルで勝利した龍可ーーー!』

 

MCが私を紹介して、それに合わせて飛び出す。

 

『先ほど、医務室から遊輝が無事であることが報告された!決勝戦で遊輝と戦うのは一体どちらか!?』

 

「龍可、遊輝は本当に大丈夫なのか?」

 

「うん!もう大丈夫みたい!」

 

「そうか・・・だが今はデュエルだ!」

 

「分かっているよ。遊輝と約束したんだ!必ず勝って見せるよ!」

 

遊星と私は決闘デスクをセットする。

 

『準決勝第2試合、いよいよ始まるぞ!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊星 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「先行はもらった!俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

「ボルト・ヘッジホッグを守備表示で召喚!そしてカードを伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 4枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ボルト・ヘッジホッグ 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

無難な立ち上がりね。まあ速攻で裁きの龍を出された時の対策かな?

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 34枚

 

「魔法カード、光の援軍!デッキの上から3枚を墓地に送って、ライトロード・マジシャン ライラをサーチ!」

 

墓地に落ちたカード

・ダーク・アームド・ドラゴン

・ライトロード・サモナー ルミナス

・大嵐

デッキ残り枚数 30枚

 

 

「そして手札に加えたライトロード・マジシャン ライラを召喚!」

 

ライトロード・マジシャン ライラ 攻1700

 

白いマントを包んだ女性の司書が現れた。

どうしようかな?攻撃反応型のカードだったら厄介だしまだ攻めないほうがいいかな?それにライラを残して墓地肥やしもしたいし・・・・

 

「ライラの効果発動!攻撃表示から守備表示にすることで、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を破壊する!その伏せカードを破壊!」

 

ライトロード・マジシャン ライラ攻1700→守200

 

ライラが膝がつくと同時に杖から魔法が飛びたして遊星のリバースカードを破壊した。

 

「かかったな」

 

「えっ!?」

 

「俺が伏せたのはリミッター・ブレイク!このカードは墓地に送られた時、手札・デッキ・墓地からスピード・ウォリアーを特殊召喚する!デッキからスピード・ウォリアーを特殊召喚!」

 

スピード・ウォリアー 攻900

 

どこからかマスクを被った戦士が滑りながら現れた。

まさか、こっちの効果を逆手にとったのね・・・・

 

「うーん、仕方がないか・・・カードを1枚伏せてターンエンド!そしてライラの効果でデッキから3枚を墓地に送る」

 

 

墓地に送られたカード

・ソーラー・エクスチェンジ

・ライトロード・ハンター ライコウ

・ライトロード・ドルイド オルクス

 

 

龍可 手札 4枚 LP4000 デッキ残り枚数 27枚

【モンスターゾーン】

ライトロード・マジシャン ライラ 守200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

「ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロン・・・来るわね!」

 

「Lv2のボルト・ヘッジホッグにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆3 + ☆2 = ☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

 

ジャンク・シンクロンとボルト・ヘッジホッグが光となって、その中からジャンク・ウォリアーが現れる。

 

「ジャンク・ウォリアーはシンクロ召喚に成功した時、自分フィールドのLv2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする!パワー・オブ・フェローズ!」

 

ジャンク・ウォリアー攻2300→3200

 

スピード・ウォリアーとジャンク・ウォリアーが共鳴してジャンク・ウォリアーの攻撃力が上昇する。

攻撃力3200・・・結構厄介ね。

 

「バトル!スピード・ウォリアーでライトロード・マジシャン ライラを攻撃!ソニックエッジ!」

 

スピード・ウォリアーが反転して回りながらライラを攻撃した。

 

スピード・ウォリアー攻900

ライトロード・マジシャン ライラ守200

 

「ライラ!」

 

「ジャンク・ウォリアーでダイレクトアタック!スクラップ・フィスト!」

 

ジャンク・ウォリアーの拳が大きくなって私を襲う。

 

「リバースカードオープン!レインボー・ライフ!手札を1枚捨てて、このターン私が受けるダメージの分だけライフを回復する!」

 

龍可 手札 4枚→3枚

LP4000→7200

 

私の回りに虹色のオーラが出て、ジャンク・ウォリアーの攻撃を吸収して、私は光を浴びる。

 

「LP7200・・・不味い、裁きの龍の回数を増やしたか・・・」

 

それもあるけどね。ライトロードの特性上あまり罠カードを入れないけど、LPを回復するこのカードは入れたわ。

 

「俺はこれでターン・エンド」

 

 

遊星 手札 4枚 LP4000

【モンスターゾーン】

スピード・ウォリアー 攻900

ジャンク・ウォリアー 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

フィールド・アドハンテージは遊星が有利だけど、LPを回復したし、何より遊輝との約束の為に、絶対に勝ってみせるわ!




遊輝「いや〜、大した怪我じゃなくてよかったよかった〜」

龍可「(・・・・・本当に何であんな短時間で頭の傷を治せたの?(汗))」

龍亞「(遊輝の身体って・・・・変だよね)」

遊輝「二人とも何話してるんだ?」

「「な、何もないわよ(ないぜ)」」

遊輝「ふ〜ん・・・・まぁいいか。次回は遊星と龍可のデュエルの続きね」

龍亞「【遊星VS龍可 後編 閃光龍VS裁きを下す龍】」


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第14話 遊星VS龍可 後編! 閃光龍VS裁きを下す龍

最強カードの紹介!今回はこの人!

龍可「龍可です」

龍可だよ~。

龍可「前回の前書き・・・・ほんっとにもう・・・・」

龍亞の相変わらずっぷりだったね。勉強しないと宣言しちゃったし。

龍可「はぁ・・・・・」

そんな事よりも最強カードの紹介に行くよ!

龍可「今回はジャンク・バーサーカー」

ジャンク・シンクロンを素材としたLv7のシンクロモンスターだ!

龍可「墓地の「ジャンク」と名のついたモンスターを1体除外する事で、相手モンスター1体の攻撃力を除外したモンスターの攻撃力分ダウンする!この効果は1ターンに何回でも発動できるよ」

また守備モンスターと戦闘する時、ダメージ計算を行わず破壊する事もできる!

龍可「では第14話、デュエルスタート!」


前回までの状況

 

 

龍可 手札 3枚 LP 7200 デッキ残り枚数 27枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

遊星 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻3200

スピード・ウォリアー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

龍可 side

 

フィールドは不利だけど、LPを回復出来たし、なによりこれからだわ!

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 4枚 デッキ残り枚数 26枚

 

良し!まずは墓地にカードを貯めないと・・・

 

「モンスターをセットしてターンエンド!」

 

 

龍可 手札 3枚 LP 7200 デッキ残り枚数 26枚

【モンスターゾーン】

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

さあ遊星。ジャンク・ウォリアーとスピード・ウォリアー、どっちから攻撃する?

結果は一緒だけどね。

 

「・・・・バトル!ジャンク・ウォリアーでセットモンスターに攻撃!スクラップ・フィスト!」

 

ジャンク・ウォリアーの拳が大きくなり、セットモンスターを破壊する。

 

ジャンク・ウォリアー 攻3200

裏守備モンスター → ライトロード・ハンター ライコウ 守100

 

ジャンク・ウォリアーの攻撃に耐えられず、ライコウは破壊されてしまう。

ごめんね。ちゃんとあなたの仇は取るから!

 

「セットされたライトロード・ハンター ライコウのリバース効果!フィールド上のカードを1枚破壊する!ジャンク・ウォリアーを破壊!」

 

ライコウの霊がジャンク・ウォリアーを噛みつき破壊する。

 

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・ドラゴン グラゴニス

・ライトロード・パラディン ジェイン

・カオス・ソーサラー

 

デッキ残り枚数 23枚

 

 

「やはりライコウか・・・だがスピード・ウォリアーの攻撃は止められない!ソニック・エッジ!」

 

スピード・ウォリアーがカポエラの様に回転しながら、私に攻撃した。

 

龍可 LP 7200→6300

 

これぐらいなら大丈夫!墓地にカードを十分に送る事ができたのだから!

 

「(龍可の墓地にはライトロードが4種類以上落ちている。いつ裁きの龍が来てもおかしくない。さらに闇属性のモンスターもいる。開闢も警戒しないと・・・)モンスターをセット、カードを1枚伏せターン・エンド」

 

 

遊星 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

スピード・ウォリアー 攻900

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 4枚 デッキ残り枚数 22枚

 

この場面でドローカードはありがたいわ!

 

「魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・エンジェル ケルビムを墓地に送りカードを2枚ドロー、その後デッキの上から2枚を墓地に送る!」

 

 

墓地に落ちたカード

・サイクロン

・ライトロード・ウォリアー ガロス

 

デッキ残り枚数 18枚

 

 

私はカードを2枚ドローして、2枚を墓地に送る。

・・・ようやく来たわね!これでこのデュエルに勝てる!

 

「裁きの龍を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

「ついに来たか・・・・」

 

私の後ろに裁きの龍が出たことに遊星が苦い顔をしている。

それもそうね。前回はこのカードで負けたのだから。

 

「裁きの龍の効果発動!ライフを1000払い、このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する!ジャッジメント・ライト!」

 

龍可 LP 6300→5300

 

裁きの龍の身体から、光がもれて遊星のフィールド上のカードを破壊する。

 

「ぐっ、相変わらず強いな」

 

褒めてもなにもないわよ。それにこのターンで決めるのだから!

 

「墓地の闇属性のダーク・アームド・ドラゴンと光属性のライトロード・エンジェル ケルビムを除外して、カオス・ソルジャーを特殊召喚!」

 

カオス・ソルジャー 攻3000

 

地面に穴が空いて、そこからカオス・ソルジャーが現れた。

 

「バカな!?さっきのドローで2枚とも引いただと!?」

 

別に普通でしょ?まあいいわ。これで勝てる。だけど遊星の事だからもしかしたら手札に攻撃を止めるカードがあるかもしれない。どうしようかな?・・・うんうん、こんな所で迷っても仕方ない!思いっきっていくわよ!

 

「バトル!カオス・ソルジャーでダイレクトアタック!マジカル・ブレード!」

 

カオス・ソルジャーが、剣に魔力を貯めて遊星を斬りつける。

 

遊星 LP 4000→1000

 

「グハッ!」

 

「これで終わりよ!裁きの龍でダイレクトアタック!ジャッジメント・レーザー!」

 

裁きの龍が光を貯めて、遊星に向かって撃った。

これが通れば・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな願いは叶わなかった。遊星の前に1体のモンスターが・・・

 

「ジャンク・ディフェンダーの効果!相手のダイレクトアタック時、手札から特殊召喚できる!」

 

ジャンク・ディフェンダー 守1800

 

やっぱりそのカードを持っていたわね。でも、

 

「このターンで決められないけど、そのモンスターは破壊する!裁きの龍でジャンク・ディフェンダーを攻撃!ジャッジメント・レーザー!」

 

再び裁きの龍が光を貯めて、ジャンク・ディフェンダーに攻撃をした。そして爆発が起こり、煙が晴れると・・・

 

「!?嘘でしょ!?何でジャンク・ディフェンダーは無事なの!?」

 

ジャンク・ディフェンダーは破壊されてなかった。よく見ると、何か巨大な盾を持ったモンスターの霊がいる。

 

「墓地のシールド・ウォリアーの効果を発動した。墓地のこのカードを除外する事で、自分フィールドのモンスターは1度だけ戦闘では破壊されない!」

 

「シールド・ウォリアー!?そんなモンスターいつ墓地に!?」

 

「龍可の裁きの龍の効果の時だ。あの時、破壊されたセットモンスターがシールド・ウォリアーだったのさ」

 

やられた・・・ライラの時もそうだったけど、遊星は私がカードを破壊する事を読んでいたのね・・・

 

「・・・裁きの龍の効果は使いたくないな・・・しょうがない。これでターンエンド!そして裁きの龍の効果で、デッキの上からカードを4枚墓地に送る」

 

 

墓地に落ちたカード

・死者蘇生

・ライトロード・モンク エイリン

・ライトロード・スピリット シャイア

・サイクロン

 

 

龍可 手札 2枚 LP 6300 デッキ残り枚数 14枚

【モンスターゾーン】

裁きの龍 攻3000

カオス・ソルジャー ~開闢の使者~ 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 3枚

 

フィールドは私のほうが有利だけど、まだ分からない。それにこのデュエル楽しくなってきた!さあ遊星!遊輝ではないけど何をしてくるの?

 

「(1回戦に続いて2回戦もか・・・)手札のモンスターを墓地に送りチューナーモンスター、クイック・シンクロンを特殊召喚!」

 

クイック・シンクロン 攻700

 

ガンマンのようなモンスターが現れた。

 

「そしてチューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

今度は小さなドラゴンが現れた。

デブリ・ドラゴンという事はあのカードを出すのね!

 

「デブリ・ドラゴンの効果発動!召喚に成功した時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを特殊召喚する!ブースト・ウォリアーを特殊召喚!」

 

ブースト・ウォリアー 攻300

 

「Lv1ブースト・ウォリアーとLv3のジャンク・ディフェンダーにLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆1 + ☆3 + ☆4 = ☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

「綺麗・・・・」

 

光の中から出てきたスターダスト・ドラゴンを見て、つぶやく私。一度龍亞の時に見たけど、目の前で見ると本当に綺麗だわ。

 

「墓地のボルト・ヘッジホッグの効果発動!」

 

っと、それよりデュエルに集中しないと。え~と、ボルト・ヘッジホッグね。

 

「フィールドにチューナーが存在する時、墓地から特殊召喚する!」

 

ボルト・ヘッジホッグ 攻800

 

地面からボルトが刺さったネズミが現れた。・・・これ2回目だよね?

 

「Lv2のボルト・ヘッジホッグにLv5のクイック・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆5 = ☆7

 

「集いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光差す道となれ!シンクロ召喚!吠えろ!ジャンク・バーサーカー!」

 

ジャンク・バーサーカー 攻2700

 

光の中から巨大な斧を持った身体が赤いモンスターが現れた。

ジャンク・バーサーカー?始めて見るモンスターだわ。遊星はいろんなシンクロモンスターを持っているのね。

 

「ジャンク・バーサーカーの効果発動!墓地の「ジャンク」と名のついたモンスターを除外する事で、相手モンスター1体の攻撃力を除外したモンスターの攻撃力分ダウンする!墓地のジャンク・ウォリアーを除外して、カオス・ソルジャーの攻撃力を2300ダウンさせる!」

 

カオス・ソルジャー~開闢の使者~ 攻3000→700

 

ジャンク・ウォリアーの霊をジャンク・バーサーカーが投げて、それに当たったカオス・ソルジャーがひざまずいた。嘘でしょ!?攻撃力をダウンさせる効果!?しかも複数回発動できるの!?

 

「もう1度ジャンク・バーサーカーの効果発動!ジャンク・シンクロンを除外して、裁きの龍の攻撃力を1300ダウンさせる!」

 

裁きの龍 攻3000→1700

 

今度はジャンク・シンクロンの霊を投げて、裁きの龍の攻撃力が下がる。

 

「バトル!ジャンク・バーサーカーでカオス・ソルジャーを攻撃!」

 

ジャンク・バーサーカーが巨大な斧でカオス・ソルジャーを斬りつける。

 

ジャンク・バーサーカー 攻2700

カオス・ソルジャー~開闢の使者~ 攻700

 

龍可 LP 5300→3300

 

「くっ、カオス・ソルジャー!」

 

「そしてスターダスト・ドラゴンで裁きの龍に攻撃!この瞬間、墓地のスキル・サクセサーの効果発動!」

 

「墓地からトラップ!?」

 

「墓地に存在するこのカードを除外する事で、モンスター1体の攻撃力を800ポイントアップする!」

 

そんなカードいつの間に・・・・・!まさか!

 

「このカードも裁きの龍の効果で破壊されたカードの1枚だ。俺はこの効果をスターダスト・ドラゴンに使う!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→3300

 

「行け!スターダスト・ドラゴン!響け!シューティングソニック!」

 

スターダスト・ドラゴンの攻撃が裁きの龍を攻撃する。

 

スターダスト・ドラゴン 攻3300

裁きの龍 攻1700

 

龍可 LP 3300→1700

 

まさか1ターンでここまでひっくり返されるとは・・・・

 

「凄いわね遊星。こんな状況想像してなかったよ。でも負けないわよ!」

 

「それは一緒だ!これでターン・エンド!そしてスターダストの攻撃力は元に戻る」

 

 

遊星 手札 0枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻3300→2500

ジャンク・バーサーカー 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

ふぅ~、何とか耐えたわ。

フィールドはまた不利になったけど、まだまだ!遊輝ではないけど、このドローで世界を変えて見せる!

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 3枚 デッキ残り枚数 13枚

 

・・・応えてくれてありがとう!

 

「裁きの龍を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

「2体目!?さっきのドローで引いただと!?」

 

別に驚く事じゃないよ。普通でしょ。さてと、1度スターダストの効果を見せてもらったけど確かフィールドを破壊する効果を無効にできたはず。なら!

 

「バトル!裁きの龍でスターダスト・ドラゴンに攻撃!ジャッジメント・レーザー!」

 

裁きの龍 攻3000

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

遊星 LP 1000→500

 

「スターダストがこうも早くに・・・」

 

「これで効果を使えるわね!裁きの龍の効果発動!1000ポイント払い、このカード以外のフィールド上のカードを破壊する!ジャッジメント・ライト!」

 

龍可 LP 1700→700

 

裁きの龍の身体から光がもれて、ジャンク・バーサーカーを破壊する。

これでまた、遊星のフィールドにカードはない。それに手札も0枚だから、次のターンで決まる!

 

「ターンエンド!そして裁きの龍の効果でデッキの上からカードを4枚墓地に送る」

 

 

墓地に落ちたカード

・死者転生

・ライトロード・マジシャン ライラ

・ライトロード・サモナー ルミナス

・リビングデッドの呼び声

 

デッキ残り枚数 9枚

 

 

龍可 手札 2枚 LP 700 デッキ残り枚数 9枚

【モンスターゾーン】

裁きの龍 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

なかなかネクロ・ガードナーが落ちてくらないね。

これが後に響かなければいいけど・・・

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 1枚

 

ドローしたカードを見て、遊星が微笑んだ。

何を引いたのかしら?

 

「シンクロン・エクスプローラーを召喚!」

 

シンクロン・エクスプローラー 攻0

 

「シンクロン・エクスプローラーの効果発動!召喚に成功した時、墓地から「シンクロン」と名のつくモンスターを特殊召喚する!戻ってこい!クイック・シンクロン!」

 

クイック・シンクロン 攻700

 

「Lv2のシンクロン・エクスプローラーにLv5のクイック・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆5 = ☆7

 

「集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く。光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・アーチャー!」

 

ジャンク・アーチャー 攻2300

 

光の中から出てきたのは、矢を持ったモンスターだった。ここで、ジャンク・アーチャーか・・・

 

「ジャンク・アーチャーの効果発動!相手フィールドのモンスター1体をゲームから除外する!裁きの龍を選択!デイメィジョン・シュート!」

 

ジャンク・アーチャーが放った矢が裁きの龍に当たり、裁きの龍が除外される。

私の負けか・・・遊輝にお願いができないのが残念だけど、仕方ないか!

 

「私の負けか・・・・まあしょうがない!またデュエルしよう!」

 

「ああ!バトル!ジャンク・アーチャーでダイレクトアタック!スクラップ・アロー!」

 

ジャンク・アーチャーの放った矢が私に当たる。

 

龍可 LP 700→0

 

WIN 遊星 LOS 龍可




龍可「遊星も凄いドローするわね」

遊星「デッキが答えてくれただけさ」

遊輝「(何でこの二人はチートドローを平然にしていられるのかね・・・・)」

龍可「それにしても私もあと一本のところで負けてしまったな・・・・前回は勝てたけど、遊星と初対戦でデッキのことをあまり知らなかったから」

遊星「でも勝てたという事実に変わりはないから自身を持てばいいじゃないか」

遊輝「次は長かったフォーチュン・カップの決勝戦!俺と遊星のライディングデュエルだよ!」

龍可「【遊輝VS遊星 前編 光り輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!】遊輝のシグナーの龍がついに出るわよ!」

遊星「次回もよろしく」


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第15話 遊輝VS遊星 前編 光り輝け!ホワイト・サン・ドラゴン

最強カードの紹介!

遊星「2度目だな」

遊星に来てもらったよ~。

遊星「メインキャラが少ないからってわざわざ2回呼ぶ必要はないだろ」

しょうがないでしょ。少ないもんわ。最後カードの紹介に行くよ!

遊星「今回はガガガマジシャン、遊輝の精霊、ダイヤだな」

1ターンに1度、レベルを1〜8まで変えれるよ!ガガガガールとのコンボが1番かな。この時はまだ出なかったけど、ガガガシスターと合わせると★3〜★10のエクシーズモンスターを出せるよ!

遊星「その代わり、自分フィールドに1体だけしか存在できずシンクロ素材に使用できない」

そして今回からライディングデュエルがあるので、この小説でのルールを紹介するよ。

遊星「SPはアニメ版の効果を使いながら、ゲーム版のSPはそのまま採用する」

前の時と違い、ゲーム版のSPも積極的に活用するつもりです。

遊星「SPCもゲーム版、お互いのスタンバイフェイズ毎に1つ乗せる」

後攻有利になりますが、この小説は先行ドローありなのでこれでイーブンかと思います。

遊星「第15話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


遊輝 side

 

 

『決まったー!龍可の猛攻に耐えて、見事な逆転勝ち!勝者!不動遊星!』

 

遊星が勝ったか・・・

フィールドも手札も0という状況から勝つとはさすが遊星という所かな?

龍可も惜しかったけどね。あの状況で2体目の裁きの龍を出すのだから。

しかし、いつも十代並みの落ち方をしてるのに今回はネクガが落ちてないのかな?まあ毎回落ちるとはかぎらないけどね。

 

『これで決勝進出者が決まった!決勝戦はライティングデュエルで行われる!』

 

「はっ!?ライティングデュエル!?」

 

ふざけるな!俺は昨日始めてDホイールに乗ったんだぞ!たった1日で出来るはずがないだろ!しかも最初の相手が遊星かよ!遊星のスピードについて行ける気がしないぞ!まず第一、俺はライティングデュエルをした事がないんだぞ!勝負になるのか!?」

 

「遊星さん!龍可ちゃん!こっちよ!」

 

レミが控え室に戻ってきた遊星と龍可に手を振る。

 

「遊星さんおめでとう!龍可ちゃんも惜しかったね」

 

「ほんとだよ!龍可が勝つと思ったよ!」

 

「ありがとう・・・・けどね~」

 

龍可は何か不満の様子だ。

 

「どうした?急に考え事を始めて」

 

「いや、そうじゃないのだけど・・・ただ残念だなって」

 

「残念?何が残念なんだ?」

 

「デュエルをする前に遊輝と約束をしたでしょう。それができないのが残念だな~って」

 

あ~、あれか。ちょっと忘れていたよ。

 

「約束?何を約束したの?」

 

「遊輝がね、龍可に『良いデュエルをしたら何かしてあげるよ』って約束したんだ」

 

「そうだよ。それで俺は何をすればいいの?」

 

「えっ!」

 

龍可が驚いたようにこっちを見る。何で驚く必要があるの?そういう約束でしょ?

 

「何で!私負けたのよ!」

 

「?何か勘違いしてないか?別に俺は『デュエルで勝てたら』なんて一言も言ってないよ。『良いデュエルをしたら』って言ったんだよ」

 

俺が言った事に龍亞とレミが頷く。

 

「確かに龍亞君が言った通り名から『勝ったら』なんて一言もなかったね」

 

「『良いデュエルをしたら』っていう約束だったな」

 

「そうそう、それで良いデュエルをしたから何かしてあげるって言ったから俺は何をすればいいの?」

 

俺がそう言うと、龍可が驚いたが直ぐに後ろに向いて考え始めた。

 

「(う~ん、色々あるけどやっぱりあれだね!)じゃあ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰る時に私をおんぶして!」

 

「「・・・・・・・・はっ!?何を言っているの!?」」

 

「そんな事で良いのなら、良いけど」

 

「「なんのためらいもなくOKが出たーーーーー!?!?」」

 

龍亞とレミは何でそんなに驚くの?別に普通でしょ。

 

「だって疲れたからおんぶして欲しいのだよね?」

 

・・・・・・なんか俺の発言で、周りの時間が止まった気がするけど・・・

あっちで龍亞とレミがコソコソと何か話しているし、

 

「(遊輝が鈍感であるのは、昨日で何となく分かったけど、あそこまで鈍感なの?)」

 

「(ある意味凄いよ。いくらなんでも少しためらうでしょ。龍可も龍可だよ)」

 

「(龍可ちゃんって積極的に行くタイプ?)」

 

「(全然違うよ。遊輝と会ってから性格は変わったけど、あんな積極的じゃないよ)」

 

一体何を話しているんだ?鈍感だの、積極的だの、全くわからん。

 

『マスター、本当に鈍感ですね』

 

『ある意味尊敬します』

 

パールとプラチナにも言われたよ・・・もう何も考えなくて良いよな?

 

「(・・・遊輝が鈍感だから、頼めたけどね)あと、もう1つあるのだけど・・・・・」

 

「えっ、もう1つ?1つだけじゃないの?」

 

「だって1つまでなんて言ってなかったでしょ?」

 

まあ、確かに1つまでって言ってはないけど・・・何を頼むんだ?

 

「遊輝が使っているエクシーズモンスター・・・私にも譲って欲しいなって、良いでしょ?」

 

「えっ!?いやっ、それはちょっと・・・・・」

 

いくらなんでもそれは無理だよ。

この世界でエクシーズモンスターを使っているだけで不味いのに、俺以外に使う人がおれば・・・それに使う人が原作のメインキャラというのも・・・

 

「良いでしょ?遊輝ができる範囲のお願いだし」

 

確かにそうだけど・・・・・もういいや。

 

「分かったよ。家で龍可のデッキにギミックするカードを探してみるよ」

 

もうこれ以上続けても負けるし、俺という存在でこの世界は色々変わっているし・・・・・今考えたら、ライトロードにギミックするエクシーズモンスターなんかいたか?

 

「良いよな~龍可ばっかり。遊輝~、俺も分けて欲しいよ~」

 

・・・・やっぱりこうなるのか・・・どうしよう、龍亞にもあげるべきか?

 

「遊輝、Dホイールの調整に行こう」

 

そんな事考えたら、遊星がDホイールの調整をしようと言ってきた。

Dホイールの調整か・・・決勝前だし、見ておかないとな。そしてありがとう!龍亞の答えを先延ばしにできるよ!

 

「そうだな。行こうか」

 

俺と遊星は控え室から出る。

 

 

ー(スタジアム Dホイール置き場)ー

 

 

現在、遊星と一緒にDホイールの調整をしている。昨日、一通り調整の仕方を教えてもらったけど、さすがに一晩で出来るはずがないから遊星に手伝ってもらいながらやっている。

 

「遊輝、今日のライティングデュエルできるのか?」

 

不意に遊星が言ってきた。

 

「正直分からないよ。昨日教わっただけでできるかわからないから」

 

でも、不安要素はこれだけじゃない。もう1つある。

 

「どうした?顔が暗いぞ」

 

「えっ、あっ、いやなんでもないよ・・・」

 

俺はこのデュエルに勝ってもいいのか?

遊星とジャックのデュエルにあるあのビジョンは物凄く大事なはず。一応、俺もシグナーの龍は持っているが、あのビジョンが起こるとは限らない。どうしよう・・・

 

「・・・・そうだな、ライティングデュエルでは、余計な事を考えずデュエルを楽しむ事が大事だな」

 

「はっ?」

 

「Dホイールに乗っている時に余計な事を考えてしまうと、スピードが落ちたりクラッシュしてしまう。自分の身を風に任せるのが大切なんだ。デュエルも一緒だ、余計な事を考えてしまうとミスをしてしまう。そのデュエルを楽しむ事が大事なんだ」

 

自分の身を風に任せ、デュエルを楽しむか・・・・大事な事を俺は忘れたな。

 

「ありがとう遊星、何か気持ちが吹っ切れたよ。このデュエル、楽しむよ!」

 

「ふっ、やっとお前らしい顔になったな。さて、調整も終わったから行こうか」

 

遊星がヘルメットを被り、Dホイールに乗る。俺もヘルメットを被って自分のDホイールに乗る。

 

『キャッ♪』 『きゃっ♪』

 

突然ホワイトとブラックが実体化して、Dホイールの前に座る。

 

「一体どうしたんだ?」

 

「もしかして一緒に乗りたいと言っているんじゃないか?」

 

「えっ、そうなのか?」

 

俺が2人に聞くと、2人とも頷いた。

 

「そうか。じゃあそこは無理だけどDホイールの横に椅子を作ったからそこに座って」

 

Dホイールの横にある椅子を指して、そこにブラックとホワイトが座る。

えっ、都合が良すぎる?そう言う事は作者に文句を言ってね。すでに遊星はスタジアムに出ている。

 

「さあ始めてのライティングデュエル!楽しんでくるぞ!」

 

Dホイールのエンジンをかけて、俺は飛びたす。

 

 

 

『続いては12歳での挑戦!最年少Dホイーラー、遠藤遊輝ーー!』

 

MCの紹介に合わせて、Dホイールでジャンプしながら登場して、スタジアムを回る。

スタート位置で遊星が待っていた。

 

「来たか、お前とのライティングデュエル、勝たせてもらうぞ!」

 

「それはこっちも同じだ!さあ楽しもうぜ!」

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド発動!」」

 

Dホイールにスピード・ワールドがセットされ、デュエルモードになる。

 

『このデュエルに勝って、キング、ジャック・アトラスとデュエルするのはどっちだ!」

 

電光掲示板のシグナルが目の前に現れる。そして、シグナルが赤から青に変わる。

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

遊星 LP 4000 遊輝 LP 4000

 

シグナルが青になったのと同時に飛びたす。第1コーナーを先に曲がった方が先行となるライティングデュエル。最初に曲がったのは・・・

 

『先に曲がったのは不動遊星!不動遊星のターンから始まるぞ!」

 

さすがに早いな遊星。ついて行くので精一杯だよ。

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

遊星 SPC 0→1 遊輝 SPC 0→1

 

「シールド・ウィングを守備表示で召喚!」

 

シールド・ウィング 守900

 

下から鳥が出てきて、翼で自分の身体を覆った。

また面倒なモンスターをだしたな。あのモンスターは1ターンに2度まで戦闘では破壊されないはず。

 

「カードを2枚伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 3枚 SPC 1 LP 4000

【モンスターゾーン】

シールド・ウィング 守900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

遊星 SPC 1→2 遊輝 SPC 1→2

 

ドローしながら運転するのも怖いな。さてと、

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

『今回はあの人ですか』

 

「あぁ、いままで以上に強敵だぞ」

 

鎖を回しながら登場したダイヤが話しかけてくる。さて、攻撃したいがシールド・ウィングじゃどうしようにもできないな。

 

「カードを1枚伏せターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 4枚 SPC 2 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 4枚

 

遊星 SPC 2→3 遊輝 SPC 2→3

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、デッキからカードを2枚ドローし、その後手札1枚を墓地に送る!」

 

遊星 手札 5枚→4枚

 

「チューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

オレンジ色の鍋を被ったモンスターが現れた。

ジャンク・シンクロン・・・という事はさっき墓地に送ったカードは、

 

「ジャンク・シンクロンの効果発動!召喚に成功した時墓地からLv2以下のモンスターを特殊召喚できる。来い!スピード・ウォリアー!」

 

スピード・ウォリアー 守400

 

仮面を被った過労戦士(スピード・ウォリアー)が現れた。

 

「行くぞ!Lv2のスピード・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆3 = ☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす。光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

 

光の中から、遊星の切り込み隊長ジャンク・ウォリアーが現れた。相変わらず早いな。

 

「バトル!ジャンク・ウォリアーでガガガマジシャンに攻撃!スクラップ・フィスト!」

 

ジャンク・ウォリアーの拳が大きくなり、ダイヤを襲う。

 

「させるか!リバースカードオープン!攻撃の無敵化!バトルフェイズ時、《フィールド上のモンスター1体をバトルフェイズ中、戦闘及びカード効果で破壊されない》か《バトルフェイズ中の戦闘ダメージを0にする》のどちらかを発動する!俺はモンスターを守る効果を選択!これでダイヤは破壊されない!」

 

「だが戦闘ダメージは受けて貰う!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

ガガガマジシャン 攻1500

 

遊輝 LP 4000→3200

 

「うわっ!」

 

ジャンク・ウォリアーの攻撃をダイヤが耐えるが、その衝撃が俺までくる。衝撃に耐えきれず、Dホイールのバランスをくずしてしまったが、直ぐに立て直して遊星を追いかける。

 

「耐えたか。練習の成果がでたな」

 

「まあね。それにあんな所で倒れる訳にもいかないし」

 

「そうだな。これでターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 3枚 SPC 3 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻2300

シールド・ウィング 守900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

遊星 SPC 3→4 遊輝 SPC 3→4

 

ドローしたカードを見て直ぐにホワイトの方を見る。

ホワイトはやる気満々みたいだ。じゃあ、俺のシグナーの龍の初陣といくか!

 

「ガガガガールを召喚!」

 

『は~い♪』

 

ガガガガール 攻1000

 

元気よくパールが飛び出した。

 

『マスター、あのカードを使うの?』

 

「あぁ、その為にホワイトに聞いたのだから」

 

『まあ、頑張ってね♪ホワイトちゃんも』

 

パールがホワイトの頭を撫でる。

ちゃんづけ?もしかして女の子?全く気づかなかった・・・

 

「そのモンスターも精霊なのか?」

 

そう言えば遊星は始めて見るんだな。

 

「そうだよ。ガガガガールの精霊、名前はパールだよ」

 

『よろしく〜♪』

 

パールが遊星に手を振る。相変わらず軽いな。ギャルの言葉を使わないだけマシか。

 

「だがダイヤとパールのLvが違う。エクシーズ召喚は出来ないぞ」

 

「それは龍亞と同じ事を言ってるぞ」

 

「何だと?」

 

「Lvが違うんならこうするれば良いんだよ!ダイヤの効果!1ターンに1度、Lvを1〜8まで任意のLvに変更できる!俺はLv6を選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→6

 

「Lv変換能力!?まさかパールも!?」

 

「その通り!パールはフィールドの《ガガガマジシャン》を選択して、同じLvにできる!パールのLvも6にする!」

 

ガガガガール ☆3→6

 

ようやく揃った!

 

「行くぞホワイト!」

 

『キャッ!』

 

ホワイトが実体化を止めて、カードに戻る。

 

「行くぞ遊星!Lv6になったダイヤとパールでオーバーレイ!」

 

ダイヤとパールが下に出来たブラックホールに吸い込まれる。

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ。天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラックホールから白い太陽が出てきて、そこから変形してホワイトが現れた。

容姿は4本の翼を持ったレ○ラム。頭には赤色のリボンをのせてある。

リボンを着けてあるという事は、本当に女の子かな?

 

「これが・・遊輝のシグナーの龍・・・」

 

遊星がつぶやいている。そんな事より眩しくないの?ホワイトから常に光が出てるから結構眩しいんだけど。

 

「続けるぞ。ホワイトのエクシーズ召喚に成功した事により、エクシーズ素材となったパールの効果発動!このカードを含む《ガガガ》と名のついたモンスターのみでエクシーズ召喚に成功した時、そのエクシーズモンスターに効果を追加する!」

 

「効果の追加?」

 

「ああ、その効果は・・・・相手フィールドの特殊召喚したモンスター1体の攻撃力を0にする!」

 

「なっ!?」

 

「くらえ!ゼロゼロコール!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300→0

 

パールが携帯の番号を押して、ジャンク・ウォリアーに向けると、ジャンク・ウォリアーの攻撃力が0になった。

 

「バトル!ホワイトでジャンク・ウォリアーに攻撃!サンシャイン・パティズム!」

 

ホワイトがジャンク・ウォリアーに光のシャワーで攻撃する。

 

「断ち切らせはしない!リバースカードオープン!くず鉄のかかし!ホワイトの攻撃を無効にする!」

 

ジャンク・ウォリアーの前に、鉄で出来たかかしが現れて、ホワイトの攻撃を防ぐ。

 

「その後、このカードは再びセットされる」

 

また面倒なカードがあるな。シールド・ウィングにくず鉄のかかしかよ。しょうがないか。どうしようにもできないし。

 

「カードを4枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

遊輝 手札 0枚 SPC 4 LP 3200

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

さあ遊星!どんなデュエルを見してくれる?すげ~楽しみだぜ!




遊輝「これまた中途半端に終わったな」

遊星「ここ最近はずっとそうだろ」

遊輝「それもそうだな。じゃあ今回出たオリカの紹介をしようか。今回はこれ!」



ホワイト・サン・ドラゴン ★6
光属性 ドラゴン族 攻2400 守1500
☆6モンスター×2
このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードにX素材が存在する場合、このカードはカード効果では破壊されない。
②このカードのX素材を1つ取り除き自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターは、このターン、相手に直接攻撃ができる。
選択した以外のモンスターは、このターン、攻撃できない。
③このカードが破壊され墓地へ送られた時、墓地に存在するSモンスター1体を特殊召喚する事ができる。




遊星「遊輝のシグナーの龍の1体、ホワイトだな」

遊輝「まさかのエクシーズモンスターでのシグナーの龍での登場。★6のカードは聖刻龍でも出しやすいようにと考えた結果だよ」

遊星「エクシーズ素材を持っていれば効果で破壊されない。これで少し態勢はあるな」

遊輝「その代わりとして攻撃力のステータスは少し低いけどそれを言っちゃいけない」

遊星「エクシーズ素材を取り除くことでモンスター1体を無条件で直接攻撃できる。その代わり、直接攻撃するモンスター以外のモンスターはそのターンに攻撃できない」

遊輝「さらに、破壊されて墓地に送られた時には墓地のシンクロモンスターを特殊召喚できる!効果自体使わなくても態勢はあるし、トドメにダイレクトアタックを決めるってのもありかな。でも★6にはトレミスというカードがあって・・・・・」

遊星「次回は俺と遊輝のデュエルの続きだ」

遊輝「【遊輝VS遊星 後編 閃光龍VS太陽龍 勝利の行方は・・・】次回もよろしく!」


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第16話 遊輝VS遊星 後編! 閃光龍VS太陽龍 勝利の行方は

今回の最強カードの紹介~。

レミ「久しぶり!レミだよ!」

レミに来てもらったよ~。

レミ「この話、改定前に投稿してた時期ってあれだよね、事故をしたって」

何で2年も前の話を引っ張ってくるんだよ。そんな事もう忘れてたわ

レミ「いや、やっぱり車にひかれたっていうのに何であんなにピンピンだったのか」

どうでもいいだろ、もういいや。最強カードの紹介に行こう。

レミ「今回はNo,61 ヴォルカザウルス!★5のモンスターだよ!」

エクシーズ素材を1つ取り除く事で、相手フィールド上の表側表示モンスター1体を破壊して、ダメージを与えるぞ!マグマアァァァックス!

レミ「うるさい!その代わり、この効果を使用したら、直接攻撃できないから」

そして今回はオリジナルのSPを使います。

レミ「第16話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


前回までの状況

 

 

遊輝 手札 0枚 SPC 4 LP 3200

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

遊星 手札 3枚 SPC 4 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジャンク・ウォリアー 攻0

シールド・ウィング 守900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚 (内1枚 くず鉄のかかし)

 

 

遊輝 side

 

さあ遊星!どんなデュエルをしてくれる?すげぇ楽しみだぜ!

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 4枚

 

遊星 SPC 4→5 遊輝 SPC 4→5

 

「(遊輝がシグナーの龍を出すなら俺も出さないとな!)チューナーモンスター、ドリル・シンクロンを召喚!」

 

ドリル・シンクロン 攻800

 

頭と両手にドリルを備えたモンスターが現れた。☆3のチューナー・・・・・遊星もあいつを出すのか、おもしろい!

 

「来い遊星!全力でやろうぜ!」

 

「当たり前だ!Lv5のジャンク・ウォリアーにLv3のドリル・シンクロンをチューニング!」

 

ドリル・シンクロンが3つの輪になり、その中にジャンク・ウォリアーが入る。

 

☆5 + ☆3 =☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

光の中から星屑が落ちてスターダスト・ドラゴンが舞い降りてきた。ソリッド・ビジョンで見ると本当に綺麗だな・・・そんな事を思っていたら・・・

 

「ぐっ!?痣が!?」

 

痣が光りだした。やっぱりシグナーの龍が対峙しているからか?

 

「遊輝!上を見ろ!」

 

「上?」

 

俺は遊星に言われ、上を向く。そこには・・・

 

「!赤き龍!!」

 

赤き龍がスタジアムに舞い降りたのだ。

何でこのデュエルで!?確かにシグナーの龍は出ているが早過ぎだろ!

赤き龍は俺と遊星、さらにシグナーたちをつつんで空に駆け上がった・・・

 

 

 

 

気がつくと、スタジアムではなく赤い道を走っていた。隣に遊星もいる。

 

「ここは・・・」

 

これって赤き龍がシグナーたちを神殿に導いた時の話!という事は上に・・・

 

「遊輝!遊星!」

 

「ここは・・・・」

 

「何・・・・?」

 

「龍可!それに龍亞やレミ!」

 

「ジャック!十六夜も!」

 

上にはシグナーである龍可や龍亞、レミ、そしてジャックとアキさんも一緒だ。

 

「な、何!?何があったの!?」

 

「どうやらシグナー全員がここにいるみたいだな」

 

「えっ!?キングとアキ姉ちゃんってシグナーなの!?」

 

龍亞が物凄く驚いている。

何でそんなに驚くの?ジャックはともかく、アキさんは俺とのデュエルで分かっただろ。

 

「(しかしおかしいな。原作通りならここであのビジョンが出るはずなんだが・・・・)」

 

「とりあえずデュエルを続けよう。何が起こるか分からないがデュエルが終わればここから出れるかもしれない。手札のモンスターを墓地に送りチューナーモンスター、クイック・シンクロンを特殊召喚!」

 

クイック・シンクロン 攻700

 

ガンマンのようなモンスターが現れた。

しかしこいつ、この大会で5回目の登場だぞ。過労戦士(スピード・ウォリアー)より出ているんじゃね?

 

「そして墓地に送ったレベル・スティーラーの効果!スターダスト・ドラゴンのLvを1つ下げて墓地から特殊召喚する!」

 

レベル・スティーラー 攻600

スターダスト・ドラゴン ☆8→7

 

背中に星のマークが入ったてんとう虫が飛んできた。

 

「Lv1、レベル・スティーラーとLv2、シールド・ウィングにLv5、クイック・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆2 + ☆5 = ☆8

 

「集いし闘志が怒号の魔人を呼び覚ます。光差す道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ!ジャンク・デストロイヤー!」

 

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

「(ここでジャンク・デストロイヤーか・・・何を破壊しにきたんだ?)」

 

「ジャンク・デストロイヤーの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、素材となったチューナー以外のモンスターの数までフィールドのカードを破壊する!俺が選択するのは一番左のリバースカードとホワイト!タイダル・エナジー!」

 

ジャンク・デストロイヤーの4本の腕のエネルギーが、ホワイトと伏せカードに向かって殴りかかろうとする。

 

「それにチェーンで破壊されるリバースカードオープン!和睦の使者!このターン、俺のモンスターは戦闘では破壊されず俺へのダメージも0にする!」

 

目の前に女神が現れて、何か呪文を唱える。

 

「でもそれじゃホワイトが・・・」

 

「戦闘が出来なくてもホワイトは破壊する!」

 

ジャンク・デストロイヤーがホワイトを襲うが・・・

 

「!?何故破壊されない!?」

 

エネルギーがホワイトの身体をすり抜けたのだ。そう簡単に破壊されたら困るんだよな~。

 

「ホワイトはオーバーレイ・ユニットがある時、カード効果では破壊されない!」

 

「何だと!?」

 

「つまりホワイト・サン・ドラゴンが効果を使わない限り、戦闘以外の除去は難しいのか」

 

「だけどこのターン、遊輝は和睦の使者を使ったから戦闘でも破壊されない!」

 

「遊星さんはこのターン何もできない!」

 

これがホワイトの強み。カード効果で破壊されないのは大分強いけど、攻撃力で負けることが多いから攻撃無効系のカードを多めに入れた。これならホワイトはフィールドにずっと存在できるから。

 

「ジャンク・デストロイヤーの効果は無駄だったか・・・ターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 1枚 SPC 5 LP 4000

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻2500

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚 (内1枚 くず鉄のかかし)

 

 

良し!ホワイトを守れた!一気に行くか!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚

 

遊星 SPC 5→6 遊輝 SPC 5→6

 

・・・ここでこのカードか!手札0だったから助かる。

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、デッキから2枚ドローして、1枚を墓地に送る!」

 

遊輝 手札 2枚→1枚

 

デッキからカードをドローする。引いたのはLv5のモンスターとSPだ。

これだったら・・・俺はカードを1枚墓地へ送る。

 

「そしてSPーエンジェル・バトン!」

 

「2枚目⁉」

 

「さっきのドローで引くなんておかしいでしょ!」

 

「その言葉!そっくりそのまま龍可に返すぜ!」

 

「何でよ!?」

 

1ターンにソーラー・エクスチェンジを3枚に光の援軍を引いた龍可には言われたくないぜ!

またカードを2枚ドローする。今度はダイヤと違うSPがきた。俺はそのうちの1枚を墓地へ送る。

 

「リバースカードを2枚オープン!永続罠、リビングデッドの呼び声×2!」

 

「同じリバースカード!?」

 

「何でさっきから同じカードが来るの!?」

 

「知るか!墓地からダイヤと太陽風帆船を特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

太陽風帆船 攻800

 

下からダイヤと上下に白い帆をつけた船が出てきた。

 

「さっき墓地に送ったカードたちか!」

 

「その通り!ダイヤの効果!今度はLv5になる!」

 

ガガガマジシャン ☆4→5

 

「Lv5となったダイヤと太陽風帆船でオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!燃えたぎれ!No,61 ヴォルカザウルス!」

 

No,61 ヴォルカザウルス 攻2500

 

ブラックホールから上下に溶岩の突起を持った球体が出てきて、変形して背中と両膝、爪にオレンジ色の太いツノが飛び出ているモンスターが現れた。胸の突起に61と刻まれている。

 

「またNo・・・一体Noは何体存在するんだ?」

 

「悪い。俺もよく分からないや」

 

100体いるらしいけどアニメの話だし、まず俺そんなに持ってない。

 

「さらに手札からSPースピード・エナジーを発動!SPCが2つ以上ある時、エンドフェイズまで自分フィールドのモンスター1体の攻撃力をSPCの数×200ポイントアップする!ホワイトを選択!今の俺のSPCは6!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→3600

 

「攻撃力3600!これならスターダストがジャンク・デストロイヤーのどっちか倒せる!」

 

「だが遊星の伏せカードにくず鉄のかかしがある。あれを何とかしないと攻撃できないぞ」

 

龍亞がスターダストを倒せると喜んでるところに、ジャックが注意をうながす。知っているさ、その対策もバッチリだよ。

 

「バトル!ホワイトでスターダストに攻撃!サンシャイン・パティズム!」

 

「ジャックの言葉を忘れたのか!リバースカードオープン!くず鉄のかかし!」

 

「もちろん忘れてないぜ!チェーンでリバースカードオープン!トラップ・スタン!」

 

「なっ!?トラップ・スタン!(クロウが使っているカード!?あいつも持っていたのか!?)」

 

「チェーンの逆順でトラップ・スタンの効果から発動する!このターン、このカード以外の罠カードの効果を無効にする!これでくず鉄のかかしの効果は無効となる!さらに再びセットすることもできない!行け!サンシャイン・パティズム!」

 

「迎え撃て!シューティングソニック!」

 

ホワイトとスターダストの攻撃が激突する。けど攻撃力で勝るホワイトが徐々に押してスターダストを破壊する。

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻3600

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

遊星 LP 4000→2900

SPC 6→5

 

「ぐわっ!?な、何だこの痛みは!?」

 

遊星がホワイトの衝撃でバランスを崩す。その間に俺は遊星を抜いて遊星も持ち直して走りだす。まさか、ダメージが実体化している!?

 

「遊星さん!大丈夫ですか!」

 

「大丈夫だ!遊輝!続けろ!」

 

「だけど・・・」

 

「続けろ!全力で俺に挑むのだろ!」

 

「・・・・・・分かった。全力で行く!バトルを終了して、ヴォルカザウルスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて相手フィールド上のモンスター1体を破壊し、その元々の攻撃力分ダメージを与える!」

 

「何だと!?」

 

「対象はジャンク・デストロイヤー!マグマックス!」

 

No,61 ヴォルカザウルス OVR 2→1

 

ヴォルカザウルスの両胸の突起のカバーが開き、高熱の火炎が放射されてジャンク・デストロイヤーを破壊、遊星にも火炎が包まれる。

 

遊星 LP 2900→300

SPC 5→3

 

「うわああぁぁぁーーーーー!!!」

 

「遊星!」

 

遊星のDホイールがスピンして、レーンギリギリの所で持ち直す。

やっぱり使わない方が良かったのか・・・

 

「ターンエンド・・・ホワイトの攻撃力は元に戻る」

 

 

遊輝 手札 0枚 SPC 6 LP 3200

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻3600→2400

No,61 ヴォルカザウルス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声×2 (使用済み)

 

 

 

「そこのお前!気にしなくていいぞ!遊星はこんな所で倒れる男ではない!」

 

「(簡単に言うなよジャック。実際にダメージを受けているんだぞ)」

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 1枚

遊星 SPC 3→4 遊輝 SPC 6→7

 

「シンクロン・エクスプローラーを召喚!」

 

シンクロン・エクスプローラー 攻0

 

おい!手札1枚、フィールドもモンスター無しの状況でまたシンクロン・エクスプローラーを召喚したよ!そして効果で出すモンスターは・・・

 

「シンクロン・エクスプローラーの効果!召喚に成功した時、墓地から「シンクロン」と名のついたモンスターを特殊召喚する!戻ってこい!クイック・シンクロン!」

クイック・シンクロン 攻700

 

やっぱりこいつかよ・・・・肩で息をしているし・・・本当に過労戦士(スピード・ウォリアー)を抜いたんじゃね?

「Lv2のシンクロン・エクスプローラーにLv5のクイックシンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆5 = ☆7

 

「集いし怒りが忘我の戦士に鬼神を宿す。光差す道となれ!シンクロ召喚!吠えろ!ジャンク・バーサーカー!」

 

ジャンク・バーサーカー 攻2700

 

ここでジャンク・バーサーカー!?やっべ!攻撃を防ぐカードが1枚も無い!

 

「あれは私とのデュエルで出したモンスター!」

 

「ジャンク・バーサーカーの効果発動!墓地のジャンク・ウォリアーとジャンク・シンクロンを除外して、ヴォルカザウルスの攻撃力をダウンする!」

 

No,61 ヴォルカザウルス 攻2500→200→0

 

「バトル!ジャンク・バーサーカーでヴォルカザウルスに攻撃!」

 

ジャンク・バーサーカーの巨体な斧がヴォルカザウルスを斬りつける。

 

遊輝 LP 3200→500

SPC 7→5

 

「ぐわああああぁぁぁーーーーー!!!!」

 

「遊輝!」

 

今度は俺がスピンしてしまう。なんとか持ち直して、遊星に並んで走る。痛って~。本当にダメージが実体化してやがる。でも・・・・・なんでだろう・・・・今、すげー楽しい!!

 

「遊輝!大丈夫!?」

 

「ああ!大丈夫だ!それにこんな楽しいデュエルをこんな情けない形で終わらしたくないしな」

 

こんなにもワクワクするのは久しぶりだ!もう何も考えない!全力で遊星に挑み、勝ってみせる!

 

「続けようぜ遊星!このデュエルを!そして俺が勝つ!」

 

「ああ!だが勝つのは俺だ!ターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 1枚 SPC 4 LP 300

【モンスターゾーン】

ジャンク・バーサーカー 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「凄い・・・・・・」

 

「遊輝が追い詰めたら遊星さんも反撃する・・・」

 

「でも2人とも凄く楽しそう!」

 

「遊星のあんな顔、久しぶりに見たな」

 

「遊星!遊輝!頑張れーー!」

 

「もちろんだ!俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚

 

遊星 SPC 4→5 遊輝 SPC 5→6

 

・・・・ここでこのカードか!

 

「SPーシフト・ダウン発動!SPCを6つ取り除いて、デッキからカードを2枚ドローする!」

 

遊輝 SPC 6→0

 

SPCが減るのと同時にDホイールのスピードも落ちる。そしてデッキに手をかける。・・・・・デッキよ、応えてくれ!

 

「ドローーー!」

 

遊輝 手札 0枚→2枚

 

俺はドローしたカードをゆっくりと見る。・・・・・そうか、あいつも出せというのが応えか・・・・

 

「待たせたなブラック!お前の番だ!」

 

『きゃっ!』

 

ブラックが実体化を止めてカードに戻る。

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

戦闘機に乗ったゴブリンが横から飛んできた。下にはコンテナがついてある。

 

「ゴブリンドバーグの効果!召喚に成功した時、手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚できる!」

 

「何を出すのかな?」

 

「遊輝のデッキを見てLv4のモンスターならエクシーズ召喚ができるけど・・・」

 

俺は手札にある最後のカードを手に取る。

 

「俺が出すのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チューナーモンスター、霞の谷の戦士!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

コンテナから出てきたのは短刀を持った青い鳥人間だ。

 

「チューナーモンスター!?」

 

「遊輝がシンクロ召喚!?」

 

「・・・・面白い!2体目のシグナーの龍か!」

 

「その通り!Lv4のゴブリンドバーグにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

霞の谷の戦士が加速して輪になり、その中にゴブリンドバーグが入る。

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

上空に穴が開いて、黒い太陽がゆっくりと降りてきた。

そこから変形して、ブラックが現れた。容姿は4本の翼をつけたゼ○ロム、頭にはホワイトと違い、青いタスキを巻いている。

 

「これが・・・・2体目」

 

「皆!前を見て!」

 

遊星がブラックを見つめて何かを呟いた時、レミが突然大声で叫んだ。何事かと思い前を見ると・・・

 

「神殿・・・・・?」

 

「あれはゴドウィン邸で見た神殿!」

 

俺たちの目の前に神殿があった。

神殿に近づくと、6人の人が両手を空に掲げた。右手には・・・・

 

「あれは赤き龍の痣!」

 

「もしかしてシグナー!?」

 

遊星と龍可が叫ぶ。神殿が雲に隠れ次に見えたのは・・・・

 

「あれは・・・・サテライト!?」

 

「何でサテライトが・・・・」

 

次に見えたのはサテライト。そして・・・・

 

「何あれ!?」

 

紫色の炎がサテライトを包む。その絵はナスカの地上絵の蜘蛛と同じだった。そして、サテライトは崩壊していく・・・・

 

「嘘・・・・でしょ・・・・?」

 

「これが・・・・サテライトの未来?」

 

「そんな事はさせない!もしこれが本当にサテライトの未来なら必ず阻止する!」

 

遊星が大声で張り上げる。

 

「その通りだな!未来なんてわからないからな!続けるぞ!ブラックの効果!特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスター1体を装備カードとしてこのカードに装備する!墓地のヴォルカザウルスを装備!」

 

地面に穴が開き、ヴォルカザウルスが出てきてブラックが吸収する。

 

「ブラックは装備したモンスターの攻撃力分アップする!ヴォルカザウルスの攻撃力、2500ポイントアップだ!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3500

 

「攻撃力3500!?」

 

「俺のレッド・デーモンズを超えただと!?」

 

「これで遊輝の勝ちだ!」

 

まだわからないよ龍亞。ずっと伏せているあのリバースカード、あれが何なのかはっきりしていない。でも、どうせなら2人の力を合わせて行くか!

 

「ホワイトの効果発動!」

 

「この局面で使う効果・・・」

 

「一体どんな効果何だ?」

 

「1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを取り除いてフィールドのモンスター1体を選択する。選択したモンスターはこのターン、ダイレクトアタックが出来る!」

 

「無条件でダイレクトアタックを可能にする効果だと!」

 

「その代わりに選択した以外のモンスターは攻撃できないけどな。俺はブラックを選択!ライト・サプリメーション!」

 

ホワイトの身体がブラックに向かって光を向け、ブラックに白い翼がついた。

 

「バトル!ブラックでダイレクトアタック!ライト&ダークネス・ブラスト!」

 

ブラックが口にエネルギーを貯め、遊星に撃つ。これが決まれば勝ちだが・・・・

 

「リバースカードオープン!シンクロ・バリアー!ジャンク・バーサーカーをリリースして次のターンのエンドフェイズまで俺のダメージを0にする!」

 

ジャンク・バーサーカーが遊星の前に入り、緑のバリアが張られる。緑のバリアが消えると、ジャンク・バーサーカーも消えていく。やっぱ遊星相手に簡単には決まらないか。バックがないけどしょうがない!

 

「ターンエンド!」

 

 

 

遊輝 手札 0枚 SPC 0 LP 300

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

【魔法・罠ゾーン】

No,61 ヴォルカザウルス (ブラック 装備)

リビングデッドの呼び声×2 (使用済み)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

遊星 SPC 5→6 遊輝 SPC 0→1

 

遊星がドローしたカードを見つめている。これは・・・・負けかな?

 

「SPーシンクロ・リフト発動!」

 

シンクロ・リフト?聞いた事がないSPだな。

 

「SPCが6つ以上ある時、墓地のシンクロモンスターを除外して除外したシンクロモンスターよりもLvが高いシンクロモンスターを墓地から特殊召喚する!ジャンク・バーサーカーを除外して飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

ジャンク・バーサーカーの霊が星空へと登っていき、再び空から星屑が流れスターダストが現れる。

 

「この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効となり、エンドフェイズに除外される」

 

なにこれ?普通に強くねぇか?発動条件がちょっと厳しいけど、ほぼ無条件で特殊召喚できるじゃん。

 

「SPーシルバー・コントレイル!SPCが5つ以上ある時、自分の風属性モンスターの攻撃力をバトルフェイズの間1000ポイントアップする!」

 

ここでシルバー・コントレイムか・・・まさかそのカードをずっと握っていたとは・・・フィールドも墓地もスターダストの攻撃を防ぐカードは無いし、本当に負けだな。

 

「う~ん、負けか・・・まあ、楽しかったから良いか!来い遊星!」

 

「ああ!バトル!スターダスト・ドラゴンでホワイト・サン・ドラゴンに攻撃!シューティングソニック!」

 

スターダストがホワイトに向かって攻撃する。ホワイトも応戦するが、スターダストに押されて倒れてしまう。

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→3500

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

遊輝 LP 500→0

 

 

WIN 遊星 LOS 遊輝

 

 

 

そしてデュエルが終わると、再び目の前が光り始め、気づいたらスタジアムにいた・・・




ブラック「きゃっ・・・・・」

ホワイト「キャッ・・・・・・」

遊輝「ごめんな、初陣を勝てなくて。でも次があるさ」

ブラック「きゃっ!」

ホワイト「キャッ!」

遊輝「そうそう。じゃあ今回のオリカ紹介といきましょう。今回は俺の2体目のシグナーの龍、ブラック・サン・ドラゴン!」


ブラック・サン・ドラゴン ☆8
闇属性 ドラゴン族 攻1000 守2100
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①このカードの特殊召喚成功時、自分の墓地に存在するXモンスター1体を選択して、装備カードとしてこのカードに装備する。
②このカードの攻撃力は装備したXモンスターの攻撃力分アップする。
③このカードが破壊される時、代わりにこのカードに装備した装備カードを墓地に送る事で破壊されない。
④このカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在するXモンスター1体を特殊召喚して、このカードをX素材として下に重ねる事ができる。



遊輝「☆8のシンクロモンスターで、特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスターを装備カードとして装備、そのモンスターの攻撃力分攻撃力が上がるよ」

ホワイト「キャッ!」

遊輝「そうだな。前回紹介したホワイトと違って、破壊されて墓地に行くと墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚してこのカードをエクシーズ素材として下に重ねられるよ。前回紹介したホワイトとお互いに特殊召喚出来るので、半無限ループみたいな事が出来る。太陽は永遠に沈まない。この事がピッタリの効果だな」

ブラック「きゃっ!」

遊輝「あとは遊星が使ったSP」


SPーシンクロ・リフト
①SPCが6つ以上ある時、墓地のSモンスター1体をゲームから除外して発動する。
除外したモンスターよりもレベルが高いSモンスター1体を選択して墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化となり、エンドフェイズ時にゲームから除外する。


遊輝「墓地にレベルが違うシンクロモンスターが2体必要だけど、蘇生すれば爪のアタッカーになるな」

ホワイト「キャッ!」

遊輝「次回はジャックと遊星のデュエルをハイライトで。【フォーチュン・カップ終幕】次回もよろしく〜」


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第17話 フォーチュン・カップ 終幕

今回はデュエルがちょっとしかありませんので、最強カードの紹介はなしです。
それでは、キングがニートになる回をどうぞ!


遊輝 side

 

『えっ・・・・・・・き、決まったーー!ウィナー!!!!不動遊星!!!!キングへの挑戦権を得たのは不動遊星!!!!」

 

《ワアアアァァァァーーーーー!!!》

 

スタジアムに戻り、俺と遊星はそれぞれのDホイールを止める。

負けたか~。何か久しぶりに龍可と龍亞以外の人に負けたな~。この世界来てから龍可と龍亞しかデュエルをしてないからな。成績で言うと、龍可には3勝ぐらいしかしていない。いつもライロで1killとオーバーキルを食らうからな。龍亞には勝ち越しているが、負けたりもする。

 

「良いデュエルだったな」

 

遊星がDホイールから降りて、俺の所に来た。

 

「あぁ、それで身体の方は大丈夫か?」

 

あんなデュエルだったからな。ジャックとのデュエルの前に怪我なんてしゃれにならんよ。

 

「大丈夫だ。遊輝の方こそ大丈夫なのか?」

 

「俺は大丈夫。アキさんと戦った時よりまマシだから」

 

「またデュエルしような」

 

「ああ!」

 

俺と遊星は拳をつく。そして観客席に戻り・・・

 

「皆!早くここから出るんだ!」

 

遊星が龍可たちにスタジアムから出るように言う。

 

「でもあんちゃん、これからキングとのデュエルが・・・」

 

「遊星さんはどうするのですか?」

 

「俺は今からゴドウィンの所に行く。それより皆は早くここから出るんだ!シグナー同士のデュエルは危険なんだ!さっきのデュエルや、遊輝と十六夜のデュエルを見て分かるだろ。ゴドウィンの所に行き、この大会を辞めされるように言う。だから早く出るんだ!」

 

この事を伝え終わった遊星は、観客席を出てゴドウィンのいる部屋に向かう。

 

「面白そうだから、俺もついて行こ~と」

 

「ちょっ!?遊輝!」

 

俺も遊星の後を追って、観客席を出る。だってこの後、SP見たいな人とリアルファイトがあるのでしょ?昨日暴れられなかったから、今日は満足させてもらうよ!

 

「・・・遊輝は行っちまったが、俺たちはここから出ようか」

 

「そうね。ここは遊星さんと遊輝に任せて私たちは帰りましょう」

 

レミたちも観客席を立ち、自分たちの家に帰るため、スタジアムを出た。

 

 

 

 

現在、遊星と一緒にゴドウィンのいる部屋まで走っている。

 

「遊輝、お前の後ろにある袋は何だ?」

 

遊星が俺の背中にかけてある袋について聞いてきた。

 

「あぁ、これのこと?後で分かるよ」

 

まだ教えたくないしな。それに基本、俺はこの袋を常備してるのだ。

 

「お前たち!そんなとこで何をしている!」

 

そんな事を思っていたら、ちょうど目の前にSPみたいな奴が2人もいるではないか!じゃあ、満足・・・・・と、その前に。

 

「遊星、こいつらの相手、俺がしていいか?」

 

「構わないがいけるのか?」

 

「だいじょ~ぶ。あんな奴ら数秒で片付ける」

 

よし!遊星にも許可を貰った!さあ、満足させてもらおうか!

 

「この先は立ち入り禁止だぞ!」

 

2人のSPが構える。俺は袋に入れてあった竹刀を2本取り出し、左右の手に持ってSPに突っ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

満足できなかった。こいつら弱すぎだろ。

どんな感じかと言うと、まず1人が殴りかかったので、右の竹刀で受け止めて左の竹刀をカウンター気味に胴に入れたら直ぐにダウン。もう1人が飛び込んで殴ろうとしたので、防御に使った右の竹刀を足に入れた。痛みで怯んでいる隙に、とどめでクロスで頭に入れた。

わすか5秒ちょっとだ。もっと暴れたかったな~。不完全燃焼だよ。治安維持局ももっと強いSPを雇わないと役立たずだぞ。

あと、読者の皆には初めて言うけど、俺は二刀流だ。剣道の稽古の合間に遊び半分で二刀流でやったらバッタバッタと倒せたから二刀流にしたんだ。

 

「・・・・お前、本当に12歳なのか?」

 

失礼だよ遊星!俺はれっきとした12歳だよ!いやっ、17歳か・・・・

この世界の生活に慣れてしまったから、自分の実年齢を忘れかけたよ。慣れって怖いね。

 

「一応この世界だと12歳。そんな事より早くゴドウィンの所に行こう」

 

「そうだな」

 

遊星が先に走り、竹刀を片付け終わった俺も後をついて行く。

そして、ゴドウィンのいる部屋に入り・・・

 

「その前にこの男を出そうか」

 

遊星の言葉にゴドウィンが頷き、牛尾が部屋から強制退場をさせられる。今、ここまできた。

 

「ゴドウィン!お前の目的は何だ!それにこの事にラリー達は関係ないだろ!」

 

「俺が答える。遊星、こいつらの目的はこれだ!」

 

無言のゴドウィンに代わり、ジャックが自分の痣を見せながら言った。

この後は原作通り、遊星とジャックの過去の話を聞いた。

そして、ジャックが「ラリー達を解放しろ!」と言った時・・・

 

「良いでしょう。ただし条件が2つあります」

 

あれっ?2つ?条件って遊星とジャックのデュエルだけじゃないの?

 

「1つはこの後のキングとのデュエルをすること。もう1つは遊輝さん、あなたについてです」

 

ゴドウィンが俺の方を見る。

俺?なんかしたっけ?もしかして、SPを襲ったのがもうバレたの?

 

「何故遊輝に聞く。遊輝はこの事に関係していないだろ」

 

「私には大いに関係しているのです。遊輝さん、あなたの痣についてね」

 

痣?あぁシークレットシグナーの事か・・・・

 

「(ダイヤ、こいつにシークレットシグナーについて話しても良いのか?)」

 

『(大丈夫でしょうが、余り情報を渡さない方が無難でしょう)』

 

「(OK、余り言わなければ良いのね)良いですが余り情報を知りませんよ」

 

「それでも構いません。その痣の事を言ってくれば良いですから」

 

よし、どこまで話そうかな?・・・て言うかあまり情報がないじゃん。

 

「俺の痣は太陽の痣です」

 

「太陽?聞いた事がありませんね」

 

「そりゃそうです。この痣は赤き龍と共に戦った秘密の痣、シークレットシグナーですからね」

 

「シークレットシグナー・・・・それが貴方の痣ですか」

 

「えぇ、俺が知っているのはそれだけです」

 

「・・・・分かりました。あとはこちらが調べます。ご協力ありがとうございます」

 

ふぅー、何とかなったな。もうちょっと聞いてくると思っていたけどあれ以上追求されなくて良かった。

 

「じゃあ、もう用がないしここから出るか」

 

「遊輝、お前も早くスタジアムから出ろよ」

 

「それはいけませんね。遊輝さんもスタジアムに残ってもらいます」

 

部屋から出ようとしたら、横からさっきとは別のSPが俺の前に立ちふさがった。

う~ん、また暴れたいけどさすがに長官の前じゃちょっと不味いか。それに遊星とジャックのデュエルは見たいし。

 

「わかったわかった。残ればいいんだろ?」

 

「遊輝!」

 

「遊星、気持ちは分かるけど下手な行動をしたらラリー達にまた何かあるから、おとなしく従う方が良いよ。じゃあ先に観客席に戻るね」

 

目の前のSPがどいて俺は部屋から出る。遊星もゴドウィンに何か言って部屋を出た。

 

 

ー(観客席)ー

 

 

「あれっ?皆先に帰ってなかったの?」

 

観客席に戻ると龍可たちが座っていたので、俺は理由を聞いた。まあ、原作を見たから理由分かるけど、

 

「スタジアムを出ようとしたら、イェーガーって言う人に止められちゃった・・・」

 

「何か私たちが残らないといけない理由があるのかしら?」

 

「俺は遊星とキングのデュエルが観れるから全然OKだけどね!」

 

龍亞は呑気だな~。あっ、俺も人の事言えないか。

 

 

 

そして始まる遊星とジャックのデュエル。お互いのエースモンスターを出した時・・・

 

「見て!赤き龍が!」

 

レミが指を指す方を見ると、赤き龍がまた雄叫びをあげて現れ、それと同時に皆の痣が光りだした。

何でだよ?あのビションは俺と遊星のデュエルで見たじゃん。

俺たちは再び赤き龍によって、スタジアムからあのコースに行く。そしてまたあのビションがシグナー全員の前で出る。

 

「・・・・ねぇ、本当にこんな事が起きてしまうの?」

 

龍可が不安そうに聞いてきた。龍可の表情はとても暗い。

 

「大丈夫だよ。まだ決まってないし」

 

「そうだよ!こんなの俺が止めてみせるよ!」

 

「今の龍亞の発言は行き過ぎだな。まあこんな事が起こるなら止めないとな」

 

「でも・・・・」

 

龍可が悪い方ばかりを考えている。

・・・これはちょっと不味いな。

 

「なあ龍可、明日何が起きるか予想出来るか?」

 

「・・・・・・分からないわ」

 

龍可が少し考えて返事を返す。龍亞やレミも俺を見ている。

 

「そうだろ。明日の事が分からないのに、この先の未来の事なんて分かるか?未来ってのはな決められた物じゃないんだ!俺たち自身が切り開く物なんだ!たとえこれが未来だとしても俺たちが塗り替えればいいんだよ!」

 

・・・・だいぶ熱くなってしまったけど大丈夫かな?こういうのは遊星が言うべき所なんだけど・・・・

 

「・・・そうだよね。未来なんて決まってないわね」

 

「俺たちが切り開けばいいんだよ!」

 

・・・龍可が元気になったしいっか。さて、デュエルは・・・

 

「SPーファイナル・アタック!SPCが8つ以上ある時、自分のモンスターの攻撃力を倍にする!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→5000

 

「攻撃力・・・5000だと!?」

 

「バトル!スターダスト・ドラゴンでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!シューティングソニック!」

 

スターダストの攻撃がレッド・デーモンズに炸裂する。

 

スターダスト・ドラゴン 攻5000

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3800 (ハイパー・シンクロン 効果)

 

ジャック LP 800→0

 

WIN 遊星 LOS ジャック

 

 

デュエルが終わり、スタジアムに戻るとジャックのDホイールが転倒する。遊星はジャックの所に行く。

観客やMCは何が起きたのかまだ分からないみたいだ。

 

「一体・・・・」

 

「何が起きたのじゃ・・・・」

 

氷室さんと矢薙の爺さんも分からないのか・・・・

 

「このデュエル・・・」

 

「遊星さんが・・・・」

 

「遊星が・・・・遊星がキングに勝ったーーーーーー!!!!!」

 

『ええええぇぇぇぇーーーーーー!!!!!????』

 

『つ、ついに決着ーーー!!!!ウィナー!!!!不動遊星!!!!!キング、ジャック・アトラスの無敗神話は止まり、ここに新たなキングが誕生した!!!!!サテライト出身のニューキング!!!!不動遊星!!!!!』




龍亞「遊星!!おめでとう!!」

遊星「ありがとう」

遊輝「いや〜・・・ジャックとのデュエルは実物だったよ」

龍可「そうね。でも、あのビジョンは・・・・・」

遊輝「だから、まだ決まった訳じゃないだろ?変えたらいいんだよ」

龍亞「次回はシークレット・シグナーのことを聞いてアルカディア・ムーブメントに行くよ!」

遊星「【秘密の能力 突入!アルカディア・ムーブメント】」

龍可「次回もよろしくお願いします」


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第18話 秘密の能力 突入!アルカディア・ムーブメント

今回もデュエルがありません。
それでは、どうぞ!



遊輝 side

 

現在、氷室さんと龍亞・矢薙の爺さんと一緒に全力疾走で遊星の所に向かっている。理由?アニメを見た人なら分かるだろう。あれが来るのだ。

 

「遊星!」

 

あっ、氷室さんが遊星の所に着いたみたいだ。

 

「氷室。それに皆、どうしたんだ?」

 

「どうしたもこうしたも早くここから出よう!」

 

遊星が「はっ?」って言ってポカーンとしている。

 

「あんちゃん早くしないと!」

 

「一体何があったんだ?」

 

「あれを見て!」

 

龍亞が指す方に遊星は目を向ける。そこには100人近くの報道陣が迫って来てる。あんなのに囲まれたらいつ外に出れるかわからないからな。

 

「急げ!俺について来い!」

 

氷室さんが遊星のDホイールを押しながら走る。俺たちも氷室さんのあとを追いかける。

 

 

ー(スタジアム 地下通路)ー

 

 

なんとか報道陣から逃げて、皆で今回の事を話しながら歩いている。

 

「それにしてもあんちゃんすげぇな!ほんとにキングに勝ってしまうから!」

 

「遊星なら必ず勝つって信じてたよ!」

 

龍亞が俺のDホイールを押しながら言うとレミが頷いた。レミも俺のDホイールを押している。何で自分で押さないかって?それはだな・・・

 

「遊輝、大丈夫?疲れない?」

 

「大丈夫、大丈夫。心配しなくてもいけるよ」

 

龍可をおんぶしているからだ。

普段、身体を鍛えているからおんぶくらいなら平気だけど、両手を塞いでいるからDホイールを押せない。だから、龍亞とレミに頼んで俺のDホイールを押してもらっている訳だ。

 

「(・・・遊輝、本当に何も思ってないね)」

 

「(ある意味凄いけど。俺なら絶対顔を赤くするよ)」

 

・・・何かまた2人でコソコソと話しているよ。一体何の話題でそんなにも話すんだ?

 

「・・・・・遊星、デュエル中に見たあのビジョン・・・」

 

また龍可がビジョンについて話そうとする。

 

「言っただろ。未来なんて分からないって」

 

「だが、あれが本当にサテライトの未来なら俺は止めてみせる」

 

「・・・そうだよね。それにシグナーについて詳しく聞かないと」

 

「じゃしゃ~ん!そう言う事ならワシに任せてくれ!その前にワシの数々の・・・・・」

 

矢薙の爺さんが自慢話をしようとした時、

 

『マスター、レミさん、ちょっとよろしいですか?』

 

精霊状態のダイヤが俺とレミの前に現れた。

 

「どうしたの?」

 

『あの後、シークレットシグナーについて詳しい事が解りました』

 

「本当か!?」

 

シークレットシグナーについては、まだよく分からないからダイヤに調べてもらったけどそれが当たったな。しかし、こんな状態じゃ聞けないしな・・・

 

「う~ん、今は俺もレミも話を聞ける状態じゃないから、雑賀さんの隠れ家で話してくれる?」

 

『わかりました』

 

ダイヤが消えていく。

そして、矢薙の爺さんの自慢話を適当に流しながら、雑賀さんの隠れ家に向かった。

 

 

ー(雑賀の隠れ家)ー

 

 

現在、雑賀さんの隠れ家で矢薙の爺さんが赤き龍の絵を描いている。

 

「うろ覚えだが、こんな感じじゃ」

 

矢薙の爺さんが描いた赤き龍は龍亞の痣が加わったが、原作と同じ。

 

「この尻尾が・・・・」

 

「遊星?」

 

遊星が右腕の袖をめくると、赤き龍と同じ尻尾があった。

 

「これが・・・・」

 

「龍可お前の・・」

 

龍亞に言われて、龍可は自分の服をめくる。

 

「龍可は・・・・・この手の部分だね」

 

「龍亞は?」

 

今度は龍亞が右腕の袖をめくる。

「龍亞君は・・・・心臓だね」

 

「でも・・・・どうして」

 

「わしの聞いた話だと、赤き龍が5000年前に邪神との戦いの後、竜の頭・翼・手・足・尻尾・心臓に別れて封印されたと言うことじゃ」

 

「待てよ。今分かっているのは遊星、ジャック、龍可と龍亞、そして十六夜、さらにシークレットシグナーの遊輝とレミ。だけどあの場で赤き龍が現れたと言う事は・・」

 

「何処かに6人目がいたのかもしれんな・・」

 

矢薙の爺さんが呟く。

確かこの時のドラゴン・ヘッドは・・・誰だったかな?原作見たのずっと前だっただからな〜。そんな事思っていたら龍可がヨロヨロして倒れる。

 

「龍可ちゃん。大丈夫?」

 

「大丈夫。ちょっと疲れただけだから」

 

「無理もない。この2日間色んな事があったからな。今日はもう休もう」

 

レミが龍可を支えてソファに運び、龍可は横になる。龍亞や氷室の爺さんも寝てしまった。さてと、

 

「じゃあ、次は俺たちだな」

 

『はい、まず昨日も言いましたが、シークレットシグナーには特別な力があると言いましたね』

 

「あぁ、俺は太陽の力」

 

「私は羽だから風の力ね」

 

『その力の事で1つ分かった事があります』

 

「何?」

 

『シークレットシグナーの力は精霊世界にあるエンディミオンに封印されているのです』

 

「エンディミオン?それって魔法都市の?」

 

『そうです。そしてその力を得る為の試練と言うものがありまして・・・・・』

 

・・・うん、なんとなく察知したわ。

 

「俺たちシークレットシグナーはその試練を受けなければならないと」

 

「そしてその試練に受かって始めて力を得るのね?」

 

『その通りです』

 

やっぱり・・・なんかそんな感じだと思ったよ。

 

「それで試練の時に私たちは何をすればいいの?」

 

『デュエルで勝てば良いのです』

 

これまた単純な思考・・・他にないのかよ。デュエル社会って本当にデュエルで解決するよな。

 

「それでさ、シークレットシグナーの力ってどんなの?」

 

『そのままの通りです。マスターが太陽を操る力、レミさんが風を操る力です』

 

「いやっ、だからその・・・太陽を操るってどう言う事?レミの風を操るはなんとなく分かるけどさ」

 

『それは試練に受かってからで』

 

「なんだよそれ・・・・」

 

『今回分かった事はこれだけですが』

 

「十分だよ。ありがとう」

 

俺はダイヤにお礼を言ってダイヤは精霊世界に戻った。じゃあそろそろ寝ようかな?

 

「遊輝・・・ちょっと」

 

「ん?どしたの?」

 

「気になっていたんだけど・・・何で右腕を伸ばさないの?観客席の時からずっと曲げているでしょ?」

 

レミが俺の右腕を指す。

そう言われたら・・・俺は右腕を伸ばそうと試みる。だけど腕は伸びず痛みが走る。・・・・うん、これはあれだな

 

「俗にいう、骨が折れたってやつ」

 

「骨が折れた!?何で気づかないの!?」

 

「嘘っ!?折れた!?いつ折れたの!?」

 

「んなもん分かる訳ねぇだろ!さっきレミに言われて始めて気づいたわ!あと龍可、寝ていたんじゃないの?」

 

俺が応えると2人とも息をつく。

骨折なんて全く気づかないよ。前世で暴れていた時にたまに折れたから痛みが全くわからないよ。年・・・・・2、3回は折れてたな。

しかし本当にいつ折れたのかな?何の違和感もなかったけどな・・・まず折れるような出来事なんかあったかな。あるとすれば・・・・・アキさんとデュエルした時かな?遊星のデュエルで折れるなんて事はないし・・・

 

「・・・・・まだ横になっただけだよ」

 

「ハァ〜。貴方そのうち龍亞君に化け物って言われても言い返されなくなるよ」

 

その時はその時だ。まず第一、何でレミは龍亞が化け物って言っているのを知っているの?

 

「まずは右腕を固定しないとね」

 

「大丈夫だよ。こんなの一晩寝たら治るよ」

 

「どこからそんな考えが出てくるのよ・・・・早く固定しましょう」

 

「だから一晩寝たらn「「いいから固定する!!」」・・・・・はい・・・・」

 

何でだよ!骨が折れただけだよ⁉一晩寝たら治る怪我だよ!

龍可とレミの手によって右腕に包帯が巻かれ、固定される。これ嫌なんだよね〜。首の動く範囲が限られてくるし、走れないから。

 

「これで大丈夫!」

 

「しばらくはこのままでいてね」

 

「だから〜骨折なんて「「何か言いたい事でも??」」・・・・いえ、何もありません・・・しばらくこのままでいます・・・・・」

 

治るって言いかけたら、物凄い目で睨んでくるんだけど・・・・女ってこういう時恐いな・・・

そのまま俺は椅子に座って静かに眠り始める。

 

 

〜次の日〜

 

 

「ねえ遊輝!起きてよ!」

 

龍亞が座って寝ていた俺を呼び、その声に反応して俺は起きる。

 

「ふわぁ〜〜、どしたの?こんな朝早くから?」

 

「遊星がいないんだよ!」

 

ああ〜そっか。この時にダークシグナーと戦うんだったな。見たかったな〜。

 

「大丈夫だよ。遊星なら帰ってくるよ」

 

「そうだよ。今はこれからの事を考えるましょう」

 

「・・・・・そうだね。遊星は強いもんね。ところで何で包帯を巻いているの?」

 

「骨折していたのよ。本人は全く気づいてなかったのよ」

 

「もう一晩たったら治っt「「そのままにしておく(の)!!」」・・・・・・・・はい・・・・」

 

治っているって言おうとしたら怒られるよ・・・・もう治っているのに・・・・

 

「(遊輝が龍可とレミさんにタジタジだよ・・・・(汗))」

 

その後、帰ってきた遊星とこれからの事を話し合っている時に、セキュリティーがやってきて、遊星がついていった。

俺たちはとりあえず自分たちの家に戻ろうという事になって解散した

 

 

〜数日後〜

 

 

あれから3日後、「まだ身体を動かさない」というのを条件にやっと包帯を外す事ができたよ。もう治っているって言っても、「まだダメ!」って龍可に散々言われてきたからな。

と、こんな無駄話は置いといて今は・・・・

 

「・・・・成る程、そんな事があったとは」

 

「そうなんだよ!それで、アキ姉ちゃんの力を貸して欲しいな〜と思って」

 

現在アルカディア・ムーブメントにいます。理由は龍亞が「アキ姉ちゃんの力を借りよう」と言った為。

龍可は反対したけど、結局他の案が思いつかないので、アルカディア・ムーブメントに行く事になったという訳。レミは親の反対で来ていない。それで今は、龍亞がディヴァインに頼んでいるところ。

 

「・・・・分かりました。協力しましょう」

 

「ほんとに!?」

 

ディヴァインの答えに龍亞が驚いた。龍亞だけではない。龍可や一緒に来た氷室さんと矢薙の爺さんも驚いている。

 

「我らアルカディア・ムーブメントは、純粋に【サイコ・デュエリスト】について研究しているだけで、最近妙な噂が広がってましてね。そう言う事でしたら、アキのため、あなたがたのために協力しましょう!・・・・そうだ。今からアキを呼んで来ます」

 

ディヴァインがアキさんを呼ぶ為と部屋を出た。でもこの後に催眠ガスが充満するんだよね〜。まあ、対策はしっかりしてますけど

 

「ねぇ!うまくいったでしょ!」

「まさか、こんな簡単に行くとは・・・・」

 

「でも、何か怪しいな・・・」

 

「そんな事より早く料理がこないかな〜」

 

龍亞がアキさんじゃなくて料理の事をいった瞬間、部屋にガスが充満した。俺はとっさに龍可と龍亞を引っ張り、下に出来た魔法陣に入れる。氷室さんと矢薙の爺さんは煙を吸ってしまい倒れてしまった。

ある程度ガスが充満した所で、マスクを付けたディヴァインと部下が部屋に入ってきた。

 

「!?何故貴様らは催眠ガスで眠っていない!」

 

「さあね?何でだろう?自分で考えてみたら?」

 

「「((ダイヤとパールだね))」」

 

ダイヤとパールにあらかじめ俺の下に特殊な魔法陣を作って貰ったから、催眠ガスでも平気でいられんたんだ。龍可と龍亞近くにいたから無理矢理引っ張って魔法陣の中に入れたけど、氷室さんと矢薙の爺さんは反対側にいたから間にわなかったよ。

 

「まあいい。所詮子供3人、力ずくでやればいい!お前たち、行け!」

 

ディヴァインの合図で後ろにいた4人の部下が突進してきた。

今回は4人か!前回より満足出来そうだ!

俺は背中に隠してあった袋を取り出し、両手に竹刀を持って4人に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・今回も満足出来なかった・・・・

こいつら、俺を殴る事しか頭にないから防御がなってない。

1人1人のジャブをかわして、胴と頭に一発ずつ入れて直ぐにダウン。もうちょっと手応えのある相手がいないかな〜

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

・・・・なんか物凄い殺気を背中から感じるんだけど・・・・・・・

後ろを振り向くと、物凄くいい笑顔の龍可がニコニコしながら俺を見ている。でも目が笑っていない・・・・

 

「・・・・・まだ身体を動かさないって約束したよね?♪(ニコッ)」

 

「(怖い!物凄く怖い!こんな龍可今まで見た事がない!)」

 

これ俺の命がやばくないか!?フランクが怒らせた時より怒っているよ!なんか背中にオシリスが見えているし!

 

「い、いやっ・・・・・・・・こ、今回は、仕方ないだろ・・・・・・・・俺がやらなかったら、捕まっていたしさ・・・・」

 

「じゃあ、何で竹刀を隠し持っていたの?♪(ニコッ)」

 

「えっ、・・・・・・・・い、いやっ・・・・・・・・それはその・・・・・・・」

 

やばい!何かこの状況を脱するものは!

 

「・・・・・・・・・・帰ったらお話ね♪(ニコッ)」

 

「・・・・・・・・・・・・・・はい・・・・・・・・」

 

何か言い訳を考えないと、2回目のあの世行きだよ・・・・

 

「あいつらを倒しただと!?」

 

何で今驚くんだよ!もっと前に驚けよ!それにこっちは今後の人生が左右されるんだよ!あんたの茶番なんか付き合ってられるか!

 

「こうなったらこいつで・・・・」

 

ディヴァインがデュエルデスクを構える。デュエルで決めようって言うのか・・・・やってやろうじゃん!

俺はデュエルデスクを付けて前に出る。

 

「待って遊輝!このデュエル、俺が受ける!」

 

龍亞が俺の前に出てきた。俺の代わりにデュエルをするのか・・・・けどな〜。

 

「良いのか?あいつはサイコ・デュエリスト。俺がアキさんとデュエルした時、いやっ、それ以上の衝撃がくるぞ」

 

「それでも俺がする。俺のせいで皆に迷惑をかけちゃったんだ。それに・・・・」

 

龍亞が指を指す。そこにはこれまたいい笑顔でいる龍可が・・・・

 

「遊輝がデュエルをしたら、また龍可が怒るよ」

 

「うっ・・・・・・・・」

 

それを聞いて言葉を濁らせてしまう。

確かにそうだな。俺はデュエルも止められていたな。こんな事で死んだらせっかくの第2の人生が無駄になっちまうよ。

 

「しょうがねぇ。お前に託すよ。頑張れよ!」

 

「ああ!」

 

デュエルデスクを片付け、龍亞が代わりにディヴァインに対峙する。

 

「貴様が相手か!良いだろう!勝つのは私だからな!」

 

「そんな事ないさ!遊輝に貰ったカードであんたを倒す!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」




レミ「・・・・あんた、本当に骨折してることに気づかなかったの?」

遊輝「だ・か・ら!!!言われて始めて気づいたって何度も言ってるでしょうが!!」

レミ「普通、骨折なんてしてたらオンブなんて出来ないよ?」

遊輝「実際問題、行けてたけど」

レミ「ただの屁理屈よ・・・・・(汗)」

遊輝「屁理屈か?まともな理論だと「それを屁理屈って言うのよ!」・・・・・・」

レミ「次回は龍亞君がディヴァインって奴とデュエルね」

遊輝「【龍亞VSディヴァイン 輝け!ライフ・ストリーム・ドラゴン!】次回もよろしく!」


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第19話龍亞VSディヴァイン輝けライフ・ストリーム・ドラゴン!

最強カードの紹介!今回は!

パール「皆久しぶり!パールだよ♪」

主人公遊輝のデュエルがフォーチュン・カップ以降無いので、かなり暇を持て余しているパールだ!

パール「変な紹介をしないでよ!」

事実だろうが。というか、単純に使いずらい

パール「こらああ!!!」

それじゃ最強カードの紹介に行こう!」

パール「もう・・・・・今回はライフ・ストリーム・ドラゴン!龍亞くんのシグナーの龍ね」

シンクロ召喚に成功した時、自分のライフを4000まで回復できるよ。

パール「さらにこのカードがフィールドにいるだけで、自分への効果ダメージを無効にするよ!」

そして、墓地の装備魔法1枚を除外する事で、破壊からまぬがれる!

パール「第19話、デュエルスタート!」


龍亞 side

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

ディヴァイン LP 4000 龍亞 LP 4000

 

遊輝に代わって、俺がデュエルをする。俺が皆に迷惑をかけちゃったからな。絶対に勝ってみせる!

 

「私のターン、ドロー」

 

ディヴァイン 手札 6枚

 

「私はクレボンスを召喚してターンエンド」

 

 

ディヴァイン 手札 5枚 LP4000

【モンスターゾーン】

クレボンス 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

あれっ?伏せカードなし?まあいっか。

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 6枚

 

確かあのモンスターは自分のLPを払う事で攻撃を無効に出来たはず・・・・なら少しでも削らないと!

 

「D・ステープランを召喚!チャッキーン!」

 

D・ステープラン 攻1400

 

「バトル!ステープランでクレボンスを攻撃!」

 

ステープランがクレボンスに突っ込む。

 

「無駄だ!クレボンスが攻撃対象になった時、ライフを800払う事でその攻撃を無効にする!」

 

ディヴァイン LP 4000→3200

 

ディヴァインのライフが減り、クレボンスの前にバリアが貼られてステープランの攻撃を弾く。

これでいいんだ。あいつのライフを減らせるからな。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

D・ステープラン 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

ディヴァイン 手札 6枚

 

「メンタルプロテクターを召喚」

 

メンタルプロテクター 攻0

 

「Lv3のメンタルプロテクターにLv2のクレボンスをチューニング!」

 

☆3 + ☆2 = ☆5

 

「心の深淵に燃え上がる我が憎しみの炎よ。黒き怒濤となりてこの世界を蹂躙せよ!シンクロ召喚!現れろ!マジカル・アンドロイド!」

 

マジカル・アンドロイド 攻2400

 

光の中から杖を持った神官みたいな女性が現れた。

 

「バトル!マジカル・アンドロイドでD・ステープランを攻撃!」

 

マジカル・アンドロイドが杖に魔力を貯めてステープランに撃った。

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!マジカル・アンドロイドの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

ステープランの前に渦が現れて、マジカル・アンドロイドの攻撃を全て吸い込んだ。

 

「ちっ・・・まあいい。ターンエンド。エンドフェイズ時、マジカル・アンドロイドの効果で私はライフを600回復する」

 

 

ディヴァイン 手札 5枚 LP 3200→3800

【モンスターゾーン】

マジカル・アンドロイド 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

さっきから伏せカードが無いけど、もしかして手札事故?だったらチャンスだ!

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 4枚

 

・・・これは遊輝に貰ったカードの1枚!けどこのターンは無理だな。次のターンで決まるな。

 

「チューナーモンスター、D・スコープン召喚!ドカーン!」

 

D・スコープン 攻800

 

ステープランの隣に顕微鏡のようなモンスターが現れて、ロボットのように変形していく。

 

「Lv4のステープランにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

光の中からパワー・ツール・ドラゴンが武器を装着して出てきた。やっぱりパワー・ツールはかっこいいな!

 

「パワー・ツールの効果発動!1ターンに1度、デッキから装備魔法をランダムに1枚手札に加える!パワー・サーチ!」

 

デッキがシャッフルされ1枚のカードが飛び出す。そのカードを手に取り、直ぐに発動する。

 

「手札に加えたダブル・ツールD&Cをパワー・ツールに装備!俺のターンの間、攻撃力を1000ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→3300

 

パワー・ツールの武器が赤いカッターと緑のドリルに変わる。

 

「バトル!パワー・ツールでマジカル・アンドロイドに攻撃!クラフティ・ブレイク!」

 

パワー・ツールが突進してマジカル・アンドロイドをカッターで斬りつける。

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻3300

マジカル・アンドロイド 攻2400

 

ディヴァイン LP 3800→2900

 

フィールドで見ると俺の方が有利だけど油断は出来ない。あいつの手札は次のドローで6枚になる。いつ動いていくるか分からないから注意しないと。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズになったから、ダブル・ツールD&Cの効果でパワー・ツールの攻撃力は元に戻る」

 

 

龍亞 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻3300→2300

【魔法・罠ゾーン】

ダブルツールD&C 《パワー・ツール》

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

ディヴァイン 手札 6枚

 

「子供だと思って少し手加減してやったが・・・・・・・私にダメージを与えるとは許さんぞ!」

 

「(!く、来る!)」

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地のマジカル・アンドロイドを特殊召喚する!」

 

マジカル・アンドロイド 攻2300

 

「速攻魔法、緊急テレポート!デッキか手札からLv3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚する!Lv3のサイコ・コマンダーを特殊召喚!」

サイコ・コマンダー 攻1400

 

「Lv5のマジカル・アンドロイドにLv3のサイコ・コマンダーをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「逆巻け!我が復讐の黒煙!シンクロ召喚!来い!メンタルスフィア・デーモン!」

 

メンタルスフィア・デーモン 攻2700

 

「(メンタルスフィア・デーモン!?でも攻撃力はまだパワー・ツールが)」

 

「そして魔法カード、ミラクルシンクロフュージョン!」

 

「ミラクルシンクロフュージョン!?」

 

ま、不味い!不味いよ!サイキック族のデッキでミラクル・シンクロフージョンってあの厄介なモンスターしかないじゃん!

 

「墓地のマジカル・アンドロイドとサイコ・コマンダーを除外して、アルティメットサイキッカーを融合召喚!」

 

アルティメットサイキッカー 攻2900

 

マジカル・アンドロイドとサイコ・コマンダーがディヴァインの後ろにできた渦に吸い込まられ、代わりにメンタルスフィア・デーモンよりさらに巨体なモンスターが現れた。

どうしよう・・・・メンタルスフィアだけならいけたけど、あいつを破壊するのはなかなか難しいぞ・・・・

 

「さらにサイコ・ウォールドを通常召喚!」

 

サイコ・ウォールド 攻1900

 

「サイコ・ウォールドの効果!LPを800払い、フィールドのサイキック族モンスター1体を選択して、このターンそのモンスターは2回攻撃できる!私はこの効果を2回使ってアルティメットサイキッカーとメンタルスフィア・デーモンを選択する!」

 

ディヴァイン LP 2900→2100→1300

 

不味い!全ての攻撃が決まれば俺の負けだ!

 

「バトル!アルティメットサイキッカーでパワー・ツール・ドラゴンに攻撃!超念力〜アルティメットサイコ〜!」

 

「パワー・ツールの効果!装備されているダブル・ツールD&Cを墓地に送り、この戦闘では破壊されない!」

 

「だがダメージは受けてもらう!」

 

アルティメットサイキッカー 攻2900

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

龍亞 LP 4000→3400

 

「うわっ!」

 

アルティメットサイキッカーの攻撃をパワー・ツールが受け止めるけど、衝撃が俺に来て、足を2・3歩引いてしまう。たった600ポイント削られただけでこんなに衝撃が来るなんて・・・

 

「大丈夫か!龍亞!」

 

「だ、大丈夫!それで墓地に送ったダブル・ツールD&Cの効果で装備モンスターと戦闘を行った相手モンスターは破壊されるけど・・・・・・」

 

「その様子だとアルティメットサイキッカーの効果を知っているだな!このカードはカード効果で破壊されない!くたばれ!アルティメットサイキッカーの追撃!超念力、アルティメットサイコ!」

 

再びアルティメットサイキッカーの攻撃がパワー・ツールに来る。今度は耐えられず破壊された。

 

アルティメットサイキッカー 攻2900

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

龍亞 LP 3400→2800

 

「ううう!!!!ぐわっ!」

 

「アルティメットサイキッカーの効果で破壊したパワー・ツール・ドラゴンの攻撃力2300だけ私のライフを回復する」

 

ディヴァイン LP 1300→3600

 

今度は耐えられずに吹き飛ばされ、壁に当たる。痛い・・・だけど!ここで負けるわけにはいかない!

 

「ぐっ、ま、まだまだ!!まだ終わってない!!」

 

「ほぉ〜、だがこの攻撃には耐えられない!今度こそくたばれ!メンタルスフィア・デーモンでダイレクトアタック!スパニカル・サイコ!」

 

どうする・・・・・・あのカードを使えば防げる。だけどモンスターが・・・俺の考えを待たずにメンタルスフィア・デーモンが俺の前に来て、念力で俺を壁まで吹っ飛ばす。

 

龍亞 LP 2800→100

 

「うわああぁぁぁぁ!!!!」

 

「「龍亞!!!」」

 

メンタルスフィア・デーモンの攻撃をまともに食らってしまって壁に激突してしまった。身体中に痛みが走り、意識がもうろうとする。

 

「意識はまだあるのか。まあいい、貴様の敗北は決まりだからな!本当の止めだ!メンタルスフィア・デーモンの追撃!スパニカル・サイコ!」

 

メンタルスフィア・デーモンが俺の前に来る。躊躇している暇はないと、急いでデスクのボタンを押す。

 

「り、リバースカードオープン・・・・罠カード、D・スクランブル!相手モンスター1体のダイレクトアタックを無効にして、手札のDと名のついたモンスター1体を特殊召喚する!頼んだぞ!D・ライトンを守備表示で特殊召喚!」

 

D・ライトン 守200

 

メンタルスフィア・デーモンの前にライトンが出てきて、攻撃が止まる。

 

「何で1回目のダイレクトアタックの時に使わなかったの!?そうすればダメージを受けずにすんだでしょ!!」

 

「何か考えがあるんだろう。あのモンスターを残しておきたい訳が・・・(だが手札はこれで0だ。どうするつもりだ?)」

 

次のターンに何か逆転できるカードを引けばまだ勝機が・・・・

 

「勝機がある。そんな事を考えているのかな?」

 

「あ、当たり前だ!まだ終わってない!次のターンであんたを倒して見せる!」

 

それにもし良いカードが来なくてもまだこの伏せカードで何とかなる!

 

「悪いがこのデュエルは貴様の負けだ」

 

「な、何を言ってる!あんたのバトルフェイズは終了している!もうこれ以上俺にダメージは・・・・」

 

「あるんだ、このカードがね。魔法カード、ファイヤーボール!」

 

「ファイヤーボールだと!?」

 

「そ、そんな・・・・そんな・・・・」

 

「相手に500ポイントのダメージを与える!死ね!」

 

ディヴァインの頭上に大きな火の玉ができて、俺に向かって来る。ファイヤーボールに当たって壁に激突して、意識が消えていく・・・・

龍亞 LP 100→0

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「おい龍亞!しっかりしろ!」

 

壁に激突した龍亞に何度も呼びかけるが、反応しない。龍可も泣きながら叫び続けている。くそっ!負けてしまうとは!俺が行っとけば・・・・

 

「これで1人。お前らもさっさと倒してアルカディア・ムーブメントに入ってもらおうか」

 

「何だと!?」

 

「私たちをアルカディア・ムーブメントに入れるですって!?」

 

「そうだ!お前たち3人はフォーチュン・カップの時にシグナーになった!さらにお前らは精霊世界に行った事も分かっている!こんな奴らを見逃すか!まあそこの少年は既に負けたがな!」

 

「このやろう・・・・!だったら次は「・・・・させない・・・・」!?龍亞!?」

 

龍亞の声が聞こえ、龍亞を見ると、ヨロヨロと立ちデュエルデスクを構えた龍亞の姿が・・・・

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・」

 

「ふん、生きていたとはな。だがデュエルに負けた奴にようはない!!」

 

「ハァ・・・・ラ、ライフを見・・・・ろよ・・・・」

 

「何・・・・・・・!?!?」

 

龍亞 LP 0→100

 

「な、何故だ!?何故ライフが残っている!?」

 

「ラ、ライトンは、ハァ・・・・守備表示の時・・・・ハァ・・・ハァ・・・・プレイヤーのライフが0になった時に縁にあるルーレットが起動する・・・・・・・その光が緑に止まった時、俺のライフを100ポイント回復する・・・・・・!!!」

 

ライトンを見てみると、確かに光が緑の所で止まっている。ヒヤヒヤさせやがって・・・・寿命が縮んだぞ・・・

 

「だ、だから・・・・俺はまだ負けていない!絶対に・・・・遊輝と龍可を・・・・守ってみせる!」

 

龍亞が一歩ずつ歩み、ディヴァインに対峙する。

 

「無茶だ龍亞!俺が代わりにする!」

 

「遊輝は黙って!これは俺とあいつのデュエル!最後まで俺がする!」

 

龍亞が大声で返す。意地でもするみたいだな・・・だけど・・・・

 

「ぐっ!だが私が有利なのは変わらない!速攻魔法、神秘の中華なべ!サイコ・ウォールドをリリースして、その攻撃力分ライフを回復する!」

 

ディヴァイン LP 3600→5500

 

「ターンエンド!さあこの状況をひっくり返してみろ!もっとも、次の私のターンで決着がつくがな!」

 

 

ディヴァイン 手札 0枚 LP 5500

【モンスターゾーン】

アルティメットサイキッカー 攻2900

メンタルスフィア・デーモン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

ちょっとやばいな・・・ディヴァインのライフが5000を超えているし、アルティメットサイキッカーが厄介だ。次の龍亞のドローとあのリバースカードで全てが決まるな。

 

 

遊輝 side out

 

龍亞 side

 

 

俺のフィールドにはライトンとリバースカード2枚がある。あっちは攻撃力が2700と2900のモンスターだけ。

こっちの方が不利になってしまったけど。

 

「(絶対に諦めない!遊輝や遊星みたいに強くなるって決めたんだ!赤き竜!俺に力を貸してくれ!)俺の!!」

 

カードをドローしようとした時、エクストラデッキが光りだした。エクストラデッキを見ると、1枚の白紙のカードが光っている。何だろう?このカード・・・・でも、これだけは分かる!俺の・・・シグナーの龍!

 

「俺のターン!ドロー!シャキーン!」

 

龍亞 手札 1枚

 

このカードの召喚方法は・・・・なるほど、こうすればいいんだな。

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地のパワー・ツール・ドラゴンを特殊召喚!」

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

「パワー・ツールの効果発動!パワー・サーチ!」

 

デッキがランダムにシャッフルされ、1枚のカードが飛び出てそのカードを手札に加える。このカードはあとで使うとして、さあ行くよ・・・・・ライフ・ストリーム・ドラゴン!

 

「Lv7のパワー・ツール・ドラゴンにLv1のライトンをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

ライトンが輪になり、パワー・ツールがその中に入り、上に行く。そして・・・・

 

「見て!赤き竜!」

 

「なっ!?(嘘だろ!?もうあいつが出るの!?)」

 

「世界の未来を守るため勇気と力がレボリューション!シンクロ召喚!進化せよ!ライフ・ストリーム・ドラゴン!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900

 

赤き竜がパワー・ツールを吐き出すと、甲冑が全て壊れて黄色に輝く龍が出てきた。これが俺のシグナーの龍か!かっこいいな!それでこのカードの効果は・・・・

 

「ライフ・ストリーム・ドラゴンの効果!シンクロ召喚に成功した時、ライフが2000未満のプレイヤーのライフを2000にする!」

 

「何だと⁉」

 

龍亞 LP 100→2000

「さらにリバースカードオープン!永続罠、リビングデットの呼び声!墓地から再びパワー・ツールを特殊召喚!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

「もう一度パワー・ツールの効果!パワー・サーチ!」

 

再びデッキがシャッフルされて、カードが1枚飛び出す。

 

「そしてリバースカードオープン!罠カード、バスター・モード!」

 

「バ、バスター・モード!?」

 

「パワー・ツール・ドラゴンをリリースして、デッキからパワー・ツール・ドラゴン/バスターを特殊召喚!」

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻2800

 

パワー・ツールの手に着いてあった武器が外れ、サーベルが代わりに着き背中に大きなブースターが取り着けられた。これが遊輝から貰ったカード。貰う時に「何で俺なんだよ・・・・」って呟いていたのが気になるけど、気にしない。

 

「パワー・ツール/バスターの効果!1ターンに1度、デッキから装備魔法を1枚選択して手札に加える!俺は巨大化を選択してそのまま発動!パワー・ツール/バスターに装備!今の俺のライフはあんたより低いから攻撃力は倍になる!」

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻2800→5600

 

「まだまだ!装備魔法、魔導師の力と団結の力をライフ・ストリーム・ドラゴンに装備!魔導師の力の効果で魔法・罠ゾーンのカードの数×500、団結の力の効果で俺のフィールドのモンスターの数×800アップする!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900→4900→6500

 

「攻撃力5600と6500だと⁉」

 

ディヴァインが攻撃力が上昇したパワー・ツール/バスターとライフ・ストリームに驚く。2体の龍はそんなディヴァインに悠然と構えている。

 

「バトル!パワー・ツール/バスターでメンタルスフィア・デーモンに攻撃!フルメタルクラフティ・ブレイク!」

 

パワー・ツール/バスターがサーベルでメンタルスフィア・デーモンを斬りつける。

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻5600

メンタルスフィア・デーモン 攻2700

 

ディヴァイン LP 5500→2900

 

「これで最後!ライフ・ストリーム・ドラゴンでアルティメットサイキッカーに攻撃!ライフ・イズ・ビューティーホール!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴンが力を貯めて、アルティメットサイキッカーに撃つ。

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻6500

アルティメットサイキッカー 攻2900

 

ディヴァイン LP 2900→0

 

 

WIN 龍亞 LOS ディヴァイン

 

 

 

 

 

「勝ったよ!遊輝!龍可!」

 

「見てたぞ。頑張ったな!」

 

「でもあんなデュエルはしないでね。途中で負けてどうしようと思ったのよ!」

 

「勝ったからいいじゃん!」

 

俺の勝利を遊輝と龍可が讃えてくれる。正直、あの状況だったら負けたと思ったけど・・・・・

 

「くっ、まさか私が負けるとは・・・こうなったら・・・・」

 

ディヴァインがデスクにカードをセットして、ディヴァインの頭上にファイアーボールが現れる。

 

「これでもくらえ!」

 

!?こっちに来る!?あんなの受けたら怪我で済まないよ!

 

「その言葉!そっくりそのままお前に返すぜ!」

 

遊輝が前に出てきて、オーバーヘッド・キックのようにファイアーボールを蹴ってディヴァインに返す。とっさの事でディヴァインは除けられずに気絶してしまう。

・・・・実体化したのファイアーボールで合っているよね?熱くないのかな?

 

「何でだろう?ファイアーボールなのに全然熱くなかったな〜」

 

・・・・・・・やっぱ遊輝は化け物だよ。それにまた動いたから・・・・

 

「また身体を動かしたわね(ニコッ♪)」

 

「(ビクッ!)い、いやっ・・・・・・・だ、だから・・・・その〜〜〜・・・・(汗)」

 

また龍可が怒ったよ。今回は助けてあげるか。

 

「龍可、今回は許してあげようよ。遊輝が止めなかったら今頃俺たち捕まっていたんだよ。それより早くここから出よう」

 

「そ、そうだよ!早くここから出よう!」

 

俺の言葉に直ぐに遊輝が反応して、氷室のおっちゃんと矢薙のおっちゃんを急いで起こし始めた。よっぽど怖かったんだろな〜。それで、2人を起こして出口を探していたら・・・・

 

「ねぇ、あそこにいるのアキさんじゃないかしら?」

 

龍可が指を指す方に向くと、アキ姉ちゃんが誰かと話している。あれっ?あの人って・・・・

 

「あの人・・・・ミスティさんじゃないの?」

 

「言われてみれば・・・・何でアキちゃんとミスティがこんな所に?」

 

「おい!ミスティの右腕を見てみろ!光っているぞ!」

 

氷室のおっちゃんがミスティさんの右腕が光っているのに気づいて皆が注目する。確かに右腕が光っているけど・・・・・・・・何か違うような、赤く光っていなくて、紫で光っている。

 

「(あれはダークシグナーの痣!展開が早過ぎる!)!痣が!」

 

「光りだした!?」

 

俺たちの痣が突然光り始めた。まるで、あの痣に反応するかのように・・・・

 

「ねぇ、この感覚・・・・」

 

「あぁ、間違いない。遊星とダークシグナーがデュエルした時と同じ感覚だ!」

 

「ちょ、ちょっと待てくれよ!て言うことはミスティさんは・・・・」

 

「多分・・・・ダークシグナー!」

 

その直後、大きな地震が起きる。そして俺たちの周りに赤いバリアみたいなのが張った。

「何!?地震!?」

 

「かなり大きかったな。それよりもこれは・・・・」

 

「わからない・・・・でも私たちを守っているみたい・・・・」

 

「おい!あの2人、デュエルをするみたいじゃ!」

 

またアキ姉ちゃんを見ると、デュエルデスクを構えてデッキをセットした。

 

「こんな状況でデュエルなんてしたら危ないよ!」

 

「取り敢えず様子を見よう。やばくなったら、俺が途中で止める」

 

--------------------

No side アルカディア・ムーブメント ディヴァインの部屋

 

 

 

ディヴァインは現在、このビルに侵入したカーリーと2回目のデュエルをしている。1回目で圧勝したので今回も勝てると思っていたが、カーリーは別人のようになり、追い詰められていた。そして、デュエルも終盤になり・・・・・・・・

 

「死になディヴァイン!地縛神Asllapiscu(アスラピスク)の効果!フィールドから離れた時、相手の表側表示のモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの数×800ポイントのダメージを与える!貴方のフィールドにはモンスターが2体。1600ポイントのダメージを受けな!」

 

「う、うわああああぁぁぁぁーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

--------------------

 

 

 

「何だ!今の声は!?」

 

「上を見て!誰かが落ちてくる!」

 

悲鳴が聞こえてきた上を見てたら、誰かが落ちてきているのに気づいた。

 

「あれは・・・・・・ディヴァイン!?」

 

「!?ディヴァインですって!?」

 

今までデュエルをしていたアキ姉ちゃんが龍可の声に反応した。ディヴァインはそのまま落下していく。

 

「ここからでもかなりの高さがあるから、それより高い所から落ちたから・・・・・・」

 

「そんな・・・・ディヴァイン・・・・」

 

「あらっ、もう終わったみたいね。十六夜アキ、この続きはまた後日ね」

 

ミスティさんがデスクを片付けて何処かに行ってしまう。アキ姉ちゃんは柵を乗り越えて下を見ている。

 

「大変だ!建物が崩れてきた!」

 

「は、早く逃げないと!」

 

「アキさん!早く逃げて!」

 

龍可がアキ姉ちゃんに言うけど、アキ姉ちゃんはずっと下を見たままでいる。

 

「駄目だ!ディヴァインが落ちたことにショックを受けている!」

 

「ちくしょう!面倒な事を増やしやがって!」

 

「遊輝!?何処に行くの!?」

 

遊輝がバリアから出て、崩れてくるコンクリートを避けながらアキ姉ちゃんと所に行く。

 

「アキさん!早く逃げましょう!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「ああああもうう!!仕方ない!!」

 

遊輝がアキ姉ちゃんを担いでこっちにくる。その姿を見た途端、龍可がなんか悲しい目になったけど・・・・

 

「アキさんを頼む!」

 

「お前はどうするんだ!」

 

「俺は何とかなるから、アキさんと一緒に早く!」

 

遊輝がアキ姉ちゃんを氷室さんに渡した。その時。

 

「遊輝!上から壁が!逃げて!」

 

龍可が上から落ちてくる壁に気づいて遊輝に逃げるように言ったけど、間に合わず遊輝は落ちてきた壁の下敷きになる。

 

「「遊輝ーーーーー!!!」」




遊輝「あの状況からよく勝てたよな」

龍亞「正直、俺もマグレだと思っている」

龍可「自分で自分の勝利を信じてないってどういうことよ・・・・」

龍亞「だって2人とも、あの状況であのデッキで突破する方法あると思う?」

「「・・・・・・・・・・・・・」」

龍亞「なんで黙るのよ!!」

遊輝「いや、単純にリビングでパワー・ツール呼んで装備魔法適当にサーチして、/バスだして巨大化サーチすれば少なくとも1体は倒せるって・・・」

龍可「返しのターンも/バスなら耐えるだろうし、あの人手札1枚も無かったし・・・・・」

龍亞「・・・・・・・・・・・」

遊輝「・・・・まだまだ勉強しないとダメだな」

龍可「オリカ紹介に行きましょう。今回は改定前に貰ったすぴばるで活動している祝札さんのパワー・ツール・ドラゴン/バスターよ」



パワー・ツール・ドラゴン/バスター ☆9 〈祝札さん投稿〉
地属性 機械族 攻2800 守3000
このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードは通常召喚できない。
②このカードは「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚ができる。
③デッキから装備魔法を1枚手札に加えることができる。
④このカードは装備魔法を装備している時、カード効果では破壊されない。
⑤このカードを対象とするカード効果が発動した時、このカードに装備されている装備カードを1枚墓地に送ることにより、そのカードの発動と効果を無効にして、破壊することができる。
⑥このカードが破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「パワー・ツール・ドラゴン」を特殊召喚できる。



遊輝「バスター・モードからの特殊召喚だから手札に来たら腐ってしまうけど、効果はその分パワー・ツールよりも2段階、3段階アップしたぜ」

龍亞「デッキから好きな装備魔法を持ってこれる!これが便利!!」

遊輝「『アームズ・ホールの方が強いじゃん!』とかいう野蛮なツッコミは無しでね」

龍可「あとは破壊耐性がさらに強化。装備魔法を装備しているだけで破壊されず、対象になったら装備魔法を墓地に送って免れる」

龍亞「強制脱出装置など対象を取るバウンス・除外でも耐えることが出来るぞ!」

遊輝「次回はダーク・シグナーとの戦い前の準備。俺とレミのシークレットシグナー組は精霊世界に行くぞ」

龍可「【決戦の準備】次回もよろしくお願いします」


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第20話 決戦の準備

今回は最強カードの紹介がありません。話すこともないのでこのまま話へと行きましょう。


遊輝 side

 

・・・・・・・・・・ここは・・・・何処だ?なんかどこかの家のベッドの上にいるな・・・・

 

『気がつきましたか?』

 

目を開けて、真っ先に見えたのが横で座っている擬人化したプラチナだった。プラチナが擬人化しているっていう事は・・・・

 

「ここは精霊世界?」

 

『はい、私たちの家にいます』

 

「やっぱりそうか・・・えっと、あの後どうなったの?」

 

『主はアキさんを助け、氷室さん達に託しましたが上からがれきが落ちて、マスターはその下敷きになりました』

 

「・・・それって大丈夫なの?」

 

『幸運な事に、ジャックという人が主を直ぐに助けましたから命に別状はありませんが、頭に当たってしまったので現実世界では今だに意識を失った状態です』

 

「そうか・・・・皆に迷惑を掛けちゃったな・・・・それで何で俺は精霊世界で目覚めたの?」

 

『ダイヤが主に話したい事があるみたいですので、マスターの精神だけをこちらの世界に送りました』

 

「・・・・・・・精神って送るものなの?」

 

『あまり深く考えない方が良いですよ』

 

そうですか・・・・取り敢えずベッドから出てダイヤに会わないと。

俺はベッドから出ようとする。けど、プラチナに止められた。

 

「?どうしたんだ?」

 

『無茶はされない方が良いです。がれきが落ちてきた時に左足の骨が折れましたよ』

 

「えっ、マジ?でもあれは現実世界の話でしょ?」

 

『精神を送ったと言っても現実世界と精霊世界の違いはありません。唯一違う事は、この世界でのデュエルは現実にダメージを受ける事です』

 

へぇ〜、そうなんだ。ちなみに左足は・・・・うん、動かないね。これじゃ止められてもしょうがないな。

どうしよう・・・・・・・・また龍可に怒られるよ・・・・

 

『あっ、マスター♪』

 

『ようやく気がつきましたか』

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

扉が開いて、パールとダイヤ、ブラックとホワイトが部屋に入ってきた。ブラックとホワイトは俺を見た瞬間に胸に向かってダイブしてきたので、倒れながら受け止めた。・・・・・うん?ようやく?

 

「ダイヤ、俺ってどのくらい寝ていたの?」

 

『現実世界での時間で2日間です』

 

「・・・・・・・マジかよ」

 

完全に俺の命がやばいよ・・・俺、天国に行けるかな?

 

『マスター、そろそろ話してもいいですか?』

 

「あ、あぁ、そういえばそうだったな。いいよ」

 

『シークレットシグナーの試練の時期が近づいてきました』

 

「・・・・・・・俺は今日何回マジを言えばいいの?」

 

何でこんな大事な時に試練なんか受けなければいけないんだよ・・・・

 

『一度レミさんにも伝えなければならないので、このまま現実世界に戻りましょう』

 

「俺だけこの世界に残るという案は?」

 

『ありません。男でしょ?覚悟を決めてください』

 

「それって言い換えれば、死ぬ覚悟をしてくださいって事だよね?」

 

『じゃあ戻るよ〜』

 

俺の言葉を聞かずに、パールが魔法陣を作り俺たちを囲んで光に包まれた。

 

 

ー(病院)ー

 

 

う〜ん、またベッドの上か・・・・

周りの景色から推測すると本当に病院にいるみたいだな。周りにベッドがあるし、左足に包帯が巻かれているし・・・松葉づえがあるから、一応歩く事は出来るのか。じゃあ早速レミの所にでも『ドカーン!!』・・・・何の騒ぎだ?ここ病院だぞ?取り敢えず行ってみるか。俺は松葉づえを使って病室を出て、爆発が起きた部屋に向かう。

 

 

〜(移動中)〜

 

 

・・・・・ここかな?この部屋が1番大きくて、病院の中でデュエルができたから、早速入るか。

 

「止めて!パパを傷つけたくない!」

 

部屋に入って聞こえたのがアキさんの声。アキさんが大声で叫ぶと、ブラック・ローズの攻撃が男性の目の前で止まった。あ、このデュエルだったのか、もうここまで来たのか。見たかったな〜。

 

「初めて・・・・・力をコントロールできた・・・・・」

 

そりゃ、いままで自分を苦しめてきた力が制御ができたからな。驚くのも無理はないか。

 

「遊星・・・・・終わらせて、このデュエル・・・・・」

 

アキさんの言葉に頷いた遊星が伏せていた最後の伏せカードを使う。

 

「リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・ヘイロー!シンクロモンスターが相手モンスター1体を破壊出来なかった時、そのシンクロモンスターの攻撃力を2倍にしてもう一度バトル出来る!」

 

・・・・・なんとまあ使いがっての悪いカード。戦闘で破壊できない状況ってなかなか難しいぞ・・・

 

「今こそ魔女の呪縛を打ち破れ!スターダスト・ドラゴンでブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃!響け!シューティングソニック!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→5000

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻1200 (ガード・ヘッジ 効果)

 

アキ LP 3500→0

 

スターダスト・ドラゴンがブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃をして、遊星の勝利でこのデュエルは終わった。

デュエルの後、アキさんが両親と和解した。

 

「やっぱりこの印は仲間と繋ぐ絆の痣だよ」

 

龍亞が自分の痣を見ながら言った。

 

「そうだね。この痣は仲間との絆の証だね」

 

「皆この痣によって引き寄せられていく。そして仲間になっていく。忌むべき印ではない」

 

「そうだな。だから俺たちがこうしてここに集まっているからな」

 

「遊輝!?いつ目覚めたの!?」

 

「さっき目が覚めたよ。迷惑掛けてしまったな」

 

龍可の言葉で皆が一斉に俺の方に向く。今ここにいるのは、デュエルをしていた遊星とアキさん、そしてアキさんの両親と龍亞・龍可、ジャックさらにレミもいる。

 

「レミは何でここにいるの?」

 

「あんたが意識不明だっていうから、お見舞いに来たの。そしたらアキさんと遊星さんがデュエルをしてたからここで見ていたの。でもその様子だと心配なさそうね」

 

「あぁ大丈夫。左足が骨折していたのは計算してなかったけど、一晩で治るでしょ」

 

「・・・・・あなた準決勝の時に戦った・・・」

 

「はい、正式な自己紹介はまだでしたね。俺は遠藤遊輝、訳あって今は龍亞と龍可の家で居候の身です」

 

「遊輝、挨拶が固いよ。それに居候じゃないよ。俺たちの家に住んでいるのでしょ」

 

アキさんに自己紹介をしていたら、龍亞に突っ込られた。この場合、居候であっていると思うけどな。

 

「そう、あの時はごめんなさい。あなたを傷つけてしまって」

 

「別に気にしなくてもいいですよ。こうして無事にいますから」

 

アキさんが謝ってきたので、俺は片手をだして左右に振る。

 

「さてと・・・・・遊輝!」

 

龍可が大声で叫んだので、龍可の方に向くと・・・・・

 

「お話しよう(ニコッ♪)」

 

ビクッ!!

こ、これは・・・・・やばい!

 

「あれだけ身体を動かしたら駄目って言ったのに、また骨折したね(ニコッ♪)」

 

龍可が一歩ずつ俺に近づいてくる。

俺は本能で「逃げなくちゃ!」と思っているのに身体が動かない。その上、あまりにも怖すぎるので、松葉づえを離して、余計に動けなくなってしまった。

 

「お、落ち着け龍可!話せば分かる!」

 

「だからゆっくり話そうって言っているじゃん(ニコッ♪)」

 

「うっ!(自分で自分の首を締めてしまった!)レミ!龍亞!助けてくれ!」

 

かなりやばい状況なので龍亞とレミに助けを求めた。その助けを求められた人は・・・・・

 

「さあ龍亞君!今から病院の関係者に謝りに行こう!」

 

「そうだね!こんなに騒ぎを起こして部屋をめちゃくちゃにしてしまったからね!皆も手伝って!」

 

「あ、ああ・・・・・」

 

「(いいの?助けてあげなくて)」

 

「(自分の命が欲しいなら見捨てなくちゃいけない時もくるよ。今の龍可は誰にも止められない)」

 

「(そ、そう・・・・・)」

 

「じゃあ遊輝!病院の関係者に謝ってくるから、龍可と二人っきりでおしゃべりしてて!」

 

皆の背中を押しながら龍亞とレミが部屋から出て行った。

・・・・・・・・・これは・・・・・終わった・・・・・

 

「じゃあお話しよう(ニコッ♪)」

 

「・・・・・はい・・・・・・・・」

 

ここから龍可のお話(と言うなの地獄)を見た。どんな内容だって?聞かないでくれ!思い出しただけでも悪夢が頭を巡るから!

1つ言える事は、レミが1時間後に部屋に戻ったら正座をしながら気絶をしている俺を見た事だ。

「あんた骨折しているのにどうやって正座をしたの?」って聞かれたけど、全く覚えていないし、思い出したくもない!

 

 

〜精霊世界〜

 

 

あの悪夢から数日後、病院の騒動の後にシグナー全員でゴドウィンの所に行った。ゴドウィンの館で赤き竜の事、ダークシグナーとの戦いの事を聞いた。基本的には一緒だが、1つだけ原作と違う所がある、龍亞の痣だ。龍亞は龍可と同じ制御装置に2枚同時にカードを飾さなければならない事。つまり2人で1つの制御装置を守る。

俺とレミのシークレットシグナー組はシグナーである遊星たちを守る役目。まあ、伝説だと存在しないシグナーだからな。

 

 

そして俺とレミはシグナーがダークシグナーと戦う前に精霊世界に行って先に試練を受けようということになったからパールの力で精霊世界にきた。現実世界の時間でいうと、皆がサテライトに行く前だ。それで、ダイヤたちの家で準備をしてこれからエンディミオンに向かうところ。

 

 

ふぅ〜、長い説明だな。うん?左足の骨折はどうしただって?だから骨折は一晩で治る怪我だよ。

 

『マスター、そろそろ出発の時間ですよ』

 

「そうか、じゃあブラック・ホワイト行くか」

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

ブラックが俺の左肩、ホワイトが右肩に乗るのを確認したら、家を出る。既に外にはパールとプラチナ、レミ、レミの頭に乗っているファランクスと後ろにレミのシグナーの龍であるフェザー・ウィング・ドラゴンがいた。

 

「で、どうやって行くの?」

 

『飛んで行きます。エンディミオンはこの街から500キロ先にあります』

 

「500キロ!?そんなに離れているの!?」

 

『ですから飛んで行くのです。マスターはプラチナに乗ってください。私たちもプラチナに乗ります』

 

『レミ様は私に乗ってください』

 

俺とダイヤ、パールはプラチナに、レミはフェザーの上に乗る。

 

「すげぇ・・・・・ドラゴンの背中の上に乗ってるよ・・・・・」

 

『それでは行きますね』

 

『しっかりつかまっていてください』

 

プラチナとフェザーが翼を広げ、飛び立つ。あっという間に街が小さく見える。

 

「フェザー、街につくまでどのくらいかかるの?」

 

『約2時間ぐらいです』

 

2時間で着くのか・・・・・2時間!?

 

「ちょっと待て!ていう事は時速250キロで飛ぶということだよな!?俺たち飛ばされるよ!」

 

『その心配はありません。周りを見てください』

 

プラチナに言われ周りを見ると、何かが俺たちを囲んでいる。

 

『そのバリアがあるのでレミ様たちは飛ばされるという事はありません』

 

良かった・・・・・となると2時間もどうやって暇潰ししようかな?

 

「ねえ遊輝、せっかくだからあんたが前に生きていた世界の話をしてよ!」

 

レミが突然こんな事を言って来た。

前世の話か・・・・・まあ暇潰しにはなるな。

 

「じゃあ俺の前の世界のデュエルの話をしようかな」

 

「この世界とは違うの?」

 

「全然違うよ。まずソリッドビジョンなんて無いからね」

 

「ソリッドビジョンが無いの!?」

 

「あぁ、俺のいた世界は机の上でデュエルをしてたからね」

 

「それって迫力がなくてつまらないんじゃ・・・・・」

 

「確かにこの世界の人から見たらつまらないかもね」

 

愛想笑いをしながらレミに返した。

実際、この世界で龍亞と初めてデュエルした時、龍可に冷静なプレイングとか言われたけど、内心ものすごく喜んだからね。

 

「後は・・・・・カードの価値観だね」

 

「カードの価値観?」

 

「そっ、例えばこの世界でブルーアイズの値段はいくらぐらいだと思う?」

 

「ブルーアイズ?そんなの最低でも数百万はするでしょ。伝説のデュエリストだった海馬瀬戸が持っていたのだから」

 

「そうだろ。ところが前の世界だとブルーアイズは100円単位で買えるんだ」

 

「嘘でしょ!?伝説のカードが100円単位なんて!」

 

「ほんとほんと、むしろドラグニティのシンクロモンスターの方が高いよ。ヴァジュランダなんか1000円は超えるから」

 

「・・・・・ちょっと嬉しいわね」

 

「それと神のカードも売っているよ」

 

「神のカードって、あの【オシリスの天空龍】【オベリスクの巨神兵】【ラーの翼神竜】?」

 

「そっ。ここの世界と効果は違ったけどな。

 

ラーの効果を見た時に「これはないだろ」っと思ったのはいい思いでだな。

 

「・・・何かこうして聞いていると、あんたの生きていた世界は何でもありそうだね」

 

「そんな事ないよ。こっちの世界にあって、前の世界にないカードなんていっぱいあるよ」

 

天の落し物とか、パワーツールの/バス、基本的に強すぎてOCG化できなかったけどね。

 

「へぇ〜、ねぇもっと詳しく聞かせて」

 

「いいよ」

 

俺とレミは、前世の話を交えながらデュエルの事を話した。時間はあっという間に過ぎていき・・・・・

 

『着きました。ここが試練を受ける場所です』

 

プラチナとフェザーが地面に降り、俺たちはプラチナとフェザーから降りる。

目の前には、神秘の力を感じる門があり、周りにはたいまつがある。

 

「ダイヤ、ここって本当にエンディミオンなの?」

 

『正確に言いますと、エンディミオンから少し離れた所にある山の中です』

 

「なるほどね。それで俺たちとデュエルする相手は?」

 

『目の前にいます』

 

ダイヤに言われて俺は門の方に向くと、黒いコートを着た暗い感じの人が2人立っている。

 

『1人ずつデュエルをして、あの試練が用意した幻影に勝てたらシークレットシグナーの能力を授かることができます』

 

「OK、どっちが先に行く?」

 

「私が行くわ、早く能力を授かりたいし」

 

「じゃあ俺は後だね。頑張れよ」

 

「もちろん!」

 

俺はダイヤたちとある程度離れ、レミが幻影に近づく。幻影の1人が前に出ると周りに白い幕が張られた。

邪魔ができないようにするためだな。

 

「さあ行くよ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル・・・・・」




レミ「ブルーアイズが100円単位だなんて信じられないな・・・・・」

遊輝「あっちの世界はレアカードというより役に立つカードの方を皆が欲しがるからな。例えば・・・・強欲で謙虚な壺とか」

レミ「あれって特殊召喚止まるでしょう?だから使いずらい感じがするのだよね」

遊輝「ところがどっこい、特殊召喚多用するデッキでも、あのカード入れた方が結果的に良く回るんだよ」

レミ「ふ〜ん」

遊輝「次回は俺とレミの試練だな」

レミ「【シークレットシグナーの試練】次回もよろしく!」


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第21話 シークレットシグナーの試練

最強カードの紹介〜、今回は

ダイヤ「私ですね」

ダイヤだよ。

ダイヤ「まだ精霊を出すのですか?」

順番だから仕方ない。行くよ。

ダイヤ「今回は超銀河眼の光子龍〈ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン〉プラチナの進化した姿ですね」

☆8が3体必要という超重量モンスターだよ。

ダイヤ「銀河眼を素材としてエクシーズ召喚する事で、このカード以外のフィールドに存在する全ての表側表示のカードの効果無効にします。ただし後続で発動する効果は無効に出来ません」

エクシーズ素材を1つ取り除くことで、相手フィールドのエクシーズ素材を全て取り除くことができ、取り除いた数×500ポイントの攻撃力アップと攻撃回数を得れるよ。

ダイヤ「第21話、スタート!」


レミ side

 

「デュエル‼」 「デュエル・・・」

 

幻影 LP 4000 レミ LP 4000

 

先に私がデュエルをするよ!

 

「私のターン・・・」

 

幻影 手札 6枚

 

「ガスタの巫女 ウィンダを召喚・・・」

 

ガスタの巫女 ウィンダ 攻1000

 

小さな女の子が出てきた。

相手のデッキはガスタか・・・リクルーターが多いから注意しないと。

 

「カードを2枚伏せターンエンド・・・」

 

 

幻影 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガスタの巫女 ウィンダ 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

いつも通りの立ち上がりね。でもこの手札・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

私は引いたカードを確認する。

・・・・このデュエル、勝ったわ。

 

「魔法カード、大嵐!フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

幻影は相変わらず表情1つを変えずに、破壊するカードを見る。

破壊されたのは・・・・・ガード・ブロックと神の警告か・・・。結構危ないカードを伏せてたのね。

 

「フィールド魔法発動!竜の渓谷!1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で、《デッキからLv4以下の《ドラグニティ》と名のついたモンスター1体を手札に加える》か、《デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地に送る》の効果から1つ選び発動する。手札のドラグニティーファランクスを捨てて2つ目の効果を選択!ドラグニティーブランディストックを墓地に送る」

 

手札にあった私の精霊、ファランクスを墓地へ送って、デッキから飛び出したカード1枚を墓地に送る。

 

「ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果!召喚に成功した時、墓地のLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスター1体を装備カードとしてこのカードに装備する!墓地のファランクスを装備!そしてドゥクスはフィールドのドラグニティと名のついたカードの枚数×200ポイント攻撃力をアップする!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1900

 

「装備されたドラグニティーファランクスの効果発動!装備されているこのカードを特殊召喚する!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

装備状態のファランクスがフィールドに現れた。今日もよろくしね。

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

光の中から、赤い龍とその龍に乗る騎士が現れた。

 

「ヴァジュランダの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、墓地のレベル3以下の「ドラグニティ」と名のついたドラゴン族モンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備する!再びファランクスを装備!そしてファランクスの効果で自身を特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

ファランクスがフィールドに出たのを確認して、エクストラデッキから1枚のカードを取り出す。ようやく出せるね。頼むよ!フェザー!

 

「Lv6のドラグニティナイトーヴァジュランダにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

光の中から、銀色の翼を持つ緑の龍が現れた。左には刃があり、尻尾が悪魔のように尖っている。

 

「こうして出すのは初めてね」

 

『はい、デュエルでもレミ様を支えます』

 

「ありがとう!フェザー・ウィングの効果!シンクロ召喚に成功した時、墓地のドラゴン族モンスターを任意の数だけ選択してこのカードに装備する!墓地のファランクスとブランディストックを装備!」

 

フェザーが咆哮を上げ、墓地に存在するファランクスとブランディストックがフェザーの両手につく。

 

「フェザー・ウィングのもう一つの効果発動!1ターンに1度、墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻すことで、フィールドのカード1枚を手札に戻す!墓地のドゥクスをデッキに戻してガスタの巫女 ウィンダを手札に戻す!ウィンドセプション!」

 

ドゥクスの影がフェザーの身体に入るとフェザーは翼を広げ突風を起こしてウィンダをフィールドから吹き飛ばした。幻影は表情1つ変えずにカードを手札に戻す。

 

「バトル!フェザー・ウィング・ドラゴンでダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!」

 

フェザーが再び突風を起こし、その風に乗り幻影を左にある刃で切り裂く。

 

幻影 LP 4000→1200

 

「まだよ!装備されたブランディストックの効果!装備カード扱いとしてこのカードが装備されている場合、装備モンスターは1度のバトルフェイズに2回攻撃出来る!もう一度フェザー・ウィングの攻撃!ストーム・ウィングブレイク!」

 

幻影の後ろに回ったフェザーが振り向いて、後ろから幻影を切り裂いた。

 

幻影 LP1200→0

 

 

WIN レミ LOS 幻影

 

 

デュエルが終わると、幻影が光に変わり私の身体に吸い込まれる。

これでいいのかな?

 

『おめでとうございます。これでシークレットシグナーの能力を使うことができます』

 

「ありがとう」

 

周りにあった白い幕が消え、遊輝がこっちにくる。その第一声が

 

「お前・・・・・ワンキルはないだろ」

 

「酷いよ!普通はおめでとうとかじゃないの!?」

 

「なんかこう・・・・・呆気がなかったからさ」

 

酷いよね。第一声がこれだよ。デュエルに勝ったのに!

 

『次はマスターの番ですよ』

 

「あ〜い、頑張ってくるわ」

 

遊輝が手を上げて、試練の場に向かう。あんな調子で大丈夫かな?

 

 

レミ side out

 

 

遊輝 side

 

 

次は俺の番か、レミが勝ったんだから勝たないとな。しかしレミ、試練の時にワンキルするのか・・・

デュエルする所までくると、幻影が近づいて白い幕が張られる。

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル・・・・・」

 

幻影 LP 4000 遊輝 LP 4000

 

「私のターン・・・・・」

 

幻影 手札 6枚

 

「魔法カード、炎熱伝導場・・・デッキのラヴァル炎湖畔の淑女とラヴァル炎火山の侍女を墓地に送る・・・・・」

 

はっ!?ラヴァルだと!!

 

「墓地に送られたラヴァル炎火山の侍女の効果・・・このカードが墓地に送られた時このカード以外の「ラヴァル」と名のついたモンスターが存在する場合、デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を墓地に送る・・・・・デッキから2体目のラヴァル炎火山の侍女を墓地に・・・・・送られたラヴァル炎火山の侍女の効果で3体目のラヴァル炎火山の侍女を墓地に・・・・・侍女の効果でラヴァル・ランスロットを墓地に・・・・・」

 

うわ〜・・・・・一気に5体も墓地に送ったよ・・・・・

 

「魔法カード、封印の黄金櫃・・・・・デッキからカードを1枚選択して除外する・・・・・2回目の自分のスタンバイフェイズに除外したカードを手札に加える・・・・・真炎の爆発を除外する・・・・・」

 

おいおい、2回目のターンに真炎の爆発がくるのかよ・・・・・やばい・・・・・

 

「墓地に《ラヴァル》と名のついたモンスターが3種類存在するためチューナーモンスター、ラヴァル・コアトルを特殊召喚・・・・・」

 

ラヴァル・コアトル 攻1300

 

「ラヴァル・フロギスを召喚・・・・・」

 

ラヴァル・フロギス 攻1700

 

「Lv4のラヴァル・フロギスにLv2のラヴァル・コアトルをチューニング・・・・・」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「シンクロ召喚・・・・・ラヴァルバル・ドラグーン・・・・・」

 

ラヴァルバル・ドラグーン 攻2500

光の中から炎が爆発して、巨大な怪鳥が羽ばたきながら現れた。

 

「墓地に送られたラヴァル・フロギスの効果・・・・・自分フィールドのラヴァルと名のついたモンスターの攻撃力を300ポイントアップする・・・・・」

 

ラヴァルバル・ドラグーン 攻2500→2800

 

「ラヴァルバル・ドラグーンの効果・・・デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスターを手札に加え、手札の「ラヴァル」と名のついたモンスターを墓地に送る・・・・・デッキからラヴァルバーナーを加え、手札のラヴァルロード・ジャッジメントを墓地に・・・・・手札に加えたラヴァルバーナーを特殊召喚・・・・・」

 

ラヴァルバーナー 攻2100

 

「ラヴァルバーナーもラヴァル・コアトル同様に墓地に「ラヴァル」と名のついたモンスターが3種類以上存在するため特殊召喚できる・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド・・・・・」

 

 

幻影 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ラヴァルバル・ドラグーン 攻2800

ラヴァルバーナー 攻2100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

ちくしょう!なんだよこれ!1ターン目から飛ばし過ぎだ!何気に8体もモンスターを墓地に送った上に、墓地肥やしのラヴァルバル・ドラグーンを呼んで!さらに2ターン後に真炎の爆発も来るのかよ!こうなったら・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

このターンで決めてやる!

 

「魔法カード、召集の聖刻印!デッキから《聖刻》と名のついたモンスター1体を手札に加える!聖刻龍ートフェニドラゴンを手札に加えて特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

「トフェニドラゴンは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!トフェニドラゴンをリリースして聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

「シユウドラゴンはフィールドの《聖刻》をリリースすることで手札から特殊召喚できる!そしてリリースされたトフェニドラゴンの効果!デッキからエレキテルドラゴンを攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!」

 

エレキテルドラゴン 攻/守 2500/1000→0/0

 

「シユウドラゴンの効果!手札もしくはフィールドからこのカード以外の《聖刻》と名のついたモンスターをリリースすることで、相手の魔法・罠ゾーンのカード1枚を破壊する!手札の聖刻龍ーアセトドラゴンをリリースしてそのリバースカードを破壊する!」

 

シユウドラゴンの羽が羽ばたいて風で伏せカードが破壊される。リバースカードは・・・・・ミラーフォース!?どんだけ初手がよかったんだ!

 

「リリースされたアセトドラゴンの効果!デッキから2体目のエレキテルドラゴンを特殊召喚!Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

「アトゥムスの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてデッキからドラゴン族モンスター1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!3体目のエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

エレキテルドラゴン 攻/守 2500/1000→0/0

 

「この効果を使ったアトゥムスはこのターン攻撃はできない!そしてLv6のエレキテルドラゴンとシユウドラゴンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!再び来い!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス ★6

光属性 ドラゴン族 攻2400 守2100

 

「アトゥムスの効果!今度はレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻/守 2800/2400→0/0

 

アトゥムスの咆哮で身体が鋼のようなレッドアイズが現れた。

 

「魔法カード、エクシーズ・ギフト!自分フィールドにエクシーズモンスターが2体以上存在する場合、オーバーレイ・ユニットを2つ取り除くことでカードを2枚ドローする!アトゥムスのオーバーレイ・ユニットを1つずつ取り除いて2枚ドロー!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス×2 OVR 1→0

遊輝 手札 2枚→4枚

 

アトゥムスのオーバーレイ・ユニットがなくなりデッキが光ったので、カードをドローする。

 

「レダメの効果!1ターンに1度、手札もしくは墓地からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!現れろ!銀河を宿いし光の龍!銀河目の光子竜〈ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン〉!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

 

上空の空が歪んできて宇宙が現れて、その中からプラチナが発しながら現れた。

 

『主、慌てすぎてす。落ち着いてください』

 

「落ち着けるか!あんだけ回されて2ターン目に真炎の爆発が来るんだぞ!」

 

『確かにそうですが2ターン目でしょう?もう少し落ち着いても大丈夫かと?』

 

「はぁ〜・・・はぁ〜・・・・・・確かに少し慌てすぎたかもな。ありがとう」

 

『その調子です』

 

「よし・・・・・魔法カード、トレード・イン!手札のLv8のモンスター1体を墓地に送りカードを2枚ドローする!神龍の聖刻印を墓地に送って2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚→3枚

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地の神龍の聖刻印を特殊召喚!」

 

神龍の聖刻印 攻0

 

謎の刻印が刻まれた黄色の球体が現れた。

 

「魔法カード、ギャラクシー・クィーンズ・ライト!フィールドのLv7以上のモンスター1体を選択して、それ以外の自分フィールドの表側表示の全てのモンスターはエンドフェイズまで選択したモンスターと同じLvになる!選択するモンスターはギャラクシーアイズ!レダメのLvを10から8にする!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン ☆10→☆8

 

レダメのLvが変わるのを確認したら、俺はエクストラデッキから1枚のカードを取り出す。

 

「さあプラチナ!行くぞ!」

 

『久しぶりにあの姿になるんですね』

 

「ああ!Lv8のギャラクシーアイズと神龍の聖刻印、そしてレダメの3体でオーバーレイ!」

 

☆8 × ☆8 × ☆8 = ★8

 

いつもと違い、上空に銀河の渦が出来てギャラクシーアイズたちが吸い込まられる。そして俺の目の前に槍みたいなのが出てくる。これ・・・・・あそこに投げろと?アニメと同じことをしろと?まあいっか

槍を持ち構え、渦に投げ込む。

 

「銀河を統一し光の龍よ!進化の光を受け、新たな創生者となれ!エクシーズ召喚!降臨せよ我が魂!超銀河眼の光子龍〈ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン〉!」

 

超銀河眼の光子龍 攻4500

 

上空に出来た銀河が爆発して、赤い光を発した顔が3つある龍がゆっくりと舞い降りて来た。

 

『この姿になるのはこの世界では初めてですね』

 

「まあ滅多に出さないからな。ネオ・ギャラクシーアイズの効果!ギャラクシーアイズを素材としてエクシーズ召喚に成功した時、このカード以外の表側表示のカードの効果を全て無効にする!フォトン・ハウリング!」

 

プラチナが咆哮をあげると、フィールドに存在する全てのモンスターがひざまずいた。

 

「ラスト!魔法カード、鬼神の連撃!フィールドのエクシーズモンスターのオーバーレイ・ユニットを全て取り除き、このターンそのモンスターは2回攻撃することができる!選択するのはネオ・ギャラクシーアイズ!」

 

超銀河眼の光子龍 OVR 3→0

 

ネオ・ギャラクシーアイズのオーバーレイ・ユニットが全てなくなり、攻撃態勢に構える。

 

「バトル!ネオ・ギャラクシーアイズでラヴァルバル・ドラグーンに攻撃!アルティメット・フォトン・ストリーム!」

 

ネオ・ギャラクシーアイズの3つの顔からそれぞれラヴァルバル・ドラグーンに向かって光線を放つ。

 

超銀河眼の光子龍 攻4500

ラヴァルバル・ドラグーン 攻2800

 

幻影 LP 4000→2300

 

「ラスト!ネオ・ギャラクシーアイズの2回目の攻撃!アルティメット・フォトン・ストリーム!」

 

再びネオ・ギャラクシーアイズがラヴァルバーナーに放つ。

 

超銀河眼の光子龍 攻4500

ラヴァルバーナー 攻2100

 

幻影 LP 2300→0

 

WIN 遊輝 LOS 幻影

 

 

 

 

 

「あんたも人のこと言えないよ!何ワンキルしてるのよ!」

 

試練が終わって、幻影が俺の身体に吸い込まられ、レミにきつ〜い一言を言われた。だってな〜、あんなに回されて2ターン後に真炎の爆発が来るんだよ。1ターンで決めないと負けていたよ。

 

『無事に能力をもらったのでちょっと試してみましょう。レミさんから参りましょう』

 

「私は風を操る能力だね。本当に風を操ることが出来るの?」

 

『出来ますが、本当の能力は<r風を作り:・・・・>それを操ることです』

 

「風を作る?どうやって風を作るの?」

 

『まずは指でぐるぐる回してください』

 

ダイヤに言われレミが人差し指を回す。しばらくすると、風がレミの指にまとわりつき始める。

 

「凄い!本当に風を作れた!」

 

『それで飛ばしたい方向に指を傾けると風がその方向に行きます』

 

レミが指を傾けたら、まとわりついていた風がその方向に物凄いスピードで飛んでいった。

 

『他にも風の作り形はありますが、ここからはフェザーから聞いてください。次はマスターです』

 

「それで太陽を操ることってどういうこと?」

 

『基本的に太陽を作りそれを操ることです』

 

「一緒かよ・・・・」

 

太陽を作ること自体は凄いことだけど、結局は作ることから始まるのね。

 

『まずは手のひらを開けてそこに集中してください』

 

ダイヤに言われて右の手のひらを開けて集中すると小さな太陽が出来た。

 

「すげ〜・・・・・本当に太陽を作れるんだ」

 

『それを投げたりしたら攻撃に繋がりますがここでは絶対に投げないでください』

 

「?何でだよ?」

 

『その太陽は小さいですが、本物の太陽と同じ温度だからです』

 

へぇ〜、本物と同じ温度か・・・・・・うん?ちょっと待てよ?

 

「ダイヤ、太陽の表面温度って約6000度だよな?何で俺は平気で持っていられるの?」

 

『マスターが太陽のシグナーだからです。太陽の温度だけでは火傷も起こりません』

 

「・・・・・・一つ聞くけど、俺は何度まで耐えられるの?」

 

『確か・・・・・・100万度近くまでは耐えられる筈です』

 

「・・・・・・・」

 

何それ?100万度って滅多に聞かない数字だよ。・・・いよいよ龍亞に化け物って言われても、否定出来なくなってきた・・・・・太陽を作れて、炎に強かったら人間じゃないな・・・・・そんなことを思っていたら、何処からか銃声が聞こえてきた。音のした方向に向くと・・・・・

 

「やった!撃てた!」

 

『おめでとうございます。これで銃の形はほぼ完璧です』

 

「・・・・・お二人さん、今銃の音が聞こえたのだけど・・・・・」

 

「フェザーがね!『銃の構えをして、撃つ振りをしたら風が圧縮されて銃の玉になり撃てる』って言うから練習したの!それでさっき一発撃ったら成功したの!」

 

「・・・・・ちなみに威力は?」

 

『殺傷までは行きませんが、気絶させることは出来ます。頭の近くで撃つことを例外にしてですが』

 

「・・・・・・・・」

 

ここにもう1人化け物が誕生したよ・・・・・銃を撃てるって・・・・・また逆らえない人が1人増えたよ・・・・・1人目は龍可だよ。あんな思いもうやりたくない!

 

「遊輝はどうなの?」

 

「俺も出来たよ。実戦練習はできなかったけど」

 

「そう、太陽を操るって大変なのね」

 

『マスター、レミさん、龍可さんがこの世界に来たみたいです』

 

レミと話していたらダイヤが入ってきた。

龍可がこの世界にきたってことはもうダークシグナーと戦う所まで来たのか・・・・・

 

「よく龍可ちゃんがこの世界に入ってきたことがわかったね」

 

『精霊世界に来たら反応するようにちょっと細工をしました』

 

「細工って・・・・・まあいいや。取り敢えず龍可の所に行こう」

 

俺はプラチナ、レミはフェザーに乗りダイヤたちが住む街に戻る。




遊輝「試練とは何だったのか・・・・・・」

レミ「あんたも大概だったわね。あれだけ展開して」

遊輝「それが聖刻龍の売りだから(キリッ)」

レミ「キリッじゃないわよ。オリカの紹介に行きましょう。今回は私のシグナーの龍、フェザーよ!」


フェザー・ウィング・ドラゴン ☆8
風属性 ドラゴン族 攻撃力2800 守備力1500
風属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地に存在するドラゴン族モンスターを任意の数だけ選択し、このカードに装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
②このカードに装備された装備カードを墓地に送る事でこのカードは破壊されない。
③墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻すことで、フィールド上のカード1枚を手札に戻す。




遊輝「まさにドラグニティの為に生まれてきたカードだな。風属性のチューナー縛りもファランクスで解決出来るし」

レミ「墓地のドラゴン族モンスターを好きな数だけ装備出来て、装備カードを墓地に送ることで破壊を免れる!普通に3枚ぐらいは装備出来るはずだから3回なら耐えらるよ」

遊輝「あとは墓地の風属性モンスターをデッキに戻すだけで好きなカードをバウンス出来る。デッキに戻すというところが悪いな」

レミ「次回は龍可ちゃんを助けてそのまま龍可ちゃん、龍亞君のダーク・シグナーとの戦い」

遊輝「【流れ行け!エンシェント・コメット・ドラゴン!】次回もよろしく!」


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第22話 流れ行け!エンシェント・コメット・ドラゴン!

最強カードの紹介!今回はこの人!

プラチナ「お久しぶりです。プラチナです」

今回でメインキャラとの紹介で2週目が終わるので、次回から追加のメインキャラと一緒にカードの紹介をして行くよ。

プラチナ「わかりづらいです。もっと上手な説明ができないのですか?」

無理、俺は理系だ。最強カードの紹介に行くよ。

プラチナ「今回はエンシェント・フェアリー・ドラゴン。龍可さんのシグナーの龍ですね」

1ターンに1度、そのターンの攻撃を放棄することで、手札からLv4位下のモンスター1体を特殊召喚できるよ。

プラチナ「メインの効果はこちらですね。1ターンに1度、フィールド魔法を破壊してライフを1000ポイント回復、さらにデッキからフィールド魔法を1枚サーチすることができます」

そして今回はこの小説で一番やりたかったことをやります!と言っても、オリカ作りの方ですけど。

プラチナ「これ・・・・やっても大丈夫なのですか?」

大丈夫だよ。きっと・・・・
あと、内容が原作とかけ離れますが、そこはスルーでお願いします。

プラチナ「・・・・では第22話始まります」


龍可 side

 

 

現在、私は白い獅子のような精霊、レグルスの誤解が解けて、どうやってゼーマンの館に忍び込むかを話し合っている。ちなみにここにいるのは、私とレグルスともう1人、子供のような魔法使いのトルンカっていう人がいる。本人は「もっと年老いた素晴らしい魔法使いなんだぞ!」と言っているけど、足を引っ張る所しかみてないよ・・・

 

『やはりここは私が囮となって、2人がゼーマンの館に潜入した方が・・・』

 

それで作戦なんだけど、レグルスの言う通り、レグルスが囮として変装した私とトルンカに捕まってゼーマンの館に侵入するという作戦。

だけど、この作戦不安なんだよね・・・特にトルンカが心配。けど・・・・これしか案が思いつかないし・・・・

 

「分かったわ。それで行きましょう」

 

『ワシがおるから、大丈夫じゃ!』

 

だから貴方が一番心配なのよ。本当に成功するのかしら?

 

「お〜い、龍可〜」

 

そんなこと思っていたら、上空から私を呼ぶ声が聞こえた。あの声って、もしかして・・・・

 

「よかった〜、間に合った〜」

 

プラチナに乗った遊輝、ダイヤとパール、フェザーに乗ったレミさんが上から降りてきた。

こっちに戻ってきたってことは・・・・

 

「試練を受かったの?」

 

「えぇ受かったわ。無事に能力を授かったよ」

 

「おっそろしい能力だけどな。自分でも引いたよ」

 

「どう言う事?」

 

「俺はまず太陽を作ることが出来て、その上100万度の炎にも火傷をしない」

 

「私は風を作れるわ。フェザーに乗っている間に練習して、強風並みの威力まで上げたわ。あと、銃も撃てるわ」

 

「・・・・・・・」

 

龍亞じゃないけどこの2人化け物でしょ。100万度の炎に耐えられる人と、強風並みの威力の風を作る人なんていないよ・・・・もうこの2人に敵う人たちはいないのかな?

 

「ところで龍可ちゃんの後ろにいるライオンと小さい男の子は誰なの?」

 

『わしは男の子ではない!ダンディで生かした魔法使いじゃ!』

 

レミさんが私の後ろにいるレグルスとトルンカに指を指すと、トルンカが男の子と言われるのが気に入らなかったみたいで、激しく暴れ始めた。誰だって最初にその姿を見た人は絶対に男の子って言うよ。

 

「白い獅子がレグルス、エンシェント・フェアリー・ドラゴンの封印を解くのにレグルスの力が必要だから、そこの男の子のトルンカと一緒に会いにきたの」

 

『レグルス殿に言葉が通じない時はどうしようかと思ったけど』

 

「言葉が通じない?どうして?」

 

私はレミさんにカースト・ニードルを出す。

 

「このカースト・ニードルはね、物事の理の逆のことが起きるの。例えば、あそこに立派に成長した木があるでしょう?」

 

私が近くにあるお大きな木にレミさんが顔を向ける。

 

「この木にこの杖をかざすと・・・・」

 

杖についてある棒を回転させると、大きかった木がみるみるうちに小さくなっていく。

 

「嘘っ!?木が小さくなった!?」

 

「こんな風に起きるの。これがレグルスの足にささっていて私たちの言葉とは反対の意味を捉えていたみたいなの」

 

『面目ない・・・・・』

 

私が説明したら、レグルスが謝ってきた。もう済んだことだから気にしなくてもいいのに。

 

「それで今は3人でどうやってゼーマンの館に侵入しようかな?と考えていたの」

 

「なるほど。それで作戦は出たの?」

 

『私が囮となり、2人が私を捕まえエンシェント・フェアリー様の封印には一度復活が必要と魔法使いがいって、侵入しようかと・・・・・・』

 

レグルスが作戦を遊輝に言うと、遊輝は腕を組み考え始めた。

 

「・・・・・悪くないと思うよ。ただ、その魔法使い役をダイヤとパールにやらせたらどうだろう?」

 

「確かにダイヤとパールは魔法使い族だし、ゼーマンを騙すことが出来るかもしれないわね」

 

「でも私たちはどうやって侵入するの?」

 

「そこは俺とレミに任せてくれ。いよいよ実践で使う時がきたな」

 

遊輝がそう言って、手のひらを開らげると、真っ赤な球が現れた。

 

「それ・・・・もしかして太陽?」

 

「そうだよ。実物よりかなり小さいけど、温度は本物と同じだから練習出来なかったんだ。だから使う時がきたって言ったんだ」

 

遊輝がそう言って、小さな太陽をボールのようにリフティングしたり、上に投げたりする。・・・・太陽をボール代わりにするなんて、やっぱりおかしいね。作戦が決まり、私たちはゼーマンの館に向かう。

 

〜(移動中)〜

 

 

『よくやった!レグルスを捕らえてきたのか!』

 

『はい、全てはゼーマン様のために』

 

今、ゼーマンの館に侵入して作戦通り、レグルスが囮になりダイヤとパールがゼーマンと向かえあっている。私たちは近くにある柱から様子を伺っている。

しかし、遊輝はなんであんなにも強いのだろう?ダイヤたちが先に入って門が閉まったところを堂々とやってきて見張りの手下をあっという間に倒してしまったよ。見張りの手下は外で気絶しているよ。遊輝の作った太陽を真正面から受けてしまったからね。

 

『早速レグルスを封印して、精霊世界を我のものに!』

 

『その前に色々とやらなくてはいけないことがあります』

 

ここからはダイヤとパールがアドリブでゼーマンを上手いこと騙していった。ゼーマンは見事に騙されてダイヤとパールの戦略にはまっていく。そしてあと一歩のところで・・・・

 

『馬鹿ゼーマンめ!これでエンシェント・フェアリー様を復活出来る!』

 

『なに!?』

 

『おい!あそこにいるのは街にいた小娘!』

 

『こいつら放浪の魔法使いではない!』

 

「馬鹿トルンカ!何やってくれるの!」

 

レミさんがトルンカの頭をポカポカと叩く。もうちょっとのところだったのに、なんでこんなドジをするの!?

 

「しょうがねぇ!レグルス!俺も手伝うからゼーマンを倒せ!ダイヤとパール、レミは手下を頼む!それと龍可!カースト・ニードルをこっちに!」

 

「分かったわ!龍可ちゃんとトルンカはあそこの檻の中で待ってくれる?」

 

「分かったわ。あとカースト・ニードルを・・・・」

 

レミさんにカースト・ニードルを渡して、トルンカと檻の中に入る。

 

『エンシェント・フェアリーを直ぐに封印せよ!』

 

ゼーマンの言葉で巨大なカースト・ニードルが動いて、エンシェント・フェアリー・ドラゴンが岩山に封印されてしまう・・・・

 

「させるか!プロミネンス・チェーン!」

 

遊輝の両手からプロミネンスが出て、ゼーマンの邪魔をする。

 

『ええいうっとしい!こやつを何とかせい!』

 

ゼーマンの命令で手下が遊輝に攻撃する。

 

「あんたたちの相手は私よ!ウィング・カッター!エアー・ショット!」

 

レミさんが遊輝の近くにより、右手で左右に振り風を起こして、左手で銃のように撃つとピストルのように玉が撃たれて、猿たちが倒れる。・・・・・やっぱりあの2人はおかしいね。こんなにも戦闘慣れをしているなんて・・・・

 

「レグルス!カースト・ニードルを持ってゼーマンに近づけ!確かマイナスとマイナスをぶつけたらプラスになるんだろう!」

 

遊輝がレグルスにカースト・ニードルを渡す。

 

「マイナスとマイナスをぶつけたら、プラスに変わるけど爆発するよ!」

 

「時間がない!早くしないとエンシェント・フェアリー・ドラゴンが封印されてしまう!行けレグルス!」

 

『わかりました!』

 

レグルスがカースト・ニードルを口に持ち、ゼーマンに向かって走る。

そして、レグルスとゼーマン持つカースト・ニードルが合間みれて光が発する。

 

『おのれ!これで終わりと思うなの!精霊たちの魂は我が主、ディマク様に受け継がれる!』

 

ゼーマンがそう言った直後、マイナスとマイナスの力で爆発してゼーマンや手下たちが消えていく。私とトルンカは迫って来る炎に逃げることができなかったけど、痣から赤いバリアが貼られて何とか無事にいることができた。

 

「・・・・助かったの?あれっ、トルンカ?遊輝?レミさん?レグルス?」

 

目を開けると檻がなくなっていたが、遊輝たちの姿も見えない・・・・まさか、さっきの爆発で・・・・

 

「いててて・・・・あんな大きな爆発とは・・・・」

 

「ちゃんと考えなさいよ!」

 

『まったく酷い目にあったぞ』

 

瓦礫の奥から遊輝とレミさん、老人の魔法使いがこっちに来る。

 

「あなたは?」

 

『わしだよ。龍可ちゃん』

 

「トルンカ!?凄い!本当に魔法使いだったのね!」

 

『みなさん、ご無事ですか?』

 

遊輝たちの後ろからレグルスがやってきた。そういえば・・・・

 

「レグルス、エンシェント・フェアリー・ドラゴンはどこにいるの?」

 

『それが・・・・どこにも見当たらないのです』

 

「どうして?ゼーマンを倒したのに」

 

「龍可、周りを見てみろ」

 

遊輝が壁を見ながら言ってきたので壁を見ると、封印されてしまった精霊たちがそのままでいた。

 

「なんで・・・・どうして?」

 

「おそらく、ゼーマンが言っていたディマクって奴を倒さないと封印が解けないみたいだな」

 

「そんな・・・・」

 

「あれっ?龍可ちゃん、その手にあるカードは何?」

 

「カード?」

 

レミさんに言われて手にあったカードを見る。そのカードはイラストやテキストがなく、白紙のカードだった。

 

「わからないわ。いつ持っていたのかしら?」

 

「(白紙のカード?おかしいな、龍可は白紙のカードなんて手に入れない筈なんだが・・・・)」

 

遊輝とレミさんが覗きこむようにカードを見る。

 

『とりあえずは持っておいた方が良いでしょう。何かあるか分かりませんので』

 

「皆!空を見て!」

 

レミさんが慌てながら上空に指を指す。上には・・・・

 

「サルの・・・・地上絵」

 

「あれは・・・・・地縛神!」

 

上空に出来た地上絵と痣が反応する。

現実世界で龍亞がダークシグナーと戦っている・・・・

その時、私たちの身体が吸い込まれるように地上絵に向かって飛ぶ。

 

「まずいよ!このままだと吸い込まられてしまう!」

 

『わしが何とかする!最後の力を振り絞って3人を元の世界に戻す!』

 

トルンカが杖を構えて魔力を貯める。

 

『頼むぞ龍可ちゃん!精霊世界を!』

 

その言葉を最後に私たちの身体が消えた。

龍亞・・・・待っていてね。

 

 

龍可 side out

 

龍亞 side

 

 

俺はサテライトのB.A.Dエリアにある旧モーメントでデュエルをしている。

相手はダークシグナーのディマクって人。龍可が精霊世界に行きシグナーの龍を取りに行ったから、俺一人であいつを倒してやろうと思っていたけど・・・・

 

 

 

龍亞 手札 3枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 守2200 (吠え盛る大地 効果)

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

ディマク 手札 3枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

猿魔王 ゼーマン 攻3000 (クローザー・フォレスト 効果)

【魔法・罠ゾーン】

クローザー・フォレスト (フィールド魔法)

吠え盛る大地 (永続罠)

伏せカード 2枚

 

・・・・とこんな状況。

最初は押していたのにあいつがダークシンクロモンスターっていうモンスターを出してから逆転されちゃった。だけど、まだまだこれからだ!今の俺にはライフ・ストリームとパワー・ツール/バスターがいる。必要なカードがくるまで耐えれば再逆転の可能性だって充分ある!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

引いたカードは装備魔法のパワー・コンバーター。目当てのカードじゃない。だけどパワー・ツールの効果で・・・・

 

「パワー・ツールの効果!1ターンに1度、デッキから装備魔法をランダムに1枚手札に加える!パワー・サーチ!」

 

デッキがシャッフルされ、1枚のカードが飛び出る。今度こそあのモンスターを倒すカードを・・・・飛び出したカードはダブル・ツールD&Cだった。

 

「良し!パワー・ツールを守備表示から攻撃表示に変更して、装備魔法、ダブル・ツールD&Cをパワー・ツールに装備!自分のターンの間、攻撃力を1000ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 守2200→攻2000→3000

 

パワー・ツールの両手の武器がドリルとカッターに変わる。

 

「ふっ、そのカードを装備しても猿魔王ゼーマンと並んだだけだぞ」

 

「何とでも言え!バトル!パワー・ツールで猿魔王ゼーマンに攻撃!クラフティ・ブレイク!」

 

「そんな事しても相打ちにしか・・・・・いやっ!違う!」

 

「そうさ!パワー・ツールは装備魔法を墓地に送る事で破壊から免れる!」

 

パワー・ツールが猿魔王ゼーマンに向かって、ドリルを突き出す。猿魔王ゼーマンは手で受け止めるけど、カッターに斬りつけられ破壊される。

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻3000

猿魔王ゼーマン 攻3000

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻3000→2000

 

「良し!ダークシンクロモンスターを倒したぞ!」

 

「うっしゃ!これで龍亞が有利になった!」

 

「いやっ、まだ・・・・」

 

煙が晴れると、笑っているディマクが見えた。

 

「何がおかしいんだよ!」

 

「猿魔王ゼーマンを破壊してくれたことに感謝するぞ少年。リバースカードオープン!罠カード、ダーク・マター!シンクロモンスターが破壊された時、デッキの上から2枚のカードをモンスター扱いとしてセットできる!」

 

ディマクがデッキのカード2枚をフィールドにセットする。この展開・・・・まさか・・・・

 

「装備魔法、パワー・コンバーターをパワー・ツールに装備。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

パワー・コンバーター (パワー・ツール)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!」

 

ディマク 手札 4枚

 

「・・少年よ、さきのターンでゼーマンを破壊してくれたことに感謝する。おかげでこのカードを召喚できる」

 

ディマクが1枚のカードを俺に見せる。そのカードは・・・・

 

「!?地、地縛神!」

 

「私はセットモンスター2体をリリースする!」

 

セットモンスターが消えて、上空に不気味な物体が現れて、青い人魂みたいなのが吸い込まれる。

 

「精霊たちの生贄に降臨せよ!我が神!地縛神Cusillu!」

 

地縛神Cusillu 攻2800

 

上空の不気味な物体が光り、目を開けるとディマクの後ろにとてつもなく巨体な猿が出てきた。

 

「で、でかい!」

 

「クローザー・フォレストの効果で地縛神Cusilluの攻撃力は墓地の獣族の数×100ポイントアップする。墓地の獣族モンスターは8体」

 

地縛神Cusillu 攻2800→3600

 

「攻撃力3600!」

 

「バトル!地縛神Cusilluでダイレクトアタック!」

 

地縛神が腕を振り上げ、俺に向かい振り下ろされる。LPは削られるけどまだ負けない!

 

「装備魔法、パワー・コンバーターの効果発動!このカードを墓地に送り装備モンスターの攻撃力をエンドフェイズまで0にして俺のLPを装備モンスターの減少した攻撃力だけ回復する!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2000→0

龍亞 LP 2000→4000

 

地縛神の攻撃を逃れるため、必死に走る。地縛神の攻撃は地上に当たり、地面が盛りあがって俺を襲う。

 

龍亞 LP 4000→400

 

「う・・・・・・うう・・・・・・」

 

「少年の実力はこれほどか・・・・」

 

「(こんなにもダメージが来るなんて・・・・ここまでかな・・・・)」

 

諦め掛けた時、目の前が突然光り出した。光りが止まると・・・・

 

「龍亞!」

 

「る・・・・か・・・・」

 

赤いバリアから龍可が出てきた。龍可だけじゃない、遊輝やレミさんも見える。

 

「龍亞!大丈夫!?こんなになるまで戦って・・・・」

 

「龍可が帰ってくるまでに決着をつけようと思っていたけど・・・・ヒーローになれなかった・・・・」

 

「そんなことないよ!龍亞君は頑張ったよ!」

 

「そうだよ!私にとって・・・・私にとって龍亞は最高のヒーローだよ!!」

 

龍可・・・・こんな俺を・・・・

 

「実物で見るとこんなにデカイんだな〜・・・・」

 

「あんた・・・・・・なに感動的な場面でそんなことを言っているの!」

 

レミさんが腕を八の字に振ると、風が出来てそれが遊輝を包み込み上空に持ち上げて落とす・・・・俺の見間違いじゃなければ、今レミさん風を作ったよね?

 

「いだっ!何するんだよ!」

 

「あんたが空気を壊すことを言ったからだよ!」

 

レミさんと遊輝が口論を始めた。何をやっているのよこんな時に・・・・

 

「ようやく役者が揃ったな」

 

「あなたがゼーマンを操っていた人ね!私は許さない!精霊を傷つけ、1番大事な人を傷つたあなたを!このデュエル、私が引き継ぐわ」

 

「何言ってんだよ。俺が決着を着けるって・・・・」

 

「龍亞君、龍可ちゃんに変わってあげて」

 

気づいたらレミさんと遊輝が横にいた。いつ口論が終わったの?

 

「お前一人で戦っているんじゃないぞ。龍可と龍亞、二人であいつと戦っているんだ」

 

「・・・・・龍可、頼むよ。あいつを倒して!」

 

「もちろん!」

 

決闘デスクと手札を龍可に託し、遊輝の支えで龍可の後ろに行く。

頼むよ、龍可・・・・

 

 

龍亞 side out

 

龍可 side

 

 

龍亞・・・・・あなたの思い受け取ったわ!

 

「役者が揃ったから、今からとっておきの精霊を出してやろう・・・・」

 

「(とっておきの精霊?)」

 

「リバースカードオープン!永続罠、呪縛牢!エクストラデッキのシンクロモンスターを守備表示で特殊召喚する」

 

ディマクが1枚のカードを取り出した。そのカードは・・・・

 

「!?エンシェント・フェアリー・ドラゴン!?」

 

「現れろ!我が虜!エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン 守3000

 

檻の中に鎖で縛られたエンシェント・フェアリー・ドラゴンが現れた。待っててね、必ずあなたを救うから・・・・

 

「くっくっくっ、いかがかな?運命の絆で結ばれたドラゴンを敵として迎える気分は?」

 

「あのやろう・・・・龍可の精神を攻撃してきたな」

 

「でもどうやって助けるの?」

 

レミさんの言う通り今の手だと救えない。どうやって・・・・

 

「龍可!リバースカード!」

 

龍亞が大声を張り上げて私に言う。

リバースカード?・・・・!?このカードは!!

 

「そのカードでエンシェント・フェアリー・ドラゴンを救えるだろ?助けてあげなよ!大切な仲間を!」

 

そのためにこのカードを・・・・・

 

「龍亞・・・・ありがとう!ディマク!本当の戦いはこれからよ!」

 

「本当の戦い?」

 

「返してもらうわよ・・・・・私の大切な仲間を!リバースカードオープン!罠カード、ハルモニアの鏡!」

 

「(ハルモニアの鏡!?なんで龍亞のデッキに入っているの!?)」

 

「シンクロモンスターがシンクロ召喚以外の方法で特殊召喚された時、そのシンクロモンスターを自分フィールドに特殊召喚する!」

 

「何だと!?」

 

「聖なる守護の光。今交わりて永久の命となる!降誕せよ!エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

呪縛牢に囚われたエンシェント・フェアリー・ドラゴンの鎖が切れて、こっちに来る。

 

「エンシェント・フェアリー・・・」

 

『あなたが救ってくるのを私は信じてました』

 

「うん!これからよろしく!」

 

『・・・・・今のあなたならいけるかもしれないですね。精霊世界で手に入れた白紙のカードがありますね』

 

「白紙のカード・・・・・」

 

エンシェント・フェアリーに言われ、ポケットに入れておいた白紙のカードを取り出す。

 

『そのカードはあなたと私の新たなる可能性を秘めたカードです』

 

新たな・・・・・可能性・・・・・

 

『あなたの兄、龍亞とパワー・ツール・ドラゴンのようにあなた自身、そして私自身も進化することが出来ます』

 

「私にそんなことが・・・・・」

 

『進化の光を信じなさい。今のあなたならそのカードをつかえこなせます』

 

「・・・・・・・わかった、やってみる!」

 

「さっきから何を話している!例えエンシェント・フェアリー・ドラゴンを取り返しても地縛神にはかなわない!ターンエンド!」

 

「そのエンドフェイズ時にパワー・コンバーターの効果で攻撃力が0になったパワー・ツールの攻撃力を戻す!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻0→2000

 

 

ディマク 手札 3枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

地縛神 Cusillu 攻3600

【魔法・罠ゾーン】

クローザー・フォレスト (フィールド魔法)

吠え盛る大地

呪縛牢 (使用済み)

 

 

このカードの召喚条件を満たすにはあのカードが必要・・・・・精霊のみんな!力を貸して!

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 3枚

 

・・・・・来た!まずはフィールド魔法を破壊しないと・・・・・

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴンの効果!1ターンに1度、フィールド魔法を破壊する!クローザー・フォレストを破壊して!プレイン・バック!」

 

エンシェント・フェアリーの力で周りが明るく照らさらて、不気味な植物の枝が枯れてディマクの後ろの神殿が崩れる。

 

「そしてフィールド魔法を破壊した場合、LPを1000ポイント回復する!さらにフィールド魔法が破壊されたため地縛神の攻撃力も下がる!」

 

龍可 LP 400→1400

地縛神 Cusillu 攻3600→2800

 

「やった!これで地縛神の効果が消える!」

 

これで地縛神を倒せる。あとは自分自身を信じるだけ・・・・・

 

「チューナーモンスター、D・ライトンを召喚!」

 

D・ライトン 攻200

 

「ライトン?ライフ・ストリームでも出すのかな?」

 

「確かにライフ・ストリームの攻撃力なら地縛神を倒すことができるけど・・・・・」

 

私が出すのはライフ・ストリームではないよ。自分自身の進化を信じて・・・・行くよ、エンシェント・フェアリー!

 

「Lv1のD・ライトンに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Lv7のエンシェント・フェアリー・ドラゴンをチューニング!」

 

 

「・・・・・・・・・え?」

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴンを・・・・」

 

「チューニング!?!?!?」

 

☆1 + ☆7 = ☆8

 

ライトンが輪になりエンシェント・フェアリーはその中に入ると、宇宙に向かって羽ばたいていく。

 

「古の妖精龍が星の力を授かる時、永遠の宇宙を駆け抜ける流れ星に変わる。希望の弧を描く箒星となれ!シンクロ召喚!流れ行け!エンシェント・コメット・ドラゴン!!!!!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0

 

宇宙から加速して駆け降りたのは、頭に魔法使いのようなとんがり帽子を被り、翼が星のようにキラキラ輝くエンシェント・フェアリーだった。周りにはいくつか星が回っている。

 

「すごい・・・・・」

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴンが・・・・・・・進化するなんて」

 

「これが・・・・・・・龍可の新しい可能性・・・・・」

 

「バ、バカな!そんな姿聞いたことがない!」

 

皆がエンシェント・コメットを見て驚いている。私が1番驚いたけど・・・・・本当に・・・・・できちゃった。手に持っている白紙のカードにテキストとイラストが写り始める。

 

『これが私の進化した姿です。あなたの未来への可能性が新たな道を切り開きました。さあ、地縛神を倒してこの戦いに決着をつけましょう!』

 

「うん!エンシェント・コメット・ドラゴンの効果!1ターンに1度、フィールドのカード1枚を破壊する!対象は地縛神 Cusillu!」

 

「何だと!?フィールドのカードを破壊する効果だと!」

 

「コメット・・・・・お願い!スター・ブレイク!」

コメットが周りにある星と宇宙にある星を上空にあげ、地縛神に目掛けて星を降り注ぐ。無数の星に当たり弱る地縛神に最後はコメット自身が突撃して、破壊した。

 

「おのれ・・・・・だがそのモンスターの攻撃力は0!このターンで決めることなど」

 

「エンシェント・コメットは自身の効果で破壊したカードの種類によって異なる効果を得る。モンスターを破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力分このカードの攻撃力がアップする!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0→2800

 

破壊された地縛神の欠片が星屑となりエンシェント・コメットの周りの星の数がさらに増える。

 

「そ、そんな・・・・・バカな・・・・・」

 

「これで終わりよ!エンシェント・コメット・ドラゴンでダイレクトアタック!エターナル・ミディアストリーム!」

 

エンシェント・コメットが手を振ると、周りの星が流星群のようにディマクに降り注ぐ。

 

ディマク LP 2500→0

 

 

WIN 龍亞&龍可 LOS ディマク




遊輝「いや〜・・・・あれデカかったな・・・・」

龍可「何言ってるのよ(汗)」

遊輝「だってあんなデカイとは思わなんだ」

龍可「そ、そうなんだけど・・・・もっとあるでしょ」

遊輝「ない」

龍可「・・・・・・・・」

遊輝「今回のオリカ紹介に行くぞ!今回はエンシェント・コメット・ドラゴン!」



エンシェント・コメット・ドラゴン ☆8
光属性 ドラゴン族 攻0 守4000
チューナー+エンシェント・フェアリー・ドラゴン
このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードはカード効果では破壊されない。
②このカードが戦闘で破壊されたエンドフェイズ時、墓地に存在するこのカードをゲームから除外することで、墓地に存在する「エンシェント・フェアリー・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。
③フィールド上のカードを1枚選択して破壊することができる。
この時、破壊したカードの種類によって以下の効果を得る。
・モンスター・・・このカードの攻撃力は、破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。エンドフェイズ時、このカードの攻撃力を0にして、このカードを守備表示にする。
・魔法・・・デッキからカードを1枚ドローする。そのカードが、魔法カードだった場合、相手に見せることでもう一枚ドロー出来る。
・罠・・・自分の墓地に存在するカードを1枚選択して手札に加える。



龍可「エンシェント・フェアリー・ドラゴンが進化した新たなカードよ!」

遊輝「戦闘で破壊されたエンドフェイズに墓地のエンシェント・フェアリー・ドラゴンを復活させるけど、正直言って守備力4000のモンスターを戦闘破壊するんだったら先に除去するからほぼ無いに等しいな」

龍可「それ言っちゃダメ・・・・③の効果はフィールド魔法から全てのカードを対象に、しかも破壊したカードの種類によって違う効果を得るわ!」

遊輝「モンスター破壊したならそのまま攻撃。魔法・罠なら守備表示でだして守りを固めよう」

龍可「次は遊輝とレミさんがタッグでダーク・シグナーに挑むわ」

遊輝「えっと・・・・・【恐怖のアンデット・ワールド】あ、アンデット・・・・・(ガクガク)」

龍可「どうしたの?」

遊輝「な、何でもないよ・・・・(ガクガク)」

龍可「?次回もよろしくお願いします」


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第23話 恐怖のアンデットワールド

最強カードの紹介〜。

アキ「ここでは始めましてね」

初登場の十六夜アキだよ〜。

アキ「いつもこんな感じなの?」

その日の気分による。なんも話すことがなければ、さっさと紹介に行くよ。

アキ「話すことがないのね・・・・・今回はアンデットワールド」

フィールドと墓地の全てのモンスターをアンデット族に変えるフィールド魔法だよ。

アキ「相手の墓地のモンスターがアンデット族になるから、真紅眼の不死竜とかデスカイザー・ドラゴンの効果を十分に発揮することができるね」

そして見落としがちな所だが、アンデット族モンスター以外のモンスターをアドバンス召喚できないよ。

アキ「第23話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

「勝った!龍可が勝った!」

 

龍可が勝ったことにハシャグ龍亞。まさかあの白紙のカードがエンシェント・フェアリーの進化した姿とは・・・・・

 

「お疲れ龍可ちゃん!よくやった!」

 

こっちに来る龍可をねぎらうレミと龍亞。俺もその中に入る。

 

「よくやったな、龍可」

 

「///あ、ありがとう!//」

 

龍可の頭を撫でると何故か龍可が赤くなる。

 

「どうした?熱でもあるのか?」

 

「///なんでもないよ!/////」

 

「そう、それで龍亞はいつハルモニアの鏡を手に入れたんだ?」

 

「遊星に借りたんだよ。あいつがエンシェント・フェアリー・ドラゴンを見せた時、『もしかしたらシンクロ召喚以外の方法で召喚するんじゃないか?』って思って遊星に相談したら、このカードを渡してくれたんだ」

 

そう言うことね。ちゃんと考えていたんだ。

 

「ちょっ!?あんたなんでこっちに!?」

 

レミが叫ぶのでディマクの方を見たら、こっちに近づいてきた。

 

「この私が・・・・・こんなところで負けただと!?」

 

「ど、どうしたの?いきなり大声で」

 

「ルドガー様お許しを!この役にたたないディマクを」

 

「ルドガー?誰なの?」

 

「ダークシグナーに栄光あれ!」

 

突如ディマクの周りに闇の炎に包まれて消えていった。これでここのダークシグナー戦は終わりか。

 

「皆、大丈夫か?」

 

遊星と牛尾さんが来た。

 

「えぇ、龍亞君以外は無事だよ」

 

「俺も大丈夫だって!・・・・・いてて」

 

「怪我だらけの身体で大丈夫なんて言えないだろ!」

 

「少ししたらいけるよ」

 

牛尾さんが注意したら強がる龍亞、あまり無茶しなくちゃ良いんだけどね。

 

『マスター、レミさん』

 

「?どうしたんだよ突然」

 

『シークレットシグナーのもう1つの能力の練習をしましょう』

 

「突然過ぎるだろ!と言うかもう1つあったの!?」

 

何でこんな状況で能力の練習なんかしないといけないんだよ!?

 

『取り敢えず実体化します』

 

ダイヤの周りが光り、実体化した状態で現れた。

 

「な、なんだ!?突然モンスターが出てきた!?」

 

「ダイヤか・・・・・どうしたんだ?」

 

『この場でシークレットシグナーの能力の練習をしようと思います。まずはどんな能力かですね』

 

「ちょっと待ってよ。遊輝とレミさんって試練に受かったの?」

 

「受かったよ。だからこうして・・・・・」

 

手のひらに太陽を作り、皆に見せる。

 

「太陽が作れるんだよ。触らないほうがいいぞ」

 

「た、太陽を作るの・・・・・化け物だよ」

 

龍亞が若干引く。いつもなら、化け物って言われたからお仕置きなんだけど、もう否定できないからな。

 

「私は風ね。それでもう1つの能力って何?」

 

『シークレットシグナー全員に共通してモンスターの実体化が出来ます』

 

「それって・・・・・サイコパワーと一緒じゃねえ?」

 

『サイコパワーと似ていますが、いくつか違う点があります。まず1つはモンスターカードしか実体化出来ません』

 

つまり魔法や罠は無理なのね。サイクロンとかブラックホールは無理ってことか。

 

『そしてここが一番大事なのですが、その実体化能力を他の人にも渡すことが出来ます』

 

「他の人にも渡す?」

 

『はい。モンスターの実体化する能力を一定時間の間、普通の人にもできることです』

 

「つまり、私が龍可ちゃんに実体化する力を渡せば龍可ちゃんはモンスターの実体化ができると言うこと?」

 

『その通りです。この能力は精霊が見えない人でも出来ます』

 

「えっ!?それって俺も実体化することができるの!?」

 

『どのようにするかは実際にやってみましょう。マスターは龍亞さんに、レミさんは龍可さんに手を額にかざしてください』

 

ダイヤの指示通り、俺とレミは龍亞と龍可に手をかざす。

 

『そしてシークレットシグナーの力を相手に渡るよう念じてください』

 

手のひらに力を集中させ、光が出るのを確認したら龍亞に渡すように考えると、光が龍亞の身体に入る。

 

『あとは龍亞さんと龍可さんがそれぞれ実体化したいモンスターをデスクにセットすれば完了です』

 

「じゃあ、試しにクリボンを・・・・・」

 

龍可がクリボンのカードをデスクに置くと、下の穴からクリボンが出てきた。

 

『クリリン!』

 

クリボンが龍可の頭の上に乗る。

 

「す、すごい・・・・・クリボンが触れる!」

 

「遊星さんと牛尾さんはクリボンが見えるのですか?」

 

「あぁ、ちゃんと龍可の頭に乗っているのが見えるぞ」

 

「俺の目はどうかしちまったんか・・・・・」

 

牛尾さん・・・・・何も問題ないと思いますけど・・・・・

 

「じゃあ俺はこのカード!」

 

龍亞が1枚のカードをデスクに差し込むと、突然龍亞の後ろが光り始めた。光が収まるとそこには・・・・・

 

『グオオオオオーーーーーー!!!!』

 

「すっげええ!!!本当にパワー・ツール・ドラゴンが出てきた!!!」

 

龍亞の後ろにエースモンスターであるパワー・ツール・ドラゴンが悠然とした姿で立っていた。

何でそのモンスターを実体化するの・・・・・他のモンスターがいたでしょ・・・・・

 

「この能力は何分ぐらい持つの?」

 

『今の力でしたら10分は持ちますが、マスターやレミさんが練習していけばもっと伸ばすことが出来ます』

 

「ようは俺たちの練習次第なのね」

 

「能力を返してもらうときは?」

 

『時間が経てば自然消滅します。能力を渡したと言っても、今まで通りシークレットシグナーの能力は使えます』

 

それは助かるな。貸しっぱなしで能力が使えなくなるのは困るからな。

 

『マスターやレミさんはしなくても宜しいのですか?』

 

「大丈夫だよ。なんとなくわかるし」

 

「私も大丈夫」

 

『では・・・・・』

 

ダイヤが精霊に戻っていく。龍亞はまだ実体化しているパワー・ツール・ドラゴンを見て興奮している。

 

その後は原作通り、皆で遊星のダークシグナーの所に行く・・・・・・・・筈だった。

遊星がDホイールで先導しながら走っていたら、目の前に黒いマントをつけた1人の男が立っていたのだ。

 

「そこを通してくれないか?」

 

「悪いがそう言う訳にはいかないんだな〜」

 

男が右腕の袖をめくると、紫色の痣が光っていた。まさか、ダークシグナー!?

 

「あんたまさかダークシグナー!?」

 

「その通り!俺の名はミラエル!お前らシグナーを倒すために蘇った!」

 

また面倒くさそうな奴が出て来たな・・・・・よし、俺は車から降りて、ダークシグナーの前に立つ。

 

「遊輝!お前一人で!?」

 

「遊星はダークシグナーとの戦いが控えているでしょ?龍亞と龍可はデュエルした後だし、俺が行かなきゃ誰がいるんだよ。それに俺はシグナーの護衛だからね」

 

「だったら私も残るよ。私もシークレットシグナーとしてシグナーを守りたいから」

 

レミも車から降り、デスクを取り出す。これは止めても無駄だな。まあ、仲間が多い方が助かるから。

 

「つうことで遊星、先に行け。俺たちもこのデュエルが終わったら直ぐに行く」

 

「・・・・・気をつけろよ」

 

遊星がDホイールで走り出す。

 

「・・・・・遊輝!」

 

「?なに、龍可?」

 

龍可に呼ばれて振り返る。

 

「今度は無事に帰って来てね!フォーチュン・カップの時みたいにならないでね!」

 

あぁ〜、その事ね。前回は心配掛けちゃったしな〜。

 

「分かっているよ!今度は怪我なしで帰って来る!」

 

「信じているわよ!」

 

龍可と龍亞を乗せた車が遊星のあとを追い、走り出す。さてと・・・・・

 

「これが俺たちのダークシグナー戦だな」

 

「そうね。皆頑張っているのに、私たちが負けたらしゃれにならないからね」

 

「お前らが相手か。一人はフォーチュン・カップの準優勝者だが、もう一人は1回戦で敗退したから楽だな」

 

ブチッ!

 

あっ、今何かが切れた音が聞こえたような・・・・・

 

「遊輝・・・・・全力で倒すよ・・・・・」

 

「お、おぅ・・・・・・・」

 

怖ぇ〜〜・・・・・女をキレさせたら怖いのに、お互いにデスクをセットすると、周りに紫の炎がつく。

 

「「デュエル‼」」 「デュエル‼」

 

遊輝&レミ LP 8000 ミラエル LP 8000

 

 

 

〈この小説でのタッグデュエルはタッグフォースルールでやります。またターンの進め方は

ミラエル→レミ→ミラエル→遊輝 以後、この順番で回します〉

 

 

「私のターン」

 

ミラエル 手札 6枚

 

「ふむ、フィールド魔法、アンデットワールドを発動」

 

「ア、アアアア、アンデットワールド!?」

 

周りが薄気味悪い夜の森に変わる。そして周りにゾンビが・・・・・ゾンビが・・・・(ガクガク)

 

「ど、どうしたの!?足をそんなに震わせて!?顔が引きつっているよ!」

 

だ、だって、だって・・・・・ゾンビが・・・・ゾンビが・・・・(ガクガク)

 

「お、俺・・・・・ゾンビとか・・・・・幽霊とか・・・・・大の苦手なんだ・・・・・(ガクガク)」

 

「えっ!?あんた幽霊とか駄目なの!?」

 

「だ、駄目・・・・・今すぐにでも気絶しそう・・・・・(ガクガク)」

 

昔、友達と心霊スポットとかお化け屋敷に行ったけど、最後まで無事に帰った記憶がない。気づいたら、どっかのベンチとかベッドの上にいたから・・・・・

 

「へぇ〜・・・・・あ、あんたの後ろにゴブリンゾンビが・・」

 

「えっ・・・・・」

 

レミに言われて後ろを向くと、ゴブリンゾンビが目の前にいた。

 

「・・・・・・・・・だ、駄目・・・・・」

 

気を失い、倒れてしまう。

 

「ちょっ!?遊輝!しっかりして!」

 

「お前らがゴチャゴチャしている間にゴブリンゾンビを守備表示で召喚した」

ゴブリンゾンビ 守1050

 

「永続魔法、フィールドバリアを発動。フィールド魔法は破壊されず、新たなフィールド魔法を発動することもできない!カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

ミラエル 手札 2枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

ゴブリンゾンビ 守 1050

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

フィールドバリア

伏せカード 1枚

 

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

 

遊輝って幽霊とか駄目なタイプだったのね。以外だね、弱いところとかなさそうなのに。

と、そんなことより不味いわね。アンデットワールドはフィールドと墓地の全てのモンスターをアンデット族に変えるカード。私のドラグニティの効果はドラゴン族モンスターを装備すること。しかも、フィールドバリアで竜の渓谷も発動できない。私のデッキが封じられたもの同然ね。おまけに、遊輝が気絶してしまったし・・・・・

「遊輝!しっかりして!」

 

何回呼んでも遊輝は目覚めない。だんだんイライラして来た・・・・・

 

「あああああ!!!起きろおおお!!!」

 

指で作った風で遊輝の顔をひっかく。

 

「いったあああ!!!!」

 

「やっと起きた。今はデュエル中よ!集中して!」

 

「お、おぅ・・・・・(また気絶しそうなんだけど)」

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「魔法カード、調和の宝札!手札のドラグニティーブラックスピアを捨ててカードを2枚ドロー!そしてドラグニティーミリトゥムを召喚!」

 

ドラグニティーミリトゥム 攻1700

鳥獣族→アンデット族

 

剣と短い刃を持ったモンスターが出てきた。

 

「バトル!ミリトゥムでゴブリンゾンビに攻撃!」

 

ミリトゥムがゴブリンゾンビを斬る。

 

ドラグニティーミリトゥム 攻1700

ゴブリンゾンビ 守1050

 

「ゴブリンゾンビの効果。フィールドから墓地に送られた時、デッキから守備力1200以下のアンデット族モンスター1体を手札に加える。ゾンビ・マスターを加える」

 

手札 2枚→3枚

 

ゾンビ・マスターか・・・・・嫌なカードを加えたね。

 

「カードを1枚伏せターンエンド!」

 

 

レミ 手札 4枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

ドラグニティーミリトゥム 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

ミラエル 手札 4枚

 

「私はゾンビ・マスターを召喚」

 

ゾンビマスター 攻1800

 

「うげ〜、吐きそう・・・・・」

 

「ゾンビ・マスターの効果!手札のゾンビキャリアを墓地に送り、私の墓地のゴブリンゾンビを特殊召喚する!」

 

ゴブリンゾンビ 攻1100

 

「墓地に送られたゾンビキャリアの効果発動!手札のカード1枚をデッキの一番上に戻し特殊召喚!」

 

ゾンビキャリア 攻400

 

「・・・・・なぁレミ、倒れてもいい?」

 

「何言ってるのよ!あんた男でしょ!しっかりしなさい!」

 

「だって〜・・・・・怖いし、吐きそうだし、気がもたないよ〜(涙)」

 

涙目になりながら遊輝が訴えている。そんなに怖いの?ゾンビって言ってもモンスターだよ。よっぽど嫌なのね。

 

「Lv4のゴブリンゾンビとLv2のゾンビキャリアをチューニング」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「不死の竜が永遠の地獄から蘇る!シンクロ召喚!デスカイザー・ドラゴン!」

 

デスカイザー・ドラゴン 攻2400

 

デスカイザー・ドラゴン!まだ何かする気なの!

 

「デスカイザー・ドラゴンの効果!特殊召喚に成功した時、相手の墓地のアンデット族モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!女の方の墓地からアンデット族になっているドラグニティーブラックスピアを特殊召喚!」

 

ドラグニティーブラックスピア 攻1000

ドラゴン族→アンデット族

 

「そして墓地に送られたゴブリンゾンビの効果で馬頭鬼を手札に加える。Lv4のゾンビ・マスターとLv3のドラグニティーブラックスピアをチューニング」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「くず鉄の山に宿す悪魔が蘇る!シンクロ召喚!スクラップ・デスデーモン!」

 

スクラップ・デスデーモン 攻2700

悪魔族→アンデット族

 

スクラップ・デスデーモンも出てきたわ・・・・・アンデット族モンスターでないよね。☆7のシンクロモンスターを入れたかったのかな?

 

「不味いわね遊輝・・・・・遊輝?」

 

遊輝が反応しないので遊輝の方に向くと・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

立ちながら気絶していた。器用なことをしているわね・・・・・

 

「起きろおおお!!!!」

 

今度は腕を縦に振り遊輝の足元を当てて転けさせる。

 

「あいたっ!」

 

あごを地面にぶつけて遊輝の意識が戻る。

 

「いい?今度気絶したら撃つわよ!」

 

「は、はいっ!」

 

直立不動で、「気をつけ!」という構えで遊輝が立つ。こうでもしないとまたすぐに気絶しそうだもの。

 

「バトル!デスカイザー・ドラゴンでドラグニティーミリトゥムに攻撃!火炎砲!」

 

デスカイザー・ドラゴン 攻2400

ドラグニティーミリトゥム 攻1700

 

遊輝&レミ LP 8000→7300

 

「ぐうぅぅぅーーー!」

 

ミリトゥムが破壊されて、デスカイザー・ドラゴンの余波が私に襲いかかる。これがダークシグナーとのデュエル!?実際にダメージが来るとは聞いたけど、たった700ポイントでこんなに・・・・・

 

「スクラップ・デスデーモンでダイレクトアタック!スクラップハンマー!」

「そんな攻撃食らわないわよ!リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドローする!」

 

「悪いがこの攻撃は通してもらう!リバースカードオープン!魔宮の賄賂!ガード・ブロックの発動を無効にし破壊する!その代わり相手は1枚ドローするがな」

 

「くっ・・・・・1枚ドロー!」

 

レミ 手札 4枚→5枚

 

カードをドローした後、スクラップ・デスデーモンが何処からか持ってきたハンマーで私と遊輝に振り落とす。

 

遊輝&レミ LP 7300→4600

 

「ぐっ!レミ!大丈夫か!」

 

「私は大丈夫よ!あんたこそ大丈夫なの!」

 

「俺は行ける!(ゾンビと幽霊以外な・・・・・)」

 

地面に打ちつけられたけど、まだいける!

 

「ターンエンド」

 

 

ミラエル 手札 2枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

デスカイザー・ドラゴン 攻2400

スクラップ・デスデーモン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

フィールドバリア

 

いきなりライフを持っていかれたけどまだまだこれからよ!必ず勝って見せるわ!




遊輝「ゾ、ゾンビ・・・・・・(ガクガクブルブル)」

レミ「・・・・・そんな部屋の隅で丸くなってガクブル震えないの」

遊輝「何で怖くないの!?」

レミ「あんなの迷信よ迷信。あれだってモンスターでしょ」

遊輝「モンスターでも怖いものは怖いの!!」

レミ「はいはい・・・・・次回もダーク・シグナーとの戦いの続きね。【地縛神VS2体の太陽龍】。次回もよろしく」


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第24話 地縛神VS2体の太陽龍

最強カードの紹介!

ジャック「ふん、初めてだな」

元キング、もしくはニートになったジャック・アトラスだよ。

ジャック「俺は元キングでもニートでもない!」

でも事実じゃないか、まだ1回しか出てないよ。

ジャック「貴様が俺の出番を書かないからだろ!」

さっさと最強カードの紹介に行くよ〜!

ジャック「無視するな!」

今回は超弩級砲塔列車グスタフ・マックス!★ 10という超重力級モンスターだ!

ジャック「エクシーズ素材を1つ取り除くことで、相手に2000ポイントの大ダメージを与える」

シンプルながら強力なバーン効果だ!

ジャック「第24話、デュエルスタート!」


前回までの状況

 

遊輝&レミ (フィールド共有)

遊輝 手札 5枚 レミ 手札 5枚 LP 4600

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

ミラエル 手札 2枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

デスカイザー・ドラゴン 攻2400

スクラップ・デスデーモン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

フィールドバリア

 

 

 

遊輝 side

 

 

俺のターンまでにもうここまで回したか・・・・・ライフも大幅に削られたし、何より周りにゾンビが・・・・・なんでレミは平気なんだよ!もう嫌だよ〜(泣)

おまけに、手札が事故っているし・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・・!一時休戦!助かった〜、

 

「魔法カード、一時休戦!互いのプレイヤーはカードを1枚ドローする」

 

遊輝 手札 5枚→6枚 ミラエル 手札 2枚→3枚

 

「そして相手のエンドフェイズまで全てのダメージを0にする」

 

「ふっ、まさに一時休戦だな。そんなカードで俺を止められるか?」

 

うるせ〜、事故ってしまったんだよ。引いたカードは・・・・・ラッキー!カードカー・Dだ!

 

「カードを1枚伏せてカードカー・Dを召喚!」

 

カードカー・D 攻800

機械族→アンデット族

 

「カードカー・Dの効果!召喚したメインフェイズにこのカードをリリースすることで、カードを2枚ドローする!」

 

遊輝 手札 4枚→6枚

 

「そしてこのままエンドフェイズになる!ターンエンド!」

 

 

遊輝 LP 4600 手札 6枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「逃げるだけで勝てると思うなよ。私のターン、ドロー」

 

ミラエル 手札 4枚

 

何度も言わせるな!事故なんだよ!まあ次のターンに嫌ってほど攻めたるけどな。

 

「魔法カード、生者の書〜禁断の呪術〜!墓地のゾンビ・マスターを特殊召喚する!」

 

ゾンビ・マスター 攻1800

 

ミラエルの前にゾンビ・マスターが手を伸ばしながら、地面からはい上がってきた。

うえ〜・・・気持ち悪い。少なくともこのフィールド魔法をなんとかしたい。周りにゾンビや幽霊がうじゃうじゃして気絶しそうだよ。

 

「そして相手の墓地のドラグニティーブラックスピアをゲームから除外する」

 

ゾンビ・マスターがレミに近寄り、墓地にあるブラックスピアをゲームから除外する。レミは悔しそうな表情でブラックスピアのカードをポケットに入れる。

 

「ゾンビ・マスターの効果!手札の馬頭鬼を墓地に送ってゴブリンゾンビを特殊召喚!」

 

ゴブリンゾンビ 攻1100

 

「ゴブリンゾンビをリリースして真紅眼の不死竜をアドバンス召喚!」

 

真紅眼の不死竜 攻2400

 

ゴブリンゾンビが消えて出てきたのは、身体に紫の炎がある不死のレッドアイズ。

 

「墓地に送られたゴブリンゾンビの効果によりデッキから2枚目のゾンビキャリアを手札に加える。しかしダメージを与えられないなら戦闘は意味がないな。ターンエンド」

 

 

ミラエル 手札 2枚 LP 8000

【モンスターゾーン 】

デスカイザー・ドラゴン 攻2400

スクラップ・デスデーモン 攻2700

ゾンビ・マスター 攻1800

真紅眼の不死竜 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

フィールドバリア

 

 

大分フィールドを固めてきたな・・・・・俺の伏せカードは攻撃を防げない・・・・・レミ、頼んだぞ・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「(まずはモンスターの除去からね)ドラグニティーアキュリスを召喚!」

 

ドラグニティーアキュリス 攻1000

ドラゴン族→アンデット族

 

頭に鋭い刃をもったモンスターが現れた。アキュリス・・・・・手札にあのカードがあるのか?

 

「アキュリスの効果発動!召喚に成功した時に手札から「ドラグニティ」と名のついたモンスターを特殊召喚して、このカードを装備カードとして装備する!ドラグニティーレギオンを特殊召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

鳥獣族→アンデット族

 

アキュリスの隣に緑色の翼を持った鳥獣が出てきて、アキュリスがそのモンスターの背中につく。

 

「レギオンの効果!魔法・罠ゾーンの《ドラグニティ》と名のついたカードを墓地へ送ってスクラップ・デスデーモンを破壊する!」

 

レギオンが背中にいるアキュリスを放ち、スクラップ・デスデーモンに突っ込み破壊される。

 

「まだよ!装備カード状態のアキュリスが墓地へ送られた時、フィールドのカードを1枚選択して破壊する!今度はデスカイザー・ドラゴンを破壊!」

 

アキュリスの亡霊がデスカイザー・ドラゴンの背後に回って突き刺す。

 

「くっ、余計な事を・・・・・」

 

「魔法カード、精神操作!あんたのゾンビ・マスターのコントロールを1ターンだけ私のフィールドに来る!」

 

ゾンビ・マスターが頭を抑えて、レミの所に来る。

 

「なんでゾンビを奪うんだよ!!本当に吐きそうだよ!!」

 

「我慢しなさい!ゾンビ・マスターの効果発動!手札のブランディストックを墓地に送り、そのまま特殊召喚する!」

 

ドラグニティーブランディストック 攻600

ドラゴン族→アンデット族

 

「アンデットワールドの効果でコストとして送ったブランディストックはアンデット族になるからゾンビ・マスターで召喚できる!」

 

上手い!アンデットワールドの効果を逆手にとったか!それにLvの合計は8!あのモンスターが出せる!

 

「Lv3のレギオンとLv4のゾンビ・マスターにLv1のブランディストックをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 + ☆1 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

ドラゴン族→アンデット族

 

レミの後ろから風が吹き荒れ、フェザーがその風に乗って現れた。

 

『あれがダークシグナーですか。レミ様、油断せずにいきましょう』

 

「そうだね。油断せずに」

 

「ほぅ、シグナーの龍か、ようやく面白くなってきた!」

 

「本当ならフェザーの効果で墓地のドラゴン族モンスターを装備したいけど、アンデットワールドによりすべてのモンスターはアンデット族だからそれができない。だけど属性までは変えられない!フェザーの効果!墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻してフィールドのカードを手札に戻す!レギオンをデッキに戻して、対象は真紅眼の不死竜!」

 

墓地のレギオンが回収された後、フェザーが翼を広げて突風を起こす。真紅眼の不死竜は耐えられず手札に戻っていく。

 

「良し!これでフィールドはガラ空きだ!」

 

「このままバトル!フェザーでダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!」

 

ミラエル LP 8000→5200

 

やっと奴のライフが削れたな。ここから挽回しないと。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 4600

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「調子に乗るなよ!私のターン、ドロー」

 

ミラエル 手札 4枚

 

「魔法カード、闇の誘惑!手札の真紅眼の不死竜を除外して2枚ドローする。そして墓地の馬頭鬼の効果!このカードをゲームから除外してデスカイザー・ドラゴンを特殊召喚!」

 

デスカイザー・ドラゴン 攻2400

 

ミラエルの後ろからまた不気味な龍が出てきた。何度も蘇るな!だからゾンビとか幽霊とか嫌なんだよ!

 

「デスカイザー・ドラゴンの効果で、女の墓地のドラグニティーアキュリスを特殊召喚する!」

 

ドラグニティーアキュリス 攻1000

ドラゴン族→アンデット族

 

「Lv6のデスカイザー・ドラゴンにLv2のドラグニティーアキュリスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「漆黒の龍が無二の墓に引きずりこむ!シンクロ召喚!ダークエンド・ドラゴン!」

 

ダークエンド・ドラゴン 攻2600

ドラゴン族→アンデット族

 

「ダークエンド・ドラゴン!?やばいっ!」

 

「ダークエンド・ドラゴンの効果!このカードの攻撃力と守備力を500ポイント下げてフェザー・ウィング・ドラゴンを墓地に送る!」

 

「何ですって!?」

 

ダークエンド・ドラゴン 攻/守 2600/2100→2100/1600

ダークエンドの胴体から黒いガスが出て、それがフェザーを包みこみ墓地へ送られる。

 

「フェザー!」

 

「これでお前たちのフィールドは再びなくなった!ダークエンド・ドラゴンでダイレクトアタック!ダーク・フォッグ!」

 

ダークエンドの胴体から再び黒いガスが出て、俺たちに襲いかかる。

 

遊輝&レミ LP 4600→2500

 

「うわあぁぁーーーー!」

 

「ぐわっ!ぐっ・・・・・」

 

いてて・・・・・モロに受けてしまったな・・・・・身体の方はまだいけるな。

 

「はぁ、はぁ・・・・・大丈夫か?」

 

「大丈夫だよ・・・・・」

 

レミが元気なさげに答える。フェザーが墓地に送られた事がよっぽど答えたんだな、なんとかしないと、

 

「元気出せ、俺がフェザーの敵討ちをとる」

 

「うん・・・」

 

「カードを1枚伏せターンエンド」

 

 

ミラエル 手札 3枚 LP 5200

【モンスターゾーン】

ダークエンド・ドラゴン 攻2100

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

フィールドバリア

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 7枚

 

・・・・・よし、これでこのデュエルは終わる!

 

「聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

ドラゴン族→アンデット族

 

後ろからトフェニドラゴンが飛んでくる。

 

「トフェニドラゴンは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!そして特殊召喚されたトフェニドラゴンをリリースして、聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

ドラゴン族→アンデット族

 

「シユウドラゴンはフィールドの《聖刻》と名のついたモンスターをリリースすることで特殊召喚できる!そしてリリースされたトフェニドラゴンの効果!デッキ・手札・墓地からドラゴン族通常モンスター1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!デッキからエレキテルドラゴンを攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

ドラゴン族→アンデット族

 

「さらにシユウの効果!手札またはフィールドからこのカード以外の《聖刻》と名のついたモンスターをリリースすることで、相手の魔法・罠カードを1枚破壊する!手札から聖刻龍ーシユウドラゴンをリリースして、フィールドバリアを破壊する!」

 

シユウドラゴンが羽ばたいて、フィールドバリアのカードを破壊する。

 

「リリースされたシユウドラゴンの効果!こいつもデッキ・手札・墓地からドラゴン族通常モンスターを攻撃力・守備力を0にして特殊召喚できる!デッキから2体目のエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

ドラゴン族→アンデット族

 

ようやく揃った!これで下準備は終わりだ!

 

「苦労して揃えたわりには攻撃力0かよ」

 

「その高笑いする鼻をへし折ってやる!Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!」

 

「オーバーレイ!?」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!セイクリッド・トレミスM7!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

機械族→アンデット族

 

ブラックホールから光の機械・セイクリッド・トレミスM7が舞い降りた。

 

「こいつが・・・・・エクシーズモンスター・・・・・ルドガーが言っていたこの世界にないカード・・・・・」

 

「(やはりあっちに情報が漏れているか、本気で行かないと!)トレミスは1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除くことで自分または相手のフィールドもしくは墓地のモンスター1体を手札に戻す!俺が選択するのはもちろんダークエンド!」

 

セイクリッド・トレミスM7 OVR 2→1

 

トレミスが光の閃光を出し、ダークエンドはエクストラデッキに戻る。

 

「くっ、ダークエンドまでも!」

 

「魔法カード、おろかな埋葬!デッキからレダメを墓地に送って、レミのリバースカードオープン!リビングデットの呼び声!墓地に送ったレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

ドラゴン族→アンデット族

 

「レダメの効果!1ターンに1度、手札または墓地からドラゴン族モンスターを特殊召喚できる!現れろ!銀河を宿いし光の龍!銀河眼の光子竜!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

ドラゴン族→アンデット族

 

上空に出来た銀河からプラチナが舞い降りた。

 

『主、このターンで決めるつもりですか?』

 

「あぁ、あいつが厄介なモンスターを出す前に倒さないと(本音は早くこの空間から出たい!ゾンビとか幽霊がうじゃうじゃいるから、また気絶しそうだよ・・・・・)」

 

『気を付けてください。相手がそう簡単に負けるはずがありません』

 

「わかった」

 

「女といい、さっきから何を喋っている!早くしろ!」

 

ミラエルがイライラしながら言ってくる。あいつ精霊が見えないのか?まあ、それが普通か。

 

「魔法カード、ギャラクシー・クィーンズ・ライト!フィールドのLv7以上のモンスターを選択して、それ以外のモンスターのLvをエンドフェイズまで選択したモンスターと同じLvにする!俺が選ぶのはLv10のレダメ!ギャラクシーアイズとシユウドラゴンのLvを10にする!」

 

銀河眼の光子竜 ☆8→☆10

聖刻龍ーシユウドラゴン ☆6→☆10

 

「またLvを揃えてきやがった!」

 

「Lv10になったシユウドラゴンとレダメでオーバーレイ!」

 

☆10 × ☆10 = ★10

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!突撃せよ!超弩級砲塔列車グスタフ・マックス!」

 

超弩級砲塔列車グスタフ・マックス 攻3000

機械族→アンデット族

 

後ろからレールを2本使ってとてつもなくでかい戦車らしきものが走ってきた。

 

「で、でかい!」

 

「グスタフ・マックスの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて相手に2000ポイントのダメージを与える!」

 

「2、2000のバーン⁉」

 

「行くぜ!発射オーライ!ビック・キャノン!」

 

グスタフ・マックスの砲台から長い砲身が出て、ミラエルを焦点にし発射する。

 

超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス OVR 2→1

ミラエル LP 5200→3200

 

よし!あとはバトルするだけだ!

 

「これで終わりだ!ギャラクシーアイズでダイレクトアタック!破滅のフォトン・ストリーム!」

 

「これで勝ったわ!」

 

プラチナが力を貯めて、ミラエルに撃つ。これが決まれば・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボーン、ボーン・・・・・

?何の音だ?まるで時計台が時刻を知らせるような・・・・・

 

「手札のバトルフェーダーの効果!」

 

バトルフェーダー!?そんなカード握っていたのか!?

 

「相手のダイレクトアタック宣言時、このカードを特殊召喚し、バトルフェイズを終了する!」

 

バトルフェーダー 守0

悪魔族→アンデット族

 

ミラエルの前に振り子を振りながら、バトルフェーダーが出てきた。

あと一歩だったのに・・・・・だけどまだこっちが有利なのは変わらない。

 

「ターンエンド!」

 

銀河眼の光子竜 ☆10→☆8

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

銀河眼の光子竜 攻3000

超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

リビングデットの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

ミラエル 手札 3枚

 

ドローしたカードを見た瞬間、ミラエルが笑った。何を引いたんだ?

 

「お前らのおかげで面白いデュエルが出来た!だがこのデュエルは俺がいただく!リバースカードオープン!リビングデットの呼び声!墓地からゾンビ・マスターを特殊召喚する!」

 

ゾンビ・マスター 攻1800

 

ゾンビ・マスター?何でゾンビ・マスターなんだ?どうする・・・・・・・・!あいつのフィールドにモンスターが2体!

 

「バトルフェーダーとゾンビ・マスターをリリース!」

 

バトルフェーダーとゾンビ・マスターが消えて、上空に巨大な物体が現れた。

 

「く、来るぞ!」

 

「地縛神の・・・・・登場!」

 

「我が運命の光に潜みし亡者達の魂よ!流転なるこの世界に暗黒の世界を導くため、我に力を与えよ!現れよ!地縛神Uru!」

 

地縛神 Uru 攻3000

昆虫族→アンデット族

 

上空の不気味な物体が光り、目を開けると周りに赤いコブみたいのがついていて、蜘蛛のような巨大なモンスターだった。そんな紹介よりUru!?何であいつがUruのカードを持っているの!あれはルドガーのカードだよ!

 

「でかい!遊輝のモンスターよりでかいなんて・・・」

 

地縛神がでかいのはさっき龍亞のデュエルで確認したでしょ!

 

「地縛神はダイレクトアタックが可能だ!バトル!地縛神Uruでダイレクトアタック!ヘル・スレッド!」

 

Uruが口から黒い糸を無数に吐いてくる。

 

「終らねぇよ!手札の速攻のかかしの効果!ダイレクトアタック時、手札からこのカードを墓地に送ってバトルフェイズを終了させる!」

 

目の前に速攻のかかしが現れて、Uruの攻撃を防ぐ。

 

「ふっ、首の皮1枚持ったな。だけどこの地縛神にはかなわない!」

 

「んなもんやってみなきゃわからねぇだろ!」

 

「そうよ!まだデュエルは終わっていないわ!」

 

「だったらこいつを倒してみろ!その前にそのモンスター達を葬ってやる!手札のゾンビキャリアを墓地に送り魔法カード、ライトニング・ボルテックス発動!相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊する!」

 

「なっ!ライボル!?」

 

俺のフィールドに雷が落ちて全てのモンスターが破壊された。すまねぇプラチナ、守ることができなくて・・・・・

 

『(気にしなくても構いません。必ず勝ってください)』

 

「(プラチナ・・・・・当たり前だ!必ず勝つ!)」

 

「ターンエンド!さあこの状況をひっくり返してみろ!もっとも次のターンで決まるがな!」

 

 

ミラエル 手札 0枚 LP 3200

【モンスターゾーン】

地縛神Uru 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

リビングデットの呼び声 (使用済み)

 

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

 

厄介なモンスターが出てきたね・・・・・今の手札だとあの地縛神を倒せない。なんとかこのドローで良いカードを引かないと・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

・・・・・・・・駄目だわ。このカードじゃ地縛神を倒せない。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 1枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「いよいよ手が尽きたか、私のターン、ドロー!」

 

ミラエル 手札 1枚

 

伏せカードはミラーフォースとブラフのカード。これで遊輝まで渡ればまだ可能性が・・・・・

 

「魔法カード、地縛旋風!フィールドに地縛神が存在する時、相手の魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

「!?そんな!」

 

このままじゃ負けてしまう!でもあのカードを防ぐカードが「レミ!俺のリバースカードを使え!」遊輝の伏せカード?・・・・・これは!

 

「チェーンでリバースカードオープン!ダメージ・ダイエット!このターンの私たちが受ける全てのダメージは半分になる!」

 

私たちの前にバリアが貼られる。これでこのターンは耐えられる。遊輝はずっとこのカードを伏せていたのね。

 

「チッ、このターンでも仕留められないか、だがダメージはうけてもらう!地縛神Uruでダイレクトアタック!ヘル・スレッド!」

 

地縛神が糸を吐きだし、私たちを地面に叩きつける。

 

「きゃあああーーーーーー!」

 

「ぐわああぁぁーーーーーー!」

 

遊輝&レミ LP 2500→1000

 

う・・・・・うう・・・・・こんなに強力なんて・・・・・

 

「決まったな、あの攻撃を真正面からうけたら立つことはできない」

 

う・・・・・まだ終わってない・・・・・なのに身体が言う事を聞かない・・・・・さっき地面に叩きつけられた時に何処か骨をやられたみたい・・・・・

 

「サレンダーしろ。このまま続けても意味がない」

 

サレンダーなんかしたくない・・・・・でも身体が動かない・・・・・どうす「誰がサレンダーなんかするもんか・・・・・」!遊輝!

 

「まだ終わってない・・・・・デュエル続行だ!」

 

「ふん、頭から血を流している奴が続行だと?笑わせるな」

 

頭から血だって!このまま続けてたらまた命の危険が・・・・・

 

「ふざけるな!頭から血が流れてデュエルできないだと?そんな簡単に倒れるやわじゃないわ!まだデッキもライフも残っている!これが尽きるまで俺は戦う!」

 

遊輝がデスクを構える。私も立たないと・・・・・

 

「私も・・・・・諦めない!」

 

「ふっ、身体がボロボロの状態で何ができる!次のターンがお前たちの最後だ!ターンエンド!」

 

 

ミラエル 手札 0枚 LP 3200

【モンスターゾーン】

地縛神Uru 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

アンデットワールド

リビングデットの呼び声 (使用済み)

 

 

頼んだよ・・・・・遊輝・・・・・

 

 

レミ side out

 

 

遊輝 side

 

 

いって〜、ダメージ半分にしてもここまで食らうとは、やっぱ地縛神は別格か、おまけに頭から血が流れるわ、また骨を数本やってしまうわこの世界に来て骨が折れるの3度目だな。また身体を鍛え直すか。さてと、奴のいう通り、これが正真正銘ラストターンだな・・・・頼むぞ、俺のデッキ!!

 

「俺の・・・・・ターン!!ドロー!!」

 

手札 2枚

 

・・・・・良し!

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!お互いデッキからカードを3枚ドローする!」

 

お互いにデッキに手をかざす。

 

「(あの地縛神を倒れるカードを!)ドロー!!」

 

遊輝 手札 1枚→4枚 ミラエル 手札 0枚→3枚

 

・・・・・来た!これで勝てる!

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からシユウドラゴンを特殊召喚!」

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

ドラゴン族→アンデット族

 

「シユウドラゴンの効果!手札のアセトドラゴンをリリースしてアンデットワールドを破壊する!」

 

「何だと!?」

 

地縛神Uru アンデット族→昆虫族

聖刻龍ーシユウドラゴン アンデット族→ドラゴン族

 

シユウドラゴンが羽ばたいて、不気味な森が消えていく。フィールド魔法がなくなったことで、Uruは少し身体が重くなったように地面に失せる。

 

「これで地縛神の効果は消える!さらにリリースされたアセトドラゴンの効果!墓地のエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「そしてエレキテルドラゴンの特殊召喚にチェーンして速攻魔法、地獄の暴走召喚!攻撃力1500以下のモンスターが特殊召喚した時、同名モンスターを手札・デッキ・墓地から攻撃表示で特殊召喚する!墓地のエレキテルドラゴン2体を特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン 攻2500 ×2

 

「チッ、地縛神Uruはデッキに1体しか存在していない!」

 

「Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

上空から白い太陽がゆっくりと舞い降りて、少しずつ形を変えていきホワイトが姿を表す。

 

『ギャアアアァァァーーーーー!』

 

やる気満々だな。ちょっと待っとけ、もう1体も出すからな。

 

「シグナーの龍か・・・・・だが攻撃力が足りない!」

 

「何勘違いしてるの?シグナーの龍はホワイトだけじゃないよ!」

 

「!?どういう事だ!」

 

「チューナーモンスター、ドレッド・ドラゴンを召喚!」

 

ドレッド・ドラゴン 攻1100

 

頭がもじゃもじゃしている小さな龍が現れた。

 

「さっきの答えだ!Lv6のエレキテルドラゴンにLv2のドレッド・ドラゴンをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

上空に今度は黒い太陽が現れて、変形してブラックが出てくる。

 

『グォオオオオーーーーーー!』

 

こっちもやる気十分だな!さあ、最後の仕上げにかかるか!

 

「2体目のシグナーの龍だと!?だがそいつも地縛神にはかなわない!」

 

「ブラックの効果!特殊召喚時、墓地のエクシーズモンスター1体を装備カードとしてこのカードに装備する!対象はグスタフ・マック!」

 

ブラックの下に穴が開き、グスタフ・マックを吸収する。

 

「そしてブラックは装備したモンスターの攻撃力分、攻撃力が上がる!」

 

「な、何だと!?」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→4000

 

「バ、バカな・・・・・地縛神が、俺が負けると言うのか・・・・・」

 

ブラックの攻撃力4000を目の当たりにしてミラエルが少し顔を引きつり、足を2,3歩後ろに引く。

 

「バトル!ブラックで地縛神Uruに攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

ブラックが黒い光線を地縛神に向かって打ち、地縛神は崩れてゆく。

 

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻4000

地縛神Uru 攻3000

 

ミラエル LP 3200→2200

 

 

「うわあぁぁぁーーーーー!」

 

「ラスト!ホワイトでダイレクトアタック!」

 

「「サンシャイン・パティズム!!」」

 

ホワイトがミラエルに向かって、白い光線を撃つ。

 

 

ミラエル LP 2200→0

 

 

WIN 遊輝&レミ LOS ミラエル




遊輝「やっとゾンビから海保された・・・・・」←若干涙目

レミ「まだ言うの!?」

遊輝「ゾンビと幽霊は怖いんだ!!!」

レミ「(・・・・・・これはまた重症ね(汗)。過去に何があったのよ・・・)」

遊輝「もう二度とあんなデュエルしたくない!」

レミ「それって地縛神との?」

遊輝「アンデット族とだ!!」

レミ「・・・・・・・・・・・・・」

遊輝「次回は・・・・・作者が手を抜いて、そのままダーク・シグナーの戦いを終わらせるらしいぞ」

レミ「【最後の戦い】。次回もよろしく」


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第25話 最後の戦い

今回は最強カードの紹介はありません。そして、今回は一気にゴドウィンとの決着まで持っていきます。

それではどうぞ!


遊輝 side

 

「よっしゃ!勝ったぜ!」

 

「やったね!」

 

パーン!

 

俺とレミがお互いに手を叩いた音が響き渡る。何にせよ、ダークシグナーを倒せたのは大きいぜ。

 

「私が・・・・・こんなところで・・・・・」

 

ミラエルが紫の炎に包まれて、塵となっていく。これでここのダークシグナー戦は終わりだな。代償はあるけど。

 

「あんた、頭から血が出てるけど大丈夫?そう言う私も骨をやられてしまったみたいだけど」

 

「大丈夫だよ。ろっ骨と左の腕が折れているけどね」

 

「それのどこが大丈夫なの!?私より酷いじゃない!」

 

「そうか?頭の怪我は数時間で治るし、骨折も1日あれば全部回復しているよ」

 

「・・・・・・・一体何処からそんな治癒力が生まれるのよ・・・・・」

 

レミがボソッと呟いた。普通だと思うけどな〜、骨折が1日で治るのは。

 

「ところでこれからどうやって遊星さん達と合流するの?」

 

「・・・・・どうしよう(汗)。最初はダイヤに頼んでDホイールを持ってきてもらおうと思っていたけど」

 

「お互いに骨折をしているから無理だね」

 

マジでどうしよう・・・・・歩いていくのも無理があるし、かといってこのまま待っても来るとは限らないし・・・・・(汗)

 

『主、私たちを実体化して遊星さんの所まで飛びましょうか?』

 

『私たちは大丈夫ですので直ぐにでも行くことができます』

 

実体化して飛ぶか・・・・・それしか方法がないか。

 

「じゃあ頼む。今から実体化してもらうぞ」

 

プラチナのカードをデスクにセットするとプラチナが出てきた。何故か救急セットも一緒に・・・・・

 

「なんで救急箱を持っているの?」

 

『主、頭から血が出ているのですよ。包帯ぐらいは巻いておかないといけません』

 

「大丈夫だって。直ぐに治るよ」

 

「そんな事言わずにさっさと包帯を巻きなさい!」

 

「大丈夫・・・・・・・はい、巻いてください・・・・・」

 

大丈夫って言おうとした瞬間、レミが銃の構えをして頭に向けたので、巻いてくださいと言ってしまった。

銃は卑怯だよ、直ぐに治るのに・・・・・

 

『巻き終わりましたので行きましょうか』

 

いつのまにか頭に包帯が巻かれ、プラチナが頭を下げて俺たちを待っている。ここに長くいる必要もないからさっさといくか。

 

「それじゃ行こうか」

 

「頼むわね、プラチナ」

 

『では、しっかりとつかまってください』

 

プラチナが翼を広げ、巨人の地上絵が描かれている場所に向かう。

 

 

ー(制御装置 上空)ー

 

 

「これで最後だ!セイヴァー・スター・ドラゴンで地縛神Ccapac Apuに攻撃!シューティング・ブラスター・ソニック!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴンが地縛神Ccapac Apuに突進して地縛神が破壊される。

 

「う、うわあああーーーーーー!!!」

 

鬼柳 LP 2900→0

 

WIN 遊星 LOS 鬼柳

 

 

 

「鬼柳!」

 

遊星が倒れている鬼柳に近寄る。デュエルで負けた鬼柳は立ち上がる気配がしない。

 

「グッ・・・・・遊星・・・・・」

 

「鬼柳!俺はあの時間違っていた!あの時、俺一人が犠牲になっていれば仲間が救えると思っていた!だけどそれは間違っていた!本当に救えるのは仲間との絆だ!」

 

遊星の目から涙が流れている。

ちなみに俺とレミは邪魔にならないようにプラチナの上で待っている。

 

「遊星・・・・・俺はお前との復讐の前にもう一つの願いがあった・・・・・」

 

「鬼柳・・・・・」

 

「チームサティスファクションのラストデュエルをしたかった・・・・・憎めなかったんだよ・・・・・お前たちを・・・・・」

 

鬼柳は塵になりながら遊星に最後の言葉を掛ける。遊星は大声で泣きながら、鬼柳にダークシグナーを倒すことを誓った。

 

 

 

 

 

遊星がモーメントを封印したのを確認した後、プラチナが龍可たちに近い所に着陸して俺とレミを降ろす。

 

「遊輝!レミさん!」

 

「無事だったんだ!」

 

「当たり前だろ!あんな所で負けたら皆に顔をあわせられないよ!」

 

「包帯を巻いた顔でよくあえるね」

 

「それとこれとは別だろ!」

 

「(あの2人、漫才コンビになれるよね?)」

 

「(そこまでは行かないでしょう。確かに息は会っているけど)」

 

龍亞と龍可がボソッと何か呟いた。何か漫才とか聞こえたけど気にしない。

 

「それじゃ聞くけど、何で遊輝もレミさんも包帯を巻いているの?」

 

「勝利の勲章ってやつ」

 

「カッコつかなくていいわよ。私も遊輝も地縛神の攻撃で骨が折れたの。遊輝はそれに頭から血が出たから、頭にも巻いているの」

 

「やっぱり・・・・・」

 

龍可がため息をつく。何やっぱりって?そんなに分かることなの?

 

「ここの制御装置は封印したから、皆の所に行こう。太陽が沈む前に全ての制御装置を封印しないと冥府の扉が開いてしまう」

 

「早速行きましょうか」

 

遊星が自分のDホイールに乗り、俺たちは牛尾さんが運転する車に乗って、残るジャックとアキさんの所に向かう。

 

 

ー(旧モーメント)ー

 

 

遊星がルドガーを倒し、全てのダークシグナーを倒したが・・・・・

 

「太陽が沈んちゃった・・・・・・」

 

「遅かったか・・・・・・・」

 

既に太陽が沈んでしまい、皆が落胆している時・・・・

 

「な、何だあれは!?」

 

シティの方にコンドルの地上絵が現れて、冥府の王が出現した。そして赤き龍の力で俺たちはゴドウィンの館に戻る。目の前にはゴドウィンの姿が・・・・・

 

「ゴドウィン!これは一体・・・・・」

 

「冥府の扉が開いてしまいました」

 

「そんな!それじゃ世界は・・・・・」

 

「終わりです」

 

「嘘・・・・・」

 

「何故冥府の王がこっちに来ている?」

 

「私が呼んだのですよ」

 

「何!?どういう事だ!」

 

ジャックが問いかけると、ゴドウィンの胸にコンドルのマークが浮かび上がり、館の地下にあったはずの神殿が地上に出てくる。そして右腕を取り、カプセルにあるドラゴン・ヘッドの痣の腕を代わりにつける。

 

「我は神になる!邪神の力でこの世界を滅ぼし、赤き龍の力で新たな世界を作る!」

 

「そんな事はさせない!ゴドウィン!デュエルだ!」

 

「良いでしょう。世界の運命をかけたデュエルを!」

「俺もやるぞ!」

 

「俺も!」

 

「じゃあ俺も」

 

「あんたは無理よ!骨折している上に、今Dホイールを持ってないでしょ!」

 

やっぱ無理か。参加したかったな〜、骨折しててもいけそうな気がしたけどな〜。

 

『(マスター、無茶はダメです)』

 

ダイヤにも言われたよ・・・・・

遊星たちが浮かび上がったコンドルの地上絵に乗り、ゴドウィンとの最終決戦に臨む。

 

 

 

デュエルもいよいよ大詰め、遊星が仲間との大切さ、未来への思いをゴドウィンに言う。

冥府の王も直ぐそこまで来ている。そして遊星の背中に赤き龍が浮かび上がり、デッキが光る。

 

「何故だ・・・赤き龍は神たる我を選んだのではなかったのか!?」

 

「違う!絆を選んだんだ!俺たちの絆が運命を超えて行く!」

 

「「「「「「「遊星ーーーー!」」」」」」」

 

遊星のラストターンが始まる。

 

「俺のターン!墓地のスターダスト・シャオロンの効果!フィールドにスターダスト・ドラゴンがいる時、墓地から特殊召喚できる!」

 

スターダスト・シャオロン 攻100

 

「そして救世竜セイヴァー・ドラゴンを召喚!」

 

救世竜 セイヴァー・ドラゴン 攻0

 

「Lv1のスターダスト・シャオロンとLv8のスターダスト・ドラゴンにLv1の救世竜セイヴァー・ドラゴンをチューニング!」

 

☆1 + ☆8 + ☆1 = ☆10

 

セイヴァー・ドラゴンが大きくなってスターダストとスターダスト・シャオロンを包み込む。

 

「集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す!光差す道となれ!シンクロ召喚!光来せよ!セイヴァー・スター・ドラゴン!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン 攻3800

 

赤き龍が吠え、スターダストがセイヴァー・スター・ドラゴンになった時・・・・・

 

「セイヴァー・スターの効果!地縛神WiraqochaRascaの効果を無効にする!サプリメーション・ドレイン!」

 

「何だと!?」

 

セイヴァー・スターの身体が青く光り、地縛神が弱る。

 

「リバースカードオープン!シンクロ・バトン!俺たちの墓地のシンクロモンスター1体につき、俺のフィールドのシンクロモンスター1体の攻撃力は600ポイントアップする!墓地に存在するシンクロモンスターは4体!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン 攻3800→6200

 

「仲間の絆が今ここに集結する!バトル!セイヴァー・スター・ドラゴンで地縛神WiraqochaRascaに攻撃!シューティング・ブラスター・ソニック!」

 

セイヴァー・スターが地縛神WiraqochaRascaに向かい、突き抜ける。

 

「うわああああぁぁぁーーーーーー!」

 

セイヴァー・スター・ドラゴン 攻6200

地縛神WiraqochaRasca 攻1

 

ゴドウィン LP 5900→0

 

WIN 遊星&ジャック&クロウ LOS ゴドウィン

 

そしてセイヴァー・スターが冥府の王に振り向く。

 

「冥府の王よ!今一度封印せよ!シューティング・ブラスター・ソニック!!!」

 

セイヴァー・スターが冥府の王に攻撃する。冥府の王の動きが止まり、崩れ落ちていく。

 

 

 

こうして、シグナーとダークシグナーとの長きに渡る戦いは終わりを告げた。




遊輝「いや〜・・・・何ていう手抜き感」

龍亞「すっごいバッサリカットしたよね?アニメして10話分くらい?」

レミ「何でこうなったのやら・・・・」

龍可「でもやっと第1章が終わりましたね」

龍亞「これでやっとなら第2章どんだけ長いのよ・・・・」

遊輝「倍以上あるからな。第2章」

レミ「第2章は学園編。遊輝がアカデミアに編入、龍亞君・龍可ちゃんもアカデミアに戻って皆で学生生活を楽しむよ!」

龍亞「まずは遊輝の編入試験!【編入試験 プライドを潰せ!No,33 マシュ=マック】」

龍可「次回もよろしくお願いします」


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第2章 アカデミア編
第26話 編入試験プライドを潰せ! No,33 マシュ=マック


最強カードの紹介〜、

遊輝「3度目だな」

主人公の遊輝だよ〜。

遊輝「俺に回ってきたという事はまだメインキャラを出し切ってないという事だな」

そのとお〜り、話が分かるね。

遊輝「もう分かってきたよ。最強カードの紹介に行くか。今回はNo,33先史遺産ー超兵器マシュ=マック。ランク5のモンスターだ」

1ターンに1度、エクシーズ素材を取り除く事で、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力とその元々の攻撃力の差分のダメージを与え、その数値だけこのカードの攻撃力を上げる事ができる!状況によっては1killが可能なモンスターだ!

遊輝「第26話、そして第2章、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

ダークシグナーとの戦いから2週間近く、頭の怪我はその日の内に、骨折も全て1日で治したよ。レミの方も、骨折って言ってもそこまで大きくなかったから昨日にギプスが外れたみたい。

ちなみに俺の事情は全ての戦いが終わった次の日に、ジャックやアキさん、クロウや牛尾さん達にも事情を説明した。セキュリティは俺がエクシーズモンスターを持っていたから大分俺の事を警戒していたけど、牛尾さんと狭間さんが「これ以上は手を出さない」と約束してくれたから安心して生活できるよ。そんで今は・・・・

 

「これはこうするのよ」

 

「なるほど、ありがとう」

 

レミに勉強を教えてもらっている。理由?あの戦いの後、龍可たちの両親が帰ってきて龍亞と龍可の復学と同時に「アカデミアに通わないか?」って言われたから。最初はお金の事もあって断ったけど、「気にしなくても良いよ」と言われ言葉に甘えてアカデミアに通うことを決めたんだ。そのためには編入試験があるから、レミやアキさんに頼んで細かいルールなどを教えてもらっているんだ。他の勉強はだって?前世で高校2年までの勉強をして中学生の内容が分からなかったら恥ずかしいだけだよ。

 

「今日もありがとう」

 

「どういたしまして、それで明日は3人ともどうするの?」

 

「俺と龍可はアキ姉ちゃんと一緒に行って復学届けを出すよ」

 

「アキさんも休学扱いを解いてもらうみたい。その後に遊輝の実技試験を見に行くわ」

 

「俺は午前中に筆記があって、午後に龍可が言った通り実技試験を受ける」

 

「じゃあ私も実技試験の見学をしようかな」

 

レミも見にくるのか、じゃあ余計に頑張らないといけないね。

 

「じゃあ明日アカデミアで。頑張って合格してね!」

 

「任しとけ!」

 

レミが部屋から出て、家に帰る。

さてと、もうこんな時間か。夕飯を作らないと。俺はキッチンに向かう。

 

「あっ、私も手伝うわ」

 

龍可もキッチンに入り料理の準備をする。ここ最近思ったけど、何か龍可が俺に引っ付いているような気がするのだけど・・・・

 

「なあ龍可、何かあったのか?最近やけに近くにいるように思うけど?」

 

「そ、そんな事ないわよ!(ダークシグナーとの戦いで遊輝に甘えられなかったなんて絶対に言えない!)」

 

「そう?」

 

だったら気のせいかなえっと、夕飯はハンバーグにでもするか。

 

 

ー(翌日 デュエルアカデミア 校門前)ー

 

 

3人でアカデミアに来て校門前でアキさんを待っている。レミは実技試験に合わせて来るみたい。

 

「アキ姉ちゃん!こっちだよ!」

 

龍亞が手を振り、アキさんに場所が分かるようにする。アキさんが走りながらこっちに来る。

 

「早かったわね。早く出た方が良かったかしら?」

 

「私たちもさっき来たので気にしなくて良いですよ」

 

「そうなの。じゃあここで立ち話をしても無駄だし早速行きましょうか」

 

アキさんを先頭に俺たちはアカデミアの中に入り、職員室に行く。

 

「ここからは遊輝は一人ね」

 

「頑張ってよ!一緒にアカデミアに行きたいんだから!」

 

「おう!じゃあ行ってくるわ!」

 

さあ、まずは筆記試験だ!

 

 

 

ー(数時間後 アカデミア デュエル会場)ー

 

 

 

無事に筆記試験が終わり、今はデュエル会場で龍可や龍亞、アキさんとさっきここに来たレミと談笑しながら試験管を待っている。筆記の方は問題なく行けたよ。あとは実技試験で試験管に勝てばいいだけだ。

っと、試験管が来たみたいだな。

 

「試験管が来たから、降りるわ」

 

「頑張ってね!」

 

「・・・・・・・あいつは・・・・・」

 

階段を降りて、デュエルフィールドに立つ。うん?あの試験管、まさか・・・・・・・

 

「君が受験生の遠藤遊輝君ですね?」

 

「は、はい・・・・・・・」

 

「では今から、実技試験を始めるのでありま〜す」

 

何でよりによってハイトマンなんだよ!こいつエリート意識が高くて嫌なんだよ!まあいいや、こいつに勝てばいいんだから。

 

「では始めるのでありま〜す」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 ハイトマン LP 4000

 

「先行は貰います!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・おし、まあまあだな。まずは・・・・

 

「キラー・トマトを守備表示で召喚!」

キラー・トマト 守1100

 

フィールドにトマトのようなモンスターが現れた。こいつは以外とこのデッキに合うんだよね。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

キラー・トマト 守1100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「低レベルモンスターを守備表示で出しただけですか。そんな事では私には勝てません!私のターン、ドロー!」

 

ハイトマン 手札 6枚

 

うるせ〜な、低レベルモンスターでも役に立つカードはいっぱいあるんだよ。こいつだって闇属性モンスターのサーチができる優秀なカードなんだぞ!相変わらずのエリート思考かよ。

 

「速攻魔法、サイクロンを発動!私から見て左側のカードを破壊するのでありま〜す」

 

げっ!?やばっ!

 

「チェーンでリバースカードオープン!ダメージ・ダイエット!このターンに俺が受けるダメージを半分にする!」

 

破壊される寸前でバリアが張られる。これでこのターンで負けることはないだろう。

 

「ダメージが半分にしても私のすることは変わりませ〜ん。古代の機械石造を召喚」

 

古代の機械石造 攻500

 

「アンティーク!?あの教頭、遊輝を負かす気でいるわよ!」

 

「おや〜、そこにいるのはフォーチュン・カップで1回戦負けした葵レミさんではないですか」

 

レミの声に反応してハイトマンが観客席に向く。対するレミは1回戦負けって言われたのが悔しいのか罵声を言っている。

 

「(んな事よりアンティークかよ!しかもあのモンスターの効果は手札の古代の機械巨人を特殊召喚する効果!本気でやばい!)」

 

「では、今から1回戦負けしたレミさんとそこの受験生に低レベルモンスターの使い方を教えてあげましょう。魔法カード、機械複製術を発動!フィールドの攻撃力500以下のモンスターと同名モンスターをデッキから特殊召喚します!私は2体の古代の機械石造を特殊召喚します!」

 

古代の機械石造 ×2

 

嘘だろ!3体揃えやがった!ていう事は残りの手札は・・・・

 

「古代の機械石造の効果を発動!このカードをリリースして手札の古代の機械巨人を3体特殊召喚します!」

 

古代の機械巨人 攻3000 ×3

 

石造が消えて出てきたのは歯車を身体にした巨人が3体。どんな手札をしていたんだよ!初手にゴーレムを3枚持っているなんて普通事故だよ!

 

「これが私の切り札、エリート教師にしか許されないモンスター!あなたのモンスターなんか粉砕してあげましょう!バトル!古代の機械巨人でキラー・トマトに攻撃!古代の機械巨人は貫通能力を得てます!アルティメット・パウンド!」

 

「ダメージ・ダイエットの効果で俺が受けるダメージは半分になる!」

 

古代の機械巨人がキラー・トマトに殴る。

 

古代の機械巨人 攻3000

キラー・トマト 守1100

 

遊輝 LP 4000→3050

 

ぐう!!!ダメージ・ダイエットが無ければ完全に負けていたな。

 

「キラー・トマトの効果!戦闘で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスターを攻撃表示で特殊召喚する!2体目のキラー・トマトを特殊召喚!」

 

「また低レベルのモンスターですか。そんなモンスター私の古代の機械巨人には及びません!2体目の古代の機械巨人で攻撃!」

 

古代の機械巨人 攻3000

キラー・トマト 攻1400

 

遊輝 LP 3050→2250

 

「キラー・トマトの効果!3体目のキラー・トマトを特殊召喚!」

 

「良い加減しつこいですね。これで散りなさい!3体目の古代の機械巨人で攻撃!」

 

古代の機械巨人 攻3000

キラー・トマト 攻1400

 

遊輝 LP 2250→1450

 

ありがとなキラー・トマト、十分に役割を果たしてくれたよ。

 

「キラー・トマトの効果!今度はガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

トマトの次には鎖を振り回しながらダイヤが出てきた。

 

『マスター、随分劣勢ですね』

 

「今はな。次のターンで挽回してやるよ」

 

よし、これで反撃の準備は整った。次のターンが勝負の別れ目だな

 

「ふん、そんな雑魚モンスターだけのデッキでは私には勝てません!」

 

カチン!

今・・・何て言いやがった・・・・・俺の仲間が雑魚だって・・・・デッキが雑魚だって・・・・・

 

「俺の仲間が・・・・・・雑魚ですって?」

 

「ええ!そんな低レベルのモンスターで何の役に立つのです!低レベルモンスターは高レベルモンスターの生贄になればいいのです!あなたみたいな低レベルモンスターだけで組んでいるデッキは雑魚に等しいのです!」

 

ブチッ!

良いだろう・・・・・・・そんなに雑魚雑魚と言うなら見せてやるよ・・・・・・・この世界に来て、あまりにも簡単に決まるから封印した凶悪なコンボを!!

 

「これでターンエンド。どう考えても私の勝ちは決まりですがね」

 

 

ハイトマン 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

古代の機械巨人 攻3000 ×3

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

〜(一方その頃、龍可たちは・・・・・・)〜

 

「なんだよあいつ!遊輝のモンスターを雑魚呼ばわりにして!」

 

「どんなモンスターでも役に立てるカードなのに」

 

「ねぇ、そんな事より遊輝の雰囲気が変わっていないかしら?」

 

「確かにいつもの楽しい雰囲気と違って、何かこう・・・・・相手を仕留めるような雰囲気ね」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「俺のターン・・・・・」

 

遊輝 手札 4枚

 

「(口調が変わった?諦めましたか)」

 

「魔法カード、ガガガゲットを発動・・・デッキから《ガガガ》と名のついたモンスターをデッキから特殊召喚する・・・・・ガガガガールを特殊召喚・・・・・」

 

ガガガガール 攻1000

 

『マ、マスター・・・・周りの空気が凄い重い・・・・(汗)」

 

「大丈夫、凄く落ち着いているから・・・・・それよりダイヤ」

 

『何でしょうか?』

 

「確かデュエル中にモンスターを実体化させれば、相手に実際のダメージが行くんだよね?」

 

『そうですが・・・・・・・まさかマスター!』

 

そうか・・・・・これで心起きなくあいつを潰せる!俺は実体化の能力を解放させる。

 

『ダメです!!あれ 「リバースカードオープン・・・・・・速攻魔法、地獄の暴走召喚・・・・・攻撃力1500以下のモンスターの特殊召喚に成功した時、同名モンスターをデッキ・手札・墓地から特殊召喚する・・・・・デッキから2体のガガガガールを特殊召喚・・・・・」マ、マスター!!』

 

ガガガガール ×2

 

「そして相手は自分のモンスターを選択してそのモンスターを特殊召喚できるが・・・」

 

「すでに私のフィールドに古代の機械巨人は3体出ていますので特殊召喚はできませんね」

 

「ガガガマジシャンの効果・・・・・エンドフェイズまでLvを1〜8に変更する・・・俺はLv5を選択」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆5

 

「ガガガガールの効果・・・・・フィールドのガガガマジシャンを選択して同じLvにする・・・3体のガガガガールのLvを5にする」

 

ガガガガール ×3 ☆3→☆5

 

「何をするかと思えばLvを変えただけですか、やはり雑魚モンスターに変わりはありませんね」

 

「・・・・・貴様には懺悔をしてもらう、このターンのバトルで俺の勝ちだ!!」

 

「何を言ってるんですか。あなたのフィールドにはLvを変えたモンスターだけ、そんな雑魚モンスターに私の古代の機械巨人には勝てません!」

 

「ほざいていろ!Lv5に変更したガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!」

 

「オ、オーバーレイ!?!?」

 

下にできたブラック・ホールにダイヤとパールが吸い込む。

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!突き抜けろ!No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400

 

ブラック・ホールから上に古代都市を乗せた円柱とその下には反転した都市があり、周りには無数の穴があるモンスターが現れた。前方には『33』と刻まれている。

 

「エ、エエエ、エクシーズ召喚!?まさかフォーチュン・カップで未知の召喚方法を使って準優勝した遠藤遊輝!?」

 

あいつ、俺の受験届けをちゃんと見たのか?それに普通名前見ただけで分からないのか?まぁ、そっちの方が俺としてはありがたいけど。

 

「エクシーズ素材になったガガガガールの効果!このカードを含む《ガガガ》と名のつくカードのみでエクシーズモンスターは『相手フィールドの特殊召喚したモンスター1体の攻撃力を0にする』という効果を追加させる!」

 

「なんですと!?」

 

「食らえ!ゼロゼロコール!」

 

古代の機械巨人 攻3000→0

 

パールが携帯の番号を押し、ゴーレムの攻撃力が0に代わる。

 

「わ、私の古代の機械巨人が・・・・・」

 

「そしてマシュ=マックの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを取り除き、相手フィールドのモンスターの攻撃力とそのモンスターの元々の攻撃力の差分だけダメージを与え、このカードの攻撃力に加える!」

 

「!?今の古代の機械巨人の攻撃力は0!!」

 

「3000のダメージを受けてもらう!インフィニティ・キャノン!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック OVR 2→1

 

マシュ=マックの周りにある無数の穴から大砲が出てきて、ハイトマンに向かい一斉に発砲する。

 

ハイトマン LP 4000→1000

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400→5400

 

「ぐわあああああ!!!!な、何故私の服が!?そして本当に撃たれているのですか!?」

 

ハイトマンが自分の服がボロボロになっている事に驚く。そりゃ、モンスターを実体化させているんだから実際にダメージは行くよな。でも俺の怒りはこれで満足しない!

 

「Lv5になっているガガガガール2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!先史遺産ー超兵器マシュ=マック!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400

 

「ま、またそのモンスター!しかも素材は!」

 

「ガガガガールの効果!今度は2体を素材にしたから2体分の効果を受けてもらう!そしてマシュ=マックの効果!インフィニティ・キャノン!」

 

古代の機械巨人 ×2 攻3000→0

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック OVR 2→1

ハイトマン LP 1000→ー2000

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400→5400

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「な、なんてコンボなの・・・・・・・」

 

「ガガガガールの効果で確実に相手モンスターの攻撃力を0にし、あのモンスターでその差分のダメージと攻撃力の上昇につなげる・・・・・」

 

「あんなの決まれば勝てないよ!」

 

「恐ろしいモンスターだね・・・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「まだだ!魔法カード、鬼神の連撃を2枚発動!2体のマシュ=マックのオーバーレイ・ユニットを全て取り除き、このターン2回の攻撃ができる!」

 

「ま、待ちなさい!すでに私は負けています!」

 

「何か勘違いをしているんだ?俺は『このターンのバトルで勝つ』と言ったんだ。まだバトルフェイズは入ってない、よってデュエル続行!」

 

「な、そんな勝手な、ヒッ!」

 

まだ文句を言ってきたから鬼の形相をして黙らせた。言ったはずだぞ、懺悔をしてもらうとな!!

 

「速攻魔法、リミッター解除を発動!マシュ=マックの攻撃力を倍にする!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック ×2 攻5400→10800

 

「あ・・・・・・・う・・・・・」

 

「俺の仲間を雑魚と言ったな!低レベルモンスターをバカにした貴様の方が雑魚だ!懺悔の用意は出来ているな!バトル!マシュ=マックで古代の機械巨人に攻撃!ヴリルの火!」

 

マシュ=マックが天に光線を放ち、巨大な火玉が出来てゴーレムと雑魚に落ちる。

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻10800

古代の機械巨人 攻0

 

ハイトマン LP ー2000→ー12800

 

「ぎゃあああああああ!!!!」

 

「ラスト!残りのマシュ=マックの攻撃!ヴリルの火、三連打!」

 

マシュ=マックが光線を出し、3つの火玉が古代の機械巨人と雑魚に落ちる。

 

ハイトマン LP ー12800→ー45200

 

 

WIN 遊輝 LOS ハイトマン

 

 

 

 

 

「やりすぎよ・・・・・・・」

 

「だってあいつが雑魚と言ってムカついたんだもん」

 

デュエルが終わり、皆と合流してアキさんに注意されたから返答した。

あいつは俺の大事な仲間をバカにしたんだ。あれくらいしないと怒りが収まらないよ。

 

「私の記録を抜いちゃった・・・・・・」

 

そう言えば龍可の記録はフランク戦の時だったな。まさかこのデッキで4万越えのオーバーキルができるとは思わなかったよ。

 

「それでさ〜、あの先生全然起き上がる気配がしないんだけど・・・・・」

 

龍亞がハイトマンの方を指差して、俺に言ってきた。そりゃ・・・・・

 

「あんだけバカにしたんだから、生死ぐらい彷徨ってくれないとな」

 

「そのまま逝ってしまえ!」

 

「レミ、あなたも言葉が悪いよ・・・・・」

 

「ふっふっふ、良いデュエルでしたよ」

 

「?誰だ?」

 

後ろを振り向くと、さっきのハイトマンとは違って穏やかな感じが第一印象のお爺さんが立っていた。

 

「校長先生!」

 

「遊輝君、見事なデュエルでしたよ」

 

「ありがとうございます」

 

「私も彼の方針には反対していたのですが、なかなか耳を傾けてくれないので困ってました。今回は良い薬になるでしょう」

 

「は、はあ〜・・・」

 

やっぱり校長も困っていたんだ。こんな奴いるだけで困るからな。

 

「筆記試験も十分な点を取ってくれたので編入試験は合格です。後日、資料を送りましょう」

 

「はい!」

 

「やったね!無事に合格して!」

 

「今夜はお祝いパーティでもしよう!」

 

「そこまで大きくする必要はないよ。遊輝、おめでとう!」

 

「私からも、合格おめでとう」

 

「皆ありがとう!」

 

さあ、数日後からデュエルアカデミアだ!




遊輝「無事に合格したぜ!」

龍可「おめでとうね、でもあのエクシーズモンスターだけは出さないでね」

遊輝「大丈夫だよ、あのモンスターはよっぽど怒らない限り、出さないように制限しているから」

龍亞「良かった〜、俺、あのモンスターの召喚を止めるしか対処しきれないから助かる」

レミ「それじゃ今回のオリカ紹介!今回はガガガゲッド!」



ガガガゲット 通常魔法
①デッキから「ガガガ」と名のつくモンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。


遊輝「このカードはすぴばるで活動している祝札さんから頂きました。祝札さん、ありがとうございます」

龍可「完全にガガガ学園の緊急連絡網の上位交換ね。ちなみにこのカードもらった時はまだガガガ学園の緊急連絡網は無かったの」

龍亞「何も考えず、《ガガガ》を特殊召喚できるから強いよね」

レミ「次回からいよいよアカデミアだね」

遊輝「俺にとっては、2回目の中等部だけどな。それでも楽しみよ!」

龍可「レミさんの仲間も登場ね」

龍亞「タイトルは【アカデミア編入!VS E・HERO&魂の龍!】」

遊輝「編入していきなりデュエルかよ!しかもヒーロー使い!そして魂の龍って何!?」

龍可「次回もよろしくお願いします」


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第27話 アカデミア編入! VS E・HERO&魂の龍!

最強カードの紹介ーー!

龍亞「やっほー、龍亞だよ」

私は大学生でそこそこ勉強をきているつもりなんですが、やっぱりテストはイヤですね。

龍亞「テストは俺も嫌だよ!子供は遊んでデュエルするに限る!」

そんな事言ってるから点数悪いんだろうが

龍亞「うっ・・・・・・」

龍亞「今回はE・HERO アブソルートZero!属性ヒーローの1体、水属性を融合素材とするモンスターだよ」

フィールドのZero以外の水属性モンスター1体につき、攻撃力が500ポイント上がるけど、これよりも強いのが・・・・・

龍亞「フィールドから離れた時に、相手のモンスターを全て破壊する効果!禁止カードのサンダー・ボルトと同じ効果!まさに最凶カード!」

これを阻止するのは、『月の書』など裏側にして破壊するか、こっちにモンスターがいない状態で破壊するのがベストだよ。

龍亞「第27話、アカデミアでの学園生活が始まるよ!」


遊輝 side

 

編入試験から数日後・・・・・

届いた資料でアカデミアの入学手続きを済まし、今日からいよいよアカデミア初登校。真新しい青のブレザーを袖に通し、自分の部屋をでる。リビングではすでに制服に着替えた龍亞と龍可が待っている。

 

「似合っているよ遊輝!」

 

「そう?龍亞たちも準備が出来た?」

 

「とっくに準備は出来てるよ!早く行こう!」

 

「慌てないでよ!」

 

龍亞と龍可たちと家を出て、アカデミアに向かう。

 

 

ー(アカデミア 職員室前)ー

 

 

龍可たちと別れ、1人職員室の前にきた。職員室に入るのはなんか緊張するな。

 

「失礼しま〜す」

 

「あっ、こっちに来てくれる!」

 

職員室に入るとすぐに1人の先生が手を上げたので、俺はその先生の所に行く。

 

「あなたのクラスの担任の加藤よ。よろしくね」

「よろしくお願いします」

 

「そんな固くならなくていいよ。多分、私のクラスはあなたが転入して来た事に驚くわ。早速行きましょう」

 

加藤先生が立ち上がり、教室に向かうので俺はその後ろを着いて行く。

 

 

 

「みなさーん、おはようございます」

 

『おはようございま〜す!!』

 

加藤先生があいさつすると、クラスの皆があいさつを返す。俺は転入生なので廊下で呼ばれるまで待っている。ちなみにクラスは中等部の1ー1だ。前世で高校生だったのにな〜。何で12歳にしたんだ?あの神様。

 

「今日はこのクラスに転入生が来てます!」

 

加藤先生のこの一言でクラスがざわめく。

 

「入って来て」

 

教室の扉を開け、加藤先生の近くに行く。俺が入った瞬間、ざわめいていた教室がより一層ざわめく。

 

「転入生の遠藤遊輝君よ!遠藤君、皆にあいさつして」

 

「え〜、今日からこのクラスに転入した遠藤遊輝です。みなさんよろしくお願いします」

 

「知っている人も多いけど、遊輝君はフォーチュン・カップで準優勝した実力者よ」

 

先生、それは言わないでください。皆の前で恥ずかしいよ!

 

「遊輝君はあの男の子の隣よ」

 

「はい」

 

真ん中の後ろの方に席が1つ空いているので、その席に行く。その途中・・・・・

 

「わっ!!」

 

「うわっ!何!?て言うかレミ!?」

 

「ビックリした?あんたがこのクラスに入ってくるとは思わなかったよ!」

 

「それは俺もだよ」

 

まさかここまでレミと一緒とはな・・・・・

 

「はいはい、おふざけはそこまでにしてホームルームに行くよ」

 

席に着いてホームルームが始まった。今日は始業式で授業がなく、ホームルームだけのようだ。

 

 

 

そして放課後・・・・・

 

「なぁ、ちょっと言いか?」

 

隣に座っている男の子が話しかけてきたのでそっちに向く。

 

「何?」

 

「お前さ〜、フォーチュン・カップで全く知らない召喚方法を使ったよな!えっと・・・・エ、エ、」

 

「エコノミー召喚!」

 

「響、違うよ。スバルも分からないの」

 

「エクシーズ召喚よ」

 

男の子の話にレミと2人の女子が割って入ってきた。

それよりエコノミー召喚って・・・・

 

「遊輝、紹介するわ。まずは男の方ね」

 

「俺は遊城スバル!よろしくな!」

 

黒い髪の男子、遊城スバルが言ってきた。しかし・・・・どっかで見たことがあるような・・・・それに遊城って・・・・

 

「スバルはね、アカデミアの英雄、遊城十代の子孫なの」

 

「えっ!?遊城十代の子孫!?」

 

「ああ!と言っても、俺は全く気にしてないけど」

 

すげ〜、十代の子孫がこの世界にいたなんて・・・・・

性格も十代にそっくりだな。

 

「次は私ね!私は小野寺響!響って呼んで!」

 

さっきエコノミー召喚と言った明るめの茶色の髪にツインテールの女の子が小野寺響。この様子だと凄く明るそうな性格だな

 

「私は水野奏、よろしくね」

 

ポニーテールの女の子が水野奏、この人はどっちかと言うとしっかりしてそうだな。

 

「みんな私の幼なじみよ!」

 

「あと、レミとスバル、響でアカデミア三剣士って呼ばれているわ」

 

「そう言えば、三剣士って何?」

 

フォーチュン・カップの時から気になっていたけど、何でそんな風に呼ばれているのだ?

 

「俺たち3人が小等部のころから実技1位を争っていて、他の皆がついて来れずに負けていったんだ」

 

「そしたらいつの間にか、小等部と中等部では負けなしになっていったの」

 

「だから三剣士って呼ばれているの」

 

「へぇ〜そうなんだ」

 

「でも、奏も強いわよ」

 

「皆にはかなわないわ。まだ勝った事が無いんだから」

 

奏も強いのか、楽しみだな。

 

「それでさ、俺とデュエルしよ!」

 

・・・・・・本当に十代そっくりだな。会って早々にデュエルって。ま、いっか。

 

「良いぜ。どこでする?」

 

「この時間だとデュエルフィールドが解放しているからそこでデュエルしようぜ!」

 

「それじゃ行きましょう!」

 

みんなで教室を出て、デュエルフィールドに向かう。

 

 

ー(アカデミア デュエルフィールド)ー

 

 

デュエルフィールドでデスクをセットして、俺とスバルは対峙する。

それより・・・・・・

 

「何でこんなにギャラリーが多いの?」

 

気づいたら観客席が埋まる程の生徒が来ていた。レミや響たちはすぐ近くで見ている。

 

「誰かが言い晴らしたんじゃないのか?」

 

誰だよ・・・・別に言い晴らす必要がないじゃん・・・・・

 

「遊輝!頑張れーー!」

 

「頑張って!」

 

いつの間にか龍可たちが後ろに来ているし・・・・・まあいっか。

 

「行くぜ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 スバル LP 4000

 

「行くぜ!俺のターン、ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

「魔法カード、E・エマージェンシーコールを発動!デッキからE・HEROエアーマンを加え、そのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

フィールドに、扇風機のような羽をつけた戦士が現れた。やっぱりヒーローか・・・・・十代の子孫と聞いたから想像がついた。

 

「エアーマンの効果!召喚した時デッキからHEROを手札に加える!俺はオーシャンを選択する!そしてカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

おっ、手札が良いな。これは最初から飛ばすか。

 

「太陽風帆船を特殊召喚!」

 

太陽風帆船 攻/守 800/2400→400/1200

 

上下に白の帆をつけた船が出てきた。

 

「太陽風帆船は自分フィールドにモンスターが存在しない場合、攻撃力と守備力を半分にして手札から特殊召喚できる!続いて魔法カード、<r簡易融合:インスタント・フージョン>!ライフを1000ポイント払い、エクストラデッキからLv5以下の融合モンスターを特殊召喚する!メカ・ザウルスを融合召喚!」

 

遊輝 LP 4000→3000

メカ・ザウルス 攻1800

「この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃が出来ず、エンドフェイズに破壊されてしまうけどな」

 

「でも関係ないんだろ?」

 

「ああ!見せてやるよ!Lv5の太陽風帆船とメカ・ザウルスをオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

 

赤いドーナツ状の輪に手裏剣と4本の刀をつけた物が下から出てきて、そこから変形し人型のモンスターが現れた。左の胸に『12』と刻まれている。

 

「すげーー!始めて生で見たけど、かっこいいな!」

 

「あれがエクシーズ召喚か!私もデュエルが楽しみだな!」

 

「そうね。それにあのモンスターはどんな効果を持っているのかな?」

 

スバルたち3人が興奮している。周りの生徒も歓声が上がっている。効果は後のお楽しみで、

 

「さらにキラー・トマトを召喚」

 

キラー・トマト 攻1400

 

「バトル!クリムゾン・シャドーでエアーマンに攻撃!月影紅切り!」

 

クリムゾン・シャドーが刀を円に回し、エアーマンを斬る。

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

E・HERO エアーマン 攻1800

 

スバル LP 4000→3400

 

「ぐっ!リバースカードオープン!ヒーロー・シグナル!ヒーローが戦闘で破壊された時、デッキまたは墓地からLv4以下の《E・HERO》を特殊召喚する!E・HEROフォレストマンを守備表示で特殊召喚!」

 

E・HERO フォレストマン 守2000

 

うわ〜、ここでフォレストマンか、キラー・トマトじゃ倒せないし、仕方ないか。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 0枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

キラー・トマト 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

「フォレストマンの効果発動!デッキから融合を手札に加える。魔法カード、天の落し物!お互いにカードを3枚引いてその後2枚のカードを捨てる!」

 

ラッキー、手札が切れたから助かるよ。お互いにデッキからカードを3枚引いて2枚を墓地に送る。

 

遊輝 手札 3枚→1枚 スバル 手札 9枚→7枚

 

「よっしゃ!今度はこっちの番だ!融合を発動!フィールドのフォレストマンと手札のオーシャンを融合!現れろ最強のHERO!E・HEROアブソルートZero!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

渦の中からマントをつけた氷の戦士が現れた。やっぱりZeroか・・・・・手札にオーシャンがあったし、こいつと思ってたよ。さてと、どうやって対処しようかな?

 

「まだだぜ!2枚目の融合を発動!」

 

「はっ!?2枚目!」

 

何で2枚目を握っているの!やっぱ十代譲りのチートドローか!

 

「今度はレディ・オブ・ファイアとボルテックを融合して現れろ!炎のHERO!E・HEROノヴァマスター!」

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

 

おい!今度はノヴァかよ!フィールド離れただけで全体破壊するやつにカードドローのモンスターを1ターンに出すか!

 

「とりあえずそのエクシーズモンスターを倒すか。バトル!Zeroでクリムゾン・シャドーに攻撃!瞬間凍結《Freezing at moment》!」

 

ノヴァがクリムゾン・シャドーを凍らせようとする。

 

「クリムゾン・シャドーの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除きこのターン、『忍者』と名のついたモンスターは戦闘でもカード効果でも破壊されない!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー OVR 2→1

 

クリムゾン・シャドーがオーバーレイ・ユニットを使い、凍りつくところで脱出する。

 

「それでも戦闘ダメージは受けてもらう!」

 

E・HEROアブソルートZero 攻2500

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

 

遊輝 LP 3000→2900

 

危ねえ〜、なんとかクリムゾン・シャドーは守れるぜ。

 

「ノヴァマスターでキラー・トマトに攻撃!」

 

「今度はダメージを無効にさしてもらう!リバースカードオープン!ガード・ブロック!この戦闘のダメージを0にし、カードを1枚ドローする!」

 

遊輝 手札 1枚→2枚

 

「破壊されたキラー・トマトの効果!デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスターを特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

鎖を振り回しながらダイヤが現れた。

 

『編入した初日にいきなりデュエルですか』

 

「誘われたからな。別に断る理由もないし、それに今までと違って楽しむデュエルが出来るしな」

 

『そうですね』

 

「・・・・・・・なあ、もしかして」

 

「そのモンスター・・・・・精霊なの?」

 

「というよりモンスターと話しをしている時点で精霊でしょう」

 

「!みんな精霊が見えるの!?」

 

「言わなかったかな?アカデミアの仲間もみんな精霊が見えるのよ」

 

そう言えばそんな事言ってたな・・・・・すっかり忘れてたよ。

 

「デュエルが終わってから紹介するよ」

 

「そうか、じゃあノヴァマスターの効果!戦闘でモンスターを破壊した時、カードを1枚ドローする!」

 

スバル 手札 1枚→2枚

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 0枚 LP 3400

【モンスターゾーン】

E・HEROアブソルートZero 攻2500

E・HEROノヴァマスター 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

・・・・・よし、このデュエルもらった!

 

「魔法カード、地割れ!相手の攻撃力の低いモンスターを破壊する!チェーンでリバースカードオープン!罠カード、ガガガシールド!魔法使い族の装備カードとしてガガガマジシャンに装備!そして地割れの効果でZeroを破壊!」

 

Zeroの下の地面が割れて、Zeroが落ちていく。

 

「Zeroの効果!相手のモンスターを全て破壊する!でもクリムゾン・シャドーは守るよな?」

 

「もちろん、シャドーの効果!オーバーレイ・ユニットを使ってこのターンの破壊を免れる!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー OVR 1→0

「じゃあガガガマジシャンを破壊!」

 

破壊されたZeroの亡霊が吹雪を吹かせ、ダイヤを破壊しようとする、が・・・・・

 

「!?なんで破壊されないんだ!」

 

シールドをもったダイヤは無事に残っている。

 

「装備されたガガガシールドの効果だ。装備モンスターは1ターンに2度まで戦闘とカード効果の破壊されない!」

 

「なっ!?それじゃあ・・・・・」

 

「破壊されたのはZeroだけ。残念だったね」

 

これを聞いたスバルは物凄く悔しがる。Zeroの効果が不発になるのは痛いよな。

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地の太陽風帆船を特殊召喚!」

 

太陽風帆船 攻800

 

「Lvが違うモンスターを蘇生した?何でだ?」

 

「ガガガマジシャンの効果!エンドフェイズまで1〜8まで任意のLvに変更する!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆5

 

「Lv変換能力!?そんなカードがあったんだ!」

 

「そしてまた同じLvのモンスターが揃ったわね。今度は何を出すのだろう?」

 

「Lv5になったガガガマジシャンと太陽風帆船でオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!突き抜けろ!No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400

 

「!?あのモンスターは!?」

 

「そいつもかっこいいな!」

 

「効果はえげつないけどな。速攻魔法、収縮!ノヴァマスターの攻撃力を半分にする!」

 

E・HEROノヴァマスター 攻2600→1300

 

ノヴァマスターがみるみるうちに小さくなっていく。

 

「そしてマシュ=マックの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを取り除いて、相手モンスターの攻撃力とそのモンスターの元々の攻撃力の差分のダメージを与え、このカードの攻撃力に加算する!」

 

「!?ちょっ、ちょっと待てよ、今のノヴァマスターの攻撃力は1300だから・・・・・」

 

「1300のダメージとマシュ=マックの攻撃力上昇だ!インフィニティ・キャノン!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック OVR 2→1

 

マシュ=マックが大砲を出し、全てがスバルに向かって撃つ。

 

スバル LP 3400→2100

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400→3700

 

「何でそのモンスターを出すのよ!他のモンスターがいたでしょ!」

 

「しょうがないだろ!今のエクストラデッキの中でノヴァマスターを倒せるのがこのカードだけなんだよ!それに編入試験のコンボを使ってないから良いだろ!」

 

「それでもえげつないよ・・・・・」

 

「使ってほしくないわね・・・・・」

 

龍亞たちにも言われたよ・・・・・あのガガガコンボから繋げるよりはるかにマシなのに・・・・・でもこれで勝てる!

 

「バトル!マシュ=マックでノヴァマスターに攻撃!ヴリルの火!」

 

マシュ=マックが上空に光線を放ち、ノヴァに巨大な火の玉が落ちる。

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻3700

E・HERO ノヴァマスター 攻1300

 

スバル LP 2100→0

 

「よし、勝っ「まだ終わってないよ」?終わってない?」

 

奏が終わっていないと言う。そんなはずないけど。確かにライフは・・・・・

 

スバル LP 0→100

 

「!!100ポイント残っているだと!?」

 

「罠カード、ヒーロー・ソウルを発動した」

 

ヒーロー・ソウル!?そんなカードを伏せてたのかよ!

 

「HEROと名のついたモンスターが破壊されたターンにLPが0になった時、LPが100になる!残念だったな」

 

「でもクリムゾン・シャドーの攻撃はまだだ!月影紅斬り!」

 

「速攻魔法、クリボーを呼ぶ笛!デッキからハネクリボーを守備表示で特殊召喚する!頼むぜ相棒!」

 

『クリクリーー!』

 

ハネクリボー 守200

 

「可愛いいい!!!!やっぱりハネクリボーは可愛いわね!」

 

「奏、うるさいよ。それに皆引いているよ」

 

ハネクリボーが現れた瞬間に奏が突然大声で叫ぶ。響に言われおとなしくなったけど、顔を赤くしている。

まさかあんな大声で言うなんて・・・・・しっかり物でもこういう一面はあるんだな。後でホワイトとブラックを出してやろうかな。

それに今、ハネクリボーから声が聞こえたから・・・・・

 

「それがスバルの精霊?」

 

「ああ!こいつが俺の相棒のハネクリボーだ!」

 

やっぱりか、精霊がハネクリボーも十代と変わって無いんだな。

 

「じゃあクリムゾン・シャドーでハネクリボーに攻撃!」

 

クリムゾン・シャドーがハネクリボーを斬る。その時に奏が「ああ・・・・・・」って言ってたけど、何か罪悪感があるな・・・・・

 

「カードを伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 2900

【モンスターゾーン】

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻3700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「お前すげぇな!エクシーズモンスターをあんなにも使いこなすなんて!」

 

「そりゃどうも」

 

「でもまだまだこれからだ!行くぜ!俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 0枚→1枚

 

さあスバル、手札もフィールドも無いこの状況で何を引く?

 

「おっしゃ!E・HEROバブルマンを特殊召喚!」

 

E・HERO バブルマン 攻800

 

「よりによってお前かあああ!!!」

 

この局面でバブルマンを引くか!?おまけにドロー条件が整っているし!

 

「バブルマンの効果!特殊召喚した時、自分フィールドにこのカード以外のカードが無い時、カードを2枚ドローする!」

 

スバル 手札 0枚→2枚

 

「へへ、まだ続くぜ!魔法カード、ヒーローの遺産!墓地にLv5以上のHEROが2体以上存在する時、3枚ドローする!さらに壺の中の魔術書!互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 1枚→4枚 スバル 3枚→6枚

 

「そしてホープ・オブ・フィフスを発動!墓地のエアーマン、オーシャン、フォレストマン、レディ・オブ・ファイア、そしてボルテックをデッキに戻してシャッフルしカードを2枚ドローする!」

 

スバル 手札 5枚→7枚

 

・・・・・あっれ〜、おかしいな〜。手札が0で始まったはずなのにいつの間にか7枚に回復してるのだけど・・・・・・ちくしょう!やっぱり十代譲りのチートドローは健在か!

 

「速攻魔法、サイクロン!遊輝のリバースカードを破壊する!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!ダメージ・ダイエット!このターンに受ける全てのダメージを半分にする!」

 

サイクロンで破壊される前に、いつものバリアが張られる。

 

「そんなの関係ないぜ!速攻魔法、マスク・チェンジ!バブルマンをリリースしてM・HEROヴェイパーを特殊召喚!」

 

M・HERO ヴェイパー 攻2400

波に乗りながら、右で棒を持った戦士が現れた。マスク・チェンジもいれているのか。しかもこいつは厄介だぞ。

 

「そして融合!」

 

おいっ!すでに2枚使っているんだぞ!あのドローで引いたのかよ!

 

「手札のクノスペとザ・ヒートを融合!現れろ!E・HEROガイア!」

 

E・HERO ガイア 攻2200

 

「ガイア!?やっべ!」

 

「ガイアの効果!融合召喚した時、相手モンスター1体の攻撃力を半分にして、その数値分このカードの攻撃力がアップする。選択するのはマシュ=マック!」

 

ガイアが地面を叩いて、マシュ=マックの攻撃力を吸収する。

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻3700→1850

E・HERO ガイア 攻2200→4050

 

やっべ〜、頼みの綱だったマシュ=マックがガイアに抜かれたよ。ダメージ・ダイエットがあっても、こいつは結構なダメージを食らうぞ。

 

「さらに魔法カード、ミラクル・フュージョン!」

 

「ミラクル・フュージョンだと!?」

 

何でそのカードも引くんだよ!手札0から普通融合関係のカードが2枚も引かないぞ!

 

「墓地のクノスペとフラッシュを融合!現れろ光のヒーロー!E・HERO The シャイニング!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

上から光を輝せながらシャイニングが降りてきた。また厄介なモンスターを出してきたな。フラッシュは天の落し物の時か?

 

「シャイニングはゲームから除外されているE・HEROの数×300ポイント攻撃力が上がる!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

 

「そしてチューナーモンスター、E・HEROマッハ・ウィンドを特殊召喚!」

 

E・HERO マッハ・ウィンド 攻300

 

「チュ、チューナーモンスター!?」

 

そんなバカな!E・HEROにチューナーモンスターなんか存在しないはず!何であのカードがあるんだ?

 

「チューナーモンスター・・・・・スバルは本気ね」

 

「私たちの時しか出さないモンスターを出すのだから、遊輝君はやっぱり強いんだよ」

 

「マッハ・ウィンドは自分フィールドにE・HEROの融合モンスターが2体以上存在する時に特殊召喚できる!行くぜ遊輝!今から俺の切り札を出すぜ!Lv6のヴェイパーにLv2のマッハ・ウィンドをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン ☆8 攻2200

上空に青白く光る玉が現れて、変形し龍のモンスターが現れた。

翼は青く、顔は白い。胴体はその中間あたりの色だ。頭には角が1本ある。E・HEROのシンクロモンスター!?そんな事を思っていたら・・・・・

 

「!!痣が!」

「光った!?」

 

「な、なんだこれ!?」

 

「何で突然右腕が赤く光るの!?」

 

「よく見て!レミや遊輝君、それに遊輝君の後ろに立っている子たちも右腕が光っているよ!」

 

俺とレミ、龍可と龍亞の痣が光り、それに共鳴するかのようにスバル、響、奏の右腕も赤く光っている。

これって、まさか・・・・・

 

「もしかして・・・・・残りのシークレットシグナー?」

 

「可能性は高いでしょうね・・・・・」

 

「あの人たちもシグナーなの!」

 

レミや龍可たちがスバルたちをシークレットシグナーだと考えている。

いやっ、この場合、考えていると言うよりも、その通りといった方が良いのかな?まさかこんなにも早くに残りのシークレットシグナーを見つけるとは・・・・・

 

「シークレットシグナーって何?」

 

「デュエルが終わったら全て話すよ。とりあえず続けて」

 

「あ、ああ、それじゃスピリット・ドラコンの効果!1ターンに1度、墓地の『HERO』と名のつく融合モンスターを除外することで、次の相手ターンのエンドフェイズまでそのモンスターの半分の攻撃力を加えさらに、同じ効果を得る!墓地のZeroを除外する!スピリットドレイン!」

 

スピリット・ドラコンの前にZEROが現れて、その魂を吸収する。

 

E・HERO スピリット・ドラコン 攻2200→3450

 

強くねぇか?相手のエンドフェイズまで攻撃力上昇と同等の効果を得るって!おまけに除外したのはZero、迂闊に破壊ができない。

 

「さらにHEROが除外されたことによりシャイニングの攻撃力も上がる!」

 

E・HERO The シャイニング 攻3200→3500

 

「バトル!シャイニングでクリムゾン・シャドーに攻撃!オプティカル・ストーム!」

 

「ダメージ・ダイエットの効果でダメージは半分になる!」

 

E・HERO The シャイニング 攻3500

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

 

遊輝 LP 2900→2350

 

「ガイアでマシュ=マックを攻撃!コンチネンタルハンマー!」

 

ガイアがマシュ=マックに目掛けて、巨大な腕を振り落とす。

 

E・HERO ガイア 攻4050

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻1750

 

遊輝 LP 2350→1250

 

危ねえ〜、ダイエット・ダイエットが無かったらこの攻撃で終わってたよ。

 

「これで終わりだ!スピリット・ドラコンのダイレクトアタック!フレア・アースシュート!」

 

スピリット・ドラコンがその場で回転し、巨大な火の玉を作りそれを俺に向けて攻撃する。

 

「速攻のかかしの効果!手札からこのカードを墓地に送り、ダイレクトアタックを無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

火の玉が到達する前に、機械のかかしが前に出てスピリット・ドラコンの攻撃を防ぐ。ピン差しで入れたこのカードが役に立つとは・・・・・

 

「あっちゃ〜、決められなかったか〜。ターンエンド!エンドフェイズだからガイアの攻撃力は元に戻る」

 

 

スバル 手札 0枚 LP 100

【モンスターゾーン】

E・HERO ガイア 攻2200

E・HERO The シャイニング 攻3500

E・HERO スピリット・ドラコン 攻3450

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

なんとか防げたな。そして・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

今度こそ俺の勝ちだ!

 

「ゴブリンドバークを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバークの効果!召喚に成功した時、手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚して、このカードを守備表示にする!チューナーモンスター、霞の谷の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

ゴブリンドバークのコンテナから霞の谷の戦士が出てきた。

 

「チューナー!?シンクロ召喚もするのか!面白いデッキだな!」

 

「ありがとよ!今度は俺のダブルエースの1体を出してやるよ!Lv4のゴブリンドバークにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 =☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

上空から漆黒の太陽が舞い降りて、変形してブラックが出てきた。やっぱ腕の痣が疼くな。スバルの龍はスピリット・ドラコンで確定だな。

 

「それがお前のエースモンスターか!」

 

「ほんとはもう一体いるけどね。ブラックの効果!特殊召喚時、墓地のエクシーズモンスター1体を装備カードとしてこのカードに装備し、装備されたモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力が上がる!墓地のクリムゾン・シャドーを装備!」

 

下からクリムゾン・シャドーが出てきて、ブラックが吸収する。

 

ブラック・サン・ドラコン 攻1000→3400

 

「攻撃力3400だと!」

 

「バトル!ブラックでガイアに攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

ブラックが黒い炎をガイアに向かってはく。これで勝ちが「墓地のネクロ・ガードナーの効果!」!ネクロ・ガードナー!?まさか天の落し物の時!?

 

「墓地のこのカードを除外してブラック・サン・ドラコンの攻撃を無効にする!」

 

ネクロ・ガードナーがガイアの前に出て攻撃を防ぐ。

 

「へへ、そのモンスターの攻撃を防いだぜ!次のターンにスピリットの効果でノヴァマスターを除外すれば俺の勝ちだ!」

 

「次のターンに回ればだろ?悪いが俺の勝ちだ!」

 

「なっ!?すでにブラック・サンの攻撃は終了している!どうやって」

 

「速攻魔法、ダブル・アップ・チャンス!自分のモンスター1体の攻撃が無効になった時、そのモンスターの攻撃力を2倍にしてもう一度バトルする!」

 

ブラック・サン・ドラコン 攻3400→6800

 

「嘘だろ!?もう一度バトルだと!」

 

「ラスト!ブラックでスピリット・ドラコンに攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

攻撃力が上がったブラックは対象をスピリット・ドラコンに変えて、黒い炎を放つ。

 

ブラック・サン・ドラコン 攻6800

E・HERO スピリット・ドラコン 攻3450

 

スバル LP 100→0

 

 

WIN 遊輝 LOS スバル

 

 

 

 

「かあああ!負けちまった!!!」

 

スバルが大声で叫ぶ。危なかったよ・・・・・ダブル・アップ・チャンスが無ければこっちが負けていたよ。

 

「でも面白かったぜ!ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」

 

スバルが十代と同じ決めゼリフを言う。そこも一緒なんだね。これは楽しい学園生活になりそうだな。

 

「凄いね!スバルに勝つなんて!」

 

響や奏、レミや龍亞と龍可たちもデュエルフィールドに上がってきた。

 

「最初のデュエルでスバルに勝つなんて私たちも出来なかったからね」

 

「ほんとだよ。いつもあと一歩までいっても、最後のドローで全てがひっくり返ってしまうからなかなか勝てないのよ」

 

やっぱり十代のチートドローはしっかりと受け継がれいるのか・・・・・俺、よく勝てたな。

 

「そんな事よりもみんなの痣は?」

 

「そうそう!突然光ってデュエルが終わったら、消えていたんだから!」

 

「みんな右腕をめくってくれる?」

 

スバルたちが右の袖をめくると、しっかりと痣があった。えっと、スバルは剣、響は・・・・・水かな?奏は雷だね。

 

「な、何だよこれ!?」

 

「よく見たら、みんな違う痣だね」

 

「そうだよ!俺の痣は心臓だよ!」

 

龍亞が自分の痣を見せる。それに続いて龍可やレミも自分の痣を見せ始めた。

 

「本当にみんな違うね。これは一体・・・・・」

 

「話が長くなるから帰りながら話そう。もうこんな時間だし」

 

時計を見たら3時を回っていた。確かにそろそろ帰らないと、

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

「うわっ!ブラック、ホワイト!?急に出てきたら・・・・・」

 

「可愛いーーーーーー!」

 

奏がブラックとホワイトをがっちしと抱きしめた。本当に反応するとは・・・・・

 

「ね、ねぇ、あれは一体?」

 

「あれはブラックとホワイト、俺の精霊だよ」

 

「何で精霊を触ることが出来るんだ?」

 

「その事も話すよ。とりあえず行こうか」

 

「俺たちの家はどう?」

 

「龍亞君たちが良いのなら構わないわよ」

 

「大丈夫ですよ」

 

レミを先頭に俺たちはひとまず家に向かった。




遊輝「今回は初登場組が来れくれたよ!」

スバル「よっ!俺は遊城スバル!よろしくな!」

響「私は小野寺響よ!そして・・・・・」

奏「水野奏です。よろしくお願いします」

レミ「みんな小等部からの幼馴染よ!」

スバル「最初にレミが色々と話して来た事がきっかけだっけ?」

響「そうそう!そこからお互いにデュエルしたりして仲が良くなっていったんだよ!」

奏「その時にスバルが遊城十代の子孫としった時は驚いたけどね」

遊輝「誰だって驚くよ。アカデミアの英雄の子孫と言えば」

スバル「でも俺は全く気にしてないぜ!俺は俺のやり方をやれば良いんだから!」

響「スバルらしいね」

奏「ということで今回のオリカ紹介。今回は2枚ね、まずはE・HERO マッハ・ウィンド」


E・HERO マッハ・ウィンド ☆2 チューナー 〈オリカ〉
風属性 戦士族 攻300 守300
①自分フィールド上に「E・HERO」と名のついた融合モンスターが2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。



遊輝「通常召喚も出来る☆2のチューナーだ。特殊召喚の条件を満たすのも若干重いが、最悪壁として出せるぞ」

レミ「よく勘違いする人がいるけど、《E・HERO》と名のついた融合モンスターよ。《HERO》じゃないからね」

響「次はスバルの切り札、E・HERO スピリット・ドラゴン!」



E・HERO スピリット・ドラゴン ☆8
地属性 ドラゴン族 攻撃力 2200 守備力 2000
チューナー+チューナー以外の戦士族モンスター1体以上
このカードの①の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①自分の墓地の「HERO」と名のつく融合モンスターを除外する事で次の相手ターンのエンドフェイズまで、除外したモンスターの元々の攻撃力の半分の攻撃力を加え、除外したモンスターと同じ効果を得る。
②このカードが破壊された時、この効果で除外した「HERO」と名のつく融合モンスター1体を特殊召喚する。この特殊召喚は融合召喚扱いとする。



奏「ほぼヒーロー専用のシンクロモンスターよ。1ターンに1度、墓地の《HERO》と名のついた融合モンスターを除外してそのモンスターの攻撃力の半分上昇、さらに同じ効果を得るよ」

レミ「相手のエンドフェイズまで続くっていうところが優秀よね。Zeroの効果を生かせるよ」

スバル「ちなみにこの除外するのはコストじゃないぞ」

遊輝「あとは地味に破壊されたら除外された融合ヒーローを特殊召喚出来るとかいうね。流石にM・HEROは無理だけど」

レミ「えっと、次回はシークレットシグナーの事を話して、実技の授業ね」

奏「シークレットシグナー?」

遊輝「ちゃんと話すから。タイトルは【水と氷を操りし龍】。俺と響のデュエルだな」

響「今度は私ね!エクシーズモンスターが楽しみだね!」

奏「次回もよろしくお願いします」


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第28話 水と氷を操りし龍

最強カードの紹介〜〜、

龍可「久しぶりね!龍可だよ!」

いや〜、最近なかなかカードに触れてなくてデッキの回し方とか忘れそうだよ。

龍可「デッキの回し方って・・・・作者が使うデッキにそんな難しい」

ディフォーマー

龍可「・・・・・確かにあれは難しいわね」

マジで忘れたよ。運ゲー要素もあるけど。最強カードの紹介に行くか!

龍可「今回はブリザード・プリンセス!☆8のモンスターだけど、魔法使い族のモンスターを1体リリースすれば、攻撃表示でアドバンス召喚できるよ!」

そして召喚に成功したターン、相手は魔法・罠カードを発動できない。
召喚した時からだから、奈落の落とし穴も回避できるよ。

龍可「第28話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

家に着いて、みんなにシグナーとシークレットシグナー、そしてダークシグナーとの戦いのことを話した。

龍亞と龍可は外でデュエルをしている。

 

「そんな事があったんだね・・・・・」

 

「でもこうして無事にいれるから良かったよ!」

 

それもそうだな。こうして無事にいれるからみんなに会えたのだから、

 

「しかし遊輝もレミも不動遊星やジャックと知り合いって凄いな」

 

「私はエクシーズモンスターが気になって付いて行っただけだけどね」

 

「それでそのシークレットシグナーの試練は私たちも受けるの?」

 

「そうだよ。これは絶対みたいだからね」

 

「遊輝とレミの能力は何?」

 

響が能力のことを聞いてきたから、俺は手のひらに太陽を作る。

 

「俺は太陽を操る能力、実際は太陽を作って操るのだけど」

 

「私は風、風を作ってそれを操るの」

 

「・・・・・人間じゃないね」

 

「お前たちもそのうち人間じゃなくなるから」

 

スバルの剣は分からないけど、響は水だから水を操る、奏は雷だから雷だね。

 

「それでこの可愛い精霊たちは何で触れるの?」

 

今だにブラックとホワイトを抱いている奏が聞いてきた。

 

「実体化って言えば分かるかな?」

 

「簡単に言ったら、モンスターが精霊世界から現実世界に出ること。ブラックとホワイトはそれが出来るみたいだから毎日実体化しているのよ」

 

「へぇ〜、それでブラックとホワイトのモンスター名は?」

 

「ブラック・サン・ドラゴンとホワイト・サン・ドラゴン、俺のシグナーの龍だよ」

 

「うそっ!?こんなに可愛い精霊があのドラゴン!?」

 

「2人ともまだ赤ちゃんなんだ。デュエルの時はイラストと同じ姿だけど、精霊の時はその姿なんだ」

 

「だからさっきから『きゃっきゃっ』って言ってるのか」

 

スバルがホワイトの頭を撫でる。ホワイトは嬉しそうだ。

 

「試練の時期はダイヤが教えてくれるから、その時に連絡するよ」

 

「分かった。それでさ〜、明日の時間割りって何だっけ?」

 

「聞いて無かったの?数学、国語、歴史、英語、そして午後から実技よ」

 

「英語があるの?嫌だな〜」

 

「勉強しておかないとまた補習を受けさせられるよ」

 

「じゃあそろそろ帰りましょうか。また明日ね」

 

レミたちがリビングを出る。俺も明日の準備をするか。

 

「やったーー!龍可に勝てた!」

 

「あの時発動のタイミングを間違えなければ・・・・・」

 

龍亞が大喜びでリビングに戻ってきた。あのカオス・ライトロードに勝てたの?ディフォーマーで勝てたの?確かにパワー・ツール/バスもライフ・ストリームも破壊耐性を持っているけど・・・・・・龍可も何処かでミスをしてしまったみたいだし、珍しいね。明日は雨かな?

 

 

ー(翌日)ー

 

 

予想が間違い、見事な晴天。今日から本格的に授業が始まる。と言っても、一度やったことがある内容だから、復習ぐらいのつもりで授業を受けている。隣にいるスバルは毎時間爆睡していたけど・・・・・

 

そして午後の実技授業、

先生に名前を呼ばれた人から順番にデュエルをして行くみたいだけど、みんなはいつも最後の方らしい。

 

「次!スバル君とレミさん!そして遊輝君と響さん!」

 

「おっ、俺たちの番だ」

 

「今日はスバルね、勝たせてもらうわよ!」

 

「私は遊輝とね!よろしく!」

 

「ああ、じゃあ行こうか」

 

「みんな頑張ってね〜」

 

奏を残して、みんなデュエルフィールドに立つ。スバルたちは早速始まったようだ。

 

「それじゃやりましょう!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 響 LP 4000

「先行はもらうね!私のターン、ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「私は氷結界の軍師を召喚!」

 

氷結界の軍師 攻1600

頭に木の帽子をかぶったお爺さんが現れた。響のデッキは氷結界か、ブリューナクが禁止カードだけどトリシューラとグングニールには気をつけておかないと。

 

「軍師の効果!1ターンに1度、手札の《氷結界》と名のついたモンスターを墓地へ送ってカードを1枚ドローする!氷結界の破術師を墓地に送ってカードを1枚ドロー!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の軍師 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「魔法カード、闇の誘惑!デッキからカードを2枚ドローして、闇属性モンスター1体をゲームから除外する!ガガガマジシャンを除外する!召喚僧サモンプリーストを召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストは召喚した時、守備表示になる。さらにカゲトカゲの効果!Lv4のモンスターの召喚に成功した時、手札から特殊召喚できる!」

 

カゲトカゲ 攻1100

 

サモンプリーストの影からトカゲが出てくる。

 

「そしてサモンプリーストの効果!1ターンに1度、手札の魔法カードを墓地に送りデッキからLv4のモンスターを特殊召喚する!ダブル・アップ・チャンスを墓地に送り、ゴゴゴゴーレムを特殊召喚!」

 

ゴゴゴゴーレム 攻1800

 

サモンプリーストが呪文を唱え、下からゴゴゴゴーレムが出てきた。

 

「早いわね。もうLv4のモンスターを3体も揃えたね。今度はどんなモンスターを出してくれるの?」

 

「今回はこいつからだ!Lv4のサモンプリースト、カゲトカゲ、ゴゴゴゴーレムでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,16 色の支配者 ショック・ルーラー!」

 

No,16 色の支配者 ショック・ルーラー 攻2300

 

下から赤紫の正八砲体の機械が現れて、変形してショック・ルーラーが出てきた。胴体の右側には『16』と刻まれている。

 

「へえ〜、モンスターを3体素材か、とても強い効果を持っているの?」

 

「まあな。ショック・ルーラーの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除き、カードの種類を1つ宣言する。宣言した種類のカードは次の相手ターン終了までお互い発動できない!選択するのは罠カード!」

 

「うそーーーーーー!?」

 

No,16 色の支配者 ショック・ルーラー OVR 3→2

 

これで響のカードを気にせずに攻撃ができる!

 

「バトル!ショック・ルーラーで氷結界の軍師に攻撃!カラー・アイ!」

 

ショック・ルーラーの目から赤色の光線が出て、氷結界の軍師を破壊する。

 

No16 色の支配者 ショック・ルーラー 攻2300

氷結界の軍師 攻1600

 

響 LP 4000→3300

 

よし、先制出来た。先ずは上出来かな?

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,16 色の支配者 ショック・ルーラー 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「やってくれるね!今度は私の番よ!私のターン!ドロー!」

 

響 手札 5枚

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地の氷結界の軍師を特殊召喚!」

氷結界の軍師 攻1600

 

「氷結界の軍師の効果!手札の氷結界の虎将 グルナードを墓地に送って1枚ドロー!そして氷結界の軍師をリリースしてブリザード・プリンセスをアドバンス召喚!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

 

軍師が消えて、頭に王冠を乗せた白い服の女の子が現れた。右に持っている氷の棒には巨大な氷の玉がある。ブリザード・プリンセスか、ちょっとやばいな。このターン魔法も罠も使えないや。

 

『響〜、今日の相手は知らない子だね〜』

 

「昨日転入してきた遊輝よ。ほら、フォーチュン・カップで準優勝した」

 

『へぇ〜、ていう事は強いのか〜。楽しみだね〜』

 

・・・・・ブリザード・プリンセスが喋っている・・・・・ということは、

 

「そのモンスターが響の精霊?」

 

「そうよ!私の精霊のブリザード・プリンセスよ!」

 

『私の事が見えるの?また愉快な仲間が増えたね』

 

「そうだね!でも、今はデュエルよ。バトル!ブリザード・プリンセスでショック・ルーラーに攻撃!ヘイル・ブリザード!」

 

ブリザード・プリンセスが氷の玉を使い、ショック・ルーラーの周りに吹雪を起こして破壊する。

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

No,16 色の支配者 ショック・ルーラー 攻2300

 

遊輝 LP 4000→3500

「よし!あのエクシーズモンスターを倒した!ターンエンド!」

 

 

響 手札 3枚 LP 3300

【モンスターゾーン

ブリザード・プリンセス 】攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

ひっくり返されたか・・・・・しかしブリザード・プリンセスが精霊とは。さてと、何とかしてプリンセスを倒さないとこっちが不利になる。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 遊輝 手札 3枚

 

よし、まずは・・・・・

 

「ゴゴゴジャイアントを召喚!」

 

ゴゴゴジャイアント 攻2000

 

「ゴゴゴジャイアントの効果!召喚に成功した時、墓地の《ゴゴゴ》と名のつくモンスターを守備表示で召喚する!ゴゴゴゴーレムを特殊召喚!」

 

ゴゴゴゴーレム 攻1800

 

ゴゴゴジャイアントが地面を叩き割り、そこからゴゴゴゴーレムが出てきた。

 

「そしてゴゴゴジャイアントは守備表示になる」

 

ゴゴゴジャイアント 攻2000→守0

 

「また揃えたね。プリンセス、今から面白いものが見れるよ」

 

『面白いもの?何かな〜』

 

「Lv4のゴゴゴジャイアントとゴゴゴゴーレムをオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!撃ち抜け!ガガガガンマン!」

 

ガガガガンマン 攻1500

 

両手に拳銃を持ち、西部劇いる保安官のような格好をしたモンスターが現れた。

 

『エクシーズ召喚か!あの子が使っていたんだね!』

 

「ガガガガンマンの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて表示形式によって効果が変わる!」

 

ガガガガンマン OVR 2→1

 

「へぇ〜、それで攻撃表示の時は?」

 

「ダメージステップ時にガガガガンマンの攻撃力を1000ポイントアップして、戦闘する相手モンスターの攻撃力を500ポイントダウンさせる」

 

「え、ちょっと待ってよ・・・・・あのモンスターの攻撃力が1000アップで、ブリザード・プリンセスの攻撃力が500下がるから・・・・・」

 

『計算が遅いよ。向こうのモンスターが2500で、私が2300だよ』

 

「あ、ありが・・・・・・負けている!」

 

「バトル!ガガガガンマンでブリザード・プリンセスに攻撃!」

 

ガガガガンマンが銃を構え、ブリザード・プリンセスに撃つ。

 

ガガガガンマン 攻1500→2500

ブリザード・プリンセス 攻2800→2300

 

響 LP 3300→3100

 

「カードをもう1枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 1枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

ガガガガンマン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「プリンセスも倒されてしまった・・・けど!ここで決めなきゃ女がすたる!私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

ドローしたカードを見て響が笑った。何を引いたんだ?

「そうね!あなたたちを出してみんなで勝とう!魔法カード、地割れ!ガガガガンマンを破壊!」

 

ガガガガンマンの下の地面が割れて、破壊される。まずいな・・・・・・またガラ空きだよ。おまけにあの様子だと決めにきたな。

 

「チューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

デブリ・ドラゴン!?確かにシナジーはするけどなかなか難しいよ!墓地に攻撃力500以下は・・・・・・!破術師がいた!

 

「デブリ・ドラゴンの効果発動!召喚に成功した時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!氷結界の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

 

これでLvの合計が7!多分グングニールが来る!

 

「遊輝!私の切り札を出すよ!Lv3の氷結界の破術師にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

 

アイス・ スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

光が輝き、上空にオーロラが現れた。それに共鳴するように、光の中から足と頭がガラスのように透き通ったドラゴンが現れた。手は水のような物でできており、身体は鋼みたいに輝いている。アイス・スプラッシュ・ドラゴン!?グングニールじゃない!それに痣が反応しているということは・・・・・・

 

「痣が光っているから、私のシグナーの龍?」

 

「そうみたいだね。じゃなきゃこんなに痣が反応しないし」

 

「これが私のシグナーの龍か〜、なんか不思議だね。アイス・スプラッシュ・ドラゴンの効果!シンクロ召喚した時、相手の手札1枚を墓地に送る!」

 

「ハ、ハンデス!?」

 

アイス・スプラッシュが水を発し、俺の手札が飛ばされた。何これ!?シンクロ召喚する度にハンデスがあるの!?無茶苦茶強いじゃねぇか!

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!ブリザード・プリンセスを特殊召喚!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

 

まずい!全部決まれば俺の負けだ!

 

「リバースカードオープン!罠カード、威嚇する咆哮!相手はこのターン、攻撃宣言できない!」

 

「あ〜あ、決められなかった。それじゃアイス・スプラッシュ・ドラゴンの効果!このターンの攻撃を放棄して自分フィールドの水属性モンスター1体を選択して、そのモンスターのLv×200ポイントのダメージを与える!ブリザード・プリンセスを選択!ウォーターフォール!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴンがブリザード・プリンセスの氷の玉を持って、上空に放つと、上からものすごい水量の水が落ちてきた。

 

遊輝 LP 3500→1900

 

「ぶあっはーーーー!!何で濡れるんだよ!!」

 

「さあ!アハハハ!」

 

服がビショビショだよ!おまけにあのモンスターの効果なに!?ハンデスを持っていて、バーンも持っていて強すぎる!

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 1枚 LP 3100

【モンスターゾーン】

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

ブリザード・プリンセス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

あ〜あ、あとで乾かさないと、さてと、次のターンで決めないと、もう攻撃を防ぐカードが無いから。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚

 

・・・・・・壺の中の魔術書!

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!お互いにカードを3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 0枚→3枚 響 手札 1枚→4枚

 

「・・・・・・俺の勝ちだ!ドドドウォリアーを召喚!」

 

ドドドウォリアー 攻2300→1800

 

右に斧、左に盾を持った重装備のモンスターが現れた。

 

「ドドドウォリアーはLv6だが、元々の攻撃力を500ポイント下げることでリリースなしで召喚できる!そしてリバースカードオープン!闇次元の解放!ゲームから除外されている闇属性モンスター1体を特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

フィールドに闇の穴が開き、ダイヤが現れた。

 

『決めるのですか?』

 

「そうしないと、次のターンでやられてしまうからな」

 

「ダイヤか〜、ドドドウォリアーのLvは6だからランク6のモンスターかな?」

 

「その通り!ガガガマジシャンの効果!1ターンに1度、Lvを1〜8まで任意のLvにする!Lv6を選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「今回は昨日出せなかったダブルエースのもう1体だ!Lv6のドドドウォリアーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ。天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

上空にあるオーロラより強い輝きを放ちながら、白い太陽が降りてきて、ホワイトが現れた。昨日出せなかったから今回はフィニッシャーとして活躍させないとね。

 

「ホワイトか!ブラックと並ぶ遊輝のシグナーの龍だね。この子はどんな効果を持っているかな?」

 

「あとのお楽しみ、魔法カード、破天荒な風!自分フィールドのモンスター1体の攻撃力と守備力を次の自分のスタンバイフェイズまで1000ポイントアップする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻/守 2400/1500→3400/2500

 

「攻撃力がプリンセスを上回った!でもそれだけじゃ私を倒せないよ!」

 

「慌てるな。ホワイトの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、自分フィールドのモンスター1体を選択。選択したモンスターはこのターン、ダイレクトアタックができる!自身を選択!ライト・サプリメーション!」

 

ホワイトが自分に向かって、光りを当てる。

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

「!?攻撃力3400のダイレクトアタック!?」

 

「ラスト!ホワイト・サン・ドラゴンの攻撃!サンシャイン・パティズム!」

 

ホワイトが光の光線を放ち、モンスターの間をすり抜けて響に攻撃する。

 

「リバースカードオープン!聖なるバリア〜ミラーフォース〜!ホワイトを破壊する!残念だったね」

 

「そっくりそのまま返すぜ!ホワイトはオーバーレイ・ユニットがある時、カード効果では破壊されない!」

 

「えっ、それじゃミラーフォースは・・・・・・」

 

「不発、行け!ホワイト!」

 

響の前に出来たバリアをホワイトは体当たりして壊し、もう一度響に攻撃する。

 

響 LP 3100→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 響

 

 

 

 

「負けちゃった・・・・・・でも楽しかったよ!」

 

デュエルが終わりフィールドから降りて、響から借りたタオルで頭を吹きながら2人でさっきのデュエルの感想を言い合う。それにしても響のシグナーの龍は強いよな。ハンデスとバーン持ちって、

 

「お疲れさん、響も惜しかったね」

 

「奏も終わったの?」

 

「ええ、あなたたちの後に直ぐ呼ばれてさっき終わったわ」

 

「残るはスバルとレミだな」

 

3人でスバルとレミのデュエルに目を向けると・・・・・・

 

 

レミ 手札 1枚 LP 400

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーブランディストック (フェザー)

ドラグニティーコルセスカ (フェザー)

ドラグニティーファランクス (フェザー)

 

 

スバル 手札 0枚 LP 500

【モンスターゾーン】

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

それでレミのターンか、攻撃が決まれば勝ちだな。

 

「フェザー・ウィング・ドラゴンでE・HEROスピリット・ドラゴンに攻撃!ストーム・ウィングブレイク!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、異次元トンネル〜ミラーゲート〜!攻撃対象になったE・HEROと名のついたモンスターと相手モンスターのコントロールを入れ替える!」

 

「何ですって!?」

 

フェザーとスピリットの間に大きな鏡のトンネルが出来て、フェザーとスピリットが入れ替わった。

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

レミ LP 400→0

 

 

異次元トンネル〜ミラーゲート〜 通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在する「E・HERO」と名のついたモンスターを攻撃対象にした相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。

相手の攻撃モンスターと攻撃対象となった自分モンスターのコントロールを入れ替えてダメージ計算を行う。

このターンのエンドフェイズ時までコントロールを入れ替えたモンスターのコントロールを得る。

 

 

WIN スバル LOS レミ

 

 

 

「ガッチャ!楽しいデュエルだったな!」

 

「ああもう!いつもあと一歩まで追い詰めるのに!」

 

スバルがお決まりのポーズを決め、レミはものすごく悔しがる。

そりゃあそこまで追い詰めて逆転されるのは悔しいだろうな。特にミラーゲートで終わってしまうんだから。

 

「でも知らないモンスターを出した時は焦ったぜ。いつの間にシグナーの龍を手にいれたんだ?」

 

「フォーチュン・カップの時よ。今はもう私のエースモンスターだからね」

 

レミがフェザーのカードを手に取り話す。

 

「そっちはどうだった?」

 

「遊輝が勝ったわよ。響も追い詰めていたけど」

 

「次は私が勝つ!」

「分からないよ」

 

響の宣言に冷静に返してやった。

 

「それでは、本日の実技授業を終わります。みんな教室に戻って!」

 

クラス全員がフィールドから出るので、俺たちも教室に戻る。




響「ホワイトの効果は強いわね。ダイレクトアタックが出来て、カード効果で破壊されないのだもの!」

遊輝「ハンデスとバーンを備わったドラゴンを持つ響が言えることか?」

奏「制服は乾いたの?アイス・スプラッシュの効果でずぶ濡れになっていたし」

遊輝「乾かしている途中。ひどい目にあったよ」

レミ「アイス・スプラッシュのバーンの被害はみんな受けているよ。受けていないのが、効果を使う度いつも笑っている響だけだよ」

響「だって面白いんだもん!」

スバル「せめて笑うのは止めてくれ」

遊輝「というわけで既に話題に上がってるが今回のオリカ紹介」

響「今回は私のシグナーの龍、アイス・スプラッシュ・ドラゴン!!」



アイス・ スプラッシュ・ドラゴン ☆7
水属性 ドラゴン族 攻撃力 2500 守2500
チューナー+チューナー以外の水属性モンスター1体以上
「アイス・スプラッシュ・ドラゴン」の②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードがS召喚に成功した時、相手の手札をランダムに1枚墓地に送る事が出来る。
②自分フィールド上の水属性モンスター1体を選択して、そのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える。この効果を使ったターン、自分は攻撃出来ない。



レミ「シンクロしたらハンデス、何て分かりやすい強さなのかしら」

スバル「しかも1ターンの制限がないってところがヤバイ」

響「バーン効果もダーク・ダイブ・ボンバーの水属性限定、リリースしないって考えたらそこそこ強いよ!」

遊輝「その代わり、これには1ターンに1度の制限があって使ったターンは攻撃できない。こんな効果なんだから当たり前だな」

奏「次回は私と遊輝のデュエル。最後のシークレットシグナーの龍の出番ね」

遊輝「タイトルは【入部デュエル! 雷を操る天使龍!】はっ?入部?」

響「どんなデュエルになるかな?」

遊輝「ちょっと待て、俺はクラブに入るつもりは・・・」

スバル「次回もよろしく!」

遊輝「おい・・・・・・」


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第29話 入部デュエル! 雷を操る天使龍!

【この話の投稿後、オリキャラ設定、オリカ紹介を主人公設定の後に載せます】


最強カードの紹介〜、

遊星「久しぶりだな」

不動遊星だよ。ここ最近は出ていないけど、

遊星「俺はアカデミアとは無縁だからな。出番が激減するわけだな」

決して無縁という事は無いんだけどな、最強カードの紹介に行くか。

遊星「今回は豊穣のアルテミス、Lv4の天使族モンスターだ」

カウンター罠が発動する度に1ドロー出来る、パーミッションにとっては重要なモンスターだね。
光属性モンスターでもあるから、オネストの効果の対象になるよ。

遊星「第29話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

実技授業が終わって、今はSHRの時間。

ずぶ濡れになってしまった制服は着替えがないから能力を使って少しずつ乾かしていってる。まさかデュエルであんな目にあうとは思わなかった・・・・・・

 

「じゃあ明日も元気に登校してくるのよ!」

 

『は〜〜い』

 

SHRが終わったよ。

えっと、家に帰ったらDホイールで遊星の所に行って、練習しなくちゃ「ちょっと待った!!」

 

「グヘッ!!」

 

いきなりレミが制服の襟を掴んできた。帰るつもりでいた俺は動いていたので首を縛られたような感覚になってしまう。

 

「何すんだよ!」

 

「こっちにきてもらうわよ!」

 

「はあ!?俺今からDホイールの練習が」

 

「いいからこっちに来る!」

 

「いたたたたっ!!服を引っ張るな!」

 

レミに引っ張られて、無理矢理何処かへ連れていかれた。

 

 

〜(移動中)〜

 

 

「着いたわよ!みんなもう待っているかな?」

 

レミに無理矢理引っ張られて何処かの教室に連れていかれた。

 

「みんないる〜?」

 

レミが部屋に入り、誰かいるか確認している。

 

「遅かったね。レミが最後だよ」

 

「いるのね!じゃあ遊輝も入って!」

 

レミに引っ張られ、教室に入った。

そこにはドラムやキーボード、さらには何種類かのギターがあった。そして部屋にいたのは・・・・・・

 

「あれっ?何でみんなここにいるの?」

 

部屋にいたのは、スバルたちだった。スバルはドラムの前に座っていて、響はキーボードの前で立ち、奏はギターを持っている。ドラムやキーボード、それにギター・・・・・・もしかして

 

「ここって・・・・・・何かの部室?」

 

「そうよ!ここは軽音部の部室よ!」

 

「それでどうして遊輝がここに来たの?」

 

「紹介するね!新入部員の遊輝よ!」

 

・・・・・・・・はっ?新入部員?

 

「ちょ、ちょっと「さあ今から遊輝の担当の楽器を決めるわよ!」

 

「ギターかベースだろ。ドラムは俺がやっていて、響がキーボードをやっているんだから」

 

「私はギターをやって欲しいわ。そうすればヴォーカルとギターを兼任しなくていいから」

 

「ベースもやって欲しいわね。今ベースを弾ける人がいないから」

 

「レミはベースが出来るんだから、遊輝にはギターをやってもらえばいいんじゃないの?」

 

「2つやってくれれば「ちょっと待てえええぇぇぇ!!!」うるさいわね!何騒いでいるのよ!」

 

「うるさいじゃねぇ!なに勝手に話を進めて新入部員扱いにしてるんだ!俺は軽音部に入るつもりはない!」

 

「あれっ?入りたくて来たんじゃないの?」

 

「レミに無理矢理連れてこられたんだよ!第一俺はギターとか弾けないぞ!」

 

「とりあえずこれを食べて落ち着いたら?」

 

大声で言うと、奏が白い箱をこっちに持ってきた。中には丸くて小さなケーキが入っていた。

 

「奏のカップケーキよ!すごく美味しいから!」

 

「へぇ〜、それじゃ一個・・・・・・」

 

カップケーキを一つ手に取り、食べる。口にいれた瞬間、甘酸っぱい香りが広がる。この香りは・・・・ブルーベリーかな?

 

「ブルーベリーのケーキ?」

 

「すごい!一口食べただけで材料がわかるなんて!」

 

「一応、料理人を目指していたから大体の味はわかるよ」

 

「へぇ〜、その年で料理人ね〜。まだ目指せるでしょ?」

 

「無理無理、だって中学卒業の時にスカウトを断った・・・・・・・あっ!」

 

「中学卒業?遊輝ってまだ中等部の1年だよな?」

「自分からボロを出してどうするのよ・・・・・・この際みんなに話したら?」

 

「・・・・そうするか」

 

俺はみんなにこの世界に転生した事・エクシーズモンスターの事を全て話した。全てを聞いたスバルたちは神妙な顔つきで俺を見た。

 

「・・・・・・そんな過去があったんだ・・・・・・」

 

「遊輝は辛くなかったの?」

 

「最初は辛かったよ。何があったのか全く分からなかったし。でも、そのおかげでみんなにも会えたからな。これも運命ってやつかな?」

 

「運命かどうかは私たちは知らないけど、遊輝は遊輝だよ」

 

「そうよね。例え異世界から来ても、遊輝は変わらないわ」

 

みんな・・・・ありがとうな。

 

「じゃあ遊輝の楽器を・・・・」

 

「おい!それとこれとは話が別だろ!」

 

レミがギターの方を見て色々と考えている。本気で俺を入れようとしているな・・・・・・・

 

「レミ、私たちの演奏を見てもらってから遊輝に考えてもらったら?」

 

「良いね!みんな準備して!」

 

「演奏なんて見る余裕ない・・・・」

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

ブラックとホワイトが実体化して、椅子に座っていた俺の足の上に乗った。

 

「2人は見てみたいって言ってるわよ」

 

「・・・・・・・仕方ない、演奏だけ見ていくか」

 

「それじゃスバル、よろしく」

 

レミがギターを持って、奏がスタンドマイクの前に立ち、スバルが上にバチを上げる。

 

「行くぞ!1・2・3!」

 

 

 

----------------

 

------------

 

 

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪

 

奏が最後にギターのソロを弾いて、スバルがドラムを叩いて余興を出し、最後はみんなで音を揃えて終わった。

 

「どう?感想は」

 

レミがさっきの演奏の感想を聞いてきた。いやっ、上手かったのは上手かったよ。正直、俺の必要ないんじゃないのか?ただ上手かったのだけど・・・・・・

 

「それって・・・・・・・・ゆずの《夏色》?」

 

「?そうだけど?」

 

何でゆずの曲がこの世界にあるの?ここって前世と世界観が違うんだろ?

 

「ちなみに聞くけど他の有名アーティストは?」

 

「?えっと・・・・ミスチルにB'z、いきものがかり、Flumpool、Orange range」

 

「バンドって広げれば、関ジャニやTOKIOもありかな?」

 

「あとはaiko、槇原敬之、・・・・どうした?手を頭に当てて」

 

「いや・・・・・・・・何でもないよ・・・・・・」

 

何で前世の有名アーティストばかりを挙げるんだ?というかこの世界と前世って本当に別世界か?ここまで被る必要はないだろ・・・・

 

「それで入部する気になった?」

 

「だ・か・ら!!入部はしない!!俺は今からDホイールの練習をしなきゃいけないの!!」

 

「Dホイール持っているのか!?」

 

「よくその年で手に入れたわね」

 

神様が無理矢理送りつけただけだよ。それにDホイールのライセンスの試験があるから本当に練習したい。

 

「じゃあデュエルすれば良いだろ」

 

「?スバル、何を言ってるんだ?」

 

「遊輝と俺らの誰か1人が遊輝の入部を決めるデュエルをすれば良いんだよ。遊輝が勝てば入部はなしで、負ければ入部っていう形で」

 

「良いわね!それ!」

 

「いやいやいや!何でデュエルで決めるの!?」

 

「一番手っ取り早いでしょ?」

 

そりゃそうだけどさ・・・・・・・スバルは本当に十代とそっくりだな。

 

「誰がデュエルをするの?」

 

「奏が行きなよ!」

 

「私!?無理だよ!だって遊輝はみんなに勝ったのでしょ。私が勝てるとは・・・・」

 

「勝てるよ!あのね・・・・・・・・」

 

レミが奏の肩を掴み、何か話している。奏とのデュエルか・・・・・・・・まだしていないし良いか。それに自覚はないみたいけど、みんな強いって言っているし

 

「・・・・・・そうすれば勝てるよ!」

 

「・・・・・・分かったわ。遊輝、やりましょう」

 

奏がデュエルデスクを腕につけ、デッキを入れた。結局はやらないといけないんだな。

 

「いいぜ、その代わりに本気で勝ちに行くからな」

 

俺は実技で使ったデッキをケースに入れて、もう一つのケースから別のデッキを差し込む。今回は早く終わらせたいから聖刻龍で行く。

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 奏 LP 4000

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 6枚

 

さてと、奏のデッキは何かな?

 

「豊穣のアルテミスを召喚」

 

豊穣のアルテミス 攻1600

 

へっ?アルテミス・・・・・・・て言う事は・・・・・・

 

「パーミッション!?」

 

「カードを4枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

ちくしょう!いきなり4枚も伏せて来たよ!やばい!このデッキ、お触れどころか今トラップ・スタンも抜いちゃっている!パーミッションを止める手段が1つもない!

 

「お、俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

どうしよう・・・・・・とりあえずはサーチカードを。

 

「魔法カード、召集の聖刻印!デッキから《聖刻》と名のついたモンスター1体を手札に加える!」

 

「モンスターのサーチは注意ってレミが言っていたわね。カウンター罠、魔宮の賄賂!召集の聖刻印の発動を無効にして破壊する!」

 

召集の聖刻印が謎の人によって破壊される。

 

「そして相手は1枚ドローする」

 

やっぱり封じてくるよね・・・・・・・・とりあえず引いたカードは・・・・トフェニドラゴン!良かった〜、まだ何とかなりそうだ。

 

「豊穣のアルテミスの効果により、カードを1枚ドローする」

 

奏 手札 1枚→2枚

 

「聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

後ろからデッキの切り込み隊長、トフェニドラゴンが風に乗りながらやってきた。

 

「トフェニドラゴンは相手フィールドにモンスターが存在して、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!」

 

「通さないわよ!カウンター罠、神の警告を発動!LPを2000ポイント払って、トフェニドラゴンの特殊召喚を無効にする!そしてアルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

「げっ!?トフェニ!」

 

奏 LP 4000→2000

手札 2枚→3枚

 

神と天使らしきものがトフェニ周りを囲み、トフェニの上に雷を落として破壊した。ちくしょう・・・・・・頼みの綱だったのに・・・・

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 4枚

 

「神秘の代行者 アースを召喚」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

ア、アース!?まさかパーミッションに代行者を入れてるの!?

 

『ふわあ〜・・・・奏、今日のデュエルは終わったのじゃないの?』

 

「また寝ていたの?今回は遊輝の入部を掛けてデュエルしているの」

 

『遊輝?あ〜、フォーチュン・カップでレミが戦った相手ね』

 

「・・・・・・アースが喋っている」

 

「あと、遊輝は精霊が見えるからあなたの事も分かるわよ」

 

『ふ〜ん、遊輝よろしくね』

 

「あ、ああ・・・・・・・・」

 

なんか・・・軽い感じだな。気にしないけど・・・

 

「アースの効果!召喚に成功した時、デッキから《代行者》と名のついたモンスター1体を手札に加える!奇跡の代行者 ジュピターを手札に加えて、Lv4の豊穣のアルテミスにLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・ エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

上空に雷雲が出来て、雷と共に天使の翼をつけた白い龍が舞い降りて来た。手には弓矢らしきものが持っているのが気になるけど・・・・・・そして、

 

「最後のシグナーの龍のご登場か・・・・」

 

右腕の痣があのドラゴンが出たのと同時に光り始めた。

あれが、奏のシグナーの龍なんだろうな、まさかLv6のモンスターだとは・・・・・・

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果!シンクロ召喚に成功した時、墓地のカウンター罠を1枚だけ回収出来る!魔宮の賄賂を手札に加える」

 

カウンター罠の回収・・・・・パーミッションにとっては絶好の効果だな。

 

「手札の奇跡の代行者 ジュピターをゲームから除外してマスター・ヒュペリオンを特殊召喚!」

 

マスター・ヒュペリオン 攻2700

 

胸に赤くて小さな惑星を回しながら、ヒュペリオンが降りてきた。

 

「バトル!マスター・ヒュペリオンでダイレクトアタック!」

 

「(ヒュペリオンの効果を使わないの?それじゃ遠慮なく)リバースカードオープン!聖なるバ・・・・・・・!?発動できない!?」

 

何でだ!?発動条件は揃っているし、カウンター罠も発動していない!何で発動できないんだ!?

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果よ。このカードがフィールドに存在する限り、お互いにカウンター罠以外の罠カードを発動する事はできないの」

 

「何だって!?!?」

 

カウンター罠以外の罠が発動できないだと!?つまり俺は実質、王宮のお触れを受けている状態かよ!リビングデッドも発動できないじゃねぇか!

 

「バトル続行!マスター・ヒュペリオンでダイレクトアタック!」

 

「トラップが無理ならモンスター効果だ!手札の速攻のかかしの効果!ダイレクトアタック宣言時にこのカードを墓地に送って攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!これなら・・・・」

 

「カウンター罠、透破抜きを発動!手札または墓地の効果モンスターの効果を発動を無効にしてゲームから除外する!」

 

「透破抜き!?」

 

速攻のかかしが風に飛ばされる。

もう攻撃を防ぐカードが・・・・・・ない。

 

遊輝 LP 4000→1300

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!サンダー・アロー!」

 

ライトニング・エンジェルが雷を備わった弓矢を引いて打つ。

 

遊輝 LP 1300→0

 

 

WIN 奏 LOS 遊輝

 

 

 

「か、勝っちゃった・・・・・」

 

「凄いよ奏!遊輝に勝つなんて!」

 

奏が驚いている所に響が来て褒めている。しかしパーミッションとは・・・・

 

「言った通りでしょ!絶対に遊輝は聖刻を使うから勝てるって!」

 

「何で聖刻を使うって分かったの?」

 

「あんたが早くデュエルを終わらそうとする時は、大抵聖刻デッキを使うでしょ?」

 

確かに聖刻の方が1killしやすいけど・・・・

 

「でもあのデッキ、モンスターのほとんどが高レベルモンスターだから、動きを止められたら弱くなってしまうのよ。だから奏なら勝てるって思ったの」

 

当たっているよ・・・・・・

このデッキにはLv4以下のモンスターが5・6体ぐらいだから、一度止められたら立て直すのが難しいのだよね。それが聖刻の弱点、だからパーミッションで挑んできたのか・・・・・・・

 

「どうする遊輝?負けちまったし、後戻りもできないみたいだぞ」

 

スバルが話しかけてきた。確かに負けてしまったしな・・・・・それに興味がないわけでもないし・・・・・

 

「・・・・・・・・良いよ。軽音部に入るよ」

 

「ほんとに!?」

 

「ああ、負けてしまったし、約束は守らないと」

 

「ヨッシャ!」

 

レミが軽くガッツポーズ作り、喜んでいる。そこまでして俺を入れたかったのかよ・・・・

 

「じゃあ早速練習ね。とりあえずは・・・・」

 

レミがギターの方に向いて、俺に合うギターを探し始めた。響や奏も手伝っている。

 

「(遊輝、気を付けろよ)」

 

突然スバルが小声で話してきた。

 

「(気を付けろってどういう事?)」

 

「(あの3人、音楽のことになると鬼になるんだよ。俺もその被害者だったから)」

 

「(ひ、被害者って、スバルはいつドラムを始めたの?)」

 

「(中等部に進学した時に、レミに脅されて入部してそこから始めたんだ)」

 

「(そのわりには凄く上手かったけど)」

 

「(徹底的にしごかれた。入部して最初の1ヶ月の記憶がない)」

 

「(・・・・・・・・・・)」

 

俺、無事に過ごせるかな・・・・・・・




遊輝「奏って本当にスバルたちに1度も勝った事がないの?」

奏「ないわよ。追い詰める所までは行くのだけど、決定力に欠けているからなかなか勝てないの」

遊輝「とてもそうとは思えないけど・・・・」

レミ「何はともあれ、遊輝が入部したから、ようやくバンドらしい形になったよ!」

遊輝「バンド?部活としてやってるんじゃないの?」

響「形は軽音部だけど、私たちしかいないからバンドとしてやっているのよ」

スバル「それで遊輝の担当は?」

レミ「ギターとベース、あとサブヴォーカルね」

遊輝「ちょっと!俺歌うの!?」

レミ「だって男の声が欲しいもの」

スバル「(・・・・・・遊輝、無事に生きろよ)」




ライトニング・ エンジェル・ドラゴン ☆6
光属性 ドラゴン族 攻2300 守1600
光属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードの③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードがS召喚に成功した時、自分の墓地のカウンター罠を1枚を手札に加えることが出来る。
②このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、カウンター罠以外の罠カードを発動する事はできない。
③手札のカウンター罠を墓地に送る事で、デッキからレベル4以下の天使族モンスター1体を手札に加える。



遊輝「Lv6のシンクロモンスターで、シンクロ召喚成功時に、墓地のカウンター罠を回収できる。普通に考えたら神の宣告や警告が妥当かな?」

スバル「一番の強みは、このカードがフィールドにいる限りカウンター罠以外の罠カードを発動出来ない」

レミ「これは対策をしてなかったら何も出来ずにやられてしまうわよ」

響「あとは地味に天使族モンスターをサーチするのも嬉しいよね。パーミッションってデッキのモンスターが少ないから」

奏「次回は遊輝のライセンス試験ね」

響「タイトルは【ライセンス試験】そのまんまね」

レミ「次回もよろしくね!」


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第30話 ライセンス試験

最強カードの紹介!

レミ「私だよ!」

3度目の登場、レミだよ〜。

レミ「みんな3週目だからそんな事を言う必要はないでしょ」

そんな事はないぞ。初登場組がまだ出てないからね。

レミ「だったら先に出してあげれば良いでしょ?」

順番を守らないと何かイライラする。

レミ「何それ?そんなくだらない物捨てなさいよ」

そこは譲れない。最強カードの紹介に行くよ。

レミ「今回はセイクリッド・プレアデス、ランク5のエクシーズモンスターだよ」

1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除くことで、フィールド上のカード1枚を手札に戻すことができる。相手のカードを戻すのも良し、自分のカードを戻すのも良しという便利なカードだ。その代わりに光属性の縛りがあるけどね。

レミ「第30話、ライセンス試験のはじまり、はじまり〜」


遊輝 side

 

アカデミア編入から数週間・・・・・

クラスにも馴染んできて、クラブの方も順調に進んでいる。何でも、中間テストの2ヶ月後に文化祭があるらしく、それに向かって練習を積んでいるみたい。・・・・・しかし、スバルの言う通りあの3人は音楽のことになると鬼になるな。コードをちょっとでも間違うたびに、やり直しをくらうからたまったもんじゃないよ。おまけに文化祭で弾く曲がどれもこれも難しい!!!初心者の俺にとって、「弾けるかああ!!!!」って楽譜を放り投げたいところだよ。

 

とまあ学園生活の事はこれほどにして、今は・・・・・

 

『クロウ・ホーガンさん、コースに入ってください』

 

「よっしゃ!俺の番だぜ!」

 

遊星たちと一緒にライセンスの試験を受けに行ってます。

あの戦いの後、Dホイールを乗るのにライセンスが必要となったから。今は、Dホイールを乗ったことがある経験者がライセンスを取り、新規で取る人たちは来年あたりかららしい。

 

俺はクラブの事もあったけど、何とか試験の日までに調整することができた。ちなみに、ライセンスは16歳以上からだけど俺は特別にライセンスを取ることが許された。中学生からのライセンスも俺の様子で決まるから、余計に合格しておかないといけない。

 

すでに筆記試験は終わり、遊星とジャックの実技試験を終わった。残りはクロウと俺のみ。まあクロウの場合、BFだからすぐに終わりそうだけどね。

 

「アームズ・ウィングとアーマード・ウィングでダイレクトアタック!」

 

試験官 LP 4000→0

 

ほらね。あっという間の出来事だったよ。

 

「へへ、どんなもんだ!」

 

「いつもやっている事でしょ?」

 

「ふん、あれくらいの事で自慢するな」

 

ジャックのこの一言で、二人の喧嘩が始まった。ほぼ毎日喧嘩しているのに、飽きないのかな?8割がジャックのコーヒー代だけど、1杯3000円とかボッタくってるだろ、あの店。

 

『遠藤遊輝さん、コースに入ってください』

 

「あっ、俺の番だ」

 

「頑張れよ」

 

「もちろん!」

 

遊星たちから離れ、止めておいたDホイールのエンジンをかけて、コースに入る。試験官がスタートラインで待っている。

 

「君が遠藤遊輝君だね。第一コーナーをとった方が先行だからね」

 

「知ってますよ。それじゃ早速」

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド2!セットオン!」」

 

遊星と戦った時以来のライディングデュエル、今回は聖刻デッキのテストも兼ねて行きますか!

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

遊輝 LP 4000 試験官 LP 4000

 

第一コーナーを取ろうと内側を攻めて、スピードを出す。

 

「ライディングデュエルならこんな事もあるぞ!」

 

「!?くっ!」

 

試験官が俺のDホイールにぶつけ内側に入る。ラフプレイか、確かによくあるけど少し無茶があるだろ。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

試験官 手札 6枚

遊輝 SPC 0→1 試験官 SPC 0→1

 

「電動刃虫を召喚!」

 

電動刃虫 攻2400

 

角が電動ノコギリでできたクワガタらしきモンスターが現れた。電動刃虫?これまた珍しいカードを入れているな。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

試験官 手札 3枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

電動刃虫 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

さてと、懐かしいモンスターといっても攻撃力2400は無視できないな。気を引き締めないと、

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

遊輝 SPC 1→2 試験官 1→2

 

「スタンバイフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、スキルドレイン!」

 

スキドレ!?やっべ!!

 

「私のライフを1000ポイント払って、フィールドの効果モンスターの効果を無効にする!」

 

試験官 LP 4000→3000

 

試験官のデッキがガチなんだけど!スキドレって事はバルバロスとかも入ってるってことだろ!パワーで押し切ろうとするのか!

手札は・・・・・よし、何とかなりそうだ。

 

「カードカー・Dを召喚!」

 

カードカー・D 攻800

 

このデッキでは、お世話になりまくっているカーDが後ろから走ってきた。

 

「カードを2枚セットしてカードカー・Dの効果!このカードをリリースして、デッキからカードを2枚ドローする!このカード自身がリリースされるからスキルドレインの効果で無効化されない!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

「そしてエンドフェイズとなる。ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 5枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

お互いにカーブを曲がり、試験官のターンが始まる。

 

「私のターン、ドロー!」

 

試験官 手札 4枚

遊輝 SPC 2→3 試験官 SPC 2→3

 

「神獣王バルバロスを召喚!」

 

神獣王バルバロス 攻3000

 

ほら来た!やっぱりバルバロスを持っていたか!

 

「バルバロスは妥協召喚できる代わりに元々の攻撃力が1900になるが、スキルドレインの効果で攻撃力は3000のままだ!バトル!バルバロスでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!和睦の使者!このターンに俺が受ける戦闘ダメージは0になる!」

 

目の前に女神が現れ、バルバロスの攻撃を止める。ライディングデュエルだと、いつものような魔法カードが発動できないからこうやって罠カードでカバーするしか方法がない。第一、俺の使っているカードは半分以上がこの世界に存在しないカードだからね。

 

「ならばSPースピードストーム!SPCが3つ以上存在する場合、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

遊輝 LP 4000→3000

 

試験官のDホイールから竜巻が出来て、俺に襲う。竜巻にバランスを崩されたが、持ち直して試験官を追う。危ねえな〜、遊星との特訓のおかげでこれくらいの事ならスピンを起こさない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

試験官 手札 2枚 LP 3000 SPC 3

【モンスターゾーン】

電動刃虫 攻2400

神獣王バルバロス 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

スキルドレイン

伏せカード 2枚

 

 

「(私の伏せカードは奈落の落とし穴と次元幽閉。バルバロス以上のモンスターを出してもこのカード達で防ぐ)」

 

おっしゃ!このターンで決めるか!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

遊輝 SPC 3→4 試験官 SPC 3→4

 

さてと、まずはあのリバースカードとスキルドレインを封じるか。

 

「スタンバイフェイズ時、リバースカードオープン!トラップ・スタン!このターン、このカード以外の罠カードの効果は無効になる!」

 

「くそっ!(これでは伏せカードを発動しても意味がない!)」

 

そんじゃ、パーミッションの時は全く動けなかったから今回は派手に暴れてやる!

 

「聖刻龍ーアセトドラゴンを妥協召喚!」

 

聖刻龍ーアセトドラゴン 攻1900→1000

 

後ろからアセトドラゴンがやってきた。

 

「アセトドラゴンもバルバロスと同様にリリースなしで召喚できる!その代わりに攻撃力が1000になるけどね」

 

「攻撃力1000のモンスターを召喚・・・・・一体何を」

 

「アセトドラゴンをリリースして、聖刻龍ーネフテドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーネフテドラゴン 攻2000

 

アセトドラゴンが消えて、代わりにアセトドラゴンと同じような姿をしたネフテドラゴンが現れた。

 

「ネフテドラゴンはフィールドの《聖刻》と名のつくモンスターをリリースする事で手札から特殊召喚できる!そしてリリースされたアセトドラゴンの効果!デッキ・手札・墓地からドラゴン族通常モンスター1体を攻撃力と守備力を0にして特殊召喚する!デッキからエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「さらにネフテドラゴンの効果発動!1ターンに1度、手札・フィールドからこのカード以外の《聖刻》と名のつくモンスター1体をリリースして、相手のモンスター1体を破壊する!手札の聖刻龍ーシユウドラゴンをリリースしてバルバロスを破壊!」

 

ネフテドラゴンが突風を起こして、バルバロスを破壊する。

 

「バルバロスが・・・・・」

 

「リリースされたシユウドラゴンの効果!このカードもリリースされた時にドラゴン族通常モンスターを特殊召喚できる!2体目のエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

「Lv6が2体・・・・・来るか!」

 

「Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

上空からこのデッキの要、アトゥムスが舞い降りてきた。

 

「アトゥムスの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、このターンのこのカードの攻撃を放棄してデッキからドラゴン族モンスターを攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻/守 2800/2400→0/0

 

アトゥムスの咆哮でどこからかレダメが出てきた。

 

「レダメの効果!手札・墓地からこのカード以外のドラゴン族モンスターを特殊召喚する!アセトドラゴンを特殊召喚!そしてLv5のネフテドラゴンとアセトドラゴンでオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!セイクリッド・プレアデス!」

 

セイクリッド・プレアデス 攻2500

 

左に特徴的な刀を持ち、マントを身につけた白い鎧の戦士が現れた。

 

「セイクリッド・プレアデスの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、フィールド上のカード1枚を手札に戻す!レダメを選択!」

 

セイクリッド・プレアデス OVR 2→1

 

プレアデスが剣を使い、レダメを上空に放り投げた。

 

「何故電動刃虫を選択しないんだ?私のフィールドをなくす事が出来たのだぞ」

 

「レダメは自分フィールドのドラゴン族モンスターをゲームから除外して手札から特殊召喚できる!戻って来い!」

 

レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン 攻2800

 

アトゥムスがDホイールの後ろに行き、穴に吸い込まれてそこからレダメが戻って来た。

 

「レダメの効果!墓地からエレキテルドラゴンを特殊召喚する!」

 

エレキテルドラゴン 攻2500

電気を帯びた青い龍が現れた。さてと、これで勝てるな。さすがに龍可みたいにオーバーキルを狙う必要が無いからね。

 

「バトル!エレキテルドラゴンで電動刃虫を攻撃!」

 

「くっ!」

 

エレキテルドラゴン 攻2500

電動刃虫 〈チェーンソー・インセクト〉 攻2400

 

試験官 LP 3000→2900

 

「続けて、セイクリッド・プレアデスで攻撃!ライトブレード!」

 

プレアデスが試験官のDホイールを斬りつける。

 

試験官 LP 2900→400

 

「ラスト!レダメでダイレクトアタック!ダークネスメタルフレア!」

 

試験官 LP 400→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 試験管

 

 

 

 

 

試験官のDホイールが止まった為、俺もブレーキをかけて止める。

 

「見事だ。試験は合格だ」

 

「ありがとうございます」

 

無事にライセンス修得したぜ!




遊輝「これでDホイールに乗れるな」

遊星「練習だけはおこなるなよ」

遊輝「分かっているよ。ライセンスを取ったって言っても、Dホイールが乗れるだけなんだから」

クロウ「お前のデッキインチキだぞ!あの展開力はないだろ!」

遊輝「BF使いのクロウに言われたくない!」

ジャック「どっちもどっちだな」

遊星「そうだな。次回は、アカデミアの中間試験か」

クロウ「タイトルは【中間試験 箒星VS銀河】 」

遊輝「箒星?まさか・・・・・でも学年が違うし」

遊星「次回も宜しく」


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第31話 中間試験 箒星VS銀河

最強カードの紹介〜。今回はこのキャラ!

パール「みんな〜、久しぶり〜♪」

パールだよ〜。改定作業も中盤に入ったんだが、そろそろここに話すネタが・・・・・

パール「あんなハイペースでやるからでしょ?」

いやだってモチベーションが急に上がってさ・・・・・。

パール「幾らなんでも極端過ぎるのよ!」

最強カードの紹介に行くよ!

パール「話逸らしたわね・・・・今回はNo,11ビッグ・アイ!ランク7の大型エクシーズモンスターだよ!」

1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除く事で相手フィールドの表側表示のモンスター1体のコントロールを得る事ができる!要するにパクる!その代わり、効果を使ったターンは攻撃できないよ。

パール「第31話、デュエルスタート!


遊輝 side

 

「始め!」

 

先生の声で一斉にプリントをひっくり返し、鉛筆で問題を解き始める。

今日は中間試験の一日目、筆記試験が行われる。明日は実技試験で、ランダムに同学年の生徒とデュエルをする。

昨日はレミ達と一緒に勉強会をした。なんせ、響が毎回赤点ギリギリで、スバルにいたっては授業中爆睡だから、俺とレミ、奏の三人がかりで二人に勉強を教えた。

 

「そこまで!後ろの物は回答用紙を集めて!」

 

やっと終わった〜。出来は8割、9割かな?

 

「やっと終わった!!!」

 

「大声出すなよ。それに明日もあるだろが」

 

「だって明日は実技だけなんだから!これでしばらくは自由だ!」

 

スバルに注意してもこの調子、

スバルの場合は詰め込んだら何とかなるタイプだから、響とちがって補習のことを考えなんていいみたい。だから問題は・・・・・・

「響、今回は大丈夫なの?」

 

「今回こそ大丈夫!今回は遊輝にも教えてもらったんだから!」

 

「そう言って毎回補習ギリギリの点数を取っているのは誰かな〜?」

 

「レ〜〜ミ〜〜!」

 

響がレミを追い回す。問題は響、毎回補習を受けるか受けないかの点数だからね。今回は解らないところは解るまで細かく教えたから大丈夫だと思うけど、こんな感じだからね〜〜。

 

 

遊輝 side out

 

 

 

龍亞 side ー(翌日)ー

 

 

やっほー、なんか久しぶりだね。

昨日のうちに筆記試験は終わって、今日は実技試験。筆記の方は・・・・・・・まあ、最低限は取れたと思う。もし取れてなかったら、遊輝の補習を受けなくちゃいけないからね。それで今は、実技試験真っ最中。状況は・・・・・・・・

 

 

龍亞 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻4900

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻4900 (閃光の双剣の効果で攻撃が2回可能)

【魔法・罠ゾーン】

ダブルツールD&C (パワー・ツール)

団結の力 (パワー・ツール)

魔導師の力 (パワー・ツール/バスター)

閃光の双剣 ートライスー (パワー・ツール/バスター)

伏せカード 【神の宣告】

 

 

相手 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

切り込み隊長 攻1800

コマンドナイト 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

連合軍

伏せカード 【聖なるバリア〜ミラーフォース】

 

 

・・・・・・・こんな感じ、ちなみに3ターン目で俺のターン。手札がちょっと良かったから普通にやっていったらこんな状況になってしまった。相手が少し涙目になっている。やり過ぎたな・・・・もう少し考えて回せば良かったよ。

 

「バトル!パワー・ツール・ドラゴンとパワー・ツール・ドラゴン/バスターで攻撃!クラフティ・ブレイク!フルメタルクラフティ・ブレイク!」

 

相手 LP 4000→0

 

WIN 龍亞 LOS 相手

 

 

 

これで俺の実技試験は終わり。多分大丈夫だと思う。

 

「龍亞、お疲れ様」

 

「ありがとう、龍可の番はまだなの?」

 

「そうなのよ。もうすぐ小等部の実技試験が終わるのに」

 

龍可が少し退屈そうに話す。俺と龍可は小等部で強い方らしく、最後に回されてしまったけど、確かに順番が回って来ないのはおかしいな。

 

「・・・・・・・困ったわね」

 

「あっ、先生!」

 

腕を組んで歩いている先生を見つけたから、俺は龍可の順番を聞くために先生を止めた。

 

「あら、ちょうど良かった。龍可さんにお話があるの」

 

「私ですか?」

 

「ええ、実はこっちのミスで貴方の相手が中等部の人と当たってしまったの」

 

「中等部!?」

 

「他の小等部の生徒は残ってないの?」

 

「あいにく小等部の生徒は全て終わってしまって・・・・悪いけどその中等部の人とデュエルしてくれないかしら?成績は私がなんとかするから」

 

「せっかくなんだからデュエルしなよ!中等部とのデュエルなんて滅多に無いんだから!」

 

「そうね・・・・分かりました。中等部とデュエルします」

 

「助かるわ。直ぐに準備をするからデュエルフィールドに上がって待っていて」

 

先生が本部に戻り、龍可がデュエルフィールドに上がる。龍可の場合、ライトロードだから中等部相手でも直ぐに終わりそうだな。おっ、相手が上がってきた・・・・・・・・えっ!?

 

「遊輝!?」

 

 

龍亞 side

 

遊輝 side

 

 

現在実技試験の最中、みんなはデュエルをしている。と言ってもみんな強いから・・・・・・・

 

「ノヴァマスターでダイレクトアタック!」

 

「トライデント・ドラキオンの攻撃!バーニング・ブースト三連打!」

 

「ブリザード・プリンセスでナチュル・バタフライに攻撃!」

 

「マスター・ヒュペリオンの攻撃!」

 

ほら、あっという間に終わったよ。奏もパーミッションだけども1ターンで決めたよ。

 

「イエー!昨日のテストの憂さ晴らしをしたよ!」

 

「その様子だと駄目だったみたいね」

 

「何のために勉強したのか・・・・・」

 

「あっ、あっちでアキさんがデュエルをしているよ」

 

レミが高等部のデュエルフィールドでアキさんを見つけ、みんながそっちに向く。それで状況は・・・・・・

 

 

アキ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

凛天使 クイーン・オブ・ローズ 攻2400

魔天使 ローズ・ソーサラー 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

相手 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

・・・・・・・これはブラック・ローズで1回リセットしたな。この前あげた凛天使と魔天使を簡単に使いこなしているし、相手は終わったね。

 

「バトル!凛天使 クイーン・オブ・ローズと魔天使 ローズ・ソーサラーでダイレクトアタック!薔薇剪定斬《ローズ・トリマー》!薔薇の饗宴《ツイン・ローズ・ストリーム》!」

 

相手 LP 4000→0

 

WIN アキ LOS 相手

 

 

アキさんのデュエルが終わったので、俺たちはアキさんの所に行く。

 

「アキさん、圧勝ですね」

 

「あらっ、遊輝にレミ、それと・・・・・・」

 

「俺は遊城スバル!」

 

「私は小野寺響!そして、」

 

「水野奏です。よろしくお願いします」

 

「みんな私の幼馴染よ!」

 

「そう、よろしくね。みんなもテストは終わったのかしら?」

 

「遊輝だけはまだだよね?」

 

「そうだよ。まだ呼ばれてないんだよ」

 

「・・・・・・・どうしようかしら」

 

「加藤先生?何かあったの?」

 

響が悩んでいる加藤先生を見つけて呼び止める。何かあったんかな?

 

「・・・・・・実は遊輝君の相手が間違って小等部の子と組み合わせてしまって・・・・・」

 

小等部?どんなミスをして、俺は小等部に入るんだ?

 

「遊輝君、このまま小等部の子とデュエルしてくれない?もう中等部の生徒は全員終わってしまったから」

 

「良いですよ、別に困らないので」

 

「じゃあデュエルフィールドに上がって準備してくれる?」

 

「はい」

 

俺はケースに入っているデッキをデスクにセットする。

 

「遊輝!小等部なんかに負けるなよ!」

 

「負けたら私と一緒に補習ね!」

 

「巻き込むな!それじゃ行ってくるわ」

 

俺は指定されたデュエルフィールドに上がる。既に相手は上がって・・・・・・・えっ!?

 

「龍可!?」

 

まさか・・・・・・・小等部の相手って・・・・・・・・

 

『それでは、小等部の龍可さんと中等部の遠藤遊輝君の実技試験を始めます』

 

「へえ、龍可ちゃんが相手か〜、遊輝の補習行きは確定ね」

 

「どういう事?」

 

「龍可はフォーチュン・カップベスト4の実力者、そしてデッキは闇属性モンスターを入れたライトロード、これで龍可は何人もの人に勝ってきたの」

 

アキさんが響たちに説明する。

それよりどうしよう・・・・・・龍可に勝った事があるの指で数えるくらいなんだけど・・・・まぁしゃあないか

 

「まさかこんな形で遊輝と戦うなんてね」

 

龍可が俺を見ながら話してきた。

 

「そういえば、龍可とデュエルをするのは久しぶりだな」

 

「ダークシグナーの戦いの後はしてなかったからね。悪いけど、勝たせてもらうよ!」

 

「それは俺も一緒だ!行くぜ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 34枚

 

さて、龍可の事だから初手は・・・・・・

 

「魔法カード、光の援軍を発動!デッキの上からカードを3枚墓地に送って、デッキからライトロード・サモナー ルミナスを手札に加える!」

 

やっぱり光の援軍を持ってた!いつもいつも何でそのカードを初手に持てるの?

 

 

墓地に落ちたカード

・ネクロ・ガードナー

・大嵐

・ジャスティス・ロード

 

デッキ残り枚数 34枚→30枚

 

 

「墓地に落ちたジャスティス・ロードの効果発動!デッキから墓地に送られた時に墓地から発動できる!」

 

突然龍可の後ろに天空に続く道が光りだした。また面倒なカードを墓地に送ったな〜、あれを渡した途端にデッキの回転力が異常になったからね。

 

「ジャスティス・ロードの効果発動!1ターンに1度、手札の《ライトロード》と名のつくモンスターを墓地に送り、デッキから《ライトロード》と名のついたモンスター1体を墓地に送る!手札のライトロード・ウォリアー ガロスを墓地に送って、ライトロード・ドラゴン グラゴニスを墓地へ!そして魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・ビースト ウォルフを墓地に送ってカードを2枚ドロー、その後デッキからカードを2枚墓地に送る!」

 

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・モンク エイリン

・クリッター

 

デッキ残り枚数 29枚→25枚

 

 

「モンスターをセットしてターンエンド!」

 

 

龍可 手札 4枚 LP 4000 デッキ残り枚数 25枚

【モンスターゾーン】

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

ジャスティス・ロード

 

 

龍可にしては大人しい1ターン目だな、次のターンが問題だけど、

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

あのセットモンスターはほぼライコウとみて良いだろう。まだ墓地にカードを貯めないとならないからな。

かと言って、それを止めるカードが手札に1枚も無いけどね。

 

「太陽風帆船を特殊召喚!」

 

太陽風帆船 攻/守 800/2400→400/1200

 

「効果は知ってるよな?自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!続いてガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

鎖を振り回しながらダイヤが現れた。

 

『龍可さんとのデュエルですか、久しぶりですね』

 

「間違えてただけだけどな、それにやる予定が早まったしな」

 

「ダイヤね、ランク5のモンスターかしら?」

 

「流石に何回もやっていたら気付くか、ガガガマジシャンの効果!エンドフェイズまで、Lvを5にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆5

 

「今回は何がでるのだ?ワクワクするぜ!」

 

「Lv5の太陽風帆船とガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,12 機甲忍者 クリムゾン・シャドー!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

 

ブラックホールから出てきた手裏剣が変形してクリムゾン・シャドーが現れた。

 

「バトル!クリムゾン・シャドーでセットモンスターを攻撃!月影紅切り!」

 

セットされたモンスター、ライコウが現れてクリムゾン・シャドーがライコウを斬る。

 

No,12 機甲忍者 クリムゾン・シャドー 攻2400

セットモンスター→ライトロード・ハンター ライコウ 守100

 

「ライコウのリバース効果!フィールドのカード1枚を破壊する!と言っても今はクリムゾン・シャドーだけど、効果を使うよね?」

 

「当たり前。クリムゾン・シャドーの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、このターン《忍者》と名のついたモンスターは戦闘及びカード効果では破壊されない!」

 

No,12 機甲忍者 クリムゾン・シャドー OVR 2→1

 

ライコウの霊がクリムゾン・シャドーが噛むが、クリムゾン・シャドーの影が消えかかしが変わりに破壊される。

 

「そしてデッキからカードを3枚墓地へ送る」

 

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・ビースト ウォルフ

・ダーク・アームド・ドラゴン

・サイクロン

 

デッキ残り枚数 25枚→22枚

 

 

「墓地に落ちたライトロード・ビーストウォルフの効果!デッキから墓地に送られた時、墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・ビースト・ウォルフ 攻2100

 

地面に穴が開き、盾を持った獣戦士が現れた。う〜ん、モンスター残してしまったな。でもこれと言った手が無いしな。

 

「ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,12 クリムゾン・シャドー 攻2400

【 魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「珍しいわね、遊輝がリバースカードを伏せないなんて一度もなかったのに」

 

「裁きの龍を警戒しているのよ。多分フリーチェーン出来るカードがないのよ」

 

さてと、この状況で龍可はどうでる?

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 5枚 デッキ残り枚数 21枚

 

「(攻めるなら今だね!)ジャスティス・ロードの効果!手札のライトロード・エンジェル ケルビムを墓地に送り、デッキからライトロード・スネーク キラーを墓地に送る!そして墓地に送られたライトロード・スネーク キラーの効果!このカードもデッキから墓地に送られた時に特殊召喚できる!」

 

ライトロード・スネーク キラー 攻600

 

ウォルフから出てきた穴から黄色の蛇が現れた。ついにライトロードのチューナーか、そしてLvの合計は7、本気だな。

 

「Lv3のライトロード・スネーク キラーにLv4のライトロード・ビースト ウォルフをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる!シンクロ召喚!降誕せよ!エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン 攻2100

 

光の中から龍可のエースモンスター、エンシェント・フェアリー・ドラゴンが現れた。

 

『龍可、アカデミアで私を出すということは、遊輝に勝ちたいのですか?』

 

「そうもあるね。それに久しぶりにあのカードを出してみたいと思ったの」

 

『そうですか、私の方は大丈夫です。いつでも行けますよ』

 

「分かったわ、エンシェント・フェアリー・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、フィールド魔法を破壊する!プレイン・バック!」

 

エンシェント・フェアリーが輝きを放ち、龍可の後ろにあった天空からの道は破壊される。これは不味いぞ。あのカードが破壊されたら・・・・・・

 

「フィールド魔法を破壊した場合、LPを1000ポイント回復する!さらにデッキからフィールド魔法1枚を手札に加える!2枚目のジャスティス・ロードを加え、破壊されたジャスティス・ロードの3つ目の効果!破壊された時、デッキからカードを2枚墓地に送る!」

 

龍可 LP 4000→5000

 

墓地に送られたカード

・カオス・ソーサラー

・ネクロ・ガードナー

 

デッキ残り枚数 19枚→17枚

 

 

とうとうデッキ枚数半分を切ってきたな、これはこのターンで決めるつもりだな!

 

「2枚目のジャスティス・ロードを発動して効果!手札のライトロード・ドルイド オルクスを墓地に送り、ライトロード・バタフライ ファルファッラを墓地に!そして墓地に送られたライトロード・バタフライ ファルファッラの効果!墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・バタフライ ファルファッラ 攻0

龍可の頭の上に小さな光の蝶がやってきた。って、ちょっと待てよ!バタフライのLvは1!

 

「龍可!まさかあのモンスター・・・・・・」

 

「そのまさかよ!Lv1のライトロード・バタフライ ファルファッラにLv7のエンシェント・フェアリー・ドラゴンをチューニング!」

 

「エ、エンシェント・フェアリーをチューニング!?」

 

後ろで響が驚き、アキとスバルは何があったのかと目を出すように見て、小等部からはざわめきが起きている。無理もない、あのモンスターはエンシェント・フェアリーの進化した姿。龍可も滅多に出さない《裁きの龍》と《カオス・ソルジャー》に並ぶ切り札。

 

☆1 + ☆7 = ☆8

 

バタフライの出来た輪に、エンシェント・フェアリーが入り宇宙へと駆ける。

 

「古の妖精龍が星の力を授かる時、永遠の宇宙を駆け抜ける流れ星に変わる。希望の弧を描く箒星となれ!シンクロ召喚!流れ行け!エンシェント・コメット・ドラゴン!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0

 

上空から箒星が流れてきて、突然フィールドを照らす。光が消えると、とんがり帽子を被り、周りに星が回っているエンシェント・コメット・ドラゴンが姿を現した。

 

「き、綺麗・・・・・・」

 

「私のアイス・スプラッシュと一・・・・・・いえ、それ以上の輝き・・・・・・」

 

「すげえぜ!あんなモンスターを出すなんて!」

 

エンシェント・コメットを初めて見る奏たちは美しさに感動している。

しかし、こいつを出すとは・・・・・・

 

「これが私の本気よ!エンシェント・コメットの効果!1ターンに1度、フィールドのカード1枚を破壊する!クリムゾン・シャドーを選択!」

 

「させるかよ!クリムゾン・シャドーの効果!」

「チェーンで速攻魔法、禁じられた聖杯!エンドフェイズまでクリムゾン・シャドーの攻撃力を400ポイント上げて、効果を無効にする!」

 

No,12 機甲忍者 クリムゾン・シャドー 攻2400→2800

 

「これでクリムゾン・シャドーは破壊出来る!スター・ブレイク!」

 

エンシェント・コメットが手をかざすと、周りの星がクリムゾン・シャドーに向かって一斉に流れる。

最後はエンシェント・コメット自身がクリムゾン・シャドーに突っ込み破壊する。

 

「この効果でモンスターを破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分、攻撃力がアップする!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0→2400

 

クリムゾン・シャドーまでも破壊されたか・・・・・・

 

「魔法カード、貪欲な壺!墓地のクリッター、カオス・ソーサラー、ライトロード・エンジェル ケルビム、ライトロード・ビースト ウォルフ、ライトロード・モンク エイリンをデッキに戻して2枚ドローする!」

 

龍可 手札 2枚→4枚

デッキ残り枚数 16枚→19枚

 

「裁きの龍を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻300

 

ジャスティス・ロードの光から裁きの龍が現れた。

 

「もう次に呼ぶモンスターは分かるよね?」

 

「ああ、嫌っていう程相手してきたからな」

 

「じゃあ、墓地の闇属性モンスター、ダーク・アームド・ドラゴンと光属性モンスター、ライトロード・ウォリアー ガロスをゲームから除外して、カオス・ソルジャーを特殊召喚!」

 

カオス・ソルジャー 攻3000

 

やっぱりそいつか!いつもドローカードであの2枚を引いて、先にジャッジメントでフィールドを一掃させてからカオス・ソルジャーを出す龍可の必勝パターン、手札が良ければ、そこからオーバーキルを狙いに行く。何回これでやられたことか。

 

「ライトロード・サモナー ルミナスを通常召喚!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス 攻1000

 

「ルミナスの効果!手札のカードを1枚捨てて、墓地からLv4以下の《ライトロード》と名のついたモンスター1体を特殊召喚する!手札を捨て、ライトロード・ドルイド オルクスを特殊召喚!」

 

ライトロード・ドルイド オルクス 攻1200

 

「ねぇ、何でルミナスを召喚したの?」

 

「そうよね。わざわざルミナスを使わなくても遊輝に勝てるのに」

 

後ろで響とアキさんが疑問に思っている。でもこれは・・・・・・

 

「あれを一番使っている遊輝なら、この状況が分かるよね?」

 

「Lv3が2体・・・・・・」

 

「そう!いよいよ使う時が来たわ!Lv3のライトロード・サモナー ルミナスとライトロード・ドルイド オルクスをオーバーレイ!!」

 

「えっ・・・・・・・・・」

 

「なっ・・・・・・・・・・」

 

『オーバーレイ!?!?!?』

 

龍可の言葉を聞いて、この場にいるみんながどよめく。無理もないか、今から龍可がする事は、俺にしか出来ないはずの・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エクシーズ召喚!」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!祈りのメロディを響け!菅魔人メロメロメロディ!」

 

 

菅魔人メロメロメロディ 攻1400

 

ブラックホールから菅楽器に乗った頭に角が生えた女の子が現れた。

 

「う、うそ・・・・・・・・」

 

「龍可が・・・・・・エクシーズ召喚!?!?」

 

龍可がエクシーズ召喚した事にアキさんと龍亞がはためく。

 

「ゆ、遊輝!何で龍可ちゃんがエクシーズモンスターを持っているの!?」

 

「そりゃ決まっているじゃん。あげたから」

 

「あげたじゃないわよ!?何であげたの!?」

 

「フォーチュン・カップの約束を忘れたの?」

 

「あっ・・・・・・・・・」

 

フォーチュン・カップの時に龍可が「エクシーズモンスターを譲って欲しい」って言ったから、フォーチュン・カップが終わった後にライトロードにシナジーするエクシーズモンスターを箱をひっくり返して探したら、たまたま《魔人》たちを見つけたんだ。何か不思議な感じがしたから、龍可に《魔人》と数種類のエクシーズモンスターをあげたんだ。

龍亞が驚くのは龍可が一度もエクシーズ召喚を使ってないから、元々ライトロードにエクシーズモンスターはあまり必要ないからね。

 

「これがエクシーズモンスター・・・・・・凄いね!チューナーも使わないで強力なモンスターを出せるのだから!」

 

「俺は普段から使っているから何とも思わないんだけど」

 

「私にすれば凄いの!行くよ!菅魔人メロメロメロディの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、自分フィールドの《魔人》と名のついたモンスター1体はこのターン2回攻撃が出来る!」

 

菅魔人メロメロメロディ OVR 2→1

 

えっと、今の龍可のフィールドは・・・・

 

 

龍可 手札 0枚 LP 5000

【モンスターゾーン】

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻2400

裁きの龍 攻3000

カオス・ソルジャー〜開闢の使者〜 攻3000

菅魔人メロメロメロディ 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

ジャスティス・ロード

 

 

うわあ・・・・・・完全にオーバーキルを狙いに来てるよ。

 

「バトル!エンシェント・コメット・ドラゴンでダイレクトアタック!エターナル・ミディアストリーム!」

 

エンシェント・コメットが腕を上げて、俺に向かって星が流れる。

これで終わり・・・・・・・・・・じゃないんだよね!

 

「速攻のかかしの効果!ダイレクトアタック時にこのカードを手札から捨てて、攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

エンシェント・コメットが降らした星の前にかかしが現れ、攻撃を防ぐ。

 

「残念、裁きの龍やエンシェント・コメットでも手札からは止められないからね」

 

「くっ・・・・ターンエンド。裁きの龍の効果でデッキからカードを4枚墓地へ、エンシェント・コメット・ドラゴンはエンドフェイズ時に攻撃力を0にして守備表示にする」

 

 

墓地に落ちたカード

・ネクロ・ガードナー

・ソーラー・エクスチェンジ

・ブラック・ホール

・ライトロード・マジシャン ライラ

 

龍可 手札 0枚 LP 5000 デッキ残り枚数 15枚

【モンスターゾーン】

エンシェント・コメット・ドラゴン 守4000

裁きの龍 攻3000

カオス・ソルジャー〜開闢の使者〜 攻3000

菅魔人メロメロメロディ 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

ジャスティス・ロード

 

 

「(このターンで決められなかったけど、私の墓地にはネクロ・ガードナーが3体いる。いくら遊輝でもこの状況をひっくり返すのは難しいはず。次のターンで決める!)」

 

いや〜、裁きの龍を呼んで直ぐに入れた速攻のかかしが役立ったよ。本当にオーバーキルを狙いに来たから。しかし、これを止めたといっても不利な状況に変わりはないか、何とかしないとね。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

・・・・・・・良し、こいつに賭けるか。

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!お互いにカードを3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 3枚→6枚 龍可 手札 0枚→3枚

 

・・・・えっ!?何でこれが入っているの!?まあ勝てるけど・・・

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「ダイヤ・・・・・・・今度は何を」

 

「魔法カード、ガガガゲット!デッキから《ガガガ》と名のついたモンスターを特殊召喚する!ガガガガールを特殊召喚!」

 

『は〜い♪』

 

ガガガパール 攻1000

 

『マスター、なんか龍可ちゃんのフィールドが凄い事になってるね」

 

「ジャスティス・ロードを渡した結果がこれだからな。あの時によく手札にかかしがあったことだよ」

 

『でも何とかするんでしょ?』

 

「もちろん!勝ちに行くんだから!ガガガガールの特殊召喚にチェーンして速攻魔法、地獄の暴走召喚!攻撃力1500以下のモンスターの特殊召喚に成功した時、同名モンスターを特殊召喚する!ガガガガールを2体特殊召喚!」

 

ガガガガール 攻1000 ×2

 

「その後、相手は表側表示のモンスター1体を選択して、同名モンスターを特殊召喚できるけど」

 

「裁きの龍は自身の効果でしか特殊召喚出来ないし、カオス・ソルジャーはデッキに1体しか存在しない・・・・・」

 

「よって特殊召喚出来ない!ガガガマジシャンの効果!エンドフェイズまでLvを7にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆7

 

「次!ガガガガールの効果!フィールドの《ガガガマジシャン》のLvと同じLvにする!この効果は1体だけ使う!」

 

ガガガガール ☆3→☆7

 

「Lv7になったガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆7 × ☆7 = ★7

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!心の目を掴め!No,11 ビッグ・アイ!」

 

No,11 ビッグ・アイ 攻2600

 

大量の赤い視神経が絡み合って、先端に付いている白い球体が集合して、巨大な目玉を付けた白い物体が現れた。周りには黄色の輪っかがある。

 

「ランク7のエクシーズモンスター!?」

 

「ガガガガールの効果!このカードを含む《ガガガ》と名のついたモンスターのみでエクシーズ召喚したエクシーズモンスターに『相手フィールドの特殊召喚したモンスター1体の攻撃力を0にする』を追加する!裁きの龍の攻撃力を0にする!ゼロゼロコール!」

 

パールが携帯電話の番号を押し、裁きの龍に向ける。

 

裁きの龍 攻3000→0

 

「裁きの龍が!」

 

「そしてビッグ・アイの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、このターンの攻撃を放棄する事で、相手フィールドのモンスター1体のコントロールを得る!」

 

「嘘っ!?コントロール奪取!?」

 

「カオス・ソルジャーを選択!テンプテーション・グランス!」

 

ビッグ・アイの巨大の目が怪しく光り始め、それを見たカオス・ソルジャーは眼の色が赤くなって俺のフィールドに来る。

 

「カオス・ソルジャー!(まずい!カオス・ソルジャーの効果は・・・)」

 

「さてと、エンシェント・コメットには悪いが退場してもらおう!カオス・ソルジャーの効果!このターンの攻撃を放棄して、フィールドのモンスター1体をゲームから除外する!カオス・マジック!」

 

カオス・ソルジャーが剣を振り回し地面に突き刺すと、大きな穴が出来てその中にエンシェント・コメット・ドラゴンが吸い込まれる。

 

『くっ、申し訳ありません』

 

「良いのよ、十分働いてくれたわ。これは遊輝の方が一枚上手みたいだったね」

 

「・・・・・・・罪悪感があるな。続けてもいい?」

 

「良いわよ。でも、攻撃が出来ないモンスターをどうするの?」

 

「こうするんだよ!ビッグ・アイとカオス・ソルジャーをリリース!現れろ!銀河を宿いし光の龍!銀河眼の光子竜!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

 

上空に出来た銀河からプラチナが舞い降りて来た。

 

「プ、プラチナ!?何でそのデッキにプラチナが入っているの!?」

 

「いや〜多分、デッキ調整の時に間違えて入れんだと思う、アハハ・・・・」

 

「デッキ調整はちゃんとやりなさいよ・・・・・」

 

『まったくです』

 

レミやスバル達、プラチナに龍亞と龍可にも呆れられた。う〜ん、やっぱり2ついっぺんに調整をするのは失敗か、

 

「とりあえず言っておくぞ。プラチナは自分フィールドの攻撃力2000以上のモンスターを2体リリースしたら特殊召喚できるから、この召喚は特殊召喚だから」

 

「そんな効果を持っているんだ」

 

「いつもはレダメから出しているからね。あっちの方が効率は良いんだよ」

 

『でも、聖刻にも合うから入れているのでしょう?』

 

「それもあるな」

 

苦笑いしてプラチナに返す。聖刻はリリースされて効果を発動できるからシナジーすると思って入れてあるし、ランク8の手助けにもなるからね。

 

「装備魔法、ガガガリベンジ!墓地から《ガガガ》と名のついたモンスターを特殊召喚して、このカードに装備する!3度目のガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

『マスター、やけに私を出しますね』

 

「悪い・・・・・・このデッキの主要モンスターだから」

 

『私は?』

 

「もちろんパールもプラチナも、そしてブラックとホワイトもだよ。仲間だからね」

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

ブラックとホワイトが実体化して、俺の頭の上に乗る。実体化するのは良いんだけど、今試験中だよ・・・・・・

 

「ガガガガールの効果!今度は2体同時にLvを4にする!」

 

ガガガガール ×2 ☆3→☆4

 

「Lv4のガガガマジシャンと2体のガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ヴェルズ・ウロボロス!」

 

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

 

ブラックホールから三つの頭を持った龍、ウロボロスが現れた。

 

「!そのモンスターは!!」

 

「そう!最初に龍可とのデュエルで出したモンスターだ!まずは墓地に送られたガガガリベンジの効果!装備モンスターがエクシーズ素材となってこのカードが墓地に送られた時、自分フィールドの全てのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップさせる!」

 

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750→3050

 

「次にガガガガールの効果!相手フィールドの特殊召喚したモンスターの攻撃力を0にする!菅魔人メロメロメロディを選択!」

 

パールが再び携帯電話の番号を押して、メロメロメロディに向ける。

 

菅魔人メロメロメロディ 攻1400→0

 

「メロメロメロディも0に!」

 

「そしてウロボロスの効果!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、3つの効果の中から1つだけ選択できる!3番目の効果を選択!ネクロ・ガードナーをゲームから除外する!破壊神の咆哮!」

 

ヴェルズ・ウロボロス OVR 3→2

 

ウロボロスが咆哮を上げて、龍可の墓地にあったネクロ・ガードナーを吹き飛ばす。

 

「くっ!」

 

「す、すごい・・・・・・・」

 

「あれだけの大型モンスターを並べた龍可ちゃんのフィールドが1ターンでこんなに・・・・」

 

「バトル!ヴェルズ・ウロボロスで裁きの龍に攻撃!ダーク・ブレス!」

 

「墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!このカードを除外してヴェルズ・ウロボロスの攻撃を無効にする!」

 

ウロボロスの攻撃が裁きの龍に届く前にネクロ・ガードナーの幻影が現れ、攻撃を防ぐ。やっぱまだ墓地にあったか、という事は・・・・・・

 

「銀河眼の光子竜で裁きの龍に攻撃!破滅のフォトン・ストリーム!」

 

「3体目のネクロ・ガードナーの効果!銀河眼の光子竜の攻撃も無効にする!」

 

再びネクロ・ガードナーが現れて、攻撃を防ぐ。

 

「(これで遊輝のモンスターは攻撃できない。次のターンで私の勝ちだわ!)」

 

「龍可、まさか本当に攻撃を全て防いだと思っている?」

 

「!!だって遊輝のモンスターは攻撃を・・・・」

 

「確かに攻撃はしたよ。でもね、手札にこのカードがあるの」

 

俺は手札にある最後のカードを龍可に見せる。

 

「ダ、ダブル・アップ・・・チャンス・・・・・・」

 

「そう、攻撃が無効になったモンスターの攻撃力を2倍にしてもう一度だけ攻撃できる!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000→6000

 

プラチナの身体が大きくなっていく。

 

「これでラスト!銀河眼の光子竜で裁きの龍に攻撃!破滅のツイン・ストリーム!」

 

プラチナが再び力を貯め、裁きの龍に撃つ。

 

「きゃああああ!!!」

 

銀河眼の光子竜 攻6000

裁きの龍 攻0

 

龍可 LP 5000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍可

 

 

 

 

『これにて実技試験を終了します』

 

俺と龍可のデュエルが終わると実技試験終了の放送が流れた。

 

「すごいぜ遊輝!あの状況から逆転するなんて!」

「おわっ!」

 

スバルが俺の身体に飛びついてそれを止める。それに続いて響や奏、レミとアキさん、さらに龍亞や龍可も俺の所に来た。

 

「あ〜あ、補習は私だけか・・・・」

 

「だから俺を巻き込むな!」

 

「惜しかったな・・・・・・次のターンで決められたのに」

 

「手札は何だったの?」

 

龍亞に言われて龍可が手札をみんなに見せた。

 

「えっ!?裁きの龍に死者蘇生!?おまけに死者転生!?」

 

「さっきの壺の中の魔術書で引いたのかよ!」

 

龍可が頷いた。危ねえ・・・・・・決められなかったら、次のターンでオーバーキルだった・・・・・

 

「まあ龍可も成績は下がらないと思うからいいじゃないの?」

 

「そうですね。でも勝ちたかったな・・・・」

 

「今度は勝てばいいじゃん!」

 

「そうね。私たちも遊輝にはもう一回デュエルしたいね」

 

「奏は勝ったからいいでしょ!」

 

そんな談笑をしながら、俺たちは会場をあとにした。

 

 

 

ちなみに響はあの後きっちり補習を受けていたよ。泣きながら俺たちに助けを求めたが、どうする事もできないので後ろから見守る事しかできなかった。




遊輝「後書きで7人揃うのは初めてだな」

龍可「そうね。前の前の話まで私と龍亞は出ていなかったし」

レミ「ずいぶん賑やかね」

スバル「おら!!」

龍亞「あっ!!ヨッシー!!」

響「甘いよ!!」

奏「・・・・スマブラしていないで今回の話の後語りしましょうよ」

レミ「今回のデュエルで、龍可ちゃんのチートドローが良くわかったわ」

「「えっ?普通じゃないの?(じゃないか?)」」

「「「「「普通じゃない!!!」」」」」

龍亞「なんであれを普通と思うのよ!!」

響「特に最後!!何あのドロー!!」

遊輝「なんでスバルも龍可に共鳴してるんだよ!!」

スバル「あれくらい普通だよな?」

龍可「普通よ」

奏「(ダメね、これは・・・・)オリカ紹介に行きましょう。今回は2体のライトロードのチューナーよ」


ライトロード・スネーク キラー ☆3 チューナー
光属性 爬虫類族 攻600 守1100
このカードはデッキから墓地に送られた時、墓地から特殊召喚できる。
この方法で特殊召喚したこのカードがフィールドから離れる時、ゲームから除外する。
また、このカードをシンクロ素材とする場合、他のシンクロ素材は「ライトロード」と名のついたモンスターでならなければならない。


ライトロード・バタフライ ファルファッラ ☆1 チューナー
光属性 昆虫族 攻0 守0
このカードがデッキから墓地に送られた時、このカードを墓地から特殊召喚する事ができる。


遊輝「この話の投稿時、まだミネルバとライデン・フェリスはまだOCG化されていなかったよ。まぁ、ファルファッラはコメットを出そうするなら必要だけど」

龍亞「両方ともデッキから墓地に送られたら特殊召喚出来るよ。ファルファッラはそれだけだけど、キラーの方はそれにデメリットがついた感じかな?」

スバル「ミネルバと違って特殊召喚出来るだけまだマシじゃないか?」

響「次はまたまた祝札さんから頂いたフィールド魔法、ジャスティス・ロード!」


ジャスティス・ロード フィールド魔法
このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードがデッキから墓地に送られた時、墓地からこのカードを発動する。
②手札の「ライトロード」と名のついたモンスター1体を墓地に送る事で、デッキから「ライトロード」と名のついたモンスター1体を墓地に送る事ができる。
③このカードが破壊された時、デッキからカードを2枚墓地に送る。



遊輝「ぶっ壊れてるな」

龍亞「ぶっ壊れてるね」

龍可「そこまで言うの!?」

奏「悪いことにしか使われないのは間違いないわね。墓地に落ちても絶対発動、毎ターンおろかな埋葬。破壊されても2枚墓地に送る」

響「悪いことしか書いてないでしょ!!」

奏「次は私達のシグナーの試練ね」

響「え〜と、タイトルは【剣・水・雷の能力】なんか変なタイトルね」

龍可「次回もよろしくお願いします」


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第32話 剣・水・雷の能力

最強カードの紹介〜。今回は、

ダイヤ「私、ダイヤです」

遊輝のデッキ、今更なんだけど遊馬風じゃなくてガガガエクシーズなんだよね。

ダイヤ「それがどうしたのですか?」

ダイヤの出す回数とパールの出す回数の差が半端なくあるなって・・・・

ダイヤ「・・・・・・・・・・・」

さ、最強カードの紹介に行くよ!

ダイヤ「今回はマスター・ヒュペリオン。Lv8の天使族モンスターですが、手札・フィールド・墓地から《代行者》と名のついたモンスター1体を除外する事で手札から特殊召喚できます」

1ターンに1度、墓地の光属性・天使族モンスター1体をゲームから除外する事で、フィールドのカード1枚を破壊できるよ。《天空の聖域》がある時は1ターンに2度だね。

ダイヤ「第32話、デュエルスタート!」


スバル side

 

「へぇ、遊輝の前世のデュエルはそんな風になってるんだ」

 

「この世界に来てからのギャップが大変だったでしょ?」

 

「最初の頃は大変だったよ。でもソリッドビジョン技術はマジで感動した。あんな技術は前世にないから」

 

みんな始めてだな!

俺は今、精霊世界のエンディミオンという街の近くに向かって空を飛んでいる。目的はシークレットシグナーの試練を受けるため。遊輝の精霊、ガガガマジシャンのダイヤが『試練の時期が近づいた』って言ったから、休日にみんな精霊世界に来たという訳。初めて精霊世界に来たけどなんか現実世界より発展しているよな〜。んで、試練の場所まで飛んでいく間に遊輝の前世の話をみんなで聞いてたんだ。色々ビックリしたぜ、だってブルーアイズが安く手に入ったり、ルールがすごく細かいから。そしてもっと驚いたのが・・・・・・・

 

『すごいね〜。遊輝の前世はそんな世界何だね〜』

 

「ほんとだよねアース」

 

『響ならルールが細かすぎて頭から煙が出るね!』

 

「からかわないでよプリンセス!」

 

「でも一度で良いから神のカードとか見てみたいな〜、なあ相棒」

 

『クリクリ〜』

 

俺たちの精霊が普通に触れたこと。

遊輝のブラックやホワイトは現実世界で触ったことがあったが、こうして相棒に触れるのは初めてだからマジで驚いた。・・・・・・・奏がハネクリボーとブラックとホワイトを見た瞬間に飛びついたのも驚いたけど・・・・・

 

『主、そろそろ試練の場に近づいて来ました』

 

「OK、みんな大丈夫?」

 

「もちろん!早くデュエルしたいぜ!」

 

「会話が成立していないよ、色々飛んでいる」

 

プラチナを先頭に山奥の遺跡に降りた。目の前には三人の幻影が存在している。

 

「よっしゃ!俺から行くぜ!」

 

「次は私ね!」

 

「私は最後ね」

 

響が2番目で奏が最後か、みんなが少し離れ、周りに白い障壁が出来、一人の幻影が前に出る。

 

「行くぜ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル・・・・」

 

スバル LP 4000 幻影 LP 4000

 

「私のターン・・・・ドロー・・・・」

 

幻影 手札 6枚

 

「グリーン・ガジェットを召喚・・・・・・・」

 

グリーン・ガジェット 攻1400

 

相手のフィールドに緑色の歯車が現れた。ガジェットか、ヒーローと違って手札切れがあまりないからな〜、速攻で決めないと。

 

「グリーン・ガジェットの効果・・・・・・・デッキからレッド・ガジェットを手札に・・・・・手札に加えたレッド・ガジェットとマシンナーズ・フォートレスを墓地に送り、マシンナーズ・フォートレスを墓地から特殊召喚・・・・」

 

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

 

後ろから、青い戦車がやってきた。フォートレス?となると相手のデッキはマシガジェか?

 

「カードを2枚伏せターンエンド・・・・・・」

 

 

幻影 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

グリーン・ガジェット 攻1400

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

・・・・・・勝ったなこれ。

 

「E・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果!デッキから《HERO》と名のついたモンスターを手札に加える!デッキからオーシャンを加える!」

 

「リバースカードオープン・・・・・・奈落の落とし穴・・・・・・攻撃力1500以上のモンスターの召喚・特殊召喚したモンスターを破壊してゲームから除外する・・・・・・」

 

「げっ!?エアーマン!」

 

エアーマンの下に落とし穴が出来て、吸い込まられる。羽がついているのになんで落ちるんだ?それに勝ちに変わりはないけど。

 

「手札から融合を発動!手札のオーシャンとスパークマンを融合して、E・HERO アブソルートZeroを融合召喚!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「リバースカードオープン・・・・・・奈落の落とし穴・・・・・・」

 

またかよ!けど今度はそうはいかない!

 

「速攻魔法、マスク・チェンジ!Zeroをリリースして、M・HERO ヴェイパーを特殊召喚!」

 

M・HERO ヴェイパー 攻2400

 

Zeroの下に落とし穴が出来る前に消えて、ヴェイパーが波を切りながらやってきた。

 

「リリースされたZeroの効果!フィールドから離れた時、相手フィールドの全てのモンスターを破壊する!」

 

グリーン・ガジェットとマシンナーズ・フォートレスが凍りついて破壊された。良し!これでフィールドは空いた!あとはこのカードを使って・・・・・・

 

「魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のオーシャンとスパークマンを除外して、E・HERO The シャイニングを融合召喚!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

「シャイニングはゲームから除外されている《E・HERO》と名のついたモンスターの数×300ポイント攻撃力が上がる!除外されているのはエアーマン、オーシャン、スパークマンの3体!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3500

 

「バトル!ヴェイパーダイレクトアタック!」

 

幻影 LP 4000→1600

 

「シャイニングでダイレクトアタック!オプティカル・ストーム!」

 

幻影 LP 1600→0

 

 

WIN スバル LOS 幻影

 

 

 

デュエルが終わると、幻影が光になり俺の身体に吸い込まられる。

そして周りの白い障壁が消えて、遊輝たちが近づいてきた。

 

「お前、なかなかひどい事をするな」

 

「それは幻影に言えよ!奈落2枚の方がえげつないだろ!」

 

「どっちもどっちよ。遊輝もワンキルだったんだから」

 

「レミもだろ」

 

この二人もワンキルだったんだ・・・・・・幻影が弱いわけじゃないんだけど、手札が良かったからな。

 

「じゃあ次は私ね!」

 

「響、頑張ってね」

 

俺に変わって今度は響が中に入っていった。

 

 

スバル side out

 

 

 

響 side

 

 

やっと私にもスポットが当たった!

スバルもレミも遊輝もワンキルだったみたいけど、私はどうなるかな〜?

 

「それじゃやろう!」

 

「デュエル‼」 「デュエル・・・・・・」

 

響 LP 4000 幻影 LP 4000

 

「私のターン・・・・」

 

幻影 手札 6枚

 

「リチュア・アビスを召喚・・・・・・」

 

リチュア・アビス 攻800

 

「リチュア・アビスの効果・・・・・・召喚に成功した時、デッキから守備力1000以下の《リチュア》と名のついたモンスターを手札に加える・・・・デッキからイビリチュア・ガストクラーケを加える・・・・・・」

 

「いっ!?リチュア!?」

 

よりによってリチュア!?しかも手札に加えたのは、ハンデス付きのイビリチュア・ガストクラーケ!私のターンが来る前に手札が・・・・・・

 

「カードを2枚伏せてターンエンド・・・・・・」

 

 

幻影 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

リチュア・アビス 攻800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

よ、良かった・・・・・・・・儀式魔法が手札になかったのね。

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「リバースカードオープン・・・・・・罠カード、水霊術ー「葵」・・・・・・リチュア・アビスをリリースして相手の手札を確認して1枚墓地に送る・・・・・・」

 

全然良くなかったーーーー!?結局ハンデスじゃないの!

 

 

響 手札

・ブリザード・プリンセス

・氷結界の破術師

・氷結界の舞姫

・氷結界の術者

・強欲なウツボ

・氷結界の風水師

 

 

「・・・・・・ブリザード・プリンセスを墓地へ・・・・・・」

 

「くっ・・・・・・」

 

幻影言われたカードを墓地に捨てる。でも、これならまだ・・・

 

「魔法カード、強欲なウツボ!手札の水属性モンスターを2体デッキに戻してシャッフル、その後カードを3枚ドローする!破術師と風水師をデッキに戻して3枚ドロー!」

 

・・・・・・勝ったわ。さっきのハンデスの仕返しよ!

 

「魔法カード、氷結界の三方陣!手札の氷結界の舞姫、氷結界の軍師、氷結界の術者公開して相手フィールドのカードを1枚破壊する!そのリバースカードを破壊する!」

 

「・・・・・・」

 

リバースカードは・・・・・・・次元幽閉!?なんてカードを伏せているの!

 

「その後手札の《氷結界》と名のついたモンスターを1体特殊召喚する!氷結界の舞姫を特殊召喚!」

 

氷結界の舞姫 攻1700

 

赤紫色のマフラーを巻き、コートを着た青色の髪の女の子が現れた。

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からブリザード・プリンセスを特殊召喚!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

 

地面が凍り付いて、穴が開きプリンセスが出てきた。

 

『さっきはよくも墓地に送ったわね!許さないんだから!』

 

「バトル!氷結界の舞姫でダイレクトアタック!」

 

幻影 LP 4000→2300

 

「ブリザード・プリンセスでダイレクトアタック!」

 

『怒りのヘイル・ブリザード!』

 

いつも以上の威力を出して幻影を凍らせる。

 

幻影 LP 2300→0

 

 

WIN 響 LOS 幻影

 

 

 

凍り付けされた幻影が光に変わって、私に吸い込まれていった。

 

『あ〜すっきりした』

 

「凍り付けにする必要はないでしょう」

 

『いきなり墓地に送られたんだよ!これくらいの事はしないと気が済まないよ!』

 

「わ、分かったから・・・・・・」

 

プリンセスの顔が迫ってきたので、足を数歩引いてしまう。そんなに嫌だったのね・・・・・・

 

「あんたもワンキルをするのかい!」

 

「たまたまだよ。あの時強欲なウツボを選んでいたらこんな風にならないよ」

 

「まあまあ・・・・・・あそこでスバルが遊輝を相手に練習しているから、加わったら?」

 

奏が指を指す方に両手で竹刀を持った遊輝が両手で剣を持ったスバルに何か教えていた。よく見たら、地面が数カ所割れている。

 

「あそこは何をしているの?」

 

「スバルの能力は地面を操ること。地震を起こしたり、地割れが出来るの。今は地面から作った剣で遊輝からどうやって戦うのか教えているみたい。遊輝は二刀流だし、スバルは普段からバチを握っているから二刀流で練習しているの」

 

「・・・・・・・・私もあんな風になるの?」

 

「分かるよその気持ち。でも普通の人間には戻れないみたい」

 

「・・・・・・・なんか嫌だな〜」

 

「諦めるしかないね。最後は私ね!」

 

「奏!ついでだからワンキルしてきなよ!みんなワンキルで試練を突破したんだから!」

 

「無茶言わないでよ!」

 

奏がフィールドに入っていく。

・・・・・・じゃあ、私もあっちに行って人間をやめるか・・・・・・

 

 

響 side out

 

 

 

奏 side

 

 

何か響の足取りが重いわね、そんなに能力を受け取るのが嫌だったのかな?試練を受ける前は張りきっていたのに。

 

『奏〜、頑張ってね〜』

 

「分かっているよ。それでは」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 幻影 LP 4000

 

「私の先行!ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

「神秘の代行者 アースを召喚」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

あくびをしながらアースが現れた。

 

『ふわぁ〜、もう私出るの?』

 

「さっき起きてなかったの?」

 

『直ぐに寝た』

 

ちょっと寝過ぎよ。一日何時間寝るつもりかしら?

 

「アースの効果でデッキから創造の代行者 ヴィーナスを手札に加える。カードを3枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

神秘の代行者 アース 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン・・・・」

 

幻影 手札 6枚

 

「エレキジを召喚・・・・・・」

 

エレキジ 攻1000

 

電気で帯びたキジが空から降りてきた。幻影のデッキはエレキね。トリッキーな動きが多いから注意をしないといけないわね。

 

「バトル・・・・・エレキジでダイレクトアタック・・・・・・」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!相手モンスターの攻撃を無効にしてバトルを終了させる!」

 

「・・・・・フィールド魔法、エレキャッスルを発動・・・・・・《エレキ》と名のついたモンスターを戦闘で破壊したモンスターは攻撃力が1000ポイントダウンする・・・・・・カードを2枚伏せてターンエンド・・・・・・」

 

 

幻影 LP 4000 手札 2枚

【モンスターゾーン】

エレキジ 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

エレキャッスル

伏せカード 2枚

 

 

エレキャッスルか・・・・防げるカードがなかったわね。

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

・・・・・・勝ったね。

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「ヴィーナスの効果発動!500ポイント払ってデッキまたは手札から神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール)を特殊召喚する!1000ポイント払ってデッキから2体の神聖なる球体を特殊召喚!」

 

奏 LP 4000→3000

神聖なる球体 攻500 ×2

 

「Lv2の神聖なる球体2体にLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

上空に雷雲が出来て、ライトニング・エンジェル・ドラゴンが舞い降りてきた。今日もよろしくね。

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度だけ、手札のカウンター罠を墓地に送る事でデッキからLv4以下の天使族モンスターを手札に加える!《大革命返し》を墓地に送って、《英知の代行者 マーキュリー》を手札に加える。そして英知の代行者 マーキュリーを除外してマスター・ヒュペリオンを特殊召喚!」

 

マスター・ヒュピリオン 攻2700

 

「マスター・ヒュペリオンの効果発動!墓地の光属性・天使族モンスターを1体除外して、フィールドのカード1枚を破壊する!アースを除外してエレキジを破壊する!」

 

ヒュペリオンがアースの霊を吸収して、身体から光を漏らしエレキジを破壊した。

 

「バトル!マスター・ヒュペリオンでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン・・・・・・攻撃の無力化・・・・・・」

 

「パーミッション使いを舐めないで!リバースカードオープン!カウンター罠、盗賊の七つ道具!1000ポイント払って、攻撃の無力化の発動を無効にして破壊する!」

 

奏 LP 3000→2000

 

「よってマスター・ヒュペリオンの攻撃は通る!」

 

幻影 LP 4000→1300

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンのダイレクトアタック!サンダー・アロー!」

 

幻影 LP 1300→0

 

 

WIN 奏 LOS 幻影

 

 

 

 

 

「事実上、ワンキルね」

 

「そうなるわね」

 

試練が終わって、レミと合流してさっきのデュエルの話をしている。出来ないと思っていたけど、結局こうなるのね。

 

「そろそろ私も練習しないと」

 

遊輝たちがいる方に目を向けると、響が色んな所に水や泡などを飛ばしていて、遊輝とスバルが逃げていた。

 

「響は何をしているの?」

 

「響は水を操る能力。まあ文字通り、水や泡、氷を作ってそれを操るみたいわね」

 

「凄く弾けているよね。さっきまで嫌がってたのに」

 

「心の何処かが吹っ切れんだんだと思うよ」

 

「その方が良いかもね。それではダイヤ、指導をお願い」

 

『はい、既に分かっていると思いますが奏さんの能力は雷を操る能力です』

 

そんな感じがしたわ。痣が雷みたいな模様だから雷を何かするとは思っていたよ。

 

『手をかざすとその上空に雷雲ができます』

 

左手を上にあげると、その周りを中心に雲が広がってきた。凄いわね。遊輝の太陽ほどじゃないけど、雲を操れるのだから

 

『人差し指で雷を落としたい場所に向けると、その場所に雷が落ちます』

 

ダイヤに言われて、ある場所に人差し指を振り落とすと・・・・・・

 

ドオオーーーーーーーーン!!!!!

 

「!?何!?雷!?」

 

「今この近くで落ちなかったか!?」

 

・・・・・・凄いわね。あんなに威力があるとは思わなかった。

 

『あとはほんの少しですが、奏さんの身体で電気を貯める事ができます』

 

「どれくらい貯めれるの?」

 

『今の状態ですと・・・・・・5万ボルト近くはいけますね』

 

・・・・・・・・・それはほんの少しと言える範囲かしら?5万ボルトはなかなかの電気を貯める事ができるよ。

 

『あとは奏さん次第です。鍛えれば鍛えるほど能力が上がります』

 

「分かったわ」

 

「じゃあ帰ろうか」

 

「なぁ、せっかくだしさ〜、精霊世界を観光して帰らないか?」

 

「良いね!ダイヤたちの住んでいる街も気になるし!」

 

「それじゃ決まりで良いんだな?」

 

遊輝の言葉で全員が頷いた。

そして、全員がプラチナとフェザーに乗り、試練の場所をあとにした。




遊輝「結局みんなワンキルで終わったな」

スバル「手札が良かっただけだな」

響「私も運が良かったね」

レミ「結論、幻影は弱いわけではない、たまたま手札が良かっただけ」

奏「まとめる必要はないよ」

響「最後の奏の雷はほんとにビックリしたよ」

レミ「あそこまで威力があるとね・・・・」

遊輝「みんな化け物の一種だよ」

スバル「そうなるな」

奏「次回は私たちが、ダイヤたちの街を観光するのね」

レミ「タイトルは【精霊世界への観光】」

遊輝「次回もよろしく!」


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第33話 精霊世界への観光

今回はデュエルがありません。
というよりしばらくデュエルがありません。つまり、必然的に文章が短くなります。もっと上手くなりたい・・・・・・


遊輝 side

 

「着いたああ!!」

 

「うるさいよ!」

 

「計4時間、ずっと空の上だったからな。久しぶりに地面に触れた感じだよ」

 

ダイヤの家の近くに降りて、大声で叫んだらレミに怒られた。試練の場所に居たのは30分ぐらいだから、スバルの言う通り4時間ずっと空の上だったから退屈だったんだよ。

 

「今はお昼過ぎね」

 

「朝早くに精霊世界に行って正解だったよ」

 

「響を起こすのに時間がかかったけどね」

 

「レミ〜言わないでよ〜」

 

だからレミたちは集合に遅れたのか、こんな日に寝坊って、

 

「とりあえずお昼でもしようか。ダイヤ、この近くにオススメの店でもある?」

 

『この近くでしたらラーメン屋がありますが』

 

「精霊世界に来てラーメンって・・・・・」

 

「この際何でも良いじゃん!早く行こう!」

 

『分かりました。こちらです』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ここのラーメン美味しかったね!」

 

「・・・・・・・何で俺が全員の飲食代を払うんだよ・・・・」

 

「ごめんね。お金持って来てなかったんだ」

 

「遊輝!ゴチになります!」

 

俺たち5人分とダイヤとパール、プラチナにブラックとホワイト、さらにプリンセスとアースのも合わせて7000円近くが財布から飛んでいった。何でこんな時に限って、みんな財布を忘れるんだよ・・・・・・最初から狙ってたのか?

 

「お昼を食べたし、最初は何処に行く?」

 

『この街に来たのなら遊園地に行かなくちゃ!』

 

「遊園地?良いわね!」

 

「行こうぜ!ジェットコースターとか乗りたいな!」

 

「ちょっと待てよ!入場料はどうするんだよ!」

 

そう言った瞬間、みんな俺の方に向いた。まさか・・・・・・

 

「「「「遊輝!お願い!」」」」

 

「やっばこうなるんかーーーーーー!」

 

全部俺の財布頼みか!せっかく前世からコツコツ貯めて食材費に注ぎ込もうとしたお金がどんどん飛んでいくよ・・・・・・・

 

パールの案内で街の中心部にある遊園地の前に来て全員のチケットを買い、中に入った。園内には定番のメリーゴーランドやジェットコースター、ちょっと変わった所(そこまで変わってないが)バンジージャンプ場がある。

 

「凄いわね!精霊世界にこんな立派な遊園地があるなんて!」

 

『ここは精霊世界で唯一の遊園地だからいつも混んでいるの』

 

「へぇ、そうなんだ」

 

「最初はあそこに行こうぜ!」

 

スバルがある場所に指を指し、みんながその場所を見る。えっ・・・・・・・

 

「お、お、おおおお、お化け屋敷!?!?!?」

 

「いきなり?他の所に行かないの?」

 

「何処行っても混んでいるんだから最初は空いている所に行こうぜ!それにみんな大丈夫だろ?」

 

「い、いやっ・・・・・・・俺は・・・・・・・」

 

「(ニヤリ)良いわね!行こう!」

 

俺が行かないと言おうとしたら、横からレミが行こうと言ってきた。

 

「珍しいわね。真っ先にレミが行こうって言うなんて」

 

奏がレミの反応に疑問を持ったが、直ぐにレミがみんなを集めてコソコソと話し出した。

 

「(遊輝はね、お化けとか幽霊がダメなの)」

 

「(えっ!遊輝はお化けとか嫌いなの!)」

 

「(以外な弱点ね)」

 

「(ここで遊輝の怖がる姿でも見たら?直ぐに気絶するわよ)」

 

「(面白いなそれ!)」

 

「(乗った!)良し!みんな行くよ!」

 

「い、いや、俺は遠慮・・」

 

断ろうとした時、後ろからスバルとレミに肩をがっちりと掴まれた。

 

「良し!行くぞ!」

 

「嫌だああ!!!行きたくない!!」

 

「子供じゃないんだから。大人しく行こうよ!」

 

「嫌だああ!!!ダイヤ!パール!プラチナ!助けてくれ!」

 

『マスター、私たちはホワイトとブラックのお世話をしておきます』

 

『お化け屋敷、ゆっくり楽しんで来てね♪』

 

『では行きましょうか』

 

プラチナがホワイトとブラックを連れて、ダイヤとパールと一緒に遠くに行ってしまう。頼むから俺を見捨てないでくれ!助けてくれ!!そんな願いが届かずお化け屋敷のエントランスに入ってしまった。

 

「・・・・・(ブルブルブルブル)」

 

「いきなり震えてどうするのよ!」

 

「だって・・・・・・・怖いんだもん・・・・・」

 

「(これは本当に面白い事になりそうね)遊輝が先頭ね」

 

「何で先頭なの!?最後で良いじゃ・・・・・」

 

言い切ろうとした時、レミが後頭部に銃の構えをしてきた。

 

「前に行かなきゃ、撃つよ」

 

「うぅ・・・・・・・鬼め、悪魔め・・・」

 

「何か言った?」

 

「何も言ってません!」

 

響の提案(レミの脅し)で俺が先頭に行き、カーテン越しの暗い部屋に入っていった。

 

「・・・・・・・(ブルブルブルブルブルブル)」

 

「さっきよりも震えているな」

 

「みんなは怖くないの!?足が無かったり!!血だらけ 「遊輝、前々」えっ・・・・・」

 

奏に言われ前を向くと、首なし騎士が剣を振りかざしていた。

 

「ぎゃああああああ!!!」

 

「そんなに驚くほど怖いか?」

 

「これは重症ね」

 

「最後まで気絶しないと持ってくれるかしら?」

 

みんな怖くないの!?突然目の前に首なしの騎士の幽霊が出てきたんだよ!そんなこんなで終盤の奥まで続く長い廊下が現れた。

 

「何が起きるんだろうね」

 

「響〜言わないでくれ〜もう嫌だ〜(泣)」

 

「シャキッとしなさい!あとはこの廊下を渡って階段を降りるだけなんだから!」

 

レミに背中を押され、バランスを崩し前に倒れると何かが足を掴む感じかした。何かと思い、下を見たら・・・・・・・

 

『・・・・・・・・・』

 

無数の手が俺の足に絡み付いていた。これを見て混乱して前を見たら・・・・・

 

『ぐわあああああ!!!!!』

 

たくさんの落武者ゾンビが俺に向かって突進してきた。

 

「〜〜〜もう・・・・・駄目・・・・・・」

 

頭にある意識が飛んでしまった・・・・・

 

「ちょっ!?遊輝!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「う、う〜ん、ここは?」

 

気がついたら、ベンチの上で転がっていた。

 

『あっ、マスター!ようやく気がついたのね』

 

「パ、パール?・・・・・あっそっか、お化け屋敷に入って気絶したんだ・・・・・」

 

『その通りです。皆さんがマスターを担いで出てきた時は、ビックリしましたよ』

 

だからお化けとか幽霊は嫌なんだよ!一度も無事に帰って来れないんだから!

 

「みんなは?」

 

『主を私たちに託した後、アトラクションの方に行きましたよ』

 

「・・・・・・・予想通り」

 

スバルとか響が直ぐに他の所に行くからな、それに一回気絶してしまったらなかなか起きないし。

 

「あっ、遊輝。目が覚めたのね」

 

奏が両手にソフトクリームを持って帰ってきた。

 

「奏か・・・みんなと一緒に行動してないの?」

 

「もうすぐみんな来るわよ」

 

「そうか。ところで・・・・・どうやってソフトクリームを買ったんだ?」

 

「遊輝は知らないんだね。ここの遊園地は入場料を払えば基本的に全部無料よ」

 

「だから入場料がとてつもなく高かったのか・・・・・」

 

「はい、遊輝のソフトクリーム。甘い物を食べて心を落ち着かせたら?」

 

「ありがとう」

 

奏からソフトクリーム受け取り、一口食べる。

 

「遊輝は料理人になろうとしたよね?」

 

不意に奏がそんな事を言ってきた。

 

「正確にはスカウトが来たんだけどね」

 

「私も家がカップケーキ屋だけど、家を継ごうか迷っているの。遊輝はスカウト来た時何で断ったの?」

 

「う〜ん・・・色々あるけどまずは世間知らずかな」

 

「世間知らず?」

 

「スカウトが来たのは中学を卒業する一ヶ月前なんだ。突然家に来て【料理人になってみないか?】って言われて驚いたよ。でも中学卒業の段階で海外に行くのは難しいと判断したんだ。故郷から一歩も出てないのに、いきなり海外に行くのは怖いからね」

 

奏が「へぇ〜」と感心するように相槌を打つ。

 

「あと、もう一つは自分の未来について考えたんだ」

 

「自分の未来?」

 

「確かに料理人になれば将来を保証されるかもしれない。でも『それが本当に俺がしたい事なのか?』って思って、考えたんだ。そして一つの結論が出た」

 

「どんな結論?教えて!」

 

「それは・・・・・・・【自分の未来は自分で決める!】」

 

「はい?」

 

「この先の未来に何が起きるか分からないけど、自分の道は結局は自分自身で決めるべきと思う。それが正しいのか間違っているのか分からないけど自分で選択した道だから俺は後悔しない」

 

「【自分の未来は自分で決める】・・・・・」

 

「奏も自分で決めたら?良い方向に行くか悪い方向に行くかは分からないけど、それが奏の人生になるから」

 

「うん!そうする!」

 

奏がベンチから立ち上がって背伸びをする。その顔は晴れやかであった。

 

「でもスカウトって海外から来たんだね。どんなお店だったの?」

 

「えっと・・・・・・・数年ぐらい三ッ星を貰っている、その国を代表する世界的に有名なレストランだったはず」

 

「・・・・・・・遊輝、人生の選択を間違えたわね」

 

そうかな?それにあのレストラン、フレンチだからな〜。俺は専門で言えば中華料理とか和食の方だから、フレンチも出来ない訳ではないけどあまり作らないしな〜。でも良く考えたら、そんなレストランがよく俺をスカウトしようとしたな。

 

「遊輝!奏!」

 

「スバル!レミ!響!」

 

「やっと目が覚めたね」

 

「だからお化け屋敷は嫌なんだよ!」

 

「響、どれだけソフトクリームを手にしてるの?」

 

「ここのソフトクリーム美味しいからいくらでも食べられるよ!」

 

響の両手にはたくさんのソフトクリームがぎっしりとあった。そんなに食べて虫歯にならないんかな?この後、俺たちは遊園地を目一杯楽しみ、日が暮れてきたのでダイヤたちの家に戻る事にした。その帰り道の途中・・・・・

 

「おっ!この店に入って見ようぜ!」

 

スバルが一軒の店に目をつけた。みんなでその店に入ってみると・・・・・・

 

『ここは雑貨店ですね。この街のお土産や日常生活に必要な物を売っているみたいです』

 

「へぇ・・・・・ん?」

 

ダイヤの説明を聞いている時、ある商品に目がいった。正確にはカードなんだけど。それよりこれって・・・・・・・

 

『主、龍亞さんと龍可さんのお土産に良いのでは?』

 

「そうかもな。すみませ〜ん、このカードたちをください」

 

奥からタスケナイトが現れて、欲しいカードを2枚受け取りお金を払った。こいつは2人とも驚くぞ。

 

「ねぇ遊輝、後でお金払うからお父さんたちにお土産を買ってもいい?」

 

高く積み上げられたお土産を抱えながら響が聞いてきた。響だけじゃなく、スバルやレミ、奏さえも何かを手にしている。

 

「良いけど後で返せよ。今日一日で財布が軽くなったんだから」

 

「は〜い」

 

みんなのお土産の分(2万円以上)を払って、ダイヤの家の前に着いた。

 

『それじゃ〜現実世界に戻るよ〜』

 

パールの力で現実世界に戻り、お開きとなって家に戻った。

 

「ただいま」

 

「遊輝〜早くご飯を作って〜」

 

リビングに入ってすぐに龍亞が死にそうな顔をして近寄ってきた。

 

「もうそんな時間か、今日は簡単な物にするか」

 

「私も手伝うわ」

 

「ありがとう。それとこれお土産」

 

ポケットに入れておいた2枚のカードを龍亞と龍可に手渡す。

 

「ありが・・・・・・!?こ、これって!」

 

「な、何このカード!?」

 

「それは俺の前世にいた頃に売っていたカード。龍亞と龍可のエースの【影】の存在みたいなカードだね」

 

「遊輝の前世はこんなカードまで・・・・・」

 

「凄いね!俺このカードを大事にするよ!」

 

「それは買ったかいがあるな。さてと、夕飯を作るか」

 

冷蔵庫の中の材料を取り出し、料理を始める。




遊輝「おい作者!」

うるせぇな!何だよ突然呼んで!

遊輝「うるせぇなじゃねぇよ!最後はどういうことだ!」

?カードを渡しただけじゃねぇか。

遊輝「そっちじゃない!渡したカードの中身だ!何であのカードを渡したんだ!?」

だって面白いじゃん。

遊輝「面白いの範囲を超えているよ!あれはいくら何でも駄目だろ!」

常識とは破るためにあるのである。

遊輝「訳分からない事言うな!」

龍亞「良いじゃん遊輝!実際にこのカード強いし!」

龍可「このカードで色んな可能性が増えたから、私も賛成だわ」

遊輝「・・・・・・・・もういいや」

龍可「次回から文化祭の準備編ね」

龍亞「タイトルは【文化祭の準備 逃走】」

遊輝「逃走ってどういう事だ?」

龍可「分からないわよ」

龍亞「次回もよろしく!」


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第34話 文化祭の準備 逃走

今回もデュエルはありません。

そして、今回と次話、少し暴走・・・いや、遊輝の衝撃の事実(笑)が明かされます(今更だが)ですが!後悔はしません!


遊輝 side

 

 

現在、全力で走っている。いや、逃げている。大事な事だからもう一回言うぞ。走っているのではなく逃げている。何で逃げているのかって?それは・・・・・・・

 

『待てええええ遊輝!』

 

あっ、鬼たちが来たからそんな余裕がない。ちなみに鬼ごっこをやっている訳じゃない。捕まったら地獄行きだからな。

 

「待てえええ遊輝!」

 

「誰が待つもんか!」

 

鬼たちの先頭に走っているレミが俺を捕まえようと必死に走るが、女と男の体力差もありどんどん離れていく。

 

「絶対にそんな服なんか着るもんかあああ!!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーー回想ーーーーーーーーーー

 

 

 

「じゃあ文化祭でやる模擬店を決めるわよ!」

 

現在、LHRの時間、講壇でレミが前に出て、文化祭でやるクラスの模擬店を決めようとしている。ちなみにレミが仕切っているのはレミがこのクラスの文化委員だから。

 

「スバル、何か案がある?」

 

俺は小声で隣にいるスバルに案があるか聞いてみた。

 

「何もないな。それに俺たちが言っても採用されないし」

 

「それもそうだな。みんなに任せるか」

 

俺とスバルは模擬店の事はそっちのけで色んな事を話していた。これが後ろの席の特権だな。一方で模擬店の方は順調決めていた、のだが・・・・・・・・

 

「でもさ〜、なんか地味じゃない?奏がケーキを作って売るだけなんて面白くないよ」

 

響のこの発言から全てが始まった。

 

「そうよね〜、何かインパクトが欠けるわね」

 

「じゃあ・・・・・・・看板娘を決めるのはどう?」

 

『看板娘?』

 

「誰か二人くらい、店のイメージアップに繋げるのよ」

 

「でもどうやって繋げるの?」

 

一人の生徒が発言した時、レミが講壇の下からある物を取り出して、クラス中がざわめいた。俺もスバルも何があったのか前を見たら・・・・・・

 

「ぶっ!メ、メ・・・・・」

 

「メイド服!!??」

 

講壇の下からメイド服を2着出した。

何であんな物を2つも持っているんだ!?

 

「レ、レミ・・・・・それ、どうしたの!?」

 

「ここにあったから出してみたの」

 

「あったって・・・・・誰があんな物を持って来たんだよ!!」

 

スバルが絶叫した。ほんとだよ!どうやってあんな物を持って来たんだよ!?ただの変態だろ!

 

「せっかくだしこれを誰か着てみる?響とか?」

 

「私!?無理よ!だって私、テストの成績が悪かったから実行委員に任命されたのよ!」

 

「じゃあ奏は?」

 

「私は無理よ!私がケーキを作るのでしょ!レミはどうなの!?」

 

「私も無理。響と一緒で文化祭を仕切らないといけないから」

 

「じゃあ誰が着るのよ?」

 

奏の一言でクラス中あーやこーや言い合って、最終的に俺とスバルの方に向いた。

 

「!?な、何で俺とスバルを見るの?」

 

「いやっ、こういうのは以外な人が着たら面白いよね〜と思って」

 

なんか、すっごく嫌な予感が・・・・・

 

「だ、だったら他の奴もいるだろ!」

 

「何でかな〜、遊輝とスバルが凄く似合いそうな気がするんだよね」

 

レミと響が悪い顔になり、他のみんなも俺たちに詰め寄る。

 

キンコーンカンコーン

「(!!女神の鐘がなった!)じゃあみんな!また来週!」

 

俺は筆記用具などをカバンの押し込んで直ぐに教室を出た。

 

「ま、待ってくれ遊輝!俺と一緒に帰ろうぜ!」

 

「逃がさないわよ!みんな!遊輝とスバルを追いかけるのよ!」

 

『おおーーーー!!』

 

 

 

ーーーーーーーー回想終了ーーーーーーーー

 

 

 

という訳で全力で逃げてきて、今は近くの物陰に隠れている。スバルは俺の後ろについてきたみたいだけど何処かではぐれたみたい。

 

「(しかし誰だよ!あんな物を持って来た奴!絶対に頭おかしいだろ!絶対に前世みたいな事は・・・・・・・・)」

 

『マスター、何でそんなに怯えているのですか?』

 

ダイヤが隣に現れた。そんなの決まっているだろ!

 

「男がメイド服なんか着たら、世間の笑い物だよ!」

 

『しかし、その場の恥さらしだけですむのでは?』

 

「そう言う訳にもいかないんだよ!絶対に着たくない!」

 

『何かあったのですか?』

 

「あるよ!前世の文化祭の時に一回着せられたんだよ!」

 

『・・・・・・・・本当ですか?』

 

本気と書いてマジと読むくらいマジだよ!

 

「文化祭の劇で、無理矢理女の役をやらされて女装したんだよ!」

 

『で、でも、それだけで別にそこまで怯える必要は』

 

「その後だ!!着替えの為に教室に戻っている途中、男子数人に告られたんだよ!!」

 

『・・・・・・・・・・・』

 

ダイヤが珍しく返答せずに立ちすくんでいる。

 

『主、それでも主と気づくのでは?』

 

ダイヤが固まってしまったので、代わりにプラチナが現れて、この続きを聞こうとした。

 

「俺も思ったよ!後で友達の携帯の写真見てビックリしたわ!!誰がどう見ても女にしか見えなかったんだよ!!」

 

『そうよね〜、これは凄かったな〜』

 

パールが携帯をいじりながら、出てきた。

 

「パール、何を見てるんだ?」

 

『これだよ!』

 

パールが携帯をこっちに見せる。その画面には・・・・・・・

 

「なっ!?そ、それは!」

 

『これは・・・・・・・・マスターですか?』

 

『確かに何処から見ても女性ですね』

 

文化祭の時に、劇の衣装(水色のワンピースに髪をツインテールに結んでいる)を着た俺だった。

 

「な、何でパールがその写真を!?」

 

『前世にも私たちがいたのは言ったでしょ?その時に面白かったから撮っておいたの!」

 

『これは告白されてもおかしくないですね』

 

「///う、うるせええ!!その写真直ぐに消せええ!!!!」

 

『嫌っ♪』

 

♪♪♪〜♪

 

パールと携帯の取り合いをしている時、俺の携帯から電話が鳴った。相手は・・・・・・レミ!?

 

「もしもし」

 

「遊輝!何処にいるのよ!?」

 

「教える訳ないだろ!そっちに行ったら地獄行きなんだよ!」

 

「そう言うと思った・・・・・・・ならゲームをしましょう」

 

「ゲーム?」

 

「日曜の5時までに遊輝を捕まえたら、文化祭の時にメイド服を着る!もし捕まえられなかったらこの件はなかった事にする!」

 

何だよその理不尽なルール!でも、そのルールから見れば部屋にこもってもいいし俺にも分がある。何より、メイド服を避ける方法が思いつかない。

 

「良いぜ!乗った!」

 

「じゃあ今からゲームスタートね!ちなみに言っておくけど、龍亞君や龍可ちゃん、アカデミアの生徒もこっちの味方だからね!」

 

「・・・・・・はぁーーーーーー!?!?」

 

つまり部屋にこもっても龍亞と龍可に捕まえられるのかよ!

 

「その人達には懸賞を掛けたわ!」

 

「け、懸賞?」

 

何か物凄く嫌な予感が・・・・・・・・

 

「遊輝を捕まえた人は文化祭最終日、遊輝を執事として一日中使う事が出来る権利!」

 

「おい何だよそれ!?」

 

そんな懸賞を掛けるなよ!しかもそんなんで動く奴がいるのかよ!

 

「そう言えばスバルは?」

 

「30分前に捕まえて、今着替えさせている。後で写メを送るよ」

 

スバル・・・・・・・・お前の勇姿は絶対に忘れないぞ。

 

「とにかく、日曜の5時までに捕まえたら私の勝ち!捕まえられなかったら遊輝の勝ち!それじゃ!」

 

電話の切れる音がした。

でもどうしよう・・・・・・・・今は金曜日だから日曜までの2日間、何処かで野宿しないと捕まってしまう。

 

『どうするマスター、このままだとこの世界でも告られるよ♪』

 

「それを言うな!」

 

ピロリ〜ン♪

 

メールの着信音が聞こえたので、携帯を開く。差出人は響になっている。

 

「うわ・・・・・・・・マジで着ている」

 

メールを開くとメイド姿のスバルが顔を赤くして写っていた。メールには「今度は遊輝の番だからね!」と響からメッセージがあった。

 

『似合っているけどマスターにはかなわないね♪』

 

「だからそれを!?」

 

パールに注意しようとした時、ある物を見て直ぐに身を隠した。

 

「いないね〜エンシェント・フェアリー」

 

『そう簡単には見つかりませんよ』

 

「早く遊輝を見つけないと、レミさんに何て言えばいいかわからないよ」

 

『グオオーー』

 

実体化させたパワー・ツールとエンシェント・フェアリーを連れた龍亞と龍可だ。

 

「(何で実体化してるんだよ!?)」

 

『(レミさんたちが龍亞さんと龍可さんに実体化の能力を貸したのではないでしょうか?)』

 

「(そこまでして俺を捕まえたいんかよ!)」

 

「じゃあパワー・ツールの効果!パワー・サーチ!」

 

パワー・ツールの目がライトのように光りこの辺りを照らし始めた。

そして、俺のところを照らした時・・・・・・・・

 

『グオオーーー!』

 

「いた!そこだ!」

 

「嘘っ!?やべっ!」

 

パワー・ツールが俺の上に来て、龍亞に合図を送った。それに焦った俺は物陰からジャンプして逃げ始める。何でパワー・ツールの効果が俺を探す事になってるんだ!?

 

「エンシェント・フェアリー!前に行って!挟み撃ちよ!」

 

「パワー・ツールも!」

 

『分かりました』

 

『グオオーー』

 

エンシェント・フェアリーとパワー・ツールが上空から俺を抜かし、俺の逃走経路の前に立ちふさがる。

このままだと捕まってしまう!こうなったら・・・・・・・・

 

「龍可!龍亞!ごめん!サン・シュート!」

 

足元にサッカーボール大の太陽を作り、それを龍可たちがいる方に蹴る。太陽が迫って来るのに驚いた龍亞たちはそれを避けようとして後ろに戻る。

 

「今だ!」

 

龍亞と龍可が逃げた隙に俺は龍亞たちの間を抜いて逃げる。

 

「あっ!逃げられた!」

 

「もうちょっとで捕まれられたのに!シークレットシグナーの能力を使うなんて卑怯だよ!」

 

『(実体化させる能力を貰っている人が言える事でしょうか?)』

 

『(グオオーーー)』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

龍可たちの追跡から逃れて、現在海岸線を歩いている。

 

「危なかった・・・・・まさかエースを実体化させてくるとは」

 

『主もなかなか酷いですよ。普通の人相手に能力を使いますか?』

 

「あの状況で使わなかったら俺地獄行きだよ!!まだ生きたいんだよ!!」

 

『別に捕まっても死なないのでは?』

 

「そうだ!遊星のガレージで身を隠そう!」

 

プラチナの言葉をスルーした時・・・・・・・・

 

「待てえええ!!食い逃げええ!!」

 

「食い逃げ?」

 

後ろを振り向くとコック姿の男が走って俺を追い越した。

 

『マスター、あの人の前に走っている二人組ではないですか?』

 

ダイヤがコックの人の前に走っていた二人組の男に鎖をさした。あれか、どうせだし助けてやるか、俺は裏道を使い、二人組の前に出ようとする。

 

「確かこの道を通れば・・・・・・ビンゴ!」

 

目の前に二人組がこっちに走ってくるのが、見えてくる。

 

「ハッ、ハッ・・・・・・どけええ!!」

 

「どくのなら最初から来ないよ!フレア・バリア!」

 

目の前に太陽の障壁を作り、二人組が当たる。ちなみに温度は調整して1000度くらいにしてあげている。

6000度でも熱くないんだけどね。(あんたの身体がおかしいんだよ!)

・・・・・・・今、何か聞こえたけどスルーして・・・・

 

「「あっつーーーーーー!!!」」

 

ブレーキをかけず、全速力で突っ込んだ二人組はバリアに激突してなんかジタバタしている。その間にコックの人は二人組に追いつき、捕まえる。

 

「いや〜〜助かったよ。こいつら金を払わず逃げていったんだからたまったもんじゃないよ」

 

「別に良いですよ。たまたま見かけて助け「いたああ!!」!?あの声は!?」

 

コックさんにお礼を言われた時、後ろからレミの声が聞こえてきた。振り向いたら、レミとスバル、響に奏が走っていた。

 

「やっば!じゃあコックさん!」

 

俺はコックに手を振り、速攻で逃げる。

 

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

 

あ〜また逃げられた!

 

「遊輝は足が速いね。あっという間に消えていったよ」

 

「関心しないでよ!」

 

このままだと遊輝が捕まれられないよ!どうしようかな?

 

「さあ金を払ってもらおうか!」

 

「ひいぃ、俺たち金が一銭も無いんだよ!」

 

「じゃあセキュリティに連行してもらう!」

 

「そ、それだけは!」

 

何かさっきからうるさいわね。

 

「どうしたのですか?」

 

奏がコック姿の人に聞いている。

 

「こいつら食い逃げなんだよ!さっきアカデミアの制服を着た男の子で捕まえる事が出来たんだ」

 

アカデミアの男の子?遊輝の事かな?・・・・・・・・・!そうだ!

 

「ねぇ、お金を払えばこの人たちを見逃してくれる?」

 

「まあ金さえ払ってくれれば」

 

「じゃあ私が払うからこの人たちを見逃してくれる!」

 

「れ、レミ!お前何を言ってるんだ!?」

 

「ほ、本当かお嬢ちゃん!」

 

「えぇ、その代わりお願いを聞いてくれればの話しだけど」

 

「もちろん聞いてあげる!お嬢ちゃんは女神だ!」

 

これで良し!次は・・・・・携帯を取り出し、龍可ちゃんの番号を打つ。

 

「もしもし龍可ちゃん?」

 

「レミさん、どうしたの?」

 

「遊輝を捕まえる良い方法を見つけたわ!今すぐ海岸線の倉庫に来てくれる?」

 

「わかりました」

 

これで良し。

ふふふ・・・・・覚悟しなさい遊輝、これであんたを捕まえる!

 

「れ、レミが不気味に微笑んでる・・・・・」

 

「い、一体何を思いついたの?」

 

「(遊輝、明日は地獄ね)」

 

 

レミ side out

 

 

 

遊輝 side

 

 

「ふわぁ〜〜よく寝た」

 

昨日の間に遊星たちに事情を言って、なんとか二日間寝る場所だけは確保できた。階段を下りてガレージの方に行くと一通の手紙があった。

 

「何々・・・・・『急な仕事が入った。今日一日は帰って来れないと思う。遊星』か・・・・・て言うことは俺一人か」

 

クロウは配達で、ジャックは相変わらずコーヒーを飲みにいっているはずだから。う〜ん、少し外の空気を吸いに行くか、

 

「ぷはあーーーーやっぱ気持ちいい「見つけた!」!?龍可!?」

 

噴水の近くで背伸びをしたら、龍可に見つかった。それよりやばい!早くにげ「きゃああああ

!!!」!何だ!?

 

「大人しく入れ!」

 

「ふごふご!(遊輝!助けて!)」

 

「あっ!お前ら昨日の食い逃げ犯!龍可を離せ!」

 

昨日の二人組が龍可の口をガムテープで閉じて、トラックの荷台に入れた。

 

「昨日お前のせいで酷い目にあったんだよ!仕返しに来たんだ!」

 

「だったら龍可じゃなくて俺をやれよ!何で俺をやらないんだ!」

 

「へっ!てめぇの大事な奴をいたぶっててめえの苦しむ姿を見る方が楽しいんだよ!」

 

何だと・・・・・・!!!!

 

「待ちやがれ!」

 

俺はトラックに向かい走るが、二人組はトラックに乗り走り出す。

 

「返して欲しかったら、昨日の海岸線に一人で来い!てめえの最後の場所にしてやるよ!」

 

トラックはどんどん離れて行く。

俺は必死に走るが、追いつけず見えなくなってしまう。

 

「ハッ、ハッ・・・・龍可あああああ!!!!!」




遊輝「俺のせいだ・・・・・俺があの時逃げなければ・・・・・」

ダイヤ「マスター、落ち着いてください。幸いに場所は分かります」

遊輝「待っといてくれ龍可・・・・・・・必ず助けに行く!」

プラチナ「次回は主が大暴れ、さらにダブルエースが主に答えます」

ダイヤ「タイトルは【龍可救出作戦 ダブルエースの進化】」

遊輝「絶対に助けてやる・・・・・」


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第35話 龍可救出作戦 ダブルエースの進化

最強カードの紹介!

プラチナ「お久しぶりです。プラチナです」

いや〜・・・・・大学2年だが、明らかに前年より楽なんだよね。

プラチナ「どういうことですか・・・」

だって授業数が違うんだもん。前期なんか8つだよ?

プラチナ「知りませんよ」

最強カードの紹介いくよ!

プラチナ「今回はRUMーバリアンズ・フォース」

自分フィールドのエクシーズモンスターをエクシーズ素材として、同じ種族の「CX」または「CNo,」1体を特殊召喚できるカードだ!その後、相手フィールドのエクシーズ素材を1つパクる事ができる。今後、アニメなどで注目するカードだよ。

プラチナ「第35話、スタート!」


遊輝 side

 

昨日の二人組が言っていた海岸線の倉庫に向かい、走っているのだが・・・・・・・

 

「何だよこれええ!!!」

 

一番近くの道が通行止めになっていた。何故か地割れが数カ所起こっている。なんでだよ!昨日地震なんか起きてなかったのに!

 

「仕方ない、他の道から行くか」

 

そう思って他の道に行くのだけど、何故か地面が凍っていたり、雷が近くで落ちたり、突風が吹いたり、何でこんな自然災害が俺の近くだけに起こるんだよ!そんなこんなで、苦労しながら海岸線の倉庫にあるエリアについた。

 

「ここか・・・・・・・・・」

 

この倉庫が一番大きく、手前に龍可を連れ去った奴らのトラックが止まっている。俺は背中に入れてある袋から竹刀を2本持つ。待っていろよ、必ず助けてやるからな・・・・・

 

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

 

「ここから出しなさいよ!」

 

「悪いがそういう訳には行かないんだ。あいつに復讐をしなければならないんだよ!」

 

二人組に連れ去られ、薄暗い倉庫の柱にくくりつけられてしまった。

 

「だけどあいつは来ないぜ!今頃俺たちの仕掛けた罠に抜けずに苦しんでいると思うぜ!」

 

「そんな事ない!遊輝は必ず来る!」

 

「そんな事を言ってられるのも今の内だぜ!」

 

「その言葉、そっくりそのままお前らに返す・・・・・」

 

「(!今の声は!?)」

 

ドオオオオーーーーーーーン!!!!!!!

 

入り口の扉が突き破られた。そこから一人の人がこっちに来た。

 

「遊輝!!」

 

 

龍可 side out

 

遊輝 side

 

 

扉をぶち抜き、真っ先に目を入ったのが、柱にくくりつけられた龍可だった。

 

「バ、バカな!あれだけの罠を全て通っただと!」

 

「あれが罠?おかしくて笑えてくるよ」

 

俺は両手に持っている竹刀に向かい太陽を当てる。竹刀は赤く燃え上がる。

 

「てめぇらには懺悔をしてもらう・・・・・」

 

「ハッ、昨日は逃げたが今日は正々堂々とやってやるよ!」

 

二人が前に突っ込んできた。一人は金属バット、もう一人はヌンチャクを持って振り回す。でも・・・・・

 

「遅い!炎斬!大文字!」

 

二人の攻撃を交わし、一人に竹刀をクロスさせながら斬りつける。

 

「あっちいい!!!!!!」

 

「俺を忘れてないか?」

 

Uターンしてきたもう一人が首にヌンチャクを巻きつかせる。

 

「炎斬!百火繚乱!」

 

その場で回転して炎の花を舞い、もう一人を下から斬る。

 

「ぐわああぁぁ!!!」

 

「くそっ!こうなったら!」

 

一人が金属バットを持ち直し、龍可目掛けて振り落とす。

 

「龍可に触れるな!!!!!炎斬!龍虎!!!!」

 

足に太陽を当て、ブーストのように加速させて後ろと前から相手の胴を斬る。

 

「ぎゃああ!!!」

 

これで良し、あとは龍可を助ける・・・・・

 

「ま、待ちやがれ・・・・・」

 

「しぶといね。まだやられたいの?」

 

「こ、こうなったらこれだ・・・・・」

 

二人組が決闘デスクを構える。いいじゃねぇか・・・・・俺もカバンから決闘デスクをセットし、同時に実体化の能力を解放させる。

 

「今度こそやられてもらうぜ!」

 

「ほざいていろ!」

 

「デュエル‼」 「「デュエル‼」」

 

遊輝 LP 8000 二人組 LP 8000

 

「先行は俺が貰うぜ!ドロー!」

 

男1 手札 6枚

 

「(いい手札だぜ!)ツイン・ブレイカーを召喚!」

 

ツイン・ブレイカー 攻1600

 

「永続魔法、強者の苦痛!相手モンスターの攻撃力はLv×100ポイントダウンさせる!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

男1 手札 3枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

ツイン・ブレイカー 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

強者の苦痛

伏せカード 2枚

 

「・・・・・俺のターン」

 

遊輝 手札 6枚

 

「・・・・・キラー・トマトを守備表示で召喚」

 

キラー・トマト 守1100

 

「はっ!馬鹿じゃねぇの!ツイン・ブレイカーがいるのにモンスターを守備表示で出すなんて!」

 

「・・・・・カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

キラー・トマト 守1100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「おらおら!さっきの威勢はどうした!俺のターン!」

 

男2 手札 6枚

 

「スピア・ドラゴンを召喚!」

 

スピア・ドラゴン 攻1900

 

「行くぜ!ツイン・ブレイカーの攻撃!」

 

ツイン・ブレイカーが両手の剣でキラー・トマトを斬りつける。

 

「・・・・・・リバースカードオープン、ガード・ブロック。戦闘ダメージを0にしてカードを1枚ドローする」

 

遊輝 手札 3枚→4枚

 

「・・・・・さらにキラー・トマトの効果。デッキからキラー・トマトを特殊召喚する」

 

キラー・トマト 攻1400→1000

 

「そんなモンスターなんか直ぐに破壊してやる!ツイン・ブレイカーは守備表示モンスターを攻撃した時、もう一度だけ攻撃できる!もう一度行け!」

 

ツイン・ブレイカー 攻1600

キラー・トマト 攻1000

 

遊輝 LP 8000→7400

 

「・・・・・キラー・トマトの効果。3体目のキラー・トマトを特殊召喚」

 

キラー・トマト 攻1400→1000

 

「スピア・ドラゴンで攻撃!」

 

今度はスピア・ドラゴンがキラー・トマトを突き抜ける。

 

スピア・ドラゴン 攻1900

キラー・トマト 攻1000

 

遊輝 LP 7400→6500

 

「・・・・・キラー・トマトの効果。今度はガガガマジシャンを特殊召喚」

 

ガガガマジシャン 攻1500→1100

 

鎖を振り回しながらダイヤが出てきた。

 

「スピア・ドラゴンはバトルが終わった時、守備表示になる!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

男2 手札 4枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

ツイン・ブレイカー 攻1600

スピア・ドラゴン 攻1900→守0

【魔法・罠ゾーン】

強者の苦痛

伏せカード 3枚

 

 

「(俺たちの伏せカードはミラフォが2枚とライジングエナジー!これであいつをつぶす!)」

 

「おらおら!デュエルだとへぼいのか!」

 

「・・・・・・・つまんねぇ」

 

「あっ!何だと!」

 

「つまんねぇって言ったんだよ!手加減してやってそれが全力?このターンで倒してやるよ!俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

「魔法カード、サイクロン!強者の苦痛を破壊!」

 

フィールドに現れたサイクロンが強者の苦痛を破壊する。

 

ガガガマジシャン 攻1100→1500

 

「魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから《ガガガ》と名のついたモンスターを特殊召喚する!ガガガガールを特殊召喚!」

 

ガガガガール 攻1000

 

今度は携帯の番号を押しながらパールが現れた。でも顔が怯えていた。

 

『マスター、凄く空気が・・・・・』

 

「うん?何?」

 

『い、いや!何もないよ!』

 

「・・・・・そう、ならいいや。ガガガマジシャンの効果!1ターンに1度、Lvを1〜8に変更する!Lv6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「ガガガガールの効果!フィールドの《ガガガマジシャン》を選択して同じLvにする!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「Lv6になったガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ。天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『ギャアアアーーーーー!』

 

上から光を照らしながら、ホワイトが現れてきた。

 

「くっ!攻撃力2400!(だがミラフォが!)

 

「これで終わりと思うな!RUMーバリアンズ・フォース!」

 

「「「ランクアップマジック!?」」」

 

「ホワイト・サン・ドラゴンをエクシーズ素材としてオーバーレイ・ネットワークを再構築!光の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!カオスエクシーズ・チェンジ!降臨!CXホワイト・ゴッド・ドラゴン!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン ★7 攻3000

 

ホワイト・サン・ドラゴンが白い太陽に戻り、赤い縞模様の鎖に螺旋上に囲まれて上空に上がると強い光が発せられる。下半身が灰色、上が白に水色のホワイトだ。尻尾は丸く炎を貯めていて、それがパイプみたいなもので翼に繋がっている。もちろん、トレードマークの赤いリボンもちゃんとついている。そして、いつもは球体で回っているオーバーレイ・ユニットが赤い十字架として突き刺さる。

 

「な、なんだそのモンスターは!?」

 

「か、カオスエクシーズだと!?」

 

「お前らに教えるつもりはない!ホワイト・ゴッドの効果!カオスオーバーレイ・ユニットを1つ取り除く事で、相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する!」

 

「何だと!」

 

「聖なる太陽の力をその身に味わえ!スピリチュアル・ゴッドフレア!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン OVR 3→2

 

ホワイトの上に太陽とその周りに氷が現れ、二人組のフィールドに降り注ぐ。これでガラ空き。次は・・・・・

 

「ゴブリンドバーグを通常召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

「ゴブリンドバーグの効果!召喚した時、手札からLv4以下のモンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、霞の谷の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

「Lv4のゴブリンドバーグにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

今度は黒い太陽が降りてきて、ブラックが姿を現れた。

 

『グオオオーーーーーーー!』

 

「2体目の龍!?」

 

「馬鹿な!1ターンで大型モンスターを2体だと!?」

 

「そしてリバースカードオープン!バスター・モード!」

 

「「バ、バスター・モード!?」」

 

「ブラック・サン・ドラゴンをリリース!闇の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!降臨!ブラック・サン・ドラゴン/バスター!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500

 

ブラックが太陽に戻り吸い込まられて、電気と氷で帯びた黒い太陽が現れて、変形した。今度は下半身が灰色だが、上が黒と水色のブラックだ。尻尾は丸く、今度は電気を帯びていて、同じようなパイプが身体に繋がっている。トレードマークの青いタスキもしっかりと巻いている。

 

「な・・・・・あ・・・・・」

 

「ブラック・サン・ドラゴン/バスターの効果!特殊召喚した時、墓地のエクシーズモンスターを選択してこのカードに装備する!」

 

「馬鹿め!お前の墓地にエクシーズモンスターなんか」

 

「墓地のホワイト・サン・ドラゴンを装備!」

 

「馬鹿な!?」

 

ブラックが下に穴を開けると、ホワイトが出てきてそれをブラックが吸収する。

 

「い、いつの間に!」

 

「ホワイト・ゴッドの時だ!そしてブラックは装備したモンスターの攻撃力の倍の数値分、攻撃力がアップする!」

 

「ば、倍だと!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500→6300

 

「こ、攻撃力・・・・・6300・・・・・!?」

 

「バトル!ブラックでダイレクトアタック!ゴッド・サンダー・プロミネンス!」

 

ブラックの尻尾が電気を放出し、相手に向かって電気で帯びたプロミネンスを放つ。

 

「やっぱりデュエルだとへぼいな!リバースカードオープン!聖なるバリア〜ミラーフォース〜!これでお前のモンスターは全滅だ!」

 

「へぼいのはそっちだ!ブラックは装備カードを装備している時は相手のカード効果で破壊させず、ホワイトは1ターンに2度まで、相手の全てのカード効果を受け付けない!」

 

「何だと!?」

 

二人組の前に出来たバリアを貫き、ブラックの攻撃が通る。

 

二人組 LP 8000→1700

 

「ぐおおおおぉぉ!?!?」

 

「な、何で実際にダメージが!?」

 

「俺がそうしているからだよ。こんな事で済むと思っているのか?」

 

「あ・・・・・・・・」

 

「や、やめろ・・・・・・・・やめてくれ!!!」

 

「今さら命乞いをしても遅い!大事な人を目の前で失ったその怒りを味わえ!ラスト!ホワイト・ゴッドでダイレクトアタック!サンシャイン・ミリオンズスピアー!」

 

ホワイト・ゴッドの上に白い太陽が現れ、たくさんの槍が降り注がれる。

 

二人組 LP 1700→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 二人組

 

 

 

 

 

 

「気絶したか・・・・・」

 

デュエルが終わりデスクをなおして二人組に近寄る。さっきの攻撃を受けて気を失ったみたいだ。俺は龍可がいる方に近づき、縄をほどく。

 

「遊輝・・・・・・」

 

「ごめんな龍可。恐い思いをさせてしまって」

 

「良いよ。遊輝が助けに来るって信じていたから!」

 

龍可が飛びつく。無事で何よりだ。

 

「えへへへ!!つっかまえた!!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?何を言っているの?

 

「D・マグネンU2体を守備表示で召喚!遊輝にマグネロック!」

 

突然物陰から龍亞が出てきて、マグネンUを実体化させて俺を囲み、宙づりにさせられた。

 

「お、おい龍亞!何だよこれ!」

 

「大成功!!龍可ちゃんナイス!」

 

すると龍亞が出てきた物陰からレミやスバルたちがぞろぞろとやってきた。まさか・・・・・・・

 

「これ、全部演技!?」

 

「そうよ!名付けて【龍可ちゃんを誘拐させて遊輝を捕まえよう大作戦!】」

 

「(ネーミングセンスがないね)」

 

「(そこは突っ込まない方が良いわよ)」

 

「じゃああの二人組は!?」

 

「この通りピンピンしてるよ!なんせ遊輝が実体化の能力を全開にしたんだから、こっちも守るのが大変だったよ!」

 

響が指を指す方向に、さっきまで気絶していたはずの二人組がレミに頭を下げている。

 

「お嬢ちゃん!こんなものでしたが、どうでしょう?」

 

「さすが元役者ね!遊輝を騙す事が出来たよ!ありがとう!」

 

「いやいや!お嬢ちゃんのおかげで俺らはセキュリティに連行させずにすんだから!じゃあ!」

 

そう言って二人組は帰っていた。

俺はこのマグネロックから逃げ出そうと必死にあがいている。

 

「無理だよ遊輝。そのマグネロックは普通じゃ外れないよ」

 

「さあ、降参しなさい!」

 

「絶対にしない!」

 

こうなったら能力を使って・・・・・右手に小さな太陽を作り、マグネンUに当てようとする。

 

「響、よろしく♪」

 

「任せて!ウォーターフォール!」

 

突然上空から大量の水が落ちてきて、俺に向かって落ちる。1分ぐらいしてようやく水が止まった。

 

「ぷあっはーーー!卑怯だぞ!」

 

「普通の人相手に能力を使った遊輝が言える事じゃないよ」

 

「さあ、降参しなければ今度は雷を落とすよ!」

 

レミが脅しをかけて、奏が上空に雷雲を作る。こんなずぶ濡れであんなの食らったら死ぬよ!

 

「・・・・・(ボソッ)わ、分かりました。降参します」

 

「何て!?もっと大きな声で!」

 

「こ、降参します!!」

 

「宜しい。龍亞君、降ろしてあげて」

 

レミの指示で龍亞が宙づりした俺を降ろして、マグネロックを解除する。

 

「これで看板娘は決まりね!」

 

『楽しみだな〜。今年はマスターは何人の人に告られるのかな?』

 

「?パール、どう言う事だ?」

 

スバルがパールに疑問をぶつけると、パールが携帯に目を向ける。まさか・・・・・

 

「やめろーーーーー!!!それだけはやめろ!!!」

 

『これだよ♪』

 

パールが精霊が見えるみんなにあの写真を見せつける。お、終わった・・・・・・・・・・

 

「え!?これ、遊輝!?」

 

『マスターが前世でやった劇の役だよ!』

 

「・・・・・これはスバルよりやりがいがあるね」

 

「・・・・・文化祭が楽しみだよ」

 

「(私より綺麗・・・・・)」

 

レミと響が不吉な笑みを浮かべ、龍可がそんな事を思っていた。

 

「遊輝、頑張れ」

 

肩を落とす俺に龍亞がポンと叩く。

これは・・・・・・・前世より嫌な思い出になりそうだよ。

 

「あ、そうそう。文化祭最終日は遊輝は龍可ちゃんの執事だからね」

 

すでにダウン寸前の俺にさらに追い込むレミ。そして・・・・・

 

「ところで遊輝君、君は随分制服が濡れているね」

 

響がさっきより不気味な笑みで俺に近づく。

 

「風邪を引くし着替えが必要でしょう?そこの物陰でこれに着替えなよ」

 

そう言ってレミが取り出したのは・・・・・・・・メイド服!?

 

「まさか・・・・・これに着替えて帰るのかよ!」

 

「「うん」」

 

「嫌だあああ!!!!」

 

反転して逃げようとすると、上空に雷雲ができる。

 

「着替えないと落とすよ♪」

 

奏までもが笑みを浮かべて、脅してくる。

 

「・・・・・・・・・分かりました」

 

レミからメイド服を受け取り、物陰で着替える。

 

〜(数分後)〜

 

『出来たよーーー!』

 

パールの声でみんなが物陰に入る。

 

「うわ!」

 

「凄い!なんの違和感もない!」

 

龍亞と龍可が驚く。それを言われた俺は・・・・・・・

 

「/////は、恥ずかしい・・・・・・」

 

顔が真っ赤で蒸気が出そうだよ!!

(パールによってツインテールにされ、白と黒のメイド服です)

 

『これでマスターは男の子を数人落としたよ♪』

 

「これは誰だって落ちるわよ・・・・・・」

 

「こんなにも似合うとは・・・・・・」

 

この後、メイド服姿で家に帰りました。周りから冷たい視線が注がれるなか、龍亞とスバルだけが俺を励ましてくれた。




遊輝「/////な、何でこの姿何だよ!」←メイド服

レミ「お似合いだよ!」

遊輝「ス、スバル・・・・・・」

スバル「ごめん、俺も無理。俺も着せられるし」

遊輝「そんな〜〜」

龍可「じゃオリカに行きましょうか。まずは、ブラックの/バスター」

ブラック『きゃっ♪』


ブラック・サン・ドラゴン/バスター ☆10
闇属性 ドラゴン族 攻1500 守2600
①このカードは通常召喚できない。
②このカードは「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚できる。
③このカードの特殊召喚成功時、自分の墓地に存在するXモンスター1体を選択して、装備カードとしてこのカードに装備する。
④このカードの攻撃力は装備したXモンスターの元々の攻撃力の倍の数値分だけアップする。
⑤このカードは装備カードを装備している時、相手のカード効果によって破壊されない。
⑥フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、自分の墓地に存在する「ブラック・サン・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。




奏「攻撃力がとんでもない事になるよ」

響「装備モンスターの元々の攻撃力の倍の数値って、倒せないよ!」

スバル「5000オーバーは必須。それどころか6000も軽く行くな」

龍亞「しかも装備カードがある時カード効果で破壊されないだよ!」

龍可「対処方はあるの?」

遊輝「まずはバウンスかな。あとは、装備カードを破壊するとか色々策はあるけど、問題は次」

レミ「CXホワイト・ゴッドね」

ホワイト『キャッ!』


CXホワイト・ゴッド・ドラゴン ★7
光属性 ドラゴン族 攻3000 守2100
☆7モンスター×3
「CXホワイト・ゴッド・ドラゴン」の③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードにX素材が存在する場合、このカードは1ターンに2度まで、相手の魔法・罠・効果モンスターの効果を受けない。
②このカードが破壊され墓地に送られた時、自分の墓地に存在するSモンスター1体を特殊召喚する。
③このカードは「ホワイト・サン・ドラゴン」をX素材としている場合、以下の効果を得る。
・このカードのX素材を1つ取り除き発動する。
相手フィールド上に存在する表側表示モンスターを全て破壊する。




奏「1ターンに2度まで相手の全ての効果を受け付けないって・・・・・・」

響「おまけにライボル持ちだし・・・・・・」

龍亞「無茶苦茶強いじゃん!」

遊輝「これは・・・・・・純粋に殴って勝つしか思いつかない・・・・・・」

レミ「メイド服に慣れた?」

遊輝「言わないでくれ・・・・・・忘れかけていたのに・・・・・・」

龍亞「じ、次回は俺と龍可の小等部でのデュエルだね」

龍可「タイトルは【Dホイール講習会 そして影のエース始動!】」

遊輝「Dホイール講習会?」

レミ「アカデミアでDホイールの授業を取り入れるみたいね」

スバル「マジか!俺も乗れるのか!?」

龍亞「俺も!?」

龍可「龍亞は無理よ!」

響「次回もよろしく!」


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第36話 Dホイール講習会 そして影のエース始動!

最強カードの紹介!

アキ「お久しぶりね。アキです」

改定版の時期だともう6月の梅雨入りですね。雨は嫌だ。

アキ「私も濡れるのはちょっとね・・・」

学校が遠い上に雨で濡れたら悲惨な目にあう←去年あった。

アキ「・・・・・・・・何が言いたいの?」

何もありましぇ〜ん。最強カードの紹介に行くよ!

アキ「今回は妖精竜 エンシェント。遊輝が龍可に渡した《影》のエースだわ」

本家とは相性がよく色んなコンボに使えるよ。

アキ「まずは自分のターンにフィールド魔法を発動すれば、1枚ドローする事ができる。エンシェント・フェアリー・ドラゴンでフィールド魔法をサーチすれば、毎ターンドローする事ができる」

そしてフィールドの表側表示のモンスターも1枚だけ破壊できるぞ!どんなモンスターでも破壊できる!
なお、パティと天兵のデッキはよく分からないので、こちらの都合でデッキを作りました。ご了承ください。

アキ「第36話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

「Dホイール講習会?」

 

「ええ。積極的にDホイールを使おうと、治安維持局から言われましたので」

 

あの誘拐事件もどきから数日後、昼休みに校長先生に呼ばれ部屋に入ると、Dホイール講習会の事を話してくれた。

 

「つまりアカデミアでもDホイールの講習をしようと言う事ですか?」

 

「その通りです。中等部と高等部から講習会を受ける人を応募して文化祭の後、特別授業として放課後に開講しようと思ってます。最終的にこの講習で合格した生徒は、ライセンス習得という形になります」

 

「それはすごいですね」

 

「そしてもう一つ、スペシャルなプレゼントもあります」

 

「スペシャルなプレゼント?」

 

「それはまたお話します」

 

「分かりました。それで何で俺を呼んだのですか?」

 

「アカデミアの講師でDホイールのライセンスを取っている人は一人もいませんので外部から特別講師を呼ぼうと思っていますが、大人数の応募が予想されますので貴方に助手を頼みたいのです」

 

そう言うことね。確かに講習会を受けずライセンスを取れるなんて聞いたら誰もが受けるよね。

 

「良いですよ。引き受けます」

 

「助かります。文化祭が終わった後にもう一度呼び、詳しい詳細を話します」

 

「分かりました。それでは」

 

俺は校長室から出て、教室に戻る。

アカデミアでライセンス習得か・・・・・・て言うことはスバルたちは参加しそうだな。

 

「遊輝、校長と何を話してたんだ?」

 

スバルが校長に呼ばれた理由について聞かれた。

 

「秘密」

 

「ええ〜、教えてくれても良いじゃねえか!」

 

「文化祭が終わるまで話さないようにと言われているので」

 

「そこをさ〜」

 

「授業始まるぞ」

 

スバルがぐちぐち言ってくる前に、さっさと切り上げた。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

私たちのクラスは午後から実技、今日はフリーデュエルになって、隣で龍亞がはしゃいでいた。いつもはテーマデッキでデュエルをしているから、よっぽど嬉しかったみたいね。

それで今はデュエル中。友達のパディが相手。パディが先行でフィールドは・・・・・・・・

 

 

 

パディ 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

A・O・J コアデストロイ 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

こんな感じ。

パティのデッキは私の天敵のA・O・J。光属性を封じるカードが多いから、龍亞を除くと苦戦する相手。

でも・・・・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 34枚

 

遊輝に貰った新たなカードで勝つ!

 

「サイクロンを発動!そのリバースカードを破壊する!」

 

「うっ!ミラーフォースが・・・・・・」

 

危ないカードを伏せているわね・・・・・・

 

「魔法カード、光の援軍!デッキの上からカードを3枚墓地に送って、ライトロード・サモナー ルミナスをサーチ!」

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・ビースト ウォルフ

・ジャスティス・ロード

・ネクロ・ガードナー

 

デッキ残り枚数 34枚→30枚

 

「墓地に落ちたライトロード・ビースト ウォルフとジャスティス・ロードの効果発動!ウォルフを特殊召喚して、ジャスティス・ロードを墓地から発動する!」

 

ライトロード・ビースト ウォルフ 攻2100

 

「ジャスティス・ロードの効果!手札の《ライトロード》と名のついたモンスターを墓地に送り、デッキから《ライトロード》と名のついたモンスターを墓地に送る!ライトロード・ウォリアー ガロスを墓地に送って、ライトロード・スネーク キラーを墓地に!そして、墓地に送られたライトロード・スネーク キラーの効果!墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・スネーク キラー 攻600

 

「キラー!?もうシンクロ召喚をするの!?」

 

「その通りよ!Lv3のライトロード・スネーク キラーにLv4のライトロード・ビースト ウォルフをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる!シンクロ召喚!降誕せよ!エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン 攻2100

 

光の輪の中からエンシェント・フェアリーが現れた。

 

「エンシェント・フェアリーの効果発動!1ターンに1度、フィールド魔法を破壊する!プレイン・バック!」

 

エンシェント・フェアリーが身体から光を発して、ジャスティス・ロードを破壊する。

 

「そして私のLPを1000回復して、デッキからフィールド魔法を手札に加える!2枚目のジャスティス・ロードを加え、破壊されたジャスティス・ロードの効果!破壊された時、デッキの上からカードを2枚墓地に送る」

 

龍可 LP 4000→5000

 

墓地に送られたカード

・ライトロード・バタフライ ファルファッラ

・ライトロード・スピリット シャイア

 

デッキ残り枚数 28枚→26枚

 

「墓地に送られたライトロード・バタフライ ファルファッラの効果!墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・バタフライ ファルファッラ 攻0

 

頭の上に光の蝶がちょこんと乗る。

 

「Lv1のチューナー・・・・・・試験の時に出したあの綺麗なモンスターを出すの?」

 

パティがファルファッラとエンシェント・フェアリーを見ながら聞いてきた。遊輝とのデュエルの後、エンシェント・コメット・ドラゴンがかなり学園内で広まってしまい、いつもこのモンスターを出すと、エンシェント・コメットを期待させられてしまう。でも今日は違うのよ。

 

『遊輝に貰った新たなカードを使うのですね』

 

「そうよ。条件も揃っているからね。ライトロード・サモナー ルミナスを召喚!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス 攻1000

 

「ルミナスの効果!1ターンに1度、手札のカードを1枚墓地に送って、墓地からLv4以下の《ライトロード》と名のついたモンスターを特殊召喚する!貪欲な壺を墓地に送ってライトロード・スピリット シャイアを特殊召喚!」

 

ライトロード・スピリット シャイア 攻400

 

さあ、遊輝に貰った《影》のエースの出番よ!

 

「L1のライトロード・バタフライ ファルファッラにLv3のライトロード・サモナー ルミナスとライトロード・スピリット シャイアをチューニング!」

 

☆1 + ☆3 + ☆3 = ☆7

 

「太古の森よりフィールドを制圧する精霊よ、かりそめの姿にその身をやつし降臨せよ!シンクロ召喚!妖精竜 エンシェント!」

 

妖精竜 エンシェント 攻2100

 

「く、黒いエンシェント・フェアリー・ドラゴン!?」

 

私が出したモンスターを見て、周りがざわめき始めた。今、フィールドに2体のエンシェント・フェアリーが存在するから、ただちょっと違うのは、妖精竜 エンシェントには体にラインがあることかな。

 

『不思議な感じがしますね。まるで自分自身を鏡に写しているかのように』

 

「本当ね。ここまで一緒とは思わなかったよ」

 

これが遊輝から貰った影のエース。前世にこんなカードまで作ってしまうのだから、遊輝の前世はすごいわね。さてと・・・・・・

 

「フィールド魔法、ジャスティス・ロードを再び発動!そして妖精竜 エンシェントの効果!自分のターンにフィールド魔法が発動した時、カードを1枚ドローする!」

 

龍可 手札 3枚→4枚

 

「さらに妖精竜 エンシェントのもう一つの効果!1ターンに1度、フィールド魔法がある時、フィールドの表側表示モンスター1体を破壊する!A・O・J コアデストロイを破壊!森葬の霊場(スピリット・ベリアル)!」

 

妖精竜 エンシェントから光が発して、コアデストロイを破壊する。

 

「コアデストロイが!」

 

「バトル!エンシェント・フェアリー・ドラゴンでダイレクトアタック!エターナル・サンシャイン!」

 

パティ LP 4000→1900

 

「キャア!」

 

「妖精竜 エンシェントでダイレクトアタック!妖精靱尾(フェアリー・テイル・ウィップ)!」

 

妖精竜 エンシェントが尻尾を使い、パティに攻撃する。

 

パティ LP 1900→0

 

 

WIN 龍可 LOS パティ

 

 

龍可 side out

 

 

龍亞 side

 

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

久しぶりに実技がフリーデュエルだからテンションが高くなってるぜ!相手は友達の天兵、龍可はパティと違うフィールドですでにデュエルを始めている。

 

「僕の先行、ドロー」

 

天兵 手札 6枚

 

「僕はコーリング・ノヴァを守備表示で召喚してターンエンド」

 

天兵 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

コーリング・ノヴァ 守800

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

攻撃を誘っているのか、伏せカードもないうえに破壊されたらデッキからモンスターを特殊召喚できるコーリング・ノヴァを出したから。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「(それでも俺は攻める!)D・スコープンを召喚!」

 

D・スコープン 攻800

「スコープンは攻撃表示の時、手札からLv4の《D》と名のついたモンスターを特殊召喚する!D・ビデオンを特殊召喚!」

 

D・ビデオン 攻1000

 

「Lv4のビデオンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

上空からパワー・ツールが降りてきた。

 

「パワー・ツールの効果発動!1ターンに1度、デッキからランダムに装備魔法をサーチする!パワー・サーチ!」

 

デッキがシャッフルさせて、1枚のカードを飛び出すのを確認して手札に加える。

 

「効果で加えた重力砲(グラヴィティ・ブラスター)をパワー・ツールに装備!このカードは普通の装備カードと違って、毎ターン攻撃力を400ポイントアップする事ができるんだよ」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→2700

「へぇ〜珍しいカードだね」

 

「遊輝に貰ったカードなんだ」

 

このカードとパワー・ツールは凄く相性が良いから、「入れておいたら?」って言われて入れたんだ。

 

「バトル!パワー・ツールでコーリング・ノヴァに攻撃!クラフティ・ブレイク!」

 

パワー・ツールが重力砲にエネルギーを貯めて、コーリング・ノヴァを破壊する。

 

「うっ、でも破壊されたコーリング・ノヴァの効果でデッキから2体目のコーリング・ノヴァを守備表示で特殊召喚する!」

 

コーリング・ノヴァ 守800

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

重力砲 【パワー・ツール】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

天兵 手札 6枚

 

「僕は魔法カード、天空の宝札を発動。手札のホーリー・ジェラルをゲームから除外して、カードを2枚ドローする。その代わり、僕はこのターンに攻撃する事も特殊召喚もできない」

 

天兵 手札 4枚→6枚

 

「(今は時間を稼がないと)ジェルエンデュオを守備表示で召喚。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

天兵 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

コーリング・ノヴァ 守800

ジェルエンデュオ 守0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

守りを固めてきたな。戦闘で破壊されないジェルエンデュオは厄介だぞ。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 3枚

 

「パワー・ツールの効果!1ターンに1度、デッキからランダムに装備魔法を手札に加える!」

 

デッキから飛び出した1枚のカードを加える。良し!遊輝に貰った《影》のエースの出番だ!

 

「魔法カード、ジャンクBOX!墓地からLv4以下の《D》と名のついたモンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、D・スコープンを特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「そしてD・モバホンを召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

「モバホンの効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

モバホンの胸の数字が点滅する。止まった数字は・・・・・・2!

 

「2だ!よってデッキの上からカードを2枚見て、その中にいた《D》と名のついたモンスター1体を特殊召喚する!・・・・・・・・いた!D・ラジカッセンを特殊召喚!」

 

D・ラジカッセン 攻1200

 

ラジカセのようなモンスターがモバホンの隣から現れた。

 

「行くぞ!!Lv4のラジカッセンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

「新しいシンクロモンスター!?」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界に希望の橋を架けるため、勇気と力をカスタマイズ!シンクロ召喚!機械竜 パワー・ツール!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300

「に、2体目のパワー・ツール!?でも、雰囲気が違う?」

 

パワー・ツールが出すと同時に、フィールドの周りで見ているみんながざわめきだす。隣のフィールドを見ると、龍可が2体のエンシェント・フェアリーを出している。一緒のタイミングで影のエースを出したみたいだね。そりゃざわめきも大きくなるよ。

 

「機械竜 パワー・ツールの効果発動!1ターンに1度、フィールドに存在する装備カードの対象をこのカードに変える!パワー・ツール・ドラゴンに装備されている重力砲を機械竜 パワー・ツールに装備!装備強奪(イクイップ・グラブリング)!」

 

機械竜 パワー・ツールがパワー・ツールに装備された重力砲を電気の力で分離させて、自身に装備する。・・・・・・ややこしくなるよ。パワー・ツールに機械竜 パワー・ツールって、

 

「そして重力砲の効果で機械竜 パワー・ツールの攻撃力を400ポイントアップさせる!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300→2700

 

「さらにさらに!装備魔法、ビッグバン・シュートを機械竜 パワー・ツールに装備!攻撃力を400ポイントアップして、貫通能力を得る!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2700→3100

 

「機械竜 パワー・ツールの第二の効果!自分のターンに装備魔法を装備した時、デッキからカードを1枚ドローする!装備特典(イクイップ・ボーナス)!」

 

龍亞 手札 1枚→2枚

 

手札に加わったのは・・・・・・ラッキー!装備魔法だ!

 

「装備魔法、魔導師の力を機械竜 パワー・ツールに装備!装備モンスターは自分フィールドの魔法・罠ゾーンのカード×500ポイント攻撃力が上がる!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻3100→5600

 

「こ、攻撃力5600!?」

 

「バトル!機械竜 パワー・ツールでジェルエンデュオに攻撃!重装解体(フルメタル・デモリション)!」

 

機械竜 パワー・ツールが重力砲を使い、ジェルエンデュオにさっきのターンよりも太いレーザーを向ける。

 

「甘いよ龍亞!リバースカードオープン!次元幽閉!この効果で機械竜 パワー・ツールをゲームから除外する!」

 

「読んでいたよ!リバースカードオープン!カウンター罠、神の宣告!ライフを半分払って次元幽閉の発動を無効にする!」

 

龍亞 LP 4000→2000

 

ジェルエンデュオの前に次元の穴が開かれたけど上から降りてきた裁判官みたいな人が次元幽閉のカードを無力化にする。

 

機械竜 パワー・ツール 攻5600→5100

ジェルエンデュオ 守0

 

天兵 LP 4000→0

 

 

WIN 龍亞 LOS 天兵

 

 

 

 

「勝った?」

 

「もちろん!龍可も勝ったのでしょ?」

 

デュエルが終わりフィールドを降りると、同時に終わったらしく、龍可とパティも集まってきた。

 

「龍亞も龍可もあんなカードいつの間に手に入れたんだ?」

 

「遊輝に貰ったんだ!」

 

デッキをケースに直しながら聞いてくる天兵に俺ははっきりと答えた。

 

「また遊輝さんか、私も遊輝さんから何か貰おうかな?」

 

「今度一緒に聞いてみようかしら?」

 

「良いね!俺も欲しいカードが見つかるかもしれないし!」

 

「龍亞は既に貰っているから、無理だよ」

 

「そんな事ない!絶対に貰える!」

 

天兵に無理と言われ、絶対に貰えると言う俺。それを聞いて、龍可とパティが笑った。




遊輝「というわけで、二人の影のエース登場の回でした」

龍亞「パワー・ツールは強いよ!装備カードを装備する毎に1枚ドローできるんだから!」

龍可「妖精竜 エンシェントも同じね」

遊輝「二人のエースモンスターとは高相性のモンスターだからね」

龍亞「ところで遊輝〜、また新しくカードを」

遊輝「却下」

龍亞「即答!?」

龍可「あはは・・・・・・次回はいよいよ文化祭が始まるわよ!」

遊輝「タイトルは【文化祭初日 遊輝の初LIVE!】」

龍亞「いよいよ軽音部のライブだ!」

龍可「番外編で一度見たでしょ?」

遊輝「次回もよろしく」


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第37話 文化祭初日 遊輝の初LIVE!

今回はデュエルがありません。
それでは!文化祭初日!軽音部のライブの始まりです!


・・・・・・本当は何曲か歌詞をフルで載せかったのですが、著作権が色々絡んでくるので(というか、歌詞をちょっとでも載せたらアウトなはず)


遊輝 side

 

「ドラムはこっち、これをつなぐコードは」

 

「響!キーボードはもっと後ろだよ!」

 

「ええ〜良いじゃない。もっと前に出しても」

 

「スピーカーとギターを置く場所がないでしょうが!」

 

現在、軽音部のメンバー総動員でアカデミアのメインステージで機材を組んでいる。

いよいよ今日から学園祭、いつもは別々で過ごしている小等部や中等部、高等部の生徒がそれぞれの枠を取っ払って、今日からの3日間、アカデミアで色んな出し物や店をするのだ。ちなみに小等部は何もやらないよ。出し物をするのは中等部と高等部、それと文化系のクラブだ。

 

オープニングセレモニーが終わり、1時間後に始まるライブに向けて機材や楽器の確認をしている。

 

「マイクとマイクスタンドが3つ、ヘッドマイクが2つ、それとアコースティックギターとエレキギターとベースっと・・・・・・よし、OK」

 

ステージの裏でマイクとギター類の確認を終わると、レミが黒いTシャツとタオルを持ってこっちに来た。

 

「はい遊輝、少し大きいけどLサイズで良かったよね?」

 

「ピッチリよりマシだからな」

 

レミからTシャツとタオルを受け取り、制服からTシャツに着替えてタオルを首にかけ、ブレザーの袖を腰の辺りに結ぶ。これが、軽音部のスタイルらしくみんなもこうやってステージに出るみたい。

その後はスバルと一緒に軽くストレッチをしたり、ギターのチューニングをする。ストレッチをするのは、何かと身体を動かす機会が多いからだ。

 

そしてライブ開始5分前・・・・・・

 

「うわっ、凄い人数・・・・・・」

 

ステージ裏からメインステージを見ると、すでにたくさんの生徒や外来者がいる。一番前の列に龍亞と龍可、アキさんの姿が見える。遊星たちやみんなの親は後ろの方で見るらしい。

 

「何か・・・・・・・・緊張してきたな」

 

「リラックスリラックス、練習通りにすれば大丈夫だって!」

 

「結構な詰め込みだったけどな。何曲か飛びそうだよ」

 

「その時は私とレミに任せて」

 

後ろでレミと奏が俺を落ち着かせる。レミは最初にベース、奏はアコースティックギター、そして俺はエレキギターを持っている。

 

「さあみんな!気合を入れるために円陣を組むわよ!」

 

レミが大声でみんなを呼び、円陣を組む。

 

「今日のライブ、午前と午後の2回あるけど、2回とも成功させるよ!!!」

 

「「「「おおおーーーーーー!!!!」」」」

 

「それじゃ行こう!」

 

レミを先頭にステージに向かう。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ステージに立つとわれんばかりの拍手が巻き起こる。

 

「みんなーーー!こんにちはーーー!!」

 

『こんにちはーーー』

 

「声がちっちゃい!!もう一回!!こんにちはーーーーーー!!」

 

『こんにちはーーーーーー!!!!!』

 

「こんにちは!今日は軽音部のライブに来てくれてありがとう!」

 

レミが観客相手に挨拶を求め、奏がお礼の言葉を言う。

軽音部のステージは基本ヴォーカル組がMCをそのまま務めるのだ。つまり・・・・・・

 

「さあ、今日は新メンバーの遊輝の挨拶から行くよ!」

 

『イエーーー!!』

 

サブヴォーカルも担当する羽目になった俺にも回ってくる。

 

「みんなーーー!!はじめまして!俺の事分かる!?」

 

『分かるよ!』

 

『エクシーズモンスターを使う人でしょ!』

 

「覚えてくれてありがとう!すっごく嬉しいよ!今日は俺の初ステージだけど、最後まで付き合ってくれるかな!?」

 

『イエーーーーーーイ!』

 

「良し!じゃあ行くぞ!スバル!」

 

「1・2・3・4!」

 

響がキーボードの鍵盤を滑らかに滑らせ、スバルがドラムを叩きすぐギターのコードを弾く。

 

♪♪♪♪〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪

 

メインヴォーカルの奏を中心に俺とレミもサビや、曲の構成に合わして歌う。そして曲の合間にベースやギターの役割を変えたりと結構忙しい。スバルや響はコーラスとして、サビの部分中心。そして曲はこんな感じ。

 

 

 

1 花唄 【TOKIO】

 

2 BRIGHT STREAM 【水樹奈々】

 

3 アーティスト 【VISTLIP】

 

4 HELLO 【福山雅治】

 

5 Love so sweet 【嵐】

 

6 サブリナ 【家入 レオ】

 

7 小さな恋の歌 【MONGOL800】

 

8 会いたくて会いたくて 【西野カナ】

 

 

 

と、ライブの途中だが次の曲の準備の為、少しトークをすることに。

 

「遊輝!所々ミスがあるけど、上手になったね!」

 

「ギターを初めて1ヶ月とは思えないよ!」

 

「無理矢理詰め込んだだろうが!おまけに曲が難しいし!B'zの曲なんか初心者に弾かせるなよ!」

 

「やれば出来るよ。みんなも遊輝の演奏はどう?」

 

『上手いよ!!』

 

『初めて1ヶ月とは思えないよ!』

 

レミが観客にふり、みんなが上手と言ってくれた。こんな風に言われたら嬉しいな。

 

「レミ!準備OK!」

 

「分かった!それじゃ、後半も盛り上がって行くよ!」

 

『イエーーーーーー!』

 

「続いてはL’Arc-en-Ciel!《HONEY》!」

 

スバルがドラムのシンバルを叩き、アップテンポの調子で奏が歌い始める。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪!!!!!!!

 

サビの部分に入り、ギターの演奏を入れる。この曲も初心者にとっては難しい曲。ギターの方に意識をする為、最初のサビは歌わない。

あっ、ちなみに後半はこんな感じ。

 

 

9 HONEY 【L’Arc-en-Ciel】

 

10 夏祭り 【WhiteBerry】

 

11 プラネタリウム 【大塚愛】

 

12 花火 【aiko】

 

13 愛唄 【GReeeeN】

 

14 ミュージック・アワー 【ポルノグラフィティ】

 

 

 

この計14曲が午前のプログラム。

約90分間ノンストップで演奏をして、一度別れの挨拶をする。

 

「これで午前の演奏は終了します!」

 

「みんな!午後の演奏も来てくれる?」

 

『もちろん!!』

 

「じゃあその時はタオルを持ってきてね!」

 

「それじゃ午後にまた会いましょう!」

 

響とスバルが先にステージ裏に戻り、挨拶が終わった俺たちも戻る。その時の拍手は凄く嬉しかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜無事に午前の部が終わったよ」

 

「ご苦労さん、遊輝、アドリブのトークも上手いわね」

 

「トークの上手い下手の基準が分からないんだけど・・・・・・」

 

「そんな事より昼飯にしようぜ」

 

すでに引き上げたスバルがさっきの演奏の話をしていた俺たちを止め、ご飯を食べようと言ってきた。

時間は・・・・・・12時過ぎか、

 

「私もお腹減った〜〜。遊輝、何か作って〜」

 

「俺!?模擬店で買わないの!?」

 

「よ〜く考えなよ。午後は1時からだよ。今売店に行ったら戻って来れるか分からないよ」

 

確かにそうだけど・・・・・・いきなり作れって言われても材料が無いし。

 

「じゃあ昼飯よろしくね。食堂の冷蔵庫の中身で簡単な物を作って来て」

 

「勝手に使って良いのか?」

 

「大丈夫。食堂のおばちゃんに許可を貰ったから」

 

準備が早いこと・・・・・・食堂のキッチンに行き、冷蔵庫の中身を見て何を作るか考える。肉とキャベツと魚・・・・・・・・おっ、焼きそばの麺があるじゃん。

 

「昼飯は焼きそばだな」

 

一人呟き、肉とキャベツとその他の具材を適当なサイズで切り、フライパンで5人分の焼きそばを炒める。

ソースで味を付け、皿に盛り付けてステージ裏のみんながいる場所に持って行く。

 

「お待たせ〜」

 

「おっ!焼きそばか!」

 

「これからもっと動くからな、炭水化物をとっておかないといけないだろ。簡単に作れるしね」

 

「美味しい!この焼きそば凄く美味しいよ!」

 

「響!抜け駆け禁止だよ!」

 

響が先に箸をつけ、焼きそばを食べると他のみんなも負けじと凄い勢いで食べていく。俺も自分の分の焼きそばを食べ始める。

 

「うめええ!!マジで美味い!」

 

「さすが料理人目指していた人ね。焼きそばでもこんな美味しいなんて」

 

「別に対した事はしてないよ。普通に焼いていただけなんだから」

 

「それでも美味しいよ!」

 

「あ〜あ、遊輝は料理が出来るのに、何で私は出来ないの」

 

「響は料理が出来ないの?」

 

「全く。全部失敗してしまうの」

 

響って料理出来ないんだ。じゃあ・・・・・・

 

「暇な時に教えてやろうか?」

 

「ほんとに!?料理人に教えてもらえるなんて!」

 

「料理人になってない」

 

響に突っ込み皿を食堂のキッチンで洗い、午後のプログラムの準備をする。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「みんなーーーーーーーー!!!タオル持って来たーーーーーー!!!」

 

『持って来たよ!』

 

午後のプログラムが始まる前にレミが観客にタオルを持って来たのか確認すると、みんなが片手にタオルを突き上げる。午後はヴォーカルの奏はギターを弾かず、タオルを持って歌う事だけに専念する。それよりいつの間にタオルを持って来たんだ?たった一時間で準備出来るのか?

 

「良いね!!後半は盛り上がる曲中心に演奏していくよ!!」

 

「みんな!!!最後まで盛り上がってくれるか!?」

 

『もちろん!!!』

 

「それでは行きましょう!!!まずはこの曲!!ゆずのデビュー曲!!《夏色》!!」

 

レミとアコースティックギターを合わせ、響がそこにキーボードを奏で聞慣れたメロディーが流れ始める。奏は手拍子をして、みんなも手拍子をする。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 

15 夏色 【ゆず】

 

16 箒星 【Mr.Children】

 

17 LOVE IS ECSTASY 【中島美嘉】

 

18 学園天国 【フィンガー5】

 

19 ひまわり 【遊助】

 

20 TUNAMI 【サザンオールスターズ】

 

21 花火 【三代目 J Soul Brothers】

 

22 99% 【BOWL】

 

23 愛なんだ 【V6】

 

24 ultra soul 【B'z】

 

 

 

『・・・・・・ウルトラソウル!!!』

 

『ハイ!!!!』

 

 

一番難関のB'zの曲を弾き終わり、俺とレミは一旦ステージ裏に入り、用意してたヘッドマイクを装着する。

 

「遊輝、準備OK?」

 

「ああ」

 

「(奏、次の曲に行って)」

 

レミが奏にアイコンタクトを取り、俺たちはそれぞれ別の場所に向かう。

 

「(分かったわ)みんな!!!テンション上がってる!?」

 

『イエエエーーーーーー!!!』

 

「良いね!!じゃあもっともっと盛り上がってくれる!?」

 

『イエエエーーーーーーイ!!』

 

「それじゃ行くよ!」

 

物陰からギターとベースの音を鳴らし、一緒に観客席の脇から飛びたす。奏もステージから降りて駆け回る。

 

《Let's go!・・・・・・・・》

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜♪♪♪

 

この曲だけは観客席を周りながらの演奏。「絶対に無理!」って言ったのに、強制的に練習させられたよ・・・・・・

 

 

 

25 T.W.L 【関ジャニ∞】

 

26 紙飛行機 【コブクロ】

 

27 wind 【倖田來未】

 

28 あとひとつ 【FUNKY MONKEY BABYS】

 

29 じょいふる 【いきものがかり】

 

 

 

 

「いよいよ次が最後の曲になったよ!」

 

「みんな!!タオルの準備をして!!」

 

奏が右手にタオルを持ち、みんながタオルを突き上げる。

 

「そうそう!それじゃ行くよ!遊輝!」

 

奏の合図でギターのコードを弾く。

 

♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪

 

冒頭のサビの部分で奏がタオルを振り回し、みんなも振り回す。

 

 

 

30 イケナイ太陽 【ORANGE RANGE】

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーー

 

・・・・・♪♪♪!!♪♪♪!!!

 

サビの最後の余韻を残し、スバルと合わせてギターのコードを弾き止める。

 

「これで軽音部の演奏は終わりよ!!」

 

「最後まで付き合ってくれてありがとう!!!」

 

奏とレミと一緒に頭を下げて、ステージ裏に戻る。

 

「凄く盛り上がっていたから大成功ね!」

 

「遊輝も良かったよ!ギターにベースにヴォーカルと、この一ヶ月でここまで上手くなったから」

 

「あ、ありがとう・・・・少し休ましてくれ・・・・・」

 

近くにある柱にもたれかかり、腰を落とす。

 

「もしかしてバテたの?」

 

「ここまで動くとは思わなかった・・・・・・・・」

 

「ダメだね。今日ぐらいのでバテていたら、今後もっとしんどくなるよ」

 

ど、どんな事を考えているんだよ・・・・・・・結構ハードだぞ。走り回ったり、一曲毎に楽器を変えたり・・・・

 

「お疲れ様。後でケーキでも作るよ」

 

「やったーー!!ライブの後の奏のケーキは最高よ!」

 

「いつもそればっかりだな」

 

「ライブの後の楽しみだもの!」

 

楽器を少し片付け、ステージ裏から引き上げる。




遊輝「つ、疲れた・・・・・・・」

響「こんな事で疲れたらダメだよ」

遊輝「響はキーボードの前で立っているだけだろ!」

響「毎朝ジョギングをしているから大丈夫だよ」

スバル「俺も。なんだかんだ身体を鍛えているからな」

遊輝「・・・・・・・朝練の量、もうちょっと増やすか」

奏「はい、ケーキが出来たよ。好きな物を選んでね」

響「やった!いただきます!」

奏「そういえばレミは?」

スバル「さっき何かを取りに部屋を出たな」

レミ「お待たせ!これを持ってきたよ!」

遊輝「!!!メ、メイド服・・・・・・・」

レミ「明日はクラスの模擬店で働いてもらうから!」

スバル「・・・・・・・・・・」

遊輝「・・・・・は〜い・・・」

響「次回は【文化祭二日目 看板娘の奮闘記】」

レミ「次回もよろしく!」


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第38話 文化祭二日目 看板娘の奮闘記

最強カードの紹介!

ジャック「おい!俺の出番を増やせ!」

2回目の登場、ジャックだよ。
増やせって言われても、今は学園編だからね。

ジャック「だいたいお前は何の検討もなしに・・・・・」

最強カードの紹介に行きましょう!!

ジャック「無視するな!」

今回はアテナ。☆7の天使族モンスターだよ。

ジャック「ヴァルハラを使えば直ぐに出せるな」

1ターンに1度、「アテナ」以外の天使族モンスターを墓地に送って、墓地から「アテナ」以外のモンスターを出せるよ。堕天使スペルビアを使えば強力な天使族モンスターの軍団だ!

ジャック「さらに天使族モンスターの召喚・特殊召喚をすれば相手に600ポイントのダメージを与えられる」

第38話、遊輝の華麗なる変身(と言っても想像になりますが)をどうぞ!


遊輝 side

 

『マスター、動かないでよ。髪を束ねられないよ』

 

「束ねなくて良いわ!」

 

文化祭二日目、控室代わりの教室にスバルと無理矢理入れられて強制的にメイド服に着替えさせられた。んで、パールが実体化して俺の髪を束ねツインテールにしようとする。

 

「パール、出来たの?」

 

『響ちゃん!出来たよ!一番乗りで見る?』

 

「見る見る!」

 

模擬店の準備をしていた響が入ってくる。

 

「う〜ん、免疫があってもやっぱ女だね」

 

「//////い、言うな!!!」

 

恥ずかしいよ!こんな格好して!しかも男に見られないから余計に男としての何かが失っていく!

 

「は〜い、スバルも出来たよ」

 

レミに連れていかれたスバルもこっちに入ってきた。

 

「////////う、うっ」

 

「ポ、ポニーテール!!??」

 

「遊輝がツインテールですっごく女の子ぽくなるから、スバルもポニーテールにして見たの!」

 

よくポニーテールにしたな、・・・・・・髪の量がそこまでないのに

 

「あと、インパクトで遊輝に負けないように化粧もしたから!」

 

「あ〜どうりで少し違うと思ったよ。口が赤くなっているのは口紅か」

 

「////そ、そこまでする必要はないって・・・・・・」

 

「インパクトで負けるからね」

 

『マスターも口紅だけはしておこうか!』

 

「嫌だ!」

 

「遊輝は化粧しなくてもいけるけど、口紅だけはね〜〜」

 

レミが悪い顔をして、右手に口紅を持ちながら近寄ってくる。逃げようとする俺に響が両肩を押さえる。

 

「観念しなよ」

 

そう言われて、口紅・・・・・・・・と言って化粧をさせられた。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「早く来ないかな〜、メイド姿の遊輝とスバルさん」

 

隣で龍亞がそわそわしている。

私たちはアキさんと一緒に中等部1ー1の模擬店の前にいる。理由は言わなくても分かるよね?

 

「そんなに凄かったのかしら?」

 

アキさんが遊輝について聞いてくる。

 

「凄いよ!遊輝って思わなかったらほんとに女の人だもん!!」

 

「へぇ〜」

 

「あっ、レミさんが来ましたよ」

 

模擬店の奥からレミさんと響さんが、メイド姿のスバルさんと女の子を連れてきた。

 

「龍亞君!龍可ちゃん!アキさん!来てくれたんだ!」

 

「遊輝たちを見に来ただけだけど。もちろんケーキも後で買うよ」

 

「ありがとう!奏のケーキは凄く美味しいからね!」

 

「ところでレミさん・・・・・・隣の女の子は誰?」

 

「////////お、俺だよ!!!!!!」

 

「えっ・・・・・・」

 

「まさか・・・・・・・・・遊輝?」

 

「///////そうだよ!!」

 

「う、嘘っ・・・・・・・・・・」

 

「いや〜、気合入れて化粧したら、もっと可愛くなったよ。化粧する前はなごりがあったけど、化粧したら女装の域を超えたね」

 

き、綺麗・・・・・・・・・・普通に憧れてしまう・・・・・

 

「す、すごい・・・・・・・」

 

「私・・・・・これから女としてどうやって生きていこうかな?」

 

「龍可、ちょうど私も同じ事を考えていたわ」

 

アキさんも同じ事を考えて、・・・・・・うんうんきっと全世界の女性が思うわね。

スタイルもよく、料理も出来るし、家事も普通にこなせる。おまけに育児経験で赤ちゃんのブラックとホワイトを養っている・・・・・・・・・・女としての全てを奪われた感じがするわ・・・・・・・・・・

 

「まあこれから二人は看板娘として働いて貰わないと」

 

「効果はもう出ているよ!」

 

「?響、どういう事?」

 

ケーキ作りをしていた白い服を着た奏さんが聞く。

 

「既に遊輝は男子を二人落としたわ!」

 

遊輝が顔を赤くして隠すけど、私の心は少し放心状態完全に女としてなにもかも失った・・・・・・・・・・

 

「スバルは女装してて笑われたけど、遊輝は『付き合ってください!!』って猛アタック!」

 

「真実を教えた時は面白かったな〜。男子二人の絶望の顔!」

 

「その時にここに来ればいつでも会えるって言ったから、直ぐにでも来るよ」

 

「へ、へぇ〜」

 

「あっ、もうこんな時間!」

 

「じゃあ私たちは見回りに行くよ。奏、看板娘をこき使っていいよ」

 

「「//////看板娘って言うなーーーーーー!!!!!」」

 

レミさんと響さんが笑いながら店から出て行った。

 

「じゃあ遊輝、店をオープンさせて」

 

「・・・・・・・・・・は〜い」

 

奏さんの指示で遊輝が入口にある看板を表向きにする。

 

「じゃあ俺たちも行こう!」

 

「・・・・・そうね」

 

「龍可、元気を出して」

 

「アキさんは平気なの!遊輝に負けて!」

 

「何か心が吹っ切れたわ」

 

肩を落とす私を連れて、私たちの文化祭二日目が始まる。

 

 

龍可 side out

 

 

遊輝 side

 

 

レミのやつ・・・・・化粧までしやがって、

 

「はいはい、そこで顔を赤くしてないでお客さんの接待をしてきて」

 

奏に背中を押されて店の方に出る。

ちょうど男女の組が入ってきたところだ。

 

「/////い、いらっしゃいませ、席へご案内します」

 

お客さんを席まで案内して、注文を聞く。

 

「う〜ん、私はシフォンケーキと紅茶」

 

「僕はコーヒーで」

 

「///か、かしこまりました」

 

オーダーを取って、奏の所に向かう途中・・・・・・

 

「あれが噂に聞いてた・・・・・」

 

「間違いないだろう。あいつからの情報が無ければ、女にしか見えないな」

 

「すごいよね。本当に男子かしら」

 

あちこちで女だの、綺麗だの色々と言ってくる。何で情報がこんなに早く回るんだよ・・・・・おまけにそれを知っても男と信じてくれないよ・・・・・

 

「奏、シフォンケーキと紅茶とコーヒー」

 

「は〜い」

 

奏がショーケースに入れているケーキを取り出し紅茶とコーヒーを作る。

 

「凄いよね。遊輝のおかげで大繁盛だよ」

 

「言わなくて良いよ・・・・・今、男のプライドがどんどん削られていく・・・・・」

 

「(その言葉、全世界の女性を敵に回したね)はいどうぞ」

 

トレイの上にカップに入れたコーヒーと紅茶、シフォンケーキを置き、さっきのお客さんの所に持っていく。

 

「///お、お待たせしました」

 

女子の所にシフォンケーキと紅茶を、男子の所にコーヒーを丁寧におく。

 

「///ご、ごゆっくりお過ごしを」

 

ビューーー!!

 

頭を下げた後、ものすごい勢いでキッチンに戻る。

 

「こら!お客さんの前で走らないでよ!」

 

「////は、恥ずかしいし、みんな本当に俺の事を女としか・・・・・」

 

「グチを言わずに次が来たよ」

 

奏に言われ、店を覗く。次は・・・・・・!!

 

「ゆ、遊星たち・・・・・」

 

遊星とジャックとクロウが入り口で待っていた。有名人が来た事で、店のお客さんははしゃいでいる。

 

「ど、どうしよう・・・・・遊星たちにこんな姿見せられないよ」

 

「ほら!早く行きなさいよ!」

 

「す、スバルは!?」

 

「スバルは他のお客さんを相手にしてるの。あんたしかいない!」

 

「////うう〜」

 

こうなったら覚悟を決めて・・・・・キッチンから飛び出し、遊星たちの前に向かう。

 

「////い、いらっしゃいませ、席へご案内します」

 

遊星たちを席に案内して、注文を聞く。

 

「//////ご、ご注文は?」

 

「コーヒーを頼む」

 

「ブルーアイズマウンテンはないのか?」

 

「////も、申し訳ありませんが・・・・・」

 

「ふん、仕方ない、コーヒーにしておいてやろう」

 

「俺は紅茶で!」

 

「////か、かしこまりました」

 

遊星たちの注文を取り、キッチンに戻る途中・・・・・・・

 

「そこのメイド姿のお嬢さん!俺と付き合ってください!!」

 

目の前に制服を来た男子が、キッチンの入り口に立ち告ってきた。

また・・・・・・・・・・

 

「あ、あの〜〜お「一度見てからあなたのトリコです!」・・・(だ、ダメだ・・・・・)」

 

「遊輝、何をしているの?」

 

「奏!助けて「俺と付き合ってください!!」

 

「あ〜、これで10人目ね。そこの人、そのメイド姿の看板娘は男の子よ」

 

「嘘です!こんな綺麗な人が男のはずがありません!」

 

こ、こいつ・・・・・本気で俺の事を女だと思っていやがる・・・・・

 

「さあ、僕と一緒に!」

 

男子が俺の左手を掴み、店から出ようとする。

 

「ちょっと!店の大事な看板娘を連れて行かないでよ!」

 

「こんな事で働かせる方がかわいそうじゃないか!」

 

「あなたに連れて行かれる方が嫌でしょう!」

 

「(どっちも嫌です!!!)」

 

「それならデュエルで決めよう!俺が勝ったらこの娘を連れていく!」

 

「いいわ!やってやりましょう!」

 

「おい!勝手に決めるな!俺の意見は!?」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 生徒 LP 4000

 

「何をしているんだ?」

 

奥からスバルがやってきた。

 

「なんか俺を掛けてのデュエルが始まったよ」

 

「さすがモテる女は違うな」

 

「女っていうな!!!」

 

「俺のターン!」

 

生徒 手札 6枚

 

「ジュラック・ヴェローを召喚!」

 

ジュラック・ヴェロー 攻1700

「相手のデッキはジュラックか、パワー押しだな」

 

「ああ、《剛》のデッキ相手に《柔》のデッキの奏がどれだけ対応できるかだな」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

生徒 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジュラック・ヴェロー 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「(俺のリバースカードは《収縮》と《ドレインシールド》!さらに手札には《大進化薬》がある!これであの娘を頂くぜ!)」

 

「私のターン!!ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

「魔法カード、大嵐!フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」

 

「くっ!(だがジュラック・ヴェローはサーチ効果がある!)」

 

「・・・・・何でパーミッションに大嵐が入っているんだ?」

 

普通ならパーミッションに大嵐なんてカード必要無いんだが・・・・・

 

「こ、これは・・・・・」

「どうしたんだ?」

 

スバルがなんか恐ろしい物を見たような震声で話してきたのでそっちの方を見ると、顔が若干引きつっていた。

 

「こ、これは・・・・・パーミッションじゃない。奏の裏のデッキだ」

 

「裏のデッキ?」

 

「あ、ああ・・・・・あまりにも強すぎるから本気で怒った時にしか使わないんだよ。多分このターンで終わる」

 

「はあああ!?このターンで終わる!?」

 

「魔法カード、おろかな埋葬!デッキから大天使クリスティアを墓地に!そして永続魔法、神の居城ーヴァルハラを発動!」

 

奏の後ろに巨大な神殿が現れる。物凄く神聖な感じがする。それよりクリスティアにヴァルハラ!?まさか、奏の裏のデッキって・・・・・

 

「ヴァルハラの効果発動!自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札から天使族モンスターを特殊召喚する!アテナを特殊召喚!」

 

アテナ 攻2600

 

ヴァルハラの前に上空から光が降りてきて、そこからアテナが舞い降りてきた。

 

「いきなり攻撃力2600だと!」

 

「さらにフィールド魔法、始皇帝の陵墓を発動!」

 

フィールドが机でいっぱいの店から、薄暗い墓場に変わる。

 

「始皇帝の陵墓の効果でLPを2000払い、堕天使スペルビアをアドバンス召喚!」

 

奏 LP 4000→2000

堕天使スペルビア 攻2900

 

「アテナの効果!天使族モンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、相手に600ポイントのダメージを与える!」

 

生徒 LP 4000→3400

 

「そしてアテナのもう一つの効果!フィールドのこのカード以外の天使族モンスターを墓地に送って、墓地から《アテナ》以外の天使族モンスターを特殊召喚する!スペルビアを墓地に送って、スペルビアを特殊召喚!スペルビアの効果発動!墓地から特殊召喚した時、《スペルビア》以外の天使族モンスター1体を墓地から特殊召喚する!大天使クリスティアを特殊召喚!」

 

大天使クリスティア 攻2800

 

スペルビアが地面に穴を開けて、クリスティアが現れた。

 

「アテナの効果で1200ポイントのダメージを受けてもらう!」

 

生徒 LP 3400→2200

 

「なっ、嘘だろ・・・・・1ターンでこんなに・・・・・」

 

それはこっちのセリフだよ!まさか奏の裏のデッキが《終世》とは思わなかったよ!

 

「バトル!大天使クリスティアでジュラック・ヴェローに攻撃!クリスティアの効果でサーチ効果は使えない!」

 

大天使クリスティア 攻2800

ジュラック・ヴェロー 攻1700

 

生徒 LP 2200→1100

 

「アテナでダイレクトアタック!」

 

生徒 LP 1100→0

 

 

WIN 奏 LOS 生徒

 

 

 

 

「さあ、用は済んだかしら?」

 

「は、はい!!すみませんでした!!!」

 

デュエルに負けた男子はものすごい勢いで店を出て行った。これを見た第一声、

 

「こ、怖ぇ・・・・・・・」

 

いつも大人しい奏があそこまで怒るとは・・・・・でも怒る内容もくだらないけど・・・・

 

「じゃあ看板娘の二人も仕事に戻って」

 

「「は、はい!!!」」

 

奏からの何とも言えないプレッシャーに押されて、持ち場に戻る。

 

「お、お待たせしました」

 

「・・・・・・看板娘は大変だな」

 

「おまけに変にモテているから余計だな」

 

ジャックとクロウに同情されました。

 

 

この後は、メイド姿のままお客さん相手に接待、5人に1人の割合で告られるけど、その度に奏が《終世》で相手をねじ伏せる。

そして、文化祭二日目もいよいよ終わりの時・・・・・

 

「遊輝!スバル!お店はどうだった?」

 

この日一日見回りをしたレミと響、さらには龍可や龍亞、アキさんも戻ってきた。

 

「つ、疲れたよ・・・・・」

 

「奏、こき使いまくり・・・・・・」

 

一方、散々お客さんの相手をした俺たちは机で倒れている。

 

「でも二人のおかげで大繁盛だよ!特に遊輝はね!」

 

「色んな噂が流れてたわね。《絶世の美女がメイド姿で働いている》とか」

 

誰だ・・・・・・・・そんな噂流したやつは、

 

「はい龍亞君、龍可ちゃん、アキさん。これ残ったケーキですけど」

 

「やったーーーー!!ありがとう!」

 

奏からケーキも貰った龍亞は早速頬張る。

 

「上手い!奏さんってケーキ作り上手なんだね!」

 

「親がカップケーキ屋だから、それを見て育っただけだよ」

 

「でも、本当に美味しいわね」

 

「えぇ、紅茶の香りが口いっぱいに広がるわ」

 

横で楽しく食べる龍可たちを見ながら、奏は凄く笑顔だった。

 




遊輝「結局今回もこの姿かよ・・・」←メイド服

スバル「つ、疲れたぜ・・・・・」←同じく

奏「ご苦労様。一日中、立ちぱなっしだからね」

レミ「ところでさ〜、何人の人が遊輝に告ったの?」

奏「えっとね・・・・・・・30人近くは告白してたよ」

スバル「もっと凄いのは、100%で遊輝を女としか見てなかった」

響「世界記録でギネスに出せるかな?」

奏「こんなくだらない事で載るはずが無いでしょ!」

遊輝「(載ったら俺、絶対に女としか見られないよ・・・・・)」

レミ「奏、裏のデッキを使ったの?」

奏「だって毎回のように遊輝を連れて行くんだよ!一撃で決めないと!」

響「えらい!」

遊輝「何処が!?」

レミ「次回はいよいよ最終日、遊輝が龍可ちゃんの執事ね」

スバル「タイトルは【文化祭最終日 執事とお嬢様】」

遊輝「もう嫌な予感しかしない・・・・・」

奏「次回もよろしくお願いします」


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第39話 文化祭最終日 執事とお嬢様

最強カードの紹介!!

クロウ「よう!俺の名はクロウ・ホーガン!宜しくな!」

この小説で3回しか出てないクロウだよ。

クロウ「余計な事を言うな!お前が俺を出さないからだろ!」

努力はしている。

クロウ「んだと〜〜!」

最強カードの紹介に行こう!今回は機械竜 パワー・ツール!

クロウ「遊輝が龍亞に渡した《影》のエースだ!装備魔法を装備した時、カードを1枚ドロー出来る!」

そして装備カードの対象をこのカードに変更出来るよ。相手ターンでも使えるから、便利なカードをどんどん奪って行こー!

クロウ「第39話、行くぞ!」


遊輝 side

 

波乱?の文化祭もいよいよ最終日、

初日に軽音部としての初ライブがあり、観客と盛り上がった。この時は凄く楽しかったよ!軽音部に入って正解だったな。

二日目はクラスの模擬店の手伝い・・・・・嫌な思い出しか残ってない。メイド服を着せられるわ、化粧をさせられるわ、おまけに結構な確率で告られたし・・・・・

そして最終日は・・・・・

 

「何で伊達眼鏡を掛けるんだよ?」

 

「執事なら伊達眼鏡は必需品でしょ!」

 

ゲームに負けた罰として今日一日、龍可の執事をやる羽目になった。ちなみに伊達眼鏡を掛けているだけで服は制服だから。

 

「龍可ちゃん、今日一日は遊輝を好きなように使って良いからね!」

 

「はい!」

 

「遊輝も龍可ちゃんの言った事は全部実行しなさいよ!」

 

「へ〜い、それじゃ龍可、何処に行く?」

 

「遊輝!言葉使いが違うよ!」

 

「はっ?」

普通の返事をしたら響に何故か怒られてしまった。

 

「今日は執事でしょ!そう言う時は『お嬢様、どちらに行かれますか?』って言うのよ!」

 

「ぶっ!?お、お嬢様!?」

 

「お、お嬢様・・・・・・//////」

 

響の仰天発言に思わず前に倒れる俺と、顔を赤くする龍可。

 

「響、ドラマの見過ぎよ」

 

「でもこれくらいは絶対だよ!」

 

「な、何で龍可にそんな、痛たたた!!!!!!」

 

突然顔を中心にビリビリッ!と電気が流れる感覚がして痛みが走る。

 

「その伊達眼鏡、ちょっと細工していてね〜、このボタンを押せば奏の能力を貯めて1万ボルトくらい流れる事が出来るの」

 

レミが頭を押さえる俺に赤いボタンを見せびらかす。

 

「言う事聞かなければずっと電流が流れるよ。ちなみに伊達眼鏡を取ろうとしても無駄よ。触った瞬間、電気が流れるから」

 

「俺は孫悟空かよ!痛たた!!!わ、分かった!!言う!言うよ!・・・・・お、お嬢様、どちらに行かれますか?」

 

「(///////ゆ、遊輝が、私を、お嬢様って・・・・・)」

 

遊輝にお嬢様と言われ、龍可の顔はそれはもう達磨みたいに真っ赤になった。

 

「あっ、そうそう。今日は執事なんでしょ。だから・・・・・・・・・・」

 

レミが俺のデッキケースに手をかける。

 

「デッキは要らないよね!!」

 

そう言って、レミは俺のデッキを二つとも取った。・・・・・・って冷静に言っている場合じゃねえ!!

 

「何でデッキ、痛たたた!!!!」

 

「言葉が悪いよ」

 

「・・・・・な、何故、私のデッキを持っていくのですか?」

 

「今日の執事の役目はお嬢様を守る事でしょ?それにデュエルする機会がないじゃない。だから、今日一日このデッキは・・・・・はい!龍可ちゃんのデッキだよ!」

 

そう言ってレミは俺のデッキを龍可に渡す。

 

「えっ?私?」

 

「だって遊輝執事のお嬢様でしょう。お嬢様が持っているものよ!」

 

龍可はデッキケースに入れた俺のデッキのカードを数枚取り出す。それはダイヤたち、精霊のカードだ。

 

「みんな、それで良いの?」

 

『はい、マスターが龍可さんの執事なら、私も龍可さんに従います』

 

『私も!今日一日はよろしくね♪』

 

『私も主と龍可さんを守ります』

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

ダイヤとプラチナが頭を下げ、ブラックとパールを頭に乗せたパールが手を振る。

 

「・・・・・分かったわ。今日はよろしくね!」

 

『『『はい(は〜い♪)!』』』 『『きゃっ!(キャッ!)』』

 

精霊たちが消えて、龍可はカードを元に戻す。そしてレミが龍可に近寄る。

 

「(ちょっと違う形だけど遊輝とのデート、楽しんで来てね!)」

 

「(//////デ、デデデデデート!!??)」

 

「(いつもは強気なのにこう言う時は混乱するの?まあ頑張ってね。龍可お嬢様)」

 

「(///////お、お嬢様って言わないで!!)」

 

龍可の顔がさっきよりも赤くなる。

何を話してたんだ?

 

「じゃあ遊輝!ちゃんと龍可お嬢様をエスコートするのよ!」

 

「ちなみに私たちから離れていても、ずっとその口調のままでいてね。フレームにマイクを付けているから、遊輝の喋っている事が全て分かるから」

 

「もし言わなかったら電流を流すからね!」

 

「分かっ・・・・・分かりました、レミ様、響様、奏様。では行って参ります」

 

レミたちに一礼した後、龍可の左手を優しく握る。

 

「じゃあ龍可お嬢様!楽しんで来てね!」

 

手を大きく振るレミたちを後ろにして、未だに顔が赤い龍可の左手を握り、俺たちの文化祭巡りが始まった。

 

 

遊輝 side out

 

龍可 side

 

 

レミさん!!響さん!!大きな声でお嬢様なんか言わないでよ!!

しかも今、遊輝と手を繋いでいるし!!

 

「お嬢様、先ずはどのお店に行かれますか?」

 

伊達眼鏡を掛けた遊輝が何処の店に行く?と聞かれた。それよりも・・・・・・・・・・

 

「ゆ、遊輝、その・・・・・お嬢様って呼ぶのを止めてくれない?」

 

お嬢様と呼ぶ度にみんながこっちに視線を向けるのが気になるけど・・・・・・

 

「響様に『これは絶対に守りなさい!』と申しつけられましたので、無理ですね」

 

そんな事を守らなくても良いのに・・・・・

 

『龍可ちゃん、せっかくの機会だから思いっきり甘えれば良いんだよ!』

 

「パール、でも・・・・・・・」

 

『マスターもそこまで根には持たないよ!だから楽しもうよ!』

 

・・・・・・・・・・・・・・・そうね。せっかくだし、思いっきり楽しまないと!

 

「じゃあ・・・・・・・あそこ!」

 

私が指を指した店は射撃の店。一回やってみたかったの!

 

「かしこまりました。ではこれが代金です」

 

そう言って、遊輝がゲームの参加料を手渡してきた。

 

「い、良いわよ!お金は私が払うわ!」

 

「いえ、お嬢様の代わりに代金を支払うのも執事の役目ですから」

 

私がお金を返そうとしたけど、遊輝は丁寧に断った。

『良いじゃない!今日はマスターのおごりよ!』

 

「パール様のおっしゃる通りでございます」

 

『うわっ・・・・・マスターが私に【様】を付けた・・・・・」

 

自分の精霊に【様】を付ける人なんて滅多にいないでしょうね・・・・・

私は店の人にお金を払い、おもちゃの銃とコルクを5つもらう。隣で遊輝が見守っている。まずは・・・・・・・・あのクリボンの人形かな、玉を詰めて、クリボンの人形に狙いを定め撃つ。玉はかすめるどころか大きく下に外れてしまう。その後、2発目・3発目・4発目と撃つもなかなかクリボンの人形に当たらない。

 

「お嬢様、目標より少し左上を狙ってみたらどうでしょうか?」

 

隣で遊輝がアドバイスをしてくれた。左上・・・・・・これが最後のチャンス!

 

「えいっ!」

 

目標よりも左上を狙った玉は右下に落ちていき、見事にクリボンの人形をヒットして落ちた。

 

「凄いね。あの人形、ちょっと大きいから落ちるとは思ってなかったよ。はい、景品のクリボンの人形だよ」

 

お店を切り盛りしてた女性の生徒から、クリボンの人形を貰ったよ。

 

「やった!!遊輝!ありがとう!!」

 

「いえいえ、お嬢様が喜んでくれるのであれば、私も嬉しい限りです」

 

・・・・・・今思ったけど、そんな急に敬語なんて使えるのかな?

 

 

この後、私たちは色んなお店を回った。輪投げや迷路・お化け屋敷(遊輝ってお化け苦手なんだ)に宝探しなど・・・・・・

そして、お昼を食べるためにメインステージの近くお店でこんなポスターを見たの。

 

「・・・デュエル大会?優勝者には海馬コーポレーションが新たに開発したレアカードと・・・・・・エクシーズモンスターを贈呈!?!?」

 

「おやっ?どうやら試作品が完成されたみたいですね」

 

「試作品ってどう言う事?」

 

「ダーク・シグナーとの戦いの後、私は治安維持局からの対象を外してもらう代わりに、エクシーズモンスターのデータを提供いたしました。私とお嬢様だけがエクシーズモンスターを持つ事は、不公平でありますからね」

 

「そうなんだ」

 

「お嬢様、せっかくの機会ですから出場してみてはどうでしょうか?」

 

「私が出ても大丈夫なの?私もエクシーズモンスターを持っているのよ」

 

「海馬コーポレーションがおっしゃるには、まだ試作の段階ですからお嬢様が貰われても大丈夫です」

 

「・・・・・・分かったわ!私出る!」

 

「かしこまりました。では、大会の参加登録をいたしますので少しお待ちください」

 

遊輝が大会本部に行って、私の代わりにエントリーをする。ここは・・・・・・

 

「みんな、大丈夫?」

 

『私はいつでも行けます』

 

『私も、龍可さんのために頑張らさせてもらいます』

 

『私も♪』

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

みんな大丈夫みたいね。

 

「エンシェント・フェアリー、今回はお休みしてくれる?」

 

『ええ、良いですよ。龍可が遊輝のデッキでの勝利を願います』

 

「ありがとう」

 

今回は遊輝のデッキを借りるわ!

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『さあ始まったデュエル大会!!優勝して海馬コーポレーションが開発した遊輝にしか持ってないエクシーズモンスターを手に取るのは一体誰だーーー!?』

 

『わあああ!!!!!』

 

MCの紹介に観客が湧き上がる。

遊輝はメインステージの近くで私を見ている。でも・・・・・

 

『まずは一回戦よ!デュエルの腕前は小等部ナンバー1!フォーチュン・カップベスト4の実力者!龍可!』

 

『わあああ!!!』

 

レミさんの紹介でステージに上がる。何でレミさんがMCを担当しているの?

 

『続いては高等部でも指折りの実力者!小等部相手に勝てるかな?斎藤 隆史!』

 

相手は高等部の人ね。でも負けない!

 

『さあ両者デスクをセットして!行くわよ!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

龍可 LP 4000 隆史 LP 4000

 

 

『先行は斎藤君から!』

 

「俺のターン!ドロー!」

 

斎藤 手札 6枚

 

「フィールド魔法、始皇帝の陵墓を発動!その効果により、LPを1000払い、ホルスの黒炎竜 Lv6をアドバンス召喚!」

 

斎藤 LP 4000→3000

ホルスの黒炎竜 Lv6 攻2300

 

「そして魔法カード、レベルアップ!ホルスの黒炎竜 Lv6を墓地に送り、デッキからホルスの黒炎竜 Lv8を特殊召喚する!カモン!ホルスの黒炎竜 Lv8!」

 

ホルスの黒炎竜が光の中に消えて、上空からさっきよりも巨大なホルスの黒炎竜が舞い降りた。

 

『おーーと、いきなりエースモンスターのホルスの黒炎竜の登場だ!これは龍可ちゃんには不利な状況か?』

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

斎藤 手札 2枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

ホルスの黒炎竜 Lv8 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

始皇帝の陵墓

伏せカード 1枚

 

 

「(ホルスの黒炎竜 Lv8・・・・・相手のデッキはさしずめお触れホルスですか。確かにお嬢様の本来のデッキなら勝てた可能性はあるでしょう。しかし、)」

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

「(今のお嬢様のデッキは魔法・罠カードに頼らずとも、ホルスに勝てます!)」

 

「聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

「せ、聖刻龍だと!?そのデッキは中等部のエクシーズ使いが使うデッキだろ!」

 

『おお〜と、ここで龍可ちゃんが出したのは遊輝の聖刻デッキの特攻隊長!トフェニドラゴンだ!』

 

「聖刻龍ートフェニドラゴンをリリースして聖刻龍ーネフテドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーネフテドラゴン 攻2000

 

「リリースされたトフェニドラゴンの効果発動!デッキ・手札・墓地からドラゴン族の通常モンスターを攻撃力と守備力を0にして特殊召喚する!エレキテルドラゴンをデッキから特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「さらに聖刻龍ーネフテドラゴンの効果発動!手札の聖刻龍ーシユウドラゴンをリリースして、ホルスの黒炎竜 Lv8を破壊!」

 

ネフテドラゴンがシユウドラゴンの霊を受け、ホルスに体当たりをして破壊する。

 

「お、俺のホルスが・・・・・」

 

「リリースされた聖刻龍ーシユウドラゴンの効果発動!デッキから2体目のエレキテルドラゴンを攻撃力と守備力を0にして特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

『ここで出たのは切り込み隊長!アトゥムス!このモンスターは1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除く事でデッキからドラゴン族モンスターを呼ぶ事が出来る!』

 

えっと、この状況で遊輝が出していたのは・・・・・・

 

「聖刻龍王ーアトゥムスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

攻/守 2800/2400→0/0

 

あとは・・・・・プラチナの出番ね!

 

「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地からこのカード以外のドラゴン族モンスターを特殊召喚する!宇宙に輝く銀河が今一つになる!光の力を受け、フィールドに舞い降りて!銀河眼の光子竜!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

 

上空に銀河が出来て、プラチナが舞い降りてきた。

 

『龍可さん、私を出してくれた事に感謝します』

 

「良いわよ。そんな事気にしなくて」

 

『出た!!聖刻デッキのエース!銀河眼の光子竜!!攻撃力3000は斎藤君のLPと同じだ!』

 

「バトル!銀河眼の光子竜でダイレクトアタック!えっと・・・・・・ギャラクシー・スターライト!」

 

プラチナの攻撃名が分からなかったから、銀河に関係する言葉を言ったら、プラチナが相手に突っ込んだ。

 

斎藤 LP 3000→0

 

 

WIN 龍可 LOS 斎藤

 

 

 

『決着!勝者!龍可ちゃん!!』

 

『わあああ!!!!』

 

観客の喝采を浴びて、私は遊輝の所に戻る。

 

「お嬢様、見事なデュエルです」

 

そう言って私の頭を撫でる。その突然に頭を撫でるのは止めて欲しいわ!!

 

「////あ、ありがとう!」

 

 

 

 

このままの勢いで私はどんどん勝ち進み、いよいよ決勝戦。相手は、

 

「やっぱり決勝の相手は龍可なんだね!」

 

龍亞だった。龍亞も高等部や中等部相手に圧勝して行き、決勝戦の舞台にこうして立っている。

 

「(お嬢様と龍亞様の双子対決ですか、見ものでございますね)」

 

「ええ、遊輝が見てる前で恥をかきたくないから勝つわよ!」

 

「今回は俺が勝つ!そしてエクシーズモンスターも貰うよ!」

 

『さあ!小等部ナンバー1とナンバー2のビックカード!優勝するのはどちらだ!?』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

龍可 LP 4000 龍亞 LP 4000

 

「私の先行!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

「(・・・・・・ダイヤ!)」

 

『(私は大丈夫です。いつでも行けますよ)』

 

そうね、ここは・・・・・

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

『はぁーーーー!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

いつも通りに鎖を回しながらダイヤが現れる。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍可 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「(ダイヤ・・・・・おそらく次のターンに確実にエクシーズモンスターを出してくる。でも、手札にダイヤを倒せるカードが1枚もない。ここは守りを固めないと、)D・ボードンを守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

龍亞 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

D・ボードン 守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 5枚

 

「召喚僧サモンプリーストを召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストの効果発動!手札のブラック・ホールを墓地に送り、デッキからオーロラ・ウィングを特殊召喚!」

 

オーロラ・ウィング 攻1200

 

サモンプリーストが呪文を唱えて、青い鳥がその中から現れた。

 

「行くよ!Lv4のガガガマジシャンとオーロラ・ウィング、サモンプリーストでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ヴェルズ・ウロボロス!」

 

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

 

「げっ!?ウロボロス!?」

 

「ヴェルズ・ウロボロスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、《フィールド上のカード1枚を手札に戻す》を選択!D・ボードンを手札に戻す!破壊神の咆哮!」

 

ヴェルズ・ウロボロス OVR 3→2

 

ヴェルズ・ウロボロスが轟きを上げ、それに怯えたボードンが手札に戻る。

 

『これで龍亞君のフィールドにモンスターはいない!』

 

「バトル!ヴェルズ・ウロボロスでダイレクトアタック!ダーク・ブレス!」

 

「うわっ!」

 

龍亞 LP 4000→1250

 

先制出来たわ!このまま押し切るよ!

 

「このままターンエンド!」

 

 

龍可 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「(スコープン!これで龍可に勝てる!)D・スコープンを召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンの効果発動!攻撃表示の時、1ターンに1度、手札のLv4の《D》と名のついたモンスターを特殊召喚できる!D・ラジカッセンを特殊召喚!」

 

D・ラジカッセン 攻1200

 

「Lv4のラジカッセンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

来たわね!龍亞のエース!

 

『出た!龍亞君のエースモンスター!パワー・ツール・ドラゴンだ!』

 

「パワー・ツールの効果!1ターンに1度、デッキからランダムに装備魔法を手札に加える!パワー・サーチ!」

 

龍亞のデッキがシャッフルされて、1枚のカードが飛び出る。龍亞はそのカードを手札に加え、もう一枚のカードをデスクにセットした。

 

「魔法カード、ワン・フォーワン!手札のモンスターを墓地に送る事で、デッキまたは手札からLv1のモンスター1体を特殊召喚する!D・ボードンを墓地に送って、チューナーモンスター、D・ライトンを特殊召喚!」

 

D・ライトン 攻200

 

ラ、ライトン!?それにパワー・ツールもいて、まさか!?

 

「行くぞ!Lv7のパワー・ツール・ドラゴンにLv1のライトンをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

「世界の未来を守るため、勇気と力をレボリューション!シンクロ召喚!進化せよ!ライフ・ストリーム・ドラゴン!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900

 

パワー・ツールが輪に入ると、赤き龍が現れてパワー・ツール・ドラゴンを吐き出して機械で覆われた甲羅が剥がれ落ち、ライフ・ストリーム・ドラゴンが現れた。

 

『な、何!?このモンスター見た事がない!?』

 

レミさんはアルカディア・ムーブメントの戦いの時にいなかったから分からないと思うわ。龍亞がシグナーの龍を出すのは私と遊輝とのデュエルだけだからね。

 

「ライフ・ストリーム・ドラゴンの効果!シンクロ召喚に成功した時、LP2000未満のプレイヤーのLPを2000にする!」

 

龍亞 LP 1250→2000

 

「リバースカードオープン!永続罠、リミット・リバース!墓地の攻撃力1000以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!スコープンをもう一度特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンの効果!手札からD・ステープランを特殊召喚する!」

 

D・ステープラン 攻1400

 

これでLvの合計は7!あのモンスターも出すの!?今日の龍亞のデッキの回転力はおかしいでしょ!

 

「Lv4のステープランにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界に希望の架け橋を架けるため、勇気と力をカスタマイズ!シンクロ召喚!機械竜 パワー・ツール!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300

 

ライフ・ストリームの隣に黒いパワー・ツールが現れる。

 

『私・・・・・MCを務めない方が良かったかな?』

 

レミさん、誰だってそんな時はあります。だから元気を出してください!

 

「装備魔法、巨大化を機械竜 パワー・ツールに装備!今の俺のLPは龍可よりも低いから攻撃力は倍になる!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300→4600

 

「機械竜パワー・ツールの効果!1ターンに1度、装備魔法を装備した時カードを1枚ドローする!装備特典(イクイップ・ボーナス)!」

 

龍亞 手札 2枚→3枚

 

「バトル!ライフ・ストリーム・ドラゴンでヴェルズ・ウロボロスに攻撃!ライフ・イズ・ビューティーホール!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

 

龍可 LP 4000→3850

 

「くうぅ!!!」

 

「これで俺の勝ちだ!機械竜 パワー・ツールでダイレクトアタック!重装解体(フルメタル・デモリション)!」

 

「まだ終わらないわよ!リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

龍可 手札 3枚→4枚

 

機械竜 パワー・ツールの攻撃の前に、バリアが貼られそこに攻撃する。

 

「(決められなかった・・・)カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 1枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900

機械竜 パワー・ツール 攻4600

【魔法・罠カード】

リミット・リバース (使用済み)

巨大化 (機械竜 パワー・ツール)

伏せカード 2枚

 

「(龍亞様のフィールドには、ライフ・ストリーム・ドラゴンと機械竜 パワー・ツールの2体が存在しており、その上で伏せカードが2枚。まさに万全の状態ですね。お嬢様はここからどう挽回いたしますか?)」

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 5枚

 

・・・・・龍亞の事だから恐らく伏せカードの1枚はこっちの動きを妨害するカード。ならば・・・・・

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からガガガマジシャンを特殊召喚する!」

 

「させないよ!リバースカードオープン!魔宮の賄賂!死者蘇生の発動を無効にして破壊する!その後、相手は1枚ドローするけどこれで逆転の可能性はほぼ無くなった!」

 

「呼んでいたよ!魔宮の賄賂が伏せている事は!魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから2体目のガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「(呼まれていた!?でも、もう一枚は《重力解除》!ホワイトのようなモンスターを出しても、攻撃は止める事が出来る!)」

 

そしてもう一枚は攻撃阻止のカードね!

 

「ガガガガールを召喚!」

 

『は〜い♪』

 

ガガガガール 攻1000

 

携帯電話の番号を押しながらパールが現れた。

 

「2人とも、行けるかしら?」

 

『大丈夫です』

 

『ホワイトちゃんも行けるって言っているよ!』

 

「ありがとう。ガガガマジシャンの効果発動!エンドフェイズまで、Lvを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「ガガガガールの効果発動!フィールドのガガガマジシャンを選択して、同じLvにする!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「Lv6になったガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!聖なる太陽の光!今交わりて永久の輝きを放つ!エクシーズ召喚!輝いて!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラック・ホールから光の太陽がフィールドに現れて、ホワイトが姿を現した。

 

『龍可ちゃんも負けじとエースのホワイト・サン・ドラゴンを出した!』

 

「エクシーズ素材になったガガガガールの効果発動!ライフ・ストリーム・ドラゴンの攻撃力を0にする!ゼロゼロコール!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900→0

 

ホワイトの頭の上にパールが出て来て、ライフ・ストリーム・ドラゴンの攻撃力を0にした。

 

「(プレイミス?何で機械竜 パワー・ツールを選択しなかったんだ?)」

 

「龍亞、不思議に思っている?何でライフ・ストリームを選択したのか」

 

「(呼まれた!?)」

 

龍可に心を呼まれ、内心凄く動揺する龍亞。

 

「それはね・・・・・・私の勝ちだからだよ!RUMーバリアンズ・フォース!」

 

「(RUM!?あれって遊輝が倉庫のデュエルで使ったエクシーズモンスターをランクアップさせるカード!)」

 

倉庫のデュエルの後、遊輝は龍亞と龍可にだけRUMの事を話したため、龍亞はこのカードの事も、そしてこれから龍可が呼ぶモンスターも分かる。

 

「ホワイト・サン・ドラゴンをエクシーズ素材としてオーバーレイ・ネットワークを再構築!聖なる太陽の光!混沌の力を授かり、世界に未来への光を!カオス・エクシーズチェンジ!最高神!CXホワイト・ゴッド・ドラゴン!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン 攻3000

 

ホワイト・サン・ドラゴンが太陽に戻りブラックホールに吸い込まられて、強い光が放たれる。姿を現したのは、倉庫で見た、ホワイトの新たな姿だ。ホワイトが進化した事に観客はどよめきが起こる。

 

『来たああ!!!ホワイトの進化!ホワイト・ゴッド・ドラゴン!その強さはまさに神!これは龍可ちゃんが有利な展開になった!!』

 

「ホワイト・ゴッド・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、カオス・オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて相手フィールドの表側表示モンスターを全て破壊する!スピリチュアル・ゴッドフレア!」

 

ホワイトが真上に太陽と大きな氷の塊を作り、龍亞のモンスターに向かって振り落とす。先に氷の塊を受け弱ったライフ・ストリームと機械竜 パワー・ツールに太陽が落ちて2体とも破壊させる。

 

「くっ!(しかもホワイト・ゴッドは魔法・罠カードが効かない!これじゃ重力解除を発動しても意味がない!)」

 

「バトル!ホワイト・ゴッド・ドラゴンでダイレクトアタック!サンシャイン・ミリオンズスピアー!」

 

ホワイトが上空に太陽をもう一度作り、矢のような光を無数に龍亞に放たれる。

 

「う、うわあああぁぁぁ!!!」

 

 

龍亞 LP 2000→0

 

WIN 龍可 LOS 龍亞

 

 

 

 

 

 

『決着!!激闘を制して優勝したのは龍可ちゃん!!!』

 

『わああぁぁぁ!!!』

 

デュエルが終わると、観客から感性と拍手が巻き起こる。

 

『では、優勝した龍可ちゃんに優勝商品のエクシーズモンスターとレアカードを贈呈します!』

 

レミさんが私に近寄り、2枚のカードを渡してくれた。1枚は黒い縁のモンスターカード、もう1枚は・・・・・・ライトロード!しかも物凄く強い!!

 

『それではこれにてデュエル大会を終わります!』

 

レミさんの終了宣言で、 私は遊輝の所に行く。

 

「お嬢様、優勝おめでとうございます」

 

遊輝が頭を下げて、私を迎えてくれた。

 

「ありがとう・・・ととと」

 

階段でバランスを崩して少し倒れてしまう。

 

「大丈夫ですか?」

 

「え、えぇ、少し疲れただけだから」

 

「無茶は駄目ですよ。そのままで待っていてください」

 

そう言って、遊輝が私の所に近寄り、少し背を屈め次の瞬間・・・・・・

 

「よっ」

 

「えっ・・・・・・・・・」

 

『おお〜〜〜〜』

 

遊輝が私を抱いてくれた。しかもお姫様抱っこで・・・・・・・!?!?

 

「//////ゆ、遊輝!!何をしているの!!!!」

 

「お嬢様を抱いておられますが」

 

「////////そ、そうじゃなくて!何でお姫様抱っこなの!?」

 

「レミ様と響様が『お嬢様を抱く時は、このように』と申しつけられましたので」

 

レミさん!響さん!何て事を遊輝に言ったの!!しかも観客が帰る前だから、みんながこっちを見ているし!!でも・・・・・・・・・ちょっと嬉しい//

 

「では、戻りましょうか」

 

「//////お、お願い」

 

私は手を遊輝の首に回して、メインステージを出て行った。

 

 

【一方その頃、これを見た奏たちは・・・・・・】

 

「ほ、ほんとにしたよ・・・・・・」

 

「冗談半分で言ったつもりなのに・・・・・・」

 

「よっぽどあの電撃を喰らいたくないんだな」

 

「あれを作ったのはスバルでしょう!」

 

「俺はフレームと電気を貯める所までしか作ってないぞ」

 

「その後、レミが遊星さんに渡す所を見たよ」

 

こんな会話をしてました・・・・・・

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

その後、再び文化祭巡りをした。

でも大会前と違う事は、移動中ずっと遊輝がお姫様抱っこをしてくれた。周りからの視線が凄かったけど。これが遊輝ではなかったら「降ろして!」と言ったと思う。でも、遊輝が優しく抱いてくれたから、嬉しい気持ちでいっぱいだった。やっぱり私、遊輝の事が好きなんだね・・・・・優しくデュエルを教えてくれたり、一緒に料理をしたり・・・・・これからもこんな日々が送れたら良いな・・・・・。

 

「お嬢様、そろそろ文化祭が終わりますが、どういたしましょうか?」

 

遊輝が時計のある場所を見て、私に教えてくれた。

 

「じゃあレミさん達の場所までお願い」

 

「かしこまりました」

 

遊輝が私に一礼をして前に進む。

 

「遊輝」

 

「何でありましょうか、お嬢様」

 

遊輝が私の顔を見る。

 

「今日一日ありがとう!」

 

とびっきりの笑顔で遊輝にお礼を言う。

 

「どういたしまして」

 

遊輝も笑顔で返してくれた。




遊輝「無事に文化祭が終わりましたね、お嬢様」←伊達眼鏡を掛けている。

龍可「ゆ、遊輝。もう終わったから・・・・・」

スバル「もしかして、伊達眼鏡を取らないとずっとそのままなのか?」

遊輝「さようでございます、スバル様」

龍亞「そんなに痛いの?」←伊達眼鏡に触ろうとする。

レミ「龍亞君ダメ!!」

龍亞「いったーーーーーーーー!!!!」

響「ゴム手袋で取らないと!」←伊達眼鏡を外す

遊輝「・・・・・やっと終わったーーーーーー!!!」

奏「元に戻った・・・・・」

龍可「変な癖が付いちゃったわね・・・・・」

響「遊輝、文化祭の後片付け手伝って!」←伊達眼鏡を掛ける

遊輝「・・・・・かしこまりました、響様」←部屋を出て行く。

レミ「・・・・・ま、まあいっか。はい龍可ちゃん、龍亞君」

龍亞「同じ伊達眼鏡!?」

レミ「まだ大丈夫だよ。設定すれば、流れるから」

龍可「一応、貰っておきましょう・・・・・」

レミ「さて、次回はDホイール講習会だわ!」

スバル「やっとDホイールに乗れるぜ!」

奏「特別講師も楽しみね!」

龍亞「タイトルは【Dホイール講習会】、デュエルもあるからね」

レミ「次回もよろしくね!」


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第40話 Dホイール講習会

最強カードの紹介!

スバル「よお!俺は遊城スバル!宜しくな!」

初登場、スバルだよ。

スバル「作者、今回タイトル被っているよな?」

そうだよ。次回予告した後に被っていることに気付いたんだよ。

スバル「じゃあ何でそのままなんだよ?」

他に良いタイトルが思い浮かばないから。

スバル「・・・・・・もうちょっと粘ろうぜ」

最強カードの紹介に行くよ!

スバル「今回はジャンク・ガードナー!☆6のシンクロモンスターだ!」

素材はジャンク・シンクロン限定だが、一度フィールドに出せば、かなり厄介なカードだよ。

スバル「1ターンに1度、相手モンスターの表示形式を変えられるぞ!相手ターンでも使えるから、攻撃を一度は防げる!」

また、破壊された時にも表示形式を変えれる。攻撃力が高いモンスターは守備表示、逆に攻撃力が低いモンスターは攻撃表示にしてどんどんバトルして行こう!

スバル「第40話、ライディングデュエル!アクセラレーション!!」


遊輝 side

 

文化祭から数週間後・・・・・・

3日前からある知らせが校内に行き渡ってからアカデミア、特に中等部と高等部では騒がしくなっている。それは・・・・・

 

「Dホイール講習会か〜」

 

「私たちもDホイールに乗れるわね!」

 

「親の許可も取れたから、楽しみだな〜」

 

スバルとレミ、響が嬉しそうな顔で話している。そう、数週間前に校長室で聞いたDホイール講習会がいよいよ始まるのだ。

案の定、レミやスバルたちも参加してDホイールのライセンスを取るために張り切っている。

 

「じゃあ今日の授業はここまでよ」

 

『は〜い』

 

「遊輝君、直ぐに校長室に行ってくれるかしら?」

 

「分かりました」

 

先生に言われ、教室を出て校長室に行く。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「失礼しま〜す」

 

「おお〜遊輝君、こっちに来てくれ」

 

中で校長先生が待っていて、ソファに案内してくれる。俺はソファに座る。

 

「いよいよ今日から講習会が始まります。たくさんの生徒がこれを機会にDホイールに興味を持ってくれる事を期待してます」

 

「任せてください。ところで特別講師は?」

 

「もうすぐ来ますよ」

 

校長先生の言葉と同時に入り口の扉が開いた。どうやら講師が来たみたい・・・・・えっ!?

 

「ゆ、遊星!」

 

「遊輝!お前何でここに・・・・・」

 

「それはこっちも・・・・・」

 

「ほほ、驚きましたか?フォーチュン・カップの優勝者ほど、Dホイールに詳しく、生徒に人気が高い人はなかなかいませんからね。ですから遊輝君、あなたに頼みました。フォーチュン・カップ準優勝者のあなたが遊星君と仲が良いと聞きましたので」

 

そう言う事だったんだ・・・・・

 

「では遊星君、うちの生徒たちをよろしくお願いします」

 

「はい」

 

「あと・・・・・・・

 

遊輝 side out

 

 

スバル side

 

俺たちはアカデミアが特別に作ったレーンの端で先生が来るのを待っている。周りには講習会を受けるたくさんの生徒がいる。とうとうDホイールに乗れるぜ!

 

「遊輝はどうしたんだろ?」

 

「さあね。でも私たちは今から講習会だから探せないし」

 

「あとで探そうぜ!それより先生が来たみたいだぞ!」

 

奥のDホイールのガレージから2台のDホイールが出て来て、歓声が上がる。そして俺たちの前に止まり、Dホイールから降りる。・・・・・ってあれ!?

 

「お、おい」

 

「うそ・・・・・」

 

「本日からアカデミアのDホイールの講師を担当する不動遊星」

 

「その助手の遠藤遊輝です。よろしくお願いします」

 

「お、おいマジかよ・・・・・」

 

「フォーチュン・カップ優勝者の不動遊星が担当してくれるなんて!」

 

周りが不動遊星だと言う事に大きくざわつく。あの校長も太っ腹だな。先生に不動遊星を頼むなんて。

 

「まずはDホイールの仕組みについて話そう。遊輝」

 

「OK。みんな、俺のDホイールの近くまで来て」

 

遊輝が生徒を自分のDホイールの近くまで移動させる。そして遊星が遊輝のDホイールを例に講義が始まる。

 

「先生〜、先生のDホイールと遊輝のDホイールは何が違うのですか?」

 

「基本的に変わらないが、俺のDホイールはハイブリッド式といい、デュエルデスクを切り離す事が出来る」

 

「へぇ〜」

 

「次は実際に乗ってみようか。まずは遊輝」

 

「は〜い、ラップタイムは?」

 

「1分半で行けるか?」

 

「大丈夫だと思う」

 

遊輝がDホイールに乗りスタートラインまで移動する。シグナルが青になるのと同時にアクセルを踏み込んだのか物凄い勢いで走っていく。

 

「は、はぇ〜・・・・・」

 

「あっという間に見えなくなっていった・・・・・」

 

俺たちが見とれている間にコースを1周させてスタートラインに戻ってくる。

 

「遊星、タイムは?」

 

「1分14秒だ。大分スピードを出せるようになったな」

 

「練習してきたからな。それよりみんなに説明しないと」

 

「そうだな。では今から四人一組でDホイールの実践練習を始めよう。Dホイールはアカデミアから8台だけ支給してくれたから順番を守って乗ってくれ」

 

俺たち4人が一つのグループとなって、遊輝の所に行く。

 

「よお遊輝!」

 

「次はスバルたちか」

 

「まさか遊輝が講習会に参加してるなんて思わなかったよ!」

 

「校長に頼まれたからね。じゃあ乗って」

 

俺たちはそれぞれDホイールに乗る。色は俺が赤、レミが緑で響が青そして奏が黄だ。

 

「スバルから順番に走っていって。最初は慣れるつもりでいいからゆっくり走るんだぞ」

 

遊輝がみんなのDホイールを確認した後に手を挙げ、俺を先頭にしてコースを走る。すげー気持ちいい!まだスピードを出してないのにこんなに楽しいなんてこれから楽しみだぜ!

 

 

スバル side out

 

 

遊輝 side

 

 

講習会3日目・・・・・

今日は教室を借りてライディングデュエルの講習。昨日までにDホイールの基礎や運転する時の注意にスピードを出すコツをみんなに教えたから、今日からライディングデュエルについて学んでもらう。この二日間でSPの事も教えなきゃいけないのだが・・・・・

 

「先生〜、せっかくだから遊輝とデュエルしてください」

 

「えっ?」

 

響が立ち上がり、俺と遊星のデュエルを提案してきた。

 

「こうやって教えてもらうよりも実践でやってくれる方が覚えやすいので」

 

「フォーチュン・カップ優勝者と準優勝者のライディングデュエルか!」

 

「こんなの滅多に見られないぞ!」

 

なんか教室が俺と遊星がデュエルする事に賛同している。仕方ないか・・・・・

 

「遊星、やるか?」

 

「しかしお前デッキが・・・・・」

 

「それはお互い様でしょ」

 

俺と遊星は校長先生に「生徒とのライディングデュエルの時に本気を出さないでくれ」と言われたから、お互いにある事をして、デッキがいつもと違う。遊星はそれを心配したみたいだけど、なんかデュエルをやらないと収まりそうにないからな。

 

「・・・・・・良いぜ、お前とは久しぶりのデュエルだからな」

 

「じゃあみんな、コースの観客席で待っていて。今から準備をしてくる」

 

先にみんなをコースまで行かせて、俺と遊星はピットに入り、デュエルの準備をする。お互いにDホイールの簡単な整備を終わらせ、ヘルメットを被りスタートラインまで移動する。

 

「まさかこんな事で遊星と再戦するとはな」

 

「俺も思わなかった。だがデュエルはデュエル。勝ちに行く!」

 

「それは俺も一緒だ!フォーチュン・カップのリベンジ、この場でさしてもらう!」

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド2!セットオン!」」

 

Dホイールの画面にカードが映り、コース周辺が少し暗くなる。

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

遊輝 LP 4000 遊星 LP 4000

 

 

遊輝 side out

 

 

響 side

 

ラッキー!授業を受けずに済んだよ!

 

「響、あなたね・・・・・」

 

「良いじゃない奏!俺は遊輝と遊星のデュエルを見て見たかったから!」

 

奏が授業を止めた事に呆れられたけど、スバルが私をフォローしてくれた。授業なんか聞くより、こうやって身近で見る事が一番だよ!

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

遊輝と遊星が一気に飛び出し最初のコーナーを目掛けて飛ばしていく。最初に曲がったのは・・・・・遊輝だ!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

遊輝 SPC 0→1

遊星 SPC 0→1

 

 

「ジャンク・フォワードを特殊召喚!」

 

ジャンク・フォワード 攻900

「ジャ、ジャンク・フォワード!?レミ!遊輝、ジャンク・フォワードなんか入れていたの!?」

 

「私聞いた事がない!それに遊輝はLv4のモンスターを中心にデッキを組んでいるのよ!」

 

「このカードは自分フィールド上にモンスターが存在しない時、手札から特殊召喚できる!続いてチューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロン!?あんなカード遊輝のデッキにはないよ!」

 

「じゃあ誰のデッキだよ!」

 

「Lv3のジャンク・フォワードにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「鉄壁の守護者よ!最強の盾を構え、戦場の難き兵となれ!シンクロ召喚!ジャンク・ガードナー!」

 

ジャンク・ガードナー 守2600

 

緑色の身体をしたモンスターが遊輝のDホイールの横に現れて一緒に走る。

 

「ジャンク・ガードナー・・・・・もしかして遊星さんのデッキだったりして」

 

「まさか!そんな筈がないでしょ!」

 

「でも可能性はあるわね・・・・・」

 

遊輝がシンクロモンスターとして入れているのはブラックのみだけど、本当にデッキを入れ替えたりして・・・・・

 

「カードを2枚伏せターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

ジャンク・ガードナー 守2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

遊輝と遊星さんがコーナーを曲がり、遊星さんのターンが始まる。

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

遊輝 SPC 1→2

遊星 SPC 1→2

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、デッキからカードを2枚ドローし、1枚を墓地に送る!ガガガマジシャンを召喚!」

 

「「「「ガガガマジシャン!?!?」」」」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

遊星さんのDホイールの隣に、ガガガマジシャンが現れた。そしてこっちに気づき、一礼した。あのガガガマジシャンって・・・・・・

 

「あれダイヤだよな!?」

 

「何で遊星さんがダイヤを持っているの!?」

 

「もしかしてあの二人本当にデッキを交換して、デュエルしているの!?」

 

「そしてガガガキッドを特殊召喚!」

 

ガガガキッド 攻800

 

ダイヤの隣に子供のような魔法使いが現れた。

 

「ガガガキッドはこのカード以外の《ガガガ》と名のついたがモンスターが存在する事で手札から特殊召喚できる!さらにこの方法で特殊召喚した時、《ガガガ》と名のついたモンスターを選択して同じLvにする!ガガガマジシャンを選択してLvを4にする!」

 

ガガガキッド ☆2→☆4

 

「Lv4のガガガマジシャンとガガガキッドをオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,39 希望皇ホープ!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

 

二人が走っているコースの中央でダイヤと子供のような魔法使いが吸い込まられて、肩に『39』と刻まれたモンスターがブラックホールから飛び出した。

 

「遊星さんがエクシーズ召喚!?」

 

「すげええ!遊輝がシンクロ召喚で遊星がエクシーズ召喚を使ってデュエルをするのか!」

 

「これは・・・・・予想外だわ」

 

誰も遊星さんがエクシーズモンスターを使うなんて予想しないよ!

でも・・・・・・・面白そう!

 

「ガガガキッドの効果を使ったターン、攻撃できない!カードを1枚伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 3枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

No,39 希望皇ホープ 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

響 side out

 

 

遊輝 side

 

 

 

遊星のデッキを借りて最初に戦う相手が遊星とはね・・・・・

もう分かったと思うけど、俺と遊星がした事は『互いのデッキを講義中の間変える事』、普段はエクシーズ召喚を使う俺と、シンクロ召喚を使う遊星がテーマの違うデッキを変えて生徒とのレベルを同じにしようとしたのだ。もちろん、お互いに簡単な回し方は教えているよ。何にも知らないで回すのはちょっと難しいからね。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 2→3

遊星 SPC 2→3

 

・・・・・・遊星相手にあれを出せか、面白い!

 

「リバースカードオープン!永続罠、リミット・リバース!墓地から攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚する!ジャンク・フォワードを特殊召喚!」

 

ジャンク・フォワード 攻900

 

「ジャンク・フォワードをリリースして、サルベージ・ウォリアーをアドバンス召喚!」

 

サルベージ・ウォリアー 攻1900

 

ジャンク・フォワードが消えて、身体が大きい水色のモンスターが現れた。

 

「サルベージ・ウォリアーの効果!アドバンス召喚に成功した時、手札もしくは墓地からチューナーモンスターを特殊召喚できる!墓地からジャンク・シンクロンを特殊召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「Lv5のサルベージ・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「夜空に輝く星屑よ。今集いし、白銀の翼で世界を包み込め!シンクロ召喚!舞い降りよ!スターダスト・ドラゴン!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

上空に星屑が集まりスターダストが現れ、遊星ではなく俺のフィールドに降りてくる。

 

「スターダスト・・・・・・」

 

スターダストと対峙するのは二度目なのかな?ジャンク・デストロイヤーという手もあったけど、真正面から遊星とやりあいたいからね!

 

「ジャンク・ガードナーの効果!相手フィールドのモンスター1体の表示形式を変更する!ホープを守備表示に変更!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500→守2000

 

「スターダスト・ドラゴンでホープに攻撃!シューティングソニック!」

 

「ホープの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、スターダストの攻撃を無効にする!ムーン・バリア!」

 

No,39 希望皇ホープ OVR 2→1

 

スターダストがホープに攻撃するが、ホープが両肩から翼見たいなバリアを出して、攻撃を無効にする。

まあ、そう来るよな。かと言って、そのままにする訳もいかないし。

 

「ターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

ジャンク・ガードナー 守2600

スターダスト・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

リミット・リバース (使用済み)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 4枚

 

遊輝 SPC 3→4

遊星 SPC 3→4

 

「(遊輝がその気ならこっちもあれを出す!)ホープをリリース!」

 

「ホープをリリースだと!?」

 

「ドドドバスターをアドバンス召喚!」

 

ドドドバスター 攻1900

 

守備表示状態のホープが吸い込まられて、棘のついた鉄の玉を持つ戦士が現れた。

 

「ドドドバスターがアドバンス召喚に成功した時、墓地から《ドドド》と名のついたモンスター1体を守備表示で特殊召喚できる!」

 

「遊星の墓地に・・・・!そうかエンジェル・バトンの時!」

 

「そうだ!ドドドウォリアーを特殊召喚!」

 

ドドドウォリアー 守900

 

Lv6が2体・・・・・あいつの出番か!

 

「今度はこっちの番だ!Lv6のドドドバスターとドドドウォリアーをオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!集いし願いが、光の太陽を呼び覚ます。光差す道となれ!エクシーズ召喚!煌めけ!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

遊星のフィールドに白い太陽がブラックホールから出てきてホワイトが姿を表した。やるな遊星、こんな方法でホワイトを出してくるとは。

 

「さらにSPーサモン・スピーダー!SPCが4つ以上ある時、手札からLv4以下のモンスターを特殊召喚する!召喚僧 サモンプリーストを特殊召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 攻800

 

遊星のDホイールの隣で竜巻が起き、サモンプリーストが現れた。

 

「サモンプリーストの効果!手札のSPを墓地に送り、チューナーモンスター、<霞の谷:ミスト・バレー>の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

「嘘だろ!?あいつも出るのかよ!」

 

「Lv4のサモンプリーストにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「集いし願いが、漆黒の太陽を生み出す。光差す道となれ!シンクロ召喚!煌めけ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

ホワイトの隣に黒い太陽が空から出てきて、ブラックが現れた。うわ〜、普段自分がしてる事だけど、相手にしてみたら結構大変だな。

 

「ブラックは特殊召喚した時、墓地のエクシーズモンスター1体を選択してこのカードに装備する!ホープを装備!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3500

 

「リバースカードオープン!強制脱出装置!ジャンク・ガードナーをエクストラデッキに戻してもらう」

 

「げっ!?守りの要が!ならチェーンでジャンク・ガードナーの効果!ブラックの表示形式を変える!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500→2100

 

ジャンク・ガードナーが何処からか現れた機械に入れられ、打ち上げられた。

 

「ホワイトの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き」

 

「させねえぞ!手札のエフェクト・ヴェーラーの効果!手札からこのカードを捨てて、このターンのホワイトの効果を無効にする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

エフェクト・ヴェーラーがホワイトにキスをして、ホワイトは照れてしまい効果が使えなくなる。

・・・・・ホワイトって女の子だよな?同性からのキスで照れるのか?

 

「やるな。ターン・エンド」

 

 

遊星 手札 0枚 LP 4000 SPC 4

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

ブラック・サン・ドラゴン 守2100

【魔法・罠ゾーン】

No,39 希望王ホープ 《ブラック》

 

 

危ねえ〜、なんとかホワイトのダイレクトアタックを阻止できたよ。あれを防ぐカードじゃないからね、このリバースカード。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚

遊輝 SPC 4→5

遊星 SPC 4→5

 

う〜ん、攻撃力的にはブラックを破壊したいんだけど、ホワイトの効果を無視出来ないからな。それにブラックは破壊を免れる効果があるし・・・・・

 

「バトル!スターダストでホワイトに攻撃!シューティングソニック!」

 

スターダストが力を溜めてホワイトに攻撃を放つ。ホワイトは太陽を作り対抗するが、押されて破壊されてしまう。

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

遊星 LP 4000→3900

 

「ぐっ!」

 

攻撃を受けた遊星のDホイールが衝撃に耐えきれず、スピードが落ちる。

ごめんなホワイト。後で好物のグラタンを作ってやるよ。

 

「カードをもう1枚伏せて、これでターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 4000 SPC 5

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

リミット・リバース (使用済み)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 1枚

 

遊星 SPC 5→6

遊輝 SPC 5→6

 

「ブラックを攻撃表示にしてバトル!ブラックでスターダストに攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

今度はブラックが黒い閃光をスターダストに向かい放たれる。

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

遊輝 LP 4000→3000

 

「おわっ!」

 

スターダストの破壊された余波が襲ってきて、バランスを崩してしまい遊星に並ばれてしまう。

 

「さっきのターンのお返しだな」

 

「やっぱり破壊した代償は高いか」

 

「これが双子の強さだな。1枚伏せターン・」

 

「その前に永続罠、ウィキッド・リボーンを発動!LPを800払い、墓地からシンクロモンスターを効果を無効化にして特殊召喚する!舞い降りよ!スターダスト・ドラゴン!」

 

遊輝 LP 3000→2200

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

再び星屑が一つになって、スターダスト・ドラゴンがフィールドに舞い降りる。

 

「そう簡単にはフィールドから離れないよ。エースなんでしょ?」

 

「そうこなくちゃな。ターン・エンド」

 

 

遊星 手札 0枚 LP 3900 SPC 6

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

No,39 希望王ホープ 《ブラック》

 

 

 

コーナーを曲がり、再びスタートラインを越す。

さてと、フィールドはスターダスト。手札はSPだけど、この状況には無意味。このドローで決まるな。デッキに手をかざす。

 

「俺のターン!!!ドロー!!!」

 

遊輝 手札 2枚

遊輝 SPC 6→7

遊星 SPC 6→7

 

・・・・・・・・・・来た!

 

「SPーハイスピード・クラッシュ!SPCが2つ以上ある時、自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する!俺のフィールドのリミット・リバースと装備カードのホープを破壊!」

 

Dホイールからエネルギー波が撃たれ、伏せカードとブラックに装備されたホープが破壊される。

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500→1000

 

「そしてSPースピード・エナジー!エンドフェイズまで、スターダストの攻撃力はSPCの数×200ポイントアップする!今の俺のSPCは7!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→3900

 

「ブラックの攻撃力を大幅に超えてきただと!?」

 

「一番使っている本人がそのカードの弱点を知っているからね!これが俺の全力だ!スターダストでブラックに攻撃!シューティングソニック!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻3900

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

遊星 LP 3900→1000

 

スターダストの攻撃を受けたブラックは破壊される。けど・・・・・・太陽は永久に不滅だ!

 

「・・・・・太陽は不滅にあるもの。ブラック・サン・ドラゴンの効果発動!このカードが破壊されて墓地に送られた時、墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚して、このカードをオーバーレイ・ユニットとして下に重ねる!漆黒の太陽から純白の太陽に昇れ!煌めけ!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

破壊されるブラックが太陽に戻り、上空に登る。そして黒い閃光が白い閃光に変わり、ホワイトが太陽から変形して現れた。これがブラックとホワイトの隠された最後の効果。太陽は沈んでも、再び昇ってくる。そんな効果だ。そして俺の伏せカードはブラフのギブ&テイク。もうホワイトの効果も攻撃も防ぐカードがない。つまり・・・・・・・

 

「ターンエンド!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻3900→2500

 

 

遊輝 手札 0枚 LP 2200 SPC 7

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚 (ギブ&テイク)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 1枚

 

遊星 SPC 7→8

遊輝 SPC 7→8

 

俺の負け・・・・・

 

「ホワイトの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、このターン、ダイレクトアタックができる!バトル!ホワイトでダイレクトアタック!サンシャイン・パティズム!」

 

遊輝 LP 2200→0

 

WIN 遊星 LOS 遊輝

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お互いにDホイールを止めて、歩み寄る。

 

「やっぱ遊星は凄いや。たった二日間であのデッキを使いこなせるんだから」

 

「遊輝も良かったぞ。普段とは違う新鮮なデュエルだったな」

 

「それとさ、最初のスタートの時、手を抜いたよね?」

 

コーナーに差し掛かった時に遊星のDホイールが少しスピードを落として明らかに俺に譲っていたからね。

 

「お前のテクニックを確かめたかっただけさ。まだまだ練習は必要だな」

 

「精進してます。それじゃ待たせるわけもいかないから、戻ろう」

 

「ああ」

 

俺たちはDホイールを押しながら、ピットに戻った。

もちろんこの後、デュエルで先延ばしになった講義は延長してやったよ。それと、デュエルで講義を終わらせようとした響には、特別課題としてレポート30枚の提出も言っておいた。講義を先延ばしにした罰だね。

 




遊星「今回のデュエル、何故こうなった?」

遊輝「作者が『やってみたら面白そう!』と言って執筆したらしいよ」

遊星「スターダストとホワイト達も入れ替えたのはその為か?」

遊輝「それもあるだろうだけど、『遊星のデッキで☆6を揃えるのは難しい!』だって」

遊星「俺のデッキはシンクロ召喚を特化にしてるから、Lvを揃えることは無いしな」

遊輝「これが好評だったら、別の誰かでもう一度やるって」

遊星「そうか。それで次回は?」

遊輝「タイトルが【奏VS龍可 全知全能神 降臨!】」

遊星「奏と龍可か・・・・・何でこの2人がデュエルをするんだ?」

遊輝「さあ?」

遊星「まあいい、次回もよろしく」


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第41話 奏VS龍可 全知全能神 降臨!

最強カードの紹介!

響「いえーー!小野寺響だよ!」

初登場、響だよ。

響「今回は・・・・・・・酷いわね」

自分で作ったオリカで最凶に悪いカードだよ。今後これ以上のカードはないと思う。

響「作るのやめて欲しいわね・・・・・」

最強カードの紹介に行こう!

響「今回は天罰!カウンター罠の1枚だね」

手札のカードを1枚切って、効果モンスターの効果の発動を無効にして破壊できるよ。
同じような効果の《透破抜き》と使いわけていこう!

響「第41話、スタート!」




【・・・・と、最初作った時は思ったけどこのカード、そこまで強くないね。】


龍可 side

 

今日は休日、私たちはそれぞれの過ごし方をしている。

龍亞は友達の天兵と遊びに、私は家で本を読んでいるわ。遊輝は朝早くから近くの市場に行って、今日の夕飯の材料を買って料理をしている。

 

遊輝の料理への情熱は凄いよ。この世界に遊輝が来て最初にパソコンで調べた事は近くに市場があるかどうかだわ。「市場の方が新鮮な野菜や魚を安く手に入れるから良いよ」って言っているけど、朝の4時から市場に行って買い物する必要があるのかしら?

 

プルプル♪

 

電話?誰からかしら?

 

「もしもし」

 

「もしもし龍可ちゃん」

 

「奏さん?」

 

電話の相手は奏さん。一体何の用かしら?

 

「悪いけど遊輝に変わってくれる?」

 

「えっ?分かりました。遊輝!」

 

台所で料理をしていた遊輝を呼びにいく。

 

「どうしたの?」

 

「奏さんから電話よ」

 

「えっ・・・・・あっ!?」

 

遊輝が何かを思い出したみたいで、電話に向かい走っていく。

 

「もしもし奏!・・・・・・・ごめん!忘れてた!・・・・・うんうん、分かった!」

 

遊輝が電話を切り、部屋に戻る。

何の話をしていたのかしら?

 

「ごめん!ちょっと出かけてくる!」

 

Dホイールのヘルメットを持って遊輝が部屋から出てきた。

 

「何処に行くの?」

 

「奏の家!」

 

「えっ!?奏さんの家!」

 

私の言葉を聞かずに遊輝はDホイールを押して何処かに行ってしまった。

奏さんの家・・・・・・・Dホイール・・・・・・・まさか!

 

「二人で・・・・・・・ドライブ!?」

 

奏さんの家までここからそんなに距離がないから、Dホイールで行く必要がない。まさか・・・・・・本当に・・・・・・

 

「たっだいま〜」

 

「龍亞!ついて来て!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと待ってよ!」

 

家に帰ってきたばかりの龍亞の襟を掴み、私たちも家から出る。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

 

「へぇ〜、遊輝がね」

 

龍亞に事情を話して、奏さんのお店の前の近くで遊輝と奏さんをこっそりと見ている。

 

「これは面白いね!恋の三角関係なんか特に!」

 

「龍亞!!」

 

「ごめんごめん。でも、もう遊輝も奏さんもDホイールでデートをしているのじゃないの?」

 

「そんな事ない!絶対にそんな事はない!」

 

でも・・・・・本当に龍亞の言う通り・・・・・

 

「あれっ?遊輝?」

 

「えっ!」

 

龍亞が奏さんのお店の前に止まる遊輝の姿を目撃した。Dホイールの後ろにはダンボール箱が積んでいる。

 

「よいしょっ。ごめんくださ〜い」

 

ダンボール箱を抱え込み、遊輝がお店の中に入っていった。

 

「あれは何が入っているのかしら?」

 

「中の様子を見てみる?」

 

龍亞と一緒にガラス越しでお店の中を覗く。お店の中は綺麗なお花が飾ってあり、ショーケースの中にはたくさんのカップケーキが置いていた。

 

「美味しそうだな〜〜」

 

「龍亞!そっちじゃないでしょ!」

 

「龍亞君に龍可ちゃん?そんな所で何をしているの?」

 

後ろを振り向くと、白い調理用の帽子を被った奏さんがいた。

 

「あっ、えっと・・・・・・」

 

「その・・・・・・・・・・」

 

「奏〜、材料持ってきたよ」

 

そこに、奏さんと同じく白い帽子を被った遊輝がお店から出てきた。

 

 

〜〜数十分後〜〜

 

 

「・・・・・龍可も妄想が激しいね〜。好きな人が相手だからかな〜?」

 

「//////い、言わないでよ!!」

 

龍亞にからかわれて、顔を赤くしてしまう。

 

「あはは・・・・・・さすがに人の彼氏は奪わないよ」

 

「そうだよね。それで遊輝は何をしているの?」

 

「遊輝はね、今日から私のお店でバイトをするのよ」

 

「バイトですか?」

 

「ええ、遊輝が『居候の身でアカデミアの学費を払ってもらうのは申し訳ない』って言って、私に相談してきたの。ちょうど私のお店もパティシエをもう一人欲しいと上がっていたから、遊輝を採用したの」

 

「そうだったのですか」

 

でも良かった〜。本当に奏さんの事を好きになったかと・・・・・・・

 

「遊輝君、生クリームを作ってくれる?」

 

「は〜い」

 

お店の奥の調理場で遊輝と奏さんのお父さんがケーキを作っている。

 

「さすが三ッ星からスカウトが来る腕前だね。飲み込みが早くて助かるよ」

 

「いえいえ、ケーキ作りはまだまだです」

 

「・・・・・・・・・・遊輝って三ッ星レストランからスカウトが来たの?」

 

「龍亞君たち知らないの?」

 

「私たち、そんな腕前の人の料理を毎日食べているんだ・・・・・」

 

「事実を知ったらそう思うよね」

 

この後、私たちは遊輝のバイトの様子を見て家に帰る事になったけど・・・・・・・・・・

 

「そうだ龍可ちゃん、デュエルしない?」

 

「デュエルですか?」

 

「ええ、一度龍可ちゃんとデュエルしてみたいと思っていたし。それに・・・・・・」

 

奏さんが私の近くに来る。

 

「(思い込みだけど、龍可ちゃんの好きな人を借りた罪の償いもね)」

 

「(/////それは大丈夫です!)」

 

あれはただ、私が勝手に思っただけで・・・・・

 

「(まあそう言う事にしておいて)デッキとデスクを持って来るわ。デスクはお父さんの物を貸してあげるよ」

 

「ありがとうございます」

 

奏さんが一度家に戻り、デッキとデスクを2つ持って外に出てきた。私は一つを受け取って、デッキを入れる。

 

「それじゃやりましょう」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

龍可 LP 4000 奏 LP 4000

 

「先行は龍可ちゃんで良いわよ」

 

「じゃあお言葉に甘えて、ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 34枚

 

まずは・・・・・・・

 

「魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・ドラゴン グラゴニスを墓地に送って、カードを2枚ドロー、その後デッキの上から2枚を墓地に送る!」

 

墓地に落ちたカード

・カオス・ソルジャー 〜開闢の使者〜

・ライトロード・ハンター ライコウ

 

デッキ残り枚数 34枚→30枚

 

カオス・ソルジャーが落ちちゃった・・・・・・結構痛いけど、仕方ないか。

 

「ライトロード・モンク エイリンを召喚してターンエンド。エイリンの効果でデッキの上からカードを3枚墓地に送る」

 

墓地に落ちたカード

・カオス・ソーサラー

・ライトロード・マジシャン ライラ

・ブラックホール

 

 

龍可 手札 5枚 LP 4000 デッキ残り枚数 27枚

【モンスターゾーン】

ライトロード・モンク エイリン 攻1600

【 魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 6枚

 

「奇跡の代行者 ジュピターを召喚」

 

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

 

「このままバトル!奇跡の代行者 ジュピターでライトロード・モンク エイリンに攻撃!」

 

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

ライトロード・モンク エイリン 攻1600

 

龍可 LP 4000→3800

 

「くっ!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「(本当はもっと伏せたいけど、裁きの龍を止めるカードがないから無理に伏せない方が良いわね)」

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 26枚

 

手札があまり良くないわね。奏さんのパーミッション相手にこれはきついわね。

 

「ライトロード・パラディン ジェインを召喚!」

 

ライトロード・パラディン ジェイン 攻1800

 

「バトル!ジェインでジュピターに攻撃!」

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!ライトロード・パラディン ジェインの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了する!」

 

「くっ!」

 

やっぱり手強い、遊輝の中等部の仲間は本当に強い。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!ジェインの効果でデッキから2枚を墓地に送る!」

 

 

墓地に落ちたカード

・ネクロ・ガードナー

・サイクロン

 

デッキ残り枚数 26枚→24枚

 

 

龍可 手札 4枚 LP 3800 デッキ残り枚数 24枚

【モンスターゾーン】

ライトロード・パラディン ジェイン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 4枚

 

「チューナーモンスター、共鳴の代行者 ネプチューンを召喚」

 

共鳴の代行者 ネプチューン 攻1100

奏さんのフィールドにハープを持った女神のようなモンスターが現れた。

 

「共鳴の代行者 ネプチューンの効果発動!フィールドの《代行者》と名のついたモンスターを選択して、このカードと同じLvになる!奇跡の代行者 ジュピターのLvを4から3に下げる!」

 

奇跡の代行者 ジュピター ☆4→☆3

 

ネプチューンがハープを引いて、ジュピターの身長が少し小さくなる。

 

「Lv3になった奇跡の代行者 ジュピターにLv3の共鳴の代行者 ネプチューンをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

奏さんのフィールドの上空に雷雲ができ、奏さんのシグナーの龍、ライトニング・エンジェル・ドラゴンが舞い降りてきた。あのモンスターは確かカウンター罠以外の罠カードの発動を無効にするカード。伏せカードのリビングデッドが発動できない・・・・・

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果で墓地の攻撃の無力化を手札に加えるわ。バトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでライトロード・パラディン ジェインに攻撃!サンダー・アロー!」

 

「墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!」

 

「カウンター罠、透破抜きを発動!手札または墓地の効果モンスターの効果を発動を無効にしてゲームから除外する!」

 

「そんな!?」

 

ネクロ・ガードナーの霊を何処からかきた人に消されてしまう。

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

ライトロード・パラディン ジェイン 攻1800

 

龍可 LP 3800→3300

 

「きゃあ!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

不味いわね・・・・・何とかこの状況を一掃出来る裁きの龍を引かないと・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 5枚 デッキ残り枚数 23枚

 

・・・・・・・・来た!

 

「裁きの龍を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

「ここで裁きの龍!?」

 

「裁きの龍の効果!LPを1000ポイント払って・・・」

 

「カウンター罠、天罰!手札を1枚捨てて、裁きの龍の効果を無効にして破壊する!」

 

「!?そんな!?」

 

龍可 LP 3300→2300

 

裁きの龍に雷が落ちて破壊させる。

 

「残念だったね、龍可ちゃん。切り札を破壊されてどうする?」

 

確かに裁きの龍は破壊されちゃった・・・・・・・でも!

 

「まだよ!裁きの龍は切り札じゃない!」

 

「えっ?」

 

文化祭で手に入れた私の新しい仲間よ!

 

「このカードは裁きの龍が破壊されて墓地に送られたターンのエンドフェイズ時、手札から特殊召喚できる!天空の命を受け、全知全能の神が降臨する。正義の鉄槌を下せ!舞い降りて!ライトロード・オラクル ゼウス!」

 

ライトロード・オラクル ゼウス 攻4000

裁きの龍の破壊された後に天空から光が降りて来て、そこから白い髪のモンスターが舞い降りてきた。右手には杖を持っていて、皇后しい雰囲気が漂う。そして・・・・・・・

 

「で、でかい!!」

 

「大きすぎるよ!!」

 

このモンスターがとてつもなく大きかった。空の雲に辿りつくくらいの大きさ。

 

「これでターンエンド」

 

 

龍可 手札 3枚 LP 2300 デッキ残り枚数 23枚

【モンスターゾーン】

ライトロード・オラクル ゼウス 攻4000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「わ、私のターン」

 

奏 手札 2枚

 

「(・・・・・駄目、このカードでは突破できない)ライトニング・エンジェル・ドラゴンを守備表示にしてターンエンド」

 

奏 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 守1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 4枚

 

「ゼウスの効果発動!LPを半分払って、このカード以外のお互いのフィールドと手札のカードを全て墓地に送る!」

 

「す、全てのカードを墓地に!?」

 

「天空の裁きを受けよ!ヘブンズ・ジャッジメント!」

 

龍可 LP 2300→1150

 

ゼウスが杖を上空に上げると、フィールドに無差別に雷が落ちて、私たちの手札とゼウス以外のフィールドのカードを全て焼き尽くした。

 

「う、うそ・・・・・・・」

 

「無茶苦茶強いじゃん!」

 

「バトル!ゼウスでダイレクトアタック!ギガライトニング・ボルト!」

 

ゼウスが再び雷雲を作り、奏さんの近くに六つの雷が落ちる。

 

「きゃああああ!!」

 

奏 LP 4000→0

 

WIN 龍可 LOS 奏

 

 

 

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

デュエルが終わって、奏さんの所に行く。

あんなに凄い雷が落ちるとは思わなかったわ・・・・・・・

 

「わ、私は大丈夫だよ。心配しなくてもいけるよ」

 

「そうですか」

 

「龍可・・・・・またえげつないカードを手に入れたね」

 

優勝して貰ったカードだけど、ここまで強いとは・・・・・・・・あまり使わないようにしないと、いけないわね。

 

「あれ?そこで何をしてるの?」

 

遊輝が私服を着て、お店から出てきた。

 

「遊輝、今日の仕事は終わったの?」

 

「ああ、バイト代代わりにケーキも貰っちゃったよ」

 

「マジで!?やった!!」

 

遊輝がケーキ入りの箱を見せた事に喜ぶ龍亞。

 

「私と龍可ちゃんでデュエルしていたの」

 

「へぇ〜、で、どっちが勝ったの?」

 

「龍可。あれはえげつないよ」

 

「どう言う事?」

 

奏さんと龍亞がゼウスの事を説明する。この後、私たちはDホイールを押す遊輝と一緒に帰ったわ。話題はもちろんゼウスになって。




遊輝「ゼウスの被害者一人目」

奏「あれは・・・・・・・駄目でしょ?」

遊輝「作者がパズドラのゼウスをイメージしたらしいよ」

奏「今はやってないのに・・・・・」

遊輝「というわけで今回はライトロード・オラクル ゼウスだよ」



ライトロード・オラクル ゼウス ☆12
光属性 雷族 攻4000 守4000
「ライトロード・オラクル ゼウス」の②の効果は1ターンに1度しか発動できない。
また、このカードは通常召喚できない。
①自分フィールド上の「裁きの龍」が破壊され墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時のみ手札から特殊召喚できる。
②自分のライフを半分払って発動できる。
このカード以外のフィールド上に存在するカードとお互いの手札を全て墓地に送る。
この効果の発動に対して、相手は魔法・罠・効果モンスターの効果を発動出来ない。
この効果を使ったターンのエンドフェイズ時、このカードをゲームから除外する。


奏「召喚条件は厳しい代わりに、効果は完全に裁きの龍の上位交換。フィールドだけでなく手札もってところが悪いわね」

遊輝「しかもこれにチェーンはできないし・・・・全知全能って言ってもな〜・・・・・」

奏「これを止める手段は?」

遊輝「召喚自体を止める事が一番だな。効果は止められないけど、召喚自体には効果を発動できるからね。もしくはネクロ・ガードナー」

奏「私のデッキにネクロ・ガードナーはない・・・・・」

遊輝「俺も・・・・・召喚を止める事に専念するしかないな。あと、もう一つ、代行者のオリジナルチューナーだ」


共鳴の代行者 ネプチューン ☆3 チューナー
光属性 天使族 攻1100 守500
①1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカード以外の「代行者」と名のついたモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターのレベルをこのカードと同じレベルにする。
②「天空の聖域」が存在する場合、このカードは手札の天使族・光属性モンスター1体とS召喚する事ができる。
この方法でS召喚したシンクロモンスターはエンドフェイズ時、墓地に送る。



奏「代行者のチューナーがアースしかなかったから、作られたチューナーモンスターよ」

遊輝「①の効果でLv6のシンクロは出しやすくしているが、実際問題代行者の非チューナーモンスターってヴィーナスとせいぜいジュピターが1枚入るくらいだな」

奏「②の効果は天空の聖域があれば手札のモンスターとシンクロ召喚できるけど、こっちは決めるときしか使わないかな?」

遊輝「エンドフェイズに墓地に行っちゃうからな・・・・・・む

奏「え〜と次回は【アカデミアデュエル大会!】」

遊輝「何それ?」

奏「アカデミアをあげてのデュエル大会よ。そういえばそんな季節だね」

遊輝「へぇ〜、それは楽しみだな」

奏「次回も宜しくお願いします!」


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第42話 アカデミアデュエル大会!

今回、最強カードの紹介なし&史上最も短い一話。
要はつなぎの回。

我ながら酷い!もっと練習しなければ・・・・・
と言う事で、今回はアカデミアデュエル大会のルールと冬休みの計画だけ!!!
なお、今回のルールはフージョニストさんと龍南さんから許可を頂いております。
それでは、どうぞ!


遊輝 side

 

現在HRの時間、何かとアカデミアの事を話すとHRの時間が多いな。

と、そんな話は置いといて今している話題は・・・・・・

 

「デュエル大会?」

 

「ええ、遊輝君は編入して知らないと思うけど、毎年クラスの代表を5人決めてアカデミア内のトップを決める大会なの」

 

「へぇ〜、・・・・・で、何で俺の名前があるんですか?」

 

加藤先生が書いた黒板にはこのクラスの代表と書かれ、俺の名前があった。もちろんスバルやレミ、響に奏の名前も上がっている。

 

「満場一致であなた達になったの。あなた達、中等部内でほぼ負け無しでしょ?」

 

確かにレミたちや龍可たち以外でアカデミアで負けた事は無いけど・・・・・・て言うかいつ決めたの?

 

「とにかく、クラスの代表になったから頑張ってちょうだい!」

 

「みんな!頑張れよ!」

 

「優勝してきてね!」

 

クラス中からエールがあがる。もう良いか、決まってしまったし。

 

ー(放課後 軽音部部室)ー

 

 

今日は講習会がないから久しぶりの部活。もっぱら、デュエル大会の話だけどね。

 

「それで、ルールを教えて欲しいのだけど」

 

「まずは大会方式ね。大会は団体戦で行われて、シングルのデュエルを予選は3回、本戦は5回行われるわ」

 

「予選は先に2勝、本戦は3勝したクラスが勝ちだ」

 

て事は自分が負けても他の誰かが勝てば勝ち上がれるのか。

 

「予選も本戦も初戦だけは抽選で対戦相手を決めてあとはリーグ線。2回勝てば本戦に進めるよ」

 

「本戦は小等部と中等部、高等部で勝ち上がった2クラスと、それぞれの学年の3位がプレーオフをして、勝った2クラスの計8クラスでのリーグ線をするわ」

 

「ふ〜ん、分かったよ。ありがとう」

 

「あっ、それと・・・・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「「か、海外公演!?」」

 

レミの行った事に俺とスバルは身を乗り出す。

 

「響のお父さんが冬休みの時期にウィーンとパリでオーケストラの公演があるのだけど、ウィーンの公演の時に私たちが演奏する事が決まったの」

 

「ちゃんとお父さん公認よ!」

 

「ちょ、ちょっと待てよ!客とか入るのか!?」

 

「去年、私たち3人でミニライブ的な事した時は評判良かったよ」

 

マジかよ・・・・・・・日本語の歌詞で海外の奴が受けるなんて・・・・・

 

「クリスマスライブの次の日に出発だからね」

 

「急だな!?それと俺パスポート無いんだけど!?」

 

「今から作れば間に合うでしょ」

 

そうだけど・・・・・・・・

 

「まっ、決定事項だから練習も頑張りましょう!はい!海外公演で演奏する曲の楽譜!」

 

レミが結構分厚い紙の束を渡された。・・・・・・・また数が多い事。そして何でこんな難しい曲ばっかり・・・・・・

 

「そうだ!海外公演に龍可ちゃんたちを誘ったら?」

 

「龍可たち?」

 

「年越しが海外になってしまうけど、パリにも行けるし良いと思うよ!」

 

「そうだな。誘ってみるか」

 

「じゃあ、今日はクリスマスコンサートでやる曲からね。スバル」

 

「え〜と、ワイハからだな?1・2・3!」

 

スバルがシンバルを叩き、俺とレミでギターを弾く。そんな感じで今日の練習も終わり、家に帰って・・・・・・・・

 

「海外旅行!?行く行く!!」

 

「うるさいよ龍亞!」

 

夕飯を食べ終わった後に、龍亞と龍可に海外公演の事を全て話した。二人とも海外に行った事がないらしく、これが初めて行く機会なので龍亞は直ぐに行くと言った。

 

「あはは・・・・・龍可は?」

 

「パリか・・・・・・・・行ってはみたいけど、お父さんとお母さんの許可を貰わないと・・・・・」

 

「それは大丈夫。さっき連絡して、『行っても良いよ』って言ってたよ」

 

「いつの間に連絡したのよ・・・・・」

 

夕飯を作る前。龍亞たちに言う前に許可を取らないといけない事は分かっていたし。両親に確認したら、パスポート代わりにあの住民票みたいカードを使えば、簡単にパスポートを取る事も分かったからね。

 

「行こうよ龍可!こんなの滅多にないぜ!」

 

「・・・・・そうね。私も行くわ!」

 

「じゃあ二人とも行くで良いのね?」

 

「「うん(はい)!!」」

 

さてと、これで冬休みが結構忙しくなってくるな。その分楽しみもふえるけどね。

月日は流れ、アカデミアデュエル大会開幕の日・・・・・

 

『それではアカデミアデュエル大会を開催します!』

 

校長の開催宣言が言われ、生徒が盛り上がる。司会進行の先生に代わり初戦に戦う相手を抽選で決めている。小等部が終わり、次は中等部の番だ。

 

『・・・・・・第2試合、中等部1ー1対中等部2ー3!』

 

「初戦は2年か」

 

「どんな相手でも楽しんでデュエルをしようぜ!」

 

「そうだね!それじゃ、中等部1ー1!出陣よ!」

 

「「「「おおーーーーーー!!!!」」」」

 




スバル「ほんと短いな」

奏「私の出番、ほとんどなかったけど・・・・・」

レミ「大丈夫!初戦は奏に任せるから!」

遊輝「いきなりパーミッションかよ。相手が可哀想に思えてくるな」

響「奏の場合、手札次第なんだけどね」

スバル「中等部負け無し何だから大丈夫だろ」

奏「変なプレッシャーを掛けないでよ・・・・・」

遊輝「それより海外公演は驚いたな。一年前もやったって言ってるし」

レミ「あの時は3人だけだからね。今回はバンドとしての初公演よ!」

響「冬休みが楽しみだよ!これでテストが無ければな〜」

遊輝「次回は【予選1回戦 パーミッションとドラグニティの恐怖】お前ら、何をしでかすんだ・・・・・」

レミ「次回も宜しくね!」


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第43話 予選1回戦 パーミッションとドラグニティの恐怖

最強カードの紹介!今回は・・・・・

奏「始めまして、水野奏です。よろしくお願いします」

初登場、奏だよ。ちょうどこの話を改定している時期が5月の中旬の終わり。凄く暑い。

奏「最近の天気はおかしいものね」

おかげで大迷惑。傘を持って行って雨降らないし、傘を置いてきたら雨降るし。最強カードの紹介に行こう!今回は冥王竜ヴァンダルギオン!

奏「私のパーミッションに入っている、マスター・ヒュペリオンに次ぐ最上級モンスターだわ」

相手のカードをカウンター罠で無効にした時、手札から特殊召喚できる!そしてこの時に魔法を止めたならバーン、罠だったら相手のカード1枚を破壊、モンスター効果なら墓地からモンスター1体を特殊召喚できる!

奏「第43話、デュエルスタート!」


奏 side

 

『それでは第2試合、中等部1ー1対中等部2ー3の試合を始めます。一試合目に出る人はデュエルフィールドに上がってください』

 

アナウンスの指示で私はデッキをデスクにセットする。デュエル大会の開幕をみんなが私を指名してくれた。嬉しいけど、その分のプレッシャーも大きい。大事な初戦。負けるわけにはいかない・・・・・

 

「奏、硬いよ!リラックス!リラックス!」

 

響が私の肩をポンと叩く。そして周りにはみんながいた。

 

「別にトップだから勝とうと意識しなくて良いんだぞ」

 

「後ろに私たちが控えているんだからね!」

 

「こんな事は滅多にないから楽しもうぜ!」

 

遊輝・・・・・レミ・・・・・スバル・・・・・

 

「・・・・・うん!楽しんでくる!」

「頑張って!」

 

響に背中を押され、デュエルフィールドに上がる。相手は男の子のようね。

 

『それでは1試合目!中等部1ー1から水野奏VS中等部2ー3から立川勉のデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 立川 LP 4000

 

「先行は私!私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

・・・・・・・えっ!?これは・・・・・酷いね。ほぼ勝ちが決まってしまったよ。

 

「豊穣のアルテミスを召喚」

 

豊穣のアルテミス 攻1600

 

「カードを五枚伏せてターンエンド」

 

「「「「ご、五枚伏せ!?」」」」

 

私がカードを五枚も伏せた事にレミたちが驚いた。それが普通だものね。

 

 

奏 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 5枚

 

 

 

「い、いきなり五枚も・・・・・」

 

「普通、二・三枚だろ」

 

「まさかあれ全部で相手の動きを止めたりして・・・・・」

 

「あり得るわね・・・・・」

 

「俺のターンドロー!」

 

「カウンター罠、強烈なはたき落とし!相手がデッキから手札に加えたカード1枚を墓地に送る。そのドローカードを墓地に送って」

 

相手がしぶしぶドローしたカードを墓地に送った。

 

「カウンター罠が発動したので、アルテミスの効果で1枚ドロー」

 

奏 手札 0枚→1枚

 

私はデッキのカードを1枚めくる。・・・・・今日はついてるわね。明日が怖いわ。

 

「(クソ!伏せが多すぎる!だが・・・・・)魔法カード、大嵐!」

 

「カウンター罠、魔宮の賄賂。大嵐の発動を無効にして破壊。その後、あなたは1枚ドローする」

 

相手が大嵐を墓地に送り、カードを1枚ドローする。その行動に元気が感じられない。

 

「アルテミスの効果の前に手札の冥王竜ヴァンダルギオンの効果発動!相手のコントロールするカードをカウンター罠で無効にした時、手札から特殊召喚できる!」

 

冥王竜ヴァンダルギオン 攻2800

 

私の後ろに黒い雷が落ちて、ヴァンダルギオンが姿を表した。

 

「ヴァンダルギオンの効果!この方法で特殊召喚した時、無効にしたカードの種類によって異なる効果を発動する!魔法カードを無効にしたので、1500ポイントのダメージを与える!」

 

立川 LP 4000→2500

 

「そしてアルテミスの効果で1枚ドロー」

 

奏 手札 0枚→1枚

 

「お、俺は終末の騎士を召喚!」

 

「カウンター罠、キックバック。終末の騎士の召喚を無効にして手札に戻す!アルテミスの効果で1枚ドロー」

 

「・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド・・・・・」

 

 

立川 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 3枚

 

「そのままバトル!冥王竜ヴァンダルギオンでダイレクトアタック!冥王葬送!」

 

「リバースカードオープン!ドレインシールド!」

 

「カウンター罠、トラップ・ジャマー!ドレインシールドの発動を無効にする!」

 

ヴァンダルギオンが力を貯めて、相手に攻撃する。

 

立川 LP 2500→0

 

 

WIN 奏 LOS 立川

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・酷いね」

 

「素直に謝ります。すいませんでした」

 

「いやいやいや!向こうに謝れよ!」

 

「相手の奴、半泣きだぞ」

 

遊輝が相手側のベンチに指を指すから見てみると、私とデュエルした相手の人が泣きっ面をしながらいろいろ話していた。最初の手札が良かったから大嵐が来ても怖く無かったけど、その後のヴァンダルギオンは私も引いたわ。

 

「今後はガン伏せをしないように!」

 

「分かりました」

 

「響が奏に注意した・・・・・・」

 

「明日は大雨か?それとも吹雪か?はたまた台風が二つ来るのか?」

 

「何でそんな不吉な事を予想するのよ!?」

 

「「「響が奏に説教するからに決まっているだろ(でしょ)!!!」」」

 

響の問にスバルたちが口を揃えて響に言って、響は体育座りになる。小さな声で「私だって奏に注意する時はあるよ・・・・・」とシクシク泣きながら言っていた。普段の立場が逆なだけに何とも言えないわね。

 

『二試合目に出る人はデュエルフィールドに上がってください』

 

「次は私ね!」

 

「レミ、相手に嫌な思いをさせるなよ」

 

「大丈夫!今日の星占い一位だから!」

 

「関係無いだろ!」

 

「ちなみに聞くけど.どんな結果なの?」

 

「えっとね、《物事が早く終わる》だったはずよ」

 

・・・・・それ、1killを宣言しているのと一緒でしょ?

 

 

奏 side out

 

 

レミ side

 

 

奏にしてはなかなか酷いやり方だったわね。まあ、勝ってくれたんだから私も勝たないと!

相手もフィールドに上がり、お互いのデッキをセットする。

 

『2試合目!中等部1ー1から葵レミVS中等部2ー3から釜谷俊哉のデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

レミ LP 4000 俊哉 LP 4000

 

「僕の先行!ドロー!」

 

俊哉 手札 6枚

 

「僕はハーピィ・レディ・SB(サイバー・ボンテージ)を召喚!」

 

ハーピィ・レディ・SB 攻1800

 

ふ〜ん、相手のデッキはハーピィなのね。除去カードが多いから気を付けないと。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

俊哉 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ハーピィ・レディ・SB 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

・・・・・・普通ね。でも・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

最初の手札でこのデュエル、勝ちが決まっているわ!

 

「魔法カード大嵐!フィールドの魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する!」

 

「何!?(ヒステリック・パーティーとゴッドバードアタックが!)」

 

伏せカードはと・・・・・・・なかなか危ないカードを伏せていたわね・・・・・

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!デッキから竜の渓谷を手札に加えて、そのまま発動!」

 

周りがドラゴンで飛び交う渓谷に変わって行く。

 

「竜の渓谷の効果!手札を1枚捨てる事で、『デッキの《ドラグニティ》と名のついたLv4以下のモンスターをサーチ』か『デッキからドラゴン族モンスターを墓地に送る』のどちらかを選択する!手札のドラグニティアームズーレヴァティンを捨て、2つ目の効果を選択!デッキからドラグニティーファランクスを墓地へ!そしてドラグニティーレギオンを召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

私の隣に緑の羽を持った鳥人が風に乗って現れた。

 

「レギオンの効果!召喚時、墓地の《ドラグニティ》と名のつくLv3以下のドラゴン族モンスター1体を選択してこのカードに装備する!墓地のファランクスを装備する!」

 

私の精霊、ファランクスが現れレギオンの腕に引っ付く。今日は出番が少ないけど許してね。

 

「レギオンのもう一つの効果!魔法・罠ゾーンの《ドラグニティ》と名のつくカードを1枚墓地に送って、相手の表側表示のモンスター1体を破壊する!このカードに装備されているファランクスを墓地に送ってハーピィ・レディを破壊!」

 

レギオンがファランクスを鳥のように扱い、ファランクスがハーピィ・レディに突っ込む。そのままの勢いでハーピィ・レディとファランクスが破壊される。

 

「くそ!(だがまだライフが・・・・・)」

 

「このカードはフィールドの《ドラグニティ》と名のついたモンスター1体を墓地に送る事で、手札から特殊召喚できる!レギオンを墓地に送って、ドラグニティアームズーミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

レギオンが渓谷から吹かれる風に乗って何処に行き、代わりに全身が黄色で右に大きな刃を持ったドラゴンが現れた。

 

「本当ならミスティルの効果で墓地の《ドラグニティ》と名のついたモンスターを装備できるけど今回は使わない。魔法カード、死者蘇生!墓地のドラグニティアームズーレヴァテインを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーレヴァティン 攻2600

 

竜の渓谷の奥地から、レヴァテインが颯爽と姿を表した。

攻撃力2100と2600のモンスターを並べて、相手の顔はどんどんと引きつっていく。

 

「バトル!ミスティルとレヴァテインでダイレクトアタック!」

 

ミスティルとレヴァテインが大剣を使い、相手を斬る。その衝撃で相手は吹き飛ばされる。

 

俊哉 LP 4000→1900→0

 

 

WIN レミ LOS 俊哉

 

 

『そこまで!中等部1ー1VS中等部2ー3は、2ー0で中等部1ー1の勝利!』

 

やった!次勝てれば本戦出場だわ!

 

「やったね!みんな!」

 

デュエルフィールドから降りて、みんなが待つベンチに行くと・・・・・

 

「お前な・・・・・・・・」

 

「何となく予測できたけど・・・・・」

 

「あれだけ相手に嫌な思いをさせるなって言っただろ!」

 

「何で私も説教させるのよ!?」

 

私勝ったんだよ!?相手に圧勝だったのに!?

 

「ま、まあまあ、無事に2回戦に進めたし・・・・・」

 

「今日の奏が言っても、説得力がない」

 

「・・・・・・・・・・すみません」

 

「奏は別に謝らなくても「レミも相手に向いて謝れ」・・・・・すいませんでした」

 

うう〜、何でこうなるわけ!!!いつもやっている事なのに!!




遊輝「ほんとに酷いな・・・」

スバル「上級生に何もさせてないぞ」

レミ「いつも通りにデッキを回しただけでしょ!何で謝る必要があるのよ!」

奏「まあまあ」

響「奏もほんとに酷かったね。あんな事されたら誰だって止まるわよ」

スバル「最後の伏せカードは何だったんだ?」

奏「攻撃の無力化だけど?」

遊輝「・・・・・・・(奏って、以外とチートドローなのか?)」

レミ「ああもう!!ほんとに謝る必要があったの!?」

「「「多いにある!!!!」」」

奏「はは・・・・・・次回は2回戦ね」

響「タイトルは【予選2回戦 本戦出場クラス】」

遊輝「次で本戦出場が全学年決まるんだな」

奏「順番は?」

レミ「響、スバル、遊輝よ」

遊輝「(俺、回ってくるのか?)」

スバル「次回も宜しくな!」


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第44話 予選2回戦 本戦出場クラス

最強カードの紹介!ついにメインキャラを出し切ったので、再びトップに戻るよ!

遊輝「それで俺かよ」

文化祭でモッテモテの遊輝だよ。

遊輝「それを言うな!一番思い出したくない文化祭だよ!」

女装したら大変だね〜。そのままの勢いでファッションモデル(女)になれば?

遊輝「絶対にやらん!!!!二度と女装なんかしたくない!!」

フフッ、海外でファッションショーを考えて・・・・・

遊輝「やるな!絶対にするな!」

分か〜たよ。最強カードの紹介に行くぞ。

遊輝「今回はアーカナイト・マジシャン。☆7のシンクロモンスターで、チューナー以外の素材に魔法使い族モンスターが必要だぞ」

シンクロ召喚時に魔力カウンターを2つ乗せる事が出来、魔力カウンター1つにつき攻撃力が1000ポイントアップするぞ!

遊輝「さらに魔力カウンターを1つ取り除く事で、相手フィールドのカードを1枚破壊できる。魔力カウンターなら何でも良いぞ」

魔力カウンター軸のデッキなら要チェックなモンスターだ。

遊輝「第44話、デュエルスタート!」


響 side

 

小等部や中等部・高等部の予選会中・・・・・

今はお昼の時間、みんなで食堂に行きお昼ご飯を食べている。私や奏、レミ・スバル、いつもは弁当の遊輝も食堂でメニューを決めているよ!

何で弁当を持って来てないのか聞いたら、「材料が2人分しかなかったから、龍亞と龍可の分だけを作った」だって。料理が出来る男子なんて良いよね。しかも家の家事をこなせて、女装したらモッテモテ!女の天敵だよ!

 

「響、今変な事考えなかったか?」

 

「何も考えてないって!それよりメニューはどうするの?」

 

「う〜ん、普段は弁当だからな。食堂のメニューを見る事自体始めてだし」

 

「じゃあ・・・・・みんなであれにしましょう!」

 

レミがパンコーナーの一角にあるたくさん積み上げられたパンを指す。

 

「ドローパンか!面白いな!」

 

「ドローパン?」

 

「ドローパンは中身が食べるまで分からない、ドロー力を占うパンだよ。アカデミアの食堂でも人気の商品よ」

 

「その中にたまにしかお目にかからない《黄金の卵パン》!これ以上になく美味しいのだから!」

 

「へぇ〜(要はGXで出ていたあのパンの事ね)」

 

「みんなであれを食べましょう!」

 

レミから順番にお金を払いドローパンを乗せたトレー前に行く。

 

「最初は誰にする?」

 

「私から!行くよ!ドロー!」

 

レミがパンの中から一つ取り出して、包装紙を開けて口にする。

 

「中身は何?」

 

「・・・・・・ぐぇ!!た、玉ねぎ・・・・・」

 

「レミが引いたのは玉ねぎパンか。そりゃ残念」

 

「そう言えば、レミって玉ねぎが嫌いだったんだな」

 

「な、何で玉ねぎが当たるのよ・・・・・(涙)」

 

「1回戦で1killをするからだろ。残さず食えよ」

 

「次は私。ドロー!」

 

涙目のレミの横で奏がドローパンを1つ取り、口にする。

 

「・・・・・・ジャムパンね。普通だったわ」

 

「それが一番マシな物だったりしてな」

 

「んじゃ私!ドロー!」

 

今だに涙目でパンを食べているレミをのけて、パンの山の中からドローパンを一つ取り出し口に入れる。

 

「・・・・・・・何これ?パンの間にホットケーキ?」

 

一口食べた後、パンの断面を見るとパンとパンの間にホットケーキが1枚はさんであった。パンの具がパンって何よ!

 

「良いじゃないの?甘い物が好きなのでしょ?」

 

「こんな形でホットケーキを食べたくないよ!しかも蜜が無いのよ!」

 

「残念としか言えないな」

 

「よっしゃ!俺の番だ!ドロー!!」

 

スバルが山積みされたパンの中からおもいっきりパンを取り出し、包装紙を開ける。その中身は・・・・・

 

「へへ!黄金の卵パンだ!!」

 

「ええ!?嘘!?」

 

「またスバルが当てたわね。相変わらずのドロー」

 

「これで12回連続で黄金の卵パンを当てたわね」

 

「12回・・・・(こういう事は十代そっくりだな)」

 

「最後は遊輝の番ね。早く引いてよ!」

 

「ああ、行くぞ!ドロー!」

 

最後に遊輝がドローパンを一つ取り、中身を確認する。

 

「何だこれ?」

 

パンの間にはさんでいたカードのパックを取り出した。

 

「具の代わりにパックが入っていたんだわ」

 

「手抜きにも程があるだろ・・・・・」

 

「早く開けてみなよ」

 

遊輝がパンの間からパックを取り出して開封した。その中身は・・・・・

 

・ヴァイロン・プリズム

・ヴァイロン・ステラ

・ヴァイロン・キューブ

・ヴァイロン・マテリアル

・ヴァイロン・シグマ

 

 

「・・・・・・・何故ヴァイロン?」

 

「さあ?そのパックがヴァイロンのパックだからじゃないの?」

 

「いくら何でもここまで株るか?」

 

「しかも結構重要なパーツばかりね」

 

「ある意味当たりね」

 

「・・・・・・・まあいっか。シグマは龍亞にでもあげようか。チューナーはまだデッキに入れられるし」

 

シグマは素材がきついけど、装備魔法を多用している龍亞君のデッキにあうしね。ヴァイロンのチューナーも装備カードとして優秀なカードだからね。良いよな〜、私もパック付きが良かったよ。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『中等部予選の2回戦を始めます!まずは中等部1ー1VS中等部3ー1!』

 

アナウンスの声で、私はデュエルフィールドに上がる。

この試合に勝てたら、決勝トーナメントに行けるから頑張らないと!順番は私、スバル、遊輝よ。

 

『1試合目!中等部1ー1から小野寺響VS中等部3ー1、坂瑪知沙のデュエルを始める!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

響 LP 4000 坂瑪知沙 LP 4000

 

「先行は私ね!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

・・・・・この手札だったら様子見からだね。

 

「氷結界の番人 ブリズドを守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

響 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の番人 ブリズド 守500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

知沙 手札 6枚

 

「そのようなモンスターは直ぐに倒してさしあげますわ。フィールド魔法、伝説の都 アトランティスを発動します」

 

観客で埋まっていたデュエルフィールドが海中に代わり、古代都市が海中から現れた。アトランティスか〜〜、私のデッキでも効果が反映させるから、ちょっと嫌だね。

 

「アトランティスはフィールドの水属性モンスターの攻撃力と守備力を200ポイントアップさせ、お互いの手札・フィールドの水属性モンスターはLvが1つ下がりますわ」

 

氷結界の番人 ブリズド 攻/守 300/500→500/700

 

「手札からマーメイド・ナイトを召喚します」

 

マーメイド・ナイト ☆4→☆3

攻/守 1500/700→1700/900

 

赤い髪で剣を持つ人魚がアトランティスの中から泳いできた。

 

「バトルですわ!マーメイド・ナイトで氷結界の番人 ブリズドに攻撃します!」

 

マーメイド・ナイトが剣を使い、無抵抗のブリズドを破壊した。

 

「ブリズドの効果!戦闘で破壊された時、1枚ドローできる!」

 

響 手札 4枚→5枚

 

「気にする必要もありませんわ。マーメイド・ナイトはフィールドに《海》が存在する時、2度のバトルを行なえるわ!アトランティスは《海》としてでも扱えます!マーメイド・ナイトでダイレクト・・・」

 

「リバースカードオープン!罠カード、激流蘇生!」

 

「激流蘇生?」

 

「水属性モンスターが戦闘またはカード効果で破壊された時、その水属性モンスターを全て特殊召喚できる!さっき戦闘で破壊されたブリズドを守備表示で特殊召喚!」

 

氷結界の番人 ブリズド 攻/守 300/500→500/700

 

破壊されたブリズドの身体が再び集まり私の前に出てきた。

 

「そしてこの効果で特殊召喚したモンスターの数×500ポイントのダメージを相手に与える!」

 

「何ですって!?」

 

ブリズドが破壊された所から大波が出来て、相手を飲み込んでいく。

 

知沙 LP 4000→3500

 

「くっ!やってくれましたわね!マーメイド・ナイトでもう一度氷結界の番人 ブリズドに攻撃します!」

 

「ブリズドの効果で1枚ドロー!」

 

本当はもっとモンスターを貯めて激流蘇生を発動したかったけど、2枚もドロー出来たし相手にダメージを与えられたから別に良いか。

 

「カードを1枚伏せてターンを終了します」

 

知沙 手札 3枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

マーメイド・ナイト 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伝説の都 アトランティス

伏せカード 1枚

 

良し!このまま押すよ!

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 7枚

 

「魔法カード、二重召喚!このターン通常召喚を2回行なえる!まずは氷結界の風水師を召喚!」

 

氷結界の風水師 ☆3→☆2

攻/守 800/1200→1000/1400

 

大きな鏡を持った和服姿の小さな女の子が現れた。

 

「風水師をリリースしてブリザード・プリンセスをアドバンス召喚!」

 

ブリザード・プリンセス ☆8→☆7

攻/守 2800/2100→3000/2300

 

風水師が海面まで上がって、代わりにプリンセスが海中に潜り私の横についた。いつも持っている氷の球をついた棒は無くて、その代わりに氷で出来た杖を持っている。

 

「その杖はどうしたの?」

 

『海中であんな重い物を振り回せないよ!だからこの氷の杖を作ったの!』

 

「あれそんなに重いの?」

 

『重いよ!普段使っていてもしんどいのだよ!」

 

へぇ〜そうだったんだ。でもそんなに重い物を振り回すんだからプリンセスって以外と力持ちなんだ。

 

「さっきから何を喋っているの!さっさと始めなさい!」

 

おっとデュエル中だったんだね。

 

「それじゃ続けるよ。プリンセスの効果で相手はこのターン、魔法・罠カードを発動できない!」

 

「くっ!(竜巻海流壁(トルネードウォール)が発動できない!)」

 

「バトル!プリンセスでマーメイド・ナイトに攻撃!ヘイル・ブリザード!」

 

氷の杖で海中の一部を凍らし、その凍らせた塊をマーメイド・ナイトに投げつけた。

 

ブリザード・プリンセス 攻3000

マーメイド・ナイト 攻1700

 

知沙 LP 3500→2200

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ブリザード・プリンセス 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

知沙 手札 4枚

 

「(・・・・・仕方ありませんね。アトランティスを残したいですが、先にあのモンスターを何とかする必要がありますね)コダロスを召喚します」

 

コダロス 攻1400

 

ちっちゃい海蛇のモンスターがアトランティスから出てきた。コダロスね・・・・・・やばいよ!

 

「コダロスの効果。フィールドの《海》を墓地に送り、相手フィールドのカードを2枚まで選択して墓地に送ります!ブリザード・プリンセスと左の伏せカードを・・・・・」

 

「リバースカードオープン!亜空間物資転送装置!エンドフェイズまで、プリンセスをゲームから除外する!」

 

プリンセスの背後に次元の穴が開き、プリンセスはその中に入った。

・・・・・何でこのカードが入っているって?このカード、モンスターエスケープに役立つから入れているの。

 

「ですがもう1枚の伏せカードは墓地に送ってもらいます!」

 

コダロスが咆哮を上げて、アトランティスの私の残りの伏せカードが沈んでいく。

 

「バトル!コダロスでダイレクトアタック!」

 

空中に浮かんでいるコダロスが泳ぐような仕草で私の・・・・・

 

「えっ!?ちょっ、ちょっと!?痛っ!」

 

私の髪の毛におもいっきり噛み付いてきた。

 

響 LP 4000→2600

 

「カードを伏せターンエンド」

 

「うぅ〜、そのエンドフェイズにプリンセスは戻ってくるよ」

 

 

知沙 手札 2枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

コダロス 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

『響、大丈夫?あいつものすごい噛み付いたよね』

 

「何で髪なのよ!?女の大事な所なのに!」

 

「知りませんわ。それにあなたは髪をそのままにしているのですから大事ではないでしょう」

 

「失礼ね!私だって髪はセットするよ!」

 

『いつも寝癖がつくからでしょ。あんな姿、みんなに見せられないからね!』

 

「プリンセス!!」

 

こうなったらコテンパンにしてやるんだから!

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

「魔法カード、氷結界の意志!墓地のLv4以下の《氷結界》と名のついたモンスターをゲームから除外して、除外したモンスターと同じLvの《氷結界》と名のついたモンスターを攻撃力と守備力を0にしてデッキから特殊召喚する!墓地の氷結界の風水師を除外してチューナーモンスター、氷結界の守護陣を特殊召喚!」

 

氷結界の守護陣 攻/守 200/1600→0/0

 

「氷結界の封魔団を通常召喚!」

 

氷結界の封魔団 攻1200

 

赤いロングコートを着ている銀の髪の女の子が現れた。

 

「Lv4の封魔団にLv3の守護陣をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「神聖なる魔法を束ねし時、神秘の魔導師が現れる!シンクロ召喚!放て!アーカナイト・マジシャン!」

 

アーカナイト・マジシャン 攻400

 

デュエルフィールドの上空に光った光から下に赤い服を着て、その上に少し半透明の布を被った魔法使いが緑の球が入った杖を持ち、おりて来た。

 

「アーカナイト・マジシャンはシンクロ召喚成功時に魔力カウンターを2つ乗る!そして魔力カウンター1個につき攻撃力が1000ポイントアップする!」

 

アーカナイト・マジシャン 攻400→2400

MC 0→2

 

「(攻撃力2400・・・・・ですが私の伏せカードは忘却の海底神殿。バトルに入る前に・・・・・!!アーカナイト・マジシャンの能力は!)」

 

「アーカナイト・マジシャンの効果!魔力カウンターを1個取り除く事で、相手フィールドのカードを1枚破壊する!私はこの効果を2回使って、あなたの伏せカードを破壊する!」

 

アーカナイト・マジシャン 攻2400→400

MC 2→0

 

アーカナイト・マジシャンの杖が眩しく光り、相手の伏せカードを全て破壊した。・・・・・なるほどね。忘却の海底神殿があったから、コダロスの効果を発動させたんだ。

 

「っ!ですが、あなたの全てのモンスターが攻撃してもまだライフが!」

 

「い〜や、このターンで終わりよ。魔法カード、ミラクルシンクロフージョン!フィールドのアーカナイト・マジシャンと墓地の氷結界の封魔団を融合!」

 

アーカナイト・マジシャンと墓地にいた封魔団が出てきて、渦に吸い込まれる。

 

「融合召喚!覇魔導士アーカナイト・マジシャン!」

 

覇魔導士アーカナイト・マジシャン 攻1400

 

渦の中から現れたのは、赤い服から黒く、青の模様が入ったアーカナイト・マジシャン。杖の先端にある緑の球も大きくなっている。

 

「あっ・・・・・・」

 

「覇魔導士アーカナイト・マジシャンも融合召喚時、魔力カウンターを2つ乗り攻撃力も上昇するよ」

 

覇魔導士アーカナイト・マジシャン 攻1400→3400

MC 0→2

 

「バトル!覇魔導士アーカナイト・マジシャンでコダロスに攻撃!ミステリーマジック!」

 

アーカナイト・マジシャンが杖に魔力を貯めて、レーザー光線になりコダロスに直撃した。

 

覇魔導士アーカナイト・マジシャン 攻3400

コダロス 攻1400

 

知沙 LP 2200→200

 

「きゃあ!!」

 

「ブリザード・プリンセスでダイレクトアタック!ヘイル・ブリザード!」

 

『結局この重い氷の塊で攻撃するのね・・・』

 

いつの間にか元の氷の棒に戻したプリンセスが、その棒を振り回し氷の塊をぶつけた。

 

知沙 LP 200→0

 

 

WIN 響 LOS 知沙

 

 

 

 

「勝ったよ!」

 

V字を決めて、みんながいるベンチに戻った。

 

「ご苦労様。でもデュエル中に何を喋っていたの?」

 

「相手が私の髪を馬鹿にしてプリンセスも笑ったんだよ!」

 

「そんな事かよ・・・・・」

 

「女にとっては大問題よ!プリンセス!家に帰ったらお仕置きだから!」

 

『何で私にも飛んでくるの!?向こうが原因を作ったのよ!』

 

「あの時笑ったでしょ!覚悟しておきなさい!」

 

「よっしゃ!やっと俺の番だ!」

 

「スバル!さっさと決めてきなさい!」

 

「そうなったら俺の出番が・・・・・」

 

レミが決めるように言った時、遊輝が出番が無くなるという心配を持ちながら、スバルはデュエルフィールドに上がっていった。

 

 

響 side out

 

 

スバル side

 

 

久々の出番だせ!小説に載るのは試練のデュエルの時以来だから、楽しむぞ!(メタ発言をするな!)

 

『2試合目!中等部1ー1、遊城スバルVS中等部3ー1、相生昌のデュエルを始める!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

スバル LP 4000 昌 LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

う〜ん・・・・・融合が来てないな。ここは・・・・・

 

「E・HERO アナザー・ネオスを召喚!」

 

E・HERO アナザー・ネオス 攻1900

 

小さなネオスが出てきた。

ちなみに言うと、本物のネオスは持っていない。あれだけは爺ちゃんが譲ってくれなかったから代わりにこっちを入れているんだ。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO アナザー・ネオス 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

昌 手札 6枚

 

「俺はジェネティック・ワーウルフを召喚!」

 

ジェネティック・ワーウルフ 攻2000

「バトル!ジェネティック・ワーウルフでアナザー・ネオスに攻撃!」

 

相手はモンスターを召喚したのと同時に攻撃宣言をして来た。何も考えずに攻撃するのかよ。ちょっとは警戒しろよ。

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、デュアルスパーク!アナザー・ネオスをリリースして、ジェネティック・ワーウルフを破壊する!」

 

アナザー・ネオスに雷が打たれて、ジェネティック・ワーウルフに突進して双方とも破壊された。

 

「その後、カードを1枚ドローする!」

 

スバル 手札 3枚→4枚

 

「くそっ!カードを2枚伏せターンエンド!」

 

 

昌 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 5枚

 

・・・・・まだ融合がこないのかよ。だけど・・・・・

 

「魔法カード、天の落とし物!互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローしてその後、手札を2枚墓地に捨てる!」

 

・・・・・・・ほんとに融合が来ないな。まあ良いけど。このターンで決める!

 

「E・HERO オーシャンを召喚!」

 

E・HERO オーシャン 攻1500

 

「そして速攻魔法、マスク・チェンジ!オーシャンをリリースして変身!M・HERO アシッド!」

 

M・HERO アシッド 攻2600

 

オーシャンがリリースされて出てきたのは、銃を持ち胸に特徴的なマークをつけた仮面のヒーローだ。

 

「アシッドの効果!特殊召喚に成功した時、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!Acid rain!」

 

「何だと!?」

 

真上に銃を向け上空に打つと、相手フィールドに大雨が降り始めて伏せカードを破壊した。破壊されたのは・・・・・・リビングデッドとジャスティブレイクか。って事は通常モンスター主体のデッキだな。

 

「リバースカードオープン!スピリッツ・フュージョン!」

 

「トラップ融合だと!?」

 

「墓地のアナザー・ネオスとオーシャンをゲームから除外しLPを1000払って、現れよ!E・HERO The シャイニング!」

 

スバル LP 4000→3000

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

おびただしい光を放ちながらシャイニングが降りて来た。

 

「一応、シャイニングの効果で攻撃力が600ポイントアップするから」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

 

相手が若干引いていたから、相手に聞こえる程度の小さな声でシャイニングの攻撃力上昇を教えてあげた。

融合が無くてもこんな風に、マスク・チェンジとかトラップ融合で何とかなるかなあんまり困らないんだよな。

 

「バトル!シャイニングとアシッドでダイレクトアタック!」

 

アシッドが照準を合わせ、シャイニングとアシッドの合わせ技が相手を襲う。

 

昌 LP 4000→0

 

 

WIN スバル LOS 昌

 

 

 

 

『そこまで!中等部1ー1VS中等部3ー1は中等部1ー1の勝ち!決勝トーナメント進出クラスは中等部1ー1!』

 

「よっしゃ!決勝トーナメントに進出だ!」

 

「やったね!これで2年連続進出だよ!」

 

「・・・・・・・あのさ〜」

 

響とレミが喜んで飛び跳ねている隣で遊輝が手をあげた。

 

「?どうしたの?」

 

「俺の出番が無いんだけど・・・・・」

 

「えっ?」

 

「そう言えば1回戦は私とレミで勝って、このデュエルも遊輝が3番手だったわね」

 

「・・・・・・・・・・て事は俺のデュエル無し!?」

 

「そう言う事だな」

 

「そんな〜〜、せっかく久しぶりに聖刻で暴れてやろうと思ったのに」

 

・・・・・ひでぇ事を考えていたのかよ。遊輝の《聖刻》デッキは酷いからな。数ターン耐えたら直ぐに1killを狙いにいける。しかも成功率がハンパなく高い。俺もやったけどこっちが整える前に決めに来やがるし・・・・・奏のパーミッションしか太刀打ち出来ないな。

 

「まあまあ、決勝トーナメントで1番手にしてあげるよ」

 

「うう〜〜」

 

うなだれている遊輝を響が慰めて、他のクラスの状況を見守る。

 

 

スバル side out

 

 

 

 

【ダイジェスト・予選トーナメント 〜小等部〜】

 

 

 

 

小等部の予選トーナメントも終盤に差し掛かってきた。既に代表クラスが1つ決まり、残りの枠を決めるデュエルが行なわれているが・・・・・・・・・・

 

「裁きの龍でダイレクトアタック!」

 

「う、うわあああ!!!」

 

『勝者!小等部5ー3!決勝トーナメント進出は小等部5ー3!』

 

残りの枠は龍亞と龍可率いる小等部5ー3が手に入れた。と言うか予想通りである。龍亞と龍可が圧勝して決めた。この二人、中等部や高等部相手でも勝ち始めてきたので、小等部相手だともう負け無しである。理由として龍亞は、文化祭で決勝戦まで行けた事や軽音部の仲間たちとデュエルしていった事。これでデュエリストとしての自信がかなりついたのである。龍可は・・・・・・・・・・言わなくても良いだろう。『チートドロー付きのカオス・ライトロードに勝つ』というのは、どれだけ難しいことか読者の皆さんなら分かるだろう。あの超鈍感な遊輝が恋愛の事について分かるくらい、いやそれ以上に難しいのである。

 

「私はチートドローじゃない!」

 

「龍可?誰に言っているの?」

 

「分からないけど今確実に誰かが言った!」

 

「そんな根拠の無い事で言うの?(でも、あながち間違ってないと思うな・・・・・)」

 

 

 

予選トーナメント 〜高等部〜

 

 

 

こちら高等部は既に代表クラスが決まった。最上級学年の3ー2、そして・・・・・

 

「アキさん!助かりました!」

 

「そんな事ないわ。みんなが繋いでくれたから、私も頑張れたわ」

 

「でもアキのおかげだせ!ほんとにありがとな!」

 

アキがいる高等部1ー1、こちらは苦戦をしいられながらも無事に決勝トーナメント進出を決めた。ちなみに今アキに話しているのは、ルームメイトである。

 

 

 

遊輝 side

 

今日の予選会の出番が無く、観客席で他のクラスのデュエルを見るだけになってしまいました。ほんとに暴れたかったのに!!デュエルは明日までのお預けとなり、ワイルドカード争いが終わったので、決勝トーナメントの抽選会が行われた。

 

 

第1試合 高等部1ー1 VS 中等部1ー2

第2試合 中等部1ー1 VS 高等部3ー2

第3試合 小等部5ー3 VS 中等部3ー3

第4試合 高等部2ー1 VS 小等部6ー2

 

 

 

1回戦から高等部のクラスが相手になるのか。そして2回戦は・・・・・

 

「2回戦になればアキさんところのクラスに当たるわね」

 

「これは苦戦しそうね」

 

「でもそこを乗りきれば優勝の可能性が見えるわね」

 

「その前にもしかしたら龍可たちのクラスと決勝で当たるかもしれないかもな」

 

「どんな相手でも楽しんで行こうぜ!」

 

俺たちは結束を固めて、明日以降の決勝トーナメントに臨む。

 




遊輝「俺のデュエル・・・・・」

奏「明日頑張れば良いじゃない」

レミ「何はともあれ、決勝トーナメント進出よ!去年より良い成績を残しましょう!」

遊輝「去年は何処まで行ったの?」

スバル「決勝トーナメントの1回戦で負けたよ。惜しかったけどな」

響「でも今年は大丈夫!遊輝が入れば何とかなるよ!少なくとも龍可ちゃん相手には!」

遊輝「・・・・・勝てる気がしねぇよ」

奏「それでは今日のオリカ紹介、氷結界の意志よ」


氷結界の意志 魔法
①自分の墓地に存在するLv4以下の「氷結界」と名のついたモンスター1体をゲームから除外して発動する。
除外したモンスターと同じレベルの「氷結界」と名のついたモンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力と守備力は0になり、効果は無効になる。


スバル「墓地の氷結界を除外して同じレベルの氷結界をリクルートする能力だ。攻撃力と守備力は0になるけど、効果を使えるんなら関係ないな」

遊輝「というより、氷結界のサポートカードが少なすぎなんだよな。氷結界専用の特殊召喚カードってなかった・・・・・はず」

レミ「次回から決勝トーナメント!一話毎に一つのデュエルを載せるから!」

スバル「タイトルは【決勝 1回戦第一試合 聖刻龍VS黒炎龍】」

響「次回も宜しくね♪」


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第45話 決勝1回戦 1試合目 聖刻龍VS黒炎龍

最強カードの紹介〜〜

龍亞「ひっさしぶり!!龍亞だよ!!」

改定作業から2週間、何でここまで改定出来たんだ?

龍亞「ペースが異常だからだと思う。1日6話とかおかしいでしょ」

いや・・・何か・・・・気づいたらこんなにやっていた。

龍亞「だから話すネタが無くなっていくんだよ」

サーセン。最強カードの紹介に行こう。

龍亞「今回は聖刻龍王ーアトゥムス。なんか今更感があるんだけど・・・・・」

これぐらいしか紹介できそうなカードが無いんだよ。

龍亞「まあいっか。ドラゴン族の☆6モンスター2体でエクシーズ召喚ができる、遊輝の聖刻デッキの切り込み隊長だ!」

1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除く事で、デッキからドラゴン族モンスター1体を攻撃力と守備力を0にして特殊召喚できる!レダメを呼んだり、銀河眼を呼んだりとその場で最適なモンスターを呼べば良いぞ。

龍亞「その代わり、効果を使ったターンは攻撃できないけど・・・・・」

聖刻デッキなら重要なモンスターだ。

龍亞「第45話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

ジリリリ・・・・・

 

目覚まし時計の音を止め、眠たい目をこすりながらベッドから身体を起こす。時間にしては午前5時だ。クローゼットにあるジャージを取り出し、着替えてベランダに出る。

 

「ふわぁ〜〜、眠いな〜〜・・・・・それじゃダイヤ、今日もよろしく」

 

『分かりました』

 

ダイヤが上空に魔導波を放ち、放たれた波動はやがて重力に負けて落下し始める。上空を見上げ冷静に竹刀を取り出し、上から落ちてくる魔導波を斬る。

 

「・・・・・・もうちょっと肩の力を抜いた方が良いな。もう一回、今度はさっきの倍で」

 

『はい』

 

再びダイヤが魔導波を放ち、それを斬る。何をしているのかと言うと、朝早くから身体や技術を鍛えている。この世界に来ても剣道の練習だけはしたかったから、こうやって練習をしている。それと鍛えているのはもう一つある。

 

「えっと・・・・・太陽を両手で作り・・・・・」

 

シークレットシグナーの能力もこの時間に練習している。というより、この時間しか練習できない。太陽を使って練習すると言うのはなかなか外だとできないし、それに昼間は龍亞や龍可たちとデュエルや勉強をしているからな。

 

「(・・・・・あっ、太陽を連鎖させるようにすれば・・・・・)」

 

そんなこんなで1時間半が経ち今度は・・・・・

 

「弁当のおかずどうしようかな?」

 

冷蔵庫を開け材料を見ながら今日の弁当のおかずを考える。それに加えて今日の晩飯も。・・・・・レンコンに豚のミンチ、人参と小松菜に昨日の魚の残り物・・・・・

適当に材料を取り、料理を始める。

 

「ふわぁ・・・・・・・・おはよう遊輝」

 

眠たそうな顔をしながら龍可がリビングに降りてきた。

 

「おはよう。もうすぐご飯ができるから顔を洗っておいで」

 

「は〜い・・・・・」

 

目をこすりながら、龍可は洗面所に向かっていった。

 

「さてと・・・・・・・」

 

料理が出来上がったので、中華鍋とちょっと大きなおたまを持ち階段を上がって部屋に入る。そこには気持ちよく寝ている龍亞がいる。慎重に龍亞の近くまで近寄り・・・・・・

 

「起きろおおお!!!!!」

 

ドンガンゴンガン!!!!!

 

「!?!?!?うわあっ!!!」

ドカン!!!

 

耳元で叩かれた龍亞は飛び上がるように起き、勢いそのままにベッドから床にダイブする。

 

「いたた・・・・・・・その起こし方やめてよ!!」

 

「こうしないと起きないだろうが。やめて欲しかったら自分で起きろ。ご飯が出来上がったから顔を洗っておいで」

 

頭を抑えている龍亞に早く降りるように言い、部屋を出る。

 

〜(数時間後 アカデミア)〜

 

 

『今日から決勝トーナメント1回戦を始めます!Aコート!高等部1ー1VS中等部1ー2!!Bコート!中等部1ー1VS高等部3ー2!!それぞれコールされたデュエルフィールドに行きなさい!』

 

朝の支度をおえて、アカデミアでのデュエル大会。今日から決勝トーナメント。3回勝てば優勝出来る。

 

「今日の1番手は・・・・・」

 

「俺!!ようやくデュエルできる!」

 

「そこは空気を呼んで誰かに譲るとか・・・・・」

 

「誰が譲るか!今日は暴れてくるって決めてるんだから!」

 

「昨日のレミや奏みないな事はするなよ」

 

「分かってるよ。んじゃ行くわ」

 

ベンチでみんなとタッチしてデュエルフィールドに上がる。相手は・・・・・ん?何処かで見た事があるような・・・・・

 

「お前はあの時の!」

 

「あ〜〜・・・・・・・・・・誰だ?」

 

「(ズカッ)文化祭で小等部に聖刻デッキを貸したエクシーズ使いだろ!」

 

あ〜思い出した。龍可が聖刻デッキで1killしたホルス使いか。あの時、俺執事をやっていたからあんま記憶に無いんだよね。

 

「あの時のリベンジ!果たしてもらうぞ!」

 

「あれは龍可がデュエルしただけで・・・・・」

 

「覚悟しろよ!」

 

「(・・・・・・駄目だこりゃ)」

 

『中等部1ー1から遠藤遊輝!そして高等部3ー2から斎藤 隆史のデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊輝 LP 4000 隆史 LP 4000

 

「俺の先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・・・・・・・えっ!?何この手札!?

 

 

・レダメ

・地獄の暴走召喚

・死者蘇生

・神龍の聖刻印

・サイクロン

・一時休戦

 

 

何て言う手札何だよ!おかしいだろ!聖刻デッキなのに肝心の聖刻達がいないなんて!

 

「魔法カード、一時休戦!互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローし、次の相手ターンのエンドフェイズまで全てのダメージを0にする!」

 

なんか来い、なんか来い・・・・・

 

「ドロー!!」

 

遊輝 手札 5枚→6枚 隆史 手札 5枚→6枚

 

・・・・・・・・・・よっしゃ!

 

「魔法カード、召集の聖刻印!デッキから《聖刻》と名のついたモンスターを1体手札に加える!デッキから《聖刻龍ートフェ二ドラゴン》をサーチ!」

 

デッキの中のカードが1枚だけ飛び出し、そのカードを手札に加える。

これでカーDがあれば最高の1ターン目なんだけどな〜。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

隆史 手札 7枚

 

「フィールド魔法、始皇帝の陵墓を発動!その効果でライフを1000払い・・・・・」

 

「そのタイミングで速攻魔法、サイクロン!始皇帝の陵墓を破壊する!」

 

「何だと!?」

 

隆史 LP 4000→3000

 

フィールドが暗闇の墓に包まれたが、地面から変な物体が出てきた所で大きなサイクロンが起き、始皇帝の陵墓が破壊される。

 

「フィールド魔法が存在しないからアドバンス召喚は不発。ホルスも召喚出来ないぜ!」

 

「くそっ!ならばホルスの黒炎竜 Lv4を召喚!」

 

ホルスの黒炎竜 Lv4 攻1600

 

ホルスの子どもみたいな鋼の身体をした鳥が上から降りてきた。

 

「お前の一時休戦の効果で戦闘は無意味だな。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

隆史 手札 4枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

ホルスの黒炎竜 Lv4 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

さてと、ホルスのLv6の召喚は止めれたけど、次のターンは止められないし何より聖刻龍が1体しかいないし・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

やっべ!本当に聖刻龍が来ない!これは本格的にやばいぞ!

 

「どうした!?何も手がないのか!?」

 

ちくしょう!そうですよ!パーツが全く来ないんだよ!

 

「くっ・・・・・このままターンエンド」

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「それで終わりか!?俺のターン!ドロー!」

 

隆史 手札 5枚

 

「ホルスの黒炎竜 Lv4をリリースし、ホルスの黒炎竜 Lv6をアドバンス召喚!」

 

ホルスの黒炎竜 Lv6 攻2300

 

「さらに魔法カード、レベルアップ!ホルスの黒炎竜 Lv6を墓地に送り、デッキからホルスの黒炎竜 Lv8を特殊召喚!」

 

ホルスの黒炎竜 Lv8 攻3000

 

何でそんな都合よくレベルアップが手札にあるんだよ!?おかしいだろ!!

 

「バトル!ホルスの黒炎竜 Lv8でダイレクトアタック!」

 

ホルスが黒い炎の玉を履き、俺の周りで燃え上がる。

 

「ぐうぅぅ!!!!」

 

遊輝 LP 4000→1000

 

さすがに3000のダメージは痛いな。しかもホルスが出たから次のターンから魔法が発動できないな。そしてあの伏せカード、ほぼお触れとみて良いだろう。やばいな・・・・・魔法も罠も封じられたな・・・・・

 

「これでターンエンド!次のターンで俺の勝ちだ!」

 

 

隆史 手札 3枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

ホルスの黒炎竜 Lv8 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

あいつの言う通り、次のドローで何かモンスターを引かないと負けてしまう。・・・・・・・・・頼むぞ!みんな!

 

「俺のターン!!ドロー!!」

 

遊輝 手札 7枚

 

・・・・・・・・・・やっと来た!!しかも今一番欲しかったカード!!

 

「聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

後ろからトフェニドラゴンがすっ飛んできた。

 

「効果の説明は不要だな!トフェニドラゴンをリリースして聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

トフェニドラゴンが消えて、青い身体のシユウドラゴンが姿を表す。

久しぶりにフィールドに出たせいなのか、いつも以上に回っている気がするけど・・・・・

 

「シユウドラゴンはフィールドの《聖刻》と名のついたモンスターをリリースする事で、手札から特殊召喚出来る!そしてトフェニドラゴンの効果!デッキ・手札・墓地からドラゴン族の通常モンスターを攻撃力と守備力を0にして特殊召喚する!デッキからエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「「「「((((あっ、このデュエル終わった))))」」」」

 

「Lv6のシユウドラゴンとエレキテルドラゴンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

「!?そ、そいつは!?」

 

「デッキの切り込み隊長、アトゥムスだ!効果発動!オーバーレイ・ネットワークを1つ取り除き、デッキからドラゴン族モンスターを攻撃力と守備力を0にして特殊召喚する!現れろ!銀河を宿いし光の龍!銀河眼の光子竜!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

銀河眼の光子竜 攻/守 3000/2500→0/0

 

 

アトゥムスの咆哮により、上空に銀河の穴が開いてプラチナが降りてきた。

 

『今日は私がデッキからですか』

 

「すまん、レダメが手札にきてしまったからとどめもさせないけど」

 

『構いません。たまにはそういう日もありますから』

 

ありがとな。お前のおかげでこのデュエル勝てるよ。

 

「さらにアトゥムスをゲームから除外してレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

 

アトゥムスが消えて、その代わりに鋼の鎧を纏ったレッドアイズが姿を表した。

 

「レダメの効果!1ターンに1度、このカード以外のドラゴン族モンスターを手札または墓地から特殊召喚する!墓地からエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン 攻2500

 

「お前がどれだけドラゴンを並んでも、俺のホルスにかなわないなら意味が無いな!」

 

「本当にそうなるかな?バトル!銀河眼の光子竜でホルスの黒炎竜 Lv8に攻撃!」

 

「血迷ったか!?攻撃力0のモンスターでホルスに攻撃だと!」

 

プラチナがエネルギーを蓄えるが、同時に身体が強く光り始めた。

 

「ぐっ!?何だこれは!?」

 

「銀河眼の効果!このカードが戦闘を行う時、このカードとこのカードの攻撃対象となった相手モンスターをバトルフェイズ終了までゲームから除外する!」

 

「な、何だと!?」

 

プラチナが身体から光を放つと、上空に先ほど現れた銀河が再び現れて、プラチナとホルスが吸い込まられた。これがプラチナの最大の強み。どれだけ攻撃力を下げられても、どれだけ強いモンスターを攻撃してもこの能力で一発で回避できる。戦闘じゃほぼ無敵だ。

 

「そ、そんな・・・・・・・俺のホルスが・・・・・俺がまた負けるだと・・・・・」

 

「ホルスは確かに強いよ。でも、ホルスが最強のカードでは無いよ。どんなカードも、色んなコンボで破られるのさ。エレキテルドラゴンでダイレクトアタック!」

 

エレキテルドラゴンが電気の塊を作り、相手に向かい放つ。

 

隆史 LP 3000→500

 

「ラスト!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでダイレクトアタック!ダークネスメタルフレア!」

 

 

隆史 LP 500→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 斎藤 隆史

 

 

 

 

『勝者!中等部1ー1、遠藤遊輝!』

 

ふぅ〜、危なかった〜。

 

『ご苦労様です』

 

「ありがとう。さてと」

 

デュエルフィールドから降りて、皆が待つベンチに行く。

 

「良くやったよ!あの状況からよく逆転したね」

 

「というより、いつもより動きが遅かったわね」

 

「しゃねぇだろ!!事故ってしまったんだから!あのデッキは事故率が高いんだから!」

 

「よく言うぜ。それがあのデッキを使う持ち主のセリフかよ」

 

「毎回数ターンで決めるのは誰よ!」

 

・・・・・・・・・・言い換えさせられねぇ〜〜

 

「次は私ね」

 

「頑張ってよ奏!このままの勢いで勝ってきてよ!」

 

ベンチで準備を終えた勝ってが立ち上がり、俺に代わってデュエルフィールドに上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント1回戦

 

中等部1ー1 対 高等部3ー2

 

第1試合 遠藤遊輝 ◯ ー × 斎藤 隆史

 

総合結果 1 ーー 0

 




遊輝「暴れられなかった」

スバル「あれで十分だろ!確かにちょっと危なかったが」

レミ「いつもより遅かったのは事実ね」

遊輝「あれはマジで無いよ。一時休戦が無かったら、本当に終わっていた」

響「全てのダメージが0・・・・・悪いカードね」

奏「だから現実世界で制限行きになるんだよ」

遊輝「作者泣いていたな」

響「そんな事よりブリューナク帰ってきて!」

レミ「永遠に無理な願いね。あんな壊れカードが帰ってきたら、終わりよ」

響「私のデッキが終わるよ!」

遊輝「(ターン1になったら帰ってきそうだけどな)」

スバル「次回は奏だな」

奏「タイトルは【決勝1回戦 2試合目 堕天使降臨!】」

レミ「堕天使・・・・・どうかんがえても・・・・・」

遊輝「裏デッキだな・・・・・」

響「次回もよろしくね!」


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第46話 決勝1回戦 2試合目 堕天使降臨!

最強カードの紹介〜〜

龍可「お久しぶりです」

これ初めて出した時期が高3のゴールデンウィーク。あの時は忙しかったが、今回は割とゆっくり出来たな。

龍可「ゆっくりしすぎるほどでしょ」

それが良いんだよ。最近、何かと忙しいから。

龍可「ただ遊んでるだけにしか思えないんだけど」

最強カードの紹介に行きましょう!

龍可「今回は堕天使スペルビア!奏さんの裏のデッキの主要カードの1枚!」

墓地から特殊召喚に成功した時、自身以外の天使族モンスター1体を墓地から特殊召喚出来る!《終世》なら必須カードだな!

龍可「蘇生方法は定番の死者蘇生、それとアテナに光と闇の竜、他にもあるわよ」

最近は再録されたから作りやすくなったな。エクシーズモンスターも出せるし。

龍可「第46話、デュエルスタート!」


奏 side

 

『では、2試合目に出る生徒はデュエルフィールドに上がってください』

 

先生のアナウンスに従い、私はデュエルフィールドに上がる。最初の試合は遊輝が事故を起こしながらも勝ってきたから、予選よりかは気持ちが楽になって戦えるわ。

 

『2試合目!中等部1ー1から水野奏!高等部3ー2から畠中 卓!』

 

私の対戦相手は身長の高い眼鏡を掛けた男の人だ。

 

「あっ!お前!文化祭で可愛いメイド服を着た女の子を働かせた悪い女!」

 

そう言って相手が私に指を指した。あっ、あの人って文化祭で遊輝を連れ去ろうとした人なのね。でも・・・・・

 

「悪い女って人聞き悪い言い方は無いでしょ!それに遊輝は男よ!」

 

「あんな可愛い娘が男のはずがない!お前こそあんな恥ずかしい格好させて自分の模擬店で良いように使っていただろ!」

 

「クラスで決めた事なんだから悪くはないでしょう!それに本人から了承を得ているのよ!」

 

「顔を赤くして働いていて何処が了承を得ているんだ!?この女悪魔!!」

 

カチンッ!

 

「良いわ!!コテンパンにしてあげる!!」

 

デスクに差してあったデッキをケースに戻し、もう一つのケースに入っている裏のデッキをデスクにする。

覚悟しなさい・・・・・完璧にやっつけてやるから!!

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 畠中 卓 LP 4000

 

 

【その頃、中等部1ー1ベンチは・・・・・】

 

「あいつまだ遊輝の事を女だって想っているぜ」

 

「しつこい男は嫌われるよ!」

 

「そんな事より俺、本当に性別が違う事に結構凹むんだけど・・・・・」

 

「デュエルが終わったら、真実を教えてあげましょう」

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

卓 手札 6枚

 

「ジュラック・ヴェローを召喚!カードを1枚伏せターンエンドだ!」

 

 

卓 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジュラック・ヴェロー 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

・・・・・この手札だったらデッキ圧縮と墓地肥やしからだね。

 

「魔法カード、トレード・イン!手札のLv8のモンスター、堕天使 スペルビアを墓地に送りカードを2枚ドロー!さらに魔法カード、おろかな埋葬!デッキから堕天使 リリスを墓地に!」

 

デッキから1枚のカードが飛び出し、そのカードを墓地に送る。

 

「ジェルエンデュオを守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジェルエンデュオ 守0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

卓 手札 5枚

 

「(くっ、ジェルエンデュオを破壊出来るカードがない!ここは場を固めるか・・・)ジュラック・プティラを守備表示で召喚!」

 

ジュラック・プティラ 守1500

 

「カードをもう1枚伏せターン」

 

「そのエンドフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、王宮のお触れ!お互いに罠カードの効果を無効化にする!」

 

「くそっ!(化石発掘と狩猟本能が!)ターンエンド!」

 

卓 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジュラック・ヴォロー 攻1700

ジュラック・プティラ 守1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

相手が場を固める前に一気に決めよう!

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

まずは・・・・・

 

「速攻魔法、神秘の中華なべ!ジェルエンデュオをリリースしてその攻撃力分のライフを回復する!」

 

奏 LP 4000→5700

 

いつもなら負けそうな時に使うカードだけど今回はフィールドを開ける事に意味があるわ。

 

「手札からヘカテリスの効果発動!このカードを手札から捨て、デッキから神の居城ーヴァルハラを手札に加えてそのまま発動!」

 

私のフィールドに古代の神殿が地面から盛り上がってくる。

 

「ヴァルハラは自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札から天使族モンスターを特殊召喚出来る!闇に染まる天使が今ここに舞い降りる!堕天使アスモディウス!」

 

堕天使アスモディス 攻3000

 

ヴァルハラの光により、上空から漆黒の天使の羽をまとって下半身がスカートで鎖をつけ、頑丈な鎧をつけた天使が舞い降りてきた。

 

「攻撃力・・・・・3000!?」

 

「アスモディウスの効果!デッキから天使族モンスター1体を墓地に送る!堕天使エデ・アーラエを墓地に!バトル!堕天使アスモディウスでジュラック・ヴォローに攻撃!ヘル・パレード!」

 

アスモディウスが黒い球を5つ作りだし、ジュラック・ヴォローを破壊する。

 

堕天使アスモディウス 攻3000

ジュラック・ヴォロー 攻1700

 

卓 LP 4000→2700

 

「ぐわっ!!ぐっ・・・・・ジュラック・ヴォローの効果!攻撃表示のこのカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1700以下の《ジュラック》と名のついたモンスターを特殊召する!ジュラック・グアイバを特殊召喚!」

 

ジュラック・グアイバ 攻1700

 

「これでターンエンド!」

 

 

奏 手札 1枚 LP 5700

【モンスターゾーン】

堕天使アスモディウス 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

王宮のお触れ

神の居城ーヴァルハラ

 

 

「くっ!俺のターン!ドロー!」

 

卓 手札 4枚

 

「(来たぜ!)ジュラック・デイノを召喚!」

 

ジュラック・ディノ 攻1700

 

「Lv4のグアイバとLv3のプティラにLv3のデイノをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 + ☆3 = ☆10

 

「長き納めし地に隕石が飛来する!全てを破壊しろ!シンクロ召喚!ジュラック・メテオ!」

 

ジュラック・メテオ 攻2800

 

「ジュラック・メテオの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、フィールド上のカードを全て破壊する!」

 

「何ですって!?」

 

上空から巨大な隕石が落ちてきて、フィールドのカードを全て焼き尽くした。

 

「その後、墓地からチューナーモンスターを特殊召喚できる!ジュラック・デイノを特殊召喚!」

 

ジュラック・デイノ 攻1700

 

隕石が落ちた所から小さなティラノサウルスが出てきた。

 

「くっ・・・・・こっちもアスモディウスの効果発動!破壊され墓地へ送られた時、2体のトークンを特殊召喚する!アスモトークンを攻撃表示、ディウストークンを守備表示で特殊召喚!」

 

アスモトークン 攻1800

ディウストークン 守1200

 

アスモディウスの亡霊の身体が分裂して、2体のトークンを生み出した。

 

「アスモトークンはカード効果で、ディウストークンは戦闘によって破壊されない!」

 

「何だと!?(これじゃジュラック・メテオの効果を使った意味がない!だが・・・・・)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アスモトークン ☆5

闇属性 天使族 攻1800 守1300

このカードはカード効果では破壊されない。

 

 

ディウストークン ☆3

闇属性 天使族 攻1200 守1200

このカードは戦闘では破壊されない。

 

 

卓 手札 2枚 LP 2700

【モンスターゾーン】

ジュラック・デイノ 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(俺の伏せカードはミラーフォース!どんなモンスターでもこのカードで破壊してやる!)」

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 2枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!お互いにデッキからカードを3枚ドローする!」

 

奏 手札 1枚→4枚 卓 手札 手札 2枚→5枚

 

「魔法カード、神殿に眠る天使!墓地の神の居城ーヴァルハラをゲームから除外し、フィールドのディウストークンをリリースして墓地から堕天使スペルビアを特殊召喚!」

 

堕天使スペルビア 攻2900

 

「堕天使スペルビアの効果発動!墓地から特殊召喚した時、墓地からこのカード以外の天使族モンスターを特殊召喚する!堕天使リリスを特殊召喚!」

 

堕天使リリス ☆6 攻2450

スペルビアが地面から引きずり出したのは、右足から左腕にかけて大蛇を纏った、黒髪・黒翼の美女。このカードのおかげで堕天使を入れやすくなって助かるわ。

 

「堕天使リリスの効果発動!墓地から特殊召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンさせる!」

 

「何!?」

 

リリスの大蛇が口から黄色い息を吐き、それを吸ったジュラック・デイノが苦しみ始める。

 

ジュラック・デイノ 攻1700→700

 

「(だ、だがまだミラフォがある!)」

 

「フィールド魔法、始皇帝の陵墓!効果でLPを2000を払い、光と闇の竜をアドバンス召喚!」

 

奏 LP 5700→3700

光と闇の竜 攻2800

始皇帝のリリースから、身体の半分が白、もう半分が黒色で出来た龍が空から降りてきた。

これがアテナ、スペルビアに継ぐ私の裏デッキのもう一つの切り札、光と闇の竜。昔は王宮のお触れを3枚とこのカードで相手の行動を阻止して墓地にカードを貯める、そういう戦法をとっていたのよ。今は少し違うけど。

 

「ら、ライトアンドダークネス!?!?(しまった!!これじゃミラフォが!!)」

 

「このドラゴンの前ではあらゆる効果は無効よ!!バトル!光と闇の竜でジュラック・デイノに攻撃!シャイニングブレス!」

 

光と闇の竜が光の光線をジュラック・デイノに放つ。

 

光と闇の竜 攻2800

ジュラック・デイノ 攻700

 

卓 LP 2700→600

 

「堕天使リリスでダイレクトアタック!」

 

大蛇を連れて、リリスが相手を翼で斬りつけた。

 

卓 LP 600→0

 

 

WIN 奏 LOS 卓

 

 

『勝者、中等部1ー1!水野奏!』

 

「ま、また負けた・・・・・」

 

デュエルに負けた相手はガックリと膝を地面につける。

 

「これであの娘は・・・・・」

 

「あの〜〜、その事何だけど・・・・・」

 

後ろからレミの声が聞こえたから、振り向くとレミが顔を赤くなっている遊輝を連れてデュエルフィールドに上がっていた。

 

「君が告白した娘を連れて来たよ」

 

「//////娘って言うなああ!!!」

 

会場に遊輝の大声が響き渡る。それを聞いた相手は驚いたような顔をして遊輝を見る。

 

「う、うそ・・・・・だろ・・・・・声が一緒だ・・・・・」

 

「あの時は少し声を高くしてもらったんだけどね。ほら!あんたが告白した娘だよ!」

 

そう言って、レミは遊輝を突き出す。

 

「/////文化祭で告白されたのは俺です!!もうこれ以上構わないでください!!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「あれっ?お〜い?」

 

口をパックリと開けて、男子生徒は遊輝を見たので、レミが右手で相手の意識を確認する。

 

「・・・・・・・・・・ダメだね」

 

「そんなにショックだったのかな?遊輝が男って事に?」

 

「/////それ以上言うな!!!」

顔をさらに赤くした遊輝の大声がもう一度会場に響き渡って、私とレミは笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント1回戦

第1試合 遠藤 遊輝 ◯ ー × 斎藤 隆史

第2試合 水野 奏 ◯ ー × 畠中 卓

 




遊輝「/////恥ずかしい・・・・・」

スバル「お前、やっぱモテるんだな。特に男子に」

レミ「いや〜、まさかこんな時期まで遊輝を女の子と思っているとは思わなかったよ」

響「やっぱ印象に残るんだね!」

奏「あれだけの女性はなかなかいないからね」

レミ「さあ、オリカに行きましょう!まずは神殿に眠る天使」


神殿に眠る天使 通常魔法
①自分の墓地に存在する「神の居城ーヴァルハラ」をゲームから除外して、自分フィールドの天使族モンスターと墓地の天使族モンスターを1体ずつ選択して発動する。
選択したモンスターを破壊して、墓地から選択したモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、攻撃できない。



スバル「改訂版にする際に効果を修正して強くなったカードだな」

遊輝「よく見たら改訂前のデュエルじゃあスペルビア出なかったし」

響「攻撃出来ない代わりにフィールドと墓地の天使族モンスターを入れ替えることができる!大体はスペルビアなんだけど」

レミ「次はとある作者様から頂いたオリカ!」

奏「今回オリカの投稿をしてくれたフージョニストさん!ありがとうございます!」



堕天使リリス ☆6 〈フュージョニストさん投稿〉
闇属性 天使族 攻2450 守1000
①このカードが墓地から特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、エンドフェイズまで攻撃力を1000ポイントダウンする。



スバル「これで堕天使の種類が増えたな」

奏「多分、次回から裏デッキは《堕天使軸ヴァルハラ》になるわね。堕天使のサポートカードを入れやすくなって、より特殊召喚出来やすくなるわ!」

響「本気で怒った時にしか使わないデッキだから、あまり出る事は無いけどね」

遊輝「次回は【決勝1回戦 3試合目 重層機械に立ち向かう疾風!】」

スバル「次回も宜しくな!」


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第47話 決勝1回戦 3試合目 重層機械に立ち向かう疾風

最強カードの紹介〜〜

遊星「久しぶりだな」

・・・・・・・・・・・・・

遊星「・・・・・話すことないのか」

ありません・・・・・改定していたらネタが尽きました・・・・

遊星「・・・・・早くやろう」

は〜い、最強カードの紹介に行くよ。

遊星「今回はフィールド魔法、竜の渓谷だ」

1ターンに1度、手札を1枚捨てる事で、デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地に落とすか、デッキからLv4以下の《ドラグニティ》と名のついたモンスター1体を手札に加える事が出来るよ!

遊星「前者の効果は毎回ドラゴン族限定の《愚かな埋葬》へと変わるが、その度に手札が減るから手札と考えながら、効果を使わないと後半がしんどいぞ」

後者は《ドラグニティ》を持ってこれる効果!これは手札が減らないから、ドラグニティデッキには必須のカードだぞ!

遊星「第47話、デュエルスタート!」


レミ side

 

決勝トーナメントの1回戦は遊輝と奏のおかげで2連勝!!この勢いで私も勝つわよ!!

 

『3試合目!中等部1ー1から葵 レミ!そして高等部3ー2から高崎 康太!』

 

先生のコールで私と対戦相手が同時に上がる。相手の方は少し顔が焦っているように見える。

 

「(先手と2番手で連敗してしまった。何とかして俺が勝たないと高等部としてのメンツが無い!)」

 

あらあら、何かずいぶん焦っているわね。そんな事してたら負けてしまうよ。

 

『3試合目、デュエルスタート!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

レミ LP 4000 康太 LP 4000

 

 

「先行は私!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

ラッキー!テラ・フォーミングが来たよ!これはありがたいね!

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!デッキからフィールド魔法、竜の渓谷を手札に加えてそのまま発動!」

 

フィールドがいつもの龍で飛び交う夕日が落ちる渓谷に変わっていく。

 

「竜の渓谷の効果!手札を1枚墓地に送って、《ドラゴン族を墓地に送る》の効果を選択!デッキからドラグニティーファランクスを墓地へ!モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体】

【魔法・罠ゾーン

竜の渓谷 (フィールド魔法)

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!」

 

康太 手札 6枚

 

「俺はマシンナーズ・ギアフレームを通常召喚!」

 

マシンナーズ・ギアフレーム 攻1800

オレンジの身体をした人型の機械が現れた。

 

「マシンナーズ・ギアフレームは召喚に成功した時、デッキから《マシンナーズ》と名のついたモンスターを手札に加える!デッキからマシンナーズ・フォートレスを手札に!そして手札のマシンナーズ・スナイパーとマシンナーズ・フォートレスを墓地に送り、手札に加えたマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚!」

 

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

 

フォートレスね。悪い手では無いわね。でも・・・・・・

 

「バトル!マシンナーズ・フォートレスで攻撃!」

 

少し焦りすぎだよ!!

 

「リバースカードオープン!ゴッドバードアタック!フィールドの鳥獣族モンスターを1体リリースして、フィールドのカードを2枚破壊する!伏せモンスターのシールド・ウィングをリリースして、マシンナーズ・ギアフレームとフォートレスを破壊!」

 

伏せモンスターのシールド・ウィングが現れて、赤い炎を纏い、フォートレスとギアフレームに突っ込んでいった。

 

「くっ!?手札のマシンナーズ・フォースを墓地に送って、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚!カードを2枚伏せターン終了!」

 

 

康太 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

手札にまだあったの!?でも大分焦っているのは変わらないね。おかげで、手札がハンドレスになってくれたし。

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

「龍の渓谷の効果!手札を1枚捨てて、もう一度《デッキからドラゴン族モンスターを墓地に送る》効果を選択!デッキからドラグニティアームズーレヴァティンを墓地へ!」

 

確かあのモンスターってハンデス付きだったわね。だったら・・・・・・

 

「カードを1枚伏せ、ドラグニティーレギオンを召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

「レギオンの効果!召喚に成功したから、墓地のLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを装備できる!墓地のファランクスをレギオンに装備!」

 

墓地からファランクスが出てきて、レギオンの頭に引っ付いた。

 

「レギオンの第二の効果!装備モンスターを墓地に送って、相手のモンスター1体を破壊する!ファランクスを墓地に送り、マシンナーズ・フォートレスを破壊する!」

 

「マシンナーズ・フォートレスが相手の効果モンスターの対象になった時、相手の手札を1枚確認して墓地に送れるが・・・・・・」

 

「すでに私の手札は0!無意味ね!」

 

レギオンに引っ付いたファランクスが飛び、フォートレスに突っ込んで双方とも破壊される。

 

「くそっ!」

 

「バトル!レギオンでダイレクトアタック!」

 

「そんな攻撃を通すか!罠カード、炸裂装甲(リアクティブアーマー)!相手の攻撃モンスター1体を破壊する!」

 

「うそっ!?」

 

レギオンが装甲に無理矢理装備されて、その装甲が爆発した。

これは、まずいわね・・・・・・手札がハンドレスでモンスターがいないのは、相手がモンスターを出せばダメージは確実ね。

 

「ターンエンド!」

 

 

レミ 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!」

 

康太 手札 1枚

 

「マシンナーズ・カノンを墓地に送って、マシンナーズ・フォートレスを特殊召喚!バトル!マシンナーズ・フォートレスで攻撃!」

 

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

またか!良い加減フォートレスを諦めたらどうなのよ!!

 

「バトル!マシンナーズ・フォートレスで攻撃!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを1度だけ0にして、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

レミ 手札 0枚→1枚

 

「くそっ!ターン終了!」

 

 

康太 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン 】

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

どんどん苛立ってくれるわね!!この調子ならこの不利な状況でも行けるわ!

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 2枚

 

良し!そろそろ動くか!

 

「竜の渓谷の効果!手札のカードを墓地に送って、今度は《Lv4以下の《ドラグニティ》と名のついたモンスターを手札に加える》を選択!デッキからドラグニティードゥクスを手札に加え、そのまま召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果!召喚に成功した時、墓地からLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを装備カードとしてこのカードに装備する!墓地のファランクスを装備!そして装備されたファランクスの効果!このカードを特殊召喚する!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

いつも通りドゥクスの腕に付いていたファランクスがドゥクスから離れ、一言も話さずドゥクスの隣に降りてきた。相変わらず無口だね。働き物だから、余計な事で体力を使いたくないのかな?

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

赤い竜にミリトゥムが乗ったモンスターが空から飛んできた。

 

「ヴァジュランダの効果!シンクロ召喚に成功した時、墓地のLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを装備する!もう一度ファランクスを装備!そしてファランクスの効果で自身を特殊召喚!Lv6のヴァジュランダにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

光の中から、嵐のような突風がデュエルフィールドに吹き荒れて左に刃を備えたフェザーがポーズを決めて空から降りてくる。

 

『そろそろ終盤ですか?』

 

「そう。もう1ターンかかってしまうけどね」

 

『大丈夫です。私はいつも通りレミ様の勝利に導くだけです』

 

「私だけじゃないよ。私たちだよ!」

 

『・・・・そうですね。私たちの勝利を導きます!』

 

「よっし!フェザーの効果!シンクロ召喚成功時、墓地のドラゴン族モンスターを任意の数だけこのカードに装備する!墓地から、《ファランクス》《コルセスカ》《ピルム》《パルチザン》を装備!」

 

フェザーの下からドラグニティの群が出てきて、フェザーの身体や頭などにくっ付いていく。

 

「永続魔法、竜操術!《ドラグニティ》と名のついたモンスターを装備したモンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800→3300

 

「(どんだけ攻撃力を上げても、次元幽閉で返り討ちにしてやる!)」

 

「フェザー・ウィングのもう一つの効果!墓地の風属性モンスター、《ドラグニティードゥクス》をデッキに戻して、フィールド上のカード1枚を持ち主の手札に戻す!」

 

「んな!?」

 

「フィールドから手札に戻すのは、そのリバースカード!ウィンドセプション!」

 

フェザーが翼を広げ、フィールドに突風が起きる。突風にあおがれた相手のリバースカードはそのまま相手に手札に戻っていく。

 

「バトル!フェザー・ウィング・ドラゴンでマシンナーズ・フォートレスを攻撃!ストーム・ウィングブレイク!」

 

フェザーが左の刃をマシンナーズ・フォートレスに焦点をあわせ、上空から一気に加速して、マシンナーズ・フォートレスを貫いた。

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻3300

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

 

康太 LP 4000→3200

 

「ぐっ!!だ、だが、この瞬間!マシンナーズ・フォートレスの効果!戦闘で破壊された事で、相手フィールドのカード1枚を破壊する!フェザー・ウィング・ドラゴンを破壊だ!」

 

瓦礫とかしたマシンナーズ・フォートレスの大砲がフェザーに向けて銃弾を撃った。それをフェザーは翼で受け止める。

 

「!?何故破壊されない!?」

 

「残念だけど、フェザーは装備モンスターを1体墓地に送る事で破壊から免れる!装備されているパルチザンを墓地に送って、この破壊から免れたのよ!」

 

「な、なに!?!?」

 

「そして、装備されたコルセスカの効果!装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、装備モンスターと同じ属性・種族のLv4以下のモンスターを手札に加える!デッキからドラグニティーアキュリスを手札に!これでターンエンドよ!」

 

 

レミ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷

竜操術

ファランクス (フェザー)

コルセスカ (フェザー)

ピルム (フェザー)

 

 

「お、俺のターン・・・」

 

康太 手札 2枚

 

「(くっ・・・・こいつと次元幽閉にかけるしかねぇのか・・・・)カードを2枚伏せてターン終了!」

 

 

康太 手札 0枚 LP 3200

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

う〜ん、リバースカード2枚で来たか。フェザーの効果は1ターンに1度だけだから、外れを引いたらひっくり返されるわね。

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 2枚

 

あっ、良いカードを引いた。これならあのリバースカードを気にせずにバトル出来る!

 

「竜操術の効果!1ターンに1度、手札の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを自分フィールドのモンスターに装備出来る!ドラグニティーバッカーをフェザー・ウィングに装備!」

 

背中に盾を着けた水色の竜がフェザーの右腕に装着した。

 

「バトル!フェザー・ウィング・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「(効果を使わないのか?まあ良い!)伏せカード発動!次元幽閉!これでフェザー・ウィング・ドラゴンはフィールドから除外させる!」

 

フェザー・ウィングの前に次元の穴が開かれ、その中にフェザー・ウィングが突っ込んだ。けど・・・・・・

 

「なにいい!?突き抜けただと!?」

 

次元の穴に入ったフェザー・ウィングが次元の穴から突き抜け、もう一度フィールドに出てきた。

 

「装備したドラグニティーバッカーの効果!装備モンスターが相手の魔法・罠カードの効果の対象になった時、装備されているこのカードを墓地に送る事で、そのターン、魔法・罠カードの効果の対象にはならない!」

 

このカードは、ドラグニティには珍しい防御の効果を備わったモンスター。1度だけだけど魔法・罠カードが守れるから1枚だけデッキに入れているの。

 

「バトル続行!フェザー・ウィング・ドラゴンのダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!」

 

フィールドの真ん中に出来た竜巻に入り、その勢いで相手を貫いた。

 

康太 LP 3200→0

 

WIN レミ LOS 康太

 

 

 

 

『勝者!中等部1ー1、葵レミ!!決勝トーナメント1回戦、中等部1ー1対高等部3ー2は3ー0で中等部1ー1の勝ち!』

 

「イエーーー!!高等部相手に3連勝!!」

 

デュエルフィールドからVサインをして飛び降りる。

 

「結構余裕持って戦っていたな」

 

「相手が勝手に手札を減らしてくれたから、有利になったんだよ!こっちは手札が切れても、竜の渓谷があるし!」

 

「まあこれで準決勝進出1番乗りだな」

 

「他はまだデュエルだから、私も観覧して待っていましょう」

 

「そうだね!」

 

人先早く準決勝進出を決めた私達は、観覧席に上がり、他のクラスの結果を待つ。そして・・・・・・

 

『決勝トーナメント、準決勝の組み合わせは以下の通り!1時間後にデュエルフィールドで始める!』

 

 

第1試合 高等部1ー1 VS 中等部1ー1

第2試合 小等部5ー3 VS 高等部2ー1

 

「やっぱりアキさんのクラスが勝ち上がったわね」

 

「優勝候補ナンバー1のクラスよ!こんな所で負けるはずが無いよ!」

 

「何気に龍可たちのクラスも勝ち上がっているし・・・・」

 

「決勝トーナメントのルールから考えたら、2人と同等のレベルを持ったデュエリストがいるんじゃねえの?」

 

「何はともかくまずは準決勝!アキさんのクラスは今まで以上に強敵!でも、この勢いで勝って決勝戦に行くわよ!」

 

「「「「オオォォーーーーーーーー!!!!!」」」」




響「高等部3連勝!気持ちいいわ!」

遊輝「響はデュエルしていないだろうが!」

スバル「結果的に圧勝だな。最初の遊輝の手札事故だけ仕方ないけど」

奏「私ももうちょっと手札が良かったら、もっと楽なデュエルになったんだけどな」

レミ「私は最高だったよ!いきなり竜の渓谷が来たんだから!」

奏「というわけで今回のオリカ。ドラグニティーバッカーよ」


ドラグニティーバッカー ☆1 チューナー
風属性 ドラゴン族 攻200 守800
①このカードがカードの効果によって装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターが魔法・罠カードの対象になった時、装備されているこのカードを墓地に送る事で、そのターン、装備モンスターは魔法・罠カードの効果の対象にはならない。


遊輝「1度だけだけど魔法・罠の対象にならないようにする」

レミ「とどめを刺す時に万が一の要因として装備するのも面白いわね」

スバル「次は準決勝。優勝候補ナンバー1のアキさん達とのデュエルだな」

響「どんだけ苦しくても勝ってみせるわ!」

遊輝「次回、【準決勝 1試合目 絶対絶命!?ナチュルに立ち向かう氷結界】」

奏「次回もよろしくね」


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第48話 準決勝1試合目 絶体絶命!?ナチュルに立ち向かう氷結界

最強カードの紹介・・・・・・・・

レミ「久しぶり!!私だよ!!」

えっと今回は・・・・ああ、あれか。

レミ「あれ?・・・ああ、そういえばこの話、改定前だとコラボの後に投稿された話だったわね」

おかげであの時大迷惑だったんだぞ。勉強しなきゃいけない時期だったのに。

レミ「ありがとね。じゃあ今日の最強カードに行きましょう!!」

今回は氷結界の神精霊!!

レミ「・・・・・・・・またマイナーなカードを選んだわね」

今回のデュエル、こいつのおかげで助かったよ。こいつがいなかったらずっと悩んでいた。

レミ「ふ〜ん、まあ紹介していきましょう。☆4、水属性、アンデット族、スピリット、という珍しいモンスターだよ」

スピリットモンスター同様の手札に戻る効果があるけど、自分フィールドに他の《氷結界》と名のついたモンスターがいたら、逆に相手フィールドのモンスター1体を戻せる!その代わり、この効果は1度だけだからね。

レミ「第48話、デュエルスタート!」


響 side

 

「う〜ん、どうしようかな?」

 

私は今、ある事で悩んでいる。準決勝開始まで時間があるからデッキ調整をしているんだよ。

 

「・・・・ヒソヒソ(あの響が真剣に考えているよ)」

 

「(熱でもあるのかな?)」

 

「(次の準決勝無事に出られるかしら?)」

 

「どうしたんだよ?そんな真剣な顔をして?」

 

デッキを見て唸っていた所に、スバルが近寄ってきた。

 

「いや〜〜、前の禁止制限でブリューナクが禁止カードに行っちゃって。代わりのカードをずっと探しているんだけどなかなか良いカードが見つからなくて」

 

「それを今考えているのかよ?」

 

「ずっと前からだよ」

 

ブリューナクが禁止カードに入ってしまったから、家でもずっと考えていたけど、なかなか良いのがね〜〜

はぁ〜、なんかあるかな?

 

「・・・・・なぁ、こいつら使えねぇか?余りのカードだからこれくらいなら渡せるけど」

 

そう言ってスバルが数種類のカードを私に提示した。これは・・・・・・確かに合わない事は無いわね。むしろ面白いかも!

 

「ありがとうスバル!おかげで良いデッキが出来そうだよ!」

 

「いいぜそのくらい。その代わりに活躍させろよ!」

 

「任せといて!早速デッキを調整するよ!」

 

スバルに貰ったカードを加え、私の氷結界のデッキを少し改造していく。これはこのカードと変えて・・・・・あっ、そしたらあのカードも入れたら・・・・・・

 

『まもなく準決勝を始めます。出場する生徒はベンチについてください』

 

よっし出来た!試運転無しだけど、このままやってみよう!!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『それではこれより準決勝を始めます!!』

 

『ワアアアァァァァ!!!!!!』

 

準決勝だと言うこともあり、周りの観覧席は満席状態。いいわね。こういう状況でデュエルが出来るなんで幸せだよ!!

 

『Aコート!!高等部1ー1VS中等部1ー1!!Bコート!!小等部5ー3VS高等部2ー1!!それぞれのクラスの代表者は指定されたコートに上がりなさい!』

 

アナウンスの指示に従って私と相手はデュエルフィールドに上がる。

相手は優勝候補ナンバー1のアキさん率いる高等部1ー1。これだけ高等部とデュエルする事も無いし、優勝候補だからきっと強いデュエリスト何でしょうね。

 

『Aコート第1試合!高等部1ー1から興梠 愛里紗!!中等部1ー1から小野寺 響のデュエルを始めます!!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

 

響 LP 4000 興梠 LP 4000

 

 

「先行はあたしがもらうよ!あたしのターン!」

 

興梠 手札 6枚

 

「あたしはナチュル・クリフを召喚する!」

 

ナチュル・クリフ 攻1500

 

「な、ナチュル!?」

 

何で改造したデッキの最初の相手がナチュルになるわけ!?今のデッキじゃナチュル・ビーストを出されたら終わりだよ!!

 

「永続魔法、強者の苦痛!貴方のモンスターは自身のLv×100ポイント攻撃力が下がるわよ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

興梠 手札 3枚

【モンスターゾーン】

ナチュル・クリフ 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

強者の苦痛

伏せカード 1枚

 

 

これ・・・・いきなりピンチじゃない?強者の苦痛にリクルートモンスターでしょ?バリバリ次のターンあたりからこっちの行動を妨害されそうなんだけど・・・・・・・・

 

「わ、私のターン、ドロー」

 

響 手札 6枚

 

う〜ん、強者の苦痛が無かったらな・・・・まずはこのカードからね。

 

「永続魔法、ウォーターハザード!自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札からLv4以下の水属性モンスターが特殊召喚できる!この効果で氷結界の水影を特殊召喚!」

 

氷結界の水影 攻1200→1000

 

小さな刃を持った忍者みたいなモンスターが現れた。

 

「そして氷結界の術者を通常召喚!」

 

氷結界の術者 攻1300→1100

 

ロックで行くならこっちもロックで対抗するわよ!!

 

「バトル!氷結界の水影で・・・・」

 

「正気なの?攻撃力はこっちの方が上よ?」

 

「氷結界の水影は自分フィールドのモンスターがLv2以下の場合のみダイレクトアタックが出来る!」

 

「なんですって!?」

 

水影が短剣で相手に斬りつけた。

 

興梠 LP 4000→3000

 

「!?やってくれるね・・・・さすがにここまで勝ち上がってくる実力ね」

 

褒めてくれたのは素直に嬉しいけど、今の私の手札に罠がない・・・・ブラフを伏せたいけど、この手札は温存しておかないと・・・・・・・・

 

「これでターンエンド!」

 

 

響 手札 3枚

【モンスターゾーン】

氷結界の水影 攻1000

氷結界の術者 攻1100

【魔法・罠ゾーン】

ウォーターハザード

 

 

「あたしのターン!ドロー!」

 

興梠 手札 4枚

 

「ナチュル・クリフをリリースして、ナチュル・バンブーシュートをアドバンス召喚!」

 

ナチュル・バンブーシュート 攻2000

 

「バ、バンブーシュート!?!?」

 

「バンブーシュートの効果によりあなたは魔法・罠カードを発動する事はできない!」

 

「くっ・・・・・・・・だけど氷結界の術者の効果で、他の氷結界が存在したらLv4以上のモンスターは攻撃できないよ!」

 

「知っているわ。速攻魔法、禁じられた聖杯を氷結界の術者に選択して発動!選択したモンスターの攻撃力を400ポイント上げる代わりに効果を無効化にする!」

 

「なっ!?」

 

氷結界の術者の上に、白い衣を着た女の人が現れて、術者に聖杯の入った液体をかけられる。

 

氷結界の術者 攻1100→1500

 

「これで氷結界の術者の効果は無効ですわ。バトル!ナチュル・バンブーシュートで氷結界の術者を攻撃!」

 

ナチュル・バンブーシュート 攻2000

氷結界の術者 攻1500

 

響 LP 4000→3500

 

「うわっ!!」

 

バンブーシュートが氷結界の術者を踏み潰し、反動が私の所まで来る。

 

「あいたた・・・・・・・・」

 

「カードをもう1枚伏せて、これでターンエンド!」

 

 

興梠 手札 1枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

ナチュル・バンブーシュート 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

強者の苦痛

伏せカード 2枚

 

 

う〜〜ん、さっきよりもピンチだよ。どうすればいいのよ!!

 

「私のターン、ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

あっ!いい所にこれがきた!!だったら・・・・・・・・

 

「手札から沼地の魔神王の効果発動!このカードを手札から墓地に捨てて、デッキから《融合》を手札に加える!」

 

「ゆ、融合!?氷結界に融合モンスターなんていたの!?」

 

へへ〜ん、驚いている、驚いている。でも今はこっちじゃ無いんだよね〜〜。

 

「デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000→600

 

先端の鼻が少し尖った水色の龍が現れた。

 

「デブリ・ドラゴンの効果で墓地から沼地の魔神王を特殊召喚!」

 

沼地の魔神王 攻500→200

 

湖のような物がフィールドに出来て、そこからドロドロとしたモンスターが現れた。

「チューナー・・・・(本当の目的はこれですか)」

 

「Lv4のデブリ・ドラゴンにLv3の沼地の魔神王をチューニング!」

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「氷の里を守る古の龍が、戦場とかした地に魂の叫びを轟かす。戦慄の咆哮で凍り付け!シンクロ召喚!凍らせ!氷結界の龍 グングニール!」

 

氷結界の龍 グングニール 攻2500→1800

 

周りのフィールドの気温がどんどん下がっていき、フィールドが凍りついていく。中央の氷の塊が壊れ、グングニールが咆哮を轟かせ現れた。

 

「ここでグングニール・・・・・・・・」

 

「知っているよね?グングニールの効果発動!手札のカードを2枚捨てて相手フィールドのカードを破壊する!融合とE・HERO アナザー・ネオスを墓地に捨ててナチュル・バンブーシュートと強者の苦痛を破壊!エターナル・アイスアロー!」

 

グングニールが2本の氷の矢を作り、強者の苦痛とバンブーシュートに突き刺した。

 

氷結界の龍 グングニール 攻1800→2500

氷結界の水影 攻1000→1200

 

「くっ・・・・(そんな事よりE・HERO!?何で氷結界のデッキにヒーローなんか・・・・)」

 

「バトル!氷結界の龍 グングニールでダイレクトアタック!ヒューリンクアイス!」

 

「伏せカード発動!ガード・ブロック!この戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドロー!」

 

興梠 手札 1枚→2枚

 

「だったら氷結界の水影でダイレクトアタック!」

 

興梠 LP 3000→1800

 

よしよし!追い詰めてきたぞ!

 

「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

 

響 手札 0枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

氷結界の水影 攻1200

氷結界の龍 グングニール 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

ウォーターハザード

伏せカード 1枚

 

 

「(少し甘くみてましたね・・・・・・・・では、あたしの実力をみせてあげようじゃない!)あたしのターン!ドロー!」

 

興梠 手札 3枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする!」

 

ラッキー!手札が無くなったから手札回復は助かるよ!

 

興梠 手札 2枚→5枚 響 手札 0枚→3枚

 

「ナチュル・パンプキンを召喚!」

 

ナチュル・パンプキン 攻1400

 

・・・・・・・・かぼちゃを童謡風にすればああなるんかな?

 

「ナチュル・パンプキンの効果発動!相手フィールドにモンスターがいる時にこのカードが召喚に成功した時、あたしの手札の《ナチュル》と名のついたモンスターを特殊召喚する!ナチュル・チェリーを特殊召喚!」

 

ナチュル・チェリー 攻200

 

もう良いよね?可愛らしいさくらんぼみたいな物が出てきたよ。で、この展開・・・・・・・・どう考えてもあれが出てくるよ!!

 

「Lv4のナチュル・パンプキンにLv1のナチュル・モスキートをチューニング!」

 

☆4 + ☆1 = ☆5

 

「ナチュルの森の獣が密猟の恐怖を守る。信頼の証を輝かせ!シンクロ召喚!ナチュル・ビースト!」

 

ナチュル・ビースト 攻2200

 

やっぱ出た!!!天敵のナチュル・ビースト!!これどうしよう!!

 

「永続罠、リビングデッドの呼び声。墓地からナチュル・クリフを特殊召喚!」

ナチュル・クリフ 攻1500

 

「魔法カード、ガオドレイクのタテガミ!ナチュル・クリフの効果を無効化にする代わりに、攻撃力を3000にする」

 

ナチュル・クリフ 攻1500→3000

 

攻撃力がグングニールを抜いちゃった!!

 

「バトル!ナチュル・クリフで氷結界の龍 グングニールに攻撃!」

 

ナチュル・クリフがグングニールに体当たりする。

 

ナチュル・クリフ 攻3000

氷結界の龍 グングニール 攻2500

 

響 LP 3500→3000

 

「きゃあ!!」

 

「続いてナチュル・ビーストで氷結界の水影に攻撃!グレイションアース!」

 

ナチュル・ビーストが水影に突っ込んで噛み付いた。

 

ナチュル・ビースト 攻2200

氷結界の水影 攻1200

 

響 LP 3000→2000

 

うう〜、本格的にまずいよ〜〜〜。

 

「一応逆転のチャンスも潰しておこう。速攻魔法、サイクロン!ウォーターハザードを破壊する!」

 

サイクロンが私のフィールドにあったウォーターハザードを破壊した。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにナチュル・クリフの攻撃力は元に戻るわ」

 

 

興梠 手札 0枚 LP 1800

【モンスターゾーン】

ナチュル・ビースト 攻2200

ナチュル・クリフ 攻3000→1500

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (ナチュル・クリフ)

伏せカード 1枚

 

 

どうしよう!!!ナチュル・ビーストが出たらせっかく改造して新しくしたデッキが意味無くなるじゃん!!

 

「わ、私のターン、ドロー」

 

響 手札 4枚

 

耐えるしかないわね・・・・・・・・

 

「氷結界の武士を通常召喚!」

 

氷結界の武士 攻1800

 

「バトル!氷結界の武士でナチュル・クリフに攻撃!」

氷結界の武士 攻1800

ナチュル・クリフ 攻1500

 

興梠 LP 1800→1500

 

「っ・・・・ナチュル・クリフの効果により、デッキから2体目のナチュル・クリフを攻撃表示で特殊召喚する!」

 

ナチュル・クリフ 攻1500

 

「カードを1枚伏せてターンエンド・・・・」

 

響 手札 2枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

氷結界の武士 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「あたしのターン、ドロー」

 

興梠 手札 1枚

 

「(さらにプレッシャーをかけましょうか)ナチュル・コスモビートを召喚」

 

ナチュル・コスモビート 攻1000

 

「(ま、まずい!!!)リバースカードオープン!和睦の使者!このターン、私のモンスターは戦闘で破壊されず戦闘ダメージも0にする!」

 

「さすがに何を呼ぶのか分かりましたか。ではお望み通り。Lv4のナチュル・クリフにLv2のナチュル・コスモビートをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

「ナチュルの森の龍が迷い込む妖精を救い出す。信頼の絆を輝かせ!シンクロ召喚!ナチュル・パルキオン!」

 

ナチュル・パルキオン 攻2500

 

「(・・・・・・終わった)」

 

「これであなたはナチュル・ビーストの効果で魔法、ナチュル・パルキオンの効果で罠を発動する事はできません。これでターンエンド」

 

 

興梠 手札 0枚 LP 1500

【モンスターゾーン】

ナチュル・ビースト 攻2200

ナチュル・パルキオン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

うわーーーーん!!!どうするのよ!!!魔法も罠も封じられたよ!!!この手札じゃ突破できない!!

 

「わ、私のターン・・・・」

 

響 手札 3枚

 

氷結界の神精霊・・・・・・・・

はぁ〜〜、このカードじゃ負けてしまうよ・・・・・・・・あれっ?このカードって・・・・・・・・!!!あった!!この状況を突破できるカードが!!

 

「(急に笑顔になった?何を引いたの?)」

 

「スピリットモンスター、氷結界の神精霊を守備表示で召喚!」

 

氷結界の神精霊 守1200

 

青いマントを巻いたモンスターが周りに風を吹かして守りの体制で現れた。

 

「そのモンスターを出してもこの状況を突破できないよ。それにそのモンスターはスピリットモンスターなんでしょ?エンドフェイズに手札に戻ってしまうわ」

 

「へへーん。ところがこのスピリットモンスターはちょっと特別なモンスターなんだよ」

 

「特別なモンスター?」

 

「氷結界の神精霊はスピリットモンスターと同様、エンドフェイズ時に手札に戻るけど、自分フィールドに他の《氷結界》がいたら効果が変わる!相手フィールドのモンスター1体を手札に戻す!」

 

「!?なんですって!?!?」

 

「私のフィールドには氷結界の武士がいる!氷結界の神精霊の効果!ナチュル・ビーストを手札、いやエクストラデッキに戻ってもらいましょう!」

 

神精霊の周りに風が吹き始めそれがナチュル・ビーストに向かう。ナチュル・ビーストは強風に飛ばされエクストラデッキに戻った。

 

「くっ!?この状況をたった1ターンで・・・・」

 

「これでターンエンド!」

 

響 手札 2枚

【モンスターゾーン】

氷結界の武士 攻1800

氷結界の神精霊 守1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「くっ・・・・あたしのターン!」

 

興梠 手札 1枚

 

「(ワン・フォー・ワン!モンスターではなかった)・・・・バトルよ!ナチュル・パルキオンで氷結界の武士に攻撃!グレイションソリュー!」

 

「リバースカードオープン!月の書!ナチュル・パルキオンを裏側守備表示にする!」

 

パルキオンが攻撃しようとした所に月の書が輝き、パルキオンを裏守備にした。

 

「くっ!ターンエンド!」

 

 

興梠 手札 1枚 LP 1500

【モンスターゾーン】

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

「氷結界の風水師を召喚!」

 

氷結界の風水師 攻800

 

「(ここでシンクロモンスターを呼ばれたら負けてしまう!仕方ない)伏せカード発動!激流葬!モンスターが召喚した時、フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「嘘でしょ!?」

 

フィールドに激流が流れて、私達のモンスターが流されてしまった。

 

「(これで少なくとも1ターンは・・・・)」

 

「・・・・な〜んちゃって♪魔法カード、ミラクル・フュージョン!」

 

「み、ミラクル・フュージョン!?」

 

「墓地のE・HERO アナザー・ネオスと氷結界の神精霊を除外して、E・HERO アブソルートZeroを融合召喚!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

墓地にあったアナザー・ネオスと氷結界の神精霊が渦に巻き込まれ、Zeroが現れた。

 

「な、なんで・・・なんであなたのデッキにヒーローが」

 

「これが私の新しいデッキ【氷結ヒーロー】よ!!」

 

氷結界にヒーローを入れて、 パワーアップ、そして氷結界特有のロック、ブリューナクが禁止カードに行って除去とパワーに困っていたからヒーローを入れて助かったわ!

 

「バトル!Zeroでダイレクトアタック!凍らせ!フリージング・ブレード!」

 

Zeroが空気中の水分を凍らせて、氷の剣を作り相手に斬りつけた。

 

「きゃあああ!!!!」

 

興梠 LP 1500→0

 

 

WIN 響 LOS 興梠

 

 

 

『勝者!中等部1ー1、小野寺 響!』

 

よっし!!!勝った!!

 

「どう!勝ったよ!」

 

「ご苦労さん」

 

「魔法も罠も封じられたあの状況からよく勝てたわね」

 

「それよりヒーローだよ!?あれどうしたんだ?」

 

「デュエル前にスバルから主要なモンスターとカードを譲ってもらったんだ!スバル!ありがとう!」

 

「どういたしまして。これから大切にしてくれよ」

 

「もちろん!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「やられたわ。アキの言う通りだったわ」

 

「あのクラスは強い・・・・・・・・まさかあのロックを1ターンで崩すとはな」

 

「でも、これで楽しみが増えたでしょ?」

 

「ああ、今度は拙者の番だな」

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 準決勝

中等部1ー1 VS 高等部1ー1

 

第1試合 小野寺 響 ◯ーー× 興梠 愛里紗

 

 

 

 

総合結果 1ーー0




遊輝「/////な、なんでこの格好なんだよ・・・・」←メイド服

響「/////わ、私勝ったのに、こんな辱めを受けなくちゃいけないの」←メイド服

レミ「だってまだ2週間経ってないよ。2週間経たないと着替えられなないんだから。あっ、読者のみなさん言わなくちゃ。ちょっと訳ありで、1週間から2週間に延びたから!」

奏「////もう・・・・とばっちりだったわ」←メイド服

レミ「にしてもこれすごいね!」

スバル「何がだ?」←メイド服

レミ「これ!この伊達眼鏡!!執事やメイドになる効果が凄いのよ!!遊輝でしょ?龍南さんの駆さんと留姫さんもメイドと執事になって!!そして、祝札さんところの蛍さんも執事になったんだよ!」

奏「大変だったのはその後よ・・・・ロアさんも伊達眼鏡を掛けて、メイド服を着て、蛍さんと・・・・」

遊輝「驚いたのはこっちだよ。あの恥ずかしがり屋の龍可までもがメイド服を着ちゃったんだから」

響「全部レミの仕業だけどね」

レミ「響〜、1週間伸ばす?」

響「ごめんなさい!!!」

奏「もう・・・・・今回の話に行きましょう」

遊輝「お前、試運転無しでよく回したな?」

響「ぶっつけ本番で行けるでしょ!これからは【氷結ヒーロー】で戦っていくからね!」

奏「作者の悩みのタネが増えるだけだね」

スバル「次回は奏か」

レミ「タイトルは【準決勝 2試合目 出陣!武士の結束の力!】」

遊輝「次回もよろしく!」


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第49話 準決勝 2試合目 出陣!武士の結束の力!

最強カードの紹介!!

パール「デュエルでの私の使い方に不満がある!」

?何よ?

パール「何で終盤にしか使ってくれないの!?」

だって使いずらいんだもん・・・・ステータス低いし・・・

パール「コラァァァ!!!」

最強カードの紹介に行きましょう今回は真六武衆ーシエン!!

パール「逃げた・・・六武衆の切り札とも言える、☆5のシンクロモンスターだよ!」

シンクロ素材の縛りはきついけど、1ターンに1度だけ魔法・罠を止めれる効果はやはり魅力的だ!これと真六武衆が出た途端、えげつない事になったな・・・・・・・・

パール「第49話、デュエルスタート!」


奏 side

 

1回戦、響が勝ったけどかなり追い込まられていたわね。やっぱり優勝候補のクラスはただじゃ終わらないわね・・・・

 

「ふぅ・・・・・・・・」

 

私は両手で頬を軽く叩く。

よし!こうなったら、めいいっぱい楽しもう!!!

 

『Aコート!次のデュエルに出る生徒はデュエルフィールドに上がりなさい!!』

 

アナウンスに従って、私はデュエルフィールドに上がり、相手をみる。

 

「そなた、拙者の戦の相手か?」

 

「え、えぇ・・・・」

 

「正々堂々の戦、楽しませてもらうぞ」

 

な、何・・・・・・・・この微妙に武士のような、忍者のような口調で話す人・・・・・・・・

 

『Aコート第2試合!!高等部1ー1から佐々倉 隆之介! 中等部1ー1から水野 奏のデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 佐々倉 LP 4000

 

「先行は私ね。ドロー」

 

奏 手札 6枚

 

うっ・・・・・・・・手札が悪い・・・・・・・・

 

「シャインエンジェルを召喚」

 

シャインエンジェル 攻1400

 

「フィールド魔法、天空の聖域を発動。そしてカードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

シャインエンジェル 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

天空の聖域 (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「拙者のターン、ドローでござる」

 

佐々倉 手札 6枚

 

「ふむ、少し手札が悪いでござるな・・・・・・・・永続魔法、六武衆の結束!我が《六武衆》を召喚するたびにこのカードに武士道カウンターを1つのせるでござる。六武衆ーカモンを召喚」

 

六武衆ーカモン 攻1500

六武衆の結束 BC 0→1

 

ろ、六武衆!?!?

 

「さらに真六武衆ーキザンを特殊召喚するでござる」

 

真六武衆ーキザン 攻1800

六武衆の結束 BC 1→2

 

いやいやいや!?!?それのどこが手札が悪いの!?全然私より手札がいいじゃない!!

 

「武士道カウンターが2つ乗った六武衆の結束の効果を発動するでござる!このカードを墓地に送り、武士道カウンターの数だけデッキからカードをドローする。2つ乗っていたので2枚ドローでござる」

 

佐々倉 手札 3枚→5枚

 

「ここは厄介なカードを破壊しておく事がよかろう。カモンの効果を発動するでござる。我のフィールドにこのカード以外の《六武衆》が存在する時、表側表示の魔法または罠を1枚発動するでござる。そなたの天空の聖域を破壊するでござる」

 

カモンが手に持っている火薬を放り投げて爆発し、天空の聖域が消えて行った。

 

「バトルでござる!キザンでシャインエンジェルに攻撃でござる」

 

伏せカードは攻撃の無力化だけど、ここは・・・・受ける!

 

真六武衆ーキザン 攻1800

シャインエンジェル 攻1400

奏 LP 4000→3600

 

「きゃあ!・・・・シャインエンジェルの効果でデッキからシャインエンジェルを特殊召喚!」

 

シャインエンジェル 攻1400

 

「拙者はカードを1枚伏せて、ターンを終了するでござる」

 

 

佐々倉 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

六武衆ーカモン 攻1500

真六武衆ーキザン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 4枚

 

アース!ここは・・・・・・・・

 

「神秘の代行者 アースを召喚」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

地面からアースが出てきたけど何か様子がおかしい・・・・全く動かない・・・・

 

「アース?どうしたのアース?」

 

『・・・・・・・・zzzzzムニャムニャ・・・・』

 

「ね、寝てる!?!?」

 

デュエル中なのに寝ているの!?!?あなた1日にどれだけ寝たら気が済むの!?

 

「あ、アースの効果・・・・デッキから創造の代行者 ヴィーナスを手札に・・・・」

 

デッキが光り、ヴィーナスのカードがデッキから飛び出してくる。頼むから起きてくれないかしら・・・・・・・・

 

「Lv4のシャインエンジェルにLv2の神秘の代行者 アースをチューニング」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

天井が強く光り、雷を轟かせながらライトニング・エンジェル・ドラゴンが舞い降りてきた。

 

「このままバトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンで真六武衆ーキザンを攻撃!サンダー・アロー!」

 

「拙者の伏せ発動!月の書!そなたの龍を裏守備にするでござる!」

 

「!?しまった!?」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300→裏守備

 

雷の弓矢を引くライトニング・エンジェル・ドラゴンに月の書が出てきて、裏守備になってしまった。

まずいわね・・・・手札がモンスターだらけなのに、ライトニング・エンジェル・ドラゴンまで攻撃を防がれてしまって・・・・・・・・

 

「このままターンエンドよ!」

 

 

奏 手札 4枚 LP 3600

【モンスターゾーン】

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「拙者のターン、ドローでござる」

 

佐々倉 手札 5枚

 

「ふむ。拙者は永続魔法、六武の門を発動するでござる」

 

ろ、六武の門!?まずいわ!!あのカードを発動させたらまずい展開力に!!

 

「このカードも六武衆の結束同様、我が《六武衆》を出せば武士道カウンターを2つのせるでござる。真六武衆ーカゲキを召喚するでござる」

 

真六武衆ーカゲキ 攻200

六武の門 BC 0→2

 

「カゲキは召喚に成功した時、拙者の手札から新たな《六武衆》を呼ぶ事ができるでござる。チューナー、六武衆の影武者を特殊召喚するでござる」

 

六武衆の影武者 攻400

六武の門 BC 2→4

 

黒い甲冑を被った小さな武士が槍を持って膝をついた。

 

「カゲキは我のフィールドに他の《六武衆》が存在したら攻撃力が上がるが、今はその必要がないでござるな。Lv3のカゲキにLv2の影武者をチューニング」

 

☆3 + ☆2 = ☆5

 

「戦乱の世に結束の力を束ねし武士の長が戦場の地へと駆け抜ける!シンクロ召喚!将軍!真六武衆ーシエン!」

 

真六武衆ーシエン 攻2500

六武の門 BC 4→6

 

光の輪の中からほら貝の音色が全体に響き渡る。そして、赤い甲冑を被り大きな大剣をもった六武衆を束ねる将軍、シエンが堂々と歩いてきた。本当にまずいわね・・・・・・・・あのモンスターが出たらこっちの魔法が1度だけ無効にされてしまう。

 

「拙者は六武の門の効果を使うでござる。武士道カウンターを4つ取り除き、我のデッキから《六武衆》と名のついたモンスターを手札に加えるでござる。真六武衆ーエニシを加えるでござる」

 

六武の門 BC 6→2

 

「バトルでござる!真六武衆ーシエンでそなたの裏守備モンスターに攻撃!名刀ー終焉斬!」

 

シエンが刀を大きく月のような形で回し、裏守備であるライトニング・エンジェル・ドラゴンに斬りつけようとするが・・・・・・・・

 

「何!?」

 

シエンの前に大きな渦が出来て、刀が吸い込まられる。

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!シエンの攻撃を無効にする!」

 

「さすがでござるな。カウンター罠ならシエンの効果で無効にする事はできないでござる。拙者はカードを1枚伏せターンエンドでござる」

 

 

佐々倉 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

六武衆ーカモン 攻1500

真六武衆ーシエン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

六武の門

伏せカード 1枚

 

 

防いだけど・・・・・・・・シエンを何とかしないと、このデュエル、負けてしまう・・・・・・・・

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 5枚

 

・・・・・・・・やっとカウンター罠が来てくれた。シエンは今ある手札で何とかできそうね。

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚」

 

想像の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「ヴィーナスの効果で私はライフを1500ポイント払って、神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール)3体を特殊召喚!」

 

奏 LP 3600→2100

神聖なる球体 攻500 ×3

 

「そして、ライトニング・エンジェル・ドラゴンを反転召喚!」

 

ライトニング・ エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

「バトルよ!ライトニング・エンジェル・ドラゴンで真六武衆ーシエンに攻撃!」

 

「(攻撃力が劣っているモンスターでシエンに攻撃?・・・・!まさか!?)」

 

「そしてこの瞬間、手札にあるオネストの効果発動!オネストの効果でライトニング・エンジェル・ドラゴンは真六武衆ーシエンの攻撃力を加算される!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300→4800

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴンについてある羽が虹色に輝き大きくなる。

 

「このまま攻撃!ミステリープラネットシュート!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴンが雷の大きな球を頭の上に作り、シエンに向けてそれを放った。

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻4800

真六武衆ーシエン 攻2500

 

佐々倉 LP 4000→1700

 

「ぐわあああ!!!!」

 

「続けて創造の代行者 ヴィーナスで六武衆ーカモンに攻撃!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

六武衆ーカモン 攻1500

 

佐々倉 LP 1700→1600

 

「そして3体の神聖なる球体でダイレクトアタック!」

 

神聖なる球体が相手に向かって体当たりしていった。

 

佐々倉 LP 1600→100

 

これで大きく削れた。後はこのカードを伏せる事しかできない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。そしてライトニング・エンジェル・ドラゴンの攻撃力は元に戻るわ」

 

 

奏 手札 2枚 LP 2100

【モンスターゾーン】

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻4800→2300

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

神聖なる球体 ×3 攻500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「拙者のターン、ドローでござる」

 

佐々倉 手札 3枚

 

「拙者は魔法カード、死者蘇生を発動するでござる!」

 

「カウンター罠、マジック・ジャマー!手札のカードを1枚捨てて、死者蘇生の発動を無効にするわ!」

 

死者蘇生のカードがビリビリと震えて破壊される。これで逆転のチャンスは・・・・・・・・

 

「やはりそなたも強いデュエリストだ。大将、アキの言った事は本当でござるな。だがこのデュエル、拙者で勝ちでござる!」

 

!?まだ逆転のチャンスがあるの!?

 

「真六武衆ーエニシを召喚するでござる!」

 

真六武衆ーエニシ 攻1700

六武の門 BC 2→4

 

「拙者は六武の門の効果を使うでござる!武士道カウンターを4つ取り除き、デッキから真六武衆ーキザンを手札に加えそのまま特殊召喚でござる!」

 

六武の門 BC 4→0→2

真六武衆ーキザン 攻

 

「(でもこれだけだとまだライフは)」

 

「エニシの効果を発動するでござる!墓地のキザンとカモンをゲームから除外して、そなたの龍を手札に戻すでござる!」

 

「何ですって!?」

 

エニシが墓地にいたキザンとカモンの魂を槍に吸収して、ライトニング・エンジェル・ドラゴンを突いた。ライトニング・エンジェル・ドラゴンは苦しい声を発してエクストラデッキに戻ってしまった。

 

「これで拙者は罠を使う事ができるでござるな。伏せカード発動!諸刃の活人剣術!我の墓地から《六武衆》2体を特殊召喚するでござる!戦場に三たび構えろ!真六武衆ーカゲキ!六武衆の影武者!」

 

真六武衆ーカゲキ 攻200

六武衆の影武者 攻400

六武の門 BC 2→4→6

 

うわぁ・・・・・・・・・・・・なんか凄い事になってきたわ。

 

「Lv3のカゲキにLv2の影武者をチューニング!シンクロ召喚!再び戦乱の世を統一せよ!真六武衆ーシエン!」

 

真六武衆ーシエン 攻2500

六武の門 BC 6→8

 

「そして、エニシとキザンは我のフィールドに自身以外の《六武衆》が存在したらそれぞれ攻撃力と守備力が500ポイント・300ポイントアップするでござる」

 

真六武衆ーエニシ 攻/守 1700/700→2200/1200

真六武衆ーキザン 攻/守 1800/500→2100/800

 

「バトル!エニシで神聖なる球体を攻撃するでござる!」

 

真六武衆ーエニシ 攻2200

神聖なる球体 攻500

 

奏 LP 2100→500

 

「きゃあ!!」

 

「真六武衆ーシエンで再び神聖なる球体に攻撃でござる!名刀ー終焉斬!」

 

再びシエンが大剣を回し、神聖なる球体を斬った。しばらくそのままだったけど、神聖なる球体が真っ二つに割れ爆風が私に襲う。

 

「きゃあああああ!!!!」

 

奏 LP 500→0

 

 

WIN 佐々倉 LOS 奏

 

 

『勝者!高等部1ー1!佐々倉 隆之介!』

 

ま、負けちゃった・・・・・・・・

肩を落としてみんながいるベンチに向かった。

 

「みんな、ごめんね・・・・」

 

「あれは仕方ないよ」

 

「手札があまり良く無いのに、六武衆か・・・・今回は突いてないな」

 

「それとさ、何でボールを守備表示で召喚しなかったんだ?」

 

「えっ?」

 

「いやっ、まだデュエルが完全に決まって無いのに何で攻撃表示かなって思ったから」

 

・・・・・・・・・・・・完全に忘れていた。焦っていたのね。

 

「焦ってました・・・・あの後の展開力が怖くて・・・・」

 

「まあそうなるよね・・・・」

 

「大丈夫!次のデュエル!必ず私が勝つから!」

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 準決勝

中等部1ー1VS高等部1ー1

 

 

第1試合 小野寺 響 ○ーー× 興梠 愛里紗

第2試合 水野 奏 ×ーー○ 佐々倉 隆之介

 

 

 

 

総合結果 1--1




奏「さてと、後書きの場で読者には申し訳無いんだけど、ちょっとこっちで色々聞きたい事があるの」

レミ「何?」

響「まず、私たちはメイド服を着せられて奏の店でバイトをしていた」

レミ「そうだよ。何もおかしくないでしょ?」

スバル「で、レミが遊輝のバイトを終わらせた。別にここに突っ込まないぜ」

遊輝「じゃあなんで話し合いする必要があるんだ?」

響「落ち着いて、そして私たちは、地獄とも言える2週間が過ぎて、ようやくメイド服から解放された」

奏「おかげでアカデミアに色んな事を言われそうだけど・・・・」

スバル「今回はそっちじゃない!!!!」

遊輝「じゃあ何が言いたいんだよ?」

奏「決まっているでしょ!!!遊輝に引っ付いている人!!!!」

龍可「/////////わ、私?」←メイド服

「「「なんで龍可(ちゃん)がメイド服を着ているのよ(着ているんだ)!!!」」」

龍可「////////こ、これは・・・・」

遊輝「俺が話すよ。祝札さんの龍可を覚えている?」

奏「えぇ、確かレミによってメイド服を着せられたんだっけ?」

遊輝「こっちが感想を送った時に、ギンさんとエミさんでちょっといざこざがあって、メイド服の延長ボタンを押しちゃったんだよ」

スバル「・・・・・・・・ご愁傷様です」

遊輝「で、ギンさんが、こっちの龍可に『メイド服を着てください』って頼んだんだよ。あっちの龍可を励ますために」

響「まさか・・・・・・・・」

遊輝「そう、そこに万を実施てレミの登場」

レミ「龍可ちゃんに言ったんだ!!《素直にメイド服を着て2週間でいるのか、抵抗してもっと着たいのか?》って♪」

龍可「///////レミさんに勝てないし、あっちの私を励ますために・・・・」

奏「着たんだ・・・・」

スバル「ちなみに、いつまでなんだ?」

龍可「//////現実世界の時間で6月の中旬まで・・・・」

響「ちょっと待って!?て事は・・・・」

奏「つい最近!?」

遊輝「そうなんだよ・・・・」

スバル「被害者何人目だ・・・・」

奏「私たち4人に龍可ちゃん、龍南さんところの駆さんに留姫さん、そして祝札さんの蛍さんとロアさんにそちらの龍可ちゃん・・・・」

響「・・・・・・・・他の方のメインキャラにも広がっているよ・・・・」

レミ「はいはい、もうこれ以上言う事は無いでしょ?今回の話に行くわよ」


奏「フルボッコ・・・・・・・・」

響「ドンマイ・・・・」

スバル「でもさ〜、あれまだ回って無い方だよな?」

遊輝「作者が六武衆の回し方を勉強するために、動画で回している所を見てたけどその時こんな事言ってたな。《デッキ選択間違えた・・・・》って」

レミ「頭硬いからね。1ターン目に六武の門と結束を揃えた手札を見て、めっちゃ驚いていたわ」

龍可「今回の回し方でもあまり回ってないのだから・・・・」

奏「・・・・・・・・手札が事故らなければ・・・・」

スバル「誰だって事故るさ」←先代譲りのチートドロー

龍可「そうだよね」←この小説最強のチートドロー持ち

「「「「2人は言えない!!!」」」」

遊輝「次回はレミだね」

響「タイトルは【準決勝 3試合目 傭兵集団VS風の龍】」

レミ「次回もよろしくね!」


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第50話 準決勝 3試合目 傭兵集団VS風の龍

最強カードの紹介〜〜。

ダイヤ「何故かパールが不満を言いつづけてるのですが?」

この前、もっと早くに出してくれって言われた。

ダイヤ「結論は?」

壁になって直ぐに墓地行きなら出せるけどって言ったら向こうが引いた。

ダイヤ「・・・・・・・・」

さてと、最強カードの紹介に行くよ。

ダイヤ「今回はXXーセイバー フォルトロール。Xーセイバーの軸となる☆6のモンスターですね」

ダムド同様、手札からしか特殊召喚出来ない縛りがあるから気をつけてね。

ダイヤ「1ターンに1度、墓地から☆4以下の《Xーセイバー》と名のついたモンスターを特殊召喚できます」

あんまり複雑な事は知らないけど、これ2体とレイジグラを並べたら・・・・・・・・ガルドスならハンデス、マスドライバー〈※禁止カード〉での無限ループなど・・・・まあ酷い事になる。

ダイヤ「第50話、デュエルスタート!」


レミ side

 

『Aコート第3試合を始めます!デュエルする生徒はフィールドに上がりなさい!』

 

落ち込んでいる奏に変わって、次は私が上がる。

奏のあれは仕方ないわね。手札事故の時に六武衆と当たるなんてたまったもんじゃないよ。相手はさっきの武士のような人じゃなく普通の人だった。良かった、あの人見たいな人だったらどうやって対処していいか分からないもん。

 

「僕の相手は君だね。よろしく」

 

「こちらこそよろしく」

 

『Aコート第3試合!高等部1ー1!立本 羽栗!中等部1ー1!葵 レミのデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

レミ LP 4000 立本 LP 4000

 

「私が先行!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「(まずは墓地にカードを増やす所からね)ドラグニティーミリトゥムを召喚!」

 

ドラグニティーミリトゥム 攻1700

 

「永続魔法、竜操術!1ターンに1度、手札の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを装備カードとして、自分フィールドのモンスターに装備する!手札のドラグニティーファランクスをミリトゥムに装備!」

 

ミリトゥムの上にファランクスが乗る。

 

「そしてミリトゥムの効果!魔法・罠ゾーンのドラグニティを特殊召喚する!ドラグニティーファランクスを特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

いつも通り無口でファランクスが静かにミリトゥムの肩から降りた。

 

「Lv4のミリトゥムにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を舞うさすらいの騎士が、楽園の未来に立ち向かう。竜の意志で羽ばたけ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーガジャルグ!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

 

両翼を広げた赤い身体のドラゴンが風を巻き起こしながらやってきた。

 

「ガジャルグの効果!デッキからドラゴン族もしくは鳥獣族モンスターを手札に加えて、その後手札のドラゴン族モンスターか鳥獣族モンスターを墓地に捨てる!デッキからドラグニティードゥクスを手札に加えて、ドラグニティーブランディストックを墓地に捨てる!そして、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

竜操術

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

立本 手札 6枚

 

「僕はXX(ダブルエックス)ーセイバー ボガーナイトを召喚」

 

XXセイバー ボガーナイト 攻1900

 

赤いマントをつけている白い鎧を着た戦士が出てきた。

 

「XXーセイバー ボガーナイトの効果を使うよ!召喚に成功したら手札からレベル4以下の《Xーセイバー》と名のついたモンスターを特殊召喚できる!手札からチューナーモンスター、Xーセイバー パシウムを特殊召喚するよ!」

 

Xセイバー パシウム 攻100

 

「さらにXXーセイバー フォルトロールを特殊召喚するよ!」

 

XXセイバー フォルトロール 攻2400

 

あれっ?これってかなりまずいよね?なんかこの後、私のターンが回ってきそうにないんだけど・・・・・・・・

 

「Lv4のボガーナイトにLv2のパシウムをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「西洋の騎士の魂が現代の戦士に宿る!我に勝利の宣言を!シンクロ召喚!構えろ!XXーセイバー ヒュンレイ!」

 

XXセイバー ヒュンレイ 攻2300

 

ボガーナイトとパシウムが一つの光になった所に団子状に巻いた髪を束ね、同じく赤いマントを身につけている女の戦士が出てきた。

 

「ヒュンレイはシンクロ召喚に成功した時、フィールドの魔法と罠カードを3枚まで選択して破壊できる!あなたの竜操術とその伏せカードを破壊するよ!」

 

「えっ!?嘘!?」

 

仕方ない!道連れになってしまうけど止めるにはこの手しかない!

 

「リバースカードオープン!激流葬!モンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

フィールドに激流が流れて、私と相手のモンスターが全て流されてしまった。

「う〜ん、仕方ないか。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

立本 手札 1枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

あ、危なかった・・・・・・・・あのまま続けられていたら、確実に負けていたわ。

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

今の私の手札にはドゥクスがいるからなんとか立て直せそうね。

 

「ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果!召喚した時、墓地からLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターをこのカードに装備できる!墓地のファランクスを装備!そして装備されたファランクスの効果!このカードの装備を解除して、私のフィールドに特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

ドゥクスの肩にくっついたけど直ぐに離れてフィールドに出てくる。

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷に構えし勇敢の騎士が、楽園の救済に施す。竜の結束で舞い上がれ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーゲイボルグ!」

 

ドラグニティーナイトーゲイボルグ 攻2000

 

光で消えたはずのドゥクスが直ぐに現れて、後ろから来た白い竜の背中に飛び乗り自身の身体も白くなる。

まあ、なんという不思議な現象なんだろうね。

 

「バトル!この瞬間ゲイボルグの効果発動!墓地の鳥獣族モンスター・・・・ミリトゥムをゲームから除外して、除外したモンスターの攻撃力分アップする!ソウルバード!」

 

ドラグニティナイトーゲイボルグ 攻2000→3700

 

「そしてゲイボルグでダイレクトアタック!迅雷の矢!」

 

「さすがにその攻撃は通せないね。罠カードオープン!ガード・ブロック!僕が受ける戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドローするよ」

 

立本 手札 1枚→2枚

 

・・・・・・・なかなかペースがつかめないわね。これは本格的に次のターンがまずいわね。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにゲイボルグの攻撃力は元に戻る」

 

 

レミ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティナイトーゲイボルグ 攻3700→2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

立本 手札 3枚

 

「僕はXXーセイバー レイジグラを召喚」

 

XXセイバー レイジグラ 攻200

 

「レイジグラの効果で僕はフォルトロールを手札に加えて、罠カードオープン!ガトムズの緊急指令!」

 

「ガトムズの緊急指令!?」

 

やばい!!!このカードじゃ止めれない!!また私のターンが回って来る前にやられる!!

 

「僕のフィールドに《Xーセイバー》が存在したら、相手か墓地の《Xーセイバー》を2体特殊召喚できる!僕の墓地からXXーセイバー ヒュンレイとXXーセイバー ボガーナイトを特殊召喚!」

 

XXーセイバー ヒュンレイ 攻2300

XXセイバー ボガーナイト 攻1900

 

「そしてXXーセイバー フォルトロールを再び特殊召喚!」

 

XXーセイバー フォルトロール 攻2400

 

・・・・・・・・これって、さっきの六武衆より確実に回っているよね?私、公開処刑されているよね?そうだよね?

 

「フォルトロールの効果で墓地からXーセイバー パシウムを特殊召喚!」

 

Xーセイバー パシウム 攻100

 

「(ガトムズもありますがレイジグラを残しておくと次のターンが怖いですね。ここは・・・・)Lv1のレイジグラとLv4のボガーナイトにLv2のパシウムをチューニング!」

 

☆1 + ☆4 + ☆2 = ☆7

 

「二刀の大剣を構えし騎士が戦場に現れる。我に勝利の道しるべを!シンクロ召喚!構え!Xーセイバー ウルベルム!」

 

Xセイバー ウルベルム 攻2200

 

背中に2本の巨大な剣をクロスして備えた重装備の人型のモンスターが出てきた。

 

「バトルです!Xーセイバー ウルベルムでドラグニティナイトーゲイボルグに攻撃!クロススラッシュ!」

 

ゲイボルグが2本の大剣を取り出してゲイボルグを×の字で切り倒した。

 

Xーセイバー ウルベルム 攻2200

ドラグニティナイトーゲイボルグ 攻2000

 

レミ LP 4000→3800

 

「ゲイボルグ!!」

 

「続けてXXーセイバー ヒュンレイでダイレクトアタック!剣法!三日月の舞!」

 

ヒュンレイが日本刀みたいな剣を回し、私に斬りつけた。

 

レミ LP 3800→1500

 

「きゃあ!!」

 

「これで終わりです!XXーセイバー フォルトロールでダイレクトアタック!」

 

「リ、リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からゲイボルグを特殊召喚!」

 

ドラグニティナイトーゲイボルグ 攻2000

 

「残念。それではフォルトロールでゲイボルグに攻撃!」

 

XXーセイバー フォルトロール 攻2400

ドラグニティナイトーゲイボルグ 攻2000

 

レミ LP1500→1100

「カードを2枚伏せて、これでターンエンド」

 

 

立本 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

XXーセイバー ヒュンレイ 攻2300

XXーセイバー フォルトロール 攻2400

Xーセイバー ウルベルム 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

な、何とかライフだけは残ったけど、これどうしよう?今の私の手札はミスティルのみ。次のターンで何か引かないと確実に負けてしまう・・・・

 

「ふぅ・・・・・・・・」

 

頼むよ!!

 

「私のターン!ドロー!!」

 

レミ 手札 2枚

 

・・・・・・・・!!良し!!パルチザンだ!!

 

「ドラグニティーパルチザンを召喚!」

 

ドラグニティーパルチザン 攻1200

 

角が剣のような羽が黒い龍が現れた。

 

「そしてパルチザンを墓地に送って、手札からドラグニティナイトーミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

「ミスティルの効果!特殊召喚に成功した時、墓地から《ドラグニティ》と名のついたドラコン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する!墓地のファランクスを装備!そしてファランクスの効果で自身を特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

いつも通りにファランクスが一度、ミスティルの頭に引っ付いてその後直ぐに離れる。相変わらず無口だね。でも、あなたが一番頼れる存在だよ!!

 

「Lv6のミスティルにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

私の後ろで風が吹き荒れ始め、光の中が強く光る。そして竜巻となった風の間からフェザーがクルクルと舞いながら現れた。

 

『だいぶ劣勢ですね』

 

「大丈夫よ。ここから挽回するから!フェザーの効果!シンクロ召喚時、墓地のドラコン族モンスターを任意の数まで装備カードとして、このカードに装備する!墓地のファランクス・パルチザン・ブランディストックをフェザーに装備!」

 

フェザーが咆哮を上げて、地面が割れファランクス達が出てきて、フェザーの両手の頭にくっついた。

「さらにフェザーの第二の効果発動!墓地の風属性モンスターをデッキに戻す事で、フィールドのカード1枚を手札に戻す!墓地のドゥクスをデッキに戻して、ウルベルムをエクストラデッキへ!!ウィンドセプション!」

 

フェザーが両翼を羽ばたき、台風並みの強風を起こしてウルベルムが空の彼方へと飛んでいってしまった。

 

「そしてバトル!フェザー・ウィング・ドラゴンでXXーセイバー フォルトロールに攻撃!ストーム・ウィングブレイク!」

 

「罠カードオープン!万能地雷グレイモヤ!相手フィールドの攻撃力が一番高いモンスターを破壊する!これで、フェザー・ウィング・ドラゴンは破壊されるよ」

 

フェザーが突っ込んでいく途中に地雷が起動して爆発した。そして、煙が晴れると・・・・・

 

「!?残っている!?」

 

「残念だけど、フェザーは自身の装備カードを墓地に送れば、破壊されない!この効果でパルチザンを墓地に送っておいたわ。よってバトル続行!フェザー・ウィング!そのままフォルトロールに突撃!」

 

フェザーが回転しながら、左手の刃でフォルトロールを貫通させた。少し時間差があり、フォルトロールは爆発した。

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

XXーセイバー フォルトロール 攻2400

 

立本 LP 4000→3600

 

「まだよ!装備されているブランディストックは装備モンスターのバトルを1度に2回する事ができる!フェザー!ヒュンレイに追撃よ!ストーム・ウィングブレイク!」

 

回転したフェザーが上空で身体を逆回転させて、後ろからヒュンレイの身体を突き刺した。

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

XXーセイバー ヒュンレイ 攻2300

 

立本 LP 3600→3100

 

やっとダメージを削れたよ。ここから挽回だ!

 

「ターンエンド!」

 

 

レミ 手札 0枚 LP 1100

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーファランクス 《フェザー》

ドラグニティーブランディストック 《フェザー》

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

立本 手札 1枚

 

「・・・・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド」

 

立本 手札 0枚 LP 3100

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 1枚

 

・・・・モンスターじゃなかったけどこのターンでは終わらせる!

 

「フェザー・ウィングの効果発動!墓地のガシャルグをエクストラデッキに戻して、左側のカードを手札に戻す!」

 

「罠カードオープン!和睦の使者!このターン、僕が受ける戦闘ダメージは0だよ」

 

「くっ・・・・・・・・カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

レミ 手札 0枚 LP 1100

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーファランクス 《フェザー》

ドラグニティーブランディストック 《フェザー》

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン、ドロー」

 

立本 手札 1枚

 

「僕は魔法カード、壺の中の魔術書を使うよ。互いのプレイヤーはデッキからカードを3枚ドローする」

 

立本 手札 0枚→3枚 レミ 手札 0枚→3枚

 

「・・・・・・あなた、なかなか強いですね」

 

「そう言ってもらうと嬉しいわ」

 

「さすがアキさんが押していたクラスの事だけはあります。ですが・・・・・・・・このデュエルは貰いました!」

 

!?しょ、勝利宣言!?そんな事はさせないよ!私の伏せカードはミラーフォースなんだから!

 

「まずは、Xーセイバー エアベルンを召喚!」

 

Xセイバー エアベルン 攻1600

 

「罠カードオープン!ガトムズの緊急指令!」

 

「に、2枚目!?!?」

 

な、何で2枚目がそんな直ぐに伏せられていたのよ!?

 

「この効果で墓地からXーセイバー パシウムとXXーセイバー レイジグラを特殊召喚!」

 

Xーセイバー パシウム 攻100

XXーセイバー レイジグラ 攻200

 

「レイジグラの効果で墓地のフォルトロールを手札に!そして手札に加えたXXーセイバー フォルトロールを特殊召喚!」

 

XXーセイバー フォルトロール 攻2400

「フォルトロールの効果!墓地からXXーセイバー ボガーナイトを特殊召喚!」

 

XXセイバー ボガーナイト 攻1900

 

あ、あれっ?いつの間にかフィールドが埋まっているんだけど・・・・・・・・?

 

「Lv4のボガーナイトにLv2のパシウムをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「シンクロ召喚!三たび現れろ!XXーセイバー ヒュンレイ!」

 

XXーセイバー ヒュンレイ 攻2300

 

ま、不味い!!

 

「ヒュンレイがシンクロ召喚に成功事でヒュンレイの効果発動!あなたの装備カード扱いのカード2枚と伏せカードを破壊します!」

 

ヒュンレイが私のフィールドまで高速移動して、私の魔法ゾーンにあった3枚のカードを切り裂いた。これでフェザーを守るカードが1枚もない・・・・・・・・

 

「さらにLv6のXXーセイバー ヒュンレイにLv3のXーセイバー エアベルンをチューニング!」

 

☆6 + ☆3 = ☆9

 

「傭兵を束ねし戦士の隊長が自軍の窮地に戦場へと駆け上がる。圧倒的な威圧でひれ伏せろ!シンクロ召喚!構えろ!XXーセイバー ガトムズ!」

 

XXセイバー ガトムズ 攻3100

 

ヒュンレイとエアベルンが一つの光になると、デュエルフィールドの上で雷雲ができて雷鳴が轟く。今まで出てきたXーセイバーとは比べられない程の威圧感を放つ。まるで全てを見通しているような戦士が現れた。

 

「こ、攻撃力3100・・・・」

 

「これで終わりですね。バトルです!XXーセイバー ガトムズでフェザー・ウィング・ドラゴンに攻撃!魔王覇剣!」

 

ガトムズがゆっくりと剣を抜き、フェザーに向かって剣を斬る。剣から放たれた波動は直ぐにフェザーにたどり着き、身体を真っ二つにされた。

 

XXーセイバー ガトムズ 攻3100

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

レミ LP 1100→800

 

「フェザー!!」

 

「XXーセイバー フォルトロールでダイレクトアタック!!」

 

「きゃ、きゃあああ!!!」

 

レミ LP 800→0

 

 

WIN 立本 LOS レミ

 

『勝者!高等部1ー1!立本 羽栗!』

 

はぁ・・・・・・・・肩を落として控えのベンチに戻る。

 

「ごめんね・・・・」

 

「ドンマイ。しゃあないって」

 

「なかなか酷かったな。ガトムズ2枚目はマジで驚いた」

 

「これで2敗か・・・・」

 

「いよいよ追い詰められたわね。スバルと遊輝に全てを託すわよ」

 

「任せとけ!まずは俺だな!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ちゃんと勝ってきましたよ」

 

「よくやったわ。これであたし達のクラスがリーチね」

 

「でも分からないわよ。後の二人はさっきの三人よりも強敵だよ」

 

「一人はフォーチュン・カップ準優勝者、もう一人はアカデミアの英雄の子孫でしたっけ?」

 

「アキには回さないさ。俺が決めてくる!」

 

「任せたよ。翔太」

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 準決勝

中等部1ー1 VS 高等部1ー1

 

 

第1試合 小野寺 響 ○ーー× 興梠 愛里紗

第2試合 水野 奏 ×ーー○ 佐々倉 隆之介

第3試合 葵 レミ ×ーー○ 立本 羽栗

 

 

 

総合結果 1--2




レミ「ぜーーーーーーーたい公開処刑だ!!!!私何かした!?」

遊輝「(あの騒動で何人被害者出たって思ってるんだ・・・・)」

響「前回の奏とやった六武衆よりも回っていたわね」

レミ「聖刻龍に続いてトラウマになりそうだよ!!」

スバル「トラウマがあったんだ・・・・」

レミ「そりゃそうよ!フォーチュン・カップで決めた!!って思ったら、次のターンで1killをやられたんだよ!!」

遊輝「はは・・・・・・・・」←相手

奏「まあ後は遊輝とスバルに託しましょう」

響「先にスバルね」

スバル「おう!必ず勝って、遊輝に回すからな!!」

遊輝「タイトルは【準決勝 4試合目 侵略の闇VS戦士と魂の龍】」

スバル「次回もよろしくな!!」


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第51話 準決勝 4試合目 侵略の闇VS戦士と魂の龍

最強カードの紹介!!!

プラチナ「ペースが異常じゃないですか?」

なんか・・・・龍亞にも言われた気がする。

プラチナ「1日1話って言いながら2週間、既に2/3が終わりそうなペースですよ」

大丈夫大丈夫。じゃあ最強カードの紹介に行くよ!!

プラチナ「今回はインヴェルズ・グレズ。インヴェルズの中でも、最上級のモンスターですね」

特殊召喚できず、召喚するには「インヴェルズ」が3体必要だよ。《始皇帝の陵墓》や《スター・ブラスト》でも召喚できない、重いモンスターだ。

プラチナ「効果は裁きの龍と一緒ですね。ただし、ライフコストが半分必要ですが」

攻撃力3200と高いけど、守備力は0だからそこに注意して、決める場面で使う事だよ!!

プラチナ「第51話、デュエルスタート!」


スバル side

 

 

「ああああ!!公開処刑だああ!!!」

 

「うるさいぞ。少しおとなしくしろよ」

 

「はぁ・・・・・・・・じゃあ行ってくるわ」

 

「頼むよ!!」

 

未だに愚痴を言っているレミを遊輝らに任せて、俺はデュエルフィールドに上がる。せっかくの高等部、しかも優勝候補とデュエルできるのにさっきからレミが愚痴を言ってくるから、デュエルする前に疲れたぜ・・・・・・・・でもデュエルだデュエル!!爺ちゃんの教え『楽しんでデュエル』をすればいいんだ!!

 

【Aコート第4試合!高等部1ー1!脇坂 翔太!中等部1ー1!遊城 スバルのデュエルを始めます!』

 

「お前が遊城スバルだな?」

 

デッキをデスクに刺した所で不意に相手が俺に話しかけてきた。

 

「?そうだが?」

 

「俺はアカデミアの英雄、遊城十代の子孫と今こうしてデュエルする事が凄く嬉しい。感謝しているぞ」

あ〜あそれか。別に爺ちゃんの子孫だからってそんな固くならくてもいいのに。

 

「別に俺は爺ちゃんの子孫って言われても何も思わない。俺は俺、遊城スバル!!一人のデュエリストだ!!爺ちゃんの事なんか関係ないんだ!!だからな!!純粋に俺とお前のデュエルをしようぜ!!!」

 

「・・・・・・・・そうだな。スバル!!このデュエル、勝たせてもらう!!」

 

「俺もだ!!楽しいデュエルをしようぜ!!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

スバル LP 4000 脇坂 LP 4000

 

「先行は俺だな。ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

「E・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果!デッキからアイス・エッジを手札に加えるぜ!カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

 

スバル 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「行くぜ!俺のターン!ドロー!」

 

脇坂 手札 6枚

 

「俺はインヴェルズの魔細胞を手札から特殊召喚する!」

 

インヴェルズの魔細胞 攻0

 

小さな黒い昆虫が飛んできた。インヴェルズか・・・・・・・・相手にとって不足はない!燃えてきた!!

 

「こいつは自分フィールドにモンスターがいない場合手札から特殊召喚できる!そして魔細胞をリリース!インヴェルズ・モースをアドバンス召喚!」

 

インヴェルズ・モース 攻2400

 

黒い昆虫が消えて、代わりになんとも微妙な悪魔のようなモンスターが出てきた。モース?ギラファじゃないんか。あまりみないモンスターだしな。どんな効果だったけ?

 

「モースの効果発動!《インヴェルズ》と名のついたモンスターをリリースしてアドバンス召喚した時、1000ポイント払って相手フィールドのカード2枚を手札に戻す!」

 

「なっ!?」

 

脇坂 LP 4000→3000

 

「俺はお前の伏せカードを2枚とも戻す!」

 

モースが地面を叩き、強風が出来て、伏せカード2枚とも飛ばされてしまった。

 

「バトル!モースでエアーマンに攻撃!」

 

地面を叩きつけたモースがそのままエアーマンを切り裂いた。

 

インヴェルズ・モース 攻2400

E・HERO エアーマン 攻1800

 

スバル LP 4000→3400

 

「ぐっ!!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

脇坂 手札 2枚 LP 3000

モンスターゾーン

インヴェルズ・モース 攻2400

魔法・罠ゾーン

伏せカード 2枚

 

 

いって〜、やるな。でもここからだ!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 7枚

 

「手札の沼地の魔神王の効果!このカードを墓地に送ってデッキから融合を手札に加える!そして融合!手札のアイス・エッジとクノスペを融合!現れろ最強のヒーロー!E・HERO アブソルートZero!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

融合した所が凍りつき、Zeroが現れた。

 

「バトル!Zeroでモースを攻撃!瞬間凍結(Freezing at moment)!」

 

Zeroがモースを凍らせた。・・・・・・・はずが

 

「なっ!?」

 

モースが凍りつく寸前で抜け出した。

 

「リバースカード、侵略の手段を発動した。こいつはデッキから《インヴェルズ》と名のついたモンスターを墓地に送り自分フィールドの《インヴェルズ》と名のついたモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで800ポイントアップする!デッキからインヴェルズの斥候を墓地に送り、モースの攻撃力を800ポイントアップさせる!」

 

インヴェルズ・モース 攻2400→3200

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「返り討ちにしろ!モース!」

 

モースが地面を叩きつけて、Zeroの下に穴が出来て落ちていった。

 

スバル LP 3400→2700

 

「ぐわっ!でもこの瞬間、Zeroの効果発動!フィールドから離れた時相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

Zeroが破壊された穴から吹雪が吹き荒れて、モースを氷漬けにして破壊した。

 

「くそっ・・・・(Zeroが召喚されたんじゃ仕方ないか)」

 

「カードを2枚伏せて、ターンエンド!」

「エンドフェイズ時、サイクロンを発動!左側の伏せカードを破壊する!」

 

「くっ!」

 

破壊されたのは・・・・ヒーロー・バリアか。ヒーローがいないから今は痛くないな。

 

 

スバル 手札 2枚 LP 2700

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

脇坂 手札 3枚

 

「このメインフェイズ1に墓地のインヴェルズの斥候の効果発動!自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない時、このカードを墓地から特殊召喚する!」

 

インヴェルズの斥候 攻200

相手の前に地面が少し穴が開き、両目が少しでかい黒い昆虫が出てきた。・・・・・・・・今思った。インヴェルズって悪魔族だよな。さっきから昆虫しか言ってないぞ、俺。

 

「インヴェルズの斥候をリリースしてインヴェルズ・ギラファをアドバンス召喚!」

 

インヴェルズ・ギラファ 攻2600

 

斥候が消えて、今度こそ尻尾が尖り、悪魔らしいモンスターが出てきた。良かった。このままインヴェルズが昆虫のままだけで思うのは何と無く嫌だったな。

「アドバンス召喚したギラファの効果!そのリバースカードを墓地に送り、俺のライフを1000ポイント回復する!」

 

「されるか!リバースカードオープン!和睦の使者!このターンに俺が受ける戦闘ダメージを全て0にする!」

 

ギラファが伏せカードを破壊する寸前で女神が出てきて、何か呪文みたいな物を唱えた。これで、このターンは無事にすみそうだ。

「くっ・・・・しかしライフ回復は発動する。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

脇坂 手札 1枚 LP 3000→4000

【モンスターゾーン】

インヴェルズ・ギラファ 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 3枚

 

「(おっ、戦士の生還だ!)魔法カード、戦士の生還!墓地の戦士族モンスターを手札に加える!エアーマンを手札に加え、そのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果でデッキからオーシャンを手札に加える!さらに魔法カード、天の落とし物!互いのプレイヤーはデッキから3枚ドローして、2枚を墓地に送る!」

 

え〜と、このカードが来たからこのカードと・・・・・・・・こいつを墓地に送るか。

 

スバル 手札 5枚→3枚 脇坂 手札 4枚→2枚

 

「魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のクノスペとアイス・エッジを融合!E・HERO ガイアを融合召喚!」

 

E・HERO ガイア 攻2200

 

地面にヒビが入り、地割れが起きる。その中からガイアが凄い気迫を出して現れた。何でこんなに迫力があるんだろ?久しぶりに出したからかな?

 

「ガイアの効果!融合召喚時、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にして、その数値分このカードの攻撃力に加える!」

 

「何だと!?」

 

ガイアが両手を地面に叩きつけ、植物がそこから生えてくる。植物がギラファに絡みつき、ギラファのエネルギーを吸収した。

 

インヴェルズ・ギラファ 攻2600→1300

E・HERO ガイア 攻2200→3500

 

これでこのデュエル、勝てる!

 

「バトル!ガイアでギラファに攻撃!コンチネンタルハンマー!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして、カードを1枚ドローする!」

 

脇坂 手札 2枚→3枚

おしいな・・・・もう少しだったけど。

 

「エアーマンでダイレクトアタック!」

 

脇坂 LP 4000→2200

 

「ぐわあああ!!!!」

 

「これでターンエンド!エンドフェイズだからガイアの攻撃力は元に戻る!」

 

 

スバル 手札 2枚 LP 2700

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

E・HERO ガイア 攻3500→2200

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

脇坂 手札 3枚

 

「メインフェイズ1に墓地のインヴェルズの斥候の効果!自身を特殊召喚!」

 

インヴェルズの斥候 攻200

 

「魔法カード、アカシックレコード!デッキからカードを2枚ドローする!その代わりドローしたカードがデュエルで使われていた場合、そのカードはゲームから除外される!」

 

脇坂 手札 2枚→4枚

 

「俺が引いたのは、インヴェルズ万能態と二重召喚!よって除外されない!魔法カード、二重召喚!これで俺はこのターン、通常召喚を2回行える!インヴェルズ万能態を召喚!」

 

インヴェルズ万能態 攻1000

「そしてインヴェルズ万能態は《インヴェルズ》と名のついたモンスターのアドバンス召喚する時、このカードを2体分とする事ができる!インヴェルズの斥候、そして2体分となったインヴェルズ万能態をリリース!」

 

斥候と万能態が消えて、地面が揺れ始める。一体どんなモンスターが出て来るんだ?

 

「現れろ最強の化身!!インヴェルズ・グレズ!!!」

 

インヴェルズ・グレズ 攻3200

 

斥候が出てきた穴よりも大きな穴がデュエルフィールドの中央部に出来て、黒い大きな手が現れてくる。身体を上げて姿を表したのは、黒い巨大な身体をしたモンスターだった。

ここでインヴェルズの切り札か!!楽しくなってきた!!!

 

「グレズの効果発動!ライフを半分支払う事でこのカード以外のフィールドのカードを全て破壊する!フィールドに黒い稲妻を轟かせ!」

 

脇坂 LP 2200→1100

 

グレズが上に雷雲を作り、フィールドに大きな雷が落ちた。直撃した俺のモンスターは全て破壊された。

 

「くっ!」

 

「これで最後!インヴェルズ・グレズでダイレクトアタック!」

 

インヴェルズ・グレズがゆっくりと俺に近づき、俺に腕を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スバル LP 2700→2700

 

「!?ど、どう言う事だ!?ライフが減ってないだと!?」

 

へへ、やっぱカードは応えてくれるんだな。

 

「墓地のネクロ・ガードナーの効果を発動してこのカードを除外し、グレズの攻撃を無効にしたんだ」

 

「いつの間に・・・・」

 

「天の落とし物、お前がインヴェルズの斥候を墓地に送ったように俺も送ったんだ」

 

「まさか墓地から無効にしてくるとは・・・・・・・・なんか、ワクワクしてきたな」

 

「そうだろ!!デュエルはこうでなくちゃな!!」

 

「ああ!!俺はカードを伏せてターンエンド!」

 

 

脇坂 手札 0枚 LP 1100

【モンスターゾーン】

インヴェルズ・グレズ 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

相変わらずこっちは不利だけど、このドローで世界が変わる!そんな事を思ったらワクワクしてきたぜ!!しばらくこんなデュエルをしてなかったからな。忘れかけていたぜ!

 

「俺のターン!!!ドロー!!!」

 

スバル 手札 3枚

 

・・・・・・・・おっしゃ!!

 

「魔法カード、ヒーローの遺産!墓地にレベル5以上の《E・HERO》が2体以上存在する時、デッキからカードを3枚ドローする!」

 

スバル 手札 2枚→5枚

 

・・・・・・・・・・・・この手札だったら、

 

「融合を発動!オーシャンとボルテックを融合して、現れろ光のヒーロー!E・HERO The シャイニング!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

「させるか!リバースカードオープン!奈落の落とし穴!シャイニングを破壊してゲームか除外する!」

 

シャイニングの下に奈落の穴が出来て、吸い込まられる・・・・・・・・が、その場でシャイニングは消えた。

 

「き、消えた!?」

 

「速攻魔法!エレメンタル・トリック!《E・HERO》と名のついた融合モンスターをリリースして、墓地から魔法カード1枚を手札に加える!」

 

シャイニングが光となり、墓地に行く。そして墓地からミラクル・フュージョンのカードが出てくる。

 

「俺はミラクル・フュージョンを手札に加える!その代わり、この効果で手札に加えたカードはこのターンに使えないけどな!」

 

「じゃあどうするんだ?せっかく手に入れた逆転のチャンスもこれでなくなったぞ?」

 

「今回のヒーローは元々からこいつじゃない!俺はチューナーモンスター、E・HERO ダーク・ネオを召喚!」

 

E・HERO ダーク・ネオ ☆3 攻0

俺の前に影のようで、光を放つモンスターが出てきた。

 

「ダーク・ネオの効果!召喚に成功した時、手札の融合もしくはフュージョンと名のついたカードを墓地に送る事で、墓地から《E・HERO》と名のついた融合モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する!」

 

「召喚条件を無視して特殊召喚だと!?」

 

「その代わりに召喚した融合モンスターは効果が無効、攻撃力が0でレベルが1つ下がるけど。俺は手札のミラクル・フュージョンを墓地に送って、ガイアを特殊召喚!」

 

E・HERO ガイア 攻2200→0

☆6→☆5

 

「行くぞ!Lv5になったガイアにLv3のダーク・ネオをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

光が1つになると、満月が出てきて、デュエルフィールドに月光が照らされる。それに共鳴してデュエルフィールドに地鳴りが起きて、亀裂が走る。咆哮を轟かせて、スピリット・ドラゴンが地面を破って出てきた。

 

「こいつが・・・・・・・・スピリット・ドラゴン・・・・・・・・」

 

「スピリット・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、墓地の《HERO》と名のついた融合モンスターをゲームから除外して、相手のエンドフェイズまで除外したモンスターの攻撃力の半分の数値だけアップする!シャイニングをゲームから除外!スピリットドレイン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→3500

 

シャイニングの魂がスピリットに吸い込まられて、スピリットはさらに咆哮をあげる。

 

「攻撃力がグレズを上回っただと!?だがまだ俺のライフは残るぞ!」

 

「スピリットにはさらなる効果がある!除外したモンスターの効果も得る!この事でシャイニングの効果か発動される!シャイニングは除外されている《E・HERO》1体につき、攻撃力が300ポイントアップする!今、ゲームから除外されているのは、アイス・エッジ、クノスペ、シャイニングの3体!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3500→4400

 

「ハハ・・・・・・・・まさか逆転されるとはな、来いよ!」

 

「おう!バトル!E・HERO スピリット・ドラゴンでインヴェルズ・グレズに攻撃!フレア・アースシュート!」

 

スピリットが円を描くように動き、真っ赤に燃えた球を作り、グレズに攻撃した。

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻4400

インヴェルズ・グレズ 攻3200

 

脇坂 LP 1100→0

 

 

WIN スバル LOS 脇坂

 

 

『勝者!中等部1ー1!遊城スバル!!』

 

「いよっしゃ!!」

 

俺は思いっきりガッツポーズをする。久しぶりに熱くなれたぜ!!

 

「負けたわ・・・・・・・・でも清々しいな」

 

「お互い全力でやった証さ」

 

「・・・・そうだな」

 

「おっとそうだ・・・・・・・・ガッチャ!!楽しいデュエルだったな!!」

 

いつものポーズを決める。爺ちゃんと約束したこれも忘れかけていたぜ。

 

「ああ、またデュエルしような」

 

俺たちは握手を交わしてそれぞれのベンチに戻った。

 

「約束通り、勝ってきたぜ!!」

 

「よくやったよ!!これでタイだ!!」

 

「背水の陣から王手だよ!これは勢いがつくわ!!」

 

「遊輝!!ラスト決めてきなさいよ!!」

 

「相手がきついんだけどな・・・・・・・・まあ、頑張ってくるわ!!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「悪い。あいつは強いや」

 

「お疲れでござる」

 

「仕方ないわね。あれはあっちの方が上回っていたわ。さすが、英雄の名を継ぐものだね」

 

「次はアキね。リベンジでしょ?」

「ええ、でもあの時の事は思っていないわ。こっちがチャレンジャーのつもりでいくわ」

 

「頼むぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 準決勝

中等部1ー1VS高等部1ー1

 

 

第1試合 小野寺 響 ○ーー× 興梠 愛里紗

第2試合 水野 奏 ×ーー○ 佐々倉 隆之介

第3試合 葵 レミ ×ーー○ 立本 羽栗

第4試合 遊城 スバル ○ーー× 脇坂 翔太

 

 

 

 

 

総合結果 2--2

 




スバル「久しぶりに熱くなれたぜ!!」

遊輝「見ててハラハラしたな。まあ、さすがスバルって所だな」

奏「相変わらずのドロー力。あの場面でヒーローの遺産を引くんだから」

響「さあ、オリカの紹介、紹介!」

レミ「まずはダーク・ネオ!スバルが持っているもう1体のヒーローのチューナーだね」


E・HERO ダーク・ネオ ☆3 チューナー
闇属性 戦士族 攻0 守0
①このカードが召喚に成功した時、手札の「融合」または「フュージョン」と名のついたカードを1枚墓地に送る事で、自分の墓地に存在する「HERO」と名のついた融合モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ下がる。
また、攻撃力は0になり、効果は無効化になる。
エンドフェイズ時にこの効果で特殊召喚したモンスターは破壊する。




スバル「マッハ・ウィンドは速攻でシンクロ召喚が出来るけど、こいつはいわゆる《デブリ・ドラゴン》と同じタイプだな。コストで《融合》か《フュージョン》と名のつくカードを墓地に送れば、墓地から特殊召喚できるぜ!」

遊輝「これの恐ろしい所は『名のつくカード』。つまり《簡易融合》や《オーバーロード・フュージョン》さらには《パラドックス・フュージョン》や地味に《コンフュージョン・チャフ》でもコストに出来る所」

響「でも、蘇生出来るのはあくまでもヒーローの融合モンスターだけどね」

レミ「次!!エレメンタル・トリック!!」


エレメンタル・トリック 速攻魔法
①自分フィールド上に存在する「E・HERO」と名のついた融合モンスター1体リリースして発動する。
墓地に存在する魔法カード1枚を手札に加える。
この効果で手札に加えたカードはこのターン発動できない。


奏「自分フィールドの《E・HERO》と名のつく融合モンスターをリリースすれば、墓地から魔法カードを手札に戻せるよ!」

スバル「融合モンスターを除去して、魔法カードを手に入れる。しかもそのターンは発動できないから、一見デメリットに見えるけど・・・・・・・・」

レミ「これ速攻魔法なんだよね。モンスターが破壊される時にうてばそこまで痛く無いし、相手ターンにうてば、実質魔法カードを手札に加えるだけだからね」

遊輝「オリカの紹介はこんな所かな」

響「次はいよいよ準決勝の最後の試合!!フォーチュン・カップ、準決勝と同じ組み合わせ!!」

スバル「タイトルは【準決勝 5試合目 黒薔薇の龍と太陽龍】」

遊輝「何で月華竜じゃないかって?まだ漫画版を使わないからだよ」

レミ「次回もよろしくね!!」


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第52話 準決勝 5試合目 黒薔薇の龍と太陽龍

最強カードの紹介〜〜。

アキ「お久しぶり。丁度出番の時に回ってきたわ」

偶然なんだけどな。

アキ「良いじゃない。自分のカードを紹介するなんて以外と無いわよ」

はいはい。最強カードの紹介に行くか。

アキ「今回は私のエースモンスター、ブラック・ローズ・ドラゴン」

☆7のシンクロモンスターで、かつて制限カードまでいった強力な効果を持ったモンスターだ。

アキ「前半のリセット効果でしょ?シンクロ召喚時に、フィールドのカードを全て破壊できるわ。でも自身も破壊してしまうから注意が必要よ」

もう一つは、墓地から植物族モンスターを除外すれば相手の守備モンスターを攻撃表示にして攻撃力を0にできるぞ!ロンファやキラー・トマト、さらには全盛期のグローアップ・バルブにスポーアなど、最近だったらNo,50も植物族だから、以外と機会が多いぞ!

アキ「第52話、私と遊輝の準決勝最後の試合よ!」


遊輝 side

 

『Aコート、第5試合を始めます。デュエルする生徒はデュエルフィールドに上がりなさい』

 

まさか回ってくるとはな。正直、俺の前で終わると思っていたよ。

 

「ふぅ・・・・・・・・」

 

相手はアキさん。フォーチュン・カップ以来のデュエルになる。

 

「・・・・・・・・こうやって対峙するのはあの時以来ね」

 

「そうですね」

 

「あの時はいろいろありがとうね」

 

「頭を下げなくて良いですよ。それに俺が勝手にした事ですし」

 

「でもあのデュエルで変わっていくきっかけを作ってくれた事に変わりはないわ」

 

「そうですか」

 

あの時はただアキさんを救いたかっただけ。だから、今回は・・・・・・・・

 

「でも、私もデュエリスト。負けたリベンジはしないとね」

 

「えぇ、受けて立ちます。楽しいデュエルをしましょう!!!」

 

『Aコート第5試合!高等部1ー1!十六夜 アキ!中等部1ー1!遠藤 遊輝の試合を始めます!』

 

「デュエル!!」 「デュエル!!」

 

遊輝 LP 4000 アキ LP 4000

 

先行は・・・・・・・・俺か。なんかこっちのクラスの先行が多いな。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・うげっ!この手札はちょっときついな・・・・あまり事故らないように作ったはずなんだけど・・・・

 

「アステル・ドローンを召喚して、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

アステル・ドローン 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「ずいぶんおとなしいわね」

 

「まだ動けないので。それにこのデッキは元々速攻性が無いので」

 

「フフ、私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 6枚

 

「イービル・ソーンを召喚」

 

イービル・ソーン 攻100

 

「イービル・ソーンの効果発動!このカードをリリースして相手に300ポイントダメージを与える!イービル・バースト!」

 

イービル・ソーンが破裂して、爆風が俺の方に来る。爆風の勢いで、2、3歩下がってしまう。

 

「くっ・・・・」

 

遊輝 LP 4000→3700

 

「さらにイービル・ソーン2体をデッキから特殊召喚!」

 

イービル・ソーン ×2

 

「イービル・ソーン1体をリリースして、永続魔法、超栄養太陽を発動!」

 

イービル・ソーン1体が消えて、その場に小さな太陽が出てきた。

 

「超栄養太陽はリリースしたモンスターのレベルから3つ足したレベルまでの植物族モンスターをデッキ・手札から特殊召喚する!この効果でレベル3のローンファイア・ブロッサムをデッキから特殊召喚!」

 

ローンファイア・ブロッサム 攻500

 

「ろ、ロンファ!?」

 

やめてくれ!!フォーチュン・カップの時に嫌って程こいつにお世話になったんだから!!

 

「ローンフファイア・ブロッサムの効果!このカード自身をリリースしてデッキからギガプラントを特殊召喚!」

 

ギガプラント 攻2400

 

・・・・・・・・トラウマカード2枚目、アキさんは俺の精神を攻撃しているのか?

 

「さらにフィールドに残ったイービル・ソーンを手札に戻して、魔天使ローズ・ソーサラーを特殊召喚!」

 

魔天使ローズ・ソーサラー 攻2400

 

・・・・・・・・・・・・いやいやちょっと待って!!俺にダメージを与えただけでなく、手札消費3枚で上級モンスターを2体も出した!?!?初手良すぎでしょ!!

 

「バトル!ギガプラントでアステル・ドローンに攻撃!」

 

ギガプラントが地面にツタを忍ばせて攻撃を仕掛ける。

 

「リバースカードオープン!永続罠、グラビティ・バインド〜超重力の網〜!」

 

デュエルフィールドに青い網が空から降ってきた。

 

「・・・・・・・・あの時と一緒ね。残念ながら手札にそのカードを破壊するカードは無いわ」

 

助かった〜〜、これでこのターンの攻撃は防げる。

 

「カードを伏せてターンエンド」

 

 

アキ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ギガプラント 攻2400

魔天使ローズ・ソーサラー 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

さてと、グラビティ・バインドはどうせそこまで持たないだろうから。手札がドローカードで埋まった時はどうしようと思ったよ。

 

「魔法カード、マジック・プランター!グラビティ・バインドを墓地に送り、カードを、2枚ドローする!」

 

遊輝 手札 4枚→6枚

 

「せっかくの防御手段を自分から墓地に送るの?」

 

「ええ、フォーチュン・カップの時に一度経験してますので。1ターンしか持たないって」

 

「・・・・・・・・どこからそんな理屈が出てくるのよ」

 

アニメとかいろいろ見て。実際に経験して、ロックカードは1ターンしか持たない事を身を持って実感したから。

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

鎖を回しながらダイヤが出てきた。

 

『今回はアキさんですか。あの時以来でしたっけ?』

 

「ああ、でもあの時と違って今回は楽しんでデュエルをしているよ」

 

『そうですか』

 

「ガガガマジシャンの効果!1ターンに1度まで、レベルを変更できる!レベルを5に選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆5

 

「(アステル・ドローンのレベルは4なのにレベルを変えた?一体何を・・・・)」

 

「アステル・ドローンはエクシーズ召喚される時、レベル5のモンスターとして扱う事ができる!」

 

「!!そういう事ね」

 

「Lv5になったガガガマジシャンとアステル・ドローンでオーバーレイ!」

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!燃えたぎれ!No,61 ヴォルカザウルス!」

 

No,61 ヴォルカザウルス 攻2500

 

ブラック・ホールからマグマが噴出して、球体上のヴォルカザウルスが出てきて変形した。

 

「ヴォルカザウルス!?あのモンスターは確か・・・・」

 

「お察しの通り。でもその前にアステル・ドローンの効果!このカードを素材としたエクシーズモンスターの召喚に成功した時、カードを1枚ドローする!」

 

遊輝 手札 5枚→6枚

 

「ヴォルカザウルスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、相手フィールドのモンスター1体を破壊してそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!選択するのはギガプラント!やれ!マグマックス!!」

 

No,61 ヴォルカザウルス OVR 2→1

 

ヴォルカザウルスの胸が開き、火炎放射機が出てきた。

 

「罠発動!リフレクト・ネイチャー!」

 

「(リフレクト・ネイチャー?そんなカードあったけ?)」

 

「このカードはこのターンに相手が発動した効果ダメージは全て相手が受ける!」

 

「えっ?て事は・・・・・・・」

 

「ギガプラントの攻撃力、2400のダメージは貴方が受けるのよ」

 

「(マジで!!??そんな効果だったの!?)」

 

ヴォルカザウルスがギガプラントに炎を発射する。ギガプラントは破壊されたが、その破壊された炎はアキさんではなく俺の方に来る。

 

遊輝 LP 3700→1300

 

「ぐわああ!!!!」

 

ヴォルカザウルスの効果ダメージをもろに受けてしまう。いてて・・・・・・・・効果ダメージを反射してくるとは・・・・・・・・でもこれで警戒なくバトルはできるな。

 

「バトル!ヴォルカザウルスでローズ・ソーサラーを攻撃!フレイムダウン!」

 

ヴォルカザウルスが炎をまとわせた爪でローズ・ソーサラーを斬りつけた。

 

No,61 ヴォルカザウルス 攻2500

魔天使ローズ・ソーサラー 攻2400

 

アキ LP 4000→3900

 

「くっ・・・・自身の効果で特殊召喚したローズ・ソーサラーはフィールドから離れる時、ゲームから除外されるわ」

 

予想外のカウンターをくらったけど、これでアキさんのフィールドは何もなくなった。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

No,61 ヴォルカザウルス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

「私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 3枚

 

「魔法カード、弱者の贈り物。手札のイービル・ソーンをゲームから除外して、デッキからカードを2枚ドローするわ」

 

アキ 手札 1枚→3枚

 

黒薔薇の魔女(ブラックローズウィッチ)を召喚」

 

黒薔薇の魔女 攻1700

 

紫色の髪をした魔女が出てきた。・・・・・・・・魔女なんかな?服が魔女っぽくないし。それにアキさん、本当に俺の精神を攻撃しているのか?なんかメイド服に見えてくるし・・・・・・・・

 

「黒薔薇の魔女は自分の場に何も無い状態で召喚した時、カードを1枚ドローする。その効果でドローしたカードをお互いに確認して、モンスター以外だった場合、ドローしたカードを墓地に送ってこのカードを破壊するわ」

 

・・・・・・・なんかすっごく嫌な予感が・・・・・・・・

 

「ドロー・・・・・・・・ドローしたカードはモンスターカード、薔薇の妖精。このカードはカード効果で手札に加わった時、手札から特殊召喚できる!」

 

薔薇の妖精 攻600

 

だあああ!!!!やっぱモンスターだった!!!!しかもドローしたの薔薇の妖精!?!?完全にあのモンスターへの流れじゃん!!!

 

「Lv3の薔薇の妖精にLv4の黒薔薇の魔女をチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

 

光の中から黒い薔薇の花びらが舞い、ブラック・ローズ・ドラゴンが出てきた。出った〜・・・・・・・・なんのために伏せカードを3枚伏せたんだよ・・・・

 

「ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、フィールド上のカードを全て破壊する!ブラック・ローズ・ガイル!」

 

ブラック・ローズが咆哮を上げるのと同時に、フィールドに突風が吹き荒れて俺のカードとブラック・ローズ自身を破壊していった。ちなみに俺の伏せカードは、ミラフォ・リビングデッド・次元幽閉。ほんとにミラフォは仕事しないな・・・・しかし・・・・・・・・

 

「これでお互いのフィールドにカードは無いわね」

 

「まさか1ターンでこの場を全て焼き尽くすなんてね・・・・」

 

「でも、もう私はモンスターを召喚できないわ。それに元々このカードたちはモンスターではないし。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

アキ 手札 0枚 LP 3900

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

さ〜てと、ほんとにガラ空きになるとは思わなかったからな。幸い、手札があるからこのターンで持ち直しそうだ。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「ドドドウォリアーを召喚!」

 

ドドドウォリアー 攻2300→1800

 

「ドドドウォリアーは攻撃力を500ポイント下げる事でリリースなしで召喚できる。そして装備魔法、ガガガリベンジ!墓地から《ガガガ》と名のついたモンスターを特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「ガガガマジシャンの効果!今度はレベルを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「レベル6が2体・・・・・・・・あのモンスターね」

 

「はい。Lv6のドドドウォリアーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ。天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラック・ホールから白い太陽が出てきて、ホワイトが出てきた。

 

「ガガガリベンジの効果!装備モンスターがエクシーズ素材としてこのカードが墓地に送られた時、フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→2700

 

「バトル!ホワイト・サン・ドラゴンでダイレクトアタック!サンシャイン・パティズム!」

 

力を蓄えたホワイトが白い太陽を作りだし、その太陽をアキさんに向けて落とした。

 

アキ LP 3900→1200

 

「ぐっ!!」

 

くらった?でもやっと大きく削れた。これでタイだな、ここからが本当の勝負だな。

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 0枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「私のターン、ドロー」

 

アキ 手札 1枚

 

「罠発動!シンクロ・スピリッツ!墓地のシンクロモンスターをゲームから除外し、そのシンクロ素材となったモンスター一組を墓地から特殊召喚する!ブラック・ローズ・ドラゴンをゲームから除外して、黒薔薇の魔女と薔薇の妖精を特殊召喚!」

 

黒薔薇の魔女 攻1700

薔薇の妖精 攻600

 

「(・・・・・・・あれっ?この展開、アニメで見たような)」

 

「さらに罠発動!次元回帰!ゲームから除外されているモンスターを全てデッキに戻す。これで、ブラック・ローズ・ドラゴンをエクストラデッキに戻すわ」

 

「!!また来る!!」

 

「Lv3の薔薇の妖精にLv4の黒薔薇の魔女をチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

 

再び黒い薔薇が舞って、ブラック・ローズ・ドラゴンが姿を現した。

 

「さすがに効果は使わないわよ。そのモンスターの効果を知っているんだから」

 

「ですよね〜。どうするんですか?まだホワイトの方が攻撃力が上だけど?」

 

「速攻魔法、エネミー・コントローラー!ホワイトの表示形式を守備表示に変更する!」

 

えっ!?エネミー・コントローラーなんて持ってたの!?それよりマジでやばい!!

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700→守1500

 

「そしてブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!墓地の植物族モンスター1体をゲームから除外する事で、相手フィールドの守備表示モンスターを攻撃表にし、攻撃力を0にする!墓地の薔薇の妖精をゲームから除外!ローズ・リストリクション!」

 

ブラック・ローズが薔薇の妖精を食べ、ホワイトの身体に蔓を巻きつけた。

 

ホワイト・サン・ドラゴン 守1500→攻2700→攻0

 

「これで終わりよ!ブラック・ローズ・ドラゴンでホワイト・サン・ドラゴンに攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」

 

ブラック・ローズがホワイトに向けて、紫の炎を浴びせる。

俺の残りライフは1300だからこの攻撃を受けたら・・・・・・・・

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

ホワイト・サン・ドラゴン 攻0

 

これで・・・・・・・・負け・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃ、ないんだよね〜〜。

 

遊輝 LP 1300→100

 

「!?どうして!?ライフが残って!?!?」

 

周りの生徒がざわめき出した。一方、これと同じ手を何度もしてきたレミやスバル達は何を発動したのか分かったみたい。

 

「罠カード、ダメージ・ダイエットさ」

 

「!!確かそのターンに受ける全てのダメージを半分にするカード・・・・」

 

「ええ、これで俺は2400の半分、1200のダメージを受けたんです」

 

「・・・・・・・・やるわね。もう私の手札は何も無い。これでターンエンドよ」

 

 

アキ 手札 0枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

ふう〜〜。ダメージ・ダイエットのおかげで首の皮一枚残ったな。さあてと、面白くなってきたぞ!!ここで、世界を変えたら、ほんとに面白くなるぞ!!頼むぞ・・・・・・・・仲間たち!!

 

「俺の・・・・・・・・ターン!!!!ドロー!!!!」

 

遊輝 手札 1枚

 

・・・・・・・・!!!たはは・・・・スバルや龍可の事も言えなくなってしまったな。まあ、あの2人よりまだマシか。

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 0枚→3枚 アキ 手札 0枚→3枚

 

・・・・・・・・・・・・そうだな。あいつしか出さないわけにもいかないよな!!

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果!手札からチューナーモンスター、ヴァイロン・プリズムを特殊召喚!」

 

ヴァイロン・プリズム 攻1500

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

胴体が顔みたいな機械天使が出てきた。

 

「来るわね。2体目が」

 

「Lv4のゴブリンドバーグにLv4のヴァイロン・プリズムをチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

今度は上から黒い太陽が降りてきて、ブラックがいつもと違い元気よく出てきた。

 

「来たわね。でもあなたの墓地のエクシーズモンスターで一番攻撃力が高いのはヴォルカザウルスの2500。ブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃してもまだ私のライフは100ポイントだけ残るわ」

 

「い〜え、俺の勝ちです。この伏せカードで!リバースカードオープン!バスター・モード!」

 

「ば、バスター・モード!?!?」

 

「ブラック・サン・ドラゴンをリリース!闇の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!降臨!ブラック・サン・ドラゴン/バスター!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500

 

ブラックがもう一度、漆黒の太陽に戻り空から雷と水が氷ってできたあられなどと一つになる。雷と氷を帯びた漆黒の太陽が変形して、ブラックが変形した。・・・・・・・・これ、初登場の時に言わなかったけど、ほんとにポ○モンだな。

 

「す、/バスター・・・・・・・・」

 

「ブラックの効果!特殊召喚時、墓地のエクシーズモンスターを装備する!ヴォルカザウルスを装備!」

 

墓地からヴォルカザウルスが出てきて、ブラックが吸収する。

 

「そして攻撃力は装備したモンスターの攻撃力の倍の数値だけ上がる」

 

「は、倍!?」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500→6500

 

ヴォルカザウルスを吸収したブラックは一回り、二回りと大きくなっていく。

 

「ラスト!ブラック・サン・ドラゴン/バスターでブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃!ゴッド・サンダー・プロミネンス!」

 

雷と氷で覆われた黒いプロミネンスがブラック・ローズ・ドラゴンを包み込み、焼き尽くした。

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻6500

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

 

アキ LP 1200→0

 

 

WIN 遊輝 LOS アキ

 

 

『勝者!中等部1ー1!遠藤 遊輝!!決勝トーナメント 準決勝第1試合、高等部1ー1対中等部1ー1は3ー2で中等部1ー1の勝ち!!』

 

「よっしゃ!!」

 

「負けたわ。私もまだまだだね」

 

デュエルデスクを直したアキさんがこっちに来た。

 

「いえいえ、十分強かったです。ほんとに1回負けかけましたし」

 

「でもあの状況を覆す力があるから、このデュエルでもあの時でも勝てたのでしょ?私ももっとデュエリストとしての実力を上げないといけないわね」

 

「それは俺もです」

 

「決勝戦、応援しているわよ」

 

「任せてください!!」

 

言葉を交わし終えた俺たちはそれぞれのベンチに戻って行った。

 

「よくやったよ!!!これで決勝戦に行ける!!」

 

「優勝の可能性も見えてきたわ!!」

 

「しかしあの状況でよく壺の中の魔術書なんか引けたな」

 

「・・・・・・・・スバルには言われたくない」

 

「さてと、Bコートはどうなったかな?」

 

奏の言葉でみんなBコートの方に目をむける。

 

「・・・・・・・・裁きの龍でダイレクトアタック!ジャッジメント・レーザー!」

 

「う、うわあああ!!!」

 

『勝者!小等部5ー3!龍可!!決勝トーナメント 準決勝第2試合、小等部5ー3対高等部2ー1は3ー2で小等部5ー3の勝ち!!』

「・・・・・・・・えっ?」

 

「嘘・・・・・・・・」

 

「龍可ちゃんのクラスが勝ち上がったよ・・・・・・・・」

「マジか・・・・・・・・」

 

「龍可ちゃんと龍亞君が強いのは分かるけど、一体誰が高等部に・・・・・・・・」

 

マジで決勝戦で当たる事になるとは・・・・・・・・

 

『これで今日の試合は終わります!!明日、午前9時よりデュエルフィールド、Aコートにて中等部1ー1と小等部5ー3の決勝戦を行います!!』

 

「・・・・・・・・始めてじゃねぇか?中等部と小等部が決勝戦で戦うなんて」

 

「でも、面白くなってきたわよ」

 

「相手にとって不足はなし!!」

 

「みんな!!!このまま優勝するぞ!!!」

 

「「「「おおおお!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・順番どうする?」

 

「遊輝の5番目は確定ね」

 

「おい!!」

「この中で龍可ちゃんに勝てるのは遊輝だけだから」




アキ「また負けてしまったわね」

遊輝「アキさんは強いですよ」

アキ「あなたに2回も負けているんだから、まだまだだわ。しかし・・・・・・・・龍可達が上がってくるとはね」

遊輝「誰か一人強い奴がいるとは聞いたけど・・・・・・・・高等部に勝つとは・・・・・・・・」

アキ「確か龍亞たちが復学する前は小等部の中でも指折りの強さを誇っているって言っていたわね」

遊輝「龍亞が言っていたな。ただ・・・・・・・・」

アキ「ただ?」

遊輝「これ以上はネタバレなんで」

アキ「(ガクッ)そ、そう・・・・」

遊輝「さてと、長く続いたアカデミアデュエル大会もいよいよ決勝戦!!」

アキ「まずは1試合目ね。【決勝戦 1試合目 勇志の天使VS雷の天使龍】」

遊輝「次回もよろしく!!」


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第53話 決勝戦 1試合目 勇士の天使VS雷の天使龍

最強カードの紹介!!

ジャック「・・・・・・・・既にここでの出番が小説より出ている気がするが・・・・」

多分、気のせいだよ。(実際、そうかもしれないけど・・・・・・・・)

ジャック「貴様!今小声で何言いやがった!?」

何も言ってない言ってない。

ジャック「嘘つけ!!」

最強カードの紹介に行くよ!!今回は天空勇士ネオパーシアス!」

ジャック「こら!!!!」

☆7の天使族、天空騎士パーシアスをリリースすれば手札から特殊召喚できるけど、基本ヴァルハラから出すのが普通かな?

ジャック「守備モンスターを攻撃したら貫通ダメージを与え、このカードで戦闘ダメージを与えた時、カードを1枚ドローできる」

フィールドに天空の聖域が存在して、自分のライフが相手より上回っていたら、その分だけ攻撃力と守備力が上がるぞ!!ライフを回復して、相手にプレッシャーを与えよう!!

ジャック「第53話、デュエルスタート」


遊輝 side

 

「まさか決勝で龍可たちのクラスと当たるとはな」

 

「私もここまで残るとは思わなかったよ」

 

今日の日程が終わったので、俺と龍可は今日の出来事を家で話している。龍亞は家に帰った後、何処かに行ってしまった。

 

「でもここまで来たんだから優勝を目指すわよ!!」

 

「そこは俺たちも譲れないな」

 

「ただいま!!!」

 

リビングで意気込みをかけてたら龍亞が帰ってきた。手には何か握ってある。

 

「おかえり。その手にある物は?」

 

「これ?今日発売の新パックだよ!!ほら!!エクシーズモンスターが入っている!!!」

 

「あっ、今日か」

 

龍亞の言葉で思い出した。今日は新パックの発売日。しかも俺が海馬コーポレーションに提供したエクシーズモンスターとそれをサポートするカードが入っている初めてのパックだ。

 

「へへ、カードショップで売り切れまじかのところを何とか5パックだけ買えたよ!!これでエクシーズモンスターを当てるぞ!!」

 

「・・・・龍亞、広告見たか?」

 

「?どういう事?」

 

「その様子だと見てないな・・・・今回のパック、80種類のカードの内、エクシーズモンスターは3種類だけだぞ。しかもかなりのレアカードとして」

 

「えっ?という事は・・・・・・・・」

 

「確率は2箱買って1枚当たるかどうか」

 

「そ、そんな〜〜」

 

両手に持ったパックを落とし、龍亞が嘆く。当たり前だろ。一気に普及したら大混乱を起こすぞ。まあ新規のカードもいっぱいあるって言ってたし、俺の前世で無かったようなカードもあるかもしれないからな。

 

「まあ実際に開封してみないとわからないけどね」

 

「うぅ〜〜こうなったら意地でも当てるぞ!!!!」

 

そうして、今日1日が過ぎていった。

えっ?結果?当たる訳ないじゃん。エクシーズモンスターのサポートカードが数枚当たっていたけどね。鬼神の蓮撃とかね。

 

 

遊輝 side

 

 

奏 side

 

 

『ただいまよりアカデミアデュエル大会、中等部1ー1と小等部5ー3による決勝戦を行います!!!』

 

『ワアアアアア!!!!!!!!!!』

 

アナウンスの開催宣言と共に、生徒で埋め尽くされた観客席から大きな喝采が巻き起こる。ほんとに・・・・・・・・ここまで来たんだね。

 

「ほんとに・・・・来たね」

 

「夢のようね。決勝戦まで残れるなんて」

 

「でも、ここまで来たんだ!!!昨日も言ったけど・・・・・・・・優勝するぞ!!!!!」

 

「「「「おおおぉ!!!!!」」」」

 

『これから第1試合を始めます。第1試合に出る代表者はデュエルフィールドに上がりなさい』

 

「じゃあ、行ってくるね」

 

「奏!リラックスして行くんだよ!」

 

「響、なんか意味が違うぞ」

 

響のボケを遊輝が突っ込んだ所を見て、デュエルフィールドに上がる。

相手は龍亞君や龍可ちゃんのクラスの子だね、当たり前だけど・・・・・・・・確か名前は・・・・

 

「始めまして奏さん、僕は早野天兵です」

 

「始めまして。礼儀が良いね」

 

「ありがとうございます。今日、同じ天使族デッキを使う奏さんとデュエルできて、凄く嬉しいです!」

 

「早野君のデッキも天使族なの?」

 

「はい!!」

 

同じ天使デッキなんだね。でも・・・・・・・・

 

「確かに同じ種族のデッキを扱う人がいるのは嬉しいけどデュエルはデュエルよ」

 

私はデュエルデスクを構えて、早野君にデュエリストとしての目で見る。

 

「もちろんです。中等部、アカデミア五剣士の奏さんに真っ向勝負で行きます!」

 

「ちょ、ちょっと待って!?今、アカデミア五剣士って言わなかった!?」

 

「はい、元々中等部にいたアカデミア三剣士に奏さんや遊輝さんが加わって、今は五剣士って呼ばれてます」

 

恥ずかしくなって顔を隠してしまう。だ、誰がそんな事を・・・・・・・・

「では、始めましょう!」

 

「え、えぇ・・・・・・・・」

 

『決勝戦第1試合!中等部1ー1!水野 奏!小等部5ー3!早野 天兵のデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 天兵 LP 4000

 

「先行は僕ですね。僕のターン、ドロー」

 

天兵 手札 6枚

 

「僕はシャインエンジェルを守備表示で召喚」

 

シャインエンジェル 守800

 

天使族リクルーターのモンスターを守備表示ね。無難な手ね。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

天兵 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

シャインエンジェル 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 6枚

 

・・・まあまあな手札ね。カウンター罠の種類も丁度良いくらいだわ。

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「ヴィーナスの効果!LPを500ポイント払う事でデッキから神聖なる球体を特殊召喚できる!私は1500ポイント払って神聖なる球体を3体、守備表示で特殊召喚」

 

奏 LP 4000→2500

神聖なる球体 守500 ×3

 

「(ここまでは想定通り。あとら攻撃に乗ってくれれば・・・・)」

 

「カードを3枚伏せてターンエンド」

 

「!?」

 

 

奏 手札 2枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

神聖なる球体 守500 ×3

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「こ、攻撃しないのですか?」

 

「ええ、どうせダメージを与えられないしリクルーターだから破壊しても意味が無いでしょ?」

 

そしてパーミッション使いとしてフィールドを固める事を優先させてもらうよ。このモンスター達は残しておきたいからね。

 

「ぼ、僕のターン、ドロー」

 

天兵 手札 5枚

 

「(そっちが攻めないなら・・・・)シャインエンジェルをリリースして、天空騎士(エンジェルナイト)パーシアスをアドバンス召喚!」

 

天空騎士パーシアス 攻1900

 

両肩と腰ぐらいに羽がついた輝く騎士がでてきた。

 

「さらに天空騎士パーシアスをリリースして、天空勇士(エンジェルブレイブ)ネオパーシアスを特殊召喚!」

 

天空勇士ネオパーシアス 攻2300

 

パーシアスが上空に昇っていき、日の光を浴びて輝き始める。光が収まると、両肩が開き翼のような物に金色のラインが入った身体をしたパーシアスだった。やるわね、まさかこの方法で出してくるなんて。私だったらヴァルハラから出すけど。

 

「バトル!天空勇士ネオパーシアスで神聖なる球体を攻撃!シャイニングブレード!」

 

確か貫通能力を持っていたわね。通すわけにはいかないわ。

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!ネオパーシアスの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させるわ」

 

「うっ・・・・・・・・(とうとう動いてきた。こっちも何か対策を立てないと一方的になってしまう)カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

天兵 手札 1枚 LP 4000

【魔法・罠ゾーン】

天空勇士ネオパーシアス 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 3枚

 

「(いい引きね)神秘の代行者 アースを召喚」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

『ふわぁ〜〜、おはよう奏』

 

欠伸をしながらアースが出てきた。

 

「まだ寝ていたの?」

 

『今日はいつもより早いよ〜。いつもは11時に起きているから』

 

・・・・・・・・寝過ぎでしょ?11時ってもうお昼って言ってもおかしくないでしょ。

 

「アースの効果でデッキから奇跡の代行者 ジュピターを手札に加えて、Lv2の神秘なる球体2体にLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

空に出来た雷雲からライトニング・エンジェル・ドラゴンが出てきた。

 

「させません!カウンター罠、神の警告!僕のライフポイントを2000ポイント払って、ライトニング・エンジェル・ドラゴンの召喚を無効にします!」

 

天兵 LP 4000→2000

 

ライトニング・エンジェルが出てきた雷雲から稲妻が落ちるけど・・・・

 

「カウンター罠、魔宮の賄賂!相手が発動した魔法・罠カードの発動を無効にして破壊する!この効果で神の警告を無効にして破壊!」

 

ライトニング・エンジェルが稲妻を避ける。

 

「その後、相手はカードを1枚ドローする」

 

「うっ・・・・ど、ドロー」

 

天兵 手札 1枚→2枚

 

「そしてライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果で墓地からカウンター罠1枚を手札に加える。そうね・・・・・・・攻撃の無力化を手札に加えるわ。そして手札の奇跡の代行者 ジュピターをゲームから除外してマスター・ヒュペリオンを特殊召喚!」

 

マスター・ヒュペリオン 攻2700

 

雷雲が消えた後にマスター・ヒュペリオンが悠々と舞い降りてきた。

 

「ま、マスター・ヒュペリオン・・・・・・・」

 

「マスター・ヒュペリオンの効果発動!墓地の神聖なる球体をゲームから除外して天空勇士ネオパーシアスを破壊する!」

 

マスター・ヒュペリオンが神聖なる球体を蓄え、ネオパーシアスに光の球を放つ。まともに攻撃を食らったネオパーシアスは破壊される。

「バトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!サンダー・アロー!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!ライトニング・エンジェル・ドラゴンの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了される!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴンの攻撃が渦に吸い込まられた。それにしてもずいぶんカウンター罠を入れているわね。きっと私の対策だね。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 0枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

神聖なる球体 守500

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

マスター・ヒュペリオン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「(じわじわと追い詰められてきた・・・・・・・・でも)僕のターン、ドロー」

 

天兵 LP 2000

 

「(さっきの魔宮の賄賂で手札に加えた死者蘇生がある。3枚の伏せがあるけど、さっき手札に加えたのは攻撃の無力化。それにもう1枚の伏せカードはおそらく発動条件が無いカード。ここなら・・・・)僕は魔法カード、死者蘇生を発動!墓地から・・・・!?」

 

天兵君のフィールドに死者蘇生のカードが出てきたけど、それをライトニング・エンジェル・ドラゴンが撃ち抜いて破壊した。

 

「な、なんで・・・・ライトニング・エンジェル・ドラゴンが発動させないのは罠カードだけのはず」

 

「カウンター罠、雷の矢!私のフィールドにライトニング・エンジェル・ドラゴンが存在する時、相手が発動した魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にして破壊する!」

 

これ、昨日の新しいパックに入っていたカードなの。なんでライトニング・エンジェル・ドラゴン専用のカードがパックに入っていたのかな?

 

「そ、そんな・・・・(僕の伏せカードは神罰。でもこれは天空の聖域が無かったら発動できない・・・・)モンスターをセットしてターンエンド・・・・・・・・」

 

 

天兵 手札 1枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠カード】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 1枚

 

「マスター・ヒュペリオンの効果発動!もう1体の神聖なる球体をゲームから除外して伏せモンスターを破壊する!」

 

マスター・ヒュペリオンが早野君の前にある伏せモンスターを破壊した。・・・・・・・・なるほど、マシュマロンだったのね。ヒュペリオンがいなかったら逆転の可能性があったわね。

 

「バトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!サンダー・アロー!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴンが電気を帯びた矢を弾き、早野君に向けて放った。

 

天兵 LP 2000→0

 

WIN 奏 LOS 天兵

 

『勝者!中等部1ー1!水野 奏!』

 

ふぅ〜〜。トップの役割を無事に果たしたわ。さてと・・・・・・・・

 

「早野君、大丈夫?」

 

デュエルデスクを直して早野君の所に歩み寄る。だってこっちの一方的な展開だったからね。

 

「は、はい大丈夫です。やっぱりアカデミア五剣士の壁は厚いですね」

 

「それは言わないでくれるかしら・・・・恥ずかしいから」

 

「でも本当に強かったです!勉強になりました!」

 

「そう、じゃあまたね」

 

「はい!」

 

一言挨拶を終えてベンチに引き上げていった。

 

「ナイス!」

 

「まずは1勝!ありがとね奏!」

 

「どういたしまして」

 

「次は私だ!この勢いで勝つぞ!!」

 

「油断はするなよ。決勝戦まで行ったクラスなんだから」

 

「もちろん!」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

「ごめんね」

 

「ドンマイドンマイ!あれは仕方ないよ!」

 

「あれだけパーミッションが決まれば、勝つのが難しいわ」

 

「(それでも一回勝っている龍可、やっぱりチートだ)」

 

「でも良い勉強になったよ」

 

「次はパティね!」

 

「が、頑張ってね・・・・・・・・」

 

「ええ。行ってくるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 決勝戦

中等部1ー1 VS 小等部5ー3

 

 

第1試合 水野 奏 ○ーー× 早野 天兵

 

 

 

 

 

総合結果 1--0




龍亞「奏さん強すぎでしょ〜」

響「あれはまだマシでしょ。1回戦のアレの方が酷かったよ」

龍可「あれ?」

遊輝「初期手札アルテミスとカウンター罠5枚」

龍亞「・・・・・・・・・・」

スバル「相手サレンダーレベルだったぜ」

奏「あれは本当に偶然で・・・・」

レミ「偶然にも程があるでしょ。じゃあオリカの紹介にいくよ!」

龍可「今回はカウンター罠の雷の矢」


雷の矢 カウンター罠
①自分フィールド上に「ライトニング・エンジェル・ドラゴン」が表側表示で存在する時、発動できる。相手が発動した魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にし破壊する。


龍亞「ライトニング・エンジェル・ドラゴンがいたら、ノーコストで相手が発動した魔法・罠・効果モンスターの効果を無効に出来る強力なカウンター罠だ!!」

スバル「めちゃくちゃだな。おまけにモンスター効果も止められるのも強いし」

レミ「次回は響ね!!【決勝戦 2試合目 闇の機械軍団VS氷結ヒーロー】」

龍亞「次回もよろしくね!!」


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第54話 決勝戦 2試合目 闇の機械軍団VS氷結ヒーロー

最強カードの紹介!!

クロウ「2回目の登場!!クロウ様だ!!」

うるさいよ。少し抑えて。

クロウ「お前が俺を出さないからだろ!!」

心配しなくてもちゃんと出すように考えている。

クロウ「それほんとだろうな?またちょっとしか出てないなんてのは嫌だぞ」

ちゃんと出してます。最強カードの紹介に行きましょう!!

クロウ「今回はダーク・アームド・ドラゴン!!」

合言葉は【ボチヤミサンタイ】だ!!!墓地に闇属性モンスターが3体の場合のみ、手札から特殊召喚できる!!

クロウ「そして墓地の闇属性モンスターをゲームから除外すれば、フィールドのカードを1枚破壊できるぞ!!」

さて、今回は・・・・・・・・すいません、タイトル詐欺です。まず最強カードの紹介の時点でおかしいです・・・・・・

クロウ「第54話、デュエルスタート!!」


響 side

 

 

『決勝戦 第2試合を始めます!デュエルする生徒はデュエルフィールドに上がりなさい!!』

 

う〜んと少し背伸びをして、私はデュエルフィールドに上がる。奏が初戦を取ってくれたんだから私も頑張らないとね。

 

「初めまして響さん!私、パティって言います!」

 

向こう側から上がってきた女の子、パティって言う子が挨拶してきた。

 

「こっちこそ初めまして・・・・・かな?前に見た気がするけど」

 

「中間試験の時ですね。遊輝さんと龍可がデュエルしていた時に近くで見ていましたから」

 

あの時か・・・・・・・・・・テストは嫌だな〜〜。何でテストなんて物があるんだろ?勉強が出来なくても生きていけるのに。

 

「アカデミア五剣士と戦えて凄く光栄です!」

 

「そう?だったらこっちも全力でデュエルしないといけないね」

 

『決勝戦第2試合!中等部1ー1!小野寺 響!小等部5ー3!パティのデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

響 LP 4000 パティ LP 4000

 

 

「先行は私ですね。ドロー!」

 

パティ 手札 6枚

 

「私は魔法カード、闇の誘惑を発動!デッキからカードを2枚ドローして、手札から闇属性モンスター1体をゲームから除外する!2枚ドローして、A・O・J(アーリー・オブ・ジャスティス)エミネー・キャッチャーをゲームから除外!そして、A・O・J D.D.チェッカーを召喚!」

 

A・O・J D.D.チェッカー 攻1700

 

身体の中心が黒く何かを捕らえる装置みたいな物を付けたモンスターが出てきた。A・O・Jか・・・・・私のデッキは水属性中心だし、そこまで怖くはないか。

 

「D.D.チェッカーがフィールドに存在する限り、お互いに光属性モンスターを特殊召喚できません!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

パティ 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

A・O・J D.D.チェッカー 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「伏せカードオープン!永続罠、DNA移植手術!」

 

げっ!?もう持っていたの!?

 

「このカードの効果で私は光属性を宣言します!フィールドの全てのモンスターは光属性となります!」

 

A・O・J D.D.チェッカー 闇属性→光属性

 

最悪だあああ!!!!こんな時にあのカードを除去できるカードが1枚も無いよ!!!エアーマンが手札にあるけど、他のヒーローがいないし・・・・・

 

「E・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

風属性→光属性

 

「エアーマンの効果でデッキからアナザー・ネオスを手札に加える!」

 

もうここまで来たらどんな属性を加えても一緒でしょ!

 

「バトル!エアーマンでD.D.チェッカーに攻撃!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

A・O・J D.D.チェッカー 攻1700

 

パティ LP 4000→3900

 

「うっ・・・・・これくらいどうってことはない」

 

そりゃそうでしょう!!DNA移植手術が破壊されていないんだから!!

 

「カードを1枚伏せターンエンド!」

 

 

響 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

パティ 手札 5枚

 

「(やった!)私はA・O・J コアデストロイを召喚!」

 

A・O・J コアデストロイ 攻1200

闇属性→光属性

 

「(あのモンスターって確か・・・・(汗))」

 

「バトル!コアデストロイでエアーマンに攻撃!」

 

コアデストロイがエアーマンを標準に合わせる。

 

「コアデストロイの効果発動!このカードが光属性モンスターとバトルする時、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する!」

 

やっぱりそうだった!!!!どうしよう!!マジでやばくなって来たよ!!!

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

パティ 手札 2枚 LP 3900

【モンスターゾーン】

A・O・J コアデストロイ 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

DNA移植手術

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

うう〜〜逆転のカードが来ないよ!!伏せカードはリミット・リバースだし、ああーー!こう言う時にスバルのあのドロー能力が羨ましいよ!!

 

「モンスターをセットして、カードをもう1枚伏せてターンエンド・・・・・」

 

結局何もできなかった・・・・・・

 

響 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

パティ 手札 3枚

 

「A・O・J ガラドホルグを召喚!」

 

A・O・J ガラドホルグ 攻1600

闇属性→光属性

 

「バトル!ガラドホルグで守備モンスターに攻撃!」

 

ガラドホルグが裏守備になっていたモンスター・・・・氷結界の破術師を破壊した。

 

A・O・J ガラドホルグ 攻1600

裏守備モンスター→→氷結界の破術師 守1000

 

「続けてコアデストロイでダイレクトアタック!」

 

コアデストロイがレーザーで私の身体を攻撃した。

 

響 LP 4000→2800

 

「ぐっ」

 

「これでターンエンド!」

 

 

パティ 手札 2枚

【モンスターゾーン】

A・O・J コアデストロイ 攻1200

A・O・J ガラドホルグ 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

DNA移植手術

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 5枚

 

!!サイクロン!!これで・・・・・・・・いや、ここは・・・・・・・・

 

「リバースカードオープン!リミット・リバース!墓地の攻撃力1000以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!氷結界の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

水属性→光属性

 

「そして氷結界の破術師をリリースして、ブリザード・プリンセスをアドバンス召喚!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

水属性→光属性

 

破術師が消えて、代わりにプリンセスが氷の球を振り回しながらやってきた。

 

『私!!参上!!』

 

「なんでそんなことをするのよ!?」

 

『登場する時に何もしないのはおかしいでしょ?だから言ってみたの!!!』

 

「言わなくていいよ!!!」

 

声を張り上げてプリンセスの行動に拒否をする。なんであんな○面ライダーみたいな事をするのよ!!

 

「はぁ・・・・・・・・ブリザード・プリンセスの効果でこのターン、相手は魔法・罠カードを発動できない!」

 

「(和睦の使者が・・・・)」

 

「バトル!ブリザード・プリンセスでガラドホルグに攻撃!ヘイル・ブリザード!」

 

プリンセスが氷の球を巧みに使い、ガラドホルグを破壊した。

 

「・・・・っ、ガラドホルグの効果で光属性モンスターと戦闘を行う時、攻撃力が200ポイントアップする!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

A・O・J ガラドホルグ 攻1600→1800

 

パティ LP 3900→2900

 

「きゃあ!」

 

よし、後はサイクロンをセットして・・・・・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 3枚 LP 2800

【モンスターゾーン】

ブリザード・プリンセス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

リミット・リバース (使用済み)

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

パティ 手札 3枚

 

「(これは・・・・・・・・龍亞と龍可が絶対に入れろ!って入れたカード・・・・・・・・でも、本当に必要なのかしら?)」

 

うん?悩んでいる?何を引いたんだろう?

 

「(それにしても・・・・なかなかモンスターがこないよね。私の手札はさっき引いたカードにサンダー・アーマー、そして幻惑の巻物・・・・・・・・最初の手札が上級モンスターだけだった時、どうしようと思ったものね)・・・・・・・・バトル!コアデストロイでブリザード・プリンセスに攻撃!」

 

やっぱり攻撃してきたね。でも迂闊だよ!!

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、サイクロン!DNA移植手術を破壊する!」

 

「!?しまった!!」

 

サイクロンがパティのフィールドにずっとあった移植手術のカードを破壊した。

 

A・O・J コアデストロイ 光属性→闇属性

ブリザード・プリンセス 光属性→水属性

 

「これでコアデストロイは無敵じゃない!!プリンセス!反撃よ!ヘイル・ブリザード!」

 

コアデストロイの攻撃を氷の球で受け止めて、逆に氷の球でコアデストロイを破壊した。

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

A・O・J コアデストロイ 攻1200

 

パティ LP 2900→1300

 

「きゃあ!!!」

 

よし!!!今のカウンターは効いたでしょ!!

 

「うっ・・・・・・・・(本当に不味くなった・・・・とりあえず伏せろと言われたこのカードだけでも・・・・)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

パティ 手札 2枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

「バトルよ!ブリザード・プリンセスで・・・・」

 

「リバースカードオープン!和睦の使者!」

 

むう・・・・・・・・バトルさせてくれなかった・・・・・・・・よ〜し、いくぞ!!!

 

「デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

「デブリ・ドラゴンの効果で墓地から氷結界の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

 

「行くよ!Lv3の破術師にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

デュエルフィールドの上にオーロラが出来て、その真下で湖がオーロラと共に輝き始め、薄く張られた氷をぶち破ってアイス・スプラッシュが現れた。

 

「アイス・スプラッシュ・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚時、相手の手札1枚をランダムに墓地に送る!」

 

アイス・スプラッシュがパティの手札1枚を貫いた。

 

「(幻惑の巻物が・・・・)」

 

「そしてアイス・スプラッシュ・ドラゴンのさらなる効果!このターンの攻撃を放棄して、自分フィールド上の水属性モンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える!選択するのはブリザード・プリンセス!」

 

アイス・スプラッシュがプリンセスの氷の球を上空に放り投げて上に雲ができる。

 

「(!!きっとここだわ!!)リバースカードオープン!カウンター罠、地獄の扉越し銃!」

 

地獄の扉越し銃?・・・・・あれっ?どんな効果だったけ?

 

「ダメージを与える効果を発動した時、自分が受けるそのダメージは相手が受ける!」

 

「えっ?」

 

ということはダメージをうけるのは・・・・・・・・・・・・・・・・私!?!?!?上空に出来た雲がこっちに来て・・・・・

 

ザバーーーン!!!!!!

 

大量の水が私に向けて落ちてきた。

 

響 LP 2800→1200

 

そして、水が落ちてくるのがおわって・・・・・・・・

 

「ふえ〜ん・・・・びしょ濡れだよ!!!!」

 

制服がびしょ濡れになってしまった。

 

「(もしかして私発動していなかったらあんな風になっていたの!?龍可たちの意見を聞きいれて良かった・・・・・・)」

 

 

------------------------

 

【その頃、これを見た中等部1ー1のベンチは・・・・・】

 

「(やった!!!!!とうとう響が濡れた!!!!!!)」

 

「(今まで散々人を濡らしてきた罰だな)」

 

「(私もこれから地獄の扉越し銃を入れよう〜と)」

 

「(これでしばらくは懲りるだろ。制服の洗濯、ほんとに大変だったんだから)」

 

【口には出していないが、響を濡らしたパティに賞賛の声が上がっている。一番被害を受けてない遊輝でも少なくとも5回は被害を受けているんだから・・・・・・】

 

------------------------

 

「ふえ〜ん、ターンエンド・・・・・」

 

完全にやる気なくしたよ・・・・・・まさか濡れるなんて・・・・・・・・

 

 

響 手札 3枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

ブリザード・プリンセス 攻2800

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

パティ 手札 2枚

 

でもこの布陣を突破することは無理でしょ。

 

「(あっ、龍可から借りたカード。墓地は・・・・・行ける!)ダーク・アームド・ドラゴンを特殊召喚!」

 

ダーク・アームド・ドラゴン 攻2800

 

「(え、え〜〜・・・ここでそれ?)」

 

「ダーク・アームド・ドラゴンは墓地に闇属性モンスターが3体のみの場合のみ手札から特殊召喚できる!そして闇属性モンスターを1体ゲームから除外することでフィールドのカードを1枚破壊する!私は3体の闇属性モンスターをゲームから除外して、響さんのフィールドのカードを全て破壊する!」

 

ダーク・アームド・ドラゴンが墓地の闇属性モンスターを3体を吸収して、プリンセスやアイス・スプラッシュ、ブラフで伏せていた氷結界の三方陣を破壊した。これでガラ空き・・・・・・・

 

「バトル!ダーク・アームド・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

響 LP 1200→0

 

 

WIN パティ LOS 響

 

 

『勝者!小等部5ー3!パティ!!』

 

「か、勝った・・・・・・私勝った!!!!」

 

喜んでいるパティとうらはらに私は気持ちが沈んでベンチに戻る。負けたうえに制服がずぶ濡れになってしまった・・・・・・・・

 

「みんな・・・・・・ごめん・・・・・・」

 

「ドンマイドンマイ!!」

 

「パティちゃんの戦法が上手だけだったんだよ!!」

 

「そうそう!!こんな時だってあるさ!!!」

 

「気持ちを沈めんと前向こう!!!」

 

みんな励ましてくれているんだけど・・・・・・・・

 

「ねぇ・・・・・・・・なんでそんなに笑顔なの?」

 

「「「「そんな事無いって!!!!」」」」

 

いつも以上に心が晴れ晴れしてるみんなを見て、私の気持ちは余計に沈んでいった・・・・・・・・

 

響 side out

 

 

龍亞 side

 

「大金星じゃん!!パティ!!!」

 

「ありがとう天兵!!それと龍可、ありがとう」

 

パティが龍可にダーク・アームド・ドラゴンのカードを返す。

 

「役にたったかしら?」

 

「凄く役にたったよ!!!」

 

「で、でも、あ、相手は・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・良いと思うよ。遊輝達、凄い笑顔で迎えていたし」

 

きっといつもやられてきた恨みなんだよ。

 

「龍可達の意見を聞いて良かったよ」

 

「次は祈でしょ!!」

 

どんっ!と俺が祈と呼んだ女の子の背中を叩く。

 

「ひゃっ!!る、龍亞さん、いきなり背中を・・・・・・・・」

 

「ごめんごめん」

 

「大丈夫!高等部と中等部を立て続けに破った祈なら勝てるから!!」

 

「で、でも、相手はあの・・・・・・・」

 

「気持ちで負けただめだよ!!ちゃんと楽しんできて!!」

 

「は、はい・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 決勝戦

中等部1ー1 VS 小等部5ー3

 

 

第1試合 水野 奏 ○ーー× 早野 天兵

第2試合 小野寺 響 ×ーー○ パティ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総合結果 1--1

 




遊輝「色々言いたいが、まずは一言!」

「「「「パティ!!!良くやった!!!!」」」」

響「何で相手を褒める訳!?!?」

奏「散々、アイス・スプラッシュで人をずぶ濡れにしてきたじゃない!!」←一番の被害者

レミ「ようやく・・・・・・ようやく響を濡らす事が出来たんだ!!!!」

スバル「これで心がスッキリしたぜ!!!!」

響「なんでそうなるのよ!!!」

龍可「・・・・・・響さん、みんなから恨みを買っていたんだ」

龍亞「そりゃそうだよ!!あれしんどいんだから!!」

龍可「龍亞も・・・・・・・」

遊輝「今度から俺も地獄の扉越し銃を入れようと」

響「何で私をメタル事しか考えて無いの!?」

龍可「・・・・・・・今回の話に行きましょうよ」

レミ「さてと・・・・・・タイトル詐欺だね」

奏「機械軍団って言いながら、3種類しか出ていないうえに、最後はダムドでの決着」

龍亞「よくこんなタイトルつけたね」

遊輝「後先かんがえないからだろ」

スバル「次回は俺だ!!!!」

響「タイトルは【決勝戦 3試合目 ジェムの結束VSヒーローの結束】また分かりにくいタイトル・・・・」

龍可「これで、カテゴリーが分かる人は凄いです」

遊輝「次回もよろしく!!」


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第55話 決勝戦 3試合目 ジェムの結束VSヒーローの結束

【*注意!!・・・・・今回のデュエルで禁止カードが出ていますが、改定前、2013年7月11日時点では制限カードです。デュエルの訂正を加えている時間が無かったのでそのまま載せています。ご了承ください】


最強カードの紹介!!!

スバル「久しぶり!!俺のデュエルの回で俺に回って来たぜ!!」

何かと忙しい今日この頃(改定時期)何故にこの週、テストが3つもあるんだ?

スバル「知るかよ」

大学生になって遊び放題な毎日ではなく家で勉強するなんて・・・・

スバル「んなもんたまたまだよ」

たまたまかいな・・・最強カードの紹介に行くよ!

スバル「今回はジェムナイト・フュージョン!!ジェムナイトのキーカードだ!!」

融合素材を墓地に送り《ジェムナイト》と名のついた融合モンスターを出すよ。

スバル「そして墓地の《ジェムナイト》を除外すれば手札に帰って来るぞ!!」

さて・・・・・・・・これ、回ったらえげつないな・・・・・・・・
チェイン無しでここまで回るのか・・・・・・・・

スバル「第55話、デュエルスタート!!」


スバル side

 

 

「ふぇ〜ん、制服がびしょ濡れで気持ち悪いよ〜〜」

 

「今日が終わるまで我慢ね」

 

「うぅ〜、こんな時に限ってバスタオルを忘れるなんて〜〜」

 

色々愚痴を言っている響を余所目にデュエルフィールドに上がる。いや〜、前のデュエルはスッキリしたぜ。いつもいつもアイス・スプラッシュの効果でずぶ濡れになって、その後に授業を受ける身になってみろよ。

 

『決勝戦 第3試合を始めます!デュエルする生徒はデュエルフィールドに上がりなさい!』

 

さてと確か今朝、遊輝が言っていたな。あのクラスの3番手、かつて一度だけ小等部1位まで登りつめたって言っていたな。これで燃えない訳がないぜ!!

 

「あ、あの、・・・・・」

 

「よう!俺、遊城スバル!楽しいデュエルしような!!」

 

「え、えっと・・・・・櫻井祈です。こ、こちらこそよろしくお願いします、スバルさん」

 

相手が頭をペコンと下げる。なんか調子狂うな〜〜。

 

『決勝戦第3試合!中等部1ー1!遊城 スバル!小等部5ー3!櫻井 祈のデュエルを始めます!』

 

「デュエル‼」 「で、デュエル・・・」

 

スバル LP 4000 祈 LP 4000

 

「先行は俺だな!俺のターン!」

 

スバル 手札 6枚

 

「カードガンナーを守備表示で召喚!」

 

カードガンナー 守400

 

「カードガンナーの効果!デッキの上からカードを3枚墓地に送る!」

 

 

墓地に落ちたカード

・E・HERO ネクロ・ダークマン

・ヒーローシグナル

・ネクロ・ガードナー

 

 

落ちたのは・・・・・おっ、ネクロ・ガードナーとネクロ・ダークマンが落ちてくれた!これはラッキーだ!

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

カードガンナー 守400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(噂通りヒーロー・・・)わ、私のターン・・・・・」

 

祈 手札 6枚

 

「わ、私は、ジェムレシスを召喚」

 

「ジェム!?」

 

ジェムレシス 攻1700

黄色の身体をした狐みたいなモンスターが出てきた。ジェム・・・・・・・・・・ジェムナイトか!!まさかアカデミアで融合を主力としたデュエリストがいるなんて思わなかったな!!これはほんとに楽しくなってきた!!

 

「ジェ、ジェムレシスの効果でデッキからジェムナイト・サフィアを手札に・・・・そして魔法カード、ジェムナイト・フュージョン」

 

いきなり来たか!!

 

「手札のジェムナイト・サフィアとジェムナイト・アイオーラを墓地に送って、ジェムナイト・アクアマリナを・・・・・・・・守備表示で融合召喚」

 

「えっ!?守備表示!?」

 

ジェムナイト・アクアマリナ 守2600

 

宝石で埋まった渦の中にサフィアとアイオーラが吸い込まられて、泡が先に出てくる。その間から水色の身体をしたジェムナイトが出てきた。それより・・・・・

 

「な、なぁ」

 

「は、はい!なんでしょうか!?」

 

「何で守備表示なんだ?アクアマリナって確かバトルしたら守備表示になるんだよな?」

 

「えっ?・・・・・だ、だって、アクアマリナの攻撃を無効にされて攻撃表示のままだったらアクアマリナが破壊されてしまうじゃないですか・・・・・」

 

「そ、そうか・・・・・」

 

確かに俺の墓地にネクロ・ガードナーはいるけどまだ使う場面じゃないし、それにこの伏せカード攻撃を止めるカードじゃないんだけど・・・・・まあ、相手の考えだし良いか。

 

「バ、バトル。ジェムレシスでカードガンナーに攻撃!」

 

ジェムレシスがカードガンナーに噛み付いた。

 

「カードガンナーの効果!破壊され墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

スバル 手札 4枚→5枚

 

「ジェ、ジェムナイト・フュージョンの効果・・・・・墓地のジェムナイト・アイオーラをゲームから除外して、墓地のこのカードを手札に加えます。か、カードを3枚伏せてターンエンド・・・・・」

 

 

祈 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジェムレシス 攻1700

ジェムナイト・アクアマリナ 守2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

・・・・・良し!一気に行くぜ!

 

「墓地のネクロ・ダークマンの効果!墓地にこのカードが存在する時、一度だけ《E・HERO》と名のついたモンスター1体をリリースなしで召喚できる!俺はE・HERO エッジマンを召喚!」

 

E・HERO エッジマン 攻2600

 

「レ、レベル7のモンスターをリリース無しで・・・・・」

 

「さらにリバースカードオープン!スピリッツ・フュージョン!」

 

「す、スピリッツ・フュージョン!?(そんな・・・・攻撃を止めるカードじゃなかったの!?)」

 

「墓地のネクロ・ダークマンとカードガンナーをゲームから除外して、ライフを1000ポイント払い、E・HERO ガイアを融合召喚!」

 

スバル LP 4000→3000

E・HERO ガイア 攻2200

 

「ガイアの効果!融合召喚時、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にして、その数値文このカードの攻撃力をアップする!対象はジェムレシス!」

 

ガイアが地面を叩き、ジェムレシスにつるが巻きつかれる。

 

ジェムレシス 攻1700→850

E・HERO ガイア 攻2200→3050

 

「さらに魔法カード、Hーヒートハート!エンドフェイズまでモンスター1体の攻撃力を500ポイントアップさせて貫通能力を得る!エッジマンを選択!」

 

E・HERO エッジマン 攻2600→3100

 

「こ、攻撃力3050と3100・・・・・」

 

「バトル!ガイアでジェムレシスに攻撃!コンチネンタル・ハンマー!」

 

E・HERO ガイア 攻3050

ジェムレシス 攻850

 

祈 LP 4000→1800

 

「きゃああああ!!!!」

 

「続けてエッジマンでジェムナイト・アクアマリナに攻撃!パワー・エッジ・アタック!」

 

E・HERO エッジマン 攻3100

ジェムナイト・アクアマリナ 守2600

 

祈 LP 1800→1300

 

「うぅ・・・・・ジェ、ジェムナイト・アクアマリナの効果。フィールド上から墓地に送られた時、あ、相手フィールドのカード1枚を手札に戻します!こ、この効果で、エッジマンを手札に」

 

「速攻魔法、マスク・チェンジ!エッジマンをリリースして変身!M・HERO ダイアン!」

 

M・HERO ダイアン 攻2800

 

アクアマリナのバブルがエッジマンを包み込む前にエッジマンが消えて、上からダイアンが一回転して降りてきた。

 

「あ、アクアマリナの効果を躱された・・・・・」

 

さっきの攻撃で伏せカードを使わなかったって事は攻撃を止めるカードではないな。つまり俺の勝ちだな。

 

「ダイアンでダイレクトアタック!ディスバージョン!」

 

「り、リバースカードオープン・・・・・じ、次元幽閉」

 

えっ!?次元幽閉!?

 

「こ、この効果で、だ、ダイアンをゲームから除外します・・・・・」

 

あの子の前に次元の穴が開き、ダイアンが吸い込まられてしまった。

それにしても・・・・・・・・・・何でガイアの時に発動しなかったんだ?確かにダイアンにはモンスターを特殊召喚できる効果があるけど、俺がマスク・チェンジを持っていたと予想つかないはずだし・・・・・それにさっきからなんか変だな。なんて言うか・・・・・・・・・・自分のデュエルに自信を持っていないのか?アクアマリナだって攻撃すれば良かったのに。次元幽閉もそうだ。

 

「・・・・・・・・・・カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

スバル 手札 1枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

E・HERO ガイア 攻3050→2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「わ、私のターン・・・・・・」

 

祈 手札 2枚

 

「り、リバースカードオープン、凡人の施しを発動します。で、デッキからカードを2枚ドローして、その後手札の通常モンスターをゲームから除外します・・・・・・・わ、私はジェムナイト・ガネットを除外します・・・・・そしてレスキューラビットを召喚・・・・」

 

レスキュー・ラビット 攻300

 

あっ!あれって新弾のカードじゃん!!

 

「れ、レスキューラビットの効果・・・・このカードをゲームから除外してデッキから同名の通常モンスターを2体特殊召喚します」

 

「なっ!?」

 

モンスターを2体特殊召喚できる効果だと!?

 

「わ、私はデッキからジェムナイト・ルマリンを特殊召喚します・・・」

 

ジェムナイト・ルマリン 攻1600 ×2

 

嘘だろ!?1体のモンスターで2体を出すとか!?融合素材が揃ってしまったじゃぇか!!

 

「(ど、どうしよう・・・・・パーズもあるけどここは・・・・・)魔法カード、ジェムナイト・フュージョン。フィールドのジェムナイト・ルマリンを融合。ジェムナイト・プリズムオーラを融合召喚」

 

ジェムナイト・プリズムオーラ 攻2450

「(ようやく攻めてきたか)」

 

「ぼ、墓地のジェムナイト・フュージョンの効果で墓地のジェムナイト・ルマリンを除外して手札に戻します。そ、そしてジェムナイト・プリズムオーラの効果・・・・手札のジェムナイト・フュージョンを墓地に送って・・・・・E・HEROガイアを破壊します」

 

プリズムオーラがジェムナイト・フュージョンのカードを吸収して、ガイアを破壊する。

 

「(少し怖いけど・・・)ば、バトル!ジェムナイト・プリズムオーラでダイレクトアタック!」

 

スバル LP 3000→550

 

プリズムオーラの攻撃をガイアが受け止めて、俺は無言でダメージを受ける。

 

「(やっぱりあいつ・・・・)」

 

「(よ、良かった・・・・)ジェムナイト・フュージョンの効果で、ぼ、墓地のジェムナイト・サフィアをゲームから除外して手札に加えます。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

祈 手札 1枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

ジェムナイト・プリズムオーラ 攻2450

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「・・・・・俺のターン!ドロー!!」

 

スバル 手札 2枚

 

・・・・・・・・・・・・あの子を楽しませる為には、まずあの子の手札を増やしてあげないと・・・・・・・・

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーはデッキから3枚ドローする!」

 

スバル 手札 1枚→4枚 祈 手札 1枚→4枚

 

「続けて魔法カード、天の落とし物!互いのプレイヤーは3枚ドローして、手札から2枚を墓地に送る!」

 

「(連続でドローカード!?)」

 

スバル 手札 6枚→4枚 祈 手札 7枚→5枚

 

「(・・・・良し)手札の沼地の魔神王の効果!このカードを捨てて、デッキから融合を手札に加える!そして、E・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「(いつもいつもそうだが・・・・どうやってサーチカード無しでエアーマンを手札に加えるんだよ・・・・)」

 

「エアーマンの効果!デッキからボルテックを手札にくわえる!そして融合!手札のマッハ・ウィンドとボルテックを融合して、E・HERO Great TORNADOを融合召喚!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

 

突風がフィールドに吹き荒れて、TORNADOがマントをはらい現れた。

 

「TORNAEOの効果発動!融合召喚時、相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力を半分にする!タウン・バースト!」

 

TORNADOが上空に大気の穴を作り、下降気流を起こす。それに飲み込まられたプリズムオーラは跪いた。

 

ジェムナイト・プリズムオーラ 攻/守 2450/1400→1225/700

 

「そ、そんな・・・・・・・・」

 

・・・・なんか大分中途半端な数値になってしまったな。まっ、いっか。

 

「バトル!TORNADOでプリズムオーラに攻撃!スーパーセル!」

 

「り、リバースカードオープン・・・・攻撃の無敵化。こ、このカードは『モンスター1体の戦闘及び効果破壊を無効にする』、ま、または『戦闘ダメージを0にする』のどちらかを使えます・・・・私は戦闘ダメージを0にします・・・・・」

 

「だけどプリズムオーラだけは破壊してもらうぞ」

 

TORNADOが回転して、プリズムオーラを上空に持ち上げて破壊した。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

スバル 手札 0枚 LP 550

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

E・HERO Great TORNADO 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「(ど、どうしよう・・・・・・私の手札と伏せカードで何とかなりそうだけど・・・・・・で、でも、あの伏せカードが・・・・・・)」

 

「・・・・・・・・・なぁ」

 

「は、はい!!」

 

「お前、このデュエルを楽しんでいるか?」

 

「えっ?」

 

唐突な事を言われた相手は間抜けな表情になる。

 

「何でそんなに自分のプレイに自信を持てないんだよ?」

 

「だ、だって、・・・・・・相手が防いだり、後からこっちにすればって思うと・・・・・・なかなか」

 

「そんな事は誰だって思うさ。だけどな、それはもう過ぎた結果だろ?」

 

「で、でも・・・・・・」

 

相手が言葉を濁らせた。

 

「確かに後から考えたらこっちにすれば良かったとか、俺だってよくある事さ。だったらな、それを次に活かせば良いんだよ。今は失敗しても良いんだよ!!それよりも今目の前で起きている事を楽しむんだよ!!」

 

「失敗・・・・・・しても・・・・・・」

 

「俺はな、爺ちゃんからこう教わったんだよ!『デュエルする時は、そのデュエルを100%楽しめ!!』てな!!」

 

「デュエルを・・・・・・楽しむ・・・・・・」

 

俺の言葉を聞いた相手は何か考え始めた。

 

「(・・・・・そうだった。私、デュエルが楽しくてこの学校に来たんだ。このデッキでデュエルして楽しかったから、ずっとデュエルして来ているんだ・・・・・・。なのに・・・・・・)」

 

「今のデュエル、一緒に楽しもうぜ?」

 

「・・・・・・はい!」

 

相手の顔がどんどん晴れやかになってくる。良かった、良い方向にいったみたいだな。

 

「ではスバルさん!行きます!私のターン!」

 

祈 手札 6枚

「(失敗しても、防がれても、今を楽しめば良いんだ!!)リバースカードオープン!罠カード、異次元からの帰還!私のライフを半分払い、除外されているモンスターを可能な限り特殊召喚します!私は、レスキューラビットとジェムナイト・アイオーラ、ルマリン、ガネット、そしてサフィアの5体を特殊召喚します!」

 

祈 LP 1300→650

 

ジェムナイト・アイオーラ 攻1300

ジェムナイト・ガレット 攻1900

ジェムナイト・サフィア 守2100

ジェムナイト・ルマリン 攻1600

レスキュー・ラビット 攻300

 

「そして、ジェムナイト・フュージョンを発動!フィールドのジェムナイト・アイオーラ、ルマリン、サフィアの3体を融合!永遠の絆を結ぶ時、核石(コア)を秘めたダイヤモンドが七色に輝く!!現れて!ジェムナイトマスター・ダイヤ!!」

 

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻2900

 

宝石の渦が爆発し、七色の宝石を埋めた大剣を持つ、鋼の身体をしたモンスターが出てきた。ここでジェムナイトの切り札登場か!

 

「ジェムナイトマスター・ダイヤの効果!墓地のレベル7以下の《ジェムナイト》と名のついた融合モンスターをゲームから除外して、同名モンスター扱いとし、同じ効果を得ます!墓地のジェムナイト・プリズムオーラを除外します!」

 

ジェムナイトマスター・ダイヤ→→ジェムナイト・プリズムオーラ

 

「さらにレスキューラビットの効果!このカードを除外して、ジェムナイト・ガネットを2体特殊召喚します!」

 

ジェムナイト・ガネット 攻1900 ×2

 

「そしてジェムナイト・プリズムオーラとなったジェムナイトマスター・ダイヤの効果!手札のジェムナイト・アレキサンドを墓地に送って、Great TORNADOを破壊します!」

 

ダイヤがTORNADOを大剣で斬り倒した。

 

「くっ!TORNADOが!」

 

「墓地のジェムナイト・フュージョンの効果!ジェムナイト・アレキサンドをゲームから除外して手札に加えます!そしてジェムナイト・フュージョン!フィールドのジェムナイト・ガネットを2体を融合して、ジェムナイト・ルビーズを融合召喚!」

 

ジェムナイト・ルビーズ 攻2500

 

「まだです!墓地のジェムナイト・ガネットを除外してジェムナイト・フュージョンを回収します!そしてジェムナイト・フュージョンを発動!」

 

・・・・・・おいおいおい!!これで3回目だぞ!!吹っ切れたらおかしいように回りまじめたぞ!!

 

「フィールドのジェムナイト・ガネットと手札のジェムナイト・サニクスを融合!ジェムナイト・マディラを融合召喚!」

 

ジェムナイト・マディラ 攻2200

 

「そしてジェムナイトマスター・ダイヤは墓地の《ジェム》と名のついたモンスターの数だけ、攻撃力が100ポイントアップします!今、私の墓地には7体存在します!よって攻撃力が700ポイントアップします!」

 

ジェムナイト・プリズムオーラ (ジェムナイトマスター・ダイヤ ) 攻2900→3600

 

・・・・たはは・・・・融合モンスターが3体も並んだか。でも、さすが小等部1位を取った事があるだけの実績だな。やっと楽しくなってきたぜ!!

 

「やっぱ実力を出せば強ぇじゃんか。最初からそう来いよ!」

 

「バトルフェイズ!ジェムナイト・・・」

 

「バトルフェイズに入った時、墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!1度だけ、戦闘を無効にするぜ!」

 

エアーマンの前にネクロ・ガードナーの霊が現れて、エアーマンを守るような態勢をとる。ジェムナイト・マディラの能力で効果を使えないなら今使っておかないと負けてしまうぜ。

 

「うっ・・・・だったらジェムナイト・マディラでエアーマンに攻撃!レッドマイン・シャイン!」

「その攻撃はネクロ・ガードナーで無効だ!」

 

「ジェムナイト・ルビーズでエアーマンに攻撃!ルビー・デンクション!」

 

「リバースカードオープン!ヒーローバリア!《E・HERO》と名のついたモンスターが存在する時、相手の攻撃を1度だけ無効にする!」

 

ルビーズの攻撃をエアーマンの前に出来たバリアで防ぐ。

 

「だったらジェムナイトマスター・ダイヤでエアーマンに攻撃!これで終わりです!!レインボースラッシュ!!」

 

「リバースカードオープン!ガードブロック!この戦闘ダメージを0にして1枚ドローするぜ!」

 

スバル 手札 0枚→1枚

 

「うっ・・・・・・・・カードを2枚伏せてターンエンドです」

 

 

祈 手札 1枚 LP 650

【モンスターゾーン】

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻3600

ジェムナイト・ルビーズ 攻2500

ジェムナイト・マディラ 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

くぅ〜〜!!ようやくワクワクして来たぜ!!準決勝の時といい決勝といいやっぱ良いデュエリストとデュエルするのは楽しいぜ!!

 

「行くぜ祈!!俺のターン!!ドロー!!!」

 

スバル 手札 2枚

 

・・・・おっしゃ!!

 

「魔法カード、ヒーローの遺産!墓地にレベル5以上の《E・HERO》が2体以上存在する時、カードを3枚ドローする!」

 

「ま、またドローカード!?!?」

 

スバル 手札 1枚→4枚

 

「まだまだ!魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地の天の落し物、融合、ヒートハートの3枚を除外して2枚ドロー!」

 

「(な、何でそんなにドローカードを引けるのですか!?)」

 

スバル 手札 3枚→5枚

 

・・・・・・・・・・・・良し!!

 

「魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地の沼地の魔神王と天の落し物の時に落としたスパークマンを融合!光のヒーローが未来を照らす!大地に輝け!E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン!!」

 

「させません!リバースカードオープン!奈落の落とし穴!」

 

・・・・なんか俺に対する奈落の率、高くねぇか?まあ・・・・関係無いけど!!!

 

「速攻魔法、エレメンタル・トリック!シャイニング・フレア・ウィングマンをリリース!!」

 

「!?り、リリース!?」

 

奈落の前にシャイニング・フレア・ウィングマンが消えて、1枚のカードが出てくる。

 

「その後、墓地から魔法カード1枚を手札に加える!俺はミラクル・フュージョンを選択!その代わりこの効果で加えたカードはこのターン発動できないけどな!」

 

「(!!こ、このパターンは、準決勝でもあった・・・・)」

 

「そして、チューナーモンスター、E・HERO ダーク・ネオを召喚!」

 

E・HERO ダーク・ネオ 攻0

「ダーク・ネオの効果!手札のミラクル・フュージョンを墓地に送って、墓地からガイアを特殊召喚!その代わり、ガイアのレベルは1つ下がり、攻撃力も0、効果も失うけどな」

 

E・HERO ガイア 攻2200→0

☆6→☆5

 

「行くぜ!Lv5のガイアにLv3のダーク・ネオをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

月光の光と共に今回は龍の雄叫びがあがる。月光を光らせる満月が割れてスピリット・ドラゴンが出てきた。

 

「か、かっこいい・・・・」

 

「スピリット・ドラゴンの効果!墓地の《HERO》と名のついた融合モンスター1体を除外して、次の相手ターンのエンドフェイズまで除外したモンスターの半分の攻撃力だけこのカードの攻撃力はアップする!除外するのは、シャイニング・フレア・ウィングマンだ!スピリットドレイン!」

 

スピリット・ドラゴンがシャイニング・フレア・ウィングマンの魂を吸収する。

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→3450

 

「さらに除外したモンスターと同じ効果を得る!シャイニング・フレア・ウィングマンは墓地の《E・HERO》1枚につき、攻撃力が300ポイントアップする!今の俺の墓地には《E・HERO》が8体存在する!よって攻撃力は・・・・」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3450→5650

 

「ご、5650・・・・・・・・」

 

「(う〜ん、念には念を入れて)」魔法カード、死者蘇生!エアーマンを特殊召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻5650→5350

 

「エアーマンの効果でデッキからオーシャンを手札に加える。バトル!スピリット・ドラゴンでダイヤに攻撃!フレア・アースシュート!」

 

「まだです!リバースカードオープン!反転世界(リバーサル・ワールド)!!フィールドの効果モンスターの攻撃力と守備力を入れ替えます!!」

 

「なっ!?」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻5350→2000

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻3600→2500

 

「反撃です!ジェムナイトマスター・ダイヤ!!」

 

スピリット・ドラゴンの攻撃をジェムナイトマスターが受け止める。それを弾き返してスピリット・ドラゴンに斬った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・が、

 

「!!う、うそ・・・・・・・・」

 

スピリット・ドラゴンがダイヤの攻撃を受け止めた。やっぱり念を張っといて良かったぜ。

 

「カウンター罠、エレメントの加護!エアーマンをゲームから除外して、反転世界(リバーサル・ワールド)の発動を無効にして破壊する!」

 

「!?そ、そんか・・・・・それじゃ・・・・・・・・」

 

「攻撃力は・・・・・・・・変わらないぜ!!」

 

スピリット・ドラゴンがダイヤの大剣から振り払う。

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2000→5350

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻2500→3600

 

「す、凄い・・・・・・・・」

 

「反撃だ!!フレア・アースシュート!!」

 

ダイヤの攻撃を振り払ったスピリット・ドラゴンが火を帯びた球をダイヤに攻撃する。大剣で受け止めるダイヤだが、どんどん押されて破壊した。

 

「きゃ、きゃあああああ!!!!!!」

 

祈 LP 650→0

 

 

WIN スバル LOS 祈

 

 

『勝者!中等部1ー1!遊城 スバル!!』

 

「よっしゃ!!!!!」

 

おもいっきりガッツポーズをする。

準決勝以上にワクワクして、楽しいデュエルだったぜ!!

 

「あ、あの〜〜」

 

デスクを直した相手がこっちにやってきた。

 

「うん?何だ?」

「あ、ありがとうございました。お、お陰で、今までで一番のデュエルになりました」

 

「そうか!しかし・・・・・・・デュエルが終わったら元通りだな」

 

「わ、私、少し人見知りの所がありますので・・・・」

 

「あっ、そうだったのか?それは悪かったな。あんな事言って」

 

「い、いえ、大丈夫です」

 

「それなら良いんだが。じゃあ!ガッチャ!!楽しいデュエルだったな!!」

 

「ま、待ってください!」

 

ベンチに戻ろうとしたところで相手に止められたので振り返った。

 

「そ、その・・・・・・アドレスと電話番号を教えてくれませんか?」

 

「?良いけど?」

 

俺は携帯を取り出し、相手・・・・・いや、祈と電話番号とアドレスの交換をする。

「えっと・・・・・・よしOK」

 

「あ、ありがとうございました!!」

 

頭を下げた祈が向こうのベンチに戻っていった。

 

「よう!!勝ってきたぜ!!」

 

「ヒヤヒヤさせないでよ・・・・・・・・・・途中、あの子がいきなり変わっていったから、負けたと思ったのよ」

 

「でも随分楽しいそうだったわね?」

 

「ああ!!あんなに楽しいデュエルは久しぶりだったぜ!!」

 

「ところで最後何をしてたんだ?」

 

「ああ〜、あの子がメアドと電話番号を教えてくれって言ってきたから、お互いのアドレスを交換したんだ」

 

「(へぇ〜、もしかしてあの子・・・・・)

 

スバル side out

 

 

祈 side

 

スバルさん・・・・・・・・・・カッコ良かったな・・・・・・・・

 

「祈?何ボ〜としているんだ?」

 

「えっ?あ・・・・ごめんなさい」

 

「仕方ないよ。あれは・・・・・・ねぇ」

 

「よくあんなにドローカードを引いたよね・・・・・」

 

でも、デュエルしていたスバルさん・・・・・・・・・・

 

「?祈!さっきから何をボ〜としているの?」

 

「えっ!?えっ、何もありません!!」

 

「はは〜〜、さてはスバルの事を好きになったんだな!!」

 

「ドキッ!!」

 

龍亞さんに言われ胸がドキッとする。

 

「ねぇねぇ、何処で好きになったの?どんなところで惚れたの?」

 

「龍亞!!からかわないで!!祈の頭がヒートテックアップしてるよ!!」

「/////あっ、えっ・・・・・あの〜〜」

 

「ふ〜〜ん、後でゆっくり聞くよ!!」

 

「龍亞!!!」

 

「龍可も一緒に聞いてあげるよ!!遊輝の良い所!!!!」

 

「/////////龍亞!!!!!!!」

 

私と龍可さんをおもいっきりからかって、龍亞さんはデュエルフィールドに上がっていった。そうか・・・・・・・・・・私、スバルさんの事、好きになったんだ・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 決勝戦

中等部1ー1 VS 小等部5ー3

 

 

第1試合 水野 奏 ○ーー× 早野 天兵

第2試合 小野寺 響 ×ーー○ パティ

第3試合 遊城 スバル ○ーー× 櫻井 祈

 

 

 

 

 

 

 

 

総合結果 2--1




レミ「というわけで、新しいオリキャラの紹介に行くよ!!」

祈「さ、櫻井 祈です。よろしくお願い申し上げます」

奏「もう完全にあれだね。名字は作者の好きなアーティストの名字だね」

龍可「こんな所まで持って来るなんて・・・・・」

レミ「祈ちゃんのプロフィールはこの後直ぐに載せるからね!」

奏「・・・・・・スバル、一体どうしたらあんなドローになるの?」

スバル「?普通だろ?」

龍可「そうですね」

「「「「「普通じゃない!!」」」」

レミ「相変わらずの自覚症状のなさ・・・・・・・」

スバル「祈も凄かったぜ!!融合モンスター同志の戦い、楽しかったぜ!!」

祈「////わ、私も楽しかったです」

レミ「(やっぱりね)」

祈「・・・・・・・(スバルさんってどんな人かな?)」

遊輝「次回は・・・・・・・レミと龍亞か」

響「タイトルは【決勝戦 4試合目 剛の機械龍と柔の風の龍 】」

奏「?何で龍亞君が剛なの?」

スバル「あれか?装備魔法でガンガン攻めるからか?」

龍可「きっとそうね」

龍可「次回もよろしくね!!」


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第56話 決勝戦 4試合目 剛の機械龍と柔の風の龍

最強カードの紹介!!

響「いえーーーー!!!2回目の登場!!響だよ!!」

相変わらず元気だな。

響「好きなだけ身体を動かして、好きなだけ食べれば元気にいられる!!」

そこに勉強の2文字を入れる事は?

響「私の辞書に勉強の2文字は無い!!!」

・・・・・・・・・・・・痛い目に会うぞ

響「プロのデュエリストや音楽家になれば、勉強の必要は無いし良いじゃん!!」

はぁ〜〜、呑気に言ってられるお前が羨ましいよ・・・・・・最強カードの紹介に行くか。

響「今回は意外なパワー・ツール・ドラゴン!!まだ紹介して無かったよ!!」

☆7の龍亞のエースモンスターだな。シンクロ素材に縛りは無いけど、効果は癖が少しあるぞ。

響「デッキから装備魔法を3枚選んで、相手にランダムに選んでもらう。その選んだカードを手札に加えて、残りをデッキに戻すよ!!」

また、装備魔法を墓地に送る事で、破壊から免れる。・・・・・・さて、今回や今までの話を見て思った事。パワー・ツールが過労死組に入っている・・・・・・

響「第56話、デュエルスタート!!」


レミ side

 

 

『決勝戦 第4試合を始めます!デュエルする生徒はデュエルフィールドに上がりなさい!』

 

「ふあぁ〜〜待ちくたびれちゃった」

 

スバルにしては少し危ないデュエルだったわね。でも、そこで勝つからスバルは凄いんだよ。私の相手は・・・・・・・・・・・もう分かっているよね。遊輝は龍可ちゃんに勝つから5番手、私は龍亞君の事をよく知っているという理由で4番手に回ったのよ。正直、遊輝が5番手に行ったら、誰が4番手に行っても一緒だと思うけど。

 

「レミさん!」

 

大声で龍亞君が叫んできた。

 

「何?龍亞君」

 

「俺、今日すっごく楽しみにしてたんだから!!」

 

「そう?時々デュエルの相手をしているでしょ?」

 

「それでもこんな大舞台で戦う事がすっごくワクワクしてるんだ!!」

 

相変わらず元気が良いね。それでいてデュエルになったら人が変わったように冷静なプレイングスタイルになるんだから。

 

『決勝戦 第4試合!中等部1ー1!葵 レミ!小等部5ー3!龍亞のデュエルを始めます!』

 

「悪いけど俺が勝って龍可に繋げるから!」

 

「そうはさせないよ。ここで勝って優勝決めるんだから!」

 

「デュエル!!」 「デュエル!!」

 

レミ LP 4000 龍亞 LP 4000

 

「俺の先行!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「チューナーモンスター、D・スコープンを召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

顕微鏡みたいなモンスターが出てくる。また来たわね。これは1ターン目からエースの登場かしら?

 

「スコープンの効果!手札からレベル4のDを特殊召喚する!D・ビデオンを特殊召喚!」

 

D・ビデオン 攻1000

 

「行っくぞーーー!!!Lv4のビデオンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

バラバラになった機械が一つに合体していき、パワー・ツール・ドラゴンが出てきた。これは少しまずいかな?まだ分からないけど。

 

「パワー・ツールの効果発動!デッキから装備魔法を1枚、ランダムに手札に加える!パワー・サーチ!」

 

龍亞君のデッキがシャッフルされ、1枚のカードが飛び出した。さあ何を加えたのかしら?

 

「・・・・・俺はカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

・・・・・・えっ?装備無し?

 

 

龍亞 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

パワー・ツールを出したのに装備カードを装備しない・・・・・・一体何を考えているのよ?

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

とにかく装備されていない今がチャンスだ!

 

「魔法カード、おろかな埋葬!デッキからドラグニティーファランクスを墓地に送る!そして、ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果!墓地からレベル3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターをこのカードに装備する!ファランクスを装備して、ファランクスの効果!自身を特殊召喚!」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

いつもの通りドゥクスの肩から降りて、ファランクスがフィールドに現れる。今日もよろしくね。

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を舞うさすらいの騎士が、楽園の未来に立ち向かう。竜の意志で羽ばたけ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーガジャルグ!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

 

ドゥクスとファランクスが一つになり、赤を基調として、翼の部分が青である、ガシャルグが上から降りてきた。さてと、ここで何を加えるかだね・・・・・・デイフォーマー基本、攻撃力が低いから、レギオンよりかはミリトゥムかな?

 

「ガシャルグの効果!デッキからドラゴン族または鳥獣族のモンスターを手札に加えてその後、手札からドラゴン族もしくは鳥獣族のモンスターを墓地に送る!デッキからドラグニティーミリトゥムを手札に加えて、ドラグニティーピルムを墓地に!」

 

この状況、どう考えてもガシャルグの攻撃を誘っているかのような目をしているわね。まずはその伏せカードを破壊しましょうか!

 

「速攻魔法、サイクロン!私から見て右側の伏せカードを破壊するよ!」

 

サイクロンが現れて、龍亞君の伏せカードが破壊される。

 

「(良かった・・・・・・まあ、もう1枚はフリーチェーンだから撃たれても怖くはないんだけど)」

 

破壊したのは・・・・・・ディフォーム!?て事はブラフを破壊してしまったの!?これは痛いね・・・・・・

 

「バトル!ガシャルグでパワー・ツール」

 

「リバースカードオープン!バスター・モード!」

 

「ば、バスター・モード!?」

 

「パワー・ツール・ドラゴンをリリースして、デッキからパワー・ツール・ドラゴン/バスターを特殊召喚!」

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻2800

 

パワー・ツール・ドラゴンの武器が取り外され、代わりにサーベルが付き、背中にブースターを付け、空に舞う。うわ〜〜・・・・・・まさかバスター・モードを伏せているなんて・・・・・・サイクロンを撃っても意味がなかったじゃん。

 

「・・・・・バトルはやめるわ。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティナイトーガシャルグ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

「・・・・・パワー・ツールの効果発動!デッキから装備魔法を1枚選択して、手札に加える!俺は重力砲(グラビデイ・ブラスター)を選択!」

 

そうか・・・・・・今度は自分で好きなカードを手札に加えられるのか・・・・・・やばいわね・・・・・・

 

「さらに魔法カード、D・スピードユニット!手札のチャッカンをデッキに戻してレミさんの伏せカードを破壊する!」

 

「うそっ!?」

 

伏せカードを破壊するカードも握っていたの!!くっ!!せっかく伏せたガード・ブロックが!!

 

「(危ねえ・・・・・・)その後、デッキからカードを1枚ドローする!装備魔法、重力砲をパワー・ツールに装備!1ターンに1度、装備モンスターの攻撃力を400ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻2800→3200

 

まずい・・・・・・装備カードを装備させてしまった・・・・・・

 

「さらに装備魔法、魔導師の力を装備!装備モンスターの攻撃力は自分の魔法・罠カード1枚につき500ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻3200→4200

 

1ターン目に加えたカードってそれ!?めちゃくちゃ不味いよ!!

 

「バトル!パワー・ツールでドラグニティナイトーガシャルグに攻撃!フルメタルクラフティ・ブレイク!」

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻4200

ドラグニティナイトーガシャルグ 攻2400

 

レミ LP 4000→2200

 

「うわっ!!」

 

いてて・・・・・・おもいっきりライフをもっていかれたよ・・・・・・

 

「これでターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻4200

【魔法・罠ゾーン】

重力砲 (パワー・ツール/バスター)

魔導師の力 (パワー・ツール/バスター)

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

・・・・・・やった!!起死回生のカード!!

 

「魔法カード、大嵐!」

 

「お、大嵐!?」

 

フィールドに大嵐が吹きあられて、龍亞君のフィールドのカードを破壊していった。

 

パワー・ツール・ドラゴン/バスター 攻4200→3200

 

「くっ!(まずい!!パワー・ツールの装備カードが無くなった!!)」

 

「ドラグニティーミリトゥムを召喚!」

 

ドラグニティーミリトゥム 攻1700

 

「さらにミリトゥムを墓地に送って、ドラグニティアームズーミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

「ミスティルの効果!特殊召喚に成功した時、墓地から《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを装備する!ファランクスを選択!そして、ファランクスの効果!自身を特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

「今度はこっちの出番だよ!Lv6のミスティルにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

デュエルフィールドの真ん中で竜巻が出来て、フェザーがくるくると回りながらポーズを決めた。

 

『相手は龍亞様ですか。今まで以上の強敵ですね』

 

「分かっているよ。既に2ターン目でパワー・ツールの/バスターを出してきたんだから驚いたよ」

 

『油断は禁物ですよ』

 

「OK!フェザーの効果!シンクロ召喚時に墓地のドラゴン族モンスターを任意の数だけこのカードに装備する!ファランクスとピルムを装備!」

 

フェザーの咆哮でファランクスとピルムが出てきてフェザーの両肩に装着した。

 

「さらにフェザーの効果!墓地のドゥクスをデッキに戻してパワー・ツール・ドラゴンを手札に戻してもらうわ!ウィンドセプション!」

 

フェザーがドゥクスを支えデッキに戻し、パワー・ツールの周りに突風を起こす。巻き込まられたパワー・ツールはそのまま上に持ち上げられて龍亞君の手札に戻っていった。

 

「ぱ、パワー・ツールが!!」

 

「バトル!フェザー・ウィング・ドラゴンでダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!」

 

龍亞 LP 4000→1200

 

「うわっ!!」

 

「よし・・・・・ターンエンド!」

 

 

レミ 手札 0枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーファランクス (フェザー)

ドラグニティーピルム (フェザー)

 

 

「くっ、俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

「(ラッキー!)魔法カード、バスター・テレポート!手札のパワー・ツール・ドラゴン/バスターをデッキに戻して、シャッフル!その後、カードを2枚ドローする!」

 

龍亞 手札 2枚→4枚

 

手札で腐る/バスターをすかさずデッキに戻すなんて・・・・・・さあどんな手を出して来る?

 

「(・・・・・今日はついているな)D・モバホンを召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

「モバホン!?」

 

「さらに魔法カード、機械複製術!自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスターを1体選択して同名モンスターを2体まで特殊召喚する!デッキからモバホンを2体特殊召喚!」

 

D・モバホン 攻100 ×2

 

ま、まずい!!要のモバホンを3体も並んでしまった!!

 

「モバホン1体目の効果!ダイヤル〜〜オン!」

 

モバホンの胸が点滅を始める。出た目は・・・・・・1!良かった〜〜。

 

「1か・・・・・・デッキトップは装備魔法、モバホンの効果は不発だよ。次!2体目!ダイヤル〜〜オン!」

 

今度は・・・・・・3!!お願いします外れますように・・・・・・

 

「3!!デッキの上から3枚をめくるよ!・・・・・・いた!!D・クロックンを特殊召喚!」

 

D・クロックン 攻600

 

ストップウォッチみたいなモンスターが出てきた。あっちゃ〜・・・・・・やっぱりあったのね・・・・・・

 

「魔法カード、ジャンクBOX!墓地からレベル4以下の《D》を特殊召喚する!チューナーモンスター、スコープンを特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

またチューナーモンスター!?レベルは・・・・・・7!?ていう事は影のエース!?

 

「Lv1のモバホン2体とLv2のクロックンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆1 + ☆1 + ☆2 + ☆3 = ☆7

 

「世界に希望の橋を架けるため、勇気と力をカスタマイズ!シンクロ召喚!機械竜 パワー・ツール!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300

 

光が一つに集まり、黒い身体をしたパワー・ツール・ドラゴンが出てきた。でてきた・・・・・・影のエース・・・・・・

 

「さてと・・・・・・奪おっか!」

 

「う、奪う?」

 

「機械竜パワー・ツールの効果発動!1ターンに1度だけ、装備カードの対象をこのカードに移し替える!俺はレミさんのフェザー・ウィング・ドラゴンに装備されたドラグニティーファランクスを機械竜パワー・ツールに装備!装備強奪(イクイップ・グラブリング)!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと待っ!?」

 

私の言葉を聞かず、パワー・ツールが磁気みたいな物を身体から出してファランクスとフェザーを切り離して自身の身体に引っ付けた。嘘!?装備カード強奪!?私のデッキだと天敵じゃん!しかも肝心なファランクスを奪われたよ!!

 

「3体目のモバホンの効果発動!ダイヤル〜〜オン!」

 

って、まだいたんだ!!すっかり忘れていた!!

 

「今度は5!!・・・・・・チューナーモンスター、D・ライトンを守備表示で特殊召喚!」

 

D・ライトン 守200

 

ライトのようなモンスターが出てきた。さらに守りを固める・・・・・隙がない・・・・・・

 

「装備魔法、団結の力を機械竜パワー・ツールに装備!今の俺のフィールドのモンスターは3体だから機械竜パワー・ツールの攻撃力は2400ポイントアップ!」

 

機械竜パワー・ツール 攻2300→4700

 

「4700!?!?」

 

「さらに機械竜パワー・ツールの効果!装備魔法を装備した時、カードを1枚ドローする!装備特典(イクイップ・ボーナス)!」

 

龍亞 手札 0枚→1枚

 

「バトル!機械竜パワー・ツールでフェザー・ウィング・ドラゴンに攻撃!」

 

「ふ、フェザー・ウィングの効果!装備カードのドラグニティーピルムを墓地に送って破壊から免れる!!」

 

「でも、戦闘ダメージは受けてもらう!重装解体(フルメタル・デモリション)!!」

 

機械竜パワー・ツール 攻4700

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

レミ LP 2200→300

 

「きゃああああ!!!!!!」

 

フェザーがパワー・ツールの攻撃を受け止めるけど、反動が強すぎて、吹っ飛ばされてしまった。

 

『ぐっ・・・・・・レミ様、大丈夫ですか?』

 

「わ、私はね、フェザーは?」

 

『私も大丈夫でございます。ぐっ・・・・・・』

 

「本当に大丈夫なの!?」

 

『はい・・・・・・』

 

やせ我慢していないだろうね?後で遊輝に頼んで、プラチナに手当てをしてもらわないと。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 0枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

D・モバホン 攻100

機械竜パワー・ツール 攻4700

D・ライトン 守100

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーファランクス (機械竜)

団結の力 (機械竜)

伏せカード 1枚

 

 

・・・・・・まずい・・・・・・前のターンでパワー・ツールの/バスターを除去したはずなのに、1ターンで返された。しかもファランクスをうばわれて・・・・・・はぁ〜〜、本当に強くなったよね。自分が不利になっても冷静に対処して1ターンで自分が有利な状況に持ってきてしまうんだから。

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 1枚

 

・・・・・・竜の渓谷・・・・・・このカードだけしゃ意味がない。だけど私が伏せカードを手札に戻せば・・・・・・

 

「リバースカードオープン!覇者の一括!このターン、相手はバトルを行えない!」

 

「なっ!?」

 

覇者の一括なんて伏せていたの!?だったら機械竜を戻させてもらうよ!

 

「フェザー・ウィングの効果!墓地のミリトゥムをデッキに戻して、機械竜パワー・ツールをエクストラデッキに戻す!ウィンドセプション!」

 

機械竜パワー・ツールが竜巻によって上空に持ち上げられた。

 

「これでターンエンド!」

 

レミ 手札 1枚 LP 300

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

ここまでフェザーを使って苦しめられたんだ。これ以上の一手はもう無いでしょ?

 

 

レミ side out

 

 

龍亞 side

 

 

やっぱりレミさんは凄いや。分かっていたけど機械竜を対処したんだから。でも俺だって負けない!!遊輝に教わった一番大事な事!!デッキとライフが尽きない限り、諦めないんだ!!

 

「俺のターン!!ドロー!!!」

 

龍亞 手札 1枚

 

・・・・・・よっしゃ!!

 

「魔法カード、貪欲な壺!墓地のパワー・ツール・ドラゴン、スコープン、クロックン、モバホン2体を戻してシャッフル!その後、カードを2枚ドローする!ドロー!!」

 

龍亞 手札 0枚→2枚

 

・・・・・・・・・・・これはモバホンに賭けるか!

 

「モバホンの効果!ダイヤル〜〜オン!!」

 

モバホンの胸が点滅を始める。数字は・・・・・・3!!

 

「3が出たから、デッキの上から3枚めくる!」

 

1枚目・・・・・・ラジカッセン、Dだけど今回は違う。2枚目・・・・・・D・バインド、罠だから無理。3枚目・・・・・・・・・・・・!!

 

「来た!!チューナーモンスター、D・リモコンを特殊召喚!」

 

D・リモコン 攻300

 

「リモコンの効果発動!攻撃表示の時、墓地のDをゲームから除外して、そのモンスターと同じレベルのDを手札に加える!俺はレベル4のビデオンをゲームから除外してD・ステープランを手札に加え、D・ステープランを召喚!」

 

D・ステープラン 攻1400

 

「Lv4のステープランにLv3のリモコンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!もう一度フィールドに駆け上がれ!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

再び光から機械が合体して、パワー・ツール・ドラゴンが現れた。

やっぱり何度見てもかっこ良いな!!

 

「パワー・ツールの効果発動!パワー・サーチ!」

 

俺のデッキがランダムにシャッフルされて、1枚のカードが飛び出す。

巨大化か・・・・・・これで勝ちは決定だな。せっかくだからライフ・ストリームを・・・・・・・・あっ駄目だ。あれ、ライフ2000未満のプレイヤーのライフを回復をするからレミさんのライフも回復してしまうじゃん。・・・・・・仕方ないか。

 

「装備魔法、巨大化をレミさんのフェザー・ウィング・ドラゴンに装備!」

 

「ふ、フェザー!?」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800→1400

 

巨大化を装備したはずのフェザー・ウィング・ドラゴンの身体がみるみると小さくなってしまう。

 

「巨大化は俺のライフがレミさんより低かったら攻撃力が倍になるけど、逆にライフが俺の方が上回っていたら、攻撃力が半分になる。だから、フェザー・ウィングの攻撃力が半分になったんだ」

 

「・・・・・・・・・・・ほんとに強くなったわね」

 

「へへっ!俺も頑張ったんだ!!バトル!パワー・ツール・ドラゴンでフェザー・ウィング・ドラゴンに攻撃!クラフティ・ブレイク!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻1400

 

レミ LP 300→0

 

 

WIN 龍亞 LOS レミ

 

『勝者!小等部5ー3!龍亞!!』

 

よしっ!!勝った!!

 

「みんな!!勝ったぞ!!」

 

デュエルフィールドから飛び降りて、みんなに勝利の報告をする。

 

「やっぱ強いな、龍亞」

 

「ほ、ほんとに、すごかったです」

 

「流石に双子で小等部ナンバー1・2を独占しているだけあるね」

 

「へへ、でも、レミさんも強かったよ。軽音部のメンバーとデュエルする時はほんとに気が抜けないよ」

 

「最後は私ね!」

 

「龍可!ちゃんと繋げたんだから、遊輝に勝ってきてよ!」

 

「任せといて!」

 

俺に代わって、龍可がデュエルフィールドに上がって行く。さてと・・・・・・

 

「祈〜〜、何処でスバルを好きになったか、じっくり聞かしてもらうよ」

 

「////る、龍亞さん」

 

赤くなっている祈を角に追い詰めて、尋問を始めるぞ!!

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「ごめ〜ん!」

 

両手を合わせながらレミが降りてきた。

 

「う〜ん、龍亞君があんなに強いとはね」

 

「今の小等部ナンバー2の実力は伊達じゃないね」

 

「でも遊輝がいるから大丈夫だよ!!」

 

「・・・・・・俺、勝てる自信ねぇぞ」

 

「あんたが一番龍可ちゃんに勝っているでしょう!」

 

「しかも、二桁」

「・・・・・・・・・・・・一番勝っているのは龍亞だって」

 

しかも二桁勝ったって言っても、つい最近10勝目に行ったばっかなんだけど・・・・・龍亞は15勝ぐらいかな?まあ60敗以上しているけど。

 

「とにかく行ってくるわ」

 

「頑張ってよ!!クラスの命運かかっているんだから!!」

 

みんなに背中を押され、俺はこの大会において最強のデュエリストがいるデュエルフィールドに上がって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中結果 決勝トーナメント 決勝戦

中等部1ー1 VS 小等部5ー3

 

 

第1試合 水野 奏 ○ーー× 早野 天兵

第2試合 小野寺 響 ×ーー○ パティ

第3試合 遊城 スバル ○ーー× 櫻井 祈

第4試合 葵 レミ ×ーー○ 龍亞

 

 

 

 

 

 

 

 

総合結果 2--2




龍亞「響さん風に言うならばいえーーーー!!!勝ったぜ!!!!」

祈「す、凄いですね」

龍可「いつもはこんなにお調子者なのに、デュエルになったら別人のように変わるわね」

スバル「そうだよな。冷静にプレイして、どんなにピンチになっても、落ち着いて対処しているもんな」

遊輝「・・・・・・それはな、龍可によって鍛えられたんだ」

龍可「私?」

奏「どういう事?」

龍亞「俺、毎日のように龍可とデュエルしているじゃん。で、毎回のように1killとオーバーキルを食らうでしょ?」

レミ「・・・・・・大変ね」

龍亞「そのおかげで精神が鍛えられたんだ!!」

響「レミがフェザーで龍亞君のエースモンスター達を戻しても冷静だったよね?」

龍亞「あれ以上の事を龍可にやられているから。で、手札もフィールドも無くなってしまうけど、龍可の布陣を崩したらゼウスが飛んでくる。これを何十回と食らっているんだもん」

祈「よ、よく精神を壊さないですね」

龍亞「だって龍可に勝ちたいんだもん!!」

遊輝「・・・・・・精神を鍛えたい人は龍可と50回以上のデュエルをする事」

レミ「・・・・・・私、多分、持たないわね」

祈「わ、私も・・・・・・」

奏「それを耐えた龍亞君、凄すぎ・・・・・・」

龍可「?私、いつもの事をしているだけだけど?」

「「「「「それを普通とは言わない!!!!!」」」」」

スバル「次回はいよいよ、決勝戦、最後のデュエル!!」

龍可「タイトルは【決勝戦 5試合目 箒星と絶体神VS神の名を持つ太陽龍】

遊輝「次回もよろしく!」


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第57話 決勝戦5試合目 箒星と絶対神VS神の名を持つ太陽龍

最強カードの紹介!!

奏「久しぶりね」

暑いな。(改定時期、5月の中で過去1番を争う時期)

奏「いきなり一言目がそれ?」

暑いものは暑い。おかげで前日バテてしまった。

奏「知らないわよ・・・・」

最強カードの紹介に行くぞ!今回は、機甲忍者ブレード・ハート!!

奏「?あのカードじゃないの?」

あれ最強カードにしたらどっちが勝ったかほぼ分かってしまう。

奏「別に分からないと思うけど・・・・・・戦士族☆4を素材とした★4のモンスターだわ」

1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除けば、フィールドにいる「忍者」1体が1度のバトルフェイズに2回攻撃出来るぞ!!そして一言・・・・・・しんどかった!!!!

奏「な、何よいきなり」

今回が一番しんどかった。見れば分かる。

奏「そ、そう・・・・・・第57話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

『決勝戦 第5試合を始めます!デュエルする生徒はデュエルフィールドに上がりなさい!』

 

レミ・・・・・・勝ってくれよなもう・・・・・・まあしゃあないか。龍亞もだいぶ強くなったし、そこは良い事なんだから。さてと・・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・早いな龍可」

 

「だって早く遊輝とデュエルしたいから!!」

 

龍亞ほどでは無いけど相変わらず元気だな。俺がこの世界に入って一番変わったもんな。さてと・・・・・・泣いても笑っても最後のデュエル!!

 

「今日も遊輝に勝って、優勝するから!」

 

「それはこっちのセリフ。龍可に勝ってこのメンバーで優勝するぞ!」

 

『決勝戦 第5試合!中等部1ー1!遠藤 遊輝!小等部5ー3!龍可のデュエルを始めます!!』

 

「デュエル!!」 「デュエル!!」

 

遊輝 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「先行は俺!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・・・いきなりゼウス対策のカード来た!?!?ま、まあ・・・・・・とりあえず・・・・・・

 

「フォトン・スラッシャーを特殊召喚!」

 

フォトン・スラッシャー 攻2100

 

「フォトン・スラッシャーは通常召喚できない代わりに、自分フィールドにモンスターが存在しなかったら手札から特殊召喚できる!さらに魔法カード、ガガガウィンド!手札の《ガガガ》と名のついたモンスターのレベルを4にして特殊召喚する!ガガガガールを特殊召喚!」

 

『はいは〜い♪』

 

ガガガガール 攻1000

☆3→☆4

 

手を振りながら、パールが出てきたのだけど・・・・・・なんか違う。

 

「パール・・・・・・その服なんだ?」

 

いつも着ている不良っぽい制服じゃなくて、可愛らしいネコの絵柄が入ったTーシャツと、青いズボンだった。

 

『だって、今日あの服洗濯に出してるもん』

 

「いやっいつも同じ服着てるだろ?」

 

『替えがなかった』

 

替えがないって・・・・・・

 

「パール・・・・・・?何か違う?」

 

「そこはあとで言う。Lv4のフォトン・スラッシャーとガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!No,39 希望皇ホープ!」

 

No,39 希望皇 ホープ 攻2500

 

ブラックホールからホープが出てきた。久しぶりにこいつを出したな。龍可相手だと戦闘破壊を止めるだけじゃ心配なんだがこれがあるし、いけるだろ。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,39 希望皇ホープ 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 34枚

 

「魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・パラディン ジェインを墓地に送って、2枚ドロー!デッキから2枚を落とす!」

 

うん、もう驚かないぞ。毎度毎度ソーラー・エクスチェンジで動いているから。もう初手にある事が日常とかしているから。

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・シャーク スクァルス

・光の援軍

 

デッキ残り枚数 34枚→30枚

 

「(光の援軍落ちちゃった・・・・・・仕方ない)墓地に落ちたライトロード・シャーク スクァルスの効果!デッキから墓地に送られた時、墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・シャーク ファルクス 攻300

 

龍可の横に水から飛び出したように覚めが出てきた。また新しいチューナーかよ・・・・・・てことは手札に・・・・・・

 

「墓地のライトロード・パラディン ジェインをゲームから除外して暗黒竜 コラプサーペントを特殊召喚!」

 

暗黒竜 コプラサーペント 攻1800

 

ちっちゃな黒い羽をもった黒いモンスターが出てきた。やっぱり本気だな・・・・・・もうエースか影のエースの登場か!

 

「Lv3のライトロード・シャーク スクァルスにLv4の暗黒竜 コラプサーペントをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「太古の森よりフィールドを制圧する精霊よ、かりそめの姿にその身をやつし降臨せよ!シンクロ召喚!妖精竜 エンシェント!」

 

妖精竜 エンシェント 攻2100

 

コラプサーペントとスクァルスが一つになり、黒い閃光が光る。目を開けると、黒く輝いているエンシェント・フェアリーだった。そいつからか。

「墓地に送られた暗黒竜 コラプサーペントの効果発動!デッキから輝白竜 ワイバースターを手札に加える!」

 

出た〜〜、クリッターが禁止カードになって渡した代わりのカード。お互いにサーチが出来るからあれ強いんだよな。しかしフィールド魔法が無いのに妖精竜を出したのは間違いじゃないか?

 

「フィールド魔法、ジャスティス・ロードを発動!」

 

手札に持ってたーー!?!?えっ!?いつもなら墓地に落として発動するのに今回は手札にあったの!?

 

「フィールド魔法が発動した事により妖精竜 エンシェントの効果発動!デッキからカードを1枚ドローする!」

 

龍可 手札 5枚→6枚 デッキ残り枚数 30枚→29枚

 

あっ、今気づいた。まだ龍可の手札が1枚も減ってない。てことは・・・・・・かなりやばいよ!!!

 

「妖精竜 エンシェントの効果発動!フィールド魔法が存在する時、フィールドに存在する表側表示モンスター1体を破壊する!森葬の霊場(スピリット・ベリアル)!」

 

妖精竜が身体を不気味な光を照らしホープを破壊しようとしたが・・・・・・

 

「!?な、なんで!?」

 

ホープは前に張られたバリアによって免れる。

 

「永続罠、エクシーズ・トライバル!オーバーレイ・ユニットが2つ乗ったエクシーズモンスターはカード効果では破壊されない!」

 

まずは裁きの龍対策。これでしばらくの時間稼ぎをするつもりなんだけど・・・

 

「くっ・・・・・・だったらジャスティス・ロードの効果!手札のライトロード・モンク エイリンを墓地に送り、ライトロード・ビースト ウォルフをデッキから墓地に送る!そして、ライトロード・ビースト ウォルフの効果!墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・ビースト ウォルフ 攻2100

 

「さらに墓地の暗黒竜 コラプサーペントを除外して、輝白竜 ワイバースターを特殊召喚!」

 

輝白竜 ワイバースター 攻1700

 

先ほどのコラプサーペントと違い、しっかりとした白い翼を持ったドラゴンが出てきた。・・・・・・ってレベル4が2体!!しかも光属性って事は・・・・・

 

「Lv4のライトロード・ビースト ウォルフと輝白竜 ワイバースターでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!光の剣で悪を切り裂け!輝光子パラディオス!」

 

輝光子パラディオス 攻2000

 

ブラックホールから青く光り輝いた戦士が輝く剣を持って出てきた。

 

「(そいつかよ!それじゃホープの効果が)」

 

「輝光子パラディオスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除き、ホープの攻撃力を0にして効果を無効にする!」

 

輝光子パラディオス OVR 2→0

No,39 希望皇ホープ 攻2500→0

 

パラディオスがオーバーレイ・ユニットを全て吸収して、ホープから何かを奪う。奪われたホープの身体から輝きが消えてしまう。

 

「(・・・・・・安全策に行きましょう)ライトロード・マジシャン ライラを召喚!」

 

ライトロード・マジシャン ライラ 攻1700

 

「ライラの効果発動!攻撃表示のこのカードを守備表示にして、遊輝の伏せカードを破壊する!」

 

「させるか!リバースカードオープン!和睦の使者!このターン、俺のモンスターは破壊されず戦闘ダメージも0になる!」

 

ライトロード・マジシャン ライラ 攻1700→守300

 

「(無駄うち・・・・・・)カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時に、ライラの効果でデッキからカードを3枚墓地に送る!

 

 

墓地に送られたカード

・ネクロ・ガードナー

・ソーラー・エクスチェンジ

・カオス・ソーサラー

 

 

龍可 手札 2枚 LP 4000 デッキ残り枚数 25枚

【モンスターゾーン】

妖精竜 エンシェント 攻2100

輝光子パラディオス 攻2000

ライトロード・マジシャン ライラ 守300

【魔法・罠ゾーン】

ジャスティス・ロード

伏せカード 1枚

 

 

おぅ・・・・・・1ターンで凄い場にしたな・・・・・・和睦が無かったら1killだったのか、危っねぇ・・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚

 

「魔法カード、マジック・プランター!永続罠のエクシーズ・トライバルを墓地に送って、2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚→3枚

 

・・・・・・ラッキー。最近手に入れたカードだよ。確かアニメで出ていたカードかな?ドローカードを多めにしたらドローカードが来るんだな。

 

「魔法カード、セブンストア!」

 

「セブンストア?」

 

「このカードはエクシーズモンスター1体をリリースする事で1枚ドロー出来るんだ」

 

「1枚だけのドロー?」

 

「いやっ、この効果でリリースしたエクシーズモンスターのオーバーレイ・ユニットの数だけさらに追加ドローする!」

 

「えっ、つまり遊輝のフィールドはホープだけだから・・・・・・3枚ドロー!?」

 

「ご名答!!ホープをリリースして、3枚ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚→5枚

 

これで初期手札に戻ったな。まずは・・・・・・

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果!手札からタスケナイトを特殊召喚!」

 

タスケナイト 攻1700

 

背中に剣を備えた武士みたいなモンスターが出てきた。

 

「Lv4のタスケナイトとゴブリンドバーグでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!忍びの里より現れろ!機甲忍者ブレード・ハート!」

 

機甲忍者 ブレード・ハート 攻2200

 

両手に刀を構え、漆黒の忍者が出てきた。

 

「ブレード・ハートの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除き、自分フィールドの《忍者》と名のついたモンスターを選択する!選択したモンスターはこのターン、2回攻撃できる!」

 

「に、2回攻撃!?」

 

機甲忍者ブレード・ハート OVR 2→1

 

「バトル!ブレード・ハートで妖精竜に攻撃!電磁抜刀 カスミ斬り!」

 

機甲忍者ブレード・ハート 攻2200

妖精竜 エンシェント 攻2100

 

龍可 LP 4000→3900

 

「きゃあ!」

 

「もういっちょ!!ブレード・ハートで輝光子パラディオスに攻撃!電磁抜刀 カスミ斬り!」

 

ブレード・ハートが妖精竜を斬った刀とは別の刀で、後ろからパラディオスを斬る。

 

機甲忍者ブレード・ハート 攻2200

輝光子パラディオス 攻2000

 

龍可 LP 3900→3700

 

「・・・・・・っ!輝光子パラディオスの効果発動!相手によって破壊された時、カードを1枚ドローする!」

 

龍可 手札 2枚→3枚

 

龍可にドローされたら駄目だけど、ダメージ優先でいかないと裁きの龍が恐いからな。

 

「カードを2枚伏せてターン」

 

「エンドフェイズ時、速攻魔法、サイクロン!左側のカードを破壊する!」

 

サイクロンが現れて、左側に伏せたカード・・・・・・ミラフォが破壊される。ミラフォよ・・・・・・たまには仕事しろ・・・・・・

 

「ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

機甲忍者 ブレード・ハート 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 4枚 デッキ残り枚数 24枚

 

「(ライラが守備表示だからこれ以上の伏せカードは破壊できない。だったらやる事は一つ!)ジャスティス・ロードの効果!手札のライトロード・サモナー ルミナスを墓地に送って、デッキからライトロード・スネーク キラーを落とす!そして、ライトロード・スネーク キラーを特殊召喚!」

 

ライトロード・スネーク キラー 攻600

またチューナーか!てことはエースの登場か!?

 

「Lv3のライトロード・スネーク キラーにLv4のライトロード・マジシャン ライラをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる!シンクロ召喚!降誕せよ!エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン 攻2100

 

ライラとキラーがひとつの光りとなり、エンシェント・フェアリー・ドラゴンが現れた。あいの変わらずよく出せるよな・・・・・・そして良くキーパーツがデッキに眠るよな・・・・・・

 

『久しぶりですね。遊輝」

 

「久しぶり。ここの所は出てないからね」

 

『私を出す前に貴方が決めるか龍可が決めてますからね』

 

「・・・・・・何かすいません」

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、フィールド魔法を破壊する!プレイン・バック!」

 

龍可の後ろにあった天から光を降り注いでいた物が破壊される。

 

「その後、私のライフを1000ポイント回復してデッキから2枚目のジャスティス・ロードを手札に加える!破壊されたジャスティス・ロードの効果!デッキから2枚を墓地に送る!」

 

龍可 LP 3700→4700

 

墓地に送られたカード

・大嵐

・ライトロード・バタフライ ファルファッラ

 

デッキ残り枚数 22枚→20枚

 

「墓地に送られたファルファッラの効果発動!墓地から特殊召喚する!」

 

ライトロード・バタフライ ファルファッラ 攻0

 

何でそんな都合よく自分に有利なモンスターを落とせるんだよ!!ってもうあいつの布石じゃん!!

 

「Lv1のライトロード・バタフライ ファルファッラにLv7のエンシェント・フェアリー・ドラゴンをチューニング!」

 

☆1 + ☆7 = ☆8

 

「古の妖精龍が星の力を授かる時、永遠の宇宙を駆け抜ける流れ星に変わる。希望の弧を描く箒星となれ!シンクロ召喚!流れ行け!エンシェント・コメット・ドラゴン!!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0

 

エンシェント・フェアリーがアカデミアの天井を突き破って宇宙へと駆け上がる。空で爆発が起きて箒星がこのフィールドに落ちてきて、トンガリ帽子を被ったエンシェント・フェアリー・ドラゴンが舞い降りてきた。

 

「(でった〜〜・・・・・・毎回毎回、よく出せるよな)」

 

「エンシェント・コメット・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、フィールド上のカード1枚を破壊する!機甲忍者ブレード・ハートを破壊!スター・ブレイク!」

 

エンシェント・コメットが周りに浮いている星をブレード・ハートに向けて振り落とす。たくさん振り落とされた星に耐えるブレード・ハートだが、最後にエンシェント・コメット自身が突っ込み破壊される。

 

「モンスターカードを破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分、アップする!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0→2200

 

エンシェント・コメットで破壊されたけどまだライフは・・・・・・

 

「墓地の闇属性モンスター カオス・ソーサラーと光属性モンスター 輝白竜 ワイバースターをゲームから除外して、カオス・ソルジャーを特殊召喚!」

 

カオス・ソルジャー 攻3000

 

あああ!?!?!カオス・ソルジャーがいたんだ!!

 

「バトル!エンシェント・コメット・ドラゴンでダイレクトアタック!エターナル・ミディアストリーム!!」

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!エンシェント・コメットの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる!」

 

「くっ・・・・・・また決められない・・・・・・ターンエンド!エンドフェイズにエンシェント・コメット・ドラゴンは攻撃力を0にして守備表示になる!」

 

 

龍可 手札 3枚 LP 4700 デッキ残り枚数 20枚

【モンスターゾーン】

エンシェント・コメット・ドラゴン 守4000

カオス・ソルジャー 〜開闢の使者〜 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード なし

 

 

・・・・・・あっれぇ〜〜、1ターン前にエース級のモンスターが2体も並んで破壊したのにまたエース級が2体も並んでいるよ〜〜?・・・・・・ほんとしんどい。龍可とやってると楽しいけど結構精神的に辛いな・・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚

 

・・・・・・これに掛けるか。あんまり龍可の手札を増やしたくないけど。

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 1枚→4枚 龍可 手札 3枚→6枚

 

「さらに魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地のガガガウィンド、マジック・プランター、セブンストアの3枚を除外して2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

・・・・・・良し!なんとかなりそうだ!!

 

「魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから《ガガガ》と名のついたモンスターを特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『はあぁ!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

ダイヤが鎖を操りながら現れた。

・・・・・・ダイヤはいつも通りの格好だな。

「ダイヤ、何でパールはあの格好なの?」

 

『先日、ホワイトとブラックの世話をした時に二人の泥遊びに付き合って服をドロドロにした上、替えの服も汚れてしまったので洗濯に出してあるのです』

 

・・・・・・・・・・・・すっげぇ日常的な出来事だった。これ以上はいいか、

 

「ドドドウォリアーを召喚!」

 

ドドドウォリアー 攻2300→1800

 

「(ドドドウォリアーにダイヤ・・・・・・という事は!)」

 

「ガガガマジシャンの効果!レベルを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6のドドドウォリアーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2枚のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ。天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラックホールから白い太陽が昇ってきてホワイトが出てきた。

 

「ついに出たわね・・・・・・」

 

「龍可、まさかこれで終わりだと思ってない?」

 

「えっ?」

 

「RUMーバリアンズ・フォース!」

 

「ら、ランクアップマジック!?」

 

「ホワイト・サン・ドラゴンをオーバーレイ・ネットワークとして再構築!」

 

ホワイトが白い太陽に戻り、上空にできた黒い穴に吸い込まられる。次の瞬間、その穴が爆発して、螺旋状の模様をした物が球を描くように渦巻く。

 

「光の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!カオスエクシーズ・チェンジ!降臨!CXホワイト・ゴッド・ドラゴン!!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン 攻3000

 

『ギャアアア!!!!』

 

螺旋状になった球体の中にいる丸くうずまったドラゴンが、身体を反らし、遠吠えをしながら悠然と姿を現した。

 

「また対処しにくいモンスターを・・・・・・でもエンシェント・コメットはカード効果で破壊されないのよ?ホワイトのままでダイレクトアタックをするのが正解じゃないかしら?」

 

「普通はね。速攻魔法、禁じられた聖杯!エンシェント・コメットの攻撃力を400ポイント上げて効果を無効化にする!」

 

「何ですって!?」

 

上から聖杯を持った天使が聖杯の中の液体をエンシェント・コメットにこぼす。

 

『力が・・・・・・』

 

「これでエンシェント・コメットの効果は無効だ!ホワイト・ゴッドの効果!カオスオーバーレイ・ユニットを取り除いて、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!スピリチュアル・ゴッドフレア!」

 

ホワイト・ゴッドが太陽と巨大な氷の塊を数個作り、エンシェント・コメットとカオス・ソルジャーがいる龍可のフィールドに落としていく。氷の塊で弱った2体のモンスターに最後は等身大の太陽を真上から落とし、破壊した。

 

「くっ!!エンシェント・コメットとカオス・ソルジャーまでも!!」

 

「バトル!ホワイト・ゴッドでダイレクトアタック!!サンシャイン・ミリオンズスピアー!!」

 

先ほどと同じ太陽を作り、矢のようか日の光を龍可に向けて放つ。

 

「墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!このカードをゲームから除外して、ホワイト・ゴッド・ドラゴンの攻撃を無効にする!」

 

龍可の前にネクロ・ガードナーが出てきて、ホワイトの攻撃を全て受け止めた。不味いな・・・・・・ネクガがいたのか・・・・・・墓地の確認をしとけば良かった・・・・・・次のターン、何か仕掛けてくるな。ホワイトは自身を守れるけど念のために・・・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 7枚 デッキ残り枚数 16枚

 

「魔法カード、ブラック・ホール!フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「ホワイトの効果!カオスオーバーレイ・ユニットが存在する時、1ターンに2度まで魔法・罠・効果モンスターの効果を受け付けない!」

 

フィールドに出来たブラックホールをホワイトはすり抜ける。しかし何のためにブラックホールなんか使ったんだ?ホワイトの効果は知っているはずだが・・・・・・

 

「魔法カード、禁じられた聖杯!」

 

「!?ホワイトの効果!禁じられた聖杯も無効にする!」

 

さっき上に出た天使もホワイトが破壊する。何でこんな無駄な行為を・・・・・・

 

「魔法カード、死者転生!手札の冥府の使者ゴーズを墓地に送って、カオス・ソルジャーを手札に加える!」

 

「なん・・・・だと・・・・!?」

 

「墓地の闇属性モンスター 冥府の使者ゴーズと光属性モンスター ライトロード・バタフライ ファルファッラをゲームから除外して、カオス・ソルジャーをもう一度特殊召喚!」

 

カオス・ソルジャー 攻3000

 

おいおいおい!!なんのためにさっきカオス・ソルジャーを破壊したんだよ!!てことは・・・・・・

 

「さっきまでのは全部ブラフ!?」

 

「そうよ!カオス・ソルジャーの効果発動!ホワイト・ゴッド・ドラゴンをゲームから除外する!カオス・マジック!」

 

カオス・ソルジャーが剣を地面に叩きつけ、次元の穴が開く。さっきまで、耐えていたホワイトも力を使い果たしたせいか何の抵抗もなく吸い込まられていった。

 

「最初からこれを狙っていたのか」

 

「ホワイト・ゴッドの効果は2回までしか無効に出来ないのは知っていたからね」

 

「だけどカオス・ソルジャーが効果を使ったからこのターン攻撃出来ないぞ?」

 

「まだ終わってないよ!私の墓地にはライトロードと名のついたモンスターが4種類存在する!」

 

嘘だろ・・・・・・ここであいつ!?

 

「裁きの龍を特殊召喚!!」

 

裁きの龍 攻3000

 

何でそいつも手札にあるんだよ!!確かに壺の中の魔術書を使ったけどさ!!でも・・・・・・

 

「リバースカードオープン!激流葬!!」

 

「!?しまった!!」

 

「モンスターが召喚・特殊召喚した時、フィールドのモンスターを全て破壊する!!」

 

俺たちの前に激流が流れてきて、飲み込まられたカオス・ソルジャーと裁きの龍は破壊される。

 

「はぁはぁ・・・・・・なかなかしんどいな。でももうこれで手が無いだろ?」

 

「・・・・・・ターンエンド。そしてエンドフェイズ時、手札にあるモンスターの効果を発動する!!」

 

「えっ?」

 

龍可がエンドフェイズ時に発動・・・・・・!!!ま、まさかあいつ!?!?

 

「このカードは裁きの龍が破壊されたターンのエンドフェイズ時のみ、手札から特殊召喚できる!!天空の命を受け、全知全能の神が降臨する。正義の鉄槌を下せ!舞い降りて!ライトロード・オラクル ゼウス!!」

 

フィールドに雷が落ちて、雷雲に覆われた空に一筋の光がちらつかせる。その天空から降りる光の幅がだんだん広くなっていき、ゼウスがゆっくりと舞い降りてきた。天井につく大きさに、周りの生徒はどよめきが起こる。

 

「これで本当にターンエンド!」

 

 

龍可 手札 1枚 LP 4700 デッキ残り枚数 16枚

【モンスターゾーン】

ライトロード・オラクル ゼウス 攻4000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

・・・・・・・・・・・・絶望的だろ。本当にあの人の「少年よ、これが絶望だ」が身に染みて分かるよ・・・・・・そして、龍亞が泣いていた気持ちもよく分かるよ・・・・・・手札が0、フィールドも0の状況でゼウスが出てくるなんて・・・・・一体どうしろと?ここから逆転勝ち出来るの?ベンチから「終わったな・・・・・・」とか聞こえてくるし、敗色濃厚なんだけど・・・・・・

 

「お、俺のターン・・・・」

 

遊輝 手札 1枚

 

モンスター・・・・・・だけど・・・・・・

 

「モンスターをセットして、ターンエンド・・・・・・」

 

遊輝 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 2枚

 

「(3枚目のジャスティス・ロードね。でもこれで勝ちだわ!!)ライトロード・オラクル ゼウスの効果発動!私のライフを半分にして、このカード以外のお互いの手札とフィールドのカードを全て破壊する!!ヘブンズ・ジャッジメント!!」

 

龍可 LP 4700→2350

 

ゼウスが杖を上に上げてデュエルフィールドに無差別に雷が落ちる。俺たちの手札、そしてセットしたモンスターまでもが焼かれてしまった。

 

「終わりよ!!ライトロード・オラクル ゼウスでダイレクトアタック!!ギガライトニング・ボルト!!」

 

ゼウスが杖を俺に向けて、その先端に何か魔力みたいな物を貯める。

そう・・・・・・これで・・・・・・終わり・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュッ!!!!!

 

「えっ!?」

 

龍可、いや、会場の生徒までもが驚く。魔力を貯めていたゼウスが攻撃の体制を止めたのだ。

 

「ど、どうしたの!?何で攻撃しないの!?」

 

「・・・・・・攻撃?出来ないよ。だってバトルフェイズは終了しているんだから」

 

「な、何で!?だ、だって遊輝のフィールドには・・・・・・!!!」

 

龍可が俺のフィールドにモンスターがいる事に気づく。そう・・・・・最初のターンに出したタスケナイトの姿が!!

 

「そ、そのモンスターって、遊輝が早くに出した・・・・・・」

 

「墓地のタスケナイトの効果!!自分の手札が0枚の時に相手が攻撃を宣言した時、墓地からこのカードを特殊召喚して、バトルフェイズを終了させる!!!」

 

「そ、そんな・・・・・・」

 

今度は龍可が後ろに2、3歩引いてしまう。これがゼウス対策のカード。ネクガだとバレてしまう。でも、今までに使った事が無いモンスターなら、龍可でも騙せると思ったんだよ。

 

「で、メインフェイズ2になって、何かする事ある?」

 

「な、何も無い・・・・・・ターンエンド・・・・・・」

 

「エンドフェイズ時、自身の効果を使ったゼウスはゲームから除外される!!」

 

天空に光が注がれて、ゼウスの身体は半透明となっていく。下から順々に身体が光となっていき、龍可のフィールドに守るカードがなくなっていく。

 

 

龍可 手札 0枚 LP 2350 デッキ残り枚数 15枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「ふぅ・・・・・・」

 

息を一回吐く。ようやく龍可のフィールドを真っ新に出来た。一応、タスケナイトがいるけど攻撃力が足りない。龍可の事だ、次のターンあたりに逆転のキーカードを引くだろう。だから・・・・・・これがラストドローだ!!

 

「俺のターン!!!ドロー!!!!」

 

遊輝 手札 1枚

 

ゆっくりとドローしたカードをめくる。それは・・・・・・

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

今まで一番頼ってきた頼れる仲間だった!!

 

『フィニッシュ・・・・・・ですね』

 

「あぁ、最後の最後まで頼むぜ」

 

『もちろんです』

 

「バトル!タスケナイトでダイレクトアタック!」

 

タスケナイトが背中の剣を取り出して、龍可に斬りつける。

 

龍可 LP 2350→650

 

「ラスト!!ガガガマジシャンでダイレクトアタック!!ガガガマジック!!」

 

ダイヤが鎖を匠に操り、龍可に攻撃した。

 

龍可 LP 650→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍可

 

 

 

 

 

 

 

『勝者!!中等部1ー1!!遠藤 遊輝!!決勝戦、中等部1ー1対小等部5ー3は3ー2で中等部1ー1の勝ち!!今年のアカデミアデュエル大会、優勝クラスは中等部1ー1!!!』

 

『わああぁぁーーーーーー!!!!!!!』

 

勝った・・・・・・・・・・勝った!!!!!!!!

 

「遊輝!!!!」

 

レミが一番に飛び込んできて、順々にみんなが俺に飛び込んでくる。俺はそれを受け止めてみんなで喜びを爆発する。

 

「やったぜ!!!優勝だ!!!」

 

「凄いよ!!龍可ちゃんのあのフィールドを崩せるなんて!!」

 

「ほんと凄いよ!!!!さすが大将!!!!」

 

「いつから大将何だよ!?!?」

 

「「「「予選始まる前から!!!!」」」」

 

「初めて聞いたわ!!!!!!そう言う事は最初に言えよ!!!!」

 

歓喜の輪で俺の怒号が会場全体に響き渡る。

 

「あ〜あ、負けちゃった・・・・・・」

 

「惜しかったな。龍可」

 

「で、でも、凄いデュエルでした」

 

「ほんとだよ。あんなデュエル、遊輝さんと龍可にしか出来ないよ」

 

俺たちが喜んでいる所に龍可達、5ー3のメンバーが来た。

 

「ところで次のカードは何だったの?」

 

パティの質問で龍可はデッキトップをめくる。

 

「2体目の裁きの龍ね。1ターン遅かったわ」

 

「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」

 

龍可・・・・・・何でそんなに都合が良いカードを引けるんだよ・・・・・・

 

「とにかく、優勝おめでとう!!!」

 

「やっぱりアカデミア五剣士の壁は大きかったわね」

 

「そんな事無いよ。私達もかろうじて勝ったんだから」

 

「来年は分からないよ!」

 

『それでは優勝クラス、準優勝クラスの表彰式を行いますので中等部1ー1と小等部5ー3の生徒はデュエルフィールドに上がってください』

 

「ほら、整列整列」

 

奏がみんなをまとめて、デュエルフィールドで整列する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後、表彰式があり優勝クラスとして俺たちはトロフィーを貰ってみんなで記念撮影を撮った。で、今日はこれだけなので龍可達の家で優勝パーティーしようと言うことになって帰って大急ぎで料理を作っていたら・・・・・・

 

ピンポ〜ン♪

 

「はいは〜い」

 

エプロンを掛けたまま玄関に向かう。

 

「お待たせ〜〜」

 

「ちゃんとお祝いようにケーキを持って来たよ!」

 

みんながぞろぞろと入って行くんだけど・・・・・・

 

「・・・・・・なあ、一つ聞いていいか?」

 

「何?」

 

「何でパティや天兵、祈もいるんだ?」

 

何故か小等部5ー3メンバーも一緒に来ていた。

 

「俺が誘ったんだよ!!準優勝祝いで!!」

「いやっ、だからって同じ場所で祝いのパーティーやる!?」

 

「細かい事は気にしない」

 

「うめぇ!!このスパゲティ、めちゃくちゃ美味いぞ!!」

 

「あっ、スバル!!抜け駆けはずるいよ!!」

 

一つの皿に大量に盛られたスパゲティをめぐって、響とスバルが争う。

 

「・・・・・・相変わらずうるさいわね」

 

「でも、スバルさんらしいですね」

 

「そ、そうなのですか?」

 

「ああいう所がスバルにはあるんだよ」

 

「(へぇ〜)」

 

「それじゃ、優勝パーティーと準優勝パーティーを始めるぞ!!」

 

龍亞が大声を出して、スバルと響が争っている料理のあるテーブルへと、かけていった。

 




龍可「惜しかったな〜・・・・・・まさかゼウスの弱点を突かれるなんて」

龍亞「それでも龍可は凄い事したよ。よくあんなにエース級を出せたよね?」

遊輝「?そんなに出していたのか?」

レミ「・・・・・・遊輝、ゆっくりと整理しよう」

スバル「まず龍可の1ターン目、妖精竜 エンシェントとエクシーズモンスターのパラディオス」

龍亞「その次のターンは、エンシェント・コメットにカオス・ソルジャー」

祈「つ、次のターンは、裁きの龍が出てましたね」

響「追加でカオス・ソルジャー。さらにエンドフェイズにゼウスよ」

レミ「龍可ちゃんがエースモンスターを全て出したのに、あんたはまさかの無傷での勝利」

遊輝「・・・・・・俺、無傷で勝ってたんだ・・・・・・」

龍可「遊輝はやっぱり強いね。こんな時に無傷で勝つなんて」

遊輝「(無我夢中だったからあんまり覚えてないんだけど・・・・・・)」

龍亞「オリカの紹介行くよ!今回はライトロード・シャーク ファルクス!」


ライトロード・シャーク スクァルス ☆3 チューナー
光属性 魚族 攻300 守300
このカードは通常召喚出来ない。
①このカードはデッキから墓地に送られた場合、特殊召喚できる。
②1ターンに1度、このカードは戦闘では破壊されない。


祈「あ、新しいライトロードのチューナーですね」

奏「ウォルフのような特殊召喚モンスターに戦闘破壊耐性がついたかんじね」

スバル「ようやくアカデミアデュエル大会も終わったな!!次は?」

龍亞「確か海外公演の前にアカデミアでの生活を数話執筆するってよ」

響「まずは、私達のライセンス試験ね!」

レミ「タイトルは【Dホイール講習会 最終試験 氷結界第4の龍 降臨!】」

祈「だ、第4の龍?」

遊輝「氷結界の新しい龍!?」

響「やった!!!ブリューナクの代わりのカードが出てくれた!!」

奏「(極悪カードでありませんように・・・・・・)」

スバル「次回もよろしく!!」


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第58話 Dホイール講習会 最終試験 氷結界第4の龍 降臨!

最強カードの紹介!!!

祈「は、始めまして。櫻井 祈です。よ、よろしくお願いします」

初登場、祈だよ。

祈「あ、あの、何をすれば?」

基本的には、話題が無かったらそのまま最強カードの紹介に行く。

祈「わ、話題ですか?」

うん、そして今日は特に無い。

祈「じゃ、じゃあそのまま・・・・・」

そういう事。今回はE・HERO ジ・アース!!

祈「す、スバルさんのヒーローですね。お、オーシャンとフォレストマンを融合素材としたヒーローです」

自分フィールドの「E・HERO」と名のついたモンスターをリリースすれば、そのモンスターの攻撃力分、アップ出来るぞ!!Zeroとの極悪コンボを決めて、一撃で決めろ!!
で、祈。

祈「は、はい!!」

ライディングデュエルの時は、これを言うんだぞ。

祈「は、はい。だ、第58話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


遊輝 side

 

 

俺たちの優勝で終わったアカデミアデュエル大会から数週間後・・・・・・・

アカデミアを終えた俺は部活を休んで遊星のガレージにいる。理由?明日の準備だよ。えっ?何の準備かって?それはな・・・・・

 

「お前、何独り言を言ってるんだ?」

「えっ?う〜ん、まあ遊星には関係ないよ」

 

「そうか・・・・・それで明日は治安維持局から試験官が来てくれるそうだ」

 

「助かった〜〜。俺、フルボッコされるの嫌だったから」

 

そう、明日のDホイール講習会の最終試験について話し合っている。普通の筆記試験とか実技試験は既に終わり、明日が最終試験なのでその打ち合わせをしているのだ。遊星の場合、筆記よりか実技を重視する方だから、勉強が出来ない響でも筆記は最低限頑張ったらしく実技で挽回したから。

 

ちなみに機械に強いスバルは講習とは別に特別講習としてDホイールの詳しい整備や管理の仕方を学んでいた。遊星のスピードが早くて、俺はついていけなかったけど、スバルはものすごい速さで習得していった。

しかし・・・・・・・・・・こう思うとあいつ凄いな・・・・・遊星が教えたとはいえ、3日間でDホイールを分解・組み立てが出来るようになったんだから・・・・・・・・・・

 

「じゃあ俺たちは明日は見守る事だけなんだな?」

 

「そう言う事になる」

 

「分かった。それで・・・・・・・・・・頼んでたアレ、出来た?」

 

「あぁ、何とか間に合いそうだ」

 

「ごめんな、無茶を頼んで」

 

「遊輝の手伝いがなかったら間に合わなかったさ」

 

「俺はほんのちょっとしか手伝ってないけどね」

 

「しかし・・・・・あいつら合格出来るのか?治安維持局側もかなりの実力の物を送ると聞いたが」

 

「心配するなって。あいつらの実力は俺が一番分かっている」

 

「そうだな。では明日」

 

「おう・・・・・って、飯作って帰らないとクロウがうるさいんだ」

 

カバンを置いてガレージの脇にある階段を登る。

 

「すまない。わざわざ飯を作らなくても」

 

「いや、一応、報酬という形だからね。何作ろっかな?」

 

階段を登り、冷蔵庫の中身を見る。

う〜ん・・・・・相変わらず殺風景・・・・・野菜がちょこっとに卵・魚肉ソーセージなんかあるのか。う〜ん・・・・・オムレツでいっか。

 

 

遊輝 side out

 

 

スバル side ー(翌日)ー

 

 

「それでは最終試験を行う」

 

遊星さんと横に並んだ遊輝、さらに後ろでセキュリティみたいな人たちが並んで最終試験が始まる。今日の試験を合格すればDホイールに乗れる!!それだけのために勉強したんだから!!

 

「最終試験は治安維持局から4人の試験官が来てくれた。彼らとライディングデュエルを行ってもらい、勝利すれば合格となる」

 

「よっしゃ!!早くデュエルしようぜ!!」

 

「少し黙りなさいよ!順番があるでしょ!!」

 

Dホイールに乗り込もうとした所で奏に止められてしまった・・・・・だってな〜〜

 

「こんだけの人数なんだから誰が行っても一緒だろ?」

 

俺が奏に周りを見るように言う。

今回の最終試験まてに残った人はたった7人。中等部は俺たちだけであとは高等部の生徒のみ。遊星さんの実技試験でほとんどの人が落ちていったもんな。

 

「逆にこれだけの人数だったら待ってもそこまで時間かからないでしょ?」

 

「私は早くデュエルしたい!!!」

 

「さっきからなんか元気だよね?何か良い事でもあったの?」

 

「試験の前に買ったパックに、新しい氷結界の龍が当たったんだ!!」

 

「何!?!?」

 

「新しい氷結界の龍!?」

 

響の発言で俺たちは引いてしまう。だって・・・・・・・・・・ブリューナクにトリシューラを生み出したあの氷結界の龍だぜ?絶対に極悪カードだ・・・・・

 

「スバル!!順番だぞ!!」

 

遊輝が大声で俺の名前を呼んだ。えらい早い気がするけど・・・・・

 

「もう一人目終わったのか?」

 

「デュエル中にスリップをして転けた。一発で失格」

 

「あはは・・・・・・・・・」

 

ついてないな・・・・・そいつ。ヘルメットを被り、スタート地点までDホイールを移動する。

 

「君が私の相手か。いつも通りにすれば良いからな」

 

「分かってますって!!」

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド2!セットオン!!」」

 

Dホイールにあるボタンを押すとデュエルモードとなりデスクがセットされる。そして、目の前にシグナルが表示される。

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

試験官 LP 4000 スバル LP 4000

 

試験官を同時に飛び出す。

ここはおれが内側のコースに入ったから、そのまま攻めて先行

 

「おらよっと!」

 

「!?くっ!?」

 

試験官のDホイールが無理矢理内側を取り、そのまま第一コーナーを曲がってしまう。

 

「行くぞ!ドロー!」

 

試験官 手札 6枚

 

試験官 SPC 0→1

スバル SPC 0→1

 

「(なかなか良い手札だ!)サーチ・ストライカーを召喚!」

 

サーチ・ストライカー 攻1600

 

「さらに手札からレベル3、3、4のモンスターを墓地に送り、モンタージュ・ドラゴンを特殊召喚!」

 

試験官の走っているDホイールの横から3つの顔があるドラゴンが現れた。

 

「モンタージュ・ドラゴンは手札のモンスターを3枚墓地に送る事で特殊召喚できる!そして攻撃力はこの効果で墓地に送ったモンスターのレベルの数×300だ!」

 

モンタージュ・ドラゴン 攻?→3000

 

すげぇな。1ターン目から攻撃力3000を出してくるなんて!

 

「私はこれでターンエンド」

 

 

試験官 手札 1枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

サーチ・ストライカー 攻1600

モンタージュ・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

でもな、伏せカードが無いんじゃ・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

試験官 SPC 1→2

スバル SPC 1→2

 

俺の勝ち決定なんだよな〜〜。我ながら恐ろしい手札だったよ。

 

「SPーオーバー・ブースト!俺のSPCを4つ増やす!」

 

スバル SPC 2→6

 

SPCが増えた事で、Dホイールが加速し試験官に追いつく。

 

「だがそのカードはエンドフェイズにSPCを1にするカードだ。そこからどうするのだ?」

 

「へへ、次のターンなんか来ないぜ!SPースピード・フュージョン!SPCが4つ以上ある時、融合が出来る!手札のフォレストマンとオーシャンを融合!現れろ最強のHERO!E・HERO アブソルートZero!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

トラックの中央が凍りつき、Zeroがその氷を突き破って出てきた。

 

「しかしそれではまだモンタージュ・ドラゴンを対処出来ないぞ?」

 

「まだまだ!SPーミラクル・フュージョン!SPCを3つ取り除いて、墓地のフォレストマンとオーシャンをもう一度融合!!現れろ!惑星(ちきゅう)の名を持つHERO!E・HERO ジ・ アース!」

 

スバル SPC 6→3

E・HERO ジ・アース 攻2500

 

オーシャンとフォレストマンが渦の中へと消えて、空からジ・アースが現れた。

 

「プ、プラネットシリーズだと!?」

 

試験官がジ・アースを見て驚いた。

プラネットシリーズ・・・・・そう言えば昔はこれを含めて世界に1枚しか無いプラネットシリーズなんてカテゴリーがあったっていっていたな。今は量産しているけどあまり出回ってはいないらしいし。

 

「アースの効果!フィールドの《E・HERO》をリリースしてその攻撃力分、このカードの攻撃力に加える!Zeroをリリース!」

 

アースがZeroを吸収して身体の色が変わり両手にマグマみたいな剣を持った姿になる。

 

E・HERO ジ・アース 攻2500→5000

 

「さらにリリースしたZeroの効果!相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「何だと!?」

 

Zeroがリリースされた所から吹雪が吹いて、相手のモンスターを全て凍りつかせた。

 

「バトル!アースでダイレクトアタック!地球灼熱斬(アース・マグナ・スラッシュ)!!」

 

アースが背中のブースターで加速をして、試験官のDホイールを斬りつけた。

 

試験官 LP 4000→0

 

 

WIN スバル LOS 試験官

 

 

試験官のDホイールが止まり、俺もDホイールにブレーキを掛け、試験官の方に歩く。

 

「見事だ。試験は合格だろう」

 

「ありがとうございます!」

 

よっしゃ!!これで合格だぜ!!

 

 

スバル side out

 

 

奏 side

 

 

「あいつ・・・・・こんな時にあのコンボを決めるか?」

 

遊星さんの横で見ていた遊輝がボソッと呟いた。確かにあれは無いわね・・・・・スバルは試験とか試練の時に1killをしちゃうタイプなのかな?

 

「次は奏だぞ」

 

「分かっているよ」

 

遊輝に言われて、スタート脇に置いているアカデミア用のDホイール1台を押してヘルメットを被る。

 

「次も中等部の生徒か」

 

「よろしくお願い申し上げます」

 

「手加減はしない。全力で行くぞ!」

「こちらも」

 

「「スピード・ワールド2!!セットオン!!」

 

スピード・ワールドに支配されて、コース周辺の空が少し暗くなっていく。そして目の前にシグナルが現れる。

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

試験官 LP 4000 奏 LP 4000

 

シグナルが青になって飛び出した試験官と違って私のスタートダッシュは失敗してしまった。やっぱりスタートは苦手だな・・・・・

 

「どうした?そんなスタートだと合格出来ないぞ?」

 

分かっているよ。だから私は・・・・・

 

「そりゃ!」

 

「!?加速したままコーナーに突っ込むだと!?」

 

コーナーリングでスピードを落とさない練習と加速の仕方を特訓したんだから!!スタート地点よりもスピードを上げたままコーナーに差し掛かる。

「そのまま突っ込んだらスピンするぞ!」

 

「心配しなくて良いわよ!!」

 

そのままのスピードで第一コーナーを先に曲がる。このために練習をしてきたんだから!

 

「私の先行!ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

奏 SPC 0→1

試験官 SPC 0→1

 

「豊穣のアルテミスを召喚!カードを4枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 1枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

裏デッキでRD用のデッキの構築は難しいけど、パーミッションなら普段通りのデュエルが出来る!

 

「私のターン、ドロー」

 

試験官 手札 6枚

 

奏 SPC 1→2

試験官 SPC 1→2

 

「私はSPーエンジェル・バトンを発動!SPCが2つ以上ある時、デッキからカードを2枚ドローして手札を1枚墓地に送る!そしてブラッド・ヴォルスを召喚!」

 

「させないわよ!カウンター罠、キックバック!ブラッド・ヴォルスの召喚を無効にして手札に戻す!そしてアルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

奏 手札 1枚→2枚

 

「なら私はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

 

試験官 手札 4枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

最終コーナーを曲がって、もう一度スタート地点を横切る。Dホイールって乗っていたら凄く楽しい!!最初は恐かったけど慣れてしまったら凄く楽しい!!

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

奏 SPC 2→3

試験官 SPC 2→3

 

「神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

凄く眠たそうな顔をしてアースが出てきた。

 

『うぅ〜・・・・・眠いよ・・・・・』

 

「今、お話をしている余裕は無いから後でね」

 

『じゃあ寝てもいい?』

 

「ダメ。ケーキ挙げないよ」

 

『鬼〜〜・・・・・』

 

この前、アースと条約をつけて取り敢えず常日頃起きているようにした。もし破ったらケーキを挙げないという事も加えてね。

 

「アースの効果!デッキから創造の代行者 ヴィーナスを手札に加える!」

 

さて、いつもならここでライトニング・エンジェル・ドラゴンなんだけどここはダメージ優先で行こうかな?まだアルテミスには活躍して欲しいし。

 

「バトル!アースでダイレクトアタック!」

 

「伏せカード発動!聖なるバリアーミラーフォースー!」

 

「カウンター罠、トラップ・ジャマー!ミラーフォースの発動を無効にして破壊する!そして1枚ドロー!」

 

奏 手札 3枚→4枚

 

「バトル続行!アースでダイレクトアタック!」

 

試験官 LP 4000→3000

 

「続けてアルテミスでダイレクトアタック!」

 

試験官 LP 3000→1400

 

2体のモンスターの攻撃を受けた試験官のDホイールがバランスを崩し、さらに後退してしまう。う〜ん、あれだけドローしたのに手札にカウンター罠が1枚も無いわね・・・・・ここはあえてシンクロ召喚しないでおきましょうか。

「ターンエンド!」

 

 

奏 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

神秘の代行者 アース 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

試験官 手札 5枚

 

奏 SPC 3→4

試験官 SPC 3→4

 

「(少し危ないがこうするしか無いか)永続罠、スキルドレインを発動!」

 

スキルドレイン!?不味い!!今の私にあのカードを止めるカードが無いわ!

 

「ライフを1000払い、フィールドに存在する効果モンスターの効果は全て無効になる!」

 

試験官 LP 1400→400

 

「私は神獣王バルバロスを召喚!」

 

「させないわよ!カウンター罠、神の警告!!ライフを2000ポイント払って、神獣王バルバロスの召喚を無効にして破壊する!」

 

奏 LP 4000→2000

 

フィールドに現れたバルバロスに雷が落ちて消えてしまう。

 

「くっ・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

試験官 手札 3枚 LP 400 SPC 4

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

スキルドレイン

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 5枚

 

奏 SPC 4→5

試験官 SPC 4→5

 

・・・・・SP!!これで勝った!!

 

「スピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除いて、手札のSP1枚につき800ポイントのダメージを与える!私の手札にはSPか1枚!あなたに800ポイントのダメージを与える!!」

 

奏 SPC 5→1

 

試験官 LP 400→0

 

 

WIN 奏 LOS 試験官

 

 

Dホイールにブレーキをかけて、試験官のほうに行く。試験官もDホイールから降りてヘルメットを取っている。

 

「見事だ。スピード・ワールドを活かした勝利、君は間違いなく合格だろう」

 

「ありがとうございます」

 

「しかし最初は驚いたぞ。あのスピードで突っ込むとは」

 

「練習をしてきましたのでここでその成果が出ただけです」

 

「ふむ、これからもその向上心を忘れないように」

 

「はい!」

 

スバルに続いて、これで私もDホイールに乗れる!!

 

奏 side out

 

 

レミ side

 

「あいつガッツあるな・・・・・あのスピードでコーナーに突っ込むなんて俺には出来ないぞ」

 

「あの練習を人一倍していたからそのかいが現れたんだろ」

 

普段大人しい奏があんな大胆な事になるなんて・・・・・でも、スバルも奏も合格したんだ!私も合格しないと!!倉庫の近くに置いてあるDホイールに乗り込み、スタート地点まで走る。試験官は既にスタンバイしているみたいね。

 

「次は君だね」

 

「はい!全力で行きます!」

 

「良い構えだ。では」

「「スピード・ワールド2!!セットオン!!ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

レミ LP 4000 試験官 LP 4000

 

「ってあっ!?」

 

しまった!!スタートの時にブーストをするのを忘れてた!!スタートダッシュ出来なかった!!そのまま第一コーナーを試験官に取られてしまった。

 

「私のターン、ドロー」

 

試験官 手札 6枚

 

試験官 SPC 0→1

レミ SPC 0→1

 

 

「私は仮面竜(マクスド・ドラゴン)を守備表示で召喚!さらにカードを伏せターンエンド」

 

 

試験官 手札 4枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

仮面竜 守1100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

試験官 SPC 1→2

レミ SPC 1→2

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして、手札を1枚墓地に送る!そしてドラグニティーアキュリスを召喚!」

 

ドラグニティーアキュリス 攻1000

 

赤い身体に大きな角が特徴的なモンスターが出てきた。

 

「アキュリスの効果!召喚に成功した時、手札の《ドラグニティ》と名のついたモンスターを特殊召喚する!ドラグニティーレギオンを特殊召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

「その後、アキュリスは特殊召喚したモンスターの装備カードとなる!レギオンの効果!装備カードを1枚墓地に送って相手フィールドの表側表示のモンスターを破壊する!アキュリスを墓地に送って、仮面竜を破壊!」

 

レギオンがアキュリスを鳥のように飛ばし、仮面竜を破壊する。

 

「さらに墓地に送られたアキュリスの効果!その伏せカードも破壊!」

 

アキュリスが旋回して試験官の伏せカードも破壊する。

 

「(攻撃の無力化が)」

 

「SPーおろかな埋葬!SPCを2つ取り除いて、デッキからモンスター1体を墓地に送る!デッキからドラグニティアームズーレヴァティンを墓地に!そして、レギオンを墓地に送り、ドラグニティアームズーミスティルを特殊召喚!」

 

レミ SPC 2→0

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

「ミスティルの効果で墓地のアキュリスを装備!さらに装備カードを装備したミスティルをゲームから除外して、ドラグニティアームズーレヴァティンを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーレヴァティン 攻2600

 

ミスティルが消え、右手に大きな刃を備え付けたオレンジの身体の龍が飛び回ってきた。なんか凄くはしゃいでいる感じがするわね?久しぶりに出したからかな?

 

「レヴァティンの効果!墓地のブランディストックを装備!」

 

「いつの間にブランディストック・・・・・エンジェル・バトン!!」

 

「そうよ!これで終わりよ!!バトル!ドラグニティアームズーレヴァティンでダイレクトアタック!」

 

レヴァティンが大きな刃を使い、試験官のDホイールを斬る。

 

試験官 LP 4000→1400

 

「ぐぅううう!!!!!」

 

「装備されたブランディストックの効果!装備モンスターは1度のバトルで2回の攻撃が出来る!もう一度ダイレクトアタック!」

 

空に大きく上がったレヴァティンが旋回して、後ろから試験官を斬りつけた。

 

試験官 LP 1400→0

 

 

WIN レミ LOS 試験官

 

 

試験官のDホイールが止まるのを確認して、私もDホイールを止める。

 

「素晴らしかった。SPCが少ないなか見事にSPを使い分けていたよ。試験は合格だ」

 

「よし!」

 

これで私も大丈夫!!後は響だけね!!

 

レミ side out

 

 

響 side

 

 

ようやく私の出番だ!!こんなにもデュエルをしたい時に何で一番最後なのよ!!えっと、今まで合格したのは・・・・・レミとスバル、奏達だけだね。高等部の人は全員落ちたみたいね。

 

「響!みんな合格してるんだから、お前も合格しろよ!」

 

「任せといて!!この時のためだけに、嫌な勉強をしたんだから!」

 

「それでも1時間だけでしょ?」

 

「奏!!そこは言わない!!」

 

そこ言ったら、私が勉強したって思われないじゃない!!Dホイールに乗り既にスタート地点で待っている試験官の隣まで走る。

 

「君で最後の生徒だね」

 

「はい!」

 

「遠慮はせずに全力で来るんだぞ」

 

「「スピード・ワールド2!!セットオン!!」」

 

やっとライディングデュエルが出来る!!あっ、それと今回は試験用だから、純氷結界で行くから。まだヒーローを入れたギミックはもう少し先かな?

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

試験官 LP 4000 響 LP 4000

 

試験官と同時にDホイールを走り出す。よし!スタートダッシュは出来た!!このまま加速してコーナーに・・・・・

 

「そらよっと!」

「なっ!?」

 

試験官が私の乗っているDホイールをぶつけて先にコーナーを曲がる。

 

「卑怯だよ!」

 

「ライディングデュエルだとこれくらいの事は多々あるぞ!俺のターン!ドロー!」

 

試験官 手札 6枚

 

試験官 SPC 0→1

響 SPC 0→1

 

「ゴブリン突撃部隊を召喚!」

 

ゴブリン突撃部隊 攻2300

ゴブリン突撃部隊!?なんて古いカード使っているの!?うわ〜〜なんか懐かしい感じがするよ!

 

「俺はカードを3枚伏せてターンエンド!」

 

試験官 手札 2枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

ゴブリン突撃部隊 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「行くよ!私のターン!ドロー!!・・・・・っとと」

 

響 手札 6枚

試験官 SPC 1→2

響 SPC 1→2

 

勢いよくカードを引いたらちょっとバランスを崩してしまった。もう少し抑えた方が良いわね。

 

「氷結界の軍師を守備表示で召喚!」

 

氷結界の軍師 守1600

「軍師の効果!手札の氷結界の虎将 グルナードを墓地に送って、カードを1枚ドロー!私もカードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 2枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

氷結界の軍師 守1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

試験官 手札 3枚

 

試験官 SPC 2→3

響 SPC 2→3

 

「(ここはプレッシャーを与えておこう)ゴブリン突撃部隊をリリースして、偉大魔獣(グレートまじゅう)ガーゼットをアドバンス召喚!」

 

偉大魔獣ガーゼット 攻0

 

うわ〜〜本当に懐かしいカード!!ガーゼットなんか私テレビでしか見た事ないよ!!

 

「偉大魔獣ガーゼットの攻撃力はリリースしたモンスターの攻撃力の倍の数値となる!」

 

偉大魔獣ガーゼット 攻0→4600

 

「バトル!偉大魔獣ガーゼットで氷結界の軍師に攻撃!」

 

「リバースカードオープン!次元幽閉!ガーゼットをゲームから除外する!」

 

ガーゼットが軍師を殴るまえに、次元の穴が開く。

 

「甘い!リバースカードオープン!罠カード、トラップ・スタン!このカード以外の罠の発動を無効にする!よってガーゼットの攻撃は有効だ!」

 

ガーゼットが次元の穴を避けて、再び軍師に殴りかかろうとするが・・・・・

 

「!?な、何だと!?」

 

再び次元の穴が出来てガーゼットは吸い込まられてしまう。

 

「チェーンでカウンター罠、魔宮の賄賂!トラップ・スタンの発動を無効にして破壊する!!よって次元幽閉は有効!その代わり、あなたは1枚ドローするわ」

 

「くっ・・・・・ドロー!」

 

試験官 手札 2枚→3枚

 

「私はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

試験官 手札 2枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

「(私の伏せカードは奈落の落とし穴、攻撃の無力化、リビングデッドの呼び声!!高モンスターを出したら奈落、攻撃を仕掛けたら攻撃の無力化で防ぎ、次のターンでゴブリン突撃部隊を蘇生すればまだ挽回できる!)」

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

試験官 SPC 3→4

響 SPC 3→4

 

・・・・・よし!!勝った!!

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地から氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

背中に大きな氷の模様みたいな物を背負い氷の甲冑を被った戦士が現れた。

「リバースカードオープン!奈落の落とし穴!氷結界の虎召 グルナードを破壊してゲームから除外する!」

 

「速攻魔法!SPースピード・フォース!SPCが4つ以上ある時、私のフィールドのカードはこのターン、魔法・罠カードで破壊されない!」

 

「何だと!?」

 

奈落の落とし穴のカードがスピード・フォースから生まれた風によりかき消された。

 

「(だがまだ攻撃の無力化が!)」

 

「まずは氷結界の風魔団を召喚!」

 

氷結界の風魔団 攻1200

 

「さらにグルナードの効果!フィールドに存在する時、通常召喚に加えて《氷結界》と名のついたモンスターを召喚できる!チューナーモンスター、氷結界の術者を召喚!」

 

氷結界の術者 攻1300

 

さあ行くよ!!私が手に入れた第4の龍が!!

 

「Lv4の軍師と風魔団にLv2の術者をチューニング!」

 

「レベル10のシンクロモンスターだと!?」

 

☆4 + ☆4 + ☆2 = ☆10

 

「氷の洞窟の奥に封印されし隠された龍が、トリシューラの咆哮と共に共鳴する。悠然の心を持ち洞窟から突き抜けろ!シンクロ召喚!貫け!氷結界の龍 ロンギヌス!!!」

 

氷結界の龍 ロンギヌス 攻2300

光の輪の中に氷の薄い膜が貼られ、それを突き破って龍が出てきた。

頭には大きな氷の角があり身体は水で出来ているかのような透き通った青色である。翼を広げて優雅に舞う。

 

「な、何だこの龍は・・・・・」

 

「これが私の新しいモンスターだよ!ロンギヌスの効果!!シンクロ召喚時、シンクロ素材となったモンスターの数まで相手フィールドのカードを墓地に送る!」

 

「な、何だと!?墓地に送る!?」

 

「私はあなたの伏せカード2枚を墓地へ!アイス・ライジング!!」

 

ロンギヌスが2本の氷の矢を作り出し、試験官の伏せカードを貫いた。

これで安心して攻撃できる!

 

「バトル!氷結界の虎将 グルナードでダイレクトアタック!」

 

グルナードが試験官のDホイールの前に氷の矢を作る。乗り上げてしまった試験官はDホイールのバランスが崩れてしまう。

 

試験官 LP 4000→1200

 

「氷結界の龍 ロンギヌスでダイレクトアタック!フリージングウェーブ!!」

 

ロンギヌスが水を凍らせ、波乗りの要領で試験官に攻撃した。

 

試験官 LP 1200→0

 

 

WIN 響 LOS 試験官

 

 

いえーーーー!!!これでDホイールに乗れる!!

 

 

響 side out

 

 

遊輝 side

 

 

うわ〜〜・・・・・・・・・・なんつうカードを手にいれてんだよ。あのカード、スターダストを通り抜けれるじゃん。さすが氷結界の龍、期待を裏切らない極悪カード・・・・・

 

「これにて最終試験は終了する。今回の合格者は4人だ」

 

「いえーーーー!!!これでDホイールに乗れるよ!!」

 

「やったね!!」

 

「ほほっ、おめでとうございます」

 

後ろから声が聞こえたので、後ろを振り向くと・・・・・

 

「こ、校長!?」

 

校長先生がいた。その突然現れる事止めてくれないかな?心臓に悪いよ。

 

「中等部の生徒だけしか合格しなかったのは驚きでしたが」

 

「まあ、あいつらは違いますから」

 

「さすが優勝クラスのメンバーですね。では私からスペシャルプレゼントを言いましょう」

 

「スペシャルプレゼント?」

 

「WRGP・・・・・・・・・・ワールド・ライディング・デュエル・グランプリをご存知ですか?」

 

「WRGP?」

 

「聞いた事ある!確かネオドミノシティで行われる世界大会でしょ?」

 

「その通り。世界中のプロチームがここネオドミノシティに集まり、ライディングデュエルの世界一を競う大会です」

 

「へぇ〜」

 

「それで、その大会と俺たちと何の関係があるんだ?」

 

「あなた達4人をアカデミア代表として、WRGPに参加してもらおうと思います」

 

「・・・・・・・・・・へっ?」

 

「マジで!?」

 

WRGP参加・・・・・これを聞いて4人ははしゃぎ回る。それもそうか。世界大会に出れるんだから。

 

「凄いよ!!私達、世界のチームと戦えるよ!!」

 

「よし!!もっともっとDホイールの技術を上げないと!!」

 

「それでこのチームのリーダーですが・・・・・・・・・・遊輝君、お願いできますか?」

 

「へっ?俺?」

 

「はい、フォーチュン・カップ準優勝者で実力もありDホイールの経験もアカデミアで一番です。もちろん、断る事も出来ますが?」

 

う〜ん、このままチームが無かったら遊星のチームに入れて貰おうと思ったけど・・・・・まあいっか。

 

「良いですよ。リーダーを引き受けます」

 

「そうですか」

 

「リーダー!!よろしくね!!」

 

「いきなり早いな!!」

 

「ふっ、仲が良いな」

 

リーダーとしてみんなが受け入れる中、一人、奏が冷静にある事を言った。

 

「ねぇ・・・・・・・・・・私達、Dホイールを持ってないんだけど・・・・・」

 

「「「あっ・・・・・・・・・・」」」

 

この言葉を聞いて、3人は固まってしまった。

 

「そ、そうだよ。Dホイールが無かったら大会に参加出来ないよ」

 

「Dホイールどうするんだ?」

 

「校長先生、あの、Dホイールは・・・・・」

 

「ほほっ、それは自分達で買ってください」

 

「「「「えええーーーーーーーー!!!!!」」」」

 

そりゃそうだろ。いくら何でもアカデミアでDホイールを買える訳無いじゃん。アカデミアは教育の場なんだから。

 

「じゃあみなさん、頑張ってください」

 

「ちょ、ちょっと校長!?」

 

響の言葉を聞かずに校長は早足で帰っていった。

 

「ど、どうするのよ!?Dホイールって中古でも数十万はするのでしょ!?」

 

「そんなお金私たち持ってないよ!!」

 

「す、スバル!!スバルはDホイール作れる!?」

 

「出来るか!!!分解した物は組み立てれるけど、一から作れないわ!!」

 

「どうするのよ!?」

 

あはは、やっぱり慌てるよな。大会までは時間あるけど数十万のお金なんてそんな期間に集まらないだろうしな。取り敢えずこれは言っとかないと。

 

「合格おめでとう」

 

「今はそれどころじゃないよ!!」

 

「取り敢えず落ち着け。明日、噴水広場に来てくれる?」

 

「噴水広場?何でだ?」

 

「明日のお楽しみ。じゃあ、俺は遊星と書類の整理をして来るから」

 

「あっ、ちょっと待ってよ!!遊輝!!」

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

う〜ん、やっぱりDホイールは気持ち良いな〜〜。っとおったおった。

 

「ごめんごめん。遅れてしまったよ」

 

「何してるのよ?言った本人が一番遅れるなんて」

 

「Dホイールの調整をしていたからね。このまま遊星に点検して貰おうと思って」

 

「良いよな〜〜Dホイールを持っている人は私達の悩みを考えなくて!!」

 

「嫌味かよ・・・・・こっちに着いてきて」

 

Dホイールから降りて、みんなとあるガレージにつく。

 

「ここ?」

 

「そう。よいしょっと」

 

ガレージの前のシャッターを開ける。

 

「遊星〜〜、いる〜〜?」

 

「遅かったな」

 

中ではDホイールの整備をしていた遊星がいた。

 

「遊星さん!!こんな所にいたんだ!!」

 

「へぇ、結構広いガレージですね」

 

「ゾラから場所を借りているんだ。ここなら3人分のDホイールを置けるから」

 

「それより遊輝に遊星、あれなんだ?」

 

スバルが遊星のDホイールの隣にある大きなマントで隠された物に指を指す。

 

「これ?これはな・・・・・俺からの合格祝いだよ!!!」

 

ザバッ!!!

 

マントの近くまで行き、勢いよくマントを引っ張る。

 

「・・・・・・・・・・えっ?」

 

「Dホイール!?!?!?」

 

マントの下に会った4台のDホイールを見てみんなは驚く。奥から、緑・青・赤・黄を基調としており俺のモデルを基本としたDホイールだ。

 

「ど、どうしたの!?」

 

「校長先生に余っているDホイールが無いか聞いてみたら動けないDホイールが4台あるって言って、それだったらと思って譲って貰ったんだ。後は近くのジャンク屋で遊星と一緒に回ってパーツを譲ってもらい、組み立てたんだ」

 

「すっげぇぇーーーーーーーー!!!!!」

 

「これ、本当に私達に!?」

 

「あぁ、最初は馬力を落としてコントロールを重視した。もしスピードに慣れたら俺かスバルの所に行けば改造出来るようにしてある」

 

「やった!!!!!これでDホイールを・・・・・」

 

「世の中、そんな話が都合良く行く訳ねぇだろ」

「えっ?」

 

突然クロウが階段から降りて俺たちに向かって言った。

 

「ったく、遊星がお前らのDホイールで手いっぱいだったからこっちのエンジンの開発が遅れているんだよ」

 

「エンジンの開発?何でそんな事を?」

 

「昨日あったWRGPの話があるだろ?遊星達もあの大会に参加するんだ」

 

「そうなのですか!?」

 

実際問題そうなんだけどね。遊星は心良く引き受けたけど、ジャックとクロウが猛反対したから、だから報酬で晩飯作っていたんだけど・・・・・

 

「その話は終わったでしょ?」

 

「遊星が苦労して4台も組み立てたんだ。タダって訳にもいかないだろ」

 

「そんな事言ったって・・・・・お金は無いし・・・・・」

 

「お前らデュエリストだろ」

 

ジャックが反対側の扉から現れた。あ〜、何となく空気が読めてきた。

 

「デュエリストならデュエルで手にいれるんだな」

 

「お前らアカデミアの大会に優勝したんだろ?だったら・・・・・」

 

「デュエルで手にいれる・・・・・・・・・・望む所だ!!」

 

「ジャックと遊星にデュエルできる!!こんなチャンス滅多にないよ!!」

 

「あ〜あ、勝手に話が進んじゃって」

 

「そういうお前も楽しみなんじゃないのか?」

 

「遊星もでしょ?お互い様だよ」

 

「そうだな」

 

軽く笑う遊星につられて俺も笑ってしまう。俺たちは場所を変えて、噴水の前まで移動する。

 

「良いか?ルールはこっちに遊輝を入れた4対4の団体戦。そっちが勝ち越したらDホイールはタダでくれてやる。こっちが勝ち越したらDホイールの料金を払ってもらうぞ!」

 

「分かったよ!!」

 

「さてと・・・・・・こっちは誰が最初に行く?」

 

「ここは鉄砲玉のクロウ様に任せとけ!!」

 

クロウが自ら名乗りあげ、前に出る。向こうは・・・・・・・・・・奏か。これは見ものだな。BFの展開力か、奏のパーミッションか。

 

「俺の相手はお前だな?」

 

「クロウさんですね?」

 

「お前は奏だな?悪いが俺が勝つから!」

 

「私も譲れません!」

 

「デュエル!!」 「デュエル!!」




レミ「ライセンス取れた!!」

響「これでDホイールに乗れる!!」

スバル「ライディングデュエル、楽しかったよな!!」

奏「デュエルであんなに気持ち良かったの初めてだったよ!!」

遊輝「みんなライディングデュエルにはまったな」

スバル「あんな楽しい物を夢中にならないはずがないぜ!!」

レミ「でもまだDホイールが・・・・・」

奏「そのためのデュエルでしょ!!」

響「絶対に勝ってDホイールを貰うんだから!!」

遊輝「はいはい、オリカの紹介に行くよ」


氷結界の龍 ロンギヌス ☆10
水属性 ドラゴン族 攻2300 守1900
チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
①このカードがS召喚に成功した時、このカードのS素材となったモンスターの数まで相手フィールド上に存在するカードを選択して墓地に送る。




響「やっと出た!!!!ブリューナクに代わる氷結界の龍が!!」

レミ「みんなの期待を裏切らない極悪カードでした」

スバル「氷結界の龍 ロンギヌス ☆10のシンクロモンスター」

奏「効果は、ジャンク・デストロイヤーを《チューナーも数に加える》《破壊から墓地に送る》って変わったって思えばいいよ」

響「レベル10だけど、十分切り札になるカードだよ!!」

遊輝「即刻禁止にすべきだ!!」

「「「そうだそうだ!!!」」」

響「酷い!!!!」

レミ「次回はクロウさんと奏のデュエル」

奏「タイトルは【吹き荒れる黒い羽VS惑星の名の天使】」

遊輝「次回もよろしく!!」


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第59話 吹き荒れる黒い羽VS惑星の名の天使

最強カードの紹介!!!

遊輝「何回目だ・・・・4回目?」

多分それくらい。結構来ているもんなんだなぁ。

遊輝「そりゃレギュラーが15・6人じゃ20話くらいやればまた来るし」

それもそうだな。最強カードの紹介に行くぞ!!今回は黒い旋風!!インチキフェザーこと、BFのインチキカード、第一弾!!

遊輝「《BF》の召喚に成功した時、その攻撃力以下の《BF》と名のついたモンスターをサーチできる制限カードだ。元々ではないからダークゾーンや一族の団結で攻撃力を上げた場合、その攻撃力以下でサーチできるぞ」

ゲイルやブラストを持ってきてのさらなる展開、カルートで相手をビビららせる。・・・・・・・・・・など悪い事しかないBFのインチキカードだ!!!

遊輝「第59話、デュエルスタート!」


奏 side

 

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

奏 LP 4000 クロウ LP 4000

 

相手は遊星さんやキングだったジャックの仲間。と言う事はかなり強いはず。気を引き締めてかからないと。

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 6枚

 

良し!今日は手札がかなり良いよ!!

 

「豊穣のアルテミスを召喚!カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「行くぜ!俺のターン!」

 

クロウ 手札 6枚

 

「(パーミッションだがなんだか知らないが俺のBFにそんな物は関係ないぜ!)永続魔法、黒い旋風を発動!そして、BFー暁のシロッコを召喚!」

 

BFー暁のシロッコ 攻2000

 

黒い羽を羽ばたいた鳥人間が現れた。BF?聞いた事が無いわね・・・・・・・・・・

 

「こいつは相手にモンスターがいて自分にモンスターがいなかったらリリースなしで通常召喚できる!さらに黒い旋風の効果!《BF》と名のついたモンスターが召喚に成功した時、そのモンスターよりも攻撃力が低いモンスターをデッキから手札に加える!」

 

クロウさんの周りに羽が飛び回り、その中から1枚のカードが手札に加わった。

 

「この効果で俺は疾風のゲイルを手札にくわえるぜ。そして手札からBFー疾風のゲイルとBFー黒槍のブラストを特殊召喚!」

 

BFー疾風のゲイル 攻1300

BFー黒槍のブラスト 攻1700

えっ!?えっ!?モンスターが一気に3体も並んだ!?!?

 

「こいつらはフィールドに他の《BF》がいれば手札から特殊召喚できる!さらに手札からトラップ発動!」

 

「て、手札から罠!?」

 

「デルタ・クロウーアンチ・リバース!こいつは俺のフィールドに《BF》と名のついたモンスターが3体いたら手札から発動できる!相手の伏せカードを全て破壊する!」

 

「か、カウンター罠、盗賊の七つ道具!ライフを1000ポイント払って、デルタ・クロウーアンチ・リバースの発動を無効にして破壊する!」

 

奏 LP 4000→3000

 

デルタ・クロウーアンチ・リバースのカードが七つ道具によって破壊される。

 

「そしてアルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

奏 手札 2枚→3枚

 

「なら疾風のゲイルの効果!こいつは1ターンに1度、相手モンスター1体の攻撃力と守備力を半分にする!」

 

「うそっ!?」

 

豊穣のアルテミス 攻/守 1600/1700→800/850

 

疾風のゲイルが突風を吹かせてアルテミスが軽くひざまずく。何でこんなに強いカードばっかりなの!?

 

「バトルだ!黒槍のブラストで・・・・・」

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!黒槍のブラストの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了!さらにアルテミスの効果で1ドロー!」

 

奏 手札 3枚→4枚

 

「くっそ・・・・・メインフェイズ2に入って、Lv4の黒槍のブラストにLv3の疾風のゲイルをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!BFーアーマード・ウィング!」

 

BFーアーマード・ウィング 攻2500

 

漆黒の羽で覆われた何かがクルクルと周り上空につくと黒い身体をしたモンスターが現れた。

 

「こいつは戦闘で破壊されず、このカードによって発生するダメージも0だ!!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

クロウ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BFー暁のシロッコ 攻2000

BFーアーマード・ウィング 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

黒い旋風

伏せカード 1枚

 

 

・・・・・・・・・・何これ?モンスターが3体並んで手札から罠?おまけにシンクロモンスターは戦闘破壊されない・・・・・なんてひどいカテゴリーなの!!私、何もしていなかったら負けていたよ!!

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 5枚

 

天空聖者(エンジェルセイント)メルティウスを守備表示で召喚」

 

天空聖者メルティウス 守1200

 

「リバースカードオープン!トラップカード、ゴッドバードアタック!シロッコをリリースしてアルテミスとメルティウスを破壊する!」

 

「チェーンでカウンター罠、魔宮の賄賂!ゴッドバードアタックの効果を無効にして破壊する!」

 

「なにーーー!?!?」

 

ゴッドバードアタックのカードが魔宮の賄賂によって破壊される。

 

「その後、相手は1枚ドローする」

 

「くっ、ドロー!」

 

クロウ 手札 1枚→2枚

 

「アルテミスの効果で1枚ドロー!さらにメルティウスの効果発動!カウンター罠が発動する度に1000ポイント回復する!」

 

奏 手札 4枚→5枚

LP 3000→4000

 

「こっちのカードを止めただけでなくカードをドローしてライフを回復だと!?インチキコンボも大概にしやがれ!!」

 

「モンスターを3体も展開して罠カードを手札から発動したあなたに言われたくない!!!アルテミスを守備表示に変更!」

 

豊穣のアルテミス 攻800→守850

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 守850

天空聖者メルティウス 守1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 3枚

 

「BFー極北のブリザードを召喚!」

 

BFー極北のブリザード 攻1300

 

「永続魔法、黒い旋風の効果発動!デッキから大旆のヴァーユを手札に加える。極北のブリザードの効果発動!召喚に成功した時、墓地のレベル4以下の《BF》と名のついたモンスターを守備表示で特殊召喚する!BFー黒槍のブラストを特殊召喚!」

 

BFー黒槍のブラスト 守800

 

「Lv4の黒槍のブラストにLv2の極北のブリザードをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「漆黒の力!大いなる翼に宿りて、神風を巻き起こせ!シンクロ召喚!吹き荒べ!BFーアームズ・ウィング!」

 

BFーアームズ・ウィング 攻2300

 

右手に大きな銃みたいな物を持ったモンスターが現れた。どうせまた壊れた効果でしょう。だったら・・・・・

 

「カウンター罠、昇天の黒角笛!アームズ・ウィングの特殊召喚を無効にして破壊する!」

 

「なっ!?」

 

黒角笛がアームズ・ウィングの周りで鳴り響き、アームズ・ウィングが破壊された。

 

「アルテミスの効果で1ドロー!メルティウスの効果でライフを1000ポイント回復!」

 

奏 手札 3枚→4枚

LP 4000→5000

 

「くそっ・・・・・バトル!アーマード・ウィングでアルテミスに攻撃!ブラック・ハリケーン!」

 

アーマード・ウィングが黒い羽を竜巻のように起こして、アルテミスを破壊した。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

クロウ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BFーアーマード・ウィング 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

黒い旋風

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 5枚

 

・・・・やっとあのモンスターを対処できるカードが来た!!

 

「手札の力の代行者 マーズをゲームから除外して、マスター・ヒュペリオンを特殊召喚!」

 

マスター・ヒュペリオン 攻2700

 

マーズが天空へと昇って行き、惑星を身体の中央で循環させたマスター・ヒュペリオンが舞い降りて来た。

 

「レベル8のモンスターがいきなり出てきただと!?」

 

「マスター・ヒュペリオンの効果!墓地の豊穣のアルテミスをゲームから除外してアーマード・ウィングを破壊する!」

 

マスター・ヒュペリオンがアルテミスを中央の惑星に吸収して、アーマード・ウィングを破壊した。

 

「くっ!?アーマード・ウィングが!!」

「メルティウスを攻撃表示に変更してバトル!マスター・ヒュペリオンでダイレクトアタック!」

 

「トラップ発動!BFーバックフラッシュ!墓地に《BF》と名のついたモンスターが5体以上いて相手がダイレクトアタックしてきた時、相手のモンスターを全て破壊する!!」

 

「なっ!?」

 

ミラーフォースの《BF》版!?墓地にいた黒槍のブラスト、暁のシロッコ、疾風のゲイル、アーマード・ウィング、極北のブリザード、アームズ・ウィングの亡霊がマスター・ヒュペリオンとメルティウスに目掛けて突進し、破壊した。

 

「くっ・・・・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 5000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 3枚

 

「BFー蒼炎のシュラを召喚!」

 

BFー蒼炎のシュラ 攻1800

 

「黒い旋風の効果で月影のカルートを手札に加え、そのままシュラでダイレクトアタックだ!」

 

蒼炎のシュラが爪を出し、私を引き裂く。

 

奏 LP 5000→3200

 

「・・・・・っ、これくらい」

 

「ターンエンド!」

 

 

クロウ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BFー蒼炎のシュラ 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

黒い旋風

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 3枚

 

・・・・・ようやく来た!!

 

「フィールド魔法、天空の聖域を発動!」

 

フィールドが雲に覆われて私の後ろに神聖な神殿がそびえ立つ。

 

「チューナーモンスター、導きの代行者 プルートを召喚!」

 

導きの代行者 プルート ☆2 攻300

 

チェロを持った天使が出てきた。

 

「導きの代行者 プルートはフィールドに天空の聖域がある時、《代行者》と名のついたモンスターをもう1体だけ通常召喚できる!創造の代行者 ヴィーナスを召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「さらに創造の代行者 ヴィーナスの効果!500ポイント払うごとに神聖なる球体を特殊召喚できる!1500ポイント払って神聖なる球体を3体特殊召喚!」

 

奏 LP 3200→1700

神聖なる球体 攻500 ×3

 

「Lv2の神聖なる球体2体とLv2の導きの代行者 プルートをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

薄くはられた雲から一筋の光が降りてきて、いつもより輝きをましたライトニング・エンジェル・ドラゴンが舞い降りてきた。私の痣とクロウさんの痣が光りだす。

 

「シグナーの龍のご登場か・・・・・来いよ!!」

 

「はい!ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果!シンクロ召喚に成功した時、墓地のカウンター罠を手札に加える!この効果で攻撃の無力化を手札に加えて、さらにシンクロ素材となった導きの代行者 プルートの効果!エンドフェイズまでシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300→2600

 

「バトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンで蒼炎のシュラに攻撃!サンダー・アロー!」

 

「手札のBFー月影のカルートの効果発動!」

 

!!あれって黒い旋風で手札に加えたカード!!

 

「このカードを墓地に送り、蒼炎のシュラの攻撃力をエンドフェイズまで1400アップする!」

 

嘘でしょ!?BFのオネスト!?でも・・・・・

 

「カウンター罠、透破抜き!!月影のカルートの効果を無効にして、ゲームから除外する!」

 

「何ーーーーー!?!?」

 

蒼炎のシュラに近づこうとした月影のカルートが弾かれて遥か彼方に消えてしまった。

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2600

BFー蒼炎のシュラ 攻1800

 

クロウ LP 4000→3200

 

「続けて、創造の代行者 ヴィーナスと神聖なる球体でダイレクトアタック!」

 

クロウ LP 3200→1600→1100

 

「ぐぅ・・・・・・・・」

 

やっとダメージを与えられた。後はさっき加えたカードを伏せて・・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、ライトニング・エンジェル・ドラゴンの攻撃力は元に戻るわ」

 

奏 手札 0枚 LP 1700

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

神聖なる球体 攻500

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2600→2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 3枚

 

「(モンスターが来ないぜ・・・・・さっき、あいつが加えたのは攻撃の無力化だったな。ていう事はヴァーユを攻撃表示に出しても伏せがれる可能性があるのか。ここは守備表示で出しておくべきだな)BFー大旆のヴァーユを守備表示で召喚!」

 

「カウンター罠、キックバック!大旆のヴァーユの召喚を無効にして手札に戻す!」

 

「なっ!?手札に戻すだと!?(くそ!これじゃ墓地シンクロすらできない!!)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

クロウ 手札 2枚 LP 1100

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

黒い旋風

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 1枚

 

「このままバトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「まだ終わらないぜ!!リバースカード・・・・・!?発動できない!?」

 

「無駄よ!!ライトニング・エンジェル・ドラゴンがフィールドに存在する限り、カウンター罠以外の罠カードは発動できないわ!」

 

「カウンター罠以外の罠カードをが発動できないだと!?インチキ効果もいいかげんにしやがれ!!!」

 

「散々モンスターを展開して手札切れしていないあなたに言われたくない!!!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!!サンダー・アロー!!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴンが電気を帯びた矢を引き、クロウさんに放った。

 

クロウ LP 1100→0

 

WIN 奏 LOS クロウ

 

 

奏 side out

 

 

遊輝 side

 

 

デュエルが終わって5分経つのにまだ次のデュエルが行ってない。何でかって?あれを見たら納得できるだろ。

 

「何インチキ効果のシグナーの龍を持っていやがる!!!」

 

「散々モンスターを展開したんじゃない!!!!」

 

「なんだと!!!!」

 

「何よ!!!!」

 

奏とクロウの間に火花が飛ぶ。奏とクロウの口喧嘩が一向に収まらない。まさかあんな事になるとは・・・・・

 

「これ・・・・・止めた方が良いよね?」

 

次のデュエルをするためにスタンバイしていた響がこっちにきて止めるかどうかの判断を聞きにきた。

 

「止めた方がいいに決まっているだろ。どう考えたって後が続かない」

 

「だがどうやって止めるんだ?」

 

「あいつもあいつでヒートアップしているから簡単には止めれないぞ」

 

「ヒートアップしているなら冷やせばいい。響、あれ使って良いよ。俺公認」

 

「やった!!!!それじゃ・・・・・」

 

響が手のひらに何かを貯めている。と、その間に・・・・・

 

「遊星、ジャック、直ぐに離れろ」

 

「どういうことだ?」

 

「良いから離れろ」

 

「貴様!俺に命令するのか!?」

「離れないと痛い目に会うよ」

 

「・・・・・ジャック、ここは遊輝に従おう」

 

何かを悟ったのか遊星がジャックを引っ張って奏達から離れる。一方、スバルやレミも気づいたらしく奏達から離れていく。

 

「ウォーターフォール!!!!!!!!!!」

 

ザバーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!

 

クロウと奏の上からそれはそれは物凄い水量の水が落ちてきた。まるでナイアガラの滝を見ているみたいだ。そんな状態が5分続いて・・・・・

 

「はぁ〜〜疲れた!!!」

 

超笑顔の響がこっちに振り向いた。一方、奏とクロウは・・・・・・・・・・

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

ずぶ濡れのまま動かない。これはまた時間かかりそうだな。

 

「レミ、撤収作業。奏よろしく」

 

「分かったわ」

 

俺はクロウ、レミは奏を引きずりお互いのベンチまで戻る。

 

「・・・・・・・ハックション!!!」

 

クシャミをしてようやく目覚めるクロウ。

 

「・・・・(ブルブル)酷い目にあった!!!」

 

「着替えてきた方が良いよ」

 

「そ、そうだな。ちょっと着替えに戻るわ」

 

濡れた状態のままだと不味いので、着替えを勧めてクロウは一旦ガレージに戻る。さてと、次は・・・・・・・・

 

「次はジャックだね」

 

「クロウと格が違う所を見せつけてやる!」

 

ジャックが自信満々に行っていった。

自信満々なのは良いんだけど、あれの餌食にならなければ良いんだけどな〜。

 




奏「クシュン!」

遊輝「まだ着替えてないのかよ」

スバル「早く着替えないと風邪引くぞ」

レミ「じゃあ後でお着替えしよう!!」

奏「!!!(ま、不味い!!またあのマシンの・・・・)」

遊輝「・・・・(スバル、響。終わったら直ぐ逃げるぞ。絶対に振り向くな。止まるな)」

スバル「(おう)」

響「(イエッサー)」

レミ「さ〜てと・・・・」→準備を始める。

遊輝「オリカの紹介に行くぞ!!!」

奏「えっ!?」

スバル「今回は導きの代行者 プルート!!新しい代行者のチューナーだ!!」


導きの代行者 プルート ☆2 チューナー 〈オリカ〉
光属性 天使族 攻300 守300
①このカードがS素材としたSモンスターがS召喚に成功した時、エンドフェイズまでSモンスターの攻撃力を300ポイントアップする。
②フィールド上に「天空の聖域」が表側表示で存在する場合、自分は通常召喚に加えて「代行者」と名のついたモンスター1体を召喚できる。





響「シンクロ素材となったと時に、シンクロ召喚したモンスターの攻撃力はエンドフェイズまで300ポイント上がるよ!」

スバル「あと、天空の聖域があれば、通常召喚権に加えて《代行者》と名のついたモンスターを通常召喚できるぞ!!」

遊輝「以上、終わり!!!」

奏「み、みんな。早くない!?」

響「次回は私!!タイトルは【紅蓮なる閻魔龍VS清らかな水の龍】」

スバル「次回もよろしく!!」





遊輝「逃げるぞ!!!!」

スバル「おう!!!!!!」

奏「ま、待って!!!私一人にしないで!!!!」

響「奏ゴメン!!!また着せ替え人形になるのは嫌!!!」

奏「ひ、響!!!!」

レミ「さ〜てと、あれ?何でみんないないの?」←後ろに全自動着替えマシンスタンバイ

奏「み、みんなはね・・・・じゃあねレミ!!!」←逃げる

レミ「嵐風術〜ウイング・パペット〜!!!!」

奏「うわっ!!!!」←捕まえられる。

レミ「そりゃ!!!」←閉じ込める。

奏「た、助けて!!」←扉を叩くが開かない。

レミ「え〜と、奏といえば天使だよね。・・・・・・・・あった!!期間を1週間にして、青いボタンを押して、スイッチオン!!!!!」


〜数分後〜

奏「////////////」←左手に鏡のような盾、右手に矛、全身は白い1枚の布がドレスのようになっている。白のカツラに銀の王冠みたいな物。

レミ「うん!!!!《アテナ》で正解だ!!!奏の裏デッキにもあるし!!」

奏「///////は、恥ずかしいよ・・・・」

レミ「とりあえず1週間はそのままね!!」

奏「////(3人とも覚えておきなさいよ・・・・絶対に仕返しするから!!!)」


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第60話 紅蓮なる閻魔龍VS清らかな水の龍

最強カードの紹介。

龍亞「久しぶりの俺だせ!!」

いや〜、今回の話で一つ分かった事がある。

龍亞「何?」

ジャックって・・・・・・・・・・難しいね。

龍亞「・・・・・・・・・・作者から見たらでしょ?」

うん。俺、ああいうタイプを書くのはどうも苦手みたい。セリフに悩んだ。

龍亞「いつも適当に決めている作者が悩む!?暫く日照りだったし、前線がくるって言っているから2週間は大雨だ・・・・・」

おいこら!!俺だってちゃんと悩む時はあるんだよ!!それともう一つ。

龍亞「まだあるの?」

最近の悩み。本編より後書きの方が面白い気がする・・・・・

龍亞「・・・・・それはレミ姉ちゃんが暴走するからでしょ?そのきっかけ作っているの作者じゃん」

いや、別に良いんだけどさ、今回、顕著に出るんじゃね?本当に後書きの方がいっぱいあるし。

龍亞「それにはあのマシンを何とかしないと」

無理だな。俺も何処に隠しているか分からん。長々喋ったし、最強カードの紹介に行くか。

龍亞「今回はレッド・デーモンズ・ドラゴン!!ジャックのシグナーの龍だ!!」

別名、レモン。☆8のシンクロモンスターで攻撃力が3000もある!!

龍亞「守備表示モンスターを攻撃した時、相手の守備表示モンスターを全て破壊出来る!!」

その代わりに自分のエンドフェイズにこのカード以外に攻撃宣言していないモンスターは破壊されるよ。ぶっちゃけこの前出た閻魔竜の方がまだ使い勝手が良いようなするのは気のせいだろうか・・・・・

龍亞「第60話、デュエルスタート!」


響 side

 

 

気持ち良かった〜〜〜。あの技、みんなに禁止令出されて出来なかったんだよ。いや〜久しぶりに殺って良かったよ!!

 

「響、字が違う」

 

「えっ?合っているでしょ?」

 

「確かにあそこにフリーズした奴がまだいるけどさ・・・・」

 

スバルが噴水の前で固まっている奏を遠目で見る。いや〜、ほんっと気持ち良かった!!!さてと・・・・・・・・

 

「あなたとデュエルが出来て光栄です!ジャックさん!!」

 

私の目の前にいる人は不動遊星に倒されるまで無敗のキングであったジャック・アトラス。こんな人とデュエルが出来るなんて夢にも思わなかったよ!!

 

「お前が遊輝の仲間の一人か。遊輝がタダでDホイールを渡そうと考えいたそうだが、そう簡単にDホイールを渡したら困るな」

 

「遊輝がプレゼントで挙げようとしていたんだ!!絶対に貰うよ!!」

 

「ならば俺を倒す事だな。行くぞ!!」

 

「デュエル!!」 「デュエル!!」

 

響 LP 4000 ジャック LP 4000

 

「先行は譲ってやろう」

 

「ありがとう!私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「氷結界の水影を召喚して、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の水影 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

まずはこんな感じかな?元キングの1ターン目はどう出るの?

 

「行くぞ!俺のターン!」

 

ジャック LP 4000

 

「手札からバイス・ドラゴンを特殊召喚!」

 

身体が青紫で翼が緑のドラゴンが出てきた。

 

「このカードは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合手札から特殊召喚できる!その代わり、この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力と守備力は半分になるが」

 

バイス・ドラゴン 攻/守 2000/2400→1000/1200

 

「続いてチューナーモンスター、トラスト・ガーディアンを召喚」

 

トラスト・ガーディアン 攻0

 

これでレベルの合計は8、あのモンスターが来る!!

 

「Lv5、バイス・ドラゴンにLv3、トラスト・ガーディアンをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 

光の輪が赤く燃え上がり、赤い輪となり1点で回転していく。その輪がどんどんと大きくなっていき、その中から黒と赤を基調としたドラゴンが現れた。いきなり来た!!ジャックさんのエースカード!!

 

「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンで氷結界の水影に攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンに掌に赤い炎を作り出し、氷結界の水影にその炎をぶつけた。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

氷結界の水影 攻1200

 

響 LP 4000→2200

 

「ぐうぅぅ!これくらい!!」

 

「ふん、それくらいは耐えないと困るな」

 

「リバースカードオープン!ヒーロー・シグナル!デッキからE・HERO フォレストマンを特殊召喚!」

 

E・HERO フォレストマン 守2000

 

氷結界の水影が破壊された上空に〈H〉のシグナルが出来てフォレストマンが出てきた。

 

「ならばカードを3枚伏せターンエンド!」

 

 

ジャック 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

いてて・・・でもここから反撃だ!!

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 5枚

 

「スタンバイフェイズにフォレストマンの効果でデッキから融合を手札に加えるよ!そのまま融合!フォレストマンと手札の氷結界の虎将 グルナードを融合!氷の中より来たれ!E・HERO アブソルートZero!!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

マントを払い、Zeroか上からドンッとかっこよく落ちてきた。

 

「さらに氷結界の伝道師を召喚!」

 

氷結界の伝道師 攻1000

 

「伝道師の効果!このカードをリリースして、墓地から氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

 

「さらにグルナードはフィールドにいる時《氷結界》と名のついたモンスターをもう1度だけ通常召喚できる!氷結界の武士を召喚!」

 

氷結界の武士 攻1800

 

「どれだけモンスターを並べても俺のレッド・デーモンズには及ばない!!」

 

「甘いよ!!Zeroは自身以外の水属性モンスターの数だけ攻撃力が500ポイントアップする!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500→3500

 

「攻撃力3500だと!?」

 

「バトルよ!アブソルートZeroでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!フリージング・ブレード!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻3500

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 

ジャック LP 4000→3500

 

アブソルートがレッド・デーモンズを氷の剣で斬りつける。これでレッド・デーモンズは倒せる!!

 

「これで・・・・ってえ!?」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンがZeroの攻撃を受け止めた!?

 

「ぐぅ!!シンクロ素材となったトラスト・ガーディアンの効果発動!このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない!」

 

嘘でしょ!?あのチューナー、破壊態勢をつけるの!?

 

「その代わり、この効果を使用したシンクロモンスターの攻撃力と守備力は400ポイントダウンするがな!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻/守 3000/2000→2600/1600

 

攻撃力は下がるのね。これだったらグルナードで倒せる!

 

「氷結界の龍 グルナードでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!」

 

「二度も攻撃を食らうジャック・アトラスではない!!トラップカード、シンクロン・リフレクト!シンクロモンスターが攻撃対象になった時、その攻撃を無効にして相手モンスター1体を破壊する!」

 

「うっそ!?」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンの前に透明なバリアが張られ、グルナードの攻撃を受け止め、そのままグルナードに反射した。グルナードは突然の事で何も抵抗できずに破壊されてしまう。

E・HERO アブソルートZero 攻3500→3000

 

「くっ・・・・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 1枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

E・HERO アブソルートZero 攻3000

氷結界の武士 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ジャック 手札 2枚

 

「俺は紅蓮魔竜の壺を発動!カードを2枚ドローする!その代わり、俺は次のお前のターンが終わるまでモンスターを召喚・特殊召喚する事が出来ない!」

 

ジャック 手札 1枚→3枚

 

「永続トラップ、闇の呪縛を発動!アブソルートZeroの攻撃力を700ポイントダウンする!」

 

「なっ!?」

 

四方から飛んできた黒い鎖がZeroに絡みつき、身動きが取れなくなってしまう。

 

E・HERO アブソルートZero 攻3000→2300

 

「バトル!レッド・デーモンズよ!アブソルートZeroを破壊せよ!アブソリュート・パワーフォース!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2600

E・HERO アブソルートZero 攻2300

 

響 LP 2200→1900

 

「ぐうぅぅ!!アブソルートZeroの効果発動!このカードがフィールドから離れた時、相手のモンスターを全て破壊する!」

 

「速攻魔法、禁じられた聖衣!レッド・デーモンズの攻撃力をエンドフェイズまで600ポイント下げカード効果では破壊されない!」

 

何処から着た白い一枚の布が降りて着て、それを・・・・・・・・着た。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2600→2000

 

これでもレッド・デーモンズを破壊出来ない・・・・・・・・それにしても・・・・・・・・

 

「・・・・・・(ププッ、似合わないね(笑))」

 

あれ、どんなモンスターでも着るんだ!面白そう!!

 

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

ジャック 手札 1枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2000→2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

何とかしないと次のターンで負けてしまう・・・でも伏せカードで!

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 2枚

 

「リバースカードオープン!リミット・リバース!墓地から氷結界の伝道師を特殊召喚!」

 

氷結界の伝道師 攻1000

 

「氷結界の伝道師の効果発動!自身をリリースして、もう1度グルナードを特殊召喚!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

 

「このままバトル!グルナードでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2600

 

ジャック LP 3500→3300

 

「ぐっ!レッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃力と守備力を400ポイント下げ

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻/守 2600/1600→2200/1200

 

分かっていたけど本当にしつこい・・・このままだと武士を狙われるよね・・・仕方ない、苦肉の策だけど。

 

「氷結界の武士を守備表示に変更!氷結界の武士が攻撃表示から守備表示になった時、自身を破壊して1枚ドロー!」

 

響 手札 2枚→3枚

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 2枚 LP 1900

【モンスターゾーン】

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

リミット・リバース (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ジャック 手札 2枚

 

「シンクロ・ガンナーを守備表示で召喚!」

 

シンクロ・ガンナー 守0

「シンクロ・ガンナーの効果発動!自分フィールドのシンクロモンスターを次の俺のスタンバイフェイズまでゲームから除外して相手に600ポイントのダメージを与える!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴンが消えて、シンクロ・ガンナーが私に向けて球を発射する。

 

響 LP 1900→1300

 

「ぐぅ・・・」

 

「ターンエンド!」

 

 

ジャック 手札 1枚 LP 3300

【モンスターゾーン】

シンクロ・ガンナー 守0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

次のターンでレッド・デーモンズ・ドラゴンが帰ってくる・・・・・・ならこのターンで決めるまでだ!!

 

「E・HERO オーシャンを召喚!」

 

E・HERO オーシャン 攻1500

 

「さらにグルナードの効果でチューナーモンスター、氷結界の守護陣を召喚!」

 

氷結界の守護陣 攻200

 

「Lv4のオーシャンにLv3の氷結界の守護陣をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

上空に綺麗なオーロラが出来て、下に出来た氷に輝きが放たれる。薄く張られた氷がピキピキと割れていき、アイス・スプラッシュが出てきた。

 

「アイス・スプラッシュの・・・」

 

「この瞬間!手札のモンスター効果発動!」

 

「えっ!?」

 

「相手がモンスターを特殊召喚した時、手札からこのカードを守備表示で特殊召喚する!エクストラ・ヴェーラーを特殊召喚!」

 

エクストラ・ヴェーラー 守200

 

赤いマントを持った闘牛士みたいなモンスターがシンクロ・ガンナーの隣に現れた。まさか誘発して特殊召喚してくるなんて・・・・・・・・・ハンデスが使えなかったけど関係ない!

 

「バトル!氷結界の虎将 グルナードでシンクロ・ガンナーに攻撃!」

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!グルナードの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了させる!」

 

むう〜・・・・・・・・今、ジャックさんのライフポイントは3300だから・・・・・・・・・・伏せカードの和睦を使えば次のターンで決めれる。だったら!!

 

「アイス・スプラッシュ・ドラゴンの効果発動!!自分フィールドの水属性モンスターを1体選択して、そのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える!ウォーターフォール!!」

 

ジャックさんの上に大きな雲が出来る。これで・・・・・・・・・・

 

「キングは2歩先を行く!エクストラ・ヴェーラーの効果発動!」

 

えっ!?あのモンスターまだ効果があるの!?

 

「この効果で特殊召喚したターンに俺が効果ダメージを受ける時、その効果ダメージは全て相手が受ける!!」

 

「ゑ?」

 

エクストラ・ヴェーラーが上空に行き、赤いマントをひらりとはらって、今にも雨が落ちてきそうな雲がこっちに来た。

 

「・・・・・ていう事は!!!!」

 

ザバーーーーーン!!!!!!!

 

響 LP 1300→0

 

 

WIN ジャック LOS 響

 

 

 

響 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「キングは常に先を行く!!」

 

そう言ってジャックが決める。

さすが元キング!響のバーンを交わした!!しかしこれで2回目か・・・・・まだまだだな。あと6回はあれを受けて貰わないと。

 

「貴様!今、俺を侮辱しなかったか!?」

 

憤慨したジャックがこっちに詰め寄ってきた。何で人の心を読めるんだよ!!それに俺は間違った事を言ってないぞ!!元キングだろ!!

 

「落ち着けジャック」

 

「そうそう、勝ったんだし濡れて無いんだから良いんじゃねえか!」

 

「ふえ〜ん・・・・・」

 

向こうでまた情けない声を出して帰る響。順調にバーン返しが聞いているな。これからもっとしないと。

 

「次、俺と遊輝、どっちが行くんだ?」

 

遊星が次のデュエルに誰が出るか聞いてきた。そうだな・・・・・・・・・・

 

「遊星行く?俺、最後でも良いよ。みんなとは一度はデュエルしているし」

 

「そうか・・・・・じゃあ先に行くぞ」

 

デュエルデスクにデッキをセットして、遊星が前に出る。向こうは・・・・・・・・・・スバルか。融合とシンクロね。これまた楽しみだね。




遊輝「あれ?レミと奏は?」

響「そういえば見ないね。今日、この部屋に入ったの私達だけだし」

スバル「まぁ良いじゃねぇか。今日はあいつら休んだんだろ」

遊輝「さすが元キング・・・・レモンを使いまわしていたな・・・」

スバル「お前、レモンって・・・・」

響「私は酷い目にあったよ・・・あのカード、あんな効果があったんだ・・・」

遊輝「(まだまだ仕返しが足りないがな)」

スバル「次は俺!!憧れの遊星さんとデュエルだ!!」

遊輝「タイトルは【融合VSシンクロ! 星空に輝く龍と魂の龍!】」

響「次回もよろしく!!」






遊輝「本当に来なかったな」

スバル「今日、5人でやる日だろ?風邪でも引いたのかな?」

響「スバル〜。言わないでよ。ハクション!」

遊輝「・・・・・早く着替えろよ」←ドアノブに触れる。

バチッ!!!

遊輝「痛っ!!!何!?電気が流れている!?」

スバル「そんな筈無いだろ!?(バチッ!!!)痛って!!!」

響「な、何でドアノブに電気が流れているの!?!?」

奏「私がやったからだよ・・・・・」←笑っているが、目が笑ってない&周りに大量の雷雲

響「か、奏!?いつの間にいたの!?」

レミ「響〜〜、スバル〜〜、遊輝〜〜。お着替えの時間だよ!」←後ろに例のマシン

スバル「げっ!?全自動の着替えマシン!!」

遊輝「な、何で俺とスバルも何だよ!!濡れたのは響だけでしょ!!」

奏「前回、私を見捨てて逃げたのは何処の誰だったかな〜〜」

レミ「(奏って、物凄く根に持つタイプだね。まさか奏から言ってくるとは思わなかったよ)」

スバル「あ、あれは・・・・・」

響「わ、私、用事が・・・・・」

奏「私知っているんだよ〜〜。あの後、三人で楽しくデュエルしていた事を」

遊輝「ギクッ!」

奏「私一人見捨てた罰よ!!!!喰らいなさい!!!!!サラウンド・エレクトリック!!」

響「ちょっ!?雷雲がこっちに来るよ!!」

スバル「とりあえず逃げろ!」

奏「逃がさない!!!!エレクトリック・ガード!!」←3人の四方に電気バリア

遊輝「いって!?囲まれた!!」

奏「もう一度サラウンド・エレクトリック!!!!!」←雷雲が3人を囲み、外から見えない。

レミ「??奏、あれ何?」

奏「雷雲。中で3人が雷と闘っている」

レミ「(・・・・・恐ろしいや)」

響「いたーーーーい!!!!」

スバル「わっ!!こっちも来た!!!!」

遊輝「逃げる場所ねぇぞ!!!」

奏「フフッ・・・・・・トドメよ」

ドーーーーーーン!!!!!!←雲が晴れる

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

レミ「あ〜あ♪みんな黒焦げだ!まずは響ね。そらっ!」

響「・・・・・・・・・・・・」←気絶したまま閉じ込められる。

レミ「な〜にしようかな?・・・・・・・・・・・・これだ!!!スイッチオン!!!」


〜数分後〜

響「////////う、動きにくい・・・・・・」←着物のような服、右手にロープが繋がりその先に鏡がある。

レミ「氷結界の風水師よ!!」

奏「わー似合っているねー」←棒読み

レミ「次!!スバル!!!」

スバル「ちくしょう・・・・・・身体が動かねぇ・・・・・・」

レミ「そらっ!!・・・・・・・・・・・・スバルどうする?」

奏「スバルといえばE・HERO。でも・・・・・・あまり良いのがいないね」

レミ「そこなんだよね〜〜。だから趣向を変えて・・・・・・・・・・・・スイッチオン!!!!」


〜数分後〜

スバル「/////お、重い・・・・・・・・・・・・」←青い甲冑、右手に大きな大剣、下は布性

奏「カオス・ソルジャー〜開闢の使者〜だ!!!結構似合っている!!」

レミ「でしょう!?スバルにどうかな〜と思っていたけど、結構似合っていたね!!最後!!!一番の大物!!遊輝!!」

遊輝「・・・・・・・・・・・・」←匍匐前進で移動している。

レミ「エアー・ショット!!」

ズバン!!!

遊輝「・・・・・・(ブルブル)」←頭数cm横に行く。

レミ「誰がそこから動いて良いって言った?」←頭に銃の形をした手を当てる。

遊輝「・・・・・・・・・・・・」←両手を上げた。

レミ「よろしい。そりゃ!!」

遊輝「うわっ!!」

レミ「遊輝は・・・・・・実は面白いカードを見つけたんだ!!」

奏「へぇ〜、どんなカード?」

レミ「これこれ!!」

奏「・・・・・・凄いね!こんなカードあるんだ!!」

レミ「良し!!行くよ!!スイッチオン!!!!」


〜数分後〜

遊輝「///////////な、何でこんなのばっか・・・・・・」←紫の魔法使いみたいな帽子、同じく紫色をしたメイド服のようなドレス、右手に何故か巨大なフォーク、先端がお菓子

奏「すっごい・・・・・・わね・・・・・・さすが遊輝・・・・・・」

響「////こ、これ何?私、初めて見たカード何だけど・・・・・・」

レミ「マドルチェ・マジョレーヌっていうカード!!!これ見た瞬間、遊輝に着せてみたかったのよね!!」

遊輝「/////は、恥かしい・・・・・・」

奏「じゃあみんな、3週間頑張ってね」

「「「さ、3週間!?!?」」」

奏「文句ある?」←雷雲作る。

響「あ、ありません・・・・・・」

遊輝「(地獄だ・・・・・・)」


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第61話 融合VSシンクロ 星空に輝く龍と魂の龍

最強カードの紹介〜〜。

龍可「お久しぶりです」

ちょっと改定時期が前後してしまうけど、最新弾がこの改定していた時に正に発売になったんだ。

龍可「へぇ〜、それでパックを買ったの?」

いんや全然。

龍可「(ズコッ!)な、流れ的に買って何かが当たったていう話じゃないの・・・(汗)」

い〜や、俺基本的に発売前にリストをして欲しいカードが大量にあれば買うけど、あんまりなかったらシングルで済ますからね。そうして少しずつお金を節約しないと。

龍可「じゃあ何でこの話を振ったのよ」

気分(キリッ)

龍可「・・・・・・・・・」

最強カードの紹介に行こう!!

龍可「今回はドリル・ウォリアー。遊星が使っているシンクロモンスターの1体ね」

レベル6でシンクロ素材に「ドリル・シンクロン」の縛りがあるけど、クイックでOK!

龍可「攻撃力を半分にする事で直接攻撃をする事ができるわ。さらに、手札を1枚捨てて次の自分のターンのスタンバイフェイズまでゲームから状況できる」

この効果で滅多に破壊されない。さらにこの効果で戻ったら墓地のモンスターを回収出来るよ。一時期はクイックダンディとかでいれていたね。

龍可「第61話、デュエルスタート!!」


スバル side

 

 

いよっしゃ!!俺の出番だ!!しかも相手はあの遊星さん!!フォーチュン・カップで無敗だったキングを倒してしかもメカニックとしても超一流!!!そんな憧れの人とデュエル出来るんだ!!

 

「スバルが相手か」

 

「ええ!遊星さんとデュエル出来るなんて!」

 

「ふっ・・・・・・俺もお前とのデュエルは楽しみだぞ。遊輝から聞いたぞ。お前のお爺さんの事も」

 

「あっ、で「だが」

 

俺が爺ちゃんの事を言おうとした時、遊星さんが俺を止めた。

 

「俺はお前を1人のデュエリストとして戦う!」

 

「!!・・・・・・へっ、やっぱそうこなくっちゃな!!楽しいデュエルをしようぜ!!」

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル‼」

 

遊星 LP 4000 スバル LP 4000

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

「トライクラーを守備表示で召喚!」

 

トライクラー 守300

 

青い身体をして、車輪が2つ端についた乗り物が出てきた。

 

「カードを1枚伏せてターン・エンド」

 

 

遊星 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

トライクラー 守300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

テレビでフォーチュン・カップを見た時と遊輝からの情報で遊星さんのデッキは戦士族と機械族を中心にした高速シンクロ。だったら・・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

俺も高速融合で遊星さんに真っ向勝負を挑む!!

 

「魔法カード、増援!デッキからレベル4以下の戦士族モンスターを手札に加える!俺はE・HERO エアーマンを手札に加えて、そのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果でレディ・オブ・ファイアを手札に加え、魔法カード、二重融合!ライフを500払い、融合を2回行う事が出来る!」

 

「何っ!?」

 

「融合を2回行うカードだと!?」

 

スバル LP 4000→3500

 

「俺はまず手札に加えたレディ・オブ・ファイアとボルテックを融合!E・HERO ノヴァマスターを融合召喚!」

 

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

 

「さらにフィールドのエアーマンと手札のネクロダークマンを融合!E・HERO エスクリダオを融合召喚!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻2500

 

ノヴァマスターの横に黒い穴が開き漆黒の身体をしたモンスターが現れた。

 

「エスクリダオの攻撃力は墓地の《E・HERO》の数×100ポイントアップする!俺の墓地には4体のヒーローがいる!ダークコンセントレイション!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻2500→2900

 

「ほほう、攻撃力2600と2900のモンスターの融合モンスターを1ターンで2体ならべたか」

 

「ね、スバルは格別違うでしょ?」

 

「ああ!ああやって真っ正面からぶつかってくる奴は俺は好きだぜ!!」

 

・・・・・・クロウ、それはちょっと解釈が違うんじゃねえのか?まあ良いか。

 

「バトル!ノヴァマスターでトライクラーに攻撃!」

 

ノヴァマスターがトライクラーを殴り、粉々に壊す。

 

「トライクラーの効果発動!戦闘で破壊された時、デッキからヴィークラーを特殊召喚する!」

 

ヴィークラー 守200

 

リクルーターだったのか!?これじゃ戦闘ダメージを与えられないじゃないか!

 

「・・・・・ノヴァマスターの効果で1枚ドローして、エスクリダオでヴィークラーに攻撃!ダークディフュージョン!」

 

「ヴィークラーの効果!デッキからアンサイクラーを特殊召喚!」

 

アンサイクラー 守100

 

モンスター2回の攻撃を耐えただけじゃなくモンスターも残しただと!?やはり遊星さんはただじゃ済まないのか・・・・・・

 

「・・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「罠発動!トゥルース・リインフォース!デッキからレベル2以下の戦士族モンスターを特殊召喚する!スピード・ウォリアーを特殊召喚!」

 

スピード・ウォリアー 攻900

 

さらにモンスターを展開しただと!?俺のターンの始めよりもモンスターが増えてしまった!!

 

 

スバル 手札 2枚 LP 3500

【魔法・罠ゾーン】

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

E・HERO エスクリダオ 攻2900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

「チューナーモンスター、ドリル・シンクロンを召喚!」

 

ドリル・シンクロン 攻800

 

「Lv1のアンサイクラーとLv2のスピード・ウォリアーにLv3のドリル・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆2 + ☆3 = ☆6

 

「集いし力が大地を貫く槍となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!砕け!ドリル・ウォリアー!」

 

ドリル・ウォリアー 攻2400

 

ドリル・ウォリアーとスピード・ウォリアー、アンサイクラーが一つの光となって、大きなドリルを右手に備えたモンスターが地面の下から出てきた。攻撃力・・・・・・2400?一体何をするんだ?

 

「ドリル・ウォリアーは攻撃力を半分にする事で相手にダイレクトアタックができる!」

 

「なっ!?」

 

「ドリル・ウォリアーでダイレクトアタック!ドリル・シュート!」

 

ドリル・ウォリアーが大きなドリルを回転させて突っ込んできた。

 

ドリル・ウォリアー 攻2400→1200

 

スバル LP 3500→2300

 

「ぐうぅぅ!!」

 

「さらにドリル・ウォリアーのもう一つの効果!手札を1枚捨てる事で、次の俺のスタンバイフェイズまでゲームから除外する!」

 

ドリル・ウォリアーが地面に穴を開けて地下深くへと消えていった。わざわざ自分から除外?攻撃力がそうしないと戻らないのか?

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊星 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 3枚

 

これは・・・・・・モンスター出さない方が無難か。今のモンスターで一応、遊星さんのライフは削れるし。

 

「そのままバトル!エスクリダオでダイレクトアタック!」

 

「罠発動!くず鉄のかかし!エスクリダオの攻撃を無効にする!その後、このカードは再びセットする」

 

だああ!!!くず鉄のかかし!?!?ここでそのカード!?

 

「だったらノヴァマスターでダイレクトアタックだ!」

 

遊星 LP 4000→1400

 

「ぐっ・・・・・・」

 

やっとダメージを通せたぜ。ここまでの道乗りが以外と長かった。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 2枚 LP 2300

【モンスターゾーン】

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

E・HERO エスクリダオ 攻2900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 3枚

 

「スタンバイフェイズにドリル・ウォリアーは帰ってくる!」

 

地面に開けた穴からドリル・ウォリアーが帰ってくる。

 

「さらにこの効果で戻った時、墓地のモンスターを手札に加える!俺はスピード・ウォリアーを手札に戻す!」

 

そんな効果もあったのかよ!?だから除外したのか!!

 

「魔法カード、調律!!デッキから《シンクロン》と名のついたモンスターを手札に加えデッキをシャッフルした後、デッキトップを墓地に送る!俺はニトロ・シンクロンを選択!」

 

墓地に送られたカード

・ボルト・ヘッジホッグ

 

「チューナーモンスター、ニトロ・シンクロンを召喚!」

 

ニトロ・シンクロン 攻300

ガソリンタンクみたいなモンスターが出てきた。

 

「さらに魔法カード、ワン・フォー・ワン!この効果でスピード・ウォリアーを墓地に送りチューニング・サポーターを特殊召喚!」

 

チューニング・サポーター 攻100

 

「墓地のボルト・ヘッジホッグの効果発動!フィールドにチューナーがいる時、墓地から特殊召喚する!」

 

ボルト・ヘッジホッグ 攻800

 

ゆ、遊星さんのフィールドがどんどん埋まっていく!!本格的に動き始めたぞ!これで・・・・・・レベル5か?いや、チューニング・サポーターがいるから6もできるか・・・・・・

 

「さらに墓地のレベル・スティーラーの効果!」

 

「れ、レベル・スティーラー!?そんなカードいつの間に!?」

 

「ドリル・ウォリアーの効果だ。ドリル・ウォリアーのレベルを1つ下げて、このカードを特殊召喚する!」

 

ドリル・ウォリアー ☆6→☆5

レベル・スティーラー 攻600

 

あっという間にモンスターゾーンが埋まった!?

 

「さらにチューニング・サポーターはシンクロ素材とする時、レベル2のモンスターとして扱う事ができる!Lv1のレベル・スティーラーとLv2のボルト・ヘッジホッグとスピード・ウォリアーにLv2のニトロ・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆7

 

「集いし思いが、ここに新たな力となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!ニトロ・ウォリアー!」

 

ニトロ・ウォリアー 攻2800

 

4体のモンスターが1つとなり、緑色の身体で後ろにターボエンジンみたいな物をつけたモンスターが出てきた。

 

「チューニング・サポーターはシンクロ素材となった事で、ニトロ・シンクロンは《ニトロ》と名のついたシンクロモンスターの素材になった事でそれぞれ1枚ドロー!」

 

遊星 手札 1枚→3枚

 

あれだけモンスターを展開したのに、手札消費はたった1枚だけ!?すげぇ・・・・・・さすが遊星さん・・・・・・これだけのシンクロモンスターでも手札を切らさないなんて・・・・・・

 

「ドリル・ウォリアーの効果で攻撃を半分にしてダイレクトアタックの権利を得る」

ドリル・ウォリアー 攻2400→1200

 

「バトル!ニトロ・ウォリアーでノヴァマスターを攻撃!」

 

ニトロ・ウォリアーの後ろのターボに火がつき、加速してノヴァマスターを破壊する。

 

ニトロ・ウォリアー 攻2800

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

 

スバル LP 2300→2100

 

「ドリル・ウォリアーでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!ヒーローバリア!《E・HERO》が存在する時、1度だけ戦闘を無効にする!」

 

俺の前に風でバリアができ、ドリル・ウォリアーはそれに攻撃する。あぶな・・・・・・これで攻撃受けたら俺のライフもう900しかないぜ。

 

「ならばドリル・ウォリアーの効果で手札を1枚捨ててゲームから除外する。カードを2枚伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 0枚 LP 1400

【モンスターゾーン】

ニトロ・ウォリアー 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚 (くず鉄のかかし)

 

 

ふう〜・・・・・・楽しくなってきたぜ!!まさかあの場面からここまで持って来るなんて!!さすが遊星さんだ!!

 

「行くぜ!!俺のターン!!ドロー!!」

 

スバル 手札 3枚

 

・・・・・・良し!!最高のカードだ!!

 

「魔法カード、ヒーローの遺産!墓地にレベル5以上のHEROが2体以上いる時、デッキからカードを3枚ドローする!」

 

スバル 手札 2枚→5枚

 

これでこっちが大分有「リバースカードオープン!」なっ!?

 

「罠カード、逆転の明札!相手がドローフェイズ以外にカードを手札に加えた時、俺は相手の手札の枚数までデッキからドローする!」

 

「嘘だろ!?俺と同じ枚数!?」

 

遊星 手札 0枚→5枚

 

たった1枚のカードで手札0から5枚まで回復したよ・・・・・・でもやる事は変わらない!!

 

「E・HERO ザ・ヒートを召喚!」

 

E・HERO ザ・ヒート 攻1600

 

「ザ・ヒートは俺のヒーローの数だけ攻撃力が上がるけど今は関係ない!リバースカードオープン!速攻魔法、マスク・チェンジ!ザ・ヒートをリリースして変身!!M・HERO 剛火!」

 

M・HERO 剛火 攻2200

 

ヒートが炎に包まれて、赤い格好の鎧をした戦士が現れた。

 

「剛火は墓地のヒーロー1体につき、攻撃力が100ポイントアップする!」

 

M・HERO 剛火 攻 2200→2800

 

「さらに魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のボルテックとエアーマンをゲームから除外しE・HERO The シャイニングを融合召喚!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

「シャイニングも除外されている《E・HERO》の数×300ポイント攻撃力が上がるぜ!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

 

「そしてチューナーモンスター、E・HERO マッハ・ウィンドを特殊召喚!」

 

E・HERO マッハ・ウィンド 攻300

 

「チューナー・・・・・・来るか」

 

「Lv6の剛火にLv2のマッハ・ウィンドをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

『グオオオオォォ!!!!!!!』

 

空が暗くなり、満月が上がる。それに共鳴して地面が輝き始め、雄叫びを上げながらスピリット・ドラゴンが地面から出てきた。

 

「(今日は気合入っているな!!それもそうか!!こんなにワクワクする相手で気合を入れないはずがないもんな!!)」

 

「スピリット・ドラゴン・・・・・・か」

 

「スピリット・ドラゴンの効果発動!墓地の《HERO》と名のつく融合モンスターをゲームから除外する事で、次の相手ターンのエンドフェイズまでそのモンスターの攻撃力の半分を吸収し、さらに同じ効果を得る!」

 

「何!?」

 

「墓地のモンスターを吸収するだと!?」

 

「俺はノヴァマスターをゲームから除外!!スピリットドレイン!」

 

ノヴァマスターの魂がスピリット・ドラゴンの前に現れて吸収される。吸収したスピリット・ドラゴンはさらに雄叫びを上げる。

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→3500

 

「さらにエスクリダオの攻撃力も変わる!!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻2900→3000

 

これならたとえくず鉄のかかしで防がれてもライフを削り切れる!!

 

「バトル!シャイニングでニトロ・ウォリアーに攻撃!オプティカル・ストーム!」

 

「罠発動!くず鉄のかかし!」

 

ニトロ・ウォリアーの前に鉄で出来たかかしが出てきてシャイニングの攻撃を防ぐ。

 

「でもこれでくず鉄のかかしはもう使えない!!スピリット・ドラゴンでニトロ・ウォリアーに攻撃!フレア・アースシュート!!」

 

スピリットが身体を円の様に回転し、炎に包まれた球体をニトロ・ウォリアーに向けて放った。

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3500

ニトロ・ウォリアー 攻2800

 

遊星 LP 1400→700

 

「ぐっ!!」

 

「ノヴァマスターを吸収したスピリットの効果で1枚ドロー!これで終わりだ!!エスクリダオでダイレクトアタック!!」

 

ノヴァマスターの右手が赤く燃え上がって遊星さんに突っ込む。

 

「これで俺のか「リバースカードオープン!」なっ!?」

 

「カード・ディフェンス!手札を1枚墓地に送り、ダイレクトアタックを無効にする!」

 

「何だと!?!?」

 

しまった・・・・・・くず鉄のかかししか頭に入っていなかった・・・・・・

 

「その後、カードを1枚ドローする」

 

ぐっ・・・・・・落ち着け・・・・・・まだこっちが有利なんだ。手札には攻撃の無力化があるんだ。たとえ遊星さんがドリル・ウォリアーの効果を使って反撃してきても1ターンは耐えれる!

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 2枚 LP 2100

【モンスターゾーン】

E・HERO エスクリダオ 攻3000

E・HERO The シャイニング 攻3200

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3950

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

ドローしたカードを見て遊星さんの動きが止まった。一体何を引いたんだ?

 

「・・・・・・俺の勝ちだ!」

 

「勝利宣言!?」

 

「スタンバイフェイズにドリル・ウォリアーは帰ってくる!そしてドリル・ウォリアーの効果で俺はドリル・シンクロンを手札に加える!さらに手札のカードを2枚捨て、ビッグ・イーターを特殊召喚!」

 

ビッグ・イーター 攻800

 

レベル2のチューナー・・・・・まさか!?

 

「Lv6のドリル・ウォリアーにLv2のビッグ・イーターをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「集いし願いが、新たなに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

『ギャアアアア!!!!!!!』

 

「こ、これが・・・・・・スターダスト・ドラゴン」

 

星屑が一つになり満月に輝く空に放つ一つの星となり、スターダスト・ドラゴンが出てきた。すげぇ・・・・・・こんな綺麗なモンスターを生で見れるなんて・・・・・・

 

「この瞬間、リバースカードオープン!シューティング・スター!スターダスト・ドラゴンがフィールドに存在する時相手フィールドのカード1枚を破壊する!」

 

「は、破壊!?」

 

「俺は伏せカードを選択する!響け!シューティング・スター!」

 

スターダスト・ドラゴンが本当の流星のようになり、俺の伏せカードである攻撃の無力化を破壊した。

 

「スターダストのレベルを1つ下げ、レベル・スティーラーを特殊召喚!」

 

スターダスト・ドラゴン ☆8→☆7

レベル・スティーラー 攻600

 

「さらにドリル・シンクロンを通常召喚!」

 

ドリル・シンクロン 攻800

 

「Lv1のレベル・スティーラーにLv3のドリル・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!アームズ・エイド!」

アームズ・エイド 攻1800

 

スターダスト・ドラゴンの横に腕のような機械が出てきた。レベル4のシンクロモンスター?だけどまだノヴァマスターにも到達していない。どうやって・・・・・・

 

「アームズ・エイドは装備カードとして、モンスター1体に装備する事ができる!スターダスト・ドラゴンに装備!」

 

「装備!?」

 

アームズ・エイドの足みたいな部分が消えて、スターダスト・ドラゴンの腕と合体した。マジで!?あれ装備カードになるの!?

 

「そして装備されたモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→3500

 

「攻撃力・・・・・・3500!?!?」

 

「バトル!スターダスト・ドラゴンでスピリット・ドラゴンに攻撃!シューティング・ソニック!!」

 

「!?迎えうて!!フレア・アースシュート!!」

 

スターダスト・ドラゴンとスピリット・ドラゴンの攻撃が共にぶつかり、爆発する。何でわざわざ相打ちなんか・・・

 

「何で相打ちかは知らないけどスターダストは!?!?」

 

煙が晴れるとスターダスト・ドラゴンが悠然と構えていた。

「俺はバトルに入る前にビッグ・イーターのコストで捨てられたネクロ・ディフェンダーの効果を発動した」

 

遊星さんがポケットから1枚のカードを取り出して俺に説明し始める。

「ネクロ・ディフェンダーはこのカードを除外する事で次の相手のエンドフェイズまで、俺のモンスター1体は戦闘で破壊されず戦闘ダメージも0だ!!」

 

「ぐっ・・・・だけどまだライフは!!」

 

「アームズ・エイドの効果発動!!装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

 

えっ!?スピリットの元々の攻撃力は2200だから・・・・・・俺の負け!?アームズ・エイドを装備したスターダスト・ドラゴンがゆっくりと近づき、とどめのシューティング・ソニックを放つ。

 

スバル LP 2100→0

 

 

WIN 遊星 LOS スバル

 

 

スバル side out

 

 

遊輝 side

 

逆転の明札強ぇ・・・・・・そういえば同じ枚数だったな。まさかスバルのチートドローをこんな形で反映するなんて・・・・・・

 

「お疲れさん」

 

とりあえず遊星にねぎらいの言葉をかけないと。

 

「ああ、なかなか強かったな」

 

「その割にはずいぶんと余裕を持っていたじゃないかよ」

 

「あの程度で余裕が無いなど、遊星ではない」

 

「ジャックだったら直ぐピンチだけどな」

 

「何だとクロウ!!」

 

ジャックとクロウがもめ合いになってしまう。何でこうなるんだろう・・・・・・

 

「・・・・・・俺、行ってくるわ」

 

「・・・そうだな。最後は・・・・・・レミか」

 

「ああ。だからあのデッキでいく」

 

デスクに刺してあるデッキをデッキケースに戻し、もう一つのデッキケースを開けて、そのデッキをデスクにセットして、レミの前へと向かう。

 




【この3人のコスプレした日常生活ですがすぴばるの番外編で投稿しています。ハーメルンでは載せるつもりはないですが、もし載せて欲しいという要望が多数ありましたら載せようと思います。今回の後書きはその番外編での総括みたいな話をしています】


遊輝「・・・・・・・・・・・・」←マドルチェ・マジョレーヌのコスプレ

響「・・・・・・・・・・・・」←氷結界の風水師のコスプレ

スバル「・・・・・・・・・・・・・・・」カオス・ソルジャーのコスプレ

レミ「皆して、何しているのよ?」

響「・・・・・・いや〜〜、ほら」

スバル「俺ら、思った事があるんだ」

奏「?何を思ったのよ?」

遊輝「3週間って・・・・・・・・・・・めっちゃ長いな」

レミ「(ズルッ!)そんな事!?!?」

スバル「そんな事は無いだろ!!3週間も家に篭ってみろ!!退屈で仕方ないんだよ!!」

響「身体も動かせないし!!イライラするよ!!」

奏「その期間で勉強すれば良いでしょ?」

響「勉強なんて絶対にしない!!!!!」

レミ「またそう言って、天罰くるよ〜〜」

響「勉強なんかしなくも生きていけるよ!!!」

スバル「まあ良かった事は、毎日遊輝の料理を食べれた事だな」

響「私、魚が大好きになっちゃった」

スバル「俺も。野菜があんなに美味しく感じるだなんて初めて思った」

奏「遊輝の料理って、そういえば洋食が少ないんだよね?」

遊輝「専門が和食と中国料理だからな。洋食も作らないっていえば嘘になるけど」

スバル「何だったけ?ほら、なんか・・・・・・魚が上に乗っていて、酢飯と一緒に箱型にした・・・・・・」

遊輝「バッテラ?」

スバル「そうそうそれ!!!めちゃくちゃ美味かった!!」

【※バッテラ・・・・・・・・関西地方(特に大阪)で食べられている箱寿司と言われる一種。詳しくはwikiで】

響「あとはお好み焼きとたこ焼き。あんなにうるさいとは思わなかった・・・・・・」

レミ「??遊輝って・・・・・・出身どこ?」

遊輝「大阪」

奏「その割には・・・・・・標準語だね」

遊輝「4歳で引っ越したから。両親は二人共関西出身だけど」

スバル「あと、もう一つわかった事」

レミ「な〜に?」

スバル「遊輝がメイドにしか見えなかった」

グサッ!!!

響「それ私も思った。あんな服に着せられて家事をしているし、龍亞君達の面倒も見てたし。どっからどう見ても雇われたメイドさんにしか見えなかった」

グサッ!!!グサッ!!!

遊輝「・・・・・・・・・・・・裏切り者(ボソッ)」←凹んでいる。

スバル&響「「事実だろうが(でしょ)」」

遊輝「・・・・・・・・・・・・」←ひざまずく

奏「・・・・・・じ、次回は最終戦。遊輝とレミのデュエルだよ」

レミ「タイトルは【共演!!光子と時空の名を持つ2体の銀河!!】」

スバル「次回も頼むぜ!!」

響「あと3日で着替えられる!!!」

遊輝「・・・・・・・・・・・・」








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第62話 共演!!光子と時空の名を持つ2体の銀河!!

最強カードの紹介!!今回はこの人!!

遊星「うるさいぞ。大人しくしろ」

だってかなり久しぶりの改定だから。忙しかったんだからな。(改定時期)

遊星「テストが重なっただけなんだろ?」

あれはいじめだよ。はいはい。それじゃ最強カードの紹介に行こう!!

遊星「今回はNo,107 銀河眼の時空竜」

アニメでバリアン七皇のギャラクシーアイズ使い、ミザエルが使うエースモンスターだ!!

遊星「自分のバトルフェイズ開始時にエクシーズ素材を1つ取り除くことで、このカード以外の表側表示で存在する全てのモンスターの効果を無効化にし、さらに攻撃力と守備力を元々の数値に戻す」

一種のスキドレみたいな役割を果たすよ。攻撃力が上がった相手モンスターなども元々の攻撃力になるから、力技でねじ伏せれる!

遊星「また、この効果を適用したバトル中に相手が何らかのカード効果を使う度に、攻撃力が1000ポイントアップ、2回攻撃を得る事が出来る」

相手が複数枚発動しても、攻撃力アップはその都度だが、2回攻撃は変わらないぞ。

遊星「第62話、Dホイールを掛けた遊輝とレミの最終デュエル!」


遊輝 side

 

 

「ふわぁ〜〜。しかし眠みぃな〜〜。結構待たされたし、しゃあないか」

 

大きな欠伸をして目をこする。動かしていないと身体が怠けて眠くなってしまうよ。さてと・・・・今の所、こっちが2勝で向こうが1勝ってところか。う〜ん、こっちが勝ったらあいつらDホイールの代金払うんだよな。まあデュエルに私情をはさめないし、そんな事言ってられないけど。

 

「遊輝!!」

「うん?何?」

 

欠伸をもう一度したところで向こうに対しているレミが話しかけてきた。

 

「まさかあんたとこんな形でデュエルするなんてね」

 

「そういえばレミとのデュエルはフォーチュン・カップの時からほとんどしてなかったな」

 

「あんたも忙しかったし、私も私で部活やら文化祭やら色々と手が回ってやれなかったからね。だから今回のデュエル、私にとってはリベンジなのよ!!」

 

「ほぉ〜〜。じゃあこのデッキでいかしてもらうぞ。(まあ最初からこのデッキで行くつもりだったけど)」

 

俺はデッキトップをめくりカードを確認してから、そのカードをレミに見せる。俺がめくったカード、それは・・・・・

 

「銀河眼の光子竜・・・・・プラチナ・・・・ということは」

 

「そう・・・・・聖刻だ」

 

フォーチュン・カップでレミ相手に1killデビューを飾った聖刻龍デッキ。分かっていた事だけど、こっちの世界だとあまりにも1killの成功率が高いから出来る限り使わないようにしている。だが、向こうがリベンジって言うならば使わないといけないよな。プラチナのカードを見たレミが待っていたかのように目を鋭くさせ、闘志を燃やしている。

 

「言っておくが手加減はしないぞ?」

 

「当たり前よ!そのデッキに破れたんだからそのデッキでリベンジしないと!!今回はフェザーもいるし、勝たせてもらうよ!!」

 

「こっちも最近新たなカードを手に入れたからな〜。そのカードの力も借りて勝ちにいく!!」

 

プラチナのカードを再びデッキに戻しオートシャッフルのボタンを押し、デッキがシャッフルされる。そしてシャッフルが終わるのを確認すると、レミと対峙する。

 

「行くぞ」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 レミ LP 4000

 

「先行は貰うぜ!ドロー!!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・よっしゃ!!一時休戦!!最高の手札だ!!

 

「魔法カード、一時休戦!お互いにカードを1枚ドローして、次の相手ターンの終了まで全てのダメージを0にする!」

 

「出たわね・・・・時間稼ぎとパーツ集めのドローカード・・・・」

 

遊輝 手札 5枚→6枚 レミ 手札 5枚→6枚

 

「・・・Wow、めっちゃついてる」

 

「・・・・何引いたのよ?」

 

「その前に魔法カード、召集の聖刻印!デッキから《聖刻龍》と名のついたモンスターを手札に加える!デッキから聖刻龍ートフェニドラゴンを加えるよ」

 

「・・・・・『次のターンに動くよ』と言っているようなものね」

 

「まあそうだね。で、カードを1枚伏せてさっき引いたカードカー・Dを召喚して効果発動。このカードをリリースしてカードを2枚ドローしてエンドフェイズになるっと。ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「・・・・・・・・」

 

「めっちゃ良い1ターン目だな」

 

「3枚ドロー・1枚サーチ、おまけにこのターンは絶対にダメージ受けない」

 

「レミ負けたね」

 

「あああ!!!私のターン!!ドロー!!」

 

レミ 手札 7枚

 

うんうん、めっちゃ焦っている。これは勝つる。

 

「(どうすれば良いのよ!!モンスター出してもダメージ与えられないし!!次のターンにボコボコにされ・・・・ん?モンスター・・・・・!!!!そうだ!!!)」

 

「(うん?何か思い浮かんだのか?)」

 

「魔法カード、調和の宝札!手札のドラグニティーコルセスカを墓地に捨てて2枚ドロー!さらにおろかな埋葬!デッキからドラグニティーファランクスを墓地に送る!」

 

よしよし、順調に墓地を肥やしている。このままモンスターを出して「カードを2枚伏せてターンエンド!」・・・・・・・へっ??

 

 

レミ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「・・・・・エンドっすか?」

 

「うん、ターンエンド」

 

「マジかよ(狂った・・・(汗))ドロー・・・」

 

遊輝 手札 7枚

 

「おっしゃ遊輝!!チャンスだ!!今の内に倒せ!!」

 

「いやクロウ、このターンは無理だ」

 

「何でだ?相手にモンスターがいねぇんだぞ」

 

「ふん、何も知らないとは。聖刻龍はそのほとんどが半上級モンスターで固められているデッキだ」

 

「半上級モンスター!?てことは通常召喚するモンスターがほとんどねぇのかよ!!」

 

「ああ。だからこそ、相手にモンスターを出す計算でさっきのターンにトフェニドラゴンを手札に加えたのだが・・・・」

 

「一時休戦を発動したのがミスだな。もしくは召集の聖刻印の時に妥協召喚するモンスターを手札に加えるべきだったな」

 

ジャックの言う通りだな・・・・・くそぅ。いつも通りにモンスターを出してくれると思ったからな・・・・・アセトドラゴンを加えるべきだったか・・・・

 

「・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「じゃあ私のターン!!ドロー!!」

 

レミ 手札 4枚

 

「(よし!)フィールド魔法、竜の渓谷!」

 

レミがフィールドゾーンに竜の渓谷をセットすると、フィールド全体が夕日のかかった大きな谷に変わって行った。・・・・・これは本当に不味い。完全に流れが向こうに傾いている。

 

「竜の渓谷の効果!手札のドラグニティアームズーレヴァティンを墓地に送って『ドラゴン族を墓地に送る』を選択!!デッキからドラグニティーアキュリスを墓地に送ってターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷

伏せカード 2枚

 

 

「(まだ動かねぇのかよ・・・)俺のターン、ドロー」

 

遊輝 手札 7枚

 

手札が溢れてしまった・・・・・これどうすれば良いんだ?

 

「・・・・・・ターンエンド。エンドフェイズに手札が6枚にしなくちゃいけないから手札の神龍の聖刻印を墓地に送る」

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

レミ 手札 3枚

 

「(来た!)竜の渓谷の効果発動!竜操術を墓地に送って、『Lv4以下の《ドラグニティ》と名のついたモンスターをサーチ』を選択!デッキからドラグニティードゥクスを手札に加える!そしてそのまま召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

レミの隣にドゥクスが現れる。やばい・・・動いてきた。伏せカード2枚ともブラフだから何も妨害できない。

 

「ドゥクスの効果で墓地からLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを1体装備する!墓地のファランクスをドゥクスに装備!ファランクスの効果発動!装備から解除して特殊召喚!」

 

『・・・・・・・・・・・』

 

ドラグニティーファランクス 攻500

相変わらず無口なファランクスがドゥクスの肩から離れてレミの前に出る。いつもいつもご苦労なことだ・・・・・

 

「さらにファランクスを墓地に送って、手札からドラグニティアームズーミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

「ミスティルはフィールドの《ドラグニティ》を墓地に送る事で特殊召喚出来る!さらに、墓地から《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターを1体装備する!またファランクスを装備して、ファランクスの効果で特殊召喚!」

 

「(こいつ、このターンで終わらせるつもりか!?)」

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

「ヴァジュランダの効果!シンクロ召喚時、墓地からLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスターをこのカードに装備!またまたファランクスを装備して、特殊召喚!」

『・・・・・・・・・・』

 

本日3度目の登場のファランクスさん。相変わらずの過労死。だが息切れもせず、ただひたすら墓地に行ったり、装備されたり、フィールドに出る事を無言で繰り返す。何というか・・・・・・本当にご苦労様です。

 

「そしてLv6のヴァジュランダとLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

西日のさす竜の渓谷の間に突風が吹き始め竜巻が起こる。上空へと昇る竜巻の中からフェザーが身体をクルクルと回転させながら現れた。やっべ〜・・・・切り札出ちゃった・・・・あいつ、地味に対処しにくいんだよ・・・・

 

「フェザー・ウィング・ドラゴンの効果!シンクロ召喚時、墓地のドラゴン族モンスターを任意の枚数装備する!墓地のファランクス、アキュリス、コルセスカを装備!」

 

フェザーの咆哮で地面に穴が開き、ファランクス、続いてアキュリスとコルセスカがフェザーにくっついていく。

 

「さらにフェザーのもう一つの効果!墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻して、フィールドのカード1枚を手札に戻す!墓地のドゥクスをデッキに戻して左側の伏せカードを手札に!ウィンドセプション」

 

フェザーがドゥクスの霊を宿し、翼を羽ばたかせ再び突風が吹き荒れて左側の伏せカードが飛ばされてしまった。別に使われても使われなくても、この伏せカードブラフだし・・・・・それに・・・・・

 

「これで勝ち!!フェザー・ウィング・ドラゴンでダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!!」

 

相変わらずちょっと詰めが甘いな!!!

 

「手札の速攻のかかしの効果発動!!」

 

「!?しまった!!」

 

「手札のこのカードを墓地に捨てて、ダイレクトアタックを無効にしバトルフェイズを終了させる!」

 

俺の前に機械でできたかかしが出てきてフェザーの攻撃を受け止める。

 

「残念でした。このデッキの防御手段は手札からなのに忘れたの?」

 

「(・・・・・・・忘れてた)」

 

『その顔、忘れてたって言ってますね』

 

「そんな事言わなくていいよ・・・・ターンエンド」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷

伏せカード 2枚

ドラグニティーファランクス (フェザー)

ドラグニティーアキュリス (フェザー)

ドラグニティーコルセスカ (フェザー)

 

 

さ〜てと、やっとモンスターを出してくれた。一気にこのターンで決めるか!!

 

「俺のターン!ドロー!!」

 

遊輝 手札 7枚

 

「行くぞ・・・・・・聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

後ろからトフェニドラゴンが身体を輝かせながら颯爽と飛んでくる。

 

「くっ・・・・・動いてきたわね。来なさいよ!耐えてみせるわ!」

 

「言ったな!トフェニドラゴンをリリースして聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

「リリースされたトフェニドラゴンの効果発動!手札からエレキテルドラゴンを攻守を0にして守備表示で特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン 攻/守 2500/1000→0/0

 

「さらにシユウドラゴンの効果!手札からもう1枚シユウドラゴンをリリースして、竜の渓谷を破壊する!」

 

「!?竜の渓谷を!?」

 

シユウドラゴンが羽ばたき、フィールドの深い谷が消えていく。

 

「・・・っ!!まさか竜の渓谷を狙うなんて!!」

 

「あとあとの事考えたら、竜の渓谷を破壊するのが1番だからな!!さらにリリースされたシユウドラゴンの効果で、今度はデッキからエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン 攻/守 2500/1000→0/0

 

シユウドラゴンの身体が光り、その中から電気に帯びた龍が現れる。

 

「Lv6のエレキテルドラゴン2体でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

エレキテルドラゴン2体が地面に出来た穴に吸い込まれていき、その中からアトゥムスが現れた。

 

「アトゥムスの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ使って、デッキからドラゴン族モンスターを攻守を0にして特殊召喚する!現れろ!銀河を宿いし光の龍!銀河眼の光子竜!!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

銀河眼の光子竜 攻/守 3000/2500→0/0

 

アトゥムスの咆哮が鳴り響き、上空が一瞬だけ爆発する。その爆発した所から銀河が龍の形を思わせながら誕生し始めてプラチナが姿を表した。

 

「出たわね。プラチナ・・・・・プラチナを倒してこそそのデッキに勝つ意味があるからね」

 

『そう言ってもらって嬉しいです。ですが、私も手を抜きませんよ?』

 

「あったりまえだろ!!デュエルは常に全力でやらないと!!フィールドのアトゥムスをゲームから除外して、レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

 

アトゥムスがフィールドから離れて、代わりに鋼の翼を持ったレッドアイズが空から舞い降りてきた。

 

「レダメの効果発動!墓地から神龍の聖刻印を守備表示で特殊召喚!」

 

「?神龍の聖刻印?」

 

神龍の聖刻印 守0

「なんでそっちを出したの?シユウドラゴンを出せば、ランク6のモンスターでホワイトを出せるでしょ?」

 

「ちょっと今回は訳ありなんだよ。魔法カード、ギャラクシー・クィーンズ・ライト!自分フィールドのLv7以上のモンスター1体を選択して、俺のモンスターは選択したモンスターとエンドフェイズまで同じLvにする!俺は神龍の聖刻印を選択!!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン ☆10→☆8

聖刻龍ーシユウドラゴン ☆6→☆8

 

「・・・・・まさか、プラチナの進化?」

 

「ち〜が〜う〜!!そっちも出せるけど、今回はこっちだ!!Lv8となったシユウドラゴンと神龍の聖刻印でオーバーレイ!!」

 

☆8 × ☆8 = ★8

 

今度は大空に大きな穴が開き、シユウドラゴンと神龍の聖刻印が吸い込まれていき、その中から時空が流れていそうなちょっと変な空間が金色に輝き、爆発する。

 

「な、何!?眩しい!!」

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!時空の名を持つ銀河よ!今こそこの地に舞い降りて、宇宙を轟かせる雄叫びをあげろ!!エクシーズ召喚!オーバーハンドレッド・ナンバーズ!!No,107!!銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)!!」

 

No,107 銀河眼の時空竜 攻3000

 

時空の歪みみたいな所から赤と青の宝石をつけた黒い四角錐が降りてきて、そいつが変形し機械で出来ているような身体をした漆黒の龍がプラチナの隣に現れた。翼の内側には『107』と刻印されている。

 

『ギャアアアアァァァ!!!!!!!!』

 

「な、何これ・・・・・・ギャラクシーアイズ!?しかも107のナンバーズ!?」

 

「こいつは普段使っているナンバーズとはちょっと違うんだよ。ナンバーズ自体、100枚しかなかったはずだけど」

 

『オーバーハンドレッド・ナンバーズ・・・・・向こうの世界だとドン・サウザンドというボスが人間達に憎しみをもたらし、その者をバリアン世界に導くためのカード』

 

「そうだな。もっともこいつにはそんな力がねぇけど。さてと、バトルと行こうか!この時タキオン・ドラゴンの効果発動!」

 

「この瞬間!?」

 

「オーバーレイ・ユニットを1つ使う事でこのカード以外の表側表示で存在する全てのモンスターの効果は無効になる!」

 

「!?」

 

「さ・ら・に!!無効化になったモンスターの攻撃力と守備力は元の数値に戻る!!頼むぜタキオン・ドラゴン!タキオン・トランスミグレイション!!」

 

No,107 銀河眼の時空竜 OVR 2→1

 

タキオン・ドラゴンが登場時と同じ四角錐の姿に戻って、フィールド全体に時空の流れみたいなものができて、時間を遡っていく。この効果を受けたフェザーとミスティルが身体が黒くなっていき、逆にプラチナは身体から消えていた光が戻り始めた。

 

銀河眼の光子竜 攻/守 0/0→3000/2500

 

『か、身体が・・・・・重い・・・・・』

 

『こっちは逆に力が漲ってます。まあ、私も効果を使えない事に変わりはないのですが』

 

「そこがちょっと使いがってがね。でもフェザーの効果を防ぐためにはこうするしかないし。まずはレダメでミスティルに攻撃!ダークネスメタルフレア!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

レミ LP 4000→3300

 

「ぐうぅぅぅ!!!」

 

「次!プラチナでフェザーに攻撃!破滅のフォトン・ストリーム!」

 

「トラップ発動!強制脱出装置!!プラチナには手札に帰って貰うわ!!」

 

プラチナが攻撃する瞬間に空から謎の機械が落ちてきて、プラチナが吸い込まれ何処かに飛ばされた。・・・・良くあんなちっちゃい機械がプラチナサイズのドラゴンを吸い込んだな。

 

「これであんたのこのターンの勝利はなくなったわね」

 

「・・・・・それ、本当に思っている?」

 

「だってタキオン・ドラゴンが攻撃してきても私のライフは3100よ?」

 

「・・・・・レミ、強制脱出装置の対象を間違えたな」

 

「えっ?」

 

「戻すんなら・・・・・タキオン・ドラゴンだ!!タキオン・ドラゴンの効果発動!!」

 

「!?まだあったの!?」

 

「このカードが効果を使ったターンに相手がカード効果を発動する度に攻撃力が1000ポイントアップする!」

 

「なんですって!?」

 

No,107 銀河眼の時空竜 攻 3000→4000

 

四角錐の姿になったタキオン・ドラゴンがレミが発動した強制脱出装置のカードを読み取り、さっきよりも巨大化して龍の姿に戻った。

 

「くっ・・・・・それでも私のライフはまだ残る!!」

 

「まだだ!!攻撃力をアップした時、同時にこのターン2回攻撃する事が出来る!!」

 

「なっ!?2回攻撃!?」

 

「行くぜ!タキオン・ドラゴンでフェザーに攻撃!殲滅のタキオン・スパイラル!!」

 

タキオン・ドラゴンがプラチナ同様の動作でエネルギーを溜めて、フェザーに放つ。フェザーも左手の刃で防ごうとするが押し負けて、タキオン・ドラゴンの攻撃を真正面から受ける。

 

「よし。これでフェザーは・・・・・」

 

「まだ終わらない!!フェザーも!!デュエルも!!」

 

『グオオオォォォ!!!!!!』

 

「!?!?」

 

煙が晴れると、何故かタキオン・ドラゴンの攻撃を受けて破壊された筈のフェザーが雄叫びをあげる。そしてレミのフィールドに1枚のトラップカードが発動されてある。

 

「トラップカード、ハーフ・アンブレイク!フィールドのモンスター1体を選択して、そのモンスターはこのターン戦闘で破壊されず、そのモンスターで発生するダメージも半分になる!」

 

「なんだって!?」

 

No,107 銀河眼の時空竜 攻4000→5000

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

レミ LP 3300→2200

 

ハーフ・アンブレイクなんて隠し玉持ってたのかよ!?てかあれ、俺が海馬コーポレーションに譲って、つい先日発売されたパックに入っているカードじゃん!!よう当てたな!?・・・・・褒めている場合じゃないな。トドメをさせさなかったか・・・・

 

「・・・しゃあない。タキオン・ドラゴン2回目の攻撃!殲滅のタキオン・スパイラル!」

 

「ハーフ・アンブレイクの効果でフェザーは破壊されない!」

 

No,107 銀河眼の時空竜 攻5000

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

レミ LP 2200→1100

 

「ぐうぅぅ!!!た、耐えたわよ・・・」

 

「まさか本当に耐えるとは思わなかったな・・・・ターンエンド。エンドフェイズにタキオン・ドラゴンの攻撃力は元に戻る」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

No,107 銀河眼の時空竜 攻5000→3000

【魔法・罠カード】

伏せカード 1枚

 

 

「(よ〜し、フェザーの効果でタキオン・ドラ「ちなみに言っとくけど、タキオン・ドラゴンで無効化された効果モンスターの効果はずっと無効化にされたままだから発動出来ないぞ」・・・・・・そういう大事なことは先に言ってよね。私のターン、ドロー」

 

レミ 手札 3枚

 

「・・・・・強っ!!」

 

「?何引いたんだ?」

 

「・・・・・・死者蘇生。これでレヴァティンを蘇生するよ」

 

ドラグニティアームズーレヴァティン 攻2600

 

お、おぅ・・・・・トップデック死者蘇生は確かに強ぇな・・・・・うん?ファランクスいるんだろ?アキュリスいるだろ?・・・・・・あっ、負けた。

 

「(え〜と、確か無効化になったのはモンスターだけだから・・・・・いける!)装備状態のときファランクスの効果発動して特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

やっぱ気づくか。で、レヴァティンがいるから・・・・・・

 

「Lv8のレヴァティンにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「竜の渓谷に封印されし伝説の竜が火山の噴火とともに目覚める。暴れ回れ!シンクロ召喚! カモン!トライデント・ドラギオン!」

 

トライデント・ドラギオン 攻3000

 

『ガアアアァァァ!!!!!!』

 

レヴァティンがファランクスの出来た光の輪に入り、そこからマグマが大量に噴火を始めトライデント・ドラギオンが現れた。

 

「トライデント・ドラギオンの効果!シンクロ召喚時、自分フィールドのカードを2枚まで破壊する!フェザーに装備されているアキュリスを破壊!バーニカルバースト」

 

トライデント・ドラギオンが出てきたマグマが大量に流れ出て、アキュリスのカードを破壊する。

 

「これでトライデント・ドラギオンはこのターン、2回攻撃する事が出来る!さらに装備状態のアキュリスが破壊された事でフィールドのカードを1枚破壊する!」

 

「・・・・・で、何破壊するの?」

 

「対象はもちろん、銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)!」

 

「ですよね〜〜」

 

マグマ流で破壊されたアキュリスがタキオン・ドラゴンに突撃し双方とも破壊される。

 

「これで終わり!バトル!トライデント・ドラギオンでレダメに1回目の攻撃!バーニング・ブースト!」

 

トライデントがもう1度火山を噴火させるように今度は噴煙をレダメに向かって攻撃した。

 

トライデント・ドラギオン 攻3000

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

 

遊輝 LP 4000→3800

「2回目の攻撃!バーニカルブースト!」

 

トライデント・ドラギオンの噴煙が今度は俺の方に向かう。

 

遊輝 LP 3800→800

 

「フェザーでダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!!」

 

遊輝 LP 800→0

 

 

 

WIN レミ LOS 遊輝

 

 

「負けた〜〜」

 

デュエルデスクが起動したまま、地面に大の字で寝転ぶ。まさかハーフ・アンブレイクの次のターンに死者蘇生を引かれるとは思わなかった。

 

「遊輝、最初から伏せてカードはなんなの?」

 

「うん?これ?」

 

俺とは対象的にデュエルデスクをなおしたレミが、俺のデュエルデスクにセットしてあるカードに指を指した。デュエルデスクをなおし、最後まで伏せていたカードを抜き取る。

 

「2枚目のギャラクシー・クィーンズ・ライト。さっきのターンでドローしてしまったからこいつはブラフでそのままにしてたんだ」

 

「へぇ〜」

 

「レミ!!!よくやったよ!!!」

 

「うわっ!!」

 

「ぐへっ!!」

 

後ろから響がレミの背中に乗り倒す。そのままの勢いでレミが俺の所に倒れる。

 

「おい響!遊輝が潰れる!!」

 

「ゆ、遊輝!大丈夫!?」

 

「な、なんとか・・・・・・」

 

「あ〜あ、遊輝が負けてしまって、どうするんだ?2勝2敗だぜ?」

 

今度は遊星達が来てクロウがこの結果について話してくる。まあ、こんな展開も考えてはいたし。

 

「いいじゃん。向こうの勝ちで」

 

「おい遊輝!!てめぇ遊星の苦労を無駄にするのか!!」

 

「人の事言えないけど、クロウは負けたからそんな事言えないよ」

 

「うっ・・・・・・そ、それもそうだな」

 

「良いじゃないかクロウ。ここは向こうの勝ちということで」

 

「遊星まで!!」

 

「これくらいの事でガヤガヤ言ってもしょうがないだろ」

 

「・・・・・分かったぜ。Dホイールはタダだ」

 

「やった!!!Dホイールを手に入れた!!」

 

「早速乗ろうぜ!!」

 

「いきなり事故るなよ」

 

俺の言葉を聞き入れず、4人共一斉に駆け出して遊星のガレージに向かう。その時の顔ったらすっごい笑顔だったな。

 

「嬉しそうだったな」

 

「そりゃあ自分達のDホイールを手に入れて初めて走るんだから。俺も最初はめちゃくちゃ楽しかったな〜。遊星もそうでしょ?」

 

「ああ、最初は夢中になってDホイールに乗っていたな」

 

「俺も楽しかったな・・・・・おっといけねぇ。配達の時間だからちょっくら出かけてくるわ」

 

「俺も用事があるから、一度ガレージに戻る」

 

クロウやジャック達はガレージに戻り、俺たちはそのまま話し出す。その隣で4台のDホイールが颯爽と走っていった。

 




遊輝「ハーフアン・ブレイクとか良く入れてたな」

レミ「たまたまよ。なんか気分で入れたら丁度いいタイミングで引いた物だから。でももう、デッキからは抜くけど」

スバル「和睦の使者とかの方がいいもんな」

響「それにしてもやっとDホイールが手に入ったよ!これでいつでも乗れるわ!」

奏「材料の調達もこれで少しは楽になるね」

レミ「さ〜て、次から海外編までは普通の日常生活だよ」

遊輝「タイトルは【遊輝の1日と新たなる仲間】俺の1日?」

スバル「そういえばお前の私生活が謎だらけだな」

奏「龍亞君・龍可ちゃんのお世話、ブラック・ホワイトの子守り、学生生活、私の所のバイトと結構詰まっているわね」

響「凄く気になる!!」

遊輝「別に普通の一般人と同じ生活だと思うんだけど・・・・」

奏「新しいキャラも登場するよ」

レミ「次回もよろしく!」


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第63話 遊輝の1日と新たなる仲間

今回はデュエル無しの普通の日常です。ほんとならデュエルも書きたかったのに、デュエル行く前が長すぎた。何でこんなに多くなったんだ・・・・


遊輝 side

 

 

ジリリリリリ・・・・・・ポチッ

 

目覚まし時計が鳴りいつも通り起きる・・・・・が

 

「う、う〜ん・・・・・何だろう。ちょっと頭がボ〜〜としているような・・・・」

 

何かいつもと違って頭が直ぐに働かない。どうしたんだろ?何か悪い物でも食ったのかな?そんな物作った覚え・・・・ないけど・・・・・

 

「何でだろう・・・・・本当にボ〜とするな・・・・今何時だ?」

 

働かない頭を2、3回叩き、枕元に置いてある時計の時間を見る。えっと・・・・・・6時!?

 

「えっ!?もう6時なの!?・・・・あっそうか。昨日目覚ましの時間を間違えたんだ」

 

まぁ・・・・しゃあないか。今日は朝練をしないでさっさと朝ご飯を作ろう。今日はアカデミア午前中までで弁当は要らなかった筈だから少し楽だな。

クローゼットの近くまで行き、パジャマを脱ぎ、アカデミアの制服を着て台所まで移動する・・・・だけど

 

「っとっと・・・・何でこんなにフラフラするのかな?」

 

なんか足元がおぼつかない。右に行ったり左にぶつかったりとやっとの思いをしながら台所に行く。そして冷蔵庫を見て、朝飯を作る。

 

「ふわぁ・・・・おはよう遊輝」

 

眠たい目をこすりながら、龍可が自分の部屋から降りてきた。

 

「お、おはよう」

 

「・・・・・どうしたの遊輝!?」

 

「へっ?」

 

「顔がすっごく真っ赤だよ!!それに汗を凄くかいているし!!」

 

龍可に言われ洗面台にむかって鏡を見ると、確かに顔がちょっと紅くなっていて、汗を大量にかいている。

あ〜そうか。だからなんか顔の周りに雫とか垂れていたのか。でも真っ赤っていうほど赤くもないし、そんな大袈裟に言うほどかな?

 

「・・・・これくらいなら大丈夫か」

 

「本当に大丈夫なの?なんか洗面所行くまでの足取りもフラフラしていたし・・・・」

 

「大丈夫大丈夫。そんなに身体が悪い訳じゃないし、龍可も大袈裟だよ」

 

「そうかな・・・・・・」

 

心配な様子をしている龍可に大丈夫と言い聞かせて台所に戻る。

 

「・・・なぁ、なんか臭わねぇか?」

 

「・・・・そう言われたら少し焦げ臭いわね」

 

「・・・・・・あ!!!ガスコンロの火付けっ放しだ!!!!」

 

急いで戻っても時既に遅し。火を止めてフライパンをコンロから離すと、黒焦げとなった鮭の塩焼きが3つある。

 

「あ〜あ・・・・・なんか今日はボゥ〜としてるな」

 

「おはよう〜・・・・なんか焦げ腐い臭いがするんだけど」

 

「おはよう龍亞。それがね・・・・」

 

「ボゥ〜としてて鮭を焦がしてしまった・・・・」

 

「えっ?め、珍しい・・・・遊輝が料理を失敗するなんて」

 

「今日は何か変だな・・・・トトッ」

 

フライパンを鍋敷きの上に置いて冷蔵庫に向かうが、そのちょっとした距離でも足がふらつく。どうしたんだろう今日?本当に変だな?

 

「な、何か・・・大丈夫遊輝?足元フラフラじゃん。それに顔が赤いし」

 

「龍亞も同じことを言っている・・・・今日はアカデミア休んだら?」

 

「そ、そこまで重病かな?そ、それに、きょ、今日は全体練習で休めないから」

 

な、何でだろう・・・・・舌も上手く回らなくなってきた・・・・・それにさっきより頭もボゥ〜とするし・・・・

「と、とりあえず、今日はご飯と味噌汁とそこらへんの御菜で朝ご飯だな」

 

冷蔵庫の中にある漬け物やご飯に合う御菜を取り出して、味噌汁をお椀に入れ朝ご飯を食べる。

う、う〜ん・・・・・舌の感覚もない・・・・・・味が全然分からない・・・・・・ま、まあその後は普通に(何回か倒れかけたけど)3人で朝にやれる家事を分担してアカデミアに行く準備をする。

 

「鍵を閉めて・・・・・よし行くか」

 

「本当に大丈夫?何か顔がさっきよりも酷くなっているよ?」

 

「だ、大丈夫だって」

 

くそぅ・・・・・・さっきよりも頭が回らない・・・・・ちょっと意識が朦朧としてるな・・・・・

 

 

ー(アカデミア 中等部1ー1)ー

 

 

「お、おはよう・・・・・・」

 

「おはよう!!」

 

「おは・・・・・ゆ、遊輝!?どうしたの!?すごい制服が汚れているよ!」

 

「い、いや〜・・・・・朝からなんか頭がボ〜〜としててさ・・・・・来る途中に何回か転けてしまって・・・」

 

「大丈夫か!?顔真っ赤だし!!」

 

「だ、大丈夫だって・・・・トトト」

 

自分の机に行くまでに何回か左右に倒れかける。なんか・・・・・意識がなくなりそうだな・・・・

 

「ほんとに大丈夫なの!?保健室に行った方が」

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

 

スバルが肩を貸してくれて、なんとか自分の席に着いた所でチャイムが鳴ってしまう。もうそんな時間か・・・・

 

「だ、大丈夫だって。今日は午前中だけだからなんのかあるよ」

 

「おい・・・・・滑舌も悪いぞ」

 

「はい皆座って!出席とるよ!」

 

先生が来てしまい、皆席に座ってしまう。と言ってもスバルは隣だけど・・・・・

 

「じゃあこの前やった小テストを返すよ。青木君」

 

「(本当に大丈夫か?顔が大分やばそうだけど)」

 

「(じ、実は意識が朦朧としているんだよ)」

 

「(それダメな奴だろ!何で来たんだよ!?)」

 

「(こ、これくらいの事なら前も経験しているし、行けると)「後ろ!!煩いわよ!!遠藤君!!」

 

「は、はい・・・・・」

 

先生に名前を呼ばれて席を立ち上がる。フラフラな足取りでなんとか先生の所まで行けたけど・・・・

 

「はい。今回も満点よ」

 

「あ、ありがと・・・・・う・・・・・」

 

ドスッ!!!!!!

 

「え・・・・・・遠藤君!!しっかりして!!」

 

「遊輝!?ちょっと遊輝!!!」

 

「誰か!!!遠藤君を保健室へ!!」

 

「は、はい!!!!」

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

「・・・・・ふぅ〜、もう大丈夫よ。しばらく休んでいれば治るわ」

 

「「「「ありがとうございます」」」」

 

私達4人がかりでなんとか遊輝を保健室に連れてくることができたわ。

・・・・・・何で男の子を運ぶのに、女の子が3人もいるのよ・・・・・

 

「しかし高熱を出していたとはな・・・・・・」

 

「39,6分・・・・・普通ならアカデミアを休んでいるよ。何で気づかなかったんだろう?」

 

『マスター。ちょっといいですか?ブラックとホワイトのご飯は何処に』

 

「あっ、ダイヤ。今はダメだよ」

 

『どうしたのですか?』

 

ちょうど先生も居なくなったし遊輝の事を言いましょうか。ダイヤに遊輝の事を皆で伝える。

 

「・・・・・・ていうことよ」

 

『そうですか・・・・マスターも無茶をしますね』

 

「そこなんだけどさ〜、遊輝は全然高熱だって事に気付かないんか?流石に9,6分もありゃ気づくだろ?」

 

『確かにそうかもしれないのですがマスターは太陽のシグナーです』

 

「それとどう関係があるの?」

 

『マスターは常時太陽使いとしてこの3ヶ月間、普段から6000度近くの太陽でトレーニングや生活をしています。それに太陽のシグナーは100万度近くまでの温度なら平気に耐えてしまうのです』

 

「成る程な。6000度を澄まし顔で扱う奴が39度の熱があるかなんて感覚的に分からなくなるんだな」

 

「遊輝にとって人間の体温がほとんど無いに等しい状況ね」

 

「それじゃ本人も熱かどうかなんて分からないよ」

 

「遊輝!!!!!!」

 

ダイヤと皆で見解していた所で保健室の扉がバンッ!!と大きな音が鳴り、息を切らした龍可ちゃんと何故か笑っている龍亞君が入ってきた。

 

「龍可ちゃん!」

 

「レミさん!!遊輝は!?」

 

「大丈夫よ。治療してもらって今はゆっくり寝ているわ」

 

「良かった・・・・・・」

 

「二人とも授業は?」

 

「遊輝が倒れたと先生に言われたので、許可をもらって来たのです」

 

「めっちゃ遊輝の事を心配してたよ!!走っている途中、ずっと「遊輝!遊輝!」って叫んでいたもん!!」

 

「///////龍亞!!!!」

「フュ〜〜。彼氏がいる人は最高だね」

 

「///////響さん!!!!」

 

真っ赤にした顔を恥ずかしそうに隠す龍可ちゃん。相変わらず素直じゃないわね〜。

 

「響、やめなさい・・・・・・」

 

「とりあえず俺たちも1時間目の授業は抜けれるから、遊輝が目覚めるまで世間話でもしときますか」

 

「そうね。それにしても・・・・・可愛い寝顔♪寝ている時は女の子だね」

 

響が遊輝の寝顔を見て、頬をツンツンとつつく。確かに女の子だね。ここでコスプレさせたら面白いのに。

 

「随分気持ち良さそうに眠るわね。良い夢でも見てるのかしら?」

 

「遊輝の良い夢ってなんだろうね!?」

 

「遊輝の事だから一流レストランの料理長の夢でも見てるんじゃないの!?」

 

「もしくは宝くじ当てたとか!?」

 

「それも一理あるね、龍亞君」

 

「・・・・・遊輝の寝ている所を初めて見た気がする」

 

遊輝の寝顔を見ていた龍可ちゃんが何気無くふとそんな事を言い出した。

 

「そう言われたらそうだね。俺も見た事が無いよ」

「遊輝って二人と一緒の時間に寝ないの?」

 

「いいえ。私達が就寝する時間にお風呂に入ったりして・・・・」

 

「普段から俺達よりも遅くに寝て、俺達よりも早くに起きているよな」

 

「うん。アカデミアが休みの日は朝日が昇る前に近くの市場で食材探しに行ったりしてます」

 

「さすが料理人を目指す人は違うわね・・・・」

 

「そう言えば遊輝って普段どんな生活をしているんだ?」

 

「確かに・・・・・・・・家事に料理と龍可ちゃんの家で二人のお世話係として働いているんだよね?」

 

「アカデミアが始まった頃からは私達も家事などはしています」

 

「で、アカデミアに来て勉強する、部活する」

 

「奏の店でバイトもしているよ!!」

 

「あとブラックとホワイトのお世話・・・・・どうやって1日を過ごしているのかな?」

 

「これは1回聞いてみたいわね・・・・謎だわ」

 

皆で遊輝の普段の生活の事だけで討論をし始めた。なんていうか・・・・・私もそうだけど、みんなこういう事好きだね。

 

「う、う〜ん・・・・・・」

 

「!!遊輝!!!」

 

龍可ちゃんが遊輝が目覚めた事に気づき、皆も一斉に遊輝の方に顔を向ける。

 

「ふわぁ〜〜・・・・・・・ここ何処?」

 

ズコッ!!!!

 

私達が想像していた事とななめ45度外れた第一声に皆がズッコケてしまう。

 

「お、お前・・・・・何があったのか分からないのか?」

 

「う、う〜ん・・・・・とりあえず何処?」

 

「保健室だよ・・・・」

 

「ふ〜ん」

 

どうやら頭が働いてないらしく、辺りをキョロキョロと見渡しながら頭をコンコンと2・3回叩く。

 

「さ、さっきまでの心配を返してよ・・・・」

 

「?何かあったの?」

 

「あんただよ・・・・・・・ねぇそれよりあんたって普段どんな風に一日を過ごしているの?」

 

「?何でそんな事を聞くんだ?」

 

「ちょっと気になっただけだよ」

 

「ふ〜ん。そうだな〜〜・・・・・・・

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜遊輝のとある一日〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

5:00 起床、そのままジャージに着替えてトレーニング

 

 

「ふわぁ・・・・・・ダイヤ、今日もよろしく」

 

「はい。はぁぁ〜〜!!!!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

ズバッ!!ズバッ!!スカッ!!ドカッ!!

 

「っ、ちょっと当たったなぁ」

 

「大丈夫ですか?何か頭の近くで当たったような感じでしたが・・・」

 

「大丈夫大丈夫。続けて」

 

「はい」

 

 

6:30 朝ごはん・お弁当作り

 

7:00 龍亞・龍可起床、みんなで朝ごはん

 

 

「フレンチエッグとベーコンとサラダとトースト・・・・・・何か最近洋食のメニュー多いな。明日から和食中心にしよう」

 

「おはよう〜〜遊輝」

 

「おっはよう!!!」

 

「・・・・・・龍亞が早起き?こりゃ今日は大雨だな」

 

「なんでそんな事を予測するのよ!!俺だってたまには早起きするよ!!」

 

 

7:30 龍可・龍亞と分担して洗濯・掃除・片付け

 

 

「じゃあ私、洗濯するね」

 

「頼むわ。さてと・・・・食器洗うか」

 

「俺は掃除掃除!!」

 

「(・・・・・・大抵龍亞が掃除したら、俺や龍可の倍の時間がかかるから、あてにならんのだよな)」

 

〜〜数分後〜〜

 

「え〜と・・・・・あのカードも入れて・・・・」←掃除サボって、デッキ調整

 

「・・・・・・・(プルプルプル)」

 

「あっ遊輝!!片付け終わったの?」

 

「・・・・・掃除せぇやああああ!!!!!!」←鬼火程度の炎をぶつける。

 

「あっちーーーーーー!!!!!」

 

「(またサボったのね・・・・)」

 

 

7:50 家を出る

 

8:15 アカデミアに着く

 

 

「おっはよう!!」

 

「おはよう。相変わらず響は元気だよな」

 

「へへ〜ん、今日は英語無いし!!」

 

「??響、今日は英語があるよ」

 

「えっ!?だって今日は体育、数学、歴史、国語、実技、実技でしょ!?」

 

「お前昨日の先生の話を聞いてないなぁ〜。今日は時間割り変更で理科、英語、家庭、数学、地理、音楽だろ?」

 

「・・・・・・・・あああ!!!!!!!」

 

「・・・・教科書ほとんど忘れたわね」

 

「レミ〜〜、教科書貸してぇ」

 

「無理に決まっているでしょ」

 

 

 

15:30 授業終わり

 

15:50 部活

 

 

「えっと、今日は全体練習からだね」

 

「奏、コード表何処?あれないと海外公演の最初の奴が弾けないんだけど」

 

「昨日ここに片付けてなかったの?」

 

「あっ、あれなら昨日私が持って帰ったよ」

 

「俺も」

 

「なんでドラムとキーボードがギターのコード表を持って帰るんだよ!!!」

 

「「イメージの練習」」

「そんなもの部活中に練習しろ!!!!」

 

 

18:00 バイト

 

 

「ただいま」

 

「今晩は〜」

 

「遊輝君、平日は良いんだよ。わざわざ明日の仕込みの手伝いに来なくても」

 

「いえいえ、どう見ても大変そうなのでね。少しでも手伝ってあげないと」

 

「すまないね」

 

 

19:30 帰宅、夕ご飯は既に龍可が作って、先に二人で食べている。

 

 

「ただいま〜」

 

「おかえり〜〜。今日も仕込み?」

 

「うん。悪いな龍可、平日の間は夕飯作ってもらって」

 

「良いわよこれくらい。いつもいつも遊輝に作ってもらったら私が困るし」

 

「??何が困るんだ?」

 

「えっ!?そ、それは・・・・////(今より料理が下手になって遊輝に嫌われたくないなんて言えない・・・・)」←ちょっと赤い

 

「???変なの」

 

 

19:40 夕飯

 

20:00 片付け

 

20:40 Dホイールの整備

 

22:00 お風呂

 

23:00 精霊世界に行ってブラック・ホワイトのお世話

 

 

『きゃあきゃあ!!!!!』

 

『キャアキャア!!!!!』

 

「痛い痛い痛い!!!髪引っ張らないで!!!」

 

『マスターも子守りが大変だね』

 

「そんな事言うなら手伝ってくれよパール!!!」

 

『無理ですよ。マスターが甘やかしすぎて二人共マスターと遊ばないと寝付けないのですから』

 

「昼間は!?絶対に昼寝するでしょ!?赤ちゃんだよ!?」

 

『ずっと起きてますよ?1日中パールが遊び相手で』

 

『キャアアアアァァ!!!!』

 

「わあああ!!!!!どうしたんだよ!?!?急に泣いて!!!」

 

『・・・・・(甘やかしすぎだよマスター)』

 

 

1:00 現実世界に帰宅→自由時間(主に宿題・パソコン・ギターの練習etc……)

 

3:00 就寝

 

「今日も一日疲れた・・・・目覚ましをセットして・・・お休み〜〜」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

遊輝 side

 

「・・・・・てな感じだけど」

 

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

えっ?このまま俺?【メタ発言するな!!】・・・・・何か聞こえたけどスルー。いや〜ようやく頭がボ〜としてたのが治ったよ。ちょっと寝たらスッキリしたし睡眠って大事だね。

 

「てかさっきから皆口を大きく開けてどうしたの?」

 

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

「・・・・・まぁいっか。じゃあ教室に戻《ドスッ!!!》へっ?」

 

ベッドから降りようとした時、スバルと響が俺の両肩をがっしりと掴みそのままもう一度ベッドの上に押し倒した。

 

「何してんだ?」

 

「何してんだ?それはこっちのセリフだ!!!」

 

「何て一日の過ごし方をしているのよ!!!睡眠時間が2時間って!!」

 

「?睡眠時間が2時間っていつもよりちょっと多いよ。休日は1日中起きているのがザラだし」

 

「い、一日中!?!?」

 

「うん。だってホワイトとブラックを寝かせるのにいつも3・4時間掛かってこっちに戻ってきた頃には市場が開いている時間だから、そのままDホイールで行くよ」

 

「・・・・・・・まさかあんた、ずっと同じ生活をしていないわよね?」

 

「う〜ん、子守は完全にこっちの世界からだけど前世でも同じ生活はしていたよ」

 

というか若干12歳の中学生が赤ちゃん2人の面倒を見るのもどうかと思うけど、これは仕方ない。今更だけど何で俺のシグナーの龍は赤ちゃんなんだろう?

 

「・・・・呆れた。どうりで高熱を出す訳だわ」

 

「えっ?俺、熱あったの?」

 

「・・・・9, 6分だ」

 

「そんなにあったんだ・・・・もう大丈夫だからいいけど」

 

「大丈夫じゃないって!!」

 

「とにかく今日1日は寝ていなさい!!そんな不健康な生活をしているから、高熱を出すのよ!!」

 

「高校生ならこれくらいの生活は当たり前なんだけど」

 

「今のあなたは中等部1年!!精神年齢は高校生でも身体的には中学生よ!!」

 

「もう大丈!?!?(ビクッ!!!)」

 

もう大丈夫・・・・・その一言を言う前にとてつもなく冷たくて、残虐で殺気のある視線を感じた。恐る恐る横を振り向くと・・・・・

 

「・・・・・・・・・(ニコニコ♪♪♪)」

 

もの凄く笑顔(目が笑ってない)龍可が無言で俺を見つめていた。

 

「(!?!?な、何だ、この殺気!?)」

 

「(る、龍可ちゃんの後ろに三幻神がいる!?!?)」

 

「(こ、こんな龍可ちゃん初めて見たよ!?!?)」

 

「(で、出た!!龍可の覇王モード!!)」←龍亞命名

 

な、何でそんなに怒ってるんだよ!?俺、普段通りの生活を言っただけなのに!?

 

「・・・・・寝て♪(ニコニコ)」

 

「い、いや・・・・・・も、もう大「寝て♪(ニコニコ)」は、はい!!!お休みなさい!!!」

 

あまりにもの恐怖にくじけついて、布団を顔をまで掛けて寝たフリをする。こ、恐い・・・・・・普段の生活を言っただけなのに・・・・・

 

「じゃあ皆、戻りましょう」

 

「「「(((戻るの早っ!!!)))」」」

 

「そうだね。もうすく1時間目が終わっちゃうから戻るか」

 

「じゃあね遊輝。授業が終わったらまた様子を見に来るから」

 

「「「(((なんでレミと龍亞((君))はスルー出来るんだ!!)))」」」

 

俺が寝た(フリ)を確認した皆は、保健室を出て教室に戻る。

・・・・・・恐かった・・・・・しかし、

 

「寝ますって言ったけど全然眠たくもないんだよな〜〜」

 

どうしようかな〜〜。保健室のベッドの上で一日過ごす訳にもいかんし。脱走してどっかいこうかな?

 

『マスター・・・・・少しは自分の身体の体調を考えたらどうでしょうか?』

 

「あっ、ダイヤいたんだ」

 

『私はブラックとホワイトのご飯を聞きにきただけですが、前世から同じような生活をしてたらダメじゃないですか』

 

「そんな事言ってももうかれこれ9年近く同じ生活してるんだから、今更変えようなんて無理があるよ。ホワイトとブラックのご飯は冷凍庫のカレーを解凍して食べておいて」

 

『分かりました。9年ということは・・・・・小学3年生からそんな生活をしているとは』

 

「剣道の練習が遅くなって、学校の宿題もして、家のご飯も作ってたらそんな生活に慣れてしまうよ」

 

『ですから身長が低かったのですよ』

 

「それは言うな・・・・・」

 

高校3年に進級する時に、身長が160ちょっとしかなくて、凹んだんだから・・・・・しかしどうしようかな〜〜。本当に脱走してどっかいこうかな?

 

「・・・・・はぁ〜〜」

 

「う〜ん、デッキ改造かな?ちょうど余りのカードも持ってきてるし」

 

「はぁ〜〜」

 

「もしくは携帯で何か調べるかな?」

 

「はぁ〜〜」

 

『そんな事より隣の方を気にしたらどうですか?さっきからため息ばかりついてますよ』

 

「・・・・・それもそうだな。よし」

 

ベッドから降りて、隣のベッドのカーテンを開ける。中には小等部らしき眼鏡を掛けた茶髪の男の子が肩を落としていた。

 

「はぁ〜・・・・・・」

 

「どうしたんだ?さっきからため息ばっかりついて。そんなにため息ついていたら良い事が逃げて行くぞ」

 

「えっ・・・・・でも僕、元々運が無いし・・・・・今日だって朝、階段で転けて捻挫してしまって・・・・」

 

「う、う〜ん・・・・・そりゃ気持ちの問題じゃないのか?」

 

「気持ちでしたらいつも良いようにと心掛けています。でも昨日の学年合同での実技デュエルでも運に見な離されました」

 

「?昨日のデュエルで何かあったのか?」

 

「僕、ここ最近で一番の手札だったのに相手のライトロード使いに5回も1ターンキルを」

 

「・・・・・・・・・・・・(まさかな)それは仕方ない」

 

ライトロード使いで1ターンキルを5回連続で成功させるなんてアカデミアで龍可しかいないな。いや、絶対に龍可だろう・・・・

 

「あ、あのね。もしかしたら俺、そのライトロード使いの子を知っているんだけど・・・・」

 

「えっ?龍可さんをですか?」

 

「(やっぱ龍可だったか・・・・)あの子もね、最初はちょっと後ろ向きだったんだよ」

 

「そうなのですか!?とてもそんな風には」

 

「俺がね色々と言ったんだよ。『好きなカード・好きな戦術で好きなようにデュエルをすれば良い』って。そうすれば自然と強くなっていくんだよ。運もそのうち良くなっていくんだ」

 

「好きなカード・好きな戦術・・・・・」

 

「まぁ・・・・・・・あっこまで化けるとは思わなかったが」

 

「えっ?」

 

「龍可がライトロードを使ってからというものの、誰もが1ターンキルとオーバーキルを受けているから」

 

「そ、そうだったのですか・・・・じゃあ僕の5回の1ターンキルも」

 

「日常茶飯事。そんなに気にしなくていいよ」

 

むしろあれは本気で対策をしないとボコボコにされてしまうからな。5回だけで済んだのがむしろ良いよ。龍亞なんか1日に20回近くの1ターンキルを決められた時があったから。あの時は手札が恐ろしかったな。毎回初手に援軍とソーラー・エクスチェンジがあるんだから・・・・・・

 

「でもさすがに5回も1ターンキルをされたのはちょっとショックで・・・」

 

「なんだったらデッキ改造してみる?俺の余っているカード譲るけど」

 

「い、いいですよ!!」

 

「いいよいいよ。使われていないカードも使われた方が嬉しいからね。じゃあデッキを改造してみますか。え〜と・・・・・・名前聞いてなかったな」

 

「僕、成田恭輔って言います」

 

「恭輔ね。俺は遠藤遊輝」

 

「え、遠藤遊輝!?!?アカデミア五剣士の一人でエクシーズ使いの《星の<魔術師:マジシャン>》って言われている!?」

 

なんだその厨二病みたいな呼び方は・・・・・・そういえばレミはフォーチュン・カップでMCに紹介される時に《龍の姫》って言われていたような・・・・

 

「・・・・・ちなみに聞くけど他の人は何て呼ばれているの?」

 

「葵さんが《龍の姫》、遊城さんが《大地の戦士》、小野寺さんが《水の先導者》、水野さんが《雷の天使》です」

 

うん・・・・・・皆も厨二病みたいな呼び方を付けられているんだ・・・・・・ていうか誰がそんなダサい呼び名を付けたんだよ・・・・・・

俺がそんな事を思っているのを分かっているのか分からないのか、恭輔は嬉しそうに自分のデッキをベッドの上に広げた。

トラパートに切り込み隊長、ガントレット・ウォリアーに大地の騎士ガイアナイトか・・・・・

 

「ふ〜む、戦士ビートか・・・・」

 

「はい。戦士族モンスターはカッコいいのが多いので!!」

 

「そうそう。そんな理由でも好きなカードを使っていくんだよ。さてと・・・・どう改造するかだな・・・・」

 

チューナーは2・3枚だけか。でもこの子のデッキにはシンクロモンスターはガイアナイトだけだから無理にチューナーを増やさなくてもいいか。となると・・・・・・・あれか。

 

「ちょっと待てよ。確か今日はあのカテゴリーのカードを・・・・」

 

いつも入れているデッキケースとは違うデッキケースをベルトから抜き取り、さらに制服の内ポケットに入れてあるもう一つのデッキケースも手に取る。

「そ、そんなに沢山持っているのですか!?」

 

「うん、改造したい時に好きなように改造出来るようにね。え〜と、この辺に・・・・・あったあった。これなんかどう?戦士族だし」

 

「・・・・・これいいですね!!カッコいいですよ!!」

 

「そうか。じゃあそのデッキを元にここにあるカードで改造していこうか」

 

「はい!!」

 

それは始まりの言葉とし、ここからおれと恭輔はデッキ改造に集中する。「これなんかどう?」「いや、これよりかはこっちの方が」「やっぱりこっちの方が・・・・・」

こんな感じであっという間に時間が過ぎて行き・・・・・

 

「で、出来た・・・・・」

 

「お疲れ様。なかなか良い感じにはなったと思うよ」

 

「ありがとうございます!!」

 

「いいよいいよ。さて、あとは試運転だが・・・・・俺とやるか?」

 

「はい!!遊輝さんとデュエルしたいです!!」

 

「良し。今何時だ・・・・・・12時6分。あとちょっとでチャイムがなるな。よし、デュエルデスクを取りにいこう」

 

「僕、デュエルデスクは持ってます」

 

「そうなんだ。じゃあ俺だけか。え〜と、ここのカードをデッキケースに戻して・・・・じゃあ俺の教室に付いてきてくれる?」

 

「分かりました!」

 

ベッドのそばにある靴を履き、先生にお礼の言葉を言って保健室から出る。じゃあ教室に・・・・・ちょっと待てよ。

 

「どうしたのですか遊輝さん?早く教室に行きましょう」

 

先に歩いていた恭輔が俺に気づき後ろを振り向く。確かにこっち行ったら教室に付くんだがすれ違いがあるんだよな・・・・

 

「ちょっと待ってくれ・・・・・悪いがこっちから行こう」

 

「何でですか?そっちから行ったら遠回りですよ?」

 

「いや、今回はこっちじゃないとダメなんだ」

 

恭輔の手を握って無理矢理教室とは反対の方に行く。そうしないと何かあいつらにあって俺の命が終わりそうだから・・・・・・

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

 

 

遊輝 side out

 

 

奏 side

 

 

「それで今日の練習はどうするの?」

 

「遊輝があの調子じゃ全体練習は来週に持ち越しだね。今日は一応、フリーということにしましょう」

 

「助かった・・・・・俺、BUMPの曲のドラム譜覚えていなかったから」

 

「まだ覚えてないの!?アカデミアデュエル大会が終わって3週間経っているのよ!!」

 

「無茶言うなよ!!あの曲以外と難しいんだから!!」

 

お久しぶりね、奏よ。

帰りのSHRが終わり、皆で遊輝の様子を見に行く途中なの。

 

「海外公演でBUMPの曲やるの!?【天体観測】!?」

 

「それは秘密だよ龍亞君」

 

「ちえっ、軽音部のコンサートのセットリストってほんと教えてくれないな〜」

 

「仕方ないよ龍亞。バレてしまったら私達の楽しみも無くなってしまうよ」

 

「そ、そうですね。当日に曲を教えてもらう方が楽しいですね」

 

私達4人とさっき小等部によって龍亞君と龍可ちゃん、そして祈ちゃんも一緒に保健室に向かう。

 

「でも遊輝もあんな一日の過ごし方をしなくても良いのに」

 

「平日の間はホワイトとブラックはダイヤ達に任せればよかっただろ?」

 

「どうしても自分でやらないと気が済まないみたいで・・・・」

 

「遊輝だったらあり得るわね。責任感が強くてちょっと頑固だから一度決めたら最後まで自分でやってしまうからね」

 

「そうかな・・・・・・家だったらいつもブラックとホワイトのわがままを聞いている親バカみたいなんだけど」

 

「それは遊輝の子守りをしている時の顔ね」

 

「それはそうと・・・・・・何で祈もいるんだ?」

 

スバルが私の後ろにいる祈ちゃんを見て不思議そうに言う。

 

「わ、私も遊輝さんの事が心配で」

 

「そうか。あいつも色んな奴に迷惑を掛けているな」

 

「(あんたも迷惑を掛けているよ。鈍感2人目)」

 

「(何で祈ちゃんのアプローチに気づかないのよ!?)」

 

「な、なんでそんな恐い目で睨むんだよ・・・」

 

レミと響が冷たい視線で睨み、怯えるスバル。うん、完全にスバルが悪い。

 

「やっと保健室に付きましたよ」

 

「いつもいつもそうだけど保健室の場所が遠すぎるよ」

 

「仕方ないよ響。怪我人が多いのは体育の時だから、グラウンド側に保健室にないと急いで治療出来ないんだから」

 

「失礼しま〜す」

 

龍亞君を先頭にして順々に入っていき遊輝のベッドの前に止まる。

 

「何でカーテンを閉めているのだろう?」

 

「あれだよ。遊輝がぐっすりと眠れるようにと先生が閉めてくれたんじゃないの?」

 

「さすが先生ね」

 

「遊輝〜。ぐっすり眠れた?」

 

龍可ちゃんがカーテンを開け、ベッドを確認する。・・・・・・えっ!?

 

「い、いない!?」

 

「んなバカな!?あいつここで寝ていたはずだろ!?」

 

「で、でもここにはいませんよ?」

 

「さては逃げた!?」

 

「せ、先生。遊輝は何処に?」

 

「遊輝君?あの子なら隣にいた小等部の子を連れてデュエルをしに行ったわ」

 

「な、何だって!?!?」

 

高熱出した人が隣の子を連れてデュエルに行った!?!?なんて非常識な事をやっているのよ!?

 

「やっぱ遊輝が寝ていなかったんだ・・・・」

 

「(正直、あいつがあの後寝るなんて思ってなかったけど・・・)」

 

「それより何処にいるんだろう?デュエルフィールド?」

 

「そ、そこが一番可能性が高いでしょうね」

 

「祈ちゃん、遊輝もバカでは無いからデュエルフィールドみたいな目立つ場所でデュエルをしているとは思えないわ」

 

「じゃあ遊輝は何処に行ったの?」

 

「そう!?!?!?(ビクッ!!!!こ、この殺気は!?)」

 

後ろに強烈な殺気と邪悪なオーラを感じて震え上がってしまう。皆もガタガタブルブルと震えている。後ろを向くと・・・・・・

 

「・・・・私の忠告を無視して遊輝は何処に行ったのかな?かな?(ニコニコ♪♪♪)」

 

超スマイル(目が全然笑ってない)な龍可ちゃんが可愛いしぐさで立っていた。る、龍可ちゃん・・・・・・あなた、何処でそんな恐ろしい技を・・・・・

 

「・・・・レミさん(ニコニコ♪♪♪)」

 

「は、はい!?!?」

 

「実体化の能力、貸して♪♪(ニコニコ♪♪♪)」

 

「だ、だだだ、ダメだよ龍可ちゃん。あ、あああんな危ない事を公共のb「いいから貸して♪♪(ニコニコ♪♪♪)」は、はい!!!」

 

恐怖に負けたレミは直ぐに龍可ちゃんの額に右手を上げて、実体化の能力を龍可ちゃんに渡す。

 

「皆、遊輝を見つけたら直ぐに連絡して来て(ニコニコ♪♪♪)」

 

「「「「「「わ、分かりました!!!!」」」」」」

 

龍可ちゃんの命令で私達は一斉に保健室を出て、全力で遊輝を探し始める。

・・・・・こ、怖い・・・・・・

 

奏 side out

 

遊輝 side out

 

「ヘックション!!!!(ズゥゥ〜)誰か俺の噂でもしてるのか?」

 

まあ多分あいつらだけどここならバレない。いや〜、教室に行く間にあいつらに会わなくて良かったよ。何言われるか分からないからな。

 

「あの〜・・・・・別にこんな森の中でデュエルをしなくてもデュエルフィールドが空いているのに」

 

「いや、こっちじゃないと色々不味いんだ」

 

「そうですか・・・・」

 

今はアカデミアからちょっと離れた所の森の中。デュエルフィールドなんかでやったら目立って龍可にバレる可能性がある。そうしたら・・・・・・・二度目のあの世行きだ(ブルブル)。

 

「じゃあやろうか」

 

「はい!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 




遊輝「というわけで新しい仲間だよ!!」

恭輔「成田恭輔と言います。よろしくお願いします」

遊輝「恭輔のプロフィール・デッキなどの詳しい情報は次回のデュエル以降に番外編の人物紹介に載せるよ」

恭輔「デュエルも今回にやりたかったです・・・・」

遊輝「まあ何でか知らんがめちゃくちゃ長くなって区切った方が良いと作者が判断してしまったからしゃあない」

恭輔「・・・・そうですね。次回は僕も頑張ります!!」

遊輝「タイトルは【伝説の戦士と最強のOver Hundred No,】次回もよろしくね〜」


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第64話 伝説の戦士と最強のOver Hundred No,


【*注意とお知らせ・・・・・・・・・恭輔のデュエル、2回目を載せるまでかなり開きます。その間にデッキを変えました。つまり、このデッキは今回だけです。お知らせは3人のコスプレした生活を見たいという人がいましたので、今日22:15に番外編を投稿します】



最強カードの紹介〜〜。

レミ「前回の話に呼ばれたのに何で今回に先延ばしになるのよ!?」

いや〜、思っていた以上に長くなってしまって。今回の話に前回の話を入れたら本編だけで3万字を超えてしまうという謎の事態が。

レミ「それは・・・・・・長すぎるね」

俺も「何でこんなに長くなるんだ?」って思ってしまうぐらい長くなってしまった。こんだけ長いのはコラボ以来だ。

レミ「ああ、あの時ね!あの時は楽しかったな〜〜。皆可愛かったよ!!」

はいはい、あまり人の怨み買うなよ。こっちが処理が大変なんだから。

レミ「は〜い」

じゃあ最強カードの紹介に行きましょう。

レミ「今回はNo,101 S・H・Ark knight!発売当初からかなり話題となったランク4のオーバーハンドレッド・ナンバーズだよ!」

エクシーズ素材を2つ取り除くことで、相手フィールドの特殊召喚された攻撃表示のモンスターを自身のエクシーズ素材にするというとんでもなく汎用性の高い除去能力だ!

レミ「これは場から離れて無いのでZEROやクェーサー・ドラゴンでさえ効果が発揮出来ない!」

さらにエクシーズ素材を1つ取り除くことで破壊からも免れる!

レミ「これが出た途端に今までのランク4で活躍してたモンスターが幾つか消えて行ったという噂・・・・」

実質1回しか使えないが戦況をガラッと変えることが出来るぞ!

レミ「第64話、恭輔の初デュエル、スタート!」


遊輝 side

 

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 恭輔 LP 4000

 

今は保健室で出会った小等部の子、恭輔の改造したデッキのテストデュエルに付き合っている所。あいつのデッキも半分以上構成が変わったから慣れるまではこっちも手伝わないとな。

 

「先行はそっちからで良いよ」

 

「ありがとうございます。僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 6枚

 

「手札からフォトン・スラッシャーを特殊召喚!」

 

フォトン・スラッシャー 攻2100

 

「自分フィールドにモンスターがいない時、手札からこのカードは特殊召喚できる!さらにH・C ダブル・ランスを召喚!」

 

H・C ダブル・ランス 攻1700

 

フォトン・スラッシャーの隣に両手に矢を持った白い戦士が出てきた。

これが俺が恭輔に譲ったカテゴリーの一つ、《ヒロイック》。戦士族でLv4で統一されているからあいつでも直ぐに慣れると思ったからな。

さてと・・・・効果を使わないところをみるとどうやら1体しか手札にいないようだな。

 

「行きますよ遊輝さん!Lv4のフォトン・スラッシャーとダブル・ランスでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!HーC ガーンデーヴァ!!」

 

HーC ガーンデーヴァア 攻2100

 

恭輔の場にいたフォトン・スラッシャーとダブル・ランスがブラックホールに吸い込まれていき、鎧みたいな装備をした馬に乗った弓矢を構える戦士が出てきた。

よし、まずはOKかな?エクシーズ召喚のやり方も教えておいて良かったよ。

 

「装備魔法、アサルト・アーマーをガーンデーヴァに装備!装備モンスターの攻撃力を300ポイントアップさせます!カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

HーC ガーンデーヴァ 攻2100→2400

【魔法・罠ゾーン】

アサルト・アーマー (ガーンデーヴァ)

伏せカード

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

さて・・・・・ガーンデーヴァか、めんどくせぇな〜〜。確かLv4以下のモンスターの特殊召喚を封じるんだったけ?今の手札だと・・・・何とかなるな。

 

「手札から太陽風帆船を特殊召喚!こいつもフォトン・スラッシャーと同様で、自分フィールドにモンスターが存在しなかったら特殊召喚できる。その代わり、攻撃力と守備力は半分になるけど」

 

太陽風帆船 攻/守 800/2400→400/1200

 

「Lv5・・・・・ガーンデーヴァの効果を使えない」

 

「そりゃ俺が譲ったんだからカードなんだからカード効果ぐらい知っていないと。続いてアステル・ドローンを召喚!」

 

アステル・ドローン 攻1600

「レベルが違うモンスター?これだとエクシーズ召喚が出来ませんよ」

 

「と思うだろ?こいつはエクシーズ召喚する時、Lv5のモンスターとして扱うことが出来る!」

 

「!?レ、レベル変換能力!?」

 

アステル・ドローン ☆4→☆5

 

龍亞や遊星もそうだったけどレベルが変換する能力ってそんなに驚くことかな?エクシーズが出た環境だとわりと普通なんだけど。さて・・・・・ヴォルカザウルスという手もあるが、さすがにあれを使ったら可哀想過ぎるからこっちでいいか。

 

「Lv5になったアステル・ドローンと太陽風帆船でオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

 

ブラックホールから黒い手裏剣が回転しながら出てきてクリムゾン・シャドーへと姿を変形させた。

 

「アステル・ドローンの効果!このカードをエクシーズ素材としたモンスターのエクシーズ召喚が成功した時、カードを1枚ドローする!」

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「くっ・・・・でも攻撃力は一緒です!!」

 

「バトル!クリムゾン・シャドーでガーンデーヴァに攻撃!」

 

「あ、相打ち狙い!?」

 

「そんな訳ねぇだろ!!クリムゾン・シャドーの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除く事でこのターン、自分フィールドの《忍者》と名のついたモンスターは破壊されない!」

 

「破壊されない!?」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー OVR 2→1

 

「行け!月影紅切り!」

 

クリムゾン・シャドーが剣を一回転させ、ガーンデーヴァに突っ込む。ガーンデーヴァも馬を走らせ弓矢で抗戦するがクリムゾン・シャドーが全ての矢を切り捨て、ガーンデーヴァを斬りつけた。

 

「ガーンデーヴァが!!」

 

「ガーンデーヴァを出して低いステータスを装備魔法で上げるのは良いが、アサルト・アーマーだとやはり攻撃力アップは少ないな。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「エンドフェイズにトラップ発動!トゥルース・リインフォース!デッキからLv2以下の戦士族モンスターを特殊召喚します!チューナーモンスターのトラパートを特殊召喚!」

 

トラパート 攻600

 

うん、ちゃんと発動タイミングも分かっているな。これなら大丈夫か。

じゃあ次の関門として、伏せカードを気にしてもらおうか。

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 3枚

 

「(遊輝さんの事ですからきっとガイアナイトの攻撃時にトラップが発動できない事くらい分かっているはず。となるとあの伏せカードは速攻魔法かフリーチェーンの可能性が高い・・・・・)荒野の女戦士を召喚!」

 

荒野の女戦士 攻1100

 

「リクルーターか、さあどうする?シンクロするのか?」

 

「いいえ。ちょっと賭けに出ますが魔法カード、強制転移!」

 

「きょ、強制転移!?」

 

「この効果で互いのプレイヤーはモンスター1体を指定してそのモンスターのコントロールを入れ替えます!」

 

「あっちゃ〜・・・・一応、チェーンでクリムゾン・シャドーの効果を使うわ」

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー OVR 1→0

 

「?何故クリムゾン・シャドーの効果を?」

 

「いや、クリムゾン・シャドーの効果を使われたら困るからさ。正直、苦肉の策だけど」

 

「なるほど。じゃあ強制転移の効果、僕は荒野の女戦士を選択します」

 

「俺は・・・・・と言ってもクリムゾン・シャドーしかいねぇけど」

 

クリムゾン・シャドーが恭輔の場に行き、代わりに荒野の女戦士が俺の所に来た。ちくしょう!!禁じられた聖槍を使っても意味ないじゃん!!リビデも伏せとけば良かったよ!!

 

「バトル!クリムゾン・シャドーで荒野の女戦士に攻撃!え〜と・・・・」

 

「月影紅切りだよ」

 

「ありがとうございます。月影紅切り!」

 

これを使わなくても生き残るから・・・・・使わない!

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

荒野の女戦士 攻1100

 

遊輝 LP 4000→2700

 

「ぐうぅぅ!!!!今のは効いたな」

 

「荒野の女戦士の効果発動!戦闘によって墓地に送られた時、攻撃力1500以下の地属性・戦士族モンスターを攻撃表示で特殊召喚します!もう一度荒野の女戦士を特殊召喚!バトル続行!荒野の女戦士でダイレクトアタック!」

 

荒野の女戦士が突っ込んできて、俺を斬りつける。

 

遊輝 LP 2700→1600

 

「さらにトラパートでダイレクトアタック!」

 

遊輝 LP 1600→1000

 

痛い痛い・・・・・まさかライフを3000も削られるとは。

 

「バトルフェイズを終了して、Lv4の荒野の女戦士にLv2のトラパートをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「荒れ果てた大地に英雄が現れる。平和の礎となれ!シンクロ召喚!駆け抜けろ!大地の騎士ガイアナイト!」

 

大地の騎士ガイアナイト 攻2600

 

出た〜〜。シンクロ初期からいたモンスターだ。いや〜〜俺も使っていたけど、ゴヨウとブリューナクが出てからは扱いは酷かったな・・・・当時両方とも持って無かったからほぼエースみたいで入れていたけど。

 

「?何を言っているのですか?」

 

「んっ?何でもないよ」

 

「そうですか。じゃあこれでターンエンドです」

 

 

恭輔 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

大地の騎士ガイアナイト 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

さ〜て、予定が狂ったぞ。デッキに1枚だけ入れていた強制転移を使われるとは思わなかったな。これで今度はこっちがクリムゾン・シャドーを処理しなくちゃいけないのか〜。効果を使い切ったとはいえ・・・・・

 

「う〜ん、味方だったら頼りになるけどいざ敵に回したらなかなか難しいな」

 

「でも効果は全て使われてしまいましたけどね。どうします?」

 

「どうしますも何も・・・・このターンじゃ無理だな。魔法カード、一時休戦。互いのプレイヤーはカードを1枚ドローして次の相手ターンのエンドフェイズまで全てのダメージを0にする」

 

遊輝 手札 4枚→5枚 恭輔 手札 1枚→2枚

 

・・・・・おっ、良いの引いた。けど一時休戦使っちまったしこのターンは守りだな。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 3枚

 

「ダメージを与えられないなら攻撃しても意味がありませんね。僕もカードを2枚伏せてターンエンドです」

 

 

恭輔 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400

大地の騎士ガイアナイト 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「俺のターン、ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

「このドローフェイズにリバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地から太陽風帆船を特殊召喚!」

 

太陽風帆船 攻800

 

「(ドローフェイズ?何故わざわざドローフェイズにモンスターを蘇生する意味があるのでしょうか?)」

 

「スタンバイフェイズに太陽風帆船の効果発動!スタンバイフェイズ毎にレベルが1つ上がる!」

 

太陽風帆船 ☆5→☆6

 

「!?そういう事ですか」

 

「そういう事。で、メインフェイズに入って魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから《ガガガ》と名のついたモンスターを特殊召喚する!」

 

「それはダメです!カウンタートラップ、マジック・ジャマー!手札のカードを1枚捨ててマジックカードの発動を無効にして破壊します!」

 

ガガガ・ゲットのカードに電流が走って破壊される。

 

「知ってますよ。遊輝さんの主力モンスターが《ガガガ》だという事は。だったらその召喚さえ封じれば良いんです」

 

「そこに目を付けたのは良いけど本命はこっちなんだよ」

 

「えっ?」

 

「魔法カード、オノマト連携(ペア)!手札を1枚捨ててデッキから《ガガガ》《ゴゴゴ》《ドドド》《ズババ》と名のついたモンスターを1体ずつ、計2枚まで手札に加える!」

 

「さ、サーチカード!?まだ持っていたのですか!?」

 

「俺はデッキからガガガマジシャンとゴゴゴゴーレムを手札に加え、ガガガマジシャンを通常召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

俺の前に鎖を振り回しながら後ろに【我我我】の文字が入った学ランを着たいつものダイヤが現れた。

 

『どうですかマスター?』

 

「結構良いよ。あと何回か回せば自分の物になれそうだ」

 

『それは良かったです』

 

「?何をブツブツ言っているのですか?」

 

「えっ?あ〜・・・なんでもないよ」

 

流石にモンスターの精霊と喋っているなんて言えないな・・・・・

 

「ガガガマジシャンの効果!自身のレベルを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャンと太陽風帆船でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ガントレット・シューター!」

 

ガントレット・シューター 攻2400

 

「ガントレット・シューター?見たことが無いモンスターですね」

 

「普段から滅多に使わないモンスターだよ。ガントレット・シューターの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除く事で相手フィールドのモンスター1体を破壊する!ガイアナイトを破壊しようか」

 

ガントレット・シューター OVR 2→1

 

ガントレット・シューターがオーバーレイ・ユニットを1つ吸収してガイアナイトを目標に向け、球を発射する。もろに受けたガイアナイトは破壊される。

「が、ガイアナイトが・・・・」

 

「バトル!ガントレット・ウォリアーでクリムゾン・シャドーに攻撃!この瞬間速攻魔法、禁じられた聖槍!モンスター1体の攻撃力を800ポイントダウンさせる!クリムゾン・シャドーを選択する!」

 

「!?し、しまった!?」

 

ガントレット・シューター 攻2400

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 攻2400→1600

 

恭輔 LP 4000→3200

 

「う、うわぁっ!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

ガントレット・シューター 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

 

 

さ〜てと、ここから恭輔が頑張られるかどうかだな。

 

「う、ううう・・・・・」

 

「どうした?」

 

「ううう・・・・・・もう無理」

 

「(ガクッ!)あ、あのな〜・・・・・まだ終わってないのに無理とか言うなよ」

 

「だ、だって僕の手札は0枚で、フィールドは伏せカードだけですよ!遊輝さんは攻撃力2400のモンスターに伏せカードが2枚も。とても逆転出来るような・・・・・」

 

あ〜あ、しょげちゃった・・・・・・ガントレット・シューターを出すのはやっぱ間違いだったかな?でもホワイトはエースで置いておきたいし、トレミスはこのカードと入れ替えてしまったし他のランク6は入れて無いし・・・・・

 

『マスター、励ましたらどうですか?』

 

「(言われなくてもするよ)おい、そこで諦めてどうする?」

 

「だ、だって・・・・」

 

「だってもねぇよ。お前はデュエリストなんだろ?デッキが尽きるまで最後まで諦めるなよ!!」

 

「で、でも・・・・・」

 

「ああもう!!!『でも』とか『だって』とかそんな事言うから良い事も逃げてしまうんだよ!!諦めるなよ!!そのデッキはお前が信じて作ったデッキだろ!?お前が信じなくてどうするんだよ!!デッキを信じれば信じるほどデッキは応えてくれるんだよ!!」

 

「!(信じれば信じるほど・・・・・応えてくれる・・・・)」

 

「どっちとるんだ!?このまま弱音を吐いて諦めるのか!?それともデッキを信じてドローするのか!?」

 

「ぼ、僕は・・・・・・デッキを信じます!!」

 

よっしゃ!良い目になったな!

 

「僕のターン!ドロー!!」

 

恭輔 手札 1枚

 

目をつぶった恭輔が引いたカードを見るために目を開ける。さあ何を引いたんだ?

 

「(・・・!!応えてくれた!!)リバースカードオープン!サイクロン!左側の伏せカードを破壊します!」

 

恭輔の場からサイクロンが出て、俺の伏せカード・・・・・次元幽閉が破壊される。最後に伏せていたのがサイクロンだったか。用意周到でいいじゃないか。

 

「そしてH・C ダブル・ランスを召喚!」

 

H・C ダブル・ランス 攻1700

 

「orw・・・だ、ダブル・ランスかよ・・・・良い応えじゃないか」

 

「はい!ダブル・ランスが召喚に成功した時、手札または墓地からもう1体のダブル・ランスを特殊召喚します!」

 

ダブル・ランスが地面に槍を突き刺して穴を開ける。その出来た穴の中からもう一体のダブル・ランスが出てくる。

 

「Lv4のダブル・ランス2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!闇を切り裂く英雄となれ!H-C エクスカリバー!!!」

 

HーC エクスカリバー 攻2000

ダブル・ランス2体が吸い込まられたブラック・ホールの上空に雷雲ができて雷が落ちる。雷が落ちた所に穴が開き大きな大剣を持った赤い侍みたいな戦士が現れた。

 

「出たなエクスカリバー・・・・・さあどうしようか?」

 

「どうしようにももう止められません!エクスカリバーの効果発動!!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除く事で次の相手ターンのエンドフェイズまでこのカードの元々の攻撃力を倍にします!」

 

H-C エクスカリバー OVR 2→0

攻 2000→4000

 

エクスカリバーが大剣を雷雲のある空へと向けて、雷がそこに落ちる。雷を受けたエクスカリバーは鬼のような形相で俺を睨む。

 

「これで僕の勝ちです!エクスカリバーでガントレット・シューターに攻撃!一刀両断!必殺真剣!!」

 

エクスカリバーが両手で持ち替えて雷を帯びた剣をガントレット・シューターに落とす。ガントレット・シューターは何の抵抗もせず、真っ二つに斬られ爆発する。

 

H-C エクスカリバー 攻4000

ガントレット・シューター 攻2400

 

「これで僕のk「まだ終わってねぇぜ?」えっ!?」

 

爆発したガントレット・シューターの中から聞こえる俺の声に驚く恭輔。そりゃらそうだよな。トドメで刺したエクスカリバーの攻撃が決まったのに終わってないってのは。でも・・・・事実なんだよ!!

爆発した煙が晴れあがる。そこには・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー 守1700

「ク、クリムゾン・シャドー!?何で!?確か前のターンに遊輝さんが破壊したはずじゃ!?」

 

「・・・・・罠カード、エクシーズ・リベンジ・シャッフル」

 

目を大きく開けて驚く恭輔に俺はフィールドにオープンされた1枚の罠カードを指し読み上げる。

 

「このカードは自分のエクシーズモンスターが攻撃対象になった時、墓地のエクシーズモンスターを選択することで攻撃対象のモンスターをエクストラデッキに戻し対象にしたモンスターを特殊召喚できる!!」

 

「なっ!?リリースエスケープ!?」

 

「そしてこの効果で特殊召喚したエクシーズモンスターにこのカードはオーバーレイ・ユニットとして下に重ねる!!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー OVR 0→1

 

「そ、そんな・・・・・・・」

 

「さすがに俺もデュエリストだからね。手を抜いて負けるなんて真似はしたくなかったんだよ。で、攻撃対象のモンスターが変わったから巻き戻しが起きるけど、どうする?」

 

「エ、エクスカリバーでクリムゾン・シャドーに攻撃!」

 

「クリムゾン・シャドーの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、このターンは破壊されない!」

 

No,12 機甲忍者クリムゾン・シャドー OVR 1→0

 

エクスカリバーの攻撃をクリムゾン・シャドーが両手に備え付けてある刃を構えて耐える。

 

「ふぅ〜〜・・・・・何とかこのターンは凌いだな」

 

「で、でも!エクスカリバーの攻撃力アップは相手ターンも続く!遊輝さんが次のターンでこのモンスターを突破することは少ない!!ターンエンドです!!」

 

 

恭輔 手札 0枚 LP 3200

【モンスターゾーン】

H-C エクスカリバー 攻4000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「さあ、恭輔。今度は俺がデッキを信じる番だ。このターンでエクスカリバーを突破できるカードが弾けるかどうか」

 

「は、はい!!(す、凄い胸がドキドキする!!こ、こんな緊張感初めて!!)」

 

「行くぞ・・・・・俺のターン!!ドロー!!」

 

遊輝 手札 2枚

 

「・・・・・・・来たぜ。ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!召喚時、手札からLv4以下のモンスターを特殊召喚できる!ゴゴゴゴーレムを特殊召喚!」

 

ゴゴゴゴーレム 攻1800

 

「その後、ゴブリンドバーグは守備表示となる!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

「これでランク4が可能に・・・・」

 

「そっちが切り札を出したならこっちもそれ相応のモンスターを出してあげないとな!!Lv4のゴブリンドバーグとゴゴゴゴーレムでオーバーレイ!!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

ゴブリンドバーグとゴゴゴゴーレムがブラックホールに吸い込まられていき、今までにないくらいの大きな爆発物が起き、辺りが爆発によって暗くなる。

 

「な、何が起きているのですか!?」

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!深海の奥深くに沈む箱舟よ!魔の海域から浮上し、深淵の闇から目覚めよ!!エクシーズ召喚!!オーバーハンドレッド・ナンバーズ!!No,101!!S・H・Ark knight(サイレント・オナーズ・アーク・ナイト)!!」

 

No,101 S・H・Arkknight 攻2100

 

ブラックホールから少し青がかった白い船体が浮上してきて、そいつが変形していきArkknightが出てきた。姿は・・・・・・なんというか表現しずらい。船のようで船でなく中央の赤い所に人型が見えるが騎士でない。頭?には『101』の刻印がある。

 

「な、なんですかこれは・・・・・・」

 

「こいつがNo,101、全てを飲み込む船さ」

 

「こ、攻撃力2100でどんな効果が・・・・・」

 

「驚くなよ?こいつはオーバーレイ・ユニットを2つ取り除くことで、相手フィールドの特殊召喚された攻撃表示のモンスターをこのカードのオーバーレイ・ユニットとして吸収する!!」

 

「きゅ、きゅきゅきゅ、吸収!?!?」

 

「Arkknightの効果発動!オーバーレイ・ユニットを全て取り除き、エクスカリバーを吸収する!!エターナル・ソウル・アサイラム!!」

 

Arkknightがオーバーレイ・ユニットを全て取り込み前の箱みたいなところが開く。そこから強烈な風が吹き荒れてエクスカリバーを吸い込もうとする。エクスカリバーも大剣を地面に突き刺し踏ん張ってはいるが、根負けしてしまい、Arkknightに吸収されてしまった。

 

No,101 S・H・Arkknight OVR 2→0→1

 

「クリムゾン・シャドーを攻撃表示にしてバトル!」

 

「(す、凄い・・・・・)」

 

「クリムゾン・シャドーでダイレクトアタック!月影紅切り!」

 

クリムゾン・シャドーが両手の刃で恭輔を切り裂く。

 

恭輔 LP 3200→800

 

「(こ、これが・・・・・)」

 

「ラスト!Arkknightでダイレクトアタック!ミリオン・ファントム・フラッド!!」

 

「(これが・・・・星の魔術師(マジシャン)、遊輝さんのデュエル・・・・)」

 

Arkknightの攻撃を真正面で受け止めて、恭輔が吹っ飛ぶ。

 

恭輔 LP 800→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 恭輔

 

 

 

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

デュエルデスクを片付けて最後の攻撃を受け吹っ飛んだ恭輔の元に行く。あいつ、真正面で喰らって大丈夫なのか?

 

「だ、大丈夫です」

 

「それなら良いんだが・・・・・」

 

「それにしても遊輝さん凄いですね!最後の最後までドキドキしましたよ!!」

 

「そうか?そう感じてくれて良かったよ」

 

Arkknightはやっぱ強すぎだよ・・・・・しかもこれに破壊耐性がついているんだろう?さらにおまけに出しやすいし、ちょっと自重して使おう。なんでもこいつでOKになっちゃうから。ダイヤ・パールコンボからのマシュ=マックよりかはマシだろうけど。

 

「じゃあ荷物まとめて森から出るか」

 

「ま、待ってください!!」

 

鞄を持って立ち去る俺を恭輔が呼び止める。

 

「どうした?」

 

「遊輝さん!!いえ、師匠!!!」

 

「し、師匠!?!?」

 

恭輔から出た以外な言葉に顔が前のめりになり鞄を落としてしまう。

 

「師匠!!僕を弟子に取ってください!!師匠の下でデュエルを磨きたいです!!」

 

「い、いや、あの、その〜〜・・・・・・」

 

「僕、掃除でも雑用でも何でもします!!弟子にしてください!!」

 

「ちょ、ちょっと待て!!土下座するな!!何で俺!?世の中俺より強い奴なんかそこら辺にいっぱいいるぞ!?」

 

主にスバルとか、スバルとか、龍可とか、龍可とか、龍可とか、龍可とか・・・・・

 

「僕!!師匠みたいに最後まで人をワクワクさせるようなデュエルをしたいんです!!」

 

・・・・・・俺のデュエルってそんなにワクワクするのか?

 

『(むしろハラハラです。何回負けそうな所を交わして来たのですか?)』

 

「(それは〜・・・・・まあそんなものだろう・・・・)」

 

『(理由になってません)』

 

「お願いです師匠!!弟子にしてください!!」

 

「ちょ、ちょちょちょい!!頭上げて!!」

 

『マスター、ここまでしてるのですから弟子にしてあげたらどうですか?』

 

土下座して頭まで下げる恭輔にダイヤが折れるようにと言ってくる。

まぁ・・・・・・・別に支障を起こす訳でもないし恭輔も折れる気配が無いし・・・・・・

 

「・・・・・・いいよ。取ってあげるよ」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ、取るって言ったから取るよ」

 

「ありがとうございます師匠!!」

 

せめてその師匠って言うのだけはやめて欲しいけど絶対に無駄だろうな・・・・あ、そうだ。恭輔のデッキパーツは不完全だったな。

 

「明後日、家に来たら?そのデッキのパーツを譲るから。さっきのデュエルで細かい調整が必要だし」

 

「行きます!それで師匠!この後どうしますか?」

 

「う〜ん・・・・・・(アカデミアに戻ったら確実に命が無くなるよな)今日は部活サボって市場にいくか」

 

「市場ですか?」

 

「あぁ、食材を見るんだよ」

 

「?師匠のデュエルは食材を見る事も大事なのですか?」

 

「ちげぇよ!!俺は趣味で料理研究をしているだけ!!」

 

「そうなのですか。僕も付いて行っていいですか?」

 

「いいよ。それじゃ行こう「遊輝♪(ニコニコ♪♪♪♪)」!?!?(ビクッ!!!!)」

 

恭輔と市場に行く事を決めた時、後ろからとてつもなく殺気のあるオーラと声が聞こえた。その声を聞いて身体のガクブルが止まらない。

ま、まま、ま、まさか・・・・・・こ、この声は・・・・・・

 

「し、師匠・・・・・・う、後ろ・・・・・(ブルブル)」

 

同じくガクブル状態の恭輔が俺の後ろにある何かに指を指す。

 

「(見たくない!見たくない!見たくない!見たくない!見t)「遊輝♪(ニコニコ♪♪♪♪)」は、はいいいぃぃぃ!!!!」

 

恐怖のあまりに不良に追い詰められた小さい子供のように固まっている俺をさらに脅すように誘う声が聞こえ反射的に向いてしまう。そこには・・・・・・

 

「・・・・・・・・・(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

超ウルトラ・ベリー・パーフェクト・ハイパーな笑顔(目が笑ってない)の龍可がいた。後ろではスバルや奏達が震えながら立っていた。

 

「な、なんで・・・・ここが分かったの?(ガクガクブルブル)」

 

「皆に捜索してもらったの(ニコッ♪)そうしたら近くの森で大きな爆発音がしたって誰が言っていたから、来たの(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「そ、そう・・・・・・(ガクガクブルブル)」

 

「それより、寝てって言ったのになんで保健室から抜け出してデュエルしているの?(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「え、ええ、い、いやそ、それはそ、その〜、な、なんていうか(ガクガクブルブル)」

 

恐怖のあまりに挙動不審にかられる俺。言い訳する上手い理由が思いつかない。

な、何とかしてこの状況を突破できることは・・・・・!!そ、そうだ!!太陽作ってフラッシュさせれば良いんだ!!

「どうして?(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「ど、どうしてって言われても・・・・(ガクガクブルブル)」

 

龍可に尋問されながら両手で太陽を作っていく。あ、あとちょっとで・・・・・

 

ヒュウウウゥゥゥゥ・・・・・・・

 

「?な、何の音だ?」

 

「し、師匠!!上!!」

 

「う、上?」

 

恭輔の言葉で上を見る。そこにあったのは・・・・・・

 

ヒュウウウウゥゥゥゥゥゥ!!!!!

 

「て、わああああああ!!!!!!」

 

ドカアアァァァァンンンンンン!!!!!!!!

 

空からがなり大きめの隕石が落ちてきた・・・・・・・隕石!?なんで!?しかも俺を狙ってたよね!?何で隕石が落ちてくるんだ!?!?

 

「とりあえずそこの君♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「は、はいいい!!!」

 

「危ないから私の後ろにいた方がいいよ♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「は、はいいい!!!」

 

そう言って恭輔が龍可の後ろに立っているスバル達の所に行く。

行くな!!!!!!いきなり師匠を裏切るのか!?!?

 

「次、何かしたらあれを落とすからね♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

龍可が上に指を指し釣られて俺も上を見る。そこにあったのは・・・・・・

 

『・・・・・・・・・・・・・』

 

無言でちょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜う巨大な隕石を浮遊させているエンシェント・コメットだった。

 

「・・・・・・・あ、あれ?あれが落ちるの?」

 

「うん♪さっきはワザと外したけど、今回は狙っているよ♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「あ、あは、あはは、あはははは・・・・・・・」

 

渇いた笑い声を振り絞りながら、俺は両手を上げた。

・・・・・・・・・・・・・・終わった・・・・・・・俺の人生・・・・・・

 

「エンシェント・コメット♪(ニコッ♪)遊輝をつかまえて♪(ニコッ♪)」

 

『わ、分かりました・・・・・・』

 

空中で浮かんでいた隕石を消滅させ、エンシェント・コメットがしっかりと両腕で俺を捕まえる。

 

「(・・・・・なぁエンシェント・コメット)」

 

『(何でしょうか?)』

 

「(俺・・・・・・・生きて帰れるかな?)」

 

『(・・・・・・無理ですね)』

 

・・・・・・・・・・・・・・・エンシェント・コメットが数少ない唯一の希望だったのに・・・・・・

 

「エンシェント・コメット♪(ニコッ♪)あそこにある小屋に遊輝を連れて行って♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

『は、はい・・・・』

 

しっかりと俺を捕まえたエンシェント・コメットは何故かすぐそばにあった小屋まで行き、俺を中に入れる。それに続いて龍可も中に入ってきた。

 

「そこに正座して♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

 

「・・・・・・はい・・・・・・」

 

「じゃあ・・・・・・・お話しよう♪♪(ニコニコ♪♪♪♪)」

遊輝 side out

 

 

龍亞 side

 

あ〜怖かった・・・・・・・あんな恐怖に1時間も付き合っていたら心臓が持たないよ・・・・・まだ震えが止まらないよ(ブルブル)

 

「師匠・・・・・」

 

なんか隣で心配そうに「師匠・師匠」って心配そうに言っているけど、君逃げたんだよ?

 

「龍可ちゃん・・・・怖っ!!」

 

「アレが龍可の覇王モード・・・・」

 

「恐ろしい・・・」

 

「師匠・・・・・・・・」

 

「ねぇ君、さっきから師匠・師匠って呟いているけどもしかして遊輝の事?」

 

「はい!!」

 

奏さんの質問に元気良く答える男の子。・・・・・・・あれ?こいつって確か・・・・

 

「もしかして、昨日龍可とデュエルした・・・」

 

「そうです!僕、成田恭輔と言います!」

 

「ありゃ可哀想だったな・・・・・・俺、龍亞!龍可とは双子の兄だよ」

 

「知ってますよ。龍亞さんと龍可さんは双子で小等部のナンバー1とナンバー2なんですから」

 

「まぁ・・・・・・・ここにいる人達とデュエルしてたら自然と、ね。なぁ祈」

 

「つ、強くなりますよね。け、軽音部のメンバーは強過ぎです」

 

「軽音部?て言うことはここの人達は・・・・・」

 

「自己紹介する?私、葵レミ」

 

「俺は遊城スバル。スバルでいいぜ」

 

「私は小野寺響!!隣が幼馴染の」

 

「水野奏よ。よろしく」

 

「葵さんに遊城さん!?それに小野寺さんに水野さん!?す、凄い!!アカデミア五剣士全員揃った!!」

 

皆の自己紹介をした後に興奮する恭輔っていう子。そう言えば遊輝達そんな事言われてたな〜。あまりにも親しくしすぎてそんな感覚、一度もなかったわ。

 

「そう言えば俺たちそんな事言われてたな」

 

「私一度も気にしてないけど」

 

「私も!」

 

「まだちょっと気にしてる・・・・恥ずかしいったらありゃしない////」

 

「ま〜た顔を赤くして〜〜。本当は嬉しいんでしょう〜?」

 

「////恥ずかしいの!!!」

 

元々三剣士だったスバルさんやレミさん、響さんは平気にやり過ごしているけど今だに慣れていない奏さんはうっすら顔を赤くする。

 

「でもどうする?待つの?」

 

「僕、師匠が出てくるまで待ちます!」

 

「俺も待〜とう。どうせ家帰っても暇だし」

 

「じゃあ皆で待ちますか」

 

レミさんが決めた事に皆が賛成して待つ事になった。さすが軽音部のリーダー、みんなからの信頼は厚いな〜〜。

 

 

〜〜〜数時間後〜〜〜

 

 

「・・・・・長いな」

 

「前の時よりも長くなってない?」

 

「今回は遊輝が全面的に悪いからね。キツく言っておかないとダメなんじゃない?」

 

「あっ、扉が開いたよ」

 

響さんが小屋に付いている扉が開いた事に気づき皆も向けるといつもの龍可が先に出ていた。どうやら終わったみたいだ。

 

「龍可ちゃん、遊輝は何処にいるの?」

 

「まだ中にいます」

 

龍可が小屋に指を指すので、俺たちは小屋を中を覗く。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

正座しながら白目になって気絶している遊輝。よほど過酷だったんだろうな・・・・・・

 

「し、師匠・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・(チーン)」

 

「し、師匠ぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

「・・・・遠藤遊輝、死去。享年、12歳。皆様、合掌をお願いします」

 

「「「「「アーメン」」」」」

 

「え、え!?ゆ、遊輝さん!?」

 

「・・・・て言うのは冗談で」

 

ズコッ!!!!!

 

派手に転ぶ祈と恭輔。軽音部のメンバーはノリが良すぎるよ。

 

「じょ、冗談にしては言い過ぎではないですか?」

 

「いや〜、そんな空気だったから。軽音部のメンバーはノリがいいね」

 

「空気的にそうしろっていう感じだったからな。ついつい」

 

「でもどうする?遊輝って以外と頑固な一面もあるよね」

 

「そうだよね〜。とても今回の事で懲りるとは思わないけど、とにかくあの不健康な生活リズムは何とかさせないと」

 

「大丈夫です。私とある約束しましたので」

 

「「「「えっ?」」」」

 

龍可がある約束と言って皆が龍可の方に向く。

 

「約束?」

 

「はい、約束しました。多分、遊輝はもう睡眠不足にはならないはずです」

 

「龍可ちゃん、どんな約束したの?」

 

「それは・・・・・・・・・・・・それは//////」

 

うん?顔を赤くして指をツンツンとし始めた?・・・・・・・・はは〜ん。何と無く分かったぞ。

 

「さては遊輝と一緒に寝るみたいな事を言ったんでしょ?」

 

「///////ギクッ!!」

 

「図星だ〜〜。いいねぇ、恋する乙女は」

 

「青春だね〜〜」

 

「///////////////」

 

俺と響さんが茶化す事に耐えきれず、顔を赤くした龍可は両手で顔を隠そうとする。

 

「好きな人と寝るなんて龍可ちゃんにとっては美味しい話ね」

 

「でも、これで遊輝も反省してきちんとした生活に戻るでしょう」

 

「これが一番だね」

 

「(さ、さっきとギャップ差がありすぎて付いていけない・・・・)」

 

「ところで遊輝はどうするんだ?」

 

「「「「「あっ・・・・」」」」」

 

「・・・・・はぁ〜、また送るのか。今度は遠いなぁ〜」

 

「よいしょっ」と掛け声を掛けて、スバルが気絶した遊輝を背負う。後ろから恭輔も支える。

 

「誰か目を閉じさしてくれ。白目でこっちを見てて気色悪いからよ」

 

「はいはい」

 

レミさんが遊輝の目を瞑らせて俺たちの家に全員で行く。本当に迷惑をかけるな〜〜。

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

「あ、あれっ?ここは・・・・・・」

 

気がついたら、ソファの上で寝ていた。周りの景色から見て・・・・・・・・・・・・家か。てことは帰ってきたのか。

 

『主、やっと目が覚めましたか』

 

「プ、プラチナ?・・・あれっ、ダイヤは?」

 

『ダイヤでしたらパールと一緒にブラックとホワイトに晩御飯を食べさせているところです』

 

「・・・・・・・・今何時?」

 

『8時です。約5時間近く気絶してました」

 

「そ、そう・・・・・」

 

『主、何があったのですか?家でホワイト達の世話をしていた時に皆様が主を送り届けていたので気になったのですが』

 

「・・・・・・あ、あれ?何でだろう?思い出す事が出来ない」

 

というより本能的に思い出すな!!って言われているような感じがする・・・・・何があったんだ?

確か・・・・・保健室で恭輔のデッキ改造を手伝って、その後デュエルして・・・・・

 

「・・・だ、ダメだ。これ以上は思い出せない(ブルブル)」

 

『そうですか・・・・(一応、ダイヤから事情を聞いておいたのですが、今回はかなりキツく言われたみたいですね)。あと、メールが来てますよ』

 

「・・・・・あっ、ほんとだ」

 

スマフォの電源を入れるとホーム画面のところでレミからメールが来ていることに気づく。

 

「何々・・・・・・〈明後日、あんたの家に皆で行って料理を教えてもらうからね〉あ、明後日か。じゃあ明日に仕込みをしておく必要があるな」

 

『まだ続きがありますよ』

 

「えっ?〈P.S. 龍可ちゃんに変な事したらただじゃすまないわよ!!〉・・・・何言ってんだこいつ?」

 

『さぁ?私にも分かりません』

 

「・・・・・・・まぁいっか。とりあえずご飯食〜べよ」

 

携帯を閉まってテーブルの上にある龍可が作ってくれたご飯を食べながら、明日のメニューを考える。

何しようかな?この前はカレーだったけど・・・・・・・簡単な物にしておかないと、あの二人めちゃくちゃ危ないからな。・・・・・・・・・・・・肉じゃがかな?でもあれ難しいしな・・・・・・う〜ん・・・・・・・・しゃあない。また洋食で行くか、グラタンだな。確か冷蔵庫に牛乳とバターがあったし・・・・・・あれあったかな?ちょっと入れてみよう、どんな味になるか想像つかないし。

 

『主、食事中ぐらい料理の事から離れたらどうですか?』

 

「もう無理。完全に癖だよ」

 

とまあこんな感じで食事を済ませて・・・・・・・・・・・・

 

「さぁ〜てと、Dホイールを調整しないと」

 

「ふぅ〜・・・・・・・。遊輝、お風呂入っていいよ」

 

「う〜ん、Dホイール調整して・・・・・どうしたの?」

 

Dホイールを調整する機材を入れた工具箱を持って玄関に行こうとしたら龍可が俺の腕を掴む。

 

「・・・・入って。約束したでしょ?」

 

「や、約束?」

 

「/////きょ、今日から私と一緒に寝るって」

 

「(・・・・・・・そう言えばそうだった(汗))」

 

お、思い出した・・・・・・・恭輔のデュエルの後、龍可に見つかって地獄を見たんだった・・・・・・意識が飛びかけの中で何か約束を結んだのは覚えていたけどそんな約束だったのかよ!!

 

「//////まさか忘れてたの?」

 

「そ、そんな事・・・・・ないよ(汗)」

 

「//////そう、じゃあ入ってきて」

 

「は、は〜い・・・・・・・・(汗)」

 

曖昧な感じで流し龍可は自分の部屋に戻る。俺も工具箱を片付けて風呂の準備にする。

 

「参ったな〜〜・・・・・ブラックとホワイトの世話どうするんだ?」

 

『それは私達3人でなんとかします。主も甘やかしすぎですし』

 

「・・・・・・・すんません。後、市場行くのどうしようかな〜〜」

 

『先に抜けて行けばいい話じゃないですか?』

 

「それがさ〜、今朝に高熱出していたらしくて。あまり睡眠時間を削れなくなったんだよね」

 

『(やっと記憶を戻しましたか)』

 

「まぁさすがに龍可も3時はぐっすり寝てるだろう。勝手に起きて市場に行くか」

 

そんな甘い考えをしながら風呂に入り、また明日のメニューを考え直す。風呂から上がりいつもの青汁を飲んで自分の部屋に行くと既に龍可が待っていた。

 

「・・・・・何も俺の部屋で待たなくても」

 

「そうしないと絶対に夜遅くまで起きているのでしょ!」

 

確かにこのまま自分の部屋で寝てくれるかな〜と思ったけど・・・・・

そこら辺に置きっ放しだった工具箱や鞄などを片付けて龍可と一緒にベッドの中に入る・・・・・・・・が、

 

「・・・・・・・・あの〜、龍可さん」

 

「何?」

 

「何で俺の右腕を両腕で掴むの?何で俺の右足を絡めるの?」

 

何故か布団の中で俺の右腕と右足をしっかりと掴む龍可。凄く寝にくいんですが・・・・・・・・

 

「遊輝を逃がさないため」

 

「に、逃がさないため?」

 

「遊輝の事だから私が寝た後に起きて色々するでしょ。そんな事をさせないため」

 

「(・・・・・・・・バレてる)」

 

「図星ね」

 

そう言ってさらにキツく抱きついてくる。

 

「絶対に逃がさないから!!」

 

・・・・・これ、凄く寝にくいんですけど・・・・・・あと俺、朝早く起きなければならないんだけど・・・・

 

「あ、あのさ、アカデミアがある時は一人で寝ていいかな?」

 

「何で?」

 

「朝にご飯とお弁当を作らないと行けないからさ〜」

 

「それなら私も手伝うわよ」

 

「い、いや・・・・・さすがに小学生に朝早くから手伝わすのはちょっとね・・・・・・」

 

「(どうしても逃げようとする・・・・・まぁいっか。こうして遊輝と寝る事が出来るし//////)い、いいよ」

 

よっしゃ!!これで朝練だけは出来る!!

心の中でガッツポーズをしながら、俺は龍可に抱かれたまま夢の中へと落ちていった。




恭輔「師匠、デュエルの時はすっごくカッコよかったのに・・・・・・・・」

龍亞「(覇王モードの龍可に怯えない人がいるのか?)」

遊輝「(多分・・・・・・・・・・いないな)」

龍亞「それにしても恭輔はいいな〜。エクシーズモンスターを貰って」

恭輔「師匠ほど使えこなせないですが、頑張って自分の物にします」

遊輝「努力あるのみだな。どれだけデュエルしたかでどのエクシーズモンスターが最適か分かるようになるから」

恭輔「はい!」

龍亞「いいよな〜。俺も欲しい〜」

遊輝「パックで頑張って当てろ」

龍亞「冷たっ!!」

恭輔「次回は師匠の家でですね」

遊輝「俺、居候の身だから自分の家じゃないんだけど・・・・」

龍亞「次は【Let's cooking!遊輝の料理教室!】」

遊輝「料理教室って言っても普通のグラタンを作るだけだからあまり期待しなくていいよ」

恭輔「次回もよろしくお願いします!」




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第65話 Let's cooking!遊輝の料理教室!

今回はデュエル無しです。
この話の改定前は2014年の2月頃に投稿しています。よって、ここでマスタールール3の事を話しています。ご了承ください。にしてもグダグダ・・・・・・・・・・・・

また、今回のグラタンは料理レシピサイト、COOKPADのマカロニグラタンを参照にしています。(ホワイトソースは自分のアレンジです。試してませんが・・・・)


遊輝 side

 

 

「(・・・・・・・・今何時だ?)」

 

枕元に置いてある時計を確認する。ふむふむ・・・・・・・・3時か。じゃあ起きるか。時計をもう一度枕元に直して身体を起こそうとするが右側が上がらない。

 

「・・・・・・・・あ〜、そうか」

 

何で上がらないのか布団を上に上げて確認してわかった。

 

「・・・・・・・・・・・・スヤスヤ」

 

しっかりと俺の右腕と右足をつかんだ龍可が気持ち良さそうに寝ていた。

そうか・・・・・・・・昨日、いや一昨日だ。龍可と約束して一緒に寝る羽目になったんだ、忘れてた。どうしようかな?めちゃくちゃ市場に行きたいんだが・・・・・・・・

 

「(行ったら行ったでまた地獄を見そうなんだよな)」

 

昨日、抜け駆けしようとしてバレてしまったんだよな・・・・・・・・どうしよう。

 

「・・・・・・・・・・・寝る事しか出来ないのか」

 

どうしようもなく仕方ないので二度寝をすることに・・・・・・・・

 

「(しかし・・・・・・・・可愛いな)」

 

横を振り向くと龍可の寝顔があるのでついつい見てしまう。

 

「(普段は普通の女の子なのに・・・・・・・・何故あんな風になったんだ?俺がこの世界に入ったから?)」

 

まあライトロードを使ったり、エクシーズモンスターを使ったり、アニメでは無かったエンシェント・コメット・ドラゴンもいるし、龍亞も龍亞で既にシグナーとして覚醒しちゃっているし、もう俺の知らないところで龍可も龍亞も色んな意味で成長してるんだな〜〜。

 

「(・・・・・・俺も頑張らねぇと。せめて二人を守る力ぐらいは付けないとな)」

 

龍可の髪を撫でながら決意を固める俺。その時の龍可はなんだか嬉しそうな顔をしていた。

 

 

〜〜数時間後〜〜

 

 

 

「さぁてと・・・・・・・これで材料と器具は揃ったかな?」

 

朝、起きてご飯を食べ家事をする、いつも通りの一日のスタート。そして今日は・・・・・

 

ピンポ〜ン

 

「はいは〜い」

 

ベルの音が鳴り、玄関まで走りドアを開ける。

 

「お待たせ」

 

「よぉ。今回は俺も都合がつけたぜ」

 

「ほんっとようやくだな。何回無理だったんだよ?」

「今回で3回目だから2回だね」

 

「まぁ、こんな所で話をしてないでさっさと中に入ってやろう。あと恭介、確か午後からってメールで送ったはずなんだけど・・・・」

 

「スバルさんが師匠が料理教室をやるからって言うのを聞きまして付いてきました!」

 

「弱ったな・・・・・・・・材料が足りないぞ」

 

「大丈夫です。僕は見学しますから」

 

「ごめんな。次は材料買ってきとくから」

 

そんな会話をする俺たちとはよそに・・・・・・・・

 

「(どう龍可ちゃん。憧れの彼氏と一緒に寝る事は?)」

 

「(//////////////あ、あの、そ、その・・・・・・・・)」

 

「(ヒュ〜ヒュ〜。顔を赤くして)」

 

「(レミ、そんな事聞くのではないでしょ。あれから改善した?)」

 

「(まだ・・・・昨日も抜け駆けしようとしましたし)」

 

「(はぁ・・・・まだまだ改善していく必要はあるわね)」

 

「何言ってるんだお前ら?」

 

後ろでコソコソと何かを話している女子組。何かコソコソ話をするネタでもあるのか?

 

「別に。それより早く教えてよ」

 

「はいはい・・・・じゃあキッチンに行って。今回も材料と器具の横に名前を書いた紙があるから」

 

みんなの背中を押しながらキッチンに行かすようにする。隣の恭介も俺と同じように龍亞や龍可、そして祈を押す。

俺たちの方はキッチンに小等部の方は恭輔以外を除いてベランダに行きデュエルを始める。

 

「本当に向こうでデュエルしなくていいのか?」

 

「僕、師匠の手伝いをしたいんです!!」

 

「それならいいけど。は〜い、今日はグラタンを作っていきま〜す」

 

「やった!!グラタン大好き!!」

 

『キャッ!!キャッ!!』

 

「ホワイト?何で急にホワイトが」

 

「ホワイトはグラタンが好きなんだよ」

 

「・・・グラタンが好きな精霊の赤ちゃんって聞いた事が無いんだけど」

 

「贅沢し過ぎよ」

 

「すんません。じゃあ調理開始といくか。その前にレミと響」

 

「何?」

 

「いいか!!絶対にここにある調味料以外の調味料を使うなよ!!変な物を持ってきて入れるなよ!!!」

 

「何でそんなに大声で注意するのよ!」

 

「お前ら何するか分からんからだ!!」

 

この前ちょっと目を離した隙に鷹の爪を鍋にぶち込みやがって!!おかげで大失敗だよ!!何も分からないのに勝手に色々入れるなって!!

 

「遊輝、この玉ねぎと鶏肉をどうするの?」

 

「え〜と、鶏肉は一口大に、玉ねぎは繊維にそって薄切りに適当な大きさで。みじん切りにしなければ好みの切り方でいいから」

 

「マカロニはどうするんだ?」

 

「後で一緒に煮込むから何も手をつけなくていいよ」

 

え〜と・・・・・・・・洋食をあまり作らないけど確か一緒に煮込んで大丈夫だったな。

 

「ねぇ!!この玉ねぎをどうやって切るのよ!!」

 

「はいはい・・・・・・ちゃんと見ておくんだぞ。まずは半分に切る。で、この繊維が入っている方が包丁の切りたい向き」

 

「ふむふむ」

 

「あとはこの繊維に沿ってこうやって薄く切っていくだけ」

「簡単だね」

 

そう言いながらレミが包丁を持って切ろうとする。・・・・・・・・・・・・ちょちょちょいいい!!!!

 

「ちょっと待てレミ!!」

 

「うわっ!!何よいきなり!!」

 

「何て包丁を持ち方をしてるんだよ!!その持ち方は危ないって先週言ったじゃねぇか!!」

 

レミのやつ、包丁の持つ所をグーで強く握って左手の指なんか思いっきりパーの状態で玉ねぎを持ちやがって!!

 

「いいか。包丁は親指と人差し指で刃元の中央の部分を支えて残り3本の指で持つの。あと左手の使い方!中指と人差し指の第一関節を包丁の側面に当てて押して切るんだぞ。間違っても指は伸ばすなよ!!」

 

「は、は〜い・・・・・・・・」

 

「こ、恐いわよ・・・・」

 

「お前らの包丁の持ち方の方が怖いよ!!怪我するぞ!!」

 

ほんっとハラハラするんだから!!これで怪我したらたまったもんじゃないよ!!

 

「スバル、もうちょっと小さく切りなさいよ。いくらなんでも大きいよ」

 

「そうか?これでも行けそうな気がするけど」

 

「ほんとに?」

 

一方スバルと奏のペアは奏がケーキ作りが得意ということと料理経験があるため、俺がスバルに教えなくても順調に進んでいる。スバルはこの二人と違って単純に料理をしないだけだから、覚えさせたら何でも行ける。まぁ普段からテストは一夜漬けで乗りきれるって言っている奴だから、ちょっと覚えさせたら大丈夫なんだろう。で、俺はというと・・・・・・・・・・・・

 

『キャッ!!!!キャッ!!!!!』

 

『きゃっ!!!!きゃっ!!!!』

 

「・・・・・・・何で急に子守をしなくちゃいけないんだ?」

 

グラタンを作ると言って出てきたホワイトに続き、今度はブラックも実体化して甘えてきた。ダイヤ達は一体何をしているんだ・・・・・・・・

 

「し、師匠?その人形は?」

 

「(・・・しまった。恭輔がいた(汗))あ、あのね・・・これから言う事を信じてくれる?」

 

「はい、師匠の言う事は何でも信じます」

 

「え〜とね「遊輝!!!!助けて!!!!!」ごめん!!ブラックとホワイトの子守お願い!!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと師匠!!!」

 

ブラックとホワイトを恭輔に押し付けて応援の要請があった響達の所に行く。

 

「何があったんだ!?」

 

「玉ねぎ切ったら目が染みるよ〜!!!何とかして!!」

 

「・・・・・ゴーグル付けろ」

 

そんな事でいちいち呼ぶな・・・・・キッチンの上にある戸棚からゴーグルを取り出して、響に渡す。

 

「ありがとう〜〜」

 

「何でそんな所にゴーグルを置いているのよ?あんたは必要ないでしょ?」

 

「たまに龍亞が手伝うんだけど、あいつも玉ねぎが染みるのが辛いからゴーグルを付けてさせたんだよ」

 

「凄い凄い!!全然染みないよ!!」

 

「「そりゃそうだろ(そうでしょう)」」

 

ゴーグルを付けて玉ねぎを切っても染みない事に驚く響を突っ込む俺とレミ。

 

「ふぅ〜・・・・こっちは終わったよ。次はどうしたらいいの?」

 

「え〜とな、切った食料とマカロニを目の前に置いている鍋に入れてこっち来て。小麦粉を渡すからそれを入れて玉ねぎがしんなりするまで炒めて」

 

「OK。鶏肉は?」

 

「鶏肉は火が通ってなくていいよ。後で煮込むし」

 

スバルと奏に指示した後、昨日仕込んでおいたホワイトソースの鍋に火をかける。焦げ目やダマにならないよう弱火でゆっくりと混ぜていく。

 

『きゃああああ!!!』

 

「師匠!!黒い方の人形が泣いてます!!」

 

「はぁ!?!?恭輔!!!このホワイトソースをかき混ぜといて!!」

 

「はい!!」

 

慣れない手つきであやしている恭輔にホワイトソースを任せて、ブラックをなだめる。

 

「お〜い、どうしたんよ?いきなり泣いて?」

 

『きゃっ・・・きゃっ・・・』

 

「うん?」

 

泣きながら指を指すブラック。その差した方に顔を向けると・・・・

 

『ベロベロ〜バァ!!!!』

 

『キャッ!!キャッ!!』

 

『じゃあもう1回!!ベロベロ〜バァ!!!!』

 

『クリクリィィ!!!!」

 

『・・・・・・(コクッ)』

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

・・・・変顔をしているブリザード・プリンセスとそれを見て笑うホワイトとハネクリボー、隣で今にも寝そうな顔をしているアース、相変わらず無口なファランクスがいた。

 

「・・・お前ら何をしてるんだ?」

 

『いないいないばぁ!!』

 

「違うだろ!!」

 

『ブラックとホワイトをあやしているの!!』

 

『きゃ・・・・きゃっ・・・・』

 

「逆に泣かしているだろ!!」

 

『ホワイトとハネクリボーは笑っているよ』

 

「一人でも泣かしたらダメだろ!!とにかくやめろ!!!」

 

『え〜〜』

 

「え〜〜じゃねぇよ!!やめろ!!」

 

『ぶ〜〜!』

 

含めっ面しているプリンセスを無視して、ブラックをソファの上に座らせる。

 

「もうちょっとだけ待っといてくれる?もうすぐ出来るから」

 

『きゃっ!!きゃっ!!』

 

ほっ・・・泣き止んでくれたよ。

 

「遊輝〜〜!!早く来てよ!!」

 

「はいは〜い!」

 

響に催促されて直ぐにキッチンに戻る。え〜と・・・・・・二人ともマカロニを入れたか。

 

「小麦粉入れて、炒めた?」

 

「奏に見てもらったから大丈夫よ!!」

 

「・・・・よし、変な物入れてないな」

 

「信用ないの!?」

 

だからカレーに鷹の爪をぶち込んだ人に料理の信用なんかない。

 

「じゃあ次はホワイトソース・・・・・・・・何だが時間が掛かるし、失敗のリスクも高いから前日に俺が仕込んでおいたのをかけて」

 

「え〜、作らないの?」

 

「さっき言っただろ。時間もかかるし、失敗のリスクが初心者には高すぎる」

 

「う〜ん・・・・・・・・このホワイトソース、何か和風っぽいね」

 

「勝手に飲むな。それは白だしを入れたんだよ」

 

「白だし!?」

 

「俺、やっぱり洋食とか向いてないから何でも和風か中華風の味付けになっちゃうの。これも一昨日に思い浮かんで、やってみたら案外上手い事行ったから使ってみようとしただけ」

 

「ほんとだ!!ホワイトソースなのに牛乳っぽくない!!」

 

「響、それだとただ牛乳を煮詰めただけみたいでしょ・・・・」

 

「うめぇな。こんなホワイトソースは始めただぜ」

 

「本当に美味しいですね!」

 

「そりゃよかった。じゃあこれを具材が少し見えるぐらいまでかけようか」

 

恭輔からホワイトソースを混ぜるのに使っていたお玉を返してもらい、皆の鍋にホワイトソースをかける。

全員の分をかけ終えたらホワイトソースの入っている大鍋を一度ガスコンロから離す。

 

「次は煮込み。ちょうどガスコンロが4つあるし弱火で木べらで混ぜる。牛乳にとろみがついたら煮込みはOKだ」

 

「は〜い!!」

 

今度は空いたガスコンロの取り合いが始まり、皆でホワイトソースを煮込んでいく。さてと、確か冷蔵庫に・・・・・・・・あったあった。これ入れて煮込んでみよう。合わない訳が無いだろ。

 

「師匠〜、この子達の説明を」

 

「あっ、ごめんごめん。え〜とな・・・・こいつらモンスターなんだよ」

 

「へ〜〜・・・・・・・・・・・・モンスター!?!?」

 

「そう、黒い方がブラック・サン・ドラゴンで、白い方はホワイト・サン・ドラゴン。俺のエースモンスターだ」

 

「モ、モンスターがソリットビジョンが無くても見える!?!?」

 

「実はな、モンスターの一部には精霊が宿っているんだ」

 

「せ、精霊?」

 

「そのままだよ。で、こいつらはその精霊の赤ちゃん」

 

「赤ちゃん!?!?い、いや、それよりモンスターに精霊が・・・・」

 

「え〜とな恭輔、あそこに誰かいるか分かるか?」

 

ブラックとホワイトに釘付けになっている恭輔の目を向こうで騒いでいるプリンセス達の方に向ける。

 

「あそこですか?何も見えませんよ」

 

「(て言うことは恭輔は見えないのか。まぁ普通の人は見えないってエンシェント・フェアリーも言っていたししゃあないな)じゃあ恭輔が見えているのはこいつらが実体化しているからか」

 

「じ、実体化?」

 

「普通、精霊はある一部の人にしか見えないんだ。実際、恭輔は見えてない」

 

「えっ?どうしてですか?」

 

「あそこに実体化していない精霊がいるからだ」

 

それを聞いて恭輔はもう一度じっくりと見るがやはり何も見えていないらしい。はぁ〜とため息をうった後、肩を落とした。

 

「まぁ、そんながっかりするな。精霊が見えないのが普通だから」

 

「そうですね・・・・・・・・それじゃ、何故この子達は?」

 

「実体化は精霊が見えない人でもモンスターの力で見えたり触れたり出来る事。この二人は実体化の能力があるらしいから、こうやって恭輔も持つ事が出来るんだ」

 

そう言って恭輔にブラックとホワイトを抱えさせる。ブラックもホワイトも『きゃっきゃっ』と言いながら、恭輔に抱きついた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「元気出せって!!精霊が見えなくても、お前のモンスター達はお前を信用してるって!!」

 

「・・・・・・・・はい!!」

 

よし、恭輔も元気になったし俺も自分の分を作っていかないと。え〜と・・・・・・・・マカロニと鶏肉と野菜類をこの鍋にぶち込んで・・・・・・・・

 

「遊輝、みんな煮込み終わったよ」

 

「よし、じゃあ最後の仕上げ。鍋で煮た奴を耐熱皿に移し替えて、簡単に済ますようにピザ用のチーズを手で握ってまぶす。後はオーブントースターで10分焼けば出来上がり」

 

「へぇ〜、以外と簡単なんだね」

 

「・・・野菜の下ごしらえとかホワイトソースとか色んな準備をしていないからそう言えるんだろ」

 

これ作るのにまず玉ねぎや人参の皮むき、鶏肉の筋切ったり、ホワイトソースをずっと煮込んだりとか色々大変なんだから・・・・・・・・

 

「あ〜〜、今日も盛大にやられたわ」

 

「る、龍可さん強すぎです・・・・・・・・」

 

「たまたまよ。今日は本当に運が良かったわ」

 

こっちが仕上げにかかった時にちょうど、龍可達もベランダから戻ってきた。龍亞の言い方からみれば・・・・・・・・

 

「また1killか」

 

「そうだよ!!しかも今回は10連ちゃんで!!」

 

「わ、私も6回ほど・・・・・・・・」

 

「でも祈2勝したじゃん!!」

 

「あ、あれはたまたまで・・・・」

 

「たまたまでも何でもないよ。確かに事故を起こしていたけど、その少しの間に決着を着けた事は自信を持って良いんだよ」

 

「凄いじゃねぇか!!龍可に2勝するなんて!!」

 

「////えっ!?あ、ありがとうございます!!」

 

何故かスバルに褒められた時だけ顔を赤くして素直に喜ぶ祈。良く分からないや。

 

「ねぇ!!それより俺たちの昼ごはんは!?」

 

「今、オーブントースターを使っているからその後」

 

「え〜!!時間かかるじゃん!!腹減ったよ!!」

 

「むちゃ言うな。あれは5個しか乗れないんだから」

 

「だからって〜」

 

「それ以上言うなら後回しにするぞ」

 

龍亞がブツブツと文句を言い始めたので、少し脅しをかけて黙らせる。そんなこんなで10分後・・・・・・・・

 

チーン

 

「出来たみたいだぞ」

 

「早く出して!!」

 

オーブントースターの前に行き、オーブンを開け耐熱皿を載せたトレイを取り出すと、良い感じに焼けたグラタンが5つ出来上がっていた。

 

「うわぁ〜〜、凄く美味しそう・・・・・・とても自分で作ったなんて思えない・・・・」

 

「何言ってるんだ、ちゃんと自分達で作っただろ。さてと・・・・」

 

鍋つかみを両手にはめて、オーブントースターに乗せたままだったトレイを取り出し反対側に置く。

 

「は〜い、出来た。自分達の物を取って試食タ〜イム!」

 

「やった!!!いただきます!!」

 

「待って響!!そのまま触ったら」

 

「あっちいいいい!!!!!」

 

「やっぱり・・・・・・・・」

 

熱々(全く感じないけど)の耐熱皿を素手で触ってしまった響はあまりの熱さにそこら辺でもがく。

 

「別に熱くないと思うんだけど」

 

「それはお前の能力だろ・・・・何触っても熱くは感じないんだから」

 

「それもそうだけど」

 

他のみんなは鍋つかみを使ってテーブルまで自分の分のグラタンを運ぶ。俺はホワイト用に作ったグラタンともがき苦しんで手を冷やしている響の代わりにグラタンを運ぶ。

 

「それじゃ改めまして・・・・」

 

「「「いただきま〜す!!!」」」

 

『キャッ!!』

 

テーブルの上にまとめて置いてあるフォークとスプーンを取り出して、先にレミ達とホワイトがグラタンを食べ始める。

 

「うっまい!!遊輝に作ってもらった物も美味いけど、自分達で作った物は格別に美味いな!!」

 

「本当ね」

 

「そりゃ良かった。ホワイトは?」

 

『キャッ♪キャッ♪』

 

「美味しいか。良かった良かった」

 

チーン

 

「おっ、俺たちのも出来たみたいだな」

 

「随分早いわね?」

 

「あらかじめ、電子レンジで温めていたんだ」

 

「・・・・ブレーカー落ちないの?」

 

「龍可達の両親と電気会社に頼んで上げてもらった」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

奏達が何か知らないけど固まっているから適当に無視して自分達の分を取りに行く。

 

「あいよ〜。龍亞!!龍可!!祈!!恭輔!!出来たぞ!!」

 

「やった〜〜!!!!昼飯!!!!」

 

「わ、私もですか?」

 

「うん、ご飯はみんなで食った方が美味しいからな」

 

「いただきます!!師匠の料理を食べてみたいです」

 

「祈、こっち来て食べよう」

 

「は、はい・・・・」

 

小等部4人もキッチンの方に来てもらい、スプーンやフォークを取り出してその場で食べてもらうようにする。

 

「いっただきま〜す!!!!」

 

「いただきます」

 

「・・・・お、美味しい」

 

「師匠!!凄く美味しいですね!!」

 

みんなが美味しそうに食べているのだが・・・・・・・・う、う〜ん。

 

「思っていたほどインパクトが無い・・・・・・・・足りなかったのか?」

 

「足りなかった?何か加えたの?」

 

「あのホワイトソースに白味噌をちょろっと」

 

「「「「し、白味噌!?!?」」」」

 

「う〜ん・・・・・・・・もっと入れても良かったかな?それとも白味噌の種類を間違えたかな?」

 

グラタンの味見をしながら、食器洗い機の近くにあるノートを手に取る。う〜ん・・・・・・・白だしが入れ過ぎて味噌の味を消してしまったのかな?でもあまり入れ過ぎても牛乳と喧嘩してしまうし・・・・・・・・

 

「う〜ん・・・・・・・・・・・・」

 

「(・・・・自分一人の世界に入ってしまったわね)」

 

「(これすっごく美味しいのに)」

 

「(こ、これで納得しないのですか?)」

 

「(あまり作らない洋食だからだと思うよ。和食とか中華だったら何も悩まないもん)」

 

「(さすが師匠。こういう所でも手は抜かないのか・・・・)」

 

「あ〜〜!!!!!洋食もちゃんと学んでおけば良かった!!!」

 

「今更後悔しても遅いよ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「美味かった!!」

 

「自分達で作ったら美味しいね!!」

 

「遊輝!食器はどうするの?」

 

「えっ?あ〜、自分達で洗って」

 

「・・・・・・・・せめて楽しく食べなさいよ」

 

「無理」

 

ノートに色々書きながら食べている所を奏に注意されたが断った。だってもう習慣なんだから。

 

ピンポ〜ン

 

「お荷物で〜す!!!」

 

「は〜い」

 

チャイムの音が鳴、龍亞が玄関へと走っていく。しかしどうしようかな?誰か洋食とかフレンチ作るのが美味い料理人おるかな?

 

「お、重い・・・・・・・・だ、誰か・・・・・・・・」

 

「お、おいおい・・・」

 

「よ、よいしょっ、ありがとうスバル!!」

 

ノートを閉じて顔を上に上げると、龍亞が辛そうな顔をして段ボール箱をリビングに運んできた。

「これ、遊輝宛なんだけど何なの?依頼主が英語で書かれて分からないんだけど?」

 

「えっ?俺?」

 

誰からだ?俺宛?しかも英語・・・・・・・・・・・・

 

♪♪♪♪〜♪♪

 

「あっ、メールだ」

 

携帯を取り出して新規で来たメールを見る。差出人は・・・・・・・・神様!?てことはこれの中身は・・・・

 

「・・・・やっぱり。あれほど前日にメールか電話をしろって言ったのに・・・・・・・・」

 

「ちょ、ちょっと遊輝!?」

 

メールの内容を確認して中身が分かったので今来た段ボール箱を持って自分の部屋に持ち込む。

 

「よいしょっと。今回は量が多いな」

 

「ゆ、遊輝。それ何なの?」

 

「うん?前世で出た新弾のパックとかストラクチャーデッキとか色々。今から部屋に運ぶの」

 

「へぇ〜・・・・・!?!?」

 

「な、何だって!?」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!!」

 

「ぐへっ!!!!」

 

ドスンッ!!!!

 

「いったああああ!!!!!」

「ゆ、遊輝!?大丈夫!?」

 

「段ボール箱が足元に落ちちゃったよ・・・・あれ、重いよ」

 

「いたた・・・・何するんだよ!?」

 

「そんな事より今あんた、何て言ったの!?」

 

「?今から部屋に運ぶ」

 

「その前!!」

 

「え〜と・・・・前世で出た新弾のパックとかストラクチャーデッキとか色々」

 

「そこよ!!」

 

「て言うことは、それって俺たちが見たこともないカードが入っているって事だよな!?」

 

「まぁそうだけど?」

 

「そのカード見さして!!!!」

 

「ダメ」

 

「何でよ!?みんなで見た方が楽しいでしょ!!」

 

「海馬コーポレーションから新規で来たカードは登録するまで誰にも見せるなってきつく言われているから」

 

いや〜、最初にカードを提供した時めっさ凄い量の書類に目を通さなければならなかったんだから。提供した時のお金の量はもっと凄かったけど。

 

「そんな事ちょっとくらい良いじゃねぇか!!見さしてくれよ!!」

 

「んな言われても・・・・・・・・」

 

「師匠!!僕も見たいです!!」

 

「お前もか恭輔!!」

 

「見たい見たい!!俺も見たい!!」

 

「お前は提供したら直ぐに見せてあげてるだろうが龍亞!!」

 

「兎に角見さしてよ!!誰にも喋らなかったら良いでしょう!!」

 

みんなが目を輝かせながら迫ってくる。

う、う〜ん・・・・・まぁ、ここで開けてもバレないだろう。

「分かったよ。今回は特別だぞ。龍可、ハサミ持ってきて」

 

「やった!!!!!最新のカードが見れる!!」

 

「騒ぐな。下に迷惑だぞ」

 

「どんなカードがあるの!?エクシーズモンスターばっかりして!!」

 

「そんな訳ねぇだろ、じゃあ開けるぞ」

 

龍可からハサミを貰って段ボール箱に貼り付けているガムテープを開け口に沿って切れ目を入れる。

切れ目を入れた所から手を突っ込み段ボール箱を開けると、山積みにされた新弾のパックが箱で半分、ストラクチャーデッキや雑誌なとで山積みにされたのが半分入っている。

 

「結構多いわね」

 

「提供しようと思うとどうしても全種類いるからね。じゃあ1人1箱開けていこう」

 

「やった!!で、パック名は・・・・・・・・ぷ、ぷ、プリ」

 

「プライマル・オリジンって呼ぶんだよ」

 

「早速開けていこう!!」

 

「・・・・いきなり凄いのを当てたぞ!!しかもNo!!」

 

「早いなおい!!」

 

スバルが開封1パック目からいきなりNoを当てたと言って大喜び。え〜と・・・・・・・・No,62、て言うことは

 

「これ、何かプラチナに似てなく無い?」

 

「いや、まんまプラチナをNo化したカードだ」

 

「強いな〜〜。ランク8だけど攻撃力4000にオーバーレイ・ユニット外したら攻撃力が上がるのか」

 

「でもプラチナを素材して無かったらダメージは半分だね・・・・」

 

「ライフが4000のこの世界だったら十分役に立つよ。これなら聖刻のデッキじゃなくてもプラチナを出せるよ」

 

「そう言えば今日はダイヤ達見かけないね」

 

「そうなんだよ。今日は全員で何処かに出掛けているみたいんなんだよ。ホワイトとブラックは子守で家に残っているけど」

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

せめて2人が喋れてたらな苦労しないのにな・・・・・・・・黙々とみんながパックを開けて行く。「エクシーズモンスター当てた!!」とか、「これ強いわね!!」とか見たこと無いカードに色々と反応していく。

 

「おっ、ガガガの新しいモンスターだ」

 

「何々・・・・・ガガガシスター・ね、どうなのこれ?」

 

「めっちゃ強い。ランク10までエクシーズモンスター出せるし、魔法カードとかサーチ出来るんだぞ」

 

「へぇ〜」

 

「これ手に入れたんならちょっとデッキ改造して《ドドド》とか《ゴゴゴ》とか抜いて《ガガガ》中心に組んでみようかな?色んなランクもだせるし」

 

『強いって言ってくれてありがとうマスター!!』

 

「どういたしまして・・・・・・・・??誰??」

 

パックを開けていた時、突然誰かに声を掛けられたような気がして周りを見る。皆も何か聞こえた感じがするらしい。

 

「誰か俺に話しかけた?」

 

「私違うよ」

 

「俺も違うぜ」

 

「私と龍亞もこっちでパックを開けていたわよ」

 

「となると誰が・・・・」

 

『私だよマスター!!!』

 

「うわっ!!」

 

辺りをキョロキョロしていると目の前に突如、何かが出て来て腰を引く。淡いピンクと白がシマウマ状にした帽子を被り、牛乳色のマントみたいな物にフリルの付いたスカートにピンク色のリボン・・・・・まさか・・・・

 

「ガ、ガガガシスター?」

 

『そうだよマスター!!やっと魔法学校を卒業して帰って来たよ!!』

 

『マスター♪ただいま』

 

『ただいま帰りました』

 

『主、ブラック達のお世話ありがとうございます』

 

シスターが大喜びしている隣にパールとダイヤ・プラチナも姿を現した。

 

「ま、魔法学校?そんな学校が精霊世界にあったの?」

 

『うん!!私、いっぱい勉強して大学を卒業したよ!!』

 

「だ、大学!?どう見ても見た目小学生なんだけど!?」

 

『ぶぅ〜!!!これでも15よ!!』

 

『シスターは飛び級で大学を卒業したのです』

 

そりゃ凄いね・・・・・しかしとても15とは思えない見た目や服装なんだけど・・・・・

 

「凄い元気いっぱいな精霊だな」

 

『クリクリィ!!』

 

『ハネクリボーだ!!初めて見た!!』

 

「ほんと元気ね・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

『私ああいう子と気が合いそう!!』

 

「姫様だけど頭は子供だね!」

 

『響に言われたくない!!』

 

「何でよ!?!?」

 

「勉強出来ないからに決まっているでしょ」

 

『・・・・・・・・・(スヤスヤ)』

 

「・・・・さ、さっきから師匠達は何をしているのですか?」

 

「何か新しい精霊が来たみたいらしいけど、俺たち見えないから分からないんだよ」

 

「そ、そのようですね」

 

精霊が見えない龍亞・祈・恭輔の3人はテーブルの方に固まって黙々とパックをめくり続ける。俺たちもパックを黙々とめくり続けて・・・・・・・・

 

「終わった〜〜。いや〜長かった」

 

「凄い量ね」

 

龍可の言う通りソファの前にあるテーブルに束ねられたカードの量はもの凄く高い。

 

「本当ならここから仕分けなくちゃいけないけど、今日はここまででいいや」

 

「それにしてもまたライトロードの新規が来たよ〜。しかもチューナーやシンクロモンスターまで付いて!!ディフォーマーの新規はないの!?」

 

「残念ながらない」

 

「そんな〜」

 

ディフォーマーの新規は今後出ないと思うな〜。今回は過去のカテゴリーの新規カードが多かったけど、これにディフォーマーが無かったらもう望みないな。

 

「あとはこの雑誌だね」

 

奏が手に取った雑誌は皆で読んでいる。俺は前々に知っていた内容だからいらなかったんだけど。

 

「この・・・・・・・・新しい召喚方法、ペンデュラム召喚って」

 

「完全にエクシーズの次、つまり新しい召喚方法だよ」

 

「へぇ〜、今度はペンデュラム召喚か。色々あるわね〜」

 

「あと、前世の世界はルールが変わるみたい」

 

「えっ!?それ本当!?」

 

「次のページにあるばすだよ。先行ドロー無しとかダメージステップの変化とかフィールド魔法の重複ありとか」

 

「・・・・・・・・本当だ。私達のルールと大きく変わっている」

 

「フィールド魔法重複はありがたいよ!!これだったらいつでも竜の渓谷がはれるし!!」

 

「フィールド魔法を使う人にとっては嬉しい裁定よね。私もちょっと嬉しいし」

 

「先行ドローなしか、ちょっと痛いな」

 

「で、でも、それはそれでアリじゃないでしょうか?」

 

「そうかもしれませんね。先行は攻撃出来ない以外のデメリットも無いですし」

 

「人それぞれだよ。さてと、じゃあ今日はお開きだな」

 

「そういえばもう良い時間だね」

 

「また来るね〜」

 

「師匠、ありがとうございました!!」

 

「じゃあな!!」

 

ソファでくつろいでいた恭輔や祈も立ち上がり、雑誌をテーブルに置いて皆は帰っていく。さて、食器を片付けて晩飯の準備をしないと・・・・・・・・

 

『マスター!!私にも名前頂戴!!』

 

「うわっ!!いきなり出てくるなよ!!」

 

『だってお兄さんやお姉ちゃん、フォトンさんだってマスターに名前を付けて貰っているのよ!!私だけ仲間外れとか酷いよ!!』

 

「う、う〜ん、そうだな〜・・・・・・・・じゃあサファイアは?」

 

『サファイア・・・・・・・・良いね!!じゃあ今日から私はサファイア!!』

 

「はいはい、サファイア、よろしくね」

 

『よろしくマスター!!』

 

サファイアが消えていったことを確認して、今日の晩御飯を考える。

 




今回は私が後書きに登場で〜す。

遊輝「にしてもグダグダだったな・・・」

もう二度と料理レシピを教えるような話は執筆しないと決めたね。

遊輝「改定前から読んでくれている人には分かるけど、改定後から読んでくれている人々に改めて説明すると、この小説の舞台設定は5D's、そこにエクシーズモンスターがあるからマスタールール2でこの小説は執筆されているんだ」

一応、今後もマスタールール2でデュエルは進められるけど、実験やちょっとした閑話などではマスタールール3を適用する場合があります。

遊輝「そういう事だから注意してくれよな。次回は【野球大会ととある子の不幸な1日】よろしくね〜」


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第66話 野球大会ととある子の不幸な1日

最強カードの紹介〜〜。

パール「久しぶりの私だよ!」

遊輝のデュエルでなかなか出てこないからね←作者

パール「何で私を出さないのよ!!」

だって初手に来ても壁要員、途中で出しても効果的にトドメになっちゃうし。

パール「それでも出番増やしてよ!このままじゃ私が騒ぎのガヤ役に」

それじゃあ最強カードの紹介に行くぞ!!!

パール「無視しないで!!はぁ・・・・今回は神の居住ーヴァルハラ。1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から天使族モンスターを特殊召喚出来るよ」

終世には必須のカード。さらにそれを持ってくるヘカテリスも大事だね。終世は手札が良かったら今回のような派手な事ができるぞ!!

パール「第66話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「・・・・・レミや響達から聞いていたけど、ほんっと散らかっているな」

 

「これでも片付いている方だぜ。こんな大きな物を修理に出されているんだから」

 

デュエルデスクを持ちながら辺りをキョロキョロしていると、部屋の中央にある車の下から台車の取手の部分を取り外した奴を背中に預けていたスバルが作業着姿で出てきてゴーグルを頭の上に乗せる。周りには工具とかデュエルデスク、色んなコードにDホイールのパーツまで置いている。

 

ここはスバルの家のガレージ。スバルが何をしているかと言うと、あいつここで修理屋をやっているんだ。何でも小遣い稼ぎらしい。物心ついた時から機械を弄くり回っていて、気がついたら色んな機械の事を詳しく知ったみたい。小遣い稼ぎで始めた修理屋も料金が安いし、修理もしっかりしているという事でそこそこ人気らしい。

 

「で、何を直すんだ?」

 

「これだよ。このデュエルデスク」

 

「どうしたんだ?普通に使っていたら壊れないはずだぞ?」

 

「分からないんだよ。昨日龍亞とデュエルしていたら突然ソリッド・ビジョンが映らなくなって」

 

「貸してくれ」

 

スバルにデュエルデスクを渡してもう一度辺りを見渡す。Dホイールのパーツに車用のパーツ・・・・あと何処かに使うであろう回路らしきものまで、よくこんな薄汚いガレージで修理をしているな・・・・・・・・

 

「あ〜あ、導線がショートしてやがる。こりゃ回路ごとやりかえた方が早いな」

 

「そんなにやばかったのか?」

 

「下手したら爆発してたかもしれないぞ。導線が数本焦げていたから」

 

お、おぅ、マジか・・・・そこまで酷かったのか・・・・・

 

「回路を変えれば直ぐ直るんだが、もうすぐこの車を修理に出した依頼主が来るから急いでこの車のメンテナンスしなくちゃいけないんだよ。だから明日アカデミアで渡すことになるけど良いか?」

 

もう一度台車を背中に預け、車の下に潜ったスバルが聞いてきた。

 

「別に良いよ。今日はデュエルする予定ないし」

 

「じゃあ100円」

 

「(ズコッ!)お金取るの!?」

 

「半分冗談。今回は初めてだしタダにしておくわ。ただし次回からはお金取るぞ。こっちも小遣い稼ぎで修理屋をやっているんだから」

 

「あ、あっそ・・・・にしても100円ってかなり安くないか?他の修理屋でも最低500円はするぞ」

 

「別にそこまで高く設定する必要は無いんだよ。俺はアカデミアにも行っているから修理する時間が限られているし、単純に小遣い稼ぎだけの目的だから。それに100円なら子供でも小遣いで出せる金額だろ?」

 

「まぁそうだな・・・・・・・その車の修理代は?」

 

「こいつ?こいつはちょっと年代が古いから・・・・・・2000円かな?」

 

「やっす!?!?えっ!?2000円で修理出来るの!?」

 

「本当の値段だったら1500円。割高で500円プラスしてるんだ」

 

「・・・・・・ちなみに他のは?」

 

「電子レンジとかオーブントースターとか家電用品は1000円ちょっと。冷蔵庫とか大型になったらこっちが行かなくちゃ行けないから断っている。後はDホイールぐらいか?あれは800円。一番の稼ぎどころだから安く設定してある」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

・・・・・Dホイール1台の修理が800円?何それ?安すぎるでしょ?そりゃ遊星、あんたの所の修理屋、お客さんの客足伸びないよな・・・・・・他の修理屋より安すぎる・・・・・・しかもこいつの腕は確かだし・・・・・・・(汗)

 

「まぁ俺が無理そうな物が来たら、遊星さん所に回しているよ。遊星さんはほんっと凄い!!あの人が世界一のメカニックだ!!」

 

「はいはい・・・・・早く修理しないといけないんだろ?」

 

「スバル〜〜、キャッチボールの相手頼むよ」

 

突然ガレージのシャッターが開き、赤いジャージを着た響がグローブとボールを持ちながら来た。

「キャッチボール?何でだよ?」

 

「あれ?遊輝いたの?」

 

「修理を頼みに来たんだ。それよりキャッチボールって」

 

「明日野球じゃん!!だから肩を作っておかないと!!」

 

あ〜、そう言えばそうだったな。明日は野球か。・・・・・・今思うと変な時間割だな。午前中に野球をやって午後から実技って・・・・・

 

「それよりお前ピッチャーなのか?」

 

「そうだよ!!だから肩を作っておく必要があるの!!」

 

「悪いけど修理の依頼が立て込んでいるからパスだ。遊輝に頼めば?」

 

「グローブ持ってないぞ?」

 

「俺のグローブを貸すよ。ちょっと待ってろ・・・・・」

 

そう言ってスバルがガレージから出て行った。しかし野球か・・・・・・・・1年だけやっていたけど剣道とか習い始めたらもう練習に行かなくなってしまったからな。監督に謝っておけばよかった。

 

「ほらよ」

 

「サンキュー・・・て、これキャッチャーミットじゃん」

 

「俺がキャッチャーだからだよ」

 

「あ、そうなの?まあ別に関係ないし、じゃあやろうか」

 

「OK!!」

 

スバルからミットを借りて、ガレージ前の大きな通りでキャッチボールを始める。

 

「スバルも大変よね〜。小遣い稼ぎで始めた筈の修理屋が今じゃ人気店よ」

 

「あんだけ安くて腕が確かなら人気になるわな」

 

「私も小遣い稼ぎになるような特技持とうかな?遊輝と奏でケーキでしょ、スバルは修理屋、レミは新しく出来た楽器のテストプレイヤー、私だけだよ!!」

 

「別にそんな物持たなくても親から貰っている小遣いだけで十分だろ?」

 

「そうなんだけど何か私だけ何もしてないって言うのがねぇ〜」

 

「中学生なんだし、そこまで働く事を意識しなくていいよ」

 

「それにしても遊輝、結構いい球投げるね」

 

パシーン、パシーンとお互いのミットが鳴り続ける。響もピッチャーをしているだけあってなかなか良い球を投げてるね。奏が運動神経は良いって言っていたのが納得出来るよ。

 

「もしかして野球をやってた?」

 

「1年だけね。剣道を習い始めてからはやってない」

 

「ポジションは?」

 

「センター中心に外野。肩が少し良かった事と足速いからって理由で」

 

「遊輝は足が速いもんね。もしかしたらキャッチャー出来るんじゃないの?ちょっと座ってよ。フォーム確認もしたいし」

 

響に言われて足を少し屈伸してから少し腰を下ろしミットを構えてキャッチャーの構えを見よう見まねでやってみる。

 

「こんな感じ?」

 

「そうそう。まずストレートね」

 

響が球を握り直し大きく構えて真ん中にストレートを投げ込む。

 

パシーン!

 

「ふぅ・・・・・・何とか球筋を見れたな」

 

「凄い凄い!綺麗な取り方だったよ!!」

 

「そう?それにしてもお前、サイドスローなんだな?」

 

サイドスロー・・・・・・・・・・普通の投げ方は上から投げるオーバースローや、やや斜め上から投げるスクリューウォーターなんだが、響は完全に真横から投げるサイドスローだった。

 

「こっちの方がしっくり来たからね。じゃあ・・・・・変化球いくよ、まずはシュート」

 

キュルル・・・・・パシーン。

 

「結構曲がるな」

 

「凄いじゃん!!初見で変化球を取れるなんてなかなか難しいよ!!じゃあ次はフォーク!!」

 

シュルル・・・・・パシーン

 

「じゃあ次は・・・・・」

 

・・・・こりゃ長くなりそうだな。

そんな感じであっという間に1日が過ぎて行った。

 

 

〜(次の日)〜

 

 

「今から1時間のチーム練習に入る!!しっかり身体を柔らかくしておけよ!!」

 

『は〜い』

 

体育の先生の言葉を合図にバラバラと分かれて行く1ー1の生徒。今日がいよいよ野球大会。大会と言ってもクラス内でやるだけだから。チーム分けは、まぁ「キャッチャーが出来る!!」って響に言われてスバルとは別チーム。俺の所にはレミ、スバルの所には響と奏が入った。んで、キャッチャーの練習も兼ねてピッチャーの球を受けているけど・・・・・・・

 

「ふ〜ん、レミはアンダースローなんだ」

 

「普通に投げるよりコントロール良かったからね。こっちの方が変化球投げる時も都合が良かったし」

 

先発がレミ。というよりクラスの奴に聞いたんだがこのクラス、ピッチャーは響とレミしかいない。いや、二人が別格らしい。あまりにも凄過ぎてスバルしかキャッチャーが出来ないという事態だったらしいが、俺が出来るようになったからこうやって別々のチームになったみたい。

 

「にしても・・・・・・なんだこのシンカー?」

 

レミの球種はストレートの他にツーシームとドロップよりのカーブにシンカーが2つあるんだが、そのシンカーが1つ異様におかしい。変な曲がり方をしているんだ。普通にストンと落ちるシンカーじゃなくてまるで三日月を描くような・・・・・しかも速いし。

 

「本当にこのシンカーなんだ?」

 

「分からない。手首の捻り方をキツくしてみたらこんな変化になったの。でも、このシンカーを初めて見て取れたのはあんたが初めてよ。スバルも練習したんだから」

 

「ふ〜ん。まぁ、レミが凄いのは分かったけど響って凄いのかな?昨日、キャッチボールしたけどそこまで凄いってイメージが無かったし」

 

「・・・・・あんた、響の本気を見てないんだね?」

 

「本気?」

 

「絶対に腰抜かすわよ」

 

???謎が深まるだけだな・・・・・・その後、軽く打撃練習だけをしてスタメンも決めて・・・・・

 

「よし、今から試合を始めるぞ!!まずは1塁側のチームが守備に付け!!」

 

マスクを被って審判をする体育科の教師が指示する。先発は・・・・・・・・・・やっぱ響か。

 

「1番バッター、入っていいぞ」

 

「は〜い」

 

何故か1番バッターに指名されて、打席に立つ俺。確かあいつはシュートとカーブ・フォークだけだったな。あれくらいなら見極められる。

 

「プレイボール!!」

 

審判のプレイボールの掛け声で響が投球モーションに入る。とりあえず、初球は様子見で・・・・・

 

シュッ、ズバーーーン!!!!!!!

 

「・・・・へっ?」

 

「ストライーーク!!!」

 

「良し!!」

 

「今日は球が走っているな!!」

 

球を返すスバルとそれを受け取る響、そして何が起きたのか呆然と立ち尽くす俺。えっと・・・・・・・・・・見えなかったんすけど・・・

 

「(良し、もう1球・・・・・)」

 

「タイム!!!!!!!」

 

「(ズコッ!!)た、タイム!?」

 

「スバル!!ちょっと!!」

 

「わちょちょちょ!?!?引っ張るな!!」

 

バットを打席に置いてスバルを引っ張り出し、審判の後ろに駆け込む。

 

「何やってんだお前!?」

 

「・・・・・何、今の球?」

 

「?ストレートだが?」

 

「・・・・・何キロ?」

 

「今のは・・・・・・・・・150ぐらいあるんじゃないか?」

 

「・・・・・Maxは?」

 

「156キロ。数回だけどな」

 

「・・・・・・あいつ中学生だよな?何であんな球投げれるんだ?」

 

「知らなかったのか?あいつの運動神経は鬼畜だぞ?男子プロのスカウトがこぞってプロに入れさせたいと思うほど」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

何それ?てことは昨日はかなり手加減したって事か・・・・・待てよ?

 

「俺、キャッチャーになっちゃったからいつかあの球を受けなければならない時が来るのか?」

 

「そうだな。いつかは来るな」

 

マジっすか・・・・・あんな球、受け止める自信ねぇぞ・・・・・

 

「こらそこ!!早く戻れ!!」

 

「ほら怒られた。戻るぞ」

 

「え〜・・・・・」

 

打てねぇぞあんな球・・・・・て言うことは昨日の変化球もブラフの可能性があるのか・・・・・全く役に立たないな・・・・・

 

「(んじゃぁ次は・・・・・・・・・・こいつで)」

 

「(OK!)」

 

スバルのサインを確認しただろうか。グローブをボールから取り出し、ワインドアップポジションを取る。よし・・・・・なら思いきって早く振れば・・・・・

 

シュ!! ブーン!! スパン!!

 

「あ、あれ?」

 

「ストライク!!!」

 

バットを早く振ったけど今度はさっきのストレートより数段遅い球を投げてきた。

 

「こ、今度はなんだ?」

 

「チェンジアップ。タイミングを外しにいったんだよ」

 

あいつ、チェンジアップなんてめんどくさい球持ってやがるのか!!

これは占めてかからないとやられるぞ・・・

 

「(んじゃとどめと行きますか。これで)」

 

「ブンブン(まだ早いよ!遊輝の実力見たいし!)」

 

「(ん〜ん・・・・・じゃあこいつは?)」

 

「(いいよ!)」

 

さてと、何来るんだ?

 

シュ!!

 

ストレートか?・・・・・!!

カコン!

 

「ファール!!!」

 

ストレートだと思い見逃していたら、ちょっと変化したから急いでバットを振る。タイミングは遅れたが何とかファールにはできた。

あっぶねぇ・・・・・ツーシームか。あいつ、何種類持ってるんだ?そんな事思っていたらまた投球モーションに入る。テンポ早いな・・・・・

 

シュ!!ズバーーーン!!!!!!!!!

 

「ボール!!!」

 

は、速ぇぇ・・・・・・・・・・今のストレート?確実に初球のストレートより速いんだけど・・・・・

 

「(やっぱりやるわね・・・・・普通ならあれで振ってくれるんだけど)」

 

「(じゃあ先ずはこいつで試してみるか)」

 

「(・・・・そうね)」

 

シュ!!!

 

外角ストレート?貰っ・・・・!!

ククッ!! ズバン!!

 

「ボールツー!!」

 

「ほぉ〜、スライダーを見極められるとはな・・・・・」

 

「あっぶなかった・・・・・途中までストレートじゃねぇか。キレ良過ぎるだろ」

 

「(そこが響の持ち味だからな。さぁ最後、トドメと行きますか)」

 

「(OK!!)」

 

シュ!

 

ど真ん中ストレート?しかもさっきより遅い?貰った!!

 

クッ・・・・・ギュルゥゥ!!!

 

「えっ!?」

 

ブーン!!! バシッ!!!!

 

「ストライク!!!バッターアウト!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

呆然と立ち尽くす俺。何だったんだ今の球・・・・・・・・・・ど真ん中から突然ストンッと落ちやがったぞ・・・・・

 

「・・・・・何?今の球?」

 

「決め球の縦に落ちるスライダー、Vスライダーって奴。響はこの2つのスライダーとストレートで三振を量産していくんだよ」

 

「・・・・・・・凄いね」

 

「こら!!!早くベンチに戻れ!!!!」

 

「は、は〜い・・・・・・・・・」

 

審判の先生に怒られて足取り重くトボトボとベンチに戻る。

 

「1番バッターが出塁しなくてどうするのよ!?」

 

・・・・・・うん、言ってやろう。

 

「あんな球打てるか!!!!」

 

「私打てるよ!!」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

この後、3番のレミはキッチリセンター前に弾き返したが4番が三振してしまったので1回の表の攻撃は終了した。その裏、レミが1番・2番をあのオリジナルのシンカーで簡単に打ち取り3番になる。

 

「いや〜、レミの球を打つ時が来るなんてね〜」

 

3番が響だった。よりによってこいつが3番かよ・・・・・4番じゃねぇのか?

 

「4番は誰なんだ?」

 

「スバル。私より打撃センス良いよ」

 

まぁあいつの先祖は運動神経抜群だったからな。え〜と・・・・・先ずは様子見で外角のボールゾーンに行くか。

 

「(こいつで、ここ)」

 

「(・・・・・そうね。まずは様子を見ないと)」

 

シュ!スパン!!

 

「ボール!!」

 

ん〜・・・・・見た感じ、余裕持って見逃していたな。じゃあ次はドロップと行きますか。

 

「(今度はこいつ、コーナーいっぱいで)」

 

レミにサインを出しコースを構える。それにうなづいて大きく振りかぶる。

 

シュ!!スパン!

 

「ストライク!!」

 

「相変わらずコントロールは一級品ね」

 

そんな事言いながら余裕のある笑みをこぼす響。嫌な感じだな・・・・・

 

「(もういっちょ内角、今度はオリジナルのシンカーで)」

 

「(そうね。そろそろ打ち取っておいた方が良いわね)」

 

レミにあのオリジナルのシンカーのサインを出しもう一度内角低めに構える。これで、ゴロになれば幸いだがどう出る?

 

シュ!ギュイィィンン!!

 

「(来た!!)」

 

カキーン!!!

 

「うっ!?」

 

待ってましたとばかりに響がバットを振り抜き、見事にレフト前のヒットとなる。完全に読んでやがった・・・・・まぁしゃあない。点が入らなければ良いから。さてと次は・・・・・

 

「さぁてと・・・・・4番が打たなきゃ意味がないな」

 

スバルだ。こいつはさっきも言ったけど、先祖が運動神経が良いからかなりやりよるだろうな・・・・・にしてもこいつ、構え方は小笠原かよ・・・・・左打ちだし・・・・・

とりあえず外角に普通のシンカーで行くか。

 

「(こいつ、コースはここ)」

 

「(ちょっと怖いんだけど・・・・・内角よりはマシね)」

 

レミがサインを見て、直ぐに投球モーションに入る。外角低めいっぱいのボールゾーンよりならまぁ見逃すだろう。

 

シュ!!カキーン!!!!

 

「えっ!?」

 

ボールゾーンへと落ちて行く球をスバルは見事にミートし、ライナーでレフト側のフェンスまでぶつけた。そのままスバルは2塁まで到達、響は3塁で止まる。俺は呆然としたままレミの所まで歩む。

 

「嘘だろ・・・・・・・・・・外角低めのボールゾーンのシンカーを流し打ちでフェンスにぶつけやがった・・・・・」

 

「あれがスバルの打撃力よ。何処投げても打たれるんだから」

 

「すげぇな、次は・・・・・奏か」

 

「あっ、じゃあ大丈夫ね」

 

「ほんとか?」

 

「試しにカーブだけで打ち取ってみるよ。コースだけで良いわ」

 

「そこまで言うんなら・・・・・・」

 

渋々意見を聞き入れてホームベースまで戻り座る。奏は既にスタンバイを終えている。

 

「(んじゃあ・・・・・内角低め)」

 

「(もっと中でも大丈夫なんだけど・・・・・まぁいいわ)」

 

レミが頷き、クイックモーションで投げる。

 

シュ!ブーン!!スパン!!

 

「ストライク!!」

 

あ、あれっ?全然合ってない?もしかして・・・・・

 

「(じゃあ、真ん中低め)」

 

「(OK!!)」

 

シュ!!スパン!!

 

「ストライク!!」

 

「え〜・・・・・」

 

もしかしてこいつ、野球苦手なのか?

 

ブーン!!!スパン!!

 

「ストライク!!バッターアウト!!チェンジ!!」

 

あっという間に三振を取り、ベンチに引き上げる。

 

「何か・・・・・凄い呆気なかったな」

 

「奏は運動神経ないのよ。何で5番に配置したのか不思議なくらい」

 

へ、へぇ、そうなんだ・・・・・・・

この後、試合は響とレミの投手戦。響は剛速球と2種のスライダーで三振の山、レミはオリジナルのシンカーを中心の変化球中心の投球で凡打の山を築く。互いに1点も取れずそのまま最終回、2アウトまで行き・・・・・

 

「俺か〜」

 

4巡目となり俺に回ってくる。

一方の響は全然余裕。三振を20個も取っているくせに息一つ上がってない。というか三振20個って化け物だろ。プロのピッチャーでも出来ないぞ。

 

「あんたを打ち取って、最終回でサヨナラを狙うんだから!!」

 

「そう簡単にはいかないよ」

 

なんせ2回目・3回目と粘りに粘って響の投球の癖が分かったんだから。こいつはまず、初球にストレート系もしくはチェンジアップが来る。

 

「そりゃ!!」

 

シュ!!

 

ほらきた!!!

 

「ふんっ!!」

 

カキーン!!!!

 

「あっ!?ら、ライト!!」

 

ライナー性の鋭い打球が1・2塁間を破る。打球を目でおいながら1類ベースを蹴る。ライトは・・・・・奏?もしかしたら・・・・・いける!!

 

「奏!!早くしろ!!」

 

「わ、分かっているよ!!」

 

打球がフェンスに到達して打球処理に遅れる奏。その間に2塁ベースも蹴る。

 

「奏!!セカンドに投げて!!」

 

「わ、分かった!!」

 

ようやくボールを取り、奏が大分後ろまで下がったセカンドに返す。その間に俺は3塁まで行き・・・・・・・ベースを蹴る!!

 

「!?セカンド!!!バックホーム!!」

 

「ちょ、ちょっと遊輝!?!?」

 

3塁ベースを蹴った事に慌てるスバルとセカンド。そのままホームに直進し・・・・・

 

「ヘッドスライディング!!」

 

スバルのブロックを交わしヘッドスライディングでホームベースにタッチする。

 

「セーフ!!!」

 

「よっしゃ!!」

 

「う、嘘・・・・・でしょ・・・・・?」

 

「ら、ランニングホームラン・・・・・」

 

「いえい!!」

 

呆然と立ち尽くすスバルと響を横目にダブルピースを決める。癖さえ読めれば簡単に攻略出来たな。

 

「す、凄いよ遊輝!!

 

「ランニングホームランなんて滅多にないよ!!」

 

「別に俺的には普通なんだけど」

 

「えっ?」

 

実は野球をやっていた時、ホームランを6本打った記憶があるがその内5本はランニングホームラン。足が速かったからちょっと長打を打てば簡単にスリーベース、あわよくばランニングホームランを打てる。

 

「・・・遊輝、足速いのか?」

 

「一応、100mは11秒台」

 

「それは大分速いね・・・・・」

 

「ストライク!!バッターアウト!!チェンジ!!」

 

「あっ、終わったみたいだぞ」

 

「これで21個目ね。毎回良く取るわね」

 

「んじゃあ、守備に付くか」

 

防具を付けマスクとグローブを持ち最終回の守備に付く。先頭のバッターは簡単にアウトとなり1アウト。次は・・・・・

 

「響か・・・・・」

 

「さっきの借り、返すからね!!」

 

さっきランニングホームランを打たれて闘志を燃やしている響。冷静さを失ってはいるがこいつ本当に運動神経鬼畜だったからな・・・・・・どうすればいいか・・・・・あっ、そうだ。

 

「(ツーシーム、真ん中高めで)」

 

「!?ブンブン(そ、そこ!?危ないよ!!)」

 

「(大丈夫だって。投げてみろ)」

 

「(・・・・・良いわよ)」

 

首を振り続けるレミに強引に押して縦に降らす。多分、今の響なら・・・・・

 

シュッ!

 

「貰った!!」

 

ククッ!!

 

「えっ!?」

 

スカン!!

 

「オーライオーライ」

 

バシッ!!

 

「アウト!!」

 

見事にスカッてくれてキャッチャーフライ。いや〜、イライラさせた時にちょっと変化させる球を投げされたら簡単に打ち取れるから楽な事。

 

「く、悔しい!!!ツーシームなんて!!」

 

「ほらほらさっさと下がれ。スバルが入れないぞ」

 

よほどくやしかったんだろうな、その場で地団駄を踏む響。少し落ち着いて、肩を落としながらベンチに戻る。さてと・・・・・問題はこいつだな。

 

「ちょっとタイム」

 

審判にタイムを取りマウンドに向かう。

 

「どうする?あいつ下手したら一発があるんだろ?」

 

「そうよね・・・・・今日は全部打たれているし、次が奏だからここは敬遠かな?」

 

「その方が良いかもな。じゃあスバルは敬遠で、奏で勝負って事で」

 

「OK」

 

再びホームベースに戻り今度は座らずスバルとは逆方向に立つ。

 

「?キャッチャー、良いのか?」

 

「大丈夫です」

 

「そうか、プレイ!!」

 

「・・・・・敬遠かよ、つまんねぇ」

 

俺が立っていることに気づくとつまらそうな顔をするスバル。4球全てをボールゾーンに投げ、スバルは1塁へと歩く。で、5番は・・・・・

 

「ねぇ遊輝・・・・・どうしたら打てるの?」

 

今日、3打数ノーヒット、3三振の奏が入ってきた。どうしたら打てるってなぁ・・・・・あぁそうだ。

 

「あれだ、目をつぶってエイッ!!って振ったら当たるってやつ」

 

「そんな漫画みたいな事で当てれる訳ないでしょ!!」

 

「分からんよ。試しにやってみたら?」

 

マスクを被り直し普通に座り何を投げさせるか考える。そうだな・・・・・

 

「(オリジナルシンカー、真ん中低めで)」

 

「(OK!)」

 

直ぐに頷きセットポジションを取る。

 

「(まぁ・・・・・騙されたつもりで1回だけ・・・・・)」

 

1塁のスバルを見た後、直ぐに投球モーションに入る。

 

シュ!!ギュイィィン!!

 

「えいっ!!」

 

カキーーン!!!!!

 

「えっ!?!?」

 

奏が振り抜いたバットに球は真芯で当たり、センターに大きな打球が上がる。センターも下がるが後ろを見上げて・・・・・

 

ポーン!!

 

「う、嘘・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・入った」

 

「ホームラン!!!」

 

「・・・・・や、やった!!!!奏!!!!サヨナラホームランだよ!!!!」

 

「早く1周しろ!!!」

 

「う、うん!!!」

 

凄い嬉しそうな奏と響。奏がベースを1周してホームに帰って来ると同じチームの奴らが手痛い祝福をしていた。一方・・・・・

 

「う、打たれた・・・・渾身のシンカーが奏に・・・・・」

 

よほどショックだったんだろう。マウンドでレミが膝から崩れ落ちている。それを見た俺は・・・・・・・・・・

 

「やっぱ野球は目をつぶって打たなきゃなぁ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「そ、そんなに速かったの?」

 

「速いのなんの。あいつ、プロ行けるわ」

 

「それ俺も見た!!すっごい球が速かったよ!!」

 

野球が終わり昼休み。食堂で龍可と龍亞と待ち合わせていて何処かのテーブルにつき、弁当を食べながら今日の野球について語っている。

 

「にしても、あいつ運動神経鬼畜だったとはな・・・・・」

 

「勉強が出来ない人は運動が出来るんじゃないの?龍亞みたいに」

 

「何で俺が出て来るのよ!?俺、前のテストでクラストップ10に入ったじゃん!!」

 

「「デュエル学だけだろ(でしょう)。他の科目は赤点ギリギリだろ(でしょう)」」

 

「うっ・・・・・・・・・・」

 

俺が知ってる限りのデュエルを教えて何とかトップ10には入ったけど、それ以外の科目はほんっと酷いからな。そんな事を話していたら・・・・・

 

「うっうっうっ・・・・・」

 

「?何だこの奇声?」

 

「あれ?みんながいるよ?」

 

「・・・・・ほんとだ。何してるんだ?」

 

後ろを振り向くとスバル達がレミの背中をさすりながら歩いていた。

 

「お〜い、何してるんだ?」

 

「ひゅ、ひゅうき・・・・・みしゅ・・・・・」

 

「な、何て?」

 

「いやな、俺ら昼飯でドローパンを食べたんだけど・・・・・」

 

「レミの1回目がニンニクパンだったのよ」

 

あ〜あ、そりゃまたご愁傷様な事で・・・・・

 

「あまりにも悔しくて2個目を買ったら」

 

「激辛のハバネロパンだったのよ・・・・・」

 

うわぁ・・・・・・・・・・それは嫌だな・・・・・ハバネロとか入っているのか・・・・・

 

「ねぇ、ハバネロって?」

 

「確か世界で1番辛い唐辛子のはず・・・・・」

 

「う〜わ、そんな物食べちゃったの?」

 

「食べたというより引き当てただろ・・・・・青汁飲めよ。苦味で中和されるだろ」

 

水筒を取り出して青汁を飲むように進める。甘いジュースだとさらに辛味を刺激してしまうからここは苦味が強い青汁を飲んでもらわないと。

 

「・・・・・(ゴクンッ)そこまで苦くないわね」

 

「定番の蜂蜜とりんごをまぜているからな。流石にそのままだったら俺も飲めないし」

 

「料理が上手い人は青汁作るのも上手いのね・・・・・」

 

それは関係ねぇだろ・・・・・このまま午後の実技へと入り・・・・・

 

「・・・・・ラスト!!ホープでダイレクトアタック!!」

 

「うわぁ!!!」

 

生徒 LP 200→0

 

WIN 遊輝 LOS 生徒

 

「ふぅ〜・・・・・」

 

「危なげなくだな。見ていたけどサファイア強いな」

 

「でしょ?たった1枚で色んなランクに繋げられるから楽だよ」

 

デュエルフィールドから降りて既に終えたスバル、まだやっていない響の所に行く。

 

「スバルの方が余裕だったんじゃないの?相手事故ってたぽいし」

 

「楽なデュエルだったのは間違いないな」

 

「それよりもうすぐレミと奏のデュエルよ!!」

 

響が指指す方向にはレミと奏がスタンバイを終えている。レミにしてみれば野球で打たれたからここでギャフンと言わせたい所なんだろうな。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

レミ LP 4000 奏 LP 4000

 

「先行は私!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「(う〜ん、イマイチだね)ドラグニティーコルセスカを守備表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

レミ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティーコルセスカ 守700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 6枚

 

「・・・・・えっ!?」

 

「?どうしたの?」

 

「い、いや、何でもないよ!!(な、何でこのデッキ!?しかも手札が凄いし・・・・・)えっと・・・・・トレード・インを発動。スペルビアを墓地に送って2枚ドロー」

 

「す、スペルビア!?!?」

 

お、おい・・・・・まさか・・・・・

 

「さらに手札のヘカテリスの効果。このカードを手札から捨てて神の居住ーヴァルハラを手札に加えて、そのまま発動。その効果で手札から堕天使アスモディウスを特殊召喚」

 

堕天使アスモディウス 攻3000

 

「アスモディウスの効果でデッキから堕天使ゼラートを墓地に。さらにフィールド魔法、始皇帝の陵墓!ライフを2000払いアテナを召喚!」

 

奏 LP 4000→2000

アテナ 攻2600

 

「アテナの効果!アスモディウスを墓地に送って、墓地から堕天使スペルビアを特殊召喚!さらに特殊召喚されたスペルビアの効果発動!墓地から堕天使ゼラートを特殊召喚!」

 

堕天使スペルビア 攻2900

堕天使ゼラート 攻2800

 

「さらにアテナのもう一つの効果!天使族モンスターが特殊召喚される度に600ポイントのダメージを与える!」

 

レミ LP 4000→3400→2800

 

な、何か奏のテンションも乗ってきてるよ!?ま、まぁ手札も残り2枚だしこれで終わり「魔法カード、アドバンス・ドロー!スペルビアを墓地に送って2枚ドロー!!」まだ続くのか!?

 

奏 手札 1枚→3枚

 

「デッキから大天使クリスティアをゲームから除外!堕天使クリスティアを特殊召喚!」

 

堕天使クリスティア 攻2800

 

フィールドにクリスティアの霊が消えて、代わりに漆黒に染まったクリスティアが出てきた。

 

「だ、堕天使クリスティア!?」

 

「堕天使クリスティアが存在する限り相手は特殊召喚出来ない!!」

 

「わ、私だけ!?」

 

「さらにアテナの効果で600ポイントのダメージ!」

 

レミ LP 2800→2200

 

「速攻魔法、サイクロン!左側の伏せカードを破壊!」

 

「み、ミラーフォースが・・・・・(しかももう1枚はピンポイント・ガードだよ!!クリスティアのおかげで発動出来ない!!)」

 

「さらに堕天使ゼラートの効果!手札の闇属性モンスターを墓地に送って、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!手札の堕天使リリスを墓地に送るよ!」

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

堕天使ゼラートが上空に黒く分厚い雲を作り、そこから漆黒の雷がレミのフィールドに落ちる。えっと・・・・・・・どうなった?

 

 

レミ 手札 3枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚 (ピンポイント・ガード)

 

 

奏 手札 0枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

アテナ 攻2600

堕天使ゼラート 攻2800

堕天使クリスティア 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

神の居住ーヴァルハラ

始皇帝の陵墓

 

 

 

・・・・・・ひでぇ、手札があるとは言えフィールドはガラ空き、しかもレミだけ特殊召喚出来ないとか・・・・・

 

「バトル!堕天使クリスティアでダイレクトアタック!!」

 

レミ LP 2200→0

 

 

WIN 奏 LOS レミ

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

「ご、ゴメンね!!何処かでデッキケースに入れるのを間違えたみたいなの!!」

 

「にしても酷かった・・・・・」

 

レミがブルーな状態で戻ってきて、それを見た奏は直ぐに弁解の言葉を探して謝る。にしても酷かった・・・・・

 

「あ、あの・・・・・葵さん、もう1試合だけやる?」

 

「えっ?」

 

「じ、実は今日一人欠席していて、余っているから・・・・・」

 

「や、やります!!」

 

先生もあのデュエルを見て可哀想だと思ったのだろう。救いの手を差し伸べ「じゃあ葵さんと小野寺さん、デュエルフィールドに上がって」・・・・・なかった・・・・・

 

「えっ!?」

 

「やった!!やっと私の出番!!」

 

よりによって響かよ・・・・・・嬉しそうに上がる響とは対象的にレミの肩はさらに下がる。

 

「・・・・・もう見ないでおこう」

 

「何が起きるか大体想像がつく」

 

「・・・・・あっちいてお喋りでもしておきましょう」

 

もう大体何が起きるか想像が付く俺たちは、デュエルフィールドから離れる。案の定、響が先行1ターン目からアイス・スプラッシュを出し3ターン連続でバーンを決めて響の勝ちだった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「な、なぁ、今日は帰った方が良いんじゃないの?」

 

「何言ってるのよ!!今日は通しでしょ!!休める訳ないでしょうが!!」

 

「そんな事言ってもお前、ずぶ濡れだぞ」

 

「風邪引くよ」

 

全ての授業(授業らしき授業はしてないけど)が終わり放課後の時間。一応、部活があるからみんなで部室まで行ってはいるんだが・・・・・

 

「バスタオルである程度乾かしたから大丈夫よ!!」

 

「なら良いんだけど・・・・・」

 

今日の野球中にも体操服を破いてしまったらしく、使い物にならないのでずぶ濡れの制服のまま部活をやろうとするのだ。こういう日は家で大人しくしておいた方が良いと思うんだけど・・・・・

 

「あれ?空いてる?」

 

奏が指指す方向に部活があるのだが何故か扉が開いていた。

 

「誰か開けたの?」

 

「いや、俺は違うぜ」

 

「俺も。さっきトイレに行っていたし」

 

「私は一緒だったでしょう?」

 

「となると・・・・・誰が開けたの?」

 

結局誰が開けたのか検討もつかず、レミが扉を開くと・・・・・

 

ボスンッ!!!

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「あはははははは!!!!!!」

 

「お、お邪魔してます・・・・・」

 

「師匠!!僕が開けておきました!!」

 

上からチョークの粉をふんだんに盛った黒板消しがレミの頭に落ちた。レミの髪の毛と頭は白く染まり、それを見て腹を抱えて爆笑する龍亞。さらには祈がおどおどしながら隣に座っており、恭輔は立っていて、龍可は呆れていた。

 

「・・・あ〜あ。チョークまみれだよ」

 

「・・・・うがあああ!!!!!!龍亞!!!!!!!!」

 

怒りの頂点に達したレミはすんごいスピードで龍亞を捉えようとする。しかし、龍亞の方は至って冷静で・・・・・

 

「えいっ!!」

 

バシンッ!!!!

 

「ふんぎゃあ!!!!」

 

後ろに隠し持っていたパイを投げレミの顔面にクリーンヒット。痛みに混乱していて前も見えないレミに・・・・・

 

「あっ!!レミ!!そっちは!!」

 

ガン!!

 

「痛っ!!」

 

前も見えずにホウキなどが入っている鉄製の箱に当たる。さらに衝撃が強かったせいか上に乗ってある鉄製のバケツが落ちて・・・・・

 

「ゴンッ!!!」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

そのまま倒れて気絶してしまった。

 

「あはははははは!!!!!おっもしろい!!!!」

 

「あ〜あ・・・・・・・」

 

「だから帰ろうって言ったのに・・・・・」

 

「・・・・・今日の練習は休みね」

 

「・・・・・そうだな」

 

パイまみれの顔面の上でひよこが回っているのを見て俺たちは今日の練習を休みにしようと決めた。

 




レミ「・・・・・・・・・・・・・・・」←どんよりしている

奏「そ、そんな日もあるって(汗)」

スバル「お前が慰めても何の意味もないぞ・・・・・」

龍亞「いや〜、面白かった!!!あんなにかかるとは思わなかったよ!!」

龍可「龍亞!!!!」

恭輔「・・・・・・僕、間違えたことしちゃったのかな?(汗)」

遊輝「あ〜、まぁ・・・・・・好意だけは受け取っとくよ(汗)」

レミ「・・・・・・・いいもん、今日は星占いが最下位だったし(ボソッ)」

響「う、占い見てるんだ・・・・・(汗)」

龍亞「早く今日のオリカの紹介に行こうよ〜。今回は堕天使クリスティア」


堕天使クリスティア ☆8 〈龍南さん投稿〉
闇属性 天使族 攻2800 守2300
①このカードはデッキから「大天使クリスティア」を除外した場合のみ手札から特殊召喚できる。
②このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はモンスターを特殊召喚できない。
③このカードがフィールド上から墓地に送られる場合、墓地へはいかずゲームから除外される。




奏「今回は龍南さん所の龍可ちゃんから譲って貰ったわ。龍可ちゃん、ありがとうね」

恭輔「大天使クリスティアでも大概おかしいのにこのカードもっとおかしいです」

スバル「相手しか特殊召喚出来ないとか・・・・・」

遊輝「・・・・・無理ゲーだな」

全員『『うんうん』』

響「その代わりフィールドから離れる時はゲームから除外されるからね」

奏「次は・・・・・期末テストね」

響「うげぇ・・・・・またテスト・・・・・」

スバル「また赤点取って補習に行くなよ」

レミ「あんたも大概一夜漬けで済ましているでしょうが!!」

龍可「次回は、【宝玉と期末試験】」

龍亞「宝玉?何それ?」

祈「さ、さぁ・・・・・」

恭輔「次回もよろしくお願いします」


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第67話 宝玉と期末試験

最強カードの紹介〜〜。

ダイヤ「お久しぶりです」

改定中のこの時期、もうすくテストだが知ったこちゃねぇ。俺はその前のLIVEにしか興味がない!!

ダイヤ「何を言ってるのですか。関係ない話でしょ」

関係ないだって?そりゃそうだ。

ダイヤ「開き直らないでください」

最強カードの紹介に行くぞ!!今回はE・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン!!スパークマンとフレア・ウィングマンを融合素材にしてるけど、よく沼地の魔神王と代用されるから一部の人からシャイニング・フレア・ウィング(ぬまち)・マンと呼ばれているね(笑)

ダイヤ「効果は墓地の《E・HERO》1体につき攻撃力が300ポイント上がる効果と、戦闘で相手モンスターを破壊した時にその攻撃力分のダメージを与えます」

フレア・ウィングマンに攻撃力上昇の効果がついたようなもんだね。

プラチナ「第67話、デュエルスタート」


遊輝 side

 

 

「ダイヤ達の家、ほんと大きねぇ〜ゆっくりくつろげられるよ〜」

 

ダイヤに呼ばれ精霊世界のダイヤ達の家に呼ばれた俺たちだが既に響はリラックスモード。ソファの上でゴロゴロとしている。

 

「そんな事するために来たのではないでしょ」

 

『皆さん、お待たせしました』

 

自分の部屋に戻り何かを取りに行ったダイヤがリビングに戻ってきた。

 

「で、ダイヤ。俺たちに何のよう?」

 

『魔法学校でサファイアの卒業式に行ってきた際にエンディミオンの魔法図書館でシークレットシグナーの調べ物をしてきたのです。そしたら、こんな文献が一つ出てきました』

 

ダイヤが取り出した紙には図書館にある本の一部をコピーした文献があった。

 

「何々・・・・・・・・・・【シークレットの龍を持ちし5人の使者は宝玉の力を手にし時、秘めたる力を得る】・・・・・何これ?」

 

「宝玉の力を得る・・・・・・宝玉って何なの?」

 

『コピー出来るページがこのページしか出来ませんでしたが、続きに宝玉の力・またその宝玉のありからしき地図みたいな物があります。残念ながら、魔法図書館の本を持ち出す事は禁じられているので皆さんにお見せ出来ないのですが・・・・・』

 

だから一部のページのコピーはOKなのね・・・・・・・普通アウトのような感じがしたから・・・・・

 

「まさか今からこの宝玉を取りに行くの?」

 

『ご心配いりません。既に私とプラチナで手分けして探してきました。おそらくこれが文献に書かれている宝玉でしょう』

 

そう言ってダイヤがポケットから小さな丸い宝石を取り出した。色は順に赤・緑・オレンジ・青・黄色だ。

 

『それがどうやって力を得るかまでは分かりません。ですが、何かしらの役には立つと思いますので皆さんで持っていただいた方が・・・・・』

 

「そうだな。じゃあ俺は太陽だから赤か」

 

「私は多分緑ね」

 

「俺がオレンジで、響は青、奏は黄色だな」

 

「凄く綺麗ね〜。向こう側が透けて見えるよ〜」

 

「大事にしなさいよ。あなた直ぐ落とすんだから」

 

「大丈夫大丈夫!!さぁ帰ろう!!」

 

「何言ってるんだよ。今日来た本当の目的はこっちだろ」

 

そう言って、テーブルの上にドサッと積み上げられた参考書や教科書の束を指指す。

 

 

そう・・・・・・学生なら分かるが期末試験の時期。しかもテストは明日だ。奏やレミは普段からちゃんとしてるが、響は毎回補習行き、スバルに至っては毎日爆睡して一夜漬けで乗り越えている。まぁスバルの場合、一夜漬けで半分取っているから補習とか考えなくて良いんだけど・・・・・

 

「う〜ん・・・・・・」

 

「さっきから唸ってばっかで全然ペンが進んでないじゃねぇか。少しはスバルみたいに聞いたら書くようにしろよ」

 

「分かるはずないじゃん!!この方程式とかさ!!」

 

「はぁ・・・時間と距離の方程式の問題をみたらまず図を書く。今回はA君の家から学校までの距離を求めたいんだろ?」

 

「うん」

 

「それじゃ、この求めたい距離をxとしてまず分かっていることを書き並べる」

 

「え〜と・・・A君から学校までの距離がxmで、B君から学校までの距離は・・・・・」

 

「止まるなよ。B君の距離はA君より200m近いんだろ?だから(xー200)mだ」

 

「あっ、そうか」

 

「じゃあこれで2人の距離が分かった。次に分かることは?」

 

「え〜と・・・・・B君がA君より1分早くつく?」

 

「そっちじゃねぇよ、二人の速さだ。ここに書いてあるだろ?A君は毎分80mで、B君は毎分70mだって」

 

「じゃあこの1分早いってなんなのよ!!」

 

「落ち着け・・・・・今、二人の速さと距離が分かった。この中で分かってないのは?」

 

「・・・・・・二人が学校につく時間?」

 

「ちょっと違う。時間は時間だけど、二人が学校に着くまでにかかった時間だ。『はじき』って習わなかったか?」

 

「はじきって何よ?」

 

俺は響の説いている問題の右端にポストのマークに近い物を書き、左下からは・じ・きと書く。

 

「速さ・時間・距離の事だ。こうやって見たら何があって何が無いのか分かるだろ?」

 

「うん」

 

「じゃあ今からここにある情報を使って時間の方程式を作ろう。時間を求める公式は?」

 

「・・・・・距離÷速さ?」

 

「そう。じゃあまずはA君から見よう。A君の家から学校までの距離はxmで、速さは毎分80mだから?」

 

「x÷80だ!!」

 

「そう、じゃあB君は?」

 

「距離が(xー200)mで、速さが毎分70mだから(xー200)÷70だ!!じゃあこれとA君の式を並べて・・・・・」

 

「はい残念。落とし穴に引っかかった」

 

「何が違うのよ!!これで良いじゃん!!」

 

「お前さっき言っただろ。『B君は1分早くつく』って。これじゃ式が成り立たないの」

 

「じゃあどうするのよ!!」

 

「慌てるな。よく見ろ、A君とB君が同時に家を出たらB君の方が1分早くつくんだろ?」

 

「うん」

 

「じゃあ、A君が家を出て1分後にB君が家をでたら?」

 

「え、えっと・・・・・A君が出て、B君がその1分後だから・・・・・」

 

「落ち着け。同時に出たらB君が1分早いんだろ?B君がA君より1分遅く出たら?」

 

「あっ!!一緒の時間につく!!」

 

「そう。だから式は《x/80=(xー200)/70+1》だ」

 

「凄い凄い!!じゃあ遊輝!!これは!?」

 

「自分で考えろ。似たような問題だろ。ていうか先にこの方程式を解けよ」

 

「え〜・・・・・」

 

「え〜じゃねぇよ!!ちゃんと答えを求めてから次に行かないと計算力が上がらないの!!」

 

「だって・・・・・分数の通分めんどくさいし・・・・・」

 

「じゃあおやつ抜き」

 

「それはやめて!!」

 

「だったら自分でそのページの問題をちゃんと計算して解け」

 

「う〜・・・・・意地悪・・・・・」

 

響が参考書の方に顔を向けたので、俺はソファの方で勉強している3人の様子を見る。

 

「そっちはどうだ?」

 

「順調順調」

 

「今回は得意分野だからちょっと勉強したら行ける」

 

「スバルは信頼出来るな。なんだかんだで半分は取れるし」

 

「問題は響ね」

 

「酷いわ・・・・・でも英語が問題なんだろ?」

 

「そうなのよね、他の4教科は今まで何とかなったけど英語で毎回補習に行くのよ」

 

「英語は・・・・・教えようにも少し感覚的な所があるからな・・・・・」

 

英語はやればやるほど伸びるんだが、これを教えようとすると意外と難しいんだよな・・・・・

 

「それにしても何で精霊世界まで来て勉強するのよ。大きさならあんたの家でも良いじゃん」

 

「あっちは龍可達が使っているの。どうせダイヤに呼ばれていたし、こっちも広いから別に良いでしょ」

「あ〜!!!これどうするのよ!!!」

 

1日中、響の苦戦する声がこだましてました。

 

 

遊輝 side

 

 

響 side

 

 

「今日は実技テストですからデュエルフィールドに行きましょう」

 

『は〜い』

 

今日は実技ね、気が楽だよ。昨日までの筆記は・・・・・・多分大丈夫!!英語も今までより自信を持てるよ!!

 

「響、昨日のテスト大丈夫?」

「今回こそ大丈夫よ!!遊輝に指導してもらったし!!」

 

「そう言って大丈夫だった事が一度も無いんだけど?」

 

「じゃあ今回も多分ダメだな」

 

ぶ〜!!!!絶対に見返してやる!!!!私達はデュエルフィールドに行き、順番が来るまで待機する。レミと奏は先に呼ばれてデュエル中。

 

「師匠!!」

 

「よお恭輔」

 

「す、スバルさん、こんにちは」

 

「祈も一緒か。二人とも終わったのか?」

 

「はい、僕も祈も勝ちました」

 

「二人とも強くなったからな。龍亞と龍可は?」

 

「あ、あそこでデュエルをしています」

 

祈ちゃんが指を指すほうを見ると、龍亞君と龍可ちゃんが対峙していた。小等部頂上決戦ね、今は・・・・・

 

 

龍亞 LP 200 手札 2枚

【モンスターゾーン】

なし

魔法・罠ゾーン

なし

 

 

龍可 LP 1300 手札 0枚

【モンスターゾーン】

裁きの龍 攻3000

カオス・ソルジャー 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

 

・・・・・龍可ちゃん優勢ね。

 

「で、龍亞のターンに入るのか。何とか耐え抜いたみたいだな」

 

「ちなみに機械竜もパワー・ツールも破壊されています」

 

「切り札を失って絶体絶命ってところね。でも龍亞君良い顔してるね」

 

「あ、あと、龍可さんの墓地にネクロ・ガードナーはいません」

 

「いませんって言うより確か抜いたはずだよ」

 

「何でだ?あれは防御手段だろ?」

 

「新規のライトロードが出たり速効性のあるモンスターを入れていったら、どうしてもネクロ・ガードナーが邪魔みたいでね。手札から発動するモンスターのみしか入ってないはずだよ」

 

へぇ〜、ネクロ・ガードナーを抜いてさらに速効性を上げたんだ。でもそれが吉と出るか凶と出るか。

 

「俺のターン!ドロー!」

龍亞 手札 3枚

 

「・・・・来た!D・スコープンを召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンの効果!手札からLv4以下のDを特殊召喚する!D・ラジオンを特殊召喚!」

 

D・ビデオン 攻1000

 

「チューナーとそれ意外のモンスター・・・・・でも龍亞にはもうシンクロモンスターは」

 

「へへ〜ん。遊輝からカードを貰っているのは龍可だけじゃないよ!!Lv4のビデオンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

「ま、まだあるの!?」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「侵略された地を取り戻すため、天空から機械天使が舞い降りる!シンクロ召喚!降臨せよ!ヴァイロン・シグマ!!」

 

ヴァイロン・シグマ 攻1800

 

龍亞君の上空に大きな輪を備えた機械天使が舞い降りてきた。

 

「ヴァ、ヴァイロン・シグマ!?」

 

「へへっ、ずっと前に遊輝から貰って隠し球として今日まで取っておいたんだ!!装備魔法、魔導師の力をヴァイロン・シグマに装備!」

 

ヴァイロン・シグマ 攻 1800→2300

 

「バトル!ヴァイロン・シグマで裁きの龍に攻撃!」

 

「で、でもまだ私のモンスターの方が攻撃力は上よ!」

 

「この瞬間、ヴァイロン・シグマの効果発動!自分フィールドにこのカード以外のモンスターがいない時、デッキから装備魔法を選んでこのカードに装備する!」

 

「で、デッキから装備魔法を!?」

 

「俺は巨大化を選ぶ!!今の俺のライフは龍可より下回っているから、ヴァイロン・シグマの元々の攻撃力は倍になる!さらに魔法カードが増えた事で魔導師の力の効果もアップ!」

 

ヴァイロン・シグマ 攻2300→4600

 

「よ、4600!?」

 

「いっけぇ!!ヴァイロン・シグマ!!ホーリーライトニング・シュート!!」

 

ヴァイロン・シグマ 攻4600

裁きの龍 攻3000

 

龍可 LP 1300→0

 

 

WIN 龍亞 LOS 龍可

 

「勝ったーーーーー!!!!!」

 

「ま、負けた・・・・・・・・」

 

龍亞君の逆転勝ちね。まさかヴァイロン・シグマなんて入れているとは思わなかったよ。

 

「す、凄いです!!あの龍可さんに勝ちました!!」

 

「不思議な事じゃないけどな」

 

「そうだな。多分これでやっと20勝目か?一番デュエルしているはずだし」

 

「と、と言うことはかなり負けていると・・・・・」

 

「もう100敗はしてるんじゃないの?」

 

「ま、負け過ぎよ・・・・・分かる気もしないけど」

 

「終わった〜〜」

 

「私も終わったよ」

 

龍亞君と龍可ちゃんのデュエルの感想を話していると奏とレミが帰ってきた。

 

「おかえり。今龍亞と龍可のデュエルも終わったところだ」

 

「見てたよ。ヴァイロン・シグマって中間の時にあんたが当てたカードでしょ?」

 

「そう。ついでだからヴァイロンのチューナーもちょこっと渡しておいた。今のところ、使う時はないみたいだけど」

 

『遠藤遊輝君、小野寺響さん、遊城スバル君、デュエルフィールドに来てください』

 

「あっ、呼ばれたぜ」

 

「やっとデュエル出来る〜。今日は長かったよ〜」

 

「んじゃあ行ってくるわ」

 

「師匠!!頑張ってください!!」

 

「す、スバルさんも」

 

恭輔君と祈ちゃんに手を振られ、私たちは下のデュエルフィールドに下りる。待ちくたびれちゃったよ〜。昨日までに溜まりに溜まった鬱憤、晴らしてもらうから!!

 

「じゃあ響さんはここに上がって、対戦相手を待っていて」

 

「はい!!」

 

先生に言われデュエルフィールドに上がり対戦相手を待つ。さぁ、今日の相手は・・・・・・・えっ!?

 

「あれ?響?てことは俺の相手は響か」

 

「す、スバル!?まさか私の相手はスバル!?」

 

よりによってスバル!?この前の実技ランキング1位だった相手とやるの!?負けたら補習行った時の言い訳が出来ないよ!!

 

「まぁ、楽しくやろうぜ」

 

「は〜い・・・・・」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 4000 スバル LP 4000

 

「先行は貰うよ!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

う〜ん・・・・・先ずは手札交換ね。

 

「魔法カード、氷結界の紋章!デッキから《氷結界》と名のついたモンスターを1枚加える!氷結界の軍師を手札に加えて、そのまま召喚!」

 

氷結界の軍師 攻1600

 

「軍師の効果!手札のグルナードを捨てて1枚ドロー!カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

 

響 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の軍師 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

「魔法カード、Eーエマージェンシーコール!デッキから《E・HERO》1体を手札に加える!エアーマンを加えて、召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

だあああ!!!!何で毎回毎回1ターン目にエアーマンが出てくるのよ!!制限カードでしょ!!

 

「エアーマンの効果!デッキから《HERO》を1体手札に加える!アナザー・ネオスを手札に加え、融合を発動!」

 

ちょ、ちょっと!?融合も持っていたの!?

 

「手札のアナザー・ネオスとマッハ・ウィンドを融合!現れろ風のヒーロー!E・HERO Great TORNADO!!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

 

ぐ、グレイトトルネード!?ヤバイ!!

 

「TORNADOの効果発動!融合召喚に成功した時、相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力を半分にする!タウン・バースト!!」

 

トルネードがマントを祓うとフィールドに竜巻が発生して軍師が膝を追ってしまう。

 

氷結界の軍師 攻/守 1600/1600→800/800

 

「バトル!TORNADOで氷結界の軍師に攻撃!スーパーセル!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

氷結界の軍師 攻800

 

響 LP 4000→2000

 

「ぐうぅぅ!!り、リバースカードオープン!ヒーロー・シグナル!モンスターが戦闘で破壊された時、デッキからLv4以下の《E・HERO》を特殊召喚する!アナザー・ネオスを特殊召喚!」

 

E・HERO アナザー・ネオス 攻1900

 

「あっちゃ〜、ヒーロー・シグナルだったか・・・・・エアーマンから攻撃するべきだったな。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル LP 4000 手札 2枚

【モンスターゾーン】

E・HERO Great TORNADO 攻2800

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

あ、危なかった・・・・・何もしてなかったらライフが200まで削られていたよ・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

う〜ん、モンスターが来ないよ!!舞姫だと負けてしまうし・・・・・仕方ない、何もしないよりマシでしょ。

 

「魔法カード、ミラクル・フュージョン!フィールドのアナザー・ネオスと墓地の氷結界の軍師を除外して融合!E・HERO アブソルートZeroを融合召喚!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「Zeroか、厄介だな・・・・・」

 

「バトル!アブソルートZeroでエアーマンに攻撃!フリージング・ブレード!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

E・HERO エアーマン 攻1800

 

スバル LP 4000→3300

 

「・・・・・っ」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 2枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

E・HERO アブソルートZero 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 3枚

 

「・・・・・そのままバトル!TORNADOでZeroに攻撃!スーパーセル!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

響 LP 2000→1700

 

「うっ!!Zeroの効果!フィールドから離れた時、相手フィールドのモンスター全てを破壊する!」

 

フィールドで破壊されたZeroの残骸から冷気が放たれて、その冷気がトルネードを包み込みカチカチに凍らせて破壊した。

「それぐらい計算済みだ!リバースカードオープン!!スピリッツ・フュージョン!!」

 

「す、スピリッツ・フュージョン!?」

 

「ライフを1000払って、墓地のアナザー・ネオスとエアーマンで融合!現れろ光のヒーロー!E・HERO The シャイニング!!」

 

スバル LP 3300→2300

E・HERO The シャイニング 攻2600

シャイニング!?まさかの2段構えでZeroに挑んなの!?

 

「シャイニングは除外されている《E・HERO》1体につき300ポイントアップする!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

 

「シャイニングでダイレクトアタック!」

 

「その攻撃を受けたら負けるって!リバースカードオープン!次元幽閉!シャイニングの攻撃を無効にしてゲームから除外する!!」

 

「くっ・・・・・メインフェイズ2に入って、E・HERO ボルテックを守備表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズに罠発動!砂塵の大竜巻!左側の伏せカードを破壊!」

 

「!!(神の宣告が落とされた!!)」

 

 

スバル 手札 0枚 LP 2300

【モンスターゾーン】

E・HERO ボルテック 守1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

・・・・・やった!!ドローカード!!

 

「魔法カード、聖なる呪術の宝札!墓地の罠を3枚除外して、2枚ドローする!墓地のヒーロー・シグナル、次元幽閉、砂塵の大竜巻をゲームから除外して2枚ドロー!」

 

響 手札 2枚→4枚

 

・・・・・やった!!伝道師だ!!

 

「氷結界の伝道師を召喚!」

 

氷結界の伝道師 攻1000

 

「で、伝道師だと!?」

 

「伝道師の効果!このカードをリリースしてこのカード以外の墓地から《氷結界》と名のついたモンスターを特殊召喚する!」

 

「墓地にはいな・・・・・!!軍師の効果で送った奴が!!」

 

「そうよ!!氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

 

「さらにグルナードの効果!《氷結界》と名のついたモンスターはもう一度だけ通常召喚を行える!氷結界の舞姫を通常召喚!」

 

氷結界の舞姫 攻1700

 

「これで終わり!!氷結界の舞姫でボルテックに攻撃!」

 

氷結界の舞姫 攻1700

E・HERO ボルテック 守1500

 

「ボルテック!!」

 

「グルナードでダイレクトアタック!!これで勝ちよ!!」

 

「速攻魔法、クリボーを呼ぶ笛!デッキからハネクリボーを守備表示で特殊召喚!」

 

『クリクリー!!』

ハネクリボー 守200

 

だあああ!!!クリボーを呼ぶ笛!?てことはさっき破壊した神の宣告はブラフ!?

 

「しょうがない!!グルナードでハネクリボーに攻撃!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

ハネクリボー 守200

 

う〜ん、決められなかった・・・・・しかも残りの2枚は強欲なウツボと氷結界の虎将 ライホウ。守るカードも無いのよね・・・・・

 

「ターンエンド!」

 

 

響 手札 2枚 LP 1700

【モンスターゾーン】

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

氷結界の舞姫 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

手札 1枚

 

なんかこのターンで決めてないのが嫌な予感の前触れなんだけど・・・・・・・・・・・

 

「E・HERO バブルマンを特殊召喚!」

 

E・HERO バブルマン 攻800

 

だあああ!!!!!バブルマンひいたーーーー!?!?!?

 

「バブルマンの効果!特殊召喚時にこのカード以外に自分フィールドのカードが無い時2枚ドロー!!」

 

スバル 手札 0枚→2枚

 

「さらに魔法カード、埋葬呪文の宝札!!墓地の融合・Eーエマージェンシーコール・ミラクル・フュージョンの3枚を除外して2枚ドロー!!」

 

スバル 手札 1枚→3枚

 

「さらに魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!!」

 

ちょ、ちょっと!!どこまでドローするの!?!?

 

スバル 手札 2枚→5枚 響 手札 2枚→5枚

 

「(んじゃあ新しいヒーローを使おうか)E・HERO マジカル・ウィッチを召喚!」

 

E・HERO マジカル・ウィッチ 攻1400

 

ま、マジカル・ウィッチ?聞いた事無いわね。新しいヒーローかな?

 

「マジカル・ウィッチの効果!召喚に成功した時にこのカード以外の《E・HERO》が存在する時、デッキから魔法カードを1枚手札に加える!」

 

「ま、魔法をサーチ!?」

 

だ、ダメでしょ!!ヒーローデッキに魔法サーチはダメでしょ!!特にスバルは!!

 

「デッキから2枚目の融合を手札に加えてそのまま発動!手札のスパークマンと沼地の魔神王で融合!E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマンを融合召喚!」

 

E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン 攻2500

しゃ、シャイニング・・・・・・・・・・

 

「シャイニングの攻撃力は墓地の《E・HERO》1体につき300ポイントアップする」

 

E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン 攻2500→3700

 

「バトル!シャイニング・フレア・ウィングマンで氷結界の虎将 グルナードに攻撃!シャイニング・シュート!!」

 

E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン 攻3700

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

 

響 LP 1700→800

 

「きゃあああ!!!」

 

「さらにシャイニングの効果!戦闘で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

響 LP 800→0

 

 

WIN スバル LOS 響

 

 

 

『そこまで!!』

 

「ガッチャ!!楽しいデュエルだったな!!」

 

「ああ!!!!また負けた!!!」

 

スバルにお決まりのポーズを決められる。どうしよう!!補習行く時の言い訳ができないよ!!

 

「実技1位はやっぱ強かったか」

 

「よお遊輝。お前も終わったのか?」

 

「とっくに終わっているよ。おかげでゆっくり見れたよ、実技1位のデュエルを」

 

「2位はお前だろ?デュエルしてお前が勝ったらまた入れ替わるぜ」

 

「そりゃ勘弁。色々されるから逆に嫌だ」

 

楽しいそうに遊輝とスバルひ話しているけど、私の気持ちは下がる一方だよ・・・・・

 

「はぁ・・・・・どうしよう」

 

「今回は言い訳出来ないね」

 

「みっちり補習して来なさい」

 

「ああーーー!!!!嫌だ!!!!!!」

 

 

〜〜〜(数日後)〜〜〜〜

 

 

 

「この前のテスト返すぞ!」

 

「一発目英語とか不吉だよ・・・・・」

 

今日がテスト返却日、まさかの一発目が一番苦手な英語とか無いよ〜!!

「小野寺!」

 

「は、はい!」

 

先生に呼ばれて前に行く。

「ほらっ」

 

先生からテストを貰って点数を見る・・・・・・・・・えっ!?

 

「ひゃ、100点!?や、やった!!!!私ひゃく「おい響。それは俺の解答用紙」えっ?」

 

遊輝に言われて名前を確かめると、確かに遠藤遊輝の文字があった。

 

「おいおい。小野寺の解答用紙はこっちだ。第一、お前が100点を取ったら嵐が来るぞ」

『ハハハハ!!!!』

 

「/////は、恥ずかしい・・・・・」

 

先生も意地悪!!!顔が真っ赤になっちゃったよ!!今度は名前をちゃんと確認して点数を見る・・・・・・・や、やった!!!

 

「やった!!!!!赤点じゃない!!!」

 

「えっ!?」

 

「嘘だろ!?」

 

スバルと遊輝が驚いて私のテストを見る。良かったよ!!補習に行かなくてすむよ!!

 

「う、う〜ん・・・・・」

 

「よ、41点・・・・・」

 

「た、確かに赤点じゃないけど・・・・・・・・・・」

 

「ま、まぁ、響にしては上出来でしょ・・・・・」

 

「やったやった!!!補習行かなくてすむ!!!」




響「やったやった!!補習行かなくたねすむ!!!」

奏「・・・・・ちなみに全教科の点数は?」

響「英語・国語・数学・社会・理科の順に、41点・50点・43点・52点・48点だよ!!」

遊輝「う、う〜ん・・・・・・・」

レミ「普段の響から見れば、上出来だよ」

スバル「普段は2,3科目補習に行くもんな」

響「今回は思いっきり遊べる!!」

奏「・・・・・オリカの紹介に行きましょう」

響「今回は私が使った聖なる呪術の宝札と!」

スバル「俺の使ったE・HERO マジカル・ウィッチだ!!」


聖なる呪術の宝札 通常魔法 〈龍南さん投稿〉
①自分の墓地の罠カードを3枚除外して発動する。
デッキから2枚ドローする。


E・HERO マジカル・ウィッチ ☆4 〈龍南さん投稿〉
闇属性 魔法使い族 攻1400 守1000
①このカードの召喚に成功した時、自分フィールド上にこのカード以外の「HERO」と名のつくモンスターがいる場合、自分のデッキから魔法カードを1枚手札に加えることができる。


遊輝「2枚とも、龍南さんから提供していただきました。ありがとうございます」

レミ「まずは聖なる呪術の宝札ね。簡単に言えば埋葬呪文の宝札のトラップ版だわ」

遊輝「このカードは響の他に俺とレミも貰いましたので俺たちも使っていきます」

スバル「次はE・HERO マジカル・ウィッチ!!召喚時に他の《E・HERO》がいれば、デッキから魔法カードをサーチ出来るぞ!!」

遊輝「誰がどう見てもぶっ壊れているカード」

響「ヒーローに魔法サーチというより、どのデッキでも魔法サーチはダメでしょ!!」

奏「特にスバルにはね・・・・・」

レミ「ようやくアカデミア編が終わって、次回から海外編よ!!」

奏「次回は、【軽音部!音楽の都、ウィーンへ】」

響「海外で思いっきり楽しむよ!!!」


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第3章 海外編
第68話 軽音部!音楽の都、ウィーンへ


今回はデュエル無しなので最強カードの紹介もお休みです。

何か久しぶりに短くなったな・・・・・ネタが思いつかなかった・・・・・
(※注・・・・・作者のネタというのは、7割方会話の事である。持ちネタはやりたい事が沢山ある)

じゃあ第68話、そして第3章!!海外編の始まり始まり〜〜


遊輝 side 〜(ネオ童実野シティ 空港)〜

 

 

「え〜と・・・・どっちだ?」

 

「こっちじゃないの?ここにあのカウンターがあるから」

 

ただいま絶賛迷子中。空港内が広過ぎて何処に行けば良いのか良くわからない。

 

「ま、待って遊輝!龍可!置いていかないで!!」

 

「・・・・龍亞、荷物を持ちすぎだ。『服が1週間分と必要な物だけにしろ』っと言ったのに、余計な物ばっか詰め込むからだろ」

 

「飛行機の制限より下なら好きな物を持って行っていいじゃん!!」

 

「・・・・何を持ってきたの?」

 

「えっとね・・・・デッキとデュエルデスク、あとはお菓子とかパーティ用のグッズとか」

 

「「そんなにいらねぇよ(いらないよ)」」

 

ここはネオドミノシティの郊外にある空港。前日のクリスマスコンサートを終えて直ぐに海外に飛ぶという超ハードスケジュールだ。

いよいよ今日から冬休みが終わる1日前まで軽音部の海外公演。公演はウィーンの1回きりだせど、その後にパリの観光とかで行くから年越しで海外を過ごす事になる。

 

「あっ、遊輝〜」

 

響が俺たちを見つけ手を振る。それを目印に俺たちの足が早くなる。

 

「おっそ〜い!!何してたのよ!!」

 

「集合場所が雑なんだよ。『ロビー集合』って何処のロビーなんだよって突っ込みたかったぜ」

 

「ちゃんと入り口近くって言ったでしょ?」

 

「入り口もいっぱいありますよ?」

 

「あと龍亞、何か荷物多そうだな?」

 

「へへ、向こうでも楽しめる道具をいっぱい持って来たんだから!!」

 

「余計な荷物だって言ってるのに」

 

「はぁ・・・・早く荷物を預けてきてよ」

 

奏にため息をつかれて直ぐに乗る飛行機の航空会社のロビーで手続きをする。

 

「・・・・・はい、ではお荷物はお預かりさせていただきます」

 

「よろしくお願いします」

 

係員にスーツケースを預けて機内に持ち込むカバンを肩に掛ける。

 

「よしOK」

 

「私も大丈夫よ」

 

「俺も!!」

 

カバンの中の荷物を確認しもう一度レミ達の方へと行く。

 

「じゃあ搭乗口の前まで行きましょう」

 

「でも祈ちゃんや恭輔君が来れなくて残念ね」

 

「一応誘ってはみたけど、二人とも親の反対で断念してしまったしね」

 

「しょうがないだろ。親から離れて2週間近くも俺たちだけで海外、しかも年越しを迎えるんだぜ。さすがにちょっとキツイだろ」

 

「祈達も惜しいな〜。海外に行くチャンスだったのに」

 

「無理なものは無理よ、龍亞」

 

「んなことで話し合わないでさっさと行こうぜ」

 

「あっ、待って遊輝!!」

 

チケットを財布の中から取り出し、もう片方にパスポートをあるか確認をしてさっさと搭乗口に行く。

搭乗口で手荷物検査・出国手続きを済ませて今は俺たちが乗る飛行機の前にいる。

 

「でっかいな〜」

 

「当たり前でしょ龍亞。たくさんの人を乗せて世界中を飛び回るのよ」

 

「スバル!!飛行機の整備とかで詳しい事分かる?」

 

「分かるはずねぇだろ!!飛行機とか専門外だ!!」

 

「何言ってんだ響。とりあえず飲食物はいらないんだよな?」

 

「そうだよ。機内食とか出てくるから」

 

「強いて言うならお菓子が欲しいなら今のうちを買っておくべきだね」

 

「じゃあ売店で買ってこよう!!」

 

「俺もいっこう!!」

 

「龍亞!!龍亞はお菓子を持ってきたでしょ!!」

 

「・・・・・あっ!!預けたスーツケースの中だ!!」

 

「何してるんだよ・・・・・」

 

「・・・・はぁ、お菓子は我慢ね」

 

「そ、そんな〜。別に買ってもいいじゃん」

 

「龍亞君、荷物が増えるからやめましょうね」

 

「響もお菓子を買わなくていい」

 

「えぇ・・・・・・・」

 

『アテンションプリーズ。ウィーン行きの準備が完了しました。これから皆様を飛行機へとご案内いたします。12番ゲートまでお越しください』

 

「呼ばれたぜ」

 

「じゃあ乗りましょう!!いざ、ウィーンへ!!!」

 

 

〜(ウィーン ウィーン国際空港)〜

 

「はい着いた!!!!」

 

「(・・・・・・やけに早くない?)」

 

「(そこ突っ込んだらダメだ)」

 

飛行機の中・・・・・・機内食食べるか寝るかどっちかだったもんな。あんまり紹介するような事もないし。

 

「で、どうするんだ?」

 

「もうすぐ私のパパが来る頃なんだけど・・・・・・」

 

「お〜い、響〜」

 

「あっ!!パパ!!」

 

人混みの中、響を呼ぶ声が聞こえ、その声を聞いた響が一瞬でその人の場所を認知し直ぐにその人のところへと向かう。

 

「パパ!!久しぶり!!」

 

「久しぶりだな響。元気にしているか?」

 

「うん!!」

 

「そうかそうか。それで・・・・この子達だな?」

 

「そうだよパパ!!」

 

「始めまして、遠藤遊輝です」

 

「俺は遊城スバルです」

 

響のお父さんにお辞儀する俺とスバル。初対面だからね、挨拶はちゃんとしないと。

 

「君たち2人とあとはレミ君と奏君だね。うん?後ろの2人は?」

 

「龍亞です!!で、双子の妹の」

 

「龍可です」

「お知らせした遊輝がお世話にしている双子ですよ」

 

「おぉ君たちか。さて・・・・・これで全員だね?」

 

「そうだよパパ!!」

 

「ふむ、早速練習・・・・と言いたい所だがまだ機材が届いて無くてね。今日は観光をしよう」

 

「やった!!!!!」

 

「ねぇねぇ!!何処に行くの!?」

 

「待てや・・・・・とりあえず市街地に行ってから決めよう」

 

「そうね。市街地に行った方が効率が良いと思うわ」

 

「んじゃあ市街地に行こうぜ」

 

今日は観光することが決まり、響のお父さんがレンタカーを借りて全員乗り込み市街地へと出発する。

 

「ねぇねぇ!!まず何処行く!?」

 

「そうね・・・・・ここは?」

 

「ええと・・・・シェーンブルン宮殿か」

 

「迷路みたいになっている!!ここ行こう!!」

 

「行き先はシェーンブルン宮殿だな」

 

響のお父さんが確認をして車を飛ばす。その道中も騒がしいのなんの・・・・よくこの人はこの状況で運転出来るな・・・・・

 

「着いた!!!」

 

「ここがシェーンブルン宮殿ね。大きいわね〜」

 

「ウィーンの観光名所の一つだからだな。しかもこいつ、世界遺産に登録されているし」

 

「えっ!?ここ世界遺産!?」

 

「・・・・・旅行ガイドに載っていたでしょ」

 

「・・・あっ、ほんとだ」

 

はぁ〜と俺と龍可がため息をつき、みんなと一緒に敷地内へと歩く。この宮殿、ほんっとでかい。さすがヨーロッパだな。

 

「何々・・・・1693年にレオポルト1世が狩猟用の別荘として作り、その後歴代の皇帝らが増築・造作を行いマリア・テレジアの時代に完成したウィーン風ロココ様式だって」

 

「うへぇ・・・・こんな所で歴史なんていらないよ・・・・」

 

「そこまで頭抱えるほどじゃないでしょ・・・・・あと、ここには日本庭園があるんだって」

 

「へぇ〜、ウィーンのこんなでっかい宮殿に日本風の庭園がな〜」

 

「まぁ私には関「Je suis désolé」・・・うん?」

 

突然、響が止まり後ろを見る。そこには観光客らしいヨーロッパ人の2人組の女性が困っているような顔をしていた。

 

「Nous les cartes sont perdues・・・・Dans lequel est-ce qu'il comprend un zoo est?」

 

「え、えっと・・・・あ、アイ アム・・・ジャパニーズピーポー」

 

「違うでしょ響!!私は日本人なんて言ってどうするのよ!!」

 

「だ、だって分からないんだもん!!お父さんは!?」

 

「さっきトイレに行ったよ」

 

「か、奏は!?」

 

「わ、分かる訳無いじゃない!!」

 

「・・・・はぁ」

 

呆れた俺は響を割って前に出る。

 

「Excuse me, would you talk in English, since we don't understand French?(すみませんがフランス語が分からないので英語で話してくれますか?)」

 

「Oh, I see. We lose a map and is troubled. It understands where a zoo is?(分かったわ!地図を無くしてしまって困っているの。動物園は何処にあるか分かる?)」

 

「Zoo? Well……Now, since we are here, first, please return and come out of this way to an exit. It comes out of an exit, and if it turns to the left and you walk along this road, it will attach.(動物園ですか?えっと・・・・今私達はここにいますので、まずこの道を戻って出口に出てください。出口を出て左に曲がってこの道路を歩いていけばつきますよ」

 

「I understand! Thank you! (分かったわ!ありがとう!)」

 

「You're welcome(どういたしまして)」

 

対応を終え、2人組の女性は笑顔で手を振り出口へと進んでいった。

 

「はい終わったよ」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」

「え、英語ペラペラ・・・・・・」

 

「ゆ、遊輝・・・・英語話せたの?」

 

「親に散々言われたから。『今の時代は英語は必須。他の勉強はサボっても英語だけは真面目に取り組め!』って言われて英語の勉強だけは真剣にやった。料理人なら他の言語も喋れるようにしないと困るからね」

 

「な、何語を勉強しようとしたの?」

 

「えっと・・・・フランス語と中国語は最低限やりたかったな。あれは料理人としても覚えなければならなかったし。あとはまぁ・・・・興味持ったポルトガルとかスペイン語・・・・ぐらいかな?流石に出来なかったけど」

 

「おぉ〜、そこにいたか。待ってくれても良かったじゃないか」

 

響のお父さんが息を切らしながら走ってきた。そういえば俺たち、響のお父さんを置いてここまで来ていたな。忘れていた。このあとは宮殿内部へと入り・・・・

 

「ひ、広いわね・・・中に入ったら改めて感じるわ」

 

「部屋の数が一千を超えているもんな。一部しか公開をしてくれてないけど」

 

「むしろ全部見て回れる気がしないよ・・・・一千も超えた部屋を一つ一つ見て回ったら一日じゃ済まないよ・・・」

 

「次何処行く!?」

 

「早いな!!まだ半分しか見てないぞ!!」

 

「だって早く決めないともう3時だよ?」

 

「えっ!?3時!?」

 

驚いた俺は腕時計を見る。確かに針は3時を少し回った所だった。

「・・・完全に狂ってるな。飛行機に12時間も乗っていたからおかしくなっているんだな」

 

「俺、感覚的に今、朝だと思っていた・・・・」

 

「ハハハ、中学生だとちょっと仕方ないかな?早めに回って次の名所へと行こう」

 

「は〜い!!」

 

響のお父さんの合図で早めに宮殿を出る俺たち。次はウィーン市内の歴史地区。

 

「これぞヨーロッパ!!ていう感じの建物ね」

 

「私もこういう雰囲気の方が好き!!」

 

いかにも中世ヨーロッパの時代に建てた建物みたいなものがずらーっと並んでいる。その中にはお土産を売っていたり食べ物屋になっていたりと色々。

 

「ここも世界遺産だよね?」

「そうだったな。ヨーロッパは世界遺産が多いな〜。次に行くパリもかなりあるだろ?」

 

「エッフェル塔にセーヌ川、ルーブル美術館」

 

「ちょっと待て、ルーブル美術館って世界遺産か?」

 

「違ったの?」

 

「多分違う」

 

「ねぇ、何でウィーンを観光しているのにパリの観光名所を言い合うの?」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

「確かに何でそんな所議論してるんだ?」

 

「「・・・・・何でだろう?」」

 

この後、普通にウィーン市内を中心に観光名所を回ったらもう5時。

 

「そろそろホテルでチェックインをしなくちゃいけないな。ホテルは交響団が止まっている所だからな」

 

「やった!!」

 

「・・・・ねぇ遊輝。どんなホテルなの?」

 

「さぁ?まぁ有名なオーケストラ団体だからそこそこ良いホテルじゃねぇの?」

 

「俺はご飯が美味かったら何処でも良いよ!!」

 

・・・・・龍亞、お前は一応良い所のお坊っちゃんなんだぞ。ホテルとかこだわり持たんのか?まぁ、龍可も庶民的だし・・・・・

そう庶民的に思っていた自分がバカだった・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「す、すっげぇ・・・・・」

 

「こ、ここって、かなり高そうなホテルじゃない?」

 

「今回は特別なんだよ。収入が入ったからね」

 

俺が予想していたよりも1ランクも2ランクも上のホテルだった。何ここ?普通の旅行した人が泊まるようなホテルじゃないんだけど?

 

「・・・・・えっ!?わ、分かりました」

 

「どうしたのパパ?」

 

「いや本当は部屋を4つ取っていたんだが、誰かの手違いで2つしか取って無かったみたいなんだ。すまないが7人を2つの部屋で分けてくれないか?ベッドはちゃんと用意するように言っておいたから」

 

「じゃあここは龍亞君・龍可ちゃんのペアに遊輝が入ればOKね」

 

「えっ!?決定!?」

 

「??何か不味いことでもある?いつも通りでしょ?」

 

「い、いや・・・・その・・・・・」

 

「(・・・・何か変ね)」

 

「(確かに・・・・・)」

 

「(遊輝を問い詰める?)」

 

「(OK!)遊輝!!ちょっと!!!」

 

「わわわ!?!?!?ひ、引っ張るな!!!」

 

レミに襟を引っ張られて、ロビーのフロントから外れた非常階段の近くに連れ込まれる。

 

「いきなりなんだよ!?」

 

「あんた、何でそんなに言葉を濁すのよ?」

 

「別に遊輝にとってはいつもの事でしょ?」

 

「えっ!?い、いや・・・・・対した事じゃないんだけど・・・・」

 

「何かあったの?」

 

「え、えっと・・・・何か昨日辺りから龍可を見ると少しドキドキするんだよ・・・・・」

 

「・・・・・えっ!?!?」

 

「な、なんて!?」

 

「だ、だから、なんか龍可の笑顔とか笑っている所を見ているとなんか胸がドキドキしたりとか、何か変なんだよ・・・・・・」

 

そんな事言ったら奏と響、レミの3人が素早く反対側に走った。

 

「(あ、あの鈍感な遊輝が胸がドキドキ!?!?)」

 

「(つ、ついに龍可ちゃんに春が来たよ!!)」

 

「(まだだよ響!!まずはゆっくりと「何しているんだ3人共?早く部屋に行くぞ」

 

フロントでの手続きを終えた響のお父さんが隅っこで話し合っていた3人を戻るように言いに行く。3人は何か嫌悪感のある目を放つ。

 

「な、なんか・・・俺が悪い事をしたか?(汗)」

 

「したよパパ!!」

 

「相変わらず空気読まないわね、響のお父さん」

 

「毎回毎回、何でぶち壊しにするのかね?」

 

「・・・・・・・・・・・・orw」

 

娘の響や奏達に好き放題言われ、凹む響のお父さん。まぁなんというか・・・・・・・・酷い・・・・・・娘にも言われたい放題だったな・・・・・

何とか立ち直った響のお父さんを連れて、2人のホテルマンの案内でウィーンにいる間に泊まる部屋を案内してくれる。ホテルマンが鍵代わりのカードキーを扉のところに差し込みオートロックの解除された音が鳴り部屋へと入っていく。

 

「じゃあ俺たちはこっちだな」

 

「晩御飯の時に呼びに行くね」

 

「あいよ〜」

 

先に着いた部屋に俺と龍亞・龍可の3人が入る。荷物は先にホテルマンが運んでくれている。

 

「デハ、ゴユックリ」

 

「Thank you」

 

肩言で話すホテルマンに苦笑しながら英語でありがとうと返事する。一応、日本人だから日本語で喋ってくれたのだけどあんまり無茶しない方が良いのに。

 

「ベットフカフカ〜〜!!」

 

「家のベットも同じくらいフカフカだろ」

 

「ホテルのベットと家のベットだとやっぱホテルの方が格が違うよ!!」

 

ベットの上でピョンピョンと跳ねる龍亞。子供見たいな様子(実際子供だけど)に龍可は呆れて物も言えない状態だ。

 

「はぁ・・・・・・」

 

「とりあえず俺も自分の荷物をベットの上に・・・・・」

 

そう言って本来俺が使う予定のベットにカバンを置き中身を広げる。本当なら寝るときに困るけど・・・・・

 

「遊輝、分かっているよね?」

 

「約束でしょ?分かってますよ」

 

龍可と約束したあれ・・・・・・アカデミアが無い時は一緒に寝るという約束。当の龍可はしっかりと覚えている。今現在は冬休み、つまり・・・・・・

 

「(これから毎日龍可と一緒なんだよな・・・・・(汗)特訓出来ない・・・・・・)」

 

特訓出来ないとか結構困るぞ・・・・・(汗)まぁ・・・・・・・なんでだろうな・・・・・最初の頃は何とも思わなかったけど、今は・・・・・・・何か嬉しいというか、楽しみにしているような・・・・・

 

「(・・・・・そのうち分かるか。モヤモヤもその時にはスッキリするだろ)」

 

そう結論づけて、カバンの中身の整理を始める。

 




響「ウィーン観光が1日だけってショボくない?」

スバル「お前、今回来た目的分かってるのか?」

レミ「あっという間だったからね。ウィーン市内と宮殿ぐらいだから」

龍亞「未だにあのチョコレートケーキの甘ったるいのが・・・」

奏「ヨーロッパのお菓子って砂糖を大量に使ってるからただ甘いだけなのよ。食べるんなら横のクリームを付けて食べないと」

遊輝「流石パティシエ・・・・・流石にそこまでは知らなかった・・・・」

響「次回は待ちに待ったウィーン公演!!」

龍可「タイトルは【LIVE FES in ウィーン】」

遊輝「次回もよろしくお願いいたします」


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第69話 LIVE FES in ウィーン

最強カードの紹介!!!

プラチナ「お久しぶりです。プラチナです」

いや〜・・・・・聖刻デッキの出番が無くてごめんね。あれはもう・・・・うん。

プラチナ「分かります。あれは仕方ないですよ」

何故ダークマターが出たのか・・・・ウシルドラゴン強くなって・・・・で、今は聖刻デッキは手元にないから何が何やら・・・

プラチナ「その内別のデッキに変わりますね」

かもね・・・・じゃあ行こうか。

プラチナ「今回はガガガシスター。ダイヤ・パール・サファイアの三兄弟の一番末っ子ですね」

☆2の魔法使い族で召喚時、デッキから《ガガガ》と名のついた魔法または罠1枚をサーチすることができるぞ!!

プラチナ「そして1ターンに1度、フィールドの《ガガガ》と名のついたモンスターを選択してその選択したモンスターとこのカードのレベルはお互いのレベルを足した数字になります」

墓地にガガガマジシャンかガガガパールがいる状態で、サファイアを召喚すればガガガリベンジをサーチして手札1枚の消費でエクシーズ召喚まで行けるというカードだ!!

プラチナ「そしてガガガマジシャンを使えばランク3〜10までのエクシーズモンスターを出すことが出来ます」

まさにガガガデッキの救世主!!
あと、後半グダグダになりました・・・・・すみません。

プラチナ「第69話、ウィーン公演が始ります」


遊輝 side

 

 

ウィーン2日目・・・・・・

昨日は晩飯の後に2,3回の通しの練習だけはした。さすがに今日のリハーサルだけで明日のコンサーに挑むわけいかないし。・・・・・・まぁ、会場リハはこれが初めてだという。すっげぇ鬼なんだけど・・・・・

 

「で、どんな所なんだよ?」

 

「全く分からないのよ。とりあえずチケットは直ぐ売れて満員としか教えてくれなかったんだよ」

 

「チケット売って良かったのか?」

 

「響のお父さんがちゃんと手続きを取ってくれているよ」

 

そ、そうか・・・・・・一応コピーバンドがコンサートするんだからな、それくらいはしておかないと。

 

「満員って言ってもどこまで膨らましても1万人が限界よ」

 

「にしてもさすが本物のアーティストが使う会場だぜ。デカイな」

 

「そうだね。まさかこんな所で出来るとは思わなかったよ」

 

俺たちが現在いる場所はコンサートの会場となる場所のいわゆる裏側。色んなアシスタントが明日に向けて準備をしてくれていた。音響からプロデューサー、照明さんやなんとカメラマンまで色々。

 

「こんなに派手な事をしなくて良かったのに・・・・」

 

「まあいいじゃん。ここがやる所だな?」

 

先陣を切って俺がでっかい少し紫よりの赤のカーテンより向こうのステージを見る。・・・・・・・・・・はっ?目をゴリゴリと擦りもう一度確認する。・・・・・・・・はっ?

 

「・・・・おい、これ満員ってほんとか?」

 

「えっ?人数少ないの?5000人?」

 

「違う・・・・」

 

「んじゃあ3000人か?」

 

「違う!」

 

「もっと少ない?1000人?」

 

「違う!!とにかく見ろ!!」

 

あまりにもトンチンカンな答えに痺れを切らしてカーテンを思いっきり開ける。

 

「・・・・・・えっ?」

 

「こ、ここでするのか?」

 

「う、うそ・・・・・」

 

みんな絶句した。

俺たちがやる会場・・・・・・・ステージ自体は中央にありそれを囲むように観客席がある。そしてその観客席の収容人数が俺たちが想像していた人数と違うのが一目瞭然。壁の所にも観客席があり、その壁に行くまでもが自由席としてかなり広く取られている。

 

「さ、360度のステージ・・・・それよりこれ、何人が入るのよ?」

 

「す、すみません・・・・この会場の収容人数は?」

 

奏が近くでセットを組んでいたスタッフに聞く。

 

「あっ、君たちね響さんが言っていたバンドは、今回は・・・・・・4万人だったけ?」

 

「「「「「よ、4万人!?!?!?」」」」」

 

「多分・・・・本当は一回り小さいホールだったけど、結構な人数が来たからここのホールを借りたって・・・・・・ほとんどがヨーロッパ在住の日本人が来ると」

 

「お〜い!こっち手伝ってくれ!」

 

「は〜い!!」

 

手伝いを呼ばれたスタッフはそのまま走って消えて言った。・・・・・・・4万人?

 

「・・・・・なぁどうする?結構な大事だぜ?」

 

「どうするもこうするもね・・・・・」

 

「これ一大事だろ?学生バンドが4万人の観客を集めてライブだなんて」

 

何か周りがシーンと重い空気になる。それを変えたのはリーダー、レミだった。

 

「・・・・まぁ良いじゃん!私達の音楽をするだけだよ!!」

 

「・・・そうだね!楽しくやれば良いよ!!」

 

「みんな!!気合入れていくよ!!」

 

「「「「おおぉぉ!!!!」」」」

 

「それじゃみなさん、リハーサルを始めます」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「ああ〜・・・・・退屈だな〜・・・・」

 

「そんな事言っても仕方ないでしょ。裏側に来ても控え室にいることが条件なんだから」

 

「だからって控え室に閉じ込めるのはどうなのよ〜」

 

私と龍亞は現在、軽音部の皆が使う控え室で待機をしている。本当なら今日はホテルの中で過ごすはずだったけど、龍亞が「行きたい!!」って懇願するから特別について来たの。

 

「どっちの選択肢をとっても結局は部屋の中で待っていなければダメだったみたいよ」

 

「う〜〜ん・・・・・・じゃあデュエルしよう」

 

「こんな狭い部屋で?」

 

控え室となっている部屋は5人にはちょうどいい感じの大きさだけどソファやテーブルなどがあり、とてもデュエル出来る環境じゃない。

 

「さすがにデュエルデスクは使わないよ。でさ〜・・・・・・」

 

そう言って龍亞がポケットから二つのデッキケースを取り出した。これって・・・

 

「これ遊輝のデッキケースじゃない。どうして龍亞が持っているの?」

 

「遊輝に頼んだんだよ。いつも同じデッキで龍可とデュエルするから飽きちゃうって言ったら特別に貸してくれたんだ!!」

 

「へ、へぇ・・・・・・(汗)」

 

「じゃあ遊輝のデッキでデュエルしようぜ!!あっ、ちなみにどれがどのデッキかは俺も分からないから」

 

「そうよね、同じデッキケースだし。じゃあ・・・・・・・私こっちを取るわ」

 

「んじゃあ俺はこっち!」

 

遊輝の二つのデッキケースから左のデッキケースを手に取り、そして中身を確認する。ふむふむ・・・なるほどね。

 

「おっ!このデッキか!!じゃあシャッフルシャッフル!!」

 

お互いに中身を確認を終えてシャッフルする。そしてデッキをテーブルに置いて、手札を5枚取る。

 

「いっくぞ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

龍亞 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「俺の先行!ドロー!!」

龍亞 手札 6枚

 

「う〜ん・・・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

手札のカード2枚をテーブルにセットしてエンドを宣言する。

 

 

龍亞 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「無難なスタートね。次のターンが怖いわね・・・・」

 

「次のターンからどんどん攻めるぞ!!」

 

「じゃあ私のターン、ドロー」

 

龍可 手札 6枚

 

う〜ん・・・・・・ん?このカードって何を落とせば・・・・・・あっ、あのカードね。

 

「魔法カード、おろかな埋葬。デッキからモンスター1体を墓地に送るわよ」

 

「うっわ・・・・・何を落とすの?」

 

「えっと・・・・・・あった。ダイヤを落とすわ」

 

「・・・・・・あぁ、サファイアか」

 

前に遊輝がやっていた、ダイヤかパールを墓地に落としてそれを死者蘇生やガガガリベンジで墓地から速攻召喚をして直ぐに色んなランクのエクシーズモンスターを出すコンボ。これが本当に強いのよ、サファイアのお掛けで簡単にガガガリベンジを持って来れるし。

 

「でもこのターンは動けないから・・・・モンスターと伏せカードをセットしてターンエンド」

 

 

龍可 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 5枚

 

「スタンバイフェイズにトラップ・スタンを発動!このターンの罠カードの効果は無効になるよ!」

 

「じゃあチェーンで和睦の使者。このターン、私のモンスターは戦闘で破壊されずダメージも0よ」

 

「うっわぁ・・・・防がれた」

 

「そのデッキの怖さは私も分かっているんだから」

 

もう分かったと思うけど私のデッキが【ガガガエクシーズ】、龍亞のデッキが【聖刻龍】よ。聖刻龍の展開力はライトロード以上だから警戒していないと直ぐに負けてしまうのよ。

 

「ちぇ・・・・じゃあカードカー・Dを召喚して効果発動。このカードをリリースして2枚ドローするよ。そのままターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 4枚→6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

順調に手札を増やして来るわね。このターンも一時的な凌ぎね。何とかしてこのターンで決着を着けれるようなカードを・・・・

 

「私のターン、ドロー」

 

龍可 手札 4枚

 

・・・・終末の騎士。エクストラデッキは・・・・やっぱりこのターンで決めるのは難しいね。

 

「アステル・ドローンを反転召喚」

 

アステル・ドローン 攻1600

 

「そして終末の騎士を召喚」

 

終末の騎士 攻1400

 

「えぇ・・・・そっちも準備整いすぎだよ」

 

「龍亞も準備が出来たのでしょ?」

 

「どうかな〜〜?」

 

「(あの笑顔・・・・確実に次のターンに動くわね)終末の騎士の効果でデッキからパールを落とすわ」

 

『・・・・グスン(涙)』

 

デッキの中からパールのカードを見つけて墓地に送る。そうしたら隣でどんよりとした空気が流れたので横を見ると三角座りで泣いているパールがいた。

 

「ご、ごめんね!!後でちゃんと使ってあげるから!!」

 

『・・・うん!!』

 

な、なんて簡単に変わりやすい心・・・・・・(汗)

 

「え、えっと・・・・このままバトル!まずは終末の騎士でダイレクトアタック!」

 

「手札の速攻のかかしの効果発動!このカードを捨てて、ダイレクトアタックを無効にしてバトルフェイズを終了させるぜ!!」

 

「防ぐよね。じゃあメインフェイズ2に入って、Lv4のアステル・ドローンと終末の騎士でオーバーレイ。えっと・・・・・・・ラヴァルバル・チェインをエクシーズ召喚」

 

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

 

「あっ、出た。めちゃくちゃ強ぇ奴」

 

龍亞が強いというこのモンスター・・・・・確かに遊輝が私たちと会って間もない頃はこのカードの強さなんて全く分からなかったけど、今では実感出来る。このカードはものすごく強いわ。色んなカードを墓地に落とせるし、好きなカードをデッキの一番上に置けるなんて汎用性が高すぎるわ。

 

「まずはアステル・ドローンの効果で1枚ドロー。そしてラヴァルバル・チェインの効果発動。オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、デッキの一番上にモンスターを置く効果を使うわ」

ラヴァルバル・チェイン OVR 2→1

 

「これでデッキの一番上に持って来るのは・・・・・サファイアよ」

 

「うっわ〜・・・・・・てことは俺、次のターンに決めないといけないのか」

 

「そう言うこと。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

龍可 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「(えぇ〜・・・・こんな時に伏せカードを1枚も破壊出来るカードがないし・・・・)聖刻龍ーアセトドラゴンを通常召喚!」

 

聖刻龍ーアセトドラゴン 攻1900→1000

「始まるわね・・・・・何も無いよ」

 

「んじゃあ、アセトドラゴンをリリースしてシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

「で、アセトドラゴンがリリースされたからデッキからエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「Lv6のシユウドラゴンとエレキテルドラゴンでオーバーレイ!」

 

「えっ!?効果使わないの!?」

 

「・・・・・モンスターがいないんだよ」

 

「そ、そう・・・ドンマイ・・・(汗)」

 

あんなにドローしているのにモンスターが来ないなんて・・・・・・(汗)

 

「き、気を取り直して、Lv6のシユウドラゴンとエレキテルドラゴンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

「アトゥムスの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてドラゴン族モンスターを特殊召喚するよ。えっと・・・・・・・レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを守備表示で特殊召喚!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻/守 2800/2400→0/0

 

「レッドアイズの効果で手札からプラチナを特殊召喚!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

「さらに手札からガーディアン・オブ・オーダーを特殊召喚!」

 

ガーディアン・オブ・オーダー 攻2500

 

「相変わらず凄い展開力ね。バトルに入るの?」

 

「ちょっと待って、えっと・・・・・あった!Lv8のプラチナとガーディアン・オブ・オーダーでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,62 <銀河眼の光子龍皇:ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン>!!」

 

No,62 銀河眼の光子竜皇 攻4000

 

「ぷ、プライム・フォトン!?」

 

「そう!バトル!プライム・フォトン・ドラゴンでラヴァルバル・チェインに攻撃!この瞬間、プライム・フォトン・ドラゴン・・・・・もう面倒くさいからプラチナでいいや。効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、フィールドのエクシーズモンスターのランクの数×200ポイントの攻撃力がアップする!」

No,62 銀河眼の光子龍皇 OVR 2→1

 

「ちょ、ちょっと待って!!えっと今はランク8のプラチナとランク4のラヴァルバル・チェインだから・・・・12!?」

 

No,62 銀河眼の光子龍皇 攻4000→6400

 

「2400の攻撃力アップだ!!いっけえぇ!!エタニティ・フォトン・ストリーム!!」

 

「ま、まま、待った!!!リバースカード、攻撃の無力化!!バトルフェイズを終了させるわ!!」

 

「ちえっ・・・無効に出来ないよ。ターンエンド」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 守0

No,62 銀河眼の光子龍皇 攻6400→4000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

あ、危なかった・・・・・もう少しで負けたわよ・・・・・

 

「私のターン、ドロー」

龍可 手札 3枚

 

「じゃあさっき一番上に置いたサファイアを召喚」

 

『やったーーー!!!一番乗り!!!』

 

ガガガシスター 攻200

 

「あ、相変わらず元気ね・・・・(汗)」

 

『元気でいないと私じゃないから!!』

 

「そ、そう。サファイアの効果でデッキから《ガガガ》と名のついた魔法もしくは罠カードを手札に加えるよ」

 

「・・・・・これ、俺負けたかな?」

 

「多分・・・・・ガガガリベンジを手札に加えて、先にガガガボルトを使うよ。その伏せカードを破壊」

 

「あぁ〜、禁じられた聖槍が・・・・」

 

「・・・・あんまり意味が無かったね。装備魔法、ガガガリベンジを発動して墓地のパールを特殊召喚」

 

ガガガガール 攻1000

 

『やっと私も出たよ!!(涙)』

 

『お、お姉ちゃん・・・・・(汗)』

 

・・・な、何とも言えないわね(汗)

 

「あ〜あ・・・・ランク5って今何があるの?」

 

「えっと・・・・・・ヴォルカザウルスとマシュ=マックだけね」

 

「・・・・・ありがとうございました」

 

「あ、ありがとうございました(汗)」

 

頭でこの後の行動を思考した龍亞は自分の負けが確定した事が決まり、机の上のカードを片付け始める。

 

『ええ!?!?もう終わり!?』

 

「う、うん・・・・私の勝ちが決まりだから」

 

この後、サファイアの効果でパールとサファイアのレベルを5にした後、ヴォルカザウルスなら効果を使ってプラチナを破壊して4000バーン、マシュ=マックならパールとマシュ=マックの効果でプラチナを選んで4000バーン。どっちにしろ龍亞が負ける未来が確定なので龍亞が諦めてカードを片付けたわけ。

 

龍亞 LP 4000→0

 

 

WIN 龍可 LOS 龍亞

 

 

「ちなみにさ〜、最後の伏せたカード何だったの?」

 

「これは・・・・・・魔宮の賄賂ね」

 

「・・・どっちにしろ、俺負けていたな」

 

「そうね」

 

「サファイア強いよ〜〜」

 

『ありがとう龍亞君!!!』

 

「サファイア、龍亞は精霊が見えないよ」

 

若干しょげている龍亞にサファイアはお礼を言うけど、龍亞には精霊が見えないのよね。

 

『うぅ・・・・私、何のために出て来たのよ(涙)』

 

「い、いや!!ほら!!パールが出たから勝てたでしょ!!」

 

『私、墓地から蘇生しただけじゃん・・・・・』

 

・・・・・・ダメね(汗)。

 

「いやぁ〜〜、キッツイな!!」

 

「さすがにプロの人たちは違うね」

 

「でも良い経験になったよ!!」

 

控え室の扉が開いてリハーサルに行っていた遊輝達が帰ってきた。

 

「おかえり。もう終わりなの?」

 

「い〜や、一回休憩。昼飯の時間だし」

 

「そう言えばそんな時間だな。昼ごはな〜に?」

 

「ピザを頼んだみたいでもうすぐ来るはずよ」

 

「ピザ!?ラッキー!!!」

 

「皆さん!!ピザが来ましたよ」

 

龍亞がはしゃいで直ぐにスタッフが控え室に入ってきてピザの入った箱を5・6つくらいレミさんに渡した。

 

「いっただきま〜す!!!」

 

「いただきます」

 

「で、午後から通し?」

 

「そうそう。その前にBからでそのまま最後まで」

 

「Bって・・・・・・うわっ、ピアノから?」

 

「そうね。失敗しないでよ」

 

「・・・・・さっきから何を言っているのかさっぱり分からないよ」

 

「私が分かったら不味いでしょ」

 

「えっと・・・・ここからね。ごちそう様」

 

「はやっ!?3枚しか食べてないよ!!」

 

「時間が無いの。先に戻るぞ」

 

「ちょっと待て、俺も行くから」

 

「私も戻るわ」

 

遊輝とスバルさん・奏さんが先に食べ終えてリハーサルへと戻っていった。それに続いてレミさんも響さんもジュースでピザを流し込んで直ぐに後を追いかけていった。

 

「・・・・・早かったわね」

 

「それよりこのピザどうする?さすがにこんなにもいらないよ」

 

「一応、置いておきましょう。もしかしたらまた戻って来るかもしれないし」

 

「そうだね」

 

この後、軽音部のメンバーが帰ってきたのはこの8時間も後だったわ。私達は先にホテルで戻ってたけどリハーサルは夜遅くまでやっていたわ。

 

 

ーー(次の日 会場)ーー

 

 

リハーサルが終わりいよいよ今日、軽音部の海外公演の日。既にライブ開始30分前だけど・・・・・

 

「・・・・これ、何人いるの?」

 

「さ、さぁ・・・・・とりあえず5000とかそんな人数ではないわね」

 

「お、おかしいな・・・・・満員だって事だけは聞いたけどこんなにいたの?」

 

「・・・・・前で良かったね」

 

周りの人の数が凄過ぎた・・・・・・・私達が思っていたよりも1桁は違う。多分・・・・・4万人?私達がいる場所は一番前の特等席。レミさんが響さんのお父さんに頼んでこの席を手配してくれたの。

 

「本当だね。周りの人たち大人ばっかだよ」

 

「・・・・軽音部ってこんなに人気があったのかしら?」

 

「そんな事知るわけねぇじゃん・・・・」

 

あんな事こんなことを推測している内にあっという間に時間が経ち・・・・・・・・

 

・・・・・・・・バッ!!!

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!!!』

 

今まで付いていた照明が全て落ちた。

 

「始まるぞ!!!」

 

♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜♪♪〜〜〜

 

何処からかギター音が鳴り響く。観客もそして私達もそれに合わせて歓声が上がる。

 

「こ、こんな始め方あったかな?」

 

「い、いや・・・今まではトークから」

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!』

 

お客さんが歓声を挙げたのでステージの方を見ると・・・・

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

サングラスを掛けてギターを弾いている遊輝だった。す、凄い・・・・・

 

「ま、まさか・・・・・最初のイントロダクションを」

 

「ゆ、遊輝のギターソロ?」

 

「・・・・・かっこいい」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・・・

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

観客が遊輝のギターソロに拍手をする。それに答えるかのように右手を突き上げだ。

 

♪!♪!♪!♪♪!!♪♪♪♪〜〜〜

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!!』

 

遊輝の右手を合図にドラム音とギター音が鳴り響く。観客は一気にテンションが上がり手を叩く。それを合図にスポットライトがどんどんとスバルさん、響さん、レミさんへとメンバーに当たっていき、一番最後に端に後ろ向きでいた奏さんに当たり・・・・

《せっのでDIVE!!!!!!!!》

 

ドォーーーーン!!!!!

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪!!!!!!

 

ギター音とドラム音に負けない声の大きさで奏さんが反転して叫ぶ。そしてステージに向かって走り出す。

遊輝やレミさんもそれを見て、スポットライトから外れてステージのふちへと歩みよる。観客もそして私達も一気にテンションが上がる!!こんなに激しいオープニングなんて初めて!!

 

「すっげぇ!!!!!」

 

 

 

Introduction (B'z アルバム 【MAGIC】 より)

 

1 DIVE 【B'z】

 

2 Over DRIVE 【JUDY AND MARY】

 

3 KISS KISS BANG BANG 【いきものがかり】

 

 

♪♪♪♪♪♪♪!!!!!

 

 

銃を打つモーションをした後、奏さんがマイクを持った左手をあげてドラム音が鳴り終わる。

 

「え〜、皆さん!!今晩は!!!アカデミア中等部の軽音部、バンド名、SECRETです!!」

 

『イエエエェェェ!!!!!!!』

 

マイクの持っている奏さんがそのままMCへと入っていく。

 

「元気ですね!!!こっちも元気よ!!」

 

『イエェェェェ!!!!』

 

「・・・・まさかこんなに入るとは思わなかったけどね(汗)」

 

『ハハハハッ』

 

「え〜、皆さんも知らないと思うので先ずはメンバー紹介から!!ドラム!!!遊城〜〜スバル!!!」

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪!!!!

 

「キーボード!!!小野寺〜〜響!!!」

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

「ベース!!!葵〜〜レミ!!!」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪・・・・・・

 

「ギター&ヴォーカル!!!遠藤〜〜遊輝!!!」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪!!!!!

 

「そしてヴォーカルとギター!!!私、水野奏!!!!」

 

『わああああああ!!!』

 

「えぇ〜、今日の一夜、皆さんにとって素敵な夜にさせる事を私達は約束します!!」

 

『イエエエェェェ!!!!』

 

「続いては・・・・・皆さんもどう思いますか?憧れの彼氏・彼女との結婚などは?次の曲からはそんな彼女・彼氏に永遠を誓う曲・・・・・・行きましょう。嵐!!!!ONE LOVE !!!」

 

『おおおおぉぉぉ!!!!』

 

・・・・♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪

 

スタンドマイクを後ろから持って来た奏さんが次に言った曲はONE LOVE。それを合図に響さんがピアノ伴奏を始める。遊輝とレミさんもピアノ伴奏を確認しながらギターやベースを弾き、奏さんはスタンドマイクの前で皆に手を振る。私達もそれに合わせて手を振り始める。

 

 

 

 

4 ONE LOVE 【嵐】

 

5 SAY YES 【CHAGE and ASKA】

 

6 愛を込めて花束を 【Superfly】

 

7 366日 【HY】

 

8 家族になろうよ 【福山雅治】

 

9 PEACH 【大塚愛】

 

10 life 〜目の前の向こうへ〜 【関ジャニ∞】

 

11 ハネウマライダー 【ポルノグラフィティ】

 

12 以心伝心 【ORANGE RANGE】

 

13 勝手にシンドバッド 【サザンオールスターズ】

 

14 Driver's High 【L’Arc-en-Ciel】

 

15 天体観測 【BUMP OF CHICKEN】

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪〜〜〜

 

 

 

遊輝と奏さんのギターで最後を締めくくり、観客から拍手が巻き起こる。

 

『やっぱ天体観測サイコー!!!』

 

『良かったぞ!!!』

 

「ありがとね!!!でもちょっと疲れた・・・・・ヴォーカル交代〜〜!!!!」

 

『えぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

突然のヴォーカル交代宣言で驚く観客。それは私達も一緒だった。

 

「ヴォ、ヴォーカル交代って誰が歌うの!?」

 

「メ、メインが奏さんでサブで遊輝とレミさんで他に「イエェェェェイイ!!!みんな!!!元気か!?!?!?」えっ!?」

 

横を向いて龍亞と話していると、マイク越しの遊輝の声が会場全体に響く。それに答えるかのように観客も盛り上がる。

 

『イエエエェェェイイ!!!!』

 

「良いね良いね!!!ここから2曲はメインヴォーカルとギターが交代!!奏がギターでヴォーカルは俺になりま〜〜す!!!!」

 

『イエエエェェェ!!!!』

 

「う、うそ・・・・」

「ゆ、遊輝がメインヴォーカル!?!?」

 

「えぇ〜・・・・突然ですが皆さんには好きなアーティストとかいますよね!?」

 

『L'Arc-en-Ciel!!!』

 

『B'z!!!!Avril Lavigne!!!』

 

「はい!!ありがとうございます!!まぁ色々上げてくれました。ほとんどがこのバンドでもカバーしています。その中でも今回俺が歌うのは、俺が最も好きなアーティスト!!!多分、在日の日本人なら誰もが知るアーティストです!!」

 

『おおおおぉぉぉ!!!!』

 

「そのアーティストとは・・・まぁ曲で分かると思います!!」

 

『えぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

「はいはい!!直ぐに行きましょう!!!」

 

再び響さんのピアノの伴奏で始まる曲。でも今までと違ってロック的な要素の始まりではなくどちらかと言うとポップ的なノリやすい伴奏の始まりだった。観客も自然と手拍子が始まる。

 

♪〜♪〜♪♪♪♪♪!!!!!

 

《オオオォォォ!!!!!!!!》

 

♪♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪

 

『おおおおぉぉぉ!!!!』

 

伴奏から続いた曲の流れに観客はさらに盛り上がる。遊輝は両手を突き上げてジャンプを始めると観客も手拍子をしながらジャンプを始める。この曲って・・・・・遊輝が好きな・・・・

「ミスチルだ!!!!」

 

♪♪!!♪♪!!♪♪♪♪〜〜〜♪♪!!

 

 

--------------------

 

 

《・・・・あげるんだ〜〜〜、Yaaa!!!!!》

 

♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

 

 

遊輝が歌い上げると観客はまた盛大な拍手が巻き起こる。ピアノは鳴り続けて、奏さんとレミさんがギターとベースを持ち替えた所でスバルさんがドラムを叩く。

♪♪♪〜♪♪!!♪♪〜〜♪♪〜〜

 

『おおおぉぉぉ!!!!!』

 

中央に集まった皆を確認して、遊輝が再び両手を突き上げてジャンプする。観客もまたジャンプを始める。そのまま奏さんとレミさんはステージの淵へと歩き始める。

 

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

遊輝が笑顔になりながらマイクを口から離していく。何で外すの!?それじゃ声が 『・・♪♪♪♪♪♪♪♪』

 

「えっ!?」

 

遊輝がマイクを離しているのに声が聞こえる!?一体誰が・・・・

 

「な、なぁ龍可・・・・皆が歌っているのだけど」

 

「う、うそ!?」

『♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪』

 

観客の手拍子のリズムも早まり、遊輝も手を回しながら観客のためにリズムをとる。みんなが・・・・・・歌っている!?

 

「し、知っているのかな・・・・・俺、分からないのだけど・・・・」

 

「わ、私も分からないわよ!!」

「・・・まぁいいや!!とにかく手を叩こう!!」

 

『・・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪』

 

《カモン!!!》

 

『♪♪♪♪♪♪〜〜〜?♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪』

 

サビらしき部分で今度はみんな手を大きく左右に振る。私達もそれに合わせて手を大きく左右に振る。

何か楽しくなってきた!!!

 

『・・・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜』

 

《イエッ!!》

『♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜』

 

観客が歌い終わると一瞬だけ楽器の演奏が終わる。その余韻を噛みしめるように確かめたあと遊輝は・・・・・・

 

《さぁいっこうううう!!!!!!!!!》

 

遊輝の雄叫びが会場いっぱいに広がり、もう一度1番と同じ伴奏が始まる。・・・・・まさか、これもう一回1番?

 

《♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・》

 

・・・・・良かった。2番に入ったみたい。

 

 

 

16 エソラ 【Mr.Children】

 

17 innocent world 【Mr.Children】

 

 

 

・・・・♪♪♪♪♪♪!!!!

 

この曲が歌いおわり、遊輝はお礼を言う。観客も色々と歓声を上げる。

 

「えぇ・・・歌ってくれてありがとうね!!!最高!?」

 

『最高!!!!!!』

 

「良いね!!!俺も最高だよ!!!じゃあ、ここでメインヴォーカルとギターをもう一度交代!!再び奏に戻るよ!!!」

 

後ろのスタッフからギターを受け取り、マイクは奏さんに手渡す。

 

「みんな!!!遊輝の歌、どうだった!?」

 

『めちゃくちゃ良かった!!!』

 

『最高!!!!』

 

「ありがとね!!!!!!」

 

「こらっ!!!早く準備しなさい!!!」

 

『ハハハ!!』

 

「全く・・・・いよいよ終盤だけど、まだまだ元気ーーー!?!?」

 

『イエエェェェェ!!!!!!』

 

「じゃあどんどん行こうか!!!」

 

・・・♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜・・・・・・

 

今度はスピーカーから独特の音楽が流れる。ドラムでもピアノでもない、電子音が強い音楽。そしてこれを聴いた観客はさらに盛り上がる。

これって・・・・・・・

 

「イチブトゼンブだ!!!!!」

 

《ウッ!!!!!!》

 

奏さんの雄叫びとともにドラム音が会場に響く。観客も軽くジャンプをしながら、手拍子を始める。

 

 

 

18 イチブトゼンブ 【B'z】

 

19 LOVE LOVE LOVE 【DREAMS COME TRUE】

 

20 世界に一つだけの花 【SMAP】

 

 

「えぇ〜、これが本日最後の曲となります」

 

アコースティックギターを持った奏さんが観客の前で最後となるMCを始める。

 

「最後の曲は・・・・応援歌かな?皆さん誰だって挫けたり、挫折したり、色々な試練があります。時には『限界かな?』と思う時が来るでしょう」

 

最後のMCにみんな、黙って奏さんを見つめている。

 

「でも立ち止まらずに一歩ずつ進めば、新しい未来、新たな可能性が見つけてくると思います。栄光への架橋は辛く、長い道のりです。それでも挫けず、前を向いて渡りましょう・・・・・・ゆず、栄光の架橋」

 

パチパチ

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪

 

観客からの拍手を浴びて、響さんが最後のピアノ伴奏へと入った。アコースティックギターを弾いた遊輝と奏さんが合わせながらマイクの前に立つ。

 

 

 

21 栄光の架橋 【ゆず】

 

 

 

・・・・♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

最後に響さんのピアノの伴奏が終わり、全員が楽器を置いて前に来る。観客からの大きな拍手を見ながら、5人は手を繋ぎ、頭を下げた。

「「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」」

 

『ワアアアアァァァァ!!!!!!!!!』

 

観客からの歓声を後ろに軽音部は舞台から退けた。

 

「終わった・・・・のかな?」

 

「今回はあっという間だったよ!!今まで一番だったよ!!」

 

「そうね。じゃあ、会場から出て・・・・・」

 

『・・・コール』

 

「えっ?」

 

『・・・ンコール!!アンコール!!!アンコール!!!!』

 

「えっ!?ちょ、ちょっと!?」

 

「あ、アンコール!?」

 

『アンコール!!!!アンコール!!!!アンコール!!!!』

 

突然のアンコールに私と龍亞は戸惑ってしまう。

 

「あ、アンコールって・・・・今まであったかな?」

 

「た、多分・・・・・無いわよ」

 

『アンコール!!!!アンコール!!!!アンコール!!!!』

 

《・・・・・・トゥッルトゥ、トゥッルトゥ》

 

『おおおおぉぉぉぉ!!!!』

 

歓声のアンコールの声でもみ消されそうな小さい声が会場に若干だけど、響き渡る。

 

 

《トゥッルトゥッル、トゥッルトゥッル・・・・・・》

 

 

ステージの真ん中から奏さんが出てきてそのまま歌う。みんなはステージの脇から出てきて楽器を演奏する。

 

 

 

22 ライオン 【遊助】

 

23 蕾 【コブクロ】

 

24 粉雪 【レミオロメン】

 

25 みらいいろ 【Plastic tree】

 

 

「えぇ・・・・まさかアンコールでノンストップメドレーをやるとは思いもしませんでした(汗)」

 

『ハハハハ!!』

 

「まぁ・・・・次が本当に最後です」

 

そう言って、後ろにいたスタッフからギターを手に取り簡単に音を出して合わせる。

 

「えぇ〜、この曲も栄光の掛橋と似ています。先ほどの栄光の掛橋の紹介と一緒なのですがそれを追加する形で・・・・・・その栄光への掛橋は果てしなく長い道のりです。どれだけ前に進んでも高い壁にぶつかります。でも、高い壁であればあるほど登った時は気持ちいいものです。栄光の掛橋を渡り切る・・・・そんな終わりなき旅は今も続いています・・・・・・Mr.Children、終わりなき旅」

 

 

・・・・♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪

 

奏さんのソロギターから始まったこの曲。ドラムもキーボードも今までの勢いのある演奏ではなく、ゆっくりとした、長い時間を旅しているかのような曲になっている。

 

 

 

26 終わりなき旅 【Mr.Children】

 

 

 

 

「終わり・・・・な〜き・・・・・た〜〜び・・・・・・」

 

再びギターソロへと移り、その後にスバルさんのドラムが鳴り響く。その長くしかし何故か心が打たれる伴奏はみんなを虜にして行った。

 

「・・・・・えぇ、以上で今日のLIVE FESは終わります!!3時間ちょっとのお付き合い、ありがとうございました!!」

 

「「「「「ありがとうございました!!!!」」」」」

 

パチパチパチパチ!!!!!!!

 

もう一度、皆で手を繋ぎ頭を下げてお礼を言う。観客からも「ありがとう!!」の言葉が投げかげている。

 

「・・・・凄いわね」

 

「・・・・・絶対プロでしょ?」

 

「・・・・間違い無いわね」

 

「この後どうするの?」

 

「確か会場から出て、このホールを道の沿って歩いたらスタッフしか入れない場所に当たるからそこにこれを見せて入るのよ」

 

龍亞に今朝遊輝から貰ったスタッフ用のカードを見せる。これは今朝、遊輝から貰ったもので、「関係者の部屋に入る時はこれを警備員に見せるんだぞ」って言って私に渡してくれたの。

 

「じゃあ行こう!!」

 

「ま、まって龍亞!!今行っても混んでいるからもう少し待ちましょう!!」

 

「えぇ〜〜!!突っ込めばいいじゃん!!」

 

「周りは大人よ!!私たちが突っ込んでも押されてはぐれてしまうだけよ!!」

 

「大丈夫だって!!行こう行こう!!」

 

「ちょ、ちょっと!?引っ張らないで!!!」

 

龍亞に無理矢理引っ張られて、大混雑している出口へと龍亞が走る。でも、周りには私たちよりも体格の良い大人が何百人、何千人といるので案の定、もみくちゃにされて・・・・・・

 

「つ、疲れた・・・・ハァハァ・・・・」

 

「だ、だから後でって言ったのに・・・・・・」

 

「Pass please」

「あ、は、はい・・・えっと・・・・はい」

 

「・・・・・OK」

 

警備員にスタッフ専用のカードを見せて中に通る許可を得る。未だに息が上がっている龍亞を連れて皆がいる控え室に行く。

 

「えっと・・・・ここだわ」

 

「みんな〜〜!お疲れ〜〜!!」

 

「あっスバル!!!そのステーキ私の!!!」

 

「取ったもん勝ちだ!!!」

 

「早く食べないと自分の分が無くなるぜ」

 

「そう言いながら遊輝も取らないで!!私のステーキ〜〜〜!!!!!」

 

「奏、カレー食べる?」

 

「食べる食べる。そのサラダも・・・・」

 

皆、中にある控え室で食事をしていた。夜の9時を回っているのに・・・・・・

 

「あ〜龍可。何か食べる?」

 

「わ、私良いわよ(汗)そ、それよりこんな時間なのに良く食べるわね?」

 

「食べないと持たないんだよ。1回ライブをするだけで消費カロリーめちゃくちゃ多いから」

 

「流石に私も食べておかないと倒れてしまうわ。このカレー美味しいわね」

 

「響のお父さんが紹介してくれただけあってどれもこれも美味いな」

 

「そりゃそうよ!!!龍亞君は食べる?お寿司あるよ!!」

 

「マジ!?食べる食べる!!!!」

 

お寿司という単語に飛びついた龍亞はさっきの疲れが嘘のように俊足で響さんの所へと行く。

 

「いっただきま〜す!!!!」

 

・・・・・何で皆、こんな時間にあれだけ食べられるのかしらね?(汗)

 

 

 

〜〜(翌日 ウィーン国際空港)〜〜

 

 

「・・・・・よし、じゃあこれが飛行機のチケットだ」

 

響さんのお父さんが私たちの代わりに受け付けをしてくれてチケットを手渡してくれた。

 

「ありがとうパパ!!」

 

「良いって。昨日のコンサートも大成功だったし、ほらこれ」

 

響さんのお父さんが皆に手渡した新聞・・・・・・そのトップページの端っこだけど、軽音部のメンバーの写真が掲載してあった。

 

「・・・・・・何て書いているの?」

 

「【日本から来た学生バンド 一夜で行われた熱くさせるライブ!!】だとよ」

 

「あまり上手くない新聞記者ね(汗)」

 

「ま、まぁ、俺たちがこうやって新聞に載っているんだから良いじゃねぇか」

 

「それもそうね」

 

「間違いなく有名になるな。さぁ、飛行機へと乗り込もうか」

 

響さんのお父さんを先導に、私たちは飛行機へと向かって歩き始めた。

 




龍亞「・・・・・プロだよ」

龍可「・・・・・プロね」

レミ「プロじゃないからね!!!私たち、アマチュアの学生コピーバンドだから!!(汗)」

スバル「あんなに集まるとは思わなかったけどな・・・・(汗)」

龍亞「4万人って・・・・有名アーティストがやるライブと一緒じゃん」

奏「去年、かなり人気って聞いていたけどあそこまで膨れ上がるなんてね・・・・・」

響「夢にも思わなかったよ」

スバル「もう俺たちのやることは・・・終わったよな?」

レミ「えぇ、あとは観光よ。花の都!!パリで!!」

響「タイトルは【花の都の邪念を導く姫!!】」

奏「新しい仲間が出てくるよ!」

遊輝「次回もよろしくな!!」


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第70話 花の都の邪念を導く姫

最強カードの紹介〜〜。

アキ「久しぶりね。本編だとみんな海外に行っちゃったから私たちはお休みよ」

すいません・・・・祈や恭輔も人数的にキツかったです・・・・・

アキ「レギュラーメンバーだから連れていきなさいよ・・・・」

そうしたら台詞の問題が出て来てまして〜・・・・・

アキ「しかも、二人ともまだ1回しかデュエルしていないのに」

すいません・・・・・海外から帰ってきたら回数を増やします・・・・

アキ「(本当かしら?)」

最強カードに行きましょう!!

アキ「今回はヴェルズ・ケルキオン。☆4のヴェルズの中心を担うモンスターね」

1ターンに1度だけ墓地の《ヴェルズ》を除外すると墓地から別の《ヴェルズ》を手札に回収出来て、しかも召喚権を1回増やすぞ!!

アキ「墓地が増えた後半にはこのカード1枚だけでランク4のエクシーズモンスターを出すこともできるわ」

さらに墓地に送られたターンのみ、《ヴェルズ》と名のついた上級モンスターのリリースを1体少なく出来るよ。こいつはちょっと微妙だけど・・・・

アキ「相手ターンに墓地に送られたりエクシーズ召喚に使っちゃうと意味がないわね・・・・」

うん、そこ。だから後半の効果って実際無いに等しいね。

アキ「第70話、デュエルスタート!」


龍亞 side ~~(パリ シャルル・ド・ゴール国際空港)~~

 

 

「着いたーーーー!!!!憧れの都!!!パリ!!!!!」

 

「響うるさい!周りの人たちが見ているわよ!」

 

ひっさしぶりの俺〜〜!!

響さんの上げた大きな大きな叫びに空港内にいた人たち全員が一斉に俺たちを見る。恥ずかしいったらありゃしないよ。

 

「パリ、か・・・・・あの子元気かな?」

 

「あの子?」

 

後ろにいたレミさんがボソッと呟いたので何があったのか遊輝が振り向いて問う。

 

「いや・・・・私の友達で一人、パリで生活している子がいるんだ。もしかしら会えるかなって」

 

「連絡してないのか?」

 

「1回は入れたよ。ただ、その子ファッションモデルでそこまでとは言わないけど多忙なのよ。だからその時は繋がらかったのよ」

 

「へぇ〜」

 

「元気に「レミっち!!!!!」!?こ、この声!!」

 

突然聞こえた声にレミさんが辺りを見渡す。にしても今のなんだよ?レミっち?たまごっちじゃないんだし、後ろにそんな物をつけるなんて面白そうな人だな〜。

 

「レミっち!!ここよここ!!」

 

「あ、茜!!!!」

 

前にいる赤い色のコートに黄色のショールを巻いた、ピンク色のロングヘアーの女の子が手を振っていた。レミさんはその子に向かって一直線に走っていった。

 

「茜!!茜じゃない!!」

 

「レミっち久しぶり!!何年振りかな?」

 

「5年振りじゃない?小等部2年の時にパリに引っ越して以来だから!!」

 

「あ、茜!!久しぶり!!」

 

「響っち!!それに奏っちも!!」

 

「・・・相変わらず、その口癖は変わらないわね(汗)」

 

奏さんと響さんも加えて感動の再開をする4人。だけど俺と龍可、遊輝にスバルは何のことかさっぱり分からない・・・・・

 

「・・・・・誰?」

 

「俺に聞くな」

 

「レミさんがあんなにはしゃいでいる所を始めて見た気がする・・・・」

 

「い、一気に元気になったわね・・・・」

 

「いや〜〜、ほんっと久しぶりね!!」

 

「レミっちはまだファッションモデルをやってるの!?」

 

「流石にやってないわよ(汗)。今は奏と響に後ろの男2人を合わせてバンドをしているわ!」

 

「バンド!?いいな〜、私もギターを貰ったのになかなか練習出来ないのよ!!」

 

「茜。感動の再開の所で悪いけど、後ろの子にちゃんと自己紹介をしなさい」

 

茜さんの後ろに同じくピンク色に染まった黒いコートに身を包み、帽子を被った女の人が現れた。

 

「あっ、そうだった」

 

「お久しぶりですね小野寺さん」

 

「こちらこそお久しぶりです栗城さん。わざわざお忙しい所を」

 

「いえいえ。仕事もひと段落つけたので娘と一緒に来ただけです。それに気分転換も必要ですから」

 

「そうですね」

 

「後ろにいる子たちは始めましてね。私は栗城 すみれ、職業はファッションデザイナーをやっているの。それで、この子が私の娘」

 

「栗城 茜です!!よろしくお願いします!!」

 

「あ、あぁ・・・よろしく。俺は遠藤遊輝」

 

「俺は遊城スバル」

 

「龍亞だよ!!で、双子の妹の」

 

「龍可です。よろしくお願いします」

 

「遊輝っちとスバルっち!それに龍亞っちと龍可っちね!!よろしく!!」

 

「・・・・そ、その、〜〜っちって癖なの?」

 

「うん!元々、雑誌のインタビューの時しか使ってなかったけど完全に定着してね!」

 

「ざ、雑誌のインタビュー?」

 

「茜はお母さんが勤めているファッション雑誌の専属モデルなんだ」

 

「へ、へぇ〜・・・・」

 

ファッションモデルとかやっているんだ!!すげぇ!!しかもお母さんがその雑誌のデザイナーだなんて親子揃って有名人じゃん!!

 

「今回は栗城さんが住んでいるマンションの部屋を借りておいた」

 

「本当にパパ!?」

 

「ありがとうございます!!」

 

「それで・・・・すまないがこれからしばらく、仕事で会えないのだが・・・・」

 

「もう!いつも通りでしょ!!仕事頑張ってきて!」

 

「ありがとう。じゃあ」

 

響さんのお父さんが駆け足に空港を出て行った。外には既に仲間であろう人達が待っていた。

 

「あの人も大変そうだな」

 

「有名オーケストラの指揮者だもんな」

 

「さぁみんな!!まずは私の家に荷物を置きにいこう!!」

 

「そうだな。パリに2週間近く滞在するし荷物だけは身軽にしておこうか」

 

茜さんのお母さんに先導してもらい、空港からバスに乗り市街地へと向かう。その間のレミさんと茜さんの盛り上がりったらすごい事。久しぶりの親友の再開に話に花を咲かしているみたいだな。

 

「(・・・・・へぇ、龍可っちは遊輝っちの事が好きで、鈍感である遊輝っちが気づき始めていると)」

 

「(そうそう。そこで恋のキューピッドのあんたにお願いしたいわけよ)」

 

「(任せて!!今まで100%カップルにさせたんだから!!)」

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「ここが私とお母さんの家で仕事場よ!!」

 

茜さんのお母さんの案内でパリ市内にあるマンションに入る。マンションと言っても5階建てで、昔に建てた少し古いような感じの建物だ。

 

「私と茜はここの4階に住んでいるの。みんなが泊まる部屋は3階に3部屋用意したから自由に使ってもらっていいわよ」

 

「「「「「ありがとうございます」」」」」

 

「先に荷物を置いてその後私の部屋に来て。ここのルールとか教えるから」

 

「分かりました」

 

茜さんのお母さんの話を聞いて、案内された部屋に荷物を置く。部屋の割り当てはレミさんと奏さん・響さんのペア、龍可はもう必然的に遊輝と一緒。で、残り者となった俺とスバル・・・・

 

「・・・・何か悲しい」

 

「それは言うな。あれは必然だろ?」

 

「まぁ・・・そうだね。レミさん達は仲が良いし、龍可は絶対遊輝とだし、・・・・・やっぱり残り者だ」

 

「だからそれを言うな・・・・・」

 

何か凄く悲しい・・・・・

荷物をある程度片付けて、4階にある茜さんの部屋へと駆け上がる。

 

「失礼しま〜す」

 

「は〜い!中に入って!」

 

茜さんの元気な声が聞こえ、玄関の扉越しから俺たちを見る。扉を開けて中に入れさせてもらうと既に荷物を整理し終えていた龍可と遊輝、レミさん達が作業場らしき部屋で見学をしていた。

 

「栗城さん!!どうするですか!?もう2週間も無いのですよ!!」

 

「私も考えてはいるのだけど・・・・なかなか名案が・・・・」

 

「(・・・・何かあったの?)」

 

「(私も分からないのよ。私たちが来た時からこんなやりとりが続いていて・・・・・)」

 

仕事場となっている部屋で茜さんのお母さんとそのスタッフの方が何やら言い張っている。先に来ていた龍可達も何があるのかわからないみたいだ。

 

「困ったわね・・・・あの子もかかっちゃって・・・・」

 

「あの〜・・・・どうしたのですか?そんなに頭を悩ませる事があるなら私たちが聞きますよ」

 

見兼ねた奏さんが、自分達なら相談に乗ると言った。だけど後ろの男の人が首を振る。

 

「君たちには「いいえ、もしかしたら私たちより良い案が浮かぶかもしれないわね」栗城さん!!」

 

「もうなりふり構ってられない状況でしょ?実はね、年明け直ぐにファッションショーが開かれるのだけど・・・」

 

「もしかしてまだ服のデザインが決まってないとか?」

 

「服のデザインなら既に終わってもうすぐ出来上がるわ。でも肝心のモデル達がインフルエンザにかかっちゃったり、骨折したりして人数が足りなくて・・・・」

 

「どれくらい足りないのですか?」

 

「女の子のモデルが5人よ。今は6人不在だけど1人はギリギリ間に合えるみたいで・・・・」

 

「お母さんどうするの?もうモデルになってくれそうな子いないでしょ?」

 

「そうなんだよね・・・・どうすれば良いかしら?」

 

そう言って茜さんのお母さんはまた腕を組み考え始める。一方、これを聞いたレミさんと奏さん・響さんはまた円を組み話し合いを始める。

 

「(5人足りない?てことは・・・・)」

 

「(私たち3人に龍可ちゃん入れて、あとは・・・・・)」

 

「(・・・・よし!!それで行こう!!)モデルなら私たちがやりますよ!!」

 

「「「えっ!?」」」

 

突然の発表に茜さんの・・・・もう面倒くさい。すみれさんとスタッフ、俺たちは驚く。か、簡単にモデルをやるって宣言しちゃったよ・・・・

 

「お、お前・・・・簡単にやるって言うけど・・・・・」

 

「大丈夫!!私、経験者だから!!」

 

「そ、そう言えば空港でそんな事を・・・・響さんと奏さんは?」

 

「私も奏も1回だけしかないけど・・・」

 

「困っているなら助けてあげないとね!」

 

「・・・・・・そうね」

 

「本気ですか栗城さん!?この子達は素人ですよ!!」

 

「素人でも何でも、もう時間が無いって言ったのはあなたでしょ?レミなら経験もあるし、奏や響も連れて行かせた時もあるから2週間ちょっとなら叩き込めるわ」

 

・・・・・・レミさん達、無理矢理行かされた事があるの?それはそれで大変だっただろうな〜。

 

「これで3人確保出来たわね。あと2人「あと2人ならいます!!」えっ?」

 

「そうよね!!龍可ちゃん!!」

 

「わ、私もやるのですか!?」

 

突然の指名に驚く龍可。そりゃそうだろう・・・・・いきなり「ファッションショーのモデルをやってください!!」って・・・

 

「わ、私、そんなファッションショーとか出る」

 

「そんな事を気にしたらダメ!!実際問題、私も無理矢理やらさせていたんだし」

 

「お前も無理矢理だったんかよ・・・」

 

「茜のお母さんにどうしてもって頭を下げられて折れてしまってね・・・・」

 

「龍可ちゃん!折角だしやろうよ!!こんな経験、人生1度もしないかもよ!!」

 

「・・・・・分かりました。私もやります」

 

「ありがとう龍可さん。それであと1人は?」

 

そうなんだよな。レミさん達は「2人いる!」って言っていたけど残りは俺と遊輝とスバル。祈がいるならまだしも誰がやるんだよ?茜さんも誰がいるか確認し辺りをキョロキョロ見渡す。

 

「・・・・レミっち、何処に女の子がいるの?」

 

「やだな〜茜。目の前にいるじゃない!!」

 

「この!!」

 

「特別可愛い子が!!」

 

バン!!

 

そう言って、3人は遊輝の肩を叩いた。・・・・・・・・・・あぁ、成る程ね。

 

「え・・・・・えええぇぇぇ!?!?お、俺!?!?!?」

 

「あ〜遊輝か。確かにいたな」

 

「納得出来るね」

 

「でしょう?ほら!!5人揃った!!」

 

「ちょ、ちょちょちょ!!!「この子男の子でしょ?私が言っているのは女の子よ?」ほ、ほら!!すみれさんだって!!」

 

「すみれさん!その服と部屋を一つ借りても良いですか?」

 

「このスカートとチュニック?別にいいけど」

 

「遊輝!!!!」

 

「いててて!!!引っ張るな!!!」

 

片手に服を持ったレミさんは強烈な力で遊輝の襟を引っ張り無理矢理別の部屋に飛ばされる。

あ〜あ・・・終わったな・・・・

 

ガゴン!!ゴン!!!ドン!!バコン!!

 

「出来た!!!」

 

「/////////お、お前!!!」

 

「じゃあ戻るよ!!」

 

「うわああ!!!!!!」

 

何やら激しい物音と言い争いの中、嵐のように去ったレミさんと遊輝がこれまた嵐のように直ぐに帰ってきた。

 

「ほらっ!!」

 

「/////////うっ・・・・・」

 

「・・・・レミっち、その女の子誰?」

 

「遊輝よ!!」

 

「「「えっ!?!?」」」

 

そりゃあ見た目が男っぽい人がこんな女装したらギャップ差があり過ぎて驚くだろうな。俺も最初はビックリしたし。

 

「ゆ、遊輝っち!?」

 

「・・・・す、凄い」

 

「初めて見た人はこうなるよな。俺たちも最初ビックリしたから」

 

「そうだねスバル。あの衝撃は今でも覚えているよ」

 

「・・・・・この子、行けるわね」

 

後ろでじっくりと見ていたすみれさんが怪しい顔で遊輝に近づく。

 

「この子良いねぇ・・・・スタイルも完璧、髪の毛のケアもOK、足も手もそこそこ長い・・・・」

 

「/////あ、あの・・・・まさか・・・・」

 

「えぇ、君はもう決定よ」

 

「/////ちょっと!?俺は嫌ですよ!!」

 

「何を言っているのよ。私のところの雑誌モデルなんかより何百倍もの可愛さ・美しさ・綺麗さがあるわ。ねぇ壮田君」

 

「栗城さん、この子確実にトップモデルになれますよ。間違いありません」

 

「//////ぜっ〜〜〜〜〜〜たいに嫌です!!!!!!!!!!」

 

そりゃそうだよな・・・・・性別偽ってトップモデルって・・・・考えただけで腹が壊れそう・・・・・(笑)

 

「良い子連れて来たねレミ」

「でしょう?」

 

「//////こら〜〜!!!!俺は反対だ!!!!!!」

 

「そんな事言っても向こうも困っているんだよ?ここは快く引き受けないと」

 

「//////誰がこんな恥ずかしい事を引き受けるか!!!」

 

「えぇ・・・・遊輝っちもったいない。そんなに良いスタイルしているのに」

 

「//////好きでこんな身体になったんじゃねぇよ!!着替えてくる!!」

 

「・・・・私が逃がすと思う?」

 

遊輝が振り向いて部屋から出ようとしたらいつの間にかすみれさんが扉の前で仁王立ちして遊輝を睨んでいた。

 

「//////ひっ!?」

 

「こんな可愛い子を私が見逃すはずが無いわよ〜〜。さぁ大人しくモデルになろうね〜」

 

「//////嫌です!!!」

 

「(出た〜〜・・・・・お母さんの別名、怪盗ハンター、すみれ。どんな子も絶対に逃さずモデルにしてしまう)」

 

「(私もこれでモデルをやるはめになっちゃったからね。絶対に逃げられないよ)」

 

「(これからは遊輝はモデルね。それはそれで大金持ちになりそうね)」

 

「(・・・・・・遊輝に負けている事に腹が立つ)」

 

「//////うぅ〜・・・じゃあデュエル!!デュエルに勝ったらこの話は無し!!」

 

「良いわよ。その代わり負けたらファッションショーに出てもらうよ?」

 

「//////良いですよ!!何でもやりますよ!!」

 

「よし良いわ。デュエルの準備をして来てちょうだい」

 

扉から離れたすみれさんを見て、遊輝は速攻で部屋を出た。あ〜、面白い(笑)

 

「で、誰がデュエルをするの?」

 

「「「「「あっ・・・・・・」」」」」

 

「決まってなかったのですか?(汗)」

 

「流れで引き受けてしまったわね・・・・・どうする?」

 

「この中でまだ遊輝に勝てるのは奏「私行く!!」へっ?」

 

レミさんが相手を決めていた時に茜さんが手を上げ名乗りでた。

 

「大丈夫茜?遊輝は強いわよ」

 

「知っているよ!遊輝っちって世界で初めてエクシーズモンスターを使ったデュエリストでしょ?だから私がデュエルしたいの!!」

 

「エクシーズモンスターを見たいの?」

 

「う〜ん・・・・それも一つあるけどこのデッキで遊輝っちとデュエルしたいんだ!!」

 

そう言って茜さんが机の上に置いてあったデッキを手に取る。茜さんが相手か・・・・遊輝の事だから全力で勝ちにいくと思うけど大丈夫かな?

 

「本当に大丈夫茜?」

 

「大丈夫だってレミっち!!私、案外強いから!!」

 

「そこまで言うならやらしてあげるけど・・・・・」

 

「決まりね。茜、狙った獲物は逃さないでよ」

 

「分かったお母さん!」

 

「遊輝が来たわよ」

 

自然と門番になっていた龍可が遊輝が来たことを確認する。ちゃんと私服に戻ってデュエルデスクを準備をしていた。

「じゃあこの部屋では狭いから外の庭でデュエルしてもらおうかしら」

 

「は〜い!」

 

「(・・・・絶対に勝つ絶対に勝つ絶対に勝つ絶対に勝つ絶対に勝つ絶対に勝つ絶対に勝つ絶対に勝つ)」

 

「うお・・・・・遊輝の背中から闘志が溢れている・・・・」

 

「負けなかったら良いけどな」

 

うん・・・・・なんか負ける未来が見えてきた。

 

「茜さんのデッキって何ですか?」

 

「昔は闇属性を中心にしたデッキを使っていたよ。今はどうか分からないけど」

 

「闇属性か・・・・・カオスじゃなきゃいいな〜」

 

なんせ龍可に嫌っていうほど開闢を出されたからな〜。

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

 

マンション近くの庭に俺と茜が対峙する。・・・・・絶対に負けられない。万が一負けたら・・・・・俺の人生が終わってしまう。

 

「じゃあ遊輝っち!やろう!!」

 

「・・・・絶対に勝つ!!!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

茜 LP 4000 遊輝 LP 4000

 

「先行貰うね!ドロー!」

 

茜 手札 6枚

 

さて、俺の手札は・・・・・・・

 

・太陽風帆船

・ガガガマジシャン

・聖なるバリア 〜ミラーフォース〜

・ガガガリベンジ

・アステル・ドローン

 

 

 

 

 

《遊輝のSUPER妄想タイム!!!》

 

まず相手がモンスターを出す。

返しのターン、俺が太陽風帆船を出してガガガマジシャンを通常召喚する。

ガガガマジシャンのレベルを5にしてエクシーズ!ヴォルカザウルスを出す。

ヴォルカの効果を使う。多分ダメージが入る。

ガガガリベンジを使う。墓地からガガガマジシャンを出して何故かエクストラに入っていたガイア・ドラグーンにカオス・エクシーズチェンジ。

全モンスターで総攻撃!これでライフを4000削る!!

 

 

良し行ける!!!これは勝つる!!!

 

 

《妄想終了》

 

さぁてまずはモンスターを出してもらおうか・・・・・・

 

「う〜ん・・・・まずは魔法カード、テラ・フォーミング!デッキからフィールド魔法を手札に加えるよ!加えるのは・・・・混沌空間(カオス・ゾーン)で、このままこのカードを発動するよ!」

 

フィールドの上空が厚い雲に覆われて中央に渦が出来て不気味な穴が空いた。・・・・何だろう。すげぇ嫌な予感が・・・・

 

「このカードがある限りお互いにモンスターが除外されたらカオスカウンターを1つのせるよ!それで魔法カード、闇の誘惑!カードを2枚ドローして闇属性モンスター1体をゲームから除外するよ!」

 

茜 手札 6枚→5枚

 

あ〜・・・・闇属性の除外軸か。まだ行けるな。

 

「・・・・うん!手札からヴェルズ・サラマンドラを除外するよ!」

 

・・・・・・・へっ?

 

混沌空間 Cカウンター 0→1

 

い、今・・・・・ヴェルズって言わなかった?・・・・・・・

 

「ヴェ、ヴェルズ!?!?!?」

 

「良し!レスキューラビットを通常召喚!」

 

レスキューラビット 攻300

 

「あっ、祈も使っていたカード」

 

「レスキューラビットの効果発動!このカードをゲームから除外してデッキからLv4以下の同名通常モンスターを特殊召喚するよ!ヴェルズ・ヘリオロープ2体を特殊召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950 ×2

 

「さらにレスキューラビットが除外されたからカウンターが1つのるよ!」

 

混沌空間 Cカウンター 1→2

 

ヤバイーーー!!!!ヤバイーーー!!!!!あいつが出る!!!!!

 

「さっきから遊輝が慌てているけど茜さんのデッキって見たこと無いわよね?」

 

「俺も見たことがないよ。何であんなに慌てるんだろ?」

 

そりゃヴェルズの恐ろしさを知らないからだろ!!あれはマズイ!!・・・・・い、いや待て、ヴェルズを使っているだけで持ってないという可能性が・・・・

 

「じゃあLv4のヴェルズ・ヘリオロープ2体でオーバーレイ!」

 

「「「「「「お、オーバーレイ!?!?」」」」」」

 

やっぱり持ってたーーーーー!!!!!

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!邪念の王!ヴェルズ・オピオン!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

出たよオピオン・・・・・・どうしろって言うんだよ・・・・・・

 

「あ、茜、エクシーズモンスターを持っていたの!?」

 

「うん!海馬コーポレーション主催のイベントでたまたま売っていたデッキをお母さんに買ってもらったんだよ!!」

 

よ、よう買ったな・・・・・ヴェルズって高いぞ・・・・・

「じゃあオピオンの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてデッキから《侵略の》と名のついた魔法もしくは罠を1枚手札に加えるよ!!デッキから侵略の汎発感染を手札に加えるよ!」

 

ヴェルズ・オピオン OVR 2→1

 

うん・・・・・使い方を分かっているよね・・・・普通、汎発感染を手札に加えるよね・・・・

 

「じゃあカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

茜 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

混沌空間 (フィールド)

伏せカード 2枚

 

 

・・・・・・ねぇ僕はどうやったら助かるの?誰か教えて(涙)

 

「・・・俺のターン、ドロー・・・」

 

遊輝 手札 6枚

 

!!ま、魔宮の賄賂!!まだ何とかなる!!し、しかし・・・・・

 

「(どないせいちゅうねん!!魔宮の賄賂が潰されたら終わりだぞ!!)」

 

「?おい、手札に太陽風帆船があるじゃねぇか。特殊召喚したらどうだ?」

 

「・・・・出来ねぇんだよ。オピオンのせいで」

 

「?どういうこと?」

 

「ヴェルズ・オピオンはね!オーバーレイ・ユニットがある限りお互いにLv5以上のモンスターは特殊召喚出来ないの!!」

 

「な!?!?」

 

「何だって!?!?!?」

「Lv5以上のモンスターの特殊召喚が出来ない!?!?」

 

そう・・・・・オピオン最大の強みはこの効果。ありとあらゆる高レベルモンスターの特殊召喚をこいつ1枚で止めてしまう・・・・・

 

「ちょ、ちょっと待って!?Lv5以上の特殊召喚ってまさかシンクロ召喚も!?」

 

「出来ないよ!!」

 

「ゆ、融合も止められるのかよ!!」

 

「もちろん!!儀式もLv4以下じゃないとダメ!!」

 

「な、なんてモンスター・・・・・・・」

 

・・・・・・マジでどうしよう・・・・・・打つ手がない・・・・

 

「・・・アステル・ドローンを守備表示で召喚して、2枚伏せてターンエンド」

 

「短っ!?」

 

うるさい!!それにまだ大丈夫!!汎発感染にチェーンして魔宮の賄賂を使えば、ミラフォでオピオンで倒せる!!

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

アステル・ドローン 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 4枚

 

「やった!魔法カード、封印の黄金櫃!デッキからカード1枚除外して2ターン後に手札に加えるよ!この効果でネクロフェイスを除外!」

 

「ね、ネクロフェイス!?」

 

「まずネクロフェイスが除外されたからフィールド魔法、混沌空間の効果でカウンターが1つのるよ!」

 

混沌空間 Cカウンター 2→3

 

「さらにネクロフェイスの効果!このカードが除外された時互いのプレイヤーのデッキの上から5枚をゲームから除外する!」

 

ま、マジかよ・・・・ネクロフェイスなんて入れてやがる!!お互いにデッキトップ5枚を手に取りズボンのポケットに入れる。

 

・ヴェルズ・ケルキオン

・侵略の崩壊感染

・D・D・R

・ヴェルズ・サンダーバード

・魔界発現世行きデスガイド

 

 

遊輝

・死者蘇生

・和睦の使者

・終末の騎士

・ガガガウィンド

・ガガガシスター

 

「合計5体のモンスターが除外されたから混沌空間にカウンターが5個のるよ!」

 

混沌空間 Cカウンター 3→8

 

「ヴェルズ・カストルを召喚!」

 

ヴェルズ・カストル 攻1750

ボロボロの赤いマントをつけたモンスターが出てきた。

 

「ヴェルズ・カストルの効果!このカードの召喚に成功した時《ヴェルズ》と名のついたモンスターの通常召喚をもう一度だけ行う事ができる!ヴェルズ・カイトスを召喚!」

 

ヴェルズ・カイトス 攻1750

 

赤い球体を杖に備えた爬虫類みたいな戦士が出てきた。・・・・・・これヤバくね?

 

「Lv4のヴェルズ・カストルとヴェルズ・カイトスでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!轟かせ!ヴェルズ・バハムート!」

 

ヴェルズ・バハムート 攻2350

 

ブラックホールから出て来たのは、ブリューナクが闇落ちしたようなモンスターだった。バ、バハムート?こいつ何をするカードだったけ?

 

「ヴェルズ・バハムートの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き手札の《ヴェルズ》と名のついたモンスターを墓地に送る事で相手のモンスター1体のコントロールを得る!」

 

「な、何だって!?」

 

「つ、つえぇ・・・・・」

 

「手札のヴェルズ・ケルキオンを墓地に送ってアステル・ドローンのコントロールを得るよ!」

 

ヴェルズ・バハムート OVR 2→1

 

バハムートの咆哮でアステル・ドローンの目の色が代わり、茜のフィールドにいった。くそう!!そんな効果だったのかよ!!だ、だけど、まだ大丈夫!!ミラフォと賄賂で何とか・・・・なるよね?なるよね?

 

「そして混沌空間の効果発動!」

 

ああぁ!?!?忘れてた!!!!

 

「カウンターを4つ以上取り除くことでその取り除いたカウンターと同じレベルのモンスターを特殊召喚出来る!!カウンターを4つ取り除いてヴェルズ・ケルキオンを特殊召喚!」

 

混沌空間 Cカウンター 8→4

 

ヴェルズ・ケルキオン 攻1600

 

ケルキオン!?!?強いよ!!!あいつ強いよ!!!!

 

『・・・・・アカネ、デュエル?』

 

「うん!!レミの友達と!!」

 

『・・・・・ツヨイ?』

 

「ほら!最初にエクシーズモンスターを使った子!」

 

『・・・・・ツヨイ』

 

「・・・・・ケルキオン喋っている」

 

「えっ!?遊輝っちってケルキオンが喋っているのが分かるの!?」

 

「いや・・・・ケルキオン精霊なんだ」

 

「凄い凄い!!初めて私以外でケルキオンが分かる人がいた!!」

 

「茜〜〜、そのケルキオンなんて言ったの?」

 

「響っちも分かるの!?」

 

「響だけじゃないよ。私とレミ、スバルにあとは龍可ちゃんも精霊が見えるよ」

 

「凄い凄い!!精霊が見える人が近くにいたよ!!」

 

『・・・・・トモダチイッパイ』

 

「そうだね。でも、自己紹介はあとよ」

 

いや、後にも何も、もう嫌な予感しかしないんだけど・・・・・・

 

「ケルキオンの効果発動!墓地の《ヴェルズ》と名のついたモンスター1体をゲームから除外して墓地の《ヴェルズ》と名のついたモンスター1体を手札に加える!2体目のケルキオンをゲームから除外してヴェルズ・ヘリオロープを手札に加える!!」

 

『ケケケケケ・・・・・・』

 

ケルキオンの真下に穴が開きケルキオンが糸を垂らす。墓地にあるもう一体のケルキオンが消えて糸で吊るされたヘリオロープが茜の手札へといった。

 

「モンスターが除外されたことにより混沌空間にカウンターが1つのるよ!」

 

混沌空間 Cカウンター 4→5

 

ぎゃあああ!!!ケルキオンがループし始めた!!

 

「ちょ、ちょっと待って!?カウンターは5つあるから・・・・・」

 

「次のターンもケルキオンを特殊召喚してまたケルキオンを除外して・・・・」

 

「・・・・半無限ループ」

 

「さらにこの効果を使った時《ヴェルズ》と名のついたモンスターをもう一度通常召喚出来る!さっき手札に加えたヴェルズ・ヘリオロープを召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

 

「Lv4のアステル・ドローン、ヴェルズ・ヘリオロープ、そしてヴェルズ・ケルキオンでオーバーレイ!」

 

「さ、3体エクシーズ!?」

 

「何が出るんだよ・・・・・」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!邪念の龍王!!ヴェルズ・ウロボロス!!」

 

ヴェルズ・ウロボロス 攻2750

「ウ、ウロボロス!?」

 

「あれ遊輝も持っているモンスター!!」

 

「まずはアステル・ドローンの効果で1枚ドロー!」

 

茜 手札 0枚→1枚

 

「そしてヴェルズ・ウロボロスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて《フィールドのカード1枚を手札に戻す》を選択!左側の伏せカードを遊輝っちの手札へ!破壊神の咆哮!」

 

ヴェルズ・ウロボロス OVR 3→2

 

ウロボロスの咆哮で俺の魔宮の賄賂が手札に戻る。・・・・・・終わった。

 

「バトル!ヴェルズ・オピオンでダイレクトアタック!コール・シャドー!」

 

「えええいいい!!!!!!悪あがきじゃ!!!!リバースカードオープン!!!聖なるバリア〜ミラーフォースじゃ!!!」

 

「じゃあチェーンで速攻魔法、侵略の汎発感染!このターン《ヴェルズ》と名のついたモンスターは魔法・罠の効果を受けないよ!」

 

ミラーフォースを何らかの感染物体らしき物が侵略して何も無かったような状況にする。そのままオピオンの攻撃が通る。

 

遊輝 LP 4000→1450

 

「ヴェルズ・ウロボロスでダイレクトアタック!ダーク・ブレス!!」

遊輝 LP 1450→0

 

 

WIN 茜 LOS 遊輝

 

 

遊輝 side out

 

 

響 side

 

 

「つ、つえぇ・・・・・」

 

「遊輝が何も出来ないで負けた・・・・」

 

「・・・・・私、もしかしたら遊輝みたいになるかも」

 

皆、茜のあまりにも一方的なデュエルに唖然としちゃっている。なにあれ・・・・・特殊召喚封じて、相手のモンスターを奪って、最後は魔法と罠の効果を受けない?しかも、もし防いでも次のターンにまたケルキオンのコンボ・・・・・強過ぎでしょ茜・・・・・昔はそんな事しないで純粋に攻撃していたのに

 

『・・・・アカネ、ツヨイ。テキジャナイ』

 

「1ターン目でオピオンを出せたのが良かっただけだよ!」

 

『・・・・サスガオピオン』

 

勝った茜はさっきのケルキオンっていうモンスターと楽しく話している。対象的に負けた遊輝は・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

『マ、マスター・・・・・(汗)』

 

『主、元気出してください(汗)まだパリに来て1日目じゃないですか』

 

「・・・・・・・もう帰りたい」

 

めちゃくちゃ落ち込んでいる遊輝に励まそうとするダイヤとプラチナ。

まぁ・・・・・・あんな一方的なデュエルで負けてファッションショー決まっちゃったからね・・・・・(汗)

 

「良くやったわ茜」

 

「ありがとうお母さん!」

 

「さて・・・・遊輝君もファッションショーに出ることは決定ね」

 

「あっ、そう言えばそうだった」

 

「龍亞・・・・・忘れていたの(汗)」

 

「いや〜、あまりにも一方的すぎて遊輝の負けた事に同情していた」

 

うん・・・・わかるよ龍亞君、その気持ち。あれはちょっとね・・・・・・

 

「じゃあみんな、明日から練習よ」

 

「はい!!」

「は〜い」

 

「それで・・・・・遊輝君には今日から特別の練習をしてあげるわ」

 

「えっ!?」

 

「みっちり鍛えて、身も心も女の子にしてあげるわよ」

 

うわ〜・・・・茜のお母さん、まった悪い顔をして・・・・

 

「嫌だーーーーー!!!!!!」

 

「茜、やりなさい」

 

「はい!」

 

逃げる遊輝、唯一の出口に茜が立ち塞がり・・・・・・

 

「てあっ!!!」

 

「おぅふ!!!!」

 

ボンッ!!!

 

「おう〜〜〜!!」

 

「い、一本・・・・・」

 

「柔道二段・空手三段・合気道初段を舐めないでよ!!」

 

茜の華麗な背負い投げで遊輝を倒す。

相変わらず武道をやっているのね・・・・・てかいつの間にか段所有者になっちゃっているし・・・・

 

「さて、遊輝君は私がみっちり鍛えるわ。心配しなくても寝る時には帰してあげるから!!」

 

「嫌だーーーーー!!!!!誰か助けて!!!!」

 

茜のお母さんに引っ張られる遊輝。

うん・・・・・無理ね。がんばって耐えて。

 

 




茜「始めまして!!栗城茜です!!パリで雑誌のファッションモデルをやっています!!」

レミ「というわけで、新キャラの茜よ。みんな、よろしくね」

奏「本当に久しぶりね茜」

茜「小等部2年以来だもん!!みんなに会えて嬉しかったよ!!」

響「お母さんも相変わらずだったね・・・・(汗)」

スバル「お〜い!こいつ何とかしてくれ〜〜」

遊輝「・・・・・・・・・・・・・・・」←めちゃくちゃ凹んでいる。

龍可「ゆ、遊輝・・・しっかりして・・・私も一緒に出るから・・・・」

龍亞「そう言う問題じゃないって龍可」

奏「・・・・もうなんというか・・・・」

レミ「気合が空回りしたってレベルじゃないよ」

響「凄い数のフラグを立てていたよ」

スバル「にしても茜強過ぎだろ・・・・」

龍亞「《ヴェルズ》強いよ〜〜」

龍可「あれって確か遊輝が海馬コーポレーションと組んで、作った・・・・」

奏「それは強いわけね・・・・・」

響「よくそんなデッキを買えたわね・・・・・茜のお母さん、おそるべし・・・・」

スバル「次回は・・・・・なんだこれ?」

レミ「【迫り来る影と恋のキューピッドによる恋愛作戦】?」

茜「私の情報もこの後載せるから!!」

龍亞「次回もよろしくね〜」

遊輝「・・・・・・・・・・・・」


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第71話 迫り来る影と恋のキューピッドによる恋愛作戦

最強カードの紹介〜〜。

ジャック「・・・おい、今日の話見たけどこれは必要か?」

うん・・・・・今回は何を紹介すれば良いのか迷った・・・・・

ジャック「・・・・それは必要なのか?」

・・・・・多分必要!!

ジャック「・・・・それとまた遅かったな。何をしていたんだ?」

単純に逃走中の方を執筆していただけだよ。あれとこっち、2作品を一辺にやったら大変だよ。

ジャック「(・・・・ほんとか?)」

最強カードの紹介・・・・・マジでどうしよう?

ジャック「俺に聞くな!!」

えぇ・・・じゃあミラクル・フュージョン!!

ジャック「今、決めたな・・・・自分のフィールド・墓地から融合素材モンスターを除外することで《E・HERO》の融合モンスターを融合召喚出来る」

後半、何もないところからいきなり融合モンスターを持って来れるぞ!!相性が良いのは定番のシャイニングとボルテックだ!!

ジャック「第71話、デュエルスタート!」


スバル side

 

 

パリに来て二日目・・・・・・

実は今日は大晦日、街中で新年を祝う準備が進んでいる。そんな中・・・・・・・

 

「ほら遊輝ちゃん!!!もっと胸はって!!!!」

 

「も、もう嫌だ〜〜(涙)」

 

・・・・・ただ一人、すみれさんのスパルタ特訓でファッションショーの練習をしている、ツインテールで化粧をさせられ、赤いスカートに淡い青のシャツ、オレンジ色のコート、そしてウサギの耳みたいなカチューシャを着けられた遊輝。とても哀れだ・・・・・・

 

「めちゃくちゃ鬼だよね龍可?」

 

「えぇ・・・私たちより厳しく指導しているわね」

 

「ほらあごあげて!!来年もずっとスカートで過ごしたいのね!!」

 

「うわあああ!!!!」

 

「・・・・すみれさんの練習もキツいけど」

 

「なんていうか・・・・・遊輝も飲み込みが悪過ぎるよ・・・・・昨日から同じ練習をしているのに」

 

「いや、そういう問題じゃねぇだろ・・・・・・」

 

既に休憩に入っているレミ達は遊輝の飲み込みの悪さを指摘するが・・・・・そういう問題ではないとおもうが・・・・(汗)昨日の様子を皆で龍可に聞きにいったら、まず帰って来たのが夜の11時。しかもワンピース姿らしい。何でも服を全部とられたとか・・・・・・

 

「笑顔!!!またそんな顔をして!!」

 

「うわあああ!!!!!!!!」

 

「・・・・・見ればみるほど哀れだな」

 

「お母さんが久しぶりに本気で指導している・・・・・・・余程気に入ったのね、遊輝っちのことを」

 

「べた褒めでしたね。『100年に1人の逸材』って」

 

「龍可ちゃん・・・・あなたが遊輝をフォローしなかったら、遊輝が堕ちちゃうよ」

 

「よし!休憩!!」

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・もう嫌だ・・・・・・」

 

「こらっ!そんなところで休まない!!」

 

練習が終わって地面に大の字になり転がる遊輝、そしてそれをまた注意される。徹底的に男としての動作を捨てられて女子にしようとしている・・・・・・(汗)

 

「ふぅ・・・・あっ、いけない。お餅を買っていなかった」

 

「お餅ってあるのですか?」

 

「近くに日本の会社が経営するスーパーがあるからいつもそこで買うのよ。茜、悪いけど買ってきてくれる?」

 

「わかった!じゃあ・・・・・・スバルっち!私と一緒に来て!」

 

「?何でだよ?一人でいけるだろ?」

 

「護衛だよ!護衛!」

 

「何だそれ?」

 

「茜さん、柔道二段とか言ってたよね?何で護衛なんか必要なの?」

 

「えっと、それは・・・・・」

 

「龍亞君、大人の事情に入らないで頂戴。スバル君、頼んだわよ?」

 

もう行く事決まりかよ・・・・・・・

「しゃあねえな。行くか」

 

「じゃあよろしくね!スバルっち!」

 

茜にほぼ無理矢理連れられて、マンションの外へと出てスーパーまで歩く。外では新年に向けた準備が着々と進められており、多くの人が街で買い物をしている。

 

「もう1年も終わりか〜。あっという間だったな」

 

「私には十分過ぎる1年だったよ。今年は仕事が多かったな〜」

 

「そう言えばモデルって言っていたな。でもあの人が所属しているファッション雑誌のだろ?少しはいたわるだろ?」

 

「スバルっち、その考えは甘いよ。現に遊輝っちが大晦日なのにあれよ」

 

「・・・・・・ようはあの人が仕切っているのか」

 

「流石に編集長とか社長には頭が上がらないけど、ファッションのことならお母さんに頼っちゃってるからね」

 

「ふ〜ん」

 

「あっ、ここだよ」

 

「・・・・まだ歩き始めて3分も経ってないぞ」

 

マンションの角を一つ左に曲がり、直線で50mも歩いたところに目的のスーパーがあった。こんなに近いなら護衛なんか付ける必要ねぇだろ・・・・・・

 

「お餅お餅・・・・あった」

 

「はぁ・・・・さっさとお金払って帰るぞ」

 

「は〜い」

 

茜が餅を持ってレジにいき直ぐにお会計がすんだ。

 

「さてと、帰ろうか」

 

「そうだね」

 

茜と二人一緒に外に出る。また同じ道を歩き、マンションに戻る。

 

「にしても俺が付いてくる必要ねぇだろ」

 

「それは・・・!!来た!!」

 

「はっ?」

 

茜が突然身構えて戦闘態勢に入る。

 

ブンッ!!!

 

「どわあ!?!?な、何だ!?」

 

突然、何かが飛んできてとっさに避ける。反対側を見ると手裏剣みたいなものが壁に突き刺さっていた。

 

「な、なんだこれ!?」

 

「そんな事言ってないで次来るよ!!逃げるわよ!!」

 

「ちょ、ちょっと待て!!」

 

茜に無理矢理引っ張られて、行きに来た道と反対の道を走る。その間にも後ろから手裏剣らしき物体が投げてきて・・・・

「逃げるって何処に逃げるんだよ!!」

 

「とりあえず逃げるのよ!!・・・あっ!!」

 

茜が曲がった道の先は行き止まり。マジかよ・・・・

 

「しゃあない・・・・・」

 

ブンッ!!!

 

「ロックガード!!!!」

 

ガン!!ガン!!

 

「えっ!?」

 

地面に拳を叩きつけ、そこから盛り上がったコンクリートが一つの壁となり手裏剣もどきを弾く。

 

「な、何これ!?スバルっちどんな手品をしたの!?」

 

「説明は後だろ!!それより・・・・ようやく姿を表したな」

 

空中に浮遊状態のコンクリートを地面に戻すとその影から黒いハットを被りスーツ姿の紳士らしい男のやつが現れた。

 

「これはこれは、凄いマジックですね」

 

「・・・・茜、馴れ馴れしくしない方がいいよな?」

 

「もちろんよ!!こいつらずっと私のことを狙ってくるのよ!!」

 

「人聞きが悪いですね。私たちは茜さんを私たちの会社に移ってもらうように仕向けただけですよ」

 

「これが人を別の会社に移って欲しい態度かよ。呆れるぜ」

 

「ほう、言葉遣いが悪い子供ですね。親の顔がみてみたいですね」

 

「そういう怪しい事をしているお前こそ親が見たらどうなるんだろうな?」

 

「やれやれ・・・・では、ここはこれでどうですか?」

 

向こうの紳士みたいな奴がデュエルデスクを付けて構える。

 

「私が勝てば茜さんは来て貰いますよ?もちろんあなた方が勝てばここは引き上げます」

 

「よし、なら俺が相手してやる」

 

鞄を持って来ておいて良かったぜ・・・・・鞄の中に入れているデュエルデスクをセットし、腰に付けてあるデッキケースからデッキを取り出してデスクにセットするとオートシャッフルが始まる。

 

「スバルっち、大丈夫?」

 

「心配するな。直ぐに蹴りをつけてやる」

 

「ではやりましょうか」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

紳士 LP 4000 スバル LP 4000

 

「先行は私が貰いましょうか。ドロー」

 

紳士 手札 6枚

 

「ふむ・・・・・私は暗黒プテラを通常召喚します」

 

暗黒プテラ 攻1000

 

あいつの後ろから黒く染まったプテラノドンが飛んできた。暗黒プテラ・・・・・・恐竜族中心か?

 

「さらに手札から俊足のギラザウルスを特殊召喚します」

 

俊足のギラザウルス 攻1400

 

「このカードはノーコストで手札から特殊召喚出来ます。しかしその代償で相手はLv4以下のモンスターを墓地から特殊召喚出来ますが・・・・」

 

「先行1ターン目のあんたのターンだから俺の墓地にモンスターは無し・・・と」

 

「その通り。そして私は俊足のギラザウルスをリリースしてマジックカード、大進化薬を発動します。このカードは今後3ターン、私のフィールドに残りその間私はLv5以上の恐竜族モンスターをリリースなしで召喚することができます」

 

「へっ、既に召喚権を使っているんじゃ意味が無いな」

 

「チッチッチッ・・・・舐めて貰ったら困りますよ?私はマジックカード、二重召喚(デュアルサモン)を使用します。これで私は2度目の通常召喚を行うことが出来ます。さらに大進化薬の効果でLv5以上の恐竜族モンスターはリリースなしで召喚出来ます!!いでよ我がしもべ!!超伝導恐獣(スーパーコンダクターティラノ)!!」

 

超伝導怖獣 攻3300

大進化薬のカードからカプセルが飛び出し、そいつが割れて中から強い光が四方八方へと漏れ出す。閃光で見えない光が弱まると電気を帯びた足と手が鋼のティラノザウルスのような恐竜が出てきた。こいつが切り札か・・・・・にしてもこいつの効果何だったけな?デュエルデスクを使って超伝導恐獣を確認して・・・・・えっ?

 

「超伝導恐獣の効果発動!私のモンスターをリリースすることで相手に1000ポイントのダメージを与える!私は暗黒プテラをリリース!」

 

超伝導恐獣が暗黒プテラをかぶり付き、身体からおびただしい電気を発電させて俺に放った。

 

スバル LP 4000→3000

 

「ふふふ・・・・さらに暗黒プテラの効果発動!戦闘以外でフィールドから墓地へ送られたこのカードは手札に戻る!」

 

「そんな!?てことは・・・・・」

 

「そう!!暗黒プテラと超伝導恐獣によるループコンボだ!!これで貴様を敗北にしてやる!ターンエンド!」

 

紳士 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

超伝導恐獣 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

超進化薬 (1ターン目)

 

 

いや、うん、その・・・・・・弱いなこのカード。攻撃力がめちゃくちゃ高いのに何でバーンなんだ?しかもこれ使ったら攻撃出来ないし・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

えっと・・・・・・こりゃこいつ次第で終わるかもな。

 

「魔法カード、天の落とし物!互いのプレイヤーは3枚ドローして、手札を2枚捨てる!」

 

「ほぅ、わざわざ私にドローさせてまで使うとは。余程手札が悪いのでしょうね」

 

スバル 手札 5枚→8枚→6枚 紳士 手札 2枚→5枚→3枚

 

・・・・・・あっ、勝った。じゃあこいつとこいつを墓地に送って・・・・

 

「手札から融合を発動!手札のオーシャンとレディ・オブ・ファイアを融合!現れろ最強のヒーロー!!E・HERO アブソルートZero!!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

後ろにある壁が凍りつきそいつを突き破ってZeroが現れる。

 

「ふん、手札を3枚使って召喚したモンスターでも私の超伝導恐獣には叶わない!」

 

あいつ、Zeroの効果を知らないのか?まぁ関係ないしそれに・・・・・・

 

「知っておいた方がいいぜ・・・・・それを言う奴は負けるってな!!E・HERO マジカル・ウィッチを召喚!!」

 

E・HERO マジカル・ウィッチ 攻1400

 

「マジカル・ウィッチの効果!召喚に成功した時にフィールドに他の《HERO》がいたらデッキから魔法カードをサーチ出来る!俺はエレメンタル・トリックを手札に加えてそのまま発動!Zeroをリリースして、墓地の天の落とし物を手札に戻す!その代わり、回収したこのカードはこのターン中に発動出来ないけどな」

 

「ふん、せっかく出した融合モンスターを自らの手で墓地に送るとはなん「お前のフィールドをよく見ろよ」何・・・・!?」

 

Zeroが消えた後から冷気が超伝導恐獣を包み込みそのままカチコチに凍る。Zeroの霊がそいつに向かって最後の氷の球を放ち超伝導恐獣は粉々に朽ちた。

 

「ど、どういうことだ・・・・」

 

「Zeroはフィールドから離れた時に相手フィールドのモンスターを全て破壊するんだよ」

 

「な、何だと!?だ、だか貴様は既に通常召喚をした!!次のターンになれば私の手札にある2枚目の超伝導恐獣を使えば!!」

 

「魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のオーシャンとレディ・オブ・ファイアをゲームから除外して、E・HERO ノヴァマスターを融合召喚!」

 

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

 

Zeroが消えた冷気が今度はマグマへと変わり、マグマだまりの中からノヴァマスターが現れる。

 

「さぁ計算の時間だ。1400と2600を足して4000で引いたら?」

 

「ぜ、ゼロ・・・・」

 

「その通り!バトル!マジカル・ウィッチとノヴァマスターでダイレクトアタック!」

 

マジカル・ウィッチとノヴァマスターが一斉に相手に向かって攻撃する。

 

「く、来るな!!!うわあああ!!!!!!」

 

紳士 LP 4000→2600→0

 

 

WIN スバル LOS 紳士

 

 

デュエルデスクを片付けて相手を見てみると気絶していやがった。

 

「弱えな。あれだけの攻撃を受けて気絶するなんて」

 

「スバルっち、強いね。最初はあのコンボビックリしたけど・・・・」

 

「いや、あれ、そこまで凄いコンボじゃないと思うな」

 

遊輝の聖刻龍や龍可のライトロードと比べたらあれくらい別に対したこと無いな。前者二つは何か対策を打たないとそのターンに負けるって言っているようなものだからな。

 

「にしても・・・・こいつ何だ?」

 

「家に帰って説明するよ。今は家に帰ろう」

 

「ちよ、ちょっと待てよ!!」

 

気絶した紳士みたいな怪しい男を横にして茜が早足で帰るので俺も急いでデュエルデスクを直して茜を追いかける。にしても・・・・・・・・あれは一体・・・・・・・・・・

 

 

   スバル  side out

 

 

遊輝  side

 

 

「本日の練習は大晦日なのでここまで!!」

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・死ぬ・・・・・」

 

「こら!!!そんな姿でベンチに座らない!!」

 

「え、えぇ・・・・これくら「そう・・・新年もスカートを履きたいのね」すみませんでした!!」

 

やっと地獄の練習が終わってベンチでだら〜んと座ったら、また茜の母さんに怒られてしまった・・・・

あの人、レミより鬼畜、鬼、外道・・・・もう嫌だ〜〜(涙)

 

「ただいま!」

 

「はぁ・・・ただいま・・・」

 

「おかえり茜。今日は?」

 

「やっぱり・・・・」

 

「・・・・そう。大晦日ぐらい静かにして欲しいわね」

 

「?何かあるのですか?」

 

「いや違う龍可・・・・『何かあった』じゃなくて、『何が起こった』だ」

 

「どういうことスバル?」

 

「・・・・・そうね。もうみんなに言った方がいいわね」

 

茜の母さんが何かを決心したように腹をくくり、ポケットの中に手を忍ばせ一枚の手紙を取り出した。

 

「全てはこれから始まったの」

 

茜の母さんが一枚の手紙を俺たちに見せる。

 

「『栗城茜をこちらによこせ。さもなければ貴様らのモデル、及びファッションショーを妨害する』・・・・」

 

「マジで言っているのこれ!?」

 

「最初は私も冗談だと思って無視してたのよ。でも次の日に内のモデルがいきなり3人も骨折して・・・」

 

「さ、3人が同じ日に・・・」

 

「しかもその骨折の仕方が車に惹かれるという事に共通しているの」

 

「なるほど・・・・この手紙はデマじゃ無いことを証明したのか」

 

「そう。その後も私の所に嫌がらせの電話や手紙が入ったり、壮太君ところなんか爆竹を投げ込まれたのよ」

 

「酷い・・・・・」

 

「ついにはここ3日に茜にまで手を出すようになって・・・・」

 

「そこまでして茜を手に入れたいってどんな所よ」

 

「あまり良い噂が流れてない事務所だよレミっち!!事務所の儲けばかり考えてモデルさんを酷使させては病気にさせてしまいには切り捨てるのよ!!」

 

「ひでぇ・・・・」

 

「つまり金稼ぎしか頭にないのか」

 

ふ〜ん・・・・今の内に着替えに行って・・・・・・みんなの目を盗んで、庭から脱出し部屋から自分の服を奪取して借りている部屋に戻る。

 

「はぁ・・・・やっと着替えられる」

 

『主、今の話どう思います?』

 

「何で警察とかに連絡しねぇの?って聞きたいけど恐らく向こう側が手を張ってるだろうな。あんなブラック企業の事務所を警察が見逃す筈がないし」

 

『私としては許すまじき行為ですね。働くだけ働かせて自分達のところにしかお金を入れないっていうことが』

 

「そう言えばプラチナも芸能人だったな」

 

『同胞として許すません』

 

「心配しなくてもあいつらなら「よしみんな!!茜を守るよ!!」・・・ねっ?」

 

服を着替え終わり窓を開けて庭を上から見下ろすとレミを中心にみんなで拳を空に突き上げていた。

 

『・・・・大丈夫そうですね』

 

「だろ?」

 

「あっ!!遊輝っち!!」

 

「こら!!!勝手に着替えたらダメでしょ!!」

 

「練習終わりって言ったのそっちじゃないですか!!!」

 

『(・・・・相変わらずですね)』

 

 

〜(その夜)〜

 

 

「じゃあお休み〜」

 

「お休み!!」

「お休み。遊輝、戻りましょう」

 

「は〜い・・・・」

 

時間は夜。本当なら大晦日だからこのまま除夜の鐘・・・・って言いたいけどここはパリ。除夜の鐘なんてない。で、茜の母さんが既に寝てしまったので今回はこのままお開き。今年は寝て新年を迎える事になった。

 

「あっ!遊輝っち!!」

 

「ん?茜、どうした?」

 

「ちょっとお話があるから来てよ!!」

 

「なんだ・・・・悪い龍可、先に戻っといてくれ」

 

「分かったわ」

 

茜に呼ばれてしまったので先に龍可を部屋に戻して俺は茜の部屋にへと行く。

 

「おじゃましま〜す」

 

「そこのイスに座ってよ」

 

茜に案内され、ソファの隣にあるイスに座る。茜の部屋はこの古いマンション同様の木造の落ち着いた感じの室内にはバランスが合わないピンク色の小さいソファと茶色に塗られたベッド、他に勉強机や鏡台などがある。

 

「で、話ってなんだ?」

 

「遊輝っちって龍可っちのことをどう見てるの?」

 

「龍可のこと?別に・・・・仲間だと」

 

「本当に?最近何か変わったんじゃないの?」

 

最近・・・・・・・あぁ、そうだ。

 

「そう言えは、最近龍可のことを見るとなんかドキドキするような・・・・・」

 

「やっぱり〜。遊輝っちは龍可っちの事を意識しているじゃん〜」

 

「へっ?何のこと?」

 

「疎いね〜。つまり遊輝っちは龍可っちの事を異性として気にし始めているのよ」

 

「お、俺が・・・・龍可に?」

 

「そう!!龍可っちのことを!!」

 

お、俺・・・・・・龍可に・・・・・

 

「だってそうでしょう?龍可っちの事をみてすごくドキドキするのでしょう?」

 

「た、確かにそうだけど・・・・でも」

 

「じゃあ、仮に龍可っちがスバルっちとか他の男と付き合ったら遊輝っちはどう思う?」

 

る、龍可が・・・・他の男と付き合う・・・・・頭の中で龍可と全く知らない男が付き合うところを思い浮かぶ・・・・・何だろう、凄く腹が立つ・・・

 

「・・・嫌だ。そんな事思いたくもない」

「でしょう〜。てことは遊輝っちは龍可っちのことが好きなのよ」

 

茜がテレビを付けてたまたまやっていた日本の番組を見つけそれを見る。お笑いの番組らしく直ぐに笑ったけど、今の俺はそんな状態じゃない・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・そうか、俺、龍可のこと・・・・・好きなんだ・・・・・




遊輝「俺・・・・・龍可のこと・・・・好きなんだ・・・・」

茜「(何かすっごい遠目・・・・経験したことが無いのかな?)」

遊輝「好きなんだだな・・・・最初は助けられてばっかだし・・・・・」

茜「ほら〜。そうやってずっと思うんでしょ?」

遊輝「・・・・・うん・・・・」

茜「じゃあ・・・・龍可っちにちゃんと思いを伝えないとね」

遊輝「そうだな・・・・」

茜「前向きに!!逃げちゃうよ!!」

遊輝「・・・・そうだな・・・・」

茜「(・・・だ〜めだ)次は・・・・新年明けていきなり大騒動ね」

遊輝「えっと・・・・【恋のキューピッドの恋愛相談と突然の襲撃】・・・・・」

茜「(無関心すぎるでしょ・・・・・よっぽどきにしてるのね)次回もよろしくね」


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第72話 恋のキューピッドの恋愛相談と突然の襲撃

今回はデュエル無しです。


UV50000達成!!皆様のおかげでございます!!本当にありがとうございます!!


遊輝  side

 

 

新年が明けて2日目・・・・・・

本当なら皆とばか騒ぎして「楽しい1年にしようぜ!!」ってはしゃぐはずの元旦だった。実際、響やスバルに龍亞はバカ騒ぎして下の階の住人に怒られるわ、茜のお母さんによってまた変な物着せられるわ、色々あったんだが、なのに・・・・・・・・・・なんか気持ちが乗れなかった。なんかこう・・・・・・1日中ボウ〜ッとしたい気分だった。

 

「・・・・ぅき、遊輝!!」

 

「へっ?」

 

ベッドの脇で考える人のように固まっていた俺を誰が呼んでいるような感じ(いや、実際には呼んでいたんだけど)がした。

 

「どうしたの遊輝?さっきからずっとボウ〜として」

 

ドキッ!!

 

「///あっ、・・・・い、いや、何でもないよ!!」

 

「そう?昨日からずっとその調子で・・・・」

 

「///だ、大丈夫だって!!」

 

「だったら良いけど・・・・・・」

 

そう言って龍可が部屋から出て行く。あ、危なかった・・・・・・茜に指摘されてからずっと龍可の事を意識して・・・・・・・今なんか顔を見ただけでドキッとしてしまう・・・・・////

 

『主』

 

「やっぱり、俺・・・・・・」

 

『主』

 

「龍可のこと・・・・・・」

 

『主!!』

 

「どわああ!?!?」

 

ドンッ!!!!

 

目の前にプラチナがいきなり現れてたまらず身体を後ろに反らしてしまい、そのままベッドに着いてあるライトに当たってしまう。

 

「あいててて・・・・・・・何?」

 

『ブラックとホワイトの遊び相手をお願いしたいのです』

 

「あ〜・・・・良いよ」

 

そういえはしばらくプラチナ達に任せっぱなしだったな・・・・今日一日ぐらい付き合わないとな。

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

「よしよし。良い子にしてたか?」

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

「赤ちゃんか・・・・・・・・・」

 

俺も龍可と付き合って・・・・・・結婚したら・・・・子供が・・・・・

 

「・・・・っち!!!遊輝っち!!!」

 

「うわっ!?」

 

バシッ!!!

「いったーーい!!!!」

 

「あっ!?ご、ごめん!!」

 

肩を突然掴まれて、それに慌ててしまい左手を思いっきり後ろに回したら茜の頭を叩いてしまった。頭を抑えて茜は俺の前に立つ。

 

「いたたた・・・・・・何するのよ」

 

「ご、ごめん」

 

「もう・・・・それより、私出掛けなきゃ行けないから頼むわよ」

 

「・・・・・あっ、今日俺か」

 

「もう~、5分ぐらいずっと探してたんだかね!」

 

「わ、悪かったって・・・・・・・」

 

茜に急かされ、ブラックとホワイトをベッドの上にそっと置き出かける準備をする。

 

「・・・・よし、良いよ。おいでブラック、ホワイト」

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

黒色のコートを着て貸してもらっているクローゼットを閉め反転するとブラックとホワイトが胸に飛び込んできた。

 

「本当に可愛い赤ちゃんね。これが遊輝っちの切り札なんでしょ?」

 

「切り札というよりは・・・・・エースだな。俺のデッキ、切り札的なカードを決めていないし」

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

「で、今日は何処に行くんだ?」

 

「単純にショッピング♪」

 

・・・・・・3時間はかかるな、間違いない。ブラックとホワイトを胸に抱きかかえ、茜のショッピングに付き合うため外に出る。さすがに元旦の次の日ということもありパリの市内はまだまだ正月の雰囲気が抜けていない。

 

「ふわぁ・・・・世界中どこ行っても正月のバカ騒ぎだけは共通してるんだな」

 

「何を言っているのよ。そんな事どうでも良いでしょ」

 

「まぁ確かにそうだけど・・・・ハイハイ。喧嘩しない」

 

胸に抱えているブラックとホワイトが小競り合いを始めたので組んでいた両腕を引き離す。突如のことでバランスが崩れた二人はちょっと落ちるが直ぐに立て直して俺の頭の上へと乗る。

 

「そんなことして大丈夫なの?」

 

「何が?」

 

「だって私たちから見ればこの子達が精霊なのは分かるけど、他のひと達から見ればぬいぐるみが動いているのよ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

『主、完全に忘れてましたね』

 

言うな!!!!!!!!周りを見たら凄い痛い目で見られて恥ずかしかったわ!!!!///////

 

「まぁ本当に聞きたいのはそっちじゃなくて・・・・・どうなのよ?龍可っちとは?」

 

「!?!!?!?/////////」

 

茜が耳元で龍可のことを呟き、顔を真っ赤にしてしまう俺。

 

「wow・・・・・過剰に反応しすぎるよ。からかいがいがあるわね」

 

「/////い、言うな!!!!」

 

「大体龍可っちのことを気にしすぎよ。レミっちからかなり鈍感って聞いたのに、大晦日であのことを言ってから人が変わったように敏感になって」

 

「//////////わ、分からないんだよ・・・・異性を好きになるって感覚なんて・・・・」

 

「ふ〜ん、て言うことは初めてなんだね」

 

「/////あ、ああ・・・・」

 

正直、どうやって龍可と接して良いのか分からなくなってしまって・・・・・前なら完全に仲間として見ていたのに好きな人として見るなんて・・・・・・・・

 

「・・・・しょ、正直、龍可は俺のことを「それなら心配ないよ」へっ?」

 

「龍可っちも遊輝っちの事が好きだから」

 

「/////なぁ!?!?」

 

「その様子だと本気で知らなかったみたいね。レミっち達曰く、大分前から龍可っちは遊輝っちのことを意識していたんだよ」

 

そ、そうだったのか・・・・・・・

 

「罪深い人間ね。それでいて、いざ自分が意識をしだすと急に奥手になって」

 

「・・・何をどうすれば良いのか分からないんだよ」

 

「そういう時こそ私の出番でしょ!!」

 

茜が自分の胸をポンッと叩く。俺は頭の上に乗っていたブラックとホワイトを再び両手で抱え込む。

 

「じゃあ俺はどうすればいいんだよ?」

 

「今回はお互いに両思いだからかなり楽ね。まずは会話から」

 

「会話ぐらい「その会話でも今苦戦しているのに」ぐっ・・・・・」

 

「お互いに目を見てちゃんと話すのよ。それでお互いの気持ちを確かめるのよ」

 

「気持ち・・・・・・」

 

「遊輝っちが覚悟を決めたら話せば良いじゃん。さあ着いた!!」

 

1店のブランド品を扱っている店を見つけた茜はさっそく中へと入る。

 

 

〜〜〜3時間後〜〜〜

 

「いっぱい買った!!!」

 

「ちょ、ちょっと待て・・・・・・・(プルプル)」

 

あれから色んな店を回っては服やらカバンやら買う。そして荷物持ちは・・・・・・・

 

「い、いくらなんでも買い過ぎだろ・・・・(プルプル)」

 

男の俺に回ってくる。

しかし何でこんなに買うんだ・・・・・箱の山が10箱あるぞ・・・・・・

 

「だって、これ全部事務所の物になるし」

 

「い、いや・・・他のブランド品を勝手に自分の物にしていいのか?(プルプル)」

 

「いいのいいの。ちゃんと契約しているブランドだから」

 

そ、そういうもんなのか?ファッション業界って・・・・(プルプル)

 

「え〜と・・・・次は」

 

「ま、待て・・・まだ行くのか?(プルプル)」

 

「あと5店は回るよ」

 

『きゃっ・・・・』 『キャッ・・・・』

 

「た、頼むから荷物何とかしてくれ・・・(プルプル)ぶ、ブラックとホワイトも飽き飽きしてるし・・・・」

 

「んも〜、だらしないわね〜」

 

「こ、こんだけあったら重たくて仕方ないんだよ・・・(プルプル)」

 

じ、実際これ、8kgぐらいあるんじゃね?し、しかも積み重なっているからバランスが大変だし・・・・(プルプル)

 

「しょうがないわね〜。・・・・もしもし佐野さん?・・・えぇそう。場所は6番街のいつもの場所」

 

茜が携帯を取り出して誰かに連絡する。連絡を終えた1分後には俺たちの目の前に1台の車が止まる。運転席から黒の眼鏡をかけた男の人が降りてきた。

 

「お待たせ茜ちゃん。今回もまた随分買ったね」

 

お、お待たせほど待ってないぞ・・・どれだけ便利な人なんだよ・・・・

 

「ちゃんとお母さんに頼まれた物も含まれてるんだから良いでしょ」

 

「それは分かるけど買い物はほどほどに」

 

「は〜い」

 

「じゃあ君、僕がその荷物を持って栗城さんの家に送るよ」

 

その男の人は俺から荷物を強引とは言わないが勝手に取り後部座席に豪快に押し込んだ後、運転席に戻り何事もなかったように車を走らせた。

 

「じゃあ次!!」

 

「・・・・・な、何だったんだあの人?」

 

「お母さんの事務所に働いている人。主に荷物を家まで送ってくれるの」

 

「どんだけ便利な人なんだよ・・・・・」

 

「お金に困ったところをお母さんが助けたからね。恩義があるんだよ」

 

「へ、へぇ・・・・」

「じゃあ次は・・・・・(来たわよ)」

 

「(うん?)」

 

茜が後ろをちょっと振り向き、後ろにいるいかにも怪しい雰囲気を醸し出す人たちに指を指す。はは〜ん・・・・あれが例の奴らか。

 

「(とりあえず気づかない振りして人のいないところに行こう。俺の能力は危ないし)」

 

「(分かった)じゃあ次はあっち!!」

 

茜にはシークレットシグナーの能力を予め言ってあるので、俺の能力が人前では危険なことは知っている。だから、危険性はあるけど人通りの少ない細い路地裏でやった方が良いと判断した。

 

「こっちこっち!!」

 

「ちょ、ちょっと待て!!(ブラック、ホワイト、念のために隠れておけ)」

 

『(きゃっ)』 『キャッ)』

 

胸に抱えていたブラックとホワイトには念のためと言って実体化をやめてもらい、俺の頭を掴んでもらった。

 

「ここここ!!ここだよ!!」

 

そう言って茜は1店の店を見つけ、俺を誘って中に入る。後ろにいた奴らも店の近くの電柱に影を潜めている。

 

「どれにしようかな〜〜〜?(裏口から逃げるわよ)」

 

「早くしてくれよ(大丈夫なのか?)」

 

「分かっているって!!(店主と仲良くしてるから大丈夫)」

 

「・・・本当か?(分かった)」

 

茜の買い物に付き合う振りをして逃げるタイミングを疑う。・・・・・・よし!

 

「(行けるぞ!)」

 

「(OK!)じゃあこれ!!試着しよう!!」

 

茜が一着の服を手に取り試着室に行く振りをして裏口を使って逃げる。

 

「「!!!!」」

 

俺たちを見張っていた奴らも気づいて店に乗り込むが遅い。

 

「くっ・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「あっぶねぇな・・・・今日はデュエルデスク持って来てないからどうしようにも無かったぞ」

 

「でもここまで来れば大丈夫でしょ」

 

「(まぁ・・・・最悪リアルファイトで何とかなるし)」

 

「何か言った?」

 

「何も言ってない」

 

今俺たちがいる場所はあの店から少し離れた完全な路地裏。目立たないから危険性はさらに増すが逆を取れば人にバレにくいので、今はここで休憩中。

 

「それにしても・・・・2人で来るとは・・・・」

 

「今までに無かったのか?」

 

「今までは1人よ。いよいよ向こうも本気になって来たわね・・・・」

 

「・・・・・・その本気、マジみたいっすよ」

 

「えっ?」

 

一足先に路地裏から唯一出る大きな道を覗くと見るからに怪しい奴ら、ざっと・・・・30人ぐらいが近くでうじゃうじゃしていた。

「・・・!!!ちょ、ちょっと!!これどうするの!?」

 

「どうするも何も・・・・ここしか道ねぇぞ?」

 

「・・・・正面突破?」

 

「俺一人ならまだしも2人で正面突破って無理があるぞ。特に俺の能力だと」

 

「どうするのよ!?」

 

「今考えてるんだよ」

 

う〜ん・・・・どうしようかな・・・・・道が広かったら竹刀に太陽ぶつけてばったばった切れるけどな〜。龍虎使ったら逆に茜に危害が・・・・・・龍虎?

 

「・・・・・・いけるかな?」

 

「ちょ、ちょっと!?こっちに近づいてきたわよ!!」

 

「茜、俺に掴まれ」

 

「えっ!?」

 

「いいから掴まれ。思いっきりな」

 

「な、何をする気か知らないけど・・・分かったわ!!」

 

怪しい奴らがこっちに近づいてきたのと同時タイミングに集中力と足に思いっきり力をためる。

 

 「龍虎!!!!」  

 

  バンッ!!!!!!

 

 「きゃあ!!!!!!!」

 

足にエネルギーをブーストして地面を思いっきり蹴る。

 

 「と、飛んだああああ!?!?!?」 

 

 「んなわけんえだろ!!勢いを付けてジャンプしただけだ!!!」 

 

 「てわあああ!?!?落ちるうううう!?!?」

 

 「もういっちょ龍虎!!!」

 

足元にさっきと同じエネルギーを作り直し、足のブーストを逆噴射の容量で勢いを弱め地面に着地する。

 

「ふぅ・・・・着いたぞ」

 

「バカ!!いきなりあんな心臓の悪い事しないでよ!!」

 

「ああするしかねぇだろ!!それより敵さん来たぞ!!」

 

直ぐ先を見ると、さっきまで細い路地にいた怪しい奴らが今度はこっちに来た。龍虎してジャンプしたとはいえ、所詮進めるのは10m。しかしさっきと違って少し大きな道だ。だからここで・・・・・やる。

 

「さあて・・・・・俺も本気で行くか」

 

背中に隠してある2本の竹刀を取り出し、片手で作った太陽を竹刀にぶつけ燃え上がさせる。

 

「さあ!!こいつにやられたい奴はどこのどいつかな?」

 

俺は2本の燃え上がった竹刀を持ち直し構える。相手も相手でビビる様子もなく突っ込んできた。

 

「炎斬!!二ノ字切り!!!!」

 

両手に持ってある竹刀を水平に持ち、軽く足にブーストを付けて前に突っ込む。敵の前方で2本の竹刀を水平切りする。

 

「・・・・・ふぅ・・・」

 

ブーストを止め後ろを振り向くと、竹刀に斬られた奴らが大体8・9割ぐらい。皆、服が燃えて焦っているか燃え尽きているかのどちらかだ。

 

「お、恐ろしい・・・・・」

 

「さあて・・・・・今度はどいつだ」

 

「これはこれは、素晴らしい竹刀捌きですね」

 

竹刀を構え直したら後ろから変な声が聞こえたから振り向く。赤のメガネ、青のコートを着た男とその後ろにもう数えるのが嫌になるくらいの群衆がいた。

 

「誰だお前?」

 

「申し遅れました。私《JUNK》とい事務所の社長を務めている立中という者です」

 

「こいつ!!!遊輝っち気をつけて!!こいつがあの事務所の社長よ!!」

 

へぇ〜・・・・・なるほどな。こいつが元凶って訳か。

 

「いや〜、見事ですね。ホレボレしますよ。さぞ剣道の練習を費やしたのでしょう」

 

「・・・・御託は良い。何の要件だ?」

 

「ふむ・・・回りくどいこといってもダメみたいですね。こちらの要件はそこにいる栗城茜さんを私の事務所に移籍してもらうことです」

 

「絶対に嫌よ!!!」

 

「っと、断られるのでこちらから何度も誘いの挨拶に伺っているのです」

 

「これが挨拶かよ」

 

「それは人によるでしょう。そこであなたにも茜さんを説得して貰いたいのです」

 

「誰がそんなブラック企業のカリスマアホ社長の要件を聞き入れるかよ」

 

「・・・・やれやれ。どうやら痛い目に合わなければ分からないみたいですね。やれ」

 

男の合図で後ろにいた奴らが一斉にこちらに近づいてくる。ふむ・・・・・久々のストレス発散に付き合ってもらうか。

 

「茜は下がっていろよ」

 

「いや!私もやるわよ!!」

 

「・・・大丈夫か?」

 

「一応、遊輝っちを倒しているわよ?」

 

「それもそうだな。・・・・・・・Ready Go!!」

 

俺の合図でお互いに飛び出す。俺は燃え上がっている竹刀を使い前へ、茜は得意の柔道で後ろを陣取ったまま敵を倒していく。しかしこいつ・・・・・

 

「(何人連れてきやがるんだ!!!斬っても斬っても増えやがるぞ!!)」

 

ほんっとゾンビみたいだよ!!見てて吐き気がする!!!

 

「おりゃ!!」

 

「おっと、あっぶねぇな!炎斬!!百火繚乱!!」

 

後ろの一人が殴りかかったので、そいつを避けてめんどくさいから周りにいる奴ら全員、空中に放り投げて火の花でも咲かせてやった。

 

「おりゃ!!」

 

ドンッ!!!

 

茜も茜で周りからくる奴らをどんどん背負い投げやら内股などで人の山を作っていく。

 

「(ふむ・・・・・なかなかやりますね。ですがこれでお終いです)」

 

「おっりゃ次!!!」

 

竹刀を持ち直して身体を反転させる。ふむふむ・・・・結局こいつらと同じ戦闘能力だな。

 

「そりゃ!!」

 

「ぐはぁ!!」

 

普通に竹刀を縦に切り向かってきた奴を倒す。これで・・・・・8割方か。あとちょっとで

 

カチャッ・・・・・・

 

「・・・・・えぇ〜、ねぇわ〜〜〜」

 

後ろでカチャッという音がしたので振り向くと、さっきの社長が俺の後頭部に銃を突きつけてきやがった。

マジで無いよ〜〜〜。あとちょっとだったのにな〜〜〜。

 

「竹刀を捨てて両手を挙げろ」

 

「・・・・・しなかったら?」

 

「撃つ」

 

「ですよね〜〜〜」

 

燃え上がっていた竹刀を振って消火してから放り投げて手を挙げる。

 

「えぇ!?遊輝っち!?あいつの言うこと聞くの!?」

 

「流石にこの状況じゃ、ねぇ・・・・・」

 

「貴様も手を挙げて貰おうか」

 

いつの間にか茜の後ろにもこいつの部下が周り、銃を突きつけていやがる。

 

「うぅ・・・・・」

 

茜も渋々手を挙げる。流石に拳銃は、ね・・・・・・

 

「ふむ、では一度眠って貰いましょうか」

 

そういってスタンガンを取りだして・・・・・

 

ビリッ!!ビリッ!!!

 

「うっ!!!」

 

「きゃあ!!!」

 

ドン!!!ドン!!!!!

 

「随分手間をかけたが・・・・・まあいい。その分、キッチリ働いて貰わないとな。連れて行け!!」

 

「ハッ!!!!!」

 




茜「で、結局いつ告るの!?」

遊輝「////こ、こら!!!!!!」

パール『良い加減告ったらマスター?♪』

遊輝「(こいつ、絶対にからかってやがる・・・・・)」

茜「まあさ、時間あるんだし、告るのをはまた今度ね」

遊輝「////は、はい・・・・・」

茜「にしてもあいつ・・・・拳銃は無いよ!!!」

遊輝「今更だろ・・・・・」

茜「だからって〜〜〜」

遊輝「過ぎたことはしゃあない。レミ達に任せようや」

茜「次回、【突撃!!忍風シークレットシグナー!!】な、何これ?」

遊輝「(・・・・・・作者!!!!!タイトル浮かばないからってこのネタ使うなよ!!!!)」←台本見た。

茜「・・・じ、次回もよろしくね(汗)」


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第73話 突撃!!忍風シークレットシグナー!

今回もデュエルなし、次回から5連戦です。
最近の悩み、タイトルが思い浮かばない(涙)

何でだろう・・・・本編のネタはたくさんあるのに、タイトルだけが思い浮かばない謎の事態・・・・・わけ分からぬ。

ではでは、どうぞ


遊輝side

 

 

「せぇの!!」

 

ドンッ!!ドンッ!!

 

「いたっ!!!」

 

「いったーーい!!!」

 

「しばらくそこで待っておけ」

 

カチャン

 

いててて・・・・・ここ何処だ?確か拳銃突きつけられて、スタンガンを見て・・・・・

 

「あれで気絶させられたのか、いてて・・・・」

 

「うぅ〜〜・・・・・ここ何処?」

 

「多分あいつらの事務所みたいなところだろ・・・・しかしあいつら、人をゴミのようにしやがって・・・・・後で覚えていろよ」

 

これが人を商売に扱う会社かよ・・・・ご丁寧に手も縛られているし・・・・

 

「ん・・・・ん・・・ダメね。固くて外せない・・・」

 

「ちょっと待ってろ」

 

右手に小さな太陽を作り縄に近づける。案の定、縄は直ぐに燃え灰となる。

 

「すごいすごい!!私にもやって!!」

 

「ダメ。言っただろ、温度は本物の太陽と同じだから、普通の人間は耐えられないって。今ほどいてやる」

 

茜の後ろに周り、両手を縛っている縄を解きにかかる。・・・・クソ、団子結びをめちゃくちゃしやがる・・・・これをこうして・・・・と。

 

「良し行けた」

 

「遊輝っちサンキュー!!早速脱出よ!!」

 

「おう、サン・・・・」

 

カチャッ

 

「お前ら、ついて・・・貴様ら!!」

 

「えぇ〜・・・・・」

 

何でこんなタイミングで来るんだよ・・・・・

「やれやれ・・・私自ら来て正解だったね。とりあえずそこの君、その物騒な物を閉まってもらおうか?」

 

あの社長がまた拳銃を取り出して、俺たちに構える。

 

「しゃあねえな〜〜・・・・」

 

さすがに拳銃には敵わないので、渋々せっかく作った太陽を1秒もかからずに消してしまう。

 

「では私に付いて来たまえ。心配しなくても抵抗しないように部下が後ろに控えているから」

 

「それは心配じゃなくて強制だろ」

 

「嫌だな〜〜・・・・・」

 

茜もものすごく嫌そうな顔をしているが、拳銃を突きつけられている以上どうしようもない。大人しく社長の後ろを付いていく。俺たちの後ろには部下が付いているから逃げる道もない。

 

「(にしても・・・・汚ねぇな)」

 

廊下自体もうす暗く、もう何処かの暴力団のアジトみたいなものだ。衛生環境もよろしくないし・・・・そうこうしていると一番奥の部屋につく。

 

「入りたまえ。本来ならモデル達は入れないが君たちは特別だからな」

 

どう見ても怪しいだろ・・・・

社長に連れられ入った部屋はさっきの汚い印象とは正反対のめちゃくちゃ清潔かつかなり家具やらシャンデリアなどを備えたかなり豪華な部屋だった。

 

「随分儲かっているみたいだな」

 

「これはこれは、嬉しい言葉ですね」

 

「でも今まで何人の人を犠牲にしたのかしら?」

 

「だな」

 

「貴様ら!!」

 

「よしたまえ。君も少し言葉をわきまえたらどうだ?」

 

「生憎、あんたみたいなクソ社長に敬語とか使う必要無いって教わってな」

 

「・・・・・まあいい。そこのソファに座りたまえ」

と言っても強制的にソファのところまで移動させたんだろ・・・・後ろの部下がまだ拳銃を持っているのでとりあえずソファに座る。社長も俺たちの反対側のソファに座る。

 

「さて、我が《JUNK》に入ってくれてありがとう、茜さん」

 

「あなたが強制的に連れてきたのでしょ」

 

「いえいえ、ちゃんと私たちは挨拶を入れて連れて来たのですよ?一つ余計な物もついてきましたが」

 

「俺はお菓子のおまけかよ」

 

「そうは言ってませんよ?ただ、余計な物と言っただけですよ」

 

「(ほとんど一緒じゃねぇか・・・・)」

 

「まあ簡単に自己紹介だけはしておこう。私は立中、この事務所の社長だ。私は幼い頃から少し特別な能力があってね・・・・」

 

そう言った社長はおもむろにデュエルデスクを取り出し、1枚のカードをドローする。

 

「こういう力を持っていてね」

 

そう言って社長がカードをデスクに差し込むとそこから剣が飛び出して来た。こいつ・・・・まさか・・・・

 

「う、うそ!?何で!?」

 

「・・・・・・・サイコパワー、サイコデュエリストか」

 

「ほお〜、君は知っていたんだね」

 

やっぱりそうか。サイコデュエリストじゃなきゃカードの実体化なんてまずあり得ないしな。

 

「自己紹介はこれまでにしておくか。さて、本来なら明日から直ぐに働いて貰いたいけど、お得意様にまだ君の事を連絡してないからね。君のシフトは明後日からにしてもらうよ」

 

「私はやりたくないよ。こんな会社でのファッションモデルだなんて」

 

「ふむ・・・おい」

 

社長が指で合図を送り部下の一人が茜に拳銃を突きつける。

 

「・・・・・卑怯よ」

 

「会社の利益を上げるためなら何でもするさ。では明後日から入ってもらうぞ」

 

「っ、わ、分かったわよ」

 

「よし。君たち、茜さんを5階の居住スペースまで案内したまえ」

 

部下の半分が茜を囲み、先に部屋を出て行く。

 

「さて・・・・・問題は君をどうするかだ。本来ならこれで解決するがどうする?」

 

社長の横にいた秘書らしき奴が持っていたトランクケースを俺の前に差し出し開ける。中には100万の札束が沢山入っていた。やっぱ金で解決か・・・・・

 

「君が今までの事を誰にも言わないなら謝礼金としてこれをあげよう」

 

「俺はお前と違って仲間を金で売るほど汚い人間じゃない。却下だ」

 

「ふむ・・・・なかなか友達思いだね」

 

「お金しか考えないあんたよりかはな」

 

「・・・・・やれやれ、言葉使いがなってない。仕方ない、君にはしばらくここにいてもらおうか」

 

そう言って残った部下が俺の周りを囲む。

 

「こいつは1階の部屋。四股も縛っておけ」

 

「「「はっ」」」

 

ちえ・・・・今度は身体も動かしてくれないのかよ・・・・・・・部下に囲まれて再び汚い廊下を渡りエレベーターで1階まで降りる。そのまま直進して突き当たりの部屋に入れさせられる。

「そこでじっとしてろよ」

 

「はいはい・・・分かってますよ」

 

相変わらず拳銃を見せて部屋の中央でじっとする俺。その間に他の奴らが俺の両足・両手を拘束していく。両手に至ってはめいいっぱい伸ばされる。

 

「しばらくはそこで大人しくしていろ」

 

そう言って部屋唯一の扉を閉められて、鍵も掛けられる。完全なる密室、しかも光も窓からの光と薄暗い蛍光灯のみになってしまった。

流石に・・・・腕をここまで伸ばされると集中出来ないな・・・・・足で作るか・・・そう思って足で集中するが太陽が出来ない。なんでだ?

「フフフ・・・・あの物騒な物が作れなくて困ってるようだな?」

 

「!?」

 

「心配しなくてもいい、君の目の前の画面だ」

 

突然あの社長の声が聞こえたので辺りを見渡すと確かに目の前に1台のビジョンがあった。

 

「その鎖は私がサイコパワーで作った、デモンズ・チェーンだ」

 

「・・・・モンスターの攻撃と効果を無効にするやつか」

 

「その通り。これで君の不思議な能力は封じたも同然。しばらくはそこで大人しくしてもらうよ。ちなみにこの部屋には監視カメラも設置してある。むやみに動かない方が身のためだぞ」

 

そう言ってビジョンが消える。

まぁ・・・・俺の行動が見えて今のビジョンを写したんだろ・・・・しかしサイコデュエリストだったとはな・・・・デモンズ・チェーンだと能力作るの無理だし・・・・

 

「(・・・まぁすでに手は打ってあるけどな。援軍が来るまでしばらくは大人しくしておきますか・・・・)」

 

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

 

「遅いわね・・・・・もう7時よ」

 

「ちょっと遅過ぎますね・・・・・いつもの茜ちゃんなら6時には帰って来てますから」

 

「何かあったのかしら?」

 

すみれさんとさっき来た配送係の佐野さんが茜達の帰りを心配している。確かに遅過ぎるわね・・・・・

 

「今日の護衛は遊輝だろ?太陽が負けるとは思わないけどな・・・・」

 

「分からないわよ・・・・相手は何してくるか予想もつかない集団だからね」

 

「遊輝・・・・・・」

 

「心配しなくても遊輝ならケロッとした顔で帰って来るって!!」

 

『たいへ〜〜〜ん!!!!!』

 

『パール。落ち着きなさい』

 

「だ、ダイヤ!?パール!?」

 

『み、みんな!!!大変だよ!!』

 

「な、何があったのよ!?」

 

「落ち着いてパール!!何があったかゆっくり話して!!」

 

『え、えっと!?!?」

 

『はぁ〜、実は・・・・』

 

パールがあまりにも慌てるので、代わりにダイヤが説明する。今回は分かりやすくするため、私が実体化の能力を使ってすみれさんにも見えるようにしている。

 

「・・・・・そう、とうとう動いたわね」

 

「あそこの社長が自ら乗り出して来るとは・・・・・」

 

「拳銃所持・・・銃刀法違反よ」

「それを今まで賄賂で防いできたのよ。そうね・・・・・・・・」

 

そう言ってすみれさんは携帯を取り部屋を出て行く。みんなの方に向くと、みんなやる気の目になっていた。

 

「・・・・みんな」

 

「おう」

 

「やってやりましょう」

 

「でっかい花火を打ち上げましょう!」

 

「・・・・決行は夜11時、暗いけど奇襲には持ってこいね」

 

「俺も行く!!」

 

「龍亞君と龍可ちゃんはダメ!!ここで待っていて」

 

「えぇ〜〜〜!!!」

 

「分かりました。龍亞、相手は何をして来るのか分からないところよ」

 

「わ、分かったよ」

 

「・・・・・今回は君たちに任せるしかないわね」

 

電話を終えたすみれさんに気づいてみんそっちに振り向く。

 

「私の方も手を打ったわ。今度こそあの事務所を潰しにいくわ!」

 

「「「「はい!!!」」」」

 

「それで、一つお願いがあるのだけど・・・・」

 

 

レミ side out

 

 

 

 

遊輝 side

 

 

「・・・・ふわぁ〜、寝みぃや。今何時だ?」

 

あれから数時間、同じ体勢で拘束されて何もすることもなくただボゥ〜と過ごすしかなかった。

 

『主、11時前です』

 

「ふわあ・・・・ありがとう。てことは・・・少なく見積もっても4時間はここにいるのか」

 

『脱出の手伝いをしましょうか?』

「いいよ。この鎖、結構頑丈だし俺も能力使えないし」

 

まぁもうそろそろ援軍も来そうだけど・・・・・

 

「ふふふ、気分はどうかね?」

 

プラチナと話してた時にまた目の前のビジョンが光り、あのうざったい社長の顔が画面いっぱいに映し出されている。

 

「んなもん、最悪に決まってるだろ。こんな暗い部屋に縛られて」

 

「ふふふ・・・・そうだろう。もし出たいなら今日のこ「だから俺は見捨てないぞ」・・・・いいでしょう。しかしその気力がどこもで持つかな?」

 

「さあね?それに・・・・・」

 

「なんだ?」

 

「い〜や、何でもないや」

 

「ふっ、ではまた今度、いつになるか分からない《ドオオオン!!!!!!!!》な、何だ!?!?」

 

突然の爆発音で慌てる社長。その後も2、3回の爆発音が続き映像は乱れる。そして目の前で鍵が掛かった扉が爆発する。

 

ドーーーーーーン!!!!!!!!

 

『・・・・お待たせマスター!!』

 

『遅くなってすみません。今、それを壊します』

 

扉が煙で充満しているなか、ダイヤとパールが魔法弾で俺を拘束していたデモンズ・チェーンを破壊する。

 

「サンキュー」

 

「お待たせ!!」

 

「ごめんね!!遅くなった!!」

 

「その代わり準備も万端だ」

 

次いで、後ろからレミ、響、スバル、そして奏を来た・・・・のだが・・・・

 

「遅えけど・・・・・・何だその格好?」

 

4人が着ていたのはいつもの服じゃなくて、黒にそれぞれの持ちカラーである奴を筋にした何か忍者っぽい服だった。

 

「にん♪」

 

「いや!?『にん♪』じゃねぇよ!!何だよその服!?」

 

「・・・・遊輝と茜を救出することが決まった時に、茜の母さんがこれを着て行けって(汗)」

 

「何か・・・断れない雰囲気だから着ちゃった(汗)」

 

「でもこの服凄い良いわよ!!軽いし丈夫だし!!通気性もバッチリ!!」

 

「そういう問題じゃねぇだろ・・・・・・」

 

茜の母さん・・・・・・やっぱ何処か変だ・・・・・・(汗)

 

「はい遊輝、デュエルデスクと竹刀。それと服も」

 

「はっ!?俺も着るのか!?」

 

「すみれさん、用意周到に私たちの分を準備していたわよ。しかもサイズピッタリ」

 

い、いつの間に身体を寸法を測ったんだよ・・・・・(汗)

 

「いたぞ!!!」

 

「おい、来たぞ」

 

「早く着替えてよ!!私たちが迎撃しておくから!!」

 

「わかったよ・・・・・」

 

何か・・・・無理矢理だな・・・・・・・

 

「ふん、この部屋に出口はここ以外無いんだ!さっさと降参しろ!!」

 

「降参するために来るバカが何処にいるんだよ!!地斬!!アイアン斬り!!」

 

既に鋼の剣を2本持っているスバルがさらに剣を頑丈にさせそのまま相手をぶった切った。

 

「おのれ!」

 

「こっち忘れたダメだよ〜。忍法!泡包みの術!!」

 

忍者の衣装を着てノリノリだった響は、忍法とか付けて相手数人を泡で包んだ。

 

「奏〜〜!!!!」

 

「忍法!!電気落としの術!!」

 

ドーーーーーーン!!!!!!!!

 

いや雷だろ!?!?!?!?ていうか奏も忍法って言うのか!?!?!?

 

「忍法!!風魔弾の術!!」

 

ドカーーン!!!!

 

レミは両手に力を溜めてそいつを放つと、目の前に突っ込んで来た敵がドンドンなぎ倒されていく。

 

「スットライク〜〜〜〜!!!!!!!」

 

・・・・スバル以外、みんな忍法って言ってる「忍法!!地滑りの術!!」訂正、スバルもノリノリでした。

 

「・・・・これでどう?」

 

『マスター!!似合っている似合っている!!』

 

『お似合いです』

 

今まで着ていた服はこの忍者の服が入っていた風呂敷に入れて、ダイヤとパールに服を見せる。俺の服もみんなとほぼ一緒で、赤のラインが入っていて、背中には2本の竹刀を入れる袋みたいな物もついてある。

 

「似合うじゃん!!」

 

「うん!!バッチし!!」

 

「ふ〜ん・・・」

 

「じゃあ遊輝も手伝ってよ!!」

 

・・・・これはアレか?俺も言えって事か?ちょうどまた壊された扉から部下が入ってきた。・・・・・まあ良いか。

 

「忍法!!陽乱の術!!!」

 

上空に太陽を数十個作り乱射する。しかし出入り口が一つしか無いので何故かみんな当たる当たる。

 

「この!!」

 

「遊輝!!後ろ!!」

「忍法!!陽炎の術!!」

 

攻撃される直前に俺の周りに火柱が立ち上がり、その間に陽炎を作るのを利用して俺の分身を何体も作り出す。

 

「くそっ!!熱いし数が増えやがった!!」

 

「どれが本物だ!?」

 

「斬っても斬っても増えやがる!!!」

 

「・・・・・バ〜カ、そいつら全部偽物だっつうの」

 

俺が閉じ込められた部屋で俺の幻影を斬って行く部下達。このまま放っておくのが常識だがもしもの時に備えて、

 

「響、よろ」

 

「OK!忍法!!氷魔法1!絶対零度!!」

 

響の周りに強烈な吹雪が巻き起こり、出入り口がその吹雪によってカッチカチに凍ってしまう。これであいつらが出てくる心配はなし。

 

「行こう!!茜は5階だ!!」

 

「ついでだからここのボスも倒してきてって」

 

「社長さんは6階だな・・・・くそっ、エレベーター止めやがった」

 

「階段で行こう!!」

 

エレベーター横に備え付けられている階段で俺たちは5階にいる茜の救出、そして6階にいる社長をぶっ倒すために駆け上がる。

 

「にしてもなんでここの階段はフロア毎に終わるんだ!?」

 

「そんなのこの建物を設計した人に言ってよ」

 

「待ちな・・・・・・・」

 

2階に駆け上がり3階へ昇る階段に目指していたらガタイの良い男1人が仁王立ちをしていた。

 

「誰よあんた?悪いけど構っている暇が無いのよ」

 

「そういう訳にもいかねぇな。今回の件で社長もかなりお怒りなんだよ。だからお前らをこれで倒す」

 

そう言って、ガタイの良い男がデュエルデスクをセットする。やろうっていうのか・・・・よし

 

「おれ「待って、私が行く」奏?」

 

俺が一歩前に出ようとした時、奏が先にデュエルデスクを腕にセットしていた。

 

「先に上を目指して。あとで追いかけるから」

 

「・・・・分かったよ奏!」

 

「勝つのよ!!」

 

「もちろん!!響!!」

 

奏をこの階に残し、俺たちは先へと進む。

「こんなか弱い女の子が俺の相手だ〜?直ぐにけちょんけちょんにしてやるよ!」

 

「か弱くても舐めていたら足元救われるよ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ〜、忍者とは〜良いですね〜」

 

3階に上がるとまた一人、変な格好をしたやつがいた。

 

「ですが〜、ここからは〜通しませんよ〜」

 

「(・・・・もしかして上も?)」

 

「(かもな)」

 

「(めんどくさいわね)」

 

「(よし!!)私が行く!!!!」

 

今度は響が前に出る。まぁ・・・・・そうなるよな。上に行けば行くほど強くなるだろうし、未だに響のデッキは未完成だからな。

 

「頼んだぞ響!!」

 

「任っせといて!!」

 

響を残し残った俺たち3人は次の階へと進む。

 

「おぉ〜、くノ一が相手とは〜、」

 

「気色悪い。さっさと倒すわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

 

 

 

 

「ワタシノオアイテハドチラカナ?」

 

「・・・・・何でいきなり外人が出て来るんだよ」

 

「ワタシハガイジンデハナイデス。フランスジンデス」

 

「俺たちから見れば一緒じゃ!!!!!!!!」

 

「・・・・何茶番劇してるのよ(汗)私が行くわ」

 

4階の外人はレミがデュエルするらしい。ここも任せるか・・・・・

 

「レミ!!頼むぞ!!」

 

「分かったわ!!」

 

スバルと俺は茜のいる5階へと突撃する。

 

「オマエタオシテキュウリョウモラウ」

 

「私はあんたの給料が渡されるほどやわじゃないわよ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

 

 

 

 

「ここに茜がいるんだな?」

 

「ああ、5階は丸ごと居住スペースだからな」

 

先に来た俺とスバルが5階の居住スペースで茜を探す。ここの環境もかなり酷い。掃除はおろか、ゴミの処理すらまともじゃない。さっき何人か女の子を救出したけどはっきりいてかなりヤバイ状況の奴が2、3人いる。

 

「こいつがラスト・・・・・」

 

「行くぞ・・・・せぇの!!!!」

 

ドン!!!!!!!!!

 

「茜!!!!」

 

「遊輝っち!!スバルっち!!」

 

「・・・・やっと来たか」

 

俺たちがぶち壊した扉の向こうには、両手・両足の縛られた茜と社長の秘書がいやがった。

 

「あいつが社長か?」

 

「違う。あいつはアホ社長の秘書」

 

「その通り。私は立中社長の秘書、間崎というものです」

 

「そんなのどうでも良いんだよ。茜を帰して貰おうか?」

 

「ダメですね。君たちのおかげで会社はメチャクチャ、こんな時に大事な収入源を失う訳にはいきません」

 

こいつ!!・・・・・社長も最低な人間なら部下も最低な人間だな・・・・・・・・

 

「ではこれで決めましょうか」

 

「デュエルか・・・・・よ「俺が行く」スバル・・・・」

 

「お前はそのアホ社長という奴を倒してこい。仕返しするんだろ?」

 

「・・・・・頼むぞ」

 

「心配するな!!」

 

茜の救出をスバルに任せ、俺は全ての元凶のあのアホ社長がいるであろう6階を目指す。

 

「ふむ・・・君も君で私たちの社員を一人、ダメにしたみたいじゃないか」

 

「お前らがこんな事するからだろ」

 

「・・・君といい、さっきの子といい、最近の子供は言葉使いがなってないですね。私が直してあげましょう」

 

「そんな必要ねぇな!!行くぞ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」




響「この服気に入った!!!」←忍者の格好。

遊輝「・・・お前、本当にノリノリだな」←同じく、以下同文

スバル「最初に貰った時でも、響は直ぐに着替えたな」

響「忍者ってかっこいいじゃん!!」

奏「そういうことは男の子が反応することでしょう(汗)」

レミ「遊輝より男っぽいのよ」

グサッ!!グサッ!!

遊輝「・・・・・・・お、俺だって、過去に忍者とか憧れてたよ」←凹んだ。

響「・・・・いいもん、遊輝と競うのが間違いなんだもん(涙)」←凹んだ。

スバル「あ〜あ・・・・・(汗)」

奏「なんでこうなるのかしら・・・・・(汗)」

レミ「精神と根性がもろすぎるのよ」

スバル「違うだろ・・・・」

奏「次回は私から!!【宝玉覚醒!!トパーズ・ドラゴン!!】」

レミ「次回からデュエルが続くからよろしくね!」


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第74話 宝玉覚醒!!トパーズ・ドラゴン!!

最強カードの紹介!!

クロウ「そろそろ俺が主役の話も書けよ!」

うん、無理。

クロウ「無理じゃねぇだろ!!」

だって今は海外編だし、それに主人公はアカデミアに通っているからアカデミア中心の話になるし。

クロウ「たまには主人公が出なくても良いじゃねぇか!!」

へ〜い。

クロウ「(聞いてねぇな・・・・)」

最強カードの紹介に行くよ!今回は宇宙砦ゴルガー!!

クロウ「☆5の《エーリアン》専用のシンクロモンスターだな」

1ターンに1度、フィールドの表側表示の魔法・罠カードを任意の枚数戻して、戻した数だけAカウンターを貯めれる!これは相手のカードもOKなのでリビデや安全地帯も吹っ飛ばせる!!

クロウ「それとAカウンターを2つ取り除いたらフィールドのカード1枚を破壊出来る。攻撃力も2600と結構高いからなかなか厄介だな」

《エーリアン》というテーマ自体、マイナーだけど・・・・・・そしてこの展開、超テンプレ。しかし、作者の貧弱な脳内だとこの展開しか思い浮かべません・・・・

クロウ「バカふざけた事は直ぐ思いつくくせに・・・・・」

うるさい!

クロウ「第74話、デュエルスタート!!」


奏 side

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

奏 LP 4000 手下1 LP 4000

 

早く勝って皆追いつかないと・・・・

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

うっ!?手札が悪い!!こんな時に・・・・

 

「神聖なる球体を守備表示で召喚。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

神聖なる球体 守500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「ドロー!」

 

手下1 手札 6枚

 

「永続魔法、古代遺跡コードAを発動!」

 

相手の後ろの地面が割れて遺跡が現れる。中央の遺跡の間には不気味な空間が広がっている。

 

「《エーリアン》と名のついたモンスターが破壊され墓地へ送られる度にこのカードにAカウンターを1つおく!」

 

Aカウンター・・・・それが相手の重要なキーみたいね。エーリアンっていうのも不気味ね。

 

「エーリアン・ソルジャーを召喚!さらにエーリアン・ドッグを特殊召喚!」

 

エーリアン・ソルジャー 攻1900

エーリアン・ドッグ 攻1500

 

一気に2体も・・・・数で攻めてきたわね。

 

「こいつは《エーリアン》と名のついたモンスターの召喚に成功した時、手札から特殊召喚出来る!さらにこの効果で特殊召喚した時、相手のモンスターにAカウンターを2つ乗せる!」

 

エーリアン・ドッグが唾を吐いてそれが神聖なる球体にかかってしまう。気色悪いわね・・・・どうするのよこれ。

 

「早速行くか!バトル!エーリアン・ドッグで神聖なる球体に攻撃!」

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!エーリアン・ドッグの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

「ちっ・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

手下1 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

エーリアン・ソルジャー 攻1900

エーリアン・ドッグ 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

古代遺跡コードA

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

奏 手札 4枚

 

・・・よし、手札交換カード。これで少し良いのが来れば・・・・

 

「魔法カード、天の落とし物。互いのプレイヤーはカードを3枚ドローして2枚捨てる!」

 

奏 手札 6枚→4枚 手下1 5枚→3枚

 

・・・・来たわ。これで少しは楽になる!

 

「デッキの大天使クリスティアをゲームから除外して堕天使クリスティアを特殊召喚!」

 

堕天使クリスティア 攻2800

 

デッキにいた大天使クリスティアが消えて、その霊となったところから身体が漆黒に染まったクリスティアが現れる。

 

「このカードがいる限り相手は特殊召喚出来ない!」

 

「何だと!?」

 

これで少しは制圧出来るね。さて・・・・どっちに攻撃するかだけど、エーリアン・ドッグの効果はこれ以上なさそうだしここは攻撃力の高いエーリアン・ソルジャーを倒すべきね。

 

「バトル!堕天使クリスティアでエーリアン・ソルジャーを攻撃!」

 

堕天使クリスティア 攻2800

エーリアン・ソルジャー 攻1900

 

手下1 LP 4000→3100

 

よし!先制出来た!!

 

「・・・・・かかったな」

 

「えっ?」

 

「リバースカードオープン!エーリアン・ブレイン!!」

 

「な、何!?」

 

突然発動したカードから物凄い光が放たれてあまりの眩しさに目を隠してしまう。ようやく光が弱まり目を開けると・・・・・・

 

「!?く、クリスティア!?どうして!?」

 

クリスティアが向こうのフィールドにいた。その目から光が失っていた。

 

「エーリアン・ブレインは爬虫類族モンスターが相手モンスターに戦闘で破壊された時、その攻撃したモンスターを爬虫類族に書き換えて俺のモンスターとしてコントロールを得る!」

 

「な、何ですって!?」

 

堕天使クリスティア 天使族→爬虫類族

 

相手モンスターのコントロールを奪う!?しかも永続!?マズイ・・・・・こっちが一気に不利になった・・・・

 

「さらに古代遺跡コードAにもカウンターが1つ乗るぜ!」

 

古代遺跡コードA Aカウンター 0→1

 

「っ、バトルフェイズを終了して、神秘の代行者 アースを守備表示で召喚!」

 

神秘の代行者 アース 守800

 

『ふわぁ・・・・何よ奏。もう寝る時間だよ・・・・』

 

「そんな事している状況じゃないわよ。シャキッとして」

 

『ふわぁ〜い・・・・・』

 

「神秘の代行者 アースの効果!召喚時、デッキからこのカード以外の《代行者》と名のついたモンスターを手札に加える!デッキから創造の代行者 ヴィーナスを手札に加えるわ」

 

かと言ってこれ以上やることはないわね・・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

神聖なる球体 守500

神秘の代行者 アース 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「ドロー!」

 

手下1 手札 4枚

 

「俺はお前の神聖なる球体のAカウンターを2つ取り除きエーリアン・リベンジャーを特殊召喚!」

 

神聖なる球体 Aカウンター 2→0

エーリアン・リベンジャー 攻2200

 

「それ以上の上級モンスターはお断りよ!カウンター罠、昇天の黒角笛!エーリアン・リベンジャーの特殊召喚を無効にして破壊する!」

 

召喚されたエーリアン・リベンジャーの上に黒い角笛が出て来て、音色が奏でられて破壊される。

 

「ちっ・・・・(こいつの制圧力はすごいからな。下手に展開するより今のまま殴った方がいいな・・・)バトル!堕天使クリスティアでアースに、エーリアン・ドッグで神聖なる球体に攻撃!」

 

クリスティアがアースを攻撃して、エーリアン・ドッグが神聖なる球体を攻撃して破壊される。これで全滅ね・・・・

 

「このままターンエンド!」

 

 

手下1 手札 3枚 LP 3100

【モンスターゾーン】

エーリアン・ドッグ 攻1500

堕天使クリスティア 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

古代遺跡コードA

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

・・・・魔宮の賄賂。最初のターンにあれば・・・・後悔しても仕方ない。今は耐えなきゃ。

 

「豊穣のアルテミスを召喚!」

 

豊穣のアルテミス 攻1600

 

「バトル!豊穣のアルテミスでエーリアン・ドッグを攻撃!」

 

豊穣のアルテミス 攻1600

エーリアン・ドッグ 攻1500

 

手下1 LP 3100→3000

 

「古代遺跡コードAの効果でカウンターがまた一つ乗るぜ!」

 

古代遺跡コードA カウンター 1→2

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

奏 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「ドロー!」

 

手下1 手札 4枚

 

「装備魔法、ビッグバン・シュートをエーリアン・ドッグに装備!」

 

「カウンター罠、魔宮の賄賂!ビッグバン・シュートの発動を無効にして破壊!そして相手は1枚ドロー!さらにアルテミスの効果で私も1枚ドローよ!」

 

「ちっ!ドロー!」

 

奏 手札 1枚→2枚 手下1 手札 3枚→4枚

 

「古代遺跡コードAの効果発動!Aカウンターを2つ取り除いて墓地からLv4以下の《エーリアン》を特殊召喚する!エーリアン・ソルジャーを特殊召喚!」

 

古代遺跡コードA 2→0

エーリアン・ソルジャー 攻1900

 

なるほど、墓地のモンスターを蘇生するカードね。これはほっておけないわ。

 

「さらにエーリアン・ウォリアーを通常召喚!」

 

エーリアン・ウォリアー 攻1800

「これでお前の負けだ!バトル!堕天使クリスティアで豊穣のアルテミスに攻撃!」

 

「まだ終わらないわよ!カウンター罠、攻撃の無力化!そしてアルテミスの効果でドロー!」

 

奏 手札 2枚→3枚

 

「くそっ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

手下1 手札 2枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

堕天使クリスティア 攻2800

エーリアン・ソルジャー 攻1900

エーリアン・ウォリアー 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

古代遺跡コードA

伏せカード 1枚

 

 

自分のペースを乱してくれたわね。クリスティアがいるのはマズイけどようやく対処できるカードが来たわ。

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

「魔法カード、ライトニング・ボルテックス!」

 

「ら、ライトニング・ボルテックスだと!?」

 

「手札の創造の代行者 ヴィーナスを捨てて相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊する!」

 

ドーーーーーン!!!!!!!

 

相手フィールドに大きい雷が落ちて全てのモンスターが破壊される。これで形成逆転!特殊召喚も出来る!

 

「くそっ・・・古代遺跡コードAの効果でカウンターが2つのる!」

 

古代遺跡コードA Aカウンター 0→2

 

「それくらい構わないわよ!チューナーモンスター、導きの代行者 プルートを召喚!」

 

導きの代行者 プルート 攻300

 

「Lv4の豊穣のアルテミスにLv2の導きの代行者 プルートをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

雷鳴と轟きが鳴り響くなか雷雲の間から一筋の光が漏れてライトニング・エンジェル・ドラゴンが姿を現した。

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果!シンクロ召喚成功時、墓地からカウンター罠を1枚回収する!」

 

さて・・・・何を回収するかしら?特殊召喚を封じる昇天の黒角笛か、魔法・罠を止める魔宮の賄賂か・・・・ライトニング・エンジェル・ドラゴンを破壊されると困るけど、かと言って特殊召喚されたら突破されるし・・・・・・

 

「・・・昇天の黒角笛を手札に戻すわ!さらに導きの代行者 プルートの効果!このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターが召喚に成功した時、エンドフェイズまでそのシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300→2600

 

「攻撃力2600だと!?」

 

「バトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「だが甘いな!リバースカードオープン!永続罠」

「甘いのはそっちよ!ライトニング・エンジェル・ドラゴンが存在する限り、カウンター罠以外の罠は発動出来ない!!」

 

「何だと!?(デモンズ・チェーンが腐りやがった!!)」

 

「サンダー・アロー!」

 

手下1 LP 3000→400

 

もう少し・・・もう少しで勝てる!

 

「魔法カード、貪欲な壺!墓地のアース、神聖なる球体、アルテミス、プルート、ヴィーナスをデッキに戻してシャッフルし2枚ドロー!」

 

奏 手札 1枚→3枚

 

引いたのは・・・・・アースとサイクロン。あの永続魔法でまた蘇生されるのはごめんだからここでサイクロンを使わないと。

 

「速攻魔法、サイクロン!古代遺跡コードAを破壊する!」

 

「くそっ!」

 

これで展開の要は潰れたでしょう。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!そしてライトニング・エンジェル・ドラゴンの攻撃力は元に戻る!」

 

 

奏 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2600→2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「舐めやがって・・・・ドロー!!」

 

手下1 手札 3枚

 

「マジックカード、逆転の宝札!相手フィールドに特殊召喚されたモンスターがいて自分フィールドにモンスターがいない時2枚ドローする!」

 

手下1 手札 2枚→4枚

 

「まずはサイクロン!!その伏せカードを破壊だ!!」

 

「っ!!昇天の黒角笛が!!」

 

「チューナーモンスター、エーリアンモナイトを召喚!!」

 

エーリアンモナイト 攻500

 

「エーリアンモナイトの効果!召喚時、墓地からLv4以下の《エーリアン》と名のついたモンスターを特殊召喚する!エーリアン・ソルジャーを特殊召喚!」

 

エーリアン・ソルジャー 攻1900

 

チューナーとそれ以外のモンスター・・・・来る!!

 

「Lv4のエーリアン・ソルジャーにLv1のエーリアンモナイトをチューニング!」

 

☆4 + ☆1 = ☆5

 

「宇宙を支配した物が地球侵略の最終兵器を送り込む。全てを我が手に!シンクロ召喚!宇宙砦ゴルガー!!」

 

宇宙砦ゴルガー 攻2600

 

光の輪の中から宇宙空間が広がり、その中から身体が緑色の宇宙船かと思うような巨大なモンスターが降りてきた。これが・・・・切り札ね。

 

「マジックカード、侵食細胞「A」!相手フィールドのモンスター1体にAカウンターを1つ乗せる!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン Aカウンター 0→1

 

「永続魔法、「A」細胞増殖装置を発動して、宇宙砦ゴルガーの効果発動!フィールドの表側表示の魔法・罠カードを持ち主の手札に戻して、戻した数だけフィールドのカードにAカウンターを置く!さっき発動したカードを戻してもう一回そのドラゴンにカウンターを乗せる!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン Aカウンター 1→2

 

さっきからまたカウンターを溜め始めて・・・・・何をする気・・・・

 

「宇宙砦ゴルガーのもう一つの効果!フィールドのAカウンターを2つ取り除きフィールドのカード1枚を破壊する!」

 

「!?」

 

「宇宙砦ゴルガー!!そのドラゴンのカウンターを全て取り除いて何もかも食いつくせ!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン Aカウンター 2→0

 

宇宙砦ゴルガーが唸りあげて、ライトニング・エンジェル・ドラゴンに近づき捕まえる。

 

「ギャアアア!!!」

 

「ら、ライトニング・エンジェル・ドラゴン!!」

 

そのまま宇宙砦ゴルガーは触手で絡めていき・・・・・・

 

「ガアアア!!!」

 

「!?!?クッ!!」

 

大きな口を開けて噛み付いた。何も抵抗出来ず、ライトニング・エンジェル・ドラゴンはあいつの胃の中に・・・・・

 

「バトル!宇宙砦ゴルガーでダイレクトアタック!ブレイク・タイレーン!」

 

宇宙砦ゴルガーが私に近づいて・・・・・

「えっ!?ちょちょちょ!?!?」

 

触手で私を持ち上げてそのまま・・・・

 

「ゴオオオ!!!!」

 

ドーーーン!!!!!!

 

「!!!!!!!!!!!!」

 

奏 LP 4000→1400

 

た、叩きつけられた・・・・・

 

「ア・・・・・・ガ・・・・・・・」

 

「念のためにもう一度「A」細胞増殖装置を発動してターンエンドだ」

 

 

手下1 手札 0枚 LP 400

【モンスターゾーン】

宇宙砦ゴルガー 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード (デモンズ・チェーン)

「A」細胞増殖装置

 

「(さっきはあのドラゴンで邪魔されたが今回こそデモンズ・チェーンで息の根を止めてやる!)」

 

い、いたたた・・・・・む、むち打ち食らったみたいね。骨折してないだけまだマシね。

 

「(でも・・・・マズイわね)」

 

今、私の残っているカードであのモンスターに対抗出来るのはマスター・ヒュペリオンのみ。でもあれが攻撃無効のカードか効果無効なら私の負け・・・・・・それよりまずマスター・ヒュペリオンを引けるかどうかね・・・・・・・

 

「・・・・私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 2枚

 

・・・・死者蘇生!!!・・・・いやダメ。ライトニング・エンジェル・ドラゴンだとあのモンスターを突破出来ない。アースでモンスターをサーチしても防ぐ方法が無い。相手の墓地にもあのモンスターを破壊するカードは・・・・・・

 

「(・・・・・ここまで『汝の気持ちはその程度なのか?』!!だ、誰!?)」

 

突然頭に声が響く。

 

『我のことはあとだ。汝の気持ちはその程度で折れるのか?』

 

わ、私の気持ち・・・・・でもこの状況で・・・・・

 

『その程度で諦めるほど、汝は仲間に信じられてないのか?』

 

えっ?

 

『汝を信頼する仲間は周りにいないのか?』

 

わ、私を信じる・・・・仲間・・・・

 

『汝には仲間がたくさんいるだろ。信頼している親友(とも)が、結束を固めた親友(とも)が』

 

・・・・・そうよ。私には・・・・信頼している仲間、結束を固めた(親友:とも)がいる!!

 

「(・・・・まだ諦めないわよ。帰るって約束したのだから・・・・諦めないわよ!!!)」

 

『・・・・・良かろう。汝の力を覚醒させる時が来た』

 

か、覚醒?

 

『雷のシークレットシグナーに眠りし、もう一つの力・・・・・光の力を・・・・・・』

 

そうやって声が聞こえなくなり、次の瞬間・・・・・・・・

 

ピカーーーーーン

 

「な、何だ!?!?こ、この光は!?!?!?」

 

私の胸元が光輝く。慌てて胸ポケットを探るとダイヤから貰った黄色の宝石が力強く輝いていた。

 

「(こ、これって・・・・・・)」

 

『今こそライトニング・エンジェルの進化・・・・・・トパーズの力を!』

 

宝石が手元から離れ宙に浮くとヒビが入る。そのヒビからまた光が強く放たれて宝石が砕け散り1枚のカードと宝石の残骸が右手に握る。

 

「(これは・・・・・・・)」

 

『雷のシグナー、ライトニング・エンジェルの覚醒・・・・・トパーズ・ドラゴン』

 

トパーズ・・・・ドラゴン・・・・・これなら行ける!!

 

「ぐっ!!(何の光が知らねぇが俺の勝ちに揺るぎはねぇ!!)」

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からライトニング・エンジェル・ドラゴンを特殊召喚!!」

 

ライトニング・ エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

私の前に大きな穴が開いてそこに雷が落ちる。ライトニング・エンジェル・ドラゴンが雄叫びを上げもう一回私のフィールドに戻ってくる。

「(ちっ、またデモンズ・チェーンが使えないのか)だが攻撃力の低いドラゴンに何が出来る!」

 

「チューナーモンスター、神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

 

「アースの効果!デッキから奇跡の代行者 ジュピターを手札に加える!」

 

「今更そんなカードを加えても意味がねぇよ!!」

 

『ふわぁ・・・・・・出すの?』

 

「当たり前よ・・・・勝ってみんなのところに戻るんだから!!」

 

私は砕け散った宝石を持った右手を天に突き上げる。右手に握りしめた砕け散った宝石は再び輝き始める。

 

「こ、今度は何だ!?」

 

「Lv6のライトニング・エンジェル・ドラゴンにLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

アースとライトニング・エンジェル・ドラゴンが一つになり大きく光輝く。そして、砕け散った宝石はそれを目指して天へと登り大きくて丸いトパーズへと変わる。

 

「トパーズの宝玉が輝きし時、雷の龍が覚醒する。天空に平和をもたらす光を輝かせ!シンクロ召喚!!照らし出せ!!光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン!!」

 

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン ☆8 攻2600

 

天空に出来たトパーズから光が漏れ、その中から光と電気で帯びた蛇みたいに長い龍がいた。ライトニング・エンジェル・ドラゴンの時についていた翼はさらに大きく立派になり、武器として使っていた弓矢がなくなっていた。

 

「な・・・・・なんだこいつは・・・・・(だが攻撃力が同じなら怖くはねぇな)」

 

「バトル!光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴンで宇宙砦ゴルガーに攻撃!!」

 

「何だと!?(脅しか!?・・・・・いや、あいつは手札も伏せカードも無いんだ。決めにきた)だが残念だな!リバースカードオープン!!デモンズ・チェーン!!これで・・・・!?!?」

 

発動したデモンズ・チェーンのカードの上に雷が落ちて破壊される。

 

「な、何故だ・・・何故破壊されたんだ!?」

 

「光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴンは1ターンに1度だけ相手が発動した魔法・罠カードの効果を無効にして破壊する!!」

 

「何だと!?」

 

「さらに光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴンのさらなる効果!リバーサルワールド・フラッシュ!!」

 

トパーズ・ライト・ドラゴンが宇宙砦ゴルガーの目の前にいき、フラッシュを使う。あまりにも眩しい光を食らった宇宙砦ゴルガーは目を開けられない状況になった。

 

「な、何だ!?」

 

「トパーズ・ライト・ドラゴンが相手モンスターと戦闘を行う時、その相手モンスターはバトルフェイズ終了まで攻撃力と守備力が入れ替わる!!」

 

「な、なに〜〜〜〜!?!?!?」

 

宇宙砦ゴルガー 攻/守 2600/1800→1800/2600

 

「なっ・・・・あっ・・・・」

 

「天空の裁き!!受けなさい!!ヘブンズ・ボルテックス!!」

 

電気を帯びて、さらに光輝くトパーズ・ライト・ドラゴンが宇宙砦ゴルガーに突進する。突進を受けた宇宙砦ゴルガーの身体には大きな穴が開いて、爆発が起こる。

 

「う、うわああああああ!!!!!!!!!」

 

 

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン 攻2600

宇宙砦ゴルガー 攻1800

手下1 LP 400→0

 

 

WIN 奏 LOS 手下1

 

 

「ふぅ・・・・・・・・」

 

デュエルが終わり、デュエルデスクを片付けると膝を曲げ地面につく。

 

「デュ、デュエルが終わったら・・・・一気に痛みが来たわね・・・・・」

 

デュエルで集中していたからそこまで気にしてなかったけど集中力を切らしてみたらこれね。私も響たちに交じって運動しなくちゃいけなくなったね・・・・・・相手は・・・・・さっきの爆風に飛ばされて気絶したようね

 

「・・・少し痛みが引いたら上に行こう」

 

そう言って近くの壁にもたれかかる。

・・・・・みんな、後はよろしくね。




奏「今回は私ともう一人何だけど・・・・・・(汗)」

アース『スゥ・・・・・スゥ・・・・・・・』

奏「・・・・・(汗)いつまで寝ているのよ」

アース『・・・・・ふわぁ・・・おはよう奏〜・・・・』

奏「おはようじゃない!!!」

アース『・・・ふわぁ・・・お休み〜・・・』

奏「ちょっと!?!?ハイッ!!」←軽く電流を流す。

アース『ぎゃああああ!!!!!!』

奏「起きなさい!!!」

アース『・・・・・・・・・・』←軽く焦げている。

奏「今回のオリカ紹介!光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴンよ!!」

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン ☆8
光属性 ドラゴン族 攻2600 守2000
光属性チューナー+ライトニング・エンジェル・ドラゴン
「光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン」の②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードはS召喚でしか特殊召喚出来ない。
②相手が魔法・罠カードを発動した時、その発動を無効にして破壊することができる。
この効果は相手ターンでも使える。
③このカードの攻撃宣言時、このカードが攻撃する相手モンスターの攻撃力と守備力をバトルフェイズ終了時まで入れ替える。
④このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「ライトニング・エンジェル・ドラゴン」を墓地から特殊召喚できる。

アース『ふわぁ・・・・ライトニング・エンジェル・ドラゴンの進化だから素材にライトニング・エンジェル・ドラゴンが必要だよ』

奏「シンクロ召喚しか出来ない縛りはあるけど協力な効果が2つあるよ!」

アース『一つ目は1ターンに1度だけ魔法・罠の発動を無効に出来る。ふわぁ・・・・・・簡単にいったら新六武衆ーシエンと同じ効果よ』

奏「二つ目はこのカードが相手モンスターと攻撃する時に、その相手モンスターの攻撃力と守備力をバトルフェイズ中に入れ替えるよ!」

アース『大抵のパワーモンスターは守備力が低いことが多いから、これで攻守を入れ替えて逆転・・・・ふわぁ・・・・お休み〜・・・・』

奏「あ、アース!?」

アース『・・・・・ムニャムニャ・・・・・・』

奏「ほんっとにもう・・・・・(汗)次は響よ。【宝玉覚醒!!サファイア・ドラゴン!!】よろしくね」

アース『・・・・ムニャムニャ・・・・・・・』


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第75話 宝玉覚醒!サファイア・ドラゴン!

最強カードの紹介〜。

スバル「おっす。久しぶりだぜ」

改定時期、絶賛テスト中。だが改定作業を止める訳にはいかない。

スバル「勉強なんかしなくても一夜漬けでいけるだろ」

その発想が羨ましい。最強カードの紹介に行くよ。

スバル「今回はコアキメイル・マキシマム!!《コアキメイル》の種類のカードで唯一、特殊召喚でしか召喚出来ないモンスターだ!!」

方法は手札のコアキメイルの鋼核をゲームから除外すること。コアキメイルの鋼核自体はサーチカードが意外と豊富なので、もしかしたら直ぐにでも特殊召喚できるぞ。

スバル「そしてこのモンスターは恐ろしい事にノーコストで相手フィールドのカード1枚を破壊出来る!!攻撃力も3000とありなかなか手強いぞ!」

その代わり、維持コストでエンドフェイズにコアキメイルの鋼核か《コアキメイル》と名のついたモンスター1枚どちらかを墓地に送らなければならないが・・・・・

スバル「第75話、デュエルスタート!!」


響 side

 

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 4000 手下2 LP 4000

 

こんな奴、さっさと倒して上に行くわよ!!

 

「先行は貰うわよ!!ドロー!!」

 

響 手札 6枚

 

う〜ん・・・・・微妙な手札・・・・・ここは守りね。

 

「氷結界の決起隊を守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 LP 4000 手札 4枚

【モンスターゾーン】

氷結界の決起隊 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「フフフ・・・・・私のターン〜」

 

手下2 手札 6枚

 

「私は永続魔法〜、コア転送ユニットを発動〜」

 

相手の横に大きなガラスに入った液体みたいなものが出てきた。コア転送ユニット・・・・・・・コアキメイル・・・・・そのうざい口調から思えないパワーデッキね。確か維持コストが少々面倒だけどパワーと効果は強いデッキだったはず。

 

「このカードは〜、手札のカードを1枚墓地に送って〜、デッキから《コアキメイルの鋼核》を手札に加える〜」

 

相手が手札を1枚墓地に送ると実験装置みたいなガラスの蓋が開いて、その中から1枚の魔法カードが飛び出す。ふぅ〜・・・・・・キーカードを加えられたわね。

 

「私は〜、コアキメイル・ベルグザークを召喚〜」

 

コアキメイル・ベルグザーク 攻2000

 

「では〜、行きましょう〜。バトル〜!コアキメイル・ベルグザークで氷結界の決起隊に攻撃〜!」

 

ベルグザーグが2本の刀の内、右手の刀を上に上げて決起隊を破壊する。

 

「まだですよ〜。ベルグザークは相手モンスターを破壊した時、もう1回だけ攻撃出来ますよ〜」

 

「だったらもう一度モンスターを破壊させてあげるよ!リバースカードオープン!激流蘇生!このターン破壊された水属性モンスターを可能な限り特殊召喚して特殊召喚したモンスターの数×500ポイントのダメージを与える!」

 

手下2 LP 4000→3500

 

「おやおや〜、先にダメージを受けてしまいましたね〜。ですがベルグザークの攻撃は止まりませんよ〜」

 

左手に持っている刀でもう一回決起隊を斬る。

 

「では私はカードを2枚伏せてエンドです〜。エンドフェイズにベルグザークのコストとして、手札のコアキメイルの鋼核を墓地に送ります〜」

 

 

 

手札2 LP 3500 手札 1枚

【モンスターゾーン】

コアキメイル・ベルグザーク 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

コア転送ユニット

伏せカード 2枚

 

 

何とか凌いだとはいえ・・・・・・パワーデッキだと氷結界は不利だよね〜。何とかしてシンクロモンスターを出して手早く主導権を握らないと。

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 5枚

 

あっ、良いの引いた!!

 

「手札から氷結界の交霊師を特殊召喚!」

 

氷結界の交霊師 攻2200

 

「ほぉ〜、Lv7のモンスターですか〜」

 

「(調子狂うわね)このカードは相手のフィールドのカードが自分より4枚以上多い場合特殊召喚できる。さらに氷結界の舞姫を召喚!」

氷結界の舞姫 攻1700

 

「舞姫の効果!自分フィールドに《氷結界》と名のついたモンスターがいる時、手札の《氷結界》と名のついたモンスターを任意の枚数見せることで見せた枚数だけ相手フィールドのセットされたカードを手札に戻す!手札の氷結界の虎将 グルナードを見せて左側の伏せカードを手札に戻す!」

 

「(・・・・こっちですか〜。まぁ大丈夫でしょう〜)わかりました〜」

 

なんだったの今の間?・・・・・・・・素直に手札に戻ったしここは殴る一択ね。

 

「バトル!交霊師でベルグザークに攻撃!」

 

氷結界の交霊師 攻2200

コアキメイル・ベルグザーク 攻2000

 

手下2 LP 3500→3300

 

「続いて氷結界の舞姫でダイレクトアタック!」

 

「罠カード、ガード・ブロック〜。ダメージを0にたして1枚ドローします〜」

 

手下2 手札 2枚→3枚

 

・・・・・本当に頭が来るほど調子狂うわね。ここまで冷静なのが不思議だわ。

 

「バトルを終えて、トレード・インを発動!手札の氷結界の虎将 グルナードを墓地に送って2枚ドロー!」

 

響 手札 1枚→3枚

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 LP 4000 手札 1枚

【モンスターゾーン】

氷結界の交霊師 攻2200

氷結界の舞姫 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン〜」

 

手下2 手札 4枚

 

「私はモンスターをセット〜、カードを2枚セットしてエンドです〜」

 

 

手下2 LP 3300 手札 1枚

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

魔法・罠ゾーン

コア転送ユニット

伏せカード 2枚

 

 

何もしない?怪しいわね・・・・いくら交霊師のロックがかかっているとはいえ、魔法カード1枚で戦況はひっくり返るわよ。

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 2枚

 

じゃあ何が出来るのかって言われたらただ攻撃するしかないのよね・・・・・

 

「このままバトル!舞姫でセットモンスターに攻撃!」

 

舞姫が両手にもっている氷の円上のカッターみたいな物を飛ばしてセットされたカードを真っ二つにする。出てきたのは緑の壺の中に一つ目を覗かせたモンスターだった。

 

「メタモルポットのリバース効果〜。互いのプレイヤーは手札を全て捨てて5枚ドローします〜」

 

「(メタモルポット!?そんなカード入れていたの!?コアキメイルってそんなに手札消費激しかったの!?)」

 

お互いに手札を捨てて5枚ドローする。手札が少なかった私にもありがたいけど嫌な予感しかしないわね・・・・・

 

「交霊師でダイレクトアタック!」

 

「罠カード、聖なるバリア〜ミラーフォース〜です〜」

 

「げっ!?」

 

交霊師の攻撃がミラーフォースに反射されて、そのまま舞姫とともに飲み込み破壊される。さっきのカードミラーフォースだったの!?最悪・・・今の手札だと・・・・ダメージ覚悟でも温存ね。

 

「・・・このままターンエンド!」

 

響 LP 4000 手札 5枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン〜」

 

手下2 手札6枚

 

「永続魔法、コア転送ユニットの効果で手札のカードを墓地に送って、デッキからコアキメイルの鋼核を手札に加えます〜。コアキメイル・サンドマンを召喚〜」

 

コアキメイル・サンドマン 攻1900

「さらに魔法カード、二重召喚〜。これで私は2度目の召還権を得ます〜。コアキメイル・サンドマンをリリースしてコアキメイル・ルークロイドをアドバンス召還します〜」

 

コアキメイル・ルークロイド 攻2800

 

出たわけ上級モンスター・・・・・・って、リリースしたの1体だけ!?!?

 

「このモンスターは《コアキメイル》と名のついたモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できます〜」

 

あ〜・・・・・プリンセスみたいなものね。

 

「さらに〜、コアキメイル・ルークロイドは召喚した時〜、墓地の《コアキメイル》と名のついたカード1枚を除外して〜、相手フィールドのカード2枚を破壊します〜」

 

「げっ!?流石にそれは不味い!!リバースカードオープン!!和睦の使者!!」

 

「カウンター罠〜、鋼拡の輝き〜。手札の《コアキメイルの鋼核》を見せることで〜、相手が発動した魔法・罠の発動を無効にして破壊します〜」

 

「うそーーーーー!?!?!?」

 

相手が見せたコアキメイルの鋼核からエネルギーを貰った何かの装置が爆発して和睦の使者が破壊される。

 

「私が除外するのはコアキメイル・ドラゴ〜。最後の伏せカードを破壊します〜。バトル〜、コアキメイル・ルークロイドでダイレクトアタック〜」

 

響 LP 4000→1200

 

「ぐううううう!!!!!」

 

さ、流石に今の一撃は聞くわね・・・・・・思いっきり吹っ飛ばされたよ・・・・・

 

「これでエンド〜。エンドフェイズに私はコアキメイルの鋼核を墓地に送ってルークロイドを維持します〜」

 

 

手下2 LP 3300 手札 1枚

【モンスターゾーン】

コアキメイル・ルークロイド 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

コア転送ユニット

 

ふぅ・・・・・ちょっと息が整ったね。幸い、相手のメタモルポットのお陰で手札は十分だからここからまたひっくり返せば良いのね。

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

調整用で今回は氷結界を多めの構成にしておいて良かったわ!ヒーローが多かったらこのカード使えないからね!

 

「魔法カード、氷結界の三方陣!手札の《氷結界》のモンスターを3種類見せて相手フィールドのカード1枚を選択して破壊する!」

 

「ほぉ〜」

 

「私は氷結界の武士・風水師・ブリズドの3枚を見せて、コアキメイル・ルークロイドを破壊!」

 

ルークロイドの周りに武士・風水師・ブリズドの3体が現れて、氷の陣が浮かび上がる。何かの呪文を唱えると中心のルークロイドが一瞬にして氷で固まり、粉々に砕けてしまう。

 

「これはこれは〜、痛いですね〜」

 

「さらに手札から《氷結界》と名のついたモンスターを特殊召喚する!氷結界の武士を特殊召喚!」

 

氷結界の武士 攻1800

 

「さらにチューナーモンスター、氷結界の風水師を召喚!」

 

氷結界の風水師 攻800

 

「Lv4の氷結界の武士にLv3の風水師をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

私の後ろに大きな窓にオーロラが輝き、アイス・スプラッシュが窓を壊して入って私の横へと舞い降りてきた。

 

「アイス・スプラッシュの効果!シンクロ召喚時、相手の手札1枚をランダムに墓地に送る!」

 

「な、何ですと〜〜!!!!」

 

アイス・スプラッシュが口から水を吐き出して相手の唯一の手札を貫く。

 

「バトル!アイス・スプラッシュ!相手のそのふざけた態度を凍らせて!エターナル・アイスミラージュ!!」

 

手下2 LP 3300→800

 

や、やっと1000以下にしたよ・・・・次のターン、最悪効果を使って勝ちよ!

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 LP 1200 手札 1枚

【モンスターゾーン】

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

さっきから黙って・・・・・・・どうしたの?さっきのでやる気が無くなったの?まぁ無いと思うけどサレンダーしてくれたらこっちとしても早く済むんだけど・・・・・

 

「・・・・・くノ一と舐めてましたが〜、少しばかり痛い目をみないとダメみたいですね〜!!!」

 

!!!!あ、あいつ!!!何か目が狂い出した!?!?

 

「私のターン〜!!!!」

 

手下2 手札 1枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書〜!!互いのプレイヤーは3枚ドローする〜!!」

 

手札増やしてくれるのはこっちとしてもありがたいけど、嫌な予感しかしない・・・・

 

響 手札 1枚→4枚 手下2 手札 0枚→3枚

 

「魔法カード〜、コアキメイルの金剛核〜!!デッキからこのカード以外の《コアキメイル》と名のついたカードを手札に加える〜!!コアキメイル・マキシマムを手札に加える〜!!」

 

ま、マキシマム?・・・・・まさかさっきのルークロイドじゃなくてあれが切り札なの?

 

「さらに魔法カード〜、貪欲な壺〜!!墓地の5体のモンスターをデッキに戻してシャッフル〜!!」

 

デッキに戻したモンスター

・コアキメイル・ドラゴ

・コアキメイル・サンドマン

・コアキメイル・ルークロイド

・コアキメイル・ベルグザーク

・メタモルポッド

 

「そして2枚ドロー!!」

 

手下2 手札 2枚→4枚

 

一気に4枚も手札補充・・・・・って言ってもスバルほどじゃないけど・・・・・さぁ何が来るの?

 

「このカードは〜、手札のコアキメイルの鋼核を除外することで手札から特殊召喚できる〜!!現れろ〜、コアキメイル・マキシマム〜!!」

 

コアキメイル・マキシマム 攻3000

 

あいつの手札にあったコアキメイルの鋼核がゲームから除外されると、その除外された渦みたいな穴から骨のような白い手が伸びて鋼鉄の翼を持ったドラゴンが姿を現した。またコアキメイルの鋼核を引いたの!?ていうか何あのモンスター!?コアキメイルって特殊召喚持ちのモンスターなんていたの!?

 

「コアキメイル・マキシマムの効果〜!!相手フィールドのカード1枚を破壊する〜!!」

 

「はっ!?」

 

ノーコストで破壊!?インチキよ!!!

 

「その厄介なドラゴンを破壊〜!!メタルフォース〜!!」

 

マキシマムの周りに鋼の大砲が現れて、アイス・スプラッシュに照準を合わして発射される。

 

ドーーーーーーーン!!!!

 

「アイス・スプラッシュ!!!」

 

「これで〜、あのドラゴンは粉々です〜!!あなたも粉々にしてあげましょう〜!!バトル〜!!コアキメイル・マキシマムでダイレクトアタック〜!!」

 

「り、リバースカードオープン!!攻撃の無力化!!」

 

「ちっ・・・・1ターン生き延びましたか〜。カード1枚伏せてターンエンドです〜。エンドフェイズにコアキメイル・マキシマムのコストで手札のコアキメイル・パワーハンドを墓地に送ります〜」

 

 

手下2 手札 0枚 LP 800

【モンスターゾーン】

コアキメイル・マキシマム 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

コア転送ユニット

伏せカード 1枚

 

 

あ、危なかった・・・・・まさかノーコストで破壊出来るなんて思わなかった・・・・・でもこれで勝ちね。私のリバースカードはリビングデッドの呼び声。これでアイス・スプラッシュを蘇生して効果を使えばゲーム終了!!

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からアイス・スプラッシュを蘇生!」

 

私の前に大きな穴が開いて、アイス・スプラッシュがもう一度フィールドに現れてくる。

 

「アイス・スプラッシュの効果!自分フィールドの水属性モンスター1体のLv×200ポイントのダメージ「罠カード、デモンズ・チェーン!」なっ!?」

 

「これでそのドラゴンの行動を封じる!!」

 

シュルル・・・ガチャン!ガチャン!!

 

『グオオオ・・・・・』

 

「あ、アイス・スプラッシュ!!」

 

部屋の四方から伸びる鎖がアイス・スプラッシュにまとわりついて、アイス・スプラッシュの行動を封じる。マジで最悪!!しかもこんな時に限って手札が・・・・・

 

・氷結界の守護陣

・ブリザード・プリンセス

・氷結界の虎将 ライホウ

・融合

 

これどうしろと!?氷結界の守護陣を守備表示でだしてもモンスター引かれたら終了だし・・・・・・・・

 

「(あああ!!!!どうしろっと『落ち着けよ』!?だ、誰!?)」

 

手札を見て悩む私の脳内に声が響く。

 

『(おいおい・・・・・まぁ、初めて会うんだから分からないよな)』

 

「(あ、あなた誰よ!?何で私の頭の中に!?)」

 

『(良いから落ち着け・・・・慌てても何も生まれない・・・・むしろ相手にチャンスを与えてしまうぞ?)』

 

「(じゃあどうしろって言うのよ!?)」

 

『(深呼吸して・・・・目を潰れ・・・・・そして頭を整理しろ・・・・・そうすれば答えが観えてくる・・・)」

 

「(深呼吸・・・・・)スーハー・・・・・・・・」

 

頭に呼びかけてくる謎の声の言う通りに深呼吸して、目を潰り、頭の中を整理する・・・・・・・そうよ、まだ負けてない、深く考えたら私らしくない!!

 

『(そうだ・・・その目だ・・・・・・今こそ、宝玉の力を・・・・・)』

「(えっ?)うっ!!!」

 

「な、なんだ〜!?!?」

 

突然ポケットから何かが共鳴するように青く光る。私はポケットの中を探り、光り輝く物を突き止める。これって・・・・・・あの時の宝玉?

 

『(今こそお前に宝玉の力・・・・・サファイアの力を・・・・・・)』

 

パキーーーーン!!!!!

 

手に取っている宝玉は割れて、その宝玉の欠片から1枚のカードが出てくる。これは・・・・・・・・成る程、これなら勝てる!!

 

「チューナーモンスター、氷結界の守護陣を召喚!!」

氷結界の守護陣 攻200

 

「今更そんなモンスターを出したところで〜、意味などありません〜。むしろ〜、マキシマムの餌になるだけてす〜」

 

「いいや!!このカードが私の勝利へと導くカードよ!!」

 

手に持っている宝玉から生まれたカードを天高く突き上げる。新しく出来たカードはさっきの宝玉のように青く輝き始める。

 

「な、何ですか〜!?!?」

 

「Lv7のアイス・スプラッシュ・ドラゴンにLv3の氷結界の守護陣をチューニング!!」

 

☆7 + ☆3 = ☆10

 

氷結界の守護陣から出来た3つの輪にアイス・スプラッシュが入ると、先ほどから輝く青いカードと共鳴して、美しいオーロラが移り、神秘的な雪を降らす。

 

「サファイアの宝玉が輝きし時、水の龍が覚醒する。海に永久に続く流氷を導け!シンクロ召喚!!凍らせ!!水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン!!」

 

『・・・・・・・・・ギャアアアアアアアア!!!』

 

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン 攻2800

オーロラの中から一匹の龍の鳴き声がして、すごい速さで降りてくる。アイス・スプラッシュと凄く似ているが、鋼色だった身体が青く輝くサファイアのような身体になり、翼も立派になっている。そして、私の手の中で粉々になった宝石は再び小さな宝石として元通りになっている。

「なっ・・・・なっ・・・・・・」

 

「水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴンの効果!!シンクロ召喚成功時、相手フィールドのカード1枚をゲームから除外する!!」

 

「な、何ですと〜〜!?!?」

 

「対象はコアキメイル・マキシマム!!フローリングアイス!!」

 

サファイアからの冷たい冷気がコアキメイル・マキシマムを包み込み、カッチカチの氷漬けにする。その氷漬けにされたマキシマムが流氷のように何処かに流れていく。

 

「そ、そんな〜・・・・・わ、私が負けるだと〜・・・・」

 

「本当なら攻撃して終わりだけど、あんたのそのうざったい性格も氷漬けにしてやる!!水玉霊 サファイアのもう一つの効果発動!!このターンの攻撃を放棄して水属性モンスター1体のLv×300ポイントのダメージを相手に与える!!」

 

「な、なんですと〜〜!?!?」

 

「水玉霊 サファイアのレベルは10!3000のダメージを与える!!溶けない雪で永遠に眠りなさい!!アイス・フォール!!」

 

サファイア・ドラゴンが空へと登り、相手の上に大きな雲を作る。そこから大量の雪が落ちて来て、相手がどんどんと白くなっていく。

 

手下2 LP 800→0

 

 

WIN 響 LOS 手下2

 

 

 

「あ〜・・・・流石に疲れたわね・・・・・」

 

デュエルデスクを治して軽くストレッチをする。今回はそこまで長くはないけど、変にピリピリして疲れるデュエルだったわ。

 

「相手は・・・・・・うん、綺麗な雪だるまだね」

 

相手の方を見てみると、さっきまで立っていた場所に人型の雪だるまが出来ていた。まぁ・・・・・その内自然解凍するでしょう・・・・・・今は冬だけど・・・・・

 

「さて・・・・・さっさと上に行くか」

 

デュエルデスクを入れたカバンを背中に背負って、私は皆が待つ上へと目指す。




プリンセス「・・・・・・・・私の出番・・・・・・orw」←部屋の隅っこで「の」の字を書いている。

響「だって〜・・・・・あんなところで引いても出せなかったし・・・・・・(汗)」

プリンセス「そうだけど・・・・・・もうちょっとこう・・・ひねってくれたら・・・・・・」

響「・・・・・無理ね(汗)」

プリンセス「はぁ・・・・・・・・」

響「じゃあオリカ召喚行くよ。今回は水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン!!宝玉の一つ、サファイアから出たアイス・スプラッシュの進化よ!」


水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン ☆10 〈オリカ〉
水属性 ドラゴン族 攻2800 守2600
水属性チューナー+アイス・スプラッシュ・ドラゴン
「水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン」の③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。
②このカードのS召喚時に発動出来る。相手フィールド上のカード1枚をゲームから除外する。
③自分フィールド上に存在する水属性モンスター1体を選択し、そのモンスターのLv×300ポイントのダメージを与える。
この効果を使ったターン、自分は攻撃出来ない。
④このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「アイス・スプラッシュ・ドラゴン」を特殊召喚できる。


プリンセス「前回の光玉霊同様、シンクロ召喚でしか特殊召喚出来ない制約と、戦闘で破壊され墓地に送られたら、素材となったドラゴンを蘇生出来るよ」

響「ここからはサファイアのオリジナル!まずはフィールドカード1枚除外!これはありがたい!!」

プリンセス「何でもかんでも除外出来るからね・・・・前のアイス・スプラッシュといい、このカードといい・・・・・モデルがトリシューラってどうなのよ・・・・・」

響「で、もう一つ!!アイス・スプラッシュ名物のバーンが進化!!」

プリンセス「Lv×300のダメージ・・・・『100しか上がってないじゃん!!』だって?100も上がったんだよ!!」

響「これが200のままだったら2000バーンだけど、300になったから3000バーン!!しかも攻撃放棄したら毎ターン撃てる!!」

プリンセス「(今回は雪だるまの模様・・・・・・・)」

響「次はレミよ!【宝玉覚醒!!エメラルド・ドラゴン!!】」

プリンセス「次回もよろしくね〜」


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第76話 宝玉覚醒!!エメラルド・ドラゴン!!

最強カードの紹介〜〜。

響「前の話に私が出るべきでしょ」

順番ぐらい守ろうぜ。というかいきなり文句かよ。

響「だって話的に私がここでビシッと解説を」

じゃあ最強カードの紹介に行くぞ!!

響「話を逸らさないで!!」

今回は真紅眼の黒龍〈レッドアイズ・ブラックドラゴン〉!!初期のカードなのでファンの人も多いはず!!

響「☆7の通常モンスター、私から見ればブルーアイズの方が強いのにな・・・・・」

それ言っちゃダメだ。☆7の闇属性・ドラゴン族・通常モンスターということで、様々な恩恵を受けることが出来るぞ!七星の宝刀・銀龍の轟咆・王者の看破など・・・・・・

響「じゃあ第76話、デュエルスタート!!」



【*今回、相手は外人なので本来は片言な日本語にしようと全てカタカナ表記にしましたが、あまりにも見づらいので、日本語と簡単な英語を混ぜた形になりました。ご了承ください】


レミ side

 

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

レミ LP 4000 手下3 LP 4000

 

相手はなんか片言な言葉しか話せない外国人。多分途中で何を言ってくるのか分からなくなるから一瞬も油断出来ないわね。

 

「ドロー」

 

手下3 手札6枚

 

「ク、ククククク・・・・・・・」

 

最初のターンにドローしたカードを見て相手がいきなりクスクスと笑いだした。

 

「何笑ってるのよ。さっさとやりなさい」

 

「可哀想なgiriだ・・・・Meながらgoodな手札だよ・・・・。黒竜の雛を召喚!」

 

黒竜の雛 攻800

 

「こ、黒竜の雛!?」

 

相手が出してきたカードを見て驚いてしまう。確かあのカードって伝説のデュエリスト、城之内さんの切り札を呼ぶ・・・・・・

 

「黒竜の雛のeffect!このカードをリリースしてMeの手札から真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)をSpecial召喚します!」

 

真紅眼の黒竜 攻2400

 

黒竜の雛の卵にヒビが入り、雛自身が光り輝く。光が収まると、紅の目をした漆黒の龍が相手の後ろにいた。まさか本当にあの真紅眼の黒竜を持ってるだなんて・・・・

 

「フフフ、これこそがlegendカード、真紅眼の黒竜です!」

 

「だけど先行1ターン目だし、それに2400ならまだなんとかなるわよ!」

 

「マジックカード、黒炎弾!このターンのレッドアイズのattackを放棄してyouにレッドアイズの攻撃力のダメージを与えます!」

 

「なっ!?」

 

レッドアイズが口に大きな黒い球を作り、私に飛ばす。

 

レミ LP 4000→1600

 

「ぐうううう!!!!」

 

「1枚伏せてendで〜す」

 

 

手下3 LP 4000 手札 2枚

【モンスターゾーン】

真紅眼の黒竜 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「うっ・・・・グッ・・・・」

 

いててて・・・・・1ターン目から派手にやられたわね。黒炎弾とは予想外だった・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「魔法カード、調和の宝札!手札のドラグニティーファランクスを墓地に送って2枚ドロー!ドラグニティーレギオンを召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

「レギオンの効果!召喚時、墓地のLv3以下の《ドラグニティ》と名のついたドラゴン族モンスター1体をこのカードに装備する!ファランクスを装備!さらにレギオンのもう一つの効果!装備モンスターを墓地に送って相手のモンスター1体を破壊する!」

 

レギオンに付いたファランクスが突進してレッドアイズを破壊する。

 

「よし!」

 

「・・・・フフフ」

 

『・・・・ギャアアアア!!!!!!!』

 

「!?な、何でレッドアイズがいるのよ!?」

 

砂埃が収まる前に何かの雄叫びがあがり砂埃が完全に収まるとさっきレギオンの効果で破壊したはずだったレッドアイズが無事だった。

 

「トラップカード、レッドアイズ・スピリッツ!Meのcemetryから《レッドアイズ》モンスターをSpecial召喚します!」

 

「なっ!?」

 

そ、そこまでしてレッドアイズを残すのね・・・・・完全にキーカードね。しかし今の手札だとどうしようにも出来ないわね・・・・

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ LP 1600 手札 3枚

【モンスターゾーン】

ドラグニティーレギオン 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「ドロー」

 

手下3 手札 3枚

 

「マジックカード、龍の霊廟。デッキからドラゴン族モンスターをcemetryに送りま〜す。そしてそれがnormalモンスターだった場合、もう一体ドラゴン族モンスターをcemetryに置けます」

 

ようは条件付きの愚かな埋葬2回分ね・・・・・墓地肥やしが早いこと・・・・・

 

「Meが1回目に送るのはもちろん真紅眼の黒竜!normalモンスターだから2体目として真紅眼の飛竜(レッドアイズ・ワイバーン)をcemetryに送りま〜す」

 

っ、・・・・嫌なカードを墓地に送られたわね。これで2体目のレッドアイズを出す準備は万端なのね。

 

「ではattack phase!レッドアイズでその小さな鳥人間に攻撃!」

 

「ダメージは通さないわよ!リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

レミ 手札 3枚→4枚

 

「uum・・・・・無駄打ちでしたか。Meはこれでendで〜す。真紅眼の飛竜の効果は使いませ〜ん」

 

 

手下3 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

真紅眼の黒竜 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 5枚

 

で、こんな時に・・・・・竜の渓谷を持って来るカードが1枚も無いと・・・・・・ハァ・・・仕方ない。手札にドゥクスがあるみたいだし、こっちから行くか。

 

「魔法カード、おろかな埋葬!デッキからドラグニティーピルムを墓地に送る!そしてドラグニティードゥクスを通常召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果で墓地からファランクスを装備!そしてファランクスの効果で自身を特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

ファランクスとドゥクスが一つになって現れたのは私のデッキの軸となるシンクロモンスター、ヴァジュランダだ。

 

「ヴァジュランダの効果!シンクロ召喚時、墓地からLv3以下の《ドラグニティ》と名のつくドラゴン族モンスターをこのカードに装備する!もう一度ファランクスを装備!そして解除!Lv6のヴァジュランダにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

ファランクスが2つの輪になってその中にヴァジュランダが入ると私の上を中心に風が吹き荒れる。

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

吹き荒れる風が徐々に竜巻のように渦巻き、その中心となる目からフェザーが姿を現し、私の隣へと舞い降りてきた。

 

『今回は・・・・・なるほど、レッドアイズですか』

 

「そうよ。油断の隙もないかね。気を付けて倒すわよ」

 

『分かりました』

 

「何をしているのですか〜?Meのターンになったのですか?」

 

「そんな訳ないでしょ!フェザーはシンクロ召喚時、墓地のドラゴン族モンスターを任意枚数このカードに装備する!ファランクスとピルムを装備!さらにフェザーのもう一つの効果!墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻すことでフィールドのカード1枚を手札に戻す!」

 

「!?」

 

「墓地のドゥクスを戻してレッドアイズを手札に戻す!ウィンドセプション!」

 

フェザーが左手の刃を地面に突き出すとそこから竜巻が再びできて、レッドアイズがその中に巻き込まれて遥か彼方へと飛ばされていった。

 

「Nooooo!!! み、Meのレッドアイズが!!!」

 

「バトル!フェザーでダイレクトアタック!ストーム・ウィングブレイク!」

 

手下3 LP 4000→1200

 

これで形成逆転!!墓地のレッドアイズもフェザーの攻撃力には勝てない!

 

「カードを1枚伏せターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 1600

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

ドラグニティーファランクス 〈フェザー〉

ドラグニティーピルム 〈フェザー〉

 

 

「グヌヌ・・・Meをangryにさせた事を後悔させます!ドロー!」

 

手下3 手札 4枚

 

「速攻マジック、手札断殺!互いのplayerは手札を2枚捨てて2枚ドローします!」

 

手札断殺?手札抹殺じゃないの?あっちの方が手札交換としては優秀だと思うけど。たまたまこっちも2枚あったからあれだけど・・・・・

 

「マジックカード、死者蘇生!Meの墓地からレッドアイズを復活しま〜す!!」

 

「あんにゃ!?」

 

あいつの後ろに光の球が出てきて、光輝く。光ぎおさまるとさっき倒したはずのレッドアイズが姿を現した。あっちゃ〜・・・折角倒したのに・・・・・でもフェザーには及ばな『レミ様、それはフラグというものです』

 

「・・・・・あんた、いつその言葉を知ったの?」

 

『色々と』

 

「答えになってないわよ!!」

 

「Meはマジックカード、破天荒な風を発動!Meのレッドアイズの攻撃力をyouのend phaseまで1000ポイントUPします!」

 

真紅眼の黒龍 攻2400→3400

 

「うげっ!?」

 

『私の言った通り「そんなこと言ってる場合じゃない!!!!」

 

「バトル!レッドアイズでそのドラゴンに攻撃!黒炎弾!!」

 

真紅眼の黒龍 攻3400

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

レミ LP 1600→1000

 

「ぐうう!!!ふぇ、フェザーの効果!装備されているドラグニティーピルムを墓地に送ってこの戦闘では破壊されない!」

 

「Oh、なかなかタフなドラゴンですね〜。But!Meのレッドアイズにはかないません!!カードを伏せてendです!!そしてendphaseにcemetryの真紅眼の飛竜(レッドアイズ・ワイバーン)の効果発動!」

!!こ、ここで使ってくるの!?

 

「墓地のこのカードを除外してMeのcemetryから《レッドアイズ》と名のついたモンスターを特殊召喚しま〜す!Meがcemetryから特殊召喚するのはもちろん真紅眼の黒龍!!」

 

奴の前に穴が開き、幽霊とかした真紅眼の飛竜がレッドアイズを墓地から上げて何処かに飛んで行った。・・・・よく持ち上げたわね。

 

「Meはこれでターンエンドで〜す!」

 

「じゃあエンドフェイズに罠カード、針虫の巣窟!デッキトップ5枚を墓地に送る!」

 

 

・テラ・フォーミング

・調和の宝札

・ドラグニティアームズーミスティル

・ドラグニティーブランディストック

・ドラグニティーアキュリス

 

 

「(う〜ん・・・・・微妙ね)」

 

「では、endで〜す」

 

 

手下3 手札 0枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

真紅眼の黒龍 攻3400

真紅眼の黒龍 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

とりあえず、何であいつがあのタイミングでレッドアイズを出したからだね・・・・・やられるのが分かって出すということは次のターンに決めに来る。つまりあの伏せカードは何か妨害する奴ね。じゃあ無事に出来るかって言われると・・・・・・フリーチェーンだったら不味いわね・・・・・・

 

「考えてもしょうがない!!フェザーの効果発動!墓地のドラグニティードゥクスを戻して、その伏せカードを破壊する!」

 

これで安全に攻撃出来て「カウンタートラップ、リ・バウンド!」はっ!?

 

「このカードはfieldのカードが手札に戻る効果を発動した場合、その効果を無効にして相手の手札かfieldのカード1枚ずつ墓地に送ります!」

 

「なっ!?」

 

「Meはこの効果でyouのドラゴンを墓地に送りま〜す!」

 

相手の発動したカードにキョトンとしている間にフィールドに突風が吹き荒れてフェザーと私の手札のカード1枚を飛ばしていった。

 

「ふぇ、フェザー!!!」

 

「これでyouのドラゴンはお亡くなりになりました〜。youのドラゴンも墓地に送られたらfieldに残れませんしね〜」

 

「ぐっ・・・・・・モンスターをセットしてターンエンド」

 

真紅眼の黒龍 攻3400→2400

 

 

レミ 手札 2枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「ドロー!」

 

手下3 手札 1枚

 

「これでMeの勝ちが決まりで〜す!レッドアイズで伏せモンスターにattack!!」

 

レッドアイズが私の前にいる裏守備表示モンスターに攻撃をする。攻撃対象になったことで裏側にセットしたカード・・・・・・・ドラグニティーミリトゥムが膝を追った状態で姿を現した。壁となっていたミリトゥムもあっけなくレッドアイズの攻撃で黒焦げになってしまう。

 

「これでfinish!レッドアイズのattack!黒炎弾!!」

 

「終わるはずがないでしょ!!リバースカードオープン!鎖付きブーメラン!レッドアイズの攻撃を無効にして守備表示に変更する!」

 

真紅眼の黒龍 攻2400→守2000

 

あ、危なかった・・・・・攻撃無効カードと装備カードに出来るからという理由でこれを入れたけどそれが命拾いになったわけね・・・

 

「Oh・・・・これではこのターンにはfinish出来ませんね・・・・ではあまりやりたくはない手ではありますがマジックカード、馬の骨の対価。守備表示のレッドアイズを墓地に送り、2枚ドローします」

 

手下3 手札 0枚→2枚

 

「Uhmm・・・・・カードを2枚伏せてendで〜す」

 

 

手札3 手札 0枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

真紅眼の黒龍 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「このターンでは決めれませんでしたが、次のターンにはyouはgame overで〜す!!」

 

「そんなの!!まだ決まったわけじゃないでしょ!!」

 

「ではやってご覧さな〜い」

 

「当たり前でしょ!!ドロー!!」

 

レミ 手札 3枚

 

「来た!!ドラグニティードゥクスを召喚!!これで・・・・」

 

「カウンタートラップ、神の宣告!!MeのLPを半分にしてドゥクスの召喚を無効にします!!!」

 

手下3 LP 1200→600

 

ドゥクスが召喚されそうなところで上空から雷が落ちてドゥクスが黒焦げになり破壊される。

 

「ぐっ・・・・・だったら死者蘇生!!これで」

 

「カウンター罠、王者の看破!Lv7の以上の通常モンスターがいる時、相手の発動したマジック・トラップを無効にして破壊しま〜す!!」

 

「えっ・・・・・・・・」

 

死者蘇生のカードもレッドアイズの咆哮によって打ち消される。

「嘘・・・・・・・」

 

「フハハハハ!!!!今日のMeの運は付いてる!!まさかここで強力なカウンタートラップを2枚も引けるとは!!」

 

「・・・・・カードをセットしてターンエンド」

 

 

レミ 手札 0枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「では・・・・MeのFINAL TURN!!」

 

手下3 手札 1枚

 

「・・・・・フフフ・・・アハハハハ!!!!そうかそうか!!youの検討にこいつが褒めたいそうだ!!」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「Meはレッドアイズをリリース!!!いでよ最強の僕!!真紅眼の闇竜(レッドアイズ・ダークネスドラゴン)!!」

 

真紅眼の闇竜 攻2400

 

相手のレッドアイズが天へと登り暗く宝石のような輝きが放たれる。そこから出てきたのはレッドアイズよりもさらに身体が闇に染まった、鋼のような身体を持つレッドアイズだった。

 

「真紅眼の闇竜はcemetryのドラゴン族モンスターの数×300ポイント攻撃力がUPします!Meのcemetryには3体のドラゴン!!」

 

真紅眼の闇竜 攻2400→3300

 

「Finish!真紅眼の闇竜で攻撃!!」

 

「・・・・・・・・・リバースカードオープン!!!和睦の使者!!!!」

 

「What!?」

 

「まだ終わらないわよ!!!!このターンの戦闘ダメージを0にする!!!」

 

「Uhmm・・・・しかし、ただの時間稼ぎにしかなりませ〜ん!!!endで〜す!!!」

 

 

手下3 手札 0枚 LP 600

【モンスターゾーン】

真紅眼の闇竜 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

確かに私の手札は0枚、そしてフィールドも何もない・・・・・・・だけど!!

 

「(まだだよ!!!まだ終わらない!!!!!私にはスバルのようなチートドローや奏のような相手のリズムを狂わす戦法、響のロックや遊輝のような未知なカードを使ったデュエルなんてない!!!)」

 

元々、私は取り柄がなかった・・・・・・・・だけど皆に負けたくない!!!!そのためだけの努力だけはしてきたんだから!!!そして・・・・・・

 

「(諦めない事も知ったんだから!!!絶対に前に進む!!!!!!)」

 

『・・・・・いいぜ。お前のその熱い思い、受け取ったぜ』

 

「(!!!!だ、誰!?)」

 

『おいおい、お前の左ポケットにある奴の存在をもう忘れたのかよ)』

 

左ポケット?左ポケットに何か・・・・あっ・・・・・

一つの心当たりを求め私は左ポケットを探る。そして手に当たったものをポケットの中から出す。それは、試験前日にダイヤから渡された緑色に輝く宝石だった。・・・・・・・まさかこれから声?そんな馬鹿な話が『あるんだよ』だよね〜・・・・・・えっ?

 

「(え、ええええええ!?!?!?!?ほ、宝石が喋ったああああ!?!?!?)」

 

『俺は宝石じゃない』

 

「(じゃあ何!?どこからどう見ても宝石でしょうが!!!)」

 

『んな事はどうでも良いんだよ。俺はな、お前の熱い思いに惚れたんだ』

 

熱い・・・・・思い?

『お前の努力と諦めない気持ち!!俺のハートに火がついたぜ!!だからよ・・・・・』

 

「うっ!?」

 

「What!?何がおきてるのですか!?」

 

突然左手に持っていた宝石が緑色に輝きだす。

 

『お前に俺の力を授けるよ。エメラルドの力を・・・・・・・・』

 

緑色に輝いた宝石がピキピキという音を出しながらひび割れていく。光が収まり左手を開くと、粉々になった宝石の代わりに、1枚の白いカードが現れた。これは・・・・・・・・!!こ、これ・・・・・フェザーの・・・・・良し!!ここから逆転してみせるよ!!

 

「私のターン!ドロー!!」

 

レミ 手札 1枚

 

「(・・・・!!ここ一番で最高のカード!!)魔法カード、貪欲な壺!!墓地のフェザー・ヴァジュランダ・ミスティル・ドゥクス・レギオンの5枚を戻してシャッフル!!その後2枚ドロー!!」

 

レミ 手札 2枚

 

・・・・・・ようやく来たわ!!!

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!!」

 

「テラ・フォーミングだと!?」

 

「デッキからフィールド魔法1枚をサーチする!デッキからサーチするのは竜の渓谷!!そしてそのまま竜の渓谷を発動!!」

 

私達のフィールドが薄暗い事務所から夕日が指す渓谷へと変わる。

 

「竜の渓谷の効果により手札のカード1枚を捨ててデッキから《ドラグニティ》と名のついたLv4以下のモンスター1体を手札に加える!!ドゥクスを手札に加えてそのまま召喚!!そしてドゥクスの効果でファランクスを装備!!ファランクスの効果で解除!!Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「シンクロ召喚!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!!そしてヴァジュランダの効果でファランクスを装備!!ファランクスの効果で解除!!Lv6のヴァジュランダにLv2のファランクスをチューニング!!シンクロ召喚!!三たび現れろ!!フェザー・ウィング・ドラゴン!!」

 

ヴァジュランダとファランクスが一つになり、竜の渓谷の中心部で嵐が吹き荒れる。

 

「フェザーの効果!!!墓地に存在するファランクスを装備!!」

 

「グググ・・・・・(こ、このままではMeが負けてしまう!!)」

 

「そしてファランクスの効果!!解除!!」

 

「!?!?(か、解除!?な、何をする気ですか!?)」

 

バラバラになった宝石を握りしめ、左手を天に築き上げて私は宣言する。

 

「Lv8のフェザー・ウィング・ドラゴンにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!!」

 

「ちゅ、チューニング!?!?まだシンクロするのですか!?」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「エメラルドの宝玉が輝きし時、風の龍が覚醒する。大空の時の流れを取り戻せ!!シンクロ召喚!!吹き荒れろ!!風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000

・・・・・・ボ〜〜ン、ボ〜〜ン・・・・・・

 

フェザーとファランクスが一つになると、砕け散った宝石が再び輝き出す。一つになった光から大きな大きな時計へと変わり、針が12時を刺したところで知らせの合図がなる。その合図で時計が扉のように開き緑色の羽を大きく広げた龍が現れた。胸には懐中時計みたいな物をぶら下げ、フェザーのときにあった左手の刃はなくなり、代わりに腰に刀を入れる鞘が右側にあった。

 

「これが進化ね」

 

『そのようです。恐らく、レミ様自身にも何らかの力が・・・・』

 

「今はそんな事どうでも良いわよ!エメラルド・ドラゴンの効果!シンクロ召喚時、墓地のドラゴン族モンスターを好きな数だけこのカードに装備する!墓地のファランクス・アキュリス・ブランディストック・ヴァジュランダ、そしてフェザーの5体を装備!!」

 

エメラルドが雄叫びをあげると、地面から私が宣言したモンスターたちが現れてエメラルドの身体へと吸収されていく。

 

「エメラルドは装備したカードの枚数1枚につき100ポイント攻撃力がアップする!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000→3500

 

「グヌヌ・・・・(But、レッドアイズを倒してもMeのライフは残る!!とんだプレイングミスだな!!)」

 

「あんたに見せてあげるよ。エメラルドの力を!時間を現在から過去へ!!エメラルド・ドラゴンの効果発動!タイムリフレックス!!」

カチッ、カチッ・・・・

 

胸にかけていた懐中時計をフェザーが止める。それを合図に今まで動いていた鳥や埃、ネズミなどが止まる。

 

『時よ・・・・・過去へ・・・・・・・』

 

「な、何だ!?!?」

 

フェザーの合図で私達のいる渓谷の上空に夕日ではなく、何かの流れのような空間が出来る。前に前に進んでいた空間がゆっくりと逆向きになる。全てが逆向きに流れ出したことで、私とエメラルド、そして相手以外には異変が起こる。

 

「!!Meのレッドアイズが!!!!」

 

その流れに乗せられるかのように、レッドアイズの身体がどんどんと小さくなっていき、さらには生まれる前の卵のなかへと入っていく。周りの渓谷も人為的に作ったテントなどがなくなって行き、木が生えて森のように形成されていく。

 

「エメラルド・ドラゴンは装備されているカード1枚を墓地に送ることで、相手モンスター1体の効果を無効にして攻撃力と守備力を0にする!!」

 

「N,Noooooooo!!!!!!!」

 

真紅目の闇竜 攻3300→0

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3500→3400

 

時の流れが完全に止まる。竜の渓谷だった場所にはテントや人為的に建てた物がなくなり、森が生い茂り川が流れるような原始のような時代まで遡った。そして、レッドアイズも卵のすがたへと逆戻りした。

 

「Meのレッドアイズが・・・・・た、卵に・・・・・・」

 

「バトル!エメラルド・ドラゴンで真紅目の闇竜に攻撃!!時空・封殺斬!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3400

真紅眼の闇竜 攻0

 

手下3 LP 600→0

 

 

WIN レミ LOS 手下3

 

 

 

「ハァ・・・・疲れた・・・・・」

 

デュエルデスクを片付け粉々になった筈の宝石を左ポケットに直す。

 

「なんかいつもより疲れた・・・わね・・・・」

 

『まだ終わってませんよ。上には』

 

「そんな事忘れるはずがないでしょ。さて、リーダーの務め、スバルと遊輝達の手助けに行くわよ」

 

『分かりました』

 

気絶した外人を横目に、私はスバル達が待っている上の階へと進む。

 




レミ「こっちに来たの久しぶりに感じる・・・・・」

フェザー『それ以前にペースが落ちていますからね』

ファランクス『・・・・・・・・・・・・』

レミ「逃走中はともかく、スピンオフも突然書くなんて・・・・・遊輝が忙しそうにしてたわね。なんか異世界を行ったり来たりして、あれはあれで疲れるわね」

フェザー『ごもっともです』

レミ「じゃあ今回のオリカ紹介いくよ!!フェザーの進化、風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン!!」


風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン ☆10
風属性 ドラゴン族 攻3000 守1700
風属性チューナー+フェザー・ウィング・ドラゴン
「風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン」の④の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。
②このカードがS召喚に成功した時、墓地に存在するドラゴン族モンスターを任意の数だけ装備カードとしてこのカードに装備する。
③このカードの攻撃力はこのカードに装備されている装備カードの枚数×100ポイントアップする。
④このカードに装備されている装備カードを1枚墓地に送る事で、相手フィールド上の表側表示のモンスター1体の効果を無効にして攻撃力と守備力を0にする。この効果を使用したターン、このカード以外の自分フィールド上のモンスターは攻撃できない。
⑤このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する「フェザー・ウィング・ドラゴン」を特殊召喚できる。



フェザー『風の力に加えて、時間を操ることが出来るができます』

レミ「1つ目が墓地のドラゴン族装備、そして装備したカードの数だけ攻撃力が上がるよ!ただ、これだったら前の破壊耐性の方が良かった気もする・・・・・・」

フェザー『「これ以上破壊耐性付けたらヤバイ」って作者が言ってました』

レミ「まぁ・・・・次がやりすぎだからね・・・・・」

フェザー『装備カード1枚墓地に送り、そのターンは自身しか攻撃出来ない代わりに相手モンスター1体の効果を無効にして攻撃力を0にしますからね』

レミ「単純に考えたら5回のダイレクトアタックが簡単になるからね。しかもあの時、ブランディストックを装備していたから、2回攻撃も可能・・・・・恐ろしい・・・・・」

フェザー『次はスバルさんですね』

レミ「タイトルは【宝玉覚醒!!クリスタル・ドラゴン!!】次回もよろしくね」


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第77話 宝玉覚醒!!クリスタル・ドラゴン!!

いえーーーい!!!!最強カードの紹介!!ようやく改定作業のゴールが見えて来たぜ!!

奏「うるさい!!何でそんなに騒いでいるのよ!!」

テストも終わるし、やっと夏休みに入るんだよ!!

奏「だからって騒ぎ過ぎでしょ!!」

最強カードの紹介にいくぞ!!今回は暗黒の過労s、ゲフンゲフン。暗黒界の龍神 グラファだ!!

奏「☆8のモンスターだけど、フィールドにいる《暗黒界》モンスターを手札に戻す事で特殊召喚できるわ。ようはこのカードを早く墓地に送る必要があるわね」

そして暗黒界同様、手札から捨てられると強力な効果を発揮。フィールドのカード1枚を破壊できる!さらに相手の効果でハンデスされた時は相手の手札1枚をランダムにハンデス、そいつがモンスターなら自分フィールドに特殊召喚できるぞ!!

奏「まぁ・・・・・・過労死ね。何度もフィールドと墓地の往復を見かけるわ。本当にご苦労様です」

そして、このデュエルではシャドー・ミスト、ブレイズマン、ダーク・ロウとかは出てこないでご了承ください。

奏「久しぶりの77話、スタート!」


スバル side

 

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 間崎 LP 4000

 

「スバルっち!!こんな奴さっさと倒してよ!!」

 

「言われなくも分かってるさ!!」

 

「威勢だけは良いですね。ドローします」

 

間崎 手札 6枚

 

「ふむふむ、私はマジックカード、テラ・フォーミングを発動します。この効果でデッキから暗黒界の門を手札に加えます」

 

「げっ!?暗黒界!?」

 

「おや、その様子だと知っているようですね。ではではご期待通りにフィールド魔法、暗黒界の門を発動します」

 

奴の後ろに巨大な黒い門が現れる。おいちょっと待てよ・・・・・暗黒界ってはことはこの後ヤバいんじゃねえか・・・・・(汗)

 

「これによりフィールドの悪魔族モンスターの攻撃力と守備力は300ポイントアップします。マジックカード、暗黒界の取引。互いのプレイヤーは1枚ドローして手札を1枚捨てる。さぁ、ドローして手札を1枚捨ててください」

 

ほっ・・・・まだマシか・・・・ドローカードは・・・・・う〜ん、だったらこいつが墓地かな?

 

スバル

・E・HERO ザ・ヒート

 

間崎

・暗黒界の狩人 ブラウ

 

「私が捨てたカードは暗黒界の狩人 ブラウ。このカードが手札から捨てられた時、1枚ドローします」

 

間崎 手札 4枚→5枚

 

「さらにフィールド魔法、暗黒界の門の効果を発動。墓地の悪魔族モンスターをゲームから除外することで、手札の悪魔族モンスターを1枚捨ててカードを1枚ドローします。墓地のブラウを除外、手札のスノウを捨てて1枚ドロー。さらに手札から捨てられた暗黒界の術師 スノウの効果。デッキから《暗黒界》とついたカードを手札に加えます。フム・・・・・何を加えましょうかね」

 

何を加えられても俺が不味い事には変わりがねぇぞ・・・・手札抹殺が無かっただけまだマシだけど。

 

「フム、私は暗黒界の龍神 グラファを手札に加えましょうかね」

 

「いきなり切り札かよ・・・・・」

 

「流石に分かりますか。1ターン貴方にチャンスを与えましょう、カードを2枚伏せてエンドです」

 

 

間崎 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

暗黒界の門 (フィールド)

伏せカード 2枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

こりゃキツイな・・・・・何出してもグラファで破壊される事がほぼ決まっているからな・・・・・とりあえずドローしてからか。

 

「E・HERO バブルマンを守備表示で召喚!」

 

E・HERO バブルマン 守1200

 

「おやおや、威勢の良い割には守備表示ですか」

 

「どっからどう見ても攻撃を誘っているだろ!!バブルマンの効果!このカードの召喚時、フィールドにこのカード以外に何もない時2枚ドロー!」

 

スバル 手札 5枚→7枚

 

「(・・・行くしかないか!)魔法カード、融合!手札の」

 

「その融合にチェーンしてリバースカードオープン!トラップカード、闇の取引!」

 

「や、闇の取引?」

 

「このカードはライフを1000ポイント払うことで、相手が発動した通常魔法の効果を「相手はランダムに手札を1枚捨てる」というテキストに変える」

 

「はぁ!?」

 

間崎 LP 4000→3000

 

効果を変えるだと!?融合が出来ないどころか相手にチャンスをあたえてしまうじゃねぇか!!

 

「この場合、君が発動したので相手は私となる。よって私はランダムに手札を1枚捨てなければならない」

 

そう言ってあいつが手札を裏向きにして軽くシャッフルし、1枚のカードを墓地に捨てる。

 

「・・・・フフフ、墓地に捨てられたのは暗黒界の軍神 シルバ!このカードは手札から捨てられた時、手札から特殊召喚出来る!」

 

暗黒界の軍神 シルバ 攻/守 2300/1400→2600/1700

 

あいつの後ろにある門の扉が開き、そこからシルバが出てきた。

 

「さらにシルバが相手の効果によって捨てられた時、相手は手札2枚をデッキの下に送らなければならない」

 

「グッ、ハンデスかよ・・・・俺はこの2枚をデッキの下に戻す」

 

手札にあるスパークマンとエレメンタル・トリックをデッキの下に戻す。

今は大丈夫なカードだけどこれ後から響くぞ・・・・・・・

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO バブルマン 守1200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「私のターン」

 

間崎 手札 4枚

 

「フィールド魔法、暗黒界の門の効果発動。墓地のスノウをゲームから除外してグラファを捨てる。その後、1枚ドロー。墓地に捨てられたグラファの効果発動。私から見て左側のカードを破壊します」

 

「チェーンでその破壊される伏せカードオープン!ヒーローバリア!《E・HERO》が存在する時、相手の攻撃を1度だけ無効にする!」

 

破壊されるカードがこっちで良かったぜ・・・・・・もう一枚はヒーローシグナルだからな。

 

「おやおや・・・・・・では暗黒界の尖兵 ベージを召喚」

 

暗黒界の尖兵 ベージ 攻/守 1600/1300→1900/1600

「そしてフィールドのベージを手札に戻して墓地から暗黒界の龍神 グラファを特殊召喚!!」

 

暗黒界の龍神 グラファ 攻/守 2700/1800→3000/2100

 

再び門が開き、強い風が吹いてベージが吸い込まれる。そして風が吹き止むと門の中から大きな手が扉を掴むように開き漆黒の身体をした龍・・・・・・グラファが現れた。

 

「残念ながらこれ以上の展開が出来ないのでね。バトル!シルバでバブルマンを攻撃!」

 

「ヒーローバリアの効果でその攻撃は無効になるぜ!」

 

シルバがバブルマンに剣を振り下ろしたがその前にバリアが出来て攻撃を防がれる。

「そんな事分かっていますよ。グラファでバブルマンに攻撃!」

 

グラファの放たれた邪悪な光線によりバブルマンは破壊されてしまったが、その破壊された場所から光が放たれて月にHの文字が映る。

 

「リバースカードオープン!ヒーロー・シグナル!自分フィールドのモンスターが戦闘で破壊された時、デッキからLv4以下の《E・HERO》を特殊召喚する!E・HERO フォレストマンを召喚!」

 

E・HERO フォレストマン 守2000

 

「う〜む、モンスターを残してしまいましたか。カードを1枚伏せてエンドです」

 

 

間崎 手札 3枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

暗黒界の軍神 シルバ 攻2600

暗黒界の龍神 グラファ 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

暗黒界の門

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 3枚

 

「スタンバイフェイズにフォレストマンの効果でデッキから融合を手札に加えるぜ!メインフェイズに入って、魔法カード、アカシック・レコード!カードを2枚ドローするが、それがこのデュエル中にプレイしたカードならゲームから除外される!ドロー!!」

 

スバル 手札 3枚→5枚

 

・・・・・よし!行ける!

 

「引いたのはボルテックとミラクル・フュージョン!!そのまま手札に加えるぜ!!」

 

「ふん、随分運が良いんだな」

 

「運じゃないぜ!ちゃんとデッキを信じていたからだ!融合を発動!手札のボルテックとフィールドのフォレストマンを融合!現れろ!E・HERO ガイア!」

 

E・HERO ガイア 攻2200

 

「ガイアの効果!融合召喚成功時、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にしてその数値分だけガイアの攻撃力をアップさせる!対象はグラファ!」

 

暗黒界の龍神 グラファ 攻3000→1500

E・HERO ガイア 攻2200→3700

 

「チッ、余計なことを・・・・・・」

 

「まだまだ行くぞ!魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のボルテックとバブルマンを融合!現れろ光のヒーロー!!E・HERO The シャイニング!!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

ガイアの横に光が強く輝き始めて、シャイニングがその中から現れた。

 

「シャイニングは除外されている【E・HERO】の数×300ポイント攻撃力がアップする!!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

「バトルだ!ガイアでグラファに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!ダメージ・ダイエット!このターン、私が受けるダメージは半分になる!」

 

「関係ねぇ!!コンチネンタルハンマー!!」

 

E・HERO ガイア 攻3700

暗黒界の龍神 グラファ 攻 1500

間崎 LP 3000→1900

 

「シャイニングでシルバに攻撃!!オプティカルストーム!!」

E・HERO The シャイニング 攻3200

暗黒界の軍神 シルバ 攻2600

 

間崎 LP 1900→1600

 

「いいよスバルっち!!そのまま早くこいつをたおしちゃえ!!」

 

確かにそうなんだけど・・・・・・致命傷程度のダメージは与えたが、決められなかったのは少し不味いな・・・・・・・一度落ち着こう。今の奴の手札は3枚で伏せカードは1枚。手札の1枚はベージだな・・・・・俺の手札で伏せれそうなこいつぐらいか。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにガイアの攻撃力は元に戻る!」

 

 

スバル 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO ガイア 攻3550→2200

E・HERO The シャイニング 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン」

 

間崎 手札 4枚

 

「おや、良いカードを引きましたね・・・・・魔法カード、手札抹殺!」

 

「げっ!?」

 

「お互いに手札を全て捨てて、捨てた枚数分新たにドローします!」

 

マジかよ・・・・・・ここで手札抹殺はいたいな・・・・・・・何させるか分からないぞ・・・・

 

間崎 墓地に捨てたカード

・暗黒界の門

・暗黒界の尖兵 ベージ

・暗黒界の刺客 カーキ

 

スバル 墓地に捨てたカード

・E・HERO オーシャン

 

 

「墓地に捨てられたベージとカーキの効果発動!カーキの効果でシャイニングを破壊、そしてベージは再び特殊召喚する!」

 

墓地から霊のように出てきたカーキの突進によってシャイニングが破壊されてしまい、門の前にベージが再び現れた。

 

「ぐっ・・・・・・シャイニングの効果!墓地に送られた時、除外されている《E・HERO》2体を手札に戻す!ボルテックとバブルマンを手札に戻すぜ!」

 

「そんなカードを加えて何になるのかね?暗黒界の門の効果発動!墓地にあるカーキを除外して、手札のゴルドを捨ててドロー。そして捨てられたゴルドの効果発動!墓地から特殊召喚する!」

 

暗黒界の武神 ゴルド 攻/守 2300/1400→2600/1700

「さらにフィールドのベージを手札に戻して墓地のグラファを特殊召喚!!」

 

暗黒界の龍神 グラファ 攻/守 2700/1800→3000/2100

 

さっき出たばかりのベージが消えていき、再び門が開いてその中からグラファが出てくる。また出てきやがった・・・・・本当にうざいな・・・・・

 

「そして私はまだ通常召喚をしていませんね。暗黒界の尖兵 ベージをもう一度召喚しましょう」

 

暗黒界の尖兵 ベージ 攻/守 1600/1300→1900/1600

 

「これでバトルといきましょう。グラファでガイアに攻撃!」

 

暗黒界の龍神 グラファ 攻3000

E・HERO ガイア 攻2200

スバル LP 4000→3200

 

「ヤバイ!!スバルっちのフィールドががら空きに!!」

 

「続いてゴルドでのダイレクトアタック!!」

スバル LP 3200→600

 

「ぐうううううう!!!!!!!」

 

ゴルドの攻撃を手でクロスして受け止めただけなので、攻撃を殺せずに後ろまで飛ばさせれてしまう。

 

「これで終わりです!暗黒界の尖兵 ベージでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!ガードブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

スバル 手札 3枚→4枚

 

攻撃する順番がこれで助かったぜ・・・グラファを最後にしてたらこのカードを上手く使いこなせなかったぜ。

 

「いてててて・・・・リバースカードオープン!ショックドロー!このターンに受けたダメージ1000ポイントにつき1枚ドロー!合計3400だから3枚ドローするぜ!!」

 

スバル 手札 4枚→7枚

 

「しかし私が有利な事に変わりはない。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

 

間崎 手札 2枚 LP 1600

【モンスターゾーン】

暗黒界の武神 ゴルド 攻2600

暗黒界の龍神 グラファ 攻3000

暗黒界の尖兵 ベージ 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

暗黒界の門

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 8枚

 

・・・・・よっし!死者蘇生!!

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地のオーシャンを特殊召喚する!」

 

E・HERO オーシャン 攻1500

 

「さらにE・HERO マジカル・ウィッチを召喚!」

 

E・HERO マジカル・ウィッチ 攻1400

 

「マジカル・ウィッチは召喚に成功した時、このカード以外に《HERO》がいたらデッキから魔法カード1枚をサーチする!この効果でミラクル・フュージョンを持ってくるぜ!そして速攻魔法、マスク・チェンジ!オーシャンをリリースして変身!M・HERO ヴェイパー!」

 

M・HERO ヴェイパー 攻2400

 

「まだまだ行くぞ!!魔法カード、融合回収!墓地の融合と融合素材として使ったフォレストマンを手札に戻して、融合を発動!手札のフォレストマンとフィールドのマジカル・ウィッチで融合!現れろ闇のヒーロー!!E・HERO エスクリダオ!!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻2500

 

「エスクリダオは墓地の《E・HERO》の数だけ攻撃力が上がるけど、今は後回しだ。魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のオーシャンとマジカル・ウィッチで融合!現れろ最強のヒーロー!!E・HERO アブソルートZero!!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「そしてチューナーモンスター、E・HERO マッハ・ウィンドを特殊召喚!」

 

E・HERO マッハ・ウィンド 攻300

 

「☆6のヴェイパーに☆2のマッハ・ウィンドをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

2つの光の輪になったマッハ・ウィンドと6つの星となったヴェイパーが一つに集まり、大きな満月が光り輝く。その月光が映し出された地面から穴が開いてスピリット・ドラゴンが悠々と現れる。

 

「スピリット・ドラゴンの効果発動!墓地のヴェイパーを除外して、次の相手ターン終了時までヴェイパーの攻撃力の半分を吸収して、さらに同じ効果を得る!!スピリットドレイン!!」

 

「流石にその効果は見逃せませんね。チェーンでリバースカードオープン!禁じられた聖杯!モンスター1体を選び、ターン終了時まで攻撃力を400ポイント上げる代わりに効果を無効にします!」

 

「なっ!?」

 

「もちろんスピリット・ドラゴンを対象に発動!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→2600

 

スピリット・ドラゴンの上から大きな盃を持った天使が盃をひっくり返して中に入った酒みたいな物を被せ、スピリットはそれで酔ったような感じになってしまった。

 

「ぐっ・・・・・だけだエスクリダオの攻撃力は上昇させるぜ!」

 

E・HERO エスクリダオ 攻2500→3000

 

スピリット・ドラゴンを無効にされたのはキツイな・・・・・ここはZeroで特攻するべきだな。あまりやりたくない手だがこのまま放置していたら勝つチャンスを逃してしまうし返しのターンで確実に対処されるだろうからやろう。

 

「バトルだ!Zeroでゴルドに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!Zeroの攻撃を無効にする!」

 

Zeroの攻撃がゴルドの前に出来た渦によって吸収されてしまう。

「危ないところでしたね。Zeroで攻撃なんてされたら私が負けてしまうところでしたよ」

 

「ぐっ・・・・・カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 

スバル 手札 2枚 LP 600

【モンスターゾーン】

E・HERO エスクリダオ 攻3000

E・HERO アブソルートZero 攻2500

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2600→2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

間崎 手札 3枚

 

「・・・・・・どうやらこのターンで終われと言っているみたいですね。魔法カード、ライトニング・ボルテックス!」

 

「はぁ!?ライボル!?」

 

「手札のカード1枚をコストにしますが、相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊します!」

 

あいつが手札を捨てると俺のモンスター達の上空に大きな雷が落ちて俺の全てのモンスターを破壊していった。

 

「ッチ!Zeroの効果で相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「だが関係無い!私は暗黒界の策士 グリンを召喚!」

 

暗黒界の策士 グリン 攻300

 

「そしてグリンを手札に戻して、墓地から暗黒界の龍神 グラファを三たび特殊召喚!」

 

グリンが手札に帰り、門が開いてまたグラファが出てくる。正直、ゴキブリみたいな生命力だわ。

 

「さらに暗黒界の門の効果発動!墓地のベージを除外!手札なグリンを捨てて1枚ドロー!グリンの効果で貴様の最後の伏せカードを破壊する!」

 

「速攻魔法、クリボーを呼ぶ笛!デッキからハネクリボーを守備表示で特殊召喚!」

『クリクリーー!!』

 

ハネクリボー 守200

 

俺の横に相棒が出てきて、グラファの前に構える。

 

「チッ・・・・ゴキブリみたいに生命力が強いやつめ。バトルだ!!暗黒界の龍神 グラファでハネクリボーに攻撃!」

 

グラファが爪を大きく立てて、ハネクリボーを引っ掻くように攻撃、ハネクリボーは破壊されてしまう。

 

「(助かったぜ相棒、あとはこのまま見守ってくれよな)」

 

『(クリクリーー!)』

 

「本当にどこまでも鬱陶しいガキどもだ!カードを1枚伏せてターンエンド!(だが私が伏せたカードはミラーフォース!何が出てきてもこれで蹴散らしてみせる!)」

 

 

 

間崎 手札 0枚 LP 1600

【モンスターゾーン】

暗黒界の龍神 グラファ 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

暗黒界の門

伏せカード (ミラーフォース)

 

 

流石に今のは危なかった・・・・・相棒のお陰で何とか繋げることが出来たとはいえ今の手札はボルテックと弱者の贈り物の2枚。ボルテックを壁として伏せることはできるがあいつがモンスターを引いた時点で負けは決まる。

 

「(爺ちゃんも昔、こんな状況があったんだな・・・・・・)」

 

爺ちゃんの人生を何度か聞いたことがあったけど、丁度今みたいな状況かな?デュエルは楽しまなくちゃいけない。だが命を掛かっているような大事なデュエルではそんな事をするのを忘れてしまう・・・・・・・

 

「(こんな時こそ楽しまないとな!!どんな逆転劇があるのか、この1枚のドローで何が起きるのかっていうワクワクを賭けてみないとな!!)」

 

『(・・・・・・おい、デュエルで博打みたいち例えるな)』

 

「(?相棒、お前が喋ったのか?)」

 

『(クリクリ?)』

 

『俺だ俺。お前の胸ポケットに入れてあるクリスタルだ)』

 

クリスタル?そう言えばそんな物あったような・・・・・・ってうええええ!?!?!?宝石が喋ったあああ!?!?

 

『(いいから俺を外にだせ)』

 

俺は慌てて胸ポケットにずっと入れてあった宝石を取り出す。にしてもこいつが・・・・・声の主?

 

『(なんでお前はそんな風にドローとかで賭けようとするんだ。デュエルってのは将棋なんだよ、一手ずつ詰めていって勝利をもぎ取るんだ)」

 

「(お、おぅ・・・・・(え、偉い知的なんだな)(汗))」

 

『(・・・・でもお前のその楽しもうと言う考え、悪くないな)』

 

「(・・・・・当たり前だぜ!!デュエルは楽しまないとな面白くないだろ!!だからこのドローでどんな逆転があるのかワクワクするだろ!!)」

 

『(そうだな。デュエルはエンターティメント、皆が楽しむような事をしないといけないな。だから・・・・・・)』

 

「うっ!?」

 

「ぐっ!?な、何だ!?」

 

突然右手に持っていたクリスタルが光り輝き初めて、ピキピキと割れる音が聞こえてくる。

 

『(お前のそのワクワクってやつに俺は賭けるみるぜ。お前にクリスタルの力を授けるぜ・・・・・)』

 

パキーンと完全に割れた音が聞こえて輝いていた光が収まる。手のひらを開けるとそこには1枚の白色の枠のカードがあった。・・・・・・なるほど、本当にこのドローに賭けたんだな。だったら引いてみせるぜ、お前のワクワクを応えてみせてみるぜ!!

 

「俺の・・・・・ターーーーーン!!!!!!!」

 

スバル 手札 3枚

 

「・・・・・・・きたぜ、逆転の一手が!!!」

 

「ふん、何を嘘をついている。貴様のその3枚の手札で何が出来るんだ?」

 

「手札はな、1枚でもあれば無限の可能性が広がるんだぜ!俺はチューナーモンスター、E・HERO グランドマンを召喚!」

 

E・HERO グランドマン 攻100

俺の隣に頭がドリルのツノで出来た身体が茶色の人型のヒーローが現れた。

 

「ふん、威勢を張って出した割には攻撃力100の弱小モンスターじゃないか。そんなモンスター1体で何が出来るんだ?」

 

「弱いカードなんて1枚もないぜ!!こいつはな、墓地の融合またはシンクロモンスターとシンクロ召喚が出来るんだぜ!!」

 

「ぼ、墓地のモンスターとシンクロだと!?」

 

「俺は墓地に存在する☆8のE・HERO スピリット・ドラゴンに☆2のE・HERO グランドマンをチューニング!!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

墓地にいたスピリット・ドラゴンが星となり、グランドマンが生み出した2つの輪に入ると一つの光となる。俺は右手に持っているカードを天高く上げる。一緒に持っていた粉々になったクリスタルの破片が再び輝き初める。

 

「クリスタルの宝玉が輝きし時、地の龍が覚醒する。大地に眠る新緑の力を解放しろ!シンクロ召喚!!見参せよ!!地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン!!」

 

地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン 攻2500

・・・・・ピキ・・・・ピキピキ・・・・・・

 

一つとなった光が地面へと消えていった瞬間、地面が大きく揺れて俺と相手の間にピキピキと亀裂が走る。その亀裂がどんどんと大きくなっていき、その中から大きな咆哮とともに竜が飛び出てきた。

身体の翼や目・尻尾がクリスタルで出来ている。身体は一回り大きくなって、その竜の周りには大きなツルが2本、ヘビのようにうねうねと動いている。それでこいつの効果は・・・・・なるほどな。

 

「地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴンのシンクロ召喚成功時、ゲームから除外されている《HERO》モンスターを全て墓地に戻すぜ」

 

除外されている全てのヒーローが小さな光の球となって俺の墓地に吸い込まれていく。これであいつの効果も使えるな。

 

「グヌヌヌ・・・・・だが、そいつの攻撃力ではグラファは倒せないぞ!」

 

「心配するな、今越えてやるから!アース・ドラゴンの効果発動!!墓地にある《HERO》と名のついた融合モンスターの攻撃力と効果を次の相手ターンのエンドフェイズまでこのカードに加える!!」

 

「な、なんだと!?」

 

「俺が選択するのはM・HERO ヴェイパー!!いくぞ、ソウルエナジー・チャージ!!」

 

アース・ドラゴンの前にヴェイパーの霊みたいなものが出てきて、アース・ドラゴンの身体に吸収される。吸収し終えたアース・ドラゴンはさらに一回り大きくなり大きな咆哮をあげる。

 

『ギャアアアアアアアア!!!!!!!!!!』

 

地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン 攻2500→4900

 

「そ、そんな・・・・馬鹿な・・・・・(ミラーフォースを発動しても意味がないだと・・・・・)」

 

「バトルだ!!地玉霊 クリスタル・ドラゴンでグラファに攻撃!!エターナルエナジー・バースト!! 」

 

地面から生えてきた巨大な植物のツルからエネルギーを吸収して、貯めたエネルギーをグラファに向かって放つ。グラファも押し返そうと反撃をするが直ぐに押し返されてそのまま相手の方まで吹っ飛ばす。

「グアアアアアァァァァ!!!!!!!!!!!」

 

地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン 攻4900

暗黒界の龍神 グラファ 攻3000

間崎 LP 1600→0

 

WIN スバル LOS 間崎

 

 

 

「・・・・・・吹っ飛んで行きやがったな。まぁ、あいつのことはどうでも良いか。大丈夫か?」

 

「大丈夫大丈夫」

 

あいつはアース・ドラゴンの衝撃に耐えられなかったみたいで、そのまま壁を突き破って下に落ちたみたいだ。うん?命の問題?さっき下を確認して大丈夫と確信した。あいつが落ちた所、どうやら生ゴミとか粗大ゴミの収集場所だったみたいで、その上に落ちていたから命の心配はないだろう。

 

「よしOK、割と緩く結んでたな」

 

「ありがとうスバルッチ!」

 

「気にすんな。さてと・・・・・・あとは遊輝の助太刀だな」

 

「私も行くよ!やられてばっかじゃ悔しいし!!」

 

「足手まといな事になるなよ」

 

「大丈夫よ!」

 

縛られた茜を解放した後、俺たちは急いで上の階へと行く階段を見つけ駆け登る。遊輝・・・・・・勝てよ!!




スバル「・・・・・超絶遅かったな」

茜「半年も本編執筆してないって本当にどういう事よ」

【この当時、スランプのために一時投稿を中断していた】

ハネクリボー『クリクリクリ!!』

ケルキオン『・・・ムケイカク』

スバル「にしてもあいつ、何か変になったよな」

茜「そうそう、『常識に囚われちゃいけない』とか言って何か変なスキル身につけているし、一体何したんだろう遊輝っち」

スバル「まぁいいか。とりあえず今回のオリカ紹介、まずはE・HERO グランドマン」


E・HERO グランドマン ☆2 チューナー 《オリカ》
地属性 戦士族 攻 100 守 100
このカードは特殊召喚できない。
「E・HERO グランドマン」はデュエル中に1度しか使用できず、またこのカードを召喚ターン、自分はこのカードをS素材としたSモンスターのS召喚での特殊召喚しかできない。
①このカードをS素材とする場合、他のS素材モンスターは墓地の融合またはSモンスター1体でなければならない。その際、このカードとS素材にしたモンスターはゲームから除外する。



茜「このカードを召喚・特殊召喚したターンはこのカードをシンクロ素材としたシンクロ召喚でしか特殊召喚できない代わりに、墓地の融合モンスターかシンクロモンスター1体を素材としてシンクロ召喚ができるよ!」

スバル「後半一気に逆転出来るかも知れないからな。しかも効果を使えるって所がまた悪いぜ」

茜「ただし、デュエル中に1度しか効果を使えないよ。分かりにくいけどグランドマンのシンクロ素材の効果はルール効果だから、フィールドのモンスターをシンクロ素材には出来ないの。つまり、デッキには1枚しか入らないカードね。だから『デュエル中に1度しか使えない』とかいう特殊な効果になっているの」

茜「次にスバルっちのエースモンスターの進化、地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン」


地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン ☆10 《オリカ》
地属性 ドラゴン族 攻2500 守2400
戦士族チューナー+E・HERO スピリット・ドラゴン
「地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン」の③の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。
②このカードのS召喚成功時、ゲームから除外されている「HERO」と名のついたモンスターを全て墓地に戻す事ができる。
③墓地に存在する「HERO」と名のついた融合モンスターを選択して発動する。
次の相手のエンドフェイズ時まで、このカードの攻撃力はこの効果で選択したモンスターの攻撃力分アップして、同じ効果を得る。
④このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する「E・HERO スピリット・ドラゴン」を特殊召喚できる。



スバル「素材の縛りとS召喚しか特殊召喚できないという制約の代わりに、除外されている《HERO》全てを墓地に戻せる。これが地味に強い」

茜「ミラクル・フュージョンを放てたり、デッキ回収したり、何より除外されたカードを能動的に戻せるんだからね」

スバル「次の効果は単純に言えばスピリット・ドラゴンの上位交換。ただ、レミのドラゴンを見たらもうちょっと強くても良かったんじゃねぇかという・・・・」

茜「文句を言わない。これはこれでめちゃくちゃ強いんだからね。スバルっちの融合ヒーローはどれも攻撃力2000以上だから、最低でも4500以上で何かの効果持ち。青眼の究極龍もビックリの攻撃力になるよ」

スバル「次はやっと最終戦、遊輝が社長とデュエルをするぜ!」

茜「【究極進化! アマテラスとスサノオ降臨!】絶対パズドラの影響よね」

スバル「うちの作者はパズドラを高校2年の時に3ヶ月ほどやったきりだが、何故か人よりもパズドラに詳しいという謎の生命体だからな」

茜「『人のプレイを見てる方がやっている時よりも楽しい』とか言っていたわね。変な人だわ」

スバル「次回もよろしくな!」

ハネクリボー『クリクリ!!』

ケルキオン『・・・・・ヨロシク』


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第78話 究極進化!アマテラスとスサノオ降臨!

最強カードの紹介!!

祈「お、お久しぶりです」

海外編は休んでもらっている、祈で〜す。

祈「お、親に反対されました・・・・・」

普通に考えたら反対されるよな。年越しを海外、しかも子供だけで行くんだから。年越しの瞬間は?

祈「・・・・寝てました」

それが健全な小学生の態度だ。俺も小学生の頃は寝ていたし。高校辺りから年越しの瞬間を起きていたのは。

祈「そ、そうですか・・・・・・」

そろそろ行くぞ!今回は拷問車輪!

祈「永続罠の1枚で相手の攻撃と表示形式を止めるカードです」

おいこらそこ。「デモチェの方が強ぇじゃん」とか言ってないか?こいつにはスタンバイフェイズに500ポイントのバーンがあるんだぞ。だからロックデッキにはほぼ欲しいカードの1枚だな。(なお、確定で入れるとは言ってない)

祈「だ、第78話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

ドカーーーーーーーン!!!!!!!!!

 

「・・・・出たなクズ野郎」

 

「・・・・・・やはりここに来たのは君だったね」

 

ステンレスの扉を思いっきりぶち破って屋上へと飛び出す。夜のパリで季節も冬、風がビュービューと強く吹いて周りのにはかなり寒いだろうが今の俺には関係ねぇ。とにかくあいつの行動・態度に頭が沸騰しそうなほどキレている。全ての原因は俺の目の前に立っているあのクソ社長だ。

 

「君のおかけで会社は崩壊寸前だよ。用心棒達に君たちを来ないように頼んだはずなんだが」

 

「・・・・・その用心棒ってやらは今頃俺の仲間とデュエルしているところだ。俺はな、仲間達に託されたんだよ。お前をぶっ倒すと!!!」

 

「フン、ちょうどいい。私も非常に気分が悪くてね!!人1人を殺ろうとしたところだ!!」

 

俺とあのクソ社長がデュエルデスクを展開してデッキをセットする。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 立中 LP 4000

 

「先行貰うぜ!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

フム・・・・・・・あいつが何をしてくるか分からないし、派手に動くよりかは安全策で手札を温存したほうがいいな。

 

「ガガガマジシャンを召喚して、カード1枚セット。これでターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「私のターン、ドロー!」

 

立中 手札 6枚

 

「私は魔法カード、悪夢の鉄檻を発動!」

 

「ふぇっ?」

 

「これによりお互いのプレイヤー攻撃出来ず、君の2回目のエンドフェイズにこのカードは破壊される!」

 

予想外のカードに怠けそうな声を出してしまい、その間にも俺たちの周りに大きな鉄織が囲むように現れる。悪夢の鉄檻?こいつ、何をする気なんだ?

 

「さらに永続魔法、悪夢の拷問部屋を発動!!」

 

「・・・・はっ!?悪夢の拷問部屋!?」

 

「君が戦闘ダメージ以外でダメージを受けた時から、さらに300ポイントのダメージを与える!!」

 

俺の後ろに大掛かりな装置が出てきて、その装置の横に二人の悪魔のような奴らが出てきた。さらにいつのまにか俺の右足がその装置と鎖で結び付けられていた。こいつのデッキ・・・・・・まさかバーン!?

 

「カードを3枚伏せてプロミネンス・ドラゴンを守備表示で召喚してターンエンド。プロミネンス・ドラゴンは私のエンドフェイズ毎に500ポイントのダメージを相手に与える!」

 

プロミネンス・ドラゴンの吐いた火の玉が俺に襲いかかってくる。

 

「ぐうう!!!!!!」

 

『マ、マスター!』

 

遊輝 LP 4000→3500

 

「さらに永続魔法、悪夢の拷問部屋の効果により君はさらに300ポイントのダメージを食らってもらう!」

 

「ギャアアアアア!!!!!!」

 

遊輝 LP 3500→3200

 

さらに後ろにいた悪魔2人がプロミネンス・ドラゴンの効果ダメージを受けて膝を曲げてしまった俺に対して、容赦なく鞭で叩いてくる。

 

 

立中 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

プロミネンス・ドラゴン 守1000

【魔法・罠ゾーン】

悪夢の鉄檻

悪夢の拷問部屋

伏せカード 3枚

 

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・痛みが実体化してやがる・・・・・」

 

「気づいたようだね?私は既にサイコパワーを使っている。貴様にはたっぷりと痛い目にあって貰らわないといけないからな」

 

「タチ悪いぜ・・・・・ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

・・・・・・この手札だったら攻める方を選ぶな。

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、サイクロン!悪夢の鉄檻を破壊だ!」

 

フィールドにサイクロンが吹き荒れて、周りにあった大きな檻が破壊されていく。

 

「さらに魔法カード、ガガガボルト!お前の真ん中の伏せカードを破壊する!」

 

「チェーンで破壊される伏せカードオープン!永続罠、拷問車輪!さらにチェーンでリバースカードオープン!永続罠、宮廷のしきたり!」

 

「!?拷問車輪に宮廷のしきたりだと!?」

 

「宮廷のしきたりの効果により、このカード以外と永続罠の破壊は無効となる!そして拷問車輪はモンスター1体を選択して、攻撃を無効にして表示形式を変えることも出来ず、私のスタンバイフェイズ毎に500ポイントのダメージを与える!対象はそのマジシャンだ!」

 

ダイヤの後ろに突如として拷問車輪が出てきて、ダイヤを捕まえてセットされてしまう。両腕は伸ばされてしまい身動きも取れない。

 

『グッ・・・・・・・・・』

 

「大丈夫か!?」

 

『わ、私は大丈夫です・・・・・』

 

クソッ・・・・・・何とかしてあれを外してやらないといけないが宮廷のしきたりがウザいな・・・・

 

「君が発動したガガガボルトは宮廷のしきたりの効果で破壊されない。フフフ・・・・・ここはひとつ、思考を懲らそう(パチン)」

 

・・・・・ガチャン!!

 

「な、何だ!?」

 

突然地面から手錠付きの鎖が2本飛んできて、俺の両腕に取り付けられる。鎖は地面に刺さっていて、両腕にも若干の拘束をされた。

「貴様の腕に取り付けたものはただの手錠さ。ただし、そいつには高電圧の電流が流れる仕組みになっている」

 

「!?」

 

「君がダメージを受けた時にはその鎖から電流が伝わって君の身体へと流れるだろう」

 

「この野郎・・・・やることが汚ねぇぜ・・・・」

 

「フフフ・・・・・私の会社を大きくボロボロにしたのだからそれくらいは受けて貰わないと!!」

 

あの野郎・・・・・・・とことんムカつく奴だぜ!!

 

「(とりあえずあのプロミネンスだけでも破壊しにいこう)ドドドウォリアーを召喚!このカードは☆6だが、攻撃力を1800にすることで妥協召喚できる!」

 

ドドドウォリアー 攻2300→1800

 

「そしてガガガマジシャンの効果発動!Lvを1から8まで任意の数字に変更できる!」

「リバースカードオープン!罠カード、ブレイクスルー・スキル!ガガガマジシャンの効果を無効にする!」

 

「っ!!」

 

ガガガマジシャンの前に謎の腕が時空を突き破って捕まえる。拷問車輪で拘束されているのにその上からさらに拘束を掛けられた。う〜ん・・・・・・痛いな。しかし攻撃だけはしておかないと。

「バトル!ドドドウォリアーでプロミネンス・ドラゴンに攻撃!」

 

ドドドウォリアー 攻1800

プロミネンス・ドラゴン 守1000

 

「構いませんね。これくらいの犠牲など必要経費です」

 

「んのやろう・・・・カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 3200

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻1500

ドドドウォリアー 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「では、私のターン」

 

立中 手札 1枚

 

「そしてこのスタンバイフェイズ、永続罠、拷問車輪の効果で貴様は500ポイントのダメージだ!」

 

『グワアアア!!!!!!!』

 

「アアアア!!!!!!!」

 

遊輝 LP 3200→2700

 

「そして効果ダメージを与えたことで永続魔法、悪夢の拷問部屋の効果発動!さらに300ポイントのダメージだ!」

 

「ガアアアア!!!!!!!!」

 

遊輝 LP 2700→2400

 

拷問車輪が回転を始めダイヤが上の針に巻き込まれるかのように高速で回転をさせられる。俺は地面から流れてくる高電圧の電流が流れてきて、またしても膝を折ってしまう。そこに容赦なく後ろの2人が再び鞭を打ってきた。

 

「ゼェ・・・・ゼェ・・・・・ハァ・・・・・・・」

 

「まだ死なせはしませんよ?タップリと痛みを味わってから死んでもらいます」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・」

 

い、今のは・・・・やばかった・・・・・意識が少し飛びそうだったぜ・・・・・

 

「魔法カード、アカシック・レコード。デッキからカードを2枚ドロー、その代わりドローしたカードがこのデュエル中に使われていたらゲームから除外されます」

 

立中 手札 0枚→2枚

 

「・・・・フフフ、私が引いたカードはカードカー・Dと魔界の足枷!」

 

「ま・・・・魔界・・・・の足枷だと!?」

 

「装備魔法、魔界の足枷を貴様のマジシャンに装備!」

 

拷問車輪で固定されているダイヤの両足にさらに鉄輪が付けられる。鎖の先には大きな鉄の玉がある。

 

「装備モンスターの攻撃力と守備力は100になり、さらに装備モンスターのプレイヤーは私のスタンバイフェイズ毎に500ポイントのダメージを与える!」

 

ガガガマジシャン 攻/守 1500/1000→100/100

 

「カードカー・Dを召喚。そのまま効果発動!このカードをリリースして2枚ドロー、そしてエンドフェイズになる」

 

立中 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

悪夢の拷問部屋

拷問車輪 《ガガガマジシャン》

宮廷のしきたり

魔界の足枷 《ガガガマジシャン》

 

 

「(ハァ・・・・ハァ・・・・大丈夫かダイヤ?)」

 

『(わ、私は・・・・大丈夫です・・・・・そ、それよりもマスターの方が・・・・)』

 

「(心配するな。しかしあいつ、意図的にダイヤを狙っているのか?ドドドウォリアーじゃない辺り嫌らしいぜ)俺のターン、ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

「再びガガガマジシャンの効果発動!」

 

「手札からエフェクト・ヴェーラーの効果発動!ガガガマジシャンの効果をエンドフェイズまで無効にする!」

 

「オウフっ!?」

 

エフェクト・ヴェーラーが現れてダイヤにキスをして帰る。キスされたダイヤは照れたような表情になる。

 

「貴様のデッキのキーカードがそのモンスターってことくらいは知ってますよ。だから、貴様とそのモンスターにはたっぷりと痛めつけてやらなくちゃいけないからな!!」

 

「(やっぱりあいつ、意図的にやってるのか・・・・・)バトル!ドドドウォリアーでダイレクトアタック!」

 

立中 LP 4000→2200

 

伏せカードもなく、手札からの発動もないのかあいつ素直にドドドウォリアーの攻撃を受けた。

 

「(ダメージを食らったとはいえ・・・・・こっちが不利なのに変わりはない。それにこの伏せカードにこの手札、バーンじゃあまり意味ない攻撃反応型ばかりだからな・・・・・)ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 2400

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻100 《魔界の足枷》

ドドドウォリアー 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(フフフ・・・・少し痛みを上げましょうか)私のターン、ドロー」

 

立中 手札 2枚

 

「スタンバイフェイズに拷問車輪と魔界の足枷の両方の効果!500ポイントずつダメージを与える!」

 

『アアアアアアア!!!!!!!!!!』

 

「オワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

拷問車輪が回転、さらに魔界の足枷から流れてくる謎のエネルギーによってダイヤにもダメージが入り、俺も地面から流れてくる電流でダメージを受けてしまう。

 

遊輝 LP 2400→1900→1400

 

「ハァ・・・・ゼェ・・・・ハァ・・・・・(あ、あれは・・・・ヤバイ・・・・・・)」

 

ダメージを受けて膝をついてしまい、なかなか立つことが出来ない。

 

「さらに永続魔法、悪夢の拷問部屋の効果で300ポイントずつ、600ポイントのダメージだ!!」

 

背後に構えていた二人の悪魔みたいな奴らの手には巨大なハンマーみたいなものがあり、俺の足目掛けて振り被る。

 

「(ハァ・・・・ちょ、ちょっと・・・・待て・・・あれは)」

 

ガアアアアン!!!!!!!ガアアアアン!!!!!!!

 

「アアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

遊輝 LP 1400→1100→800

 

「アッ・・・・・・ガッ・・・・・」

 

振り下ろされたハンマーが俺の両足を思いっきり叩いた。その時はハンマーの音が大きすぎて分からなかったが、立ち上がろうとした瞬間に足に電撃が走ったような鋭く、そして重りを付けられたような痛みをズキズキと感じる。

「(ち、ちくしょう・・・・・・両足の骨が・・・・・・)」

 

「・・・・・チッ、悪運の強い奴め。カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 

立中 手札 1枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

悪夢の拷問部屋

拷問車輪 《ガガガマジシャン》

宮廷のしきたり

魔界の足枷 《ガガガマジシャン》

伏せカード 1枚

 

 

「ガッ・・・・・・グッ・・・・・・・・」

 

何とか足に鞭を入れて無理矢理でも立つ事は出来たが、正直いってバランスが取れない・・・・・・

 

『ハァ・・・・ハァ・・・・マ、マスター・・・・身体・・・・』

 

「(ゼェ・・・・ゼェ・・・・俺の事は良いから自分の心配をしろ)」

 

『し、しかし・・・・ハァ・・・さ、先ほどの音・・・・・』

 

「(き、気のせいだ・・・・ゼェ・・・・待ってろ、今すぐ解放してやる)俺の、ターン!!」

 

遊輝 手札 4枚

 

勢いよくドローしただけでも足の踏ん張りが利かずにフラついてしまう。・・・・・・!?あれ!?何でこんなカード入ってるの!?・・・・・あぁ、響とデュエルした時に入れたのか・・・・でもこいつ、この場面だと何とかなりそうだな・・・・

 

「ガ、ガガガマジシャンの効果発動!Lvを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

さ、三度目の正直でようやく効果が通ったぜ・・・・・とりあえずここはあいつに託す!

 

「Lv6のドドドウォリアーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラックホールから白い太陽が昇ってきて、徐々に変形していきホワイトが姿をあらわす。一瞬俺の方を向いたが直ぐに相手に睨みを利かす。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・(ホワイトなら破壊耐性を持っている。これで何とかなる!)バトルだ!ホワイトでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、拷問車輪!!」

 

「何だと!?」

 

ホワイトの攻撃の前にホワイトの上空から拷問車輪が降ってきて、ホワイトの動きを止める。

 

『ギャアアアア!!!!!!!アアアア!!!!』

 

「フッフッフッ・・・・・・逆転のつもりで出したドラゴンも拷問車輪の餌食になってしまったら意味がない・・・・次のターンに貴様は敗北する!!」

 

「ぐっ・・・・・ターンエンド・・・・・・」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 800

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

立中 手札 2枚

 

「これで貴様は終わりだ!!永続罠、拷問車輪の効果で500ポイントのダメージ!さらに永続魔法、悪夢の拷問部屋の効果で300ポイント、合計800ポイントのダメージだ!!」

 

ホワイトについてある拷問車輪が回転を始め、ホワイトが悲鳴に近い叫び声をあげてしまう。

 

『ギャアアアア!!!!!!!!!!!!』

 

「フハハハハ!!!!!!!これで私の勝ちだ!!!」

 

「・・・・・・・・ライフ見ろよ」

 

「なん・・・・・だと!?」

 

遊輝 LP 800→800

 

「どういうことだ!?何故ライフが減ってない!?」

 

「・・・・・・手札のハネワタの効果を発動した。こいつは手札から捨てることで、このターンに受ける効果ダメージは無効になる!」

 

驚嘆するあいつの前で俺はハネワタのカードを見せる。俺の前にハネワタの影が出てピョンピョンと跳ねる。響メタにピンポイントで刺したカードが役に立つとはな。しかし・・・・・・・ホワイトには痛い思いをさせてしまったことに変わりはないな・・・・・すまん。

 

『(ギャアアアア・・・・・・・・)』

 

「(・・・・・・もちろん!こんなクソ野郎に負けてたまるか!!)」

 

「チッ・・・・・それでも1ターン逃れたことにしか代わりがない。カードを1枚伏せてターンエンド(私が伏せたのは魔法の筒。次のターン、確実に攻めてくるところをこいつで吹っ飛ばす!!)」

 

 

立中 手札 1枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

悪夢の拷問部屋

拷問車輪 《対象なし》

宮廷のしきたり

拷問車輪 《ホワイト》

伏せカード 1枚

 

 

「(1回は防げたが・・・・・・問題はこの後なんだよな・・・・・どうやってあの拷問車輪を突破するか・・・あのカード、間違いなく攻撃無効系かモンスター破壊系だろうが・・・それ以前に・・・・)グッ・・・・・」

 

足の痛みに耐えられずに右足の膝を折ってしまう。さっきからズキズキとしてた両足の痛みがさらに酷くなっていく。正直言って、脚はもう・・・・・限界に近い・・・・・

 

「(持ってあと・・・・・3分ってところか・・・・3分であいつを倒す方法は・・・・)」

 

『(・・・・・・・汝)』

 

「(・・・・?なんだ今の声?)」

 

突然、脳に響くような感じで声が聞こえたので辺りをキョロキョロと見渡す。だけど、あのクソ野郎以外の姿が全く見えない。

「(・・・・気のせいか?)」

 

『(汝・・・・・我はここだ・・・・・)』

 

「(・・・・気のせいじゃねぇな。何処にいる?)」

 

『(汝の胸ポケットだ・・・・・)』

 

「(胸ポケット?)」

 

脳に響く声の言う通り、胸ポケットを探って手に握り出す。握っていたのは海外に来る前にダイヤから渡された赤い宝石だった。

 

「(もしかして・・・・お前か?)」

 

『(そうだ・・・・・汝、汝は脚の痛み程度で弱音を吐くほどなのか?)』

 

「(はっ?)」

 

『その程度でよくシークレットシグナーの長を務めていたな・・・・)』

 

「(おいちょっと待て、俺は長じゃねえぞ。なんかあいつらが勝手にリーダーにしただけだ)」

 

『(引き受けたのは汝だろ・・・・・汝は脚の痛みで音をあげるほど志が弱いのか?)』

 

「(・・・・・・・・・・)」

 

『(汝には帰りを持っている仲間・・・・・そして大事な人がいるのだろう?)』

 

「(・・・・・・・・・・・そうだな。いるぜ、大切な人が)」

 

『(なら汝のすることはたった一つ・・・・・・)』

 

「!!グッ!!」

 

「な、何だ!?」

 

『(汝は・・・・・勝たなきゃならない・・・・汝に託す・・・・ルビーと生命の力を・・・・)』

 

手に持っていた宝石が突然赤く光りだして、ピキピキと割れていく。そして、光が収まると割れてしまった宝石の代わりに2枚のカードが手に握られていた。

 

「(・・・・・・・なるほどね、お前は俺に託したと。足の痛みも若干引いてくれたようだな)」

 

「・・・・・どうやら何もなかったようだな。さぁ再開しよう・・・・・貴様への敗北へのカウントダウンを!!」

 

「勝手に敗北って決めつけるなよ・・・・・・・・いくぜ、シャイニングドロー!!!!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「(・・・・シャイニングドローって恐ろしいな!)魔法カード、手札抹殺!互いのプレイヤーは手札を全て捨てて、捨てた枚数分ドローする!」

 

遊輝 捨てたカード

・ガード・ブロック

・攻撃の無力化

・ハーフアン・ブレイク

 

 

立中 捨てたカード

・宮廷のしきたり

 

「(・・・・・来たぜ。お前の力、早速使わせてもらうぜ)ゴブリンドバーグを召喚!ゴブリンドバーグは召喚時、手札からLv4以下のモンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、ヴァイロン・プリズムを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

ヴァイロン・プリズム 攻1500

 

「Lv4のゴブリンドバーグにLv4のヴァイロン・プリズムをチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

ホワイトの隣に上空から漆黒の太陽が舞い降りてきて、徐々に変形していき今度はブラックが出てきた。

 

「今更そんなモンスター出して何になるんかね?」

 

「関係ねぇ・・・・・・これが俺の、俺たちの進化だ!!!!魔法カード、未来へと登りし太陽!!!」

 

俺とあいつのフィールドの真ん中にエクシーズ召喚時に出てくるブラック・ホールが巨大化して出てきて、周りの者を吸い込むかの如く、強烈な勢いで吸い込みを始めた。

 

「な、なんだ!?」

 

「自分フィールドにブラックとホワイトが存在してライフが1000以下の時、自分のフィールド・墓地のカードを全て除外して2体を究極進化させる!!!」

 

俺とあいつの中間地に出来たブラックホールが肥大化していき、俺のフィールド、そして墓地のカードを吸い込んでいき、最後に二つの太陽へと戻ったブラックとホワイトがブラックホールに消えていく。二つの太陽を飲み込んだ瞬間、大きな爆発が起きた。

 

「白銀の太陽と暗黒の太陽、二つが交わりし時、生命を生み出す太陽神へと生まれ変わる!!世界を希望の光に導け!!究極進化!!降臨せよ!!白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン!!暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン!!」

 

『・・・・・・ギャアアアアアアアア!!!!!!!』

 

『・・・・・・ガアアアアアアアア!!!!!!』

 

白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン 攻4000

暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン 攻4000

ブラックホールからさっき入った2つの白と黒の太陽よりもひと回り大きい太陽が出てきて、それぞれが変形を始めていく。白い太陽の方はCX化したホワイトのエンジン部分らしきものがさらに巨大化、炎で燃えており、身体も白と灰色・水色から白と青・赤の3色に変わった。黒い太陽はブラックの/バスターにあるエンジンが電気でバチバチと溜められており、黒・白・灰色から黒・青・黄色の3色に変わっている。2体ともかなりデカく、本当の神のように見えてくる。

 

「な、なんだ・・・・・このモンスターは・・・・」

 

「お前に教えるつもりはない。未来へと登りし太陽は使用後、ホワイトのオーバーレイ・ユニットとして下に加えられる」

 

白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン OVR 0→1

 

「ラスト!!ブラックでダイレクトアタック!!」

 

ブラックの背中にあるターボエンジンらしきものが活発に動きだして、勢いを付けたブレスが相手に放たれる。

 

「フハハハハ!!!!!リバースカードオープン!!罠カード、魔法の筒!!これで貴様の負け『バリーーーン!!!!』なっ!?」

 

ブラックの攻撃があいつの前に出てきた筒の中に入ったが、何事もなかったのように魔法の筒を貫通して攻撃を続けた。

 

「ブラックとホワイトはカード効果の対象にはならねぇ!!そのまま攻撃続行!!ブラック・サン・フルバースト!!」

 

 

立中 LP 2200→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 立中

 

「か、勝った・・・・・・・ハァ・・・・・」

 

デュエルが終わると俺の両手・両足を拘束していた手錠や鎖が外れ、そのまま両膝を地面に付いた。

 

「(足の骨が・・・・・・もうこれ以上は言うこと気かねぇか)」

 

「く、クソ・・・・・こんな所で・・・・・」

 

あのクソ社長は負けたショックなのか、向こうで勝手に膝を付いている。何かブツブツ言っているが聞き取る気力が残ってない。

 

「貴様のせいで・・・・貴様のせいで・・・・・」

 

「デュエルに負けたのはテメェの実力だ。これでこの会社も終わりだな」

 

「私は認めんぞ・・・・・こんな所で負けなんか・・・・・・」

 

そう言いながら何かのカードをデスクにセットする。社長の手にはサイコ・ソードらしき物体が見えてくる。・・・・・あれ、これ俺ヤバくね?

 

「死ねえええええ!!!!!!!」

 

「やられるのはお前だ!!!」

 

バコン!!!!!

 

社長が剣を持ちながら俺に向かって走ってきたところを何処から来たのか、スバルが横っ飛びで社長の顔面に蹴りを入れた。

 

「大丈夫遊輝っち!?」

 

後ろにはいつの間にか茜がいて、俺の身体を支えてくれてた。

 

「あ、あぁ・・・・なんとかな・・・・お前らいつの間に来たんだ?」

 

「ついさっきよ。丁度、遊輝っちが勝ったところで屋上に付いたのよ」

 

「ガハッ・・・・ゴホッ・・・・・・」

 

「もうお前は終わりだぜ。下に茜の母さんが呼んだ警察が控えているぜ」

 

「なん・・・・だと・・・・」

 

「何だっけ・・・・・誘拐・強盗・殺人未遂とか色んな罪があったとか言ってたような言ってなかったような・・・・」

 

「はっきりせぇや・・・・・」

 

髪の毛をポリホリと書きながらうやうやに答えるスバルに思わず突っ込んでしまった。そのあと直ぐに警察官が来て、あの社長を連行して行った。

 

「・・・・・ハァ〜〜、これで終わったか」

 

「やれやれだぜ・・・・・で、お前はどうするんだ?」

 

スバルが俺の右手を肩に掛けて立たせてくれる。

 

「?どうするってどういうことだ?」

 

「1人で歩けるのか?それとも補助が必要なのかってこと」

 

「あ〜あ・・・・ごめん、補助が必要。あと強烈に眠気が襲ってきた」

 

「無理も無いよね。両足の骨が折れているよ遊輝っち。おまけにあの社長に散々やられたのでしょう?」

 

「散々ではないが・・・・・酷い目にはあったな」

 

「とりあえず寝たいなら寝とけよ。俺たちで運ぶから。後処理も茜の母さんが引き受けてくれるみたいだし」

 

「すまん・・・・・」

 

スバルに体重を掛けて俺を重くなった瞼を閉じる。




遊輝「・・・・・・・・・・・」

魔理沙「よっ!久しぶりだぜ!」

フラン「お兄様!!!」

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪

遊輝「作者待てやこらあああ!!!!なんでここに魔理沙とフランがいるんだよ!!!!!」

だってお前、本編だと重症で寝ているんだぜ?で、こっちのメインキャラが遊輝のオリカ紹介ってのも可笑しいし。

魔理沙「それで呼ばれたぜ!!」

フラン「この人がお兄様に合わせてくれるって言ってくれたから魔理沙に付いてきたの!!」

遊輝「おかしいでしょ!?俺、ピンピンしてるのになんで呼んだの!?」

今回の内容、今までの4戦よりも薄く感じたから後書きで少し厚くしようと思った。あとはノリだ!(キリッ)じゃあ、そういうことで〜〜。

遊輝「ノリじゃねぇよ!!!逃げるな!!!!!」

魔理沙「細かいことは気にするな!!」

フラン「私はお兄様とお喋り出来たら何でもいいよ♪」

遊輝「(・・・・あとで覚えてろよ・・・・・・)」

魔理沙「というわけで今回の後書きは私、霧雨魔理沙と!」

フラン「フランドール・スカーレットがお送りします!!」

遊輝「ハァ・・・・・・・」

魔理沙「今回の相手、あんなデッキあるんだな〜〜」

フラン「私でもあれはちょっと嫌だな・・・・」

遊輝「あれはまだ優しいよ・・・・あのデッキの高速バージョンで対策無しで当たってたらマジで殺られてたわ」

魔理沙「あんなのを高速で殺られてたら顔がポカーンとしてしまいそうたぜ」

フラン「じゃあ今回ではお兄様のオリカの紹介!まずは白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン!」




白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン ★12
光属性 ドラゴン族 攻4000 守4000
光属性☆12モンスター×5
自分フィールド上に「暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン」が存在しない場合、このカードの②③④の効果は無効になる。
①このカードはX召喚及び「未来へと登りし太陽」の効果でしか特殊召喚出来ない。
②このカードは魔法・罠・モンスター効果の対象にはならず、カード効果では破壊されない。
③このカードの特殊召喚成功時、このカードと「暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン」以外の表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする。
④このカードにX素材が存在する場合、このカードは以下の効果を得る。
・このカードがフィールド上に存在する限り、相手は1ターンに1度しか魔法・罠・効果モンスターの効果を使用できない。
・このカードがフィールド上に存在する限り、相手は1ターンに1度しかモンスターを召喚・特殊召喚・反転召喚できない。





魔理沙「光属性☆12モンスターを5体も素材とか、重すぎるだろこのカード」

遊輝「一応、現状のモンスターで5体以上いるにはいるんだが、物理的に出せないし、出したところで相方がいないとただの4000の攻撃力を持ったモンスターだからな。後で紹介する専用魔法カードで出さないと無理」

フラン「でも効果は凄いよね。カードの対象にもならなくて破壊されず、相手の行動を凄い制限しているよね」

遊輝「そこは素直に強いと思う。相手が対象するモンスターを出そうと思うと、その準備段階、またはそれだけで行動が終わってしまうからね」

魔理沙「次は暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴンだぜ!」



暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン ☆12
闇属性 ドラゴン族 攻4000 守4000
闇属性チューナー2体+闇属性モンスター3体
自分フィールド上に「白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン」が存在しない場合、このカードの②③④の効果は無効になる。
①このカードはS召喚及び「未来へと登りし太陽」の効果でしか特殊召喚出来ない。
②このカードは魔法・罠・モンスター効果の対象にならず、カード効果では破壊されない。
③このカードは1ターンに2度まで攻撃することが出来る。
④このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力または守備力の高い方のダメージを相手に与える。



フラン「さっきのホワイトと違ってこっちは攻撃的な効果ね」

遊輝「作者曰く、2枚共ロマンカードにしようとした時、『矛のブラック・盾のホワイト』をイメージして作ったんだって」

魔理沙「2回攻撃にバーンか。最低でも4000の2回だから8000。ゲームエンドには持っていけるぜ」

遊輝「ただ、これもホワイトと一緒で相方がいないとただの4000のモンスターなんだけどね。こっちの方がまだ出しやすいと思われるから、2体にはこんな縛りをつけたんだ」

フラン「最後はこの2体を出す専用カード、未来へと登りし太陽!」


未来へと登りし太陽 通常魔法
このカードの発動に対して魔法・罠・モンスター効果は発動できない。
①自分フィールド上に「ホワイト・サン・ドラゴン」と「ブラック・サン・ドラゴン」が存在して、自分のライフポイントが1000ポイント以下の時のみ発動できる。
自分のフィールド・墓地のカードを全てゲームから除外して、自分のエクストラデッキから「白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン」と「暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン」2体を特殊召喚する。その後、このカードを「白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン」のエクシーズ素材として下に重ねる。





魔理沙「条件は少し厳しいけど、使ったらあの2体が出てほぼ勝ちだぜ」

【これ考えた当時、エア・フォースなんてカード無かったんや・・・・・(汗)】

遊輝「超融合と一緒で使ったらチェーン出来ない。これはありがたい」

フラン「どうして?」

遊輝「これ発動して無効化にされた時のショックが大きすぎる・・・・ライフ1000以下だから次のターンに何かされたら死ぬし。ただ・・・・」

フラン「ただ?」

遊輝「じつはこの2体をこの話で出す必要があった「遊輝、多分それは言ってはいけないとおもうぜ」お、おう・・・・・(汗)」

魔理沙「さて次回は・・・・・・・遊輝の愛の告白だぜ〜〜(ニヤニヤ)」

遊輝「!!!!!!////////」

フラン「お兄様顔真っ赤〜〜」

遊輝「///////う、うう・・・・・・・」

魔理沙「次回、【遊輝、決断の時 】」

フラン「次回もよろしくね♪」


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第79話 遊輝、決断の時

今回はデュエルが無いのでカードの紹介はありません。

で、今回は告白するんですが・・・・・・彼女いない歴史=実年齢の私にとって、こういう描写を描くのは初めて。告白の仕方とか良く分からないまま執筆してしまいました。話の工程が出来ても台詞に悩んでしまって時間がかかってしまった。これで良いのかな・・・・・


遊輝 side

 

 

「ん・・・・んん・・・・・ふわぁ・・・・」

 

瞼を開けて上半身を起こすと、目の前にタンスやら色んな家財道具があった。

 

「ここは・・・・・・部屋に戻ったのか」

 

『主、大丈夫ですか?』

 

精霊状態で擬人化したプラチナがベッドの横で座っていた。

「何とかな・・・・・・足の方も大丈夫か。ダイヤとホワイトの様子は?」

 

『ダイヤはところどころ深い傷はありますが主ほど重症ではないです。ホワイトは擦り傷程度です』

 

「そうか・・・・・・とりあえずよかったと言っておくべきだな」

 

「遊輝っち〜、入るよ〜〜」

 

ノックする音と共に茜が扉を開けて部屋に入ってきた。その手には何やら器を乗せたお盆がある。

 

「大丈夫?あれから半日たったけど」

 

「半日?半日なら大丈夫かな」

 

「何が大丈夫なのよ。両足の骨が折れているのよ」

 

「もう治った」

 

「何を根拠にそんな事言ってるのよ」

 

「いや、ちゃんと見ろよ」

 

布団から右足だけだして茜に見せる。横のタンスの上にお盆を置いて茜は俺の足を観察するように見てくる。

 

「・・・・・何で治ってるの?」

 

「骨折が一晩で治るのは普通だろ」

 

「普通じゃない。とりあえずこれお粥、龍可っちが作ってくれたわ」

 

茜から渡されたお盆を受け取って、それを目の前に起き器を持ってスプーンでお粥を一口救い口に入れる。

 

「うん、美味しい。やっぱ龍可って料理作るの上手いな」

 

「それなら良かった」

 

「そう言えばあの会社どうなったんだ?」

 

「勿論潰れたわ。今頃、ニュース番組で大騒ぎになっているところよ」

 

まぁそうだよな、あんなブラック企業を散々野放しにしていたんだから。警察やら政府やらは対応に追われるだろうな。

 

「あそこにいた人等も今は入院中だけど、何人かはちょっと不味い状態ね」

「そこまでは間に合わなかったか・・・・・」

 

「そんな事より遊輝っち」

 

「ん?何だ?」

 

「いつ龍可っちに告るの?」

 

「ブーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

「きゃああ!!!!汚い!!!!!!」

 

茜に言われた一言にびっくりしてしまってお粥を吐き出してしまった。横にいた茜が直ぐに雑巾を持ってきて吐き出してしまったお粥を代わりに吹いてくれる。

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・」

 

「何してるのよ!!」

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・い、いきなり変な事いうな!!!/////」

 

「それよりこれどうするのよこれ!!」

 

「と、とりあえず拭いて拭いて」

 

俺も茜から雑巾を貰ってベッドからでて零してしまったお粥を拭く。かなり遠くまで飛んでしまったらしく、ベッドのはんたいがわにある扉にも多少ついてしまっている。

「あ〜あ・・・・折角龍可に作ってもらったのに、悪い事したな・・・・・」

 

「また龍可っちの所を強調したわね。そんなに龍可っちの事を意識しているの?」

 

「//////い、いや・・・・・これは・・・・・その・・・・」

 

「・・・・・・そこまで意識しているなら告れば良いのに」

 

「////////で、でも・・・・・失敗した時の雰囲気が気まずくて・・・・」

 

「この前も言ったでしょ?龍可っちも遊輝っちを意識しているって。二人は両思いなのよ」

 

「////////・・・・・・・・・・」

 

「そんなにモヤモヤするんだったら早めに言った方が良いわよ。正直、そのままだったら日常生活にも影響があるよ」

 

「//////・・・・・・・・・」

 

「男でしょ!!覚悟を決めて!!」

 

「//////う、うん・・・・・言ってみる・・・・・」

 

「そう・・・・・・というわけでカモ〜〜ン!!!!」

 

「へっ?」

 

「う、うわっ!!!」

 

ドンッ!!!!!

 

茜が扉を開けると何故か龍可が倒れながら部屋に入ってきた。

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

「私知ってたんだからね〜〜、龍可っちが扉越しで遊輝っちの話を聞いてた事を〜(ニヤニヤ)」」

 

「/////////な、何でそんな事を!?」

 

「じゃあ私は抜けるからお二人さんで話を付けてね〜〜(ニヤニヤ)」

 

まだ顔をニヤニヤしながら茜が部屋から出てそっと扉を閉めていく。俺と龍可は亜然としたままでお互いに何を言えばいいのな分からない状態だ。

 

「あ、えっと・・・・・・・・ど、どこから聞いてたの?」

「・・・・・・・わ、割と最初の方から・・・・・」

 

「そ、そう・・・・・・・」

 

これはもう・・・・・・・・覚悟を決めるか・・・・・・・

 

「あ、あのな龍可・・・・・・・」

 

「な、何?」

 

「お、俺、龍可のことが・・・・・・・・すk「待って」?何?」

 

俺が告白をしようとしたところで龍可が俺の口を人差し指を立てて喋らないようにする。そしてベッドの上に乗って俺の方へと近づき・・・・・・

 

「!!!!!!ムムム!!!!(ちょ、ちょっと龍可!?)」

 

いきなり唇を俺の唇に付けた・・・・・・・・いわゆるキスである。ビックリして一旦離れようとしたけど、後頭部を抑えられてしまい離れることができない。

 

「・・・・・・・」

 

「ゴホッ!ゴホッ!い、息が・・・・・」

 

「・・・・・・これが私の気持ち」

 

咳き込む俺をよそにして龍可が俺の身体に抱きついてきた。

 

「私、遊輝が好きだったの。初めて会ってから1ヶ月ちょっとで自然と貴方に惹かれてしまったの」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「最初は私も分からなかった。モヤモヤとした気分だなって思っていた。でもフォーチュン・カップで遊輝が傷つく姿を見て私は心を傷めた、そして分かったんだ・・・・・・・遊輝が好きだって」

 

「龍可・・・・・・・・・」

 

自然と俺は両手を龍可の頭に回して抱え込むような体勢になっている。龍可がこんな想いをしていたのに俺はずっと気づかずにいたんだ・・・・・

 

「・・・・遅くなってごめん、だけどこの言葉だけは俺から先に言わしてくれ」

 

「うん・・・・・」

 

一度、龍可から離れて同じ目線になる。

 

「俺は・・・・・龍可の事が好きだ。龍可のいない世界は考えられない。だから・・・・・・俺と付き合ってください」

 

「はい!喜んで!」

 

「オワッ!!」

 

俺の告白の台詞に肯定のサインを言ってくれた龍可はそのまま直ぐに俺の胸に飛び込んだ。反動でベッドに横向きになってしまったが龍可を受け止めるにはむしろありがたいぐらいだった。

 

「それでね遊輝・・・・・」

 

「ん?何?」

 

「私たち付き合う事になったんだし・・・・・・・ね?」

 

「・・・・・・・分かったよ」

 

龍可の意図を読み取った俺はもう一度龍可の身体に両腕を回して抱きつけるような体勢をとる。そして左手で頭を少し抑えて、俺の口と龍可の口を合わせる。

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・プハッ、好きだよ・・・・遊輝」

 

「俺もだよ、龍可・・・・・・・」

 

俺と龍可はもう一度抱き合う。これで・・・・・・・良かったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

何か視線を感じるから扉を方へと目を向けるとレミ達が少し扉を開けてこっちを見ていた。龍亞に至ってはビデオカメラでこっちを覗いている。

 

「いや〜・・・・・・お二人さん、アツアツだね(ニヤニヤ)」

 

「・・・・・・・もしかして、見てた?」

 

「もちろん!最初から全部見てたよ!!」

 

「『龍可のいない世界は考えられない。だから・・・・・俺と付き合ってください』だって!!!カッケェェェェ!!!!!!」

 

「龍亞っちのビデオカメラにちゃんと愛の告白を保存しておいたわよ!後で皆にばら撒くから」

 

「・・・・・・・ウガアアアア!!!!!!!そのビデオカメラ寄越せ!!!!!!」

 

「嫌だね!!!」

 

龍亞に撮られた恥ずかしい映像を取り返すべく、鬼の形相で突っ込む。龍亞は既に部屋から出てしまったので俺も部屋から出て龍亞の後を追いかける。

 

「・・・・・・・既にビデオカメラは私の手にあるのに、相変わらず何処か抜けているわね」

 

「良かったね龍可ちゃん〜〜、遂に独り身から彼氏持ちだよ〜〜?」

 

「ねぇ今どんな気持ち?NDK?NDK?」

 

「//////////は、ハゥ〜〜・・・・・・・」

 

 

〜(同日 夜10時)〜

 

 

「はぁ疲れた・・・・・・龍亞のやろう・・・・・帰ったら覚えとけよ・・・・・」

 

シャワーから上がって寝巻きに着替えて愚痴を零す俺。あの後龍亞に逃げられるどころか、あいつ何処に隠し持っていたのかなんか白い球を投げてきて俺の服が粉まみれになってしまった。その粉を調べたら小麦粉だったからもう大変のなんの(何にせよ、洗濯物が増えた事に変わりはないけど・・・・・・)

 

「なんか今日は別の意味で疲れた・・・・・身体がだるいな・・・・・・もう寝よう・・・・・龍可、俺寝るから」

 

「待って、私も寝るから」

 

机の上で何かをメモしていた龍可がメモ帳を閉じて鞄の中に直すと俺と一緒に寝室に入ってきた。

 

「ふわぁ・・・・・・・じゃあ寝るか」

 

「・・・・・ねぇ遊輝」

 

「何?」

 

「これからさ・・・・・・毎日一緒に寝よう?私、遊輝と一緒に寝ると凄い心がリラックスして安心するの」

 

これから・・・・・・毎日龍可と一緒・・・・・・か。悪くないな。むしろ俺も龍可と一緒にいたいよ・・・・・・

 

「いいよ。これからは一緒に寝よう」

 

「ありがとう・・・・・・」

 

俺の返事を聴いた龍可は笑みを浮かべてそのまま目を閉じた。それを確認した俺も眠りにつく。




龍亞「いや〜、お二人さん熱いね〜〜(ニヤニヤ)」

遊輝「////////////」

龍可「////////はぅ〜〜〜・・・・・」

レミ「めでたくカップルにもなったし初デートどうするの?(ニヤニヤ)」

響「やっぱり最初は映画館?それとも動物園?はたまたショッピングモール?(ニヤニヤ)」

奏「やめなさい・・・・・龍可ちゃんなんか頭がショート寸前よ(汗)」

茜「私のキューピットの確立は100%!!どんなカップルもデレッデレにしてあげるわ!」

スバル「・・・・・・・・・・・」

奏「どうしたのスバル?」

スバル「いや・・・・・・俺たち、何か忘れてねぇか?」

レミ「何かって・・・・・・あっ」

茜「次回はファッションショーよ!!」

遊輝「!!!!!!!!」

龍亞「(あ〜・・・・・俺も忘れてた)」

【作者もこの当時、期間空きすぎてストーリーを飛んでしまっていた】」

響「というわけで次回、【花の都のファッションショー お菓子の国にようこそ!】」

茜「次回もよろしくね〜」


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第80話 花の都のファッションショー お菓子の国にようこそ!

フランスのファッションショーなのに日本人が多すぎる?気にするな!!
というわけで最強カードの紹介〜〜。

恭輔「初めまして。成田恭輔です。師匠である遊輝さんに毎日デュエルの特訓をしています」

こっちでは初登場、恭輔だよ。

恭輔「お正月に師匠が海外に行くって言っていたから僕も行きたかったな・・・・・」

小学生と中学生だけで正月年越しを海外で過ごすのは親からすれば危険かもしれないからね。

恭輔「せっかくの初海外のチャンスだったのにな・・・・・」

じゃあ最強カードの紹介に行きましょう!今回はクイーンマドルチェ・ティアラミス!」

恭輔「★4のマドルチェ専用のエクシーズモンスターです。素材も《マドルチェ》と名のついた☆4モンスターしか使用できません」

エクシーズ素材を取り除くことで、墓地にある《マドルチェ》2枚を選択。デッキに戻して相手のカードをデッキバウンスさせるぞ!」

恭輔「対象を取らない・破壊しない・デッキバウンスという可愛さとは相反する物凄く強い効果です!」

作者がリアルで1年以上も愛用しているデッキだ!(リアルではトーナメントデッキに少しでも対抗するようにガチ構成にしてます)
さて、第80話、別タイトル名「茜のお母さん、暴れる」です

恭輔「第80話、デュエルスタート!」


響 side

 

 

「というわけで遊輝ちゃんと龍可ちゃんの寝起きドッキリ&拘束作戦を開始します(ヒソヒソ)」

 

「「オオオーーーー」」

 

現在、朝の4時。私はレミと茜のお母さん、すみれさんと一緒に遊輝と龍可ちゃんの部屋の前にいる。すみれさんが昨日の夜、「遊輝ちゃんが逃げないように縛り付けて出掛けるから手伝って」って言ってきて、なんか楽しそうなので参加した。奏と茜は「やらない」、スバルは「そんな時間起きてられない」、龍亞君は「やるやる!」って言いながら予定時間に起きてこなかった。

 

「で・・・・・なんで龍可ちゃんも対象になってるのすみれさん?(ヒソヒソ)」

 

「ん?こう言うのは2人同時にビックリさせた方が面白いのよ!(ヒソヒソ)」

 

・・・・・・やっぱりこの人、性格悪いな(汗)あれいつだったかな?私とレミと奏の3人で話していたところをすみれさんが「映画のチケット手に入れたから観に行かない?」と誘ってくれたけど、目隠しされて挙句には暴れさせないためとかいって手足まで縛って連れて行かれたのが雑誌の撮影場所だったのとか。

 

「早速潜入〜〜(ヒソヒソ)」

 

すみれさんを先頭にして私とレミが遊輝達の寝室に入る。ターゲットの二人はお互いを抱き合うような感じでグッスリと寝ている。

 

「・・・・相変わらず遊輝の寝顔は可愛いよね(ヒソヒソ)」

 

「これ絶対性別偽っているでしょ(ヒソヒソ)」

 

「はい準備OK」

 

「「早っ!?」」

 

私とレミが遊輝の寝顔を少しイジる、その時間、僅か30秒。

 

「何でそんな早く準備が終わるの!?(ヒソヒソ)」

 

「それより何したのですか!?」

 

「?遊輝ちゃんと龍可ちゃんの足を交差するように手錠で拘束した」

 

「「・・・・・・・・・・・・」」

 

掛け布団を少しめくって二人の足の方を見ると、確かに遊輝と龍可ちゃんの足が交差するようになっていて、それぞれの片足を繋ぐように手錠で固定してある。

この人、世界的に有名なファッションデザイナーだよね?何でこんな変な癖持っちゃったのかな?

 

「さぁ起こすわよ。今回の寝起きドッキリの主役となるのはこれよ(ヒソヒソ)」

 

すみれさんがポケットから取り出した物、それは白い紙で表紙を隠されたチューブだった。

 

「??それ・・・・・なんのチューブですか?(ヒソヒソ)」

 

「見てたら分かるよ。これを遊輝ちゃんの鼻に・・・・・」

 

すみれさんがチューブの蓋を開けて遊輝の鼻に直接何かを詰め込ん・・・・・うえええええ!?!?

 

「す、すみれさん!!それは流石に不味いんじゃ!?窒息死するよ!?」

 

「大丈夫よ。直ぐに起きるわ」

 

「いったああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「!?!?!?!?な、何!?キャアアア!!!!!!」

 

ドスン!!!!!!!!

 

突然遊輝が飛び起きて大声を出して暴れまわる。隣にいた龍可ちゃんも大声につられて起きてしまった。そして、二人の足はつながっているので、二人ともバランスが上手く取れずにベッドから落ちてしまう。

 

「い、いたたた・・・・・な、なに?」

 

「いたいいたいいたい!!!!!!!それに鼻が痒い!!!!!!」

 

「おはよ〜遊輝ちゃん、龍可ちゃん。グッスリ寝れた?」

 

「そんな事よりも鼻!!!鼻が!!!!!」

 

「いたいいたいいたい!!!!!!足が痛い!!!!!!」

 

「・・・・・・・・・すみれさん、あのチューブ、何が入ってるんですか?」

 

「唐辛子と山芋を2:1の割合で配合した私特製のイタズラチューブ♪」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

「さっ、私は遊輝ちゃんと龍可ちゃんを連れて先に今回の会場に行くから。レミ達は後で迎えの車を回しておくから」

 

そう言って、未だに悶絶をあげている遊輝と両手で耳を塞いでいる龍可ちゃん二人の服の襟を引っ張って、すみれさんは部屋から出て行った。

 

「・・・・・ねぇ響」

 

「・・・・・・何?レミ」

 

「・・・・・私達、必要だった?」

 

「・・・・・・多分必要なかった。それより」

 

「「あの人、本当にファッションデザイナーなんだろうか?」」

 

 

響 side out

 

 

 

遊輝 side

 

 

「は、鼻が・・・・・・むずむずしたり痛かったり変な感覚する・・・・・(ズゥゥ〜〜)」

 

「こら遊輝ちゃん、そんな下品な行動をしない」

 

「私も頭がガンガン・・・・・フワァ〜・・・・・」

 

すみれさんに龍可と一緒に拉致されて今回のファッションショーの会場に入っていく。現在、朝の5時。俺は兎も角どれだけ早くても朝7時少し前に起きている龍可にとってはまだ眠い時間だ。(というか健全な小学生なら午前4時とか絶対に起こしてはいけない時間帯だ)

 

「龍可ちゃんはこの部屋にいるメイクさんとヘアーアーティストさん、コーディネイターさんにたのんでいるからね」

 

「分かりました・・・・・・(眠いよ・・・・)」

 

「遊輝ちゃんは私が直々にメイクとかヘアースタイルをしていくからね〜」

 

「?すみれさんってファッションデザイナーでしょ?メイクとか出来んの?」

 

「舐めないでよ〜。私、ファッションデザイナーやる前にメイクとかヘアーアーティストとか色んな職業積んでからこの世界に入ったんだからね」

 

「ふ〜ん・・・・・・・適当にスルーしたけど、俺が出ることもう決定事項?」

 

「もちろんよ!あなたを逃がすわけには行かないわよ!!」

 

「もう諦めて逃げません。だからこの手錠を外してください」

 

「ダメ、絶対」

 

「(俺は麻薬かよ・・・・・)」

 

さっきからこの両手に付けられた手錠がカチャカチャといって鬱陶しいこと極まりない。そのまま逃げようにも手錠の先からロープがあってそれをすみれさんが持っているから下手に逃げれないし・・・・・・・

 

「さぁここよ。本当なら色んなモデルと一緒なんだけど、まだ私達しかいないわよ」

 

「えぇそうでしょうね。朝の4時に無理矢理起こされて連れてこられたんだから。しかも本当の出入りは10時からなのに」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「あ〜、早く今日終わってくれないかな〜〜。こんな黒歴史早く忘れたいわ。大体何で俺になるんだよ?他に探せばもっといい人いっぱいいたのに」

 

「・・・・・・最悪な日?何を言ってるの?今日は貴方に取って最高の日になるのよ?」

 

「・・・・・はっ?何言ってるんすか?」

 

「良いわよ・・・・・私の全身全霊に掛けて貴方を見違えさてやるわ!!身も心も女の子にさせてあげるわよ!!」

 

「(・・・・・もしかして地雷踏んだ?スッゲェ嫌な予感が(汗))」

 

「さぁ入りなさい!!」

 

「うわっ!!」

 

すみれさんに無理矢理手錠を引っ張られてしまい、部屋に入ったところでバランスを崩して転けてしまう。頭を手で押さえてる最中になにやら「カチャッ」って音が聞こえたような・・・・・

 

「い、いてててて・・・・・・」

 

「さあそこに座って!!私の実力を貴方に見せてあげるわよ!!」

 

「へっ?うわっ!!」

 

またしても手錠を無理矢理引っ張られてしまい引きずられるような感じで地面を這いずり、そのまま鏡の前においてあったパイプイスにドシンッ!と音を立ててしまった。

 

カチャカチャカチャ・・・・・・・・

 

「へっ?何今の音?」

 

「フッフッフッ、さぁ遊輝ちゃん。まずは・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・イヤアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

「・・・・・・相変わらずね」

 

「相変わらずねって茜・・・・あんた、さすがにお母さん止めたら?あれ下手したら命関わっていたのよ?」

 

「私で止めたら苦労しないよ。第一、私もあのチューブにやられたし」

 

「貴方もやられたの・・・・・・・・」

 

現在、ファッションショーの会場となるとある建物の裏口みたいなところでメイクルームまでスタッフについていっている。龍亞君とスバルは今回は関係者の知り合いっていうことなので来ていない。なんでも、ファッションショーが終わるまで関係者以外は絶対に立ち入ってはいけないらしい。盗難防止とかテロ対策みたい。

 

「それにしても朝4時から良くそんな事するわよね」

 

「するも何も、私達ただすみれさんが遊輝達に悪戯しているところしか見てないよ」

 

「あ〜、お母さんならしかねないわね。ああいう時って周りを誘っといて結局自分1人しかしないって。仕事の時は人と相談するのに」

 

「あ、あれ、龍可ちゃん・・・・・じゃない?髪型変わってるけど」

 

響が指を指す方向にライトグリーンの髪をして頭に淡いピンクのミニハットを載せた女の子がいた。服も薄いピンク色のお姫様のようなフリルがついたドレスのような服を着ている。

 

「お〜い龍可ちゃん〜」

 

「?・・・・・あっ、レミさん」

 

龍可ちゃんがこっちに気付いて振り向いてくれた。前を見て分かったけど、龍可ちゃんの髪は

 

「龍可ちゃん可愛いね〜〜、お人形みたいだよ」

 

「///あ、ありがとうございます」

 

「・・・・・・変だな」

 

「?変って何が変なのよ茜?」

 

腕組みをしながらなんかしかめったらしている茜に奏が質問する。

 

「確か私達の事務所は今回はカジュアルな春服と少し早いけど夏服を頼まれたような気がしてたんだけど・・・・・・こんなドレス風の衣装なんて聞いてないし」

 

「そうなの?」

 

「何処かの事務所の人数が突然足りなくなったとか?」

 

「そうかな・・・・・私、こういうタイプの服ってあんまり好きじゃないんだよね。実用的じゃないし、動き辛いし」

 

「私は好きだけどな〜。こういう服って憧れるし」

 

「持ってたところで使わなかったら意味がないよ。とりあえずお母さんに聞いてみるか。龍可っち、お母さんは?」

 

「遊輝を連れてあの部屋に入ったのですけど、なんか・・・・・・物凄く雰囲気が」

 

「雰囲気?」

 

龍可ちゃんがなんか言いずらそうな表情でとある扉を指差す。その刺した扉は私達が準備する予定になっている部屋であったが・・・・・・・

 

「・・・・・うん、龍可っちが言いたい事が分かった」

 

「・・・・・なんだろう、まだ入ってはいけない雰囲気が醸し出している」

 

なんかこう・・・・・言葉では言い表すのが難しいんだけど・・・・・とりあえず入ってはダメな雰囲気がある。だって周りのスタッフもあの扉から離れていどうしているんだよ・・・・・(汗)

 

「ふぅ〜・・・・・終わった終わった」

「あっ、出てきた。すみれさ〜ん!!」

 

「おっ、待ってたよ。さぁ入って入って」

 

すみれさんに押される感じで私達4人が中に入る。控え室は結構広くて、扉の横にはお祝い用である花が置いてあった。左側にはソファと机があり、なぜかカードが散らばった状態であり、その反対側には恐らく私達が着るであろう衣装が掛けられている。見た感じ、龍可ちゃんと同じようなお姫様のようなドレスの物と茜が言っていたカジュアルっぽい服が掛けられている。

 

「あれ?遊輝がいない」

 

「すみれさん、遊輝は?」

 

「遊輝?そんな子はいないわよ」

 

「へっ?」

 

「『遊輝』じゃなくて『優姫』ちゃんならそこにいるじゃない」

 

すみれさんが紙に書いた『優姫』という文字を見せながら指を指す。その方向には・・・・・・・・・・・・えっ?

 

「・・・・・・・(ゴシゴシ)」

 

「・・・・・・・・・・これ、本当に遊輝?」

 

「ええ、もちろんよ」

 

「・・・・・・・・もう面影すらもない」

 

「///////い、言うな!!!!!!」

 

部屋の隅っこになんかいたんだけど・・・・・・・うん、これは凄い。何だろう・・・・・・遊輝って言われても未だに遊輝だと分からない。髪はツインテールで私達がしているのと変わりはなく、顔は薄っすらと化粧をしている。そう、薄っすらとしかしていない。私が遊輝にやった時よりも薄いのに、私の時よりも女の子らしい。服は膝丈までのライトグリーンのギャザースカート、上は淡い水色のセーラー服みたいな物に胸リボンをつけている。

 

「凄いね・・・・・・ガチで小学生の女の子と間違われるんじゃない?」

 

「///////俺は男だ!!!!!」

 

「こら優姫ちゃん!!言葉が悪いよ!!」

 

「近くで見たらもっと凄いよ。腕と足のムダ毛処理までされているよ」

 

「うわぁ・・・・・遊輝っちって脇役のはずなのに絶対に主役より目立つよね。ルックス良いし、何より顔」

「服もさながら、何でこんな薄化粧で別人のように見えるんだろう?」

 

「どう?これが私の腕前よ。さぁ優姫ちゃんはあっちで続き。茜達は私が一気にやるわよ」

 

「その前にお母さん、龍可っち何であんな服着てるの?」

 

「あ〜、あれ?知り合いの事務所に手伝ってもらう子が結局インフルエンザを治せなかったから、龍可ちゃんにお願いして貰ったの。龍可ちゃんはだから計3回出るのかな?それと茜達もドレスを着てもらうわよ?」

 

「えっ!?そんな話聞いてないんだけど!?」

 

「だって言ってないもん」

 

茜の驚くような表情に当たり前のように突き出すすみれさん。ほんと、この人は・・・・・・(汗)

 

「正確に言ったら私も今朝知らされたんだけどね。ファッションショーの後にデュエル大会があるみたいなの」

 

「デュエル大会?」

 

「いわゆる初デュエルみたいなものよ。なんか抽選で私のところの事務所が当たったみたいだからね。で、その時の服のテーマが《プリンセス》」

 

「プリンセス・・・・・良いわぁ〜、憧れるよ〜〜」

 

プリンセスと聞いた響と奏は少しうっとりとした表情になる。

 

「それであのドレスってわけ。流石に私も突然だったから荘太君に電話して事務所にあるドレスの衣装を持ってきてもらったのよ。龍可ちゃんも参加してもらうわよ。もちろん、優姫ちゃんも・・・・・ね?」

 

すみれさんの脅しを入れた目をそらすようにして別の所に視線を移動させる遊輝。あれは徹底的に何かされたわね・・・・・(汗)

 

「ブゥ〜・・・・あの衣装動きづらいのにな」

 

「あ、あと何でここにカードが?」

 

「優姫ちゃんには新しいデッキを作って貰ってるの」

 

「なんでそんな事を?」

 

「優姫ちゃんのデッキは色々とマズイでしょ?」

 

「あ〜、確かに」

 

最初にエクシーズ召喚をした遊輝のデッキって物凄い有名なんだよね。『世界に一つしかない、エクシーズ召喚をテーマにした魔法使い族デッキ】と【高速エクシーズのドラゴン族デッキ】とか大々的に報道されちゃって。とある番組で「もし遊輝のデッキが売られたら?」ってお題の時に出た査定額にはビックリしたわね。0が10個以上あったんだから。

 

「だから新しくデッキを作って貰ってるの。エクシーズモンスターは使って良いけど折角だし《可愛いくて童話とかに出てくるようなモンスター》ってテーマを付けてね」

 

「《童話に出てくるようなモンスター》・・・・・・どんなテーマがあるかな?」

 

「普通に考えたら・・・・・ナチュルとか?」

 

「はいはい、あなた達はそんな事よりこっちで準備よ。まずは茜からね」

 

すみれさんに呼ばれた茜が鏡の前に置いてあったパイプ椅子に腰を掛けると、すみれさんが後ろにつき茜の髪を弄りだした。

 

レミ side out

 

 

龍亞 side

 

 

「ファッションショーってつまんないね」

 

「こら龍亞。大勢の人前でそんな事言うな」

 

俺とスバルはメインステージの中央にある道みたいなステージの中間にあたる位置にいる。正午ぐらいから始まった1時間半くらいのファッションショーだったけど、正直言って、男の俺には女性のファッションの流行とか凄さが分からなかった。

 

 

【ファッションショーの描写?そんなものを書く技術あれば苦労しない】

 

 

・・・・・・・何か聞こえたがスルー。むしろ俺はこの後にやるイベントの方がメインだと思ってるよ。

 

「あとちょっとで龍可たちがデュエルするんだよね?」

 

「予定だとそうだな。事務所と事務所の団体戦って言っていたし全員出るんだろうな」

 

この後に行われるデュエル!!これが一番楽しみだよ!!

 

「・・・・・・にしても遊輝凄かったね」

 

「確かに。周りのどよめきとか歓声とか他のモデルよりも凄かったな」

 

「龍可にメールで順番を教えて貰ったとはいえ、最初画面で顔を見た時、『マジで遊輝?』って思ったよ。遊輝の面影がなかったし」

 

「だな」

 

遊輝がメインステージでモデルとして登場した時、この会場がどよめきに包まれたんだよ。俺とスバルの隣は実はこの業界の関係者達の席なんだけど、その時に聞こえたのが「あの子何処の事務所所属だ!?」「あそこまでの子は100年に1人の逸材だ!!」「確実にトップスター間違いなし!!」「すぐにでもモデルや女優デビューさせられる!!」とかもう褒めまくってた。2回目の登場時にはトップモデルみたいな歓声と黄色い声が会場全体に響まくって、正直耳が痛かった。

 

『お待たせしました。双方のモデル達の準備が終わりましたのでこれよりデュエル大会を開催します!』

 

「やっと始まるみたいだな。デュエルの準備に1時間もかけるなって」

 

『今回は2つの事務所にご協力いただき、6対6の団体戦を行って貰います。団体戦といっても、普通のデュエルを6回行ってもらうだけです。それでは今回のデュエルに参加してくれる双方のモデルさん達の登場です!!』

 

司会のアナウンスによって奥にあるメインステージの左右からドレスを着た女の人が6人ずつ出てきた。腕にはドレス姿には似合わないデュエルデスクもセットしてある。

 

『本日のデュエル大会の衣装のテーマは《プリンセス》、というわけで今回、モデルさんにはテーマにそった衣装を着てもらいました』

 

MCの紹介でステージにある特大ビジョンや中央ステージの天井にぶら下がっている4つのビジョンから1人1人の全身の姿を写し出される。先に相手の人たちが写し出されて、次に龍可たちの番だ。1人1人ビジョンに映し出されていく。そして最後・・・・・・・・・

 

『キャアアア!!!!!!!!』

 

「・・・・・・何あれ?絶対に人形だよ」

 

多分遊輝・・・・・・何だろうな、顔を赤くして下を向いているから。ツインテールから髪を少しだけって巻いてサラ〜と降ろし、服はピンク色の花とフリルがついたドレスを着ていた。腕には・・・・・・あれなんていうのかな?レースを素材にしたピンク色の物を肘まで通している。両手はその通された物で薄い手袋みたいな状態になっており、靴は少しだけ高さのあるヒールをはいてある。

 

『ではこれより1回戦を始めます。双方のモデルの代表者はランウェイまでお願いします』

 

MCのアナウンスで向こう側の人とこっちからは奏さんが出てきてデュエルデスクを構える。

 

『それでは本年最初のデュエル!スタート!』

 

 

〜〜〜1時間後〜〜〜

 

 

現在5人目まで終わって最後の大将戦みたいな物の準備をしている。結果は・・・・・うん、なんていうか・・・・・

 

「・・・・・あいつら、狙ってやっているのか?」

 

「すみれさんに変なことふきこまれたりして?」

 

あまりにも一方的過ぎるデュエルで龍可たちが5連勝しちゃった、というか内容が酷い。初戦の奏さんは何を勘違いしたのか【終世】を使って完封勝ち。次の響さんはウォーターフォールを2回もしたよ。茜さんは初手からオピオンを出して次のターンに勝ち。レミさんが一番マシだったな〜。まだ相手と殴り合っていたよ。龍可は・・・・・・・言わなくても良いよね?

 

「ラストは遊輝か・・・・・・あいつ、完全新作のデッキで行くんだろ?」

 

「メールにはそう書いてあったしそうなんじゃない?」

 

「大丈夫か?こんな所でデッキの初陣なんか回しちゃって」

 

「多分勝てなかったらすみれさんになんかされるよ」

 

「だな」

 

『それでは最後の対戦へとまえりましょう!!まずは優子さん!」

 

MCの紹介で遊輝の相手であろうデュエリストが先にランウェイを渡っていく。

 

『続いては優姫さん!!』

 

いまだに顔を赤くした遊輝がデュエルデスクにデッキをセットしてランウェイへと歩く。あれ、本当に大丈夫かな?

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「(///////は、恥ずかしい・・・・・・・)」

 

な、何で俺がオオトリ任されるんだよ!!しかも完全新作でテストプレイもしていないデッキで!!負けたら負けたですみれさんに何されるかたまったもんじゃないし・・・・・・いや、何よりも・・・・・

 

『あの子可愛い!!お人形みたい!!』

 

『何処の事務所なの!?あんな可愛い子の服私も着てみたい!!』

 

さっきから聞こえるこの周りの歓声・・・・・・・もう泣きそうになるよ(涙)何で俺、こんな事する羽目になったの?(涙)

 

「//////あ、あの・・・・・お手柔らかにお願いします」

 

できる限りの裏声や高い声を使って相手にお辞儀する。相手の方は俺の挨拶を見て愛想無しに「フンッ」と言ってそっぽを向く。

 

「(何でここ数年間、パリのモデル業界を引っ張った私よりも突然現れたあの子のほうが歓声が上がるのよ!!私のほうが可愛いしルックスもいいし有名ブランドと契約してるのよ!!ここはデュエルで勝って新参者を痛めつけないと!)」

 

『それでは本日のラストマッチ!双方のデュエリストには良いデュエルを期待しましょう!』

 

「デュエル‼︎」 「デュ、デュエル・・・・・・‼︎」

 

優姫(遊輝) LP 4000 優子 LP 4000

 

「先行は譲ってあげるわ新入りさん」

「あ、ありがとうございます・・・・私のターン、ドロー」

 

遊輝 手札 6枚

 

「わ、私はマドルチェ・マジョレーヌを召喚」

 

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

 

俺のフィールドに持ち手側を生クリームでデコレーションしたような銀のフォークを箒代わりに紫色の魔女が現れる。

 

「マドルチェ・マジョレーヌは召喚成功時、デッキから《マドルチェ》とついたモンスターを手札に加えます。マドルチェ・バトラスクを手札に加えて、永続魔法、マドルチェ・チケットを発動。カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

マドルチェ・チケット

伏せカード 1枚

 

 

「(マドルチェ・・・・聞いたことないわね)私のターン」

 

優子 手札 6枚

 

「魔法カード、おろかな埋葬。この効果でデッキのミンゲイドラゴンを墓地に送るわよ。そしてサファイア・ドラゴンを通常召喚」

 

サファイア・ドラゴン 攻1900

 

「(サファイア・ドラゴン?ていうのことはドラゴン族か?)」

 

「このままバトル!サファイア・ドラゴンでマドルチェ・マジョレーヌに攻撃!」

 

サファイア・ドラゴン 攻1900

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

 

遊輝 LP 4000→3500

 

「うわっ!!(あ、あぶねぇ!!もう少しで素の声が出るところだった!!)」

マジョレーヌが破壊された爆風で少し飛ばされそうになったけど何とか大丈夫だな・・・・・・もしここで素の声出してしまったら・・・・・(ブルブル)。と、こいつの効果発動しないと。

「は、破壊されたマドルチェ・マジョレーヌは墓地に行く代わりにデッキに戻ります」

 

「墓地に行かない?珍しいモンスターね」

 

「そ、そしてマドルチェ・チケットの効果を発動します。《マドルチェ》と名のついたモンスターが墓地から手札またはデッキに戻った時、デッキから《マドルチェ》と名のついたモンスターを手札に加えます。私はさっき破壊されたマドルチェ・マジョレーヌを手札に加えます」

 

「ふ〜ん、まぁ関係ないわ。攻撃力が低いモンスターを手札に加えた所で私のサファイア・ドラゴンには勝てないわ。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

優子 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

サファイア・ドラゴン 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「わ、私のターン、ドロー」

 

遊輝 手札 6枚

 

「わ、私は魔法カード、二重召喚を使います。まずはマドルチェ・マジョレーヌを召喚」

 

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

 

「マドルチェ・マジョレーヌの効果でデッキからマドルチェ・エンジェリーを手札に加えます。続いて、マドルチェ・バトラスクを召喚します」

 

マドルチェ・バトラスク 攻1500

 

マジョレーヌの隣に右手にポッド、左手にティーカップを持った執事があらわれる。

 

「マ、マドルチェ・バトラスクは召喚に成功した時、このカード以外に《マドルチェ》モンスターが存在する場合デッキからフィールド魔法を手札に加えます。わ、私はフィールド魔法のマドルチェ・シャトーを手札に加えてそのまま発動します」

 

バトラスクが紅茶をカップに入れるとそのカップから1枚のカードが出てきて、そのカードが光り出す。光が収まると会場はお菓子の国へと変わり、俺の後ろにお菓子で出来たお城がある。

 

「マドルチェ・シャトーの効果によりフィールドの《マドルチェ》とついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップします」

 

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400→1900

マドルチェ・バトラスク 攻1500→2000

 

「サファイア・ドラゴンの攻撃力を上回った!?」

 

「バ、バトル!マドルチェ・バトラスクでサファイア・ドラゴンに攻撃します!」

 

両手のポッドとカップが消えて杖みたいな物に持ち替えたバトラスクがサファイア・ドラゴンに攻撃する。

 

「甘いわよ!トラップカード、聖なるバリア 〜ミラーフォース〜!攻撃を無効にして攻撃表示のモンスターを全て破壊する!」

 

「カ、カウンター罠、マドルチェ・ティーブレイクを発動!自分の墓地にモンスターが存在しない場合、相手が発動した魔法・罠の効果を無効にしてそのカードを手札に戻します!」

 

「嘘!?」

 

バトラスクの前に出来た毎度お馴染みのミラフォのバリアだが、隣にいるマジョレーヌが魔力を貯めたつえでそのバリアを叩き割り、バトラスクの攻撃が通る。

 

マドルチェ・バトラスク 攻2000

サファイア・ドラゴン 攻1900

 

優子 LP 4000→3900

 

「続けてマドルチェ・マジョレーヌでダイレクトアタックです!」

 

優子 LP 3900→2000

 

「ぐっ・・・・・(新人にダメージを食らうなんてなんて恥!)」

 

「カ、カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

 

遊輝 LP 3500 手札 3枚

【モンスターゾーン】

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1900

マドルチェ・バトラスク 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

マドルチェ・チケット

マドルチェ・シャトー

伏せカード 1枚

 

 

「(私が押されている!?冗談じゃないわよ!!)ドロー!」

 

優子 手札 4枚

 

「スタンバイフェイズ時、墓地のミンゲイドラゴンの効果発動!自分フィールドにモンスターがいない時、墓地から特殊召喚する!」

 

「(ミンゲイドラゴンか・・・確実にデカイのが来るな)」

 

「ミンゲイドラゴンをリリースしてタイラント・ドラゴンをアドバンス召喚!」

 

タイラント・ドラゴン 攻2900

 

ミンゲイドラゴンが2体に分裂をして消えていき、茶色を主としたドラゴンが現れてきた。タイラントドラゴンか・・・・・フィールドは一掃されてしまうな。

 

「バトル!タイラント・ドラゴンでマドルチェ・バトラスクに攻撃!フレイムアゴン!」

タイラント・ドラゴン 攻2900

マドルチェ・バトラスク 攻2000

 

遊輝 LP 3500→2600

 

「うう・・・・破壊されたマドルチェ・バトラスクはデッキに戻りますがこの瞬間、マドルチェ・シャトーの効果を発動します!《マドルチェ》と名のついたモンスターがデッキに戻る代わりに手札へと戻ります!さらに永続魔法、マドルチェ・チケットの効果によりデッキからマドルチェ・クロワンサンを手札に加えます!」

 

「何体モンスターを加えてもタイラント・ドラゴンの前では無力よ!タイラント・ドラゴンは相手フィールドにモンスターがいる時、もう1回攻撃できる!今度はそこの魔女を焼き付きなさい!フレイムアゴン!」

 

タイラント・ドラゴン 攻2900

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1900

 

遊輝 LP 2600→1600

一度攻撃を放ったタイラント・ドラゴンが今度は標的をマジョレーヌに変えて攻撃する。破壊された反動で足元が少し捻るような感じでバランスをくずしてしまい転けてしまう。

 

「い、いたたた・・・・(こんな服着てるから余計にバランス感覚がおかしくなってしまうよ)は、破壊されたマジョレーヌもデッキに戻る代わりに手札に帰ります」

 

「カードを2枚伏せてターンエンドよ(私が伏せたのは魔法の筒とミラーフォース、タイラント・ドラゴンより高い攻撃力を持つモンスターならこれで返り討ち。守備表示なら前のターンから伏せている竜の逆鱗で終わりね)」

 

 

優子 手札 1枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

タイラント・ドラゴン 攻2900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

とりあえずあのタイラント・ドラゴンだけは何とかしないといけないな・・・・伏せカードで何とかなるし持っていけたらこのターンだな。

 

「私のターン、ドロー」

 

遊輝 手札 7枚

 

あっ、最高のカードひいた。これで召喚妨害系じゃなかったら勝てるじゃん。

「速攻魔法、サイクロンを発動して左側の伏せカードを破壊します」

 

「くっ・・・・(竜の逆鱗が破壊されても痛くはないわね。外れを引いてくれて助かるわ」

 

「ここで伏せていたカードをオープン!罠カード、マドルチェ・ハッピーフェスタ!手札から《マドルチェ》と名のついたモンスターを可能な限り特殊召喚します!」

 

「!?さ、さっきから手札を増やしていたのはそのため!?」

 

「来てください!マドルチェ・マジョレーヌ!バトラスク!クロワンサン!エンジェリー!メッセンジェラート!」

 

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400→1900

マドルチェ・バトラスク 攻1500→2000

マドルチェ・クロワンサン 攻1500→2000

マドルチェ・エンジェリー 攻1000→1500

マドルチェ・メッセンジェラート 攻撃1600→2100

後ろのお城の頂上から鐘の音色がフィールド全体に鳴り響いて、俺と相手の真ん中にチョコレートと生クリームでコーティングされた特大のウエディングケーキが現れてそれに群がるように手札にいたモンスター達が現れてきた。

 

「この効果で特殊召喚されたモンスター達はエンドフェイズにデッキに戻ります。そしてマドルチェ・メッセンジェラートは特殊召喚時に獣族の《マドルチェ》モンスターが存在するとき、デッキから《マドルチェ》と名のついた魔法・罠カードを1枚手札に加えます。2枚目のハッピーフェスタを手札に加えます」

 

「ふ、ふん、何体ならべても結局は私のタイラント・ドラゴンに勝てないじゃない。数をならべても意味がないわよ」

 

「マドルチェ・エンジェリーの効果を発動します!このカードをリリースしてデッキからこのカード以外の《マドルチェ》と名のついたモンスターを特殊召喚します!マドルチェ・プディンセスを特殊召喚します!」

 

マドルチェ・プディンセス 攻1000→1500

 

エンジェリーがウィンクをして消えて、中央に残っていたウエディングケーキの上からお姫様の格好をした女の子が降りてきた。

 

「(モンスターを変えてもたったの1500じゃない。全く、もう少しちゃんとしたプレイングをしなさいよね)」

 

「そして私はLv4のマドルチェ・マジョレーヌとマドルチェ・バトラスクでオーバーレイ!」

 

「ふ〜ん・・・・えっ!?オーバーレイ!?」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!お菓子の国の女王!クイーンマドルチェ・ティアラミス!!」

 

クイーンマドルチェ・ティアラミス 攻2200→2700

 

ウエディングケーキの消えた所にブラックホールが出来て、その中にマジョレーヌとバトラスクが吸い込まれていき、爆発する。中から出てきたのは椅子に座った少し年老いた冠を被っている女王様だ。女王が出てきたことで周りにいるマドルチェ達の姿勢もピンと背筋を張っている。

 

「エ、エクシーズ召喚!?そのデッキ、エクシーズ召喚が出来るの!?(だ、大丈夫!!攻撃力は大した事ないわ!)」

 

「クイーンマドルチェ・ティアラミスの効果を発動します!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、墓地の《マドルチェ》と名のついたカードを2枚選択します!私はマドルチェ・エンジェリーとオーバーレイ・ユニットで外したマドルチェ・マジョレーヌを選択します!」

 

クイーンマドルチェ・ティアラミス OVR 2→1

 

「そのモンスターをデッキに戻しますがこの時、マドルチェ・シャトーの効果で手札に戻ります」

 

遊輝 手札 2→4枚

 

「ふん、墓地のモンスターを戻した所で何の意味があるのよ」

 

「クイーンマドルチェ・ティアラミスの効果はまだ続きます!この時、戻したカードの枚数まで相手フィールドのカードをデッキに戻します!」

 

「・・・・・・・えっ!?デッキに戻す!?」

 

「私は貴方の伏せカード2枚を選択します!」

 

ティアラミスが持っている杖が光り出して、その光がタイラント・ドラゴンと相手の伏せカードを包み込む。一瞬だけ強く光って、光が収まる伏せカード2枚はなくなり代わりにお菓子で作られた模型がそこにあった。

 

「あっ・・・・・えっ・・・・?」

 

「さらにマドルチェモンスターが墓地から手札に戻ったので永続魔法、マドルチェ・チケットの効果でデッキからマドルチェ・ホーットケーキを手札に加えます」

 

遊輝 手札 4→5枚

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「ねぇ、私の見間違いじゃなかったら遊輝このターン、実質2枚しか消費していないよ?」

 

「何あのデッキ・・・・・墓地肥やさないからそこまで強くないって思ってたらどんどん手札が増えていくよ」

 

「あれは敵に回したくないわね・・・・しかもあのエクシーズモンスターの効果って多分、相手のカードを対象に取ってないよ?」

 

「見た目はすごく可愛らしい格好なのにね・・・・・・・」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ぐっ・・・・・(何度出しても攻撃力でタイラント・ドラゴンを越えなければ意味がないわよ!」

 

「さらにクイーンマドルチェ・ティアラミスでオーバーレイ・ネットワークを再構築します!」

 

「!?さらにエクシーズ召喚!?」

 

クイーンマドルチェ・ティアラミスが一つの球体となり再びできたブラックホールに

 

★4→★5

 

「エクシーズ召喚!お菓子の国のお姫様!マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード!!」

 

マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード 攻2500→3000

 

ティアラミスから消えてブラックホールから代わりに現れたのは、隣にいるプディンセスと同じ容姿のお姫様だ。違う点は、普通のモンスターはホワイトクリームの様なものでデコレーションされた白いドレスだけどエクシーズモンスターの方はチョコ色のドレスとなっている。

 

「あっ・・・・・えっ・・・・・」

 

「バトルです!マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モードでタイラント・ドラゴンに攻撃です!」

 

エクシーズモンスターの方のプディンセスがタイラント・ドラゴンをウィンクする。プディンセスのウィンクを貰ったタイラント・ドラゴンはメロメロになってそのまま倒れてしまう。

 

マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード 攻3000

タイラント・ドラゴン 攻2900

 

優子 LP 2000→1900

 

「マドルチェ・メッセンジェラートでトドメのダイレクトアタックです!」

 

優子 LP 1900→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 優子

 

 

 

『決着!勝者は優姫さん!』

 

MCの一言で会場がボルテージが一気に上がる。とりあえず勝ててよかった・・・・・負けたら何されたか分からないよ。全く・・・・・・「負けた人は明日その格好でプロモーションの写真撮影」とか言われてもうイヤだったよ。なんか相手放心状態のままだけど・・・・・まぁ良いよな。

 

 

〜(翌日)〜

 

 

「あ〜・・・・・黒歴史の1日だったよ・・・・・」

 

「まだそうやって喋っているからマシじゃないの?」

 

「マシになるかよ・・・・・昨日の出来事は二度と思い出したくない」

 

龍可と一緒に朝飯を食べにいくため茜達の部屋へと向かっている。

昨日はあの後マジで大変だった・・・・・・あのデュエルの後に個人用の写真とか突然言われて1人大体5分、俺なんか10分も掛けられたよ・・・・・その上でバレないようにとか言われて帰りの服がスカートだったし・・・・・

 

「ハァ・・・・まぁ明日の夜には日本に帰るしせっかくだから今日と明日で観光しないとな」

 

「そうね」

 

「あっ、やっと来た。遊輝っち、ちょっとこっち来てよ」

 

「?どうしたんだ?」

 

部屋に入っていきなり茜に呼ばれたので俺と龍可は茜についていく。連れて行かれたところはリビングですでに龍亞達も部屋にいた。そして、その部屋の中央にあるテーブルにはたくさんの手紙や封筒の山がある。

 

「?これ何?」

 

「全部遊輝っち宛」

 

「俺?なんかしたか?」

 

「凄い凄い!!これ全部モデル事務所からじゃない!!」

 

「Ma○rilyn・M○AJR PARIS・・・・・・パリのモデル事務所に日本のモデル事務所からも来てるわよ」

 

響やレミは届けられた手紙を手にしてなんか色んな名前みたいなのを言っている。

 

「これ、何か分かる?全部貴方へのスカウトよ」

 

「はっ!?」

 

すみれさんが言った言葉に呆気を取られてしまった。何!?スカウトって!?どういうこと!?

 

「貴方の女装した姿はとてつもない評判よ。どの会社も是が非でも君を手に入れたいと思っているの」

 

「絶対に嫌ですよ!!!!何で女装してモデルしなきゃいけないんですか!?!?」

 

「ええ、だから断りをいれたわよ」

 

「ほっ・・・・・・・」

 

「だってね・・・・・・・・・」

 

すみれさんから断りをいれたという言葉で胸をなでおろす。次のすみれさんの衝撃的な発言を聞き入れずに・・・・・

 

「貴方は私の事務所の専属モデルになってもらうから☆」

 

「・・・・・・・・・・・・・えっ?」

 

「だからね・・・・ファッションモデルとの契約じゃなくて、ファッション雑誌や服のデザインをしてくれる会社とは契約したわ☆社長も大喜びだったわよ☆」

 

「いやいやいやいやいやいやいや!!!!!!!!!!ちょっと待ってください!!!!!何勝手に契約とかしちゃってるんですか!?!?!?」

 

「・・・・・あはははははは!!!!!おっかしい!!!!女装した遊輝で契約成立って!!」

 

「「「「うわぁ・・・・・すごく負けた感じがする・・・・・」」」」

 

すみれさんの仰天発言で取り乱してしまう。俺の後ろでは他人毎のように腹を抱えて笑う龍亞、何故か凄い負けた雰囲気をだすレミ達。

 

「ねっ、あとはこの契約書にサインしたら終わり」

 

「しません!!!!!!」

 

すみれさんから契約書を奪い取ってビリビリに破く。

 

「んもぅ・・・・勿体無いことしないでよ。じゃあこっち」

 

「だからしません!!!!!!」

 

「あら・・・・・貴方に断る権利はないのよ、優姫ちゃん」

 

「////////優姫ちゃんって呼ばないでください!!!」

 

「あら、私は可愛いと思うけどな、優姫ちゃん♪」

 

「////////うわあああ!!!!!!!!」

 

散々弄ばれた俺は顔を真っ赤にして部屋から逃げるように出て行く。

 

「逃げたわね・・・・・・・まぁいいわ。それよりも、レミ」

「?何ですか?」

 

「あのね・・・・・・・・・・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「////////はぁ・・・・・はぁ・・・・・もう・・・・トラウマになりそうだよ」

 

一人逃げ帰った部屋で毛布で頭を丸めてさっきの事を忘れようと必死に頭をぐるぐると回すが、なかなか忘れない。

 

「////////冗談抜きであんなのにサインしたら俺の人生ヤバい事になってしまうって」

 

「まぁそうだよね。一生嘘を付いてモデル業しなくちゃいけないからね」

 

「!?!?れ、レミ!?」

 

突然聞こえた声に驚いて後ろを振り向くとレミがいた。何か凄い顔をニヤニヤとしながら・・・・・・

 

「な、何・・・・・」

 

「いやねぇ、ちょっとあんたにお願いがあるんだけど〜〜」

 

「お、お願い?」

 

「これからさ〜、出し物とかでやる時にあんたには率先して色々とコスプレやら女装を頼みたいんだよね〜(ニヤニヤ)」

 

「な、何でそんな「ちなみに私、すみれさんの番号知ってるんだ〜〜」!!!!」

 

「すみれさんがね〜〜、『電話して遊輝ちゃんがOKって言ったら次の日からモデルとして働いてもらうから』って頼まれてね〜。私が連絡係になったんだよね〜(ニヤニヤ)」

 

携帯の画面を見せながら俺に脅すかのように話しかけるレミ。話の内容を察した俺はもう顔面蒼白に近い状況だ。

 

「まあね・・・・・私もそこまで鬼じゃないからさ、ねっ?」

 

そう言って俺の肩にポンっと叩く。

 

「何か企画でコスプレしてもらうときは率先してもらうからね」

 

「うっ・・・・・・・・」

 

「その時はよろしくね」

 

「うっ、ううう〜〜〜〜〜・・・・・・・・」

 

携帯を見せつけられ、完全に弱味を握られてしまったレミに俺は小さく頷くことしか出来なかった。




響「やっぱりこの衣装いいな〜、憧れる〜〜」←水色のドレス姿

茜「私はやっぱり嫌いだな・・・・・動き辛くて仕方ない」←黒色のゴズロリみたいなドレス

レミ「茜の気持ちは分かるけど、やっぱり一着はこういうの欲しいよね〜」←緑のプリンセスドレス

奏「龍可ちゃんはどう思う?こういう衣装?」←黄色の花があしらえたドレス

龍可「う〜ん・・・・やっぱり一生に一度はこういうのを着てみたいな〜とは思います。私も憧れはあるので」←白いウェディングドレスみたいな衣装

レミ「そう考えたら龍可ちゃんが一番良いよね。ウェディングドレスじゃない」

響「そうそう!!彼氏もいるんだし、本当に似合ってるよ!!」

龍可「///あ、ありがとうございます」

奏「それじゃ今回の遊輝のデュエル、振り返りましょう」

茜「・・・・あのデッキってあんなに手札増えるの?」

響「あれは嫌だね・・・・・・手札が尽きずに次のターンも手札から大量特殊召喚でしょ?」

レミ「オーバーキルにも程があるよ・・・・もちろんあのフィールド魔法と永続魔法があったからああいう状況にはなったんだろうけど」

龍可「童話のような世界観で結構効果は強いわ・・・・」

「「「「「((((龍可ちゃん(龍可っち)は童話の世界とか関係なく相手を泣かしているからね))))」」」」

茜「次はパリの観光よ。いよいよレミっち達の海外旅行にも最終日」

レミ「【軽音部、海外遠征最後の日】。次回もよろしくね」


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第81話 軽音部、海外遠征最後の日

今回は最強カードの紹介はありません。


私の活動報告でちょっとした募集をやっております。よければそちらもどうぞ。


遊輝 side

 

 

「ねぇ〜、次どこ行くの?」

 

「エッフェル塔も凱旋門もみたし・・・・ルーヴル美術館なんてどう?」

 

「あれは1週間でも全部見れないって有名な美術館だよ。それに今からじゃチケットを買うだけで時間が取られるし」

 

「おい、そろそろ昼飯行かないと。遅くても2時には空港なんだろ?」

 

「う〜ん・・・・じゃあシャンゼリゼ大通りに行こう。あそこにはカフェや雑貨屋とかあるし場所的にも歩いて10分だよ」

 

軽音部の年越しでの海外遠征も今日が最終日、昨日はゆっくりと過ごして(全然過ごせなかったけど)今日1日は観光巡りとお土産を買いに朝からパリ市内をずっと移動している。移動手段はバスや路面電車、徒歩だ。現在、11時半、そろそろ昼飯を食わないといけない時間なので茜の案内でパリで有名な大通りへと向かう。

 

「あっ、ここのカフェに行こう!ここ凄く混んでいてなかなか入れないから!」

 

「じゃあここで食べて、お土産とかはシャンゼリゼ大通りで買って・・・・・丁度良いくらいね」

 

「早速入ろう!」

 

茜の案内でオススメのカフェに入っていき、皆席についてメニューを決める。8人用の大きなテーブルなんてないから、適当に見つけた5人用と3人用に別れて座る。俺と龍亞・龍可の3人というもうお決まりとかしたグループだ。

 

「Avez-vous décidé l'ordre ?(ご注文はお決まりでしょうか?)」

 

「メニュー決まった?」

 

「うん、私これ」

 

「俺はこれ!」

 

「え〜と・・・・this one,this one,and this one,please」

 

「Le nombre d'articles ?(品数は?)」

 

「Can I have one of each?(全部一つで)」

 

「BIEN」

 

店員がメニューのメモを取っていきカウンターの方へと歩いていった。茜達の方もメニューを取り終わったみたい。

 

「この後のお土産どうやって買いに行く?」

 

「せっかくだし分かれて行こうぜ。皆買いたい物はちがうだろうし」

 

「スバルに賛成」

 

「俺も」

 

「じゃあそうしようか」

 

 

 

《*・・・・その後は昼飯が来て皆で食べて店を出て大通りを目指すだけなのでカット!!》

 

 

 

 

「それじゃ1時間後にここに集合ね」

 

「分かった」

 

シャンゼリゼ大通りにあるコンコルド広場に付き、そこであらかじめ決めておいたグループに別れてお土産を買いに行く。俺の相手?もちろん龍可だ。

 

「で、何処に行きたい?」

 

「とりあえず普通のお土産を売っている所に行って、その後に色々と見ていきましょう」

 

「そうだな」

 

シャンゼリゼ大通りのコンコルド広場から凱旋門に向けてゆっくりと歩いていく。そこには外人相手にやってそうな高級店だけでなくスーパーやショッピングマーケットもある。適当に歩いて一つのお土産店を見つけた俺と龍可はそのまま店の中へと入っていく。龍可と一緒にキーホルダーやらクラスメイトに渡すチョコレート、マグネットなどを適当に手に取って気に入って値段が高くない物は買い物カゴへと入れていき、取っては入れての作業を繰り返す。

 

「ゆ、遊輝・・・・こんなに買って大丈夫なの?」

 

「大丈夫大丈夫。ちゃんと値段見てるし」

 

「す、スーツケースに入るの?」

 

「・・・・・・・・全く考えてなかった。返すか」

 

スーツケースの事を考えてなかったから本当に欲しい物だけ仕分けして後は店の陳列棚に返していく。商品を買った俺たちはそのまま店を出てシャンゼリゼ大通りを真っ直ぐ凱旋門に向けて歩いていく。

 

「いや〜・・・・・今日で最終日、年越しを海外で過ごすだなんて人生初めてだったけど以外と呆気なかったな」

 

「そうね。テレビとかで花火の打ち上げとか色々やっていたけど、もう過去のような事だわ」

 

「ウィーンがほぼ弾丸で後はパリで過ごして・・・・・時間が無かったけどパリ以外の所にも行きたかったな」

 

「そうね。ほとんどファッションショーの準備だったし」

 

「・・・・・頼むからそれは言わないでくれ」

 

もう・・・・・・あれは本当に思い出したくない・・・・・・・二度とあんな目には会いたくない・・・・・・(涙)

 

「ご、ごめんね・・・・」

 

「まぁ・・・・わざとじゃない・・・・し?」

 

「?どうしたの?」

 

「・・・いや、ちょっと・・・・・こっち入っていいか?」

 

「え?い、いいけど、裏道に入ってどうするの?」

 

「いや・・・・何か・・・・」

 

俺を呼んでいるような声がする・・・・・と言っても多分分からないだろうからとりあえずてきとうに濁して裏道に入る。大通りの裏道とはいえ、人は少なくどちらかというと本当にこの辺で仕事をしていたり住んでいる人が通りそうな道だ。辺りは昼間なのに少し暗い。俺は声が聞こえた方向へ直感的にあるき、やがて一つの店の前で止まった。そのお店は古道具屋だろうか、色んな道具が埃を立てていた。

 

「このお店に何かあるの?」

 

「いや・・・・・何か呼ばれた気がして」

 

「呼ばれた?」

 

「分からない・・・・・とりあえず入っていいか?」

 

「私は大丈夫だけど・・・・・」

 

龍可の許可を得た俺は店の扉を開ける。チラリ〜ンと鈴の音が店内に小さく鳴り響く。中を見ても外を変わらずに骨董品や古道具屋・古本などがお世辞にも綺麗とは言えないくらい、どちらかと言うと散らかっているくらいに並べてある。そして、扉を開けた目の前には店主らしき白髪で老眼鏡を掛けているお爺さんが本を読んでいる。

 

「あっ・・・・え、えっと・・・・Bonjour」

 

「Bonjour・・・・大丈夫じゃ、日本語は話せる」

 

「あっ、そ、そうですか」

 

「それにしてもお客さん、若いのによくこんな古ぼけた店に入ったね」

 

「い、いえ・・・・・何かに呼ばれた気がしたので」

 

「ほっほっ、お主もまた、この道具に導かれた者なのですね」

 

「導かれた者?」

 

お爺さんは持っていた本を机の上に置いて立ち上がり、色々な道具を見つめながら俺達に話しかけてくる。

 

「ワシが取り扱っている道具は不思議な力があるのでしょうね・・・・適合する持ち主を探しているのです。そしてここに導かれた者は必ず『呼ばれた』と言うのです。丁度お主のように」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「そんな人達にこの不思議な道具を差し上げたり売ったりする役目なのがこのじじいなんですよ。さて・・・・・お客さん、お主が導かれた物はこれじゃないか?」

 

お爺さんが俺に出してくれた物は黒い鞘に入った三本の刀。鞘には金色の紋章があり、柄は赤・黒・薄茶である。俺はお爺さんから3本の刀を受け取って、その内赤い柄の刀を鞘から引き抜く。中は漆黒に染まった日本刀だった。日本刀ついてはあまり詳しく知らないが刀独特の綺麗な弓を描いたような形、そしてあまりにも綺麗過ぎるこの漆黒の色・・・・・・・一瞬で分かった。こいつが俺を呼んでいたと・・・・・・・

 

「確かにこの刀ですね・・・・・・この刀は三本セットで?」

 

「その通りじゃ。いつ、どこで、どうやってこの店に着いたのかはワシも分からん。じゃが、こんな綺麗な刀を捨てるのはワシには出来ん。それにワシ、刀の捨て方なんて知らない」

 

「おい・・・・・・」

 

「ともかく、その刀達がお主を呼んだのならその刀はお主が持っておくべきじゃな。その刀はくれてやる」

 

「へっ?良いんですか?」

 

「構わん。ワシが持ってたって何の意味もない。ただお主、この国には住んでないだろ?」

 

「あっ、そうですね」

 

「手続きもワシがしてやるが、流石にお主の家に届くのは1週間くらいかかるが構わんか?」

 

「全然大丈夫ですよ。タダで刀を貰って手続きまでしてくれるなんて・・・・」

 

「ホッホッ、気にするな。さて、ここにお主の家の住所を書いてくれ」

 

お爺さんが木の机の引き出しから国際宅急便の伝票を出してくれたので、俺はボールペンを借りて俺自身の名前と住所を書き込む。

 

「・・・・・はい」

 

「ホッホッ。じゃあこの紙でお主の住所を見ないようにして・・・・あとはワシに任せてくれ」

 

「分かりました。ありがとうございます」

 

後のことを全てお爺さんに任せて店を出る。そして大通りへと戻っていく。

 

「遊輝・・・・・あのお爺さんを信用しても大丈夫?」

 

「多分大丈夫でしょ。それに飛行機に刀を持ち込むには面倒くさい手続きがいるし。んなこよりより早く戻ろう。ちょっと時間がやばい」

 

「それもそうね」

 

 

 

 

 

 

「あっ、いたいた」

 

「お〜い、二人とも何してるんだ〜」

 

「悪い悪い」

 

スバルと龍亞が手を振ってくれたのでそれを目印に進む俺たち。レミや奏・響や茜達は見当たらない。

 

「龍亞、レミさん達は?」

「この店で買い物してるよ。何かパリに来た記念だし、皆でトレードマークみたいな物を買おうって」

 

トレードマークか・・・・・・あいつら髪が特徴的な色をしているからそんな物しなくても大丈夫だと思うんだけど・・・・

 

「ちなみに遊輝や龍可のも選ぶみたいだぜ。もちろん俺と龍亞のも」

 

「はっ?」

 

「えっ?えっと・・・選ぶのはありがたいのですけど、何で勝手に・・・・」

 

「いつもの事じゃねぇか」

 

そ、そりゃそうだが・・・・・(汗)

 

「お待たせ〜〜。遊輝達もちょうど戻ってきたのね」

 

店内から出てきた4人は既にこの店で買った物を頭に付けてある。レミは緑色のバレッタで髪をポニーテールにまとめて、響は水色のシュシュを付けている。奏はレミ達と違って黄色の伊達メガネを掛けていて、茜は紫色のクリップみたいなものだ。

「お〜、似合うじゃん」

 

「そりゃ真剣に選んだんだからね、似合わなかったらこんな風に付けないよ」

 

「それよりもこれ4人の、まずスバル。オレンジのバンダナね」

 

「バンダナ?これ、普通に巻けばいいのか?」

 

「そうよ。んで、龍亞君と龍可ちゃん、お揃いの黄緑のゴム」

 

「龍亞君も髪を結んでるし丁度いいでしょ?」

 

「サンキュー!」

 

バンダナを貰ったスバルは頭で巻いて端を縛る。ゴムを貰った龍亞と龍可は今付けてあるゴムを外して貰った黄緑のゴムに付け替えた。

 

「うんうん、3人とも似合ってる!」

 

「龍亞と龍可はゴムの色を変えただけじゃん」

「龍可っちならともかく、龍亞っちは難しかったんだからね。じゃあ最後、これが遊輝っちの」

 

茜が紙袋から取り出した物を俺に渡してきた。・・・・・・・うん、何でだろう、嬉しくない。

 

「なぁ・・・・・・何でカチューシャなんだ?」

 

「えっ?素直に遊輝っちに似合うと思ったから」

 

「それに赤のアイテムってゴムかそれぐらいしか無かったし」

 

茜に手渡された赤のシンプルなカチューシャに戸惑う俺。だってカチューシャだよ?俺、男だよ?いや、確かに昔見たパンを作るアニメの主人公がカチューシャをしてたけど、それでも俺男だよ?

 

「とにかく付けたら?はい!」

 

「ちょっ!?おまっ!?」

 

響がカチューシャを手にとって俺の頭へと装着した。

 

「お〜、違和感無いわね〜」

 

「これくらいならまだ男って言われても納得できるよ」

 

「ほら、こんな感じよ」

 

奏がカバンに入れていた手鏡を開いて俺に見せてくれる。鏡の中に写っていた俺は赤のカチューシャに少しの違和感があったがまぁ普通に似合っている。

 

「・・・・・・・まぁ、これくらいならいいか」

 

「でしょでしょ〜。流石にゴムにする訳にもいかないしカチューシャにしたけど正解だったわね」

 

「それじゃ帰りましょう。そろそろいい時間よ」

 

茜が携帯で誰かに電話を掛けて、その5分後にワゴン車が来た。中には正月明けの翌日に大量の服を運んでくれたあの男の人だった。

 

「やぁ茜ちゃん。ちゃんと荷物も乗せてあるよ」

 

「じゃあ空港までお願い。皆乗って」

 

茜が運転手に指示をして俺たちをワゴン車に乗せていく。全員乗ったところでスライドドアが閉まり、車が動き始める。

 

 

〜(空港 出発ゲート)〜

 

 

「・・・・・・はい、手続き完了しました。北ゲートから出国してください」

 

「分かりました」

 

空港に着いてロビーで手続きを済ませた俺は飛行機に乗せるカバンを背負って皆の所へと行く。

 

「よっし、もういいぜ」

 

「それじゃ、お世話になりました」

 

「パリでの生活楽しかったよ茜!」

 

「バイバイ!」

 

茜との最後の挨拶を済ませた者から出国ゲートへと入っていく。なんせこの時間、人が多いから早い所入っていかないと飛行機に乗り遅れてしまう。

 

「それじゃ茜、また会おうね!」

 

「バイバイレミっち!」

 

最後までいたレミが手を振りながら搭乗口へと入って俺たちを追いかけて来る。

 

「お待たせ〜」

 

「やっと来た、早い所行こうぜ」

 

「うん」

 

レミを先頭にして俺たちは日本へと向かう飛行機の搭乗ゲートまで歩いて行った。




今回は最後の後書きは私が。


すぴばるの方をご覧になった方は知っていますが、この後の話から後書きのコーナーに東方キャラを出すことになりました。

元は第78話の時、ボス戦とのデュエルだったのですがあんまりにも内容が薄すぎるので『まぁ一回ぐらい良いかな?』という軽い気持ちで魔理沙とフランを出したのです。そうしたらとある読者様から「今後も後書きで出すのですか?」と言われて、ちょっと考えてしまいました。一応、遊戯王の作品なので東方projectのキャラを出すつもりはなかったですし、そもそも知っている人おるのか?っていう現状もありました。


しかし、番外編の方は既に終わったのでこのまま何もしないのはあれだと思ったので、アンケートをとったところ、出して欲しいという意見が多数でしたので出すことになりました。ハーメルンでもアンケートをとった方が良いのだと思うのですが、いちいち後書きを変えることになって正直面倒くさいです。ので、ハーメルンでも東方のキャラを出していこうと思います。


後書きにでてくるのは私が執筆した「遊輝と神様の東方放浪記」に出てきたキャラだけとします。私の気分で決めたキャラを最大2人まで呼んで、その話に出てきたキャラと適当に会話をしてもらおうと思います。



さて、今回の話で海外編の本編みたいなところは終わりました。次回からは3学期ですが、わざわざ章に分けるほどの量ではないのでそのまま海外編の続きとさせていただきます。イリアステル編は遊輝達が新学年になってからスタートします。



あっ、因みに言っておきますけどこの話から軽音部+龍亞・龍可はトレードマークを普段から付けてます。つまり、遊輝はカチューシャをしながら東方の世界に入ってます。え、誰得の情報だって?そんなの知らねぇよ(キリッ)


それでは次回、【海外から帰って来てからの軽音部の日常】。お楽しみに待ってください。それでは、次回もよろしくお願いします。


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第82話 海外から帰って来てからの軽音部の日常

最強カードの紹介!!

茜「こっちで初登場!栗城茜だよ!!」

テスト前の投稿だがそんなの知っちゃこっちゃねぇ。俺はテスト前に行ったLIVEで全てを使い果たし、燃え尽きた。

茜「あれが初LIVEだったんでしょ?良く当てたわね」

正直、諦めかけていたけどもう一回ツアーをやると知った時は必死になったよ。そしたら当たった。そっからはもう、LIVEの事しか頭に入ってなかった。

茜「それはともかく、もうすぐ夏休みなんだからさ〜、楽しもうよ」

ん〜、まぁそうだね。最強カードの紹介に行くぞ!

茜「今回はドラグニティの神槍!去年でたドラグニティ専用の装備魔法だね!」

攻撃力アップとか罠耐性はあるけど、正直これらはオマケ。真の効果はデッキから《ドラグニティ》のチューナーモンスターを装備カードとして装備できる!

茜「これのおかけでファランクスを装備して直ぐシンクロ、アキュリスを装備して破壊などの手段がすごく楽になったよ!」

ただ、こんな新規を出すんなら「渓谷返せ!!!!」という気持ちが・・・・・・実際、私も渓谷が制限になった時にドラグニティを崩してしまいました。

茜「第82話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

冬休みという海外遠征が終わってネオドミノシティに帰ってきてから2週間・・・・・・

まぁ、登校初日は色々と注目の的だったよ。どんな感じだったとか、お土産何なのかとか。そういう事も終わり今は普通に過ごしている。ただ、一つだけ海外といく前と変わった事はある。それは・・・・・・

 

「こ・・・・こしゅ・・・・・こしゅが・・・・・・」

 

「・・・・・・イナバウアーみたいな避け方をするから腰がやられるんだろうが」

 

呆れた表情でうつ伏せになって涙目のレミの背中に手を差し出して緑の光を浴びさせる。

 

「だいたいお前、能力で時間を止めれるんだろ?止めて逃げたらよかったじゃねぇか」

 

「あんな一瞬でそんな芸当まだ出来ないよ・・・・」

 

「いてててて・・・・・遊輝、次は私の治療もお願い」

 

「お前らほんっと・・・・俺の出番がないじゃねぇか」

 

「はっ!!ほっ!!そうりゃ!!アイス・マジック3!アイスコーリング!!」

 

「グラビティアップ!」

 

「ちょっ!?」

 

ズーーーーン!!!!

 

「お、重い!!!身体重い!!!ギブギブ!!!」

 

「う〜ん・・・・・やっぱりまだ20倍より上は使えないな」

 

右手で何かの仕草をするスバルに、その仕草のおかけで立ち上がる響。「よっと」という声が何もない草原に響き渡る。海外公演が終わった後、軽音部全体でとにかくリアルファイトをする事が多くなった。元々、俺が暇を見つけて少しずつ鍛えていくのをレミ達は見ていただけなんだが、パリで襲撃された所を見たり、乗り込んだりした結果、『自分達も鍛えておく必要がある』と言いだして俺の訓練に付き合いだしたのだ。

 

ちなみに、海外遠征が終わってちょっとシグナーの能力が変だな〜と思ってダイヤに確認を取ってみたら『能力が追加されている』とか言った。まず響、水にプラスして氷や冷気も完全に習得。あいつが本気でやれば半径2kmは氷河期みたいな事になる。

スバルは生き物・草などのいわゆる生物全般を操れるようになった。植物を使って攻撃したり、昆虫やら動物の感情・考えなどが分かってしまう。本人曰く、「ありがた迷惑な能力だ・・・」とか言ってた。

奏は雷に加えて今度は光も操れるようになった。これがまった強くて、自分自身が光になって逃げたりするというから達悪い。はっきり言って、シークレットシグナーの能力の中で最強の能力だと思う。ただ、奏本人の運動神経があまりにも残念すぎるので能力を上手く使いこなせてないのがネックだ。

その奏よりも性質上、最も悪い能力を得てしまったのがレミだ。時・・・・・時間を操る事が出来るようになってしまった。あいつ自身、自分の判断で時を止めて色んな事を出来る。ただ、時を操る事が出来るって言っても未来や過去に行くという芸当は流石に出来ないらしい。

ラストは俺なんだが・・・・・なんていうか、うん・・・・・生命を操る事が出来るようになった。こうやって自分や他人にも回復をしたりするのがよく使われて、正直いらなかった・・・・・だって自分の回復力で補えるんだもん・・・・・まぁ、もう一つだけ特徴があるんだけど・・・・・

 

 

そんなこんなで軽音部内でリアルファイトをする日が海外遠征の後から多くなって行ったんだ。まぁ俺も自分一人でやるよりは楽しいし、実践練習にも役立てるからありがたいよ。そんなある日・・・・・

 

「はっ?ギター買え?」

 

「そう。あんたもそろそろ自分専用のギターを持った方がいいよ」

 

いつもの通りに部室に着いて練習の準備をしていた時に突然、レミがそんな事を言い出した。

 

「何でギター買うの?」

 

「自分専用のギターを持った方が良いのよ。馴染みやすいし、それに最初に買ったギターが自分のプレイスタイルにも凄く影響を及ぼすのよ。あんたもそろそろそういう時期だからね」

 

「いや・・・・別にこの部室にあるギターだけで良いじゃん」

 

「言っとくけどここにあるギターとベースの9割8分私の私物だからね」

 

「マジで!?」

 

レミの私物という単語に驚いてしまう。だってこの部室にあるギターって20本近くあるんだぜ!?ベースだってレミと時々俺が弾くくらいなのに15本もあるし!?

 

「お前、ここにあるギターとベース全部買ったの!?」

 

「1本や2本は買ったけどあとは全部貰い物よ」

「嘘だろ!?30本近くもどうやって貰うんだよ!?」

 

「バイトの報酬」

 

「納得」

 

確かレミって新しく作った楽器のテストプレイヤーのバイトしてるとか言ってたな・・・・・それでか(汗)

 

「奏も自分のギターを使ってるよ。今何本あるの?」

 

後ろに振り返ってレミが奏に問いかけると奏が「う〜ん」と声をあげて考える仕草をとる。

 

「何本だったかな・・・・・アコギもクラシックとフォークで1本ずつあるし、エレキだと・・・・・3本かな?」

 

「そんな持ってるの!?」

 

「本格的にやろうと思えば1人最低10本近くは持つよ。流石に初心の頃にギターを買ってもらうのは気が引けたし、もうそろそろいいでしょ」

 

そりゃ始めた頃よりかは少し上達したかな〜とは思うけど・・・・・・・まぁ確かに自分のギターが欲しいなって思う時もあるし、この機会に買えばいいか。

 

「そうだな。買うか」

 

「んじゃあ、次の日曜日に私の家に来て」

 

「あぁ、そう言えばお前の父さん、楽器関連の会社の社員だったな」

 

「そうそう。コネ気かして安くしてもらうよ。ん〜、そうだね・・・・・念のために50万は持って来といて。4本買ってもらうつもりだから」

 

・・・・・・・・・ギターって高いね、うん。

 

 

〜〜(日曜日)〜〜

 

 

「・・・・・で、何でスバル達も来ることになったんだ?」

 

「俺は家にある電子ドラムが使い物にならなくなったから買い物」

 

「私はキーボードの視察。グランドピアノは無理があるし」

 

「私も折角だからギターを見ようかなって」

 

レミの家の前まで行くといつもの通りにスバル達がいた。(いつもの通りという表現もおかしい気がするが・・・・・)言われた通りにカバンには50万という大金を入れてきている。

 

「お前、電子ドラムなんてあったか?この前上がった時にはそんな物一切見当たらなかったが」

 

「普段はガレージにしまってあるんだよ。あそこしか電子ドラムを置ける場所がないし」

 

「でも使い物にならなくなったってどういう事?スバルなら直せるでしょ?」

 

奏の言ったその一言で何故かスバルの背中きら哀愁が漂い始めた。

 

「・・・・・・・この前、修理に来たお客さんが足を滑べらせて冷蔵庫に当たってその冷蔵庫が電子ドラムを踏み潰した」

 

「うん、ツッコミ所満載だけどあえて突っ込まないでおく」

 

何か色々とツッコミたかったがあえて突っ込まない。突っ込んだら負けのような気がしたからだ。

 

「お待たせ〜。ごめんね待たせて」

 

玄関の扉が開いて、レミがコートを着ながら家から出てきた。背中には何やらギターかベースを入れるケースを背負っている。

 

「それ何だ?」

 

「これはテストプレイした楽器。今日返却しなきゃいけないからね。さぁてと、行くわよ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「はい着いた」

 

えっ、えらい早く着いただって?かれこれ10分は歩いたよ。

まぁそんな訳で目的地に着いた。目の前には7階建てくらいのそこそこ高いビルだ。ネオドミノシティだとこれでもまだ低い方だけどね。とりあえずビルの中に入って目的のフロアを探す。

 

「え〜と・・・・・・ギターは2階か。ドラムも同じ階だな」

 

「待った待った、2階なんて行ったら品揃え悪いよ。5階に行くよ」

 

「5階?5階って・・・・・・関係者以外立ち入り禁止」

 

「関係者」

 

「あっ、はい、そうですね」

 

自分自身に指を指して納得してしまった俺。直ぐにエレベーターに乗ってレミが社員証みたいなIDカードを取り出して、ピッと音が鳴るとエレベーターが動き出す。そのまま5階についてエレベーターが開くと、目の前にカウンターみたいなものがあった。

 

「あっ、レミさん。お疲れ様です」

 

「お疲れ〜。これ、今日返すやつ。レポートは中に入ってあるから」

 

「分かりました。お父様があちらでお待ちになっております」

 

受付嬢にギターを渡したレミは、そのまま受付嬢が指した手の方向を見る。ガラス張りの扉の奥にスーツ姿の男の人が手を振っている。俺たちはその人の方へと歩き、扉の前で立ち止まる。全自動で開いた扉を通り過ぎると、レミのお父さんの姿が見えてきた。

 

「お父さん、彼が言っていた人よ」

 

「遠藤遊輝です。よろしくお願いします」

 

「どもども。全く音楽と関係なかった君がギターを買ってくれるなんて私は嬉しい限りよ。所で後ろの子達は?」

 

「俺は電子ドラムを買いに来ました」

 

「私はキーボードの視察」

 

「私もギターの視察を」

 

「いや〜、若い人たちがこうやって楽器に興味を持ってくれるのはありがたいね。近頃はボカロ曲ばっかでパソコン一つで音楽を奏でる時代になってしまっ「お父さん!!早く案内しなさいよ!!」わ、分かった・・・・(汗)」

 

レミのお父さんがなんか感慨深そうに長〜い話になりかけたところをレミが活をいれて止めた。

 

「じゃあギターはこっち。電子ドラムはギターの奥にあるから」

 

レミのお父さんが案内してくれた部屋には大量のギターが壁に飾られていたり、立てかけてあったりしていた。数自体は数えられないが、部屋がそこそこ大きいので300近い数はあるのではないだろうか?

 

「それじゃ、私は別の仕事に行くから買いたい商品やキープしておきたい商品はこのスタッフに言ってくれたまえ」

 

レミのお父さんがそう言ったあと、この部屋から出て行ってしまった。スバルと響は既に奥の部屋へと行ってしまい、奏も勝手にギターを手に取りだす。

 

「それで、どんなの買えばいいんだ?」

 

「う〜ん・・・・とりあえず本命のギターを決めない事には2本目の種類も決まらないよね。好きなギター選んだらどう?そこからだったら私もアドバイスして選ぶし」

 

フロアに沢山あるギターを1個1個手に取って見ていく。デザインを見ながら気に入ったものは手にとって自ら弾いてみて、合わなかったら元に戻す。そんなこんなでフロアを半周する。

 

「(自分に合うギターってなかなか見つから・・・・・!!!!こ、これは!!)」

 

ふと目に入った1本のギターを見つけ、そいつを手にとってデザインを確かめる。・・・・・・間違いない!!これだ!!!

 

「これ!!!これ欲しい!!!」

 

「?・・・・あ〜、なるほどね」

 

俺が見つけた一本のギター、それを見てレミは何故か納得したような表情を浮かべた。

 

「何でこれが欲しいの?」

 

「だってこれ桜井さんが使っているギターの大量生産モデルだもん!!」

 

「・・・・・・本当にミスチル基準だね」

 

俺が指指したギターは俗に言う『ブルーフラワー』と呼ばれるギターで、ギター全体が明るい青色で塗装されて花が描かれている。ミスチルファンなら誰もが知っている桜井さんもライブで使っているギターなのだ!まさかこんな所で見つかるとは思わなかった!!本命のギターを手に取ってピックを借りて近くに置いてあるアンプに繋いで音を確かめるように弾き始める。

 

♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪

 

「・・・・・・・・ミスチル好きだけあるね。何か遊輝のプレイングと合う気がするわ」

 

「ほんとそうね。これなら本命に出来るんじゃない?いくらなの?」

 

「10万円・・・・・まぁ手頃な所だよね。これ本命にする?」

 

「もちろん!」

 

「じゃあこれキープ」

 

レミが言ったキープという言葉を聞きつけ、後ろにいたスタッフが台を転がして来る。その台にはギターを乗せるために柵が何個か取り付けてあるのでギターを立てかけて移動する事が出来る。俺は台にギターを置いて次のギターを探す。

 

「あとはエレキが2本、アコギがどちらか1本ね。あれはテレキャスターだから、基本的なストラトキャスターは必須として・・・・・・今はレスポールかな?」

 

「ごめん、ギターの種類を言われても分からないんだけど」

 

「めちゃくちゃ簡単に言ったらあんたが手にしたのは大きく分けてオールマイティーだから、ロック系が強いやつとポップ系よりのギターを選んでもらうってこと、アコギはあとで選びましょう。これなんかどう?」

 

レミに手渡された黒色のギターを手に取って軽くチューニングをして弾く。

「(・・・・・あっ、これいいわ)これ良いな。とりあえず考えておく」

 

「んじゃ・・・・・・・」

 

 

 

 

〜〜数時間後〜〜

 

 

 

「まぁこんなところかな?」

 

「おい、6本も買うことになってしまったぞ。最初の予定はどうした」

 

台に置かれた2本のアコギと4本のエレキを指差す俺。当の本人は何も知らないような素振りをしている。スバルの方は目的の物を既に決めていたらしく直ぐに買ったらしい。響は本当に見るだけだったが、奏も結局1本買うか本気で悩んでしまう始末だ。

 

「んで、これ全部でいくら?」

 

俺が近くにいるスタッフにそう問いかけると、電卓をポチポチと押し始めた。全ての金額を打ち終わったところで電卓の金額を提示してきた。・・・・・・エッ?

 

「・・・・・・58万(汗)」

 

スタッフが提示した金額に額から汗が流れてしまう。圧倒的な予算オーバーなんだが・・・・・・・(汗)これどうすればいいの?俺、今から銀行に降ろしに行くの?

 

「幾らだったのよ?・・・・58万円?じゃあ・・・・」

 

レミがスタッフから電卓をスタッフから取って50万という金額を打つ。

 

「これでどう?」

 

「う〜ん・・・・8万ですか。55万ならまだ妥協出来ますが」

 

「これが予算って言ってお父さんに通したのよ。何とかならないの?」

 

「そんな事言われましても・・・・・・う〜ん・・・・・」

 

「まけてやってもいいじゃないか坂口さん。こうして楽器に触れる若者が増えてくれたらこっちとしても嬉しいですし」

 

レミがスタッフと値引きの交渉をしていたところにいつの間にか戻ってきてたレミのお父さんが割って入って値引きさせるように促す。

 

「しかし葵さん、いくら娘さんの友達とはいえ8万円は大きいですよ」

 

「 8万円の埋め合わせぐらい、君には容易いことだろ?」

 

「簡単に言わないでくださいよ・・・・・・いつもいつも上司に胃が痛い思いで話しているのですよ」

 

「そんな事ないじゃないか。この前だって、○○さんとそこのイタリアンで」

 

「わあああ!!!!!な、何でそれを知っているのですか!?」

 

「(・・・・・・あ〜、うん、蛙の子は蛙だな)」

 

レミのお父さんがスタッフに色々と危ないネタを持ちかけて俺はそう思った。レミの性格は親から引き継いだのね・・・・・(汗)

 

「う〜ん・・・・じゃあこうしましょう!!デュエルで勝てば50万円にしますよ!!」

 

「・・・・・・45万(ボソッ)」

 

「よ、45万にしますよ!!その代わり僕が勝てば58万払ってもらいますからね!!」

 

流石デュエル万能説・・・・・何事もデュエルで解決する便利な世界・・・・・にしても、いつの間に45万になったんだ?50万じゃなかったのか?

「よし、じゃあレミ、よろしく」

 

「ハァ・・・・結局私に回ってくるのね」

 

この事を予期していた(らしい)レミはデュエルデスクを取り出す。スタッフに連れられて俺たちはエレベーターに乗り、屋上へと行く。屋上には休憩用のベンチがあるが、中央に大きくデュエルフィールドが書かれており、レミとスタッフが対峙する。

 

「それじゃやりましょうか」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

レミ LP 4000 坂口 LP 4000

 

「先行貰うわよ!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「(・・・・・そう言えば最近忙しくて調整してなかった。帰ったらこのカード抜かないと)シールド・ウィングを守備表示で召喚して、2枚伏せてエンド」

 

 

レミ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

シールド・ウィング 守900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「私のターン、ドロー!」

 

坂口 手札 6枚

 

「切り込み隊長を召喚!」

 

切り込み隊長 攻1200

 

「切り込み隊長の効果により私は手札からチューナーモンスター、音響戦士ドラムスを特殊召喚!」

音響戦士ドラムス 攻700

 

スタッフの前に切り込み隊長が出てきて、切り込み隊長が剣を引き抜き何かのポーズを取ると後ろからドラムとシンバルを身体にしたモンスターが音を鳴らしながら走ってきた。へぇ〜、音響戦士のデッキか。どんな使い方するんだろうな〜と思っていた矢先、レミの伏せカードが1枚オープンしていた。

 

「リバースカードオープン!ゴッドバード・アタック!シールド・ウィングをリリースして、切り込み隊長とドラムスを破壊する!」

 

シールド・ウィングが真っ赤に燃え上がって切り込み隊長とドラムスの2体を破壊していった。

 

「あんたの考えは読めるんだからね!ドラムスで地属性にしてナチュル・ビーストにシンクロ召喚しようとしたみたいだけどそんな事させないから!!」

 

「(なにそれ、こぇ・・・・)」

 

「くそっ・・・・カードを3枚伏せてエンド!」

 

 

坂口 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 4枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

レミ 手札 3枚→6枚 坂口 1枚→4枚

 

「魔法カード、おろかな埋葬!デッキからファランクスを墓地に送る!そしてドラグニティーパルチザンを召喚!」

 

ドラグニティーパルチザン 攻1200

 

「パルチザンの効果発動!手札の《ドラグニティ》と名のついた鳥獣族モンスターを特殊召喚してこのカードを装備カードとして特殊召喚したモンスターに装備する!手札からドラグニティープリムス・ピルムを特殊召喚!」

 

ドラグニティープリムス・ピルム 攻2200

 

パルチザンの雄叫びで後ろからピルムが現れて、パルチザンがピルムの腕にくっ付く。

 

「本当ならピルムの効果を使いたいけどタイミング逃しちゃってるからしょうがないわね。このままバトル!ピルムでダイレクトアタック!」

 

パルチザンを鷲のように操って、ピルムは相手そのまま攻撃する。

坂口 LP 4000→1800

 

「うっ・・・・リバースカードオープン!罠カード、無抵抗の真相!相手のダイレクトアタックで戦闘ダメージを受けた時、手札のLv1モンスターを見せることでその見せたモンスター特殊召喚!さらにデッキからも同名モンスター1体を特殊召喚する!私は音響戦士ベーシスを見せて、このカードを守備表示で特殊召喚!」

 

音響戦士ベーシス 守400 ×2

 

相手のフィールドに今度はベースをモチーフにしたモンスターが2体出てきて、愉快に音を鳴らす。はは〜ん、音響戦士を中心にしたシンクロデッキみたいだな。にしてもベーシスしか、嫌なモンスターが出てきたな。あいつはレベルを自由に変えることが出来たな。

 

「また面倒くさいモンスターを・・・・」

 

レミもベーシスの効果を分かっているためかかなり嫌そうな顔をしている。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティープリムス・ピルム 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーパルチザン 《ピルム》

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

坂口 手札 5枚

 

「私も魔法カード、おろかな埋葬!デッキからレベル・スティーラーを墓地に送る!そして音響戦士ピアーノを召喚!」

 

音響戦士ピアーノ 攻900

 

ベーシス2体の間にピアノをモチーフにしたモンスターが自身でピアノを弾きながら現れる。これはあれだな・・・・・今はないけど他のカード渡せば面白そうなデッキになりそうだな。

 

「音響戦士ベーシスの効果発動!1ターンに1度、手札の枚数だけ私のフィールドにいる《音響戦士》モンスターのレベルをこのターンの終わりまで上げる!私の手札は3枚!私が選択するのはベーシス!」

 

音響戦士ベーシス ☆1→☆4

 

「さらにもう一体のベーシスの効果も発動!選択するのはレベルが上がったベーシスだ!」

 

音響戦士ベーシス ☆4→☆7

 

「墓地のレベル・スティーラーをレベルが7になったベーシスのレベルを一つ下げて特殊召喚!」

 

レベル・スティーラー 攻600

音響戦士ベーシス ☆7→☆6

 

「音響戦士ピアーノの効果発動!私のフィールドの《音響戦士》モンスターの種族を変えることが出来る!私はLv6のベーシスを選択して悪魔族に変更する!」

 

音響戦士ベーシス 機械族→悪魔族

 

「☆1のレベル・スティーラーに☆6の悪魔族となった音響戦士ベーシスをチューニング!」

 

☆1 + ☆6 = ☆7

 

「シンクロ召喚!デーモン・カオス・キング!」

 

デーモン・カオス・キング 攻2600

 

デーモン・カオス・キング!?また珍しいモンスター出してきたな!?ジャックが時々使ってるがそんなにデュエルで活躍しているところ見てないぞ!?

 

「さらにデーモン・カオス・キングのレベルを1つ下げてレベル・スティーラーを特殊召喚!」

 

デーモン・カオス・キング ☆7→☆6

 

「Lv1のレベル・スティーラーにLv3の音響戦士ピアーノをチューニング!」

 

☆1 + ☆3 = ☆4

 

「シンクロ召喚!アームズ・エイド!」

 

アームズ・エイド 攻1800

 

出た、Lv4のシンクロモンスターはまだこいつしか出回っていないので色んな所で出張するアームズ・エイド。相変わらず口上はないのか。

 

「アームズ・エイドの効果発動!このカードを装備カード扱いでデーモン・カオス・キングに装備!装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップして、装備したモンスターが相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

 

デーモン・カオス・キング 攻2600→3600

 

あ〜と・・・・・これでデーモン・カオス・キングで攻守が逆転したら・・・・あれ?ライフが0じゃね?レミの負けじゃね?

 

「バトル!デーモン・カオス・キングでドラグニティープリムス・ピルムに攻撃!」

 

デーモン・カオス・キングがゆっくりとピルムに近づき、その途中で何かの波動をピルムに向かって放たれる。その波動を受けたピルムは少し苦しんだ表情になる。

「デーモン・カオス・キングの攻撃宣言時、相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える!」

 

ドラグニティープリムス・ピルム 攻/守 2200/1600→1600/2200

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!この戦闘で受ける戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

レミ 手札 1枚→2枚

 

デーモン・カオス・キングが悪の波動みたいなものを口から出してピルムは破壊したが、その衝撃波はレミの前に出来たバリアによってレミ自身のダメージには通らなかった。

 

「しかしアームズ・エイドの効果で2200のダメージは受けてもらう!」

 

レミ LP 4000→1800

「これくらいどうって事ないわよ!!」

 

「(手札のカードで伏せる物はないしこのままエンドだな)ターンエンド」

 

「エンドフェイズに速攻魔法、サイクロン!左側の伏せカード破壊!」

 

「!!(次元幽閉が!!)」

 

 

坂口 手札 3枚 LP 1800

【モンスターゾーン】

音響戦士ベーシス 守400

デーモン・カオス・キング 攻3600

【魔法・罠ゾーン】

アームズ・エイド (デーモン)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

手札 3枚

 

「ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果!墓地にあるLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターをこのカードに装備する!ドラグニティーファランクスを装備して、ファランクスの効果!自身を特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

相も変わらず無口なファランクスがドゥクスから離れてフィールドで現れる。でもこの様子だと今回のこいつの出番は少なくなりそうだな。

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

ドゥクスとファランクスが一つの光となって出てきたのはミリトゥムが乗った赤い龍こと、ヴァジュランダだ。ドラグニティのシンクロモンスターとして結構有名だな。ヴァジュランダと言うことはこの後にまだ続くのか?

 

「ヴァジュランダの効果!このカードもシンクロ召喚時、墓地のレベル3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターを装備する!墓地のファランクスを装備して、装備魔法、ドラグニティの神槍を発動!」

 

!?神槍!?あいついつの間にそんなカード当てたんだ!?あれって確か昨日発売のパックに入ってたんだぞ!?

 

「装備モンスターの攻撃力はレベル×100ポイントアップして罠カードの効果を受けない!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900→2500

 

「くっ・・・・しかもヴァジュランダで攻撃力が倍に(だけど私の伏せカードは攻撃の無力化!次のターンになればデーモン・カオス・キングで倒せる!)」

「ドラグニティの神槍の第二の効果!デッキから《ドラグニティ》のチューナーモンスター1体をこのカードを装備したモンスターに装備する!私が選択するのはドラグニティーアキュリス!」

 

「なっ!?」

 

ヴァジュランダが持っていた槍を天空に突き刺すとその上空で竜巻が起こり、その中からアキュリスが出てきてヴァジュランダに装備される。

 

「これでヴァジュランダの効果発動!装備状態のアキュリスを墓地に送って攻撃力を2倍にする!ソウル・アブソーブ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻2500→5000

 

「さらに装備状態で墓地に送られたアキュリスの効果!フィールドのカード1枚を破壊する!私が選択するのはその最後の伏せカードよ!」

 

「ぐっ!!(攻撃の無力化が!!)」

 

「バトル!ヴァジュランダでデーモン・カオス・キングに攻撃!風雷の槍!」

 

ヴァジュランダがデーモン・カオス・キングを狙い澄まし、槍を投げる。投げられた槍は途中で風と雷の力で攻撃力が上がり、デーモン・カオス・キングの心臓を打ち抜いた。

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻5000

デーモン・カオス・キング 攻3600

坂口 LP 1800→400

 

「ぐわああああ!!!!!!!」

 

「そしてリバースカードオープン!罠カード、シンクロ・デストラクター!シンクロモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

wow・・・・・・・オーバーキル過ぎるだろ・・・・(汗)ヴァジュランダが最後に相手に近づいて、相手の心臓に槍を撃ち抜くのようなポーズを取る。

 

坂口 LP 400→0

 

 

WIN レミ LOS 坂口

 

 

 

 

「V!!」

 

右手を突き出してVサインをするレミ。それを見た相手は「はぁ〜」とため息をつく。

 

「分かりましたよ・・・・あれ全部で45万にまけます」

 

「これで良しね。じゃあ遊輝、あとはあんただけよ」

 

「はいはい」

 

俺はカバンの中に入れていた50万円入りの封筒を取り出して、その中から5万円を出してスタッフに渡す。

 

「はい、ピッタリ45万」

 

「えっ?・・・・・・あ、ありがとうございます。君、こんな大金を良く親が許してくれたね」

 

「あっ、え、え〜と、その・・・・・俺、親がいないのです」

 

「あっ、ご、ごめんね。気を悪くしちゃって。となると・・・・この45万って」

 

「俺のお金です」

 

その言葉を聞いたスタッフはとてつもなく驚いた。そりゃそうだろうな。親無しの子供が45万という大金を持っているのだから。だが、俺の預金口座にはこれの10000倍以上のお金がまだ眠っているのだが、それは言わないでおこう。

 

「これで交渉成立だね。流石に6本全部持って帰るのは無理があるから好きなギターを1本だけ持って帰るかい?あとのギターはこっちが君の家まで配送してあげるよ」

「何から何までありがとうございます。じゃあ・・・・・・ブルーフラワーは持って帰ります」

 

最初に見つけて、すっかりお気に入りとなったブルーフラワー。これからはこいつ中心で頑張って行くか。




遊輝「というわけで後書きですが、これからの後書きには東方projectのキャラ(作者が執筆した小説に出てきたキャラのみ)が来ます!最初は主人公ペア!」

霊夢「博麗霊夢よ」

魔理沙「2回目の登場!霧雨魔理沙だぜ!」

「「「「・・・・・・・・・・」」」」

霊夢「何よあんた達、さっきからジロジロ見て」

レミ「いや・・・・・変な服着てるなって」

スバル「魔理沙のその服なんかなんか魔法使いっぽいし」

魔理沙「ぽいじゃなくてちゃんとした魔法使いだぜ!」

響「えっ!?魔法使いって存在するの!?」

奏「あと霊夢さんのその服・・・・・もしかして巫女?」

霊夢「そうだけど」

奏「ず、随分、露出度の高い服を・・・・(汗)」

霊夢「・・・・・正直、こっちの世界きて少し恥ずかしかった」

レミ「(ですよね〜(汗))」

遊輝「それじゃ今回の話について色々言っていきましょう」

魔理沙「遊輝ってもしかして金持ち?」

遊輝「いきなりそこ!?」

スバル「確かにそれが疑問だよな。急にギター買うって言われて2日後に50万を用意出来るなんてそう簡単には出来ないぜ」

レミ「あんた、貯金いくら?」

遊輝「言えません(主に霊夢がいるから・・・・)」

響「デュエル何だけど、なんか相手のデッキ色々と変わってややこしかった・・・・」

奏「レミってなんかお見通しのようにデュエルしてたけどもしかして分かってたの?」

レミ「そうよ。何回か社員とデュエルしていたし」

魔理沙「だけどあのドラグニティってモンスターは凄かったな!龍と鳥が一心同体で戦っている姿がカッコよかったぜ!」

霊夢「相手のデッキも興味深いね。音響戦士ってところがなんか音楽会社の社員みたいだね」

遊輝「次回はRD二本です」

霊夢「?RDって?」

遊輝「ライディングデュエルです」

響「【スピードの世界でのデュエル】次回もよろしくね〜」


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第83話 スピードの世界でのデュエル

最強カードの紹介!!

遊輝「ここに来たのは1年振りくらいか?」

多分そうかな?間に東方projectの作品を先に完結させたし。

遊輝「ほんっと死にそうだった・・・・・・というか俺無事に帰ってこれたのか不思議だぜ」

おかけで空を飛べるようになったじゃないか

遊輝「それおかけでって言うのか・・・・・・まぁ空を飛べるようになったのは嬉しいけど」

それじゃ最強カードの紹介に行きましょう!!今回は針虫の巣窟!!

遊輝「通常罠の1枚で、デッキトップ5枚を墓地に送れる。墓地肥やしのデッキには欲しいカードだな」

【シャドール】が全盛期の頃に制限になったが、今では無制限なので墓地を肥やすデッキには是非ども入れたいね!

遊輝「第83話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


遊輝 side

 

 

・・・・・・ブオオオオ!!!!!

カチッ!カチッ!

 

「・・・・・1分12秒と1分13秒。スバルが1/100で勝ったな」

 

「え〜、同時に見えたけど?」

 

「コンマの世界で争う世界なんだ。0.01秒でもかなり大きい方だ」

 

ストップウォッチで測っていたところを響に突っ込まれたがそう返した。Dホイールの世界は厳しい、ほんのちょっとでも早くなる為にはかなりの努力が必要、遊星にそう教わった俺はとにかくスピードを大事にした。Dホイールの世界において、トップスピードを維持し続けることはかなり難しい。だが、このスピードを維持し続ければ、例えアマチュアの俺たちでもプロと一進一退の勝負が出来る。タイムだってそうだ、さっきのは1/100秒差と言っていたけど、それを距離に置き換えたら1m近くも離れている。この差はかなり致命的だ。

そんな事を思っていたら、さっきまで走っていたスバルとレミがゆっくりとしたスピードで帰ってくる。

 

「スバル絶対スタートの時に何かしたでしょ!明らかにスタートダッシュした後の距離おかしかったよ!」

 

「だから少しDホイールを弄った以外何もしてねぇって!」

 

「何かしてるでしょうが!!」

 

「お前ら何してるんだよ・・・・・とりあえず次は俺のタイムアタックだから誰か測ってくれ」

 

「私が測るわよ」

 

奏が手を挙げたので、ストップウォッチを奏に渡して自分のDホイールに乗り込む。エンジンを掛け、スタート地点までゆっくり移動して止まる。そしてシグナルの合図で一気に飛び出す。

俺たちは今、アカデミア(主に校長が)作ってくれたDホイールのレース場でトレーニングをしている。WRGPの出場が決まったので練習は必要。レミも分かってくれているので部活の時間を削って練習している。(レミの能力使えば練習時間なんて無限でもあるんだが)

そんな邪念を思いながらラストコーナーを曲がり一気にスパートをかける。

 

ブオオオオ!!!!!!!!キュウウウウ!!!

 

スタート地点を超えたところでブレーキを掛けてDホイールを止める。う〜ん・・・・・調子が上がらない。最近Dホイール乗らんとデッキばっかり弄っていたからな。

 

「タイムは!?」

 

「1分04秒!!」

 

「(あれ?自己ベスト?)」

 

おっかしいな〜・・・・・・・今日は全然スピードに乗れている気がしなかったんだけどな・・・・・・・後でDホイール見てみるか。

 

「次は私と奏のライディングデュエルだね!」

 

元気はつらつに言ってDホイールに乗り込む響。相手である奏もストップウォッチをベンチに置き、Dホイールに乗ってスタート地点までゆっくりと走る。

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド2!セットオン!」」

 

Dホイールを駐車スペースに戻してその反対場にあるピッドに移動して電子器具を触る。響と奏の前にシグナルの表示が出てそれぞれエンジンを鳴らす。

「行くよ奏!」

 

「負けないわよ!!」

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」」

 

響 LP 4000 奏 LP 4000

 

シグナルが青になったのと同時に2人はエンジンをフルスロットルにして飛び出す。最初のスタートダッシュは響が成功。奏と1m近くの差が開いた。

 

「(やっぱり奏の今後の課題はスタートダッシュだな。今日は調子悪いみたいだし、実際加速も良くないな)」

 

奏得意のスタートダッシュ後の急加速だが今日はそれが見られず、そのまま響が第一コーナーを曲がる。

 

「私のターン、ドロー!」

 

手札 6枚

 

響 SPC 0→1 奏 SPC 0→1

「氷結界の御庭番を守備表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 3枚 SPC 1 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の御庭番 守1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

響 SPC 1→2 奏 1→2

 

「(また固いモンスターが出てきたわね。手札のカウンター罠も多いし、盤石の状態までゆっくりとしよう)チューナーモンスター、神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

奏のDホイールの隣にアースが出てくるが、相変わらず欠伸をしながらDホイールの横を付いている。

 

「また眠そうな顔をして・・・・ほんっと良く寝るわね」

 

『だって眠いんだもん・・・・・今すぐにフワァ・・・・』

 

「今はダメよ。アースの効果でデッキからヴィーナスを加えるわ。カードを4枚伏せてターンエンド」

 

 

奏 手札 2枚 SPC 2 LP 4000

【モンスターゾーン】

神秘の代行者 アース 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

響が先にスタート地点まで戻ってきてそのまま突っ走る。奏も響の後を追うように走っていく。

 

「また嫌がらせのようなフィールドね!私のターン、ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

響 SPC 2→3 奏 SPC 2→3

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローしてその後手札を1枚捨てる!」

 

出たよ、RDのデュエリストなら絶対に入れるSP。あれ強すぎだからな。天使の施しなのにコストが軽すぎるんだよね。

「E・HERO エアーマンを召喚!効果でデッキから・・・」

 

「リバースカードオープン!罠カード、奈落の落とし穴!」

 

「な、奈落の落とし穴!?」

 

「攻撃力1500以上のモンスターが召喚・特殊召喚した時にそのモンスターを破壊してゲームから除外する!」

 

エアーマンが現れた所に大きな落とし穴が出来て、エアーマンが吸い込まれていく。

 

「何で奈落の落とし穴なんて入れているのよ!!」

 

「カウンター罠だけじゃ防げないと思ったのよ!!RDだとSPCを大事にしないといけないし!!」

 

「計算が色々と狂っちゃったよ!!エアーマンの効果は有効だからアナザー・ネオスを手札に加えてターンエンド!」

 

 

響 手札 4枚 SPC 3 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の御庭番 守1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

響 SPC 3→4 奏 SPC 3→4

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「ヴィーナスの効果!ライフを500ポイント払う毎に神聖なる球体を特殊召喚出来る!1500ポイント払って3体を守備表示で特殊召喚!」

 

神聖なる球体 守500 ×3

 

「Lv2の神聖なる球体2体とLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

コース中央の上空に雷雲が出来て、ライトニング・エンジェル・ドラゴンがその中から舞い降りてくる。練習用RDといえど、やっぱりてをぬく訳にもいかねぇしな。奏が持っている響のバックも怖いし、そうなるわな。

 

「これでバトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンで氷結界の御庭番に攻撃!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!これでライトニング・エンジェルの攻撃を無効に!」

 

「カウンター罠、雷の矢!ライトニング・エンジェル・ドラゴンがフィールドにいるから攻撃の無力化の発動を無効にして破壊する!」

 

攻撃の無力化のカードをライトニング・エンジェル・ドラゴンが雷に纏った矢で撃ち抜き破壊する。そのままもう一つの矢で今度は御庭番も破壊していった。

 

「ヴィーナスでダイレクトアタック!」

 

響 LP 4000→2400

 

ヴィーナスの攻撃を受けた響はDホイールのバランスを少し崩したが直ぐに整える。しかし、そのちょっとした好きに奏が加速して響に追いつく。

 

「やっと追いつく事が出来たわ。ここから一気に追い抜くわよ!」

 

「やれるならやってみたら?私だってそう簡単に抜かれるほどヤワじゃないわ!!」

 

「言ったわね!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 1枚 SPC 4 LP 2500

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

神聖なる球体 守500

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「奏有利の展開になってきたわね」

 

「あぁ、ライトニング・エンジェルのおかけで罠カードも気にせずにいけるしこのまま奏が押すか?」

 

「いや、分からんぞ」

 

ピッドで観戦をしているレミとスバル。奏有利の展開に双眼鏡で見ていた俺が待ったをかける。

 

「何が起こるか分からないのがデュエル。特に慣れていないRDだと尚更な」

 

「それもそうね。響は手札を5枚もあるし」

 

「それにライトニング・エンジェルには魔法カードを無効に出来ないという弱点だってある。SPCが5個ならこのターン、対処される可能性がある」

 

「私のターン、ドロー!」

 

響 手札 5枚

 

響 SPC 4→5 奏 SPC 4→5

 

「(・・・・・これは上手いこと行けばこのターンに勝てる!)SPーハイスピード・クラッシュ!SPCが2つ以上ある時、自分フィールドのカードと相手フィールドのカード1枚を破壊する!選択するのは私の伏せカードと奏の右側のカード!チェーンでSPーサイクロン!SPCを2つ取り除いて真ん中のカードを破壊!」

 

「!!(魔宮の賄賂を使っても意味がないし、神の警告も破壊されてしまう!!)」

 

響 SPC 5→3

 

奏が破壊されたカードは・・・・・・賄賂と神の警告か、これは痛いな。伏せカード1枚でターンが戻ってこれるか心配になってきたぞ。

 

「(でも私の伏せカードは攻撃の無力化!まだなんとか・・・・)」

 

「SPーシンクロ・デフューズを発動!」

 

シ、シンクロデフューズ?あれ何だっけ?

 

「?シンクロ・デフューズ?遊輝、あのカードの効果分かるか?」

 

「いや・・・・・俺もちょっと」

 

「SPCが2つ以上ある時、このターンのエンドフェイズまで相手フィールドのシンクロモンスターのコントロールを得ることが出来る!」

 

「はっ!?」

 

「えっ!?コントロールを得る!?」

 

「私が選択するのはもちろんライトニング・エンジェル!!」

 

響が発動したカードから沢山の白い鎖みたいなものが飛び出してライトニング・エンジェルの身体に巻きつく。そのまま力任せで奏のDホイールから離れて響のDホイールへと拘束されながら無理矢理動かされた。

 

「ラ、ライトニング・エンジェル・ドラゴンが!!」

 

「その代わりに攻撃が出来ないんだけどね。墓地にいるフィッシュボーグーランチャーの効果発動!墓地のこのカード以外のモンスターが水属性モンスターだけの場合、墓地からこのカードを特殊召喚する!」

 

フィッシュボーグーランチャー 攻200

 

囚われているライトニング・エンジェルの隣に水が浮かび上がって、両手に刀を備えた見た目がダイバーみたいなモンスターが浮上してきた。

 

「(フィッシュボーグーランチャーか・・・・・よく入れてたな。でもあいつって水属性のシンクロモンスターにしか使えないんだろ?グングもアイスもチューナー以外に水属性モンスターをしていたんだけど)」

 

「SPーエレメンタルチェンジを発動!SPCが3つ以上ある時、自分フィールドのモンスター1体の属性をエンドフェイズまで私が宣言した属性に変える!」

 

「(あ〜、なるほど。それでライトニング・エンジェルを奪ったのか)」

 

「ライトニング・エンジェルを選択!私が宣言する属性は水!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 光属性→水属性

「☆6の水属性となったライトニング・エンジェルに☆1のフィッシュボーグーランチャーをチューニング!」

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

拘束されたライトニング・エンジェルとフィッシュボーグーランチャーが一つになって、今度はコース中央が凍り付けになり、その氷が突き破られてアイス・スプラッシュが雄叫びをあげてフィールドに舞うように現れる。

 

「アイス・スプラッシュのシンクロ召喚成功時の効果でその手札1枚を墓地に送る!」

 

「くっ!」

 

送られたのは・・・・・・・・SPーシフト・ダウンか。次のターンになれば2枚ドローというわけだったのか。

 

「さらにアイス・スプラッシュの効果発動!自身を選択してそのLv×200ポイントのダメージを与える!ウォーター・フォール!!」

 

奏 LP 2500→1100

 

アイス・スプラッシュの二度目の雄叫びにより奏が通れるであろう道の上に大きな雨雲が出来て、大量の水がスコールのように降り注ぐ。奏はDホイールを上手く操って土砂降りになることは防いだ。

 

「寒い!!真冬に全身水浴びとかやったら死んでしまうよ!」

 

「それが私の戦術なんだから!チューナーモンスター、氷結界の風水師を召喚!」

氷結界の風水師 攻800

 

「Lv7のアイス・スプラッシュにLv3の氷結界の風水師をチューニング!」

 

☆7 + ☆3 = ☆10

 

アイス・スプラッシュと風水師が一つになると、いつもの光の輪にならずに大きな丸いサファイアとなり、ピキピキと光を漏らしながら割れていく。

 

「サファイアの宝玉が輝きし時、水の龍が覚醒する。海に永久に続く流氷を導け!シンクロ召喚!!凍らせ!!水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン!!」

 

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン 攻2800

 

『・・・・・・ギャアアアア!!!!!!!』

 

上空に出来たサファイアがピキッと二つに割れて、その中から再び雄叫びをあげながらサファイア・ドラゴンが現れた。

 

「あれが響のドラゴンの進化ね」

 

「どんな効果になってるんだ?」

 

「サファイア・ドラゴンはシンクロ召喚成功時、相手フィールドのカード1枚をゲームから除外する!その最後の伏せカードを除外!フローリングアイス!」

 

サファイア・ドラゴンが吠えた芳香によって奏の最後の伏せカードが凍らされて吹き飛ばされた。最後は・・・・・攻撃の無力化か。でもアイス・スプラッシュの効果で攻撃出来ないんだろう?どうするんだ?

 

「サファイア・ドラゴンの効果発動!このターンの攻撃を放棄して、自分フィールドの水属性モンスター1体を選択!選択したモンスターのLv×300ポイントのダメージを与える!」

 

「!?ま、またバーン!?」

 

「永遠に降り積もる雪に埋もりなさい!アイス・フォール!!」

 

サファイア・ドラゴンが上空に駆け上り、奏の上にに行くと、円を描くように自分の身体をゆっくりと回し始め、その中央にまたまた分厚い雲が奏の上空に出来上がる。Dホイールで300km/h近いスピードを出しているのにも関わらず、サファイア・ドラゴンに誘導されるかのように移動する雲から雪崩のような勢いとスピードで雪が大量にふってきた

 

「ちょっ!?ま、待っキャアアアアア!!!!!!!」

 

奏は大量の雪が降ってくるのを見て慌ててブレーキをかけてしまった。それが逆効果をもたらし、大量の雪は一瞬にして奏とDホイールを中心に積らせる。2分後、雲が晴れて出来上がったのは奏の形をした雪だるまだった。

 

奏 LP 1100→0

 

 

WIN 響 LOS 奏

 

 

 

 

 

 

「何やってくれるんだよ・・・・・」

 

「勝つためにやった戦術なんだからいいでしょ!」

 

「疲れるのは俺なんだぞ・・・・・ハァ、やっと路面が乾いた。しんどかった」

 

「奏、大丈夫?」

 

「ハックション!!!!さ、寒い・・・・・(ブルブル)」

 

「ピッドにいたら風邪引いてしまうから一旦部屋に入って身体を温めおいた方がいいぞ」

 

コースに積もった大量の雪を俺が能力で太陽を何個も作られせて30分かけてようやく溶かし、路面を乾かすことが出来た。一方、ウォーターフォールとアイスフォールを受けて、全身ずぶ濡れの奏は口をガタガタ言わせながら響に連れられて控え室に戻っていった。全く・・・・・・真冬のこんな時期にあんなコンボは受けたくないな・・・・・

 

「次は俺とレミだな」

 

「先週の授業で負けたから今日はそのリベンジだね」

 

「お前いつもそんなこと言ってねぇか?」

 

大体、授業でレミとスバルがデュエルすると9割方スバルが勝つんだよな。勝因はチートドローだけど・・・・・・

「(そう考えたら、何で俺、今実技トップにいるのかな?前回はスバルだったけどここんところスバルと入れ替わりでトップになってるから・・・・・・)」

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド2!セットオン!」」

 

そんな事思っていたらいつの間にか二人ともスタート地点でデュエルの準備をしていた。目の前にある機械を触り、二人の前にシグナルを表示させる。

 

「それじゃいくか!」

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」

 

レミ LP 4000 スバル LP 4000

 

ブーストしてスタートするレミとスバル。スタートダッシュはほぼ互角のように見えるが加速の技術がスバルの方が上回っているので少しだけスバルが飛び出し第一コーナーを曲がる。

 

「先行貰い!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

スバル SPC 0→1 レミ SPC 0→1

 

「E・HERO オーシャンを召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 3枚 SPC 1 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO オーシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「ドローフェイズにリバースカードオープン!永続罠、フルスロットル!」

 

「げっ!?もう握っていた!?」

 

「互いのスタンバイフェイズに俺はSPCをもう一つ増やすぜ!」

 

スバル SPC 1→2→3 レミ SPC 1→2

 

スバルのHEROはやはり魔法カードに頼る傾向がある。罠融合もあるにはあるがそれだけじゃ足りないと本人が考えた結果、「SPCを無理矢理増やせばいいじゃないか」という結論で入れたフルスロットル。実際、かなり強く、SPCがないと放てないSPを毎ターン使えるんだからね。

 

「(しかもこんな時に手札事故だし!!あのカード破壊出来ない!)ドラグニティーパルチザンを守備表示で召喚!カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 SPC 2 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティーパルチザン 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

スバル 手札 4枚

 

スバル SPC 3→4→5 レミ 2→3

 

少しずつSPCに差が出てきて、レミとスバルにも距離が出てきたか・・・・・SPCが5つだとこのターン融合は出来るな。

 

「SPーオーバー・ブースト!俺のSPCを4つ増やす!その代わり、エンドフェイズにSPCは1になるけどな!」

 

スバル SPC 5→9

 

オーバー・ブーストを発動した事によりスバルはさらにDホイールを加速される。

 

「SPー増援!SPCを3つ取り除いて、デッキからLv4以下の戦士族モンスターを手札に加えるぜ!」

 

スバル SPC 9→6

 

「俺はエアーマンを加えてそのまま召喚!エアーマンの効果によりデッキからプリズマー手札に加えるぜ!さらにSPースピード・フュージョン!SPCが4つ以上ある時に融合するぜ!フィールドのエアーマンとオーシャンで融合!現れろ最強のHERO!E・HERO アブソルートZero!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「また面倒くさいモンスターを出してきたわね!!」

 

「面倒くさいとか言うな!SPーシフト・ダウン!SPCを6つ取り除いて2枚ドローするぜ!」

 

スバル SPC 6→0

手札 1枚→3枚

 

シフト・ダウンを使った事で今度は逆にスバルのDホイールが減速していき、レミに追い抜かれる。あいつ、オーバー・ブーストのコストを逆手に取ったな。これでエンドフェイズにSPCが1になっても痛くもない。

 

「バトル!Zeroでパルチザンに攻撃!瞬間凍結!!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!」

 

「流石に通らないか。カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにオーバー・ブーストの効果でSPCを1にするぜ!」

 

 

スバル 手札 1枚 SPC 0→1 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO アブソルートZero 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

フルスロットル

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

スバル SPC 1→2→3 レミ SPC 3→4

 

「SPーおろかな埋葬!SPCを2つ取り除いて、デッキからファランクスを墓地に送るわ!」

 

「それにチェーンでリバースカードオープン!アクセル・ゾーン!相手がSPを使った時、俺のSPCを6つ増やすぜ!」

 

「はっ!?」

 

レミ SPC 4→2 スバル SPC 3→9

 

あいつ、本当にSPCを増やすカード好きだな・・・・(汗)これでオーバー・ブーストの分は帳消しか。

 

「何いきなりSPCを増やしているのよ!!ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1700

 

「ドゥクスの効果!墓地からファランクスを装備!そしてファランクスの「リバースカードオープン!速攻魔法、SPーサモンクローズ!!」はっ!?」

 

「SPCを3つ取り除いて発動できる!手札を1枚捨てて1枚ドロー!このカードを発動したターン、相手は特殊召喚出来ない!!」

 

「何ですって!?」

 

スバル SPC 9→6

 

出た、エンジェル・バトンに次ぐチートカード。手札1枚交換とSPC3つという結構軽い条件で相手の特殊召喚封じるとか駄目だろ。俺もデッキに入れているけど・・・・・・・

 

「(このターン全く動けないじゃない!!せっかくドゥクスを引いたのに!!)ターンエンド!」

 

 

レミ 手札 1枚 SPC 2 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティーパルチザン 守800

ドラグニティードゥクス 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーファランクス 《ドゥクス》

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 2枚

 

スバル SPC 6→7→8 レミ SPC 2→3

 

「SPーミラクル・フュージョン!SPCを3つ取り除いて、墓地のプリズマーとエアーマンで融合!現れろ!E・HERO The シャイニング!!」

 

スバル SPC 8→5

E・HERO The シャイニング 攻2600

 

「リバースカードオープン!罠カード、スリップ・ストリーム!私のSPCが相手よりも少ない状態の時、次の私のスタンバイフェイズにSPCを相手と同じようにする!」

 

「関係ねぇぜ!シャイニングの攻撃力は除外されている《E・HERO》の数×300ポイントアップする!」

 

E・HERO The シャイニング 攻2600→3200

 

「これでバトル!Zeroでパルチザンに攻撃!瞬間凍結!!」

 

Zeroの攻撃によって凍り付けにされたパルチザンが一刀両断されて粉々になる。

 

「シャイニングでドゥクスに攻撃!オプティカル・ストーム!」

 

E・HERO The シャイニング 攻3200

ドラグニティードゥクス 攻1900

 

レミ LP 4000→2700

 

「よっしゃ!ようやくダメージ与えたぜ!これでターンエンド!」

 

「エンドフェイズにリバースカードオープン!針虫の巣窟!デッキの上から5枚を墓地に落とす!」

 

レミが自分の上から5枚を確認してそのまま墓地に落とす。俺は手前にある機械を使って何が落ちたのか確認する。

 

 

・ドラグニティアームズーミスティル

・ドラグニティーブランディストック

・ドラグニティーアキュリス

・ドラグニティーピルム

・ガード・ブロック

 

 

「・・・・・・強すぎだろ(ボソッ)」

 

 

スバル 手札 1枚 SPC 5 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO アブソルートZero 攻2500

E・HERO The シャイニング 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

フルスロットル

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 2枚

 

スバル SPC 5→6→7 レミ SPC 3→7 (スリップ・ストリーム)

 

さて、これでSPCが7つに並んだか。ドローできるとはいえここでSPCを使わないだろうな。とにかくあのドローが何だったのか・・・・・・

 

「SPーデッド・シンクロン!!SPCが5つ以上ある時、墓地のチューナーモンスターとそれ以外のモンスターを除外することでシンクロ召喚出来る!」

 

「なっ!?墓地でシンクロだと!?」

 

おいおい・・・・・クロウとデュエルしたらそんな事日常茶飯事だぞ。お前なんかどれだけ墓地融合しているだよ(汗)

 

「私はLv6のドラグニティーミスティルとLv2のドラグニティーパルチザンをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

コース中央に大きな竜巻が巻き起こり、上空に向かってフェザーがクルクルと回転しながら現れる。

 

「この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズにゲームから除外される!フェザーの効果!シンクロ召喚成功時、墓地のドラゴン族モンスターを好きな数だけ装備出来る!墓地のファランクスとアキュリスを装備!」

 

フェザーの方向でコースに穴が開いてファランクスとアキュリスがフェザーに装備される。

 

「さらにフェザーの効果!墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻してフィールドのカード1枚を手札に戻す!ドゥクスをデッキに戻して、その伏せカードを手札へ!」

 

「くっ!(ミラーフォースが!)」

 

「さらに装備されているファランクスの効果!このカードを特殊召喚する!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

「Lv8のフェザー・ウィングにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「エメラルドの宝玉が輝きし時、風の龍が覚醒する。大空の時の流れを取り戻せ!!シンクロ召喚!!吹き荒れろ!!風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000

 

フェザーとファランクスが一つになり、今度は大きなエメラルドがフィールドに現れる。そのエメラルドからゴオオという音とともにピキピキと真っ二つに割れる。エメラルドから台風並みの風とともに中から刀を構えたフェザーが現れた。

 

「エメラルド・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、墓地のドラゴン族モンスターを好きな数だけ装備出来る!墓地のファランクス・アキュリス・ブランディストック・パルチザン・ピルムを装備!」

 

エメラルドが地面に刀を突き刺すとそこから地割れが起きて、その出来た地割れから5体のドラゴン達が出てきてエメラルドに吸収されていった。

 

「エメラルドの攻撃力は装備されているカードの数×100ポイントアップする!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000→3500

 

「さらにエメラルドの第2の効果!装備カード1枚を墓地に送ることで、相手フィールドのモンスター1体の効果を無効にして攻撃力と守備力を0にする!」

 

「何だと!?」

 

「対象はシャイニング!タイムリフレックス!」

『時よ・・・・・・過去へ・・・・・・』

 

エメラルドが胸にあるぶら下げていた時計を手に持ち、上へかざすす。コース上空の雲の流れや風が完全に止まる。そして、エメラルドが時計にあるスイッチを押すと、上空に大きな時計が現れて逆回りで回転していく。すると止まっていた雲が逆方向に進み、コース中央のコンクリート部分がどんどんと土に、周りには木々が生い茂っていく。その流れに乗るようにシャイニングの身体も小さくなっていき、やがて赤ちゃんみたいなサイズまで縮んでしまった。

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3500→3400

E・HERO The シャイニング 攻3200→0

「バトル!エメラルドでシャイニングに攻撃!時空・封殺斬!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3400

E・HERO The シャイニング 攻0

 

スバル LP 4000→600

 

「ぐううう!!!!!シャイニングの効果で除外されているエアーマンとプリズマーを手札に加える!」

 

「関係ないわよ!ブランディストックを装備しているモンスターは2回攻撃が出来る!今度はZeroに攻撃!時空・封殺斬!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3400

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

スバル LP 600→0

 

 

WIN レミ LOS スバル

 

 

デュエルが終わった二人はピッドまで移動してDホイールを止める。

 

「お疲れさん、レミ、デッド・シンクロンはいつ引いたんだ?」

 

「手札に握っていたのよ。あの時のドローカードはレギオンだったから「攻めれるかな?」と思って」

 

「なるほどね。ちゃんと計算してスリップ・ストリームを使ったんだ」

 

「まさかこっちのSPCを利用されるとは・・・・・」

 

「スバルもスバルでよくSPCを管理してたな。あんだけSP使っているのに次のターンには10になってたぞ」

 

「でもやっぱりあれも引かなければ意味が無いんだよ。もっとSPに頼らないデッキ構築にしないと」

 

「(チートドローの持ち主がよく言うぜ)」

 

「あっ!!もうこんな時間!!私用事があるから帰るね!!」

 

「俺も帰るぜ。この後、修理の依頼に来る人がいるから」

 

「分かった。気をつけて帰れよ」

 

慌てて帰れレミに注意喚起を促す。「分かってるよ!」というレミの声はDホイールの音で消されてそのまますっ飛んで行った。

 

「(さて・・・・奏の様子を見て、ここの片付けが終わったら俺も帰るか)」

 

そう決めた俺はピッドにある電源ボタンを押して、控え室に移動する。

 




文「皆さん初めまして、幻想郷のブン屋こと、射命丸文です」

紫「八雲紫よ。よろしくね」

遊輝「というわけで今回はこの二人に来てもらいました」

レミ「・・・・・・・鴉?」

文「私は鴉天狗ですよ」

スバル「天狗!?!?」

奏「紫さんは・・・・・」

紫「スキマ妖怪よ。普通に妖怪と思ってくれたらいいわ」

響「(遊輝の仲間って人外ばかり・・・・・(汗))」

文「それにしても良いものを見せてくれましたね〜。これはネタになりますよ」

紫「乗り物に乗りながらデュエルなんて思いもつかなかったわ」

遊輝「(でしょうね。俺も転生する前にアニメで見たときは「何これ?」でしたから)」

レミ「まぁ・・・・・とりあえずオリカの紹介に行こう。今回はSPーエレメンタルチェンジ」


SPーエレメンタルチェンジ
自分のSPCが3つ以上ある時に発動出来る。
自分フィールド上のモンスター1体を選択して、選択したモンスターの属性をこのターンのエンドフェイズまで自分が宣言した属性にする。


文「属性を無理矢理変えるカードですね」

スバル「凄くたらればの強いカードだな。俺だと属性融合に使えるけど」

響「SPCを消費しないのが良いよね!消費するんだったら私も入れてないよ!水属性縛りのシンクロモンスターが多い私には嬉しいカードだよ!」

奏「次は・・・・・・・アカデミアでLIVEね」

紫「(あら、面白そうね)」

レミ「タイトルは【LIVE FES in アカデミア】(あれ?こんな大事にせずに小さなLIVEの予定なんだけど・・・・」

遊輝「次回もよろしく!」


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第84話 LIVE FES in アカデミア

今日はデュエルがないので最強カードの紹介はありません、

最近発売のパックで《PSYフレーム》が面白そうで組んだ。分かったこと、《魔術師》相手には何も出来ずに死んでしまう。龍穴の除去がキツイ・・・・・ガチでフィールドバリアを入れようか悩んでしまう・・・・





































・・・・・・という夢を見たのさ!!PSYフレーム?何それ美味しいの?そんなデッキ僕持ってないよ(笑)


遊輝 side

 

 

「そっちに行ったよスバル!!」

「任せろ!!喰らえブラスターの威力!!」

 

ピチューン!!

 

「よっしゃ!」

 

ピカーン!

 

「おい!!ダイオウイカが来てるぞ!!」

 

「なっ!?逃げr」

 

ピチューン!

 

「あっちゃ・・・・」

 

「任せろ!!喰らえ!筆の往復ビンタ!!進撃するんならしてみろ!!」

 

ピチューン!!

 

「よっしゃ!!残り5秒!!」

 

「奏!ブザービードの準備!!」

 

「任せといて!!」

 

ププーー!!!!!ドーーン!!!・・・・・・・・タラタラタラタラ・・・・・ドカーーン!!!

 

「やった!!8連勝!!」

 

「結果は・・・・・げっ!?奏1600超えとる!?俺950なのに!!」

 

「ブラスターだと1000ポイント近く行けばいい方だろ。さすがプロモ○ラー、塗り性能トップクラスは伊達じゃないな」

 

4つのTVにそれぞれ俺とスバル、響、奏の4人がゲームパッドを片手に画面を見ながらはしゃぎまくっている。

ここは軽音部の部室、この部室って無駄に広いんだよね。だからこうやってTVとか4台置けてそれぞれ好きな番組を見たりこうやって連携しながら通信対戦も出来る。今現在やっているのは最近大流行りしている某ゲーム会社、○天堂が出した、イカゲーことスプ○トゥーン。4台のTVに対応するために4台のW○iUと4つのソフトがあり、1人1台のTVで通信対戦をしていた。

・・・・・・・えっ?何で部室にTVとゲーム機があるかだって?もちろん買ったよ、部費で。軽音部も部活のため、アカデミアから月に一度部費が出るのだ。俺たち5人のため、アカデミアに現在あるどの部活よりも部費は少ないのだが、いかんせん使う機会がないのだ。LIVEのセッティングとかそのための資材の準備は全部レミとレミのお父さんが自費でしてくれているし、楽器も基本自分たちのお金で買う。海外遠征だって自分たちのお金で全部行った。そのため、部費が大量に余ってしまう。だから、「部費を有効的に使おう」という響の発案でゲーム機を買った。プレステとかも4台ある。TVの方はスバルが使えなくなったTVを貰って改造。ちょっと中のコードを弄るとあら不思議、簡単にネット対戦出来る環境になるのだ。だからこうやって部活の休憩中や無い日でも遊べるってわけだ。・・・・・・・別に横領なんかしてねぇぞ?ちゃんと校長には買う前に許可取ってるし、領収書渡しているからな。

 

ガチャンッ

 

「ただいま〜。ま〜たやってるの?」

 

「だってこれ楽しいんだもん!!」

 

「遊ぶのもいいけどちゃんと練習してよね。場所取れたんだから」

 

「あっ、取れたの?」

 

「うん、2週間後にはなったけどホールで」

 

「2週間?だったら大丈夫でしょ。3学期からめちゃくちゃ練習させられたんだし。あとは通しの全体練習だけだろ」

 

「まぁそうだけどね。何なら今からでも12時間ぶっつけでやる?」

 

「「「「やめてください、死んでしまいます」」」」

 

「なら練習に早く戻って」

 

レミに脅されたので仕方なくゲーム機の電源を切って楽器に持ち替える。さっきのレミの発言をもう少し詳しく説明すると、2週間後にアカデミアのホールで俺たちのLIVEが決まった。場所取りや時間、団取りなどの書類を書いて校長に許可を貰わないといけないから、そういう事務的な処理をさっきレミがしてきた。レミの能力を使えば一秒もかからずに書類が出来るから仕事が早いのなんの。

 

ピンポンパンポーン

 

『中等部軽音部の皆さん、直ぐに校長室に来てください』

 

「へっ?」

 

「レミ、お前なんかした?」

 

「書類の書き忘れか手続きミスかな?・・・・・・でもそれだったら私だけでいいし」

 

「とりあえず行ってみようぜ。校長が用あるみたいだし」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「えっ?場所と日にちと時間を変えて欲しい?」

 

「ホッホッホ、その通りです」

 

皆で校長室に入って、校長先生がソファに座るようにと言われたので座ったあとに言われた開口一番の言葉がそれだった。レミの予定では、金曜日の放課後、ホールで4時から2時間ぐらいの予定だった。

 

「で、どのように変えるのですか?」

 

「同じ週の日曜日、時間は5時から。場所はアカデミアが作ったライディングデュエル専用のコースをLIVE用にセッティングします」

 

「・・・・・・・あの、校長先生?なぜそんな広いところにやるのですか?いくらアカデミアの生徒が多いといってもそんな広いところでやるほど人数はいないのでは・・・・」

「外部からのお客さんですよ」

 

「えっ?レミ、今回のLIVEってお客さん呼ぶのか?」

 

「呼ばない呼ばない。呼ぶつもりないし」

 

「ホッホッホ、実は連日、アカデミアに貴方達のLIVEを見たいという問い合わせがありまして」

 

「問い合わせ?それが連日?何でですか?」

 

「これを見てください」

 

校長の手には小型のPadがある。俺たち5人はそれを覗き込むように見る。そこに書いてあったのは・・・・・・・

 

 

《学校の軽音部から世界へ!!今世界中で話題のバンドグループ、SECRET!!》

《音楽業界の救世主!!SECRETの魅力とは!?》

《昔ながらの楽器を使った高い演奏力!!若手バンドの一番株!!SECRET!!》

 

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

「ホッホッホ、この通りです。さらにあなたたちがウィーンで公演した様子も何処かでキャッチされていますよ」

 

Padの中にある記事を読んで口が開きぱなしの俺たちに笑顔で返す校長。内容が内容すぎて頭が追いついてない状況だ。

 

「・・・・・・・レミ、知ってたの?」

 

「知らない知らない!!!!いつの間にこんな特集組まれてたの!?!?」

 

「とにかくあなた達の演奏を見たいと、お金を払ってでもと言われましてね。ちょうどあなた達がやるのでしたらこれを機会に呼びましょう」

 

「校長先生!?簡単に言いますけどセットを組むのとか音響や照明などのスタッフとかどうするんですか!?」

 

「響さんのお父さんを仲介役に既に手を打っています。1週間後には本番と同じ舞台で練習できますでしょう」

 

「お父さん・・・・・・・・」

 

既に手を打たれていたことに頭を抱える響。

 

「それじゃ、皆さんのご活躍を祈っていますよ」

 

そう言って校長先生は校長室から出て行った。なんかもう・・・・・・俺たちの知らない間に大きなプロジェクトが(汗)

 

「まぁ・・・・・とりあえず練習に戻りますか。ステージの練習は1週間後からいつもの詰め込み日程で」

 

「また詰め込み・・・・・・・勘弁して欲しいよ」

 

詰め込み練習とは、ステージをやる大体10日前もしくは1週間前から前日までアカデミアに泊まり込みで練習する。俺たちの部室の隣が部活動専用の住み込みみたいな部屋なのでそこを借りて皆で生活をしながら練習をする。ただ楽器を使った演奏の練習だけではない。全員で(特にヴォーカルやってる俺と奏は)筋トレやランニングなど運動選手並みのトレーニングもしなくちゃいけない。

 

「あ〜あ・・・・・せっかくのんびりとしたLIVEが出来ると思ってたけど、これじゃまたリスト組み直しね」

 

「えっ!?」

 

「大丈夫大丈夫。やる曲は変わらないから」

 

そりゃそうだ・・・・・今からやる曲変えられたら死んでしまう(汗)

 

・・・・・ピコーン♪

 

「私?もしもし・・・・お父さん!?」

 

響の携帯電話が鳴り、電話に出る。どうやら響のお父さんのようだ。

 

「えっ!?今からアカデミア!?・・・・うんうん、ちょっと待って。レミ、お父さんが話したいことがあるって」

 

「話したいこと?」

 

響から電話を渡されたレミはそのまま響に変わって電話に出る。

 

「もしもし、葵です。・・・・・・・えっ?今日の晩から打ち合わせ?わ、分かりました」

 

数十秒という短いの会話で終わってしまった電話。切った電話を響に返す。

 

「お父さん何言ってたの?」

 

「今日の晩から打ち合わせだって。ステージの構成や画面に移すものとか色々決めなくちゃいけないって。今からデザインとかそういう事をしてくるよ」

 

「ちゃんと練習しといてよ」そう言ってレミは校長室から出て行った。

 

「あいつも大変だよな。こういう公演の度に打ち合わせが入って自分でステージの設計とかデザインとかするんだから」

 

「でも今のレミなら直ぐに終わるでしょうね。能力使えば」

 

「「「うんうん」」」

 

 

〜〜一週間後〜〜

 

 

「デッケェ・・・・・・・・・」

 

あれから一週間が経ち、レミと響のお父さんを中心にスタッフが色々と準備をしてくれてステージの方は完成した。チケットの方も突然の発表だったのにも関わらず抽選になるほど売れている。俺たちは今、出来上がったステージから観客席の方を見ている。今回はいつものメインステージだけでなく、中央にも道みたいなステージが伸びていて、真ん中に少し小さい正方形みたいな中央ステージもつけられた。

 

「これ何万人?」

 

「5万人近くは入るんじゃないかな?キャパを広げる事も可能だけど後ろ側に大きなビジョンがいるから無理みたい」

 

「そりゃそうだろうな・・・・・よく1週間でこんなステージをデザインして組み立てたな」

 

「おかげでもう連日徹夜徹夜で・・・・・眠いのなんの・・・・フワァ・・・・・」

 

「ようやるよな」

 

「それでは練習を始めま〜す!!!」

 

スタッフの大きな声でギターを手にした俺は所定の位置につき、オープニングに備える。

 

 

遊輝 side out

 

 

 

龍亞 side 〜(一週間後 アカデミア RDコース)〜

 

 

「今回もまたデカイよな・・・・・・」

 

「そうね」

 

「ぶ、文化祭の時にはこんな大きくありませんでしたよね?」

 

「師匠達、海外公演の後から凄い人気みたいらしいよ」

 

日曜日、今日は遊輝達軽音部のLIVEの日だ。元々、アカデミアの学生限定でやるはずだったLIVEが校長の提案(5人曰く、ほぼ脅し)により観客を招いた有料LIVE(それでもチケット1枚500円、安い)なった。俺たちアカデミアの学生だけは全員無料で招待された。と言っても、予定とか入っている生徒とかも何人かいるのでこれで全員ではない。アカデミアの生徒は特権でできる限り前の方で見られる。と言っても一番前ではなく、中央ステージより後ろ側。一番前はお客さん用らしい。でも、俺たちは遊輝から貰った別のチケットで一番前の列に取ることが出来た。

 

「あと何分?」

 

「もう2分も切ってるよ。さっきも同じこと言ったよね?」

 

「だってここからが長いんだもん!!ウズウズしてきて興奮が抑えられないんだよ!!」

 

「それ分かります!!アーティストのLIVEが始まる前って何故かドキドキしますよね!!」

 

『お待たせしました。それでは、本日の公演、《LIVE FES in アカデミア》を開演します』

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

場内に響き渡るアナウンスで会場のボルテージが一気に上がる。そして、今まで会場を照らしていたライトが全て消えて、モニターにビジョンが移る。それは5つの異なる色をした光がそれぞれの場所で生まれ、大きく成長したり転けて立ち止まったりしながらもやがて一つの場所に集まって大きく、そしてすごく光輝いていた。

 

《ワアアアアア!!!!!!!!》

 

そして映像が終わると、ステージ裏から5人が出てきた。それぞれがヴォーカル以外は楽器の確認をして、その間に奏さんは両手を上に挙げて手拍子を観客に求める。それに答えるかのように観客も手拍子をする。やがて全ての準備が終わったところで、遊輝が前に出て、ギターで奏で始める。

 

♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・・♪♪♪♪〜〜〜

 

《オオオオオ!!!!!!!》

 

ギターの前奏が始まった途端に沸き起こる観客の歓声。これには俺も大興奮した!!だってこれ、《Love phanthom》の前奏じゃん!!!

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪!!!!!!

 

 

 

 

 

1 Love phanthom 【B'z】

 

2 ココロ空モヨウ 【関ジャニ∞】

 

3 Answer and Answer 【9mm Parabellum Bullet】

 

4 RPG 【SEKAI NO OWARI】

 

 

 

「え〜・・・・・・今晩は!!みんな元気!?」

 

《イエエエエェェイ!!!!!》

 

大体4曲が終わったところで奏さんが中央ステージまで歩き、MCを始める。

 

「みんな大丈夫!?寒くない!?」

 

《大丈夫!!!!》

 

「本当に?無茶だけはしないでよね。さて、え〜・・・・今日はLIVE FESにようこそ!!私たちがアカデミア中等部軽音楽部、SECRETです!!」

 

《イエエエエェェイ!!!!!!》

 

「え〜と・・・・・・本当なら暖かいところでやる予定だったのですけど、予想以上の人数が入ったので・・・・後ろ見える!?」

 

《イエエエエェェイ!!!!!》

 

「イエエエエェェイとか言ってるけど本当は見えないでしょ?」

 

《ハハハハハ》

 

「まぁ気休めにしかならないんですけど、せっかくこうやって中央ステージがあるので、出来るだけお客さんの近くで演奏したいので・・・・・・皆!!こっち来て!!」

 

奏さんが言った一言でメインステージにいた4人が中央ステージまで歩く。ギターとベースを持って歩く2人と何も持たずに走っていく2人。とても楽しそうだ。

 

「危ないわね・・・・・・とりあえずメンバー紹介としますか。まずはドラム!!遊城スバル!!」

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪!!!!!

 

「キーボード!!小野寺響!!」

 

♪♪♪〜〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「ベース!!葵レミ!!」

 

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

「ギター&ヴォーカル!!遠藤遊輝!!」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪!!!

 

「え〜と・・・・俺がやるんか?最後!!ヴォーカルとギター!!水野奏!!」

 

最後の奏さんの挨拶だけは遊輝が紹介して、奏さんが頭を下げる。

 

「なんか・・・・・人に自己紹介されるって嫌だね」

 

笑みを浮かべた奏さんが後ろにいたスタッフからギターを手にして、スタンドマイク越しにまた話し始める。

 

「え〜とですね、折角2月の中旬ですから・・・・・少し恋歌でも、って言いたいけど次の歌って恋歌かな?」

 

《ハハハハハ》

 

「まぁ、バラードなのは確定です。・・・・・・サザンオールスターズ、《涙のキッス》」

 

《オオオオオ!!!!!》

 

「・・・・・1・2・3!!」

 

♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜♪♪♪

 

 

 

5 涙のキッス 【サザンオールスターズ】

 

6 笑顔 【いきものがかり】

 

 

 

最後に遊輝がギターで締めると会場は拍手で包まれる。遊輝やレミさんがスタッフにギターとベースを変えてもらっている間にスバルと響さんが先にメインステージまで戻る。ギターとベースを変えた遊輝とレミさんもその後を追うように戻る。先に戻ったスバルと響さんを見て奏さんが声を上げる。

 

「それじゃ盛り上げて行くよ!!イロトリドリ!!」

 

『Wow wow oh oh・・・・・・』

 

 

 

7 イロトリドリ 【ゆず】

 

8 Hello again 〜昔からある場所〜 【My Little Lvoer】

 

9 サウダージ 【ポルノグラフィティ】

 

10 カルマ 【BUMP OF CHICKEN】

 

11もう恋なんてしない 【槇原敬之】

 

12 未来予想図Ⅱ 【DREAMS COME TRUE】

 

13 花束 【back number】

 

14 全力少年 【スキマスイッチ】

 

15 Oh year! 【嵐】

16 READY STEADY GO 【L'Arc-en-Ciel】

 

17 今宵の月のように 【エレファントカシマシ】

 

18 pride 【GReeeeN】

 

19 太陽 【BITE THE LUNG】

 

20 Voyage 【浜崎あゆみ】

 

 

「・・・・・ふぃ、じゃあヴォーカル変わるよ!!」

 

「イエエエエェェイ!!!!!!まだまだ元気か!?!?」

 

《イエエエエェェイ!!!!!!》

 

奏さんがマイクからギターに持ち替えて、今度は遊輝がMCをする。

 

「まだまだ元気かって言ったけどもう実は終盤なんだよね」

 

《エエエエエエ!!!!!》

 

「エエエエエエって言われても困るんだよな・・・・・・まぁこんな所で色々言わずにやるぞ!!」

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪

 

『ウッ!!!!』

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

《オオオオオ!!!!!!!!》

響さんのキーボードのリズムで観客が再び歓声を上げ、そして遊輝の雄叫びに近い声の上げ方。これは俺もわかる!!!

 

「B'zだ!!」

 

 

 

 

21 ZERO 【B'z】

 

 

 

 

遊輝が最後の所を声をあげて歌い終わる。会場全体で拍手が巻き起こる中、スタッフからギターを手にしてスタンドマイクから話し始める。

 

「え〜・・・・・次がラストの曲です。この曲のテーマは、《生き物の進化はどのようにして出来たのか?》。最初は突然変異によって現在生息している生き物が生き残ったと言われています。しかし、最近の研究では遺伝子レベルによって「強くなりたい」「もっと大きくなりたい」という前世の思いが子孫に伝わったと言われています」

 

遊輝の言葉に皆、何も言わずに聞き入れてしまう。難しい話をしているはずなのに何故か俺でもすんなりと理解できるほど・・・・・・

 

「そういうのって夢があるじゃないですか?え〜・・・・自分では成し遂げられない、でもそういう思いをずっと思っていれば、自分、そしてここにいるお客さん達の子孫が成し遂げるかもしれない。・・・・・・・そんな願いがこもっている曲です。・・・・・・・Mr.Children、《進化論》」

 

♪♪♪♪♪・・・・・・♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

22 進化論 【Mr.Children】

 

 

 

 

「・・・・・以上で本日のリストは全て終了しました。今日はどうもありがとうね!!」

 

ギターをスタッフに渡した後、既に後ろで頭を下げたり手を振ったりして、ステージ裏に下がった4人に続くようにして最後の挨拶をした遊輝も頭を下げてステージ裏に下がっていく。

 

「す、凄く・・・・良かったです」

 

「最後の歌・・・・・・あんな願いが込められていたのですね」

「俺でも遊輝の言葉をなんか理解できたよ」

 

「進化論・・・・・・そんな説が出ていたんだね」

 

「じゃあ帰りましょうか」

 

「ちょっと待った恭輔。まだあるぞ」

 

「?もう終わったんじゃ『・・・コール!!アンコール!!アンコール!!』・・・・えっ?」

 

後ろから沸き起こるアンコールコールに驚く恭輔と祈。海外公演で俺と龍可はもう経験していたから来ることは分かっていたけど、やっぱり5万人近い人数でアンコールの大合唱は凄いや。

 

「・・・・・アンコールありがとうございます!!」

 

中央にライトが付けられていつの間にか(実は分かっていたけど)いる5人を代表としてギターを持った遊輝が話し始める。

 

「アンコールはありがたいんですけど・・・・・リストを準備をしてなくてですね(汗)」

 

《エエエエエエ!!!!!》

 

「そうなんですよ。俺が一番、エエエエエエって言いたいんですよ」

 

《ハハハハハ!!》

 

「え〜・・・・・まぁ一応、準備はしてきたんですけど・・・・・・俺が好きなアーティストの曲に固めたんですけどそれでも良いかな?」

 

《イエエエエェェ!!!!!》

 

「元気いいね!!じゃあ好きなアーティストの曲歌うぞ!!文句言うなよ!!」

 

《イエエエエェェ!!!!!》

 

・・・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪

「ヒュ〜ヒュ〜〜〜・・・・・」

キーボードとギターのメロディに合わせるように遊輝も口笛を吹き始めた。

 

 

 

 

 

23 口笛【Mr.Children】

 

 

 

パチパチパチパチパチパチ

 

最後の歌詞を歌い終わるとまた拍手が沸き起こる。それに頭を下げてお礼をする遊輝。他の4人は既に中央ステージから離れてメインステージに向かっている。ギターをスタッフに渡した遊輝はスタンドからマイクを手に取る。

 

「それじゃアンコールだけどどんどん盛り上げて行くぞ!!!」

 

《イエエエエェェ!!!!!!!》

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪

 

「1・2・1・2・3・4!!!!!」

 

キーボードの軽やかなリズムにのせて観客も手を叩く。遊輝の掛け声で一気にテンポが速くなり、遊輝はそのままステージの端まで駆け抜ける。

 

 

 

 

24 youthful days 【Mr.Children】

 

25 overture 【Mr.Children】(イントロ)

 

26 蘇生 【Mr.Children】

 

27 名もなき詩 【Mr.Children】

 

 

「・・・・え〜、それじゃ本当に最後の曲の紹介といきましょうか」

 

メインステージのスタンドマイク越しに遊輝が最後のMCを始めた。

 

「え〜と・・・・この曲は人によって捉え方は違うと思います。失恋の歌か、希望もなくただ生きている時に突然聞こえた歌か・・・・僕があれこれ妄想しても結局、作った本人しか分からないのです。でも、たった一つだけ、言えること、『誰も皆問題を抱えている だけど素敵な明日を待っている』・・・・・・Mr.Children、《HANABI》」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜♪♪♪♪♪♪

 

 

 

 

28 HANABI 【Mr.Children】

 

 

 

 

歌い終わるとギターを立てかけてステージの前に出てきた4人と一緒に中央ステージまで来る。

 

「それじゃ、今日は来てくれてありがとうね!!!」

 

「「「「「ありがとうございました!!!!」」」」」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!!

 

最後に全員で肩を組んで頭を下げ、観客から大きな拍手が沸き起こる。

 

「今回も成功みたいだね」

 

「凄かったです師匠!!アンコールでみんなと一緒に曲を歌うなんて!!」

 

「ま、まぁ・・・・知ってる人が多いからやれることなんだけどね(汗)」

 

「遊輝達はどうするの?」

 

「今日もアカデミアに泊まって、明日は授業終わったらそのまま帰って休みだって。帰るのが遅くなるみたいだし、明日も授業には出なくちゃいけないからそれだったらアカデミアで泊まるって」

 

「えっ!?授業やるの!?」

 

「何言ってるんですか。今日日曜ですよ。普通に明日授業があるじゃないですか」

 

「そ、それに確か明日は社会の小テスト・・・・・」

 

「エッ!?」

 

「・・・・・・・勉強してないのね」

 

「だ、だだだだだ、大丈夫!!!!ぶ、ぶっつけ本番で何とかなる!!」

 

「「「(((あっ、これ駄目なやつだ(ですね))))」」」」

 

 

 

 

【*・・・・翌日、龍亞の小テストの点数は30点でした】

 

 

 

「という夢を「現実でしょう。早く補講を受けなさい」うぅ・・・・・・・(涙)」




遊輝「というわけで今回は2回目、フランだよ」

フラン「お兄様久しぶり!!本名はフランドール・スカーレット!!よろしくね!!」

レミ「綺麗な翼だね」

響「虹みたいに7色の宝石が輝いている」

フラン「ありがとう!!」

スバル「フランは種族で言ったら何になるんだ?」

遊輝「吸血鬼」

奏「吸血鬼!?実在したの!?」

遊輝「実在するからこうやっているんだろうが。ところで、何でフランだけなんだ?レミリア達は?」

フラン「私しか曲を知らないでしょ」

遊輝「納得」

レミ「にしても今回は本当に疲れた・・・・・能力無かったら本気で一睡も出来てなかったよ」

スバル「今までプロデュースしてきたけど、ここまで本格的な事は初めてなんだろ?」

レミ「慣れない事も多かったけどいい経験にはなったよ」

フラン「2週間前の発表で5万人入るってそんなに凄いことなの?」

遊輝「普通はどれだけ早くても発表は3カ月ぐらい前だからな。アーティストの準備期間合わせると半年ぐらい前か。ここは部活動だからなんだろうけど」

フラン「それでもお兄様の歌凄かった!!!」

遊輝「ありがとね」

奏「・・・・・さっきから気になってるけど何で遊輝の事をお兄様って言うの?」

遊輝「話が長くなるからパス」

響「パス!?」

スバル「次回は俺と祈との話だぜ」

レミ「【HEROとジェムの融合タッグ!】次回もよろしくね」


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第85話 HEROとジェムの融合タッグ!

最強カードの紹介!!

龍亞「いえええい!!!久しぶり!!龍亞だよ!!」

何故そんなに元気なんだ?

龍亞「良い加減俺のデュエルを描いてよ!!色んな物が溜まってきてるんだよ!!」

普通にみんなとデュエルしてるじゃないか。

龍亞「それは描写にないだけだからでしょ!!俺もパワー・ツールもウズウズしてるんだよ!!」

はいはい・・・・まぁ次回は久しぶりに遊輝と龍亞だな。

龍亞「やったぜ!!」

それじゃ最強カードの紹介!!今回はM・HERO ダーク・ロウ!!

龍亞「出たなインチキヒーロー!!俺はこのカードのせいでスバルに10連敗もしたよ!!相手だけマクロコスモスとか卑怯だ!!」

落ち着け、気持ちはわかるが・・・・・龍亞の行った通り、このカードがフィールドに存在するだけで相手は墓地に行くカード全てがゲームから除外される。

龍亞「墓地送りのコスト、エフェクト・ヴェーラーや幽鬼うさぎすらも向こうにするよ!そして、相手がドローフェイズ以外でデッキから手札にカードを加えた時、ランダムに1枚ハンデスするぞ!」

1ターンに1度限定とはいえ、うまくいけば持ってきたカードをハンデス。マインドクラッシュなんか伏せられていたらたまったもんじゃない。

龍亞「第85話、デュエルスタート!」


スバル side

 

 

「えっと・・・・・・・ここだ」

ピンポ〜ン

 

『は〜い』

 

「こんにちは、遊城スバルです」

 

『ああ、祈が言っていた子ね。ちょっとだけ待ってくれるかしら?』

 

「分かりました」

 

インターホンから聞こえた女性の声に従って、俺は外で祈を待つ事にした。

今日は休日、仕事も珍しくなかったため家でゆっくりしようと思っていたら、昨日祈から《明日、買い物に付き合ってくれませんか?》というメールが来た。俺自身、家でゆっくり過ごすぐらいだったし時間潰しになるから《良いぞ》って送ったら直ぐに返事が返ってきて家に来てくれって言われたからこうして来たわけ。

 

ドドドドドン!!!!!!!ドスン!!!!

「ス、スバルさん!!お、お待たせしました」

 

「お、おう・・・・・さっき凄い音したけど大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です!!!」

「祈!!!財布忘れているわよ!!!」

 

「は、はい!!!!」

 

・・・・・・・・あれ、本当に大丈夫か?(汗)

 

 

〜(数十分後)〜

 

 

「へぇ〜、アカデミアの近くにこんなショッピングモールが出来たんだな」

 

「い、一度行ってみたかったんです(し、心臓が・・・・凄い事に//////)」

 

祈に連れられてきた場所はアカデミアにわりと近い最近できたショッピングモールだった。このショッピングモールの特徴として色んな専門店が一杯ある。服やラジコン、鉄道模型やカード、変わったところでは昆虫や食材にも専門店がある。

 

「で、何処に行きたいんだ?」

 

「あ、あの・・・・こ、この服を売っている店に」

 

「ん?」

 

そう言って祈から渡されたパンフレットに描かれていたのは1着の服だった。あんまり服の事については知らないが、赤色の上から羽織るような上着みたいな感じの服だ。・・・・・・・ってあれ、このブランドって・・・・

 

「これ、茜が使っていたブランドじゃん」

 

「えっ?ス、スバルさんこのブランド知ってるのですか?」

 

「あぁ、そう言えば言ってたなかったな。パリに行った時にレミの友達と会ってだな、その友達がこのブランドのファッションモデルをしていたんだとよ」

 

「えっ!?じゃ、じゃあ正月にパリのファッションモデルに出ていたレミさん達って」

「見てたんだ。そうだぜ、レミ達だぜ」

 

「す、凄い・・・・・あのファッションショーに出れるなんて・・・」

 

なんかファッションの話になると熱くなるな・・・・

 

「祈ってファッションとかに興味あるのか?」

 

「は、はい。私はどちらかと言うとデザインの方に興味があります。で、ですから出来る限りのファッションショーを見るように」

 

「へぇ〜、凄いな。俺なんかそんな勉強じみた事出来ねぇや」

 

「(・・・・もしかして)ス、スバルさん、レミさん達って茜さんと同じ事務所としてショーに出たのですか?」

 

「そうだけど、それがどうしたんだ?」

 

「そ、その時に一緒に出た『優姫さん』って知ってますか?」

「・・・・・・あ、あ〜、ゆ、優姫ね。悪いな祈。あの時俺、関係者以外の所にいたからあんまり詳しく知らないんだ(汗)」

 

「そ、そうですか・・・・・」

 

『優姫』って茜の母さんが気を利かして付けた遊輝が出た時の名前。つまるところ、あれは女装した遊輝だ・・・・・なんて口をさけても言えねぇ・・・・(汗)祈がガッカリするだろうし、あいつのプライドのためにも・・・(汗)

 

「あっ、この店じゃね?」

 

そんなこんなで歩いていると、祈の目的のお店に着いた。このお店はブランドされていることもあってかなり有名・・・・・・らしい。早速中へと入り、目的の服を探す。ショッピングモール内でも立地条件が良く、店の規模もそこそこ大きいので一つの服を探すのに手間がかかる。

 

「あ、ありました!!」

 

探し始めて数分、ようやく目的の物を見つける事が出来た。チラシに載っていた物よりも少し赤が薄い気がするがそれ以外は何一つ変わってない。

 

「こ、これ、試着してきます」

 

「おう分かった」

 

目的の服が見つかり少し気分が上がっている祈はそのまま近くの試着室へと入っていった。そして数分後・・・

 

「ど、どうですか?」

 

試着室のカーテンを開ける音が聞こえてそっちの方に向くと祈が俺に似合うかどうか聞いてきた。赤色の上着を着ていたため、いつもよりも明るく見える。

 

「良いじゃん。よく似合ってるぞ」

 

「あ、ありがとうございます。これいくらかな?」

 

そう言ってボタンのところにあった値札を見る。それを見た途端、祈の顔が少し青くなってしまった。

 

「?どうしたんだ?」

 

「い、いえ・・・・これ、諦めます・・・」

 

「何でだよ?欲しかった服なんだろ?」

 

「ね、値段が・・・・・」

 

一度カーテンを閉めて再び元の服に着替えた祈が俺に値札を見せてくれた。そこには「29800円」という文字が書いてある。あ〜・・・・・確かに小学生が買うには無理な値段だな。流石ブランド物。

 

「や、やっぱりこれは諦め「俺が払ってやろうか?」えっ?」

 

「この前のLIVEでさ、お金が入ったから余裕があるんだよ。俺は正直、小遣い稼ぎをしてるからいらなかったんだけどめちゃくちゃな額が振り込まれていたからさ」

 

「LIVE終わった三日後にお金が入るから」ってレミに言われて通帳記録した時、目が点になった。8万円が入ってたんだから、凄いギャラが高い。・・・・・・・・まぁ一番驚いたのは遊輝の通帳の額だった。同じ日に一緒に銀行に行って見さしてもらったら頭が真っ白になりそうだった。

 

「い、良いですよ!!自分の欲しい物は自分で買いなさいってお母さんが」

 

「別にそんな細かい事気にしなくていいじゃねぇか。欲しい物を逃したら後悔するぞ」

 

「う・・・・・・・・ちょ、ちょっと待ってください。お、お母さんに連絡します」

 

携帯を手にして祈が店から出て行った。あいつも真面目すぎだな・・・・・少しくらいは見逃してくれるだろ、俺は親が自由主義だから好きなようにしてくれてるけど。お金の管理も欲しい物も。その代わり、全て自分で解決しろよみたいなこと言われたけど。そんな事を思っていたら祈が帰ってきた。

 

「どうだったんだ?」

 

「い、良いって・・・・」

 

「じゃあ買ってやるよ。こいつだな」

 

そう言って目的の服を手にとってレジに行く。お会計を済ませて店員が服を紙袋に入れて渡してくれる。それを受け取った後、祈の所まで行き、袋を渡す。

 

「ほらよっ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「さて・・・・これからどうしようか、もうすぐお昼だしな・・・・・」

 

「あ、あの・・・・この近くに美味しいって評判のうどん屋さんが」

 

「おっ、いいな。じゃあそこ行ってみようぜ」「

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「す、すみません。お昼まで・・・・」

 

「いいっていいって。にしてもここのうどん美味かったな。評判になるだけあるぜ」

 

軽く腹を叩いて満腹感を示すようにする。うどんって麺がやわやわだったりスープが薄い時があるけどここはそんな事なかったぜ。さて、この後は・・・・・そういえば近くにカードショップあるんだな。

 

「悪いけどカードショップ寄っていいか?新しいパックの再販が確か今日からだったはずだから」

 

「だ、大丈夫ですよ。さっきから私の意見を聞いてもらっているので」

 

「それじゃいくか」

 

 

〜〜数十分後〜〜

 

「何とか買えたぜ。新しいM・HEROやHEROも当たったし、ていうかこのシャドー・ミストとダーク・ロウ強いな。遊輝がサモンプリーストやゴブリンドバーグを入れろっていう理由が分かるぜ」

 

近くにあったカードショップに立ち寄って再販されたパックがあと10パックしか売ってなかったので俺と祈で5パックずつ買ったら大当たり。流石、遊輝のいた世界、新しいHEROも出て大満足だぜ。

 

「あ、相手だけマクロコスモスは・・・・ちょっとやりすぎじゃ・・・・」

 

「そういう祈は何が当たったんだ?」

 

「い、今から開けるところです・・・・・あれ?これ黒い」

 

「おお!!エクシーズモンスターじゃねぇか!!しかもシークレットレア!!超大当たりだぜ!!」

「え、えっと・・・・ラヴァルバル・チェイン?こ、これ、遊輝さんが使っていたあのカードですか?」

 

「確かにそうだな。・・・・・・・これってさ、ジェムナイト・フュージョン落とせるんじゃないか?」

 

「・・・・ほ、本当だ。ジェムナイト・フュージョンのサーチになります」

 

「レスキューラビットから呼び出してエクシーズして効果使えばジェムナイトフュージョンサーチ。強いな」

 

祈と近くの公園にあるベンチに座り、少しだけデッキをいじる。「あ〜したら」とか言ってアドバイスをしながら俺も自分のデッキを組む。ふむ・・・・・・これだけM・HEROが多いのならいつも使っているデッキとは違うデッキが作れるな。融合軸ではなくてマスク・チェンジ軸のHEROに。

 

「おい!!!そこを退け!!!」

 

「うわっ!!!」

 

「何だ?」

 

突然、怒鳴り声みたいな声が聞こえてきて、視線を上げる公園にあるデュエルスペースの近くで転けている子供二人といかにもガラの悪そうな男組み二人が子供を見下すような目をしていた。

 

「悪いな〜。俺たち今からデュエルするから」

 

「そ、そんな!!先に使おうとしたのは僕たちじゃないか!!」

 

「それにお兄さん達さっきからずっとしていたじゃないか!!」

 

「うるせ!!俺たちが使うって言ったら使うんだ!!さっさと退け!!」

 

「・・・・・これまた態度悪いな」

 

「ス、スバルさん!?」

 

見かねた俺は立ち上がって言い争っている二人組の所に行く。

 

「おい、お前らが退いてやれよ。この子達がデュエルスペースを取ってたんだろ?」

 

「ああ?なんだお前?ヒーロー気取りか?」

 

「勝手に思えばいいさ。とりあえず退け」

 

「うるせぇな!!」

 

1人が殴りかかってきたので軽く横に受け流してそいつの腕を掴みとり、肩に右手を掛けて掴んだ腕を軽く捻る。こういう時に皆でやった実戦練習が功を奏すよな。

 

「いだだだだだだだ!!!!!!!」

 

「早く退かねぇと腕が折れるぞ」

 

「この!!離しやがれ!!」

 

「ほいっ」

 

バゴン!!!!!

 

「いった!!!!!!!てめぇ何しやがる!!」

 

もう1人がまた殴ってきたので掴んでいる腕と肩を引っ張ってそいつの顔を上げる。殴ってきたもう1人の拳がそいつの顔面にクリーンヒットする。

 

「クソ・・・・・さっきから調子こきやがって・・・・デュエルだ!!俺たちが勝てば貴様のデッキと金目のものを置いていってもらうぞ!」

 

「ス、スバルさん!!流石「いいぞ。その代わりお前らが負けたらここから出て行ってもらうからな」スバルさん!!」

 

「祈、悪いがちょっと手伝ってくれ。タッグデュエルだ」

 

「わ、分かりました・・・・」

 

祈にちょっと無理してもらって俺の隣に来て、デュエルデスクを展開する。向こうも準備が整ったようだ。

 

「行くぞ!!」

 

「「デュエル‼︎」」 「「デュエル‼︎」」

 

スバル&祈 LP 8000 不良1&2 LP 8000

【ターンはスバル→不良1→祈→不良2と回っていきます】

 

「行くぜ!俺の先行!」

 

スバル 手札 6枚

 

「(・・・早速さっき手に入れたカードが役に立ちそうだ)召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

俺の前に現れたサモンプリースト。たまたま今日、調整用に紛れ込んでいたカードだったが早速出番がきた。

 

「サモンプリーストの効果!手札の融合を捨ててデッキからE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

 

サモンプリーストの呪文により黒い霧がフィールドに舞って、その中から髪が青く、身体が黒色のヒーロースーツを着た人型のモンスターが出てきた。

 

「シャドー・ミストは特殊召喚に成功した時、デッキから《チェンジ》とついた速攻魔法を手札に加える!デッキからマスク・チェンジを加えるぜ!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 3枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

召喚僧サモンプリースト 守1600

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

不良1 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ!リバースカードオープン!速攻魔法、マスク・チェンジ!シャドー・ミストを墓地に送って変身!M・HERO ダーク・ロウを特殊召喚!」

 

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

シャドー・ミストが上空に消えていき、ドーーンと大きな音を立てながら俺の前に一つの光の筋が降りる。その中から黒色のヒーロースーツに身を包んだダーク・ロウが現れる。

 

「この瞬間、墓地に送られたシャドー・ミストのもう一つの効果!デッキからこのカード以外の《HERO》をサーチする!俺はエアーマンを手札に加えるぜ!」

 

「そんなことして何の意味がある!俺は魔法カード、おろかな埋葬を発動!デッキからスクラップ・ビーストを《ビー!!ビー!!》な、何だ!?」

 

相手がデッキからカードを墓地に送ろうとしたがデュエルデスクから警告音が出て、墓地に送れず困ってしまう。

 

「ダーク・ロウの効果!こいつが存在する限り、相手の墓地に送られるカードは全てゲームから除外される!」

 

「な、何だと!?」

 

「よってスクラップ・ビーストはゲームから除外!ついでにおろかな埋葬もゲームから除外だ!」

 

「くそっ!」

 

悔しそうな表情をしながら相手はスクラップ・ビーストとおろかな埋葬のカードをポケットに入れる。

 

「魔法カード、スクラップ・エリア!デッキから《スクラップ》とついたチューナーを手札に加える!もう一度スクラップ・ビーストを手札に!」

 

「ダーク・ロウの効果発動!1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外でデッキから手札にカードを加えた時、手札のカード1枚をランダムに選んで除外する!」

 

「なっ!?ハンデスもあるのかよ!?くそっ!!」

 

相手は手札を裏向きにして軽くシャッフルする。

 

「真ん中のカードを除外してもらうぜ!」

 

「・・・・・くそっ!せっかくのスクラップ・ビーストが!!」

 

どうやらあたりだな。スクラップ・ビーストが2枚除外、あれだけサーチしてきたんだ。どうせ手札にはないんだろ。

 

「(くっ・・・・除外されるのがきついぜ)モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、速攻魔法、サイクロン!その伏せカードを破壊だ!」

 

「チッ!!(激流葬までも!!)」

 

 

不良1 手札 2枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

伏せカード 1枚

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

「わ、私のターン、ドロー!」

 

祈 手札 6枚

 

ちょっと怖がってるのか?相手が相手だから無理もないか。

 

「祈、別に怖がる必要はないぞ。あれでも一応デュエリストだ。この状況で暴力振るうようなマネはしない。いつも通り思いきっていけ」

 

「は、はい!私はサモンプリーストの効果発動!手札の闇の量産工場を捨てて、デッキからジェムナイト・ルマリンを特殊召喚します!」

 

ジェムナイト・ルマリン 攻1600

 

「ス、スバルさん」

 

「?どうした?」

 

「サ、サモンプリーストを素材にしたいのですけど・・・・」

 

「別にいいぞ。サモンプリーストは十分活躍したし、それにそれが最善の策だろ」

 

「は、はい!私はLv4のサモンプリーストとジェムナイト・ルマリンでオーバーレイ!」

 

「「オ、オーバーレイだと!?」」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ラヴァルバル・チェイン!」

 

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

 

サモンプリーストとルマリンが中央に出来たブラックホールに吸い込まれていき、ラヴァルバル・チェインが姿を表す。良いよな〜エクシーズモンスター、俺のHEROにも入れたいぜ。

 

「ラヴァルバル・チェインの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ墓地に送ることで、『デッキのカード1枚を墓地に送る』か「デッキのモンスター1体をデッキの一番上に置く』のどちらかを使えます!私は墓地に送る効果を選択してジェムナイト・フュージョンを墓地に!」

 

ラヴァルバル・チェイン OVR 2→1

 

「そして墓地に送られたジェムナイト・フュージョンの効果!墓地のジェムナイト・ルマリンをゲームから除外してこのカードを手札に加えます!そしてジェムナイト・フュージョンを発動!手札のジェムナイト・ラピスとジェムナイト・クォーツを融合!ジェムナイトレディ・ラピスラズリを融合召喚!」

 

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 攻2400

 

「ラピスラズリの効果発動!1ターンに1度、エクストラデッキまたはデッキから《ジェムナイト》モンスターを墓地に送り、フィールドの特殊召喚されたモンスターの数×500ポイントのダメージを与えます!デッキからジェムナイト・ラズリーを墓地に送って1000ポイントのダメージを受けてもらいます!」

 

不良グループ LP 8000→7000

 

「墓地に送られたジェムナイト・ラズリーの効果!カードの効果で墓地に送られた時、墓地の通常モンスターを手札に加えます!ジェムナイト・クォーツを手札に!そしてジェムナイト・フュージョンの効果で墓地のジェムナイト・ラズリーを除外して手札に戻ります!」

 

相変わらずスゲェ回転力だぜ。これで今の小等部4位何だからな。小等部も恐ろしいぜ。

 

「(本当ならもっと展開したいのですが手札にはモンスターが1体しかいない・・・・ここは無理矢理動かずに次のターンのことを考えましょう)バトルです!ダーク・ロウでセットモンスターに攻撃!」

 

ダーク・ロウが身軽な身のこなしを披露して伏せモンスターに攻撃する。

 

「セットされていたのはスクラップ・ゴブリン!戦闘では破壊されない!」

 

「(確かあのカードは表側守備表示の時に戦闘終了後に破壊される)ラヴァルバル・チェインでスクラップ・ゴブリンに攻撃!」

 

ラヴァルバル・チェインが炎を口から出して火炎放射のような感じでスクラップ・ゴブリンに攻撃する。

 

「スクラップ・ゴブリンは表側守備表示で攻撃対象にされた時、バトルステップ終了時に破壊されます!」

 

「そしてダーク・ロウの効果でゲームから除外される!」.

「くそっ・・・」

 

「ジェムナイトレディ・ラピスラズリでダイレクトアタック!」

 

不良グループ LP 7000→4600

 

「ぐわああ!!!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンドです!」

 

 

祈 手札 4枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

不良2 手札 6枚

 

「(ちくしょう!余計なダメージを喰らいやがって!いや、とにかくあのダーク・ロウをなんとかしないと。しかし手札のカードだと何もできない!)サブマリンロイドを召喚!」

 

サブマリンロイド 攻800

 

戦艦をモチーフにしたようなモンスターが出てきて、地面でも潜る。

 

「サブマリンロイドはダイレクトアタックが可能だ!行け!ディープ・デス・インパクト!」

 

スバル&祈 LP 8000→7200

 

「うっ・・・・」

 

「大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫です」

 

「サブマリンロイドはダメージステップ終了時に守備表示になる!カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

不良2 手札 4枚 LP 4600

【モンスターゾーン】

サブマリンロイド 攻800→守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 5枚

 

「E・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果!召喚に成功した時、このカード以外の《HERO》と名のついたモンスターの数までフィールドの魔法か罠を選んで破壊する!ダーク・ロウがいるからその伏せカードを破壊だ!」

 

「リバースカードオープン!和睦の使者!このターン、モンスターは戦闘で破壊されず、戦闘ダメージは0になる!」

 

あっちゃ〜、フリーチェーンのカードだったか。だったらサーチにしとけば良かったな、結果論だけど。さて・・・・どうしたものか。祈の伏せカードは・・・・・なるほど、ラピスラズリを破壊したから使えってことか。それじゃ俺も次の祈のターンのためにサポートにするか。チェインの効果は・・・・・念には念を入れておこう。

 

「チェインの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、デッキからネクロ・ガードナーを墓地に送る!」

 

ラヴァルバル・チェイン OVR 1→0

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 3枚 LP 7200

【モンスターゾーン】

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 攻2400

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

不良1 手札 3枚

 

「良いカード引いたぜ!俺は魔法カード、ブラック・ホール!」

 

「ハッ!?お、おい待て!!」

 

「フィールドのモンスター全て破壊する!!」

 

フィールドがブラックホールに包まれて全てのモンスターが破壊されてしまう。

 

「てめぇ!!何俺のモンスター破壊してるんだ!!」

 

「仕方ねぇだろ!!あのダーク・ロウを倒さないとこっちはどうにも出来ねぇんだよ!!」

 

・・・・仲悪いな。とと、このカードを忘れずに。

 

「リバースカードオープン!ブリリアント・スパーク!自分フィールドの《ジェムナイト》モンスターが相手によって破壊された時、破壊されたモンスター1体を選択してそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」

 

「なっ!?」

 

「選択するのはラピスラズリ!よって2400のダメージを受けてもらう!」

 

ラピスラズリの霊が不良の一人に持っている剣で斬りつけて、ダメージを与える。

 

不良グループ LP 4600→2200

 

「ちくしょう、好き放題やりやがって・・・・スクラップ・シャークを召喚!」

 

スクラップ・シャーク 攻2100

 

「フィールド魔法、スクラップ・ファクトリーを発動!」

 

相手の後ろに大きな工場みたいな物が建つ。そしてフィールド魔法が発動された事により相手のスクラップ・シャークが爆発をしてしまう。

 

「スクラップ・シャークは表側表示にいる時、魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した場合自壊する!さらに《スクラップ》と名のついたカードで破壊した時、デッキから《スクラップ》モンスターを墓地に送る!それにチェーンでスクラップ・ファクトリーの効果発動!《スクラップ》がカード効果で破壊された時、デッキから《スクラップ》モンスターを特殊召喚する!スクラップ・ゴーレムを特殊召喚!」

 

スクラップ・ゴーレム 攻2300

 

破壊されたシャークの破片が工場にあるアームみたいな機械で回収、機械の中に入り稼働する。直ぐに機械が止まり、スクラップ・ゴーレムが中から出てきた。

 

「そしてスクラップ・シャークの効果でデッキからスクラップ・オルトロスを墓地に送る!スクラップ・ゴーレムの効果発動!墓地の《スクラップ》モンスターを特殊召喚する!スクラップ・オルトロスを特殊召喚!」

 

スクラップ・オルトロス 攻1700

 

「Lv5のスクラップ・ゴーレムにLv4のスクラップ・オルトロスをチューニング!」

 

☆5 + ☆4 = ☆9

 

「破壊と再生を繰り返し、フィールドを支配せよ! シンクロ召喚!スクラップ・ツイン・ドラゴン!」

 

スクラップ・ツイン・ドラゴン 攻3000

 

ゴーレムとオルトロスが一つになって出てきたのは身体が鋼鉄でできた2つ首の龍だった。スクラップのシンクロモンスターは厄介な効果が多いからな。あいつの場にカードが無くて助かったぜ。

 

「スクラップ・ファクトリーの効果によりスクラップ・ツイン・ドラゴンの攻撃力は200ポイント上がる!」

 

スクラップ・ツイン・ドラゴン 攻3000→3200

 

「バトル!スクラップ・ツイン・ドラゴンで攻撃!」

 

「墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!墓地のこのカードをゲームから除外して、1度だけ戦闘を無効にする!」

 

「ちくしょう!これでターンエンドだ!」

 

 

不良1 手札 0枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

スクラップ・ツイン・ドラゴン 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

スクラップ・ファクトリー (フィールド魔法)

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

祈 手札 5枚

 

「祈」

 

「は、はい!」

 

俺はある事を伝えるために祈に言葉をかける。祈も少し驚いたような表情をしてこっちの方に向いた。

 

「俺の伏せカードを使って良いぞ。そしてこのターンで決めろ」

 

「・・・・わ、分かりました!リバースカードオープン!天の落とし物!互いのプレイヤーは3枚ドローして、その後2枚墓地に送ります!」

 

祈 手札 8枚→6枚 不良1 手札 3枚→1枚

 

「(・・・・来た!)墓地に落ちたジェムナイト・フュージョンの効果を発動!墓地のジェムナイト・ラピスを除外して手札に戻します!そして永続魔法、ブリリアント・フュージョン!このカードの発動時、デッキから《ジェムナイト》融合モンスターに必要な素材を墓地に送り融合召喚します!」

 

「デ、デッキから融合だと!?」

 

「私はジェムナイト・ラズリー、ジェムナイト・サフィア、ジェムナイト・ガネットの3枚を墓地に送ります!西洋の武器に秘められし黒真珠が窮地に駆けつける!全てを薙ぎ払え!!融合召喚!!ジェムナイト・ダークパール!!」

 

ジェムナイト・ダークパール ☆9 攻3300

フィールドに発動されたブリリアント・フュージョンの効果によりラズリー、サフィア、ガネットの3体が融合されて、フィールド中央に大きな穴が開く。その中から出てきたのは黒い鎧を身につけて、肩から白いマントを羽織った西洋の騎士のようなモンスターだ。両手には巨大な武器、ハルバードが握られている。

 

「ブリリアント・フュージョンの効果によって特殊召喚された融合モンスターの攻撃力と守備力は0になります!」

 

ジェムナイト・ダークパール 攻/守 3300/2300→0/0

 

「は、ははは!!!大口叩いて出したのは攻撃力0かよ!!大したことねぇな!!ははは!!!」

 

「ジェムナイト・ラズリーの効果で墓地にあるジェムナイト・サフィアを手札に加えます!ジェムナイト・ダークパールの効果発動!融合召喚成功時、このカード以外にモンスターが存在しない場合、相手フィールドのカードを2枚まで破壊します!!」

 

「ははは・・・・・な、何だと!?」

 

「ダークパール!全てを切り裂いて!ハルバード・スラッシュ!!」

 

ダークパールがスクラップ・ツインの前に来て、手にしているハルバードでスクラップ・ツインとスクラップ・ファクトリーを刀のように斬る。少しだけ時が止まったような感覚に陥り、真っ二つになったスクラップ・ツインが爆発、それに連鎖するようにスクラップ・ファクトリーも爆発して破壊される。

 

「くそっ!スクラップ・ツイン・ドラゴンは相手によって破壊された時、墓地にあるシンクロモンスター以外の《スクラップ》モンスターを特殊召喚する!スクラップ・ゴーレムを特殊召喚!」

 

スクラップ・ゴーレム 攻2300

 

「残念だったな!攻撃力0のモンスターじゃスクラップ・ゴーレムは倒せない!」

 

「まだです!ジェムナイト・フュージョンを発動!手札のジェムナイト・クォーツとジェムナイト・サフィアで融合!天空に輝きしクンツァイトの巫女が天使の歌声と共に現れる!融合召喚!!ジェムナイト・クンツァイト!!」

 

ジェムナイト・クンツァイト 攻2000

 

透明な水晶を身につけた大きくなったラズリーのようなモンスター・・・・ジェムナイト・クォーツとサフィアが融合されて、今度は巫女装束のような衣装を思わせる和服のような鎧を着たモンスターが現れる。

 

「ジェムナイト・クンツァイトの効果発動!このカードは融合召喚成功時、墓地の《ジェムナイト》モンスターを5体まで除外して、除外したモンスターの数×300ポイント攻撃力がアップします!」

「ハッ!?」

 

「墓地のジェムナイト・クォーツ、ジェムナイト・サフィア・ジェムナイト・ガネット・ジェムナイトレディ・ラピスラズリの4体をゲームから除外します!輝石の舞、鎮魂の儀!」

 

ジェムナイト・クンツァイト 攻2000→3200

 

「だ、だが!!それでも俺たちを倒すことはできない!!」

 

「墓地のジェムナイト・ラズリーを除外してジェムナイト・フュージョンを手札に加えます!ブリリアント・フュージョンの2つ目の効果!手札の魔法カードを墓地に送ることで、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力と守備力を元々の数値分アップします!手札のジェムナイト・フュージョンを捨てて、ジェムナイト・ダークパールの攻撃力は元に戻ります!」

 

ジェムナイト・ダークパール 攻/守 0/0→3300/2300

 

ジェムナイト・ダークパールの攻撃力が戻ったことで相手は二人とも顔面真っ青だ。全く、本当に強くなったな。

 

「バトルです!ジェムナイト・クンツァイトでスクラップ・ゴーレムに攻撃!輝石の舞、武闘の儀!!」

 

ジェムナイト・クンツァイト 攻3200

スクラップ・ゴーレム 攻2300

 

不良グループ LP 2200→1300

 

「ジェムナイト・ダークパールでダイレクトアタック!ギガ・ハルバード・インパクト!!」

 

不良グループ LP 1300→0

 

 

WIN スバル&祈 LOS 不良グループ

 

 

 

「ほれ、約束通りに出て行った出て行った」

 

デュエルデスクを片付けて、不良達に手のひらで帰れポーズをする。不良達は「覚えていろよ!!」とか捨て台詞を放って公園から逃げるように走って行った。

 

「やれやれ。お〜い!もう大丈夫だぞ!」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

「いいっていいって。祈もありがとな。突然無茶を頼んで」

 

「い、いえ!!大丈夫です!!」

 

「にしてもお前、また一段と強くなったな」

 

俺がそういった途端、祈は少しだけ下を向き、そして上を向く。

 

「・・・・・・私は凛さんと会って決めたのです。このカード達と一緒にもっともっとデュエルの腕を磨いて、いつか凛さんとデュエルするのです・・・・・・そして、勝ちたいです」

 

普段の祈からはとても想像つかないようなはっきりと、そして圧があるような話し方。祈の決意はかなり固いことを示している。

 

「・・・・そうだな。凛さんは遊輝を破ったデュエリストだ、そんじょそこらと比較したらダメだな」

 

「はい、ですからもっと精進しないといけないんです。そして・・・・・」

 

「ん?そして?何だ?」

 

「・・・・いえ、何もありません」

 

「?そうか・・・・もうそろそろ良い時間だな。家まで送ってあげるよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

いつの間にか元の雰囲気に戻ってしまった祈の手を握って、祈の家まで目指す。

 

「(・・・・私が本当のデュエリストになった時、スバルさんに告白します。それまで待っていてください)」




スバル「え〜・・・・・遊輝がいないなら俺が紹介しろと?」←カンペ見ながら。

祈「み、見たいですね・・・・」

スバル「俺、全く面識ないんだけど・・・・まぁ良いか。本日のゲスト、レミリア・スカーレットさんと十六夜咲夜さんです」

レミリア「紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ」

咲夜「その従者の十六夜咲夜です。よろしくお願いします」

スバル「え〜と・・・・・レミリアと咲夜で良いか?俺、堅苦しいのが苦手なんだよ」

レミリア「構わないわよ。遊輝の仲間だったら信用できるから」

咲夜「お嬢様がそうおっしゃるなら私も」

祈「あ、あの・・・・・前回いたフランさんと苗字が一緒なんですけど・・・ もしかしてお姉さん?」

レミリア「えぇそうよ」

スバル「(スゲェ雰囲気に圧倒されるんだが・・・・ちっちゃいな。遊輝が幼稚園児っていうのが納得できるぜ)」

咲夜「皆さん、そろそろオリカの紹介を」

祈「こ、今回は3枚ともフュージョニストさんとのコラボの時に貰いました。フュージョニストさん、ありがとうございます」

スバル「1枚目!ジェムナイト・クォーツ!」


ジェムナイト・クォーツ ☆4 (通常モンスター)
光属性 岩石族 攻1500 守1500


レミリア「普通の通常モンスターね。Lv4っていうところに色んな恩恵を受けているわね」

咲夜「レスキュー・ラビット、最近出た予想GUY、苦渋の決断など色々ありますね」

祈「つ、次はジェムナイト・クンツァイト、ジェムナイト・クォーツを素材とする融合モンスターです」


ジェムナイト・クンツァイト ☆8 
光属性 天使族 攻2000 守1800
『ジェムナイト・クォーツ』+『ジェムナイト』と名のついたモンスター
このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。
①このカードの融合召喚に成功したとき、墓地の『ジェムナイト』と名のついたモンスターを5枚までゲームから除外するが出来る。
②このカードの攻撃力と守備力は、それぞれ除外したカードの枚数×300ポイントアップする。
③このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、罠の効果を受けない。



咲夜「クンツァイトとは純粋さと無償の愛を象徴とするライラック・ピンクの宝石のことです」

スバル「素の攻撃力は低いが、墓地の《ジェムナイト》を除外することで攻撃力は最大3500ポイントまで上がるぜ!」

祈「じょ、除外されることでD・D・Rなどの除外に関係するカードに役立ちます」

レミリア「あとは罠の効果を受けない。単純だけど凄く強い効果ね」

咲夜「最後はジェムナイト・ダークパールです」


ジェムナイト・ダークパール ☆9
地属性 岩石族 攻3300 守2200
『ジェムナイト』と名のついたモンスター×3
このカードは融合召喚およびこのカードの効果でのみ特殊召喚できる。
『ジェムナイト・ダークパール』の①②の効果は、1ターンに1度どちらかしか発動できない。
『ジェムナイト・ダークパール』はフィールド上に1体しか存在できない。
①このカードの融合召喚成功時、自分フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、相手フィールド上のカードを2枚まで選び破壊する事ができる。
②このカードが墓地に存在する時、自分のスタンバイフェイズ時に1度だけ、手札の『ジェム』と名のついたモンスターを2体ゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する事が出来る。


祈「そ、素材はマスターダイヤと一緒でジェムナイト3体必要です」

スバル「自分フィールドにモンスターがいなければ相手フィールドのカード2枚まで破壊できる!起死回生の逆転が見込めるぜ!」

咲夜「そして、墓地にいれば手札の《ジェム》モンスター2体をゲームから除外すれば特殊召喚できます。手札コストは大きいですが何度でも蘇ることができます」

レミリア「次は遊輝と龍亞って子供のデュエルね」

スバル「【アクションデュエル!揺れろ!ペンデュラム召喚!】とうとう遊輝がペンデュラム召喚を披露するぜ!」

祈「じ、次回もよろしくお願いします」


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第86話 アクションデュエル! 揺れろ!ペンデュラム召喚!

最強カードの紹介!!

龍可「お久しぶりです」

2015年10月の禁止・制限改訂が出て、まぁ当たり前と言えば当たり前だがプトレマイオスが禁止になったな。

龍可「あれは・・・・・強すぎたわね」

強すぎたんだけど・・・・実は2話先のデュエルで恭輔が使うんだよね(汗)

龍可「・・・・・それって大丈夫なの?」

いや、思いっきりアウト。さすがに禁止カード使うわけにはいかないし、またプランを練りなおさないといけない。

龍可「ライトロード使いの私からすれば光の援軍の準制限と混沌帝王の制限解除は凄く嬉しいわね」

今の世の中、カオスライロよりクラブレライロの方が強くて・・・・・

龍可「でもあれってライフ4000じゃ・・・・」

そこなんだよな・・・・3回しか使えないし。まぁこんなことしてないで最強カードの紹介にいこう。

龍可「今回はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!今やっているアニメのエースカードね」

モンスター効果はモンスターを戦闘で破壊した時の超過のダメージが2倍になる。これが地味に効くんだよね。

龍可「ペンデュラム効果はペンデュラムモンスターの戦闘ダメージを0にする効果とエンドフェイズに自身を破壊して攻撃力を入れ1500以下のペンデュラムモンスターをサーチする効果よ。どっちも同名カードで1ターンに1度しか使えないわ」

サーチ効果なんか2回も発動したらそれだけでペンデュラムスケールがそろってしまうわな。ペンデュラム版のクリッターと考えれば強さは分かるよな。今では色んなカードに派生しているけど、ひょっとしてコスプレイヤー、ホープの遺伝を受け継いでいるのかな?

龍可「第86話、アクションデュエル!スタート!」


遊輝 side

 

 

「デッケェ!!!このブルーアイズの銅像スゲェな!!」

 

「うるせぇぞスバル。もう少し静かにしろ」

 

「龍亞君と龍可ちゃんも何回かきているのでしょう?羨ましい〜〜」

 

「来てるって言われても内部見学なんて一度もしたことねぇけど」

 

それぞれ、歓喜やら不満やら色々と言いたいこと言って建物の奥へと進んでいく。そこには素人には分からない大型の機械がたくさんあり、その機械をポチポチといじる研究者が数人いる。

ここは海馬コーポレーションの実験室の一つ。俺は時々、ここで海馬コーポレーションのテストプレイヤーとして色んな事をしている。まぁ、基本的にはエクシーズモンスターが基本だが、ここ1ヶ月は違う。

「それで、なんで私たちを呼んだの?」

 

「師匠、面白いものって何ですか?」

 

今回呼んだのは軽音部+祈と恭輔だ。龍亞と龍可もテストプレイヤーとして登録されており、時々俺の相手をしてもらったりアシスタントをしているが、ここ最近は龍亞が多いな。他に遊星やら呼んでも良かったけどあんまり多くしたらダメだと上層部に言われた。

 

「とりあえず、定期的にここでデュエルして欲しいんだよ」

 

「ここでデュエル?それだけ?」

 

「それだけ。とりあえず手本見せるから」

 

「て、手本・・・・ですか?」

 

「何でデュエルするのにわざわざ手本を見なくちゃいけないの?」

 

「とりあえず見てから文句言え。龍亞〜、準備体操の相手してくれ」

「おkおk」

「?準備体操?何で?」

 

「身体動かすから」

 

レミの質問を適当に流して龍亞とペアになり準備体操を始める。

 

「龍可ちゃんは見た事あるんだよね?デュエルに準備体操必要なの?」

 

「これは必要です。身体動かす事が多いので」

 

「龍可ちゃん自身がやった事は?」

 

「私はないです。体力的に無理なので」

 

「体力的に?デュエルに体力ってそんなに大事ですか?」

 

「・・・5・6・7・8。はい終了」

 

皆の質問を龍可に答えてもらっている間に準備体操を終わらす。その後、研究者から2つの機械を手に取って一つを龍亞に渡す。それはシンプルなデザインをした、人から見ればタブレットみたいなものである。それを左腕につけてあったリストバンドに装着出来るか確認、そのまま装着する。

 

「よっし、こっちは大丈夫」

 

「俺もOK!」

 

「・・・・それ、何?」

 

「デュエルデスク」

 

「えっ?でもどこにモンスターや魔法カードをセットするのよ?」

 

「こうやって使うんだよ」

 

タブレット型のデュエルデスクにある一つのボタンを押す。するとタブレットから電波らしきものが飛び出て縦長に伸びる。

 

「へぇ〜、これソリッドビジョンで出るのか。スゲェな」

 

「遊輝!!早くしてよ!!」

 

スバルが感心深く近寄ってきたが、龍亞に急かされるので急いでここに入ってきた扉とは違う別の扉を開けて部屋に入る。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

私たちは大きなガラス窓の向こう側にいる遊輝と龍亞のデュエルをこれから見学する。龍亞と遊輝はすでに対峙している。

「このデュエルフィールド、やけに広いわね。天井も高いし、1対1のデュエルのためにこんなにスペースが必要なの?」

 

「その内分かりますよ」

 

「それじゃ発動します!!アクションフィールド、《マジカル・ブロードウェイ》!!」

 

1人の研究者の声がこの部屋内に響き渡る。すると、遊輝と龍亞がいる部屋が光輝き、フィールドがアメリカの街にありそうなブロードウェイのような場所になる。

 

「なっ!?何これ!?」

 

「どうなってるんだ!?ソリッドビジョンでここまで再現できるのか!?」

 

「それじゃ・・・・やるぞ!」

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが」

 

「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」

 

「フィールド内を駆け巡る」

 

「見よ!これがデュエルの最強進化系!!」

 

「「アクショーン、デュエル!!」」

 

RUA LP 4000 YUHKI LP 4000

 

遊輝と龍亞がポーズを決めながら決めセリフを言う。すると、二人の上空で球体状になっていたものがカードとなってフィールド内に散らばった。私たちの目の前に電波のライフ表示が映る。

 

「・・・・・龍可さん、あれ言う必要ありますか?」

 

「何か・・・・必要みたい」

「先行もっらい!!!」

 

その一言を言った龍亞がいきなりジャンプして建物の上に乗り、そのままフィールドにあるソリッドビジョンの上に乗り移って走り出す。

 

「龍亞君!?何してるの!?ドローしてよ!!」

 

「あれはあれであってますよ。このデュエル、先行ドローはないです」

 

「いや、だからって走る必要ありますか!?」

 

「俺はD・ボードンを守備表示で召喚!」

 

D・ボードン 守1800

 

龍亞の隣にスケードボードになったボードンが現れて一緒に走る。

 

「頼むぞボードン!そりゃ!」

 

「「「「「「の、乗った!?!?!?」」」」」」

 

龍亞がジャンプしてボードンに乗り込み、スケードボードを乗っているように操る。そして建物に向かってジャンプして1枚のカードを手に取る。

 

「アクションカードゲット!!カード1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 3+1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

D・ボードン 守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「モ、モンスターに乗れるの!?てか龍亞君デュエルしてるの!?」

 

ボードンに乗ったままフィールド内を駆け回る龍亞。見学しているこっちからだと皆騒いでいるが私はもう慣れたことで何も言わずにデュエルを見る。遊輝はフゥ〜と息を吐いて龍亞の様子を見ていた。

 

「(慣れたらサマになるもんだな)俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「青のPゾーンにオッPセット!」

 

「「「「「「ペ、ペンデュラムゾーン?」」」」」」」

 

「そしてEM シルバー・クロウを召喚!」

 

EM シルバー・クロウ 攻1700

 

「そりゃ!!」

 

遊輝の隣に狼が現れて、遊輝もジャンプして建物の屋上へと登っていく。

 

「シルバークロウ!!あのチョロマカ動くボードンに攻撃!シルバークロウは攻撃宣言時、ダメージステップ終了時まで自分フィールドの《EM》モンスターの攻撃力が300ポイントアップする!」

 

EM シルバークロウ 攻1700→2000

 

シルバークロウが龍亞に向かって噛みつこうと攻撃をしたところで、龍亞が手札から1枚のカードをディスクにセットした。

 

「アクションマジック、回避!シルバークロウの攻撃を無効にする!そうりゃ!!」

 

ボードンに乗った龍亞は壁まで登っていき、シルバークロウの攻撃をジャンプしてかわす。

 

「よ、避けた!?」

 

「あれってさっき拾ったカードだよね!?使っていいの!?」

 

「えぇ、フィールド内に散らばっているアクションカードを1枚だけ拾って手札に加えることが出来ます。そして、好きなタイミング・・・・速攻魔法と同じタイミングで手札から発動することが可能です」

 

「だから先ほどから師匠たちはフィールド内を駆け回っているのですね・・・・・・・」

 

「チッ・・・・・カード1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時、PゾーンのオッPの効果発動!このカードを破壊して、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターを手札に加える!俺は慧眼の魔術師を加えるぜ!シルバークロウ!!」

 

デッキから1枚のカードを加えたところで遊輝もシルバークロウを呼んで背中に乗り込み、走り出す。

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

EM シルバークロウ 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード1枚

 

 

「ねぇ龍可ちゃん。ペンデュラムゾーンとかペンデュラムモンスターって何?」

 

デュエルを見ていたところにまたレミさんが質問をしてくる。

 

「私もあまり知りませんよ。まぁ・・・・・次の遊輝のターンになれば凄いことになります」

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

「チューナーモンスター、D・スコープンを守備表示で召喚!スコープンは守備表示の時、Lv4はになる!」

D・スコープン 守1400

☆3→☆4

 

「Lv3のボードンにLv4のスコープンをチューニング!そうりゃっ!!」

 

ボードンがシンクロ素材となるため、龍亞はボードンから飛び降りて建物から大ジャンプする。

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!レベル7!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

龍亞が乗っていたボードンが3つの星になり、横に出てきたスコープンが4つの輪になってボードンの3つの星を囲む。白い光がその輪の中を通り抜けるように光り出してパワー・ツール・ドラゴンが出てきた。ボードンが素材となって、ジャンプした龍亞は壁を蹴ってそのままパワー・ツール・ドラゴンの背中に飛び乗った。

 

「パワー・ツールの効果発動!デッキから装備魔法1枚をランダムに手札に加える!パワー・サーチ!」

 

龍亞のデッキがシャッフルされてランダムに飛び出した1枚のカードを手に取り、そのままディスクにセットした。

 

「装備魔法、ダブルツールD&Cを装備!装備モンスターは自分のターンの間、攻撃力が1000ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→3300

 

「バトル!パワー・ツールでEMシルバークロウに攻撃!クラフティ・ブレイク!!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻3300

EM シルバークロウ 攻1700

 

遊輝 LP 4000→2400

 

パワー・ツールの攻撃が遊輝の乗っていたシルバークロウにあたり爆発、その爆風に飲まれて遊輝も飛ばされてしまうが、そのままの勢いを利用してビルの間にあったアクションカードを手に入れ、さらにディスクに手をかける。

 

「フィールドで破壊されたペンデュラムモンスターは墓地の代わりにエクストラデッキに行く!速攻魔法、イリュージョン・バルーン!モンスターが破壊された時、デッキトップ5枚を見てその中の《EM》モンスター1体を特殊召喚して、残りをデッキに戻してシャッフルする!」

 

めくれたカード

・龍脈の魔術師

・EM リザードロー

・天空の光彩

・EM ペンデュラム・マジシャン

・デモンズ・チェーン

 

「俺が選択するのはEM ペンデュラムマジシャン!!こいつは特殊召喚成功時、自分フィールドのカードを2枚まで選択して破壊、デッキから破壊した枚数までの《EM》モンスターを手札に加える!ただし、同名モンスターは1体まで、ペンデュラムマジシャン自身はサーチできない!ペンデュラムマジシャン自身を破壊して俺はEM ドクロバット・ジョーカーを手札に加える!」

 

「(確か万能サーチカードだったはず・・・・・)俺はこれでターンエンド!ダブルツールD&Cの効果でパワー・ツールの攻撃力は元に戻る!」

 

龍亞 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

ダブルツールD&C 〈パワー・ツール〉

 

「ちょっと・・・・・ペンデュラムモンスターって何よ?」

 

「は、破壊されてもエクストラデッキに行くってどういうことですか?」

 

「多分このターンに全て分かりますよ」

 

「俺のターン!ドロー!」

遊輝 手札 6+1枚

 

「(それじゃ・・・・せっかくだしやりますか)レディースアンドジェントルメーン!!!」

 

「な、何だ!?」

 

建物の屋上に立った遊輝が突然大声で観客を引きつけるような言葉を話しかけてきた。両手を大きく広げてこれから何かマジックでもするかのごとく、その顔とても楽しみを持たせるような笑顔で満ちている。

 

「それでは、本日ここに来ていただいているお客様にとっておきの召喚方法を教えてあげましょう!!」

 

「し、師匠・・・・・さっきの攻撃で頭を打っておかしくなっちゃった・・・・」」

 

「恭輔君、多分それは言ってはいけない」

 

「(あっ、これ俺も乗った方がいいな)とっておきの召喚方法〜〜?」

 

何かを感じとった龍亞も心にもこもってない棒読みに近い言葉をかける。

「でも何事も準備は大事ですね。そこで私はEM ドクロバット・ジョーカーを召喚します!」

 

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

遊輝の目の前にピエロのような格好をしたモンスターが現れる。そのモンスターは頭に被ってあったシルクハットを手にとって、自らの手をその中に入れると1枚のカードが握られていた。

 

「ドクロバット・ジョーカーは召喚時、デッキからこのカード以外の《EM》モンスター、《魔術師》Pモンスター、《オッドアイズ》モンスターのいずれか1枚を手札に加えられます!私はこの効果で貴竜の魔術師を加えます!そして私は赤のPゾーンに賤竜の魔術師を、青のPゾーンに慧眼の魔術師をセッティング!」

 

遊輝のディスクの両端に2枚のカードがセットされると、賤竜の魔術師と慧眼の魔術師が現れて、天から光が降り注いでいるように見える。2体のモンスターの下には2と5の数字が見える。

 

「これでLv3と4のモンスターが同時に召喚可能となりました!」

 

「同時に・・・・召喚?」

 

「そんな事出来るわけないでしょ!!通常召喚は1回だけよ!!」

 

「ノーノー、私は通常召喚とは一度も言っていませんよ?しかし、これではせっかくのペンデュラム召喚が生かされません。そこで私は一つ目のマジックを披露したいと思います!皆様、慧眼の魔術師にご注目を!!アン・ドゥ・ドロワ!!」

 

パチン!ドロン!!

 

「「「「「「「か、変わった!?」」」」」」」

 

遊輝がカウントのタイミングで指をパチンと鳴らすと、慧眼の魔術師が消えて代わりに全く別のモンスターがPゾーンにセッティングされていた。そのモンスターの下には8という数字がある。

 

「慧眼の魔術師は反対側のPゾーンに《魔術師》カードか《EM》カードがある時、このカードを破壊することで代わりに他の《魔術師》カードをPゾーンにセットできます!私はこれでデッキからスケール8の竜穴の魔術師をPゾーンにセッティングしました!さらに竜穴の魔術師の効果を発動!もう片方のPゾーンに《魔術師》カードがある時、手札のPカードを墓地に捨てる事でフィールドの魔法・罠を1枚破壊します!私は貴竜の魔術師を捨てて、パワー・ツール・ドラゴンに装備されたダブルツールD&Cを破壊します!」

 

竜穴の魔術師の杖から魔法攻撃ができて、パワー・ツールに装備されたダブルツールが破壊されてしまう。

 

「くっ!!」

 

「そしてPゾーンにはスケール2の賤竜の魔術師とスケール8の竜穴の魔術師が存在する!これでLv3から7までのモンスターが同時に召喚可能!!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

賤竜の魔術師と竜穴の魔術師に大きなペンダントみたいな物が出てきて、その間を振り子運動する。そして、2体の魔術師の間に大きな穴が開いて、4つの光がその中から出てくる。

 

「エクストラデッキからEM ペンデュラムマジシャン!EMシルバークロウ!慧眼の魔術師!そして雄々しくも美しく輝く二色のまなこ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

EM ペンデュラムマジシャン 攻1500

EMシルバークロウ 攻1700

慧眼の魔術師 攻1500

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

 

4つの光から出てきたのはさっき龍亞や遊輝自身が破壊したモンスターやペンデュラムゾーンにいたモンスター達だった。いつ見ても凄いよね、このペンデュラム召喚って。

 

「なっ・・・・」

 

「ど、どうやって4体ものモンスターを同時に・・・・・」

 

「私が先ほど行ったのはペンデュラム召喚というものです」

 

「ペンデュラム召喚?」

 

私の隣で混乱している皆に向けて遊輝が説明を始めた。

 

「ペンデュラム召喚とはこのデュエルディスクの両端にあるペンデュラムゾーンにこのペンデュラムモンスターを2枚セットする事から始まります」

 

「・・・・・あれ?よく見たらそのモンスターカード可笑しいわね。モンスターなのに下半分は緑色になっている」

 

「ペンデュラムモンスターは普通にモンスターとして扱う事もできますが、このようにペンデュラムゾーンに置いたカードは魔法カード扱いとして扱われます。そして、それぞれのペンデュラムモンスターにはスケールというものが存在します」

 

「スケールって・・・・・その2体のモンスターの下にある数字の事ですか師匠?」

 

恭輔が遊輝の隣にいる賤竜の魔術師と竜穴の魔術師を指差して質問をする。

 

「その通りでございます。ペンデュラム召喚とはこのスケールの間にあるレベルを持つモンスター・・・・・この場合、スケールは2と8ですので3から7までのモンスターが手札・エクストラデッキから同時に特殊召喚されます」

 

「同時に!?ていう事は手札にあるモンスター全て出す事が出来るの!?」

 

「その通りです!もちろん、手札からモンスターを出すという事は手札が尽きるというデメリットもありますが、ね」

 

「あと、一つ気になったんだけど・・・・」

 

「ゆ、遊輝さん、エクストラデッキから特殊召喚というのは?

 

「おっと失礼、ペンデュラムモンスターにはスケールを持つ事とは別にもう一つ特徴があります。フィールドで破壊されたペンデュラムモンスターは墓地に行く代わりに表側表示のまま、エクストラデッキに置かれます」

 

「墓地に行かずにエクストラデッキ!?」

 

「ということは破壊されてもまたペンデュラム召喚してフィールドに戻るのかよ!?」

 

「ただし、『墓地に行く代わりに』ですのでデッキや手札・除外ゾーンの場合は全く無意味ですけど。それと召喚自体を止める神の警告などを打たれてしまったら墓地に送られます。それとエクシーズ素材になってしまっても墓地に行きます」

 

「対策取ってなかったら何回も戻ってくる・・・・・不死身ね」

 

私も最初にペンデュラム召喚見たときは驚いたわね。ペンデュラムモンスターはエクストラデッキに溜まっていく、つまり後半になればなるほどペンデュラムモンスターは溜まっていき、召喚する幅が広がっていく。レミさんの言った通り、対策をとってなければ不死身だわ。

 

「では、デュエルを再開しましょう!ペンデュラムマジシャンの効果!今回は自身と慧眼の2枚を破壊して、デッキから2枚の《EM》モンスターをサーチします!私はドクロバット・ジョーカーとシルバー・クロウを手札に加えます!さらにPゾーンの賤竜の魔術師の効果!もう片方のPゾーンに《魔術師》カードが存在する時、エクストラデッキに表側表示である《魔術師》Pモンスターか《オッドアイズ》Pモンスターを手札に加えます!私は慧眼の魔術師を手札に加えます!」

 

遊輝 手札 4枚→7枚+1枚

 

「・・・・・手札が増えているんだけど?(汗)」

 

「さらに墓地に送った貴竜の魔術師の効果!自分フィールドのLv7以上の《オッドアイズ》モンスターのLvを3つ下げて墓地から守備表示で特殊召喚します!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ☆7→☆4

貴竜の魔術師 守1400

 

オッドアイズの前に7つの星が出てきて、そのうち3つが消えて白いフードとコートが繋がった服を着た女性の魔術師がオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの前に出てきた。

 

「そして何と!!この貴竜の魔術師はペンデュラムモンスターと同時にチューナーモンスターでもあるのです!!」

 

「チュ、チューナーだと!?」

 

「私はLv4のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンにLv3の貴竜の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「二色の眼を持つ龍よ!魔術師と同調し紅蓮なる炎の力を手に入れろ!シンクロ召喚!レベル7!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻2500

 

貴竜の魔術師が3つの輪になって、その中にオッドアイズが4つの星となり中に入る。それら全てが一つになると、火山が噴火を起こすようなビジョンに代わり、その火山の中から身体が赤くなったオッドアイズが現れた。

 

「オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、自分のPゾーンのカード1枚特殊召喚出来る!」

 

「な、何だって!?」

 

「その代わり、メテオバーストはこのターン攻撃できませんけど。俺は竜穴の魔術師を守備表示で特殊召喚!」

 

竜穴の魔術師 守2300

 

オッドアイズの咆哮でPゾーンにいた竜穴の魔術師の身体が起き上がり、フィールドに降りてきた。

 

「さて、これでLv7のモンスターが2体並びました!Lv7のオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンと竜穴の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆7 × ☆7 = ★7

 

今度はオッドアイズと竜穴の魔術師がその間に出来たブラックホールに吸い込まれていき、爆発が起きる。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!二色の眼を持つ龍よ!魔術師と共にその戦慄なる雄叫びで全てを凍らせ!エクシーズ召喚!ランク7!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻2800

 

ブラックホールから吹雪がフィールドに吹き荒れて、その中心から今度は身体を青くしたオッドアイズが姿を現した。

 

「すげぇ・・・・1ターンにあれだけ展開したのに手札も減ってない・・・」

 

「これが・・・・ペンデュラム召喚の強みですね」

 

「バトル!EM シルバークロウで攻撃!」

 

「何を企んでいるのか仕方ないけど迎え「この瞬間、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンの効果発動!」はっ!?」

 

「自分または相手の攻撃宣言時、このカードのオーバーレイ・ユニットを取り除いてその攻撃を無効にする!!」

 

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン OVR 2→1

 

シルバークロウがパワー・ツールに突っ込もうとしたけど、その前にオッドアイズが間に入り攻撃を止めさせた。

 

「こ、攻撃を止める!?それがなんの意味があるんだよ!!」

 

「その後、墓地から《オッドアイズ》モンスターを特殊召喚する!さっきオーバーレイ・ユニットとして墓地に送ったオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンを特殊召喚!!」

 

「!?や、ヤッベ!!」

 

攻撃を止めたオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンのいた場所に穴が開いてオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンが現れた。龍亞はそんな事に目をくれずにパワー・ツールに乗ってフィールドを駆け回る。

 

「ではバトルフェイズ続行!オッドアイズ・メテオバーストで攻撃!!灼熱のストライクバースト!!」

 

「リバースカードオープン!聖なるバリア〜ミラーフォース〜!」

「おやおや、それは困りましたね・・・・では、第二のマジックをお見せしましょう。ワン・ツゥー・・・・・スリー!!」

パッ!!

 

フィールド全体がライトによって照らし出されて、フィールド内を彩らせれる。そして、龍亞の発動したミラーフォースは破壊されてしまった。

 

「!?な、何今の!?」

 

「アクションマジック、イルミネーション!1ターンに1度、モンスターを破壊するカード効果を無効にします!」

 

「マジで!?」

 

「よってバトル続行!オッドアイズ・メテオバーストでパワー・ツールに攻撃!灼熱のストライクバースト!!」

 

オッドアイズ・メテオバーストがフィールド内を動き回っているパワー・ツールを射程に捉えて攻撃をする。そのままパワー・ツールはオッドアイズ・メテオバーストの攻撃を受けてしまった。

 

「これでパワー・ツールは破壊されてダイレクトアタックで遊輝の勝ちになるわね」

 

「まだですよ」

 

「まだ?どういうこと龍可ちゃん」

 

「まだ終わってないってことですよ。フィールドをよく見てください」

 

『・・・・グオオオオオ!!!!!!!』

 

「!!!!お、おい、今のは・・・・」

 

スバルさんが驚いたような表情でフィールドを指差す。そこには全くの無傷で立っているパワー・ツールと龍亞がいた。

 

「な、何で!?確かにさっき破壊されたよね!?」

 

「・・・・やっぱり手にしてたか」

 

「アクションマジック、大脱出!!このターンのバトルフェイズを終了させる!!」

 

皆見えてなかったみたいだけど、私は龍亞が動き回っている間にソリッドビジョンで上空に出来た青い道の上でアクションカードを手にしている龍亞が見えた。だからまだ続くと確信したわ。

 

「これはこれは、相手もなかなかのテクニシャンでしたね。では、メイン2に入ってLv4のシルバークロウとドクロバット・ジョーカーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4!昇竜剣士マジェスターP!」

 

昇竜剣士マジェスターP 守2000

 

ブラックホールから今度出てきたのはユニコールの背中に乗った竜剣士だった。相変わらず手が尽きないわね遊輝も。龍亞も龍亞でまだまだ楽しんでいるみたい。

 

「昇竜剣士マジェスターPはエクシーズ召喚成功したターンのエンドフェイズにデッキからPモンスターを手札に加えます」

 

「それだけ回してまだ手札にカード加えるの〜〜?というか俺のターンまだ〜〜?」

 

「急にテンション下げるな・・・・私はカードを2枚伏せてターンエンド!そしてマジェスターPの効果で私は相克の魔術師を手札に加えます!」

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 2400

【モンスターゾーン】

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻2500

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻2800

昇竜剣士マジェスターP 守2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:賤竜の魔術師 スケール2

青:なし

 

 

「やっと俺のターンだよ!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

「メテオバースト!!」

 

龍亞のターンが始まったのと同時に遊輝はオッドアイズ・メテオバーストの背中に乗ってフィールドを再び走り始める。

 

「そして今引いたのはハーピィの羽根箒!」

 

「ハ、ハーピィの羽根箒!?!?」

 

「あ、あれって禁止カードでしょ!?何で龍亞君使ってるの!?」

 

「このデュエルは遊輝の前世の禁止・制限を採用しているのですよ。その世界だと大嵐は禁止カードでハーピィの羽根箒は制限カードなんです」

 

「げ、解せぬ・・・・・(汗)」

 

「な、納得いかないですね・・・・・(汗)」

 

「相手の魔法・罠ゾーンのカード全てを破壊する!」

 

フィールドに吹き荒れた突風により、遊輝の魔法・罠ゾーンのカードは全て破壊されてしまった。もちろん、Pゾーンも魔法カードなのでセットされていた賤竜の魔術師も破壊されてしまう。

 

「破壊されたペンデュラムカードはエクストラデッキにいく!」

 

「関係無い!パワー・ツールの効果!パワー・サーチ!魔法カード、ジャンクBOX!墓地からスコープンを攻撃表示で特殊召喚!スコープンの効果!手札からD・ビデオンを特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

D・ビデオン 攻1000

 

ジャンクBOXの効果によりスクラップ場からスコープンが、スコープンの効果により隣にビデオンが現れる。

 

「Lv4のD・ビデオンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界に希望の橋を架けるため、勇気と力をカスタマイズ!シンクロ召喚!レベル7!機械竜 パワー・ツール!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300

 

スコープンの輪の中にビデオンが入り、今度は身体が黒い機械竜 パワー・ツールが現れる。普通のパワー・ツールに乗っている龍亞は建物にたどり着いた時に「よっ」という声を出して背中から降りる。

 

「じゃあここから反撃するぞ!パワー・ツール・ドラゴンでサーチした装備魔法、団結の力を機械竜 パワー・ツールに装備!攻撃力の計算は後回しにして、機械竜 パワー・ツールの効果!装備魔法を装備した時1枚ドロー!装備特典(イクイップ・ボーナス)!」

 

龍亞 手札 2枚→3枚

 

「魔法カード、D・スピードユニット!手札のリモコンをデッキに戻してマジェスターPを破壊!」

 

リモコンが機械の発射口にセットされて発射、マジェスターPを破壊した。

 

「そして1枚ドロー!」

 

龍亞 手札 1枚→2枚

 

「(良いのきた!)墓地のD・ビデオンをゲームから除外してチューナーモンスター、D・スマホンを特殊召喚!」

 

D・スマホン 攻100

 

「出たなモバホンもどきめ!!」

 

「スマホン?」

 

「き、聞いたことがないディフォーマーですね・・・・・」

 

スマフォ型のモンスターが変形して人型となって現れる。そのモンスターを見た遊輝は皮肉混じりでそんなことを言った。まぁ・・・・確かに展開力は恐ろしくなったわね。龍亞、遊輝の講義を聞いて「俺、2つ目のディフォーマー作る!!」とか張り切っていたわね・・・・

 

「スマホンの効果!攻撃表示の時、ランダムで出た1〜6の数だけデッキトップをめくり、その中の《ディフォーマー》カードを手札に加える!ダイヤ〜ル、オン!!!」

 

スマホンの胸のスマフォ型の機械が光り始め、数字が画面に写る。出た数字は4。

 

「4だから4枚めくる!1枚目、D・リペアユニット!2枚目、ジャンクBOX!3枚目、D・モバホン!4枚目、魔導師の力!俺はモバホンを手札に加えてそのまま召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

「モバホンの効果!ダイヤ〜ル、オン!!」

 

龍亞の隣に出たモバホンの胸の数字が点滅を始め、少し経ったところで5という数字に止まる。

 

「5が出たから5枚めくる!1枚目、巨大化!2枚目、D・リモコン!3枚目、王宮のお触れ!4枚目、死者蘇生!5枚目、D・ラジカッセン!ラジカッセンを特殊召喚!」

D・ラジカッセン 攻1200

 

「Lv4のラジカッセンとLv1のモバホンにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆4 + ☆1 + ☆1 = ☆6

 

「広大な大地を見守るため、獣の神が駆け抜ける!シンクロ召喚!レベル6!獣神ヴァルカン!!」

 

獣神ヴァルカン 攻2000

 

「ヴァ、ヴァルカン!?」

 

「ヴァルカンの効果発動!シンクロ召喚時、自分と相手の表側のカード1枚を手札に戻す!俺はヴァルカンとアブソリュート・ドラゴンを選択!」

 

ヴァルカンがオッドアイズ・アブソリュートを掴み、自身と一緒に上空に放たれたように飛んで行った。

 

「ぐっ!!」

 

「団結の力の効果で機械竜パワー・ツールの攻撃力は1600ポイントアップ!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300→3900

 

「バトル!機械竜 パワー・ツールでオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンに攻撃!重装解体(フルメタル・デモリション)!!」

 

機械竜が遊輝に乗っているオッドアイズ・メテオバーストに向かって手に装着してある武器で切りつける。斬りつけた瞬間に謎のバリアが貼られて、遊輝への衝撃が緩和されていく。

 

「アクションマジック、奇跡!この攻撃でメテオバーストは破壊されず、俺のダメージは半分になる!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻3900

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻2500

遊輝 LP 2400→1700

 

「あああ!!!!勝てると思ったのに!!!(手札はステープランだから何もできない!!アクションカードを探しにいこう!)ターンエンド!!パワー・ツール!!」

 

エンド宣言したのと同時に、今度は龍亞がパワー・ツールに乗り込んでアクションカードを探し始める。一方、龍亞のターンが終わった遊輝は建物の屋上へと降りる。

 

龍亞 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

機械竜 パワー・ツール 攻3900

【魔法・罠ゾーン】

魔導師の力 〈機械竜〉

 

 

「では、私のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 7枚

 

「さて、それでは本日のこの素晴らしいデュエルも終わりとしましょう!」

 

「ラスト宣言!?」

 

ドローしたカードを確認した後、直ぐに遊輝は両手を上げて、高らかにファイナルターンと宣言した。

 

「まずはマジックカード、オッドアイズ・フュージョン!このカードには素晴らしい効果があるのですがそれはまた次回に。フィールドのオッドアイズ・メテオバースト・ドラゴンと手札の慧眼の魔術師で融合!二色の眼を持つ竜よ!魔術師と融合し雷鳴の轟きとともにいざ行かん!融合召喚!オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン 攻2500

オッドアイズ・メテオバーストと手札にあった慧眼の魔術師が融合されて雷鳴の音がフィールドに鳴り響く中、身体を緑色にしたオッドアイズ・ドラゴンがフィールドに現れる。

 

「ボルテックス・ドラゴンは融合召喚時、相手の攻撃表示モンスターを手札に戻すことができます!」

 

「!?や、やっべ!?(あ、アクションカードあった!!)」

 

「ですが、今回私はその効果を使用いたしません」

 

「はっ!?」

 

「何で効果使わないのよ!?攻撃力で機械竜に勝てないよ!」

 

「慌てないでください。マジックカード、ペンデュラム・コール!手札のシルバークロウを捨てて、デッキからカード名が異なる《魔術師》ペンデュラムモンスターを2枚サーチします!私は2枚目の竜穴の魔術師と相克の魔術師を手札に加えます!続いて、赤のPゾーンにEMドクロバット・ジョーカーを、青のPゾーンに相克の魔術師をセッティング!」

 

遊輝のフィールドに今度はドクロバット・ジョーカーと相克の魔術師がPゾーンに同時に現れる。モンスターの下にある数字には3と8がある。

「これでLv4から7までのモンスターが同時に召喚可能!今一度揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!もう一度現われろ!!手札から竜穴の魔術師と相克の魔術師!!そしてペンデュラムゾーンからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

竜穴の魔術師 守2300

相克の魔術師 攻2500

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

 

上空に出来た大きな振り子はゆっくりと振って、再び穴が開いて同時にモンスターが召喚された。

 

「相変わらずペンデュラム召喚って凄いよ遊輝!!こんなに走り回らずにもっとゆっくり見たいよ!!」

「それはそれは、お褒めにいただき光栄です。では、本日健闘なさった龍亞さんのためにもっと凄いものをお見せしましょう!」

 

「もっと凄いもの?」

 

「まずは下準備です!Lv7の竜穴の魔術師と相克の魔術師でオーバーレイ!」

☆7 × ☆7 = ★7

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!再び現われろ!!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻2800

 

「そんなモンスターを今更出したところで何になるっていうんだ!!」

「お楽しみは・・・・・これからだ!!!Pゾーンの相克の魔術師の効果発動!1ターンに1度だけ、自分フィールドのエクシーズモンスターをそのランクと同じ数値のレベルとして扱いエクシーズ素材にする!!」

 

「なっ!?」

 

「エクシーズモンスターを素材にしてエクシーズ召喚!?」

 

「俺はLv7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとランク7のオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンでオーバーレイ!!」

 

☆7 × ★7 = ★7

 

2体のオッドアイズがフィールドに出来たブラックホールに吸い込まれていき、フィールド内で今までの比にはならないほどの巨大な爆破が起きる。

 

「2体のドラゴン族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!!二色の眼の龍よ!!その黒き逆鱗を震わせ、刃向かう敵を殲滅せよ!!エクシーズ召喚!!いでよ、ランク7!!怒りの眼輝きし龍!!覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン!!」

 

覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン 攻3000

 

フィールドで起きた大きな爆発の中から黒い翼が広がっていき、そこから紫色の蛍光色みたいなものが光る。煙が晴れると、身体が黒く染まって一回り大きくなり、両肩の部分に大きなブースターを備えたオッドアイズが遊輝の後ろにいた。

 

「な、なんだあのモンスター・・・・・」

 

「フィ、フィールドにいるだけで凄い圧倒されます・・・・・・」

 

「オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンの効果発動!!エクシーズモンスターを素材としてエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドのLv7以下のモンスターを全て破壊して、破壊したモンスターの数×1000のダメージを与える!!」

「なっ!?」

 

『・・・・(ピキーン)ガアアアア!!!!!!』

 

オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンが咆哮を挙げると、闇の波動がフィールド全体に広がり2体のパワー・ツールを破壊していった。

 

「うわああああ!!!!!!!!!」

 

龍亞 LP 4000→2000

 

さらに、その衝撃だけで龍亞も吹っ飛ばされてしまった。龍亞だけでない、龍亞の近くにあった建物も衝撃で全て破壊されてしまう。

 

「そして、この効果が通った時、オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンはこのターン、3回攻撃できる!!」

 

「ちょっ!?あのモンスター強すぎでしょ!?」

 

「モンスター破壊して相手にダメージ与えた上で3回攻撃!?」

 

「ラスト!!覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンでダイレクトアタック!!」

 

「つぅ・・・・アクションマジック!!イリュージョン・ダンス!!攻撃表示のモンスターを守備表示に変更する!!」

 

「おやおや・・・・では、最後のマジックといきましょう!!みなさん、ご一緒にカウントを数えてください!!」

 

「?か、数えたらいいのね」

 

「それではいきましょう!!」

 

「「「「1・2・・・・・・・3!!!!!」」」」」

 

バーーーーーン!!!!!!!

 

龍亞が発動したアクションマジックは覇王黒竜の後ろにいたボルテックス・ドラゴンが出した電気ショックみたいな物で破壊されてしまった。

 

「オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンは1ターンに1度だけ、魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、エクストラデッキの表側表示のPモンスターをデッキに戻すことでその発動を無効にして破壊します!!」

「うっそ!?」

 

「バトル続行!!覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴンの攻撃!!反旗の逆鱗 ストライク・ディスオベイ!!」

 

覇王黒竜が、牙で地面を削りながら龍亞に向かって突進していき、龍亞に近づいたところでその牙を龍亞に振り上げた。

 

「う、うわああああ!!!!!!!!」

 

龍亞 LP 2000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍亞

 

 

 

 

「以上、本日のデモンストレーションデュエルのアクションデュエルと私のエンタメデュエルでした!!」

 

最後に遊輝が頭を下げて右手を横にして執事のような挨拶をする。その隣では2体のオッドアイズが咆哮を上げていた。

 

 

龍可 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「よっと、龍亞、大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫って聞くならあんな攻撃しないでよね、いててて・・・・・・」

 

リアル・ソリッド・ビジョンシステムが消えて、上からジャンプして降り、龍亞の方に行く。覇王黒竜の攻撃を食らった龍亞はしかめっ面をしているが大した怪我は無さそうだ。

 

「にしてもあとちょっとだったのにな〜・・・・・アクションカードいつ拾ったの?」

 

「アブソリュートを戻された時だ。正直、メテオバーストを戻されていたら届かなかったよ」

 

「あーーー!!!!やっぱりあっち戻すべきだったか!!!!!」

 

「お疲れ2人とも」

 

「すげぇデュエルだったな!!!」

 

「師匠!!凄いデュエルでした!!」

 

二人でデュエルの総括をしていたところで実験室の方に待機していた龍可達がこっちのデュエル場へと入ってくる。

 

「それにしても驚くことばっかりだったわね・・・・・ペンデュラム召喚にエクシーズモンスターを素材にしたエクシーズ召喚・・・・」

 

「あ、あと・・・・このデュエル自体も変わったルールで面白かったです」

 

「遊輝、このデュエルって何なのよ?」

「これはアクションデュエル。リアル・ソリッド・ビジョンシステムを使ったライディングデュエルとは全く違ったエンターテイメントを目的としたデュエルなんた」

 

「エンターテイメントを目的とした?」

 

「アクションデュエルはお客さんと盛り上がって初めて意味をなすと俺は思ってるんだ。最後の最後までドキドキしてただろ?」

 

「確かに!!アクションカード1枚で凄い魅了していてこっちのワクワクが止まらなかったよ!!」

 

「そうだね。アクションデュエル中はこうやってフィールド内に散らばったアクションカードを探しながらデュエルをしなくちゃいけない。普通のデュエルと違って体力・洞察力が必要となっていくよ。まぁ細かいルールは習うより・・・・慣れろだろ?誰かしてみたい?」

 

「俺!!!俺がやりたい!!」

 

「私も!!!!」

 

「スバルと響か・・・・・じゃあルールを教えるからそれ以外は実験室に戻って」

 

デュエルディスクを龍亞からもらって、俺のデュエルディスクと2つ、2人に渡す。龍亞と龍可は先に実験室に戻り、レミ達もそれに続いて戻っていく。

 

「・・・・・・以上だ、OK」

 

「大丈夫!!」

 

「俺もいけるぜ!!」

 

「じゃあよろしくお願いします」

 

実験室にいる研究者にそう言葉をかけて俺も実験室に戻る。すでに2人のいるフィールドには新たなフィールド魔法が発動してある。

 

「行くぜ!!」

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が」

 

「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い!」

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

「見よ!これがデュエルの最強進化系!」

 

「「アクショーン、デュエル!!」




遊輝「本日のゲストは・・・・・何故2回目?霊夢と射命丸です」

文「なかなか面白いデュエルでしたね〜。良いネタになりますよ」

霊夢「あんた、あんな事やって恥ずかしくないの?」

遊輝「アニメの主人公がやってるのを真似ただけ、ていうか本当になんでお前ら?アリスとか慧音さんとかまだ出ていない人いっぱいいるだろ」

霊夢「あとの人たちは基本的にデュエルを知らない人たちでしょ」

文「そういう人たちだとわからない事が多いみたいなので、デュエルがある回ではデュエルを知っている人たちを中心に来るようになりました」

遊輝「ふ〜ん・・・・・」

スバル「お〜い、そろそろ入っていいか」

遊輝「あっ、ごめん。忘れてた」

響「忘れないでよ!!」

龍亞「これで遊輝とアクションデュエルで2勝6敗だぜ・・・・そろそろ連勝ぐらいしたいな」

奏「随分贅沢な悩みね」

龍可「私はその前にアクションデュエルするための体力つけなくちゃ・・・・」

祈「あ、あれは見るからにしんどそうですからね・・・・フィールド内を縦横無尽にずっと駆け回っていて」

恭輔「デュエルというより体力勝負ですね」

レミ「それにしても人が多いね。こんなに人が多いのは初めてじゃない?」

文「あややや、私は皆さんとこうやって和気藹々としている方が楽しいからいいですよ」

霊夢「私は・・・・・少し苦手ね」

奏「霊夢さんって黙々と一人でやってるイメージがありますね」

スバル「それにしてもあの覇王黒竜強かったな」

遊輝「あれ、出すのがすっごく大変だけどな・・・・」

恭輔「次回は・・・・・・ちょっと前後してしまいましたけど龍南さんとのコラボ回でのこっちでのその後の生活ですって」

響「げっ!?」

祈「タ、タイトルが【メイド達のカップケーキショップ 前編】」

遊輝「ぜ、前編!?後半もあるのかよ!?」

レミ「いや、私も初めて聞かされたけど・・・・・合計4話執筆するらしい」

奏「う、嘘!?」

文「(あややや・・・・面白いことになりましたね)」

霊夢「次回もよろしくね」


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第87話 メイド達のカップケーキショップ 前編

最強カードの紹介!!

遊星「・・・・今回の話、いるのか?」

まぁ、デュエルが一応あるので載せてますが・・・・・メインでは無いんでねぇ・・・・というか色んなことやりたかったけど、グダグダしそうなので半分ほどネタをカットした・・・・・・

遊星「割とあっさりと終わってるしまっている上に、印象に残らないぞ」

それ言われたらちょっとね・・・・・・

遊星「それと、ここで紹介するカードは?」

決めてません・・・・・・・・

遊星「・・・・・・・・・・」

ダラダラする訳にもいかないしやりましょうか。今日は増殖するG。

遊星「また強いカード選んだな」

だって最強カードだろ?

遊星「そうだが・・・・・☆2のモンスターだが、手札から発動する誘発型モンスターとして活躍している」

このカードを捨てたターン、相手が特殊召喚する度に1枚ドローをしなければならない。ドローは強制効果なのでそこは注意。現在でも多くのデッキに入るメタカードとして使われているぞ!

遊星「第87話、デュエルスタート!」


No side

 

 

 

「////////はぁ・・・・・・・」

 

「////////は、恥ずかしい・・・・・」

 

「///////な、何で俺まで・・・・・」

 

「////////部屋にこもりたい・・・・」

 

「皆似合ってるよ!!」

 

奏の店の前・・・・・・・・

4人のため息声が聞こえる中、一人和気藹々とレミが話すが、他の4人は嬉しくも何ともない。レミ以外、遊輝達が今どんな格好をしているかというと・・・・・・・全員、黒いワンピースで膝丈より少し長いスカート部分。さらにその上に白のフリル付きエプロン。頭にはフリル付きのカチューシャ・・・・・いわゆるメイドカチューシャ・・・・・・レミ以外全員、メイド服を着せられていた。

 

「//////////ど、どうしてこうなった・・・・」

 

 

〜〜回想 (コラボ回の後語り・人数多いため、ここだけ台本書きになります)〜〜

 

 

遊輝「・・・・・・・・/////なんで!?!?」

 

レミ「嫌だったら、この人に連絡するよ!!『OKって!!』」

 

遊輝「それも勘弁して!!」

 

レミ「さあどっちを取る!?ここで恥をかくか!?それとも一年くらい恥をかくか!?」

 

遊輝「/////・・・・・・・・・・今します」

 

〜数分後〜

 

レミ「お待たせ〜〜〜」

 

遊輝「////////////」←メイド服&ツインテール&化粧

 

 

 

 

 

 

 

レミ「・・・・・・・・さっきから何を言っているの?そうかそうか!みんなもメイド服を着たいのね!!」

 

「「「「「「いいえ!!!着たくありません!!!」」」」」」

 

レミ「そうかそうか!じゃあみんなも着替えようか!!」←変なスイッチ入った&周りに強風を吹かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

パカッ

 

奏「///////」

 

響「/////き、着ちゃった・・・・」

 

スバル「///////巻き添えくらった・・・・」

 

留姫「/////////////は、恥ずかしい!!」

 

(上4人、白黒のメイド服に白のカチューシャ)

 

駆「た、助かったけど・・・・・・・・何これ!?」

 

(もう一人、黒のスーツみたいな物に、蝶ネクタイ。そして、伊達眼鏡」

 

レミ「駆さんは執事ね」

 

 

 

 

 

〜〜回想終了〜〜

 

 

【えっ、手抜き過ぎる?まぁ詳しいことは番外編のコラボ、【遊戯王CROSSHERO】の後編の後語りを見てくれ】

 

 

 

とまぁこんな感じでメイド服を強制的に着せられたのだ。この小説を読んでくれている方はおなじみ、スバルが作った全自動着替えマシンで着せられて設定されたのでいかなる場合も服を脱ぐことはできない・・・・・・そう、お風呂に入る時も(トイレ?流石にパンツぐらいは脱げるよ)。2週間は絶対にこのメイド服を着たままだ。最初は1週間だっだが、向こう側からの要望で2週間に延び、それがこっちにも火の粉のように飛んできた。ちなみにこれで誰が得するかというと

 

「おぅ!皆似合ってるじゃないか!!」

 

「/////お、お父さん!!」

 

奏のお父さんだ。なんとまぁこのお父さん、その場の雰囲気で店の経営方針を決めようとする(母と奏に止められるが)超お気楽お父さんなのだ。この間にちゃっかりお金を儲けようと考えている。

 

「それじゃまた明日ね!!」

 

楽しそうな顔をしてレミは帰っていく。ちなみに4人は流石にこのまま帰るのは無理なので、奏の家でお泊まりすることになった。なお、アカデミアの方は残り1週間、全員欠席扱いとした。期末テストも終わっているので教師達も別に文句も何も言わなかったのだ。

 

 

 

遊輝 side 〜(翌日)〜

 

 

 

「じゃあ奏と響ちゃんと遊輝ちゃんの3人でカウンターお願いしてもらおうか!!スバル君はこっちのサポートで!!」

 

「「「・・・・・・・・・・・」」」

 

「こら!!返事はしなさい!!」

 

「「「・・・・は〜い」」」

 

俺と響と奏のやる気のない声が響き渡ってカウンターに出る。今日から2週間ずっとこの姿で・・・・・・///////恥ずかしいったらありゃしない。

 

「////////恥ずかしい・・・・・」

 

「だ、大丈夫!!平日の10時からそんなにお客さんは来ないはず!!それに平日だしお客さんはそんなに来ないよ!!」

 

お店のことを一番理解している奏がそう言ったので俺と響は安心する。そりゃそうだよな・・・・・朝10時からそんな大勢お客さんが来るはずがないよな。

 

〜〜数時間後〜〜

 

・・・・・・・朝の自分を殴ってやりたい。

 

「これとこれとこれで」

 

「///////は、はい!!」

 

「/////せ、1460円です」

 

「はい、これでちょうどね」

 

「お嬢さん、可愛いね」

 

「/////あ、ありがとうございます」

 

・・・・・・何処が平日で人が来ないだ。全然来てる、寧ろ休日以上の人が来ている。・・・・・・しかも男客が多過ぎる・・・・・・(汗)

 

「(・・・・・誰が平日、お客さんが少ないって言ったのよ?)」

 

「(・・・・すみませんでした)」

 

「(仕事終わったら何かおごってね)」

 

「(そこまで!?)」

 

響も怒っているみたいです。というか休憩時間が欲しいです・・・・・・・5時間立ちっぱなしなんです・・・・

 

「あ、あの!!」

 

「??」

 

「ぼ、僕と付き合ってください!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

また来たよ・・・・・(涙)もう、どう対応しろって言うんだよ(涙)。レミからは彼女いるって言えって言われたけど・・・・・・

 

「//////あ、あの・・・・・」

 

「はい?」

 

「//////わ、私・・・・・付き合っている人がいるので」

 

「・・・・・・・なん・・・・だと・・・・!?」

 

嘘は言ってない。(彼女と)付き合っている事は事実だから。

 

「じゃ、じゃあ!!俺は2番目の彼「お客様!!後ろがつかえているのでご購入頂いたらお帰りになってくれませんか!?」は、はい・・・・・・」

 

バックで奏のお父さんの圧力に負けて俺に散々と告ってきた男の人は肩を落としてトボトボと帰っていった。奏のお父さんが厨房に戻る時、俺の肩に手を掛けてそっと一言。

 

「これで15人目。君、性別本当に男?(ヒソヒソ)」

 

「/////お、男です!!(ヒソヒソ)」

 

あの人!!!俺をからかうことしか頭にないだろ!!!さっきからずっと俺に告ってきた人数告げてくるし!!

 

「・・・・・ねぇ奏」

 

「・・・・そうね響」

 

「「・・・・・何だろう、この圧倒的敗北感」」

 

 

〜〜(その夜)〜〜

 

 

「つ、疲れた・・・・・・・」

 

「お前、何人に告られたんだ?」

 

「知るか・・・・・数えてる暇なんてなかったし、数える気もしなかったわ」

 

前述の通り、この格好で街を歩くと目立つ上に恥ずかしいので奏の家に泊まらせてもらっている。奏の部屋には響が、来客用の部屋には俺とスバルが寝泊まりする。風呂は男グループと女グループ、交互に別々の日に入ろうと。もちろん最後にね。

 

「それにしても奏の部屋、凄かったな・・・・・」

 

「?何だ、見た事なかったのか?」

 

「部屋だけには入らせてくれなかったんだよ。何だあのぬいぐるみの数は・・・・・・・」

 

響が部屋に入った時に俺もちょっと覗く程度で奏の部屋に入ったらもう・・・・・・・・部屋がぬいぐるみで覆い尽くされていた。一応、壁にギターが3・4本立てかけてあって、その隣に勉強机やらテレビやらベッドやらあったけど、それ以外はもうぬいぐるみ・ぬいぐるみ・ぬいぐるみ・・・・・・・奏が可愛いもの好きってことすっかり忘れてた・・・・・・・

 

「それにしても・・・・・暇だ」

 

「この部屋来てからずっと言ってるな。少しは大人しくしたらどうなんだんだよ」

 

「俺はマシな方だぜ。響なんか1日中身体動かしているんだから、2・3日したらヤバイことになるぜ」

 

「俺が知るかよ」

 

「遊輝〜〜、唯一の楽しみがこれだけだからやろうぜ〜〜〜」

 

急かすスバルの手にはデッキが握られている。スバルの表情からも「早くやろうぜ」というオーラが漂っている。いつか言うとは思ってたけど早すぎるだろ・・・・・・

 

「いいけど・・・・俺、デッキこれしかないぞ」

 

そう言って俺はスバルに手持ちしているデッキの中身を見せる。スバルはそれを覗き込むように見てきて、こう言ってきた。

 

「・・・・・普段のデッキは?」

 

「レミに取られて『これ!!』って言われた。今、龍亞と龍可が持っている」

 

「・・・・・時々思うけどさ、遊輝って本当にデュエリストか?身内とは言え、ちょっとデッキを貸しすぎたり取られすぎだろ」

 

「・・・・・・言い訳する言葉がありません。深く反省します」

 

「まぁ・・・・・とりあえずデュエルしようぜ。外にはさすがに出れないからここで」

 

スバルがカバンの中から青と黒のデッキケースを取り出して、そのうちの青い方のデッキケースを取り出す。

 

「?スバルってデッキ2つ持っていたのか?」

 

「あ〜、これ?前に遊輝が言っていたM・HEROを中心にしたデッキだよ。エクストラの関係やメインの構築を考えたら別々に作った方が良さそうだったから。といってもまだ出来てないけど」

 

「ふ〜ん」

 

「早くエクシーズモンスター当ててこっちのデッキに入れてみたいぜ」

 

「それは自分で当てろ」

 

「はいはい・・・・・それじゃやるか」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

遊輝 LP 4000 スバル LP 4000

 

「先行もらうぜ。ドロー」

 

遊輝 手札 6枚

 

「きっち〜・・・・・・・ハンデ欲しいくらい」

 

「いきなり事故かよ」

 

「とりあえず出すだけだすか・・・・マジョレーヌ召喚して効果発動、エンジェリーサーチ。3伏せエンド」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「それじゃ俺のターン」

 

スバル 手札 6枚

 

「ヒーローアライブ発動!ライフを半分払って「チェーン良いか?」はっ?」

 

「手札から増殖するG発動」

 

「ぞ、増殖するG?何それ?」

 

「手札から発動して、このターンに相手が特殊召喚する度に1枚ドロー」

 

「はっ!?特殊召喚する度にドロー!?」

 

「そう。チェーンあるか?」

 

「な、ないな・・・・(汗)」

 

「じゃあ増殖するG解決。ヒーローアライブ良いぞ」

 

遊輝 手札 2枚→3枚

スバル LP 4000→2000

 

「お、おう・・・・・(うわぁ・・・・下手にこのターン動けなくなったな)シャドー・ミストを特殊召喚」

 

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

 

「んじゃあ1枚ドロー」

 

「シャドー・ミストの効k「罠カード、ブレイクスルー・スキル。シャドー・ミストの効果無効で」ちょっ!?せめて最後まで言わせろ!?」

 

スバルが文句を言うがスルー。とりあえず、シャドー・ミストの効果を使わせたらゲームオーバーなので何が何でも使わせない。

 

「う〜ん・・・・・エマージェンシーコール」

 

「何でそんなに引きが良いんだよ!?あぁ・・・・・いいぞ」

 

「じゃあ・・・・・エアーマンサーチして召喚。効果発動。えっと・・・・・・・オーシャンサーチ(融合したいけどなぁ・・・・・増殖するG発動されているんなら動けないよな)バトル、エアーマンでマジョレーヌに攻撃」

 

「罠カード、破壊輪。エアーマン破壊してまず俺が1800、その後にスバルが1800ダメージ」

 

遊輝 LP 4000→2200 スバル LP 4000→2200

 

「オウ!?お前手札悪いとか言ってだろ!!何処が悪いんだよ!?」

 

「だってマジョレーヌしか良いモンスター引けなかったんだぜ・・・・・」

 

「そっちの悪いかよ!?カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 3枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン」

 

遊輝 手札 4枚

 

「スタンバイフェィズ、マスク・チェンジ・セカンド!コストでオーシャンを捨てるぜ」

 

「なんて手札してやがるんだよこんちきしょう!!・・・・・・・止めれん」

 

「じゃあシャドー・ミストを墓地に送ってM・HERO ダーク・ロウに変身!」

 

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

「墓地に落ちたシャドー・ミストの効果!デッキから・・・・・・・・・・バブルマンをサーチするぜ!」

 

ちきしょう・・・・・やりたい放題やりやがって・・・・・で、引いたカードは・・・・・・あれ?勝ったんじゃね?

 

「ダーク・ロウの効果で墓地に行くカードは全部除外だぜ!」

 

「墓地のブレイクスルー・スキルの効果。こいつ除外してダーク・ロウの効果をエンドフェィズまで無効」

 

「あっ・・・・・・・・・」

 

「(忘れてたのかよ・・・・・)マドルチェ・ミルフィーヤを召喚して効果発動、手札のエンジェリーを特殊召喚」

 

マドルチェ・ミルフィーヤ 攻500

マドルチェ・エンジェリー 攻1000

 

「エンジェリーの効果、自身をリリースしてデッキからホッートケーキを特殊召喚。ホッートケーキの効果、エンジェリーを除外してメッセンジェラートを特殊召喚。メッセンジェラートの特殊召喚成功時の効果でデッキからシャトーを手札に加える」

 

「お、おい!?早すぎて追いつけてないんだが!?」

 

「う〜ん・・・・とりまシャトーとチケットだけ張るわ。フィールドの《マドルチェ》モンスターの攻撃力は500アップね」

 

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400→1900

マドルチェ・ミルフィーヤ 攻500→1000

マドルチェ・ホーットケーキ 攻1500→2000

マドルチェ・メッセンジェラート 攻1600→2100

 

「Lv3のミルフィーヤとホーットケーキでオーバーレイ」

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!虚空海竜リヴァイエール!」

虚空海竜リヴァイエール 攻1800

 

「リヴァイエール効果発動。オーバーレイ・ユニットを取り除いて除外ゾーンのエンジェリーを特殊召喚。Lv4のマジョレーヌとエンジェリーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!クイーンマドルチェ・ティアラミス!」

クイーンマドルチェ・ティアラミス 攻2200

 

「(あ、こいつはダメだ)リバースカードオープン、罠カード、奈落の落とし穴」

 

「チェーン、トラップ・スタン。このターン、こいつ以外のトラップの効果は無効になる」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「じゃあティアラミスの効果。オーバーレイ・ユニットを取り除いて墓地のエンジェリーを選択。シャトーの効果で手札に戻って、ダークロウをバウンス。チケットの効果でデッキからメッセンジェラートを、フィールドに天使族《マドルチェ》モンスターがいるので特殊召喚」

 

「・・・・・・・・なんだこれ」

 

遊輝 手札 3枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

マドルチェ・メッセンジェラート 攻2100

虚空海竜リヴァイエール 攻1800

クイーンマドルチェ・ティアラミス 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

マドルチェ・シャトー (フィールド)

マドルチェ・チケット

 

 

スバル 手札 3枚 LP 2200

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「バトル!ティアラミスでダイレクトアタック!」

 

スバル LP 2200→0

 

 

WIN 遊輝 LOS スバル

 

 

 

「・・・・・今のはひでぇだろ!!もう1回!!」

 

「うるせ!!耳元で騒ぐな!!」

 

「もいっかい!!次はこっちで!!」

 

あまりに早く終わったことに納得のいかないスバルは泣きを言い出した。そりゃまぁ・・・・・あれだけやりたい放題やれば誰だって泣きを入れてくるけどそこまで声をはりあげる必要はねぇだろ。

 

「頼むからもう1回!!!」

 

「うるせぇ!!わかった!!わかったから!!」

 

こうして1回だけでなく、夜が更けるまでやってました・・・・・・うん?戦績?あれ以降、10回やって3回勝てるかだよ!!M・HEROに途中でエクシーズモンスター貸して、チートドロー持ちに勝てるかよこんちくしょう!!!

 

 

〜(数日後 日曜日)〜

 

 

「ヤッホー!メイドさん達元気に仕事してる?」

 

「朝から大声はるな・・・・しんどい・・・・」

 

日曜日、朝早くからの仕込み作業の時間からレミがやってきた。俺は本格的にバイトをしているため、奏は家の手伝いのために朝早くからのケーキ作りはたまにだがやっている、だから今日も今日とてやってる・・・・・この姿、すごくケーキ作りにくい・・・・無駄に服が厚いし、スカートがヒラヒラして鬱陶しい・・・・・

 

「あぁ〜おはようレミ、ふわぁ・・・・朝早くからどうしたのよ?」

 

「まぁ私も今日1日暇になるし、お店のお手伝いをしようと思って。あっ、あとこれ、4人の成績表。加藤先生から渡しといてって言われたから」

 

「あ〜そうか、昨日高等部と中等部は終業式だったな・・・・小等部はあと一週間だっけ?」

 

「そうなんじゃない?小等部も付いてないよね。2月にインフルエンザが3年に流行っただけで小等部全体で学級閉鎖だなんて」

 

「龍亞はバカみたいにはしゃいでいたな。『毎日遊べる!!』って」

 

「おはようレミちゃん、今日はまた早いね」

 

「あっ、おはようございます。これ、奏の成績表です」

 

「あら、悪いわね」

 

奥から出てきた奏のお母さんに奏の成績表を渡すレミ。それを受け取った奏のお母さんは興味深そうに成績表を見る。

 

「・・・・・奏?あなたどういうこと?副教科以外ほとんど2か1しかないわよ!!」

 

「えっ!?」

 

「あっ、ごめん間違えた。それ響の成績表だ」

 

ズゴーーン!!!!!

 

「お、お前・・・・」

 

「こっちが奏の成績表です。それは私があとで響のお母さんに渡しておかないと」

 

「あ、ありがとうね・・・・・・響さんのお母さんも苦労してるわね・・・・・(汗)」

 

そりゃまぁあいつ、ここ最近こそ補講に行く機会は減ったがそれでも40点前半、良くて50点行くか行かないかの点数だからな(汗)

 

「おばさん、皆の家回った後に宣伝してきますよ」

 

「あら、悪いわね。それじゃチラシの用意をしてくるわ」

 

奏のお母さんが奥にチラシを取りに行くのと入れ替わるように奏のお父さんが奥から業務用粉麦粉の入った大きな袋を担いでこっちに来た。

 

「よっこらせっと、お〜レミちゃん。朝早くからいらっしゃい」

 

「おじゃましてます。奏の成績表を渡しに来て、店の宣伝してきます」

 

「お〜、偉いね」

 

「はいこれ、今日のチラシよ。今日は日曜だから大通りの方を頼むわね」

 

「わっかりました〜、じゃあ行ってきます!!メイドさん達も頑張ってね!!」

 

「言うな!!!気にしないようにしてたのに!!」

 

「・・・・あっ、もう一つやること忘れてた。ちょっと遊輝、こっち来て」

 

「?何だよ」

 

レミにこっちに来るように催促されて作業を止めてレミの方へと行く。

 

「で、用ってなんだ?」

 

「なんでも、ただ、今日1日よろしくね、メイドさん」

 

カチャッ

 

そう言って、レミが隠し持っていた伊達メガネを俺にかけた。

 

「・・・・・・・・かしこまりましたレミ様」

「遊輝!?」

 

「それじゃまたね〜」

 

 

 

〜(その夜)〜

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ゆ、遊輝、ご飯だけど・・・・」

 

「・・・・・あとで食べる(ボソッ)」

 

「(これはガチで凹んでるわね(汗))」

 

俺・・・・・・自分を見失いそう(涙)何でこんな恥ずかしい格好であんなことしたの(涙)自分で自分に問いかけたいよ(涙)

 

「いや〜、参った参った。どうなんだいスバル君?」

 

「難しくはないけど・・・・・修理に時間はかかりますね。それに使いすぎで少しガタもついてきてますし」

 

「う〜ん・・・・・さすがに15年もノンストップで使っていたらキツいか・・・・あと2、3年は頑張って欲しいな〜」

 

オーブンの前で神妙そうな顔つきをするお父さんとゴーグルを掛けてそのオーブンの表面の部分を取り除いて中を確認するスバル

今日の営業が終わって明日への仕込みをしている時にこの店唯一のオーブンが壊れてしまった。もう夜8時を過ぎていて業者には頼めないため、今はスバルが1人でオーブンを見ている。

 

「とりあえず徹夜でやってみます。直せないことはないので業者に頼まなくても大丈夫ですが、1・2日は置いておいて、その後に油を注して稼働するかチェックする必要があります」

 

「そうか、となると火曜日までは臨時休業だな。一番の稼ぎ時なのにな・・・・」

 

「・・・・・お父さん、私たちを見ながらそれ言うの止めてくれる」

 

「事実を言っちゃ悪いかい。この売り上げ表が証明しているんだぞ!」

 

堂々とした態度で売り上げ表を突き上げる奏のお父さん。クリスマスの時期やハロウィンの時期よりも1.5倍は売れているらしい。

「・・・・・何これ?個人の営業結果?・・・・・遊輝が断トツ!?どうやって調べたのよ!!」

 

「ん?3人それぞれ別のレジを担当してもらっただろう?あれの売り上げを調べて載せたんだよ。そうしたら凄かったよ。遊輝君が奏と響きちゃんの3倍以上稼いでくれていたんだから。店としてはもうマスコットとして置いておきたいぐらいだよ」

 

「やめてください・・・・・もう俺のプライドが・・・・・・(涙)」

 

これ以上やったら本当に俺、自分を見失いそう(涙)

 

「(・・・・・・何だろう、本当に遊輝に全て負けた気がする(涙))」

 

奏も奏で何故か膝と手をついて落ち込んでしまった・・・・・・何かあったのかな?




遊輝「もう・・・疲れた・・・・」←メイド服

スバル「お前まだマシだろ。俺なんか服が汚れたのに着替えられないんだぜ」←メイド服

奏「なんか・・・・醜い争いね」←メイド服

響「遊輝の今回使ったデッキってさ・・・・」←メイド服

遊輝「あのマドルチェ?確かに作者のデッキとほとんど変わらないよ。今回出た中で唯一違うのがトラップ・スタンだけどあれも入れようか悩んでるらしい」

スバル「あれおかしかった・・・・・・こっちが特殊召喚するたびに手札が増えるとか・・・マジでG・・・」

遊輝「あれ入れないとホーットケーキの効果使えないんだよ・・・・・・」

奏「次回は・・・・・この話の後編ってうたってるけど、本当は私達がこっちにいる間の小等部でのデュエルよ。作者が『タイトル間違えた気もするけどまぁいいか』って」

スバル「【メイド達のカップケーキショップ 後編 (小等部編)】」

響「次回もよろしく!」


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第88話 メイド達のカップケーキショップ 後編 (小等部編)

最強カードの紹介〜〜

レミ「お久しぶり〜〜!!」

・・・・・私は誘惑に負けてしまった・・・・2万円のEMEmの魅力に・・・(涙)

レミ「初見でみて一言目が「やっす!?」だったもんね」

ラスターP×3、PMの日本語版×3、ヴェーラーのウルトラが2枚にGが3枚、迷った結果、見た次の日に買ってしまい、同じ週の金曜日にパーツを完成、金曜日・土曜日をかけて何十回と練習して回せるようにした。

レミ「酷いよ〜、アリアドネ型だから初手が凄く良かったら、ショックルーラー+α(だいたいチェインかキングレムリン)にカウンター罠3枚だよ?どうやって突破しろと・・・・・」

さすがにフリーでやる時はちゃんと相手に言って、使っても良いか確認をとってする・・・それじゃ最強カードの紹介に行くか。

レミ「今回は星輝士トライヴェール!★4の《テラナイト》モンスター3体という思い素材縛りがあるモンスターで、このモンスターを特殊召喚したターンは《テラナイト》モンスターしか特殊召喚できないけどその分、効果も強力!」

エクシーズ召喚成功時にこのカード以外のフィールドのカード全部手札バウンス、破壊耐性、対象を取らないなんて関係なく、フィールドを一掃できる。

レミ「さらにエクシーズ素材を1つ取り除けばランダムハンデス!1ターンに1度、しかも同盟モンスター縛りがないから、下手したら1ターンに2枚ハンデスなんてできるわよ!」

さらにさらに、エクシーズ素材がある状態で墓地に送られた時、墓地の《テラナイト》モンスターを特殊召喚できる!相手が除去してきたら墓地のモンスターで壁を立てつつ、さらなる展開をしていこう!

レミ「第88話、デュエルスタート!」


龍亞 side

 

 

「・・・・・・で攻撃!!」

 

「うわあああ!!!」

 

生徒 LP 300→0

 

「そこまで!天兵君の勝ち!」

「ありがとうございました」

 

デュエルフィールドでさっきまでやっていたデュエルは天兵の逆転勝ちで終わった。天兵も天兵で強いなぁ〜。

俺たちは今年最後の学年合同デュエルをしている。本当ならアカデミアは先週までだったのに小等部だけ一週間先延ばしとか酷いぜ!その代わり、終業式の全校集会だけは先週に終わらせたということになっているので、このデュエルが終わった後は春休みだぜ!

 

「龍亞〜、龍可〜。調子どう?」

 

「俺はバッチリだぜ!今日は恭輔に勝つんだから!」

 

「・・・・・・・・(コク・・・)」

 

「恭輔君、新学期になってから本当に強くなったよね。2学期の終盤から一気にランキング伸ばして行ったけど、3学期にデッキを変えてから連戦連勝なんだよね?」

 

「そうなんだよな〜、今のところ、負けたのが龍可と祈と俺に2敗ずつ。それ以外勝ちまくっているから実技ランキング1位なんだよ」

 

正月明け、冬休み最後の日に海外帰ってきた俺たちは恭輔と祈とあって貰ったお年玉の全部をパックに注ぎ込んだんだ。そうしたら恭輔の買ったパックが超大当たり、エクシーズモンスターが凄い出たんだよ。んでもって俺や龍可、祈が使わないカテゴリーのモンスターや専用魔法などをあげて恭輔が新しいデッキを作ったんだよ。そうしたらそれがめっちゃくちゃ強くて龍可やスバルさん相手にも連勝するようになっていったんだ。

 

「だからこそ!デュエル実技最終日の今日は勝って終わりたい!それにやっともう一つのディフォーマーも出来たんだ!」

 

「気合入ってるな。頑張れよ龍亞!龍可も祈と良いデュエル期待してるから!」

 

「・・・・・(コク・・・コク・・・)」

「・・・・・・龍可?お〜い、龍可?」

 

「はっ!な、何!?天兵!?」

 

「どうしたの?さっき立ったまま寝ていたよ?もしかして寝不足?」

 

「だ、大丈夫大丈夫!!ちょっと疲れているだけだから!!」

 

「そう・・・・その割には目の下に若干クマがありますけど・・・」

 

「だ、大丈夫だって!!」

 

天兵、龍可の事気にしてるな〜〜、龍可は龍可で顔を隠そうとしてるし。だって言えないもんね、寝不足の理由が「次!恭輔君と龍亞君!デュエルフィールドに上がって!」あっ、呼ばれた。

 

「じゃあ行ってくるよ!」

 

龍可と天兵に手を振ってデュエルフィールドに上がる。「よっ」という掛け声でジャンプして上がると、既にフィールドに立っていた恭輔がデュエルデスクを構えていた。

 

「授業でやるのは久しぶりだな」

「僕だけ2組ですからね。龍亞さん達とやる時はやっぱり楽しいです」

 

「今の恭輔は強すぎるからだよ。だからこそ、今日は勝つ!実技1位で次の学年に登りたいから!」

 

「僕だって負けませんよ!師匠仕込みのデュエルを見せてあげますよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

恭輔 LP 4000 龍亞 LP 4000

 

「先行もらいます!ドロー!」

 

恭輔 手札 6枚

 

「僕は星因子(サテラナイト) ウヌクを召喚!」

 

星因子 ウヌク 攻1800

 

「ウヌクの効果発動!デッキからウヌク以外の《テラナイト》カードを墓地に送る!それにチェーンで速攻魔法、天架ける星因子を発動!フィールドのウヌクを対象として、ウヌク以外の《テラナイト》モンスターを特殊召喚して、ウヌクをデッキに戻します!チェーン処理でデッキから星因子 デネブを特殊召喚!」

 

星因子 デネブ 攻1500

「そしてウヌクの効果によりデッキから星因子 アルタイルを墓地に送ります!特殊召喚されたデネブの効果!このカード以外の《テラナイト》モンスター1体をサーチします!デッキから星因子 ウヌクを手札に加えて、カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星因子 デネブ 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「相変わらず良く回るデッキだよな・・・・・・」

 

「これがテラナイトの最初の動きですからね」

 

俺がボソッと呟いた言葉を恭輔は聞いてそう言い返した。恭輔のデッキは《テラナイト》、場に出た時にサーチしたり、特殊召喚したり、ダメージを与えたりする戦士族モンスター達で構成されてその展開力は龍可のカオスライトロードを上回る速さ、そしてそこから出てくるエクシーズモンスターの強さ。この前までプトレマイオスとかいうカードを入れていたけど、あれが入っていた時は恭輔に1回も勝てなかった、でも、あれは遊輝が禁止にしたので今は入ってない。それだけが唯一の救いだよ。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

とにもかくにも、今の恭輔相手には「このターンで決める!」という戦術が必要になる。だから俺の2個目のディフォーマーもそこを意識した構成にした。手札もいいし、狙いにいくなら今しかない!

 

「魔法カード、D・スピードユニット!手札のステープランをデッキに戻して右端の伏せカードを破壊だ!」

 

「(・・・・・破壊されるなら使いましょう)チェーンで破壊されるカードオープン!カウンター罠、神聖なる因子!自分フィールドのデネブを墓地に送り、スピードユニットを無効にして破壊します!」

 

恭輔の場にいるデネブが上空にできた謎の光の紋章に吸い込まれていき、その紋章から放たれた光線によってスピードユニットが破壊されてしまう。

 

「その後、僕は1枚ドローします!」

 

恭輔 手札 2枚→3枚

 

何はともあれ、スピードユニットを発動して正解だった。あのカード、モンスター効果も無効化してくるから強いんだよね。

 

「D・モバホンを召喚!」

D・ モバホン 攻100

 

「一番来てほしくないモンスターが来てしまった・・・・・」

 

「さらに魔法カード、機械複製術!」

 

「!!(ま、マズイ!!)」

 

「攻撃力500以下の機械族モンスターを指定してデッキから同名モンスター2体を特殊召喚する!選択するのはもちろんモバホンだ!」

 

D・モバホン ×3

 

俺のフィールドいたモバホンが分身して3体のモバホンが現れる。これで展開の要は出来た!後はデッキを信じるのみ!!

 

「モバホン1体目の効果!ダイヤル〜オン!!」

 

モバホンの胸にある数字が点滅を始め、数秒後に「4」という数字で止まる。

 

「4が出たから4枚めくる!1枚目、D・D・R!2枚目、D・スコープン!3枚目、D・スマホン!4枚目、ジャンクBOX!俺はD・スマホンを召喚条件を無視して特殊召喚!」

 

D・スマホン 攻100

「スマホンの効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

今度はスマホンの胸にある画面が点滅を始め、3という数字が浮かび上がった。

「1枚目、死者蘇生!2枚目、D・リモコン!3枚目、D・リペアユニット!俺はリペアユニットを選択!まだまだ!2体目のモバホンの効果!ダイヤル〜オン!・・・・・2だ!1枚目、おろかな埋葬!2枚目、D・ラジカッセン!ラジカッセンを攻撃表示で特殊召喚!」

 

D・ラジカッセン 攻1200

 

「Lv1のモバホンとLv4のラジカッセンにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆1 + ☆4 + ☆1 = ☆6

 

「十文字もつ魔剣よ。その力ですべての敵を切り裂け!シンクロ召喚!現れろ!|HSR(ハイスピードロイド》魔剣ダーマ!」

 

HSR魔剣ダーマ 攻2200

 

ラジカッセンとモバホンが星となり、スマホンから出来た1つの輪と重なって出てきたのは青よりの色をしたけん玉みたいな姿をしたモンスターだ。これがこの型のディフォーマーと相性が良いんだよね。

 

「魔剣ダーマの効果発動!墓地の機械族モンスター1体をゲームから除外して相手に500ポイントダメージを与える!俺はモバホンを除外!」

 

「ぐうっ!!」

 

恭輔 LP 4000→3500

 

「さらに3体目のモバホンの効果!ダイヤル〜オン!・・・・・5!1枚目、大嵐!2枚目、D・ステープラン!3枚目、D・D・R!4枚目、ワン・フォー・ワン!5枚目、D・リモコン!リモコンを攻撃表示で特殊召喚!」

 

D・リモコン 攻300

 

「リモコンの効果!攻撃表示の時、墓地の《D》を除外して、デッキから除外したモンスターと同じレベルの《D》を手札に加える!Lv1のスマホンをゲームから除外して、スマホンをサーチ!Lv1のモバホン2体にLv3のリモコンをチューニング!」

 

☆1 + ☆1 + ☆3 = ☆5

 

「大空にある神殿を守るため、神殿の守護者が姿を現す!シンクロ召喚!現れろ!幻層の守護者 アルマデス!」

 

幻層の守護者 アルマデス 攻2300

 

ダーマの後ろからボロ布のような青いスカートを履いた人型のモンスターが現れて、右手に炎を、左手に氷を纏わせた。

 

「これで勝てる!バトル!HSR魔剣ダーマで攻撃!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、次元幽閉!魔剣ダーマはゲームから除外してもらいます!」

 

攻撃しようしたダーマが恭輔の目の前に出来た次元の狭間にに吸い込まれていき、消えていった。やっぱりアルマデスの効果を知っていたか。

 

「アルマデスでダイレクトアタック!」

 

恭輔 LP 3500→1200

 

「これくらい大丈夫です!」

 

「(スマホンは・・・・次のターンに置いておこう)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、竜魂の幻泉!僕の墓地のモンスターを幻竜族として守備表示で特殊召喚します!墓地から星因子 アルタイルを特殊召喚!」

 

星因子 アルタイル 守1300

 

「特殊召喚されたアルタイルの効果!墓地からこのカード以外の《テラナイト》モンスターを守備表示で特殊召喚します!墓地からデネブを特殊召喚!デネブの効果でデッキからシャムをサーチします!」

 

・・・・・あれれ〜〜?俺のターンなのに何で恭輔がこんなに展開出来るの〜〜?

 

 

龍亞 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

幻層の守護者 アルマデス 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 5枚

 

ヤバイ・・・・・恭輔のフィールドにテラナイトモンスターが3体並びそう・・・・・・トラウマが来る・・・・(ブルブル)

 

「僕は星因子 ウヌクを召喚!ウヌクの効果でデッキからベガを墓地に送ります!Lv4のウヌク・アルタイル・デネブでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のテラナイトモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星の彼方から舞い降りよ!星輝士(ステラナイト) トライヴェール!!」

 

星輝士 トライヴェール 攻2100

 

ウヌクとアルタイル・デネブの3体がブラックホールに吸い込まれていき、そのブラックホールから上空に光の柱が立つ。上空は綺麗な夜空となって、その中央にある大きな三角形の中心から白い鎧を身につけた騎士のようなモンスターが舞い降りてきた。

 

「トライヴェールはエクシーズ召喚成功時、このカード以外のフィールドのカード全てを手札に戻します!デルタ・オブ・ツイスター!」

 

トライヴェールが持っているピンク色に見える三角形の模型みたいなものを上空へと飛ばし、その三角形が回転を始めてフィールドに突風が吹き荒れる。その突風に耐えられずにアルマデスは飛ばされてしまった。

 

「さらにトライヴェールのもう一つの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、相手の手札1枚をランダムに墓地に送ります!」

星輝士 トライヴェール OVR 3→2

 

出たよ極悪コンボ!!俺の場のカードバウンスしただけでなくそれをもぎ取るんだから!!あのカード頭おかしいよ!!

 

「一番左端のカードを墓地に捨ててください」

 

適当にシャッフルして裏側にしたカードを俺は確認してから墓地に送る。とりあえず、今一番いらない攻撃の無力化を捨ててくれて良かったよ・・・・・・

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からオーバーレイ・ユニットとして取り除いたアルタイルを特殊召喚!」

 

「げっ!?」

 

まさかまだ続くの!?もう止めて!!

 

「アルタイルの効果!墓地から星因子 ベガを守備表示で特殊召喚!」

 

星因子 ベガ 守1600

 

「アルタイルの効果を使ったターン、《テラナイト》モンスターしか攻撃出来ませんがそんなこと関係ないです!ベガの効果!手札からベガ以外の《テラナイト》モンスターを特殊召喚します!星因子 シャムを特殊召喚!」

 

星因子 シャム 攻1400

 

「シャムの効果!特殊召喚成功時、相手に1000ポイントのダメージを与えます!」

 

龍亞 LP 4000→3000

 

「ぐうぅ!!」

 

ベガの隣に出てきたシャムから輪っか状の物を投げられて俺に当たる。このシャムのバーンも地味に痛いんだよな、4回使われたら負けちゃうよ!

 

「Lv4のアルタイル・ベガ・シャムの3体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星の運命に導かれし者!星輝士 デルタテロス!」

 

星輝士 デルタテロス 攻2500

 

今度はアルタイル・ベガ・シャムの3体がブラックボールに吸い込まれていき、トライヴェールと同じく光の柱が伸びていって出てきたのは光輝いた黄金のような体をしたモンスターだった。背中には三角形みたいな者を背負っているように見える。

 

「これでバトルです!トライヴェールでダイレクトアタック!スターオーバー・ザ・ドライブ!」

 

「終わらねぇって!!手札から速攻のかかしを発動!直接攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

 

トライヴェールの攻撃宣言時に出てきた速攻のかかしによってトライヴェールが攻撃する動作をやめる。危ねぇ・・・・・念のためと入れておいてよかった(汗)

 

「止められてしまいましたか・・・・カードを1枚伏せてターンエンドです」

 

「・・・・・あれ絶対龍魂の幻泉だ」

 

「さぁ?何でしょうかね?」

 

 

恭輔 手札 2枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

星輝士 トライヴェール 攻2100

星輝士 デルタテロス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

とりあえずこれどうしよう(汗)あいつらどっち破壊してもモンスターが出てくるし、伏せカード多分龍魂の幻泉だろうしな、ヴァルカン出せば1体は処理出来るけどもう1体がな〜〜、そういえば引いたカードって・・・・あっ、ドローカードだ。と、その前に・・・・

 

「魔法カード、ジャンクBOX!墓地からモバホンを攻撃表示で特殊召喚!モバホンの効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

ガラクタの山から出てきたモバホンの4回目の効果を使う。出た目は・・・・・3!

 

「1枚目、死者蘇生!2枚目、D・パッチン!3枚目、D・スコープン!D・スコープンを攻撃表示で特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンの前に魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

龍亞 手札 2枚→5枚

恭輔 手札 2枚→5枚

 

・・・・・・あっ、いいのきた。

 

「魔法カード、ナイト・ショット!その伏せカード破壊だ!」

 

「ならチェーンで伏せ「ナイト・ショットの対象になったカードはチェーンで発動できない!」なっ!?」

 

ナイト・ショットが恭輔の伏せカードを撃ち抜いて破壊した。・・・・・やっぱり龍魂の幻泉じゃん、危なかった・・・・

 

「墓地のラジカッセンを除外して2体目のスマホンを特殊召喚!スマホンの効果発動!ダイヤル〜オン!・・・・6!1枚目、ワン・フォー・ワン!2枚目、機械複製術!3枚目、D・D・R!4枚目、D・パッチン!5枚目、D・リモコン!6枚目、サイクロン!パッチンを手札に加えて、 スコープンの効果発動!手札からD・パッチンを特殊召喚!」

 

D・パッチン 攻1200

 

「Lv4のパッチンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

パッチンの身体から浮かび上がった4つの星にスコープンから出た3つの輪が一つとなって、パワー・ツール・ドラゴンが体のパーツを合体して現れる。

 

「パワー・ツールの効果発動!パワー・サーチ!」

 

デッキがシャッフルされてその後に1枚のカードが飛び出してくる。俺はそのカードを取って確認をした後、即座に発動した。

 

「装備魔法、D・D・R!手札のカードを1枚捨てて、除外されているモバホンを攻撃表示で特殊召喚!モバホンの効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

もう何度目かのモバホン、少し肩で息をしている気もするが気のせいだろう。出た目は・・・・・4!

 

「1枚目、大嵐!2枚目、D・D・R!3枚目、D・ステープラン!4枚目、埋葬呪文の宝札!D・ステープランを特殊召喚!Lv1のモバホンとLv4のステープランにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆1 + ☆4 + ☆1 = ☆6

 

「広大な大地を見守るため、獣の神が駆け抜ける!シンクロ召喚!獣神ヴァルカン!」

 

獣神ヴァルカン 攻2000

 

「!?マズイ!」

 

「ヴァルカンの効果発動!シンクロ召喚時、自分と相手の表側表示のカード1枚ずつ選んで手札に戻す!ヴァルカン自身とデルタテロスが対象だ!」

 

出てきたばかりのヴァルカンがデルタテロスの身体をガッチリと拘束して、一緒に上空へと飛んで行ってしまった。

 

「くぅ・・・・・でもまだトライヴェールがいます!トライヴェールを破壊したら墓地から《テラナイト》モンスターを出すことが出来ます!」

 

「・・・・恭輔、俺の2枚の手札、何かわかる?」

 

「?・・・・・何で!!!しまった!!」

 

「装備魔法、D・リペアユニット!手札のリモコンを捨てて、墓地からスマホンを特殊召喚!スマホンの効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

これまた何度目か分からないスマホン、モバホンと同じく少し肩で息をしている。・・・・・流石に可哀想だな。次のデュエルでは2体とも出さないようにしておこう。とと、出た目は・・・・3か。

 

「1枚目、D・ラジカッセン!2枚目、D・スマホン!3枚目、死者蘇生!俺はラジカッセンを加えて通常召喚!Lv4のラジカッセンにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆4 + ☆1 = ☆5

 

「大空にある神殿を守るため、神殿の守護者が姿を現す!シンクロ召喚!再び現れろ!幻層の守護者 アルマデス!」

 

幻層の守護者 アルマデス 攻2300

 

「し、しまった!!アルマデスは」

 

「そう!ダメージステップ終了時まであらゆる効果を発動出来ない!これでトライヴェールの効果は無効だ!バトル!アルマデスでトライヴェールに攻撃!」

 

幻層の守護者 アルマデス 攻2300

星輝士 トライヴェール 攻2100

 

恭輔 LP 1200→1000

 

「うわあああ!!!!!」

 

「パワー・ツール・ドラゴンでトドメのダイレクトアタック!クラフティ・ブレイク!」

 

恭輔 LP 1000→0

 

 

WIN 龍亞 LOS 恭輔

 

 

 

 

 

「そこまで!勝者は龍亞君!!」

 

「やったぜ!!!!」

 

恭輔に勝ってダブルピースを決める。いや〜、久しぶりにテラナイトを倒すことが出来た!!大満足!!

 

「油断してた・・・・龍魂の幻泉・デルタテロス・トライヴェールと三重に張った壁を上手く交わされてしました」

 

「俺も本当はギリギリだった・・・・あそこでナイト・ショット引いてなかったら・・・・」

 

「次のターン、ゴブリンドバーグ・アルタイルの流れです」

 

「・・・・・おぉ〜、こわっ」

 

「では次は最後の試合!龍可さんVS祈さんです!」

 

マリア先生が大声で叫び、龍可と祈をデュエルフィールドに呼ぶ。祈の方はわりとすぐにフィールドに上がったが、龍可の姿が見えない。

 

「?龍可ちゃん!何処にいるの!?」

 

「・・・はっ!!す、すみません!今準備します!」

 

何か慌てた様子で龍可もデュエルフィールドに上がってきた。

 

「なんか・・・・最近龍可さんの様子がおかしいのですが何かあったのですか?」

 

「・・・・・まぁその質問は肯定だね。理由は面白くて言えないけど」

 

「?知ってるのですか?」

 

「もっちろん!!さあて、2人のデュエルはどうなるかな!?俺は凄い面白い結末になると予想してるぞ!」

 

「面白い結末?」

 

 

龍亞 side out

 

 

祈 side

 

 

「ふぅ〜・・・・・・・」

 

深呼吸をして自分の気持ちを落ち着かせる・・・・・・・私は今から龍可さんとデュエル、かなり強敵だけど、私にだって勝てるチャンスはある。何よりも・・・・・楽しもう、スバルさんのこの教えを大事にしないと。

 

「龍可さん、楽しいデュエルをしましょう」

 

「・・・・・・・コク・・・コク・・・・」

 

「?龍可さん?龍可さん」

 

「(パチッ!)はっ!?ご、ごめんね!祈!すぐ準備するから!」

 

ボーうとしていた龍可さんが私の声で覚醒して、慌ててデュエルデスクを起動した。そう言えばここ数日の龍可さん、なんか様子が変だな・・・・

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

祈 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「わ、私の先行、ドロー!」

 

龍可 手札 6枚 デッキ残り枚数 34枚

 

「ま、魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のフェリスを捨てて2枚ドロー、デッキの上から2枚を落とす!」

 

墓地に落ちたカード

・暗黒竜 コプラサーペント

・カオス・ソルジャー 〜開闢の使者〜

 

「ライトロード・アサシン ライデンを召喚!」

 

ライトロード・アサシン ライデン 攻1700

 

「ライデンの効果発動!デッキからカードを2枚墓地に送って、その中に《ライトロード》と名のついたモンスターがいれば1体につき200ポイント攻撃力がアップする!」

 

・ネクロ・ガードナー

・死者蘇生

 

ネ、ネクロ・ガードナーですか・・・・これは地味に嫌ですね・・・・(汗)

 

「・・・・・・コク・・・」

 

「(この後・・・・あれ?)龍可さん?龍可さん!」

「!!ご、ごめんね!魔法カード、光の援軍!デッキの上から3枚墓地に送って、ルミナスをサーチするね!」

 

・ライトロード パラディン ジェイン

・裁きの龍

・ブレイクスルー・スキル

 

あれ?ライデン召喚する前に光の援軍を発動しなかった?何でだろう?・・・・・ライデンの確立を上げるためかな?

 

「カ、カードを1枚伏せてターンエンド!ライデンの効果でデッキの上から2枚を墓地に落とすね!」

 

・混沌帝龍 ー終焉の使者ー

・貪欲な壺

 

 

龍可 手札 4枚 LP 4000 デッキ残り枚数 22枚

【モンスターゾーン】

ライトロード アサシン ライデン 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

なんか・・・・・謎が残るプレイングですけど・・・・・まぁ良いですか。

 

「私のターン!ドロー!」

 

祈 手札 6枚

 

・・・・・・あれ?もしかしてこれって・・・・・勝った?

 

「手札から魔法カード、吸光融合(アブソーブ・フュージョン)を発動!デッキから《ジェムナイト》カードを手札に加えます!私はジェムナイト・フュージョンを手札に!そして魔法カード、予想GUY!自分フィールドにモンスターがいない時、デッキからLv4以下の通常モンスター1体を特殊召喚します!ジェムナイト・クォーツを特殊召喚!」

 

ジェムナイト・クォーツ 攻1500

 

私のデッキが光り、フィールドにジェムナイト・クォーツが現れる。

 

「続いて永続魔法、ブリリアント・フュージョン!」

 

「・・・・・コク・・・・コク・・・・」

 

「・・・・あ、あの〜、龍可さん?」

 

「(パチッ!)あっ!?え、えっ!?な、何!?」

 

「・・・・・ブリリアント・フュージョンを発動したのですが・・・・」

 

「だ、大丈夫よ!!そのまま続けて!!」

 

・・・・・本当に大丈夫なんだろうか?(汗)さっきから意識が落ちているような・・・・・・

 

「ブリリアント・フュージョンの効果でデッキからジェムナイト・サフィア、ジェムナイト・ガネット、ジェムナイト・ラズリーの3体を融合!光渦巻きて新たな輝きとともに一つにならん! 融合召喚!輝きの淑女!ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ!!」

 

ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ 攻/守 3400/2000→0/0

 

サフィア、ガネット、ラズリーの3体のモンスターが融合されて出てきたのは、中世の鎧を身につけた女性の騎士のような外見をしたモンスター。胸にはダイヤのブローチがあり、右手には大きな大剣を持っている。

 

「この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力と守備力は0になります!墓地に送られたジェムナイト・ラズリーの効果!墓地の通常モンスター1体を手札に加えます!ジェムナイト・サフィアを手札に加えて、クリスタル・ローズを守備表示で召喚!」

 

クリスタル・ローズ 守500

 

ブリリアント・ダイヤの隣に宝石で出来た見た目が赤いバラのようなモンスター。赤い宝石の輝きはすごく、向こう側が透けて見える。

 

「クリスタル・ローズの効果発動!」

 

「・・・・・・・・・・コク・・・・」

 

「・・・・る、龍可さん?」

 

また寝てしまってる・・・・・そう言えばここ数日、凄く眠たそうな顔をしていたような・・・・・

 

「る、龍可さん!!起きてください!!」

「(パチッ!)あっ!?え、えっ!?」

 

「あ、あの・・・・・クリスタル・ローズの効果を使いたいのですけど・・・・(汗)」

 

「あっ・・・えっ・・・り、リバースカードオープン!ブレイクスルー・スキル!」

 

「えっ?」

 

「クリスタル・ローズの効果を無効にするわ!」

 

クリスタル・ローズが赤く輝こうとした時に、龍可さんのフィールドに現れた鏡が割れて、その中から表れる腕がクリスタル・ローズを強く握り、効果を防いだ。・・・・・・えっと、何でクリスタル・ローズにブレイクスルー・スキルを使ったんだろう?プレイミス・・・・かな?後で聞いてみよう。

 

「手札からジェムナイト・フュージョン!手札のジェムナイト・サフィアとジェムナイト・オブシディアで融合!融合召喚!ジェムナイト・アクアマリナ!」

 

ジェムナイト・アクアマリナ 攻1400

 

今度はサフィアとオブシディアが融合されて、渦の中からアクアマリナがポーズを決めて出てきた。なんか・・・・凄いポーズを決めて嬉しいのだけどすぐ墓地にいくわよ・・・・(汗)

 

「手札から墓地に送られたジェムナイト・オブシディアの効果発動!墓地のLv4以下の通常モンスター1体を特殊召喚します!ジェムナイト・ガネットを特殊召喚!」

 

ジェムナイト・ガネット 攻1900

 

「ダイヤの効果を発動!フィールドにいる《ジェムナイト》モンスターを墓地に送り、エクストラデッキの《ジェムナイト》融合モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚します!」

 

「・・・・・コク・・・コク・・・」

 

「フィールドにいるアクアマリナを墓地に送り、エクストラデッキからジェムナイトレディ・ラピスラズリを特殊召喚します!」

 

ポーズを決めていたアクアマリナが少し驚いた表情になったが、すぐにブリリアント・ダイヤがアクアマリナの下に魔法陣みたいなものを貼り、アクアマリナがその魔法陣に引きずり込まれるような感じで消えていき、代わりにラピスラズリが魔法陣の中から現れた。

 

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 攻2400

 

「墓地に送られたアクアマリナの効果!相手フィールドの表側カード1枚を手札に戻します!私はライデンを選択!」

 

「えっ!?はっ、はい!!」

 

墓地に送られて霊となったアクアマリナから放たれた水流によってライデンは流されてしまう。龍可さんは凄い驚いた表情でライデンを手札に戻した。う〜ん・・・・多分大丈夫でしょうけど、念には念を入れて・・・・

 

「ラピスラズリの効果発動!デッキまたはエクストラデッキから《ジェムナイト》モンスターを1体墓地に送ることでフィールドにいる特殊召喚されたモンスターの数×500ポイントのダメージを与えます!デッキからジェムナイト・ラズリーを墓地に送って2000ポイントのダメージです!」

 

龍可 LP 4000→2000

 

「ジェムナイト・ラズリーの効果により墓地からジェムナイト・サフィアを手札に加えます。これでバトルです!ジェムナイトレディ・ラピスラズリでダイレクトアタックです!」

 

おそらく、この攻撃はネクロ・ガードナーの効果を使われて無効になると思いますが、私の場にはガネットとクォーツの2体がいるからライブを削りきることは・・・

 

龍可 LP 2000→0

 

・・・・・えっ?使わなかった?

 

 

WIN 祈 LOS 龍可

 

 

 

「勝者!祈さん!これで今日の学年合同デュエルは終わりです!この後は教室でホームルームを行いますので皆すぐに教室に戻るようにね!!」

 

『は〜い』

 

マリア先生の声に合わせてデュエルフィールドにいた皆はすぐに教室へと戻っていく。私はデュエルデスクを直して龍可さんの所へと歩む。

 

「あ、あの〜・・・・龍可さん?」

 

「・・・・・・コク・・・」

 

「龍可さん?大丈夫ですか?」

 

「あっ!?え、えっと・・・・何!?」

「え、えっと・・・・何でネクロ・ガードナーを使わなかったのですか?あと、ブレイクスルー・スキルや光の援軍を使うタイミングも違っていたような気がしたのですが・・・・」

 

「えっ・・・あ、あ〜、わ、忘れていたのよ!ちょっと考え事していたから!」

 

「ほ、本当にですか?龍可さん、最近こんな細かいミスが多くないですか?昨日の算数だって、そこまで難しくない問題を間違えていたし・・・」

 

「き、気のせいよ!!私だって間違えることはあるし!!そ、それより早く教室に戻ろう!」

 

「は、はい・・・・・」

 

何かを隠すような感じで龍可さんは無理矢理笑顔を作り、教室へと戻っていった。凄い空元気をしている気がします・・・・本当に大丈夫でしょうか?

 

 

祈 side out

 

 

レミ side

 

「あ〜・・・・・しんどかった・・・・・何で私が書類整理をしないといけなかったの?」

 

凄く・・・・・疲れてます・・・・

そんなネタは置いといて、私はお父さんの会社からバイトの帰宅中、仕事内容がおかしいよ?社員の書類整理をアルバイトで何にも知らない私に頼んできたんだよ?

 

「能力使ったから早く終わったように感じているけど、実際あれ半日くらいかかったよ・・・・帰ったら休もう」

 

「あっ、お〜いレミさ〜ん」

 

「うん?今の声は龍亞君?」

 

トボトボとした感じでゆったりと帰っていた時に龍亞君の声が聞こえたので辺りを見回す。この大通りの反対側の歩道に龍亞君が手を振っているのが見えた。龍可ちゃんも一緒にいる。

 

「あ〜、そこにいるのね!3秒だけ待って!」

 

「えっ!?3秒で「はい、ついた!」来れるのっていつの間に!?」

 

能力使って時を止めて移動したら龍亞君に驚かれた。そう言えばまだ小等部の子たちには言ってなかったね。

 

「どうやってあんな短時間で来れたの!?瞬間移動!?」

 

「まぁそれと同じ類と思ってくれたらいいわ。これ、企業秘密」

 

「いいじゃん!教えてくれよ!」

 

「ダメダメ、それより2人とも何でこんなところにいるの?」

 

「アカデミアの帰りだよ!明日から待ちに待った春休みだぜ!」

 

「あ〜、今日までなのね。無事な春休みは過ごせるの?成績的な意味で」

 

「・・・・・だ、だだだだだ、大丈夫!!俺、平均より少しだけ下だし!!!」

 

「それは大丈夫じゃないでしょう(汗)龍可ちゃんは?龍可ちゃんなら大丈夫だよね」

 

「・・・・・・・・・コクッ・・・・コクッ・・・・・」

 

「あれ?龍可ちゃん?もしかして寝てるの?」

 

龍亞君から龍可ちゃんの方に視線を向けると龍可ちゃんは首をコクン、コクンと上下に少し動いただけだった。顔を覗くと少し寝ているような感じがする。

 

「おーい、龍可ちゃん!!」

 

「(パチッ)はっ!?あっ!?レ、レミさん!?」

 

「そんなに驚くの!?私さっきまで龍亞君と話していたのよ!?」

 

「ご、ごめんなさい・・・・少し眠くて・・・・」

 

「少しどころじゃないよね!!5日くらい寝てなくて寝不足なんだよね!!」

 

「る、龍亞!!!!!!」

 

「寝不足?龍可ちゃんが?どうして?」

 

そう言われると目の近くにクマがあるわね・・・・・・龍亞君が夜更かしするならまだしも龍可ちゃんが寝不足だなんて珍しいわね。

 

「龍可さ、冬休みからずっと遊輝と一緒に寝ていたじゃん!そうしたら遊輝無しで寝られないようになったんだよ!!」

 

「えっ!?」

 

「・・・・・・・//////1人だと心細くて・・・・・・・」

 

モジモジした感じで龍可ちゃんは顔を赤くして小さくなっていく。

あちゃ〜・・・・・これは悪いことしたわね・・・・・まさかここまで遊輝に依存しているとは・・・・・・

 

「(遊輝を返してあげたいけど、奏のお父さんが許さないだろうしなぁ・・・・・何かしらの理由を付けて・・・・・そうだ!!)ねぇ龍可ちゃん。私今から奏のお店に行くんだけど、遊輝に会いに行く?」

 

「!!い、行きます!」

 

「でもその前に私の家に来てくれない?色々と渡すものがあるからその準備を手伝って欲しいんだ」

 

「わ、分かりました」

 

「俺も!!」

 

「龍亞君はダメ」

「え〜、何でよ!!俺も言っていいじゃん!!」

 

「うるさいわね。そこまで文句言うなら・・・・(カチャッ)」

 

「あ〜!!今日は見たいテレビの再放送があるんだった!!じゃあね龍可!レミさん!」

 

両手で銃を撃つ構えをして龍亞君の能天に照準を合わせる。慌てた龍亞君は捨て台詞のように言って走って逃げて行った。ったく・・・・これだから男の子は・・・・・

 

「じゃあ龍可ちゃん。ついてきて」

 

「はい!(久しぶりに会える♪)」

 

〜(数分後)〜

 

 

「ここよ、今は両親は仕事に出掛けているからそのまま家に入ってきて」

「お、お邪魔します・・・・・・」

 

私の家について、龍可ちゃんも中に入れされる。ふふふ・・・・・これなら奏のお父さんも納得させるし、遊輝にも良いプレゼントになるわ!

 

「それでレミさん、私は何を持っていけば?」

 

「えっとね・・・・ここだ。この部屋の中に入って」

 

私は1階のとある部屋に龍可ちゃんと2人で入る。そこは物置き場みたいな場所で、私やお父さんが使用する楽器類がたくさん保管してある。

 

「す、凄い・・・・ギターやベースだけじゃなくて金管楽器や弦楽器もある」

 

「私は一応、何でも弾けるからね。龍可ちゃん、とってきて欲しいのはその機械の中に入れてあるんだ。悪いけど中に入ってとってきてくれる?」

 

「分かりました」

 

龍可ちゃんは私の言葉を信用してとある機械の中に入る。ふふふ・・・・・完璧(ニヤリッ)

 

「よいしょっと・・・・中は随分広いですね。それで、目的の(バタン!!)えっ?・・・・何!?あ、開かない!?」

 

「フフフ・・・・・プレゼントは龍可ちゃんよ!!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと!?どういう意味ですか!?開けてください!!!」

 

「スイッチオン!!!!」

 

・・・・ブオオオオン・・・・・

 

「ちょ、な、何!?イヤアアア!!!!!」

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

・・・・・チ〜ン、パカッ

 

「出来た出来た♪龍可ちゃん出てきて」

 

「・・・・・な、何?何が起きたの?私、何も起きてない?」

 

「じゃじゃ〜ん!!これが今の龍可ちゃんです!!」

 

準備していた等身大の鏡にあった布を取り外して龍可ちゃんに自分自身の今の姿を見せる。龍可ちゃんの顔は最初ポカーンとしていたけどそのうち顔が見る見る赤くなっていき、大きな声を張り上げた。

 

「/////////きゃあああああ!!!!!!!!!!」

 

 

レミ side out

 

 

遊輝 side

 

 

「/////50円のお返しです。ありがとうございました」

 

「遊輝さん、休憩に入っていいよ」

 

「/////は、はい・・・・・・」

 

やっと休憩時間だ・・・・・・朝の10時から開店して最初の休憩が4時過ぎって・・・・お客さんが俺目当てにしか来ないし・・・・もう嫌だ(涙)

 

「あ〜・・・・・あと・・・1週間もあるよ・・・・早くこの恥ずかしい格好から戻りたい」

 

コンコン

 

「?裏口?誰かな?遊輝君、すまないけど出てくれないか」

 

「ハァ・・・・分かりました」

 

せっかくの休憩時間なのに誰だよ・・・・・裏口の扉を開け、お店の外に出る。そこにはレミが満面の笑みを浮かべながら立っていた。

 

「どうしたんだよ、そんな笑みを浮かべて」

 

「いやぁ・・・・・忙しそうにしているあんたにプレゼントがあるんだ(ニヤニヤ)」

 

「プレゼント?」

 

「ほい!出てきて!!」

 

「//////ゆ、遊輝・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・!?!?!?!?!?!??//////////る、龍可!?!?!?ど、どうしたんだその格好!?」

 

「可愛いでしょう〜?メイド姿の龍可ちゃん」

 

レミの後ろから出てきたのは、ピンク色の少し丈が短く膝上のワンピースに白いフリルが沢山付いたエプロン、ピンク色のハイネックのストラップパンプス、頭にはフリルの付いたカチューシャ・・・・・・・・メイド服を着た龍可だった。あまりにも頭に入ってきた衝撃が凄すぎて、一瞬思考回路が停止してしまった。

 

「//////あっ・・・・・えっ・・・・」

 

「どう?可愛いでしょ〜〜?彼女がこんな姿するなんて滅多に見ることが出来ないんだよ〜〜(ニヤニヤ)」

 

「//////・・・う、うん、可愛い・・・・」

 

「//////は、ハウ・・・・・・」

 

「//////って違う!!!!何で龍可がこうなってるんだよ!!」

 

「まぁ、訳を話すとね・・・・・・・・・ていうことだよ」

 

「//////奏のお父さんを納得されるために龍可も着せたと・・・・しかも2週間着替えられない」

 

「まぁそういう事!これなら遊輝はバイトしなくていいでしょう!!」

 

「//////そ、そういう問題・・・・・か?」

 

「さぁさぁ!!あとの問題は私1人で解決するから、メイドカップルさんは帰っていいよ!!」

 

レミに背中を押される感じで俺と固まっている龍可は裏口の通路から普通の道路へと追い出されるような感じで出てしまった。その道は普通に大通りで、人も多い。つまり・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ものすごく視線を感じてしまう・・・・・・///////す、すごく恥ずかしい!!!!

 

「//////る、龍可!!急いで帰るぞ!!」

 

「//////・・・・」

 

「//////る、龍可!!」

 

「//////あっ!?えっ!?遊輝!?」

 

「/////と、とにかく家に帰ろう!!話はそこからだ!!」

 

「//////そ、そうね!!」

 

俺と龍可はとにかくこの視線から逃れるために全力で走って家に帰った。

 

 

〜(その日の夜 遊輝の部屋)〜

 

 

「//////ハァ・・・・・やっと落ち着いた・・・・・」

 

あの後、とりあえず全速力で無事に家に帰り、ハァハァと2人で息を切らしていると部屋にいた龍亞がリビングで出てきて鉢合わせ。数秒間お互いに硬直状態となったが、その後から龍亞はニヤニヤしながら「2人で何メイド服なんて着てるの?」とか「バカップルにはお似合いだね」とかすごく茶化してきた/////。晩ご飯を食べる時も茶化してくるから2人して顔真っ赤でご飯を食べていた。

 

「ともかく・・・・・家に帰って来れたからこれから1週間は引き込まれる・・・・もう恥ずかしい目に合わずにすむ・・・・」

 

トントン、ガチャ

 

「/////ゆ、遊輝・・・・入っていい?」

 

「//////あ、ああ・・・・いいよ」

 

扉が開いて、枕を持ちながら真っ赤な顔をしている龍可、ついつい下のメイド服姿も見てしまうので俺も顔を赤くしてまう。

 

「//////あ、あのね・・・・・さっき言った通り、私1人だと心細いの。だから・・・・一緒に寝よう?」

「//////い、いいよ」

 

一緒に寝ようという誘いに何の躊躇いなく肯定の返事をしてしまう辺り、俺もかなり龍可の事を意識してるんだろうな・・・・とりあえず時間が時間なので、先に龍可が枕を置いてベッドに入り、その後に俺がベッドに入る。すると龍可が俺を抱きついてきた。

 

「//////る、龍可!?」

 

「//////・・・・・しばらくこうしたい。すごく安心する」

 

「(ドキッ)/////い、いいよ・・・・・・」

 

あ、あの笑顔は反則だ・・・・・あんなの絶対「ダメ」なんて言えない・・・・・

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

 

時刻は深夜1時を回った辺り・・・・・

誰もいなく、灯りも付いてないリビングにコソコソという足音が聞こえる。どうやらネズミがいるようだ。

 

「二ヒヒ・・・・せっかく2人があんな格好しているんだ、あれでイタズラしないわけないじゃない」

 

そう言って、ネズミはとある所へと向かう。

 

「(確かここに・・・・あったあった!!んでもってスバルから教えてもらったこれをプツンと・・・よし!2人のあれはすでに回収したから大丈夫!さぁ明日が凄い楽しみだ!!)」




【今回は史上初めての後書き2部構成です】


魔理沙「久しぶりだぜ!魔理沙だぜ!」

フラン「私はつい最近出たわね」

恭輔「えっと、本日のゲストは霧雨魔理沙さんとフランドール・スカーレットさんです」

龍亞「フランの羽って凄い綺麗な宝石だね」

祈「に、虹色に輝いてます」

フラン「ありがとう!」

魔理沙「それにしてもさ、何で前回誰も呼ばれていないんだぜ?」

恭輔「さぁ?僕は前回出ていませんから」

【単純に忘れてました、まる】

龍亞「恭輔のテラナイト、マジで強すぎる・・・・・」

祈「さ、さすがに今年の世界をとったテーマデッキですね・・・・」

魔理沙「おぉ!!恭輔もテラナイト使ってるのか!?」

恭輔「魔理沙さんもですか!?」

魔理沙「私は遊輝からもらったんだぜ!星の弾幕のイメージにピッタリって!」

恭輔「あの展開力は凄いですよね!あれでプトレマイオスが使えたらなぁ・・・・」

フラン「あれは本当にダメ、フランでも勝てない」

龍亞「あれは本当に頭おかしかった・・・・・(汗)あれのせいで何回恭輔に負けたことやら・・・・」

祈「あ、あの時の恭輔さんは無双していましたね(汗)」

恭輔「現実世界で禁止カードになったから師匠に止められてしまいましたが、あれは・・・」

魔理沙「私たちもあのカードの恩恵を受けていたな」

フラン「私もインフェルニティでよく使っていたわね」

龍亞「・・・・やっぱりあのカード、気違いだ(汗)」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

文「ほらほら〜、2人とも笑ってください!いい写真が撮れませんよ」

遊輝「/////と、撮るな!!」←メイド服

龍可「/////は、恥ずかしい・・・・・」←メイド服

アリス「やめてあげなさい文、可哀想でしょ」

文「あややや、何言ってるんですか!?新聞の売り上げを伸ばすためなら何でもしますよ!」

アリス「とにかく今はやめてあげなさい。一向に前に進まないわよ」

文「仕方ないですね。この後、ちゃんと写真を撮らせていただきますよ」

龍可「/////も、もう疲れた・・・・」

遊輝「/////と、というわけでここでは初登場、人形使いのアリスだよ」

アリス「アリス・マーガトロイドよ。普通にアリスでいいわ。それにしても・・・・・パチュリーや魔理沙から聞いたけど遊輝、あなた本当に男かしら?」

遊輝「/////お、男です!!!」

文「もう本当に凄かったんですよ。おかげで私の新聞の購買者が3倍以上に膨れ上がったんですから。毎日載せたいくらいですよ」

遊輝「/////あんな恥ずかしい思いはもう嫌だ!!」

文「あややや、もったいですね・・・・まぁこの話題はここまでにしておきましょうか。それにしても龍可さん、寝不足でプレイミスを連発するなんて酷いですね」

龍可「/////ね、眠たかったもん・・・・」

文「いじけている姿もいいですね(パシャパシャ)」

アリス「やめなさい・・・・・私はあそこに居なかったからカードゲームに付いて全然分からないことだらけなんだけど、もう少し粘れることは出来たんじゃないかしら?」

龍可「/////・・・・・以後気をつけます」

文「その後は龍可さんのメイド姿、さらにそれを見て興奮してしまった遊輝さんとのご対面ですね。あれはいい絵になりましたよ」

遊輝・龍可「「///////////」」

アリス「全く・・・・・次は【メイドカップル、ドッキドキのデートです!(前編)】よ」

遊輝・龍可「「///////えっ!?」

文「あややや、デートですか、いいですねぇ〜〜(ニヤニヤ)」

アリス「次回もよろしくお願いします」


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第89話 メイドカップル、ドッキドキのデートです!(前編)

最強カードの紹介〜〜。

パール「私の出番!!」

うるさいな!!出番出番ばっかり言うな!!プラチナなんか69話以降、会話でしか出てないんだぞ!!

パール「私もその69話以降会話しか出てないよ!!しかもこれ何!?海外から帰ってきたあと、マスターのデュエル描写が1回しかないし、その1回も【EM魔術師】だし!」

しょうがないだろ!!出番のない奴の出番を優先的にしたらああなってしまうんだよ!!

パール「私の出番をふ・や・せ!ふ・や・せ!」

うるさいな!!これ以上言ったらもっと出番減らすぞ!

パール「そんなのいやだ!!」

じゃあ待て!!今日の最強カードの紹介いくぞ!

パール「(無理矢理流した・・・・)今回は魔導師の力、装備魔法の1枚で龍亞君がよく愛用するカードの1枚ね」

装備モンスターの攻撃力と守備力を魔法・罠ゾーンの枚数×500ポイントアップさせる!最大4000まで上げれるぞ!これは強い!(小並感)

パール「第89話、ドッキドキのデートが始まるよ!」


遊輝 side

 

 

・・・・・ブルルル、カチッ

 

目覚ましが鳴り、ベッドの上に置いてある目覚まし時計を手で探して叩く。音が鳴り止んだところで身体を起こそうとしたが出来なかった。

 

「・・・・・・そういえば俺、龍可を抱えがながら寝ていた///////」

 

昨日の寝る前のことを思い出してまた顔を赤くしてしまう。意識がはっきりするとすぐ近くに龍可の可愛い寝顔が見えるから意識しなくても見てしまう。しかも、龍可も俺を抱えたまま寝てしまったためにベッドから上手いこと出られない。

 

「(//////ま、まぁ、龍可も今日から春休みだし、寝不足って言っていたからこのまま寝かせてあげるか。それに・・・・・ずっと見ていたいし)」

 

とにかく、家から出なければいいからしばらくこのままに(バタン!!)「遊輝!!!!!龍可!!!!!!」・・・・・・うるさい奴がきた、ハァ・・・・

 

「!!!!!な、何!?」

 

「俺、今日1日中外で遊んでくるから!!!家のことよろしく!!!!」

バタン!!!!

 

嵐のように突然やってきて、嵐のように突然去っていく龍亞、いい迷惑だ。人がせっかく気持ちよく彼女の寝顔を眺めていたのに・・・・・・・

 

「あっ・・・えっ・・・・お、おはよう遊輝」

 

「・・・・・おはよう、とりあえず悪いけど起きたいから一回離れてくれる?」

 

「えっ?・・・・・//////!!!!!(わ、私、遊輝を抱いて寝ていた!!!!しかもこの服のままで!!!)」

 

龍可は今の自分の状態を理解したらしく、顔を真っ赤にしてすぐにベッドから降りた。抱きつかれていた俺もゆっくりとベッドから降りて、まだあたふたしている龍可を落ち着かせるために近寄って、今度は俺が抱きしめる。

 

「/////ゆ、遊輝!?」

 

「そ、その・・・・・なんだ、上手いこと言えないけど・・・・・/////こんな格好だけど2人っきりだし、楽しもう」

 

「/////・・・・・・・う、うん」

 

龍可を抱きつけてとりあえず今思っていることを素直に龍可に言う。龍可も少し落ち着いたっぽく、俺の身体を握りしめるようにして腕を身体に回してきた。お互いに密着した状態で何もせずに数分経ち・・・・・・・

 

「/////と、とりあえず朝ごはん食べるか」

 

「/////そうね」

 

お互いに気分が落ち着いてきたので俺の部屋から出て、リビングへと向かう。その時、ある違和感を感じた。

 

「・・・・・・・・部屋が暗い」

 

「電気が付いてないからじゃない?龍亞は出掛けたんだし」

 

「いや、それにしても暗い・・・・・・何だろう・・・・」

 

「スイッチを入れたら・・・・あれ?つかない・・・・」

 

リビングの照明スイッチを龍可がつけても部屋の電気はつかない。さらに、俺が食材確認で冷蔵庫を覗くともっとヤバイ状態である事がわかった。

 

「はぁ!?おい!!冷蔵庫の食料がすっからかんだぞ!!それに冷蔵庫の電源も切れてるぞ!!」

 

「えっ!?」

 

冷蔵庫の扉を開けると、中には牛乳やら飲料水類とバターなどの調味料類以外は本当に何もなかった。さらに別の段を開けると野菜やら冷凍食品やらの食料までもが無くなっていた。そして冷蔵庫自身からの冷気を全く感じず、氷が入っているところを開けると氷が全て溶けていて、水となりチャプチャプとしていた。

 

「どうして!?確かに食材は少なかったけど!?」

「それ以前に何で冷蔵庫の電源が落ちてるんだよ!?まさか・・・・・いや、そんな訳ないよな・・・・」

 

冷蔵庫だけだと確信がなかったため、俺はリビングのテーブルに置いてあったリモコンを手にしてテレビの電源をボタンを押す。だけど、テレビはつかない。さらに壁に掛けてあるインターホンっぽい電話を触るがこれも動かない。これで確信を得た俺は椅子を持って、リビングの奥の方にあるブレーカーの前に椅子を置いて登り、ブレーカーの蓋を開ける。

 

「・・・・・げっ!?ブレーカーが落ちてるんじゃなくてブレーカーの線が切れてるぞ!!」

 

「えっ!?じゃあリビングの電気類は・・・・」

 

「それどころか、家にある電化製品全てが使えない・・・・・・」

 

「嘘っ・・・・・・・」

 

「一体誰がこんなこと・・・・・・あいつしかいないな」

 

間違いないだろう・・・・・こんな大掛かりなことをするのは龍亞しかいない・・・・・。辺りを見回すと、リビングにあるダイニングテーブルとは別のソファの近くにあるテーブルに手紙らしきものが置いてあった。

 

 

『遊輝・龍可へ

照明の調子が悪いと思ってブレーカーを弄っていたら線が切れちゃった。悪いけど修理の依頼よろしく!食材はそういうわけで俺が近所の人たちにおすそ分けしておいた!!買い物もよろしく!!

 

 

PS・・・・龍可、今日本とDVDの返却日だったぞ』

 

 

「・・・・・・あいつ、帰ったら覚えとけよ・・・・・(プルプル)」

 

「本の返却日?・・・・・あ〜あ!!!!今日までだった!!!!」

 

俺は怒りに震えて拳を突き上げ、龍可は思い出してアタフタとし始める。

何が買い物よろしくだ?お前がやったんだろうが!!!!!!!何故俺たちに丸投げして遊びに行くんだよ!!!!

 

「ど、どうしよう!!忘れていたよ!!」

 

「別の日は無理なのか?」

 

「きょ、今日が最終日なのよ!!今日返せなかったら延滞料を取らせてしまうわ!!」

 

「・・・・・・さらに5日掛かるとなるとかなりの額だな(汗)仕方ない、最後の手段だが携帯で・・・・・うん?そういえば何処に置いてたんだ?」

 

ふと自分の携帯を何処に置いたのか思い出して部屋に戻る。いつもならベッドの横にあるライトの近くに置いてあるはずだが・・・・・あれ!?

 

「な、ない!!携帯がない!!」

 

ベッドの上に置いてあるはずの携帯が見当たらずにあちこちを探しまくる。だが、何処にも見当たらない。

 

「ない!!ない!!ない!!!!携帯が!!」

 

「わ、私の携帯もない!!何処に行ったの!?」

 

龍可も龍可で俺の隣に置いてあったはずの携帯が無くなっており、2人して家中を駆け回り探す。が、何処にも見つからずに途方にくれてリビングに戻ってきてしまう。

 

「携帯が・・・・ない・・・・つまり・・・・」

 

「外との連絡手段がなくなった・・・・・」

 

「・・・・・・・・・//////で、出るしか・・・・ないのか?」

 

「///////・・・・・・みたい・・・・・ね」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍亞 side

 

 

「・・・・・俺が出て10分、俺の感がもう直ぐ2人が出るって告げている!」

 

「何バカな事言ってるのよ(汗)」

 

トップスの俺たちが住んでいるマンションの唯一の出入り口(と言っても駐車場があるからもう一つ出口はあるけど)。そこで俺は見張りをしていた。目的はただ一つ!遊輝と龍可をイタズラすることだ!!そして、俺の隣にはさっき電話で呼んだレミさんがいる。5秒前に「来て」って行ったらこの通りだよ。いつの間にか目の前にいるんだからビックリしちゃう。

 

「それで、どうして2人は外に出るのよ?」

 

「龍可、今日中に返さないといけない本とDVDがあるんだよ」

 

「それだけ?それだけだったら高くても延滞料金払う方をあの2人はとるんじゃない?それに連絡手段あるんだし、多分私辺りを呼んで」

 

「昨日の夜、俺がブレーカーの線を切って2人の携帯をパクった」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「んでもって、冷蔵庫の食糧が腐ってしまうから近所の人たちにおすそ分けしたんだ。だからあの家には今何もない」

 

「・・・・・・私が言えたことじゃないけど、あんたやりすぎよ(汗)」

 

ハッとした表情から呆れたような表情に変わってやりすぎって言ってくるレミさん。だってこれくらいしないとあの2人意地でも外に出ないもん。せっかくあんな格好してるんだし、外に出さないと面白くないじゃん!!

 

「///////だ、誰もいない・・・な」

 

「///////い、いこう・・・・・」

 

「おっ、噂をすれば・・・・・」

 

正面の入り口の方からボソボソと声が聞こえたのでそっちの方を見ると、顔を赤くして手を繋いでいる龍可と遊輝がカバンをもって出てきた。いや〜、あ〜いうの見ていたらやっぱりあのカップルはバカップルだね、あんな格好でもちゃんと手を繋いでいるし。それにわざわざ外に出なくても俺が帰ってきた時に色々と頼めばいいのに。今日の晩飯ぐらい出前取っても良かったのに。

 

「それじゃ尾行開始開始♪」

 

「ハァ・・・・・今日は長くなりそうね(汗)」

 

「ん?あの2人、裏道を通るのか?」

 

「///////こ、こっちから行ったら図書館に行けるよ」

 

「///////そ、そうか」

 

2人の会話を聞こえる程度に距離を離れて2人を尾行してすぐ、龍可が裏道を使っていこうとする。

 

「これじゃせっかくのイタズラの意味がないじゃん!」

 

「(普通の一般人が考えたら誰だって見せたくないからその道を通るでしょうね)」

 

「何とかしてあの2人を人通りの多い道に連れ出さないと・・・・・」

 

「・・・・・あんた、番組プロデューサーになれるわよ、きっと」

 

「だからこそ!!こういう時のためにレミさんを呼んだんだよ!」

 

「へっ?」

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「///////え、え〜と・・・・・・・」

 

「///////な、何これ?」

 

ブレーカーの線が切れて本とDVDを返さなくちゃならずに、さらに食料を買わなければならないために俺と龍可は外を出ることを決断。人通りの少ない裏道を通ってなるべく人に見かけないようにしようとしたのだが・・・・・

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

『(なんで私まで・・・・・・・)』

 

曲がり角を曲がったところで何かにぶつかり、何に当たったんかと思って顔を上げたらパワー・ツールが仁王立ちしていた。さらに別の道には機械龍が、俺たちが通ってきた道にはフェザー・ウィングが仁王立ちしており、結果、4つある道のうち、通れるのは人が多い大通りへと繋がる道しかなかった。

 

「///////ど、どういう事?」

 

「///////わ、分からない・・・・・」

 

ツンツン

 

『これ、龍亞さんからです』

 

後ろにいたフェザーが俺の肩を叩いて、振り向くと手紙らしきものを渡してきた。それを受け取って、手紙を開く。

 

『なんで大通りに通らないのよ!!大通り通らなきゃデートの意味ないじゃん!!』

 

「///////もう隠す気するないのね」

 

「///////い、行ける訳ないじゃなん!!こんな格好で!!というかデートじゃない!!」

 

何処を見渡しても龍亞がいないけどとりあえず大声張って叫ぶ。あいつバカだろ!?こんな格好で大通り行ける訳ないじゃん。

 

・・・・・・ガチャン!!!

 

「///////えっ!?な、何これ!?」

 

「//////と、取れない!?」

 

大声出して出来ないって言った時、突然俺の右腕と龍可の左腕が羽のようなものでグルグルと包帯のように巻き付けられた。頑張って片手で外そうとするが想像以上に固くて取れない。

 

『えっと・・・・龍亞さんがどうしても大通りに行かないのでしたら、そうしてバカップルをくっ付けるとの事です』

 

「///////バカだろあいつ!!余計大通りに行けないわ!!」

 

『あんまり長居しない方がいいですよ。下手したら2人をくっつけてミイラのようにするとか言ってましたし』

 

「///////えっ!?」

 

「///////くそう・・・・・分かったよ!!大通りに行けばいいんだろ!!」

 

「///////ゆ、遊輝!?」

 

「///////こ、ここで変にやるより素直に大通り出たほうが後々いいだろう。もう・・・・覚悟決めよう」

 

「///////う、うん・・・・・・」

 

俺の言葉を聞いた龍可も覚悟を決めたようで、唯一空いている大通りへとつなぐ道の方へと歩いていく。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ニヒヒヒ、大成功☆」

 

「(・・・・その内恨み買われるよ(汗))」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『・・・・・・・・・・・・・』

 

「///////う、うぅ〜・・・・み、皆が見てるよ・・・・・・」

 

「///////が、頑張ろう龍可・・・・きょ、今日1日、1日だけだから・・・・」

 

大通りにでたが・・・・・・・//////案の定、大勢の人にこっちを見られてしまう(しかもかなり痛い目で)。しかも今日は土曜日、さらに言えばアカデミアや他の学校も春休みに入っている時期なので子供連れも多い。その子供から言われる純粋な言葉がさらに俺たちを赤くさせてしまう。

 

「お母さん、あの人たちなんであんな格好であるいているの?」

 

「しぃ!!見たらダメよ!!」

 

「お姉さんたち、凄く可愛い!!」

 

「あの人たちの腕に付いているアレなんだろう?」

 

おまけにこの腕を拘束するやつを外してもらわずに大通りに出てしまい、さらに変な人たちと思われてしまう。俺と龍可は結局手を繋いだままお互いをくっつけるようにしてコツコツと歩幅が小さくなってしまう。そのために目的の場所一つ行くのにかなりの時間がかかってしまう。

 

「//////は、恥ずかしい・・・・よ・・・・・」

 

「//////あ、あとちょっと、あとちょっとで図書館だから、図書館はもう・・・・回収ポストに入れて電気屋に行こう」

 

「//////う、うん・・・・・・」

 

 

〜〜(数十分後)〜

 

「//////や、やっと着いた・・・・・」

 

「//////も、もう・・・1日分の体力を使った気分だよ・・・・」

 

やっとの思いでようやく図書館に着いた。ここまでが大変だった・・・・・歩くたびに人から痛い目と痛い事を言われてどんどんと縮こまってしまった。走ろうにも繋がっているためうまく走れることが出来ず、結局歩くしか方法がない、

 

「//////と、とりあえず本とDVDはここに入れて・・・・次は電気屋さんね」

 

「//////そ、そうだな。電気屋行って修理を依頼しよう」

 

そう思って図書館から離れたとき・・・・・・

 

「へい姉ちゃん達!!!可愛い服着てこれから何処行くんだい!?」

 

前からチャラい男2人が来て、こっちに来た。あっ・・・・・これ、面倒くさいパターンだ。

 

「そんな可愛い格好しているんだから俺たちとちょっと良いところに行こうぜ!」

 

「//////あ、あの・・・・私たち用事があるので・・・・」

 

「そんな事言わずにこっち来いよ!!」

 

「//////キャッ!!」

 

「//////うわっ!!」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍亞 side

 

 

あ〜あ・・・・・予想外なのが来た・・・・・

 

「あれは・・・・・マズイわね。2人ともデュエルデスク持ってなかったよ」

 

「ていうかレミさんのせいでデュエルできないじゃん」

 

「やれって言ったのは龍亞君でしょ?」

 

「まぁ今はそんな事より・・・・・ナンパ野郎を追い出しますか」

 

「1人は任せておいて」

 

「おkおk」

 

なんかヤバそうな人に遊輝たちが絡まれてしまったので、影で見ていた俺とレミさんはさすがに危ないと判断、直ぐにデュエルデスクを出して2人の前まで駆ける。

 

「じゃあこれからお兄さん達と楽しいところに行こうぜ!」

 

「//////け、結構です」

 

ツンツン

 

「うん?」

 

「ウィングストーム!」

 

バチン!!!

 

「いった!!!!テメェ何しやがる!?」

 

「あっ、このガキ!!こらまて!!」

 

「鬼さんこちら!!」

 

遊輝と龍可にナンパした2人組をレミさんは能力を使い、指パッチンの容量で風を圧縮、それを相手の額にぶつけ、俺の方はもう1人を膝カックンして注目を集め2人をバラバラにした。

 

「テメェら!!人が告白しているところになにしてくれてるんだ!?」

 

「そういうのは告白って言わなくてナンパっていうんだよ」

 

「んだとこらぁ!!」

 

「まぁまぁ・・・ここはこれで決めましょうよ」

 

俺と反対側にいるレミさんはデュエルデスクを相手に見せつける。俺も同じタイミングでもう1人にデュエルデスクを見せる。

 

「俺たちが勝ったら帰ってもらうよ。負けたらそこのメイドさんたちを1日ご自由に、今日は少ないけどお金持ってるからそれも挙げる」

 

「/////る、龍亞!?」

 

「ヘヘ、面白そうじゃんか。やってやるぜ!」

 

「そっちの姉ちゃんは!?」

 

「同じ条件で良いわよ。ハンデとしてそっちが1勝でもしたらそっちの勝ちでいいわ」

「//////ちょ、レミ!!何勝手にきめてるんだよ!!」

 

「いいぜ!!やってやる!!」

 

「「デュエル‼︎」」 「「デュエル‼︎」」

 

龍亞 LP 4000 ナンパ野郎1 LP 4000

レミ LP 4000 ナンパ野郎2 LP 4000

 

「先行もっらい!!俺のターン、ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「D・ステープランを守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

D・ステープラン 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドローだ!」

ナンパ野郎1 手札 6枚

 

「速攻魔法、サイクロン!その伏せカード破壊だ!」

 

ん〜・・・・まぁブラフに近いディフォームだったからいいか。

 

「魔法カード、古のルール!手札からLv5以上の通常モンスターを特殊召喚する!トライホーン・ドラゴンを特殊召喚!」

 

トライホーン・ドラゴン 攻2850

 

男の前に古文書がでてきて、その中から黄金の角や爪などが生えた青い身体の龍がでてきた。

わぁ〜、すごいレアカードだな〜〜(棒読)

 

「どうだ!!これがレアカード、トライホーン・ドラゴンだ!!装備魔法、メテオ・ストライクをトライホーン・ドラゴンに装備!これで貫通能力を得たぜ!」

 

えっ?メテオ・ストライクなの?ビッグバーンシュートの方は攻撃力も上がるのに?まぁあれは破壊されたら装備モンスターも破壊されるから何とも言えないか。

 

「バトルだ!トライホーン・ドラゴン!そのホッチキスみたいな弱いモンスターに攻撃だ!」

 

トライホーン・ドラゴン 攻2850

D・ステープラン 守1000

 

龍亞 LP 4000→2150

 

「いててて・・・・守備表示のステープランは戦闘で破壊されず、攻撃された後は攻撃表示になる!さらに相手の攻撃表示モンスター1体を守備表示にする!」

 

D・ステープラン 守1000→攻1400

トライホーン・ドラゴン 攻2850→守2350

 

「ちっ・・・・まぁいい。カードを1枚伏せてターンエンド!(俺の伏せカードは次元幽閉!トライホーンを倒そうとするモンスターはこれで除外して、次のターンのダイレクトアタックで勝利だ!)」

 

 

ナンパ野郎1 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

トライホーン・ドラゴン 攻2850

【魔法・罠ゾーン】

メテオ・ストライク 〈トライホーン〉

伏せカード (次元幽閉)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 5枚

 

さてと・・・・・あんまり時間かけるつもりないからこのターンで終わらせるか!

 

「D・モバホンを攻撃表示で召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

「D・モバホンは効果発動!ダイヤル〜オン!」

 

毎度おなじみ、モバホンの胸にある1から6までの数字が点滅を始める。その中にある4という数字が唯一、ライトがついたままになった。

 

「4だからデッキトップ4枚をめくり、その中にある《D》1体を召喚条件して特殊召喚する!1枚目、ダブルツールD&C!2枚目、魔導師の力!3枚目、D・ボードン!4枚目、D・スコープン!チューナーモンスター、D・スコープンを攻撃表示で特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンの効果発動!攻撃表示の時、手札のLv4の《D》を特殊召喚する!D・ソードンを守備表示で特殊召喚!」

 

D・ソードン 守800

 

スコープンのライトがとある1点を照らし、そこをめがけて上空からソードの形をしたモンスターが飛んできて地面に衝突する。煙がはれると、青いソードが地面に突き刺さっていた。

 

「ソードンの効果発動!このカード以外の《D》1体をリリースして、デッキからD・シールドンを特殊召喚する!モバホンをリリースして現れよ!D・シールドン!」

 

D・シールドン ☆3 攻300

 

地面に突き刺さったソードンが自身の力でゆっくりと引き抜かれてモバホンの前に移動する。モバホンはソードンから放たれる青い光に包まれていき消えて、そこから白い盾のようなモンスターが現れる。

 

「(これで準備OK!)Lv4のステープランにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

ステープランとスコープンが一つとなって、合体ロボのように身体のパーツが一つ一つ合体していきパワー・ツール・ドラゴンが現れた。

 

「へっ!シンクロ召喚するのは驚いたが攻撃力2300じゃトライホーン・ドラゴンを破壊できないぜ!」

 

「パワー・ツールの効果発動!1ターンに1度、デッキからランダムに装備魔法を1枚手札に加える!パワー・サーチ!」

 

俺のデッキがシャッフルされて1枚のカードが飛び出し、それを手にして直ぐに発動する。

 

「装備魔法、魔導師の力をパワー・ツールに装備!装備モンスターの攻撃力と守備力は俺の魔法・罠ゾーンのカード1枚につき500ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→2800

 

「2800だと!?(だが俺の伏せカードは次元幽閉だ!攻撃力を上げたところで関係ない!)」

 

「フィールドのソードンとシールドンの効果を発動!この2枚は装備カード扱いとしてパワー・ツール・ドラゴンに装備することができる!合体だパワー・ツール!」

 

パワー・ツールの腕に付いてあった緑のドライバーと青色の機械が取れていき、代わりに右手にはソードンの剣が、左手にはシールドンの盾が付いた。

 

「装備カード扱いとなったカードが増えたことで魔導師の力の効果もアップ!さらにソードンは装備モンスターの攻撃力を1200ポイント、守備力を1500ポイントアップさせる!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻/守 2300/2500→5000/5500

 

「こ、攻撃力5000だと!?」

 

「さらにソードンのさらなる効果!このカードを装備したモンスターがフィールドにいる時、1ターンに1度だけ表側表示のカード1枚を破壊する!パワー・ツール!トライホーンを破壊せよ!リボルクラッシュ!」

 

剣を刀のように構えたパワー・ツールが居合切りのように一瞬でトライホーンの背後に移動。刀を収めたポーズをするとトライホーン・ドラゴンの身体が真っ二つに斜めに斬られて爆発した。

・・・・・すごく、遊輝の影響を受けています。何あれ?本当に居合切りをしたつもりなのかな?時々遊輝がやってる居合切りを実体化させて欲しい(龍可が通訳)って言ってたけどこれがやりたかったのか・・・・

 

「なっ!?あっ!?」

「バトル!パワー・ツール・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

「馬鹿め!リバースカードオープン!次元幽閉!これでそのドラゴンは《ビー!ビー!》なっ!?エラーだと!?なぜ発動できない!」

 

「シールドンを装備したモンスターは相手のカードの効果の対象にはならない!よってパワーのツールは次元幽閉の効果を受けない!いっけー!!!クラフティ・ブレイク!!!」

 

再び鞘から刀を引き抜くような動作をしたパワー・ツールは今度は相手の人に向かって居合切りをした。

 

「ぐわ!!ま、負けた・・・・・・」

 

相手も斬られたような動作をして地面に倒れる。あれは・・・・ちょっと影響を受けすぎてるな(汗)

 

ナンパ野郎1 LP 4000→0

 

 

WIN 龍亞 LOS ナンパ野郎1

 

 

龍亞 side out

 

 

レミ side

 

 

全く・・・・面倒くさいのに巻き込まれすぎよ。さっさと倒して終わらせよう。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ナンパ野郎2 手札 6枚

 

「フレムベル・パウンを守備表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

ナンパ野郎2 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

フレムベル・パウン 守200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

・・・・・わぁ!!すごい手札だ!!今朝の占いで「今日は1 turn kill日和です」って言ってたけど本当みたいね!

 

「ドラグニティーアキュリスを召喚!アキュリスの効果で手札のドラグニティーレギオンを特殊召喚してこのカードを装備!」

 

まずアキュリスが私の前に出てきて、直ぐにアキュリスの後ろからレギオンが羽ばたいてきてアキュリスがレギオンの肩にくっつく。

「レギオンの効果発動!魔法・罠ゾーンの《ドラグニティ》カードを墓地に送っていフレムベル・パウンを破壊!さらに墓地に送られたアキュリスの効果で左側の伏せカードも破壊!」

 

「なんだと!?」

 

レギオンが肩にくっついていたアキュリスを鷹のように飛ばす。アキュリスは特攻隊のようにしてパウンを破壊、さらにパウンを破壊した後に大きく旋回して私が指示した伏せカードを破壊した。・・・・うわ、魔法の筒とか怖いカード伏せてるわね〜〜。まぁ関係なかったんだけど。

 

「フィールドにいるレギオンを墓地に送って、ドラグニティアームズーミスティルを特殊!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

レギオンがフィールドからもう一度羽ばたいていき、太陽に重なるようになったところで光り始めて、黄色の体をした龍・・・・ミスティルが出てきた。

 

「ミスティルの特殊召喚時効果は今回は使わずに装備魔法、ドラグニティの神槍を発動!ミスティルの攻撃力をレベル×100ポイントアップされる!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100→2700

 

「さらにドラグニティの神槍は1ターンに1度、デッキから《ドラグニティ》とついたドラゴン族チューナーを装備モンスターに装備させる!ドラグニティーブランディストックを装備!」

 

ミスティルが神槍を上に突き上げると、神槍から緑色の光が放たれて、私の後ろからブランディストックが現れてミスティルにくっついた。

「ブランディストックを装備したモンスターは2回攻撃できる!」

 

「なんだと!?」

 

「バトル!ドラグニティアームズーミスティルでダイレクトアタック!」

 

「はっ!馬鹿め!リバースカードオープン!聖なるバリア〜ミラーフォース〜!これでそのモンスターは破壊《バリン!!》なっ!?突き破った!?」

 

「ドラグニティの神槍を装備したモンスターは罠の効果を受けない!よって攻撃続行!」

 

右手に大きな刃を持ったミスティルが突っ込んで相手を一度斬りつけ、さらに背後に回りもう一回斬りつける。

 

ナンパ野郎2 LP 4000→1300→0

 

 

WIN レミ LOS ナンパ野郎2

 

 

レミ side out

 

 

龍可 side

 

 

「ち、ちくしょう!!覚えていろよ!!」

 

「もうナンパなんかするなよ〜〜」

 

「2人とも大丈夫?」

 

「//////え、えぇ・・・何とか」

 

「//////た、助かった・・・・これだけはお礼を言うわ」

 

私たちをナンパしてきた2人組は龍亞とレミさんがデュエルで速攻で片付けたおかげで何とかことなくことを起こさずに済んだ。よかった・・・・あのまま2人がいなかったら今頃どうなっていたことやら・・・

 

「ふわぁ・・・・私もう帰るよ。昨日今日と疲れた」

 

「ありがとうレミさん!とにかく2人が無事でよかったよかった」

 

「//////そうだな・・・・・って違う!!龍亞!!」

「あれ〜?良いのかな〜?命の恩人にそんなこと言って〜〜?」

 

「//////グゥゥ・・・・む、むかつく・・・・・」

 

「//////助けてもらったから何も言い返せない・・・・」

 

「まぁ流石に俺もやりすぎたと反省してるから、買い物と電気屋は俺が回っておくよ」

 

「//////えっ?」

 

龍亞の予想外の一言に私と遊輝は驚いてしまった。今までだったら直ぐに逃げ出すのに、自分から反省してあとのことはやるって言ってくれた・・・・・

 

「//////ま、マジで?」

 

「マジでマジで。だから・・・・・・2人でデート楽しんで来なよ!!」

 

「//////あっ!?ちょ、ちょっと龍亞!!鍵返せ!!」

 

龍亞が私たちに近づいてカバンを取ったのと同時に遊輝のポケットから家の鍵を取って走って、ある程度離れたところで振り向いた。

 

「俺、買い物と電気屋回った後は本当に遊びに行くから!!5時まで家に帰らないからな!!」

 

「//////ご、5時!?ま、待って龍亞!!その間私たちはどうすればいいのよ!!」

 

「デートしとけばいいじゃん!!メイドバカップルの熱々デートを!!」

 

「「///////!!!!!!!る、龍亞!!!!」」

 

「じゃあね〜〜〜!!!!!!」

 

鍵を奪ったまま、龍亞は遠くへ走って行ってしまった。

 

「//////・・・・どうする?」

「//////えっと・・・・私も鍵を持ってないから・・・・・・本当に家に帰れない」

 

「「//////・・・・・・どうしよう」」




龍亞「本日のゲストは・・・・・・フランさんとレミリアさんです!」←カンペ見た。

レミ「覚えなさいよ!!」

レミリア「久しぶりね、レミリアよ」

フラン「私も久しぶり!フランだよ!お兄様の可愛い一面が見れてよかったよ!」

龍亞「でしょでしょ!あの2人はイタズラのしがいがあって良いモデルになってくれるよ!!」

レミリア「あなたもなかなか策士家ね」

レミ「(・・・・・この人、すごい私と龍亞君と同じような気がする(汗)」

フラン「それで、あれがお兄様の彼女?フランよりも年下」

龍亞「いや、495歳なんてしょ!?誰だって年下になるよ!!」

レミリア「素直に可愛いわね。遊輝が好きになるのもわかる気がするわ」

レミ「そろそろオリカ紹介に行こう。今回は無零武さんから頂きました」



D・ソードン ☆4 〈無零武さん 投稿〉
 地属性 機械族 攻1200 守800
このカードの②の効果は1ターンに1度しか使用出来ない。
①このモンスターがフィールドに存在する場合、装備魔法扱いとして「パワー・ツール・ドラゴン」に装備する事ができ、攻撃力が1200ポイントアップする。
②このカードを装備したモンスターがフィールド上に存在する場合、表側表示のカードを1枚破壊する事ができる。
③このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
・攻撃表示:自分フィールド上に存在する「D」と名のついたモンスター1体をリリースし、自分フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる。「D・ソードン」のこの効果は1ターンに1度しか使えない。
・守備表示:このモンスター以外の「D」をリリースし、デッキから「D・シールドン」を特殊召喚する。


D・シールドン ☆3 〈無零武さん 投稿〉
 地属性 機械族 攻300 守1800
 ①このモンスターがフィールドに存在する場合、装備魔法扱いとして「パワー・ツール・ドラゴン」に装備する事ができ、守備力が1500ポイントアップする。
 ②このカードを装備したモンスターがフィールド上に存在する場合、相手の魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にならない。
③このカードはこのカードの表示形式によって以下の効果を得る。
・攻撃表示:このモンスター以外の「D」をリリースし、デッキから「D・ソードン」を特殊召喚する。
・守備表示:相手モンスターが攻撃宣言した時、このモンスターを攻撃対象に変更することが出来る。



龍亞「実はこのカード、2年も前に貰ったまま、作者が出せずにいたんだよ(汗)」

フラン「無零武さん、遅くなって申し訳ございません(ペコリ)」

レミリア「効果はお互いとも装備カードとしてパワー・ツール・ドラゴンを強化するところと、それぞれ他のディフォーマーをリリースすればもう一方をデッキから特殊召喚するところが一番使われるわね」

レミ「まぁ強いよ。これに今回みたいに魔導師をつけたら《攻守5000オーバー+破壊耐性+毎ターン表側カード1枚破壊+対象に取られない》という化け物モンスターに大変身」

フラン「・・・・・トリシューラ・ハーピィ、痛み分け、ラヴァゴ」

龍亞「やめて!!」

レミリア「次回はカップルのデートの続き、いよいよ本番よ」

フラン「【メイドカップル、ドッキドキのデートです!(後編)】。次回もよろしくね!」


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第90話 メイドカップル、ドッキドキのデートです! (後編)

今回はデュエルなし、そして出来る限り早く終わらせようと思いました。理由?グダグダになる&甘々になるから!!

3章はこれで終わり、4章は・・・・・あれ?イリアステル編?WRGP準備編?どっちがいいんだ・・・?


それと、これでストック分は終わりました。そのことも含めて後書きでお知らせがありますのでそちらの方もご覧ください。


遊輝 side

 

 

「//////え、えっと・・・・・」

 

「//////・・・・・ど、どうする?」

 

「//////ど、どうするもなにも・・・・・早く家に帰りたい・・・・」

 

「//////お、俺も・・・・」

 

「「//////ハァ・・・・・・」」

 

人の少ない公園のベンチを見つけてとりあえず座って今後どうしようか龍可と考えているが結局何も思いつかない。

 

今朝、家のブレーカーの線を龍亞が切ってしまい、その修理の依頼と食糧調達、さらに龍可が本とDVDを返さなければいけなかったので、俺と龍可は意を決して外に出た。最初は人通りの少ない裏通りを通ろうとしたが、龍亞がそんなことを許さずに俺の左腕と龍可の右腕を謎の力(多分レミの能力)で包帯のようにグルグル巻きにしてくっつけてしまい、しまいにはミイラのようにすると脅されて、大通りに出る覚悟をして出た。周りからの凄い視線をくぐってやっとの思いで図書館につき、本とDVDは返せたがここで俺たちをナンパする奴らと遭遇。デュエルデスクを持ってきてなかった俺と龍可はどうしようにも出来ずに連れ去られるところだったけど、龍亞とレミのおかげで何とかナンパ組は逃げていった。レミはそのまま家に帰ってしまったが、龍亞は食材を買うのと電気屋に行く代わりに俺から家の鍵を奪っていき、「5時まで帰らないから!」とか言って逃げていった。そのため、俺たちは途方に暮れている。

 

 

【あらすじ、以外と長かった(汗)許してくださいby作者】

 

「//////ど、何処に行く?」

 

「//////ど、何処に行くも何もこの格好じゃ目立って仕方ないよ」

「//////け、けど、ずっとここにいてもいずれは人が溜まって・・・・・」

 

「//////・・・・・・ハァ」

 

結局、何処に行こうにもこの恥ずかしい格好が目立ってしまい、何処にもいけない状況だ。最初、「カラオケ店ならバレない!!」って思って行ったのだが、こんな時に限って臨時休業をしており入ることが出来なかった・・・・

 

グゥ〜〜

 

「//////えっ?」

 

「//////・・・・・ご、ごめん遊輝・・・・お腹が空いた」

 

「//////そ、そう言えば朝から何も食べていなかったな俺たち・・・・・」

 

グゥ〜〜

 

「//////あっ・・・・・・」

 

「//////遊輝も鳴ったね・・・・」

 

「//////・・・お店には入り辛いから屋台を探してテイクアウトする?」

 

「//////どっちもどっちだと思うけど・・・・」

 

「//////と、とにかく、何かお店を探しにいこう。恥ずかしいけど・・・・」

 

「//////そ、そうだね」

 

とりあえずお昼ご飯を食べよう・・・・俺と龍可はそう思ってベンチから立ち上がり、飲食店が多い、繁華街に行くことにした。

 

「「((//////は、恥ずかしい・・・・))」」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「//////や、屋台があってよかったね・・・」

 

「//////う、うん・・・遊輝・・・・」

 

「//////ば、場所がここしか空いてなかったから・・・・(ヒソヒソ)」

 

「//////す、凄い視線が(ヒソヒソ)」

 

繁華街に行くと、今日は何かのイベントがあったみたいでたまたま屋台が道に並んでいた。俺たちはそれぞれ自分が食べたい物を1個ずつ買った(その時も店主に熱々だからオマケだ!!とか茶化された・・・・・)しかし・・・・・やはり食べる場所に問題があり、食べるところが特設で作られたフードコートエリアのテーブルしかなかった。たまたま端の方に座れたけど、それでも何百人という人たちが俺たちのことを見ている。

 

「//////(と、とりあえず食べよう。そして早くここから出よう)」

 

「//////(そ、そうだね)」

 

テーブルに自分たちが買ったものを並べる。龍可は焼きそば、俺はたこ焼きだ。・・・・・・・すごく焼きそばが食べたかったけど、左手で箸を持てないから仕方ない。爪楊枝なら左手でも大丈夫だし・・・・・

 

「//////・・・・た、食べたいの?」

 

たこ焼きを食べながら龍可が焼きそばを食うのを見ていた俺に気づいて龍可がそう言ってきた。

 

「//////うん・・・・正直、食べたかった・・・・」

 

焼きそばのソースの匂いにたまらず、誘惑に負けてしまう。こんなところで関西人のDNAが受け継がれるなんて・・・・・・/////恥ずかしい・・・・・・

 

「//////・・・・遊輝、私が食べさせてあげるよ」

 

「//////・・・・・へっ?」

 

「//////だから・・・・私が食べさせてあげる」

 

「//////!?!?い、いいよ!!焼きそばだったら家帰ったら作って食べれるし!!」

 

「//////いいじゃん・・・・もう、壊れようよ」

 

あ、あれ・・・・・龍可の様子がおかしいぞ・・・・・(汗)

 

「//////ど、どうしたんだ龍可?」

 

「//////だから・・・・思いっきり壊れようよ。もう周りの事なんか気にしないで私たちだけの空間を作ろう?」

 

「//////(や、ヤバイ・・・龍可の頭のネジが外れてる・・・・(汗))」

 

「//////はい遊輝、あ〜ん」

 

「//////(うっ!!か、可愛い!!)」

 

周りからの視線に(多分)耐えれなくなった龍可の頭がおかしくなってしまった・・・(汗)凄い甘〜〜い声と上目遣いで俺を誘惑させる。

 

「//////ねぇ遊輝・・・一緒に壊れよう。はい、あ〜ん」

 

「//////(だ、駄目だ・・・・これには勝てない)・・・・あ、あ〜ん」

 

龍可の甘い誘惑に勝てずに俺は龍可が箸でつまんでくれた焼きそばを口に入れた。その瞬間、俺の中にあった「理性」という2文字が凍った氷が水になっていくように溶けていった。

 

「//////どう?美味しい?」

 

「//////・・・・うん、美味しい。このたこ焼きも食べる?」

 

「//////うん!」

 

「//////はい、あ〜ん」

 

「//////あ〜ん」

 

俺もたこ焼きを龍可の口に入れてあげる。龍可は俺がやろうとしたことをすぐに分かったようで口を少し開けて準備してくれていた。

 

「//////美味しい?」

 

「//////うん、美味しいよ!今度は私ね、あ〜ん」

 

「//////あ〜ん」

 

「「「「「(((((((・・・・・見ない振り見ない振り(汗)))))))」」」」」」

 

「//////ごちそうさまでした。次何処行く?」

 

「//////そうだな〜何処があるかな〜」

 

俺と龍可の甘い昼食が終わり、ゴミを捨てて次何処に行くか考える。そうだな・・・・・・港が近いんだし、港の方に行ってみるか。

 

「//////港の方に行ってみる?」

 

「//////そうね。私、あの辺行くの久しぶりだし」

 

行き先も決めて俺と龍可は手を繋いで(もともと繋がっていたけど)近くにある港を目指す。港エリアにある倉庫は休日になるとフリーマーケットとなり、沢山のお店が出店する。

 

「//////今日もいっぱい店があるな」

 

「//////そうね」

 

「//////何か欲しいものがある?買い物に行かなくてよかったからお金に余裕があるけど」

 

「//////う〜ん・・・・・・・あっ」

 

龍可が一軒のお店の前に止まる。そこは服と雑貨を扱っているお店だった。

 

「//////ここ入っていい?前々から行きたかったの」

 

「//////いいよ。時間はあるからね」

 

龍可と一緒にそのお店に入っていく。龍可は中で服や雑貨を物色した後、とある服を手にする。

 

「//////これ、これがいいな」

 

「//////分かった。じゃあ買ってあげるよ」

 

「//////ありがとう!!」

 

買いたかった服を手にした龍可は凄い笑顔でそう答えてくれて、俺も嬉しかった。・・・・・レジの人に凄い痛い目で見られたけど、もう気にしなくていいや。

 

「//////次何処行く?」

 

「//////そうね〜・・・・・・あそこにしよう!!」

 

今度も違うお店に入っては色んな物を見て回ったり、見学しきあっという間に時間は過ぎていく・・・・・・

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

夕食の時間、この家に住んでいる龍亞は驚愕の顔で向かい側にいる2人のカップルを見ている。

 

「//////はい遊輝、あ〜ん」

 

「//////あ〜ん」

 

メイド服を着たカップル、龍可と遊輝の食事に対してだ。この2人が身内が見ているというのに平気で「はい、あ〜ん」をしているからだ。しかも、本人たちは全く恥ずかしがることはなく、堂々とやっている。

 

「(なんか・・・・・知らない間に凄い距離が縮まっている。昼間に何があったんだ?(汗)」

 

龍亞の知らない間で、この2人のイチャイチャっぷりはかなりのレベルアップを遂げていた。もう、自分たちが今どんな格好をしていてどんなことをしているのか全く考えていないほどである。

「(まぁ・・・・2人の距離が縮まったんならデートは成功みたいだし、よかったんじゃないかな)」

そう思い、龍亞は自分の大好物であるハンバーグを一口かじる。

 

「ハフハフ・・・・・・!!!!!!!!!かっらあああああ!!!!!!!!!み、水!!!!!!!!!」

 

突然飛び上がったような仕草で椅子をバタンと倒し、野たれ回る龍亞。そんな事をおかまない無しに自分たちの空間を作り続ける遊輝と龍可。龍亞のハンバーグだけ、大量のわさびとからし+αがブレンドされた遊輝特製のデスソースが仕込まれていたのだ。

 

「からあああああい!!!!!!!!!!!水水水水水水水水!!!!!!!!!!!!」

 

「//////あ〜ん」

 

「//////あ〜ん・・・・うん!やっぱり遊輝の料理ハンバーグ美味しいね」

 

「//////ありがとう」

 

「水!!!!!水!!!!!・・・・・・!!!!!!酸っぱああああ!!!!!!」

 

おまけで用意されていた龍亞の飲み物は無味無臭の謎の超絶酸っぱいドリンクだった・・・・・・・・・・

その夜、メイド2人は真夜中まで甘い甘い夜を過ごしたとさ




本日は私1人で。この回をアッサリと終わらせてしまい、申し訳ありません。まぁ2人の距離が縮まるための話しだったため、そこまで長くするつもりは最初からなかったですのでご了承ください。



これで無事に第3章が終わりました。正直、ここまで来るのにすごく時間がかかった・・・・・(汗)
私は話の展開である骨組みを決めた後、デュエルの展開をノートに書くんです。そうしないとどんなデュエルをするのか直ぐに忘れてしまうので。で、第3章のデュエル構成は実は高校3年の時にすでに完成していたんです・・・・はい、ここまで3年掛かりました(涙)まぁ、その間は受験勉強で執筆活動を停止していたり、大スランプに陥って本編は7ヶ月くらい中断していたんですが、それでも時間が掛かりました・・・・・これ、完結するのいつだろう・・・・・



次回から第4章なんですが・・・・最近、ちょっと小説のことに意識を重くのせすぎてせっぱ詰まったような状態なんです。それに逃走中のこともありますから、読者様には申し訳ないですが、2週間〜1ヶ月ほどのお休みを頂きたいと思います。正直言って、セッパ詰まった状態で書いても短くなるし面白くないですからね。何事も気分転換は大事です。その間、逃走中の方の執筆と、第4章以降のデュエル構成を考えつつ、少し色んな事をしてみたいと思います。Wiiの中古のフィッシングゲームも買ってやってみたいですし、ポケダンもやりたいですからね。(俺の財布ポイントが・・・・(涙))



ではでは、第3章、海外編は今回で終わり、次回からは第4章、イリアステル編、タイトルは【新たなる戦い】です。それでは、2週間〜1ヶ月のお休みに入りますが今後ともこの小説を宜しくお願いします。


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第4章 イリアステル編
第91話 新たなる戦い


今回は最強カードの紹介はありません。第4章のスタートですが、今回は導入部分に近いので割とアッサリとしてます。

第4章では新たに敵のオリキャラも出ます。イリアステルとは関係を持たずに独自で行動していると思ってください。



おまたせしました。では第4章、イリアステル編、始まり始まり〜


遊輝 side

 

 

「・・・・・そうそう、それで」

 

「スバル、・・・・・の曲のセッションお願い」

 

「OK」

 

「遊輝、この曲のこの部分一緒にしてくれない?」

「う〜ん・・・・・この音域歌えるかな?」

 

4月の初め・・・・・・・

3月の下旬に部内で1週間の休みが終わったのち、4月1日から練習が再開された。今は2週間後にある新入生歓迎会に向かってセッションを合わせているところだ。

 

「・・・・うんうん、じゃあね」

 

軽音部の部室の窓側で電話をしていたレミがボタンを押して会話を止め、こっちに戻ってくる。

「どう?」

 

「行けそうだって」

 

「そうか、じゃあ心配はないな」

 

ガチャッ

 

「部活中にすまない」

 

「皆さん、元気にしてますか?」

 

「あっ、狭霧さんと牛尾さん」

 

「チース」

 

ポカッ!

 

「あいてっ!!」

「お前はもう少し目上の人に対する言い方を学べ!」

 

牛尾さんにチースって挨拶をしたら頭をどつかれた。別にいいじゃん、そこそこ仕事関係で付き合っているんだし。

俺たち、シークレットシグナーとセキュリティ、主に狭霧さんと牛尾さんとは一種の協定みたいな物を結んでいる。理由は俺たちの能力が危ないからだ。セキュリティとしても面倒事は避けたいので、俺たちは街中で何か危ないことやそれに近いことが起きたら能力を使っていい、その代わりにセキュリティや街に奉仕作業を頼まれたらやるように言われている。だから、ちょっとした事件で俺たちの力が必要になった時には駆けつけなくちゃいけない。その相手の90%が牛尾さんと狭霧さんというわけだ。

 

「それで、今回はどんなご用件で?」

 

「今回は奉仕作業ではなくて、注意勧告です」

 

「注意勧告?」

 

「最近、Dホイーラーを無差別に襲っている事件は知っているだろ?」

 

「あ〜、ここ数日で5人近くのDホイーラーがデュエルを挑まれてクラッシュまで追い込まれているあの事件か?」

 

「そうだ。さすがにこれ以上の犠牲者を増やすわけにも行かないから、事件が解決するまで夜中のDホイールの走行を禁止した」

 

「犯人は通称、ゴースト。それ以外の情報は今の所何も・・・・」

 

「とにかく、しばらくは夜にレーンでの練習はしないようにしろよ。じゃあな」

 

それだけを告げて狭霧さんと牛尾さんは部室から出て行った。ふむ・・・・恐らくだけど、この後か前に遊星たちのガレージにも寄ったようだな、ていうことは・・・・今夜か。

 

「ゴーストか・・・・・私たちも気をつけないといけないわね」

 

「大丈夫だって!私たち、アカデミアの優勝メンバーなんだから!」

 

「井の中の蛙だぞ、それ」

「はいはい、とにかく今は練習練習!歓迎会までもう直ぐなんだから!」

 

パンパンと手を叩くレミの合図でそれぞれの楽器を持ち直す俺たち。

・・・・・・そうだな、とりあえず牛尾さんを助けに行くか。

 

『パパ!』 『パパ!』

 

「どわあ!?」

 

ズッガーン!!

 

突然目の前に現れたブラックとホワイトに驚いてしまい、座っていた椅子が滑って背中から転けてしまう。

 

「い、いててててて・・・・・・」

 

「な、何してるのよ・・・・(汗)」

「ちょ、ちょっとな・・・・どうしたお前ら?」

 

『パパ!』 『遊ぼ遊ぼ!』

 

「へぇ〜、この2人喋れるようになったんだ」

 

『なったなった!』 『来た来た!』

 

「春休みの中盤あたりぐらいからかな?遊ぶのは部活終わってから、それまで待ってて」

 

『うん!』 『分かった!』

 

そう言って2人は消えて言った。ああは言ったものの、夜はあの出来事があるし・・・・・これは今日は寝れないかも(汗)

 

 

〜〜(その夜)〜〜

 

 

「(・・・・・・龍可を説得するのに時間がかかってしまった(汗))」

 

晩飯を食べて龍可が風呂に入っている間にこっそり出ようとしたら龍亞に捕まってしまい、2人、特に龍可に説得させるのにとんでもなく時間がかかってしまったよ(汗)。ちゃんと時間通りには帰ってくるからって言っても言うこと聞いてくれないし(汗)

 

ピーポーピーポー

 

「セキュリティのサイレン・・・・あの上のコースか」

 

セキュリティのDホイールから鳴り出したサイレンの音が耳に聞こえ辺りを見回すと上のコースで赤のランプの点滅が目に入った。すぐにDホイールの画面でコースを確認して上へと登るコースを探す。

 

「(・・・・次の所を右だ?誰だ?)」

 

コースの確認を終えて前を見ると、さっきまでなかったはずのDホイールが1台俺の前を走っていた。周りは夜なので暗くてよく分からなかったが車体の色が赤のDホイールだった。

 

「(いつの間に俺の前を走っていたんだ?画面を見たあの数秒間で別ルートから来たというのか?)」

 

ピカーーーーーン!!!!!!!!!

 

「!!!!クッ!!」

 

ギュルルル!!!!!!!

 

突如目の前に現れたDホイールから謎の光が放たれる。その光を不意に浴びた俺は目を眩ませてしまい、咄嗟に急ブレーキをかける。Dホイールの車体を90度近く横に回転させてブレーキをかけることに何とか成功して止まる。そのままヘルメットを取り、俺の前に走っていたDホイールの方を見る。相手のDホイーラーも俺が止まってヘルメットを取ったところを見てからヘルメットを取り、素顔を表した。そして思った。

 

「(・・・・・・・綺麗だな)」

 

率直な感想だった。髪は青色で腰まである長髪、髪の毛でこんな表現はおかしいのだが透き通っているような髪の毛だ。顔は小顔で目の瞳も水色に近い。身体も細く胸がある。このことからおそらく、この人は女性と予測できる。

 

「ダメだよ、君はこれから起きることを傍観者として見ていないといけないよ」

 

こっちが見とれている間に向こうからそう話してきた。その言葉を聞いた俺も慌てて視線を相手の身体から顔へと帰る。

 

「誰だお前?」

 

「そうね・・・・・・あなたの敵でもあるし、味方でもある・・・・そんなところかな」

 

「なんじゃその中途半端な答えは?」

 

「完璧な答えなんか求めたらダメだよ・・・・・・・・転生者の遠藤遊輝君?」

 

「・・・・・・・何故俺の名前と素性を知ってる?」

 

「あれ?驚かないの?おかしいな〜〜、私が期待していたリアクションと違う反応が返ってきてビックリだよ」

 

「内心はビビってるさ。俺の五感がビンビンと危険信号を放ってる」

 

おれの素性がバレたときは心臓が凄い脈絡で破裂しそうだった、今でもバクバクしている。そして、改めてあの女性と対峙してわかる・・・・・・こいつはかなりヤバイ、何がヤバイかは上手いこと表現できない、だが、俺の本能がとにかく告げている、こいつはかなり強いと・・・・・・・・

 

「ちえっ、つまらない反応ね・・・・・」

 

ドカーーーーーン!!!!!!!!!!!

 

女性がプイッと顔を振り向いたところで別のDホイールレーンから大きな爆発音が聞こえてきた。遅かったか・・・・・

 

「あら?もう終わったの?早いわね、仕方ない、私はこれで帰るわ」

 

「待てや!」

 

ピュッ!スカッ!

 

Dホイールに乗って帰ろうとしていた謎の女性を俺は手のひらで作った小さい太陽を後頭部めがけて放つ。

 

「もう・・・・レディに対して失礼じゃないかしら?」

 

「せめて名前ぐらい名乗れ、これでイーブンにしろ」

 

「仕方ないわね・・・・・・・・・・私の名前はアリア、アリア・リューベックよ」

 

「・・・・アリア」

 

名前を告げたアリアという女性はDホイールにまたいだあと、ヘルメットを被りエンジンを付ける。そして何かを思い出したような仕草をしてこっちに振り向いた。

 

「そうね・・・・親切なアリアさんはもう一つ情報を教えてあげるわ。私はイリアステルと関係は持ってないわ、私は私自身で・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界と精霊世界、2つの世界の王となってみせるわ」

 

俺にそう言い放ったアリアはDホイールで走って行った。すでに爆発の起きたレーンには救急車がサイレンを鳴らしながら走っている。

 

「(2つの世界の王・・・・・・・こりゃ下手したら、イリアステルよりもヤバイかもしれないな)」

 

すでに俺の知らないところで知らない戦いが始まっているかもしれない・・・・・・・・

・・・・・ビー!ビー!

 

「・・・・遊星からか」

 

Dホイールに遊星からの連絡が入ったことを見て、俺はヘルメットを被り牛尾さんの事故現場へと走っていった。




遊輝「え〜と・・・・本日は初登場、上白沢慧音さんです」

慧音「上白沢慧音だ、種族はワーハクタクで普段は人里にある寺子屋で教師をしている。専門は歴史だ」

響「ワーハクタク・・・・・・?」

遊輝「・・・・これ言っていいの?」

慧音「構わない、下手に分からないままにするよりかは真実を伝えた方がいい」

遊輝「分かりました。ワーハクタク・・・・簡単に言ったら半分人間、半分野獣だね」

スバル「・・・・お前の仲間に人間はいないのか?(汗)」

遊輝「霊夢がいるじゃん」

奏「1人だけでしょ!?」

慧音「それにしても響!お前テストが赤点ばっかと遊輝から聞いたぞ!!」

響「ドキッ!」

慧音「そういう奴は・・・・・」

響「はっ!?ちょっ!?な、何!?」

慧音「こうだ!!」

ドシン!!!!!

響「いったああああああああ!!!!!!!!!!!!」

遊輝「出た!慧音先生の頭突きや!!!」

レミ「お、音が可笑しかった(汗)・・・・・・・・・・」

慧音「これから響には補習をやらないといけないな」

響「嫌だ!!!!」

バコン!!!

響「♪「××〒°$¥○♪☆8¥8|!?!?!る」く」?」←悶絶している

奏「ウワァ・・・・・(汗)」

遊輝「次回はついに機皇帝が出るぞ!【VS機皇帝! 現れろ!ホープ・ザ・ライトニング!】」

スバル「次回もよろしくな!」


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第92話 VS機皇帝 現れろ!ホープ・ザ・ライトニング!

【*・・・・今回は話を始める前に真面目な話をします。今後もこの小説を読んでくださる方は絶対に見てください。



今回から機皇帝の登場ですが、この小説では機皇帝の効果は全てTF効果にしました。「何故アニメ版にしないんだ!?」という批判があるのは分かりますが、理由は2つほどあります。

一つ目、グランエル等、アニメ版の効果が今一つ分からない


すぴばるの読者様には教えてもらったので、ほとんど解決したと思ったのですが、今ひとつグランエルが低脳な私には分からかったのです。いえ、分からなかったというより面倒くさかったです。本当はグランエルもアニメ版の方が臨場感のあるデュエルを執筆出来るのですが、本当にシンクロ召喚に頼りにしているデュエリストは私の小説のメインキャラだとレミぐらいなんですよね。響は最悪、融合HEROや上級氷結界、トリシューラで解決できるのでNo problem。


二つ目、アニメ版の∞は「対象をとる効果」の効果を受ける。


これが私がTF効果にしようとした最大の理由です。
つまり、ブレスルやらデモチェやらカステルやら101やら強脱などの汎用カードの効果を受けるんです。あいつらの特徴であるシンクロ体の吸収も《PSYフレームロード Z》などを使えば一発で解決してしまいます。それでは面白くありません。
アニメ版の《ゴースト・コンバート》が有りますが、あれも引いていればというたらればになってしまいますし、TF版の方がコストはかかってしまいますが、全ての効果を無効にして破壊するなので、TF版の方が強いと思いました。
この小説では、ペンデュラムも含めて新規カード・環境にも使われているカードも使っているので、こいつらのためだけに使わないという訳にはいきません。とりわけ強制脱出装置とデモンズチェーン、ブレイクスルー・スキル。普通に強いカードがデッキに入れてあり、しかも手札にあるのに使わないという選択肢を取ることはありません。(ペンデュラムカード自体の登場回数は多くはありません)


以上、2つの理由から機皇帝は全てTF版とさせていただきます。今後、この事に関する事を言われても基本的にはノーコメントとさせていただきます。あしからずご了承ください。】



イエエエエエ!!!最強カードの紹介だ!!!

ダイヤ「なんでそんなにテンションが高いのですか?」

分からん!だけど今は最高にハイッて状態だ!!!!!

ダイヤ「(・・・・・頭を打ちましたのかね?)」

【*注意・・・・作者は別に頭を打ったりとかしていません】

それじゃ最強カードの紹介だ!今回はSNo,39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング!!

ダイヤ「えっ!?そっちですか!?機皇帝じゃないんですか!?」

今回の話を見て機皇帝が活躍したと言える?

ダイヤ「・・・・・・・・・・・・・・」

というわけで今回はホープ・ザ・ライトニング!!コスプレイヤー、ホープの究極形態(作者が勝手に命名)だ!ランク4の《希望皇ホープ》と名のついたモンスターに重ねてエクシーズ召喚出来るぞ!

ダイヤ「ホープと名のついたモンスターですので、エクストラに余裕のある方はホープ→ホープレイ→ホープ・ザ・ライトニングと順に重ねて出しますね」

効果はこいつが攻撃するとき、ダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない!ミラフォとかも怖くないぞ!

ダイヤ「リクルーターや最近出ている彼岸とかにも刺さりますね。あとはエクシーズ素材に《希望皇ホープ》と名のついたモンスターがある時にエクシーズ素材を2つ取り除いて攻撃力を5000にできます」

ダリベと状況に合わせて、また相手ターンにでも使えるので相手ターンにも取っておくというのも一つの戦略だぞ!

ダイヤ「第92話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「畜生!!」

 

ガン!!!

 

悔しそうな表情をしたクロウが壁にグーパンチで叩きつける。

 

「俺があの時協力するって言っていれば・・・・・・」

 

「やめろクロウ!もう済んでしまったことだ!」

 

「じゃあ俺たちはこのまま指をくわえて見てろって言うのか!?」

 

ジャックがクロウを抑えようとしたが逆効果となってしまいさらにクロウを苛立たせる。

あれから俺は、牛尾さんの事故現場に駆けつけてそのまま救急車と一緒に病院に直行、遊星さんとジャック、遠くでこの状況を見ていたクロウも病院に駆けつけた。牛尾さんは緊急手術となり現在も手術中。俺たちはガレージへの帰っていった。

 

「遊輝、お前はあの場にいたんだろ?相手がどんなモンスターを使っていたのか分かるか?」

 

「すまない遊星・・・・・見てなかったんだ」

 

「そうか・・・・・・」

 

嘘だ・・・・・・本当は転生者だから機皇帝のことも知っている。だが、俺の目の前に突如現れたあのアリアという女性、あいつが俺の素性を知っていた時点でかなり心が焦ってしまった。あいつが俺を止めたというのが正しい事なんだが、あれで全く周りを見ることが出来なくなってしまったのも事実だ。

 

「おい遊輝!お前も何で助けられなかったんだよ!!」

 

「すまない・・・・・訳ありで言えないんだ」

 

「何でだよ!?」

 

「やめろクロウ、遊輝だって事情があったんだ」

 

「だけど遊星!俺たちは本当にこのままこの事件を眺めているだけなのかよ!?」

 

「誰もこのままじっとしているなんて・・・・・・言ってないだろ!」

 

そう言って遊星は後ろに振り向いて自身のDホイールに被せていた布を取る。そして、机の上に置いてあったヘルメットを手にする。

 

「行くぞ皆!」

 

「おう!」

 

「任せとけ!」

 

ガレージの前のシャッターを開き、遊星を先頭に皆がガレージから飛び出す。噴水広場を抜けてすぐ近くのレーンへと入っていき事故現場付近を中心に徘徊する。数分後、俺たちの前に1台のDホイールが走ってくる。

 

「どうやら来たようだぜ」

 

「・・・・・」

 

「よし、なら俺「遊星!悪いけど俺にさせてくれ!」遊輝?」

 

「頼む!目の前であんな物見てしまったんだ!俺が敵討ちを取らせてくれ!」

 

「・・・・・分かった」

 

遊星のDホイールが減速して、俺はすぐにアクセルを回して前へ飛び出る。ゴーストの隣に並ぶとDホイールの画面が光り、強制的にデュエルモードへと変わっていった。

 

「行くぞゴースト!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 ゴースト LP 4000

 

「私ノターン、ドロー」

 

ゴースト 手札 6枚

 

遊輝 SPC 0→1 ゴースト SPC 0→1

 

「私ハワイズ・コアヲ召喚!」

 

ワイズ・コア 攻0

 

ゴーストの隣に卵みたいな形をした機械が現れる。やっぱりこれか・・・・・・まぁこれと分かっていて俺はこいつをエクストラに忍ばせたんだけどな。

 

「攻撃力0のモンスターを攻撃表示・・・・」

 

「ゴーストは一体どんな手を」

 

「私ハカードヲ2枚伏セテターンエンドデス」

 

 

ゴースト 手札 3枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

ワイズ・コア 攻0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 1→2 ゴースト SPC 1→2

 

・・・・・これだったら対機皇帝対策でエクストラに入れたシンクロモンスターの出番だな。問題はあいつらが対象を取れるかどうかなんだが、それは出てきてから確認すれば良いし。

 

「召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストの効果!手札の魔法カードを捨てて、デッキからLv4のモンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、霞の谷の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

中腰で座っているサモンプリーストが呪文を唱えて隣に霞の谷の戦士が現れる。

 

「チューナー!?ていうことは遊輝はシンクロ召喚をするのか!?」

 

「だがあいつのエクストラにブラック以外のシンクロモンスターは」

 

「エクストラは常日頃から変えるものだろ!Lv4のサモンプリーストにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 =

 

「先史時代から存在する超能力者よ!異次元の力を得て王へと君臨せよ!シンクロ召喚!出でよ!PSYフレームロード・Ω!」

 

PSYフレームロード・Ω 攻2800

 

霞の谷の戦士が4つの輪となって、サモンプリーストがほの中に入り星になると訳と一つになり一筋の光が放たれる。その光から出てきたのは人型のモンスターで身体をピッタリとしたエナメル性の服で覆われ、金色のスクーターのような機械を操縦して現れた。頭の上には同じく金色のメーターらしき物体が両手から繋がれたコードみたいなものに繋がっている。

 

「バトル!PSYフレームロード・Ωでワイズ・コアに攻撃!」

 

「トラップカード、攻撃の無力化!PSYフレームロード・Ωノ攻撃ヲ無効ニシテバトルヲ終ワラセル!」

 

ちっ・・・・先制パンチはさせてもらわなかったか・・・・・だが大丈夫だ。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

PSYフレームロード・Ω 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私ノターン、ドロー」

 

ゴースト 手札 4枚

 

遊輝 SPC 2→3 ゴースト SPC 2→3

 

「永続トラップ、スパーク・ブレイカー!1ターンニ1度、自分フィールドノモンスターヲ破壊デキル!」

 

「自分で守ったモンスターを自分で破壊!?」

 

「何をする気だ・・・・・」

 

「フフフ・・・ミセテヤル、ワガ機皇帝ノ力ヲ!ワイズ・コアノ効果発動!コノカードガカード効果デ破壊サレタ時、デッキ・手札・墓地カラコノモンスターヲ特殊召喚スル!出デヨ!機皇帝ワイゼル∞!ワイゼルT!ワイゼルA!ワイゼルC!ワイゼルG!」

 

機皇帝ワイゼル∞ 攻0

ワイゼルT 攻500

ワイゼルA 攻1200

ワイゼルC 攻800

ワイゼルG 守1200

 

「合体セヨ!機皇帝ワイゼル∞!」

 

ゴーストが破壊したワイズ・コアから5機の身体のパーツのような機械が現れて、そいつらが一つとなって合体していき、最後に機皇帝ワイゼル∞が胸に薄い青緑色の「∞」のマークを浮かび上がってポーズを決めた。

 

「機皇帝ワイゼル∞ハ、コノモンスターシカ攻撃出来ズ、コノカードノ攻撃力・守備力ハ合体シタモンスターノ攻撃力ノ合計値トナル!」

 

機皇帝ワイゼル∞ 攻/守 0/0→2500/2500

 

「ソシテ機皇帝ワイゼル∞ガフィールドカラ離レル時、ワイゼルト合体サレテイルパーツハ破壊サレテシマウ」

 

「一気にモンスターを5体特殊召喚して一つのモンスターになっただと!?」

 

「だが攻撃力は遊輝のモンスターよりも低い!まだ恐れるほどじゃないぜ!」

 

「フフフ・・・・・ミセテヤル、シンクロキラーノ機皇帝ノ力ヲ!機皇帝ワイゼル∞ノ効果発動!1ターンニ1度、相手フィールドノシンクロモンスターヲ吸収スル!」

 

「なっ!?」

 

「シンクロモンスターを吸収するだと!?」

 

機皇帝ワイゼルの胸から触手みたいなものが飛び出してPSYフレームロード・Ωにまとわりつき、自身の身体へ吸い込もうとする。

 

「コノ効果デ装備シタモンスターノ攻撃力分ダケ、機皇帝ワイゼル∞ノ攻撃力ハ上昇スル!」

 

「つまりPSYフレームロード・Ωを吸収して・・・・・攻撃力は5300!?」

 

「そうか!あの時、牛尾が言っていたことはこのことだったのか!」

 

「マズイぞ!この攻撃を受けたら遊輝は・・・」

 

「フハハ!!機皇帝ワイゼル!!オロカナシンクロモンスターヲ「チェーンしてPSYフレームロード・Ωの効果発動!」何ッ!?」

 

「1ターンに1度、自分または相手のメインフェイズにこのカードと相手の手札1枚をランダムに選択して次の自分のスタンバイフェイズまで除外する!」

 

「ナッ!?」

 

「俺は1番左端の手札を選択!PSYフレームロード・Ωとその手札は俺のスタンバイフェイズまで除外だ!」

 

PSYフレームロード・Ωが電脳世界のように身体をデータ化して消えていき、相手の手札1枚を手にして除外ゾーンへと消えていった。

 

「なるほど、これなら対象がいなくなった機皇帝の効果は無意味になって攻撃力も上がらない!」

 

「さすが遊輝!」

 

「グヌヌ・・・・ダガ戦闘ダメージハ無効ニナラナイ!機皇帝ワイゼル∞デダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!ワイゼルの戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 2→3枚

 

「グヌヌ・・・・ターンエンド」

 

 

ゴースト 手札 3枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

機皇帝ワイゼル∞ 攻2500

ワイゼルT 攻500

ワイゼルA 攻1200

ワイゼルC 攻800

ワイゼルG 守1200

【魔法・罠ゾーン】

スパーク・ブレイカー

 

 

「俺のターン!ドロー!」

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 3→4 ゴースト SPC 3→4

 

「スタンバイフェイズ、除外されていた2枚のカードは戻ってくる!」

 

上空に大きな穴が開いてそこからΩとゴーストの手札1枚が帰ってくる。さて・・・・あまり時間も掛けられないしトドメといくか。

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚して、その後このカードを守備表示にする!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

ゴブリンドバーグが運んでいたコンテナがレーンの上に落ちて、コンテナが開けられるとダイヤが自前の鎖を回しながら現れる。

 

「行くぞ!Lv4のゴブリンドバーグとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

「ナッ、何ダ!?」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろNo,39!希望を導く戦士!希望皇 ホープ!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

 

ダイヤとゴブリンドバーグがレーン外側に出来たブラックホールに吸い込まれていき、その中から大きな剣が光りながら現れて変形、ホープが姿を現した。

 

「よっしゃ!エクシーズ召喚も決まったぜ!」

 

「バカナ・・・・・ワガデータ二ソンナ情報ハ・・・・」

 

?情報が無い?もしかしてまだイリアステルは俺の存在を認識していないのか?それだったらこれはこれで好都合と捉えるべきか不都合と捉えるべきか・・・・・まぁ今は関係無いな。

 

「ダガ!機皇帝ワイゼルト同ジ攻撃力ノモンスターヲ出シテ何ノ意味ガアル!」

 

「まだだ!希望皇ホープはさらなる進化を遂げる!希望皇ホープでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

「何ダト!?」

 

★4 → ★5

 

「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!現れろSNo,39!雷鳴の速さで闇を斬り裂け!希望皇 ホープ・ザ・ライトニング!!」

 

SNo,39 希望皇 ホープ・ザ・ライトニング 攻2500

 

ホープが再び現れたブラックホールに吸い込まれていき、そのブラックホールに雷が打たれる。ブラックホールは雷鳴の光を浴びてピキピキという音が聞こえる。そして、最後に大きな雷を受けたところで完全に割れてホープ・ザ・ライトニングが姿を現した。

 

「バトル!希望皇 ホープ・ザ・ライトニングで機皇帝ワイゼル∞に攻撃!この瞬間、ライトニングの効果発動!エクシーズ素材に《希望皇 ホープ》と名のついたモンスターが存在する時、オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて攻撃力を5000にする!」

SNo,39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング 攻2500→5000

 

「攻撃力5000!!」

 

「これでホープとΩの攻撃が通れば遊輝の勝ちだ!」

 

「ワイゼルGノ効果発動!攻撃対象ヲコノモンスター二変更サセル!」

 

「無駄だ!ライトニングが攻撃している時、ダメージステップ終了時まで相手はカード効果を発動出来ない!」

 

「何ダト!?」

 

「よってワイゼルGの効果も無効だ!行け!ホープ・ザ・ライトニング!ホープ剣ライトニング・スラッシュ!」

 

SNo,39 希望皇 ホープ・ザ・ライトニング 攻5000

機皇帝ワイゼル∞ 攻2500

 

ゴースト LP 4000→1500

 

ホープの持った大剣が上に大きく振り上げると剣に向かって雷が打たれ、剣は電気を帯びる。その大剣を持ったホープは機皇帝ワイゼルに向かって一刀両断、ワイゼルの身体は真っ二つとなり破壊される。

 

「バ、・・・・バカナ・・・・機皇帝ガ・・・・」

 

「ラスト!PSYフレームロード・Ωでダイレクトアタック!超念力(サイコキネシス)!」

 

「ウ、ウワアア!!!!!!」

 

Ωの攻撃をまともに受けたゴーストはDホイールごとレーンから飛び出して地上へと激突、そして爆発した。

 

ゴースト LP 1500→0

 

 

WIN 遊輝 LOS ゴースト

 

 

 

 

 

 

「おい!大丈夫か!?」

 

「今すぐ病院に連れていって・・・!!」

 

デュエル後、すぐにレーンから降りてゴーストが墜落した現場へと向かう。煙がモクモクと上がる中、全員が衝撃の事実に気づいてしまう。クロウがゴーストの肩に手をかけると、ゴーストの肩が胴体から離れてしまった。

 

「お、おい!!これって・・・・」

 

「ロボットだ・・・・・」

 

「ど、どういうことだ・・・・・・」

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

 

周りが雲と青い空が広がる謎の場所、そこに連なる3つの縦長い物にそれぞれ3人が座っている。1人は男の子、もう1人は青年、もう1人は年老いた老人だ。

 

「バカな!機皇帝が何も出来ずに負けただと!?」

 

「ケケケッ!プラシドの機皇帝って案外弱いんじゃね?」

 

「何だと!?」

 

「よさんかルチアーノ、プラシド。それより問題なのはゴーストを倒したDホィーラー・・・・・」

 

「あのエクシーズとかいう召喚方法を使うやつ・・・・聞いた事がないぞ」

「面白くなってきたじゃん、僕たちの知っていた歴史には存在しないイレギュラーの存在だよ。今度は僕が相手になってやろうかな・・・・・・」

 

「あいつは俺の獲物だ!」

 

「(・・・・・やつがどう歴史を変えていくかじっくりと見さしてもらおうか)」

 

 

 

遊輝 side 〜〜数時間後 ガレージ〜〜

 

 

「これはセキュリティが開発している途中のライディングロイドです」

 

「ライディングロイド?」

 

俺たちがあの後にセキュリティに通報した後、すぐに狭霧さんが駆けつけてくれた。ひとまずの事情を話した後、ガレージに場所を移した。その後、ガレージにいたアキさんや龍亞・龍可、レミ達と一緒に狭霧さんと怪我が回復した牛尾さんがガレージに来て、今回の犯人の正体について話してくれる。

 

「簡単に言ったら、Dホイールの違反を取り締まるデュエルロボットだ」

 

「デュエルロボット!?そんなもの作っていたのですか!?」

 

「最近はDホイールも身近な物になり、それに伴ってDホイールの犯罪事件も増えたため、セキュリティが極秘に開発していたのですが10日前に何者かによって盗まれてしまったのです」

 

「まさかこんな事に悪用されるとは・・・・・せめてメモリーチップが生きていれば良かったのだが・・・・」

 

「遊星さんとスバルさんに解析してもらった結果、デュエルに負けるとデータが消去されるように仕向けられていたので何者かがプラグラムを消去するようにしたのでしょう」

 

「しかし・・・・・分からない事ばかりだ。極秘に開発していたロボットを奪ったり、ダメージが実体化したりと」

 

「分からない事ばかりじゃなかったでしょ」

 

「ああ、あの機皇帝というモンスター・・・・・」

 

「今回は遊輝の戦術が上手いこと行ったが次からはどうなるのか分からない」

 

「シンクロモンスターを吸収する・・・・・ゴーストがシンクロキラーと言うのも頷けるわね」

 

「とにかく、あとは俺たちに任せてくれ。後で礼はさしてもらう」

 

「では」

 

全ての事を話し終えた狭霧さんと牛尾さんはガレージから出て行った。

 

「これからどうなるんだろう・・・・」

 

「1年後にはWRGPが開かれるのにこんな事が続いたら・・・・」

 

「心配しなくても俺たちで片付けてやろうぜ」

 

「そうだな。とりあえず今日は・・・・フワァ〜〜、帰って寝よう」

 

「・・・・・・遊輝(ニコニコ♪)」

 

「(ビクッ!!!!!)は、はい!!!」

 

欠伸をして手を伸ばしたら背中からとてつもなく冷たい視線が突き刺さる。恐る恐る後ろを振り向くと、超スーパーベリーウルトラハイパーな笑顔(目が笑ってない)の龍可が・・・・・・・

 

「「「「「「「「「(あっ、遊輝終わった・・・・・・・・)」」」」」」」」」

 

「・・・・・・約束、破ったね(ニコニコ♪)」

「い、いやいやいや!!!!不可抗力不可抗力!!!!今回は仕方ないでしょ!!!(汗)」

 

「私がどれだけ心配していたと思ってるの?(ニコニコ♪)」

 

「そ、それは・・・・(とてもそんな風に見えません!!!!(汗))」

 

「・・・・こっち来て(ニコニコ♪)」

 

「は、はい!!!」

 

龍可に誘われて(脅されて)招かれた部屋に入る。カクカクでロボットのように動く俺が部屋に入ると龍可は中から鍵をかけて扉の前に立つ。

 

「そこに正座(ニコニコ♪)」

 

「い、嫌だか「正座(ニコニコ♪)」は、はい!!」

 

「じゃあ・・・・・O☆HA☆NA☆SHIをしよう」

 

 

 

 

 

【その後、遊星のガレージから謎の断末魔が聞こえて残りのメンバーが何事もないように近所に話したことは別のお話。遊輝君はこの後、約2時間に及ぶありがたいO☆HA☆NA☆SHIを聞いたとさ】




遊輝「・・・・・・・・・・・・・・」←目が死んでいる&生気がない

紫「な、なかなかな事をしたようね・・・・(汗)」

霊夢「・・・・・こいつ、生きているの?」

ブラック『生きてる!』 ホワイト『生きてる!』

紫「とてもそんな風には見えないわね・・・・・」

霊夢「今回は私と紫でやっていきましょうか」

紫「あの機皇帝っていうモンスター、なかなか面白いわね」

霊夢「肝心の要が対象に取れない、それだけでもかなり除去はし辛い・・・・・・そんな事はないわね」

紫「確かに、最近は対象を取らない除去カードも増えて来ているし何も出来ずに負けるなんてことは無いでしょうね」

霊夢「これがアニメ版効果にしていたら・・・・」

紫「今の現状だと出てきてドヤ顔して次のターンに除去されて終わり、ね」

霊夢「・・・・・やっぱり対象に取られないって強いわね」

紫「次回はデュエルアカデミアの新学期へと突入、軽音部たちによる歓迎会よ」

霊夢「【新入生歓迎ライブ】。次回もよろしくね」


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第93話 新入生歓迎ライブ

今回は最強カードの紹介は無しです。

デュエル載せようか悩んだけど、前にデュエルとライブを載せてめちゃくちゃ長くなって読み辛い事があったので分けました。結果、リストが少なかったから短くなってしまった(涙)


今回は流れの都合上、中盤から地の文はほぼ無しとなっております。ご了承ください。


遊輝 side

 

 

「・・・・・何だこの変わらない面子」

 

「お前知らなかったのかよ、アカデミアは上に進学する時以外、基本的にクラスはエスカレーター式だぜ。成績がよっぽど悪かったり良かったりして多少変わるくらいはあるけど」

 

「俺、ここに編入したんだぞ」

 

4月8日・・・・・・

今日からいよいよ新学期が始まる。俺たちも一つ学年を上げて中等部2年となった。それで、新学期になって最初の楽しみであったクラス替え、それがアッサリと終わってしまってつまんなかった。唯一の違いは俺の出席番号が一番下でなくなったことくらいだ。

 

 

【クラス替え?面倒くさかったb by作者】

 

 

「それとさ、今日ライブ何時からだった?」

 

「確か最後だったような気がするから・・・・3時かな?」

 

本日はこの後にある始業式で終わりのため、午前中で終わるのだが午後からは新しく中等部に入ってきた人のために中等部・高等部の部員がクラブ紹介をやる。もちろん、俺たちも部には所属しているので強制的に出なくちゃいけないのだが・・・・・・

 

「おっは〜」

 

「おっは〜、レミ、今日3時からだった?」

 

「そうそう、全員招き入れてね」

 

リーダーのレミの方針で中等部に進学した奴以外も入れてミニライブをすることになった。というのも、レミは軽音部に新入部員募集みたいなことを言わないらしい。「確かに軽音部所属だけど、なんかもう私たちはバンドとして変に広まってしまったからあまり入れたくない」というらしい。それを校長に言ったら、じゃあ代わりにライブをしろと・・・・・

 

「おはようございます!」

 

『おはようございます!』

 

「皆さん、春休みは無事に過ごしましたか!?」

 

「先生!響が死にそうな顔をしています!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「(あ〜〜・・・・そういえばあいつ、3日連続で補習だったな)」

 

「コホン・・・・ともかく、皆元気でよかったです。早速ですが、このクラスに転校生が来てます」

 

「えっ!?」 「どんな子!?」 「男!?女!?」

 

加藤先生から転校生の一言で教室が一気に騒がしくなる。

 

「ハイハイ!静かに!それでは転校生!入ってきて!」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side 〜(同日 アカデミア ホール)〜

 

「・・・・・・何で俺たちも部活の説明聞かされたの?」

 

「先生言ってたじゃないですか、来週に部活の体験会があるって」

 

「だからってこんな物聞かなくていいじゃん。俺たち、遊輝の所に行くし」

 

「け、軽音部は今のところそういうことを受け付けないって言ってましたよ」

 

「マジで!?」

 

「ちょっと龍亞!!声が大きいよ!!」

 

私たちはアカデミアのホールの後ろ側で1時頃から部活動の説明を聞いている。小等部の6年は年に5回くらい、中等部もしくは高等部の部活に体験入部をする行事がある。中等部に上がった時に部活に入る確率を高める狙いがあるみたい。ちなみに私たちのクラスに恭輔君が入って来たわ。マリア先生が「このクラス、何でデュエルが強い人が集まるのかしら?」とか言っていたけど気にしない。今は説明会が終わって普通の生徒達もホールの中に入って来ている。

 

「何で軽音部体験入部をしてくれないのよ!?」

 

「も、もとより部員を受け入れるつもりがないみたいです」

 

「えぇ!?あんなに人気なのに!?」

 

「確かに、アカデミアの生徒が入りたがっているのに何で受け付けないんですかね?」

 

『お待たせしました。軽音部による新入生歓迎ライブを行います』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

司会をしている生徒会の合図でホールの舞台裏から軽音部のメンバーが出てくる。ドラムのスバルさんとキーボードの響さんは直ぐに持ち場の楽器の前に座り、ベースとギターのチューニングを始めている遊輝とレミさんを置いといて、エレキのギターを持った奏さんがスタンドマイクを調節する。

 

「あ、あ〜〜・・・・・皆〜〜、元気!?」

 

《イエエエエエ!!!!!!》

 

「元気そうで何よりだよ!!こっちもひっさしぶりにゆったりとしたライブが出来るから心に余裕が持てるよ!」

 

《ハハハ!!!!》

 

「えっと・・・・それじゃまずは春歌・桜ソングと行こうか。開幕ナンバー、レミオロメン、『3月9日』」

 

《オオオ!!!》

 

・・・・・♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

 

 

1 3月9日 【レミオロメン】

 

2 桜会 【ゆず】

 

3 桜の時 【aiko】

 

4 リルラ リルハ 【木村カエラ】

 

5 桜坂 【福山雅治】

 

6 道 【EXILE】

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪・・・・・・

 

パチパチパチパチ・・・・・・・・

 

最後の部分を歌い終わり、後ろでペットボトルの飲み物を口に含んだ奏さんが前に振り向いて話し始める。

 

「えっと・・・・今日は新入生歓迎ライブということで、一つこんな事をしてみようかなと思ってます。私たち、軽音部の歴史についてちょっと皆に話していこうかなと。私たちの初期メンバーを知っている人、いる?」

 

奏さんの質問に手を挙げる人はごく僅か、指で数えるくらいの人数しかいない。

 

「そうだよね、逆に私たちより下の年代が知っていたら驚いているよ(汗)」

 

《アハハハ》

 

「初期メンバーという初期メンバーで言うと・・・・・遊輝とスバルの男性2人がいなくて私とレミ、響の女性3人でやってたわ」

 

「(へぇ〜・・・・そうなんだ)」

 

「小等部・・・・3年の頃かな?レミが私と響に「バンドやろう!」と言ったのがキッカケ、響は元々ピアノ経験が会ったけど、私はその時はギターはおろかリコーダーもまだ弾けなくてね(汗)」

 

《ハハハ》

 

「だから仕方なくヴォーカルを引き受けたのよ。学校が終わったらみんなで集まって練習、そんな事をずっとしていたわね。それはもう、ギターなんてテレビでしか見た事なかったから大変だったけど始めて曲を弾けた時は凄く感動したわね。それから4年間、まずはこの3人で趣味レベルだけどやってきた。というわけで・・・・・原点回帰というか歴史を振り返るというのか・・・・初期メンバーである私、レミ、響の3人だけで演奏しようと思います」

 

《オオオオオオ!!!!》

 

奏さんの言った事にホールにいた人全員が驚いた。いつも5人でやっている所しか見ていなかったのでこの3人の演奏自体が凄く貴重だから、遊輝とスバルさんはステージ裏に下がって、レミさんはアコースティックギターを手に取る。

 

「というわけではこの3人でやるのは、始めて人前で披露した曲です・・・・・・・Le Couple、『ひだまりの詩』」

 

♪・♪・♪・♪〜〜〜〜〜

 

7 ひだまりの詩 【Le Couple】

 

 

 

・・・・・♪♪♪♪♪♪

 

パチパチパチパチ

 

「ありがとうね。これが始めて人前で披露したのだけど、当然誰も耳を傾けてくれなかったわ。とにかく色んな人に聴いてもらいたくて休日になったら何処かの大通りに行ってストリートミュージシャン紛いな事をやっていたのを今でも覚えているわ。そうしてちょっとずつ、ちょっとずつお客さんが集まって来てくれて、中等部入る前の冬休みには100人くらい聴いてもらった記憶があるわ」

 

《す、スゲェ・・・・ストリートで100人以上・・・・》

 

「そうは言っても総合計よ(汗)最初から最後までの人は10人いるかいないかだったわ。でも、ちょっとずつの活動で私たちの知名度が上がっていって、そのまま中等部に進学した時、レミを部長に新しく軽音楽部を作ることにしたの。でも・・・・・一つ問題があって、部を作るには最低4人の部員が必要だったの。そこで中等部からバンドに入ったのが・・・・・・ドラムのスバルよ、スバル!!」

 

奏さんの掛け声で舞台裏にいたスバルさんが出てきて、皆の前で頭を下げてドラムの前に座った。

 

「小等部からの知り合いだったスバルにお願いして部員になってもらったの。もちろん、その時のスバルは素人だがまた猛練習から始まったんだけど」

 

「しんどかったぞ!1日最低5時間はドラムを叩いていたから!」

 

《ハハハハ!!!!!!》

 

「うるさいわよ!まぁ・・・・それで様になってくれて、今では大切なメンバーとなったの。今度はこの4人で演奏したいと思います・・・・・・・コブクロ、『桜』」

 

・・・・・♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪

 

『ルルルルル〜〜〜〜 ・・・・・・』

 

 

 

8 桜 【コブクロ】

 

 

 

♪♪♪♪〜♪♪♪♪

 

『・・・・・・・ルルルルル〜〜〜〜』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございます・・・・・とまぁ、1学期の間はスバルを鍛えたり、バンドとしての完成度を高めて行ったんだけど、ここでね一つ問題点がまた出てね(汗)。ギターを弾く人がいなかったのよ(汗)。私も弾けるんだけどアップテンポの曲は弾かないし、バラードも弾く曲と弾かない曲があってね。レミはギターも弾けるけど専門がベースだからやっぱりギタリストが欲しいよねという部内で話し合っていたの。それと、私も一人しか、言い方可笑しいけど歌える人がいなかったの(汗)」

 

《リーダーは!?》

 

「私!?私はオンチだからダメだよ!!」

 

「オンチとか言いながらこいつ、カラオケで80点強叩き出すぜ!」

 

《ハハハハハ!!!!!!》

 

「とまぁ・・・・そんな訳で、ギターを弾けるし、歌も上手い人を探していたの。そうしたら2学期の初日、私たちのクラスに転校生がやってきたの。その子は夏休みにレミと知り合いになって私たちとも親しみやすかった、だから、その子にお願いして軽音楽部に入って貰ったわ、ねぇ・・・・・・遊輝!!!!」

 

奏さんの張りのある声で今度は遊輝がフォークギターを持ちながら舞台に戻ってきて、奏さんと交代するようにヴォーカルの位置へとつく。

 

「という訳で遊輝に軽音楽部に入ってもらって今のバンド、《SECRET》のメンバー全員がここで集まったの」

 

「良いように言ってるけど、実際の所は帰ろうとした時にレミに襟元掴まれて部室に連行されて、デュエルに負けて半強制的に入れられただけだからな!!」

 

《ハハハハハ!!!!》

 

「おまけに俺、ギターとかぜんっぜん弾けなかったんだからな!1ヶ月後の文化祭までに死ぬほど練習させられたから!!俺、まだギター始めて9カ月ちょっとだぞ!!」

 

《嘘っ!?》 《普通に上手いのに!?》

 

「女3人が鬼のような形相で俺にあーだこーだ言ってきたからだ!」

 

「余計な事言わないでさっさと進みなさい!!」

 

《ハハハハハ!!!!!!》

 

「まぁ・・・・良いこともいっぱいあったぞ。自分の好きなアーティストや曲が自分の手で弾ける、これって実は皆が思っている以上に感動するんだぞ。あたかも自分の歌のような感じがして・・・・・そういう点ではこの部に入って良かったなと思っているよ。という訳で俺が歌うのは俺の好きなアーティストの春歌・・・・・・Mr.Children、『彩り』」

 

・・・・♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪♪〜〜〜

 

 

 

 

 

9 彩り 【Mr.Children】

 

 

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜・・・・・・

 

「えぇ・・・・というわけでここまでが軽音部の・・・・歴史で良いのか?振り返りです。あとはもう皆さんご存じの通り、文化祭のライブからあれよこれよで気づいたらこんなバンドになっていました」

 

アコースティックギターを後ろにあるギター用のスタンドに立てかけて、スタンドにマイクを付けたまま遊輝が話し始めた。

 

「ちょっと今までと話題を変えたいと思います。皆さんの中には友達、もしくは家族と別れてこのアカデミアに来たという人もいるでしょう。しかし、3月を別れの季節と言うならば4月は出会いの季節です。このアカデミアという新しい場で新しい先生、仲間、家族と言えるような人と既に会っている、もしくは今後会う事でしょう。そして、それは軽音部でも同じです。4月の出会いの季節・・・・・・軽音部にも新たなる出会いがありました」

 

《誰!?》 《新メンバー!?》

 

「待って待って(汗)えぇ・・・・その人は一度、リーダーのレミと小等部2年の時に別れましたが、2人は「また再開しよう」、そんな約束を結びました」

 

遊輝の紹介で顔を少し赤くするレミさん。その表情は照れていながらも嬉しそうな表情をしている。

 

「そして6年の月日が経ち、2人の約束は今、叶う時がきました・・・・・・・というわけでご紹介しましょう!!!!」

 

《オオオ!!!!!》

 

「バンド、『SECRET』の新メンバー!!!!!ギター&パーカッション!!!!!栗城〜〜〜〜〜茜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」

 

《オオオオオオ!!!!!!!!!!!!!》

 

遊輝の大きな声とともに、舞台裏からエレキギターを持ったアカデミアの制服を着た茜さんが前に飛び出した。突然の発表、そして予想外の人物に私たちも驚いてしまった。

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪!!!!

 

《オオオ!!!!》

 

『Wow yeah!』

 

そのまま茜さんがギターを弾いて次の曲が始まりだした。その曲は明るい曲でありながらテンポが少しゆっくり目の曲で、遊輝の大きなさけび声がホール全体を響かせた。

 

 

10 love me, I love you 【B’z】

 

 

 

・・・♪♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪!!!!

 

《イエエエエエ!!!!!!》

 

曲が終わり、遊輝は頭を下げて一旦舞台裏に下がる。その間に奏さんがギターを置いてスタンドからマイクを取り外してスタンドをドラムの近くに置く。

 

「ありがとうね。という訳でサプライズのつもりで新メンバーを紹介してみましたがどうだった?」

 

《驚いたよ!!》 《茜さん!!!》

 

「はいはい〜!皆元気〜〜!?」

 

《イエエエエエ!!!!!!》

 

ギターを持ち替えた茜さんがさんがマイクで挨拶をすると、観客からもそれに答えるように声を掛ける。その間に遊輝がギターを持ってステージに戻ってきた。

 

「それじゃ遊輝も戻ってきたし、どんどんと行くよ!」

 

「ワン・ツゥー・スリー!」

 

♪♪♪♪♪〜♪♪♪♪♪〜〜

 

 

 

 

 

 

11 そばかす 【JUDY AND MARY】

 

12 黒い雫 【Superfly】

 

13 ダンデライオン 【BUNP OF CHICKEN】

 

14 桜color 【GReeeeN】

 

 

 

「それじゃ、本日最後の曲となります」

 

スタンドにマイクを付けた奏さんが俺たちに向かって最後のMCを始める。遊輝とレミさんがギターを持って、茜さんはドラムの右隣にあったパーカッションの前に立っている。

 

「新入生歓迎ライブという名目なので、ここにいる皆さんに応援歌として歌います。いつまでも輝く事を願って・・・・・・いきものがかり、『いつだって僕らは』」

 

♪♪♪!!!♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪

 

 

 

 

15 いつだって僕らは 【いきものがかり】

 

 

 

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・・・・

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!

 

最後の曲が終わって観客の拍手が巻き起こる中、後ろにいたスバルたちが前にでてきて、6人全員が整列する。

 

「以上で本日の軽音部の新入生歓迎ライブは終わります、ありがとうございました!」

 

最後の奏さんの挨拶で全員が頭を下げて舞台裏へと帰っていく。最後まで見届けた人たちはそのままホールを出て、教室に戻る。私たちも立ち上がって、自分たちの教室へと戻っていく。

 

「今日も凄かったですね」

 

「それよりも茜さん、いつ日本に来たのだろう・・・・」

 

「み、皆さん、一切そんな素振りをみせていませんでしたからね」

 

「う〜ん・・・・・・」

 

私たちが今日のライブの感想を話している途中、後ろにいた龍亞はずっと腕を組んで考え事をしている。

 

「どうしたのよ龍亞?」

 

「あんだけ凄いのになんで体験入部させてくれないのだろう・・・・」

 

「け、軽音部にも事情がありますから・・・」

 

「・・・・よし!ホームルームが終わったら軽音部にいって直訴しようぜ!体験入部してくれって!」

 

「る、龍亞!?」

 

「早く教室戻って突撃するぞ!」

 

既に頭の中が体験入部の事しか考えていない龍亞はダッシュで教室に戻っていく。後ろで先生の「廊下を走ってはいけません!!!!」という声を無視しながら・・・・

 

「・・・・ハァ(汗)」

 

「る、龍亞さんらしいといえばらしいですけど・・・(汗)」

 

「ど、どうします?」

「・・・・・折角ですから僕たちも行きましょうよ。僕達だけならもしかしたら受け入れてくれるかもしれませんよ」

 

「そうね・・・・私も付いていくだけ行ってみようかしら」

 

恭輔の意見に賛同する意見を言った私の言葉を聞いて、祈も「じゃ、じゃあ、私も」と言う。




茜「というわけで私は再び本編に戻ってきた!栗城茜です!」

レミ「久しぶり茜!」

響「にしても驚いたよ」

奏「3月の頭にレミが「茜が帰ってくる!」って言った時は何事かと思ったよ」

茜「お母さんが独立してね、やっと日本に帰ることができたよ!」

遊輝「お、お母さん・・・・・・(プルプル)」

スバル「(遊輝にとっては悪魔だからな(汗)」

茜「私も久しぶりにギター弾けてよかったよ。パーカッションも何とかなれたしほんとよかったよかった」

スバル「茜ってスゲェよな・・・・久しぶりって言って一発目がB'zだから、俺、あの曲のドラムは本当に苦労した(汗)」

レミ「あの曲はB'zの中でも1位になるほど難しい曲だからね、特にドラムはしんどいよ」

奏「次回は・・・・・?【茜VS恭輔 軽音楽部体験入部 前編】」

遊輝「?やらないんじゃないのかよ」

レミ「やるつもりないんだけど・・・・・(汗)」

茜「次回もよろしくね!」







遊輝「ここからはお知らせです」

恭輔「すぴばるで投稿している龍南さんの小説、【遊戯王 〜CROSS HERO〜】が僕達の小説、【遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち】とコラボしてくれました」

遊輝「前にこっちで1周年企画の時にコラボをしたけど、今回は向こうの4周年企画に参加する形になりました」

恭輔「まず1話目では祈さんが駆さんの義妹、川上遥さんとのデュエルから始まりました」

遊輝「今後もこっちとのコラボを4〜5話ほど続けてくれるみたいですので、【遊戯王 〜CROSSHERO〜】もよろしくお願いします」

恭輔「あと、もう一つ、こちらでも活動しているフュージョニストさんのすぴばるでの小説、【遊戯王5D's〜季節外れの転校生〜】にもコラボしてくださりました」

遊輝「実はフュージョニストさんのコラボは2014年9月に投稿されていたのですが、作者がスランプ時期に入りかけていて切羽詰まっていて、紹介することを忘れていました(汗)」

恭輔「フュージョニストさん、申し訳ございません」

遊輝「すぴばるので読んでいる方は恐らくご存じですが、ハーメルンで読んでいる方は知らないと思うのでこの場で紹介させて頂きました」

恭輔「祈さんが使った、ジェムナイト・ダークパール、ジェムナイト・クンツァイト・ジェムナイト・クォーツの元の所持者である奈津芽凛さんと師匠のデュエルがあります。そちらの方も是非一度目を通してくれるとありがたいです」


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第94話 茜VS恭輔 軽音楽部体験入部 前編

最強カードの紹介!!

プラチナ「・・・・あの、台本途中で終わってますが」

いや、本当は体験入部まで書こうとしたんだけど今年の年末は本当に忙しくてそこまで余裕がなかったんだよ。今年はクリスマスやらお正月の特別話もやめたから。

プラチナ「確かに異常なスケジュールをしていましたが」

だから読者様には申し訳ないけど、今回はデュエルだけ、後編で体験入部を執筆することにした。

プラチナ「(いや、だからって自爆でやってやるわ!!とかいってパズドラを始めて確立の壁越えてサクヤ、威嚇が欲しかったとかいってコラボしてサンタサクヤ引いた後から完全にパズドラにのめり込んでいた気が(汗)」

というわけで今回の最強カードはNo,86 HーC ロンゴミアント!!

プラチナ「(・・・・・・)ランク4のエクシーズモンスターで素材にLv4の戦士族モンスターが2体以上、最大5体までを素材にしてエクシーズ召喚することができます」

効果は相手のエンドフェイズ毎に素材を一つ取り除く効果と、エクシーズ素材の数だけ効果を追加で得ることができる!

プラチナ「1つだと戦闘破壊されないだけですが、2つ目は攻守1500アップ、3つ目は効果を受けない、4つ目は相手の召喚・特殊召喚封じ、5つ目になると相手のフィールドのカードを全て破壊できます」

夢の5体素材で出せればほぼ勝ち確だぞ!!
そして今年最後の投稿です。今年も1年間、文才の無い作品を読んでくださりありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

プラチナ「第94話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

バン!!!!

 

「頼もーーー!!!!!」

 

「あっ!!また孔明の罠!!何で遊輝っちのコースはこんなのばっかりなの!?」

 

「そりゃ初見殺しを目的に作ったコースなんだから」

 

「スバルっちの全自動マ○オは凄かったのに!!遊輝っち悪趣味!!」

 

ドカーーン!!!

 

「誰!?トゲゾーコウラを投げた人!?」

 

「ブービー、私の後ろからトゲゾーが飛んできたもん」

 

「やったやった!!逆転1位!!」

 

「・・・・・・頼もーーーー!!!!!!」

 

「うん?何だ、龍亞か」

 

「あっ!!ゴールポールに隠れてトゲがある!!」

 

「道が続いているのにそのまま進むバカがどこにいるか」

 

「何で無視するわけ!?」

 

「師匠!お邪魔します!」

 

「し、失礼します」

 

「・・・・・・・何でゲームをやってるの?(汗)」

 

ライフが終わった後、打ち上げという名のゲーム大会が1時間くらい前から始まった。俺とスバル、茜は「○リオメーカー」、レミ・響・奏の3人は「マ○オカート8」をやっている。

 

【任天堂のゲーム以外わからないんや・・・・(涙)by作者】

 

・・・・・何か聞こえたがスルー、とにかく、俺たちはゲーム大会ということで色んなゲームをやっている途中、龍亞が空気読まずに大声で何か叫んだので全員で無視した。

 

「あ〜・・・・疲れた。じゃあ今日はもう上がりね」

 

「うぃ〜す」

 

「ちょっとちょっとちょっと!!!!!!」

 

「何だよ龍亞、ていうか小等部はもう帰っていたんじゃないのか?」

 

「俺たちは軽音部に異議を申し立てる!!」

 

「異議?」

 

「軽音部も部活なんだから小等部の体験入部にs「奏、明日俺何時に行けば良いんだ?」だ、ってこらあ!!!!」

 

「明日は・・・・・3時かな?」

 

「3時ね、じゃあ俺も上がるわ「待て待て待て待て待てぇぇぇぇ!!!!!!!!!」うるさいな!!」

 

「とにかく!!!軽音部も部活なんだから小等部の体験入部を受け入れるべきだ!!!」

 

「その件は校長にやらないという許可を貰ったから大丈夫、はい、解決解決」

 

「何でそうなるのわけ!?俺たち以外にもやりたいって思っている人はたくさんいるんだぜ!?」

 

「面倒くさいうえにこれ以上増やしたらバンドとしてやりにくい、以上」

 

「ちょちょちょ!?!?待って待って!!」

 

レミが簡単に龍亞の質問を返して鞄を持って帰ろうとしたのに龍亞は諦めずにレミの制服を掴む。

 

「んもう!!うるさいわね!!これ以上しつこいと脳天に打つわよ!!」

 

「そんなこと言わないでチャンスくれよ!!デュエルでこっちが負けたら諦めるからさ!!」

 

レミが振り返って龍亞の頭に銃を撃つ構えをするが、龍亞は怯まずにデュエルで決めようという提案をしてきた。さすがデュエル万能説・・・・ていうかこの状況で受け付けるの「・・・・まぁいいわ」・・・・・受け付けました。えぇ、ここはデュエル万能説でしたね(汗)

 

「よし!じゃあ行け!恭輔!」

 

「(ドタン!!)ぼ、僕!?龍亞さんじゃないんですか!?」

 

「だって恭輔なら安心して勝てるところを見れるから!!」

 

右手の人差し指を突き刺して右足をバンッと大きく鳴らして一歩踏み出し、何処かのポケモントレーナー風に言ったではない龍亞の一言に恭輔はずっこける。うん、まぁ・・・・気持ちは分かる(汗)

 

「こっちは誰がやる?」

 

「はいはい!!私々!!」

 

「茜?何で?」

 

「私のデュエルの出番がまだ2k「メタ発言はやめなさい」ムゥ・・・・・・とにかく私がする!!」

 

凄いメタいことを茜が言おうとした所を奏が止める。少しふくれっ面になりながらも茜は自分の鞄の中からデュエルデスクをとりだして左腕にセットする。

 

「2人ともエクシーズモンスターを主体にするデッキでしょ?これは見ものね」

 

「そう言えばエクシーズモンスター同士で戦うのは俺以外だと初めてなのか」

 

「これはこれで楽しみね」

 

「それじゃやりましょうか」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

恭輔 LP 4000 茜 LP 4000

 

「僕のターンから、ドロー」

 

恭輔 手札 6枚

 

「星因子ウヌクを召喚」

 

星因子 ウヌク 攻1800

 

「ウヌクの効果発動。召喚時にデッキからウヌク以外の《テラナイト》カードを墓地に送ります。星因子デネブを墓地に送ります。カードを3枚伏せてターンエンド」

 

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星因子 ウヌク 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「まぁ・・・・無難なスタートね」

 

「しかしデッキ相性的に恭輔の方が分があるからな・・・・・茜はまずあの伏せカードを何とかしたいところだな」

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 6枚

 

「レスキューラビットを召喚!自身をゲームから除外して効果発動!」

 

「させません!カウンター罠、神聖なる因子!ウヌクをリリースして、レスキューラビットの効果を無効にします!」

 

「げっ!?」

 

「その後、1枚ドローします!」

 

恭輔 手札 2枚→3枚

 

「もう!!作戦がズタボロじゃない!!2枚伏せてエンドよ!」

 

「エンドフェイズ時、永続トラップ、リビングデッドの呼び声を発動!墓地から星因子デネブを特殊召喚!」

 

星因子 デネブ 攻1500

 

「デネブの効果でデッキからアルタイルを手札に加えます!」

 

「・・・・・・私のエンドフェイズだよね?何でこんなに展開しているの?(汗)」

 

 

茜 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 5枚

 

「星因子アルタイルを召喚!」

 

星因子アルタイル 攻1700

 

「アルタイルの効果発動!墓地から《テラナイト》モンスター1体を守備表示で特殊召喚します!星因子ウヌクを特殊召喚!さらにウヌクの効果発動!デッキから《テラナイト》モンスターを墓地に送ります!」

 

「そこからエクシーズでしょ!させないからね!チェーンでリバースカードオープン!激流葬!」

 

「あっ!!」

 

茜の発動したカードから大量の水が氾濫したかのように流れてきて、恭輔のモンスターを全て破壊していった。

 

「ぐぅ・・・・・ウヌクの効果でデッキからシャムを墓地に送ります。カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、速攻魔法サイクロン!真ん中のカードを破壊するよ!」

 

「!?」

 

「・・・・・破壊輪!?あ、危ないカード伏せてるわね(汗)」

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 4枚

 

「(良いカード来た!!)手札を1枚捨てて装備魔法、D・D・Rを発動!」

 

「!!ま、マズイ!!」

 

「除外されている私のモンスターを特殊召喚する!もちろんレスキューラビット!自身を除外して効果発動!ヴェルズ・ヘリオロープを2体特殊召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950 ×2

 

「Lv4のヴェルズ・ヘリオロープ2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!邪念の王!ヴェルズ・オピオン!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

 

ブラックホールに吸い込まれた2体のヘリオロープの代わりに、グングニールがヴェルズ化したモンスター、オピオンが現れる。いつもなら脅威なんだけどデッキが《テラナイト》の恭輔だとあんまり脅威じゃないんだよな〜・・・

 

「オピオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いてデッキから《侵略の》とついた魔法かトラップ1枚を手札に加える!私が加えるのは侵略の反発感染!」

 

ヴェルズ・オピオン OVR 2→1

 

「そしてヴェルズ・ケルキオンを通常召喚!」

 

ヴェルズ・ケルキオン 攻1600

 

オピオンの隣にケルキオンが現れて「ケケケケッ」と不気味な声を出す。

 

『アカネ、アイテダレ?』

 

「小等部の子よ。結構強いから気を引き締めてかかるわよ」

 

『ワカッタ』

 

「ケルキオンの効果発動!墓地の《ヴェルズ》を除外して、墓地から別の《ヴェルズ》を回収する!ヴェルズ・サンダーバードを除外して、ヴェルズ・ヘリオロープを手札に加える!さらにこの効果を使ったターン、《ヴェルズ》とついたモンスターの召喚権をもう一度使うことが出来る!さっき手札に加えたヴェルズ・ヘリオロープを召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

 

「これでバトル!ケルキオンでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、竜魂の幻泉!墓地のモンスター1体を幻竜族として守備表示で特殊召喚します!星因子 アルタイルを特殊召喚!アルタイルの効果発動!墓地から星因子デネブを特殊召喚!デネブの効果発動!デッキからアルタイルを手札に加えます!」

 

星因子 アルタイル 守1300

戦士族→幻竜族

星因子 デネブ 守1000

 

恭輔 手札 3枚

 

「・・・・・こ、攻撃していいかな?」

 

「いいですよ。これ以上は何もありません」

 

「(・・・・私のターンだよね?)モ、モンスターの数が変わったからケルキオンの対象をデネブに変更!」

 

『・・・・タオス』

 

ケルキオンが守備表示で跪いているデネブをチョップで倒した。

なんか・・・・・・良いんだけどもう少し良い攻撃方法は無いんか?(汗)

 

「ヘリオロープでアルタイルを、オピオンでダイレクトアタック!」

 

恭輔 LP 4000→1450

 

「これくらいまだ大丈夫ですよ」

 

「(参ったわね・・・・次のターン、またアルタイルからでしょ、でも私の手札は反発感染とカストルだし・・・・次のターンのことを考えないといけないわね)Lv4のケルキオンとヘリオロープでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!キングレムリン!」

 

キングレムリン 攻2300

 

「キングレムリンの効果発動!オーバーレイ・ネットワークを1つ取り除いてデッキから爬虫類族モンスターを手札に加える!私が加えるのはカゲトカゲよ!カードを1枚伏せてターンエンドよ!」

 

 

茜 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

キングレムリン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 4枚

 

「(反発感染・・・・師匠のカードを見たときに覚えておいてよかった。魔法・罠が効かなくてもモンスターで対象出来る!)ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「(あ〜・・・これ終わったんじゃね?)」

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚します!星因子ベガを特殊召喚!その後、ゴブリンドバーグは守備表示になります!」

 

星因子 ベガ 攻1200

ゴブリンドバーグ 攻1400→0

 

「星因子ベガの効果発動!手札の《テラナイト》モンスターを特殊召喚します!星因子アルタイルを特殊召喚!アルタイルの効果発動!墓地のデネブを特殊召喚!デネブの効果発動!3枚目のアルタイルを手札に加えます!」

 

「・・・・・何が起きてるの?(汗)」

 

「さらに魔法カード、死者蘇生!墓地から星因子シャムを特殊召喚します!」

 

星因子 シャム 攻1400

 

「シャムの効果発動!特殊召喚に成功した時、相手に1000ポイントダメージを与えます!」

 

茜 LP 4000→3000

 

「あ、これ茜の負けだ」

 

「えっ!?」

 

「Lv4のゴブリンドバーグ・ベガ・アルタイル・デネブ、そしてシャムの5体でオーバーレイ!」

 

「ご、5体!?」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「5体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!!エクシーズ召喚!!No,86!!伝説の王が所持し大いなる槍が時を越え今蘇る!!HーC(ヒロイック・チャンピオン)ロンゴミアント!!」

 

No,86 HーC ロンゴミアント 攻1500

 

中央にできたブラックホールに5体の戦士が吸い込まれていく。ブラックホールが爆発を起こして現れたのは大きな黄金に輝く槍を持った白い鎧を身につけた戦士だ。ロンゴミアントか・・・・・テラナイトだと確かに出やすいけど素材5体で出てくるところはなかなか見ないな。

 

「ロンゴミアントはオーバーレイ・ユニットの数だけ効果を得ます!1つの時は戦闘で破壊されず、2つの時には攻撃力・守備力は1500ポイントアップ!」

No,86 HーC ロンゴミアント 攻/守 1500/1500→3000/3000

 

「3つ目の効果でこのカードは自身以外の効果を受けません!よってアルタイルの制約であるこのターン、《テラナイト》モンスターしか攻撃できない効果も受けません!4つある時は相手はモンスターを召喚・特殊召喚できません!」

 

「・・・チョットナニイッテルノカワカラナイ(汗)」

 

「そして5つある時、相手フィールド上のカードを全て破壊します!これはノーコストで使えます!」

 

「・・・・えっ!?ノーコストで発動!?」

 

「ロンゴミアントの効果発動!相手フィールドのカードを全て破壊します!!大地を揺るがせ!!スピアー・インパクト!!」

 

ロンゴミアントが持った大きな黄金の槍が地面に突き刺すと地面が大きく揺れて、突き刺した槍から地割れが何個もできて茜のフィールドにいたモンスターや伏せカードを全て地割れの中へ消えていってしまった。

とまぁ、ロンゴミアントは素材の数だけ効果が強くなっていく。5体素材にして出てきたら勝ちが確定するモンスターだ。

「バトル!HーC ロンゴミアントで攻撃!!」

 

茜 LP 3000→0

 

 

WIN 恭輔 LOS 茜

 

 

「茜〜〜〜〜!!!!!!」

 

「いや・・・・・無理(汗)」

 

「恭輔の相性的に俺かスバルがやるべきだったんだって」

 

まぁヴェルズとテラナイトが戦うとこうなる事は分かっていたな。反発感染は魔法・罠が効かないだけで恭輔は大体エクシーモンスターで対処するから相性は悪いわな。しかも展開力が違いすぎるし。

 

「やったぜ恭輔!!」

 

「ロ、ロンゴミアント・・・強いですね」

 

「裁きの龍より強くてしかもノーコスト・・・・・なんか負けた気持ちだわ」

 

「そ、そんなところで張り合わないでください(汗)5体素材は本当にまぐれなんですから」

 

一方、勝った小等部側は勝利のコメントを言っている。確かに出しやすさで言えば裁きの龍なんだけどな、ロンゴミアントの方がインパクトあるよな。しかも効果も強いし。

 

「これで体験入部決定だぜ!」

 

「なんで私.引き受けたの・・・・」

 

「断らずにデュエルで勝てるとか思うからだろう。俺知らねぇぞ」

 

「俺も」 「私も」

 

デュエルも終わり、今日1日の活動が全て終了したのでカバンを持って部室を出る。スバルや奏・響、茜は部室を出後にして残ったのは未だに勝利の美酒に酔っている小等部のメンバーと頭抱え込んでいるレミだけだ。




魔理沙「やっぱりテラナイトは強いぜ!」

文「あれは異常・・・・・というよりなんで相手ターンにも手札が増えるのか」

遊輝「・・・・お前も似たようなことしてるだろうが烏天狗」

茜「凄い凄い凄い!!!天狗や魔法使いって本当にいたんだ!」

遊輝「にしてもお前らで来るのは珍しいな」

魔理沙「霊夢は神社の準備だし、紅魔館やアリスも正月の準備をしているから」

文「私は取材ですよ。年末年始もしっかりと記事を書かせていただきます」

茜「私も年末年始仕事だよ。せめて元旦くらい休ませて欲しいよ」

遊輝「俺は普通にテレビ見て過ごすかな〜〜。おせち料理もあとは詰め合わせるくらいだし。せっかくだし今年のお参りは博麗神社にしてみるか」

文「次回は今回書けなかった軽音楽部の体験入部ですよ!小等部の4人が楽器を持ちますよ!」

魔理沙「【軽音楽部体験入部 後編】」

遊輝「今年1年も読んでいただきありがとうございました。来年も皆様が良いお年になるよう願っています」

茜「良いお年よ〜〜」


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第95話 軽音楽部体験入部 後編

新年、明けましておめでとうおめでとうございます。今年もこの小説と駄作者をよろしくお願いします。

・・・・えっ!?今は正月から一週間経っただって?気にするな!!

これ、本当はデュエルの後にのせるその後の軽いエピソードみたいな感じだったので凄く短いです。申し訳ございません。


あと、もう一つ話したい。すごいふざけた話を書きたい。特別話を書けなかった鬱憤晴らしたい。まぁ大体は遊輝ちゃん(笑)が女装して何たらかんたらや、皆で罰ゲーム付きの何かをするんだがアイデアが無い以上出来ない!←こいつ何が言いたいんだ?


というわけで今回はデュエルなし、小等部のいつもの4人組による軽音楽部の体験入部です。


龍亞 side

 

 

部活の紹介から1週間後・・・・・

俺たち小等部6年の初めての体験入部が今日から1週間始まるぜ!予め希望した部活に1週間だけ入部して、その部活の雰囲気や練習を実際に体験することができる!もちろん、俺が入れたの中等部軽音楽部!

 

「というわけで軽音楽部の部室前だぜ!」

 

「やけに元気ですね」

 

「あったりまえだろ!!人気の高い軽音部の体験入部を特別にさせてくれたんだから!」

 

「レ、レミさんがかなり頭の中悩まさせていましたね」

 

「『本当にどうしよう!!』とか・・・遊輝の言う通りにデュエルしなければよかったんじゃないかしら」

 

軽音部の部室前に来たのは俺だけじゃない。龍可や祈、恭輔もここを第一志望にした。マリア先生は俺たちの志望を見て驚いたらしく、俺たち4人を職員室に呼び直ぐに志望を変えるように言ってきたが、間に入った校長先生が許しを得て晴れて軽音部に入部できる!

 

「じゃあいこう!!おっじゃましま〜す!!」

 

ガラガラ〜となるドアを開けて軽音部の部室に入る。目の前にはすでに楽器を持って並んでいた軽音部のメンバーがいて、遊輝とレミさんが前に立っていた。奏さんと茜さんはギターを持って座っている。

 

「えぇと・・・・中等部軽音楽部の体験入部にようこそ。私が形式で言う部長の葵レミよ。とりあえずまぁ・・・色々と言うのが苦手だから歓迎の曲を1曲やるよ。遊輝」

 

「あぁ・・・えっと、奏が喉痛めてしまったこら急遽歌うことになりました。とりあえず歌います」

 

そう言った後、遊輝が近くにあった机の上に座ってマイクを調整、スバルさんの合図で響さんのキーボードが鳴り始める。

 

・・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪♪

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪

 

パチパチ

 

「綺麗・・・・・・」

 

「というわけで・・・・こっちでやってもらう物決めてたから」

 

「「「「えっ?」」」」

 

「祈ちゃんがドラム、龍亞君ベース、恭輔君はギター」

 

「わ、私がドラム!?」

 

「何で俺ベースなの!?俺もギターやりたいよ!!」

 

「あ、あの・・・・私は?」

「龍可ちゃんはギターとヴォーカル」

 

「わ、私が・・・・ヴォーカル!?」

 

「大丈夫大丈夫。課題曲は今の曲だから」

 

レミさんが適当に振り分けた役割と課題曲。それに俺はブーブーと文句を言うがレミさんは一向に話を聞いてくれない。

 

「か、課題曲が今の曲って・・・・・《Lovers Again》を?」

 

「そうそう、これから特訓するから。まずは個人練習ね、祈ちゃんはスバル、龍亞君は私、恭輔君は響と茜、龍可ちゃんは遊輝と奏ね。じゃあ練習開始」

 

そう言ってレミさんが無理矢理俺たちを丸め込ませて練習に参加させた。

 

 

 

【練習描写?楽器経験皆無の作者に言わないでください(涙)】

 

 

 

〜〜(3日後)〜〜

 

「キ、キツイ・・・・・(汗)」

 

「み、皆さん、よく休憩無しで毎日やり通しますね」

 

今日ももちろん部活がある。

これまで3日間の練習をしてきた感想・・・・・凄く疲れた(汗)皆、ぶっ通しで休憩なしで練習をするんだから。

 

「というか何で今日は体操服着て運動場の前で集合なの?」

 

「知らないよ!!こっちが聞きたいくらいだよ!!」

 

「あっ、もう来てたの?早いね」

 

運動場の倉庫の前で待っているとジャージ姿に着替えた響さんが先に出てきて、その後ろで軽くストレッチしている軽音部のメンバーが見えた。

 

「皆ちゃんと準備運動した?これから身体を動かしまくるよ」

 

「い、一応・・・・」

 

「皆いるの?じゃあトレーニング始めるわよ。まずは・・・・そこのコース10周から」

 

「「「「じゅ、10周!?」」」」

 

「?何驚いているの?いつもは15周だよ」

 

「こ、この広いグラウンドを10周も走るのですか!?」

 

アカデミアのグラウンド・・・・・野球部やサッカー部、陸上部が兼任で使っているためかなり広い。陸上部のコースも本格的で1周400m.つまりいきなり4km走れと言っているようなもんだ。

 

「全力で走りなさいよ!!先に行ってるから!!」

 

「あっ!?ちょっと!?レ、レミさん!?」

 

俺たちの話を聞かずにレミさんは走り出してしまった。他のメンバーもすでに走っている、しかも全速力で(汗)

 

「・・・・・どうする?(汗)」

 

「・・・とりあえず走りましょうか(汗)」

 

「そ、そうですね・・・・(汗)」

 

「「「「((((今日は今まで以上に疲れそう・・・・(汗)))))」」」」

 

「おおい!!!さっさと走れよ!!」

 

「お先に!!」

 

俺たちが少し躊躇いながら走ろうとしたら遊輝と響さんが物凄いスピードで俺たちの横を走りぬいていった。・・・・・・えっ?400m何秒で走ったのあの2人?

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

「ハァ・・・ハァ・・・・オエッ!!」

 

「き、キツイ・・・ゴホッ、ゴホッ」

 

「お疲れ〜〜遊輝と奏が走り終えるまで休憩よ」

 

「し、師匠達は?」

 

「ヴォーカル組は20周だからね。多分あと10分はかかる」

 

「・・・・何でそんなに走るのですか?」

 

「体力強化よ。軽音部とは言え、あんな大きなステージを3時間も走り回ろうと思うとそれなりのスタミナがいるのよ。しかもヴォーカルは歌いながらよ、だからこうやって運動するのよ」

 

「ハァ・・・ハァ・・・・キッツ!!!!」

 

レミさんが俺たちに教えてくれたのと同時タイミングに遊輝が息を切らしながらこっちにやってきた。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・マジで死ぬ・・・・奏は?」

「あと2周」

 

「ハァ・・・ハァ・・・と、とりあえず水・・・・」

 

「ほいっ」

 

「ハァ・・・・(ゴクッ)ブブーーーー!!!!!!ペッ!! ペッ!!!え、塩分きつ過ぎ!!!」

 

「あ〜、ごめん。それ薄めるの忘れてた」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・や、やっと終わった・・・・」

 

「奏も帰ってきたし、10分後に基礎トレね」

 

こんな調子で運動部以上の体力トレーニング(腕立て伏せ100回、スクワット200回、背筋100回、縄跳びの持久10分etc・・・・・)を2時間もした。ヴォーカルやっている2人はさらにその1.5倍〜2倍近い量を平気でやっていてた。あの2人、特に奏さんって根性あるな〜・・・・

 

 

龍亞 side out

 

龍可 side 〜(一週間後 体験入部最終日)〜

 

 

・・・・♪♪♪♪〜〜〜

 

「2人とも、形にはなったね。恭輔君は遊輝よりも覚えるのが早くて助かるよ」

 

「さらっと俺の嫌味を言うなよ奏」

 

体験入部最終日・・・・・・

今までかなりハードな練習をしてきた私たち。信じられないと思うけど、本当に一週間でギターで色んな曲を弾けるようになっちゃった。

 

「全体練習も大丈夫だし・・・・こっちは行けるよ」

 

「ベースもOK」

 

「ドラムも大丈夫だ」

 

「じゃあ一週間の成果を見さして貰いましょうか。4人とも自分の位置について」

 

レミさんの合図でドラムをやっている祈の前にスタンドマイクを置いて、アコースティックギターを手に持ち紐を左肩にかける。私の右には同じギターの恭輔、左にはベースを持った龍亞が立っている。私の目の前には軽音部のメンバー全員が立っている。

 

「じゃあまずは初日でやった曲、EXILEの《Lovers Again》」

 

「・・・1・2・3!!」

 

・・・♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪・・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!

「上手いよ!!ちゃんと形になっていたよ!!」

 

「1週間で弾けるようになるというちょっと無謀なことだけど何とか曲を弾けるようになってよかったよかった」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「よし、今日の練習はこれまで!あとは帰ったり遊んだりしていいよ」

 

「やったーー!!!やっとゆっくり出来る!!」

 

そう言った龍亞はベースを横に置いて部室内にあるテレビとゲーム機のスイッチを点けた。




遊輝「今回は藍さんと橙に来ていただきました」

藍「皆さん初めまして、八雲藍です。紫様の式神で元は九尾の狐です」

橙「橙です!藍しゃまの式神のです!」

龍可「九尾の狐って・・・・・確かすごい大妖怪だったような・・・・」

藍「いえいえ、大したことはしてません。そういう噂が広まっただけです」

遊輝「紫さんは?」

藍「冬眠中です。スキマ妖怪は冬になると冬眠する習慣があるみたいで」

橙「それにしてもすごいハードなトレーニングでしたね」

龍可「部室入ったらすぐヘッドホンしてマイクで歌う練習、その後すぐにギターを弾いて・・・・休憩時間が全然なかった(汗)」

遊輝「俺も最初あんな感じだったよ。すっごいあたふたしたのに気が付いたら普通に慣れていた」

龍可「慣れって恐ろしかった・・・・」

橙「次は・・・・何ですかこれ?【退学の危機!?新型ライトロード登場!】」

遊輝「(・・・・あ〜〜、あの話か、でもあれって遊星がデュエルしたんだろ?)」

藍「次回もよろしくお願いします」


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第96話 退学の危機!?新型ライトロード登場!

最強カードの紹介〜〜

アキ「・・・・新型って何処が新型よ?」

充分新型じゃないですか、ライトローズって型がいっぱいあるんだよ

アキ「確かにそうだけど・・・これって禁止カードが入っている時が一番強かったはずだよね?」

まぁ・・・・現実世界であれだけ暴れたらね・・・・確実に道連れ感があるけど。

アキ「・・・・それもそうね」

じゃあ最強カードの紹介に行こう!今回はライトローズ・セイント ミネルバ!

アキ「《ライトロード》とついた初めてのエクシーズモンスターよ。★4で素材の縛りも無いから墓地を沢山肥やしたいデッキだと入れても良いかもしれないね」

効果はエクシーズ素材を1つ取り除いてデッキトップ3枚を墓地送り!その中の《ライトロード》のカードの枚数だけドロー出来る!」

アキ「偏りがなければ1枚のドローを見込んでも良いわね。破壊された時にもデッキトップ3枚を墓地に遅れてその中の《ライトロード》の数までカードを破壊できるわ」

気をつけないと自分のフィールドが焼け野原になってしまうからな!

アキ「第96話、デュエルスタート」


遊輝 side

 

 

「うい〜す」

 

「うい〜す」

 

「ふわぁ・・・・今日は何か眠い」

 

「今日『は』じゃなくて今日『も』だろ。お前、最近眠い眠いって良く言うな」

 

目を擦りながら入ってくるレミを見て俺はそう返した。こいつ、海外から帰ってきた辺りから本当に眠そうな顔をず〜〜〜〜〜〜〜〜〜としてやがる。フェザー曰く「時間を操る能力の代償と活動時間の多さ」らしく、この眠気にはどうにもならないらしくて寝るしか方法がないらしい。よって、こいつも時々授業中に居眠りすることが起きてしまうという・・・・・ね、軽音部のメンバーは授業を真面目に受けない奴が半分もいる。

 

『(マスターも人のこと言えないじゃないですか)』

 

「(これでも俺はちゃんと管理してるぜ。特に春休みの件以来、生命力向上を目的に能力の練習をしてきたのだから)」

 

『(その付けで生命力が一時的に落ちてばかりでしょ。その内自分の身体に異常が起きますよ)』

 

「(その時はその時だ)」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「は〜い!席に着いて!出席取るよ!」

 

いつも通りにチャイムと同時に入ってくる加藤先生、相変わらずだ。

 

「あお「加藤先生!!!直ぐに職員室に来てください!!緊急の職員会議です!!」えっ?わ、分かりました・・・・」

「すみません皆さん!!1時間目の授業は自習にします!!」

 

突然扉を開けた学年主任の先生が息を切らしながら大声で加藤先生に職員室に戻るように言って、主任も直ぐに走っていった。

 

「・・・・・・何だったんだ?」

 

「さぁ?とにかく1時間目の英語が休講で俺は助かるぜ、これで堂々と寝れるぜ」

 

「・・・・・本当かよそれ」

 

「あぁ、俺さっき校長室に通った時に教頭がそんなこと言ってたから」

 

「?どうしたんだ?」

 

「いや・・・・・実は教頭が小等部6-3全員を退学にするって」

 

「はぁ!?!?」

 

「おい柿田!!それ本当かよ!?」

 

「あ、ああ・・・さっき校長室を通った時に校長と教頭がそのことで言い争っていて」

 

「あの教頭のことだから本気でやりかねないぞ」

 

「マジかよ・・・・・」

 

「・・・・・・行くぞ」

 

「OK、何か楽しそうなことになって来たな」

 

「レミ!!牛尾さんに許可、よろしく〜〜」

 

「はいはい〜〜」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「理不尽だよ!!!!」

 

「煩い!!!とにかく、成績の悪いこのクラスは全員退学です!!!」

 

朝のHRの出来事・・・・・・マリア先生がみんなの出席を取っていたら突然教頭先生が入ってきて、「全員退学です!」って意味分からないこと言われているの・・・・

 

「教頭先生!!いくら何でも無茶苦茶ですよ!!それに、このクラスにだって成績の良い生徒やデュエルの強い生徒だっています!!」

 

「その生徒たちには他のクラスに移ってもらいますよ。もっとも、このクラスにはそんな子いませんがね」

 

「酷いですよ!!!それが教育者の言うセリフですか!?」

 

「教頭先生!!今の言葉はあんまりです!!この子たちだって成績を悪くするためにここに来ている訳ではないのですよ!!みんな楽しんで勉強したりデュエルをしているのです!!そんな環境を奪う権利なんて私たちにはありません!!!」

 

「黙りなさい!!すでに校長先生からも許可を得ています!!」

 

「そんな・・・あの校長が・・・・」

 

「あの頑固な校長がようやく私の意見に賛成「だれが頑固だあ?ああ?」だ、誰ですか!?」

 

「テメェの方がよっぽど頑固だろ、クソ教頭」

 

ウィーーン

 

「あっ!遊輝!!」

「おや〜、軽音部の皆さんがどうしてこんな所に「クソ野郎が勝手に退学させるとかほざいているから縛り上げて鯨のエサにしに来た」なっ!?な、なんて事言うのですか!?」

 

「ねぇ遊輝、その前にこの教頭氷漬けにしていい?毎回毎回私を見つけるたびにあ〜だこ〜だ言ってきてムカつくの」

 

「いやいや、その前に泥かけまくろうぜ」

 

「泥かけるんだったらその後に洗濯が必要よね」

 

「貴方たちは何言ってるのですか!?貴方たちの事は聞いておりますよ!!そういう危険な能力は人に使わないっていう約束でしょう!!」

 

「ダメだよ皆」

 

「そうです!!優等生の奏s「こんな人前でやったらバレるから山奥でやらないと。私もこの教頭にはカミナリ落としたいし」なっ!?」

 

「わかったやかった・・・・じゃあ山奥に連れていって、皆でフルボッコしてから鯨のエサにする、これでいいな」

 

「「「「「いいねぇ!!!」」」」」

 

「良くありません!!!!」

 

「(・・・・あの6人が言うとシャレにならないから恐ろしいよな)」

 

「「「(((う、うん・・・・・)))」」」

 

この前・・・・・・セキュリティが関わる前に解決したけど、銀行の強盗事件、茜さんは一般人だから何もしてなかったらしいけどあの5人が大暴れして強盗犯がセキュリティに半泣きで助けを求めるような事態までやっちゃったみたいだし・・・・(汗)

 

ウィーーン

 

「あら?遊輝たちもいるの?」

 

「あっ、アキ姉ちゃん!!」

 

ウィーーン

 

「ここか?修理して欲しい物があるのは」

「遊星!!」

 

軽音部のメンバーが物騒な事をしようとしたところでアキさん、さらには工具箱を持った遊星も私たちの教室に入ってきた。

 

「おや〜〜・・・高等部のアキさんとフォーチュン・カップの優勝者が何故ここに?」

「私はあなたを止めにきたのよ」

「俺は依頼人から修理して欲しい物がここにあると聞いて・・・・・」

 

「(・・・・・あ〜〜、そう言えば校長が遊星に依頼するんだったな)」

 

「修理?この教室に修理して欲しいものなど「遊星!!助けて!!」うるさいです!!」

 

「・・・・?」

 

「遊星さん、実は・・・・・」

 

後ろにいたレミさんが遊星の耳元で何か伝えている。それを聞いた遊星は頷いて事を理解する。

 

「なるほど・・・・・そういう事か。ならばハイトマン!俺とデュエルだ!そして俺が勝ったら、この子達の退学は撤回させてもらう!」

 

「まぁ良いでしょう。デュエルフィールドで待ってます!」

 

物々何かを言いながら教頭先生は私たちの教室から出て行った。それを見たマリア先生はフゥ〜とため息をつく。

 

「ちぇっ・・・折角牛尾さんに許可を貰って殺ろうとしたのになぁ・・・・」

「遊輝・・・・あなたねぇ・・・・(汗)」

 

「そんな事より遊星さん、教頭のデッキはかなり強いわよ」

 

「アンティーク・・・だったわね。攻撃時に魔法と罠を封じるモンスターが多かったわね」

 

「心配いりませんよマリア先生!遊星なんかがあんな教頭に負けはしないよ!」

 

「ああ、任せろ。それよりみんなに頼みがある」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「・・・・どうしてこうなったの?」

 

デュエルフィールドに行われた遊星と教頭のデュエル、端的に言うと遊星の勝ちだった。教頭がレベルの低いモンスターを馬鹿にしていたけど遊星はそのレベルの低いモンスター達を巧みに使って教頭に勝てた。ここで校長先生が出てきて教頭先生に意見を変えて貰うように説得した、ところが・・・・・・

 

「認めません!!断固として認めません!!」

 

この教頭s・・・もう良いや。教頭、かなり頑固でなかなか意見を変えてくれないの。校長先生も頭を悩ませいたけど、レミさんが

 

「じゃあこのクラスで実技1位の生徒とデュエルして、その生徒が勝ったら退学は無し」

 

と言ったので、何故か私にまで火花が飛んでしまい、私と教頭がデュエルをしなくちゃいけない事態におちいってしまった。

 

「私がこの低レベルなクラスの生徒何かに負けるはずがありません!」

 

「(あいつ、本当に生徒の成績見てるのか?このクラスってむしろデュエルだと強い方だぞ。頭の方は知らんけど・・・・)」

 

とりあえず今の私の一言を呟いて良いかしら?

 

「・・・あの教頭、徹底的に叩きのめしてやる(ニコッ♪)」

 

「(!!!!い、今、凄い寒気が・・・・(ガクガク)」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

教頭 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「では、私のターンから、ドロー」

 

教頭 手札 6枚

 

「(ふふふ・・・・素晴らしい手札です!!)では、そこにいる落ちこぼれの生徒に低レベルモンスターの使い方を教えてあげましょう!!古代の機械石像(アンティーク・ギアステチュー)を召喚!」

 

古代の機械石像 攻500

 

「さらに魔法カード、機械複製術を発動!デッキから残り2体の古代の機械石像を特殊召喚!古代の機械石像の効果発動!このカードをリリースして手札から古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)を3体、召喚方法を無視して特殊召喚します!!」

 

古代の機械巨人 攻3000 ×3

 

「あいも変わらずアンティークギアかよ。しかも俺の時と同じ手札だし・・・・・積み込んでいるんじゃね?」

 

「ここまで似ていたらちょっと疑いたくなるわね」

 

「これでターンエンドです!」

 

 

教頭 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

古代の機械巨人 攻3000 ×3

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

「(伏せもなしか・・・こりゃ龍可の勝ち確だな。そう言えば昨日デッキ弄っていたけど何してたんだろう?)」

 

「魔法カード、光の援軍!コストでデッキの上から3枚を墓地に送って、ライトロード・アサシン ライデンを手札に加える!」

 

墓地に落ちたカード

・ブレイクスルー・スキル

・超電磁タートル

・ライトロード・マジシャン ライラ

 

デッキ残り枚数 34枚→30枚

 

「魔法カード、ソーラー・エクスチェンジ!手札のライトロード・アサシン ライデンを捨てて2枚ドローしてデッキの上から2枚を墓地に送る!」

 

・大嵐

・ライトロード・ビースト ウォルフ

 

デッキ残り枚数 30枚→26枚

 

「墓地に落ちたライトロード・ビースト ウォルフの効果!効果でデッキから墓地に送られた時特殊召喚できる!

 

ライトロード・ビースト ウォルフ 攻2100

 

「Em トリック・クラウンを通常召喚!」

 

「ブッ!?え、エンタメイジ!?」

 

Em トリック・クラウン 攻1600

 

ウォルフの隣に大きなボールの上に乗ったピエロみたいな格好をした人型のモンスターが現れた。このカード、まえにパックで当てた時にちょっと使えそうかなと思って入れてみてかなり役に立ったからずっと入れたままにしているの。

 

「(あっちゃ〜・・・・・これはまたヤバイ方向にデッキを弄ったな・・・(汗))」

 

「Lv4のウォルフとトリック・クラウンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ラヴァルバル・チェイン!」

 

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

 

「ラヴァルバル・チェインの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、『デッキからカード1枚を墓地に送る』を選択!」

 

ラヴァルバル・チェイン OVR 2→1

 

「デッキからH・C サウザンド・ブレードを選択して墓地に送り、エクシーズ素材で墓地に送られたトリック・クラウンの効果発動!このカードが墓地に送られた場合、墓地の《Em》モンスター1体を攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!」

 

Em トリック・クラウン 攻/守 1600/1200→0/0

 

「そして、この後に私は1000ポイントのダメージを受ける!」

 

龍可 LP 4000→3000

 

「自らダメージを受ける?これだから低レベルモンスターは困るんですよねぇ・・・」

 

「ダメージを受けたことにより墓地のサウザンド・ブレードの効果発動!」

 

「えっ?」

 

「私がダメージを受けた時、墓地からこのカードを攻撃表で特殊召喚する!」

H・C サウザンド・ブレード 攻1300

 

墓地から出てきたトリック・クラウンから出たオーラみたいな物を受けたけど直ぐに後ろからサウザンド・ブレードが横から現れてそのダメージを自分自身に受け流した。

 

「これでLv4が2体・・・・・」

 

「というか通常召喚と特殊召喚だけでエクシーズモンスターを2体並ぶよ・・・」

 

「Lv4のトリック・クラウンとサウザンド・ブレードでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!光の聖者が人々の女神となる!エクシーズ召喚!ライトロード・セイント ミネルバ!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ 攻2000

 

トリック・クラウンとサウザンド・ブレードがブラックホールに吸い込まれていき現れたのは白いフクロウを従えた白い聖者の服を着た女性のようなモンスター。

 

「ライトロード・セイント ミネルバの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、デッキの上から3枚を墓地に送る!その中に《ライトロード》と名のついたカードが存在する時、その枚数だけドローできる!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ OVR 2→1

 

「・・・何だろう、私、すごい嫌な予感がする」

「わ、私も・・・・・」

 

「こういう時の龍可ちゃん、大抵成功してしまうから・・・」

 

「デッキの上から3枚を墓地に落とす!」

 

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・アーチャー フェリス

・ライトロードの裁き

・ライトロード・サモナー ルミナス

 

デッキ残り枚数 25枚→22枚

 

「3枚の《ライトロード》が落ちた!よって3枚ドロー!!」

 

龍可 手札 5枚→8枚

 

「マ、マジで!?!?」

 

「3枚ドローしちゃったよ・・・・(汗)」

 

「そ、それより、龍可ちゃん、まだ手札1枚しか使ってないよ。何、この展開力(汗)」

 

「さっき墓地に送られたライトロード・アーチャー フェリスとライトロードの裁きの効果発動!フェリスは守備表示で特殊召喚、ライトロードの裁きの効果でデッキから裁きの龍を手札に加える!」

 

ライトロード・アーチャー フェリス 守2000

 

「・・・・ゴメンチョットナニイッテルノカワカラナイ(汗)」

 

「フェリスの効果発動!自身をリリースして、古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)1体を破壊する!」

 

「何ですとぉぉ!?!?」

 

フェリスが弓を引いて放った矢は古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)の心臓部分を貫通する。主要部分を損傷したギア・ゴーレムはそのまま雪崩のように崩れ落ちて破壊していった。

 

「その後、私のデッキの上から3枚を墓地に落とす!」

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・アサシン ライデン

・光の援軍

・ソーラー・エクスチェンジ

 

デッキ残り枚数 18枚→15枚

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からライトロード・サモナー ルミナスを特殊召喚!」

 

ライトロード・サモナー ルミナス 攻1000

 

「ルミナスの効果!手札のカード1枚を捨てて、墓地からライトロード・アサシン ライデンを特殊召喚!」

 

ライトロード・アサシン ライデン 攻1700

 

「ライデンの効果発動!デッキの上からカードを2枚墓地に送り、その中の《ライトロード》のモンスター×200ポイント攻撃力がアップする!」

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・アーチャー フェリス

・ツインツイスター

 

デッキ残り枚数 15枚→13枚

 

「墓地に落ちたカードの中にライトロードのモンスターは1体!よってライデンの攻撃力は200ポイントアップ!」

 

ライトロード・アサシン ライデン 攻1700→1900

 

「さらに墓地に落ちたフェリスの効果により自身を特殊召喚!そしてフェリスの効果!リリースして、2体目の古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)を破壊!」

墓地に落ちたカード

・Em ハット・トリッカー

・ライトロード・サモナー ルミナス

・ライトロード・ビースト ウォルフ

 

デッキ残り枚数 13枚→10枚

 

「墓地に落ちたウォルフの効果で自身を特殊召喚!Lv3のライトロード・サモナールミナスにLv4のライトロード・アサシン ライデンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「聖なる光の守護者 正義の心を龍に宿り永遠となれ!シンクロ召喚!ライトロード・アーク ミカエル!」

 

ライトロード・アーク ミカエル 攻2600

 

4つの光の輪になったライデンと3つの星になったルミナスが一つになって、大きな白竜が天空から舞い降りてくる。その上には黄金の鎧をつけた人が大剣を片手で天に突き上げている。

 

「ミカエルの効果発動!1000ポイント払って、フィールドのカード1枚を除外する!3体目の古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)を選択!ジャッジメント・ライトレイン!」

 

龍可 LP 3000→2000

 

白竜に乗っている人の大剣が白く輝き始め、その光が天空に上がると、教頭の古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)の上から白い雨みたいなものが降り注いで、機械のネジや歯車が酸化していって崩れていった。

 

「わ、わわわわ私の古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)が・・・・」

 

「手札のEm ハットトリッカーの効果発動!フィールドにモンスターが2体以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚出来る!」

 

Em ハットトリッカー 攻1100

 

ウォルフの隣に魔法使いのような帽子の形をしたモンスターが現れる。

 

「Lv4のライトロード・ビースト ウォルフとEmハットトリッカーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!交響魔人マエストローク!」

 

交響魔人マエストローク 攻1800

 

「おまけで裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

「(・・・・えっと、どうなったんだ?(汗))」

 

龍可 手札 5枚 LP 2000 デッキ残り枚数 10枚

【モンスターゾーン】

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

ライトロード・セイント ミネルバ 攻2000

ライトロード・アーク ミカエル 攻2600

交響魔人マエストローク 攻1800

裁きの龍 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

教頭 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「(・・・・・なあにこれ?(汗)実質手札1枚の消費でデッキのカードを25枚も使ってるよ)」

 

「バトル!!全てのモンスターでダイレクトアタック!!」

 

「ぎゃああああ!!!!!!!!」

 

教頭 LP 4000→2200→200→-2400→-4200→-7200

 

 

WIN 龍可 LOS 教頭

 

 

【やっぱりこの小説の龍可はこうでなくちゃいけないよねby作者】

 

 

龍可 side out

 

 

遊輝 side

 

「これで分かりましたよねハイトマン教頭、この子達だってデュエルや勉強は出来るんです。学力やデュエルの腕前がまだまだな生徒にはそれだけ腕前が上がる余白があるのです。そういう生徒を育てるのが我々の役目なのです」

 

「ハイ・・・・・・」

 

龍可とのデュエルの後、校長がさらなる説得をして退学は免れた。というかあの教頭、校長曰く「テストの時には自分の部屋にこもってまともに生徒の実力を見ていなかったみたい」らしい。全く、自分の生徒の成績ぐらいは目を向けろって話だな・・・・・・

 

「これで一件落着だな。あの教頭も意見を変えてくれるだろう」

 

「そうね。とりあえずはこのまま教室戻ってお昼寝」

 

「そうそう、そこにいる軽音部のメンバー全員は授業時間に勝手に教室を抜け出した罰で、全員放課後に補講を受けてもらいますよ」

 

「「「「「「エッ!?」」」」」」

 

「いくら自由主義の私でも先生の言った事を守らなかった生徒には罰を与えないといけませんからね」

 

「ア、アキさんは!?」

 

「私は担任の先生からお願いをされたから大丈夫よ」

 

「ホッホッホ、4時から2時間ほど受けて貰いますからね」

 

そう言って校長先生はデュエルフィールドから消えていった・・・・・・




作者「今回はアンケートのことで言いたいことがあるので作者の私と遊輝で後書きをしていきたいと思います」

遊輝「随分長かったな・・・・」

作者「ネタがね・・・・この話以降の2、3話をどうしようかな〜と思って、そのまま原作の流れには時間の系列的にちょっと進みすぎだし、間にまぁ休憩がけらの小話を盛り込もうと思ってね、ありがたいことにハーメルンの読者様から沢山のオリカを頂いたからそれを使ったデュエルを書こうと思うよ」

遊輝「つうかさ、本当ならこの話、もっと後に投稿する予定だったんだろ?」

作者「本当はバレンタインの話を書こうとしたんだけどネタがなさすぎて没になったんだよな・・・・流石に(ピーーー)な事は書けないし」

遊輝「/////おいこら!!!」

作者「とまぁ没になった話は置いといて・・・・アンケートとは茜のお母さん、すみれさんのプロフィールを載せるかどうかです。本当ならモブキャラのつもりだったんですけどなんか登場回数が多かったから載せようかなーと」

遊輝「俺あの人、苦手や・・・・」

作者「捕まって女装モデルとして働かせるから?」

遊輝「言うな!!」

作者「アンケートの回答はこの後に活動報告を書きますのでそちらで受け付けます」

遊輝「次回は前述した通り、頂いたオリカを使ったデュエルです」

作者「すみません、タイトルはまだ未定です。とりあえず、デュエルをするということだけ決まってます」

遊輝「次回もよろしくね」


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第97話 轟け侵略!!起こせ革命!!

【*注意!!・・・・・前回の後書き通り、今回は読者様から頂いたオリカを多数使用します。「オリカが嫌いだ!!」という方はここで戻ってください】


最強カードの紹介〜〜。

ジャック「・・・・・・」

な、なんすかその目は・・・・・

ジャック「貴様、いつになったら俺を出すんだ!?」

だ、大丈夫だよ、WRGPには絶対に出るんだから・・・・

ジャック「まだ随分先の話だろ!!」

そんじゃ行くぞ!!今回は恐牙狼 ダイヤウルフだ!!

ジャック「チッ・・・・★4のモンスターで今の時代、ほぼ必須と言われているモンスターだ」

エクシーズ素材を1つ取り除くことで、自分フィールドの獣族・鳥獣族・獣戦士族モンスター1体とフィールドのカード1枚を破壊するぞ!

ジャック「★4では数少ない、フィールドの好きなカードを破壊できる。これがこのカードの最大の強みだな」

自分自身を破壊することで場を空けることができ、その後の展開もしやすいぞ!
あっ、この後の後書きでのオリカ紹介の後に4周年記念のことについて述べるからそちらの方も見て行ってください!

ジャック「第97話、デュエルスタート!」


奏 side

 

「ハァ・・・ハァ・・・き、きっつ・・・・・・おえっ!!」

 

「ハァ・・・ハァ・・・・・し、死ぬ・・・・」

 

「今は・・・6時ね、じゃあ今日はこれで終了」

 

私と遊輝、ヴォーカル組の体力トレーニングが終わって今日の練習は終了。正直・・・・この練習辛い(汗)あんな大きなライブ会場でやる以上、基礎体力が必要ということは分かるのだけどそれでもやっぱりキツい・・・・

 

「明日は私が用事があっていけないから一応自主練習ということにするから」

 

「ハァ・・・ハァ・・・じゃあ明日は休んで奏の店で手伝おうか?」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・そ、そうね。お願いするわ」

 

明日からゴールデンウィーク、休日で私のお店にもお客さんが沢山来るし何よりも明日は月に一度のキャンペーン、半年に1度の特売セールよりも人は多少少ないけどそれでも結構なお客さんが来るから遊輝が来てくれると本当に助かる。

 

「それじゃ私は先に帰るよ」

 

「お、おう・・・・フゥ〜〜・・・それじゃ俺も帰るか」

 

「ハァ・・・ハァ・・・ゆ、遊輝、明日は念のためにデュエルディスクを」

 

「あ〜・・・・そうだな」

 

明日は・・・・・ねぇ、お客さんが多いと何かと問題が起こりやすいから・・・・

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「遊輝君、これ頼んだよ」

 

「はいは〜い!!」

 

「ごめん奏!!レジ手伝って!!」

「分かったわお母さん!!」

 

ゴールデンウィーク初日、案の定(というかいつもより多い気がするけど)お客さんが多く来た。ゴールデンウィークということもあっていつもよりも子供が多く来る。だから私のお店もこういう時期には子供でも買える・好きと思えるクッキーやミニサイズのカップケーキを作っている。

 

「お姉ちゃん!ケーキ一つ!」

 

「は〜い!150円ね!」

 

「おばさんクッキー!!」

 

「ちょっと待ってね!もう少しで焼きたてが出来るから!」

 

こんな感じ、今の時間は・・・・・3時前か。だったら余計に多いわね。それにそろそろあれの準備もしておかないと・・・・・

 

「お姉ちゃん!!デュエルまだ!?」

 

「もう少し待ってね!!あと5分ちょっとやるよ!!」

 

私のお店には月に1度だけ、子供たちを招いてデュエル大会もどきを開いているの。勝ったらケーキ、負けても残念賞でクッキーをタダであげている。こうしないと子供たちがこの店でケーキを買ってくれないからね。

 

「いいわよ奏、あとはこっちでなんとかなるから大会の審判をよろしく」

 

「分かったわお母さん。みんな、待たせたね」

 

「やるの!?」

 

「もう少しだけ待ってね、準備してくるから」

 

一度部屋に戻り、デュエルディスクと自分のデッキを手にしてまたお店の前に戻る。すでに待ちわびた子供たちがたくさん待っていた。

 

「お待たせ〜〜!!月に一度のケーキをかけたデュエル大会よ!!」

 

「「「「「わぁぁ〜〜〜!!!!」」」」」

 

「最初はだれがやるの!?」

 

「ねぇ!!お姉ちゃんと中のお兄ちゃんでデュエルしてよ!!」

 

「へっ?私?」

 

「だってお姉ちゃん普通に強いからさ!!」

 

「いやいや、私は最後にちょっとやるだけだから・・・・」

 

「お兄ちゃんが勝ったら皆にケーキ配って!」

 

「いやいやいや!!それはお店的に無理があるよ!!」

 

「お姉ちゃんが勝ったら何もくれなくていいからさ!!やってよ!!」

 

1人の子供から駄々をこね始めると皆も一緒に吊られるように駄々をこねる。ハァ〜〜・・・どうしたものか。

 

「お母さん、どうする〜?」

 

「やっていいわよ。その代わり、負けたら来月のお小遣いから差し引いておくから」

 

「えっ!?ちょ!?それだけは止めて!!」

 

「だったら勝ちなさい。遊輝君!!」

 

「はい!?」

 

「奏とデュエルして!!」

 

「?(何で奏と?)分かりました!!」

 

奥でケーキを作っていた遊輝がデュエルディスクを取り出してお店の前に出る。とにかく・・・・・お小遣いが無くなるのは勘弁だから何としても勝たないと!!

 

「行くぞ奏」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 奏 LP 4000

 

「先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「・・・・・・・あっ!?」

 

「?どうしたの?」

 

「・・・・・・(あ、遊びで作った試作のデッキをデュエルデスクに入れていた(汗))えっと・・・・・速攻魔法、バーニング・サン!こいつはフェイズ毎に効果が変わる!自分のメインフェイズ時はデッキトップ5枚見て、その中から2枚を手札に加えて残りはデッキに戻す!」

 

「えっ!?何そのカード!?」

 

遊輝がデュエルデスクにあるデッキに手をかけて5枚のカードをドローして全て見る。

 

「(・・・・・これだったらこいつとこいつかな)残りはデッキに戻す!そして俺はこのターン、召喚と特殊召喚できない!」

 

「ま、まぁ、それくらいわね・・・・」

 

「永続魔法、炎舞ー「天璣」を発動!発動時の効果でデッキから獣戦士族モンスターを1体手札に加える!炎王獣バロンを手札に加えてフィールド魔法、炎王の孤島を発動!」

 

周りにあった高いビルや住宅地が消えて、かわりに海が広がった。遊輝の後ろには大きな火山が黙々も煙を上げている。

 

「炎王の孤島の効果で手札もしくはフィールドの自分のモンスター1体を破壊する!さっき加えたバロンを破壊するぜ!」

 

「?お兄ちゃん、何でわざわざ自分から破壊するの?」

 

「まぁあとで分かるよ、その後、デッキから《炎王》モンスターをサーチする!俺が加えるのは炎王獣 ヤクシャだ!次いでおろかな埋葬!デッキから墓地に送るのはネフティスの鳳凰神だ!」

 

「ネ、ネフティスの鳳凰神!?」

 

ま、また怪しいカード入れているわね!?あれって確かカード効果で破壊したら特殊召喚して大嵐を打つカードだよね!?

 

「モンスターをセット、永続魔法、ルナティック・レインを発動してターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

炎舞ー天璣

炎王の孤島 (フィールド)

ルナティック・レイン

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ、さっき破壊されたバロンの効果発動!カード効果で破壊されたターンの次のスタンバイフェイズにデッキから《炎王》カード1枚をサーチする!」

 

「そうか・・・・じゃあさっき破壊したのはバロンの効果を発動するためだったんだね」

 

「そうゆうこと、おれが加えるのは炎王神獣ーガルドニクス、さらに永続魔法、ルナティック・レインの効果も発動!自分か相手のモンスター効果が発動する度にこのカードにルナカウンターを1つ載せる!」

 

LC 0→1

 

モンスター効果が発動する度にカウンターがたまる永続魔法・・・・でもあのカード破壊できないし、かといってモンスター効果を使わないわけにもいかないわね・・・

 

「神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

『ふわぁ〜〜〜・・・・何?今日は寝かしてくれるんじゃなかったの?』

 

「予定変更よ、アースの効果!デッキから《代行者》と名のついたモンスター1体を手札に加える!創造の代行者 ヴィーナスを手札に加えるわ!」

 

「永続魔法、ルナティック・レインにカウンターが1つ乗るぜ!」

 

LC 1→2

 

「これでバトル!アースでセットモンスターに攻撃!そして攻撃宣言時、手札にあるモンスターの効果発動!」

 

「はっ!?」

 

「このカードは攻撃宣言したモンスターの攻撃を無効にして、攻撃宣言したモンスターをリリースして特殊召喚できる!光輝きし代行者が聖なる皇へと神化(しんか)する!侵略!!輝く聖皇 アリエース!!」

 

輝く聖皇 アリエース ☆7 攻2400

 

攻撃をしようとしたアースが上空に差し込まれたひかりに当たって攻撃が止まり、上空へと登って消えていく。そしてアースの代わりに降りてきたのは金色の羽衣を纏った二つの白い大きな翼を身につけた女性型の天使だった。

 

「アリエースは特殊召喚成功時、デッキからカウンター罠1枚を手札に加える!私が加えるのは神の警告!」

 

「カウンター罠サーチ!?しかも神の警告!?ざけんな!!とりあえずルナティック・レインにルナカウンターを2つ乗せる!」

 

LC 2→4

 

「アリエースでセットモンスターに攻撃!シャイニングデトネイター!!」

 

アリエースが天から降りた光を浴びて全身が黄金に輝き始める。両腕を胸に十字で組んで右手から光の光線が放たれてセットモンスターを破壊する。

 

「ぐうう!!破壊された炎王獣 ヤクシャの効果!手札またはフィールドの自分のモンスターを破壊する!破壊するのは手札の炎王神獣ガルドニクス!!さらにルナティック・レインにルナカウンターが1つ乗る!」

 

LC 4→5

 

さっきから自分のモンスターを破壊してばっかねぇ・・・・多分炎王ってそういうカテゴリー何でしょうね。しかも破壊されたのは上級者モンスターだったから何かしらの強い効果は持ってそうね。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

輝く聖皇 アリエース 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「スタンバイフェイズ時にガルドニクスの効果!カード効果で破壊された次のスタンバイフェイズに特殊召喚する!」

 

「させないわよ!ガルドニクスの効果にチェーンでカウンター罠、神の警告を発動!ライフを2000ポイント払ってガルドニクスの特殊召喚を無効にする!」

 

奏 LP 4000→2000

 

やっぱりか・・・・・上級モンスターだから特殊召喚だと読んで正解だったわね。

 

「暗炎星ーユウシを召喚!」

 

暗炎星ーユウシ 攻1600

 

「ユウシの効果!自分フィールドの「炎舞」魔法・罠カード1枚を墓地へ送ってフィールドのカード1枚を破壊する!破壊するのはアリエースだ!」

 

ユウシが遊輝のフィールドにあった天璣をエネルギーに変えて炎のマントをさらに大きく燃えあがりアリエースに突進して来る。

 

「アリエースは墓地のカウンター罠1枚をゲームから除外すればフィールドから離れない!エースバリアドーム!」

 

アリエースが白い羽を自身を覆うように包み込む。白いバリアがアリエース自身を覆うように張られてユウシの突進を受け止めた。

 

LCカウンター 5→6

 

「(ざけんなよ!!破壊じゃなくてフィールドから離れない!?まぁ墓地のカウンター罠はもうない!)永続魔法、炎舞ー「天枢」を発動!通常召喚にくわえて戦士族モンスターの通常召喚を1回増やす!チューナーモンスター、熱血獣士ウルフバークを通常召喚!」

 

熱血獣士ウルフバーク 攻1600

 

「ウルフバークの効果発動!召喚成功時、墓地から炎属性・獣戦士族・Lv4のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!墓地からバロンを特殊召喚!カウンターも一つ追加だ!」

 

炎王獣バロン 守200

LCカウンター 6→7

 

「Lv4のウルフバークと暗炎星ーユウシでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!縦横無尽に駆け回れ!恐牙狼 ダイヤウルフ!」

 

恐牙狼 ダイヤウルフ 攻2000

 

ブラックホールの爆発から出てきたのは大きくて鋭く伸びたダイヤを着けた甲冑を4足の足に着けた狼みたいなモンスターだ。出てきたときに演出で狼の後ろに綺麗な満月が出ていたけどダイヤが綺麗に輝いていたわね・・・・・

 

「ダイヤウルフの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、自分の獣戦士族・鳥獣族・獣族モンスターいずれか1体とフィールドのカード1枚を破壊する!破壊するのはバロンとアリエースだ!!」

 

「嘘っ!?」

恐牙狼 ダイヤウルフ OVR 2→1

 

ダイヤウルフが遊輝のバロンと私のアリエースを甲冑についているダイヤで粉々に切り裂いた。くっ・・・・こうも早くにやられるとは・・・

 

LC 7→8

 

「ここで永続魔法、ルナティック・レインの効果!ルナカウンターが8つ乗ったこのカードを墓地に送ることで3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 1枚→4枚

 

「その代わり、俺はこのターンLv5以上のモンスターを召喚・特殊召喚出来ない!」

「全くもってデメリットになってないわね・・・・・」

「バトル!ダイヤウルフでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!」

 

「チッ・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

恐牙狼 ダイヤウルフ 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

炎王の孤島(フィールド)

炎舞ー「天枢」

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

「スタンバイフェイズにバロンの効果!デッキから2枚目のガルドニクスを手札に加えるぜ!」

 

・・・・・ダメね。このターンは守備に専念しないと。

 

「創造の代行者 ヴィーナスを守備表示で召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 守0

 

「ヴィーナスの効果!500ポイント払うことで神聖なる球体(ホーリーシャイン・ボール)1体を特殊召喚する!1500ポイント払って、デッキから3体の神聖なる球体を特殊召喚!」

 

神聖なる球体 準備500 ×3

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

 

奏 手札 1枚 LP 500

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 守0

神聖なる球体 守500 ×3

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

「ダイヤウルフの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いて自身とボールを破壊する!」

 

ダイヤウルフ自身を破壊したの?一体何をするつもりなのよ・・・

 

「炎王の孤島の効果発動!自分フィールドにモンスターがいない時、手札の炎属性・鳥獣族モンスターを特殊召喚出来る!現われろ!炎王神獣ガルドニクス!!」

 

炎王神獣ガルドニクス 攻2700

 

遊輝の後ろの火山がさらに活発になり、噴火が起きる。その噴火が起きた山の山頂から炎を纏った大きな鳥が上空へと飛び上がり、空を真っ赤に染めた。

 

「もう一つ、魔法カード死者蘇生!墓地からネフティスの鳳凰神を特殊召喚!」

 

ネフティスの鳳凰神 攻2400

 

「Lv8のガルドニクスとネフティスの鳳凰神でオーバーレイ!」

 

☆8 × ☆8 = ★8

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!不死身の光を照らしだせ!!不死鳥龍フェニックス・ドラゴン!!」

 

不死鳥龍フェニックス・ドラゴン ★8 攻3600

 

『・・・・・キュウウウウウウン!!!!!!!』

ブラックホールの爆発から大きな鳴き声がフィールド全体に響き渡る。眩しさで芽をつむっていたけど目が光に慣れてモンスターを見るととても美しくモンスターだった。金色に輝く身体の後ろには金と赤の混じった大・中・小の6つの翼がそれぞれ羽ばたいている。顔に4つの目があり、6つの尻尾、両足には鋭く尖った長い詰めが4つもある。

 

「フェニックスドラゴンの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、相手フィールドのカード2枚を手札に戻す!」

 

「!?」

 

「選択するのは残りの伏せカードだ!!神風〜トルネード・ダスト〜!!」

 

不死鳥龍フェニックスドラゴン OVR 2→1

 

フェニックスドラゴンの6つの翼が大きく羽ばたいて、台風並みの風を引き起こす。その風に耐えられなくなった神聖なる球体は上空に飛ばされてしまった。1:2交換でバウンスってなかなかえげつないわね・・・・★8のモンスターだけあって、効果はかなり強いわね。

 

「炎王獣キリンを召喚!天枢の効果で攻撃力が100ポイントアップする!」

 

炎王獣キリン 攻1000→1100

 

「(天枢あるんだけど、手札が炎王の孤島と炎王の急襲じゃな・・・・・)バトル!炎王獣キリンでボールに、フェニックスドラゴンでヴィーナスに攻撃!フェニックス・ロアー!」

 

隣に出てきたキリンのようなモンスターは神聖なる球体を踏み潰して、フェニックスドラゴンは大きな咆哮でフィールド内に轟を起こしてその反動でヴィーナスを破壊した。

 

「ぐぅぅ!!」

 

「速攻魔法、炎王獣環!フィールドのキリンを破壊して、墓地から炎属性モンスターを特殊召喚する!もう一度現われろ!炎王神獣ガルドニクス!!」

 

炎王神獣ガルドニクス 攻2700

 

「キリンには破壊されたらデッキから炎属性モンスターを墓地に送れるけど今はその必要はなし、ガルドニクスで2体目のボールに攻撃!」

 

キリンのようなモンスターの代わりにまた出てきたガルドニクスの攻撃で私の2体目の神聖なる球体がはかいされてしまう。

 

「ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

不死鳥龍フェニックス・ドラゴン 攻3600

炎王神獣ガルドニクス 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

炎舞ー「天枢」

炎王の孤島 (フィールド)

 

 

何とか耐えたけど・・・・・雷の矢、盗賊の七つ道具、ジュピターじゃどうしようにもできないわね・・・・ここで何か逆転のカードを引かないと。

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

・・・・・・!!!来た!!!この前、アリエースとともに当てた逆転のカード!!!

 

「(ん?何引いたんだ?)」

 

「このカードは墓地の光属性・天使族のモンスターを3種類をゲームから除外することで特殊召喚できる!神聖なる球体・輝く聖皇アリエース・創造の代行者ヴィーナスの3体をゲームから除外!!」

 

墓地にいた神聖なる球体とアリエース、ヴィーナスの3体が霊の状態で天から差している一筋の光に吸い込まれるように登っていく。そして一筋だった光が二筋・三筋と数を増やしていき、大きな地鳴りが起きる。

 

「な、何だ!?」

 

「侵略されし土地に革命の時が訪れる!!光の革命龍ともに勝利の狼煙を上げろ!!時の革命 ミラダンテ!!」

 

時の革命 ミラダンテ 攻3000

 

天から降りてきたのはユニコーンみたいな身体をしたモンスター、身体は甲冑で覆われて頭の甲冑からは長い黄金の鬣をたなびかし、立派な一本角が生えている。身体の横には大きな盾みたいな物があり、それは時計のような見た目をしている。

 

 

「ミラダンテの効果発動!特殊召喚成功時、相手フィールドのモンスターを全て守備表示にする!この効果で守備表示にしたモンスターは次の相手ターンのエンドフェイズまで表示形式を変更できない!」

 

「いっ!?」

不死鳥龍フェニックスドラゴン 攻3600→守1000

炎王神獣ガルドニクス 攻2700→守1700

 

ミラダンテが放った強い光によってフェニックスドラゴンとガルドニクスの2体が跪いた。

 

「バトル!ミラダンテでフェニックスドラゴンに攻撃!」

 

ミラダンテの身体にある時計のような盾の針が動き始め、とある所で針を止まる。するとフェニックスドラゴンの身体が石のように固まっていき、大きな一本角で石のように固まったフェニックスドラゴンに向かって突進して粉々に破壊した。

 

「ぐうう・・・・・フェニックスドラゴンが破壊されてしまったか・・・・」

 

「これでターンエンドよ!」

 

「・・・・フェニックスドラゴンの効果発動!デュエル中に1度、自分のこのカード以外のモンスターを全てゲームから除外して墓地からこのカードを復活させる!!そしてこの方法で復活した時、相手フィールドのカード3枚をデッキに戻す!!」

 

「革命の流れは止められない!!時の革命 ミラダンテの効果!自分のライフが500ポイント以下の時、相手はモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚・セットはできない!!」

 

「はあ!?!?」

 

「フェニックスドラゴンの復活効果もミラダンテの革命効果により無効になる!」

 

遊輝の後ろの火山がまた活発になり噴火しそうになったときにミラダンテが火山の山頂まで飛んで、盾の針を止める。すると、火山の活動が止まり、噴火も起こらず何事もなかったのようにした。

 

奏 手札 3枚 LP 500

【モンスターゾーン】

時の革命 ミラダンテ 攻3000

神聖なる球体 守500

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

「お、俺のターン・・・」

 

遊輝 手札 3枚

 

「(・・・ダメだ、通常召喚できないからウルフバークも召喚できない)ターンエンド」

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

炎王神獣ガルドニクス 守1700

【魔法・罠ゾーン】

炎舞ー「天枢」

炎王の孤島 (フィールド)

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

「(・・・よし!一番良いカード来た!)手札の奇跡の代行者 ジュピターを除外してマスター・ヒュペリオンを特殊召喚!」

 

マスター・ヒュペリオン 攻2700

 

「(うわぁ・・・・これ死んだわ)」

 

「マスター・ヒュペリオンの効果!墓地の神秘の代行者 アースを除外してガルドニクスを破壊してバトル!マスター・ヒュペリオンとミラダンテでダイレクトアタック!」

 

 

遊輝 LP 4000→0

 

 

WIN 奏 LOS 遊輝

 

 

 

「あ〜〜・・・・・ケーキが・・・・・」

 

あ、危なかった・・・・私のお小遣いが無くなる所だった(汗)

 

「あ〜あ、負けたぜ・・・・・フェニックスドラゴンの不意打ちで勝てると思ったのにな、特殊召喚封じはともかく召喚やセットすら出来ないってそりゃないぜ」

 

「発動条件は厳しいのよ。さぁ、私が勝ったからケーキを配るのは無し、今度は君たちがデュエルする番よ」

 

「「「「「は〜〜い」」」」」」




遊輝「いや〜・・・多かった」

奏「うん、非常に多かったわね」

遊輝「作者も嬉しい悲鳴だったよ。『募集もしてないのにオリカを頂くなんて嬉しい限りだよ!!』って」

奏「そうだね。最近は作者があまりオリカを作ろうとしていなかったけど、今回の話で少し良い方向に転べば良いと思うよ」

遊輝「さて、ここからはたくさん頂いたオリカの紹介をいっぺんにしていきます」

奏「今回は頂いたオリカの大体1/3ぐらいを使いました。オリカを提供してくださった皆様、本当にありがとうございます」

遊輝「ただ、頂いたオリカのほとんどが「これは強すぎる」or「良いカード何だけどちょっと現実的ではないな・・・」という理由で、原型を残しつつ作者が改良しました。その点はご了承ください」

奏「本当ならどうして改良したのかという理由を載せたいのですが、文字制限や後書きの量が増えてしまいますので省かせていただきます。感想のほうで質問が出た場合にはそちらの方で対応したいと思っています」

遊輝「それでは紹介していきます!まずはSD・クロニクルさんから頂いた2枚の魔法カードです!」


バーニング・サン 速攻魔法
①このカードを発動したフェイズによって以下の効果を発動する。
・自分のメインフェイズ:デッキの上からカードを5枚引き、2枚を選んで手札に加える。それ以外のカードをデッキに戻してシャッフルする。
この効果を使用したターン、モンスターの召喚・特殊召喚できない。
・互いのバトルフェイズ:自分のモンスター1体の攻撃力をダメージステップ終了時まで倍にする。
その後、次の自分のメインフェイズ2まで攻撃力・守備力は0になり、効果を無効にする。
・相手のメインフェイズ:相手の魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する。
この効果の発動に対して、魔法、罠、効果モンスターの効果を発動することはできない。
この効果を使用したターン、このカード以外の魔法・罠を発動することができない。


ルナティック・レイン 永続魔法
①自分または相手がモンスター効果を発動するたびにこのカードにルナカウンターがを1つ乗せる。
このカードにルナカウンターが8つある時、このカードを墓地に送って、デッキから3枚カードをドローする。
このカードが自身の効果で墓地へ送られたターン、自分はLv5以上のモンスターを召喚・特殊召喚できない


奏「どちらも強力なドローカードよ」

遊輝「バーニング・サンに至っては強欲で謙虚な壺の完全上位互換です、本当にありがとうございます」

奏「バーニング・サンはドロー以外にも働くっていうところが良いよね」

遊輝「ルナティック・レインも残すことができれば簡単に出したそのターンに3枚ドローとか余裕だから」

奏「次はメタルダイナスさん投稿のカードです」


輝く聖皇 アリエース ☆7
光属性 天使族 攻2400 守1000
このカードは通常召喚できず、このカードの効果でしか特殊召喚できない。
「輝く聖皇 アリエース」はフィールドに一体しか存在できず、S素材とX素材にはできない。
①自分フィールドの天使族モンスターの攻撃宣言した場合に発動できる。
そのモンスターの攻撃を無効にして、そのモンスターをリリースし、手札のこのカードを特殊召喚する。
②このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからカウンター罠1枚を手札に加えることができる。
③このカードがフィールドを離れる場合、墓地のカウンター罠をゲームから除外できる


遊輝「元はデュエルマスターズの【侵略】という効果を提供していただき、作者か遊戯王風に書いてみました。言い換えたら『遊戯王で【侵略】ならこういう効果じゃね?』。ちなみにDMの【侵略】というのは、自分のクリーチャーのアタック宣言時に手札にある侵略の進化条件が整った進化クリーチャーをアタックしたクリーチャーの上に無条件で載せることなんだ。アタックするのは進化した方のクリーチャーになるんだぜ」

奏「この方法でしか特殊召喚出来ないけど、好きなカウンター罠をサーチできるのはかなり強力ね」

遊輝「オマケにフィールドから離れる場合の態勢持ち・・・・どうかしてるぜ。次はDDさん提供の強力な★8エクシーズモンスターです」


不死鳥龍フェニックス・ドラゴン ★8
闇属性 ドラゴン族 攻3600 守1500
☆8モンスター×2
「不死鳥龍フェニックス・ドラゴン」の②の効果はデュエル中に1回しか使用できない。
①1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドのカードを2枚まで持ち主の手札に戻す。
②このカードが墓地に存在する場合、お互いのエンドフェイズに発動できる。
自分の墓地のこのカード以外のモンスターを全てゲームから除外してこのカードを特殊召喚する。
この方法で特殊召喚した場合、相手のフィールドのカード3枚まで持ち主のデッキに戻す事が出来る。
この効果発動に対し相手は魔法、罠カードを発動できない。



奏「これ頭おかしかった!!」

遊輝「これでもかなり弱体化したほうだぜ・・・・提供して頂いた原案は②の効果に制限がなかったんだから」

奏「うっわ・・・・無限に復活するの?」

遊輝「本当なら光属性と闇属性を1体ずつ除外何だけど、今回使ったのが炎王だったかこっちの効果にしたわけ」

奏「・・・・・そこは原案より強くないかしら?」

遊輝「そうとも言えないぜ。墓地肥やしが流行っている中で墓地のモンスター全て除外は以外と辛い。それに墓地にモンスターがいないとダメだし」

奏「それもそうね。最後は作者自身が考えたカードよ」


時の革命 ミラダンテ ☆8
光属性 ドラゴン族 攻3000 守2800
このカードは通常召喚できず、このカードの効果でしか特殊召喚できない。
「時の革命 ミラダンテ」は自分フィールド上に1体しか存在できない。
①自分の墓地の光属性・天使族モンスターを3種類除外してこのカードを特殊召喚する。
このカードが特殊召喚したターン、自分はこのカード以外のモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚はできない。
②このカードの特殊召喚成功時、相手フィールド上の全てのモンスターを守備表示にする。
この効果で守備表示になったモンスターは次の相手ターンのエンドフェイズまで表示形式を変更できない。
③自分のライフポイントが500以下の場合、相手はモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚・セットはできない。


遊輝「はい、これもDMのカードです。本当にありがとうございました」

奏「『【侵略】を貰ったから【革命】もいいや』という発想で作られたカードよ。これは元のカードをそのまま、名前も一緒で効果もほぼ100%再現したわ」

遊輝「【革命】とは、自分のシールドが一定の枚数以下の時に発揮される効果のこと。シールドの枚数が少なければ少ないほど強力な効果を持つクリーチャーが多くて、ミラダンテはその代表格だ」

奏「ライフが500以下の時には相手はモンスターを召喚・特殊召喚どころかセットすらできない。つまり、モンスターを場に出すことが出来ないのよ」

遊輝「これキツいんだよな・・・・今の時代、モンスター効果に頼る時代だからな。モンスターをそもそも場に出せなかったら意味がないし」

奏「その代わりに破壊耐性はついてないわ。こんなカードに破壊耐性なんてつけたそれこそぶっ壊れているでしょうね」

遊輝「次回は・・・・すみません、また未定です」

奏「大きな骨組みは作ったのに小さな肉付けが終わらせてないのよね・・・・次回もよろしくね」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



作者「はいどうも、私です」

遊輝「2話連続で出てくるなよ・・・・」

作者「いや〜ねぇ、重要なことはやっぱり出て話さないと」

遊輝「そりゃそうだが・・・・」

作者「ていうことで、ここからは重要なこと。この小説の4周年企画についてです。今回はすでに決めています。久しぶりに人気投票と質問コーナーにしようと思います」

遊輝「コラボは?」

作者「逃走中でお腹いっぱい・・・・・(涙)」

遊輝「・・・・・(汗)」

作者「というわけで誠に申し訳ないですが、今回はコラボはありません」

遊輝「まずは質問コーナー、こちらの方は頂いた質問をレギュラーメンバー全員で返していきたいと思います。1人につき何個の質問でも良いですし、「ラーメン何味が好き?」とかいう普通の質問でも全然OKです」

作者「人気ランキングですが、今回はすぴばるとハーメルン、両方で取るので前回みたいにすぴばるのアンケートに載せるということはいたしません」

遊輝「すぴばるには作者にメールもしくは感想機能、ハーメルンではメッセージか活動報告で受け付けます」

作者「今回は結構なキャラが出てきたので1位〜5位まで投票してもらいます。1位:5点、2位:4点、3位:3点、4位:2点、5位:1点とつけさせていただきます」

遊輝「質問・投票の方は7月31日まで受け付けます。そして、4周年企画はハーメルン1周年の8月15日にすぴばる・ハーメルン両方に一斉投稿します」

作者「質問や投票の沢山の応募を受け付けています!!」

遊輝「それじゃ、またね〜〜


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第98話 氷結界の神 降臨!!

最強カードの紹介〜〜!!!

クロウ「・・・・何だこの話?」

いや〜・・・・・響って運動神経が鬼畜という付箋を何回かやったんだけど、よく考えたら実際にどれだけ凄いのかというのを載せてなかったな〜と思って。

クロウ「それで書いた?だったら俺の話を載せろよ!!」

だってぇ・・・・原作の話は絡みづらい上にどう考えてもあれは平日の昼間だろ?学生は学校に行ってるのが当たり前だし・・・・・

クロウ「俺まだ1回しかデュエルしてないぞ!!」

んなこと言ったらすみれさん1回もデュエルしてないぞ。まぁあの人のデュエルの話は無いつもりなんだけど・・・・

クロウ「誰だ?すみれって?」

茜のお母さん、

クロウ「・・・・あ〜〜、あれか」

?知ってるの?会ったこと無いだろ?

クロウ「たまたま見た番組に映っていた」

ふ、ふ〜ん・・・・・最強カードの紹介にいくか。

クロウ「今回はデブリ・ドラゴン!!遊星も愛用しているLv4のドラゴン族チューナーだ!」

ドラゴン族シンクロモンスターのシンクロ素材にしか使用できない且つ、他のシンクロ素材はLv4以外という厳しい制約がある代わりに、墓地から攻撃力500以下のモンスターを効果を無効化にして特殊召喚できる!

クロウ「遊星のデッキみたいに墓地から蘇生したり特殊召喚を多用としているシンクロデッキには好都合だ!

おまけに素材の制約はシンクロモンスターだけなので、★4のエクシーズなら何でも出せるぞ!

クロウ「第98話、デュエルスタート!」


響 side

 

 

ピーーーーー!!!!!

 

「やった!!!勝った!!!」

 

「ありがとう響!!響のお陰で勝てたよ!」

 

今日はバスケ部の助っ人でとある大会に出場、結果は優勝!!決勝の相手は強かったけど、相手のエースが独りよがりで助かったよ!!こっちは私以外にも上手い人はたくさんいるからコンビネーションとエースのマークで勝てたわ!!

 

「くっ・・・・・完敗だわ・・・」

 

「これからみんなで打ち上げに行こう!!祝勝会よ!!」

 

「良いね!!行こう行こう!!」

 

やっぱり部活終わりの打ち上げは最高だよね!!これの為だけに助っ人を引き受けてるんだから!!

 

 

〜〜次の日 放課後〜〜

 

 

「・・・・・・どう?」

 

「悪くは無いけど、ここの『だから』が合わない」

 

「う〜ん・・・・『そして』?」

 

「そっちの方が良いかもね、曲は?」

 

「このサビ前さ、もう少し貯めて『そして』の次の1符でテレキャスだけってのは?」

 

「大サビでテレキャスってどうなのよ?」

 

「いや・・・・・凄いここは聞いて欲しいんだよ」

 

「う〜ん・・・・・・ドラムとシンセを弱くしてみるか・・・・」

 

「奏っち〜〜、後半3曲目の符何処にあるの?」

 

「そっちに渡したわよ」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪!!!!

 

「・・・・・・もう少し間を空けて」

 

「分かった」

 

今日も今日とて部活中。今は文化祭に向けて練習中。この部活、基本的にコンテストみたいなものには出ずにお客さんに披露するだけだからこうやってゆとりを持って曲構成とか練習時間を取れるからいいよね。技術向上にもなるし。

 

♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪!!!

 

「そうそう、それでここの時にロッカバラードで・・・・」

 

「・・・・・あ〜あ、そういう事か。これはちと練習しないとな・・・・」

 

私はスバルのドラムの練習に付き合っている。こう見てもスバルがいない時はたまにドラムをしていたんだからね、技術指導ぐらいは出来るよ。

 

バン!!!

 

「響!!」

 

「あっ、洋子!どうし 「ここに小野寺響っていうのはいるのか!?」・・・・・?誰?」

 

「昨日のバスケの決勝戦にいたチームのメンバーよ」

 

突然扉が開いて何事かと思ったらバスケ部のキャプテンの洋子が息を切らしながら来き、次にアカデミアではない制服を着た女の子が入ってきた。

 

「・・・・・あ〜〜思い出した!!!相手チームのエースだった人!!」

 

「小野寺響!!俺はお前に挑戦状を叩きつける!!」

 

「はい?」

 

「昨日の試合、俺はお前に完膚なきまでに叩きのめされた。だが、俺はバスケ以外にも色んなチームの助っ人をしている。そこでいつも耳にするんだ、「この子も良いけど、小野寺響はもっと凄い」ってな!!」

 

「・・・・・私別に大したことしてないけどな」

 

「(中学2年の女子が日本最速の165km/hを投げる時点で大したことだよ)」

 

「(100m走で10秒切りそうなタイムを叩き出しているのは何処のどいつだよ)」

 

「(テニスや卓球で高等なテクニックで相手を振り回しているのに何言ってるのかね)」

 

「(フルマラソンを2時間8分切るようなペースで走って1時間後にまたフルマラソンで2時間4分台を出すような人の言うセリフ?)」

 

「俺はいつもいつもお前と比較されるのがうんざりなんだよ!!だから、俺はお前に挑戦状を叩きつける!!今から勝負してもらうぞ!!」

 

「ちょっ!?い、いきなり!?」

 

「グラウンドで待ってるぞ!!」

 

そう言って・・・・・・・あっ、名前聞いてなかった。とにかく、バスケ部のエースだった人は出て行った。

 

「・・・・・何か知らないけど行った方が良いかな。ちょっと抜けるね」

 

「良いわよ。私も面白そうだし行ってみるか」

 

「じゃあ俺も」

 

「私も!!」

 

う〜ん・・・・とりあえず体操服に着替えてくるか!

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「にしてもさっきの女の子、『俺』とかいって凄かったよね。髪もショートだし、ボーイッシュっていうか・・・」

 

「遊輝より男らしいね」

 

グサッ!!!!

 

「・・・・・俺だって、俺だって剣道とかスポーツは出来るもん(ボソッ)」

 

「あ〜〜あ・・・・・(汗)」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「・・・・・来たな」

 

「来るも何も・・・・・受け取った勝負からは逃げないよ」

 

更衣室で着替えてグラウンドに行くと、私に挑戦状を叩きつけた女の子がグラウンド中央を堂々と仁王立ちしていた。周りの部活がぜんぜん練習していないのが少し気になるけど・・・・

 

「最初は持久走からだ。15分間でこのグラウンドを何周するか勝負だ」

 

「まぁ・・・いいよ。レミ〜〜!!!カウントよろしく!!」

 

「はいは〜い」

 

朝礼台に登って立っていたレミに周回数のカウントのタイムを頼む。私ともう一人の女の子はスタート地点に並ぶ。端にはスバルが白の旗を持っていた。

 

「行くぞ・・・・位置について、ドン!!」

 

白い旗が上から下に上がるタイミングと同時に相手の方はスタートダッシュをかけた。私も遅れないようにと相手の真横にピタリとつく。

 

「(フッ、私のスピードに付いてきたか。しかし、このスピードを15分も付いていけない)」

 

う〜ん・・・・・・・何というか・・・・・

 

「・・・・遅いねぇ!先行くよ!!」

 

「えっ!?ちょっ!?」

 

あんまりにも遅すぎたのでいつものペースに上げ、直ぐに離す。ほぼ全速力に近いスピードで走っていき、体幹感覚20秒でグラウンドの半分を走り抜く。

「(な、何てスピードで走るんだ!?あんなスピードで15分も持つのかよ!?)」

 

体幹感覚感覚40秒過ぎでグラウンド1周。このグラウンド1周400mだから・・・・・・まぁ20周近くかな。

 

 

(*豆知識・・・400m40秒近くの凄さ、400m走の世界記録が43秒18。つまり響は世界記録に近いタイムのスピードで15分間走り抜くのだ)

 

 

「ほっほっほっほっ・・・・・・・・・」

 

「くっ・・・・ま、負けられるか!!」

 

「(あっ、馬鹿・・・・・・響のスピードに付いていけるかよ・・・・)」

 

 

〜〜10分後〜〜

 

 

「ゼェ・・・・ゼェ・・・・・ゼェ・・・・」

 

「ほっほっほっほっほっ・・・・・・・・」

 

「あ〜あ・・・・・」

 

「止めさせた方が良いんじゃない?」

 

「響のスピードに付いていこうとするから・・・・・」

 

「響!!!ストップストップ!!!」

 

「うん?」

 

レミの大声が聞こえたので何事かな〜〜と思って走るのを止める。大体4周目ぐらいから周回で抜かしたのは覚えているけど、あの後何周抜かしたのか全く覚えてない。

 

「これ以上は相手が無理!!」

 

「ゼェ・・・・ゼェ・・・・ゼェ・・・・」

 

相手の方をよく見ると足が1歩出るのに相当苦労していて今直ぐにでも膝に手がつきそうなくらい疲れていた。

 

「えぇ〜〜、私まだ行けるのに」

 

「(あ、あのスピードであれだけ走っているのにまだ行けるだと!?)くっ・・・・じ、持久走は負けだ、次だ・・・」

 

「おいおい・・・・せめて5分くらい休憩してからにしないと」

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・つ、次は瞬発力だ・・・ゼェ・・ゼェ・・・は、走り幅跳びだ・・・」

 

「まぁ良いよ」

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・せ、先行はお前でいい」

 

何か疲れている相手に先行を譲ってもらった。う〜ん・・・こういうのって後の方が有利だから嫌なんだけど相手があの調子だしね。砂場に移動したあと、軽く屈伸運動して膝に溜まった乳酸を施す。その間に遊輝たちが助走の位置と飛ぶ位置を決めるなどの準備をしてくれる。

 

「・・・・こんなもんか。何回飛ぶんだ?」

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・る、ルール通り3回だ」

 

「わかった。交互でやれよ。響!!」

 

「はいは〜い」

 

遊輝たちが作ってくれた助走路の白線の中に入り、自分の助走をつけるスタート地点を確認する。

 

「(・・・・ここかな)じゃあいっくよ〜〜!!」

 

ピンポイントと思う場所を見つけ、そこから2,3歩下がり一気に加速して飛ぶ。踏切台で右足に思いっきり力を込めて飛び両腕を奥へやるような動作で飛ぶ。

 

「・・・・・・・8m90だな」

 

「は、8m90!?!?嘘だろ!?」

 

(*豆知識・・・・・走り幅跳びの世界記録は8m95)

 

「はい、次どうぞ」

 

「ぐっ・・・・・・・・おんりゃ!!」

 

息が整った相手の方も助走路の一番端からトップスピードで助走を付けて飛ぶ。でも、歩幅が合わなかったのか踏切台の50センチ後ろで飛んでしまって見た感じあんまり記録が伸びていない。

 

「・・・・・5m16」

 

「ぐっ・・・・・ぜ、全然足元にも及ばねぇ・・・・」

 

「次、響の2回目だよ!!」

 

「は〜い」

 

う〜ん・・・・・ちょっと助走の距離が長かったからもう少し前から始めるか。

 

「(・・・・・うん、この辺)じゃあいっくよ。・・・・・・とりゃぁ!!!!」

 

「・・・・・・・8m96」

 

「(な、何でこいつはこんな平然に世界記録レベルをポンポンと出せるんだ!?)」

 

「次!!」

 

「お、おう・・・・・」

 

〜〜(1時間後)〜〜

 

「ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・」

 

「フゥ〜〜、こんなものか」

 

「あ〜もう・・・・見てられないぜ」

 

あれから・・・・休憩挟みながら4種目やってきたのかな?全部私が相手に完勝した。相手もすごいんだけどねぇ。

 

「おい、そこの人。これ以上やっても無駄だと思うけど」

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ま、まだだ。さ、最後にこいつだ」

 

息絶え絶えの相手がグラウンドの端に置いてあったカバンのところまでヨレヨレで歩いていき、中からデュエルディスクを取り出してきた。

 

「い、いくら運動神経が良くてもデュエルが強いとはかぎらない。これで決着を付けてやる!」

 

「ハァ・・・・まぁ良いけど、ちょっと待って。デッキとデュエルディスク持ってくるから」

 

こんな事になるんなら部室に置いておくんじゃなかった・・・・・

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「よいしょっ、待たせてごめんね。準備できたよ」

 

「こ、これで決着を付けてやる・・・・」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 4000 女の子 LP 4000

 

「先行は俺がもらう!ドロー!」

 

女の子 手札 6枚

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!この効果でデッキからフィールド魔法を手札に加える!俺が加えるのはアマゾネスの里!!そしてそのまま発動!」

 

フィールド全体がジャングルに覆われて私たちの周りには昔のひとが済みそうな木や藁で作られた家が建ち並ぶ。

 

「こいつはフィールドの《アマゾネス》モンスターの攻撃力を200ポイントあげる!アマゾネスの鎖使いを守備表示で召喚してターンエンド!」

 

 

女の子 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

アマゾネスの鎖使い 守1300

【魔法・罠ゾーン】

アマゾネスの里 (フィールド)

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「魔法カード、氷結界の紋章!デッキから《氷結界》とついたモンスターを手札に加える!氷結界の破術師を手札に加えて、次に増援!デッキから戦士族モンスターを手札に加える!E・HERO エアーマンを加えてそのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果でデッキから《E・HERO》1体を手札に加える!オーシャンを加えて、バトル!エアーマンでアマゾネスの鎖使いに攻撃!」

 

エアーマンがアマゾネスの鎖使いを攻撃、アマゾネスの鎖使いは破壊されるけどその時に鎖を投げて私の手に当てて手札を上へ投げ飛ばした。

 

「いった!?何するのよ!!」

 

「アマゾネスの鎖使いは戦闘で破壊された時、1500ポイント払うことで相手の手札を見てその中からモンスター1体を自分の手札に加えることができる!」

 

「えっ!?ピーピング効果!?」

 

 

響 手札

・E・HERO オーシャン

・デブリ・ドラゴン

・氷結界の破術師

・ワンダー・ワンド

・聖なるバリア〜ミラー・フォース〜

・氷結界の意思

 

「(大したカードないわね・・・)E・HEROオーシャンをもらう」

「くっ・・・・はい!」

 

手札を全部見られたからミラー・フォースも伏せ辛いわね・・・・

 

「さらにアマゾネスの里の効果!《アマゾネス》モンスターが戦闘またはカード効果で破壊され墓地へ送られた時、破壊されたモンスターのレベル以下の《アマゾネス》モンスターをデッキから特殊召喚する!アマゾネスの聖戦士を特殊召喚!」

 

アマゾネスの聖戦士 攻1700

 

「アマゾネスの聖戦士は自分フィールドの《アマゾネス》1体につき攻撃力が100ポイントアップする!さらにアマゾネスの里の効果で200ポイントアップ!」

 

アマゾネスの聖戦士 攻1700→2000

 

リクルーターで2000!?エアーマンが破壊されるじゃない!!

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

響 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

女の子 手札 6枚

 

「伏せカードも手札を見た今は強くない!速攻魔法、サイクロン!そのミラーフォースを割るぜ!」

 

「くっ!!」

 

「そしてオーシャンを召喚!」

 

E・HERO オーシャン 効果で1500

 

「バトル!アマゾネスの聖戦士でエアーマンに攻撃!」

 

アマゾネスの聖戦士 攻2000

E・HERO エアーマン 攻1800

 

響 LP 4000→3800

 

「次にオーシャンでダイレクトアタック!」

 

響 LP 3800→2300

 

「よし!カードを伏せてターンエンド!」

 

 

女の子 手札 4枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

アマゾネスの聖戦士 攻2000

E・HERO オーシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

アマゾネスの里 (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 5枚

 

ピーピングは焦ったけどオーシャンで助かったわ・・・・・デブリドラゴンとか破術師の方が結構痛かったから。

 

「氷結界の破術師を召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

 

「装備魔法、ワンダー・ワンドを装備!装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」

 

氷結界の破術師 攻400→900

 

「たかが500ポイントあげたところでオーシャンにすらかなわないぞ」

 

「ワンダー・ワンドのさらなる効果!このカードと装備モンスターを墓地に送って2枚ドローする!」

 

響 手札 3枚→5枚

 

・・・・あっ、良いのきた。

 

「手札の沼地の魔神王の効果!このカードを手札から捨ててデッキから融合を手札に加える!さらに魔法カード、二重召喚(デュアルサモン)!これでもう一度通常召喚権を得る!チューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

「デブリ・ドラゴンの効果!召喚時、墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を特殊召喚する!沼地の魔神王を特殊召喚!」

沼地の魔神王 攻500

 

「これでLv7・・・」

 

「まだよ!魔法カード、氷結界の意思!墓地のLv4以下の《氷結界》と名のついたモンスターをゲームから除外して、デッキから除外したモンスターと同じレベルの《氷結界》と名のついたモンスター1体を攻撃力・守備力を0に、効果を無効化にして特殊召喚する!Lv3の氷結界の破術師を除外して2体目の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻/守 400/1000→0/0

 

「Lv3の氷結界の破術師と沼地の魔神王にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 + ☆4 = ☆10

 

「氷の洞窟の奥に封印されし隠された龍が、トリシューラの咆哮と共に共鳴する。悠然の心を持ち、洞窟から突き抜けろ!シンクロ召喚!貫け!氷結界の龍 ロンギヌス!」

 

氷結界の龍 ロンギヌス 攻2300

 

デブリ・ドラゴン、沼地の魔神王、氷結界の破術師が一つとなって現れたのは綺麗な一本角をしたロンギヌスだ。

 

「ロンギヌスの効果!シンクロ召喚時にこのカードはに使ったシンクロ素材の数まで相手フィールドのカードを墓地に送る!」

 

「何だと!?」

 

「オーシャンと聖戦士、それにその伏せカードよ!アイス・ライジング!」

 

「ぐうっ・・・チェーンで速攻魔法、収縮!ターン終了までロンギヌスの攻撃力は半分になる!」

氷結界の龍 ロンギヌス 攻2300→1150

 

収縮によってロンギヌスの身体が小さくなったけど、相手フィールドにいたモンスター全員と伏せカードだった収縮は凍りついていき、粉々に砕け散った。

 

「仕方ないわね・・・・バトル!ロンギヌスでダイレクトアタック!フリージングウェーブ!」

 

女の子 LP 2500→1350

 

「きゃあ!!」

 

「(・・・・以外と女の子らしい一面もあるんだね)カード1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 1枚 LP 2300

【モンスターゾーン】

氷結界の龍 ロンギヌス 攻1150→2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「くぅ・・・私のターン、ドロー!」

 

女の子 手札 5枚

 

「(くそう・・・・モンスターばっかり塊やがって・・・・一応ブラフでサイクロンも伏せておこう)モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンドだ・・・」

 

女の子 手札 3枚 LP 1350

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

アマゾネスの里 (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 2枚

 

・・・・・あ〜、ちょうどグッドタイミングで良いカード引けたわね。

 

「チューナーモンスター、氷結界の術者を召喚!」

 

氷結界の術者 攻1300

 

「Lv10のロンギヌスにLv2の氷結界の術者をチューニング!」

 

「!?れ、レベル12のシンクロ召喚だと!?」

 

☆10 + ☆2 = ☆12

 

「古の三龍が一つになりて、絶対零度の神が神殿から降臨する!シンクロ召喚!世界を凍結させろ!氷結界の神龍 ヴォルガルス!!」

 

氷結界の神龍 ヴォルガルス 攻3000

 

上空に出来た雲にロンギヌスが入っていき、ロンギヌス自身の身体が分厚く凍りついていく。その後、分厚くなった氷に術者が2つの輪になってその氷と一つになるとピキピキという音とともに分厚い氷が少しずつ割れる音が聞こえる。そして、氷が二つに割るとロンギヌスの代わりに新たな龍が姿を現した。全身が水色の鱗で覆われて身体の中央部からは大きな一対の翼を羽ばたかせる。首は3つあって尻尾は大きなものが2つある。

 

「氷結界の神龍 ヴォルガルスの効果発動!このカードのシンクロ召喚成功時、相手フィールドのカードを全てゲームから除外する!」

 

「な、何だと!?」

 

「悪魔の咆哮で凍りつかせて異次元の彼方で粉々になれ!ヘルフローズンブレス!!」

 

ヴォルガルスの3つの頭の内、中央にある頭から稲妻のような冷凍光線が相手フィールドに放たれて、相手のフィールドは全てが凍りついた。そして、残りの左右の顔から普通の光線が撃たれて相手フィールドのカードを粉々に砕け散った。

 

「これで最後よ!氷結界の神龍 ヴォルガルスでダイレクトアタック!エターナルブリザード!!」

 

ヴォルガルスの3つの頭からエネルギーが溜められて、強力な冷凍光線が相手に向かって放たれた。

 

「う、うわあああああ!!!!!!!」

 

女の子 LP 1350→0

 

 

WIN 響 LOS 女の子

 

 

「く、くそう・・・・・デュエルでも勝てなかった・・・・・」

 

デュエルで負けたショックなのか相手は膝を地面についてしまっている。

 

「ふぃ〜〜・・・・あ〜疲れた」

 

「くそう・・・・結局俺は小野寺に何にも勝てないのか・・・・」

 

「別にそんなこと気にしなくていいと思うぞ」

 

「えっ?」

 

相手がショックで凹んでいる時に遊輝が近づいてそう言ってきた。

 

「まぁ確かに結果が求められるスポーツの世界だと優越の差が出てしまうのは仕方ないことだけど、何もそれだけで決まるわけじゃないんだからさ。チームワークに個人のメンタル、頭脳プレイとか、その辺を見ている指導者はちゃんと見ていると思うぞ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「それに、響だって全知全能なわけないんだし、事実、この前の中間も赤点の教科3つもあったし」

 

「遊輝いいいいい!!!!!!それは言わないで!!!!!」

 

あれのせいで私1週間も補講受ける羽目になってもう大変だったんだから!!

 

「だからさ、そんな他人と比較して自分の劣っている部分だけ見なくても勝っている部分を見つけてそれを武器に戦うのもアリだと思うぜ」

 

「・・・・・・・・・・・またな。今度はコテンパンにしてやるよ」

 

遊輝の話を聞いた相手(結局最後まで名前聞いてなかった・・・・・)は何か考えて、直ぐに立ち上がりカバンを持って帰ってしまった。

 

「やれやれ・・・・・無愛想な奴だな」

 

「もう来なくていいよ。疲れるだけだから・・・・」

 

「もう時間も時間ね・・・・・今日はこれまでにしましょう」

 

グラウンドから見える時計はもう6時前、結局この日はこの訳の分からない出来事で1日が終わってしまった。




魔理沙「随分久しぶりだぜ!」

遊輝「ここんところ作者の用事ばっかで出番がなかったからな。お前一人だけ?」

魔理沙「いや、もう一人きているぞ」

パチュリー「初めまして、パチュリー・ノーレッジよ。普段は紅魔館の図書館で過ごしているわ」

遊輝「・・・・・分かるの?」

パチュリー「魔理沙やフランから話を聞いているからある程度ね」

響「何か・・・・・・ひ弱そうな身体」

パチュリー「・・・・・否定できないわね」

魔理沙「何か凄い記録ばっか出していたけどあれってそんなに凄いのか?」

遊輝「じゃあおまえやってみたらいいだろうが。持久走15分、響のペースで走ってみろ。飛ぶなよ?」

魔理沙「もちろんだぜ!」

〜〜数分後〜〜

魔理沙「ゼェ・・・・ゼェ・・・・む、無理・・・・・・」

遊輝「なっ、どれだけ凄いか分かるだろ?」

魔理沙「お、おぅ・・・・ゼェ・・・・ゼェ・・・・・」

響「普通なのにな・・・・・」

パチュリー「・・・・これを見る限り普通ではないわね・・・」

遊輝「それじゃ今回出たオリカの紹介に行きますか」

響「今回はメタルダイナスさんから頂いたオリカを作者が改良しました。今回は余裕があるので原案を載せて何でこうしたのかを言っていきたいと思います」


《改良》

氷結界の神龍 ヴォルガルス ☆12
水属性 ドラゴン族 攻3000 守2000
チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上
①このカードがシンクロ召喚に成功した場合、相手のフィールド上のカードを全て除外する。
②このカードがフィールド上に存在する限り、このカード以外の「氷結界」と名のついたモンスターは戦闘及び相手の効果では破壊されない。


《原案》



氷結界の神龍 ヴォルガルス ☆12
水属性 ドラゴン族 攻4000 守2000
チューナー+チューナー以外の「氷結界」と名のついたモンスター2体以上
①このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上のモンスターを全て墓地に送る。
②このカードがフィールド上に存在する限り、このカード以外の自分フィールド上の「氷結界」と名のついたモンスターの攻撃力は200ポイントアップし、戦闘及び相手の効果では破壊されない。
③このカードが墓地へ送られた場合、墓地の「氷結界」と名のついたモンスター1体を効果を無効化にして特殊召喚する。



魔理沙「・・・・かなり弄っているぜ」

遊輝「まず、氷結界の龍というのが一番の大きな所で、氷結界の龍のシンクロモンスターというと極悪カードばっかりなんだよ。ブリューナク・トリシューラ、この小説のオリカだとロンギヌス、グングニールも結構悪いけどな」

響「それで考えた時に『やっぱり氷結界の龍、しかも神なんだから鬼畜にしないとダメだよな』ということでシンクロ召喚時の効果をかなり強くしました」

遊輝「その代わり、その代償として攻撃力を下げて③の効果を無くしました。③の効果は下手したら、こいつが不死身だから」

パチュリー「どういうことかしら?」

魔理沙「《このカード以外》とか《○○以外》って書いてないからだぜ」

遊輝「その通り、このままの効果だとこいつ自身が蘇生してしまうからな。それに氷結界の龍は基本的に切り札的カードでトドメを刺すのに向いているカードだと考えたから③の効果は無くしたという訳」

響「攻撃力も『①の効果をかなり強くしたんだからそれなりに下げないと』ということで1000ポイント下げました」

遊輝「次にシンクロ素材、これも氷結界の龍の特徴上、出しやすいようにしようとしたんだけど・・・」

パチュリー「だけど?」

遊輝「まぁこんな化け物モンスターがあまりにも出しやすくしてはダメだということと、響のデッキにレベルの関係上合わないということからこういうことになったの」

響「知らない人にいうと、氷結界ってLv6と7のシンクロモンスターは出しやすいけど、Lv9以降ってかなり難しいの。トリシューラを出せない要因もそこでなかなかレベルが合わないのよ」

遊輝「Lv10なら辛うじて合うから作者がロンギヌスを作った訳」

魔理沙「へぇ・・・・・」

遊輝「とまぁ・・・・改良した訳で、感想に入ると・・・・何だこの化け物カード?」

響「酷い!!!さっき出しにくい言ったくせに!!」

遊輝「どう考えても化け物カードだろ・・・・シンクロ召喚に成功したら相手のフィールド全部除外って・・・・」

魔理沙「チューナーの縛りがシンクロモンスターを素材にするぐらいだからな・・・・」

パチュリー「切り札というには持ってこいというカードね」

遊輝「まぁ、さっき言った通り、☆12のシンクロって案外難しいし、出来たとしてもほとんどが『クェーサーで良いじゃん』ということになるだろうし・・・・」

響「もう・・・次回はちゃんと予告があるよ!」

魔理沙「次回は【遊星が誘拐!?侍従の覚悟vs聖刻』」

響「(あっ・・・・・これ結果見えた)」

パチュリー「次回もよろしくね」


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第99話 遊星が誘拐!?侍従の覚悟vs聖刻

最強カードの紹介〜〜

スバル「・・・・おい、今回の話は物語の上で重要なんだろ」

いやねぇ・・・・聖刻使ってたらこうなりますよ。

スバル「こんな大事な話に聖刻なんてデッキチョイスするなよ」

いや、1killしても面白くないから載せてなくてもそろそろ載せないと読者、忘却の彼方にいくよ?

スバル「第一、プラチナを生かすんだったら【ギャラクシー】でいいだろ?」

もうこうなったら意地でも聖刻を使う。

スバル「(・・・・・ダメだこりゃ)」

最強カードの紹介に行きましょう!今回はギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン!!

スバル「★8の大型エクシーズモンスターで☆8×3と重いが、【ギャラクシー】と名のついたエクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できるぞ!」

装備カード2枚をエクシーズ素材に加えられるけど、これはほとんど考えたくて一番のメイン効果はエクシーズ素材を取り除いて相手フィールドの表側表示のカードなら何でも破壊できる!ギャラクシーのエクシーズモンスターは★8が多いため、★8を主流に扱うデッキなら除去カードと高攻撃力カードとして入れるのもアリだぞ!

スバル「第99話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


遊輝 side

 

 

「そっちは!?」

 

『ダメ!!怪しい者なんて見つからない!!』

 

「そうか・・・・・じゃあ今度は山の方を頼む!」

 

『分かった!』

 

画面を切ったあと、チッと舌打ちを打つ。

Dホイールに写ってていた響の連絡を受けた俺は支持を出す。1時間前・・・・・アキさんから遊星が何者に捕らわれたという連絡を受けた俺たちはすぐにDホイールに乗り込んでシティ全体を捜索している。クソ・・・・すっかり忘れていたぜ、確かシティの高速を走った記憶があるがどこの高速を走っているのか全く分からない。

 

「(どこだ・・・・何処にいるんだ・・・・)」

 

『マスター!!見つかりました!!ウエストバレー地区です!!』

 

「マジか!?ここからだったらめっちゃ近いじゃないか!!サンキューダイヤ!!飛ばすぞ!!」

 

横にいたダイヤの魔法のお陰で遊星が近くにいることが分かり、すぐにDホイールのエンジンをつけてフルスロットルで飛ばす。

 

「(ウエストバレー地区はここだ。問題はどこの)「遊輝!!」うん?・・・・セキュリティの車?」

 

「私よ!!」

 

「アキさん!?」

 

遊星を探すためにウエストバレー地区の高速を駆け回っていたら後ろからセキュリティの車が来て俺の横に並走、横に顔を向けると助手席にアキさんが座っていて狭霧さんが運転をしていた。

 

「遊輝!!あなたはどうやってここに!?」

 

「ダイヤの情報!!アキさんは!?」

 

「私たちは謎の人がセキュリティの無線をジャックして教えてくれたの!!ダイヤの情報ということはこの情報は正しい〈ピキーー!!〉あ、痣が光りだした!?」

 

「アキさん!!遊輝さん!!下のハイウェイに怪しいトラックが走っています!!」

 

俺とアキさんの痣が赤く光り出すタイミングと同時に狭霧さんが下のハイウェイにいたトラックを見つける。すぐさま車線を変えて下のハイウェイに入り、トラックの後ろに付ける。

 

「間違いない!!あのトラックの中に遊星がいる!!」

 

「よし・・・・狭霧さん!!能力の許可を!!」

 

「使っていいわ!!誘拐犯相手だから思いっきりやっちゃって構わないわ!!」

 

「行くぞ・・・・・サン・フレア!!」

 

ドーーーーーン!!!!!!

 

狭霧さんから能力使用の許可を得た俺は中サイズの太陽を2、3個作りトラックの扉にぶつける。コントロールしてぶつけたので扉だけが吹っ飛んでいく。中には遊星と遊星のDホイールがいた。

 

「遊星!!無事だったのね!!」

 

「アキ!!遊輝!!」

 

「遊星!!Dホイールに乗って今すぐとび降りろ!!」

 

「分かった!!」

 

すぐに遊星がDホイールに乗り込んでトラックから飛び出した。すぐさま俺は超特大の太陽を一つ、頭上に出す。

 

「ヘル・サン・フレア!!!」

 

ドーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!

超特大の太陽はそのままトラック全体に行き渡るようにぶつけた。トラックはそのまま燃え上がった走り、高速のレーンを突き破って海へ落ちていった。それを見た俺と狭霧さんはDホイールと車を止める。

 

「派手にやってくれたわね・・・・また始末書ね(汗)」

 

「さ、狭霧さん・・・・ドンマイです(汗)」

 

「遊星!!無事か!?」

「ああ、助かったぜ」

 

Dホイールに乗っていた遊星がこっちに近づいて止まる。俺は遊星に近づいて無事を確認する。とにかく・・・・・何事もなかったのが一番だ。

 

「遊星!!大丈夫!?」

 

「ああ、皆に迷惑を掛けてしまったな」

 

「・・・・あなたが不動遊星ね」

 

「!?誰だ!?」

 

アキさんが車から降りてきたところで突如後ろから声が聞こえたので全員そっちの方を向く。見ると、西洋の鎧のような装飾をモチーフにしたDホイールとリムジンみたいな形をしたDホイールの2台が現れてきた。

 

「・・・・・・・・」

 

「おい、お前誰なんだよ」

 

「・・・・デュエルしましょう。そうしたら名前を名乗ってあげるわ」

 

「悪いがそんな事している状況ではじゃない」

 

「良いのかしら?(ポチッ)」

 

『『DUEL MODE AUTOPILOT STANDBY』』

 

「なっ!?強制的にデュエルモードしただと!?ていうか俺も!?」

 

「あなたには彼と戦ってもらうわ」

 

「・・・・・チッ、やらなきゃいけないのか」

 

「・・・・・みたいだな。遊輝」

 

「分かってる、勝ってやるさ」

 

どうにもできない状況になったので俺と遊星はヘルメットを被ってDホイールに乗り込む。

 

「アキ、すまないが先に帰ってくれないか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「アキ?どうしたんだアキ?」

 

「・・・・遊星、私もこのデュエル、遊星の間近で見たい」

 

・・・・・・・・あっれぇ〜〜???何かこのアキさん、すっごいDホイール乗ることに積極的なんだけど???そりゃ、俺が誘拐犯のトラックを粉々にしたから遊星のDホイールにのる機会が無くなったけど・・・・・

 

「ダメだ!!危なすぎる!!」

 

「それでも良い!!一度感じてみたかったの!!ライディングデュエルの世界を!!」

 

「・・・・・わかった。その代わり、危ないと判断したら降りてもらう。狭霧さん、すまないが俺の後ろについてきてくれないでしょうか?」

 

「分かったわ。私もそのDホイーラーとさっきの誘拐犯の関係性を問いたださなきゃいけないと思っていたところよ」

 

遊星がシートのところを持ち上げて予備のヘルメットをアキさんに渡す。アキさんはそれを被り、遊星のDホイールの特徴的な弓みたいになっているルーフのところに手をかけてシートの上側部分に座り上半身を乗り出している態勢に座る。

 

「しっかり捕まっていろよ」

 

「フフフ・・・・・やる気になったみたいね。私は遊星、あなたは彼とデュエル、さきに私と遊星から始めましょうか」

 

鎧のようなDホイールに乗ったDホイーラーと遊星が先に走り出す。狭霧さんもその後を追う。そして5分後・・・・・

 

「では、私たちもやりましょうか」

 

「・・・・手加減しねぇぞ。速攻でケリをつける」

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

遊輝 LP 4000 謎のDホイーラー LP 4000

 

スタートダッシュはほぼ同じ、スピードも同等で並行して走っていたが第一コーナーは相手が内側だったため、相手が前に出てしまう。

 

「先行は私だ。私のターン」

 

謎のDホイーラー 手札 6枚

 

遊輝 SPC 0→1

謎のDホイーラー SPC 0→1

 

「不死武士を守備表示で召喚。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

謎のDホイーラー 手札 4枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

不死武士 守600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 1→2

謎のDホイーラー SPC 1→2

 

不死武士・・・・ってことは戦士族デッキだな、ていうか原作の邪魔するから突っ込まなかったけどミゾグチさん、よくあんなあっつい格好でDホイールに乗るな・・・・ともかく不死武士ならこのターンは貯めよう。

 

「カードカー・Dを召喚!カードを3枚伏せてカードカー・Dの効果!召喚したメインフェイズ1にこいつをリリースして2枚ドロー!そしてエンドフェイズになる!ターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚→4枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

謎のDホイーラー 手札 5枚

遊輝 SPC 2→3

謎のDホイーラー SPC 2→3

 

「あなたが攻めないのならば私が先に攻める!チューナーモンスター、復讐の女戦士 ローズを召喚!」

 

復讐の女戦士 ローズ 攻1600

 

「不死武士を攻撃表示に変更してバトル!まずは不死武士でダイレクトアタック!」

 

遊輝 LP 4000→2800

 

「続いて復讐の女戦士 ローズでダイレクトアタック!」

遊輝 LP 2800→1200

 

不死武士、ローズと連続攻撃で一気に俺のライフが削られる。さらに一度攻撃してきたローズが短刀に持ち替えて再び俺を切りつける。

 

遊輝 LP 1200→900

 

「復讐の女戦士 ローズは相手に戦闘ダメージを与えた時、さらに300ポイントのダメージを与える!」

「こっちもリバースカードオープン!罠カード、ショック・ドロー!このターン、俺が受けたダメージ1000ポイントにつき1枚ドローする!3100のダメージを受けたから3枚ドロー!」

遊輝 手札 4枚→7枚

 

「メインフェイズ2、私はLv3の不死武士にLv4の復讐の女戦士 ローズをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「2つの刃交わりし時、ここに忠義の刀が現れる!我に従えよ!シンクロ召喚!現れろ!不退の荒武者!」

 

不退の荒武者 攻2400

 

ローズと不死武士が一つとなって出てきたのは胴体部分に防弾チョッキみたいな見た目をした黒い服をきて下はズボンで足首部分から細長い鎧みたいなものを身につけ、左手には日本刀、右手には西欧の騎士が持ちそうなレイピアの大剣だ。

 

「私はさらにカードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

謎のDホイーラー 手札 3枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

不退の荒武者 攻撃2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「(私の伏せカードは侍従の覚悟と返しの刃、不退の荒武者は自身の攻撃力よりも高いモンスターと戦闘する時に自身は破壊されずに相手のモンスターを破壊、侍従の覚悟はバトルフェイズ中にモンスターを破壊すれば破壊したモンスターの攻撃力分のダメージ、返しの刃は戦闘で破壊したモンスターよりもレベルの低いモンスターを破壊して互いにダメージを与えるカード。さぁ、この布陣を貴方は突破するのでしょう)」

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 8枚

遊輝 SPC 3→4

謎のDホイーラー SPC 3→4

 

「スタンバイフェイズ、罠カード、トラップ・スタン!このターン、こいつ以外の罠カードの効果は全て無効となる!」

 

「何!?(くっ、侍従の覚悟が使えない・・・)だが、不退の荒武者は自身よりも攻撃力が高いモンスターと戦闘をした時、このカードは破壊されずに戦闘したモンスターを破壊する!」

 

「だったら戦闘以外で破壊すればいいんだよ!聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

「こいつは相手フィールドにモンスターがいて自分フィールドにモンスターがいなかったら特殊召喚できる!トフェニドラゴンをリリース!真魔獣 ガーゼットを特殊召喚!」

 

真魔獣 ガーゼット 攻0→2100

 

トフェニドラゴンが消えて俺の頭上に身体中に体毛を生やして、頭には数個の目玉がある魔獣が現れる。

 

「こいつは自分フィールドのモンスターを全てリリースして特殊召喚可能!攻撃力はリリースしたモンスターの攻撃力の合計となるがそんなの関係ねぇ!!リリースされたトフェニドラゴンの効果!デッキ・手札・墓地のいずれかからドラゴン族の通常モンスター1体を攻守を0にして特殊召喚する!神龍の聖刻印を特殊召喚!」

 

神龍の聖刻印 攻0

 

「Lv8のガーゼットと神龍の聖刻印でオーバーレイ!」

 

☆8 × ☆8 = ★8

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!時空の名を持つ銀河よ!今こそこの地に舞い降りて、宇宙を轟かせる雄叫びをあげろ!!エクシーズ召喚!オーバーハンドレッド・ナンバーズ!!No,107!!銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)!!」

 

No,107 銀河眼の時空竜 攻3000

 

ガーゼットと神龍の聖刻印がブラックホールに吸い込まれていき、爆発が起きる。現れたのは黒い四角錐の形をした物体で変形していき銀河眼の時空龍が現れる。

 

「(これが噂のエクシーズ召喚・・・・お見事です)」

 

「まだだ!銀河眼の時空龍でオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

「!?再構築!?」

 

銀河眼の時空龍が再び四角錐の形に戻り、ブラックホールに吸い込まれる。今度は黒の光から真っ白い光に変わり辺りを照らす。

 

「銀河の光に導かれし時、新たな力が宿る!天孫降臨!アーマーエクシーズ召喚!駆け抜けろ!ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン!!」

 

ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン 攻4000

 

眩い光から現れたのは黒い機械的な甲冑を被ったプラチナだ。青白い光は身体中から放たれており、存在感はさらに増している。

 

『主、決めに行きますか』

 

「当たり前だ。速攻で蹴りつけると約束したからな。頼むぞ」

 

『分りました』

 

「ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴンの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いて相手フィールドの表側のカード1枚を破壊する!」

 

「何だと!?」

「対象は不退の荒武者!ギャラクシー・サイドワインダー!」

 

ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン OVR 3→2

 

プラチナの羽が大きく羽ばたいて、両翼の丸い所からエネルギーが充填、その二つのエネルギーが不退の荒武者にむかって放たれる。2本の刀で受け構える姿勢をとった不退の荒武者だけど、エネルギーに飲み込まれていき破壊されてしまった。

 

「・・・・お見事です」

 

「ラスト!ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴンでダイレクトアタック!壊滅のフォトン・ストリーム!!」

 

謎のDホイーラー LP 4000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 謎のDホイーラー

 

 

 

デュエルが終わり、Dホイールを止める。相手も俺の横に止めてヘルメットを取る。

 

「ふぅ〜〜・・・・」

 

「お見事です。さすが、シェリーお嬢様が見込んだ甲斐があります」

 

「シェリー・・・・」

 

「遊輝!!」

 

「ん?・・・・遊星!!」

 

後ろから遊星たちがやってきてDホイールを止めた。相手のDホイーラーもヘルメットを取る。

 

「どうだった?ミゾグチ」

 

「完敗です。さすがシェリーお嬢様が見込んだ者です」

 

「(・・・・知ってるけど分からない振りしておかないとな)どういう事だ、ていうかお前誰だ?」

 

「私はシェリー・ルブラン。イリアステルに復讐を誓っているDホイーラーよ」

 

「イリアステル・・・・・・・」

 

「どうやら貴方は知っているそうね」

 

「多少な(転生者だから・・・・なんて口が裂けても言えないぜ)」

 

「なら話が早いわ。私はイリアステルに復讐しようとしている。その為には仲間が欲しいの。本当なら不動遊星に頼もうとしたけど断われてね、だからミゾグチに頼んで貴方とデュエルしてもらったの」

 

「試していたってわけか」

 

「そういう事、ミゾグチの様子から貴方の腕は十分分かったわ。だから今度は貴方にお願いする」

 

「却下、いくら相手が危ない組織で憎くても復讐する奴に加担はしたくない。それに俺にはもう仲間がいる。殺るんだったら俺は仲間と潰す」

 

「・・・・・そう、残念だけど貴方の意思は固そうね。仕方ない、貴方も諦めるわ」

 

そういったシェリーはヘルメットを被りDホイールのエンジンを掛ける。すでにミゾグチの方も出発の準備は出来ているみたいだ。

 

「じゃあね、また会いましょう」

 

その言葉を残してシェリーとミゾグチは去っていった。

 

「ふぅ〜・・・・なんか疲れたぜ」

 

「すまない遊輝、俺が注意していれば」

 

「気にしなくていいよ。注意うんぬんかんぬんしてもあのデュエルだけは避けて通れそうにはなかったみたいだし」

 

「そうだな・・・・・シェリー・ルブラン、大会で会うんだろうか」

 

「かもな・・・・それより早く帰ってジャック達に顔を見せてきたらどうだ。皆心配していたし」

 

「そうだな。アキ、帰るぞ」

 

「・・・・・・・・」

 

「?アキ、どうしたんだ?」

 

「・・・あっ、ごめん。ちょっと考え事していて」

 

「そうか。すまないがまた後ろに乗ってくれないか」

 

「え、えぇ良いわよ」

 

「そう言えば狭霧さんは?」

 

「途中で見失ってしまった」

 

「(・・・・・私も知りたい、スピードの中で風になって、遊星の心を・・・・・その為にもライディングデュエルを・・・)」

 

アキさんを後ろに乗せて、俺と遊星は高速を走っていく。




霊夢「あんた、なっかなか酷いわね」

遊輝「俺は悪くない。フラグを建てた相手が悪い」

咲夜「そういうのを屁理屈っていうのよ」

遊輝「ていうか珍しい組み合わせだな・・・・・・フランと咲夜とかなら分かるけど」

霊夢「私と咲夜しか空いていなかったの」

遊輝「さ、さいですか・・・・(汗)」

咲夜「聖刻というのは大型のドラゴンで戦う1ショットキル・・・・とは聞いてましたけどここまでとは・・・」

霊夢「その分、隙は多そうね」

遊輝「そこはもう手札から妨害するかある程度ダメージを受けるのを覚悟するのか。今回はどちらかと言うと前者型だけど、聖刻として完成度を高めるなら後者にして後攻1ターン目から狙いに行くのがセオリーだな。この世界はライフが4000だから後者だとちと危ないところがあるからね」

咲夜「なるほど・・・・」

遊輝「次回は・・・・・本当なら遊星がアクセルシンクロを初めて見る超重要な回なんですけど、そこはほとんど回想に近い感じにしてアキさんとバンドメンバーの茜のライディングデュエルの試験後から、二人のライディングデュエルの練習の話にしようと思います」

霊夢「【ライディングデュエルの練習 茜vsアキ】もっと良いタイトルなかったの?」

咲夜「次回もよろしくお願いします」


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第100話 ライディングデュエルの練習 茜vsアキ

【謝罪とお知らせ】

え〜・・・・読者の方には大変ご迷惑いたしました。
本当ならさっき出した謝罪とお知らせをそのまま載せたかったのですが投稿した瞬間、「あっ、これダメだ」と気づいて直ぐに消去して本当に申し訳ございません。今回は大変重要なことを書いていますので絶対に読んでください。

私は夜が弱いので気づいたのは朝なんですが、運営から違反メッセージが届き、処置としてこの小説が一定の時間、非公開になっておりました。
私個人はしっかりと運営の対策を読んで違反行為をしないようにと注意していたのですが、引っかかってしまったという事実は変わりません。


しかし、「どこ引っかかったんだ?」とおもって引っかかった話をよ〜く読むと、どうやら私が受けていた質問・人気投票が運営の規則に違反していたと思われます。
よくよく読んでみると、『誘導はしっかりと感想欄以外に誘導するように』と言わなくちゃいけないらしいみたいです。ですので、今後は質問・感想などは誘導をしっかりとしたいと思います。




それとこれを気に皆さんにお願いがあります。


どうやらオリカ・質問などは運営の「設定変更の強制・リクエスト」等の違反になるみたいで、皆さんから頂いた質問・オリカなどが運営によって消されるみたいです。私自身としてはそんなことはあんまり気にしていないですし、何よりもハーメルンに登録されていない方はメッセージ等の機能が使えないのでどうかな〜〜とは思うのですが、運営が違反と見なす以上、こちらは従わなくちゃいけません。


私も運営にこの小説を消されるために書いている訳ではなく、皆様に見てもらいたいという思いを込めて書いています。ハーメルンではグレーゾーンと言われている二次創作の管理をしっかりとしている投稿サイトです。管理者はこのサイトを潰したく無いという思いで運営されているのでうpする側と見る側はある程度のマナーは知っておかないといけないと私は考えております。その私が今回は違反してしまったため、運営の方には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです・・・・・



ですので、これからの質問・人気投票はハーメルンに登録してくださっている読者様は絶対にメッセージ・私の活動報告に投稿するようにお願いします。ハーメルンに登録していない方も私への活動報告なら意見等を述べることはできると思いますのでそちらの方にお願いします。普通の感想なら感想欄でもしっかりと受け付けてくれますし、私は感想を大事にしなくちゃいけないと思うので、できる限りは感想の返信をしています。ただし、あまりにも一方的なことを言われたら無視、もしくは運営にご報告させてもらいますが・・・・


またこれらの意見で私に対して何か言いたい方は今回はご面倒ですがメッセージ・活動報告の方でお願いします。おそらく、少し荒れた文面になると思いますので・・・・・(汗)



今回は本当に申し訳ございませんでした。
質問・人気投票などはまだまだ受け付けておりますが、くれぐれも感想欄ではなくて私への活動報告・メッセージでお願いします。普通の感想なら感想欄で受け付けていますのでよろしくお願いします。】


〜〜〜〜〜〜〜〜〜



最強カードの紹介!!

響「ひっさしぶり!!」

4月の改定に向けてデッキをいじってるんだけど・・・・マジで魔術師どうしよう(汗)

響「Pコールが以外だったよね」

もともと、いつかは規制にかかるだろうと噂されていたけどよりによってこのタイミング?とは思った・・・

響「今回は本当に良改定だよね。まさに新時代到来だよ」

EMEm、EM竜剣士を使っていた身として、やっぱりあれらは規制すべきだったカードだったよ。最強カードに行こうか。

響「今回はその改定で無制限になったグローアップ・バルブ!」

嬉しい反面、制限時に「何でこの時期にこいつ帰って来た?」っていうカードだったな。おかげでナチュビが強かった・・・

響「☆1の植物族チューナー、墓地にいるときにデュエル中に1度だけ、デッキトップを墓地に送って特殊召喚できる、何このチートカード」

シンクロ全盛期、見た瞬間にこいつはもう必須カード扱いとして色んなデッキに入った。グローアップ・ダンディライオン・ロンファ・スポーアは出張セットとして高速シンクロデッキに入っていたよ。

響「第100話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


遊輝 side

 

 

遊星の誘拐事件から数日後・・・・・

WRGPの開催を祝うためのパーティに呼ばれた俺たちシークレットシグナー組とシグナー組はパーティ会場に足を運んでいた。遊星たちはオシャレな格好をしていた(ジャックが異様に気合入れていた・・・)けど俺たちはあいにくそんな服を持ってないためアカデミアの制服で行くしかない。龍亞と龍可は親から買ってもらったためちゃんとした服で行っていたけど。

 

この時の遊星は非常に思い悩んでいた。理由は俺がゴーストの時に戦った『機皇帝』、シンクロモンスターを吸収する効果はまさにシンクロキラーにふさわしく、高速シンクロをテーマにした遊星のデッキでは相性最悪。どうにかして機皇帝への対策へととずっと考えている。この前クロウから聞いたけど、遊星はシンクロ抜きでジャックとライディングデュエルをした。結果はジャックの圧勝に近い勝利、そのことでさらに遊星は追い込まれているらしい。

 

そんな遊星の悩みはこのパーティで起きたとあるDホイーラーの暴動・・・・・・この時に現れた謎のDホイーラーが遊星の考えを変えた。暴動を起こしたDホイーラーは突然現れたゴーストのせいで大怪我を負ってしまったが、俺たちはそんなこと関係ない。その謎のDホイーラーが遊星にデュエルを挑んできた。そして、謎のDホイーラーはシンクロモンスター同士でシンクロ召喚をする・・・・・アクセルシンクロを遊星に見せた。

 

デュエル自体は遊星が勝った・・・・というより相手が遊星に勝ちを譲ったという言い方が正しい。相手もアクセルシンクロを見せてはくれたが情報はそう教えてくれない。この後は遊星の努力次第というところだ。

 

 

あとはこのパーティの直前からアキさんがDホイールのライセンスを取るために教習所に通い始めた。何というか・・・・アニメで見たけど何か凄いライディングスーツだなぁ・・・・と思った。実戦練習では口だけの男達のグループに紅一点という形で入ったが飲み込みは早かったため実技はクリア、筆記の方も早々とクリアして卒業試験へとコマを進めた。卒業試験の相手は牛尾さんで途中、トラブルもありながら何とかデュエルに勝利することができ、晴れてライセンスを取れた。

 

 

今日はそんなアキさんの練習初参加の日、場所はアカデミアのライディングコース。遊星やジャックは別件で来れなかったけどアキさんの指導役としてクロウが来た。そして、アキさんと同日にもう一人、卒業した人が・・・・

 

「お前がライセンス取るなんて思わなかったな」

 

「私も正直、取るつもりなかったんだけどここだとやっぱり持っていた方が良いってお母さんが言ってたからさ」

 

スバルがDホイールの調整をしているのを見ながら呟いた俺の言葉を茜は拾ってそう答えた。

茜もアキさんより1ヶ月早くライセンス習得のために教習所に通っていた。茜の場合は部活と仕事の関係で遅くなってしまったがアキさんと同日に取ることが出来た。スバルは今回はメンテのみ、他のメンバーも来ていない。

 

「ほいっ、メンテ終わったぞ。スピードの方は少し抑えてバランス重視にしたから乗りやすいはずだぞ」

 

「ありがとうスバルっち!」

 

「じゃあアキと茜!まずはタイムアタックからだ!」

 

「分かったわ」

 

「負けないよ!」

 

Dホイールに乗り込んだ二人はスタート地点に並ぶ。控えの席から俺は機械をいじり、二人の目の前にシグナルを出す。赤から青に変わると同時に二人はアクセルを全開にしてぶっ飛ばす。茜とアキさんのDホイールは二人とも初心者ということもありまだ馬力は抑えめなので1周2分、1:50を切れば良い方と俺は考えている。

 

ブオオオオ!!!!!

 

カチッ、カチッ

 

「・・・・2:01と2:03、初めてしてはまぁまぁって所だな」

 

「茜もアキさんもカーブで減速した後の加速が課題だね。スタートダッシュは奏よりも良いし」

 

「奏のあのスタートダッシュ後の加速、あれは俺でも出来ないぜ。遊星もそこは認めて奏のあの技術を習得しようとしているからな」

 

「2周目きたな・・・・・2:02と2:01か」

 

「2人とも加速しろよ!!そのスピードだと追いつけないぞ!!」

 

クロウの指示に二人はアクセルをさらに回す。それによってスピードは速くなっていく。

 

ブオオオオ!!!!!

カチッ、カチッ

 

 

「・・・・1:53と1:50、段々茜が速くなってきたな」

 

「こっちで見ても分かるぜ。アキが少しずつ離されてきているし」

 

「どこが問題なんだろう・・・やっぱり経験かな」

 

「そこだろうなまだスピードに慣れてない感じがする。やっぱり実践を積んでいかないと厳しいな」

 

ブオオオオ!!!!キュウウウ!!!!

 

タイムアタックが終わって2台のDホイールはブレーキをかけて止まる。ヘルメットを取った二人はそれぞれ確認なのかアドバイスなのか2、3ほど喋ったあとDホイールを押しながらこっちに戻ってきた。

 

「フゥ〜〜・・・・茜、あなたすごいわね」

「まだまだだよアキっち」

 

「私は全然ダメね。スピードに乗れてないわ」

 

「・・・・まぁ本人は理解しているみたいだから多少はマシか」

 

「少し休憩したらライディングデュエルしてもらうぞ!」

 

「は〜い」

 

Dホイールを控えのベンチまで戻した2人はクロウからタイムとアドバイスを聞いてもう一度Dホイールに乗り、スタートラインに並ぶ。

 

「いっくよアキっち!」

 

「こっちこそよろしくね」

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

茜 LP 4000 アキ LP 4000

 

スタートダッシュはアキさんが一歩飛び出してそのまま第一コーナーを曲がった。

 

「私のターン、ドロー!」

 

アキ 手札 6枚

 

茜 SPC 0→1

アキ SPC 0→1

 

薔薇恋人(バラ・ラヴァー)を守備表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

アキ 手札 3枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

薔薇恋人 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「私のターン!ドロー!」

茜 手札 6枚

 

茜 SPC 1→2

アキ SPC 1→2

 

「レスキューラビットを召喚!」

 

レスキューラビット 攻300

 

「レスキューラビットの効果発動!このカードを除外してデッキから同名の通常モンスターを2体特殊召喚する!ヴェルズ・ヘリオロープを特殊召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

 

「バトル!ヴェルズ・ヘリオロープで薔薇恋人に攻撃!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープが剣を両手持ちに変えて薔薇恋人を切る。

 

「もう1対でダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

アキ 手札 4枚

 

「(先制攻撃は出来なかったわね・・・あれだけ伏せがあったらそれもそうか)メインフェイズ2に入って、Lv4のヴェルズ・ヘリオロープ2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!邪念の王!ヴェルズ・オピオン!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

 

「オピオンの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いてデッキから「侵略の」とついた魔法・罠カードを手札に加える!侵略の侵食感染を手札に加えて、カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

ヴェルズ・オピオン OVR 2→1

 

 

茜 手札 3枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「早速オピオンが出たか・・・これでアキはLv5以上のモンスターを特殊召喚できない」

 

「反発感染はライディングデュエルの都合上、デッキには入れることはできないが侵食感染は手札交換を行うことができるし、茜の1ターン目はかなり良い滑り出しだな」

 

俺とクロウが控えのベンチから二人のデュエルを見てそう考察する。その瞬間に2台のDホイールが俺たちの目の前を通り過ぎる。

 

「私のターン!ドロー!」

 

アキ 手札 5枚

 

茜 SPC 2→3

アキ SPC 2→3

 

「スタンバイフェイズ、永続罠、侵略の侵食感染を発動!このカードは手札またはフィールドの「ヴェルズ」モンスター1体をデッキに戻してデッキから「ヴェルズ」モンスターを手札に加える!手札のヴェルズ・ヘリオロープをデッキに戻して、ヴェルズ・カストルを手札に加える!」

 

「(とりあえずあのオピオンを何とかしないとLv5以上は出せないわね・・・・)SPー月の書!SPCを2つ取り除いてヴェルズ・オピオンを裏側守備表示にする!」

 

「うっそ〜〜!?!?」

 

アキ SPC 3→1

 

月の書によってヴェルズ・オピオンの姿が消えて代わりにカードが裏側に回転して横向きになった。

 

「これでLv5以上のモンスターを特殊召喚できるわね、墓地の薔薇恋人の効果!墓地のこのカードを除外して手札の植物族モンスターを特殊召喚する!桜姫(おうひ)タレイアを特殊召喚!」

 

桜姫タレイア 攻2800

 

薔薇恋人が地面に消えてそこにピンク色の大きな蕾が現れる。蕾が花開くと和装したお姫様が現れた。

 

「タレイアは自分フィールドの植物族モンスターの数×100ポイント攻撃力が上がるわ!」

桜姫タレイア 攻2800→2900

 

「さらにローンファイア・ブロッサムを召喚!」

 

ローンファイア・ブロッサム 攻撃500

 

「ローンファイア・ブロッサムの効果発動!フィールドの植物族モンスターをリリースしてデッキから植物族モンスター1体を特殊召喚する!ローンファイア・ブロッサムをリリースして紅姫(あき)チルビメを特殊召喚!」

 

紅姫チルビメ 攻1800

桜姫タレイア 攻2900→3000

 

タレイアの隣に真っ赤な蕾が現れ、花開くと身体が植物ができた姫様が現れた。

 

「これでバトル!チルビメで裏側守備表示のオピオンに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!」

 

「通してくれないわね・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アキ 手札 1枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

桜姫タレイア 攻3000

紅姫チルビメ 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 4枚

茜 SPC 3→4

アキ SPC 1→2

 

「(もう!!オピオンより打点高いの出されたらマジで困る!!)オピオンを反転召喚!そして永続罠、侵略の侵食感染の効果発動!手札のヴェルズ・サンダーバードをデッキに戻してヴェルズ・マンドラゴを手札に加える!ヴェルズ・マンドラゴは相手フィールドのモンスター数が自分フィールドより多い場合、特殊召喚できる!」

 

ヴェルズ・マンドラゴ 攻1550

 

「そしてヴェルズ・オランタを通常召喚!」

 

ヴェルズ・オランタ 攻1650

 

「Lv4のヴェルズ・マンドラゴとヴェルズ・オランタでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!轟かせ!ヴェルズ・バハムート!」

 

ヴェルズ・バハムート 攻2350

 

「ヴェルズ・バハムートの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて手札の【ヴェルズ】モンスターをコストに相手のモンスター1体のコントロールを得る!」

 

「!?(2体目のオピオンに使いたかったけどそうも言ってられないわね)リバースカードオープン!蟲惑の落とし穴!このターンに特殊召喚したモンスターが効果を発動した時、その効果を無効にして破壊する!」

 

「うっそ!?」

バハムートの周りに邪悪なオーラがでて、誰かのコントロールを奪おうとしたところでバハムートの下に大穴が開いて、そこから大量の蜘蛛の糸がバハムートの身体を縛り付けるようにして身体を拘束し、そのまま大穴に引きずり込んだ。

 

「ああもう!!仕方ない!!バトル!!オピオンでチルビメに攻撃!コール・シャドー!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

紅姫チルビメ 攻1800

 

アキ LP 4000→3350

 

「ぐっ!!紅姫チルビメの効果!このカードが相手によって墓地へ送られた場合、デッキからこのカード以外の植物族モンスターを特殊召喚する!私は2体目のローンファイア・ブロッサムを守備表示で召喚!」

 

ローンファイア・ブロッサム 守1400

 

チルビメが破壊された後に種みたいなのが撒かれ、その種が一瞬にして向日葵の大きな蕾となり、花開いてマリーナが出てきた。

 

「(リクルーターだったの!?余計にピンチじゃない!)ターンエンド!」

 

 

茜 手札 1枚 LP 4000 SPC 4

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

侵略の侵食感染

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

アキ 手札 2枚

 

茜 SPC 4→5

アキ SPC 2→3

 

「(オピオンがいる以上、動けないわね・・・)このままバトル!タレイアでヴェルズ・オピオンに攻撃!」

 

タレイアの周りに桜の花びらが舞い、その花びらがオピオンを包み込み、竜巻のようになりオピオンを上空へと追いやった。

 

桜姫タレイア 攻3000

ヴェルズ・オピオン 攻2550

 

茜 LP 4000→3550

 

「メインフェイズ2に入って、ローンファイア・ブロッサムの効果!自身をリリースしてギガプラントを特殊召喚!」

 

ギガプラント 攻2400

 

「そしてギガプラントのデュアルを宣言するわ!ギガプラントの効果発動!手札・墓地から植物族モンスターを特殊召喚する!墓地から紅姫チルビメを守備表示で召喚!」

 

紅姫チルビメ 守2800

 

「これでターンエンド!」

 

 

アキ 手札 2枚 LP 3350 SPC 3

【モンスターゾーン】

桜姫タレイア 攻3000→3100

ギガプラント 攻2400

紅姫チルビメ 守2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「(ちょっとまずいんじゃないの!?)私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 2枚

 

茜 SPC 5→6

アキ SPC 3→4

 

フィールド、手札をみるとアキさんの一方的な状況だな・・・・さて、茜はこれをどうするか・・・・

 

「(!!これならまだいける!)SPー禁じられた聖杯!SPCを1つ取り除いて、エンドフェイズまでタレイアの攻撃力を400上げて効果を無効にする!」

 

タレイアの上から杯を持った天使が現れてタレイアに杯が入った液体をかける。

 

茜 SPC 6→5

桜姫タレイア 攻3000→3200

 

「(タレイア・・・ということは植物族モンスターを破壊したいわけね。どうするのかしら?)」

 

「永続罠、侵略の侵食感染の効果!手札のヴェルズ・カストルをデッキに戻してヴェルズ・ケルキオンを手札に加える!ヴェルズ・ケルキオンを召喚!」

 

『ケケケ・・・・・』

ヴェルズ・ケルキオン 攻1600

 

「ケルキオンの効果!墓地のヴェルズ・オピオンを除外してヴェルズ・ヘリオロープを手札に加える!そしてこのターン、《ヴェルズ》をもう一度通常召喚する!ヴェルズ・ヘリオロープを召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

 

「Lv4のヴェルズ・ケルキオンとヴェルズ・ヘリオロープでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!全てを殲滅せよ!励騎士ヴェルズビュート!」

励騎士ヴェルズビュート 攻1900

 

「ヴェルズビュート!?」

 

あいつ、あんなカード持ってたのかよ!?確かにあれ、ヴェルズだけど俺の作ったデッキの中にはいれてなかったぞ!?

 

「ヴェルズビュートの効果発動!自分のフィールド・手札の枚数が相手のフィールド・手札よりも少ない場合、オーバーレイ・ユニットを取り除いてこのカード以外のフィールドのカードを全て破壊する!」

 

「な!?裁きの龍と同じ効果!?」

 

「その代わり、この効果を使ったターンは相手のダメージは0になるけどね」

 

励騎士ヴェルズビュート OVR2→1

 

ヴェルズビュートが宙に浮いて地面にエネルギー弾を放つと大きな大穴が開いて、フィールドのカードを全て飲み込んだ。

 

「くっ・・・紅姫チルビメの効果!デッキからチューナーモンスター、夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)を特殊召喚!」

 

夜薔薇の騎士 攻1000

 

「(チューナー?大型植物族モンスターじゃなくて?)ターンエンド!」

 

 

茜 手札 0枚 LP 3550 SPC 5

【モンスターゾーン】

励騎士ヴェルズビュート 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アキ 手札 3枚

 

茜 SPC 5→6

アキ SPC 4→5

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、デッキから2枚ドローして手札を1枚捨てる!返り咲く薔薇の大輪(リバイバル・ローズ)を召喚!」

 

返り咲く薔薇の大輪 攻1300

 

「Lv4の返り咲く薔薇の大輪にLv3の夜薔薇の騎士をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「冷たい炎が世界を包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れろ!ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

 

コース中央に薔薇が大量に咲き誇り、その中央にある大きな薔薇の一輪が蕾から花開き、ブラック・ローズ・ドラゴンが姿を現した。

 

「これがブラック・ローズ・ドラゴン・・・エースね!」

 

「まだよ!墓地のグローアップ・バルブの効果発動!」

 

「えっ!?・・・エンジェル・バトン!!」

 

「そうよ!デッキの一番上のカードを墓地に送り、墓地のこのカードを特殊召喚する!」

 

グローアップ・バルブ 攻100

 

でたよ極悪チューナー、何でこいつ帰って来たんだ?ていうかチューナー?アキさん、なにする気?

 

「Lv7のブラック・ローズ・ドラゴンにLv1のグローアップ・バルブをチューニング!」

 

「はっ!?」

「ブラック・ローズをシンクロ素材にするだと!?」

 

思わぬ行動に俺とクロウは身体が前のめりになってしまう。ブラック・ローズが星となりグローアップが作った輪の中に入っていく。

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

「漆黒の花が赤い炎に包まれる。紅の花よ、開け!シンクロ召喚!咲き乱れろ!フレア・ローズ・ドラゴン!!」

 

フレア・ローズ・ドラゴン ☆8 攻3000

 

一つになった瞬間、黒薔薇から真っ赤な真紅の薔薇が今度は咲き誇り、中央にできた大きな一輪が咲き誇ると赤い花びらで覆われていたブラック・ローズの身体が赤く燃え上がってオレンジ色の薔薇の花びらにが身体に覆われていた。

 

「フレア・ローズ・ドラゴンの効果発動!このカードのシンクロ召喚成功時、フィールドのカードを任意の枚数だけデッキにもどす!」

 

「はあっ!?」

 

「何だそのインチキ効果は!?」

 

「私が戻すのはヴェルズビュート1枚!ローズ・タイフーン!」

 

フレア・ローズの周りに色んな薔薇の花びらが竜巻のようにうずき、それがヴェルズビュートを巻き込んで上空へと消えていった。

 

「バトル!フレア・ローズ・ドラゴンでダイレクトアタック!この瞬間、フレア・ローズ・ドラゴンの効果発動!」

 

「まだあるの!?」

 

「自分のライフが相手よりも低い場合、ダメージステップ終了時までこの攻撃力は倍になる!」

 

フレア・ローズ・ドラゴン 攻3000→6000

 

「咲き乱れよ!フレア・ローズ・バーニング!」

 

フレア・ローズが地面に蔓を伸ばしてエネルギーを蓄えて、茜に放つ。

 

茜 LP 3550→0

 

 

WIN アキ LOS 茜

 

 

 

「・・・・・えげつねぇ、あのカード」

「またとんでもないカードを手に入れたな(汗)」

 

ありゃ・・・・出されたら負け確だな(汗)任意の対象を取らないバウンスとか酷すぎる・・・・

 

「まっけた〜〜・・・・・」

 

「私も危なかったわ。ヴェルズビュートで一掃された時は本当に驚いたよ」

 

「あれは起死回生には良いカードなんだけどね」

 

Dホイールで控えのベンチまで戻ってきた2人はさっきのデュエルの感想やら反省などをしている。

 

「アキ!お前いつの間にあんなカード手に入れたんだ!?」

 

「それが・・・・いつの間にと言われても・・・・」

「全く覚えがないと・・・・」

 

シグナー関連のカードって本当に謎だよね・・・突然本人の目の前に来るんだから・・・

 

「よっし、30分ほど休憩したらまたタイムアタックするぞ!」

 

「は〜い」

 

「分かったわ」

 

Dホイールを置いて2人は一度部屋の中に入っていった。

 

 




フラン「・・・・何あのカード?」

レミリア「対象を取らない任意バウンス・・・しかもノーコスト(汗)」

遊輝「おかしいだろ?」

アキ「私に言われても困るわよ(汗)」

遊輝「というわけで今回は忍丸さんから頂いたフレア・ローズ・ドラゴンです。下に改良前を載せておきます」

〈*・・・・指摘を受けまして、守備力を下げました〉



フレア・ローズ・ドラゴン ☆8
炎属性 ドラゴン族 攻3000 守1500
植物族チューナー+ブラック・ローズ・ドラゴン
このモンスターはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。
「フレア・ローズ・ドラゴン」の①と③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。フィールド上のカードを任意の枚数選択して持ち主のデッキに戻す。
②このモンスターの攻撃宣言時、自分のライフが相手よりも低い場合、このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで倍になる。
③自分のスタンバイフェイズ時、墓地からレベル5以上の植物族またはドラゴン族モンスター1体を特殊召喚できる。


《原案》

ブルー・ローズ・ドラゴン ☆9
水属性 ドラゴン族 攻3000 守3500
水属性・植物族チューナー+ブラック・ローズ・ドラゴン
このモンスターはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。
「ブルー・ローズ・ドラゴン」の①と③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。フィールド上のカードを任意の枚数選択して持ち主のデッキに戻す。
②このモンスターの攻撃宣言時、自分のライフが相手よりも低い場合、このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで倍になる。
③自分のスタンバイフェイズ時、墓地からレベル5以上の植物族またはドラゴン族モンスター1体を特殊召喚できる。



フラン「今回は効果はそのままで名前を変えたんだ」

遊輝「単純な理由です。「ブルー・ローズ・ドラゴン」はOCGに存在するからです」

アキ「わたしも持っているわ」

レミリア「現実に存在しているカードだから変えたというわけね」

遊輝「あとはレベルと素材、属性なんだけど・・・水属性・植物族の☆2チューナーって現実にないんですよね。これのためだけにオリカ作るのは正直言ってどうなの?という考えだったため、植物族だけにしました」

アキ「あとは☆1にして特殊召喚しやすくしたという狙いがあったのだけど・・・」

フラン「・・・バルブが帰ってきたと」

遊輝「その通りです・・・改定を終えた次の週にグローアップ・バルブが禁止から帰ってきました・・・」

レミリア「偶然ね・・・」

アキ「次回は龍可・龍亞の双子のクラスに謎の転校生がやってくる話よ」

フラン「【謎の転校生、ターゲットは龍可!?】」

遊輝「質問・人気投票もまだまだ受け付けてます。ハーメルンでは感想欄以外、作者の活動報告かメッセージでお願いします。今朝みたいな問題を作者は起こしたくないので(汗)」

アキ「次回もよろしくね」


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第101話 謎の転校生 ターゲットは龍可!?

*注意・・・・今回の話の最後の方、遊輝君は彼女が危ない目にあったと思いこんでルチアーノに対し、暴言を吐きまくっています。ご注意ください。


今回は最強カードの紹介はないのでこちらで宣伝を。
人気投票・質問をじゃんじゃん受け付けてます。質問は一人で複数投げつけても構いません。必ず活動報告か私へのメッセージでお願いします。


今回の話、短くなってしまったけど、どうしてもデュエルまで持っていくと長くなってしまうので、デュエルは切りました。


龍亞 side

 

 

「おはようございます!」

 

『おはようございます!』

 

今日も一日、普段と変わらなくマリア先生の挨拶から始まる。隣の龍可と後ろにいる恭輔と祈も同じように挨拶をして先生にお辞儀をする。このままいつも通りに出席確認をすると思ったけど今日は違った。

 

「今日は皆に新しいお友達を紹介するわ。入ってきて」

 

マリア先生がそう話すと教室の入り口の扉が開いて一人の男が入ってきた。三つ編みをした長い髪の毛で顔が中性的な顔立ちをしている。

 

「今日からこのクラスに転校してきたルチアーノ君よ」

 

「「「「うわ〜〜・・・・カッコいい・・・」」」」

 

カッコいい・・・・・・かな?俺的には遊輝と同じ匂いがプンプンするんだけど・・・・(汗)

 

「なぁ龍可、あれってカッコいいのか?俺は遊輝と同じような感じがするんだけど」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「?龍可?」

 

龍可に投げた言葉が帰ってこなかったので龍可の方に振り向くと少し顔を赤くしていた。ルチアーノの方を見るとまるで龍可を狙っているかのような目をしていた。

 

「(何だよこいつ・・・・龍可に目をつけて・・・・・龍可も龍可だよ、彼氏いるのに。彼氏も中性的な似たようなタイプだからか)」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ハックション!!」

 

「何だお前、風邪か?」

 

「違うと思う・・・・・てか、何故か知らんけど誰かが俺を侮辱したようなことを言った気がする」

 

「はぁ?お前何言ってるんだ?」

 

「後ろ!!うるさいわよ!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「皆はデュエルアカデミアイースト校で行われているジュムナエルグランプリは知ってるわよね?」

 

何だそれ?聞いた事ないぞ。

 

「恭輔、お前知っていた?」

 

「いえ・・・・僕もそんな大会があるとは知りませんでした」

 

「その出場すら難しい大会にルチアーノ君は優勝したのよ」

 

出場すら難しい大会っていう以前にどんな大会か教えてよマリア先生。

 

「解らない事があればどんどんルチアーノ君に聞いてね。ルチアーノ君の席はあそこよ」

 

マリア先生が指を指した席を見てルチアーノは「ありがとうございます」とお礼してから席に向かう。その途中も龍可にすれ違った時に振り向いて軽くウィンクする。その時にも龍可は若干顔を赤くした。

 

「・・・・・龍可?」

 

「はっ!?な、何!?」

 

「お前、彼氏いるんだろ?」

 

「わ、分かってるよ!!私は遊輝の事が好きだから!!」

 

「る、龍可さん、こ、声・・・・」

「えっ・・・・・」

 

立ち上がって声を張り上げた龍可に祈が周りを見ながら注意する。案の定、教室にいた全員が一斉に龍可に注目、一部の男子は「ヒューヒュー」と言ってからっている。それを見た龍可はさっきよりも顔を真っ赤にして静かに着席した。

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side 〜(翌日)〜

 

 

「転校生?」

 

「そう!!昨日入ってきたルチアーノって奴だけど何かムカつくやつでさ!!」

 

放課後の部活中、普通に練習していた俺たちの所に龍亞が一人だけやってきて愚痴を言い始めた。

 

「何か気取っていてさ、イチイチ格好つけてくるんだよ!!昨日、龍可がルチアーノにオーバーキル決めた時はせいせいしたよ!!」

 

「気にしすぎじゃない?」

 

「ていうか龍亞君がデュエルしたんじゃないの・・・・」

 

「(ルチアーノってことは・・・龍亞と龍可がライディングデュエルするところか・・・もうそこまで来たんだな。ていうか7月の期末テスト前に転校とか普通おかしいだろ)」

 

「ねぇ遊輝!!聞いてる!?」

 

「ん?」

「あぁ!!聞いてなかった!!俺、今すっごく大事なこと言ってたのに!!」

 

「大事なこと?」

 

「そのルチアーノってやつ、龍可に目をつけているんだよ!!」

 

「ふ〜ん」

 

「ふ〜んって・・・彼女取られそうなのに何でそんなに呑気なの!?」

 

「別に大したことしないだろ。幾ら何でも男友達1人や2人出来たところで俺には別に何のデメリットもないだろ」

 

「確かにそうね」

 

「それに龍可、俺に対してすごくヤンデレだし」

 

「いや、それは・・・・・あり得るわね」

 

否定しようとした奏が少し考えたところで肯定した。誰だって思うだろ?あの龍可の覇王モード、思い出したくもない覇王のあのO☆HA☆NA☆SHI・・・・(ブルブル)

 

「だから大丈夫。むしろ龍亞、お前の方がルチアーノに対して対抗意識を燃やしすぎだろ?」

 

「遊輝は呑気すぎるんだよ!!龍可はルチアーノの家に行っちゃったし!!ルチアーノがDボードとか言う変なものを渡すし!!」

 

「Dボード?何だそれ?」

 

「スケードボードみたいなやつでこうやって・・・・デュエルデスクに繋げることができるやつ!!」

 

部室の後ろにあった黒板に龍亞がチョークでDボードの図を描く。それをスバルは注意深く観察する。

 

「・・・・・これなら俺と遊星さんの力を合わせたら2・3日で出来るんじゃないか?」

 

「マジでスバル!?」

 

「ちょっとこれを携帯で撮って・・・・・悪い、俺先に帰るぞ」

「良いわよ」

 

「じゃあ龍亞、遊星さん所に行こうぜ」

 

鞄に荷物を詰めたスバルと一緒に龍亞は部室を出て行った。やれやれ・・・・うるさいやつがいなくなってようやくこっちに集中できる。

 

「ねぇ遊輝、本当に心配しないの?龍亞君が嘘付いているとは思わないし」

「大丈夫大丈夫、もし龍可に変なことしたら焼き殺して海の底に沈めるから」

 

「(・・・・・サラッととんでもない事言うわね(汗))」

 

遊輝 side out

 

龍亞 side

 

 

「という事なんだけど・・・・」

 

「なるほど、理屈上はできるな」

「ああ、作ってみるか」

 

「本当に!!ありがとう遊星!!スバル!!」

 

噴水広場にある遊星たちのガレージに来た俺たちはスバルが撮った写真をもとにより詳しくホワイトボードにルチアーノの家で見たものを描く。俺が描いていた絵にスバルが説明をして自分の考えを遊星とジャックに言うと遊星も乗り気になってくれた!

 

「まずは材料からか・・・・この設計図だと軽くて丈夫な一枚板が必要だな」

 

「この素材なんてどうですか?ちょうど昨日、知り合いの廃品業者から安く買い取ったんですけど・・・」

 

「・・・・そうだな、これなら作れるか。それにこのサイズだと3人分作れるな」

 

「へっ?3台?」

 

「あぁ、龍亞と祈と恭輔、3人分だ」

 

「龍可だけが貰ったんだろ?お前ら双子だけってのはズルいだろうからついでにもうあの2人の分も作ってやるってことさ」

 

「よっしゃ、じゃあ早速この板を3人分にして加工するか。ちょっと取ってくる」

 

遊星と軽く打ち合わせをしたスバルは鞄を持って一度自分の家に帰っていった。

 

「俺は・・・・この辺の部品が使えそうだからこの辺で回路から作るか」

 

遊星がガラクタにしか見えない材料置き場から幾つかのコードと工具箱を取り出して机に向かう。

 

「こいつとこいつとこいつを使って・・・・・・・・・」

 

「遊星?遊星〜〜」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

あ〜あ・・・・自分の世界に入り込んじゃった(汗)遊星もスバルも一回こういう事になったら誰の話も耳に聞かないんだから、俺も遊星に付き合わないと・・・・絶対にあんな奴に負けない!

 

 

〜〜(2日後)〜〜

 

 

「へぇ・・・・・こんなスケートボードで僕たちもライディングデュエル出来るとは思えませんね」

 

「た、確かに・・・・・」

 

「というわけで、まずはこのDボードに慣れるところから始めようぜ!!」

 

遊星とスバルが試行錯誤をしながら徹夜で作り、今朝出来た3台のDボード、それを見た俺は直ぐに恭輔と祈をハイウェイ近くの空いた広場まで呼んで、3人で練習を始める。ヘルメットをつけて、ゴムの緩みを確認して・・・・っと、

 

「まずは俺から行くぜ!!そりゃ!!」

 

足で軽くスピードをつけて目の前にある階段のスロープに向けてジャンプ、空中でバランスを取りながらスロープに着地、そのままスロープを下りていって終わりに近づいたところでもう一回ジャンプをして着地する。

 

「よっと!!」

 

「う、上手いですね・・・・(汗)」

 

「遊輝とのアクションデュエルの時に鍛えられているんだからこれくらい出来ないと」

 

「わ、私、そんなアクロバティックな事出来ません・・・・」

 

「いやいや、さすがにこんなところまで目指さなくても普通にスケボーで乗れたらいいと思うよ(汗)。俺もこれを繋いでスケボーなんてやった事ないし」

 

そう言って、Dボードの若干膨らんでいるボタンを足で軽く押す。するとボードの後ろについてあったエンジンの所からコードみたいな物が飛び出す。俺はそれを自分のデュエルデスクに接続する。

 

「俺はこいつを使って慣れるところから、恭輔たちはDボードで乗る体感から始めようぜ」

 

「は、はい」

 

「きょ、今日の龍亞さん、やけに頼もしい・・・・(汗)」

 

「よっぽどあのルチアーノって人が気に入らないんでしょうね・・・・」

 

「さあさあ!!!早く練習するよ!!」

 

後ろで何か言っている恭輔と祈を置いといて俺は先に後ろのエンジンみたいなものを起動させて走る。Dボードに慣れるため、そのままこの周りを何周か周り、感覚を覚えていく。

 

「わわわわわ!!!!」

 

ドテッ!!

 

「い、いてててて・・・・」

 

「大丈夫か恭輔?」

 

「は、はい、何とか」

 

「祈の方はどうだ?」

 

「ま、まだまだ全然・・・・」

 

「やっぱりスケボー感覚でやるところから始めないと難しいかな・・・・・」

 

「あ、あれ?向こうから誰か来ますよ?」

 

祈が指を指した方に振り向くと、スケボーに乗った誰かがこっちにやってくる。ヘルメットを被って顔が良く分からなかったけど、段々と近づいてきて誰が来たのか分かった。

 

「みんなで何してるのよ?」

 

「龍可さんじゃないですか。どうしてここに?」

 

「今朝、遊星から聞いたのよ。皆がここにいるって、私も練習に参加していい?」

 

「でもお前、今日ルチアーノの家に行くんじゃ・・・・」

 

「龍亞はルチアーノ君に勝ちたいんでしょ?だったら私も応援するよ。それに、私は遊輝一筋だし」

 

「(さらっとそういう事を言えるのが凄いですね)」

 

「そ、そうか・・・・だったら皆で頑張ろうぜ!」

 

「「「はい!」」」

 

途中から龍可も加わって・・・・とにかくスケボーを乗ったことのある俺とルチアーノから教えてもらった龍可を中心に恭輔と祈がのレベルに合わせて少しずつDボードに慣れていく。1時間もすれば全員、Dボードに慣れて普通に乗りこなす事ができた。

 

「ふぅ〜〜・・・・さすがに疲れてきたわね」

 

「次の練習を軽くしたら休憩に入ろうぜ」

 

「そうですね」

 

「あ、あれ・・・・向こうからまた誰か来てますよ?」

 

「えっ?」

 

祈が指した方向に全員で向くと誰かが猛スピードでこっちにやってくる。そいつはフードを被っていて顔が見えなかったけど、すれ違い様に一瞬だけこっちを見た。

 

『ENEMY!ENEMY!Duel Mode Auto Pilot Stand by!』

 

「えっ!?デュ、デュエルモード!?キャアア!!」

 

「る、龍可!?」

 

それと同時にDボードに龍可のデュエルデスクがデュエルモードに強制起動する。Dボードは龍可を乗せたまま去っていたいた奴についていくかのように動き始め、慌てて俺たちも龍可を追いかける。

 

「だ、誰なの!?」

 

「フフフ・・・・・・」

 

「おい!!お前誰だ!?」

 

ガバッ!!

 

「なっ!?ル、ルチアーノ!?」

 

「キヒャッヒャッヒャ!!!まんまと引っかかってくれたね!!そのDボードには僕がボタンを押すだけで強制デュエルモードになるように設定していたんだよね!!」

 

「な、何だと!?」

 

「これから君には地獄を味あわせて《ブオオオオ!!!!!!!》!?誰だ!?」

 

「龍可!!龍亞!!恭輔!!祈!!大丈夫か!?」

 

「し、師匠!?」

 

後ろから爆音みたいなエンジン音が聞こえたと思ったら一瞬で俺たちの横をすり抜けていく1台のDホイール・・・・・・遊輝だ。

 

「スバル!!」

 

「大丈夫だ!!強制デュエルモードになるシステムを解除したぜ!!」

 

「よし・・・お前ら!!そこで止まれ!!龍可の強制デュエルモードは解除したから!!」

 

「な、何だと!?」

 

「急げ!!あとは俺が全部片付ける!!」

 

「わ、分かりました師匠!!」

 

Dホイールの画面を見ながら遊輝は大きく叫んだ。恭輔から順々にDボードのエンジンを止めていく。遊輝はさらに加速をしていってルチアーノの隣に並走する。

 

「おい!!!人の彼女に何て事しやがるんだこの女顔!!」

 

「お、女顔だと!?」

 

「ちょっと遠くで見舞っていたら危険な目に会わせやがって!!女顔のくせにチャラチャラするなボケ!!」

 

「なっ!?」

 

「しかも自分は何でも出来るみたいな空気を出して!!お前、本当は一人で何も出来ないボンボンだろ!?ああ!?」

 

「さ、さっきから言いたい放題言いやがって・・・・僕を侮辱するとどうなるか教えてやる!!」

 

そう言ってルチアーノの方はDボードをさらに加速、遊輝もDホイールを加速していった。

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」




文「・・・・・・・・・・」

魔理沙「・・・・・・・・・・・」

龍亞「・・・・・・・・・・・・・」

遊輝「な、何だよお前ら!?何か言えよ!!」

「「「絶対に遊輝(さん)の方が女顔ですよ(だぜ)(だろ)」」」

遊輝「ひっでぇ!!!こいつら人のコンプレックスをえぐりこんできたよ!!」

魔理沙「絶対そうだろ。確かにルチアーノって奴も中性的な顔だけど、あれはまだ男って言われても納得できるぜ」

文「その点、遊輝さんは男っぽい口調はしているものの、その赤いカチューシャと目、その格好の地点で女性と思われる可能性がまだ高いです」

龍亞「それに家事スキル完璧だし、ルチアーノはそんな事なかったぞ」

魔理沙「まぁ、私たちの結論として・・・・」

「「「遊輝(さん)の方がよっぽど女らしい(ぜ)」」」

グサッ!!!!

遊輝「俺だって・・・・俺だって身体鍛えたりして男らしくしているよ・・・・」

文「次回はそんな中性的な2人のライディングデュエルから」

龍亞「【スキエルVSガガガ 輝け!ビヨンド・ザ・ホープ!】」

魔理沙「次回もよろしくだぜ!」


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第102話 スキエルVSガガガ 輝け!ビヨンド・ザ・ホープ!

*注意・・・・ここんところ、注意ばかりですみません。今日のデュエルの最終ターンは今回の話の関係上、第三者の介入によって中断します。話の流れが悪くなるので最終ターンのみ召喚・発動したタイミングでテキストを掲載します。読みにくくなって申し訳ございません。

人気投票・質問の方もお願いします!!質問の方はともかく、人気投票は少なくてマジで困ってます!!私の活動報告・メッセージでの投票をお願いします!!



最強カードの紹介!!

奏「お久しぶりです」

系列的には夏休み前だから・・・・これでようやく全体の半分が終わったところ・・・・

奏「こ、これで半分って(汗)」

だってまだまだこれからいっぱいあるぞ。主にWRGPだけど。

奏「それもそうね・・・・私も練習しておかないと」

最強カードの紹介に行きましょう!!今回はNo,39 希望皇 ビヨンド・ザ・ホープ!!

奏「ランク6のエクシーズモンスターね。アニメだとRUMをホープに使って出ていたけど、現実だとLv6×2という出しやすさがあるからLv6軸のデッキのアタッカーとして使われているわ」

エクシーズ召喚成功時、相手フィールドの表側表示のモンスターの攻撃力を0にする!!シンプルな強さが人気に出ているな!

奏「他にも自分フィールドのエクシーズモンスターを除外して《希望皇ホープ》と名のついたモンスターを墓地から守備表示で特殊召喚してライフを1250回復するんだけど、こっちは全然使われないわね」

《希望皇ホープ》としても扱うのでホープ専用のカードも使うことができるぞ!!
あと、後書きでお知らせがあるのでそちらも見てください。

奏「第102話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


遊輝 side

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

遊輝 LP 4000 ルチアーノ LP 4000

 

本当なら龍可と龍亞がやらなければいけないはずのライディングデュエル、しかし、今の俺にはそんなこと関係ねぇ・・・・・とにかく龍可を危ない目に合わせたこいつを叩きのめす!!アクセルを目一杯回してルチアーノの前に出て、そのまま第一コーナーを取る。

 

「俺の先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 0→1

ルチアーノ SPC 0→1

 

「終末の騎士を召喚!」

 

終末の騎士 攻1400

 

「終末の騎士の効果!召喚時、デッキから闇属性モンスターを墓地に送る!俺はガガガマジシャンを墓地に落とす!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

終末の騎士 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕の・・・・ターン!」

 

ルチアーノ 手札 6枚

 

遊輝 SPC 1→2

ルチアーノ SPC 1→2

 

「アブサード・スティーラーを召喚!」

 

アブサード・スティーラー 攻100

 

上に赤目、下に青目で身体は真ん中が黄色に塗られ、上下が紫に塗られた羽のようなものがついた機械が現れ、そいつの身体が逆さまになり終末の騎士に向かって光をあてる。

 

「アブサード・スティーラーは召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター攻撃力が0になり、そのモンスターの守備力とエンドフェイズまで同じ攻撃力になる!」

 

終末の騎士 攻1400→0

アブサード・スティーラー 攻100→1200

 

「バトルだ!アブサード・スティーラーで終末の騎士を攻撃!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ガード・ブロック!この戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

アブサード・スティーラーの攻撃で終末の騎士は破壊されたが俺へのダメージは俺の前にバリアが張られて無効になる。

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「チッ・・・・・カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

ルチアーノ 手札 2枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

アブサード・スティーラー 攻1200→100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

遊輝 SPC 2→3

ルチアーノ SPC 2→3

 

「SPーエンジェル・バトン!スピードカウンターが2つ以上ある時、カードを2枚ドローしてその後手札を1枚捨てる!ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグは召喚成功時、手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚する!アステル・ドローンを召喚!」

 

アステル・ドローン 攻1600

 

俺の上空にゴブリンドバーグが現れて、運んでいたコンテナをレーンに落とし、そのコンテナが開かれる。中からアステル・ドローンが飛び出してきた。

 

「(相手はイリアステル・・・どうせゴースト戦も観察していた筈だ、出し惜しみはしない!)Lv4のゴブリンドバーグとアステル・ドローンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!交響魔人マエストローク!」

 

交響魔人マエストローク 攻1800

 

ゴブリンドバーグとアステル・ドローンがブラックホールの中に入っていき、出てきたのはマエストロークだ。

 

「来たねエクシーズ召喚・・・・僕たちの知らない未知の召喚方法・・・・」

 

「アステル・ドローンをエクシーズ素材とした場合、マエストロークのエクシーズ召喚成功時、1枚ドローできる!」

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「バトル!マエストロークでアブサード・スティーラーに攻撃!」

 

「トラップ発動!エクサス・サモン!攻撃対象になったモンスターを手札に戻し、手札に戻したモンスターよりも攻撃力が低いモンスターを手札から特殊召喚する!僕はアブサード・スティーラーを戻してスカイ・コアを特殊召喚!」

 

スカイ・コア 攻0

 

アブサード・スティーラーがルチアーノの手札に帰り、代わりに出てきたのは青い機械の玉、そしてその青い機械の玉の後ろから強烈な激流が流れてきた。

 

「トラップカード、激流葬!モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚時にフィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「マエストロークの効果発動!自分フィールドの【魔人】モンスターが破壊される代わりにこのカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてその破壊を無効にする!」

 

交響魔人マエストローク OVR 2→1

 

スカイコアの後ろから流れてきた強烈な激流がマエストロークまで押し寄せてきたが、マエストロークがオーバーレイ・ユニットを1つ吸収して自分の前にバリアを張り、何を逃れる。

 

「チッ・・・さっきから僕の計算を狂わせて、だが関係ない!スカイ・コアの効果発動!このカードがカード効果で破壊された時、デッキ・手札・墓地から機皇帝スキエル∞・スキエルT・スキエルA・スキエルC・スキエルGを特殊召喚する!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻0

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1000

スキエルC 攻400

スキエルG 守300

 

「合体しろ!機皇帝スキエル!!」

 

スカイコアから生まれたスキエルのパーツが一つずつ合体していき、機皇帝スキエル∞が姿を現した。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「機皇帝!?」

 

「機皇帝って師匠や遊星さんが言っていたシンクロキラーですよ!!何でルチアーノさんが持っているのですか!?」

 

「も、もしかして・・・ルチアーノ君ってゴーストの事件と何かしらの関係が・・・」

 

「だ、大丈夫だって!!遊輝のデッキには効かないし、遊輝は機皇帝に勝ってるんだから!!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「機皇帝スキエル∞の攻撃力はフィールドのスキエルT・スキエルA・スキエルC・スキエルGの攻撃力の合計となる!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻0→2200

 

早速お出ましか・・・・・ここは何もしないでおこう。

 

「バトルフェイズは終了する。カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

交響魔人マエストローク 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン!」

 

ルチアーノ 手札 3枚

遊輝 SPC 3→4

ルチアーノ SPC 3→4

 

「スタンバイフェイズ、トラップ発動!トラップ・スタン!このターン、このカード以外のトラップカードの効果は無効になる!」

 

チッ・・・・・警戒しているな。エクシーズモンスターは機皇帝で吸収出来ないし、よほどバックが怖いんだろう。

 

「バトルだ!機皇帝スキエル∞!その厄介なエクシーズモンスターを破壊しろ!」

 

スキエルがエネルギーを貯めてマエストロークに向かって放ち、その余波が俺にも直撃する。

機皇帝スキエル∞ 攻2200

交響魔人マエストローク 攻1800

遊輝 LP 4000→3600

 

「マエストロークはオーバーレイ・ユニットを取り除くことで破壊されない!」

交響魔人マエストローク OVR 1→0

 

マエストローク自身はオーバーレイ・ユニットを使ってバリアを張り破壊を免れる。俺自身へのダメージも400程度なのでそこまで大きくない。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

ルチアーノ 手札 1枚 LP 4000 SPC 4

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2200

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1000

スキエルC 攻400

スキエルG 守300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 4→5

ルチアーノ SPC 4→5

 

「スタンバイフェイズ、速攻魔法SPーサモンクローズを発動!SPCを3つ取り除いて手札を1枚捨て1枚ドロー!そしてこのターン、お前は特殊召喚できない!」

 

ルチアーノ SPC 5→2

 

ほぅ・・・・ サモンクローズ自体は有能なカードだし、ルチアーノの手札はアブサード・スティーラーの1枚のみだから今の状況にはピッタリなカードだけどわざわざスタンバイフェイズに発動するってことは、よっぽどエクシーズモンスターを出されたくないのか。

 

「(って考えても特殊召喚封じられた以上、何もできないことに変わりはないな)」

 

「ほらほら!!早くしなよ!!」

 

「うるせぇな・・・・マエストロークを守備表示に変更!」

 

交響魔人マエストローク 攻1800→守2300

 

「チッ・・・・そいつ守備力2300もあるのか」

 

「さらにモンスター1体をセット!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 2枚 LP 3600 SPC 5

【モンスターゾーン】

交響魔人マエストローク 守2300

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「僕のターン!」

 

ルチアーノ 手札 2枚

 

遊輝 SPC 5→6

ルチアーノ SPC 2→3

 

「キヒャッヒャッヒャ!!!僕をここまで馬鹿にしたんだ!!機皇帝のさらなるパワーアップを見せてあげるよ!!スキエルAをリリースしてスキエルA3を特殊召喚!」

 

スキエルA3 攻1200

機皇帝スキエル∞ 攻2200→2400

 

スキエルAの部分だけが消えて、上空から羽の付いたスキエルA3が現れてスキエル∞にくっつく。

 

「まだだ!!スキエルA3をリリースしてスキエルA5を特殊召喚!!」

 

スキエルA5 攻1400

機皇帝スキエル∞ 攻2400→2600

 

今度はその羽の付いたスキエルA3がすぐにスキエル∞から離れてスキエルA5が変わって上空から出てきてスキエル∞にくっついた。

 

「スキエルA5がフィールドにいる時、僕のフィールドのモンスターはダイレクトアタックができる!!」

 

「・・・・・・・」

 

「怖気づいたのか!?バトル!!機皇帝スキエル∞でダイレクトアタック!!」

 

「リバースカードオープン!!攻撃の無力化!!スキエル∞の攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!!」

 

機皇帝スキエル∞の攻撃が俺に届く前にエネルギーの渦が現れてスキエル∞の攻撃は吸い込まれていく。

 

「クソッ・・・・クソッ!!クソッ!!何故僕の思う通りにならない!!ターンエンド!!」

 

思い通りにならない、ね・・・・・・・

 

 

ルチアーノ 手札 0枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2600

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1400

スキエルC 攻400

スキエルG 守300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 6→7

ルチアーノ SPC 3→4

 

「何故だ!?何故僕の思う通りにならない!?」

 

「・・・・お前、馬鹿か?」

 

「何っ!?」

 

「デュエルで理論を語ることは確かに出来る。だけどな、それは実戦になると机上の空論なんだよ。そんな事も分からねぇのか」

 

「うるさい!!君は僕の思う通りに動かない!!モンスターもプレイングも!!」

 

「そんな風に考えるんだったら・・・まだまだ甘ちゃんだな!!SPーおろかな埋葬!!SPCを2つ取り除いてデッキからガガガガールを墓地に!!」

 

遊輝 SPC 7→5

 

「マエストロークをリリース!ガガガヘッドをアドバンス召喚!」

ガガガヘッド 攻2100

 

マエストロークが消えて出てきたのは青の学生服をマントのように着て腰のベルトのバックル部分に「我」という文字をいれたモンスターが現れた。

 

「ガガガヘッドの効果発動!召喚成功時に墓地からガガガヘッド以外の《ガガガ》モンスター2体を特殊召喚する!!ガガガマジシャンとガガガガールを特殊召喚!!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

ガガガガール 攻1000

 

ガガガヘッドの後ろにあった2本の鎖が地面に突き刺さって穴が開き、それぞれの鎖からダイヤとパールが現れた。

 

「そしてガガガシスターを反転召喚!」

 

ガガガシスター 攻200

裏側で伏せていたカードを反転してサファイアが姿を現した。

 

『や〜〜〜〜と出れた!!』

 

『うるさいですよパール』

 

『お姉ちゃん、なかなか出番無かったもんね』

 

「(・・・・なんか、色々とすまん)ガガガマジシャンの効果発動!1ターンに1度、レベルを1〜8まで任意のレベルにする!俺はLv6を選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

「さらにガガガガールの効果!ガガガマジシャンと同じレベルになる!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

「そしてガガガシスターの効果!1ターンに1度、このカード以外の《ガガガ》モンスターを1体選択して、選択したモンスターとこのカードのレベルを2体のレベルの合計となる!選択するのはガガガマジシャンだ!」

 

ガガガマジシャン ☆6→☆8

ガガガシスター ☆2→☆8

 

「Lv6のガガガガールとガガガヘッドでオーバーレイ!!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろNo,39!!限界を超えて新たな未来を掴み取れ!!希望皇 ビヨンド・ザ・ホープ!!」

No,39 希望皇 ビヨンド・ザ・ホープ 攻3000

ガガガガールとガガガヘッドの2体がブラックホールに吸い込まれていき、霊状態のホープが現れ、色んな形態のホープがホープの胸に吸い込まれていき、ホープに白い甲冑が付けられる。そして金色に輝く後ろの羽みたい部分が広がる。

 

「ビヨンド・ザ・ホープのエクシーズ召喚成功時、相手フィールドの全ての表側表示モンスターの攻撃力を0にする!!」

 

「なっ!?」

 

ビヨンド・ザ・ホープの身体からエネルギーの覇気が流れ、それがスキエルに写る。覇気を受けたスキエルは機能が停止した。

 

機皇帝スキエル∞ 攻2600→0

 

「ぼ、僕の機皇帝が・・・・・」

 

「まだだ!!Lv8のガガガマジシャンとガガガシスターでオーバーレイ!!」

 

☆8 × ☆8 = ★8

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!!銀河の力に希望が宿いし時、闇の海を超えてこの地に舞い降りる!!エクシーズ召喚!!現れろNo,38!!希望魁竜タイタニック・ギャラクシー!!」

 

No,38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー 攻3000

 

ブラックホールから次に出てきたのはプラチナ・・・銀河眼の光子竜でそこに上から降ってきたビヨンド・ザ・ホープと同じ色の甲冑を身につける。

 

『主、これでトドメですね』

 

「ああ・・・・あの甘ちゃんに机上の空論じゃダメだってことを叩き込んでやる。バトルだ!!ビヨンド・ザ・ホープで機皇帝スキエル∞に攻撃!!ホープ剣・ビヨンド・スラッシュ!!」

 

「スキエルGの効果発動!攻撃を1度だけ無効にする!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ブレイクスルー・スキル!相手フィールドのモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!俺が選ぶのはスキエルGだ!!」

 

「勝つのは僕だ!!!リバースc「そこまでだ・・・・」なっ!?」

 

ルチアーノがデュエルデスクのボタンを押しかけたところで謎の声が聞こえ、ソリッドビジョンが消えた。さらに俺とDホイールとルチアーノのDボードも謎の力によって止められる。

 

「(なんだ今のは・・・・・声的にはあの爺ちゃんだが・・・)」

 

「戻って来いルチアーノ・・・・・」

 

「・・・・・チッ、今日のところはこれくらいにしてやる」

 

捨て台詞を吐いたルチアーノは再びDボードを起動させて走って行った。

 

『主、追いかけなくてよろしいのですか?』

 

「深追いは厳禁だ。それに、これ以上やる必要なもないし」

 

「遊輝!!!」

 

「ん?・・・・・龍可達か、遊星さんたちも駆けつけたようだな」

 

後ろから聞こえる声に気づいて俺はDホイールの向きを変え、声が聞こえた方に走り出す。

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

「ホセ!!!何でデュエルを中断したんだ!?」

 

雲よりもはるかに高い3つの白い物体・・・・・その内一つの席は空いているが残りの二つにはそれぞれ1人ずつ座っている。1人は先ほどまで遊輝と戦っていたルチアーノ、もう1人は初老をすぎた見た目のお爺ちゃんみたいな大柄な人だ。

 

「先のデュエル・・・・・ルチアーノの勝ちの見込みは100%に限りなくない」

 

「何故だ!?僕の伏せカードにはゴースト・コンバートがあったんだ!!あれを使えばあの男のトラップは防ぐことができた!!」

 

「だがあの男にはもう1枚の伏せカードがあった・・・・それがゴースト・コンバートの効果を無効にするカウンター罠だったらどうしていた?」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「仮にゴースト・コンバートの発動に成功しても次のあの竜の攻撃でスキエルは破壊される。そうなればルチアーノ、お前の手札は0、フィールドは無意味なゴースト・コンバート1枚のみ、さらにSPCも5つしかなく追加のドローも出来ない。あのデュエルはあの男の勝利に近い」

 

そう言ったルチアーノがホセと言ったお爺ちゃんは椅子から立ち上がり、椅子の後ろに行くと姿を消した。一人残ったルチアーノは苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

「クソッ・・・・・クソッ!!!今度は絶対に負けない!!!あの男は僕が倒す!!!」




今回は私一人で、ここんところお知らせとか謝罪とか申し訳ございません。色々とイベントが立て込んでまして・・・・・


皆様に提案したいことが2、3つあります。


まず1つ目が夏休み合宿の後すぐに2度目の文化祭が行われるのですが・・・・数年前にすぴばるで色々とありまして、コラボすることになりました。
コラボと言ってもデュエルはなくコントをするだけという、遊戯王の小説なのにデュエルをしないという前代未聞のイベントです。どこかの蟹頭から「おい、デュエルしろよ」って聞こえますが、気にしない。

すぴばるだけで既に7名近い作者様、30人近くのキャラがいますが、さすがにハーメルンだけ呼ばないマズイのでハーメルンでも募集をしてみます。

登場させたいキャラ、そしてそのキャラのモンスターのコスプレ(ArcーVのモンスター可)でお願いします。人数制限はできる限り3人まででお願いします。




二つ目、これも文化祭ですが・・・・・・実はこれ、ボツですが、私の東方projectのキャラを文化祭のタイミングで招待しようと思ったのです。しかし、流石に他の作品のキャラを載せるのもどうかな〜と思いますし、何よりキャラが多すぎるのでボツにしました。

ここで提案というのが、番外編の方で、夏休みのどこかという設定で呼ぼうと思ってます。内容は未定です。


三つ目は文化祭後にやったアカデミアデュエル大会なのですが・・・・今回はパスしようと思ってます。理由はネタがないのと同じデュエルになりそうというところです。そんなことをしてまでやるんだったらさっさと話を進めた方が良いと考えてます。



いずれの3つも私の活動報告で同じようにスレを立てます。皆さんの意見を活動報告・メッセージで聞きたいので是非意見を聞かせてください、そして賛否のどちらかを教えてください。


次回は夏休みに入ります。
ここから3〜5話ほど、軽音部の夏合宿に入ります。

次回は【夏休みだ!海だ!合宿だ!】です。次回もよろしくお願いします。


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第103話 夏休みだ!海だ!合宿だ!

今回はデュエルなしです。
笑いあり、涙なし(笑)、楽しい楽しい夏合宿の始まりです。


人気投票・質問、文化祭のコラボなど色々と受け付けております。人気投票はマジで少なくて困ってます!!投票したい方は私へのメッセージもしくは活動報告にお願いします!


遊輝 side

 

 

ここだ・・・・ここさえ切り抜けば・・・・そう思い、俺は響から1枚のカードを引き抜く。

「・・・・・だああああ!!!!ババだ!!」

 

「よし!私の番ね!こういうのは深く考えないのがいいのよ!!えい!!」

 

「あああああ!!!!!」

 

「遊輝の負けね、というわけで荷物運びよろしく〜〜」

 

軽音部の蒸し暑い部室・・・・・・

今、ここでは夏よりも暑い戦いが行われていた・・・・・・・そう、荷物運びを掛けたババ抜きを!!しかし俺は無様にも負けてしまい、明日の明朝から荷物運びをさせられる羽目になってしまった・・・・orz

 

「茜〜〜、大丈夫だった?」

「大丈夫大丈夫!お母さんのスタッフが免許取っていたから中型で楽器を運べるよ!」

 

「よかったよかった。それじゃ遊輝、明日は朝5時にここに来てね」

 

「は〜い・・・・・」

 

「ねぇねぇ!!向こう着いたら何する!?まず泳ぐ!?」

 

凹む俺に対して1位上がりの響は向こうで何をするのか考えている。

俺たち軽音部は明日から2週間ほど、合宿に出かける。目的としては文化祭の練習とWRGPに向けてのDホイールの練習、ちょうど練習に使えそうなレーンを見つけたので、茜のお母さんに頼み近くの大きなペンションを借りることにした。・・・・・ん?去年?まずそこまで大掛かりなライブじゃなかったし、第一レミがフォーチュン・カップに出場したりしてそんな余裕なかった。

 

「その前に宿題持って行っとけよ」

 

「うっ!?しゅ、宿題!?」

 

「当たり前だろ、宿題やらないバカが何処にいるんだよ」

 

はしゃぐ響にスバルが宿題の二文字を言って、一気にしぼむ。勉強嫌いな響にとって宿題は苦痛でしかならない。

 

「どっちにしろ明日は移動だけで半日だし・・・練習している時間はないから遊ぶか宿題の2択だろうね」

 

「じゃあ遊「さっさと宿題終わらせようぜ」うっ・・・・・」

 

「そうね、宿題は早く終わらせておきましょう」

 

「嫌だな・・・・・」

 

「嫌もクソもあるか。宿題持ってこいよ」

 

「せっかくの合宿なのに初日から宿題なんてやりたくないよ!!」

 

 

〜〜(次の日)〜〜

 

 

「くっそ寝みぃ・・・・」

 

現在、朝の9時。

朝5時から楽器の荷物運びという重労働をさせられ、すでに俺の身体は肉体的にも精神的にも疲労困憊、流石にレミは来てくれてあとは茜のところのスタッフも運んでくれたとはいえ、結構な量を運ぶ羽目になった。

 

「ご苦労さん、荷物はすみれさんの車に乗せて私たちはDホイール乗って行くわよ」

 

「それは分かるぞ・・・・・・」

 

「いえい!!」

 

「・・・・何故龍亞たちがいる?」

 

集合時間に俺たち軽音部とすみれさんと来て、さぁ行こうかというときに何故か小等部の4人もDボードに乗ってやって来た。

 

「俺たちも行くことになった!!」

 

「師匠、よろしくお願いします」

 

「いやいやいや!?!?俺そんな話聞いてねぇぞ!?」

 

「わ、私も知らないわよ!?」

 

「私が誘ったのよ。可哀想でしょ〜〜、この子達だけお留守番って」

 

そう言ってすみれさんが運転席から出てきた。

またこの人は勝手に・・・・・(汗)レミもため息ついている。

 

「すみれさん、この子達そもそも小等部ですから部活に入ってませんよ」

 

「細いことは気にしな〜い♪それにちゃんと条件を付けたんだから♪」

 

「条件?」

 

「それは内緒♪君たちはどうする?それ乗って来るの?それとも車に乗る?」

 

「俺たちはDボードに乗って行きます!」

 

「スピードの方は大丈夫です!昨日、遊星に調整してもらったので!」

 

あ〜・・・だから帰ったあと二人して遊星のところに行ってたんだな。

 

 

ちなみにあのDボード、あの4人でコソコソと練習していた所を小等部の誰かが見たらしく、その翌日に小等部が大騒ぎ、何かしらの披露会みたいなことをやったらしい、んで、元々エンジン開発で資金ぶりに困っている遊星に俺が「これ、作って売ったら?」って一言付け、牛尾さんと狭霧さん所に持っていたら直ぐに開発が始まった。恐らく夏休み中には販売されるんかな?もちろん、発明の原案である遊星とスバルになっているので、原案を持って行った時点で二人はかなりの額を貰ったみたい。

 

「それじゃ、合宿の場になるペンションまでレッツゴー!!」

 

すみれさんが車に乗り込んで走らせる。俺たちもその後ろに付いて行く。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「到着〜〜」

 

「途中昼飯食ったとはいえ6時間・・・・・渋滞しんどかった」

「はぁ・・・・初日からもうクタクタだぜ」

 

何とかペンションについた時にはもう3時を回っていた。走り始めて1時間に事故による渋滞とか・・・・ついてなかった(汗)

 

「荷物はスタッフたちに運んでもらって、Dホイールは・・・・・そこにガレージがあったからそこに止めて」

 

「は〜い」

 

「さて、まずはこのペンションの大掃除からよ」

 

「えっ!?大掃除!?」

 

「ここ、知り合いから借りたんだけど、何でも暫く使ってないって言っていたからね。まずは大掃除から始めないと」

 

「えぇ・・・・・」

 

ただでさえクタクタで疲れているのにここでまだ疲れさせるのかよ・・・・(汗)

 

「はいはい!!じゃあ君たちは2階ね!!私たちは1階をしましょう!!茜とレミは風呂掃除!!奏と響は台所!!残りはリビングと廊下をやってちょうだい!!」

 

「すみれさんは?」

 

「私は食料調達、お金を管理しているの私なんだから」

 

・・・・・・この人が一番楽しようとしているのは俺だけかな?いつの間に渡された雑巾が入ったバケツを右手にホコリ取りを持たされる。

 

「じゃあよろしく〜」

 

すみれさんは車のキーを持ってこのペンションから出て行った。くそう・・・・・あの人の料理に大量にワサビをぶち込んでやる・・・・・

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「ふぃ〜〜・・・・・・何とか終わった」

 

みんなで手分けをしてペンションは来る前よりも綺麗にはなった。使っていないという割には埃とか少なくどっちかというと綺麗にしてある方だったけど・・・・・すみれさんはついさっき帰ってきて食料やら何やらを整理している。

 

「(とりあえず荷物を借りる部屋に置いといて・・・・もう5時だもんな、こりゃ本当に宿題をちょっとやって、食べて、風呂入って、寝るだけだな)。そう言えばあの人、何買って来たんだ?」

 

ガシッ

 

「へっ?」

 

冷蔵庫に突っ込んだ食料を確認しようと台所に行こうとすると後ろから襟を誰かに掴まれた。

 

「ごめん遊輝、ちょっとお願いがあるんだけど・・・・」

 

「な、何・・・・・・」

 

「いや・・・・あれ何とかして・・・」

 

襟を掴んだのはレミ、俺を掴んでそのまま反転させる。そこにいたのは・・・・・

 

『とうりゃあ!!!!!!』

 

ガッシャーーーン!!!!!

 

『楽しーーー!!!』

 

『・・・・・・・・・(コク、コク)』

 

『オマエタチ、ウルサスギ』

 

「・・・・・・・・・・」

 

「あれ、何とかして・・・・」

 

ブリザード・プリンセスがバケツを振り回して遊び、それを見て喜ぶブラックやホワイトにハネクリボー、アースは相変わらず寝ていて、ケルキオンだけが唯一まともに注意喚起をしているがプリンセスは聞く耳を持たない。

 

「・・・・そう言えばファランクスは?」

 

「寝ている」

 

「あ、そうっすか・・・・」

 

「というわけであれ、よろしく」

 

「はぁ・・・・お前ら何してるんだ?」

 

『あやかしている!!』

 

「あやかしもクソもねぇだろ!とりあえずここで遊ぶな!外で遊べ!」

 

『えぇ・・・・・』

 

「えぇじゃねぇ!!せっかく掃除したのにこんなに散らかして!!遊びのはいいが外で遊べ!!」

 

『は〜い・・・・・』

 

肩を落としたプリンセスを先頭にしてブラック、ホワイト、ハネクリバーが外に出て行く。アースはそのまま寝ていて、ケルキオンは2階へと行った。

 

「全く・・・・プリンセスは持ち主に似て・・・・あいつ一応女王なんだろ?」

 

「あ、あはは・・・・・(汗)」

 

ちょうど入れ替わりでリビングに来た響に少し嫌味っぽく言うと、苦笑いで返してきた。

 

「さて・・・・冷蔵庫を覗くか・・・・」

 

ようやく落ち着いたので今度こそ冷蔵庫の中身を覗く。ふむふむ・・・・魚や野菜が多少多いけど、バランスよく買ってきてるな。ていうか量が多い・・・・・そりゃまぁ1回で20人近く作らないといけないけど・・・・・

 

「(・・・・20人前作らなきゃいけないってことは今からやらないと間にあわねぇじゃないか(汗))」

 

こういう時こそ出前が良いんだが、さすがに初日から出前は無いな・・・・金持ってるのがすみれさんだし、全部あの人持ちだからあんまり言えないな・・・・・

 

「さ〜てと・・・・・まぁ適当に作っていくか」

 

野菜室から適当な野菜と冷蔵庫から魚や豆腐、その他調味料類もだしてシンクの下にある物置場からフライパンや鍋を取り出す。

 

 

〜(2時間後)〜

 

 

「やっと出来た・・・・・量多過ぎたかな・・・・」

 

キッチンのテーブルにはとても置きれないのでリビングのソファにある大きな横長のテーブルにも料理を全ておいていわゆるビュッフェスタイル風にした。そうでもしないと20人分の小皿料理を1人1人に分けたら洗い物が多くなりすぎて大変だ。

 

「凄い美味しそうな匂いがするね!」

 

「飯だ飯だ!!」

 

リビングに入ってきた響や龍亞、さらにはすみれさんところのスタッフも来た。プリンセスやブラック・ホワイトたちも帰ってきた。(ブラックとホワイトに関して言えば勝手に実体化までしている)。

そして、それぞれが皿を1枚取って好きな料理を好きなだけ手に取りソファや椅子、ゆかに座って椅子の上に乗せて食べるものもいる。

 

「(なんかこう見たら・・・・・本当に学生の合宿か?(汗)半分くらい以上が大人だぞ)」

 

そういえばすみれさんって何でついてきたんだろう・・・・名目上は俺たちの監視役って聞いていたけど、明らかに人呼びすぎだ、・・・

「(・・・・まぁいっか、今日はもう朝から動いて疲れた。早く食べて早く寝よう)」

 

そう思い、俺も適当に自分自身で作った料理を手にとっていく。

 

 

 

 

 

 

ここから波乱(笑)の夏合宿が始まる・・・・・

 

 

 

 




フラン「合宿って何するの?」

遊輝「基本的には泊まり込みで鍛えるんだ。短期で集中的にやる事で技術の向上を目的にする。本来は1つの目的で合宿を行うのだが、今回は急ぎでやらないといけないから2つ目的があるんだ」

文「それにしても遊輝さん、あのヘンテコな物に乗る姿、サマになってましたよ」

遊輝「(ヘンテコな物って・・・・(汗))」

フラン「フランも乗りた〜〜い!!」

遊輝「手足が届かないだろう」

フラン「そっちじゃなくてあの4人が乗っていた物!!あっちの方が面白そう!!」

遊輝「(・・・・スケボーぐらいなら大丈夫か)」

文「次回は夏合宿、軽音部のメンバーは音楽合宿をしますがその間に小等部の4人衆はDボードの特訓です」

フラン「実は何気にライディングデュエルは初めて、【初めてのライディングデュエル】」

遊輝「次回もよろしくお願いします」


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第104話 初めてのライディングデュエル

最強カードの紹介〜〜。

祈「お、お久しぶりです」

大学も3年目、研究室所属になったためかなり多忙になってきました。

祈「な、なんか、英語の文章を読んでましたね・・・」

英語の専門教科書、1章分を丸々訳さなければならないのでもうピッチでやっております。そのため、小説の更新はできる限り週に1度、どこかでやっていますが今後、このペースが崩れるかもしれないのでご了承ください。

祈「カ、カードの紹介に行きましょう」

今回はD・モバホン!意外や意外、今回が初紹介だ!

祈「Lv1の機械族で攻撃表示の時にサイコロを振って、出た目の数だけデッキの上からめくり、その中に《ディフォーマー》がいたら召喚条件を無視して特殊召喚します」

スマホンが出たおかけでようやくテキストが輝いたようなカードだな・・・、ディフォーマーはこのカードとスマホンを軸にしてシンクロ特化型、ボードン装備1kill型の2パターンがあるが、どちらにも重要なキーカードだ!!

アンケート・質問・人気投票を受け付けております。人気投票・アンケートは少なくて困っています!!私の活動報告かメッセージでご意見・投票などを受け付けてますのでよろしくお願いします!

祈「だ、第104話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


遊輝 side

 

 

「では後半最初の『アポロ』から行きます」

 

「よろしくお願いしま〜す」

 

・・・・♪♪♪♪♪

 

ガラス越しに見えるスタッフさんがパソコンに連動している大きくて本格的なミキシングコンソールのスイッチが押されると、俺のヘッドホンに別部屋で収録されたポルノグラフィティの『アポロ』が流れそれに合わせてマイクに近づいて歌う。

 

合宿最初の1週間はライブに向けた特訓、その中でも最初の3日間はありがたいことにレコーディングの経験をさせてくれることになった。本当なら広いスタジオで練習をするんだが、個人的な練習も兼ねてこういうことを体験出来るのでありがたい限りだ。

 

♪♪♪♪♪・・・・・・

 

「1回聞きま〜す」

 

「分かりました」

 

・・・・・♪♪♪♪♪♪

 

手元にある小型のミキシングコンソール(どこのメーカーのどんな名前かは知らない)でスイッチを押し、イヤフォンから流れてくるさっき歌った自分の歌を聴く。

 

「(・・・・・・あ、これ最初で少しズレている)すみません、開幕からやり直します」

 

「分かりました」

 

こんな感じでレコーディング作業は続く。初日に奏だけがやったが、「自分の歌声を聴くってなかなか出来ないから新鮮で良いよ」って言っていたけど、確かにすごい。ここまで繊細に自分の歌う声を聴けたことなんて今までなかったから。

・・・・・他の奴ら?別の場所で練習している。奏も最初、録音から入ったけど「今日は全然ダメ」とか言って30分ぐらいして俺のところに来た。龍可たちは・・・・・あれの練習でもしていると思う。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

・・・・・ビューン!!!

 

「いいぞ恭輔!!」

 

レーンで走る恭輔を私達はピットで見守る。私達も私達でDボードの合宿をやっているため、軽音部がライブのために練習している間は私達がレーンで練習をする。今は恭輔のタイムアタック、ラップは3分ちょっと、レーン自体が長いけどかなりハイペースにラップを置いていっている。

 

ビュ〜〜〜・・・・・・

 

タイムアタックを終えた恭輔がピットに入って、Dボードの端に体重を乗せ先端を浮かせて手に取る。

 

「ラップタイムは?」

 

「3:15、3:09、3:06、3:08、3:04で15:42よ」

 

「は、速いですね・・・・・」

 

「龍亞さんには敵いませんでしたけど」

 

「祈〜〜、次だぞ」

 

「は、はい!」

 

龍亞に急かされて祈がヘルメットを被り、Dボードに乗る。円を描くようにして少し慣らし、スタートラインに立つ。横にいるスタッフさんが機械を操作すると祈の目の前にシグナルが表示され、赤から青に変わるとDボードにエンジンがかかり、走り出す。

 

「次の練習どうする〜〜?」

 

「そうですね・・・・・基礎的な事はもう大丈夫ですし」

 

「・・・・・そろそろやってみる?デッキも出来たのでしょう?」

 

「初めてのライディングデュエルか!!良いな!!」

 

「祈さん戻ってきましたよ」

 

「1週目は・・・・3:26ね」

 

「祈〜〜!!!スピードアップだ!!!」

 

私のラップタイムを聞いて龍亞はスピードを上げるように指示をする。祈はそれを聞いたのかはたまた自分の意思なのかDボードのスピードを上げていった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「つ、疲れました・・・・・」

 

「1時間半くらいぶっ通しで練習してましたからね」

 

祈の練習が終わった時にお昼の時間だったので近くのお店に入った。私たち以外にもすみれさんが来て、奢ってくれた。

 

「じゃあ午後はライディングデュエルをやろう!!」

 

「グッパで対戦相手を決めましょう」

 

「「「「グッ〜トパッ」」」」

 

「俺と龍可か」

 

「僕と祈さんですね」

 

「わ、私・・・・不利なのでは?(汗)」

 

「そんな事言ったら俺だって装備魔法使えなくて困るよ」

 

「龍亞はまだ罠装備とか対応出来るでしょ、祈はジェムナイト・フュージョンを使えないという致命的な状況なのよ」

 

「・・・・ライディングデュエル用の予備のデッキを考えておく必要があるかもしれないくらいです」

 

「まぁとにかく、論より証拠、龍可!早速やろうぜ!」

 

「龍亞さんの口から論より証拠が出るなんて・・・」

 

「恭輔、お前俺をバカにしているだろ?」

 

「補講コースまっしぐらだったじゃないですか」

 

「さぁやるぞ!!」

 

「・・・・逃げましたね(ボソッ)」

 

恭輔の口撃に耐えられず、先に龍亞はDボードに乗ってスタート地点に立つ。やれやれと言った私もヘルメットを被って、デュエルデスクをDボードから出たコードに繋げ、フィールド魔法ゾーンに《スピードワールド2》のカードをセットする。そして、Dボードのエンジンを付けてスタート地点に並ぶ。

 

「行くぞ龍可!」

 

「こっちだって負けないわよ!」

 

私たちの目の前にシグナルが出る。赤から青になるタイミングと同時に私と龍亞はスタートダッシュをする。

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

龍亞 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「先行はもらうぜ!!」

 

「そうはさせないんだから!!」

 

お互いに第一コーナーを取ろうとDボードのエンジンをフルスロットルで駆け抜ける。しかし、突然龍亞がこっちに近づいてきた。

 

「へへへ、そりゃ!!」

 

「あっ!?」

 

龍亞がDボードを軽く浮かして私へと体当たりしようとしてきた。危ないと思った私は少しスピードを緩めたけど、龍亞は分かっていたのか身体を空中で1回転させて私よりも高く飛び上がる。そのまま横のバンプに着地してバンプから降りた時の勢いを付けて第一コーナーを曲がっていった。

 

「先行もっらい!俺のターン!」

 

龍亞 手札 6枚

 

龍亞 SPC 0→1

龍可 SPC 0→1

 

「D・モバホンを召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

龍亞の横に携帯が出てきて変形、モバホンが姿を現して龍亞の隣を走り出す。

 

「モバホンの効果発動!ダイヤ〜ル、オン!!」

 

モバホンの胸が点滅して、2の数字で光が止まる。

 

「2か〜、1枚目、D・ボードン!2枚目、ロケットハンド!D・ボードンを守備表示で特殊召喚!」

 

D・ボードン 守1800

 

「ボードンが守備表示の時、ボードン以外の《D》は戦闘で破壊されない!カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

D・モバホン 攻100

D・ボードン 守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

もう・・・ほんっと危ないことするんだから・・・

 

「私のターン、ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

龍亞 SPC 1→2

龍可 SPC 1→2

 

「チューナーモンスター、ライトロード・アサシン ライデンを召喚!」

 

ライトロード・アサシン ライデン 攻1700

 

「ライデンの効果発動!1ターンに1度、デッキの上からカードを2枚墓地に送り、その中に《ライトロード》のモンスターがいた場合、相手ターン終了時まで1枚につき200ポイント攻撃力がアップする!」

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・ビースト ウォルフ

・ライトロード・サモナー ルミナス

 

「墓地に《ライトロード》のモンスターが2枚落ちたから攻撃力が400ポイントアップ!」

ライトロード・アサシン ライデン 攻1700→2100

 

「さらにデッキから墓地に落ちたことでライトロード・ビースト ウォルフを特殊召喚!」

 

ライトロード・ビースト ウォルフ 攻2100

 

「(相変わらず何でそんな都合よく落ちるんだよ!!)」

 

「バトル!ライトロード・アサシン ライデンでD・モバホンに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!」

 

くっ・・・・さすがにそう簡単には終わらせてくれないわね・・・ここは墓地肥やしとドローを優先しよう。

 

「メインフェイズ2、Lv4のライデンとウォルフでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!光の聖者が人々の女神となる!エクシーズ召喚!ライトロード・セイント ミネルバ!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ 攻2000

 

ライデンとウォルフの2体がブラックホールに吸い込まれていき、白いローブを身につけたミネルバが現れた。

 

「ライトロード・セイント ミネルバの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、デッキの上から3枚を墓地に送る!その中に《ライトロード》と名のついたカードがあれば1枚につき1枚ドローできる!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ OVR 2→1

 

墓地に落ちたカード

・ライトロードの裁き

・超電磁タートル

・ライトロード・オラクル ゼウス

 

「墓地に落ちたカードの中にライトロードと名のついたカードは2枚!よって2枚ドロー!さらに墓地に落ちたライトロードの裁きの効果!デッキから裁きの龍を手札に加える!」

 

「何で毎回毎回そんな都合よくカードが落ちるんだよ!!」

 

龍可 手札 5枚→7枚→8枚

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍可 手札 6枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

ライトロード・セイント ミネルバ 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「(あれ絶対可笑しいだろ!!手札使わないであの場だぞ!!)俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 3枚

 

龍亞 SPC 2→3

龍可 SPC 2→3

 

前のターンにモバホンとボードンを処理出来なかったのが痛いわね・・・モンスターを大量展開させてしまうわ・・・・

 

「モバホンの効果発動!ダイヤ〜ル、オン!」

 

再びモバホンの胸の数字が点滅を始め、今度は4で止まる。

 

「1枚目、速攻のかかし!2枚目、D・スコープン!3枚目、神の宣告!4枚目、SPーエンジェル・バトン!チューナーモンスター、D・スコープンを特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンの効果発動!攻撃表示の時、手札からLv4の《D》を特殊召喚できる!D・ラジカッセンを特殊召喚!」

 

D・ラジカッセン 攻1200

 

「ボードンを攻撃表示に変更!」

 

D・ボードン 守1800→攻500

 

「ボードンの攻撃表示の効果で俺の《D》はダイレクトアタックが出来る!さらにラジカッセンは2回攻撃が出来る!バトル!D・ラジカッセンでダイレクトアタック!」

 

「そんな攻撃通したら致命的よ!墓地の超電磁タートルの効果発動!このカードを除外してバトルフェイズを終了させる!」

 

ラジカッセンが体当たりしようとしてきたところで超電磁タートルが現れて私の前に電磁波の防壁を作り、ラジカッセンの攻撃を受け止めた。

 

「チェッ・・(まぁそうしないと残りライフが200、スピードワールドの効果で負けてしまうもんな)メインフェイズ2に入って、Lv1のモバホンとLv3のボードンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆1 + ☆3 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 守2500

 

スコープンが輪になって、星になったモバホンとボードンがその中に入ると一つの光となり、パワー・ツール・ドラゴンが現れて膝を折った。

 

「守備表示で出すなんて珍しいわね!」

 

「装備魔法を持ってこれないし、攻撃も出来ないんだったらこれが最善の策だろ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 1枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

D・ラジカッセン 攻1200

パワー・ツール・ドラゴン 守2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 7枚

 

龍亞 SPC 3→4

龍可 SPC 3→4

 

あんまり手札が良くないわね・・・・

 

「ライトロード・セイント ミネルバの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、デッキの上からカードを3枚落とす!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ OVR 1→0

 

墓地に落ちたカード

・ブレイクスルー・スキル

・SPーデッド・シンクロン

・ライトロード・アサシン ライデン

 

「墓地に落ちたカードの中に《ライトロード》とついたカードは1枚、よって1枚ドローできる!」

龍可 手札 7枚→8枚

 

・・・・よし!ソーラー・エクスチェンジが来た!

 

「SPーソーラー・エクスチェンジ!SPCが4つ以上ある時、手札の《ライトロード》モンスターを捨てて2枚ドロー、その後デッキの上から2枚を墓地に落とす!私が捨てるのはライトロード・マジシャン ライラ!」

 

墓地に落ちたカード

・ライトロード・シャーク スクァルス

・ライトロード・バタフライ ファルファッラ

 

「デッキから墓地に落ちたライトロード・シャーク スクァルスとライトロード・バタフライ ファルファッラの効果!この2枚のカードを特殊召喚する!」

 

ライトロード・シャーク スクァルス 攻300

ライトロード・バタフライ ファルファッラ 攻0

 

「ライトロード・モンク エイリンを召喚!」

 

ライトロード・モンク エイリン 攻1600

 

「Lv4のライトロード・モンク エイリンにLv3のライトロード・シャーク スクァルスをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる!シンクロ召喚!降誕せよ!エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン 攻2100

 

スクァルスが3つの輪になって、その中に星となったエイリンが入ると一つの光となり、エンシェント・フェアリー・ドラゴンが現れた。

 

「まだよ!Lv7のエンシェント・フェアリー・ドラゴンにLv1のライトロード・バタフライ ファルファッラをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

ファルファッラが作った1つの輪にエンシェント・フェアリーが中に入って、そのまま宇宙へと飛んでいく。

 

「古の妖精龍が星の力を授かる時、永遠の宇宙を駆け抜ける流れ星に変わる。希望の弧を描く箒星となれ!シンクロ召喚!流れ行け!エンシェント・コメット・ドラゴン!」

 

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0

 

宇宙から彗星が流れるような綺麗な弧を描いてフィールドに降りてきたのは魔法使いのようなとんがり帽子を被って、周りにいくつかの星が回っているエンシェント・コメットだ。

 

『この姿は久々ですね』

 

「そうね・・・龍亞のライフ・ストリームもそうだけど滅多に出せないから、ごめんね」

 

『気にしてませんよ』

 

「ありがとう、エンシェント・コメットの効果発動!1ターンに1度、フィールドのカード1枚を破壊する!」

 

「チェーンでSPー禁じられた聖杯!」

 

「!?しまった!!」

 

「SPCを1つ取り除いて、エンドフェイズまでモンスター1体の攻撃力を400ポイントを上げて効果を無効にする!対象はエンシェント・コメット・ドラゴン!」

 

龍亞 SPC 4→3

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0→400

 

エンシェント・コメットの上から杯を持った天使が現れて、杯の中に入っている液体をエンシェント・コメットの上からかける。液体をかけられたことでエンシェント・コメットは力を抜けたような状態になる。

 

「(くっ・・・・仕方ない。ここは)墓地に《ライトロード》が4種類以上あるため裁きの龍を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

エンシェント・コメットの隣に天空から光が射して裁きの龍が上空の雲から降りてくる。

 

「裁きの龍の効果発動!ライフを1000ポイント払って・・」

 

「カウンター罠、神の通告を発動!ライフを1500払って、効果モンスターの効果を無効にして破戒する!」

 

「嘘っ!?」

龍可 LP 4000→3000

龍亞 LP 4000→2500

 

裁きの龍が効果を使おうとしたところで上空から雷が裁きの龍を撃ち、裁きの龍が何も出来ずに破壊されてしまう。

「(クッ・・・・通常召喚もしちゃったし、手札はモンスターで溢れている・・・何も出来ない)バトル!ミネルバでラジカッセンに攻撃!」

 

ライトロード・セイント ミネルバ 攻2000

D・ラジカッセン 攻1200

 

龍亞 LP 2500→1700

 

「ターンエンド!」

 

 

龍可 手札 6枚 LP 3000 SPC 4

【モンスターゾーン】

ライトロード・セイント ミネルバ 攻2000

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻400→0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 2枚

 

龍亞 SPC 3→4

龍可 SPC 4→5

 

「(・・・・一応使うか)SPーサイクロン!SPCを2つ取り除いて左側のカードを破壊する!」

 

龍亞 SPC 4→2

 

フィールドにサイクロンが吹き荒れて私の伏せカード1枚を破壊していった。

 

「(・・・ブラフのSPか)パワー・ツールを攻撃表示に変更!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 守2500→攻2300

 

「リバースカードオープン!罠カード、メタルジェノサイダー!このカードは発動後、機械族モンスターの装備カードとなる!」

 

上空から青色に染まった大きな機械が降ってきて、パワー・ツールの右手が外れてその機械が備え付けられる。備え付けられた後、機械が変形してエネルギー砲みたいな形になる。

 

「装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→3300

 

あっ・・・・私の伏せカードはさっき破壊されたSPー大嵐とスキル・プリズナーだから・・・・負けね。

 

「バトル!パワー・ツール・ドラゴンでエンシェント・コメット・ドラゴンに攻撃!デッド・エンド・シュート!!」

 

パワー・ツールの右手に備え付けられた大きな銃がエンシェント・コメットに照準を合わせてエネルギー弾が放たれる。攻撃力がないエンシェント・コメットは何も抵抗出来ずに破壊されてしまった。

 

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻3300

エンシェント・コメット・ドラゴン 攻0

 

龍可 LP 3000→0

 

 

WIN 龍亞 LOS 龍可

 

 

 

「勝った〜〜〜!!!!これで龍可に通算40勝目!!」

 

レーンからピットに戻り、ヘルメットを取った龍亞がVサインを突きつける。う〜ん・・・今日は良いところが無かったな。

 

「その間に200敗以上しているじゃないですか」

 

「失礼だな!!今の所まだ197敗だ!!」

 

「(ど、どんぐりの背比べみたいなものじゃないですか(汗))」

 

ていうか今までの負けた回数を数えていたの(汗)私も最初の方は嬉しくて数えていたけど途中で面倒くさくなってきちゃった・・・

 

「次は僕と祈さんですね」

 

「お、お互いに頑張りましょう」

 

ヘルメットをピットに置いた私たちの代わりに今度は恭輔と祈がヘルメットを被り、自分のデュエルデスクにDボードのコードを接続させる。そして、Dボードのエンジンをかけて動かし、スタート地点に並ぶ。それを見た横のスタッフさんが電子機器を叩いて2人の目の前にシグナルを表示する。

 

「行きますよ・・・・」

 

「・・・(ゴクリ)」

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!」」

 

祈 LP 4000 恭輔 LP 4000

 

スタートダッシュで恭輔が一歩前に出て、そのまま第一コーナーも恭輔が取った。

 

「僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 6枚

 

恭輔 SPC 0→1

祈 SPC 0→1

 

「(・・・・あんまり手札が良くないですね)星因子シャムを守備表示で召喚!」

 

星因子シャム 守1800

 

「シャムは召喚時、相手に1000ポイントのダメージを与えます!」

 

祈 LP 4000→3000

 

このシャムってカード、地味に強いよね。召喚や特殊召喚するたびに1000ポイントダメージを受けるんだから。

 

「カードを4枚伏せてターンエンドです!」

 

恭輔 手札 1枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

星因子シャム 守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

祈 手札 6枚

 

恭輔 SPC 1→2

祈 SPC 1→2

 

「(いきなり4枚の伏せカード・・・・バックが多くて動きづらい)ジェムナイト・アレキサンドを召喚!」

 

ジェムナイト・アレキサンド 攻1800

 

「ジェムナイト・アレキサンドの効果発動!カードをリリースしてデッキから《ジェムナイト》通常モンスターを特殊召喚します!ジェムナイト・クリスタを特殊召喚!」

 

ジェムナイト・クリスタ 攻2450

 

祈のアレキサンドが消えて、代わりにジェムナイト・クリスタがフィールドに出てきた。普段入れていないアレキサンドやクリスタを入れている辺り、やっぱりRD用のデッキは難しいみたいね。

 

「バトルです!ジェムナイト・クリスタで星因子シャムに攻撃!」

 

「(・・・この攻撃は通しましょう)」

 

ジェムナイト・クリスタの攻撃は星因子シャムに通って、シャムは破壊されてしまう。

 

「(通った?ここまで一枚も発動していないですし・・・・)カードを3枚伏せてターンエンドです!」

 

 

祈 手札 2枚 LP 3000 SPC 2

【モンスターゾーン】

ジェムナイト・クリスタ 攻2450

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 2枚

 

恭輔 SPC 2→3

祈 SPC 2→3

 

「(一番良いカードが来た!)SPー増援を発動!SPCを3つ取り除いて、デッキから星因子ウヌクを手札に加え、そのまま召喚します!」

 

恭輔 SPC 3→0

星因子 ウヌク 攻1800

 

「ウヌクの効果!召喚時、デッキから《テラナイト》モンスターを墓地に送ります!僕が送るのは星因子デネブ!リバースカードオープン!永続罠、竜魂の源泉!墓地のモンスターを幻竜族にして守備表示で特殊召喚します!星因子デネブを特殊召喚!」

 

星因子デネブ 守1000

戦士族→幻竜族

 

相変わらずたった1枚のカードであれだけ動けるわね・・・一気にLv4が2体揃ったよ。

 

「デネブの効果でデッキから星因子アルタイルを手札に加えます。Lv4のウヌクとデネブでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!セイクリッド・オメガ!」

 

セイクリッド・オメガ 攻2400

 

ウヌクとデネブが吸い込まれて現れたのは上半身が人型、下半身が馬のケンタウロスを思わせる身体をしていて、白い甲冑を身につけ、神聖騎士を思わせる。

 

「攻撃力2400・・・それではジェムナイト・クリスタを破壊出来ません!」

 

「このモンスターは布石です!セイクリッド・オメガでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

「えっ!?」

 

出てきたばかりのセイクリッド・オメガが再び現れたブラックホールに吸い込まれていく。

 

★4→★6

 

「ランクアップ・エクシーズチェンジ!セイクリッド・トレミスM7!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

 

ブラックホールから現れたのはケンタウロスみたいな半人半馬のオメガではなくて機械天使のトレミス、遊輝の聖刻デッキにも入っているモンスターだった。

 

「バトルです!セイクリッド・トレミスM7でジェムナイト・クリスタに攻撃!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

ジェムナイト・クリスタ 攻2450

 

祈 LP 3000→2750

 

「ぐうう!!!」

 

トレミスの攻撃を受けた祈のDボードがバランスを崩して左側の壁に当たりそうになったけど、祈が体重を右側に傾けたことでDボードが右に旋回、そしてすぐにバランスを元に戻したことで立て直すことに成功した。

 

「やりますね・・・ターンエンド!」

 

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000 SPC 0

【モンスターゾーン】

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

竜魂の源泉 (使用済み)

 

 

盤面は恭輔が支配しているわね。ただ、SPCは祈がまだ手を付けていない。ライディングデュエルだとこのSPCで勝敗が決まるからまだ分からないわね。

 

「私のターン、ドロー!」

祈 手札 3枚

 

恭輔 SPC 0→1

祈 SPC 3→4

 

「リバースカードオープン!凡人の施し!デッキから2枚ドローして、その後通常モンスター1体を除外します!私が除外するのはジェムナイト・サフィア!」

祈 手札 3枚→5枚→4枚

 

「(伏せカードで止められるのは分かるけど・・・攻めるなら今です!)クリスタル・ローズを守備表示で召喚!」

 

クリスタル・ローズ 守500

 

「クリスタル・ローズの効果発動!デッキからジェムナイト・ラズリーを墓地に落としてこのターンのエンドフェイズまでクリスタル・ローズはジェムナイト・ラズリーと同名カードとして扱います!」

クリスタル・ローズ→ジェムナイト・ラズリー

 

「そして墓地に送られたジェムナイト・ラズリーの効果!カード効果で墓地に送られた時、墓地から通常モンスター1体を手札に戻します!私はジェムナイト・クリスタを手札に戻し、リバースカードオープン!輝石融合(アッセンブル・フュージョン)!このカードはジェムナイト版の融合カードです!手札のジェムナイト・クリスタとジェムナイト・ラピスを融合!ジェムナイトレディ・ラピスラズリを融合召喚!!」

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 攻2400

 

ジェムナイト・クリスタとジェムナイト・ラピスの2体が融合されて、今や祈のエース的モンスター、ラピスラズリが現れた。

 

「さらにリバースカードオープン!廃輝融合(ダブレット・フュージョン)!」

 

「わ、罠融合2枚!?」

 

「自分フィールド・墓地からジェムナイト融合モンスターの素材となるモンスターを除外して融合召喚します!フィールドにいるジェムナイト・ラズリーとなったクリスタル・ローズ、ジェムナイト・クリスタ、ジェムナイト・ラピスで融合!永遠の絆を結ぶ時、核石(コア)を秘めたダイヤモンドが七色に輝く!!現れて!ジェムナイトマスター・ダイヤ!!」

 

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻2900

 

「ダイヤの攻撃力は墓地の《ジェム》モンスターの数×100ポイント上がります。墓地にはジェムナイト・アレキサンドとジェムナイト・ラズリーの2体がいます」

 

ジェムナイトマスター・ダイヤ 攻2900→3100

 

ダイヤにラピスラズリ・・・・・なるほど、ラピスラズリの効果でエクストラデッキのパーズを落としてダイヤでパーズを吸収すれば祈の勝ちだね。

 

「(万が一の時に手札にはスピード・フォースがあります。これなら破壊は怖くありません)ジェムナイトレディ・ラピスラズリの効果発動!デッキまたはエクストラデッキから《ジェムナイト》モンスターを墓地に送って、フィールドにいる特殊召喚したモンスターの数×500ポイントのダメージを与えます!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、デモンズ・チェーン!」

 

「!?(しまった!!スピード・フォースではデモンズ・チェーンを無効に出来ない!)」

 

「モンスター1体の効果を無効にして攻撃が出来なくなります!対象はジェムナイトレディ・ラピスラズリ!」

 

ラピスラズリが効果を使用しようとしたところで四方八方から鎖が現れ、ラピスラズリの身体に絡みついて雁字固めに拘束する。

 

「くっ・・・・仕方ないです。バトル!ジェムナイトマスター・ダイヤでセイクリッド・トレミスM7に攻撃!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、強制脱出装置!モンスター1体を手札に戻します!」

 

「!?(ま、また躱された!!)」

 

「対象はジェムナイトマスター・ダイヤ!!」

 

ダイヤがトレミスに突進して行ったがトレミスの前に機械が現れ、ダイヤはその中に入っていく。そして、機械が作動してダイヤは天高く舞い上がってしまった。

 

「くっ・・・・(私の行動が完璧に読まれてしまっている・・・)ターンエンド・・・」

 

祈 手札 2枚 LP 2750 SPC 4

【モンスターゾーン】

ジェムナイトレディ・ラピスラズリ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 3枚

 

恭輔 SPC 1→2

祈 SPC 1→2

 

「丁度良い感じにSPCも溜まりましたね。SPーエンジェル・バトン!カードを2枚ドローしてその後手札を1枚捨てます!」

 

恭輔はこのターンに仕留めに行くわよね・・・普通にアルタイル出して何かエクシーズすれば勝ちだけど・・・

 

「(・・・ちょっとやりすぎな感じもしますが詰めておきましょう)セイクリッド・トレミスM7の効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてフィールド・墓地からモンスターを手札に戻します!墓地の星因子デネブを手札へ!リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地から星因子アルタイルを特殊召喚します!」

 

星因子アルタイル 攻1700

 

アルタイルが墓地に?・・・・あ〜、エンジェル・バトンね。

 

「アルタイルの効果発動!墓地から《テラナイト》モンスターを守備表示で特殊召喚します!星因子シャムを特殊召喚!シャムの効果発動!1000ポイントのダメージを与えます!」

 

祈 LP 2750→1750

 

・・・・やっぱりシャムは可笑しいわね。

 

「星因子デネブを召喚!デネブの効果で2体目のアルタイルを手札に加え、Lv4のアルタイル・シャム・デネブでオーバーレイ!」

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星の彼方から舞い降りよ!星輝士トライヴェール!」

 

星輝士トライヴェール 攻2100

 

「ちょっ!?トライヴェール!?さすがにやりすぎでしょ!?」

 

「(いや、龍可は人のこと言えないじゃん・・・)」

 

「トライヴェールの効果発動!エクシーズ召喚成功時、このカード以外のフィールドのカードを全て手札に戻します!デルタ・オブ・ツイスター!」

 

トライヴェールを中心に竜巻が起こり、フィールドの全てのカードが天空へと舞ってしまった。

 

「あ〜あ・・・・ただでさえ絶望的な状況だったのに、デモチェ、リビデ、竜魂が手札に戻ってしまったよ(汗)」

「バトル!トライヴェールでダイレクトアタック!スターオーバー・ザ・ドライバー!!」

 

祈 LP 1750→0

 

WIN 恭輔 LOS 祈

 

 

デュエルを終えた2人がピッドに戻ってくる。先に帰ってきた恭輔がヘルメットを取って祈の方を見る。

 

「お疲れ様です。大丈夫ですか?」

 

「え、えぇ、しかし恭輔さんはやっぱり強いです・・・」

 

「祈も善戦していたわよ。ジェムナイト・フュージョンが無い状況で恭輔の首元に刃を突きつけることは出来ていたんだから」

 

「や、やはり融合を連続で出来ないのはなかなかキツいところが・・・」

 

「そうだよな〜・・・融合って手札消費激しいから何とかしないと・・・」

 

「僕、ちょっと休憩に入りますね」

 

「わ、私も・・・・」

「分かったわ」

 

Dボードとヘルメットを持って2人は談義しながらピッドから控え室に戻っていく。私は・・・・誰も使わないようだし、練習でもしておこう。そう思って、ヘルメットを手にする。

 

 




魔理沙「やっぱりテラナイトは強いよな!」

恭輔「そうですよね!カッコいいですし!」

霊夢「私的にはあのメタナイトは何か規制をかけてくれないと・・・・そうだよ、何でモンキーボードが・・・・」

龍亞「あれはどう考えてもおかしいカードです」

【遅くなりましが今回の禁止・制限、個人的には良改定だと思いますが一言だけ・・・・・・渓谷返せ!!!!!←元ドラグニティ使いの悲痛な叫び』

龍亞「(・・・何か聞こえたが気にしない)」

魔理沙「プトレマイオスが帰ってきてくれたな・・・・もっともっと強くなるはずだぜ・・・テラナイト縛りで帰ってきてくれ」

霊夢「あんなカード帰ってきたらそれこそ私はどうしろと・・・・」

恭輔「オリカの紹介に行きましょう」

龍亞「今回はSD・クロニクルさんから頂いた罠装備カード!!」


メタルジェノサイダー 通常罠 〈SD・クロニクルさん投稿〉
①自分フィールド上の機械族モンスターを対象にして発動する。
このカードを攻撃力1000ポイントアップする装備カードとしてそのモンスターに装備する。
②装備モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した時、相手に自分の手札の枚数×300のダメージを与える(最大1500まで)。


魔理沙「単純な機械族装備カードにバーン効果をつけたカードだ」

霊夢「これを頂いた原案にはこんな効果がさらに付いてあったわ」


①の効果適用後、装備モンスターは3ターンの間攻撃力は半分になり効果を無効にし表示形式も変更できない。
③装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃する場合、ダメージ計算を行わずそのモンスターを破壊する。
④装備モンスターが破壊された場合、墓地のこのカードをゲームから除外する事で相手の攻撃力2000以上のモンスターを全て破壊できる。


恭輔「結構無くしましたね・・・・」

龍亞「まず、④はやり過ぎ。確かに面白いんだけどここまでやる必要は作者の中ではやり過ぎな気がしたみたい」

霊夢「その代わりに①のデメリットは無くしたわ。③の効果は②と噛み合わないから削除したわ」

魔理沙「②のバーンの制限については賛成みたいで残したぜ。手札をガンガンに増やして3000バーンとかやりかねないからな」

恭輔「次回は合宿ですが一時の休み、みんなで海に行きます」

龍亞「タイトルは【海でバカンス!】」

魔理沙「酷いタイトルだぜ・・・深刻にタイトルが思いつかないみたいだぜ」

霊夢「次回もよろしくね」





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第105話 海でバカンス

最強カードの紹介〜〜。

恭輔「お久しぶりです。海で休むはずなのに結局デュエルになりました」

この小説、馬鹿な事をしている事が多いけどもとは遊戯王だからね?デュエルしないと

恭輔「それはそうですが・・・・もう師匠のネタにされ具合が・・・・」

(ブンブン)あれは例外、あれは芸人だ。

恭輔「(とうとう主人公を芸人扱いにしましたよ・・・(汗))」

最強カードの紹介に行こう!

恭輔「今回はD・スマホン、2話続けて《ディフォーマー》のキーカードですね」

その前は『ボードン装備1kill』という装備中心のディフォーマーがたったこのカード1枚の出現によりシンクロ特化のデッキになるようになったぞ!作者のディフォーマーも調子良ければ後攻1ターンでデッキ残り枚数が10枚を切った時もある。

恭輔「何ですかそれ・・・(汗)。墓地の《ディフォーマー》を除外して特殊召喚します。効果はモバホンと似ており、攻撃表示の時はサイコロを振って出た目の数だけデッキトップをめくり、その中の《ディフォーマー》カード1枚を手札に加えます」

モバホンと違い、モンスターだけじゃなく魔法・罠も手札に加えられるぞ。守備表示の効果は・・・・ない。

恭輔「いやいやいや、ありますから(汗)。出た目の数だけデッキトップを見て、それを好きな順番で上か下に置けます」

特殊召喚出来る☆1のチューナー、自身の効果でしか特殊召喚出来ないが、モバホンの効果はそんなの関係ない!モバホンとスマホンを並べてフィールドをシンクロモンスターで埋め尽くそう!


人気投票・質問コーナー・アンケートを活動報告で受け付けてます!!皆さん、よろしくお願いします!!

恭輔「第105話、デュエルスタート!」



遊輝 side

 

 

「イヤッホオオオオ!!!!」

 

ザバーーーーン!!!!!

 

「龍亞!!!いきなり飛び込むな!!」

 

「きっもちいいい!!!!」

 

「もう・・・・龍亞ったら・・・・」

 

「えい!!」

 

「きゃっ!!!ひ、響さん!!いきなりやめて下さい!!」

 

合宿最初の日曜日、この日は全ての練習をオフにして近くにある海水浴場に遊びに来た。この海水浴場は海の家はあるものの、さらに近くにあるこことは別の海水浴場が大きくて設備も充実しているので、ここは人気が少ない。

 

「行くぞ奏、ほいっ」

 

「わわわ!!!」

 

ザバーーーーン!!!

「おいおい・・・・あれくらい取れよ」

 

スバルと奏、恭輔たちは波打際でビーチボールを使って遊んでいるが、運動神経の無い奏は浮いてフラフラとしているボールを取るにも一苦労。俺?海でブラブラと泳いでいる。ここ最近、色々と練習したり技術を詰め込んだりして頭がパンク状態だからこういう日には何も考えずに本能のまますることが一番。

 

「(ふう〜・・・・・ちょっと喉乾いたから飲み物取りにいくか)」

 

そう思って一度海から離れてパラソルの下に置いてあったカバンに手をつける。・・・・・・あれ?

 

「なあ茜、俺の水筒知らねぇか?」

 

「知らないわよ。遊輝っちが忘れてきたんじゃないの」

 

「おっかしいな・・・・ペンションから出るときに入れたことを確認したんだが・・・・」

 

カバンの中を探しても今朝入れたはずの水筒が見つからない。ここで見張りをしている茜に聞いても誰も取ってないみたいな感じのことを言ってるし・・・・・

 

「しゃあない。海の家にでも行ってくるか・・・何かいる?」

 

「私も飲み物買ってきてほしいな」

 

「はいはい」

 

財布を持って海の家に行く。まだまだ昼前なのでお客は見えない。とりあえず飲み物飲み物と・・・・・

 

「スポーツドリンクとお茶ください」

 

「あいよ、300円ね。それと兄ちゃん、デュエル大会に参加しないか?」

 

「?何それ?」

 

「今日デュエル大会があるんだけどさ、何せこのビーチ、寂れついちゃってね・・・・優勝したらこんな花火セットをやるからさ、参加賞でもジュース1本付けるから」

 

海の家の店主がチラシを見せてくれて、優勝商品の花火を見せてくれた。へぇ〜・・・・午後開催で参加費は100円か・・・・

 

「まぁジュース1本付けてくれるならいいか。良いですよ、仲間もいますので呼んでみましょうか?」

 

「助かるよ!!」

 

財布から100円玉を取り出して店主に出して、エントリー用紙に名前を書く。店主は100円玉をレジに入れて、奥の冷蔵庫からジュースを取り出した。

 

「あいよ」

 

「それじゃ呼んでくるか・・・・お〜い!!!」

 

 

〜〜数時間後〜〜

 

「え〜、それではデュエル大会を開催します!」

 

スピーカーを使い大会の開催を宣言する海の家の店主。スピーカーを使うから大人数来たのかというと、実際そこまで来ていない。だいたい・・・・いや、7人だな、うん。俺以外に参加した面子は龍亞だけだった。それ以外は「何でここまで来てやらなくちゃいけないんだ」的な・・・・・まぁ気持ちは分かるけど。

 

「対戦相手はすでにくじで決めており、ここに対戦表を張り出しています。まずは・・・・・」

 

全く関係のない名前が呼ばれるのを無視して俺は対戦表を見る。7人なので1人だけシード扱いとなるがどうやらそのシードに俺が入ったようだ。龍亞は・・・・・俺と反対のブロックか。

 

「(相手次第では俺と龍亞の決勝になるって事か。そうなったらどっちにしろ花火を貰えるからそれならそれでいいか)」

 

〜〜(一時間半後)〜〜

 

 

「それでは決勝戦、遊輝さんと龍亞さんの対戦を始めてもらいます」

うん、まぁ・・・・・分かってた。1戦目のデュエルを見て、「あっ、これ龍亞も余裕だわ」と思ったほどだった。何というか、他の人のデッキが運ゲーというか(汗)。正直、俺が勝っても負けてもあの花火セット貰えるからこのデュエル意味が無いんだけどな〜・・・・

 

「(まあでも、龍亞が相手だし手を抜く訳にも行かないよな)」

 

「よっしゃ!!行くぞ遊輝!!」

 

「おう」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 龍亞 LP 4000

 

「先行はもらうぞ、俺のターン!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・・まぁまぁってところか。

 

「キラー・トマトを守備表示で召喚。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

キラー・トマト 守1100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

まぁまずはトマトを破壊してくれるところから・・・・・

 

「魔法カード、D・スピードユニット!手札のD・リモコンをデッキに戻してキラー・トマトを破壊!」

 

「はぁ!?」

 

リモコンが発射台にセット、そのまま飛ばしてキラー・トマトを破壊していった。いや、確かに破壊してくれたらと思ったけどその破壊じゃねぇぞ!?

 

「その後、1枚ドローする!チューナーモンスター、D・スコープンを召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

「スコープンは攻撃表示の時、手札のLv4の《D》を特殊召喚できる!D・パッチンを特殊召喚!」

 

D・パッチン 攻1200

 

「Lv4のパッチンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

あいも変わらず1ターン目からパワー・ツールね・・・・今回は少し無抵抗すぎないか?

 

「パワー・ツールの効果発動!パワー・サーチ!」

 

龍亞のデッキがシャッフルされて1枚のカードが飛び出る。そのカードを手に取った龍亞はすぐにデュエルデスクにセットする。

 

「装備魔法、ツール・アタッチメントをパワー・ツールに装備!」

 

パワー・ツールの左腕のドライバーのような部品が離れて、代わりにモヤモヤと霧がかかったようなものが左腕にくっ付いた。

 

「ツール・アタッチメントは1ターンに1度、デッキの装備魔法を墓地に送ることで次の自分のスタンバイフェイズまでその装備魔法と同じ効果になる!」

 

・・・・・つまりあれか?装備が限られている装備魔法も装備できて効果を使えると・・・・なんか悪そうなカードだな(汗)

 

「俺は重力砲(グラヴィティ・ブラスター)を選択!そして重力砲(グラヴィティ・ブラスター)になったツール・アタッチメントの効果!パワー・ツールの攻撃力を400ポイントアップする!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→2700

 

あ〜、なるほどね。確かに重力砲なら永続的に上がるわな。

 

「バトル!パワー・ツールでダイレクトアタック!クラフティ・ブレイク!」

 

「甘いわ!!リバースカードオープン!!次元幽閉!!」

 

「げっ!?」

 

「パワー・ツールの攻撃を無効にしてゲームから除外する!!」

 

パワー・ツールが俺に向かって攻撃してきたが、俺の眼の前に次元の穴が開いてその中に吸い込まれてしまった。

 

「破壊耐性のパワー・ツールでも除外には無意味だからな」

 

「くぅ〜・・・先制攻撃行けると思ったのに、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

「魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから《ガガガ》モンスターを特殊召喚する!ガガガガールを特殊召喚!」

 

『久しぶりに序盤に出れたよ!!』

 

ガガガガール 攻1000

 

ガガガ・ゲットの効果で出てきたパールはとにかく飛び跳ねていた。うん、まぁ・・・・だってこいつステ低『マスター、何か私の悪口言ってない?』・・・・・・何故俺の周りには心を読む奴ばっかりなんだ・・・

 

「何も言ってない・・・チューナーモンスター、霞の谷の戦士を召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

「バトル!ガガガガールと霞の谷の戦士でダイレクトアタック!」

 

龍亞 LP 4000→3000→1300

 

「ぐうう!!(でもこのダイレクトアタックは想定内。まだここから・・・)」

 

「メインフェイズ2、Lv3のガガガガールにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

「はっ!?」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「最新の魔法を先駆ける魔女よ!光交わりて真の力を解放せよ!シンクロ召喚!ガガガレディ!」

 

ガガガレディ ☆7 攻2300

 

霞の谷の戦士が4つの輪になり、その中にパールが入って3つの星となると一つの光となって大きく輝く。その中から出てきたのはBMGと同じような黒っぽい服を着たパールだ。

 

『私、進化して登場!!』

 

「(進化もクソも・・・・突然これ渡された時「ハッ?」だったからな・・・)」

 

「(え、ええええ!?!?パールの進化!?そんな物知らないよ!!)」

 

これでパールの棒立ちは無くなった。あと怖いのはモバホンだな・・・・・このターンに引いたブレスルで防ぐしか方法がない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「(と、とりあえず俺のやることは変わらない!)エンドフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、王宮のお触れ!」

 

うええええい!?!?ブレスルがただのカードになっちまったよ!?

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガガガレディ 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(とりあえずあのモンスター何するんだ?いや、それよりもこの手札であのモンスターを対処できないぞ・・・)俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 3枚

 

「(!!もうこれに賭けるしかない!)魔法カード、弱者の贈り物!手札のLv3以下のモンスターを1体除外して2枚ドローする!D・ボードンを除外してドロー!」

 

龍亞 手札 1枚→3枚

 

「・・・・・来たああああ!!!!D・モバホンを召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

げええ!?!?マズイマズイマズイ!!!!

 

「モバホンの効果発動!ダイヤ〜ル、オン!」

 

モバホンの胸の数字が点滅を始める。暫く経つと、「6」という数字で止まった。

 

「6!!1枚目、D・ライトン!2枚目、団結の力!3枚目、大嵐!4枚目、死者蘇生!5枚目、D・モバホン!6枚目、D・ステープラン!2体目のモバホンを特殊召喚!モバホンの効果発動!ダイヤ〜ル、オン!」

 

2体目のモバホンが飛び出し、すぐに胸の数字が点滅を始める。

 

「今度は3!1枚目、D・ソードン!2枚目、サイクロン!3枚目、団結の力!D・ソードンを守備表示で特殊召喚!」

 

D・ソードン 守800

 

「ソードンの効果発動!守備表示の時、自分フィールドの《D》をリリースしてデッキからD・シールドンを特殊召喚する!モバホンをリリースしてD・シールドンを特殊召喚!」

 

D・シールドン 攻300

 

「さらに魔法カード、ジャンクBOX!墓地のスコープンを特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻800

 

ヤバい・・・・龍亞のデッキが完全に回りだした(汗)お触れ張られているから止めることも出来ねぇ・・・(汗)

 

「Lv3のシールドンとLv4のソードンにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 + ☆3 = ☆10

 

「闇の支配から解放するため、光の先導者が立ち上がる!シンクロ召喚!導け!表裏の解放者(リベレイター) ゼネディクル!!」

 

表裏の解放者(リベレイター) ゼネディクル 攻2500

 

スコープンの輪の中にソードンとシールドンが入っていき、大きな光となって現れたのは鋼の鎧を身につけた大柄な騎士のような人型のモンスターだ。剣は地面に突き刺して両手で持っている。

何だあれ?あんなモンスター、俺見たことないぞ。

 

「ゼネディクルがシンクロ召喚に成功した時、デッキトップ5枚見てその中にいるレベル4以下のモンスターを召喚条件を無視して可能な限り特殊召喚できる!」

「はああああ!?!?!?」

 

何だそのインチキ効果!?無条件で好きな数特殊召喚だと!?

ゼネディクルが地面に突き刺した剣を両手で持ち、水平に切るとそこに亜空間が生まれ、そこからワラワラとモンスターが飛び出してきた。

 

めくれたカード

・D・スマホン

・王宮のお触れ

・D・ラジカッセン

・D・リモコン

・魔導師の力

 

「俺はD・スマホン、D・ラジカッセン、D・リモコンを特殊召喚!」

 

D・スマホン 攻100

D・ラジカッセン 攻1200

D・リモコン 攻300

 

おいおいおい!!しれっとマズイ奴が2体もいるぞ!?

 

「スマホンの効果!ダイヤ〜ル、オン!・・・・4!1枚目、D・スコープン!2枚目、ジャンクBOX!3枚目、機械複製術!4枚目、D・リペアユニット!俺はリペアユニットを手札に加えて、リモコンの効果発動!墓地のモバホンを除外してスマホンを手札に加える!Lv1のモバホンとLv4のラジカッセンにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆1 + ☆4 + ☆1 = ☆6

 

「広大な大地を見守るため、獣の神が駆け抜ける!シンクロ召喚!獣神ヴァルカン!!」

 

獣神ヴァルカン 攻2000

 

ヴァルカン!?やっべ!?

「ヴァルカンの効果発動!俺はヴァルカンとガガガレディを対象にして、この2枚を手札に戻す!」

 

「(くっ・・・仕方ない)ガガガレディの効果!1ターンに1度、相手の特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を0にする!対象はゼネディクルだ!」

 

『もう・・・せっかく進化した私のデビューだったのに・・・』

 

「ゼロゼロマジック!!」

 

ガガガレディが持っている杖を振って、魔術みたいなものを出してゼネディクルにあたる。

 

表裏の解放者 ゼネディクル 攻3500→0

 

そして魔法を使った後、ヴァルカンに掴まれてガガガレディとヴァルカンは遥か上空に飛んで行った。

 

「(ともかく、これでこのターンは何とか凌げただろう・・・・)」

 

「あ〜あ、面倒くさいことしてくれたな・・・・俺の勝ちに変わりはないのに」

 

「はっ!?」

 

「墓地のモバホンを除外して2体目のスマホンを特殊召喚!スマホンの効果発動!ダイヤ〜ル、オン!・・・・1!?1枚目は・・・D・D・R。さすがに当たらないか・・・Lv10のゼネディクルにLv1のスマホンをチューニング!?」

 

☆10 + ☆1 = ☆11

 

「星に擬態し龍が闇夜の世界を駆け抜ける!シンクロ召喚!星態竜!」

 

星態竜 攻3200

 

ゼネディクルがスマホンが作った輪の中に入って星態竜が姿を表す。

 

「この瞬間、墓地に送られたゼネディクルの効果発動!墓地に送られた時、手札・墓地からレベル4以下のモンスターを可能な限り特殊召喚する!」

 

・・・・・いやいやいやいや!?!?!?あれだけ展開したのにまだ殺るの!?もう止めて!!俺のライフ0よ!!

 

「墓地からスマホン、モバホン、ソードンを特殊召喚!Lv4のソードンにLv3のリモコンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界に希望の橋を架けるため、勇気と力をカスタマイズ!シンクロ召喚!機械竜 パワー・ツール!」

 

機械竜 パワー・ツール 攻2300

 

「モバホンの効果発動!・・・・・3!!1枚目、D・リペアユニット!2枚目、D・ステープラン!3枚目、死者蘇生!D・ステープランを特殊召喚!」

 

D・ステープラン 攻1400

 

「スマホンの効果発動!・・・4!1枚目、D・スコープン!2枚目、D・ラジカッセン!3枚目、D・モバホン!4枚目、大嵐!モバホンを手札に加えて、Lv1のモバホンとLv4のステープランにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆1 + ☆4 + ☆1 = ☆6

 

「幼き竜が大海原を駆け、水龍へと進化する!シンクロ召喚!瑚之龍(コーラル・ドラゴン)

 

瑚之龍 攻2400

 

光の中から現れたのはタツノコから進化して出てきた両腕に大きなヒレを装着して、人間で言う手の部分には鋭い一本爪、身体の真ん中にも棘を持つ龍が現れた。これ、・・・・・・どうなった?

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード (ブレスル)

 

龍亞 手札 3枚 LP 1350

【モンスターゾーン】

星態竜 攻3200

機械竜パワー・ツール 攻2300

瑚之龍 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

王宮のお触れ

 

 

・・・・・・・・うん、龍可も龍可だけど龍亞も龍亞だよな(汗)。人のこと言えないくらいオーバーキルをかましに来ている(汗)

 

「バトル!瑚之龍でダイレクトアタック!」

 

「・・・・・甘いわ!!!!手札の速攻のかかしの効果!!!このカードを手札から捨てて、直接攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了される!!!」

 

パワー・ツールの攻撃の前に速攻のかかしが飛び出してきてパワー・ツールの光景を受け止める。

 

「そ、そんな・・・・・・(手札はリペアユニット、モバホン、リモコン。これ以上何もできない)タ、ターンエンド・・・・」

 

 

龍亞 手札 3枚 LP 1350

【モンスターゾーン】

星態竜 攻3200

機械竜パワー・ツール 攻2300

瑚之龍 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

王宮のお触れ

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚

 

確かに龍亞、お前の展開力は凄かった・・・・だが、お前には足りないものがある!!それは情ね(ry

 

『(・・・・・・・・)』

 

俺が心の中でネタに走っていたら、このターンに引いたダイヤから凄い痛い視線を受ける。

 

「(・・・・ゴメンなさい、何か喋ってください)」

 

『(・・・・何痛い事言ってるんですかマスター)』

 

仕方ないんや・・・・最近ネットで色んなアニメの名セリフを見るのが好きなんや・・・・

 

「(と、ともかく、早く終わらそう・・・)ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「次いで、装備魔法、ガガガリベンジ!墓地からガガガガールを特殊召喚!」

 

『は〜い!』

 

ガガガガール 攻1000

 

「ガガガマジシャンの効果発動!1ターンに1度、レベルを1〜8の任意の数字にする!俺は6を選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

「次にガガガガールの効果!フィールドのガガガマジシャンと同じレベルにする!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラックホールにダイヤとパールが吸い込まれていき、その中からホワイトが飛び出してきた。

 

「(あ〜あ・・・・終わった)」

 

「墓地に送られたガガガリベンジの効果でホワイトの攻撃力は300ポイントアップ!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→2700

 

「さらにガガガガールの効果!このカードを含むエクシーズ素材が《ガガガ》のみでエクシーズ召喚されたエクシーズモンスターに『特殊召喚成功時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を0にする』という効果を付与する!対象は機械竜パワー・ツール!ゼロゼロコール!」

 

ホワイトのオーバーレイ・ユニットとなったパールの影が現れて、携帯を操作してパワー・ツールに画面を向けるとその画面から0のビームが放たれてパワー・ツールの身体が錆び付いていった。

 

機械竜パワー・ツール 攻2300→0

 

「ラスト!ホワイトでパワー・ツールに攻撃!サンシャイン・パティズム!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

機械竜パワー・ツール 攻0

 

龍亞 LP1350→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍亞

 

 

 

 

〜〜(同日 夜)〜〜

 

 

「茜〜〜その花火取って〜〜」

 

「もう!!さっきから響っちばっか花火しているよ!!」

 

「線香花火ってやっぱ良いよな・・・・・」

 

「落ち着きますよね」

 

昼間に俺が勝ち取った大量の花火、一度ペンションに戻ってシャワーを浴び、飯を食べてからペンションの庭で花火を始める。俺と恭輔は袋の中から線香花火だけを何とか奪い取ってそれを見ている。

 

「それにしても師匠、最後のターン、何を考えていたんですか?」

 

「えっ?いや、・・・・・どうやってトドメ刺そうかなと」

 

さすがにネタに走っていたなんて口が裂けても言えない・・・・(汗)

 

「そうなんですか」

 

「お〜い!次はネズミ花火をやるぞ!」

 

「分かった〜、あっち行くか」

 

「分かりました」

 

スバルに呼ばれて使い終わった線香花火を水が入ったバケツに放り込み、ネズミ花火を見るために移動する。




文「これが海ですか、良いですね」

紫「幻想郷には湖ぐらいしかないわ」

遊輝「(そりゃ山奥なんかに作るから・・・・)」

龍亞「もうちょっとだったのにな・・・・」

文「お二人が小説内でデュエルをするのは久しぶりではないですか?」

遊輝「確かに・・・・遡ったら俺がこの世界に来て最初のデュエル以来だったな」

龍亞「あの時から俺も大分成長したよ!」

遊輝「(俺はどこでこの双子のデュエルの教育を間違えたんだろう・・・・)」

紫「それじゃ、今回頂いたオリカの紹介に行きましょう」

文「何話前に結構な数出したのでは?」

遊輝「ありがたいことにあっこからさらに増えていって・・・まだ出してないオリカが10枚以上・・・(汗)」

龍亞「それじゃ最初はsuraさんから頂いたツール・アタッチメント!」

遊輝「話題変えるな!」


ツール・アタッチメント 装備魔法 〈suraさん投稿〉
「ツール・アタッチメント」の①の効果は1ターンに1度しか発動できない。
①デッキから装備魔法を墓地へ送り発動する。
このカードは次の自分のスタンバイフェイズまで墓地へ送ったカードと同名カードとなり墓地へ送ったカードと同じ効果になる。


文「デッキから装備魔法を墓地に送り、次の自分のスタンバイフェイズまでそのカードと同じ効果になります」

紫「見た感じ、装備モンスターが限定されているモンスターでも装備出来そうね」

遊輝「suraさんの解釈によって違うと思いますが、作者がこのテキストを見るかぎりだとそうですね。だから、○○専用の装備カードもこのカードの効果だと他のモンスターでも使えると」

龍亞「あとは装備カードを墓地に送れる」

遊輝「そこなんだよ。それで作者が墓地に送って美味しいカードを探したんだけど・・・」

文「・・・なかったんですね」

遊輝「フィールドから墓地に送るしかなかった・・・・(汗)」

紫「次は光さんから、ガガガレディよ」


ガガガレディ ☆7 〈光さん投稿〉
闇属性 魔法使い族 攻2300 守2000
チューナー1体+「ガガガガール」
このカードは墓地から特殊召喚出来ない。
①1ターンに1度、特殊召喚されたモンスター1体を選択し、選択したモンスターの攻撃力を0にする。
この効果は相手ターンにも使用することができる。
②このカードが除外されたとき、デッキ・墓地から「ガガガガール」1体を特殊召喚する。


遊輝「はい、まさかのパールの進化です」

龍亞「精霊キャラでなかなか出番がないのを見かねた光さんが提供してくれました」

遊輝「だってあいつ、ダイヤいないとただの壁にしか・・・・」

文「(なかなかドク吐きますね・・・)相手ターンにも使える特殊召喚したモンスターの攻撃力を0にする。単純で強いですね」

紫「一番良いのはNo,103神葬零嬢 ラグナ・ゼロかしら」

遊輝「所謂デュラハン→ラグナ・ゼロコンボと一緒です。ただまぁ、ステが低いのがまたネックだけど・・・・」

龍亞「最後は忍丸さんから表裏の解放者(リベレイター) ゼネディクル!」


表裏の解放者リベレイター ゼネディクル ☆10 〈忍丸さん投稿〉
光属性 戦士族 攻2500 守1500
チューナー+チューナー以外の☆4以下のモンスター2体以上
「表裏の解放者 ゼネディクル」の②と③の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
①このカードは攻撃できない。
この効果は無効にされない。
②このカードがS召喚に成功した場合、デッキの上から五枚を確認する。
その中に存在するレベル4以下のモンスターを召喚条件を無視して可能な限り特殊召喚できる。
残りはデッキに戻してシャッフルする。
この効果で特殊召喚したモンスターの戦闘ダメージは0となる。
③このカードが墓地に送られた場合、自分の手札・墓地からレベル4以下のモンスターを可能な限り特殊召喚できる。


遊輝「このカードに関しては幾つか改良しました」


改良点
・攻撃力3500→2500
・チューナー以外の素材(通常モンスター
☆1〜☆4)
・「このカードは闇属性としても扱う」を削除
・①の効果の追加
・②の「このカードの特殊召喚時、手札と墓地のカードをそれぞれ五枚まで選択し入れ換えることができる。」と「その後、墓地からこの効果で特殊召喚したモンスターと同じ数のモンスターをゲームから除外する。」を削除と「レベル4以下」の追加
・③レベル8以下→レベル4以下


紫「随分改良したわね・・・・」

遊輝「ますですね・・・・シンクロ素材は見た瞬間に「これ、どうやって出すの?」でしたから・・・」

龍亞「俺たちの小説で通常モンスターを使うキャラいないから・・・」

遊輝「よって☆4以下2体以上にしました。効果も②と③の強化を少し図るとともに攻撃力を下げたりデメリット効果をつけました」

文「この効果で攻撃力3500は化け物過ぎますね・・・・(汗)」

遊輝「あとは誰が使うか何だけど・・・・龍亞か遊星ぐらいしかいなかった。遊星なんか使ったら龍亞以上のソリティアになる危険性があるため龍亞になりました(汗)。それでも気狂いでしたが・・・・」

紫「次は・・・・あら♪楽しくなりそうね」

文「次回は【優姫ちゃん再び、モデルとして頑張ります】」

遊輝「・・・・はっ!?いやいやいや!?!?俺の聞いた台本と違うぞ!!」←次々回の台本を渡されていた。

龍亞「次回もよろしく!」


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第106話 優姫ちゃん再び、モデルとして頑張ります

今回はデュエル無しですので最強カードの紹介が無しです。

質問・人気投票・アンケートを活動報告で受け付けてます!!アンケートは誰も答えてくれないので困ってます!!私の活動報告・メッセージでご意見お願いします!!

それでは第106話、優姫ちゃんに新しい男の娘のお友達が出来ました。(笑)


レミ side

 

「嫌だ!!!!絶対に嫌だ!!!」

 

「誰のおかけでこの合宿の費用を出していると思ってるの?貴方に拒否権は無いのよ優姫ちゃん、明日は朝から頑張って貰うからね♪」

 

「嫌だあああああああ!!!!!」

 

最初の日曜から数日・・・・

この週からはライディングデュエルの練習に切り替えた。「交互に練習するのは効率が良くないから1週間ごとに分けてやろう」、遊輝の提案に全員が乗って1週目の音楽関係の作業を終わらせた。それで今日もDホイールの練習が終えて晩飯を食べ終わった時、すみれさんから「明日はモデルとして働いてもらう!!」と宣言した。正直、私や茜も突然のことで固まって「・・・・・はっ?」と言ってしまった。

 

 

すみれさん曰く、「誰のおかげで合宿の費用を出してあげていると思ってるの?夏休みぐらいはキッチリ働いてもらうからね」とのこと。確かに、私が合宿を考えていた時、費用と場所でつまずいて「これだったら部室でやった方が良いね・・・」と嘆いたところを茜が聞いてすみれさんに相談したら「費用なら全部出してあげるよ」と言ってくれた。だからかなりの恩があるっちゃあるんだよね・・・(汗)。

 

「ところですみれさん、遊輝が喚いているのはわかりますが・・・・」

 

「話が違う!!話が違うぞ!!!俺はアシスタントだって」

 

「ハイハイ、もう諦めなさい」

 

「・・・・・何で龍亞君も喚いているのですか?」

 

さっきから喚いているのは遊輝だけじゃない。別の部屋(仕切りがないけど)で龍亞君がすごい喚いている。それを龍可ちゃんが半分他人事のように、恭輔君と祈ちゃんは完全他人事で龍亞君を止めている。

 

「龍亞君も明日はモデルとして働いてもらうから」

 

「あれ?お母さん、男物の服なんてデザインしていたの?」

 

「いいえ、私は女物専門よ。知っているでしょ茜」

 

「じゃあ何で龍亞君も?」

 

「あの子、龍可ちゃんと瓜二つの双子なんでしょ?」

 

「「((・・・・・・そういうことね(汗)))」」

 

つまりすみれさんの犠牲者が増えたと・・・・(汗)すみれさん、そのうち男の娘のモデルだけ募集とかしないよね・・・(汗)

 

「とにかく、明日は新しい服の写真撮影よ!朝早くから移動するから早く寝てね!!」

 

そう言って遊輝と龍亞君の服の襟を掴んだ。

 

「えっ!?」

 

「ちょ!?何すんだ!?」

 

「あなたたちは逃げないようにベッドで拘束してから寝てもらう♪」

 

「「この人、変態だ!!!」」

 

「そう・・・・それなら君たちにはもっともっと痛い目に合わないと分からないみたいね」

 

目が怪しくなっていくすみれさん、龍亞と遊輝を引っ張っていきペンションのリビングを出て行った。うん・・・・・あの人が本当にファッションデザイナーか疑いたくなるね(汗)どこかのSM嬢になっても可笑しくない性格だもの(汗)

 

 

レミ side out

 

 

遊輝 side 〜(翌日)〜

 

 

「それじゃ撮影場所に行くわよ〜〜♪」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「ふ、二人とも・・・・大丈夫?(汗)」

 

「・・・・・・眠い」

 

「俺・・・・昨日部屋に連れ込まれてからの記憶が無い・・・・」

 

「「「(((この人(すみれさん)、この二人に何をしたの?(汗))))」」」

 

昨日は・・・・うん、部屋に入る前までは龍亞と一緒に抵抗していたんだが部屋に入った途端、何か抵抗出来なかった・・・・というか抵抗したかどうかとの記憶も残ってない・・・・・今ももう・・・頭が働いてない。

 

「ていうか二人とも・・・・手錠されたまま・・・(汗)」

 

「お、お母さん、頭がフラフラ〜としているけどこれ、本当に大丈夫(汗)?」

 

「大丈夫大丈夫、着いた時にきつけ薬でも飲ませてあげるから」

 

「きつけ薬?」

 

「これこれ」

 

すみれさんが運転席のポケットから取り出したビンをレミが受け取り、それを奏や響が覗き込むように見る。

 

「(・・・・ダメだ、頭が動かない。寝よう・・・・zzzz)」

 

「すみれさん・・・・・これ風邪薬ですけど」

 

「ビンは飾りよ。使い終わった物を再利用しているのよ」

 

「それじゃこれ、何が入ってるのですか?」

 

「きつけ薬って言ったでしょ?正確には私が作ったきつけ薬だけど」

 

「・・・・・・・何が入ってるのですか?」

 

「シュールストレミング♪」

 

「「「「((((この人、鬼畜(汗)))))」」」」

 

「(・・・・・zzzz)」

 

 

〜〜数十分後〜〜

 

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

「はい、2人ともバッチリ覚醒したね」

 

「2人とも臭い!!近寄らないで!!」

 

「な、何ですみれさんシュールストレミングの臭いを平気で・・・うぷっ!!」

 

気がついたら口の中に変なもの突っ込まされて鼻に何か置いてあるな〜と思ったら突然の激臭で意識が一気に覚醒、隣にいた龍亞も同時タイミングで覚醒した。とりあえず俺と龍亞は何も交わさずに車から出ようとしたけど、とにかく慌てていたため手錠のことを忘れたり、車の扉に鍵を掛けられていることも分からずに扉をガチャガチャしていた。車の中には訳の分からない臭いものの臭いが凄い充満しており・・・・・もう頭が割れそうだった。そんなこんなで先に龍亞が扉を開けて俺も本能的にそっちに脱出、新鮮な空気を肺に吸い込んだところだ。

 

「すみれさ〜ん、遅いじゃないですか」

 

「あっ、壮太さん」

 

「あれ?茜ちゃんの友達じゃないですか。今日のモデルってこの子達だったんですね」

 

「壮太さんって前の事務所にいたんじゃないですか?」

 

「すみれさんに引っこ抜かれましたよ。まあ日本に帰って来れるという条件だったので」

 

「ほら!!さっさと歩きなさい!!」

 

「・・・・臭っ!!!!!!な、何ですかこの臭い!?」

 

「これ開けたのよ」

 

「すみれさん・・・・一体何やったのですか?(汗)」

 

「まぁまぁ、壮太君はこの子達をお願いね。私たちは彼女達をお世話するから」

 

「分かりましたよ。じゃあ君たちはこっちの部屋に入って。中にメイクさんがいるから」

 

壮太さんだけとレミたちは先に部屋に入っていき、俺と龍亞はすみれさんに連れられて別の部屋に入れられた。

 

「さて、流石にその臭い匂いのまま仕事してもらうわけにもいかないから先にお風呂に入ってちょうだい」

 

「「・・・・・・は〜〜い」」

「あっ、脇毛とかのムダ毛剃りをしてよ!!女の子らしくしないと!!後でチェックするから、ちゃんと処理してなかったら帰りも女の子でいてもらうからね!!」

 

くそう・・・・この人、俺たちから男のプライドを粉々に壊そうとしている・・・・

 

 

〜〜(2時間後)〜〜

 

 

「もう・・・・匂い取るだけで結構な時間がかかっちゃって・・・」

 

「シュールストレミングなんて使うからですよすみれさん」

 

「「・・・・・・・・////////」」

 

「・・・・・相変わらずすみれさんのメイクの技術が凄い」

 

「何でこんなに薄いのに別人にしか見えないの?」

 

「長年この業界で働いてきた私の経験よ!」

 

「龍亞君なんてもう・・・・龍可ちゃんと瓜二つの双子だったのにさらによく似てる」

 

「本当に・・・・鏡で自分自身を見ているみたい」

 

色々と言われたい放題で顔を赤くして小さくなっていく俺と龍亞。服は俺は水色の横のボーダーが入ったワンピースを着せられて、龍亞は龍可とお揃いのインナーとポロシャツを着て、龍可はズボンを履いて龍亞はスカートを履いていた。

 

 

お風呂であのくっさい匂いを出来る限りとって、抵抗しても無駄なためムダ毛を出来る限り剃ってお風呂から出て身体と髪を乾かした後すぐにすみれさんに引っ張られて椅子に拘束、気づいた時にはメイクが始まっていていた・・・・・・・裸のままで/////

 

「・・・もう・・・嫌だ////」

 

「////な、何で・・・・俺、合宿前はアシスタントって聞いていたのに・・・・」

 

「個人の事務所何だから知り合いのモデルを増やした方がこっちの都合が良いからね。その代わりに貴方達の給料増しているんだからね。さ、まずは龍亞ちゃんと龍可ちゃんからよ。双子はやっぱり双子で撮らないと良い絵が撮れないわ」

 

「えっと・・・・じゃあ二人ともこっちに着て、撮影します」

 

龍亞と龍可が呼ばれて白の布で囲まれていて椅子と机がセットされている撮影スペースに行く(龍亞は行かされている)。

 

「それじゃまずは普通に座ってください」

 

「2人とも、双子だから仲良くするような仕草でね」

 

あの壮太っていう人、カメラマンだったのか・・・・すみれさんも一緒に指導して・・・・これは時間かかるぞ(汗)

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「2人とも笑顔笑顔!!それとそんな男らしい仕草じゃなくて女の子らしい仕草で!!」

 

「「「「((((鬼だわ・・・・ここのスタッフ(汗)))))」」」」

 

終わる気配が全くしません(涙)俺と龍亞だけ別撮り撮影が始まってもう一時間経過・・・・予定の1/5も終わってないらしい(涙)

 

ボーン、ボーン・・・・・・

 

「あれ?もう1時?早いわね」

 

「仕方ないわね・・・・茜、出前取ってちょうだい。お寿司だけはダメよ」

 

「は〜い。みんな〜〜、何する?」

 

「お寿司ダメって言われたら・・・」

 

「ピザ!!ピz「誰が終わって良いなんて言った?」うっ・・・・・」

 

お昼と聞いて元気になってピザと叫ぶ龍亞を睨みつけるすみれさん。俺たちに対して容赦がなさすぎる・・・・・

 

「まあでも・・・・お弁当とお寿司以外で大人数で食べるとなるとピザぐらいね」

 

「ピザ取ろう!!みんなでメニュー見よう!!」

 

ワイワイと騒ぐ女性陣、さっさと撮影スペースから出て行ってしまう。俺と龍亞も出たいんだけどすみれさんが睨みつけてくるため一歩も動けない状態です・・・・

 

「君たちはお昼が来るまでこのまま続行ね」

「そんな〜〜!!お昼休憩ぐらいさせてよ!!」

 

「ちゃんとお昼休憩は取らせるわよ、午後からはレミと響から始める予定だし。でも仕事中に駄々をこねるようなモデルには・・・・・」

 

「ひっ!?近寄らないで!!」

 

「お仕置きが必要ね」

 

「・・・・・・えっ!?ちょっ!?アハハハ!!!!!」

 

すみれさんが龍亞に何をしたかと言うと・・・・・こちょこちょ、しかも何故かピンポイントで龍亞の弱点部位を(汗)

 

「ほら、こことか?」

 

「アハハハ!!!!!も、もう止めて!アハハハ!!!!!」

 

「反省した?」

 

「し、しました!!アハハハ!!!!!しましたから!!!!!」

 

「今回はこれくらいにしてあげる」

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・・」

 

「それじゃ次は優姫ちゃんね♪」

 

「・・・・・・・あい」

 

「もっと元気よく返事しなさない!!あと女の子らしく!!」

 

「は、はい・・・・・」

 

「えっと・・・・人形を抱き抱える写真撮りますのでこの人形を抱き抱えてください」

 

壮太さんからクマの人形を渡された。

抱き抱えるようにって言われても・・・・どうすれば・・・(汗)

 

「こら!!そんなお人形を潰すような握り方をしない!!大事に抱き抱えなさい!!」

 

「いや・・・どうやって?(汗)」

 

「(ギロリッ)」

 

「え、えっと・・・どうやってすれば良いのですか?」

 

普通に喋ったらこうだよ・・・(涙)普通に喋られせてくれずに絶対に高い声をさせられる・・・(汗)」

 

「仕方ないわね・・・・こうやって座って抱くのよ」

 

すみれさんが撮影用の椅子に座って人形を膝の上に乗せて軽く抱き抱える。

 

「こんな風にするのよ。お人形を持って嬉しそうな表情をするのよ!」

 

「わ、分かりました・・・・」

 

すみれさんと席を代わって同じように人形を膝の上に乗せて軽く抱き抱えるような仕草をする。顔はできる限り楽しそうな表情で・・・・

 

「はい、いきますよ〜〜」

 

パシャ、パシャパシャ!!

 

ああ〜・・・・黒歴史が増えていく・・・(涙)これが雑誌に載られると思うと本当に嫌だ・・・(汗)

 

「お母さ〜ん、30分後に来るって」

 

「分かったわ。それじゃ優姫ちゃん、あと30分ね」

 

「・・・・・は〜い(涙)」

 

絶対にこの人、俺たちの働く時間を考えていない・・・(涙)

 

 

〜〜(その夜)〜〜

 

 

「はい・・・・はい、じゃあ明日そちらに向かいます」

 

ピッ

 

「明日、○○出版の編集会議に行ってきますね」

 

「分かったわ。それで、反応は?」

 

「部長も喜んでくれてましたよ。特に優姫ちゃんと双子の龍亞ちゃん、龍可ちゃんは人気が出そうだって」

 

「あら♪良かったわ。人気モデルが茜しか居なかったから少々やり繰りがキツかったけどこれからは大丈夫そうね♪」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

「お、お前ら・・・・・(汗)」

 

「な、何があったのですか?(汗)」

 

後ろの方で絶望的な会話が聞こえてきているけどそんなことを気にしている暇はない。俺と龍亞はもう・・・・今日一日だけで体力的に疲れて精神的にはプライドを粉々にされた。

 

「スバルとかは残って何していたの?」

 

「送られてきた写真をちょっと弄ったり皆さんの自己アピールみたいなものを書いてました」

 

「「自己アピール!?!?」」

恭輔から言われた衝撃的な一言で俺と龍亞は立ち上がり恭輔に詰め寄った。

 

「きょ、恭輔!?お、俺は何て書いたんだ!?」

 

「お、落ち着いてください!!僕じゃありませんよ!!」

 

「俺も違うぞ」

 

「わ、私も・・・・」

 

「あ〜、君たちの自己アピールなら私が書いたわよ」

 

「「えっ!?」」

 

恭輔でも祈でもスバルでもなく自己アピールを書いたと名乗りを挙げたのは・・・・・すみれさんだった。

 

「全部は覚えてないけど最初の見出しは優姫ちゃんは『100年に一度の天才モデル』、龍亞ちゃんは龍可ちゃんとセットで『天才双子、登場』だね」

 

「天才双子のところは合ってるってのが何か、ね・・・・(汗)」

 

「フォーチュン・カップの二人の紹介がそうだったし・・・・」

 

「あれはあれであんまり思い出したくはないですね・・・・恥ずかしいです」

 

「そ、そんな事より・・・」

 

「「((・・・・・・・・・・・・))」」

 

「あの二人をどうにかしようぜ(汗)」

 

スバルが肩を叩いてきたけど・・・・・うん、慰めになってない(涙)もう嫌だ・・・・

 

 

 

 

 

 




レミ「すみれさんって本当にメイク術凄いよね・・・・」

茜「メイクさんで良かったと私も思う。デザイナーの勉強のためとか言っていたけどメイクの技術も一、二を争うほどだし」

レミ「あとはあの性格・・・・(汗)」

茜「レミッちも影響受けてるじゃん」

レミ「そこは否定しないけど・・・・私、あそこまでしないわよ」

茜「うん・・・・まぁね、スカウト能力はピカイチでモデルを絶対に逃さないようにしているしさ・・・・・・(汗)結構お金は良いでしょ?」

レミ「確かにそうだけど・・・・」

茜「次回は・・・・夏になったらやっぱりこれが定番でしょ!」

レミ「【お墓で肝試し お化けとデュエル!?】」

茜「次回もよろしくね」






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第107話 お墓で肝試し お化けとデュエル!?

最強カードの紹介〜〜

茜「みんな〜〜、楽しんでる〜〜」

やる事が多くて楽しめません

茜「そうは言いながら結構色んなことしてるよね」

社会人になったらこんな暇な時間は取れないし、やりたい事は出来る限りやっておかないと

茜「まぁそうだよね」

最強カードの紹介に行こう!今回はユニゾンビ!☆3のアンデット族チューナーだ!

茜「効果は2つあり、『手札のアンデット族モンスター1体を墓地へ送ってフィールドのモンスターのレベルを1つ上げる》か、『デッキからアンデット族モンスターを墓地に送ってフィールドのモンスターのレベルを1つ上げる』だよ。それぞれ1ターンに1回ずつ発動できるよ」

大抵、デッキから墓地に馬頭鬼を落として自分のレベルを上げて、馬頭鬼で何かしら蘇生って流れだな。その流れができるだけでもめっちゃ強い。ただし、デッキから墓地に送った場合はアンデット族モンスターしか攻撃できないので注意しよう。

茜「第107話、デュエルスタート!」


龍可 side

 

 

「嫌だ!!!!!!絶対に嫌だ!!!!」

 

「ただの噂だよ?お墓に行ってハンコを押すだけだから大丈夫!」

 

「絶対に嫌だ!!!!肝試しなんてしたくない!!」

 

何かこの始まり方・・・・・前回もあったような・・・デジャブ(汗)

今日はみんなでお墓に行って肝試しをしようとレミさんが言ってみんな凄い乗り気になったんだけど唯一、お化けが嫌いな遊輝だけは絶対に行きたくないと頑固に拒否をしていた。まぁ・・・正直わたしもお化けとか幽霊は苦手なんだけど、遊輝ほど拒否反応は起こさないわよ(汗)

 

「そんなこと言って、愛しい彼女を一人でさせるの?」

 

「!?」

 

「今回の肝試しはペアでやるのよ。あんたの相手は龍可ちゃんよ」

 

「なっ・・・・なっ・・・・」

 

「可愛い彼女を一人で墓地に行かせるなんて、なんて最低な彼氏なんでしょうね〜〜」

 

「可愛いそうに龍可ちゃん、これからお化けが出るという噂のお墓に一人で肝試し行くのよ〜、誰一人として守ってくれる人がいないのよ〜」

 

「「((いや、じゃあ行かせるなよ(行かさないで良いじゃないですか)(汗)))」」

 

「わかったよ!!行くよ!!」

 

レミさんと響さんの終わらない口撃に耐え切れず、とうとう遊輝が行くと言い出した。それを聞いたレミさんと響さんは後ろを振り向きガッツポーズをする。

 

「いや、師匠・・・・簡単に行くって言いましたけど」

 

「それじゃお化けが出ると言う噂がある墓地へLet's go!!」

 

恭輔が何か言い終える前にレミさんが手を高く上げてノリノリで部屋を出て、響さんと茜さんで遊輝の両腕をしっかりと捕まえて連行されていく。

 

「あ〜あ・・・・・(汗)」

 

「ゆ、遊輝さんってそんなにお化けがダメなんですか?」

 

「全くダメ、何てことないお化け屋敷ですら気絶するぐらい」

 

「そ、そうですか・・・・(汗)」

 

本当に大丈夫かな・・・・(汗)

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・・・・(ブルブル)」

 

『マスター、身体が震えてますよ』

 

「む、武者震いだ・・・(ブルブル)」

 

『(恐怖で震えているんですね)』

 

今からお墓で肝試し・・・・・何だけどこれ、本当に大丈夫かな?(汗)何かお墓に近づくにつれて震えが大きくなって冷や汗を大量にかきだしているんだけど・・・・

 

『(ダイヤ・・・・これは主を止めたほうが良かったのでは無いですか?)』

 

『(そうは言っても本人の意思が妙に頑固ですからね。止めたところで無駄だと思います)』

 

『(・・・・・・もしもの時は我々で対処しますか)』

 

『(そうですね)』

 

「お前ら、何話しているんだ?」

 

『『何でもないですよ、スバルさん』』

 

「着いたわよ」

 

すみれさんが運転する車で揺られること30分・・・・・幽霊が出るという噂のある墓地の入り口に着いた。私たちが順番に降りていく中で遊輝の足だけがガクガクと震えてなかなか車から降りてこない。

 

「ほら!!早くしなさいよ!!」

 

「わ、分かっているよ・・・・(ブルブル)」

 

まるで上手く歩けない子鹿のように足がフラフラとしている。

 

「ルール説明するよ!2人1組のペアでこの墓地の奥にお寺があるの。今回は住職さんにお願いして、お寺の前にハンコを置かしてもらったから、この紙にハンコを押して戻ってくること!1組目のペアが帰ってきたらつぎのペアが行ってね!往復10分くらいだからすぐ終わるよ!」

 

「最初は私と奏、次が龍亞君と恭輔君、その次がレミと茜、スバルと祈ちゃん、最後に遊輝と龍可ちゃんだよ」

 

「さ、さささささ、最後!?!?!?」

 

「?別に良いでしょ、最初も最後も変わらないよ」

 

「う、ううう・・・・・・・」

 

「(何であんなに震えるのですか?(汗)」

 

「(むしろ最後の方が何もなかったという安心感があると思うんだけどな)」

 

「じゃあまずは私と響からね」

 

 

〜〜(一時間後)〜〜

 

 

「・・・・・・・・(ガクガクブルブル)」

 

「おい・・・・お前本当に大丈夫か?顔が真っ青だぞ(汗)」

 

「だ、だだだだだだだだだ、だいじょぶ・・・・(ガクガクブルブル)」

 

「も、戻りました・・・・」

 

「別に何も無かったぜ。お化けの『お』の文字も無かったし」

 

「じゃあ最後は遊輝と龍可ちゃんね」

 

「いってらっしゃ〜い」

 

懐中電灯を照らして私と遊輝は墓地に・・・・・あれ?

 

「遊輝?」

 

「・・・・・・(ガクガクブルブル)」

 

「ほら!!早く行きなさい!!」

 

「何でここまで来て固まるの!?」

 

遊輝がいないので後ろを振り向いたら、ガクガクと震えたまま固まってしまった遊輝をレミさんと茜さん、スバルさんが背中から押していた。

 

「・・・・・・・嫌だ(涙)」

 

「もうここまで来て引き返せるわけないでしょ!!ちゃっちゃと行ってちゃっちゃと終わらせてきなさい!!」

 

レミさんに背中をドンと押されてバランスを崩し、前のめりになった遊輝はその勢いのまま私の背中にしがみつく。

 

「・・・・・・(ガクガクブルブル)」

 

「ゆ、遊輝・・・・歩きにくいんだけど・・・・」

 

「た、頼む・・・このまま、このまま行きたい・・・・(ガクガクブルブル)」

 

・・・・・私が言うのもあれだけど、来た方が逆に足手まといになってるわよ(汗)。仕方ないので遊輝が私の背中を抱きかかえた状態で歩き始める。

 

「・・・・・(ガクガクブルブル)」

 

「・・・・この道を真っ直ぐ行けば良いのね」

 

「は、早く・・・早く帰ろう・・・(ガクガクブルブル)」

 

そう思うのなら背中を抱きかかえるのをやめてくれない(汗)それだけで歩くスピードが違うんだけど

 

・・・・ヒュ〜〜、バサバサ!!

 

「ヒイイイ!!!!!!」

 

「ちょ!?さ、叫ばないで!!」

 

「な、何か!!何かがなった!!」

 

「風が吹いて鳥が飛んで行っただけだよ!!いつものことでしょ!!」

 

「だ、だだだだだだだだだ、だって・・・・今完全に音がおかしかったし・・・(涙)」

 

「普通だよ!!」

 

もう・・・・ちょっとした音でこれだけビビってしまっているよ(汗)

 

・・・・・・・ピキッ

 

「何!?何今のピキッて!?」

 

「野良猫が木の枝を踏んだのでしょ?」

 

・・・ニャ〜

 

「ほら」

 

「な、何だ・・・・・・」

 

猫の鳴き声を聞いて胸を撫で下ろす遊輝。その後も伝統の灯りを火の玉だと思ったり、目の前に飛んできた虫で驚いたりとこっちが疲れる始末。片道5分で付けるはずのお寺に20分かけてつくことが出来た。

 

「えっと・・・・これね」

 

レミさんの言っていたハンコとスタンプ台がお寺正面の真ん前にあったので、それを予め貰った紙に押す。

 

「これで良し、遊輝。帰ろう」

 

「・・・・・・・・(ブルブル)」

 

「また震えだしている・・・・(汗)行きで何もなかったのは分かっているでしょ?」

 

「ち、違う・・・・・な、何かがこっちに・・・(ブルブル)」

 

「えっ?」

 

顔が真っ青となった遊輝が指を指す。そっちに顔を向けると黒い大きな影がゆっくりとこっちに向かって来てい・・・・・えっ!?

 

「な、何あれ!?」

 

「ぎゃ、ぎゃああああ!!!!!!お化けええええ!!!!!!」

 

「お、おおお、落ち着いて遊輝!!!まだお化けって決まった訳じゃないから!!」

 

『・・・・・・ケッケッケッケッ・・・・・』

 

「えっ!?えっ!?本当にお化け!?」

 

「に、逃げろおおおお!!!!!!」

 

「ちょ!?ゆ、遊輝!!そっちは行き止まりだよ!!」

 

ガン!!!!!!

 

「・・・・・キュウゥゥ〜〜・・・・・」

 

「ゆ、遊輝!?遊輝!!!」

 

行き止まりの方向に全速力で走って行った(逃げて行った)遊輝は行き止まりの扉があることに気付かずにおもいっきりぶつかる。頭を強く打ったためか、そのまま倒れて気絶してしまった。

 

『ケッケッケッケッケッケッ・・・・』

 

「ちょっと遊輝!!起きてよ!!私一人でどうすれ・・・・・あれ?」

 

遊輝が気絶してしまってどうしようとあやふやしていた時、もう一度大きな影を良く見てみると、どこかで見たことがあるような身体をしていた。

 

『龍可、あの動く影はモンスターの精霊です』

 

「だよね、エンシェント・フェアリー・・・・あのモンスター、どこかで見たことがあるような・・・」

 

『!?お、お前、私の姿が分かるのか!?』

 

エンシェント・フェアリーが私の横に姿を現して私に話しかける。それを見た大きな影が私に近づいてきた。その身体は大きな青い身体をしていて、赤いオーバーオールを着ていた。

 

「え、えぇ・・・・私、モンスターの精霊が見えるから」

 

『や、やっと・・・・やっと私を見つけてくれる人間が現れた!!!!』

 

そのモンスターの精霊は絶叫した。

 

「・・・・・えっと、どういうこと?」

 

『わ、私に言われても分からないですよ(汗)。あなたは?』

 

『私はユニゾンビという精霊で、普段はアンデット・ワールドに住んでいる者です。あなた方は?』

 

ユニゾンビ・・・・・あっ、思い出した!!遊輝が神様から貰った前世のパックを一緒に開封していた時に出たアンデット族のモンスターだ!!

 

「私は龍可よ。こっちは私の相棒のエンシェント・フェアリー・ドラゴンよ」

 

『エンシェント・フェアリー・ドラゴンです』

 

『エ、エンシェント・フェアリー様!?それにその主!?こ、これは驚かしてたりして申し訳ありませんでした!!』

 

「いや・・・・・私は少し驚いただけだけど・・・・(汗)」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

未だに私の後ろで遊輝が気絶している・・・(汗)。あれは自業自得というかなんというか・・・

 

『あなたは何故ここに?』

 

『何故と言われましても・・・・・・仲間と朝まで飲んでいて泥酔状態で路上で寝ていたら気づいたらここに・・・・』

 

・・・・・・アンデット・ワールドって確か不気味な森みたいな場所だよね。あんなところに飲食店なんてあるの?(汗)

 

「じゃあ、ここ1カ月噂にあったこのお墓のお化けの正体って・・・」

 

『おそらく、私のことかと・・・・』

 

普通の人たちはモンスターの精霊なんて見えないからユニゾンビが何か話しかけたり動いたりすれば、それは見えない何かが動いているわけだから何も知らない人たちはお化けとか幽霊って思うわけね。

 

「そういえば、私たちが来る前に私の友達や兄がここを通ったのだけど」

 

『悲しいことに皆さん、私に見向きもせずに楽しくワイワイと話していて素通りして行ってしまいました』

 

・・・・・龍亞や祈達の精霊が見えない人たちはともかく、レミさんとかスバルさんは精霊が見えるんだから少しくらい気にかけてやっても良かったんじゃ・・・(汗)

 

『それで、貴方はこの後どうしたいのですか?』

 

『・・・・出来ればアンデット・ワールドに帰りたかったですけど、こっちの世界にも慣れちゃってね、戻ることができないのならば俺の姿が見える人間の相棒になって貰おうと思っていた』

 

『なるほど・・・・・』

 

「う、う〜ん・・・・・・」

 

「!!ゆ、遊輝!」

 

「あ、あれ・・・・こ、ここ何処?確か肝だ・・・・ぎゃああああ!!!!ゾ、ゾゾゾゾゾ、ゾンビイイイイ!!!!!!!」

 

「お、落ち着いて遊輝!!!これはモンスターの精霊だって!!!」

 

「来るなああぁぁぁ!!!!来るなああぁぁぁ!!!!!」

 

絶叫しながらお尻を付けて後ろへと下がっていく遊輝。アンデット族モンスターでもダメって聞いたけど、本当にダメなんだね・・・・(汗)

 

『・・・・・・・・えっと?(汗)』

 

『あの人は私の主の彼氏なんですが、見ての通りお化けや幽霊がまるっきりダメなんです(汗)』

 

『あ〜、なるほど・・・・(汗)』

 

「だから遊輝、あれはモンスターの精霊で別に私達を脅かそうとかしないから・・・」

 

「どっからどう見てもゾンビだろ!!!!早くここから逃げよう!!!!」

 

「ダメだ・・・・(汗)」

 

『・・・・・ここは発想の転換で遊輝とユニゾンビでデュエルしてみてはどうでしょう。デュエルでしたら多少は拒まないのでは?』

 

「嫌だ!!!!ゾンビとデュエルなんかしたくない!!!」

 

「・・・・・・本人がすごく嫌がっているんだけど(汗)」

 

『モンスターの精霊ですよ?私や龍可に対して何もしてきていないので何も怖くないですよ』

 

「嫌だ!!!!!」

 

遊輝のお化け嫌いって一体何が原因なんだろう(汗)ここまで酷いとなると絶対に過去に何かしらのトラウマがあるよね(汗)

 

『ここは何かの縁ですし、これでデュエルしたらお化けや幽霊のイメージが変わるかもしれませんよ』

 

「遊輝、相手はモンスターの精霊何だから大したことはしないわよ」

「うう・・・・・分かったよ、やるよ・・・」

 

漸く少しやる気を出してくれた遊輝。デュエルデスクを取り出して、腕にセットする。ユニゾンビの方もデュエルデスクを取り出す。

 

「早く終わらす・・・」

 

『デュエル‼︎』 「デュエル‼︎」

 

ユニゾンビ LP 4000 遊輝 LP 4000

 

『先行は私が貰う。私のターン』

 

ユニゾンビ 手札 6枚

 

『不知火の影者を召喚』

 

不知火の影者 攻500

 

「で、でででででたああああ!!!!!幽霊いいいいい!!!!!」

 

「落ち着いて遊輝!!ただの人型のモンスターよ!!」

 

杖を持った陰陽師みたいな人型のモンスターが出てきただけで遊輝は大声で絶叫する。私がデュエルをした方が良かったんじゃないのかな・・・(汗)

 

『不知火の影者の効果発動。自分フィールドのアンデット族モンスターをリリースしてデッキから守備力0のアンデット族チューナーモンスターを特殊召喚する。不知火の影者をリリースして私自身、ユニゾンビを特殊召喚する』

 

ユニゾンビ 攻1300

 

「出たああああ!!!!!ゾゾゾゾゾゾンビ!!!!!」

 

「落ち着いて!!モンスターだから何もしてこないよ!!」

 

『私自身の効果、デッキから馬頭鬼を墓地に送り、私自身のレベルを1つあげる』

 

ユニゾンビ ☆3→☆4

 

『墓地の馬頭鬼の効果発動。墓地のこのカードを除外して墓地のアンデット族モンスターを特殊召喚する。不知火の影者を特殊召喚。Lv4の不知火の影者にLv4の私自身をチューニング!』

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

『シンクロ召喚!PSYフレームロード・Ω』

 

PSYフレームロード・Ω 攻2800

 

あっ、あのモンスターって遊輝が機皇帝対策で入れていたモンスター。効果は・・・・何だったかな?凄い鬱陶しいと思う効果だということは覚えているんだけど・・・

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

ユニゾンビ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

PSYフレームロード・Ω 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「お、俺のターン・・・・・」

 

遊輝 手札 6枚

 

『スタンバイフェイズ、PSYフレームロード・Ωの効果を発動。相手のスタンバイフェイズに除外されているカードを1枚墓地に戻す。私は馬頭鬼を戻す。さらに別チェーンでPSYフレームロード・Ωのさらなる効果。このカードと相手の手札1枚をランダムに選んで、次の私のスタンバイフェイズまで除外する。私は右から3番目のカードを選択する』

 

そうだった!!相手ターンのどのタイミングでもエスケープすることが出来るんだった!!しかもあのカード、除外ゾーンのカードを戻せるのね。馬頭鬼がまた墓地に戻ったし、これはかなり厄介ね・・・・

 

「(とにかく早く終わらせて早く帰ろう!!お化けなんて見たくない!!)サモンプリーストを守備表示で召喚!」

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「効果発動!手札のガガガボルトを墓地に送って終末の騎士を特殊召喚!」

 

終末の騎士 攻1400

 

「終末の騎士の効果発動!デッキからガガガマジシャンを墓地に送る!Lv4のサモンプリーストと終末の騎士でオーバーレイ!」

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ガガガザムライ!」

 

ガガガザムライ 攻1900

 

ブラックホールから出てきたのは濃い紺色の袴のようなズボンを履いて、オレンジ色のショールと赤いマントを身につけた二本の刀を持った侍のモンスターだ。

 

「ガガガザムライの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、《ガガガ》モンスター1体を2回攻撃にする!」

 

ガガガザムライ OVR 2→1

 

これが通れば相手のライフは残り200になるけど・・・・ちょっと焦りすぎじゃないかしら。相手の伏せカードは2枚もあるのに。

 

「バトル!ガガガザムライでダイレクトアタック!」

 

『リバースカードオープン、罠カード、王魂調和。相手の直接攻撃を無効にする』

 

相手の前に赤いバリアが貼られ、ガガガザムライの攻撃を防いだ。

 

『その後、私の墓地のモンスターを除外することで、エクストラデッキのシンクロモンスターをシンクロ召喚扱いで特殊召喚する』

 

「ダイレクトアタックを防いで墓地のモンスターでシンクロ召喚!?」

『Lv4の不知火の影者にLv3の私自身をチューニング!』

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

『シンクロ召喚!PSYフレームロード・Ζ!』

PSYフレームロード・Ζ 攻2500

 

相手の墓地からモンスター2体が除外されてPSYフレームロード・Ωと良く似たモンスターが現れた。

 

「(何で防御カードなんて積んでいるんだよ!!こっちはもうこんな所から逃げたいのに!!)カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガガガザムライ 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

『私のターン、ドロー』

 

ユニゾンビ 手札 4枚

 

『スタンバイフェイズ時、除外されたPSYフレームロード・Ωとお前の手札は戻る』

 

除外されていたΩが帰ってきて、一緒に除外されていた遊輝の手札も帰ってくる。

 

『魔法カード、おろかな埋葬。不知火の鍛師を墓地に送り、墓地の馬頭鬼の効果。このカードを除外して不知火の鍛師を特殊召喚』

 

不知火の鍛師 攻1000

 

「また出たあああ!!!!!!」

 

「いや・・・・だから人型のモンスターだって(汗)」

 

もう・・・・飽きれて突っ込む気力もないわね(汗)

 

『チューナーモンスター、妖刀ー不知火を召喚』

 

妖刀ー不知火 攻800

 

人型のモンスターの隣に刀が現れる。その刀には霊が宿っているのか青いオーラが纏わり付いている。

 

『Lv4の不知火の鍛師にLv2の妖刀ー不知火をチューニング』

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

『シンクロ召喚!刀神ー不知火!』

 

刀神ー不知火 攻2500

 

人型のモンスターと刀が一つになって出てきたのはさっきのモンスターに刀が持った姿。だけど、後ろには青い背後霊みたいなものが憑依している。

 

「ゆ、ゆゆゆゆゆ・・・・・幽霊・・・・」

 

ヒュ〜〜〜・・・・ドン!!!!

 

「えっ!?ゆ、遊輝!?!?遊輝!?!?」

 

相手のシンクロモンスターを見た途端に遊輝は気絶してしまった。それに驚いて私は遊輝の元に近づく。

 

『シンクロ素材になった不知火の鍛師の効果、デッキから不知火の鍛師以外の《不知火》カードを手札に加える。私は不知火流 燕の太刀を加える。バトル、不知火の刀神でガガガザムライに攻撃』

 

刀神ー不知火 攻2500

ガガガザムライ 攻1900

 

遊輝 LP 4000→3400

 

 

相手はそんな事も気にせずに遊輝のモンスターに攻撃してきた。

 

『続けてPSYフレームロード・Zでダイレクトアタック』

 

「遊輝!!起きて!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

遊輝 LP 3400→1000

 

私の声にも相手の攻撃を受けても気絶したまま動かない遊輝。

 

「(・・・・仕方ない、やりたくないけど誰もいないからし、急いで起こさないといけないから)」

 

ある覚悟を持った私は自分の口を遊輝の口に近づけて・・・・・・キスをした。

 

「・・・・・・・!?!?(えっ!?えっ!?)

 

「・・・ブハァ」

 

「/////る、龍可!?何してるんだ!?」

 

「/////り、理由は後よ!!それより次の攻撃を受けたら負けちゃうよ!!」

 

「/////えっ!?」

 

『トドメだ。PSYフレームロード・Ωでダイレクトアタック』

 

「リ、リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚→4枚

 

口にキスをして、呼吸ができない状態になり意識を無理矢理覚醒した遊輝が私の言葉を聞いて急いで伏せカードを発動して、何とか一命を取り留める。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・(い、今・・・龍可が俺にキスをしていた・・・・//////////)」

 

『防がれましたか・・・・メインフェイズ2に入って、罠カード発動、仁王立ち。PSYフレームロード・Ωを選択してこのターンのエンドフェイズ時まで守備力を倍にする』

 

PSYフレームロード・Ω 守2200→4400

 

『ただし、エンドフェイズ時に対象になったモンスターの守備力は0になる』

 

それじゃただの無駄打ちじゃない?何が一体したいのかしら?

 

『カードを1枚伏せてターンエンド』

PSYフレームロード・Ω 守4400→0

 

 

ユニゾンビ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

PSYフレームロード・Ω 攻2800

PSYフレームロード・Z 攻2500

刀神ー不知火 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(/////え、えっと・・・・相手がお化けやら幽霊やら出してきて・・・それで耐えかねずに倒れてしまって・・・・)」

 

「/////遊輝!!変なことを考えないで早くして!!」

 

「!!お、おう・・・・俺のターン・・・」

 

遊輝 手札 5枚

 

顔を真っ赤にして手を顔に押さえて、遊輝の思考回路がショートし始めたので私はすぐにデュエルに再開するように大声で叫んだ。わたしだってあんまり思い出したくないんだから・・・・/////

 

『このスタンバイフェイズ時、PSYフレームロード・Ωの効果発動。私は馬頭鬼を選択する。さらに同じスタンバイフェイズ時、墓地の仁王立ちの効果発動。このカードを除外することで、相手は私が選択したモンスターにしか攻撃ができない』

 

墓地にあった仁王立ちのカードがPSYフレームロード・Ωの身体に吸収される。PSYフレームロード・Ωは仁王立ちで構えて、遊輝に威圧を出す。

 

『さらにPSYフレームロード・Ωの効果。このカードと一番右のカードを除外する』

 

仁王立ちしたまま、PSYフレームロード・Ωと遊輝の手札1枚が除外されてしまった。

あれ?仁王立ちで対象にされたPSYフレームロード・Ωが除外されてしまった?確か、仁王立ちって対象のモンスターが離れた場合、相手は攻撃出来るモンスターがいないから攻撃できない・・・・・ていうことは!?

 

「これって・・・・・無限ループ!?」

 

『その通り、次のターンにはPSYフレームロード・Ωによって仁王立ちは墓地に戻り、再び仁王立ちはPSYフレームロード・Ωを対象に発動、そしてPSYフレームロード・Ωはゲームから除外される。こうすると相手は攻撃することができない』

 

これじゃ、遊輝は攻撃できないじゃない!!PSYフレームロード・Ωは自身の効果でいつ、どのタイミングでも逃げれるから除去は難しいわよ!!

 

「(仁王立ちループとか面倒くさいことしやがって・・・こっちは早くこんな君悪い所から帰りたいって言ってるのに!!)魔法カード、強欲で貪欲な壺!コストとしてデッキトップ10枚を裏側で除外して2枚ドロー!」

 

「強欲な壺!?」

 

遊輝 手札 4枚→6枚

 

何あのドローカード!?ちょっとデメリットの重い強欲な壺じゃない!!

 

「・・・・ちょっと除外したカードを確認する」

 

えっ!?自分だけ除外されたカードを見れるの!?滅茶苦茶強いじゃない!!

 

「(・・・・あまり被害はないな)ガガガガールを召喚!」

 

『ハ〜イ♪』

 

ガガガガール 攻1000

 

「装備魔法、ガガガリベンジ!墓地からガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハァ!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

立て続けにモンスターを出したのは良いんだけど・・・・攻撃できないことに変わりはないからここはどうするの?

 

『リバースカードオープン、罠カード、不知火流 燕の太刀。自分フィールドのアンデット族モンスターをリリースしてフィールドのカードを2枚対象として、そのカードを破壊する』

 

「えっ!?」

 

「刀神ー不知火をリリースして、ガガガマジシャンとガガガガールを破壊する」

 

刀神ー不知火の周りが青く光り、そのままダイヤとパールに向かって突進する。突進を受け止められなかった2人はそのまま破壊されてしまった。

 

『その後、私のデッキから《不知火》モンスターをゲームから除外する。不知火の宮司を除外する』

 

「くっそ〜〜・・・いつゴトバ擬きなんて仕込んだんだ・・・」

 

いや、遊輝が気絶している時に手札に加えていたわよ(汗)

 

「(となるともうこいつらに賭けるしかないか・・・)カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 1000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

『私のターン、ドロー』

 

ユニゾンビ 手札 3枚

 

『このスタンバイフェイズ時にPSYフレームロード・Ωとお前の手札は戻ってくる。速攻魔法、異次元からの埋葬。除外されているユニゾンビ・仁王立ち・不知火の影者を墓地に戻す。墓地の妖刀ー不知火の効果発動、墓地のチューナー以外のアンデット族とモンスター1体とこのカードをゲームから除外してエクストラデッキからアンデット族のシンクロモンスターを特殊召喚する。私はLv4の不知火の影者にLv2の妖刀ー不知火で墓地チューニング』

☆4 + ☆2 = ☆6

 

『シンクロ召喚!刀神ー不知火!』

 

刀神ー不知火 攻2500

 

『さらに除外された不知火の影者の効果発動。ゲームから除外されているこのカード以外の《不知火》モンスター1体を特殊召喚する!妖刀ー不知火を特殊召喚!Lv6の刀神ー不知火にLv2の妖刀ー不知火をチューニング!』

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

『シンクロ召喚!戦神ー不知火!』

 

戦神ー不知火 攻3000

 

刀神ー不知火が6つの星となって、2つの輪になった妖刀ー不知火の中に入っていき、一つの光となって出てきたのは大きな身体をしている和装した侍のようなモンスターだ。右手には妖刀ー不知火を持っていて、左手には炎で出来た刀を握っている。

 

『戦神ー不知火の効果発動!このカードを特殊召喚したターン、墓地のアンデット族モンスター1体をゲームから除外することで、除外したアンデット族モンスターの元々の攻撃力だけターンエンド時までアップする。私が除外するのは刀神ー不知火』

 

戦神ー不知火の背後に刀神ー不知火の霊が現れて、その霊が戦神ー不知火の刀に宿る。

 

戦神ー不知火 攻3000→5500

「れ、れれれれれれれれ、霊・・・・・・(ブルブル)」

 

『墓地の馬頭鬼の効果発動。馬頭鬼を除外して私自身を特殊召喚』

 

ユニゾンビ 攻1300

 

『私自身の効果。デッキから2体目の馬頭鬼を墓地に送り、私自身のレベルを1つあげる』

 

ユニゾンビ ☆3→☆4

 

『馬頭鬼の効果、不知火の鍛師を特殊召喚。Lv4の不知火の鍛師にLv4のユニゾンビをチューニング』

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

『シンクロ召喚!魔王龍ベエルゼ!」

 

魔王龍 ベエルゼ 攻3000

 

ゆ、遊輝のライフが残り1000しかないのにこの相手、容赦がないわね・・・(汗)遊輝はもう・・・ゾンビやら幽霊やらが沸きすぎて涙目になっている。

 

『不知火の鍛師の効果で2枚目の不知火流 燕の太刀を手札に加える。本来は私自身の『デッキから墓地に送る効果』を使った場合、アンデット族モンスターしか攻撃ができない』

 

あっ、そうなんだ・・・・・でも良く考えたらそうだよね。さっきから馬頭鬼ばっかり落として、メリットの塊だったから(汗)

 

『しかし、このカードを使えば問題ない。フィールド魔法、アンデット・ワールド発動』

 

「ア、アアアアアア、アンデット・ワールド!?!?!?!?」

 

相手が発動したフィールド魔法の効果によって、ただでさえ君が悪かったお墓からゾンビや死体がいっぱい転がっている暗い森に変わった。

 

「・・・・・・・・・もう・・・ダメ・・・・」

 

バタン!!!!

 

「ゆ!?遊輝!?」

 

『アンデット・ワールドの効果により、お互いのフィールド・墓地のカードは全てアンデット族になる』

 

PSYフレームロード・Ω サイキック族→アンデット族

PSYフレームロード・Z サイキック族→アンデット族

魔王龍ベエルゼ ドラゴン族→アンデット族

 

ま、マズイ!!遊輝を起こさないと!!

 

「ゆ、遊輝!!!起きて!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「(もう!!こうなったら・・・・・)」

 

ブチュッ!!

 

「・・・・・・ンンンンン!?!?(えっ!?えっ!?る、龍可!?か、顔が!!)」

 

「やっと起きた!!!この攻撃を受けたら負けちゃうよ!!」

 

『バトル、刀神ー不知火でダイレクトアタック』

 

「(あっ・・・・やっば!!)リ、リバースカードオープン!!神風のバリア〜エア・フォース〜!!相手の攻撃宣言時、相手の攻撃表示のモンスター全て手札に戻す!」

 

『何っ!?仕方ない、PSYフレームロード・Ωの効果発動!』

 

「チェーンでリバースカードオープン!ブレイクスルー・スキル!Ωの効果を無効にする!」

 

『なっ・・・・・』

 

PSYフレームロード・Ωが異次元に逃げる前にブレイクスルー・スキルの絵柄にある腕がPSYフレームロード・Ωを捕まえる。その状態で刀神ー不知火が両手の刀で遊輝を斬りつけようとしたけど、私たちの眼の前に緑色のバリアが張られ、神風とも言うべき突風が吹き荒れて、相手のフィールドのモンスター全てを上空に吹き飛ばした。

 

『くっ・・・・・ターンエンド』

 

 

ユニゾンビ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

アンデット・ワールド (フィールド)

 

「(////な、何が何だか分からないけど、とにかく早く終わらす!)俺のターン!」

 

遊輝 手札 3枚

 

「ガガガシスターを召喚!」

 

『イエーイ!』

 

ガガガシスター 攻200

 

「ガガガシスターの効果!デッキから《ガガガ》とついた魔法・罠を1枚加える!ガガガリベンジを手札に加えてそのまま発動!ガガガマジシャンを特殊召喚!ガガガマジシャンの効果発動!自身のレベルを8にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆8

 

「ガガガシスターの効果発動!自分フィールドの《ガガガ》モンスター1体を選択して、選択したモンスターとこのカードのレベルをエンドフェイズまで足したレベルにする!選択するのはガガガマジシャン!」

 

ガガガマジシャン ☆8→☆10

ガガガシスター ☆2→☆10

 

「Lv10になったガガガシスターとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆10 × ☆10 = ★10

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス!」

 

超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス 攻3000

 

元気なサファイアと迫力満点で出てきたダイヤだったけど、とにかくこのフィールドから早く離れたい遊輝は二人のリアクションも見ずにすぐにエクシーズ召喚まで持って行ってしまう。

 

「エクシーズ召喚によって墓地に送られたガガガリベンジの効果によりグスタフ・マックスの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス 攻3000→3300

 

「グスタフ・マックスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、相手に2000ポイントのダメージを与える!!」

 

超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス OVR 2→1

ユニゾンビ LP 4000→2000

 

「バトル!グスタフ・マックスでユニゾンビに攻撃!」

 

ユニゾンビ LP 2000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS ユニゾンビ

 

 

「終わった!!!帰る!!!もう二度としたくない!!」

 

デュエルが終わって速攻で遊輝が逃げ出した。

 

「ハァ・・・・全く変わらなかったね」

 

『そうですね・・・・』

 

『何か・・・・色々とお騒がせしました』

 

「別に良いわよ。じゃあ、私も帰らないといけないから」

 

『ではまた』

 

ユニゾンビと別れて私も出口に向かって走り出す。




紫「いくら何でもお化けや幽霊を嫌いすぎよ」

遊輝「嫌なもんは嫌だ!!!絶対に見たくもない!!」

藍「全く・・・・しかも最後、彼女を置いて走り去りましたよね」

遊輝「あんな所、早く出たい!!!」

藍「(子供が駄々をこねている図ですね・・・・)」

紫「次回は合宿最終日、ライディングデュエル3試合・・・・は無理があるから久しぶりにこのペアで対決よ」

藍「【遊輝VSレミ 風を感じるデュエル】次回もよろしくお願いします」



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第108話 遊輝VSレミ 風を感じるデュエル

【人気投票・質問・アンケートを活動報告で行ってます。ハーメルンに登録してない人でも出来るので是非ご参加お願いします。人気投票・質問・アンケートは私の活動報告からメッセージでお願いします】


最強カードの紹介〜〜!!

遊輝「久しぶりだけど・・・・最近感想欄の俺へのコメントが酷すぎる!!」

そりゃまぁ・・・・モデルで働いたり、肝試しであんな感じになるから

遊輝「俺、台本で聞いてなかったぞ!?」

うん、だって言ってないから(キリッ)

遊輝「んにゃろ〜〜!!!!!」

最強カードの紹介に行くぞ!!今回はエクシーズ・ユニバース!!

遊輝「(また逃げやがった・・・)通常罠で、フィールドのエクシーズモンスター2体を墓地に送り、送ったモンスターのランクを足して、それと同じランクか1つしたのランクのエクシーズモンスターをエクストラデッキから特殊召喚してこのカードをエクシーズ素材にできる」

『フィールドのエクシーズモンスター』なので相手のエクシーズモンスターも素材に出来る!!★3・★4のエクシーズモンスターが流行っているから★6〜★8のエクシーズモンスターを入れておけばメタることが出来るぞ!

遊輝「第108話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


遊輝 side

 

 

「いくぜ!E・HERO スピリット・ドラゴンでヴェルズ・ウロボロスに攻撃!フレア・アースシュート!」

 

「トラップ発動!次元幽閉!」

 

「カウンター罠、エレメントの加護!フィールドのエアーマンを除外して魔法・罠の効果を無効にする!」

 

「うっそ!?」

 

「攻撃続行!フレア・アースシュート!!」

 

スピリット・ドラゴンが身体を円形の形にして作った炎のエネルギー弾がウロボロスに直撃、その攻撃が茜にも及び茜のライフは0になる。勝ったスバルはそのままコースを半周してピットに戻り、次いで茜が戻ってくる。

 

「よっしゃ!!」

 

「あ〜〜もう・・・・・勝てると思ったらグランドマンなんか出てきて・・・・」

 

「(あいっかわらずのチートドローだよな)」

 

「じゃあ次は私と奏ね!」

 

ピットに戻ってきたスバルと茜と入れ替わるように響と奏がDホイールに乗ってコースに出て行く。

 

本日、合宿最終日前、最終日は掃除してからペンションを出るため練習出来るのは今日まで。午前中にDホイールの基礎練習を行い、午後からはデュエル1本だけ、その後はみんなでバーベキューでもやる予定だ。それにしても響と奏か・・・・・また連続バーンで終わりそうだな。

 

〜〜(数分後)〜〜

 

「ハックション!!!(ブルブル)」

 

「早く着替えてこいよ・・・・・」

 

案の定、4ターン目くらいにアイス・スプラッシュ→サファイアの連続バーンコンボでライフを一気に削った。何故か響は奏とデュエルをするとこのコンボがかなりの確率で成功する(ていうかどのデュエルでもフィニッシャーになる)。ほんと、タチが悪い。

 

「それじゃラストは俺とレミか・・・・」

 

「私先に行くよ」

 

俺の後ろでDホイールを整備していたレミは既に準備万端で、ヘルメットを被りすぐにDホイールを走り出す。一方の俺はベンチの操作をスバルに任せてDホイールの点検をしてから乗り込む。

 

「さて・・・・・じゃあ新型ガガガのお披露目と行きますか」

 

「そう言えばずっと遊輝ここに来てからずっとデッキを弄っていたよね」

 

「なかっなか良い案が思い浮かばなかったけど、ようやく出来たからな」

 

そう・・・・・ガガガにとって重要なチェインが前世の改定でとうとう禁止になっちゃったので、少し回るカードを入れて構築した。前ほど突然の展開力とは言えなくても安定した戦いは出来るようになった。

 

「よし・・・行くか」

 

・・・・ブルルル!!!

 

ヘルメットを被り、Dホイールのエンジンをかけてピットからコースに飛び出す。少し時間をかけるとレミには予め言っていたので、コースを1周してタイヤを温めていたレミもスタートラインに並ぶ。

 

「それじゃ行くぞ!!」

 

「負けないわよ!!」

 

俺たちの目の前に電子で出来たシグナルが現れ、赤のシグナルが点滅を始める。

 

「「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」」

 

遊輝 LP 4000 レミ LP 4000

 

シグナルが赤から青に変わるタイミングと同時にアクセルを全開にして飛ばす。レミも同じタイミングでアクセルを飛ばし、スタートダッシュは同じ。そこで俺はさらにアクセルを回す。

 

「(!?このスピードで突っ込む気!?まさか奏と同じパターン)!?)」

 

約300km/hのほぼ全速力に近い感じのスピードになりそのまま第一コーナーを取る。

 

「俺の先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 0→1

レミ SPC 0→1

 

「(・・・これだったら守りを固める方を優先するべきだな)チョコ・マジシャン・ガールを召喚!」

 

チョコ・マジシャン・ガール 攻1600

 

ブラマジガールのコスチュームをさらに青に濃くした感じの服を着たちょっと小さめの魔法使いがウィンクをしながら現れた。

 

「チョコ・マジシャン・ガールの効果!手札の魔法使い族モンスター1枚を捨てて1枚ドロー!そして墓地に送られたEm トリック・クラウンの効果!墓地に送られた場合、墓地の《Em》1体を攻守を0にして特殊召喚する!」

 

Em トリック・クラウン 守1200→0

 

「その後、俺は1000ポイントダメージを受ける!」

 

遊輝 LP 4000→3000

 

墓地からピエロの格好をしたモンスターが現れて、俺のライフが1000ポイント削れる。

 

「ダメージを受けてまで出したってことは・・・そこまでして出したいモンスターがいるわけ!?」

「こいつは先行で立ててこそだからな!Lv4のチョコ・マジシャン・ガールとトリック・クラウンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!フレシアの蠱惑魔!」

 

フレシアの蠱惑魔 守2500

 

ブラックホールから出てきたのは頭に大きな花が付いたピンク色のカチューシャを同じピンク色の長い髪に身につけ、同じくピンク色のドレスみたいな衣装を身につけた美しい少女だ。

 

「(守備力2500・・・・ただ高いわけじゃないよね)」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

フレシアの蠱惑魔 守2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

遊輝 SPC 1→2

レミ SPC 1→2

 

「(とは言っても破壊できないし・・・動くしかないよね)SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、2枚ドローして手札を1枚捨てる!ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500

 

「ドゥクスの効果!墓地からレベル3以下の《ドラグニティ》のドラゴン族モンスターを装備する!墓地からファランクスを選択して装備!そしてファランクスの効果で解除!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

相変わらず流れるような展開力だよな・・・・これ、本当に渓谷が無いデッキかよ。

 

「(下手に動くより手札を整えた方がいいわね)Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を舞うさすらいの騎士が、楽園の未来に立ち向かう。竜の意志で羽ばたけ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーガジャルグ!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

 

ドゥクスとファランクスが一つになって出てきたのはドラグニティの切り込み隊長、ガジャルグだ。

 

「ガジャルグの効果を発動!デッキからLv4以下の鳥獣族またはドラゴン族モンスターを手札に加えて、その後鳥獣族かドラゴン族モンスターを墓地に捨てる!」

 

ガジャルグが大きく上空に飛び上がり、旋回を始める。だが・・・・・

 

・・・・・・ピカーーン

 

『ギャアアアアア!!!!』

 

「えっ!?ちょ!?ちょっと!?何で!?」

 

シンクロ召喚して出てきたガジャルグは突然真下に現れた底が見えない落とし穴にゆっくりと引きずり込まれていく。

 

「フレシアの蠱惑魔の効果を発動したのさ。こいつはオーバーレイ・ユニットを1つ取り除くことで、デッキから通常トラップの「ホール」または「落とし穴」カードを墓地に送ることでそれと同じ効果を得る!」

 

「デッキから落とし穴を落として同じ効果!?」

 

「俺が選択したのは蠱惑の落とし穴!こいつはこのターンに特殊召喚したモンスターが効果を使った時、その発動を無効にして破壊する!」

 

フレシアの蠱惑魔 OVR 2→1

 

フレシアの蠱惑魔がオーバーレイ・ユニットを1つ使い、自身の身体から甘い香りが出てきて、その匂いにつられたガジャルグは引きずり込まれていたはずの落とし穴に自分から突っ込んでいく感じで落ちていった。

 

「さらにオーバーレイ・ユニットととして取り除いたトリック・クラウンの効果!自身を特殊召喚して、俺は1000のダメージを受ける!グウウ・・・・」

 

Em トリック・クラウン 守1000→0

遊輝 LP 3000→2000

 

「そしてダメージを受けたことでリバースカードオープン!ダーク・ホライズン!自分が受けたダメージ以下の闇属性・魔法使い族モンスターをデッキから特殊召喚する!ガガガガールを特殊召喚!」

 

『はいは〜い!』

 

ガガガガール 攻1000

 

俺の横に黒い球体が現れて、その中からパールが飛び出してくる。こいつとチョコのおかげで少しは安定して戦えるようになったからな・・・・《ガガガ》しかデッキに入らないようになったけど。

 

「私のモンスターを破壊して私のターンに展開しないでよ!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 2→3

レミ SPC 2→3

 

「俺もSPーエンジェル・バトンを使う!カードを2枚ドローして1枚を捨てる!」

 

遊輝 手札 5枚→4枚

 

・・・・・これだったらこいつだな。

 

「リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からさっき捨てたアステル・ドローンを特殊召喚!」

 

アステル・ドローン 攻1600

 

「Lv4のトリック・クラウンとアステル・ドローンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろNo,39 希望皇ホープ!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

 

アステル・ドローンとトリック・クラウンがブラックホールに吸い込まれて出てきたのは今でも現役で頑張ってくれている最初のエクシーズモンスター、ホープだ。

 

「素材になったアステル・ドローンの効果で効果を追加したホープの効果!エクシーズ召喚成功時に1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

『ハアア!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

パールの隣に今度はダイヤが持っている鎖付きの杖を振り回して現れる。

 

「ダイヤの効果発動!レベルを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

「パールの効果発動!レベルをダイヤと同じにする!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「Lv6になったダイヤとパールでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『・・・・・ギャアアアアア!!!!!!』

 

ブラックホールから純白の太陽が昇り、その太陽が変形をしてホワイトが姿を現した。

 

「これでバトル!ホワイトでダイレクトアタック!サンシャイン・パティズム!!」

 

「終わらせないわよ!リバースカードオープン!罠カード、リジェクト・リボーン!相手の直接攻撃時に発動して、バトルフェイズを終了させる!」

 

ホワイトの攻撃はレミの前に現れたバリアの前に弾かれてしまう。

 

「その後、墓地からシンクロモンスター1体とチューナーモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する!ドラグニティナイトーガジャルグとドラグニティーファランクスを特殊召喚!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

ドラグニティーファランクス

 

レミの周りに出来たバリアがピキピキとヒビ割れてガジャルグとファランクスが飛び出してくる。

面倒くさいカード伏せていたな・・・しゃあない、ビックリドッキリメカでも伏せておきますか。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!針虫の巣窟!デッキトップ5枚を墓地に送る!」

 

「何でそんな都合よく針虫を引けるんだよ!」

 

墓地に落ちたカード

・ドラグニティーアキュリス

・次元幽閉

・聖なるバリア〜ミラー・フォース〜

・SPーデッド・シンクロン

・ドラグニティーレギオン

 

遊輝 手札 1枚 LP 2000 SPC 3

【モンスターゾーン】

フレシアの蠱惑魔 守2500

No,39 希望皇 ホープ 攻2500

ホワイト・サン・ドラゴン 効果を2400

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 3枚

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 4枚

 

遊輝 SPC 3→4

レミ SPC 3→4

 

「Lv6のドラグニティナイトーガジャルグにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

ガジャルグとファランクスが一つの光となると、コース全体に大きな竜巻が巻き起こり、上空へと伸びていく。その中心から回転しながらフェザーが現れる。

 

「(フレシアを知っているのに出したってことは何かあるんだろうな・・・)フレシアの蠱惑魔の効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、奈落の落とし穴をデッキから落とす!」

 

フレシアの蠱惑魔 OVR 1→0

 

「(さあどう出てくる?)」

 

「速攻魔法、SPー禁じられた聖杯!SPCを1つ取り除いて、フレシアの蠱惑魔の攻撃力を400ポイントアップする代わりに効果を無効にする!」

 

あ〜、そいつを引いたからか。

 

レミ SPC 4→3

フレシアの蠱惑魔 攻300→700

 

「フェザーの効果!シンクロ召喚に成功したから、墓地からファランクス・アキュリスを選択してこのカードに装備する!」

 

フェザーの前にファランクス、アキュリスの2体が現れて、フェザーの身体と合体する。

 

「フェザーの効果発動!墓地のドゥクスを戻してホープをデッキに戻す!」

 

「まぁそうするよな・・・・それじゃ、ビックリドッキリメカを使うか!」

 

「はっ?」

 

「リバースカードオープン!エクシーズ・ユニバース!!フィールドのエクシーズモンスター2体を選んで発動!俺はフレシアとホープを選択!」

 

ホープがフェザーの効果でいなくなる前に黄色のエネルギーが包まれる。フレシアも同様に包まれる。

「この2体を墓地に送り、墓地に送ったエクシーズモンスターのランクを足して、それと同じランクか一つ低いランクのエクシーズモンスターを特殊召喚する!」

 

「はぁ!?」

 

「正確にはちょっと違うけど・・・・俺はホープとフレシアでオーバーレイ!2体のエクシーズモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!現れよ!DDD双暁王カリ・ユガ!」

 

DDD双暁王カリ・ユガ 攻3500

 

ホープとフレシアが上空に出来たブラックホールに吸い込まれていき、現れたのは王様が座るような大きな椅子に座ったこれまた大きな身体をした巨人だ。

 

「そしてエクシーズ・ユニバースは特殊召喚したモンスターのオーバーレイ・ユニットとなる」

 

DDD双暁王カリ・ユガ OVR 0→1

 

本当はね〜、こいつの「フィールドの効果をエンドフェイズまで無効」って言いたいけど、エクシーズ召喚扱いじゃないからそれも出来ないし、しゃあないか。

 

「墓地に送られたトリック・クラウンの効果!こいつを特殊召喚して俺は1000ポイントのダメージを受ける!」

 

Em・トリック・クラウン 守1000→0

遊輝 LP 2000→1000

 

「(予定がかなり狂ったわね・・・とりあえずあのデカ物とホワイトだけは処理しておきましょう)ファランクスの効果発動!自身を特殊召喚!Lv8のフェザー・ウィング・ドラゴンにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「エメラルドの宝玉が輝きし時、風の龍が覚醒する。大空の時の流れを取り戻せ!!シンクロ召喚!!吹き荒れろ!!風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000

 

フェザーとファランクスが一つになって、光となるところが緑色に輝く大きなエメラルド色の宝石になる。その宝玉がピキピキとヒビ割れていき、最後に大きな音が聞こえて真っ二つになると刀を構えたフェザーがその中から姿を現せた。

 

「エメラルド・ドラゴンの効果!シンクロ召喚成功時、墓地のドラゴン族モンスターを好きなだけ装備する!墓地からファランクス・アキュリス・フェザーの3枚を装備!エメラルド・ドラゴンの攻撃力は装備カードの数×100ポイントアップする!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000→3300

 

「さらにエメラルド・ドラゴンの効果発動!アキュリスを墓地に送り、ホワイトの効果を無効にして攻撃力と守備力を0にする!」

 

『時よ・・・・過去へ・・・・』

 

「タイム・リフレックス!」

 

フェザーが掛けている胸にある懐中時計の針が止まり、逆回転を始める。すると、周りの空や風、虫たちの動きが止まってしまい、さっきとは逆方向に動き始める。時の逆方向の流れにホワイトは乗ってしまい、身体が見る見るうちに小さくなって精霊状態・・・・赤ちゃんの姿の時になってしまう。

 

風玉霊エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3300→3200

ホワイト・サン・ドラゴン 攻/守 2400/2000→0/0

 

『きゃっ・・・・?』

 

「こらこら!!無防備な赤ちゃん相手にサンドバッグ状態で殴るんか!!」

 

「これはデュエルでしょ!!墓地に送られたアキュリスの効果!破壊するのはカリ・ユガよ!」

 

「チェーンで永続罠、安全地帯!カリ・ユガを対象にして破壊から守る!」

 

カリ・ユガの後ろに宇宙に飛んでいそうな巨大な施設が現れて、カリ・ユガがその中に吸い込まれていく。アキュリスの攻撃はその施設から出来たバリアによって弾かれた。

 

「でも関係ないわよ!バトル!エメラルド・ドラゴンでホワイトに攻撃!時空・封殺斬!!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚→2枚

 

エメラルドが刀を横に振り向いて放った真空波はホワイトを綺麗に真っ二つにして破壊されてしまうが、俺の前に出来たバリアによってダメージは無効になった。

 

「ああもう!!攻撃を防がれたよ!!カードを2枚伏せてターンエンド!!」

 

「エンドフェイズ時、カリ・ユガの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!!」

 

「!?お、大嵐を内蔵しているの!?」

 

「行け!!」

 

DDD双暁王カリ・ユガ OVR 1→0

 

カリ・ユガを中心に大嵐が吹き荒れてフィールドの全ての魔法・罠カードが破壊されてしまう。

 

「安全地帯がフィールドから離れたことでカリ・ユガは破壊される」

 

安全地帯が消えていく中で、その中に避難していたカリ・ユガも一緒に消えていく。

 

「(不味いって!!伏せカードもない状況じゃエメラルド・ドラゴンを守りきることはできない!)」

 

 

レミ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 4→5

レミ SPC 3→4

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!手札から召喚僧サモンプリーストを特殊召喚してこのカードを守備表示にする!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

「召喚僧サモンプリーストの効果発動!手札の魔法カードを墓地に送って、チューナーモンスター、霞の谷の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

ゴブリンドバーグからあっという間に3体のモンスターが展開されていく。やっぱりこういうことがあるからサモンプリーストは抜けないよね。

 

「まずはLv4のトリック・クラウンとサモンプリーストでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鳥銃士カステル!」

 

鳥銃士カステル 攻2000

 

ブラックホールに吸い込まれて出てきたのは銃を持つ、銃士の格好をした二足歩行の鳥だ。頭には赤いかんむりがあり、ピンクの翼のの下には青いマントが羽織られている。

 

「鳥銃士カステルの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、こいつ以外のフィールドのカード1枚をデッキに戻す!対象はエメラルド・ドラゴンだ!」

 

カステルが銃を構え、放った球がエメラルド・ドラゴンに当たる直前で爆発をしてネットが出てきてエメラルド・ドラゴンを捕らえる。カステルは上空へと飛び上がり、翼を大きく羽ばたいて身動きが取れないエメラルド・ドラゴンを吹き飛ばした。

 

「ぐうう!!エメラルド・ドラゴンが!!」

 

「フィニッシャーはこいつだ!Lv4のゴブリンドバーグにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

『・・・・・グオオオオオ!!!!!』

 

ゴブリンドバーグと霞の谷の戦士が一つなって出てきたのは、下から黒い太陽が昇ってそいつが変形を始めブラックが現れる。

毎度毎度、こいつを出すのは遅いんだがこいつの特性上、フィニッシャーのタイミングで出すのがベストだからな。

 

「ブラックの効果!シンクロ召喚成功時、墓地のエクシーズモンスターをこのカードに装備する!選択するのはDDD双暁王カリ・ユガ!」

 

ブラックの下に大きな穴が開き、そこからカリ・ユガが現れてブラックの体内に吸い込まれる。

 

「ブラックの攻撃力は装備したモンスターの攻撃力分上がる!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→4500

 

「ラスト!ブラック・サン・ドラゴンでダイレクトアタック!!ダークネス・ブラスト!!」

 

レミ LP 4000→0

 

WIN 遊輝 LOS レミ

 

 

デュエルが終わって俺とレミはピットに戻る。

 

「お疲れ〜」

 

「お疲れ、ふぅ・・・」

 

「トリック・クラウンで自滅して行ってくれたから一撃でも与えたら勝ちだったのにな・・・」

 

「たまたま運が良かったとしか言いようがないよ」

 

トリック・クラウンって強いんだけど、やっぱりライフ4000の世界じゃ使い辛いんだよな・・・・ライフ8000の前世だったら滅茶苦茶な強さだったんだろうけど。

 

「展開力を上げるために入れたけど・・・・今回のデュエルを考えると難しいな」

 

「ライフが高速で減っていく以上、何かしらの対応策を練っておかないとまけてしまうぞ」

 

「そうだな・・・」

 

「レミは?」

 

「やっぱり竜の渓谷を入れたいわね・・・」

「それやったらライディングデュエルの意味がなくなるだろ」

 

「それはそうなんだけどね・・・ドゥクスやレギオンを持ってくる方法を探さないといかないわね」

 

「それじゃ、今日で合宿の練習は終わりだな。先に帰って仕込んでくる」

「気をつけていけよ〜」

 

 

〜〜(同日 夜)〜〜

 

 

「ハァ・・・休憩休憩」

 

ペンションの庭で合宿最終日の晩飯をみんなでバーベキューしている。大体一時間ぐらい経ったところで胃を休ませるために少し休憩がてら、目の前のビーチに堤防があるのでそこまで行って腰を下ろす。

 

「いや〜・・・・ここは星が綺麗だな・・・・」

 

そのまま寝転がって上を見ると、沢山の星空が目に映る。ネオドミノシティのネオンも確かに綺麗だけど、これは自然的な光で何か心が和むな・・・・・

 

「(WRGPまではまだまだ先だけど、あっという間に時は過ぎるだろ・・・・)」

 

WRGP開催は来年の3月・・・・それまでにどれだけライディングの腕を見上げてデュエルの技術も上げるか・・・

 

「(・・・・あとはイリアステルのこともあるけど、あのアリアって女・・・・)」

 

ゴーストの事件の時に出会ったあの謎の女性・・・あれっきり目立ったことはこっちでも精霊世界でも起こしていないが、そろそろ何かしらのアクションを起こしそうだな・・・・

 

「(・・・・あいつがヤバイことを始めたら俺は止めに行かないとな・・・)」

「・・・・遊輝」

 

「ん?・・・・龍可か」

 

後ろの方から声が聞こえたので首を上に振り向くと龍可が見えた。・・・・・下着は見てないぞ。龍可、ズボンを履いているんだから。

 

「そこで何をしているの?」

 

「休憩、ちょっと食べ過ぎた」

 

「そう・・・・」

 

「龍可もこうしたら?星が綺麗に見えるぞ」

 

「うん」

 

龍可も同じように寝転がって上を向く。ここはリゾート地でそこまで高いビルもないし、本当に星が綺麗だ。

 

「・・・・遊輝」

 

「ん?」

 

「何か・・・・・考えことでもしていたの?」

 

「ん〜〜・・・・まぁしていたな。WRGPの事もあるし、文化祭のLIVEも成功させなきゃってあるし」

 

「それ以外・・・・それ以外にもあるのでしょ?」

 

「それ以外?」

 

「だって、さっきの遊輝の顔・・・・凄い思い詰めていたから」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「あんなに思い詰めているってことは・・・・それ以外にも何か大きな事があるってことだよね」

 

・・・・・さすがに龍可は感づかれてしまうか。どこまで隠し通せるか分からなかったけど、早くにバレてしまったな。

 

「・・・・あのね遊輝、別に話せないのなら無理に話さなくてもいいよ。でも、あなたは一人じゃない、何時でも私や仲間に頼っていいんだよ」

 

「・・・・・・・ああ」

 

「お〜〜い!!二人とも!!スイカ割りするから帰ってきてよ!!」

 

「あっ、龍亞か・・・・じゃあ帰るか」

 

「うん」

 

龍亞の声が聞こえたので降ろしていた腰を上げて、二人で手を繋いで帰る。




文「エクシーズ・ユニバースは良いですよね。私もメタとして1枚だけですが入れていますよ」

フラン「フランのダンテやブレイクソードがインフィニティになったり、魔理沙や霊夢の★4モンスターがカリ・ユガとかに化けちゃうもんね・・・」

遊輝「こっちだとエクシーズモンスターを使うデュエリストが少ないからあんまり役にはたたないけど、おいおい役にたつかな」

文「遊輝さんって今回のデュエルを見た感じ、まだ力を残している感じがしますね」

遊輝「力は残してないよ。ただ、切り札のモンスターは取っておかないと」

フラン「次は合宿から帰ってきて原作通りの話だよ」

文「【偽ジャックvsジャック 現れろ!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!】」

遊輝「と言っても最後の方をちょっと変えるだけだけど・・・・次回もよろしくお願いします」


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第109話 偽ジャックvsジャック 現れろ!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!

【人気投票・質問・アンケートを活動報告で行ってます。ハーメルンに登録してない人でも出来るので是非ご参加お願いします。人気投票・質問・アンケートは私の活動報告からメッセージでお願いします】

【*・・・活動報告で相談という項目をつけました。皆様に相談、と言うより賛否を聞きたいです。活動報告を見てくれて意見を言ってくれるとありがといです。賛否は活動報告で受け付けてます】


最強カードの紹介〜〜・・・・

龍亞「な、何?そのテンションの低さ?」

だって・・・・今回のデュエル、全然納得行かなかった・・・・

龍亞「前にトラスト・ガーディアンを使ったからこんな事になったんだよ」

使ってるとは思わなかったんだよ・・・・「何で使ったんだ!?」ってあの当時の俺に言いたい・・・・お陰でトラスト・ガーディアンの効果を上手く発揮できなかった・・・

龍亞「結果的(LP)的には上手くなったじゃん」

何だかな〜〜・・・・・最強カードの紹介に行きますか。

龍亞「今回はレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!!今やっているアニメのジャックの魂と言えるエースモンスター!!」

本家のレッド・デーモンズと同名カードとして扱う事ができ、1ターンに1度、このカードの攻撃力以下のモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの数×500ポイントのダメージを与える!

龍亞「閻魔竜と違って、表示形式に関係なく破壊できて尚且つこのカード以外のモンスターも攻撃できるぞ!」

閻魔竜の利点は攻撃力が高いモンスターも破壊できるからそこは使い分けないとな。

龍亞「それにしても今期のアニメ、何でジャックやクロウは出たのに俺と龍可は出なかったんだ・・・」

精霊とかもうそんなもの関係ないだろ。それ以前に龍亞のデッキはともかく龍可のデッキどうするんだよ。

龍亞「カオス・ライロかクラブレロードにすれば」

子供達が見るアニメでガチ思考のデッキは出入り禁止だ。

龍亞「え〜・・・・第109話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


遊輝 side

 

「遊星〜〜いる〜〜?」

「遊星!!久しぶり!!」

 

「・・・・遊輝か」

 

合宿から帰った次の日、俺と龍亞、龍可はお土産を渡すために3人で遊星のガレージに来た。あとでレミたちも来る。

 

「ふわぁ〜・・・・・?遊星、お客さん?」

「?・・・・誰?」

 

ガレージ奥の扉が開いて短髪の青い髪で白をモチーフに黄色と青のアクセントがあるジャケットを着た青年があくびをしながら現れた。こいつは確か・・・・

 

「そう言えば龍可達はあの時いなかったんだな、紹介しよう。ブルーノって言うんだ。訳あって今は一緒に住んでいる。ブルーノ、こっちの双子は龍亞、龍可、奥にいるのが遊輝、みんな俺の仲間だ」

 

「そうなんだ。僕はブルーノ、よろしくね」

 

「初めまして!龍亞だよ!」

 

「龍可です」

 

そうだそうだ、皆大好きブルーノちゃんだ!いや〜、何だかんら好印象を持てるキャラだったよね。

 

「俺は遠藤遊輝、俺も訳あって龍亞と龍可の家に居候中の身なんだ」

 

「そうなんだ。僕も居候中の身だし、仲良くしようね」

 

「違う違う、遊輝はもう俺たちの立派な家族だよ!」

 

「?どういう事なの、龍亞」

 

「だって遊輝と龍可はカップルなんだから!!」

 

「えっ!?」

 

「///ちょ、ちょっと龍亞!!いきなり大声でそんな事言わないでよ!!」

 

「へぇ〜、君たち付き合ってるんだ」

 

「そうそう!!毎日夜中にベッドの中でアンナ事やコンナ」

 

ガン!!!!!!

 

「・・・・・・・(シュウゥゥゥ〜〜〜〜〜)」

 

「嘘っぱちを言うな・・・・お前はこの小説にR18のタグを付けたいんか・・・・(プルプル)」

 

「ゆ、遊輝、メタいメタい・・・・(汗)」

余りにも良い加減な事を言い出したので龍亞の頭にゲンコツをかましてやった。受けた龍亞は気絶して頭から煙が上がる。

 

「遊星さ〜ん、お久しぶりです」

 

「おっ!スバルたちじゃないか!」

 

「クロウさんもお久しぶりです」

 

「『も』ってなんだ!!『も』って!!」

後ろからスバルや響たちもやってきて、さらに部屋の扉からクロウが飛び降りてきた。

 

「あれ?遊星さん?この人は?」

 

「こいつはブルーノ、今は一緒に住んでいるんだ」

 

「すっごい優秀なメカニックでよ、来た次の日から遊星と一緒にエンジン開発をしているんだ」

「へぇ〜・・・遊星さんと一緒にって事はよっぽど凄いんだ・・・・」

 

「そう言えばクロウさん、ジャックの姿が見えないんだけど・・・・・」

 

奏がそんな事を聞くと、3人とも顔を下にして暗い顔をした。

 

「?どうしたんですか?ジャックに何かあったのですか?」

 

「・・・・実は」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「「「「「「「ジャックが捕まった!?!?」」」」」」」

 

「落ち着けお前ら!!まだ続きがある!!」

 

そういえばその事件まだだったんだな・・・・ちょうど捕まった話だけ見てなかったからどんな経緯で捕まったかは知らないけど・・・・

 

「・・・・・って事なんだ」

 

「納得いかねぇ!!ジャックが襲うはずがねぇぞ!!」

 

「今は脱獄したっていうし、俺たちはセキュリティに任せるしか「遊星!!」?どうしたんだカーリー」

 

「ビッグニュース!!ビッグニュースを手に入れたんだから!!」

 

「ビッグニュース?」

 

突然飛び込んできたカーリーが息を切らしながら階段を降りる。

 

「これ見て!!私が独自に調査をしていたら二人組みが昨日の夜にこんな写真を撮っていたの!!」

 

カーリーが自分のカメラから保存している写真を次々と流す。その中の1枚で手を止めて皆に見せる。

 

「なっ・・・・」

 

「ホ、ホイール・オブ・フォーチュンが2台!?」

 

「しかもこれに乗っている人って2人ともジャックよ!!」

 

そこに写っていたのは2台のホイール・オブ・フォーチュンとそれに乗ってデュエルをしていた2人のジャックだ。

 

「ど、どういう事よ!?ジャックって双子!?」

 

「そんな馬鹿なはずがねぇだろ!!」

 

「考えられる事は・・・・どっちか一人が偽物だって事だな」

 

「って事はDホイーラーを狙った暴行事件の犯人は・・・」

 

「恐らく、この偽物のジャックだろう・・・・」

 

「ちょっと待って・・・カーリーさん、この二人はデュエルをしていたのですか?」

 

「えぇ、目撃者が目の前で見ていたらしいから間違いないはず」

 

「そうなるとセキュリティのシステムが管理しているはずなのにセキュリティが知らない訳がない・・・」

 

「とにかくハイウェイに行こう!!ジャックを探すんだ!!」

 

慌てた様子のクロウがブラックバードに乗り込む。遊星もすぐにガレージのシャッターを開けて遊星号に乗り込む。

 

「俺たちも探そうぜ!!」

 

「「「「「うん!!」」」」」

 

スバルの掛け声で皆は一斉にガレージを飛び出す。

 

「・・・・さて、俺は何処を探そうか」

 

『マスター、アテはあるのですか?』

 

「ある訳ねぇだろ。どこかハイウェイ近くの場所に封印みたいな感じで閉じ込められているってのは分かるんだが・・・・・・・それと・・・・出てこいや」

 

「あれ?バレるの?結構自信があったのに〜?」

 

遊星がシャッターを開けっ放しで行ったため、俺の声が外にまで響き、外に隠れていた奴が中に入ってくる。それは初めてゴーストの事件に関わった時に現れた謎の女・・・・アリアだ。

 

「どうして分かったの?」

 

「んな事言わなくてもお前は分かるだろうが」

 

「まぁね☆生命を操る能力でも使ったのでしょ? 」

 

「で、何の用だ?まさか今からこの世界の支配を始めるとか言うんじゃないだろうな?」

 

「ノンノン♪さすがにまだ準備が整ってないよ♪でもまぁ、一応の軽い宣戦布告だけはしておこうと思って♪」

 

「宣戦布告?」

 

「1週間後・・・・精霊世界でゲリラ的に機械のシステムダウンを起こす。止めたかったら精霊世界に来る事」

 

「・・・・・・・わざわざありがとよ」

 

「アリアさんは優しいからね♪だから優しいアリアさんは今から遊輝君にジャックの居場所を教えてあげるよ♪」

 

「・・・・お前、俺の敵だろ?」

 

「言ったでしょ?私はイリアステルとは関係ないって。むしろ敵に近い感じ♪だから、こういう事では君と利害が一致する訳♪アリアさんがいないのに勝手に世界を変えられたら困るし♪」

 

「(・・・・こいつのキャラがイマイチ掴めねぇな(汗))」

 

「で、どうするの?来るの?来ないの?」

 

『マスター、罠という危険性が・・・』

 

「そこの不良君、罠な訳ないじゃん♪」

 

『!!私が見えるのですか!?』

 

「う〜ん・・・・何か見た目と違って言葉が優等生ね。何か似合わない」

 

ダイヤは驚いたけど、正直俺は驚く事はなかった。精霊世界を知っているという事はモンスターの精霊も自然と分かるはずだと考えていたからな。

 

「・・・・アテがねぇんだ。行くしかないか」

 

「さっすが!話が分かる〜」

 

「御託はいいからさっさと連れてけ」

 

「んもぅ、連れないわね・・・・分かった分かった。ちゃんと付いてきてよね」

 

アリアはガレージから出る。俺もアリアに付いていくようにガレージから出てシャッターを閉める。既にアリアはDホイールに乗っている。

 

「ほらほら!早くしないとおいていくよ!」

 

「ったく、こっちはまだDホイールにも乗ってないってのに・・・」

 

急かすアリアに軽く舌打ちを打ちたい気分だけど、ぐっとこらえて急いでDホイールに乗り込む。エンジンを掛けてアリアのDホイールの後ろにつく。それを振り返って見たアリアは前を向き、フルスロットルで駆け抜けていく。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

「はい、着いた〜〜」

 

「・・・・ずいぶん遠回りをしたな」

 

「まぁまぁ♪君は転生者なんだから偽ジャックがいつ出てくるのか大体分かるでしょ♪」

 

「そりゃまぁ・・・・そうだが・・・」

 

結果的に言えばまぁ・・・・案の定、弄ばされた。長い時間ハイウェイでツーリングをさせられて着いた時には夕日が傾きかけている。

 

「それじゃ、私の出番はここまで♪1週間後、楽しみにしているよ」

 

「はいはい・・・・・」

 

そう言ってアリアはDホイールを走らせて言った。

 

「・・・・ああいうタイプが人に好まれるのかね」

 

『私は嫌ですね・・・』

 

「俺だって好まないよ。さてと・・・・・ちゃんとあるな」

 

ハイウェイの下を覗き込むと整備されていない岩だらけの海岸が見えて、そこに不釣り合いな金属の大きな扉が見えた。

 

「まぁ後で狭霧さん辺りにでも弁償しておくか」

 

そう呟いた俺はDホイールを一度バックされる。そして、アクセルを回し音を鳴らす。

 

ギュルル!!キュルルルル!!!

 

「・・・・・行くぞ」

 

ギュルルルルル!!!!!!バリン!!!!

 

アクセルをフルスロットルにしてハイウェイのガードレールをぶち抜いて下に着地、急ブレーキをかける。すぐにDホイールから降りて能力で太陽を作る。

 

「おら行けっ!!」

 

ドーーーン!!!!

 

脳力で作った太陽を鉄の扉にぶつけて、鉄の扉を焼き壊す。

 

「ジャック!!」

 

扉の炎をダイヤの魔法で急いで消してもらい、中に入る。そこにはホイール・オブ・フォーチュンも椅子に座って拘束され、後ろの機械に繋がるコードをつけたヘルメットを被らせたジャックがいた。

 

「こいつか・・・・ダイヤ!」

 

『分かってます。今、解析しています・・・・・終わりました!』

 

「OK!ジャック!!いい加減起きろ!!」

 

「うっ・・・・ゆ、遊輝?」

 

「いつまで寝ているんだ!!偽物がハイウェイで暴れ始めるぞ!」

 

「そ、そうか・・・俺はあいつに負けて、変な空間に閉じ込められて、クロウが俺に詫びを言うって・・・それをあいつはクロウを・・・・・・・許さん・・・許さんぞ!!!!」

 

「ほれっ!!ヘルメット被って!!すぐ行くぞ!!」

 

「待ってろ偽物!!この仇は必ず返すぞ!!」

 

気合が入るジャックはすぐにホイール・オブ・フォーチュンに乗り込んでエンジンを掛けてフルスロットルでこの洞窟から出る。俺も外に出て、すぐにDホイールに乗り込み、ジャックの後を追いかける。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ゆうせええええええ!!!」

 

「!?ジャック!!」

 

あれから俺たちは偽ジャックが現れたというハイウェイまで走り、そのポイントまで追いついた。そこには遊星とセキュリティの風間さんが先頭で走っている偽ジャックを追いかけていた。

 

「ジャ、ジャックが2人・・・・」

 

「現れたか偽物よ!また現れるとは思わなかったが、今度こそ倒す!」

 

「ジャック!!これを受け取れ!!」

 

遊星はデッキから1枚のカードを抜き取り、それをジャックに渡す。カードを受け取ったジャックはそのカードを見てすぐに笑みを浮かべる。

 

「フン・・・どうしてもこのカードを俺に使わせたいらしいな!良いだろう!」

 

そのカードを自分のデッキにセットする。オートシャッフルモードでカードがシャッフルされてジャックのデュエルデスクトップが起動する。そして偽ジャックのホイール・オブ・フォーチュンの後ろにつく。

 

「貴様は言ったな!今の俺にかつての俺は勝てないと!貴様がかつての俺だと言うならばお前こそ今の俺に及ばないことを思い知らせてやる!」

 

「良いだろう!フィールド魔法、スピード・ワールド2!発動!」

 

フィールド魔法が発動されて太陽が沈んで暗くなったあたりがさらに暗くなり、偽ジャックのDホイールが一瞬だけ光を放つ。

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

ジャック LP 4000 偽ジャック LP 4000

 

「先行は俺がもらう!俺のターン!」

 

偽ジャック 手札 6枚

 

偽ジャック SPC 0→1

ジャック SPC 0→1

 

「インターセプト・デーモンを召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

偽ジャック 手札 4枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

インターセプト・デーモン 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ジャック 手札 6枚

 

偽ジャック SPC 1→2

ジャック SPC 1→2

 

ドローしたカードを見て、ジャックは一瞬驚いたような表情をしたがすぐに別のカードを手にした。

 

「相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上ににモンスターが存在しない時、手札のバイス・ドラゴンは特殊召喚できる!」

 

バイス・ドラゴン 攻2000

 

「ただし、この効果で特殊召喚したバイス・ドラゴンは攻撃力と守備力が半分になる!」

バイス・ドラゴン 攻/守 2000/2400→1000/1200

 

「(遊星・・・クロウ・・・お前たちの思いを今使わせてもらう!)チューナーモンスター、トラスト・ガーディアンを召喚!」

 

トラスト・ガーディアン 攻0

 

バイス・ドラゴンの隣に身体のサイズには似合わない帽子を被った子供の天使が現れる。

 

「Lv5のバイス・ドラゴンにLv3のトラスト・ガーディアンをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 

『・・・・・・ギャアアアアア!!!!』

 

バイス・ドラゴンが5つの星となり、そこにトラスト・ガーディアンの3つの輪が重なって現れたのは赤く燃え上がる炎、ギュッと力強く両手を握りしめて出てきたのはジャックのエース、レッド・デーモンズ・ドラゴンだ。

 

「バトルだ!レッド・デーモンズよ!インターセプト・デーモンに攻撃!」

 

「インターセプト・デーモンの効果!このカードが表側攻撃表示で存在する時、相手モンスターが攻撃する度に相手に500ポイントのダメージを与える!」

 

「構わん!アブソリュート・パワーフォース!」

 

レッド・デーモンズが拳に炎を蓄えてインターセプト・デーモンを殴り、破壊する。

 

ジャック LP 4000→3500

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

インターセプト・デーモン 攻1400

 

偽ジャック LP 4000→2400

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

ジャック 手札 3枚 LP 3500 SPC 2

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「あの時、俺は仲間との些細なわだかまりで判断を鈍らせた・・・だが今は違う!!今は仲間との大切な絆でレッド・デーモンズを出した!!あの時の俺とは違う!!」

 

「フン、そうやって絆とか言ってる奴に俺は負けん!俺のターン!」

 

偽ジャック 手札 5枚

 

偽ジャック SPC 2→3

ジャック SPC 2→3

 

「そこの一般車!!デュエルレーンへの進入は禁止だぞ!!」

 

うん?一般車?

セキュリティ(風間さんが)後ろの方でマイクを使って注意をしていたので何事かと後ろを見てみると、カーリーの車が後ろに来ていた。

 

「(あ〜・・・・確かに一般車だな)」

 

「俺も手札からバイス・ドラゴンを特殊召喚!」

 

バイス・ドラゴン 攻2000→1000

 

「そしてチューナーモンスター、フレア・リゾネーターを召喚!」

 

フレア・リゾネーター 攻300

 

「Lv5のモンスターとLv3のモンスター・・・・」

 

「相手が偽物のジャックとするならば、出すモンスターは・・・・」

 

「Lv5、バイス・ドラゴンにLv3、フレア・リゾネーターをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

『・・・・・グワアアアア!!!!!』

 

偽ジャックのフィールドにも燃え上がる炎が現れてその中からレッド・デーモンズ・ドラゴンが現れる。しかし、そのレッド・デーモンズはジャックが使うレッド・デーモンズと違い、身体が紫色になっている。

 

「レ、レッド・デーモンズ・ドラゴンが2体・・・・こんなことが・・・・」

 

「て、徹底的証拠なんだから〜〜!!!」

 

後ろでカーリーが車を片手運転しながらカメラをカシャカシャと鳴らす。頼むから静かに見てくれないかな・・・・

 

「シンクロ素材になったフレア・リゾネーターの効果発動!フレア・リゾネーターをシンクロ素材にしたシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000→3300

 

「これで偽ジャックのレッド・デーモンズの方が攻撃力は高くなった・・・」

 

「バトルだ!レッド・デーモンズよ!偽物のレッド・デーモンズを破壊せよ!灼熱のクリムゾン・ヘルフレア!!」

 

偽ジャックのレッド・デーモンズがジャックのレッド・デーモンズに向かってブレスを放つ。レッド・デーモンズは両手を交差して相手の攻撃を受けきる。

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3300

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 

ジャック LP 3500→3200

 

攻撃の衝撃波がジャックを襲い、Dホイールがスピンする。

 

「ぐうううう!!!!トラスト・ガーディアンをシンクロ素材にしたシンクロモンスターが破壊される代わりに1度だけ、自身の攻撃力と守備力をを400ポイント下げることでその戦闘では破壊されない!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻/守 3000/2000→2600/1600

 

「破壊を免れるためにレッド・デーモンズの攻撃力を下げるとは・・・・なんという腑抜け者め!!」

 

「なんとでも言え!!だが、力によって溺れる者こそ力によって敗れ去る!!」

 

「フン、負け惜しみを、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

偽ジャック 手札 2枚 LP 2400 SPC 3

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ジャック 手札 4枚

 

偽ジャック SPC 3→4

ジャック SPC 3→4

 

「永続罠、アサルト・スピリッツを発動!発動後、このカードは装備カードとして自分フィールドのモンスターに装備する!」

 

アサルト・スピリッツのカードがジャックのレッド・デーモンズの身体に取り込まれる。

 

「バトルだ!レッド・デーモンズでレッド・デーモンズに攻撃!」

 

「血迷ったのか!俺のレッド・デーモンズの方が攻撃力が高いぞ!」

 

「アサルト・スピリッツの効果!装備モンスターが攻撃するダメージステップ時、手札から攻撃力1000以下のモンスターを1体墓地に送ることでエンドフェイズまでそのモンスターの攻撃力分アップする!俺が墓地に送るのは攻撃力700のダブル・プロテクター!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2600→3300

 

「これで攻撃力が並んだ・・・・」

 

「アブソリュート・パワーフォース!!」

「迎え撃て!!アブソリュート・パワーフォース!!」

 

レッド・デーモンズとレッド・デーモンズの拳がぶつかり合い、お互いの身体が破壊されていく。

 

「トラスト・ガーディアンの効果により攻撃力と守備力を400ポイント下げることで俺のレッド・デーモンズは戦闘で破壊されない!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻/守 3300/1600→2900/1200

 

「よし・・・これで偽ジャックのレッド・デーモンズは倒すことできた」

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!このエンドフェイズ時、アサルト・スピリッツの効果は消え、レッド・デーモンズの攻撃力は元に戻る!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2900→2200

 

 

ジャック 手札 2枚 LP 3200 SPC 4

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

アサルト・スピリッツ 〈レッド・デーモンズ〉

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

偽ジャック 手札 3枚

 

偽ジャック SPC 4→5

ジャック SPC 4→5

 

「相手フィールドにモンスターが存在して自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札のビッグ・ピース・ゴーレムはリリースなしで召喚できる!」

 

ビッグ・ピース・ゴーレム 攻2100

 

「SPーエンジェル・バトンを発動!SPCが2つ以上ある時、デッキから2枚ドローしてその後、1枚を捨てる!永続罠、強化蘇生を発動!墓地のLv4以下のモンスターをレベルを1つと攻撃力・守備力を100ポイント上げ、特殊召喚する!スモール・ピース・ゴーレムを特殊召喚!」

 

スモール・ピース・ゴーレム 攻1100→1200

☆3→☆4

 

「スモール・ピース・ゴーレムの効果!このカードが特殊召喚に成功した時、デッキからミッド・ピース・ゴーレムを特殊召喚できる!」

 

ミッド・ピース・ゴーレム 攻1600

 

偽ジャックの場にスモール、ミッド、ビッグの3体の岩で出来たモンスターがフィールドに並ぶ。

 

「手札のスピード・フュージョンを使い、マルチ・ピース・ゴーレムを特殊召喚する気か!!」

 

「フン、そんな温いデュエル、キングの俺がするはずがないだろう!手札のトラップ・イーターの効果発動!相手の罠カード1枚を墓地に送り、特殊召喚する!」

 

トラップ・イーター 攻1900

 

ジャックのフィールドにあったアサルト・スピリッツのカードがトラップ・イーターに食われて相手の場に特殊召喚される。

 

「Lv4のチューナーだと・・・・まさか!?」

「そのまさかだ!!Lv4のミッド・ピース・ゴーレムにLv4のトラップ・イーターをチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

偽ジャックの場に今度は身体が青いレッド・デーモンズ・ドラゴンが現れる。・・・・・突っ込んだらダメなんだろうけど、『レッド』・デーモンズのくせにさっきから身体が赤以外の奴らが出すぎだろ・・・

「バカな!?何故レッド・デーモンズが2体も!?」

 

「俺の力で何度も量産できるのさ!手札のシンクロ・マグネーターの効果を発動!シンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した時、手札から特殊召喚できる!」

シンクロ・マグネーター 攻1000

 

「Lv3のチューナー・・・・」

 

「また出るのか!?」

 

「Lv5、ビッグ・ピース・ゴーレムにLv3、シンクロ・マグネーターをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

シンクロ・マグネーターとビッグ・ピース・ゴーレムが一つとなって出てきたのは黄色の身体をした偽ジャック3体目のレッド・デーモンズ・ドラゴンだ。

 

「さらに永続罠、転生輪を発動!自分フィールドのモンスターをリリースして、墓地からリリースしたモンスターのレベルの倍のモンスターを特殊召喚する!Lv4のミッド・ピース・ゴーレムをリリースして現われろ!!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

『・・・・・・ギャアアアアア!!!!!』

 

ミッド・ピース・ゴーレムが転生輪に吸い込まれて、代わりに現れたのは前のターンにジャックが破壊した紫色のレッド・デーモンズ・ドラゴン、これで偽ジャックの場に紫・青・黄色の三色のレッド・デーモンズ・ドラゴンが場に並んだ。

 

「レッド・デーモンズが・・・・3体・・・・」

 

「ど、どうなってるの!?スクープなんだから〜〜」

 

「これで終わりだ!!バトル!!レッド・デーモンズ・ドラゴンで攻撃!!」

 

「トラップ発動!レッド・クリスタル!ターン終了時まで《レッド》モンスターは戦闘・効果で破壊されない!!」

 

「チッ・・・・だがダメージは受けてもらう!!続けて、2体目、3体目のレッド・デーモンズでも攻撃!!」

 

ジャック LP 3200→2400→1600→800

 

偽ジャックのレッド・デーモンズ軍団の猛攻をジャックとジャックのレッド・デーモンズ必死に食らいついて耐え抜くことができた。

 

「これでターンエンドだ!」

 

 

偽ジャック 手札 0枚 LP 4000 SPC 5

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

転生輪 〈レッド・デーモンズ〉

 

 

「ジャックと場に3体のレッド・デーモンズ・ドラゴン・・・・・」

 

「フハハハハ!!!!これぞ空前絶後の!!!!史上最大のショーのクライマックスだ!!!!衰え続けるレッド・デーモンズこそ、爪を!!牙を!!そして闘争本能すら失ったその姿はまさに今の貴様そのものだ!!!」

 

「いや違う!!!!」

 

3体のレッド・デーモンズが並んでちょっと異様にテンションが高くなった偽ジャックにジャックは大声で否定をした。

 

「確かにかつての俺は自分自身の力しか信じていなかった・・・・孤高の存在こそが最強だと信じていた・・・・だが今は違う!!今は!!!信じ合える仲間がいる!!!傷だらけになりながらも戦い続けたレッド・デーモンズを守り続けたトラスト・ガーディアンやレッド・クリスタルこそ、絆の証!!真の強さを知った者は己自身の亡霊に屈しはしない!!!」

 

『・・・・・・ウオオオオオォォ!!!!!』

 

「!?い、今の声は!?」

 

「!!赤き竜!!!」

 

ジャックの上空に大きな遠吠えが響き渡り、赤き竜が姿を現した。赤き竜は再び声を上げる。ジャックの手の元には光が結集して1枚のカードが浮かび上がる。

 

「これは!?・・・・そうか、赤き竜は俺の思いに応えてくれたのか!!」

 

『ウオオオオオォォ!!!!!』

 

「ジャック!!」

 

「遊星、皆・・・・・・思いは受け取ったぞ!!!俺のターン!!!」

 

ジャック 手札 3枚

 

偽ジャック SPC 5→6

ジャック SPC 5→6

 

「チューナーモンスター、レッド・リゾネーターを召喚!」

 

レッド・リゾネーター 攻600

 

「このカードは《リゾネーター》モンスターの召喚に成功した時、手札から特殊召喚できる!レッド・ウルフを特殊召喚!」

 

レッド・ウルフ 攻1400

 

「(・・・・・・アレェ?救世竜じゃない?(汗)」

 

「この効果で特殊召喚したレッド・ウルフの攻撃力は半分になる!」

 

レッド・ウルフ 攻1400→700

 

「フン、今更そんな雑魚モンスターを並べたところで何の意味がある!!」

 

「赤き竜は俺に示してくれた・・・・レッド・デーモンズの新たなる姿を!!!Lv6のレッド・ウルフにLv2のレッド・リゾネーターをチューニング!!」

 

「何だと!?貴様のデッキにはもうレッド・デーモンズ以外のLv8のシンクロモンスターはいないはず!!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「王者の鼓動、今天地を揺るがす!唯一無二なる覇者の力を刻むがいい!シンクロ召喚!!」

 

レッド・ウルフとレッド・リゾネーターが一つの光となって、再び真っ赤な炎が燃え上がる。

 

「荒ぶる魂!!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻3000

 

真っ赤に燃え上がる炎から一つの拳が見え、その拳が炎を振り払い、真紅のドラゴンが姿を現した。その姿・・・・・・レッド・デーモンズそっくりだ。違う点は折れた角と半分だけ皮が剥がれたように見える翼だ。

 

「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト・・・・・」

 

「ジャックの・・・・新たなレッド・デーモンズ・・・」

 

「バカな!?そんなレッド・デーモンズは知らないぞ!!」

 

「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトはレッド・デーモンズ・ドラゴンの魂を受け継ぐ!!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの効果発動!!1ターンに1度、このカードの攻撃力以下の特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!!」

 

「何だと!?そんな事をしたらお前のレッド・デーモンズも破壊されてしまうぞ!!」

 

「言ったはずだ!!!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトはレッド・デーモンズ・ドラゴンの魂を受け継ぐと!!!!アブソリュート・パワー・フレーム!!!」

 

スカーライトがエネルギーを貯めて放った炎のブレスはフィールド全体を焼き尽くし、偽ジャックのレッド・デーモンズ軍団と自身のレッド・デーモンズを破壊していった。

 

「さらに、この効果で破壊したモンスターの数×500ポイントのダメージを相手に与える!!」

「何っ!?ウワアアアアア!!!!」

 

偽ジャック LP 2400→400

 

「バトルだ!!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトよ!!偽物を焼き尽くせ!!灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング!!」

 

再びスカーライトが力を貯めて、口から炎のブレスを偽物をジャックに放つ。

 

「オオオオオオ!!!!!!!」

 

偽ジャック LP 400→0

 

偽ジャックはホイール・オブ・フォーチュンが吹き飛ばされて転倒、ホイール・オブ・フォーチュンは大破してしまう。

 

 

WIN ジャック LOS 偽ジャック

 

 

「ジャック!!!」

 

勝利をしたジャックはDホイールを止める。後ろにいた俺たちもDホイールを止めて、遊星はジャックを、俺と風間さんは偽ジャックに走り寄る。

 

「もう逃がさんぞ偽者・・・!?」

 

「・・・・こいつはロボットだ」

 

転倒して倒れた偽ジャックの正体・・・・・それはロボットだった。この前のゴースト事件と同等、ロボットがデュエルをしていた。いつの間にか偽ジャックのDホイールもデッキも無くなっていた。

 

「ど、どういう事だ・・・・」

 

・・・・・ピカーーン!!!

 

「ぐっ!?」

 

ロボットから光が放たれて、眩しさで俺と風間さんは目をつぶってしまう。光が無くなると、偽ジャックのロボットは消えていた。

 

「い、一体どうなってるんだ・・・・・」

 

「・・・・分からねぇけど、今はあっちを喜ぶべきだな」

 

ジャックの方にはすでにクロウやスバルたちが到着、クロウにいたっては涙目になりながら喜んでいた。

 

「今回の件は俺も見ていたし、後ろにいた不法侵入の車が写真を撮っていた。ジャックは無実が証明される」

 

「だったらいいじゃねぇか。とりあえずあっちの輪に入ろうぜ」

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

ここは前回も紹介した雲よりも高い場所・・・・この雲よりも高い棒のような者に今回は3人がいた。

 

「やはり徒労に終わったな」

 

「せっかく作ったコピーカードも全部パーだよ・・・・・・うん?」

 

彼らの中央にある円形の者が突如光だす。

 

「サ、サーキットだ!!」

 

「(・・・・これで計画通りに事は進む。だが、我が知る限り、あのようなモンスターは存在しなかった・・・・やはりあの少年が現れてから我々の知らない未来に進んでいるのか?)」




レミリア「レッド・デーモンズ・・・・私に相応しいモンスターね」

咲夜「お嬢様のように、あのモンスターも人々を圧倒する力がありますね」

遊輝「(そういうのに目がないな・・・・(汗))」

レミリア「なかなかいいデュエルだったわね。久しぶりに退屈しのぎになったわ」

遊輝「退屈しのぎかよ・・・(汗)こっちは結構真剣にやってたんだぞ」

咲夜「あとはあのアリアって人、キャラの設定が謎なのですが・・・・」

あの子?あの子はボケキャラを担当してます

遊輝「うわっ!!いきなり出てくるな!!」

レミリア「そ、それより・・・・ボケキャラ?」

いや、だってボスのボケキャラってそんなにいないじゃん。だから。

遊輝「いや、ちょっと待てよ。ツッコミは誰なんだよ」

お前に決まってるじゃないか、遊輝。

遊輝「嫌だよ!!何で俺がツッコミをやらなくちゃいけないんだよ!?」

お前が適任だからb

遊輝「親指をたてるな!!」

咲夜「(・・・・ツッコミって言われても可笑しくはないですね)」

レミリア「次回はいよいよ、アリアと遊輝の初対決よ」

咲夜「【アリアvs遊輝 帝の侵略から革命を起こせ!デス・ザ・ロスト!】」

遊輝「次回もよろしくお願いします」


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第110話 アリアvs遊輝 帝の侵略から革命を起こせ!デス・ザ・ロスト!

*・・・・読者様の指摘で、オリカを再調整して再び投稿します。皆様には大変迷惑をかけました。また、オリカを提供してくれたメタルダイナスさん、オリカのテキストをかなり変えてしまい申し訳ございません。


*注意・・・・今回を前書きを必ず読んで、後書きもしっかりと読んでください。



今回は試験的にテキスト無しでデュエルをしています。活動報告にも書きましたが、『テキスト無しの方が良いんじゃないかな』と思ったためです。初登場となるオリカは後書きで載せたいと思います。今回の話の後に皆様からの意見を聞きたいです。活動報告の「報告」から意見を聞かせてください。詳しいことは後書きで書きます



【人気投票・質問・アンケートを活動報告で行ってます。ハーメルンに登録してない人でも出来るので是非ご参加お願いします。人気投票・質問・アンケートは私の活動報告からメッセージでお願いします】


最強カードの紹介〜〜

龍可「こんにちは」

最近、めちゃくちゃ暑くなってきたな。

龍可「そうね・・・・水分補給をよくしておかないとバテてしまう可能性があるし気をつけないと」


(作者は高校時代、部活中に2度ほど、脱水症状手前まで行きました。皆さん、本当に水分補給は大切ですのでしっかりと取って、ミネラルも取りましょう)


ここ最近だと・・・・まだまだ就活のことでバタバタしているな。

龍可「そろそろ考えないといけない時期だからね・・・・」

ここではそんな話題を持って来たくないので最強カードの紹介に行きましょう。

龍可「今回は天帝アイテール。去年、帝デッキのリメイク版としてでた特典カードね」

特典とか言いながら買ったやつ全員に貰えるんだよな・・・アドバンス召喚成功時にデッキから《帝王》魔法・罠を2種類墓地に送ることでデッキから攻撃力2400以上、守備力1000のモンスターを特殊召喚できる!

龍可「エンドフェイズに手札に戻る制約はあるけど、効果を使えたり攻撃はできるからそこまで気にしないくていいわね。むしろ帝の場合、サーチになるわね」

2つ目の効果は相手ターンに墓地の《帝王》魔法・罠を除外することでアドバンス召喚はできる!

龍可「素材は必要だけど、不意を突くことはできるわね」

リメイク第1弾となった帝の中枢を担い、ガチデッキまで上り詰めたカードの1枚だ!

龍可「第110話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・すぴ〜・・・・」

 

「・・・・・ごめん、頭が作動できないんだけど」

 

『私に言われても困ります(汗)肝心のパールがダイヤの説教を受けてますし』

 

アリアの宣戦布告から6日後・・・・・

予定通りに精霊世界のシステムをダウンさせるんなら、明日起こるため、俺は前日に精霊世界のダイヤの家で準備をしようとしていた。それで、現実世界で最低限の家事を終わらせたところでプラチナが息を切らしながら現れて「すぐに来てください」と言われ、慌て来てみたら、ご覧の様。

 

「・・・・・何で俺に敵対しているアリアさんが敵の家のソファで気持ちよく寝てるんだよ」

 

精霊世界に来てみたら何ということでしょう、アリアさんが敵対している家のソファで無防備で寝ているんじゃありませんか。

 

『パールが『宿が無くて、雨に濡れて困っているから一晩泊めさせてください』というのを快く引き受けて・・・・』

 

「あいつ馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの?」

 

『その時はフードを被っていたらしく、顔が見えていなかったみたいですが』

 

そもそもの問題で知らない奴をそう簡単に家に上げるなや・・・・・(汗)

 

『主・・・・・・どうしますか?』

 

「どうするも何も・・・・起きてくれないとな・・・・」

 

『ついさっき寝てしまいましたからね。暫くは起きないかと』

 

「時間かかるじゃねぇか・・・・・参ったな・・・・」

 

とりあえずどうすることも出来ないし、俺は俺で準備を進めるか・・・・・

 

「(ハァ〜・・・・最初に会った時のあの圧倒的な威圧感は何だっんだよ(汗))」

 

「・・・・スゥ〜〜〜」

 

最初見た時は本当にもう・・・・ヤバイ感じがプンプンしていたけど、今のこの状態じゃただの子猫だぞ(汗)

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・うう〜ん!!よく寝た〜〜!!!」

 

台所の方で煮物を煮込んでいたら、今回の騒動の張本人であるアリアが目を覚ましたようでソファから2本の華奢な腕が伸びるのが見える。

 

「やっと起きたか・・・・・」

 

「う〜ん・・・・凄く良い匂いがする・・・・あれ?何で君がここにいるの?」

 

「俺が聞きたいわ!!!!何でここで寝ていたんだよ!!!」

 

「まぁまぁ♪固いことは気にせずにとりあえずそれ、早く作って♪」

 

・・・・・・ダメだ、こいつのペースに乗せられてしまう(汗)

リビングにはサファイアとホワイト・ブラックがテレビを見ていたのでアリアも「何々〜?何かやってるの?」と言いながらそっちの方に行った。うん?他の奴等?プラチナはテレビの仕事に行って、ダイヤはパールを連れて(連行して)何処かに行った。確か、近くにお寺があったからそこでビシバシやっているんだと思う。

 

・・・・ピピピッ、

 

「ん、出来たか・・・・」

 

鍋の横に置いてあったキッチンタイマーが音を鳴らしたので、スイッチを押して落し蓋を取る。食器棚から予め取り出した深めの受け皿に煮込んでいた角煮を乗せていく。

 

「はいよ、晩飯できた」

 

『わ〜い♪』 『わ〜い♪』

 

「わ〜い!」

 

「・・・・・結局食うのか」

 

サファイアがテレビを消して、ブラックとホワイトが子供のようにはしゃぐとアリアも同じようにはしゃぐ。こうなる事が予想できていたため、アリアの分もちゃんと用意している。

 

『いっただきま〜す』 『いっただきま〜す』

 

「いっただきま〜す!」

 

何の違和感も持たずにアリアは俺から箸を受け取って角煮と冷蔵庫から出した冷奴、味噌汁などを食べ始める。もう突っ込む気力も失せた俺はアリアの反対側に座り、飯を食い始める。

 

『ハフハフ・・・・』

 

『美味しい♪』 『美味しい♪』

 

「どうも」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「ん?どうした?」

 

それぞれが感想を言っていく中で、アリアだけが角煮を一口食べただけで箸が止まってしまう。もしかして口に合わなかったのかな?それか俺、調味料間違えたかな?

 

「アリア?どう「うまああああい!!!!」・・・・・・へっ?」

 

「何これ!?超美味い!?今まで食べてきたもので一番美味い!?」

 

「そ・・・・そんなに?普通の角煮だぞ?」

 

「へぇ!!これ角煮っていうの!?」

 

そう言いながら角煮を次々と口に運んでいくアリア。途中、口に頬張りすぎてむせてしまうがコップの水を飲んでまたかきこむ。

 

「(こ、こいつ・・・・本当に何者なんだよ(汗))」

 

「美味い美味い!!!これから時々ここに来るね!!!!」

 

「・・・・・・・」

 

もう、本当に突っ込む気力もねぇわ・・・(汗)こいつ、本当に俺の敵だよな・・・・

 

「美味い美味い!!!(こんな幸せをあの時に感じていたらなぁ・・・・・)」

 

その後もアリアは他のお菜も食べたけど、角煮だけは本当に別格らしく、角煮だけおかわりした。・・・・・角煮が好きな女性ってどうなの?(汗)まぁ良いんだけど・・・・

 

「ご馳走様〜〜!!」

 

予備として作っておいた角煮も全部平らげてしまい、満面の笑みを浮かべるアリア。その量たるやもう・・・・

 

「じゃあお風呂入るね〜〜」

 

「ちょっと待て!!」

 

「グエッ!!」

 

あまりにも自分の家みたいに馴染み始められた。ちょっと困るので、アリアのフードを引っ張り止める。

 

「何するの!?」

 

「何するのじゃねぇよ!!何でここに来た!?」

 

「何でって・・・・雨宿りしようして一番近かった家がここだから」

 

「いや、だからって敵対している家に頼む!?他にも家はあっただろ!?」

 

「だって他の家知らない人だし。この辺止まりそうな屋根付きの建物ないし」

 

「そ、そうだけど・・・・(汗)」

 

アカン・・・・何言っても論破されそう(汗)

 

「まあまあ、敵味方関係なく困っている人は助けようよ♪というわけでお風呂入るね〜♪」

 

ルンルン気分でフード付きのマントを外してリビングを出る。

 

『ただいま戻りました。マスター、あの人はまだいるのですか?』

 

「ダイヤか・・・・ダメだった(汗)何言っても論破された」

 

アリアと入れ替わりでダイヤだけが帰ってきた。

 

「パールは?」

 

『お寺の住職に預けてきました。しばらくは帰ってこないかと』

 

・・・・・よっぽどお怒りなんですね(汗)

 

『それよりもマスター、どうするのですか?』

 

「どうするって・・・・アリアのことか」

 

『お客として対応しなければいけないのが分かるのですが、あまりこちらに入られてはこちらの情報が漏れてしまいます』

 

「その心配は・・・・いらないと思うけどな」

 

あいつのあの性格上、そんなことはしないと思うがな・・・・

 

「あの様子だと帰る気配が無いし、とりあえず部屋でも用意しといてやれ」

 

『分かりました』

 

「寝る前にもう一回話してみるけど、多分ろくな情報は出ないだろうな」

 

ハァ・・・・・明日はどうなるやら・・・・

 

 

〜〜(次の日)〜〜

 

 

「さてと・・・・・こいつでOK」

 

結局、アリアの本心とか聞こうとしたが無駄だった・・・・

朝早くに起きて朝メシを作っておき、部屋に入ってデッキの最後の調整を行った。相手がどんなデッキを使うか分からない。だからこそ、いつも通りのデッキで挑むのが一番だ。

 

「よし・・・・・」

 

『マスター、起きましたよ』

 

「そうか、御苦労」

 

俺が起きた時にはまだグッスリと眠っていたようなので、ダイヤにアリアの様子を頼んでおいた。とりあえずここから逃げないように見張りはつけてあるから心配ないだろう。

俺は部屋から出て、リビングへと向かう。そこには朝メシを食べているアリアがいた。

 

「う〜ん!!この鮭美味しい〜〜!!味噌汁も良いねぇ〜〜!!」

 

「(・・・・こいつは本当にここに何しき来たんだよ(汗))」

 

「ご馳走様〜〜」

 

お箸を茶碗の上に置いて手をあわせるアリア。ダイヤに食器を運んでもらうようにお願いして、俺はアリアの対面に座る。

 

「いや〜、遊輝の料理はどれもこれも美味しいね!」

「そりゃどうも、・・・・・アリア、俺はお前にデュエルを挑む」

 

「へぇ〜・・・・」

 

俺がアリアにデュエルをもちかけると一気に雰囲気が変わる。今までのお茶らけな感じから初めて会った、あの時の威圧感のあるオーラを身体からだしている。

 

「俺が勝ったら今回の計画は無しだ」

 

「じゃあ私が勝ったら今回の計画を止めないでね。心配しなくても一時間後には街の電源は復旧する様にするから」

 

「・・・・・良いだろう」

 

俺とアリアはお互いの条件を飲み込み、ダイヤの家の前に移動する。お互いにデュエルデスクを起動させて、デッキをセットする。

 

「行くぞ・・・」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 アリア LP 4000

 

「俺の先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・これだったら守りを固めよう。相手が何をしてくるか分からないし。

 

「モンスターセット、カードを3枚伏せてターンエンド」

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「う〜ん・・・・・これもっていけるかな?」

 

・・・・なんか、怖いこと言ってるんだけど(汗)もっていく?まさかこのターンに決めるつもりか?

 

「とりあえずドロー次第ね・・・・汎神の帝王を発動。コストは・・・・帝王の凍気で2枚ドロー」

 

アリア 手札 6枚

 

ゲッ!?帝!?このデッキと比べ物にならないくらいガチじゃないか!?

 

「墓地の汎神の帝王の効果。このカードを除外して《帝王》魔法・罠を3枚選んで、相手はその中から1枚を選ぶ。選んだカードが私の手札に入って、残りはデッキに戻すね。私が選ぶのは真帝王領域・帝王の深淵・帝王の深淵の3枚ね」

「・・・・・どう考えても真帝王領域を手札に加えたいって言っているじゃないか(汗)。真帝王領域」

 

「じゃあそれ以外はデッキに戻すね。えっと・・・・帝王の深淵を発動」

 

うおおおおおい!?!?!?持っていたの!?

 

「手札のクライスを見せて、デッキから《帝王》魔法・罠をサーチするね。私が加えるのは進撃の帝王ね。それで、ワン・フォー・ワンを発動!手札のクライスを捨てて、デッキから天帝従騎イデアを特殊召喚!」

 

天帝従騎イデア 攻800

 

うっわうわうわうわ!!!帝が最低2体出てくるって言ってやがる!!ふざけるなよ!!

 

「イデアの効果!特殊召喚成功時にイデア以外の攻撃力800・守備力1000のモンスターをデッキから特殊召喚する!冥帝従騎エイドスを特殊召喚!」

 

冥帝従騎エイドス 守1000

 

「エイドスの効果!通常召喚に加えて1度だけ、アドバンス召喚が出来る!フィールド魔法、真帝王領域を発動!」

 

フィールドが暗闇に覆われて、アリアの後ろに大きな玉座とそれを囲む6体のモンスターが膝つく。

 

「真帝王領域は手札の攻撃力2800・守備力1000のモンスター1体のレベルをエンドフェイズまで2下げる!私が選択するのは天帝アイテール!さらに永続魔法、進撃の帝王と帝王の開岩を発動!」

 

ヤバイヤバイヤバイ!!!!最強の布陣が並んだよ!!

 

「進撃の帝王の効果で私のアドバンス召喚したモンスターは効果の対象にならずに破壊されない!帝王の開岩の効果でアドバンス召喚に成功した時、そのモンスターとは異なる攻撃力2400・守備力1000のモンスターか攻撃力2800・守備力1000のモンスターどちらか1体を手札に加える!イデアをリリースして天帝アイテールを特殊召喚!」

 

天帝アイテール 攻2800

 

イデアがリリースされて上からイデアと同じ白の服を着た女性のような大型のモンスターが現れて、玉座に座る。

 

「チェーン1、天帝アイテール、チェーン2、帝王の開岩、チェーン3でリリースされたイデアの効果発動!チェーン3のイデアの効果!墓地に送られた場合、除外されている《帝王》魔法・罠を手札に戻す!汎神の帝王を手札へ!」

 

墓地に存在するイデアが霊の状態で現れて、アリアの手札に汎神の帝王が加わる。

 

「チェーン2の帝王の開岩の効果!デッキから冥帝エレボスを手札に!チェーン1の天帝アイテールの効果!アドバンス召喚成功時、デッキから《帝王》魔法・罠を2種類墓地に送り、デッキから攻撃力2400以上・守備力1000のモンスターを特殊召喚する!真源の帝王と進撃の帝王を墓地に送り、光帝クライスを特殊召喚!」

 

光帝クライス 攻2400

 

「クライスの効果発動!特殊召喚成功時にフィールドのカード2枚を破壊する!私が選択するのは遊輝の真ん中の伏せカードと左の伏せカード!」

 

アイテールの隣にクライスが現れて、クライスの身体が白く光り俺の伏せカードを破壊していった。

「その後、破壊されたカードのコントローラーは破壊したカードの枚数ドローできる。遊輝、あなたは2枚ドローよ」

 

「あんまり嬉しくないな・・・・決めに来ているじゃねぇか(汗)」

 

遊輝 手札 2枚→4枚

 

ちくしょう・・・うん?こいつは・・・・

 

「そしてエイドスの効果で私はもう一度アドバンス召喚を行える!」

 

「でも手札に加えのはエレボス、そいつは2体のリリースが必要だぞ」

 

「簡単な話よ!速攻魔法、帝王の烈旋!このターン、私がアドバンス召喚に必要なモンスター1体を相手フィールドのモンスター1体をリリースできる!」

 

「何!?」

 

「私はエイドスと遊輝の伏せモンスターをリリースして冥帝エレボスをアドバンス召喚!」

 

冥帝エレボス 攻2800

 

アリアの背後にあった玉座から赤く光り、そこに座っていたモンスターが立ち上がる。周りにいた6体のモンスターたちがいなくなり、冥帝エレボスが姿を現した。

 

「冥帝エレボスの効果!このカードのアドバンス召喚に成功した時、デッキから《帝王》魔法・罠を2種類墓地に送り、相手の手札・墓地・フィールドから1枚をデッキに戻す!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!ダメージ・ダイエット!このターンに俺が受けるダメージは半分になる!」

「チッ・・・このターンには決めきれないわね。デッキから帝王の凍気と帝王の開岩を墓地に送り、遊輝の一番右の手札のカードをデッキに戻す!」

 

あっぶねぇ・・・・キーパーツじゃなくて良かったよ。アリアに言われたカードをデッキに戻して、オートシャッフル機能によりデッキがシャッフルされる。

 

「バトル!天帝アイテールと冥帝エレボスでダイレクトアタック!」

 

遊輝 LP 4000→2600→1200

 

「クライスが攻撃出来たらジャストキルだったけど、クライスは特殊召喚したターンは攻撃出来ない。これでターンエンド。アイテールの効果で特殊召喚されたクライスは手札に戻る」

 

 

アリア 手札 2枚 (汎神・クライス) LP 4000

【モンスターゾーン】

天帝アイテール 攻2800

冥帝エレボス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

真帝王領域 (フィールド)

進撃の帝王

帝王の開岩

 

 

あっぶねぇ・・・・首の皮一枚繋がった(汗)ダメージ・ダイエットが無かったら負けていたぞ・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

・・・・よし、これでキーパーツは揃った!

 

「速攻魔法、コズミック・サイクロン!ライフを1000払って、真帝王領域を破壊!ゲームから除外する!」

 

遊輝 LP 1200→200

 

上空に穴が開き、サイクロンが吹き溢れてフィールドの真帝王領域がその中に吸い込まれていく。

 

「これでエクシーズ召喚が出来るようになっても、進撃の帝王の効果で私のモンスターは効果を受けないわよ!」

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

俺の前にダイヤが鎖を振り回しながら現れる。

 

「そこからどうやってエクシーズモンスターを出すの?その子一体だけじゃ出来ないわよ!」

 

「エクシーズ召喚じゃない!!今回の切り札はこいつだ!!こいつは自分フィールドの闇属性モンスター1体を除外することで特殊召喚できる!!」

フィールドのダイヤが下に出来た穴に吸い込まれていき、地面が大きく揺れる。

「腐敗した土地に闇の革命者が現れる!天変地異をもたらし、闇に勝利を!!現われろ!!魔の革命 デス・ザ・ロスト!!」

 

魔の革命 デス・ザ・ロスト 攻3000

地面が揺れ続けて、ダイヤが吸い込まられた穴が大きくなり、そこから闇色の鎧を纏った二足歩行のドラゴンみたいな悪魔が現れた。身体の中心には巨大な一つ目があるが、今は閉じられている。

 

「デス・ザ・ロストを特殊召喚したターン、こいつ以外は攻撃できない。デス・ザ・ロストの効果!相手フィールドのモンスターに1回ずつ攻撃出来る!」

 

「そんなの対したことないわ!このターンに決められないなら!」

 

「デス・ザ・ロストの効果!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、その破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」

 

「!?」

 

「いけ!!デス・ザ・ロスト!!破壊しつくせ!!フォトン・ダークネス!!」

 

デス・ザ・ロストが貯めたエネルギー光線がフィールド全体に解き放たれて、闇の炎で焼き野原となりアリアの帝軍団を破壊していった。

 

アリア LP4000→3800→2400→2200→800

 

「ケホッ・・・ケホッ・・・」

 

「さらにデス・ザ・ロストの効果。このカードの戦闘によって破壊されたモンスターはゲームから除外される」

 

「む、無茶苦茶ね・・・」

 

これで、何とかなったけど・・・・問題はこの後だな。帝は持久力もある、ここで手を緩めるわけにはいかない。

 

「魔法カード、一時休戦」

「上手く次のターンを交わしたわね・・・・」

 

「互いに1枚ドローして、次のターンまでお互いが受けるダメージは全て0になる。カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時、デス・ザ・ロストはゲームから除外される」

 

「エンドフェイズ時、真源の帝王の効果発動!墓地のこのカード以外の《帝王》魔法・罠をゲームから除外して、攻撃力1000・守備力2400のモンスターとして守備表示で特殊召喚する!真帝王領域を除外してこのカードを特殊召喚!」

 

真源の帝王(モンスター扱い) 守2400

 

だよな・・・・帝って一度返してもまたひっくり返されるんだもんな・・・

 

遊輝 手札 0枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

1枚

 

 

「私のターン!」

 

アリア 手札 4枚

 

「(エレボス除外されたのが痛いわね・・・)汎神の帝王を発動!手札の帝王の烈旋をコストにして2枚ドロー!」

 

アリア 手札 2枚→4枚

 

「さらに墓地の汎神の帝王の効果!このカードを除外して、私が選ぶのは連撃の帝王、帝王の深淵・帝王の深淵!」

 

「・・・・連撃の帝王だ」

 

「墓地のエイドスの効果発動!このカードを除外して、墓地に存在する冥帝従騎エイドス以外の攻撃力800・守備力1000のモンスターを特殊召喚する!天帝従騎イデアを特殊召喚!」

 

天帝従騎イデア 守1000

 

アリアの墓地にいたエイドスが次元の歪みに消えて、代わりにそこからイデアが再び現れる。

 

「イデアの効果!デッキからエイドスを特殊召喚!」

 

冥帝従騎エイドス 守備力1000

 

「エイドスの効果で私は通常召喚に加えてアドバンス召喚を増やす!エイドスの効果を使って、イデアをリリース!光帝クライスをアドバンス召喚!」

 

光帝クライス 攻2400

 

また出てきたやがったよ・・・

 

「チェーン1でクライス、チェーン2で帝王の開岩、チェーン3でイデアの効果を発動!イデアの効果で除外されている真帝王領域を手札に!帝王の開岩の効果で天帝アイテールを手札に!」

 

アリア 手札 4枚→6枚

 

おいおい・・・・手札が増えていくぞ・・・連撃の帝王を加えたってことは後続が続くだろうしな・・・・

「(クライスの効果・・・・自身を破壊するのは確定だとして、あの伏せカードをどうするか・・・・あれが蘇生カードだったら不味いけどドローさせるわけにも行かないし・・・・)」

 

随分悩んでいるな・・・・クライスの効果で何を破壊するかか・・・・

 

「(ここは・・・・)クライスの効果!自身だけを破壊して1枚ドロー!」

 

アリア 手札 6枚→7枚

 

「フィールド魔法、真帝王領域を発動!手札のアイテールのレベルを2つ下げる!エイドスをリリースして天帝アイテールをアドバンス召喚!」

 

天帝アイテール 攻2800

 

「天帝アイテールの効果発動!デッキから帝王の深淵と真源の帝王を墓地に送って、冥帝エレボスを特殊召喚!」

 

冥帝エレボス 攻2800

 

デス・ザ・ロストで壊滅させたはずのアリアの場は再び帝軍団によって埋め尽くされる。

相変わらずアドバンテージの塊だな・・・・1ターンでこの盤面にもどしてしまうんだから。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、天帝アイテールの効果で特殊召喚された冥帝エレボスは手札に戻る」

 

アリア 手札 5枚 LP 800

【モンスターゾーン】

真源の帝王 守2400

天帝アイテール 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

真帝王領域 (フィールド)

進撃の帝王

連撃の帝王

伏せカード 1枚

 

 

さあてと・・・・恐らくあの伏せは連撃の帝王、俺がモンスターを出したところで連撃の帝王を使って冥帝エレボスを出してそいつを除去してくるんだろう。まずはそいつの除去からか・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚

 

・・・・よっし!!トップドローカード!!

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

「一番困るドローカードを引かれたわね・・・」

 

遊輝 手札 0枚→3枚 アリア 手札 5枚→8枚

 

・・・・・よっし!!これで何とかなる!!

 

「魔法カード、ハーピィの羽根箒!」

 

「!?し、しまった!!」

 

「相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!!」

 

フィールドに羽根箒が現れて、その羽根箒が扇ぐとアリアの場に突風が吹き荒れてアリアの魔法・罠ゾーンを全て破壊していった。

このカード、とうとうこっちの世界でも制限扱いになったよ・・・怖い世の中だね。

 

「グッ!!(これじゃ手札のエレボスをカウンターで使えない!!)」

 

「魔法カード、おろかな埋葬!デッキから2体目のガガガマジシャンを墓地に送る!ガガガシスターを召喚!」

 

『は〜い!』

 

ガガガシスター 攻200

 

俺の前にサファイアが元気よく飛び出し、持っている魔法の杖を振ると、1枚のカードが出てくる。

 

「ガガガシスターの召喚成功時、デッキから《ガガガ》とついた魔法・罠をサーチ出来る!ガガガリベンジを手札に加えて、そのまま発動!墓地のガガガマジシャンを特殊召喚して、このカードに装備する!」

 

『ハアアアア!!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

サファイアの目の前に穴が開き、そこからダイヤが飛び出す。

 

「ガガガシスターの効果!ガガガマジシャンを対象にして、自身と対象のモンスターのレベルを2体のレベルの合計にする!」

ガガガシスター ☆2→☆6

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6になったガガガマジシャンとガガガシスターでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

『・・・・・グオオオオオ!!!!!』

 

ブラックホールにダイヤとサファイアが吸い込まれていき、現れたのは白く輝く太陽、それが変形していって、ホワイトが姿を現した。

 

「攻撃力2400のモンスターを出したところでアイテールには敵わないわよ!!」

 

「俺のエースを舐めるな!!ホワイトの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、自分フィールドのモンスター1体を選択!そのモンスターはこのターン、ダイレクトアタックが出来る!」

 

「!?」

 

「選ぶのはもちろんホワイト!!ライト・サプリメーション」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

天空からの光がホワイトに差し込み、ホワイトは神々しく輝き始めた。

「ラスト!ホワイトでダイレクトアタック!サンシャイン・パティズム!!」

 

ホワイトが口からエネルギー弾を放ち、それが真源の帝王とアイテールの間をすり抜けてアリアに直接当たる。

アリア LP 800→0

 

WIN 遊輝 LOS アリア

 

 

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・・・」

 

「あ、危なかった・・・・」

 

正直、デス・ザ・ロストとコズミック・サイクロンが無かったら負けていたな・・・・帝とかマジ勘弁(汗)

 

「ハァ・・・ハァ・・・・やられたわ。あんなモンスター出されたら何も出来ないわよ」

 

「そりゃ帝には何もきかねぇんだから」

 

「いいわ、今日は何もしてあげないであげる。ご飯くれて、泊めさせてもらったし」

 

そう言ってアリアは振り向いてフードを頭に被る。そしてアリアの前に縦長の歪んだ空間が出来て、その中に入って行った。

 

「・・・・・全く、謎な奴だな」

『そうですね。今回のデュエルを見ると腕は確かですね』

 

「確かもクソもあるか。あんなガチデッキに勝てたのはマグレだぜ。もっともっと精進しないとな・・・・最悪、ペンデュラムも使わないといけない時が来るだろうな・・・」

 

アリアのデッキが帝とは限らないからな・・・・色んなデッキに対応するように調整しなくちゃ・・・・この世界を守るために・・・・・




遊輝「ほんと、もう・・・・マジでマグレ」

霊夢「帝って厄介よね。この前練習で紫とやったけど、5戦やって2勝しかできなかった」

魔理沙「前ほどじゃないけど、規制かかった今でも強いぜ・・・・エクストラ使ってくるし、AF(アーティファクト)とかジェムナイトを混ぜてくるし・・・」

遊輝「元々のポテンシャルの高さは凄かったからね。KONAMIが本気を出したらどうなるかってことだよ」

霊夢「それじゃ、今回のオリカを紹介しましょう。今回はメタルダイナスさんから頂きました」


魔の革命デス・ザ・ロスト ☆8
闇属性 悪魔族 攻3000 守0
このカードを特殊召喚するターン、自分はこのカード以外のモンスターを特殊召喚することが出来ず、このカードを特殊召喚したターン、このカード以外のモンスターは攻撃出来ない。
「魔の革命 デス・ザ・ロスト」はデュエル中に1度しか出せない。
①このカードは自分フィールド上の闇属性モンスター1体をゲームから除外した場合のみ、手札から特殊召喚が出来る。
②このカードとの戦闘によって破壊したモンスターは墓地には行かず、ゲームから除外される。
②自分のライフが1000以下の時、このカードは相手モンスターに1回ずつ攻撃出来る。
③自分のライフが500以下の時、このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。
④エンドフェイズ時、この効果で特殊召喚したこのカードはゲームから除外する。






魔理沙「十数話前に出てきた革命モンスターの闇バージョン、鉄壁になればなるほど強くなっていくモンスターだぜ」

霊夢「革命ってライフコストと相性いいわよね。今回のカードは1ターン限定で相手を戦闘破壊で壊滅させるって書いているわね」

遊輝「もちろん、それだけに特化しているから除去には弱いけど、戦況をひっくり返すにはもってこいのカードだな」

霊夢「次回予告は次の作者のお知らせの後に言うわ」

魔理沙「またな!」



〜〜〜〜〜


今回の話はいかがだったでしょうか?

アリアさんのキャラのイメージ、個人的な設定はファントム、漫画版の遊矢君に近い感じがして気に入ってます。遊矢君のああいう感じの性格、好きです。



本編に入って、この話を投稿した後、1週間までにみなさんの意見を聞きたいです。今のところは「テキストが無くても良い」が多いです。

「テキスト無し」になった場合、全ての話のテキストを改定します。0か100にした方が良いと思うので。

次回の話ですが、前回アンケートをとった東方projectのキャラを遊輝の世界に行くことで決定したので、番外編、もしくは新しい小説としてその話を執筆します。恐らく新しい小説を作った方がややこしくならないと思うので。(原案をどこにしようか悩みますが(汗))
本当なら本編と並立すれば良いのですが、不器用な私はどうも両方集中するというのは出来ないので。

番外編の方のタイトルは【幻想郷の住民の夏休みinネオドミノシティ】
本編の次回は・・・・・まだ未定ですがいよいよコラボ文化祭を始めたいと思います。
【混沌文化祭 招待編 1】です。

それでは、活動報告の【相談】で意見をお待ちしております。次回もよろしくお願いします。


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第111話 混沌文化祭 招待編 1 ☆

というわけで今回から文化祭、色んな方を招いてのコント話になるんですが・・・・人が多すぎる!!(笑)
私の技術不足で全員に均等に台詞がいくとは分からないのが現状です。そこはご了承ください。

とりあえず今回は10人の作者様から5人の作者様のキャラを招待します。


それでは、おそらく史上初!!遊戯王小説なのにデュエルをしないコラボ!!(笑)コラボだけでも恐らく5話以上になりますがお付き合いしてくれるとありがたいです。


【*・・・逃走中に参加してくださったメンバー(エキストラも含む)については顔見知りとさせてもらいます。また、今回、出演したキャラの口調に間違いなどがある場合は私のところにメッセージ、活動報告で指摘をお願いします】


【今回、コラボしてくださったほとんどの作品がすぴばるにあったものですが、現在すぴばるは閉鎖されたため、ハーメルン以外に投稿、タイトルを変えて投稿、今現在、投稿していない作品などがありますが、作者様の許可を頂いてないので詳しく紹介することは出来ません。後書きにコラボしてくれた作者様とタイトル(旧名あり)だけ紹介させていただきます。ご了承ください】


遊輝 side

 

 

アリアの決戦から一気に2ヶ月が経った。あれ以降、アリアは本当にちょくちょく来ては飯を食べてダイヤの家で寝ている。その度にヤバイことを語るのでデュエルをするんだが・・・・これがまぁ、連敗しまくって・・・・(汗)あいつ、使っているデッキが帝だけじゃなかった・・・メタルフォーゼ、ブルーアイズ、クリフォート、ネクロス等・・・・それはそれはもう、ガチデッキばっか使われて勝てるはずがない。何とか抵抗はしているがそれでも2勝が限度、7敗も喫してしまっている。不幸中の幸いなのが、システムダウンとかのヤバイレベルではなく、そこまで困ることもされていないのでその後は止めていないが、ちょっともう・・・こっちもガチでやらないといざという時に負けてしまうから。アリアのことはこれくらいにして今は・・・・

 

 

「う〜〜〜ん・・・・・・」

 

「そんなに唸ってもさ、変わらない物は変わらないぞ」

 

「そうは言ってもね・・・・・・・」

 

本日、文化祭前日。

今年もまた、3日間かけてアカデミアの文化祭が始まる。今日はその前夜祭。もともと、前夜祭をやっていたが、それは自主的に生徒が開催するものなので大したことはないが、今年は違った。俺たち、軽音部の初の2Days 公演がアカデミアのライディングデュエル専用コースで行われる。前夜祭の日はありがたいことに授業がなく、文化祭の準備を行うことができるが、俺たちは今日のライブのために準備を抜け出した。

 

「それにしても・・・・・これはないよ!!!」

 

バン!!!!と机に叩きつけるようにレミは1枚の紙を置く。その顔は不満顔だ。

 

「確かに、初日はライブの関係で1日潰れるし、最終日は1日中働きたくないって無理矢理先生に言って、2日目をフルシフトにはしたよ?でもね・・・・あんな大きな食堂を私たち6人が仕切れるわけないじゃない!!」

 

今回、俺たちはクラス毎ではなく学年で一つの出し物にしようということにした。他のクラスからの提案で全員が賛成したからだ。やる店はモンスターのコスプレをしたカフェでZEXALでやったような感じ。

 

それで、俺たちは初日はライブの関係で1日潰れるから無理。さらに全員の希望で最終日のシフトは入れないようにと無理矢理お願いした。その代償として、2日目はフルシフトで構わないと。その結果・・・・・2日目にやる模擬店の店員が俺たち6人だけになった。借りた場所は、なんと奇跡的に食堂を3日間借りることができた。のだが、正直言って、あの広い食堂を6人で回せる気がしない。

 

 

【アカデミアの食堂の広さ(小説基準)・・・・アカデミアは小・中・高という方式を取っている。一応一学年3クラスという設定。アニメを見た感じ、1クラスの人数が結構多く、1クラスが大体60人近くと予想して、生徒だけの単純計算で、(60×3)×6×3×3=9720人。さらにそこに教師が使うことを考えたら、食堂は1万人が使える。これにプラスして料理を作る人が必要、うん、6人で回すのは無理(笑)】

 

 

「フルシフトにしていいとは言ったけど、6人だけなんて一言も言ってないよ・・・・」

 

「しかしなぁ・・・・こっちはかなりのワガママ言っちゃってるから何言っても無駄だぞ」

 

「そうよね・・・・困ったな〜〜・・・・」

 

バン!!!

 

「おお〜〜い!!!」

 

「龍亞!!いきなり扉を開けたら失礼でしょ!!」

 

「ス、スバルさん、こんにちは」

 

「師匠、準備はかどってますか〜〜」

 

扉を開けて入ってきたのはいつもの小等部4人だ。うん?小等部?去年も言ったじゃないか、小等部の出し物はないって。

 

「おう恭輔、もうホームルームは終わったのか」

 

「とっくに終わりましたよ。僕たちとパティさんや天兵さんたちと残ってデュエルしていたのですが、帰ってしまいましたからね」

 

「助っ人・・・・よぶ?」

 

「誰を呼ぶのよレミッち。そんなあていないでしょ」

 

「う〜ん・・・・・」

 

「?どうしたの?そんな真剣そうな顔をして」

 

「あ〜、あれ?ちょっと訳ありでさ〜〜」

 

「・・・・!!!いた!!!助っ人いた!!!」

 

「へっ?」

 

「す、助っ人?」

 

「・・・・・おい、まさか」

 

「そう!!この4人に助っ人頼むよ!!」

 

「えっ!?」

 

「おいおいおい!!いくら何でも小等部に頼むか!?」

 

「もう猫の手も借りたい状況なのよ!!なりふり構ってられないよ!!」

 

そりゃまぁ、そうだけど・・・・アカデミアで他の学年と仲良くしているといえば、龍可達のグループかアキさんぐらいだもんな・・・

 

「お願い!!文化祭の出し物の人数が少な過ぎるの!!1日だけ出し物手伝って!!」

 

両手を合わせて小等部4人に頭を下げるレミ。その姿を見て4人は囲んで話し合いを始める。

 

「(どうする?)」

 

「(僕たちは3日間歩くだけですから1日ぐらいこういう日があっても良いんじゃないですか?)」

 

「(そ、それに、レミさん、相当困っていた様子ですし・・・・)」

 

「(まぁ・・・・良いんじゃないかしら?)」

 

「(おk)良いよ。手伝ってあげるよ」

 

「本当に!?」

 

龍亞達の肯定の意見で喜ぶレミ。規定だと、小等部を手伝わすこと自体問題はないから大丈夫。だけど・・・・

 

「とはいえ・・・・10人になったからといって、まかなえたとは言えないぞ」

 

「問題は調理場だよね。私と遊輝、2人で全員分は無理があるし・・・・」

 

「そうだな。どうする?」

 

「・・・・・あれ使うか」

 

「あれ?」

 

「ダイヤ」

 

『はいマスター、何でしょうか?』

 

「アレ、出来る?」

 

あることを思いついた俺は、それが出来るダイヤを呼び寄せる。ダイヤはすぐに出てきて俺はそれが出来るか確認する。

 

『アレとは・・・・』

 

「これのことだよ」

 

『・・・・大丈夫ですが、何に使うのですか?』

 

「助っ人を呼ぶんだ。使えるんなら準備してくれ」

 

『分かりました』

 

そう言ってダイヤは一度精霊世界に帰っていった。

「遊輝、アレって何よ?」

 

「アレって言うのは・・・・前に次元の歪みが出来たこと覚えている?」

 

「じ、次元の歪み?」

 

「何ですか師匠」

 

「あ〜、あれか」

 

「そうそう、恭輔たちの説明は面倒くさいから後でするけど、あの後、ダイヤが研究をして自力でコントロールすることが出来たんだ」

 

「えっ!?本当に!?」

 

「あぁ、自然現象で出てくるのは無理だけど人工的な物なら100%操れるようになった」

 

「・・・・・ていうことは」

 

「そうだ・・・・異世界の奴に助っ人を呼ぼう」

 

俺が考えたアイデア・・・・次元の歪みを使い、異世界にいってそこにいる人たちにお願いをして文化祭の助っ人を頼むということだ。

 

「しかしそれって・・・私たちの知っている人ならともかく、知らない人はどうするのよ?」

 

「土下座してでもお願いしろ」

 

「えっ!?そこまで!?」

 

「だってこれ以上助っ人を呼ぶやつはいないだろ。遊星さんたちも今は忙しいみたいだし」

 

学園内で助っ人として呼ぶ人はもういないし、かといって牛尾さんたちに頼むも間違っている。

 

「・・・・・そうね。そうするしかないか」

 

「あ、あの・・・・さっきから何を話しているの?(汗)」

 

「お待たせお待たせ、ようやっと説明できる」

 

スバル達の話を終えたので、俺は後ろを振り向き取り残された恭輔たちに説明を始める。

 

「次元の歪みっていうのはその名の通り、この世界のとある次元が歪んでしまい、別世界と繋がることなんだ」

 

「別世界!?」

 

「そう、理由はまだはっきりと分かっていない。宇宙空間のどこで大きな爆発が落ちた反動、突発的な自然現象・・・・色々と推測できるが、ダイヤが研究したおかげで一時的にだが次元の歪みを作り、別世界に行けることに成功した」

 

「す、スゲェ・・・・・」

 

「と、かっこよく言ってるけどこれは偶然出来たことなんだけどな」

 

まぁこういう実験って大概、偶然出来たとかたまたまやったら上手くいったということが多いけどな。

 

『お待たせしました。これより、10の世界への歪みを開けます。皆さんにはこれを付けてもらいます』

 

ダイヤが実体化してきて、手に持っている腕時計みたいなものを皆に渡していく。

 

『これは帰る時に作るエネルギーを貯めた機械です。帰る時には真ん中の白いボタンを押してください』

 

「なるほどね・・・・」

 

「・・・・ねぇ、さらっと流したけど、私たちも行くの?」

「龍可ちゃん、この際だから異世界に行ったら良いじゃん。こういうことは経験だよ」

 

「は、はぁ・・・・・(汗)」

 

『それでは作動させます』

 

ダイヤが念仏みたいなものを唱える。すると俺たちを囲むように10の次元が現れる。

 

「いいか。ちゃんと自己紹介して、訳を言ってから来てもいいか帰ってこいよ。時間軸は心配しなくてもいい。ダイヤの技術で連れてきたその日に戻ってくることはできるから」

 

「わかった!!」」

 

「それじゃ皆、少なくとも1人は呼んでこいよ」

 

「もちろん!!」

 

「それじゃ!!」

 

それぞれの言葉を残して、俺たちは次元の歪みへと入っていった。

 

 

遊輝 side out

 

 

 

 

??? side

 

「凛〜〜、次行こうぜ!!」

 

「待ってよ律!!アレサがまだよ!!」

 

「・・・・お転婆みたいね」

「お転婆ではないわよ(汗)今日はやけに張り切ってるわね」

 

今日も今日とて、皆と楽しく、友人の律とアレサと一緒にショッピング。

 

私は奈津目凛、年齢は16歳だけど、ちょっと訳ありで今はデュエルアカデミアの中等部3年にいる。私の隣にいる子が友人の水無月アレサ、少し無口で無愛想に見えるけど、根は優しく、面倒見の良いお姉さん。武闘派だけど、身長が低いのがネックみたい。私たちの前で手を大きく振っているのが同じく友人の七本律、大雑把な性格だけど、社交的でいつもムードメーカーとして頑張っている。

 

「次はこのお店に入ろうぜ!」

 

「はいはい」

 

『・・・ん、凛!』

 

「!?沙耶!?どうしたの!?」

 

律が次のお店に入ろうとした時に、突如目の前に女性の精霊が現れた。彼女は奈津目沙耶、私のお姉ちゃんなんだけど、今はあるカードの精霊として宿っている。

 

『空に大きな穴が開いた!その穴から謎のエネルギーを感じる!」

 

「空?」

 

沙耶に言われた通り空を見上げると、私のちょうど真上に人1人が通れるくらいの大きさの謎の穴が開いていた。その中はグネグネとした緑色の空間に見える。

 

「な、何あれ・・・」

 

「どうしたんだ凛?」

 

「・・・・・律、あれ」

 

「うん?・・・・!?な、なんだあれ!?」

 

「分からないけど・・・・何か・・・変な感じが・・・」

 

『あっ!あの中から何か来ましたよ!』

 

「穴から出たよね・・・・落ちてくる!?」

 

その穴の中から人らしき物体が1つ出てきた。穴はそれで消えたが、その人は空中にいたため、重力に従って私たちの方へ落ちてきた。

 

「わわわわわわ!?!?!?!?」

 

「あ、危ない!!」

 

「ちょ!?私の上に落ちてくる!?」

 

ドスン!!!!!

 

「ゴホッ・・・ゴホッ・・・り、律!!大丈夫!?」

 

その物体は律の上に落ちてきた。少し砂煙が立ちこもるがすぐにはれる。

 

「あ、ああ・・・何とか・・・・」

 

「い、いてててて・・・・そ、空からおちる何て聞いてませんよ・・・」

 

落ちてきたものは律を下敷きにして落ちたので、怪我の様子は無さそうだ。

落ちてきたのはアカデミアの女子の制服をきた女の子だった。身長的におそらく小等部っぽい・・・・・あれ?この子、ひょっとして・・・・

 

「もしかして・・・・・祈ちゃん?」

 

「!?な、何で私のこと・・・・凛さん!?」

 

「やっぱりそうだ!!祈ちゃんだ!!」

 

この子の顔を見て思い出した。この子は櫻井祈、イリアステルとの戦いの後、私が精霊世界から最初の別世界に行った時にあったジェムナイト使いの女の子だった。

 

「・・・・祈だ」

 

「祈だったのか!!久しぶりだな!!」

 

「あ、アレサさん!?律さんも!?お、お久しぶりです!」

 

『へぇ〜〜、祈ちゃんだったのか』

 

「私も驚いたわ。祈ちゃん、どうしてあなたがここに?」

 

「え、えっとですね・・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・と、というわけで、助っ人を探しに来たのです」

 

「別世界の奴に助っ人を頼むって・・・よっぽど人材不足なんだな・・・・」

 

祈ちゃんの話を要約したら、別世界で私とデュエルをしてくれた遊輝君のクラスが文化祭の出し物の時に人手不足で困っていて、遊輝君の精霊の力で別世界に行き、助っ人を探しにきたみたい。

 

「・・・・・どうする凛?」

 

「逆に皆はどうなの?」

 

「面白そうじゃないか!別世界の文化祭を見るだけじゃなくて、出し物を手伝うだなんて!」

「・・・・面白そう」

 

『楽しそうじゃない。悪い話じゃないし、私も久しぶりに異世界に行きたいわ』

 

「皆・・・・分かったわ。祈ちゃん、私たちが力をかすよ」

 

「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!!」

 

「じゃあ、早速案内してくれる?」

 

「わ、分かりました」

 

祈ちゃんが右腕に巻いてある腕時計みたいな機械の真ん中の白いボタンを押した。すると、私たちの目の前に先ほど見えたあの大きな穴が現れる。

 

「で、では、この中に入ってください」

 

「よし!行こう!」

 

「・・・・楽しみ」

 

それぞれが楽しむ気持ちになって、私たちはその穴の中に入っていった。

 

 

凛 side out

 

 

 

??? side

 

 

「遥ちゃん!今度はこれをお願い!」

 

「分かりました!」

 

「留姫はこっちをお願い!」

「分かったわ」

 

「・・・・遥ちゃん楽しそうね」

 

「そうだな」

 

とある喫茶店、俺の義妹は小学生ながらここでアルバイトをしているけどここは俺の友人のお店だから、優しくしてもらっている。

 

俺は山岸駆、とある理由で義妹の川上遥ちゃんとともにこの世界に転生してきた。このお店は俺の友人であり恋人、加藤留姫のお母さんが経営している喫茶店だ。そして俺の向かい側に座っているのは鬼頭美菜、俺の友人の1人で少しおちゃめなところがある。

 

「それにしても隆が風邪を引いちゃったとはね」

 

「昨日から調子悪そうだったから、無茶しないで休んでおけば良かったのに」

 

「凉太はもう少しで来るの?」

 

「そうなんじゃない?」

 

・・・カチャン

 

「おっ、来たんじゃないか?」

 

「いらっしゃ・・・あら、珍しいお客さんね」

 

「あっ・・・・こ、こんにちは」

 

「!?奏さん!?」

 

「えっ!?奏お姉さん!?」

 

俺たちは凉太が来たと思って入り口を見るとそこには意外な人物が立っていた。水野奏・・・・・前に別世界からこっちの世界に来てくれた時にいたグループの1人だ。

 

「あっ、遥ちゃん!駆さんと美菜さんに留姫さんも!」

 

「久しぶり!!」

 

遥ちゃんは嬉しそうに奏さんにダイブした。奏さんも奏さんで遥ちゃんをぎゅっと抱きしめている。

 

「それにしても・・・どうしたのですか?また次元の歪みに巻き込まれて・・・」

 

「うんうん、今回は違うの」

 

「どういう事かしら?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・というわけで文化祭の出し物手伝って欲しいんだ!!」

 

頭を下げる奏さん。

奏さんの話を纏めると、文化祭の出し物をやるけど、奏さんたちが当番の日は人が少なすぎるから、異世界に行って助っ人を探そうということだった。

 

「ところで出し物って、何するの?」

 

「モンスターのコスプレをしてカフェ」

 

「コスプレ!?」

 

「(((あっ、遥ちゃんが食いついた(汗))))」

「行きたい!!私コスプレしたい!!」

 

コスプレと聞いた瞬間、遥ちゃんの目がキラキラと輝き始め、行きたいと言い張った。遥ちゃんがこうなると、もう意見を変えてくれないから・・・・

 

「遥ちゃんが行くなら俺も行きます」

 

「私も行こう!他の世界の文化祭なんて楽しそうじゃない!」

 

「・・・・私は」

 

「行ってきていいわよ留姫」

 

「お、お母さん・・・」

 

「良いじゃない。奏ちゃんの話じゃ、帰る時は同じ日に帰って来るのでしょ?」

 

「留姫お姉さん!!行こうよ!!」

「・・・・分かった、私も行く」

 

留姫も心を決めたみたいだ。

 

「決まったみたいね。じゃあ今から起動するからちょっと動かないでくれる?」

 

奏さんが右腕に装着している機械のボタンを押す。すると目の前に大きな穴が開いた。

 

「それじゃ、皆この中に入って」

 

奏さんを先頭にして俺たちはその穴の中にはいっていった。

 

 

駆 side out

 

??? side

 

 

 

「お兄さん、はい」

「ありがとう望美」

 

義妹の望みから渡された紙コップを手にとって、中に入っているお茶を飲み、また廃品から良さそうな物を探す。

 

俺は黒鉄 鉄也、前世で死んでいわゆる神様転生でこの世界に来た。そして俺の隣で手伝ってくれているのが黒鉄 望美、ロボットが好きな女の子だ。

 

「それで・・・パーツになりそうな物はある?」

 

「ああ、何個か役に立ちそうな物は見つかった」

 

「それは良かった」

 

・・・・・・・ピキーン

 

「ん?」

 

「どうしたの?」

 

「今・・・変な音が鳴らなかったか?」

 

「音?私は聞こえてないけど・・・」

 

おかしいな・・・・確かに変な音が聞こえたのような・・・

 

・・・・ァァァ

 

「?今度は叫び声か?」

 

「今のは私も聞こえました」

 

・・・アアアア

「・・・だんだん近づいてきてるな」

アアアアアアア!!!!!

 

「ど、何処から声が・・・・」

 

ウワアアアア!?!?!?

 

周りを見渡してもそんな叫び声を上げそうな人はいない・・・・まさか?

 

「ウワアアアア!?!?!?」

 

「!?の、望美!!こっちに来い!!」

「は、はい!!」

ドーーン!!!!!

 

上を見上げたら空から女の子が降ってきた。俺は望美を自分の方に寄せて、ガラクタの山からジャンプする。空から降ってきた人間はそのままガラクタの山にダイブをして、埋もれてしまう。

 

「お、お兄さん!?」

 

「ケホッ・・・ケホッ・・・・な、何だったんだ?」

 

「だ、誰か助けてぇぇぇ!!」

 

「う、埋まっている・・・」

 

「の、望美、助けようか・・・」

 

「う、うん・・・」

 

 

 

 

「ありがとうね!ほんっと助かった!!」

 

俺と望美でガラクタの山に上半身をスッポリと埋まっていた女の子を助けた。(スカートを履いていたので、俺がデリカシーで見ないでやったため時間がかかってしまったけど)。

 

「私は葵レミ、あなた達は?」

 

「(何の警戒も無しで名乗りやがった・・・)黒鉄鉄也」

 

「私は黒鉄望美です。あの・・・・何で空から降ってきたのですか?」

 

「えっとね・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・という訳なの!!お願い!!手伝って欲しいんだ!!」

 

空から降ってきたこの葵レミという女の子の話を纏めると、文化祭の出し物の時に人数が足りないため、わざわざ異世界まで行って助っ人を探しにきたみたい。

 

「う〜ん・・・・望美はどうなんだ?」

 

「・・・興味はある。異世界がどんな物か、それと、文化祭って物を楽しみたい」

 

・・・・望美は生まれた時からサテライト、文化祭はおろか皆で楽しむなんてことなかったしな・・・・

 

「・・・その異世界っていうのは安全なのか?」

 

「安全よ安全!安全だから文化祭が行われるのよ!」

 

「それもそうか・・・・分かった。手伝おう」

 

望美には異世界だけれども、こういう楽しいことは経験してあげたい。サテライト脱出する前の最後の楽しみた。

 

「それじゃそこで待っててね」

 

レミが右腕につけてある腕時計の真ん中を押すと、目の前に縦長の歪みが現れる。その中は緑色の空間をしている。

 

「それじゃこの中に入って、中をそっていけば私の世界に辿り着けるから」

 

「はい」

 

望美の元気な声が響き、俺たちは中へ入っていった。

 

 

鉄也 side out

 

 

 

??? side

 

 

「・・・・・空」

 

「・・・リンネ・・・・」

 

「目、目が回りますぅ〜〜」

 

「「・・・・どうしてこうなった?」」

 

私の部屋、友達と一緒に扉を開けると中には目を回しながら踊っている友達がいた・・・

 

私は白鳥空、昔はサテライトの何でもない野原にテントを張って過ごしていたけど今はこうして自分の部屋で生活している。私の隣には友達のリンネ・アンデルセン、彼女はサイコデュエリストで、少々無口なところはあるけど仲はとってもいい。そして私の部屋にいた子が宮田ゆま。サテライト時代からの仲間なんだけど、少し天然ていうか・・・・何か抜けているところがあるの。

 

「ゆま、ゆま!」

 

「は、はぅ〜〜!!!」

 

「何で私の部屋にいるの?ていうか回っているの?」

 

「きょ、今日の占いで『回転』がラッキー言葉だったのですぅ〜〜!!」

 

「「((いや、じゃあ何で回るのよ(汗)))」」

 

こんな風にちょっと頭がおかしい。普段は夢神京っていう子と一緒のはずなんだけど・・・

 

・・・ギュル!

 

「!!」

 

「な、何!?」

 

突然私の窓ガラスに縦長の大きな穴が開いた。その中は緑色の不気味な空間をしていた。

 

「着いた!!」」

 

ドン!!!

 

「い、いったあああ・・・・」

 

その穴からアカデミアの制服を女の子が出てきた。だけど、ちょっと宙に浮いていたので下に落ちた。

 

「だ、大丈夫?」

 

「・・・・響」

 

「?・・・・あっ!!空さん!!リンネさん!!それと・・・・ゆまさん?」

 

リンネが響って呟き、それを聞いた女の子は私たちの顔を見て思い出したように叫んだ。私もリンネの呟きを聞いて私も思い出した。この子は小野寺響、異世界でとあるゲームに参加した時に知った人の1人だ。

 

「ゆまさんって・・・・奈美さんと一緒じゃないの?」

 

「・・・・そのゆまと違う」

 

「この世界と奈美さんのゆまは違う人よ」

 

「そうなんだ。よろしくね」

 

「は、はぅ・・・よろしくですぅ」

 

「ところで・・・・響は何でここにきたの?」

 

「えっとね・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「・・・っていうわけなんだよ!お願い!手伝ってくれる!?」

 

手をバンと叩いて頭を下げる響。

響の話を要約すると、これから文化祭を行うのだけど、響たちが当番の日は人が少ないらしく異世界まで来て助っ人を探しにきたみたい。

 

「ど、どうします?」

 

「私は行きたいですぅ〜〜!異世界の人に会ってみたいですぅ!」

 

「・・・・私も、久しぶりには楽しみたい」

 

「決まりね。私も行くわ」

 

「じゃあそこで動かないでね」

 

響さんが右腕につけてあった腕時計みたいな機械のボタンを押した。すると私たちの目の前にさっき現れた縦長の大きな穴が現れた。

 

「へぇ〜、その機械でその次元を歪ませているんだ」

 

「私、あんまり分からないんだけど・・・じゃあ中に入って」

 

響が先に中に入っていって、それに続くように私たちも入っていった。

 

空 side out

 

 

??? side

 

「遊夜〜〜、これ運ぶの手伝って〜〜」

 

「おう、分かった」

 

「よいしょっ、これでラストだな」

 

アカデミアの売店に行こうとした途中、沢山のダンボール箱を運ぼうとしていた愛梨と日菜の2人を見つけ、俺はその2人の手伝いのために愛梨の持っているダンボール箱を半分持つ。

 

俺は流名遊夜、いわゆる神様転生でこの遊戯王GXの舞台に転生した。俺の横にいる女の子の1人が昼沢愛梨、頭が良く機械などを触っているが運動はダメ。もう1人が黒夜日菜、こっちは逆に運動神経がめちゃくちゃいい。

 

「これどこまで運べば良いんだ?」

 

「えっと・・・・体育館の奥の倉庫」

 

「結構距離あるな・・・」

 

ここは売店近くの廊下、ここから体育館まで大体2分近くある。

 

「お〜い!早く行って終わらせようぜ!」

 

「待って日菜ちゃん!」

 

体力のある日菜は早足で行くため、愛梨がついていけない。そうしていた時、

 

・・・・ギュル!!

 

「!?な、何だ!?」

 

「?どうしたの遊夜」

「上か!!」

 

「愛梨!!そこから離れろ!!」

 

俺と少し離れていた日菜が謎の違和感を感じて辺りを見渡すと、愛梨の上に謎の穴が開いていた。

 

「!?あわわわわ!?!?な、なにこれ!?」

 

「イヤッホ〜〜!!!」

 

ドン!!!!

 

「到着!!」

 

その穴の中から降りてきたのは、明るい緑色の髪の毛をポニーテールにした活発そうな男の子で、青いブレザーを上に来て、その下には白のカッターシャツと赤のネクタイをつけていて、下は黒いズボンを履いている。

・・・・・ってあれ?こいつ・・・

 

「あっ!遊夜さん!日菜さん!愛梨さん!」

 

「あっ!!この子龍亞だよ!」

 

「本当だ・・・・久しぶりね!」

 

穴から降りてきた男の子・・・・それは俺たちの時代よりも未来に存在する龍亞という男の子。前にとあるゲームに参加していた時、そのゲームが終わった後に俺たちは顔見知りとなった。この龍亞の様子を見る限り、どうやら俺たちが知っている龍亞・・・・遊輝さんの世界の龍亞のようだ。

 

「龍亞君のその服って・・・・もしかして未来のデュエルアカデミアの制服!?龍亞君ってオベリスク・ブルー?」

 

「?・・・オベリスク・ブルー?そんな物ないよ」

 

「愛梨・・・・龍亞はまだ小学生なんだぞ」

 

「あっ、そうだった」

 

「オベリクス・ブルー・・・確か昔のデュエルアカデミアには制服で階級を分けていたとか聞いていたな」

 

「えっ?もしかして未来のデュエルアカデミアってオベリクス・ブルーとかラー・イエローとか無いの?」

 

「そんなの聞いたことないよ。男子も女子も小等部でも中等部でも高等部でも同じデザインの制服だよ」

 

「「な、何だって・・・」」

 

「そんな事より、龍亞は何でここにいるんだ?」

 

「あっ!そうだった!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・っていう訳なんだ!お願い!手伝ってくれない!?」

 

龍亞の話を纏めると、遊輝たちは今文化祭をやっているけど、出し物の人数が足りないから異世界まできて助っ人を呼びに来たらしい。何ともまぁ・・・・リスキーな助っ人探しだな。

 

「私行ってみたいな・・・・未来のデュエルアカデミアがどんな風になっているか見てみたい」

 

「私も行きたい!遊夜も行こう!」

 

「おいおい!!俺たち荷物運んでいたのだろ!?」

 

「その点は大丈夫だよ!帰って来る時は同じ日のできる限りだから!」

 

「・・・それなら大丈夫か」

 

「じゃあそこで動かないでね」

 

龍亞が右腕に装着してある腕時計のボタンを押す。すると俺たちの目の前に先ほど上に現れたのと同じ穴が開いた。

 

「じゃあこの中に入っていって」

 

「楽しみだね!」

 

愛梨と日菜は期待を胸に、俺は若干の不安を胸に抱えて龍亞の後に続いて穴の中に入っていった。




今回は

フュージョニストさんの【遊戯王5D's~季節外れの転校生~】
龍南さんの【遊戯王〜CROSSHERO〜】
ダーク・キメラさんさんの【遊戯王5D's Power of Fellows】
光さんの【遊戯王5D’s~エンシェントシグナーの物語~】
シューティング☆さんの【遊☆戯☆王GX〜HERO'sFELLOWs〜】

以上の作者様方のキャラを借りました。
参加してくださった作者様方、ありがとうございます。


〜〜追記〜〜
龍南さんから許可をいただいたので少しばかり詳しく紹介したいと思います。
龍南さんの小説、【遊戯王〜CROSSHERO〜】は現在、ハーメルンで【遊戯王〜伝説を受け継いだ兄妹〜】としてリメイクされてます。




霊夢「今回は皆別の世界に行ったから私と」

魔理沙「私でやるぜ!」

霊夢「文化祭の出し物?そのためだけにわざわざ世界を飛び越える?」

魔理沙「やることがデカイぜ・・・」

霊夢「わざわざそんなことしなくても私たち呼べばいいじゃない」

魔理沙「霊夢が助っ人〜〜?似合わないぜ」

霊夢「どういう意味よ!」

魔理沙「あの霊夢がお金なしで働くなんてありえないぜ」

霊夢「私だって手伝うことはあるわよ!」

魔理沙「ないない〜〜。じゃあ今まで誰かに手伝ったってことがあるか?」

霊夢「えっと・・・・・・・・」

魔理沙「ほら!無いからすぐに思い浮かばないんだぜ!」

霊夢「ぐ、グヌヌヌ・・・・・」

魔理沙「次回も他の世界のメンバーを招待するぜ、【混沌文化祭 招待編2】。次回もよろしくだぜ!」


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第112話 混沌文化祭 招待編2 ☆

【人気投票・質問・を活動報告で行ってます。ハーメルンに登録してない人でも出来るので是非ご参加お願いします。人気投票・質問・アンケートは私の活動報告からメッセージでお願いします】


【*・・・逃走中に参加してくださったメンバー(エキストラも含む)については顔見知りとさせてもらいます。また、今回、出演したキャラの口調に間違いなどがある場合は私のところにメッセージ、活動報告で指摘をお願いします】


【今回、コラボしてくださったほとんどの作品がすぴばるにあったものですが、現在すぴばるは閉鎖されたため、ハーメルン以外に投稿、タイトルを変えて投稿、今現在、投稿していない作品などがありますが、作者様の許可を頂いてないので詳しく紹介することは出来ません。後書きにコラボしてくれた作者様とタイトル(旧名あり)だけ紹介させていただきます。ご了承ください】


??? side

 

 

「奈美!!恵!!こっちだこっち!!」

 

「はいは〜い!」

 

「・・・・・・・ゆま遅い」

 

先に来ていたジャッカルさんを見つけて私と恵ちゃん、でもまだ私のお友達が来ていない。

 

私の名前は朝倉奈美、お父さんの朝倉輝、お母さんの朝倉歩の長女。私の隣にいるのがレイン恵、お父さんが私が生まれた時にすぐに拾ってきた私の儀妹なの。そして先に来ていた子がジャッカル岬さん、自慢のパワーデッキは私でもなかなか勝つことができない。あとはもう1人いるんだけど・・・・

 

「み、みなさ〜ん!!」

 

「あっ!ゆまが来たよ!」

 

「ま、待ってください!!」

コッ、

 

「あっ!」

 

バシャーーン!!!

 

「・・・・・・・」

 

「あ〜あ・・・・びしょ濡れだな」

 

最後に遅れてきたのが宮田ゆまちゃん。私のお父さんの親友、遊城十代さんの子供なんですが・・・・・あんな風に少し不憫なところがあります。そして一級フラグ建築士という免許を持つほどのフラグメーカーです。今のは足元を躓いてこけてしまい、しかもその転けた先が水溜まりだったので、ゆまちゃんがびしょ濡れになってしまった。

 

「はぅ・・・・ハックション!」

「・・・・手間がかかる」

「とりあえず身体拭いたらどうだ?タオル貸してやるよ」

 

「あ、ありがとうございますですぅ・・・」

 

ジャッカルさんがゆまちゃんにタオルを渡したその時・・・・

 

・・・ギュイン

 

「きゃあああ!!!」

 

ドスン!!!

 

「は、はうう・・・・・・」

 

「ゆ、ゆまちゃん!?大丈夫!?」

 

「い、いててて・・・・」

 

「・・・・龍可が空から落ちてきた?」

 

ゆまちゃんの上に何故かアカデミアの制服を着た龍可ちゃんが空から落ちてきた。

 

「あっ!?ご、ごめんなさい!!大丈夫ですか!?」

 

「と、とりあえず退いてくれないか?」

 

「は、はい!」

 

自分が何をしたのか分かった龍可ちゃんが誤ってゆまちゃんから離れた。ゆまちゃんは目が回っていた。

 

「は、はうう・・・・・」

 

「気絶しているだけだから大丈夫だろう・・・」

 

「それにしても龍可ちゃん、何でアカデミアの制服なんか着ているの?今日は休みだよ」

 

「あっえっと・・・・あっ!!奈美さん!!レインさん!!」

 

「・・・・?そうだけど」

「急に名前を言ってどうしたのよ?時々会っているでしょ?」

「え、えっと・・・私は確かに龍可何ですけど・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・と、言うわけなんです」

 

話を聞いたところ、この龍可ちゃんは私たちが知っている龍可ちゃんじゃなくて、以前、異世界でゲームに参加した時に会った別の世界のライトロード使いの龍可ちゃんだ。そして、何でも文化祭の出し物の助っ人が足りないから異世界まで来て、助っ人を探しにきたみたいなの。

 

「わざわざ異世界まで探しに行くのか・・・」

 

「は、はうう・・・・」

 

「・・・・普通じゃない?」

 

「うん、普通だと思う」

 

「えっ?(な、何か・・・普通の反応だっ(汗))」

 

だって私たちの時だって異世界から人が来て一緒に文化祭を楽しんでいたし。

 

「それで、龍可は俺たちに助っ人を頼みたいと?」

 

「はい」

 

「・・・・・協力する」

 

「私も。何だか面白そうじゃない、モンスターのコスプレをしたカフェだなんて」

 

「決まりだな。ほら、ゆま!起きろ!」

 

「ふ、ふへぇ・・・お、おはようございますですぅ・・・」

 

「何寝ぼけたことを言ってるんだ。行くぞ」

 

「ふへぇ・・・どこにですか?」

 

「異世界だ」

 

「それじゃ、ちょっと動かないでください」

 

龍可ちゃんが右腕に付けてある腕時計みたいな物から白いボタンを押す。すると目の前に縦長の変な歪みが現れる。

 

「それじゃ、この中に入ってください」

 

龍可ちゃんが先にその中に入っていき、龍可ちゃんに続いて私たちも中に入っていった。

 

 

奈美 side out

 

 

??? side

 

「ロア〜〜!!ロア〜〜!!」

 

「蛍君!!こっちだよ!!」

 

先に走る僕の彼女を僕は追いかけていく。

僕は響蛍、デュエルアカデミアのオシリス・レッドの2年生だ。前に走っているのが僕の彼女のロア、僕とは同級生の関係だ。

 

「待ってロア!!そんなに急がなくてもパックは逃げないよ!!」

 

「新しいパックの発売日だよ!急がないとすぐに売り切れちゃうよ!」

 

今日は新作パックの発売日なので、僕たちは急いで購買まで走る。僕の住んでいるレッド寮はアカデミアまで結構な距離があるのでブルーやイエローの生徒と同じタイミングで出たら遅れてしまう。だから早めに出たんだけど・・・

 

「こっちこっち!!」

 

・・・・・ギュン!!!

 

「?・・・何だ?」

 

「蛍く〜ん!!どうしたの!?」

 

「・・・・気のせい「ウワアアアア!?!?!?」!?な、何!?」

 

「ど、どこから!?」

 

「お、落ちる〜〜〜!!!!!」

 

「「お、落ちる!?」」

 

ドーーーン!!!!!

 

僕とロアの間で空から何かが落ちてきた。衝撃が強すぎて周りが砂埃で見えない。

 

「ゴホッ・・・ゴホッ・・・・」

 

「ロ、ロア、大丈夫!?」

 

「だ、大丈夫だよ!け、蛍君は!?」

 

「ぼ、僕も大丈夫だよ!!」

 

「い、いててててて・・・・何で空から落ちるんだよ・・・」

 

「(あれ?この声聞いたことあるぞ?)」

 

砂埃の中から聞こえてくる1人の男の人の声、その声を聞いて僕は頭の中で巡らせる。どこかで聞いた人の声なので、でも・・・誰だっけな?

 

「んで・・・・ここ、何処だ?」

 

「や、やっと砂埃が晴れたよ・・・誰が落ちたの?」

 

「ん〜〜・・・・あっ!蛍さん!ロアさん!」

 

「!?ス、スバルさん!?」

 

「スバルさんだ!!」

 

砂埃が晴れたその中には、以前異世界のゲームに参加した時に出会った遊城スバルさんだ。十代の子孫で未来のデュエルアカデミアの中等部に通っていた人だ。

 

「久しぶりだな!蛍さん!ロアさん!」

 

「お久しぶりです!空から降ってきたので何事かと思いましたよ!」

 

「スバルさん、空を飛ぶ練習でもしていたのですか?」

 

「んな訳あるか!人間が空を飛べるか!」

 

「それにしても、どうしてここに?スバルさんはこことは違う世界でしょ?」

 

「えっとな・・・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・という訳で文化祭手伝って欲しいんだ!」

 

スバルさんの話を纏めると、文化祭が行われるのだけどその時に人手が少なく、他に頼れる人たちもいなかったので異世界まで来て人を集めているらしい。

 

「う〜ん・・・・どうする?」

 

「私は別にいいよ!文化祭は楽しいし!未来のアカデミアがどんな物なのか見てみたい!」

 

「それは僕も思った・・・・じゃあ行ってみようか」

 

「うん!」

 

「2人とも行くんだな?じゃあそこで待ってくれ」

 

スバルさんは振り返って、右腕に付けてあった腕時計を押すと、僕たちの前に大きな穴が開いた。

 

「この中を通ったら俺の世界に行ける」

「へぇ〜、凄いね」

 

「俺がやったんじゃないけどな・・・行くぞ」

 

できた大きな穴にスバルさんが先に入り、その後に続いて僕たちも穴の中に入っていった。

 

 

蛍 side out

 

 

 

??? side

 

「暇だな・・・・」

 

「暇だね〜〜・・・・」

「暇ね・・・・・・」

 

アカデミアの東側にある崖、ここはこの島の釣りのポイントとしてそこそこ有名、俺たち兄弟で釣りをしにきたものの、今のところ何の成果も得ていない。

俺は空時ライ、訳あって家族全員でこの世界に転生してきた。父さんの空時レオと母さんの空時メリオルはI&I社の社員として働いているためこのデュエルアカデミアにはいない。俺の隣にいる男の子が空時アルフ、俺の双子の弟で、俺と違ってマイペースな奴だ。アルフの隣に座っている女の子が空時エルフィ、苗字は同じだけど義妹なので俺とアルフとは血縁関係を持っていない、だから俺の彼女だ。

 

「いつもなら一匹ぐらい釣れるんだけどな・・・」

 

「やっぱり餌がダメなのかな・・・」

 

「もうちょっと粘ってみようよ。タコぐらいなら釣れるかもよ」

 

せめてなんか釣れたら晩御飯の足しになるんだけどな・・・・・レッド寮の飯ももう一品付けてくれたら文句は言わないけど。

そう思いながらもう何回やったのか分からないキャスティングをしようとした時・・・・

 

・・・・ギュイン

 

「?何だ?今の音?」

 

「何か聞こえたね」

 

「・・・・気のせいじゃない?周りにそんな音が鳴るようなものはないよ」

 

・・・・ギュイン!!

 

「いや、気のせいじゃないだろ。今確実にこの近くで鳴ったぞ」

 

「何の音?機械音にしてはあまりにも不自然だし、第一この辺に機械はないから・・・」

 

・・・・ギュイン!!ピカーーン!!!

 

「な、何だ!?」

 

「せ、閃光!?」

 

先ほどから聞こえてくる音に俺たちが警戒をして振り向いた時、後ろで凄い閃光が放たれた。あまりに突然なことなので俺たちは目をつぶってしまう。閃光は数秒程度ですぐに終わり、目のクラクラが収まった俺は閃光があった方に目を向ける。

 

「着きましたか・・・ここ、何処でしょうか?」

 

そこには見慣れない制服のようなものを着た小学生っぽい男の子がいた。青色のブレザーで赤のネクタイをしていて黒のズボンを履いている。メガネをかけていて、茶髪の髪を前で分けている。

 

「・・・・あれ?この子、ひょっとして」

 

「?・・・・あっ!ライさん!アルフさん!エルフィさん!お久しぶりです!」

 

「・・・!!思い出した!!恭輔君だ!!」

 

全員で誰かと悩んでいた時、向こうから俺たちの名前を言ってきて、その声を聞いたアルフが一番に思い出し、俺とエルフィは「あ〜」って言いながら頷いた。この子は成田恭輔、以前に異世界のとあるゲームに家族全員で参加した時に知り合った子の1人だ。

 

「懐かしいね。あの時以来だね」

 

「皆さん元気そうで何よりです。お父さんとお母さんは?」

 

「父さんと母さんはここにはいないよ。2人とも仕事でここにいないんだ」

「そうですか」

 

「それにしても恭輔は何でここにいるんだ?こことは違う世界に住んでいるんだろ?」

 

「えっと・・・・実は・・・・」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「・・・・というわけでこっちの世界に来て文化祭を手伝ってくれたら嬉しいのですが・・・」

 

恭輔の話を要約すると、恭輔たちの世界はもうすぐ文化祭が始まるんだが恭輔の師匠、遊輝のクラスで行う出し物で人がいなくて困っているらしい。本当なら知っている奴に頼みたかったけど、都合が悪かったみたいだから異世界に来て助っ人を呼ぼうとこの世界に来たらしい。

 

「何か・・・・凄いな。文化祭の助っ人を呼ぶために異世界から人を呼ぶなんて」

 

「ねぇどうする?私としては暇だから、言ったら暇つぶしになると思うんだけど」

 

「僕も良いよ。このまま魚釣りしても今日は当たる気配がないから」

 

「2人が行くんなら俺も行かないと。恭輔、俺たちが助っ人で手伝ってやるぜ」

 

「ありがとうございます!では、そこで動かないで待ってください」

 

恭輔は頭を下げてお辞儀をした後、後ろに振り返って右腕に装着した腕時計みたいな機械のボタンを押した。すると俺たちの目の前の空間が歪んで縦長に出来た大きな穴が開いた。

 

「ではこの中に入ってください。ここを通れば僕の世界に行けます」

 

恭輔が先に穴の中に入って、その後に続いてエルフィ、アルフ、そして俺という順番で穴の中に入っていった。

 

 

ライ side out

 

 

??? side

 

「・・・・・希望王ホープでガスタの巫女 ウィンダに攻撃!」

 

希望王ホープが自身の持っている剣で私のモンスターを破壊した。

 

「破壊されたガスタの巫女 ウィンダの効果発動!このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊された時、デッキから《ガスタ》と名のついたモンスター特殊召喚できる!ガスタ・ガルドを特殊召喚!」

 

破壊された巫女姿のモンスターの後ろに風が吹き抜けて、小さな小鳥が現れた。

 

「私はこれでターンエンドよ!春香さん、私のエースモンスターをどうやって倒すのか見せてもらえるかしら!?」

 

「もちろんよ!」

 

「(2人とも調子がいいな)」

 

私の名前は天海春香、765プロに所属しているアイドルデュエリスト。私の相手をしてくれているのが鹿目まどかちゃん。MAGICAプロのアイドルデュエリストで過去にちょっといざこざがあって無期限の活動休止を発表したけど、今ではこうして活躍している。私たちのデュエルを見守っているのが私のプロデューサーのライトニングさん、デュエルの腕前は私たちよりもずば抜けているわ。

 

「私のターン、ドロー!さぁ私のモン《ピカーーン!!!!》!?」

 

「な、何だ!?」

 

私が手札のモンスターを召喚しようとした時、私とまどかちゃんの間で突然閃光が放たれた。私もまどかちゃんも突然すぎて何が起きたのかわからずにただ目を眩ますだけだった。やがて閃光が収まり、目が慣れたので辺りを見渡した。

 

「2人とも大丈夫か?」

 

「私は大丈夫です」

 

「私も大丈夫です」

 

「そうか・・・・・あの光は何だったんだ?」

 

「すんだことだからもう忘れましょう。春香さん、デュエルを続けましょう」

 

「そうね、私は「うわあああああ!?!?!?」!?こ、今度はな、何!?」

 

何事もなかったのでデュエルを再開しようとしたら今度は悲鳴みたいな声が聞こえた。私たち全員で辺りを見渡すけど、私たち以外の人が見えない。

 

「い、今の声は何処から」

 

「わ、分からない・・・」

 

「(・・・まさか・・・・!!)2人とも!!上!!」

 

「「う、上!?」」

 

「うわあああああ!?!?!?」

 

ドーーーーン!!!!

 

ライトさんの一言で私たちは上を向いた。目に映ったのは1人の女の子が悲鳴を挙げながら地面に向かって落ちてきて、激突した。

 

「えっ!?えっ!?」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

一大事と思った私たち全員はデュエルを中断してその女の子の元に走る。

 

「だ、大丈夫か!?」

 

「結構な高さから落ちましたけど・・・」

 

「い、いててて・・・・な、何とか・・・」

 

「見た感じ、怪我した様子はないけど・・・」

 

「ア、アハハ・・・・ぶ、無事で良かったよ」

 

「あなた・・・・どうやってここに?」

 

「えっと・・・自己紹介から始めた方がいいかな?私は栗城茜」

 

「私は天海春香」

 

「私は鹿目まどか」

 

「私はライトニング、春香ちゃんのマネージャーだよ」

 

「?マネージャー?春香っちって芸能人?」

 

「「(は、春香っち!?))」」

 

「あっ、えっと・・・・私、アイドル活動をしているの」

 

「アイドル!?凄いね!!あんな重たそうな服を着て踊れるんでしょ!?」

 

「えっ?私、踊ったりしないんだけど・・・」

 

「あれ?アイドルって重たそうなフリルのドレスを着て歌を歌って踊るのでしょ?」

 

ど、どんな偏見を持ってるのこの子(汗)。確かにそんなアイドルも多少は存在するけど・・・・

 

「茜さんってすごく芸能界に詳しそうな雰囲気を出しているんだけど、もしかしてテレビに出たことあるの?」

 

「うんうん、私はファッションモデルをやってるの。その関係で少しだけ知っているんだ」

 

「「ファ、ファッションモデル!?」」

 

ファッションモデルって雑誌とか載っている新しい服を着ているあのファッションモデル!?で、でも、それなら・・・・

 

「あなた・・・本当にファッションモデル?私の知っている限り、栗城茜っていうファッションモデルを聞いたことがないが・・・」

 

「あっ、えっと・・・・実は私、この世界とは別の異世界から来たの」

「別の異世界?」

 

「えっと・・・・・何て説明すればいいのかな?」

「あっ、大丈夫よ。前に別の異世界の人と会ったことがあるの」

 

「えっ?」

 

異世界から着たデュエリスト・・・・今でも覚えているな、あのデュエルは本当に楽しかった。そう思ったらまた会いたくなってきたな・・・・

 

「それなら話が早い!!私、今回はお願いがあって別の異世界から来たの!」

 

「「「お願い?」」」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・というわけで来たの、出来れば春香っちやまどかっち、ライトニングっちに手伝って欲しいな〜って」

 

茜さんの話を纏めると、何でも茜さんの通っている学校がもうすぐ文化祭が始まる。だけど、茜さんのクラスの出し物で茜さんが当番の日に働き手が少ない。他の人たちも都合が悪いので、こうやって異世界まで来て助っ人を探しにきたみたい。

 

「す、凄い大胆な行動力をするな、茜さん・・・(汗)」

 

「私以外にも私の仲間全員が異世界に行ったよ」

 

な、仲間全員って・・・(汗)しかもこの様子だと単独行動みたいだし・・・・この行動力は凄いわね・・・

 

「・・・・・行ってみたいな」

 

「まどかちゃん?」

 

「文化祭・・・・仕事が忙しくて楽しんだって思い出があんまり無いから」

 

「・・・・・・・・・」

 

そうね・・・・私もアイドルの仕事があって文化祭の日にはほとんど仕事を入れて全然行けなかったな・・・・

 

「私も・・・・行こうかな?」

 

「ちょっと待てよ!?簡単に行きたいって言うけど、明日の仕事はどうするんだ!?明日は生放送の収録日だぞ!?」

 

「あっ、大丈夫ですよ!帰る日はこの世界と同じ日に戻る設定なので!」

 

「えっ?・・・・そうなの?」

 

「はい!」

 

「ライトさん・・・・私、行きたいです!文化祭を楽しみたいです!」

 

「私も行きたいですライトニングさん!」

 

私とまどかちゃんはライトさんに頼み込み、私たちの意見を聞いて、腕を組んで考える。こんな経験、逃したらもう二度と来ないかもしれない。

「・・・・ハァ、しょうがない」

 

「!!そ、それじゃ・・・」

 

「ああ、その代わり、私も行くよ。マネージャーとして、アイドルを見守る義務があるから」

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

「決まりだね!じゃあそこで動かないでね!」

 

茜さんが振り返って右腕に付けてあった腕時計を押すと、私たちの目の前に縦長の穴が開いた。その中は緑色の空間でウネウネしていた。

 

「じゃあこの中に入って!」

 

茜さんが先にその穴の中に入って行き、私たちも茜さんに次いでその穴の中に入っていった。

 

 

春香 side out

 

 

???

 

「あ〜あ、退屈だな」

 

家のソファでゴロンと寝転がって、私が大声で独り言を言っても誰も返事を返してくれない、当たり前だ。今この家にいるのは私だけだから。

私はナハトヴァール、私の主、八神はやてが所有する『夜天の滅輝士 ナハトヴァール』というカードの精霊だ。普段は精霊状態で主を見守るのだが、今日は友達と買い物に出掛けにいったため、1人の時間を優先しようと家に残って実体化した。しかし、1人だと何もやることがないことに主が出かけた後に気がついた。

 

「何か面白いことが起きないかな・・・こう、ドーーンと派手に家が壊れた!!みたいな・・・・起きるわけないか・・・・」

 

物騒なことを呟いたその時・・・・

 

・・・・ドーーーン!!!!!

 

「!?!?な、何だ!?本当に爆発した!?」

 

突然、何処かに何かが落ちる音が聞こえ慌てて身体を起こすナハト。すぐに立ち上がり家の中を捜索する。

 

「・・・・何も起きてねぇ。じゃあ外か?」

 

家の中は無事であることを確認した後、靴を履いて外に出ようと玄関の扉を開いた。

 

「にしても今のお・・・!!!」

 

「だ、誰か、助けて〜〜・・・・」

 

玄関の扉を開いてナハトの目に入ったのは頭が地面に突き刺さった男の人を見つけた。

 

「お、おい・・・大丈夫か?」

 

「!!た、助けて!!」

 

「分かった分かった・・・今助けるから」

 

私は地面に突き刺さっている男の腰周りを手に持ち、力任せに上に引っ張る。浅くはまっていたので簡単に引っこ抜くことができた。その男は黒髪のショートヘアで頭に赤のカチューシャをしていて、いわゆる女顔だった。しかし、声が低いのと服装的に男何だろう。

 

「ご、ごめん・・・水道貸してくれない?目に土が」

 

「分かった、家の中に入ってくれ」

 

顔が泥だらけの男は目を閉じて擦りながら言ってきたので、ひとまず家の中に案内して洗面所を貸してあげる。

 

〜〜(数分後)〜〜

 

「いや〜、本当に助かった。あのまま地面に突き刺さったままかと思った」

 

「ビックリしたよ・・・凄い音が鳴ったと思って外に出たらお前が刺さっているんだから」

 

洗面所で顔を洗った男をそのままリビングに案内した。

 

「にしても、お前どうして私の家であんな状態になっていたの」

 

「えっと・・・・・」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・と、言うわけなんですよ」

 

話を要約するとこの男は遠藤遊輝、こことは違う別の異世界から来た人らしい。そして遊輝の通っている学校がもうすぐ文化祭が行われるのだが、遊輝の出し物は遊輝が当番の日は人数不足らしい。他にアテがいないから、異世界まで旅立って助っ人を探しに来たということだ。

「お前行動力があるな」

 

「褒め言葉として受け取っておくよ。で、俺はあなたに助っ人を頼みたいんですが」

 

「いいわよ、私も丁度暇を持て余していたところよ。文化祭なんて楽しそうじゃない」

 

「決定だな」

 

椅子から遊輝が立ち上がり、誰もいないソファの方を向いて右腕の腕時計みたいなものを押す。そうすると私の目の前の空間が歪んでいき、大きな縦長の穴が開いた。

 

「それじゃこの中に入ってくれ」

遊輝が先に中に入り、私は遊輝の後を追うように大きな穴に入っていった。

 

ナハト side out




今回は


ゼクスユイさんの【遊戯王5D's 〜娘たちの物語】
祝札さんの【遊戯王GX SDⅡ アナザー・ワールド】
カイナさんの【遊戯王GX~パラレル・トラベラー~】
イブニングゼロさんの【遊戯王Phantasm M@ster~アイドルと星の姫巫女伝説~】
ドロイデンさんの【遊戯王ARC-Ⅴ 夜天の来訪者】


以上の作者様方のキャラを借りました。
参加してくださった作者様方、ありがとうございます。


文「今回は私、清く正しい射命丸文と」

フラン「フランでお送りするよ!」

文「これにて全員が異世界の人たちを助っ人として呼ぶことが出来ました。こうして見ると色んな人達がいますね」

フラン「アイドルやっている子、小学生なのにバイトしている子、ガラクタを拾っている兄弟、しまいにはモンスターの精霊?」

文「世の中には本当に色んな人がいます」

フラン「フランも文化祭?行ってみたいな」

文「幻想郷にはまずあんな大きな寺子屋みたいなところありませんよ。人里でお祭りをやるくらいですけど、妖怪の私たちは関わることが出来ませんしね」

フラン「つまんな〜い」

文「では、次回は招待した皆さまの顔合わせ、そして軽音部の初の2 Days公演の初日です」

フラン「ちなみにセットリストは初日と2日目で違うよ!【混沌文化祭 LIVE FES in Fantasy World Day 1】」

文「Fantasy Worldというのはツアータイトルみたいなもので、作者の訳し方だと【理想郷】だそうです」

フラン「次回もよろしくお願いします」


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第113話 混沌文化祭 LIVE FES in Fantasy World Day 1 ☆

【*追記・・・・・・私の凄い勘違いでキャラが1人増えました(汗)。その作品の作者様から指摘で知りました。許可を頂いたので、ここで紹介させてもらいます。


光さん、【遊戯王5D’s~エンシェントシグナーの物語~】からアリス・クロフォードです。一言で言えば・・・・超大食いの女の子です。】


テスト前+レポートだから、前まではこれと番外編を週一で1話ずつ投稿していたけどこれからはどっちかに週一の投稿かな・・・・


今回で全員、初顔合わせですが、私が見て覚えている限りのコラボだけで、顔見知りのキャラだけ知っているということにしてください。これ以上はちょっと無理です(汗)


今回の話は私の小説では有名なバカップル、遊輝と龍可の視点で書いており作者様方のキャラの登場は少ないですが、それぞれのキャラの視点は文化祭初日と2日目を予定しております。


それと途中のセットリストにあるランキングは作者の独断と偏見とセットリストの雰囲気に合うようにしました。


あと、毎度毎度ですが、キャラの口調など間違っているところがありましたら私への活動報告・メッセージで指摘してください。正直、まだ把握出来ていないところがありますので(汗)


遊輝 side

 

 

「よっと!」

 

「ここがお前の世界か」

 

「あっ!遊輝も帰ってきた!!」

「これで全員ね」

 

俺がナハトさんをこの世界に連れてくると、

後ろにあった次元の歪みは消えていった。部屋の大きさなどから見て、ここは軽音部の部室の隣の部専用の寝る所なんだろう。すでにレミやスバル達全員が帰ってきて、皆が連れてきてくれた助っ人がワイワイと話していた。

 

「久しぶりだね春香!」

 

「凛さん!まさかこんなところで再開出来るなんて!」

 

「久しぶりだな、ライ!アルフ!エルフィ!」

 

「遊夜や日菜に愛梨もいるなんて!」

 

「駆君、留姫さん、久しぶりですね」

 

「蛍さんやロアさんこそ」

 

「奈美さん、逃走中いらいだね!」

 

「空さんやリンネさんも!元気そうでなによりです!」

 

「お兄さん・・・すごいね」

 

「あぁ・・・ちょっと場違い感が」

 

「奇遇だな・・・私もだ」

 

・・・・うわぁ、なんてカオス(汗)発案した俺が言うのもアレだけど、正直ここまで行くとは思わなかった。

 

「遊輝・・・・これ纏められるの?」

 

「いや、俺に言われても・・・・文化委員お前だろ?」

 

「そうだけど・・・ハァ、胃が痛い・・・

(汗)」

 

「そういえばスバルや奏は?」

 

「皆先にリハに行ったよ。恭輔君がここまで頑張ってまとめてくれたんだよ」

 

クラスの文化委員を務めているレミにとってもここまでの状況はかなりカオスみたいだ。

 

「とりあえず皆!!こっち注目!!」

 

レミの一声でワイワイガヤガヤとしていた皆が静まりかえる。

 

「えっと・・・・とりあえず突然のことでごめんなさい」

 

レミが開口一番、頭を下げて皆に謝る。それにつられて俺も頭をさげた。

 

「本当、無茶苦茶なお願いを聞いてもらってありがとうございます。私たちの当番の日は文化祭2日目なので、今日の前夜祭と明日の初日は皆さん、楽しんでください。私たちも出来る限り、皆をおもてなししたいと思っております。短い期間ですが、一緒に過ごすことになりますのでお願いします」

 

パチパチパチパチ

 

レミの突発的なスピーチは一応、成功したらしく拍手が巻き起こる。

 

「皆が過ごす場所はこの部屋を借りましたのでここで寝泊まりをお願いします」

 

「ご飯とかは!?ご飯ないと死んじゃうよ!?」

 

「アリス・・・・・(汗)」

 

「スタッフに出前を多めに頼んでおいたので」

「スタッフ?」

 

「レミさん!遊輝さん!最終チェックをお願いします!!」

 

「あっ、もう時間か・・・」

 

「恭輔!龍可!後、頼む!」

 

「分かりました師匠」

 

レミと俺で色々と説明したところにスタッフが入ってきたので、仕方なく近くにいた恭輔と龍可に残りを任せ、俺たちはリハの会場に向かう。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「えっと・・・・何処から説明しましょうか?」

 

「トイレとかの日常生活の話で良いんじゃないかしら?」

 

「そうですね。では「ちょっとちょっと」?どうしましたまどかさん?」

 

「スタッフって言っていたけど・・・・スタッフって何?」

 

「えっ、あぁ、あれはライブスタッフです」

 

「「「ラ、ライブスタッフ?」」」

 

「きょ、恭輔、ライブってどういうことだ?」

 

「師匠たち、バンドグループとして普通に活動していますよ」

 

『バ、バンド!?!?』

 

まどかさんの質問に恭輔が答えるとほとんどの人から驚きの声が出た。当然の反応だよね・・・・・中等部の一部活動がスタッフを連れ添ってライブするんだから、しかもかなり大規模の。

 

「遊輝たちってバンド活動やっていたの!?」

 

「知らなかった・・・・(汗)」

 

「この中で知っているのは・・・・駆さんたちぐらいですか」

 

「そうだね。結構大きなバンドグループだってことちょっと知ったけど・・・」

 

「これは僕たちに聞くより師匠達に聞いてください。僕たちからはこれからの生活について話しますので」

 

「次は・・・・お手洗いかな。お手洗いはこの階の一番奥とそこから外に出たところに臨時で設置されてますのでそっちを使ってください」

 

「あとは・・・・・大丈夫ですかね?布団とか日用用品は奥にありますから」

 

「大丈夫だよ。ありがとうね」

 

「ねぇ恭輔君、その・・・・・ライブって私たち見れるの?」

 

「へっ?う〜ん・・・・・レミさんに聞かないと分からないですね」

 

「せっかくだから遊輝たちの演奏を観てみたいよな!」

 

「そうだね!このまま見られないなんて詰まらないよ!」

 

ライさんが見たいと言い始めて、それに合わせるかのように皆も見たい見たいと言い始めた。

 

「み、皆さん、簡単に言いますけど、当日のチケットを取れるかどうかは難しいのでは・・・」

 

「レミさんなら何とかしてくれるでしょう」

 

祈が心配そうに話しかけるけど、龍亞は大丈夫と言った。皆も同じことを思ったのか、うなづく人がチラホラ。

 

「それよりも折角こうやって皆が集まったんだよ!遊輝君たちが帰ってくるまでデュエルしようよ!」

 

「いいね。じゃあ最初は・・・・・望美さん、僕とやりましょう」

 

「ア、アルフさんと?」

 

「望美、頑張って来いよ」

 

「望美さん!ファイト!」

 

「アルフ〜〜!!無様に負けるなよ!!」

 

遊輝たちが帰ってくるまで皆でデュエルすることになり、全員が一度外に出る。

 

「それじゃやりましょうか」

 

「はい!」

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「あそこに皆いるよ」

 

「うっす〜〜」

 

「皆、説明大丈夫だった?」

 

「・・・・・裁きの龍でダイレクトアタック」

 

「ま、負けたあああ!!!!!」

 

「・・・・・何かデュエルしてるけどどういう状況?」

 

「えっと・・・・・龍可さんが6人連続後攻1killを達成したところです(汗)」

 

「「「「「「はぁ!?」」」」」」

 

「あっ、帰ってきたのね」

 

ロアさんのとのデュエルを終えてディスクを片付けていたところで遊輝たちがリハーサルを終えて帰ってきた。

「る、龍可さん強い(汗)」

 

「な、何この龍可ちゃん・・・・・・私の知っている龍可ちゃんはもっとこう・・・・ロックを決めて相手を甚振るタイプなんだけど・・・」

 

「な、なす術なくやられた・・・・(汗)」

 

「グスン・・・・私なんかモンスター召喚しただけだよ(汗)」

 

「(お、俺がアニメで見た前世の龍可はこんな残虐な性格じゃなかったぞ・・・(汗)」

 

何か何人か引いているけど・・・・別にいいか。

 

「あっ、レミさん!」

 

「ん?何?」

 

「私たち、ライブを観たいのですけど大丈夫ですか?」

 

「あ〜、それくらいなら大丈夫だよ」

 

「レ、レミ!?本当に言ってるの!?当日にこの人数だよ!?」

 

「だってあそこの機材置き場空いたじゃん」

 

「あっ・・・・・確かに」

 

「というわけで大丈夫だよ。後でスタッフに言って席を作っておくよ」

 

物を整理しながらまどかさんの質問に答えていくレミさん。一方で、遊輝とスバルさんは恭輔と龍亞と一緒に奥のタンスから布団や毛布、枕などを取り出している。

 

「にしてもレミたちってバンド活動していたんだな。しかもライブスタッフが付くなんて凄いことじゃないか」

 

「そんな大したことじゃないって。普通のアマチュアコピーバンドだよ、コピーバンド。アカデミアの生徒プラスアルファだって。スタッフも響のお父さんが音楽家だから、お願いを聞いてもらっただけ」

 

右手を左右に振ってそこまで大きくないとアピールをするレミさん。それに同情するように他のメンバーもうんうんとうなづく。

 

「プラスアルファか・・・・」

 

「合計で数千人じゃない?それだけ来れば充分規模も大きいよ」

 

「数千人か・・・・・確かに部活動のバンドならそれくらいかもね」

 

エルフィさんとナハトさんが色々と推測をして、その話を耳にした人たちは相槌を打つ。うん・・・・・多分、後で間違えたと思うよ(汗)

 

〜〜(同日 午後6時前)〜〜

 

 

 

「・・・・・誰だ?アマチュアコピーバンドのライブだから数千人ぐらいとか言った奴?」

 

「・・・・・・お兄さん」

 

「どうした望美?」

 

「私の目には文化祭とは関係のない人たちが沢山見えるのだけど幻覚かな?」

 

「大丈夫、望美は幻覚を見ていない」

 

「・・・・・これ、何人いるの?」

 

「今日は・・・・・・7万人近くとか言ってましたね」

 

「「「7万人!?!?」」」

 

「大物アーティストが1回でやる公演でも7万人は集まらないだろう・・・・」

 

レミさんが取ってくれたのはライブ会場の一番前、しかもほぼ中央部分。ここは本当は機材置き場の予定だったけど、その機材は別のところに移動して今日空いたのでそこで私たち全員分の席を確保した。今回のステージは前の時と変わって、中央にあった小さなステージがなくなり、メインステージのみとなった。(メインステージがその代わりに大きくなった気がするけど・・・)

 

「お、大きいステージだな・・・・・」

 

「いつか私たちもこんな大きなステージで歌を歌ったりするのかな・・・」

 

「2人ならそう遠くない未来だよ。人気も実力もあるのだから」

 

「ありがとうございます、ライトさん」

 

「トイレ行くのにも一苦労だったぜ・・・」

 

『ただいまより、LIVE FES in Fantasy Worldを開演します』

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

 

 

 

【・・・・・・・・ガヤガヤ】

 

アナウンスの後に画面の大きなビジョンが映る。そこには何気ない日常風景を映し出していて、家の中で過ごしていた1人の小さな少年にスポットライトが当てられていた。

 

 

その小さな少年はテレビや本で色んな物語を読んだり見たりしていて、嬉しそうな顔をしていた。だけど、少年が大きくなるにつれて友達と付き合うようになり、少年の顔はどこか悲しい表情をしていた。

 

【『お〜い!!!次こっちに行くぞ!!』】

 

映像の方ではその少年が友達と一緒に遊園地に来ている場面に代わり、その少年は友達に振り回されるように付いて行った。

 

【『・・・・・・あの頃見た物語のような世界に行きたい』】

 

その少年が映像内で最初にそして最後に呟いたその一言、少年が頭の中で描いていたイメージが画面に現れる。そこは森に囲まれて沢山の動物たちが音楽に合わせて踊っていた。

 

 

少年が一つのアトラクションに入った時、そのアトラクションにある非常口の扉が青く光っていた。その光に吸い込まれるようにその少年は非常口の扉を開けた。扉の中は光に包まれて少年は非常口の中へと入っていき、『LIVE FES in Fantasy World』の文字が浮かび上がった。

 

 

 

♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

パチパチパチパチ!!!!

 

映像が終わって少しずつ音が大きくなってきたところで入ってきたメンバー、遊輝とレミさんはスタッフから楽器を受け取り、響さんはピアノに座り、スバルさんはドラムセットの前に、茜さんは大きなドラムの前にたち、太めのバチを受け取った。トレードマークの伊達眼鏡を掛けた奏さんはマイクを手に取りドラムの真後ろまで下がる。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

 

パンパンパンパン!!!!!

ギターとベースを持った遊輝とレミさんがそれぞれステージの中央から端の方へと移動していき、音楽に合わせて手拍子をする。それにつられて観客、もちろん私たちも手拍子を始める。

 

♪♪♪♪♪♪♪!!!!!

 

《フゥ!!!》

 

バーーン!!!!

『オオオオオオ!!!!』

 

音が大きくなっていき、一番手拍子が大きく鳴り響いたところで奏さんが大きく息を吐くような仕草で声を鳴らす。すると、ステージから上空に向かって大きな爆発音が鳴り響き、上へと煙が舞い上がっていた。単調だったメロディが茜さんが大きなドラムを叩き、響さんのピアノで童謡のようなメロディへと変わっていった。

 

 

♪♪♪♪♪♪♩♬!!!

 

 

 

 

1 炎と森のカーニバル 【SEKAI NO OWARI】

 

2 ピースとハイライト 【サザンオールスターズ】

 

3 Go for it! 【西野カナ】

 

 

 

 

「え〜・・・・皆さん、こんばんは」

 

『こんばんは!!!!』

 

「元気いいね、というか今日は声が大きいね」

 

『イエエエエ!!!』

 

『奏さああああん!!!』

 

「今日はSECRETのLIVE FESに来てくれてありがとね!」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「・・・・とりあえず皆、一回落ち着こうか(汗)」

 

『奏さああああん!!!』

 

『遊輝さああああん!!!』

 

「落ち着いてって(汗)」

 

『レミさあああああんんん!!!』

 

「・・・・・先生!!私の話を聞いてくれません!!」

 

『ハハハハ!!!』

 

「やっと落ち着いてくれたよ。えっと・・・・今回はFantasy Worldっていうタイトルなんですけど、皆さんにはこの音楽祭という理想郷で色々なアーティストの曲を聞いてもらいたいです」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「それじゃ、続き行こう!!!ギター!!!」

 

・・・♪♪♪♪♪!!!!

 

《ウッ!!!!》

 

『オオオオ!!!!!』

 

奏さんの合図で遊輝が前に出て、ギターを弾き始める。爽快な感じのロック系の音楽ですぐにドラム音と茜さんもギターで合わせ始める。

 

 

 

 

4 衝動 【B’z】

 

5 Faith 【miwa】

 

6 涙そうそう 【夏川りみ】

 

7 Butterfly 【木村カエラ】

 

8 SAKURAドロップス【宇多田ヒカル】

 

9 花束 【back number】

10 WINDING ROAD 【絢香×コブクロ】

 

11 Hello world 【BUMP OF CHICKEN】

 

12 YAH YAH YAH 【CHAGE and ASKA】

 

 

 

〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪!!!!

 

 

 

『イエエエエ!!!!!!』

 

『YAH YAH YAH』が終わり、観客全員で拍手が巻き起こる。その間に遊輝はエレキギターからフォークギターに、茜さんもパーカッションの位置からエレキギターに持ち替えた。

 

「えっと・・・・・ちょっとバタバタしているからこの間にメンバー紹介をします。キーボード、小野寺響!!」

 

奏さんの紹介で響さんが立ち上がり、頭を下げて手を振る。

「ドラム、遊城スバル!!」

 

♪♪♪♪♪♪!!!!

 

ドラムを叩いたスバルさんがその後、立ち上がり頭をさげる。

 

「ギター&パーカッション、栗城茜!」

 

ギターに持ち替えた茜さんが奏さんよりも前に出て頭をさげる。

「ベース、葵レミ!」

 

今度は茜さんに変わってレミさんが前に出て頭を下げた。

 

「ギター&ヴォーカル、遠藤遊輝!」

 

♪♪♪〜〜〜〜〜

 

ギターを持った遊輝が軽く弾いて、頭を下げマイクの前に立つ。

 

「ありがとうございます。それじゃ最後、ヴォーカル&ギター、水野奏!」

 

奏さんの挨拶は遊輝がやり、奏さんが観客に向けて頭を下げた。

 

「え〜と・・・・次からのリストは今年の春にアカデミア、そして響のお父さんが所属している楽団からインターネットで皆さんに投票してもらった『もう1度やってほしい曲』の発表です」

 

『オオオオ!!!!!』

 

「も、もう1度やってほしい曲?」

「このバンドってそんなに人気があるの?」

 

「は、はい・・・・海外でライブを成功させるほど・・・」

 

ナハトさんと美菜さんの質問を祈が返して2人とも口を大きく開けて驚いた。

それよりもアンケートは確かに学年が上がったその日に軽音部がそれぞれの教室に挨拶周りをしてアンケートを記入してもらって、それを回収していた。でも、インターネットで投票しているとは知らなかった。

 

「あんまり待たせるのも皆に悪いから早速10位から演奏していくね」

 

『イエエエエ!!!!』

 

・・・♪♪♪♪♪

 

「1・2・1・2・3・4」

 

《ルルルルル〜〜〜・・・・》

 

遊輝がフォークギターでとある曲のメロディを弾き始め、それを横で眺めていた奏さんが合図を送り、2人のデュエットが始まった。

 

 

13 桜 【コブクロ】

 

14 SEASONS【浜崎あゆみ】

 

15 何度でも 【DREAM COME TRUE】

 

16 チェリー【スピッツ】

 

17 Love so sweet 【嵐】

 

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜・・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!

 

6位の曲が終わり、会場全体で拍手が巻き起こる。皆が色々と叫ぶ中、奏さんはエレキギターを、遊輝はアコースティックギターに持ち替えた。

 

「それじゃそのまま5位の曲行くよ」

 

「1・2・3!!」

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

『オオオオ!!!!』

 

スバルさんの掛け声で遊輝がアコースティックギターを弾く。そのメロディを聴いた全員が歓声を上げた。そしてそれを歌うのは・・・・アコースティックギターを持った遊輝だ。

 

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

 

 

 

18 HANABI 【Mr.Children】

 

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!

 

演奏が終わり再び拍手が巻き起こる。その間に遊輝はマイクスタンドを奏さんと横に並べる。奏さんはエレキギターをスタッフに渡してタンバリンを受け取り、レミさんはベースからエレキギターを手にする。

 

「それじゃ次の4位の曲で、一旦ランキングの曲は終了ね」

 

『エエエエエ!!!!!』

 

「ええじゃない(汗)。この場所を借りれる時間が決められているのよ」

 

『3位からは!?』

 

『続きは!?!?』

 

「3位以降は・・・・・・明日、発表をします!」

 

『エエエエエ!!!!!』

 

「だからエエエエエって言わないで!こっちもセットリストとかの関係があるの。それに、こういう楽しみは持っておきたいでしょ。こっち的に」

 

『アハハハハ!!!』

 

「それじゃ・・・・4位の曲で盛り上がっていくよ!!ゆず、【夏色】〜〜〜!!!!」

 

『オオオオオオ!!!!!』

 

♪♪♪♪♪♪♪♪!!!!!

 

遊輝のフォークギターから始まり、爽快なPOPが会場全体に鳴り響く。奏さんがタンバリンを叩きながら観客に色々と叫ぶ。

 

「いくよ!!」

 

「『1・2・1・2・3・ハイ!!!」』

 

♪♪♪♪!!♪♪♪!!

 

 

 

 

19 夏色 【ゆず】

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪!!!

 

パチパチパチパチ!!!!

 

ゆずの夏色が終わって観客全員でまたしても拍手が起こり、それに合わせて皆が楽器を鳴らす。最後に遊輝がギターを上から下に振り下ろして鳴り終わる。その間に次の曲の準備が始まる。フォークギターからエレキギターを手に取った遊輝は奏さんと変わるようにヴォーカルの位置へとつく。

 

「イエエエエ、皆元気〜〜〜?」

 

『イエエエエ!!!』

 

「元気良いな〜〜。こっちはもう・・・・あっつくて熱くて・・・」

 

『ハハハハ!!!』

 

「いや、笑ってるけどさ、マジで熱いんだから。そっちは一応暑さ対策しているけど、この上ほんっとうに何もないし、演出で炎とか上がるから熱気がたまって仕方ないんだよ。奏とか良く分かるだろ?熱気がたまってステージ走りまくるから、汗ダラダラなんだから・・・・イタッ!」

 

「余計なことを言わなくていいの!」

 

『ハハハハ!!!』

 

遊輝が皆の準備が終わるまでに1人でMCをしていたら準備をすでに終えていたレミさんに頭を叩かれて笑いが起こった。

 

「俺は事実を言っただけだぞ・・・・・皆の準備も終わったし、そろそろ次の曲をやりたいと思います。熱いバンドの名曲です」

 

「1・2・3!!」

 

《イエ〜〜イ・・・・・》

『オオオオオオ!!!!!』

 

遊輝がギターを弾くのと同時に遊輝の張り声が会場全体に響き渡る。それを聴いた観客全員が驚きを交えた。遊輝がミスチルとB'z以外の曲を歌うのはこれが初めてだからだ。

 

♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 

20 バンザイ 〜君を好きでよかった〜 【ウルフルズ】

 

♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪

 

『オオオオオオ!!!!』

 

「ありがとね」

 

エレキギターをドラムの前に立てかけてマイクスタンドを持って遊輝は一歩前に出た。

 

「それじゃラストの曲いくよ」

 

『エエエエエ!!!!!』

 

『もう終わり!?!?』

 

「・・・・・次からエエエエエって言うの禁句で良いかな?こっちの身も考えてくれよ・・・・明日もあるんだからさ」

 

『ハハハハ!!!』

 

「それじゃ最後の曲・・・・・人生の応援歌かな?何度でも心の花が枯れようとも、また春がきて花が咲くように、私も生きていこう・・・・・福山雅治、【何度でも花が咲くよう私を生きよう】」

 

・・・・♪♪♪♪♪♪♪♪

 

 

 

 

21 何度でも花が咲くよう私を生きよう 【福山雅治】

 

〜〜〜♪♪♪♪♪・・・・・・

パチパチ!!!!

 

曲を歌い終わると、会場全体で大きな拍手が巻き起こる。遊輝がマイクを手に持って前に出る。すでに他のメンバーはステージ裏へと下がっていった。

 

「本日はありがとうございました。本日のライブこれにて『アンコール!アンコール!アンコール!』・・・・・ちょっと待って(汗)」

 

『アンコール!アンコール!アンコール!』

 

「ア、アンコールなんてあるの・・・」

 

遊輝が最後の締めの挨拶をしようとしていたけど、すでに待ちきれない観客がアンコールのコールを始め、それがだんだん大きくなっていった。私たち4人は慣れたことなんだけど、皆はアンコールもあることにビックリしている。

 

『アンコール!アンコール!アンコール!』

 

「・・・・・バカヤローーーー!!!!」

 

『ハハハハハ!!!!!』

 

「いきなりアンコールアンコール言って・・・・こっちだって準備がいるんだよ!というかあいつら帰ったぞ!」

 

『遊輝さん1人でやってええ!!』

 

「今誰だよ!後ろから1人でやってとか無茶振りしたやつ!!」

 

『やって!!』

 

『何か歌って!!!』

 

パンパンパンパン!!!!

 

「待て!!ちょっと待て!!そんなことしたら着替えに帰れないぞ!!」

 

遊輝がそう言っている間にスタッフの1人がアコースティックギターを持って遊輝に渡してきた。

 

「えっ!?何、本当にやれって言うのかよ!?」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「全く・・・・・無茶振りしやがって、好きなやつで良いのか!?」

 

『良いよ!!』

 

『何でも良いよ!』

 

「じゃあ・・・・・リストから外れたやつで行くか。1番とサビだけだぞ」

 

♪♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪

 

アコースティックギターを弾き、ある程度のメロディを奏でたところで遊輝が歌い始める。その歌はアコースティックのギターと一緒に共鳴しているかのように響きわたる。

 

 

 

22 チェリー 【スピッツ】

 

 

 

〜〜〜♪♪♪♪♪・・・・・・

 

 

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「良いじゃん!!良かったよ遊輝!!」

 

「無茶振りに答えて歌うなんてアーティストの鏡だよ!」

 

遊輝が歌い終わったの同時に後ろに下がったメンバー全員が出てきた。もちろん、服を着替えて。アコースティックギターをスタッフに預けた遊輝はエレキギターを手にした奏さんにMCを任せて一旦ステージ裏に下がっていった。

 

「え〜と、まずはアンコールありがとうございます」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「本当は遊輝の締めの挨拶を終えて、ちょっと休憩してアンコールがあったら、再び出ようということだったんだけどアンコールのコールが意外と早くに起きて、ね(汗)」

 

『凄かったぞ!!』

 

「私に言ってどうするのよ(汗)。遊輝にいってよね」

 

『アハハハハ!!!!』

 

「アンコールって言ってくれたからアンコールには答えるね。次からの曲はさっき紹介したランキング、あれの番外編でウィーンでやったライブで披露した曲のランキングを発表したいと思います」

 

『オオオオオオ!!!!』

 

「遊輝帰ってきた?」

 

「明日もライブあるけど、頼むからもう二度とこんなことしないでくれよ」

 

「それじゃやりましょうか、ウィーン公演はベスト5から2位まで一気にやります。5位、BUMP OF CHICKEN、【天体観測】」

 

『オオオオオオ!!!!!!』

 

♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

 

 

23 天体観測 【BUMP OF CHICKEN 】

 

24 勝手にシンドバッド 【サザンオールスターズ】

 

25 栄光の架橋 【ゆず】

 

26 ONE LOVE 【嵐】

 

 

 

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

『ONE LOVE』を終えて奏さんが頭を下げる。そのままマイクスタンドを後ろに下げてスタッフからエレキギターを手に取る。パーカッションの位置にいた茜さんもエレキギターを手にとって、スタンドに掛けてあったギターのような絃楽器をスタンドに立てたまま弾き始める。

 

・・・♪♪♪♪♪♪〜♪♪♪

 

『オオオオオオ!!!!!!』

 

♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

茜さんがその絃楽器から奏でたカントリー風のメロディが再び会場に大きな喝采が起きる。この曲は最近出た曲でそのアーティストを知らなくても(絶対知っているけど)有名な曲だ。

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

「せぇの!!!!」

 

♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪

パン!!パン!!パン!!

 

後ろに下がっていた遊輝がマイク越しに大声で観客に手を叩くことを求め、それに合わせて私たちも両手を叩く。カントリー風のメロディから奏さんのギターが大きく鳴り響き、大きな画面には赤色で塗られた旗が何本も立てられていく映像が流れる。

 

《Wow oh oh・・・・・・・・》

 

遊輝が拳を天に高くつきあげて歌うと、私たちも拳を天に突き上げる。

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

「ヘイカモン!!!!」

 

『Wow oh ・・・・・・・・』

 

 

27 RED 【B'z】

 

 

 

♪♪♪♪♪!!!♪♪♪♪♪!!!

 

『イエエエエ!!!!!!』

 

【RED】が終わり、観客のボルテージが最高潮に達した。マイクをスタンドにはめてエレキギターを持った遊輝がマイクスタンドの前に立ちMCを始めた。

 

「それじゃ次がラストの曲です。今回のライブのタイトル、『Fantasy World』、あれ実は僕が考えたんですよ」

 

遊輝の最後のMCに皆が何も語らずにただ、遊輝の言葉を聞いている。

 

「ライブの最初で奏が言ったけど、音楽祭という理想郷でこの数時間、過ごしてきましたが、このライブが終わると再び現実世界に戻ります。というわけで、最後の曲はその現実世界と戦うというか・・・・・・まだまだ未完成なところなバンドという意味も含めていますが、そういうつもりで選びました。・・・・・Mr.Children、【未完】」

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜・・・・♪♪♪♪!!!!

 

後ろでギターを弾いた茜さんのメロディが少しだけ流れ、その後ドラムと遊輝のギターの音が聞こえる。疾走感がある音で観客全員が両手を上げて手を叩く。

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

28 未完【Mr.Children】

 

 

 

 

〜〜〜♪♪♪♪!!!!

 

 

『オオオオオオ!!!!!』

パチパチパチパチ!!!!

 

最後の曲の演奏が終わり、ギターをスタッフに渡した遊輝、すでに遊輝以外のメンバーも前に出て並ぶ。

「今日は本当にありがとうございました。明日もあるので、明日も来る人は・・・・まぁ体力が持つように頑張ってください!」

 

「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

遊輝が最後にマイクで締めて頭を下げる。メンバー全員で遊輝に合わせて頭を下げて、頭を上げるとお互いに肩を抱き合う。そしてステージ裏へと下がっていった。

 

「凄・・・・かった」

 

「こんな大勢の観客を楽しまずことが出来るなんて・・・・」

 

「単なるコピーバンドって少し侮っていたけど・・・・何だろう、ところどころにアレンジを加えていたから全体的にこのバンドのオリジナリティな曲ってイメージが・・・・」

 

「じゃあ戻りましょうか、軽音部の部室へ。多分、皆さん晩御飯を食べ始める時間だと思いますよ」

 

「晩御飯!?」

 

「アリス・・・・・(汗)」

 

「・・・・・アリスらしいね」

 

観客は出口がステージとは反対側にあるためステージと反対に移動するけど、私たちはステージに沿って移動をしてスタッフに特別なパスを見せてステージ裏から入っていき、軽音部の部室前まで移動する。扉越しで中を覗いてみたけど、誰もいなかった。

 

「いませんね・・・」

 

「外で食べているのかしら?」

 

そう思って私は軽音部の部室からほど近くのスタッフが止まる仮宿の近くに行く。

 

「それでは次〜〜、○○さんから贈答のA5の1kgのサーロイン入りま〜す」

 

「やったぜ!!」

 

「響〜〜、カレーちょうだい〜〜」

 

「は〜い」

 

「(いた・・・・・)皆、ここにいましたよ」

 

「良い匂いがする・・・・・・」

 

「わあああ!!!!お肉だ!!!!」

 

「ア、アリス!?!?」

 

メンバー全員で食事をしているところを見つけた私は外に出て待機している皆に指をさして場所を言う。美味しい料理の匂いに引きつられて皆がこっちに来ると、お肉を見たアリスさんが一直線で遊輝たちに駆け寄った。

 

「わぁ!?な、何!?」

 

「お、お肉!!お肉ちょうだい!!」

 

「あっ、もう来たんだ。皆さんも食べます?大量に注文しておいたのでいっぱいありますよ。ピザとかオードブル、お寿司とか」

 

「あとは・・・・・?何だこれ?トリシューラプリン?」

「えっ!?トリシューラプリン!?!?」

 

スバルさんが一つのプリンの名前を言った途端、奈美さんが目を輝きだしてアリスさんと同じように駆け寄った。

 

「こんな物あったっけ・・・?」

 

「・・・・間違いない!!本物のトリシューラプリンだ!!!!」

 

「・・・・・お姉ちゃん(汗)」

 

「恵さん、トリシューラプリンって何ですか?」

 

「・・・・高い、高カロリー、人気の三拍子が揃ったプリン」

 

「そ、その三拍子はどうなの?(汗)」

 

「トリシューラプリンっていくらするの?」

 

「・・・・・2700円」

 

「たっか!?!?」

 

「その高いプリンが差し入れで約50個あるんだけど・・・・・」

 

「幸せ〜〜〜、ここは天国だぁ〜〜〜・・・・」

 

トリシューラプリンを一つ手に取って幸せな笑みを浮かべる奈美さん。この人ってこんなにトリシューラプリンに情熱を注いでいるんだ・・・(汗)

 

「はい出来た〜〜〜!!!サーロイン1kg!!次はアワビと伊勢海老が入るからね!!」

 

「おおいアルフ!!これ美味いぜ!!」

 

「美味しい!!!春香さん!!ライトニングさん!!このカレー美味しいですよ!!」

 

「おお、このオードブル豪華だな。ローストビーフにエビチリとか」

 

アリスさんや奈美さんにつられたのか皆もそれぞれ、お皿を手にして好きな料理を取り始めていた。もちろん、その中には龍亞も・・・・

 

「龍可さんも食べに行きましょうよ。さすがに晩御飯抜きはキツイですよ」

 

「そうね・・・・少しだけ食べようかしら」

 

夜遅い時間のため、私としてはあまり食べる気持ちは無かったけど、何も食べないと明日が大変なため、私もお皿を手にした。




フラン「お兄様って・・・・やっぱり凄いんだ」

遊輝「普通だって!!周りのアレが異常だから!!」

魔理沙「初めて見たけど、人多かったな・・・・それでいて全員盛り上がっていたんだから」

龍亞「それなのに全然ダメって言うんだよ」

遊輝「盛り上がり的には良いかもしれんが、技術はまだまだ甘ちゃんだぞ、俺たち」

フラン「それでも凄いよ」

魔理沙「次回はいよいよ文化祭初日、色んな人が色々と回るだけの話だけどな」

龍亞「【混沌文化祭 初日 前編 皆のコスプレ】。次回もよろしくね」


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第114話 混沌文化祭 初日 前編 皆のコスプレ ☆

勉強したくないでござる!

というわけで・・・絶賛テスト期間中に投稿です。
「おい、単位どうしたんだ?」って声が聞こえてきそうですが、今回は人気投票・質問コーナーの締め切りが近いので投稿します。
べ、べべべ、別に勉強が嫌だからこっちに来たんじゃないよ!


遊輝 side

 

 

「♪♪〜〜〜〜〜」

 

現在、朝の5時。食堂のキッチンを使って今日の料理の提供分の仕込みをしている。

部室の合宿用の部屋を文化祭の間は借りているのでそこで寝泊まりをしている。俺は全日程の料理の仕込みを任されているのでこうして朝早くから起きて仕込み作業をしている。皆は嫌がる作業だが、料理人を目指していた俺にとっては何の苦痛もない作業だ。

 

「・・・・・よし、あとは今日当番の奴らでも任せておけるだろう」

 

「おはようございます」

 

「ん?」

 

食堂のキッチンの出入り口から声が聞こえたのでそっちの方に振り向くと蛍さんがいた。

「あっ、蛍さん、おはようございます」

 

「また随分早い時間から活動しているんだね」

 

「料理の仕込みをしなくちゃいけないからどうしても早くから起きないと。蛍さんは?」

 

「僕は単純に喉が渇いたからお茶を飲みに」

 

そう言って食器棚からコップを一つ取り出して冷蔵庫を開けてお茶をコップに注ぐ。

 

「それにしてもこれ全部1人で?」

 

「そうだけど」

 

俺と蛍さんの目の前にはカレー用の寸胴鍋だけじゃない。初日用と仕込んだのは野菜の総重量が約15kg、お肉や魚も10kgを超えて、それに出汁やスープなども作っていた。

 

「また・・・・何時に起きたのですか?」

 

「・・・・2時かな」

 

「(ブウゥーーーー!!!!!)ゴホッ、ゴホッ・・・・ちょ、ちょっと、2時間しか寝ていないですけど大丈夫ですか!?」

 

「大丈夫大丈夫。これ終わったら、開会式欠席して少し仮眠するから」

 

「は、はぁ・・・・」

 

いや、しかし前までだったら2時間でも大丈夫だったんだけどな・・・そりゃもちろん、初めての2日連続してライブがあるし、英気を養わないといけないから結局寝ることにはなったんだけど、去年の10月の終わりから龍可と一緒に寝だしたらもう12時起きているのもしんどくなってきた。慣れって怖いね、うん。

 

「ふわぁ・・・・仕込み作業も終わったし、リハーサルまで寝るか」

「お、お疲れ様です・・・・(汗)」

 

コンロの電源などを確認して裏口から食堂を出る。とりあえず寝よう、今日もまたライブがあるし。

 

遊輝 side out

 

 

恭輔 side

 

 

「じゃっじゃ〜〜ん!!!スバルの力作!!!全自動着替えマシン!!!」

 

『ぜ、全自動着替えマシン?』

 

「「「((((いつもいつも、何処から出しているんだよ(のよ)(汗)))))」」」

 

どうも、恭輔です。

今朝の開会式(という名の校長のお話)が終わって、いよいよ文化祭が始まりました。今年は去年と違って楽しい文化祭になりそうです。ちなみにこの開会式にはアカデミアの生徒は参加しなくちゃいけないのですが、師匠は寝ていたため不参加です。枕元に置いていた紙には「起こしたら殺す」とか不気味なことを書いてましたので・・・・・(汗)

 

 

開会式が終わって、初日は自由行動なのですが、ここで遥さんが「コスプレするって言っていたけど、衣装どうするの?」という疑問が投げかけられました。

 

 

最もな疑問です。レミさん達は企画をしている段階で作っているのでしょうけれども、僕たちや他の人たちは昨日手伝ってと言われたので衣装も何もありません。そしたらレミさんが「ちょっと待って!」と言って部屋を出て行き、数秒後にドーーンという何か大きな物が落ちたような音が聞こえたので、全員で見に行ったらレミさんの後ろに大きな機械があった。そして冒頭に戻る。

 

「(・・・・・・あれか(汗))」

 

「(・・・・正直、嫌な思い出しかない(汗))」

 

「スバルが作ったこの機械に入って設定をすればどんな衣装でも着替えられるよ!」

 

「へぇ〜〜、スバルって機械に強いんだ」

 

「何ていうか・・・・物心ついたときには機械を分解していた」

 

「というわけで誰か行ってみよう!!」

「誰かって・・・・」

 

「・・・・・・・待て待て待て待て!!!!!何で皆俺を見るんだ!?」

 

レミさんが振った時、一部の人が遊夜さんの方に振り向いて、最終的には全員が遊夜さんを振り向いた。

 

「いや・・・こういう時は遊夜でしょ」

「何勝手に決めているんだよ!?何で俺が一番最初なんだよ!?」

 

「一応、要望は聞くよ」

 

「え、えっと・・・・じゃ「エフェクト・ヴェーラー!!」っておい愛梨!?」

 

「遊夜は可愛いモンスターの方が似合うよ!」

 

「ちょっと待て!!エフェクト・ヴェーラーってモデル女だろ!?俺は男だぞ!?」

 

「ん〜と、エフェクト・ヴェーラーね・・・」

 

「ちょちょちょ!?何勝手に打ち込んでいるの!?」

 

「ん?エフェクト・ヴェーラーが良いんでしょう?」

 

「違う違う違う違う!!!!俺の意見じゃない!!」

 

「うるさい!!!少し黙って!!!」

 

そう言ってレミさんが捜査をしていた機械から反転して、すぐに銃の構えを取り、発砲したような構えを取る。すると、遊夜さんの頭に何かが凄いスピードでぶつかって、遊夜さんが後ろに倒れてしまった。

 

「えっ!?遊夜!?遊夜!?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「き、気絶してますね・・・(汗)」

 

倒れた遊夜さんを見た僕は目の状態から気絶と断定した。相変わらずレミさんは強引だな・・・・(汗)

 

「ほい、設定できた。遊夜さんを機械に掘り込んでっと」

 

そう言ってレミさんが遊夜さんを肩で担い・・・・・・あれ?レミさんって人を担げるほど筋力あったのですか?(汗)

 

「この中に入れて・・・・・その前に起こすか」

 

バチバチバチバチバチバチ

 

「いててて!!!いててて!!!」

 

「んで、扉を閉めて・・・」

 

バタン!!

 

「えっ!?ちょ!?な、何だここ!?おい日菜!!愛梨!!助けてくれ!!」

 

「スイッチオン!!」

 

・・・ウィーーーン

 

「えっ!?な、何だ!?・・・・・あああああああ!?!?!?」

 

「これで3分待つ!!」

 

「「「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」

 

「レミ・・・・皆付いていけてないわよ(汗)」

 

レミさんが遊夜さんを拉致ってスイッチ押す。この間、わずか30秒。あの人、こういう時の行動の速さはピカイチです・・・・(汗)

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

・・・・チーン

 

「はい、出来上がり」

 

パカッ

 

「お、俺・・・・生きてる!?何も変わってない!?」

 

「・・・・・ぶっ!?」

 

「アハハハハ!!!!ア〜〜ハハハハ!!!」

 

「お、おい!?ナハトに龍亞!?何で俺を見て笑うんだよ!?」

 

遊夜さんが機械から出た途端、一瞬だけ静寂の時が流れたけど、その姿を見た途端にナハトさんと龍亞さんが大声で笑い始め、遊夜さんは戸惑う。

 

「クスクス・・・・」

 

「へぇ〜〜、この機械凄いね!スバルの作品だったけ!?」

 

「ゆ、遊夜・・・・あなた凄い女物の服が似合うわね・・・クククク・・・」

 

爆笑しているナハトさんや龍亞さんの陰に隠れているけど、皆さんからすでにクスクスという笑いと一部、機械に尊敬を持っている人がいる。何とか笑いに堪えているエルフィさんが自身の持っている手鏡を遊夜さんに向けた。

 

「・・・・えええええええ!?!?!?!?!?」

 

手鏡で自分の姿を見た遊夜さんは驚きの表情をしていた。そこには確かにエフェクト・ヴェーラーの格好をしていた遊夜さんがいた。でも、エフェクト・ヴェーラーの衣装だけじゃない、羽根や髪の毛なども完全に再現されてあり、まさしく本物のエフェクト・ヴェーラーなのだ。

 

「これ俺!?俺の髪の毛こんなに長くないぞ!?」

 

「凄いねあれ!!」

 

「あの髪の毛ってカツラ?」

 

「一応ね、一応」

 

「ぐっ!!この・・・・!?!?は、外れない!?!?服も脱げない!?!?」

 

「でった・・・・またタチの悪い設定にしたよ・・・・」

「タチの悪い設定って何だよスバル」

 

「無理無理、この機械の設定で遊夜さんは明日の夜10時までその服から着替えることが出来ないから」

 

「え゛!?!?」

 

「・・・・どういう事?」

 

「つまり、遊夜さんはこれから風呂に入りたい時もトイレに行く時もいかなる状況でもあの服を脱ぐ事は出来ないんです。あの服が汚れても・・・・」

 

「うっわ・・・・・・」

 

「お、恐ろしいな・・・(汗)」

 

うん・・・・何しているんですかレミさん(汗)。あれだけの事で切れてどうするんですか?

 

「こんなの嫌だ!!すぐに着替えさせろ!!」

「うるさいわね!!そんなにガヤガヤ言うんだったら機械壊すわよ!!一生その姿で過ごす事になるわよ!!」

 

「申し訳ございませんでした!!」

 

「「「「折れるの早っ!?」」」」

 

レミさんが脅しをかけた途端、遊夜さんの方が折れて光のごとく土下座をした。その速さに周りの人たちから驚きの声が上がった。

 

「それじゃどんどん行くよ!!最大5人までなら同時にできるから皆がなりたいモンスターを紙に書いて渡して!!」

 

そう言ってきてレミさんが全員に紙と鉛筆を渡し回る。もちろん、僕たちのところにも。

 

「「「「「(((((あれを見た後だから恐ろしくて書けないよ!!(汗)))))」」」」」

 

「早くしてよね。私もこの後直ぐにリハーサルがあるんだから」

 

「私これ!お兄ちゃんこれ!留姫お姉さんこれ!美菜お姉さんこれ!」

 

「ちょ、ちょっと遥ちゃん!!」

 

皆あの状況を見た後なので、なかなかペンが進んでいない。中には真剣に考えている人もいますが、そんな中、遥さんだけは直ぐに決めてレミさんに紙を渡した。

 

「・・・うん、分かった。というわけで4人とも、入って」

 

「お兄ちゃん!!入ろう!!」

 

「え、えぇ・・・・(汗)」

 

「私たち、何になるかすらもわからないままよ(汗)」

 

遥ちゃんに従うように半分諦めモードの駆さん、留姫さん、美菜さん。4人全員が入ったところでレミさんが扉をしめて機械を操作する。

 

「これでよし!スタート!」

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

・・・・チーン、パカッ

 

「わ〜い!!」

 

「・・・・・これって、ブラマジ?」

 

「私は・・・・ブリザード・プリンセスだね」

 

「私・・・・ブラマジガール?」

 

「違う違う、美菜さんはマジシャンズ・ヴァルキリア。ブラマジガールは遥ちゃん」

 

しばらく待って出てきた4人は全員魔法使いの格好をしていた。遥さんがブラック・マジシャン・ガール、駆さんがブラック・マジシャン、留姫さんがブリザード・プリンセス、美菜さんはマジシャンズ・ヴァルキリアだ。

 

「さあどんどんやっていくよ!」

 

「遊夜がやったし、私たちもやろうか」

 

「そうだね日菜ちゃん」

 

日菜さんと愛梨さんもレミさんに紙を渡して機械の中に入っていった。

 

「私はこれだな。よろしく」

「はいはい、3人ね」

 

ナハトさんも決めたようで、髪を渡して入っていく。機械の扉を閉めたレミさんが3人分の衣装を決めて、ボタンを押すと機械が作動した。数分たち、機械から出て来た3人、愛梨さんはサイ・ガール、日菜さんはデュミナス・ヴァルキリア、そしてナハトさんは・・・・・

 

「わぁ!!プトレマイオスだ!!」

 

「げっ!?」

 

「おぉ、お前はプトレマイオスを知っているのか?」

 

「はい!!僕も師匠に禁止をくらうまでは使っていました!!」

 

「そうかそうか!!お前とは気が合いそうだ!」

 

ナハトさんがコスプレとしてやってくれたのは星守の騎士(テラナイト)プトレマイオス、3学期前まで僕が使っていた切り札として使っていたのでとても思い出深いです!

 

「ところで・・・・何でお前らの仲間は嫌そうな顔をしているんだ?」

 

「恭輔がプトレマイオスを使って大暴れしたからだよ・・・その時の恭輔、負け無しだったから・・・」

 

「そのせいで師匠から『使うな』ってお触れが出まして・・・」

 

「あれは強過ぎるからな・・・・仕方ないといえば仕方ないか・・・」

 

「それじゃ、次は私たち!アレサ!律!いくよ!」

 

「何で凛も積極的なんだ・・・」

 

「・・・・分からない」

 

次に凛さんたちがレミさんに紙を渡して機械の中に入っていく。どんなコスプレをしたいかレミさんは紙を見た後に扉を閉めて、機械を操作する。数分後、機械から出てきた凛さんはジェムナイト・セラフィ、アレサさんはリチュア・エリアル、律さんは聖女ジャンヌのコスプレをしていた。

 

「この機械凄いね。この鎧の部分とか本物の鎧みたいだし」

 

「・・・・・気に入った」

 

「これはこれでいいな」

 

「ロア、僕たちも着替えようか」

 

「うん!」

 

「俺も決めた、よろしく頼む」

 

「私も。これなら誰とも被らないでしょう」

 

「僕も決めました」

「じゃあ皆、入って入って」

 

凛さんたちと入れ替わるように蛍さん、ロアさん、ライさん、アルフさん、エルフィさんの5人がレミさんに紙を渡して機械に入って扉が閉まる。数分後、扉を開けて出て来た5人は凄い楽しそうな表情をしていた。蛍さんが終末の騎士、ロアさんがそよ風の精霊、ライさんが切り込み隊長、アルフさんがヴァンパイア・ロード、エルフィさんが荒野の女戦士だ。

 

「何だよアルフ、そこは戦士族で統一しようぜ」

 

「いやいやいや、ライやエルフィが戦士族モンスターなんて知らないよ(汗)」

 

「ロア・・・・可愛いね」

 

「////は、はう・・・・」

 

「お、お兄さん。私、決めました」

 

「そうか。俺も決めたし、行くか」

 

「私はこれにする!ライトさんとまどかちゃんは決めましたか?」

「ちょっと悩んだけど・・・これにします!」

 

「私も決めたよ」

 

今度は鉄也さん、望美さん、春香さん、まどかさん、ライトニングさんの5人が機械に入っていった。数分後、機械から出てきた鉄也さんは未来サムライ、望美さんは古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)、春香さんはガスタの疾風 リーズ、まどかさんはガガガクラーク、ライトニングさんは・・・・何ですかあれ?

 

「ライトニングさん、それ何のモンスターですか?」

 

「CNo,104 仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)アンブラルだよ」

 

「ア、アンブラル?聞いたことないな・・・」

 

「エクシーズモンスターなんだが知らないのか?」

 

「あぁ、遊輝が使わなかったら俺たち知らないです」

「そうか・・・この世界ではエクシーズモンスターは珍しいって言っていたし、知らないのも当然か」

 

「それじゃ次は私たち!!皆いこう!!」

 

「ア、アリス!ちょっと引っ張らないで!」

 

「は、はうぅ〜〜、私これまだ決定じゃないですぅ〜〜」

 

「・・・・・これでいいかな」

 

5人変わって今度は空さん、アリスさん、ゆまさん、リンネさんが機械の中に入っていく。4人分の紙を受け取ったレミさんは希望した衣装にするように設定をして扉を閉める。

 

「それじゃいくよ」

 

レミさんがボタンを押して機械が作動する。数分後、機械が止まってレミさんが扉を開けると、青き眼の乙女の衣装を纏った空さん、トゥーン・マーメイドのコスプレをするアリスさん、ガスタの神裔 ピリカの衣装を纏ったリンネさん、E・HEROネオスとなったゆまさんが機械の中から出てきた。

 

「皆似合うね〜〜」

 

「ゆまさんネオスか〜〜。ネオス持っているのか?」

 

「は、はい」

 

「いいなぁ・・・俺も使いたかったぜ」

 

「アリスさんもリンネさんも似合いますね」

 

「ありがとう!」

 

「最後は俺たちだな。決まったか?」

 

「決めた!これにする!」

 

「・・・・私も」

 

「わ、私もですぅ!」

 

「それじゃ入って入って」

 

異世界組では最後のグループとなった奈美さん、恵さん、ジャッカルさん、ゆまさんが機械の中に入っていく。

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

 

・・・・チーン

 

「はい出来た!!皆どうぞ!!」

 

「・・・以外と重いな」

 

「・・・私は軽い」

 

「こ、この剣いらないですぅ〜〜」

 

「それがなかったらホープじゃないよゆまちゃん」

 

機械の中から出てきた4人、ジャッカルさんは神獣王バルバロス、恵さんはゾンビマスター、ゆまさんはNo,39 希望王ホープ、そして奈美さんは・・・・?

 

「奈美さん・・・それ、何ですか?」

 

「サイバーマンですサイバーマン!!カイバーマンのサイバー・ドラゴンバージョンです!!」

 

「はて・・・・そんなモンスターいましたっけ?」

 

「モンスターじゃないです!ヒーローショーとかに出てくるヒーローです!」

 

「お姉ちゃん・・・・ここ、異世界」

 

「この世界にサイバーマンがいなかったら恭輔みたいな反応になるぞ」

 

「うぅ・・・・サイバーマンはカッコ良いヒーローなのに誰も共感してくれない・・・」

 

そもそもサイバー・ドラゴンを使っている人を見たことがないのでサイバーマンがどれだけカッコ良いのか奈美さん以外分からないかと・・・・(汗)

 

「さあ、あとは龍亞君たちよ!」

 

「えっ?」

 

「そうは言っても・・・・・」

 

「まだ決めてないですけど・・・・(汗)」

 

「おっそ〜〜い!!!早く決めてよ!!」

 

「ま、待ってください・・・・(汗)」

 

「どうする?」

 

「せっかくだからカテゴリーで統一する?」

 

「そうですね・・・・でもどんなカテゴリーにします?」

 

「う〜ん・・・・・・」

 

「・・・あ、あれにしましょうか?あの・・・・」

 

皆でどのカテゴリーにしようか考えていたところに祈さんが僕たちに耳打ちでとあるカテゴリー群を提案してきました。

 

「・・・あぁ、なるほど。じゃあ私はこれにしよう」

 

「それでしたら僕はこれにします」

 

「あっ!取られた!じゃあ俺は・・・これで!」

 

「わ、私は・・・・これにします」

 

「決まった?じゃあ紙を渡して機械に入って」

 

祈さんの提案に乗って、僕たちのコスプレしたいモンスターを決めて紙に書き、それをレミさんに渡してから機械の中に入る。中は金属製のアルミとかむき出しで、意外と広い。5人ぐらい同時にできるのは納得できる。

 

「それじゃやるわよ」

 

レミさんが扉を閉める。そうすると中は真っ暗になって何も見えず、機械音がなると後ろから何かに捕まれて引っ張られる感覚がした。

 

〜〜(3分後)〜〜

 

・・・・チーン

 

「出来た出来た、はい出てきて」

 

レミさんが扉を開けて、そこから光が差し込む。数分の間暗いところに入っていたので目が慣れるのにちょっと時間がかかりましたが、目が慣れてきたところで機械から外に出ます。

 

「龍可ちゃん可愛い〜〜!!祈ちゃんも可愛い〜〜!!」

 

「魔女と天使と執事と騎士か・・・・龍亞のは騎士というより音楽家って服装だな」

 

僕たちが選んだカテゴリーは師匠が使っている(使わされている)『マドルチェ』。龍可さんがマドルチェ・マジョレーヌ、祈さんがマドルチェ・エンジェリー、龍亞さんがマドルチェ・シューバリエ、僕はマドルチェ・バトラスクを選びました。

 

「龍亞も恭輔も似合うな・・・・特に恭輔」

 

「ありがとうございます」

 

「2人とも本当に可愛くなったわね」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「じゃあこれでよし!皆、文化祭楽しんできてね!」

 

「レミさん・・・・これ暑いから脱ぎたいんですけど」

 

古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)の格好をしている望美さんが暑いから脱ぎたいと言ってきた。それもそうですよね、あんな甲冑を着ていたら熱が篭って大変でしょう。

 

「?脱げば良いじゃない?」

 

「いや・・・・脱げれないんですけど」

 

「えっ?」

 

「なぁ・・・こっちも脱げないんだけど」

 

「私も・・・」

 

「えっ!?」

 

あちらこちらから「着替えられない」という声が上がり、慌てたレミさんは機械の画面を見る。この機械を作ったスバルさんも確認のためにレミさんと一緒に画面を見ると、すぐにレミさんの頭を平手で叩いた。

 

「お前バカだろ!!ちゃんと確認してから使えよ!!」

 

「ごっめ〜〜ん!!!!」

 

「・・・・何か聞きたくないけど一応聞きましょうか、何をしたの?」

 

「遊夜さんの設定のまま、皆着替えた。つまり、遊夜さんの着替えられない設定が皆にも設定された」

 

「えっと・・・・つまり?」

 

「皆、明日の夜10時まで着替えられない」

 

『ええぇぇぇ!!!!!!』




はい、というわけで・・・・本当なら少し文化祭に触れたかったんですけど、どうしても質問・人気投票の締め切り前に投稿したかったのでここで区切りました。丁度良い感じだと思うので。


前書き、上にも書きましたが私の小説の4周年記念、ハーメルン1周年記念の人気投票・質問を7/31まで募集します。それ以降は受け付けるつもりはないです。この記念話の執筆作業をしなくちゃいけないので。

これ以降、8月以降何ですが、インターンシップなどがありますので、とりあえず記念話の完成を優先します。余裕があれば本編・番外編を投稿していきます。

記念話は8月15日、22時にこの小説の番外編、【遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち 〜番外編〜】の方で投稿します。


本編の次回は【混沌文化祭 初日 中編 文化祭巡り】です。


では、本編・番外編・記念話を楽しみに待っていてください。


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第115話 混沌文化祭 初日 中編 文化祭巡り ☆

今回の話で一人称のsideに入らなかった作者様のキャラたちは2日目の模擬店の時に視点を取ります。申し訳ございません。


奈美 side

 

「もう設定できない以上・・・・明日までこの姿で過ごしてもらうしかないな・・・」

 

「ハァ・・・・・」

 

「ほんっとごめん!!」

 

申し訳ない気持ちのレミさんがパンと両手を叩いて頭を下げます。レミさんの凡ミスのおかげで私たちはこのコスプレした衣装を明日の夜10時まで脱ぐことを一切出来ません。

 

「まぁ仕方ないか・・・・」

 

「これも異世界きた思い出として残しておきましょう」

 

「お師匠様!早く文化祭行こう!」

 

「ちょっと!?遥ちゃん引っ張らないで!お師匠様って!?」

 

「ま、待って駆!!」

 

「置いていかないで!!」

 

コスプレに積極的な遥さんは駆さんを引っ張って部屋から出て行ってしまった。それをおいかけるように留姫さんも美菜さんもでていった。

 

「言っちゃった・・・・・」

 

「俺たちも行こうぜ。どうせ何やっても無駄だからさ」

 

「・・・・そうね」

 

「仕方ない、このまま文化祭を巡ろう」

 

「春香さん!一緒に回りましょうよ!」

 

「良いですよ!」

 

「遊夜!!俺たちと一緒に回ろうぜ!!」

 

「ほら遊夜!!誘われたから一緒に文化祭回ろう!」

 

「この格好であんまり外に出たくない・・・」

 

「私もこのグループに参加するぜ」

 

凛さんたちのグループは春香さん達のグループと一緒にアルフさん達は遊夜さん達とナハトさんと一緒に、龍亞君や龍可ちゃん、恭輔君と祈ちゃんのグループで文化祭へと行きました。

 

「僕たちも行こうかロア、空さん達も一緒に行きましょう」

 

「行こう行こう!!」

 

「鉄也、望美、こっちはこっちでグループを組んで行こうぜ」

 

「わかった」

 

「よろしくお願いします」

 

最後になった私たちは鉄也さんと望美さんの兄妹と一緒にこの世界の文化祭を回る事にしました。予め貰った地図を見ると、出し物は教室と中庭の方に多かったので、中庭の方へと向かう。

 

「何かこう・・・・変わった屋台とかありませんかね?ワニすくいとか」

 

「そんな物、許可したらこの文化祭何でもアリになってしまうだろ」

 

「普通の文化祭でも楽しいけど、やっぱり変わった屋台の文化祭がいいですよね」

 

「お、お兄さん・・・・あの屋台、凄く人が多いのですが・・・」

 

「ん?・・・・・本当だ。なんだあの行列?」

 

「みんなで行ってみようよ」

 

「・・・・・・賛成」

 

何に並んでいるのか気になったため、私たち全員でその屋台に向かう。屋台には『ニジマスすくい』と書いてあります。

 

「うっわ!!破れた!!」

 

「ざんね〜ん、参加賞の金魚ね」

 

「ニジマスすくいって・・・・うわ・・・・」

 

「本当にニジマスだけだよ・・・・」

 

「ワニすくいじゃないですけど、これはこれで珍しいですね」

 

「どうお客さん?1回500円でこのポイが破れるまで取り放題」

 

「たっけぇ・・・・」

 

「採算取ろうと思うと500円が限度なんや」

 

「(何で関西弁?)」

 

「どうする?」

 

「私やる!」

 

「私もやりたいですぅ!」

 

「望美は?」

「私もやりたいです」

 

私たちからは私とゆまちゃん、望美さんの3人が参加。全員で500円(望美さんの分は鉄也さんが払った)を払って、通常のポイよりもひと回り大きいポイとカゴを受け取る。

 

「頑張ってねぇ、30匹取れたらマグロの姿とは言わないけど、マグロの身をあげるから」

 

「ま、マグロ!?」

 

「・・・・お姉ちゃん、頑張れ」

 

「奈美!!ここはマグロを取ってみんなで食べようぜ!」

 

「誰も私に期待しないのですか!?」

 

「「「だって、1級フラグ建築士のゆま((ちゃん))だから」」」

 

「いいですぅ〜〜!!!見返してやりますぅ〜〜!!」

 

気合い満々で先陣を切ったゆまちゃん。こういうフラグを建てまくっている時はもう何をやっても止められないね。

 

「いくですぅ〜〜!!狙いはあのニジマスですぅ〜〜」

 

バチャン!!

 

「とったですぅ〜〜!!!」

 

ピチン!!!バチャン!!

 

「はうぅ!?尻尾でポイを破って逃げられたですぅ!!」

 

「はい残念、残念賞の金魚ね」

 

「はうぅ・・・確かにすくったのに・・・」

 

「・・・・尻尾をポイの中に入れちゃだめだよ」

 

「ニジマスは大きいんだから、尻尾をポイの外側にしてやらないといけないな」

 

「じゃあ私はそれを参考にして・・・・」

 

ゆまちゃんみたいなミスをしないよう、私は尻尾でをポイの外側にするように意識を注意する。

 

「まずはあの隅っこにあるニジマスから・・・・・」

 

パチャン!!

 

「やった!1匹取れた!!」

 

「おぉ〜、コスプレしているお姉さんお見事」

 

「じゃあ次「お、おい奈美・・・・」?どうしたのジャッカルさん」

 

「と、隣見てみろよ・・・」

 

「?」

 

「お兄さん、これで何匹目?」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・・24匹目」

 

「・・・・・えっ?」

 

ジャッカルさんに言われて隣の望美さんのバケツを見ると、すでに大量のニジマスがすくわれていた。あまりにも大量なので、バケツの中でニジマスが喧嘩をしている。

 

「な、なにこれ・・・・」

 

「望美ってこういうの得意だったのか?」

 

「い、いや・・・・金魚すくいなんてこれまでやった事もないんだが・・・」

 

「はい・・・はい・・・」

 

「・・・・一定のペースで取っていってる」

 

「28・・・29・・・30・・・31・・・」

 

周りもいつの間にか望美さんを見ている。いつの間にかプールに入っていたニジマスもどんどん減っていく。

 

「・・・・52・・・53・・・54・・・」

 

「ちょ、お、お嬢さん・・・ス、ストップ・・・」

 

「・・・57・・・57・・・59・・・60・・・あ〜〜、ポイが破れてしまいました。残念ですねお兄さん」

 

「・・・・望美(汗)」

 

「?どうかしたの?」

 

「い、いや・・・・何でもない(汗)」

 

「スッゲェ・・・・ニジマスをポイで60匹もすくったぜ(汗)」

 

「お姉さん、ニジマス60匹すくいました」

 

「・・・・あ、あぁ、お、おめでとう、け、景品のマグロの身だよ」

 

若干目が泳いでしまっている出し物をやっていたお姉さん、ニジマスを小分けにした結果、10袋以上となってしまって、その上で大きなマグロの身を望美さんは貰う。ニジマス60匹も取られてその上でマグロも取られちゃったら500円でも大赤字だよね(汗)

 

「皆さん、固まってますけど何かあったのですか?」

 

「えっ・・・・いや・・・」

 

「・・・・・大丈夫」

 

「そうですか。ちょっと荷物が多いので一度、部屋に戻りたいですけどよろしいですか?」

 

「い、いや、全然良いぞ。何なら俺たちが持とうか?」

 

「本当ですか?ありがとうございます」

 

ニジマスが入った袋を私たち全員で持ち、一度部屋に戻ることにした。

 

 

奈美 side out

 

 

凛 side

 

 

 

「春香さん、次はあのクレープ屋に行きませんか?」

 

「良いですね!行きましょう!」

「あの2人は仲がいいよな」

 

「・・・・・うん」

 

「春香さん、凄いイキイキしていますねライトさん」

 

「そうだね、あんなにイキイキした姿を見るのは久しぶりかな」

 

私は異世界で出会った友達、天海春香さんと一緒に遊輝君の世界の文化祭を一緒に回っている。全く別の異世界で全く別の異世界の人と文化祭を楽しむなんて想像もしていなかったよ!いい思い出をたくさん作らないとね!

「ライトさん、大丈夫ですか?結構重そうな格好をしているけど」

 

「大丈夫だよ。ただ、建物に入る時にこの羽みたいな物は鬱陶しく感じるかな」

 

「ライトさんのその羽、無駄に大きいですからね・・・・」

 

「皆〜〜、早く来なよ!!クレープ買うよ!!」

 

「はいはい」

 

『わああああ!!!!』

 

「?何、この歓声?」

 

「あそこじゃないか?」

 

律がアカデミアの体育館に指差す。外から見た感じ、確かに体育館の中には大勢の人が入っている。

 

「何かステージか劇をやっているんじゃないか?」

「今は10:30だから・・・・『飛び入り参加OK!カラオケ大会!優勝者には新しいパックを箱でプレゼント!』だって」

 

「へぇ〜〜」

 

「ねぇ!これみんなで一緒に参加しようよ!面白そうじゃない!」

 

「良いですね!まどかちゃんやライトさんはどうですか?」

 

「私もやる!」

 

「私も参加しようかな」

 

「律とアレサは?」

 

「私も参加するぜ!」

「・・・・・参加する」

 

「じゃあ皆で行こう!」

 

全員、参加を表明したので体育館の中に入って受付をする。

 

「いらっしゃい。ここに名前と歌いたい曲を書いてください。名前はあだ名でも大丈夫です」

 

「分かりました」

 

私から順番に名前と歌いたい曲を紙に書いていく。私は・・・・これかな?

 

「はい、お客さんのグループで締め切りですね」

「ちなみに今の最高得点は?」

 

「91.238点です」

 

「91点・・・・アレサだったら行けるかも」

 

「・・・・・頑張る」

 

「春香ちゃんやまどかちゃんは職業柄、負けられないよ」

 

「分かってますライトさん」

 

「91点だったらすぐに超えてみせますよ!」

 

私や律はそこまで高い点数は取れないけど、アレサや春香さん、まどかさんなら超えられそうね。

 

「凛さんは今歌っている人の次で、そこから順番に歌ってもらいます」

 

ていうことは私→律→アレサ→ライトさん→まどかさん→春香さんの順番ね。

 

「では、あそこの椅子で座ってお待ちください。順番が呼ばれ次第、こちらから案内します」

 

「はい!」

 

受付の人が教えてくれた椅子まで私たちは移動して腰掛ける。私の前で歌っている人も中々上手だ。

 

「では凛さん、ステージ裏に上がってください」

 

「はい」

 

先ほどの人が私の肩を叩いて小声で案内板してくれる。私は静かに返事をして体育館の端を歩き、舞台横の扉からステージ裏へと入る。

 

「出ました!得点は84.953点!残念ながらトップには立てませんでした!またの機会をお待ちしています!それでは次の方!どうぞ!」

 

司会者に呼ばれて私はステージ裏で受け取ったマイクを握り締めてステージへと飛び出す。

 

「これはこれは可愛いコスプレをした人が挑戦してくれました。名前をお願いします」

 

「奈津目凛です」

 

「それでは凛さん、早速ですが歌って貰いましょう、曲は水樹奈々で『ETERNAL BLAZE』です!それではどうぞ!」

 

・・・♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

体育館全体に響く『ETERNAL BLAZE』のイントロに合わせて私は歌いだす。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜

 

「ありがとうございました!!中々上手でしたよ!!」

 

「ありがとうございます」

 

「ところで少し野暮ですが、どうしてまたコスプレを?」

 

「(えっ?う、うまいことごまかそう・・・)明日、私の友達の手伝いでモンスターのコスプレをしてカフェを手伝いのです。今日はその宣伝も兼ねて」

 

「なるほど、モンスターのコスプレをしたカフェと言えば中等部2年合同でやっているあのカフェですね」

 

「そうです。私はジェムナイト・セラフィのコスプレをしています。皆さん、是非カフェに来てください」

 

「宣伝お疲れ様です。では、得点が出ました!得点は・・・・72.527点!残念ながらトップにはなれませんでした!またの機会をお待ちしてます!」

 

最初に入ったステージ裏とは反対側のステージ裏へと戻り、そこにいた裏方の生徒にマイクを返して私はステージ裏から出る。

 

「(う〜ん・・・・残念、得点は良かったけど、やっぱり90点越えは難しいわね)」

 

そう思いながら私は後で控えている律たちや春香さんたちの歌を聴くためにステージ前の席に座る。ステージにはすでに律が立っていて、紹介をされている。

 

「それではお願いします!曲は桜高軽音部の『翼をください』!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「お疲れ様でした!!いや〜〜、素敵な歌声でしたね!!」

 

「・・・・ありがとう」

 

「アレサ、やっぱり上手いな・・・・」

 

「そうだね」

 

すでにステージではアレサが歌い終わり、得点待ちとなっている。律は76.253点を出して、残念ながらトップに立てず。アレサは芽原実里さんの『優しい忘却』を歌った。

アレサは本当に歌うのが上手だな・・・今度、コツとか教えてもらおうかな。

 

「出ました!得点は・・・・92.186点!これは凄い!トップに躍り出ました!」

 

「やった!!アレサがトップだよ!!」

 

「凄いぜアレサ!!」

 

「・・・・嬉しい」

 

「では、アレサさん、後ろの王座の椅子にお座りください」

 

アレサが最高得点を出したことにより、ステージの後ろ中央にある手作り感満載の玉座に座っていた女の子が立ち上がってステージ裏へと下り、代わりにアレサがその玉座に座った。

 

「では、今後の挑戦者はアレサさんの92.186点以上を目指して頑張ってください!いよいよカラオケ大会も残り3人です!次の方!どうぞ!」

 

ステージ左側の端からライトさんがマイクを持って姿を現した。

 

「さっきからモンスターのコスプレをした人たちをよく見かけるのですが・・・・お仲間ですか?」

 

「えぇ、一緒に文化祭を回ってたまたま体育館のカラオケ大会に立ち寄りました」

 

「それはありがとうございます。では名前をお願いします」

「ライトニングです。長いですので、ライトで良いですよ」

 

「では、ライトさんに歌っていただきましょう。曲は坂本真綾の『マジックナンバー』!』

 

♪♪♪〜〜〜〜

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜〜〜♪♪♪

 

「ありがとうございました!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「凄いです!会場中から拍手が巻き起こってます!これは初めてでしょう!」

 

「まどか、うま・・・・」

 

「まどかさん凄い・・・・」

 

「アイドルなんだからこれくらいして貰わないと困るよ」

 

私や律が感激を受けているけど、私の隣に座っているライトさんは「これくらい当然だよ」と言わんばかりに平然としている。

ライトさんも上手だったけど、得点は90.953と僅かにアレサに及ばずに敗退した。そして次のまどかさん、曲は悠木碧さんの『プラチナ』。まるで自分の歌のように歌って、途中から会場全体で手拍子がなり始めるほどだった。

 

「さあ得点が出ました!得点は・・・・97.859点!これは高得点です!この地点でまどかさんがトップに立ちました!ではまどかさん、アレサさんに代わって王座の椅子にお座りください!」

 

高得点を叩き出したまどかさんがアレサに代わって玉座に座る。一方、負けたアレサは少し悔しそうな表情をしてステージ裏へと下がっていった。

 

「さあこれで挑戦者もあと1人となりました!最後の挑戦者はこの97.859点という高得点よりもさらに高得点を取らなければ優勝になりません!」

 

「お疲れアレサ」

 

「・・・・・悔しい」

 

「あれに勝つのはなかなか難しいよ」

 

ステージでMCが長い振りをしている間にアレサもステージ裏から出てきて、私たちの一つ後ろの列の椅子に座った。

「では最後の挑戦者、どうぞ!」

 

MCの振りでステージ裏から春香さんが出てきて、一度頭を下げる。

 

「ではお名前をどうぞ」

 

「天海春香です。親友のまどかさんに負けないように精一杯歌っていきます」

 

「おっと、どうやらまどかさんと春香さんは知り合いのようだ。これは実物ですね!では春香さん、お願いします!曲は何かの偶然でしょうか!同姓同名の歌手、天海春香で『I Want』!」

 

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪

 

『オオオ!!!!』

 

音楽がかかった途端、会場全体がどよめき出した。春香さん、ダンスを初めて、そのままダンスしながら歌い出したのだ。

 

「うっわ・・・マジかよ。しかも上手い・・・・」

 

「綺麗な声・・・・・」

「激しいダンスじゃないけど、息切れしないで歌っている」

 

「(やるじゃない春香ちゃん)」

 

そのまま春香さんはダンスをしながら歌い続けた。ガスタの疾風 リーズのコスプレをしているため、春香さんは右手に持っている杖もうまく使いながらダンスを続けた。途中から後ろの方で掛け声も上がり、本物のライブそっくりの状況を作り出した。

 

♪♪〜〜〜♪♪〜〜

 

「ありがとうございました」

 

『ワアアアアアア!!!!!!』

 

「これは凄い!!最後まで踊りながら歌い切った!!会場も大盛り上がりです!!これは得点が非常に楽しみだ!!さあ得点が出ました!!得点は・・・・98.175点!!決まりました!!優勝は春香さんです!!」

 

春香さんの優勝が決まったのと同時にステージ脇からパーンと大きなクラッカーが弾けて、沢山の紙テープと紙吹雪が春香さんの祝福のために舞う。

 

「では優勝した春香さんには優勝商品としてこちらの最新パックを1箱贈呈します!」

 

「ありがとうございます」

 

「ではこれにてカラオケ大会を終了します!皆様、参加・応援をしていただきありがとうございました!」

 

MCが最後の挨拶をすると、上から垂れ幕がゆっくりと降りてきて、ステージを見えなくしていった。私たちはステージ裏へと続く扉の前まで移動してまどかさんと春香さんの2人を待つ。

 

「あっ、来ました」

 

「負けちゃった・・・・」

 

「おめでとう春香!ダンスをしながら歌うなんて凄かったぜ!」

 

「・・・・本物のアイドルのライブに来た感覚」

 

「皆ありがとう」

 

「さすがにカラオケ大会でダンスをするなんて発想は無かったよ」

 

「私も椅子に座っている時は普通に歌おうと思ったけど、ステージ裏に立った途端に「いつもの私らしくやろう!」と思って、そうしたら自然とダンスを初めていたわ」

 

それでも凄かった・・・・・これがトップアイドルなんだな〜〜。

 

「じゃあ体育館の外に出て、皆でこのパックを開けましょう!」

 

「賛成!」

 

春香さんが貰ったパックを開けるため、私たちは次の項目の準備をしている体育館から外にでる。

 

 

凛 side out

 

 

ナハト side

 

 

「次は何処に行く?」

 

「金魚すくい、輪投げ、ピンボールとやってきて・・・・」

 

「今のところ、負け続けだからここらで挽回しないと」

 

私は遊夜っていう奴とライっていう奴のグループに混ぜて貰って文化祭を堪能、今は校舎内を回っている。ただ回るのも面白くないので、全員に「何か賭けて文化祭を回ろうぜ!」と提案、採用されて皆で行く先行く先、出し物で勝負をしている。今のところ、3回やって私とエルフィ、ライが1勝ずつ、最終的には勝ち数が少ないやつが全員に何か奢ることになった。

 

「今のところ私、良いところなしだよ・・・」

 

「愛梨ちゃん頑張っ!もし奢る羽目になったら私も払うから!」

 

「おっ!あそこに射的があるよ!」

 

「じゃあ次はあそこで勝負しよう!」

 

「良いぞ!今度こそ勝つ!」

 

アルフが見つけた射的の出し物のある教室に皆で行く。この射的場は教室の半分を使って、壁側に俺たちが並び、4、5m離れた商品を撃ち落とす感じだ。

 

「1回300円、1人5発ね」

 

「この射的場で一番の目玉は何かしら?」

 

「そうだね・・・・一番取られて困るのは上の段の大きな人形とか、真ん中の段のゲーム機とカセット、あとは下の段にの真ん中にあるカードたちだね。あのカード、レアカードでなかなか手に入らないから」

 

「じゃあ一番ポイントを高いのがあの大きな人形、次にゲーム機、その次にカセット、次にカード、それ以外はノーカウントね」

 

「分かった。まずは俺から、ここはあのゲームカセットを・・・・」

 

ライが銃にコルクを詰めて、真ん中にあるゲームのカセットに照準を合わせる。

 

パン!!

 

「アッ!外した!」

 

「惜しい惜しい。ちょっと照準を上にしすぎたな」

 

パン!!ガタン!!

 

「えっ!?」

 

「よし!」

 

ライが外したゲームのカセットをライの隣で射撃をしていた遊夜が落とす。

 

「悪いな。俺も奢るのは嫌だから本気で勝ちにいくぞ」

 

パン!!

 

「やった!!カードを落とした!!」

 

「やるじゃん愛梨ちゃん」

 

パン!

「あ〜、透かした」

 

「私も2発外れてしまったわ」

 

皆もそれぞれのポイントで射的を始める。私もここのスタッフから玩具の銃と5個のコルクが乗った皿を受け取る。ここはやはり・・・ポイントの高いあのデカイ人形だな。

コルクを銃の先端に詰めて、一番左上に構えるクマのぬいぐるみ、その中心からやや右腕の目玉に照準を合わせる。

 

パン!!!

 

コルクは私の思い描いた軌道を描いて人形にあたる。だけど、人形が重すぎるのか、少し後ろに下がっただけで落ちる事はなかった。

 

「あぁくそ・・・・」

 

その後も2、3、4発と当てていき、ちょっとずつだけど人形を後ろに下がっていくのが分かる。

 

「くそッ、結局何も撃ちぬけなかった」

 

「俺はカセット1本だ」

 

「僕とエルフィは駄菓子を1個ずつだからノーカウントだね」

 

「私はカード1枚!」

 

「となると、残りは私のこの1発ね・・・・」

 

ここであの大きな人形を落とせば・・・・えっ!?

「やった!!!クマの人形を落とせたよ!」

 

私の獲物であるクマの人形、それが台の上から消えてどこに行ったのかキョロキョロしていると、隣で日菜がクマの人形を持って大はしゃぎしていた。

 

「おお!!」

 

「日菜ちゃん凄い!!」

 

「こんな大きな人形を撃ち落とされるとは思わなかったよ」

「スゲェな・・・・」

 

「最後の一発を駄目元で当てたら落ちてくれたよ!」

 

「・・・・・・・・・・」

「ナハト?お〜いナハト?どうしたんだ?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「何で固まってるんだ?」

 

「さぁ?」

 

「まだ一発残っているよ。早く撃ちなよ」

 

「あ、あぁ・・・・・」

 

人形を奪われた悲しみを抑えて、私は小さな駄菓子を一つ撃ち落とした。

 

 

ナハト side out

 

 

空 side

 

 

「ごめんね・・・・お昼が遅れてしまって」

「大丈夫ですよ。これ逃したら参加出来なかったんですから」

 

「決勝までいったですぅ」

 

「・・・・・・当然」

 

私たちは運動場にあるある催し物に参加したアリスの応援のため、特設ステージの前に広がっている観客席の最前列に座っている。

アリスが決勝まで残る催し物・・・・それは。

 

「さぁ!!この大食い大会も残すは決勝戦のみとなりました!!決勝戦で戦ってもらうのはこの3人の選手です!!」

 

MCの振りで3人の出場者がステージに上がる。2人は大柄な男の人、もう1人はアリスだ。

はい・・・・・・アリスが大食い大会の参加ポスターを見つけて、「これに出たい!!」と言って参加したのです。予選、準決勝と2位に圧倒的な大差で勝ち上がったアリス。よほどのことがない限り、決勝戦も大丈夫だと。

 

「まずは選手紹介から行きましょう!去年のチャンピオンは今年も強い!!剛力選手!!」

「食うぞ!!!!」

 

「続いて、今年は剛力選手に勝てるか!!去年の準優勝、松平選手!!」

 

「負けないぞ!!!」

 

「最後に今年初参加で決勝まで2位以下を大差で勝ち上がった強者!!華奢な彼女のどこに強靭な胃袋があるのか!?可愛いトゥーン・マーメイドのコスプレをした女性、アリス選手!!」

 

『ウオオオオオ!!!!!』

 

『アリスちゃ〜〜〜ん!!!!!』

 

アリスが紹介された時だけ、後ろの方にいるこのアカデミアの男子生徒だけ歓声があがる。この大食い大会に参加した中で、女性はアリスともう1人のアカデミアの生徒だけ。しかもアリスは決勝まで勝ち上がったので、いつの間にか男子生徒による応援団みたいなものが出来てしまった。

 

「では準備をお願いします!」

 

3人がテーブルの前の椅子に座り、ステージ裏から3人の生徒がドームカバーをかけた大きなお皿を持ってきて、3人の目の前に置いた。

 

「決勝戦の料理はこれだ!」

 

MCの掛け声で後ろのビジョンにある食材の名前が写し出される。それを見た瞬間、私とリンネとゆまは「あっ!」と声を出してしまった。

 

「?どうしたのですか?」

 

「・・・・マズイ」

 

「えっ?マズイって何がマズイの?」

 

「・・・・アリスは超甘党で辛い物が全くダメなんだよ」

 

「「えっ!?」」

 

「決勝戦の料理は『担々麺』です!!辛さはごく普通の辛さですのでご安心を!!」

 

そのごく普通の辛さでもアリスは全くダメなんだって・・・・(汗)。ステージの上にいるアリスは絶望的な表情をしている。

 

「制限時間は30分です!よ〜い!」

 

ドン!!

 

太鼓の音がなって、男性2人は勢いよくドームカバーをとって、物凄いスピードで担々麺を平らげていく。一方、アリスはドームカバーこそとったものの、全く持って箸が進まない。

 

「おや?アリスさんの箸が止まってますね。ここにきてお腹が膨れてきたんでしょうか?アリスさん?」

 

「・・・・・わ、私、辛い物は・・・(涙)」

 

「おっと!!これはアリスさんにとっては予想外!!辛い物はまるっきり駄目なようです!!しかしこの決勝戦は担々麺しか用意されてないので、担々麺を平らげて貰う必要があります!!」

 

「う、ううう〜〜〜(汗)」

 

ようやくアリスが箸を持ち、麺を一本だけそそる。しかし、その一本でも大変だったのだろう。口に入れた瞬間にすぐにコップの水を飲み干した。その間にも他の選手は担々麺を2杯、3杯、4杯と平らげていく。

 

「さぁ試合開始5分で去年のチャンピオン、剛力選手はすでに熱々の担々麺を4杯完食!松平選手も3杯完食していますがチャンピオンに及びません!一方、辛い物が苦手と宣言したアリス選手は大苦戦!まだ担々麺を1杯も完食出来てません!」

 

「ちょっと・・・これ、かなりマズイよ」

 

「かなりどころか・・・・ハッキリ言ってアリスに勝ち目はないわね」

 

「・・・・・辛いものを克服する試練だと思えばいい」

 

「リンネさん・・・・苦手なものは苦手なんですからそんな無理矢理(汗)」

アリスには悪いけどリンネの言うとおりね。ここはアリスには最低でも1杯は食べてもらって、克服のチャンスを掴んでもらわないと。でもそんな私たちの気持ちとは裏腹にアリスの箸は全然進まずに刻々と時だけが過ぎていく。

 

「さぁ残り5分を切りました!剛力選手は担々麺を11杯も完食!12杯目も苦しみながらですが、ペースを落とさずに完食を目指します!そのライバル筆頭候補である松平選手は苦しい様子!9杯目から手が出ません!一方、もっと苦しいのはアリス選手!辛い物が苦手だというのは本当だったでしょう!まだ1杯も完食出来てません!これはアリス選手にとっては苦しい決勝となってしまいました!」

 

「(うぅ〜〜・・・・担々麺が冷めてしまって美味しくないし、辛いし・・・・もう嫌だよ(涙))」

 

「さぁ残り1分を切りました!優勝は剛力選手で決まりでしょう!アリス選手は担々麺を完食できるのか!?」

 

すでに後ろのビジョンにある時計は1分を切り、もうすぐで30秒も切る。

 

「さぁ10秒を切りました!・・・5!4!3!2!1!終了!!!優勝は担々麺を12杯平らげた剛力選手!!2連覇おめでとうございます!!」

 

勝った選手は机の前に移動して、MCにインタビューを受ける。一方、負けた2人はそのまま何も話すことも出来ずにステージ裏へと下がってしまった。ステージ上では優勝者のインタビューが続く中、アリスが泣き顔でこっちに帰ってきた。

 

「お帰りですぅ」

 

「ゆまちゃ〜ん、リンネ〜〜、空〜〜(涙)」

 

「・・・・・好き嫌いで食べるからこうなった」

 

「アリスには悪いけど、これを気に辛い物を克服してもらうから」

 

「うぅ〜〜・・・・もう辛い物は食べたくないよ(涙)」

 

「凄い泣いてますよ(汗)。よっぽど嫌だったんでしょう」

 

「アリスさん、あっちでソフトクリーム買ってきますので一緒に食べましょう」

 

私たちとは対照的に蛍さんやロアさんは優しく、泣いているアリスを慰めた。

 

 

空 side out

 

 

駆 side

 

 

「お師匠様♪次はあそこに行きましょう」

 

「は、遥ちゃん!引っ張らないで!」

 

「遥ちゃん・・・・元気ね」

 

「わ、私・・・・疲れた(汗)」

 

遥ちゃんに引っ張り回されて、ちょっと疲れています(汗)。ブラック・マジシャン・ガールのコスプレをした遥ちゃんがブラック・マジシャンにコスプレをした俺のことをさっきから「お師匠様♪」と連発。しかもどんな状況でも言うので、周りから凄い目で見られている(汗)。

 

「ねぇ駆・・・・さすがにお昼ご飯を食べに行かない?」

 

「・・・・そうだね。もう12時を過ぎているし、確か食堂がカフェで」

 

「お師匠様!私あそこに行きたいです!」

 

「ん?」

 

遥ちゃんが指を指す先を見ると、「ハンバーガー」と掲げた教室が見えた。

 

「あれが良いの?」

 

「うん!」

 

「留姫と美菜も大丈夫?」

 

「私は大丈夫」

 

「私も!ハンバーガー食べたい!」

 

「じゃあハンバーガーにしよう」

 

ちょうどお昼ご飯を食べたいと思っていたから丁度良いね。遥ちゃんが行きたいと行ったハンバーガーの出し物はそこまで人も並んでいないので、すぐに注文することができた。

 

「いらっしゃいませ、お客様は何人ですか?」

「4人です」

 

「はいよ!セット4つ!!」

 

「えっ・・・・メニューって一つしかないのですか?」

 

「このハンバーガーショップは、食堂名物ドローパンをハンバーガーバージョンにしているハンバーガーショップなんだ」

 

ドローパン?・・・・・・あぁ、GXであったあのパンのことか。

 

「・・・・・・ドローパン?」

 

「何それ?」

 

「えっ?ドローパン知らないの?」

 

「あっ・・・・俺たち、違う学校に通っているので」

 

「あ〜、それじゃ知らなくても当然だね。ドローパンっていうのはアカデミア名物のパンで、大量にある同じパンの中から自分の直感でパンを選ぶんだ。パンの具材は袋を開けて、食べるまで何が入っているのか分からないんだ。まさに、自分のドロー力を占うパンなんだ」

 

「へぇ〜〜」

 

「ちなみにその大量にあるドローパンの中で最高の具材が黄金の卵パン、2万個近くあるなかで1個しか存在しないんだ」

 

「私食べてみたい!!」

 

「残念ながら黄金の卵は手に入れないから、代わりにちょっとした高級食材を入れているよ」

「おおい!!飲み物何なんだよ!?」

「あ〜悪い!!飲み物何かな?」

 

「私ファンタメロン!」

 

「私はコーラ!」

 

「私は・・・・アップルジュースでいいや」

「俺は・・・・・ファンタグレープで」

 

「ファンタメロンとファンタグレープとアップルとコーラ!!」

 

「は〜い!!」

 

「1人500円で2000円よ」

 

「はい」

 

お財布から2000円を出す。注文は直ぐにきて、トレーの上にハンバーガーとそれぞれ注文した飲み物、ポテトフライとケチャップがついてきた。

 

「料理はこのなかで食べてよね」

 

「分かりました」

それぞれ、注文した飲み物が乗ったトレーを持って、円形のテーブルが空いていたのでそこに座る。

 

「ドローパンなんて私たちのアカデミアには無かったよね」

 

「そうね・・・・食堂は普通のメニューしかないし」

 

「ねぇねぇ!!誰からハンバーガーを食べる!?」

 

「それじゃまずは俺からいくよ」

 

俺のトレーに乗っている袋に包まれたハンバーガーを手に取る。持った感じ、そこまで重くは感じない。ハンバーガーに包まれた袋を取る。パンとパンの間はレタスで包まれていて、何が入っているのか全く分からない。

 

「中はこんな感じで見えないよ」

 

「へぇ〜、綺麗に包まれているわね」

 

「早く食べてみてお師匠様!」

 

「分かった分かった」

 

遥ちゃんに急かされて、俺はハンバーガーを一口食べる。しばらく会釈をして俺は「うっ!」と吐きそうになった。

 

「・・・・・・・・・」

 

「?どうしたの駆?」

 

「いや・・・・・・(汗)」

 

「?何か不味い食材でも入っていたの?」

 

「・・・・・・・ミートソースのスパゲティ(涙)」

 

「「「あ〜〜・・・・・(汗)」」」

 

口にした瞬間のあの食感とトマトケチャップの味、キャベツの中に入っていた具材を見て確定した。俺の具材はミートスパゲティだ。

 

「駆ってスパゲティ嫌いって言ってたわね・・・」

 

「・・・・・残していいかな?(涙)」

 

「お師匠様、ダメに決まってるよ」

 

「可哀想だけど、食べ物を粗末にしちゃいけないから完食しなきゃダメだよ」

 

マジで・・・・・嫌なんだけど(涙)

 

「まぁでも大体わかったわね。それじゃ次は私が頂こうかしら」

 

俺が必死にファンタグレープで飲み込もうと頑張っている時に留姫がハンバーガーを一口食べる。

 

「・・・・・・・」

 

「留姫お姉さんは何が入っていたの?」

 

「・・・・・・ご飯」

 

「えっ?」

 

「だからご飯(汗)。味がない」

 

やっとの思いで口に残っていたスパゲティを胃の中に沈める。その時に留姫が皆に見えるように自分のハンバーガーの中身を見せる。キャベツの中には確かに白いご飯があった。

 

「これだったら駆のスパゲティの方がまだマシね」

 

「交換する?」

 

「・・・・そうね。そうしましょう」

 

俺はスパゲティが嫌いで、留姫は味を求めたため交渉が成立。お互いのハンバーガーを交換した。

 

「(・・・・あれ?これってお兄ちゃんと留姫お姉さん、関節的にキスしているよね?)」

 

「普通にこれ美味しいじゃない」

 

「俺には無理」

 

「(・・・・黙っていた方が面白そうね)じゃあ次は私!」

 

俺と留姫のハンバーガーの中身を見て、次は遥ちゃん。ハンバーガーの包み紙をとって、一気に被りついた。

 

「(モグモグ・・・・・)?何だろう・・・・これ?お師匠様、これ分かる?」

 

食べただけじゃ分からない遥ちゃんが俺にハンバーガーの中身を見せてきた。キャベツに包まれていたのはお肉のような太さがあり、見た目は魚のような肝のようだ。

 

「・・・・・・これ、ひょっとしてフォアグラじゃないかな?」

 

「フォアグラ?」

 

「キャビア・トリュフと並んで世界三大珍味って呼ばれているのよ。超高級食材だわ」

 

「ふ〜ん・・・・・あんまり美味しく感じない」

 

「フォアグラはダチョウやアヒルの肝臓だから、遥ちゃんの口には合わないかもね」

 

「これが高い食材だなんて信じられない〜〜」

 

「じゃあ最後は私ね!」

 

最後になった美菜は勢いよく包み紙を破いて、豪快にハンバーガーを一口食べる。そして、食べて一口食べ噛んだ瞬間に椅子を後ろに蹴飛ばして飛び上がるように立った。

 

「か、かっら〜〜〜〜〜い!!!!!!!!!!」

 

「み、美菜!?」

 

「み、水!!!!!ヘルプ!!!!水〜〜〜〜!!!!!!!」

 

そのまま美菜は立ち上がってのたれ回る。何が入っていたのか、俺たちは美菜のハンバーガーの中身を見る。

 

「・・・・・うわっ、ハバネロだよ(汗)。しかも大量にある」

 

「こんな小さなハンバーガーによくこんなに詰め込めたわね(汗)」

 

「美菜お姉さん、相変わらず当たりを引くね・・・(汗)」

 

「辛い辛い辛い辛い!!!!!!!みず〜〜〜〜!!!!!!!」

 

すでに美菜はコーラを飲み干してしまったため、コーラで薄めることは出来ない。ありがたいことにここを担当している生徒が2ℓのお水のペットボトルを持ってきてくれたので、美菜はそれをがぶ飲みしていく。

 

「(ゴクッ、ゴクッ・・・・・)プハァ〜〜〜〜、し、死ぬかと思った・・・・・(汗)」

 

「豪快に食べるからそうなるのよ」

「だって3人の食材を見たら、ああやって被り付きたくなるよ・・・ハンバーガーだし。うぅ・・・これ捨てよう」

 

「何言ってるの?ちゃんと食べないと」

 

「えっ?」

 

「だって、食べ物を粗末にしちゃいけないって言ったのは美菜でしょ?」

「・・・・・・・・・・・・」

 

「「((駆(お兄ちゃん)、根に持ってたんだ・・・・(汗)))」」

 

「う、うぅ〜〜〜〜(涙)」

 

あの時、ちょっとムカついたのでスパゲティの仕返しを美菜にした。美菜は泣きながら自分の言ったことを悔やんでまたハンバーガーを口にした。俺は心の中で笑みを浮かべながら、ご飯のハンバーガーを食べていった。

 

 

 




遊輝「ふわぁ・・・・叩きおこすなよ」

慧音「お祭りみたいなものか。生徒が店主をやるとは」

アリス「なかなか面白そうじゃない」

遊輝「俺、去年忙しかったからそんな楽しむなんて余裕全くなかった」

慧音「何をしていたんだ?」

遊輝「初日ライブ、2日目黒歴史、3日目覚えてない」

アリス「・・・・・初日しかまともなことを言ってないじゃない」

慧音「次は文化祭の初日の最後の話だ」

遊輝「2Days 公演の最終日だよ。【混沌文化祭 初日 後半 LIVE FES in Fantasy World Day 2】」

アリス「次回もよろしくね」


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第116話 混沌文化祭 初日 後半 LIVE FES in Fantasy World Day 2 ☆

今回はちょっと初めての試みをやってみました。これ、やるのに1つは1年近く考えました。もう一つはわずか2時間で出来た・・・何、この差!?


*・・・・今回は、後書きを最後までご覧ください。

【ランキングは作者の独断と偏見、セットリストの雰囲気に合うように決めました】


龍可 side

 

ガラガラ

 

「たっだいま〜〜」

 

「お帰り〜〜」

 

「・・・・・何で俺がニジマスの処理なんかを」

 

「遊輝しかこういう内臓の処理なんて出来ないよ」

 

文化祭巡りが終わって、軽音部の部室の隣の部屋に戻る。すでにほとんどの人が文化祭を巡り終わって、部屋でトランプやすごろくゲーム、部室に入ってゲームをしている人もいる。しかし、遊輝は何故か部屋の外にあるキッチン(ライブの時に簡単に調理できるように設置された)でなぜかニジマスを捌いていた。

 

「どうしたのよ、この大量のニジマス」

 

「望美さんが大量に取ってきたんだよ。60匹あったかな?」

 

「どうしてそんな大量のニジマスを?」

 

「なんか・・・・金魚すくいならぬニジマスすくいがあって、そこで仕入れたとか」

 

「二、ニジマスすくい?」

 

「あ〜あ〜、あったあった。やろうとしたけど、ニジマスが無くなって初日の営業終了していたな」

 

遊輝が答えたことに龍亞が納得したような表情を浮かべて、恭輔も頷いた。確かに、そんな屋台あったわね・・・・私たちが行った時はお昼過ぎだったけど、その時にはほとんど無くなっていたわね。

 

「せっかく望美さんが大量に持ってきたんだから、遊輝に捌いてもらって、あとで皆で塩焼きにして食べようって。1人1本、運が良ければ2本だね」

 

「おかげでもう・・・・大変なんだからね。はい、これで終わり」

 

全てのニジマスを捌き終えた遊輝。ニジマスの入ったトレイを持って、ライブスタッフの給湯室に行った。

 

「文化祭どうだったの?」

「今年も特に、強いて言うならちょっと変わった物が増えた感じはする」

 

「そうだよね、ニジマス釣りとかなかったし」

 

「はああああ!?!?革命返し!?」

 

「はい、上がり」

 

「遊夜、都落ちね」

 

「おっと!」

 

「あっ!避けた!!」

 

「止めだ!!」

 

「吹っ飛ばされた〜〜〜!!!!!」

 

「み、皆さん元気ですね・・・・」

 

「そうだね。私はちょっと歩き疲れたよ・・・」

 

ライブまで時間があるし、少しお昼寝しようかな・・・・この格好のまま寝ないといけないのは辛いけど(汗)

 

 

 

〜〜(同日 午後6時前)〜〜

 

 

 

ガヤガヤ・・・・・・

 

結局、あの後昼寝しちゃった・・・・起きて少し寝ぼけていた時に、みんなに「龍可ちゃん、寝顔可愛いかったよ」っていわれたときは顔が真っ赤になってしまった。目の前のステージは昨日は無かった大きな黒い幕で中央のメインステージだけ見えないようにされてある。

 

「昨日見たけど、やっぱりこの人数はすごいな・・・・・」

 

「いつ見ても圧巻されますよね」

 

「安いっていうのも魅力ですよね。普通にライブ行こうと思ったらこの規模クラスの会場だと最低でも5000円以上必要なのに、1枚500円ですから」

 

「ところで・・・・・何でタオルなんて配っていたのかしら?」

 

「昨日は熱くなるからって団扇だったよね。正直、この服着替えられないからタオルの意味あんまり無いんだけど」

 

「演出に使うからじゃないでしょうか?」

 

『ただいまより、LIVE FES in Fantasy Worldの公演を開催します』

 

パチパチ!!!!!

 

『・・・・・・ガヤガヤ・・・・・・』

 

アナウンスの後、観客の拍手と共に黒い幕に映像が流れる。プロジェクトマッピング技術の進歩を応用したものみたい。

そこに写っていたのは昨日見た映像に出てきた少年が大きく成長した姿だ。立派な大人になった彼はスーツを着て普通に仕事をして、普通に生活をしていた。

 

 

『何気ない日常 何気ない景色

今日も退屈な日々が終わり家路へと辿る道

いつも歩いている道を見て「つまらない」とつぶやく』

 

 

 

日常的な生活が流れたまま、映像に文字が見え、それと同じことをマイク越しで誰かが語るように話してきた。

映像は普段、彼が歩いている一本道に映像が変わる。

 

 

 

『そんな時に目の前に現れた2つの道、

一つは明るく太陽が照らされた道、もう一つは暗く月が輝く道

 

明るい道を選ぶ人、暗い道を選ぶ人、または何かを思い出して自分が歩いた道を戻る、それぞれの選択肢があるだろう』

 

 

 

映像に流れる文字、アナウンスの声の通りに映像は流れる。彼の目の前には2つの道があり、彼の後ろにも1本の道がある。

 

 

 

『しかし、それ以外に「道」があるとしたら?それ以外にも人が進むことができる「場所」があれば?

 

それは誰も通ったことないし整備されていない。「そんな危険な場所に行きたくない」・「誰もいない所に行きたくない」、否定的な心があなたの心を埋め尽くし、行かないことだろう。

 

しかし、そこには今までにないものがあるかもしれない。現実からかけ離れている世界がある可能性もある。

「つまらない」とつぶやいたあの退屈な日常から脱却できるかもしれない。そんな期待が否定的な心を塗り替える。』

映像に映った2本の道、その間に新しい、何もない道が現れる。その道の先は闇に生まれて何も見えてない。だけど、映像に映っている彼はその道へと歩みだした。

彼がその道を歩いていくと、一筋の光が見えてきた。

 

『誰も通ったことも歩いたこともない道・・・・・・・それは未知なることが広がる世界への架け橋・・・・・それは人類が想像もつかないような生命(いのち)が存在する世界への架け橋・・・・・・

 

あなたの冒険心が新たなる道、新たなる世界を作り出す・・・・・・・

 

さぁ、勇気をもってかけりだそう・・・・・現実から離れた Fantasy worldへと・・・・・』

 

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜!!!!!

 

《オオオオ!!!!!》

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜

 

映像が終わると同時に、音楽が流れ始め、幕が落ちた。そこには、すでにステージに立っていたメンバーが演奏を始めていた。照明はまだ暗くて、前に立っている奏さんぐらいしかはっきりと見えない。

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・・・・

 

1番のBメロが終わったところで、歌詞に合わして電車からジェットコースターに乗った人が一点の場所を目指して走って行った。

 

・・・・・♪♪♪♪〜〜〜〜!!!

バーーーン!!!!!

 

《オオオオオ!!!!!!》

 

1番のサビに入ってる奏さんが歌ったところで、ステージの前で大きな爆発が起こる。それによってステージ全体に照明が点いた。

 

 

 

1 fantasy 【Mr.Children】

 

2 BLUE BIRD 【浜崎あゆみ】

 

3 さくらんぼ 【大塚愛】

 

 

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪!!!!!

 

《イエエエ!!!!!!》

 

『こんにちは〜〜!!!!』

 

《こんにちは〜〜!!!》

 

《奏さ〜〜〜ん!!!!!》

 

メインステージの真ん中で奏さんがマイクを持って1人前に出る。遊輝やレミさんはスタッフから別の楽器を受け取って、中央から少し移動している。

 

『え〜、SECRETのLIVE FESにようこそ!!』

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

《遊輝さ〜〜ん!!!!》

 

《レミさ〜〜〜〜ん!!!!》

 

『ちょっと黙ってくれないかな?(汗)次に行けないから』

 

《アハハハハハ!!!》

 

『昨日もそうだけど、人多いよね・・・・後ろ見える〜〜??』

 

《イエエ!!!!》

 

『声が小さいけど、元気!?』

 

《イエエエ!!!!!!》

 

『両側のスタンドも元気!?』

 

《イエエエエエエ!!!!!!》

 

『真ん中も元気!?』

 

《イエエエエエエ!!!!!!》

 

『前も元気!?』

 

《イエエエエエエ!!!!!!》

 

『・・・・・・ね(汗)、ちょっとそこのカメラさん、反転して一番前のお客さん達を取って』

 

奏さんの指示で、奏さんを写していたカメラマンはカメラを反転させる。そして画面には私たちの姿が・・・・・

 

「えっ!?」

 

「嘘だろ!?」

 

《アハハハハハ!!!!!》

 

『ねぇ〜〜、何があったの一体?(汗)。一応、私たちのクラスの催し物に関係しているから、自分たちの宣伝を出来るんだけどさすがにこんなところではしないわよ(汗)』

 

《アハハハハハ!!!!》

 

『ごめんね、前の人。カメラさん、もう良いわよ』

奏さんの言葉を受けて、カメラさんは元の位置に戻る。

 

「うぅ・・・・映るなんて聞いてないよ・・・」

「俺の・・・・俺の格好が・・・・」

 

「何言ってるのよエフェクト・ヴェーラー、もうすでに周りに周知されているでしょう」

 

『今日は昨日のFantasy Worldの続き・・・・昨日、映像に映った少年が成長して、社会人としての生活に詰まらなくなってまたこの不思議な世界にきた・・・・そんなテーマでやって行こうと思います。それでは次の曲いくよ!!』

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

『1〜〜・2〜〜・1〜・2〜・3〜!!!』

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

奏さんの振りでスバルさんがバチを大きく叩いてリズムを取る。キーボードとドラム音から始まったその曲は夏らしい疾走感のある曲だ。

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

4 マイサンシャインストーリー 【いきものがかり】

 

5 君に出会えたから 【miwa】

 

6 世界で一番暑い夏 【プリンセスプリンセス】

 

7 ありがとう 【FUNKY MONKEY BABYS】

 

8 CAN YOU CELEBRATE? 【安室奈美恵】

 

9 Secret of my heat 【倉木麻衣】

 

 

 

 

♪♪♪♪〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!

 

倉木麻衣さんの【Secret of my heat】が終わり、観客が拍手が起こるなか、ステージの照明は落ちる。うっすらと見えるなかで、茜さんはパーカッションからギターを手に取り、響さんのピアノのメロディが会場に響く。

 

♪♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

《オオオオ!!!!!》

 

響さんのピアノのメロディは会場全体に歓声が上がる。このバンドグループでもあまりやらない、レゲエやヒップホップに近いJーPOPの曲が流れ始めた。

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

いつの間にかステージの橋に移動した奏さんにスポットライトがあたり、奏さんが一番の歌詞を歌い、そして一区切りしたところでステージの反対側に指をさす。

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

《オオオオ!!!!!》

 

奏さんが指を指したステージの反対側にスポットライトが当てられて、そこにいた遊輝がマイクを持って歌う。これを見て、観客は歓声を上げた。だって、奏さんと遊輝の本格的なデュエットは初めてだから。

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

 

 

10 キセキ 【GReeeeN】(奏&遊輝)

 

11 宙船 【TOKIO】

 

12 Bi-Li-Li Emotion【Superfly】

 

13 ray 【BUMP OF CHICKEN】

 

14 うれしい!たのしい!大好き!【DREAMS COME TRUE】

 

 

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜!!!!

 

《イエエエエエエエエ!!!!!!》

 

中盤に入ってテンポの良い曲を途切れることなく演奏し続けた。ここでスタッフが出てきて、メインステージの真ん前で椅子やマイクスタンドの準備を始める。その間に響さんやスバルさんもキーボードやドラムから離れる。

 

『ちょっと準備に時間がかかるからここでメンバー紹介をするね。ドラム、遊戯スバル!』

 

パチパチ!!!!

 

『キーボード、小野寺響!』

 

パチパチ!!!!

 

『ギター&パーカッション、栗城茜!』

 

パチパチ!!!!

 

『ベース、葵レミ!』

 

パチパチ!!!!

 

『ギター&ヴォーカル、遠藤遊輝!』

 

パチパチ!!!!

 

『そして最後、私、ヴォーカル&ギター、水野奏です!』

 

パチパチ!!!!!

 

《奏さ〜〜ん!!!》

 

《スバルさ〜ん!!!》

 

奏さんが全員の自己紹介を終えたところで、スタッフが椅子やマイクスタンドの設定を終えた。そこに左から響さん、茜さん、遊輝、奏さん、レミさん、スバルさんの順番で座っていく。レミさんはエレキギター、遊輝はハーモニカ、奏さんはタンバリン、それ以外の人たちは皆、スタッフからフォークギターを手にした。

 

《何するの〜〜!?》

 

『まぁまぁ・・・・珍しいでしょ?こうやって6人がライブの途中で前に出るの?』

 

《確かに!!!》

 

《茜さ〜ん!!!》

 

『え〜とね・・・・私がね、一回で良いからこういう感じで演奏してみたいって言ったのよ。皆でこうやって、前に出て、皆で歌う、みたいな』

 

《オオオオオオオ!!!!!》

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

奏さんの提案に観客全員が歓声をあげて、拍手をする。この拍手はおそらく、賛成という意味を込められていると思う。

 

『ありがとね、だから普段、ドラムやキーボードをやってもらってる響やスバルにもギターを持ってもらったのよ』

《何歌ってくれるの!?!?》

 

《どんな歌〜〜!?!?》

 

『そこなんだけど・・・・・何曲かチョイスはしたけど、どれもしっくりこなくてね。だから・・・・・・私が歌を作って』

 

《オオオオオ!!!!!》

 

《どんな歌なの!?》

 

『待って待って(汗)。私が歌を作って、レミが作曲した、いわゆる・・・・・バンド、SECRETのオリジナルの曲です』

 

《オオオオオオオ!!!!!》

 

奏さんの言った発言が会場全体に驚きの声を上げた。

 

「し、師匠達、いつの間に曲とか作っていたのですか?」

 

「お、俺も知らねぇぞ」

 

『皆、初めて聴く曲だし、歌詞とか分からないから画面にカラオケ風に乗せてみたわ。多分、もう二度と歌わないわよ』

 

《エエエエエ!!!!!》

 

『素人丸出しの歌詞だから、許して(汗)。もしよかったら歌ってみてね』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『それじゃいくよ、曲名は【何気ない日常】』

『1・2・3』

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

レミさんの合図でフォークギターを持った3人が合わせるように一定のリズムでギターを弾く。それに調和するようにレミさんのエレキギターが奏でられ、途中から追うように遊輝のハーモニカと奏さんのタンバリンの音が入ってくる。この曲はゆっくりとしたリズムで、優しい雰囲気がする。気楽な感じで奏でる皆に、私たちも手拍子を初めて、そのリズムに合わせる。最初に歌ったのはレミさん、そこからスバルさん→響さん→茜さんと普段はあまり歌わない人が歌い始め、Bメロのサビ前のワンフレーズだけを遊輝と奏さんが一緒に歌い、サビは全員で歌った。

 

 

 

『今まで大したこともせずに 何気なく過ごしてきたけど

「今まで通りに 過ごしたらいいなぁ」 そんなことを気ままに話していた

 

どこに旅立とうとも 帰る場所はここにあるから

これから先も考えずに 行こうよ行こうよ自分を探して

 

ケンカして笑いあって生きてきたんだから

やりたいことをやりたいようにやってきたんだから

今までもそうやって生きてきたんだから

これからもそうやって生きていこう』

 

 

 

『ヘイ響!!!』

 

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜

 

《オオオオオ!!!》

 

響さんのギターソロが始まり、その腕前に全員が驚いた。ピックを使わずにベースのような持ち方に指を変えて、1本1本の弦を滑らかに、しかも凄い早さで弾いていく。普段、キーボードをやっている響さんが笑顔で、何のためらいも無く、普通にギターを演奏しているのだ。しかも凄い上手。

 

♪♪♪〜〜〜〜〜〜♪♪♪〜〜!!!!

 

『スバル!!』

 

♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜♪♪

 

先ほどの響さんとは対照的にスバルさんはピックを使って、ゆったりとしたメロディを奏でる。響さんほど早く弾けないけれども、普通にギターを弾けることに私たちはただ驚くのみだ。

♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜

 

『茜!!』

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜♪♪♪♪♪♪♪

 

ギターをやっている茜さんは他の二人とは違って、リズムを一定にするのでは無く、ところどころリズムを変えながら尚且つメロディを崩さないようにしている。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜!!

 

『レミ!!』

 

♪♪〜♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜

 

今までの3人とは違い、エレキギターを持っているレミさんはゆっくりとピックで弦を弾く。スローペースに弾く感じが曲とマッチして良い。

 

♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

『遊輝!』

 

♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

ハーモニカを持っている遊輝は口にハーモニカを持ってきて、一生懸命にハーモニカを弾いている。正直な、そこまで上手いとは感じないけど、自然に弾くことは出来ている。

♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

 

『ヘイ!』

 

『行こうよ 行こうよ 自分を探して

 

ケンカして笑いあって生きてきたんだから

やりたいことをやりたいようにやってきたんだから

これから先がどうなるかだなんて分からないんだから

これからもこの先もよろしくね

 

「今まで生きてきた中で 一番の思い出は何?」

そんなこと直ぐには答えられない

だから これからも思い出を作っていこう

 

行こうよ行こうよ 何気ない日常へと』

 

 

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜〜〜〜!!

 

パチパチパチパチ!!!!!!!!

 

♪♪♪!!!

 

歌が歌い終わり、皆で余韻を残しながら音を出す。その時に観客は拍手をする。そして、最後にレミさんがギターを上から下へ振るとピタリと音が止まる。

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

『ありがとうね』

 

観客が歓声をあげて、それに奏さんがお礼の返事をして答える。その間にスタッフが出てきて、椅子の撤去を始め、響さんやスバルさんはキーボードとドラムの位置に戻る。レミさんはベースに、茜さんはエレキギターに持ち替える。奏さんもマイクをマイクスタンドに直したあと、エレキギターを受け取って、一人、ステージの前に出た。

 

♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜〜〜

 

ステージの照明が落とされて、スポットライトが奏さんに当てられ、奏さんはエレキギターでギターソロを始めた。

 

♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

さっきまでの緩やかな曲調とは違い、エレキギターを使ったロック系のイントロを弾いている。しかし、重いヘビー系のハードロックではなく、私たちでも馴染みやすそうな軽い感じのロックだ。

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜!!!!!

 

1分近く演奏した奏さんのギターソロ、最後に奏さんが頭を下げると拍手が沸き起こる。スポットライトが奏さんに当てられたまま、もう一つのスポットライトがマイクスタンドを持った遊輝に変わる。

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

《オオオオオ!!!!!!》

 

遊輝の叫ぶような歌い出しにより、会場は歓声を上げる。こんなに叫ぶようような歌い方でも音程が何一つズレていない。

♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

 

 

16 熱き鼓動の果て 【B'z】

 

17 アポロ 【ポルノグラフィティ】

 

 

♪♪〜〜♪♪〜〜!!!!

 

《イエエエエエエエエ!!!!》

 

曲が終わり、観客が色々と歓声を上げる中、遊輝はスタッフからフォークギターを受け取る。

 

『え〜、盛り上がってる?』

 

《イエエエエエエエ!!!!》

 

『良いね良いね!!』

 

《イエエエエエエエ!!!!》

 

《遊輝さ〜〜ん!!!》

 

『それじゃ次の曲・・・・・なんて言えば良いかな?こうやって歌を歌うアーティストの気持ちを代弁した歌です』

 

♪♪〜〜・・・・・・♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

軽くギターを確認した遊輝、そのまま自分のテンポで次の曲の演奏と歌い出しをする。

 

 

 

18 歌うたいのバラッド 【斉藤和義】

 

19 ボクノート 【スキマスイッチ】

 

20 Happiness 【嵐】

 

21 生きてく強さ 【GLAY】

 

 

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜!!!

 

《ワアアアアアア!!!!》

 

『フゥゥゥ〜〜〜!!!!!』

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜!!!!!

 

曲が終わり、遊輝がマイクで息を吐いたところでリズムとテンポが変わる。前の曲よりも速いテンポになって、観客の気持ちも早く早くという気持ちになっていく。

 

『声を出して行けよ!!イエエエ、イエ!!カモン!!』

 

《イエエエ、イエ!!》

 

『イエエエエ、イエ!!』

 

《イエエエエ、イエ!!》

 

『イエエ、イエ!!ハイ!!』

 

《イエエ、イエ!!》

 

『イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!』

 

《オオオオオオ!!!!》

 

遊輝と観客による掛け声が行われて、最後に遊輝の長ロングのシャウトに、観客の歓声と拍手が送られる。

 

『エエエエエエエ!!!!!カモン!!!』

 

♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜!!!

 

『ウッ!!!』

 

バーーーン!!!!!

 

《オオオオオ!!!!》

 

バーーーン!!!バーーーン!!

 

奏さんのギター演奏から始まり、途中で遊輝がステージの中央で足を蹴る仕草をすると、そこから両端に向かって爆薬が連鎖するように爆発して、両端に着くと花火が打ち上がった。

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪〜〜

 

 

22 愛のバクダン 【B'z】

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜!!!!

 

《イエエエエエエエ!!!!!!》

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

曲のテンポがさっきの曲よりも遅く、明るい感じの曲になる。遊輝が手拍子をして、観客も同じリズムで手拍子をする。

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

『盛り上がっているか〜〜!!!』

 

《イエエエエエエエ!!!!》

 

『それじゃラストの曲行くぞ!!』

 

《イエエエエエエエ!!!!》

 

『昨日発表した海外ランキング1位の曲だ!!行くぞ〜〜!!!!』

 

♪♪♪!!!♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

ピアノの音が強くなっていき、遊輝が声を上げると、聞き慣れたメロディが流れ始めた。この曲は、海外公演で遊輝が歌った、そのアーティストの定番曲だ。このメロディが聞こえた途端に、観客のボルテージは一気に跳ね上がった。

 

23 innocent world 【Mr.Children】

 

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

最後の曲が終わり、遊輝は頭を下げる。レミさんと奏さんは楽器をスタッフに渡して先にステージ裏へと下がった。

 

『ありがとうございました!!』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

遊輝が最後の挨拶を終えて、マイクをマイクスタンドに戻してステージ裏へと下がっていった。

 

「昨日見たばっかだけど・・・・今日の方が凄かった」

 

「昨日も昨日で気合を入れていたのだろうけど・・・・今日は気合いが全然」

「今日にかける思いが皆凄かったわね・・・・」

 

《・・・コール!!アンコール!!アンコール!!》

 

ライさんや蛍さん、空さんなど、色んな人が今回のライブについての感想を述べている中、すぐにアンコールの声が始まった。龍亞やナハトさんなどもアンコールを連呼している。

 

《アンコール!!アンコール!!アンコール!!》

 

「よく喉を枯らさないわね・・・(汗)」

「私、声を出しすぎて・・・」

 

「わ、私も肩が・・・・」

 

「・・・・運動しないから」

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

パチパチパチパチ!!!!

 

皆さんが色々と言う中、早めに戻ってきたメンバー。レミさん、茜さん、遊輝はスタッフから楽器を手にとって、奏さんがマイクを手に取る。

 

『え〜、アンコールありがとうございます!』

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

『こうやって、毎回毎回アンコールをされると、やっぱり嬉しいですね。また聞きたい、そんな思いが皆さんから伝わってきます』

 

《ワアアアアアア!!!》

 

『それじゃアンコールに答えてやりたいと思います。昨日、発表したもう一度やってほしい曲のランキング、昨日は10位から4位までやりました。今回は3位から順に発表していきます』

 

パチパチ!!!!

 

『それじゃ3位行くよ!!』

 

・・・・♪♪〜〜

 

《オオオオオ!!!!》

 

奏さんの3位行くよから流れ出たメロディ、誰もが知っている超有名な曲のメロディが会場全体に流れて、観客のボルテージは再びマックスまで上がる。

 

『ウルトラソウル!!ウルトラソウル!!!!』

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜

 

 

24 ultra soul 【B'z】

 

♪♪〜〜♪♪♪!!!

 

『ウルトラソウル!!』

 

《ハイ!!!!!!》

♪♪〜〜♪♪♪♪♪〜〜〜

 

【ultra soul】が終わり、奏さんが後ろに下がって、ペットボトルを飲んでいる間に遊輝が前に出て、ギターソロを始めた。

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

奏さんの時とはメロディを変えて、少し重めのメロディとなっている。しかし、それが逆に私たちの心にズシンとのしかかって、残りやすい。

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜!!!!

 

『2位!!!!!』

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

《オオオオオ!!!!》

 

遊輝のギターソロが終わり、奏さんの叫び声で、遊輝のソロから始まった。このメロディを聞いた瞬間、観客全員が来場前にもらったタオルを天に突きつける。奏さんもステージ前のカメラマンからタオルを投げられて、それを受け取る。

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪!!!

 

 

 

25 イケナイ太陽 【ORANGE RANGE】

 

 

 

♪♪♪〜♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪!!!♪♪♪!!!

 

《イエエエエエエエ!!!!》

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

『フゥゥゥ〜〜!!!元気〜〜!?!?』

 

《イエエエエエエエ!!!!》

 

【イケナイ太陽】が終わり、再び響さんのキーボード主体のメロディとなる。奏さんはペットボトルを口に含んだあと、すぐにマイクを持って観客との掛け合いが始まった。

 

『それじゃ、1位の曲行くよ!!』

 

《イエエエエエエエエエエ!!!!》

『シー!!!』

 

《ソーー》

 

『シー!!』

《ソーー!!》

 

『声小っちゃいよ!!!シー!!!』

 

《ソーーー!!!!》

 

『行くよ!!!シー!!!』

 

《ソーーーー!!!!!》

 

『シーーーー!!!!!』

 

《ソーーーー!!!!!》

 

『ゲエエエエエエエエエエム!!!!!!!!!ッハイ!!!』

 

♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪♪!!♪♪〜〜

 

 

26 シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜 【Mr.Children】

 

 

《勇敢な恋のう、た〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!》

♪♪♪♪♪♪♪♪♪!!!!!!

 

パチパチパチパチ!!!!

 

観客の声援に奏さんが頭を下げる。そして、マイクをマイクスタンドに戻して、遊輝と位置を交代する。遊輝はお気に入りと行って、昨日も最後の曲で使った青い花が模様となっているエレキギターを手にして、ヴォーカルの位置に移動する。

 

『え〜と、まずはここまで見てくれてありがとうございます』

 

パチパチ!!!!

 

『え〜、昨日の続き、って言っても昨日も来たって言う人いるのかな?』

 

《いるよ!!!》

 

《俺も!!》

 

『ありがとうございます。昨日の続きですが、今回のツアータイトル、【Fantasy World】は僕が考えた、そう話しました。昨日の初日は僕の友人が、そして今日は僕が体験したことをツアータイトル、セットリストに込めました。現実的な世界から理想的な世界に何かの偶然で行ってしまい、そして色々と経験しました。それを、僕が詩を書いて』

 

《オオオオオオオオオオ!!!!!》

 

『レミが曲を作りました』

 

《ワアアアアアア!!!》

 

『わああって騒いでいるけど、奏と一緒で今回だけだからな(汗)。もう二度と歌わないぞ』

 

《エエエエエ!!!!!》

 

『そのエエエエエは何だよ?(汗)そういう判断は歌を聞いてから評価をしてくれ』

 

《アハハハハハ!!!!》

 

『え〜、奏が【何気ない日常】という変わらない日常を書いた曲ですが、僕は理想的な世界に迷い込んだ男の心・迷いという物を詩にしてみました・・・・・・・曲名、【Fantasy World】』

 

・・・・♪♪〜〜♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜

 

 

『夕日がさす坂道

無邪気に駆ける子供 自転車で追いかける母親

いつもの景色に「つまらない」と嘆く

 

世界から目を背け

己の道を歩いて来た人生 人から憎まれ妬まれ

気がつけば自分の足跡が消えていた

 

 

ふと顔を上げて 目にした古びた神社に

全てを忘れるように踏み入れ

世界から切り離されたように 鳥居をくぐる

そこにいた巫女(ひと)が 僕を見つけて「ようこそ」という

 

 

ここは

「世界(げんじつ)」から離れた理想郷

忘れ去られし者が流れ着く

「あなたを迎えるためにここに来た」

その言葉に打たれ 巫女(ひと)の手を取り理想郷へ走り出す

 

 

巫女(ひと)に導かれ

歩いたそこは 見たこともない

「常識」という言葉から離れた理想郷(せかい)

 

空飛ぶ魔法使いや妖怪

「現実」にはないこの世界で 人から羨まれ愛され

僕の心は笑顔で満たされる

 

 

時には喧嘩をして 時に涙を流して

僕の全てを受け入れてくれ

最後は無邪気に笑いあった

やがて僕はそこにいる 全てのものを生きがいと感じた

 

 

そこは

全ての願いが叶えられる理想郷

自分が思い描いたものが手に入る

「あなたの描いた夢は現実になる」

その喜びを噛み締めながらも どこか心の穴を見つけた

 

 

僕は迷い 戸惑い 振り子のように揺れる

「理想」の 言葉を 疑い始めた

「全てが 上手くいく」 そんな理想があるのか?

 

そんな不安な僕に 巫女(ひと)は話しかけた

「あなたの本当に思い描くものはあなたが掴むのよ」

そんな言葉をかけて 僕はまた巫女(ひと)に導かれた

 

 

そして

ここから新しい世界が広がる

「理想」と「現実」の狭間にあるその世界を

「あなたの信じる理想をこの世界で見つけよう」

その言葉を信じ 僕は新たなる世界(みち)を突き進むよ

 

ここが僕らの Fantasy World』

 

 

 

♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!!!

 

『どうもありがとう!!!!』

 

曲が終わり、スバルさんがドラムを叩いて最後の締めをする。挨拶をした遊輝は頭を下げて、ギターをスタッフに手渡して黒いエレキギターを手にした。

 

『え〜、それでは本日最後の曲です。さっきの曲、【Fantasy World】の続き、かな?新しい世界に入っても、『自分』という敵と戦い続けます。それでも、新しい旅立ちを願い、その青年、もちろん僕らも、ここにいる皆さんも歩み続けます・・・・・・Mr.Children、【Starting over】』

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜

 

 

 

28 Starting over 【Mr.Children】

 

 

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!!!!

 

最後の曲が終わり、観客から拍手が沸き起こる。先に頭を下げた遊輝がギターをスタッフに手渡して、前に出た他の5人と一緒にマイクを持って並ぶ。

 

『どうもありがとう!!』

 

《ワアアアアアア!!!》

 

挨拶をした遊輝たちは互いに手を持ってバンザイするように天に突きつける。そしてそれを上から下に降ろして再び頭を下げた。観客から再び拍手が湧いて、6人はステージ裏へと下がっていった。

 

「凄かったね!!今日のライブの方が感動したよ!」

 

「昨日は今日のための布石かというくらいでしたね・・・・」

 

「それを平然とやってのけたあの6人って実は凄い大物?」

 

「う〜ん・・・・それは違うような」

 

「さあさあ!!早く戻ってご飯食べに行こうぜ!!」

 

「ご飯ご飯!!!」

 

「今日はどんな高級食材があるかな!!」

 

「アリス・・・・・・(汗)」

 

「エルフィ・・・・・(汗)」

 

私たちはステージとは反対側に帰っていくお客さんとは別に、ステージに沿って昨日と同じようにパスをスタッフに見せて、昨日と同じ道を歩いていく。スタッフの通る道で、室内を通るので、混んでおらず、涼しいのがありがたい。本当ならお風呂とか入りたいけど、この服が着替えられないためどうしようにもできない。唯一、こういう冷房とかで無理矢理にでも汗をかかないようにするのが唯一の方法だ。

 

「ついたついた」

 

「それじゃまずは、この大量のニジマスを炭で焼いていくぞ」

 

「待ってました!!!」

 

「うわっ!?」

 

「おお〜、今日は早くに来たね」

 

「もうお腹ペコペコ!!昼飯から何も食べてないんだから!!」

 

「食い意地を張らないの(汗)。カレーあるけど食べる?」

 

「こっちにはピザとかお寿司、天津飯、あっちにマグロのステーキがあるよ」

 

「ピザ!!!」

 

「マグロのステーキ!?」

 

「「・・・・はぁ(汗)」」

 

アリスさんと龍亞が真っ先に食いついて、お皿を手にとって食べ物を取る姿をみてため息をついてしまう私と空さん。何人かの人も龍亞とアリスさんに続いてお皿を手に取り、半分パーティ状態となってしまう。

 

「やっぱり美味しい〜〜!!」

 

「出前のピザってなんでこうも美味いんかな〜〜?(モグモグ)」

 

「龍亞!!食べながら喋らないで!!」

 

「いや〜、遊輝さんの料理って本当に美味しいですね」

「このサラダのドレッシングも自家製?凄いね〜〜」

 

「いや〜、ライブを見た後にこうやって美味いものをたくさん食べられるのは幸せだな〜」

 

気付いたら、皆お皿を手にとって何かを食べていたので、私も被っている帽子をかぶり直し、スカートを少し直してお皿を取る。




はい、再び後書きに登場、作者です。


今回はオリジナル曲を2つ作詞しました。作曲の方はある程度のイメージは出来てますが、ここでのご紹介はご勘弁を。

多分、私の小説を見ている方は「お前、何してるんだ?」と疑問符を付けると思います。「遊戯王の小説なのに、何で曲なんか作ったんだ?」でしょう。

しかし、私の小説で音楽活動をしているメンバーですから、曲を作るというのは自然的な流れだと思います。それと、チラホラ程度ですが「オリジナルを作らないですか?」という話が来てはいました。

今回のこの2つの曲、【何気ない日常】と【Fantasy World】はこの「オリジナルを作らないですか?」という感じで回答させてもらいます。(黒歴史の空気がすごい漂ってますが・・・・だって、素人感丸出しだし・・・・・)

おそらく賛否両論、いや、批判的な意見が多いのは分かっています。しかし、音楽活動を小説内でずっと続けているので、やはりこういうことをしないといけないだろうという一つのケジメみたいなものです。そこはご理解ください。


あと、いないと思いますが、今回のオリジナル曲のイメージとか構想、最初から最後までの歌詞を読みたい方や聞きたい人は活動報告・メッセージ等で「聞きたい」と入れてください。(感想の場合、運営に消される恐れがあるため)。もし、1人でも来た場合、何らかの形で構想話(雑談形式)で執筆します。


では、まだまだ文化祭は前半戦が終わったばっかりです。
後半戦はいよいよ、カフェとして働いてもらいます。
【混沌文化祭 2日目 前編 軽音部のコスプレ】です。

よろしくお願いします。


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第117話 混沌文化祭 2日目 前編 軽音部のコスプレ ☆

【*記念話を番外編に投稿しました。作者の名前をクリックすると、作者のページへと飛び、この話の番外編の小説に行くことができます】


今回は軽音部のコスプレ+厨房側の視点を執筆してみました。次回はウェイター側だね。うん、話が出来るかな?(汗)




遊輝 side

 

 

「ふわぁ・・・・マジ眠い」

 

「昨日の担当に仕込みを任せばよかったものを・・・」

 

「だって自分が料理をするんだから自分でやらなくちゃ」

 

今日も朝からの仕込みをして、今、めっちゃくちゃ眠いです。

現在、8時。文化祭の開始は9時からだけど、お店自体は10時からの開店なのでまだ少し余裕がある。

 

「ところでレミ、私たち何のコスプレをするのよ?」

 

「ちょっと待って、今設定しているから」

 

レミは(トラウマな)全自動着替えマシンの設定をしている。実を言うと俺たち、レミが「コスプレの衣装は任せて!」とか言うから何一つ準備をしていない。確かにあの機械だと準備はいらないし、材料費も作る手間も省けるからそこはいいけど。

 

「よし!設定終わった!!じゃあまずは試運転で私から・・・」

 

「・・・・・・レミ」

 

「うん?」

 

レミがエルフィに肩を叩かれて、後ろを振り向く。そこには何人か、いやほぼ全員(いないのは凛さんと遥ちゃん、鉄也さん等)がレミに対して何かしらのなんとも言えない圧力をかけていた。

 

「・・・・・な、何でしょうか、皆さん?そんなに迫って(汗)」

 

「私たち、あなたのせいで昨日から着替えられないのよ?」

 

「おかげで昨日からお風呂も入れずに大変な状況を送っているわ」

 

「・・・・・分かってるよな?」

 

「え、ええと・・・・一応、私もあなたたちと同じで今日は着替えられないのですけど(汗)」

「そうじゃないだろ?」

 

「こんなに忙しくて、暑苦しい時期にこんな重たい物を着て、汗をかいて、2日間着替えもしないで今日一日中働くんだ」

 

()()()()も同じことをしてくれないとね〜〜、釣り合わないよね〜」

 

「はっ!?」

 

「ちょっと待って!?あなた達!?」

 

「当たり前じゃねぇか。俺たち全員こんなことになったんだ」

 

「これは連帯責任取ってもらわないと困るわね」

 

「やってくれないと俺たち、働かないぞ」

 

「ちょ!?ちょっと待って!?」

 

突然の反乱、皆明日まで俺たちが犠牲にならないと働かないとか言い出した。もちろん、俺たちは非常に困る。

 

「だって釣り合いが合わないでしょ?」

 

「ちゃんとあなた達も同じ目にあってもらわないとね〜」

 

「ああもう!!!分かったよ!!明日の文化祭まで着替えないようにする!!!それで良いでしょ!!」

 

「ちょ!?レ、レミ!!!」

 

「まぁ多めに見てあげましょうか」

 

「そうだね」

 

「ほら!!これで良いでしょ!!」

 

半分頭にキテいたレミは余計な追加設定をして、設定を皆に見せつけた。

 

「アリス、どうなんだ?」

 

「・・・・うん、ちゃんと設定されている。あとは中に入ってこの赤いボタンを押せば行けるから」

 

「いつの間に使い方学んだんだよ・・・」

 

「昨日」

 

「レ、レミ!!私たちまで巻き添えにしないでよ!!」

 

「だって向こうが納得しないでしょ!!」

 

「連帯責任取ってもらわないと、俺たちやらないぞ」

 

「・・・・・仕方ないか」

 

皆が頑なに意見を変えようとしないので、俺も渋々意見を飲み込んだ。

 

「ところで・・・・6人は何を選んだんだ?」

 

「私見たけど、統一性はあったわよ」

 

「統一性・・・・どんなカテゴリーなんだ?」

 

「とりあえず、私一人で実験。誰かボタン押して」

 

機械を見たアリスはレミがどんな設定をしたのか分かっているため、他のメンバーにヒントだけを出す。その間に先にレミ自ら機械の中に入り、扉を閉めた。機械を昨日見て知ったというアリスさんがそれを確認して赤いボタンを押した。

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

 

・・・・・チン

 

「あっ、終わった」

 

「誰か開けて〜〜」

 

「はいはい・・・・」

 

中からレミの声が聞こえたので俺が半分呆れたような声を出して、機械の扉を開ける。少ししたら、中からアカデミアの制服ではなく、赤茶の髪の毛が緑色に変わり、白いシャツと黒いスカート、上に少しボロい感じがする薄茶色のローブを着ている。

 

「へぇ〜、風霊使い ウィンか」

 

「そう!可愛いでしょ!」

 

「【霊使い】か〜〜、その手が合ったわね〜〜」

 

「確かに統一感あるね」

 

「でしょ〜〜。それぞれのイメージカラーに合わせていたら偶然霊使いとピッタリ重なってね」

 

「イメージカラー?」

 

「遊輝は赤、私は緑、スバルはオレンジ、響は水色、奏は黄色、茜は紫よ!」

 

「響さんの所、青色じゃなくて水色なんだ・・・」

 

「・・・・・ちょっと待て!?ていうことは俺はヒータをやるのか!?火霊使い ヒータって女の子じゃないか!!」

 

「俺はアウスかよ!!何で俺まで女装されなくちゃいけないんだよ!!」

 

「「「「えっ?当たり前じゃない。二人とも、女装されるのが運命なんだよ」」」」

 

「「どんな運命なんだよ!!!」」

 

「やっぱり軽音部はこういう漫才をしなくちゃ!」

 

「龍亞・・・・・(汗)」

 

「漫才・・・・何ですか(汗)」

 

龍亞が後ろでゲヒャゲヒャ笑いながらいろいろと言っているのがそんなもの相手にしている場合じゃない!!

 

「っていうわけで、皆GO!」

 

「GOじゃねぇわ!!何でわざわざ自分から進んで女装しないといけないんだ!!」

 

「そういう運m「二度目は言わせねぇぞ!!」ぶぅ〜〜・・・」

 

「とにかく入った入った!!」

 

すでに響と奏、茜は機械の中に入っている。俺とスバルは頑なに、いや、絶対に入らない。

 

「早く入ってよ!!出し物が始まらないじゃない!!」

 

「嫌だ!!」

 

「うるさいわね!!フェザーガン!!」

 

ビュン!!ビュン!!

バタッ!!バタッ!!

 

「うっし!!」

 

「Wow・・・・・百発百中・・・・」

 

「レミッちっていつの間にこんな銃関係上手くなったのよ・・・・」

 

「スゲェ・・・・・脳天に1mmもズラさずに打っている」

 

「レミって銃の天才?後でコツとか教えてよ」

 

「そんなことより早くこの情けない男どもを機械に入れるわよ!!誰かスバルを運んで!!」

 

「じゃあ俺たちで運ぶか」

 

「よいしょっと。スバルって身体付きいいな」

 

「私たち鍛えているからね。ほいっと」

ドサッ!ドサッ!」

 

「スイッチオン!!」

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

 

・・・・チン

 

「出来た出来た。皆でてきて〜〜」

 

「う〜ん・・・・何か重い・・・」

 

「「「「おおお!!!」」」」

 

「奏お姉さん可愛い!!」

 

「響や茜も似合うよ!!」

 

「ありがとう春香さん」

 

「あれ?遊輝とスバルは?」

 

「/////な、何で・・・」

 

「/////い、いつもいつもこんな目に・・・・」

 

機械の中で目が覚めた時にはすでに遅し。先に出た奏や響、茜たちに続いて俺やスバルも機械の中から出てきた。

 

「「「「「おおおおおお!!!!!」」」」」

 

「遊輝・・・・・お前、スゲェな」

 

「話は聞いていたけど、これは・・・・ちょっと予想以上ね」

 

「遊夜と同等ね・・・」

 

「これは・・・・アルフでも負けるかも」

 

「「ちょっと日菜(エルフィ)!!何言ってるの!?」」

 

機械の外に出て、スバルと二人下に俯いている。ガヤは色々と(俺に対して)「可愛い」の連呼で恥ずかしくてしかたない////

案の定、俺は火霊使い ヒータ、スバルは地霊使い アウス、響は水霊使い エリア、奏は光霊使い ライナ、茜は闇霊使い ダルクにコスプレした(させられた)。

 

「う〜ん・・・・何かこんな男っぽい女の子の衣装、遊輝お姉さんらしくない」

 

「俺は男だあああああ!!!!!!」

 

「遊輝お姉さんはもっと可愛い衣装を着て、もっと女の子らしくしたほうが良く似合う」

 

「ああ、でも遥の言うことはわかる気がするな」

 

「////ナハト!!!」

 

「遊輝さんはもっとこう・・・・フリルのいっぱいのドレスとか、爽やかなお嬢様風のワンピースとか似合いそうですね」

 

「遊輝がズボンを履いて女装するのはちょっとな・・・」

 

「皆俺のことを何だと思ってるんだよ!!」

 

「「「「「着せ替え人形できる可愛い女の子」」」」」

 

グサッ!!!!!

 

「俺だって・・・・俺だって男らしく」

 

「男らしく〜〜?」

 

「料理に家事に子育て出来て」

 

「そんな低身長で男らしいなんてありえないわね」

 

グサッ!!!!!!

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「や、止めてあげなよ!!流石に可哀想だろ!!」

 

「そうだよ。それに最近の男だって料理や家事くらいするよ」

 

「遊夜だって家事も出来るし、スタイルいいし、十分女の子だね」

 

「アルフは料理しか見た事ないけど、モデルをやっているんだし、女の子だね」

 

グサッ!!グサッ!!

 

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

「ちょ、ちょっと皆さん・・・・被害者を増やさないでください(汗)」

 

俺の両隣に遊夜さんとアルフさんが俺と同じように三角座りで人差し指で地面に何かを書くような仕草をして落ち込む。

 

「ど、どうしましょうか、あれ(汗)」

 

「こういう時には脅す」

 

「お、脅すって・・・(汗)」

 

「そこの女顔3人!!早く立たないとコスプレ延長するわよ!!」

 

「「「誰が女顔だ(よ)!!!!」」」

 

「「「「「(((((立ち直り早っ(早いわね)(汗)))))」」」」」」

 

「それじゃ作業の分担ね!料理出来て、なおかつ人に振る舞える人は何人いる!?」

 

レミの指示で料理を作れる人が手を挙げていく。ざっと見た感じ、10人ちょっとのようだ。

 

「1・2・・・・・・9人か。ギリギリまかなえるわね」

 

「そうね。基本的な仕込みは遊輝が全部やってくれているし」

 

「じゃあ手を挙げた9人は遊輝の指示を聞いて、残りの人は・・・・まぁ適当にやって」

 

「「「「「「適当かよ!?」」」」」」」

 

「冗談冗談、何か分からないことがあったら私たち、軽音部のメンバーに聞いて。というわけで皆、輪になって肩を組んで」

 

レミの合図で全員が一つの大きな輪となり、お互いに肩を組み合う。

 

「それじゃ、今日1日頑張るわよ!!」

 

『おう!!!』

 

 

遊輝 side out

 

 

奈美 side 〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「ご注文〜〜!!カツカレーとハンバーグ定食!!」

 

「はいは〜い!!」

 

「カツは奈美さん!!!ハンバーグは凛さんがお願い!!」

 

「分かりました!!」

 

「任せといて!!」

 

遊輝さんの指示で油の近くにいた私はキッチンの下にある冷蔵庫から豚の一枚肉を取り出して、小麦→卵→パン粉と付けて油の中へと入れた。

食堂のオープンからすでに多くの客で満席。私たちの厨房もフル稼働で動いているが、遊輝さんの的確な指示でこれまで目立ったミスもなく、待ち時間も最小限に出来ている。遊輝さん、料理が上手いだけじゃなく、こういうお客さんへの待ち時間をしっかりと計算して料理を作ることも上手い。

 

ジューー!!!!

 

「よし」

 

180℃に設定された油で揚げられたトンカツは4分間で綺麗なキツネ色になる。それを見た私はすぐにトンカツをあげて、トレイにおいて油を切る。30秒ほど置いたあと、隣にいた春香さんがすぐにトンカツをまな板の上において、包丁で切る。トンカツの中は綺麗なピンク色になっていて、春香さんはそれをカレーの上に乗せた。

 

「カツカレー出来たわ!」

 

「ハンバーグ定食も!」

 

「は〜い!!」

 

春香さんがすぐにカウンターにカツカレーを、同時タイミングで凛さんもハンバーグ定食を置いた。それを聞いて近くにいた愛梨さんとライさんがお盆に二つのメニューを乗せてお客さんの所へと持って行った。それと入れ替わるように恭輔君がやってきた。

 

「唐揚げ10個とサラダ、ラーメン定食お願いします」

 

「次〜〜!!奈美さん唐揚げお願い!!駆さん空いてる〜?」

 

「空いてますよ!」

 

「ラーメンよろしく〜」

 

「分かりました〜」

 

次々と来るメニューに厨房側は本当に大忙し、私も先に下味を付けてあった鶏肉を唐揚げ粉に付けてまた油の中へと投入する。

 

「ふぅ〜・・・・揚げ物担当はしんどいです」

 

「何でなんです・・・何で私が皿洗いなんですぅ!!!」

 

「適材適所だと思うよ」

 

揚げ物担当になった私の隣には皿洗いとなった私たちのゆまちゃんと空さんのゆまちゃん、二人のゆまちゃんが大量にある汚れたお皿をせっせと洗っている。正直言って、ゆまちゃんがウェイターになんかしていたらお皿が何枚あっても足りないと思う。正直、私的には皿洗いのポジションも危ないと思っているけど、そんなこと言っちゃったらゆまちゃん、やることがなくて外で勧誘するだけになっちゃう。

 

「何でなんですぅ・・・何で私までも」

 

「そうですぅ・・・私たちだってやれば」

 

「・・・・頼むから一人だけその特徴的な話し方をやめて、どっちが喋っているのか分からないから」

 

異世界の同じゆまちゃんがいるとは分かっても正直、ゆまちゃんが一人二役を演じているみたいで気持ち悪い。そんなことを思いながら私は油の中から唐揚げを取り出して油を切る。

 

「酷いですぅ!奈美さんと私の信頼関係はそんなものなんですか!?」

 

「信頼関係も何も、異世界のゆまちゃんに言われたら、ほぼ無いとしか言えない」

 

「ひ、酷いですぅ・・・・・」

 

「大丈夫ですぅ!!私たちの信頼関係は揺るぎないですぅ!!」

 

「皿洗い!!!!サボるな!!!!」

 

「「は、は〜い・・・・・」」

 

何かゆまちゃんが異世界のゆまちゃんと変な関係を結ぼうとしたけど、遊輝さんに怒鳴られてすぐに信頼関係が萎んでしまった。

やっぱり1人は別の喋り方にして欲しいな・・・・どう見ても一人二役をしているみたいで何か嫌だ(汗)。

 

「唐揚げまだですか〜〜!?」

 

「あっ、は〜い!!」

 

恭輔君が大声で言ってきたので私はお皿の上に慌てて唐揚げを乗せてカウンターに置いた。

 

「ふぅ〜」

 

「ありがとう奈美さん、揚げ物担当ばっかりじゃ大変だから俺がここに着くよ。次はフライパンの方に写って」

 

「分かりました」

 

「皿洗いの担当さん!早く皿洗ってくれないとお皿が足りないよ!!」

 

「これ、追加ね」

 

遊輝さんと私が持ち場を交換して、私がフライヤーから離れた時に、春香さんの急かしとレミさんが大量の汚れた皿を置いていった。それを見た二人のゆまちゃんはげっそりとした表情をして、肩を落とした。

 

 

奈美 side out

 

 

春香 side

 

 

「遊輝!!一人増やして欲しい!!」

 

「分かった!春香さん!デザートの方をよろしくお願いします!」

 

「分かりました!!」

 

遊輝さんの指示で私はデザートの方のキッチンへと向かう。そこでは奏さんと留姫さんでケーキ、ホットケーキ、パフェなどを作っていた。

 

「では奏さん、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、私は午後の分の材料の下ごしらえをするから、留姫さんと一緒にお願い」

 

「はい」

 

奏さんの指示を聞いて、私は留姫さんと一緒にデザート作りを始めた。

遊輝さんは料理長的な存在として、料理を作るだけでなく的確な指示を送る。その遊輝さんがデザートの部門だけ、全責任を奏さんに任せた。奏さんのケーキ作りの腕前はなかなか、カップケーキ屋の娘と聞いたけど、昨日食べさせてもらった時はビックリした。私もケーキ作りは得意な部類だけど、奏さんはレベルが1つも2つも違っていた。

 

「注文だ!バニラのアイスクリームとチーズケーキとミカンのパフェだ!」

 

「分かりました!え〜と・・・春香さん、パフェ出来る?」

 

「えぇ、ここにマニュアルもありますから」

 

「じゃあ春香さんパフェをお願い!留姫さんはアイスクリームとチーズケーキをお願い!」

 

「分かりました!」

 

「わかったわ」

 

そう言って、私は磁石で貼り付けられているマニュアルを見て、パフェの器を冷蔵庫の中から取り出した。マニュアルというのはこの出し物が決まった時に遊輝さんと奏さんの二人で考えて出したものだ。こうすることでどんな人でもどんな時でも同じ味、同じ見た目にすることができる。

冷蔵庫から冷やした器を取り出して、そこにまずはミカンのムースを入れて、その上にラップで包まれたコーンフレークを入れる。その中にミカンのジャムを少し入れたあと、生クリームをパフェの器の半分くらい乗せて、その上に皮を剥いた状態のミカンを円形に並べる。そして、そこに冷凍保存されていたミカンのアイスクリームを「アイスクリームディッシャー」と呼ばれる、アイス屋さんでよく見るアイスをすくう道具で1カップ分救って、それを乗せた。最後に細長いビスケットをさして、周りにミカン味のゼリーを入れてそのゼリーの上に飾り付けの小さなミントを乗せて完成。

 

「みかんのパフェ出来ました!」

 

「は〜い!!」

 

カウンターに私が作ったパフェを乗せると、近くにいたまどかちゃんがお盆にパフェと注文用紙の紙を乗せてお客さんの所へと運んでいった。

 

「ふぅ〜・・・・」

 

「奏、そっちは一人で大丈夫なの?」

 

「大丈夫よ。これくらいの量なら毎日やっているから」

 

一つの商品を出して一息ついているけど、奥でクリームを使っている奏さんはさっきチラッと見たときからずっとの材料をボウルに氷水をつけて掻き回し続けている。昨日も2時間くらい大量の生クリームを作っていたっていうし、やっぱりケーキ屋の娘って凄いわね。私は趣味で自分一人、せいぜい仲間のために3・4人分の量が限界・・・・

 

「無茶しなくていいわよ。大変だったら私はたちがやるから」

 

「平気平気。それより次来たわよ」

 

「ご注文お願いします!ホットケーキをお願いします!」

 

「それじゃ・・・・留姫さんお願い出来る?」

 

「大丈夫よ」

 

「じゃあお願い」

 

蛍さんから頂いたホットケーキの注文は留姫さんが受け持つことになった。そっとカウンターの外を覗いて見たけど、暫くは注文が来なそうな雰囲気だったので奏さんの近くによる。

 

「奏さん、何か手伝いましょうか?」

 

「う〜ん・・・・そうね、じゃあホットケーキの材料を作ってもらおうかな。そこに大きめのボウルがあるからそこに卵黄20個と牛乳を2パック分、砂糖を入れて混ぜてちょうだい。卵白はあとでメレンゲを作るからとっておいて」

 

「はい」

 

奏さんが指をさした所に行って背をしゃがみ込むと、大きめの銀のボウルと普通のボウルがあったのでそれらを手に取り、冷蔵庫の仲から10個入りの卵2パックと紙パックの牛乳を2つ取り出す。まずは卵黄と卵白を分ける作業からだね。

 

「奏さんって毎日毎日こんな作業をしているのですか?」

 

ふと気になったので隣で生クリームを作っている奏さんに聞いてみた。奏さんは生クリームを一旦冷蔵庫に入れて果物のカットしている。

 

「う〜ん・・・・まぁ毎日って言えば毎日かな?アカデミアがある時はそこまで大変な作業はしていないけど」

 

「大変な作業って・・・やっぱり大変何ですか?」

 

「大変も何も・・・・体力勝負だからね。私は体力が無いから余計に」

 

「そうは言っても・・・・さっき結構な量の生クリームを」

 

「あれくらいはどうってこと無いよ。いつもあれの倍以上の量を2〜3回はやるから」

 

「す、凄いですね・・・・」

 

「別に大したことじゃないよ。慣れたら誰だってできるから」

 

その慣れるまでが大変だったんじゃないかな(汗)。私もこうやって話しながら卵黄と卵白を分けているけど、なかなか難しいからね。

 

「それでもケーキ作りを続けたのですよね」

 

「・・・・・何というか、心のどこかで親に憧れていたのかな?小さい時にお父さんがカップケーキを作る姿を見て、凄かったというイメージが残っているわ。その時のお父さんは凄く輝いていたから」

 

「・・・・・・・・」

 

親に憧れてか・・・・・何となく分かるかも・・・・・

 

「ご注文お願い!!チーズケーキとイチゴのアイスクリーム!!」

 

「あっ、注文が来てしまいました」

 

「どうする?どっちやりたい?」

 

「せっかくですからこのままホットケーキの生地を作りたいです」

 

「分かったわ。じゃあ私が対応するわ」

 

「はい」

 

奏さんが一度、カットしていた果物を冷蔵庫に戻して、この持ち場から離れていった。

もう少しお話しをしたかったけど、仕方ない、この続きは今日の仕事が終わってからにしよう。

 

 




霊夢「・・・・・・・(ジュル)」←目が輝いている。

遊輝「おいこら貧乏脇丸出し巫女、よだれ垂らすな」←火霊使い ヒータのコスプレ

龍可「あ、相変わらずですね・・・(汗)」←マドルチェ・マジョレーヌのコスプレ

紫「あなた、指揮をすることなんて出来たの?」

遊輝「いや、今回が初めてですよ。いつもは指揮される側だったので、今回は料理班の総合的なリーダー役を指名されたから」

龍可「遊輝は料理をするのが凄く得意だから」

紫「料理は誰が作っていたの?」

遊輝「俺と奏、凛さん、駆さん、留姫さん、春香さん、奈美さん、恵さん、リンネさんの9人」

龍可「それ以外の人はゆまさん2人を除いて全員ウエイターです」

霊夢「次回はそのウエイター組の話ね」

紫「【混沌文化祭 2日目 後半 ウエイターの苦労】」

遊輝「もしかしたらタイトルが変わるかもしれないけど、そこは許してね」

龍可「次回もよろしくお願いします」


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第118話 混沌文化祭 2日目 後半 ウエイターの苦労 ☆

これで混沌文化祭のコラボは終わりです、が、混沌文化祭はまだ続きます。コラボしてくださった作者様方、ありがとうございました。
最終日は遊輝&龍可のバカップルのデートと祈とスバルのデート・・・・かな?(祈とスバルに関してはまだ恋人段階でもないけど)

【作者がこういうネタをやる時、必ず犠牲になるのは男の娘だ・・・ww】


蛍 side

 

 

「お待たせしました。カレーうどんと炒飯でございます」

 

「わぁ・・・・」

 

「美味しそう・・・・」

 

「ごゆっくり」

 

お客様の前でしっかりと礼をして、お盆を持って僕は別のテーブルへと向かった。すでにそこに座っているグループが手を挙げているためだ。

今日は遊輝さんの文化祭の2日目、頼まれていた出し物の手伝いをしている。僕は料理は皆に振る舞うほどのレベルじゃないので、こうやってお客さんに注文を聞いたり、メニューを持って行ったりするウエイターをすることにした。

 

「ご注文は?」

 

「どうする〜?」

 

「僕、そんなにお腹減ってないけど・・・・ざるそばにしようかな」

 

「私はトンカツ定食ね」

 

「分かりました」

 

注文を紙に書いてすぐにキッチンへと向かう。

 

「注文お願いします!ざるそばとトンカツ定食です!」

 

「は〜い!!駆さん、そばをお願いします!!」

 

「分かりました!!」

 

僕がお客さんから注文したメニューをキッチンにいる遊輝さんに伝えると遊輝さんがすぐにそれぞれの担当者に何をやってもらうのか指示をする。今は遊輝さんがフライヤーの前にいるので遊輝さんが揚げ物を担当しているみたいだ。

 

「蛍く〜〜ん」

 

「うわっ!ロアッ!?どうしたんだよ!?」

 

「お客さんが無理難題なことを言ってくる〜〜」

 

「は、はぁ?」

 

「おい!早くステーキを出せ!」

 

ロアが対応したであろう少し堅いのいい男のお客さんがロアに詰め寄ってきた。

ステーキって確か・・・・限定3食で販売してもう売り切れたはずなんだけど。

 

「お客さん、ステーキは売り切れましたよ。前の看板にも売り切れって文字を貼り付けましたよ」

 

「いや!俺が見た時はまだ無かったぞ!」

 

「そんなことありませんよ。あのステーキ、開店と同時に売り切れましたから」

 

あのステーキに使用している肉、遊輝さんから特別なルートで仕入れた・・・・・銘柄何だったかな?とにかく珍しいお肉で、初日から評判を呼んで今日は列が並ぶほどだったんだから。

 

「どうしたのよ一体?」

 

僕らのやり取りを見ていたのか、レジを担当していたレミさんがキッチン近くまでやってきた。

 

「あっ、レミさん。ステーキ食べたいってお客さんが」

 

「ハァ・・・・・さっきから遊輝目当てとステーキ目当てのお客さんばっか・・・・・」

 

レミさんがため息をつきながらそう返した。ステーキ目当てというのはさっき話した通りだけど、遊輝さん目当てというのはその名の通り、遊輝さんの女装姿をみたいという人たちのことだ。去年の文化祭で評判がかなり良かったらしいため。ただ、当の本人は料理長の立場なので絶対にお客さんの目の前に出ることはまず無いんだが。

 

「お客さん、ステーキ食べたいのでしたら別の出し物かアカデミアの外で食べてください。もう売り切れですので」

 

「だから!!俺が見た時にはまだ売り切れの文字は「屁理屈言ってないでさっさと出て行くか注文してください。営業妨害で職員と警察を呼びますよ」くっ・・・・・・」

 

「遊輝〜〜、ステーキ肉ってある?」

 

「ハァ?そんな物とっくに無いぞ」

 

「ほら、うちの料理長が無いと言っているので売り切れです。諦めてください」

 

「レミさ〜ん!!レジレジ!!」

 

「あっ!!ごめん!!ちょっとの間変わってくれる!?」

 

「?分かった!!(何かあったのかな?)」

 

美菜さんが大声でレジにお客さんがいるのをレミさんに教えてくれたけど、トラブルの対応のために美菜さんとレジを変わることにした。

「とにかく、今日のステーキは完売しました。お引き取り願います」

 

「くっそ・・・・・仕方ねぇ、ハンバーグだ!」

 

「分かりました。ほら、蛍くん、注文注文」

 

「あっ、は、はい・・・・ハンバーグお願いします!」

 

「は〜い!!レインさんお願いします!!」

 

「・・・・わかった」

 

その男の人はレミさんに言いくるめられて、ハンバーグに注文を変更した。僕は遊輝さんにハンバーグをお願いして、その男の人は自分の席へと、レミさんはレジへと戻って行った。

 

「・・・・レ、レミさんって凄いね蛍君」

 

「堂々としているというか何というか・・・・何かあの人が強い理由が分かる気がする」

 

「蛍さ〜ん!ロアさ〜ん!そこで突っ立っているならこれ運んで!!」

 

「あっ、は〜い!」

 

奏さんから商品を運んで欲しいと言われたので僕たちはデザートをお盆に乗せて運ぶ。ちなみにそのハンバーグを注文したお客さん、ハンバーグを一口食べた瞬間に「上手い!」と大声で叫んでまた怒られたのは別の話。

 

 

蛍 side out

 

 

愛梨 side

 

 

「ご注文です!きつねうどん2つ!」

 

「あ〜い!!」

 

「愛梨さん、これをお願いします」

 

「分かりました」

 

奏さんがカウンターにアイスクリーム2つと伝票の紙を乗せる。私はそれらをお盆に乗せて、伝票に書いてあるテーブル番号を確認してそこまで行く。

 

「お待たせしました。バニラのアイスクリームとチョコのアイスクリームです」

 

「待ってました!」

 

「美味しそう!」

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

そう言って頭を下げた私は一度キッチン近くまで戻り、食堂の右奥にある「従業員専用」と書かれた扉をくぐる。

 

「あ〜〜、疲れる〜〜・・・・・」

 

「どうしたんだよ愛梨ちゃん、まだ休憩時間じゃないだろ?」

 

「日菜ちゃ〜ん・・・・ウエイターってこんなに疲れる仕事だったのね・・・」

 

「疲れるも何も・・・・愛梨ちゃんが身体を動かさないから単純に体力がないだけでしょ?」

 

奥には休憩室があって、そこには日菜ちゃんとライトさんが先に休憩していた。

 

「愛梨の休憩時間ってまだ1時間もあとでしょ。早く戻らないと休憩時間減らされるわよ」

 

「そうは言っても・・・・2時間も立ちっぱなしだよ。疲れるよ・・・・」

 

「運動しとけばそんな事言わないですんだんだよ。パソコンばっかりさわるから」

 

「うぅ・・・・運動だなんて嫌だ・・・・」

 

「そんな事言ってないでさっさと戻ったら」

 

「うぅ・・・・・・・」

 

ライトさんや日菜ちゃんに言いくるめられて休憩室から再び食堂の場へと戻って行った。すると目の前のお客さんが手を挙げていたので私は急いでそのお客さんの所へと足を運んだ。

 

「いらっしゃいませ、ご注文は?」

 

「・・・・・いい」

 

「えっ?」

 

「可愛い!!!」

 

「きゃっ!!」

 

「君!!この後僕と「あ〜い、お客さん、こっち向いてくださ〜い」あっ?」

 

ボカッ!!!!

 

「!?〒÷々*・々♪÷|×1!!!」

 

「このお店はセクハラとかそういうのは禁止ですので、ご注意を」

 

お客さんが私の手を掴んで引っ張られた時に後ろから響さんがお客さんの肩を叩いて、お客さんが振り向いたと同時に顔にグーパンチをして私を振りはなしてくれた。

 

「い、いてててて・・・・・」

 

「あ、ありがとうございます響さん」

 

「どうってことないよ」

 

「て、テメェ!!」

 

ピピーー!!!!

 

「?な、何だ?」

 

「セキュリティだ!貴様、痴漢常習者の木崎だな!」

 

突然食堂の入り口から警察みたいな格好をした人たちが入ってきて、私たちの周りを取り囲み、私を掴もうとした男にそう言い放った。

 

「げっ!?何でここにセキュリティが!?」

 

「防犯カメラに写っていたのを校長が届けたみたいですよ、痴漢常習者さん」

 

「逮捕だ!!!」

 

「グワッ!!くそっ!!」

 

「ご協力、感謝するぞ」

 

私を引っ張った男が大柄で重厚な装備をした警察官に捕まり、男は御用となった。警察の中からリーダー格の人が一人前に出てきて、私と響さんに敬礼をする。

 

「それは良いですから牛尾さん、私たちの出し物に貢いでください」

 

「バカ、セキュリティがそんな賄賂みじた事できるか。この後も仕事なんだ」

 

「えぇ、ご飯食べていくだけですよ」

 

「飯なら来る前に食べた。それじゃ」

 

響さんがいった牛尾さんという人は私たちに背中を向けて右手を上げて手を振る。そのまま食堂を後にした。

 

「むぅ〜、不審者捕まえたんだからちょっとぐらいここにお金を入れてもいいんじゃない」

 

「あ、アハハ・・・・(汗)」

 

「お〜い!!そこにいるんだったら注文聞いてくれよ!」

 

「は〜い!!」

 

「は〜い・・・・ハァ、私の休憩はいつになったら来るんだろう・・・・」

 

トラブルが起きて、私の心と身体は重くなる。そんな重い足を引きずりながら私は他のお客さんの注文を聞きにいく。

 

 

愛梨 side out

 

 

アルフ side

 

 

「お待たせしました。プリン・ア・ラ・モードとチョコレートパフェです」

 

「うわぁ・・・・・」

 

「お、美味しそう・・・・」

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

『(ごゆっくりも何も、こいつら1時間近くいるぞ)』

 

「(ラルフ、そう言うのは言ってはいけないことだよ)」

 

もう一人の僕、ラルフがメタいことを言ってきたけど、そう言うことは言ってはいけない約束だ。

 

『(大体お前は気前が良すぎなんだよ。今はお昼時だろ?外を見たら少しずつ行列が出来ているんだ。こういう時はさっさと返すのが一番だろ)』

 

「(そうは言っても、お客さんは大事にしないと)」

 

「・・・・・・・・・」

 

「お、お断りします・・・・・」

 

『(・・・・・おい)』

 

「(?どうしたの?)」

 

『(あそこにいる遊夜の様子、何かおかしくないか?)』

 

「ひっ・・・」

 

「(確かに・・・・・様子を見に行こう)」

 

ラルフがビクビクした遊夜さんを見つけたので、僕はそっちの方に向かう。遊夜は大人の女性一人と相手をしているみたい。

 

「遊夜さん、どうしたの?」

 

「ア、アルフ・・・・助けてくれ・・・・(ブルブル)」

 

「はっ?」

 

「あら、貴方の名前は?」

 

「えっ?僕は空時アルフです」

 

「ふ〜ん・・・・・・貴方も良いモデルになりそうね」

 

「えっ?」

 

「私は栗城すみれ、個人経営をしているファッションデザイナーなの」

 

栗城?茜さんと同じ名字だけど関係あるのな?

 

「それよりあなた、モデルに興味がないかしら?」

 

「はぁ・・・・」

 

「あなたや遊夜君みたいな可愛いお・と・こ・の・こ・を?」

 

「!!(ブルブル)」

 

『(な、なぁ・・・・アルフ・・・お、俺、背中に寒気が・・・(ブルブル)』

 

「どうしたのよアルフ?」

 

すみれさんという人に言われた一言で俺や後ろに背後霊みたいにいるラルフですから一気に寒気を感じる中でエルフィが近づいてきた。

 

「あら?友人?」

 

「私は空時エルフィ、アルフとは義理の兄妹です」

 

「それはごめんなさい。私は栗城すみれ、ファッションデザイナーをしているの」

 

「へぇ〜、すみれさんってファッションデザイナー何ですか。私の知り合いにも一人いますよ」

 

「あらそう・・・・それでね、私、今アルフ君と遊夜君にモデルにならないかって誘っているのよ。・・・・・・女装してね」

 

「「(ビクッ!!ブルブル)け、結構です!!」」

 

「へぇ・・・・実績あるのですか?」

 

「エ、エルフィ!」

 

すみれさんからのお話・・・・・女装してモデル、黒歴史しかない僕にとって、いや、隣にいる遊夜も異世界まできてそんな黒歴史を作りたくないので首を縦に振ったが、エルフィだけは食いついてしまった。

 

「もちろんあるわよ、この子とこの子よ」

 

そう言ってすみれさんが服のポケットから写真入れを取り出して、とある2枚の写真を取り出した。そこに写っていたのは本当に男の子?と疑問が付けたくなるくらいの美人な女の子だった。一人は水色のワンピースを着てツインテールに、もう一人は緑色の髪をポニーテールでポロシャツを着ていて下は水色のスカートをはいていた。

 

『(・・・・・スゲェな)』

 

「(ちょ!?ラルフ!?』

 

『(これは認めざろうえんだろう・・・・)』

 

「へぇ〜、凄い実績だね。恐らくこの子は遊輝さんね。もう一人は?」

 

「その子?龍亞君よ」

 

「「「龍亞!?」」」

 

すみれさんが言った意外な人物に俺たちは驚いてしまった。いや、だって、あの龍亞がこんなに可愛くなるのか!?あの龍亞が!?あの龍亞が!?

 

「という実績あるわよ」

 

「凄いですね・・・・・・これは契約して一稼ぎしてもらいたいぐらいですね」

 

「「エルフィ!!」」

 

『(大変だな)』

 

「(何呑気なこと言ってるのよ!!下手したらラルフ、君の存在がバレて、君もさせられるかもしれないんだぞ!)」

 

『(アルフ、何としてでも阻止するぞ!)』

 

「でも残念ですが、アルフはすでに別のところと女装モデルとして契約をしているので・・・・」

 

「『!?』」

 

「えっ!?アルフ、お前そんなことしているのか!?」

 

「ち、違う違う!!!やってない!!」

 

遊夜が凄い冷たい目で見てきたので必死に違うことを訴える。エルフィを見ると、「まぁ強制的だけど・・・・」とか小声で言っている。エルフィ・・・・・・・

 

「あら残念・・・・でもその男の娘はいいのでしょ?」

「遊夜は私達とは友達という関係なのでどうぞご自由に」

 

「おいエルフィ!!」

 

「どうかしら遊夜「お母さん!!!!何変な話をしているのよ!!!」あっ、茜」

 

エルフィとすみれさんで変な話を続けている時に、大声を出した茜さんがこっちにやってきた。

 

「変な話で勧誘しないでよ!!ていうか営業妨害しないでよ!!ただでさえ従業員が少ないのに!!」

 

「あら、ごめんなさい。じゃあ二人とも、このお話はまたあとで」

 

「「結構です!!」」

 

断りの言葉を遊夜と一緒に言って、すみれさんは「残念・・・」とか言って席を立った。

 

「もう・・・・本当に迷惑・・・・ごめんね」

 

「いいよ別に、私は面白かったし」

 

「エルフィは他人事だからだろ」

 

「それより遊夜っちにアルフっち、気をつけた方がいいよ」

 

「?どういう事だ?」

 

「お母さん、狙った獲物は逃さないタイプよ。しかも超ドS、私やレミッち、遊輝っちも拘束されて無理矢理連れて行かれる事があるから」

 

「すみませ〜ん!」

 

「は〜い!」

 

そう言って茜さんはお客さんの所に行ってしまった。エルフィもいつの間にか居なくなっている。一方、茜さんの話を聞いた僕と遊夜はガタガタブルブルと震えている。

 

『(・・・・・あの女、こえぇな(汗))』

 

 

アルフ side out

 

 

龍可 side

 

 

「お待たせしました。ホットケーキとイチゴパフェです」

 

「うわぁ・・・・」

 

「ごゆっくりどうぞ」

 

「龍可ちゃん!休憩入っていいよ!」

 

「分かりました」

 

レミさんから休憩時間のお知らせを聞いて、私はカウンターにお盆を返して従業員の休憩室に入る。中には誰もいないみたい。

 

「ふぅ〜・・・・・せめて帽子だけ取りたいな・・・」

 

そうはおもっても取れないものは仕方ない。そのまま椅子に腰をかける。今は・・・・・4時ね。お客さんが少なくなってきたと思ったけど、もうそんな時間か。

 

「ふわぁ・・・・・さすがに立ちっぱなしだと疲れてくるわね・・・・・」

 

「ふぅ〜・・・・」

 

「あっ、龍可ちゃん、お疲れ様」

 

「お疲れ様です。アレサさん、望美さん」

 

休憩室の扉が開いて、アレサさんと望美さんが入ってきた。

 

「・・・・・龍可ちゃん、暑くない?」

 

「私はまだ良いですけど、望美さんが大変でしょ?重そうな甲冑を着て」

 

「私は平気だよ。水分補給もしているし」

 

そう言って、スポーツドリンクのペットボトルを飲み干していく。「これ美味しいね」と言いながら空いたペットボトルはゴミ箱へと捨てられた。

 

「私は接客しているだけだし、走ることはないから体力的に大丈夫だけど、龍可ちゃんとかの小等部の方が大変だと思うよ。お客さんのデュエルの相手をしなくちゃいけないから、体力も奪われるし、走らなきゃいけないし」

 

「・・・・・・確かに」

 

そう言って望美さんとアレサさんが労いの言葉をかけてくれた。

デュエルというのは、今回の出し物の中に一つ・・・・・・名前なんだっかな?「デュエル飯!」だったっけ?とにかく、そんなメニューがある。内容はお客さんと従業員でデュエルをして、買ったら好きなメニューを1品無料で、負けたら倍の金額を払ってもらうというメニュー。ハイリスクハイリターンな賭けなので注文をする人自体は少ないけど、それでも1時間に10人ちょっと注文をする。

で、その対戦相手を軽音部のメンバーたちは私達、小等部4人に任せたのだ。龍亞や恭輔が理由を聞いたら「小等部に負けたら挫折が大きいでしょう?」とレミさんが返してきた。

 

「それで、龍可ちゃんは今の所何勝何敗?」

 

「16戦全勝です。それ以外のメンバーもほぼ同じくらい戦って、全員全勝です」

 

「・・・・・本当に小等部?」

 

「あ、あはは・・・・・(汗)」

 

アレサさんの返事の返す言葉がなく、苦笑いをしてしまった。今回、レミさんと遊輝から「本気で勝ちに行きなさい(行け)。手段は問わない」と言われた。お店の利益を考えると確かにそうなってしまう。

私はデッキを弄ってないけど、祈や龍亞は1ショットキル型、恭輔に至ってはプトレマイオスを使っても良いという・・・・・もう最悪な事態だった。

 

 

【*プトレマイオスについて・・・・・・この小説は最新のリミット・レギュレーションに準じていますが、小説の時代設定上、エクシーズモンスターはまだまだ出回ってないので禁止・制限にはかけていません。遊輝君が皆に自重して使わせないようにしています。チェインも同じ理由です。ちなみにですが、作者はプトレマイオスは好きなカードです。テラナイト縛りで帰ってこないかなと密かに期待しています】

 

 

「恭輔君が使っていたプトレマイオス、あれは強すぎますね」

 

「・・・・・遊輝が止めるのも納得」

 

望美さんやアレサさんの言う通り、プトレマイオスは強過ぎた。恭輔君はもう・・・・凄い笑顔でエクストラデッキを改造していた。対戦したお客さん、涙目で負けていったのが印象的だった。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

「・・・・・またデュエルしている」

 

「声的に恭輔君・・・・だね」

 

食堂の何処かでデュエルの掛け声が聞こえたので私とアレサさん、望美さんの3人はちょっとだけ食堂の方に覗き込む。相手はアカデミアの男子生徒みたい。

 

「・・・・・出でよ!星守の騎士(テラナイト) プトレマイオス!」

 

「あっ・・・・・」

 

「・・・・相手終わったね」

 

「何を注文したのでしょうか?この時間ですからデザートかドリンクぐらいでしょうけど・・・」

 

「あっ、祈!」

 

恭輔のデュエルを覗いていると近くに祈がいたので、ちょっと捕まえてみた。

 

「?る、龍可さん?どうしたのですかそんな所から」

 

「ちょっとちょっと・・・・・恭輔とデュエルしている相手、何を頼んだの?」

 

「え、えっと・・・・・スペシャルパフェですね」

 

「えっ!?あのパフェ注文入ったの!?」

 

望美さんが驚いたスペシャルパフェ。器が普通のパフェよりも容積が2倍大きく、全ての味のアイスクリームやフルーツをてんこ盛りに乗せた超ボリュームのあるパフェで、今まで誰一人として注文を受けていなかった。

 

「あれって確か・・・・」

 

「・・・・・1つ4000円」

 

「は、8000円も飛んでいく(汗)」

 

「い、いえ・・・・2つ注文しました」

 

「えっ!?何で!?」

 

「サ、サッカー部の団体さんで24人ぐらい来ていました」

 

「・・・・・・ちょっと待って、まさかあの人一人で払うの?」

 

「そ、そのようみたいですよ。で、ですから負けた場合は16000円ですね」

 

「・・・・・あの人、そんな大金あるのかしら?」

 

「「「・・・・持ってないでしょうね」」」

 

数分後、案の定何もできずに負けた男子生徒は青ざめた表情で友達からお金をかき集めてパフェの代金を支払っていた。

 

龍可 side out

 

 

遊輝 side 〜(同日 22時)〜

 

 

「ふぅ〜、やっと着替えられたぜ」

 

「暑かった・・・・蒸れちゃったし」

 

「いいなぁ・・・・・着替えたい」

 

今日の営業を終了して、すでに晩飯は食べ終えた。そして午後10時、皆のリミットが外れて服が着替えられるようになり、装置に入って、皆、元の私服姿に戻った。もちろん、小等部の4人も。一方、俺たちはとばっちりをくらって明日の文化祭が終わるまで着替えられない。厨房で熱い思いをした俺は服の中がグジョグジョですぐにでも着替えたい。せめて、タオルで拭きたい。

 

「帰ったらシャワー浴びたいわね」

 

「分かります。さすがにここまでムワ〜としていたらシャワーを浴びたくなります」

 

「そうだな・・・・私も帰ったら風呂に入ろう」

 

『お待たせしました』

 

ダイヤが実体化して(すでに説明済み)、部室の真ん中を中心に円形状に10の次元の歪みが現れた。

 

『こちらから時計回りに凛さん、駆さん、鉄也さん、空さん、遊夜さん、奈美さん、蛍さん、ライさん、春香さん、ナハトさん、それぞれの世界と繋がっています。この中に入った後は流れに任せて進んでください』

 

「だって」

 

「他人任せね(汗)」

 

「いや、俺詳しく知らねぇもん」

 

「そうですか・・・・(汗)」

 

俺とレミのやりとりの間に皆、自分たちの世界に繋がる次元の歪みの前に立った。

 

「じゃあ皆!!またな!!」

 

「今度会う時はデュエルしような遊夜!」

 

「もちろんだ!スバル!」

 

「凛さん!!また会う時を楽しみにしています!」

 

「こっちこそ!アイドル頑張ってね春香ちゃん!」

 

「私も応援しているよ!」

 

「ありがとう遥ちゃん!」

 

「ナハト、良い思い出ができたぜ!」

 

「こっちこそ!文化祭誘ってくれてありがとな!」

 

「鉄也さん、望美さん、3日間色々とありがとうございました」

 

「こっちこそありがとうな、奈美さん、レインさん、恵さん、ゆまさん」

 

「また会おうね蛍君」

 

「こちらこそ、空さん、ありがとうございました」

 

それぞれ、最後の別れの挨拶を言って、次元の歪みの中へと入っていった。全員が入り終わると、次元の歪みは消えてなくなった。

 




魔理沙「ほんっと、遊輝って女物の服を何でも着こなせるよな・・・」

文「記者としてはネタになりますが、一人の女性としてはただの敵ですよ」

遊輝「お前は人間じゃなくて烏だろ・・・」←ヒータのコスプレ

文「何ですか!私は女性じゃないと言いたいのですか!?」

遊輝「動物とか妖怪はどっちかというと雌って概念だな〜」

魔理沙「言われたらわかる気がするな。動物に男性、女性って言いかたしないし」

文「私は動物じゃありませんよ!!」

「「烏だろ?動物だ(ぜ)」」

文「・・・・・酷いです」

魔理沙「んで、次の話が・・・・おっ、遊輝と彼女のデートか(ニヤニヤ)」

遊輝「///う、うるせぇ!!」

文「【混沌文化祭 最終日 それぞれのデート】。次回もよろしくお願いします」


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第119話 混沌文化祭 最終日 それぞれのデート

【なんかタイトルと違う感じの本編構成になったけど・・・・まぁいっか】



久しぶりの最強カードの紹介!!

遊星「本当に久しぶりだな。何話ぶりなんだ?」

遊輝とアリアのデュエルを最後だから約10話ぶり・・・・デュエル構成自体は大丈夫だよ。番外編で作者なりにガチデッキを回す構成をしていたから。

遊星「もうすぐ禁止・制限も変わるのに大丈夫なのか?」

大丈夫。
ああそうそう、禁止・制限について作者なりの予想を聞きたいという方は活動報告で「聞きたい」と言ってきてください。とは言っても、作者は環境プレイヤーではないので、大雑把な予想しか出来ませんが。

遊星「だったら最初からするなよ」

意味ねぇじゃねぇか・・・・
最強カードの紹介行くぞ。今回は煉獄の騎士ヴァトライムス。煉獄の騎士って書いてテラナイトと読む。全く分からないね。

遊星「大雑把に言えばプトレマイオスを弱体化したようなものだな。★4でテラナイトモンスター2体を素材に特殊召喚できる」

こいつがフィールドにいる限り、フィールドの全てのモンスターは闇属性として扱われる。だから、今回は(というか小説の設定上)使っていないけど、テラナイトに超融合を入れて、スターヴ・ヴェノムを出すという戦法もあるよ。

遊星「もう一つはエクシーズ素材一つと手札を1枚捨てることで、エクストラデッキの《テラナイト》とついた光属性のエクシーズモンスターをエクシーズ召喚扱いでこのカードの上に重ねることができる」

おかげでテラナイト2枚でトライヴェールを出せるようになりましたし、闇属性メタのダイヤさんもメイン1に出せるようになりました。何よりもテラナイト2体素材で殴れる奴が出たというのが良いよね。

遊星「そうだな。第119話、デュエルスタート!」


龍可 side

 

 

「出し物は4時だな。んじゃあ、行ってくる」

 

「途中で変な事しないでよ、ヒータ!」

 

「ヒータって言うな!!」

 

「龍可ちゃんも気をつけてね」

 

「分かりました」

 

レミさん達に手を振って、私と火霊使い ヒータにコスプレした遊輝は手をつなぐ。

文化祭最終日、初日と2日目はなかなか濃い日程だったけど、最終日でようやく遊輝と二人でいられる時間を取る事が出来た。・・・・・遊輝が目立って仕方ないけど。私?普通のアカデミアの制服よ。

 

「んで、どこに行きたいんだ?」

 

「ん〜・・・・まずは出し物が一番出ている広場から行きましょう」

 

「そうだな・・・・何があるんだ?」

 

「最終日は・・・・ああ、射的があるわ。ピンボールもあるみたい」

 

「んじゃあ、そこから行ってみるか」

 

目的を決めて、まずは一番多くの出し物が出ている広場へと目指す。その間はずっと手を繋いで・・・・・

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「おっ、ここだな」

 

広場に入って、ガヤガヤと盛り上がり中で射的屋を見つけた。早速射的屋に入り、遊輝が二人分のお金を支払う。

 

「はい、二人分」

 

「あいよ・・・・お客さん、どうしたの?」

 

「うんまぁ・・・色々とあってこんな格好させられている」

 

「そうか・・・ほい、一人5発まで」

 

「さてと・・・・・じゃあ何狙おうかな?まずは・・・」

 

「う〜ん・・・・・あっ」

 

遊輝はすでに銃を構えて狙いの物を定めた様子、一発撃ったけど、狙った物の上を通過した。一方、私は中段の左側にあった1枚のカードを見つけた。それは前から「欲しいな」と思っていたカードで、なかなか手に入りにくいカード、ちょうど目に見えたのであのカードを狙ってみる。

 

「(えっと・・・確かコツは真ん中を狙わずに左上の角を狙って、右下から狙う、だったわね)」

 

前に遊輝から教えてもらった屋台の射撃で欲しいものを狙うコツ。それを実践するために、腕を前に出して、狙いたいカードよりもやや右下で構え、的の左上の角を狙う。

 

パンッ!ポトッ

 

「やった!」

 

「おぉ、おめでとう。はい、景品だよ」

 

「スゲェ・・・・・やるじゃん龍可、一発で当てるなんて」

 

「遊輝にコツを教えてもらったのがよかったのよ。それで、遊輝は?」

 

「いや〜・・・・落ちなかった。あれを狙っていたんだけどな・・・・」

 

「・・・・あ、あれ?あれは無理があるんじゃないかな(汗)」

 

遊輝が指を指した物、それは上段の真ん中にあった小型のタブレットだ。タブレット自体の重量は軽くても300〜400gぐらいあるから空気銃じゃ無理があるよ・・・(汗)

 

「やっぱ無理か・・・・あれタダで手に入ったらすごい嬉しいんだよな。あったら便利だし」

 

「確かにあれば嬉しいけど・・・そこまで必要な物なの?」

 

「いや、あれば嬉しい程度。買ってまで欲しいとは思わない」

 

だったらいいんじゃないんかな・・・(汗)。

パーーン!!!

 

「えっ!?」

 

「うっし!!」

 

「す、凄いですねスバルさん・・・」

 

「あっ!スバル!祈!」

 

そんな話をしていたら、隣のお客さんが遊輝の狙っていたタブレットを一撃で落とした。驚いた私たちがそっちに振り向くと地霊使い アウスの格好をしたスバルさんがガッツポーズをしていて、近くにいた祈が拍手をしていた。

 

「凄いねお客さん、はい、最新型のタブレット」

 

「やったぜ!これで顧客整理が簡単になるぜ!」

 

「お前、スゲェな・・・・」

 

「重いタブレットをたった一撃で落とすなんて・・・・」

 

「いや〜、運が良かった良かった。当たりどこが良かったんだろうな。あとは遊輝がずっと狙って重心がズレていたからだろうな」

 

「あっ!お前か!!俺の後ろでずーっと見ていたのは!!」

 

「だってこのタブレット、マジで欲しくてさ。お客さんの情報の整理とかに必要だったし」

 

和気藹々というより・・・・半分喧嘩腰の遊輝、スバルさんはそんな事気にせずにタブレットの入った箱を持っていたリュックサックに入れてしまう。

 

「というわけで俺と祈は別のところに行くぜ」

 

「くそ〜〜・・・・俺のタブレットが・・・・」

 

「じゃあな」

 

「ま、またお会いしましょう」

 

スバルさんと祈がそのまま手を振って別のところに行ってしまう。遊輝は未だに悔しそうな表情をしている。

 

「くぅ〜・・・・仕方ない、タブレットは最悪自分で買うか・・・」

 

「買うんだ・・・・(汗)」

 

「何かあそこまでやられると何が何でも手に入れたくなった。それより次どこ行く?」

 

「ん〜・・・・・ん?」

 

どうしようかな〜と悩んでいたところに1枚のポスターが見えた。それは「デュエル大会!」のポスター・・・・去年、私が出て優勝したあの大会のポスターだ。

 

「この大会・・・・今年もやるんだ・・・」

 

「へぇ〜・・・出たいの?」

 

「うん・・・」

 

「じゃあ行ってみるか。この様子から見て、参加出来るかは知らないけど」

 

「そうね・・・・」

 

去年出た時(遊輝が申し込んでくれたけど)は、人数制限なんて無かったんだけど今年はデュエル大会の後に催し物があるみたいで早く終わらさなければならずに人数制限がかけられている。申し込みは昨日からみたいで、昨日は私は一日中働いていたから、そんな事出来なかった。「とりあえず大会の申し込みをしているという所まで行ってみよう」。遊輝の言葉に頷いて私たちは大会の申し込みを行っている会場近くのテントまで行ってみる事にした。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「やっぱり無理だったか・・・・」

 

「残念だけど仕方ないわ」

 

結論から言うとやっぱり無理だった。

運動場のメイン会場近くのテントに行った時には既に受付を終えていた。今日の朝、始まった時にはまだ数人空いていたみたいだったけど、さすがに始まる30分前はもう無理。仕方ないので今回は観戦する事にした。

 

「あの子可愛い!!何処の生徒!?」

 

「あんな子、アカデミアにいたかな?」

 

「・・・・・・頼むからやめてくれないかな(涙)」

 

「ア、アハハハ・・・・・(汗)」

 

『お待たせしました!デュエル大会を開催します!』

 

《ワアアアアアア!!!!!!》

 

司会者がステージ裏から出てきて、デュエル大会が始まる。今年の司会者はレミさんではなく、男子生徒のようだ。

 

『ではまず一回戦から行きましょう!1回戦は小等部の成田君と高等部の萩原さんです!』

 

「あっ、恭輔」

 

「出ていたんだ・・・・」

 

ステージ左側から恭輔が現れてデュエルディスクを展開する。相手は高等部の女性だ。

 

『それでは1回戦、お願いします!』

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

 

〜〜(1時間後)〜〜

 

 

『それでは決勝戦!!なんの因縁か、今年も小等部同士の対決となった!!小等部6年、成田君と同じく小等部6年、櫻井さんの対決だああ!!』

 

「そうなるわな・・・・あの2人に勝てる相手なんかアカデミアの中だと一握りだろ」

 

「そうね・・・・」

 

決勝戦は恭輔君と祈のデュエルとなった。最初のブロックに恭輔、最後のブロックに祈ちゃんがいたので、遊輝と二人してこの二人が勝ち上がるだろうなと予測していた。

 

『というわけで決勝戦!成田君と櫻井さんのデュエル!スタート!』

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

恭輔 LP 4000 祈 LP 4000

 

「先行は私です!私のターン!」

 

祈 LP 4000

 

「(・・・・・手札的には後攻の方が良かったけど、恭輔さんのデッキ相手に後攻は難しいですからね・・・)ジェムレシスを召喚」

 

ジェムレシス 攻1700

 

「ジェムレシスの効果でデッキからジェムナイト・オブシディアを手札に加えます。さらに魔法カード、吸光融合(アブソーブ・フュージョン)!デッキから《ジェムナイト》カードを手札に加えます!デッキからジェムナイト・フュージョンを手札に加えてそのまま発動!」

 

「早速ですか・・・」

 

「手札のジェムナイト・オブシディアとジェムナイト・サフィアで融合!ジェムナイト・アクアマリナを融合召喚!」

 

ジェムナイト・アクアマリナ 守2600

 

祈の後ろでジェムナイト・オブシディアとジェムナイト・サフィアが融合されて、ジェムナイト・アクアマリナが現れて膝を折る。

 

「ジェムナイト・オブシディアは手札から墓地へ送られた場合、墓地からLv4以下の通常モンスターを特殊召喚します!ジェムナイト・サフィアを守備表示で特殊召喚!」

 

ジェムナイト・サフィア 守2100

 

これでLv4が2体・・・・いつもだったらラヴァルバル・チェインなんだろうけど、あのカード、遊輝の元の世界で禁止になったから私たちにも使うなってお触れが出ちゃったし・・・

 

「(チェインを使えないのがすごく痛いですが・・・)墓地のジェムナイト・フュージョンの効果発動!ジェムナイト・オブシディアを除外して、このカードを手札に戻します!カードを1枚伏せてターンエンドです!」

 

 

祈 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジェムレシス 攻1700

ジェムナイト・アクアマリナ 守2600

ジェムナイト・サフィア 守2100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「ちょっと祈にしては動きすぎるような1ターン目ね・・・」

 

「問題は恭輔の手札だな。恭輔のデッキは特性上、モンスターの割合が少ないから」

 

「僕のターン!」

 

恭輔 手札 6枚

 

「(・・・・もう1枚《テラナイト》モンスターがいれば良かったですが仕方ありません。守りに徹しましょう)星因子ウヌクを召喚!」

 

星因子ウヌク 攻1800

 

「ウヌクの効果発動!チェーンで速攻魔法、天架ける星因子!自分フィールドの《テラナイト》モンスターを選択して、選択したモンスターと違う《テラナイト》モンスターを特殊召喚して、選択したモンスターをデッキに戻します!星因子アルタイルを特殊召喚!」

 

星因子アルタイル 攻1700

 

「ウヌクはデッキに戻り、ウヌクの効果発動!デッキから《テラナイト》モンスター1体を墓地に送ります!星因子デネブを墓地に送って、アルタイルの効果発動!墓地から《テラナイト》モンスターを守備表示で特殊召喚します!星因子デネブを特殊召喚!」

 

星因子デネブ 守1000

 

「デネブの効果でデッキから《テラナイト》モンスターをサーチします!2枚目のアルタイルを手札に加えます!」

 

「(確か「天架ける星因子」は、自身の効果で特殊召喚したモンスターがフィールドにいる限り、《テラナイト》モンスターしか特殊召喚出来ない・・・・どうするつもりって言ってもエクシーズモンスターだよね)」

 

「僕はLv4のアルタイルとデネブでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!流れる星の河の守護者!星輝士ミルキー・ウェイ!」

 

星輝士ミルキー・ウェイ 守3000

 

ブラックホールの中から青白い鎧を身につけて、右手に大きな十字の模様が入った青白い盾を持った中世の兵士のようなモンスターが現れる。背中には青白く光ったマントが羽織られており、左手には天の川のような星の道が流れている。

 

「(ミ、ミルキー・ウェイ?聞いた事がありませんね・・・)」

 

「ミルキー・ウェイは魔法・罠・モンスター効果でフィールドから離れる代わりに、オーバーレイ・ユニットを取り除くことでフィールドから離れません!」

 

「!?(フィールドから離れないって強くないですか!?)」

 

「カードを3枚伏せてターンエンドです!」

 

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星輝士ミルキー・ウェイ 守3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「わ、私のターン!」

 

祈 手札 4枚

 

「(・・・除去できないなら、素直に攻撃して倒すのみ!)魔法カード、ジェムナイト・フュージョン!フィールドのジェムレシスとジェムナイト・サフィアで融合!ジェムナイト・ジルコニアを融合召喚!」

 

ジェムナイト・ジルコニア 攻2900

 

「さらに永続魔法、ブリリアント・フュージョン!デッキからジェムナイト・ラズリー、ジェムナイト・ガネット、ジェムナイト・ルマリンの3体で融合!光渦巻きて新たな輝きとともに一つにならん! 融合召喚!輝きの淑女!ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ!!」

 

ジェムナイトレディ・ブリリアント・ダイヤ 攻/守 3400/2000→0/0

 

ブリリアント・フュージョンによってラズリー・ガネット・ルマリンの3体が融合されてブリリアント・ダイヤが出たところで、恭輔の伏せカード1枚が発動された。

 

「リバースカードオープン!強制脱出装置!ブリリアント・ダイヤは手札に戻っていただきます!」

 

「あっ!?」

 

恭輔が発動した伏せカードによって飛び出した機械にブリリアント・ダイヤが吸い込まれてしまいそのまま上空へと打ち上げられてしまった。

 

「さすがにそのモンスターを通すわけにはいきませんよ。そのモンスター出されたら負けてしまいますからね」

 

「くっ・・・・墓地に送られたジェムナイト・ラズリーの効果!墓地から通常モンスターを手札に加えます!ジェムナイト・ルマリンを手札に加えて、墓地のジェムナイト・フュージョンの効果発動!墓地からジェムナイト・ガネットを除外してこのカードを手札に加えます!」

 

これでジェムナイト・ルマリンとジェムナイト・フュージョン、ジェムナイト・アクアマリナで融合・・・・ってところかな?でもそれだけだとミルキー・ウェイを突破することはまだ無理ね・・・

 

「ジェムナイト・マジシャンを召喚!」

 

ジェムナイト・マジシャン 攻1000

 

ピンク色のストレートの髪をした少女の魔法使いが祈のフィールドに現れる。服はブラック・マジシャン・ガールをモチーフにした露出の多い衣装で服の色はピンク、スカートやマントのヒラヒラとした部分は黄色で構成されている。胸には透明な水晶が刻まれている。

 

「(あれって確か・・・・異世界から来た人にに貰ったっていう・・)」

 

「ジェムナイト・マジシャンの効果発動!手札のジェムナイト・フュージョンを墓地に送って、除外されている《ジェムナイト》融合モンスターによって決められている融合素材モンスターをデッキに戻すことで、その融合モンスターを融合召喚する!」

 

「!?」

 

「私は除外されているジェムナイト・オブシディアとジェムナイト・ガネットで融合!ジェムナイト・ルビーズを融合召喚!」

 

ジェムナイト・ルビーズ 攻2500

 

ジェムナイト・マジシャンがジェムナイト・フュージョンのカードを杖に飲み込んで、杖から放たれた魔法により、祈の上空に歪みが現れて、そこから除外されていたオブシディアとガネットの2体が融合されて、ジェムナイト・ルビーズが現れた。

 

「ジェムナイト・ルビーズの効果発動!自分フィールドの《ジェム》モンスターをリリースして、このターンの終了時までリリースしたモンスターの攻撃力分、攻撃力がアップします!ジェムナイト・マジシャンをリリース!」

 

ジェムナイト・ルビーズがジェムナイト・マジシャンを胸に取り込み、ジェムナイト・マジシャンの胸に刻まれていた水晶がジェムナイト・ルビーズに取り込まれる。

 

ジェムナイト・ルビーズ 攻2500→3500

 

「さらに墓地のジェムナイト・フュージョンの効果!墓地のジェムナイト・ラブリーを除外して手札に加えて、発動!手札のジェムナイト・ルマリンとフィールドのジェムナイト・アクアマリナで融合!ジェムナイト・プリズムオーラを融合召喚!」

 

ジェムナイト・プリズムオーラ 攻2450

 

「融合素材にされたアクアマリナの効果発動!相手フィールドのカード1枚を手札に戻します!私は左側の伏せカードを選択!」

 

「チェーンでその伏せカードオープン!強制脱出装置!」

 

「!?に、2枚目!?」

 

「効果でジェムナイト・プリズムオーラを手札に戻します!」

 

2枚目の強制脱出装置が起動、プリズムオーラが吸い込まれていき上空へと打ち上げられてしまった。プリズムオーラを選択したってことはあの最後の伏せカードを除去されるのが嫌だったのかな?

 

「・・・・仕方ありません。バトルです!ジェムナイト・ルビーズで星輝士ミルキー・ウェイに攻撃!ジェムナイト・ルビーズは貫通能力を得ています!」

 

ジェムナイト・ルビーズが持っている杖が赤く燃え上り、そこから大きな波動の弾が放たれてミルキー・ウェイの巨大な盾を貫通、その反動が恭輔にダメージとして与えられた。

 

ジェムナイト・ルビーズ 攻3500

星輝士ミルキー・ウェイ 守3000

 

恭輔 LP 4000→3500

 

「星輝士ミルキー・ウェイの効果発動!このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、デッキから《テラナイト》モンスター1体を特殊召喚できます!星因子ウヌクを守備表示で特殊召喚!ウヌクの効果でデッキから星因子シャムを墓地に送ります!」

 

ミルキー・ウェイが破壊されて残った天の川が上空へと繋がって、そこからウヌクが現れる。

 

「(リクルート能力がありましたか・・・)ジェムナイト・ジルコニアで星因子ウヌクに攻撃!」

 

ジルコニアの巨大な両腕がハンマーの容量でウヌクを押しつぶした。

 

「(・・・私の伏せカードはブリリアント・スパーク。これにかけるしかありません)ターンエンドです。エンドフェイズにジェムナイト・ルビーズの攻撃力は元に戻ります」

 

「エンドフェイズ、リバースカードオープン!永続罠、リビングデットの呼び声!墓地から星因子アルタイルを特殊召喚!アルタイルの効果発動!墓地から星因子デネブを守備表示で特殊召喚!デネブの効果でデッキから星因子ベガを手札に加えます!」

 

相変わらず相手ターンに展開するわね・・・(汗)。なんであんなことを平気でするのよ・・・

 

 

祈 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジェムナイト・ジルコニア 攻2900

ジェムナイト・ルビーズ 攻3500→2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン!」

 

恭輔 手札 4枚

 

「まずはLv4のアルタイルとデネブでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星の光を守りし影武者!煉獄の騎士(テラナイト)ヴァトライムス!」

 

煉獄の騎士ヴァトライムス 攻2600

 

再びアルタイルとウヌクの2体が吸い込まれていき、今度は下半身が黒色の馬で上半身が甲冑を着たケンタウロスみたいなモンスターが現れる。顔は白い仮面を被っているので素顔が見えない。それにしてもあのモンスター・・・・・・何処となくプトレマイオスの面影があるのだけど(汗)

 

「ヴァトライムスがフィールドにいる限り、全てのモンスターは闇属性になりますが今は関係ありません!ヴァトライムスの効果発動!オーバーレイ・ユニットと手札を1枚捨てることで、エクストラデッキの《テラナイト》と名のついた光属性のエクシーズモンスターをこのカードの上にエクシーズ召喚扱いで特殊召喚します!」

 

「なっ!?」

 

ちょ、ちょっと!?言っていることがプトレマイオスとあんまり変わってないわよ!?

 

煉獄の騎士ヴァトライムス OVR 2→1

恭輔 手札 4枚→3枚

 

★4→★4

 

「僕は煉獄の騎士(テラナイト)ヴァトライムスでオーバーレイ・ネットワークを再構築!エクシーズ召喚!星の彼方から舞い降りよ!星輝士トライヴェール!」

 

星輝士トライヴェール 攻2100

 

上空に光の穴が出現して、その穴からヴァトライムスに掛けて光の道が現れる。ヴァトライムスはその道を駆け抜けていき、出来た大きな光の穴に入っていく。すると大きな光の爆発が起きて、その中からトライヴェールが姿を現した。

 

「!?し、しまった!!」

 

「この効果を使ったターン、僕はこの後エクシーズ召喚が出来ません!トライヴェールの効果発動!エクシーズ召喚に成功した時、このカード以外のフィールドのカードを全て手札に戻します!デルタ・オブ・ツイスター!」

 

姿を現したトライヴェールが手にしている三角形の模型を上空へと飛ばし、その三角形が回転を始めてフィールドに竜巻が巻き起こる。トライヴェール以外の全てのカードはその竜巻に飲み込まれて空高くへと飛んでいってしまった。

 

「くっ・・・・」

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!手札から星因子ベガを特殊召喚して、このカードを守備表示にします!」

 

星因子ベガ 攻1200

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

「星因子ベガの効果発動!手札から《テラナイト》モンスターを特殊召喚します!星因子アルタイルを特殊召喚!効果発動!墓地から星因子デネブを特殊召喚!デネブの効果でデッキから星因子アルタイルを手札に加えます!」

 

相変わらず流れるような動きね・・・・・ここまで来れば恭輔の勝ちは確定ね。

 

「バトル!全てのモンスターででダイレクトアタック!スターオーバー・ザ・ドライブ!」

 

祈 LP 4000→0

 

WIN 恭輔 LOS 祈

 

 

 

『決着!!優勝は成田君!!』

 

《ワアアアアアア!!!!!》

 

「やっぱり恭輔は強いな」

 

「祈、何も出来てなかったよ・・・・」

 

テラナイトモンスター2体で一気にトライヴェールを出せたり、守備力3000のモンスターが並んだりって、恭輔のデッキ、今まで以上に展開力と防御力が増したわね・・・・

 

『優勝した成田君には優勝商品として最新パックを15パックプレゼントします!』

 

「ありがとうございます」

 

「・・・・去年よりショぼくないか?」

 

「・・・・人によるでしょうね」

 

「残念だったら祈」

 

「うぅ・・・・強かったです・・・」

 

ステージ端の右側からスバルと祈がやってきて、私たちの隣に座った。

 

「恭輔強いな・・・・相変わらず流れるような展開だな」

 

「お、おまけにデッキのモンスターは必要最低限にしてありますから伏せカードも多いですし・・・」

 

「そこが【テラナイト】の強いところだよ」

 

「おおい師匠!!」

 

「あっ、優勝者が帰ってきましたよ」

 

ステージの左側から降りてきた恭輔が私たちの所にやってきた。

 

「おっ、恭輔。優勝おめでとう」

 

「ありがとうございます!これからこのパック開けていくのですが、皆さんで一緒に開けませんか?ちょうどお昼頃ですのでお昼ご飯も一緒に」

 

「俺は構わないけど、他のやつは?」

 

「私も大丈夫」

 

「俺も」

 

「わ、私もです」

 

「それじゃ・・・あそこのお店に行きましょう」

 

恭輔の指差したお店を目指して、私たちは立ち上がり、さっきのデュエルについて色々と語り合う。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

・・・ガヤガヤ

 

現在、午後4時ちょっと前。

お昼前に行われたデュエル大会と同じステージ、観客席には沢山の人がいる。私と一緒にいた遊輝は離れて、代わりに龍亞と祈、恭輔、あとは天平とパティも一緒にいる。

 

「軽音部が出し物をするなんて珍しいね」

 

「何するのかな・・・・ああやって機材を並べてはいるからまたライブかな?」

 

「流石に同じようなライブではないでしょ。ちょっと変わったことをするって言っていたし」

 

パティの考えをすぐに否定した龍亞。「酷いよ〜」とパティは祈に慰めを求めた。

4時からはこのステージで軽音部が20分間、出し物をすると発表された。内容は分かってないけど、ちょっと変わったことをするみたい。軽音部がライブ以外で出し物をするのは始めてなので、皆期待を込めてこのステージに着た。

 

そんなこんな思っていると、いつの間にか4時になったみたいで、先に遊輝やレミさん、スバルさんに茜さんの4人が出てきた。スバルさんはドラムの前に座ったけど、いつもキーボードを担当している響さんではなく、レミさんがキーボードの前に立ち、代わりに遊輝がベース、茜さんがギターを手にした。そして、その4人から遅れて響さんと奏さんがヘッドセットマイクを付けている。

 

「こんにちは〜〜」

 

『こんにちは〜〜!!』

 

『どうしたのその格好!?』

 

「ん〜、まぁ色々あってね(汗)。そこら辺は内緒」

 

『えぇ〜』

 

「えぇじゃないよ。さっさと始めないと時間がないんだから(汗)」

 

「というわけでえぇ、・・・軽音部の出し物はいつもだったらライブで終わりなんだけど、今年は大きくなってしまってね、あれを出し物とは言わないのでちょっと変わったことをしてみます」

 

「実は軽音部で、○天堂の『Spl○○oon』というゲームが大流行りでね」

 

『知ってる!!』

 

『イカゲーでしょ!』

 

「そうそう、だから、せっかくだしそのゲームにあるアイドル、『シオカラーズ』の曲を私と奏の幼地味でカバーしようと思います!」

 

『ワアアアアアア!!!!』

 

「この頭につけるタイプのマイクを使っているんだから、ちゃんと踊るよ。後ろの演奏組は今回はサポートってわけね」

 

「というわけで一曲目行くよ!【キミ色に染めて】」

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

レミさんのキーボードから始まったメロディ、それに合わせて響さんと奏さんが両手を上に上げて、叩いて観客に求める。私たちもそのリズムに合わせて手を叩き始めた。

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

イントロからAメロに入ると、響さんと奏さんが歌いながら息のあったダンスを披露する。元々ある踊りをコピーしているだけだけど、皆軽音部のメンバーがこんなことをするんだと驚いたり、歓声が上がったりしている。

 

 

 

1 キミ色に染めて

 

2 イマ・ヌラネバー

 

3 ハイカラシンカ

 

4 マリタイム・メモリー

 

5 シオカラ節

 

 

 

♪♪、♪♪♪〜〜〜〜〜〜!!!!

 

《イエエエエエエエエエエ!!!!!!》

 

「どうもありがとう!!」

 

「ありがとうございました!」

 

響さんと奏さんが観客に手を振りながら挨拶をする。先に奏さんがステージ裏へと下がっていき、それを見て慌てて響さんもステージ裏へと下がっていった。

 

「凄いですね・・・・ダンスするとは思いませんでした」

 

「それよりもさ、軽音部ってよっぽどあのイカゲーにハマっていたんだな」

 

「「「「う、うん・・・(汗)」」」」

 

軽音部の部室に色んなゲーム機が置いてあるのは知っていて、イカゲーにハマっているっていうのは前々から聞いていたけど、あそこまでハマっているとは誰もが思っていなかったので、皆ビックリした。

 

「ねぇねぇ、この後どうする?」

 

「あと1時間で文化祭も終わりますしね・・・」

 

「じゃあ最後のさ、キャンプファイアーみたいなやつ見に行こうぜ!」

 

「良いですね。行きましょう」

 

最後の予定も決まり、私たち6人でキャンプファイアーが行われる場所まで移動する。




紫「へぇ〜、ダンスなんかするんだね」

恭輔「もともと、運動が苦手な奏さんが体力をつけるために取り入れただけなんですけどね」

藍「なかなか実物だったぞ。ところであの格好は何だったんだ?」

祈「い、色々とありまして・・・・(汗)」

恭輔「それじゃ、今回のオリカの紹介に行きましょう。今回はドロイデンさんと龍南さんの2人から頂きました」

紫「まずは恭輔君の方から、ドロイデンさんから頂いたオリカよ」



星輝士 ミルキー・ウェイ ★4
光属性 戦士族 攻1000 守3000
☆4「テラナイト」モンスター×2
①このカードが魔法・罠・効果モンスターの効果でフィールドから離れる代わりに、このカードのエクシーズ素材を一つ取り除く。
②このモンスターがフィールドから墓地に送られた場合、デッキから「テラナイト」モンスター1体を特殊召喚する。



藍「こちらは原案から作者が少し変えさせてもらいました」



原案


星輝士 ミルキー・ウェイ ★4
光属性 戦士族 攻1000 守3000
☆4「テラナイト」モンスター×3
①このカードがエクシーズ召喚に成功した場合、墓地の光属性レベル4モンスターを1体手札に戻す。
②相手モンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を一つ使うことで、そのモンスターの攻撃対象を別のモンスターへ変更する。
③このカードにエクシーズ素材が存在する限り、このカードは魔法・罠・効果モンスターの効果でフィールドから離れない。



祈「だ、大分強化しましたね・・・」

恭輔「えっとですね、作者がこれを貰ったとき、「これは先行1ターン目で出すべきモンスターだな・・・」と直感的に思ったそうです。理由はステータス」

紫「守備力3000はけっこう大きいわね。しかも何が何でも場を離れない」

恭輔「先行1ターン目に固めてこそ、このモンスターは輝くだろうと思い、素材を軽くして尚且つ回収効果を墓地に送られた場合にしました」

祈「そ、素材を取り除いて攻撃対象を変更するのは?」

恭輔「先行1ターン目にこのモンスターしか立たないというのが現状でしてね・・・・それとエクシーズ素材を持っている限り場から離れないというのはちょっとやりすぎ感があったので・・・・」

紫「②の効果をなくして、①の効果に制限をつけたのね」

藍「それでも最初に出すなら十分すぎるモンスターだな・・・・」

恭輔「何気に天架ける星因子と相性がいいですからね」

祈「つ、次は龍南さんから私に、ジェムナイト・マジシャンです」




ジェムナイト・マジシャン ☆3
光属性 魔法使い族 攻1000 守1000
①1ターンに1度、手札の「ジェムナイト・フュージョン」を1枚を捨てることで、除外されている「ジェムナイト」と名のついた融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
②このカード以外の「ジェムナイト」と名のついたモンスターが自分の場に存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。



紫「こっちはすでに向こうの小説で使われたんだよね?」

祈「は、はい。ですからこれはオリジナルそのままで」

恭輔「効果は簡単に言えばジェムナイト版の平行世界融合です」

藍「ジェムナイトは特性上、よくモンスターが除外されるから、このカードとジェムナイト・フュージョンがあれば除外ゾーンのカードで融合出来るのは強みだな」

祈「あ、あとはデッキに戻ってくれる。これが意外とありがたい時があります」

紫「モンスターが増えるからね・・・後半の持久力という面でも良いモンスターね」

恭輔「えっと、今回で文化祭は終わり、次回は作者の予定だと茜さんとジャックさん、奏さんとクロウさんのデュエルを行われる予定です」

祈「タ、タイトルはまだ未定です。ご了承ください」

紫「次回もよろしくね」


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第120話 孤高の竜

最強カードの紹介〜〜。

レミ「久しぶり!!」

最近出たエクストラパック2016の《Kozmo》、あれの炎王版の調整に苦労してます。

レミ「えっ?結局買ったの?」

いやだって・・・・予想以上に安かったんだよ。ダークシミターは税抜き600円、エメラルドポリスは特価(美品)で税込850円やったから。

レミ「ダークシミターがウルトラじゃなくてスーパーというところが大きいよね。それよりも名前、ダサいわね・・・」

そう!!英語版はDark Destroyerというカッコいい名前なのに、ダークシミターって何!?

レミ「製作会社の悪意を感じるわね・・・・」

まぁそこは置いといて、さっさといこうよ。今回は琰魔竜レッド・デーモン。
大変長らくお待たせしました。ようやくジャックの決闘竜の出番です。

レミ「☆8のシンクロモンスターでメイン1に1度、このカード以外のフィールドの攻撃表示のモンスターを全て破壊する。単純明解で強いわね」

この効果を使ったターン、こいつ以外攻撃できないけど、打点も3000あるし文句はないね。レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトとは一長一短の関係だからその場に応じて使い分ける必要があるぞ。

レミ「第120話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

ザザザザザーーーー!!!!!!

 

「この雨が続くようじゃ、今日は中止だな・・・・」

 

「せっかくバイトの休みでDホイールの練習をしようと言ったのに・・・・・誰だよ雨男は」

 

「俺を見ながら言うなクロウ!!」

 

「仕方ない、俺は依頼のあった物を修理してくる」

 

「僕は新型エンジンのプログラミングをしておくよ」

 

そう言って、遊星さんは奥の部屋に一度戻って、ブルーノは近くのPCを起動した。

文化祭明けの休日、この日はクロウも遊星も仕事がないor少ない状態だったので(ジャック?ニートだから関係ない)、俺たちのチームと一緒にWRGPに向けてDホイールで特訓する予定だったんだが、30分前からあいにくの大雨。

先に奏や茜、響たちはだけは来て、奥の方でお茶を飲んでいる。とりあえず、レミやスバルには様子見という連絡をメールで入れておこう。

 

「遊輝〜〜、中止ならこっちでお茶飲もうよ〜」

 

「んなことしてられねぇよ。これからDホイールのメンテをしなくちゃいけないんだから」

 

「えぇ〜、奏っちがケーキを持ってきたのに〜」

 

「お前らは何をしにここに来たんだよ・・・」

 

まったりしすぎだろ・・・・ここ遊星さんたちの住む所なんだからさ。

 

「お前ら!人ん家に上がって勝手にケーキを食べるな!」

 

「そんなこと言わないでさ、ジャックさんやクロウさんもどう?奏の店のカップケーキは絶品だよ」

 

「・・・・・うめぇ、こいつは確かに美味い」

 

「おいクロウ!!貴様もまんまと餌に釣られるな!」

 

ジャックが和やかにする3人に喝を入れたが、いつの間にか、クロウもあっちに行ってケーキを食べてお茶を飲んでいる始末(汗)

 

「んなこと言わねぇでジャックも食ったらどうだ?奏の店のケーキなんか一度も食べたことがないんだろ?」

 

「俺はブルーアイズ・マウンテンだけで充分だ!」

 

あ〜あ、あの1杯3000円するボッタクリ感満点のコーヒーか・・・・コーヒー飲めない俺にとっちゃ、どれも同じような味にしか思えないんだよな・・・・カップラーメンの味の違いは認めるけど。

 

「次はこいつもらうぜ」

 

「あっ!それ私が食べる予定のやつ!」

 

「硬いことを言うなよ。あ〜ん・・・」

 

「私のイチジクのケーキ・・・・・」

 

「お前らな・・・・(汗)」

 

「そういえば茜、デュエル大会のメンバーに選ばれたんでしょう?目標とかあるの?」

 

「決勝トーナメント出場」

 

「随分低いな(汗)。一応、去年の優勝クラスを引き受けるんだぞ」

 

「だって奏っちや響っち抜きのメンバーで高等部に勝てそうな人いないし、何よりあの小等部6ー3に勝てる要素が一つも見つからない」

 

「それもそうか・・・・・」

 

アカデミアデュエル大会・・・・今年のメンバーには茜が選ばれたが、俺たち5人は選ばれていない。アカデミアは基本的にクラスはエレベーター方式なので、優勝メンバーがそのまま同じクラスになることが基本だ。そうなると同じクラスばかり優勝する可能性が高いため、優勝したクラスのメンバー全員、翌年のデュエル大会には参加できない。

 

「にしても雨降り止まないな・・・・何のためにここに来たのか・・・」

 

「う〜ん・・・・じゃあ暇だしこれやる?」

 

茜がスカートのポケットの中からデッキケースを取り出した。

 

「そっちからジャックっちとクロウっち、こっちからは私と・・・・・奏っち」

 

「何で私じゃないのよ!!」

 

「デッキを忘れている人が何言い出すのよ」

 

「・・・・お前、デッキ忘れたのかよ(汗)」

 

話にならないじゃないか・・・(汗)。デュエルするしない以前の問題だよ。

 

「別にいいけど、外があの大雨じゃな・・・・」

 

「中で出来ないの?Dホイールを端によせて」

 

「無茶言うなよ茜、この部屋は機械がたくさんあるんだから」

 

「う〜む・・・・お前らの力で何とかならないか?」

 

「えっ?」

 

「例えば雨を止めされるとか・・・」

 

「んな自然現象止められるような能力だったら、必要な時にやってるよ」

 

いくらシークレットシグナーの能力が凄いと言っても、自然現象を止めたり変えたりなんて事は出来ない。そりゃ、周りに太陽を作る事は出来ても、その地域だけを晴れにするなんて離れ業は出来やしない。

 

「何かデュエル出来るところないかジャック〜」

 

「・・・・・裏はどうだ?あそこならギリギリいけるんじゃないか?」

 

「裏?そう言えばこの前ビルが取り壊されていたな・・・・」

 

そう呟いたクロウは立ち上がって、裏口の方までいき、扉を開ける。俺もクロウの後ろについていく。

 

「・・・確かにいけそうだな」

 

「どれどれ?」

 

クロウの下から頭を出して、その様子を見る。そこに広がったているのは全くの更地、さらにはなぜか雨が降っていない。

 

「ここ、元々古くて小さいビルが建てられていたんだけど、数ヶ月前に取り壊されてさ。おまけにあのビルとあのビルがこの前の工事で繋がったから雨がほとんど降ってこないんだ」

 

へぇ・・・何というご都合主義(汗)

 

「それじゃここでやろうか」

 

「へぇ〜、こんな場所あったんだ」

 

「ここならできるね」

 

すでにデュエルディスクを腕につけて準備万端の奏と茜。一方、クロウとジャックは一度部屋でデュエルディスクを取りに戻る。

 

「よっし、じゃあやるか!まずは俺からだ!」

 

「こっちは私よ」

 

先にクロウと奏のデュエルね・・・・1年前のあの時以来か。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

クロウ LP 4000 奏 LP 4000

 

「先行は俺だ!俺のターン!」

 

クロウ 手札 6枚

 

「チューナーモンスター、BFー上弦のピナーカを通常召喚!」

 

BFー上弦のピナーカ 攻1200

 

「このカードは自分フィールド上に《BF》モンスターが1体だけ存在する場合、手札から特殊召喚できる!BFー白夜のグラディウスを特殊召喚!」

 

BFー白夜のグラディウス 攻800

 

クロウのフィールドに頭を包帯で巻いて、弓矢を持ったカラスが現れ、その隣に上半身に鋼の鎧を身につけて、両手に短剣を持った鳥が現れた。

 

「行くぜ!Lv3の白夜のグラディウスにLv3の上弦のピナーカをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「神話の名刀を振るえ!猛禽の勇士!シンクロ召喚!BFー星影のノートゥング!」

BFー星影のノートゥング 攻2400

 

上弦のピナーカが3つの輪となり、その中に白夜のグラディウスが入って、1つの光となる。その中からカラスの黒い羽が一つ落ちて、先に大きな大剣が出てくる。柄の部分が出てくると、その剣を握る右手が見えて、光の中からノートゥングが姿を現した。

 

「星影のノートゥングの効果発動!こいつは1ターンに1度、特殊召喚に成功した時、相手に800ポイントのダメージを与え、相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力を800ポイント下げる!舞い戻る剣(ホーミング・ソード)!」

 

ノートゥングが奏に向かって大剣を投げ、それがブーメランのように回転をして、奏を切りつけて自身に戻ってくる。

 

「ぐうぅ!」

 

奏 LP 4000→3200

 

「さらにこのカードは自分フィールド上に《BF》がいる場合に特殊召喚できる!チューナーモンスター、BFー突風のオロシを特殊召喚!」

 

BFー突風のオロシ 守600

 

「Lv6の星影のノートゥングにLv1の突風のオロシをチューニング!」

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

「漆黒の鷹を操りし鷹匠よ!全ての鳥を操り、戦場での勇士となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!BFTー漆黒のホーク・ジョー!」

 

BFTー漆黒のホーク・ジョー 攻2600

 

突風のオロシが作った1つの輪の中にノートゥングが入って、一つの光となる。その中から大きな2対のカラスの翼を背中につけた人型のモンスターが現れた。腰には剣が鞘に収められて、右手には金色に輝く金属製のグローブがはめられていている。

 

「漆黒のホーク・ジョーの効果発動!1ターンに1度、墓地のLv5以上の鳥獣族モンスターを特殊召喚する!蘇れ!星影のノートゥング!」

 

ホーク・ジョーが右手を天に挙げると、そこに黒い風が吹き始め、竜巻になりその中心からノートゥングが姿を現した。

 

「・・・相変わらずインチキくさい展開力ね」

 

「まだまだだ!星影のノートゥングがフィールドにいる限り、俺は《BF》モンスターをもう一度だけ通常召喚できる!BFー精鋭のゼピュロスを召喚!」

 

BFー精鋭のゼプュロス 攻1600

 

「さらに手札のチューナーモンスター、BFー疾風のゲイルを特殊召喚!」

BFー疾風のゲイル 攻1300

 

「Lv4の精鋭のゼプュロスにLv3の疾風のゲイルをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「黒き旋風よ、天空へ駆け上がる翼となれ!シンクロ召喚!BFーアーマード・ウィング!」

 

BFーアーマード・ウィング 攻2500

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、墓地に送られたピナーカの効果で、デッキからLv4以下の《BF》を1体手札に加える!俺は極北のブリザードを手札に加えるぜ!」

 

 

クロウ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BFTー漆黒のホーク・ジョー 攻2600

BFー星影のノートゥング 攻2400

BFーアーマード・ウィング 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「すっごい展開力・・・・」

 

「クロウっちのデッキ、すごい・・・」

 

「ここまで来たらパーミッションはキツイだろうな。パーミッションであの場を覆す除去カードは少ないだろうから」

 

響や茜、ジャックがそれぞれの見解を示し、俺はそれに頷く。

クロウもそこを分かって先行1ターン目でここまで展開したんだろうな・・・・でもひっかかるな。奏、デッキケースを触っていたんだけど・・・・

 

「私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

「魔法カード、ツインツイスター!手札のカードを1枚捨てて、その伏せカードを破壊!」

 

「チッ・・・」

 

奏のツインツイスターからツイスターが吹き荒れて、クロウの伏せカード、ゴッドバード・アタックが破壊された。

にしてもツインツイスター?魔法、罠の除去なんてハーピィぐらいしかパーミッションに入ってなかったはず・・・・まさか・・・

 

「魔法カード、トレード・イン!手札の堕天使スペルビアを捨てて2枚ドロー!」

 

「うええい!?堕天使!?」

 

奏 手札 2枚→4枚

 

何サラッとした顔で堕天使なんて使ってるんだよ!?

 

「あっちゃ〜・・・・」

 

「これはクロウ、不味いわね・・・・(汗)」

 

茜や響も手に頭を押さえちゃってるし・・・・これはクロウ、動かないように祈るだけだな。

 

「魔法カード、堕天使の追放!デッキから《堕天使》カードを手札に加える!堕天使の戒壇を手札に加えて、手札の堕天使イシュタムの効果発動!このカードと堕天使アムドゥシアスを墓地に送って2枚ドロー!」

 

奏 手札 2枚→4枚

 

「「「あ〜あ・・・・終わった(汗)」」」

 

「終わった?それほどなのか?」

 

「ジャックさん・・・これから起きることを地獄絵図というんです」

 

「?」

 

「魔法カード、堕天使の戒壇!墓地から《堕天使》モンスターを守備表示で特殊召喚する!堕天使スペルビアを特殊召喚!」

 

堕天使スペルビア 守2400

 

「堕天使スペルビアの効果発動!墓地からスペルビア以外の天使族モンスター1体を蘇生する!堕天使アムドゥシアスを特殊召喚!」

 

堕天使アムドゥシアス 守2800

 

フィールド上空に天空からの光が差し込み、そこからスペルビアが現れ、スペルビアが目の前に大きな穴を開けてそこからアムドゥシアスが現れた。

 

「へっ、守備表示で固めるつもりか?」

 

「堕天使アムドゥシアスの効果発動!墓地の《堕天使》魔法・罠カード1枚を選択!ライフを1000ポイント払って、選択したカードをこのカードの効果として使用する!」

 

「ハァ!?墓地のカードを使用!?インチキ効果も大概にしろ!」

 

奏 LP3200→2200

 

「私が使うのは堕天使の追放!この効果で堕天使ルシフェルを手札に加える!そしてこの効果で使ったカードはデッキに戻る!スペルビアとアムドゥシアスの2体をリリース!堕天使ルシフェルをアドバンス召喚!」

 

堕天使ルシフェル 攻3000

 

スペルビアとアムドゥシアスの2体が消えて、そこから漆黒の霧が現れる。視界が霞む中、そこから堕天使の長、堕天使ルシフェルが現れた。圧倒的なオーラと存在感で、フィールドに現れたその時からクロウや俺たちにすごいプレッシャーをかける。

 

「な、なんだこのモンスター・・・・」

 

「堕天使ルシフェルの効果発動!このカードのアドバンス召喚成功時、相手フィールドの効果モンスターの数まで、デッキ・手札から《堕天使》モンスターを特殊召喚する!」

 

「ハアアア!?!?」

 

「デッキから堕天使ゼラート、堕天使イシュタム、堕天使テスカトリポカを特殊召喚!」

 

堕天使ゼラート 攻2800

堕天使イシュタム 攻2500

堕天使テスカトリポカ 攻2800

 

ルシフェルが地面に軽く突き刺していた大剣を両手で真上に持ち上げて、地面に思いっきり突き刺す。そこから地割れが起きて、大きな闇が広がる。その中からゼラート、イシュタム、テスカトリポカの3体の堕天使がフィールドに現れた。

 

「な、な・・・・・・・」

 

「堕天使ゼラートの効果発動!手札の闇属性モンスターを1枚捨てて、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

「なっ!?サンダーボルトだと!?」

 

奏が手札のカードを1枚捨てて、ゼラートが左手に持っている剣を天に掲げる。上空に分厚い黒い雲が集まる。大剣の上に黒い雷が落ちて、電気を帯びたその剣をゼラートはクロウのフィールドのモンスターに向けて振り下ろした。振り下ろした大剣から放たれた電撃がクロウの全てのモンスターを感電させて破壊した。

 

「い、インチキ効果も大概にしやがれ!!!」

 

「うるさいわね!!ついでだから墓地に天使族モンスターが4体存在するから大天使クリスティアを特殊召喚!!」

 

大天使クリスティア 攻2800

 

「大天使クリスティアの効果で堕天使アムドゥシアスを手札へ!!バトル!!全てのモンスターでダイレクトアタック!!」

 

クロウ LP 4000→0

 

WIN 奏 LOS クロウ

 

 

「ちきしょう・・・・完膚なきまでにやられちまったぜ・・・・」

 

「ひっでぇ・・・(汗)」

 

何もできずにやられたクロウは右膝を地面につけて、悔しそうな表情で奏を睨みつけた。

あれは酷いわ・・・(汗)。ツインツイスターで妨害を防がれた後にサンダーボルトで除去して、その後にクリスティアとか酷いとしか言いようがない(汗)。

 

「だらしないなクロウ・・・・」

 

「いや、あんな状況誰だって負けますからジャックさん・・・(汗)」

 

「酷かった・・・・・(汗)」

 

「じゃあ次は私とジャックっちね!」

 

・・・・・茜のその口癖、ある意味尊敬するな。遊星さんやジャックにもブレないんだから。

そう思いつつ、今度はジャックと茜がデュエルディスクを展開して対峙する。

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

茜 LP 4000 ジャック LP 4000

 

「先行は譲ってやろう」

 

「じゃあ遠慮なく・・・私のターン!」

 

茜 手札 6枚

 

「魔法カード、闇の誘惑!カードを2枚ドローして、ヴェルズ・サンダーバードを除外!レスキュー・ラビットを召喚!」

 

レスキュー・ラビット 攻300

 

「レスキュー・ラビットの効果発動!このカードをゲームから除外して、デッキからLv4以下の同名通常モンスターを2体特殊召喚する!ヴェルズ・ヘリオロープを特殊召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950 ×2

 

「Lv4のヴェルズ・ヘリオロープ2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!邪念の王!ヴェルズ・オピオン!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

 

ブラック・ホールの中にヘリオロープ2体が吸い込まれていき、ヴェルズ・オピオンが現れる。相変わらずよく出るよな・・・・

 

「ヴェルズ・オピオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、デッキから《侵略の》とついた魔法・罠を手札に加える!デッキから侵略の汎発感染を手札へ!」

 

ヴェルズ・オピオン OVR 2→1

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

茜 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「確かオピオンはオーバーレイ・ユニットを持っていたらお互いにLv5以上のモンスターを特殊召喚できないんだったな」

 

「そうだよ。違う意味でのシンクロキラーだな」

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札 6枚

 

「マジックカード、コール・リゾネーター!デッキから《リゾネーター》モンスターを手札に加える!レッド・リゾネーターを手札に加え、モンスターをセット!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

ジャック 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「まずは固めたか・・・・」

 

「私のターン!」

 

茜 手札 5枚

 

「ヴェルズ・カストルを召喚!」

 

ヴェルズ・カストル 攻1750

 

「ヴェルズ・カストルは召喚に成功した時、《ヴェルズ》とついたモンスターをもう1体だけ召喚できる!ヴェルズ・サンダーバードを召喚!」

 

ヴェルズ・サンダーバード 攻1650

 

「これでバトル!ヴェルズ・オピオンで伏せモンスターに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!永続トラップ、デモンズ・チェーン!相手フィールドのモンスター1体の効果と攻撃を無効にする!対象は無論、ヴェルズ・オピオン!」

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、侵略の汎発感染!このターン、《ヴェルズ》となのついたモンスターはこのカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない!これでデモンズ・チェーンの効果を受けないわ!

 

「そんな事百も承知!キングは常に二歩先を行く!」

 

「(いや、だからあんたキングじゃないだろ・・・)」

 

「さらにチェーンでリバースカードオープン!トラップカード、次元幽閉!」

 

「うげっ!?」

 

「攻撃してきた相手モンスターをゲームから除外する!」

 

デモンズ・チェーンを避けようとしたヴェルズ・オピオンだが、その横に現れた歪に吸い込まれてしまった。

 

「ぐぅ・・・・仕方ない。ヴェルズ・カストルで伏せモンスターに攻撃!」

 

オピオンが破壊できなかった伏せモンスターを今度はカストルが攻撃する。しかし、ジャックの伏せモンスターは破壊されなかった。

 

「伏せモンスターはダーク・リゾネーター!このカードは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない!」

 

「ああもう!ヴェルズ・サンダーバードでダーク・リゾネーターに攻撃!」

 

一度、攻撃を耐えたダーク・リゾネーターだったけど、次のサンダーバードの攻撃は耐える事が出来ずに破壊されてしまった。

 

「メインフェイズ2に入って、Lv4のヴェルズ・カストルとヴェルズ・サンダーバードでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ヴェルズ・ナイトメア!」

 

ヴェルズ・ナイトメア 守1950

 

「これでターンエンド!」

 

 

茜 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・ナイトメア 守1950

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札 4枚

 

「マジックカード、天の落し物!互いのプレイヤーはカードを3枚ドローして、その後手札を2枚捨てる!」

 

ここで手札交換か・・・・オピオンもいなくなったし、さっきと違ってナイトメアは除去しやすい状況だから動くんだったらこのターンだな。

 

「マジックカード、地割れ!」

 

「うっそ!?」

 

ヴェルズ・ナイトメアの下に地割れが起きて、ヴェルズ・ナイトメアはその中へ落ちてしまった。

うわ〜・・・・地割れとか懐かしい・・・最近は月の書ばっかり使ってるよ。

 

「レッド・スプリンターを召喚!」

 

レッド・スプリンター 攻1700

 

ジャックの前に赤い炎をところどころ纏った茶色の馬が駆け出して現れる。

 

「レッド・スプリンターが召喚した時、このカード以外に自分フィールドのモンスターが存在しない場合、手札または墓地からLv3以下の悪魔族のチューナーモンスターを特殊召喚する!墓地からレッド・リゾネーターを特殊召喚!」

 

レッド・リゾネーター 攻600

 

「墓地!?いつの間に!?」

 

「天の落し物だろ・・・」

 

「さらにレッド・リゾネーターは特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスター1体を選択して俺はそのモンスターの攻撃力分のライフを回復する!選択するのは無論、レッド・スプリンターだ!」

 

レッド・スプリンターの遠吠えで墓地からレッド・リゾネーターが現れ、そのレッド・リゾネーターが両手に持っている共鳴器を鳴らす。

ジャック LP 4000→5700

 

「Lv4のレッド・スプリンターにLv2のレッド・リゾネーターをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「王者の従者、王者の咆哮と共にその紅蓮なる姿を見せつけろ!シンクロ召喚!燃えろ!レッド・ライジング・ドラゴン!」

 

レッド・ライジング・ドラゴン 攻2100

 

レッド・リゾネーターが再び共鳴器を鳴らしてレッド・スプリンターと一つになり、光となってその中から身体中が真っ赤な炎で纏ったドラゴンが現れた。

 

「レッド・ライジング・ドラゴン!?ジャック!!お前そんなカード持っていたのか!?」

 

「俺だってただ日々をぐうたら過ごしていない!常にデュエルの鍛錬をしている!レッド・ライジング・ドラゴンの効果発動!このカードのシンクロ召喚に成功した時、墓地から《リゾネーター》モンスターを1体特殊召喚する!ダーク・リゾネーターを特殊召喚!」

 

ダーク・リゾネーター 攻1300

 

「この効果を使用したターン、俺は闇属性・ドラゴン族のシンクロモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!」

 

「ダーク・リゾネーター・・・・ジャックのデッキにLv9のシンクロモンスターなんか・・」

 

「言ったはずだ!俺は日々精進していると!Lv6のレッド・ライジング・ドラゴンにLv3のダーク・リゾネーターをチューニング!」

 

☆6 + ☆3 = ☆9

 

「深淵の闇より解き放たれし魔王よ!その憤怒を爆散させよ!シンクロ召喚!琰魔竜 レッド・デーモン・アビス!」

 

琰魔竜レッド・デーモン・アビス 攻3200

 

ダーク・リゾネーターが共鳴器を鳴らして作った3つの輪の中にレッド・ライジング・ドラゴンが入り、一つの光となる。するとその光から大きなプロミネンスがたくさん出てきて、太陽みたいな炎の球体の塊が出てきた。その中から両手部分に大きな刃をつけたレッド・デーモンが現れた。

 

「な、何・・・・これ?」

 

「これが俺の新たなレッド・デーモンモンスターだ!バトル!琰魔竜レッド・デーモン・アビスでダイレクトアタック!」

 

「リ、リバースカードオープン!強制脱出装置!レッド・デーモン・アビスを手札に戻す!」

 

「手札から速攻魔法、禁じられた聖槍!レッド・デーモン・アビスの攻撃力を800ポイント下げる代わりに、このカード以外のマジック・トラップの効果を受けない!」

 

琰魔竜レッド・デーモン・アビス 攻3200→2400

 

茜が発動した強制脱出装置をレッド・デーモン・アビスは自身の拳を振り下ろして粉々に壊した。

 

「くらえ!深淵の怒却拳(アビス・レイジ・バスター)!」

 

茜 LP 4000→1600

 

「ぐうううう!!!!!」

 

「琰魔竜レッド・デーモン・アビスの効果発動!このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合、墓地からチューナーモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!ミラー・リゾネーターを特殊召喚!」

 

ミラー・リゾネーター 守0

 

「ミ、ミラー・リゾネーター!?」

 

「あれも天の落し物だね・・・」

 

「メインフェイズ2、Lv9の琰魔竜レッド・デーモン・アビスにLv1のミラー・リゾネーターをチューニング!」

 

「ま、まだあるの!?」

 

☆9 + ☆1 = ☆10

 

「泰山鳴動!!山を裂き地の炎と共にその身を曝せ!!シンクロ召喚!琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル!!」

 

琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 攻3500

 

・・・・・バアアアアアン!!!!!

 

レッド・デーモン・アビスが再び炎の球体となり、それが一回り大きくなって爆発する。その中から身体が一回り大きくなり、両手の刃がさらに大きく、鋭くなって鋼鉄のような身体になったレッド・デーモンが現れた。

 

「手札のクリエイト・リゾネーターは自分フィールドにLv8以上のシンクロモンスターがいる場合、手札から特殊召喚できる!」

 

クリエイト・リゾネーター 守600

 

「琰魔竜レッド・デーモン・ベリアルの効果発動!自分フィールドのモンスターをリリースして、墓地の《レッド・デーモン》モンスターを特殊召喚する!」

 

「いっ!?」

 

「再び蘇れ!琰魔竜レッド・デーモン・アビス!」

 

クリエイト・リゾネーターがリリースされ、レッド・デーモン・ベリアルが地面に自身の拳をぶつけると、そこから地割れが起きて地面のマグマが噴き出す。そこからレッド・デーモン・アビスが再び現れた。

 

「これぞ高みを極めたレッド・デーモンの力!ターンエンド!」

 

ジャック 手札 0枚 LP 5700

【モンスターゾーン】

琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 攻3500

琰魔竜レッド・デーモン・アビス 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「すっげぇ・・・・」

 

「あいつ、いつの間にあんなモンスターを・・・・」

 

「ぐうぅ・・・・私のターン!」

 

茜 手札 5枚

 

「(でも、モンスターだけだったらまだ何とかなるわよ!)このカードは相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターよりも多い場合、手札から特殊召喚できる!ヴェルズ・マンドラゴを特殊召喚!」

 

ヴェルズ・マンドラゴ 攻1550

 

「そしてヴェルズ・ケルキオンを召喚!」

 

ヴェルズ・ケルキオン 攻1750

 

『ケッケッケッ・・・・・・アカネ、カツゾ』

 

「もちろんよ!ヴェルズ・ケルキオンの効果発動!墓地の《ヴェルズ》モンスターを除外して、墓地から別の《ヴェルズ》モンスターを手札に加える!」

 

「琰魔竜レッド・デーモン・アビスの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドの表側表示のカードを1枚選択して、エンドフェイズまでそのカードの効果を無効化する!」

 

「えっ!?」

 

レッド・デーモン・アビスが口を大きく開けて大きく吠える。その咆哮に威圧されて、ヴェルズ・ケルキオンが跪いてしまい、効果を発揮出来なかった。

 

「(もう!計算狂うじゃない!仕方ない・・・これ最後の詰めで使う予定だったんだけど)魔法カード、死者蘇生!墓地からヴェルズ・ヘリオロープを特殊召喚!Lv4のヴェルズ・マンドラゴとヴェルズ・ケルキオンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!轟かせ!ヴェルズ・バハムート!」

 

ヴェルズ・バハムート 攻2350

 

「ヴェルズ・バハムートの効果発動!手札の《ヴェルズ》モンスターを捨てて、相手のモンスター1体のコントロール奪うことができる!」

 

「何だと!?」

 

「手札のヴェルズ・アザトホースを捨てて、私が奪うのはレッド・デーモン・ベリアル!」

 

ヴェルズ・バハムート OVR2→1

 

ヴェルズ・バハムートがオーバーレイ・ユニットとヴェルズ・アザトホースのカードを吸収して、ヴェルズ・バハムートが咆哮をあげる。その咆哮を受けたレッド・デーモン・ベリアルの目は怪しい黒色の瞳となり、ヴェルズ・バハムートの支配を受けるように茜のフィールドに移動してしまった。

 

「おのれ・・・俺の魂を奪われるとは、何なる屈辱!」

 

「バトル!レッド・デーモン・ベリアルでレッド・デーモン・アビスに攻撃!」

 

琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 攻3500

琰魔竜レッド・デーモン・アビス 攻3200

 

ジャック LP 5700→5400

 

「ぐうぅ!!」

 

「続けてヴェルズ・バハムートとヴェルズ・ヘリオロープでダイレクトアタック!」

 

ジャック LP 5400→3050→1100

 

「ぐうううう!!!!!」

 

「これでターンエンドよ!」

 

茜 手札 1枚 LP1600

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

ヴェルズ・バハムート 攻2350

琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 攻3500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード なし

 

 

「これはジャックさん、厳しいわね・・・」

 

「前のターンに手札を使い切っちゃったから・・・」

 

「まぁでも、ジャックならドローで変えられるかもしれないぞ」

 

「許さん・・・俺のレッド・デーモンズを奪ったことを後悔させてやる!俺のターン!」

 

どんだけレッド・デーモンズに愛着持ってるんだよ・・・・(汗)

 

ジャック 手札 1枚

 

「ツイン・ブレイカーを召喚!」

 

ツイン・ブレイカー 攻1600

 

「ツイン・ブレイカー?」

 

「あのモンスターって確か貫通能力と守備表示モンスターを破壊した時にもう一回攻撃できるだけだよね?」

 

「そうだけど・・・・」

 

「そのモンスターで何をする気なのよ?」

 

「まだだ!レッド・デーモンズの恨みはこんなものじゃない!墓地のミラー・リゾネーターの効果発動!このカードが手札・墓地に存在し、相手フィールドにのみエクストラデッキから特殊召喚したモンスターが存在する場合、このカードを特殊召喚できる!」

 

ミラー・リゾネーター 攻0

 

ああ、ミラー・リゾネーターか・・・そんなモンスターいたな。んで、特殊召喚して何するんだ?というかあいつの効果って何だったけ?

 

「さらにミラー・リゾネーターの効果発動!相手フィールドのモンスター1体を選択する!このカードをシンクロ素材とする場合、このカードのレベルは対象にしたモンスターの元々のレベルと同じ数字にする!」

 

「えっ!?」

 

「俺が選択するのはヴェルズ・ヘリオロープ!」

 

「これで合計レベルは8・・・・」

 

「レッド・デーモンズをシンクロ召喚できるぜ」

 

「Lv4のツイン・ブレイカーにLv4としたミラー・リゾネーターをチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「漆黒の闇を切り裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対王者よ!万物を睥睨しその猛威を振るえ!シンクロ召喚!琰魔竜レッド・デーモン!」

 

琰魔竜レッド・デーモン 攻3000

 

ミラー・リゾネーターとツイン・ブレイカーが一つの光となり、そこから赤い炎が燃え上がって、今までジャックが使っていたレッド・デーモンズ・ドラゴンよりも身体が黒っぽいレッド・デーモンズ・ドラゴンが現れた。

 

「な、何だこのレッド・デーモンズ!?」

 

「あっ、あれ、俺が去年あげたやつ」

 

「お前かよ!!」

 

「いや〜・・・ジャックとデュエルする事なんて滅多にないからすっかり忘れてたわ」

 

「琰魔竜レッド・デーモンの効果発動!1ターンに1度、このカード以外の攻撃表示のモンスターを全て破壊する!」

 

「えっ!?全て!?」

 

「琰魔竜レッド・デーモンよ!お前以外のフィールドの全てを焼き尽くせ!真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーニング)!!」

 

『・・・・グオオオオオ!!!!!』

 

・・・・ググググ

 

レッド・デーモンの雄叫びで、地面が突如揺れ始め、地割れが起きる。そこからマグマが噴出、茜の全てのモンスターを焼き尽くしてしまった。

 

「バトルだ!琰魔竜レッド・デーモンでダイレクトアタック!極獄の裁き(アブソリュート・ヘル・ジャッジ)!!」

 

茜 LP 1600→0

 

WIN ジャック LOS 茜

 

 

 

「す、すごい・・・・・」

 

「これは・・・・ジャックに見事としか言いようがないな・・・・」

 

いつもは喧嘩腰のクロウも今回のデュエルばかりはジャックを褒めた。あの状況から勝利に導いたんだからそうなるだろうな。にしてもミラー・リゾネーターって相手のレベルをパチる効果だったんか・・・今度から気をつけておかないと(汗)

 

「あ〜あ・・・・まさかあのドローで逆転されるとは・・・」

 

「ふん、だがこの俺を追い詰めたことに関しては褒めてやろう」

 

・・・・相変わらずの上から目線だけど(汗)。そんな態度を取るからクロウから「ニートニート」って言われるんだろう・・・・

 

「雨は・・・・まだ降ってるな。こりゃ今日の練習は無理かな」

 

「ハァ・・・・バイトの休みはパーになるし、ボロクソにやられるし今日は最悪な日だぜ」

 

ビルの合間から見て、まだまだ強い雨が降り続く様子を見たクロウはため息をついた。




フラン「【炎王Kozmo】って難しいよね」

遊輝「お前も組んでいるのかよ・・・(汗)」

霊夢「私も手伝ったわ。破壊だったからメタルフォーゼもあったけど、普通に炎王と組み合わせたら強い」

奏「Kozmoって・・・・何?」

遊輝「新しいテーマ。確か・・・スターウオーズとかをモチーフにしているはず」

フラン「スターウオーズ?」

遊輝「そういうシリーズ物があるんだよ」

フラン「ふぅ〜ん」

霊夢「次回は・・・・サティスファクション編に行くって書いてるけど、サティスファクションって何よ?」

奏「満足って意味だけど・・・どういうこと?」

遊輝「一部のファンの皆様、お待たせしました。ようやく鬼柳さんの出番です。【絶望の町 クラッシュタウン】」

霊夢「?次回もよろしくね」




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第121話 絶望の町 クラッシュタウン

最強カードの紹介〜〜。

パール「は〜い♪」

最近デッキの創作意欲がヤバすぎる。《炎王Kozmo》を作った後に《帝》も作って、余っているカードで《EMオッドアイズ魔術師》を作っちゃった。《カエルバージェストマ》とか《ブラマジ》とか作りたい。

パール「またたくさん・・・・」

《カエルバージェストマ》は正直言って、組むか分からないけど、《ブラマジ》に関しては今の所持しているデッキの細かいパーツが揃って、金が出来れば作る予定。

パール「あの付録でついてくるカード、強いもんね・・・」

ちょうどブラマジを作ろうとした時にあんなカード出てくるんだからビックリだわ。最強カードの紹介に行くか。

パール「今回はインフェルニティ・デーモン。満足デッキの中枢を担う☆4のモンスターだよ」

手札0枚でドローした時、手札のこのカードを特殊召喚できて、さらに特殊召喚した時に手札が0枚だったらデッキから《インフェルニティ》カードをサーチできる!

パール「基本的にはガン・ネクロマンサー・バリア・ブレイク、デッキタイプによってはミラージュもあるかな?」

過去に2度の歴史を作ったインフェルニティの最重要モンスターだ!!

パール「第121話、デュエルスタート!」


遊星 side

 

 

「・・・・・こっちか」

 

地図を見て俺は止めていたDホイールを再び走り出す。しばらく走っていると崖が見えて止める。Dホイールから降り、崖から見ると一つの町が見えた。街のポスターでよく見る西部劇の町をそのまま写し出しているみたいだ。

 

「・・・・・・・これは」

 

遠くで見た街から崖の方にちかづけて、見下ろすように見ると、墓場が見えた。十字の墓の近くにデュエルディスクが突き刺さっている。そこに3人組の男が走ってきた。

 

「た、助けてくれぇ!!」

 

その3人組の男は必死で崖を登ろうとしているが、全く足が上がる様子がない。そのうちの一人が俺に目掛けて何かを投げた。俺はその投げられた物を拾う。それは何気ない普通のペンダントだ。

 

「うわあああ!!!」

 

「!?」

 

突如、悲鳴が聞こえたので俺は崖の下を覗く。そこには2人の男がデュエリスクにカードをセットして、3人の首にセットされた何らかの機械から電撃が走り、気絶されられたところだ。

 

「ったく、仕事を増やすな」

 

「待て!」

 

「あ〜、何だ・・・・っていうか今の声は何処からだ?」

 

「ここだ!」

 

「おい、崖の上に誰かいるぞ」

 

「お前たち何をしている!?」

 

「見ての通りよ。仕事をサボっていた悪い子ちゃんにお仕置きをしたところさ」

 

「放せ」

 

「断る。見たところ、あんたデュエリストだな。この町ではデュエリストは大歓迎さ。デュエルの腕はいくらでも稼げるぜ!」

 

3人の気絶した男を担いで2人は笑いながらこの場所を去っていった。

 

「・・・俺はこの町に用があってきた。出稼ぎのためじゃない・・・・友を取り戻すために・・・・・」

 

遊星 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「(・・・・こっそりついてきたけど、正解だったな。こんな面白い事逃すわけにはいかないだろ)」

 

いや〜、鬼柳さんのところだけはどうしても見たいから付いてきたよ。

昨日、遊星が手紙を貰って何か驚いたような顔をしていたからこっそりと覗き見をしたらクラッシュタウンに来て、鬼柳を助けてくれという内容だった。だからこうやってこっそりと付いてきたんだ。ん?アカデミア?今日から3日間アカデミアデュエル大会だから授業がない。よってサボっても大丈夫だ。

 

 

(*良い子のみんなへ・・・・学校を休むこと自体は悪くないよ。でも遊輝君みたいな不良っぽい少年の考え方になってはダメだぞ)

 

 

・・・・・今、暴言を吐かれた気がするがまあいい。

 

「とりあえず・・・・・どこで身を潜める「あ、あの・・・」うん?」

 

「あ、あなた・・・・遠藤遊輝さんですよね!?」

 

「?そうだけど・・・・」

 

「や、やっぱり!!本物だ!!サインください!!」

 

「はっ?」

 

「僕、SECRETのファンなんです!!」

 

町外れ・・・・・町がギリギリ見える砂漠地帯で、今後の予定を止めてあるDホイールに乗って考えていたら、突然龍亞ぐらいの小さな少年がやってきて色紙とサインペンを渡された。

 

「え、えっと・・・・ま、まぁ良いか。(サインなんて書いた事ないんだけど)。えっと君の名前は?」

 

「僕はウェストです!」

 

とりあえず色紙の上からサインっぽく自分の名前と少年の名前を書いて、その少年に色紙とサインペンを返した。その子は俺が色紙を見て嬉しそうな表情をしている。

 

「ありがとうございます!!一生の宝物です!」

 

「そ、そうか・・・(汗)」

 

「あとは鬼柳さんから貰えたら嬉しいんだけど・・・」

 

「?鬼柳さんの事を知ってるのか?」

 

「もちろんですよ!サテライトを統一した伝説のチーム、チームサティスファクションのリーダーなんですから!!でも・・・・」

 

「でも?」

 

「僕が知ってる鬼柳さんとは全く雰囲気が・・・」

 

「(・・・・ちょうど良い)。えっと・・・ウェスト君だったかな?ちょっとお願いがあるんだけど・・・」

 

「?」

 

「俺、ちょっとその鬼柳って人を助けたい人を影から助太刀しようと思っているんだけどしばらくの間、君の家で身を隠してもらえないかな?」

 

「えっ!?遊輝さんが僕の家に!?良いですよ!!案内します!!」

 

喜びを爆発させたウェストはルンルン気分で歩いていく。俺はDホイールから一度降りて、Dホイールを押してウェストについて行く。

 

〜〜(数分後)〜〜

 

「ここが僕たちの秘密基地だよ!!ここなら誰にも見つからないよ!!」

 

「そうか。そっちの方が助かるな」

 

ウェストに案内されたのは町外れ・・・・山の麓近くに建てられた木の建物だ。俺はDホイールを見えないように陰に置いて、この建物の中に入る。

 

「ただいま〜、ニコお姉ちゃんいる?」

 

「ウェスト、お帰りなさ・・・・その人は?」

 

「知らないの!?遠藤遊輝さんだよ!!SECRETのギターとヴォーカルを務めている!!」

 

「私、そういう事に興味はないから・・・」

 

「そんな!!ニコお姉ちゃんも一度SECRETのライブを見た方が良いよ!!あんなに感動するものはないよ!!」

 

「あはは、ありがとうなウェスト。でも、人に趣味を押し付けるのは良くないぞ。改めて、俺は遠藤遊輝。ちょっと訳あってしばらくの間、ここに身を隠して欲しいのだけど・・・」

 

「ウェスト、あなたね・・・・」

 

「良いじゃない!!有名人が僕たちの家に泊まるなんて一生に一度あるかないかだよ!!」

 

「ハァ・・・・悪い人じゃないみたいだし、こんな所で良かったらどうぞ」

 

「ありがとうございます」

ニコっていう子にも許可を貰ったので、とりあえず部屋の隅にでもカバンを置く。

 

「じゃあウェスト君・・・・とりあえずその鬼柳さんについて話してくれないか?」

 

「・・・・・その前にこの町のことを話すよ。この町にあるこの裏山の鉱山、ここにはダインと呼ばれるDホイールに必要な鉱石が眠ってある」

 

「ほうほう・・・・ダインは俺の親友から聞いたな」

 

「そのダインが見つかってから、この町にはならず者が流れ着いたのさ。そのおかげで数十年前にはなかったあんな立派な町が建てられた」

 

「でも・・・・次第に派閥争いが始まって」

 

「派閥争い?」

 

「ラモングループとマルコムファミリー、この2つのグループが鉱山の所有権を巡って争い出したの。最初はただのデュエル抗争に過ぎなかったけど次第に大きくなっていって、今では・・・・・」

 

「今では?」

 

「この続きは話を聞くより実際に見た方が良いです。もうすぐその時間です」

 

「時間?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ここなら誰にも見つからずに見ることができるよ」

 

ウェストの秘密基地から少し歩いてクラッシュタウンの中心部からほど近い家。ウェスト曰く、「ここは空き家で滅多に人がいない」らしい。そこからクラッシュタウンの中心部が一望できた。クラッシュタウンの中心部はクロスロードとなっている。

 

「・・・来たわね」

 

ニコって子のつぶやきで左右からそれぞれ団体さんが現る。一つのグループは青いバンダナ、もう一つのグループは赤いバンダナを巻いている。

 

「青い方がラモングループ、痩せこけた男がリーダーのラモン、赤い方がマルコムファミリー、あのハゲた人がリーダーのマルコムよ」

 

「お互い、この夕方時にそれぞれが雇ったデュエリストを出し合ってデュエルをするのよ」

 

「ほうほう・・・・・」

 

「頼むぜ先生、今日のデュエルに勝てばあんたが欲しい分だけの金をくれてやるぜ」

 

マルコムというボスから肩を叩かれた一人のデュエリストが前に出る。

 

「俺に倒される死神って野郎はどいつだ?」

 

「相変わらずマルコムに雇われた奴は口が達者だな。それだからいつまでも勝てねぇんだよ!」

 

『ヴェーーハッハッハッ!!!!!』

 

「うるせぇ!!今日はいつもと違うんだ!!さっさとインチキデュエリストを出しやがれ!!」

 

「そう慌てるなよ。先生、今日もサクッとお願いします」

 

・・・・♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

「(・・・・・ハーモニカうめぇ(汗))」

 

ラモンからの「先生お願いいたします」と言われたその一言の次に、遠くからハーモニカの音が聴こえてきて、俺が最初に感じた率直な感想がこれだ。

いやだって・・・・俺もライブの時にやったけど、あれ難しいんだよ。何であんな綺麗な音色が出せるんかな・・・・・そんなことを思って、夕陽の向こうから鬼柳さんが見えてきた。

 

「先生、今日もサクッとお願いいたします」

 

「(・・・・・目が死んでやがる)」

 

鬼柳さんを最初に見たときの感想だ。身体からも正気がほとんど感じられない。まるで今の自分に絶望しているみたいだ。

 

「・・・・来たわよ。地獄への使者が」

 

ニコがそう言って指を差した方向から、2人組のタキシードを着た男が乗った馬車が現れる。

鬼柳さんと相手との間に一瞬の間があり、風が吹いた瞬間、お互いにピストルのようなデュエルディスクを展開して手札を5枚ドローする。鬼柳さんの方が早い。

 

「・・・・俺の先行だな」

 

「チッ・・・・・」

 

「デュエル・・・・」 「デュエル‼︎」

 

鬼柳 LP 4000 用心棒 LP 4000

 

「俺のターン・・・・」

 

鬼柳 手札 6枚

 

「(・・・俺の手札にはイリーガル・キーパーと手札抹殺がある。次のターン、このコンボであの死神野郎を地獄送りにしてやるぜ!)」

 

「魔法カード、おろかな埋葬。デッキからヘルウェイ・パトロールを墓地に送る。さらに永続魔法、インフェルニティ・ガン、この効果で手札のインフェルニティ・ネクロマンサーを墓地に送る」

 

・・・・・あれ?1ターン目から凄いソリティアゲーをしているぞ?こんなことアニメではしていなかったけど・・・・

 

「インフェルニティ・ビートルを召喚」

 

インフェルニティ・ビートル 攻1200

 

「魔法カード、ワン・フォー・ワン。手札のインフェルニティ・デーモンを捨てることでデッキからインフェルニティ・ミラージュを特殊召喚」

 

インフェルニティ・ミラージュ 攻0

 

「(手札0・・・・これじゃ必殺のデスコンボが使えねぇじゃねえか・・・)」

 

「・・・・・・・」

 

手札0枚・・・・・鬼柳さんのハンドレスコンボが始まるぞ・・・・

 

「インフェルニティ・ビートルの効果発動。手札が0枚の時、このカードをリリースして、デッキからインフェルニティ・ビートル2体を特殊召喚。さらにインフェルニティ・ミラージュの効果、手札が0枚の時、このカードをリリースして墓地の《インフェルニティ》モンスター2体を特殊召喚する。インフェルニティ・デーモンとインフェルニティ・ネクロマンサーを特殊召喚・・・・」

 

インフェルニティ・デーモン 攻1800

インフェルニティ・ネクロマンサー 守2000

 

「い、一気に4体のモンスターを特殊召喚だぁ!?」

 

「インフェルニティ・デーモンの効果発動。手札0枚でこのカードを特殊召喚に成功した時、デッキから《インフェルニティ》カードを手札に加える。俺は2枚目のインフェルニティ・デーモンを手札に加える。墓地のヘルウェイ・パトロールの効果発動。このカードを墓地から除外して、手札の攻撃力2000以下の悪魔族モンスターを特殊召喚する。インフェルニティ・デーモンを特殊召喚。インフェルニティ・デーモンの効果。俺はインフェルニティ・バーストを手札に加える」

 

インフェルニティ・バーストだと!?まさか・・・・

 

「魔法カード、インフェルニティ・バースト。手札が0枚の時、俺の場の《インフェルニティ》モンスターの数×800ポイントのダメージを与える」

 

「な、なんだと!?!?」

 

「俺の場には5体のインフェルニティモンスター・・・・・4000のダメージを与える」

 

5体のインフェルニティモンスターから放たれた5つの正気弾が鬼柳の対戦相手に襲いかかる。

 

「(こ、これが・・・・これが死神の力・・・・)」

 

用心棒 LP 4000→0

 

WIN 鬼柳 LOS 用心棒

 

 

 

「せ、先行1ターンキル・・・・・」

 

あまりのコンボの酷さにウェストやニコだけでなく、町にいた奴らまでもが一瞬絶句してしまった。そりゃ・・・・・あれだけ展開してインフェルニティ・バーストなんてやったら・・・・・

 

「や、やめろ・・・・やめてくれええええ!!!!!!」

 

デュエルに負けたデュエリストが突然走り出す。それを追いかけるように馬車が走り出し、馬を操っていない男が華麗な縄捌きで男を捕らえ、後ろにあった棺桶の中に封じ込めてしまい、鉱山の方へと走り去ってしまった。

 

「これがこの町のルール・・・・・デュエルはこの夕方から夕陽が沈む前にしか出来ず、デュエルに負けたデュエリストは勝った方のグループが所有している鉱山に労働者として送り込まれる。一生ね・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「先生、今日はまた派手にやってくれたじゃないですか。これで50人抜きですぜ」

 

「く、くそぉ!!」

 

「どうだマルコム・・・・まだ日没までには時間がある・・・今度はお前か?」

 

「ちくしょう!!覚えていろよラモン!!」

 

負けたマルコムのグループは地団駄を踏んで去っていった。勝った方のラモングループは派手に笑いながら余裕そうな素振りで帰っていった。

 

「・・・・これがこの町が絶望と言われる理由よ」

 

「鬼柳さんは・・・・僕の憧れの人だった。でも、この町にいる鬼柳さんは違う・・・・まるで自分の死に場所を探しているように感じて・・・・・」

 

「・・・・そうだな」

 

「だけど、鬼柳さんを倒すデュエリストは今の所現れてないわ。・・・・・私たちのお父さんも鬼柳さんに負けてあの鉱山に送り込まれてしまった・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・遊輝さんはどうするの?」

 

「・・・・恐らく、俺の知っている奴が明日鬼柳とデュエルすると思う。タイミングが良ければそのデュエル後に助太刀、タイミングが悪かったらあの馬車を追いかけて鉱山で救出・・・・だな」

 

「でも、あの鉱山に行ってしまったら・・・」

 

「心配するな・・・・こう見えても俺は強いぞ」

 

恐らく、明日はあのリアリスト野郎が現れる。鬼柳や遊星を助けながらあのリアリストを排除するのは難しいだろう・・・・あのリアリストのことだ、二人を人質とするかもしれない。

 

「(・・・・勝負は明日の夜から明後日の朝、あのリアリスト野郎が鉱山に現れるまでだな)」




アリス「・・・・何あの魔法カード」

魔理沙「禁止不可避だぜ」

遊輝「今後使うことはないので・・・・あれがアニメに出たっていうのが恐ろしいな」

魔理沙「インフェルニティの展開力なら余裕で4000バーン、それを2発打てば勝ちか・・・」

アリス「バリアを持ってくるところをこのカードに変えたらいいだけだもんね」

遊輝「作者も過去回を見て、こんなカードを発見して驚いたもんな・・・・・」

魔理沙「次回は遊星ってやつと鬼柳ってやつのデュエルだぜ。と言っても、大元を変えずに多少弄る予定だからあまり変わらないデュエルになると思うぜ」

アリス「【遊星vs鬼柳 仕組まれたデュエル】次回もよろしくね」


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第122話 遊星vs鬼柳 仕組まれたデュエル

最強カードの紹介〜〜。

ダイヤ「お久しぶりです」

いや〜・・・・・色々と大変だよ。デッキ製作が

ダイヤ「何でそっちなんですか(汗)」

前回の前書きでも言ったけど創作意欲がすごくてね・・・・マジ財布が軽くなる

ダイヤ「お金の管理をしっかりやらないからでしょ」

やってるって。これ今月、これ来月って決めて。

ダイヤ「(本当ですか?)」

最強カードの紹介に行こう!今回は閃珖竜スターダスト!」

ダイヤ「漫画版5D'sの決闘竜の1体、遊星が使っているモンスターです」

1ターンに1度、フィールドのカード1枚をあらゆる効果・戦闘から破壊を1度だけ免れる事ができる!

ダイヤ「本家のスターダストと違って、場にモンスターが残りますから、その後の防御という面でも優秀です」

あと、こいつ何気に光属性なんだよな。サポートカード豊富だよ。

ダイヤ「第122話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「ふむ・・・・・これをこうしてっと・・・・よし」

 

ウェストから借りたピストル型のデュエルディスクの操作を確認する。こいつはなかなかに凄い変形型デュエルディスクだな・・・・スバルに見せたら喜んで分解しそうだな。

 

「あの・・・・」

 

「ああごめんごめん。こいつで充分役立つよ。最も、使わない事を願いたいけどな」

 

「そうだね・・・・・」

 

「どうする?俺としては危険な場所には連れて行きたくないんだが・・・・」

 

「・・・・僕はそれでも見たいです。遊輝さん、僕は昨日の夜、ラモングループの下っ端の話を耳にしました。遊星さんと鬼柳さんがデュエルをするのでしょ?」

 

「・・・・・ああ」

 

「僕は見たいです!サティスファクションのリーダーとその仲間のデュエルをこの目で見たいです!!」

 

「・・・・・分かった。ただし、絶対に俺のそばから離れるなよ。正直言って、何が起こるか分からないからな」

 

「もちろんです・・・・・」

 

何が起こるかは実際問題は分かるけど、人質いる状態であいつと真正面から戦っても賢くはないからな・・・・

 

「にしても昼間からこんなくら〜い空気だったら夜まで持たんぞ。景気付けに何かひいてやろう」

 

「えっ?」

 

そう言ってカバンとは別に持ってきたキャリーカートを開けて、その中にあるアコースティックギターを1本取り出す。適当にチューニングをして軽く鳴らして調整する。

 

♪♪〜〜♪♪〜〜

 

「よしOK・・・・・何か聞きたい曲でもある?」

 

「えっ!?本当ですか!?じゃあ僕、ゆずさんの《栄光の架橋》を聞きたいです!!」

 

「栄光の架橋ね、OK」

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

ウェストのリクエスト曲を聞いて、序盤だけリズムを取るために適当な弦を弾いて、そこから栄光の架橋のコードへと行く。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

時刻は夕方、いよいよ鬼柳さんと遊星さんのデュエルが始まる。俺とウェスト、ニコは昨日と同様、誰もいない空き家の中で身を顰める。万が一の時のため、俺の背中には竹刀と日本刀もある。

昨日同様、先にマルコムファミリーが出てきて、その後にラモングループが悠々と現れる。

 

「いよ〜マルコム。昨日くれたマッチョ、もうへばって倒れてしまったぞ。今日はそんなへっぽこくれるなよ」

 

「へっ、そんな大口叩けるのよ今日までだぜ!今日の先生はそんじょそこらの奴と違うんだよ!今日こそはあの死神野郎を送ってやるぜ!」

 

「ダーーハッハッハッ!!!毎度毎度同じことを聞いて飽きてくるぜ!お前の頭は猿か!?」

 

「うるせぇ!!先生!!よろしくお願いします!!」

 

マルコムの挨拶で西部劇風のポンチョを羽織って、ウエスタンの帽子を被った遊星が現れた。

 

「またひ弱そうな奴が現れたな・・・先生、今日もサクッとお願いします」

 

ラモンの合図で今度は後ろにいた鬼柳さんが現れる。遊星さんの方は対抗心を燃やしているが、相変わらず鬼柳さんの目は死んだ目をしている。

 

「・・・・・やはりお前が相手か、遊星」

 

「俺はお前を連れ戻しにきた・・・鬼柳、一緒に帰ろう」

 

「無駄だ・・・・どちらか負けたら鉱山に送られる。だが・・・・お前だったら俺も行けるかな」

 

「!?先生、あいつ昨日先生に会った奴じゃないですか!?まさか・・・」

 

「心配するな・・・デュエルで手を抜く真似なんかしない」

 

「そ、そうですよね・・・・」

 

鬼柳さんとラモンの会話が終わると、昨日用心棒を鉱山に連れて行った馬車が現れる。鬼柳さんと遊星さんの間に一瞬の間が開かれ、風が吹いた瞬間、お互いに腰から銃型のデュエルディスクを取り出し、展開、手札5枚をドローする。

 

「お前の先行だな」

 

「・・・そうだな」

 

「ゆ、遊輝さん・・・僕、今の同時に見えたのですけど・・・」

 

「・・・・若干鬼柳さんの方が早かった」

 

「み、見えたのですか!?」

 

盛大な嘘だけどな。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル・・・・・」

 

遊星 LP 4000 鬼柳 LP 4000

 

「俺のターン・・・・・」

 

鬼柳 手札 6枚

 

「インフェルニティ・リローダーを召喚、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

鬼柳 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・リローダー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

「スピード・ウォリアーを召喚!スピード・ウォリアーは召喚したターン、エンドフェイズまで攻撃力が2倍になる!」

 

スピード・ウォリアー 攻900→1800

 

「バトル!スピード・ウォリアーでインフェルニティ・リローダーに攻撃!ソニック・エッジ!」

 

スピード・ウォリアーが足にブーストをして、インフェルニティ・リローダーをカポエラで破壊する。

 

スピード・ウォリアー 攻1800

インフェルニティ・リローダー 攻900

 

鬼柳 LP 4000→3100

 

「トラップカード、インフェルニティ・リフレクター。俺の場の《インフェルニティ》が戦闘で破壊された時、手札を全部捨て、破壊されたモンスターを特殊召喚する」

 

鬼柳さんが手札を全部捨てて、インフェルニティ・リフレクター中からさっき破壊されたインフェルニティ・リローダーが帰ってくる。

 

「さらに、相手に1000のダメージを与える」

 

インフェルニティ・リローダーからエネルギー弾が放たれて遊星さんに攻撃する。

 

「ぐっ・・・・」

 

遊星 LP 4000→3000

 

「カードを1枚伏せてターン・エンド。このエンドフェイズ時、スピード・ウォリアーの攻撃力は元に戻る」

 

 

遊星 手札 4枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

スピード・ウォリアー 攻1800→900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン・・・・」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「カードを1枚伏せる。インフェルニティ・リローダーの効果発動。手札が0枚の時、カードを1枚ドローする。それがモンスターカードの場合、墓地に送ってそのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える。外れた場合は俺が500ポイントのダメージを受ける」

 

手札が0枚の鬼柳さんがデッキトップに手をかけてすっとカードを引き、そのカードを確認した後、遊星さんに見せる。

 

「俺が引いたのはLv6のインフェルニティ・デストロイヤー。このカードを墓地に送り1200のダメージを与える」

 

リローダーにインフェルニティ・デストロイヤーのカードが弾としてセット、発泡して遊星さんを撃ち抜いた。

遊星 LP 3000→1800

 

「Lv6のモンスターだと!?テメェイカサマしたのか!?」

 

「お静かに・・・」

 

Lv6のモンスターがめくれたことにマルコムは不満を持つが、審判を兼ねている馬車の男がマルコムを静止する。

 

「・・・・お前はこんな運に勝負を預ける奴じゃない、お前らしくないぞ鬼柳!」

 

「熱くなるな・・・・たかがデュエルだ。ターンエンド」

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP 3100

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・リローダー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(こんな事では・・・・鬼柳を救い出せない。あの作戦を実行するためにはまずは俺が勝たないと)俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

「マックス・ウォリアーを召喚!」

 

マックス・ウォリアー 攻1800

 

「バトル!マックス・ウォリアーでインフェルニティ・リローダーに攻撃!マックス・ウォリアーは相手モンスターと攻撃する場合、攻撃力が400ポイントアップする!スイフト・ラッシュ!」

 

マックス・ウォリアー 攻1800→2200

インフェルニティ・リローダー 攻900

 

鬼柳 LP3100→1800

 

「ぐっ・・・・リバースカードオープン、トラップカード、ダメージ・ゲート。戦闘ダメージを受けた数値よりも低い攻撃力を持つモンスターを墓地から特殊召喚する。インフェルニティ・ビートルを特殊召喚!」

 

インフェルニティ・ビートル 攻1200

 

「(・・・・スピード・ウォリアーでは届かない。まだ鬼柳に思いを伝えられないのか)マックス・ウォリアーが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、次の俺のスタンバイフェイズまでレベルと元々の攻撃力・守備力が半分になる」

 

マックス・ウォリアー ☆4→☆2

攻/守 1800/800→900→400

 

「・・・・相変わらずだな遊星」

 

マックス・ウォリアーのステータスが変化した所で不意に鬼柳さんがそう呟いた。

 

「お前はただデュエルをするだけじゃなく、何かを訴えるようにデュエルをする。俺の心を引き出すようにしている・・・・だが、悪いがどうでもいいんだよ・・・生きていても、死んでいても・・・・」

 

「お前はいつでもデュエルに対して正直に、真っ当に、全てを捧げてきたじゃないか!!」

 

「だけどな、俺は思い出してしまったんだよ・・・ダーク・シグナー、お前とのデュエル・・・・俺のちょっとした勘違いから始まったいざこざのせいで俺はお前たちを憎み・恨み、そして死に追いやろうとした。仲間を・・・・友を・・・・いともたやすく」

 

「だがあのラストデュエルで全てを洗い流したんじゃないのか!?」

 

「消えないんだよ・・・・罪という名の傷が、罪悪感が・・・・確かにお前の言う通り、デュエルは俺の全てだった。だけど今は・・・・・憎いんだよ」

 

そこで鬼柳さんが右手で握り拳を作り、その握り拳を恨むような目で眼差す。

 

「俺は今、デュエルが憎いんだよ・・・デュエルのせいでそれ以上に大切な存在だった遊星を傷つけた。遊星だけじゃない、ジャックやクロウ・・・・・仲間たちに傷つけてしまった。俺はお前たちをこの手で苦しめてしまった・・・」

 

「そんな事はない!!俺やジャック、クロウはそんな事で苦しんだ事はない!!」

 

「だとしても・・・・俺は俺自身を許せない・・・・何も変われないんだよ・・・・だけど、俺はデュエルを捨てる事は出来なかった。あてもなく旅をしてこの町に流れ着き、この町のルールを耳にした。そこで思ったんだ・・・・俺自身のこの苦しみ、憎しみはデュエルと共に滅ぶしかないと・・・・」

 

「鬼柳・・・・・」

 

「だけどその相手がお前だとはな、皮肉な話だ。だが・・・・・それで良かったかもしれない」

 

「・・・・・・・・俺はお前を救いに来たんだ。お前を滅ぼすために来たんじゃない」

 

「お前たちには何度も救われた。そして何度も救いの手をのべてもらった。だが、俺はそれを振り払ったんだ。もう。俺には何も残ってないんだよ・・・」

 

「いや、お前の中にはまだデュエルの熱い思いが残っているはずだ!!俺はその灯火となる!!バトルは終了、これでターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 4枚 LP1800

【モンスターゾーン】

マックス・ウォリアー 攻900

スピード・ウォリアー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン・・・・・」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「カードをセットして伏せたカードオープン。マジックカード、ZEROーMAX。手札が0枚の時、墓地から《インフェルニティ》を特殊召喚する。インフェルニティ・デストロイヤーを特殊召喚」

 

インフェルニティ・デストロイヤー 攻2300

 

「そしてこの効果で特殊召喚したモンスターよりも攻撃力が低いモンスターを全て破壊する」

 

「何!?」

 

墓地からインフェルニティ・デストロイヤーが現れ、さらにデストロイヤーが現れた空間から3つのエネルギー弾が現れてデストロイヤー以外の全てのモンスターが破壊されてしまった。

 

「くっ・・・・」

 

「このカードを使ったターン、俺は攻撃できない・・・・墓地のインフェルニティ・ジェネラルの効果発動。手札が0枚の時、墓地のこのカードを除外して、墓地からレベル3以以下の《インフェルニティ》モンスター2体を効果を無効にして特殊召喚する。インフェルニティ・リローダーとチューナーモンスター、インフェルニティ・リベンジャーを特殊召喚」

 

インフェルニティ・リベンジャー 攻0

 

墓地にあるインフェルニティ・ジェネラルが除外され、ジェネラル自信が墓地にいたリベンジャーとリローダーの2体を引っ張り上げる。これで合計レベル8・・・・

 

「Lv1、インフェルニティ・リローダーとLv6、インフェルニティ・デストロイヤーにLv1、インフェルニティ・リベンジャーをチューニング」

 

☆1 + ☆6 + ☆1 = ☆8

 

「死者と生者、ゼロにして交わりしとき、永劫の檻より魔の竜は解き放たれる。シンクロ召喚、いでよ、インフェルニティ・デス・ドラゴン」

 

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

 

「(出た!!でっていう!!!)」

 

デストロイヤーとリローダーが星となり、リベンジャーと一つになる。その一つとなった光がやがて黒に染まっていき、インフェルニティ・デス・ドラゴンが現れる。その姿に俺は思わず、「でっていう」と心の中で叫んでしまう。いやだって、あいつ、どう見ても見た目でっていうにしか見えないもん。

 

「これでターンエンド・・・」

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP1800

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「・・・・今でも強いじゃないか鬼柳。デュエルに対して希望を失ってじゃないか。そして、それをお前の生きる希望も」

 

「違う。今はただ取り憑かれているだけだ・・・・デュエルという霊にな。俺は生き地獄を味わっているんだよ、ただ苦しみ・憎しみ・恨みの感情・・・・・この生き地獄は俺に引き止めているんだよ・・・・」

 

「だったら俺がお前に希望の灯火を付けさせてやる!俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

「チューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロンは召喚した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!スピード・ウォリアーを特殊召喚!」

 

スピード・ウォリアー 守400

 

「さらにこのカードは俺の墓地からモンスターが特殊召喚された時、手札から特殊召喚できる!ドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

ドッペル・ウォリアー 攻800

 

スピード・ウォリアーが特殊召喚された影から人型の別の影が現れて、それが実体化してドッペル・ウォリアーが現れる。

 

「Lv2のドッペル・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆3 = ☆5

 

「集いし星が、新たな力を呼び起こす!光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

 

ジャンク・シンクロンとドッペル・ウォリアーが一つとなり、ジャンク・ウォリアーが身体を軸回転しながらポーズを決めて現れる。

 

「ジャンク・ウォリアーの効果発動!このカードがシンクロ召喚した時、俺のフィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、このカードの攻撃力をアップする!それにチェーンでシンクロ素材としたドッペル・ウォリアーの効果発動!Lv1、攻守400のドッペル・トークンを2体特殊召喚する!」

 

ドッペル・トークン 攻400 ×2

 

「ジャンク・ウォリアーの攻撃力はスピード・ウォリアーと2体のドッペル・トークンの攻撃力の合計となる!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300→4000

 

「攻撃力4000!?」

 

「これであのドラゴンを倒して残りのモンスターで攻撃すればあの死神野郎はついに鉱山送りだ!!」

 

「お、おい、嘘だろ・・・」

 

「せ、先生!!何か策は!?」

 

「・・・・黙ってろ」

 

「バトル!ジャンク・ウォリアーよ!インフェルニティ・デス・ドラゴンに攻撃!スクラップ・フィスト!!」

 

ジャンク・ウォリアーが背中にあるブーストにエンジンが点火して、一度上空へと駆け上り、そこから急降下でインフェルニティ・デス・ドラゴンに向けて攻撃する。

 

ジャンク・ウォリアー 攻4000

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

 

鬼柳 LP1800→800

 

ジャンク・ウォリアーの攻撃をインフェルニティ・デス・ドラゴンは・・・・・・受け切って破壊されなかった。

 

「なんだと!?攻撃を耐えた!?」

 

「墓地のインフェルニティ・ビショップの効果。手札が0枚の時、フィールドの《インフェルニティ》モンスターが破壊される代わりに墓地のこのカードを除外することでその破壊から免れる」

 

「くっ・・・・」

 

「畜生〜〜!!!あと一歩だったのに!!」

 

「ひ、ヒヤヒヤさせないでくださいよ・・・」

 

「・・・・・すごい」

 

外のガヤがうるさくてよく聞こえなかったが、隣にいるウェストが小さくそう呟いたように聞こえた。

 

「カードを2枚伏せてターン・エンド」

 

 

遊星 手札 1枚 LP1800

【モンスターゾーン】

スピード・ウォリアー 守400

ジャンク・ウォリアー 攻4000

ドッペル・トークン 攻400 ×2

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「あと800・・・・あと800で俺はデュエルから解放される。その相手がお前だとな・・・・もう俺は十分満足したぜ」

 

「まだだ!!お前の心はこんなことで満足しない!!」

 

「仕方ないんだよ・・・・俺はお前もデュエルも裏切ることは出来ない・・・・こうして、仲間であり、友でもあったお前とデュエルをして敗れる・・・・それで満足するしかないじゃないか・・・」

 

「先生、まさか敗れることを望んでこのデュエルに挑んでいるんじゃ・・・」

 

「言っただろ、俺はデュエルで手を抜くことはしないと・・・・・いや、出来ないって言う方が正しいのか、俺はデュエルに取り憑かれている。手加減何てこともさせてくれない。全力で挑んで敗れる・・・・それで満足するんだ・・・・俺のターン」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「カードを1枚伏せる。インフェルニティ・デス・ドラゴンの効果発動。手札が0枚の時、相手モンスター1体を破壊してそのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。俺が選ぶのはジャンク・ウォリアーだ・・・」

 

「これであの野郎は倒せる!!先生の51連勝目だ!!」

 

「お、おい・・・」

 

「リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・バリアー!シンクロモンスターのジャンク・ウォリアーをリリースすることで、次のターンのエンドフェイズまで俺は全てのダメージを受けない!」

 

インフェルニティ・デス・ドラゴンがエネルギー弾を放つ前にジャンク・ウォリアーが消えて、遊星の前にバリアが張られた。

 

「・・・・・効果を使ったインフェルニティ・デス・ドラゴンは攻撃できない。ターンエンド」

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP 800

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(・・・・鬼柳の心に灯火を付けるためにはあのカードだけの力じゃ恐らく足りない・・・・このドローにかける!)俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

「(・・・・・そうか。これが答えか・・・・遊輝、お前から貰った力、使わせてもらう)リバースカードオープン!シンクロ・スピリッツ!墓地のシンクロモンスター1体を除外、その素材となったモンスターが1組墓地にいる場合、特殊召喚できる!ジャンク・ウォリアーを除外して、墓地にいるジャンク・シンクロンとドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

遊星の前に穴が開いて、墓地にいたジャンク・ウォリアーの霊が消えて、代わりにジャンク・シンクロンとドッペル・ウォリアーがその穴の中から出てきた。

 

「Lv1のドッペル・トークン1体とLv2のスピード・ウォリアーとドッペル・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆2 + ☆2 + ☆3 = ☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

4体のモンスターが一つなり、その光から星屑が上空から煌めき出してスターダスト・ドラゴンが姿を現した。

 

「綺麗・・・・・・」

 

「おお!!先生もドラゴンを持っているじゃないですか!!」

 

「へっ、攻撃力はうちの先生よりも低いんじゃ意味はねぇよ」

 

「ドッペル・ウォリアーの効果は使わない。残ったドッペル・トークンをリリースしてサルベージ・ウォリアーをアドバンス召喚!」

 

サルベージ・ウォリアー 攻1900

 

「サルベージ・ウォリアーがアドバンス召喚に成功した時、手札または墓地からチューナーモンスター1体を特殊召喚する!ジャンク・シンクロンを特殊召喚!」

 

サルベージ・ウォリアーにより無理矢理サルベージされるジャンク・シンクロンさん。そのおかげでまた肩で息をしている。

・・・・・絶対さ、スピード・ウォリアーよりも過労死されているよね?レベル・スティーラーとかクイック・シンクロン並みに。レベル・スティーラーはこの前の禁止・制限で逝ってしまったけど・・・・

 

「・・・ジャンク・デストロイヤーを出してインフェルニティ・デス・ドラゴンを破壊する気か?」

 

「そんな事してもお前の心に灯火を付けられない。だから俺は・・・・・仲間から貰った力を使わせてもらう!Lv5のサルベージ・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「星海切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!シンクロ召喚! 閃珖竜スターダスト!!」

 

閃珖竜スターダスト 攻2500

 

ジャンク・シンクロンがなった3つの輪の中にサルベージ・ウォリアーが入って5つの星となり、一つの光となる。その光は強く放たれてもう一体のスターダストが現れた。

 

「ス、スターダスト・・・・・・」

 

「に、2体目だ!?!?」

 

「リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・ストライク!シンクロモンスター1体の攻撃力をそのシンクロ素材とした数×500ポイントアップする!俺はスターダスト・ドラゴンを選択!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→4500

 

「バトル!スターダスト・ドラゴンよ!インフェルニティ・デス・ドラゴンに攻撃!」

 

「リバースカードオープン、トラップカード、インフェルニティ・ブレイク!墓地のインフェルニティ・デストロイヤーを除外してスターダスト・ドラゴンを破壊する!」

 

「閃珖竜スターダストの効果発動!1ターンに1度、俺の場のカードを1枚選択して、選択したカードを1度だけあらゆる破壊から免れる!」

 

「何っ!?」

 

インフェルニティ・ブレイクの効果で墓地にいたインフェルニティ・デストロイヤーか除外されて、スターダスト・ドラゴンに雷が撃たれたが、その前に 閃珖竜スターダストがスターダストの背後について2体の竜を覆う大きなバリアに囲まれ、インフェルニティ・ブレイクの破壊から免れた。

 

「バトル続行!スターダスト・ドラゴンよ!インフェルニティ・デスドラゴンに攻撃!」

 

「(・・・・・これで・・・・)」

 

「シューティング・ソニック!!」

 

「(・・・・・やっと満足できる・・・・やっとデュエルから解放される・・・・)」

 

スターダスト・ドラゴン 攻4500

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

 

鬼柳 LP 800→0

 

WIN 遊星 LOS 鬼柳

 

 

 

デュエルが終わった後、審判としていた男達の内、一人が昨日同様に縄を使って鬼柳さんを捕らえた。

 

「遊輝さん・・」

 

「分かって・・・・」

 

ドカーーーーン!!!!!

 

「!?な、何だ!?」

 

鬼柳さんが御用されているのを見て、俺はすぐに後ろに入れてあった竹刀を取り出そうとしたが、突然爆発が起こり、空き家が大きく揺れる。そのバランスで立ち上がった俺は大きく崩れてしまう。

 

「ゆ、遊輝さん!!遊星さんが!!」

 

「ハッ!?」

 

ニコに言われて窓を除くと、遊星さんがバーバラという女性が持っていた花束からスタンガンを打たれて硬直状態となってしまっている。そして突如、Dホイールの爆音が聞こえてきて、この町の中心部に止まる。厳つい改造Dホイールから一人の大柄な男が降りてきた。あいつは・・・・・リアリスト野郎・・・

 

「あいつは・・・・ロットン!?」

 

「ロットン?」

 

「マルコムの兄です!性格は極悪非道で自分の利益のためならどんな手段を取っても構わないと考える男です!」

 

「でもどうして!?あいつ町から出て行ったんじゃ・・・・」

 

「おい・・・あの野郎、ラモンとデュエルするみたいだぞ・・・」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

ロットン LP 4000 ラモン LP 4000

 

「先行は俺だ。俺のターン」

 

ロットン 手札 6枚

 

「ガトリング・オーガを召喚」

 

ガトリング・オーガ 攻800

 

出た!!LP4000でヴェーラーが流通していないこの環境下での極悪カード!!

 

「カードを5枚セットする」

 

「ハッ、よく考えたら1ターン目は攻撃出来ないじゃないか。それでどうやって・・」

 

「ファイア!!」

 

突如、ガトリング・オーガが自身が肩から下げたマシンガンをラモンに向けて大量に発泡する。

 

「ガトリング・オーガは自分フィールドの魔法・罠カードを墓地に送り、その墓地に送った枚数×800ポイントのダメージを与える」

 

ラモン LP 4000→0

 

WIN ロットン LOS ラモン

 

 

 

 

「な、何あの酷いデュエル・・・・・・・」

 

「(いや、先行1killなら昨日も見たぞ(汗))」

 

「う、うわあああ!!!!」

 

ロットンによる先行1killが決まると、鬼柳さんを捕らえた奴がラモンを御用して、そのまま棺桶の中に閉じ込めてしまった。これによりラモングループは敗北と解散を突きつけられ、この町はマルコムファミリーが実権を握った。

 

「あっ、あいつ・・・・遊星さんまでも」

 

「ま、待ってください遊輝さん!この状況で乗り込んでも、ロットンは何をしでかすか分かりませんよ!」

 

「向こうには鬼柳さんや遊星さんがいますから今行っても不利なだけです!」

 

「・・・・・・・チッ、しょうがない。ここでは中止だ」

 

分かっていた事だけどここで見逃すのは心苦しいな・・・・・しかしこっちが捕まってしまったら元の子もない。

そのまま遊星さんも棺桶に閉じ込められてしまい、馬車は鉱山へ走り出してしまった。俺たちは向こうが気づいていない内に一度秘密基地へと戻ることにした。

 

「ったく・・・・あいつめんどくせぇ事を・・・」

 

「マルコムファミリーの鉱山なら僕たちがよく知ってます。あの鉱山、見張りがいない裏道があります」

 

「ふむ・・・・・問題は二人をどうやって・・・・ん?」

 

空き家から秘密基地に戻る途中、遠目でだが遊星さんのDホイールが目に見えた。

 

「・・・・・おい、あのDホイール誰にもばれずに持ってこれるか?」

 

「えっ?・・・・そ、そうですね。ちょっと難しいかと・・・」

 

「ふむ・・・・じゃあここで二人にマジックを見せてやろう」

 

「「えっ?」」

 

「1・2・・・・・3!」

 

パッ!!

 

「えっ!?ゆ、遊輝さん!?」

 

「ほら?どう?」

 

「わっ!?ビ、ビックリした・・・・・」

 

俺はカウントを数えて、タイミングよくダイヤが俺を魔法で透明人間もどきっぽく身体を見えない状況にして二人の後ろにたった。

 

「どう?ネタは企業秘密で教えられないけどこれを二人にもかけて、あのDホイールを秘密基地に持ってきて欲しいんだ」

 

「・・・確かに、これならバレないかも」

 

「ゆ、遊輝さんは?」

 

「俺は先に戻って襲撃の準備をする。こういうのは早い方が得策だろ」

 

「わ、分かりました」

 

「じゃあやるぞ・・・あっ、心配しなくてもちゃんとお互いの事を見れるから安心しろよ」

 

「は、はい・・・」

 

「1・2・・・・・3!」

 

パッ!パッ!

 

「・・・・・本当に見えないのですか?」

 

「心配しなくても今は見えてない。現に俺が見えてないんだから。じゃあすまないが、よろしく頼む」

 

「はい」

 

その声を聞いて二人は遊星のDホイールのところに行っただろう、声が聞こえなくなった。先に俺は秘密基地に戻り、襲撃の準備を始めよう。

 

「(待ってろよ遊星さん、鬼柳さん、すぐに行くからな)」




【スターダスト・ドラゴンを出す意味が無かったじゃないか?ハハハ、気にするな!by作者】

フラン「あの人いいなぁ・・・・満足か・・・・」←鬼柳に憧れを持ち始めた

遊輝「(イカンイカン、フランがいけない方向に行こうとしている(汗)」

霊夢「相変わらずターンが長いわねインフェルニティ・・・・今回は手札が悪そうだったけど」

遊輝「いやお前、ジャンドというソリティアデッキを使っているじゃねぇか」

フラン「インフェルニティはシンクロ、エクシーズと組んでいたけどエクシーズ型は今は封印しているからな・・・」

霊夢「・・・・・スティーラーが」

遊輝「お前な・・・・・(汗)」

フラン「次回はお兄様が鉱山へと乗り込むよ!」

遊輝「【鉱山での死闘】。次回もよろしくお願いします」


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第123話 鉱山での死闘

【*注意・・・・・後になって書き忘れに気づきました。申し訳ありません。今回、遊輝君の能力はスピンオフ作品、『遊輝と神様の東方放浪記』で得た能力です。時系列的には中1から中2になる時の春休みの話です。他作品ですが、時系列には繋がりますので採用しました。嫌いな方は申し訳ありません】


最強カードの紹介〜〜。

プラチナ「お久しぶりです」

今回のデュエルでさ、思ったんだけど、よくホープはコスプレイヤーってネット上で一部の人が言ってるじゃん。

プラチナ「確かにそうですね」

ギャラクシーアイズも十分コスプレイヤーじゃないんかな・・・って。

プラチナ「・・・・否定し辛いですね」←銀河眼の光子竜の精霊

何体いるんだろ?源だろ、超銀河に62、107は別でギャラクシーFA、ダークマターも一種だな。タイタニックギャラクシーに、人によっては銀河眼の光波竜もそうなんじゃないかってとらえるかも。

プラチナ「あながち間違ってはないですね」

ホープといい、ギャラクシーといい、KONAMIはいつからこいつらに何を求めていたのか。最強カードの紹介に行こう。

プラチナ「今回はNo,95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴンです」

征竜を禁止カードとしてトドメをさした極悪カードだ。★9のモンスターだが★8の《ギャラクシーアイズ》エクシーズモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。

プラチナ「エクシーズ召喚に成功した時、コストでデッキから3種類のドラゴン族モンスターを墓地に落とすことで、相手はデッキのモンスター3枚をゲームから除外しなければいけません」

まずこのコストでドラゴン族を落とすというのが頭悪い。

プラチナ「1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを取り除けばモンスターを2回攻撃することができます」

攻撃力4000が2回殴れるという所はまあいいけど、やっぱりこいつの強みはコストで落とすところかな。奈落とかでも止められず、ヴェーラーでも止められないから。

プラチナ「第123話、デュエルスタート!」



遊輝 side

 

 

「ゆ、遊輝さん・・・持ってきました」

 

「サンキュー」

 

日が暮れて少し経った頃に遊星さんのDホイールを頼んだニコとウエストが帰ってきた。俺はダイヤにお願いして二人を見える状態にする。

 

「・・・ほい、俺も見えるようになったぜ」

 

「ふ、ふぅ〜・・・・Dホイールって以外と重たかった・・・・」

 

「ほ、本当にバレてないんでしょうか?」

 

「心配しなくていいよ。バレていたら追っ手がいるはずだから。さてと・・・・準備を終えたから乗り込むか」

 

俺は適当に使えそうな物をリュックサックに入れて、遊星のDホイールに乗り込む。ヘルメットは椅子の下に入れてあることを確認してあるのでそれを被り、エンジンをかける。

 

「よし・・・・・行くか」

 

「ゆ、遊輝さん・・・」

 

「・・・・お前らも来るか?」

 

「は、はい!!」

 

「お願いします!」

 

「よっし・・・・(3人乗りなんて初めてだけど何とかなるか)。ウェストは俺の前、ニコは予備のヘルメットを被って後ろに頼む」

 

「こ、これ・・・大丈夫なのですか?」

 

ウェストは俺の足と足の間に座り、ニコは予備のヘルメットを被って俺の後ろに座って俺に抱きつくようにした。

 

「心配するな。このDホイールの持ち主が2人乗りしていた時は後ろに乗った奴はみ出していたから」

 

「そ、そうですか・・・」

 

「それじゃ行くぞ。飛ばすからしっかり捕まっとけよ!」

 

ブオオオオオオ!!!!!!

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「そこだよ!!もうすぐ鉱山の入り口が見えてくる!!」

 

「そうか!」

 

ウェストとニコの案内で割と早くに鉱山を登ることが出来、二人が知っている見張りのいない抜け穴まで駆け上がることが出来た。ちょうどカーブを曲がったところで二人の影が見え、俺はブレーキを掛けた。

 

キュルルルルル!!!!!

 

「あっ!遊星さん!!鬼柳さん!!」

 

「?・・・!?遊輝!?お前、何で」

 

「数日前から怪しい行動をしていたから付いてきたんだよ!」

 

「・・・・危ない真似をして」

 

「鬼柳さん!!」

 

「どうして・・・・お前ら・・・」

 

「鬼柳さん!遊星さん!このDホイールを使ってすぐに逃げてください!」

 

「馬鹿なことを言うな・・・こんな危険をおかして何で俺なんか・・・・お前らには俺よりも助けなきゃいけない奴がいるだろ」

 

「(助けなきゃいけない人?)」

 

「(・・・多分、あの二人の親父さんのことだよ)」

 

「(そうか・・・二人の親父さんも・・)」

 

「確かにいるよ!けど!!だけど!!今は二人を助けたいんだよ!!」

 

「鬼柳さん・・・・あなたは本当はこんな所にいる人じゃありません」

 

「だけど・・・俺は・・・」

 

「・・・!!それ!!」

 

鬼柳さんを説得していたウェストが突然遊星が手にしていた物を見て慌てるように飛びついた。

 

「?これがどうかしたのか?」

 

「それ!!父ちゃんのペンダントだよ!!」

 

「なっ!?」

 

「遊星さん!!鉱山の中でお父さんに会ったのですか!?」

 

「・・・残念ながらこのペンダントは鉱山の中じゃないんだ。俺がこの町に来た時に鉱山から逃げ出した労働者の一人が崖の上に投げた物をたまたま拾ったんだ」

 

「そう・・・・ですか・・・・」

 

・・・ブルルル・・・・

 

「?何の音だ?」

 

「音・・・だと?」

 

下の方でエンジン音が聞こえたので俺は下を覗く。しばらくすると馬鹿でかいDホイール1台がここに向かって上がってきている。

 

「げっ!?あれロットンのDホイール!?まさか気づいた!?」

 

「まずい!!お前らすぐに逃げろ!!」

 

「ゆ、遊星さん!?」

 

「俺が鉱山の中に入ってあいつを引き付ける!」

 

「ちょいちょいちょい!?!?何考えてるの!?」

 

「序でだからこの中にいる人達も助け出す!!」

 

・・・・・遊星さん、カッコいい事言ってますけど、それ一歩間違えたら死亡フラグじゃね?(汗)

 

ブオオオオオオ!!!!!!

 

「ま、まずい!!来ましたよ!!」

 

ウェストが指を指す先にはロットンがDホイールで駆け上がっていた。さらに後ろから子分らしき二人の男もDホイールで駆け上がってくる。

 

「やっぱり・・・・一筋縄でいかない野郎とは思ったが、仲間を連れていたとはな!お前ら!!一人たりとも鉱山から出すなよ!!」

 

「「うっす!!」」

 

「くっ!!」

 

「鬼柳!!遊輝!!二人を頼む!!」

 

「分かった!!」

 

「仕方ない・・・お前ら、離れるなよ!!」

 

「う、うん!!」 「分かったよ!」

 

遊星さんの指示に従い、俺と鬼柳さんはウェストとニコを連れてひとまず鉱山の中へと逃げていく。2人の子分は俺たちを追いかけてくる。

 

「こっちだ!!」

 

遊星さんはDホイールを使い、ボス格のロットンを引きつけて別ルートへと走り出した。

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

「待てやこら!!!」

 

「誰が待つかよ!!」

 

「だ、だけどこのままじゃ追いつかれてしまいます!!」

 

「あっ!!あそこにトロッコが!!」

 

走って逃げる俺たちの目の前に1台のトロッコが見えてきた。

 

「よっしゃ!!こいつだ!!お前ら乗り込め!!鬼柳さん、乗ったらブレーキを外して!!」

 

俺の合図でウェストとニコ、そして鬼柳さんが乗り込む。鬼柳さんがブレーキを外したのを確認した俺は足に力を込めトロッコを蹴った。

 

「なっ!?お前!?」

 

「俺は雑魚2人を引き付ける。その後にでも追いかける!」

 

「無茶言うな!」

 

「心配するな!!俺は強い!!」

 

すでに発進してしまったトロッコは坂道を逆らうことができずに進んでしまう。それを見送り、反転した俺は誰もいなくなったので、能力を解放する。

 

「サン・フレア!!!」

 

バーーン!!バーーン!!

 

「なっ!?」

 

「ぐうぅ!?!?!?」

 

2発のサン・フレアは鉱山の横の壁にぶつかり、壁が崩れて岩が子分2人を目掛けて落ちる。慌てた子分は急ブレーキをかけてすぐにDホイールから逃げた。2台のDホイールはペチャンコに潰れてしまった。

 

「クソッ・・・」

 

「お前らの相手は俺がしてやるぜ」

 

そう言って俺はウェストはから借りたピストル型のデュエルディスクを展開して、手札を5枚ドローする。

 

「ここはバトルロイヤルモードと行こうぜ。互いのプレイヤーの1ターン目が終わるまで攻撃できない」

 

「へっ、ガキが何をほざいてやがる!」

 

「さっさと蹴りをつけてやるぜ!」

 

2人の子分も俺の挑発に乗ってくれて、デュエルディスクを起動する。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 モブ1 LP 4000 モブ2 LP4000

 

「先行・後攻はこいつを先にやった奴からだったな。俺のターン!」

 

遊輝 手札 6枚

 

ふむ・・・・少し悪いが次のターンに仕留められそうかな。

 

「カードを1枚伏せてカード・カーDを召喚!効果発動!このカードをリリースして2枚ドロー!強制的にエンドフェイズとなる!」

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

モブ1 手札 6枚

 

「火縄光線銃士を召喚!」

 

火縄光線銃士 攻1600

 

モブのフィールドに西部劇の格好をして、ライフルを持った木の人形人形のモンスターが現れる。あれって確か、仲間を呼んだらバーン効果がある奴だったっけ?

 

「これでターンエンド!」

モブ1 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

火縄光線銃士 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!」

 

モブ2 手札 6枚

 

「火縄光線銃士を召喚!」

 

「この瞬間、俺の火縄光線銃士の効果発動!このカードが攻撃表示に存在して他の火縄光線銃士が召喚・特殊召喚した時に相手に800ポイントのダメージを与える!」

 

火縄光線銃士がライフルにある縄に火をつけて俺に照準を合わせる。縄についた火がライフルに灯ると銃が発砲して俺を撃ち抜いた。

 

遊輝 LP 4000→3200

 

「さらに手札から魔法カード、二重召喚(デュアル・サモン)!もう一体の火縄光線銃士を召喚!今度は2発だぜ!」

 

遊輝 LP 3200→2400→1600

 

「これでターンエンド!まだまだ弾は尽きないぜ!!」

モブ2 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

火縄光線銃士 攻1600×2

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

3発の弾丸を受けた俺は軽くズボンについた砂を払ってすぐに構え直す。ふむ・・・・伏せもなしか、ツイツイの意味がないぜ。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

手札 7枚

 

「それじゃ・・・・ファイナルターン!」

 

「なっ!?」 「えっ!?」

 

「このカードは相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合手札から特殊召喚できる!聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

「トフェニドラゴンをリリース!聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

「リリースされたトフェニドラゴンの効果発動!手札・デッキ・墓地からドラゴン族の通常モンスターを攻守を0にして特殊召喚する!チューナーモンスター、ラブラドライドラゴンを特殊召喚!」

 

ラブラドライドラゴン 守2400→0

 

「この2体のドラゴンをリリース!銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)をアドバンス召喚!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

 

フィールドにいたシユウドラゴンとラブラドライドラゴンの2体がリリースされて、俺の真上に穴が開き、そこからプラチナが現れた。

 

「こ、攻撃力3000だと!?」

 

「まだだ!リリースされたシユウドラゴンの効果!トフェニと同じくドラゴン族通常モンスターを攻守0にして特殊召喚する!神龍の聖刻印を特殊召喚!」

 

神龍の聖刻印 守0

 

「Lv8のギャラクシーアイズと神龍の聖刻印でオーバーレイ!」

 

「な、何!?」

 

「エクシーズ使いだと!?」

 

☆8 × ☆8 = ★8

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!舞い降りろ銀河究極竜!光と闇の力を一つにし、宇宙の果てから今現れる!エクシーズ召喚!!降臨せよNo,62!!|銀河眼の光子竜皇《ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン》!!」

 

No,62 銀河眼の光子竜皇 攻4000

 

プラチナと神龍の聖刻印がブラックホールに吸い込まれて現れたのは、翼の形が変わり、より一層大きくなったプラチナだ。

 

『(・・・・これ、まだまだやりますよね)』

 

「(・・・・すまん、まだ途中なんだよ)。さらに銀河眼の光子竜皇でオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

「な、何だ!?!?」

 

銀河眼の光子竜皇が再び現れたブラックホールに戻っていき、光の大きな爆発が起きる。

 

★8→★8

 

「銀河の光に導かれし時、新たな力が宿る!天孫降臨!アーマーエクシーズ召喚!駆け抜けろ!ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン!!」

ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン 攻4000

 

爆発したブラックホールから現れたのは、先ほどよりも青かった身体が黒に変色したプラチナだ。

 

「なっ・・・なっ・・・」

 

「ギャラクシーFAの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いてフィールドの表側のカード1枚を破壊する!俺は火縄光線銃士が2体フィールドにいる奴の内の1体を破壊する!」

 

ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン OVR 3→2

 

「くらえ!ギャラクシー・サイトワインダー!」

 

プラチナがエクシーズ素材を一つ吸収すると身体中に電気が蓄積されて、それが放たれて火縄光線銃士を1体破壊した。

 

「くそっ・・・」

 

「き、気にするな!図体がデカイ割には大したことじゃねぇ!」

 

「あっそ・・・・ギャラクシーFAでオーバーレイ・ユニットを再構築!」

 

「ま、まただと!?」

 

★8→★9

 

「銀河に宿いし魂よ!冥府の力を得て亡霊となり蘇れ!ランクアップ・エクシーズチェンジ!No95!ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン!!」

 

No,95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン 攻4000

 

再びギャラクシーFAを吸い込んだブラックホールは今度は邪悪な黒いオーラを醸し出し、中から下半身が完全に霊とかし、上半身が漆黒の身体に染まったドラゴンが現れる。羽は計8本の対になっており、瞳は黒く光っていた。

 

「ダークマターの効果発動!エクシーズ召喚成功時、コストで俺のデッキからドラゴン族モンスターを3種類墓地に送ることで、相手はデッキからモンスター3枚をゲームから除外する!」

 

「な、何だと!?」

 

「俺はエクリプス・ワイバーン、聖刻龍ーアセトドラゴン、聖刻龍ーネフテドラゴンを墓地に送り、そうだな・・・お前を選択しようか」

 

「くっ・・・」

 

俺が選択したモブ1野郎が苦虫を噛んだような表情でデッキの中からモンスター3枚を選んでゲームから除外する。

 

「墓地に送られたエクリプス・ワイバーンの効果発動!このカードが墓地に送られた場合、デッキからLv5以上の闇属性または光属性のドラゴン族モンスター1体をゲームから除外する!俺はレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを除外!ダークマターの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いてこのターン、このカードはモンスターに2回攻撃できる!」

 

「何だと!?」

 

No,95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン OVR 3→2

 

「だ、だが、まだ俺たちのライフは尽きないぜ!!」

 

「墓地の光属性、エクリプス・ワイバーンと闇属性、ラブラドライドラゴンをゲームから除外!混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)ー終焉の使者ーを特殊召喚!」

 

混沌帝龍ー終焉の使者ー 攻3000

 

墓地にいたエクリプス・ワイバーンとラブラドライドラゴンが除外されて、俺の後ろに白黒で混ざった混沌の穴が開いて、その中から混沌帝龍が姿を現した。

 

「カ、カカカ、カオス・エンペラーだと!?」

 

「この瞬間、ゲームから除外されたエクリプス・ワイバーンの効果発動!この効果で除外したモンスターを手札に加える!俺はレダメを加えて、フィールドの混沌帝龍をゲームから除外!レダメを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

 

さっき出したカオス・エンペラーがすぐに消えて、レダメが現れる。これこそ、出落ちってやつだな。

 

「レダメの効果!墓地から銀河眼の光子竜を特殊召喚!これでバトル!ギャラクシーアイズ・ダークマターで2体の火縄光線銃士を攻撃!破滅のフォトン・ストリーム!」

 

ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン 攻4000

火縄光線銃士 攻1600×2

 

モブ1・モブ2 LP4000→1600

 

「ラスト!レダメとギャラクシーアイズでそれぞれにダイレクトアタック!」

 

モブ1・モブ2 LP1600→0

 

 

WIN 遊輝 LOS モブ1・モブ2

 

 

「ふぅ〜〜・・・・・お掃除完了」

 

攻撃を受けて出口方向に吹っ飛んだモブ野郎共は岩壁に頭をぶつけてそのまま気絶してしまった。

 

「さてと・・・・プラチナ」

 

『はい、この先線路沿いです。時間も経っていますのでお早めに』

 

「分かってるよ。じゃあここはマジシャンっぽく・・・・・飛んでいくか」

 

春休みにとある世界で学んだ人間が本来持っていると言われる霊力、俺はその力を解放して自分の身体を地面から20〜30cm浮かして、まさに()()()()()状態となる。

 

「(まさか春休みのあの経験が生きる時が来るとはな・・・・・・)急ぐぞ!」

 

霊力の力をさらに解放、全速力でトロッコで先に脱出を図ろうとしている鬼柳さん達を追いかける。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「なっげぇ鉱山だな・・・・・」

 

『それだけ大きいのでしょう。あちらこちらに掘った形跡の跡があります』

 

飛びながら鬼柳さん達を追いかけているのなが、一向に追いつく気配が見えない。この鉱山の中はかなり広く、中に入れば入るほど機械熱もあって蒸し暑くなっていくからたまったもんじゃない。

 

「うん?少し開けた所に行けたな・・・・」

 

一本道がようやく抜けて見えたのは長い縦穴状の道。トロッコの線路はグルグルと螺旋状に下に続いている。

 

「とりあえずこいつを「お父さん!!!!」!?ウェストの声!?っていうことは!!!」

 

どうやって降りるか考えていた時にウェストの大声が下の方から聞こえてきた。それを聞いて察した俺は急いで急降下する。すぐに一人の男性が地面に向かって落下しているのが見えてきた。

 

「(まっず!?あと100mも無いうちに地面に激突する!?)間に合ええええええ!!!!!」

 

霊力をさらに解放して、全速力でその落ちている人に向かって飛び、激突寸前のギリギリで何とか男の人を捕まえることに成功した。そのまま俺はスピードを落としつつ上昇して、トロッコの線路のあるところまで戻った。

 

「ハ、ハァ・・・・ハァ・・・・・きっつ・・・」

 

「・・・・あれ?私は・・・・」

 

「あんた大丈夫かよ?結構な高さから落ちようとして・・・・」

 

「た、助けてくれた・・・・・あの高さから落ちた私を?どうやって・・・・」

 

「そこは企業秘密。ところであんたは?」

 

「わ、私はセルジオ・・・・・ウェストとニコの父親だ」

 

「そうかそう・・・・えっ!?親父さん!?(知っているけど・・・)」

 

「ふ、二人のことを知っているのか?」

 

「2日間ほどかくまってもらってね・・・・そうかそうか。いや〜、危なかった。もうすぐで二人に顔向けが出来なくなるところだったよ」

 

とにもかくにも、死人を眼の前で出すなんてもっぱらごめんだから。まあもう少しで飛んでいることに気づかれて「人外だ!!」とか言われそうだったけど・・・・

 

「とりあえずこの中から出ましょう」

 

「ま、待ってくれ。私にはこの首輪が・・・」

 

「うん?・・・・・あ〜これだったら」

 

セルジオさんに付けられている首輪を見て、俺はリュックサックの中に入れてあったネジを取り出す。

 

「(遊星仕込みの機械の扱いを舐めてもらったら困るよ)」

 

そう思い、首輪にある主要なCPU部分にネジでチョチョイと弄って、首輪を取り外した。

 

「よし、これで大丈夫だ。あんたはもう自由だ」

 

「君は・・・・一体・・・・」

 

「俺?俺は遠藤遊輝、そうだな・・・・・ちょっとしたマジシャンかな?さてと、さっさとこんな気分が悪く鉱山から脱出しましょう」

 

「そ、そうだな。こっちを走っていけば出口に繋がる」

 

「ありがとう」

 

セルジオさんの手を引っ張って、俺たちは出口へと走っていく。暫く走ると、外の光が見えてきた。

「着いた!!ようやく外に出られたぜ!!」

 

「あっ・・・・あっ・・・・・」

 

久しぶりに外を見ることができたのか、セルジオさんは感極まって涙が出てきている。

 

「あっ!いたいた!お〜い遊星さん!!鬼柳さん!!」

 

「!?遊輝!?無事だったか!!」

 

「何その、人が死んだような言い方は!?」

 

俺たちが出た出口から遊星さんと鬼柳さんの二人の姿が見えて、二人はこっちを振り向いて驚いた表情をしている。

俺ってそんなに信用されてなかったの!?確かに時々変なことをしているけど。

 

「あんた・・・・・どうやって・・・・」

 

「彼に助けて貰ったんだ。残念ながらどうやってかは彼に教えてもらえなかったが・・」

 

「そうか・・・・おい」

 

「うん?」

 

「お前、遊輝って言うんだな・・・・ありがとよ」

 

「別に対した事じゃないって」

 

「それより鬼柳さん、二人は・・・・」

 

「・・・・すまねぇ、ロットンっていう野郎に捕まってしまった」

 

「そうです、か・・・・・・・・」

 

鬼柳さんから自分たちの子供の状況を聞いたセルジオさんはガックリと肩を落とした。

 

「・・・・・・2人は無事なのか」

 

「あんた親でしょ?自分の子供を無事であることを信じるのが親の役割でしょ?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「遊星さん達はどうするの?」

 

「夕方になったらロットン達とケリをつける。それまでは身を潜める」

 

「そうか・・・・・・じゃあ俺も遊星さん達と同調しよう」

 

「・・・・私はどうすれば?」

 

「あなたのやる事はたった一つ・・・・子供達に顔を見せる事、俺は友人のサポートとあなたのそのやる事のサポートをします」

 

そう言って、鉱山から降りようと山沿いの道を歩き始めた。




紫「酷いことをするわね・・・」

遊輝「あれでも事故怖くてドローカード入れている方ですよ。本当はもっと尖らせますし」

レミリア「あれで丸めたって・・・・どういうことかしら(汗)」

遊輝「まぁ聖刻使おうと思うと今はああなるんですけどね。アトゥムス自体もエクストラに1枚あればいいかな〜って」

紫「昔は3枚必須だったはずなのにね・・・・」

レミリア「いよいよクラッシュタウン編も終盤戦、【煉獄の使者、降臨】」

遊輝「次回もよろしくね」


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第124話 煉獄の使者、降臨

最強カードの紹介〜〜。

アキ「・・・・早くない?昨日投稿したのでしょ?」

いや〜・・・・何か今回は凄い早く執筆できた。自分でもよく分かってない。

アキ「そういう時って案外怖いのよ。いつピタッと止まるか分からないし」

そういう事言わないでくださいよ・・・・最強カードの紹介に行きましょう。今回は工作列車シグナル・レッド!

アキ「そっち!?タイトルのカードじゃないの!?」

いやだって・・・・あれ出ただけだから。

アキ「そ、そうだけど・・・(汗)。☆3のモンスターで相手のモンスター攻撃宣言時に手札のこのモンスターを特殊召喚して、このカードと攻撃してきたモンスターとの強制バトルが行われるわ」

そしてそのモンスターとの戦闘では破壊されない。バトル・フェーダーとは違って、モンスター同士の攻撃を止めたり、☆3なので★3のエクシーズモンスターに繋げたりできるぞ!

アキ「第124話、デュエルスタート!」


No side

 

 

ピシッ!!ピシッ!!

 

クラッシュタウン・・・・・改めてロットンタウンとなったこの町、町の中心部にいるこの町の長となったロットンとそのロットンに付き添う女性、バーバラ。バーバラが放った鞭により、二人の男が巻きつけていた赤いスカーフが外れてしまった。

 

「ど、どういう事だよ!?俺たちを仲間にしたんじゃないのか!?」

 

一人の男がバーバラとロットンに向かって吠えた。その男ともう一人の男はこの町で派閥争いをして敗れた元ラモングループのメンバーだ。

 

「確かに、この町は今までみたいに派閥争いをすることは無くなった。だが!!それで山に送る奴がいなくなったじゃないか!!」

 

「こうなったら味方同士で戦ってもらわないといけないでしょ?」

 

「ヴァーハッハッハッ!!!!」

 

「は、話が違うじゃないか!!俺はやらねぇぞ!!」

 

ロットンとバーバラは高笑いをする。

ロットンとバーバラとの意見の食い違いで一人の男が町から離れるように走り出したがすぐにバーバラが鞭を使ってその男を捕らえた。

 

「さぁ!!デュエルディスクを抜いてデュエルをしろ!!負ければ今まで通り鉱山送りだ!!」

 

ロットンが高らかに宣言をして、昨日と同じように棺桶を乗せた馬車が現れる。

 

「お前ら姉弟は幼すぎるから奴隷として働いてもらう。今から行われるのはな、この町の本当の姿なんだよ」

 

ロットンは後ろに縛られているニコとウェストに話しかける。しかし、ウェストはすぐに噛み付いた。

 

「そんな事ない!!!きっと鬼柳さんが助けにきて、お前なんかをぶっ倒すんだ!!」

 

「だから言っただろ。あの死神野郎は死んだって」

 

「鬼柳さんは絶対に生きてます・・・・」

 

「ひいい!!た、助けてくれ!!!お前らもいつかこうなるんだぞ!!」

 

「お、俺は絶対に負けねぇ!!!あんな所に行きたくないからな!!」

 

「くそ!!お前ら!!!俺だって負けたくねぇんだ!!やってやるよ!!」

 

「・・・・いずれ俺たちもああなるんだろうか」

 

「・・・・・ん?なんだこの音は?」

 

・・・・♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪

 

二人の男が覚悟を決めてデュエルを始めようとした時、突如町にハーモニカの音色が鳴り響いた。そして、夕陽側から一人の男が現れる。

 

♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

「うっ!?」

 

「あ、あいつ!?まさか!?」

 

その男の正体を見て、ロットンとバーバラは驚愕をし、ニコとウェストは笑顔になった。

 

♪♪〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

ハーモニカを弾いていた男・・・・・・・鬼柳京介が町へとやってきた。

 

「・・・・地獄の底から、舞い戻ってきたぜ」

 

「鬼柳!!!貴様生きていたのか!?」

 

「あの程度で死んでいちゃ話にならないぜ。にしても・・・・なんだこの町は、せっかく地獄から舞い戻ってきたのに、これじゃまた地獄にいるみたいだぜ。お前らいいのか?このままあの鉱山に送られる順番を待って、あの鉱山で一生の強制労働を強いられるだけでいいのか?」

 

「うるせぇ!!この町の長は俺なんだ!!俺が決めたルールには従ってもらう!!」

 

「誰がお前を長に選んだんだ・・・・・こういうのはな、全員で決めるもんだろ。お前らだって、自由になれる権利はあるんだぜ・・・」

 

「そうだ!!!皆自由になる権利はあるんだ!!ニコ!!ウェスト!!」

 

突如、鬼柳が来た方向の反対側からDホイールのエンジン音が聞こえてきた。慌てたロットンやバーバラたちがそっちに振り向くと、Dホイールに乗った遊星がニコとウェストを助けようとして飛びついて来た!!

 

「お前!!この!!」

ビシーーーーン!!!!

 

「うわっ!!」

 

バーバラが振り抜いた鞭が遊星に当たり、遊星はバランスを崩してDホイールから落ちてしまった。

 

「死に損ないが・・・だが、簡単にこいつらを解放されるわけにはいかねぇんだよ!!」

 

「ところがギッチョン!!!!そうは上手く行かねえんだよな!!プロミネンス・チェーン!!!!」

 

ロットンが吠えたところで上空から貼った声が聞こえて全員が上を振り向くと、一人の青年が周りに炎の鎖を纏い、その炎の鎖がロットンやバーバラに向かって放ち、身体を拘束されてしまった。

 

「な、なんだこりゃ!?」

 

「おうりゃ!!」

 

「アアアア!!!!!」

 

そのチェーンに結ばれたロットンとバーバラは青年・・・・遠藤遊輝が振り回して、屋根へと吹き飛ばされてしまう。上空から自然落下した遊輝はそのまま両足で着地する。

 

「ッツウウウウウ!!!!!足が痺れるうぅ〜〜〜!!!!」

 

「鬼柳さん!!遊星さん!!遊輝さん!!」

 

「やっぱり・・・・・生きていたんだ!!」

 

「さすが伝説のチーム、チームサティスファクションのリーダーだよ!!」

 

「いててて・・・・・俺たちだけじゃないぞ」

 

「ニコ!!ウェスト!!大丈夫か!?」

 

「えっ・・・・・」

 

「嘘っ・・・・お父さん・・・・」

 

「話は全部終わってからにしよう!!」

 

着地した衝撃で足が痺れている遊輝が二人の後ろに指を指すと、二人の父親であるセルジオが二人を縛っているロープを懸命に解こうとしている。

 

「・・・・よし!もう大丈夫だ」

 

「お父さん・・・・お父さん!!!」

 

「お父さん!!無事だったのね!!」

 

「くそっ・・・・テメェらよくもやってくれたな!!!」

 

遊輝が吹き飛ばしたロットンとバーバラは服がボロボロになりながらもしぶとく耐えたようだ。

 

「ロットン!!この町にいる人たちと鉱山にいる人たち全員を解放させてもらうぞ!!」

 

「そうはされるか!!丁度いい、今度こそテメェらを完全に葬り去ってやる!!」

 

「元からそのつもりだ・・・・」

 

「貴様を倒してこの町を解放してやる!!」

 

「俺はそうだな・・・・元凶2のそこの化粧濃いババアとやるか」

 

「お前!!私のことをババアだと!?私はバーバラという名前があるんだ!!」

 

「えっ?なんて?ババア?」

 

「もう許さん・・・・・貴様も葬り去ってやる!!」

 

ロットンと遊星と鬼柳が対峙、バーバラと遊輝がそれぞれに対峙する。

 

「そうだな・・・・2対1だし、こっちはバトルロイヤルといこうじゃないか。ただし、こっちはハンデとして手札10枚から始める!」

 

「(手札10枚・・・・いきなりガトリング・オーガで決めようというのか・・・・)構わない!!」

 

「良いだろう・・・・・乗ってやる」

 

遊星の頭にはロットンが使うガトリング・オーガによる先行1killがよぎったが、許可をする。そして5人の間に風が吹いて、それぞれデュエルディスクをセットする。

 

「こっちの先行は俺だな」

 

「くっ・・・」

 

「・・・・俺が1番目、ロットン、貴様が2番目、遊星が3番目、この順番でターンが回る」

 

「くそっ・・・(俺が先行を取れなかっただと・・・)」

 

「「デュエル‼︎」」 「「「デュエル‼︎」」」

遊輝 LP 4000 vs バーバラ LP 4000

遊星 LP 4000・鬼柳 LP 4000 vs ロットン LP4000

 

 

遊輝 side

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

さてと、さっさと聖刻龍で決め・・・・・うえええええい!?!?

 

「(おいダイヤ!?どういうことだよ!?デッキが違うぞ!?)」

 

『(私に言われても知りませんよ・・・・持ってくるデッキケースを間違えたのでしょう)』

 

くそう・・・・やっちまったもんは仕方ないし、こいつで勝負だな。

 

「マドルチェ・マジョレーヌの召喚!」

 

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

 

俺の真正面にフォークが箒代わりの紫のドレスのような魔法使いの服をきた魔女が現れる。

 

「マジョレーヌの効果発動!召喚時にデッキから《マドルチェ》モンスターを手札に加える!俺はマドルチェ・ミルフィーヤを選択!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

バーバラ 手札 6枚

 

「ハーピィ・レディ1を召喚!」

 

ハーピィ・レディ1 攻1300

 

バーバラのフィールドに女性の鳥人間が現れる。ふ〜ん・・・・ハーピィか。

 

「ハーピィ・レディ1はフィールドにいる限り、《ハーピィ・レディ》として扱う!そしてこのカードが存在する限り、私の場の風属性モンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

ハーピィ・レディ1 攻1300→1600

 

「魔法カード、万華鏡ー華麗なる分身ーを発動!自分フィールドに《ハーピィ・レディ》が存在する場合、デッキからハーピィ・レディ三姉妹を特殊召喚する!」

 

ハーピィ・レディ三姉妹 攻1950→2250

 

ハーピィ・レディ三姉妹!?まった懐かしいカードを持ってるな!?

 

「バトル!ハーピィ・レディ三姉妹でマドルチェ・マジョレーヌに攻撃!」

 

3人のハーピィ・レディが順番に突撃をして、マジョレーヌに対して鋭い爪で引っ掻いて攻撃をする。

 

ハーピィ・レディ三姉妹 攻2250

マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400

 

遊輝 LP 4000→3250

 

「破壊されたマドルチェモンスターは墓地に落ちる代わりにデッキに戻る!」

 

「続いてハーピィ・レディ1でダイレクトアタック!」

 

「手札の工作列車シグナル・レッドの効果発動!相手モンスターの攻撃宣言時に手札のこのカードを特殊召喚する!」

 

工作列車シグナル・レッド 守1300

 

俺の場を横切るように線路が引かれて、その線路をシグナル・レッドが走って現れる。

 

「攻撃宣言したモンスターはシグナル・レッドに攻撃しなければならない!」

 

「ならばハーピィ・レディ1でシグナル・レッドに攻撃!」

 

「シグナル・レッドはこの戦闘では破壊されない!」

 

ハーピィ・レディ1の引っ掻く攻撃をシグナル・レッドは受け止める。

 

「ちっ・・・カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

バーバラ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ハーピィ・レディ1 攻1600

ハーピィ・レディ三姉妹 攻2250

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「(・・・トップ強っ!?)スタンバイフェイズ、リバースカードオープン!罠カード、トラップ・スタン!このターン、このカード以外の罠カードの効果は無効になる!」

 

「何!?(私のゴッドバード・アタックと風霊術〜雅〜が!!)」

 

「永続魔法、マドルチェ・チケットを発動!そしてマドルチェ・ミルフィーヤを召喚!」

 

マドルチェ・ミルフィーヤ 攻500

 

「ミルフィーヤの召喚に成功した時、手札から《マドルチェ》モンスターを特殊召喚する!マドルチェ・エンジェリーを特殊召喚!」

 

マドルチェ・エンジェリー 攻1000

 

先に出てきたミルフィーヤが欠伸みたいなことをして、その何かを察したのエンジェリーが天から現れた。

 

「エンジェリーの効果発動!このカードをリリースしてデッキから《マドルチェ》モンスター1体を特殊召喚する!マドルチェ・ホーットケーキを特殊召喚!」

 

マドルチェ・ホーットケーキ 攻1500

 

エンジェリーが消えて、その消えた跡にホーットケーキが姿を表す。そのホーットケーキはすぐに遠吠えをあげて、墓地に行ったはずのエンジェリーが霊として現れる。

 

「ホーットケーキの効果発動!墓地のエンジェリーを除外して、デッキから《マドルチェ》モンスターを特殊召喚する!マドルチェ・メッセンジェラートを特殊召喚!」

マドルチェ・メッセンジェラート 攻1600

 

「メッセンジェラートはフィールドに獣族の《マドルチェ》モンスターがいる状態で特殊召喚成功した時、デッキから《マドルチェ》とついた魔法・罠カードを手札に加える!フィールド魔法のマドルチェ・シャトーを加えてそのまま発動!」

 

メッセンジェラートが配達した1枚の魔法カードを受け取って、俺はすぐにそのカードをフィールドカードゾーンにセットする。周りは西部劇の舞台からお菓子の世界へと変貌する。

 

「このカードが存在する限り、俺の場の《マドルチェ》モンスターの攻守は500ポイントアップする!」

 

マドルチェ・ミルフィーヤ 攻500→1000

マドルチェ・ホーットケーキ 攻1500→2000

マドルチェ・メッセンジェラート 攻1600→2100

 

「はっ、攻撃力を上げたところで私のハーピィ・レディ三姉妹に敵わなかったら意味が無いわよ!」

 

「まだまだ!!Lv3のシグナル・レッドとミルフィーヤでオーバーレイ!」

 

「な、何だと!?」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!虚空海竜リヴァイエール!」

 

虚空海竜リヴァイエール 攻1800

 

「虚空海竜リヴァイエールの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、自分または相手の除外ゾーンのLv4以下のモンスターを1体特殊召喚する!エンジェリーを再び特殊召喚!」

 

虚空海竜リヴァイエール OVR 2→1

「Lv4のメッセンジェラートとエンジェリーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!クイーンマドルチェ・ティアラミス!」

 

クイーンマドルチェ・ティアラミス 攻2200→2700

 

「クイーンマドルチェ・ティアラミスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて墓地の《マドルチェ》カードを2枚対象に取って発動!そのカードをデッキに戻して、相手フィールドのカード2枚をデッキに戻す!」

 

「なっ!?」

 

「ミルフィーヤとエンジェリーを対象!さらにマドルチェ・シャトーの効果でデッキに戻る《マドルチェ》モンスターは代わりに手札に戻る!」

 

クイーンマドルチェ・ティアラミス OVR2→1

 

ティアラミスが持っている杖が光り出して、その光がハーピィ・レディ1とハーピィ・レディ三姉妹を包みこみ、一瞬だけ強く光って、光が収まるとハーピィ・レディたちが消えてお菓子が並んでいた。

 

「さらにマドルチェ・チケットの効果発動!自分の《マドルチェ》カードが効果でデッキ・手札に戻った時、デッキから《マドルチェ》モンスター1体を手札に加えるか、天使族《マドルチェ》モンスターがフィールドにいるなら特殊召喚できる!デッキから2体目のメッセンジェラートを特殊召喚!メッセンジェラートの効果でデッキから2枚目のシャトーを手札に加える!バトル!全てのモンスターでダイレクトアタック!」

 

バーバラ LP 4000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS バーバラ

 

 

「さ〜って、こっちは片付けて向こうはどうなったかな?」

 

全ての攻撃を受けたバーバラは再び吹っ飛んでしまい、空き家を壊して中に飛んで行ってしまった。俺は遊星さんと鬼柳さんがどうなったのかそっちの方に目を向ける。

 

「・・・・Wow、面白いことしてくれてるじゃねぇか」

 

 

遊輝 side out

 

遊星 side

 

 

「俺のターン・・・」

 

鬼柳 手札 6枚

 

「魔法カード、無の煉獄。俺の手札が3枚以上の場合、カードを1枚ドローする。ただし、エンドフェイズに俺は手札を全て捨てなくちゃいけない」

 

ドローしたカードを見て、鬼柳はフッと笑みを浮かべた。

 

「(面白えじゃねぇか・・・・そんなに出たいなら出させてやるよ)ロットン、テメェに2ターンの猶予を与えてやろう」

 

「何だと?」

 

「俺が次に発動するのは封印の黄金櫃。こいつはデッキからカードを1枚除外して、2回目の俺のスタンバイフェイズにそのカードを手札に加えることができる。俺が除外したのはインフェルニティガン。こいつは墓地から《インフェルニティ》モンスターを2体特殊召喚できる。既に俺の墓地には数枚のインフェルニティモンスターが存在する。俺の2回目のスタンバイフェイズ・・・・それまでに俺を倒すことが出来るかな?」

 

「舐めた真似を・・・・お前なんか軽く捻り潰してやる!」

 

「じゃあやってみるんだな。俺はこれでターンエンドだ」

 

「何っ!?」

 

「テメェ!!何考えてやがる!!」

 

「この瞬間、俺は無の煉獄の効果で手札を全て捨てる」

 

鬼柳 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「鬼柳!!お前!!」

 

「心配するな遊星・・・・鉱山に送られる前と違って確率になんか頼らないデュエルをしているぜ・・・」

 

「ふざけた真似を・・・・俺のターン!」

ロットン 手札 11枚

 

「貴様なんかに2ターンもかける必要もない!!ガトリング・オーガを召喚!!」

ガトリング・オーガ 攻800

 

「そしてカードを5枚セットする!」

 

ロットンの場に5枚の伏せカードがセットされ、それと同時にガトリング・オーガのマシンガンに弾がセットされてしまった。これを受けたら鬼柳が・・・・

 

「(だが俺の手札にはエフェクト・ヴェーラーがある。こいつで・・・・)」

 

「遊星・・・・余計なことをするなよ。お前はただ見とけばいいんだ・・・」

 

俺が手札のエフェクト・ヴェーラーを見ていると、不意に鬼柳が俺に向かって呟いてきた。まさか・・・・何か考えがあるのか?

 

「鬼柳・・・・わかった」

 

「さあ来いよロットン・・・・俺を倒してみろよ・・・」

 

「へっ、死に損ないが!!お望み通りにあの世に送ってやる!!ガトリング・オーガの効果発動!!自分の場の魔法・罠ゾーンのカードを1枚墓地に送るたびに800ポイントのダメージを与える!俺は全弾、死神野郎に与える!!ファイアー!!」

 

ロットンの場の伏せカード全てが墓地に送られて、ガトリング・オーガが鬼柳に向かってマシンガンを発砲する。鬼柳は何もせずにそのマシンガンを全て食らってしまい、倒れてしまった。

 

鬼柳 LP 4000→0

 

「ヒャーハッハッハツ!!!!」

 

「そ、そんな・・・・鬼柳さん・・・」

 

「・・・・・まだだ」

 

「あん?」

 

「まだだ、まだ満足してねぇぜ・・・・!!」

 

「!?な、何だその後ろにある門は!?」

 

ライフが0になって倒れたはずの鬼柳が起き上がる。鬼柳の後ろには巨大な門が出現する。高笑いをしていたロットンが鬼柳の後ろに現れた巨大な門を見て後ろに後ずさりしてしまう。鬼柳の後ろに現れた門はおびただしい亡者の気配を感じ、ゆっくりと門が開かれる。

 

「俺は墓地にある罠カード、煉獄の零門(ゼロ・ゲート)を発動した・・・・こいつは俺の手札と場にカードが1枚も存在せず、俺のライフが0になった時にこのカードを除外して発動できる」

 

「ラ、ライフが0になって発動だと!?」

 

「エクストラデッキから煉獄の使者を呼び出す。地獄と天国の間・・・・煉獄よりその姿を現せ!!煉獄龍!!オーガ・ドラグーン!!」

 

煉獄龍 オーガ・ドラグーン 攻3000

 

巨大な門が開いて、大きな龍の手が門に手をかけてゆっくりと自分自身の手で門から現れる。その姿は赤い鎧みたいなもので身体を覆い、両腕には鋭い爪が光っている。

 

「煉獄龍・・・・・・」

 

「俺の場に煉獄龍 オーガ・ドラグーンが存在する限り、俺はあらゆる敗北条件を無視することができる」

 

「何だと!?」

 

「ただし、煉獄龍オーガ・ドラグーンが俺の場から離れた瞬間に俺は敗北する・・・・」

 

「クソッ・・・・・」

 

「さぁ来いよ・・・・簡単な話だろ?こいつを倒せば俺は負けるんだぜ?」

 

「(・・・俺のデッキはバーンに特化している分、除去カード自体が少ない。現に今の手札じゃ奴のモンスターは倒せない。ここは狙いを不動遊星に変えよう)カードを5枚セット!ガトリング・オーガの効果発動!不動y(カチャッ!)!?な、何だ!?」

 

ロットンがガトリング・オーガの効果を使おうとして伏せカードを1枚墓地に送った時、突如ロットンの右側に西部劇の格好をした人形のモンスターが現れてロットンの頭に銃を突きつけた。

 

「墓地のインフェルニティ・デス・ガンマンの効果だ・・・手札が0枚の時に効果ダメージが発生した時、墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。その効果ダメージは無効となる」

 

「何だと!?」

 

「ただし、テメェにはこの後二つの選択肢がある。一つは俺がカードを1枚ドローして、それがモンスターだった場合、俺がこのターンに受けた効果ダメージとお前が今発動した効果ダメージ・・・・4800のダメージをテメェが受ける。モンスター以外だった場合は俺が4800のダメージを受ける」

 

「お前が4800って・・・・お前はダメージを受けたところで負けないじゃないか!!」

 

「ああそうだな・・・・もう一つの選択肢はこのターン、テメェが俺たちに与える効果ダメージは0になる・・・つまりこのターンにトドメをさせないってことだ。さぁロットン、どっちを選ぶんだ?」

 

「(選択肢がねぇ・・・・バトルロイヤルルールだ、あの死神野郎1回分の攻撃なら受け切れる)俺は後者を選択する!これでターンエンドだ!」

 

 

ロットン 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガトリング・オーガ 攻800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

 




霊夢「・・・・ライフ0でも続けるってどういう事?」

遊輝「そういうカードがごく稀にありまして・・・(汗)」

フラン「面白そうだけど・・・・さすがにあれを使おうと思うと専用デッキ作らないと」

遊輝「今回はライフ0でのデュエルだから、ルールの概念を大きく覆すから作者もどれだけルールを破らないか頭を使って構成を考えたみたいだよ」

霊夢「そもそも、そういうカード現実にないでしょ」

遊輝「ルールの概念が変わっちゃうからさ・・・まぁそういうカードも一定数あっても面白いと思うけどな」

フラン「次回はクラッシュタウン編最終回、アニメとほぼ同じタイトルだよ。【チームサティスファクション】」

霊夢「次回もよろしくね」


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第125話 チームサティスファクション

【*・・・今回の話でRー15要素が出たので、Rー15タグを付けました(今更ですけど)】

最強カードの紹介〜〜。

ジャック「久しぶりだな」

最近ちょっとアニメを見ていないから分からないけど、ジャックの活躍っぷりってどうなってるのかな?

ジャック「お前は融合次元編でランザーズが突入して以降見ていないからな」

そうなんだよね・・・・俺ってどっちかというと、気分が乗った時にまとめて見る方だからさ、遊戯王でスプラトゥーンが起こったとか洗脳された瑠璃の話とかまだ見ていないんだよね。

ジャック「そういうのを確認しておかないとあとあと困るんじゃ無いか?」

まぁこの辺は探せばなんぼでも話に出てくるからさ。最強カードの紹介に行くよ!今回は煉獄龍 オーガ・ドラグーン!

ジャック「漫画版の鬼柳が使う決闘竜の1体、☆8のシンクロモンスターだ」

その素材と効果の関係でほぼインフェルニティ専用のモンスター扱いだよな。手札が0枚の時、相手が発動した魔法・罠を1ターンに1度だけ無効に出来る。

ジャック「単純な能力だが、ぎゃくに誰もが分かる強さだろうな」

最近はモンスター効果が強くなったからその辺はインフェルニティ・バリアやブレイクでうまくかわしていけばいいぞ!

ジャック「第125話、デュエルスタート!」


前回までの状況

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP 0(煉獄の零門の効果で敗北しない)

【モンスターゾーン】

煉獄龍オーガ・ドラグーン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

ロットン 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガトリング・オーガ 攻800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

遊星 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

遊輝 side

 

 

早速オーガ・ドラグーンと煉獄の零門を使うとはな・・・・・ゼロと違って先行を取らなくちゃいけなかったけど、あの様子なら先行を取れたみたいだし、結果的にOKだな。

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

「(・・・・ロットンのガトリング・オーガ、前のターンは鬼柳が防いでくれたが、またインフェルニティ・デス・ガンマンがあるとは限らない。次は俺の)バン!!!何っ!?」

 

突如、遊星の手札1枚がロットンが発動した1枚の罠カードから放たれた弾丸によって撃ち抜かれた。

 

「俺が同じ手にかかると思うか?俺は罠カード、ピンポイント・シュートを発動した。俺が宣言したカードが相手の手札にあればそれを墓地に送る!俺が選択したのはエフェクト・ヴェーラーだ!」

 

「クッ・・・・(二度目はさすがに通用しないか・・・)ジャスティス・ブリンガーを召喚!カードを1枚伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジャスティス・ブリンガー 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「・・・・カードをセット。バトル、煉獄龍オーガ・ドラグーンでガトリング・オーガを攻撃!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、次元幽閉!!」

 

「!?鬼柳!!」

 

「フハハハハハハ!!!!これで貴様の負け「煉獄龍 オーガ・ドラグーンの効果発動!」はっ?」

 

「自分の手札が0枚の時、1ターンに1度、相手が発動した魔法・罠カードの効果を無効にする!」

 

「何だと!?クソッ!さらにチェーンだ!バックアタック・アンブッシュ!相手モンスターの攻撃宣言時に発動して、そのバトルフェイズを終了!そして相手の攻撃表示モンスターの数だけアンブッシュ・トークンを特殊召喚する!」

 

アンブッシュ・トークン 守100 ×2

 

「ならチェーン解決でオーガ・ドラグーンは次元幽閉を無効、次元幽閉は効果無しだ」

 

「(本来ならアンブッシュ・トークンの効果でダメージを与えるはずがタイミングを逃したせいで発動できない・・・・)」

 

「俺はこれでターンエンド」

 

鬼柳 手札 0枚 LP 0

【モンスターゾーン】

煉獄龍オーガ・ドラグーン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

ロットン 手札 1枚

 

「悪いがガトリング・オーガには早々と退場してもらう。リバースカードオープン、罠カード、インフェルニティ・ブレイク!墓地のインフェルニティ・ミラージュを除外してガトリング・オーガを破壊する!」

 

ガトリング・オーガに雷が打たれて、ガトリング・オーガは丸焦げになり破壊されてしまった。

 

「クソッ!魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地から貪欲な壺、リニアキャノン、リロードの3枚を除外して2枚ドロー!」

 

ロットン 手札 0枚→2枚

 

「・・・・アンブッシュ・トークン2体をリリース!ロングバレル・オーガを守備表示でアドバンス召喚!」

 

ロングバレル・オーガ 守3000

 

2体のアンブッシュ・トークンがリリースされて、超長いライフルを持った人型のモンスターが現れる。

 

「ロングバレル・オーガの効果発動!1ターンに2度、相手モンスター1体を破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

「何だと!?」

 

「お前の煉獄龍はモンスター効果には対応していない!これで終わりだ!!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ブレイクスルー・スキル!ロングバレル・オーガの効果を無効にする!」

 

ロングバレル・オーガの銃口がオーガ・ドラグーンに向けられたが、遊星さんが発動したブレイクスルー・スキルによって、効果が無効になってしまう。

 

「チッ・・・・・」

 

「遊星・・・・・」

 

「行ったはずだ、お前を死なせないと」

 

「魔法カード、命削りの宝札!手札が3枚になるようにドローする!ただし、このターン相手へのダメージは全て0だ!!」

 

ああ、そっちの命削りか。まぁ5枚ドローはぶっ壊れているからな・・・・

 

ロットン 手札 0枚→3枚

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ!エンドフェイズ時、命削りの宝札の効果で残りの手札は全て捨てる!」

 

 

ロットン 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ロングバレル・オーガ 守3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 4枚

 

「(・・・・奴のロングバレル・オーガを倒さない限り、俺たちに勝ち目はないに等しいな・・・なら!)チューナーモンスター、ブライ・シンクロンを召喚!」

 

ブライ・シンクロン 攻1500

 

「Lv4のジャスティス・ブリンガーにLv4のブライ・シンクロンをチューニング!」

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

ブライ・シンクロンが作った4つの輪の中にジャスティス・ブリンガーが入って一つの光となると、そこから星屑が降り注いでスターダスト・ドラゴンが姿を現した。

 

「シンクロ素材となったブライ・シンクロンの効果!このターン、ブライ・シンクロンを素材としてシンクロ召喚したシンクロモンスターの効果はエンドフェイズまで無効になる代わりに攻撃力が600ポイントアップする!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→3100

 

「これでロットンのモンスターを倒せる!やっちゃえ!遊星さん!!」

 

「バトル!スターダスト・ドラゴンでロングバレル・オーガに攻撃!シューティング・ソニック!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

ロングバレル・オーガの前に次元の渦が現れて、それがスターダスト・ドラゴンの攻撃を吸収していった。

 

「ほう・・・・確かにカウンター罠はオーガ・ドラグーンでも無効に出来ないな」

 

「クッ・・・・カードを1枚セットしてターン・エンド」

 

 

遊星 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「このスタンバイフェイズ、封印の黄金櫃で除外されたインフェルニティガンが手札に入る。さぁ・・・・地獄を見せてやろうじゃないか!永続魔法、インフェルニティガンを発動!」

 

「速攻魔法、サイクロン!インフェルニティガンを破壊する!」

 

鬼柳さんがインフェルニティガンを発動したのと同時タイミングでロットンがサイクロンを発動、インフェルニティガンを破壊しようとする。

 

「スターダスト・ドラゴンの効果発動!フィールドのカードを破壊する効果が発動した時、このカードをリリースしてその発動を無効にする!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、透破抜き!墓地のスターダスト・ドラゴンの効果を無効にしてゲームから除外する!」

 

スターダスト・ドラゴンがサイクロンの効果を無効にしようとしたが、ロットンが発動した透破抜きによって、スターダストに雷が撃たれ、スターダストがぎゃくに破壊されてしまぅた。

 

「くっ・・・・」

 

「おぉ〜・・・・やるじゃねぇか。これは俺のミスだな。魔法カード、バレット&カートリッジ」

 

出た!!ぶっ壊れカード!!

 

「デッキの上から4枚を墓地に落として1枚ドロー。その後、発動したこのカードをデッキの一番上に戻す。この効果でこのカードをドローした場合、このカードは墓地に送られる」

 

「(・・・・うん?あれは・・・・インフェルニティ・デス・ガンマン?つまり次のターン、バーンダメージを与えようにも与えられいっていうことか・・・・・だが、ロングバレル・オーガでオーガ・ドラグーンを破壊すれば関係ない。つまり次のターンには奴を仕留められる!)」

 

「カードを1枚セット、バトルに入る」

 

「ハッ!!ロングバレル・オーガの守備力は貴様のオーガ・ドラグーンと同じ3000!!倒せるわけねぇだろ!!」

 

「別に関係ねぇよ・・・・狙いはロットン!貴様だからな!!墓地のインフェルニティ・クイーンの効果!手札が0枚の時、自分フィールドのモンスター1体はダイレクトアタックができる!」

 

「何だと!?」

 

「煉獄龍 オーガ・ドラグーンでダイレクトアタック!煉獄の混沌却火(インフェルニティ・カオス・バースト)!!」

 

オーガ・ドラグーンが口でエネルギーを貯めて、ブレスがロットンに向かって放たれる。

 

ロットン LP 4000→1000

 

攻撃をまともに受けたロットンは足のバランスを崩して少し後ろに吹っ飛ばされてしまう。

 

「これでターンエンド・・・・・次のターンのダイレクトアタックには仕留める」

 

鬼柳 手札 0枚 LP 0

【モンスターゾーン】

煉獄龍オーガ・ドラグーン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺が・・・・・負ける・・・・・だと?」

 

「ああそうだな・・・・俺はいつ負けるか分からない綱渡りの状態だが、貴様はすでに喉元にナイフが突きつけられている状態だ。もう一度俺のターンに回ってきたから、お前は負ける」

 

「ふざけるな!!!」

 

ビシッ!!!!

 

何処からか鞭が叩かれた音がする。その音ともに、周りにいたマルコムファミリーの連中らが鬼柳さんや遊星、俺やウェスト達に銃口が向けられた。その鞭の音の方向に目をやると、バーバラが身体がボロボロになりながらも立っていた。

 

「バーバラ、お前・・・・・・」

 

「調子に乗るんじゃないわよクソガキ共!!ロットン!!お前はこの町の長だろ!!すでに勝負はついているんだよ!!」

 

「おい、この町の唯一の掟は守って「うるさい!!!」

 

バーバラが審判をしていた男2人組にも下っ端を使って黙らせてしまう。その行為にブチっと切れた俺は右手で太陽を作る。

 

「野郎・・・・余計な真似(バキュン!!!)!!!!!」

 

「!!!!遊輝!!!」

 

バーバラが余計な事をしようとしたので俺が止めに入ろうした時、後ろから銃の音が聞こえて、気づいたら両膝が地面について左手で右肩を抑えていた。顔を下に向けると、右肩から血が垂れ流れている。

 

「貴様は私を怒らせた!!!その報いだ!!」

 

「ガ・・・・・ア・・・・・・・(や、ヤバイ・・・・・貫いてやがる・・・・・)」

 

「お前・・・・よくも!!!」

 

「遊輝さん!!!」

 

「動くな!!!」

 

パシーーン!!!!

 

「動いたら貴様も同じ目に合わせる!!」

 

「ガッ・・・・・グッ!!!!」

 

ニコがこっちに近寄ろうとしたがバーバラがそうはさせずに停止させる。俺は何とか意識を保ち、左手から能力を使って右肩の治療にすぐに入る。

 

「(ク、クソ・・・・いくらシークレットシグナーの能力を使って回復しているとはいえ、治すのに時間がかかるぞ・・・・・)」

 

「さあお前達もデュエルディスクを置け!!次はこいつらを撃つわよ!!」

 

そう言って、少し霞む目の先にウェスト達家族に数人の男が銃口を向けていた。

 

「やめろ!!!」

 

「よせ鬼柳!!」

 

「鬼柳さん!!私たちのことに構わずにデュエルを続けてください!!」

 

「でも!!」

 

「あなたはこの町のヒーローなんです!!この町の生きる希望なんです!!あなたは敗れて鉱山に送られた人達に生き様を見せなくちゃいけないんです!!!!」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「さぁ!!さっさと!!「もう・・・・もうあんた達に付いて行けねぇよ!!!」!!」

 

バーバラが鬼柳さんを問い詰めようとした時、マルコムファミリーの二人の男がバーバラに銃口を向けて、赤いスカーフを破りとった。

 

「もうお前達にはウンザリだ!!仲間を傷つけて、なんの関係ない奴らも傷つけて、何も出来ずにあんな地獄に送られてたまるか!!」

 

「俺たちの自由は俺たちで手に入れる!!お前らなんかに奪われてたまるか!!!!」

 

「そうだそうだ!!!」「やってられるか!!」

 

二人が反乱を起こしたのを見て、他の奴らも反乱を起こし始めた。皆、赤いスカーフを投げ捨てて、ロットンやバーバラに敵対を始め、何人かはウェスト達家族を非難、何人かは俺を囲んで様子を見てくれている。

 

「すまない・・・・・・俺が勝手な真似をしたせいで・・・」

 

「気に・・・・すんな・・・・命令されたんだろ・・・・・」

 

「今すぐにでも治療を!!」

 

「だ、だいじょ・・・・ぶだ・・・・」

 

「これでも食らえ!!!」

 

バン!!バン!!

 

2人の男がバーバラに突進をしてきたが、突然倒れて身体が硬直状態になってしまった。

 

「ロットン!!」

 

「そうだ・・・・この町の長は俺だ!!!この町のルールは俺が決めるんだ!!!」

 

「貴様!!!えげつない真似をしやがって・・・・それでもデュエリストか!!」

 

「リアリストだ。バーバラの言う通りだ・・・・何もお前達にデュエルを挑む必要なんてなかった・・・・お前達は最初っから死ぬ運命だったんだよ!!これでおしまいだ!!」

 

バシッ!バシッ!

 

ロットンが懐から拳銃を出して、銃口を鬼柳に突きつける。引き金を引こうとした瞬間、何処からか2枚のカードが飛んできて、ロットンの右手にあたる。その咄嗟のことでロットンは拳銃を投げ出してしまう。飛んできたカードは俺の目の前に地面に突き刺さった。

 

「・・・・・疾風の・・・・ゲイル・・・・・・・ドラグニティ・・・・アキュリス・・・・・」

 

「鉄砲玉のクロウ様!!!参上だぜ!!!遊星!!!」

 

「遊輝〜〜〜!!!!何怪我しただけで悶絶しているのよ!!!いつものあんたならそれくらいどうってことないでしょ!!」

 

「クロウ!!!レミ!!」

 

「あまりにも遅いから迎えにきてやったぜ!!」

 

そのカードを投げた方向には民家の屋上に登っているクロウとレミの姿が目に見えた。

 

「貴様!!よくもロットンを」

 

「おい!!」

 

「?なんだ!!(バゴン!!ドゴン!!)」

 

「このジャック・アトラス!!例えレディであっても非道な行いをする奴は許さない!!」

 

「・・・・・んなかっこいいこと言ってないでさっさとトドメを刺してしまおうぜ、ジャックさん(汗)」

 

バーバラの方は鞭で攻撃をしようとした所でジャックが現れて、バーバラの右手をパンチした。それでフラついたところにスバルがバーバラの脳天に思いっきり握り拳で殴った。

 

「ジャック・・・・・・スバル・・・・」

 

「遊星!!!こんな疫病神な奴に逢いにいくからこうなんるだろうが!!」

 

「んなこと言って、鬼柳さんをすごく心配していたじゃないですか」

 

「スバル!!!」

 

「クロウ・・・・ジャック・・・・・お前らやっぱり最高だぜ!!!!チーム・サティスファクションの復活だ!!!!」

 

「すごい・・・・あれが・・・・チームサティスファクション・・・・」

 

クロウとジャックの姿を見た鬼柳さんは感慨深い表情を浮かべてサテライトを統一した伝説のチーム、サティスファクションの復活の宣言をした。それを男たちから避難誘導されて俺の後ろに回ったウェストがそう呟いた。

 

「遊輝っち!!大丈夫!?」

 

「また派手にやられたわね。その手を退けなさい。包帯巻いてあげるから」

 

一方、俺の所には茜と奏の二人がやってきて、俺を安全な空き家の民家のところまで運んでくれた。

 

「サ、サンキュー・・・・・」

 

ダーーーン!!!!ダーーーン!!!!!

 

「な、なんだ!?鉱山で爆発が!?」

 

「あそこはすでにセキュリティが包囲している!!」

 

「何だと!?」

 

「ロットンとか言ったな。貴様らの悪行は既にセキュリティに報告をしている!貴様には逮捕状が出ている!」

 

「くそっ・・・こうなったら!!」

 

バーーン!!!バーーン!!!!

 

とうとう追い詰められたロットンはポケットから何かのスイッチを取り出して、そのボタンを押す。すると、町の至る所で爆発が起きた。

 

「ゴホッ・・・ゴホッ・・・」

 

「皆!!大丈夫か!?」

 

「邪魔だ!!!」

 

「あっ!!あいつ逃げるわよ!!」

 

煙が充満して皆が咳き込む中、レミ一人だけがロットンがDホイールに逃げる姿を目撃する。

 

「不味い!!今ここで逃げられたら・・・」

 

「畜生・・・・せっかくの?何だこの霧?」

 

「アイスマジック3!!フローラルミスト!!」

 

突如、ロットンの周りに濃霧が覆い、上から聞こえてきた声でその濃霧が水滴、氷へと変貌してロットンのDホイールに纏わり付いた。

 

「ぐっ!?な、何だ!?Dホイールが動かねぇし、何だこの気温の低さは!!」

 

「ナイス!!!響!!!」

 

「こう言う系なら私に任せといて!!」

 

「す、凄い・・・・・サティスファクションじゃなくてバンドユニットのSECRETまでも!!!!」

 

ウェストはチームサティスファクションだけでなく、SECRETのメンバー全員が揃ったことに関しても感激する。全く・・・・情緒が豊かだな。

 

「ほらっ!これでもう大丈夫よ!」

 

「サンキュー・・・・・・弾が貫通していて逆に良かったぜ」

 

奏と茜によって俺の右肩に包帯が巻かれて、その上から能力を使って引き続き治療を行う。これで中に弾が残っていたら病院とか言って引き抜いてもらう必要があるし・・・・

 

「鬼柳!!勝負を片付けてこい!!」

 

「遊星・・・・・分かった!!」

 

遊星の勝負を付けてこいという言葉を聞いて鬼柳は一人ロットンの所へと走り出す。って言ってもすぐそばなんだけどな・・・・・

 

「ハ、ハックション!!クソッ・・・」

 

「ロットン・・・・・」

 

「ちっ・・・付いてきてやがったか・・・・」

 

「ロットン・・・・俺はお前を許さねぇ・・・・・デュエルを汚すお前を!!!ロットン!!お前のターンだ!!最後まで戦い続ける!!それが俺の生き様だ!!お前が勝てばこのまま逃がしてやる!!!」

 

「(・・・奴のモンスターを破壊すれば勝ちだ)いいだろう!」

 

そうして、途中で中断していたデュエルが鬼柳さんとロットンのタイマンで再開される。

 

「俺のターン!」

 

ロットン 手札 1枚

 

「ロングバレル・オーガの効果発動!オーガ・ドラグーンを破壊して、貴様にその攻撃力の半分のダメージを与える!」

 

ロングバレル・オーガが撃った銃弾(無駄に大きい)はそのままオーガ・ドラグーンに向けられて放たれる。

 

「これで俺の勝ち(チャキッ・・・)!?なんだ!?」

 

高らかに勝ち宣言しようとしたロットンだが、銃弾はオーガ・ドラグーンから思いっきり起動がズレてしまう。そしてロットンとロングバレル・オーガの後ろには大きな鎌を持った死神みたいなモンスターが現れて、2人の首にその鎌を突きつける。

 

「墓地のインフェルニティ・デス・リーパーの効果・・・・・こいつは簡単に言えばデス・ガンマンのモンスター破壊版だ。自分の手札が0枚の時に相手が『フィールドのモンスターを破壊する効果』を持つカード効果を発動した時に墓地のこのカードをゲームから除外して、その発動を無効にする」

 

「・・・・・デス・ガンマンと同じということは」

 

「そうだ、貴様にはこの後2つの選択肢がある。一つは俺がカードを1枚ドローして、それがモンスターカードだった場合、お前のロングバレル・オーガは破壊されてお前は1000ポイントのダメージを受ける。それ以外だった場合、俺は手札・フィールド・墓地の全てのカードを除外して、除外した数×500ポイントのダメージを受ける。もう一つの選択肢は俺の場のカードはこのターン、破壊されない」

 

「・・・・・・」

 

「後者を選択すれば次の俺のターン、墓地のインフェルニティ・クイーンの効果を受けたオーガ・ドラグーンの攻撃で俺の勝ちが決まる・・・・・・・つまりこいつの効果でこのデュエルは終わるということだ・・・・さあどうする?はっきり言って、俺もデッキトップが何なのか、あとどのくらいデッキにモンスターがいるか分からないぜ・・・・・・」

 

「(・・・・奴のデッキトップは前のターンに使った魔法カード、バレット&カートリッジ・・・)いいぜ・・・・・引きな」

 

ロットンは前者を選択、それを聞いた鬼柳さんはデッキトップをドローする。

 

「ヒャハハハ!!!貴様のデッキトップは前のターンに使ったバレット&カートリッジ!!これで終わり「モンスターカード、インフェルニティ・クライマー」なっ!?」

 

ロングバレル・オーガが再びオーガ・ドラグーンに銃弾を発砲したが、すぐにその弾は大きく外れてしまう。

 

「ば、馬鹿な・・・・・何故バレット&カートリッジじゃない!?!?」

 

「墓地に存在したインフェルニティ・クライマーの効果・・・・こいつは手札が0枚の時、墓地のこのカードをデッキトップに戻すことができる。デス・リーパーの効果にチェーンして使ったのさ」

 

「なっ・・・・なっ・・・・」

 

「さぁ・・・・デス・リーパーの死神の鎌がお前とお前のモンスターに向けて降るぞ」

 

「ヒッ!!」

 

ロットンとロングバレル・オーガの首に突きつけられた鎌が大きくなって、その鎌がロットンとモンスター目掛けて振られる。

 

「う、ウワアアアアア!!!!!!」

 

ロットン LP 1000→0

 

WIN 鬼柳 LOS ロットン

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「ちょっと!!何処触ってるのよ!!」

 

バーバラの声が大きく響くがそんな事を無視して、バーバラとロットンを乗せた護送車の後ろの扉が閉められて鍵が掛けられ、走り出してしまった。

 

「あの・・・・俺たちは連れて行かないんですか?」

 

「ん〜?別にお前らに令状は出ていないしな〜〜、それにお前らはこの町でやることがあるだろ」

 

「・・・あ、ありがとうございます!!」

 

マルコムファミリーの手下たちは牛尾さんに自分たちのやった事を償おうとそう言ったのだろうが、牛尾さんがトボけたような動作をして、手下たちは不問扱いとなった。

 

「これで御用する奴らは終わりだな。お前たちもすまなかった。アカデミアがあるというのにこっちに来てもらって」

 

「良いよ良いよ。今はアカデミアの大会が終わって休みに入ったから!」

 

「結局、茜達決勝トーナメントの1回戦で負けちゃったもんな」

 

「そりゃ1回戦でアキッちのクラスになんて当たったらあんな面子で勝てるわけないって!」

 

「それと遊輝、お前のDホイールのレッカー代は後で請求するから」

 

「えぇ〜、そこはタダにしてくださいよ。一応、俺この事件の解決に貢献したんだから」

 

「その貢献費はお前のその肩の治療代だ」

 

「ブ〜〜ブ〜〜」

 

「うるせぇ」

 

「牛尾く〜ん!!そろそろ行くわよ!!」

 

「おっと、それじゃ先に帰るぜ」

 

レッカー代をタダにしないと言うのでブーイングをするが何の効果も無し、狭霧さんに呼ばれた牛尾さんはそのまま走って車に乗り込んでしまった。

 

「やっぱり残るか・・・・」

 

「ああ・・・・こいつら家族やこの町の住民に俺の生き様を見てもらわないとな・・・・」

 

「そんな悲しい顔をしなくても良いだろ、俺たちはいつでも会えるんだからな」

 

「俺はチームサティスファクションの再結成もアリだと思うんだけどな」

 

「フン、冗談を言うなクロウ。あんな奴はもうゴメンだ。だが・・・・・たまの同窓会は良かったぞ」

 

「・・・・・遊星、ありがとうな。お前が来てくれなかったら俺は今頃・・・」

 

「そんな事、考える必要はもう無いだろ」

 

「ああ・・・・・今度来た時は盛大にお祝いしてやるさ・・・・・また来いよ、サティスファクションタウンに!!」

 

そう言ってた4人は拳をぶつけ合った。これで鬼柳さんの心も晴れたし、一件落着っと。

 

「ンンン〜〜〜〜!!!!これで全部解決したし、今日は家に帰ってゆっくり寝よう(ツンツン)?何だレミ?」

 

左腕をグ〜〜んと上に伸ばしてリラックスしていたところに後ろからレミに背中を突かれた。後ろを振り向くとレミが真剣な顔で話し始めた。

 

「いや・・・・・あんた今、家に帰ったらすんごい大変なことが起きてるわよ」

 

「大変な事?なんだそれ?」

 

「お前が龍可に何の連絡も無しに出かけるから龍可がヤバイくらいにキレているぞ」

 

「あれは・・・・・・覇王モードどころじゃないわね」

 

「・・・・・・MAZIDE?(汗)」

 

「現にこの3・4日間、龍亞君が龍可ちゃんの機嫌取りを一人でず〜〜としてきたんだから」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ヘックション!!!だ、誰か俺の噂でもしているのかな?」

 

「・・・・・・龍亞(ニコニコ♪♪)」

 

「(ビクッ!!!!)は、はい!!何でしょうか龍可様!?」

 

「・・・・遊輝はいつ帰って来るの?(ニコニコ♪♪)」

 

「レ、レミさんたちが今、ジャ、ジャック達と出かけれているのでた、たたた、多分、今夜かと思われます!!」

 

「そう・・・・これ、買ってきてくれる?(ニコニコ♪♪)」

 

「か、かしこまりました!!!!(ビュ〜〜〜!!!!!)」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「おまけに遊輝っち、そんな大怪我しちゃってるし・・・・」

 

「どうなっても知らないよ」

 

「・・・・・・・・・・(汗)」

 

ヤベェ・・・・・・全く帰りのこと考えてなかった!!!!俺の背中の冷や汗が尋常じゃない量で流れている!!!

 

 

 

〜〜(同日 夜10時)〜〜

 

 

サティスファクションタウンからネオドミノシティまではスバルのDホイールに相席してもらい、ネオドミノシティに帰って来たのは夜の10時、俺は今、家の玄関の前にいる・・・・・ここを開けたら・・・・・(汗)

 

「(だ、だだだだ、大丈夫!!!龍可はいつも9時には寝ているし!!この時間なら起きていない!!)」

 

カチャッ

 

「た、ただいま・・・・・・」

 

恐る恐る扉を開ける。廊下の電気は消えていて、その先にあるリビングの電気も消えている。つまり二人は既に寝たということだ。

 

「(と、とりあえず部屋に戻ろう・・・・部屋に戻って今日は直ぐに寝よう・・・(汗))」

 

そう思い、出来る限り音を立てないよう廊下を忍び足で歩いて、リビング手前の部屋の扉に手を掛けて、部屋に入る。

 

「・・・・・フゥ〜〜。これで大丈夫」

 

「何が大丈夫なのかしら?(ニコニコ♪♪♪)」

 

「(ビグッ!!!!!!!!!)」

 

ゆっくりと扉を最低限だけ開けて、ササッと部屋の中に入って、音を立てないように静かに閉めて、安堵したのもつかの間、俺の背中に物凄い殺気のこもった視線が俺に向けられた。

 

「ねぇ、遊輝、こっち向いて(ニコニコ♪♪♪)」

 

「は、はい!!!!!」

 

その言葉の主に逆らうことが出来ず、俺は直ぐに反転して正座をする。そこには超絶ウルトラアルテメットハイパーな笑顔(目が笑ってない)をした龍可が俺のベットの上で腰掛けていた。

 

「遅かったわね・・・・どこに行ってたの?(ニコニコ♪♪♪)」

 

「え、えっと・・・・その・・・あの・・・・(汗)」

 

「その右肩の包帯は何?(ニコニコ♪♪♪)」

 

「こ、これは・・・・その・・・・あの・・・・(汗)」

 

「ねぇ遊輝(ニコニコ♪♪♪)」

 

「は、はい!!!!!」

 

「私ね・・・・・O☆HA☆NA☆SHIがあるのだけど(ニコニコ♪♪♪)」

 

その言葉を最後に、俺の意識は遥か彼方へと飛んで行ってしまった・・・・・・・・・




龍亞「い、生きた心地がしなかった・・・・・(汗)」

レミ「よく耐えたよね〜〜(汗)」

スバル「そういえばお前ら、決勝戦どうだったんだ?」

龍亞「優勝したよ!!最終成績でいえば3-1だから龍可とアキ姉ちゃんのデュエルだけなかった」

響「強いわね〜〜。小等部初の優勝だよ」

奏「しかも龍可ちゃんを出すことすらしなかったという・・・・」

スバル「それじゃ、今回出たオリカを紹介するぞ」

龍亞「今回はインフェルニティ・デス・リーパー!」


インフェルニティ・デス・リーパー ☆1
闇属性 悪魔族 攻0 守0
「インフェルニティ・デス・リーパー」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①自分の手札が0枚の時に相手が「自分フィールドのモンスターを破壊する」効果を持つ魔法・罠・モンスター効果が発動した場合、墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動できる。
その発動を無効にする。
その後、相手は以下の効果から一つを選択する。
・相手はデッキからカードを1枚ドローする。
そのカードがモンスターカードだった場合、自分フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、1000ポイントのダメージを受ける。自分フィールド状にモンスターがいない場合、自分は1500ポイントのダメージを受ける。
モンスターカード以外だった場合、相手フィールド・手札・墓地のカードを全てゲームから除外して、除外したカードの数×500ポイントのダメージを相手に与える。
・このターン、相手フィールドのカードは破壊されない。



奏「インフェルニティ・デス・ガンマンのモンスター破壊版ね」

響「博打要素はあるけれど、成功すれば相手のモンスターを破壊して相手にダメージを与えることができる!」

レミ「でもさ〜・・・・・これって普通のインフェルニティに入るの?」

スバル「・・・・多分、インフェルニティ・バリアで良いと思う」

レミ「・・・・・じゃあ次の話はクラッシュタウンから帰って来たその後の遊輝の話ね。基本的には病人だから安静にしているはずなんだけど・・・」

龍亞「タイトルはまだ思い浮かんでいないらしいからまた後日、またね〜」


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第126話 優姫ちゃんの入院生活

というわけでデュエル無し回です。本当は書きたかったけど、少し体調不良(風邪気味+頭痛)や授業用資料を作るためにそんなことしている余裕がなかったでござる。(体調不良は休めよ)

というわけで簡単に出来た優姫ちゃんの闘病生活+優勝した小等部メンバーによるパックの開封回と雑談回になります。たまにはこんな息抜き回も良いかな〜。



・・・・・・えっ?タイトル誤字じゃないかって?ハハハ、合ってますよ(キリッ)


遊輝 side

 

 

「・・・・・・・・ここ、どこ?」

 

朝・・・・・なのかな?とにかく、昨日の夜からの記憶が抜けているので上半身を起こそうとする。が、左側が起き上がることが出来ず何があるのか薄い毛布を取り払うと俺の左腕にしがみつき、左足に絡んで寝ている龍可の姿が見えた。

 

「・・・・・あ〜そうだ。昨日帰って来たんだった。んで部屋に入って・・・・・」

 

・・・・・ダメだ、そこからは脳が「思い出すな!!」って警告音が鳴り響いている(汗)。どうしよう・・・・とりあえずシャワーだけでも浴びたいんだけど・・・・

 

「とりあえず龍可起こそう・・・・・龍可・・・龍可・・・・」

 

「う、うん?・・・・・・」

 

「あのさ・・・シャワー浴びたいから離してくれる?」

 

「うん・・・・・ちょっと待って」

 

目を開けて、こする龍可はベッドの横にある何かを手にする。

 

「ふわぁ・・・じゃあ一緒に行きましょう」

 

「・・・・・一緒に?」

 

「昨日言ったじゃない・・・・1週間、部屋で安静、1ヶ月間の外出制限って・・・」

 

「(・・・・・んなもん覚えているわけねぇだろ(汗))」

 

「シャワーでしょ?私がやってあげるわよ。その怪我じゃ無理でしょ」

 

「(能力使って治療したから出来るんだけど・・・断ったらヤバそうだな(汗))は、は〜い・・・・」

 

この後の事が怖くて仕方ないので素直に龍可の意見を受け入れる。とりあえずバスタオルと着替え用の下着を手にして洗面所へと向かおう。

 

「ふわぁ・・・・久しぶりでベッドで寝たら首がおかしくなるよ・・・」

 

「もう・・・どこで寝ていたのよ」

 

「床、寝てない、椅子」

 

「・・・・・ハァ」

 

龍可にため息を突かれてしまうが、んな事気にしていたらどこに行っても寝ることは出来ん。

 

「あぁ・・・そうだそうだ。歯ブラシ変えなくちゃいけないんだった。ちょっとリビングに・・・」

 

「いつもいつも思うけど、何で歯ブラシの替えをリビングに置いておくの?」

 

「前の家からの癖」

 

そう言って洗面所にタオルと下着を置いてリビングへと向かう。扉を開けるとそこには龍亞ともう二人・・・・・茜とすみれさんだ。

 

「あっ、おはようございます」

 

「・・・・何でいるの?」

 

「二人ともお見舞いだって」

 

「今日は私もお母さんも仕事が無いからね」

 

「は〜い優姫ちゃ〜ん、元気にしてる?」

 

「ひっ・・・・・」

 

「あ〜ら、こんな姿になって、痛い思いしちゃったわね・・・・」

 

「こ、来ないで!!来ないで!!」

 

すみれさんが怪しい目をしてこっちに近づいてくる姿を見て、俺は恐怖に怯えて尻餅をついてしまい後ろ図去りしてしまう。

 

「こんな痛い思いしちゃったら、モデルを管理する私にも責任があるし、今日一日ちゃんと看病してあげるよ」

 

「ひっ!!た、助けて!!!」

 

「龍亞君ところのクラス、優勝商品なんだったの?(ボリボリ)」

 

「うん?普通にパックだよ。去年の遊輝たちと一緒だよ(ボリボリ)。今は確か恭輔が全部持ってるはず(ズウウ〜〜)」

 

「でもパック自体はすごい珍しいパックですよ。今では生産されていない絶版パックですから(ズウウ〜〜)」

 

「お前ら〜〜〜!!!!」

 

俺の悲鳴は届かず、いや聞く耳を持たず、あの3人は煎餅とお茶を飲みながら世間話をしてこっちを見ないようにしている。

 

「さあて優姫ちゃん、お風呂に入りたいんでしょ?私が手伝ってあげるから。龍可ちゃんも手伝うのでしょ?」

 

「あっ、はい」

 

「け、結構!!結構です!!」

 

「そんな事言わないの!優姫ちゃんの体、物凄く汗臭いんだから、女の子がこんな汗臭くしちゃダメよ」

 

徐々に俺を隅へと追い込んでいるすみれさん。俺は屁っ放り腰になってしまい、もう身体が思う通りに動けない。

 

「さぁ優姫ちゃん・・・・大人しくお風呂に入ろうね」

 

「い、いやあああああ!!!!!!!」

 

 

遊輝 side out

 

 

恭輔 side

 

 

「懐かしいな〜〜。そのパックを開封したのは1年前だっけ」

 

「そうね。あの時は放課後に部活があったから皆でワイワイやりながら開けていたよ」

 

「お待たせお待たせ!!ほいっ!!追加の新しいパック!!バイト代が入ったから大量に買えたよ!」

 

「お見舞い用の果物も買ったし、これで行くか」

 

「・・・・何で軽音部の皆さんは平気でバイトをしているのですか?(汗)」

 

「ろ、労働基準法って何なんでしょうか(汗)」

 

どうも、恭輔です。今日は僕たちのクラスがアカデミアデュエル大会に優勝したという記念で今から軽音部の皆さんと天兵さん、パティさん達と一緒に龍亞さんの家に行って、皆でパックを開けるのと、怪我をした師匠のお見舞いに行く事にしてます。

まぁ・・・・さっきの話の通り、軽音部の皆さん、響さんを除いて平気でバイトをやってます(汗)。

 

「天兵君達、さっきに行ったみたいだし、茜もお母さんと行ったみたいだから、私たちで行きましょう」

 

「そうだな」

 

「それにしても師匠、銃弾を撃たれたっていうのに病院に入院しなくて大丈夫ですか?」

 

「大丈夫大丈夫、遊輝の身体は不死身だから」

 

・・・・・・何か普通にそうですねって思っちゃうあたりやっぱり師匠って人外だな〜って思ってしまう。まぁ僕の周りにいる人たちもそうだけど・・・・

 

「おっ、着いた着いた。ここをポチッと」

 

ピンポーン・・・・

 

『は〜い!』

 

「あっ、龍可ちゃん?響だよ!」

 

『あっ、響さん。今入れるようにしますね』

 

インターホンから出たのは龍可さんらしく、数秒後に全面ガラスの扉が自動で開く。僕たちは中に入ってエレベーターに入り、一番上の階のボタンを押す。

 

「マンションの最上階か・・・・良いよね〜。あそこからネオドミノシティを一望できるんでしょ?」

 

「このマンション、この辺でも結構高いって言っていたし俺たちじゃ無理な話だな」

 

チーン

 

「着いた〜〜!」

 

エレベーターが最上階に着いて、全員エレベーターから降りてこの階に唯一あるインターホンを押す。

 

ピンポーン

 

「は〜い!!」

 

ガチャッ

 

「は〜い!!」

 

「待ってましたよ。これで全員ですか?」

 

「そうね。はい、これお見舞い用の果物」

 

「ありがとうございます」

 

「ところでその病人は?」

 

「えっと、今は「嫌だああああああああ!!!!!」・・・・・・すみません、中に入ってもらえますか?(汗)」

 

「あっ、はい・・・(汗)」

 

中で師匠の悲鳴声が聞こえたので、僕たちは近所(下の階)の人に迷惑にならないようにササ〜っと中に入る。そのままリビングに案内されると、師匠がすみれさんに捕まって鏡台の前で座らされていた。

 

「こら優姫ちゃん!!動かないの!!髪の毛のケアは大事にしないと!!女の子は髪の毛が大事なんだから!!」

 

「しなくていい!!しなくていいから!!俺男だから!!」

 

「そう・・・・じゃあまずは1週間でその感情を抜いてあげて、女の子という感情を入れてあげましょう」

 

「嫌だああああああああ!!!!!!」

 

「・・・・・・・知ってた(汗)」

 

「あっ、ヤッホー」

 

「茜・・・・・・あれ何?」

 

「お母さんが看病している」

 

「いや、あれ看病って言えるのか?(汗)」

 

「ほら!!こっち来なさい!!服を着させてあげるから!!」

 

「嫌だ!!女物の服なんか着たくない!!」

 

「・・・・・一応、看病?」

 

「ぎ、疑問形なんですか(汗)」

 

龍亞さんの曖昧な返答に困る僕たちですがうんまぁ・・・・看病と言われたら看病・・・・なのかな?(汗)。とにもかくにも、師匠はすみれさんに連れていかれてリビングから出て行ってしまった。師匠がギャーギャー言っているがすみれさんは聞く耳をもたない。

 

「うん・・・まぁ・・・・」

 

「忘れましょう、そうしよう。じゃないと巻き添え食らっちゃうから・・・・(汗)」

 

「折角集まったのですからパック開けましょうよ。レミさんが買った新しいパックも大量にありますし」

 

「えっ!?本当に!?開けよう開けよう!!」

 

新しいパックという単語を聞いた龍亞さんはソファから飛び降りる。レミさんはテーブルの上についさっき買ったパックをどさ〜〜と出して、簡単に並べる。

 

「はい、これ一応優勝したプレゼントね」

 

「やったぜ!早速開けよう!」

 

「恭輔君や天兵くんもどうぞ」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「パティや祈も開けよう」

 

「は、はい!」

 

「俺も・・・」

 

「あんたは関係ないでしょう!!自分で買いなさい!!」

 

「えぇ・・・・」

 

僕たちに混ざってスバルさんも開封しようとしたが、レミさんに注意されてしまいパックに伸ばしていた手は引いてしまった。

一方、僕たちはレミさんが買ってきたパックと僕が今日持ってきた優勝商品のパックを並べて一緒に開封して言ってる。

 

「おお!!これサンダーボルトじゃん!!」

 

「何っ!?」

 

「うわ〜〜、いきなり当たり引いているよ〜〜」

 

「良いですね・・・・あっ、こっち何か光物当たりましたよ。えっと・・・・おろかな副葬・・・・これ、祈さんのジェムナイトに入りますよ」

 

「えっ?えっと・・・・デッキから魔法・罠を墓地に送れる・・・本当だ。ジェムナイトに・フュージョンをサーチできます」

 

「良いですね〜〜・・・・僕たちもそろそろ2つ目のデッキ持とうかな?」

 

「天兵とパティって聖域の天使ビートとA・O・Jだよね」

 

「そうです。でも、最近皆さんが2つずつ持つようになってから僕たちも2つ目を作っておこうかな〜って・・・」

 

「そう言われたら僕もですね・・・・最初のデッキは崩してしまいましたし・・・」

 

最初に師匠と一緒に作った戦士ビートはテラナイトを使用するに当たって必要なパーツが足りなくて崩してしまいましたから。

 

「そう言えば2つ目のデッキといえば皆さん、明日の授業用のデッキってどうなりました?」

 

「えっ?授業用?」

 

「えぇ、明日のデュエルはいつもならデッキを借りてやるはずですが、下級生と被ってしまったから「自分たちで普段使わないテーマのデッキを作って使いましょう」ってマリア先生言っていたじゃないですか」

 

「・・・・・あああああ!!!!!忘れてたああああ!!!!!」

 

「龍亞!!!」

 

「ど、どうしよう!!今から作らないと!!」

 

慌てた表情をした龍亞さんはそのままリビングから出て行ってしまった。全く・・・・何であの人はいつもああなるんですか(汗)

 

「それで皆さん何しますか?」

 

「私は・・・・・獣族でも使おうかなって、あっ、当たり」

 

「わ、私は同じ融合がテーマのムーンライトを使おうかなと・・・」

 

「それ、この前出たテーマですよね。僕は天使族から離れてガジェットで行こうかなと」

 

「あっ!新規テーマのウルトラだ!私は墓守でもしようかなって、というか他のパーツが墓守しかなかった。恭輔君は?」

 

「僕ですか?ちょっと変わったテーマにしてみようと「お待たせ〜〜」・・・・・・・・・」

 

「//////み、見るなああああああ!!!!」

 

僕の話を中断して龍亞さんと変わるようにすみれさんと師匠がリビングに入ってきた。すみれさんの後ろに師匠は隠れていたけどすみれさんがグイッと引っ張って師匠を皆の前に出した。師匠の髪はツインテールでトレードマークの赤のカチューシャをつけたまま、服は上が絵柄付きのTシャツ、下は少し膝下の広がっているスカートを履いている。

 

「うわぁ・・・・何だろう、すみれさんに任せたら本当、遊輝って別人になるわ」

 

「そう?私は納得してないわよ。優姫ちゃんはやっぱりドレスとかワンピースの方がよく似合う!」

 

「////着たくありません!!」

 

「・・・・龍可、あそこはコントでもしているの?」

 

「あ、アハハハ・・・・・・・(汗)」

 

「彼氏何でしょ?止めてあげないの?」

 

「・・・・・しっぺ返しを食らうから(汗)」

 

「「あ〜・・・・・そうですね(汗))」

 

すみれさん、茜さんを武道家にするくらいだから自分でも武道をやっていたみたいだけど、まぁ・・・・竹刀を取った師匠はフルボッコでやられた所を一回見たからね・・・何もしていない僕たちが行っても敵う気がしません。そのまま師匠はすみれさんに連れられてベランダに連行されてしまう。軽音部の皆も一緒について行ってしまった。

 

「あっ!!エクシーズモンスターだ!!えっと・・・・餅カエル?」

 

「えっ、カエル?」

 

「カ、カエルって遊輝さんから教えて貰いましたけど結構危ないコンボがあるって・・・」

 

「・・・・・うん、これも危ない事書いてあるわよ(汗)」

 

「見せてパティ」

 

「はい」

 

「・・・・・・うわぁ、確かに危ない効果ね(汗)。デッキからカエル呼び出して、効果を止めてそれをパクって、墓地に送られたらモンスター回収って書いてある」

 

「「「「うわぁ・・・・・(汗)」」」」

 

何でカエルって付くモンスターは悪いことしかしないんでしょうか(汗)。素材は・・・・水属性のLv2モンスター2体?

 

「あ〜・・・・これ、明日僕が使いたいデッキにピッタリです。これ、貰っても良いですか?」

 

「私は良いわよ。さすがに入らないし」

 

「わ、私も・・・」

 

「僕も良いです」

 

「私も!恭輔君に上げるよ!」

 

「ありがとうございます」

 

じゃあこれを明日使うデッキのエクストラにでも入れておきましょう。他はまぁ・・・最低限ありますし何とかなるでしょう。

 

「それにしても優勝するとはね」

 

「ライバルがアキさんのクラスくらい・・・でしたから。でも、アキさんが出る前に決着がついたのは出来過ぎだと思ってます」

 

「た、確かに・・・・私も危ない場面は何度かありましたから」

 

「私も・・・・おかげで私、予選から1戦も戦わずして優勝メンバーになっちゃったよ」

 

「「「(((あんな状態でデュエルしたら対戦相手が泣いてしまいます(汗))))」」」

 

もうあの・・・・・覇王モードでしたっけ?あんな状態でデュエルを挑んだら相手が悲惨な事になるから何とかして回さないようにしたんです・・・(汗)

 

「あっ、これ良さそう・・・・私のライトロードに入れよう・・・・・それで優勝しちゃって、私だけ浮いた存在になっちゃってさ」

 

「でもそれはそれで良いんじゃない?何ていうか、ボス!!っていう風格がして」

 

「ボスって・・・・パティは私に何を求めているの?」

 

「でも分かる気がします。あの中で大将戦の5番目を任せられるのは龍可さんぐらいしか適任がいませんから」

 

「そ、そうで・・・・!!?!??」

 

「?どうしたの祈?」

 

「・・・・・・・お、大当たり来ました」

 

「えっ!?何が当たったの!?」

 

「ク、クリボー・・・」

 

「えっ!?クリボー!?」

 

祈さんが開けた優勝商品のパック、その最後の一つを開けて、一番後ろのカードを見るとウルトラレアのクリボーが手に握られていた。

 

「す、凄い・・・・・本物だよ」

 

「これはお宝ですよ・・・・・」

 

「祈、凄いカードてにしたね〜!!」

 

「あ、ありがとうg「////嫌だああああああ!!!!!!!!!」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

皆で祈さんにありがとうと言っている最中、師匠が大声で叫んでしまったので空気が台無しになってしまいました。

 

 

恭輔 side out

 

 

奏 side

 

 

「ほら優姫ちゃん!!華麗に座って!!」

 

「////い、嫌だ・・・・・もう嫌だ・・・・」

 

「・・・・・絶対に病人だということを忘れているだろ、あれ(汗)」

 

「「「「うん・・・・・・」」」」

 

龍可ちゃん家のベランダ、言い方凄く悪いけど無駄に広いからすみれさんが撮影場所として遊輝(女装)をただひたすらに撮影している(汗)。

 

「それで、冬休みはどうする?」

 

「さすがにWRGPに向けて練習しなくちゃいけないから今回は行きたくないわよ」

 

「俺もそうだな。Dホイールの整備とかもしないといけないし」

 

「まぁそうだよね。じゃあ今回は海外公演は断っておくわよ」

 

「奏〜〜、暇だから私たちもパック買って来て開封しようよ〜〜」

 

「それもそうね・・・・すみれさん、遊輝にしか目に入ってないし」

 

「は〜いお疲れ〜〜」

 

何もする事ないので響と一緒にショップに行こうと思ったらすみれさんの終了宣言が聞こえた。

 

「////ハァ・・・・ハァ・・・・・・」

 

「終わった・・・・みたいね」

 

「そう言えばもうすぐお昼だし・・・・」

 

「今日は私が皆に奢ってあげるわよ。近くのファミレスでも行こう」

 

「えっ!?本当!?やった!!」

 

すみれさんが奢ってくれることに大喜びする響。一方、遊輝は床に腰を下ろして息を吐いていた。

 

「ゼェ・・・・ゼェ・・・・も、もう嫌だ・・・・」

 

「優姫ちゃんも一緒に行くわよ!その格好で!!」

 

「えぇ・・・・・」

 

「(ギロッ!!)」

 

「う、嬉しいです・・・・・・」

 

うわ〜〜・・・・・・すみれさんが強制的とは言え、遊輝があんな事言ったら引くわ〜〜(汗)

 

「スバル、龍可ちゃん達も呼んできて。一緒に行こう」

 

「分かった」

 

レミに言われてスバルは一度中に入る。その間にすみれさんは機材を片付けている。

 

「それじゃ、今日『は』ここまでね♪」

 

「・・・・・エッ?」

 

「だから、今日『は』。明日も来るから♪私の所は個人経営の小さな事務所だからこういうモデルの怪我とかをしたら毎日世話をするのも社長の仕事でしょ♪」

 

「・・・・・いやだああああああ!!!!!!来なくていい!!!来なくていいから!!!!」

 

「そんな事言わなくてもいいじゃない。健康管理は大切にしないとね♪」

 

「いやだあああ!!!!!!!!」

 

「それじゃ皆、ファミレスに行くわよ」

 

遊輝の襟元を引っ張ってすみれさんはベランダから出て言った。私たちも目を合わして苦笑してすみれさんについていった。

 




龍亞「結局、次の日のデュエル、突貫で作って試しもせずにぶっつけ本番でやったから回らなかったよ・・・・」

龍可「当たり前ね・・・・ちゃんと1週間前に言っていたでしょ」

龍亞「1週間前の記憶なんか人間忘れるよ」

魔理沙「同感だぜ」

霊夢「あんたがうなづいてどうするのよ」

魔理沙「にしても遊輝ってやっぱり性別って女だろ?」

龍亞「いっつも思うけどさ、何で男なのにあんなに綺麗で可愛いんだろう」

龍可「知らないわよ・・・・・」

霊夢「次回はアニメの話ね。【立ち上がれ!ブラックフェザー・ドラゴン!】」

龍可「次回もよろしくお願いします」


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第127話 立ち上がれ!ブラックフェザー・ドラゴン!

最強カードの紹介〜〜。

クロウ「ようやっと俺様の活躍する時が来たぜ!!」

何話だろ・・・・クロウがデュエルで勝つ場面って・・・・

クロウ「初デュエルが59話、それ以降ちゃんと執筆していたデュエルは全部奏に負けてしまっている!!」

あ〜・・・そう言われたらそうか。ちょうど前の時は本編で堕天使初披露の回だったからな・・・・

クロウ「初披露も遅く、初勝利も遅いとかどれだけ俺をバカにしているんだ!!」

いや、お前と主人公、根本的な生活から違うからなかなか会うことがないじゃん。

クロウ「グヌヌヌヌ・・・・・・・」

今回の最強カードの紹介に行くぞ。今回はブラックフェザー・ドラゴン!

クロウ「俺が手にした最後のシグナーの龍だ!」

正確にはライフ・ストリームがラストだけど・・・・・
☆8のシンクロモンスターで、効果ダメージを受ける時、自身に黒羽カウンターを乗せることで無効にできる。ただし、黒羽カウンター1個につき、700ポイント攻撃力が下がるぞ。

クロウ「1ターンに1度、黒羽カウンターを全て取り除くことで、相手のモンスター1体に取り除いた数×700ポイント攻撃力を下げて、そのダウンした数値分、相手にもダメージを与えるられる!」

バーンデッキにはある種の天敵だね。フリーとかではバーン対策で入れている人もいるだろうけど、まぁ決闘竜の方が強いというのはお口チャックで・・・・

クロウ「第127話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


クロウ side

 

 

「・・・・あれから3年、か。あっという間だな」

 

海岸にある墓場、その中にある「ROBERT PEARSON」という名前が彫られた墓場に花束を置いて、そう呟いた。

 

「お前が亡くなってからこの街はすっかり変わっちまったよ。誰がこんなサテライトを想像したんだろうな・・・・そういう俺もちょっとは変わったかな」

 

そう呟いて墓から離れ、近くに駐車しておいた俺のDホイールに乗る。

 

・・・・・プー、プー

 

「何だ?エラー?ったくブルーノの奴、Dホイールを改良しているんか壊しているのか・・・・・・っお、直った直った」

 

Dホイールのスイッチをちょっと押して再びエンジンをかけると今度はちゃんとエンジンが掛かった。

 

「うし、じゃあ一度ガレージに戻って今日の配達の準備をするか」

 

 

クロウ side out

 

 

スバル side

 

 

「う〜ん・・・・何でデクローンシャを入れたらエンジンシミュレータが動かなくなるんだろう・・・」

 

「デクローンシャって・・・・これの事ですか?」

 

「そうだよ。これを入れたらCPUの性能が向上するんだよ」

 

「へぇ〜」

 

「でもこんな事初めてだよ・・・・何処か設計を間違えたのかなぁ?」

 

今日はアカデミアが終わって部活も無いし、修理の依頼も無いから遊星さんのガレージに来た。遊星さんの所に居候しているこのブルーノって人、実は凄いメカニックで俺なんかと比べたら月とスッポンのレベルだよ。

 

「あれ?ここ何でエラーになるんだ?」

 

「エラー?」

 

「ほらっ、ここの回路。ここがエラーになってるんだ」

 

「どれどれ・・・」

 

「・・・・・・お前ら、人のDホイールで実験するなよ?」

 

「どうしたんだ?」

 

「あっ、遊星、ちょうど良かった。ちょっと聞きたいことがあるんだけど。ここにある回路が何か変でさ、エラーばっかり起こるんだよ」

 

「何処だ?」

 

「この回路ですよ。何か変な保護装置が働いているのです」

 

「・・・・・・なぁ?聞いているのか?」

 

遊星さんも入って全員でクロウのDホイールの回路のエラーに討論を始める。「何処を触ってもエラーになるとすればこの回路を詳しく分解する必要があるかもしれない」と俺が提案をすれば、「そんな事しなくても周りの部品で補う事が出来るんじゃないかな?」とブルーノさんが意見を言う。

 

「そんな事せずにポテンシャルを一度フリーにして見たらどうなんだ?」

 

「あっ・・・・そうだその手があった」

 

「・・・・・ダメだこりゃ。オタクが3人も集まったら話になんねぇよ」

 

「クロウ、いるか?」

 

「ん?牛尾じゃねぇか。どうしたんだ」

 

「ちょっとお前に聞きたいことがあるんだ」

 

ガレージの扉が開いてそこから牛尾さんと狭霧さんの二人がこっちにやってくる。牛尾さんの手には1枚のカードが握られている。

 

「唐突ですまないが、ロバート=ピアスンの事で聞きたいんだ」

 

「!?ピアスン!?なんでお前がそんな事を!?」

 

「おいおい、俺の管轄はサテライトだぜ。これでもサテライトの事件は全て頭に入っているんだ」

 

「・・・・誰ですか?ピアスンって?」

 

「ちょっ!?」

 

「・・・・・ここは不味いな、一度外に出よう」

 

空気を読んだ牛尾さんがクロウを連れて外に出て行ってしまう。

 

「遊星さん」

 

「・・・・・あまり詳しくは知らないが、昔のクロウの友人だと言うことは耳にした。何でもチームサティスファクションを解散した後、クロウの人生観を変えてくれた恩人みたいな人だと。だが、ある日突然起きた火事で犠牲になってしまってな、クロウはそれを目の前で見てしまった」

 

「そうか・・・・・」

 

「しかし何故このタイミングで・・・・何か情報を掴んだのか」

 

クロウさんの過去の話を聞いて、俺と遊星がしんみりとしてしまって数分後・・・・

 

「悪い!誰かDホイールを貸してくれないか!?急用が出来た!」

 

「Dホイール?すまないが俺のDホイールもメンテナンス中だ」

 

「俺も今日は持ってきてないぞ・・・・ジャックさんの借りたらどうです?」

 

「そうだな。ジャックには悪いがホイール・オブ・フォーチュンを借りるか」

 

ガレージのシャッターを開けたクロウさんはそのままジャックさんのDホイールを押して外に出る。ヘルメットをかぶり、そのまま何処かに行ってしまった。

 

「あの様子・・・・・何か大きな手がかりでも見つけたのか」

 

「そうだと良いんですけどね・・・何か嫌な予感がするな・・・・」

 

「心配する必要はないと思う。ああ見えてまだ冷静だ」

 

・・・・・まだってことは熱くなったらヤバくないですか遊星さん(汗)。

 

 

〜〜(数日後)〜〜

 

 

「でっけぇ・・・・・さすがボルガーカンパニー、Dホイールのテストコースでこの長さかよ・・・・」

 

「凄いな・・・・」

 

あの日から数日後、俺たちはボルガーカンパニーというネオドミノシティでも屈指のDホイールのパーツを作る製造会社のテストコースに来ていた。クロウさんと社長のボルガーさんがテストコースに並んで何か話をしている。俺たちはその上の連絡室みたいなところで待機していた。

 

あの後、俺は家に帰ったが帰ってきたクロウさんは暗い表情をしていた。その時、遊星さんとジャックさんはゾラさんの頼みで子供達の世話をしていたみたいだが、クロウさんの表情を見た遊星さんが話に付き合った。ピアスンって人の出会い、その人の夢、そして火事による事故・・・・・どれもがクロウさんにとっては大事な場面であった。

 

そして、クロウさんはあのボルガーさんにデュエルを挑まれた。噂を耳にしていたがボルガーカンパニーは今、資金が無くて困っている。そのため、その担保のためにブラックフェザー・ドラゴンがどうしても欲しいとの事だ。ボルガーさんはあの事故の時にピアスンがクロウに託したと言っていたが、肝心のクロウさんは身に覚えがない。だが、遊星さんやジャックさんに背中を押され、デュエルすることを決意した。

 

ここにいるのは遊星さんとジャックさん、ブルーノ、そして俺とクロウさんがサテライトにいる時に育ててきた子供達だ。

 

「ねぇ!!もうすぐ始まるみたい!!」

 

「ブルーノ、回線は?」

 

「大丈夫、正常だよ」

 

「行くぞクロウ!手加減はしないぞ!」

 

「もちろんだ!」

 

「「フィールド魔法、スピード・ワールド2!セットオン!!」」

 

クロウさんとボルガーのDホイールからフィールド魔法が貼られてこのテストコースは緑色の空間になる。

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

クロウ LP 4000 ボルガー LP 4000

 

スタートダッシュに成功したのはクロウさん、しかし・・・・・

 

「はっ!?」

 

「何だあの加速は!?」

 

後ろにいたボルガーのDホイールの横脇にあった大きな筒みたいなエンジンが起動して、急加速、そのままクロウさんを抜いて第一コーナーを曲がった。

 

「くっ・・・さすがDホイール製造会社の社長!!」

 

「私のターン!ドロー!」

 

ボルガー 手札 6枚

 

クロウ SP 0→1 ボルガー SP 0→1

 

WW(ホワイトウォリアーズ)ー宝盾のフォッグを守備表示で召喚!」

 

WWー宝盾のフォッグ 守2000

 

右手に大きな1枚の盾を持った鳥人間のようなモンスターが膝をついて現れる。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

ボルガー 手札 4枚 LP 4000 SP 1

【モンスターゾーン】

WWー宝盾のフォッグ 守2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 6枚

 

クロウ SP 1→2 ボルガー SP 1→2

 

「(いきなり守備力2000か・・・だけどBFの固い結束には何の意味もないぜ!)このカードは相手フィールドにモンスターがいて、自分フィールドにモンスターがいない場合、リリースなしで召喚できる!BFー暁のシロッコを召喚!」

 

BFー暁のシロッコ 攻2000

 

「そして、BFー黒槍のブラストは自分フィールドに他の《BF》モンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できる!」

 

一気に2体のモンスターを展開するクロウさん、ここからやる事は一つ・・・・

 

「暁のシロッコの効果発動!自分フィールドの《BF》モンスター1体を選択して、フィールドのそのモンスター以外の《BF》モンスターの攻撃力の合計分、選択したモンスターの攻撃力がアップする!」

 

「やはりな!!暁のシロッコの効果を使ってきたか!!リバースカードオープン!!永続罠、ホワイト・アウト!!」

 

「何っ!?」

 

「このカードは相手フィールドのモンスターが受ける相手の効果モンスターの効果は全て無効になる!」

 

暁のシロッコがブラストにエネルギーを与えようとしたところでボルガーが発動したホワイト・アウトによりその能力は無駄となった。

 

「BF単体では弱くとも、その力が結束し合えば大きな力となる!だがこれで、BFのお互いに助け合う効果は全ての無効となる!」

 

「クソッ!」

 

「おいおい・・・・これってまさか・・・」

 

「ああ・・・・・アンチBFだ」

 

「相手のボルガーって奴、相当BFの事を知っているぞ・・・」

 

連絡室でデュエルを見つめる俺たちにはあのカードは対BF専用のカードにしか見えない。もちろん、あのカードの効果は色々と強い所がある。だが、その中でもBFは複数体が一つのモンスターのように結束して戦うデッキ、完全にメタを張りにきている、という事は相手はBFについてかなり詳しいということになる。

 

「これでターンエンド!」

 

 

クロウ 手札 4枚 LP 4000 SP 2

【モンスターゾーン】

BFー曉のシロッコ 攻2000

BFー黒槍のブラスト 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

ボルガー 手札 5枚

クロウ SP 2→3 ボルガー SP 2→3

 

「WWー鉄槌のヘイルを召喚!」

 

WWー鉄槌のヘイル 攻1800

 

右手に大きなハンマーを持った古代人のように白い布1枚を服にした人型のモンスターが現れる。

 

「バトル!WWー鉄槌のヘイルで黒槍のブラストに攻撃!」

 

WWー鉄槌のヘイル 攻1800

BFー黒槍のブラスト 攻1700

 

クロウ LP 4000→3900

 

「さらに鉄槌のヘイルの効果発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、さらに相手モンスター1体を破壊する!」

 

「何だと!?」

 

ブラストを破壊した鉄槌のヘイルがそのままシロッコの後ろに回り込んで、後ろからシロッコを破壊した。

 

「くっ!?」

 

「・・・・あのボルガー、本当にBFの事を知り尽くしている」

 

「1枚1枚では弱いBFに対してあのWWは逆に1枚1枚のカードパワーはかなり強い。これはかなり苦戦するデュエルになりそうだな・・・」

 

「これでターンエンドだ!」

 

 

ボルガー 手札 4枚 LP 4000 SP 3

【モンスターゾーン】

WWー宝盾のフォッグ 守2000

WWー鉄槌のヘイル 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

ホワイト・アウト

 

 

「ちくしょう・・・俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 5枚

 

クロウ SP 3→4 ボルガー SP 3→4

 

「(とにかくあのホワイト・アウトを何とかしないと。今引いたカードは・・・・トラップ・スタン!よし!)チューナーモンスター、BFー銀盾のミストラルを守備表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

クロウ 手札 3枚 LP 3900 SP 4

【モンスターゾーン】

BFー銀盾のミストラル 守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

ボルガー 手札 5枚

 

クロウ SP 4→5 ボルガー SP 4→5

 

「チューナーモンスター、WWー縄鏢のスノーを召喚!」

 

WWー縄鏢のスノー 攻?

 

右手に鞭を持った、鉄槌のヘイルと同じ服を着て、髪の毛が青色に青いマントを羽織ったモンスターが現れた。

 

「縄鏢のスノーの攻撃力はフィールドのカードの数×100ポイントアップする!今フィールドにあるカードは合計7枚!」

 

WWー縄鏢のスノー 攻0→700

 

「攻撃力700じゃ銀盾のミストラルを突破出来ないぜ!」

 

「構わない!縄鏢のスノーは相手プレイヤーにダイレクトアタックが出来る!」

 

「なっ!?」

 

「バトルだ!WWー縄鏢のスノーでクロウにダイレクトアタック!」

 

縄鏢のスノーが銀盾のミストラルを交わして、クロウさんに縄で攻撃をする。

 

クロウ LP 3900→3200

 

「ぐっ!?」

 

「さらにWWー宝盾のフォッグの効果発動!自分フィールドのモンスターがダイレクトアタックで相手にダメージを与えた時、相手の魔法・罠カード1枚を破壊する!」

 

「何だと!?」

 

宝盾のフォッグが盾の後ろから弓矢を放ち、それがクロウさんの伏せカードに突き刺さって破壊される。

 

「俺のトラップ・スタンが破壊された!?」

 

「私が気づかないと思ったか!?お前とは何度デュエルしてきたと思っている!?」

 

「くそっ!さすがに見え透いた罠には通用しないか!」

 

「なるほど・・・互いの手の内を知り尽くしているのか」

 

それだったら今までのメタ対策もわからない事もない。にしてもメタを張り過ぎるような気もするが・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

ボルガー 手札 3枚 LP 4000 SP 5

【モンスターゾーン】

WWー宝盾のフォッグ 守2000

WWー鉄槌のヘイル 攻1800

WWー縄鏢のスノー 攻700

【魔法・罠ゾーン】

ホワイト・アウト

伏せカード 1枚

 

 

「ちくしょう・・・さっきから押されっぱなしだぜ・・・こっから反撃しないと!俺のターン!」

 

クロウ 手札 4枚

 

クロウ SP 5→6 ボルガー SP 5→6

 

「SPーシフト・ダウンを発動!俺のスピードカウンターを6つ取り除いて2枚ドローする!」

クロウ SP 6→0

手札 3枚→5枚

 

 

「(・・・よし!)BFー残夜のクリスはフィールドに他の《BF》モンスターかいる時、1ターンに1度だけ、手札から特殊召喚できる!」

BFー残夜のクリス 攻1900

 

「こいつはモンスターの効果を受けない特殊召喚、自分自身の特殊召喚だからホワイト・アウトの効果をすり抜けるぜ!」

 

「くっ・・・・さすがにバレていましたか」

 

「いくぜ!Lv4の残夜のクリスにLv2の銀盾のミストラルをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「神話の名刀を振るえ!猛禽の勇士!シンクロ召喚!BFー星影のノートゥング!」

BFー星影のノートゥング 攻2400

 

クリスがミストラルから作られた2つの緑色の輪の中に入り、1つの光となると黒い羽がフィールドに吹き荒れねノートゥングが姿を現した。

 

「星影のノートゥングは特殊召喚成功時、相手に800ポイントのダメージを与え、相手モンスター1体の攻撃力と守備力を800ポイント下げる!俺は宝盾のフォッグを選択!舞い戻る剣(ホーミング・ソード)!」

 

ノートゥングが手にしていた大剣をブーメランのように投げて、ボルガーと宝盾のフォッグに斬りつけた。

 

ボルガー LP 4000→3200

WWー宝盾のフォッグ 守2000→1200

 

「ぐうぅ!!」

 

「さらにチューナーモンスター、BFー上弦のピナーカを召喚!」

 

BFー上弦のピナーカ 攻1200

 

「星影のノートゥングの効果発動!こいつは通常召喚に加えて、もう一度だけ《BF》モンスターを召喚できる!こいつも召喚権を増やすだけでモンスターの効果を受けてないからホワイト・アウトをすり抜けるぜ!BFー月影のカルートを召喚!」

 

BFー月影のカルート 攻1400

 

「Lv3のカルートにLv3のピナーカをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「漆黒の力!大いなる力を宿りて、神風を巻き起こせ!シンクロ召喚!吹き荒べ!BFーアームズ・ウィング!」

 

BFーアームズ・ウィング 攻2300

 

「これでバトル!BFーアームズ・ウィングで縄鏢のスノーに攻撃!」

 

「縄鏢のスノーは相手モンスターの攻撃対象になった時、手札に戻る!」

 

アームズ・ウィングの攻撃は縄鏢のスノーがすり抜け、縄鏢のスノーは手札に戻っていった。

 

「攻撃するモンスターが変わったから攻撃対象変更!アームズ・ウィングで宝盾のフォッグに攻撃!アームズ・ウィングは守備表示モンスターに攻撃する時、攻撃力が500ポイントアップ!さらに貫通能力もある!ブラック・チャージ!」

 

 

BFーアームズ・ウィング 攻2300→2800

WWー宝盾のフォッグ 守1200

 

ボルガー LP 3200→1600

 

 

「ぐうぅぅぅ!!」

 

「さらにノートゥングで鉄槌のヘイルを攻撃!」

 

 

BFー星影のノートゥング 攻2400

WWー鉄槌のヘイル 攻撃1800

 

ボルガー LP 1600→1000

 

 

アームズ・ウィング、ノートゥングの連続攻撃によりボルガーのモンスターは全滅、さらにボルガー自身のライフも大きく減らすことに成功した。このまま行けば押し切れる!

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、このターン墓地に送られた上弦のピナーカの効果発動!デッキから《BF》モンスター1体を手札に加える!俺は精鋭のゼピュロスを手札に加える!」

 

 

クロウ 手札 2枚 LP 3200 SP 0

【モンスターゾーン】

BFー星影のノートゥング 攻2400

BFーアームズ・ウィング 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「ボルガー!俺はこのデュエル、どうしても負けるわけにはいかねぇんだ!!ピアスンを殺った奴を何としてでも突き止めるんだ!!」

 

「なるほど・・・・決意は相当固いものだ・・・だったら教えてやろう!誰がピアスンを殺したのか!私のターン!ドロー!」

 

ボルガー 手札 5枚

クロウ SP 0→1 ボルガー SP 6→7

 

「SPーサモン・スピーダー!スピードカウンターが4つ以上ある時、手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚する!WWー縄鏢のスノーを特殊召喚!ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン、攻撃出来ない!続いて2体目のWWー鉄槌のヘイルを通常召喚!」

 

モンスターを2体並べた・・・・・縄鏢のスノーはチューナー・・・・シンクロ召喚か。

 

「Lv4のWWー鉄槌のヘイルにLv4のWWー縄鏢のスノーをチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

縄鏢のスノーが4つの輪を作り、その中に鉄槌のヘイルが入って一つの光となった。

 

「心の闇より生まれし者、今、魂と引き換えに降臨するがいい!シンクロ召喚!脈動せよ!ブラッド・メフィスト!」

 

ブラッド・メフィスト 攻2800

 

その光が黒い闇へと変わっていき、その中から黒いシルクハットを被り、魔法使いのようなドクロがある杖、黒いマントを羽織って赤いネクタイを結んだ骸骨みたいな色白のモンスターが現れた。

 

「何だ・・・・・あいつから嫌な力を感じるぞ・・・・・」

 

「ブラッド・メフィストだと!?」

 

「あのカードは!?何であいつが持っているんだ!?」

 

「ど、どうしたんだよ!?いきなりそんな馬鹿みたいに声を荒げて!?」

 

俺がボルガーが召喚したモンスターの不気味な力を感じていると、連絡室でデュエルを見ていた遊星さんとジャックさんが突然声を荒げて前に乗り出した。

 

「スバル、この前話した火事の件、覚えているか?」

 

「ああ」

 

「あの火事の直前、実はデュエルが行われていたことがセキュリティの捜査で分かった。そして、そのデュエルでは本来この世界に出回ってないカードが存在した」

 

「この世界に出回ってないカード?」

 

「そのカード、いや正確には数種類あったが数年前、規格外の効果を持ったカードの開発が行われていた。ところが試作の段階でそれらのカードには強大なパワーがあり、実際のダメージをプレイヤーが受けることが判明した」

 

「ちょっ!?それってサイコデュエリストやダークシグナーと同じ!?」

 

「似たような物だと考えてくれたらいい。もちろん開発はすぐに中止されたが、その時の試作の段階で何枚かのカードは出回ってしまった。そしてそのデュエルでもその強大なパワーを持ったカードが使われた」

 

「・・・・まさか!?」

 

「そうだ・・・・ピアスンは死ぬ直前、試作段階で流出してしまったブラッド・メフィストを所持したデュエリストとデュエルしていた」

 

「じゃあ!!その火事の犯人は!?」

 

「まさか・・・・・ボルガー!!!お前が・・・・お前がピアスンを殺ったのか!?」

 

「そうだ。私がピアスンを殺した」

 

テストコースでライディングデュエルをしていたクロウさんもこの事に気付き、ボルガーに対して詰め寄ると、ボルガーがあっさりと供述した。

 

「何でだよ!?あんただってピアスンの事を尊敬して、一緒にDホイールのエンジンを開発していたじゃないか!?何であんたが殺ったんだよ!?」

 

「もちろん、Dホイールの完成が目的だ。お前も知っているだろう・・・・3年前、私はピアスンと一緒にサテライト初のDホイール開発を進めていた。だが、計画は資金難になり、雲行きが怪しくなってきた。そんな時だ・・・・シティの資産家が我々の開発に援助するという話をしてきた」

 

「援助・・・だと?」

 

「そうだ。どこから聞きつけたのか知らないが、それはとてつもなく莫大な資産だった。だが・・・・あいつは、ピアスンは援助を断った!!!!あいつにとって重要なことはお金でもDホイールの開発でもない!!!サテライト初のDホイール開発者という名声を残すことだった!!!!シティの資産家の援助を、最後の最後に手を貸すことをあいつは許さなかった!!!!だから私は!!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『どうしたんだよボルガー!それは大事な設計図が入ったUSBだぞ!」

 

『ピアスン・・・・悪いが設計図は持っていく。ここから先は私一人で完成される!』

 

『何馬鹿な事を言ってるんだ!?二人で完成させるのが目標だったんだろ!?』

 

『黙れ!どうしても止めたいというなら私を倒してみろ!!』

 

 

 

 

『うわあああ!!!!』

 

『さらばだ・・・・ピアスン』

 

 

 

 

『ピアスン!!』

 

『クロウ!!』

 

『どうしたんだよピアスン!!今助けるから!!』

 

『構うな!!これは私自身の問題だ!!』

 

『何言ってるんだよ!?このままだと死んじまうぞ!?』

 

『良いから構うな!!!』

 

『!!!』

 

『もうすぐこの建物が崩れる!!いいかクロウ!!ブラック・バードと、子供達の事を・・・・頼んだぞ・・・・!!!』

 

ガラガラ・・・・・ガシャーーーン!!!!

 

『ピアスン・・・・・ピアスンーーーーーー!!!!!!!!』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・・・・」

 

「確かに私はピアスンを殺した、それは認めよう・・・・・だが!!それでも!!私は後悔していない!!資産家から貰った莫大な援助で量産型のDホイールの開発に成功して、旧サテライト地区に気軽にDホイールを、気軽にライディングデュエルをすることができた!!!誰もが手に入ることができるDホイールを作ることができた!!だから私は、例え殺人犯の汚名を着せられても、工場を守り抜かなければならない!!!」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「そのためにはまた援助が必要なんだ!!!さぁクロウ・・・・・私にブラックフェザー・ドラゴンのカードを渡すんだ!!君がブラック・バードと一緒にピアスンから託された事は知ってるんだ!!!」

 

「・・・・じられるか」

 

「?何だ?」

 

「信じられるかそんな話!!!!!!!ピアスンが名誉のために援助を断った?あいつは自分自身の名誉のために生きてきた男じゃねぇ!!!!!そんなバカみたいな話、俺は信じねぇぞ!!!!

 

「ならば仕方ない!!君を倒してブラックフェザー・ドラゴンのカードを手に入れる!!あの時と同じように、ブラッド・メフィストの力で!!デュエル続行!!ブラッド・メフィストの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのカードの枚数×300ポイントのダメージを与える!」

 

「何だと!?」

 

「喰らえクロウ!!」

 

ブラッド・メフィストが杖に自身の力を蓄えて、それをクロウさんに向かって放たれる。

 

「ぬわあああ!!!!」

 

「クロウ!!」

 

クロウ LP 3200→2300

 

ブラッド・メフィストの攻撃を食らったクロウさんは本当にダメージを受けたように身体が傷だらけになっていた。

 

「ガハッ・・・な、なんだ・・・このダメージは・・・・」

 

「バトルだ!ブラッド・メフィストでBFーアームズ・ウィングに攻撃!そしてこの攻撃宣言時、リバースカードオープン!永続罠、ヘブンズ・アロー!モンスターがフィールドで破壊された時、そのモンスターの持ち主は400ポイントのダメージを与える!」

 

「なっ!?」

 

「行け!カースド・ブラッド!!」

 

ブラッド・メフィストが一度体を疼く周り、そしておおきく胸を張って、胸から巨大な腕が現れて、それがアームズ・ウィングの体を貫通して、さらにクロウさんのDホイールに攻撃をする。

 

「がああああああ!!!!!!」

 

ブラッド・メフィスト 攻2800

BFーアームズ・ウィング 攻2300

 

クロウ LP 2300→1800

 

「ヘブンズ・アローの効果でさらに400ポイントのダメージだ!」

 

ブラッド・メフィストの攻撃を受けてスリップをしたブラック・バードにヘブンズ・アローから数本の弓矢が放たれて追い打ちをかける。

 

クロウ LP 1800→1400

 

「ぐっ・・・・こ、このやろう!!!」

 

何とか攻撃を受け切ったクロウさんはDホイールを持ち直すことに成功、そのままボルガーを追いかける。

 

「まずいよ遊星!今の攻撃でブラック・バードに大きな損傷が入った!」

 

「ブラッド・メフィスト・・・・・やはり実際にダメージを与える能力があったのか・・・」

 

「今からでも遅くはない!!クロウ!!サレンダーをしろ!!君までピアスンのような悲劇を起こしたくない!!」

 

「ほ、ほざけ・・・・誰がサレンダーなんかするんだ!!俺はピアスンを信じているんだ!!負けるわけにはいかねぇんだよ!!」

 

「ならば仕方ない。バトルフェイズを終了してメインフェイズ2、SPー地割れ!」

 

「地割れだと!?」

 

「スピードカウンターが4つ以上ある時、相手フィールドの攻撃力が1番低いモンスター1体を破壊する!」

 

テストコースに地割れが発生して、その中にノートゥングが吸い込まれてしまう。

 

「くっ!くそやろうめ!!」

 

クロウさんはDホイールのスイッチを押して、横に翼を広げ、飛んだ。地割れは避けてどうにか無事に着地することに成功した。

 

「安心するのはまだ早い!モンスターが破壊されたことで永続罠、ヘブンズ・アローの効果!さらに400ポイントのダメージを与える!」

 

「ぬわあああ!!!」

 

クロウ LP 1400→1000

 

「スピード・ワールド2の効果!スピードカウンターを7つ取り除いてカードを1枚ドローする!」

 

ボルガー SP 7→0

手札 1枚→2枚

 

「これでターンエンド!」

 

 

ボルガー 手札 2枚 LP 1000 SP 0

【モンスターゾーン】

ブラッド・メフィスト 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ホワイト・アウト

ヘブンズ・アロー

 

 

「俺の・・・・ターン、ドロー!!」

 

クロウ 手札 3枚

 

クロウ SP 1→2 ボルガー SP 0→1

 

「(・・・このターンは守りに入るしかねぇ)BFー精鋭のゼピュロスを守備表示で召喚・・・!」

 

BFー精鋭のゼピュロス 守1000

 

「カードを1枚セット!」

 

「この瞬間、ブラッド・メフィストの効果発動!相手が魔法・罠カードをセットするたびに300ポイントのダメージを与える!」

 

「なっ!?うわあああ!!!」

 

クロウ LP 1000→700

 

「遊星!!このままじゃブラック・バードが持たない!!」

 

「まずいって・・・・あのスピードで大破してあんな状態じゃクロウさんの命が危ないぞ!!」

 

ブルーノと俺の言葉を聞いて、遊星さんは連絡室のコントロールパネルのスイッチを押して、クロウさんのDホイールに通信を贈る。

 

「クロウ!!デュエルを中断するんだ!!このままじゃ死ぬぞ!!」

 

『遊星・・・・悪いがそれはできねぇ・・・あいつだけは・・・何としてでも倒さないといけないんだ!!』

 

「ク、クロウ・・・・」

 

「これでターンエンドだ!!!」

 

 

クロウ 手札 1枚 LP 700 SP 2

【モンスターゾーン】

BFー精鋭のゼピュロス 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

ボルガー 手札 3枚

 

クロウ SP 2→3 ボルガー SP 1→2

 

「ブラッド・メフィストの効果発動!これで終わりだ!!」

 

「クロウ!!」

 

「リ、リバース、カード2枚オープン!!まずは罠カード、タイフーン!相手フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を破壊する!俺が選択するのはホワイト・アウトだ!!」

 

クロウさんが発動したタイフーンによって、フィールドにタイフーンが吹いてホワイト・アウトのカードを破壊した。

 

「さらにもう一枚!罠カード、和睦の使者!このターン、俺のモンスターは戦闘で破壊されず、戦闘ダメージは0になる!」

 

「仕留め損なったか・・・だが、ブラッド・メフィストの効果ダメージは入る!300ポイントのダメージを受けろ!!」

 

「うわあああああ!!!!!」

 

クロウ LP 700→400

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

ボルガー 手札 2枚 LP 1000 SP 2

【モンスターゾーン】

ブラッド・メフィスト 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ヘブンズ・アロー

伏せカード 1枚

 

 

ブラッド・メフィストの効果ダメージを減らすことは出来たものも、ダメージを再び受けてしまい、クロウさんのDホイールは再びダメージを受けてしまった。

 

「ブルーノ、クロウのブラック・バードはあとどれくらい持つんだ?」

 

「おそらく1ターン・・・次のブラッド・メフィストのダメージを受けてしまったらエンジンが止まってしまう」

 

「つまりこのターンがラストターン・・・・」

 

「(ちくしょう・・・何とかしてあのブラッド・メフィストを倒さないと・・・次のターンには)『頑張れ!!!クロウ兄ちゃん!!!』!!!」

 

隣の方で大声が聞こえたのでそっちを振り向くと、横断幕を広げたクロウの子供達がクロウを応援していた。

 

「負けるなクロウ!!」

 

「そんなやつぶっ倒せ!!」

 

「クロウ兄ちゃんなら逆転出来るって信じているから!!」

 

「お、お前ら・・・・・・・」

 

クロウさんも子供達の横断幕に気づいたのか、こっち側に近づいた時にはずっと子供達の事を見ていた。

 

「(・・・そうだよ、何諦めようとしていたんだよ・・・・俺はあいつらに笑顔を送りたかったんだ・・・・俺が負けたら・・・あいつらの笑顔は・・・・・遊星が言っていたじゃないか・・・・ピアスンの意思はあいつらに受け継がれているって・・・・)」

 

「どうしたクロウ!!サレンダーする気になったか!?」

 

「守りてぇ・・・」

 

「ん?」

 

「守りてぇ!!!!あいつらの気持ちを!!!あいつらの笑顔を!!!そしてピアスンの意思を!!!!」

 

・・・ビー!!ビー!!ビー!!

 

「な、何だ!?」

 

「この音は一体なんだ!?」

 

「ゆ、遊星!!突然全ての画面にこれが!?」

 

ブルーノさんがコントロールパネルの液晶画面に指を指す。そこには警告音の音とともに、『CERTIFIED』と書かれた文字が、そして次の瞬間、全ての画面に1枚のカードが写った。

 

「ど、どうなってるんだ!?」

 

「な、何だこのカード!?」

 

「これは・・・・・!!!(そうか・・・・だからピアスンは資金援助を断ったのか・・・・わかったぜピアスン)アンタの想い!!ちゃんと受け取ったぜ!!俺のターン!!!!」

 

クロウ 手札 2枚

 

クロウ SP 3→4 ボルガー SP 2→3

 

「チューナーモンスター、BFー東雲のコチを召喚!」

 

BFー東雲のコチ 攻700

 

「そして、このモンスターも自分フィールドに他の《BF》モンスターかいたら1ターンに1度だけ、特殊召喚できる!BFー突風のオロシを特殊召喚!」

 

BFー突風のオロシ 守100

 

「Lv4の先鋭のゼピュロスにLv4の東雲のコチをチューニング!!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

東雲のコチが4つの輪となり、その中に先鋭のゼピュロスが入って4つの星となる。そして一筋の光が強く光った時、

 

「!?シグナーの痣が!?」

 

「光っただと!?」

 

「黒き疾風よ!秘めたる想いをその翼に現出せよ!シンクロ召喚!舞い上がれ!ブラックフェザー・ドラゴン!!!」

 

ブラックフェザー・ドラゴン 攻2800

 

その一筋の強い光から黒い翼が再び竜巻のように吹き荒れる。そしてその中から赤い目がギラッと光って、白い翼を大きく広げて翼の竜巻を薙ぎ払う。その中には身体が漆黒の黒で覆われたドラゴンが姿を現した。

 

「これが・・・・ブラックフェザー・ドラゴン・・・」

 

「クロウの・・・・シグナーの龍・・・」

 

「現れたなブラックフェザー・ドラゴン!だが私は呼んでいた!!リバースカードオープン!罠カード、シンクロライヴァリー!このターン、私のモンスターは戦闘では破壊されない!」

 

「墓地にある先鋭のゼピュロスの効果発動!デュエル中に1度、自分フィールドの表側表示のカードを手札に戻してこのカードを墓地から守備表示で特殊召喚する!俺は突風のオロシを手札に戻す!」

 

フィールドにいた突風のオロシがいなくなり、代わりに先鋭のゼピュロスが現れて、先鋭のゼピュロスがクロウに向かって矢を構える。

 

「そしてこの効果で特殊召喚した後、俺は400ポイントのダメージを受ける!」

 

「血迷ったかクロウ!!これで終わりだ!!」

 

「ブラックフェザー・ドラゴンの効果発動!!自分が効果ダメージを受ける場合、代わりにこのカードに黒羽カウンターを乗せることでそのダメージは無効になる!ダメージ・ドレイン!!」

 

ゼピュロスがクロウに向かって放たれた矢はブラックフェザー・ドラゴンに吸い込まれていき、ブラックフェザー・ドラゴンの羽根の色が一部白から赤色へと変わっていく。

 

「この時、このカードに乗っている黒羽カウンター1つにつき、このカードの攻撃力は700ポイントダウンする!」

 

ブラックフェザー・ドラゴン 黒羽カウンター 0→1

攻撃力 2800→2100

 

「遊星・・・・ブラックフェザー・ドラゴンの羽根が・・・・」

 

「ああ・・・・まるで自分自身の身を削っているみたいだ」

 

「解るか!!ボルガー!!お前にこの痛みが!!!ブラックフェザー・ドラゴンは身を削ってまで守っている!!そしてそれはピアスンも同じだったんだよ!!」

 

「何だと!?」

 

「もう薄々と感づいただろ・・・ピアスンはな只Dホイールを完成させるために開発していたんじゃねえ!!!!子供達に知って欲しかった・・・・・自分たちだってシティの力なんかに頼らずとも何かを成し遂げることが出来るってことを!!!!!だからピアスンは、資金援助の話を断ったんだ!!!!」

 

「!!!そ、それじゃ・・・・私は・・・・思い違いを・・・・」

 

「あいつはな!!!何よりも子供達の事を大事にしていた!!!それも俺と比べほどにならないほどな!!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『私には彼らの気持ちが痛いほど分かるんだ、ボルガー、クロウ』

 

『ピアスン・・・・・』

 

『両親を失い、生きる希望もなく、何のあてもなくただ明日のために生きるために必死にいきていく・・・・・そんな彼らの苦痛が痛いほど伝わってくるんだ・・・・・』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「このブラックフェザー・ドラゴンの苦しみもな、ピアスンと一緒なんだ!!!苦しみや痛みを吸収して、自分自身の身を黒く染まっていく・・・・・こいつはピアスンと一緒なんだよ!!!サテライトの悲しみを・・・・苦しみを背中に背負って、サテライト初のDホイールの完成させる事でサテライトの解放を願ったあいつと!!!!だからブラックフェザー・ドラゴンはピアスンの所に舞い降りんたんだ!!!!!」

 

「くっ・・・・・」

 

「ボルガー!!!ブラックフェザー・ドラゴンのこの痛みはお前から受けた痛みだ!!今度はお前がこの痛みを受ける番だ!!!ブラックフェザー・ドラゴンの効果発動!!このカードに乗っている黒羽カウンターを全て取り除くことで、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力をこのカードに乗っていた黒羽カウンターの数×700ポイント下げて、相手はそのダウンした数値分のダメージを受ける!!!ブラック・バースト!!」

 

ブラックフェザー・ドラゴンの赤く染まった羽根が再び白へと変わっていき、足元にあるツメの部分に黒い球体状の球が出来て、そこから放たれた電撃がブラッド・メフィストとボルガーにぶつけられた。

 

ブラッド・メフィスト 攻2800→2100

ボルガー LP 1000→300

 

「バトル!ブラックフェザー・ドラゴン!!全てをボルガーにぶつけろ!!ノーブル・ストリーム!!」

 

 

ブラックフェザー・ドラゴン 攻2800

ブラッド・メフィスト 攻2100

 

ボルガー LP 300→0

 

 

WIN クロウ lOS ボルガー

 

 

デュエル終了後、2台のDホイールは止まり、ボルガーはブラックフェザー・ドラゴンの方を向いて何かを喋り、下を向いた。

 

この後、ボルガーはセキュリティに自主をして、クロウさんはピアスンの墓に行きその事を報告、ピアスンの意思はクロウにへと引き継がれた。




はいどうも〜〜、久しぶりの登場、作者のDICHIで〜す。

遊輝「・・・・俺、今日の出番休みって言われてからバイトに行ったのに、なんで呼ばれたんだよ」

いや〜、さすがに次の話からのお知らせは君いるからね〜。

遊輝「もう思い出さないでくれ・・・・・アリアに嫌っていうほど振り回されたんだから・・・・(汗)それにしてもだいぶ流れ変えたな・・・」

そりゃアニメみたいな無限ループなんてできるかいな。ゼピュロスをアニメ版にしてみろよ。マスドライバーとの無限ループが完成するんだぜ。

遊輝「まぁそうだな・・・・・」

というわけで、この話でWRGPの準備編が終わり、本編では第4章が終わり、次の話からWRGP予選が始まりますが、時系列的にこの小説では来年の4月(現在、12月としている)から始めようと思ってます。そっちの方がキリが良いから。

遊輝「じゃあその間何するんだよって話ですが・・・・・」

4周年記念の時にも言いましたが、4.5章をやります。舞台は精霊世界のとある魔法使いの国、主人公は遠藤遊輝とアリア・リューベック!さながら、映画みたいな感じだね。

遊輝「映画みたいなじゃねえよ・・・・もうほんっと、色んなキツかった・・・・・主にアリアのせいで・・・・」

それじゃ遊輝、タイトルコールよろしく

遊輝「ハァ・・・『遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち 2人の魔法使いの冒険』。次話からよろしく!!」


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第4.5章 遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち 2人の魔法使いの冒険
第128話 物語の始まり 魔法少女(笑)爆誕


Q,話が短いけど?
A,プロローグだからね、仕方ないね。

Q,全体的にふざけてない?
A,リアルが忙しいし、半分番外編みたいなものなので、こう言う事でふざけて見たかった。てへぺろっ♪


・・・・・ごめんなさい、許してください、遊輝君が何でもしますk(ry


というわけで第4.5章、テレビアニメで言うところの映画みたいな感じです!!主人公、遠藤遊輝とアリア・リューベックが挑む魔法の国での大冒険!!《遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち 2人の魔法使いの冒険》!!スタート!!



遊輝 side

 

 

「んっま〜〜〜〜〜い!!!やっぱり遊輝ちゃんの作る角煮は世界一ね!!」

 

「・・・・・・ハァ」

 

12月24日・・・・・世間一般ではクリスマスイブ。本来なら今日でアカデミアが終わり、明日から冬休みでさらに明日のクリスマスには龍可とデートに行く予定だったのに、今日の夜にこいつが来たせいで全部の計画が全てパーになった。

精霊世界のダイヤの家、そのダイニングテーブルで右肘をついて右頬をつけてため息をする俺、右側に目線を向けると対面して満面の笑みで角煮を食べる女性・・・・・・アリア。

 

アリアは4月に俺に対して「精霊世界と人間世界の王になる」と宣戦布告をしてきた。俺はそれに警戒して、今まで一人でこいつのやる事を防いできた。最初はハッキングから始まり、強盗未遂やらその他もろもろ。俺はアリアにデュエルを挑んで止めようとするが、はっきり言って勝率は悪い。通算3割いっているかどうかのレベルだ。いや、こいつのデッキ、ポテンシャルが高いやつばっかり使うからどれだけ有利な盤面取ってもすぐに返されてしまうんだよ。

 

とまぁ、この8ヶ月で色々と止めるために戦ってきたんだが、ここ最近は何か様子がおかしい。犯罪レベルな事をするアリアに対して俺がデュエルに挑むんではなく、アリアが俺に対してデュエルを挑み、アリアが勝ったら俺に対して何かするようになってきた。最初は「飯を作れ!」だったんだがその内に「家に泊めろ!」「今日1日買い物に付き合って!」「遊輝ちゃんと呼ばせろ!」「ここ教えて!」とか・・・・・俺、こいつと敵対関係にあるはずなのに何かいつのまにか親友関係みたいな感じになっちゃってるし・・・・・・今日も今日とて突然現れてデュエルを叩きつけられて、毎度のごとく惨敗してこうやって飯をご馳走する羽目になった。

 

「んで、今日は何で来たんだ?用がないならサッサと帰って欲しいんだが」

 

「んまい!んまい!ハフハフ・・・・・もちろん今日も用があって来たんだよ!」

 

「ハァ・・・・・お前のせいで明日の計画がパーになったんだぞ」

 

「ごめんごめん!!それでね・・・・・・君はこの世界にある魔法都市のグリモワールって街、知っている?」

 

今まで口いっぱいに頬張って角煮を食べていたアリアが箸を置いて話し始めた。雰囲気はワハ〜〜とした雰囲気ではなく、あの本気な感じの雰囲気だ。

 

「・・・・・ダイヤ」

 

『ここから北東に1000km離れた街、エンディミオンに次ぐ第二の魔法都市で、教育の分野では常に一位を走っている街です。過去にエンディミオン軍に侵略されましたが、今では協定を結び平和に過ごしています』

 

「ふ〜ん・・・・・」

 

「でね、その魔法都市って他の街と違って王国制なのよ。今は確か・・・・・」

 

『王、正確には女王ですが魔導法士 ジュノンですね。100年前にハイロンから称号を授かって、女王になりましたからつい最近ですね』

 

さらっと100年って言うけど、人間だと一生分なんだぞ・・・・(汗)

 

「そうそう!それでね・・・・どうも最近その女王の様子がおかしくてね・・・」

 

「おかしい?」

 

「前までは社交的で色々な魔法都市と交流を図り、さらには自分が積み上げた魔法を後世に伝えようと見習い魔道士の育成にも力を入れていたわ。だけど1年前にグリモワールに巨大な外壁を作ったの」

 

「外壁?」

 

「そう、それもかなりのスピードでね。おかげで魔法都市グリモワールは今では鎖国状態、中で何がどんな風に行われているのか全く分からないわ」

 

「・・・・・・・・」

 

『その話は本当です、マスター。私も耳にしました。一部では女王の性格すら変わってしまったと上がっていますし・・・・』

 

「さらにさらに、耳にした程度のレベルだけど、魔法使いしかいないはずのグリモワールに最近は悪魔族系のモンスターが密かに王の住む城に出入りしているという噂もでているわ」

 

今まで社交的な女王が突如外壁を作って鎖国状態な上、悪魔族系のモンスターと交流か・・・・・・どう考えても怪しい匂いしかしねぇな。

 

「でねでね、こんな情報を手に入れたのよ・・・・・『女王、ジュノンは侵略戦争を行う。最初の侵略地はエンディミオン』って・・・・・」

 

「・・・・・信憑性は?」

 

「ここ1年の異変のことを考えると嘘とは言えないわね〜」

 

「・・・・・だろうな。んで、何が目的で俺とどう関係あるんだ?」

 

「勘のいい遊輝ちゃんなら分かるでしょ〜〜・・・・私の目的を邪魔する者は許さない、私はその計画をぶち壊す。遊輝ちゃんはその助太刀よ」

 

「・・・まぁ一応、無駄だと思うが言っといてやろう・・・・・俺は世界を手に入れるとか言う危ないことを言っている奴なんかに加担などしない」

 

「それが当然の反応だよね。でも、今日のデュエルの賭けで言ったでしょ・・・・・『この2週間、遊輝ちゃんは私の下っ端になってもらう』って」

 

「ッチ・・・・・嫌な思い出が蘇るぜ・・・」

 

そう・・・・・今日のデュエルの賭けは「俺が負けたらアリアの下で働く」と言うことだ。さすがに俺もこればかりは反論して、やらないと言った。しかしアリアは巧妙だった。俺の目の前に2・3枚の写真を落としたので、俺はそれを拾い上げて、見て、驚愕した。そこに写っていたのは誰にもバレないように遠く離れた場所で空を飛んでいた俺の姿だ。

 

『こんな写真、世間に公表しちゃったら遊輝ちゃんはどうなるかな〜?』

 

そう脅し文句をかけられて、俺は苦虫を噛んでデュエルに挑むしかなく、しかもアリアが使ったのはメタ中のメタの「結界ビート」。為すすべもなく、惨敗を喫してしまい、アリアの賭けを飲まなくちゃいけないようになった。

 

「それにしても不思議だね〜〜、何で空を飛べるようになったの?」

 

「企業秘密、第3者に口止めされているからな」

 

「あらそう・・・・・残念ね。私も飛べる事が出来たら良いなぁと思うのに」

 

「お前、変な能力使ってるんじゃねぇか。変な異次元空間で移動しているじゃねぇか」

 

「人間は欲望な生き物だからね〜〜。だから遊輝ちゃんに脅しをかけられるのよ。こんな姿見られたら政府機関に捕まって下手したら人体実験だよ」

 

「はいはい・・・・・分かったよ、ついて行けばいいんだろ」

 

「さっすが〜〜!!遊輝ちゃんは話の理解が早くて助かるよ!」

 

「うるせぇ、出発は?」

 

「明日ね。本当なら私のアレで行けば良いんだけど、生憎、魔力が枯渇気味でね」

 

「魔力?」

 

「あれ?言ってなかったけ?私、人間でもあり魔法使いでもあるわよ。遊輝ちゃんみたいな手品じゃなくて本物の・・・・」

 

「へいへい、そうですか」

 

「あれ?あっさり信用する?もっと疑うかと思った」

 

「つまんねえ態度で悪かったな。それに魔法使いは何十回と見たんだよ、この目で」

 

アリアに対して正面を向いて俺自身の右目を右目で指す。実際問題、春休みと夏休みの間に何十回どころか何百回あいつらにあったことやら・・・・

 

「つう訳で、遊輝ちゃんのその空を飛ぶ能力で移動するわよ!私はこの箒を使って移動!」

 

アリアは自身の横に掛けておいた一本の箒を手にする。

 

「その箒って掃除用の箒じゃないの?ていうかマジでお前何者何だよ?」

 

「そんな事言えるわけ無いじゃない♪」

 

「ハァ?俺の素性を調べつくしている奴が言える台詞じゃねえよ・・・・だいたいお前、ここからグリモワールって1000kmあるんだろ?いくら飛んでいくって言ったって移動だけで何日かかると思ってるんだ」

 

「そうね・・・・どれだけ早くても3日目の夜でしょうね」

 

「・・・・・聞く耳ねぇのかよ。こんな時に限ってプラチナは仕事で出張だし」

 

『私には移動魔法何ていう高度な技術は持っていませんので無理です』

 

「だよな・・・・・ハァ、結局移動手段はあれしかねぇのか」

 

飛ぶこと自体構わないがそれを3日連続でフルスピードで飛ぶとなると俺としてもかなりの疲れが出てしまう。あんまり好ましくないので避けたかったが、どうにも他の移動手段がなさそうだ。プラチナがいれば1000kmなんて半日で着くんだけどな・・・・

 

「ご馳走様〜〜!!じゃあ先にお風呂入るね〜〜!!」

 

「テメェはもう少し他人の家に上がった時の礼儀という物を知れ」

 

「そんなもの、アリアさんには関係ありませ〜ん・・・・・ああそうそう、今回の計画、私は本気よ。遊輝ちゃんも本気でデッキを調整してよね・・・・・・ペンデュラム召喚も含めて」

 

「・・・・・分かった」

 

アリアが真面目にああ言った、という事は何かしらの情報でヤバイ相手がいるって事なんだろうな・・・・ってかあいつ、出発明日とか言ってなかった?

 

「(・・・・・徹夜で調整かよ(汗)」

 

そんな事思いつつ、アリアが使った食器類を台所に持って行って洗い始める。

 

「(う〜ん・・・・・ついていくこと自体に文句は無いし、ヤバイことしそうな奴らを止めること自体も寧ろ良いことなんだけど、問題は・・・・・龍可だよな(汗))」

 

マジ、どうやって説得しよう・・・・(汗)「ちょっと訳ありでしばらく精霊世界に行ってくる。そのあいだ帰ってこれない」何て言ったら「じゃあ私も!」とか言いそうだし・・・・かと言って何も言わずに暫く出かけたらあの時と同じ末路・・・・(ブルブル)

 

「(マジでどうしよう・・・(汗)とにかく、龍可に対して穏便に済ませないと・・・・)」

 

俺の頭の中はデッキ構築から離れて龍可への説得へと変わっていった・・・・

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「ふわぁ〜〜〜・・・・ねっむ・・・・」

 

凄い重たい瞼を無理矢理上に上げて、目を擦る。洗面所の鏡を見たら寝癖が酷いことになってる。昨日は主に龍可の説得に対して・・・・何だよ、説得に4時間もかかるとは思わなかったぞ・・・(汗)

 

「とりあえず髪を整えて・・・・・・」

 

「フッフッフッフッ〜〜〜〜〜♪」

 

「・・・・・何だ、シャワーでも浴びているのか?」

 

洗面所に行ってみると風呂場から水が流れる音とともにアリアの鼻歌も聞こえてくる。まぁ、敵対しているとはいえ、あれでも一応女だからシャワーぐらい浴びてもおかしくはないか・・・・

 

「(デッキどうしようかな〜〜〜・・・・移動に時間がかかるし、野宿する先にでも考えるか。必要最低限+αだけ持って行っとこう)」

 

『マスター、おはようございます』

 

「フン?ああ、おはようダイヤ」

 

洗面所で寝癖がついた髪を直し終わり、歯磨きをしていると朝早くから起きていたダイヤが洗面所にやってくる。

 

『マスター、本当に行くのですか?』

 

「しゃあねぇだろ。あんな物突きつけられたら、それにもう着いて行くって言ってしまったんだ。訂正できねぇよ」

 

『・・・・分かりました』

 

ダイヤに確認をした後、口をゆすいで洗面所から出る。そのままキッチンへと行き、冷蔵庫を漁って簡単な朝飯を作る。こういう時こそあれだよな・・・・フレークとかの方が便利だよな。残念ながら精霊世界にはフレークというものは存在しない。そんなつまらない事を考えつつも朝飯を作っていく。

 

「う〜〜ん!!!朝からシャワーは気持ちいいわね!!あっ、おはよう遊輝ちゃん!!」

 

「声デケェぞ・・・・迷惑だからボリューム下げろや」

 

シャワーを浴び終えてタオルで髪の毛を拭きながらTシャツとズボン姿のアリアがリビングに入ってくる。

 

「そんな事気にしない気にしない♪いっただきま〜す!!」

 

ガチャガチャガチャ!!!

 

「ガッツいて食うな!!」

 

椅子に座って手を合わせた途端に茶碗を片手に持ちそれを箸で流し込むかのごとく、勢いよく食べていく。その間にもダイヤ達がリビングにやってきて朝飯を食べ始める。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「よし、片付け終わった、掃除終わった、準備も終わった。これで行けるぞ」

 

食器を洗い終わり、その後の掃除も簡単に済ませて全ての準備が終わった。俺の出掛ける用意も終わり、後はアリアを待つだけだ。

 

「今は・・・・もう11時か、思ったより時間がかかってしまったな・・・・」

 

「終わった〜〜?」

 

「あぁ、準備も全て終わった」

 

「こっちも終わったよ」

 

アリアの方も準備が終わってリビングに入ってくる。そして左手に何かを持ったまま俺に近づいてきた。

 

「じゃあこのブレスレットを付けてもらうわよ」

 

アリアが俺の右腕を掴んでブレスレットを付けてくる。そのブレスレットには赤いキラキラと輝くものがある。

 

「何だこいつ?」

 

「私の魔法道具の一つ、遊輝ちゃんの考え方でいくと携帯だと思えば良いよ。精霊世界だと携帯とかスマフォは使えないでしょ?それがあればお互い離れあっても話し合うことができて尚且つお互いの位置情報を知ることができるわ」

 

「ふ〜ん・・・・・・」

 

アリアの説明を聞きながらジロジロと無理矢理付けされられたブレスレットを見る。アリアの方をよく見ると、アリアにもオレンジ色のキラキラと光るブレスレットが付けられていた。あいつが付けたんだから碌な物じゃないと思ったけど、今回は大真面目に役に立ちそうな物らしい。

 

「まぁ準備はこんな所かな」

 

「何言っているのよ、まだあるわよ」

 

「まだ?荷物も持ったし、これ以上何するんだよ?」

 

俺のそんな疑問を聞かず、アリアは一度リビングから出て行く。数分後、リビングに戻ったアリアの両手にはそこそこ大きなキャリーバッグが2つあった。

 

「何だそれ?」

 

「という訳で、お着替えしよう!」

 

「(・・・・・・・・ハッ?お着替え?)」

 

そんな思考回路も思いつく前にアリアはキャリーバッグを2つ取り出してその内の一つを開ける。その中には確かに奇抜な、人間世界では絶対にありえなそうな配色と形をしている服が詰められている。

 

「何・・・・してるんだお前?」

 

「何ってこれから行くのは鎖国状態の魔法の国よ?人間が入った何てバレたら私たち捕まって一生牢獄生活だよ」

 

「いや・・・・まぁ確かにそうかもしれないけど・・・・」

 

「私はどうしようかな〜〜♪♪とりあえずこのフードは顔隠しで使うからフードに似合う服を選ばないと♪」

 

何にも反論できずに口ごもっている俺をよそにしてルンルン気分でキャリーバッグの中を漁るアリア、いつのまにかもう一つのキャリーバッグも開けてあり、その中には服以外の小物、手袋や魔法使いの帽子、さらに俺にはよく分からない小物類が綺麗に入っていた。そしていくつかの服や小物類を手に取ると、リビングの隣にある小さな部屋(倉庫部屋)に入った。

 

「服はこれにして〜〜〜♪帽子はこれにして〜〜〜♪あとは手袋と遊輝ちゃんとお揃いの色違いのブレスレットを似合うようにして〜〜〜♪ジャジャ〜〜〜ン!!!!」

 

扉をバンと勢いおく開けた音が聞こえた。そっちの方に目を向けるとチェック柄のオレンジのスカート、下の方はレイヤードのフリルとなっている、そこから伸びる同じオレンジのサスペンダー。上着は白色のブラウスを着ていて首にはオレンジ色のリボンが巻かれている。その上からオレンジ色のベストを着て、さらにその上から白色のフード付きマントを羽織って、フードは被らずに魔法使い特有の三角帽子を被っていた。また、両手には布製のシルクっぽい白い手袋をはめていた。

 

「どう〜〜?似合う〜〜?」

 

「あ〜、うん・・・・まぁ似合うのは似合うぞ。髪の毛の色とオレンジが似合わなさすぎるけど、あと、重ね着しすぎじゃねえか?」

 

「ひっど〜〜い!!これでも昨日の夜から一生懸命頑張ったんだから!!」

 

「(違うところで頑張れよ・・・・(汗))」

 

確かにアリアは最初に見た時からスタイルはいいなぁとは思っていたけど、それ以上にあの透き通るような青い髪の存在感が凄すぎる。正直言って、オレンジ色を基調とした服とはミスマッチのような気がして仕方ない。

 

「じゃあアリアさんはこれで終わり!!」

 

「はいはい・・・じゃあ行くか」

 

「何言ってるのよ!?次は遊輝ちゃんが着替える番だよ!!」

 

「・・・・・・ハッ?」

 

「だ・か・ら!!遊輝ちゃんも着替えないと!!そんな格好で行ったら捕まっちゃうって言ったでしょ?私の服を貸してあげるから遊輝ちゃんも着替えるのよ!」

 

「・・・・・イヤイヤイヤイヤイヤ!!!!!絶対に嫌だぞ!?お前、女物の服しかねぇじゃねぇか!?」

 

「何当たり前の事を言ってるのよ。アリアさんは可憐な女性なんだから女性物の服を持っているのが普通でしょ?」

 

「絶対に嫌だぞ!?何で男の俺が女物の服を着なきゃいけないんだよ!?」

 

「えっ?だって遊輝ちゃん、女物の服が一番似合うじゃない。女装モデルやってるんでしょ?」

 

「何でお前がそんな事を知ってるんだよ!?」

 

「えっ!?マジで!?私冗談で言ったんだけど!?」

 

「えっ!?!?あっ!?ち、違う!?今のは違う!!!」

 

ボロが出てしまい、慌てて否定しようとしたが時すでに遅し。アリアが妖しい笑みを浮かべて両手に服を持って着て俺に近づいてくる。身の危険を感じた俺は身体を反転してダッシュでリビングを出ようとしたが、突然右腕が思いっきり引っ張られるような感覚を覚え、滑って転けてしまった。

 

「あいてっ!?」

 

「あ〜、言い忘れていたわ。そのブレスレットが付けてある限り、私がこのブレスレットに吹き込めば、遊輝ちゃんは私の命令を絶対に守らなきゃいけないのよ」

 

「な、何だって!?!?」

 

「今のは『止まれ』って命令したのよ♪じゃあ次は『私のところまで歩いて』」

 

ピキーーン!!

 

「ちょっ!?ま、マジ!?身体が言うこと聞かない!?」

 

「へっへ〜ん、凄いでしょ〜〜。これがあれば遊輝ちゃんの行動は私が思うがままに操れるのよ♪私の魔法道具の一つよ♪」

 

「お、お前!!ハメやがったな!?」

 

「だって遊輝ちゃんは2週間、私の下っ端でしょ?下っ端は上司の命令には絶対服従してもらわなくちゃ♪」

 

アリアがブレスレットに言葉を吹き込むと、俺の身体がピキーーンと直立不動に立って、そこからロボットのようにぎこちなさそうに歩いて行く。その間に色々と愚痴を言うが、何も出来ずに服を持っているアリアの目の前まで来てしまう。

 

「さぁ♪遊輝ちゃんはどんな服が似合うかな〜〜?」

 

「嫌だ!!!絶対に嫌だ!!!」

 

「んもう・・・うるさいわね・・・『口を閉じる』ついでに『気をつけ』」

 

「ちょっ!?なんん!?!?んんん!?!?!?」

 

「ついでだから遊輝ちゃんの身体の寸法測るわよ〜〜」

 

「んんん!?!?んんんんん!?!?!?(何だって!?!?やめろおおお!!!!)」

 

「じゃないとどんなサイズか分からないし、えっと・・・身長148cm・・・ちっちゃ、私が思っていたよりも小さいわね・・・腰回りはっと・・・」

 

「んんんんん!!!!!!!!!」

 

 

〜〜〜(数分後)〜〜〜

 

 

「・・・・よし、『喋ってよし』『動いてよし』」

 

「ぷはぁ!!!ハァ・・・ハァ・・・・」

 

あれから数分間、アリアに身体のあらゆる寸法を測られてしまい、羞恥で何も話せずにいた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・///お、お前なんて事しやがる!!!」

 

「服の寸法ぐらい測らないと服が着れないでしょ〜〜」

 

「///絶対に着ないぞ!!!女物の服なん『服脱いで』ってちょ!?」

 

「ピッタリな魔法少女の服があったから今からそれに着替えよう!!」

 

「///ちょっ!?ま、待て!?止まれ!!!アアアアア!!!!!!!!」

 

 

〜〜(またまた数分後)〜〜〜

 

 

「/////////////」

 

「Wow・・・・・・本当に冗談半分だったけど、笑えないくらいマジで凄いわね。化粧して良かった」

 

身体の言うことが効かず、アリアに服を脱がされてそのまま服を着せられてしまった。青と白を基調にほぼアリアと同じような服で、ベストが両肩くらいまでのフード付きケープになっている。帽子も魔法使いの三角帽子だ。

 

「じゃあ着替えも終わったし、グリモワールまで行こうか」

 

「//////////も、もう嫌だ・・・・・」

 

「遊輝ちゃん、私の言うことは聞いてもらうわよ」

 

「////ううう・・・・何で昨日のデュエル負けたんだよ・・・」

 

「遊輝ちゃんが対策してなかったのが悪い。遊輝ちゃんも魔法使いになったんだから魔法使いらしく飛んでもらうか」

 

「////ええい、クソ・・・・もうヤケクソじゃ」

 

アリアから渡された予備らしき箒を手にする。そのままアリアはキャリーバックを占めて、謎の空間にへとポイっと捨てるような感覚で入れた。

 

「じゃあ魔法使い遊輝ちゃん、私たちの目的はただ一つ・・・・・・侵略計画をぶち壊すことよ」

 

「・・・・・・分かった」

 

「よし・・・じゃあ行くわよ」

 

アリアはカバンを肩に掛けて、俺はリュックサックを背中に背負って、片手に箒を持ち、帽子を被る。そのまま玄関の扉を開け、庭の方に移動する。

 

「先導は私がするわよ!付いて来なさいよ!」

 

アリアは箒をまたいでそのまま空へと飛んで行く。俺も箒をまたいで、自分自身の霊力で空へと飛び、アリアを追いかける。

 

 

 

 

 

 

「(・・・・俺、自分自身で飛べるんだから箒で飛ぶ意味が分からないんだけど(汗))」




遊輝「////クソゥ・・・・・デュエルに負けなかったら・・・・」←魔法少女の格好

アリア「いや〜、びっくり。女顔の男の娘とは会った時に思ったけど本当に似合うとは本気で思わなかった」←同じく

遊輝「////ていうかこのブレスレットを外せば万事解決するのに・・・・」

アリア「無駄無駄、ちゃんと外れないようにしてあるから」

遊輝「////ハァ・・・・・」

アリア「というわけでこの章での私たちの普段着はこれね♪」

遊輝「////・・・・・もう嫌だ」


【*一応、モデルは魔法使いプリキュアの魔法世界の制服。ていうか他の魔法使いの服をネットサーフィンしても遊輝ちゃんに似合うのがなかった。これも似合うとは正直思ってないby作者】



アリア「あと、この章では前書き、後書きに出てくるのも私たち2人だけだよ!そこはもう徹底するからね。じゃあ魔法少女遊輝ちゃん、『締めの挨拶を言いなさい』」

遊輝「////クソッ・・・覚えていろよ。次回もよろしくお願いします」


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第129話 旅の記録

Q,これを見た龍可ちゃんはどうなるの?
A,覇王モードですめば良い方だと思うよ(他人事)



遊輝「////何でカードの紹介もないのにこんな恥ずかしい格好で前書きやらなきゃいけないんたよ!!」←前回と同じ衣装

アリア「当たり前じゃない。前書きもやるって言ったんだから」←同じく

遊輝「////早く着替えたいんだよ!!普通の私服に戻りたいんだよ!!」

アリア「・・・・『魔法少女遊輝ちゃんは口を閉じる』」

遊輝「んんんん!?!?!?んんんん!!!」

アリア「というわけで第129話、スタート!遊輝ちゃん、あっちでお仕置きね」

遊輝「んんんんんんんん!!!!!!」


遊輝 side

 

 

「(・・・・・////下半身がスウスウして気持ち悪い。何でこんな目に・・・・・)」

 

現在、アリアの後ろで飛んでいます。下半身がスカートなので風のせいでスウスウとした感覚がして気持ち悪い。おまけに箒をまたいで乗っているから風でスカートがめくれて凄い大変だ。すでに空を飛び初めて2時間近く経とうとしている。街は抜けて今は見渡す限り一面が木々で覆い尽くされている森の地帯を飛んでいる。

 

「遊輝ちゃ〜〜ん、遅いよ〜〜。もっと飛ばしてちょうだい〜〜!!」

 

「ウルセェ!!!下半身に違和感あるし箒なんか持ったら飛びづらいんだよ!!」

 

「箒は持つんじゃなくて魔法道具の一つとして考えるのよ!!手を離したって大丈夫だから!!」

 

「落としても知らんぞ!!」

 

「心配しなくていいわよ!!アリアさんの魔法道具に欠陥品なんてないから!!」

 

前を飛んでいるアリアがそういうので俺は両手を箒から離す。箒は落ちることなくまたいだ俺の間にしっかりと空を飛んでいた。

 

「マジかよ・・・・・」

 

「言ったでしょ!!私は人間でもあり、魔法使いだって!!」

 

「そもそもの問題で俺、箒必要ないんだって!!」

 

「ここは空気的に読まないとダメでしょ!!遊輝ちゃんは魔法少女なんだから!!」

 

「んなもん知るか!!!魔法少女って言うな!!」

 

「良いから早くスピードあげなさい!!ちょっと話したいことがあるんだから横に並びなさい!!」

 

「へいへい・・・・・」

 

アリアに急かされたので少しスピードを上げてアリアの右横に付く。アリアの手には何か分厚い本が左手に持ってあり、右手にはペンを持って何か書いていた。

 

「何だよその分厚い本」

 

「これ?魔導書・・・・って魔法使いっぽく言いたかったけど、これは私の日記よ」

 

「日記!?そんな分厚い本が!?」

 

「魔力倹約術ってカード知ってる?」

 

「ちょ、ちょっと待て・・・・古すぎるカードだろ。えっと・・・・魔法カードのライフコストが無くなるやつか?」

 

「そうそう、こっちでは優秀なものでね、私の書きたいことをこのペンの脳波が拾って勝手に書いて、無限にページが存在するノートなの。私のは劣化版だからこのペンは役立たずで動かないけど」

 

「ふ〜ん・・・・・ていうかこんな時にお前は何を書いているんだよ」

 

「何って・・・・日記だよ、今日の出来事を事細かく書くのよ」

 

「・・・・・ちょっと待て!?ていうことは!?」

 

「そりゃもちろん、遊輝ちゃんが魔法少女になったことも事細かく」

 

「やめろおおおおおおお!!!!!それ処分する!!!!」

 

「『魔法少女遊輝ちゃんの両腕を後ろに回す』」

 

「この!?えっ!?!?えっ!?」

 

アリアの右手に触れようと左手を伸ばしたけど、その左手はアリアに触れる寸前で止まり、さらに俺の両手は後ろに回ってしまう。

 

「ちょっ!?お、お前!?何したんだよ!?」

 

「うん?暴力的な事をした魔法少女には罰を与えようと思ってね」

 

そう言ってアリアは俺の後ろに回り、俺の両手を掴んで何かされる。数十秒後、アリアの作業は終わり、俺から離れる。何をされたのか確認したかったけど、両手を離すことができない。

 

「暴力的な事をしないように両手を縄で結ばせてもらったよ。その状態でも飛べるんでしょ?」

 

「くっそ・・・・こんな物能力使えば」

 

「『魔法少女遊輝ちゃんは太陽のシグナーの能力を使うことができない』」

 

「なっ!?テメェ!!こ、この!?!?」

 

アリアが俺の耳元でシグナーの能力を封じるようにブレスレットに吹き込んだがそんな事御構いなしに能力を使おうとした。だが、両手で太陽を一つも作ることが出来なかった。

 

「無駄無駄、私のブレスレットの魔力は凄いんだからね」

 

「くっそ・・・・・・・ブレスレットが無かったらこんなことにならなかったのに・・・」

 

「ブレスレットも何も、遊輝ちゃんが弱いからこうなったのよ。スカート捲れているし」

 

「こらああああ!!!!!」

 

「それよりも連絡連絡、グリモワールに着いたらまずは外に繋ぐ門から入れるか調査よ」

 

「?何でそんなめんどくさい事するんだよ。門ってことは門番がいるんだろ。空から入ったらいいじゃねえか?」

 

「ところがね〜〜〜、どうやらそうもいかないみたいのよ、これ」

 

「うん?」

 

横に並んでいるアリアが俺に1枚の紙を見せる。両手を拘束されている俺は手にとって見ることが出来ないので少し前屈みになる。

 

「・・・・・グリモワールに謎のバリア?」

 

「そう、今朝の新聞を切り抜いたんだけどつい最近、グリモワールの外壁の上に強靭なバリアが張られたって話。そのバリアからを突き破ることは出来ないし、今までは空から観察できていたのがそれもできなくなったみたいよ」

 

「ますますもって怪しいじゃないか・・・・」

 

「というわけで、外壁には必ず外と繋がる門があるはずだからまずはそこからよ」

 

「へいへい・・・・・」

 

新聞の切り抜きと手帳をカバンに直したアリアは代わりに懐中時計を取り出して時間を見る。

 

「う〜ん・・・・そろそろ飛んで2時間か、一旦休憩に入りましょう。流石に飛びっぱなしだと私も疲れてくるわ。ちょうど川のほとりも見えてきたし」

 

アリアが森の中にある川を見つけ、そこに向かって下降していく。俺もバランスをとりながらアリアについて行く。

 

「よっと、到着」

 

「到着はいいからこの後ろの奴を外してくれ・・・・」

 

「ダ〜〜メ、まだお仕置きタイム中だよ」

 

「空中でのバランスが取りづらくて仕方ないんだよ・・・・よいしょっ」

 

「遊輝ちゃん!女の子が地べたに座ったらダメだよ」

 

「俺は男だあああ!!!!」

 

「そんな服着たら女の子にしか見えないよ。とりあえずそこに倒れている木があるからそこでお昼ご飯を食べよう」

 

アリアに呼ばれたので仕方なく立ち上がって近くに倒れた巨木に腰をかける。アリアも俺の隣に座ってカバンの中から何かが入ったビニール袋を取り出し、その中から弁当と箸を手にした。

 

「それどうしたんだよ」

 

「これ?朝出るまでに買ってきたのよ。いや〜、ああいう町の弁当屋って便利だよね。心配しなくてもこのお弁当2人前だから」

 

「いや・・・・それはありがたいんだけど、俺どうやって食うんだよ、この状態で」

 

「こうすればいいじゃない」

 

アリアが袋から割り箸を取り出して弁当の蓋をとる。その中にある卵焼きを半分に割って俺の口に向かって卵焼きを持ってきた。・・・・・・・・まさか、

 

「お前・・・・・『はい、あ〜ん』でもやるつもりか?」

 

「もちろん!!はい、あ〜〜ん」

 

「却下!!!!俺には彼女がいるんだぞ!!!そんな事やったら殺される!!」

 

「別にここには居ないからいいじゃない」

 

「そんな事されるくらいなら食べない方がマシだ!!」

 

プイッと顔をアリアと反対側に向けてご飯を食べない意思を表す。そんな事されたらマジで龍可に殺されてしまう・・・・・

 

「さすがにご飯は食べなきゃまずいでしょ」

 

「一食くらい抜いても健康上問題ないわ!!」

 

「んもう、強情ね〜・・・・『魔法少女遊輝ちゃんはお昼ご飯を食べている間、アリアさんに素直になる』」

 

「なっ!?お前!?」

 

「はい、あ〜〜ん」

 

ブレスレットにとんでもないことを吹き込んで俺は慌ててアリアの方に顔を向けたが時すでに遅し。アリアが再び卵焼きを箸で持ち上げて俺の口元まで持ってくる。俺は抵抗して顔を反対に使用とするが全く言うことを聞かず、口を閉じることすらもできない。

 

「ぐぅぅ・・・い、言うこときかない〜〜・・・・・」

 

「あんまり抵抗しない方が身のためだよ。何だったらもっと素直にさせてあげてもいいわよ。女の子の心を入れてあげることもしてあげるよ」

 

「ぐぅぅ・・・・・や、やめろ。分かった、分かったから・・・・・」

 

「ちゃんと『あ〜〜ん』って言うんだよ」

 

「わ、分かったから・・・・あ、あ〜〜ん・・・・」

 

何とかして首を回そうとするが言うことが聞かず、これ以上やったら首の骨が折れそうな上にアリアに脅しをかけられたので、仕方なく口を開けて「あ〜ん」と言った。アリアは俺の口に卵焼きを入れ、それを噛みしめる。

 

「どう?おいしい?」

 

「・・・・・うまい」

 

「きゃあ〜ツンデレ〜〜!!」

 

「(何がツンデレだよ(汗)ツンデレ要素一つもねぇじゃえか・・・)」

 

全くアリアに付いていけねぇ・・・・(汗)休憩しているはずなのに疲れが溜まっていく・・・俺が半分食べた卵焼きの残りはアリアの口に入っていき、アリアはどのおかずを取ろうか迷っている。

 

「じゃあ次はどれが欲しい〜〜?」

 

「何でもいい・・・・とりあえず休ませてくれよ・・・」

 

「素直じゃな〜い!!」

 

「心から素直な事を言いました、大真面目で・・・・・・分かりました、分かりましたからそんな怖い目をしないでください」

 

「次言ったらお仕置き増やすわよ」

 

「ハイ・・・・・ご飯が欲しいです」

 

「ご飯ね。はい、あ〜〜ん」

 

「・・・・ハァ、あ〜〜ん・・・・・」

 

何で俺、精霊世界に来て変な女装させられて森の中で敵対している奴と一緒にご飯を食べているんだろう・・・・・・

そんな事を思いつつも、結局アリアに逆らうことができずに2人で弁当を完食、もうしばらく休憩時間が続くのでそのまま川の側まで歩く。パールにはカードから出てもらい、予備の水を組んでもらう。

 

「フゥ・・・・・疲れたよ。弁当一つ食うのにこんなに体力使ったの初めてだ」

 

『大丈夫ですか?』

 

「そう思うなら助けてくれよ・・・・・」

 

『無理ですね・・・・・このブレスレットの魔力は相当な物です』

 

「何コソコソ話をしているのよ。変なことするなら君の精霊の魔力も封じるわよ?」

 

「こんな状態で変なことなんかできるか。ただの世間話じゃ」

 

川の側で腰を下ろしたところでカードに戻っていたダイヤが現れて俺の隣で同じく座る。後ろで荷物を整理していたアリアには怪しい様子だったらしいけど正直能力を封じられて、両手を拘束されたら何もできやしない。

一方でダイヤは俺の右腕につけてあるあのブレスレットを興味深くみている。ダイヤ曰く、「相当高等なブレスレットで滅多に手に入らない品物」らしい。

 

『それにしても不思議ですね・・・・先ほどの魔力倹約術のノートといい、ブレスレットといい、箒といい、本当に貴重な魔力道具ばかりです。一体どこで手に入れたのか・・・・』

 

「人間の俺が知るかよ・・・・にしても下半身違和感しかねぇ・・・・早い所元の服に戻りたい」

 

『そんな事ないよマスター!』

 

パチッ!!パチッ!!

 

服、主に下半身の違和感をぶつぶつと愚痴っぽく言うといつのまにか正面にいたパールが持参しているケータイで俺は撮っていた。

 

「写真を撮るなパール!!!」

 

『だってぇ〜〜、こういうマスターあんまり見られないじゃん!』

 

「こらああ!!!!」

 

「何してるのよ!!そっち行ったら服濡れるわよ!!『止まりなさい!!』」

 

ギギギギ!!!!!!!

 

「わあわあわあわあ!!!!」

 

バシャーーーーン!!!!!!!

 

「あああああ!!!!!私の服が!!!」

 

パールを捕まえようと川の方に走っていこうとしたから突然足が止まってしまい、前に傾いたバランスが崩れてしまう。そのまま前に倒れてしまい川の中に転けてしまった。

 

「ゴホッ!!ゴホッ!!」

 

『あ〜〜あ・・・・』

 

『ずぶ濡れですね・・・・』

 

「・・・・遊輝ちゃあああああん!?!?!?」

 

「じ、事故!!事故だって!!!急に止まっても止まれねぇよ!!手を拘束されてバランス取れないし!!!」

 

「うるさい!!!!私の服の責任取ってもらうわよ!!『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんのところに来る』」

 

「えっ!?」

 

服が台無しにされて怒っているアリアが大声でブレスレットにそう吹き込んで、俺の身体はアリアのところに強制的に行くことになる。

 

「さぁ遊輝ちゃん・・・・・私の服の罪は大きいわよ〜〜」

 

「えっ?ちょっ?ア、アリアさん・・・・・(汗)」

 

「『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんに土下座する』」

 

「えっ!?わっ!?」

 

またしても身体が動いて勝手に正座をして頭を地面につけてしまう。その勢いでアタマが地面にぶつかってしまって、痛みが発生する。

 

「い、いてててて・・・・」

 

「さあ言いなさい!!『アリアさんの大切なお洋服を濡らしてしまい申し訳ありませんでした!言うことを聞かなかった悪い魔法少女にお仕置きをお願いします』って!」

 

「だ、誰がそんな事言うか!!!あれは事故だ!!」

 

「そう・・・・だったらブレスレットに絶対忠誠の言葉を吹きかけるわよ。次いでだから乙女心も入れてあげようかしら?」

 

「やめろおおお!!!

 

「だったらさっきの言葉を言いなさい!!さもなければ・・・」

 

「ぐうぅ・・・・ア、アリアさんの大切なお洋服を濡らしてしまい申し訳ありませんでした・・・・・言うことを聞かなかった悪い魔法少女にお仕置きをお願いします」

 

「よろしい、まずは忠誠の誓いとして、残り半日はこれを付けてもらうわよ」

 

アリアは土下座して頭を下げている俺の首元まで近づいて、何やらカチャカチャと言う音を立てる。その後、俺の首に何かが巻かれて「ガチャン」という音が聞こえてきた。少し時間が経った後で一旦俺の元から離れる。

 

「『顔を上げてよし』」

 

「・・・・・何だこれって言いたいけど嫌な物を付けやがったな」

 

顔を上げてアリアの右手に紐が握りしめてあり、その紐の元を辿っていくと俺の首にたどり着く。首の正面には金色の鈴が目に見える。首に巻かれる、ガチャンという音で大体察したがアリアは俺の首に首輪を巻きつけた。

 

「気分はどう?」

 

「最悪に決まってるだろ・・・女装させられて服ずぶ濡れのままで首輪巻き付けられて・・・」

 

「今日の残り半日、遊輝ちゃんは私のペットね。ペットに首輪を付けるのは当たり前でしょ?」

 

「ぺ、ペット?」

 

アリアから言われた予想外の一言に俺はキョトンとしてしまった。だってほら・・・・もうこうなる前々からペットみたいな扱い受けていたし(汗)

 

「遊輝ちゃんは子猫が似合うからこれを付けましょうね♪」

 

そう言ってアリアはカバンの中から(今思えばあいつのカバンって四次○ポケットだな・・・・)猫耳と腰回りで巻く猫の尻尾・さらには猫の手と猫の足というコスプレグッズを取り出して、俺の頭に猫耳のカチューシャをはめて、腰回りを巻いて猫の尻尾を付けられた。縛られている俺の両手に付けてあったシルクの白い手袋がとられて代わりに猫の手を、靴を脱がれて代わりに猫の足を付けられた。

 

「ここから遊輝ちゃんは語尾にニャ〜って付けなきゃダメだよ♪『魔法少女遊輝ちゃんは語尾にニャ〜って言う』」

 

「・・・・滅茶苦茶だニャ〜」

 

「似合う似合う!!これから遊輝ちゃん、猫として生きたら?」

 

「絶対に嫌だ!!!・・・・・ニャ〜」

 

『・・・・お兄さんお兄さん』

 

『どうした、パール』

 

『あの2人って実は結構相性が良かったりするのかな?』

 

『・・・・・そうかもしれない』

 

「ほら魔法少女遊輝ちゃん!!お散歩行くよ!」

 

「お散歩って言うニャ〜・・・・」

 

首輪に紐を付けられて、その紐はアリアの右手に収まって、アリアは森の中に入って行く。そのままじっとしておくと俺の首が絞まってしまうので仕方なく俺はアリアの後ろをついて行くことになった。

 

 

〜〜(1時間後)〜〜

 

 

「よし、それじゃ出発しますか」

 

「も、もうすでに疲れた、ニャ〜・・・」

 

出発と言って荷物をまとめて箒を持つアリアに対して俺はすでに今日一日分の体力を使い果たしたような感覚でうつ伏せにゴロンとなる。歩きすぎだろ・・・・森の深くまで入って、川のほとりまで往復させられて・・・・

 

「パンツ見えているよ、遊輝ちゃん」

 

「言うニャ!!!!!」

 

「そんな体勢で寝るからだよ。また服汚すし・・・」

 

「つ、疲れんだニャ〜・・・・」

 

「もう、情けないわね。そんなんじゃ本当に男の子じゃないわよ」

 

あんだけ命令されてしかもこんな拘束状態の上に歩きにくい猫の足なんか履かされたら誰だって体力もぎ取られるわ・・・・

 

「もう、とりあえず靴と手袋は乾いたから靴だけは返してあげるわ」

 

アリアが履かされた猫の足を取って、半乾きの俺の靴を履かせ、前に回り猫の手を外してこれまた半乾きの手袋をはめられる。

 

「ほらっ!箒持って!行くわよ魔法少女遊輝ちゃん!」

 

「そ、その魔法少女って言うのやめてくれないかニャ〜・・・」

 

「絶対にやめない。行くわよ!」

 

「ひ、人使いが荒いんだから、ニャ〜・・・・」

 

アリアが箒に跨いで飛び上がり、俺も自分自身の霊力を高めて箒に跨いで飛び上がる。そのままアリアと並んで目的地に出来るだけ近づけるようにスピードをだす。

 

 

〜〜(同日 夜)〜〜

 

 

辺りが暗くなる前に洞窟の洞穴らしき物を見つけ、1日目はここで野宿となる。両手の拘束は解いてもらい、首輪も外して能力も使えるようにはなったがアリアへの仕返しは出来ずじまい。おまけに頭の猫耳と腰回りの尻尾などの猫のコスプレグッズは外してくれなかった。とにかく、今日はここで1泊するので近くにあった枯れ木や枯葉などをたくさん集めて、俺の能力を使い、火をつけて焚き火をする。晩飯は真空パックに詰め込んで置いた昨日作った料理を開封する。食べるときは邪魔なので手袋を外して、焚き火の上に鍋を置いてその中に昼間に組んで置いた水を入れて沸騰させる。真空パックを鍋の中に入れてしばらくの間温め、フォークを使って取り出し、パックを開けて食べる。

 

「いや〜、やっぱり遊輝ちゃんの角煮は何度食べても美味しいよ!」

 

「お前も変わった奴だよニャ〜・・・・角煮が好きな女性なんか聞いたことねぇニャ〜」

 

俺は真空パックから煮込みハンバーグと温野菜を紙皿の上に出して食べたけど、アリアは相変わらず角煮一択だ。

 

「角煮があればご飯何杯でもいけるよ!」

 

「お前の場合は個食すぎニャ〜・・・・野菜も食えよ、野菜も」

 

「うるさいわね!!私の食事は私の自由なのよ!!猫に言われたくないよ!」

 

「お前がこうしたんだろうニャ〜!!!!」

 

誰のせいでこんな語尾を付けられていると思ってるんだよ!!直ったと思ったけど身体がまだ勝手に反応してしまうんだよ!!

 

「もちろん私のブレスレットの魔力はまだ続いているからね。私がここに吹き込まない限り遊輝ちゃんは一生その語尾のままだけら♪」

 

「ぐぅぅ・・・・・」

 

「まぁでもやめさしてあげても構わないかな・・・・」

 

「!?ほ、本当ニャ!?」

 

「どうしようかな〜〜?」

 

「お、お願いします!!直してくださいニャ!」

 

何としてでもこの語尾を直してもらうようにアリアに頭を下げる。アリアはこれを見てニヤっとしていたが俺には見えてなかった。

 

「そんなにやめてほしいなら誠意を見せてほしいな〜」

 

「見せます!見せますニャ〜!」

 

「じゃあ今日一緒に寝よう♪」

 

「・・・・・・・ニャッ?」

 

アリアから言われた予想外すぎる一言に俺はつい「ハッ」って言って顔をあげ、キョトンとした。アリアの顔はニヤニヤとしている。

 

「・・・・え〜と、もう一回言ってもらえますニャ?(汗)」

 

「聞き分けの悪い魔法少女ね。今日一緒に寝よう♪」

 

「・・・・何でニャ?(汗)」

 

「いいじゃない♪アリアさんの気分なんだから♪」

 

「・・・・・・・・・・」

 

もう突っ込まんぞ・・・・(汗)一瞬、「俺は彼女がいるんだぞ!!」ってツッコミたかったけど、何があっても絶対に突っ込まんぞ(汗)。突っ込んだら負けのような気がしてきた・・・・(汗)

 

「あっ、そうそう、今日来た服は返してもらうわよ。明日は別の魔法少女の服を着てもらうから♪」

 

「・・・・いや、それだったら俺今日着る意味なかったニャ〜〜!!!!!」

 

「はい、君が突っ込んだからアリアさんの勝ちね♪」

 

「何で人の心を読んでるんだニャ〜〜〜!!!!」

 

大声を出して盛大に突っ込んだがアリアには読めていたらしく、すぐに笑顔でそう返してきた。何で俺の周りには人の心を勝手に読める奴ばっかりなんだよ!!!

 

「それは君の顔が凄く表情に出やすいからだよ」

 

「だから人の心を勝手に読むニャ〜〜!!!」

 

この後、家から持ってきたタオルを使って組んだ水を含ませて身体を軽く洗って寝巻きに着替えて、寝袋を取り出す。アリアも洞穴の奥の方で寝巻きに着替えた。猫のコスプレグッズと猫の語尾を言わなきゃいけない魔法は一緒に寝るという条件を飲んだので、解放してくれた。すでに焚き火の火は消して、あとは寝袋の横にあるランプを消せばこの辺りは一気に真っ暗になる。

 

「ハァ・・・・」

 

「じゃあ遊輝ちゃん♪寝よう」

 

「・・・・一応、聞いておくけど、お前明日以降の自分の寝袋の分は?」

 

「無い♪」

 

うん、知ってた。何となくだけどそんな事言いそうな気配がしていたよ。

 

「ああもう、明日以降はこれ使え。俺は地面で寝る」

 

「何言ってるのよ。明日以降も一緒に寝るんだよ。『魔法少女遊輝ちゃんは今日・明日・明後日アリアさんと一緒に寝る』」

 

「・・・・・それズルくね?」

 

アリアがブレスレットにそう吹き込んで、俺の身体は自分の意思とは反して勝手にアリアが先に入った寝袋の中に入る。思わず呟いてしまったがもう遅い。俺が寝袋に入ったところでアリアはランプを消してファスナーを閉じてしまう。辺りは真っ暗になるが寝袋が一人用なのでお互いの身体や顔が密接になるため、顔だけはしっかりと見える。アリアは寝袋の中で俺の身体を抱き枕のように身体全体で抱きしめる。

 

「あったか〜い!遊輝ちゃんのシグナーの能力のおかげで身体ポッカポカ♪」

 

「俺は湯たんぽかよ・・・・」

 

「外は冬で寒いんだし、これくらいして暖を取らないと♪」

 

「ハァ・・・・・もういいや。寝よう」

 

もう何をされても抵抗できないので今日一日のことを忘れようと俺は目を閉じた。

 

 

〜〜(3日後)〜〜

 

 

「あとどのくらいだ!?」

 

「10分くらいよ!」

 

あれから3日後・・・・・

アリアに振り回されながら何とかグリモワールの街までアリアの目測であと10分くらいの距離まで来ることが出来た。アリアとは横に並走しながら飛んでいる。

今日も今日とてアリアの服を無理矢理着せられている(『この素晴らしい世界に祝福を』のめぐみんの服の色違い。アリアは黄色、遊輝は赤)。というかこのブレスレットのせいで反抗すらできない。

 

「にしてもこのマント何とかならんのか!?飛びづらくてやりづらいんだけど!?」

 

「私の服にケチをつけないでよね!あんたの小さいサイズの服を探すのに苦労しているんだから!」

 

「小さいとか言うな!!」

 

こんな感じで飛んでいるときはお互いにヤジの飛ばし合いだ。全く・・・・よくここまで来れたもんだよ。

 

「見えてきたわよ!!」

 

「・・・・あれか・・・確かに外壁に覆われて変なバリアを張ってるな」

 

アリアが指を指す先には大きな円形状に作られた外壁が見えて、その外壁の上にはドーム状に貼られた緑色のバリアらしきものが貼られてあり、そのバリアからは中を見ることはできない。

 

「まずは門を探すわよ!」

 

「分かった!」

 

まずは外の世界とグリモワールを繋ぐ門を探すため、俺とアリアはここで別れる。アリアは左側を、俺は右側を壁沿いに飛んでいく。

 

「・・・・全く見当たらんな。まさか外の世界と関係を絶ったというはずはないし・・・」

 

『マスター、あそこの壁だけ微妙に膨れ上がってます』

 

「うん?あれ?・・・・・普通だったら通過していたところだぞ、こいつを使って連絡するか」

 

上空を飛んでいるとダイヤが見つけた外壁の微妙な膨らみ、他に怪しい所も見当たらないのでとりあえずブレスレットを使ってアリアに連絡する。場所は・・・・そろそろこっちに来そうだな。ブレスレットの赤の輝く部分を押す。

 

『?もしも〜し!』

 

「見つけた。場所は分かるんだろう?」

 

『・・・なるほど、もう直ぐ着くわ』

 

ブレスレットで場所を把握したアリアは通信を切る。数十秒後、アリアはやって来てとりあえず作戦会議のため門の正面が見える森の茂みに隠れる。

 

「私が見て回った限り門らしき物は見当たらないし、どうやらあれが唯一の正門ね・・・・」

 

「見張りは・・・・いない?」

 

「いや、見張りを付けてないみたいね。あれ見て」

 

アリアが門の上の方を指す。そこには謎の魔法陣みたいな模様が彫られてある。

 

「あそこが恐らく防犯カメラみたいなシステムをしているんでしょうね」

 

「おいおい・・・・あんな所にあったら侵入は難しいんじゃねぇか?」

 

「分からないわね・・・・でも確かあの魔法陣なら・・・・いけるかも」

 

「ハッ?どうやって?」

 

「私の記憶が正しければ、という話だけどあの魔法陣は恐らく・・・・」

 

「お、おいアリア?」

 

「付いてきて、私の予想が当たれば恐らく攻撃はしてこないわ」

 

そう言ってアリアはカバンの中からデュエルディスクを取り出して茂みから立ち、門の前に移動する。堂々と歩いて門の前に立つと上にあった魔法陣が赤く輝いた。

 

「言わんこっちゃない・・・・魔法陣が反応したぞ」

 

「大丈夫よ」

 

「(何が大丈夫なんだよ・・・・・)」

 

魔法陣が赤く輝いて俺たちの前にソリッドビジョンのような技術で人が現れる。その人は緑色のフードを被り、顔は見えないが服は緑色の魔法使いのようなローブの服を着ていて、左手には杖を持っている。

 

「何だあれ?」

 

「あれが門番代わりよ。この門、そこらへんの凡人では分からないようにして、こうやって分かった人に対して投影技術で門番が現れるのよ」

 

「ふ〜ん、で、どうするんだ?」

 

「もちろんこれよ。勝ったら入れるわ」

 

「おいおい、勝って入れることは出来るかもしれないけど、向こう側は街に入ってきたこっちを警戒するぞ。こういうのって敵側は監視するんだろ?」

 

「心配しなくていいわ。その対策はデュエル後よ、まずはこのデュエルね」

 

アリアはデュエルディスクを起動させる。相手も左手を突き出して、杖が光る。魔法使いの前には5枚の石板が空から降ってくる。

 

「いくわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」




遊輝「////なんで毎回毎回こうなるんだニャ〜・・・・」←このすばのめぐみんの服&猫のコスプレ

アリア「私のいうことを聞かないからだよ」←同じく

遊輝「ハァ・・・・・早い所この章終わって欲しいニャ〜・・・・」

アリア「私的には今の魔法少女遊輝ちゃんは面白いからずっと続けてもいいけど」

遊輝「嫌だ、ニャ〜・・・・・」

アリア「じゃあ次からはグリモワールに潜入するわよ!『魔法少女遊輝ちゃん、締めの挨拶を言いなさい』」

遊輝「ぐうぅ・・・・ここまで読んでありがとうございましたニャ〜〜・・・・」


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第130話 潜入 閉鎖された魔法都市

Q,この質問いつまで続けるの?
A,楽しくなったから4.5章が終わるまで。それ以降は絶対にしない。

Q,投稿ペース早くない?
A,軽く現実逃避+土曜日から12連休だから

Q,アリアさんのイメージは?
A,性格は漫画版榊遊矢+自由奔放、イメージで近いのは「とある科学の超電磁砲」の主人公の一人、佐天涙子、髪を透き通った青の髪と水色の目に変更。



アリア「というわけで最強カードの紹介〜〜!!」←前の後書きと同じ衣装

遊輝「・・・・何でお前が仕切ってるの?」←上に同じく、猫のコスプレは外れた

アリア「作者に『仕切ってもいいよ!』って言われたから快く引き受けた!」

遊輝「アーハイソウデスカ」

アリア「何その棒読み」

遊輝「どうでも良いから早く終わってこの服から着替えたい・・・・」

アリア「・・・私の持っている服以外着れないようにしてあげてもいいわよ?」

遊輝「すみませんでした!」←土下座

アリア「というわけで最強カードの紹介〜〜。と行ってもデュエルはオマケ程度だから大したことないけど」

遊輝「門番相手に苦戦したらその先困るって・・・・今回はマジェスペクター・ユニコーン。1ヶ月前の改定でとうとう制限に掛けられたマジェスペクターの切り札だぜ」

アリア「切り札って言うけどマジェスペクターに入っていないデッキもあるわよ。効果は自分のPモンスターと相手のモンスター1体を強制脱出装置!相手ターンにも使えるし自身を対象にしても使えるよ!」

遊輝「そしてマジェスペクターの特徴である相手のカード効果の対象にならず、破壊されない。そもそもの問題でこいつを除去すること自体難しいのに、こんな耐性があるせいでこいつはさらに強いぜ」

アリア「サーチカード豊富なマジェスペクターだから1枚になっても苦労は感じないわ。と言うわけで二人でセリフ言うわよ!」

遊輝「お前一人で良いじゃねぇかよ・・・・ハァ、まぁいっか」

「「第130話、デュエルスタート!」」



遊輝 side

 

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

アリア LP 4000 門番 LP 4000

 

「先行はもらうわよ!私のターン!」

 

アリア 手札 6枚

 

鎖国状態の魔法都市、グリモワールに潜入するため、その第一関門の門番のデュエルが始まる。アリアのデッキはたくさんあるが基本的にポテンシャルが高いデッキだから大丈夫だと思うんだがな。

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!フィールド魔法のマジェスティックPを持ってきて、そのまま発動!私の場の《マジェスペクター》モンスターの攻撃力と守備力は300ポイントアップする!」

 

辺り一帯が外壁と森の空間から緑色の空間に変わっていく。【マジェスペクター】か・・・・手札が良かったら完封ゲームだな。

 

「マジェスペクター・キャットを召喚!」

 

マジェスペクター・キャット 攻100→400

 

「マジェスペクター・キャットの効果発動!このカードを召喚・特殊召喚したターンのエンドフェイズにデッキから《マジェスペクター》カード1枚をサーチする!さらにフィールド魔法、マジェスティックPの効果発動!自分フィールドの風属性・魔法使い族モンスターを1体リリースして、デッキからレベル4以下の《マジェスペクター》モンスター1体を特殊召喚する!マジェスペクター・フォックスを守備表示で特殊召喚!」

 

マジェスペクター・フォックス 守1000→1300

 

「マジェスペクター・フォックスの効果発動!召喚・特殊召喚成功時にデッキから《マジェスペクター》罠カードを1枚サーチする!マジェスペクター・テンペストを加えるわよ!さらにライフを2000を払って魔法カード、同胞の絆を発動!」

 

アリア LP 4000→2000

 

「(あ〜、これ終わったくせぇ(汗))」

 

「自分フィールドのモンスター1体を選択して、そのモンスターと同じレベル・種族・属性の名前が違うモンスターを2種類、合計2枚特殊召喚する!マジェスペクター・クロウとマジェスペクター・フロッグをそれぞれ守備表示で特殊召喚!」

 

マジェスペクター・クロウ 守1500→1800

マジェスペクター・フロッグ 守500→800

 

「チェーン1、マジェスペクター・クロウ、チェーン2、マジェスペクター・フロッグで効果発動!マジェスペクター・フロッグの効果でデッキから《マジェスペクター》魔法・罠カードを1枚デッキからフィールドにセットする!マジェスペクター・スーパーセルをセット!さらにマジェスペクター・クロウの効果でデッキから《マジェスペクター》魔法カードを1枚サーチする!マジェスペクター・ソニックを手札に!」

 

相変わらず回ったときの【マジェスペクター】って手札が減らないよな・・・・パーミッションのデッキにサーチを付けたらダメだって(汗)

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、キャットの効果でデッキからマジェスペクター・ラクーンを手札に加える!」

 

 

アリア 手札 4枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

マジェスペクター・フォックス 守1300

マジェスペクター・クロウ 守1800

マジェスペクター・フロッグ 守800

【魔法・罠ゾーン】

マジェスティックP (フィールド)

伏せカード 3枚

 

 

「我のターン・・・・・」

 

門番 手札 6枚

 

門番が自分のターンを宣言すると空から1枚の石板が降ってくる。アニメのジャックの時もそうだけどさ・・・・何でカードが巨大な石板になって、しかもそれが空から降ってくるのよ(汗)

 

「我は魔法カード、グリモの魔導書。デッキからグリモの魔導書以外の《魔導書》カードを手札に加える。我は魔導書士 バテルを加えてそのまま召喚」

 

魔導書士 バテル 攻500

 

「バテルの効果発動。召喚時にデッキから《魔導書》魔法カードを手札に加える」

 

「カウンター罠、マジェスペクター・テンペスト!自分フィールドの風属性・魔法使い族モンスター1体をリリースして、効果モンスターの効果を無効にして破壊する!マジェスペクター・フォックスをリリースして、魔導書士 バテルを破壊!」

 

フィールドにいたフォックスが上空の雲によって発生した暴風雨の中心に駆け上がり、バテルに向かって暴風雨ごと突進する。暴風雨に巻き込まれたバテルはそのまま上空彼方へと飛んでいってしまった。

 

「我は手札から魔導書院ラメイソン・トーラの魔導書・セフェルの魔導書、以上3枚の魔導書を見せて魔導法士ジュノンを特殊召喚」

 

魔導法士ジュノン 攻2500

 

相手が3枚の石板のカードを反転させてアリアに見せる。そして、相手の見せてない石板のうち1枚が白く輝いて、魔導法士ジュノンが姿を現わす。

 

「(・・・・・・ジュノンの目ってあんな死んだ魚のような目をしていたか?オマケに髪の色も服も違うし)」

 

俺の知っているジュノンは髪の色がピンク色なんだが、門番が出したジュノンは髪は紫色に変わり、服も白を基調とした服から黒のマント見たいな物で身体を覆っており、何よりも目に正気がない。

 

「魔法カード、セフェルの魔導書。自分フィールドに魔法使い族モンスターがいる場合、手札の他の《魔導書》を見せることで、墓地の《魔道書》と同じ効果を得る。我はトーラの魔導書を見せて、墓地のグリモの魔道書を選択。この効果により我はデッキからヒュグロの魔道書を手札に加える。そのままヒュグロの魔道書を発動、魔導法士ジュノンの攻撃力は1000ポイントアップする」

魔導法士ジュノン 攻2500→3500

 

「さらに魔導法士ジュノンの効果。墓地のセフェルの魔導書をゲームから除外して、お前の伏せてあるマジェスペクター・スーパーセルを破壊する」

 

ジュノンがマントから左手を出して、隠し持っていた杖をアリアの伏せカードに向けられて、そこから電気の魔法が放たれてマジェスペクター・スーパーセルを破壊した。

 

「バトルに入る。我は魔導法士ジュノンでマジェスペクター・クロウに攻撃」

 

「(・・・・どうせ破壊されるなら使わせるか)リバースカードオープン!速攻魔法、マジェスペクター・サイクロン!自分フィールドの風属性・魔法使い族モンスター1体をリリースして、相手フィールドのモンスター1体を破壊する!マジェスペクター・クロウをリリース!」

 

「手札から速攻魔法、トーラの魔導書。我は魔導法士ジュノンを選択して魔法カードを選択。このターン、我が選択した魔法使い族モンスターは我が選択したカードの効果を受けない」

 

マジェスペクター・クロウがジュノンの攻撃を受ける前に下からサイクロンが現れて、その風に乗ったクロウがジュノンに向かって突進したが、ジュノンの下から魔法陣が現れて、ジュノンはその魔法陣によってサイクロンから免れた。

 

「モンスターが変わったことで攻撃対象を変更する。魔導法士ジュノンでマジェスペクター・フロッグを攻撃!」

 

ジュノンの右手から黒く満ちたエネルギーが溜められて、フロッグに向かって放たれる。フロッグは何もせずにその攻撃を受けて破壊されてしまう。

 

「この瞬間、ヒュグロの魔道書の効果発動。

この効果を受けたモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、デッキから《魔導書》魔法カードを手札に加える。グリモの魔導書を手札に加え、バトルフェイズは終了する。フィールド魔法、魔導書院ラメイソンを発動。新たなフィールド魔法が貼られたため、お前のフィールド魔法は破壊される」

 

俺たちの周りを覆っていた緑色の空間にヒビが入って、そこからピキピキと音がして空間が破壊される。代わりに出てきたのは真ん中に大きな塔みたいな建物がそびえ立つ巨大な都市だ。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに魔導法士ジュノンの攻撃力は元に戻る」

 

門番 手札 1枚(グリモ) LP 4000

【モンスターゾーン】

魔導法士ジュノン 攻3500→2500

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 5枚

 

「(・・・良いカードよ!)レフト・Pゾーンにスケール7のエキセントリック・デーモンをセット!」

 

「?」

 

レフトPゾーン?ああそう言えば漫画版は右と左って言っていたな・・・・俺も次からそうしようかな?色で言うのテンポ悪いし・・・一方、聞きなれない単語を聞いた相手は首を少し傾げた。

 

「そしてエキセントリックデーモンのペンデュラム効果!このカードとフィールドの魔法・罠カード1枚を選択して破壊する!私が選択するのはその伏せカードよ!」

 

Pゾーンにセットされていたエキセントリック・デーモンが相手の伏せカードを超念力で自分のところに吸い込んで、そのまま爆発した。伏せたカードは・・・ゲーテか、これまた厄介なカードだな。

 

「次にレフト・Pゾーンにスケール2のマジェスペクター・キャット!ライト・Pゾーンにスケール5の竜剣士ラスターPをセッティング!竜剣士ラスターPのペンデュラム効果!もう片方のPゾーンのカードを破壊してデッキから同名ペンデュラムモンスターをサーチする!」

 

PゾーンにいたラスターPが反対側のPゾーンにいたマジェスペクター・キャットに近づいて、自身の剣で切りつける。マジェスペクター・キャットは破壊されたがその魂がアリアのデッキに移動して、アリアのデッキの束から1枚のカードが飛び出た。

 

「さっき手札に加えたマジェスペクター・キャットをレフト・Pゾーンにセッティング!これでレベル3と4のモンスターが同時に召喚可能!」

 

「???」

 

「Here we go!!It"s show time!!振れろ!輝きしペンデュラム!長き封印から目覚め私に栄光よ!ペンデュラム召喚!現れよ!私のモンスターたち!エクストラデッキからマジェスペクター・キャット!マジェスペクター・フォックス!マジェスペクター・クロウ!マジェスペクター・フロッグ!そして手札からマジェスペクター・ラクーン!」

 

再びセットされたキャットとラスターPの間の上空に円形の穴が開いてそこから5つの緑色の光が中から飛び出した。現れたのは前のターンに全滅したマジェスペクター達と手札に加えていたマジェスペクター・ラクーン、下級マジェスペクター軍団だ。一方、相手の方はと言うと何が起こったのか全く理解しておらず、少しあたふたし始めた。

 

「チェーン1、マジェスペクター・キャット、チェーン2、マジェスペクター・ラクーン、チェーン3、マジェスペクター・フォックス、チェーン4、マジェスペクター・クロウ、チェーン5、マジェスペクター・フロッグの順番で効果発動!フロッグの効果でデッキからマジェスペクター・トルネードをセット!クロウの効果でマジェスペクター・サイクロンを手札に!フォックスの効果でデッキからマジェスペクター・テンペストを手札に!ラクーンは特殊召喚時にデッキから《マジェスペクター》モンスターをサーチする!マジェスペクター・ユニコーンをサーチ!そしてマジェスペクター・キャットの効果でエンドフェイズに《マジェスペクター》カードを手札に加える!」

 

アリア 手札 1枚→4枚

 

やっぱりブン回った時の【マジェスペクター】は頭おかしいよな(汗)。パーミッション軍団なのに手札が一向に減らない。しかもラクーンで手札に加えたのはぶっ壊れカードだし・・・・

 

「フロッグをリリース!マジェスペクター・ユニコーンをアドバンス召喚!」

 

マジェスペクター・ユニコーン 攻2000

 

フロッグが消えて、そこからユニコーンから現れた。・・・・・カエルからペガサス(ユニコーン?どっちでもいいや)に変わるなんて何か嫌だな・・・・・

 

「マジェスペクター・ユニコーンの効果発動!自分フィールドのPモンスター1体と相手フィールドのモンスター1体を手札に戻す!私はクロウとジュノンを選択!」

 

ユニコーンを後ろ体重になって両方の前足を挙げながら遠吠えをする。クロウとジュノンを中心とした竜巻が巻き起こり、2体のモンスターは上空へと吹っ飛ばされて行った。にしてもクロウを戻すんだな・・・・ランク3の方が出したい奴でもあったのか?

 

「Lv3のラクーンとキャットでオーバーレイ!」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体の風属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!トーテムバード!」

 

トーテムバード 攻1900

 

ブラックホールにキャットとラクーンが吸い込まれていき、現れたのはくろいろのトーテムポールでその上に同じく黒色に染まったカラスみたいな鳥型のモンスターだ。

トーテムバードね・・・・・完全に積みに入ったな。

 

「バトル!全てのモンスターでダイレクトアタック!」

 

門番 LP 4000→0

 

 

WIN アリア LOS 門番

 

 

アリアがデュエルに勝利した後、門番の役割をしていた魔法使いの映像が消えて、門の上にあった魔法陣の色が失われる。そしてゴゴゴと地面が唸りをあげて、俺たちの目の前にある巨大な門はゆっくりと開いていった。

 

「これで入ることは出来るけど、マジで追って対策はどうするんだ?」

 

「これを付けてもらうわよ」

 

デュエルディスクをカバンに直したアリアはデュエルディスクの代わりに2つのバッジを取り出した。一つは自分自身の右胸にあるポケットに、もう一つは俺に近ついて俺の右胸のポケットに取り付けた。

 

「何だこれ?」

 

「簡単にいったら魔力版ジャミングシステム。これがあれば魔力による追跡はなくなるわ。あとはずっとフードを被って顔を見せないようにして」

 

「・・・・気持ち程度にしかならないと思うけどなぁ」

 

そう思いつつも、マントについてあるフードを被る。今回は三角帽子を被ってないので普通に被れる。

 

「じゃあ入るわよ」

 

「OK」

 

お互いにフードを被ったのを確認して急いで城壁の中へと入っていく。いよいよ、閉鎖しれた魔法の国へと侵入だ。

 

「中から見たバリアはこんな感じね・・・・」

 

「ふむ・・・・マジックミラーの原理を使っているのか?」

 

門の中に入り、とりあえず近くにあった小さな路地へと入る。外から見えたあの緑色のバリアは内側から顔を上げてみると、驚くことにバリアなんて存在しないと思わせるくらいに晴天の空が俺の目に映った。これなら中の住民たちに気づかれることは無さそうだな。

 

「まずは情報収集ね。今現在のこの町の情勢を知らないと何も始まらないわ。ここは一緒に行動しましょう」

 

「そうだな。何処に何があるか全く分からないし、まずはこの町の繁華街に行こうか。人が多いし、情勢も分かりやすい」

 

「そうね」

 

まずはこの町の地理的情報・情勢などを頭に叩き込む必要があるため、ここは別れずに共に行動することを決めた。その事を決めた俺たちは路地裏から出て、さらにフードを深く被り、町の中心的な場所へと目指す。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

この魔法都市、グリモワールは中心にカード化されている魔導書院ラメイソンを中心に円形状の町となっており、建物は石や土で作ったビル状の建物やコンクリート状の建物など、意外と近代的な建物が多い。しかし、それはラメイソンから半径100mぐらいのところで、その地域は俺たちの世界でいう政府関連施設を中心としたビジネスマン街みたいな物。人々が住む住宅エリアは一軒家や、2・3階建の建物などの低い建物が多く、周りは木々で覆われている。だけど・・・

「・・・・・それなりに活気がある、とはいえ」

 

「店の商品が少ないわね・・・・夕方頃だっていうのに、異常ね」

 

「ここが一番の繁華街のはずだろ・・・・」

 

「おかしいわね・・・・・前までならこの市場ももっと活気があったし、この町の人たちも和気藹々としていたけど」

 

「前?」

 

「私、一度この町に来ているのよ。もちろん外壁が作られる前だけど」

 

「ふ〜ん」

 

体感3〜4時間くらいかな・・・・町の中心部を回った俺とアリアは今は町の繁華街らしき場所にたどり着くことが出来て、そこにある市場を見て回っている。

しかし、景色が異様だ。まず、周りの木々に葉っぱがない。というか大木が枯れ果てている。そして市場の店自体の商品、特に食べ物に関してはかなり少ない。その他の日常雑貨やアリア曰くの魔法道具も少なく、経営が成り立つのか心配されるほど。この市場にいる人たちもあまり覇気というものを感じられず、話し声一つも聞こえてこない。そして何より・・・・・

 

「・・・・男の人を見かけないっていうのはいくら何でもおかしくないか?」

 

「そうね・・・・こういう市場なら男の人が店主っていうのがよくあることなんだけど」

 

不自然なくらいに男の人を見かけない。男の子なら母親に連れられて一緒に来ているという場面を何度か目にしたが、繁華街に来るまで、繁華街に来た後、いずれも男性というのをまだ目にしていない。

 

「これはかなりマズイ状態ね・・・・このままいけば下手したらこの町の住民たちは餓死するわ」

 

「あんな外壁を作って、食料を調達しないなんて自分で自分の首を絞めているもんだぜ・・・」

 

・・・・ガラガラ

 

「?何の音なの?」

 

ガラガラガラガラ!!!!

 

「マズイわ!!隠れないと!!」

 

「あんた達!!何突っ立っているのよ!!こっちに来なさい!!」

 

「えっ!?は、はい!!」

 

突然、後ろから何かが引きずる音が聞こえ、それを聞いた町の住民達は一斉に建物の中へと入っていく。俺とアリアも近くにいた商人のおばちゃんに連れられて近くの建物の中へと入っていった。

 

ガラガラガラガラガラガラ!!!!

 

「で、出たわよ・・・・」

 

「ん?・・・・!?!?!?ガ、ガイコツウゥゥ!?!?」

 

「あれは・・・・ワイトキングとワイト達!?」

 

建物の影に隠れてそっと外を見ると、ガイコツの軍団が町の繁華街を馬車に乗って走っていた。ガイコツ軍団は何かを探すようにキョロキョロと建物を注意深く見ている。

 

「何でアンデット族のモンスターがグリモワールに!?」

 

「(・・・この声、何処かで聞いたことが・・・)」

 

「ちょっと!?何でって聞いてるんだけど!?」

 

「えっ!?あ、ああ・・・・あのワイト達はこの町の外壁が完成した時と同時期にやって来たんだ・・・誰が何のために呼んだのかさっぱりで、週に2〜3回ああやってここにやって来ては誰かを捕まえてどこかにつれて行くんだよ・・・」

 

「どこって・・・・マズイでしょ」

 

「ガ、ガガガガ、ガイコツ・・・・(ブルブル)」

 

「こら遊輝ちゃん!!勇敢な魔法少女がガイコツを怖がってどうするのよ!!」

 

「こ、怖いもんは怖いんだよ!!」

 

「そんな事より今町の人が困ってるんだから魔法少女遊輝ちゃんの出番よ!」

 

「嫌だ!!アリアがいけ!!」

 

「上司に向かって命令する立場?私はさっきやったのよ。『魔法少女遊輝ちゃんは勇敢にガイコツに挑む』」

 

「ちょっ!?お前!?」

 

「さあ行きなさい魔法少女遊輝ちゃん!!箒さん!!頼んだよ!!」

 

「ちょ!?ま、待て!!ああああ!!!」

 

アリアがブレスレットで吹き込んで、俺の身体が外に向かおうとしていたところで、手にしていた箒が勝手に飛び上がり俺は建物の外に放り出されてしまい、さらに箒が勝手に止まったことで俺はお尻から地面に着地してしまい、お尻に痛みを感じる。さらに飛ばされた時に被っていたフードが外れ、顔が見える状態になってしまった。

 

「い、いたたたた・・・・」

 

「ケケケ・・・・ん?」

 

「おう〜〜!!!良い女じゃねぇか!!」

 

「(ブチッ!!)俺は男だああああ!!!!!!ボルケーンエルプティション!!!!」

・・・・バアアアアアアアン!!!!!!!!

 

女と言われて、ブチギレだ俺は怒りに身を任せてシークレットシグナーの能力をフル解放。俺の辺り一辺に巨大な火山の噴火口みたいな物を作り、俺の中心から火山が噴火するような爆発をする。その爆発に巻き込まれたガイコツの群衆は一気に骨まで灰になっていった。だが、馬車に乗ったガイコツの王だけが謎のバリアを張ってこの攻撃を耐えた。

 

「ケケケッ!?何てパワーだ!?この町にこんなパワーのある炎系の魔法少女なんていたか!?」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・・」

 

全ての怒りが噴出・・・・・したわけではないが、8割方を俺のシグナーの能力で噴出させて、ガイコツ軍団は全て灰になって、結局生き残ったのはあのガイコツの王だけだ。何故か周りの建物とか被害が全く無いのが気になるけど・・・・・

 

「ケケケケケケッ、こりゃあの方に献上すれば莫大な戦力アップだぜ。おまけに俺っ娘の可愛い魔法少女となると奴隷としても高く売れるぜ」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・だ、だから俺は(ツーツー)ん?何だよ?」

 

あの頭逝ってるガイコツ野郎に特大のサン・フレアをぶち込んでやろうと思ったら突然ブレスレットが光り出した。

 

「なんだアリア?」

 

『遊輝ちゃん!!何バカなことをしているのよ!!おかげで防御魔法をフルに使ってアリアさんの魔力が切れたじゃない!!』

 

「知るか!!俺のことを女とか言ってきたあいつらが悪い!!」

 

『後でお仕置きだからね!それよりもほら魔法少女遊輝ちゃん!!魔法少女っぽく、カッコよく敵を倒してよね!』

 

「クッソ〜・・・・アリアめ、後で覚えていろよ・・・・」

 

ブレスレットの通信が切れて、ツーツーという音がなる。俺はガイコツによる恐怖とアリアに対する怒りで脳内の意識は大分持っていかれているが、リュックサックからデュエルディスクを取り出してガイコツ軍団の王、ワイトキングに対峙する。ワイトキングも自身左腕を突き出して、デュエルディスクみたいな物が空間の物質が蓄積されて現れる。

 

「行くぞ!」

 

「ケケケケケケケッ!!!!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」




遊輝「ガ、ガガガガガイコツ・・・・・・・(ブルブル)」←魔法少女(このすば・めぐみんの赤)

アリア「たかがガイコツだよ。しかもアンデット族モンスターのマスコット的存在のワイト一族だし」←魔法少女(このすば・めぐみんの黄)

遊輝「それでも俺はダメなんだって!(ブルブル)」

アリア「・・・・ますます男の子か怪しいわね。料理出来るし、家事出来るし、裁縫なんかもちゃっかりマスターしちゃってるし、もう本当に魔法少女で良いんじゃない?オカルト嫌いな魔法少女ならそこら中にいっぱいいるから」

遊輝「嫌だ!!」

アリア「遊輝ちゃんは2択しかないんだから。オカルトを克服するか、克服せずに魔法少女遊輝ちゃんとなるか」

遊輝「第3の選択肢!逃げる!」←逃げた

アリア「・・・・・・『魔法少女遊輝ちゃんは逃げるのをやめて、アリアさんの所に戻る』」

ギギギギ!!!!

遊輝「わあわあわあ!?!?!?」

アリア「お仕置きはまた後でしよう。っていうことで次回もよろしくね♪」


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第131話 振り子の力を得た魔術師

【*凄くどうでもいいお知らせ・・・・アリアさんのペンデュラム召喚時の口上、一部のセリフが前の話で付けるの忘れてました。遊輝君がアニメ版遊矢君のセリフなので、アリアさんには漫画版遊矢君のセリフをお願いしました。良かったらまた見てください】



Q,魔術師の演出が色々と変わっているけど?
A,KCの技術が上がって、遊輝君が考えたのさ、KCって凄い会社だね。

Q,何でユーリ君のドラゴンを出なかったの?
A,オッドアイズフュージョンで呼べたけど、4体の龍を並べるのはもっと先でやりたいから。慧眼の魔術師が闇属性だったら簡単に出せるんだよ・・・何であいつ光なんだよ・・・



アリア「最強カードの紹介〜〜」

遊輝「///何で俺はこうなるんだよ・・・・」←アイマス・シンデレラガールズの「アクロス・ザ・スターズ」の衣装

アリア「前回の後書きで逃げるからだよ」

遊輝「///ゾンビとかお化けとか嫌なもんは嫌なんだよ!!」

アリア「そんな事言うから男の要素が消えていくのよ。今だってこのままステージに立てば立派なアイドルだよ」

遊輝「///アイドルなんかやりたくないわ!!」

アリア「遊輝ちゃん、女装モデルやっているのでしょ?アイドルぐらい出来るよ。どこかのアイドルゲームでも男の娘が女装していたアイドルしているし」

遊輝「///同じように扱うな!!」

アリア「今日の最強カードの紹介にいくよ!今回は調弦の魔術士!今度出るDIMENSION BOX、通称、次元箱に新規で収録されている魔術師だよ!」

遊輝「スケール8・闇属性・Lv4・チューナー・ペンデュラムモンスター、この時点でこのカードは素晴らしいのだけど、効果も凄いことになってるぞ。ペンデュラム効果はエクストラデッキの表側の《魔術師》Pモンスターの種類×100ポイントアップする」

アリア「正直、ペンデュラム効果はあんまり使わないかな?大体龍穴の魔術師がいるからね」

遊輝「そうだな・・・このカードの真の効果を発揮するのはモンスター効果の方だからな」

アリア「手札からペンデュラム召喚出来ない制約はあるものの、手札からペンデュラム召喚に成功した時、デッキからこのカード以外の好きな《魔術師》1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる!ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れたら除外されるけど、エクシーズ素材にすれば関係ないね」

遊輝「エクストラデッキに行けば賤竜の魔術師で回収して、またペンデュラム召喚で出せるぞ。正直、こいつ1体で無限の可能性が広がる。手札と場が凄く良ければ今のアニメの主人公4龍を1ターンで出すことすらこいつのおかげで出来るようになった」

アリア「あとはイグニスターPを魔術師で出せるようになったのも大きいよね・・・・じゃあ遊輝ちゃん、タイトルコールいくよ」

遊輝「またかよ・・・・ハァ」

「「第131話、デュエルスタート!」」


遊輝 side

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 ワイトキング LP 4000

 

「先行は貰う!俺のターン!」

 

遊輝 手札 6枚

 

グリモワールに潜入して3〜4時間くらいかけて偵察をしていたら、突然ガイコツの軍団が現れて、街を荒らそうとしていた。それを見かねたアリアは俺を囮にして(少なくとも俺にはそう見えた)、ガイコツ軍団の長とデュエルする羽目になった。出来る限り早く終わらせて、頭の中からガイコツのことをおさらばしたい・・・・

 

「(この手札だったら・・・・・まずは様子見だな)魔法カード、ペンデュラム・コール!手札の調律の魔術師を捨てて、デッキから【魔術師】ペンデュラムモンスターを2種類、計2枚手札に加える!」

 

「?ペンデュラムモンスター?」

 

「俺は慧眼の魔術師と調弦の魔術師を手札に加える!ガガガマジシャンを召喚!」

『ハアアアア!!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

俺の横にダイヤが鎖を振り回しながら現れる。そして直ぐに俺の隣に移動した。

 

『(マスター、大丈夫ですか?)』

 

「(んなわけねぇだろ・・・・本当なら逃げ出したいよ(ブルブル)」

 

『(・・・・・・・・そうですか(汗)』

 

本当なら俺、こんなデュエルを受けずにさっさと逃げ出したところだよ・・・なんでこんな目に(涙)

 

「ライト・Pゾーンにオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンをセッティング!カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、ライト・Pゾーンのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果発動!このカードを破壊して、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターを手札に加える!2枚目の慧眼の魔術師を加える!」

 

右側のペンデュラムゾーンにセットされていたオッPが自壊して、そのオッPの魂から1枚のカードへと生まれ変わりそれが俺の手札にくる。

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「ケケケケッ、私のターン」

 

ワイトキング 手札 6枚

 

「ケケケケッ、ワイトプリンセスを召喚」

 

ワイトプリンセス 攻1600

 

ガイコツ野郎の前の地面の一部の土が盛り上がり、その地面が穴が開いて少し薄い紫のネグリジェを着た小さなガイコツが現れた。

 

「(うげぇ・・・・吐きそう・・・・)」

 

「ワイトプリンセスの効果。召喚時にデッキからワイトプリンスを墓地に送る」

 

ワイトプリンセスの隣にワイトプリンスが現れて、ワイトプリンセスが骨の人形を渡すとそれを持ってワイトプリンスは嬉しそうに何処かに行った。

 

「ワイトプリンスが墓地に送られた時、さらに追加でデッキからワイトとワイト夫人を1体ずつ墓地に送る」

 

ワイトプリンスがお人形で遊んでいるところに慌ててワイト夫人とワイトが現れて、ワイトプリンスと一緒にガイコツの死体の山へと消えていく。

・・・・・お化けに興味なんて持ちたくないけど、お前らってワイトプリンスの下っ端なのか?

 

「さらに魔法カード、おろかな埋葬。私はさらにワイトプリンスを墓地に送る。ワイトプリンスの効果でさらにワイトとワイト夫人を墓地に送らせてもらう。ケケケケケケケケッ・・・・・・さっさと倒してお前みたいな可愛い魔法少女をあの方に奴隷として送りたいものだ」

 

「(ブチッ!!!)俺は男だああああ!!!!!」

 

「ケケケケッ、嘘をつくな。そんな格好をして男のはずがないだろう。墓地のワイトプリンスの効果発動!墓地のこのカードとワイト、ワイト夫人をゲームから除外してデッキから私自身、ワイトキングを特殊召喚する!」

 

ワイトキング 攻?

 

墓地にいたワイトプリンスがワイトとワイト夫人を連れてガイコツの山から一体のガイコツを取り出す。そのガイコツに3体の魂が転生、ガイコツが動き出してワイトキングが現れた。

 

「ケケケケケッ、私の攻撃力は墓地のワイトの数×1000ポイントアップする。私の墓地には墓地でカード名を「ワイト」として扱うワイト夫人、ワイトプリンス、そしてワイトの3体が存在する!よって攻撃力は3000!」

 

ワイトキング 攻?→3000

 

「(うげぇ・・・・・・・気色悪りぃ・・骨野郎が生き返るなや・・・・(汗)」

 

「しかし、このままでは貴様を倒すのには不十分だ。手札のワイトメアの効果発動!手札のこのカードを墓地に送り、除外されているワイト夫人を守備表示で特殊召喚する!」

 

ワイト夫人 守2200

 

チッ、面倒くせぇモンスター出しやがったな・・・・・

 

「ワイト夫人がいる限り、私の場のワイト夫人以外のLv3以下のアンデット族モンスターは戦闘で破壊されず、魔法・罠の効果も受けない!さらにワイトメアも墓地で「ワイト」として扱う!私自身の攻撃力もさらに1000ポイントアップだ!」

 

ワイトキング 攻3000→4000

 

「これで貴様は終わりだ!バトル!ワイトプリンセスでガガガマジシャンに攻撃!」

 

ワイトプリンセス 攻1600

ガガガマジシャン 攻1500

 

遊輝 LP4000→3900

 

「ぐうぅぅ!!!」

 

ワイトプリンセスがダイヤを攻撃して撃破、その攻撃の余波が俺にも襲ってくる。

そうか・・・・精霊世界はダメージが現実になるんだったな、アリアも攻撃する時には手を抜いてくれていたし、すっかり忘れていたぜ。

 

「終わりだ!私自身でダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!」

 

「無駄だ!!ワイト夫人の効果で「カウンター罠、攻撃の無力化!」何っ!?」

 

「ワイトキングの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

ワイトキングの攻撃は俺の前に現れた渦によって吸い込んでいき、全ての攻撃は無効になった。

 

「ぐっ・・・(何故ワイトプリンセスの時に使わなかった!?あの時に使えばモンスターを残せたはず!?まぁいい・・・)カードを2枚伏せてターンエンド」

 

ワイトキング 手札 1枚 LP4000

【モンスターゾーン】

ワイトプリンセス 攻1600

ワイトキング 攻4000

ワイト夫人 守2200

 

 

「ケケケケッ、延命したところで貴様の奴隷は確定だぜ)

 

「(・・・・・さっさと倒してあの骨野郎を灰にしてやる!!!)俺のターン!!」

遊輝 手札 4枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 3枚→6枚

ワイトキング 手札 1枚→4枚

 

「レフト・Pゾーン、ライト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師を2枚セッティング!」

 

俺の真横に雲の隙間から緑色の光がさして、上空から2体の慧眼の魔術師が舞い降りてくる。

 

「ケケケッ、さっきから貴様は何をしている?」

 

「物質の本質を見極める2体の魔術師よ!今ここでその力を発揮し、新たなる魔術師を創生せよ!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに【魔術師】か【EM】カードの場合、自身を破壊することでデッキからこのカード以外の【魔術師】PモンスターをPゾーンにセットする!俺はデッキからスケール8の龍穴の魔術師をライト・Pゾーンにセッティング!さらにもう1枚の慧眼の魔術師の効果でデッキからスケール2の賤竜の魔術師をレフト・Pゾーンにセッティング!」

 

2体の慧眼の魔術師が手にしている棒の先端にぶら下がっている火を灯すランプのようなものを光らせてる。そして光が消えると慧眼のような魔術師が消えて、変わりにそれぞれ別のモンスターにへと変わった。

 

「ケケケケッ?さっきから何をしている?」

 

「誰がお前みたいな気色悪い骨野郎に教えるか!龍を操りし寡黙な魔術師よ!龍脈の力を得て敵の妨害を捻じ伏せろ!龍穴の魔術師の効果発動!もう片方のPゾーンに【魔術師】カードの場合、手札のペンデュラムモンスターを1枚捨ててフィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する!」

 

「ケッ!?」

 

「手札の貴竜の魔術師を捨てて、左側の伏せカードを破壊!行け!ドラゴンズマジック!」

 

龍穴の魔術師が手にしている杖の先端にある輪の中に貴竜の魔術師が白い光の玉となって吸い込まれ、そのエネルギーが放たれてワイトキングの伏せカードを破壊した。

 

「ケケケケッ・・・私の奈落の落とし穴が!?」

 

「俺のPゾーンにスケール8の龍穴の魔術師とスケール2の賤竜の魔術師が存在する!これでLv3から7までのモンスターが同時に召喚可能!」

 

「ケッ!?何を言ってやがる!?モンスターの召喚は一度のはず!?」

 

「Ladies and gentlemen!!これから行うのは新たなる召喚方法です!!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

賤竜の魔術師と龍穴の魔術師の間に大きな振り子が現れて、その振り子が左右に大きく振られ、その描いた軌跡から大きな穴が上空に開いて、そこから4つの光が俺の場に現れた。

 

「まずは手札から!!調弦の魔術師!」

 

調弦の魔術師 攻0

 

「そしてエクストラデッキから2体の慧眼の魔術師!さらに雄々しくも美しく輝く二色のまなこ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

慧眼の魔術師 攻1500 ×2

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・オオオオオオ!!!!!!』

 

天空から舞い降りた4つの光、それぞれにモンスターへと変わっていき、最後に俺の後ろからオッPが姿を現して町全体に雄叫びをあげる。

 

「な、なんだ・・・何だこの召喚方法は!?それに何で破壊されたモンスターもこのフィールドに!?」

 

「美しい弦の音色を奏でる魔術師よ!調律した弦を奏で、仲間にさらなる英気を与えよ!調律の魔術師の効果発動!このカードが手札からペンデュラム召喚に成功した時、デッキからこのカード以外の【魔術師】ペンデュラムモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!龍脈の魔術師を特殊召喚!」

 

龍脈の魔術師 守900

 

調弦の魔術師が奏でた弦の音色によって、弦から出た音符が上空へと登っていき、雲の隙間から龍脈の魔術師が姿を現わす。

 

「ケッ!?い、一気に5体のモンスターを!?(そうかこのためにわざとモンスターを!)」

 

「この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れた場合、ゲームから除外されるけどこうすれば関係ねぇ!Lv4の慧眼の魔術師と龍脈の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! 超越の名を持つ龍よ!反逆の牙を持ち、世界に轟かせ!エクシーズ召喚!ランク4!降臨せよ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・・ギャアアアア!!!!』

 

慧眼の魔術師と龍脈の魔術師がブラックホールに吸い込まれていき、その中から翼を広げながら特徴的な牙を持ったダーク・リベリオンが姿を表す。

 

「ダーク・リベリオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、相手フィールドのモンスターの攻撃力を半分にして、その下がった数値分このカードの攻撃力はアップする!」

 

「ケッ!?しまった!!ワイト夫人ではモンスター効果から守れない!!」

 

「いけっ・・・トリーズン・ディスチャージ!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン OVR 2→0

 

ダーク・リベリオンの翼がさらに展開して、そこに紫色の電気みたいなエクシーズが溜められて、それがワイトキングに放たれる。その攻撃を受けたワイトキングは紫色の電気で拘束され、自身の攻撃力が下がり、ダーク・リベリオンの攻撃力はワイトキングからのパワーを吸収して上昇した。

 

ワイトキング 攻4000→2000

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500→4500

 

「わ、私の攻撃力が・・・・・」

 

「まだだ!墓地に眠る美しき魔術師よ!二色の眼を持つ竜に同調してさらなる飛躍を目指せ!墓地の貴竜の魔術師の効果発動!自分フィールドのLv5以上の《オッドアイズ》モンスターのレベルを3つ下げて、このカードを特殊召喚する!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ☆7→☆4

 

オッPの7つの星の内、3つの星が消えてその星から貴竜の魔術師が姿を現した。

 

「Lv4になったオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンにLv3の貴竜の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「同調の名を持つ龍よ!美しき翼を広げ、光の速さで加速せよ!シンクロ召喚!レベル7!輝け!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!!」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・(ピキッ!)グオオオオ!!!!!』

 

オッPと貴竜の魔術師が一つとなって一筋の光となり、その光に沿って巨大なドラゴンが空を掛ける。翼を広げたクリアウィングが天空へと舞って姿を表す。

 

「なっ・・・なっ・・・」

 

「まだだ!墓地に眠る幼い魔術師よ!今、その無限なる調律により未来の可能性を切り開け!調律の魔術師の効果発動!両方のPゾーンに《魔術師》カードが存在する場合、墓地からこのカードを特殊召喚する!」

 

調律の魔術師 攻400

 

墓地にいた調律の魔術師がPゾーンにいる2体の魔術師達から力を貰い、元気よく飛び出した。

 

「このカードが特殊召喚した場合、俺は400ポイントのダメージを受け、お前は400ポイントライフが回復する!ぐうぅ・・・・」

 

調律の魔術師が出たことにより、俺の身体からエネルギーが吸い取られ、そのエネルギーは相手のガイコツ野郎に吸収される。

 

遊輝 LP 3900→3500

ワイトキング LP4000→4400

 

「いくぞ調律の魔術師!クリアウィング!Lv7のクリアウィングにLv1の調律の魔術師をチューニング!」

☆7 + ☆1 = ☆8

 

調律の魔術師が自身の持っている杖みたいな物で自身を緑色の輪にして、その中にクリアウィングが入ると、再び一筋の光が駆け巡る。

 

「同調の名を持つ龍よ!今、翼に神聖なる光を煌めかせ、真の姿を示せ!シンクロ召喚!レベル8!進化せよ!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000

 

一筋の光が天空へとさして、その光が徐々に大きくなって爆発が起きる。その中からクリアウィングの翼がクリスタルへと生まれ変わり、身体にクリスタルのアーマーをつけたドラゴンが姿を現した。

 

「ケケケケケケケケッ!?!?」

 

「まだ終わりじゃないぞ!!Lv4の慧眼の魔術師にLv4の調弦の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「名を馳せる竜剣士よ!紅の闘志と同調し、誇り高き騎士となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!爆竜剣士イグニスターP!」

 

爆竜剣士イグニスターP 攻2850

 

調弦の魔術師と慧眼の魔術師が一つなって大きな炎が燃え上がり爆発、その中から赤い甲冑を着て、大きな盾と剣を持った竜の騎士が現れた。

 

「心優しき魔術師よ!眠りし魂に再び灯火を与えよ!賤竜の魔術師のペンデュラム効果!エクストラデッキに表側で存在する《魔術師》ペンデュラムモンスターを手札に戻す!調弦の魔術師を手札に戻し、爆竜剣士イグニスターPの効果発動!自分フィールドのペンデュラムカードを選択して、そのカードを破壊し、フィールドのカード1枚を選んでデッキに戻す!賤竜の魔術師を破壊して、ワイトキングをデッキに戻す!」

 

イグニスターPがPゾーンの賤竜の魔術師を斬りつけて、賤竜の魔術師が破壊。さらに賤竜の魔術師が破壊されたことでその爆発がワイト夫人にも遅い、ワイトキングは吹っ飛んでいった。

 

「ケケケケッ!?!?」

 

「さらに俺はこのターン、通常召喚をしていない!ガガガシスターを召喚!」

『は〜い!』

 

ガガガシスター 攻200

 

『マスター!お姉ちゃんが言っていたけど可愛い衣装着てるね!』

 

「・・・・後でお仕置き(ボソッ)」

 

『えええ!!!!!』

 

「ガガガシスターの召喚時、デッキから《ガガガ》とついた魔法か罠を1枚手札に加える!装備魔法のガガガリベンジを加えてそのまま発動!墓地の《ガガガ》モンスター1体を特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアアアア!!!!』

 

発動した装備魔法、ガガガリベンジから2本の鎖が出て、それらが地面に突き刺さり、地面が割れてダイヤが出てくる。

 

「ガガガシスターの効果!1ターンに1度、自分フィールドのこのカード以外の《ガガガ》モンスターを選んで、その選んだモンスターとこのカードのレベルを2体出した合計のレベルとなる!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

ガガガシスター ☆2→☆6

 

「Lv6になったガガガマジシャンとガガガシスターでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体の魔法使い族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!風紀宮司ノリト!」

 

風紀宮司ノリト 攻2700

 

サファイアとダイヤがブラックホールに吸い込まれていき、その中から宮司の格好をした人型のモンスターが現れる。

 

「墓地に落ちたガガガリベンジの効果!装備モンスターがエクシーズ素材となって墓地に送られた時、自分フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻4500→4800

風紀宮司ノリト 攻2700→3000

 

「これでバトルだ!!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでワイト夫人に攻撃!」

 

「ケケケケッ!!!ワイトプリンセスの効果発動!このカードを墓地に送ることでフィールドのモンスターはレベルまたはランク×300ポイントダウンする!!これで貴様のドラゴンの「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!」ケッ!?」

 

「1ターンに1度、効果モンスターの効果を無効にして破壊する!」

 

「ケッ!?」

 

ワイトプリンセスが奇妙な声で何か言いかけたけど、そこにクリスタルウィングが目の前に現れて自身の羽を大きく広げクリスタルを輝かせる。その光を浴びたワイトプリンセスは光となって消滅した。

 

「その後、このカードの攻撃力はこの効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップする!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000→4600

 

「ケッ!?ケッ!?」

 

「モンスターの数が変わったからバトルやり直し!クリスタルウィングでワイト夫人に攻撃!」

 

「ならばリバースカードオープン!和睦の使者!」

 

「風紀宮司ノリトの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、魔法・罠の発動を無効にして破壊する!」

 

「ケエエエ〜〜!?!?!?」

 

風紀宮司ノリト OVR2→1

 

ノリトがオーバーレイ・ネットワークを一つ取り込んで、ガイコツ野郎が発動した和睦の使者の前に行き、自身の持っている笏

 

「行け!烈風のクリスタロス・エッジ!!」

 

クリスタルウィング上空へと駆け上がり、その軌跡は緑色で描かれる。上空で加速したクリスタルウィングはワイト夫人に突進、ワイト夫人は抵抗もできず破壊されてしまった。

 

「ケエエエ〜〜!?!?!?」

 

「ラスト!ダーク・リベリオンでダイレクトアタック!反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

 

ダーク・リベリオンの特徴的な牙に紫色の電気が通り、羽を広げてガイコツ野郎に突進をする。

 

「ケケケケケケケケッッッ!?!?!?」

 

ワイトキング LP4400→0

 

 

WIN 遊輝 LOS ワイトキング

 

 

 

 

 

 

 

 

「灰になれ!!オーバーヒート!!!」

 

「ケケケケケケケケッッッ!?!?!?!?」

 

ドカーーーーーン!!!!!!!

 

デュエルが終わっても未だに怒りが収まらないので俺はガイコツ野郎に特大なかえんだまを放った。ガイコツ野郎はその攻撃をまともに受けて爆発、骨はバラバラどころか跡形もなく吹き飛んでいった。

 

「悪は滅んだ・・・・・」

 

ベシン!!

 

「いってぇ!!」

 

「やりすぎだって!!ちょっとは町のことも考えなさいよ!!あのまま何もしなかったら焼け野原よ!!」

 

「ウルセェ!!!あいつが女って言ったのが元凶なんだよ!!」

 

「・・・・ねぇ、あのフード被っている子の声・・・」

 

「えぇ、間違いないわ・・・・」

 

ムカつくガイコツ野郎を灰にしたところでアリアが思いっきり俺の頭を叩いたのでそれに対する抗議をしたら、アリアも応戦してきたのでそのまま口論となった。

 

「遊輝ちゃんこのままやったらどうする気だったのよ!?」

 

「町全体焼け野原で計画終了で平和的解決になったじゃねぇか!!」

 

「それが正義のヒロイン、魔法少女のやること!?」

 

「ウルセェ!!俺はヒロインでも魔法少女でもないんじゃ!!!」

 

「あ、あの・・・・」

 

「「うん?」」

 

「あ、あなた・・・・もしかしてアリアちゃん?」

 

「えっ?」

 

俺とアリアの口論がヒートアップしようした時だ、不意にとある女性の魔法使いがアリアに声を掛けてきた。その人の見た目は白いロープみたいな服を着ていて、背中には純白の翼が生えている。頭には白い兜のようなものを被っている。顔にはシワが広がっており、歳をとっているように感じる。

 

「?何だ、アリア、知ってるのか?」

 

「・・・・・・・?誰だっけ?」

 

「私だよ・・・・・トールモンドだよ・・・」

 

「・・・・!!トールモンド叔母さん!?」

 

「そうだよ・・・」

 

「嘘っ!?トールモンド叔母さん!?ここにいるの!?」

 

「やっぱりアリアちゃんね!」

その・・・・・誰だっけ?とにかく魔法使いの人とアリアは久しぶりの再会らしく、アリアは被っていたフードを外してお互いにハグをして久しぶりの再会に浸れている。周りの連中もこれに続いて続々と人が押し寄せてきた。

 

「アリア姉ちゃん!私の事覚えている!?」

 

「バテルにシスティ!久しぶり!」

 

「おおうぅ・・・久しぶりに見たら何とも立派な姿になっておって・・・」

 

「お婆さん!久しぶり!!元気にしているよ!!」

 

「そうかそうか・・・・それは何よりじゃ、ところでその後ろにいる魔法使いは?」

 

「彼女?彼女は魔法少女遊輝ちゃん!この町の危機を聞きつけて私と一緒にやってきたの♪」

 

「おいこらま『おおおおおお!!!!』・・・・・へっ?ちょっ!?ちょっと!?」

 

アリアが俺の自己紹介をとんでもない方向に持っていたので頭をど突こうとしたら、なぜか周りの人全員に感心されられて俺のところに一斉に近寄ってきた。

 

「あのアリアが頼る魔法使い・・・」

 

「さぞ凄い魔法使いなんだろう・・・」

 

「え、え〜と皆さん、俺「皆!今日はアリアが友達を連れて帰ってきたんだ!!盛大に祝おう!」」ちょ、ちょっと・・・・」

 

『おおおおお!!!!!』

 

「・・・・・・・・・・・(汗)」

 

『(マスター、もう男だと言っても手遅れだと思われます)』

 

・・・・・ごめんダイヤ、それ慰めの言葉にもならないよ(涙)。結局、俺の言葉を誰も聞いてもらえず、俺とアリアはこの町の住民によって何処かに連れていかれた。

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

 

「失礼しますジュノン様、先ほど入った情報です。町を偵察していたワイトキング部隊が跡形もなく消え去りました。恐らく、門を開いた者たちの仕業だと思われます」

 

「・・・・・密告班」

 

「御意」

 

魔法都市グリモワール、その町の中心にそびえ立つ魔導書院ラメイソン、その上層階にある部屋に入ってきた手下らしき人は女王、ジュノンに伝達をした。ジュノンが一言だけ片言で発すると、その男は返事をしてジュノンのいる部屋から静かに出て言った。

この部屋にいる女王、ジュノンは黒いロープを着ており、目からハイライトが消えている。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

部下に命令を終えたジュノンは自らの机のところまで歩き、その上に置いてある水晶玉を見つめる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ジュノンが見つめていた水晶玉・・・・・そこには遊輝とアリアが写っていた。

 

「・・・・悪しき魔法使い、排除」

 

まるでロボットのようにジュノンは冷たい目で水晶玉を見ながら片言にそう呟き、部屋の奥へと消えていった。




アリア「・・・・酷いわね。モンスター効果無効にして、魔法・罠を2度封じて、対象取らないデッキバウンスがいて、攻撃力4500オーバーの脳筋モンスターがいて・・・・伏せカードと残りのドローカードは?」

遊輝「伏せが神の宣告、ドローカードはハーピィの羽根箒」

アリア「読者の皆さん、これがメインヒロイン(笑)のチート補正です」

遊輝「俺は男じゃあああ!!!!!!」

アリア「しかし神の宣告とハーピィを打たないとか・・・・舐めプしすぎでしょ」

遊輝「俺のことを何度も女と言った奴に天罰を与えるために使わなかった」

アリア「それだったら完膚なきまでにすればよかったじゃない。主にワイトを出す事を」

遊輝「そんな事したらデュエル構成上よろしくないっていう作者が『魔法少女遊輝ちゃんは口を閉じる』んんんんん!?!?!?

アリア「メタ発言はダメだよ。ついでだからこのままアリアさんの持参している服でファッションショーしよ♪」

遊輝「!?んんんんん!!!!んんんんん!!!!!!」

アリア「それじゃ次回もよろしくね♪」


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第132話 孤独な魔法使い

Q,二人のこの章のデッキは?
A,遊輝ちゃんは【魔術士+ガガガ】と今まで通りの【ガガガ】。【魔術士+ガガガ】を現実で使うとガガガに強い憎しみを持つのでご注意を、アリアさんは色んなデッキ(ガチ〜ファン)を使用。

Q,アリアさんってオシャレに敏感?
A,超敏感+ラノベやアニメ・漫画も見るのでその辺のコスプレ衣装も自分で作る。だから遊輝ちゃんが被害に遭うww。じつは、すみれさんのファンだったりする。



アリア「じゃじゃ〜ん!!今日の遊輝ちゃんのファッションはこちら〜〜!!」

遊輝「////・・・・・・・・・」←ごちうさのココアのお店の衣装、完全にお人形状態

アリア「可愛いわね〜〜。アリアさんの衣装も喜んでいるよ」

遊輝「////なんで俺は毎回毎回こんな目に・・・・」

アリア「それは遊輝ちゃんが男の娘だからだよ。せっかく喫茶店の店員の格好なんだからコーヒーとサンドイッチをお願いしようかな♪『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんのためにコーヒーとサンドイッチを作る』」

遊輝「////か、かしこまりました・・・・」

アリア「っていうわけで遊輝ちゃんがサンドイッチを作っている間に本編始まるよ〜」



遊輝 side

 

 

「この家も久しぶりだな〜、何年前かな?」

 

「あれから大体8年だよ・・・・さあさあ!今日はパーティーだからた〜んとお食べ!」

 

「ありがとうございます!」

 

「・・・・・あ、あの〜(汗)」

 

「そちらの魔法使いさんもどうぞ」

 

「は、はぁ・・・・じゃ、じゃあ、ありがたく・・・・(汗)」

 

気色悪いガイコツ野郎を灰にして、アリアと口論するところまでは流れが分かるんだけど、その後のアリアと老婆の魔法使いの会話から全く話の流れについていけてないです(汗)。何か、その後たくさんの人に連れられて一軒の家にお邪魔して、しばらく町の人と話し合い、っていうか一方的な質問責め、それが終わったら皆帰っていったが、気づいたらテーブルの上にたくさんのご馳走が並んで・・・・この町って鎖国状態で食料少なかったよね?どっからこんなにたくさんの食料を持ってきてるの?アリアはアリアで勝手に飯を食い始めているし・・・・(汗)

 

「ん〜まい!叔母さんってこんな料理上手だったっけ!?」

 

「失礼しちゃうわね。料理の腕には自信があるわよ」

 

「ん〜!!でも遊輝ちゃんの方がもっと上手な気がする・・・」

 

「お前、それ久しぶりに会った人に向かって言う言葉かよ」

 

「あら?この子ってそんなに料理が上手なの?」

 

「すっごいよ〜、今まで食べてきた全てのも物が霞むくらいに上手だよ」

 

「(言い過ぎだろ・・・・・・)」

 

「それは凄いわね。まだこんな幼い()()が料理が上手だなんて信じられないわ」

 

「い、いやだk「でしょ〜!!魔法少女遊輝ちゃんはオカルト系以外だったら何でもOKなのよ!」・・・・・・(汗)」

 

皆、俺のことを女、しかも少女とか言ってくるので何度も訂正しようとするが、アリアが俺が言う前に口を挟む上に、こんな魔法少女が着そうな服を着せられているため言うに言えない状況になっている。

 

『(マスター、もう諦めた方がよろしいです。すでに多くの人がマスターを女の子として見てしまってます)』

 

「(・・・・・お願いだから耳元でそんな死刑宣告みたいな事を言わないで、ダイヤ(涙))」

 

「そちらの魔法使いさんの僕さんもどうぞ。こんな貧相な物ですが」

 

『誠に申し訳ございません』

 

『お兄様!これ美味しいよ!』

 

『美味しいねホワイト!ブラック!』

 

『美味しい!』 『美味い!』

 

『こら、3人とももう少し行儀よくしなさい』

 

この家に入る前に俺の精霊たち(プラチナ以外)もカードから飛び出して、一応俺の僕という形でアリアが言ってしまった(大きく見れば間違ってはないけど・・・・・)ので、こうして皆でご飯をご馳走してもらっている。とりあえず、俺はどうしようにも出来ないし、腹が減っているのも事実なのでありがたく晩御飯を頂戴する。

 

「どう?お口に合うかしら?」

 

「・・・・はい、美味しいです」

 

「そう、それは良かった。何せこの街の料理は他の街には無い料理ばかりだからね!」

 

いや、そりゃそうでしょ・・・・まず人間の俺には口を含まないようなものばかり並んでますし(汗)。知らない魔法薬の元となる野草のサラダとかジェノサイドキングサーモンの料理とか何か訳のわからない烏みたいな唐揚げとかさ・・・・(汗)。春休みの経験が無かったら確実に食べる前からゲロを吐いていたぞ、俺・・・・・・まぁ不味いわけじゃないからそこは良かったけど・・・・

 

「プハァ!!ここんところ野宿で過ごしていたから久しぶりにお腹いっぱいになったよ!ありがとう叔母さん!」

 

「そうかいそうかい、それは良かったよ」

 

「ところでさ・・・・・・この町はどうなったの?」

 

パリン!

 

今まで、ワハ〜としていたアリアの空気が張り詰めた空気へと変わる。お皿をキッチンに運ぼうとしていた老婆の魔法使いはそのアリアの空気に耐えられずお皿を落としてしまい、お皿は割れてしまった。

 

「おいアリア・・・・ちょっとは空気を」

 

「気持ちは分かるけど、ちゃんと現状は知らなくちゃいけないわよ遊輝ちゃん」

 

「・・・・そうね、アリアが魔法使いさんを呼んでまてこの町に戻ってきたんだもの。ちゃんと言わなくちゃね」

 

叔母さんは割れたお皿の大きな破片だけを拾い、それをゴミ箱に捨ててテーブルの横にあるイスに座った。ダイヤやパールたちは遠くのソファから聞いている。

 

「この町は女王、ジュノン様によってさらなる発展、特に魔法教育の分野では目覚ましい発展を遂げていったわ。女王様が誕生する数年前、エンディミオンからの侵略を受けて、国家が衰退していく未来しかなかったこの町をジュノン様は『未来ある子供達には無限なる可能性がある。その可能性を引き出し、伸ばしてあげるのが今、私たちにできること』とおっしゃり、この町は持ち直した。エンディミオンとも協定関係を結び、他の魔法都市とも交流を進めて、この町はかつてないほど活気に溢れていたわ。それが一年前・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『外壁!?』

 

『他の都市に行けなくなるってどういう事ですか!?』

 

『ジュノン様!!何か仰ってください!!』

 

『・・・・・・・・・・・』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「突如、ジュノン様は全ての魔法都市との交流を止めて、この町を囲むように周りに大きな壁を作ったわ。思えばジュノン様の様子がおかしいと言われていたその1ヶ月前から私たちは気づくべきだったわね・・・」

 

「ジュノンの様子がおかしいというのはどういう事かしら?」

 

「外壁を作る1ヶ月前から突然、部屋に籠るようになったわ。ただ、私たちは多忙な生活をしていたジュノン様が体調を崩したとしか思えず、心配はしていたがそこまで気にはならなかったわ」

 

「(外壁を作る1ヶ月前から様子がおかしくなったのか・・・・)」

 

「俺も良いか?ここに入る前に門番とのデュエルでジュノンが出てきたんだが、ジュノンの目付きってあんなに暗い目付きで暗い服を着ていたか?俺が知っているジュノンは白を基調とした服を着ているイメージがあるんだが」

 

「いえ、ジュノン様はあまり表情を表に出さないですが、少なくとも暗い目付きではありません。服もあなたのいう通り、白を基調とした服を着ていましたが、その異変以降、黒を基調とした暗い感じの人になられてしまいました」

 

ふ〜ん・・・・・突然服の趣味も変わって目付きも変わったと・・・・・まるで人格が乗っ取られたか操られているかみたいだな・・・・

 

「ごめんね叔母さん、話を続けて」

 

「その外壁を作った異変以降、私たちの生活は変わったわ。外壁を完成された翌月には敵対関係であった悪魔族やアンデット族のモンスター達がこの町にいつのまにか入ってきて、この町を荒らしていったわ。男どもはグリモワールやその周辺機関の建物に連行されて誰一人として帰ってきてない。私たち女どもや子供どもは逆にグリモワールや周辺機関に近寄ることもできず、こうして慣れない商人をやっているのよ・・・・」

 

「(男達がいないのはそのためね)」

 

「近寄れない?そんなバカな。俺たち、グリモワールの近くまで行くことが出来たぞ」

 

「ああ、多分このバッジね。グリモワール周辺に変なバリアが張られていたでしょ」

 

そう言われたらそうだな・・・・変な物を張ってるな〜と思いつつ普通に通り抜けが出来たから。アリアの魔法道具ってマジで優秀な物が多いんだな・・・・・

 

「外の世界とは鎖国状態だから外の世界の物品や食料も入らず、今はまだ大丈夫だけど、その内この町には飢えで苦しむ人たちはたくさん出てくるのわ」

 

だろうな・・・・・むしろ今飢えで苦しまない人がいないというのが不思議なくらいだ。

 

「叔母さんたちで食料を作ることは?」

 

「誰も経験をした事がないからノウハウがない、その上この町のほとんどはコンクリートで固められているから耕せるような土地はないのよ。外壁の外ならいくらでもあるのけれど・・・・・」

 

確かに見回った感じ、畑を作れそうな土地は限られているうえに面積も小さい。例え野菜が作れたところで供給量は少ないから恐らく取り合いが起こるだろうな。

 

「それでも・・・・この町の人たちはとにかくジュノン様が心配で仕方ないの。明らかに様子がおかしいから、その原因さえ分かったら昔のジュノン様に戻れるかもしれない・・・」

 

「ふ〜む・・・・・・」

 

とりあえず外壁が出来た1ヶ月後に悪魔族やらアンデット族が襲来か・・・・外壁作って守るどころか敵を中に迎え入れているんだ。これは間違いなく何かあるな・・・しかし、今の所は侵略戦争の話は分からないままだな。

 

「(とりあえずそのジュノンって奴を一度でもいいから見れたらいいんだが、内に籠っている上に俺たち侵入者だからな・・・・)」

 

「う〜ん・・・・・とりあえず話は分かった、対策は明日以降考えよう。と言うわけでお風呂〜〜♪」

 

話を聞き終えたアリアはまたワハ〜な空気に戻ってマントを外してお風呂へと向かった。

 

「相変わらず変な奴だな・・・・・」

 

「・・・・・あの子のあんな笑顔、本当に久しぶりね」

 

「はっ?」

 

アリアが部屋から出て行った後、ふいに老婆がそう呟いた。

 

「あなた・・・・・アリアの事を知っているのか?」

 

「えぇ、結構昔からね。あの子はこの町を出て行ってもう・・・8年ね」

 

そうか・・・・それであいつ、この町の事を知っていたんだな。

 

「それにしても久しぶりの笑顔というのは?久しぶりに再会して見た笑顔のこと?」

 

「いいえ、あの子の心からの本当の笑顔よ」

 

「どういう事ですか?」

 

「・・・・・・・あなたは不思議に思わなかった?あの子は正真正銘の人間、なのに魔法使い族と同等、いや、それ以上の魔力を扱えるあの子の事を」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

言われてみればそうだな・・・・俺の周りは人外ばかりで何も考えなかったけど、普通に考えたら人間が魔法使いになれるなんてありえない話だ。

 

「あの子はね・・・悲しい過去があるのよ」

 

「悲しい過去?」

 

「えぇ、あの子はね・・・・捨て子なのよ」

 

「捨て子!?あいつが!?・・・・・・待てよ、何でそんな事を知って・・・・・あんたまさか・・・・」

 

「そう・・・・アリアを拾ったのは私よ」

 

「ちょっと待てよ!?何で精霊世界のモンスターが人間を拾えるんだよ!?この世界にいる人間は精霊を見る事が出来るごく僅かな人間な上に、絶対に精霊世界で生きることなんてありえないだろ!?」

 

「あら?あなたは人間世界をご存知で?」

 

「・・・・・えぇ、アリアが勝手に魔法使いとか言いふらしましたけど、俺は人間です。あいつとは人間世界で出会いました」

 

「そう・・・・どうりであなたから魔力を感じなかったわけね・・・・・あの子も元を辿ればその人間世界の子よ」

 

「じゃあどうやって・・・・」

 

「・・・・・18年前、まだ私が王族の機関で働いていた頃・・・・・私はとある事情で人間世界に迷い込んだ時期があったの」

 

「はっ!?何で!?」

 

「ある実験で失敗してね、そうなってしまったの。もちろん大事になって、元の世界にいた仲間の決死の努力で数日はかかったけど何とか最小の被害でことは収まり、この世界に戻ってくることはできたわ。でも私がこの世界に戻る直前・・・・・どこかの深き森であの子を見つけたわ・・・・」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

No side

 

 

人間世界、どこかの森深く・・・・・

 

 

『まもなくH436地点にワープを設置する。もう少し辛抱してくれ』

 

『分かったわ』

 

『トールモンド、すまなかった・・・・まさかこんな事になるとは・・・』

 

『仕方ないわ。失敗は成功のもとっていうでしょ』

 

『・・・・帰ってきたら最大限の誠意を見せる』

 

プツン

 

『相変わらずあの人は固いわね・・・・・・』

 

トールモンドとの呼ばれたフードを深く被り、緑のローブを着た人はそう呟いた。先ほど通信があった地点に向かうため、急ぎ足で歩く。

 

『しかし人間世界に飛ばされるのは予想外だったわね。早く帰って皆に顔を『・・・ァ・・・ァ・・・・』?何かしら?』

 

目的の地に行こうとした途中、トールモンドの耳に補足弱ったような声が入った。そちらの方向に顔を向けるが、あたりは生い茂った木々しか目に入らない。

 

『・・・気のせいかしら?こんな奥深くの森に『ァ・・・・・ァ・・・』!?人間の声!?」

 

トールモンドは激しく動揺をした。もし人間にバレたら何をされるか分からない。最悪の場合、一生元の世界に戻れない可能性もある。

 

『(まずいわね・・・・早く目的の場所まで行かないと)』

 

『ァ・・・・・ァ・・・・・・』

 

『(・・・・・人間?この声が?)』

 

目的の地に急ごうとしたトールモンドだが、もう一度聞いた声に疑問を抱いた。人間の声にしては高く、しかも喚き声しか聞こえなかった。

 

『ァ・・・・・・ァ・・・・・・』

 

『(・・・・・・まだ時間に余裕がある。ここは影から覗く程度で見てみましょう)』

 

ちょっとした好奇心、それがトールモンドの心を動かして目的の地とは反対の方向に歩む。深き森を掻き分けながら進む事2〜3分、トールモンドの目に信じられないものが映った。

 

『・・・・(この辺だよね、あの声が聞こえて!?!?)』

 

『ァァァァ・・・・・ァァァァ・・・・・』

 

『(あ、赤ちゃん!?)』

 

トールモンドの目に入ったのは木製の小さなゆりかごに入った人間の赤ちゃんだった。しかも森深くにいるのに、なぜか裸で毛布1枚もかけられていない。慌てたトールモンドはすぐにその赤ちゃんに近寄り抱きかかえる。

 

『(な、何でこんな森深くに赤ちゃんがいるの!?しかもすごく冷たい!!声も細いからいつ死ぬか分からないわ)』

 

『ァァ・・・・ァァ・・・・』

 

『トールモンド、準備が出来た。今から30分以内にワープゾーンに入ってくれ』

 

赤ちゃんを抱きかかえて慌ててしまっているトールモンドに通信が入る。トールモンドは震える声でその通信に応えた。

 

『エ、エアミット・・・・・』

 

『どうした?声が震えているぞ』

 

『た、大変なのよ・・・・・人間の赤ちゃんが捨てられていたわ・・・』

 

『何っ!?どこだ!?』

 

『ワ、ワープ地点から南に400mあたりに・・・』

 

『そんな深き森で捨て子の赤ちゃんだと!?』

 

『ど、どうしよう・・・・この子、身体が冷たくて声も弱ってしまって・・・・いつ亡くなるか分からない状態だわ・・・・』

 

『しかしこのチャンスを逃せばお前はいつ帰ってくるか分からないぞ!今更人の住む場所には行けない!!』

 

『わ、わかってる・・・わかってるけど・・・・』

 

『とにかく、赤ちゃんのことは諦めて戻ってこい!!』

 

プツン!!

 

『(エアミットは諦めろって言っていたけど・・・・この子だってただ死ぬために産まれたわけじゃないのよ・・・・・でも、此処でチャンスを逃せば私は二度と戻れないかもしれない・・・・)』

 

通信が終わった後、トールモンドはその場で座り込んで悩んだ。赤ちゃんを諦めて仲間の世界に戻るか、赤ちゃんを救うために元の世界を諦めるか・・・・・・時間は無情にも過ぎてゆき、ワープゾーンはもう5分ももたない状態まで着た。そしてトールモンドは一つの決心をした。

 

『(・・・・・私がこの子の親代わりになってあげる。そうすればこの子も助かるし、私も元の世界に戻れる!元の世界に戻って後悔するくらいならこうした方がいい!!)』

 

決心を固めたトールモンドは赤ちゃんを一度ゆりかごに戻し、ゆりかごを抱きかかえてワープゾーンまでひた走る。そして数分後、暗く生い茂る木々に一つだけ、青く光るポイントを見つけた。

 

『ここね!えい!』

 

トールモンドは赤ちゃんを乗せたゆりかごを抱きかかえながらそのワープゾーンに入った。ワープゾーンは一瞬だけ強く光を発して、直ぐに消えた。

 

 

No side out

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「これがアリアを拾った過去の話よ」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「帰ってきてから皆に罵声を浴びたわ。そりゃそうでしょうね、人間、しかも赤ちゃんをこの世界につれてきたのだから。でも、一人だけ・・・・・・ジュノン様だけは暖かく迎えてくれたわ。そしてジュノン様は私にこうおっしゃった。『今からこの子の母親は貴方です。そして貴方には2つの義務があります。一つはこの子が成長するまで面倒を見る事、そしてもう一つはこの子が成長した時に真実を伝えること』」

 

「・・・・・・・ジュノンは子供達を大切にしていたから?」

 

「きっとそうでしょう・・・・・ジュノン様は子供を大事にしていたから。人間の子供とはいえ人事とは思えなかったのでしょう。私はジュノン様からの言葉を胸にして、あの子を精一杯育てたわ。もちろん、人間の子だから将来、魔法使いになれるとは思わなかった。それでも我が子のように育てたわ。それであの子を育てて6年目・・・・子供は魔法学校に入学させなくちゃいけない年齢にまでなったわ」

 

「・・・・・・・アリアも例外ではなく?」

 

「えぇ、義務だからね。しかしあの子は人間。母親代わりの私がこんな事を言ったら失格だけど、とてもあの子が魔法を使えるとは思えなかった。だから私は2つ目の義務・・・・・・あの子に本当の真実を伝えることにしたわ」

 

「6歳の子供がそんな事理解できるのか?」

 

「あの子は賢かったわ・・・・魔法とかそんな事は置いといて、とにかく賢くて融通が利いた子だった」

 

確かにそんな雰囲気はしていたな・・・・あいつ、頭の回転とか早いし。

 

「なんていうか・・・・既に大人の雰囲気を少し醸し出していたのよ。だから私はあの子に真実を話した・・・・・」

 

「それで?」

 

「あの子も友達と遊んでて何となく察していたのでしょう、『そんな事、もう知っているよ』って平然と言い返してきたわ」

 

なるほどね・・・・・友達と遊んでいたら嫌でも友達に出来て、自分には出来ない事が突きつけられるわな。

 

「それでもあの子は魔法学校に行くと言ったわ。だから、私はあの子を魔法学校に通わせた。でも現実はやっぱり残酷ね・・・・・あの子がどれだけ頑張っても魔法を扱うことは難しかった」

 

そうだろうな・・・・・・いくら本人のやる気や努力があっても、所詮はただの人間。本物の魔法を使おうと思ったら根本的な魔力が無いとどうにもならない。

 

「あの子は必死に努力をした。でも使えたのは簡単な火をつける魔法ぐらい・・・・次第にあの子は追い込まれていったわ。同級生からバカにされて、先生たちにも相手にされず、孤独な人生を歩んでいったわ」

 

「あんたは?」

 

「私も最大限のサポートはしたけど、あの子が自暴自棄になっちゃって・・・・」

 

「反抗期か・・・・また最悪な時期に」

 

「えぇ・・・次第にあの子から笑顔が消えていったわ。あの時見たあの子の表情は哀しみか憎しみ・・・・・あの子は魔法学校に通い始めてから1年が経って、私の元から飛び出していったわ・・・・『私一人であんな奴らを見返してやる!!』って・・・」

 

「それ以降この町を出たまま?」

 

「いいえ、飛び出してから2年後にあの子はこの町に帰ってきたわ。とてつもない魔力と魔法技術を身につけて・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「私は帰ってきた嬉しさと同時にあの子に対して恐怖感を抱いてしまった。か弱いあの子が膨大な魔力を付けてしまったことに・・・・」

 

「どれだけ凄いんだ?」

 

「あの子はたった2年間で大魔法使い以上・・・・・あなたの知っている人だと混沌の黒魔術師やブラック・マジシャンクラス以上ね。彼らでも膨大な魔力を扱えるようになったのは100年はかかるであろうという時間を」

 

本質的に素質がある奴でも数十年かかる魔力や魔法技術をわずか2年でそれ以上の魔力を身につけた・・・・か。

 

「恐れたのは私だけじゃなかったわ。あの子をバカにしていた魔法学校の同級生や先生、王族の関係者もアリアを恐れたわ。中にはアリアを魔法使いとして尊敬する者もいたけど・・・・・」

 

「・・・・・大きくなり過ぎたのか」

 

「そう・・・・結局はアリアを恐れて離れてしまう・・・・・アリアも自分の場所を見失ってしまって、8年前にこの町から再び出ていてしまって今日になるまで二度と戻って来なかったわ。あの子が私の事を叔母さんと言っているのも、恐らくは少し縁を離れたかったのでしょうね・・・・」

 

「にしては今日会った奴らは随分親しくしていたんだけど?」

 

「表面上の付き合いかこの事情を知っている者・・・・・どちらかだわ。どちらにしろ、内心では恐怖を抱いている者がほとんどよ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「結局、私はあの子の孤独を埋められることはできなかった・・・・あの子の母親の代わりとして育ててきたけど、私はあの子に何もできなかった・・・・・・母親失格だわ」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

アリアの話を聞いた俺は無言で下を向くことしか出来なかった。いつもふざけている奴が飛んでもない過去を持っているなんて想像も付かなかった。

 

「・・・・・ねぇ、あなたにお願いがあるの」

 

「・・・・何ですか?」

 

「今日、8年ぶりにアリアを見た時、あんな心から笑っている表情を見たのは本当に久しぶりなの。誰からも好かれずにこの12年間孤独だったあの子が見せたとびっきりの笑顔を。私はあの子のあんなとびっきりの笑顔を守ってやりたい」

 

「・・・・・・それと俺がどういう関係で?」

 

「何となく女の勘だけど、アリアの笑顔が増えたのはあなたと出会ったからだと思うの」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

言われてみればそうだな・・・・・最初に会った時はクールなイメージしかなかったけど、ここ1ヶ月2ヶ月であいつの表情は本気を見せる時以外は常に笑顔で現れたな、色んな所に付き合わさせられたし。

 

「常に、とは言わないわ。でも出来る限りあの子の側に居てくれないかしら?恐らくあなたが、アリアの孤独で染まった心を開いた初めての人なのよ」

 

「・・・・・・・悪いけど無理な相談だ。俺とアリアは本来敵対している。今回は利害の一致で一緒に行動しているが、あいつと一緒に行動するのは恐らく今回が最後だ。それともう一つ、俺には好きな人がいる。その人を裏切ることはできない」

 

「・・・・・・ちょっと待って?好きな人?えっ?あなた、アリアと同性だよね?何でそこで好きな人の話が出てくるの?好きな人って男の人の事だよね?私は別にアリアの事を友達として見てほしいと・・・・・」

 

「・・・・・俺は男です。好きな人は女性です」

 

「(カバッ!!)う、嘘!?!?!?」

 

『マスター、だから遅いってあれほど・・・・・』

 

老婆の魔法使いは驚いたように椅子を後ろに倒して、壁まで後ろ向きで歩いてドンと当たった。ダイヤは俺に耳打ちをするが関係ない。

 

「な、何で!?そんな格好して、そんな顔して、女の子じゃないの!?」

 

「(ブチッ!!!)俺は男だあああああ!!!!!!歳も14だああああ!!!!!!」

 

「う、嘘でしょ!?!?」

 

「アリアに無理矢理この服を着せられているんだよ!!!!」

 

老婆の爆弾発言で俺の頭は完全に爆弾。老婆にはまず俺が女の子と勝手に思っている思い込みから取り外すため、詰め寄って色々と一方的に言い始める。

 

「だいたいですね!!こっちの話を全く聞かずにアリアの話を鵜呑みにして・・・・・」

 

『あ〜あ・・・・・シリアスな空気が台無しだよ(汗)』

 

『だね』 『?シリアス?』

 

『ホワイト、シリアスっていうのはね、フラグを立ててぶち壊す物なのよ』

 

「サファイア!!!!!嘘を教えるな!!!!」

 

『は、はいいい!!!!!!!』

 

とんでもなく嘘ついた事をサファイアはホワイトに教えようとするのを耳にしたのですぐにそっち側に向いてサファイアに雷を落とす。サファイアも迫力にまけて直立不動になった。それを確認した後、俺はもう一度老婆に詰め寄った。

 

 

〜〜(10分後)〜〜

 

 

「・・・・いいですね!!今度からはちゃんと本人からしっかりと聞きましょうね!!」

 

「は、はい・・・・・・・」

 

説教を終えた俺は老婆とは反対側の方に向いてソファの所まで歩き、ソファに座る。一方、説教を受けた老婆は腰が完全に上がらず、その場で座り込んだままだ。

 

「ったく・・・・明日から思いやられるよ」

 

「遊輝ちゃん!!遊輝ちゃん!!」

 

「ん?・・・・・!?!?!?!?お、お前!!!なんて格好でおるんだ!?!?」

 

「どう?アリアさんのナイスバディは」

 

ソファに座ったところでリビングの出入り口からアリアの声が響いたのでそっちの方に顔を向けた途端、俺は顔を真っ赤にして背けた。あいつ、タオル1枚も巻かずに全裸で部屋に入ってきたのだ。

 

「とりあえずここから出て寝巻きに着替えてこい!!!」

 

「全く〜〜、私はまだお風呂に入るのよ」

 

「じゃあ何で上がってきたんだよ!?」

 

「遊輝ちゃんと一緒に入るため♪裸の付き合いって大事でしょ♪」

 

「入るかボケ!!!!さっさと風呂に戻れ!!!」

 

「無駄無駄♪遊輝ちゃんはアリアさんの言うことには逆らえないのよ♪『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんと一緒にお風呂に入る』」

 

「!?ま、待てこら!!」

 

アリアが何故か付けてあったブレスレットにこれまたとんでもない事を吹き込んでしまった。俺の身体は俺の命令に反して、勝手にアリアの方に歩き出した。

 

「と言うわけで遊輝ちゃん!!一緒に風呂に入ろう!!」

 

「嫌だああああ!!!!!!!」

 

アリアがガッチリと俺の身体をホールドしてそのままリビングを連れ出されてお風呂に連行されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・やっぱり、私にはあの子は女の子にしか見えないわね」

 

『同感するよ』

 

『『『うんうん』』』

 

『お前たち・・・・・(汗)』




遊輝「////お、お待たせしました・・・・」

アリア「ん、ん〜まい!!普通の卵サンドとハムサンドなのにそこら辺のお店よりも美味しい!!」

遊輝「////あ、ありがとうございます・・・・」

アリア「このまま遊輝ちゃん、アリアさん専用の料理人兼お人形として一緒にいて貰おうかな」

遊輝「////絶対に嫌だ!!!!」

アリア「えぇ〜、良いじゃない。何も考えなくて良いんだよ」

遊輝「////そんな奴隷みたいな事をしたくないわ!!!」

アリア「ブゥゥ〜〜・・・・・名案なのにな〜、仕方ない。今度はホットケーキお願い」

遊輝「////か、かしこまりました・・・・・」

アリア「それじゃ皆、またね〜」


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第133話 ラメイソン潜入 風の魔法使いと風の玩具機械

【おかしいなぁ・・・この章の構成を考えた時にはお風呂回なんて無かったんだが・・・まぁいいか】


Q,アリアさんって年齢いくつ?
A,前回の話で分かった人もいるけど、18〜19。遊輝君の精神年齢(前世の年齢)は19歳なので大体一緒くらい

Q,作者ってシリアス苦手?
A,超苦手。重苦しい空気を執筆する技術が難しくて仕方ない。

Q,作者のアニメの知識は?
A,全然無いよ。興味があっても守銭奴(カードに金を使いたい)だから借りようともしない。興味があるのは事実、だからアリアさんのコスプレ衣装探すためのアニメのネットサーフィンは楽しい。



アリア「今日の遊輝ちゃんのファッションはこちら!」

遊輝「もう・・・・これがマシだと思えてきた・・・・」←とある科学の超電磁砲の御坂美琴の制服、ベストヴァージョン

アリア「女子高生、御坂美琴ちゃんの学校制服の衣装だよ〜。遊輝ちゃん、身長150cmも満たないからJKというよりJCだよね。

遊輝「いや、今、俺中学生だから」

アリア「マジレスしない。ねぇねぇこの人の決め台詞を言ってよ!これこれ!」

遊輝「いや、言わねぇよ・・・・・」

アリア「・・・・『魔法少女遊輝ちゃんは決め台詞を言う』」

遊輝「お、おいこら!!・・・・『戦う気があるなら拳を握れ!戦う気がないなら立ち塞がるな!!ハンパな気持ちで踏みにじってんじゃないわよ!!!』

アリア「きゃあ〜〜!!かっこいい〜〜!!さすが最強ヒロイン!!」

遊輝「・・・・もう嫌だ(涙)」

アリア「じゃあ最強カードの紹介行くよ〜。今回はクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!」

遊輝「おい、それ前回のデュエルでも出たぞ」

アリア「あんたと違ってちゃんと活躍して、しかもデッキのテーマ的にもピッタリだし」

遊輝「そうだけど・・・・今のアニメの第3の主人公、ユーゴ君の切り札で、Lv8のシンクロモンスターでチューナー以外のモンスターはシンクロモンスターを素材に指定した大型モンスターだ」

アリア「効果は1ターンに1度、モンスター効果を無効にして破壊する。シンプルだけど誰がどう見ても強いと認めるわね」

遊輝「本当はクリアウィング・シンクロの進化のはずなんだけどな〜・・・・タクシー龍で出てきたと思ったら今度はシンクロダークやDDに入って妨害したりとか・・・目的違う気がする」

アリア「あとはLv5以上以上のモンスターと戦闘を行う場合、そのモンスターの攻撃力分アップする。所謂、オネストね」

遊輝「モンスター効果を無効にしてオネスト内臓とか・・・・こいつもよくよく考えたら頭おかしいな〜」

アリア「というわけで遊輝ちゃん!今日も一緒に言うよ!」

遊輝「はぁ・・・・・」

「「第133話、デュエルスタート!」」


遊輝 side

 

 

「分かった!!!分かったから!!脱ぐ!!服脱ぐから!!」

 

「今の遊輝ちゃんは信用ならないからね!!私が最後まで脱がせてあげる!!」

 

「余計なお世話だから!!だから勝手にスカートを脱がすな!!」

 

「良いじゃない別に、遊輝ちゃんの男の証が減るわけじゃないんだから!えいっ!」

 

「アアアアア!!!!!」

 

お風呂場の脱衣所・・・・・アリアに連行されて俺はアリアに服を脱がされている。アリアがブレスレッドに吹き込んでしまった以上、俺はどうすることも出来ないので大人しく言う事を聞くと言ったがアリアは信用出来ないとか言って、俺の服を脱がしてきた。

 

「よし!!遊輝ちゃんも素っ裸になったところでお風呂にLet's Go!!」

 

「女性が平気に素っ裸とか言うなよ・・・・」

 

「いいのいいの!!そんな事気にしていたら普通に生活できないし」

 

「(いや、出来るだろう・・・・)」

 

結局、何の抵抗も出来ずに裸にされて(ブレスレッドは付けられたまま)、腰にタオルを巻いて、二人でお風呂場に入る。ここの家の住人が恐らく一人暮らしのせいか、お風呂は普通のサイズだ。一人で入るならともかく、二人なら少し窮屈だろう。

 

「お前先入っとけよ。俺、先に身体洗うから」

 

「ええぇ〜〜」

 

「えぇじゃねぇ!!とにかく入れ!!」

 

「ブゥゥ〜〜」

 

渋々といった様子でアリアが先にお風呂に入る。俺は隅に置いてあった風呂椅子を引っ張り出して、それに座り髪の毛をシャワーで濡らす。シャンプーを使わせてもらい、髪の毛を洗う。

 

「違うよ遊輝ちゃん。髪の毛はもっとこう、大事に洗わないと傷むよ」

 

「そんな事いちいち気にしていられるか」

 

「遊輝ちゃん、女装モデルやってるんでしょ?だったら気にしないと」

 

「女装モデル言うな!!」

 

「そんな事言わないでほら!」

 

「えっ?ちょ!?ちょっと!?」

 

「心配しなくてもアリアさんが洗ってあげるから」

 

アリアは湯船から上がって、俺の後ろにもう一つの風呂椅子を置いて座る。そのまま俺の手を無理矢理下ろして、髪の毛を洗い始めた。俺はゴシゴシと力強く洗うタイプだが、いかんせん、誰かさんのせいで髪を切る事を禁止されている。この前も床屋に行こうとしたら何故か電話が掛かってきて止められる・・・・あの人、ファッションデザイナーとか言ってるけど、エスパーだよな。そんな訳で俺の髪は肩にかかるくらいまで伸ばしているので、髪を洗うのに時間が掛かってしまう。一方、アリアは力強く洗うのではなく、髪の毛一本一本を丁寧に洗うように滑らかに洗っていく。

 

「どう?これだったら髪の毛も痛まないし、早く済むでしょ」

 

「んなめんどくさい事をしてられるかよ・・・」

 

「そんな事言ったら髪の毛傷むよ!これからはこんな風な仕草で洗わなくちゃ!」

 

「だからめんどくさいって言ってるだろ・・・っていうかそんな女性らしい仕草をやってられるか・・・・」

 

髪を丁寧に洗われて、そのままシャンプーを流してアリアはコンディショナーを手に出してそのまま俺の髪の毛に付ける。なんか・・・・・姉に頭を洗われているような感覚だな・・・・一人っ子だったから姉なんかいないけど。

 

「遊輝ちゃん、毎日コンディショナー付けている?髪の毛が傷みやすいよ」

 

「さすがにコンディショナーぐらいは毎日やってるわ・・・・」

 

「のわりには端の方が傷んでいるけど」

 

「しらねぇよ・・・・・・」

 

「しらねぇよじゃないでしょ!!自分の髪のケアくらいちゃんとしなさいよ!!」

 

「だからそんな事してられるかって・・・」

 

「はい、これで流したら髪の毛終わり」

 

アリアが再びシャワーヘッドを持って再び俺の頭を洗い流す。

 

「じゃあ次は身体ね!」

 

「もういいわ!!さすがにそれくらい普通に洗わせろ!!」

 

「ブゥゥ〜〜」

 

「ブーイングするな!!!」

 

あまりにもしつこいのがアリアを湯船に追い返すことには成功。そのまま腰に巻いていたタオルにボディーソープを付けて身体を洗い、流す。洗い終わったら腰にもう一度タオルを巻いてアリアと湯船を変わった。アリアは風呂椅子に座った後、シャワーで頭を濡らしてシャンプーに付けて髪の毛を洗い、その後コンディショナーで整えて、身体を洗う。

 

「・・・・ふぅ〜、こんなところでいいか」

 

「じゃあ先上がるぞ」

 

ザバーとお湯が流れる音が聞こえ、俺は湯船から上がろうとしたが、アリアが俺の目の前に立ってそんな事をさせてくれなかった。

 

「・・・・・・何?」

 

「これから二人でお風呂に入るの!」

 

「もう結構です・・・・・」

 

「入るの!!」

 

「・・・・・・はい」

 

押し負けてしまった俺の身体は再び湯船に浸かる。アリアにも湯船の中に入ってきて、お湯が少し溢れて外に流れる。

 

「気持ちいいわね〜〜、4日ぶりだよ」

 

「2日前ぐらいに川のほとりで止まって水浴びしてたじゃねぇか」

 

「あんなので満足していたら乙女心失格だよ、遊輝ちゃん」

 

「俺にはお前の考えが一生分からないままだわ・・・・」

 

「もう、つれないわね〜〜・・・・・明日はラメイソンに乗り込むから」

 

「・・・・何だ?早期決着か?」

 

「違う、重要機密を盗る。出来たらジュノンの顔だけでも見ておきましょう」

 

「ジュノンの顔を見るくらいならさっさと倒せばいいじゃねぇか・・・・」

 

「甘い甘い、ジュノンに対面したところで何の情報も無かったら一方的にやられるかもしれないわよ。ここは2・3日対策を取らないと」

 

「(いやいや、今日真正面から乗り込んだ奴どこのどいつだよ(汗))」

 

「というわけで、もう少し入りましょう♪」

 

アリアが俺の肩に手をかけてそのままガッシリと身体に手を回されて固められてしまう。これは・・・・・長くなりそうだな・・・・のぼせる前に上がらないと・・・・

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・報告」」

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「ほぇ〜・・・・・昨日はそんなに注意深く見てなかったけど、ラメイソンってデカイな」

 

「この町の中心機関よ。これだけ大きくても不思議じゃないでしょ」

 

あのお風呂の後も結局、アリアがブレスレットに『一緒に寝る』と吹き込んでしまったせいで一緒に寝る羽目になった・・・・大丈夫だよな?龍可にバレないよな?

とにかく、今日もアリアに訳わからない魔法少女の服(高町なのはの色違い、遊輝はオレンジ、アリアはピンク)を着せられて、フードを深く被ってマントを羽織り、バリアを無視してこの町の中心機関、グリモワールの前にやってきた。昨日は遠くで見ただけだったけど、改めて近くで見ると意外と高さがあってビックリする。大体・・・・200ってところか?

 

「正面の入り口があそこ・・・・こういうのって普通、裏口があるはずなんだけどどこかしらね」

 

「裏口が無いっていうのはデメリットばっかだと思ったけど、防犯って意味ではある意味メリットなんかな」

 

「こらこら、これから私たちはその泥棒みたいな事をするのよ、そんな事言わない」

 

「へいへい」

 

今日の目的はこのラメイソンの構造を詳しく知ることと、ジュノンについての資料、その他諸々重要そうな物を盗むとアリアは言った。もう加担してしまった身なので断ることも出来ず、風呂場で呑んでしまったのでこうやってノコノコと着いてきた。とりあえずグリモワールの周りを正面玄関から1週してみる、だが、1周した結果、地上からは裏口になるような物は見つからなかった。

 

「同じような壁ばっかね・・・・出入り口一つも見つかりやしないわ」

 

「どうするんだよ?飛んでみる?突き破る?それとも正面突破?」

 

「どれもこれもリスキーなのよね〜〜。飛んでみるは論外、この辺飛んでいる人たちいないから飛んだ瞬間に怪しまれる。現実的には突き破るか正面突破か・・・・」

 

「正面突破もリスキーすぎるだろ、もし敵が待ち構えていたら骨が折れるぞ」

 

「正面突破は最終手段ね・・・・やっぱり突き破るがいいかな」

 

「おっしゃ、ちょっと退いとけ」

 

突き破るという結論が出たので、アリアを遠くに離れさせる。そのまま俺の両手に2つの太陽を作る。

 

「サン・フレア!!!」

 

バーーーン!!!バーーーン!!!

 

そのまま2つの太陽を壁にぶつけて、ぶつかった所から爆発が起きて煙が充満する。

 

「・・・・・ハアアアア!?!?」

 

「すっごいわね・・・・・太陽の温度も受け付けないとは、さすがラメイソンってところかしら」

 

煙が晴れると壁に穴が空いていた・・・・・ではなく、傷一つ無しだ。これには驚くしかない、太陽2つをぶつけても無傷で済むなんてなんか小細工をしたとしか考えられない。

 

「マジで言ってんのこれ!?」

 

「ラメイソンは中心機関な上に重要な魔導書を保管している図書館みたいな役割もしているからね、こういう防御系の魔法は凄いと認めざろうえないわね。恐らく、この壁全面にこうなっているのでしょうね〜」

 

「えぇ〜〜・・・・・じゃあ一番骨が折れる正面突破?」

 

「そうするしかないか・・・・それが一番頭使わないというメリットもあるけど」

 

「頭を使わない代わりに大幅に体力と霊力が減るぞ」

 

「文句言わない。魔法少女遊輝ちゃん、デュエルディスクと箒の準備を」

 

「いやだから、俺箒いらないって・・・」

 

「魔法少女なんだから箒で飛びなさいよ」

 

アリアが謎の空間を作り出し、その中から2本の箒とデュエルディスクを取り出す。そのうち、1本の箒は俺に渡してくる。その箒を受け取って、アリアはフードをさらに深く被った。俺もフードを深く被り、マントをローブみたいに身体に巻きつけて相手からはどんな姿なのか見えないようにする。

 

「それじゃ乗り込むわよ。マントはともかく、フードはできる限り外さないよう」

 

「おk」

 

正面玄関の前まで戻ってアリアが先頭に先に入る。自動ドアが開いて中に入ったが、受付っぽい所に人はいない。それどころか、周りにも誰一人いない。

 

「・・・いねぇな」

 

「まあここはね・・・・上に行ってみようか」

 

「そうだな」

 

受付らしき所は誰もいないため、そのまま受付を通り過ぎて奥へと進んでいく。エレベーターらしきものがあったが動かないので階段を使って上へ上へと上がっていく。しかし、人一人見つからない。どの部屋を覗きこんでもだ。

 

「こりゃどうなってるんだ?あんな町の状態とはいえ、人一人くらいこの建物にいてもおかしくないだろ?」

 

「そうね・・・・研究機関にもいないっていうのはさすがに怪しいわね・・・遊輝ちゃん」

 

「へいへい・・・・・」

 

アリアに命令されたので俺はシグナーの能力、生命の力を使い、人又はモンスターの探索をする。どんな生き物にしろ、絶対に生命の呼吸とかそういうのは出るので、俺はそいつを感知して今現在、どこに何人おるのか探索できる。

 

「(・・・・・・・後ろから2〜3人付けている。多分、あいつらが動けばどこかで隠れている奴らも動くだろうな)」

 

「(そう、誰かいるかな〜と思ったけどタチ悪いわね)」

 

「(こりゃ完全に吊られているな。出口があそこしかなかったんだから)」

 

「(しょうがない・・・・吊られたんだったら強行突破でもしましょうかね!)」

 

「!?おい待てよ!!」

 

突然アリアが箒に跨いで飛び出したので俺も慌てて箒を持ったままアリアを急いで追いかける。俺が後ろで感知した2人の人間らしき奴らも俺たちが飛んだのを見てすぐに追いかけてきた。

 

「おいアリア!!お前どこに行こうとしているんだよ!?」

 

「ラメイソンの中心機関よ!!そこからジュノンのデータとか重要機密をこれにインストールするわ!!」

 

「俺は!?」

 

「恐らく隣の部屋が書物の保管庫だったからジュノンとか機密情報の本を全部盗む!!」

 

「分かった!!」

 

アリアが目的の場所まで飛びながら誘導、その間にも敵は追ってくるがそんな事を気にせず、俺たちは突き進む。そして、目的の場所らしき部屋にアリアが入る。

 

「遊輝ちゃんは次の部屋!!中に入ったら力ずくで扉を閉じなさい!!」

 

「サラッと無茶を言うな!!」

 

アリアに文句を言ったがすでに部屋に入って自動ドアが閉まってしまう。俺はそのまま進んですぐに見えてきた部屋に入る。

 

「ダイヤ」

 

『分かりました』

 

自動ドアが閉まったところを確認して太陽を複数作り、それをぶつけるのではなく扉と扉の境目に並べる。鋼はすぐに溶け出して繋ぎ目部分がなくなる。それをダイヤの魔法により無理矢理に冷やして地面に流れ落ちないようにする。この作業を10〜20秒ほどするとあら不思議、自動ドアの繋ぎ目が無くなり、何の機能もしないただの壁となった。壁となった扉の向こう側からガンガンと音が聞こえるが無視だ。

 

「とりあえず片っ端から怪しい奴を全部入れて行こうか」

 

身体を反転して、大量にある書物の倉庫の中からそれっぽい物を置いてそうな物を見つけて、アリアから渡されたずた袋を右手に持ってとにかく怪しそうな・重要そうな雰囲気を出している本は全部入れていく。ダイヤにもお願いして、片っ端から本を頭陀袋に入れていく。にしてもこのずた袋、めちゃくちゃ入るな〜〜・・・・・・乱雑に入れているんだが全く底が見えない。これも一種の魔法道具ってやつなのかね〜〜。そう思いながら重要そうな本は全てずた袋の中に入れた。

 

「こんなもんか・・・・そっちは?」

 

『こちらも大丈夫です』

 

「は〜い♪出来た?」

 

ダイヤにも渡した同じずた袋を見て、お互いに必要そうな物を入れたことを確認した後すぐに、隣に謎の空間が開いてアリアがヒョイッと出てきた。

 

「まあな・・・・こんなもんでいいだろ」

 

「じゃあ重要機密を盗ったから、できればジュノンの様子を見てスタコラサッサと言いたかったけど・・・・・」

 

「・・・・無理な様子だな」

バーーーン!!!!!

 

「侵入者がいたぞ!!!昨日、門番と偵察隊を破った奴らだ!!」

 

「わぁわぁ・・・・団体さんのご登場なこと」

 

「いつの間にこんなに呼んだのかしらねぇ・・・・」

 

アリアと今後のことを話していたけど、俺とダイヤで溶接して壁とした扉をぶち壊して大量の悪魔族モンスターがこの書庫の部屋に流れ込み、すぐに俺とアリアを囲んだ。その様子をアリアは頬をかきながら、俺はフード越しで頭をかく。先頭で仕切っているのは・・・・デーモンの将星とE-HERO マリシャス・エッジか・・・レベル的には幹部クラスか。

 

「逃さねぇぞ悪しき魔法使い!!」

 

「いやお前らの方が悪だろ・・・悪魔族のモンスターなんだから」

 

「ごちゃごちゃ言うな!!貴様らにはジュノン様の命でスパイ容疑がかかっている!!貴様らの運命は拷問か奴隷か処刑だ!!」

 

「おぉ〜おぉ〜、怖い事言うわね〜〜。か弱い二人の魔法少女相手に捕まえてもいないのに拷問に奴隷に処刑宣告〜?」

 

「この状況ではどうも出来ないだろ!!お前たち、行け!!」

 

「「「「「「ワアアアア!!!!!!」」」」」」」

 

「脳無しが・・・フレア・リフレクター!!!!」

 

何も考えずに悪魔族のモンスター達が俺たちに向かって一斉に突っ込んできたので俺とアリアの周りに赤いバリアを張る。悪魔族モンスター達はそのバリアに一斉に物理攻撃を仕掛けたが、それらの攻撃はすべて跳ね返されて逆にバリアから小さな火の玉の弾幕が出てきて、悪魔族モンスター達に飛び交う。弾幕の密度は濃く、またモンスター密度も高いためすべての悪魔族モンスターがその弾幕に当たり、身体が火だるま状態になった。

 

「うわ〜地獄絵図・・・・危ない汚物にはさっさとここから消えて消毒ね・・・アザールーラ」

 

アリアは呟いた変な言葉で火だるまとなった悪魔族モンスター達の足元に黒い穴が開いて、その中に落ちていった。

 

「チッ・・・・・役に立たない連中供め」

 

「(お前らの部下だろ・・・・もうちょっとちゃんとした指示出せば良かったじゃねぇか(汗))」

 

「さあどうする?あんた達もまとめてやって退治してあげるわよ」

 

「我々はあいつらみたいな野蛮なやり方は気に食わなくてね」

 

「(じゃあ何で突っ込めって指示したんだよ(汗))」

 

「ここはこいつで決着をつけようじゃないか」

 

マリシャス・エッジが左腕を突きつけて、デュエルディスクみたいな物を懐から取り出して、装着した。デーモンの将星の方も同じくデュエルディスクを取り付ける。

 

「へぇ〜・・・・最初の相手はあんたたち二人ってところね」

 

「まぁこっちとしてもあんまり体力使わなくてすみそうだな・・・・」

 

向こうが二人ともデュエルディスクを起動したのでこちらも腕につけてあったおおきなリストバンドみたいな物にタブレットみたいな物を取り付けて、ソリッドビジョンのデュエルディスクを起動させる。

 

「遊輝ちゃんはマリシャス・エッジ、私はデーモンの将星、シングルでね」

 

「OK・・・・・・」

 

「「デュエル‼︎」」 「「デュエル‼︎」」

 

 

遊輝 side out

 

 

アリア side

 

 

アリア LP4000 デーモンの将星 LP4000

 

ラメイソン乗り込みまで成功、あとはジュノンの様子だけでも見とけば任務完了だったんだけどね〜、まぁ、人生そうは上手くいかないわよ。

 

「私が先行をもらう。私のターン」

 

デーモンの将星 手札 6枚

 

「魔界発現世行きデスガイドを召喚!」

 

魔界発現世行きデスガイド 攻1000

 

「魔界発現世行きデスガイドは召喚した時、デッキから悪魔族のLv3モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する!トリック・デーモンを特殊召喚!」

 

トリック・デーモン 攻1000

 

悪魔のような尻尾と八重歯が見えるバスガイドの格好をしたお姉さんが現れて、そのバスガイドさんの案内でトリック・デーモンが姿を現れる。

 

「さらに手札のデーモンの将星は私の場に《デーモン》がいる場合手札から特殊召喚出来る!」

 

デーモンの将星 攻2500

 

「この効果で特殊召喚した場合、私のフィールドのモンスター1体を破壊しなければならない。トリック・デーモンを破壊する!」

 

フィールドに現れたデーモンの将星はトリック・デーモンの体を掴んで握り潰した。

 

「この瞬間、破壊されたトリック・デーモンの効果!デッキから《デーモン》と名のついたカードを1枚手札に加える!私はフィールド魔法、伏魔宮(デーモンパレス)ー悪魔の迷宮ーを手札に加えてそのまま発動!」

 

フィールドが書庫から黒の迷宮へと変わる。

 

「このフィールド魔法がある限り、私の悪魔族モンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」

 

魔界発現世行きデスガイド 攻1000→1500

デーモンの将星 攻2500→3000

 

「さらに、伏魔宮(デーモンパレス)のさらなる効果!私の場の《デーモン》モンスター1体を対象に、他の悪魔族モンスターをゲームから除外することで対象にしたモンスターと同じレベルの《デーモン》モンスターをデッキから特殊召喚する!私はデーモンの将星を対象にして、魔界発現世行きデスガイドをゲームから除外!デッキから2体目のデーモンの将星を特殊召喚する!Lv6の2体のデーモンの将星でオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!永遠の淑女 ベアトリーチェ!」

永遠の淑女 ベアトリーチェ 守2800

 

ブラック・ホールに吸い込まれた2体のデーモンの将星の代わりに出てきたのは、透けたピンク色の西洋の神殿の女神のような服装をしたベアトリーチェだ。

 

「永遠の淑女 ベアトリーチェの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、デッキからカードを1枚墓地に送る!」

 

永遠の淑女 ベアトリーチェ OVR 2→1

 

「私はこの効果でネクロ・ガードナーを墓地に送る!」

 

めんどくさいわね〜・・・・そんな防御系のモンスターなんか入れないで欲しいよ。私も入れているけど。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

将星 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

永遠の淑女 ベアトリーチェ 守2800

【魔法・罠ゾーン】

伏魔宮ー悪魔の迷宮ー (フィールド)

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ、ベアトリーチェの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、今度はトリック・デーモンを墓地に落とす。トリック・デーモンの効果でデッキから3枚目のデーモンの将星を手札に加える!」

 

永遠の淑女 ベアトリーチェ OVR 1→0

 

「関係ないわね!このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚出来る!WW(ウィンド・ウイッチ)ーアイス・ベルを特殊召喚!」

 

WWーアイス・ベル 守1000

 

「(!?デッキが違うだと!?)」

 

「アイス・ベルが特殊召喚した後、さらにデッキから《WW》モンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、WWーグラス・ベルを特殊召喚!」

 

WWーグラス・ベル 攻1500

 

私のフィールドに冷たい風が吹いて、氷の箒に座った魔法少女が現れ、さらにそのモンスターが氷の杖を振って横に同じく氷の箒に跨いだ白いスーツのような服を着た魔法少女が現れた。

 

「チェーン1、アイス・ベル、チェーン2、グラス・ベルで効果発動!グラス・ベルの効果でデッキから《WW》モンスターを手札に加える!スノウ・ベルを加えて、アイス・ベルは特殊召喚した場合、相手に500ポイントのダメージを与える!」

 

デーモンの将星 LP 4000→3500

 

アイス・ベルがもう一度氷の杖を振って、デーモンの将星に冷たく強い風が吹かれる。

 

「ふん、こんな冷風なんか私には効かない」

 

「そんな事言ってられるのも今のうちだよ!手札のチューナーモンスター、WWースノウ・ベルは自分フィールドに風属性モンスターしか存在せず、自分フィールドに風属性モンスターが2体以上いる場合、手札から特殊召喚出来る!」

 

WWースノウ・ベル 守100

 

「行くわよ!Lv3のWWーアイス・ベルにLv4のWWーグラス・ベルをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「真冬の世界に輝く魔女が吹雪とともに舞い降りる。雪も氷も我が力で吹き荒らせ!シンクロ召喚!Lv7!WWーウィンター・ベル!」

 

WWーウィンター・ベル 攻2400

 

ウィンター・ベルが作った4つの緑色の輪の中にアイス・ベルが入って3つの星となる。それらが一つになって光が輝くと、辺りいっぺんに吹雪が吹き荒れて、ウィンター・ベルが姿を現す。

 

「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地の《WW》モンスターを1体選んで、そのモンスターのLv×200ポイントのダメージを与える!対象はLv4のグラス・ベル!」

 

ウィンター・ベルが墓地にいるグラス・ベルの魂を真ん中の緑色のコアみたいなところで吸収して、そのコアからさっきのアイス・ベルよりもさらに強い冷風が吹き荒れる。

 

デーモンの将星 LP3500→2700

 

「まだまだ!Lv7のWWーウィンター・ベルにLv1のWWースノウ・ベルをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

「水晶の翼を持つ龍が邪悪な悪魔の心に神聖なる光を照らし出す!シンクロ召喚!Lv8!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000

 

「かかったな!伏せカードオープン!罠カード、奈落の落とし穴!攻撃力1500以上のモンスターが特殊召喚した場合、そのモンスターを破壊してゲームから除外する!」

 

ウィンター・ベルとスノウ・ベルによるシンクロ召喚で現れたクリスタルウィングだが、すぐ下に奈落に続く落とし穴が現れて、吸い込まれて行く。

 

「貴様の仲間が使ったそのモンスター、モンスター効果を無効にする強力な効果だが罠カードの前では無意味!」

 

「残念だったわね・・・・・クリスタルウィングは不死身よ!!」

 

「何 だと!?」

 

「飛翔せよ!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!」

 

吸い込まれていきそうだったクリスタルウィングだったけど、自らの翼を展開して吸い込まれて行く謎の力に抵抗、そしてそのままフィールドに舞い戻ってきた。

 

「シンクロ素材にしたスノウ・ベルの効果!このカードをシンクロ素材にした風属性シンクロモンスターは効果では破壊されない!」

 

「何だと!?」

 

「奈落の落とし穴になんかこのモンスターは効かないわよ!そして通常召喚!SR(スピードロイド)バンブーホースを召喚!」

 

SRバンブーホース 攻1000

 

私の後ろから竹馬が足となった2本足の白い馬が駆け抜けてくる。その馬の背中には複数体のベーゴマを連れている。

 

「バンブーホースは召喚時、手札のLv4以下の《SR》モンスターを特殊召喚する!SRベイゴマックスを特殊召喚!」

 

SRベイゴマックス 攻1200

 

バンブーホースの効果で特殊召喚されたベイゴマックスに繋がっている紐が引っ張られ、1枚のカードが釣り上げられて私の手札に加わった。

 

「ベイゴマックスは召喚・特殊召喚成功時にデッキから《SR》モンスターを1体手札に加える!SRタケトンボーグを加えて、タケトンボーグは自分フィールドに風属性モンスターがいる場合、手札から特殊召喚出来る!」

 

SRタケトンボーグ 守1200

 

ベイゴマックスの隣に竹とんぼが空から落ちてきてそれが変形、サイボーグのモンスターへと生まれ変わった。

 

「タケトンボーグの効果発動!このカードをリリースしてデッキから《SR》チューナーモンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、SR赤目のダイスを特殊召喚!」

 

SR赤目のダイス 攻100

 

タケトンボーグが再び竹とんぼへと変形して、上空に上昇する。そしてタケトンボーグが飛んで行った後にサイコロが降ってきて、赤目が光って、赤目の部分が眼玉へと変わった。

 

「赤目のダイスは特殊召喚成功時、自分フィールドの他の《SR》モンスターのレベルを1〜6に変更出来る!私はベイゴマックスのレベルを5に変更する!」

 

SRベイゴマックス ☆3→☆5

 

「Lv5になったSRベイゴマックスにLv1のSR赤目のダイスをチューニング!」

 

☆5 + ☆1 = ☆6

 

「星から生まれし聖なる翼が風に乗って世界を巡る!シンクロ召喚!Lv6!スターダスト・チャージ・ウォリアー!」

 

スターダスト・チャージ・ウォリアー 攻2000

 

「スターダスト・チャージ・ウォリアーがシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする!」

 

アリア 手札 3枚→4枚

 

「魔法カード、スピードリバース!墓地から《SR》モンスター1体を特殊召喚する!チューナーモンスター、SR赤目のダイスを再び特殊召喚!赤目のダイスの効果発動!バンブーホースを対象に今度は6を選択!」

 

SRバンブーホース ☆4→☆6

 

「Lv6のSRバンブーホースにLv1のSR赤目のダイスをチューニング!」

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

「蒼く輝きし神聖なる翼、音速の速さで未来へと駆け抜けろ!シンクロ召喚!Lv7!クリアウィング・ファスト・ドラゴン!」

 

クリアウィング・ファスト・ドラゴン 攻2500

 

バンブーホースと赤目のダイスが一つの光となって、その光から強風が吹き荒れてクリアウィング・ファスト・ドラゴンが姿を現す。

 

「魔法カード、シンクロ・クリード!フィールドにシンクロモンスターが3体以上いる場合、2枚ドローする!」

 

アリア 手札 2枚→4枚

 

「魔法カード、ヒドゥン・ショット!墓地から《SR》モンスターを2体まで除外して、除外したモンスターの数までフィールドのカードを破壊する!タケトンボーグと赤目のダイスを除外してベアトリーチェと伏せカードを破壊する!」

 

「チェーンだ!伏せカードオープン!罠カード、デーモンの雄叫び!ライフを500払って、墓地から《デーモン》1体を特殊召喚する!デーモンの将星を特殊召喚!」

 

デーモンの将星 LP2700→2200

デーモンの将星 攻2500→3000

 

ヒドゥン・ショットでベアトリーチェと相手の伏せカードを破壊したが、伏せカードが発動されてデーモンの将星が復活した。面倒ねぇ〜・・・・クリアウィング・ファストを出した意味が無いじゃない。

 

「ぐっ!?永遠の淑女 ベアトリーチェの効果発動!相手によって破壊され墓地に送られた時、エクストラデッキから《彼岸》モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する! 」

 

「・・・・・・・・通す」

 

「(何だと?)彼岸の巡礼者 ダンテを特殊召喚!」

 

彼岸の巡礼者 ダンテ 攻2800

 

ベアトリーチェの魂が何かの呪文を唱えて、その呪文が螺旋状に渦を巻いて、そこから彼岸の巡礼者 ダンテが現れる。もう・・・とことんクリアウィング・ファストのメタモンスターばかり並べてきている・・・・まぁいいか。伏せが無くなったから勝ちが決まったし。

 

「バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでデーモンの将星に攻撃!」

 

「何っ!?(攻撃力の低いダンテではなく攻撃力が同じデーモンの将星だと!?何かある!)墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!このカードをゲームから除外してその攻撃を無効にする!」

 

「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、相手が発動したモンスター効果を無効にして破壊する!」

 

墓地からネクロ・ガードナーの霊が現れてダンテを守ろうとしたが、クリスタルウィングの翼に光が蓄えられて、その光がネクロ・ガードナーに降り注ぎネクロ・ガードナーの霊を消滅させた。

 

「その後、エンドフェイズまで破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップするけど、破壊はできなかったからそれは無し!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!このカードがLv5以上のモンスターと戦闘を行うダメージ計算時、相手モンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力をアップする!」

 

「な、何だと!?」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンがデーモンの将星のエネルギーを吸収して、光輝く翼がさらに大きく展開された。

 

「行け!悪魔のモンスターを吹き飛ばせ!烈風のクリスタロス・エッジ!!」

 

クリスタルウィングが大きく上空へと上昇して、そこから急降下してデーモンの将星の身体に突進、デーモンの将星の身体は真っ二つになって破壊された。

 

「うわああああああ!!!!!!!!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000→6000

デーモンの将星 攻3000

 

 

デーモンの将星 LP2200→0

 

 

WIN アリア LOS デーモンの将星




遊輝「・・・・・SRっていつの間にこんな大量展開出来るテーマになったんだ?しかもライブラリアン出していないのに手札消費が3枚だけだし(汗)」

アリア「いや〜、アイス・ベルにベイゴマックス、バンブーホースにシンクロ・クリードと握った時はビックリしたよ。今回は手札良すぎた」

遊輝「アイス・ベル1枚でクリスタルウィング出るとかヤバすぎるだろ・・・・」

アリア「正直言って、レベル4チューナーが出たからベイゴマックスよりも強いと思うよ」

遊輝「ベイゴマックスの不味いのはランク3のエクシーズモンスターが簡単に出ちゃうところだからな・・・・」

アリア「次は魔法少女遊輝ちゃんの出番だよ〜」

遊輝「お願いだからその魔法少女って言うのやめて・・・・本気で勘違いしそうな人がチラホラいるんだから・・・」

アリア「遊輝ちゃんが男の娘なのが悪い。次回もよろしく〜」


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第134話 怒りの業火を呼び覚ます龍

Q,さすがに質問なくなってきた?
A,在庫切れになりそうです(泣)

Q,遊輝君、このままストレス溜まって怒らないの?
A,アリアさん、すみれさん等で怒っても物理的に静かになります。結局、男は女に勝てないんだよ。



アリア「遊輝ちゃんのファッションコーナー!」

遊輝「/////露出度高すぎるだろ!!ていうかこの重い装備なんだよ!!」←艦これの榛名

アリア「モチーフが艦隊だからね、そのくらいの装備は当然♪」

遊輝「/////だからってわざわざ本物を作る必要あるのか!?この背中のマシンガンみたいなやつ、マジで撃ててビビったわ!!」

アリア「アリアさんはリアリティを追求するのを主義としているのよ」

遊輝「/////こんなもの装備していたら銃刀法違反で捕まるわ!」

アリア「その前に公然わいせつ罪でしょうね」

遊輝「/////お前が無理矢理着させたんだろうが!!!」

アリア「・・・・・今度からもっと露出度高い物着さようかな・・・・(ボソッ)」

遊輝「/////やめろおおおお!!!!!」

アリア「最強カードの紹介に行くよ!今回は覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!!」

遊輝「/////クッソ・・・・ランク7、覇王黒竜に次ぐ第二のペンデュラムエクシーズモンスター、効果はこっちの方が強力だぞ」

アリア「素材はドラゴン族モンスター2体を指定、さらにその中にエクシーズモンスターを含んでいたら2回攻撃とエクシーズ素材を一つ取り除いて相手フィールドを全体除去!しかも攻撃力アップのオマケ付き!」

遊輝「あとは破壊されたらPゾーンにいって、ペンデュラム効果はデッキから好きなペンデュラムモンスターをPゾーンにセットできる。こいつ自体、スケール1だから高スケールのペンデュラムモンスターを置けばすぐにペンデュラム召喚につなげられるぞ」

アリア「というわけで遊輝ちゃん!タイトルコールいくよ!」

「「第134話、デュエルスタート!」」


遊輝 side

 

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 マリシャス・エッジ LP 4000

 

雑魚は吹っ飛ばしたし、あとはこの幹部クラス二人を倒せば潜入作戦は続行だな。

 

「私のターン」

 

マリシャス・エッジ 手札 6枚

 

「魔界初現世行きデスガイドを召喚」

 

魔界初現世行きデスガイド 攻1000

 

あれ?デジャブ?・・・・って言うか隣のデーモンの将星も先行1ターン目で出したし・・・あれ、制限カードだぞ、積み込みかよ。

 

「デスガイドの効果で私のデッキからLv3の悪魔族モンスターを効果を無効にして特殊召喚する。破壊神ヴァサーゴを特殊召喚」

破壊神ヴァサーゴ 攻1100

 

は、破壊神ヴァサーゴ!?なんだっけあのカード!?えっと・・・・・あっ、融合素材代理モンスターね・・・・・沼地の魔神王じゃタイプが合わないのか・・・・

 

「Lv3のデスガイドとヴァサーゴでオーバーレイ」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!M.X(ミッシングエックス)ーセイバー インヴォーカー!」

 

M.Xーセイバーインヴォーカー 攻1600

 

デスガイドとヴァサーゴがブラックホールに吸い込まれていき、そのブラックホールの中からインヴォーカーが現れた。

 

「インヴォーカーの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、デッキから地属性・Lv4の戦士族または獣戦士族モンスターを守備表示で特殊召喚する!E・HERO クレイマンを特殊召喚!」

 

M.Xーセイバーインヴォーカー OVR 2→1

E・HERO クレイマン 守2000

 

インヴォーカーがオーバーレイ・ユニットを一つ使い、大きな唸り声を上げる。その声を聞きつけてクレイマンが駆けつけた。クレイマンか・・・・スバルの使うHEROは漫画版ばっかだから何か初めて見た感覚だよ。

 

「この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊されるが、こうすれば問題ない。魔法カード、ダーク・フュージョン。手札のバーストレディとフィールドのクレイマンで融合!EーHERO ヘル・スナイパーを融合召喚!」

 

EーHERO ヘル・スナイパー 守2500

 

クレイマンとバーストレディが闇に渦巻く融合カードに吸い込まれて、ヘル・スナイパーが膝を折って現れた。

 

「ヘル・スナイパーは魔法カードの効果を受けず、守備表示で存在する時、自分のスタンバイフェイズ毎に1000ポイントのダメージを与える。気をつけな」

 

「ご丁寧にどうも・・・・」

 

EーHEROは初期HERO融合モンスターの強化版だからな・・・・馬鹿に出来ないんだよな。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

マリシャス・エッジ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

M.Xーセイバーインヴォーカー 攻1600

EーHERO ヘル・スナイパー 守2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

さてと、まずはあのモンスターの処理からだな・・・

 

「ライト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師、 レフト・Pゾーンにスケール2の刻剣の魔術師をセッティング!」

 

右側のPゾーンに慧眼の魔術師、左側のPゾーンに刻剣の魔術師がセッティング。そのまま慧眼の魔術師は自身が手にしている棒の先端にある火の灯したランプを輝かせる。

 

「慧眼の魔術師のペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに《魔術師》または《EM》がいる場合、このカードを破壊してデッキからこのカード以外の《魔術師》PモンスターをPゾーンにセッティングする!スケール8の龍穴の魔術師をセッティング!」

 

慧眼の魔術師が灯したランプが光強く輝く。光が消えると慧眼の魔術師が消えて代わりに龍穴の魔術師がセッティングされていた。これで龍穴の効果を使えたらいいんだが、今回は無理だな・・・・仕方ない。

 

「これでLv3から7までのモンスターが同時に召喚可能!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

俺龍穴の魔術師と刻剣の魔術師の間に大きな振り子が揺れ始め、その軌跡から描かれた大きな円から2つの光が出てくる。

 

「エクストラデッキから慧眼の魔術師!そして手札からEMペンデュラム・マジシャン!」

 

慧眼の魔術師 攻1500

EMペンデュラム・マジシャン 攻1500

 

「EMペンデュラム・マジシャンの効果発動!このカードの特殊召喚成功時、自分フィールドのカードを2枚まで破壊して、破壊した枚数までデッキから《EM》モンスターを手札に加える!俺はレフト・Pゾーンの刻剣の魔術師1枚を破壊して、デッキからEMドクロバット・ジョーカーを手札に加える!」

 

ペンデュラムマジシャンが手にしていた振り子を刻剣の魔術師に向かって投げて、刻剣の魔術師は破壊されたが、その振り子の先には1枚のカードがあり、それが俺の手札にくる。

 

「そしてEMドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

トランプのマークをしたピエロのモンスターが現れて、自身が被っている帽子を脱いでその中からカードを1枚出す。

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果発動!召喚時、デッキから《EM》モンスター、《魔術師》Pモンスター、《オッドアイズ》モンスターの内1枚を手札に加える!デッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを手札に加えて、そのままレフト・Pゾーンにセッティング!」

 

刻剣の魔術師が破壊されて空白となったレフト・PゾーンにオッPが現れる。

 

「Lv4の慧眼の魔術師とペンデュラム・マジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鳥銃士カステル!」

 

鳥銃士カステル 攻2000

 

「鳥銃士カステルの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、フィールドの表側表示のカードをデッキに戻す!対象はヘル・スナイパー!」

 

鳥銃士カステル OVR2→0

 

鳥銃士カステルがヘル・スナイパーに向かって銃を構え、撃つ。弾は途中で爆発して捕獲用の網へと代わりヘル・スナイパーはそれに絡まってしまい、上から現れた鳥の群れに連れ去られた。

 

「ふむ、これくらいは対処してくれないと歯ごたえがないな」

 

「そんな余裕かます暇があるんか?バトル!カステルでインヴォーカーに攻撃!」

 

鳥銃士カステル 攻2000

M.Xーセイバーインヴォーカー 攻1600

 

マリシャス・エッジ LP4000→3600

 

「ドクロバット・ジョーカーでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン、ガード・ブロック。この戦闘ダメージを0にしてカードを1枚ドローする」

 

マリシャス・エッジ 手札 2枚→3枚

 

カード・ブロックか・・・・手札切れが激しいデッキだから相性は良いのか。まぁ、最初の目的のモンスター除去はできたし、良しとしよう。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時、レフト・Pゾーンのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果発動。このカードを破壊して、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターを手札に加える。チューナーモンスター、調弦の魔術師を手札に加える」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

鳥銃士カステル 攻2000

EMドクロバット・ジョーカー 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

ライト:龍穴の魔術師 スケール8

レフト:なし

 

 

「私のターン、ドロー」

 

マリシャス・エッジ 手札 4枚

 

「EーHERO ヘル・ブラッドを特殊召喚」

 

EーHERO ヘル・ブラット 攻300

 

「このカードは私の場にモンスターがいない場合、手札から攻撃表示で特殊召喚できる。ヘル・ブラットをリリース!EーHERO マリシャス・エッジをアドバンス召喚!」

 

EーHERO マリシャス・エッジ 攻2600

 

マリシャス・エッジの前に出てきた小さな悪魔のようなモンスターが直ぐにリリースされて、マリシャス・エッジ本人が現れた。

 

「このカードは相手フィールドにモンスターがいる場合、リリース素材は1体でアドバンス召喚できる。さらにリリースされたヘル・ブラットの効果。このカードをリリースして《HERO》モンスターのアドバンス召喚に成功した時、1枚ドローする」

 

マリシャス・エッジ 手札 2枚→3枚

 

「バトル!マリシャス・エッジでドクロバット・ジョーカーに攻撃!ニードル・バースト!」

 

 

EーHERO マリシャス・エッジ 攻2600

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

遊輝 LP 4000→3200

 

 

「ぐうぅ・・・・・・・」

 

マリシャス・エッジがドクロバット・ジョーカーに攻撃されてその余波が俺にも襲う。少し勢いが強くて後ろに引きずってしまったが耐えることはできる。

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

マリシャス・エッジ 手札 1枚 LP 3600

【モンスターゾーン】

EーHERO マリシャス・エッジ 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

まずは手札交換だな・・・・・カステルには悪いけど、こうするしかないか。

 

「魔法カード、セブンストア!自分フィールドのエクシーズモンスター1体をリリースして1枚ドロー!さらに魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

「ふっ、私にドローさせるとは、小娘のくせに良い度胸だな」

遊輝 手札 3枚→6枚

マリシャス・エッジ 手札 1枚→4枚

 

・・・・・よし、トドメを刺しに行こう。

 

「レフト・Pゾーンにスケール3の相克の魔術師をセッティング!龍穴の魔術師の効果発動!貴竜の魔術師を捨てて、右側の伏せカードを破壊する!ドラゴンズマジック!」

 

龍穴の魔術師が手にしている大きな棒を振り回して右側の伏せカードを破壊した。えっと・・・・奈落!?あっぶな!?メタカード何か入れてきてやがる!?

 

「(・・・・門番とのデュエルだけじゃなくて俺の時も観察されているのか?まぁいい・・・)相克の魔術師がセッティングされたことでLv4から7までのモンスターが同時に召喚可能!今一度揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ俺のモンスター達!!」

 

再び現れた大きな振り子、それによって描かれた大きな円の中から3つの光が舞い降りてきて、ドクロバット・ジョーカー、調弦の魔術師、そしてオッドアイズが姿を現す。

 

「手札から調弦の魔術師!エクストラデッキからEMドクロバット・ジョーカー!そしてさらに雄々しくも美しく輝く二色の眼!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

調弦の魔術師 攻0

EMドクロバット・ジョーカー 攻1800

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

 

「行くぜ!調弦の魔術師の効果発動!手札からペンデュラム召喚に成功した時、デッキから《魔術師》Pモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!龍脈の魔術師を特殊召喚!」

 

「リバースカードオープン!激流葬!」

 

「ハッ!?」

 

「モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚成功時、フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

調弦の魔術師が龍脈の魔術師を呼んだところで俺たちのフィールドに激流が流れ込み、フィールドにいた全てのモンスターが巻き込まれて破壊された。

 

「お前のデッキはその摩訶不思議な条件からの大量召喚。故に一度の大量除去が弱点だ。多少の犠牲はしたが別に構わない」

 

んにゃろ〜・・・奈落といい激流といいやっぱり見てやがったな・・・・だから正面突破は嫌なんだよ・・・・賛成した身だけど。

 

「魔法カード、金満な壺!墓地またはエクストラデッキに表側表示で存在するPモンスターを3体デッキに戻して2枚ドローする!ただし、このカードを使ったターン、ペンデュラム召喚以外の特殊召喚は出来ない!墓地の慧眼の魔術師、EMペンデュラム・マジシャン、エクストラデッキの調弦の魔術師をデッキに戻して2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚→4枚

 

「ガガガマジシャンを召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

ドローしたカードの中から即座にダイヤのカードをフィールドに出す。俺の目の前に鎖を振り回しながらダイヤが現れる。

 

「バトル!ガガガマジシャンでダイレクトアタック!ガガガマジック!」

 

ダイヤが手にしている鎖を振り回してマリシャス・エッジにダメージを与える。マリシャス・エッジは涼しい顔でダイヤの攻撃を受けた。

マリシャス・エッジ LP3600→2100

 

「これくらい大したことはない」

 

「チッ・・・・カードをさらに1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP3200

【モンスターゾーン】

ガガガマジシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

【Pゾーン】

ライト:龍穴の魔術師 スケール8

レフト:相克の魔術師 スケール3

 

 

「私のターン、ドロー」

 

マリシャス・エッジ 手札 5枚

 

「お前のおかげで良いカードを引くことができた。魔法カード、ダーク・コーリング!墓地からマリシャス・エッジとヘル・スナイパーを除外して融合召喚!EーHERO マリシャス・デビル!」

 

EーHERO マリシャス・デビル 攻3500

 

地面から大きな穴が開いて青色の左手が現れる。その手に乗っていたマリシャス・エッジとヘル・スナイパーが融合されて大きな翼を広げたマリシャス・デビルが現れた。

 

「これでお前の息の根を止めてやる」

 

「やれるもんならやってみやがれ」

 

「威勢がいいのも今の内だ。さらに魔法カード、Eーエマージェンシー・コール。デッキから《E・HERO》1体を手札に加える。私はE・HERO エマーマンを加えてそのまま召喚」

 

E・HERO エマーマン 攻1800

 

「エマーマンの効果発動。召喚時、デッキから《HERO》モンスター1体を手札に加える。私はE・HERO フェザーマンを手札に加える。バトルだ、エマーマンでガガガマジシャンに攻撃!」

 

E・HERO エマーマン 攻1800

ガガガマジシャン 攻1500

 

遊輝 LP3200→2900

 

 

「これで終わりだ!マリシャス・デビルでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、収縮!マリシャス・デビルの攻撃力をエンドフェイズまで半分にする!」

 

Eーマリシャス・デビル 攻3500→1750

 

「1ターン生き延びたか・・・まぁいい!行け!エッジ・ストリーム!」

 

マリシャス・デビルがその尖らせた爪を立てて、俺に向かって突進、爪で切りつけた。

 

「オワアアアアア!!!!!!」

 

遊輝 LP2900→1150

 

半分とはいえまともに食らった俺の顔や身体にはマリシャス・デビルから貰った攻撃のせいでところどころ血が流れ始めた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・リバースカードオープン!罠カード、ショック・ドロー!俺がこのターンに受けたダメージ1000ポイントにつき1枚ドローする!2050のダメージを受けたから2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚→4枚

 

「ふっ、手札を増やすカードを伏せていたとはな。バトルは終了、魔法カード、弱者の贈り物。手札のLv3以下のモンスター1体を除外して2枚ドローする。手札のE・HERO フェザーマンを除外して2枚ドロー」

 

マリシャス・エッジ 手札 2枚→4枚

 

「(・・・・・チッ、先に発動していればよかった)魔法カード、ツインツイスター!手札を1枚捨てて、お前のPゾーンのカード2枚を破壊する!」

 

「なっ!?」

 

フィールドに2つのツイスターが現れて、俺の横にあったPゾーンにセットされた2体の魔術師が破壊されてしまった。

 

「ぐうぅ・・・・」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

マリシャス・デビル 手札 1枚 LP2100

【モンスターゾーン】

EーHERO マリシャス・デビル 攻1750→3500

E・HERO エマーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「マリシャス・デビルがいる限り、お前が攻撃宣言を行えば、お前のフィールドの全てのモンスターは攻撃表示となりこのカードに攻撃しなければならない」

 

「ハァ・・・面倒くせぇな、俺のターン・・・・ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

ハァ・・・・ハァ・・・・・1000ポイント超えのダメージとなるとさすがに一撃でも多少は堪えるな・・・・・

 

「ガガガガールを召喚!」

 

ガガガガール 攻1000

 

「さらに装備魔法、ガガガリベンジ!墓地からガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『マスター!』

 

「(心配するな・・・・ただの切り傷だっつぅの)ガガガマジシャンの効果発動!1ターンに1度、レベルを1〜8まで任意のレベルにする!俺は6を選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「さらにガガガガールの効果発動!自分フィールドのガガガマジシャンと同じレベルになる!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「レベル6になったガガガガールとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『・・・・・ギャアアアアアア!!!!!』

 

ダイヤとパール、2体がブラックホールに吸い込まれていき爆発する。その中から白く光輝く太陽が現れて、変形していきホワイトが姿を現す。

 

「ほう・・・・まだこんな切り札を持っていたか」

 

「墓地に落ちたガガガリベンジの効果発動!装備モンスターがエクシーズ素材となってこのカードが墓地に送られた場合、自分フィールドのエクシーズモンスターは攻撃力が300ポイントアップする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→2700

 

「さらにガガガガールの効果発動!このカードを含んでエクシーズ召喚したモンスターの素材が《ガガガ》のみの場合、特殊召喚したモンスターに『このカードのエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を0にする』という効果を付与する!」

 

「何だと!?」

 

「対象はマリシャス・デビル!ゼロゼロコール!」

 

ホワイトのオーバーレイ・ユニットとなっているパールが霊として出てきて、ガラケーを操作して相手に画面を見せる。その画面から0の数字がたくさん出てきて、マリシャス・デビルに当たり、攻撃力を0にした。

 

EーHERO マリシャス・デビル 攻3500→0

 

「これで終わりだ!ホワイトでマリシャス・デビルに攻撃!サンシャイン・パティズム!」

 

ホワイトがエネルギーを貯めて、マリシャス・デビルに向かって放つ。攻撃力が0になったマリシャス・デビルは何の抵抗も出来ずに攻撃を受けて爆発する。

 

「やったか!?」

 

「・・・・・・フフフフ」

 

「!?」

 

煙が晴れる前にマリシャス・エッジの笑い声が聞こえたので何事かと思ったら、煙が晴れた後に確認をしたらマリシャス・デビルは破壊されたがあいつのライフは無傷だった。

 

「残念だったな。私は2枚目のガード・ブロックを発動させてもらった」

 

マリシャス・デビル 手札 1枚→2枚

 

チッ・・・・仕留めそこなかったか・・・・もう1ターン耐える必要があるな。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP1150

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

マリシャス・エッジ 手札 3枚

 

「では、このデュエルもそろそろ締めにさせてもらおう。魔法カード、おろかな埋葬。デッキからメタモルポットを墓地に送る」

 

メタモルポット?何故そんなカードを落とした?あいつはリバースして役に立つモンスターだろ?

 

「さぁ行くぞ・・・・魔法カード、ダーク・コーリング!墓地のマリシャス・デビルとメタモルポットを除外して融合!」

 

2枚目のダーク・コーリングによってマリシャス・デビルとメタモルポット、2体のモンスターが融合される。何だっけ?あの融合素材・・・・・・!!悪魔族と岩石族モンスター!!

 

「融合召喚!EーHERO ダーク・ガイア!」

 

EーHERO ダーク・ガイア 攻?

 

マリシャス・デビルとメタモルポットの2体が融合されて現れたのは翼に身体を巻いたモンスターが地面から現れて、翼を大きく広げる。身体は固い岩で出来て、翼は吸血鬼のような翼をした悪魔族のモンスターだ。

 

「ダーク・ガイアの攻撃力は融合素材となったモンスターの攻撃力の合計となる。マリシャス・デビルは3500、メタモルポットは700、よってダーク・ガイアの攻撃力は4200!!」

 

EーHERO ダーク・ガイア 攻?→4200

 

「これで終わりだ!!ダーク・ガイアでホワイト・サン・ドラゴンに攻撃!!ダーク・カタストロフ!!」

 

ダーク・ガイアが上に飛んで、右手を天に突き上げる。その手の上に大きな岩が現れて、それが火に包まれる。その大岩がホワイトに向かって落とした。

 

バアアアアン!!!!!!!

 

「これで終わり「誰が終わりだって?」!?何っ!?」

 

ダーク・ガイアの攻撃によりホワイトは破壊されてしまったが、俺のライフは1ポイント足りとも減っていない。さっきはガード・ブロックで不意打ちを食らったが、今回は不意打ち返しだ。

 

「罠カード、攻撃の無敵化・・・・・俺はこのカードの効果でこのターンに受ける戦闘ダメージは0にした」

 

「くっ・・・・カードを1体を伏せてターンエンド!(私の伏せカードはミラーフォース!ダーク・ガイアよりも高い攻撃力のモンスターならこれで倒し、守備表示なら次のターン、ダーク・ガイアの効果で私の勝ちだ!)」

 

 

マリシャス・エッジ 手札 0枚 LP 2100

【モンスターゾーン】

E・HERO エマーマン 攻1800

EーHERO ダーク・ガイア 攻4200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

・・・・・・最後はこいつで決めろってことか。

 

「魔法カード、アメイジング・ペンデュラム!Pゾーンにカードが存在しない場合、エクストラデッキに表側表示で存在するカード名が異なる《魔術師》ペンデュラムモンスターを2枚、手札に戻す!俺は龍穴の魔術師と相克の魔術師を手札に戻す!」

 

「チッ・・・・無理矢理ペンデュラム召喚する気か・・・」

 

「レフト・Pゾーンにスケール8の龍穴の魔術師、ライト・Pゾーンにスケール3の相克の魔術師をセッティング!これで再びLv4から7までのモンスターを同時に召喚可能!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

手札に加えた龍穴の魔術師と相克の魔術師をすぐにPゾーンにセッティング、そのまま大きな振り子が3度目の登場で上に円を描き、2つの光がフィールドに舞い降りた。

 

「手札から2体目の龍穴の魔術師!エクストラデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

『・・・・・ギャアアアアアア!!!!』

 

2つの光から龍穴の魔術師とオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが姿を現す。オッドアイズはマリシャス・エッジを見つめて大きな咆哮をあげた。

「ふん、たった2枚枚だけか。そんなモンスターでは私のダーク・ガイアは倒せないぞ」

 

「こいつらだけでお前を倒すのには十分だ・・・・墓地の貴竜の魔術師の効果発動!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンのレベルを3つ下げて、このカードを特殊召喚する!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ☆7→☆4

貴竜の魔術師 攻700

 

「Lv4になったオッドアイズにLv3の貴竜の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「二色の眼を持つ龍よ!魔術師と同調し紅蓮なる炎の力を手に入れろ!シンクロ召喚!Lv7!オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・グオオオオ!!!!!』

 

オッドアイズと貴竜の魔術師が一つの光となって、その光の中から大きなプロミネンスが湧き出す。大量のプロミネンスの中央にある大きな球体の炎の塊が変形をしてオッドアイズ・メテオバーストが姿を現す。

 

「オッドアイズ・メテオバーストの効果発動!特殊召喚成功時、Pゾーンのカード1枚を特殊召喚する!俺は龍穴の魔術師を特殊召喚!」

 

オッドアイズ・メテオバーストが大きな咆哮を上げて、レフト・Pゾーンにいた龍穴の魔術師がPゾーンから外れてフィールドに現れる。

「Lv7の2体の龍穴の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆7 × ☆7 = ★7

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!二色の眼を持つ龍よ!魔術師と共にその戦慄なる雄叫びで全てを凍らせ!エクシーズ召喚!ランク7!オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン 攻2800

 

2体の龍穴の魔術師がブラックホールに吸い込まれていき、そのブラックホールから猛烈な吹雪が吹き荒れてオッドアイズ・アブソリュートが姿を現す。

 

「ふっ・・・・2体の龍か。しかし、そんなモンスターが出てきて何の意味があるんだ?」

 

「これでいい・・・・対立を見極める魔術師よ!全ての事柄を見定めて概念を壊せ!相克の魔術師のペンデュラム効果!自分フィールドのエクシーズモンスター1体をこのターン、同じ数値のレベルのモンスターとしてエクシーズ素材に使うことができる!」

 

「何だと!?エクシーズモンスターをエクシーズ素材にするだと!?」

 

「レベル7のオッドアイズ・メテオバーストにランク7のオッドアイズ・アブソリュートでオーバーレイ!!」

 

☆7 × ★7 = ★7

 

ブラックホールの中にオッドアイズ・メテオバーストとオッドアイズ・アブソリュートが吸い込まれていき、2体の龍を吸い込んだ龍は爆発をして大きな炎を吹き出した。

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!!二色の眼を持つ龍よ!!失落の楽園から獄炎の炎を纏わせて地上に天変地異を起こせ!!エクシーズ召喚!!ランク7!!災いを呼ぶ龍!!覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!!」

 

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン 攻3000

 

『・・・・(ピキッ!)グギャアアアアアア!!!!!!!!』

 

大きな炎が渦状に巻き始め上へ上へと登っていく。その渦の真ん中で翼を広げた赤い身体の龍がブラックホールの中から現れる。大きく広げる翼は黒い骨格と赤い炎のような羽、胸には青い水晶玉みたいなものが埋め込められている。

 

「ふん・・・・ただのこけおどしか、攻撃力3000なら私のダーク・ガイアには勝てない!」

 

「覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンのモンスター効果!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除き、相手フィールドのカードを全て破壊する!」

 

「な、何っ!?」

 

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン OVR2→1

 

「全てを焼き払え・・・・エンライジングバースト!!!!!」

 

レイジング・ドラゴンがオーバーレイ・ユニットを一つ掴み、赤い翼をさらに大きくして地面や壁、天井に突き刺す。その状態で身体を回転させて、突き刺った羽は鋭利で尖った刃のようにマリシャス・エッジのフィールドのカードを全て破壊した。

 

「なっ・・・・・あっ・・・・・」

 

レイジング・ドラゴンによりこの部屋には大きな爪痕で引っかいたような傷がたくさん出来た。そして全てを破壊されてしまったマリシャス・エッジはレイジング・ドラゴンの圧倒的な威圧感の前に2・3歩後ろに下がった。

 

「さらに、破壊したカード1枚につき200ポイント攻撃力がアップする!!」

 

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン 攻3000→3600

 

「バトル!オッドアイズ・レイジング・ドラゴンでダイレクトアタック!!憤激のデストラクションバースト!!!」

 

レイジング・ドラゴンがエネルギーを貯めはじめ、身体が赤く輝き始め、真下に大きなマグマ溜りが出来る。そのマグマ溜りから青い炎が吹き出してレイジング・ドラゴンの前に円形状に形作られる。エネルギーを充填したレイジング・ドラゴンはその円の中にエネルギーを全て放つ。円の中を通ったエネルギーはさらに太くなってマリシャス・エッジを襲った。

 

「う、うわああああああ!!!!!!」

 

まともに食らったマリシャス・エッジはそのまま彼に直撃、さらにレイジング・ドラゴンのパワーによりそのまま強固なラメイソンの壁をも突き破り、外へと出て行った。

 

マリシャス・エッジ LP2100→0

 

 

WIN 遊輝 LOS マリシャス・エッジ

 

「・・・・・悪は滅びる」

 

ゴン!!

 

「いったああああああ!!!!」

 

マリシャス・エッジが吹き飛んでちょっとふざけたらアリアにグーで頭を殴られた。

 

「何するんだよ!?」

 

「遅い上にやり過ぎよ!!これじゃ余計に援軍来るじゃない!!しかもアリアさんの服を血だらけにした!!かなりの重罪よ!!」

 

「怒っているのそこかよ!?」

 

遅いから援軍が来るっていうのは分かるけど、こっちは死闘を制して勝ったんだぞ!?せめて「お疲れ」の一言くらいくれよ!!しかもこんな状況でまだ服のことを言ってくるし!!

 

「とにかく今はここから脱出よ!!すぐに援軍来るわ!!」

 

「いててて!!!怪我人を引っ張るな!!」

 

「いたぞ!!」

 

「まっず!?もう来たの!?逃げる(ボスーーン!!!)ハッ!?」

 

ドスン!!

 

アリアに引っ張られてそのまま壊れた壁から外に出ようとしたけど、後ろからネットを撃たれてしまい、その網に俺とアリアは絡まってしまった。俺は衝撃で顎を地面にぶつけてしまう。

 

「い、いててて・・・・あ、顎が・・・・」

 

「いたたた・・・・誰〜!?後ろから撃ってきた卑怯者〜〜!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「!?へぇ〜・・・・自ら表舞台に出るとはね〜・・・・」

 

「・・・・・何だジュノンか」

 

誰が後ろから捕獲用ネットを撃ったのかアリアと共に確認をしたら、俺たちを捕らえた捕獲部隊の後ろに黒い魔法服を着たジュノンがいた。黒いマントで身体を覆っているが、何故か右手だけはマントの外に出て紫色に輝く水晶玉を持っている。

 

「(・・・・アリア、あの紫の水晶玉は何だ?)」

 

「(さぁ?私も見たことがないね)」

 

「・・・・・・悪しき魔法使い、大人しく投降して手をあげなさい。あなた達の魔力・霊力はその網の前では無力です」

 

「(・・・・この網、そんなに凄いの?)」

 

「(そりゃあもう、魔法使い専用捕獲用ネットだからね。捕まえた魔法使いが魔法で脱走なんてしたら捕獲用の意味がないよ。遊輝ちゃんも観察されてシグナーの能力がバレたのでしょうね」

 

「(あんだけ街中やここで暴れたら・・・・そうなるか)」

 

実際、この書庫、もう書庫として機能できないだろうな・・・・レイジング・ドラゴンの効果による傷跡にレイジング・ドラゴンによる壁の損傷・・・・・レイジング・ドラゴンの破壊力ヤバすぎるだろ(汗)。今度からは自重しよう・・・・

 

「もう一度言います。手をあげなさい」

 

「はいはい・・・・分かりましたよっと」

 

網に絡まって身動きが取れない上に能力も使えないため、俺とアリアは大人しく両手を挙げる。悪魔族の下級モンスター達が網に絡まった俺たちから器用にカバンとデュエルディスク、さらには盗んだ本などもを奪われてしまい、そのまま後ろ手で拘束されてしまう。さらに腰のあたりに縄を結ばれて、その縄がアリアにもいって同じように結ばれる。ロープの残った部分の前後は下級悪魔族モンスターの手に握り締められている。

 

「・・・・・付いて来なさい」

 

「へ〜い」

 

「はぁ・・・・先が思いやられるわね」

 

抵抗も出来ず、俺たちはジュノンの後を悪魔族モンスター達に引っ張られてついて行く。

 




アリア「・・・・誰のせいでアリアさんの大切なお洋服がこうなったのかな〜?」かな〜り怒っている、主に服が血まみれになったことで。

遊輝「(・・・・なんか怒られる理由が違うと思うんだけど(汗)。どっちにしろ理不尽だし・・・・)」←ブレスレットのせいで土下座させられている。

アリア「どう責任とって貰おうかな〜〜。服は血まみれでもう使えないし、敵に捕まるし」

遊輝「いや、捕まったのはともかく、服の血まみれは事故だぞ・・・・」

アリア「(ギロッ!!!)」

遊輝「(ヒッ!!)ま、誠に申し訳ありませんでした!!」

アリア「遊輝ちゃんの処分はこれから考えるとして・・・・マジでどうしてくれるのよ!?」

遊輝「いや、もうこの章の撮影終わってるから話の流れわか「メタ発言しない」・・・・・・・」

アリア「これはかな〜〜り重い罰が必要ね・・・・肉体的な罰よりも精神的な罰が良さそうね」

遊輝「(いや、マジ怖いんだけど!!俺、何されるの!?)」

アリア「そうね〜〜、せっかくだしアリアさんのメイドとしてお化け屋敷巡りにでも付き合ってもらおうかな〜〜?」

遊輝「!!!!!そ、それだけは本当にやめてください!!!!」

アリア「まぁとりあえず罰は後日改めて考えよう。それじゃまたね〜」


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第135話 女王の苦悩

Q,作者は裁判に詳しいの?
A,そんなわけありません。勝手な妄想で書きました。だからギャグが入る(笑)

Q,何でこんなに早いの?
A,再来週、実習で1週間潰れるため。
出来ればこの章の最終話の一つ前までは出したい。


アリア「いや〜〜、お化け屋敷巡り楽しかったね!次は何処のお化け屋敷に行く!?」

遊輝「・・・・モウイヤダ、モウイキタクナイ・・・・(ブルブル)」←Re.ゼロのレムのメイド服

アリア「ダメダメ、これは遊輝ちゃんのお仕置きだから。こんなのまだ序の口よ」

遊輝「イヤダ・・・・モウオバケハイヤダ・・・・・(ブルブル)」

アリア「どうせこの回は暇があるのでしょ?」

遊輝「お前、俺たち捕まっている身なんだぞ!?」

アリア「前回の後書きで撮影終わったとメタ発言したのは何処の誰?」

遊輝「ウッ・・・・・・・」

アリア「というわけで次は日本一と噂の○士急に行こう!!」

遊輝「(ビクッ!!!)あ、あれだけは絶対に嫌『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんと一緒にお化け屋敷に行く』・・・・嫌だああああ!!!!!」

アリア「さあ行くわよ!!目標はゴール達成!!あっ、第135話、始まるよ」


遊輝 side

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ここはジュノンの部屋・・・・・なんだろうな。左右に分厚い書物が並んだ本棚があり、俺の目の前には大きな机と椅子がある。その机の後ろの壁には魔法陣みたいな模様を描いた絵がかけられている。

俺とアリアはラメイソンに潜入して重要書類を盗むというミッションに失敗、捕まってしまいこの部屋に連れ込まれた。周りには悪魔族モンスターや魔法使い族モンスター達がいて、少し大きめ椅子に座らされている俺とアリアの後ろで綺麗に並んでいる。横にはエリートや幹部の風格をした悪魔族や魔法使い族が俺たちの横で並んでいる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「(どうしたのよ遊輝ちゃん、さっきからムッス〜とした表情をしているけど)」

 

無言を貫く俺にアリアは俺の顔を背後から覗き込むようにして言ってくる。実は俺はさっきから非常に不満を抱いている。もちろん捕まったことに対する失敗のアレコレもあるんだが、今はそんな事を考えていない。

 

「(・・・・・何で俺はアリアのお人形みたいな扱いを受けているんだよ)」

 

「(知らないわよ(汗)。椅子が一脚しかなかったみたいだし、魔法少女遊輝ちゃんの身長が小さいからよ)」

 

「(お前、捕まっているのによくそんなボケをかましている余裕があるな)」

 

「(お互い様でしょ)」

 

「(それもそうか)」

 

現在、俺はアリアの膝と膝の間・・・・股の間にある座面に座らされている。右足はアリアの右足と一緒に椅子の脚に拘束、左足も同様にアリアの左足と一緒に拘束されている。俺の手は後ろで拘束されているが、アリアは前かがみになって俺の胸のあたりで俺を抱きしめるように腕を回されて肘から拘束されている。つまり俺は今、アリアに抱きしめられている状態で、身体が凄い密着されて拘束をされている。

この部屋に連行される時に結ばれた腰の縄は片方は椅子の後ろにある地面の突起部分に結ばれて、もう片方は随分余裕があったせいか、俺とアリアを密着させて腰の辺りをもう一周半してから同じ突起部分に結んだ。もうちょっと考えて人を結べよな・・・・

 

霊力に関しては全く使えない。どうやらさっき捕獲された時の捕獲用ネットと同じ素材を使っているみたいだ。

不幸中の幸いなのは口や目など、頭に関しては何もしてこなかった。おかげでこの部屋の状況も観察できるし、こうやって二人でボソボソと会話をすることが出来る。

 

「(いや〜、一緒に寝ているときは気づかなかったけど遊輝ちゃんの抱き心地って意外といいわね〜、本当に人形を抱いているみたい)」

 

「(うるせぇ、俺はお前のおもちゃじゃねぇ)」

 

「(今現在の元凶を作った人が何言ってるのよ。捕まるし、アリアさんの服血まみれにするし、今日は最悪な日だけどこれだったら少しだけ許してあげる)」

 

「(まだ服のこと言うか)」

 

さっきからアリアの口から出てくる言葉は俺に対する抱き心地と服を血まみれにした事に対する怒りだ。抱き心地は知らないが、血まみれに関しては俺は何の悪さもしていない。

 

・・・・・・・バサッ!!!

 

「(・・・・何の音だ?)」

 

「(・・・・後ろの悪魔達が一斉に敬礼をしているわよ。ジュノンが来たのでしょうね)」

 

「(あ〜あ、処刑宣告確定の裁判が始まるのか。堅苦して嫌だな〜〜)」

 

「(まだ処刑って決まったわけじゃないでしょ。あいつらの話だと拷問か奴隷かもしれないじゃない)」

 

「(実質処刑だろ)」

 

「(生きていれば逃げれるチャンスはあるわ)」

 

「(そんなチャンスいつ来るんだよ)」

 

「(・・・・今でしょ)」

 

「(古いネタを言うな)」

 

そんな事を話していたら横の扉が開いてジュノンが現れる。そのままゆっくりと歩いて目の前の椅子に座り、右手に持っている紫の水晶玉は机の上に大事そうに置いた。ジュノンの後ろにいた一人の魔法使いはジュノンの左斜め後ろに立ち、丸めた紙を広げる。

 

「これより、2人の悪の魔法使いの弾丸裁判を始める。この2人の魔法使いの罪はスパイ罪、テロ未遂、国家反逆罪、グリモワールへの潜入、ラメイソンへの不法侵入等10つの罪に問われています」

 

「(おいこらそこの判事、罪状を飛ばすな。お前判事失格だろ)」

 

「被告人、これらの罪に対する異議はありますか?」

 

「別に無いわよ〜。ただ私たちは侵略戦争を止めに来ただけだし〜」

 

「なっ!?貴様!?その情報をどこから!!」

 

ザワッ、ザワッ・・・・・

 

あ〜あ・・・・アリアが爆弾発言したせいで余計にざわめきだしたし・・・・こいつには場の空気を読むということは出来ないのか・・・

 

「ジュノン様!!この二人の魔法少女を生かすことは出来ません!!すぐに処刑を「待ちなさい」は、ハッ!」

 

「まず第一に、前に座っている魔法使いよ」

 

「ん?俺のことか?」

 

「そなたは何故、人間なのに魔法使いに化けている?」

 

「ん〜、まぁ俺の後ろのいる奴に手伝えと言われて、そいつが変装してろって言われたから」

 

「そう、なら2つ目・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・そなたは何故、男なのに女物の服を着ている?」

 

『・・・・・・・えっ!?男!?』

 

「ジュノオオオオオオン!!!!!!あんた最高やあああああ!!!!!!この格好で初見で俺を男として見たのはあんたが初めてだああああ!!!!!」

 

「うわ〜・・・・魔法少女遊輝ちゃんが泣いている(汗)ていうか暴れない!私も一緒に拘束されているのよ!!」

 

周りにいた悪魔族や魔法使い族が一層ざわめき出して、アリアは俺を見て少し呆れているがそんな事は関係ない!!俺は今、猛烈に感動をして、ジュノンに対する好感度がググ〜〜ンと上がっている!!!

 

「お、おい・・・・あんな美貌な少女が男だと!?」

 

「し、信じらねぇ・・・・本当に中性的な男っているんだな」

 

「お、俺、あいつにしれっと告白しようとしていたんだが・・・・」

 

「何を言うか!そんな事言ったら俺はこっそりとあの子を家に持ち帰ろうとしていたんだぞ!!」

 

「んだと〜〜!!!!」

 

「・・・・・後ろから問題発言が聴こえるわよ、おたくの部下は大丈夫なのかしら?(汗)」

 

「・・・・!!せ、静粛に!!静粛に!!」

 

ポカーンとしていた判事がアリアの一言でハッとしてすぐに後ろでざわついている悪魔族や魔法使い族のモンスター達を静かにする。

 

「(・・・・もう死んでもいいや(涙))」

 

「(こらこら、何言ってるのよ(汗))」

 

「もう一度聴く、そなたは何故男なのに女物の服を着ている?」

 

「私が代わりに答えるわよ。結論から言ったら私の趣味♪」

 

「・・・・・良い趣味だな〜」

 

「俺、あの小さな魔法少女を奴隷にしたいと思ったけど、大きい魔法少女でも悪くはないな」

 

「何を言うか!あの子は俺が取るって最初に言ったぞ!」

 

「何だと!?お前一人の物にしてたまるか!!」

 

「うるせぇ!!俺の方が立場上だろ!!嫌だったら力づくで奪え!!」

 

「やってやろうじゃねぇか筋肉バカ!!」

 

「静粛に!!静粛に!!」

 

「うるせぇ判事!!お前は黙ってろ!!」

 

「なっ!!貴様、神聖な裁判の時に何を言うか!!」

 

「(・・・・捕まった俺が言うのもアレだけどさ〜、この裁判大丈夫なのか?(汗))」

 

「(・・・・多分、もう機能していないわね(汗))」

 

「(ジュノンも大変だな〜〜(汗)。脳筋の悪魔族なんか部下にするから)」

 

「(ジュノンに敵対しているけどその考えには同意するわ(汗))」

 

裁判を進めて今日中に判決を出す予定だったのだろうが、いつの間にか後ろの悪魔族と魔法使い族による俺とアリアの所有権争いが始まってしまった。判事が止めようとするが逆に火に油を注いだみたいで言い争いが発展、一部の者が暴動を起こしている。後ろからドゴッ!!バキッ!!ボキッ!!と殴るような音が聞こえてくるからだ。本当ならこの混乱状態の中、どさくさに紛れて逃げたいんだけど、拘束されて魔力や霊力を使う事が出来ず身動きが取れない上、ジュノンや少数部隊がずっとこっちを見ているので下手な動きをすることが出来ない。つまりこの争いが終わるまでこの拘束状態のまま、暇を持て余す。

 

「(なぁアリア、マジで脱出できないのか?)」

 

「(無理無理。ダメ元でさっき試したけど、本当に魔力が出ないから拘束が解けないわよ。それに今の私たちには魔法道具にデュエルディスク、デッキも没収されているしね)」

 

「(そこは武闘で戦えばいいだろ)」

 

「(アリアさんはそんな武闘なことなんてしていないから無理ね)」

 

「(役立たずだな〜)」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「痛い痛い痛い!!!!!!二の腕をつねるな!!」

 

アリアは肘から手首にかけて拘束されて、肝心の手は俺の二の腕で拘束されている。アリアはそれを利用して無言で動かせる範囲内で俺の両方の二の腕をつねってくる。

 

「・・・・・・・・」

 

「わ、わかった!!分かったから!!役立たずと言ってすみませんでした!!それと今回の原因を作ったのは全部俺です!!誠に申し訳ありませんでした!!」

 

「(・・・主語が違う。俺じゃなくて魔法少女遊輝ちゃんよ)」

 

「痛い痛い痛い!!!!こ、今回の原因を作ったのは全部ま、魔法少女遊輝ちゃんです!!誠に申し訳ありませんでした!!」

 

「(よろしい)」

 

「・・・・・第一部隊、今日の裁判は中止にします。悪しき魔法使い達を牢獄に」

 

「ハッ!!」

 

アリアがつねりをやめるのと同時タイミングで、ほとぼりが冷める様子が無いと判断したジュノンは今日の裁判はこれで中止にした。俺たちの横にいた少数部隊は椅子の後ろにある地面からの突起から縄を解いて、その縄を持ったまま残りの悪魔族モンスターが俺とアリアが座った椅子を持ち上げてローラーがついた移動式の台の上に置いた。

 

「(・・・・こう言う時ってさ、一回縄を解いて歩かせるのが普通じゃない?)」

 

「(常識なんてアテにしないほうが良いわよ)」

 

「(そうっすか・・・・にしても痛かった・・・・絶対二の腕の皮膚が赤くなってるだろ・・・・・あっ)」

 

「(?どうしたの?)」

 

「(ジュノンに何で俺が男って分かったのか聞くの忘れた)」

 

「(どうでもいいわ)」

 

そう話しながら少数部隊が台に付いている後ろの持ち手を持って、俺たちを乗せた台を移動させて、この部屋から出る。そのまま台に乗って移動、エレベーターらしきものに乗って一番上らしきところまで移動して、そのフロアの唯一の部屋・・・・・牢獄に連れ込まれる。

 

「大人しくしておけよ」

 

部屋についたところで少数部隊が俺たちを囲むようにして、俺とアリアに付けられた拘束を全て外してくれた。その代わり、お互いの右腕と右足に手錠と足枷が付けられて、それぞれが牢獄の壁と鎖で繋がれてしまう。

 

「その鎖がある限り、お前たちは魔力を行使できない」

 

「命拾いしたな。裁判はまた後日だ」

 

そう言って少数部隊は部屋から出て行って、外から鍵を掛ける。見張りを一人残して残りは全員エレベーターらしきものに乗って下に下りていった。

 

「ふわぁ〜〜、ようやく解放されたよ〜〜。肩は凝るし、手首に縄の跡ができるし最悪だわ〜〜」

 

「いてて・・・やっぱり二の腕が赤くなってるじゃねぇか・・・ちょっとは加減してくれよ」

 

「遊輝ちゃんが全部悪い」

 

ようやく堅苦しい場所から解放されてアリアは肩を回したり、首を回したりとストレッチをする。俺はアリアにつねられた両方の二の腕を見る。案の定、赤〜い跡が出来ていた。マリシャス・エッジとのデュエルでできた傷は血は固まって止まっているから暫くは大丈夫だろう。

 

「さてと・・・・・どうやって抜け出そうか」

 

「それとデッキとか返して貰わないとな」

 

「それは大丈夫よ」

 

アリアは胸のあたりから服の中に手を突っ込んで、何かの紙とCPUみたいなチップ、そしてスマートフォンみたいな物を取り出した。そして、アリアに手招きされて扉とは反対側・・・・この牢獄で唯一の外と繋がる小さな窓の下に座る。ジャリジャリと音はするが、どうやら鎖の範囲はこの牢獄内だったら余裕で行けそうだ。

 

「(ラメイソンの地図と重要機密の入ったCPU、それを使えるようにするタブレットみたいなものね)」

 

「(ようそんな物隠し持ってたな〜〜)」

 

「(こう言うことは手馴れているからね。さてと、まずはラメイソンの構造を叩き込みましょう。ここが私たちのいる場所ね。んで、恐らく私たちの道具やデッキはここに保管されているはずよ)」

 

「(ほうほう・・・書庫の下の階の保管庫か)」

 

「(そうそう、それで1階に地下に行く階段があったでしょ?あそこがこれ、大量の部屋があるの。多分、ここに男の魔法使い達が捕まっていると思うわ)」

 

「(ふむ・・・・地下にいるのか。出口には近いから一回解放すればすぐに脱出できそうだな)」

 

「(そうね。恐らく私たちが上で暴れたらそれに合わせて何人かが反乱を起こすでしょうね。さっきいたジュノンの部屋はこの階、あの部屋、まだ奥の部屋に繋がっているみたいよ)」

 

「(ふ〜ん、ジュノンのプライベート空間ってところか?)」

 

「(この牢獄から下に行く方法はあのエレベーターのみよ。あのエレベーター、この牢獄の直通エレベーターね)」

 

「(ふむ、そこはまぁ何とかなるだろ)」

 

「(とりあえず今日のところは大人しくしておきましょう。体力回復とこの牢獄からの脱出方法、最悪この鎖を外す方法を考えよう。これを外せたら私の能力を使って保管庫に侵入してそのまま戦争よ)」

 

「(能力使えたらなぁ〜、こんな鎖すぐに溶かすんだけど)」

 

「(牢獄の中で魔法とか能力を使われたら意味ないじゃない。次はこれね、どんな情報が入っているのかな〜)」

 

地図を丸めてスカートのポケットに直したアリアは次にCPUをタブレットの中に入れて、タブレットを起動する。タブレットはCPUが入っていることを認識して勝手にあるページへと向かった。

 

「(・・・・・これは?)」

 

「(・・・・誰かの日記かしら?ちょっと読んでみましょう)」

 

 

〜〜〜〜〜

○月☆日

 

私が王になって次の年で100年になる。

この町は私が王になる前よりも発展した。しかし、ここで満足をしていてはならない。この町のさらなる発展と未来ある子供達のために私は全力で力を尽くさなければならない。

 

〜〜〜〜〜

 

 

「(・・・・これ、ジュノンの日記だな)」

 

「(そうね・・・・日記の日にちをみたら外壁が作られる2ヶ月前ね。もう少し読み進んでみましょう)」

 

 

〜〜〜〜〜

○月×日

 

私は今、すごく思い詰めている。

それは今のグリモワールの政治体制だ。今のこの町は王国制のシステムを取っている。しかしそれでは民の考えを深く取り入れることは出来ない。現状、表向きでは喜んでいる民も内に秘めている物に今の政治への不満があるかもしれない。それは昨日、たまたま通った店の中で二人組みの男がそのような話をしていたからだ。果たして、本当にこのままでいいのだろうか?

 

 

○月□日

 

今日、関係者全員を集めたいつもの定例会の最後に私が秘めていた王国制の廃止について議題の案を発表した。しかし、関係者たち全員からこの話を聞いた途端に猛反発を食らってしまった。

「今の政治体制のどこに問題点があるのか?」

「現状でも民は十分に満足をしています。それは10年前の国民アンケートでも反映されています」

結局この話は無かったことになってしまった。これは、本当にこの国のためになるのか?私の心の中は常に不安な気持ちで揺れ動いている。

 

〜〜〜〜〜

 

 

「(なるほどねぇ・・・・王国制の政治体制から民主主義の政治体制に移行したかったけど、全員に反対されたみたいね)」

 

「(大方、この辺の関係者っていうのは自分の身分に危険を感じて反対したんだろうな。こういう政治関係の役柄をつく奴は皆変なプライドと役職への強いこだわりを持っているからな)」

 

「(政治家の腐った考えね。だから政治家やお金持ちは嫌いだよ)」

 

 

〜〜〜〜〜

*月○日

 

○○○がやってきた。そいつは昔からの私の研究仲間であり、心を通わせている友人の一人である。今日はそいつといっぱい話しをして、私のこの半月ほど思い詰めた考えを話した。そいつは私の話・愚痴について何一つ文句や不満を言わずに聞き入れてくれた。私の話が終わるとそいつは「任せてください。私に考えがあります」と言って別れた。

 

〜〜〜〜〜

 

 

「(・・・・名前が消されているだと?)」

 

「(何かあったのかしら?)」

 

「(次は・・・・外壁が作られるちょうど1ヶ月前・・・・ジュノンが引きこもる前日か)」

 

 

〜〜〜〜〜

*月×日

 

あれから数日後、○○○が私の仕事部屋に入ってきた。「政治体制に対する不満の解決策とは言いませんが、この水晶玉をお渡しします。きっと、ジュノン様の悩みを解決してくれるでしょう」。そう言って水晶玉を置いていった。その水晶玉は何の変哲もない無色の透き通った水晶玉だ。だが、私の友人から頂いた物なので大切に所持しておこう。

 

〜〜〜〜〜

 

 

「(な〜るほど、その友人って奴がジュノンが大事そうにしていた水晶玉を持ってきたのか。しかし無色だったか?俺たちが見たときは紫に染まっていただろ?)」

 

「(何と無くジュノンの事が分かってきたわね。次が最後、ジュノンが部屋に引き篭った日だわ)」

 

 

〜〜〜〜〜

*月□日

 

今朝、起きた時に水晶玉が光強く輝いた。何があったのか近寄って見たが・・・・・・・・・・・・・・

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「(・・・・・途中で終わった)」

 

「(何と無く読めてきたわね、ジュノンの性格が変わってしまった原因が)」

 

「(あぁ、どうやらこのジュノンの友人って奴が何か関係を持ってそうだな。そんでもってジュノンを操っている道具があの水晶玉みたいだな)」

 

「(なら話は簡単だわ。その水晶玉を奪うか割って使えないようにすれば良いんだわ)」

 

「おい、お前らそこで何をしている?」

 

奥の壁でコソコソとしていたら、見張りが扉越しに牢獄を覗いてきた。アリアは咄嗟の判断でタブレットを服の背中側に入れた。

 

「別に〜〜?どうやって脱走するか考えていただけよ」

 

「ハッ、魔力を行使できない魔法少女2人が何を言ってるんだ」

 

「いやだから俺は男だって・・・・ジュノンも言っていただろ(汗)」

 

「じゃあ男である証拠を見せてみろよ」

 

「はっ?証拠?」

 

「そうだ・・・・・男の証だ」

 

「/////お前は何を言ってやがるんだああああああ!!!!!この小説にR18をつけたいんかああああ!!!!」

 

「遊輝ちゃん遊輝ちゃん、メタ発言はダメだよ。そこの見張りも大分アウトな発言をしたけど」

 

「ふん、証拠を見せられないようならお前は女だな」

 

「(・・・・多分、遊輝ちゃんが男って言うのが信じられないんだろうな(汗))」

 

その見張りは最後にそう言い放って反転してしまった。何だよ!?お前は俺に何を求めていたんだよ!!いや、何と無く察したけど同じ部屋に女がいるのにそんな事出来るかって話だろ!!

 

「それよりも見張りさ〜ん、今何時〜〜?」

 

さすがに今の話題はまずいと思ったのか、はたまた気分なのかアリアは扉の鉄柱に両手で持って、牢獄の外にいる見張りに話し掛け始めた。

 

「お前らに教える義理がない。窓から見える太陽と月で把握しろ」

 

「良いじゃない、時間だけだよ。別に脱出方法を教えろとは言ってないし」

 

「何でお前はそんなに馴れ馴れしい態度を取るんだよ」

 

「こういうスキンシップは大事だよ」

 

「そうっすか・・・・(汗)」

 

「ふん・・・・19時前だ。もう直ぐ飯が来る」

 

「わあああ!!ありがとう!!」

 

もうそんな時間か・・・・乗り込む時間が遅かったからな・・・家に12時頃出たはずだけど、なんかアリアの(表面上)親友らしき人と話をしていたせいでラメイソンの入り口についたのはもう15時回っていたもんな・・・・そんな事を思っていたらエレベーターの扉が開いて、中からさっきの少数部隊とは違う服装をした少し幼い印象のある魔法使いがやってきた。

 

「見張りの交代のお知らせと牢獄の者のご飯を持ってきました」

 

「うむ、ご苦労。では任務を引き続き頼むぞ」

 

「ハッ」

 

形だけの挨拶を終えた後、俺たちを見張っていた少数部隊の人はエレベーターに乗ってそのまま下に降りていった。一方、そのご飯を持ってきた者は扉の横にある小さな荷物通しから細長いコッペパン4つと牛乳瓶2本を牢獄に通した。

 

「はい、これご飯」

 

「しょっぼ!?」

 

「お前さ〜・・・ちょっとは自分の立場ってものをわきまえろよ。俺たち、裁判かけられている犯罪者の身だぜ」

 

「だからってパン2つと牛乳1本は酷いでしょ〜」

 

「・・・リア、アリアさん!」

 

「うん?」

 

「私だよ・・・・ウィンだよ」

 

「・・・!?ウィン!?」

 

見張り人が名前を言った途端、アリアが驚いた表情で扉に飛びついた。その見張り人の服はさっきは遠くてよく分からなかったけど、緑色のポニーテールで、茶色い服を上に来ていた。

 

「ウィン!!本当にウィン!?久しぶり!!」

 

「久しぶりねアリアさん!!侵入者って聞いたときはビックリしたよ!!」

 

「誰だこいつ?」

 

「風霊使い ウィン。私の昔の弟子よ」

 

そう行って扉越しにアリアは教えてくれた。あ〜・・・・あの時の老婆が言ってたアリアの弟子か。

 

「初めまして。ウィンと呼んでください」

 

「俺は遊輝だ」

 

「遊輝さんですね。それにしてもアリアさん、災難でしたね」

 

「それよりもだよ!!何であんたここにいるの!?さっき見た限りだとここにいるのはジュノンの側近の魔法使いか悪魔族しかいないはずだよ!?」

 

「私は・・・・・・・」

 

アリアが何でここにいるか聞こうとしたら、ウィンは突然どもってしまい、表情が暗くなって下に俯いてしまう。

 

「どうした?言いたくないのか?」

 

「・・・・ごめんなさい、今は訳あって、ここで捕虜として働いてます」

 

「捕虜って・・・・あんたみたいな良い子が何をしたって言うのよ」

 

「この町に悪魔族とアンデット族のモンスターが侵入した時に、私達魔法使い族の中でも反対運動を起こして抵抗したグループがいて、私もそれに加担したのですが・・・・」

 

「なるほど・・・・もう大体察した。それ以上の事は言わなくていいよ」

 

「すみません遊輝さん・・・・」

 

恐らく返り討ちにあって捕虜にされてしまったんだろうな・・・・・暗い過去だからあまり掘り下げないであげよう。

 

「でもアリアさんがラメイソンに侵入したって聞いた時はビックリしましたよ。まさか帰ってくるなんて思ってませんでした」

 

「どうもね・・・・あの時、私はこの町の居心地が悪くて」

 

「すみません・・・・私が弟子にしてくれって頼んだのに、勝手に離れてしまって・・・」

 

「良いのよ。あんたの人生なんだからあんたの自由に生きたらいいわ」

 

「ですから!!ここで恩返しをしたいです!!私に出来ることがあれば何でも言ってください!!」

 

「そうね・・・・」

 

そう言ってアリアは腕を組んで考える。数分後、考えが思いついたアリアはもう一度扉に近づく。

 

「それじゃ知っている限りでいいわ。ウィン、あんたの知っている限りでジュノンに親しい魔法使いって誰がいるか教えてくれる?」

 

「ジュノン様にですか?私が知る限りでは・・・・トリス様とラモール様とディアール様・・・・・ぐらいですね」

 

「昔からの交友関係は変わってないみたいね・・・・」

 

「そうですね・・・・あとは私の耳には・・・」

 

「十分だよ、ありがとう。あともう一つ、出来たらでいいけどこの手錠と足枷の鍵を持ってきてほしいの」

 

「それなら任せてください。3時間後に私が10分間の休憩のために下に向かうので、その時に守護室から盗んできます。何だったらここの牢獄の鍵も」

 

「それは大丈夫、むしろ盗らなくていいわ。それを取ったら脱走したことが早くにバレちゃうから」

 

「分かりました。では3時間後、手錠と足枷の鍵を持ってきます」

 

「任せたわよ。昔教えた盗っ人技術を存分に発揮してくるのよ」

 

「はい」

 

「お前は弟子に何を教えているんだよ」

 

「生きるのに必要な事全て」

 

「カッコいいように聞こえるけど、犯罪を教えたら台無しだぞ」

 

全く・・・・・お前は魔法使いとして有名になったから弟子にしたいって言う奴がいるのに、そんな事していたらそりゃ離れるわ。

 

「う〜ん!!じゃあやること決まったし、ご飯食べよう!!」

 

この後の予定を決めたことでアリアはう〜〜んと腕を伸ばして、晩飯と言われて出されたパンを食べ始める。俺もやる事が無くなったのでパンを口に入れて牛乳で流し込むように食べる。

 

「ん〜〜、悪くはないけど魔法少女遊輝ちゃんの作った豪勢な食事を食べた後だから不味いね」

 

「一言余計だ」




アリア「いや〜、ゴール出来て良かったね♪さすが日本一を謳っているだけあるよ。あそこのお化け屋敷は怖かった」

遊輝「・・・・・・・・・・・・・・」←魂が抜けている

アリア「情けないよね〜〜、男が女の子の背中にブルブルと隠れながら歩いていたわよ。しかも気絶したところは入ってすぐ。その後は私が引きずったわ」

遊輝「・・・・・・・・・・・・・」

アリア「・・・・こりゃ起きないわね。仕方ない、また新しくお仕置きを考えるか。それじゃまたね〜」


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第136話 反撃の時 不死の騎士団

【*・・・下の注意書きを読んでください。

次回はラスボスとのデュエルですが、デュエル構成に時間を費やしたいのでいつ出来るか分からないです。もしかしたら間に実習を挟むかもしれないので2週間以上かかるかもしれません。出来る限り早く執筆しますがご了承ください

また、今回はラスボス前の前座で短くなってしまって申し訳ありません】


Q,服のネタはどうやって決めてるの?
A,ネットサーフィンで気に入ったのものです。魔法少女の服は今回が最後かな?結局、アニメになりましたが・・・・(もちろん見ていません)



アリア「前回までのあらすじ、『魔法少女遊輝ちゃんは日本一と呼ばれるお化け屋敷にアリアさんと一緒に行ったが、まさかの入ったところで気絶をするという大失態。果たして、遊輝ちゃんはアリアさんにどんなお仕置きを受けるのか!?』」

ダイヤ『・・・・何ですかそのあらすじ(汗)』←遊輝がまだ気絶しているため、代理で来た。

アリア「前回の話をまとめるとこうなった」

ダイヤ『それは前書きと後書きの話でしょ(汗)。本編は全く触れてませんよ』

アリア「えぇ〜、いいあらすじだと思ったけどなー」

ダイヤ『(マスターが疲れる理由がよくわかります(汗))』

アリア「それじゃ最強カードの紹介に行こう!今回は幻影騎士団ブレイクソード!」

ダイヤ『今ではランク3の代表格のモンスターですね。Lv3のモンスター2体でエクシーズ召喚ができる闇属性モンスターです』

アリア「効果はエクシーズ版スクラップ・ドラゴン。エクシーズ素材を取り除くことで自分フィールドと相手フィールドのカードを1枚ずつ破壊できるよ。最近だと相手のカードを破壊して、自分のカードが破壊されたから効果発動なんてこともあるわね」

ダイヤ『破壊されて発動というカードが増えましたからね』

アリア「あとはエクシーズ召喚されたこのカードが破壊された場合、墓地の同じレベルの《幻影騎士団》モンスター2体をレベルを1つあげて特殊召喚できる!ただ、この効果を使ったターンは闇属性モンスターしか特殊召喚できないけどね」

ダイヤ『固めるのでしたらヴェルズ・ナイトメアやNo,80、トドメを刺すならダーク・リベリオンですね』

アリア「第136話、デュエルスタート!」



遊輝 side

 

 

「アリアさん、持ってきましたよ」

 

「サンキューウィン!」

 

あれからしばらく経って、休憩に入って帰ってきたウィンの手には2つの鍵を手にしていた。アリアはそれを受け取って、自分の手錠と足枷を外す。

 

「よし、外れた。魔力は・・・・使えるわね」

 

「・・・・俺も大丈夫だ」

 

アリアが使った鍵を俺の手錠と足枷にも使って外し、シグナーの能力と霊力が無事に使える事を確認した。

 

「これで脱走出来るわね。まずは保管庫」

 

「アリアさん、保管庫に行くならもうしばらく待った方が良いです。ラメイソンは深夜の0時から翌朝の5時までここに住んでいるジュノン様と捕虜以外は誰も居なくなるので」

 

「あらそう?じゃあ今突っ込んだら不味い?」

 

「そうですね・・・保管庫は見張りが沢山いますから」

 

「う〜ん・・・さすがに脱走した後すぐに捕まるのは不味いわね」

 

「心配しなくても明日の7時まで見張りは私しかいません。それに誰かが来るときはエレベーターが機動しますから、その時はまた手錠と足枷をつけて捕まったフリをしていれば大丈夫です」

 

「ここはリスク回避した方が良いだろう。ウィンの言う通りにしよう」

 

「そうね・・・・道具を返してもらうまでは下手に動かない方がいいわね」

 

「・・・っと、噂をすれば誰かがこちらに向かってます。鍵はアリアさんが隠し持ってください」

 

「分かったわ」

 

「あ〜あ、自分で付けなくちゃいけないとか情けないな」

ガチャッ、ガチャッ

 

ウィンが目の前のエレベーターが機動していると教えてくれたので、アリアは鍵を服の内ポケットに隠す。俺たちは急いで右腕と右足に手錠と足枷を付け直し、部屋の隅で座って寝たふりをする。

 

・・・・チーン

 

「おや?突然どうなされました?」

 

「おい、守護室から鎖の鍵が無くなったが知らないか?」

 

「いえ、私は休憩室にしか行ってません。そもそも私は休憩室にしか行けないはずです」

 

「それもそうだな・・・・・悪しき魔法使いは?」

 

「静かに過ごしていますよ。何の異常もありません」

 

「・・・・・・うむ、鎖も外れてないな。なら問題無い。突然来て悪かった」

 

「いえ、ご苦労様です」

 

・・・チーン

 

「・・・・もう大丈夫ですよ」

 

「ふぅ〜〜・・・・全く、見張りがいるんだから余計な人員増やさなくていいわよ」

 

「なぁ、もしかしてこれからも来る可能性あるか?」

 

「0ではありませんね。あの様子だとラメイソン中で探すかもしれません。まぁ、まさか私が共闘して鍵をアリアさんに渡したなんて誰も思わないでしょうが」

 

「面倒くせぇな・・・・いちいち付けたり外したりしなくちゃいけないのかよ」

 

「それだったら付けっ放しでいいじゃん」

 

「お前は気楽でいいなぁ・・・・」

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

・・・・ボーン、ボーン

 

あれから誰もいなくなる12時まで牢獄でアリアと作戦会議、ウィンとの世間話などの退屈しのぎをして、時々来る見張りを誤魔化し通した。そして、月が真上に来たタイミングで鐘が低く鳴り響いた。

 

「鐘が鳴りましたね。あの鐘はラメイソンの中に人がいなくなったという知らせの鐘です」

 

「じゃあ作戦開始って行こうじゃないか」

 

「ありがとうねウィン。全部終わったらまたお話をしましょうね」

 

「はい、頑張ってください」

 

「それじゃ魔法少女遊輝ちゃん、行くわよ」

 

「その魔法少女って言うのはいい加減やめてくれ」

 

先にアリアが移動用のための謎の空間を出して、その中に入る。俺もその後に続いて入った。

 

 

〜〜(保管庫)〜〜

 

 

「(・・・・大丈夫。いないわ)」

 

「(よし、じゃあ探そう)」

 

牢獄からアリアの謎の空間に入って移動をして、無事に保管庫に潜入。ウィンの言っていた通り、この時間は人が全く見当たらない。おかげで堂々と自分たちの道具を探すことが出来る。

 

「(しかし広い保管庫ね〜。一体誰の物をこんなに保管しているのよ)」

 

「(大方、捕まえた奴の道具なんだろうな。中には草とかあるけど・・・)」

 

「(全く、建物の全体図を見た時よりも広いじゃない。ウィンの言う通り、誰もいなくなる時間帯で良かったわ)」

 

アリアが少しげっそりとした表情を見せる。

この保管庫、俺たちが思っていた以上に広く、その上でたくさんの道具があるため探すのに時間がかかりそうだ。二人同時に探すのは効率が悪いので手分けして、見張りが来る5時までには見つけなくちゃならない。

 

「(・・・・あった。こいつだな。ブレスレットを使って・・・・・)」

 

『(は〜い、見つかった?)』

 

「(ああ、ご丁寧な事に並べて置いている」

 

『(そりゃありがたい)』

 

時間はかかったが何とか見張りが戻って来る前に荷物を見つけることに成功、ブレスレットを使ってアリアに連絡をした。連絡を終えた後、棚に置いてあったデッキケースを手にして中のデッキを取り出す。

 

「(おい皆、大丈夫か?)」

 

『(マスター、お待ちしてました)』

 

『(もう!突然いなくなるからビックリしたよ!)』

 

『(そうだよ!)』 『(ビックリ!)』

 

「(悪かったな。とりあえず今から反撃返しといく)」

 

「(お待たせ〜〜)」

 

精霊たちの無事も確認したところでアリアがやって来る。そのままアリアは俺がいた場所の戸棚にヒョイっと顔を覗かせる。

 

「(・・・・これね。はい、遊輝ちゃんのデュエルディスク、あとリュックと箒)」

 

「(だから箒はいらねぇって言ってるだろ)」

 

「(格好は大事だよ。今は・・・・4時半過ぎね。さぁ返して欲しいものを返して貰ったし、反撃返しといきますか。目標はジュノンの部屋、前回は大人しくしていたけど今回は大暴れして下にいる捕虜たちにも反乱を起こされるわよ)」

 

「(OK)」

 

「(じゃあまずは服着替えましょうか!)」

 

「(ブッ!!今かよ!?)」

 

「(人がいない今だからこそだよ。遊輝ちゃんだって血まみれの服は嫌でしょ)」

 

「(そりゃそうだが・・・・・で、その服って)」

 

「(もちろん女物の魔法服♪)」

 

「(デスヨネ〜〜)」

 

「(ここは可愛い勝負服を着ましょうね〜♪)」

 

アリアは自分のカバンの中を漁り始めて色んな服を取り出した。そのカバン、もう本当に○次元○ケットとしか言いようがないな・・・・・・・にしても女物の服と聞いて反応もせず、着ても羞恥の反応すらも無くなった俺はもう末期じゃないかな(汗)。ルンルン気分で服を決めるアリアを見ながら、心の中で俺はそう呟いた。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「(似合う似合う!!さすが女装モデル!!)」

 

「(//////それを言うな!!)」

 

よかった・・・・まだ羞恥心が残ってた(涙)

結局、ブレスレットのせいもあって抵抗も出来ずにアリアに渡された服を着る羽目になってしまった(まどマギの鹿目まどかの衣装、遊輝は赤、アリアは青)。

 

「(もうすぐ・・・5時ね、見張りが来るわ。そのタイミングで作戦開始、蹴散らしながらジュノンの部屋まで行くわ、今回は本気で行くわよ)」

 

「(へいへい・・・・・)」

 

・・・・ガチャン

 

「(おっ、噂をすれば・・・・一旦隠れるよ)」

 

入り口の扉の鍵が空いたような音が聞こえて、一度俺とアリアは身を隠す。少し待つと、下級悪魔族モンスター2体がこっちの方に近づいて来た。

 

「ふわぁ〜・・・何で朝番担当になるんだよ」

 

「昨日の裁判中にあれだけ暴れるからだろ」

 

「あの魔法少女は俺の物って言ってるだろう!!」

 

「まだ言うか。それを決めるのはジュ・・・・?」

 

「どうした?」

 

「いや・・・・ここに昨日捕らえた魔法少女2人の荷物を置いていたんだが見当たらねぇんだ」

 

「別の場所じゃねぇのか?」

 

「いや、昨日出るとき確かに(バゴッ!!!)!!!」

 

「お、おい!?どうし(ドン!!!)ウッ!!!」

 

近づいてきた悪魔族モンスター達に、俺はシークレットシグナーの能力で自身の身体能力を向上させて、高速移動を使い気づかれる前に気絶した。

 

「おお〜、これが遊輝ちゃんの生命のシグナーを使った本気モードね(パチパチ)」

 

「本当は使いたくねぇけどな。こんな事してまで勝ちたくないし、第一疲れる」

 

「なりふり構っていたら負けちゃうわよ。もちろん、私もね・・・・」

 

拍手して影から出てきたアリアはすぐに箒に跨ぐ。そして、ブレスレットをした右腕とは反対の左腕にまた別のブレスレットをつけた。

 

「なんじゃそりゃ」

 

「私の魔法道具、ドーピングアイテムだと思ってくれたらいいわ。デメリットは途中から凄く疲れてくること」

 

「な〜るほど、俺の能力と一緒というわけか」

 

「そういうこと」

 

そう呟いて、俺はアリアから貰った箒に乗る。アリアも箒に跨いで低い体勢になり、浮かび上がる。

 

「それじゃ・・・・ミッション開始(スタート)!」

 

その合図でアリアは保管庫から急スピードで飛び出す。俺もアリアに置いていかれないように後を追いかける。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ウィ〜〜〜ン!ウ〜〜〜ン!

 

「急げ!!もうすぐこっちま(バキッ!!)ウワッ!!!」

 

「き、来たぞ!!!捕まえろ!!」

 

「・・・・炎武、桜吹雪の術!!」

 

突っ込んできた悪魔族モンスター達に俺は小言でそう呟く。すると俺の周りに火でできた桜の花びら達が舞い始め、それが突っ込んで来る悪魔族モンスター達に向かって行く。大量の群が突撃した上にここの廊下は非常に幅が狭いので、俺の攻撃を避けるスペースもなく悪魔族モンスター達はこの攻撃を受ける。

 

「アチチチチチ!!!!!」

 

「アアアア!!!」

 

「こっちだ!!どんどん援軍を連れてこい!!」

 

「フリージンゼロ!!!」

 

俺の背後にいるアリアは後ろからの追っ手に向かって氷の魔法を放つ。廊下自体はさっきの俺の能力と同様、幅が狭いので下から来た悪魔達が全員氷付けにされた。

 

「下からは大丈夫!」

 

「こっちも、いい感じに燃え上がって暖房程度にはなってるぞ。誰かさんが寒かった温度をさらに下げたからな!」

 

「それはありがたいね。むしろ熱いくらいだわ。全く、今日は暖房が機能していない上にさっきから暑かったり寒かったり!!体調崩しそうだわ!!」

 

「誰のせいだろうな!!サン・フレア!!!」

 

お互いにお互いの愚痴や不満を言いながら下級・中級悪魔族をどんどんとぶっ飛ばしていきジュノンの部屋を目指す。

もちろん、お互いに愚痴を言い合うのはちゃんと理由がある。俺とアリアは今現在、いわゆるドーピングアイテムや能力を使って、フルパワーを出して立ち向かっているので、時間が経つにつれて、疲れが溜まり体力が切れたり集中力が切れてしまう恐れがある。そのため、お互いに罵倒を言いまくってその怒りをエネルギーに変えて立ち向かっている。

 

「あんた本当に怪我人!?バッカみたいに倒していってるけど!?」

 

「怪我人は昨日までだ!!今は怪我のない人間だ!!」

 

「人間がこんなに悪魔族モンスターをなぎ倒していくものかね!?」

 

「そういうお前こそ人間だろ!!」

 

「ギャアアアアア!!!!!」

 

「「うるせぇ(うるさい)!!!」」

 

アリアとの言い争いに水を差すように悪魔族モンスターが突っ込んでくるのでお互いに顔面にグーパンチを食らわす。その攻撃を食らった悪魔族モンスターは後ろに倒れてしまい、さらに後続がすぐに後ろにいたせいでドミノ倒しのように後ろの悪魔族モンスターたちも一緒に倒れていく。

 

「お前、昨日武闘は無理とかほざいていただろ!!」

 

「顔面グーパンチぐらい誰だってできるでしょ!!むしろ私よりも遊輝ちゃんの方が威力低いんじゃないの!?」

 

「言ったなこのコスプレ変態魔女め!!」

 

「あんたこそ変態コスプレ女装家でしょ!!」

 

「んだと〜〜!!!」

 

・・・・・まぁ、お互いにお互いの本音の愚痴を本気で言い合っているので体力は意外とあると思う(汗)。そのままどんどんと悪魔族モンスター達を薙ぎ倒していき、ラメイソンの上層階まで一気に進む。

 

「次の階に上がってすぐ左に曲がった後ずっと直進!!ジュノンの部屋が見えてくるわ!!」

 

「OK!!」

 

アリアに言われた通り、階段を上がってすぐの曲がり角を左に曲がる。その階には下級悪魔族モンスター達は見当たらず、代わりにジュノンの部屋の前に2体のモンスター・・・・デミスとハ・デスが・・・うん?ハ・デス・・・・・

 

「ア、アンデット!?!?!?」

 

「うるさあああい!!!!」

 

ゴンッ!!!!

 

「いったあああああ!!!!!」

 

ハ・デスが俺の目に写ったことで俺はパニックってしまって止まってしまったが後ろから来たアリアに頭をどつかれてしまった。

 

「い、いてててて・・・・・・」

 

「いちいちアンデット族モンスターで止まってどうするのよ!?魔法少女遊輝ちゃんは正義のヒロインでしょ!?」

 

「だから俺はヒロインでも魔法少女でもねぇ!!」

 

「否定したかったら行くわよ!!」

 

「結局俺がどう言っても行くんだろうが!!」

 

「ツベコベ言わないで行くわよ!!」

 

「痛い痛い痛い!!!!髪を引っ張るな!!」

 

アリアに髪を引っ張られてそのままジュノンの部屋の前にいるデミスとハ・デスの前まで行かされる。

 

「ようやく来たか、忌まわしき魔法使い達」

 

「忌まわしいのはあんた達でしょ。ここは魔法使いが住んでいる国よ」

 

「ふん、今はこの町はジュノン様の命で悪魔族やアンデット族が生活することができるんだよ」

 

「どう考えてもそのジュノンがおかしいんだよな・・・あの水晶玉とかさ」

 

「!?・・・・ほう」

 

「(・・・・図星か)」

 

俺が水晶玉というワードを呟いた途端、デミスとハ・デスが少し驚いた表情をして、一層殺気が伝わって来た。

 

「なおさら、お前らを生かすわけにはいかなくなった」

 

「あぁ、ここでケリをつけようじゃないか」

 

殺気を増したデミスとハ・デスの腕にデュエルディスクが付けられる。それを見た俺とアリアもカバンからデュエルディスクを取り出した。

 

「昨日みたいな遅延デュエルして捕まって死んだら、あの世で恨んでやるわよ」

 

「心配するな、今回は速攻で終わらせてやる」

 

「私も本気で行くわよ・・・・私がハ・デスをやればいいんでしょ?」

 

「あぁ、俺はデミスだ」

 

絶対にアンデット族モンスターとデュエルなんかしたくない・・・・(ブルブル)

お互いにデュエルディスクを起動してそれぞれ、目の前の敵に目を向ける。

 

「さっさと終わらせたい、速攻で決着を付ける」

 

「フッ、それは私のセリフだ」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 デミス LP 4000

 

「俺の先行!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

・・・・デミスは確かライフを払ったら全体除去する効果だったな。ということは下手に動かずに固めることを優先した方がいいな。

 

「チョコ・マジシャン・ガールを召喚!」

 

チョコ・マジシャン・ガール 攻1600

 

ブラマジガールによく似た服を着たブラマジガールよりも少し小さい魔法使いが現れる。

 

「チョコ・マジシャンの効果発動!手札のガガガガールを墓地に送って1枚ドロー!」

 

・・・・よし、なかなかいい引きじゃねぇか。

 

「魔法カード、オノマト連携(ペア)!手札の混沌の黒魔術士を捨てて、デッキから《ガガガ》《ドドド》《ゴゴゴ》《ズババ》を1体ずつ、合計2枚を選択して手札に加える!ガガガシスターとドドドバスターを手札に加える!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

チョコ・マジシャン・ガール 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン」

 

デミス 手札 6枚

 

「速攻魔法、サイクロン!左側の伏せカードを破壊する!」

 

フィールドに吹き荒れたサイクロンによって俺の伏せカード・・・・・デモンズ・チェーンが破壊されてしまう。

 

「マンジュ・ゴッドを召喚」

 

マンジュ・ゴッド 攻1400

 

「マンジュ・ゴッドの効果により、デッキから私自身、終焉の王 デミスを加える」

 

デミスか・・・・・来るか?

 

「さらに儀式魔法、高等儀式術を発動!手札の儀式モンスター1体を選び、デッキからそのモンスターと同じレベルになるように通常モンスターを墓地に送り儀式召喚をする!私はLv4の甲虫装甲騎士(インセクトナイト)とネオバグの2体を墓地に送り、終焉の王 デミスを儀式召喚!」

 

終焉の王 デミス 攻2400

 

フィールドに現れた古代に作られたような石碑に甲虫装甲騎士とネオバグの2体が現れる。その2体の下から魔法陣が浮かび上がって、2体を生贄にして上に大きな青い柱を立てる。その青い柱の中からデミスが現れた。ハハ〜ン、あの儀式素材から見るとあいつのデッキは【デミスドーザー】か。これまたライフ4000の世界では1killするデッキを持ってきたな。

 

「フッフッフッ・・・・・我の力で滅ぼしてやる!私自身の効果発動!ライフを2000ポイント支払い、このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する!」

 

デミス LP 4000→2000

 

デミスが自身の手にしている杖を上空に掲げる。その杖に黒いエネルギーが溜められて、充填が終わるとその杖から円心状に黒い波動が拡散される。

ドカーーーーン!!!!!!

 

「フハハハハ!!!!これでお前のフィールドは・・・・・・な、何だと!?」

 

黒い波動による爆発で当たりが煙で充満したが、その煙が晴れるとフィールドは真っさらにならずに全てのカードが存在した。そして、俺のフィールドの伏せカードが1枚発動した。

 

「罠カード、ブレイクスルー・スキル。対象のモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする。これでデミスの効果を無効にした」

 

「チッ、だが私の計画に狂いはない!墓地の甲虫装甲騎士(インセクトナイト)とネオバグ、2体の昆虫族モンスターをゲームから除外して現れろ!デビルドーザー!」

 

デビルドーザー 攻2800

 

墓地にいた甲虫装甲騎士(インセクトナイト)とネオバグの2体がゲームから除外されてデビルドーザーが姿を現わす。

 

「お前がブレイクスルー・スキルを使ってくれたおかげでマンジュ・ゴットを残すことができた!これでお前の負けだ!!」

 

「・・・・・・・」

 

「バトル!まずはデビルドーザーで貧弱な魔法使いに攻撃!」

 

デビルドーザーがチョコ・マジシャンを捉えて、自身の口の中に飲み込んだ。

デビルドーザー 攻2800

チョコ・マジシャン・ガール 攻撃を1600

 

遊輝 LP 4000→2800

 

「さらにデビルドーザーの効果!相手に戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキの一番上のカードを墓地に送る!」

 

デビルドーザーの効果を聞いて、俺はデッキトップをめくりそれを墓地に送る。

 

「続いてマンジュ・ゴットでダイレクトアタック!」

 

「手札の速攻のかかしの効果発動!手札からこのカードを捨てて、マンジュ・ゴットのダイレクトアタックを無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

「なっ!?」

 

マンジュ・ゴットの攻撃宣言で手札から機械で出来たかかしが現れてマンジュ・ゴットの攻撃を防いだ。

 

「くそっ!1枚伏せてターンエンドだ!(俺の伏せカードは次元幽閉!これであいつのモンスターが攻撃してきたら幽閉させてやる!)」

 

デミス 手札 1枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

マンジュ・ゴット 攻1400

終焉の王 デミス 攻2400

デビルドーザー 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

「ガガガシスターを召喚!」

 

『は〜い!!』

 

ガガガシスター 攻200

 

フィールドにサファイアが現れて、自身が手にしている鍵みたいは杖を振り回して1枚のカードが俺の手札に来た。

 

「ガガガシスターの効果発動!召喚時、デッキから【ガガガ】とついた魔法・罠カード1枚を手札に加える!装備魔法、ガガガリベンジを加えてそのまま発動!ガガガガールを特殊召喚!」

 

ガガガガール 攻1000

 

『私のでば「ガガガシスターの効果発動!」えっ!?』

 

「自分フィールドの《ガガガ》モンスター1体を選択して、このカードと選択したモンスターのレベルを2体の合計分とする!対象はガガガガール!」

 

ガガガシスター ☆2→☆5

ガガガガール ☆3→☆5

 

『マ、マスター!私のでば「Lv5のガガガシスターとガガガガールでオーバーレイ!」マ、マスターの意地悪〜〜!!!』

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!突き抜けろ!No,33 先史遺産(オーパーツ)ー超兵器マシュ=マック!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400

 

パールとサファイアの2体がブラックホールに吸い込まれて爆発。現れたのはこの世界では禁じ手として封印していた悪魔のNo・・・・マシュ=マックだ。

 

「墓地に落ちたガガガリベンジの効果!自分フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップさせる!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック 攻2400→2700

 

「さらにエクシーズ素材にしたガガガガールの効果!このカードを含む《ガガガ》のみでエクシーズモンスターをエクシーズ召喚した時、そのエクシーズモンスターに『特殊召喚時、相手フィールドの特殊召喚したモンスター1体の攻撃力を0にする』という効果を付与する!」

 

「な、何!?」

 

「対象はデミス!」

 

『怒りのゼロゼロコール!』

 

エクシーズ素材となっているパールがガラケーを操作してその画面をデミスに向ける。ガラケーの画面から0の隊列が出てきて、デミスの攻撃力を0にした。

 

終焉の王 デミス 攻2400→0

 

「く、くそっ!(だが次元幽閉がある!)」

 

「マシュ=マックの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、相手フィールドのモンスター1体を選択して、そのモンスターの今の攻撃力と元々の攻撃力の差の分だけ相手にダメージを与える!」

 

「な、何だと!?」

 

「対象はデミス!くらえ!!インフィニティ・キャノン!!」

 

No,33 先史遺産ー超兵器マシュ=マック OVR 2→1

 

マシュ=マックがオーバーレイ・ユニットを一つ使い、沢山の大砲を出してそれがデミスに向かって一斉に放たれる。

 

「う、うわああああああ!!!!!」

 

デミス LP2000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS デミス

 

 

遊輝 side out

 

アリア side

 

 

「こっちもさっさとやるわよ」

 

「その自信、粉々にしてやる」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

アリア LP 4000 ハ・デス LP 4000

 

「先行は貰うわよ!私のターン!」

アリア 手札 6枚

 

・・・・この手札だったら動くよりも固めた方がいいわね。

 

「自分フィールドにモンスターがいない時、このカードは手札から特殊召喚できる!SRベイゴマックス!!」

 

SRベイゴマックス 守600

 

「ベイゴマックスの効果発動!特殊召喚成功時、デッキから《SR》モンスター1体を手札に加える!SRタケトンボーグを加えて、タケトンボーグを特殊召喚!」

 

SRタケトンボーグ 守1200

 

「タケトンボーグは自分フィールドに風属性モンスターがいる場合、手札から特殊召喚できる!Lv3のSRベイゴマックスとSRタケトンボーグでオーバーレイ!」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体の風属性モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!トーテムバード!」

 

トーテムバード 攻1900

 

ベイゴマックスとタケトンボーグの2体がブラックホールに吸い込まれていき、トーテムバードが現れる。

 

「魔法カード、増援!この効果でデッキから幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ダスティローブを手札に加える!そして通常召喚!幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ダスティローブ!」

 

幻影騎士団ダスティローブ 攻800

 

私の前に背丈が半分ほどの魔法使いが現れる。服は黒いマントとフードで覆われて、両手付近に1本ずつ杖を浮かしている。

 

「そしてこのモンスターは自分フィールドに幻影騎士団(ファントム・ナイツ)が存在する時、手札から特殊召喚できる!幻影騎士団サイレントブーツ!」

 

幻影騎士団サイレントブーツ 攻200

 

ダスティローブの影がモゾモゾと動き出して、サイレントブーツが飛び出した。

 

「Lv3の幻影騎士団ダスティローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!彼岸の旅人 ダンテ!」

 

彼岸の旅人 ダンテ 守2500

 

「彼岸の旅人 ダンテの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ使いコストでデッキの上から1枚だけ墓地に送る!このカードの攻撃力はエンドフェイズまでデッキの上から落とした枚数×500ポイントアップする!」

 

彼岸の旅人 ダンテ OVR 2→1

 

墓地に落ちたカード

・幻影翼

 

「さらに墓地の幻影騎士団サイレントブーツの効果!墓地のこのカードを除外してデッキから《ファントム》魔法・罠を1枚加える!永続罠の幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)を手札に加える!カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 1枚 LP4000

【モンスターゾーン】

トーテムバード 攻1900

彼岸の旅人 ダンテ 守2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン」

 

ハ・デス 手札 6枚

 

「魔法カード、ハーピィの羽根箒!」

 

「トーテムバードの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、魔法・罠の発動を無効にして破壊する!」

 

トーテムバード OVR 2→0

 

フィールドに羽根箒が現れたけど、トーテムバードが二つのオーバーレイ・ユニットを吸収して、その羽根箒を吹き飛ばした。

 

「そしてオーバーレイ・ユニットがなくなったトーテムバードは攻撃力が300ポイントダウンする」

 

トーテムバード 攻1900→1600

 

「魔法カード、おろかな埋葬。デッキから馬頭鬼を墓地に送る。ゾンビマスターを召喚」

 

ゾンビマスター 攻1800

 

「速攻魔法、緊急テレポート!デッキからLv3以下のサイキック族モンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、クレボンスを特殊召喚!」

 

クレボンス 攻1200

 

「リバースカードオープン!次元障壁!私が宣言したモンスターの種類はこのターン、特殊召喚も行うことができず、フィールドにいる宣言したモンスターの効果は無効になる!」

 

「何だと!?」

 

「選択するのはシンクロ!これであんたはこのターン、シンクロ召喚は行えないわよ!」

 

私たちの周りに大きな障壁が現れて、上空に《S》の文字が刻まれた。これによりこのターンのシンクロ召喚・・・・何出すつもりだったんだろ?

 

「ぐっ・・・ゾンビマスターの効果発動!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)!ゾンビマスターを対象に、選択したモンスターの効果は無効にして攻撃宣言を行えない!」

 

「なっ!?」

 

ゾンビマスターに幻影霧剣が渡され、それを手にしたゾンビマスターは闇の霧へと消えていった。

 

「く、くそっ・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、クレボンスは除外される!」

 

「同じくエンドフェイズ!速攻魔法、ツインツイスター!手札のカードを捨てて、その伏せカードを破壊する!」

 

私の手札をコストにして2つのツイスターが現れて、ハ・デスの伏せカード1枚を破壊した。

 

 

ハ・デス 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ゾンビマスター 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

アリア 手札 1枚

 

「ダンテを攻撃表示に変更!そして効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、今回はデッキトップ3枚を墓地に送る!攻撃力は1500ポイントアップ!」

 

彼岸の旅人 ダンテ OVR 1→0

守2500→1000→2500

 

墓地に落ちたカード

・死者蘇生

・エッジインプ・シザー

・幻影騎士団ラギッドグローブ

 

「クレーンクレーンを通常召喚!」

 

クレーンクレーン 攻300

 

「クレーンクレーンの効果発動!召喚時、墓地からLv3のモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!幻影騎士団ダスティローブを特殊召喚!」

 

クレーンクレーンが地面に出来た穴に突っついて、穴の中からダスティローブを持ち上げた。

 

「Lv3のクレーンクレーンとダスティローブでオーバーレイ!」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!戦の地で倒れた騎士の魂が幻影に蘇る!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!」

 

幻影騎士団ブレイクソード 攻2000

 

クレーンクレーンとダスティローブがブラックホールに吸い込まれて爆発、中から現れたのは漆黒の馬に乗った黒い鎧を来た亡霊の騎士が現れて、フィールドを駆け抜ける。

 

「幻影騎士団ブレイクソードの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、自分フィールドのカードと相手フィールドのカード1枚を破壊する!私はブレイクソードとゾンビマスターを破壊!」

 

幻影騎士団ブレイクソード OVR 2→1

 

ブレイクソードが自身のオーバーレイ・ユニットを1つ使い、ゾンビマスターに向かって突撃して、自身の剣で斬りつける。ゾンビマスターも手にしていた剣でブレイクソードを切りつけて相打ちとなって破壊される。

 

「破壊されたブレイクソードの効果発動!墓地の同じレベルの《幻影騎士団》モンスター2体をレベルを1つあげて特殊召喚する!幻影騎士団サイレントブーツと幻影騎士団ラギッドグローブを特殊召喚!」

 

幻影騎士団サイレントブーツ ☆3→☆4

幻影騎士団ラギッドグローブ ☆3→☆4

 

「Lv4のサイレントブーツとラギッドグローブでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!奈落の闇より反逆の魂を宿り、今地上に現れろ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

 

「エクシーズ素材となったラギッドグローブの効果発動!このカードをエクシーズ素材とした闇属性エクシーズモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500→3500

 

「バトル!彼岸の旅人 ダンテでダイレクトアタック!」

 

ハ・デス LP 4000→1500

 

「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでダイレクトアタック!反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

 

「わ、私が・・・・私があああああ!!!!!」

 

ハ・デス LP 1500→0

 

 

WIN アリア LOS ハ・デス

 

 

「うっし、片付けた」

 

「こっちも丁度終わったところだ」

 

ハ・デスを吹き飛ばして遊輝ちゃんの方を振り向くと、向こうもデュエルが終わってデミスが壁で伸びているのが目に入った。

 

「今回は早く終わらせてくれたね。昨日もそうしてくれたらもう少し余裕が持てたのよ」

 

「すみませんね〜」

 

「それじゃ・・・・行くわよ」

 

「いよいよラスボスのご登場か・・・・・」

 

私が左側の扉の取っ手を、遊輝ちゃんが右側の扉の取っ手を手にする。息を合わせてジュノンの部屋へと続く扉を開けた。




遊輝「・・・・・・・」←土下座している

アリア「お化けが苦手な魔法少女遊輝ちゃん、アリアさんに言わなきゃいけないことがあるでしょ?」

遊輝「・・・・お化け屋敷なんてもう二度と行きたくない(涙)」

アリア「ア゛ッ!?!?」

遊輝「・・・・・お仕置きなのに気絶してしまって誠に申し訳ございません」

アリア「ぜんっぜん誠意が見えない!!紙に書いてあることを言いなさいって言ったでしょ!!」

遊輝「・・・・頭の悪い魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんからのお仕置きを受けている途中、気絶をしてしまいアリアさんに迷惑を掛けてしまいました。ですので、魔法少女遊輝ちゃんにさらなる厳しいお仕置きをお願いします(涙)」

アリア「よしっ・・・ほんっと頭悪いわね。っていうか日本一のアレはともかく、超ベタなお化け屋敷ですら気絶をしちゃうんだからね・・・・・」

遊輝「(嫌な物は嫌なんだよ、察してくれ(涙))」

アリア「そうね・・・・・これはもう着せ替え人形じゃなくてこの章が終わるまでアリアさんのペットになって貰おうかしら」

遊輝「ぺ、ペット〜〜〜?」

アリア「何がいいかな・・・子猫はこの前やったし、ウサギでも馬でもいいわね・・・」

遊輝「(・・・・・お化け屋敷巡りよりマシだけど、いよいよ俺の人権ですらも奪われてきた(涙))」

アリア「う〜〜〜ん、どれが似合うかな〜〜〜?あっ、次回もよろしくね〜〜〜」


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第137話 操りの魔法使いvs毒を操る龍

【*11月24日、追加


作者が今一度デュエル描写を確認したところ、キメラフレシアの効果を勘違いしていた事案が発生しました。応急処置程度ですが、少しデュエル描写を書き直しました。読者の皆様には疑問の懸念を持たせてしまい申し訳ありません】


Q,アリアさんのプロフィール載せないの?
A,アニメ本編の遊星vsZONE戦(この時にアリアvs遊輝の最終決戦を載せる予定)の後に載せる予定です。アリアさんはまだ読者に秘密にしていたい情報があるので。

Q,途中で終わってるけど?
A,長くなるので途中で切りました(汗)。デュエル構成自体はできていますし、ルールミス、初歩的なプレイミスなどの確認も終えてます。とりあえず一言、もう二度とタッグデュエルで【魔導書】は使いたくない(涙)。
(次回のデュエルで理由がわかります)



遊輝「//////////・・・・・・・・・・」←EMユニの格好。馬の尻尾、両手と両足に馬の蹄みたいな手袋をつけられている。ブレスレットの影響で四つん這いから立ち上がれない。

アリア「可愛い!!!さすが漫画版主人公のアイドルカードの1枚!!」

遊輝「//////な、何で毎回毎回・・・」

アリア「というわけで遊輝ちゃん!!後でお外でお散歩に出かけるわよ!!」

遊輝「//////はっ!?ふざけるなよ!?」

アリア「大丈夫大丈夫!!出かけるところは誰もいない山の神社だから!!」

遊輝「//////そういう意味じゃねぇ!!何でこんな恰好で外に行かなくちゃいけないんだよ!!!!」

アリア「だってペットの世話は飼い主の責任でしょ?お外で散歩くらいしないと運動不足になってしまうわ」

遊輝「////絶対に嫌だ!!こんな恥ずかしい恰好で出たくない!!」

アリア「言ったでしょ〜・・・これは魔法少女遊輝ちゃんのお仕置きだって・・・それにどうあがいてもあんたは私の言うことを聞く運命なのよ・・・」←ブレスレットを見せつける。

遊輝「////うっ・・・・・・・」

アリア「というわけで後でお散歩行くよ!まずは最強カード、今回はスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!!」

遊輝「////もう・・・メンドクセェ・・・Lv8の融合モンスター、今の主人公4人の最後のエースモンスターだよ」

アリア「フィールドのトークン以外の闇属性モンスター2体で融合、一時期は堕天使やDDがいたからメインで超融合入れている人とかいたよね」

遊輝「その後は見かけなくなったけど・・・・効果は特殊召喚成功時に相手フィールドの特殊召喚したモンスターの攻撃力分だけ攻撃力がアップする」

アリア「単純に強いよね〜。あと、レベル5以上の相手モンスター1体を選択して、選択したモンスターと同名モンスターとなり、同じ効果を使える。これは時と場合によるかな?」

遊輝「最後に融合召喚されたこのカードが破壊された場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する」

アリア「出されたら相手にとって気が抜けないわね〜、というわけで第137話デュエルスタート。遊輝ちゃん、私たちはお散歩よ♪」

遊輝「・・・・・・ハイ(涙)」


遊輝 side

 

 

ドカン!!!

 

「ジュノン!!!」

 

「何処にいる!?」

 

アリアと息を合わせて勢いよく扉を開けたが部屋に人はいなかった。

 

「・・・・逃げられたか?」

 

「いや、多分奥の部屋ね。地図的にはこの辺だったはず・・・・・」

 

もぬけの殻の部屋だが、アリアは中に入って扉と反対側の壁に掛けてある魔法陣の模様が入った絵を動かす。すると掛けてあった絵の後ろにボタンがあった。

 

「御誂え向きじゃない。押してあげましょう」

 

アリアがそのボタンを押すと、壁が下に動いて奥の部屋へと続く道が目に入った。

 

「いよいよ最終決戦か・・・・」

 

「ここで来て捕まるというドジだけはやめてよね」

 

「その言葉、そっくりそのまま返してやる」

 

「・・・・・行くわよ」

 

アリアが先頭でその廊下に入る。俺は後ろを警戒しながらアリアに置いていかれないようなスピードで歩く。数分後、奥の方で光が見え、その光の方に引くとひらけた空間になった。

 

「・・・・随分でかいプライベート空間だな。王様っていうのはこういう所まで贅沢をするのか?」

 

「さあね?そう言うのはそこにいる王様に聞いてみるのが一番じゃない・・・・・ねぇジュノン」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

俺たちの掛け声でベッドの天蓋のカーテンがゆっくりと動く。その中から紫の水晶玉を持ったジュノンが現れる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「だんまり?こういう時は何か言うのが礼儀じゃないかしら?」

 

「それともその紫の水晶玉を割ったら何か反応するのか!?」

 

俺は小さな太陽を2・3個作って宙に浮かせて、紫の水晶玉目掛けて放つ。

 

「・・・・・・・・・・・」

 

ジュノンは左手を前に突き出して水色のバリアを作り、水晶玉を守った。

 

「甘いわ!!」

 

シグナーの能力で自分自身の身体能力を上げている俺は太陽を放ったタイミングと同時に動いて、ジュノンの近くまで高速で動いてバリアの隙間を見て紫の水晶玉に目掛けて殴る。

 

バリーーン!!!

 

ジュノンは反応することが出来ず、俺の手が水晶玉に当たってジュノンの手から離れ、地面に落ちて割れた。その割れた水晶玉からもくもくと紫色の煙が立ち込める。すぐに俺は引いてアリアの隣で構える。立ち込めた煙が晴れると人型のモンスターが姿を現す。鋼のような棘がたくさんついてある大きな翼を広げて、左手には大剣を握っている。上半身はモノクロだがそれ以外は黒一色だ。

 

「クックックッ・・・・よくここまで来れたな魔法使い達よ」

 

「あんた・・・・・ディアールね」

 

「さすがグリモワール出身の裏切り者の魔法使い、私の名前を知っているとはね」

 

「あんたのやっている事の方が裏切り者よ。堂々と反乱を起こさず、ジュノンを影から操って反乱を起こすなんて陰湿にもほどがあるわ」

 

「・・・・・誰だ?」

 

「魔導鬼士 ディアール、あの格好から見て分かるけど、戦士としても能力がすごいからグリモワールの軍の長を務めている」

 

「それはもう昔の話だ。今の私はこのグリモワールの影の王だ」

 

「ジュノンの友人が関係者だと思っていたけど、あんたが犯人だったとはね」

 

「そうだ。ジュノンを影から操り、このグリモワールに外壁を建て、悪魔族やアンデット族モンスターを率いて侵略戦争を始めようとしたのは、全て私の意思だ」

 

「何故こんな事をした?」

 

「何故?決まってる!!あんな奴にこの国を任せられないからだ!!何が民主主義だ!?あいつと私はかつて研究を競いあってきた仲間!!私との王族争いにも勝ち、あいつはこの国の王となった!!そんなあいつがあんな事を言うなんて思いもしなかった!!確かにあいつの政治指導は素晴らしかった!!それも歴代の王よりも!!そこは認めざろうえない!!だが、そんな奴が王国制廃止!?そんな事したら市民がやりたい放題やるじゃないか!!!」

 

「やりたい放題やっているのはあんたみたいな王国関係者だけでしょうが」

 

「結局は自分の地位が奪われるのが怖いだけなんだな」

 

「勝手に思っておけばいい。だが!!あいつはそれだけじゃない!!あいつはこの意思をエンディミオンに伝えたのだ!!王国制を廃止したこの町を別の町の長に任せようとしたからだ!!!」

 

「「・・・・・・ハッ?」」

 

そんな事、ジュノンの日記には書いてなかったけどまぁ事実なんだろうな・・・・

 

「あいつはこの国の為とか言って、かつて侵略戦争を起こした敵国に、この国の指導者を任せようとしたんだ!!そんな裏切者がこの国の王であってたまるか!!だから私はジュノンから王国制の廃止を聞いた後、ある力を手に入れた!!」

 

「ある力?」

 

「そう!!!どんな奴でも操れる究極の洗脳魔法を!!!私はその力を使い、ジュノンを操り、さらにこのジュノンの話を聞いたエンディミオンにも制裁を与えるため、近隣の悪魔族やアンデット族モンスターたちを我が軍に加えて侵略戦争を起こすのだ!!そして侵略戦争を終えた後、私が2つの国の王となってこの世界を支配するんだ!!!フハハハハハ!!!!!」

 

高らかに笑い叫ぶディアールを見て、俺とアリアはキョトンとしたような表情をずっと見していた。そして、あいつが高笑いを終わったところで、俺が呟くような声の大きさで隣にいるアリアに話しかけた。

 

「・・・・・なぁアリア」

 

「・・・・・・何?」

 

「もしかして俺、こんなくだらない事で助っ人に来たのか?」

 

「(ピキッ)何だと?」

 

「・・・・本当、誘った私が謝りたいぐらいだわ」

 

アリアもアリアで本当に申し訳なさそうな顔をしている。あいつは驚嘆としているが、正直、何でそんな表情になっているのか分からない。

 

「くだらないだと!?私の計画が!?」

 

「くだらなねぇだろ・・・・なんて思い込みの激しいやつだよ・・・・もっとジュノンの話を聞いたれよ。あいつはこの国をより良くするために王国制を廃止して民主主義にしようとしたんだぜ・・・・・エンディミオンの長に話したのもアドバイスを求めるためだろ。全く、彼女とのデートの時間とか男のプライドとか色々返してほしいわ・・・・・」

 

「それを自分勝手に解釈して・・・・侵略戦争を止めてやろうと思った私の善意も返してほしいわ・・・・」

 

「何だと!?」

 

あんまりにも理由がくだらなすぎる・・・・・その事で俺とアリアはやれやれとした表情を見せて息を吐く。全く・・・お前のそのふざけた計画のせいで彼女とのデート2回ほど潰された上にアリアにお人形扱いされて・・・・・・

 

「でもまぁ・・・・・・もうここまで来たんだし・・・・」

 

「そんなふざけた幻想と侵略戦争なんかぶち壊して、全て無かったことにしてあげるわ」

 

もう後には引き返せない状況までやって来たんだ。ここまできたら最後までやり通す、そう言って俺とアリアはディアールを睨みつける。

 

「ふざけた幻想だと?ふん、お前たちが勝つこと自体が幻想だ。お前たちはここで負けて一生、私の捕虜になる。せっかくだ、俺とジュノンで2人、お前たちも2人いる。ここは1回のデュエルで結局を付けようじゃないか」

 

「・・・・タッグデュエルか」

 

「いいじゃない。乗ってやるわよ」

 

ディアールの提案に俺たちは乗り、腕に付けてあったデュエルディスクをもう一度起動させる。ディアールも棒立ちのまま動かない人形となっているジュノンを操って、2人の腕にデュエルディスクが現れた。

 

「っと、そうだ・・・・・遊輝ちゃん!!これ、デッキに入れてちょうだい!!」

 

「ん?」

 

アリアは自身のポケットからカードを何枚か抜き取って俺に投げつけてきた。それを受け取った俺はカードを全て確認する。

 

「(・・・・・・なるほど、あいつのデッキが何となく分かった。今回はタッグデュエルだし俺もあいつに出来る限りサポートをしてやらないとな)」

 

そう思い、デュエルディスクにセットしてあったデッキを一度外して、借りたカードの何枚かをデッキに入れてもう一度セットする。デュエルディスクやオートシャッフルモードでデッキがシャッフルされている間に俺は残り1枚のカードをエクストラデッキに入れて、エクストラデッキに元々入っていたエクシーズモンスター1枚を抜いた。

 

「行くぞ・・・・」

 

「これで勝って、全てスッキリ解決してやるわ」

 

「ふん、貴様らの運命はここで終わる」

 

「「デュエル‼︎」」 「「デュエル‼︎」」

 

遊輝&アリア LP 8000 ジュノン&ディアール LP 8000

 

「先行は私、ドロー」

 

ジュノン 手札 6枚

 

操り人形状態のジュノン、目の焦点が合わず、単調な言葉と単調な動作しかしないから違和感しかないな・・・・

 

「魔導書士 バテルを召喚」

 

魔導書士 バテル 攻500

 

「魔導書士 バテルの効果発動。召喚またはリバースした時、デッキから《魔導書》とついた魔法カードを手札に加える。グリモの魔導書を加えてそのまま発動、デッキからグリモの魔導書以外の《魔導書》カードを手札に加える。セフェルの魔導書を加えて、そのまま発動。手札の魔導書院ラメイソンを見せる事で、墓地の《魔導書》魔法カードと同じ効果になる。グリモの魔導書を選択して、デッキからゲーテの魔導書を加える」

 

相変わらず気持ち悪いくらい動くな・・・・本当、魔導書の審判が無くて良かったよ。

 

「フィールド魔法、魔導書院ラメイソンを発動」

 

ジュノンがフィールド魔法を発動した事で、部屋の大きく横揺れをして、辺りがラメイソンの周りの景色になる。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

ジュノン 手札 3枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

魔導書士 バテル 攻500

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

伏せカード 2枚

 

 

「ゲーテが見えてあるのか・・・・めんどくさいな」

 

「遊輝ちゃん、私が先に行くわよ」

 

「そうだな・・・その方が良さそうだろう」

 

さっきアリアから渡されたカードを思い出しながら、そう返事した。あのカードを生かそうと思うとアリアが先に動いてくれた方がいいだろう。

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「ローンファイア・ブロッサムを召喚!」

 

ローンファイア・ブロッサム 攻500

 

出たよ、アキさんのトラウマカード・・・・・あいつのせいであの時のアキさんのトラウマがまだちょっと残ってるんだよな。

 

「ローンファイア・ブロッサムの効果発動!植物族モンスター1枚をリリースしてデッキから植物族モンスターを特殊召喚する!ローンファイア自身をリリースして、捕食植物(プレデター・プランツ)オフリス・スコーピオを特殊召喚!」

 

捕食植物 オフリス・スコーピオ 攻1200

 

ローンファイア自身がリリースされて出て来たのは、大きな一本の棘を持ったいかにも毒を持ってそうな気色悪い植物が現れた。やっぱり【捕食植物】か・・・・

 

「捕食植物オフリス・スコーピオの効果発動!特殊召喚成功時、手札のモンスターを墓地に送る事で、デッキからオフリス・スコーピオ以外の《捕食植物》を特殊召喚する!手札の捕食植物コーディセップスを墓地に送って、捕食植物ダーリング・コブラを特殊召喚!」

 

捕食植物ダーリング・コブラ 攻1000

 

オフリス・スコーピオが地面に根を張って、その根が伸びて別のところから2対の蛇のような植物のモンスターが生えてきた。

 

「ダーリング・コブラの効果発動!このカードが《捕食植物》モンスターの効果で特殊召喚した時、デュエル中に一度だけデッキから《融合》または《フュージョン》魔法カードを手札に加える!私は置換融合を加えて、そのまま発動!フィールドのオフリス・スコーピオとダーリング・コブラで融合!」

 

融合カードによってオフリス・スコーピオとダーリング・コブラがアリアの後ろに現れた渦の中に吸い込まれて行く。

 

「融合召喚!!捕食植物キメラフレシア!!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻2500

 

渦の中から出て来たのは大きく花開いた赤色のラフレシアで、花の中央の部分には捕食用の口が開いており、さらに自身の蔓にも大きな口となった葉が2つほどある。

 

「あいっかわらず、こいつらグロいな・・・・あんまり好きになれん」

 

「今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ。捕食植物キメラフレシアの効果発動!このカードのレベル以下のモンスター1体をゲームから除外する!」

 

「手札のエフェクト・ヴェーラーの効果発動。このカードを手札から捨て、キメラフレシアの効果をエンドフェイズまで無効にします」

 

キメラフレシアがバテルに近づいていったが、上からエフェクト・ヴェーラーが舞い降りてキメラフレシアにキスをする。キスされたキメラフレシアは照れてバテルに何もせず引っ込んだ。

 

「なるほどね・・・・だったらバトル!捕食植物キメラフレシアで魔導書士バテルに攻撃!」

 

「リバースカードオープン、ゲーテの魔導書。墓地のグリモの魔導書とセフェルの魔導書を除外してバテルを裏側守備表示にします」

 

「それでも攻撃は通る!紫炎の棘(サポート・ソーン)!」

 

ゲーテの魔導書が開かれて、グリモとセフェルを魔導書の中に吸い込んで、グリモを裏側守備表示にセットされた。キメラフレシアが自身の蔓を鞭のようにして操り、リバースしたバテルを斬りつけて破壊した。

 

「バテルの効果発動。デッキからグリモの魔導書を手札に加えます」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 3枚 LP8000

【モンスターゾーン】

捕食植物キメラフレシア 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!」

 

ディアール 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ時、ラメイソンの効果発動!フィールドまたは墓地に魔法使い族モンスターが存在する場合、墓地の《魔導書》を1枚デッキの下に戻して1枚ドローする!ゲーテの魔導書をデッキに戻して1枚ドロー!」

 

ディアード 手札 6枚→7枚

 

「フッフッフッ・・・・・では見せてやろう。私が手に入れた新たな力を!魔法カード、影依融合(シャドール・フュージョン)!」

 

「ハッ!?」

 

「シャドール!?」

 

「このカードは《シャドール》専用融合魔法だが、相手フィールドにエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターがいる場合、デッキのモンスターで融合できる!私はデッキからシャドール・ビーストと魔導教士システィを墓地に送り融合!エルシャドール・シェキナーガ!!」

 

エルシャドール・シェキナーガ 攻2600

 

デッキからシャドール・ビーストとシスティが渦に飲み込まれていき、その渦から闇の正気が垂れ流れて、機械仕掛けの操り人形の女性が現れる。下半身は蛇みたいなものが巻きついている。そのモンスターには操り人形らしく糸があり、それは上空にある大きな機械で操られている。

 

「シャ、シャドールって・・・・これまた面倒なものを・・・・」

 

「操りの魔術を扱う魔法使い族・・・・あんたが洗脳の魔法を手に入れたのは、そいつらが原因ね」

 

「その通り!!俺はこの力で洗脳の魔法を思うがままに操れるようになった!!貴様らもこの魔法で私の操り人形となってもらおう!!墓地に送られたシャドール・ビーストの効果発動!デッキから1枚ドローする!」

 

ディアール 手札 6枚→7枚

 

「手札のジェスター・コンヒィは攻撃表示で特殊召喚できる!」

 

ジェスター・コンヒィ 攻0

 

ジェスター・コンヒィ?確かに便利なカードだけど、わざわざ魔導に入れる必要があるかな?

 

「ジェスター・コンヒィをリリース、現れろ私自身!!魔導鬼士ディアールをアドバンス召喚!」

 

魔導鬼士ディアール 攻2500

 

バテルがリリースされてディアールがフィールドに現れる。

 

「さらに魔法カード、アルマの魔導書!除外されている《魔導書》を手札に戻す!グリモの魔導書を手札に戻して、そのまま発動!デッキからセフェルの魔導書を加えて、セフェルの魔導書を発動!手札のゲーテの魔導書を見せて、墓地のグリモの魔導書をコピーして、ヒュグロの魔導書を手札に加える!」

 

チッ、こいつは既にゲーテを握っていやがる。俺のターンには妨害される事が確定か・・・・

 

「ヒュグロの魔導書を私自身に対して発動!効果により攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

魔導鬼士ディアール 攻2500→3500

 

「バトル!」

 

「バトルフェイズ宣言時、リバースカードオープン!ブレイクスルー・スキル!効果でエルシャドール・シェキナーガの効果をエンドフェイズまで無効にする!」

 

「(?何でこのタイミングなんだ?俺のターンに残してくれた方が処理しやすいだろ?)」

 

「別に構わない。私自身でキメラフレシアに攻撃!」

 

「キメラフレシアの効果発動!このカードと戦う相手モンスターの攻撃力を1000ポイント下げて、このカードの攻撃力を1000ポイントアップする!」

 

「ならばリバースカードオープン!永続罠、デモンズ・チェーン!キメラフレシアの効果を無効にする!」

 

キメラフレシアの触手がディアールに絡み付こうとしたが、デモンズ・チェーンによる鎖がキメラフレシアを縛り付けて行動を束縛する。ディアールがキメラフレシアに突っ込んで自身の剣でキメラフレシアを斬る。キメラフレシアは真っ二つになって爆発して破壊された。

 

魔導鬼士ディアール 攻3500

捕食植物キメラフレシア 攻2500

 

遊輝&アリア LP8000→7000

 

「ぐうううう!!!!!」

 

「ヒュグロの魔導書の効果発動!攻撃力がアップしたモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、デッキから《魔導書》カードを手札に加える。アルマの魔導書を加えて、エルシャドール・シェキナーガでダイレクトアタック!」

 

「この攻撃宣言時、手札の捕食植物セラセニアントの効果発動!このカードを手札から特殊召喚する!」

 

捕食植物セラセニアント 守600

 

アリアの前に見た目が雑草としか言えないモンスターが現れる。

 

「ダメージは0になっても破壊はさせてもらう!エルシャドール・シェキナーガでセラセニアントに攻撃!」

 

エルシャドール・シェキナーガを操っている機械がゆっくりと起動して、座っていた女性を立たせる。その女性が機械に操られ、手をかざして光線を放ちセラセニアントを破壊した。

 

「この瞬間、セラセニアントの効果発動!このカードと戦闘を行なった相手モンスターを破壊する!」

 

「何だと!?だがエルシャドール・シェキナーガの効果」

 

「忘れたの!?このターン、エルシャドール・シェキナーガはブレイクスルー・スキルの効果で効果を使えないわよ!」

 

「!?し、しまった!!」

 

なるほど・・・・・ダメージステップ時にブレイクスルーが打てないから、バトルフェイズ宣言時に打ったのはそのためか・・・・

そう感心していると、破壊されずはずのセラセニアントがエルシャドール・シェキナーガにくっついて、自爆した。

 

「ぐっ・・・・エルシャドール・シェキナーガの効果発動!墓地へ送られた場合、墓地の《シャドール》魔法・罠を1枚手札に戻す!私は影依融合を手札に戻す!」

 

「こっちもセラセニアントの効果発動!戦闘または効果で墓地に送られた場合、デッキから《プレデター》魔法・罠を手札に加える!捕食接ぎ木(プレデター・グラフト)を手札に加える!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにヒュグロの魔導書の効果は消える!」

 

ディアール 手札 5枚 LP 8000

【モンスターゾーン】

魔導鬼士ディアール 攻3500→2500

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「この瞬間、墓地のキメラフレシアの効果発動!このカードが墓地へ送られた次のターンのスタンバイフェイズにデッキから《融合》または《フュージョン》魔法カードを手札に加える!タッグデュエルにより、この効果を受けるのは遊輝ちゃんよ!」

 

「俺はデッキから置換融合を手札に加える。魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから《ガガガ》モンスターを特殊召喚する!ガガガマジシャンを召喚!」

 

『ハアァァ!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「さらにガガガガールを召喚!」

 

『久しぶりに序盤に出れた!』

 

ガガガガール 攻1000

 

デッキからダイヤが、手札からパールが現れる。本当ならここでエクシーズ召喚をするのだが、今回はあいつのデッキ相性もあるし、こいつで行こう。

 

「魔法カード、置換融合!フィールドのガガガマジシャンとガガガガール、2体の闇属性モンスターを融合!」

 

フィールドに現れた渦の中にダイヤとパールが吸い込まれていき、渦が爆発して大きな咆哮がフィールドに轟く。

 

『・・・・・・ガアアアアア!!!!!!』

 

「融合の名を持つ龍よ!飢えた牙に毒を染み込ませ、亡者どもを食い尽くせ!融合召喚!Lv8!轟け!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800

 

渦の中から大きな紫色の蔓みたいな触手が先に現れて、次いで真ん中の赤い球が光り、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが姿を現す。

 

「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの効果発動!特殊召喚成功時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力をこのカードに加える!」

 

「な、何だと!?」

 

スターヴ・ヴェノムの翼が口のように大きく開いて、そこに紫色のエネルギーが溜められて、羽のように広がった。

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800→5300

 

「バトル!スターヴ・ヴェノムで魔導鬼士ディアールに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、ゲーテの魔導書!墓地のセフェルの魔導書とヒュグロの魔導書を除外してスターヴ・ヴェノムを裏側守備表示にする!」

 

「速攻魔法、禁じられた聖槍!スターヴ・ヴェノムの攻撃力を800ポイント下げて、このカード以外の魔法・罠の効果を受けない!」

 

「ぐっ!?」

 

再びゲーテの魔導書が開いてスターヴ・ヴェノムを裏側守備表示にしようとしたが、禁じられた聖槍が天空から放たれてスターヴ・ヴェノムの攻撃力を下げたが、ゲーテの魔導書から守る。ゲーテから守られたスターヴ・ヴェノムは後ろの2本の触手を操り、ディアールを破壊した。

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻5300→4500

魔導鬼士ディアール 攻2500

 

ジュノン&ディアール LP8000→6000

 

「ガアアアアア!!!!!」

 

よし、何とか形成逆転することはできた。だけどあいつら、手札が多いからな・・・警戒しないと。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、スターヴ・ヴェノムの攻撃力は下に戻る!」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP7000

【モンスターゾーン】

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻4500→2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚




アリア「お散歩楽しかったね♪」

遊輝「・・・・・・・・・・・・」←ゲッソリしている。

アリア「こらお馬さん!何うつ伏せで転がっているのよ!アリアさんの服が汚れちゃうじゃやい!!」

遊輝「・・・・・・////疲れるし、恥ずかしいし・・・・」

アリア「今の魔法少女遊輝ちゃんはお馬さんなんだからこれくらいのことで疲れちゃダメだよ!!次はアリアさんを背中に乗せて歩いてもらうから!!」

遊輝「////やめて・・・・ただでさえしんどいのに、ここで重い「誰が重いですってえぇぇ!?!?!?」・・・・・アリアさんは重くないです」

アリア「もう遅いわよ!!遊輝ちゃんにはこの後たっぷりと罰を与えるわ!!」

遊輝「///も、もう嫌だ・・・・(涙)」

アリア「というわけで次回もよろしく!!ほら遊輝ちゃん!!罰を与えるからこっちに来なさい!!」

遊輝「///は、はい・・・・(涙)」


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第138話 貪欲な暴君龍と究極の太陽龍

【*11月24日 追加


作者が今一度デュエル描写を確認したところ、キメラフレシアの効果を勘違いしていた事案が発生しました。応急処置程度ですが、少しデュエル描写を書き直しました。読者の皆様には疑問の懸念を持たせてしまい申し訳ありません

11月30日 再追加


グリーディー・ヴェノムの強制効果を忘れていました。そのため、デュエル描写を訂正しました。大変申し訳ありません】


Q,この章最後のデュエルだけど、アリアさんのデッキを使った感想を一言
A,やったよ!!遊輝君と合わせて今の主人公4人のデッキを使えたよ!!(歓喜)



遊輝「・・・・・・・今度は何?」←普通の巫女服を着せられた

アリア「いや、もうすぐ今年も終わるでしょ?と言うわけで早めの初参りを一緒にしようかなって」←同じく巫女服

遊輝「・・・これ、神社に行ったら喧嘩売ってるとしか思わないぞ」

アリア「細かい事気にしない気にしない♪じゃあ最強カードの紹介に行くよ!今回はグリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」

遊輝「前回消化したスターヴ・ヴェノムの進化だな。捕食植物と元々のレベルか8以上の闇属性モンスターと融合できる」

アリア「効果は1ターンに1度、フィールドのモンスターの元々の攻撃力は0になり、効果を無効にする。これが『元々』がなかったり、相手ターンにも使えたりしたらすっごい強いカードになるんだけどね〜」

遊輝「文句言うな。あと、このカードが破壊されたらフィールドのモンスターを全て破壊、その後墓地からL8以上の闇属性モンスターをゲームから除外すればこのカードは墓地から特殊召喚できる」

アリア「素材の都合上、もっとも出しやすいのはスターヴ・ヴェノム以外にも闇属性のLv8シンクロモンスターかな?とにかく、一度このカードを出したらブラックホールと蘇生がついてくるよ!と言うわけで遊輝ちゃん、タイトルコール!」

「「第138話、デュエルスタート!」」


前回までの状況

 

 

アリア 手札 3枚 遊輝 手札 1枚 LP7000

【モンスターゾーン】

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

ジュノン 手札 3枚 ディアール 手札 5枚

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

魔導書庫ラメイソン(フィールド)

 

 

 

遊輝 side

 

 

「とりあえずは形成逆転したけど・・・・油断ならねぇ状況だな・・・・」

 

「そうね・・・・魔導は手札が増えるし、トリッキーな戦術も多いから気を緩められないわね」

 

「私のターン」

 

ジュノン 手札 4枚

 

「フィールド魔法、魔導書院ラメイソンの効果。墓地のグリモの魔導書をデッキに戻して1枚ドロー」

 

ジュノン 手札 4枚→5枚

 

「魔法カード、逆境の宝札。相手フィールドに特殊召喚されたモンスターがいてこちらにモンスターがいない場合2枚ドローします」

 

ジュノン 手札 4枚→6枚

 

「手札のグリモの魔導書・魔導書院ラメイソン・魔導書廊エトワール、3枚の魔導書カードを見せて魔導法士ジュノンを特殊召喚」

 

魔導法士ジュノン 攻2500

 

ジュノンが公開した3枚の魔導書カードに光がともり、ジュノン自身がフィールドに現れる。

 

「ついにご登場か・・・・」

 

「ジュノンの効果発動。墓地のゲーテの魔導書を除外して、スターヴ・ヴェノムを破壊する」

 

ジュノンの左手に持っている杖から電気魔法が放たれて、スターヴ・ヴェノムを破壊する。しかし、破壊された羽の触手の一部がジュノンに噛み付いた。

 

「スターヴ・ヴェノムの効果発動!融合召喚されたこのカードが破壊された場合、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」

 

スターヴ・ヴェノムの触手がジュノンを食いちぎって、ジュノンも破壊される。これでジュノンは破壊できたが、グリモの魔導書があるからな・・・・

 

「・・・・永続魔法、魔導書廊エトワールを発動。《魔導書》魔法カードが発動するたびにこのカードに魔力カウンターを一つ乗せます。自分フィールドの魔法使い族モンスターはこのカードに乗っているカウンター×100ポイントアップします。グリモの魔導書を発動、デッキからネクロの魔導書を加えて、そのまま発動。手札の魔導書院ラメイソンを見せて、魔導教士システィをゲームから除外して、墓地の魔法使い族モンスターを特殊召喚します。魔導法士ジュノンを特殊召喚」

 

魔導書廊エトワール C 0→1→2

魔導法士ジュノン 攻2500→2700

 

「この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは除外したモンスターのレベル分上がります」

 

魔導法士ジュノン ☆7→☆10

 

「魔導剣士シャリオを召喚」

 

魔導剣士シャリオ 攻1800→2000

 

「魔導剣士シャリオの効果発動。手札のラメイソンを墓地に送り、墓地に存在する魔導書士バテルを手札に戻します」

 

「またバテルが手札に戻ったわね・・・めんどくさいったらありゃしない」

 

「ジュノンの効果発動。グリモの魔導書をゲームから除外して、右側の伏せカードを破壊します」

 

ジュノンが再び杖に電気魔法を貯めて、俺の伏せカードに放ってそのカードを破壊した。

 

「バトルです。魔導剣士シャリオ、魔導法士ジュノンでダイレクトアタック」

 

遊輝&アリア LP7000→5000→2300

 

「グウウウ!!!」 「ッツ!!!」

 

2体分の攻撃を受けて、俺とアリアは後ろに少し吹き飛ばされたが、怯まずに残った伏せカードを発動する。

 

「リバースカードオープン!ショック・ドロー!このターンに受けたダメージ1000につき1枚ドローする!4700のダメージを受けたから4枚ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚→5枚

 

「ハァ・・・ハァ・・・・いきなりボディブローを喰らいすぎよ遊輝ちゃん。おかげで服が汚れたり破れたりしたじゃない」

 

「しゃあねぇだろ・・・防御カードを破壊されちゃったんだしよ」

 

さっきの攻撃で少し傷ができて、服が破れたアリアは文句を言ってるくるがいつものことだとと思って適当に流す。でも、ほんともう・・・・やっぱミラーフォースはダメだな。伏せていても破壊される。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

ジュノン 手札 1枚(バテル) LP6000

【モンスターゾーン】

魔導法士ジュノン 攻2600

魔導剣士シャリオ 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

魔導書廊エトワール

ネクロの魔導書 (ジュノン)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「墓地にある置換融合の効果発動!墓地のこのカードを除外して、墓地にある捕食植物キメラフレシアをエクストラデッキに戻して1枚ドロー!さらに魔法カード、逆境の宝札!相手フィールドに特殊召喚されたモンスターがいて自分フィールドにモンスターがいない場合、2枚ドローする!」

 

アリア 手札 4枚→5枚→6枚

 

「さらに魔法カード、アカシック・レコード!デッキから2枚ドローする!その後、ドローしたカードを確認してこのデュエル中に使用したカードなら除外する!」

 

アリア 手札 5枚→7枚

 

「・・・・引いたカードは死者蘇生と捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ!よって除外されない!魔法カード、死者蘇生!墓地からスターヴ・ヴェノムを特殊召喚!!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800

 

死者蘇生により墓地にいたスターヴ・ヴェノムが再びフィールドに戻ってきた。

 

「スターヴ・ヴェノムの効果は使わずに、装備魔法、捕食接ぎ木(プレデター・グラフト)を発動!墓地の《捕食植物》モンスター1体を特殊召喚してこのカードを装備する!捕食植物オフリス・スコーピオを特殊召喚!」

 

捕食植物オフリス・スコーピオ 攻1200

 

「オフリス・スコーピオの効果発動!手札のドロソフィルム・ヒドラを墓地に送り、デッキから捕食植物スピノ・ディオネアを特殊召喚!」

 

捕食植物スピノ・ディオネア 攻1800

 

オフリス・スコーピオの根が再び地面に貼って、その根から新たな植物が育ち、背中にハエトリクサを背負った緑色の恐竜みたいなモンスターが現れる。

 

「スピノ・ディオネアの効果発動!特殊召喚成功時に相手のモンスター1体に捕食カウンターを乗せる!私はジュノンを選択!」

 

スピノ・ディオネアが吐いた毒液がジュノンの腕に絡まり付き、水色の輪っかとなる。

 

「このカウンターが乗ったモンスターのレベルは1となる!」

 

魔導法士ジュノン C 0→1

☆10→☆1

 

「そしてこのモンスターは自分または相手フィールドの捕食カウンターが乗ったモンスターをリリースすることで手札または墓地から特殊召喚できる!」

 

「なんだと!?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

ディアールはいちいち驚くが、操られているジュノンには人形みたいに感情というものが一切ない。おかげで気味が悪くて仕方ない。

 

「捕食カウンターが魔導法士ジュノンをリリースして墓地から捕食植物ドロソフィルム・ヒドラを特殊召喚!」

 

捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ 守2300

 

捕食カウンターが乗ったジュノンがリリースされて、アリアのフィールドにドロソフィルムの植物が生えて、その根に近い部分が口を開いて4つの首を持った龍みたいな見た目をしたモンスターが現れる。

 

「手札の月光黒羊(ムーンライト・ブラック・シープ)の効果発動!手札のこのカードを捨てて、デッキから融合を手札に加える!置換融合はルール上、融合として扱うのでこのカードを手札に持ってくる!そして発動!フィールドのスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンと捕食植物ドロソフィルム・ヒドラで融合!」

 

再びアリアが発動した置換融合により、フィールドにいたスターヴ・ヴェノムとドロソフィルムが融合の渦に飲み込まていった。

 

「飢えた毒牙を持つ龍が奈落の悪魔と一つなり、貪欲な暴君龍と化す!融合召喚!Lv10!グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!!」

 

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻3300

 

渦の底から額の部分が光、翼を大きく広げて翼の部分と胸の部分が開いて口のような物を見せて、その龍が渦の中からフィールドに現れる。身体を一回転させてグリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが姿を現した。

 

「グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの効果発動!フィールドのモンスター1体の元々の攻撃力をエンドフェイズまで0にして、効果を無効にする!対象は魔導剣士シャリオ!」

 

グリーディー・ヴェノムの身体からたくさんの触手が伸びて、それがシャリオに絡みつく。触手から毒液を吐かれたシャリオは弱ってしまい、跪いてしまった。

魔導剣士シャリオ 攻2000→200

 

「さらに捕食植物プテロペンテスを召喚!」

 

捕食植物プテロペンテス 攻300

 

「Lv3の捕食植物オフリス・スコーピオと捕食植物プテロペンテスでオーバーレイ!」

 

☆3 × ☆3 = ★3

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!戦の地で倒れた騎士の魂が幻影に蘇る!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!」

 

幻影騎士団ブレイクソード 攻2000

 

これで全部通れば合計6900のダメージで勝てるが・・・・どうだ?

 

「バトル!捕食植物スピノ・ディオネアで魔導剣士シャリオに攻撃!」

 

「リバースカードオープン、和睦の使者。このターン、私への戦闘ダメージは0になり、私のモンスターは戦闘で破壊されません」

 

スピノ・ディオネアがシャリオに向かって突進したが、途中で現れた和睦の使者によって攻撃は中断された。

 

「・・・・そう簡単には決まらないか」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ時、魔導剣士シャリオのステータスは元に戻る!」

 

魔導剣士シャリオ 攻200→2000

 

アリア 手札 1枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

捕食植物スピノ・ディオネア 攻1800

グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻3300

幻影騎士団ブレイクソード 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

ディアール 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ、魔導書院ラメイソンの効果発動!アルマの魔導書をデッキの下に戻して1枚ドロー!」

 

ディアール 手札 6枚→7枚

 

「行くぞ!魔法カード、影依融合(シャドール・フュージョン)!」

 

「また来たか・・・・」

 

「今度はどんな奴を出すのかしら?」

 

「デッキからシャドール・リザードと魔導戦士フォルスで融合!エルシャドール・エグリスタ!!」

 

エルシャドール・エグリスタ 攻2450

 

「めんどくせぇモンスターばっかりだしやがって・・・・・」

 

影依融合から出て来た次のシャドール融合モンスターは特殊召喚を封じるエグリスタ。さっきのシェキナーガよりも打点が低いし処理はしやすいが、それでもめんどくさいことに変わりはない。

 

「墓地に落ちたシャドール・リザードの効果発動!デッキから《シャドール》カードをさらに墓地に送る!シャドール・ドラゴンを墓地に送り、シャドール・ドラゴンの効果発動!フィールドの魔法・罠を1枚破壊する!私が選ぶのはその伏せカードだ!」

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、サイクロン!魔導書廊エトワールを破壊する!」

 

影依融合で墓地に送られたリザードの効果により、シャドール・ドラゴンも墓地に送られて、そのドラゴンが霊の状態でアリアの伏せたカードを破壊しようとしたが、アリアの伏せカードが発動して、エトワールと一緒に破壊した。

 

「チッ、無駄撃ちか・・・・だがいい!魔導剣士シャリオをリリースして2体目の魔導鬼士ディアールを召喚!」

魔導鬼士ディアール 攻2500

 

おいおい・・・・・手札に重いモンスター2枚も来ていて、しかも2体とも正規の召喚方法で出すとかマジで言ってるのかよ・・・・

 

「アルマの魔導書を発動!効果で除外されているグリモの魔導書を回収して、そのまま発動!デッキからセフェルの魔導書を手札に加える!」

 

「もう何回同じ魔導書を発動したんだよ・・・・」

 

「2人のデッキや墓地、除外ゾーンを行ったり来たりしているからこっちが混乱してくるわ・・・・」

 

まったく・・・・・魔導とタッグで組むと頭が痛くなるな(汗)。何が何処にあるのか把握しきれないや。

 

「手札に加えたセフェルの魔導書を発動!トーラの魔導書を見せて、墓地のグリモの魔導書をコピー!デッキからネクロの魔導書を手札に加えて、そのまま発動!手札のトーラの魔導書を見せて、墓地のシャドール・リザードを除外して、魔導法士ジュノンを特殊召喚!」

 

魔導法士ジュノン ☆7→☆11

 

これでジュノンさん3度目の登場でっせ・・・・何でエンジンの核となるバテルより出ているんですかね?

 

「ジュノンの効果発動!グリモの魔導書を除外して、グリーディー・ヴェノムを破壊する!」

 

ジュノンが三度、左手に持っている杖に電気魔法を貯め、それをグリーディー・ヴェノムに放つ。

 

『ギャアアアアアア!!!!!!』

 

攻撃を食らったグリーディー・ヴェノムは大きな咆哮をあげながら破壊されていった。

 

「かかったわね!!」

 

「何!?」

 

「グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンは破壊されて墓地にいった場合、フィールドの全てのモンスターを破壊する!」

 

「な、何だと!?」

 

グリーディー・ヴェノムが破壊されたところに毒の沼ができて、底から間欠泉のように何本かが噴き上げる。その噴き上げた毒の沼がフィールドのモンスター全てを飲み込んで破壊していった。

 

「その後、墓地のLv8以上の闇属性モンスターをゲームから除外することでこのカードは再び特殊召喚できる!!墓地のスターヴ・ヴェノムをゲームから除外して、再び現れろ暴君龍!!グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!!」

 

全てを破壊して、フィールドが大きな沼とかしたところで、その沼が大きく揺れ始め、沼の底からギラリと光り、グリーディー・ヴェノムが沼の中から現れた。

 

「クソめ・・・・破壊されたエルシャドール・エグリスタの効果で墓地から《シャドール》魔法・罠を手札に戻す!影依融合を手札に戻す!」

 

ディアールが墓地の影依融合を手札に戻して、しばらく手札を覗き込むような見ている。

 

「(・・・ここは墓地の魔導書を温存しておこう)カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

ディアール 手札 3枚 LP 6000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストの効果発動!手札の魔法カードを捨てて、デッキからLv4のモンスター1体を特殊召喚する!おろかな埋葬を捨てて、チューナーモンスター、霞の谷(ミスト・バレー)の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

「Lv4のサモンプリーストにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

サモンプリーストの効果で呼ばれた霞の谷の戦士が4つの輪となり、その中にサモンプリーストが入って4つの星となり、結集して1つの光となる。

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!!」

 

『・・・・・グオオオオ!!!!!!』

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

1つとなった光が黒く染まっていき、やがて大きな漆黒の太陽となる。その太陽が天へと登っていき、ある程度登ったところで弁解をしてブラックが姿を現した。

 

「ブラック・サンの効果発動!特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスターをこのカードに装備する!俺が選択するのは幻影騎士団ブレイクソード!」

 

墓地にいたブレイクソードが現れて、ブラックが胸に吸収をする。

 

「この効果で装備したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力は加算される!」

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3000

 

「バトル!ブラック・サン・ドラゴンでダイレクトアタック!ダークネス・ブラスト!!」

 

ジュノン&ディアール LP 6000→3000

 

「グワアアアアア!!!!!」

 

ブラックの攻撃でディアールは豪快に吹っ飛んだが、ジュノンは吹き飛んでも何一つ驚くこともせずスッと立ち上がってしまう。ったく・・・これで操り人形から解放してやる!

 

「これでトドメだ!!グリーディー・ヴェノムでダイレクトアタック!!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、サンダー・ブレイク!手札のシャドール・ファルコンを墓地に送り、グリーディー・ヴェノムを破壊する!」

 

グリーディー・ヴェノムが攻撃しようとしたところで上にできた雷雲がグリーディー・ヴェノムのところに集まり、雷が落ちた。

 

「チッ・・・グリーディー・ヴェノムの効果によりブラックは破壊されるが、ブラックは装備カードを墓地に送れば破壊されない!」

 

グリーディー・ヴェノムの全体除去によりブラックが破壊されそうになるが、胸に吸収したブレイクソードが身代わりとなって破壊から免れることができた。

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3000→1000

 

「墓地にLv8以上の闇属性モンスターは存在しないからグリーディー・ヴェノムは復活しない」

 

「さらに墓地に送られたシャドール・ファルコンの効果発動!このカードを裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

墓地に送られたシャドール・ファルコンが羽ばたいて、裏側守備表示にセットされた。マズイな・・・・あいつ確か墓地のシャドールを裏側守備で出す上にチューナーだったはず・・・かといってこれ以上は何も出来ない。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン、ドロー」

 

ジュノン 手札 2枚

 

「フィールド魔法、魔導書院ラメイソンの効果発動。墓地のネクロの魔導書をデッキの下に戻して1枚ドロー」

 

ジュノン 手札 2枚→3枚

 

「魔導書士バテルを召喚」

 

魔導書士バテル 攻500

 

「魔導書士バテルの効果。召喚時、デッキから《魔導書》カードを手札に加える。グリモの魔導書を加えて、そのまま発動。デッキからセフェルの魔導書を手札に加えて、さらに発動。手札のゲーテの魔導書を見せて、墓地のグリモの魔導書の効果を使います。デッキからネクロの魔導書を手札に加えます」

 

ほんっともう・・・・毎ターン、グリモとセフェルを発動していない?(汗)。その途中の過程でヒュグロだったりトーラだったりネクロだったり加えるせいで本当に分からなくなってきた(汗)。

 

「装備魔法、ネクロの魔導書を発動。墓地の魔導剣士シャリオを除外して、魔導法士ジュノンを特殊召喚します」

 

魔導法士ジュノン ☆7→☆11

 

「・・・・あのさ〜アリア」

 

「・・・何?」

 

「ジュノン見たの、これで何回目?」

 

「私も途中から数えるのが面倒くさくなってきた」

 

もう本当・・・・毎ターン出てきて、毎ターン破壊されていくから・・・あいつはバテルよりも過労死だな、うん。

 

「ジュノンの効果発動。墓地のアルマの魔導書を除外して、ブラック・サン・ドラゴンを破壊します」

 

これまた何度目か、ジュノンの電気魔法によりブラックは破壊されてしまうが黒い太陽に戻ったブラックはそのまま地面に吸い込まずに墓地のブレイクソードを呼び出した。

 

「ブラックは破壊された時、墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚してこのカードをオーバーレイ・ユニットとして下におく!墓地のブレイクソードを特殊召喚!」

 

墓地にいたブレイクソードが呼び戻されて、ブラックはオーバーレイ・ユニットの白い玉へと変わった。

 

「チューナーモンスター、シャドール・ファルコンを反転召喚」

 

シャドール・ファルコン 攻600

 

「シャドール・ファルコンのリバース効果。墓地から《シャドール》モンスターを裏側守備表示でセットします。シャドール・ビーストをセットします」

 

シャドール・ビースト・・・・確か反転したらエンジェル・バトンだな。つまりこのターンにトドメをさせられなかった時の為のケアということか。

 

「Lv2の魔導書士バテルにLv2のシャドール・ファルコンをチューニング」

 

☆2 + ☆2 = ☆4

 

「シンクロ召喚、アームズ・エイド」

 

アームズ・エイド 攻1800

 

2つの輪になったシャドール・ファルコンと2つの星となったバテルが1つとなって、アームズ・エイドが飛び出してきた。

 

「アームズ・エイドの効果発動。このカードを装備カードとして魔導法士ジュノンに装備する。装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする」

 

魔導法士ジュノン 攻2500→3500

 

アームズ・エイドが魔導法士ジュノンの右手にくっついて、魔導法士ジュノンの攻撃力がアップした。

 

「これで貴様らも終わりだな。(私が伏せたカードにトーラの魔導書がある。これで奴らが攻撃反応型のカードを使っても守ることができる!)やれ!ジュノン!」

 

「バトル、魔導法士ジュノンでブラック・サン・ドラゴンに攻撃」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

ジュノンがアームズ・エイドによって強化しか魔法攻撃がブラックに襲ってきたが、その前に渦が現れて、ジュノンの攻撃を防ぐ。

 

「チッ・・・悪運のいい奴らめ」

 

「・・・カードを2枚伏せてターンエンドです」

 

 

ジュノン 手札 0枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

魔導法士ジュノン 攻3500

裏側守備モンスター (シャドール・ビースト)

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

ネクロの魔導書 (ジュノン)

伏せカード 3枚

 

 

「さっきゲーテの魔導書が見えてなかったか?」

 

「めんどくさいわね・・・・私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 2枚

 

「墓地の置換融合の効果発動!このカードを除外して、墓地のグリーディー・ヴェノムをエクストラデッキに戻して1枚ドロー!」

アリア 手札 2枚→3枚

 

「さらに魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

アリア 手札 2枚→5枚 ジュノン 手札 0枚→3枚

 

「まだまだ!魔法カード、融合回収(フュージョン・リカバリー)!墓地の置換融合と融合素材となった捕食植物ダーリング・コブラを手札に加えて、魔法カード、弱者の贈り物!手札のLv3以下のモンスターをゲームから除外して2枚ドローする!捕食植物ダーリング・コブラを除外して2枚ドロー!」

 

アリア 手札 4枚→6枚

 

ようデッキが回ること・・・・ドローカードを多めに積んでいるんだろうけど。

 

「ブレイクソードの効果発動!」

 

「手札のエフェクト・ヴェーラーの効果。このカードを捨てて、ブレイクソードの効果を無効にします」

 

ブレイクソードがオーバーレイ・ユニット取り除いて効果を使用しようとしたが2枚目のエフェクト・ヴェーラーにより無効にされてしまう。

 

「手札を与えたわけだし、仕方ないわね。魔法カード、捕食生成(プレデター・ブラスト)!手札の捕食植物サンデウ・キンジーを相手に公開して、ジュノンに捕食カウンターを乗せるわ!」

 

アリアの前に現れた植物が吐いた毒がジュノンの腕に絡まりつく。

 

魔導法士ジュノン C 0→1

☆11→☆1

 

「墓地の捕食植物ドロソフィルム・ヒキソの効果!捕食カウンターが乗ったジュノンをリリースしてこのカードを守備表示で特殊召喚する!」

 

捕食カウンターの餌食となって、ジュノンはリリースされて再びドロソフィルム・ヒキソが現れた。

 

「チッ、またか・・・・」

 

「さらに捕食植物サンデウ・キンジーを召喚!」

 

捕食植物サンデウ・キンジー 攻600

 

フィールドにモウケンゴセを襟巻きにしたエリマキトカゲがフィールドに現れた。

 

「サンデウ・キンジーはこのカードを融合素材とした融合モンスターの融合素材を墓地に送り、融合召喚ができる!サンデウ・キンジーとドロソフィルム・ヒキソを墓地に送り、融合召喚!捕食植物キメラフレシア!」

 

捕食植物キメラフレシア 攻2500

 

「・・・特殊召喚成功時、リバースカードオープン、ゲーテの魔導書。墓地のグリモの魔導書、セフェルの魔導書、ネクロの魔導書を除外して、捕食植物キメラフレシアをゲームから除外する」

 

融合召喚されたキメラフレシアに対して、ジュノンはすぐにゲーテの魔導書を発動した。まぁそうするよな・・・・アリアは何を考えているんだ?

 

「知っているわよそれくらい!チェーンで速攻魔法、超融合!」

 

「!?ちょ、超融合!?」

 

「手札の置換融合を墓地に送り、フィールドのブレイクソードとスピノ・ディオネアで融合!」

 

アリアが大分問題なカードを発動して、手札にあった置換融合を墓地に送り、ゲーテの魔導書で除外されそうになったキメラフレシアとスピノ・ディオネアが融合の渦に吸い込まれていった。

 

「毒の牙を持つ擬態した花が獰猛なる龍へと変化する!融合召喚!Lv8!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800

 

融合素材となったキメラフレシアとスピノ・ディオネアが1つとなって、渦の中からスターヴ・ヴェノムが姿を現した。

 

「これで対象がいなくなったゲーテの魔導書は無意味になったわよ!」

 

「・・・・・・・・・」

 

「お、お前・・・・(汗)」

 

「何?何か問題でもあるの遊輝ちゃん」

 

「い、いや・・・・別にいいんだが(汗)」

 

超融合使っても良かったのか?という疑問があったのだが何も問題は起こってないのでこっちとしてはこれ以上責める理由がない。まぁ俺も、平気でNo,を使ってるんだからどっこいどっこいか・・・

 

「墓地に落ちた置換融合の効果発動!このカードを除外して、キメラフレシアをエクストラデッキに戻して1枚ドロー!」

 

アリア 手札 2枚→3枚

 

「バトル!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンで裏側守備モンスターに攻撃!」

 

「リバースカードオープン、速攻魔法、月の書」

 

「ハッ!?」

 

「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンを裏側守備表示にします」

 

スターヴ・ヴェノムが攻撃しようとしたがジュノンが発動した月の書によって、裏側守備表示になってしまった。

 

「あ〜あ・・・・そう言えば魔導書だから入ってもおかしくないな(汗)」

 

「くぅぅ・・・油断したわ。もうこうなったら次の遊輝ちゃんのターンまで粘ることね。カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 0枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

裏側守備モンスター (スターヴ・ヴェノム)

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

ディアール 手札 4枚

 

「フィールド魔法のラメイソンの効果で墓地のゲーテの魔導書をデッキに戻して1枚ドロー!」

 

ディアール 手札 4枚→5枚

 

「そして反転召喚!シャドール・ビースト!」

 

シャドール・ビースト 攻2200

 

「シャドール・ビーストのリバース効果!デッキから2枚ドローして、1枚を墓地に送る!」

 

ディアール 手札 7枚→6枚

 

「(チッ、ジュノンの奴、余計なことをしやがって・・・・)魔導書士バテルを召喚!バテルの効果でグリモの魔導書を手札に加える!魔法カード、影依融合!フィールドのシャドール・ビーストとバテルで融合!エルシャドール・アノマリリス!」

 

エルシャドール・アノマリリス 攻2700

 

フィールドのシャドール・ビーストとバテルが融合されて、半透明で紫色の長い袖がある和服を着たようなモンスターが現れる。

 

「もうエルシャドールモンスターは通さないわよ!リバースカードオープン!罠カード、強制脱出装置!」

 

アリアがすぐにリバースカードをオープンして、特殊召喚されたアノマリリスは機械に無理矢理吸収されて、上空に飛ばされてしまった。

 

「これであんたは通常召喚権を使ってしまったわよ。グリモでネクロを持ってきてもジュノンじゃ打点が通らないわよ」

 

「フッフッフッ・・・・私はそんなヤワな魔法使いではないのだよ。でもまずはお前たちを守っているモンスターを除去する!魔法カード、ブラックホール!」

 

「なっ!?」

 

フィールドにブラックホールが現れて、裏側守備でセットされていたスターヴ・ヴェノムがブラックホールに吸い込まれて破壊されてしまった。

 

「これでもうお前たちを守るモンスターはいない!魔法カード、グリモの魔導書!デッキからアルマの魔導書を加えて、そのまま発動!除外されているネクロの魔導書を手札に戻す!そしてネクロの魔導書の効果発動!手札の魔導書庫クレッセンを見せて、墓地のバテルを除外!魔導法士ジュノンを特殊召喚!」

 

魔導法士ジュノン ☆7→☆9

 

再び現れるジュノン、しかし、本体が操られているせいか、デュエルに出てくるジュノンも何の表情を見せることもせず淡々としている。

 

「魔導法士ジュノンの効果発動!手札の魔導書庫クレッセンを除外して、真ん中の伏せカードを破壊する!」

 

「チェーンで破壊されるカードオープン!罠カード、ダメージ・ダイエット!このターン、私たちが受けるダメージは全て半分になる!」

 

ジュノンが電気魔法で伏せカードを破壊しようとしたが、その前にアリアが発動をして俺たちの前にバリアが張られた。

 

「関係ない!お前たちはここで終わる運命だ!墓地の私自身の効果発動!!」

 

「えっ!?」

 

「墓地にあるグリモの魔導書・魔導書院ラメイソン・魔導書廊エトワールの3枚を除外して墓地から私自身を特殊召喚!」

 

墓地にあった3枚の魔導書が墓地から除外されて、地面がボコボコと音を立てて穴が開き、ディアールが復活した。

 

「お、おい!?これヤバくね!?」

 

「まっず!?これ受けたら2500じゃない!!」

 

「その通り!!ここで貴様らは終わりだ!!バトル!!ジュノンでダイレクトアタック!!」

 

「「ガアアアアア!!!!!」」

 

ガアアアアアン!!!!!

 

遊輝&アリア LP 2300→1050

 

ジュノンの攻撃をまともに受けてしまった俺たちは壁まで吹っ飛ばされてしまい、激突する。壁が崩れてしまい、所々に血が流れ始めた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・!!や、ヤベェ・・・・ドーピング切るのを忘れていた・・・身体が重くなってきた・・・」

 

「ハァ・・・ハァ・・・・!!こ、こっちも不味いわね・・・・ド、ドーピングアイテムの副作用が出てきたわ・・・・」

 

よ、よりにもよってこんな時に2人ともドーピング能力の副作用が出てしまうとは・・・・くそッ、身体が凄い重たい・・・・

 

「これで終わりだ!!私自身でダイレクトアタック!!」

 

「ま、不味いぞ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「クッ・・・・・」

 

「いけえぇぇぇ!!!!!!」

 

ドカアアアアアン!!!!!

 

「「グワアアアアアアア!!!!!」」

 

ディアールが突っ込んできて、立ち上がろうとした俺たちに容赦なく斬りつけてきた。

 

「フハハハ!!!!これで私の勝ちだ!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・」

 

ディアールの攻撃を受けて、また壁に激突をしたが、身体全体の痛みをこらえて何とか立ち上がろうとする。

 

「?何故立ち上がる?貴様らはもう負けたのだ」

 

「ハァ・・・ハァ・・・・・」

 

「ラ、ライフを見なさい・・・よ・・・・」

 

「何を言っている。もうお前らのライ!?!?」

 

遊輝&アリア LP 1050→50

 

「!?な、何故だ!?何故ライフが残っている!?」

 

「ハァ・・・ハァ・・・ぼ、墓地にいる捕食植物ドロソフィルム・ヒドラは1ターンに1度だけ、墓地の《捕食植物》をゲ、ゲームから除外することで・・・ハァ・・・ハァ・・・フィ、フィールドのモンスター1体の攻撃力を、ッツ!・・・エンドフェイズまで・・・500下げる!」

 

「な、何だと!?」

 

「こ、これで墓地のセラセニアントを除外した・・・・」

 

魔導鬼士 ディアール 攻2500→2000

 

「こ、これで魔導鬼士ディアールの攻撃力は500ポイント下がって、わ、私たちが食らったダメージは半分の1000ポイント・・・まだライフは残ったっていうわけよ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

「チィ!!死に損ないが!!カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

ディアール 手札 0枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

魔導法士ジュノン 攻2500

魔導鬼士ディアール 攻2000→2500

【魔法・罠ゾーン】

魔導書院ラメイソン (フィールド)

ネクロの魔導書 (ジュノン)

伏せカード 3枚

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・こ、ここで2伏せだと・・・」

 

「手札に温存していたってわけね・・・ッチ!!身体が重いわね・・・・」

ドーピングの副作用と実体化のダメージで大分体力を持っていかれたが、何とか立ち上がることはできた・・・足はフラフラだけどな・・・

 

「ア、アリア・・・大丈夫か・・・」

 

「だ、大丈夫に見える?・・ハァ〜・・・息は整ってきたけど身体は重たいままね・・・さっき壁に思いっきり激突したダメージも残っているし・・・・」

 

「と、とりあえず手を貸してやる」

 

「わ、悪いわね・・・・・」

 

「いててて」と言いながらアリアは俺の手を取って何とか立ち上がる。お互いに服はボロボロで傷だらけだが、無事なことを確認する。俺の方も息は整ってきたが、今度は瞼が重くなって、目を開けているのが困難な状況になってきた。

 

「あ〜ヤッベェ・・・・息が整ってきたが、身体の重さと体力の減りがヤバすぎて今度は凄い眠気に襲われてきた・・・」

 

「わ、私も眠くてなってきたわね・・・・これは早く決着つけないと不味いわよ・・・遊輝ちゃん」

 

「わかったよ・・・・お前のおかげでギリギリ繋いだんだ・・・・この勝利の綱は必ず引き寄せてやる!俺のターン!!ドロー!!」

 

遊輝 手札 3枚

 

「スタンバイフェイズ、永続魔法、プレデター・プランターはコストが払えなかったら破壊される!ガガガシスターを召喚!」

 

『は〜い!!』

 

ガガガシスター 攻200

 

「ガガガシスターの効果発動!デッキから《ガガガ》とついたカードを手札に加える!俺はガガガボルトを加えて、そのまま発動!左から2枚目の伏せカードを破壊する!」

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、トーラの魔導書!このターン、私のフィールドの魔法使い族モンスターはこのカード以外の魔法カードの効果を受けない!」

 

サファイアが手にしている杖から雷が放たれたが、その前に伏せカードがオープンしてしまい、ディアールの場のモンスターの下に魔法陣が浮かび上がる。

 

「外れか・・・まぁもう、動いた以上止めることはできない・・・・装備魔法、ガガガリベンジ!墓地からガガガマジシャンを特殊召喚する!」

 

「そうはさせるか!カウンター罠、魔宮の賄賂!ガガガリベンジの発動を無効にする!」

 

「させないわよ!!遊輝ちゃん!!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!神の宣告!ライフを半分払って、魔宮の賄賂の効果を無効にする!グウゥゥゥ!!!」

 

遊輝&アリア LP 50→25

 

ガガガリベンジの発動に対して相手は魔宮の賄賂で無効に使用したが、アリアが伏せてくれた神の宣告により、ライフが減ったが止めることには成功した。

 

「魔宮の賄賂が破壊された事でガガガリベンジは有効!現れろガガガマジシャン!」

 

『ハアアアア!!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「ガガガシスターの効果発動!ガガガマジシャンを選択して、このカードと対象のモンスターのレベルを2体の合計分とする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

ガガガシスター ☆2→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャンとガガガシスターでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『・・・・ギャアアアアア!!!!』

 

サファイアとダイヤがブラックホールに吸い込まれていき、代わりに出てきたのは白く光る太陽、それが登っていって変形してホワイトが姿を現す。

 

「墓地に送られたガガガリベンジの効果でホワイトの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→2700

 

「まだだ!リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からブラックを蘇生させる!」

 

『・・・・グオオオオ!!!!!」

 

リビングデッドの呼び声が発動され、墓地に眠っていたブラックがもう一度雄叫びをあげてフィールドに現れる。

 

「チッ・・・2体とも打点を超えるモンスターか・・・(だが私の伏せカードは収縮!これで奴のモンスターを返り討ちにしてやる!)」

 

「ブラックの効果は使わない・・・・見せてやるぜ・・・・・太陽という名の未来をな!!魔法カード、未来へと登りし太陽!!」

 

・・・・・ゴゴゴゴゴ

 

デュエルフィールドの真ん中にブラック・ホールが出現して、それがどんどんと巨大化していく。そして全ての物吸い込むかのようにフィールドのカードを吸い込み始めた。

 

「な、なんだ!?」

 

「このカードは自分フィールドにブラックとホワイトがいてライフが1000ポイント以下の時のみ発動できる!自分フィールドと墓地のカードを全てゲームから除外して、エクストラデッキから2体のモンスターを特殊召喚する!!」

 

ブラックホールがどんどんと肥大化していき、俺のフィールドと墓地のカードを全て吸い込んでいく。最後に再び太陽の状態へと戻ったブラックとホワイトが吸い込まれて、ブラックホールは大きな爆発が起きる。

 

「白銀の太陽と暗黒の太陽、二つが交わりし時、生命を生み出す太陽神へと生まれ変わる!!世界を希望の光に導け!!究極進化!!降臨せよ!!白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン!!暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン!!」

 

白銀太陽神 ホワイト・アマテラス・ドラゴン 攻4000

暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン 攻4000

 

ブラックホールの中からさっき入った2つの太陽が巨大化してもう一度フィールドに現れて変形、アマテラスとスサノオが姿を現した。この形態になるのも久しぶりだな・・・・約1年ぶりか。

 

「ヒュ〜〜・・・・・こんな切り札隠し持っていたのね」

 

「お前にだけ一番見せたくなかった」

 

「まぁまぁ、固いことを言わずに・・・・・トドメを刺しなさい」

 

「あっ・・・・あっ・・・・・」

 

「ラスト!スサノオで暗黒鬼士ジュノンに攻撃!」

 

「バ、バカめ!!リバースカードオープン!!速攻魔法、収縮!!これで貴様らのm〈バリーーーン!!!〉な、何だと!?」

 

ディアールが収縮をスサノオに対して発動したが、スサノオの攻撃力は変わることなく収縮は破壊された。

 

「スサノオとホワイトはカード効果の対象にならねぇ!! 」

 

「な、何だと!?」

 

「やれ!!ブラック・サン・フルバースト!!」

 

尻尾の部分で強大な電気を蓄えたスサノオは口から強烈なブレスを放つ。それはモンスターのディアールだけでなく、モンスターのジュノン、そしてプレイヤーのディアールとジュノンをも飲み込んだ。

 

「アアアアアアアアアア!!!!!」

 

「!!!!!!!」

 

暗黒太陽神 ブラック・スサノオ・ドラゴン 攻4000

魔導鬼士ディアール 攻2500

 

ジュノン&ディアール LP 3000→1500

 

「スサノオの効果発動!破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える!!」

 

ジュノン&ディアール LP 1500→0

 

WIN 遊輝&アリア LOS ジュノン&ディアール

 

 

 

「お、終わった・・・・・」

 

「つ、疲れるわね、まったく・・・・・」

 

「ぐ、ぐおおおお・・・・」

 

「待てやこらああ!!!」

シュッ!!ドン!!!

 

「ギャアアアアア!!!!」

 

バタン!!

 

デュエルが終わって、攻撃を食らったディアールがヨボヨボと逃げようとするがそんなことさせないと小さな太陽を一つ作り、ディアールに当てる。逃げることに精一杯だったディアールはこの攻撃を避けることができずに当たって気絶した。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・余計な手間をかけやがって・・・・」

 

「ジュノン、ジュノン〜〜、起きなさい〜〜」

 

「・・・・・ん、ん・・・・・」

 

俺がディアールを足止めしている間にアリアはジュノンの近くまで歩み、デュエルで気絶したジュノンを起こす。俺もジュノンの近くまで行く。ジュノンの目は昨日までの死んだ目ではなく、瞳に光を感じた。

 

「んん・・・・・わ、私は・・・・一体・・・・」

 

「だ、大丈夫〜〜?」

 

「あ、あなたは・・・・・アリア?」

 

「私のこと、覚えていたんだね」

 

「え、えぇ・・・あなたは人間でありながら優秀な魔法使いでしたから。それにしても私は・・・・」

 

「ディアールに操られていたんだよ、この1年くらい」

 

「・・・・・・そう、思い出したわ。朝、目が覚めた時に水晶玉は光って強大な洗脳魔法を感じたけど、気付いた時にはもう操られていたのね・・・・水晶玉を渡してきたディアールは?」

 

「そこで気絶しているわ、しばらく起きることはないわよ」

 

「そうですか・・・・彼には重大な処罰を与えなくてはなりませんね、それは私も・・・・」

 

「お前にはまだ仕事があるだろ・・・・国民や王国関係者たちに顔を見せて、今のこの町の現状を見てこい。ディアールの奴がひっどいことしているぞ」

 

「・・・・分かりました。少ない償いですが、すぐに実行します。ディアールの横暴を止めてくれたあなたたちには感謝しきれないですね」

 

「その前にジュノン、一ついいかしら?」

 

「?何でしょうか?」

 

「「今、ここで寝てもいい〜〜?」」

 

俺とアリア、お互いに同じ思ったことを言って床にゴロンと大の字で寝転んだ。

 

「もう・・・・限界だわ・・・」

 

「夜通しで動いて、ドーピング能力使って、もう体力も霊力もカラカラ・・・・・しばらく寝たい」

 

「フフッ・・・・2人とも気が合いますね。分かりました、私のベッドで寝てください」

 

「「は、は〜い・・・・」」

 

ジュノンに許可をもらった俺たちは一度立ち上がり、無駄に大きいジュノンのベッドへと足を引きずりながら歩む。ジュノンはすぐに部下を呼んで、ディアールを拘束して部屋から出ていった。

 

「ハァ・・・やっと休めるわね・・・・」

 

「全く・・・・ドーピング能力を使って持久戦なんかするもんじゃねぇな・・・」

 

「同感・・・・・」

 

『パパ!』 『俺も!』

 

「はいはい、一緒に寝ようね」

 

先にアリアがベッドに入り、次いで俺がベッドの中に入る。そしていつの間にか実体化していたブラックとホワイトも一緒にベッドの中に入った。

 

「遊輝ちゃん遊輝ちゃん」

 

「なんだ・・・もう寝たいんだ」

 

「抱き枕抱き枕」

 

「抱き枕を連呼するな。第一、俺は抱き枕じゃねぇ」

 

「遊輝ちゃんはアリアさんの下っ端よ。上司の命令は絶対なんだから」

 

アリアが俺の左腕を掴んで抱え込むようにして近づく。アリアと離れて寝たかったため、突き放そうとしたけどもうそんな体力も残ってない。

 

「じゃあ、お休み〜〜」

 

アリアのお休みの一言が引き金となり、お互いに目を瞑って意識を落とした。




遊輝「・・・・最強カード、ジュノンにするべきだったんじゃないか?」

アリア「同感」

遊輝「ジュノン、この回だけで5回出て、4回破壊されているぞ。社長の嫁ですらここまでのブラック労働はしてなかったぞ」

アリア「しかもその内の2回は捕食カウンターの餌食で触手に食われているし」

遊輝「気色悪いことを言うな・・・・今回は作者、かなり苦労したみたいだぞ。主に墓地と除外ゾーンとデッキの魔導書の数」

アリア「グリモ・セフェル・アルマ・ネクロ、さらにゲーテ、おまけ程度のヒュグロとトーラ、何回このデュエルで使ったのよ。本当に墓地にいったり除外されたりデッキに戻ったり手札に戻ったり、途中から何処に何があるのかわからなくなったわ」

遊輝「多分、これ以降魔導を使うことは2度とないだろうな・・・・」

アリア「というわけで次回でこの章は最終回!!映画のエピローグね!!」

遊輝「次回もよろしく」


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第139話 再び訪れた平和

【*お詫びとお知らせ

前回のタッグデュエル戦でキメラフレシアの効果を勘違いしていました。キメラフレシアの⑵の効果は相手が攻撃を仕掛けた時も発動するみたいです。

そこで、応急処置程度ですがデュエル描写を書き直しました。読者の皆様に疑問を持たせてしまい、またこのデュエル描写も変だな〜と思わせてしまい申し訳ありません。

今後とも、このようなミスが出ないように努力はしていきますが、また出る可能性も否定できません。その時は感想欄などで指摘してくれたら嬉しいです。

今回は大変申し訳ありませんでした


また、作者は来週の月曜から実習のため、本編の投稿はできません。そのため、久しぶりに番外編を実習中にゆっくり執筆しようかなと思ってます。どんな内容になるかはお楽しみに】



Q,遊輝君の今回のシグナーの能力の副作用の設定は?
A,元々、構想を練っていた時からあったのですが、いかんせん出すタイミングが掴めませんでした。大分遅い形になりましたがようやく出せたって感じです(汗)

Q,今日でこの質問コーナー最後だね。
A,この章、この話で12話目・・・正直ここまで行くとは思ってませんでした。7割ほど番外編みたいなものでしたが、見てくださってありがとうございます。


アリア「いや〜、この章もいよいよエピローグだね」

遊輝「・・・・・・・」

アリア「どうしたのよ、仏頂面して」

遊輝「・・・・・なんで今更この設定をもう一度出したんだよ」

アリア「私は大歓迎だよ。可愛い遊輝ちゃん見れたし♪」

遊輝「言うな!!!」

アリア「じゃあこの章、最後のタイトルコールいくよ!」

「「第139話、デュエルスタート!」」


遊輝 side

 

 

「う、う〜〜ん・・・・・・ここ、何処だ?」

 

なんか偉いフカフカなベッドだな・・・・そう思い上半身を起こす。頭がまだ働いておらず、目をこすり、部屋を見渡してここがどこなのかゆっくりと考える。

 

「・・・・・あ〜〜、思い出した。ジュノン倒してドーピング能力の副作用で眠くなってベッド借りて寝たんだ・・・・そう言えばアリアも一緒のはずなんだけど何処にいるんだ?」

 

寝る前の記憶が正しかったら確か俺、アリアに抱き枕にされて寝たはずんだが隣にいねぇな・・・・

 

「・・・・てか何か俺の声高くねぇか?それにいつも見える景色が低く感じる・・・」

 

「おっは〜、やっと起きたね」

 

いつもと何か違う違和感を感じているとアリアが部屋に入ってきた。後ろには恐らくジュノンの使いであろう男の魔法使いが入ってきた。

 

「あっ、アリア。すまん、今日何日で何時?」

 

「現実世界で12月31日の午後2時、大晦日だよ」

 

「っていうことは・・・・25日出発したから今日で7日目か・・・俺丸一日以上寝ていたのか」

 

「ダイヤから聞いたよ〜〜。生命の能力って思ったり副作用強いんだね。私は昨日の夜に起きたけど」

 

「仕方ねぇだろ。自分自身の生命力に直接関わるんだから、道具を使ってドーピングしているお前とは訳が違うんだよ」

 

「まぁ仕方ないよね。ところで・・・・・遊輝ちゃん、何か背が縮んでない?ってか声高くない?」

 

「・・・・・えっ?」

 

「ちょっとそこの人、大きな鏡を持ってきて」

 

アリアが近くにいた魔法使いに部屋の隅に置いてある大きな鏡を持ってこさせる。アリアを俺をベッドの上から下ろす。

 

「・・・・・・・えええええええええ!?!?!?」

 

その鏡に写っていたのはアリアから借りた服がダボダボになって引きずっている身長が低くなっている俺だった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

『・・・・・・・まぁ詰まる所、マスターは能力を使いすぎて、生命力の枯渇どころか、マイナスになってしまったので身体が退化してしまったんです』

 

『これは5歳の時のマスターだね。一番女の子に近かった時だよ』

 

『前に言いましたよね?生命のシグナーを使い過ぎるとこうなってしまうと』

 

「・・・・忘れました(汗)」

 

『ハァ〜〜・・・・・』

 

あの後、ダイヤに何で俺の身体が縮んだのか聞いた。端的に言ったらシグナーの能力、生命を司る能力を使いすぎた重い代償みたい。あの最終決戦からドーピング能力を使って自分自身の生命力を極限状態まで上げて戦い続けた結果、今の俺の生命力はマイナス状態であり、その副作用で身体が縮んでしまった・・・・らしい。某小学生探偵アニメみたいな事だな、しかも原因は自分だという・・・・・

 

「でもその割には遊輝ちゃん、あのデュエルまで平気そうにしていたけど?」

 

『本来ならその切れる反応が来る前に気づくはずなんですが・・・・恐らく、無意識の内に霊力でカバーしていたのだと思われます。ここまでの副作用が出たということは生命力も霊力も今は何も無いという証拠でしょうから」

 

「てか、俺そんなに能力を上げた覚えないんだけど・・・・」

 

『何言ってるんですか。自分で最初から50%以上上げてました。制限時間は30分なのに、マスターはそれを2時間使ったのですよ。むしろこれで生きていることが不思議なくらいです。普通、生命力も霊力も0になるということは死に至ることですよ。マスターのシグナーとしての能力と異常体質のおかげで突然変異みたいな感じで生き残っているような物ですから』

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「それで遊輝ちゃんのこの可愛い姿はいつまでなの?」

 

『能力、霊力、共に満タンまで回復する必要がありますので最低でも1週間、大人しくしておく必要があります』

 

「無駄に長い・・・・(汗)」

 

『これに懲りて、今度からちゃんと自分自身で能力を管理してください。今回は自業自得ですよ』

 

「・・・・・・・・・あい(涙)」

 

「それにしても可愛いねぇ〜〜。パールが一番女の子に近いって言っていた意味が分かるよ〜。アリアさんのお洋服着せたいよ〜」

 

「・・・・・うるせぇ(涙)。っていうか現在進行形で着ているじゃないか」

 

「こんな有り合わせな服じゃなくてちゃんとした服だよ」

 

『ワハ〜、マスター私よりも小さい〜』

 

『小さい〜〜』 『チビ〜〜』

 

「ブラック・・・・今日のオヤツ抜き」

 

『ま、待って!!!』

 

ダイヤの説明を聞いている間、抱っこされながら聞いていた。ダイヤに身長で負けて(ていうか俺が普通の状態でも負けてる・・・)、しまいには今はサファイアよりも低い始末・・・・低身長がコンプレックスの俺にとって、この上ない屈辱にしかならない(涙)。今現在、ダボダボな服もアリアが貸してくれた子供用の半袖のTシャツとスカートで何とかなっている。アリアには子供と言われてひょいっと抱っこされている。抵抗しようにも霊力もシグナーの能力も使えない上に、身体能力も5歳児並みに落ちてしまった俺にはアリアの力に敵うことはできない。

 

「アリアさん、遊輝さん、もうすぐジュノン様が来られます」

 

「ん、分かった」

 

「なぁアリア・・・・下ろしてくれ。さすがにこの体勢でジュノンと話すのは恥ずかしい」

 

「ダ〜メ、遊輝ちゃんはアリアさんの下っ端なんだから。いや、今は下っ端じゃないね・・・・アリアさんの子供だね」

 

「子供じゃねぇ・・・・・」

 

「お二人とも、ぐっすり眠・・・・?そちらの子は?」

 

「あっ、ジュノン。これ、私の子供」

 

「えっ!?」

 

「違う!!違うから!!信じるな!!俺だから!!遊輝だから!!」

 

「えっ!?ゆ、遊輝さん!?」

 

部屋に入ってきたジュノンは自然に俺のことを誰と聞いてきたが、俺が答える前にアリアが爆弾発言をしてしまったので、俺は慌てて訂正をする。今のジュノンのカードはカードのイラスト通りの服を着ている。

 

「し、信じられません・・・・人間が退化するなんて・・・・」

 

『ジュノン様、恥ずかしい話ですが現実の話です(汗)。マスターは能力を使いすぎた副作用で身体が縮んでしまったのです』

 

「副作用・・・・・なるほど、シークレットシグナーの能力ですか」

 

「?なんでわかった?」

 

「その痣を見ればわかりますよ。右腕にある痣が剥き出しですから」

 

「あっ・・・・・」

 

ジュノンの指摘通り、今俺は半袖のTシャツを着ているので痣を隠していない。・・・・っと、そうだ。

 

「ジュノン、分かったといえばさ、なんで俺が男って分かったんだ?」

 

「・・・・・残念ながら操られていた時の記憶はありません。むしろ私はあなたが男だという事に今、とても驚いています」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「残念だったね遊輝ちゃん♪これから本当に女の子として過ごしていく?」

 

「嫌だ!!!(涙)」

 

「そろそろ、こちらの話を初めてもよろしいでしょうか?」

 

さすがに茶番をしすぎたせいか、ジュノンの後ろにいる側近が水を差した。まぁ、俺としてはもう・・・・・希望も見えないし(涙)

 

「ジュノン様」

 

「分かっています。まずはあなた達にもう一度、お礼を言います。操られていた私を救い出し、ディアールや悪魔族・アンデット族達の横暴、そしてエンディミオンの侵略戦争を止めていただき本当にありがとうございます」

 

「いいよいいよ。アリアさんたちは善意で行動しただけだし」

 

善意で行動するって言っている奴が世界の王になるとかふざけた事言わねぇよ・・・・

 

「あの後、捕虜として囚われていた全ての魔法使いを解放させ、悪魔族とアンデット族達を追い払い、私は国民全員に向けて謝罪をしました。今はグリモワールに気づかれた外壁の撤去作業を急ピッチで進めていて、関係各国にこの1年の事について事細かく事情をはなしております」

 

「ディアールは?」

 

「今は牢獄ですがこのまま行けば、どれだけ軽くても国外の山奥の何処かで封印になるでしょう。最悪の場合、封印する時に記憶を無くす魔法を使うかもしれませんが、殺生なことはしたくありませんので」

 

ふむ・・・・まぁ山奥の何処かなら余程のことがない限り大丈夫か。記憶を無くすとも言っているし。

 

「そして、私自身も国民の皆さんに迷惑をかけてしまいました。私は最後のやるべき事をやり終えた後、この国の王をやめて隠居生活に入ろうと思います」

 

「やるべき事?」

 

「この国を王国制から国民が参加する民主主義の社会に変えます。おそらく、どれだけ急いでも2〜3年はかかると思いますが・・・・・」

 

「良いじゃないの、急に明日から政治体制変わりますとか言ったら混乱してしまうわよ」

 

「そうだな。2〜3年とは限らず、じっくり審議したり、他の国のアドバイスを聞いてから政治体制は変えた方がいいと思うぞ」

 

「アドバイスありがとうございます」

 

「それとジュノン、あんた自身は責任を取るつもりで隠居生活に入ろうと思ってるけど、多分皆そんな事はさせないと思うよ」

 

「えっ?」

 

「ほら!これが国民の声だから!」

 

俺を抱きかかえたまま、アリアはこの部屋唯一の窓を開ける。窓を開けると小さなベランダがあり、そのベランダに行って下を見上げるとグリモワールに住んでいる住民達がたくさん集まっていた。

 

『ジュノン様〜〜〜!!!!!』

 

『ご無事で何よりです!!!!』

 

『戻ってきてくれると信じていました!!!』

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「皆、ジュノンの事を信頼して、元のジュノンに戻る事を信じていたんだよ。誰もジュノンの事を責める奴はいない・・・・って言うのは言い過ぎか?」

 

「こら遊輝ちゃん。そこは嘘でも言い切りなさいよ」

 

「確証がねぇだろ」

 

「かっこ悪いじゃない」

 

「・・・・・皆さん」

 

『ジュノン様!!!責任を感じなくて大丈夫です!!』

 

『我々もジュノン様の多忙を無視してきたのです!!ジュノン様だけが全て悪いわけじゃありません!!』

 

『この国の王様はジュノン様以外考えられないんです!!』

 

「・・・・・ありがとうございます。本当にありがとうございます」

 

この国の住民の声を聞いたジュノンの目にはうっすらと涙が流れていた。そして、顔を手で隠したまま1度部屋に戻る。

 

「ジュノンももったいないわよね〜。こういう時は手を振るぐらいしないと」

 

「そうだな・・・・」

 

「じゃあ私たちも一回部屋に戻ろうか」

 

「・・・・・なぁアリア。質問があるんだが」

 

「な〜に、遊輝ちゃん」

 

「お前さ・・・・・何でこの町を救いたかったんだよ?何で俺を助っ人に呼んだんだよ?」

 

俺を抱きかかえたまま部屋に戻るアリアに対して、俺はそう質問した。

俺の心に残っている疑問点・・・それはアリアがこの町を救いたかった理由と何で俺を助っ人に呼んだのかだ。確かにディアールがめんどくさいことをして精霊世界が混乱になるのは避けたかったかもしれないが、それでもアリア1人の力なら充分に止めることはできたはず。

 

「・・・・言ったはずでしょ。私の目的を邪魔する者は誰として容赦しないと」

 

アリアは俺を抱きかかえたまま部屋に戻り、緊迫した面持ちで俺に返答してきた。

 

「なおさらだ。ディアールはお前の計画を知らないはずだし、お前より凄い魔法使いとは思わなかった。こんな事、お前は無視しても良かったんじゃないか?むしろこうやって止めた方がデメリットが多い気がする」

 

「・・・・確かに、遊輝ちゃんの言う通りかもしれない。でも理由はちゃんとある。一つ目は私の目的、もう一つ、この町を救いたかった理由がある・・・・・・」

 

「何だ?」

 

「私の故郷を荒らす者が許せなかった・・・・・それだけよ」

「・・・・まぁ良いだろう。じゃあもう一つの質問だ。何で俺を助っ人に呼んだ?別に俺がいなくてもお前1人で十分解決できることだっただろ」

 

「・・・・・・・めてだから」

 

「ん?」

 

「私が生きていたこの18年間、私のことをあれだけ構ってくれるのは遊輝ちゃん、あなたが初めてだったから・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「知っているわよ。トールモンド叔母さんから私の過去の話を聞いていたことを」

 

「・・・・あれだけ声を荒げたらそりゃ気づかれるか」

 

あの時の俺はアリアの意外すぎる過去に驚きの連続だったからな。壁に耳あり障子に目ありとはこのことだ。

 

「だから私は遊輝ちゃんにお願いした。本当に私のことを恐れずに来てくれるか・・・・・そして本当に付いてきた」

 

「半分無理矢理だけどな」

 

「それでもよ・・・・遊輝ちゃんは本当に付いてきてくれた・・・・・久しぶりな感覚だったわよ、この1週間、1人で過ごさなかった時期は」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

顔を上にあげると、アリアが少し悲しい表情をしていた。今まで、一度も見せたことのない、悲壮感があるアリアの悲しい表情だ。

やはり、孤独という感情だけはどれだけ魔力を手に入れも脱ぎすてることはできなかったのか・・・・・幼い頃のアリアにとっては環境があまりにも悪すぎたんだろうな・・・・

 

「・・・・・・これが最後の質問だ。お前さ、本当に世界を乗っ取ろうとしているのか?今のお前のやっている事はそれとは全く真逆のことだぞ」

 

「確かにね・・・・・・遊輝ちゃんの言っていることが最もだわ。初めて遊輝ちゃんと対峙した、あの時は確かに、100%この世界と人間世界を征服して王になると思っていた。けど、それが今揺らいでいる。これは紛れもない事実よ。でも・・・・・・」

 

「でも?」

 

「仕方ないの・・・・・それが私の背負っている運命なんだから・・・・・」

 

「運命・・・・・だと・・・・・?」

 

「そう・・・・運命・・・・私に課せられた運命・・・・・」

 

アリアの顔は悲壮感漂う悲しい顔から覚悟のあるキリッとした顔に表情が変わった。ふむ・・・・・これはまだ何か、ありそうだな。

 

「・・・・・分かった。俺はお前が止めないという結果さえ分かれば良い。その時は全力で止めてやる」

 

「言ったわね。返り討ちにして、一生、アリアさんのお人形にしてやるわ」

 

「それだけはマジ勘弁・・・・・(汗)」

 

「お二人とも、ご連絡です。お二人の勲章を授与する式をやるみたいです」

 

「そんな物いらないわよ」

 

「俺もパス、善意でやった意味がなくなる」

 

「お気持ちは分かりますが、ジュノン様も国民もお二人の事を英雄として扱っております。形だけの出席だけでもお願いします。返還はその後でも私がお手伝いしますので」

 

「ジュノンもしょうがない奴だな・・・・」

 

「仕方ないわね・・・・・遊輝ちゃん、行くわよ」

 

「へいへい・・・・・・降ろしてくれ」

 

「ダ〜メ♪」

 

「まずは服の正装をお願いします」

 

「あっ、遊輝ちゃんも女物でね♪」

 

「嫌だ!!!」

 

「えっ?そちらの方は女性では?」

 

「俺は男だあああああああ!!!!!!!!」

 

またしても間違えられたので俺は絶叫をする。アリアに降ろすように催促したがこれも断られ、俺とアリアは魔法使いに誘導されてまずは式に出席するための身支度を整える。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「何でタキシード着るのよ。ドレス着なさいよ、ドレス」

 

「絶対に嫌だ!!!」

 

係の者に手伝ってもらって、俺とアリアは正装に着替えた。アリアは水色のドレス、俺は黒のタキシード服だ。

 

「にしても・・・やっぱりタキシードは違和感あるな・・・・」

 

「男物の服を着て?」

 

「違う!!こういう正装は普段しないからだ!!」

 

普段、正装という正装はアカデミアの制服を着るくらいだし、そのアカデミアの制服もだんだん私服化してきたからな・・・・最初の頃は前ボタン閉じていたけど、今じゃ龍亞やスバルたちと同じく平気に前ボタン開けているし・・・・おかげでこのタキシードが窮屈に感じる。

 

「お二人共、ご準備が整いました。これから式典が始まります」

 

「は〜い♪」

 

「へ〜い」

 

「よいしょっと♪」

 

使いの魔法使いに呼ばれて、支度部屋から出ようとしたが、またアリアに抱っこされてしまった。

 

「・・・・・・・拒否権は?」

 

「無い♪」

 

「デスヨネ〜」

 

「よろしいのですか?」

 

「うん♪これでいく♪」

 

「わかりました」

 

拒否権を聞いたら笑顔で無いと言われて、思わず心に思ったことを口に出す。ブレスレットのことがあり、拒否権が無いとは分かっていたけど、あんなに清々しく言われるとは思わなかった。

 

「では、こちらの扉の前でお待ちください。まもなく式が始まりこちらの扉が開きますのでご入場ください」

 

「は〜い♪」

 

・・・・♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

係の者に案内されて、大きな扉の目の前で待つ。しばらくすると、部屋の中から楽器の音が聞こえてくる。そして、目の前の大きな扉がゆっくりと開いた。

 

「それじゃ、お願いします」

 

「は〜い、じゃあ遊輝ちゃん。行くわよ」

 

「へいへい・・・・・」

 

結局アリアに抱っこされたまま、俺たちは部屋の中にゆっくりと入る。扉からジュノンがいる場所はレッドカーペットが引かれて、そのレッドカーペットの両脇には王国関係者の魔法使いがたくさんいて、綺麗に整列して拍手をしている。そのままアリアはゆっくりと歩いて、ジュノンの前で止まる。

 

「・・・・・・このまま続けてよろしいのですか?」

 

「大丈夫♪」

 

「全然大丈夫じゃないですけど、抵抗できないです(涙)」

 

「・・・・・・そ、それでは、グリモワールを救ってくれた若き二人の魔法使いの勲章の授与式を始めます(汗)」

 

少々苦笑いのジュノンの掛け声で式が始まる。それに合わせて再び演奏隊が楽器を鳴らして鳥が部屋から外に飛び出す。

 

「では、勇敢な2人の魔法使いにグリモワールの勲章を授与します」

 

一人の魔法使いが盆みたいな者に二つのケースを乗せてジュノンの所まで運ぶ。ジュノンはその内一つのケースを手に取り、蓋を開ける。その中には緑と赤で彩った首掛け用の紐がついたメダルが入ってあり、ジュノンはそれを取り出してアリアの首にかける。ついで、もう一つのケースを開けて同じメダルを俺の首にかけてくれた。

 

「勇敢な二人の魔法使いに盛大な拍手を!!!」

 

パチパチパチパチ!!!!!!!!!!

 

ジュノンの大きな掛け声で、この場にいる全ての魔法使いが拍手をする。それに答えるように俺とアリアは手を振った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ふわぁ〜・・・・・・ねっむ」

 

「ご飯美味しかったね♪にしても眠いって・・・まだ8時だよ」

 

『今のマスターは身体が5歳児ですからね・・・・無理はないです』

 

その後、ジュノンにメダルを返還した後、食事会に誘われて少し早めの夕食を取り、現在夜の8時。ラメイソンを出て夜のグリモワールの町を歩いている。服はアリアから借りたあり合わせの子供っぽいTシャツとスカート、それだけじゃ今の俺には寒いのでモッフルコートを着ている。アリアはジュノンの時と戦った魔法少女の服ではなく、学校の制服みたいな服を着ている(魔法少女育成計画のスノーホワイト)。

いつもならもっと活発になる時間だが、もう眠くて仕方ない。これも副作用の一種なんだろうなぁ・・・・

 

『マスター、今は無理をなさらずに」

「そうだな。はぁ〜・・・全て解決したしそろそろ現実世界に戻るか・・・何とか正月はみんなと一緒に過ごせそうだな。早い所帰って寝よ・・・・・・」

 

「何言ってるの。まだ遊輝ちゃんは帰れないわよ」

 

「・・・・・エッ?」

 

「私、出発する前に言ったわよね。『遊輝ちゃんは2週間、アリアさんの下で働いてもらう』って♪」

 

「・・・・・イヤイヤイヤ!!!!全部解決したじゃんか!!!もう俺の必要性ないだろ!!!」

 

「まだまだ♪次の1週間はアリアさんのお人形として、アリアさんの可愛いお洋服とか着てもらったりこの町のお買い物に付き合ってもらうから♪それに遊輝ちゃん、ブレスレットがある限り、アリアさんの命令は絶対だよ」

 

「うっ!?」

 

「さらにさらに、その身体、どうやって説明するつもり?今ここで止まっておけば、みんな遊輝ちゃんの可愛い秘密をバレずに済むんだよ」

 

「うっ!?」

 

「というわけで・・・・・・あと1週間よろしくね♪魔法少女遊輝ちゃん♪」

 

「いやだあああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

ーーーー二人の魔法使いの精霊世界の冒険は終わった

 

 

ーーーーしかし

 

 

ーーーーこの出来事から数ヶ月

 

 

ーーーー仲間として戦った二人の魔法使いは

 

 

ーーーー同じ精霊世界という舞台で

 

 

ーーーー世界の命運をかけた戦いを始める。

 

 

 

 

 

 




アリア「可愛いわね〜。遊輝ちゃんの5歳の時ってこんなに可愛い子供だったんだね」

遊輝「/////もう嫌だ・・・・恥ずかしい・・・・」←普通の姿

アリア「あの時は楽しかったよ♪アリアさんのお洋服何着せても可愛かったし、女の子の仕草とか覚えてもらったりとかして」

遊輝「/////思い出したくない・・・・・すぐに記憶から消去したい・・・・」

アリア「何言ってるのよ!可愛かったわよあのセリフ!『私は魔法少女遊輝ちゃん、可愛いお洋服が大好きな5歳の女の子です!』って」

遊輝「///////うわああああああ!!!!!!」

アリア「というわけで4.5章はこれで終わり。アリアさんはまたしばらく休暇となるよ。第5章からいよいよWRGP編。果たして、遊輝ちゃんのチームはどうなるか!?そして初代チャンピオンに輝くのは!?次回も楽しみに待っていてね〜」


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第5章 WRGP編
第140話 開幕! WRGP


と言うわけで第5章、WRGP編の開幕なんですが・・・・実習期間でデュエル描写を執筆している余裕がありませんでしたので、すみませんが今回はないです。今回は開幕カードのチーム5D'sとチームユニコーンのダイジェストになります。


遊輝達のチームと予選で戦わせたいチームがあるけど、それをしたら話の辻褄が合わない・・・・そんな感じで悩んでました(汗)。結果、何も思い浮かばず変なことになってしまった。


遊輝 side

 

 

・・・・ブオオオオオオ!!!!!

「仕上がりは順調そうだな」

 

「皆さん絶好調ですね、師匠」

 

「当たり前だ。もう1週間を切ってるんだ、あとはこの調子を2・3ヶ月持続出来るかどうかだな」

 

アカデミアのDホイールコース、タイムアタックをしている奏や響達のタイムを見て恭輔は調子が良いと言う。もうすぐWRGPが始まるのにこんな時に調子が悪いとか試合から外すと脅してやる。

今日は2月25日、WRGPは来月の1日から始まる。予選グループと開幕の対戦相手は昨日決まった。メインスタジアムで行われる開幕線は原作通り、遊星率いるチーム5D'sと現在プロリーグ連戦連勝、優勝候補筆頭のチームユニコーンの対決となった。まぁ・・・・問題があるんだが・・・・

 

「(・・・・なんでチームカタストロフが俺らのグループなんだよ(汗)。おかげで闇のカードの対策を考えなくちゃいけないじゃないか。しかもその代わりに遊星の所に入ったチームヘル・・・・怪しさ満点だろ)」

 

原作ではチーム5D'sが予選2戦目で戦うはずだったチームカタストロフが俺らのグループに入ってしまった。あのチームはプラシドが闇のカードとか訳のわからないカードを渡したせいで対戦相手のDホイールがクラッシュして敗北するという極悪非道行為をするチーム、残念ながらライディングテクニックが俺を含めてアマチュアな俺たちではこの手に引っかかってしまう可能性がある。

んでもって遊星達のグループに入ったチームヘルって言うのを調べてみたけど・・・・まぁあんまり良い噂が無いチームだな。相手をクラッシュに巻き込もうとして戦うチームだから批難を浴びまくっている。

 

「(なんだかな〜・・・・・クロウみたいな小回り効いたライディングテクニックができる奴はいないし・・・・・最悪俺がやらなきゃいけないのか・・・・)」

 

「師匠、スバルさんが来ましたよ」

 

「ん、サンキュー恭輔」

 

そう言ってスバルのタイムアタックを図っているストップウォッチを目にする。タイムは・・・・1分02秒、まぁまぁってところだな。

 

「(にしてもどうしたものか・・・・まぁクロウがこれで怪我をしないから開幕戦には間にあ)(プルプル・・・・)電話?・・・・遊星から?」

 

・・・・・何か、嫌なフラグを立てたような気がする(汗)。そう思いつつ、ピットの机に置いてあったスマフォを手にとる。

 

「もしもし遊星、珍しいな、そっちから掛けてくるんなんて」

 

『急用なんだ。クロウがDホイールをスリップして骨折したんだ』

 

「分かった」

 

『・・・・やけに冷静だな』

 

「えっ?やけに冷静?俺の素性知っているだろ?」

 

『・・・・そう言えばお前、この世界に生まれ変わったとか言っていたな』

 

「そう言うこと。それでクロウは?」

 

『気持ちが沈んでいる。クロウの代わりにアキが出るとは言っているが、クロウの心が晴れていない。お前のシグナーの能力で何とかならないか?』

 

「いくら何でも無理だ。俺の能力は怪我を治すんじゃなくて怪我の回復を早めることだ。俺自身は骨折は寝たら治るものだと思うが、常人が使っても完治するには早くて3日はかかる、しかも24時間連続でやったとしてだ。俺としても身体に負担がかかってしまう」

 

『そうか・・・・』

 

「それより話しが変わって悪いんだが原因は何だ?クロウがスリップをするなんてありえないぞ」

 

『原因は解析しているが今の所分かっていない』

 

「・・・・・遊星、クロウのDホイールの走行データを調べてくれ。もしかしたらそこに原因があるかもしれない」

 

『走行データ?分かった、ブルーノに頼んでみる。色々とすまなかった』

 

「見舞いはどうした方がいい?」

『悪いがこっちが連絡をするまでしないでほしい。クロウの気持ちが晴れるまで少し時間がかかるかもしれない』

 

「分かった。じゃああいつらに報告だけはしておく」

 

『すまない』

 

短い一言で締めくくった遊星はそのまま電話を切る。全く・・・・・・何でそこは原作通りに動くんかね、世界の理ってものは理不尽にもほどがあるよ。

 

「師匠、さっきの電話は何だったのですか?」

 

「話は練習が終わってからだ」

 

恭輔が話しかけてきたがこう言う時は全体に一度で言った方が効率がいい。そう思い、俺はピットの脇に置いてあったWRGPの分厚いルールブックをパラパラとめくり、とあるページを見る。

 

「(・・・・・・・ちょっと待てよ?このルールブックの書いてあることが本当ならアレで出場出来るんじゃね?となるとチームカタストロフの切り込み隊長は・・・・)」

 

「師匠、来ましたよ」

 

「ん、え〜と・・・・・レミか」

 

たまたま見たページで気になったところがあり、そこを注意深く読んでいると恭輔がピットに1台のDホイールが戻ってきたのを教えてくれた。俺は顔を上げてレミのDホイールだということを確認するとすぐにレミのストップウォッチの記録を見て、紙に書き、ルールブックを読む。

 

「・・・・・59秒!?あれ!?俺、記録付け間違えた!?」

 

「いいえ、合ってますよ」

 

「マジで!?あいつ、ついこの前まで1:05切ったばっかなのに!?」

 

しかも1分切りって俺もこの前やったところだぞ!?あいつ何をしたらそんなに早くなるんだ!?

 

「まぁ・・・・いいか。祈、ラストラップの旗を振ってくれ」

 

「は、はい!!」

 

そう言って祈はピットに置いてあるフラッグを一つ手にしてコースに出して旗を振る。

俺たちのチームはまずDホイーラーとして俺を含めて5人、これはアカデミアのライディングデュエル試験からずっと決めていることだ。そして、無いとは思うが万が一の時のための緊急用として茜を予備のDホイーラーとしてチームに滞在、茜はむしろサポート役のリーダーとして恭輔、祈を指示してもらう。メカニックはスバルがメインでまかなえるところは俺もやる。これが俺たちのチーム・・・・・・チームSECRETのメンバー構成だ。

 

龍亞・龍可もこっちのチームに入ろうとしたが、先に遊星達のチームメンバーとして登録してしまった。WRGPのルールで同じ人間が違う2つのチームにサポートメンバー・Dホイーラーとして加入することは禁じられている。これはスパイ対策防止と混乱を防ぐためだな。入るためにはどちらかのチームが解散して無くなるか、脱退をするしかない。まぁつまるところ、言い方悪いがヒトがいいあの二人は先に加入した遊星達のチームを脱退することが出来ないので、今回は残念ながらという形になってしまった。

 

そうこうしている間にコースに出ていたスバル達がピットに帰ってきた。

 

「お疲れさん。タイムアタックはレミ、周回数はスバルがトップだ」

 

「えっ!?俺、レミに負けたのか!?」

 

「59秒、二人目の1分切りだ」

 

「えええ!?1分切り!?」

 

「まぁあくまでモチベだと思ってくれ。開幕のメンバーを変えるつもりはないから。んで、最下位が・・・・・タイムアタック、周回数ともに響」

 

「嘘おおおお!?!?!?」

 

「最初、手間取っていたの何だったんだ?あれが原因じゃね?」

 

「何か・・・・・・起動が遅かったんだよ」

 

「起動?・・・・・・本当だな。スバル、ちょっと見てくれないか」

 

「分かった」

 

響のDホイールが調子が悪いということなので、Dホイールの画面を開いてピピピッと音を立てて色々とボタンを押す。確かに反応が悪いのでスバルにDホイールのメンテナスをお願いする。

 

「何か心当たりあるのか?」

 

「いや・・・・・雨の日に走ったくらいしか」

 

「となると運悪く・・・って感じか」

 

響に原因を聞いても本人は全く心当たりがないみたい。そんなことを話していたら突然、誰かが俺たちの後ろにやってきて響の肩を叩いた。誰かと思って後ろを振り向いたらすみれさんがいた。

 

「は〜い♪というわけでビリの方一名ご案内〜〜♪」

 

「・・・・・・えっ?」

 

「言ったでしょ?ビリの人は私の新しいお仕置きグッズの実験台って♪」

 

「えっ!?うそっ!?あれ冗談じゃないの!?」

 

「私が冗談を言うと思ったわけ?と言うわけで一名様ご案内〜♪」

 

「いやあああああ!!!!!助けてぇぇ!!!!」

 

そう言って、すみれさんは悲鳴を上げている響を連れて何処かに連れていった。その様子を俺は哀れな表情を見るように手を振った。すみれさんは・・・・・・・一応、学生だけの俺たちチームを支援してくれる唯一のスポンサーについてくれた。無名の学生チームなので企業からのスポンサーがつくはずもないと思っていたが、思わぬ形で少額とは言えスポンサーが付いてくれるのは非常にありがたい。まぁ・・・・・あんな風になる事が度々あるけど(汗)。

 

「それで師匠、さっきの電話は?」

 

「あっ、響が行く前に言えばよかった」

 

まぁ・・・・・響には後で言っておこう。

 

 

〜〜(数日後)〜〜

 

 

『Ladies and gentlemen!!!ついに・・・・・ついにこの時がやってきた!!!全世界が待ちわびたライディングデュエルの世界一を決める戦い!!!!WRGP!!!!ワールドライディングデュエルグランプリの開幕だあああああ!!!!!』

 

『ワアアアアアア!!!!!!!!!!』

 

「うるせぇ・・・・・あのリーゼントMC相変わらずうるせぇな」

 

「分かるわ・・・・」

 

「お前ら、あのMCに対して厳しすぎるだろ」

 

「「だってうるさいから」」

 

メインスタジアムの観覧席・・・・・そこで俺たちは開幕カードを見るために席を取って座っている。まずはWRGPの開幕を宣言する開幕式が始まったんだが、相変わらずあのリーゼントMCのうるさい事・・・・・横でポップコーンを食べているレミと一緒にうるさいを連呼している。

 

『まずはこのメインスタジアムで今日だけ行われる開幕カード、予選きっての好カード!!優勝候補の激突!!まずは現在公式大会チーム10連勝!!チームユニコーンの登場だあああ!!!!!』

 

MCの紹介により、ゲートからスタジアムに繋がるレッドカーペットが引かれた道の脇に炭酸ガスが噴き出す。炭酸ガスが晴れると、大きなビジョンにチームユニコーンの3人のDホイーラーが現れて、後ろにはスタッフさんの姿が見える。

 

『チームユニコーンは現在無敵のチーム!!!切り込み隊長、アンドレは現在公式戦30連勝!!次鋒、ブレオは記憶の天才!!そしてリーダー、ジャンはチームの頭脳としてチームを勝利に導く!!』

 

『ワアアアアアア!!!!!!!』

 

『そしてチームユニコーンと対峙するのはフォーチュン・カップ優勝、不動遊星率いるチーム5D'sだああ!!!』

 

続いて、レッドカーペットの脇から再び炭酸ガスが噴出して、ガスが晴れると遊星達が姿を表す。龍亞とクロウ・ジャックさんなどがを振り、観客の声援に答える。

 

「ついに始まるわね・・・・・」

 

「先陣はチームユニコーンがアンドレ、チーム5D'sはジャックさんです。パワー系同士のデュエルが見れますね」

 

「果たしてそうなるかな?」

 

「?どう言う事だ遊輝?確か、チーム5D'sとチームユニコーンって公式練習の一悶着でデュエルをして、その時にアンドレはパワー系のデッキだって全員言っていたじゃないか」

 

「あのなぁ・・・・優勝候補に本来のデッキを見せるバカが何処にいるか?」

 

「えっ?」

 

「俺が調べた情報にアンドレがグリーンバブーンやヘビーモス・ガオドレイクを公式戦で使ったという記録は一度もないぞ。それが突然、公式練習の時にそんなデッキを使うか?」

 

「えっ!?公式戦で使ったことがない!?」

 

「つ、つまり・・・・・」

 

「何処までが本当かは知らないがその一悶着、もしかしたらチームユニコーンの作戦かもしれないな。チーム5D'sに勝つための作戦だろう」

 

全く・・・・・・まぁ前世で見たアニメや遊星から聞いた話だとクロウにも責任があるから責めるに責めれない。

 

「おそらくジャックとアンドレのデュエルはアンドレ優勢で動くだろうな。向こうはジャックがパワー戦術だとという事を頭に入れているだろうから」

 

「初戦から厳しい戦いだね・・・・」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

「行くぞ遊星!!!俺はお前に本気で勝ちたい!!!幻角獣フュプノコーンでラビット・ウォリアーを攻撃!!」

 

「それを待っていた!手札の牙城のガーディアンの効果発動!」

 

「なんだと!?」

 

「このカードを手札から捨てることでラビット・ウォリアーの守備力を1500ポイントアップする!」

 

ラビット・ウォリアー 守200→1700

 

「ラビット・ウォリアー!幻角獣フュプノコーンの攻撃を跳ね返せ!!」

 

 

幻角獣フュプノコーン 攻1400

ラビット・ウォリアー 守1700

 

ジャン LP 200→0

 

 

WIN 遊星 LOS ジャン

 

 

 

 

『き・・・・決まったああああ!!!!!白熱の開幕戦!!!何という奇跡が起きたことだ!!LP12000を一人で削り切り、デッキが0枚になっても最後までコースに走り続けたのはチーム5D's、アンカー不動遊星!!!!奇跡の大逆転勝利だああああ!!!』

 

『ワアアアアアア!!!!!!!!!』

 

「お見事だな・・・・・ジャンの思考なプレイングを遊星の戦略と熱い魂が上回ったということだな」

 

開幕カード・・・・・・初戦のアンドレvsジャックは予想通り、ジャックはパワー戦術だと思っていたアンドレの柔軟性のある戦法に苦しみ敗北、さらにはホイール・オブ・フォーチュンが壊れてしまうというアクシデントまで起きて、ジャックは怪我を負ってしまう。

WRGPのルールで敗者のDホイーラーが次の走者のDホイーラーまでにチームのステッカーを渡し、次の走者がスタートラインを切るまでに相手のDホイーラーはコースを1週することにSPCが1つたまり、12個貯まったら相手のSPCが1個ずつ減っていく。このルールで敗者側のSPCが0になって相手がもう1週した時、コールド負けとなってしまう。そんな危機的な状況の中、ジャックは怪我をする身体に鞭を打ち、Dホイールを押してピットに戻るという強行作戦に出た。タイムリミットが迫る中で2番手のアキさんにギリギリだがバトンを渡すことができた。

 

しかし、アキさんもアンドレのライフを追い詰めることはできたが逆に追い詰められてしまう。そんな中、アキさんは自身の敗北を追う代わりにウィキッド・リボーンを使って遊星から借りていたスターダスト・ドラゴンをフィールドに出す。この瞬間、アキさんのライフは0となりアンドレのターンが強制的に終了となり、最終走者の遊星にバトンが渡った。

 

最終走者の遊星はアンドレを倒した後、ブレオのデッキ破壊に苦しみながらもブレオを破壊、デッキ残り枚数4枚という状況中、チームユニコーンの最終走者、ジャンとのデュエルが始まる。

 

ジャンの巧みな戦術で遊星は追い詰められるがドラゴエクティスを融合召喚したところから徐々にジャンの作戦が崩れていく。同時に遊星の熱いデュエル魂がジャンの心に火をつける。ただチームの勝利のために己を犠牲にして戦ってきたジャンは恐らく初めてであろう、自分自身の勝利のために遊星との真っ向勝負を選んだ。その結果、ジャンがターンエンドといえば次の遊星のターン、ドローできずに敗北になるという状況を知りながらも攻撃を宣言、そしたら最後の最後に持っていた牙城のガーディアンの効果により反射ダメージを受けてゲームセット。WRGP開幕戦は遊星が3人抜きするという大逆転でチーム5D'sの勝利から始まった。

 

「凄い熱いデュエルだったぜ!!チームユニコーンのブレイン、ジャンがあんなに熱くなる所なんて初めて見たぜ!」

 

「確かに・・・・普段のジャンさんなら文句なしに何もせずにターンエンドを宣言したはず・・・・」

 

「遊星さんのデュエルは何かを惹きつけるのかしらね・・・・」

 

「み、皆さん、あそこにチーム5D'sとチームユニコーンが集まってますよ」

 

『決勝でまた会おう』

 

『ワアアアアアア!!!!!!!!!』

 

チーム5D'sとチームユニコーンの約束がスタジアムのビジョンに映る。その言った言葉に観客全員が拍手と喝采を二つのチームに送った。

 

「いいねぇ・・・・ああいうライバルみたいなチームとなら私たちも成長を導いてくれそうね」

 

「そうだねレミ。私たちも明後日から初戦だし、気合い入れていこうね」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「どうしたのですか師匠、さっきから黙って」

 

「いや・・・・・あいつら予選のルール知ってるのかなって」

 

「えっ?」

 

「ほら、WRGPの予選リーグから勝ち上がれるのは1チームだけじゃん」

 

「「「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」」」

 

「な、何だよみんな、急にこっちを見て」

 

俺が事実を言ったら全員一斉に俺の方に向いてきて、冷たい視線を送ってきた。

 

「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」

 

「な、何だよ!?なんか言えよ!!」

 

「・・・・・KY」

 

「いい空気を読みなさいよね男の娘」

 

「なんで感動的な場面をぶち壊すんだよお前」

 

「師匠、さすがに今の発言はないです」

 

「なんでや!!俺は事実を『それが余計な一言なんだよ!!(なんです!!)』・・・・・・・」

 

みんなに言いくるめられてしまい、身体が小さくなってしまう。なんでや・・・・・事実を言っただけなのに・・・・・(涙)




遊輝「・・・・何で俺は事実を言ったのにあんなに責められなきゃいけないんだよ」

霊夢「100%あんたが悪い」

魔理沙「いい空気が台無しになったぜ」

遊輝「事実を言って何が悪いんだ!!」

「「事実を言う前に空気を読みなさい、男の娘」」

グサッ!!

遊輝「・・・・・・・・・・・・」

霊夢「メンタル弱いわね・・・・」

魔理沙「と言うわけで次の話はいよいよ遊輝たちの開幕戦だぜ。【開幕戦 チームSECRETvsチームスピード・キング】」

霊夢「作者曰く、オリジナルチームだけど中身のキャラはアニメに出てきたキャラみたいだよ。それじゃまたね」


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第141話 開幕戦 チームSECRETvsチームスピード・キング

最強カードの紹介〜。

スバル「久しぶりだぜ!4.5章の時は呼ばれなかったからな」

あれはもう2人に任せていたから。

スバル「あの2人だろ?主人公とラスボスの関係かって言いたいくらい仲は良かったな」

わざとそういう設定にしたからさ。そんな設定俺が知っている限り見たことがないからさ。最初仲よかったけど、最後の最後にラスボスと明かして戦うところは何度か見たけど。

スバル「奇妙な設定だよな。敵対している両者が仲良くなっていくなんて」

まぁいいじゃない。最強カードの紹介に行きましょうか。今回は氷結界の龍 トリシューラ!

スバル「シンクロモンスターと言えば?と質問を投げかければ答えてきそうな誰もが知っている氷結界三龍の一体、最強最悪のシンクロモンスターといってもいいと思うぞ」

Lv9、チューナー以外を2体以上指定する以外縛りなし、むしろもし1体で可能だとしても、1体でやることが珍しくなるんじゃないかな?

スバル「効果はシンクロ召喚成功時、相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ1枚選んでゲームから除外する。誰がどう見ても強い効果だ」

ドラゴン族ということも重なってデブリで出せる上に、ランク9のエンタープラニズムの素材にもなってさらにハンデスしたり悪いことしかしないカードだ。これが3枚出た時のインフェルニティはマジで脅威だからな・・・

スバル「第141話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


遊輝 side

 

 

『さぁ!この第8レーンでEグループの開幕戦が始まるぞ!!まずはこのチームから登場してもらおう!!デュエルアカデミアの学生だけで組まれたチーム!!音楽業界で起こした旋風はこのライディングデュエルの世界でも起こせるのか!?フォーチュン・カップ準優勝、エクシーズ召喚の先駆者、遠藤遊輝率いるチームSECRETだああ!!!!』

 

『ワアアアアアア!!!!』

 

メインスタジアムとは違う、ネオドミノシティのライディングデュエル専用の特設会場、そこにいるリーゼントMCとは違う別のMCの紹介で俺たちは建物の中からピットに姿を現わす。

 

「す、凄い歓声です・・・」

 

「ぼ、僕たち、本当にこの舞台に立っているんですね」

 

「お〜い、何でサポートメンバーのお前らが緊張しているんだよ」

 

ピットについてガッチガチに緊張して震えている祈と恭輔にスバルが突っ込んだ。まぁ大舞台を経験していない二人には当たり前といえば当たり前か。俺たち?ひたすらライブとかやるから普通になった。

 

「んじゃあ確認、先鋒、響、次鋒、レミ、大将、スバルで行くぞ。奏は茜達と一緒にサポートしてくれ」

 

「分かったわ」

 

「それじゃ作戦会議といきますか」

 

『続いては過去に名声を挙げたデュエリストが参戦!!炎城ムクロ率いるチームスピード・キングの登場だ!!』

 

反対側のピットの入場口の脇から炭酸ガスが吹き出して、ガイコツのアクセサリーをつけた黒いヤンキーみたいな印象をした男の人と頭がウニみたいなトゲトゲの青い髪をしたおっさんと襟が立った白いYシャツに緑色の軍服のような袖なしジャケットを着たおっさんが現れる。・・・・・・・あれ?

 

「あれ、氷室さんと雑賀さんじゃねぇか。何だ、あの二人、参加していたんだ」

 

「知っているのか?」

 

「レミは知っているだろ、ダークシグナーの件で」

 

「えぇ、でもそれ以降は会ってないわね」

 

ピコーン

 

「噂をすれば・・・・向こうからだ」

 

ピットについた連絡用のボタンを押すと、向こうのピットにいる氷室さんが写っていた。

 

『久しぶりだな遊輝』

 

「久しぶりです。氷室さんや雑賀さんも参加していたんですね」

 

『いや・・・・本当は出る気がなかったんだが、ムクロの奴に誘われてさ。あいつがどうしても出たいって最後の綱とか言って俺たちに猛プッシュしてきて』

 

「それはご苦労なことで・・・・」

 

『まぁここで対峙した以上、全力で勝ちにいく』

 

「それはこっちもです」

 

『両者のオーダーはチームSECRETがファーストホイーラーから小野寺響、葵レミ、遊城スバル!チームスピード・キングが雑賀、氷室仁、炎城ムクロだ!!まもなく熱いデュエルが始まるぞ!!』

 

MCによる紹介が終わり、俺はピットの席から立ってファーストDホイーラーとして準備をする響に歩み寄る。

 

「いいか響。勝てそうなところは勝てばいいが、無理な時は勝ちにいかずに次のレミのために有利な盤面になるようにバトンを渡せよ」

 

「もちろん!一昨日のチームユニコーンの戦術を忘れないわよ!」

 

「開幕戦だ!!思い切って行ってこい!!」

 

「任せて!!」

 

そう言って響はスロットルを回して、ピットからコースに入る。同時タイミングで向こうのファーストDホイーラーの雑賀さんもピットから出てくる。お互いにコースを1周してタイヤを温めてからスタート地点に並んだ。

 

『いよいよEグループの開幕戦が始まるぞ!!準備はいいか!?』

 

『ワアアアアアア!!!!!』

 

『フィールド魔法、スピード・ワールド2!発動!』

 

MCの掛け声で2台のDホイールにスピード・ワールド2が発動、マニュアルモードのまま、フィールドが少しだけ暗くなる。そして、2台のDホイールの前に電子のシグナルが現れる。

 

『では行くぞ!!』

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

響 LP 4000 雑賀 LP 4000

 

シグナルが青になるのと同時に2台のDホイールが飛び出す。スタートダッシュはほぼ同じくらい、そこから響は加速をして第一コーナーを取った。

 

「先行もら〜い!!私のターン!!」

 

「マジかよ・・・・いくら腕が鈍っているとはいえ俺が負けるとはな」

 

響 手札 6枚

 

響 SPC 0→1 雑賀 SPC 0→1

 

「氷結界の軍師を召喚!」

 

氷結界の軍師 攻1600

 

「氷結界の軍師の効果発動!手札の氷結界の破術師を捨てて1枚ドロー!カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 2枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

氷結界の軍師 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

雑賀 手札 6枚

響 SPC 1→2 雑賀 SPC 1→2

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、デッキからカードを2枚ドローして1枚を捨てる!イエロー・ガジェットを召喚!」

 

イエロー・ガジェット 攻1200

 

「(ガジェット・・・・・多彩な戦術ができるわね)」

 

「イエロー・ガジェットの効果でデッキからグリーン・ガジェットを手札に加える。そして手札なマシンナーズ・カノンを墓地に送り、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚!」

 

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

 

ふむ・・・・ガジェットにフォートレス、雑賀さんのデッキは【マシガジェ】か。罠カードを沢山入れられるから安定した戦いが出来る、先鋒で様子見としてやるには十分なのか。

 

「バトル!マシンナーズ・フォートレスで氷結界の軍師を攻撃!」

 

マシンナーズ・フォートレスが自信に備え付けられている砲台を動かし、軍師に向かって砲台が放たれた。

 

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

氷結界の軍師 攻1600

 

響 LP 4000→3100

 

「ぐうぅ!!リバースカードオープン!!罠カード、激流蘇生!!自分フィールドの水着属性モンスターが破壊された時、その破壊された水属性モンスターを特殊召喚して、この効果で特殊召喚したモンスター1体につき500ポイントのダメージを与える!」

 

響が発動した激流蘇生によりフィールドに水の激流が現れて軍師が復活、さらにその激流はDホイールごと雑賀さんを飲み込む。

 

雑賀 LP 4000→3500

 

激流蘇生に飲み込まれた雑賀さんは少しバランスを崩したがすぐに立て直して響を追いかける。

 

「やるな・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

雑賀 手札 3枚 LP 3500 SPC 2

【モンスターゾーン】

イエロー・ガジェット 攻1200

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

「軍師の効果発動!手札のグルナードを捨てて1枚ドロー!軍師をリリース!ブリザード・プリンセスをアドバンス召喚!」

 

『久しぶりに私の出番だ!!』

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

 

プリンセスか・・・・そういえば最近見かけなかったな・・・・響が氷結HEROを使っていたころは魔法使い族が足りないみたいだったし。

 

「ブリザード・プリンセスは魔法使い族モンスター1体でアドバンス召喚ができ、このカードが召喚に成功したターン、相手は魔法・罠を発動できない!」

 

「なんだと!?」

 

ブリザード・プリンセスが現れたのと同時タイミングで雑賀さんの伏せカードが全て凍ってしまう。

 

「バトル!ブリザード・プリンセスでイエロー・ガジェットに攻撃!」

 

『ヘイル・ブリザード!!』

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

イエロー・ガジェット 攻1200

雑賀 LP 3500→1900

 

「ガアアアア!!!!!」

 

「これでターンエンド!」

 

響 手札 2枚 LP3100 SPC 3

【モンスターゾーン】

ブリザード・プリンセス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「クソゥ・・・一方的じゃねぇか。俺のターン!」

 

雑賀 手札 4枚

 

「グリーン・ガジェットを召喚!」

 

グリーン・ガジェット 攻1400

 

「グリーン・ガジェットの効果でレッド・ガジェットを手札に加える!バトル!マシンナーズ・フォートレスでブリザード・プリンセスに攻撃!」

 

「迎え打て!ヘイル・ブリザード!」

 

マシンナーズ・フォートレスによる自爆特攻、それを響は何も対策をせずに攻撃を迎え撃つように宣言。マシンナーズ・フォートレスの砲台による攻撃をプリンセスは跳ね返して、逆に持っている大きな氷の球を振り回してマシンナーズ・フォートレスを破壊した。

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

 

雑賀 LP 1900→1600

 

「この瞬間、戦闘で破壊されたマシンナーズ・フォートレスの効果発動!相手フィールドのモンスター1体を破壊する!」

 

『えっ!?ちょっと待って!?私の出番これだけ!?』

 

「ごめん!!無理!!」

 

『響ィ〜〜!!!!!!』

 

マシンナーズ・フォートレスが粉々に破壊される中、最後にプリンセスを捉えてそのまま自爆、爆発に巻き込まれたプリンセスも一緒に破壊されてしまった。

 

「グリーン・ガジェットでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ガード・ブロック!この戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

響 手札 2枚→3枚

 

「バトルを終了、墓地のマシンナーズ・フォートレスの効果発動!手札のレッド・ガジェットとイエロー・ガジェットを墓地に送り、このカードを特殊召喚!」

 

雑賀さんの手札にある2体のガジェットが墓地に送られて墓地から再びマシンナーズ・フォートレスがフィールドに現れる。はは〜ん・・・・あの様子を見ると、手札にモンスターが被っていたみたいだな。

 

「(まだ手札にはモンスターが多いな・・・・)ターンエンド!」

 

 

雑賀 手札 2枚 LP 1600 SPC 4

【モンスターゾーン】

グリーン・ガジェット 攻1400

マシンナーズ・フォートレス 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

響 SPC 4→5 雑賀 SPC 4→5

 

「(・・・ようやく手札交換が身を結んだわね!)リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地から氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚する!」

 

「させるかよ!チェーンで罠カード、砂塵の大竜巻!リビングデッドの呼び声を破壊する!」

 

響が発動したリビングデッドにチェーンして雑賀さんが砂塵の大竜巻を発動したが、リビングデッドの前にバリアが張られて砂塵の大竜巻を弾いた。

 

「何だと!?」

 

「チェーンして速攻魔法、SPースピード・フォースを発動していたわ!SPCが4つ以上ある時、このターン、私のフィールドのカードは相手の魔法・罠の効果では破壊されない!」

 

「なっ!?(すると俺の奈落の落とし穴も無効になったのか!?)」

 

「よってリビングデッドの呼び声の効果は有効!氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚!」

 

氷結界の虎将 グルナード 攻2800

 

「グルナードが存在する限り、私は通常召喚に加えて《氷結界》モンスターを召喚できる!私はこの効果で氷結界の御庭番を召喚!」

 

氷結界の御庭番 攻100

 

「さらにチューナーモンスター、氷結界の術者を召喚!」

 

氷結界の術者 攻1300

 

「行くわよ!!Lv8の氷結界の虎将 グルナードとLv2の氷結界の御庭番にLv2の氷結界の術者をチューニング!!」

 

「!?Lv12のシンクロモンスターだと!?」

 

☆2 + ☆8 + ☆2 = ☆12

 

「伝説の魔法使いが荒れ果てた土地を救うため再び立ち上がる!シンクロ召喚!凍りつかせろ!氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン!!」

 

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン 攻3300

 

氷結界の術者が2つの緑色の輪となり、その中にグルナードと御庭番が入って合計10の光の玉となる。それらが一つとなって大きな光になると、そこから猛烈な強風が吹き荒れる。強風が吹き荒れて雑賀さんは少しスピードを緩めてしまう。その強風の中から氷で出来た杖が見えてくる。その杖が回転をして、強風が止まると大きな水色の三角帽子を被った男の魔法使いが現れた。服は魔法使い独特の前に垂れたエプロンみたいなものをつけて青い服を着て、マントを羽織っている。

 

「氷結界の魔法使い エターナル・マジシャンの効果発動!シンクロ召喚成功時、このカードを素材としたチューナー以外のモンスターの数まで相手の手札・フィールド・墓地のカードをそれぞれ選んでゲームから除外する!」

 

「な、何だと!?」

 

「手札は残り全部、フィールドはマシンナーズ・フォートレスをと伏せカード、墓地はイエロー・ガジェットとレッドガジェットをゲームから除外!!エターナル・ゼロ!!」

 

エターナル・マジシャンが杖を地面に突き刺す動作をする。そこを中心に穴が開いて、その穴の中に吸い込まれるように猛吹雪が吹き始める。雑賀さんの手札2枚、墓地のイエロー・ガジェットとレッド・ガジェット、フィールドにあったマシンナーズ・フォートレスと伏せカードが吹雪によって飛ばされてその穴の中に全て吸い込まれていってしまった。

 

「くっ・・・・俺の出番はここまでか・・・・」

 

「バトル!氷結界の魔法使い エターナル・マジシャンでグリーン・ガジェットに攻撃!瞬間凍結〜フラッシュフリーズ〜!!」

 

エターナル・マジシャンの氷の杖に緑色の光がたまりそれをグリーン・ガジェットに向けて放つ。氷の杖から放たれたのは吹雪を通り越した氷の嵐、弾幕って表現も正しいな。その攻撃をグリーン・ガジェットは食らって、さらにその余波が雑賀さんを襲った。

 

 

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン 攻3300

グリーン・ガジェット 攻1400

 

雑賀 LP 1600→0

 

 

WIN 響 LOS 雑賀

 

 

『決まったああああ!!!!大型シンクロモンスターを出して一気に勝利を掴んだ!!最初のデュエルはチームSECRETの勝利だ!!』

 

「よっしゃ!!響が取った!!」

 

「良いぞ響!!」

 

先鋒同士の対決、まずは響が勝利した。これでこっちのペースに掴むことはできるな・・・・これから先の響にはとにかく相手に不利な状況を作るように指示をしておかないと。

 

「恭輔、ボードに1を打ち込んで響に知らせてくれ」

 

「分かりました」

 

予め全員で決めていた作戦番号、それを恭輔に伝えて恭輔はピットに置いてある電子ボードを打ち込み、響のDホイールに送信させる。

 

「(・・・・・1、余裕があるなら次も倒せね)」

 

「響っち〜〜!!!頑張れってね〜〜!!!」

 

響がメインストリートに帰ってきたところで茜は大声で声援を送る。それに答えるように響も左手でガッツポーズをした。さて、先鋒の雑賀さんがやられて向こうの二人目、氷室さんがピットから飛び出してきた。

 

「やるな、さすがに遊輝の仲間というだけはある」

 

「これでも一応校内チャンプだからね!」

 

「だったらこっちも手を抜く必要はないな!いくぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 3100 氷室 LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

氷室 手札 6枚

 

響 SPC 5→6 氷室 SPC 5→6

 

「(・・・・・ここは牛鬼を出さずにあいつを倒したいところだな)牛頭鬼を召喚!」

 

牛頭鬼 攻1700

 

「牛頭鬼の効果!デッキからアンデット族モンスターを墓地に送る!俺は馬頭鬼を墓地に送る!そしてSPーフォース!スピードカウンターが2つ以上ある時、フィールドのモンスター1体の攻撃を半分して、もう1体のモンスターの攻撃力をその数値分アップさせる!」

 

「いっ!?」

 

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン 攻3300→1650

牛頭鬼 攻1700→3350

 

『グオオオオ!!!!!』

 

氷室さんが発動したフォースにより、エターナル・マジシャンからエネルギーが吸い取られて、そのエネルギーが牛頭鬼に吸収される。エネルギーを吸収した牛頭鬼は雄叫びをあげる。

 

「バトル!牛頭鬼でエターナル・マジシャンに攻撃!」

 

パワーアップした牛頭鬼が大きなハンマーを振りかぶって、エターナル・マジシャンに向かって振り落とす。攻撃力が下がってしまったエターナル・マジシャンは氷の杖で受けようとしたがパキッと折れてしまい、ペチャンコになってしまった。

 

牛頭鬼 攻3350

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン 攻1650

響 LP 3100→1400

 

「グウウウウ!!!このっ!!!」

 

牛頭鬼の攻撃を受けた響はDホイールのバランスを崩す。そのままレーンの壁に激突しそうになるが寸前で持ちこたえてレースに戻った。

 

「ほほう、学生のくせにそこそこのテクニックはあるんだな」

 

「舐めてもらっては困るわよ!それにエターナル・マジシャンだってタダでやられないわよ!」

 

「何っ?」

 

「エターナル・マジシャンはフィールドから離れた場合、エクストラデッキの《氷結界》シンクロモンスター1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!」

 

「何だと!?」

 

「古に伝わりし三龍の長が氷河の地響きと共に長き封印から目覚める!戦慄の咆哮を、鼓動を地上に震撼させよ!シンクロ召喚!響け!氷結界の龍 トリシューラ!」

 

氷結界の龍 トリシューラ 攻2700

 

『・・・・・グオオオオオオ!!!!!!』

 

破壊されてペチャンコになったエターナル・マジシャンの跡の地面が凍り、その凍った地面がピキピキとひび割れていく。そして、コース全体に大きな咆哮が轟き、凍った地面が割れてその中からトリシューラが姿を現す。

 

「氷結界の龍 トリシューラの効果発動!シンクロ召喚成功時、相手のフィールド・手札・墓地からカードをそれぞれ1枚ずつ除外する!墓地の馬頭鬼、フィールドの牛頭鬼、そして手札は右から2番目のカードをゲームから除外する!」

 

トリシューラの咆哮により墓地にいた馬頭鬼、フィールドの牛頭鬼、そして氷室さんの手札1枚が吹っ飛ばされていった。

 

「くそっ・・・・馬頭鬼も牛頭鬼も無駄になったか。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、エターナル・マジシャンで特殊召喚されたトリシューラは破壊される!」

 

エターナル・マジシャンで特殊召喚されたトリシューラはそのまま身体全体が氷の粒とって響のフィールドから消えていった。

 

 

氷室 手札 2枚 LP 4000 SPC 6

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚




響「まずは一人抜き!目標は3人抜き!」

遊輝「そう安安と決まるかいな。相手は元プロとかいるんだぞ」

紫「相変わらずバイク乗ってデュエルっていうのが私にはイマイチね・・・」

文「私は新聞のネタになるから大いに結構です」

響「というわけでオリカの紹介に行くよ!今回は雷影さんから頂いたカードです!名前も変えました!」



氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン ☆12
水属性 魔法使い族 攻3300 守2800
「氷結界」と名のついたチューナー+チューナー以外の「氷結界」モンスター2体以上

①このカードがシンクロ召喚に成功した場合、このカードのチューナー以外のシンクロ素材に使用したモンスターの数まで相手の手札・フィールド・墓地の中からそれぞれ選んでゲームから除外する。

②このカードがフィールドから離れた場合、エクストラデッキから「氷結界」と名のついたSモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。




原案

氷結界の召喚神 ☆12
水属性 魔法使い族 攻3700 守2800
「氷結界」と名のついたチューナー+チューナー以外のモンスター2体以上

①このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカードのシンクロ素材に使用したモンスターの数まで相手の手札・フィールドのカードを選んでゲームから除外する。

②このカードがフィールドから離れた時、エクストラデッキから「氷結界」と名のついたSモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する事ができる。

③このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドまたは墓地から「氷結界の神 エターナル・マジシャン」以外の「氷結界」と名のついたSモンスター1体をエクストラデッキに戻して墓地のこのカードを特殊召喚する。





文「・・・・原案、ヤバすぎません?」

遊輝「原案をそのままやるといくら氷結界縛りとはいえやりすぎるので素材は全て《氷結界》縛りにしました。前にも言いましたが《氷結界》はLv9以上のシンクロ召喚をするには不向きなデッキですので」

紫「今回のデュエルもアドバンテージ無視しているわね・・・・」

遊輝「その代わり、効果は現代風の『場合・・・・できる』に代えて、効果の強さだけはトリシューラの完全上位互換にしました。素材の分だけフィールド・手札・墓地から除外とか酷すぎるだろ・・・・」

響「あとはフィールドから離れたらエクストラデッキの《氷結界》シンクロモンスターをシンクロ召喚扱いで特殊召喚できる!

紫「スターダスト・ウォリアーみたいな効果ね。そこから出てくるのがトリシューラっていうのがまた悪いところだけど・・・・」

遊輝「下手したら1ターンで手札と墓地とフィールドが最低3枚、合計9枚除外ですからね・・・そんなわけで特殊召喚したモンスターは1ターンしか存在できず、③の効果は削除。③をつけたらこのカード、強くなり過ぎです」

文「それと、なんで名前を変えたのですか?」

響「最初は作者もこのまま行こうと思っていたらしいよ。ただ、氷結界をwikiで見たら名前が全部《氷結界の○○ ××××××》ってなっていたから。それだったらこれもそうしよう、せっかく魔法使い族だから魔法使いって付けようってな感じになった」

紫「いい加減と言うべきかなんというか・・・」

遊輝「というわけで次の話もチームSECRETとチームスピード・キングの続きです。【爆走!大牛鬼とスピード☆キング】」

文「・・・・台本見ているとそこまで活躍するように思えません「それ以上はダメ!」ムゥ・・・・」

響「次回もよろしく!」


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第142話 爆走!大牛鬼とスピード☆キング

【*注意

内容がスッカスカですみません。これ以上の良い展開が思い浮かばなかったです。これだったら前の話と繋げるべきだったな・・・・・WRGPのデュエル、苦戦しそう・・・・(汗)】


最強カードの紹介〜。

響「ひっさしぶり!!私のデュエル回で私が出れたよ!!」

いや〜、さすがに年末年始。去年並み・・・・とは言わないがそれぐらい忙しい時期が来たよ。

響「年末年始なんか皆と遊んで大晦日はガキ使か紅白を見て、そのまま除夜の鐘を聞いて皆で神社にいってお参りするくらいしかないね」

いいよな〜中学生は、この歳になったら本当そんな気楽な事を考えている暇なんかねぇよ。

響「やっぱりこの時期は遊ばないと!!」

だからと言って宿題をやらないというのは間違いだぞ。

響「ヴッ!?」

最強カードの紹介に行くか。今回はドラグニティナイトーヴァジュランダ!

響「レミもよく使うドラグニティ専用のシンクロモンスターね。Lv6でドラゴン族のチューナーとチューナー以外に鳥獣族を指定したモンスターだよ」

効果はシンクロ召喚時に墓地からLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターをこのカードに装備することと、このカードの装備カードを墓地に送ることで攻撃力が倍になる!

響「大抵はファランクスを選んでLv8にシンクロ、もしくはアキュリスを選んで攻撃力を倍にしつつ相手のカードを除去する」

最近だとドラグニティの神槍という装備カードもあるからそれを墓地に送って攻撃力を倍にするという手もあるな。まぁ大体ファランクスを呼んでクリスタルウィングにするのが強いけど・・・・

響「第142話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


前回までの状況

 

響 手札 1枚 LP 1400 SPC 6

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

氷室 手札 2枚 LP 4000 SPC 6

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

響 side

 

 

う〜ん・・・・ちょっと減らされすぎたね。トリシューラで吹っ飛ばしたとはいえ、ちょっとはレミが有利になるような場を作ろうかな?と言っても手札的には攻めるべきね。

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 2枚

 

響 SPC 6→7 氷室 SPC 6→7

 

「SPーシフト・ダウン!SPCを6つ取り除いて2枚ドロー!」

 

響 SPC 7→1

手札 1枚→3枚

 

「チューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

「デブリ・ドラゴンの効果発動!召喚時、墓地から攻撃力500以下のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!氷結界の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

 

「Lv3の氷結界の破術師にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

デブリ・ドラゴンと氷結界の破術師が一つの光となって、その光から雪が吹き始める。その雪が竜巻のようになって上空まで伸び、竜巻が止むとアイス・スプラッシュが現れた。

 

「アイス・スプラッシュ・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、相手の手札1枚をランダムに墓地に送る!」

 

「チッ!またハンデスかよ!」

 

アイス・スプラッシュが一本の氷の矢を作り、それを氷室さんに目掛けて放つ。氷室さんの持っている手札1枚が氷の矢に突き刺さって、そのまま地面に落ちてしまう。

 

「バトル!アイス・スプラッシュ・ドラゴンでダイレクトアタック!エターナル・アイスミラージュ!」

 

アイス・スプラッシュの身体が7色に光、そこから氷の分身が7体ほど現れて7体全員が氷室さんに突進した。

 

氷室 LP 4000→1500

 

「ぐううう!!!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 0枚 LP 1400 SPC 1

【モンスターゾーン】

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「いってぇ・・・俺のターン!ドロー!」

 

氷室 手札 2枚

 

響 SPC 1→2 氷室 SPC 7→8

 

「(・・・ムクロには悪いがここで負けたら不利すぎる。SPCを使わせてもらおう)スピード・ワールド2の効果発動!SPCを7個使って1枚ドローする!」

 

氷室 SPC 8→1

手札 2枚→3枚

 

「・・・・よし!終末の騎士を召喚!」

 

終末の騎士 攻1400

 

「終末の騎士の効果発動!デッキから闇属性モンスター1体を墓地に送る!俺は牛鬼を墓地に送り、リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地から牛鬼を特殊召喚!」

 

牛鬼 攻2150

 

氷室さんの横に現れた終末の騎士がデッキから牛鬼のカードを落とす。そして氷室さんがすぐにリバースカードを発動して、さっき墓地に落とした牛鬼がフィールドに現れる。

 

「手札のこのカードは牛鬼をリリースすることで特殊召喚できる!大牛鬼を特殊召喚!」

 

大牛鬼 攻2600

 

さらに出てきたばかりの牛鬼がリリースされて下半身が蜘蛛みたいな脚になった牛鬼が姿が現れた。

 

「大牛鬼は戦闘でモンスターを破壊すればもう一度攻撃できる!これで終わりだ!大牛鬼でアイス・スプラッシュ・ドラゴンを攻撃!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

大牛鬼がアイス・スプラッシュに突進をしてきたが、その前に攻撃の無力化による渦が出てきて大牛鬼の攻撃を止めた。

 

「これで仕留められねぇか・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

氷室 手札 0枚 LP 1500 SPC 1

【モンスターゾーン】

終末の騎士 攻1400

大牛鬼 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 1枚

 

響 SPC 2→3 氷室 SPC 1→2

 

「(・・・・・・・)」

 

「(・・・・何だ?何を悩んでいる?俺の伏せカードを警戒しているのか?)」

 

「(・・・私はまだ一人目、私の後ろにはまだレミとスバルが控えている。ここは目の前の敵に集中しよう!)アイス・スプラッシュ・ドラゴンの効果発動!このターンの攻撃を放棄して、自分フィールドの水属性モンスター1体を選択して、選択したモンスターのLv×200ポイントのダメージを与える!」

 

「なっ!?」

 

「放て!ウォーターフォール!!」

 

アイス・スプラッシュが自身の溜めたエネルギーが上空に放たれる。そのエネルギーから分厚い雲が現れて氷室さんの真上に移動、氷室さんのスピードについていく。そしてそのまま大量の水が流れた。

 

氷室 LP 1500→100

 

「・・・ブワアアア!!!!ハックション!!!あぶねぇ!!!もう少しで濡れた地面でスリップするところだぜ!!」

 

大雨を切り抜けた氷室さんは濡れたタイヤでバランスを崩しながらもスピードを少し緩めて何とか持ちこたえることができた。

 

「しかしそれでお前はこのターン攻撃は出来ねぇ!次のターンでトドメをさしてやる!」

 

「えぇそうでしょうね!だからせめてものの抵抗であんただけは倒すわ!SPースピードストーム!!」

 

「なっ!?スピードストームだと!?」

 

「SPCが3つ以上ある時、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

私が発動したスピードストームによりDホイールにエネルギーが溜められる。そのエネルギーは氷室さんのDホイールに当たり、氷室さんのライフは0となった。

 

氷室 LP 100→0

 

 

WIN 響 LOS 雑賀

 

 

響 side out

 

遊輝 SPC

 

 

『決まったああああ!!!チームSECRETの小野寺響が二人抜き達成〜〜!!!チームスピード・キングは窮地に立たされた〜〜!!!』

 

「レミ、準備しておけ」

 

「はいは〜い」

 

「全く、響ったら・・・・」

 

「まあまあ、先鋒としてあれだけ戦ってくれたら充分だ」

 

2人目の氷室さんが倒れ、MCが響の勝利をコールする。それを聞いた俺はすぐにベンチ横で待機していたレミに準備するように指示をした。

響の身を削る戦法にチームの勝利とは反していると奏はやれやれといった表情を示すが、正直二人抜きをしてくれたら充分だ。ラストホイーラーと2対1で戦えあえるだけ充分に切り込み隊長としての役割は果たしてくれた。

 

「レミ〜、俺の分も残しておいてくれよ」

 

「それはつまり私に負けろって言ってるの?」

 

「このままいけば、俺の予選の出番無くなっちゃう」

 

「心配するな。俺と奏の枠が決まっただけでもう一人どうするか決まってない」

 

一方で、スバルはレミに対して遠回しに出番が欲しいから負けろと言っている。むしろこっちの方が問題発言だろうと俺は奏に言い返した。

 

『ここで二人抜きを達成した小野寺響が帰ってきたあああ!!!!』

 

『わああああ!!!!!!』

 

「っと響が帰ってきたな」

 

「む、向こうのラストホイーラーは炎城ムクロさん」

 

「かつてジャックさんに挑んだデュエリストですね・・・・」

 

「心配しなくてもいいさ。ムクロは熱くなって自己主張を強く押す傾向がある。そこを着けば2対1でいって勝てるさ」

 

祈や恭輔はムクロの実力に心配するが、フォーチュン・カップで遊星とのデュエルを見た俺にとってはあまり脅威ではないと感じる。響がスタートラインを先に走り去ったところでチームスピード・キング、ラストホイーラーの炎城ムクロがピットから飛び出してきた。

 

「ったく雑賀も氷室も役立たずだぜ・・・・ここは俺がカッコよく三人抜きしてやるぜ!」

 

「やれるもんならやってみなさい!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 1400 ムクロ LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ムクロ 手札 6枚

 

響 SPC 3→4 ムクロ SPC 2→3

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上あるからカードを2枚ドローして1枚を墓地に送る!そして大牛鬼と終末の騎士をリリース!」

 

「えっ!?」

 

「スカルフレイムを召喚!」

 

スカルフレイム 攻2600

 

「(えぇ!?なんでスカルフレイム出したの!?そのまま殴ったら終わりじゃない!?)」

 

「スカルフレイムの効果発動!手札のバーニング・スカルヘッドを特殊召喚!」

 

バーニング・スカルヘッド 攻1000

 

「この効果を使ったターン、俺は攻撃できねぇが関係ねぇ!バーニング・スカルヘッドは手札から特殊召喚した時、相手に1000ポイントのダメージを与える!さらにチェーンでリバースカードオープン!激流葬!」

 

「えっ!?そこ!?」

 

「フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

フィールドに激流が流れ込んで響のフィールドとムクロのフィールドのモンスターが全て破壊した。全く・・・・

 

「し、師匠・・・僕には全くこのプレイングが分からないのですが・・・」

 

「完全に一人よがりのプレイングだな。やるんだったら次のレミの時にやるべき行動なんだが・・・・」

 

「バーニング・スカルヘッドの効果で1000ポイントのダメージを受けてもらう!」

 

響 LP 1400→400

 

墓地にいったバーニング・スカルヘッドがフィールドに現れて響に向かって突進をした。

 

「そしてこのカードは墓地のスカルフレイムを除外することで特殊召喚できる!現れろ!スピード・キング☆スカルフレイム!」

 

スピード・キング☆スカルフレイム 攻2600

 

墓地にいったスカルフレイムが除外されて、スピード・キングが姿を現す。全く・・・・何でどいつもこいつもガイコツやらお化けやらを使うんだよ・・・・

 

「カードを1枚伏せてスピード・キング☆スカルフレイムの効果発動!墓地のバーニング・スカルヘッド1枚につき400ポイントのダメージを与える!これで終わりだ!」

 

「どうせ負けるならせめて次のレミが有利になるように負けるわよ!リバースカードオープン!永続罠、ウィキッド・リボーン!」

 

「な、何だと!?」

 

「ライフを800払い、墓地のシンクロモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!氷河の封印から目覚めよ!氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン!!」

 

響 LP 400→0

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン 攻3300

 

 

WIN ムクロ LOS 響

 

 

 

スピード・キングが効果を発動して響にトドメのダメージを与えようとしたが、その前に響がウィキッド・リボーンを発動。これにより響のライフは0となったがエターナル・マジシャンが現れて、次のレミに引き継ぐこととなる。響はコースにでてきた敗者用のピットに戻る特別なレーンへと入っていく。

 

『おおっとここで小野寺響は自らの敗北と引き換えに墓地のシンクロモンスターを特殊召喚した!!これには炎城ムクロもいっぱい食わされた!!』

 

ブオオオン!!!

 

「ひ、響さんが帰ってきましたよ」

 

コースから外れた響がピットに戻ってくる。すでに準備を終えてDホイールに乗って構えている。その間に奏と恭輔、茜の三人でドライバーへの引き継ぎ作業をしている。

 

「お疲れ〜」

 

「どう?」

 

「二人抜きして有利な盤面を整えることができたんだ。初めてにしては上出来だ」

 

「準備OK!」

 

「GO!」

 

奏の準備OKの声が響いて、ストップの旗を持った茜が上から下に振り下ろす。その動作を見たレミはスロットルを回し、コースへと入っていった。

 

「お前が二人目か・・・・さっさと倒してやるぜ!」

 

「その言葉、そっくりそのまま返してやるわ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

レミ LP 4000 ムクロ LP 4000

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

レミ SPC 4→5 ムクロ SPC 3→4

 

「(・・・・あぁ、これいったわね)SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして1枚を墓地に送る!そしてSPーおろかな埋葬!SPCを2つ取り除いてデッキからドラグニティーファランクスを墓地に送る!ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1700

 

「ドゥクスの召喚時、墓地からLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターをこのカードに装備する!墓地からファランクスを装備!そしてファランクスは自身の効果で特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

ファランクスが作った2つの緑色の輪の中にドゥクスが入って4つの星を作る。それらが一つになって、ヴァジュランダが姿を現す。

 

「ヴァジュランダの効果発動!墓地のLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスター1体をこのカードに装備する!ファランクスを装備!そしてファランクスの効果で自身を特殊召喚!Lv6のヴァジュランダにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

今度はヴァジュランダとファランクスが一つの光となって、そこから突風が吹き荒れる。フィールドに現れた突風が強くなってフェザーが姿を見せた。

 

「フェザー・ウィングの効果発動!墓地のドラゴン族モンスターを任意の枚数このカードに装備する!墓地のファランクスとブランディストックをこのカードに装備する!」

 

『ギャアアアアア!!!!!!』

 

フェザーの咆哮で墓地にいたファランクスとブランディストックが表れて、フェザーの身体に装備される。

 

「さらにフェザーの効果発動!墓地の風属性モンスターを戻すことで、フィールドのカード1枚を手札に戻す!」

 

「な、なんだと!?」

 

「墓地のドゥクスをデッキに戻して、伏せカードを手札に戻す!ウィンドセプション!」

 

フェザーが墓地にいたドゥクスの魂を吸収して、翼を広げて風を巻き起こす。強烈な向かい風でムクロはDホイールのバランスを崩し、さらに伏せカード1枚は彼方に飛んでいってしまった。

 

「これでバトル!氷結界の魔法使い エターナル・マジシャンでスピード・キングに攻撃!瞬間凍結〜フラッシュフリーズ〜!」

 

 

氷結界の魔法使い エターナル・マジシャン 攻3300

スピード・キング☆スカルフレイム 攻2600

 

ムクロ LP 4000→3300

 

「グワアアアアア!!!」

「フェザー・ウィング・ドラゴンでダイレクトアタック! ストームウィングブレイク!」

 

フェザーが右手にある刃をムクロに見せつけて、先ほど使った効果で吹いた風に乗りムクロを切りつけた。

 

ムクロ LP 3300→500

 

「ぐううう!!!だ、だが!!俺のライフは「ブランディストックを装備したモンスターは1度のバトルフェイズで2回攻撃ができる!」な、なにぃ!?」

 

「これで終わりよ!フェザー・ウィングで2度目のダイレクトアタック!」

 

ムクロに突進をしたフェザーが振り返り、後ろからムクロを切りつけた。

 

ムクロ LP 500→0

 

 

WIN レミ LOS ムクロ

 

 

 

 

 

『決まったあああああ!!!!!葵レミが最終走者の炎城ムクロを1 turn killで倒した!!Eグループの開幕戦!!勝者はチームSECRET!!』

 

『ワアアアアアア!!!!』

 

「やりましたね師匠!!」

 

「無事に初戦は取れたわね」

 

「やれやれだ、これで次の試合は少し楽な気持ちになれるよ」

 

「ちえっ、結局俺の出番は無しか・・・・」

 

予選1回戦を無事に突破、スバルだけデュエルお預けを食らったがそれ以外のことを除けば皆初戦を勝てたことに喜んでいる。

そんな事をしていたらスタートラインにレミが戻ってきてDホイールを止めた。俺たちはピットから飛び出して、レミの所に集まる。

 

ブオオオ・・・・・

 

「レミッち、お疲れ〜〜!!!」

 

「いや〜、相手がラストホイーラーだってところに救われたわ。あれが二人目ならあんな事できなかったからね」

 

「できなかったからねじゃなくて結局やるんだろうが」

 

「いやいや、二人目ならあそこはガジャルグを立てて墓地肥やしをしていたわよ」

 

「ほんとかよ?」

 

「いや〜、参った参った。まさか学生に負けちまうとはな」

 

俺たちが談笑をしていると氷室さんと雑賀さんがこっちにやってくる。ムクロはどうやら来ていないようだ。

 

「さすがに腕が鈍っちまっている上に、ムクロがあんな事をしたら負けてしまうよな」

 

「だな、あの様子が続くようじゃ次の試合も負けて予選落ちになる未来しか見えないな。俺はそれでも構わないが」

 

「そんな事ムクロさんに聞かれたら怒りますよ」

 

「知っているさ。じゃあな、頑張って決勝トーナメントまで勝ち進んで優勝目指せよ」

 

「もちろんだよ!!」

 

最後に氷室さんのエールを受けて響がそれに答える。フッと笑った氷室さんは後ろに振り向いて手を振ってコースを後にした。

 

「ふぅ〜・・・・・とりあえず次の試合は4日後だな。明後日が氷室さんたちともう一つのチームの試合だ」

 

「明後日は偵察ね。確かチームカタストロフだっけ?」

 

「あぁ、ヤバそうなチー・・・・あっ」

 

「?どうしたのよ?」

 

ヤッベェ・・・・氷室さんたちに忠告するの忘れてた!!!悲惨な事が起きなかったらいいんだが・・・・(汗)




レミ「やったぜ!」

スバル「大体レミがこういう事をするとワンターンで終わるよな・・・・」

遊輝「ライフ4000の世界でドラグニティは驚異しかない。この世界だと渓谷制限でも分かる気はする」

レミ「あれが無いと回らないのよ!!早く渓谷返して!!」

スバル「現実問題、なんで帰ってこないんだろうな・・・・・」

遊輝「もう陰謀としか言えないな」

レミ「次は1回戦と2回戦の間の小休憩みたいな話をした後に2回戦の始まりだよ!【闇への使者 チームカタストロフ】」

遊輝「次回もよろしく!」


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第143話 闇への使者 チームカタストロフ

今回はデュエルはあるのですが、ちょっと紹介するようなカードがないので、お休みとさせてもらいます。


遊輝 side

 

 

「・・・・・そうそう。そうやってスタート時にトップスピードにするんだ」

 

「無茶苦茶バランス崩すわね・・・・」

 

「今よりスタートダッシュを成功させるにはこうするしか無いんだ。俺もスバルもこれでスタートダッシュをしているんだから」

 

WRGP初戦から翌日、昨日の勝利の喜びを味わうものの、すぐに冷めて再び予選突破に向けての練習が始まる。遊星たちのグループは今日、チームユニコーンとチームヘルの試合があり、ジャックのDホイールの修理が終わり次第、試合会場に向かうらしい。俺たちはさすがに他の予選リーグを見ている余裕がないので、アカデミアの練習コースで練習をしている。と言っても、昨日出た響とレミは休みを取ってもらってる。次の試合は出す予定じゃないし、休憩を取ることも悪くはない。ここにいるのは俺と奏、あとは恭輔だけだ。スバルは自主練習でシティのコースを使っている。

 

「とりあえず俺も練習したいから先にコースに入って練習しておくぞ」

 

「分かったわ」

 

「恭輔〜、タイムと周回数頼んだぞ」

 

「分かりました」

 

恭輔に測定を頼み、Dホイールを起動させてピットからコースに出る。タイヤを温めるために軽くコースを1周走ったあと、スタートラインに立つ。目の前にシグナルが出て、赤から青になるタイミングと同時にスロットルをフルに回してタイムアタックと周回数の測定を始める。

 

「(・・・・・よし、調子は良さそうだな。この『師匠!!!!止まってください!!!緊急事態です!!』ん?」

 

タイムアタックをしてしばらく、調子が良いことを確認していたら突然前の画面に恭輔の顔がアップで写る。何事かと思い、俺は急ブレーキをかける。そのまま恭輔との通信を続ける。

 

「どうした?」

 

『スバルさんのDホイールがスリップしてしまいました!!』

 

「ハァ!?状況は!?」

 

『響さんからの情報だと、シグナーの能力を使って最小限に被害を抑えたため、怪我は捻挫や擦り傷程度で済み、Dホイールの損傷も少ないそうです!』

 

「そうか・・・・・とにかく今から行くぞ!恭輔たちも後ろからついてきてくれ」

 

『分かりました!スバルさんは病院にいるみたいです!』

 

「分かった」

 

恭輔との通信を切り、俺はDホイールのスロットルを回す。俺の後ろをついてくるように奏とDボードに乗った恭輔は追いかけてくる。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「・・・・とにかく、1週間は身体を休ませない」

 

「・・・・分かりました」

 

病院につき、レミの案内ですぐにスバルが診察された部屋に入る。恭輔から聞いた時はマシな方だと聞いていたがどうやら軽い捻挫とむち打ちで済んだようだ。しかし、医者からは全治1週間を言われて何もしないように注意される。

 

「とりあえず無事でよかった。今日はもう大丈夫だ。家で休んでくれ」

 

「はい。ありがとうございます・・・」

 

診察室の部屋から出て、とりあえず病院を後にする。相変わらず平日なのに病院はそこそこ混んでいる。

 

「あんたも災難ね・・・・こんな時にスリップするなんて・・・」

 

「それがよ・・・・何か変な感じがしたんだよな・・・」

 

「変な感じ?」

 

「そう・・・Dホイールで走っていたら突然タイヤが止まったような感覚をして・・・それでバランス崩してスリップしたんだよな」

 

「・・・・・・・・・・スバル、Dホイール何処にある?」

 

「?今は遊星さんのところに預けているぜ。修理してもらわないといけないならな」

 

「ならちょうど良い。遊星の所に行こう」

 

「えっ?でも遊星さん達、今は予選を視察に」

 

「ところがどっこい、あれを見てみろよ」

 

奏がWRGPの予選の試合について話すが、俺は病院のロビーにある1台のテレビに指を指す。そこに写っていたのはチームユニコーンとチームヘルの試合結果だ。

 

『な、何という事だああ!!チームユニコーンのファーストDホイーラー、アンドレとセカンドDホイーラー、ジャンが連続でクラッシュ!!最終Dホイーラーにバトンタッチできず、チームユニコーンの敗北だああ!!』

 

「ハッ!?連続でクラッシュ!?」

 

「そんなバカな!?」

 

「というわけだ。遊星の所に行こう」

 

テレビにはチームユニコーンのアンドレとジャンがボロボロの状態で担架に乗せられて運ばれている様子が見て、それをブレオは凄い悔しそうな表情をしている。

 

「いくぞ。クロウがスリップした原因も聞いてないんだ。ついでだからそれも聞きに行く」

 

「私も行くわよ!」

 

「俺も行くぜ!」

 

「お前は家に帰って安静にしてろ」

 

「うっ・・・・・」

 

スバルには家に帰って安静するように言って、俺と響、恭輔と奏の四人で遊星達のガレージへと向かう。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「遊星〜〜、スバルのDホイールは?」

 

「遊輝達か。すまない、まだブルーノが調査中だ」

 

遊星達のガレージについて中に入ると、既にスタジアムから遊星達が帰ってきていた。ブルーノはパソコンをスバルのDホイールに繋いでいて、ジャックとクロウは椅子に座っている。

 

「それにしてもおかしいだろ!?いくら何でも立て続けにクラッシュを起こすか!?しかもプロチームが!?」

 

「何か原因があるかもしれないな・・・」

 

「その事で話が変わるんだが・・・・クロウのDホイールのCPUを調べたら変なロックを感じ取っていたんだ」

 

「ロック?ロックって何ですか?」

 

「端的に言ったらDホイールのタイヤに何かが挟まり、タイヤが動かなくなってしまう現象のことだ。クロウのDホイールは恐らくこれが原因だろう」

 

「遊星!!これを見て!!スバルのDホイールのCPUを調べたらクロウと同じ現象が起きているんだ!!」

 

「何だと!?」

 

スバルのDホイールを調べていたブルーノから驚愕の真実を受けて、全員でパソコンを見る。その走行データには確かに高い位置に波を打っていたデータの線が突然ガクンと下に落ちて0になっている。

 

「どういう事だよ!?俺とスバルは同じロックでクラッシュしたりスリップしたっていうのか!?」

 

「多少のデータの誤差はあるけど恐らくそうだろうね・・・・」

 

「Dホイール専用のレーンはセキュリティによって常に整備されている。まさか人為的に・・・」

 

「そんな事どうやって出来るのよ!?走っているDホイールのタイヤに百発百中でロックをする事なんて普通に考えたら無理よ!?」

 

「しかし人為的以外は考えられない。そうでなければ不自然にこの走行データが突然落ちたりしない」

 

「まさか・・・・チームユニコーンのクラッシュもか?となると犯人は対戦相手のチームヘルか?」

 

「ちょっと待ってくださいよ!?もしチームユニコーンのクラッシュ事件が対戦相手のチームヘルだとしたらスバルさんはどう説明するのですか!?その時、チームヘルのメンバーは全員スタジアムにいたのですよ!?」

 

「チームヘルだけじゃないだろ・・・・」

 

「ちょっと遊輝、まさかもう一チームいるとか言うんじゃないでしょうね?」

 

「そう考えるしかねぇじゃねぇか。スバルのも人為的何だろ?」

 

「そうだね・・・・ここまでデータが落ちているとなると人為的としか思えない」

 

「遊輝、お前まさか心当たりがあるのか?」

 

「1チームだけ、な。明日の試合を見ないとわからないが」

 

「明日の試合?」

 

「とにかく、明日またここに集まろう。今度はスバルも来るようにさせる」

 

「ちょっ!?師匠!?」

 

無理矢理解散させて俺は遊星さんのガレージから出る。恭輔は俺の後を追いかけてきた。

 

 

 

 

翌日の試合、チームスピード・キングとチームカタストロフはチームスピード・キングのファーストホイール、雑賀さんとセカンドホイーラーのムクロが連続クラッシュによりチームカタストロフが決まった。俺は初戦の日の夜に氷室さんと雑賀さんにお願いして、「デュエルが終わった後にDホイールのCPUを貸してくれ」と言っていたので、試合が終わった後、すぐにCPUを回収。それを持って遊星のガレージに向かった。

遊星のガレージにはアキさんと龍亞・龍可以外のチーム5D'sのメンバー、祈・恭輔以外のチームSECRETのメンバー、そしてチームユニコーンで2回戦で出番がなかったブレオの姿が見えた。ブレオは遊星達に昨日の不可解な出来事について話をしに来ていた。

 

「ほら、ここだ」

 

「・・・・間違いない、クロウとスバルくんと同じ現象だ」

 

「雑賀とムクロの解析も終わった。二人とも、昨日と同じデータが取れた」

 

「つまり犯人は・・・・チームヘルとチームカタストロフの2チームってことか!?」

 

「多分・・・・な」

 

「でも原因は分かるの?あの2チームが直接的に何かをしたという感じはしないけど」

 

「映像に映っているのは・・・・チームカタストロフはヒドゥン・ナイトーフックー、チームヘルはドリームピエロが存在していることだね」

 

「ヒドゥン・ナイトーフックー?何だそのカード?」

 

「ヒドゥン・ナイトーフックー・・・・・攻撃力1600の闇属性、レベル4モンスターとしか分からない・・・・」

 

「一体どんなカラクリがあるん(プルプル・・・)?何だ?」

 

「電話だ。ちょっと抜ける」

 

ガレージの固定電話が鳴ったので遊星は一度抜ける。

 

「それにしてもこのモンスター達で一体どうや「何だと!?」!?び、びっくりした!?」

 

「わかりました!!すぐに行きます!!」

 

「おいどうしたんだ遊星、そんなに慌てて」

 

「アキのDホイールがクラッシュした!!」

 

「えっ!?アキさんも!?」

 

「今、ご両親から電話があって病院に搬送されている。すぐに行くぞ!ブルーノと遊輝はすまないが事故現場に行ってくれ。そこでアキのDホイールのCPUを調べてくれ!」

 

「分かった遊星!」

 

「任せておいて!」

 

「ブルーノ!!後ろに乗って!!飛ばすぞ!!」

 

アキさんの事故を聞いて俺は急いでDホイールの椅子をパカっと開いてもう一個ヘルメットを出してブルーノに渡す。Dホイールに乗って、ブルーノが後ろに乗ったことを確認して、フルスロットルで飛ばす。

 

「びゃあああ!!!!!ゆ、遊輝君飛ばしすぎ!!!!」

 

「うるせぇ!!!黙ってないと舌噛むぞ!!」

 

「そ、そんひゃこと!?!?いったあああ!!!」

 

「ほれみ!!言わんこっちゃない!!」

 

Dホイールの後ろに乗り込んだブルーノがガヤガヤとうるさいことを言って、舌を噛んで悶絶している。そんなことおかまないなしに、俺はスピードを上げて事故現場へと向かった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「着いた!!お〜〜い!!!狭霧さん!!」

 

「・・・・・遊輝君!?どうしたの!?」

 

ギュルルルルル!!!!!

 

「すまねぇ!!!!すぐにアキさんのDホイールのCPUを触らしてくれ!!」

 

「えっ?わ、分かったわ。もうすぐDホイールを回収するところだから」

 

「ブルーノ!!」

 

「分かっているよ、いててて・・・・」

 

狭霧さんにお願いして、アキさんのクラッシュしたDホイールからCPUを取り出して、ブルーノが持って来たパソコンに接続した簡易の外付けのソフトにCPUを入れる。すぐにブルーノが解析を始め、3分後に遊星に電話をかけた。

 

「もしもし遊星!!結果が出たよ!!」

 

『どうだった?』

 

「アキのDホイールからも同じデータが出た!間違いなくホイールが人為的にロックされている!」

 

『!!そうか・・・・分かった』

 

電話で遊星にデータを報告をし終えると、ブルーノは電話を切った。

 

「さあて・・・・これで犯人はほぼ確定だな。チームヘルとチームカタストロフ、両方のチームが犯人だな。共闘していたら面倒クセェことになるぞ・・・」

 

「どうするの?僕たちは僕たちでDホイーラーがいないのに、そっちもそっちでチームカタストロフとの対抗策を」

 

「心配するな。一つ、奇策がある」

 

「奇策?」

 

「ああ」

 

俺が奇策という言葉を言うと、ブルーノは首をかしげた。ちょうどセキュリティがアキさんのDホイールの回収作業を始めていた。

俺たちのDホイールテクニックがまだまだアマチュアである以上、あの奇策を使うしか方法がない。

 

 

遊輝 side

 

 

龍亞 side

 

 

『本日のメインスタジアム1試合目は予選Eグループの最後の試合!!チームSECRETとチームカタストロフの試合だ!!両者共に勝った方が決勝トーナメント進出となる!!』

 

「大丈夫か、あいつら・・・・俺たちや遊輝の予想では俺やアキ、スバルのDホイールをロックしたのはチームカタストロフとチームヘルがやっている。あの闇のカードと言われている訳の分からないカードを使って」

 

「あいつらはデュエルの腕前は確かだがライディングのテクニックはまだまだだ」

 

「心配ないさ!!遊輝があんな奴ら三人抜きして見せるって!!」

 

俺たち、チーム5D'sは遊輝達の予選を見るため、Eグループ最後の予選の試合を見にメインスタジアムに来た。後ろで見ているジャックやクロウは遊輝達のテクニックを疑っているけど、俺から言わしたら遊輝も十分Dホイーラーとしてのテクニックはあると思うんだけどな

・・・・ん?予選?昨日の試合、遊輝のシグナーの能力で怪我を無理矢理完治させたクロウが出場して、チームヘルを三人抜きした。チームヘルの方は1枚のカード・・・・ドリームピエロをファーストホイーラーが必死に守ろうとしたが、それをクロウが阻止してファーストホイーラーの時点でそのカードは受け継ぐことができず、それ以降は何の苦労もなく三人抜きした。

 

「しかし遊輝達はファーストホイーラーを誰にしたんだ?」

 

「あそこで見る限り、怪我をしたスバル君に今日出る予定の奏さん、他のメンバー全員がピットにいるから遊輝君が行くんじゃないかな?」

 

「普通に考えたらそうだろう。あの中でテクニックを一番持っている遊輝が偵察として出ないと、クラッシュして予選敗退という可能性があるからな」

 

「それにしては妙だな・・・」

 

「?妙ってどういう事?」

 

「遊輝のDホイールだ。何故まだピット内の車庫にある?ファーストホイーラーなら既にステージ裏でセットしておかなければならないはずだ」

 

遊星が妙だと言ってきたので龍可が聞き返すと、どうやら観客席から見える遊輝のDホイールが気になるみたいだ。

 

「言われたらそうだな・・・・あいつもDホイールを故障したのか?」

 

「それが妥当じゃないの?現に奏のDホイールが見当たらないしな」

 

遊星の違和感・・・・・ピットには遊輝がいないのに、遊輝のDホイールはピットにある。自分のDホイールではなく奏さんのDホイールに乗ったと皆で予測している。

 

「遊輝・・・・」

 

「龍可も心配性だな〜。そんなに遊輝の実力が信じられない?」

 

「そんな事ないけど、やっぱりあんな怪我を見たら・・・・」

 

『さぁ両者、ファーストホイーラーの登場だあああ!!!まずはチームカタストロフ、ファーストホイーラー、ヘルマアアアン!!!!』

 

龍可の心配をスタジアムの中から1台の黒いDホイールが飛び出す。そのDホイールの登場で観客は歓声とブーイング、それぞれに声をあげる。敵チームのファーストホイーラーはそんな事を気にせず、ゆっくりとコースを走ってスタートラインに立った。

 

『そしてチームSECRET、ファーストホイーラーの登場だああああ!!!!』

 

先にチームカタストロフが出た所と同じ所から遊輝達のチームのDホイ・・・・・・ハッ!?

 

『チームSECRET、ファーストホイーラーは何と何と!!!昨年発売されたDボードを乗りこなす今大会最年少Dホイーラー!!成田恭輔!!!!』

 

「何だと!?」

 

「きょ、恭輔がファーストホイーラー!?」

 

スタジアムに出て来たのは遊輝でも奏さんでもなく、Dボードに乗った恭輔だ。後ろのコードに恭輔のデュエルディスクを接続していて、ジャンプして登場した恭輔はDボードの出力を高めてコースを1周してスタートラインに立った。予想外の登場に観客から驚きと歓声の声が上がる。一方、恭輔の登場に驚いたのは観客だけじゃない。チームSECRETのベンチも騒がしい様子になっている。

 

「おいおいおい!?!?遊輝のやろう何考えてるんだ!?」

 

「確かにWRGPのルールにはライディングデュエル出来る物としか言われてなく、一言もDホイール以外の物で参加は出来ないとは書かれていたが・・・・・」

 

「まさか恭輔をファーストホイーラーとして使うとは・・・・」

 

「しかし、Dボードのスピードが問題だな・・・・・・」

 

「どういう事?」

 

「Dボードのスピードは通常のDホイールよりも半分以下のスピードに抑えられている。この周回制のコースで周回差がつけられる大会の特別ルールで相手のSPCが増加してしまう。

 

「そうなってくると大変なことになるぞ・・・・」

 

『さあお互いに牽制しあって気合は十分!!予選Eグループ最後の試合が始まるぞ!!』

 

MCの掛け声により、ファーストDホイーラーの二人の前に電子版のシグナルが現れる。カウントが進むたびに赤のシグナルが消えていく。

 

『行くぞ!!』

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

恭輔 LP 4000 ヘルマン LP 4000

 

シグナルが青になった同時タイミングで恭輔と敵のDホイールは同時タイミングでスタートをする。

 

「なっ!?」

 

「は、早っ!?」

 

「俺に付いて来ているだと!?」

 

敵のDホイーラーは恭輔が自分と並走されていることに驚いている。Dボードは子供でもライディングデュエルが出来るように開発されているのでスピードは抑えられている・・・・遊星の言葉を聞いていた俺には今の恭輔のスピードは信じられなかった。だってDホイールのトップスピードをDボードが出しているんだぜ・・・・

 

「くそっ!!こうなったら・・・・」

 

「おっと!!その手には乗りませんよ!!」

 

ブオオオオオオ!!!バン!!!!

 

「な、何ぃぃ!?!?」

 

敵のDホイーラーは恭輔に近づいて接触しようとする。しかしその行動を呼んでいた恭輔は敵のDホイーラーと距離を取るように横にスライドするように避け、壁に当たりそうなところで重心を一気に前に置いてDボードのバランスを前に傾ける。当然、Dボードは前に転けたけど恭輔はその反動をつけて重心を前にしたままジャンプ、綺麗な円を描くように一回転して敵のDホイーラーよりも前に出る。そのまま第一コーナーを恭輔が取った。

 

「先行は貰いました!僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 6枚

恭輔 SPC 0→1 ヘルマン SPC 0→1

 

星因子(サテラナイト)ウヌクを召喚!」

 

星因子ウヌク 攻1800

 

「星因子ウヌクの効果発動!デッキから《テラナイト》モンスターを墓地に送ります!星因子デネブを墓地に送り、カードを3枚伏せてターンエンドです!」

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星因子ウヌク 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「チッ、攻撃力が高いモンスターに伏せカード3枚か・・・・俺のターン!ドロー!」

 

ヘルマン 手札 6枚

 

恭輔 SPC 1→2 ヘルマン SPC 1→2

 

「・・・・・カードを1枚セット、そしてヒドゥン・ナイトーフックーを召喚!」

 

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600

 

相手のDホイーラーが伏せカードを1枚伏せた後に1体のモンスターをフィールドに出した。そのモンスターはマントを羽織り、右手の代わりに鉄のフックが装着している。

 

「来たか・・・・」

 

「あいつが雑賀とムクロ、そしてスバルをクラッシュやスリップに追い込んだモンスターだ。恐らく、昨日のドリームピエロと同じように何かしらの仕掛けがあるのだろう」

 

「これでターンエンド!」

 

 

ヘルマン 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 3枚

 

恭輔 SPC 2→3 ヘルマン SPC 2→3

 

「(・・・・・・ここは師匠の助言通り、何もせずに攻撃してみましょう)バトル!星因子ウヌクでヒドゥン・ナイトーフックーに攻撃!」

 

手札を見た恭輔は少し考えた後、何も仕掛けずにそのままバトルフェイズに入る。恭輔の命でウヌクはヒドゥン・ナイトーフックーに攻撃を仕掛けた。

 

「掛かったな!ヒドゥン・ナイトーフックーの効果発動!相手がこのカードに攻撃を仕掛けた時、このカードと攻撃を仕掛けてきたモンスターの表示形式を変更させる!」

 

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600→守0

星因子ウヌク 攻1800→守1000

 

ヒドゥン・ナイトーフックーと攻撃を仕掛けたウヌクがそれぞれ守備表示になる。

 

「さらにヒドゥン・ナイトーフックーは自身の表示形式が変わった時、相手に800ポイントのダメージを与える!」

 

恭輔 LP 4000→3200

 

表示形式が変わったヒドゥン・ナイトーフックーが右手のフックみたいなもので恭輔に攻撃をする。攻撃を受けた恭輔は少し左右に揺れたがすぐにバランスを取り戻す。

 

「(ケケケケッ・・・・食らいやがれ、闇のカードを!!)」

 

「(師匠の言っていたことが正しければ・・・・!!!これですね!!)とうっ!!」

 

「なっ!?」

 

攻撃を受けて、地面を見ていた恭輔は次の瞬間、Dボードを左に移動させる。その瞬間、その一瞬だが、わずかに何かのフック状の物が地面から生えているのが見えた。

 

「おい遊星、今のは・・・・」

 

「間違いない・・・・昨日のドリームピエロと同じ原理だ。ドリームピエロも自身の手であり、さっきチラッと見えたあのフック状の物・・・・」

 

「あれはヒドゥン・ナイトーフックーと同じ形をしていたな・・・しかしあくまでも予想だ。まだ確証を得たわけじゃない」

 

「つまり、恭輔のこれから次第ってことね・・・・」

 

遊星とクロウの推測に龍可は結論を出す。あのヒドゥン・ナイトーフックーの本性を暴き出すためにはファーストDホイーラーの恭輔の頑張りが必要みたい。恭輔・・・・頑張れよ。




フラン「ねぇねぇ、お兄様はなんであの子にしたの?」

遊輝「俺らのチームの中で一番小回りが利いて、かつタイヤが小さいからだ。恭輔は龍亞に次いでDボードのテクニックがあるのも選んだ一つの要因だな」

魔理沙「それにしても何で遊輝が行かなかったんだぜ?」

遊輝「別に行っても良かったんだけど、万が一俺が負けた場合、後続で続くものがいなくてさ・・・・・恭輔がセカンド以降だと奇襲性に欠けるし・・・・それでファーストDホイーラーに任せた」

恭輔「初戦が終わってすぐに呼ばれて何事かと思いましたよ・・・・思えばWRGPの始まる3日前から師匠と特訓をしていましたしね。主にスピードに慣れることに」

遊輝「そうしないと間に合わないだろ?」

フラン「ところで、何であんなにスピード出せたの?」

遊輝「俺が魔改造した」

恭輔「聞こえがよいように聞こえますけど、違法改造です(汗)」

魔理沙「私的にはあれくらいスピードを出さないと迫力がなくてつまらないと思うぜ」

恭輔「慣れるのには時間かかりますよ。バランス感覚をつかむのに・・・・」

フラン「次回はチームカタストロフとの続きだよ!」

遊輝「【闇のカード ヒドゥン・ナイトーフックー】。次回もよろしくね」


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第144話 闇のカード ヒドゥン・ナイトーフックー

最強カードの紹介〜〜。

奏「・・・・圧倒的、タイトル詐欺」

いや、それ言わないで・・・・最初はもっと活躍させるつもりだったんだよ。

奏「じゃあ何でこんな事になったの!?」

デュエル構成を執筆して、さあ書こうかという時に見返したらルールミスが見つかってさ・・・・それを直して尚且つ読者からいただいたオリカを使ったりそのまま勢いで書いたらこうなってしまった・・・・

奏「もう・・・・これだからダメなのよね・・・」

すんません・・・・最強カードの紹介にいこう。

奏「今回はワンダー・エクシーズ。1年くらい前に出た罠カードね」

効果は自分フィールドのモンスターでエクシーズ召喚を行える。要はエクシーズ版《緊急同調》で、さらにフリーチェーンなので自分のバトルフェイズや相手ターンにも使ってエクシーズ召喚をすることができるぞ!相手ターンに使うんだったら、出た時に効果を発揮するモンスターがいいぞ!

奏「第144話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


前回までの状況

 

 

恭輔 手札 3枚 LP 3200 SPC 3

【モンスターゾーン】

星因子ウヌク 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

ヘルマン 手札 4枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

ヒドゥン・ナイトーフックー 守0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

遊輝 side

 

 

「(ふむ・・・・原作と同じ効果か・・・・)」

 

ピットの監督席で俺は相手のヒドゥン・ナイトーフックーの効果とホイールのロックの原因を確認する。恭輔には申し訳ない事を頼んだが、これで確証を得ることはできた。

 

「(えっと・・・・・3だな)」

 

電子版に数字の3を打ち込んで、それをコースに出す。1周して帰って来た恭輔にこの電子版が見えるように大きく旗を振る。

 

「(3・・・・・次のターンから動け・・・・分かりました師匠)僕はこのままターンエンドです!」

 

 

恭輔 手札 3枚 LP 3200 SPC 3

【モンスターゾーン】

星因子ウヌク 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

そう、次のターンは相手に泳がせてその次のターンに仕留めるような気持ちで行くんだぞ・・・・・慌てたら相手の思う壺だ。

 

「(・・・・にしても)」

 

「遊輝!!一体どういう事よ!?なんで恭輔君を使ったのよ!?」

 

「別に俺が行っても良かっただろ!?」

 

「うるせぇ!!!第一スバルは怪我していけねぇだろうが!!」

 

さっきから横のガヤがうるさくてしょうがない!!あとで話す言ってるのに一向に言う事を聞かない!!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ヘルマン 手札 5枚

 

恭輔 SPC 3→4 ヘルマン SPC 3→4

 

「ヒドゥン・ナイトーフックーを攻撃表示に変更!」

 

ヒドゥン・ナイトーフックー 守0→攻1600

 

「そしてヒドゥン・ナイトーフックーの効果発動!表示形式が変わるたびに相手に800ポイントのダメージを与える!」

 

恭輔 LP 3200→2400

 

ヒドゥン・ナイトーフックーの表示形式が変わったことにより恭輔がダメージを食らう。そして恭輔は足元の気にする。次の瞬間、Dボードの左後ろのタイヤの近くにフックの影が見えて、恭輔は一気に加速、そして大きく前に大ジャンプする。フックは恭輔を追いかけるように上へ上へと上がっていく。その瞬間、ヒドゥン・ナイトーフックーの影の姿が見えた。

 

「正体を表したな、化け物・・・・・」

 

「それが今までの事故の原因ですか・・・・・何としてでも止めてみせます!」

 

「やれるものならやってみろ!バトル!ヒドゥン・ナイトーフックーで星因子ウヌクに攻撃!この瞬間リバースカードオープン!罠カード、ストライク・ショット!ヒドゥン・ナイトーフックーの攻撃力を攻撃力を700ポイントアップさせて貫通能力を与える!」

 

「リバースカードオープン!強制脱出装置!ヒドゥン・ナイトーフックーを手札に戻します!」

 

「何だと!?」

 

ストライク・ショットに攻撃力と貫通能力を得たヒドゥン・ナイトーフックーだが、強制脱出装置の効果により機械に吸い込まれて上空に飛ばされてしまった。

 

「チッ・・・メインフェイズ2で手札に戻ったヒドゥン・ナイトーフックーを召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地から星因子デネブを特殊召喚!」

 

星因子デネブ 攻1500

 

「星因子デネブの効果発動!デッキから《テラナイト》モンスター1体を手札に加えます!星因子アルタイルを加えます!」

 

ヘルマン 手札 3枚 SPC 4

【モンスターゾーン】

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

 

恭輔 手札 5枚

 

恭輔 SPC 4→5 ヘルマン SPC 4→5

 

「SPー増援!SPCを3つ取り除いて、デッキから星因子シャムを手札に加えます!」

 

恭輔 SPC 5→2

 

「そして手札に加えた星因子シャムを召喚!」

 

星因子シャム 攻1400

 

「シャムの効果発動!召喚時、相手に1000ポイントのダメージを与えます!」

 

ヘルマン LP 4000→3000

 

シャムがフィールドに現れたことでシャムがエネルギーを放ち、敵のDホイーラーに当たってダメージを与える。

 

「Lv4のシャム・ウヌク・デネブでオーバーレイ!」

 

「な、何だと!?お前エクシーズ使いか!?」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星の運命に導かれし者!星輝士デルタテロス!」

 

星輝士デルタテロス 攻2500

 

シャム・デネブ・ウヌクの3体がブラックホールに吸い込まれていき、ブラックホールが爆発してフィールドに星の雨が降る。星の雨が天空につづく橋のような形に形成して、天空からデルタテロスがフィールドに現れた。

 

「リバースカードオープン!罠カード、奈落の落と《ビー!!ビー!!》なっ!?」

 

「デルタテロスはオーバーレイ・ユニットがある限り、僕がモンスターの召喚・特殊召喚した時に魔法・罠・モンスター効果を発動出来ません!!」

 

「なに!?」

 

「さらにデルタテロスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、フィールドのカード1枚を破壊します!対象はヒドゥン・ナイトーフックー!」

 

「今度こそ通さないぞ!!リバースカードオープン!!カウンター罠、天罰!手札のカードを1枚捨てて、その発動を無効にして破壊する!」

 

デルタテロスが効果を発動しようとしたが、上空に雷雲が現れて、雷がデルタテロスに落ち、雷を受けたデルタテロスは破壊されてしまう。

 

「フハハハ!!!これでお前のモンスターは破壊した!!」

 

「まだです!!デルタテロスの効果発動!!フィールドから墓地に送られた場合、デッキから《テラナイト》モンスターを特殊召喚します!!」

「なっ!?」

 

「現れろ!星因子ベガ!!」

 

星因子ベガ 攻1200

 

「ベガは特殊召喚成功時、手札の《テラナイト》モンスター1体を特殊召喚します!星因子アルタイルを特殊召喚!」

 

星因子アルタイル 攻1700

 

「さらに星因子アルタイルの効果発動!墓地の《テラナイト》モンスター1体を守備表示で特殊召喚します!星因子デネブを特殊召喚!デネブの効果でデッキから2枚目のアルタイルを手札に加えます!」

 

「ま、またLv4のモンスターが3体だと!?」

 

「Lv4のベガ・アルタイル・デネブの3体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星の彼方から舞い降りよ!星輝士トライヴェール!」

 

星輝士トライヴェール 攻2100

 

ベガ・アルタイル・デネブの3体がブラックホールに吸い込まれて、今度はブラックホールから星が上空に噴水のように吹き出す。その中央からトライヴェールが姿を見せた。

 

「星輝士トライヴェールの効果発動!このカードのエクシーズ召喚成功時、このカード以外のフィールドのカードを全て手札に戻します!」

 

「さっきは通らなかったが今度は発動させてもらう!リバースカードオープン!罠カード、奈落の落とし穴!」

 

「それにチェーン!リバースカードオープン!神の宣告!ライフを半分払って、奈落の落とし穴の発動を無効にします!」

 

「なっ!?」

 

恭輔 LP 2400→1200

 

ブラックホールの中から現れたトライヴェールに対して、相手は奈落の落とし穴ですぐに除去しようとしたが恭輔が発動した神の宣告により、奈落の落とし穴の効果は無効になって破壊されてしまう。

 

「トライヴェールの効果発動!デルタ・オブ・ツイスター!」

 

トライヴェールが左手に持っている三角形の模型みたいな物を空に投げ、その三角形の物体が回転をして大きな竜巻を起こす。その竜巻によってトライヴェール以外のフィールドのカードは全て竜巻に飲み込まれ、フィールドから上空に飛ばされていった。

 

「お、俺の・・・フィールドが・・・」

 

「さらにトライヴェールのもう一つの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、相手の手札1枚をランダムに墓地に送ります!」

 

星輝士トライヴェール OVR 3→2

 

トライヴェールが左手にある三角形の物体を相手の手札1枚を破壊した。

 

「ク、クソ・・・・ヒドゥン・ナイトーフックーが・・・」

 

「バトルです!星輝士トライヴェールでダイレクトアタック!スターオーバー・ザ・ドライブ!」

 

ヘルマン LP 3000→900

 

「ぐうぅぅ!!!!」

 

「カードを3枚伏せてターンエンドです!」

 

 

恭輔 手札 2枚 LP 1200 SPC 2

【モンスターゾーン】

星輝士トライヴェール 攻2100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「く、くそ・・・・負けてたまるかよ!!俺のターン!」

 

ヘルマン 手札 3枚

 

恭輔 SPC 2→3 ヘルマン SPC 5→6

 

「スタンバイフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地から星因子シャムを特殊召喚します!」

 

「!?そ、そいつは1000ポイントのダメージを与える!?」

 

「その通りです!!そんな危ないモンスターを次のDホイーラーに繋ぎはさせません!!シャムの効果発動!!相手に1000ポイントのダメージを与えます!!」

 

ヘルマン LP 900→0

 

WIN 恭輔 LOS ヘルマン

 

 

 

『決まったああああ!!!!相手ターンに怒涛の特殊召喚からの連続エクシーズ!!そしてトドメは相手のターンで仕留めた!!1戦目の勝者はDボード使いのDホイーラー!!成田恭輔!!!』

 

「よくやったわよ!!恭輔っち!!」

 

「対したものね・・・・・」

 

よしよし・・・・まずは一人だな。さすがはテラナイト、安定性・対応力どれを取っても高い能力だ。恭輔には悪いがもう少しお願いしよう。といっても次が次でまた問題児だからな・・・・・まだ安心はできない。

 

『さあチームカタストロフ、セカンドホイーラーのニコがコースに出てきたぞ!!!チームSECRETの恭輔を倒すことはできるのか!?』

 

「こんなところで負けねぇぞ・・・俺にはまだ切り札が残っている・・・」

 

「何のことか知りませんが、ヒドゥン・ナイトーフックーが無い以上、変なことはさせませんよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

恭輔 LP 1200 ニコ LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ニコ 手札 6枚

恭輔 SPC 3→4 ニコ SPC 6→7

 

「スピード・ワールド2の効果発動!SPCを7個取り除いて1枚ドローする!」

 

ニコ SPC 7→0

手札 6枚→7枚

 

「・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「えっ!?」

 

 

ニコ 手札 6枚 LP 4000 SPC 0

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

『どうしたニコ!?強力なエクシーズモンスターが存在する恭輔に対してこのターン、スピード・ワールド2の効果でドローを追加して1枚伏せただけだ!!』

 

「(・・・・絶対に何かありますね)僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 3枚

 

恭輔 SPC 4→5 ニコ SPC 0→1

 

「(・・・・・変に動かない方がいいでしょうね)トライヴェールの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて相手の手札を1枚ランダムに墓地に送ります!」

 

星輝士トライヴェール OVR 2→1

 

トライヴェールが再びオーバーレイ・ユニットを1つ使い、相手の手札を1枚破壊した。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「(反応なしですか・・・・)カードを1枚セットして、バトルです!星輝士トライヴェールでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ドゥームズ・レイ!このカードは相手の攻撃宣言時に発動できる!俺の手札の枚数×800ポイントのダメージをお互いのプレイヤーは受ける!」

 

「ハッ!?ってことは恭輔は・・・」

 

「4000ポイントのダメージを受ける!?」

 

敵のDホイーラーが発動した罠カード横にいたスバルと響は椅子から立ち上がり、驚きの声を上げている。

 

「フハハハ・・・・食らいやがれ・・・・闇のカードの力を!!!」

 

「それも闇のカードですか・・・・そんなことはさせませんけどね!!カウンター罠、神星なる因子!魔法・罠・モンスター効果が発動した時、自分フィールドの《テラナイト》モンスターを1体リリースすることでその発動を無効にして破壊します!」

 

「なっ!?何だと!?」

 

「僕は星輝士トライヴェールをリリースしてドゥームズ・レイの発動を無効にして破壊します!!」

 

相手が発動したドゥームズ・レイの効果が処理される前に恭輔が発動した神星なる因子により、トライヴェールがリリースされてドゥームズ・レイの発動を無効にして破壊する。

 

「(よし、完璧だ)」

 

「そして神星なる因子の効果で1枚ドロー!」

 

恭輔 手札 2枚→3枚

 

「クソッ・・・・だがこれでお前のエクシーズモンスターはいなくなった!!」

 

「トライヴェールの効果発動!オーバーレイ・ユニットを持ったこのモンスターが墓地に送られた場合、墓地の《テラナイト》モンスター1体を特殊召喚します!現れろ!星因子アルタイル!」

 

墓地に送られたトライヴェールの残骸が一つの星となり、その星からキラキラに輝く星屑が舞い降りて、アルタイルがフィールドに現れた。

 

「アルタイルの効果発動!墓地から星因子デネブを守備表示で特殊召喚!デネブの効果でデッキから2枚目のベガを手札に加えます!トライヴェールはいないですが、僕のバトルはまだ続いてます!アルタイル、シャムの2体でダイレクトアタック!!」

 

ニコ LP 4000→2300→900

 

「グワアアア!!!!」

 

「そしてメインフェイズ2、スピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除き、手札のSP1枚につき800ポイントのダメージを与えます!僕は手札のSPーシフト・ダウンとSPーサモンクローズの2枚を公開して、1600ポイントのダメージを与えます!」

 

「なっ!?」

 

「これであなたも終わりです!!」

 

恭輔 SPC 5→1

ニコ LP 900→0

 

 

WIN 恭輔 LOS ニコ

 

 

『決まったあああ!!ニコの爆弾という罠を華麗なカウンターで交わしてそのまま押し切ったああああ!!!チームSECRET、成田恭輔!!!二人抜き達成!!!』

 

「すげぇぞ恭輔!!!」

 

「そのまま押し切れ!!!!」

 

よしよし・・・・・完璧な戦術だ。相手が恭輔の伏せカードを警戒しなかったおかげで何とかなった。あと一人だな・・・・こいつは俺も何をしてくるか全くわからない。頑張れよ恭輔・・・・・怪我だけは絶対にするなよ・・・・

 

『さあ追い詰められたチームカタストロフ!!最年少Dホイーラー、成田恭輔の戦術に手も足も出ません!!最後のDホイーラー、ハンスが現れた!!』

 

「よくも二人を簡単に倒してくれたなぁ?お子様にライディングデュエルの本当の怖さを教えてやるぜ!」

 

「極悪非道なことをして相手チームに勝っているあなたたちに僕たちのチームは負けません!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

恭輔 LP 1200 ハンス LP 4000

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

ハンス 手札 6枚

 

恭輔 SPC 1→2 ハンス SPC 1→2

 

「貴様に手加減なんて言葉は必要ねぇ!!SPーオーバー・ブースト!俺のSPCを4つ増やす!」

 

ハンス SPC 2→6

 

「SPー簡易融合!SPCが3つ以上ある場合、ライフを1000ポイント払ってエクストラデッキからメカ・ザウルスを融合召喚!」

 

ハンス LP 4000→3000

メカ・ザウルス 攻1800

 

うわぁ・・・メカ・ザウルスとか懐かしい・・・子供の頃、簡易融合で出てくる俺が持っていた唯一のレベル5のモンスターだったからな・・・・

 

「そしてSPーシフト・ダウン!SPCを6つ取り除いて2枚ドロー!」

 

ハンス SPC 6→0

手札 3枚→5枚

 

「チューナーモンスター、カラクリ小町 武武四を召喚!」

 

カラクリ小町 武武四 攻0

 

相手のフィールドに昔の町娘が着ている和風の服を着たカラクリ人形が現れた。

 

「カラクリ小町 武武四は通常召喚に加えて、《カラクリ》モンスターをもう一体召喚できる!カラクリ商人 壱七七を召喚!」

 

カラクリ商人 壱七七 攻500

 

「カラクリ商人 壱七七は召喚成功時、デッキから《カラクリ》カードを手札に加えられる!俺はデッキからチューナーモンスター、カラクリ守衛 参壱参を手札に加える!行くぜ・・・Lv5のメカ・ザウルスとLv2のカラクリ商人 壱七七にLv3のカラクリ小町 武武四をチューニング!」

 

☆5 + ☆2 + ☆3 = ☆10

 

「闇の力を受け、機械仕掛けの歯車が動きだせ!シンクロ召喚!撃滅せよ!カラクリ天魔王 無頼!!」

 

カラクリ天魔王 無頼 攻3100

 

メカ・ザウルス、小町、商人が一つとなって、そこから紫色の雷が1つ落ちる。その雷の中から黒い甲冑を着て、黒いマントを羽織り、黒い兜を被った戦国武将のようなカラクリ人形が姿を現した。

 

「カラクリ天魔王 無頼の効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功した時、デッキからカラクリモンスター1体を特殊召喚する!出でよ!カラクリ兵 武参六!」

 

カラクリ守衛 武参六 攻1400

 

「さらにカラクリ天魔王 無頼のさらなる効果を発動!フィールドのこのカード以外の《カラクリ》モンスター1体と手札の《カラクリ》チューナーモンスター1体で特殊召喚する!」

 

「なんですって!?」

 

「俺はフィールドに存在するLv4のカラクリ兵 武参六に手札のLv4のカラクリ守衛 参壱参をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「時代の歯車が動く時、百戦錬磨の武将が姿を現す!シンクロ召喚!たたみこめ!カラクリ大将軍 無零怒!」

 

カラクリ大将軍 無零怒 攻2800

 

無頼が持っていた刀を上空にあげると、フィールドにいたカラクリ兵と手札にあったカラクリ守衛がシンクロ召喚される。シンクロ召喚されたモンスターはカラクリの中でもトップクラスの攻撃力を誇る無零怒だ。

 

「カラクリ大将軍 無霊怒の効果発動!シンクロ召喚成功時、デッキから《カラクリ》モンスター1体を特殊召喚する!カラクリ無双 八壱八を特殊召喚!」

 

カラクリ無双 八壱八 攻2100

 

「カードを3枚セットして、バトル!!カラクリ天魔王 無頼でまずは守備表示の星因子デネブに攻撃!」

 

「それを待っていました!!この瞬間、リバースカードオープン!!罠カード、ワンダー・エクシーズ!!このカードの発動後、僕はエクシーズ召喚を行うことが出来ます!!」

 

「な、なんだと!?」

 

「僕はLv4のデネブ・アルタイル・シャムの3体でオーバーレイ!!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!!エクシーズ召喚!!再び現れろ!!星輝士トライヴェール!!」

 

ワンダー・エクシーズの効果を受けた恭輔のフィールドにいる3体のモンスターは、相手のバトルフェイズ中にもかかわらず、エクシーズ召喚を始める。ブラックホールに吸い込まれて、2体目のトライヴェールが姿を現す。

 

「トライヴェールの効果発動!!デルタ・オブ・ツイスター!!」

 

トライヴェールがエクシーズ召喚されたことで、トライヴェールが手にしていた三角形の物体をトライヴェールが上空に投げ込み、その三角形の物体から竜巻を巻き起こす。その竜巻によってトライヴェール以外のフィールドのカード全てが吹き飛んでしまった。

 

「これであなたのモンスターは全て手札とエクストラデッキに戻りました。この後、何かありますか?」

 

「グッ・・・・・舐めた真似を・・・・(さっき伏せたカードの1枚はカラクリ屋敷。(カラクリ》モンスターがいないと役にたたねで・・・こいつに賭けるしかない)カードを2枚伏せてターンエンドだ!!エンドフェイズ時にSPーオーバーブーストの効果で俺のSPCを1にする!」

 

 

ハンス 手札 2枚 LP 3000 SPC 0→1

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 6枚

 

恭輔 SPC 2→3 ハンス SPC 1→2

 

「まずはトライヴェールの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて相手の手札1枚をランダムに墓地に送ります!」

 

星輝士トライヴェール OVR 3→2

 

トライヴェールが再び手にしている三角形の物体を相手の手札をもぎ取った。

 

「そして星因子ベガを召喚!ベガの効果で手札の星因子アルタイルを特殊召喚!アルタイルの効果で墓地から星因子デネブを守備表示で特殊召喚!デネブの効果でデッキから3枚目のアルタイルを手札に加えます!」

 

恭輔の左横にベガが現れ、ベガの効果で手札にあったアルタイル、さらにアルタイルの効果で墓地にいたデネブがフィールドに現れる。相変わらずアドバンテージの塊だな、《テラナイト》は・・・・

 

「Lv4のベガ・アルタイル・デネブの3体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!伝説の王が所持し大いなる槍が時を越え今蘇る!!No,86 HーC ロンゴミアント!!」

 

No,86 HーC ロンゴミアント 攻1500

 

ベガ・アルタイル・デネブの3体がブラックホールに吸い込まれ、爆発が起きる。その爆発の煙から1つの光が飛び出して、ロンゴミアントが姿を現した。

 

「ロンゴミアントはオーバーレイ・ユニットが1つある時、戦闘では破壊されず、2つある時は攻撃力と守備力は1500ポイントアップします!」

 

No,86 HーC ロンゴミアント 攻1500→3000

 

「バトルです!!ロンゴミアントでダイレクトアタック!!」

 

「リバースカードオープン!!罠カード、魔法の筒(マジック・シリンダー)!!この効果でお前に3000ポイントのダメージだ!!」

 

「ロンゴミアントの効果!!このカードにオーバーレイ・ユニットが3つある時、このカードはこのカード以外の効果を受けません!!」

 

「なっ!?」

 

「このカードの前にはどんなカード効果も受けません!!行けっ!!聖なる槍を放て!!」

 

ロンゴミアントが放った槍が相手の魔法の筒に吸い込まれたが、それを貫通して相手へのダイレクトアタックが決まった。

 

ハンス LP 3000→0

 

 

WIN 恭輔 LOS ハンス

 

 

 

 

『き、決まったああああ!!!!予選Eグループ、最終試合!!なんとなんと!!Dボードを巧みに扱う最年少Dホイーラー、成田恭輔がチームカタストロフ相手に3人抜き達成!!勝者、チームSECRET!!!!』

 

『ワアアアアアア!!!!!!!』




魔理沙「やっぱりテラナイトは強いぜ!」

霊夢「そう言ってこの前フランの十二獣Kozmoに負けたのは何処の誰だっけ?」

魔理沙「グッ・・・・」

恭輔「十二獣Kozmo?」

遊輝「聞かん方がいい。吐き気を及ぼすようなアホみたいなことをするから」

魔理沙「クソッ・・・霊夢が勝っているから余計にムカつくぜ」

霊夢「魔理沙じゃないけど3人抜きやるとはね・・・・しかも2人目以降、ライフを削られずに2人を倒したし」

遊輝「通称、メタナ○トって言われるだけあるぜ」

恭輔「師匠、それ某ピンクの悪魔のゲームのライバルキャラの名前と一緒でダメですよ」

魔理沙「というわけでオリカの紹介行くぜ!今回はドロイデンさんから頂いたぜ!ドロイデンさん!!ありがとうだぜ!!」



カラクリ天魔王 無頼 ☆10

地属性 機械族 攻3100 守1500

地属性チューナー+チューナー以外の機械族モンスター2体以上

① このカードがシンクロ召喚に成功した時、デッキから『カラクリ』と名のつくモンスターを1体特殊召喚する。

② 1ターンに1度、このカード以外のフィールドの『カラクリ』モンスター1体と手札の『カラクリ』チューナーモンスター1体を墓地へ送ることで、そのモンスターのレベルの合計と同じレベルのチューナー以外の地属性SモンスターをS召喚扱いでエクストラデッキから特殊召喚する。



遊輝「ちょっと作者が原案を無くしてしまったので、変更した点を取り上げました*


変更点
☆9→☆10
チューナー以外の指定モンスター、「カラクリ」→機械族
②の効果のデメリットの削除
「この効果で特殊召喚したモンスターとこのモンスターはこのターン、攻撃できない。」



恭輔「どちらかと言うと強化していますね」

遊輝「Lv10っていうのは今回の構成でメカ・ザウルスを使ったからだな。作者は《カラクリ》を使わないからこれが出しやすいか分からないけど」

魔理沙「あとはチューナー以外の素材の指定だぜ。これは他のカラクリのシンクロモンスターも機械族しかしていないからだぜ」

霊夢「まぁ《カラクリ》は簡易融合を使うから、そうしないと出しにくいところはあるわよ」

恭輔「あとは②のデメリット効果の削除ですね」

遊輝「せっかく出したんだし、Lv10っていう高いレベルなんだからこれくらいしないと割合わないだろうって」

魔理沙「でも地属性シンクロってナチュビとかドラゴンとか」

遊輝「それは禁止ワードだ」

霊夢「でも普通はそう考えるわね・・・・カラクリのシンクロモンスター特有の特殊召喚と凄く噛み合うし」

恭輔「ナチュル・ドラゴンが出たら怪しかったかも知れませんね・・・ワンダーエクシーズを使えなかったですし」

遊輝「というわけで次は予選が終わってすぐの戦争だ。【恐怖のバトル・ロイヤル】」

魔理沙「次回もよろしくだぜ!」


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第145話 恐怖のバトル・ロイヤル

というわけで今年最後の投稿かな?次は一種の区切り、遊輝vsルチアーノの2戦目ですからこの話はクッションとしました。

遊輝君の相手、誰にしようかな〜と思ったけどやっぱり怨みを買ったルチアーノがベストだろうね。


というわけで今年1年もお疲れ様でした。来年は今年のように順調に投稿出来るとは思ってませんが、来年もよろしくお願いします。


・・・・あっ、しれっと番外編も投稿しているのでそちらもお願いします。


遊輝 side

「恭輔君が帰ってきたよ!!」

 

ブオオオ・・・・

 

大歓声の上がるスタジアムの中、ピットで恭輔を待っていると奏が指を指してコースから恭輔がこっちに帰って来る。

 

「っと、どうでしたか?」

 

「よくやった恭輔。100点満点だ」

 

「ありがとうございます、師匠」

 

「恭輔!!!!お前すげぇな!!!!」

 

「うわっ!!!」

 

ドン!!!!

 

「ちょっ!?ス、スバル!?」

 

チームカタストロフ勝利の立役者、恭輔がピットに帰って来て俺は恭輔とグータッチをするが、すぐにスバルが俺の後ろから飛んで恭輔に抱きついた。恭輔はまだDボードと足をつないでいるのでスバルを止められることができずに後ろに倒れてしまう。

 

「い、いたたた・・・・」

 

「スバル!!」

 

「わ、悪い・・・・嬉しくて」

 

「でも凄いよ恭輔っち!!3人抜きをやるなんて!!」

 

「ほんと、遊輝が恭輔をファーストDホイーラーとして送った時はどうなるかと思ったよ」

 

「だから言っただろ?作戦だって」

 

3戦目に入った時に俺が後ろでもしもの時に備えて準備をしていて、奏が落ち着いて質問をしてきたので恭輔をファーストDホイーラーにした理由を答えた。理由を聞いた奏と祈は少し納得した表情をしていたが、それ以外の奴らはまぁ・・・・・うん、言うこと聞いてくれなかった。

 

「とりあえず無事に予選を突破することができ『ここでスタジアムにいる来場の皆様に緊急速報です』ん?」

 

皆で勝利の美酒を味わっていたところ、突然スタジアム全体にアナウンスが流れ始めた。

 

『ただいま、シティ全域で行われているデュエルで大量の乱入者が現れ、事故が起きている模様です。スタジアムにいる方々はスタジアムに席を立たず、しばらくスタジアム内で待機してください。繰り返します・・・・』

 

アナウンスの情報が流れ、スタジアムのビジョンにはアナウンスされた様子が映し出されていた。シティのコースに大量のゴーストが一般のDホイーラーをデュエルで襲う様子が見られる。

 

「ちょっ!?ゴースト!?」

 

「何だあの大量な人数は!?」

 

「まっずいな・・・・あんな奴ら暴れたら大惨事だぞ・・・」

 

プルプル・・・

 

「ん?・・・・遊星か。もしもし」

 

『遊輝、映像見たな』

 

「ああ、んで?どうするんだ?」

 

『決まっている。今から止めに行く』

 

「そうこなくっちゃ、俺も手伝うよ。他の奴らも誘おうか?」

 

『頼む。今見えているだけでも結構な人数だから助っ人は何人でもいたら嬉しい』

 

「わかった」

 

遊星との電話を終わらせて携帯を切る。携帯をポケットに入れて顔を上げると全員締まった顔をしていた。

 

「・・・・まぁ大体察した通りだ。止めに行くぞ」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

「私も行くわよ!」

 

「悪いがこれは戦争だ。能力のない茜と祈、恭輔、それと怪我人のスバルは来るな」

 

「えぇ!?俺も行くぞ!?」

 

「お前は1週間絶対安静だって言われているだろ!ここで下手な怪我して今後出場出来ないとかなったらシャレにならねぇぞ!」

 

「うっ・・・・」

 

「というわけだ・・・・今から行くのは戦争だ。全員、怪我だけはするなよ」

 

「分かってるわよ!」

 

「行くぞ!!」

 

そう言って、俺たちはピットの倉庫に置いてあったDホイールまで走り、そのまま起動してピットからスタジアムのコース、そしてそのまま外につながっているゲートに入る。

 

「もうすぐレーンに入るぞ!」

 

「遊輝!!!」

 

「!!遊星!!ジャック!!クロウ!!」

 

そのままスタジアムを出て、走っていると横から遊星達がこっちにやってきて、さらに後ろからはシェリーさんとミゾグチさん、ブルーノがやってきた。

 

「ゴーストはシティ全体に広がっている!!ここは2・3人のグループに分かれていこう!!」

 

「分かっ・・・・?」

 

「?どうしたの遊輝!!」

 

「・・・・悪い、先に行ってくれ」

 

「ハッ?何言ってるのよ」

 

「いいから、俺もあとで追いかける」

 

「?・・・まぁいいわ」

 

先に遊星達やレミ達を行かせて、俺は急ブレーキをかける。Dホイールを90度横に回転させてブレーキをかけて今走ってきた道を見る。その方向には1台のDホイールがこっちに走ってきて、俺の前でブレーキをかけて90度回転する。そのDホイールのDホイーラーがヘルメットを取り、顔を見せる。

 

「おいっす!」

 

「・・・・何しにきた?」

 

そのDホイーラーは・・・・・・アリアだ。アリアはDホイールから降りて俺の方に近づく。

 

「言ったでしょ・・・イリアステルは私の敵でもあるのよ」

 

「勝手に一人でやっとけよ。お前の力ならあんな奴らデコピンで倒せるだろ」

 

「そういうあんたも出来るでしょ。それにこういう時は私達のタッグでやるのが効率が良いでしょ♪律儀に待ってくれたしね」

 

「・・・・足引っ張るなよ」

 

「それはこっちのセリフよ、魔法少女遊輝ちゃん」

 

「だから魔法少女って言うな!!・・・・行くぞ」

 

「Aレーン行くわよ。そこには誰も行ってないから」

 

「分かった!」

 

アリアが再びDホイールの乗り込んでヘルメットを被る。そしてアリアがDホイールを動かしてさっき皆が走った方向とは別の道を走って行く。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍亞 side

 

 

「お〜い!!恭輔!!」

 

「龍亞さん!!龍可さん!!」

 

何とか観客席から脱出して恭輔たちのいるピットのところまでやってこれたよ。この間に何人のスタッフの目をごまかしたのだろうか・・・

 

「ハァ・・・ハァ・・・・る、龍亞、いきなり走らないでよね・・・・・」

 

「遊輝達は!?」

 

「行ったよ。ゴーストを止めにね」

 

「ちきしょう・・・・こんな時に怪我をするなんて・・・やっぱ俺も!!」

 

「ス、スバルさんはダメです!!怪我が完治していませんので!!」

 

「お、おう・・・・(汗)」

 

スタジアムの映像で皆がDホイールに乗ってゴーストの反乱を抑えているのが映っている。それを見て何も出来ずにいるスバルさんはDホイールに乗ろうとしたけど、祈の気迫に圧倒されてDホイールの倉庫から離れて行った。

 

「それにしても私も行きたかったな・・・・何も出来ないってところがやっぱり悔しいよ」

 

「仕方ないです。向こうは何をしてくるのか分からないのですから、師匠達も僕たちに怪我をしてほしくない思いでしょうから」

 

「あ〜あ、精霊だけ見えてもやっぱりダメか」

 

『おや?ビジョンに何か映ってますね?』

 

ゴーストしか映っていないビジョンにMCが何か気づく。そのビジョンの端っこの方をよ〜く見ると、後ろから3台のDホイールがゴーストを凄いスピードで追いかけてくるのが見えた。

 

「・・・・あっ!!遊星!!後ろにいるのはえっと・・・・」

 

「シェリーって言う人とミゾグチって言う人ね。3人とも、もう追いついたのね」

 

「見ろよ!!こっちでジャックさんとクロウさんが戦っているぞ!!」

 

『行くぞ!琰魔竜 レッド・デーモンの効果発動!このカード以外の表側攻撃表示モンスターを全て破壊する!真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーン)!レッド・デーモンでダイレクトアタック!」

 

『グワアアア!!!!!』

 

ゴースト LP 2100→0

 

『俺のターン!ドロー!BFー疾風のゲイルを召喚!さらに手札の黒槍のブラストと突風のオロシ、砂塵のハルマッタンを特殊召喚!』

 

次々と遊星やジャック、クロウが次々とゴーストを倒していき、次のゴーストの群れに向かって行く。そして場面が変わり、今度はレミさん達のDホイールが見えた。

 

『エターナル・マジシャンの効果発動!シンクロ素材にしたチューナー以外の数まで相手の手札・フィールド・墓地のカードをゲームから除外する!私が素材にしたのは3体!合計9枚のカードをゲームから除外してもらうわよ!』

 

『トライデント・ドラキオンのダイレクトアタック3連打!!』

 

『マスター・ヒュペリオンと堕天使クリスティア・輝く聖皇 アリエースでそれぞれにダイレクトアタック!!』

 

「うっわ・・・・オーバーキルも良いところだぞ・・・・・」

 

「や、やりすぎですね」

 

「あっ、師匠が映って・・・・?師匠の隣にいるあのDホイールはなんでしょうか?」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

恭輔がビジョンに映っている3台ほどのゴーストのDホイールとそれを追いかける2台のDホイールに指を指す。後ろの2台のうち、1台は遊輝のDホイールだとすぐに分かったが、もう1台のDホイールは全く見慣れないものだった。

 

「?何だ?あんなDホイール見たことないぞ」

 

「あっ、アップになりましたよ・・・・」

 

『・・・・・わね遊輝ちゃん!!!』

 

『んだとこのコスプレ魔女め!!!俺のターン!!手札からゴブリンドバーグを召喚!!』

 

『リバースカードオープン、激流葬』

 

『あんたのせいでこっちまで被害が及ぶじゃない!!リバースカードオープン!!トラップ・スタン!!』

 

『うるせぇ!!ゴブリンドバーグの効果で手札の終末の騎士を特殊召喚!!Lv4の・・・』

 

「・・・・・あれ、女?」

 

「た、多分・・・・声的にそうかと・・・」

 

「凄い師匠と息ピッタリですよ。喧嘩するほど仲が良いというお手本みたいに」

 

『・・・バトル!!ホープ・ザ・ライトニングで攻撃!!』

 

『グ、グワアアアア!!!!!!』

 

ゴースト LP 2000→0

 

『カードを2枚セットしてターンエンド!』

 

『私のターン!ドロー!魔界発現世行きデスガイドを召喚!効果でデッキから彼岸の悪鬼 ガトルホッグを特殊召喚!Lv3のデスガイドとガトルホッグでオーバーレイ!!』

 

「・・・・・あいつ強そうだな」

 

「なんか分かる。遊輝っちと違った威圧感があるわよね」

 

「いや、でも本当に息ピッタリだよな・・・遊輝の知り(ビクッ!!!)」

 

「・・・・・・・・・・(ニコニコ♪)」

 

遊輝が分からない女性とコンビを組んでゴーストを倒している映像をしばらく見ていたら、後ろからとんでもない殺気を感じて振り返る。そこにはベリーウルトラハイパーな笑顔をした龍可(目が笑ってない)がいた。

 

「・・・・・・・・・・(ニコニコ♪)」

 

「ど、どうしたの龍可・・・・そ、そんな殺気を出して(ブルブル)」

 

「ん〜?別に私は殺気なんか出していないわよ?(ニコニコ♪)」

 

「「「「((((ど、どこからどう見ても殺気を出しているじゃん(でしょ)!!))))」」」」

 

「ウフフ・・・・あの女性は誰かしらね、遊輝(ニコニコ♪)」

 

龍可の笑顔がさらに化け物ように俺の目は映る。それを見て、俺たちはそ〜と龍可から離れていった。

 

 

龍亞 side out

 

 

遊輝 side

 

 

「!?!?」

 

「?どうしたのよ?突然震え出して」

 

「い、いや・・・・何でもない(ガクブル)」

 

い、今、とんでもない殺気を感じたんだけど・・・・き、気のせいだよな?

 

「ワタシノターン。A・O・J サイクルリローダーヲショウカン」

 

「おっと!リバースカードオープン!強制脱出装置!」

 

「グッ・・・・ターンエンド」

 

「俺のターン!ドロー!バトル!No,38 タイタニック・ギャラクシーでダイレクトアタック!!」

 

「ガアアアア!!!!!」

 

ゴースト LP 500→0

 

このレーンにいる最後のゴーストを倒して一度、俺とアリアはDホイールを止める。全てのゴーストがいなくなったことでバトル・ロイヤルモードが一度解除されるのでこの間にデッキやライフなどをリセットさせる。

 

「さて、次はどこを止めに行きましょうかね。遊輝ちゃん」

 

「全く・・・・ここは遊星たち、ここはクロウ、ここはレミ・・・・となるとこの辺か」

 

「ふむ・・・じゃあここら辺でも・・・・?」

 

「どうした?」

 

「いや、後ろからなんか来ているわよ」

 

「後ろ?」

 

アリアが後ろに指を指すので何事かと思い、そっちの方に顔を向ける。パッと見た感じ、何もないんだが遠目でよ〜く見ると何かが音を立ててこっちに近づいて来ている。

 

「・・・・何だあれ?ゴーストのDホイールにしてはやけに小さいな」

 

「双眼鏡、双眼鏡っと・・・・・あ〜、なるへそ」

 

「ちょっと貸してくれ」

 

アリアがカバンの中から双眼鏡を出して何が迫ってくるのか見ているのでちょっと貸してもらい俺も覗く。

 

「・・・・はは〜ん、な〜るほど、ね・・・」

 

双眼鏡を除いて、何が俺たちの方向に迫ってくるのかすぐに分かった。それは青いDボードに乗った、赤い髪をした少年・・・・・イリアステルの三皇帝、ルチアーノだ。ルチアーノはこっちに近づき、俺たちの前でDボードのブレーキをかける」

 

ギギギ!!!!!

 

「・・・・・・」

 

「何だ女顔、こっちは忙しいんだ。お前らがこんなふざけたことをしてくれたおかげでな」

 

「・・・・・僕はお前を倒す、あの日、僕を侮辱した君を!!!コテンパンにするまで!!!」

 

「おうおう、逆恨みかよ」

 

「あんた、凄い怨みを売りつけたわね」

 

「別に対したことじゃないけどな・・・・・まぁここでお前を止めたらこの騒動は終わるんだ。やってやるよ」

 

「面白そうだから私は後ろから追いかけて見学するわよ」

 

Dホイールのエンジンを起動させてデッキをオートシャッフルさせる。ルチアーノは俺と同じラインに並び、アリアは俺の後ろに移動する。

 

「シグナル起動させるわよ。赤から青になったらスタートだからね」

 

アリアが後ろでDホイールを操作、すると俺たちの目の前に電子のシグナルが現れる。カウントがゆっくりと進み、俺はアクセルを回す右手が、ルチアーノは左足に力が入る。

 

『5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・Go』

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

数字が0になった瞬間にシグナルが赤から青へと変わり、俺とルチアーノはアクセルをフルスロットルにしてレーンを走り抜ける




遊輝「・・・・・・何でお前来た?」

アリア「まぁまぁ良いじゃない♪久しぶりに二人で後書きを話せるし」

遊輝「6話前までずっと一緒だったじゃねぇか」

アリア「6話前とかいうメタ発言はダメだよ」

遊輝「にしてもここの最終話も結局お前かよ・・・・せめて年末年始くらいは普通に過ごさせてくれ・・・」

アリア「良いじゃん良いじゃん♪というわけで角煮よろしく!」

遊輝「ハァ・・・・・」

アリア「というわけで次回は遊輝ちゃんとルチアーノのデュエルだよ。構成自体は練り終わってるいるけど、これを前後編に分けようか一括にしようかで悩んでいるからタイトルは変わるかもしれないわ」

遊輝「【遊輝vsルチアーノ 空の機皇帝の逆襲 前編】。今年1年もこの小説を読んでいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします」

アリア「ではみなさん、良いお年を〜」


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第146話 遊輝vsルチアーノ 空の機皇帝の逆襲

【前編・後編に分けようか考えましたが、前編が短すぎたため、一つに纏めました。デュエル後の話は次の話ということで】


新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。というわけで最強カードの紹介に行きましょう。

祈「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

無事に2017年を迎えることができましたが、まぁ今年は色々と大変ですので・・・・えぇ。

祈「しゅ、就職活動ですから・・・」

うん、だから去年みたいにホイホイっと簡単に投稿できる時間は取れないだろうな・・・まぁそれは個人的な問題ですので何とかできる時にやりたいと思います。じゃあいくぞ!

祈「こ、今回はトラップ・スタン。通常罠で遊輝さんやクロウさんが良く使っている罠カードですね」

効果はこのターン、このカード以外の罠の効果を無効にする。地味で即効性はないが使われると結構厄介なカードだぞ。

祈「カウンター罠が多い時ですからね・・・この効果が通った時は絶大ですね」

今は次元障壁があるけど、作者個人的にはお気に入りのカードだ!

祈「第146話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」



遊輝 side

 

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」

 

遊輝 LP 4000 ルチアーノ LP 4000

 

シグナルが青に変わると同時にお互いにスロットルを回して全速力で駆け抜ける。最初に見えたコーナーはルチアーノ側が内側をついている。そのため、俺はさらにアクセルを回して先に出るようにする。

 

「させない!!」

 

「なっ!?」

 

俺が飛び出そうとしたところでルチアーノも加速して、俺の目の前に飛び出た。目の前にルチアーノが出たことで俺は加速をすることができず、そのまま第一コーナーを取られてしまった。

 

「hu〜・・・・やる〜」

 

「僕のターン!ドロー!」

 

ルチアーノ 手札 6枚

 

遊輝 SPC 0→1 ルチアーノ SPC 0→1

 

「スカイ・コアを召喚!」

 

スカイ・コア 攻0

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

ルチアーノ 手札 3枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

スカイ・コア 攻0

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

ったく・・・龍亞といいクロウといい、すばしっこい奴は嫌いだぜ!

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 1→2 ルチアーノ SPC 1→2

 

「召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストの効果発動!手札の魔法カードを捨てて、デッキからガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハァ!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

サモンプリーストが呪文みたいなものを唱えて、横にダイヤが鎖を振り回しながら現れる。

 

「Lv4のサモンプリーストとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろオーバーハンドレッド・ナンバーズ!!No,106 巨岩拳 ジャイアント・ハンド!!」

 

No,106 巨岩拳 ジャイアント・ハンド 攻2000

 

サモンプリーストとガガガマジシャンがブラックホールに吸い込まれて爆発、現れたのは黒い岩が集結した巨大な手だ。手首の部分に『106』の紋章があり、手のひらの中央部分にボタン電池サイズの丸い模様がある。

 

「バトル!ジャイアント・ハンドでスカイ・コアを攻撃!」

 

「その攻撃宣言前、リバースカードオープン!罠カード、ボム・ブラスト!このターンに戦闘を行なっていない機械族モンスターを3体まで破壊する!」

 

ジャイアント・ハンドが攻撃する前に上空からボムが大気圏を超えて降ってくる。炎を纏ったボムはスカイ・コアに落下してスカイ・コアを破壊した。

 

「この効果で破壊したモンスターの数×400ポイントのダメージを与える!」

 

ボム・ブラストによって破壊されたスカイ・コアの破片がこっちに飛んできて、俺を切りつける。

 

遊輝 LP 4000→3600

 

「さらに破壊されたスカイ・コアの効果発動!手札・デッキ・墓地から機皇帝スキエル∞・スキエルT・スキエルA・スキエルG・スキエルCを特殊召喚!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻0

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1000

スキエルG 守400

スキエルC 攻400

 

「合体しろ!!機皇帝スキエル∞!!」

 

スカイ・コアが破壊されたことにより、機皇帝スキエル∞とそのパーツ達が現れて、機皇帝スキエル∞の効果によりパーツと本体が合体していく。

 

「スキエル∞の攻撃力と守備力はこのカードと合体したモンスターの攻撃力の合計となる!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻0→2200

 

「関係ない!!ジャイアント・ハンドでスキエルGに攻撃!!」

 

「スキエルGの効果発動!1ターンに1度だけ、僕のモンスターは戦闘では破壊されない!」

 

「ジャイアント・ハンドの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、スキエルGの効果を無効にする!」

 

「あの時と同じような展開にはしないぞ!!リバースカードオープン!!罠カード、ゴースト・コンバート!!自分フィールドに《∞》と名のついたモンスターが存在する時、1ターンに1度、墓地の機械族モンスターをゲームから除外して魔法・罠・モンスター効果を無効にして破壊する!」

 

「あっ!?」

 

「墓地のスカイ・コアを除外してジャイアントの効果を無効だ!!」

 

ジャイアント・ハンドがオーバーレイ・ユニットを取り除いてスキエルGを握りつぶそうとしたが、その前にルチアーノが発動したゴースト・コンバートにより無効にされて破壊されてしまった。

 

「その後、このカードは墓地に送られず再びセットする!」

 

「面倒クセェものを伏せやがって・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 3600 SPC 2

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

ルチアーノ 手札 4枚

遊輝 SPC 2→3 ルチアーノ SPC 2→3

 

「バトル!機皇帝スキエル∞でダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!!罠カード、ガード・ブロック!!戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!!」

 

遊輝 手札 2枚→3枚

 

「チッ、また交わしたか・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

ルチアーノ 手札 3枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2200

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1000

スキエルG 守400

スキエルC 攻400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 3→4 ルチアーノ SPC 3→4

 

「(・・・・まずはここからだな)リバースカードオープン!!永続罠、リビングデッドの呼び声!!」

 

「エクシーズ召喚はさせないぞ!!リバースカードオープン!!罠カード、トラップ・スタン!!このターン、このカード以外の罠カードを無効にする!!」

 

チッ、不発か・・・・・よっぽど警戒しているんだな、しょうがない。

 

「SPーマジック・プランター!SPCが4つ以上ある時、永続罠を1枚墓地に送って2枚ドローする!リビングデッドの呼び声を墓地に送って2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

「ガガガガールを守備表示で召喚!」

 

ガガガガール 守800

 

『マスター!私を盾にしようとしているでしょ!!』

 

俺の横に守備表示状態・・・・膝を折ってパールが姿を現した。なんかガヤガヤ言ってるが聞こえない。

 

「カードを2枚セットしてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 3600 SPC 4

【モンスターゾーン】

ガガガガール 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン!!」

 

ルチアーノ 手札 4枚

 

遊輝 SPC 4→5 ルチアーノ SPC 4→5

 

「手札のスキエルC3とスキエルA3の効果発動!フィールドのスキエルCとスキエルAを墓地に送り特殊召喚する!」

 

スキエルC3 攻600

スキエルA3 攻1200

 

スキエルCとスキエルAがスキエル∞から離れて墓地に送られて、代わりにスキエルC3とスキエルA3が現れて、それぞれ空いたところにスキエル∞と合体した。

 

「これにより機皇帝スキエル∞は強化される!!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻2200→2600

 

チッ、面倒クセェな・・・・これで俺はスキエル∞への攻撃が2回無効にされるのか。

 

「バトルだ!!機皇帝スキエル∞でそのふざけたモンスターに攻撃!!」

 

『ふざけたってどういう事よ!!マスター!!私を守って!!』

 

「無理!!」

 

『えっ!?ちょ!?きゃあああ!!!!』

 

スキエル∞の攻撃によりパールが破壊されてしまう。その衝撃で少しバランスを崩したがすぐにルチアーノを追いかける。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

ルチアーノ 手札 1枚 LP 4000 SPC 5

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2600

スキエルT 攻 600

スキエルA3 攻1200

スキエルG 守400

スキエルC3 攻600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 5→6 ルチアーノ SPC 5→6

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚する!」

 

「させないぞ!!リバースカードオープン!!ゴースト・コンバート!!墓地のスキエルCを除外してゴブリンドバーグの効果を無効にする!!」

 

「お返しだ!!リバースカードオープン!!罠カード、トラップ・スタン!!このターン、このカード以外の罠カードの効果を無効にする!!」

 

「くそっ!!ならばリバースカードオープン!!罠カード、次元障壁!!このターン、僕が宣言したモンスターは特殊召喚も効果も使えない!!僕が宣言するのはエクシーズだ!!」

 

ゴブリンドバーグを阻止しようとルチアーノはゴースト・コンバートを発動したが、その伏せカードを知っていた俺はすぐに伏せカードを発動、ゴースト・コンバートの効果を無効にする。

 

「ゴースト・コンバートの効果は無効!!よってゴブリンドバーグの効果は有効だ!!」

 

「だけど次元障壁の効果でお前はエクシーズ召喚はできない!!」

 

「ああ知っているさ!!俺が出すのはこいつだ!!チューナーモンスター、霞の谷(ミスト・バレー)の戦士!!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

ゴブリンドバーグが吊り下げていたコンテナを地面に落として、そのコンテナが開いて霞の谷の戦士がフィールドに現れた。

 

「その後、ゴブリンドバーグは守備表示になる!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

「チューナーだと!?」

 

「俺だってシグナーだ!!いくぞ!!Lv4のゴブリンドバーグにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

『・・・・ギャアアアアア!!!!!』

 

ゴブリンドバーグと霞の谷の戦士が一つの光となって、その光から黒い太陽が一つ現れる。黒い太陽が上へ上へ登っていき、太陽が変形をしてブラック・サンが姿を現す。

 

「ブラック・サンの効果発動!墓地のエクシーズモンスター1体をこのカードの装備カードとして装備する!墓地のジャイアント・ハンドを装備!」

 

『ガアアアア!!!!!!』

 

ブラックの雄叫びにより地響きが起きて、1ヶ所穴が開く。そこから墓地にいたジャイアント・ハンドが現れて、ブラックがジャイアント・ハンドを吸収した。

 

「この効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3000

 

「どれだけ攻撃力を上げてもスキエルGの効果で攻撃は通さないぞ!!」

 

「ああそうだな!!だから俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!!」

 

遊輝 手札 0枚 LP 3600 SPC 6

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

No,106 巨岩拳 ジャイアント・ハンド (装備)

 

 

「キャハハハハ!!!!機皇帝の前にシンクロモンスターを残しておくのがどれだけおろかなことか教えてやる!!僕のターン!!ドロー!!」

 

ルチアーノ 手札 2枚

 

遊輝 SPC 6→7 ルチアーノ SPC 6→7

 

「機皇帝スキエル∞の効果発動!相手フィールドのシンクロモンスターを吸収する!」

 

スキエル∞の胸部分から触手みたいなものが現れて、それがブラックに絡みつき、吸い込もうとする。

 

「キャハハハハ!!これでお前のシンクロモンスターは「リバースカードオープン!バスター・モード!!」なっ!?」

 

「このカードはフィールドのシンクロモンスター1体をリリースして、デッキからそのモンスターを含んだ《/バスター》モンスターを特殊召喚する!!ブラック・サンをリリース!!」

 

スキエル∞に吸収されそうになったブラックがリリースされて、ブラックが咆哮を上げた時よりもさらに大きな地響きが起きる。そして、レーンの下から一回り大きな黒い太陽が現れた。

 

「闇の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!降臨!ブラック・サン・ドラゴン/バスター!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500

 

大きな黒い太陽が変形をしてバスター・モードになったブラックが姿を現した。

 

「ブラック・サンの効果!!こいつも墓地のエクシーズモンスター1体を装備カードとして装備!!攻撃力は装備したモンスターの倍だ!!」

 

「ば、倍!?」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500→5500

 

ブラック・サンが出てきたところから再びジャイアント・ハンドが出てきて、ブラック・サンが吸収をする。ジャイアント・ハンドを吸収したことでブラック・サンの身体が一回り大きくなった。

 

「対象のモンスターがいなくなったことでスキエルの効果も無効だ!!」

 

「チッ・・・・図体をデカくしても意味がないってことを教えてやる!!SPーエンジェル・バトン!!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして1枚捨てる!スキエルA3をリリースしてスキエルA5を特殊召喚!」

 

スキエルA5 攻1400

機皇帝スキエル∞ 攻2600→2800

 

スキエルA3がリリースされて今度はスキエルA5がフィールドに現れて、スキエル∞と合体する。

 

「スキエルA5は機皇帝スキエル∞にダイレクトアタックの効果を与える!機皇帝スキエル∞でダイレクトアタック!!」

 

遊輝 LP 3600→800

 

「グウゥゥゥ!!!!!!!」

 

スキエル∞の攻撃はブラック・サンを通り抜けて直接俺に攻撃をした。攻撃を受けてDホイールのボディが少し壊れ、スリップしたが持ち直して伏せカードを発動した。

 

「リバースカードオープン!!罠カード、ショック・ドロー!!俺が受けた戦闘ダメージ1000ポイントにつき1枚ドローする!!2800のダメージだから2枚ドロー!!」

 

遊輝 手札 0枚→2枚

 

「それがどうした!!カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

 

ルチアーノ 手札 0枚 LP 4000 SPC 8

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2800

スキエルT 攻 600

スキエルA5 攻1400

スキエルG 守400

スキエルC3 攻600

【モンスターゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

何とか耐えたが・・・・Dホイールの損傷は少しばかりあるが問題はライフだな・・・・800じゃスピード・ワールド2の効果で負けてしまう。何とかしないと・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 7→8 ルチアーノ SPC 7→8

 

「(・・・・・よし)ガガガシスターを召喚!」

 

『ヤッホー!!』

 

ガガガシスター 攻200

 

俺の前にサファイアが現れて、手にしている杖を振って1枚のカードが現れる。

 

「ガガガシスターの効果!召喚時、デッキから《ガガガ》魔法・罠を手札に加える!俺はこのカードを加えて、そのまま発動!装備魔法、SPーガガガリベンジ!!」

 

「なっ!?何だと!?」

 

「SPCが6つ以上ある時、墓地の《ガガガ》モンスター1体を特殊召喚してこのカードに装備する!!墓地のガガガマジシャンを特殊召喚!!」

 

『ハアアアア!!!!』

 

ガガガリベンジを発動したことにより、地面に穴が開いてダイヤが姿を現す。

 

「ガガガシスターの効果発動!フィールドの《ガガガ》モンスター1体とこのカードのレベルを2体の合計分とする!」

 

ガガガシスター ☆2→☆6

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャンとLv6のガガガシスターでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラックホールの中から白い太陽が現れて、その白い太陽が変形をしてホワイト・サンが姿を現した。

 

「墓地に落ちたガガガリベンジの効果!装備モンスターがエクシーズモンスターの素材となってこのカードが墓地に送られた場合、フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→2700

 

「ホワイト・サンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、自分フィールドのモンスター1体をこのターン、ダイレクトアタック可能にする!」

 

「なっ!?」

 

「選択するのはブラックだ!!ライト・サプリメーション!!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

ホワイト・サンがオーバーレイ・ユニットを一つ取り除くと天から光が降り注いで、ブラック・サンにあたる。光を浴びたブラック・サンは再び咆哮を上げて元気良くなった。

 

「ラスト!!ブラック・サンでダイレクトアタック!!ゴッド・サンダー・プロミネンス!!」

 

ブラック・サンのターボみたいな尻尾にエネルギーが溜められて、身体全体で雷のエネルギーと炎のエネルギーが同時に出現、それが螺旋状に渦巻いてルチアーノに攻撃する。

 

「リバースカードオープン!!和睦の使者!!」

 

しかし、ブラック・サンの攻撃が決まる前にルチアーノが和睦の使者を発動、ルチアーノの前にバリアが張られてブラック・サンの攻撃は弾かれてしまう。

 

「チッ・・・・さすがに決められないか・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 0枚 LP 800 SPC 8

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻5500

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

No,106 巨岩拳 ジャイアント・ハンド (装備)

伏せカード 2枚

 

 

「僕のターン!!ドロー!!」

 

ルチアーノ 手札 1枚

 

遊輝 SPC 8→9 ルチアーノ SPC 8→9

 

「(・・・クソッ、SPじゃなかった・・・)バトル!!機皇帝スキエル∞でダイレクトアタック!!」

 

「リバースカードオープン!!カウンター罠、攻撃の無力化!!」

 

「くっ・・・・やっぱりそうか。スピード・ワールド2の効果発動!SPCを7つ取り除いて1枚ドローする!!」

 

ルチアーノ SPC 9→2

手札 1枚→2枚

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

ルチアーノ 手札 0枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2800

スキエルT 攻 600

スキエルA5 攻1400

スキエルG 守400

スキエルC3 攻600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

何とか防いだ・・・・・感が凄いするな。とにかく、もうデッドラインだ。決めに行かないと・・・・・ホワイトの効果もあるがおそらく後ろのカードで守られるだろう・・・となるとこのドローが重要だな・・・

 

「俺のターン!!ドロー!!」

 

遊輝 手札 1枚

 

遊輝 SPC 9→10 ルチアーノ SPC 2→3

 

・・・・ダメだ。これじゃ無理だ。ここはドローに賭けよう・・・・

 

「スピード・ワールド2の効果発動!SPCを7つ取り除いて1枚ドローする!!」

 

遊輝 SPC 10→3

 

「(・・・・・・頼むぞ)ドロー!!!」

 

遊輝 手札 1枚→2枚

 

「(・・・・来ったああぁぁ!!!)SPーRUMーバリアンズ・フォース!!SPCが3つ以上ある場合、自分フィールドのエクシーズモンスター1体を選択して、選択したモンスターのランクを1つアップさせて、カオスエクシーズ化させる!!」

 

「させない!!リバースカードオープン!!永続罠、虚無空間!!」

 

「リバースカードオープン!!カウンター罠、魔宮の賄賂!!虚無空間の発動を無効にして破壊する!!」

 

ルチアーノが虚無空間を発動した事によりフィールドに虚無空間が張られようとしたが、その前に魔宮の賄賂を発動した事で虚無空間が破壊されてしまう。

 

「その後、お前はカードを1枚ドローする!」

 

「クッ・・・ドロー!!」

 

ルチアーノ 手札 0枚→1枚

 

「そしてバリアンズ・フォースの効果でフィールドのホワイトをカオス・エクシーズ・チェンジ!!」

 

フィールドにいたホワイト・サンが再び白い太陽へと戻っていき、ブラック・ホールに吸い込まれる。そして、ブラック・ホールが大きな爆発を起こして赤い鎖が螺旋状に渦巻いて天へと登っていった。

 

「光の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!カオスエクシーズ・チェンジ!降臨!CXホワイト・ゴッド・ドラゴン!!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン 攻3000

 

白い太陽が赤い鎖で囲まれていき、やがて見えなくなる。しばらくすると、赤い鎖から光が漏れ始めて赤い鎖は熱によって溶けていく。赤い鎖が全て溶けきると、CX化したホワイトが姿を現した。

 

「ホワイト・ゴッドの効果発動!!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊する!!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン OVR 2→1

「僕は負けない!!絶対に!!リバースカードオープン!!ゴースト・コンバート!!墓地のスキエルAを除外する事で、ホワイト・ゴッドの効果を無効にする!!」

 

ホワイトがオーバーレイ・ユニットを1つ吸収してエネルギーを蓄えようとした時、ルチアーノが2枚目のゴースト・コンバートを発動させてホワイトの効果を無効にしようとしたが、ホワイトはゴースト・コンバートを翼ではらい、ゴースト・コンバートは何も効果を発揮せずにセットされた。

 

「なっ!?な、なぜだ・・・なぜ破壊されない!?」

 

「ホワイト・ゴッドにオーバーレイ・ユニットが存在する限り、1ターンに2度まであらゆる効果を受けない!!」

 

「そ、そんな・・・バカな・・・・」

 

「砕け散れ・・・・スピリチュアル・ゴッドフレア!!」

 

ゴースト・コンバートの効果を受けなかったホワイトはエネルギーの充填が終わり、そのエネルギーを上空へと放つ。放たれたエネルギーは花火のように爆発、ルチアーノのフィールドに太陽と氷の氷柱が無象に降り注いで、スキエル∞とそのパーツ達を全て破壊し尽くした。

 

「なっ・・・あっ・・・ぼ、僕は・・・また・・・」

 

「ラスト!!ブラック・サンでダイレクトアタック!!ゴッド・サンダー・プロミネンス!!」

 

再びエネルギーを貯めたブラックがルチアーノに向かって雷のエネルギーと炎のエネルギーを螺旋状に渦巻いて放つ。全ての防御札を使ったルチアーノはそのまま攻撃を受けてしまった。

 

「ガアアアアアアアア!!!!!!!」

 

ルチアーノ LP 4000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS ルチアーノ




レミ「遊輝のおせちはやっぱり美味しいね」

魔理沙「今年の正月は豪華なものが食べられて嬉しいぜ!」

龍亞「お雑煮おかわり!!」

遊輝「・・・・お前ら出番無かっただろ」

紫「良いじゃない別に。本当、美味しいわね」

霊夢「・・・・・・・・・」←ひたすら食べ続けている。

龍可「れ、霊夢さん、そんなに食べていたら喉詰まらせますよ・・・」

遊輝「・・・・・ハァ、俺一人でオリカの紹介するか。今回はOCGにあるカード3枚をSP版にしたカードだ」



SPーガガガリベンジ 装備魔法
自分のスピードカウンターが6つ以上ある場合、自分の墓地の「ガガガ」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターを破壊する。
また、装備モンスターがエクシーズ素材になる事によってこのカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上の全てのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする。


SPーマジック・プランター 通常魔法
自分のスピードカウンターが4つ以上存在する場合、自分フィールド上に表側表示で存在する永続罠を1枚墓地に送って発動する。
デッキからカードを2枚ドローする。


SPーRUMーバリアンズ・フォース 通常魔法
自分のスピードカウンターが3つ以上ある場合、自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高い「CNo,」または「CX」と名のついたモンスター1体を、選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
その後、相手フィールド上にエクシーズ素材が存在する場合、相手フィールド上のエクシーズ素材1つを、この効果で特殊召喚したエクシーズモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とする。




遊輝「マジック・プランターはなぜ作ったって問いたいところだけど、RUMとガガガリベンジは正直、ありがたかった。サファイアの効果も使えないしホワイトもカオス化できないからな」

スバル「穴子おかわり!!」

響「あっ!!数の子も!!」

フラン「和食って美味しい。普段、和食なんて食べないから」

文「紅魔館のメイドに頼めばいつでも作ってもらえるじゃないですか」

遊輝「・・・・・じゃあまたな。次回は【イリアステルの三皇帝】。今年もよろしくお願いします」


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第147話 イリアステルの三皇帝

本日はデュエル無しなので今回は簡単に終わらせます。
というわけでどうぞ。


遊輝 side

 

 

ギギギィィ!!!!

 

「うっし・・・・」

 

「また派手に吹っ飛ばしたわね・・・」

 

ルチアーノとのデュエルを終えたのでDホイールを止める。アリアも俺の横に止めて、攻撃を受けて吹っ飛ばされたルチアーノの様子を見にいく。

 

「・・・・・おうおう、酷いありさまなこと」

 

「全く・・・・しかしよく出来たアンドロイドね」

 

「・・・・・・・・(シュゥ〜)」

 

攻撃を受けて吹っ飛ばされたルチアーノはコースの上で無様にも左足と右手が胴体から外れて、顔の右半分の皮膚が剥がれていた。それらの壊れたところから機械の基盤みたいなものが見えて、そこから白い煙が出ている。アニメでプラシドも似たような事になってはいたが、まさかこいつもこんな事になるとはな・・・・

 

「あ〜あ、おかげでDホイール壊された弁償の請求ができねぇじゃねぇか」

 

「そんな物言っても無駄なだけだよ」

 

「そりゃそうだが気分的には損した気分だぜ」

 

全く・・・スキエル∞の攻撃を受けた時のボディの損傷が思っていたよりも大きかった上に、ホイールが歪んでいたし・・・止まってから気づいたよ、良くデュエル出来たな。

 

「それにしても向こうの方はどうなってるのかね〜〜」

 

『・・・・・生来せよ!!シューティング・スター・ドラゴン!!』

 

「おっ?もうそんなとこまで行ってるのか?意外と早いな・・・・もっと後だと思った」

 

「何言ってるのよ。ゴースト全部倒すのに2時間近くかかっているのよ」

 

「えっ?そんなにかかったのか?」

 

「遊輝ちゃん、体内時計狂ってるんじゃない?」

 

うん、それは否定出来ないわ。十何年間、不健康な生活(最近はそうでもないが)してきたせいで、体内時計は狂ってしまっている。

 

『バカな!!この俺が!!機皇帝が!!やられるのか!?』

 

『これが最後の攻撃だ!!シューティング・スター・ドラゴン!!スターダスト・ミラージュ!!』

 

「おっ、最後の攻撃も終わったところか」

 

「あのモニュメントは・・・・あそこね」

 

「・・・・近いな。ここからでも見えるじゃないか」

 

アリアが指差す方向にはシティとサテライトをつなぐレーンの中心に建てられたモニュメントがある。この後の展開が正しければ、あのモニュメントの上にホセのおじいさんが出てくるはずだ。本当ならルチアーノが隣にいるんだろうが、まぁ・・・・見るも無残な事になってるからな。

 

「双眼鏡、双眼鏡・・・」

 

「それズルいな〜・・・俺も持って来ればよかったな〜・・・」

 

「何、視力悪いの?」

 

「普通。詳しく言えばちょっと悪くなった」

 

「その男に敗者の情けは要らぬ。そして、そこにいる少年もだ」

 

それでも1.0以上はあるんだがな・・・そう思いつつ、アリアと会話をしていたら突然、上の方から声が聞こえてくる。少し慌てて声が聞こえた方に向くと、イリアステルの三皇帝の最後の一人・・・・・ホセがいた。その両隣には遊星に倒されて木っ端微塵になったプラシドと俺に木っ端微塵にされたルチアーノが横になっている。

 

「あいつは遊輝と戦った!?」

 

「そうだ・・・・この少年もそこにいる奴に挑み、哀れに敗北を喫した姿だ」

 

「・・・・遊輝!!!お前そんなところにいたのか!?」

 

「ん・・・・あ〜、クロウか」

 

対面側のレーンをよく見たら、遊星、ジャック、クロウの3人がいて、さらに3人から少し離れたところにシェリーとミゾグチさんが目に映る。さらにシェリーさんたちの反対側にはレミや奏、響の姿が見える。

 

「お前たちは一体何者だ!?」

 

っと、いつのまにか会話が進んでいたのか。全く、せっかちなこと。

 

「我々はイリアステルの三皇帝、我はリーダーのホセ、そして無様に敗北したこやつらがルチアーノとプラシドだ」

 

「ホセ!!お前たちはなぜこんな事をしている!?」

 

「我々は未来を変えるためにやったきた・・・・」

 

「未来を変えるためだと?」

 

「そんな物俺たちが作るんだろうが!!お前らに決める筋はねぇ!!!」

 

「我々は知っている・・・・不動遊星、ジャック・アトラス、クロウ・ホーガン、お前たちが作り上げた未来が破滅に導く事を」

 

「なんだと・・・・?」

 

「イリアステルとは神が作り上げた歴史の中で破滅へと導く出来事・組織・街を修正する組織・・・・有史以前から存在をして、この地球上のあらゆるジャンルに浸透をしている」

 

「そんな事できるか!!もしそれができるならば、政治家や企業化もお前たちの仲間だと言うのか!?」

 

「世界中、全ての人間に我々の存在を知る必要はない。我々は必要な時に必要最低限の行動を起こして歴史を修正する。生物の食物連鎖がピラミッドで存在するように、人間社会の権力もピラミッドが存在する。我々はその一番上にいる権力を持つ者に対して少し干渉・修正をしているだけだ」

 

「なら私のお父様もお母様が殺されたのもお前たちの手によって消されたということか!?」

 

ここで話を聞いていたシェリーが憤った表情でホセに詰め寄る。だが、ホセはそんな事知らないという表情をしている。

 

「我の記憶力にも限界はある。歴史の修正など一々覚えてられない」

 

「なら無理矢理思い出させてあげるわ!!」

 

シェリーが乗っていたDホイールを急発進させてホセのいるモニュメントの上の方までジャンプ、そのままホセにダイレクトアタックをする。しかし、ホセはシェリーのDホイールを片手で受け止めて、反対側にゴミを捨てるような感覚で放り投げた。

 

「シェリーお嬢様!!」

 

ミゾグチさんはDホイールごと吹っ飛ばされたシェリーを救うために急ぐようにDホイールを走らせる。

 

「・・・・人間とは実に傲慢で欲深い生き物だ。それ故に破壊と創造を繰り返して歴史を作ってきた。しかし、その過程の中にも我々、イリアステルは関与してきた。我々は人間が愚かな道に歩まないように、時にはアドバイスを、時には修正をしてきた。だが・・・・どれだけ我々が修正を繰り返してきても避けきれない道があった・・・・不動遊星の父、不動博士が作ったモーメントだ」

 

ホセはシェリーを追い払ってやれやれとした表情をしながら話を続け、モーメントの話に話題を変えたところで再び遊星たちの方に目を向けた。

 

「モーメントは災いを及ぼす・・・・それを知った我々はルドガー・ゴドウィンを使い、ゼロ・リバースを起こした」

 

「なっ!?」

 

「ゼロ・リバースだと!?あの事件もお前たちの仕業だと言うのか!?」

 

「しかし・・・それは全て無駄な努力だった。ゼロ・リバースを起こしたところで世界中のモーメントは歴史上から無くならず、それどころか増え続ける一方だった。だから我々は次なる一手を打つ」

 

「次なる一手だと?」

 

「このネオドミノシティを・・・・消滅させる」

 

「なっ!?」

 

「なんだと!?」

 

ホセが言い放った一言でジャック達やレミ達は凄い驚いた表情をしている。当たり前だな、自分たちの住んでいる街を消滅させるなんて言われて平気にしている奴の方がおかしい。

 

「なぜネオドミノシティを消滅させなければならない!?ここには大勢の人たちが住んでいるんだぞ!!」

 

「人間のことなど気にしていられない。そんな事を気にしていたら、歴史の修正は出来ない」

 

「人間の知恵を集めればどんな困難だって乗り越えられる!!」

 

「ならば見せてやろう。我が見た未来を・・・」

 

・・・ピキーーン

 

「ん?何だ?」

 

突如、上空から光が一瞬だけ光ったのが見えたのでそっちの方に向けると、1枚の巨大な石板がモニュメントの方に落ちてきている。

 

ズシーーーン!!!!!!!

 

「ぐっ!?」

 

「何だあのバカデケェ物体は!?」

 

遊星やクロウは驚いているが、ホセはその石板に手を触れる。すると石板は光となって消えていき、代わりに5枚のカードがホセの右手に握られている。ホセは自身の腰にあるデュエルディスクみたいなものを起動させて5枚のカードをその上に乗せる。すると、ホセの後ろに第3の機皇帝・・・・・グランエルの姿が見えた。

 

「なっ・・・・・」

 

「これが我の機皇帝、機皇帝グランエル∞だ、いけっ、機皇帝グランエル∞」

 

ホセがグランエルに指示を出して、グランエルは右手を上空に上げる。すると、遊星達の膝がガクッと折れてしまう。残念ながら俺は遊星達と反対側にいるので何が起こっているのか全く分かってない。

 

「な、何だこれは・・・」

 

「は、廃墟とかして・・・・何かの物体が」

 

「これが我の見た未来だ・・・・結局、どれだけ人間が足掻こうとやがて悲惨な未来は訪れる。人間は今までもこうやって地球を脅かしてきた・・・・そんな人間が今まで自然に、地球に対して罪を償い、懺悔を行なったか?」

 

「こんなもの、俺たちはお前達ほど急ぎすぎなければ回避できる!!」

 

「まだ分からないのか・・・・ならば証明してやる。我々がやってきた事が正しい事なのか」

 

「そんな事させない!!俺たちの未来は俺たちの手で掴むんだ!!」

 

「ならばWRGPを勝ち上がれ。そして我らを止めてみせろ。そして・・・・・・」

 

ホセは身体を反転させて俺の方に向いてきた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・何だ?俺になんか用があるのか?」

 

「遠藤遊輝、お前は我々の知っている未来には存在しない、謂わば未知なる物体・・・・先ほど、我々は未来を知っていると言ったが、あれは少しばかり語弊がある。お前という存在が我々の知っている未来を少しばかり変えた。お前という存在が我々の知らない未来へと変わる可能性がある」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「お前は何物かは我々も全てを把握しきれてない。しかし、我々の邪魔をするというならば容赦はしない。それは隣に居る者もだ、アリア・リューベック」

 

「酷いわね〜・・・・か弱い女の子一人に向かって言う言葉じゃないわよ」

 

「お前は精霊世界で我々の邪魔をしてきた、その事を忘れたとは言わせないぞ」

 

「(・・・・お前、こいつらに喧嘩を売っていたのかよ)」

 

「(向こうが売ってきたのよ。私はそれを買っただけよ)」

 

ようは売り言葉に買い言葉ね・・・・全く、こいつも短気な事。そしてホセはプラシドのベルトにつけてあった剣を引き抜いて、それを振り抜く。そこに空間の裂け目が現れた。

 

「・・・・WRGPの決勝で待っているぞ」

 

そう言い残してホセはプラシドとルチアーノを運んで空間の裂け目の中へと入って言った。

 

「・・・・ハァ、やっと変な空気から解放されるわ」

 

「全く・・・・何つうデリカシーのない発言だ」

 

「じゃあデリカシーのある発言してあげるわよ・・・・明日、一戦交えてもらうわよ」

 

ホセの話が終わり、深呼吸をしているアリアを見て俺は毒のある発言をしたが、どうやらそれが引き金となってしまい、アリアを少し本気にさせてしまったようだ。

 

「・・・・・目的は?」

 

「私の目的のための資料をエンディミオンから奪う。遊輝ちゃんにはまた私の下っ端として働いてもらうわよ」

 

「・・・・拒否すれば?」

 

「あの秘密達をバラす」

 

チッ・・・・弱みを握られるのはやっぱり辛いな・・・・

 

「明日、噴水広場で12時に来るのよ」

 

「噴水広場?何でだ?」

 

「まぁ・・・・後から分かるわよ」

 

「?」

 

「じゃあね」

 

俺の疑問は晴れないままアリアはDホイールに乗ってしまい、何処かに行ってしまった。

 

「・・・・・何だったんだ?まぁいいか」

 

「遊輝!!!!」

 

「うん?・・・・レミ達か、遊星達もいるな。ちょうどいいや、誰かに乗せてもらおう」

 

「お〜い!!」

 

アリアが行ってしまった方向とは反対側からレミ達と遊星達がやってきた。

 

「遊輝!!あんた大丈夫!?」

 

「俺は全然平気だが、Dホイールがやられた」

 

「・・・・確かに損傷が激しいな。乗れるのか?」

 

「さっき点検したらホイールが少し歪んでいた。正直、良くデュエル出来たと思っている」

 

「仕方ないわね・・・・・牛尾さんあたりを呼びつけてレッカーしてもらおう」

 

「えぇ・・・牛尾さん以外に頼んでや。あの人にレッカー頼んだらレッカー代取られるんだから」

 

「文句を言わないの」

 

「俺のDホイールに乗せよう。一度、スタジアムに戻って皆と話をしよう」

 

「分かった」

 

遊星さんが一度降りて、サドルの部分から予備のヘルメットを出してくれる。一方、レミは牛尾さんに電話をかけて俺のDホイールを運んでもらうようにお願いしている。

 

「・・・はい、お願いします。・・・・すぐ来るって。先に係のセキュリティが来るから、その人が来たらもう帰っても良いそうよ」

 

「そうか」

 

「っと、噂を来たら来たわよ」

 

奏が向こうに見える1台のセキュリティのDホイールを見つけた。すぐに俺たちの近くに止まり、軽く挨拶をしてから俺たちは一度スタジアムに戻る。

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「よう!」

 

「あっ!師匠!!」

 

スタジアムのレースピット席。そこにいたスバル達や龍亞を見つけ、遊星さん達はDホイールを止める。一度、降りてお互いの無事を確認する。

 

「・・・・そうか、Dホイールの損傷か」

 

「まぁ、不幸中の幸いなのはそれだけで済んだことだ。全員怪我がなくてよかったよ」

 

「そうですね」

 

「それよりもお前ら・・・・龍可どこに行ったんだ?」

 

「「「「「(((((ビクッ!!!!)))))」」」」」

 

「?どうしたのよ?突然驚いて?」

 

クロウが何処にも見当たらない龍可をキョロキョロとしながらスバル達に聞いたが、なぜかスバル達はビクッと反応をして一歩後ろに下がった。

 

「あ、いや、その・・・」

 

「?どうしたのよ?」

 

「る、龍可さんは今、ト、トイレに行ってまして・・・」

 

「そうかトイレか。それは失礼なことを聞いたな」

 

「じゃあ龍可が戻ってk「遊輝(ニコニコ♪)(ビクッ!!!!!!!)」

 

龍可が戻って来たら話をしよう・・・・そう言おうとした時、後ろからとんでもない寒気と殺気を感じた。ガクガクと震えて、ネジを回すように首や身体を捻ると、後ろに超ベリーウルトラハイパーアルテメットな笑顔の龍可がいた(目が笑ってない)。そして、龍可の一言を聞いた皆は俺がガクブルと固まっている一瞬の隙に俺の視界から消えていた。

 

「・・・・・ねぇ、遊輝(ニコニコ♪)」

 

「は、はい!!なんでしょうか!?」

 

「ちょっとそこで正座をして(ニコニコ♪)」

 

「は、はい!!!!」

 

龍可の圧倒的な圧力にガクガクと震える俺は素直に言うことを聞いて正座をした。

 

「ねぇ・・・ビジョンに映っていた女性は誰なの?(ニコニコ♪)」

 

「えっ!?」

 

「誰なの?(ニコニコ♪)」

 

「(ビ、ビジョン!?そんなのに映っていたのかよ!?俺はゴーストと戦っている時はずっとアリアと)「遊輝、聞いている?(ニコニコ♪)」は、はい!!!!」

 

「ねぇ・・・遊輝、O☆NA☆NA☆SHIしよう?」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍亞 side

 

 

俺たちは龍可の恐怖から逃れるためにDホイールの倉庫から龍可と遊輝の様子を見ている。

 

「・・・・もう5時間経つよ。まだ怒っている(汗)」

 

「おぉ・・・怖い怖い・・・・」

 

「あんな物、耐えられませんよ・・・・」

 

「る、龍可ちゃん・・・怒っていたんだね・・・(汗)」

 

龍可の覇王モードはもう胃が痛くなるよ・・・・(汗)。何で遊輝は毎回毎回あんなことをするのか・・・・何一つ学んでいない。

 

「あの・・・僕には何で龍可があんなに怒っているのか分からないのだけど」

 

「ダメだね〜ブルーノさん。恋する乙女にとって、別の女と仲良くすることは禁じ手なのよ」

 

「何偉そうに言ってるのよ。14年間生きてきて、一度も恋をしていないでしょ」

 

「いわゆる、彼氏いない歴=実年齢ってやつね」

「奏!!レミ!!それは言わないでよ!!っていうかそれは二人も一緒でしょ!!」

 

「お前らな・・・・・(汗)」

 

「で、でも、確かに気になりはしますけど・・・」

 

響さん達が冗談を言いあっていたが、真面目な話、遊輝と一緒にいた女性は誰なんだろう?すごい息ピッタリだったし。

 

「遊星達は何か分かる?」

 

「俺たちも詳しくは知らない。ただ、一つ分かったことはイリアステルは彼女も標的にしていることだけだ」

 

「あの女、本当に何者なんだ・・・・」

 

「あっ、龍可っちが帰ってきたわよ」

 

ゴーストを倒しに行った遊星達に聞いては見たが、案の定と言うべきか詳しい情報は得られなかった。そうしたら茜さんが普通の状態に戻った龍可がこっちに来ていることに気づく。

 

「皆、待たせてごめんね」

 

「あっ、うんうん!!全然いいよ!!」

 

「そ、それで・・・・遊輝は?」

 

「あそこで寝ているわ」

 

「寝て・・・・・いや、気絶しているの間違いでしょ(汗)」

 

「う、うわぁ・・・師匠の背中、汗ビッショリとかいてます(汗)」

 

恭輔の言った通り、正座したまま気絶した遊輝の背中は大量の冷や汗をかいてしまったせいで、服の背中側は汗でビッショリと濡れちゃっている。っていうかよく5時間も正座したまま気絶できるよな・・・・

 

「それで龍可ちゃん、あの女性について何か分かったの?」

 

「それが・・・・遊輝が口ごもったまま気絶しちゃって」

 

そりゃあんな恐怖にあったら何も言えない上に怖くて気絶しちゃうよ(汗)。

 

「ただ、小声で『明日の12時・・・・噴水広場・・・・』っていうのは聞き取れました」

 

「明日の12時に噴水広場?」

 

「何だ?何かショーでもやるのか?」

 

「とにかく、明日の12時に噴水広場に行けば何か分かるってことね」

 

「多分・・・・」

 

「じゃあ明日の12時に噴水広場に全員で行こう」

 

「そうですね・・・・そうすれば師匠も話してくれるでしょう」

 

レミさんの提案に全員が賛成をして、今日は解散となった。




魔理沙「・・・怖いな」

霊夢「あれは・・・・化け物ね」

龍亞「あんなのに耐えられる筈がないよ」

魔理沙「気絶するのも納得だぜ」

霊夢「遊輝にとって・・・・・誰だっけ?あの遊輝みたいな女顔をした奴?」

龍亞「ルチアーノ」

霊夢「そうそう、そいつよりも問題ね」

魔理沙「次回も次回で問題そうだけどな」

龍亞「次回は【遊輝vsアリア2戦目 風の魔法使いと融合の魔法使い】。次回もよろしく!」


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第148話 遊輝vsアリア2戦目 風の魔法使いと融合の魔法使い

【*・・・・・すみません。思っていた以上に長くなったのでデュエル後の話は次回にさせてください。ご了承ください】


最強カードの紹介〜。

恭輔「お久しぶりです。僕もWRGPでチームSECRETのサポートともうすぐ中等部に進学するのでその準備で忙しい身です」

いいよな〜・・・・・それくらいでまだ余裕があるから。

恭輔「悲観しすぎじゃないんですか・・・」

まぁ・・・ネガティブになりすぎなのは自覚しているけど、さすがに真剣に考えないとさ・・・

恭輔「(そこがもう・・・不味いんじゃないんですかね(汗))」

最強カードの紹介に行きましょう。今回は召喚魔術。

恭輔「最近出たブースターパックのテーマ、【召喚獣】のキーカードですね。魔法カードで普通は手札融合を行うカードですね」

それだけじゃ対したカードじゃないけど、《召喚獣》融合モンスターを融合召喚する場合はその素材を自分フィールド・自分と相手の墓地まで広げることができる。その場合、ゲームから除外されるけど。

恭輔「もう一つこのカードの強いところは墓地に存在する場合、除外されている召喚師アレイスターを手札に戻して墓地に存在する召喚魔術をデッキに戻す」

そう・・・・KONAMIは【メタルフォーゼ】で何を学んだのか・・・・墓地から能動的にデッキに戻るのは不味いのに・・・

恭輔「あ、あはは・・・・第148話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「・・・・・・・・・という訳」

 

「で、ここ1年ぐらいずっと一人で相手していたってわけ?」

 

「そういうこと」

 

「ハァ・・・・あんたはもう少し人に頼りなさいよね」

 

「全くだ」

 

噴水広場の中央にある噴水・・・・

その噴水の淵の上であぐらをかきながらデッキ調整をしている俺はここにいる奴全員・・・・レミ達シークレットシグナー組と遊星達、シグナー組、祈に恭輔、茜達にアリアのことを話した。

 

昨日、アリアに宣戦布告されスタジアムに戻った後・・・・記憶がない(汗)。その後、なんか知らんけど気づいたら家の布団の中に入って時間を見たら今日の5時だった。とにかく、アリアとのデュエルのために布団から出て、デッキを調整したり、普通に朝食などの家事をこなした後、家を出たのだがその時になぜか龍亞と龍可も付いてきた。

 

何とか振り払おうとしたけど、それも叶わずそれどころか噴水広場に付いたらレミ達や遊星達もいた。なんか話を聞いたら昨日、俺がここに来ることを呟いていたらしい。何やってるんだ俺・・・・・

 

というわけで、どうしようにもできない状況になってしまったのでここにいる全員にアリアの事を話した。

 

「にしてもアキさん、えらい早い退院でしたね」

 

「元々対した怪我じゃなかったわよ」

 

「アキの心配よりも自分自身の心配をした方が良いんじゃないのか?」

 

「そうだよ!訳のわからない敵と共闘するなんておかしいよ!」

 

「あ〜・・・・・・・」

 

「・・・・その顔、もしかして、もう・・・・した?」

 

「・・・・・はい」

 

「「「「バッカじゃないの!?!?」」」」

 

「うるせぇ!!!こっちだって言うこと聞かないといけない事情があったんじゃ!!!」

 

龍亞に共闘なんかするなと言われて苦い顔をしていたら、奏に勘付かれてしまい素直に「はい」と答えたらレミ達に罵倒された。確かに世間一般的にはバカなんだろうけど、こっちだって世間にバレたらいけない秘密を握られちゃ言うこと気かざろうえんのだよ!!

 

「で!?いつ!?いつやったの!?」

 

「何で龍可がそんなに食いつくんだ!?え、えっと・・・冬休みの時」

 

「・・・・あっ!!じゃあ冬休みずっと精霊世界にいたのは!?」

 

「あれのせいです・・・・」

 

「あんた、2週間近くも犯罪をしていたの!?」

 

否定できないのが辛いよな・・・・(汗)。

 

「遊輝!!2週間もその女の人と生活をしていたの!?」

 

「・・・・・うん」

 

「何!?何したの!?」

 

「だから何でそんなに聞くんだよ!?」

 

できればあの出来事は言いたくもないし、思い出したくもない!!あんな出来事は二度と繰り返したくない!!

 

「ま、まぁまぁ・・・す、すんでしまったことなんですから・・・(汗)」

 

「それで遊輝、そのアリアって奴とは何回かデュエルしているのか?」

 

「しょっちゅう・・・・とは言わないが、まぁ悪い事しようとしたら止めに入っている」

 

「成績は?」

 

「・・・・・・7連敗中で勝率2割切りそう・・・」

 

「・・・・・えっ?」

 

「ご、ごめん。もう一回言ってくれる?」

 

「・・・・現在7連敗中で通算勝率2割切りそう」

 

「「「「「「「負けすぎでしょ!?」」」」」」

 

「だああああ!!!うるせぇ!!!調整出来ん!!!」

 

こいつら、人が大一番の戦の前における最後の調整をやっているところで騒ぎすぎだ!!おかげで全然集中できない!!!

 

「皆、あまり遊輝の邪魔をしないでおこう」

 

「さすがにここまで責めたら可哀想よ」

 

その後もガヤガヤと煩く言ってくるが遊星さんとアキさんが止めてくれて何とか静かになってくれた、その時だ・・・・

 

・・・・ギュイン!!

 

「!!!」

 

「な、なにっ!?」

 

「空間が変わった!?」

 

「こ、ここ何処ですか!?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

突然、何かが避ける音が聞こえ一瞬にして俺たちは噴水広場から水色や緑色の真四角な空間に移動した。こんな事を出来るのは今現在の状況ではあいつだけだろう・・・そう結論づけた俺は前を見る。すると3mほど離れた所で小さな歪みが生まれ、その中からアリアが現れた。

 

「は〜い♪」

 

「は〜い、じゃねぇよ。何派手な事をしてるんだ」

 

「だってああしないと私目立っちゃうじゃない」

 

「目立つんだったらあんな所に呼ぶな」

 

「いいじゃな〜い、どうせ遊輝ちゃんの仲間が付いてくるのはわかっていたんだし」

 

「お前、それが分かってて昨日言ったのか?」

 

「さあね♪」

 

「・・・・・・あいつがアリア」

 

「なんて言うか・・・・・魔法使いって聞きましたけどそんな雰囲気がしませんね」

 

俺以外の全員がアリアを初めて見るため、半分以上興味津々の奴らがいる。事前に俺はアリアの事を「訳ありの魔法使い」と説明したので恐らく全員、奇抜な衣装をイメージしていたのか、少しイメージと違っていたらしい。今のアリアは普通の一般人となんら変わらない洋服を着ているからだ。

 

「さてと・・・・・それじゃ遊輝ちゃん、また私のお手伝い、してもらいましょうか」

 

「そんな事させないわよ!」

 

俺の前に龍可が出て、デュエルディスクを構える。

 

「・・・・・・誰?」

 

「私は龍可、シグナーの一人よ」

 

「シグナー・・・・龍可・・・・龍可?あぁ!!魔法少女遊輝ちゃんの彼女!!」

 

「ぶっ!?お、お前!?それは言うな!!」

 

「・・・・魔法少女遊輝ちゃん?」

 

「なんじゃそりゃ?」

 

龍可の名前を聞いたアリアが誰なのかを考えて結論を出した時、とんでもない事を口にした。

 

「いや〜、あの時は何やっても楽しかったよね!!」

 

「/////言うな!!!!あれは黒歴史中の黒歴史だ!!!」

 

あんな出来事、もう二度と思い出したくもないし繰り返したくもない!!!特に後半1週間!!!地獄でしかない!!!

 

「じゃあこのデュエルが終わったら魔法少女遊輝ちゃんと魔法少女アリアさんの2週間の冒険談を語ってあげるわ・・・・懐かしの衣装で♪」

 

「!?!?」

 

とんでもないことをアリアが小声で呟くように言ったが、俺には口元の動きでハッキリとわかった。こいつ、俺の黒歴史を掘り返そうとしている。

 

「(・・・・それだけは何としてでも阻止せれば!!)」

 

「・・・・君はイリアステルと敵対していると聞いた。一時休戦してこちらと手を組むという考えはないのか?」

 

俺が頭の中で何としてでもという考えが張り詰める中で遊星はアリアにそう投げかけた。

 

「手は組んでいるよ、遊輝ちゃんだけだけど。一時休戦はしないわね。こっちだってやらなきゃいけ・・・・!!!!」

 

「?どうした?」

 

「タイム!!!」

 

「はっ?」

 

俺の後ろを見ていたアリアが突然、何かを見つめているのかと思いきや、ダダダッと俺の横を通り越して走っていく。突然、意味不明な行動を取ったので何事かと後ろを振り向くと、アリアが茜の両手を手にとって握手をしていた。

 

「あなた!!ファッションモデルの栗城茜でしょ!?」

 

「え?えぇ・・・そうだけど」

 

「やっぱりそうだ!!!私、あなたのお母さんのすみれさんのファンなのよ!!」

 

「えっ!?」

 

「こんな所ですみれさんの子供に会えるなんて超ラッキー!!!!サイン頂戴!!!あっ!!あと、これにお母さんのサインももらってきて!!」

 

「えっ・・・は、はい・・・(汗)」

 

アリアの一方的な展開に茜はタジタジな状態、どこから出したのかサイン用紙2枚と黒のマジックを出してそれを茜に手渡しサインを書くようにお願いした。タジタジな茜は少し戸惑った様子でサインを書く。

 

「・・・・・・何だあいつ」

 

「なぁ遊輝・・・・あいつ、そんなにやばい奴なのか?」

 

「僕にもそんな風には思えませんね師匠」

 

「気持ちは分かる」

 

正直、ああやってはしゃいでいるあいつが世界の王になるとはとても思えない。

 

「いや〜!!ありがとう!!一生の宝にするから!!あっ、お母さんのサインは遊輝ちゃん経由でもらうから!!」

 

「う、うん・・・・(汗)」

 

茜からサインをもらったアリアはルンルン気分で自分のカバンに直して、スキップしながら元にいた場所に戻った。

 

「じゃあ・・・・遊輝ちゃん。デュエルに負けたらまたアリアさんの僕として働いてもらうからね」

 

「そんな事してられっか。俺だってやるべきと!!!」

 

ガシン!!!!バチッ!!!!

 

本気モードになったアリアに対し、俺がアリアに言い返している途中にアリアが俺に向かって何かを投げてきた。とっさのことで、俺は右手でそれを弾こうとしたが、投げつけられた物体は俺の腕に当たり、取り付けられたような感覚を覚えた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「アリアさんからのプレゼントよ。遊輝ちゃんが勝ったら外してあげる。アリアさんが勝ったらそのブレスレットは作動するわよ」

 

「・・・・・・・余計な事をしやがって」

 

アリアに投げつけられたもの・・・・・それは冬休みの時、俺がアリアに服従させられる要因となったあのブレスレットだ。アリアの右腕にもブレスレットがはめてあり、どうにもこうにも逃げられない状態になってしまった。

 

「ブ、ブレスレット?」

 

「アリアさんの魔法道具、私が着けているこのブレスレットに命令を吹き込むと遊輝ちゃんはその通り動くのよ」

 

「えっ!?」

 

「もっとも、今は稼働していないけど、ね」

 

そう言ってアリアは左腕を前に出してデュエルディスクを起動させた。それを見て、俺もデュエルディスクを起動させる。さっきまで調整していたデッキがオートシャッフルされる。

 

「ゆ、遊輝・・・・」

 

「心配するな。勝って全部無かったことにすればいい」

 

「・・・・・・うん」

 

心配してくる龍可を後ろにいる遊星達に返して、一歩前に出る。すでにアリアは臨戦態勢だ。

 

「行くわよ・・・」

 

「今日は勝ってお前の悪行止めてやる・・・」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 アリア LP 4000

 

「私の先行!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「WWーアイス・ベルを特殊召喚!」

 

「げっ!?」

 

WWーアイス・ベル 攻1000

 

アリアの横に冷たい風が吹いてアイス・ベルが姿をあらわす。

 

「(まっず!!先行1ターン目からあんなの出されたら勝負にならん!!)」

 

「アイス・ベルは自分フィールドにモンスターがいない場合、手札から特殊召喚でき、さらにデッキから《WW》モンスターを特殊召喚する!チューナーモンスター、WWーグラス・ベルを特殊召喚!」

WWーグラス・ベル 攻1500

 

アイス・ベルが手にしている杖を振ると、その横に光の粉が降り注いでグラス・ベルが現れた。

 

「その後、相手に500ポイントのダメージを与える!」

 

「さっむ〜〜!!!!」

 

遊輝 LP 4000→3500

 

「さらにグラス・ベルの効果発動!召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからグラス・ベル以外の《WW》モンスターを手札に加える!チューナーモンスター、WWースノウ・ベルを加えて、手札から特殊召喚!」

 

WWースノウ・ベル 攻100

 

「このカードは自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在して、風属性モンスターしかいない場合のみ手札から特殊召喚できる!」

 

「あ、あの・・・・あの人、最初にモンスターを特殊召喚しただけですよね?」

 

「手札1枚で3体のモンスターをフィールドに並べた・・・」

 

「Lv3のWWーアイス・ベルにLv4のWWーグラス・ベルをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「真冬の世界に輝く魔女が吹雪とともに舞い降りる。雪も氷も我が力で吹き荒らせ!シンクロ召喚!Lv7!WWーウィンター・ベル!」

 

WWーウィンター・ベル 攻2400

 

アイス・ベルとグラス・ベルがシンクロ召喚されウィンター・ベルが姿をあらわす。そしてシンクロ召喚されたウィンター・ベルは出てきたタイミングで俺に向かって冷たい強風を吹かす。

 

「WWーウィンター・ベルの効果発動!墓地の《WW》モンスター1体を選んで、そのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える!私はLv4のグラス・ベルを選択!」

 

「さっみぃ〜〜!!!!!」

 

遊輝 LP 3500→2700

 

「先行1ターン目で遊輝のライフを1000ポイント以上削ったか・・・」

 

「それにあいつはまだ通常召喚もしていない。あいつ、かなりやるぞ」

 

「Lv7のWWーウィンター・ベルにLv1のWWースノウ・ベルをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

「水晶の翼を持つ龍が邪悪な悪魔の心に神聖なる光を照らし出す!シンクロ召喚!Lv8!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000

 

ウィンター・ベルとスノウ・ベルが一つの一つの大きな光となる。その光が眩しく輝いて消えると、クリスタルが綺麗に輝いたクリスタルウィングが姿を現した。

 

「出たな害悪・・・・」

 

「何・・・・これ?」

 

「み、見た事ないモンスター・・・・」

 

「そりゃそうだ・・・・俺が使えないようにしているからだ・・・・」

 

「えっ?」

 

あんなモンスター、こんな世界で普及してしまったら色々と不味い、デュエル界においても設定的な意味でも。

 

「クリスタルウィングはな・・・・効果モンスターの効果を1度無効にするんだよ・・・」

 

「!?つ、強くない!?」

 

「だから不味いんだよ・・・・しかもスノウ・ベルを素材にしやがって・・・・」

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!デッキから暴走魔法陣を加えてそのまま発動!」

 

「ハッ!?ウッソだろ!?お前、何てガチデッキにぎってやがる!?」

 

こいつ、さらっと暴走魔法陣を使いやがった!!っていうことはあれか!?こいつのデッキは【WW召喚獣】か!?

 

「このカードの発動処理でデッキから召喚師アレイスターを加えて、そのまま召喚!」

 

召喚師アレイスター 攻1000

 

フィールドが暴走魔法陣となり、俺たちの真ん中に赤色の魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣からアレイスターのカードが出てきてアリアはすぐにアレイスターをフィールドに出した。

 

「召喚師アレイスターの効果発動!デッキから召喚魔術を加える!そして装備魔法、ワンダー・ワンドをアレイスターに装備!ワンダー・ワンドの効果発動!装備モンスターとこのカードを墓地に送ることで2枚ドロー!」

 

アリア 手札 4枚→6枚

 

「て、手札が減らない・・・・」

 

「そして魔法カード、召喚魔術を発動!このカードは手札のカードのみで融合するカードだけど、《召喚獣》融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する場合、その素材を自分フィールド、自分の墓地、相手の墓地のモンスターまで拡大できる!」

 

「相手の墓地のモンスターを融合素材にするだと!?インチキ効果もいい加減にしやがれ!!」

 

「ただし、フィールド・墓地のカードはゲームから除外されるけど。私は墓地の召喚師アレイスターと風属性のWWーアイス・ベルで融合!」

 

墓地にいたアレイスターとアイス・ベルがアリアの後ろに出てきた融合の渦に飲み込まれて、その渦が爆発する。

 

「融合召喚!Lv5!召喚獣ライディーン!!」

 

召喚獣ライディーン 守2400

 

その渦の中から鎧を着て中世の騎士のような格好をした人形のモンスターが現れる。右手には電気を帯びた剣を手にしている。

 

「めんどくせぇ・・・・」

 

「さらに墓地の召喚魔術の効果!除外されている召喚師アレイスターを選択、選択したモンスターを手札に加えて、このカードをデッキに戻す!」

 

「なっ!?それじゃぁ・・・」

 

「手札に戻ったアレイスターは召喚魔術をサーチ、融合をすればまた除外されたアレイスターを手札に戻して自身はデッキに戻る・・・」

 

「毎ターン融合召喚ができるわけね・・・」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000

召喚獣ライディーン 守2400

【魔法・罠ゾーン】

暴走召喚術 (フィールド魔法)

伏せカード 2枚

 

 

とことんめんどくさいな・・・・モンスター効果無効に月の書か・・・しかも手札潤沢だし・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

まぁ、こんな事になるだろうと予想しておいて、このカードを入れておいたんだけど・・・・

 

「速攻魔法、皆既日食の書!フィールド全てのモンスターを裏側守備表示にする!」

 

フィールドに現れた冊子に皆既日食の模様が描かれた一冊の書物。それが開かれて青く光ると、さっきまでフィールドにいたクリスタルウィングとライディーンは裏側守備表示状態となった。

 

「クッ・・・さすがに対策は練られているわね・・・」

 

「そりゃそうだ!こっちだってちっとは学ばないとな!召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「召喚僧サモンプリーストの効果発動!」

 

「その効果にチェーンして手札の増殖するGの効果発動!このターン、遊輝ちゃんが特殊召喚するたびに1枚ドローする!」

 

「チッ・・・・迂闊に動けないな・・・手札の魔法カードを1枚墓地に送り、デッキからチョコ・マジシャン・ガールを特殊召喚!」

 

チョコ・マジシャン・ガール 攻1600

 

フィールドに出てきたサモンプリーストが俺の手札の魔法カード1枚をコストにして、詠唱の呪文を唱える。詠唱の呪文が円形に描かれて、その魔法陣が光りチョコ・マジシャン・ガールが姿を表す。

 

「チョコ・マジシャン・ガールが特殊召喚されたので1枚ドロー!その特殊召喚成功時、リバースカードオープン!罠カード、アーティファクトの神智!」

 

「ハッ!?」

 

アーティファクトの神智!?まっず!?何一つ対策がねぇ!!ってかあいつ、《アーティファクト》も入れていたのか!?

 

「デッキから《アーティファクト》モンスター1体を特殊召喚する!現れろ!アーティファクトーデスサイズ!!」

 

アーティファクトーデスサイズ 攻2200

 

アリアが発動した罠カードから黒い大きな鎌が現れ、その鎌を長い髪をした少しよろけた様子の男の霊が持つ。そして、フィールドに現れたその大きな鎌は右から左に大きく振り抜く。すると、何処かで何かがスパンと切れたような音が聞こえた。

 

「アーティファクト・デスサイズの効果、このカードが相手ターンに特殊召喚した場合、このターン、お互いにエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない!」

 

「な、何だと!?」

 

「つまり遊輝っちはこのターン、エクシーズ召喚ができないの!?」

 

「な、何だあのカード・・・・・」

 

アーティファクトーデスサイズ・・・・・デュエルモンスターズ界において最も強い部類に入るメタカード・・・・エクストラデッキが必須となった現在の状況でこいつは絶大なる効果を持っている。

 

「(グッ・・・・プランが崩れたな・・・)チョコ・マジシャン・ガールの効果発動!手札のガガガマジシャンを捨てて1枚ドロー!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「じゃあエンドフェイズ時、皆既日食の効果で私の全てのモンスターは表側守備表示となるわよ。それで、2体のモンスターがリバースしたから2枚ドロー!」

 

アリア 手札 4枚→6枚

 

不味いな・・・・無理矢理突破する予定だったのに余計にチャンスを与えることになってしまった・・・・

 

遊輝 手札 2枚 LP 2700

【モンスターゾーン】

召喚僧サモンプリースト 守1600

チョコ・マジシャン・ガール 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 7枚

 

「まずはクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンと召喚獣ライディーンの表示形式を変更!」

 

アリアがデュエルディスクの2体のモンスターカードを横向きから縦向きに変え、それに合わせて皆既日食の書で無理矢理膝をついた2体のモンスターたちが立ち上がる。

 

「さらに手札のサンダー・ドラゴンの効果発動!手札のこのカードを捨てて、デッキからサンダー・ドラゴン2枚を手札に加える!」

 

不味いな・・・・・サンダー・ドラゴンも入っているのか・・・光属性が墓地に行った上で手札補充かよ・・・

 

「召喚師アレイスターを召喚!その効果で召喚魔術を手札に加えて、発動!フィールドのアレイスターと墓地のサンダー・ドラゴンをゲームから除外!融合召喚!Lv9!召喚獣メルカバー!」

 

召喚獣メルカバー 攻2500

 

再び発動した召喚魔術により、フィールドのアレイスターと墓地のサンダー・ドラゴンが融合の渦に巻き込まれて、代わりにライディーンと同じような鎧を身につけた戦士がチャリオットに乗ってフィールドに駆け抜けて来た。

 

「墓地の召喚魔術の効果!除外されているアレイスターを手札に戻して、墓地のこのカードをデッキに戻す!さあて・・・トドメと行くわよ。バトル!召喚獣ライディーンでサモンプリーストに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

ライディーンが電気を帯びた剣を振り抜きサモンプリーストを斬りつけようとしたが、サモンプリーストの目の前に攻撃の無力化の渦が現れて、ライディーンの攻撃を無効にした。

 

「そうこなくっちゃ。そう簡単に負けたらアリアさんの僕として困るよ。メイン2、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000

召喚獣ライディーン 攻2200

召喚獣メルカバー 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

暴走召喚術 (フィールド魔法)

伏せカード 2枚

 

 

「ゆ、遊輝さんが一方的に押されている・・・・」

 

「あのアリアって人・・・・・めちゃくちゃ強いじゃない」

 

いやまぁ・・・・デッキのポテンシャルがヤバすぎるくらい高いんだけど・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

しかもあいつの場のモンスターは全部こっちに干渉してくるし・・・・ドローさしてくれるかな・・・・

 

「魔法カード、強欲で貪欲な壺」

 

「・・・・・・それくらい通してあげるわ」

 

やっぱそうだろうな・・・致命的なところで止めた方がいいから。

 

「デッキトップ10枚を除外した後、2枚ドロー。さらに魔法カード、埋葬呪文の宝札。墓地の皆既日食の書、ガガガボルト、強欲で貪欲な壺を除外して2枚ドロー」

 

遊輝 手札 2枚→4枚→5枚

 

「もう1発、チョコ・マジシャン・ガールの効果。手札のガガガヘッドを捨てて1枚ドロー」

 

問題はここからだよな・・・モンスター効果を無効にできるカードがあればよかったんだが、そんな物入れてなかったし・・・とりあえずダイヤを墓地に送って、手札のガガガリベンジを使い、連続エクシーズを狙おう。

 

「アステル・ドローンを召喚」

 

アステル・ドローン 攻1600

 

「・・・・・通す」

 

ここで通すということはあの伏せカードは何もないのか?それだったらまだ可能性はある。

 

「Lv4のアステル・ドローンとチョコ・マジシャン・ガールでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鳥銃士カステル!」

 

鳥銃士カステル 攻2000

 

アステル・ドローンとチョコ・マジシャン・ガールがブラック・ホールに吸い込まれて、爆発が起き鳥銃士カステルが姿を表す。

 

「アステル・ドローンの効果を付属した超銃士カステルの効果発動!カードを1枚ドローする!」

 

「チェーンで召喚獣ライディーンの効果発動!鳥銃士カステルを裏側守備表示にする!」

 

ライディーンが手にしていた電気を帯びた剣が天高く突き上げ、その剣を振り下ろす。電気がエナジーとなり、衝撃波としてカステルに襲いかかり、カステルは裏側守備表示になった。

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「まず1体・・・・召喚僧サモンプリーストの効果発動!コストで魔法カードを1枚捨てる!」

 

「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!サモンプリーストの効果を無効にして破壊する!」

 

クリスタルウィングの翼が光輝いて、サモンプリーストを破壊した。

 

「クリスタルウィングはこの効果で破壊したモンスターの攻撃力分、エンドフェイズまでアップする!」

 

クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 攻3000→3800

 

「2体目・・・・速攻魔法、月の書!召喚獣メルカバーを裏側守備表示にする!」

 

「チッ・・・握っていたわけね」

 

月の書の発動が成功して、メルカバーは裏側守備表示になる。これで3体の突破ができた。あとはもう楽だ。手札のガガガリベンジとガガガゲットを使えば一層できる。

 

「装備魔法、ガガガリベンジ!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、虚無空間!」

 

「ハッ!?」

 

「このカードがフィールドにある限り、お互いに特殊召喚できない!」

 

俺がガガガリベンジを発動したことに対するチェーンとしてアリアが虚無空間を使い、フィールドに網目状の空間が表れる。特殊召喚できないガガガリベンジはそのまま墓地に行くことになった。

 

「んのやろう・・・・・」

 

「これが最後の切り札・・・・ちょっと違うわね。虚無空間を最後に使って正解だわ。おかげで遊輝ちゃんの手札をもぎ取れたし」

 

「・・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「エンドフェイズ、リバースカードオープン!速攻魔法、ツインツイスター!手札のサンダー・ドラゴンを捨てて、遊輝ちゃんの伏せカードと虚無空間を破壊する!」

 

アリアが手札のサンダー・ドラゴンをコストにツインツイスターを発動、俺の最後の伏せカードと虚無空間を破壊していった。

 

遊輝 手札 1枚 LP 2700

【モンスターゾーン】

裏側守備表示モンスター (超銃士カステル)

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「お、おい・・・遊輝・・・お前、このままじゃ・・」

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「召喚獣メルカバーを反転召喚!」

 

「遊輝!!!なんかあるの!?このままじゃ負けるわよ!!」

 

「・・・・・あるわけねぇだろ」

 

「バトル!!召喚獣ライディーンで裏側守備のカステルに攻撃!」

 

ライディーンが剣を構え、突進してきて裏側守備のカステルを破壊する。

 

「最後よ!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで遊輝ちゃんにダイレクトアタック!!烈風のクリスタロス・エッジ!!」

 

「遊輝!!!!!」

 

クリスタルウィングが翼を変形して、上に急上昇してそのまま俺に突進してきた。クリスタルウィングの攻撃を受けた俺は後ろに吹っ飛んで大の字に倒れた。

 

遊輝 LP 2700→0

 

 

WIN アリア LOS 遊輝




文「これが作者が組みたいって言っていた【AFWW召喚獣】ですね」

フラン「元ネタがあるとは聞いていたけど、回った時はあんな風になるんだね・・・まぁ分かっていたけど」

遊輝「勝てるか・・・・・あんなん・・・」

文「いや〜、凄いですね。1ターン目からクリスタルウィングとライディーンから並ぶんですから」

フラン「おまけに伏せカードはアーティファクトの神智ね・・・回った時は過ごそう」

文「それを防ぐためにサンダー・ドラゴン、ワンダー・ワンドを入れてメルカバーを出せるようにしているんですよね」

遊輝「なぁ・・・俺に対する慰めの言葉はないんですか・・・・」

文「・・・・可愛い姿を撮らせてくださいね」

フラン「・・・お兄様、フランにも可愛い魔法少女を見せて」

遊輝「お前らあああああ!!!!」

フラン「次回はまぁ・・・・ほとんど会話になるかな?」

文「そうでしょうね、この話が予想以上に長くなってしまいましたから。ですからまだタイトルは決まってません。それと、作者がこれから忙しくなるため、これから先投稿が不定期になります。いつもみたいなペースになるか、はたまた遅くなるかわかりません。ご了承ください」

フラン「それじゃまたね」


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第149話 魔法少女達の回想 〜後書き追加〜

今回はデュエルは無しなので最強カードの紹介は無しです。
デュエル後の会話でそこそこ長くなるって・・・切ってよかったかも・・・


遊輝 side

 

 

 

「遊輝!!!」

 

「大丈夫か!?」

 

デュエルに負けて豪快に吹っ飛ばされて大の字に倒れた。その様子を見て、龍可達は心配して俺のところに集まってきた。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「師匠!!師匠!!」

 

「遊輝!!しっかりしろ!!」

 

「・・・・・るか・・・」

 

「えっ!?何て!?」

 

「・・・・・勝てるかあああ!!!!!!」

 

「・・・・・・えっ?」

 

大の字に倒れて皆が俺を心配してきてくれたが、開口一番に俺はアリアに対して文句を言った。俺の言葉を聞いて皆、一歩ずつ引いた。

 

「【AFWW召喚獣】とかいうガチデッキに対策ちょっとしたぐらいじゃ勝てるわけねぇだろ!!」

 

「負けた遊輝ちゃんが悪い」

 

「そりゃお前は勝ったからだろ!!!」

 

「遊輝ちゃんだって本気でやればよかったじゃない」

 

「事情があるんだよ!事情が!」

 

「そんな事情なんて捨てたらいいじゃない」

 

「うるせぇ!!あ〜あ、ブラックホールとかライトニング・ボルテックスも入れるべきだった」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

「ん?お前らどうしたんだ?」

 

アリアに対して愚痴を言いまくるが全て論破されるのでもう諦める。そうしたら、後ろにいる全員から冷たい視線を受ける。

 

「・・・・ねぇ遊輝、本当に敵対しているの?」

「敵対しているに決まっているだろ」

 

「そう思わないけど・・・・・」

 

「なんていうか・・・・・お前ら仲良いんだな」

 

「同感だ。まるで幼地味みたいな関係だ」

 

「本当に・・・・・」

 

「それと遊輝、あんたデュエルバカね」

 

「ここにいる奴らに言われたくねぇよ!!!!」

 

俺はこの世界に転生してまだ2年だぞ!!十何年以上生きてきているお前達に言われる筋合いはない!!!

 

「ちきしょう・・・・・最近お前、マジで勝ちに来ている。ていうかデッキの提供元は誰なんだよ・・・・・いくら何でもカードプールが広すぎる・・・・」

 

「誰が教えるもんですか」

 

「あっかんべぇ」と言ってアリアは舌を出し、右手で目の下の皮膚を下げる。

 

「じゃあ約束通り・・・・・」

 

アリアが自身の右手にしてあったブレスレットを口に近づけて、何かしらの呪文っぽい言葉を言う。すると、俺の右手に嵌められたブレスレットの宝石部分が赤く光った。

 

「遊輝ちゃんはしばらく私の僕ね♪『アリアさんのところまで歩く』」

 

「チッ・・・・・・・」

 

アリアがブレスレットに命令を吹き込まれ、体が勝手に動き出す。地面に座っていたの体が立ち上がり、アリアのところに歩いていく。言うことが効かない身体に舌打ちをして頭を右手で描く。アリアのところに近づいたところでアリアが俺に抱きついてきた。

 

「はい捕まえた♪じゃあ手伝ってもらうわよ」

 

「・・・・・・へいへい」

 

「ま、待って!」

 

そのままアリアに連れて行かれそうになった時、龍可が大声で止めてきた。

 

「うん?何かしら?私は真っ当な条件を叩きつけてデュエルを挑んで勝ったのよ。止める理由はないはず」

 

「こ、今度は私がやるわよ!!」

 

アリアが振り返って龍可を追い払おうとしたけど、龍可がデュエルディスクにデッキをセットして起動させた。それに続くように龍亞やスバルもデュエルディスクを腕につけた。

 

「・・・・私は遊輝ちゃんとデュエルをするとは言ったけど、あなた達とやるつもりはないわ」

 

「だから私があなたに挑むのよ!!私が勝ったら遊輝を「やめとけ」・・・・えっ?」

 

「やめとけ、返り討ちにあうだけだ」

 

龍可や龍亞、スバル達がアリアに挑もうとしていた姿を見て、俺はデュエルをしないよう、止めた。

 

「な、何で・・・・・」

 

「あのなぁ・・・・何にも知らないカードを使ってくる相手にお前ら勝てるのか?しかも実力的にも負けている相手に」

 

「そんなの!!やってみないと「じゃあ龍亞、お前王虎 ワンフーを立てられたらどうすんだ?」!?」

 

「その横にライオウやら強者の苦痛とな並べられたらどうする?」

 

「そ、それは頑張って除去をすれば「それにカウンタカードとかあれば?」・・・・・・・」

 

「・・・・こいつはな、俺たちのデュエルを観察しているんだ。その上で俺たちに挑んでくる」

 

実際、負けた4割以上はメタビートにやられている。あいつらには悪いが、カードプールが違う上に対策デッキをアリアに握られてしまったら勝つ見込みはほぼない。勝てるとしたらアリアが事故した時だろうけど、こいつ今までそんな事一度も見たことがない。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「だからやめとけ。別にお前らがやる必要はないんだ。むしろそれで負けた時どうするんだ」

 

「それは・・・・その・・・・・」

 

「心配するな。別に一生じゃないんだ、しばらくしたら帰って来る」

 

「そうそう、ちょ〜〜〜〜との間、遊輝ちゃんを借りるだけだから。どうせWRGPは昨日の騒動でしばらく延期でしょ?」

 

「確かにそうだけど・・・・・」

 

昨日、ゴーストの反乱によりシティのコースや街は相当数の被害を受けたのでその修復作業でしばらくWRGPは無期限延期、これは昨日の夜に発表された。実際、噴水広場はコースから離れていたから大した被害はなかったが、シティ中心部では一部壊滅的なところも出てしまっているほどだ。

 

「じゃあ心配ないでしょ。私もそんな時間をかけてやる大作業じゃないし」

 

「で、でも・・・・」

 

龍可の話も聞かず、アリアは皆とは反対側に向いて左手をかざし、謎の空間を作る。

 

「じゃあね。今度会う時は最低でも1週間後ね」

 

「あの・・・・ちょっと空気読まないこと言って悪いんだけど・・・・」

 

「うん?」 「えっ?」

 

色々と言いたいことを言い終えてアリアが俺を捕まえたまま精霊世界に行こうとした時、アキさんがすごい申し訳ないように言ってきた。

 

「その、気になっていたんだけど・・・・魔法少女遊輝ちゃんって何?」

 

「!?!?」

 

「あぁ、そういえばそんな事言っていたな・・・・」

 

「ああ!!そうだそうだ!!アリアさんが勝ったら皆にあの事言わなきゃいけなかったんだ!!」

 

「/////やめろ!!!あの時の話はやめろ!!!黒歴史だ!!!」

 

「何言ってるのよ、いいじゃない。じゃあちょっと待って、着替えてくる♪」

 

「き、着替え?」

 

「さあ魔法少女遊輝ちゃん!!アリアさんの新作衣装を着てもらうわよ!!」

 

「////嫌だ!!!絶対に嫌だ!!!誰が着る『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんの衣装ルームに入る』ちょっ!?」

 

「さぁ魔法少女遊輝ちゃん!!アリアさんが今作った衣装ルームに入ってもらうわよ!!」

 

「////嫌だ!!!絶対に嫌だ!!!ってかその変な空間から変な気を感じる!!」

 

「は〜い♪1名様ごあんな〜い」

 

「////うわあああああ!!!!!!」

 

アリアは精霊世界へ繋がる空間を閉じて、別の空間を作り上げた。抵抗する俺にアリアは強引にその空間に押仕込んで、俺を中に閉じ込めさせた。

 

「じゃあ皆さん、5分ほどお待ちくださ〜い♪」

 

「あっ、はい・・・・・」

 

「・・・・中に入った」

 

「・・・・・あの人、とても悪そうな事をしそうにはおもえないですね」

 

「ああ、うん・・・・そうだな」

 

「何というか・・・・親しみを持ちやすいタイプね」

 

 

〜〜(5分後)〜〜

 

 

「お待たせしました〜〜〜!!魔法少女遊輝ちゃん、C'mon〜〜」

 

「////////う、うう・・・・・・・」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」

 

アリアに謎の空間に叩き込まれ、その中で見えない何かとアリアによる命令のせいで強制的に着替えられてしまい、またしても変な魔法少女の服を着せられる羽目になった(snow miku 2014年度モデル アリアはそのまま、遊輝ちゃんは青を赤に変化)。

 

「・・・・・恭輔、不覚にも可愛いと思ってしまった俺は死亡末期かな?」

 

「大丈夫です龍亞さん。僕も一瞬、萌えてしまいました。あれはセコイです」

 

「あれは確かにズルいな、俺も可愛いと思ってしまった」

 

「これは・・・・違う意味で凄いな」

 

「遊輝の実力は聞いていたが、これは今までのアレとはちょっと世界が違うな、遊星」

 

「すまない遊輝、今回は俺もこっち側だ」

 

「/////お前らああああ!!!!!」

 

遊星を含めた男性陣は全員、俺の姿を見て最初顔を少し赤くして、素直に俺に萌えたと言ってきた。マジでやめて・・・・傷つく・・・・

 

「いや、これは・・・・・凄いわ」

 

「モデルとかそんなんじゃないわね・・・・本当の魔法少女っぽいから」

 

「そ、それより遊輝さん、何か小さくかんじるのですか・・・」

 

「/////ちっちゃくなってねぇよ!!!!!!」

 

「・・・・・ごめんね遊輝、聞いた私がバカだった」

 

「////いや、アキさん!!あなたも俺を見て若干見惚れてましたよね!!謝っている感じしませんよ!!」

 

「正直、想像を超えてたわ・・・・」

 

「何だろう・・・・縄とかで縛り付けてリンチしたい気分・・・・」

 

「わかるわ・・・・・あれは女の敵だわ・・・」

 

「////お前ら!!!!!」

 

レミや響は俺の姿を見て逆に恨みや嫉妬を強く感じる。あいつら、本気でやりそうだから怖いよ!!

 

「じゃあね・・・どっから話そうかな〜〜。こういう時は旅の出発から話すべきだよね〜〜♪」

 

【長くなるので4.5章の事をアリアが都合よく改編して喋っている話はカット。詳しくは4.5章を見てね】

 

〜〜(2時間後)〜〜

 

 

「・・・・・でねでね〜〜、その時の魔法少女遊輝ちゃんの可愛いこと!!こんなにちっちゃくなって、『私は魔法少女遊輝ちゃんです♪』って」

 

「/////////う、ううぅ・・・・・・・・・・」

 

「「「「・・・・・・・・・・・」」」」

 

「・・・・・・・・(ニコニコ♪)」

 

アリアがベラベラと冬休みの事を喋り続ける事・・・・・・もう時間感覚分からないや。すでに男性陣全員と茜やアキさんはグッタリとしている。とにかく、自分に都合の良い方向に話を盛っているので非常に困っている。

一方、龍可は最初の方は普通だったのに、段々と覇王モードへと変わっていき、凄い笑顔で俺を睨みつけている。逃げ出したいし、アリアも止めたいのだがアリアが一方的に俺を抱きしめているため、動くことができない。

 

「でねでね!!魔法少女遊輝ちゃんって抱いてみたら凄い抱き心地が良かったのよ!!まるで人形を抱いているみたいだった!!」

 

「・・・・ご、ごめん、ちょっと休憩が欲しいのだけど」

 

「えっ?まだまだ語り続けられるよ。遊輝ちゃんってシグナーの能力だけじゃなくて何と何と!!空も「//////わああああああ!!!!!それだけは絶対にダメ!!!」ええ、良いじゃない」

 

「/////それだけは絶対にダメ!!!本当にダメ!!!こいつらにも秘密にしている事だから!!!」

 

「・・・・・まだ隠し事があるの?(ニコニコ♪)」

 

「/////ヒッ・・・・・」

 

「(・・・・・心なしか、遊輝がどんどん小さくなっていくわね)」

 

「(そりゃそうでしょうね・・・・何恋人みたいな生活を送っているのやら)」

 

「(遊輝が口を閉ざす理由も分かるわね)」

 

「まぁそれら置いておくか。あっ、そうそう。魔法少女遊輝ちゃんって意外とドジな一面もあるんだね。この時もさ〜、早く終わらせなきゃいけないのに」

 

 

〜〜(さらに2時間後)〜〜

 

 

「・・・・・以上だよ♪」

 

「・・・・長い・・・・」

 

「おえっ・・・・ちょっと気分が・・・・・」

 

アリアの長い長い誇張話が終わり、全員がグッタリしている。正直、俺もグッタリした。しかし・・・・・

 

「・・・・・・どういう事かしら?遊輝(ニコニコ♪)」

 

「え、えっと・・・・そ、その・・・・(汗)」

 

龍可は覇王モードマックスで俺に問い詰めてくる。俺は汗を流しながら何とか龍可の覇王モードを解く方法を考えている。

 

「まぁまぁ龍可ちゃん♪別にそんなに遊輝ちゃんに嫉妬しなくて良いじゃん♪別にアリアさんは遊輝ちゃんと結婚しようと思わないし」

 

「お、お前なぁ・・・・・(汗)」

 

一方でアリアは龍可の気迫も感じず、龍可の質問をサラ〜と流す。そして、龍可の頭に右の人差し指を龍可の額に突き出した。

 

「?何してるんだ?」

 

「ハイッ」

 

「・・・・・あれ?私何してたっけ?」

 

「エッ!?」

 

「一種の精神安定の・・・・・魔法というよりマジックね」

 

アリアが一つ声を掛けたら龍可は覇王モードから一瞬で普通の龍可に戻った。

 

「エッ!?エッ!?」

 

「遊輝?何慌てているの?」

 

「ほら♪アリアさんは一流の魔法使いだから♪」

 

いや、うん・・・・これに関しては凄いわ。人の精神をここまで変化させることなんてできるんだな・・・・

 

「さてと・・・・話も終わったし、気づいたらもう5時じゃない。そろそろ行かないと。ほら、遊輝ちゃんも立ちなさい」

 

アリアが時計を見て時間が経っていることに気づき、すぐに謎の空間を作る。俺はアリアに引っ張られ、その空間の前に移動させられる。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「じゃあ皆さん、ちょ〜〜との間、魔法少女遊輝ちゃんを借りるからね♪」

 

「ゆ、遊輝・・・・・・・・」

 

「・・・・・心配しなくても帰ってくるから」

 

「で、でも・・・・・・」

 

「う〜ん・・・・・・」

 

いくら言っても心配してくる龍可、その様子を見たアリアが次の瞬間、仰天発言をした。

 

「じゃあ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍可ちゃんも来る?」

 

「・・・・えっ?」

 

「・・・・ハッ?」

 

「ホイッ!」

 

ガシン!!!

 

「えっ・・・・え!?な、何これ!?」

 

「・・・・!?!?ア、アリア!!お前、龍可に何して『魔法少女龍可ちゃんはアリアさんのところまで歩く』お、おい待て!!」

 

「えっ!?な、何!?体が勝手に!?」

 

いきなり何を思ったのか、アリアが爆弾発言をした後、龍可に向かって何かを投げつける。龍可はとっさに身構えたがガチャッという音が聞こえ、龍可の右腕にピンク色の宝石が輝くブレスレットが付けられていた。アリアは自分のブレスレットに何かを吹き込み、龍可がぎこちない様子でこっちに歩いてきた。

 

「お、おいアリア!!!お前何してるんだ!?」

 

「えっ?だって龍可ちゃん、離れるのが嫌なんでしょ?私は遊輝ちゃんを助っ人として呼びたいし。じゃあ龍可ちゃんも私の助っ人にすれば良いじゃん♪」

 

「『良いじゃん』じゃねぇよ!!お前、俺以外は連れていかないって言っていただろ!?」

 

「そんな事一言も言ってないよ。私は遊輝ちゃんに助っ人を頼むとしか言ってないから」

 

「か、身体が!!止まらない!!」

 

「はい♪龍可ちゃんも捕まえた♪」

 

ぎこちない様子でゆっくりと歩いてきた龍可をアリアはしっかりと抱きしめて自分の配下である事をアピールする。

 

「ちょ!?る、龍可!?」

 

「せっかくだし魔法少女龍可ちゃんも魔法少女の衣装を着て一緒に手伝ってもらうからね♪まずは衣装のお披露目〜〜♪」

 

「えっ!?えっ!?」

 

「それじゃ、『魔法少女龍可ちゃんは衣装部屋で魔法少女の衣装に着替える』」

 

「えっ!?ま、また身体が勝手に!?」

 

「アリア!!!!」

 

「あんまりアリアさんの機嫌を悪くすると君達にお仕置きがあるわよ」

 

「お、お前!!」

 

「それじゃ龍可ちゃん、皆に可愛い龍可ちゃんをみせるんだよ♪」

 

「えっ!?えっ!?」

 

「あっ、そうそう。勝手な事をされたら困るから『魔法少女遊輝ちゃんは魔法少女龍可ちゃんが着替え終えるまで一歩も動けない』」

 

「て、テメェ!!!」

 

アリアが突発的に作った謎の空間に龍可は自分から入っていく。その中で時々龍可の悲鳴などが聞こえ、助けに行こうとするが身体が石のように動くことができない。

 

 

〜〜(5分後)〜〜

 

 

「そろそろかな〜♪魔法少女龍可ちゃん、C’mon」

 

「ちょ!?ちょっと!?キャア!!!」

 

「・・・・!?!?!?」

 

「る、龍亞さん!?」

 

「・・・・可愛い」

 

「龍亞さん!?しっかりしてください龍亞さん!」

 

「うわぁ・・・・遊輝と引けを取らないほど可愛いわね・・・・」

 

「/////み、見ないで・・・・・」

 

アリアの命令によって謎の空間から出てきた龍可は俺の服と色違いの服を着ていた。俺は白が基調でところどころ赤いところがあるが、龍可はその赤いところが全てピンクとなっている。

 

「/////な、何で・・私も・・・」

 

「ほ〜ら魔法少女龍可ちゃ〜ん、魔法少女遊輝ちゃんとお揃いの服だよ〜。彼女の魔法少女姿、可愛いでしょ〜〜?」

 

「////////・・・・・・・」

 

「/////ゆ、遊輝!!」

 

「Wow・・・見惚れている見惚れている」

 

「/////う、うん・・・まぁ、凄く可愛い。何だろう・・・・自分の妹とお揃いの服を着ている感じがする・・・・」

 

「///////は、はうぅ・・・・・」

 

「ヒュ〜ヒュ〜!!!さすが彼氏!!!じゃあ・・・・『魔法少女遊輝ちゃんと龍可ちゃんは手を繋ぐ』」

 

「/////えっ!?」

「////////ちょっ!?手、手が勝手に!!」

 

アリアが小声で何かを吹き込むと、俺と龍可の手が勝手に繋がれる。それを見て、アリアはさらに手錠を出して、俺の右手と龍可の左手に嵌めた。

 

「これでよし、じゃあ先に精霊世界に行ってもらうから」

 

「/////こ、これでよしってどういう事だよ!?」

 

「うるさいわね・・・さっさと行くわよ」

 

アリアが俺たちの目の前に謎の空間を作り出し、皆の方に顔を向けた。

 

「それじゃ皆さん、また会いましょうね〜〜」

 

俺と龍可の背中をドンと押して謎の空間に吸い込まれ、アリアも皆に挨拶をした後、空間に入った。




アリア「いや〜・・・・何だろうな、カップルというより仲の良い兄妹に見える」←本編と同じsnow miku2014の衣装

遊輝「/////う、うるせぇ!!」←上に同じく、青が赤色

龍可「/////わ、私・・・・こんな台本聞いてなかったのだけど・・・」上に同じく、青がピンク

アリア「そりゃ、龍可ちゃんの台本だけドッキリで違う台本にしていたから」

遊輝「/////ド、ドッキリって・・・・」

アリア「せっかく精霊世界に行くんだし、二人ともこき使ってアリアさんの超絶テクニクでさらに仲良くしてあげるわよ」

「「/////ヒッ・・・・・・」」

アリア「(・・・・これじゃ私、悪役で二人がヒロインみたいな感じね。設定上、そうなんだけど)えっとね、次回から私たち側ではなく、人間世界での閑話休題・・・・えぇ!私たちの話を書くんじゃないの!?」

龍可「/////さ、作者が『この系統の話は2回目だし、需要無いだろう』って・・・」

アリア「そんなの聞いて見なきゃわからないでしょ!あの作者を問い詰めてやる!」

遊輝「/////お、おいアリア・・・・」

龍可「/////え、えっと・・・・閑話休題、最初は響さんと奏さんの幼馴染のタッグのお話です。次回もよろしくお願いします」




〜〜〜〜〜〜


というわけで次回以降は遊輝たちではなく、人間世界に残った側を執筆する予定です。理由は遊輝たちのはつい最近、同じようなことをしたためです。
もし、遊輝たちの冒険を見たいという方は私の活動報告の方を見て、そこで意見を言ってください。お願いします。


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第150話 固い友情

【*活動報告で番外編に対するアンケートをしています。興味ある方は活動報告をご覧ください】


最強カードの紹介〜〜。

茜「・・・結局、前回と前々回は何だったの?」

アリアさん、皆の前で初登場の巻。

茜「ザックリしすぎて逆に分からないわよ!?」

アリアさんがどれだけ凄いか皆の前で披露したの巻。

茜「・・・・・もういいわ(汗)」

最強カードの紹介に行きましょう〜。

茜「今回は魔宮の賄賂、カウンター罠で魔法・罠の発動を無効にして破壊するカードね。効果発動後、相手に1枚ドローさせるのがネックだけど」

最近はモンスター効果が強い時代が続くけど、それでもパーミッションで組んでいるときは1枚ぐらい入れたいカードだよね。なかなか魔法・罠を無効にするカードってないから。

茜「第150話、デュエルスタート!」


奏 side

 

 

ピピーーー!!!

 

『試合終了!!34対21でデュエルアカデミア中等部の勝ち!!!』

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

「やった!!やった!!」

 

「さすが響!!」

 

ハンドボールの試合が終わり、響たちのチームは喜びをあげる。その様子を私は観客席から微笑みながら見ていた。

今日はハンドボールの合同練習試合、響は本来なら練習試合には参加しないのだけど私たちの部活が休みな事やハンドボール部の人数が少し足りなかったことも重なって特別に参加している。

 

「奏!!!やったぜ!!!」

 

「おめでとう!」

 

『これより休憩に入ります。午後の試合は1時半頃開始します。選手は各自、控え室で昼食・休憩を取ってください』

 

スポーツドリンクを飲み、観客席にいる私を見つけた響は私に向かってVサインをしてきた。アナウンスが会場全体に広がって、そのまま響は体育館裏に入ったので、私も体育館裏まで行き、響を探す。

 

「えっと・・・・控え室はここね」

 

ガチャン

 

「響〜〜」

 

「奏!!」

 

「はい、いつものカップケーキ」

 

「ありがとう!!やっぱり奏のカップケーキは一番だよ!」

 

響に持ってきたカップケーキの入った箱を渡す。それを受け取った響は皆のところへ持ち寄った。

 

「みんな〜!!奏からの差し入れ〜〜!!」

 

「わあ・・・・」

 

「ありがとうございます奏さん」

 

「どういたしまして」

 

響が箱を開けてカップケーキを一つとって口に入れて頬張る。皆もカップケーキを手にして食べていく。

 

「・・・・なんか懐かしいわね」

 

「えっ?何か言った?」

 

「うんうん、そんな事より皆午後も頑張ってね」

 

「まっかせて!!」

 

響が私の方に向いてガッツポーズをする。

結局、その日の試合は助っ人が入った響のチームが全試合全勝で練習試合は終わった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「相変わらずいつも通りね」

 

「へっへっ〜〜ん。私が入ったチームは絶対に勝たせないと!!それが助っ人の役割なんだから!!」

 

今日の練習試合が終わり、私たちは太陽が指す並木通りを歩いて行く。今は3月の中旬、桜の蕾が花開いて一部では咲いている。

 

「明日はどうするの?」

 

「明日は・・・・さすがに休みかな?しばらくは助っ人や部活の練習をしていたし、休んでデッキ調整しないと、奏は?」

 

「明日はお店の手伝いよ。本当なら遊輝が当番のはずなんだけどね」

 

「・・・・・・遊輝と龍可ちゃん、今頃どうしているかな?」

 

「あの人の理想はともかく、根は優しそうな人だからどうなるかね?」

 

「・・・・ねぇ奏、久しぶりにあそこ行ってみない?」

 

「あそこ?」

 

「ほら・・・・私たちが中等部入って初めてデュエルをした場所」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「うっわ〜〜・・・・・・また大きくなった?」

 

「あれから2年よね・・・・大きくなったと言ってもこの桜の木からしたらちっぽけなことかもね」

 

響に誘われて、私たちは並木通りを歩き、少し街から外れた大きな公園に入る。その公園の左側にある大きな桜の木を見つけ、響と二人で懐かしい思い出を感じ合う。

 

「あれからもう2年なのか・・・・あれだけ濃い日常を送っているからまだ2年って言い方が正しいのかな?」

 

「確かに。小等部の頃も3年から大分濃い日常を送ってきたつもりだけど、中等部になって特に遊輝が編入してきたあたりからもっと濃くなったかも。懐かしかったわね・・・・最近はこんな風に響の応援行く機会なんて無くなったし」

 

「そう言えばそうね・・・・小等部の頃はよく奏が応援しに来てくれたけど、中等部に入ってから最初は私のちょっとした勘違いで中違いになりそうなところをレミやスバルたちに助けられて、仲直りしてお互いに軽音部に入って、奏はお店の手伝いをし出したのもその時ね」

 

「そうね。部活やお店のおかげで響の応援に行く機会は無くなっちゃったから」

 

「そうよね・・・・その部活も懐かしいわね。この近くの大通りだったっけ?初めて3人でストリートライブを始めたのは?」

 

「そうそう・・・私がある程度ギターを弾けるようになってから突然始まって・・・しかも真冬の寒さ時期だったからギターを弾くのも大変だったよ」

 

「わかるわかる!私も自分でキーボードとかアンプを運んでいたし!あれ重かったんだよ!」

 

「私は基本フォークギターだけだから関係ないわ、フフッ」

 

「ああ!!笑った!!アンプの運ぶ辛さを知らないからそうやって笑えるんだよ!!」

 

「ごめんごめん。それが今では・・・・・3人で始めたバンドも6人になんか増えちゃって、さ」

 

「そうそう、最初のライブも真冬の寒い時期に路上でストリートミュージシャンの真似なんかしてやってたよね。誰も聞いてくれないのに」

 

「それが今じゃ、どこで間違えたのか大きなライブまでやることになったんだね・・・・」

 

「それと、並行してDホイールなんか乗ることになって・・・・しかも世界大会出場だよ?学校に通う中学生が?」

 

「おかしな話よね・・・・・でも、それがすっごく楽しい」

 

「そうね・・・・・何か、自分たちが知っている世界が広がった感じがする」

 

響が言った事に私はうなづいた。本当、遊輝がアカデミアに編入してから色々と変わったわね・・・・シークレットシグナー、海外公演、ライブ、そしてWRGP・・・とてもこの2年で消費したとは思えないくらい濃い日常を過ごしたんだね・・・

 

「何か・・・・あんなちっぽけな喧嘩、随分昔のような感じね・・・」

 

「そうだね・・・・・」

 

「・・・・ねぇ奏、ここでデュエルしない?」

 

「えっ?」

 

「ほら、あの時、ここでデュエルした時はお互い色んな事を言いまくって切羽詰まっていたけどさ、今だったら何か楽しめそうじゃん」

 

「・・・・・そうね、ちょっと気分転換にやってみましょうか」

 

気分転換にもなるため、私はカバンからデュエルディスクを飛び出して左腕につける。デッキをデッキケースから取り出して、デュエルディスクにセットする。すでに響は準備を終えている。

 

「それじゃ、やろうか!」

 

「えぇ」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

 

響 LP 4000 奏 LP 4000

 

 

「私が先行、ドロー!」

響 手札 6枚

 

「(・・・よし)魔法カード、氷結界の紋章!デッキから氷結界の破術師を加えて、氷結界の軍師を召喚!」

 

氷結界の軍師 攻1600

 

「軍師の効果発動!手札の氷結界の破術師を捨てて1枚ドロー!さらに装備魔法、ワンダー・ワンドを装備!その効果で装備モンスターをリリースして2枚ドロー!」

 

響 手札 4枚→6枚

 

「魔法カード、二重召喚(デュアル・サモン)!この効果でチューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

「また随分早くに動くわね!」

 

「パーミッション相手はとにかく早くに場を制圧しないと!デブリ・ドラゴンの召喚成功時、墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を効果を無効にして攻撃表示で特殊召喚する!氷結界の破術師を召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

 

「Lv3の氷結界の破術師にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

デブリ・ドラゴンの作った4つの緑色の光る輪に氷結界の破術師が入って3つの光となり、それらが一つの光となって上空にオーロラが現れる。

 

「アイス・スプラッシュ・ドラゴンのシンクロ召喚成功時、相手の手札をランダムに1枚墓地に送る!」

 

「ぐっ・・・」

 

アイス・スプラッシュが放った小さな氷の矢が私の1枚の手札を突き刺して後ろに吹っ飛ばした。

 

「そしてアイス・スプラッシュの効果発動!このターンの攻撃を放棄して、自分フィールドの水属性モンスター1体を選択!選択したモンスターのLv×200ポイントのダメージを与える!ウォーターフォール!!」

 

アイス・スプラッシュが自身の身体を大きく動かして、蛇のようにとぐろを巻くような体制になり上に向かって方向をあげる。すると、私の上空に分厚い雲が現れて、大量の雨が私に向かって降ってくる。

 

バシャーーーーン!!!!!!

 

奏 LP 4000→2600

 

「(ブルブル!!!)あいっかわらず量が多いわね!!あの頃と何ら変わりがないし!!」

 

「これ、あの時と同じような1ターン目の流れよね!!カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

響 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 5枚

 

「神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

『ふわぁ〜〜・・・何?今日は寝かせてくれるんじゃないの?』

 

デュエルディスクにアースのカードをセットしてアースは出てきたが、相変わらず眠そうな顔をして気怠そうな状態だ。

 

「こういう時こそシャキッとしてよね、アースの効果でデッキから創造の代行者 ヴィーナスを加える。さらにデッキの大天使クリスティアを除外して堕天使クリスティアを特殊召喚!」

 

「ゲッ!?」

 

堕天使クリスティア 攻2800

 

「堕天使クリスティアとかやめて!!勝ち目なくなる!!」

 

「私だって勝ちたいからね!バトル!堕天使クリスティアでアイス・スプラッシュ・ドラゴンを攻撃!」

 

堕天使クリスティア 攻2800

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

響 LP 4000→3700

 

「続いてアースの攻撃!そしてこの攻撃宣言時、手札の輝く聖皇 アリエースの侵略効果!!アースの攻撃を中断してアースをリリース!!このカードを特殊召喚!!」

 

輝く聖皇 アリエース 攻2400

 

攻撃をしようとしたアースが途中で消えてアリエースが姿を現わす。

 

「アリエースの効果でデッキからカウンター罠をサーチするわよ。私は神の宣告を選ぶわ」

 

「まためんどくさいカードを・・・・」

 

「攻撃続行!アリエースでダイレクトアタック!シャイニングデトネイター!!」

 

響 LP 3700→1300

 

「うわああ!!!!」

 

アリエースの直接攻撃を受けた響は豪快に後ろに飛んで行って倒れてしまった。

 

「・・・・あの時の喧嘩では奏にこんな吹き飛ばされることはなかったのにな」

 

「私だって成長しているわ」

 

「・・・・そうね、少なくともあの時よりははるかに強いわね、よっと!」

 

上半身を起こした響はそのまま器用にジャンプして立ち上がる。

 

「さぁ、まだまだデュエルは始まったばっかだよ!」

 

「えぇ、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、王宮のお触れ!」

 

「えっ!?」

 

ここでお触れ!?・・・・いや、逆の考え方をすれば響も罠は使わない!堕天使クリスティアがいる以上、このお触れはありがたいと考えるべきね!

 

 

奏 手札 2枚 LP 2600

【モンスターゾーン】

輝く聖皇 アリエース 攻2400

堕天使クリスティア 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

「・・・・やっぱり堕天使クリスティアは強いわね・・・・モンスターをセット、カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

響 手札 0枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

裏側守備表示モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

王宮のお触れ

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

・・・・サイクロン、問題はどこに使うか・・・・ここは万が一のことも考えて王宮のお触れを割っておきましょうか。

 

「速攻魔法、サイクロン!王宮のお触れを破壊する!」

 

フィールドにサイクロンが吹き荒れ、響の王宮のお触れを破壊した。

 

「グッ!?こんなに早くに破壊されるなんて!」

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「ヴィーナスの効果発動!ライフを1000ポイント払ってデッキから神聖なる球体(ホーリーシャインボール)を2体特殊召喚!」

 

奏 LP 2600→1600

神聖なる球体 守500

 

「バトル!アリエースで裏側守備表示モンスターを攻撃!シャイニングデトネイター!!」

 

アリエースが上空から受けた光を胸元で組んだ十字のポーズのところにエネルギーを貯めて、裏側守備モンスターを破壊した。

 

「破壊されたのは氷結界の番人 プリズド!戦闘で破壊された時、1枚ドローする!」

 

響 手札 0枚→1枚

 

「関係ないわ!堕天使クリスティアでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、聖なるバリアーミラーフォースー!」

 

「!?うそっ!?カウンター罠、神の宣告!ライフを半分払ってミラーフォースの効果を無効にする!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!魔宮の賄賂!神の宣告を無効にする!」

 

「グッ・・・・これ以上は無いわ。1枚ドロー!」

 

奏 LP 1600→800

奏 手札 0枚→1枚

 

カウンター合戦は響が制し、私が発動した神の宣告は魔宮の賄賂で無効にされ、私の場の全てのモンスターはミラーフォースによって破壊されてしまった。

 

「へへ〜〜ん、どうよ」

 

「やられたわね・・・何で王宮のお触れを入れておきながらミラーフォースなんて入れたのよ」

 

「王宮のお触れは元々1枚、今回はそれにプラスアルファのカードしか入れてないから!」

 

つまり1枚しかない王宮のお触れを引いて、私がそれを警戒してサイクロンを使ったというわけね・・・やっぱり伏せカードを破壊するべきだったわ。

 

「ターンエンド!」

 

奏 手札 2枚 LP 800

【モンスターゾーン】

神聖なる球体 守500 ×2

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 2枚

 

「・・・・・・・」

 

「どうしたの?手詰まり?」

 

「・・・・そうみたいね。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

響 手札 1枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「(本当に手詰まり?それとも攻撃を誘ってる?)私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

「奇跡の代行者 ジュピターを召喚!」

 

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

 

「バトル!ジュピターでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ガード・ブロック!」

 

響 手札 1枚→2枚

 

さすがに防御カードはあったのね・・・・まぁそうこないと楽しくないじゃない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 1枚 LP 800

【モンスターゾーン】

神聖なる球体 守500 ×2

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

「魔法カード、聖なる呪術の宝札!墓地の王宮のお触れ、ミラーフォース、ガード・ブロックの3枚を除外して2枚ドロー!」

 

響 手札 2枚→4枚

 

「リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!」

 

「させないわよ!カウンター罠、魔宮の賄賂!さっきのお返しよ!」

 

「でも魔宮の賄賂の効果で私は1枚ドロー!」

 

響 手札 4枚→5枚

 

「そしてこれが本当の切り札よ!魔法カード、死者蘇生!」

 

「うっそ!?」

 

「墓地からアイス・スプラッシュ・ドラゴンを特殊召喚!」

 

『・・・・ギャアアアアア!!!!!』

 

響が発動した死者蘇生により、響の前に穴が開いてアイス・スプラッシュ・ドラゴンが復活した。

 

「あの時の決着もアイス・スプラッシュの効果・・・・今回も決着はアイス・スプラッシュの効果よ!ウォーターフォール!!」

 

「そうね・・・・でも勝つのは私よ!!リバースカードオープン!!カウンター罠、地獄の扉越し銃!!」

 

「いっ!?そのカードは!?」

 

「相手が発動した効果ダメージは相手が受ける!」

 

アイス・スプラッシュが再び咆哮を上げて分厚い雨雲を作るが、それは地獄の扉越し銃により私の方には行かず、響の場にとどまり大雨が降った。

 

響 LP 1300→0

 

 

WIN 奏 LOS 響

 

 

 

 

「ブワッハアアアア!!!!!やられちゃった・・・・・」

 

びしょ濡れに濡れた響はそのまま大の字で倒れる。私はデュエルディスクを直して響のところまで行く。

 

「さすがに同じ手で何度もやられないわよ」

 

「かっこいいように言っても意味ないわよ〜。今まで何十回以上やられてきたじゃない」

 

「全く・・・おかげで私もびしょ濡れよ」

 

「いつもの事だよ」

 

「それは酷いわね?」

 

「でも今回はお互いびしょ濡れだよ?」

 

「・・・・・ブッ」

 

「・・・アハハハ!!奏とはやっぱりこうでなくちゃ!!」

 

「そうね・・・・さぁ帰りましょう。まだまだ夜は冷え込む季節だし」

 

「そうね、帰ってシャワーでも浴びましょう、か!」

 

「よっと」と大きく声を出しながら響は上半身を起こす。私は右手を差し出して、響はその手を持ち私は強く引っ張って響は立ち上がる。お互いに手を繋いで、夕日が指す道を帰って行く。




レミリア「・・・・毎回びしょ濡れ?」

奏「毎回びしょ濡れ」

咲夜「洗濯物が増えて大変でございます」

響「私は楽しいからいいけどね〜」

奏「それは響は毎回相手を濡らす側でしょ・・・制服なんか困るのよ、おかげで制服の予備を私たちのメンバー買う羽目になったんだし」

響「ごめんごめん」

レミリア「謝っている感じがしないわね」

咲夜「次回も閑話休題、今度はレミさんと茜さんのコンビの話です」

響「次回もよろしく〜」


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第151話 邪念の王

【読者様のご要望にお応え、第149話以降の魔法少女3人組の精霊世界での活躍を番外編として投稿しました。良ければ見てください。ただし、R-18なので18歳以下の人はダメです】



最強カードの紹介〜。

龍亞「・・・俺?茜さんの次って遊輝だろ?」

いや、今番外編の方にいるからさ・・・あっちでは遊輝と龍可とアリアの3人でやっているし。

龍亞「そういえばそうだった・・・俺、一人で生活していた」

おいこら、気づけよ。

龍亞「一人って大変だね。何から何まで自分でやらなくちゃいけなくてさ」

そりゃそうだ。

龍亞「今頃2人とも何してるかな〜、絶対にこき使われていると思うけど」

最強カードの紹介に行こう。今回はヴェルズ・オピオン。

龍亞「これまた紹介してそうなカードだけど、実はまだ紹介してなかったんだよね。★4の《ヴェルズ》専用エクシーズモンスターで茜さんのエースモンスターだ!」

効果はエクシーズ素材を1つ取り除くことでデッキから《侵略の》とついた魔法・罠をデッキから手札に加えられる。大体は反発感染か侵食感染だね。

龍亞「そしてこのカードが強いと言われる象徴、このカードにエクシーズ素材がある限りお互いにLv5以上のモンスターは特殊召喚できない。俺も何回この効果に苦しめられたか・・・」

これが出た当時、まだシンクロが流行っていた時期でこのカードの登場は凄いインパクトだったんだけど、同時期に《インゼクター》が出ちゃったからね・・・・

龍亞「第151話、デュエルスタート!」


茜 side

 

 

〜〜♪♪♪♪

 

「・・・・このギターいいね。欲しいよ」

 

「お父さんの会社の最新型モデルなんだけど・・・」

 

「レスポールタイプのモデルなんでしょ?よくこんなに鋭い音をだせるわね」

 

「そうでしょ?私も不思議で仕方ないのよ」

 

ここはレミっちのお父さんが勤めている楽器の会社。レミっちのお父さんの会社は基本、他社から楽器を仕入れてそれを売るという会社。自社生産もあるけど、あまり作らない。なんだけど、ここ最近は自社生産にも力を入れているらしい。話を聞いた限り、私たち、SECRETの影響がかなり大きい。まぁ基本、私たちが使っているのはレミっちから譲り受けたり、安くしてもらったりした物が多いからね。

 

「これ、幾らするの?」

 

「18万」

 

「・・・・・高すぎるよ」

 

「それ以上は下げられないって」

 

「18万か・・・・買えない値段ではないけどまだ愛用のギターがバリバリだし、ついこの前も1本買っちゃったからな・・・・」

 

そう言って私はレミっちに新作のギターを返した。確かにモデルとして働いている私にとって18万は買えない値段ではないけど、無駄遣いは良くないからね・・・・ギターを返した後、私たちはそのフロアを出て、エレベーターに乗る。

 

「今回は試しに弾いてもらっただけだから、やっぱり私よりもギター専属の人に弾いてもらった人の方がいいから」

 

「それだったら奏っちとか遊輝っちに」

 

「奏はしばらくお店の手伝いで来れないし、遊輝は遊輝で・・・・」

 

「・・・・そうだったね」

 

遊輝っちは龍可っちと一緒に謎の女性に連れられて精霊世界に拉致されたんだったね・・・今日は3月中旬だからもうすぐ2週間近く経つのにまだ帰ってこないわね。

 

「あの二人、今頃大変なことをしでかしているんだろうな・・・・」

 

「精霊世界とは言え、犯罪はやりたくないよ」

 

「でも私たちじゃ太刀打ち出来るような相手じゃなかったしね・・・」

 

「・・・・・もっと強くならないといけないな〜」

 

「そこはまぁ・・・・気長にやって行こうよ。見たことないカードの差は埋められないけど、プレイングなら私だって努力すればいけるんだし。とりあえず今日はもう帰る?」

 

「あっ、え〜と・・・・・そうだね。もう帰ろうか」

 

今日のやる事はレミッちにお願いされた新作ギターの試し弾きだけだったから、もうやる事が終わっちゃったわね・・・・これの関係で今日の仕事は全部休ませてもらったし・・・

 

「帰るんだったら次いでだからパック買いに行こうよ。今日発売の新作パックがあるし」

 

「えっ?・・・・そう言えば今日だったわね」

 

「ついでに私、欲しいカード2枚買いたいから」

 

「?何?」

 

「後のお楽しみに、じゃあ行こう!」

 

「ま、待ってレミッち!」

 

先にレミッちがエレベーターから降りるので、私も慌ててその後を追いかける。

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「良かった良かった!!まだ特価セールで売れ残ってて!!」

 

「そのカードってエラッタされた奴だよね?」

 

「そうそう、竜の渓谷が帰ってこない以上、これに頼るしかなくてさ。でも良かった〜、お金貯めていて正解だったわ」

 

カードショップについて、私は新作のパックを10パック、レミっちは15パックと欲しかったと言っていたカードを2枚買った。

 

「よくそんな高いカード買ったわね・・・」

 

「このカードを使うとなるとどうしてもこれが必要でさ・・・」

 

「そうだとしてもだよ、それ、再販されたとはいえめちゃくちゃ高いカードじゃない」

 

「私だって一応、働いているからね。そこのフリースペースで調整したいからちょっと手伝ってくれる」

 

「OK」

 

このお店のフリースペースが空いていたので、私とレミっちは端のテーブルに座りレミっちのデッキの調整に入る。

 

「このカード入れるんだったらやっぱりこのカード入れたいよね」

 

「そうね。となると遊輝が使っているあのエクシーズモンスターが欲しいわ」

 

「あ〜、確かに《ドラグニティ》と相性いいわね。あれ入れたらすごい事になりそう」

 

「でもエクシーズモンスターは高いし・・・遊輝にお願いしてもくれないし・・・」

 

「そう言えばあのカードってこのパックに入っているわよ」

 

「えっ?私、収録リストを見ていないから知らないわよ」

 

「レミっち、収録リストは見ておこうよ。えっと・・・・これだね」

 

ポケットから携帯を取り出して、今回のパックの収録リストを検索、出てきたページをクリックしてサイトを見ると今回のパックの収録リストが出てきた。わたしは画面をスライドさせて、1枚のカードを指差す。

 

「ほらっ」

 

「あっ、本当だ・・・・これは是非とも当てたいわね」

 

「じゃあ、もう開ける?」

 

「・・・・そうね、開けましょう」

 

レミっち目当てのエクシーズモンスターを当てるため、私たちはさっき買ったパックを1パックずつ開けていく。やっぱりパックは良いよね。宝探しみたいな感覚がしてすごく楽しいよ。え〜と・・・外れ。

 

「う〜ん・・・・なかなか当たらないわね」

 

「こういう時こそスバルっちの出番だよ」

 

「分かるわ・・・・スバルも連れてくるべきだった」

 

スバルっちの引きの良さは以上、それはパックでも。他人が欲しいと言ったカードを平気で当ててしまう。あの引き運、本当に欲しい。

 

「・・・・だ〜め、こっちは当たらなかったわ」

 

「残りはこの5パックか・・・・・」

 

そう言って、レミっちは残りのパックも開封していく。しかし、なかなかお目当てのカードは当たらず、とうとう最後のパックになってしまった。

 

「これが最後・・・・入ってますように・・・」

 

「そんなお祈りしたところで中身はもう確定しているんだ「当たった!!!!!」えっ!?」

 

「お客さん!!」

 

中身は確定しているんだからどうしようにも無いよ・・・そう言おうとした時、レミっちが大声で叫んだ。店の店主に怒られたけど、そんな事を気にせずにレミっちは私に1枚のカードを見せてきた。

 

「ほら!!見て!!目当てのエクシーズモンスターが当たった!!」

 

「うそ・・・・本当に当てたよ・・・・」

 

「やった!!これで私のデッキは大幅に強化できる!!早速改造しよう!!」

 

「す、凄いわね・・・・」

 

そのカードは縁が黒いカード・・・・エクシーズモンスターだった。いや、まさか本当に当てるとは思わなかった。最近、エクシーズモンスターの当たる確率が高くなったって聞いていたけど、本当みたいね。

 

目当てのカードを当てたレミっちはエクストラデッキにそのカードを入れて、メインデッキの改造を再び始めた。

 

「そうね・・・せっかくだしこのカードを出しやすいようにしたいけど、それだとデッキが重くなっちゃうし・・・・」

 

「それを出しやすくするというより、それが出たら超展開出来るって方がいいじゃないの?」

 

「そうね・・・・遊輝のデッキと違うし、そっちの方がいいかな?じゃあ茜、ちょっと試しで回したいからデュエルしようよ」

 

「良いわよ。とりあえずお店から出よう」

 

レミっちにデュエルを申し込まれたので私は快く引き受ける。お店の外に出て、近くにあるフリーのデュエルスペースがひとつ空いていたのでそこに移動、デュエルディスクをセットする。

 

「いくわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

レミ LP 4000 茜 LP 4000

 

「先行は私がもらうわよ!私のターン!」

 

レミ 手札 6枚

 

「(・・・よし)魔法カード、テラ・フォーミング!デッキからフィールド魔法の竜の渓谷を加えて、そのまま発動!」

 

レミっちが発動した竜の渓谷により、フィールドは都会のビル街から夕日が指す大きな渓谷へと変わった。

 

「竜の渓谷の効果!手札のブランディストックを捨てて、《ドラグニティ》のサーチ効果を選択!この効果でファランクスを手札に加えて、魔法カード、調和の宝札!手札からファランクスを捨てて2枚ドロー!」

 

レミ 手札 3枚→5枚

 

「ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1700

 

「ドゥクスの効果!召喚時、墓地からLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターをこのカードに装備する!墓地からファランクスを装備!そしてファランクスの効果で自身を特殊召喚!」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

ドゥクスに装備したファランクスがすぐにドゥクスから離れてフィールドに現れる。いつも通り、無口で無表情のままだ。相変わらずレミっちの精霊は良く働くよね・・・奏っちの精霊とは大違い。

 

「Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を舞うさすらいの騎士が、楽園の未来に立ち向かう。竜の意志で羽ばたけ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーガジャルグ!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

 

夕日が指す方向から反対側に向かって強風が吹いて、その風に乗ってガジャルグが姿を表す。

 

「ガジャルグの効果発動!デッキからLv4以下のドラゴン族または鳥獣族1枚を手札に加えて、手札からドラゴン族か鳥獣族を墓地に送る!私はデッキから2枚目のドゥクスを手札に加えて、アキュリスを捨てる!そして永続魔法、未来融合〜フューチャー・フュージョン〜を発動!」

 

「えっ!?もう持っていたの!?」

 

「このカードの発動後、1回目の自分のスタンバイフェイズにエクストラデッキの融合モンスター1体を選択して、その素材となるモンスターをデッキから墓地に送る!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷 (フィールド)

未来融合〜フューチャー・フュージョン〜

伏せカード 2枚

 

 

最悪!!私の手札に今、未来融合を除去できるカードが1枚も無いよ!

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 6枚

 

「魔法カード、闇の誘惑!デッキからカードを2枚ドロー!その後、闇属性モンスターのヴェルズ・サンダーバードをゲームから除外する!」

 

・・・・レスキューラビット!これで・・・・いや、ちょっと考えないと・・・

 

「(レミっちは私の切り札がオピオンだということは知っている。レミっちとしてはオピオンを出させたくないはず。となると迂闊にレスキューラビットを出すことはできない・・・)」

 

「どうしたの?来なさいよ!」

 

「(・・・・ここはオピオンを出さないで守りを固めよう!)ヴェルズ・カストルを召喚!」

 

ヴェルズ・カストル 攻1750

 

「ヴェルズ・カストルの効果発動!《ヴェルズ》と名のついたモンスターの召喚権をもう一度増やす!」

 

「(・・・伏せカードに奈落の落とし穴があるけど、ここで使わずにオピオンの時がいいわね)いいわよ」

 

「ヴェルズ・カイトスを召喚!」

 

ヴェルズ・カイトス 攻1750

 

「(カイトス・・・なるほど、除去しに来たわけね。それならそれでオピオンを出されずに)「バトル!!」・・・・ハッ!?」

 

「ヴェルズ・カストルでドラグニティナイトーガジャルグに攻撃!ダメージステップ時、速攻魔法、収縮!」

 

「!?ま、マズっ!?」

 

「ガジャルグの攻撃力を半分にする!」

 

ヴェルズ・カストル 攻1750

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻撃2400→1200

 

レミ LP 4000→3450

 

「ぐっ!?ガジャルグ!!!」

 

「続いてヴェルズ・カイトスでダイレクトアタック!」

 

レミ LP 3450→1700

 

「きゃああああ!!!!」

 

ヴェルズ・カイトスの攻撃を受けたレミっちは膝を折ってしまう。攻撃反応型が無いと睨んだけど、どうやら正解みたいね。

 

「Lv4のヴェルズ・カストルとヴェルズ・カイトスでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ヴェルズ・ナイトメア!!」

 

ヴェルズ・ナイトメア 守1950

 

カストルとカイトスの2体がブラックホールに吸い込まれていき、その中からヴェルズ・ナイトメアが現れて、膝をつく。

 

「(!?うそっ!?オピオンじゃなくてそっち!?奈落が効かないじゃ無い!!)」

 

「そんな見え見えの罠を張っても私は引っかからないわよ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「ぐっ・・・ならそのエンドフェイズ時、速攻魔法、サイクロン!その伏せカードを破壊する!」

 

くっ・・・・次元幽閉が・・・・

 

 

茜 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・ナイトメア 守1950

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 2枚

 

「このスタンバイフェイズ時、永続魔法、未来融合〜フューチャー・フュージョン〜の効果発動!私はF・G・O(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)を選択!その融合素材となるドラゴン族5体のモンスターをデッキから墓地に送る!」

 

墓地に送ったカード

・ドラグニティアームズーレヴァティン

・ドラグニティアームズーレヴァティン

・ドラグニティーファランクス

・ドラグニティーアキュリス

・レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン

 

凄いカードばかり落としたわね・・・ダークネスメタルドラゴンとか凄い怪しいよ。

 

「(確かヴェルズ・ナイトメアは特殊召喚したモンスターを裏側守備表示にする。そうなると先に除去を優先しないと・・・・)魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

レミ 手札 1枚→4枚 茜 手札 3枚→6枚

 

「さらにフィールド魔法、竜の渓谷の効果!手札のカードを捨てて、《ドラグニティ》をサーチする効果を選択!デッキからレギオンを加えてそのまま召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

「レギオンの効果!墓地からファランクスを装備!そして第二の効果!装備したファランクスを墓地に送ってヴェルズ・ナイトメアを破壊!」

 

レギオンに装備されてファランクスはすぐにレギオンの命によって攻撃の矢となり、ヴェルズ・ナイトメアに特攻、そのまま一緒に破壊された。

 

「これでバトル!レギオンでダイレクトアタック!」

 

ガラ空きとなった私の場にレギオンは低く飛行して私に体当たりしてきた。

 

茜 LP 4000→2800

 

「ぐぅ!!」

 

「カードをもう1枚伏せてターンエンド!」

 

 

レミ 手札 2枚 LP 1700

【モンスターゾーン】

ドラグニティーレギオン 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷 (フィールド)

未来融合〜フューチャー・フュージョン〜

伏せカード 2枚

 

 

「やってくれるじゃない・・・私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 7枚

 

レミっちが発動した壺の中の魔術書のおかげで手札は充分、まずは伏せカードを破壊しにいこう。

 

「速攻魔法、サイクロン!1ターン前から伏せられている左側のカードを破壊する!」

 

フィールドに吹いたサイクロンによってレミっちの伏せカードを1枚破壊した。・・・・なるほど、奈落の落とし穴ね。ラビットを使わなくて良かったわ。

 

「レスキューラビットを召喚!」

レスキューラビット 攻300

 

「!?ヤバイ!」

 

「レスキューラビットの効果発動!フィールドのこのカードを除外してLv4以下の同名通常モンスター2体を特殊召喚する!ヴェルズ・ヘリオロープを特殊召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950 ×2

 

「(ここはエクシーズせずにこの2体で攻撃しよう)バトル!ヴェルズ・ヘリオロープ1体目でドラグニティ・レギオンに攻撃!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

レミ LP 1700→950

 

「ぐっ!!レギオン!!」

 

「さらに2体目のヴェルズ・ヘリオロープでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、次元幽閉!」

 

2体目のヴェルズ・ヘリオロープの直接攻撃はレミっちが発動した次元幽閉に吸い込まれていき、ゲームから取り除かれた。

 

「これでオピオンは出せないわよ。レスキューラビットの効果でこのターンに破壊されるわよ」

 

「もちろん知ってるわよ。所有者の私がそのケアをしていないと思う?メイン2に入って

、カードを1枚捨て、装備魔法、D・D・Rを発動!除外されたヴェルズ・ヘリオロープ特殊召喚!」

 

「えっ!?」

 

「Lv4のヴェルズ・ヘリオロープ2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!邪念の王!ヴェルズ・オピオン!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

 

ブラックホールに吸い込まれた2体のヴェルズ・ヘリオロープに変わって出てきたヴェルズ・オピオン、私はすぐにオーバーレイ・ユニットを一つ墓地に送った。

 

「ヴェルズ・オピオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてデッキから《侵略の》と名のついた魔法・罠を1枚手札に加える!私は侵略の反発感染を手札に加え、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

茜 手札 2枚 LP 2800

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「せっかく前のターンにオピオンを倒せたと思ったのに・・・私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

「スタンバイフェイズ、未来融合が発動してしてから2ターン目、F・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)を特殊召喚したいけと・・・」

 

「ヴェルズ・オピオンが存在する限り、お互いにLv5以上のモンスターは特殊召喚できない!Lv12のF・G・Dも例外じゃない!」

 

これでレミっちの場の未来融合は何の意味もないカードとなった。

 

「(確かにオピオンはキツイけど、私の手札には死者蘇生、さらにフィールドには竜の渓谷がある。これならまだオピオンを突破できる)フィールド魔法、竜の渓谷の効果発動!手札のカードを1枚捨てて、《ドラグニティ》をサーチする効果を選択!私は2枚目のレギオンを加えて召喚!効果発動!」

 

「させないわよ!リバースカードオープン!罠カード、ブレイクスルー・スキル!レギオンの効果を無効にする!」

 

「げっ!?」

 

レギオンが墓地のモンスターを装備しようとしたところで私はブレイクスルー・スキルを発動、ブレイクスルー・スキルのカードから手が飛び出してレギオンを捉えて行動を束縛した。

 

「(これじゃ手札の死者蘇生もミスティルも特殊召喚出来ないじゃない!ドゥクスを捨てた意味がないよ!)・・・・ターンエンド」

 

レミ 手札 2枚 LP 950

【モンスターゾーン】

ドラグニティーレギオン 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷 (フィールド)

未来融合〜フューチャー・フュージョン〜

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 3枚

 

・・・あっ、良いカード引いた。

 

「ヴェルズ・ケルキオンを召喚!」

 

『ケケケケッ』

 

ヴェルズ・ケルキオン 攻1650

 

私の横隣に相棒のヴェルズ・ケルキオンが姿を表す。

 

「ヴェルズ・ケルキオンの効果発動!墓地の《ヴェルズ》モンスターを1体除外して、墓地の別の《ヴェルズ》モンスターを回収する!ヴェルズ・ヘリオロープを除外して、ヴェルズ・カストルを手札に!そしてケルキオンの効果で《ヴェルズ》モンスター1体を召喚できる!ヴェルズ・カストルを召喚!さらにヴェルズ・カストルの効果で手札のヴェルス・マンドラゴを召喚!」

 

ヴェルズ・マンドラゴ 攻1550

 

「・・・・ちょっと〜、オーバーキルだよ〜」

 

「バトル!ヴェルズ・カストルでドラグニティーレギオンを攻撃!」

 

ヴェルズ・カストル 攻1750

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

レミ LP 950→400

 

「ヴェルズ・オピオンでダイレクトアタック!コール・シャドー!」

 

レミ LP 400→0

 

 

WIN 茜 LOS レミ

 

 

 

 

 

「結局F・G・Oもあのエクシーズモンスターも出なかったね」

 

「『出なかったね』じゃなくて出させてくれなかったの間違いだよ!あれだけ特殊召喚メタされたら出せないよ!」

 

デュエルに勝利した私はウキウキ気分でレミっちのところに近づいた。負けたレミっちは両膝と両手を地面について暗い雰囲気を出している。

 

「あ〜あ、レギオンの効果を無効にされなかったら逆転勝利だったのに」

 

「残りの手札は?」

 

「死者蘇生とミスティル」

 

「・・・・・怖い手札しているわね(汗)」

 

ブレイクスルー・スキルが無かったら超展開されて逆転負けじゃない・・・・

 

「う〜ん・・・罠を少なくして除去カードをもう少し積んでみるか・・・」

 

「そうした方がいいじゃない?」

 

「家帰って調整してみるよ。今日はありがとうね」

 

「いいよいいよ。多分、明日から龍亞っち含めて大変になるし・・・・」

 

「・・・・そういえば明日から新作の服の撮影をやるとか言っていたわね」

 

ハァ〜・・・・仕事は楽しいけど、休日の次の日が仕事となると憂鬱になるわね・・・・




紫「確かにあの後恐ろしい展開をしていたわね」

藍「それほどなんですか?」

レミ「破壊が通ったら・・・・レダメとレヴァティンとミスティルとファランクス2体が並ぶから、そこからトライデントを出してミスティルとファランクスを破壊して、3000の3回攻撃+2800で11800」

茜「・・・・私、-9000のオーバーキルを喰らうところだったよ(汗)」

紫「それで、当てたって言っていたエクシーズモンスターは?」

レミ「秘密!使うときになったらまた教えるよ!と言ってもドラグニティを使ったことのある読者なら大体予想つくんじゃないのかな?」

藍「次回は・・・・実は作者が迷ってまして、スバルさんと祈さんの話を先に出すか、最後に書いたモデルの話を出すか、どちらかの閑話休題か悩んでいるようです」

紫「次回がどちらになるかはそれまでのお楽しみに、またね〜」


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第152話 水族館デート

最強カードの紹介〜。

遊星「・・・・龍可が不在だから俺を呼んだのは分かるが、最初に聞いた話の内容と全然違うが?」

いや〜・・・・その話、お蔵入りになってさ・・・・・新しいカードと読者様から頂いたカードを纏めて使おうと思ったら一方的なデュエルになっちゃって・・・・あんまり面白くないんだ。

遊星「確かに、それだったらボツにするくらいの方が良いかもな」

とりあえずお蔵入りっていうことで消去はしていないけどね。新しいカードの紹介は今回の話じゃなくても大丈夫だし、読者様から頂いたカードもこの回に使えば良いし。

もし、面白くなくてもボツの話を見たいという方は作者の活動報告で一言言ってくれたらありがたいです。

遊星「今回の話と言えば、これ、前にも同じよう事をしなかったか?」

あれはね、すぴばるのフリートークから生まれた番外編なんだよ。すぴばる限定でハーメルンだけを見ている人たちは知らないと思ってね。あの話を真面目な方向に持っていったんだ。

遊星「そうなのか」

(・・・・ルーミアかな?)最強カードの紹介に行こう。今回は魔封じの芳香。

遊星「ここ1、2年で急激に見られるようになった永続罠だな。このカードがある限り、お互いのプレイヤーは魔法カードを発動するためには罠カードのように1度セットして、次の自分のターンまで発動する事はできない」

これ以降にセットした速攻魔法も自分のターンが来なかったら、その間の相手のターンにも発動できないよ。また、魔法カード扱いとなるPゾーンはルール上、セットする事は出来ないため、このカードを一枚貼るだけでPモンスターとペンデュラム召喚は封じられるぞ!

遊星「第152話、デュエルスタート!」



スバル side

 

 

「お、お待たせしました」

 

「よっし、じゃあ行こうか。まずはバス停だな」

 

3月のとある平日、

アカデミアもすでに春休みで、学生は有意義な休みを過ごしている。今日、俺は祈に「水族館に行こう」と誘われたので祈の家の前に来て一緒に行こうと思う。

 

「水族館か〜、何年振りかな?」

 

「私も小等部上がってすぐに行ったきりですね・・・・なかなか水族館に行こうとは思わなかったですし」

 

「そうだな〜・・・・俺も仕事と部活の関係でそんな遠出する機会もないし・・・・今日はとにかく、パァーと楽しもうぜ!」

 

「は、はい」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「春休みだけど人が少なくて良かったな」

 

「ちょっと以外でしたね・・・・さすがに平日では行きづらいのでしょう」

 

バスを乗り継ぐこと1時間・・・

無事に海沿いの水族館に着くことができた。ここの水族館は他の水族館と比べれば大きい方だが、それでも普通の水族館と何ら代わりはない。しかし、シティから一番近くにある水族館なためかなりの集客数を誇っている(とパンフレットには書いてあった)。

 

今の時期、春休みで人が沢山いて混んでいると思ったが平日だったことが幸いであまり人がいない。チケットを買うために5分ぐらい並んだくらいだ。

 

「それじゃあ、行こうか。まずは「き、君たち!!ちょっといいか!?」えっ?」

 

水族館の順路通り、まずはインフォメーションコーナーからエスカレーターで2階に上がろうとした時、後ろからスーツ姿の男性に声をかけられる。男性は走ってきたのか息が上がっている。

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

「あ、あの・・・どうしたのでしょうか?」

 

「わ、私はこの水族館の副館長なんだが君たちにお願いがあるんだ!」

 

「お、お願い?」

 

「とりあえず来てくれないか!?事情はそこで説明する!!」

 

「・・・・どうする?」

 

「こ、困っているみたいですし、聞いてみるだけ聞いてみましょう」

 

「た、助かるよ!!じゃあこっちについてきて!!」

 

その男性はこの水族館の従業員のものであろう自己紹介用の札を俺たちに見せてくれて、お願いがあると言ってきた。祈にどうするか聞いたところ、聞いてみようという事になったのでその男性の後を歩く。インフォメーションコーナーの中に入り、そのまま従業員専用の通路へと入って『館長室』という立て札がある部屋の前に立った。

 

コンコン

 

「館長、副館長の長野です」

 

「入りたまえ」

 

ガチャ

 

「失礼します。例の件で、代わりになりそうな代役を連れてまいりました」

 

「うん、ご苦労」

 

副館長という男に連れられて館長室に入る。中は社長室みたいな豪華な部屋じゃなくて、普通の事務室みたいな部屋だ。

 

「とりあえず君たち、そこのソファに座ってくれないか」

 

「は、はい・・・・」

 

館長と呼ばれる少し初老に入ったであろうおじさんが俺たちにソファに座るよう、言ってきたので俺たちはソファに座る。館長は俺たちとはテーブルを挟んだ向かい側の一人掛けのソファに座った。

 

「突然、こんな事をしてすまない。実は君たちにお願いがあるんだ」

 

「お、お願いですか?」

 

「うむ、この水族館は毎日、アシカショーとイルカショーを行なっている。ところが、今日の午前の司会を担当してくれるアルバイトの子が病気でドタキャンをしてしまって・・・・本来なら他のスタッフを配属したいのだが、生憎誰もいなくて・・・・そこで君たちに司会を頼みたい」

 

「お、俺たちに!?」

 

「もちろんタダとは言わない。初めてのことだろうし我々も最大限のサポートは約束する。どうか、やってくれないだろうか?」

 

「・・・・・どうするよ?」

 

「わ、私は・・・・その・・・・・」

 

「俺は祈の言う通りにするぜ」

 

「・・・・こ、困っている人たちを助けたいです」

 

「よっし、じゃあ手伝おうか」

 

「本当か!?誠にすまない。今からスタッフを呼んでくるから、今日一日の流れはそのスタッフから聞いてくれ。おい」

 

「分かりました」

 

館長が副館長に指示を出して、副館長は館長室から出て行った。数分後、再び戻った副館長の後ろにはウェットスーツを着た二人の若い女性がいた。

 

「館長、彼女たちがこの子たちのサポートをしてくれるそうです」

 

「そうか。では君たち、この子たちをしっかりとサポートするように」

 

「「はい」」

 

「では君たち。彼女たちについて行ってくれたまえ」

 

「分かりました」

 

「よ、よろしくお願いします」

 

ソファから立ち上がって俺は館長さんに礼をする。一方、祈は二人の女性に挨拶をする。

 

「よろしくね、私はかえで。こっちのお姉さんはのぞみっていうのよ」

 

「のぞみよ、よろしくね。よければ君たちの名前を教えて欲しいのだけど」

 

「わ、私は櫻井祈です」

 

「俺は遊城スバルてす」

 

「・・・・・遊城スバル!?!?もしかして君、バンドグループのSECRETのドラマー!?」

 

「えっ?そうですが」

 

「うそっ!?ここでSECRETのドラマーに会えるなんて思いもしなかった!!」

 

「えっ?うわっ!?」

 

俺の名前を聞いた瞬間、一人の女性が俺の方に顔を寄せて両手を握られた。

 

「これのぞみ、スバル君が困っているじゃない。ごめんね、この子SECRETのファンなのよ」

 

「それはありがとうございます」

 

「ねぇ!後でサインを「のぞみ!!!」・・・・ブゥ〜」

 

「さぁ君たち、まずはスタッフルームに来てくれるかしら」

 

「わ、分かりました・・・・」

 

「す、スバルさん・・・(汗)」

 

「大丈夫だ・・・」

 

正直、ちょっと驚いたけど(汗)

ウェットスーツをきた女性二人に案内されて、俺たちはスタッフルームに入る。中は普通に縦長のロッカーがたくさんあり、化粧台やシャワールーム、着替え用のスペースが確保されている。

 

「じゃあ祈ちゃんだったわね。多少見栄え良くするから化粧をして着替えをするわよ」

 

「は、はい。よろしくお願いします」

 

「その間にスバルくんも着替えて先にセリフを覚えてもらいましょう。これが模範用のセリフよ」

 

そう言ってえっと・・・・かえでさんだったかな?から折りたたまれた紙を渡された。俺はその紙を広げて大雑把に紙に書かれた事を読む。え〜と・・・・・

 

「・・・・長い(汗)」

 

「それくらい覚えてもらわないと困るわよ」

 

いや、それでも長い・・・・これ覚えれる気しない・・・(汗)

 

「もしあれだったら持っていっていいわよ。お客様の前でカンペを読むのは勘弁してほしいけど」

 

「そうします・・・・(汗)」

 

多分、祈とかお客さんの前でテンパってセリフ忘れそうだな・・・あいつ、そういうところあるし(汗)。そう思っている間にここのスタッフ専用の制服に着替えていく。Mサイズにしてもらったけど、ちょっとぶかぶかな気もする。

 

「お待たせ〜。どう?私の自信作よ」

 

「ど、どうでしょうかスバルさん」

 

「うん?よく似合っ・・・!?!?」

 

もう一人のスタッフに連れられた祈の姿を見見た瞬間、俺の胸がドキッとした。今までの消極的なイメージがあった祈とよく合ったのか、清楚な感じで学級委員長とか務めそうな感じの・・・・大人しさという雰囲気が良い意味で引き立った化粧をしていた。

 

「?ど、どうしたのですか?」

 

「い、いや・・・何でもない・・・よく似合っているぞ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「祈ちゃんは大人しいイメージの子だからね、より清楚により美しい女の子にしてみたわ」

 

「さあ祈ちゃん、祈ちゃんもこの紙に書いているセリフを覚えてるもらうわよ」

 

「・・・・・・な、長い(汗)」

 

「長いだろ・・・・」

 

「わ、私、お客さんの前で緊張して忘れそう・・・・」

 

「大丈夫大丈夫、紙は持っていっていいから」

 

「そ、そうですか」

 

「さぁ、そろそろ1回目の公演よ。二人とも舞台裏まで案内するわ」

 

「「はい」」

 

女性スタッフに案内されて俺たちはスタッフルームから裏道を通っていき、大きなステージの舞台袖に移動する。もう一歩踏み出せばステージへと出て、お客さんが目に見えてくる。

 

「音楽がなったらあのプールの端に移動するのよ。ここは滑りやすいから走らなくてもいいわ」

 

「わ、わかりました・・・・」

 

・・・・♪♪♪♪♪

 

「なったわね・・・それじゃ、頑張ってちょうだい!」

 

「いくぞ祈・・・」

 

「は、はい!」

 

音楽が鳴ったので、俺たちはマイクを手に取りスタッフに言われたポジションの前に立つ。会場には観客席の6割ほどのお客さんが座っていた。

 

「皆さん、こんにちは!!!」

 

『こんにちは!!』

 

「本日は当水族館のイルカショーにようこそお越しくださいました!!本日の司会を担当することになりました私、スバルと」

 

「い、祈です!!皆さん、よろしくお願いします!」

 

『ワアアアア!!!!!』

 

「それでは本日の主役に登場してもらいましょう!!」

 

俺のアナウンスによりプールと水槽を繋げる唯一の水路の扉が開かれて、そこから3匹のイルカがステージのプールにやってきた。

 

「ま、まずは自己紹介からしましょう!!イルカの皆さん、整列!!」

 

祈のアナウンスにより3匹のイルカがお客さんの前で顔を出して整列をする。

 

「皆さんから見て左側がネッシー!」

 

『ワアアアア!!!!』

 

「続いてラッキー!」

 

『ワアアアア!!!!』

 

「最後にポッター!」

 

『ワアアアア!!!!』

 

「そ、それでは可愛いイルカ達のショーを開始します!!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・・この後も当水族館で有意義な時間をお過ごしください」

 

「以上でアシカショーを終了いたします。ありがとうございました!」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

最後のショーの挨拶を終わらせて、俺と祈は舞台袖に戻る。そこにはスタッフさんが紙コップにお茶を入れて待っていてくれた。

 

「ご苦労様でした。これ、お茶です」

 

「ありがとうございます・・・さすがにずっと喋りっぱなしは辛いな・・・・」

 

「そ、そうですね・・・・喉が痛いです・・・」

 

「この後、私服に着替えて館長室にご案内します」

 

「分かりました」

 

スタッフさんに案内されて、スタッフルームに戻り借りた従業員用の服を脱いで私服に着替える。着替え終わった後、スタッフに案内されて館長室の前にやってきた。

 

コンコン

 

「会長、失礼します」

 

「うむ、入りたまえ」

 

スタッフさんが扉を叩いて、中から館長さんの声が聞こえ俺たちは館長室に入る。

 

「ご苦労だった。座りたまえ」

 

「はい」

 

「君たちもご苦労、昼休憩に入ってくれ」

 

「分かりました。失礼します」

 

俺たちを連れてきたスタッフは礼をして、館長室から出て行った。館長さんはそのまま一人がけのソファに座る。

 

「突然、無理難題を言って悪かった。大きな混乱もなく無事に終わって良かった」

 

「それはこちらも同じです」

 

「さて、今回の分の報酬なんだが・・・すまないが君たちとは労働条件を結んでないから給料と言うものは払えない。代わりに今日のチケット代の返却と私からある物をプレゼントしようと思っている」

 

「あ、ある物、ですか?」

 

「うむ、しかしそれはまだ手元に無くてだな・・・すまないが夕方まで待ってくれないか?ダメだったら後日、発送させてもらう」

 

「俺たち、ここの水族館に来たので夕方までなら待ってますよ」

 

「そうか、では夕方になったら副館長から君たちを手渡し、と言うかたちにしてもらおう。この水族館か近くにある広場にいてくれたら副館長が探してもらうように言っておく」

 

「わ、分かりました」

 

「今日は本当にありがとう。こんな事でしかお礼が出来ないのは申し訳ないが・・・」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ」

 

コンコン

 

「入りたまえ」

 

「館長、お二人のチケット代をお持ちしました」

 

「ご苦労」

 

館長室に入ってきたのは別のスタッフで、手には封筒が2つ握られていた。館長さんはスタッフから封筒を受け取り、俺たちの前に差し出した。

 

「これが今日のチケット代だ」

 

「ありがとうございます」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「私からは以上だ。あとは副館長が来るまで待ってくれたまえ」

 

「分かりました。それじゃ俺たちも見学に行って来ます」

 

「うむ、今日は本当にありがとう」

 

俺と祈はソファから立ち上がり、館長さんに頭を下げて部屋から出る。そのままスタッフルームとは反対側の道を歩き、インフォメーションコーナーへと出る。

 

「ハァ〜・・・・肩凝った・・・偉い人と話すのはなれないな・・・」

 

「そ、そうですね・・・・」

 

「どうする?先に昼飯食いに行くか?」

 

「そ、そうですね・・・・近くに商店が並んでますからそこに行きましょう」

 

「それじゃ、まずは再入場の手続きをするか」

 

再びインフォメーションコーナーに戻って受付の人に再入場の手続きをして、外に出る。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ふわぁ〜・・・これで終わりか。なんか長くなったな」

 

「そうですね・・・・1時半過ぎから見て今は・・・4時前ですか」

「まだ副館長の姿も見えないし、そこの広場に行くか」

 

商店が思っていたよりも並んでいたので昼飯を買うのに時間がかかって、水族館の中もゆっくりと見ていたら気づいたら日が傾き始めている。しかし、まだ副館長が来ていないので俺たちは水族館近くの何もない広場へと移動する。

 

「どうしようかな・・・さすがに広場で昼寝は出来ないし・・・」

 

「こ、こんな時間に昼寝なんかしたら風邪ひきますよ・・・・・・」

 

「しないって、う〜ん・・・・・・じゃあデュエルするか?」

 

「・・・・・そうですね。やることも無いですし」

 

「よっしゃ!そうと決まれば早速やろうぜ!」

 

広場の一角を使い、俺は祈とある程度の距離を取る。デュエルディスクを左腕に付けてデッキをセットしてディスクを起動させる。

 

「それじゃ・・・・やるか」

 

「はい!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 祈 LP 4000

 

「先行は祈に譲るよ」

 

「ありがとうございます!私のターン!」

 

祈 手札 6枚

 

「ジェムレシスを召喚!」

 

ジェムレシス 攻1700

 

「ジェムレシスの効果発動!召喚成功時、デッキから《ジェムナイト》モンスターを手札に加えます!私はジェムナイト・ラズリーを加えて、カードを1枚伏せてターンエンドです!」

 

祈 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジェムレシス 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「行くぜ!俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

・・・よし、早速新しいカードを使おう。

 

「フィールド魔法、ヒーロー工場を発動!」

 

「ヒーロー・・・・工場・・・?」

 

俺の後ろに大きな『H』のマークがついたシャッターが特徴的な工場が現れる。

 

「ヒーロー工場は発動時、手札のカードを1枚捨てることでデッキから《HERO》モンスターを手札に加えられる!俺はこの効果でE・HERO エアーマンを手札へ!そして魔法カード、ヒーロー・アライブ!ライフを半分払ってE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

スバル LP 4000→2000

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

 

「シャドー・ミストの効果発動!デッキから《チェンジ》とついた速攻魔法を手札に加えるぜ!俺はマスク・チェンジを加える」

 

「(いきなり万全な布陣・・・・スバルさんが先行だったら大変なところでした・・・」

 

「そしてヒーロー工場がフィールドに存在する限り、俺の場の《HERO 》モンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000→1500

 

「さらにE・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800→2300

 

「エアーマンの効果発動!今回は魔法・罠を破壊する効果を使うぜ!」

 

「それだったらリバースカードオープン!罠カード、激流葬!」

 

「げっ!?」

 

「本当ならもっと展開してから使いたかったのですが、下手に破壊されるくらいなら使った方がマシです」

 

祈が発動した激流葬によってフィールド全てのモンスターが激流に飲み込まれていき破壊されてしまった。

 

「ぐっ・・・場にHEROが存在しないからエアーマンの効果を使えない・・・なら、俺はフィールド魔法を張り替える!」

 

「えっ!?」

 

「フィールド魔法、摩天楼3ーミラージュタウンーを発動!」

 

俺の後ろにいた工場はガガガと地震のように揺れながら地面に吸い込まれて行き、代わりにフィールドは住宅街がら夜の摩天楼へと変わる。さらにフィールドには濃い霧が立ち上り、幻想的な風景を醸し出す。

 

「ミラージュタウンの効果発動!墓地の《HERO 》モンスターを1体ゲームから除外して1枚ドローする!俺はシャドー・ミストを除外!」

 

スバル 手札 2枚→3枚

 

・・・・・あっ、こいつは・・・・・ここはこれに賭けよう。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

「が、がん伏せ!?」

 

スバル 手札 0枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

摩天楼3ーミラージュタウンー (フィールド)

伏せカード 3枚

 

 

「(さ、3枚伏せ・・・だけど私の手札にはハーピィの羽根箒があります!)私のターン!ドロー!」

 

祈 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ!リバースカードオープン!永続罠、魔封じの芳香!」

 

「えっ!?」

 

「これでお互いに魔法カードを使うためには1度セットしなくちゃいけないぜ!」

 

「そ、そんな!?(これじゃハーピィの羽根箒はおろか、ジェムナイト・フュージョンもブリリアント・フュージョンも使えない!)・・・・ジェムナイト・サフィアを守備表示で召喚!」

 

ジェムナイト・サフィア 守2100

 

「カードを3枚伏せてターンエンドです!」

 

祈 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ジェムナイト・サフィア 守2100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

フゥ〜・・・・どうやら魔封じの芳香が刺さったようだな。諸刃の剣だが、このカードやっぱり強いな・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

スバル 手札 1枚

 

「フィールド魔法、ミラージュタウンの効果により墓地のエアーマンを除外してさらに1枚ドロー!」

 

スバル 手札 1枚→2枚

 

「行くぞ!ミラージュタウンのさらなる効果発動!このカードの効果によって除外されて《HERO》モンスターを任意の枚数デッキに戻して、その融合素材となる《E・HERO》融合モンスターを融合召喚する!」

 

「じょ、除外されたモンスターをデッキに戻して融合!?」

 

「俺はエアーマンとシャドー・ミストをデッキに戻して融合!現れろ闇のHERO !E・HERO エスクリダオ!」

E・HERO エスクリダオ 攻2500

 

除外されていたエアーマンとシャドー・ミストがデッキに戻り、ミラージュタウンの霧が濃くなる。そして、霧が少しだけ薄くなると俺の前にエスクリダオが姿を現していた。

 

「そして俺はカードを1枚伏せて、手札のE・HERO バブルマンを特殊召喚召喚!」

E・HERO バブルマン 攻800

 

「バブルマンは手札がこのカード1枚のみの場合、特殊召喚できる!行くぜ!バトル!エスクリダオでジェムナイト・サフィアに攻撃!ダークディフュージョン!」

 

「さらにバブルマンでダイレクトアタック!バブル・シュート!」

 

「きゃあああ!!!」

 

祈 LP 4000→3200

 

バブルマンの直接攻撃により、祈は少しだけ後ろに後退してしまう。

 

「うぅ・・・(でも、これ以上の追撃はない。次のターンから融合モンスターを連打すれば・・・)」

 

「まだ俺の攻撃はおわってないぜ!リバースカードオープン!速攻魔法、マスク・チェンジ!」

 

「!?(しまった!?シャドー・ミストの効果で前のターンに加えていた!?)」

 

「バブルマンをリリース!変身!M・HERO アシッド!!」

 

M・HERO アシッド 攻2600

 

「バブルマンが墓地に送られたことでエスクリダオの攻撃力は100ポイントアップする。アシッドの効果発動!このカードの特殊召喚成功時、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!Acid rain!!」

 

アシッドが上空に自身が持っている銃を撃ちまくる。その銃が重力によって降下していき、祈のフィールドにあった全ての魔法・罠ゾーンのカードを雨あられのように打ち付けて破壊した。

 

「ぐぅ!!!(こ、これじゃジェムナイト・フュージョンもブリリアント・フュージョンも使えない!!)」

 

「アシッドでダイレクトアタック!!Acid Ballet!!」

 

「きゃあああ!!!」

 

祈 LP 3200→600

 

「お、おい。大丈夫か!?」

 

アシッドの攻撃で祈は後ろに飛ばされてしまったので俺は祈の方に駆け寄る。祈は少しお尻を気にしているようだけど、みた感じ頭とかには問題なさそうだな。

 

「わ、私は大丈夫です・・・」

 

「そうか・・・・それで、どうする?続ける?」

 

「・・・・いえ、やめておきます・・・今のアシッドで完全に逆転の目は潰されました」

 

「そうか、分かった」

 

祈はデュエルディスクに手を置いてサレンダーの意を示す。それを見た俺はデュエルディスクからデッキを抜き取る。

 

「伏せカードは何だったんだ?」

 

「ジェムナイト・フュージョンとブリリアント・フュージョン、ハーピィの羽根箒です」

 

「・・・・・そ、そうか(汗)」

 

つまり俺は魔封じの芳香が無かったら負けていたってわけか(汗)。残りの伏せカードも前のターンから伏せていた埋葬呪文の宝札とミラクル・フュージョンだからな・・・・今回は魔封じの芳香に助けられたけど、やっぱりこのカードは諸刃の剣だな・・・・家帰ったら抜こう・・・・・

 

「マスク・チェンジを完全に忘れてました・・・・私もまだまだです」

 

「そんな事ないぞ、魔封じの芳香が無かったら負けていたんだから・・・・さすがに激流葬は驚いた」

 

「それでもです・・・・魔封じの芳香の対策も考えておかないといけませんね・・・何せ同様のカードが復帰してしまいましたから」

 

「ああ・・・・そうだな」

 

祈の言う通り、この前の制限改訂であの極悪カードが帰ってきた。あれは魔法カードを多用する俺たちのデッキにはあまりにも不利すぎる。速攻魔法の除去カードを積んでおかないとな・・・・

そんな事を思っていたら水族館の方から副館長さんが走ってきているのが目に見えた。

 

「お待たせしました。商品が届きました」

 

「あっ、ありがとうございます」

 

「いえいえ、お礼を言うのはこっちの方です。今日は本当に助かったよ」

 

「無事にショーも終えたから良かったです」

 

「また機会があれば是非来てください」

 

「分かりました。それじゃ祈」

 

「は、はい」

 

副館長に挨拶をして俺と祈はバス停を目指す。そういえばこれ、何なのかな?

 

「これなんだろうな・・・・・よっと」

 

気になった俺は袋に入っている2つの箱のうち、一つを取って開ける。その中にはキラッと青く光る、イルカの形をした小さな宝石が嵌められたペンダントだった。

 

「これ・・・・あれじゃね?あの水族館が売っている商品の中で一番高いやつ」

 

「・・・ほ、ほんとうだ・・・」

 

「太っ腹だなあの館長さん・・・・これ相当高いやつだったよな」

 

「確かに・・・・・」

 

「ほいっ、これ祈の分」

 

「あ、ありがとうございます」

 

俺は祈に残りの箱を渡して、箱が入っていた袋をクチャクチャに丸めてポケットの中に入れた。




霊夢「・・・・・何あのぶっ壊れフィールド魔法」

魔理沙「ヒーローのサーチはダメだぜ・・・しかも好きなヒーローを持って来れるって・・・」

祈「ふ、普通に強かったです・・・」

スバル「まぁまぁ・・・(汗)」

霊夢「というわけで読者様からいただいた2枚のカードを紹介するわ。まずは追中命さん」


ヒーロー工場 フィールド魔法
「ヒーロー工場」の①の効果は1ターンに1度しか使えない。
①このカードの発動時の効果処理として、手札を1枚捨てることでデッキから「HERO」と名のついたモンスターを1枚手札に加える。
①自分フィールド上の「HERO」と名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。


魔理沙「このカードの原案は下の通りだぜ!」


原案
ヒーロー工場 フィールド魔法
「ヒーロー工場」の②の効果は1ターンに1度しか使えない。
①自分フィールド上の「HERO」と名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
②手札を1枚捨てることにより、デッキから「HERO」と名のつくカードを1枚手札に加える
③「HERO」を素材としたシンクロモンスターは相手の魔法・罠・マジックカード・モンスター効果の対象にならない。



霊夢「・・・・・ダメでしょ」

スバル「さすがに作者も②の効果は不味すぎると思って発動時の処理に変えました。これなら1回しか発動しないから」

魔理沙「HERO版竜の渓谷か・・・・しかも攻撃力500アップも何気に強いな・・・ダーク・ロウが2900になる」

祈「な、なかなか突破しにくい数値になりますね」

スバル「③の効果は・・・・HERO自体、あんまりシンクロモンスターを入れないっていうのが現状で、俺もシンクロモンスターはエースのスピリット・ドラゴンとクリスタル・ドラゴンしか入ってないからさ」

祈「つ、次は龍南さんから頂いたカードです」



摩天楼3-ミラージュタウン フィールド魔法
「摩天楼3ーミラージュ・タウン」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使えない。
①「HERO」と名のついたモンスターを1体墓地から除外することでカードを1枚ドローする。
②①の効果で除外した「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。




魔理沙「だからさ、ドロー効果のフィールド魔法はダメだぜ・・・・」

霊夢「これも原案を少し変えさせてもらったわ」


原案
摩天楼3-ミラージュタウン フィールド魔法
①1ターンに1度、「HERO」と名のついたモンスターを1体墓地から除外することでカードを1枚ドローできる。
②1ターンに1度、①の効果で除外した「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。



祈「た、ターン1の制限が名称指定になりましたね」

スバル「いわゆるチキンレースみたいな事を防止したんだよ。このカードの場合、連打すれば融合も出来るし」

霊夢「チキンレースって考えたら確かに強いわね・・・・」

魔理沙「次回も閑話休題、これがラストになるぜ!最後は小等部の面子だぜ!」

祈「じ、次回もよろしくお願いします」


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第153話 小等部メンバーによる中等部への想いや回想

悩んだ結果、そう言えば今までの回想回をやってないな〜〜と思ったので、回想回+小等部から中等部に上がる現在の気持ちみたいな話を書いてみました。アニメ本編も1回はやっていた記憶がありますし。
たまにはこんな休憩回を入れて、作者もゆっくりと初期の頃を思い出してみたいです。実際問題、この先はWRGPの決勝戦なので気合い入れないとダメですし。


・・・・・最近、「このすば」とか「ごちうさ」とか「リゼロ」とか色んな物が気になって仕方ない。就活前だってのに何やってんだ俺・・・・・・(汗)


龍亞 side

 

 

 

「いけ!!リトル○ックのアッパーを食らいやがれ!!」

 

「そんな甘いアッパーなんて食らいませんよ!!とりゃぁ!!」

 

「あっ!?やばっ!?」

 

「吹っ飛べ!!」

 

「あああ!!!!!」

 

「勝った!!!!」

 

家にやってきた恭輔と祈でテレビゲームのスマ○ラをやっている。遊輝と龍可が連れ去られてからはほぼ毎日、誰かが俺の家に遊びに来てくれる。一人、退屈な俺にとってはありがたい話だ。

 

「きょ、恭輔君強いですね・・・・・私3勝です」

 

「本当だよ〜、10回やって俺2勝しかしてない」

 

「このゲームは好きですからね、結構やり込んでますよ」

 

恭輔って見た目によらずこのゲームは強いんだよな・・・・・俺も結構やっているけど、練習相手がいないし・・・・龍可は元々、こういうのをやらないタイプだし、遊輝もこの系統はめちゃくちゃ弱かったもんな・・・・

 

「もう1戦やりますか?」

 

「さすがにハンデちょうだいよ。このままやっても面白くないからさ」

 

「そうですね・・・・じゃあ50%でどうですか?」

 

「低いよ!80%くらいつけてくれないと!」

 

「良いですよ。それでやりましょう」

 

恭輔にハンデをつけてもう一度再選をする。そうだな・・・・ピカ○ュウでも使おうか。

 

「そ、そういえば皆さん、もうすぐ中等部に入りますけど何か準備ってしていますか?」

 

「準備?そんな物していないよ。いつも通りな生活を送れば俺はOK!」

 

「僕も似たような物ですね。強いて言えば少し小等部の復習をしたぐらいですね。祈さんは何か準備したのですか?」

 

「心機一転して道具とか制服を一新するのかなと思ってましたけど・・・・・私は制服を変えました。前の制服がちょっと小さくなったので」

 

「そう言えば俺も制服変えなくちゃいけないかな・・・・クシャクシャな上に洗濯をよくするから縮んじゃったし」

 

「クシャクシャなのは龍亞さんがズボラな上にあんな着かたをするからでしょう。制服ってそんなにする・・・・・龍亞さんならしますか」

 

「何だよその冷ややかな目!!!」

 

「・・・・制服を泥んこに濡らしながら遊んだり、雨の中傘もささずにはしゃぎ捲っている小学生って今の時代、いませんよ」

 

「俺そこまで悪い不良みたいなことしてないぞ!!」

 

「してますよ。授業中は居眠りばっか、唯一まともに起きている体育とデュエルだって先生の言うことを聞かずに色々とやったり」

 

「デュ、デュエルの時も勝手に自分のカード入れていた時もありましたね。そして何より・・・・」

 

「「中等部への進学試験を補講して受かった人に真面目という言葉は似合いません」」

 

「ガーーン・・・・・・・」

 

「自分から効果音を出さないでください。トドメ」

 

「あああ!?」

 

二人の連続攻撃に俺は凹んでしまう。その一瞬の隙を突かれてしまい、俺は恭輔に吹っ飛ばされてしまった。

 

「あれほど進学試験はちゃんとやっておきさないってマリア先生言ってたじゃないですか。龍亞さん、いつもと同じテストだからとか大声で皆に話していて」

 

「龍可さん、凄い恥をかいていましたね」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「まぁ・・・龍亞さんにこれだけの事を言ってますけど、軽音部のメンバーなんて全員異端児扱いになってますけどね」

 

「た、確かに・・・・・あれは後ろに校長先生がいなかったら本当に浮いた存在だったかもしれませんね・・・」

 

それは間違いないな・・・・・・優等生扱いの奏さんでさえ一歩間違えたら人殺せるし・・・・・校長先生がちゃんと条約を結ばせたからあれだけど。

 

「一歩間違えたら教師陣に目をつけられるグループですよ。6人中3人は授業中に寝て、奏さん以外は制服をまともに着ていない、その奏さんすら、たまにブレザーの前を開けて通ってますし」

 

「部費で私物を買ったりしてますし、逆に私物をアカデミアに持ってきたりしますね。それに教師陣の問題もチョッカイだして、その度に補習を食らうこともチラホラ」

 

・・・・・・うん、一歩間違えても問題グループだな。そりゃ教師陣に目をつけられるよ。

 

「っと話それてましたね。僕たちも中等部ですか・・・・部活がありますけどどうします?」

 

「もちろん軽音楽部!!」

 

「い、入れてもらえるか分からないですよ。というか100%無理な気が・・・・」

 

「そもそも、あそこって部活として認められているのですか?」

 

「何言ってるんだよ!!部活として認められているから部費が出ているじゃないか!!」

 

「だってあの部活の顧問の先生、聞いたことがありませんよ」

 

恭輔に言われてハッとした。そう言われたらあの部活の顧問の先生って誰からも聞いたことないし、話題にも上がらなかったな・・・・レミさん、いっつも校長先生と話していたし・・・・

 

「もしかして校長先生だったりして」

 

「・・・・否定しづらいですね」

 

「トドメ」

 

「あ〜〜・・・・さすがに80%のハンデは厳しかったですね」

 

ゲームの方は祈がハンデ戦を制して恭輔に勝った。にしてもハンデ戦でも負ける俺って・・・・(汗)。

 

「どうします?次は別のゲームでもしましょうか?」

 

「そうだな・・・・○S4が調子悪いのが痛いな・・・・○リパでもする?」

 

「そ、そうしましょう」

 

今入れているソフトを終了させてゲームのホーム画面に戻る。そのままハード機からソフトを抜いて、別のソフトを入れる。ホーム画面に今入れたソフトが読み込まれて、そのソフトを起動させる。

 

「もうすぐ中等部に進学ですか・・・・低学年、中学年は長いと感じましたけど高学年になってからは意外とあっという間でしたね」

 

「確かに・・・・」

 

「そういえば龍亞さんが師匠と出会ったのは5年になった時ですよね?」

 

「ん?ああそうだな」

 

確かあの時はまだ龍可の体調が著しくない時で通信教育だった時だな・・・・今じゃそんな病弱のような仕草なんて無くなったけど、やっぱ人って出会いがあったら変わるもんなんだな・・・・

 

「師匠との出会いってどんな感じだったのですか?」

 

「どんな感じ?そうだな・・・・・・・確か恭輔や祈は遊輝から事情を聞いていたんだよな?」

 

「えぇ」

 

「は、はい」

 

「じゃああんまり包み隠さずに言えばいいか。遊輝は突然、急に現れて玄関倒れていたんだよ」

 

「急に・・・・ですか」

 

「そうそう。不審者にしては何で玄関で倒れているのかも分からないし、とりあえず俺の好奇心で部屋のベッドで寝かせてあげたんだよ」

 

「よ、よく入れましたね・・・・・」

 

「まぁ・・・・ね」

 

あの時、龍可の精霊がこの人は大丈夫ですって言っていたから家にあげたような物だけど・・・・何にしろ、ヤバそうだったらセキュリティに通報していたけど。

 

「っとスタートスタート。・・・・・んでもって、遊輝が目覚めた時の第一声が・・・・確か「ハッ!?」だったかな?」

 

「ハッ?」

 

「どこのアニメの女学生ですか・・・・」

 

「・・・・・恭輔、お前、け○おん!知ってるのか?」

 

「友達と師匠の影響で最近色んなアニメにハマっています、・・・・あっ、アイテムショップ」

 

確かに・・・遊輝が去年の春休みの終盤あたりから動画とかレンタルショップで急にアニメ見るようになったな・・・・・遊輝の近くにいる恭輔も見るよな・・・

 

「まぁいいや。とにかく驚いた様子だったよ。まぁそんな感じだったし・・・・あとは遊輝が手紙を読んで、それを俺たちにそのまま教えてくれたんだ」

 

「わ、割とすんなり話したのですね・・・・本人には結構重要な事じゃないですか?」

 

「俺たちの目の前で読んでた上に俺が興味津々で覗き、最後には遊輝が目覚めた後に大量の段ボールが届いたからね。隠しようがなかったんだよ。

 

「興味津々って・・・・・・」

 

「そっからかな〜、遊輝と生活して、俺も龍可も人生観が180度変わったよ」

 

ほんっと、遊輝には感謝しかない。自分だけ満足して負けたら泣いていたあの時の日々がなんか懐かしいよ。ずっと負けっぱなしだった天兵とかに連戦連勝で勝ち続けるし、復帰後のアカデミアでも小等部の実技ランキングでしばらくは1位か2位だったし。

 

「へぇ〜、そう言えば皆さん、確かその時期の夏頃にフォーチュン・カップも出ていましたよね」

 

「そうそう、遊輝が初めて公にエクシーズ召喚を披露した時だったな」

 

「あ、あの時はテレビの中の出来事でしたけど案外近くにいるものなんですね、芸能人って」

 

「祈、俺たちのことを芸能人扱いにしていたのかよ・・・・」

 

「る、龍亞さんと龍可さんが復学した時は皆さんそんな感じでしたよ。仲の良い天兵君やパティさんはともかく、二人とも簡単に中等部や高等部のところに行ってましたし」

 

「分かります。僕もそんな感じでしたね」

 

「中等部なんて対したことないよ。俺たちと同じような感じだったし。それに、俺たちが会いに行ったのは遊輝たちとアキ姉ちゃんだけだったから」

 

っていうか、俺と龍可が復学した時に変な感じだったのはそのためだったんか・・・・

 

「でも恭輔や祈達だって軽音部のみんなと会って変わっただろ?あっ、隠しブロック」

 

「えっ!?こんな序盤に!?」

 

「やったああ!!!スターだ!!!!」

 

ゲームでは序盤に隠しブロックから隠しスターを見つけて大喜びする俺。

 

「これだったらキノコを買えるな。序盤にアイテムは嬉しいぜ」

 

「あ〜・・・・これはマズイですね。何とかして龍亞さんを嵌めないと」

 

「怖いこと言うな」

 

「は、話の続きですが、確かに軽音部と会ってからは普通に中等部のクラスに行くようになりましたね」

 

「僕もそうですね。結構フレンドリーな方が多かった印象です」

 

「だろ〜?中等部や高等部にはドラマみたいな不良がいるわけないし、第一、そんな生徒あの教頭が許すはずないじゃん」

 

「それもそうですね、ほいっ」

 

「あっ!!お前さりげなく俺を落としやがった!!」

 

「何のことですかね?」

 

「えいっ」

 

「あっ!?」

 

「じゃ、じゃあ、このバトルミニゲーム私の勝ちです」

 

普通に会話をしていたらさりげなく恭輔が俺を倒して、それを祈は高みの見物のように後から倒した。バトルミニゲームの結果、祈には大量のコインが入ったが俺は無一文になってしまった。

 

「くそ〜〜、こんな事ならさっきキノコなんて買わなきゃよかった・・・・10、こんな時に大きな数字なんて出さなくていいよ。あ〜あ、また1周しないと・・・・」

 

「何とか立て直したいですね・・・・師匠も何だかんだ、アカデミアに来た時は凄い噂になりましたね。フォーチュン・カップの準優勝者にエクシーズ召喚の先駆者として」

 

「それが今じゃ、学校一の可愛い女の子扱いをされているくらい揶揄われているんだぞ」

 

「「・・・・・・否定できませんね」」

 

レミさんにあんな事されてから、学校の男子生徒の半数以上が告白したという噂あるし、噂と言えば女装した遊輝のファンクラブもあるとか・・・・どれだけ遊輝の事を男として見ていないんだよ(汗)。

 

「教師陣は軽音部は異端児扱いだけど、皆はどう扱ってるんかな?やっぱり音楽バンドのメンバー?」

 

「違うと思いますよ。それだったら皆さんにフレンドリーに近づかないと思います」

 

「響さんやレミさんがムードメーカー、師匠はボケとツッコミをやってそれを全員で止めている感じですもんね」

 

「ああ、確かに。中等部の2-1って仲が良い感じだったな」

 

「そうですね。担任の力も大きいですし、校長先生が何かお気に入りですからね」

 

「・・・・・・あの校長ってさ、もしかしてSECRETのファン?」

 

「・・・・ひ、否定しづらいですね・・・」

 

「お気に入りである事には間違いないかもしれないですね」

 

だってあの校長、よくよく考えたら軽音部に対して結構甘い感じがするんだけど・・・そうだよな、だってレミさん、私物を買った部費のレシートを直接校長先生に渡して通しているんだもん。あれは絶対に何かあるよ。

 

「スター、頂きました。SECRETが有名になったきっかけはやっぱり海外公演なんですかね?」

 

「だと思うよ。あの時、俺は見たけどすっごい人が多かったよ。公の発表には4万人って言っていたもんな」

 

「アマチュアじゃないですよ・・・・普通、日本のバンドが海外の1回の公演で4万人なんて異常ですよ」

 

「い、良いじゃないんですか。私たちはほぼタダ同然で見ることができていますし」

 

「今ではあまりにも人気すぎて人数制限をかけないといけない程ですからね・・・・数十年前だったらあのような音楽バンドはいっぱいあったと音楽の授業で習いましたが、今は電子の時代ですからね」

 

そうだよな・・・・俺も遊輝たちの演奏を聴くまでは電子系のボカロとかしか聞かなかったけど、初めて楽器の生演奏を聴いた時の迫力は凄かったもんな・・・・

 

「・・・・・・軽音部ってさ、やっぱり凄いんだな。時代の最先端じゃなくて時代の流れを逆行して実力で人気を得たんだから」

 

「そうですね」

 

「・・・・なぁ、俺たちって中等部になっても変わらないままなのかな?」

 

「?何言ってるんですか」

 

「だってさ、中等部に上がるって事は世間一般的には中学生になるって事だろ?さっきのドラマの話ではないけどさ、なんかこう・・・・思春期みたいな感じになってさ」

 

「あ、ああ、言いたい事は何となく分かります。友達関係とか今までの考え方が変わるんじゃないかって事ですか?」

 

「そうそう。そんな感じそんな感じ」

 

「龍亞さんらしくないですね。そんな物気にするとは思いませんでした。スターゲット」

 

「何だよ恭輔!!お前、ちょっと俺の事馬鹿にしすぎだろ!!こうなったらデュエルだ!!俺を馬鹿にした事を後悔してやる!!」

 

「良いですよ。じゃあ僕が勝ったらこの後のお昼、奢ってください」

 

「乗った!!」

 

「ちょ、ちょっと二人とも・・・・ゲ、ゲームは・・・」

 

祈の話を聞き入れず、俺はテーブルに置いていたデュエルディスクを手にしてベランダに出る。恭輔の方もデュエルディスクをセットしている。

 

「行くぞ!今日こそ俺のことを見下している発言を訂正してもらうぞ!」

 

「そう言うのはテストの点数とデュエルに勝ってから言ってください!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」




龍亞「うぅ〜〜・・・こいつファミレスのステーキ定食とか食べやがった・・・」←半泣き

恭輔「ご馳走様でした」

祈「る、龍亞さんが悪いと思いますよ・・・・1ターン目からパワー・ツールとか出して返しのターンの返しを考えずに」

龍亞「俺、手札に速攻のかかしを握ってたんだよ!それをトライヴェールでハンデスされたんだよ!!」

恭輔「龍亞さんの目が一点集中していましたからね。それに王宮のお触れが見えている状態でしたから手札誘発があるのが普通だと思いますよ」

龍亞「くっそ〜・・・・・」

祈「実技ランキング2位の実力は本物ですね」

龍亞「何でこう言う時に限って実技ランキングの話をするのさ・・・・俺、4位なんだから」

恭輔「そんなこと言ったら僕たちで1年以上、小等部の実技ランキングのトップ4を独占していたじゃないですか。祈さんだって1位になった頃もありますし」

祈「通算で見れば龍可さんが圧倒的でしたけど・・・・・」

龍亞「次回から閑話休題はおしまい!遊輝と龍可が帰ってきて本編再開!」

恭輔「作者の都合上、ジャックさんのお話とモーメント・エクスプレスのお話はカットさせていただきます。本当ならジャックさんのお話を載せたいのですが、あまりにも師匠とジャックさんのこのお話内での関係性が見つからないって作者が言っていましたから・・・・」

祈「と、と言うわけで次回もよろしくお願いします」


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第154話 帰ってきた魔法少女

前回、本編に行くと言ったな?あれは嘘だ(キリッ)


精霊世界のことと現実世界の情報を交換していたらチーム太陽の合うタイミングを無くしました。すみません・・・・


【*ちょっと決勝トーナメントの表を出すのが早かったですが、これはこれで許してください】


レミ side

 

「・・・・いた!!スバル!!」

 

「レミ!!龍亞から聞いたか!?」

 

「もちろんよ!!奏や響たちは先に行ったわ!!早く行きましょう!!」

 

「ああ!!」

 

待ち合わせ場所に先にいたスバルを見つけ、私はスバルと一緒にとある場所へ走って行く。そこはトップス、つまり遊輝の家。

 

今日、お昼ご飯を食べ終わった時、突然龍亞君からメールが来て『2人が帰って来た!!』という内容を見て大急ぎで飛び出して来た。今は3月27日だから・・・・約3週間振りに2人は帰って来た頃になる。

 

「ったく!二人とも何やらされたんだか!」

 

「たっぷり土産話を聞こうぜ!もしかしたら遊輝と敵対している女の情報も聞けるかもしれないし!」

 

「そうね!」

 

「っと、ついたついた!」

 

トップスの玄関口についたスバルと私たちは警備員さんに顔パスで中に入れさせてもらう。そのまま走って行き、遊輝が住んでいるマンションの入り口でインターホンを鳴らす。

 

ピンポ〜ン

 

『は〜い』

 

「龍亞君!私とスバルよ!」

 

『入っていいよ!レミさんたちが最後だよ!』

 

インターホンが切られ、マンションの入り口が開く。私たちは中に入ってエレベーターに乗り最上階のボタンを押す。エレベーターの扉が閉まって上へ上昇。30秒ぐらいで一番上についた。エレベーターから降りて、すぐ近くにある玄関の横にあるインターホンをもう1回鳴らす。

 

ピンポン

 

『入っていいよ!玄関開けてあるから!』

 

「邪魔するぜ!」

 

「2人とも大「「いやあああああ!!!!!!!」」!?!?」

 

「ど、どうした!?」

 

家に入った途端、部屋の奥の方から二人の声の悲鳴が聞こえたのですぐに向かう。廊下からリビングに向かう扉を開けると、そこには・・・・・

 

「ほら!!魔法少女優姫ちゃん!!こっち向きなさい!!写真撮れないじゃない!!」

 

「いやだあああ!!!世間にこんな姿を見せられたくない!!」

 

「魔法少女龍可ちゃんもこっちきなさい!!」

 

「////こ、こんな姿を取られたら私、アカデミアで変な噂が流されるから絶対に嫌です!!」

 

「・・・・コスプレイヤー龍可、魔法少女を憧れる厨二中学生、龍可」

 

「//////る、龍亞!!」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・な、何だこれ?(汗)」

 

リビングに入って私の目に映ったのはカメラを持った壮太さんと魔法少女みたいな服装を来た遊輝を捕まえようとしているすみれさん、そしてカーテンで身を隠して顔を赤くしている龍可ちゃんとそれを呆れながらみている遊星さんや奏たちの姿だ。なんのことか全く情報が分からな・・・・・いや、大体察したけど(汗)。

 

「・・・誰か、この状況を説明してくれ」

 

「え、えっとですねスバルさん。龍亞さんの一斉送信は知っていますよね?それで真っ先に来たのが茜さんとすみれさん、それから壮太さんなんです・・・」

 

「ちょっと待て、何故そこに壮太さんがいる?」

 

「茜さんから3週間前の遊輝さんたちの話を聞いたすみれさんの謎の頭の回転によりうんたらかんたら・・・とか茜さんが言ってました」

 

「要は感ね・・・・・」

 

「そ、それで、一番乗りで来たらまだ帰って来たばかりの遊輝さんと龍可さんのあの衣装だったので・・・・」

 

「もう分かったわ・・・・(汗)」

 

やっぱりすみれさん、二人を看板モデルにしたいだけじゃない(汗)。あんた、自分の娘よりも男の娘を看板モデルにしてどうするのよ・・・(汗)。

 

「・・・・・・帰っていいか?」

 

「いいと思いますよ遊星さん、この様子じゃ明日も師匠たちはモデル業でしょ」

 

「ちくしょう・・・・・俺のバイト代を返せ・・・・」

 

「・・・・・なんか私が申し訳ないから後でお金渡すわ、クロウっち」

 

「ううう・・・・遊星、ジャック、ブルーノ、アキ、とうとう俺は女子中学生にすら哀れに思われるようになった」

 

「そんな大根役者の演技をするなら己のデュエルの腕前を上げろ」

 

「テメェこそカフェのツケを返せ!!今月も5万近く溜まってるんだぞ!!」

 

「・・・・私たち、この二人を連れて帰るわね」

 

「あ、アハハ・・・じゃあまたね。お土産話は次回以降にするよ」

 

アキさんは呆れ顔、ブルーノさんは苦笑いをしながら喧嘩しているジャックとクロウを引っ張ってリビングから出る。最後に遊星さんが私たちに頭を下げて部屋から出て行った。

 

「で、残った私たちでまずは・・・・」

 

「さぁ優姫ちゃんに龍可ちゃん、可愛く写ろうね〜」

 

「「「「「・・・・・・・待ちますか」」」」」

 

今のすみれさんに立ち向かったところで返り討ちにあいそうなので、とりあえずほとぼりが冷めるまで部屋の隅でテレビでも見ておこう。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「それで、どうだったの?どんな犯罪を犯したの?」

 

「犯罪起こすこと前提かよ・・・・否定出来ないけど」

 

ようやくすみれさんたちが休憩に入ったので、着替えようとしていた遊輝と龍可ちゃんを捕まえて正座させた。そして精霊世界でどんな事をしたのか全員で聞くことにした。

 

「え、えっとですね・・・・アリアお姉さんはまずエンシェント・フェアリーに手を出さないように申告をして、その後エンディミオンに言って本を盗んで、その後システムをハッキングしました・・・・」

 

「・・・・・・それだけ?」

 

「はい、それだけです・・・・」

 

「・・・・色々と突っ込みたいけどまず、なんで3週間近くも帰って来なかったの?それだけだったら1週間もいらないじゃない」

 

「え、えっと・・・・・黙秘権を行使します」

 

「はっ?黙秘権?」

 

突然ここに来て遊輝が黙秘権とか言って何も言わないことを宣言した。龍可ちゃんの方に目を向けても目をそらして一切話をさせてくれない。

 

「ちょっとちょっと!!黙秘権ってどういう事よ!?そんなに悪い事したの!?まさか人殺し!?」

 

「バカ!!そんな事するわけねぇだろ!!第一、俺はともかく龍可はそんな事出来るはずがねぇだろ!!」

 

「じゃあ何で黙秘権を行使するんだよ?」

 

「そ、それは・・・・そ、その・・・・えっと・・・・/////」

 

ん?龍可ちゃんの顔が赤くなった?遊輝の顔も赤くなった?・・・・・・・そう言えば龍可ちゃん、肌が綺麗になったわね。というか何だろう・・・・・大人になったような雰囲気を醸し出しているわね。

 

「////と、とにかく!!!アリアお姉さんの無茶難題に付き合わされたので遅くなったのです!!」

 

「////そ、そうなんだよ!!」

 

「無茶難題は分かったけど、何で顔を赤くする必要があるのよ?別に着せ替え人形だけだったらそこまで赤くする必要はないでしょ?」

 

「「/////な、何でもない(です)!!これ以上は喋らない(話しません)!!!」」

 

「まさか2人して大人のかいだ「「「/////ワアアアア!!!!!!!」」・・・・・・エッ?」

 

悪い顔をした龍亞君がおそらく冗談でそんな事を口にしたのだろう、けど、その一言で二人はさらに慌て始めた。龍亞君も驚いた表情になっている。

 

「お前ら・・・・まさか・・・・」

 

「/////し、してないぞ!!そんなやましい事はしてないぞ!!!」

 

「////そ、そうよ!!!」

 

「な、何でそこからやましい事に繋がるのですか?龍亞さんは大人の階段としか言ってないですよ」

 

「「////!?」」

 

なんか二人して一気に慌て始めたわね・・・・こりゃ確認する必要があるかも・・・・

 

「じゃあそこまで言うなら証拠見せて」

 

「「////えっ!?」」

 

「だから、やましい事をやってないっていう証拠を見せて。私たちはあれだけど、子供産んだことのあるすみれさんなら分かるでしょ」

 

「確かに・・・・」

 

「////い、いやいや!!!そんな事やってないって!!」

 

「////そ、そうそう!!やってないから!!」

 

・・・・・ますます持って怪しいわね。これは本当にすみれさんの出番じゃないかしら?

 

「あ、あの・・・・僕にはそういう系統が分からないのですが証拠とかあるのですか?」

 

「だからこそ、実際に茜を産んだすみれさんに頼むのよ。経験者なら証拠も分かるでしょ?ね、すみれさん」

 

「えぇ・・・・確かに証拠を確認することはできるわ・・・龍可ちゃんの身体を使えば・・・」

 

「えっ?」

 

「フッフッフッフッ・・・・・」

 

「////ひっ!?こ、来ないで!!来ないでください!!」

 

すみれさんが怪しい手つきをしながら龍可ちゃんを壁に追い詰めていく。しかも、さっきまで正座をしていた龍可ちゃんは足が痺れたみたいで龍可ちゃんはまともに立ち上がれない。

 

「フフッ・・・・つ〜かまえた!!」

 

「///す、すみれさん!!ま、待って!!モ、モデル!!魔法少女のモデルをやりますから!!だからやめましょう!!」

 

「もう遅いわよ・・・・それじゃ確認してくるからね〜。その間、優姫ちゃんを逃さないように。場合によってはセキュリティ送りだから」

 

「////いやあああ!!!!!遊輝!!!助けて!!!」

 

「////る、龍可「はい、動かない。両手を上げて正座して」ぐっ・・・・・・」

 

なんか本当に怪しくなってきたのでとりあえず立って龍可ちゃんを助けようとした遊輝の後頭部に、手で銃の形を作り突きつける。遊輝はそのまま立ち上がらず、正座したまま両手を上げた。

 

「それじゃちょっと確認してくるね〜」

 

「////いやあああ!!!!!!!」

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「・・・・・で、結果は?」

 

「ヤっていたわ。龍可ちゃんの純粋な物が無くなっていたから」

 

「////・・・・・・・・・・・・」

 

「お前・・・・小学生に手を出したのか」

 

「・・・・・・・最低」

 

「////ち、違う!!!あれはアリアに無理矢理させられたんだよ!!!それに龍可の合意を得てやった!!!」

 

すみれさんの診断の結果、龍可ちゃんと遊輝は大人の階段を上っていたことが判明。私たち全員で遊輝を犯罪者を見下すような目をする。

さすがにこれ以上の発言を聞かれるのは色々と教育上よろしくないので龍可ちゃん以外の小等部のメンバーは席を外してもらって、遊輝を問い詰める。

 

「立派な犯罪だよ。素直に自白すれば刑が軽くなるよ」

 

「////だから!!!アリアのせいで無理矢理やらされたんだって!!!それにお互いに合意した上でやったんだって!!!」

 

「とりあえず牛尾さんに通報しよう。牛尾さん、泣きながら遊輝を収容所に連れて行くわよ」

 

「///こらああああ!!!!!」

 

「////あ、あの・・・・・べ、別に私は大丈夫ですよ。ちゃんと、私も合意した上でやりましたから・・・・」

 

「・・・・・そろそろやめてあげたら?一向に話が進まないよ(汗)」

 

一斉に遊輝を批難していたが奏に止められたのでとりあえずは遊輝への誹謗中傷を止める。

 

「ハァ・・・・それで・・・・俺と龍可がいない間に何があったんだ?」

 

「まずはジャックさんと遊星さんがボマーという人に呼ばれて出かけたことかな」

 

「(ボマー・・・・ああ、アレか。ボマーさん、フォーチュン・カップに出ていなかったけど大丈夫だったか)」

 

「それで次に、イェーガーを捕まえてイリアステルの事をシェリーさん達を含めて聴取したんだ」

 

「・・・・イェーガー?」

 

「セキュリティの副長官の人だよ遊輝・・・・」

 

「ああ、そうだそうだ。最近見かけないから忘れてた」

 

「そうしたらモーメント・エクスプレスと関係があることが判明したのだけど・・・・」

 

「けど?どうしたのですか?」

 

「その・・・・遊星さんとブルーノさん、シェリーさんの3人で乗り込んだけど、向こうにバレてしまって危うく消されるところをシェリーさんが身を持って守って・・・」

 

「(ああ・・・あそこまで行っちゃったのか・・・)」

 

「問題はその後、モーメント・エクスプレスが無くなったんだ。まるで歴史上に無かったように」

 

「?どういう事ですか?」

 

「その反応が普通だよね・・・・でもモーメント・エクスプレスの本社があった所は更地になっている上に他の人たちに聞いても、まるで元々からそんな物がない状態になっていたんだ」

 

「遊星さん達の推理では恐らくイリアステルが歴史を変えただろうって・・・」

 

これは驚いたわね。イリアステルが歴史を改善しているとは聞いたけどまさか本当にこんな事をするとは・・・・・

 

「それで、その問題のイリアステルは?」

 

「そこだ。モーメント・エクスプレスが消えた後、テレビのニュース番組を見たらとんでもないことになっていた」

 

「これ、今朝の記事よ」

 

奏が持ってきたパッドを遊輝に渡す。パッドを受け取った遊輝は開いている画面を拡大してその画面に映っている記事を読む。

 

「・・・・チームニューワールド・・・・」

 

「この新聞に映っている人のこの人って、ルチアーノ君!?」

 

「そう、シェリーさん達のチームが消えて代わりにチームニューワールド、あいつらのチームがWRGPの決勝トーナメントに参戦したんだ」

 

「これは恐らく、あのゴースト氾濫の時に言っていたホセっていうお爺ちゃんの言っていたことだと思うよ」

 

「イリアステルの眼中にあるのは遊星さん達チーム5D's・・・・順当に上がれば決勝で当たることになる。だがその前に・・・」

 

「・・・・なるほど、準決勝で俺たちのチームとチームニューワールドが当たるのか・・・」

 

これが一番の問題どころよね・・・・相手はシンクロキラーの機皇帝を使っている。しかもその内一人はまだ効果も分かっていない機皇帝を使ってくる。向こうは対策ができるけど、こっちはシンクロモンスターを注意することぐらいしなないんだよね・・・・準決勝は私、厳しいかな。

 

「っていうところかな。まぁ後は部活のこととかあるけど・・・・」

 

「・・・・そういえば新入生歓迎会ってやるの?」

 

「明日から半日練習だから。12曲」

 

「・・・・頼む、6曲に減らしてくれ(汗)」

 

「性犯罪者にそんな事を言える権利はない」

 

「だから合意した上でやったんだって!!!」

 

「今のお前に説得力はない」

 

「スバルに同感」

 

「お前らあああ!!!!!」

 

「話し合いは終わり?そろそろ撮影に戻るわよ」

 

「「ひっ!?」」

 

スバルや響が再び遊輝を揶揄い始めたところで休憩が終わったのかカメラを構えた壮太さんと指や手をクネクネして怪しい動きをしているすみれさんが遊輝と龍可ちゃんに近寄る。二人はお互いに身体を抱き合わせて震え上がっている。

 

「フフフ・・・・龍可ちゃん、さっき魔法少女のモデルをやるって言ったわね?」

 

「な、なななな、なんの事ですか?わ、私そんな事を言った覚えなんて」

 

龍可ちゃん・・・・・演技下手すぎるよ(汗)。せめて震えながら話すのはやめよう・・・

 

「せっかくだしこのまま二人で魔法少女で売り出したらどう?実写アニメとかで役者デビューできるわよ?」

 

「「絶対に嫌(です)!!!」」

 

「そんな事言わずにさ・・・・ほら、そこにカメラがあるんだから決め台詞とか言いながら写りなさいよ・・・」

 

「嫌だ!!!!」

 

「あっ!!待ちなさい!!」

 

こうして、すみれさんと魔法少女のコスプレをした二人による鬼ごっこ(茜曰く、第二ラウンド)が行われた。結果?すみれさんに勝てる相手なんかいないじゃない。私達も(強制)参加して、二人を捕まえた。多分、二人とも(特に龍可ちゃん)今後、アカデミアで変な噂が広がるだろうな・・・・・

 

 

この時、私思ったんだ。人間ってさ、欲望の塊になれば誰だって人外になれるんだなって。




レミ「・・・・あれっきり二人の私服姿を私は見ていないけど?」

茜「4日連続であの格好、多分・・・・あと3日は変な格好のままね」

レミ「すみれさん、本当にああいう時の感と行動力はすごいわね・・・」

茜「なんか・・・・お母さんがプロデュースして売れているからこっちも文句を言えないんだよね」

レミ「分かる。売れてしまうからこっちも強く言えない」

茜「次回は決勝トーナメント前、まずは新入生歓迎会から始まるよ」

レミ「【その名はチーム太陽】。次回もよろしく」


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第155話 その名はチーム太陽

絶賛、次のデュエルで躓いています。
キーメイスを20ターン、しかもリレーしながら守るって超大変・・・・原因は奏さんなんですけどね。


ちょっとストーリーを変えましたがそこはご愛嬌で。

R18の方はもう少々お待ちを・・・・あればかりはちゃんとネタを吟味してから執筆しないと痛い目にあうので・・・・


龍亞 side

 

 

『・・・・・というわけで、中等部に上がってからはより一層、学校生活を楽しんでください』

 

『ありがとうございました』

 

「・・・・・長え」

 

「またですか・・・・話が長いのはいつものことですよ」

 

「だって校長の話を聞くのは今日2回目だぜ」

 

「る、龍亞さん、少し声を小さくしてください・・・・」

 

今日は4月8日、デュエルアカデミアの始業式の日。無事に俺たち4人は小等部から中等部に進学。楽しみのクラス替えの結果、俺たち4人組が同じ中等部1-1となり、天兵やパティ達は中等部1-2になり、担任は今までのマリア先生から全く知らない先生へと変わってしまった。えっと・・・・・・更科先生だっけ?そんな女性の先生に変わってしまった。

 

とまぁ、そんな事は置いといて、今は始業式が終わり中等部に上がった俺たちに待っているもの・・・・それは部活紹介だ。

 

『それではこれより中等部に所属している部活を紹介します。まずは運動系の部活から』

 

「・・・・俺、軽音部以外に興味はないのだけど」

 

「龍亞・・・あれほど言ったじゃない。軽音部は部員を募集しないって・・・」

 

「何言ってるんだよ魔法少女龍可ちゃん、校長先生に押し込めばワンチャンあるって」

 

「///////そ、それを言わないで!!!!」

 

『そこ!!!」

 

「る、龍可さん!?」

 

「////・・・・す、すみません」

 

俺が龍可に魔法少女龍可ちゃんという言葉を耳元で言うと、龍可は顔を真っ赤にして立ち上がり反論してきた。しかし、司会進行をしていた先生に怒られてすぐに静まり座ってしまった。

 

あの後、すみれさんの迅速な対応により魔法少女姿の遊輝と龍可を乗せた雑誌が販売されると即座に完売した。元々人気モデルだった遊輝と龍可の魔法少女姿に女性ファンだけでなく男性ファンも女性のファッション雑誌を買い漁ったとか。んで、この魔法少女龍可ちゃんはすぐにアカデミアに広まり、登校初日に色んな生徒から揶揄われる自体となった。・・・・・ん?遊輝?バレてないよ?すみれさん曰く、「もしバレたら事務所の利益が減ってしまう」とのこと。まぁでも、すでに遊輝の女装姿はアカデミアでも結構有名だし、薄々感づいている人はいるんじゃないかな〜〜?

 

「(これでしばらくは龍可を揶揄うネタがあるな)」

 

『え〜、続きましてバスケ部の紹介になります』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『ありがとうございました。以上を持ちまして部活動の紹介を終わりたいと思います。続きまして、10分後に中等部軽音楽部による新入生歓迎コンサートが行われます』

 

「う〜〜ん!!!!やっと終わったよ!!!」

 

ようやく全ての部活紹介が終わって腕を伸ばす。部活紹介が終わったことで後ろの扉が開き、軽音部のライブを見たい生徒たちが流れ込むように入ってくる。

 

「興味もない部活の説明を聞くのは暇だったな・・・」

 

「2時間も座りっぱなしですし、さすがにお尻が痛くなってきました」

 

「そ、それより・・・・龍亞さん、本当に軽音部に入れると考えているのですか?」

 

「もちろん!!あれ以外だったら俺は部活入らない!!」

 

「むしろ遊輝たちからすればその選択にして欲しいっていうんじゃない?帰宅部って」

 

「僕も龍亞さんと一緒の意見ですよ。軽音部に入れるのでしたら入ります。ダメだったら何処にも所属しません」

 

恭輔も賛同している、っていうよりも龍可も祈もああは言ったが俺たち4人の意見は決まっている。全員、軽音部に入部予定だ。

 

「準備が終わっていきますね。楽器類のセットにアンプや機械のセッティングが終わって行きますよ」

 

「相変わらず仕事早いよな・・・・スタッフも入ってきたよ」

 

『お待たせしました。中等部軽音楽部による新入生歓迎コンサートを行います』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

会場から溢れんばかりの拍手が巻き起こり、舞台袖から軽音部のメンバーが順々に現れてくる。最後に奏さんが出て、マイクスタンドに刺してあったマイクを手に取った。

 

『ああ〜、マイクのテスト中・・・・・えぇ、大丈夫?とりあえず皆さん、中等部進学おめでとうございます』

 

《ワアアアアア!!!!》

 

『久しぶりにまともな挨拶をした気分だわ。毎回毎回、ライブの度にMCをアドリブでやるのはしんどいから』

 

『奏さ〜ん!!!』

 

『遊輝さ〜ん!!!』

 

『・・・・・頼むから今日はゆっくりさせて(汗)』

 

《アハハハ!!!》

 

『え〜、まずは桜ソングから行くわよ。開幕ナンバー、いきものがかり、『『SAKURA』』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

奏さんの歌声から始まったその曲は淡い歌声とピアノの音と重なり合う。

 

 

 

1 SAKURA 【いきものがかかり】

 

2 さくら 【ケツメイシ】

 

3 桜木町 【ゆず】

 

 

〜〜〜〜〜♪♪♪♪♪

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございます』

 

奏さんがフォークギターからエレキギターに持ち替えて、一歩下がる。そして、遊輝がヴォーカル用のマイクを奏さんから受け取って前に出た。

 

『え〜・・・・皆、楽しんでる?』

 

《イエエエエ!!!!》

 

『いいねいい・・・・あっ、一つ言うこと忘れてた。中等部への進学おめでとうございます』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『え〜、新入生にとって、ほとんどの人が小等部から上がった人でしょうが中にはここに転校・編入してきた人たちもいると思います。そんな人たちに向けて、僕から《旅立ち》をテーマに3曲ほど歌わせていただきます』

 

・・・♪♪♪〜〜〜

 

《オオオオオオ!!!!》

 

メンバーも無しに始まった遊輝のアカペラ。それに俺たちは驚き歓声をあげる。最後の節を言い終えるとスバルのドラムから始まり、響さんのピアノ演奏が始まった。

 

 

4 遠く遠く 【槇原敬之】

 

5 旅立ちの唄 【Mr.Children】

 

6 春の歌 【スピッツ】

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございました!!』

 

『と言うわけで・・・ちょっと遊輝の準備が終わるまで話に付き合ってもらえる?』

 

挨拶を終えた遊輝は一度舞台袖に下がる。その間に奏さんがエレキギターからフォークギターに持ち替えて色々と話し始めた。

 

『最近ね、まぁ去年何だけど文化祭の時にオリジナル曲を発表したじゃない?』

 

『またやるの!?!?』

 

『もう1回歌って!!』

 

『だから、あれはもう歌わないって(汗)。レミと遊輝と3人して素人感満載の歌だったって反省しているんだから』

 

《エエエエエエエエ!!!!》

 

『歌わない物は歌わないの。その代わりにね・・・・・もう1回、リベンジという意味を込めてね』

 

《オオオオオオ!!!!》

 

『・・・お願いだから最後まで言わせて(汗)。もう1回だけ、リベンジでやってみようかな・・・っていうのがあるのよ』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

『言っておくけど決定事項じゃないからね。やるかもしれないだからね!』

 

《エエエエエエエエ!!!!!!》

 

そんなちょっとしたやりとりをしている間にギターを手にした遊輝が帰ってきた。

 

『帰ってきたわね。と言うわけで今の話は忘れてちょうだい。それじゃ、どんどん行くよ!』

 

《イエエエエ!!!!》

 

『・・・・盛り上がってくれて悪いけど、次バラードだった(汗)。ごめんね』

 

《エエエエ!!!!》

 

『まぁまぁ・・・・響』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

 

7 旅立ちの日に 【川嶋あい】

 

8 リルラリルハ 【木村カエラ】

 

9 遥か 【GReeeeN】

 

10 Yell〜エール〜 【コブクロ】

 

11 未来へ 【Kiroro】

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜

 

曲が終わって拍手が巻き起こる。やがて拍手が止まるとスピーカーから音が流れ始める。その電子音の音に遊輝はギターの音を乗せていき、奏さんのMCが始まった。

 

『え〜、それでは次がラストになります。遊輝や私が未来へと向かう、未来へと希望がある歌を歌ってきました。今回最後の曲はそれから何十年後の未来・・・・仲間と会って和気藹々として、そしてまた、もう一歩踏み出そう・・・・・・そんな思いを込めました・・・・・B'z、《RUN》!!!』

 

♪♪♪〜〜〜!!!♪♪♪〜〜〜!!!

 

12 RUN 【B'z】

 

 

『Let's RUN〜〜〜〜〜!!!!』

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

《ワアアアアア!!!!!!!》

 

スバルのドラムと遊輝のギターによる余興が終わり、演奏が終わった。観客からは歓声と拍手が巻き起こる。後ろにいたメンバーは前に出て、遊輝とレミさんはギターとベースを置く。

 

『以上で中等部軽音楽部による新入生歓迎コンサートを終わります。ありがとうございました!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

軽音部のメンバー全員が頭を下げて舞台の幕が降りて、幕が閉じた。

 

「いや〜、盛り上がりましたね」

 

「け、軽音部のライブをこんな風に無料で見れるのは今じゃ珍しいですからね・・・・」

 

「確かにそうね・・・・2年前ぐらいなら普通に見れたけど」

 

「まぁいいじゃん!!明日、入部届けを校長先生に出しに行こう!それじゃ帰ろうぜ!」

 

「どうです?この後みんなでケーキ食べにいきませんか?」

 

「あっ、いいわね」

 

「私も賛成です」

 

「じゃあ奏さんのお店に行きましょう」

 

恭輔の提案に全員が賛成をして一度教室に戻った後、荷物を持ってアカデミアから出る。奏さんのお店まで歩いて10分ぐらいだ。

 

「奏さんのお店ってさ〜、今日は人多いかな〜?」

 

「さあどうでしょうね。平日ですし空いているんじゃないですか?というか何でそんな話をするのですか?」

 

「空いているんだったら席に座って全員でどうすれば軽音部に入れるか作戦会議を開こうと」

 

「・・・・・そこまでして入りたいの?」

 

「だって楽しいじゃん!!」

 

「ま、まぁ・・・確かにそうですけど」

 

「あっ、この裏道通った方が早く着くよ」

 

アカデミアから大通りを歩いている途中、この前見つけた裏道を指差してそっちに走る。この前、天兵たちと遊んだ時にこの道を見つけて良かったよ。

 

「あっ!まって龍亞!」

 

「そんなに走ったら危ないですよ!」

 

「平気平気!!」

 

後ろから龍可たちも追いかけてくる。そのまま細い暗い裏道を走り続けて、光が見えた表通りに飛び出した時・・・・・

 

「あ、危ない!!」

 

「えっ?」

 

裏道から表通りに飛び出した瞬間、右側から大声で叫んだ声が耳に入った。咄嗟にそっちの方に目を向けるとDホイールが目の前に迫っていた。

 

「うわっ!?」

 

ドン!!!

 

「る、龍亞さん!?大丈夫ですか!?」

 

裏道から通りに出た時、右から走ってきたDホイールにぶつかって転けてしまう。相手のDホイールの方も転倒してしまった。Dホイーラーは緑色のジャージを着た青年だった。

 

「いてててて・・・・・」

 

「いってぇ・・・・大丈夫君?急にDホイールの制御が効かなくなって」

 

「おい!!急に飛び出すなよ!!」

 

恭輔や龍可たちが俺の事を心配して、祈はDホイールに乗っていた人を見る。するとDホイールが走ってきた方から怒鳴るような声が聞こえてきた。その声の方に目を向けると青色のジャージを着た男の人がこっちに詰め寄ってくる。だけど、後ろにいた赤いジャージを着た男の人に抑えられる。

 

「ジン!!子供相手に怒るなよ!!それにこっちにだって悪気があるんだから!!」

 

「い、いや、いいよ・・・俺も飛び出してしまったし」

 

「本当にすみません。私の兄が・・・」

 

「・・・・・ん?」

 

今回は俺も悪いし、向こうも向こうで悪気があったとお互いに平謝りをしていた時、赤いジャージを着ていた人が恭輔の方をジッと見てきた。

 

「・・・・・・・・」

 

「あ、あの・・・どうかしました?僕の顔がそんなに変ですか?」

 

「・・・・思い出した!この子、次に俺たちが決勝トーナメントの初戦で当たるチームSECRETのメンバーだ!ほら!Dボードに乗ってデュエルをしていたエクシーズ使いの!!」

 

「あああ!!!本当だ!!!」

 

「えっ?」

赤のジャージの人が突然思い出したように喋り出して、緑のジャージを着ていた人がそれにつられるように恭輔の顔を見てきた。チームSECRETと決勝トーナメントの初戦で当たる?もしかして・・・・

 

「あ、あの・・・・もしかしてWRGP出場者の方ですか?」

 

「そうだ。俺たちは決勝トーナメント1回戦でチームSECRETと当たるチーム太陽って言うんだ。俺は山下太郎、ここにいる二人はチームメイトで緑色のジャージを着たこいつが林吉蔵、青色のジャージを着たこいつが谷川甚兵衛って言うんだ」

 

「おい太郎!何相手に気さくに話しかけているんだよ!」

 

「別にいいじゃないか。それにこの子たちはこんなに小さいんだぞ。こっちがそれなりの対応をしないと」

 

青色のジャージを着た甚兵衛っていう人は俺たちに対して何か突っかかるような姿勢だったけどそれを赤いジャージの太郎は止めに入る。

 

「とりあえず僕たちも自己紹介しておきましょう。僕は成田恭輔、ご存知の通り、チームSECRETのサポートメンバーです」

 

「お、同じくチームSECRETのサポートメンバー、櫻井祈です」

 

「俺は龍亞!チーム5D'sのメンバーだ!こっちは妹の龍可だよ!」

 

「龍可です。龍亞と同じくチーム5D'sのメンバーです」

 

「チーム5D's!?それってあのフォーチュン・カップの優勝者の不動遊星に元キングのジャックがいるチームか!?」

 

「そ、そうですけど・・・・」

 

「すげぇ!!そんな豪華なチームのチームメンバーと会えるなんて俺感激だよ!」

 

「ヨシ!!」

 

青色のジャージを着た吉蔵は憧れた表情で俺たちを見ていたがそれを甚兵衛が止める。

 

「しかし困ったな・・・・Dホイールの調子が一向に直らない」

 

「Dホイール・・・・・ですか?」

 

太郎が困ったような表情で転倒したDホイールを見つめる。そのDホイールはとてもオンボロ・・・じゃなくて年季が入っている。

 

「ああ、俺たちはあのDホイール1台を力を合わせて作って、WRGPに挑んでいるんだ」

 

「すげぇじゃんそれ!!手作りのDホイールで決勝トーナメント進出だなんて!!」

 

「でもな・・・・この前のゴーストの反乱の時に壊れてしまって・・・・・」

 

ゴーストの反乱って・・・・遊輝たちの予選が終わった時に起こった・・・・そう言えばあの時、他の会場でも予選を行なっていたんだった。

 

「何とかして決勝トーナメントの初戦までに直したいのだがなかなか・・・・・」

 

「だったら遊星に頼めばいいよ!!俺もさっきの事で謝らなきゃいけないし!」

 

「る、龍亞さん、簡単に言いますけど遊星さん忙しいのでは・・」

 

「だったらブルーノやスバルにだって頼めばいいし!」

 

「気持ちはありがたい。だけどすまないが遠慮しておく」

 

「えっ?」

 

「俺たちは自分たちの手でこのDホイールを作り上げて、WRGPに挑んだんだ。だから自分たちの手で直したいんだ。三人が力を合わせて作ったこのDホイールを」

 

そう言って太郎はあのDホイールを見つめる。でも調子が悪いままじゃ決勝トーナメントに出れるかどうかも分からないし、何より俺、何一つできないままだし・・・

 

「あ、あの・・・・私たちも非がありますので少しくらいならお手伝いを」

 

「だから助けはいらねぇって言ってるだろ!!どいつもこいつも俺たちのことを田舎者扱いのように可哀想な目をしやがって!!」

 

祈が俺に変わって修理を勧めてくれたが甚兵衛という人が突っかかってきた。

 

「で、でも、このままじゃ決勝トーナメントに出れないのでしょ?だからこちらから何か」

 

「分からないのか!!それが余計なお世話って言ってるんだよ!!」

 

「ちょっと!!そんな言い方はないでしょ!?断るにしてももっと優しい言い方があるのじゃないですか!?」

 

「うるさい!!お前らみたいな都会に育ったボンボンに俺たち田舎者の苦しみがわかってたまるか!!」

 

「ジン!!!言い過ぎだ!!!」

 

祈に対して甚兵衛はさらに強く当たってきたが、それを聞いていた恭輔は甚兵衛に反抗する。甚兵衛も恭輔に反応してさらにヒートアップして迫ってきたが太郎が止めに入った。吉蔵がそのまま甚兵衛を後ろに下げさせてもらい、太郎は屈んで俺たちに頭を下げた。

 

「すまない、あいつも悪気があった訳じゃないんだ。俺たち、田舎者でさ。俺やヨシは気にしていないんだが、あいつはどうも都会人とは馬が合わなくてな、この街に来てからずっとあんな調子で・・・・」

 

「いえ、いいですよ・・・僕も少しカッとなってしまいました」

 

「君の方がよっぽど大人だな。俺からはこんな事しかできないが、今日のところは引き取ってもらえないか?」

 

「・・・・・分かりました」

 

恭輔や祈も頭を下げて、今回の件はこれでお終いにして俺たちと太郎は別れた。

 

「・・・・ハァ、ごめんな。俺が飛び出したばっかりに」

 

「本当に・・・・気をつけてよね」

 

「もう奏さんのお店に行く気分じゃないな・・・・今日はもう帰ろう」

 

「そうですね・・・・僕もちょっと頭を冷やします」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「?祈、どうしたの?」

 

「・・・・あ、あれ」

 

祈が指を指した先にはDホイールを必死に修理するさっきの三人がいた。すごい真剣な表情をして、何とかしてDホイールを直せないかという必死感がすごい伝わってくる。

 

「・・・・・・やっぱほっとけねぇな。俺の責任もあるんだし」

 

「る、龍亞?」

 

「恭輔・祈、悪いけどスバルを呼んできて。俺と龍可はブルーノと遊星を呼んでくる」

 

「・・・・・分かりました。行きましょう祈さん」

 

「は、はい!」

 

俺は恭輔と祈にスバルを頼むようにお願いをして、龍可と一緒に噴水広場のガレージへと向かう。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「いた!!恭輔!!」

 

「連れてきましたよ、スバルさんを!!」

 

あれから30分後、ガレージにいた遊星とブルーノを捕まえて手短に状況を説明した。二人はすぐに快諾を得て、簡単な装備だけを手にして俺たちについてきてくれた。恭輔と祈達も無事にスバルを呼ぶことにできたみたいだ。

 

「遊星さん、話聞きました?」

 

「ああ、龍亞や龍可の話を聞いた限りでは大分困っている様子だな」

 

「早く見てみたいな〜〜、手作りのDホイールがどんな構造をしているのか」

 

・・・・・ブルーノを連れてきたのは失敗だったかな?何か変なことしそうで逆に怖くなってきた・・・・

 

「いたわ、あそこよ」

 

龍可と祈は先ほど俺が激突した場所から少し離れた広場にDホイールを修理している三人を見つけた。その三人のところへ俺たちは遊星達を案内する。

 

「難しいな・・・・このままじゃ決勝トーナメントに行くのは・・・」

 

「へへっ」

 

「うん?・・・!!お、お前!?」

 

俺が声をかけると太郎たちはこっちに気づき、振り向いてくれた。

 

「余計なお世話って言われてもやっぱりほっとく事が出来なかったんだよ」

 

「だから助けなんかいらないっていった「ありがとう。正直、困っていたんだ」!!た、太郎!!お前!!」

 

「すまないジン、三人でやり遂げたいという気持ちはあるんだ。でも、今のままじゃどうしようにも出来ないのも事実だろ」

 

「だ、だからってこんな奴らに頼まなくてもいいじゃないか。今までだって俺たち三人の力でやり遂げてきたんだ。これからも」

 

「じゃあジンはこのまま決勝トーナメントに出られなくていいのか?」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「・・・・・始めは勝てるかどうかも分からなかった。とにかく、この大きな大会に出れば何か見つかるかもしれない。そんな軽い気持ちで挑んだ予選だったけど、でも勝てたんだ。最初はマグレだと思ったけど、その次の試合も勝って予選を通過した。この時思ったんだ、マグレなんかじゃなくて、俺たちの実力で勝ち抜いたっていうことを」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「確かにジンの言う通り、自分たちの力で勝ち上がることに意味があるに違いない。でも、ここまで来たんだ!!俺はWRGPの決勝トーナメントに出てみたい!!たとえ初戦で負けても今の俺たちの実力が知りたいんだ!!」

 

「・・・・・勝手にしろ」

 

「ジン・・・・・ありがとう」

 

太郎の訴えにジンは素直にならないけれど、答えてくれて、太郎は頭を下げる。

 

「離してスバル君!!僕は早くあの手作りDホイールを見てみたいんだ!!」

 

「・・・・・殴るぞ?」

 

「ひっ!?ぼ、暴力反対!!」

 

「人の話が終わるまで勝手に触らないでくださいよ」

 

一方、こっちはやっぱりと言うべきか・・・・ブルーノがすぐにでも弄りそうだったのでスバルが羽交い締めをして止めている。

 

「じゃあ遊星さん、お願いします」

 

「わかった。ブルーノ、スバル」

 

「はいはい」

 

「や、やっと解放された・・・・」

 

遊星とブルーノ、スバルはすぐにDホイールのボディ部分を外す。そのまま中の機械類をペンライトを照らしながら丁寧に見ていく。

 

「・・・・・かなりガタがきていますね」

 

「ああ、大分使い込んでいるのが分かる。しかし丁寧に使ってきたから今まで問題がなかったのだろう」

 

「すごいね。これ本当に君たちが作ったの?完成度はかなり高いよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「それにしても勉強になるな・・・・手作りのDホイールになると市販のDホイールと違って回路や導線、エンジンの位置も変わってくるね。例えばこの空き缶とかハンガーとか」

 

「ブルーノさん、いい加減修理の方に力を入れてもらえませんか?」

 

「ごめんごめん。でも、今日持ってきた有り合わせの工具だけじゃちょっと難しいかな・・・」

 

「そうだな・・・・慌てて飛び出てしまったから簡易版の工具じゃ全てを見るのは難しい。おまけに夕暮れで外での修理は難しくなる。すまないが今日は診断だけでいいか?明日、またこの場所でちゃんとした修理を行いたい」

 

「大丈夫です。そのDホイールが無いと俺たちは練習ができませんから」

 

「あ、あの・・・遊星さん!!」

 

「?どうした?」

 

「サ、サインください!!!俺の父ちゃんと母ちゃん!!あ、あと、隣の田吾作の分も!!」

 

遊星が太郎にDホイールの状況と修理のことを伝えた時、吉蔵がカードを広げて遊星にサインを求めてきた。そのカードは通常モンスター、しかも初期に制作された低レベルなモンスターばっかりだ。

 

「お、おいヨシ!!何対戦相手にデッキを見せつけているんだ!!ここにはチームSECRETのメンバーもいるんだぞ!!」

 

「だ、だって、今ノートや色紙がないから・・・」

 

「明日があるだろ!!明日貰えばいいじゃねぇか!!」

 

「い、今もらっておかないと、忘れるじゃないか」

 

「ヨシ、ジンの言う通りだ。明日、忘れずに紙とペンを持って来ればいい話だ」

 

「それにしても何でハンガーや空き缶なんかDホイールの機密機会に入れているの?」

 

「空き缶はモーメントエネルギーを伝えるためのレギュレーター、ハンガーはY字フックの代わりだ。俺も昔、よく使っていた」

 

「えっ!?ゆ、遊星さんも!?」

 

「ああ、昔、サテライトで自分のDホイールを作っていた時だ。あの時のサテライトは物資が無かったから、代わりの代用となるものは何でも使っていたさ」

 

「へぇ〜、じゃあ今の遊星さんのDホイールにもまだハンガーとかあるのですか?」

 

「さすがに今はないな。修理屋を始めてからスクラップになったものを修理して、使っているから」

 

「さすが遊星さんですね。俺には一からDホイールを作るなんて芸当できやしねぇや」

 

「よっと、こんなものかな?遊星、全体を把握したよ」

 

「分かった。今日はこの辺りで終わる」

 

「いえ、こちらこそありがとうございます。それと龍亞、ありがとう」

 

遊星と太郎がお互いに握手をしたあと、太郎は俺にも右手を差し出した。それを俺は快く受け取って握手をする。

 

「いいよ。元は俺が悪かったし」

 

「龍亞、帰るわよ。遊輝がもう家に帰ってるらしいわ」

 

「えっ!?マジで!?」

 

「・・・・遊輝?遊輝ってチームSECRETのリーダーでフォーチュン・カップ準優勝者であり、エクシーズ召喚創始者の遠藤遊輝?」

 

「僕たちのリーダー、訳あって龍亞さんと龍可さんの家に居候させてもらっているのです」

 

「そうか・・・・大変なんだな」

 

「じゃあね太郎!!また明日!!」

 

「ああ、また明日」

 

遊星・ブルーノ、そして龍可と一緒に太郎達に大きく手を振る。そして後日、遊星、ブルーノ、スバルの三人のメカニックはチーム太陽のDホイールの修理を終わらせた。




霊夢「あれ、作れるんだ」

スバル「よっぽど腕のいいメカニックなら手作りで行けるぞ。俺はそんな腕がないけど」

龍亞「何言ってるんだよ、Dボード作ったじゃんか」

スバル「あれは遊星さんと共同だからな。俺のアイデアよりも遊星さんのアイデアの方が多い」

魔理沙「私からすればあんな細かい機械を触る作業を平気で黙々とやっていられるのが不思議だぜ」

スバル「相性があるからな〜」

霊夢「魔理沙には向いてないわね」

魔理沙「何だと!?そう言う霊夢こそできないだろ!!」

龍亞「次回は決勝トーナメント1回戦、チームSECRETとチーム太陽のデュエルが始まるよ!」

スバル「【手を繋ぐ魔神と代行者】。次回もよろしく!」


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第156話 手をつなぐ魔神と代行者

最強カードの紹介〜〜。

遊輝「・・・・何だろう、実家のような安心感」

やっと遊輝君が戻ってきたのでちょっと順番をズラして遊輝君に来てもらいました。

遊輝「それでチーム太陽戦だけど、何に苦しんだんだ?」

まずノーマルカードの定義。何時ぞやにニコニコ動画で有名な地○さんが言っていたけど、ノーマルカードの定義がわからない。

遊輝「あぁ、それは分かる。再録のノーマルカードを入れていいかという疑問もあるし、何よりアニメのカードがそれがノーマルなのかも分からないし」

っていうわけである程度は妥協させてください。それともう一つ、キーメイスを20ターンもリレーで繋げるのが難しい。一人だけならめちゃくちゃ楽。

遊輝「ああ、なんか分かるわ。一対一だったら相手の攻撃を防げばいいけど、リレー形式だったらライブだけ減らさなきゃいけないからな」

だからチーム太陽戦の脚本書いた人凄いと思うよ。自分でやってみたら結構難しい。できる限りアニメと同じような経過を描いたけど・・・どうだったかな?
まぁそんなわけで・・・・最強カードの紹介に行くか。

遊輝「今回は手をつなぐ魔人。チーム太陽のキーカードだな。Lv4の闇属性悪魔族モンスター」

効果は攻撃対象を自分のみにして、自分フィールドの他の表側守備表示モンスターの元々の守備力分、守備力がアップする。

遊輝「言っちゃ悪いけど、アニメ向きのカードだな。現実は表側守備表示の召喚ができないのが本当にキツイ」

一応、『つまずき』というカードを使えば真価を発揮するけど、それだったら別のロックデッキを使えばいいという・・・・ね。

遊輝「第156話、ライディングデュエルアクセラレーション!!」


遊輝 side

 

 

『長らくお待たせした!!!2ヶ月の時を経て、遂にWRGPの決勝トーナメントが始まる!!すでにBブロックの1回戦第1試合はチームラグナロク、Bブロック1回戦第2試合はチーム5D'sが勝ち上がった!!別の試合で行われているAブロック1回戦第1試合もチームニューワールド優勢のまま進んでいる!!はたしてここ、Aブロック1回戦第2試合で勝ち上がるのはチームSECRETなのか!?あるいはチーム太陽なのか!?』

 

「はあ!?ノーマルカードのみ!?」

 

「え、えぇ・・・僕たちがチーム太陽のDホイールを修理を見ていた時、チーム太陽の一人が見せたデッキにはノーマルカードしかありませんでした」

 

ネオドミノシティの復旧のために遅れていたWRGPの決勝トーナメント、無事に全ての復旧が終わり再開されたのは5月に入ってからだ。今日は俺たち、チームSECRETの決勝トーナメント1回戦。試合が始まる前の最後のミーティングを行っている。相手はチーム太陽なんだが、偶然にも恭輔、祈、スバルの三人はチーム太陽のDホイール修理の時にデッキを見たと言ってきた。

 

「ノーマルカードのみで勝ち上がる・・・・確かに出来なくはないけど・・・・」

 

「考えられるのは凄い腕がある・・・ということしか言えないわね」

 

「そ、それがですね・・・・その見たノーマルカードもほとんどが初期の通常モンスター中心のデッキなんですよ」

 

「えっ!?初期の通常モンスター中心!?」

 

「あぁ、正直、あれだけで勝ち上がってきたとはにわかに信じ難いんだ」

 

「一体どんな戦術を使って・・・・」

 

スバルたち三人の情報を聞いて、メンバー全員はチーム太陽の戦術に悩みに悩んでいる。まぁそうだよな、それでどうやって勝つのかは難しいよな。

 

「まぁ、何にせよ、決勝まで勝ち上がった相手なんだ。油断するなよ」

 

「・・・・・なんか調子こいているわね」

 

「おいおい、これでも一応、俺は転生者なんだからさ」

 

「あっ!?お前まさか知ってるのか!?」

 

「さあね?」

 

「その顔!!知ってる顔ね!!教えなさいよ!!」

 

「バ〜カ、今から対戦する相手の戦術を教えるバカがどこにいるんだ?」

 

俺自身、チーム太陽と戦えるとは思わなかったから凄いワクワクしている。上手くいけばあの滅多に見れないモンスターをお目にかかれるかもしれん。チームを勝たせるためにはその作戦を潰さなければならないかもしれないが、今回ばかりは個人的な欲求に付き合ってもらおう。

 

「っと、時間だ、行くぞ。ファースト、奏。セカンド、スバル、ラスト、俺でいくぞ」

 

「あっ!?ちょっ!?」

 

「せめてなんか言えよ!!」

 

こんな所で言ったら面白くないので無視無視。とにかく今は・・・・・・勝ち上がらないとな。

 

遊輝 side out

 

 

奏 side

 

 

『さあ始まるぞ!!決勝トーナメントAブロック1回戦第2試合!!チーム太陽のファーストDホイーラー、林吉蔵!!一方、チームSECRETのファーストDホイーラー、水野奏がスタートラインに並んだ!!』

 

全く・・・・遊輝は何を考えているのよ・・・・まぁいいわ。相手のデッキの情報でも手に入っただけでも違うわ。

 

「あ、あの・・・・」

 

「うん?」

 

「きょ、今日はよろしく!」

 

「えぇ、よろしくね」

 

『さあデュエルの時間だ!!フィールド魔法、スピード・ワールド2!!セットオン!!』

 

私と相手のDホイールからフィールド魔法のスピード・ワールド2が発動される。フィールドは少しだけ暗くなる。そして私たちの目の前に電子版のシグナルが現れる。

 

『行くぞ!!ライディングデュエル!!アクセラレーション!!』

 

シグナルが赤から青になった瞬間にアクセルをフルスロットルに回す。これで前に・・・・ハッ!?

 

『おっと!!前に出たのはチーム太陽!!予選とは見違えるDホイールのパワーだ!!』

 

「えぇ!?」

 

ちょ!?スバルたち何をしたのよ!?手作りDホイールであんなに出力が出るなんて聞いてないわよ!?

 

『このまま第一コーナーはチーム太陽か取った!!』

 

「くっ・・仕方ないわね・・・行くわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

奏 LP 4000 吉蔵 LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

吉蔵 手札 6枚

奏 SPC 0→1 吉蔵 SPC 0→1

 

「(よし!)俺はキーメイスを守備表示で召喚!」

 

「キ、キーメイス!?」

 

キーメイス 守300

 

『おおっと!!ここで出したのはキーメイス!!予選の時のようにチーム太陽はノーマルカードのみで戦うみたいだ!!』

 

き、聞いていたとはいえ・・・・本当にノーマルカードのみで戦うなんて・・・・問題は戦術だよね・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

吉蔵 手札 4枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

キーメイス 守300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

と、とにかく、どんな相手でも自分のデュエルを貫き通さないと!

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 6枚

 

奏 SPC 1→2 吉蔵 SPC 1→2

 

「チューナーモンスター、神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

『ふわぁ・・・・何よ朝早くから・・・』

 

「デュエルって言ったでしょうが!!アースの効果発動!デッキからアース以外の《代行者》モンスター1体を手札に加える!創造の代行者 ヴィーナスを手札に加えて、バトル!

 

「待った!メインフェイズ終了時にリバースカードオープン!威嚇する咆哮!このターン、相手は攻撃宣言出来ない!」

 

相手が発動した罠カードから咆哮が吠えられて、アースは萎縮してしまい攻撃ができなくなってしまった。

まぁ・・・ここまでは予想できるわね。となると考えられるのはここから上級モンスターへの足がかりね。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 3枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

神秘の代行者 アース 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

吉蔵 手札 5枚

 

奏 SPC 2→3 吉蔵 SPC 2→3

 

「手をつなぐ魔人を守備表示で召喚!」

 

手をつなぐ魔人 守1600

 

相手フィールドに大きな黄色い手をした翼がX字のモンスターが現れる。そしてそのモンスターと手をつなぐ魔人が手を繋いだ。

 

「手をつなぐ魔人の効果!このカードの守備力は俺のフィールドの表側守備表示モンスターの元々の守備力の合計分アップする!」

 

手をつなぐ魔人 守1600→1900

 

「そして相手は手をつなぐ魔人にしか攻撃出来ない!」

 

つまり手をつなぐ魔人を突破しない限り相手のモンスターを破壊できない?っていうことは相手の戦術は守備固め?それでどうやって三人抜きするつもり?・・・・・・あっ、もしかしてスピード・ワールド2の効果ダメージ?

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

吉蔵 手札 2枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

キーメイス 守300

手をつなぐ魔人 守1900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

奏 SPC 3→4 吉蔵 SPC 3→4

 

そんなチマチマした戦法だと重量級の速攻デッキに弱い気もするけど・・・・まぁ私の《堕天使》みたいなデッキはライディングデュエルに向いていないからあんまりいないわね。

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

スピード・ワールド2の効果ダメージ狙いならあんまりライフを減らしたくないけど、これじゃ埒があかないからね。

 

「創造の代行者 ヴィーナスの効果発動!ライフを500ポイント払うことに神聖なる球体(ホーリーシャインボール)をデッキ・手札から1体特殊召喚する!私は1500ポイント払ってデッキから3体特殊召喚!」

 

奏 LP 4000→2500

神聖なる球体 攻500 ×3

 

「Lv2の神聖なる球体3にLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆8

 

「天空の聖域に従えし神聖なる騎士よ、聖なる光の下に邪悪なる闇を掻消せ!シンクロ召喚!現れろ!神聖騎士(ホーリーナイト)パーシアス!」

神聖騎士パーシアス 攻2600

 

アースが2つの緑色の輪となってその中に神聖なる球体3体が合計6つの星となり、一つの光となる。その中から白い翼を羽ばたかせて、白を基調とした鎧を着た白馬に乗った騎士が駆け抜けてきた。

 

「パーシアスの効果発動!1ターンに1度、フィールドの表側表示のモンスター1体の表示形式を変更する!私は手をつなぐ魔人を選択!」

 

「永続罠、スクラム・フォースを発動!俺の場に表側守備表示モンスターが2体以上存在する時、相手は守備表示モンスターを効果の対象に取ることはできない!」

 

「カウンター罠、魔宮の賄賂!スクラム・フォースの発動を無効にして破壊する!その後、相手は1枚ドローできる!」

 

「ぐっ・・・ドロー!」

 

吉蔵 手札 2枚→3枚

手をつなぐ魔人 守1900→攻1000

 

相手のモンスターの前にスクラムを形成した軍団が現れようとしたけど、私が発動した魔宮の賄賂によって無効にされる。これにより、パーシアスの効果を受けた手をつなぐ魔人が攻撃表示になった。

 

「バトル!神聖騎士パーシアスで手をつなぐ魔人に攻撃!」

 

「リバースカードオープン!和睦の使者!」

 

パーシアスの攻撃は相手が発動した和睦の使者によって防がれた。う〜ん、ここまでして守りたいとは・・・・手をつなぐ魔人がキーカードなのかしらね?

 

「ターンエンド!」

 

奏 手札 3枚 LP 2500 SPC 4

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

神聖騎士パーシアス 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

吉蔵 手札 4枚

奏 SPC 4→5 吉蔵 SPC 4→5

 

「フィールド魔法、スピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除き、手札のSP1枚につき800ポイントのダメージを与える!俺の手札にはSPが1枚!」

 

吉蔵 SPC 5→1

奏 LP 2500→1700

 

相手がスピード・ワールド2を使ってきて、私に800ポイントのダメージを与えてくる。その反動により、少しバランスを崩すがすぐに立て直す。

 

「手をつなぐ魔人を守備表示に変更!そして大木炭18を守備表示で召喚!」

 

大木炭18 守2100

手をつなぐ魔人 守1900→4000

 

相手のフィールドに大木炭18が現れてキーメイスとは反対側の手を手をつなぐ魔人とつないだ。守備力4000か・・・・さすがにちょっと突破し辛いところまで上がってきたわね。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

吉蔵 手札 1枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

キーメイス 守300

手をつなぐ魔人 守4000

大木炭18 守2100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『おおっと!!またしても守備モンスターを固めただけだ!!』

 

『いい加減しろ!!』

 

『俺たちはデュエルを見にきたんだ!!チマチマした戦法を見せるんじゃねぇ!!!!』

 

「なるほどね・・・守備表示で固めてスピード・ワールド2の効果ダメージで勝ち上がるデッキなのね」

 

「大会ルール上、スピード・ワールド2は破壊できません。とても有効な戦法です」

 

「これは奏っちには少し不利な対面かな?」

 

「まだ分からないぞ。今の奏のパーミッションは守るだけじゃなく、攻めもできる」

 

「そうね。どれだけ固めても必ずほころびは出てくるわ」

 

「(みんな色々と推測しているけど、いつになったらキーメイスの存在に気づくかな・・・・まぁ、何にも言わずにこいつらの反応を見るのが面白いんだけど)」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

奏 SPC 5→6 吉蔵 SPC 1→2

 

「スタンバイフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、スクラム・フォース!」

 

「また!?」

 

相手がもう一度スクラム・フォースを発動して、相手フィールドのモンスターがスクラムを形成した。・・・・こうなってくると攻めたほうが良いかもね。我慢比べをやり過ぎると何も出来ずにやられてしまう可能性があるわ。

 

「チューナーモンスター、共鳴の代行者 ネプチューンを召喚!」

 

共鳴の代行者 ネプチューン

 

「Lv3の創造の代行者 ヴィーナスにLv3の共鳴の代行者 ネプチューンをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

ヴィーナスとネプチューンが一つの光となって、その光から大きな雷雲が現れる。雷が鳴り響く中、手に弓矢を持ったライトニング・エンジェルがフィールドに舞い降りてきた。

 

「(ぐっ・・・・レアカード・・・・)」

 

「ライトニング・エンジェルの効果発動!シンクロ召喚成功時、墓地のカウンター罠を1枚手札戻す!私は魔宮の賄賂を手札に戻す!さらに墓地の創造の代行者 ヴィーナスを除外することで手札からマスター・ヒュペリオンを特殊召喚!」

 

マスター・ヒュペリオン 攻2700

 

フィールドに太陽を中心とした太陽系の惑星が現れる。その太陽系の惑星が太陽を中心とした円を描くように動いて、太陽からマスター・ヒュペリオンがフィールドに現れた。

 

「マスター・ヒュペリオンの効果発動!墓地の神聖なる球体を除外して、スクラム・フォースを破壊する!」

 

マスター・ヒュペリオンが墓地にいた神聖なる球体を除外して、自身の両手をあわてせエネルギーを作る。そのエネルギーをスクラム・フォースに向けて放った。

 

「これでスクラム・フォースは破壊されたわよ!」

 

「それはどうかな?」

 

「?・・・・!?は、破壊されてない!?」

 

「スクラム・フォースは破壊される代わりに俺の場の他の魔法・罠1枚を破壊することでその破壊から免れる!」

 

えっ!?あのカード破壊耐性なんてあるの!?しかも発動した後だからライトニング・エンジェルでも無効にできないじゃない!!となると・・・・ここは魔宮の賄賂を捨ててモンスターをサーチしておこう。

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果発動!手札のカウンター罠を1枚墓地に送ることでデッキからLv4以下の天使族モンスターを手札に加える!魔宮の賄賂を捨てて、奇跡の代行者 ジュピターを手札に加える!招集の鐘!」

 

手札の魔宮の賄賂をコストにして、ライトニング・エンジェルの上に鐘が現れて、その鐘が鳴り響いてデッキのジュピターを手札に加える。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 1700 SPC 6

【モンスターゾーン】

神聖騎士パーシアス 攻2600

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

マスター・ヒュペリオン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

吉蔵 手札 2枚

奏 SPC 6→7 吉蔵 SPC 2→3

 

「(・・・・・グッ、カウンター罠以外の罠を発動できない?まずいな・・・・・)ドレイクを守備表示で召喚!」

 

ドレイク 守800

手をつなぐ魔人 守4000→4800

 

「(また守備モンスター?徹底したロック戦術をしてどうするつもり?私はともかく、後ろ二人は速攻が得意わよ)」

 

「(ここは・・・)これでターンエンド!」

 

吉蔵 手札 1枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

キーメイス 守300

手をつなぐ魔人 守4800

大木炭18 守2100

ドレイク 守800

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

奏 SPC 7→8 吉蔵 SPC 3→4

 

・・・・・ああ、これ引いたのね。それだったらここはジュピターを温存しておきましょう。万が一、全滅した時の保険として残しておこう。

 

「マスター・ヒュペリオンの効果発動!墓地の神聖なる球体をゲームから除外してスクラム・フォースを破壊する!」

 

再びマスター・ヒュペリオンが神聖なる球体をゲームから除外して、エネルギーに変えてスクラム・フォースを破壊した。

 

「神聖騎士パーシアスの効果発動!手をつなぐ魔人を攻撃表示に変更させる!」

 

手をつなぐ魔人 守4800→攻1000

 

「バトル!マスター・ヒュペリオンで手をつなぐ魔人に攻撃!」

 

マスター・ヒュペリオン 攻2700

手をつなぐ魔人 攻1000

 

吉蔵 LP 4000→2300

 

「グワアアア!!!!」

 

「さらに神聖騎士パーシアスでドレイクを攻撃!パーシアスは貫通効果を持っているわ!」

 

神聖騎士パーシアス 攻2600

ドレイク 守800

 

吉蔵 LP 2300→500

 

「そしてライトニング・エンジェル・ドラゴンで大木炭18を攻撃!ライトニング・アロー!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴンが持っている弓を引いて、電気を纏った矢を大木炭18に向かって放った。大木炭18はその矢の攻撃を食らってそのまま破壊されてしまった。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 1700 SPC 8

【モンスターゾーン】

神聖騎士パーシアス 攻2600

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

マスター・ヒュペリオン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

 

よし、このまま押し切るわよ!




紫「なんでパーシアスでキーメイスを狙わなかったの?」

奏「それは次の話で分かります。一つ言うとすれば一対一だったら間違いなくキーメイスでしたけど、今回は団体戦なのである事を頭に入れてキーメイスではなくドレイクにしました」

遊輝「あとは作者の都合じ「お兄様!それ以上はダメだよ!」むぅ〜〜・・・・」←口を抑えられた

フラン「私だってあのカードを出すところは見ていたいんだからさ!」

奏「・・・・あのカード?」

紫「あれは確かに。ロマンカードだけど出すチャンスがあるなら見て見たいわね」

遊輝「と言うわけで次もチーム太陽戦。【鉄壁のスクラムから一筋の光】。次回もよろしく」

奏「・・・・何、この仲間はずれ感」


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第157話 鉄壁のスクラムから一筋の光

【*急遽書くことになりました・・・・・
マスタールール4(仮)が発表されましたね。若干の小説殺しが(涙)。
この小説はもう終盤ですのでリンク召喚を扱うことは致しません。マスタールール2とマスタールール3を併用しながらペンデュラム召喚まで使用します】


最強カードの紹介〜。

龍可「・・・やっと普通の日常生活に戻れたわ」

前回の遊輝君に引き続き、番外編で抜けていた龍可ちゃんが順番を飛ばしてきました。

龍可「もう・・・・思い出したくない」

遊輝君とのあんな事やこんな事?

龍可「////ち、違う!!!あ、あれは・・・・・その・・・・」

これ以上はちょっとアウトなので言いませんが、どうやらあんな事やこんな事が楽しかったようです。

龍可「////だ、だから!!!」

では最強カードの紹介に行きましょう。今回はE・HERO Great TORNADO!!風属性とE・HEROを融合素材とする融合モンスターだ!

龍可「・・・・・え、えっと、融合召喚成功時、相手フィールドの表側表示のモンスター全ての攻撃力と守備力を半分にします」

突破力の少ない属性HEROにおいて数少ない突破要因だ!風属性モンスターはエアーマンがいるからミラクル・フュージョンを使うと簡単に出せるぞ!

龍可「第157話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


前回までの状況

 

 

奏 手札 2枚 LP 1700 SPC 8

【モンスターゾーン】

神聖騎士パーシアス 攻2600

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

マスター・ヒュペリオン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

吉蔵 手札 1枚 LP 500 SPC 3

【モンスターゾーン】

キーメイス 守300

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

 

遊輝 side

 

「大分奏が優勢になったな」

 

「これならファーストホイーラー対決は大丈夫でしょうね、師匠」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「師匠?ししょ〜〜う?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・あっ!!」

 

「あいてっ!?何しやがる!?」

 

「あんた何呑気にイヤホンさして音楽なんか聴いてるのよ!?」

 

せっかくアップテンポの曲のサビに入っていい感じに乗ってきたときになんて事をしやがる!!耳が痛いじゃないか!!

 

「あんたそれでもチームリーダー!?」

 

「だって周りがうるせぇから集中できねぇんだもん!!」

 

ブーー!!!ブーー!!!

 

『さっさと消えちまえ!!』

 

『金返せ!!』

 

俺がイヤホンをして音楽を聴いていた理由、それは奏とチーム太陽のデュエルに不満のある観客の心無いブーイングの嵐が巻き起こってるからだ。別にルール上、何ら問題もない戦術でこちらが言いよる爪がないのに心汚い観客は面白くないの一点張り。そんな事で集中出来ないからさっきから音楽をかけているのに。

 

「周りがうるさいのは認めるけどさ、もうちょっとリーダーらしくしてろよ」

 

「心配しなくても色々と指示は出している。それにこのデュエル、奏の勝ちだ」

 

「えっ?」

 

「俺のターン!」

 

吉蔵 手札 2枚

 

奏 SPC 8→9 吉蔵 SPC 4→5

 

「カードを1枚伏せてスピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除き、手札のSP1枚につき800ポイントのダメージを与える!」

 

「カウンター罠、地獄の扉越し銃!効果ダメージを相手に移す!」

 

「なっ!?」

 

吉蔵 SPC 5→1

吉蔵 LP 500→0

 

WIN 奏 LOS 吉蔵

 

 

『決まったああ!!!チーム太陽の効果ダメージの戦術をチームSECRETのファーストホイーラー、水野奏は逆手に取った!!ファーストホイーラー対決の勝者はチームSECRET、水野奏!!!!』

 

『ワアアアア!!!!!!』

 

「ほらな」

 

「お前・・・・・」

 

「な、何で分かったのですか?」

 

「前のターンにパーシアスでキーメイスを攻撃しなかったからだ」

 

前のターン、キーメイスを殴れば奏は勝っていたのだがそれはしなかった。つまり、奏にはスピード・ワールド2の効果ダメージを跳ね返す地獄の扉越し銃を引いたという事になる。一対一のデュエルではなく、三対三のライディングデュエルによる団体戦はSPCが非常に重要になってきて、特にチーム太陽はスピード・ワールド2の効果ダメージで勝ち上がってきたチームだ。そんなチームだからこそ、この地獄の扉越し銃によるカウンターは非常に大きなダメージとなる。なんせ、SPCを4つ無駄にしたことになるからな。

 

『さあチーム太陽はセカンドホイーラーの谷川甚兵衛にバトンタッチ!!この圧倒的な不利な状況を覆せるのだろうか!!』

 

『今度はちゃんと攻撃しろよ!!』

 

『しょうもねぇデュエルを見せるなよ!!』

 

「さてと・・・・奏にはそのまま続投してもらおう。恭輔、1」

 

「は、はい!」

 

恭輔に電子ボードの番号を打ち込んでもらい、それをコースに出す。スタート地点に戻ってきた奏はその電子ボードを通り過ぎていき、チーム太陽の二人目のDホイーラーがその後を追うようにはしっていった。

 

「(んじゃまぁ・・・・また聴きますか)」

 

そうやってまたイヤホンを耳につけた。そして、スマフォに入っている曲を流す。

 

 

遊輝 side out

 

 

奏 side

 

 

「ヨシは負けたが俺はそう簡単にはやられないぜ!」

 

「悪いけど貴方も倒して大将を出させてもらうわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

奏 LP 1700 甚兵衛 LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

甚兵衛 手札 6枚

 

奏 SPC 9→10 甚兵衛 SPC 1→2

 

「(ヨシの残したカード・・・・なるほど)俺は手をつなぐ魔人を召喚!」

 

「また!?」

 

手をつなぐ魔人 守1600→1900

 

再び手をつなぐ魔人が相手フィールドに現れて、キーメイスと手をつないだ。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

甚兵衛 手札 2枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

キーメイス 守300

手をつなぐ魔人 守1900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

奏 手札 3枚

奏 SPC 10→11 甚兵衛 SPC 2→3

 

「スタンバイフェイズ、リバースカードオープン!速攻魔法、SPー禁じられた聖杯!SPCを1つ取り除いて、ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果をエンドフェイズまで無効にする!」

 

甚兵衛 SPC 3→2

 

相手が発動した禁じられた聖杯によってライトニング・エンジェルの上に聖杯を持った天使が現れて、聖杯の中に入った液体がライトニング・エンジェルに向かっておちてくる。

これは・・・・恐らくこのターン、罠カードを打ちたいのね。

 

「(それにしても何か引っかかるわね・・・・単純に効果ダメージを与えるだけならわざわざ手をつなぐ魔人とか出さなくてもいいはず・・・・まさかターンを稼いでいる?)」

 

私の頭の中には何かが引っかかり出した。どうも二人目のDホイーラーの戦法がチーム太陽の効果ダメージによる勝利に結びつかない。もちろんそのようなカードがないのは分かるけど、この破壊されやすい状況で手をつなぐ魔人を出すことがどうしても引っかかる。

 

「(・・・・もしかして何かモンスターを生き残ることに意味がある?それだったらそれなりに鉄壁を引くこともわかるわね。となると・・・・)」

 

そう思って私は手札にある1枚のカードを手に取る。本当ならこのカードはSPCをあまり使わない私のデッキの中で唯一、相手のモンスターを一層できるカード。しかし、今は自分の被害の方が大きい。

 

「(・・・・でももし、モンスターを守るためなら戦闘でやるよりも効果破壊の方が有効かもしれない。よし・・・・)SPージ・エンド・オブ・ストームを発動!SPCが10個以上ある時、フィールドのモンスターを全て破壊してその後、お互いのプレイヤーはコントロールしていたモンスターの数×300ポイントのダメージを受ける!」

 

「させるか!リバースカードオープン!永続罠、スクラム・フォース!」

 

「!?し、しまった!!」

 

「これで俺の場の守備表示のモンスターは破壊されない!!」

 

私が発動したジ・エンド・オブ・ストームにより、フィールドに大きな爆発が起きる。これにより、お互いのフィールドのモンスターは全て破壊された。しかし、相手はスクラム・フォースを発動したことによりジ・エンド・オブ・ストームの破壊から免れた。

 

「グウウウウ!!!!!!!」

 

奏 LP 1700→800

 

ジ・エンド・オブ・ストームの爆風に巻き込まれてDホイールのバランスを崩してスピンしてしまう。壁に当たりそうなところで体制を持ち直し、追い抜かれてしまった相手を追いかける。

 

「(やっぱりモンスターを守ってターンを稼ごうとしているわね・・・・とはいえ今の行動は焦ったわね・・・・・・仕方ない。ここは次のスバルのためにSPCも温存しておこう)奇跡の代行者 ジュピターを召喚!」

 

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

 

「これでターンエンド!」

 

奏 手札 1枚 LP 800

【モンスターゾーン】

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

甚兵衛 手札 3枚

 

奏 SPC 11→12 甚兵衛 SPC 2→3

 

「プリヴェント・ラットを守備表示で召喚!」

 

プリヴェント・ラット 守2000

手をつなぐ魔人 守1900→3900

 

フィールドに青い甲羅を背にした亀みたいなモンスターが現れる。そのモンスターと手をつなぐ魔人が手をつないで、手をつなぐ魔人の守備力はさらに上がる。

 

「カードを1枚伏せて、SPースピードストーム!SPCが3つ以上ある場合、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

奏 LP 800→0

 

WIN 甚兵衛 LOS 奏

 

奏 side out

 

 

遊輝 side

 

 

『決まったああ!!チーム太陽、セカンドホイーラーの谷川甚兵衛がチームSECRETの水野奏をくだした!!チームSECRETは二人目の遊城スバルにバトンが移る!!』

 

「奏のやつ、やけに急いでいる様子だったけど何だったんだ?」

 

「た、確かに・・・・最後2ターンは奏さんらしくありませんね」

 

「奏っちが帰ってきたわよ!」

 

このデュエルで負けた奏がコースからピットに入ってきた。Dホイールを止めて、茜や恭輔、祈達が次のスバルのための準備を始める。

 

「スバル!!相手にターンを稼がないようにさせて!!それとすぐにモンスターを全滅させて!!」

 

「はぁ?どういう事だ?」

 

「分からない!!でも、チーム太陽の狙いは恐らくターンを稼ぐことだわ!」

 

「ふ〜ん・・・・分かった。できる限りやってみせる」

 

「準備OK!」

 

「Go!」

 

全ての準備を終えた事を確認した茜がフラッグを持ったレミに伝えて、レミはフラッグを下から上に上げる。それを見たスバルはスロットルを回してピットからレーンに出た。

 

『チームSECRET、セカンドホイーラーは遊城スバル!!アカデミアの英雄、遊城十代の子孫はWRGPの初陣でどんなデュエルを見せるのか!?』

 

『負けるなよ!!チキンなチームになんかぶっ倒せ!!』

 

「おかしい・・・・何でこんな事を・・・」

 

一方、負けた奏は未だにDホイールに跨いだまま、チーム太陽の戦術について考えている。

 

「(大分近づいたな・・・・ヒントをやろうか・・・)」

 

そう思った俺はピットの監督席から立ち上がった奏のところまで行く。

 

「お疲れさん、まあまあの出来だよ」

 

「遊輝・・・・・チーム太陽は何を・・・」

 

「ヒントを教えてやろう。奏の考えは正しい。あと・・・6ターンだ」

 

「あと6ターン?どういうことよ?」

 

「そっから先は自分で考えろ」

 

「ちょっ!?遊輝!?」

 

ヒントだけを奏に教えた俺は再び監督席に戻り、イヤホンをつけて音楽を流す。

 

「(・・・・あっ、電池ねぇ。バッテリーバッテリー)」

 

「(・・・・あと6ターン?)」

 

「奏?どこにいくの?」

 

「・・・ごめん、ちょっと控え室に戻るわ」

 

Dホイールから降りた奏はレミに自身のDホイールを預けてピットから控え室に戻って行った。さてと、スバルの状況は?

 

『セカンドホイーラーの遊城スバルが甚兵衛に追いついた!!さぁどんなデュエルを見せてくれるのだ!?』

 

「あの時のメカニックか・・・・」

 

「ヘヘっ、楽しいデュエルをしようぜ!」

 

「・・・・・ああ」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 甚兵衛 LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

スバル SPC 12 甚兵衛 SPC 3→4

 

「(奏の伏せカードは・・・・・ああ、攻撃の無力化と透破抜きか。そりゃ使い道なかったな、まぁ問題ない。奏がSPCを貯めてくれたおかげで1ターン目から動けそうだ)SPー増援!SPCを3つ取り除いて、デッキからLv4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える!」

 

スバル SPC 12→9

 

「俺はE・HERO エアーマンをくわえてそのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果発動!デッキから《HERO》モンスター1体を手札に加える!俺はE・HERO シャドー・ミストを手札に加える!そしてSPースピード・フュージョン!SPCが4つ以上ある場合、融合召喚を行える!フィールドのエアーマンと手札のシャドー・ミストで融合!E・HERO Great TORNADOを融合召喚!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

 

エアーマンとシャドー・ミストが融合されて、フィールドに竜巻が巻き起こってその中心からGreat TORNADOがフィールドに現れた。

 

「Great TORNADOの効果発動!融合召喚成功時、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力と守備力を半分にする!」

 

「な、何だと!?」

 

「タウン・バースト!」

 

Great TORNADOがマントを大きくはらうと俺たちのフィールドを中心に再び竜巻が巻き起こり、相手のモンスター全員を巻き込んだ。竜巻から逃れた相手モンスターたちは疲労困憊の様子が見れる。

 

キーメイス 守300→150

手をつなぐ魔人 守3900→1950

プリヴェント・ラット 守2000→1000

 

「ぐっ・・・ク、クソ・・・・レアカードめ・・・」

 

「さらに墓地に送られたシャドー・ミストの効果発動!デッキから《HERO》モンスター1体を手札に加える!俺はE・HERO バブルマンを手札に加えるぜ!これでバトル!Great TORNADOで手をつなぐ魔人に攻撃!スーパーセル!!」

 

Great TORNADOが手をつなぐ魔人の目の前まで走り、上昇気流を起こして手をつなぐ魔人を遥か上空へと飛ばして行った。

 

「て、手をつなぐ魔人!!」

 

「さらに奇跡の代行者 ジュピターでプリヴェント・ラットを攻撃!」

 

「ぐうぅ!!!」

 

「(SPCは・・・・・残しておくか)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

スバル 手札 4枚 LP 4000 SPC 9

【モンスターゾーン】

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

E・HERO Great TORNADO 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

甚兵衛 手札 1枚

 

スバル SPC 9→10 甚兵衛 SPC 4→5

 

「スタンバイフェイズ、墓地のSPースピードストームの効果発動!SPCを3つ取り除くことで墓地のこのカードを手札に戻す!」

 

甚兵衛 SPC 5→2

「(・・・・あと4ターン・・・・ここはもう太郎にかけるしかない)ジャグラーを守備表示で召喚!」

 

ジャグラー 守800

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

甚兵衛 手札 0枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

キーメイス 守150

ジャグラー 守800

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

伏せカード 4枚

 

 

「(スバル優勢だな・・・このまま)「っち、遊輝っち」うん?」

 

音楽を流しながらスバルの様子を見ていたところにピット作業を終えた茜たちが俺のところに来た。

 

「大分スバルっち優勢ね」

 

「ああ、二人目の様子を見る限り、大将に全てを任せるようだな。スピードストームを伏せたあたり、スバルに勝つことは困難と判断したんだろう」

 

「しかしこっちにはまだ師匠がいます。そう安安と」

 

「そ、それにしても・・・次が15ターン目ですか。なかなか長いですね」

 

「確かに・・・最近、こんな長いデュエルをしていませんからね」

 

どうやら茜や恭輔、祈の様子を見るとチーム太陽の守備戦術によって長いと感じているだけみたいだ。それはお客さんも同じようで・・・・

 

『いい加減にしろよ!!金返せ!!』

 

『早く引っ込め!!こんなデュエルを決勝の舞台でするな!!』

 

相変わらずお客さんはチーム太陽に対するブーイングの嵐。全くもってこっちも不愉快である。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

っと、スバルのターンが始まったな。

 

スバル 手札 5枚

 

スバル SPC 9→10 甚兵衛 SPC 2→3

 

「(SPCが10個溜まったけど・・・俺のデッキの特性上、あんまり使いたくないな・・・・)リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地からエアーマンを特殊召喚!エアーマンの効果発動!デッキからE・HERO オーシャンを手札に加えて、召喚!」

 

E・HERO オーシャン 攻1500

 

「これでバトルだ!エアーマンでジャグラーを攻撃!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、光の護封壁!!」

 

「ひ、光の護封壁?」

 

「発動時に俺は1000の倍数のライフポイントを支払う!俺は2000ポイント支払う!ぐうぅ!!!」

 

甚兵衛 LP 4000→2000

 

「そして相手はこのカードのコストで支払った攻撃力以下のモンスターを攻撃することは出来ない!」

 

「チッ!ならチェーンだ!速攻魔法、SPーサイクロン!SPCを2つ取り除いて光の護封壁を破壊する!」

 

スバル SPC 10→8

 

相手が自身のライフを犠牲にして発動した光の護封壁だったが、すぐにスバルにカウンターされて不発に終わってしまう。

 

「バトル続行だ!!エアーマンでジャグラーに攻撃!!」

 

「攻撃宣言時、リバースカードオープン!罠カード、バースト・リバース!ライフを2000ポイント払って、墓地からモンスターを裏側守備表示で特殊召喚する!」

 

「なっ!?そんなことしたらお前のライフは!?」

 

甚兵衛 LP 2000→0

 

「俺はこの効果でプリヴェント・ラットを裏側守備表示で特殊召喚!モンスターの数が変わったことにより、バトルの巻き戻しが発生!だがその前に俺のライフが0になった!よってこのバトルは中断だ!!」

 

WIN スバル LOS 甚兵衛

 

 

『チーム太陽、セカンドホイーラーの谷川甚兵衛は自らのライフを犠牲にスバルの猛攻を耐え抜き、ラストホイーラーにバトンを繋げた!!果たしてチーム太陽のラストホイーラー、山下太郎はチームSECRETの二人のDホイーラーを倒すことは出来るのか!?』

 

『ようやく分かったか!!』

 

『これに懲りてロック戦術なんてするな!!』

 

「自らのライフを犠牲にしてまでモンスターを守った?」

 

「な、何故そのようなことを・・・・光の護封壁は分かりますが、あの場面でのバースト・リバースはあまり効果がないような・・・・」

 

ピット席でデュエルを見ていた恭輔や祈たちはチーム太陽のDホイーラーの戦術が分からないようだ。まぁでも・・・そうだよな。守備戦術で自分のライフを犠牲にするなんてことはあんまりしない戦法だし。

 

『さあチーム太陽、ラストホイーラーの山下太郎がコースに現れた!!果たしてどのようなデュエルを見せてくれるのか!?』

 

「さてはて、どうな「遊輝!!!あなたとんでもない事を私たちに隠していない!?」!?!?う、うるせぇな!!いきなり耳元で騒ぐな!!」

 

チーム太陽のラストホイーラーがピットから出て行ったところで突然、奏が耳元で大声で喋り出した。

 

「っていうかお前、いつの間に戻ったんだよ?」

 

「そんな事どうでもいいわ!!恭輔君!!電子ボード貸して!!」

 

「えっ?は、はい。えっと・・・」

 

奏の気迫に押された恭輔はすぐに電子ボードを取って奏に渡した。それを受け取った奏はすぐに電子ボードを打ち込む。

 

「どうしたのよ奏、そんなに慌てて」

 

「慌てるわよ!!チーム太陽の本当の戦法が分かったのよ!!」

 

「本当の戦法?」

 

「ええ!!あんなカード出されたら私たち負けてしまうわ!!」

 

「ま、負け!?ど、どういうことよ!?」

 

「ほう、気づいたんだ」

 

「気づいたじゃないわよ!!なんでこんな大事な事を教えてくれなかったのよ!?」

 

「お、落ち着いて奏!!どういう事なの!?」

 

奏が電子ボードを片手に俺にすごい激怒してくるがそれを響がなだめる。それでもまだ慌ている様子の奏は電子ボードを打ちながら話し始めた。

 

「チーム太陽の本当の戦法はLv1の通常モンスターを自分のターンで10ターン守ることだわ!!」

 

「れ、Lv1のモンスターを・・・自分のターンで10ターン・・・・?」

 

「・・・・!?ま、まさか!?」

 

「そうよ!!その条件で出せるモンスターが1体だけいたわ!!」

 

「・・・・眠れる巨人 ズシン」

 

「!?ズ、ズシン!?」

 

俺が口でボソッと言った、その一言でピットにいた奏以外のチームメンバー全員が驚愕の声をあげた。

 

「そうだ。チーム太陽の表面上の戦術は手をつなぐ魔人とスクラム・フォースにより守備モンスターを固めて、スピード・ワールド2の効果ダメージによるバーン戦法。だが、本当の狙いは1ターン目に出したキーメイスを10ターン守り抜き、切り札のズシンを出すためのビートダウン戦法だ」

 

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!?ズシンって確かにノーマルカードですけど、その性能は神のカードである三幻神に匹敵する強さですよね!?」

 

「そんなカードを相手は出そうとしているの!?」

 

「だから早くスバルに教えるのよ!!キーメイスを破壊しないとまずいわ!!」

 

電子ボードを打ち込んだ奏はピット席からその電子ボードをコースに出す。そして、スタート地点に帰ってきたスバルに祈はフラッグを振って教える。そして、それを見た観客たちはざわつき始めた。




文「いいですね〜。こんなスリリングな展開は記者として見逃させないですよ」

遊輝「テメェは見た事を嘘八百にしてデタラメに書くじゃねぇか」

文「何言ってるのですか!部数を増やすためなら何でもしますよ!」

遊輝「そうやってデタラメな記事ばかり書くから買ってくれる人がいないんだろうが!」

文「何を言いますか!幻想郷に帰ってからは部数が伸びていますよ!」

遊輝「うっそだ〜」

文「真実ですよ!」

遊輝「まあどうでもいいや。次回はチーム太陽戦の終盤。さあみんな、あのカードを持って高らかにコールをする準備を!」

文「【奇跡の召喚 ズシンvsガガガ】。次回もよろしくお願いします」


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第158話 奇跡の召喚 ズシンvsガガガ

【*注意・・・・・
感想で色々と言われる前に先に言っておきます。今回使用した『眠れぬ巨人 ズシン』は《TF版》の効果を採用しました。
理由として、アニメ版は対象を取らない効果では除去されてしまうからです。現代の遊戯王では対象を取らない除去カードがたくさんありますので、少々厳しいですがTF版を採用しました】


最強カードの紹介〜〜。

レミ「・・・ようやく出たわね」

ようやく出ました・・・・そして文字数の関係上、決着は次回以降になりました。予定ではこの回で終わる予定だったのに・・・

レミ「無駄に長い説明を使うからでしょ」

いやだって・・・・・あれは長くしたいよ。皆、あのロマンカードは誰だって使いたいんだから。

レミ「その感覚が私たちには分からないわ・・・」

OCGプレイヤーはロマンを求める人が多いからね。じゃあ最強カードの紹介に行こう!今回は皆さんお待ちかね!!!眠れる巨人 ズシンだ!!

レミ「今回はTFというゲーム版の効果を採用したけど、OCGにもちゃんと存在するからね。1ターンに1度、このカードをターン終了時まで相手に見せることで自分フィールドの☆1の通常モンスターにズシンカウンターを載せることが出来て、そのズシンカウンターを10個以上乗ったモンスターをリリースした場合のみ、手札から特殊召喚できる」

コンマイ語を知っている読者なら分かるけど、この効果同名ターンに1度ではない。つまり手札から捨ててまた手札に戻った場合にはもう一度発動することができて、1ターンに何個でもズシンカウンターを乗せることができる!

レミ「第二の効果としてあらゆるカード効果を受け付けない。はい、ぶっ壊れ」

そして相手モンスターと戦闘を行う際、そのモンスターの攻撃力+1000ポイントの数値がこのカードの攻撃力となる。

レミ「戦闘面ではほぼ無敵ね。それとこういうタイプでは苦手とするホープ・ザ・ライトニングも戦闘破壊するよ」

ただし、壊獣などの召喚時によるコストによるリリース、アポクリフォートキラーや強制転移などのプレイヤー対象の効果には弱いぞ。また月鏡の盾を装備したモンスターややクリスタル・ウィング・ドラゴンでも戦闘で破壊されてしまうのでそこには注意だぞ!

レミ「第158話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」


前回までの状況

 

 

スバル 手札 4枚 LP 4000 SPC 8

【モンスターゾーン】

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

E・HERO Great TORNADO 攻2800

E・HERO エアーマン 攻1800

E・HERO オーシャン 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

リビングデッドの呼び声 (エアーマン)

 

 

太郎 手札 5枚 LP 4000 SPC 3

【モンスターゾーン】

キーメイス 守150

ジャグラー 守800

裏側守備モンスター (プリヴェント・ラット)

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

伏せカード 2枚

 

 

スバル side

 

 

何で自滅したんだ?あの場面、わざわざコストのかかるバースト・リバースを使う必要があったとは思えないしな・・・まぁいいか、これで後一人倒せば準決勝に進める。今はこのデュエルに集中しよう。そう思っていたら後ろからチーム太陽の最後のDホイーラーが迫ってきた。

 

「君はあの時のメカニックだな。まさか英雄の子孫だとは思わなかったよ」

 

「そんな話関係ないぜ。俺はこのデュエルを楽しめばいいんだから!!」

 

「・・・そうだな。行くぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 太郎 LP 4000

「俺のターン!ドロー!」

 

太郎 手札 6枚

 

スバル SPC 9→10 太郎 SPC 3→4

 

「まずはリバースカードオープン!SPースピードストーム!SPCが3つ以上ある時、相手に1000ポイントのダメージを与える!」

 

「ぐうぅ!!」

 

スバル LP 4000→3000

 

「さらにスピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除き、手札のSP1枚につき800ポイントのダメージを与える!俺の手札にはSPが1枚!よって800ポイントのダメージを与える!」

 

スバル LP 3000→2200

 

「ブロッカーを守備表示で召喚!」

ブロッカー 守1800

 

「俺はカード3枚セットしてターンエンド!」

 

太郎 手札 2枚 LP 4000 SPC 0

【モンスターゾーン】

キーメイス 守150

ジャグラー 守800

裏側守備モンスター (プリヴェント・ラット)

ブロッカー 守1800

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

伏せカード 4枚

 

 

「(次のターン・・・・次のターンに遂に俺たちの最強のモンスターが出る!!!)」

 

「(三人目も戦法は変わらずか・・・・手札にはSPが1枚だけだし、こいつは普通に使いたいから純粋に殴って・・・うん?フラッグ?)」

 

相手の戦法を考えて次のターンの行動を考えていた時、スタート地点に戻ってきたところで祈がフラッグを振って奏が電子ボードを持っているのが目に見えた。

 

「(何だ・・・・・CAUTION ZUSHIN?・・・・・ズシン!?)」

 

 

スバル side out

 

遊輝 side

 

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

奏がスバルに知らせるために出した電子ボード、それは観客席にいた観客にも見えていた。そして、その電子ボードの内容を見た観客たちが一斉にざわつき始めた。

 

『お、おい・・・・今のボード見たか?』

 

『あ、ああ・・・・嘘だろ?』

 

『ズ、ズシンって・・・・あのズシンか!?』

 

『あれの召喚方法ってすっげぇめんどくさかったよな!?』

 

『おおっと!!ここでビッグニュースだ!!!チーム太陽が呼び出そうとしているモンスターは!!なななな何と!!!!眠れる巨人 ズシンだ!!!!!』

 

リーゼントMCの会場に響き渡るアナウンスとともに、観客席の至る所のビジョンにズシンのカードが現れる。それを見た観客たちは驚きの声をあげた。

 

「(くっ・・・・チームSECRET、こっちの作戦に気づいたのか)」

 

『眠れぬ巨人 ズシンの召喚条件はLv1の通常モンスターを自分のターンで10ターン以上表側表示で存在する場合のみ特殊召喚できる!!』

 

『そ、そんなの、普通はありえないじゃないか!!20ターンもフィールドに存在しなきゃいけないだろうが!!!』

 

そう・・・・今のデュエルはハイスピードでモンスターを展開していくデュエル。20ターンは愚か、最近では10ターン以内で終わることも当たり前になってきた。

 

「ヤバイですよ師匠!!このカードの効果は本当にまずいですよ!!」

 

「圧倒的な召喚条件と引き換えに得る能力はどんなカード効果も受け付けず、戦闘では常に相手より1000ポイント上の攻撃力、さらに戦闘を行うモンスター効果は無効になってしまう・・・・」

 

「どうしてこんなモンスターを伏せていたのよ遊輝!?こっちが圧倒的に不利になるじゃない!!」

 

「見たかったから」

 

「「「「「み、見たかったから!?!?」」」」

 

奏がすごい問い詰めてきたので俺は心の奥底から思っていたことを口にした。だってあのズシンだよ?せっかく、公式で出すチャンスを潰すわけにはいかないじゃん。

 

『私の手元の資料では公式大会でズシンの召喚に成功したデュエリストは歴史上、一度もない!!!つまり、ここでズシンを召喚すればデュエルモンスターズ界の奇跡を目の当たりにできる!!!』

 

『見たい!!!!ズシンを見たい!!!!』

 

『こんなチャンス2度とおきねぇ!!!!!俺たちにその奇跡を見せてくれ!!!』

 

『頑張れチーム太陽!!!!ズシンを見せてくれ!!!!』

 

『ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!』

 

それまでチーム太陽をブーイングしていた観客たちは一変してチーム太陽を応援するようになった、ズシンのカードを持ちながら・・・・・あの時は何とも思わなかったけどさ、何でこいつら都合よくズシンのカードを持ってるんだ?いや、確かにノーマルカードだけどさ、お前ら使いづらいって言っていたじゃん。

 

「(まぁいいや。さっさと次の曲を聴こうと。それと・・・・スバルには悪いけど、こうさせてもらうかな)」

 

俺は恭輔が置いた電子ボードを手にして文字を打ち込んでいき、それをスバルに送信した。

 

「マジかよ・・・・ズシンなんて召喚されたら勝ち目ねぇぞ・・・何として『ブーブー』?通信?・・・・・『スピードカウンターを残してくれ』?・・・・まぁいい。遊輝の考えだ。あいつを信じよう。俺のターン!」

 

スバル 手札 5枚

 

スバル SPC 9→10 太郎 SPC 0→1

 

「SPーマスク・チェンジ!SPCが3つ以上ある場合、フィールドの《HERO》モンスター1体をリリースしてエクストラデッキから《M・HERO》を特殊召喚する!エアーマンをリリースして変身!M・HERO ブラスト!」

 

M・HERO ブラスト 攻2200

 

「ブラストの効果発動!1ターンに1度、ライフを500ポイント払って相手の魔法・罠カードを持ち主の手札に戻す!」

 

スバル LP 2200→1700

 

「俺は一番左の伏せカードを戻す!」

 

「チェーン!その伏せカードを発動!サンダー・ブレイク!手札を1枚コストにして、Great TORNADOを破壊する!」

 

ブラストが突風を巻き起こして相手の伏せカードを1枚手札に戻そうとしたが、先にそのカードを使われてしまい、逆にGreat TORNADOが破壊されてしまう。

 

「ちっ・・・・ならチューナーモンスター、E・HERO マッハ・ウィンドを召喚!」

 

E・HERO マッハ・ウィンド 攻300

 

「Lv6のM・HERO ブラストにLv2のマッハ・ウィンドをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

ブラストとマッハ・ウィンドが一つの光となって、その光は大きな満月となる。その満月が放つ強い光が映ったコースから大きな地響きが鳴り響いて、地面が割れる。そこからスピリット・ドラゴンがフィールドに現れた。

 

「スピリット・ドラゴンの効果発動!墓地の《HERO》融合モンスター1体をゲームから除外して、次の相手ターンのエンドフェイズまでそのモンスターの半分の攻撃力を吸収して同じ効果を得る!俺はM・HERO ブラストを選択!スピリットドレイン!!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→3300

 

なるほどね・・・・それでまた伏せカードを除去しようというのか。しかし相手はフリーチェーンのカードが多いぞ。大丈夫なのか?

 

「ブラストの効果を得たスピリット・ドラゴンの効果発動!LPを500払って今度は右側の伏せカードを手札に戻す!」

 

スバル LP 1700→1200

 

「リバースカードオープン!はさみ撃ち!俺は裏側表示モンスターとコピックスを破壊してスピリット・ドラゴンを破壊する!」

 

「なっ!?」

 

ブラストの能力を得たスピリット・ドラゴンが伏せカードを相手の手札に戻そうとしたが、またフリーチェーンのカードでスピリット・ドラゴンを破壊されてしまった。

 

「ちっ!しょうがねぇ!!バトル!!オーシャンでキーメイスを攻撃!」

 

『ああっとここでキーメイスを破壊されてしまうとズシンの召喚ができなくなってしまう!!』

 

『や、やめろ!!!!』

 

「リバースカードオープン!攻撃の無敵化!選択したモンスターはこのバトル中破壊されない!俺はキーメイスを選択!」

 

「なっ!?」

 

オーシャンがキーメイスに向かって攻撃をしたが、相手は攻撃の無敵化を使ってキーメイスの破壊を凌いだ。これでこのターン、キーメイスを破壊することは不可能になった。

 

「ち、ちくしょう・・・・・ターンエンド・・・・」

 

 

スバル 手札 3枚 LP 1200 SPC 10

【モンスターゾーン】

E・HERO オーシャン 攻1500

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

【魔法・罠カード】

伏せカード 2枚

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

 

 

「やった・・・・・やったぞ!!!!ついに!!!ついに俺たちは守り抜いた!!!!」

 

『チーム太陽のターンが始まる!!歴史の扉が開く時が来た!!!』

 

「俺の・・・・ターン!!!」

 

太郎 手札 2枚

 

スバル SPC 10→11 太郎 SPC 1→2

 

観客の熱気がさらに高くなる。そして、チーム太陽のDホイーラーは1枚のカードを手にした。

 

「このカードは通常召喚出来ない代わりに、自分フィールド上にLv1の通常モンスターを自分ターンで10ターン以上フィールドに存在する時のみ、そのモンスターをリリースすることで手札から特殊召喚できる。俺はキーメイスをリリース!!現れろ、眠れる巨人 ズシン!!!」

 

眠れる巨人 ズシン 攻0

 

キーメイスがフィールドからリリースされて、上空に黒い雷雲が現れて渦上に巻いている。その渦上の雲から大きな衝撃波と雷が同時にコースのレーンに撃たれ、コースは粉々に砕け散る。そこから大きな腕が現れて、フィールドに地響きを鳴らしながら巨人がフィールドに現れた。

 

『・・・・・・オオオオオ!!!!!』

 

その巨人が大きな唸り声を出すと、その近くにあったレーンの壁が衝撃波によって全て粉々に破壊されてしまった。

 

「で、デッケェ!?!?なんてデカイ図体をしているんだよ!?」

 

『この放送を見ている皆、そしてこのデュエルを見ている全ての皆!!誰がこの瞬間を待っていただろうか!?デュエルモンスターズの長きの歴史に渡り、誰もが忘れ去られたカード!眠れる巨人 ズシン!!このモンスターを召喚したデュエリストは誰一人としていなかった!!そして今回、我々はその奇跡を目の当たりにできた!!その奇跡を起こしたのは、全く無名のチーム、チーム太陽!!!!』

 

『ワアアアアアアアア!!!!!!!』

 

『ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!ズシン!!』

 

「で、出ましたよ・・・・・本当に出ましたよ・・・・・」

 

「な、何・・・・これ・・・本当にノーマルカードなの?」

 

みんなは唖然としているが俺は逆に燃えて来た。この世界のズシンはTF版の完全態勢を持ったズシンだ。もちろん、俺は対戦することを望んでこのカードの対策を練っている。さあて・・・・スッゲェワクワクしてきたぞ。どんな風にズシンを扱ってくるか見せてもらおうじゃないか。

 

「眠れる巨人 ズシンの攻撃力は0だが相手モンスターと戦闘を行う場合、その戦闘を行うモンスターの効果を無効にしてダメージ計算時の間、そのモンスターの攻撃力+1000ポイントの数値となる!バトルだ!眠れる巨人 ズシンで奇跡の代行者 ジュピターに攻撃!ズシンパンチ!!!」

 

ズシンが右手を大きく振りかぶり、その鉄槌をジュピターに向かって振り下ろした。ジュピターは何の抵抗もできず、破壊されてしまった。

 

眠れる巨人 ズシン 攻0→2800

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800

 

スバル LP 1200→200

 

「ぐうぅぅ!!!!!」

 

「まだだ!!リバースカードオープン!!罠カード、パワー・スロー!!自分フィールドの元々の攻撃力が1000以下のモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、自分フィールドの攻撃力1000以下のモンスターをリリースすることでそのモンスターの攻撃力の2倍のダメージを与える!」

 

「なっ!?」

 

「俺は攻撃力850のブロッカーをリリースして、遊城スバル!お前に1700ポイントのダメージを与える!!」

 

スバル LP 200→0

 

 

WIN 太郎 LOS スバル

 

 

 

パワー・スローの効果を受けたブロッカーを眠れる巨人 ズシンは握り、ブロッカーをスバルに投げつけた。ブロッカーによるダイレクトアタックを受けたスバルはそのままライフが0になる。

 

「さてと・・・・ようやく初陣か」

 

俺は監督席から立ち上がり、事前に恭輔たちに出すようにお願いしていた自分のDホイールにあゆみ、座る。デッキをセットしてオートシャッフルをして、ヘルメットを被り、スロットルを少しだけ回す。

 

「スバルさんが帰ってきました!!」

 

祈の掛け声で後ろからDホイールのエンジン音が聞こえてきた。そっちの方に顔を振り向けると悔しそうな顔をしたスバルが戻ってきた。

 

「すまない遊輝・・・・・」

 

「気にすんな。元々、俺は分かっていたんだから」

 

『ズシンが帰ってきたぞ!!!!』

 

リーゼントMCの掛け声で観客や俺たちは一切にズシンの方に目を向ける。ズシンを連れたチーム太陽の最後のDホイーラーは悠然と走っていった。

 

「さあてと・・・・・派手にやってきますか!」

 

「準備OK!」

 

「Go!」

 

祈のフラッグが上がるのと同時に俺はスロットルを回してDホイールを走らせる。そのままピットからコースに出て、すぐに相手Dホイーラーの後ろに寄せた。

 

「君がチームSECRETのリーダーにしてエクシーズ召喚の創始者、遠藤遊輝・・・・」

 

「さぁチーム太陽!!お前らの最強モンスターと俺がこの世界に広めたエクシーズモンスター!!どちらが強いか白黒つけようぜ!!」

 

「ああ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 太郎 LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 11→12 太郎 SPC 1→2

 

「SPーエンジェル・バトン!!SPCが2つ以上ある場合、手札を2枚ドローしてその後1枚を墓地に送る!さらにスピード・ワールド2の効果発動!SPCを7つ取り除いて1枚ドロー!」

 

遊輝 SPC 12→5

遊輝 手札 6枚→7枚

 

「E・HERO オーシャンをリリース!ガガガヘッドをアドバンス召喚!」

 

ガガガヘッド 攻2100

 

「ガガガヘッドの効果発動!このカードの召喚成功時、墓地の《ガガガ》とついたモンスターを2体まで特殊召喚する!俺は墓地からガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアアアア!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

オーシャンがリリースされてガガガヘッドが現れて、さらにガガガヘッドが地面に鎖を突き刺して、地面から鎖を引き上げる。その鎖にはガガガマジシャンことダイヤがいた。

 

「ガガガマジシャン・・・・遠藤遊輝を星の魔術師と言わせるレベル変換能力モンスターの第一人者・・・・」

 

「ガガガマジシャンの効果発動!1ターンに1度、レベルを1〜8の好きなレベルにする!俺はLv6を選択!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6のガガガヘッドとガガガマジシャンでオーバーレイ!!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『・・・・・ギヤアアアア!!!!!!』

 

ガガガヘッドとダイヤ、2体のモンスターがフィールドに現れたブラックホールに吸い込まれていき、ブラックホールが爆発する。その中から白く輝く純白の太陽が現れた。その太陽が変形をしていき、ホワイトがフィールドに舞い降りてきた。

 

「ガガガヘッドの効果発動!このカードと《ガガガ》のみでエクシーズ召喚した場合、エクシーズモンスターの召喚成功時に1枚ドローの効果を付与させる!よって1枚ドロー!」

遊輝 手札 6枚→7枚

 

ガガガヘッドの効果で1枚ドローしてそのカードを手札に加えた後、俺はホワイトの方を見る。ホワイトもこちらの方を見て、うなづいた。どうやらやる気満々のようだ。

 

「さあ行くぞ・・・・ホワイト・サンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除き、自分フィールドのモンスター1体を選択する!俺はホワイト・サンを選択!ライト・サプリメーション!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

ホワイトが自身のオーバーレイ・ユニットを一つ使って、自身の上空に太陽を出現させてその陽の光を自分自身に浴びさせる。

 

「バトルだ!ホワイト・サンで・・・」

 

「忘れたのか遠藤遊輝!!ズシンの攻撃力は戦闘を行うモンスターの攻撃力にプラス1000ポイントとなる!」

 

「誰がズシンを攻撃するといった・・・・ホワイト・サンでダイレクトアタック!!」

 

「な、なにっ!?」

 

「サンシャイン・パティズム!!!」

 

エネルギーをチャージしたホワイトはそのエネルギーから光のシャワーをズシンを通り抜けてDホイーラーに直接攻撃させる。

 

「ぐわああああ!!!!!!!」

 

太郎 LP 4000→1600

 

ホワイトの攻撃を受けた相手がスリップして手こずっている間に俺は横からかわして相手よりも前に出た。

 

「確かにズシンは戦闘面では何かしらの対策を取らない限り無敵だ・・・・・・だが!!何もわざわざズシンと戦闘を行う必要はねぇ!!ホワイト・サンのオーバーレイ・ユニットを取り除く効果を受けたモンスターはこのターン、相手プレイヤーへのダイレクトアタックの権利を得ることができる!!」

 

「な、なんだと!?」

 

「どんなに強いモンスターでも必ず弱点はある!!その少ない弱点をつけば俺たちはかてるんだ!!これで俺はズシンからの攻撃だけを意識すればいい!!カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000 SPC 5

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

 

 

まだまだ終わらさんぞ、せっかくズシンを出したんだ。最後まで楽しませてもらう!!

 




咲夜「確かにこのズシンというカードは一度出てしまうと厄介ですね」

レミリア「・・・・咲夜、あなたは平気で壊獣のカードを見せつけないでほしいわ(汗)」

遊輝「そうなんだよな・・・最近ではガチ・ファン問わず壊獣を入れる傾向が出ているもんな。正直、俺も《聖刻》で臨んだらすぐに除去できてしまう」

咲夜「遊輝さんは聖刻に壊獣を何枚入れているのですか?」

遊輝「3種8枚」

レミリア「・・・・すぐに除去されてしまうわね」

遊輝「というわけでオリカの紹介!今回はSPーマスク・チェンジ!」


SPーマスク・チェンジ 速攻魔法
①自分のスピードカウンターが3つ以上ある場合、自分フィールドの「HERO」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「M・HERO」モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。


レミリア「マスク・チェンジのSP版ね」

咲夜「先行ダーク・ロウを立たせないような調整ですね」

遊輝「作者曰く、多分これが一番無難だと思うって。というわけで次回はチーム太陽戦、決着の時」

咲夜「【奇跡の一枚 ぶつかり合う魂】」

レミリア「次回もよろしくね」


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第159話 奇跡のエクシーズ ガガガマザー

【*・・・・・謝罪
今回の話、作者のルールミスにより使いたかったカードが使えなくなりました。よって、話のサブタイトルを変えました。

今回の展開は読者様の方によっては気に入らない方もいますが、ご了承ください。
どうしても壊獣だけは使いたくなったのです。あれを使うと面白くないし、甘えになってしまいますから。

また、今回のルール裁定に協力を下さったゾネサーさん、この場を借りてお礼を申します。今回は本当にありがとうございました】


最強カードの紹介〜・・・・・

ダイヤ「テンション駄々下がりじゃないですか。シャキッとしてください」

だって〜・・・・・使いたかったカード使えなかったし・・・・前回の予告で感づいた人がほとんどだから言うけど『ぶつかり合う魂』を使いたかった。

ダイヤ「あれはどちらにせよ、ズシン相手では使えなかったじゃないですか」

OCG版はともかくアニメやTFだったら行けると思ったんや・・・・・格好よく使いたかった・・・・・

ダイヤ「また別の時に使えばいいじゃないですか」

使えるかどうかも分からないし・・・・・もういいや。最強カードの紹介に行こう。今回は罠カード、妖精の風。

ダイヤ「ペンデュラム召喚が流行っていた時期にメタカードとして採用されてましたね。効果はお互いの表側表示の魔法・罠カードを全て破壊して、破壊したカードの枚数×300ポイントのダメージをお互いが受ける」

ペンデュラムメタだけでなく、永続魔法・永続罠、フィールド魔法を多用するデッキには刺さるぞ。まぁ最近は破壊されたら〜〜ってカードも多いけど。

ダイヤ「第159話、ライティングデュエルアクセラレーション!!」


前回までの状況

 

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000 SPC 5

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

 

 

太郎 手札 1枚 LP 1600 SPC 3

【モンスターゾーン】

眠れる巨人 ズシン 攻0

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

 

 

遊輝 side

 

 

さあてと・・・・・奏の伏せカードは・・・・ああ、一枚は使えそうな奴だな。もう一枚はさすがに無理。

 

「(グッ・・・・まさかズシンを狙わずにダイレクトアタックで攻撃してくるとは・・・さすがチームSECRETのリーダー・・・)俺のターン!ドロー!」

 

太郎 手札 2枚

 

遊輝 SPC 5→6 太郎 SPC 3→4

 

「(SPはさっきサンダー・ブレイクのコストに使ってしまった・・・ここは温存だ)バトル!眠れる巨人 ズシンでホワイト・サン・ドラゴンに攻撃!ズシンパンチ!!」

 

「おっと待った!!メイン終了時、リバースカードオープン!威嚇する咆哮!!」

 

「なんだって!?」

 

俺が発動した威嚇する咆哮により、カードから雄叫びがあげて、ズシンは攻撃をしようとしない。

 

「威嚇する咆哮はプレイヤーにかかる効果のトラップ!!ズシンも攻撃できないぜ!」

 

「ぐっ!?」

 

『チームSECRET、ラストホイーラーの遠藤遊輝!!無敵と謳われたズシンの僅かな弱点を突いている!!このままチームSECRETが勝つのか!?』

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

太郎 手札 1枚 LP 1600 SPC 4

【モンスターゾーン】

眠れる巨人 ズシン 攻0

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 7枚

 

遊輝 SPC 6→7 太郎 SPC 4→5

 

「ホワイト・サンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて自分フィールドのモンスター1体を選択!このターン、そのモンスターはダイレクトアタックができる!ライト・サプリメーション!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 1→0

 

『この攻撃が決まればチームSECRETの勝利だ!!』

 

「バトル!!ホワイト・サンでダイレクトアタック!!サンシャイン・パティズム!!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、スーパージュニア対決!!ホワイト・サンの攻撃を無効にしその後、お互いのフィールドの攻撃力が一番低いモンスター同士でバトルを行う!」

 

「なっ!?」

 

ホワイトの放ったブレスは相手のDホイーラーに躱されて、代わりにズシンとホワイトが対峙することになった。

 

「やれ!ズシンパンチ!!」

 

ズシンがホワイトに向かって再び右手による鉄槌が下されてホワイトは破壊されてしまった。

 

眠れる巨人 ズシン 攻0→3400

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

遊輝 LP 4000→3000

 

「グワアアア!!!!」

 

『チーム太陽!!ここで起死回生のカウンターが炸裂!!チームSECRETのDホイーラー、遠藤遊輝の攻撃を無効にしただけでなくモンスターも破壊できた!』

 

ちっ・・・・スーパージュニア対決!なんてあったのか・・・・昔のカードだから忘れてた。不味いな・・・・となるとあのカードにかけるしかないな・・・・

 

「モンスターをセット!これでターンエンド!」

 

遊輝 手札 6枚 LP 3000 SPC 7

【モンスターゾーン】

裏側守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

太郎 手札 2枚

 

遊輝 SPC 7→8 太郎 SPC 5→6

 

「(・・・SPじゃない)バトルだ!眠れる巨人 ズシンで裏側表示モンスターを攻撃!ズシンパンチ!」

 

再びズシンが右腕を振りかぶり、俺の伏せモンスターに向かって振り下ろす。伏せモンスター・・・・・チョコ・マジシャン・ガールはそのまま何もできずに破壊されてしまう。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

太郎 手札 1枚 LP 1600 SPC 6

【モンスターゾーン】

眠れる巨人 ズシン 攻0

【魔法・罠ゾーン】

スクラム・フォース

伏せカード 1枚

 

 

不味いな・・・・・手札にまだモンスターがいるとは言えジリ貧になってしまう。それまでに何とか対策しないと。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 7枚

 

遊輝 SPC 7→8 太郎 SPC 6→7

 

・・・・SPか。手札にも抱えてあるからスピードワールド2を使えば勝てるんだが・・・・つまんねえな。俺としもズシンと戦って勝ちたいし。

 

「SPーマジック・プランター!SPCが4つ以上ある場合、自分フィールドの永続罠を墓地に送って2枚ドローする!リビングデッドの呼び声を墓地に送って2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚→8枚

 

・・・・・・よし、これならしばらくいけそうだ。

 

「ゴブリンドバーグを召喚!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400

 

「ゴブリンドバーグの効果発動!このカードの召喚時、手札からLv4以下のモンスター1体を特殊召喚する!チューナーモンスター、霞の谷(ミスト・バレー)の戦士を特殊召喚!」

 

霞の谷の戦士 攻1700

 

俺の横にゴブリンドバーグが現れて、さらにゴブリンドバーグが少し上昇をしてぶら下げていたコンテナを地面に落とす。そのコンテナが開いて霞の谷の戦士がフィールドに現れる。

 

「この効果の後、ゴブリンドバーグは守備表示になる!」

 

ゴブリンドバーグ 攻1400→守0

 

「行くぞ!Lv4のゴブリンドバーグにLv4の霞の谷の戦士をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 守2100

 

『・・・・・グオオオオオオ!!!!!』

 

霞の谷の戦士が作った4つの輪の中にゴブリンドバーグが入り4つの星となる。そして、それらが一つの光となってやがて漆黒の太陽が登り始める。その漆黒の太陽が変形していき、ブラックが姿を現した。

 

「ブラック・サンの効果発動!このカードの特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスター1体をこのカードの装備カードとして装備する!俺はホワイト・サンを選択!」

 

『ギャアアアアア!!!!!!』

 

ブラックが大きな咆哮を上げ、地面からホワイトが姿を現し、その魂を吸収した。

 

「この効果で装備したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力はアップする!」

 

「だけど、いくら攻撃力を上げたところでズシンの前では何の意味もない!」

 

「ああそうだな・・・リバースカードオープン!罠カード、妖精の風!フィールドの表側表示の魔法・罠カードを全て破壊して、お互いにその破壊した枚数×300ポイントのダメージを受ける!」

 

「なっ!?」

 

「フィールドには装備カード状態のホワイト・サンと永続罠のスクラム・フォースが2枚!よって互いのプレイヤーは600ポイントのダメージを受ける!」

 

フィールドに青い瘴気が集まってそれらが構成されて仮面のマスクみたいなものが現れる。その瘴気から強い風がフィールドに吹き、フィールドにあった表側表示のカードを全て破壊して俺と相手のDホイーラーはダメージを受けた。

 

遊輝 LP 3000→2400

太郎 LP 1600→1000

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 4枚 LP 2400

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 守2100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

『チームSECRETのラストホイーラー、遠藤遊輝、着々とチーム太陽の山下太郎にダメージを与えている!一方、山下太郎は逆に苦しくなってきた!!』

 

「ぐっ・・・・俺のターン!ドロー!」

 

太郎 手札 2枚

 

遊輝 SPC 8→9 太郎 SPC 6→7

 

「(・・・・さすがチームSECRETのリーダー、俺たちの切り札であるズシンを目の前にしても堂々と、そして少ない隙をついて俺たちを追い詰めて行く・・・・・強い・・・・・だから、だからこそ!勝ちたい!!)スピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除き、手札のSP1枚につき800ポイントのダメージを与える!!俺の手札にはSPが1枚!よって800ポイントのダメージを受けてもらう!」

 

太郎 SPC 7→3

遊輝 LP 2400→1600

 

「ガアアアア!!!!」

 

「そして手札からSPー起爆化を発動!SPCが2つ以上ある場合、自分フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊して、相手フィールド上の全てのモンスターの表示形式を入れ替える!」

 

フィールドにあった相手の伏せカードが破壊されて、それによりブラック・サンの表示形式は入れ替わった。

 

ブラック・サン・ドラゴン 守2100→攻1000

 

「バトル!眠れる巨人 ズシンでブラック・サン・ドラゴンを攻撃!ズシンパンチ!!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ガード・ブロック!この戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

ズシンの右手が再び鉄槌を下してブラックを破壊する。だけど俺はガード・ブロックを発動してこの戦闘ダメージを無効にした。

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「ぐっ・・・・ここまでしてもダメージを削れないのか・・・・ターンエンド!」

 

 

太郎 手札 1枚 LP 1000 SPC 3

【モンスターゾーン】

眠れる巨人 ズシン 攻0

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

さあてと・・・・・もうそろそろライフポイントもヤバくなってきた・・・・あれの発動のためにはかなりのライフポイントが必要となる。ハネワタもピン差しだからこれ以上効果ダメージを防ぐことは出来ない。つまり・・・・このドローに賭けるしかない!!

 

「俺の・・・・タアアアン!!!!!」

 

遊輝 手札 5枚

 

遊輝 SPC 9→10 太郎 SPC 3→4

 

「(・・・・・来た!!!)ガガガシスターを召喚!」

 

『イエイ!!』

 

ガガガシスター 攻200

 

「ガガガシスターの効果発動!召喚時、デッキから《ガガガ》と名のついたカードを1枚手札に加える!俺はデッキから装備魔法、SPーガガガリベンジを加えて発動!SPCが6つ以上ある場合、墓地から《ガガガ》と名のついたモンスター1体を特殊召喚してこのカードを装備する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

『ハアアアア!!!』

 

フィールドに現れたガガガシスター・・・・・サファイアが手にしている鍵の杖を振り、俺のデッキから1枚のカードを抜き取る。すぐに俺はそのカードを発動して、墓地にいたダイヤを再びフィールドに舞い戻らせた。

 

「さらにSPーサモン・スピーダー!SPCが4つ以上ある場合、手札からLv4以下のモンスター1体を特殊召喚する!ガガガガールを特殊召喚!」

 

『出番だああ!!!』

 

ガガガガール 攻1000

 

さらにSPーサモンスピーダーの効果で手札にいたガガガガール・・・・・・パールがフィールドに現れる。

 

「ガガガシスターの効果発動!ガガガマジシャンを対象に、この2体のレベルを2体の合計分のレベルとする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

ガガガシスター ☆2→☆6

 

「さらにガガガガールの効果発動!自分フィールドのガガガマジシャン1体を選択して、同じレベルにする!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャン・ガガガガール・ガガガシスターでオーバーレイ!!」

 

☆6 × ☆6 × ☆6 = ★6

 

「3体の闇属性・魔法使い族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!全てのガガガの創世者!!ガガガマザー!!!」

 

ガガガマザー 攻?

 

3体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき、爆発する。そしてブラックホールから大きな女性がフィールドに現れた。《ガガガ》モンスター特有の学ランではなく、紺色のブレザーとスカートを綺麗に吐き、黒色の髪を束ねずに広げている。右手には大きな紫の水晶が乗った木の杖を持っている。

 

「ガガガマザーの攻撃力は自分フィールド・墓地・除外されている魔法使い族モンスターの数×1000ポイントアップする!墓地にはチョコ・マジシャン・ガールとガガガヘッド、フィールドにはガガガマザーの計3体!」

 

ガガガマザー 攻?→3000

 

「例え攻撃力をどれだけあげても、ズシンの前では何の意味もない!!!」

 

「ガガガマザーの効果発動!このカードはエクシーズ素材にしたモンスターによって異なる効果を得る!」

 

「なにっ!?」

 

「俺はガガガガールをエクシーズ素材にした効果を発動する!1ターンに1度、相手は自分フィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない!!」

 

「忘れたのか!?ズシンはあらゆるカード効果を受けない!!」

 

「いいや、忘れてないさ・・・・こいつはズシンを対象にした効果じゃない。相手プレイヤーを対象にした効果だ!!」

 

「・・・・ハッ!?」

 

「そう・・・・どんなカード効果も受けないズシンの唯一の弱点、それはプレイヤーを対象にしたカードによる強制除去だ!さぁ太郎!!お前のフィールドにいるモンスター1体を墓地に送ってもらうぜ!!」

 

「お、俺の・・・・・俺の場のモンスターは・・・・ズシンのみ・・・・」

 

「行け・・・・・ガガガバニッシュ!」

 

ガガガマザーがズシンの目の前まで移動して、手にしている杖を掲げる。紫色の水晶が光輝いてその光がズシンを包み込む。ズシンや俺たちも手を前に出して塞ぐほど強烈な光がやがてズシンの身体を光の粒子に変えていき、その水晶球に吸い込まれていった。

 

「そ、そんな・・・・俺・・・たちの希望が・・・・」

 

『ズシンが・・・・・無敵と思われたズシンをついに倒した!!!』

 

「ラスト!!ガガガマザーでダイレクトアタック!!ガガガシュート!!」

 

太郎 LP 1000→0

 

WIN 遊輝 LOS 太郎

 

 

 

『決まったああああ!!!圧倒的な力を持ったズシンを打ち倒した遊輝!!!準決勝進出はチームSECRET!!!!』

 

『ワアアアアアアアアア!!!!!!』

 

デュエルが終わり、相手のDホイールは緊急ブレーキがかかり、止まる。俺もブレーキをかけてDホイールを止める。

 

「太郎!!!」

 

「大丈夫か!?」

 

チーム太陽のメンバーはピットから飛び出して太郎のところに駆け寄る。太郎の方はズシンを倒されたショックでまだ呆然として、その目には涙が流れていた。

 

「・・・・ヨシ・・・ジン・・・ごめん、勝てなかった・・・・・」

 

「バカヤロウ!!!そんな事どうだっていいじゃねぇか!!」

 

「そうだ!!俺たちは不可能と言われたズシンを召喚できたんだ!!!それだけでホコリじゃねぇか!!!」

 

「そうだよ。お前たちはデュエルモンスターズの歴史に名を残したじゃないか」

 

俺はDホイールから降りて泣いている太郎の前に行く。太郎たちもこっちに向いてくれた。

 

「・・・・遠藤遊輝・・・・」

 

「遊輝で良いよ。確かに試合には負けたが、チーム太陽という名はしっかりとここにいる観客たちに刻まれたじゃないか」

 

・・・・パチパチ

 

「えっ?」

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

『良かったぞ!!!!チーム太陽!!!』

 

『ズシンをこの目で見ることが出来て嬉しかったぞ!!』

 

『今度デュエルするときはズシンで勝ってくれよ!!』

 

「みんな・・・・・みんな・・・・・」

 

「ほら、泣くなよ。観客の歓声にはちゃんと答えろ」

 

俺の言葉に対してか、太郎は泣きながら笑顔になって観客たちの声援に応えた。

 

「ふぅ〜・・・・・しっかしやっぱりズシンは強かったな」

 

「遊輝!!!」

 

「師匠!!」

 

「おう、約束通り勝ってきたぞ」

 

チーム太陽のことはこれで大丈夫だと思って自分のDホイールの所へ戻ると奏や恭輔たちがこっちに来ていた。

 

「全く・・・・危ないわね」

 

「褒め言葉として受け取っておくぜ。さあ・・・・・次は準決勝、チームの運命がかかった試合だ」

 

「えぇ・・・・相手はチームニューワールド・・・・・」

 

「どんな相手だって楽しくやろうぜ!!」

 

「スバルらしいわね・・・・一気に緊張感が無くなったじゃない」

 

「まぁいいじゃねえか。とにかく・・・・勝って決勝に行くぞ」

 

「「「「「「おう!!!」」」」」」」




フラン「ああ、確かに。プレイヤーに強制するカードにも弱いわね」

魔理沙「勉強になるぜ」

遊輝「といってもじゃあ痛み分けを入れるかと言われたら微妙だし・・・・痛み分けも十分強いんだが、何せ入れる枠がない」

フラン「分かる・・・・そのコンボ求めてデッキ組んで、防御カード入れたら大体ちょうどいい感じの枚数になっちゃう」

魔理沙「そうだな・・・それにこんなモンスター、最近は壊獣がいるし」

遊輝「言ったらあかん」

フラン「というわけでオリカの紹介!今回は追中命さんからいただきました!」



ガガガマザー ★6
闇属性 魔法使い族 攻撃力? 守備力?
闇属性・魔法使い族☆6モンスター×3
①このカードの攻撃力・守備力は自分フィールド・墓地・除外されている魔法使い族モンスターの数×1000ポイントアップする。
②この効果は以下のモンスターをX素材にした場合のみ発動する。
・ガガガマジシャン・・・このカードは戦闘及びカード効果では破壊されない。
③この効果は以下のモンスターをX素材にした場合のみ発動できる。
ガガガガール・・・1ターンに1度、自分のメインフェイズに発動できる。
相手は自分フィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない。
④この効果は以下のモンスターをX素材にした場合のみ発動できる。
ガガガシスター・・・1ターンに1度、相手がモンスターを特殊召喚した場合にこのカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その特殊召喚を無効にして持ち主のデッキに戻す。



魔理沙「このカードの原案はこれだぜ!」



ガガガマザー  ★6
闇属性 魔法使い族 攻撃力0 守備力0
ガガガガール・ガガガマジシャン・ガガガシスターまたは魔法使い族☆6モンスター×3体
このカードの②③④は上記の3体のモンスターをエクシーズ素材に使用している時のみ発動できる。
①このカードの攻撃力は墓地及び除外されている自分と相手の魔法使い族モンスターの枚数×1000ポイントアップして、守備力は×500ポイントアップする。
②このカードは攻撃対象にはされない。
③このカードは一度のバトルフェイズに相手の手札の枚数分、攻撃ができる。
④相手が特殊召喚した時、手札を1枚捨てて無効にしデッキに戻す。



フラン「大分弄ったね」

遊輝「えっとな・・・・・まず素材によって効果を得るのは採用したけどさすがにこの3体を同時に並べるのは難しかったので、素材にした時に異なる効果を得るようにしました」

魔理沙「③の効果は削除なんだ」

遊輝「攻撃力4000の4回攻撃とかシャレにならないから・・・あと、エクシーズ素材を使う能力がなかったので特殊召喚に反応する効果に対してエクシーズ素材を取り除くようにしました。こうするとこのカードの効果はなくなるけど攻撃力は上がって行くので」

フラン「あとは・・・・除去の追加ね」

遊輝「これが今回、一番作者を悩ませた所だな。『本当はやりたくなかったけどこうするしかなかった・・・・』って」

魔理沙「まぁいいぜ。作者の事情とかどうでもいいぜ」

フラン「次回は準決勝、チームニューワールド戦だよ!」

遊輝「チームニューワールド戦は少々お待ちください。まだデュエル構成が出来ていないので」

魔理沙「【vsチームニューワールド 世界をかけた戦いの序章】。次回もよろしく!」


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第160話 vsチームニューワールド 世界をかけた戦いの序章

【番外編の方はもう少々お待ちを。執筆はしていますが、こちらの方が比重を重くしているのでペースがどうしても遅くなってしまいます】


最強カードの紹介〜。

パール「・・・・・・・・」

・・・・何すか?

パール「私の出番!!」

前回出たじゃん。

パール「あんな5秒しか出ていないのなんて出たとは言えない!!」

プラチナなんか最近、影で頑張っているんだぞ。そのぶん考えたら十分マシじゃないか。

パール「そうじゃなくて!!私が活躍する「無理」ちょっ!?」

知ってるか?旧ルールでも最近のガガガってお前入ってないことがほとんどだぞ。

パール「(ガーーーン)・・・・・・」

っていうわけで最強カードの紹介。今回は豊穣のアルテミス!エンジェルパーミッションの核を担うモンスターだ。

パール「・・・・・・・・」

固まるなよ・・・・Lv4、光属性、天使族でカウンター罠を発動する度に1枚ドロー。うん、強い。

パール「・・・・・・・」

おいこら、早く起動しろ。決勝戦の出番が無くなるぞ。

パール「ハッ!?だ、第160話、ライディングデュエル、アクセラレーション!」



遊輝 side

 

 

『テレビの前のみんな!!!そして観客のみんな!!!WRGPの準決勝がいよいよ始まるぞ!!!まずはAグループ!!!優勝候補最有力、チームニューワールド!!!』

 

リーゼントの司会者のアナウンスで俺たちと反対側のゲートの入り口に大量の炭酸ガスが吹き出て、その中から小さな子供、青年、老人の三人が白いローブを被ったままピットに現れた。

 

『対するは破竹の勢いで勝ち進んできたデュエルアカデミアからの刺客!!チームSECRET!!』

 

俺たちの紹介とともに、目の前に炭酸ガスが吹き出す。炭酸ガスが吹き出すのが終わるのと同時に俺たちはピットに出た。 ついにWRGPの準決勝、相手はチームニューワールド、世界をかけた戦いが始まる。

 

「いよいよ・・・だね」

 

「な〜に固くなってるのよ。響らしくないわよ」

 

「だって・・・・これに勝たなきゃアーククレイドルが」

 

「いつもいつも能天気にテストを受けているやつのセリフとは思えないな」

 

「スバル!!」

 

「ハハハッ、まぁ俺たちはまだ気楽で行けるさ。後ろには遊星さんたちがいるんだ。最悪、ホセのグランエルの情報さえ分かれば良いだろう」

 

ガッチガチに固くなっている響を見て皆で和まして緊張を解いてあげる。いつものお調子者でおっちょこちょいの響じゃないと逆にこっちの調子が狂っちゃう。

 

「とにかく、変に緊張なんかして簡単にシンクロ召喚を決めるなよ。それこそ相手の思う壺だからな」

 

「分かってるわ」

 

「奏が言うと説得力があるな」

 

「私を見ながら言わないでよ!!」

 

「響に関しては全く説得力がない」

 

「酷い!!」

 

「順番を確認するぞ。最初は奏、次に響、最後は俺だ」

 

順番は予め決めておいた。茜を使おうかなと思ったけど、茜はチームスタッフだからな。ここまで来たらチームメンバーを信じるしかない。スバルに関しては決勝戦に回した。あいつはチームニューワールドと戦うよりもチーム5D'sで戦った方がイキイキとするから。レミはさすがにシンクロ重視で戦うから今回はお休みだ。

 

「じゃあ奏、無理するなよ。自分の身体が大事だからな」

 

「分かっているわ」

 

ピットから出したDホイールに奏は乗り込んで準備を始めていた。俺は奏に一言、アドバイスを掛けて、奏はピットから出て行った。スタート地点にはすでに向こうのファーストホイーラーのルチアーノがDボードに乗ってスタンバイしている。

 

「師匠、奏さんが勝てる見込みは?」

 

「正直言って分かんないの一言だ。奏のデッキの周り次第という見方もあるが・・・・」

 

はっきり言って、奏や響もシンクロをあまり多様しないだけで、使わないというわけではない。シンクロモンスターに頼るような状況になった時はかなり不利になってしまう。

 

『いよいよ準決勝が始まるぞ!!フィールド魔法、スピードワールド2!!セットオン!!』

 

ルチアーノのDボードと奏のDホイールを中心に円形状に暗い緑色のフィールドが広がっていく。そして二人の目の前には電子版のシグナルが現れて赤から青への点滅が始まった。

 

『行くぞ!!ライディングデュエル!アクセラレーション!!』

 

シグナルが赤から青に変わり、二人のDホイールとDボードは一斉に飛び出した。スタートダッシュはほぼ互角、しかし、奏得意のスタートダッシュ直後から第一コーナーまで一気に加速をする。ルチアーノは奏の急加速について行くことができずにそのまま第一コーナーは奏が制した。

 

「ぐっ・・・舐めたことを・・・」

 

「生憎、子供に負けるほどライディングテクニックは劣ってないわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

奏 LP 4000 ルチアーノ LP 4000

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 6枚

奏 SPC 0→1 ルチアーノ SPC 0→1

 

「豊穣のアルテミスを召喚!」

 

豊穣のアルテミス 攻1600

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「パーミッション・・・・僕のターン!ドロー!」

 

ルチアーノ 手札 6枚

 

奏 SPC 1→2 ルチアーノ SPC 1→2

 

「スカイ・コアを召喚!」

 

スカイ・コア 攻0

 

ルチアーノのフィールドにスカイ・コアが現れる。早速きたか・・・・・

 

「SPーライトニング・ロッド!自分フィールドのモンスター1体を破壊する!」

 

ルチアーノが発動したライトニング・ロッドの効果でスカイ・コアに雷が落ちて、スカイ・コアは破壊されてしまう。

 

「来なさい!!機皇帝も捻り潰してあげるわ!」

 

「機皇帝の恐ろしさに怯えるがいい!!スカイ・コアの効果発動!このカードが効果で破壊された時、デッキ・手札・墓地から機皇帝スキエル∞、スキエルT、スキエルA、スキエルG、スキエルCの5体を特殊召喚する!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻0

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1000

スキエルG 守400

スキエルC 攻400

 

「合体しろ!!機皇帝スキエル∞!!」

 

機皇帝スキエル∞を中心として、スキエルのパーツが合体をしていき、機皇帝スキエル∞が姿を現わす。

 

機皇帝スキエル∞ 攻0→2200

 

「バトル!機皇帝スキエル∞で豊穣のアルテミスを攻撃!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

スキエルの攻撃はアルテミスの前にできた渦によって全て吸い込まれて行く。

 

「豊穣のアルテミスの効果発動!私がカウンター罠を1枚発動するたびに1枚ドローする!」

 

奏 手札 2枚→3枚

 

「チッ・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

ルチアーノ 手札 2枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻2200

スキエルT 攻600

スキエルA 攻1000

スキエルG 守400

スキエルC 攻400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

よしよし、まずは奏が有利な盤面を作ることができたな・・・・アルテミスを初ターンから出して残すことが出来たら奏のペースに持ち込める。

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

奏 SPC 2→3 ルチアーノ SPC 2→3

 

「創造の代行者 ヴィーナスを召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「ヴィーナスの効果発動!500ポイント払うことでデッキ・手札から神聖なる球体(ホーリー・シャインボール)を特殊召喚する!1000ポイント払って、デッキから2体特殊召喚!」

 

奏 LP 4000→3000

神聖なる球体 攻500

 

「そんなモンスターを出したところで僕の機皇帝には敵わない!!」

 

「じゃあこうなったら!?Lv2の神聖なる球体(ホーリー・シャインボール)2体でオーバーレイ!」

 

「なっ!?なにっ!?」

 

☆2 × ☆2 = ★2

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ゴーストリック・サキュバス!」

 

ゴーストリック・サキュバス 攻1400

 

神聖なる球体2体がフィールドに現れたブラックホールに吸い込まれていき、爆発が起きる。その中から少女のサキュバスがピンク色のニット帽を被り、ピンク色の小さな枕を手にして、眠たそうな目を擦りながらフィールドに現れた。

 

「エ、エクシーズ召喚だと!?」

 

「遊輝だけの専売特許だと思ったら大間違いだわ!!」

 

まぁ確かに、ここ最近はエクシーズモンスターのパック封入率も上がったし当たりやすくはなったな。

 

「ゴーストリック・サキュバスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、フィールドの《ゴーストリック》と名のついたモンスターの合計攻撃力よりも低い相手モンスター1体を選択する!そのモンスターを破壊する!私はスキエルGを選ぶ!」

 

「させるか!リバースカードオープン!罠カード、スキル・プリズナー!このターン、スキエルGを対象にしたモンスター効果は無効になる!」

 

ゴーストリック・サキュバス OVR 2→1

 

ゴーストリック・サキュバスがオーバーレイ・ユニットを一つ吸収してスキエルGに向かっていったが、ルチアーノが発動したスキル・プリズナーによりスキルGにバリアが貼られ、ゴーストリック・サキュバスの効果を無効にした。

 

「(・・・・バトルフェイズじゃないからトラップ・ジャマーも無理ね)バトルフェイズ!ゴーストリック・サキュバスでスキエルGを攻撃!」

 

「スキエルGの効果発動!1ターンに1度、僕のモンスターに対する攻撃を無効にする!」

 

ゴーストリック・サキュバスがもう一度スキエルGに向かって攻撃を行いに行くが、スキエルGの効果でその攻撃は無効になる。

 

「関係ないわ!創造の代行者 ヴィーナスでスキエルG、豊穣のアルテミスでスキエルCに攻撃!」

 

「攻撃宣言時、リバースカードオープン!永続罠、無限霊気!自分が受けるダメージ100ポイントにつきこのカードに霊気カウンターを一つ置く!」

 

豊穣のアルテミス 攻1600

スキエルC 攻400

 

ルチアーノ LP 4000→2800

霊気カウンター 0→12

「ぐっ!」

 

「パーツが破壊されたことで機皇帝スキエル∞の攻撃力も下がるわ!」

機皇帝スキエル∞ 攻2200→1600

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 2枚 LP 3000 SPC 3

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

ゴーストリック・サキュバス 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「(マズイ・・・無限霊気はまずい・・・・)恭輔、電子ボードを貸してくれ」

 

「は、はい!!」

 

ルチアーノが発動した無限霊気、それを知っている俺はすぐに恭輔から電子ボードを受け取って、奏にメッセージを送る。

 

「(まずは先制ダメ(ピコン)うん?・・・・無限霊気に注意?どういう事よ?)」

 

「くそっ・・・僕のターン!ドロー!」

 

ルチアーノ 手札 3枚

 

奏 SPC 3→4 ルチアーノ SPC 3→4

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある場合、カードを2枚ドローしてその後手札を1枚捨てる!」

 

ルチアーノ 手札 4枚→3枚

 

「スキエルAをリリースしてスキエルA3を特殊召喚!」

 

スキエルA3 攻1200

機皇帝スキエル∞ 攻1600→1800

 

「バトル!機皇帝スキエル∞でゴーストリック・サキュバスを攻撃!」

 

機皇帝スキエル∞ 攻1800

ゴーストリック・サキュバス 攻1400

 

奏 LP 3000→2600

 

「グッ!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

ルチアーノ 手札 1枚 LP 2800 SPC 4

【モンスターゾーン】

機皇帝スキエル∞ 攻1800

スキエルT 攻600

スキエルA3 攻1200

【魔法・罠ゾーン】

無限霊気 (カウンター:12)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 3枚

奏 SPC 4→5 ルチアーノ SPC 4→5

 

「(無限霊気に注意って言われても・・・・この手札にこのフィールドじゃ干渉することすら出来ないわよ・・・・)チューナーモンスター、共鳴の代行者 ネプチューンを召喚!」

 

共鳴の代行者 ネプチューン 攻1100

 

チューナー・・・・・シンクロをする気か。勝負に出たな。

 

「Lv3の共鳴の代行者 ネプチューンにLv3の創造の代行者 ヴィーナスをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

ネプチューンの身体から出来た緑色の三つの輪の中にヴィーナスが入り三つの光となる。それらが一つの光となって集まると上空に雷雲が出来てその中心から天空の光が差す。そこからライトニング・エンジェルがフィールドに舞い降りてきた。

 

「ライトニング・エンジェル・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、墓地のカウンター罠を1枚手札に戻す!私は攻撃の無力化を手札に戻して、バトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンで機皇帝スキエル∞を攻撃!サンダー・アロー!」

 

ライトニング・エンジェルが弓を構えて、電気を帯びた矢が機皇帝スキエル∞の胸に向かって放たれる。その放たれた矢は機皇帝スキエル∞の胸を貫通して爆発、破壊されてしまった。

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

機皇帝スキエル∞ 攻1800

 

ルチアーノ LP 2800→2300

霊気カウンター 12→17

 

「グワアアア!!!!!」

 

「スキエル∞が破壊されたから他の機皇帝のパーツも無くなった!豊穣のアルテミスでダイレクトアタック!」

 

ルチアーノ LP 2300→700

霊気カウンター 17→33

 

「アアアアア!!!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!!」

 

奏 手札 2枚 LP 2600 SPC 5

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「クソッ・・・・僕のターン!ドロー!」

ルチアーノ 手札 2枚

 

奏 SPC 5→6 ルチアーノ SPC 5→6

 

「SPーヴィジョンウィンド!SPCが2つ以上ある場合、墓地からLv2以下のモンスター1体を特殊召喚する!」

 

「(確かエンドフェイズに破壊するわね・・・)カウンター罠、雷の矢!ライトニング・エンジェル・ドラゴンがいる場合、相手が発動した魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にする!」

 

ルチアーノが発動した起死回生のSPも奏のパーミッションの前では無意味、ライトニング・エンジェルの放った雷の矢がルチアーノの発動したヴィジョンウィンドを貫いて破壊した。

 

「豊穣のアルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

奏 手札 2枚→3枚

 

「ぐっ・・・・ターンエンド・・・」

 

 

ルチアーノ 手札 1枚 LP 700 SPC 6

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

無限霊気(カウンター:33)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 4枚

 

奏 SPC 6→7 ルチアーノ SPC 6→7

 

「カードを1枚伏せてバトル!ライトニング・エンジェル・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

ルチアーノ LP 700

霊気カウンター 33→40

 

WIN 奏 LOS ルチアーノ

 

 

『決まったああ!!!見事なパーミッション戦術でチームニューワールドのファーストホイーラー、ルチアーノは打つ手なし!!先に白星を挙げたのはチームSECRET!』

 

「よしっ!!」

 

「よくやったわ奏!!そのまま三人抜きしなさい!!」

 

初戦を取った事で俺たちのベンチは盛り上がる。チームニューワールド相手に初戦を取れたことは確かに大きい。

 

「(しかし不味いな・・・・奏のさっきのターンの事を考えると無限霊気を破壊するカードがないのか・・・・スピード・ワールド2の効果はできる限り使って欲しくないしな・・・・)」

 

ハッキリ言って、あの無限霊気は本当に怖い。前のズシンの時はワクワク感があったがあれは殺意しか感じられない。何とかして破壊して欲しいのだが・・・・・

 

「(最悪、俺があの強敵を相手にすればいい話だが・・・・)」

 

「つ、次が来ましたよ」

 

ファーストホイーラーのルチアーノがピットに戻り、セカンドホイーラーのプラシドにバトンが渡る。プラシドはDホイールに()()に乗っている。・・・・あれ、やってくれないかな。あれを見たらここで笑ってやるんだけど・・・・

 

「お前など、俺が一瞬で捻り潰してやる」

 

「やれるものならやってみなさい!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」




文「あややや、面白そうになって来ましたね」

遊輝「最近、お前よく来るよな」

文「皆さん、新マスタールールに調整中ですからね。私はこの前、別のデッキを作って、RRも早くに対応させましたので」

遊輝「ああ、なるほど。でも霊夢に魔理沙、フランに紫さんは簡単に対応出来そうだけどな・・・」

文「魔理沙さんはすぐにリンク召喚対応してましたね、フランさんも久しぶりにインフェルニティを回しています。霊夢さんはペンデュラムを使うので少々手こずっているみたいです」

遊輝「アイツ魔術師だろ?しかも新型の?そんな困る必要ないと思うけどな」

文「まぁいいじゃないですか。私も早く新マスタールールでやってみたいです」

遊輝「それは新マスタールールの概要を早く発表してもらう必要があるな」

文「というわけで次回、【機皇帝ワイゼルの強襲】。次回もよろしくお願いします」


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第161話 機皇帝ワイゼルの強襲

最強カードの紹介〜。

プラチナ「・・・・先ほど、パールと会いましたが凄い固まっていたのですが?」

現実を突きつけただけだ。

プラチナ「?どういうことですか?」

知らなくていいよ。どうでもいい事だし。

プラチナ「そうですか。そういえばデュエルマスターズ始めようとしていましたね」

前々から興味はあったから。とりあえず動画で見たオススメのパックを買って、次はヴァイスのこのすばのトライアルデッキで・・・

プラチナ「(・・・・お財布がマッハで軽くなりそうですね)」

最強カードの紹介に行きましょう!今回は機皇帝グランエル∞!!

プラチナ「えっ!?そっちですか!?タイトルのカードは!?」

知らん。

プラチナ「・・・・・OCG版で紹介すると、自分フィールドのモンスターが効果で破壊された場合、手札から特殊召喚できます」

効果は自分のライフの半分だけ攻撃力と守備力がアップ、相手のシンクロモンスターを吸収してその吸収したモンスターを表側守備表示で特殊召喚できる!
最近はモンスター破壊も多いから奇襲として入れても面白いぞ!

プラチナ「第161話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


前回までの状況

 

 

奏 手札 2枚 LP 2600 SPC 7

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス 攻1600

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

プラシド 手札 5枚 LP 4000 SPC 7

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

無限霊気(カウンター:40)

伏せカード 1枚

 

 

奏 side

 

 

「(一人倒したから二人目も・・・って言いたいけどそこまでいったら出来過ぎね)」

 

WRGP、チームニューワールドとの準決勝。ファーストホイーラー同士の対決は私が制した。けど、これで安心は出来ない。何よりもシンクロモンスターであるライトニング・エンジェル・ドラゴンを残したまま相手ターンに移ってしまったのが少し不安要素だ。

 

「(・・・・最悪、相手にライトニング・エンジェルを奪われないようにしてライフを半分ぐらいまで削れば大丈夫ね)」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

プラシド 手札 5枚→6枚

奏 SPC 7→8 プラシド SPC 7→8

 

それにしても・・・何で遊輝は無限霊気に注意なんて言ったのかしら?あれの効果、チラッと見たけどカウンター貯めるだけで何もなかったわよ。

 

「ワイズ・コアを召喚!」

 

ワイズ・コア 攻0

 

「さらにSPーハイスピード・クラッシュ!SPCが2つ以上ある時、自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する!アルテミスとワイズ・コアを破壊!」

 

!?しまった!!アルテミスが破壊されてしまった!!

 

「ワイズ・コアの効果発動!デッキ・手札・墓地から機皇帝ワイゼル∞、ワイゼルT、ワイゼルA、ワイゼルG、ワイゼルCを特殊召喚!」

 

機皇帝ワイゼル∞ 攻0

ワイゼルT 攻500

ワイゼルA 攻1200

ワイゼルC 攻800

ワイゼルG 守1200

 

「合体せよ!機皇帝ワイゼル∞!」

 

ワイズ・コアが破壊されてその破片がフィールドに散らばり、ワープみたいな穴が開く。その穴の中から機皇帝ワイゼルのパーツが現れて合体をして機皇帝ワイゼル∞がフィールドに現れる。

 

機皇帝ワイゼル∞ 攻0→2500

 

「機皇帝ワイゼルの効果発動!1ターンに1度、相手のシンクロモンスターを吸収する!」

 

「カウンター罠、神の通告!1500ポイントのライフを払って、機皇帝ワイゼル∞の効果を無効にして破壊する!」

 

奏 LP 2600→1100

 

「貴様がカウンター罠を使うことくらい読めていた。カウンター罠、共同戦線!自分フィールドに同じレベルのモンスターが2体以上いる場合、相手が発動した罠カードの効果を無効にして破壊する!」

 

「えっ!?」

 

不味い!!これ以上カウンター出来るカードがない!!

 

「俺のフィールドにはLv1の機皇帝ワイゼルのパーツが5体!よって神の通告は破壊される!」

 

機皇帝ワイゼル∞が胸からニョロニョロとした触手を出してライトニング・エンジェルに絡み付こうとした時、私が発動した神の通告によって弾かれようとしたがワイゼルの前にバリアが張られて神の通告を無力にした。

 

『ギャアアアアア!!!』

 

「ライトニング・エンジェル!!」

 

ライトニング・エンジェルを絡めたワイゼルはそのままライトニング・エンジェルを胸の中に吸収していった。

 

「この効果で吸収したモンスターの攻撃力分、機皇帝ワイゼルは攻撃力をアップする!」

機皇帝ワイゼル∞ 攻2500→4800

 

「バトル!機皇帝ワイゼル∞でダイレクトアタック!」

 

「カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

機皇帝ワイゼル∞の攻撃は私の後ろにできた攻撃の無力化による渦によって吸収される。

 

「そう言えばこの吸収したシンクロモンスターの効果で回収をしていたな。まぁいい、次のターンに決めればいい。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

プラシド 手札 3枚 LP 4000 SPC 8

【モンスターゾーン】

機皇帝ワイゼル∞ 攻4800

ワイゼルT 攻500

ワイゼルA 攻1200

ワイゼルC 攻800

ワイゼルG 守1200

【魔法・罠ゾーン】

無限霊気 (カウンター:40)

ライトニング・エンジェル・ドラゴン (ワイゼル∞)

伏せカード 1枚

 

 

不味いわね・・・・今の手札じゃあの攻撃力4800の機皇帝ワイゼルを倒せない。何とかしてライトニング・エンジェルだけでも外さないと・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

奏 SPC 8→9 プラシド SPC 8→9

 

・・・・・これならまだ行ける!

 

「このカードは墓地から光属性・天使族モンスターを3種類除外した場合のみ手札から特殊召喚出来る!墓地から神聖なる球体、豊穣のアルテミス、創造の代行者 ヴィーナスを除外!!侵略されし土地に革命の時が訪れる!!光の革命龍ともに勝利の狼煙を上げろ!!時の革命 ミラダンテ!!」

 

時の革命 ミラダンテ 攻3000

 

墓地にいた神聖なる球体とアルテミス、ヴィーナスの3体が霊の状態で天から差している一筋の光に吸い込まれるように登っていく。そして一筋だった光が二筋・三筋と数を増やしていき、大きな地鳴りが起きて、その光からミラダンテがフィールドに舞い降りた。

 

「ミラダンテの効果発動!このカードの特殊召喚成功時、相手フィールドの攻撃表示モンスターは全て守備表示になり、次の相手ターンのエンドフェイズまで表示形式を変更出来ない!」

 

「なにっ!?」

 

機皇帝ワイゼル∞ 攻4800→守2500

ワイゼルT 攻500→守0

ワイゼルA 攻1200→守0

ワイゼルC 攻800→守600

 

「そしてミラダンテの革命500の効果!自分のライフが500以下の時、相手はモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚・セットが出来ない!」

 

「チッ!面倒くさいモンスターだ」

 

「バトル!時の革命 ミラダンテでワイゼルGを攻撃!」

 

ミラダンテがワイゼルGに向かって突進をしていき、ワイゼルGが破壊された。

 

「ターンエンド!」

 

奏 手札 2枚 LP 1100 SPC 9

【モンスターゾーン】

時の革命 ミラダンテ 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

プラシド 手札 4枚

 

奏 SPC 9→10 プラシド SPC 9→10

 

「・・・・カードを2枚セット、そしてスピード・ワールド2の効果発動!SPCを4つ取り除くことで手札のSPの枚数×800ポイントのダメージを与える!俺の手札にSPは2枚!よってお前に1600ポイントのダメージを与える!」

 

「(握っていたのね・・・・)」

 

プラシド SPC 10→6

 

奏 LP 1100→0

 

WIN プラシド LOS 奏

 

 

奏 side out

 

 

響 side

 

 

『ここでチームSECRETのファーストホイーラー、水野奏がやられた!!チームSECRETはセカンドホイーラーの小野寺響にバトンが渡る!!』

 

「響、無茶だけはするなよ」

 

「まっかせておいて!!また私が二人抜きして決勝トーナメントに行くようにするから!!」

 

「お前のその余裕な態度が余計に心配だよ」

 

「失礼ね!!」

 

ピットでDホイールに乗って準備して戦闘態勢満々の私に対して遊輝は悪口しか言わない。酷いよね?人が今から戦うって言うのに戦意を無くすようなことを言うなんて。

 

「奏さん帰ってきました!!」

 

「お帰り奏!」

 

「ごめん響、ライトニング・エンジェルを頼むわよ」

 

「任せて任せて!!私があっという間に取り返してくるわ!!」

 

「準備OK!」

 

「Go!」

 

恭輔君がフラッグを上に振った。私はそれを見てアクセルを回してスピードを出してピットから出る。相手はスタート地点に戻ってきたところですぐに後ろに追いついた。

 

「次の餌食はお前か」

 

「私は奏と違って簡単にはやられないわよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

響 LP 4000 プラシド LP 4000

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

響 SPC 10→11 プラシド SPC 6→7

 

「氷結界の修験者を召喚!」

 

氷結界の修験者 攻1500

 

「バトル!時の革命 ミラダンテで機皇帝ワイゼル∞を攻撃!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、重力解除!フィールドの全ての表側表示モンスターの表示形式を入れ替える!」

 

「いっ!?まっず!?カウンター罠、トラップ・ジャマー!」

 

「ならばこちらもカウンター罠、カウンター・カウンター!」

 

「えっ!?」

 

「これによりトラップ・ジャマーの効果はなくなり、重力解除の効果は有効になる!」

 

機皇帝ワイゼル∞守2500→攻4800

ワイゼルT 守0→攻500

ワイゼルA 守0→攻1200

ワイゼルC 守600→攻800

 

時の革命 ミラダンテ 攻3000→守2800

氷結界の修験者 攻1500→守1000

 

ミラダンテが攻撃を仕掛けたが、相手が発動した重力解除によってフィールドの全てのモンスターの表示形式が変わってしまい、私のモンスター達は膝まずく。

 

「(まっず!?仕方ない!)メインフェイズ2!速攻魔法、SPーサイクロン!SPC を2つ取り除いて装備カード状態のライトニング・エンジェル・ドラゴンを破壊する!」

 

響 SPC 11→9

機皇帝ワイゼル∞ 攻4800→2500

 

「ふん・・・・おろかな行為を・・・」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

響 手札 3枚 LP 4000 SPC 9

【モンスターゾーン】

時の革命 ミラダンテ 守2800

氷結界の修験者 守1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

プラシド 手札 3枚

 

響 SPC 9→10 プラシド SPC 7→8

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある場合、カードを2枚ドローして手札1枚を墓地に送る。ワイゼルAをリリース!ワイゼルA3を特殊召喚!」

 

ワイゼルA3 攻1600

機皇帝ワイゼル∞ 攻2500→2900

 

「さらにSPースピード・エナジーを発動!自分のSPCが2つ以上ある場合、自分のSPCの数×200ポイントの攻撃力をエンドフェイズまでアップさせる!俺のSPCは8つ!よって機皇帝ワイゼル∞の攻撃力は1600ポイントアップ!」

 

機皇帝ワイゼル∞ 攻2900→4500

 

「いっ!?4500!?」

 

「バトルだ!機皇帝ワイゼル∞で時の革命 ミラダンテに攻撃!ワイゼルA3の効果で機皇帝ワイゼル∞は貫通能力を得ている!」

 

ワイゼルがミラダンテに右手を突きつける。そこから照準が合わせられて、ミラダンテを攻撃した。

機皇帝ワイゼル∞ 攻4500

時の革命 ミラダンテ 守2800

 

響 LP 4000→2300

 

「キャアアアア!!!!!!!」

 

ワイゼルの攻撃により破壊されたミラダンテの爆風が私にも襲って、Dホイールのバランスが崩れてしまう。スピンしてしまい、壁にぶつかりそうなところで何とかDホイールを持ち上げて急いで相手を追う。

 

「ツゥ・・・・やってくれるじゃない」

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

 

プラシド 手札 0枚 LP 4000 SPC 8

【モンスターゾーン】

機皇帝ワイゼル∞ 攻4500→2900

ワイゼルT 攻500

ワイゼルA3 攻1600

ワイゼルC 攻800

【魔法・罠ゾーン】

無限霊気 (カウンター:40)

伏せカード 2枚

 

 

いててて・・・・・・余計なダメージを食らったじゃない。危なかったわ・・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 4枚

 

響 SPC 10→11 プラシド SPC 8→9

 

・・・・・よし、これなら機皇帝を倒せる!

 

「チューナーモンスター、氷結界の風水師を召喚!」

氷結界の風水師 攻800

 

「カードを1枚伏せて、Lv4の氷結界の修験者にLv3の氷結界の風水師をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

氷結界の風水師が三つの緑色の輪へと変化して、その中に氷結界の修験者か入り4つの光となる。それらが一つの光となって、その光が上空へと登っていき上空にオーロラが現れる。そのオーロラの中からアイス・スプラッシュ・ドラゴンがフィールドに現れた。

 

「また愚かなシンクロモンスターに頼るのか。それにそいつでは俺の機皇帝ワイゼルには到底及ばん」

 

「やってみなきゃ分からないでしょ!!SPーファイナル・アタック!SPCが8つ以上ある場合、このターン自分フィールドのモンスター1体の攻撃力を倍にする!」

 

「何だと!?」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500→5000

 

「バトル!アイス・スプラッシュ・ドラゴンで機皇帝ワイゼル∞を攻撃!エターナル・アイスミラージュ!」

 

アイス・スプラッシュの身体が7色に光って、7体に分離をする。それぞれの色のアイス・スプラッシュが機皇帝ワイゼル∞を攻撃していき、最後の1体がブレスを吐いて凍り付けになった機皇帝ワイゼルに向かって突進、凍り付けになった機皇帝ワイゼルが粉々に砕けていった。

 

「グワアアア!!!!!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻5000

機皇帝ワイゼル∞ 攻2900

 

プラシド LP 4000→1900

霊気カウンター 40→61

 

「ぐっ・・・・・だがまだ俺のライフは残っている!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地から氷結界の風水師を特殊召喚!さらにこの処理後、もう一枚リバースカードオープン!罠カード、緊急同調!」

 

「緊急同調だと!?」

 

「この効果で私はこのバトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う!Lv7のアイス・スプラッシュ・ドラゴンにLv3の氷結界の風水師をチューニング!」

 

☆7 + ☆3 = ☆10

 

「サファイアの宝玉が輝きし時、水の龍が覚醒する。海に永久に続く流氷を導け!シンクロ召喚!!凍らせ!!水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン!!」

 

『・・・・・(ピキッ)ギャアアア!!!!!!!』

 

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン 攻2800

 

アイス・スプラッシュが上空へと舞い上がっていき、再びオーロラが現れる。そのオーロラから神秘的な雪の結晶が降り始め、その結晶が集まっていきサファイア・アイスがフィールドに舞い降りた。

 

「水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、相手フィールドのカード1枚をゲームから除外する!私はその伏せカードをゲームから除外!」

 

「チッ!!」

 

「これであんたも終わりよ!水玉霊 サファイア・アイスでダイレクトアタック!!エターナルスノーストーム!!」

 

サファイアの前に氷の輪が現れて、その輪にエネルギーが貯められる。サファイアがその輪に向かってブレスを放つとその輪から猛吹雪が吹き荒れて、相手に攻撃した。

 

プラシド LP 1900→0

霊気カウンター 61→80

 

WIN 響 LOS プラシド

 

 

『決まったああああ!!セカンドホイーラー対決もチームSECRETの勝利!!チームニューワールドはラストホイーラーのホセに全てが掛かっている!!』

 

へへ〜ん、どんな物よ!!私の前には機皇帝なんてタダのガラクタだわ!!

 

「最後もチャチャッと(ピコーン)うん?・・・・・えっ?シグナーの能力を使ってバリアを張る準備?」

 

ウキウキ気分になっていたところで突然Dホイールの画面にメッセージが現れた。そのメッセージがまた奇妙で「シグナーの能力を使ってバリアを張る準備をしておけ」というものだ。何を言っているのかさっぱり分からない。

 

「(・・・まぁ一応、エネルギーを貯めておきましょうか)」

 

『さぁラストホイーラーのホセが・・・・!?ああっと走ったああ!?!?』

 

「はっ?走った?・・・・!?嘘でしょ!?」

 

司会者が訳の分からないことを言ったので後ろを振り向くと、確かにあのお爺ちゃんが凄いスピードで後ろから走って追いかけてきた。

 

「えっ!?まさか走りながらデュエルするわけ!?」

 

「そんなはずがない」

 

すると、地面に大きな影が出来た。何だろうと思って空を見上げると大きな物体がこっちに落ちてきていた。お爺ちゃんはその大きな物体に向かってジャンプをして、足が変形をしてその物体と合体した。

 

「気色悪・・・・人間じゃないでしょ!!」

 

「そうだ・・・我々は人間の写し身だ」

 

「訳分からないこと言わないでよ!!あんたもさっさと倒して決勝に行くから!!」

 

「ふん、負けるのは愚かなシンクロモンスターを使う貴様らだ」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 2300 ホセ LP 4000

 

「我のターン、ドロー」

 

ホセ 手札 6枚

 

響 SPC 11→12 ホセ SPC 9→10

 

「我はグランド・コアを召喚」

 

グランド・コア 攻0

 

「さらにリバースカードオープン、永続罠、スパークブレイカー。この効果で我はグランド・コアを破壊する」

相手が発動したスパークブレイカーによって召喚したグランド・コアがすぐに破壊されてしまった。

 

「グランド・コアの効果発動。デッキ・手札・墓地から機皇帝グランエル∞、グランエルT、グランエルA、グランエルG、グランエルCを特殊召喚」

 

機皇帝グランエル∞ 攻0

グランエルT 攻500

グランエルA 攻1300

グランエルC 守700

グランエルG 守1000

 

「合体せよ、機皇帝グランエル∞」

 

グランド・コアが破壊されて、5つのワープの穴が開いてグランエルのパーツが続々と現れていき、それらが合体をして機皇帝グランエル∞が姿を現わす。

 

「機皇帝グランエル∞の攻撃力は我のライフと同じ数値になる」

 

機皇帝グランエル∞ 攻0→4000

 

「ライフ依存?それならライフ4000の今なら怖いけど、ライフを削っていけば怖くはないわよ!」

 

「おろかな・・・・今からその考えを悔いるがいい。SPーテイク・オーバー、自分のSPCが4つ以上ある場合、自分フィールドの無限霊気を破壊する」

 

「ハッ?」

 

相手が発動したSPによって相手フィールドに発動していた無限霊気が破壊される。

 

「(あのカウンターしか乗らないカードを破壊?何する気?)」

 

「そしてこのカードに乗っていた霊気カウンターの数×100ポイント、我のライフは回復する」

 

「・・・・!?ちょ!?」

 

「霊気カウンターは80、よって我は8000ポイント回復する」

 

ホセ LP 4000→12000

機皇帝グランエル∞ 攻4000→12000

 

「い、12000!?」

 

「さらに機皇帝グランエル∞の効果発動。相手フィールドのシンクロモンスター1体を吸収する」

 

機皇帝グランエル∞の胸から触手が現れて、サファイアに絡みつく。

 

『ギャアアア!!!!』

 

「さ、サファイア!!!」

 

サファイアは抵抗するがグランエルの効果に負けてそのまま吸収していった。

 

機皇帝グランエル∞ 攻12000→14800

 

「カードを2枚伏せ、バトル」

 

機皇帝グランエル∞の右腕が私に向かって照準を合わせてきた。まずいまずいまずい!!!!こんな攻撃受けたらマジでヤバイって!!!!

 




魔理沙「調整終わった終わった」

フラン「む〜・・・・まだ満足できない・・・」

遊輝「(ダメだ・・・フランが満足民になろうとしている(汗)」

魔理沙「いや〜、《テラナイト》は打撃を受けたけど《魔導》と《ブラマジ》には何ら影響も無くて良かったぜ。むしろプラスだ」

フラン「私も。《彼岸》は簡単に墓地に送れるようになったし。打点も増えたし」

遊輝「あの・・・・今回の話の回想に行ってもらえないでしょうか」

魔理沙「えぇ〜、だって大したことないぜ」

フラン「フランもあれくらいなら1ターンあればひっくり返せるし」

遊輝「・・・・・・・・(汗)」

魔理沙「次回はチームニューワールド終盤戦!」

フラン「【希望のペンデュラム 四竜降臨!】。次回もよろしくね!」


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第162話 希望のペンデュラム 四竜降臨!

【初めて0時投稿にしてみました。本当なら22時なんですが何となく気分で】


最強カードの紹介〜〜

レミ「久しぶり!!」

突然だけど、この話のタイトルのもう一つの候補何か分かる?

レミ「ほ、本当に突然ね・・・・う〜ん、機皇帝キラーだったり?」

違う違う、正解は【アポリアさん、早くも絶望するの巻】。

レミ「・・・・・ひっどいタイトルね(汗)」

だってアポリアさんの出番、この回で終わりだし。アポリアさん、セリフ考えるの難しいんだよ。おまけに3ターンしか無いのにめっちゃ長くなったし。

レミ「知らないわよ(汗)」

最強カードの紹介に行こう!今回はクリアウィング・シンクロ・ドラゴン!

レミ「今のアニメの四人の主人公の・・・・・融合君だっけ?が使うエースシンクロモンスター、Lv7の風属性だよ!」

効果はLv5以上のモンスターが効果を使った時、その効果を無効にする効果とLv5以上のモンスター1体のみを対象にしたモンスター効果を無効にして破壊するぞ!

レミ「そしてこの効果で破壊した場合、このカードは破壊したモンスターの攻撃力分アップできる!」

まさに効果モンスターの天敵だな。フィールドに出すだけで相手を威圧できるぞ!

レミ「第162話、ライディングデュエル!アクセラレーション!」


前回までの状況

 

響 手札 2枚 LP 2300 SPC 12

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

ホセ 手札 2枚 LP 12000 SPC 10

【モンスターゾーン】

機皇帝グランエル∞ 攻12000

グランエルT 攻500

グランエルA 攻1300

グランエルC 守700

グランエルG 守1000

【魔法・罠ゾーン】

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン (グランエル)

伏せカード 2枚

 

 

遊輝 side

 

 

「ヤバいヤバいヤバい!!!おい響!!!バリア!!!バリア貼れ!!!」

 

「ダ、ダメです師匠!!!響さん気づいていません!!!」

 

「だからあいつは心配だったんだよ!!何とかして気づかせないと!!」

 

機皇帝グランエル∞が攻撃力10000オーバーになって今まさにダイレクトアタックをしようとしている時、俺は何とかして響にバリアを張るようにメッセージを送り続けているが響はまだ気づいていない。

 

「機皇帝グランエル∞でダイレクトアタック」

 

「リ、リバースカードオープン!罠カード、聖なるバリアーミラーフォースー!」

 

「おろかな・・・・手札から速攻魔法、SPースピード・フォース。SPCが4つ以上ある場合、このターン我のフィールドのカードは魔法・罠の効果で破壊されない」

 

「いっ!?」

 

「機皇帝グランエルに逆ろうとした報いだ・・・・」

 

グランエルが響に向かって照準を合わせて、撃った。その衝撃によって響を中心に爆発が起きた。

響 LP 2300→0

 

 

WIN ホセ LOS 響

 

 

『チームSECRET、小野寺響!!ホセの攻撃をまともに受けた!!』

 

「響!!!おい響!!!」

 

「・・・・・全く、無駄な行為だ」

 

「・・・だ、誰が・・・無駄だって・・・」

 

「何?」

 

「へ、へへ・・・・・こんな攻撃、へっちゃらよ」

 

『おおと!!!あの強烈な攻撃をボロボロになりながらも耐えたぞ!!!』

 

映像にはあの爆風から抜け出した響が映っていた。Dホイールも損傷をして、響自身の身体も切り傷やら何やらで血が出ているところがある。

 

「全く・・・・・遊輝も心配性ね・・・・・こんなところで私がくたばるはずないじゃん・・・・・・」

 

「・・・・・悪かったな。今回は全面的に俺が信頼しきってなかった」

 

「し、師匠・・・・」

 

「恭輔、準備の手伝いしてくれ。それとこいつを預かっておいてくれ」

 

俺はピットの監督席から立ち、ピットの車庫に移動する。恭輔にもついてきてもらい、俺はポケットの中からデッキを取り出して恭輔に渡す。

 

「!?し、師匠!?これ師匠の本気のデッキでしょ!?」

 

「そうだけど」

 

「な、何で僕に渡すのですか!?」

 

「今回は使わない、ただそれだけだから」

 

「つ、使わないって!?」

 

「準備を手伝ってくれ」

 

「は、はい!!」

 

車庫からDホイールのエンジンを起動、動いたことを確認して俺はピットの交代ラインまで押す。恭輔にはヘルメットを持ってきてもらい、Dホイールに乗ったところでそのヘルメットを受け取り被る。

 

「響が帰ってきたぞ!!」

 

スバルがボロボロになって帰ってきた響を見つける。響はコースからピットに入り、Dホイールを止める、その瞬間、力が抜けたように前に倒れた。

 

「ひ、響さん!!」

 

「響!!大丈夫か!?」

 

「へへっ・・・私の身体は頑丈なのよ・・・・あぁそうそう・・・奏、ちゃんとライトニング・エンジェルを奪い返したわよ・・・・」

 

前に倒れて今にも意識が無くなりそうな響は墓地からライトニング・エンジェルのカードを取り出して、奏に渡した。渡し終えた瞬間、響は意識をなくしてDホイールから倒れた。

 

「ひ、響!!」

 

「た、担架!!担架もってこい!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

「準備OK!Go!」

 

精神を集中させてこれから行われるデュエルプランを立てる。そして準備を一人でやっていた恭輔がフラッグを振る。俺はそれを見てアクセルを回して急発進、すぐにホセを追いかける。

 

『さあチームSECRETのラストホイーラー、遊輝がホセに追いついた!!このデュエルで勝った方が決勝の舞台に立つのはどっちのチームだ!!!』

 

「遠藤遊輝・・・・お前も我々に刃向かうと言うなら容赦はしない」

 

「・・・・お前には絶対負けねぇ。響や皆の思いを無駄にはしねぇ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 ホセ LP 12000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 12 ホセ SPC 10→11

 

「SPーマジック・プランター!SPCが4つ以上ある場合、自分フィールドの永続罠を1枚墓地に送り2枚ドローする!俺はリビングデッドの呼び声を墓地に送り2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚→7枚

 

「・・・・・・・・・」

 

「どうした?何もせずか?それが正しい。それが世界を救う良い方法だ」

 

「・・・・・誰が何もしないって言った?お前、確か前にこう言ったよな?俺という存在で未来が分からなくなったと」

 

「それは誤差の範囲だ。我々はその後、世界がどうなるのか観察をしたが、結局変わりはしなかった。例えお前がエクシーズを広めたところで世界が滅ぶ運命へのルートが少し変わったぐらいだ」

 

「ふ〜ん・・・・くだらねぇ」

 

「何?」

 

「そんな決まった未来を見て、未来を変えるっていうその考えがくだらねぇんだよ。遊星じゃねぇけど、未来って言うのは何が起こるのか分からないから未来なんだよ。そんな決まりきった未来なんか誰も信じねぇし、誰も付いてこないよ」

 

「何を言うか。我々はこの目でしっかりと未来を見てきたんだ」

 

「そんな空想的な未来、例えばちょっとネジの穴を開いただけですぐに変わるじゃないか。だから誰も信じねぇんだよ」

 

「そんなに言うのなら我を倒せ。だが、お前の所持しているエクシーズモンスターでは我のグランエルを倒すことが出来はしない」

 

「確かにね・・・・でも、エクシーズ以外なら?それがお前たちの知らない全く別の未来なら話が別だ!!」

 

「何だと?」

 

「せっかく観客が大勢見ているんだ・・・・派手なデモンストレーションをやるぜ!!!Ladies and gentlemen!!!!!!」

 

『な、何だ・・・』

 

『どうしたんだいきなり・・・・』

 

俺はDホイールのハンドルから両手を離して大空に届くように両手を広げる。突然のことで観客やリーゼントMCが戸惑っているが関係ない。

 

「今日、この試合をご観戦の皆様!!!そしてテレビの向こうで見ているそこのあなた!!!なんという幸運の持ち主!!!今宵、あなたたちはデュエルモンスターズの新たな歴史の証人となります!!」

 

『あ、新たな・・・・』

 

『デュエルモンスターズの証人?』

 

「・・・・・何をする気だ?」

 

「まず私は!!!レフト・Pゾーン、そしてライト・Pゾーンに2枚の慧眼の魔術師をセッティング!!」

 

俺のDホイールに新たに作られたモンスターゾーンのさらなる両端に2枚の慧眼の魔術師をセットする。その事により、俺の両隣に上空から青い光が照らし出されて、雲の間から2体の慧眼の魔術師が舞い降りてくる。

 

『な、なんだ!?なんだこのカードは!?このようなカードは私の手元の資料には存在しない!!』

 

「な、なんだ・・・こんなカード、我の知っている未来には・・・・」

 

「物質の本質を見極める2体の魔術師よ!今ここでその力を発揮し、新たなる魔術師を創生せよ!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに【魔術師】か【EM】カードの場合、自身を破壊することでデッキからこのカード以外の【魔術師】PモンスターをPゾーンにセットする!俺はデッキからスケール8の龍穴の魔術師をライト・Pゾーンにセッティング!さらにもう1枚の慧眼の魔術師の効果でデッキからスケール1の龍脈の魔術師をレフト・Pゾーンにセッティング!」

 

2体の慧眼の魔術師が順々に破壊されていき、俺が宣言したモンスター・・・・ライト・Pゾーンに龍穴の魔術師、レフト・Pゾーンに龍脈の魔術師がセッティングされた。

 

「龍を操りし寡黙な魔術師よ!龍脈の力を得て敵の妨害を捻じ伏せろ!ライト・Pゾーンにセッティングされた龍穴の魔術師の効果発動!もう片方のPゾーンに《魔術師》ペンデュラムカードが存在する時、手札のペンデュラムモンスターを墓地に送る事で相手フィールドの魔法・罠を1枚破壊する!手札の貴竜の魔術師を墓地に捨てて、左側の伏せカードを破壊!ドラゴンズマジック!」

 

手札から墓地に送った貴竜の魔術師の魂を受け取った龍穴の魔術師がその杖に魔力を貯めてホセの伏せカード1枚を破壊した。

 

「そんな事をしてなんの意味がある」

 

「これはまだまだ余興です!!さぁ皆様ご喝采!!これから行われるのは融合・儀式・シンクロ・エクシーズに次ぐ第5の召喚方法です!!!」

 

『第5の・・・・・』

 

『召喚方法!?』

 

「私の場にはスケール8の龍穴の魔術師もスケール1の龍脈の魔術師が存在する!!これでLv2〜7のモンスターが同時に召喚可能!!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

龍脈の魔術師と龍穴の魔術師の間に大きな青色に光る振り子が現れて、大きくゆっくりと揺れていく。その軌跡から描かれた円から5つの光がこのフィールドに舞い降りて来た。

 

「まずはエクストラデッキから2体の慧眼の魔術師!!」

 

俺の紹介により先ほどPゾーンで破壊された2体の慧眼の魔術師がそれぞれ持っている杖を交差させながらフィールドに現れる。

 

「続いて手札からEM ペンデュラム・マジシャン!!EM トランプ・ガール!!そして雄々しくも美しく輝く二色のまなこ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

『・・・・(ピキッ)ギャアアア!!!!』

 

慧眼の魔術師の隣にはペンデュラム・マジシャン、トランプ・ガール、そして俺の後ろからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンが咆哮を上げてフィールドに現れた。

 

慧眼の魔術師 攻1500 ×2

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500

EM トランプ・ガール 攻200

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

 

『こ、これは一体どう言う事だ!?!?!?遊輝のフィールドには一気に5体のモンスターが特殊召喚された!!!』

 

「な、何だ・・・・何だこの召喚方法は!?」

 

「こいつはペンデュラム召喚・・・・Pゾーンにセッティングされたペンデュラムモンスターのスケールの間のモンスターを同時に特殊召喚できる。この場合、スケール8とスケール1の間、つまりLv2から7までのモンスターが特殊召喚できたわけさ」

 

「しかし、それでは手札の枚数とフィールドの枚数が合わない!!」

 

「ペンデュラムモンスターにはもう一つ特徴がある。フィールドから墓地に送られる場合、代わりにエクストラデッキに表側表示に送られる・・・・・・つまり、Pゾーンで破壊された2体の慧眼の魔術師は墓地には行かず、エクストラデッキに行ったのさ。ペンデュラム召喚は手札からだけでなく、エクストラデッキのペンデュラムモンスターも特殊召喚できる!!」

 

『な、何と言う召喚方法だ!!たった一度の特殊召喚で5体のモンスターを特殊召喚できる!!これは凄い革命だ!!!』

 

「しかし、そのような召喚を使っても我の機皇帝には敵わない」

 

「別にペンデュラム召喚だけじゃないさ・・・ペンデュラム召喚にはそこから先に無限の可能性が広がっているんだ!!!まずはペンデュラム・マジシャンの効果!!特殊召喚成功時、自分フィールドのカードを2枚まで破壊して、このカード以外の名前が異なる《EM》モンスターを破壊した枚数だけデッキから手札に加える!俺はPゾーンの龍脈の魔術師と龍穴の魔術師を破壊!!」

 

ペンデュラム・マジシャンが手にしている振り子みたいな物を投げ飛ばしてセッティングされた龍穴の魔術師と龍脈の魔術師を破壊する。そして、俺のデッキから2枚のカードが飛び出す。

 

「俺はEM ドクロバット・ジョーカーとEM パート・ナーガを手札に加える。Lv4の慧眼の魔術師2体でオーバーレイ!」

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!超越の名を持つ龍よ!反逆の牙を持ち、世界に轟かせ!エクシーズ召喚!ランク4!降臨せよ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・グキャアアアアアアアア!!!!!!』

 

2体の慧眼の魔術師がブラックホールの中に吸い込まれていき爆発が起きる。その中から黒い棘が現れて、ダーク・リベリオンがフィールドに現れる。

 

「そして墓地に眠る美しき魔術師よ!二色の眼を持つ竜に同調してさらなる飛躍を目指せ!墓地の貴竜の魔術師の効果発動!自分フィールドのLv5以上の《オッドアイズ》モンスターのレベルを3つ下げて、このカードを特殊召喚する!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ☆7→☆4

貴竜の魔術師 攻700

 

「Lv4のペンデュラム・マジシャンにLv3の貴竜の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「同調の名を持つ龍よ!美しき翼を広げ、光の速さで加速せよ!シンクロ召喚!レベル7!輝け!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!!」

 

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・(ピキッ!)グオオオオ!!!!!』

 

貴竜の魔術師が作った3つの緑の輪にペンデュラム・マジシャンは入って4つの光となり、一筋の光が生まれる。その光の中を猛スピードで駆け抜けてクリア・ウィングがフィールドに現れた。

 

「そして通常召喚!EM ドクロバット・ジョーカー!」

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果発動!召喚成功時、デッキから《魔術師》ペンデュラムモンスター、《オッドアイズ》モンスター、このカード以外の《EM》モンスターのいずれか1枚を手札に加える!」

 

ドクロバット・ジョーカーがハットを取ってその中にハンカチを入れる。するとハットをの中から煙が出て鳩が飛び出し、ドクロバット・ジョーカーはハットの中から1枚のカードを取り出した。

 

「俺は龍穴の魔術師を手札に加え、EM トランプ・ガールの効果発動!このカードを融合素材とする融合モンスターをフィールドのモンスターのみで融合カードなしで融合召喚する!俺はEMドクロバット・ジョーカーとEM トランプ・ガール、2体の闇属性モンスターで融合!」

 

トランプ・ガールが杖を振ると俺の上に融合の渦が現れてドクロバット・ジョーカーとトランプ・ガールが吸い込まれていき、渦が爆発して大きな咆哮がフィールドに轟く。

 

『・・・・・・ガアアアアア!!!!!!』

 

「融合の名を持つ龍よ!飢えた牙に毒を染み込ませ、亡者どもを食い尽くせ!融合召喚!Lv8!轟け!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800

 

渦の中から大きな紫色の蔓みたいな触手が先に現れて、次いで真ん中の赤い球が光り、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが姿を現す。

これで俺のフィールドにダーク・リベリオン、クリア・ウィング、スターヴ・ヴェノム、そしてオッドアイズの4体の龍が並んだ。

 

『こ、これは凄い光景だ!!たった1ターンで融合、シンクロ、エクシーズ召喚を行い4体の龍がフィールドに並んだ!!』

 

「いくら並べても我の機皇帝には敵わぬ!!」

 

「スターヴ・ヴェノムの効果発動!融合召喚成功時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選びそのモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力はアップする!」

 

「なにっ!?」

 

スターヴ・ヴェノムの翼が口のように大きく開いて、そこに紫色のエネルギーが溜められて、羽のように広がった。

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800→17600

 

『圧倒的な攻撃力を誇ったグランエルの攻撃力を上回った!!』

 

「バトル!!ダーク・リベリオンでグランエルGに攻撃!反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

 

「グランエルCの効果でグランエルGは破壊されない!!」

 

ダーク・リベリオンが顎を使ってグランエルGに攻撃、だがこの攻撃はグランエルCの効果によりバリアが張られて弾かれた。

 

「だがこれでグランエルCの効果はもう使えない!!クリア・ウィングでグランエルGに攻撃!旋風のヘルダイブスラッシャー!!」

 

今度はクリア・ウィングが空に向かって大きく上昇、加速をつけてグランエルGに向かって攻撃、グランエルGは破壊された。

 

「ぐっ・・・」

 

「続いてオッドアイズでグランエルTに攻撃!オッドアイズは相手モンスターと戦闘を行う場合、その戦闘ダメージは倍になる!」

 

「なにっ!?」

 

「いけっ!!螺旋のストライクバースト!!」

 

オッドアイズが両端にある大きな円弧を描いた爪の部分からエネルギーを貯めて、グランエルTに向かって放つ。グランエルTはそのまま破壊されて、超過ダメージがホセを襲う。

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

グランエルT 攻500

 

ホセ LP 12000→8000

 

「グオオオオ!!!!」

 

「ライフが減ったことにより機皇帝グランエル∞の攻撃力も減少!」

機皇帝グランエル∞ 攻14800→10800

 

「行けっ!スターヴ・ヴェノム!!機皇帝グランエルに攻撃!!猛撃のヴェノム・ショット!!」

 

目を輝かせてスターヴ・ヴェノムが自身の身体から2本の触手を飛び出してグランエルに攻撃。スターヴ・ヴェノムの攻撃をまともに食らったグランエルはそのまま爆発した。

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻17600

機皇帝グランエル∞ 攻10800

 

ホセ LP 8000→1200

 

スターヴ・ヴェノムの攻撃で減速をしたホセを俺は交わして前に出る。

 

『圧倒的と思われた機皇帝グランエルが破壊されただけでなく10000以上あったホセのライフが一気に1200まで削られた!!恐るべし遊輝の猛攻!!!』

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズ、スターヴ・ヴェノムの攻撃力は元に戻る!」

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000 SPC 12

【モンスターゾーン】

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 攻2500

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻17600→2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「どうだホセ!!お前自慢の機皇帝を粉々に壊してやったぜ!!やり返してみるならやってみろ!!」

 

「・・・・・少し早いがどうやらこの時が来たようだ」

 

「なにっ・・・・?」

 

「本当なら決勝戦、チーム5D'sの時にやるべきだったが、少し調子に乗りすぎたようだ」

 

「?何言ってるんだ?」

 

「この運命は・・・・・我々が修正してやる」

 

「?・・・・!?」

 

「フフッ・・・・ようやく本気にさせてくれるのかホセ!!」

 

「キャーハハハ!!!僕たちを怒らせたことを後悔させてやるよ遊輝!!」

 

ホセが何を言ってるのか分からなず後ろを振り向くと上空にプラシドとルチアーノが飛んでいるのが見えて、ホセもその二人のところに自身のDホイールごと飛んでいく。イリアステルの三人が一つに集まった時、光が放たれる。やがてその光からバカでかいDホイールとそれに乗っている赤い長髪の男が現れて俺の後ろを走り出した。

 

「・・・・誰だお前」

 

「我が名はアポリア・・・・絶望の番人・・・」

 

「はぁ?絶望の番人?」

 

「私はアーク・クレイドルをネオドミノシティに落とすという使命を果たすため、お前を倒す。私のターン、ドロー!」

 

アポリア 手札 3枚

 

遊輝 SPC 12 アポリア SPC 11→12

 

「私は手札からSPーシフト・ダウンを発動。SPCを6つ取り除いて2枚ドローする」

 

アポリア SPC 12→6

アポリア 手札 2枚→4枚

 

「SPーおろかな埋葬を発動、SPCを2つ取り除いてデッキからスカイ・コアを墓地に送る」

アポリア SPC 6→4

 

「さらにSPーエンジェル・バトン。SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして1枚を墓地に送る。これで準備は揃った・・・・・リバースカードオープン、機皇創世!私の墓地からスカイ・コア、ワイズ・コア、グランド・コアの3体を除外してこのモンスターを特殊召喚する!」

 

アポリアが発動した罠カードにより3体のコアが墓地から上空に舞い上がる。するとフィールドに赤い雲が現れて雷が何度も落ちてくる。

 

「三つの絶望よ、新たなる最強の力を降臨させよ!現れろ、絶望の魔神!機皇神マシニクル∞!!」

 

機皇神マシニクル∞ 攻4000

 

その轟く雷の中から大きな鋭い目が光って、幅広な肩をした三つの吸収する所がある大きな人形の機械型のモンスターが現れた。あ〜・・・・・残念な方のマシニクル∞ですか・・・・まぁどっちにしろ対処は楽なんだけど。

 

「機皇創世は発動後、機皇神マシニクル∞の装備カードとなる」

 

『な、なんだこれは!?天変地異か!?この世の終わりか!?』

 

マシニクル∞がフィールドに現れたことでネオドミノシティ全体に覆われた赤い雲が雷を放ち、その度に街の建物や道路を破壊していく。

 

「機皇神マシニクル∞の効果発動!相手フィールドのシンクロモンスター1体をこのカードに吸収する!」

 

マシニクル∞の胸や両肩にある部分から触手が飛び出してクリアウィングに絡みつく。そのままクリアウィングはマシニクル∞に引っ張らられていく。

 

「ハハハ、これでお前のシンクロ「よ〜く見てみろよ」ん?・・・!?」

 

ピカーーン!!

 

マシニクル∞の触手に捕まったクリアウィングの翼が緑色に輝き、身体を大きく伸ばすとマシニクル∞の触手は千切れた。

 

「クリアウィングの効果発動!1ターンに1度、フィールドのLv5以上のモンスターが効果を発動した時、その効果を無効にして破壊する!!」

 

「な、何だと!?」

 

「くらえ!!ダイクロイックミラー!!!」

 

大きく翼を広げたクリアウィングはそのまま全身から白いエネルギーが放たれて、咆哮を上げながらマシニクル∞に向かってエネルギーを放つ。そのエネルギーに包まれたマシニクル∞は苦しみ、機械のパーツが壊れようとしていた。

 

「ぐっ!!装備された機皇創世の効果で私は墓地のグランエルTを除外することで機皇神マシニクル∞は破壊から免れる!」

 

「チッ・・・破壊できなかった」

 

「おのれ・・・バトルだ!機皇神マシニクル∞でオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃!ザ・キューブ・オブ・ディスペアー!」

 

「迎え撃て!!螺旋のストライクバースト!!」

 

Dホイールを90度回転させて攻撃を宣言されたオッドアイズに俺は反撃の指示を与える。マシニクル∞が放ったエネルギー波にオッドアイズは立ち向かってエネルギーを当てる。少し均衡していたがやがてオッドアイズがパワー負けをしてマシニクル∞の攻撃を受けてしまった。

 

「ぐうぅぅぅぅ!!!!!!」

 

機皇神マシニクル∞ 攻4000

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500

 

遊輝 LP 4000→2500

 

マシニクル∞の攻撃の余波を受けたがすぐにDホイールを回転させて前方に向かって走る。アポリアも俺の背後を追いかけるようにして付いてきている。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

アポリア 手札 2枚 SPC 4

【モンスターゾーン】

機皇神マシニクル∞ 攻4000

【魔法・罠ゾーン】

機皇創世 (マシニクル∞)

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 12 アポリア SPC 4→5

 

ッツゥ・・・さすがに機皇帝の神というだけあるわ、威力だけならスキエルよりも遥かに上だったよ・・・さあてと、もうお遊びも終わりだ。決着をつけるぞ。

 

「レフト・Pゾーンにスケール3のEM パート・ナーガ!ライト・Pゾーンにスケール8の龍穴の魔術師をセッティング!」

 

再び手札から2枚のペンデュラムカードをペンデュラムゾーンにセット。俺の両隣に再び天空からパート・ナーガと龍穴の魔術師がセットされた。

 

「これでLv4から7までのモンスターが再び同時に召喚可能!今一度揺れろ!!ペンデュラム召喚!!エクストラデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

『・・・・ギャアアア!!!!!』

 

パート・ナーガと龍穴の魔術師の間で再び大きな振り子が揺れ始め、その軌跡から描かれた円からオッドアイズがフィールドに戻ってきた。

 

「何度呼ばれようとマシニクル∞の前では無力だ!」

 

「ダーク・リベリオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを全て取り除いて、相手モンスター1体の攻撃力を半分にしてその数値分、ダーク・リベリオンの攻撃力はアップする!」

 

「な、何だと!?」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン OVR 2→0

 

「トリーズン・ディスチャージ!!」

 

ダーク・リベリオンが全てのオーバーレイ・ユニットを使って背中から自身の身体の一部を変形させてマシニクル∞に絡みつける。そこから黒い電気を流し、マシニクル∞を苦しませながらエネルギーを吸収していく。

 

機皇神マシニクル∞ 攻4000→2000

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500→4500

 

「そしてSPースピード・エナジー!SPCが2つ以上ある場合、俺のモンスター1体の攻撃力をSPCの数×200ポイントアップする!俺が選択するのはオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻2500→4900

 

「ば、バカな・・・私の最強の機皇神が・・・・何も出来ずに負けるだと・・・?」

 

アポリアはすでに顔が絶望仕切っていて、追い詰められたような表情をしている。・・・・早いな(汗)。まぁ関係ないけど。

 

「さぁフィナーレと行こうぜ!!最後の主役はペンデュラムの名を持つお前だな!!バトル!!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで機皇神マシニクル∞を攻撃!!」

 

「ぐっ・・・・まだ私は認めない!!リバースカードオープン!!聖なるバリアーミラーフォースー!!!」

 

「リバースカードオープン!!カウンター罠、大革命返し!!フィールドのカードを2枚以上破壊するカード効果を無効にしてゲームから除外する!!」

 

「なっ!?」

 

マシニクル∞の前にバリアが張られようとしたが俺が発動した大革命返しによりそのバリアはパリンッと音を立てて破壊されてしまった。

 

「なっ・・・あっ・・・・や、やめろ・・・・」

 

「行けっ!オッドアイズ!!螺旋のストライクバースト!!!!!!」

 

「やめてくれえぇ!!!」

 

エネルギーを貯めたオッドアイズがダーク・リベリオンの効果を受けて弱っているマシニクル∞に向かって特大のブレスを放った。縛られたマシニクル∞は何もすることが出来ず、そのブレスを食らって破壊され、アポリアはその超過分のダメージを食らう。

 

「グワアアアアアアア!!!!!!!!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 攻4900

機皇神マシニクル∞ 攻2000

 

アポリア LP 1200→0

 

WIN 遊輝 LOS アポリア




霊夢「やるわね・・・1ターンであのドラゴンを4体呼ぶなんて」

魔理沙「霊夢は最近、擬人化魔術師の方ばっかり使ってるぜ」

遊輝「現実問題、スターヴ・ヴェノムはトランプ・ガールが無いと厳しいんだよな。まぁそれを持ってくるドクロバット・ジョーカーやペンデュラム・マジシャンがあるのだけれど」

霊夢「にしてもあれボス?弱すぎでしょ」

魔理沙「同感だぜ」

遊輝「いやいやいや、俺が運良く早くに倒しているけど本当はもっと強いんだって(汗)」

霊夢「私の魔術師とABCには何の脅威にもならない」

魔理沙「トライヴェールで手札に戻ってもらうぜ!」

遊輝「・・・・遂にこの小説も最終局面に入りました。ここから先、俺たちシークレットシグナーの最終決戦は精霊世界で起こるアリアが起こした異変を食い止める話になります。次回はその繋ぎの話」

霊夢「【世界崩壊の始まり】」

魔理沙「次回もよろしくだぜ!」


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第163話 世界崩壊の始まり

遅くなってすみません。
本格的に就活が始まりましたのでなかなか時間が取れませんが、何もない日や移動時間などを使って執筆したいと思います。

短くなってすみません、デュエルはどうしても次に回したかったので。



・・・・・チマメ隊可愛いね。ありゃファンが増えるわ。「ぽっぴんジャンプ」も好きなタイプの曲だ。



遊輝 side

 

『き、決まったああああ!!!!!最も優勝に近いと言われたチームニューワールドを倒す大金星!!決戦進出はチームSECRET!!!!」

 

『ワアアアアアアアア!!!!!!!』

 

「よっしゃ!!!!!」

 

アポリアを倒して俺はガッツポーズをする。初めての公のペンデュラム召喚によるデモンストレーションもおおかた成功したし、決勝に進めたことは何よりだ。

 

『勝者が帰ってきたぞ!!!!』

 

キキーーン

 

「遊輝!!!」

 

「師匠!!!やりましたね!!!」

 

「おわっと!!」

 

スバルや恭輔が飛び込んできて俺は二人を受け止める。後ろからレミや奏たちがこっちに走ってきた。

 

「さすがリーダー!!決める時は決めるわね!!」

 

「公のペンデュラム召喚も大成功ね。みんな大受けよ」

 

『いいぞSECRET!!!』

 

『このまま優勝目指せ!!!』

 

「っいってぇな、当たり前だろ。チームを勝たせるのがチームリーダーなんだからな」

 

レミや茜もこっちにやってきて頭を叩いて祝福をする。そしてここにいるメンバーだけでなく観客席から・・・・・

 

「遊輝!!!!!」

 

「ん?・・・・おう龍亞、龍可、遊星、ジャックにクロウも」

 

「よくやったぜ遊輝!!!!!これで世界は救われた!!!」

 

「うむ、今回は礼を言うぞ。俺たちが出る前に決着を付けてくれたのは非常に大きい」

 

「ああ、それと決勝進出おめでとう」

 

「あざ〜っす」

 

「私たちから言わせてくれ、決勝進出おめでとう。そしてチームニューワールドを倒しくれてありがとう」

 

「ん?」

 

「・・・・誰?」

 

遊星から祝福の言葉を受け取った後、横から別の祝福の声が聞こえたのでそっちの方に振り向く。見ると三人組の男の人たちが立っていた。その中の一人、白髪の男が代表して一歩前に出た。

 

「我々はチームラグナロク、私がリーダーのハラルドだ」

 

「チームラグナロク!?チームニューワールドに次ぐ優勝候補で遊星さんたちと準決勝で当たるチームじゃないですか!?」

 

「確かにそうだな。だが、我々はその準決勝を棄権しようと思っている」

 

「えっ!?」

 

「何で!?」

 

「我々の本来の目的はチームニューワールド、つまりはイリアステルの横行を止めることだった。私たちのチームにはルーンの瞳という特殊な力がある」

 

「ルーンの瞳?」

 

「君たちで言うシグナーみたいな力のことだ」

 

そう言いながらハラルドの左目が赤く光った。ああ・・・そう言えばこいつらもイリアステルを止めるために出たとか言っていたな。

 

「我々はこの力を使いイリアステルを倒そうとしていたが、どうやら先を越されたようだ。遠藤遊輝・・・・・君は不思議な少年だな。エクシーズ、そしてペンデュラムの創始者でありながら全くおごることもなくデュエルに鍛錬をしている」

 

「おごるも何も、俺自身強いわけじゃないから。何回も負けまくっているし」

 

「その気持ちがあるだけで充ぶ《ドドドドッ!!!!!》!?」

 

「な、何だ!?地震か!?」

 

「見て!!アーククレイドルが!!」

 

ハラルドと喋っている途中、地面が大きく縦に揺れた。みんな地震だと思ってバランスを何とかして保とうとする。やがて、縦揺れが収まって何だったと思ったのもつかの間、龍亞が空に指を指した。そこには大きなマシュ=マックみたいなものが空の亀裂から現れていた。

 

「バカな・・・遊輝たちが勝ったことでアーククレイドルは消えたのではないのか!?」

 

「まさか既にイリアステルの作戦ははじまったのか!?」

 

「分からない・・・・いずれにせよ、アーククレイドルは今俺たちの目の前にある!!どう言うことだ!?」

 

『皆さん!!急いで治安維持局に向かってください!!』

 

「!?イェーガー!?」

 

ジャックやクロウがなぜアーククレイドルが消えないのか感情を露わにして問いかけるが誰も答えない。そんな時、突如観客席のビジョンにイェーガーがアップで映って俺たちに治安維持局に来るように指示してきた。

 

『とにかくすぐに来てください!!事態は深刻な状況です!!チーム5D's、チームラグナロク、チームSECRETの皆さん!!すぐに来てください!!』

 

「何か分からないけど大変なことみたいだな」

 

「行きましょう。響は私が連れてくるわ」

 

「そうだ!!響は大丈夫なのか?」

 

「心配しなくてももう平気よ。体力が回復したらすぐに起きたわ」

 

「そうか・・・それな『マスター!!!』!?うわっ!?」

 

響が無事であると分かり胸を下ろしていたら、今度はダイヤが俺の目の前に突然現れて来た。目の前すぎたので俺はビックリして尻をついてしまった。

 

「い、いててて・・・・・な、何だよダイヤ!?ビックリするじゃねぇか!!」

 

『大変です!!アリアが動きました!!精霊世界が大変なことになってます!!』

 

「ハァ!?こんな時に!?」

 

『しかも規模がかなり大きいです!!既にエンディミオンやら大規模な都市が陥落しようとしています!!』

 

「嘘だろ!?」

 

何がどうなってそんな短期間でエンディミオンクラスの大都市がアリア一人に陥落されるんだよ!?おかしいだろ!?あいつ洗脳魔法でも使えたのか!?

 

「しょうがない!!ダイヤ!!行くぞ!!」

 

『分かりました!!』

 

「待ちなさい!!」

 

「グエッ!?」

 

アリアのやっていることが心配なので俺はダイヤに精霊世界に行くように言ったが、その時に襟を掴まれて首がしまる。誰かがエリン離したところで後ろを振り向くとレミやスバル、奏がこっちを見ていた。

 

「俺たちも行くぞ」

 

「今回は邪魔なんてしないから。私たちだって、力をつけたのよ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「私たちはシークレットシグナーでしょ?同じ仲間なんだから、ね」

 

そう言ってレミが右腕にある赤い痣を俺に見せつける。レミだけでなくスバルや奏も同じようにして見せつけて来た。

 

「・・・・・そうだな、俺一人で解決できる問題じゃないんだ。お前達に頼らないと」

 

「響っち連れて来たわよ!!」

 

「んん〜!!ようやく身体がまともになったわね」

 

茜が控室から響を連れてやって来た。響は頭に包帯を巻いているが何とか無事でいるみたいだ。

 

「響、精霊世界に行くぞ」

 

「へっ?精霊世界?」

 

「俺たちのやるべきことはそっちだ」

 

「とにかくこっち側に来なさい!」

 

「いたたたた!!!私怪我人だから!!」

 

色々と言いたいと響の顔には出ているが、レミが無視して響を引っ張ってこっち側に連れてくる。・・・・・っとそうだ。

 

「いいか祈、恭輔、茜。お前達はもしヤバイことになったら真っ先に逃げろ」

 

「し、師匠!?僕たちもついていきます!!」

 

「わ、私だって!!」

 

「いいやダメだ。今回ばかりは一般人のお前らには荷が重すぎる。俺たちみたいに特殊能力を持ってないと命の危険もある」

 

俺は祈や恭輔、茜にもしものことがあったら真っ先に逃げるように伝えた。シグナーでも何でもない、祈や恭輔に関しては精霊も見えない普通の一般人がこんな事に巻き込まれたら確実に命を落とす危険が高くなってしまう。そうならないためにもこいつらには自分たちの命を大切にして貰うために逃げるように伝えておく。

 

「気持ちはありがたい、だからその気持ちだけは受け取る。だけど自分の命は大切にしろ。これは命懸けになるだろう」

 

「・・・・・分かったわ遊輝っち」

 

「あ、茜さん・・・・」

 

「行くわよ祈っち、恭輔っち。二人とも、私が家まで送ってあげるから」

 

「ごめんな茜」

 

茜一人、少し哀愁のある雰囲気を出すがそれを堪えてくれて恭輔と祈を連れて行く。二人は「頑張って!!」の声を張り出してピットから消えていった。

 

「さて・・・・じゃあ俺たちシークレットシグナーはアリアの暴走を止めに行く。いいな」

 

「えぇ」

 

「えっ!?ちょっ!?私何も知らないけど!?」

 

「お前は黙っとけ、後で説明する。と言うわけだ遊星、こっちはお前達、シグナーに任せる」

 

「分かった」

 

「任せておけ!俺がチョチョイのチョイで解決してやる!!」

 

「俺も忘れないでよ!これでもチーム5D'sの立派なメンバーなんだから!」

 

「・・・・・・遊輝」

 

クロウや龍亞が調子よく言ってそれをアキさんが少し呆れながらも止める行為が遊星の後ろで行われている中、龍可だけが俺を心配そうな目で見てきた。

 

「遊輝・・・・」

 

「・・・大丈夫だって、今回は本当に止めなくちゃいけないんだ。ペンデュラムも解禁になった。あいつに勝ってイザコザを全てなかったことにしてやる」

 

「・・・・・・・・よね」

 

「えっ?」

 

「絶対に・・・・絶対に無事に帰ってきてよね」

 

「ああ、もちろんだ!」

 

不安そうな顔をした龍可が上目を使って俺にそう言ってきた。その顔を見た俺はすぐに返事をした。いやだって、あんな顔されたらああ言うしかないじゃん・・・・

 

「それじゃダイヤ、頼むぞ」

 

『分かりました』

 

ダイヤが手にしている鎖がついた杖を構え、呪文を唱える。すると俺たちの下に魔法陣が浮かび上がり、白い光が強く輝いた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ドーーン!!!!ドーーン!!!!

 

「wow・・・・・派手にやってるな」

 

「事態は深刻、ってやつね」

 

「これ早めに解決しないと」

 

「ねぇ、私何の説明を受けてないけど、どう言うこと?」

 

精霊世界、ダイヤたちの街についたそれぞれの第一声がこれだ。俺たちの目に映ったのは上空から魔法攻撃をしてくる得体の知れない変な物体とそれに交戦しているこの街の人々絵だ、いや、地獄絵図だな。ところどころ、建物から煙やら炎が立ち上っている。

 

「まずは主犯探しだな。主犯はどこにいるか分かるか?」

 

『目撃情報が多いのはグリモワールです』

 

「グリモワール・・・・めっちゃ遠いじゃねぇか」

 

「遠いってどれくらい?」

 

「・・・・ここから北東1000km」

 

「ぶっ!?遠すぎるだろ!?どうやって行くんだよ!?」

 

「プラチナに頼むしかないがそれでも片道4時間は『遊輝ちゃん♪」!?」

 

「?どうしたのよ?突然身構えて」

 

「おいアリア!!どこにいる!?」

 

突然、頭の中にアリアの声が響いてきた。突然すぎて一瞬ビックリしてしまったがすぐに身構えてどこにいるか分からないアリアに向かって大声で叫ぶ。

 

『そんな大声で叫ばなくてもアリアさんにはちゃんと聞こえるわよ』

 

「お前、一体何をしてるんだ!?」

 

『見て分からない?私の目的のための侵略が始まったのよ。まずは精霊世界、そしてそれが終わったら人間世界を制圧するわ』

 

「ふざけるな!!そんな事して何になる!?」

 

『言ったはずよ、私は運命に従って王になるって・・・・・』

 

「(ん?声の雰囲気が変わった?)」

 

最後の言葉、その時だけアリアの雰囲気が明らかに変わった。おちゃらけた雰囲気から重苦しい、何かに取り憑かれているような雰囲気に・・・・・・

 

『止めたかったら私を止めてみなさい。私は今この街の遊園地のタワーの上にいるから』

 

「遊園地のタワー・・・・あれか!!」

 

アリアに言われた遊園地のタワー、この街の奥にある遊園地の方に顔を向けるとその中から一つだけ大きく飛び出た建物が目に見えた。

 

『そのタワーのてっぺんで待っているからね。じゃあ』

 

「おいこら待て!!アリア!!アリア!!」

 

「じゃあ」という言葉を最後に、アリアの声は聞こえなくなった。全く・・・・何の説明もなしに来いって・・・・

 

「遊輝、あの遊園地のタワーに行けば良いのね?」

 

「ああ、あのタワーのてっぺんだ」

 

「よしっ、そうと決まれば行くよ!!」

 

「・・・・お前、分からないとか言っていたじゃねぇか」

 

「私が説明したわよ」

 

響が拳を上げて行くぞ!って雰囲気を出していたのでたまらず俺が突っ込んだがどうやら奏が説明してくれたみたいだ。

 

「まぁ、行くのはいいけど・・・・」

 

「先にこれの処理だよね・・・・」

 

『グググ・・・・・・』

 

スバルとレミが遊園地方面の道を見て呟く。その方向には得体の知れない黒い人型の物体がウジャウジャとたくさん湧いていた。

 

「こいつら全部凍らせてしまえばいいのね!」

 

「ちょうどいいわ・・・瞬間移動の練習にもってこいね」

 

「ったく・・・・お前ら物騒なことを口にするなよ」

 

響の両手にはすでに冷たい冷気が吹き始め、奏の両足には電気が帯びている。俺はダイヤに頼んでおいた竹刀2本を受け取って赤く燃え上がせる。

 

「んじゃあ行くぞ・・・・Leady Go!!」

 

俺の合図で全員前に飛び出す。それは向こうの得体の知れない物騒な物体も。炎を纏った竹刀を当てるだけでこいつらは消えていく。つまり、まだ雑魚中の雑魚というわけだ。

 

「急ぐぞ!!こんなところで手間取っているわけには行かん!!」

 

「分かってるわよ!!フェザー・ショット!!」

 

「面倒クセェ!!いっぺんに片付ける!!アースクェーク!!」

 

スバルが思いっきり地面を殴る。するとそこから大きな地震が起こって空から瓦礫が落ちてきた。そしてそれは俺たちにも・・・・・

 

「バッカヤロオオオ!!!!!!」

 

俺は大声をあげながら足を地面で蹴りつけてジャンプ、そのまま皆にバレないように少しだけ霊力を解放して空中浮遊をした後、すぐに霊力を解除して地面に降りた。そしてそのまますぐにスバルの方に顔を向けた。

 

「お前バカか!?地震なんて起こしてどうするんだよ!?」

 

「だったらお前がこいつらを一掃しろよ!!」

 

「やってやろうじゃん!!サン「バカ!!!この街が大火事になるわよ!!」ッチ!」

 

大きめの太陽を作って大量の敵にぶつけようとしたけどレミに止められてしまった。

 

「そんな事言い争っている暇があるなら一体ずつでもいいからこいつら倒してよ!!」

 

「めんどくせぇ・・・・・」

 

『ウガアア・・・・・』

 

「こっち来んな!!!」

 

『ウガアア・・・・・』

 

「だからこっち来んな!!」

 

「だからって私に回さないでよ!!」

 

「お〜い!!遊園地の道が空いたからいくぞ!!」

 

スバルの大声で俺たちは一斉に遊園地に向かって走り出す。その間にも街には謎の得体の知れない物騒な物体が攻撃をしていっている。街の住人が攻撃を返しながら俺たちは遊園地の中に入っていった。そのままタワーを目指す・・・・・・はずだった。

 

「おいこら待て!?なんだこのいきなりモンスターのレベルが上がっているのは!?」

 

「知らないわよ!!そんな事言ってる暇があるならさっさと倒しなさい!!」

 

遊園地には行った途端、敵の数もさながら一体一体の強さがいきなりドーンと上がった。さっきのがLv5ならこいつらはLv40くらいだ。

 

「まとめて凍らせばいいんでしょ!!アイス・マジック1!絶対零度!!」

 

響が声を出して右手を前に突き出すと響の身体の周りから強烈に冷たい風が吹き始め、敵が全員凍っていった。

 

「よくやったわ響!!このまま氷の上を渡っていきましょう!!」

 

敵の凍った銅像がそのまま氷の道となって、レミや奏はジャンプしてその氷の道を走っていく。俺たちも後を追いかけていく。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・見えた!!」

 

「よっしゃ!!このままタワーに突入していくぞ!!」

 

『させないわよ』

 

バタン!!ドン!!

 

「ガハッ!?」

 

「ドバッ!?」

 

「グエッ!?」

 

「オエッ!?」

 

「お、置いていかない・・・・・・何で皆のびている?」

 

タワーの開いていた入り口が急に閉まってしまい、氷の道でブレーキをかけられずにそのまま扉と激突、さらにその上からスバルやレミ、響も激突、唯一足の遅くて体力のない奏だけが激突せずに止まった。

 

「い、いててて・・・・・」

 

「何でいきなり扉が閉まるのよ!!」

 

『そんな簡単にアリアさんと会えると思ったわけ?』

 

「い、いててて・・・・何なんだよもう」

 

『簡単な話よ。遊輝ちゃん以外の四人はそれぞれ観覧車・メリーゴーランド・ジェットコースター・コーヒーカップのアトラクションに一人ずつ行ってもらう、そこにいる敵を倒しなさい』

 

「おい、俺はハブられるのかよ」

 

『遊輝ちゃんは一人、ここで待っておくのよ。一人倒すことに扉が開く、四人全員を倒せば私のところに行けるわけ。ああそうそう、遊輝ちゃんには動かないようにしてもらうから』

 

「ハッ!?おいちょ!?」

 

ガチャッ!!

 

アリアが訳のわからないことを言い出したので反論しようとしたら、地面から鎖が出てきてそれが俺の右足を嵌めた。

 

「おいこら待て!!いきなりすぎるだろ!!ってかこいつらお前の声が分からないから何が起こってるのか分かってないぞ!!」

 

『遊輝ちゃんが説明すればNo problem。私を止めたかったら言った通りにしなさい』

 

「ッチ・・・・・とことん面倒クセェことを・・・」

 

「おい遊輝、さっきから何を話しているんだ。ってかその鎖なんだ?」

 

「アリアの野郎が面倒クセェことを言ってきたんだ」

 

「面倒くさいこと?」

 

「ああ」

 

俺は全員に今の現状、そしてここから先に行きたかったらどうするべきかということを教えていく。

 

「ようは俺たちは蚊帳の外ってわけか・・・」

 

「仕方ない、私たちはその敵を倒すだけね。遊輝に全てを賭けるわよ」

 

「任せておけ」

 

「どうかな・・・・前のデュエルが完敗だったから」

 

「おいこら待て響、じゃあお前があの時勝てたとでも言うのか?」

 

「言い争っている暇はないでしょ。早くいかないと制圧されてしまうよ」

 

「じゃあ皆・・・・・頼んだぞ」

 

「「「「任せておけ(おいて)!!」」」」

 

全員で声をかけた後、四人はそれぞれの目的となるアトラクションに向かって走っていった。




紫「は〜い遊輝ちゃん♪」

遊輝「気色悪い、帰れBBA」

紫「何ですって!?」

藍「お、落ち着いてください。それに今の言動と行動では誰もが同じ反応になってしまいます」

紫「あ゛っ!?」

遊輝「ガラ悪いガラ悪い、女の子がそんな言葉言っちゃダメだぞ」

紫「は〜い♪」

遊輝「(・・・・チョロ)」

藍「(・・・・チョロいです)」

紫「次回から最終章5連戦ね♪」

藍「作者が死にそうな顔をしています。【代行者vs光天使】」

遊輝「次回もよろしくね」


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第164話 代行者vs光天使

最強カードの紹介〜。

アキ「久しぶりね」

最近、ごちうさとかこのすばとかにハマってるけど、なんか今になって凄い青春している気分。

アキ「何よそれ(汗)」

いや、今まで狭く深いという俺の人生で一気に視野が広がったような気分でさ、どんな物でも最近は面白いように感じるようになったんだよ。

アキ「(・・・・・色々と大丈夫かしら(汗))」

最強カードの紹介に行きましょう!今回はNo,102 光天使グローリアス・ヘイロー!

アキ「☆4のモンスターを3体素材にするランク4のエクシーズモンスター、効果はエクシーズ素材を一つ取り除くことで相手モンスターの攻撃力を半分にして効果を無効にする。この効果は永続よ」

あと、自身が破壊される代わりにエクシーズ素材を全て取り除くことで破壊から免れてそのターンの戦闘ダメージを0にできる!攻守全てにおいて有用な効果を持ったモンスターだ!(なお、使えるとは言っていない)

アキ「第164話、デュエルスタート!」


奏 side

 

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・きゅ、休憩したい・・・・」

 

遊園地中央にあるタワーから再び出口側に走って、ヨレヨレになりながら何とか目的地の一つであるメリーゴーランドに着くことができた。道中、訳のわからない敵を倒しながら走るので体力の無い私にはかなり辛い運動だ。

 

「こ、こんなことなら・・・・能力を使って移動するべきだった・・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

手を膝にのせて肩で息をする。深呼吸などをして息が整ったところでどこに相手がいるのか探す。メリーゴーランドの周りを一周したり、その周りのアトラクションも目にするがそれっぽい敵は見えない。

 

「ど、どこにいるのよ・・・・」

 

「あっれ?もう来たの?早いわね」

 

「!?ど、どこ!?」

 

「こっちよこっち。メリーゴーランドの中」

 

声が聞こえたほう、メリーゴーランドの中に顔を向ける。そのメリーゴーランドの中に黒い物質が集まっていって形が変形をしていき、人型になっていった。

 

「・・・・・アリア?」

 

「ちょっと正解ね。この黒い物質、私が作り上げた魔法の一種だから。あっ、これ、企業秘密だから」

 

「そんなこと、教えなくていいわ。私はあなたを倒すだけだから」

 

「せっかちね。遊輝ちゃんの仲間はせっかちな人が多いね」

 

「悪かったわね。こっちにとっては時間がないのよ、早くこんな物騒なことをやめて欲しいわ」

 

そう言って私はデュエルディスクを左腕につけて起動させる。相手の左腕も変形をしていき、デュエルディスクらしき形が目に見えた。

 

「それじゃ、精霊世界の命運をかけた大事な初戦を始めましょうか」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

奏 LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行はもらうよ!私のターン!」

 

アリア 手札 6枚

 

相手のデッキは遊輝同様、私が知らないカードを使う、しかもエクシーズやペンデュラムも使う可能性がある。一手一手間違えるわけにはいかないわ。

 

光天使(ホーリー・ライトニング)ウィングスを召喚!」

 

光天使ウィングス 攻1200

 

相手のフィールドに黒い塊が現れて、変形をしていき青い翼を広げたモンスターが現れる。

 

「光天使ウィングスは召喚時、手札の《光天使》モンスター1体を特殊召喚する!光天使セプターを特殊召喚!」

 

光天使セプター 攻1800

 

ウィングスの効果でウィングスの隣に杖が現れて変形をしていき、モンスターが現れた。

 

「セプターの効果。まぁ簡単に言ったら《光天使》のエアーマンね」

 

「なるほど・・・それがデッキのエンジンとなるわけね」

 

「セプターの効果でデッキから光天使スローネを手札に加える。Lv4のウィングスとセプターでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4!フェアリー・チア・ガール!」

 

フェアリー・チア・ガール 攻1900

 

ウィングスとセプター、2体のモンスターがブラック・ホールに吸い込まれていき黄色のチアを両手に持ったチアガールのコスチュームを着た天使が現れた。あれって確かドロー効果を持っていたモンスターね・・・・

 

「フェアリー・チア・ガールの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて1枚ドロー!」

 

フェアリー・チア・ガール OVR 2→1

アリア 手札 5枚→6枚

 

手札がなかなか減らないわね・・・さすがに私たちの知らないテーマね。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

フェアリー・チア・ガール 攻1900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

なるほど・・・・感覚的に恭輔君の《テラナイト》みたいな感じなのね。罠カードが多くて大変そうね・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

奏 手札 6枚

 

「チューナーモンスター、神秘の代行者 アースを召喚!」

 

神秘の代行者 アース 攻1000

 

『ふわぁ・・・・何よ、今日の出番は終わりでしょ?』

 

デュエルディスクにアースのカードをセットすると、アースが欠伸をして非常に眠そうな顔をしたアースがフィールドに現れる。

 

「そんな呑気な状況じゃないわよ。周りを見なさい、周りを」

 

『ふわぁ・・・・お休み』

 

「あ、アース!?」

 

『・・・・zzz』

 

「・・・・・・ア、アースの効果!デッキからアース以外の《代行者》モンスターを手札に加える!私は創造の代行者 ヴィーナスを手札に加えて、速攻魔法、フォトン・リード!手札から光属性モンスターを特殊召喚する!創造の代行者 ヴィーナスを特殊召喚!」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

 

「創造の代行者 ヴィーナスの効果発動!ライフを500払う事でデッキと手札から神聖なる球体(ホーリー・シャインボール)を特殊召喚する!私は1500ポイント払って、デッキから3体特殊召喚!」

 

神聖なる球体 攻500 ×3

 

ヴィーナスが詠唱の歌声をフィールドに響かせて、上空から3体の神聖なる球体が現れる。

 

「Lv2の神聖なる球体3体にLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆2 + ☆2 = ☆8

 

「天空の聖域に従えし神聖なる騎士よ、聖なる光の下に邪悪なる闇を掻消せ!シンクロ召喚!現れろ!神聖騎士(ホーリーナイト)パーシアス!」

神聖騎士パーシアス 攻2600

 

3体の神聖なる球体がアースが作った2つの緑色の輪の中に入っていき、一つとなってパーシアスがフィールドに現れた。

 

「パーシアスの効果発動!フェアリー・チア・ガールを守備表示にする!」

 

フェアリー・チア・ガール 攻1900→守0

 

「hu〜、やる〜」

 

これでライフ4000を削れるけど・・・そんな上手く行くとは思えないわね。

 

「バトル!神聖騎士パーシアスでフェアリー・チア・ガールを攻撃!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、次元幽閉!」

 

パーシアスが慌てふためくフェアリー・チア・ガールに向かっていったが、その前に次元幽閉の効果で縦に亀裂が入り、その中にパーシアスは吸い込まれていった。まぁそうだよね・・・こんな簡単に決まるとは思ってもないわ。

 

「ヴィーナスでフェアリー・チア・ガールに攻撃!」

 

「それは通す!」

 

ヴィーナスの攻撃はフェアリー・チア・ガールに当たり、そのままフェアリー・チア・ガールは破壊された。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

奏 手札 1枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地からセプターを特殊召喚!セプターの効果発動!それにチェーンで手札の光天使スローネの効果も発動!スローネは《光天使》モンスターを召喚・特殊召喚した場合、手札から特殊召喚できる!」

 

光天使スローネ 守2000

 

リビングデッドの呼び声によりフィールドに穴が開いてセプターが再びフィールドに戻ってきて、さらに相手の手札から反応した玉座の椅子のような形をしたモンスターがフィールドに現れる。

 

「スローネの効果で1枚ドロー!それが《光天使》なら特殊召喚できる!」

 

アリア 手札 3枚→4枚

 

「・・・残念ながら違ったわ。チェーン1でセプターの効果発動!デッキから2枚目のスローネを手札に加える!そして1枚目のスローネが特殊召喚した事により、さっき加えた2枚目のスローネの効果発動!このカードを特殊召喚!」

 

えっ!?何その裁定!?そんな事できるの!?

 

「特殊召喚したスローネの効果で1枚ドロー!・・・・・残念、これも外れ。Lv4のセプターとスローネ2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!光の使いよ!天の命令でこの地に降臨せよ!エクシーズ召喚!No,102!!光天使グローリアス・ヘイロー!!」

 

No,102 光天使グローリアス・ヘイロー 攻2500

 

3体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき、その中から光のリングを持ったオブジェが現れて変形していき、光の弓矢を構えた翼のある戦士が現れる。私から見て左側には『102』という数字が刻まれている。

 

「カウンター罠、昇天の黒角笛!相手モンスター1体の特殊召喚を無効にする!」

 

「チェーンでカウンター罠、魔宮の賄賂!昇天の黒角笛を無効にして破壊する!」

 

エクシーズモンスターを出されたところで私はカウンター罠を1枚発動するが、相手もそれに対抗してカウンター罠を発動してくる。私の昇天の黒角笛は破壊されてしまった。

 

「魔宮の賄賂の効果であなたは1枚ドローよ」

「ぐっ・・・ドロー」

 

奏 手札 1枚→2枚

 

「さらにエクシーズ素材になったセプターの効果!このカードを含むモンスター3体でエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールドのカードを1枚破壊する!左の伏せカードを破壊!」

 

オーバーレイ・ユニットの一つが光り輝いて、私の伏せカード1枚が破壊されてしまう。

 

「その後、私は1枚ドロー!」

 

アリア 手札 5枚→6枚

 

「グローリアス・ヘイローの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にして効果を無効にする!」

 

No,102 光天使グローリアス・ヘイロー OVR 3→2

創造の代行者 ヴィーナス 攻1600→800

 

グローリアス・ヘイローがオーバーレイ・ユニットを一つ使い、ヴィーナスの上に向かって矢を放つ。その放たれた矢が爆発をしてヴィーナスの体が傷つく。

 

「バトル!グローリアス・ヘイローでヴィーナスに攻撃!ライトニング・クラスター!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

グローリアス・ヘイローが放った光の矢はヴィーナスの前にできた攻撃の無力化による渦に吸い込まれていった。

 

「やる〜、そうこなくっちゃ。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

アリア 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,102 光天使グローリアス・ヘイロー 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

まずい・・・・どんどんアドバンテージに差が広がっていく・・・・パーミッションデッキのはずなのにこっちが妨害されていってるし。

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 3枚

 

「・・・・魔法カード、強欲で貪欲な壺!デッキトップ10枚を除外して2枚ドロー!」

 

奏 手札 2枚→4枚

 

・・・・ダメ、このターンは耐えましょう。

 

「ヴィーナスを守備表示に変更」

 

創造の代行者 ヴィーナス 攻800→守0

「豊穣のアルテミスを守備表示で召喚」

 

豊穣のアルテミス 守1700

 

「カードを3枚伏せてターンエンド」

 

奏 手札 0枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

創造の代行者 ヴィーナス 守0

豊穣のアルテミス 守1700

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「それで終わり?私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストの効果発動!手札の魔法カードを捨てて、光天使スケールを特殊召喚!」

 

光天使スケール 攻1500

 

「光天使スケールの効果発動!このカードが特殊召喚した時、手札の《光天使》モンスター1体を特殊召喚する!光天使ウィングスを特殊召喚!その後、墓地から《光天使モンスター》をデッキのトップに戻す!私はセプターをデッキのトップに戻す!」

 

セプターがデッキトップ・・・・これで次のターンも動けるってわけね・・・・

 

「Lv4のサモンプリースト、スケール、ウィングスでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!虚構の仮面を被ったピエロによる死の舞踏会へ!エクシーズ召喚!No,104!仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング!!」

 

No,104 仮面魔踏士シャイニング 攻2700

 

3体のモンスターがブラックホールに吸い込まれて行き爆発、今度は大きな手が上の方についた物体が現れて変形、サーカスのピエロな雰囲気をした人型のモンスターが現れる。

 

「もうモンスターは特殊召喚させないわよ!カウンター罠、昇天の剛角笛!」

 

「カウンター罠、盗賊の七つ道具!1000ポイント払って、昇天の剛角笛を破壊する!」

 

アリア LP 4000→3000

 

「ぐっ・・・・アルテミスの効果で1枚ドロー!」

 

またカウンター罠でこっちの妨害を邪魔された・・・・完全にこっちのデッキの特性を理解している・・・・

 

「バトル!グローリアス・ヘイローでヴィーナスを、シャイニングでアルテミスを攻撃!」

 

グローリアス・ヘイロー、シャイニングの連続攻撃により私のフィールドにいるモンスターは全て破壊されてしまった。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 1枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

No,102 光天使グローリアス・ヘイロー 攻2500

No,104 仮面魔踏士シャイニング 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 2枚

 

 

まずい・・・とうとうモンスターがいなくなってしまったわ・・・なんとかしないと負けてしまう・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

奏 手札 2枚

 

・・・・ドローカード!

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

奏 手札 1枚→4枚 アリア 手札 1枚→4枚

 

・・・・・よし!

 

「神秘の代行者 アースを召喚!」

 

『ふわぁ・・・・また出番?』

 

「アースの効果によりデッキから奇跡の代行者 ジュピターを加えて、さらに速攻魔法、光神化!手札から奇跡の代行者 ジュピターを攻撃力を半分にして特殊召喚!」

 

奇跡の代行者 ジュピター 攻1800→900

 

「Lv4の奇跡の代行者 ジュピターにLv2の神秘の代行者 アースをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「オゾン層にいる天使が稲妻の光を帯びて龍を呼び覚ます。惑星の叫びを受け舞い降りろ!シンクロ召喚!天空の使者!ライトニング・エンジェル・ドラゴン!」

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

ネプチューンの身体から出来た緑色の三つの輪の中にヴィーナスが入り三つの光となる。それらが一つの光となって集まると上空に雷雲が出来てその中心から天空の光が差す。そこからライトニング・エンジェルがフィールドに舞い降りてきた。

 

「リバースカードオープン!神の通告!ライフを1500ポイント払って、ライトニング・エンジェルの特殊召喚を無効にする!」

 

「カウンター罠、盗賊の七つ道具!ライフを1000ポイント払って、神の通告を無効にして破壊する!」

 

アリア LP 3000→1500

奏 LP 2500→1500

相手が神の通告を発動してライトニング・エンジェルの特殊召喚を止めに来たが、今度はこっちのカウンターが成功して相手のカウンター罠の発動を無効にすることができた。

 

「ライトニング・エンジェルの特殊召喚は成立した!ライトニング・エンジェルの効果発動!シンクロ召喚成功時、墓地のカウンター罠を1枚手札に戻す!私は攻撃の無力化を手札に戻す!」

 

「けどモンスターを出したところで私のモンスターは突破できないわよ!」

 

「関係ないわね!バトル!ライトニング・エンジェルでグローリアス・ヘイローに攻撃!」

 

「(攻撃力が劣っているのに攻撃?・・・・まさか!?)」

 

「手札のオネストの効果発動!自分フィールドの光属性モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、このカードを手札から捨てることでその戦闘するモンスターの攻撃力分アップする!」

 

「させないわよ!仮面魔踏士シャイニングの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、オネストの効果を無効にする!」

 

「(デュエルディスクを通して効果を呼んでおいて正解ね!)カウンター罠、真剣勝負!ダメージステップに発動したカードの効果を無効にして破壊する!」

 

「いっ!?」

 

「よってシャイニングの効果は無効になって破壊!オネストの効果は成立する!」

 

シャイニングがオーバーレイ・ユニットを一つ使ってオネストの効果を無効にしようとしたが、真剣勝負!の効果によりその効果は無効になり破壊されてしまう。私が発動したオネストの効果により、ライトニング・エンジェルの翼がオネストと同じ翼になる。オネストの翼を受けたことでライトニング・エンジェルの攻撃力は上昇した。

 

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300→4800

 

「これで終わりよ!サンダー・アロー!」

 

ライトニング・エンジェルが手にしている電気を帯びた矢をグローリアス・ヘイローに向かって放たれた。

 

「これで私の勝ちよ!!」

 

「・・・・・・・まだまだね」

 

「?何を言って!?」

 

アリア LP 1500→350

No,102 光天使グローリアス・ヘイロー OVR 2→0

 

「!?ラ、ライフが残っている!?それにグローリアスも残っている!?」

 

「グローリアス・ヘイローが破壊される場合、このカードのオーバーレイ・ユニットを全て取り除くことでその破壊から免れる!」

 

「そ、それでもライフは0になるはずよ!?」

 

「この効果を使ったターン、私が受ける戦闘ダメージは全て半分になる!」

 

「なっ!?」

 

「残念、シャイニングの対策を立てていたみたいけどグローリアス・ヘイローの対策は立てていなかったみたいね」

 

「ぐっ・・・・・」

 

まずい・・・・オネストの効果はこのターンに切れてしまう。幸いにも手札には攻撃の無力化があるから相手が除去カードを引かなければまだ絶えることはできる。

 

「魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地からフォトン・リード、壺の中の魔術書、光神化の3枚を除外して2枚ドロー!」

奏 手札 1枚→3枚

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにオネストの効果は切れてライトニング・エンジェルの攻撃力は元に戻る!」

 

奏 手札 1枚 LP 1500

【モンスターゾーン】

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻4800→2300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 5枚

 

「じゃあそろそろトドメ・・・・っていいたいけどその攻撃の無力化は鬱陶しいわね・・・・魔法カード、ハーピィの羽箒!」

 

「!?チェーンでカウンター罠、雷の矢!ライトニング・エンジェルがフィールドにいる時、相手の発動した魔法・罠・効果モンスターの効果のいずれかを無効にして破壊する!」

 

相手が発動したハーピィの羽箒のカードをライトニング・エンジェルが電気を帯びた矢を放って効果を無効にした。

 

「ざんね〜ん。これ通ったら決まっていたのだけど・・・・RUMーバリアンズ・フォース!フィールドのグローリアス・ヘイローを一つ上のランクにカオス化させる!No,102光天使グローリアス・ヘイローでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

★4→★5

 

「カオス・エクシーズチェンジ!CNo,102 光堕天使(アンホーリー・ライトニング) ノーブル・デーモン!」

 

CNo,102 光堕天使ノーブル・デーモン 攻2900

 

グローリアス・ヘイローが出てくる前の姿に戻り、赤く染まったブラック・ホールに吸い込まれていく。そのブラック・ホールから赤い鎖が現れてその中心に身体が白から黒に染まったグローリアス・ヘイローに近いモンスターがフィールドに現れた。

 

「ノーブル・デーモンの効果発動!カオス・オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、相手モンスター1体の攻撃力を0にして効果を無効にする!」

 

「!?」

 

ノーブル・デーモンがカオス・オーバーレイ・ユニットを一つ使う。ノーブル・デーモンの身体から黒い霧が立ち込んでそれがライトニング・エンジェルの身体を包み込んでいく。黒い霧を吸い込んだライトニング・エンジェルはだんだん弱っていき倒れ込んでしまった。

 

CNo,102 光堕天使ノーブル・デーモン OVR1→0

ライトニング・エンジェル・ドラゴン 攻2300

 

『グ、グオオ・・・・』

 

「ら、ライトニング・エンジェル!!」

 

「コレでライトニング・エンジェル・ドラゴンは無力化よ!さらにノーブル・デーモンの効果!このカードのオーバーレイ・ユニットが全て取り除かれた時、相手に1500ポイントのダメージを与える!」

 

「手札からハネワタの効果発動!このカードを捨てることでこのターンの効果ダメージを0にする!」

 

ノーブル・デーモンが私に向かってエネルギーを放ってきたがその前にハネワタが現れて、その効果ダメージを吸収していった。危ない危ない・・・・響対策で入れていたカードが役に立ったわね。まさかバーンまで持っていたとは・・・・・

 

「チッ・・・・・(だったらこのターンは下手に展開しないほうが良いわね)。バトル!ノーブル・デーモンでライトニング・エンジェルに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!攻撃の無力化!」

 

ノーブル・デーモンの攻撃は最後の伏せカードである攻撃の無力化によって全て吸収していった。

 

「けどこれで手札も0、フィールドもその弱ったドラゴン1体のみよ。カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

アリア 手札 3枚 LP 350

【モンスターゾーン】

CNo,102 光堕天使ノーブル・デーモン 攻2900

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 2枚

 

 

確かにまずい・・・・・相手の手札にはセプターもいる。つまりこのターン、最低限でも私はモンスターを引かないと負けてしまう。

 

「(ふぅ〜・・・・確かにまずい状況だけど大丈夫。私だって色々と経験したんだから・・・・)」

 

1年の冬休みの時、あの時の事件から私だって特訓してきたんだから・・・・・シークレットシグナーとして恥じないように・・・・だから、自信を持ってカードを引く!!

 

「私のターン!ドロー!!!」

 

奏 手札 1枚

 

「(・・・・・・・・!!逆転の1枚!!)チューナーモンスター、導きの代行者 プルートを召喚!!」

 

導きの代行者 プルート 攻300

 

「(チューナー!?この局面でチューナーを引くの!?)」

 

「Lv6のライトニング・エンジェル・ドラゴンにLv2の導きの代行者 プルートをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

アースとライトニング・エンジェル・ドラゴンが一つになり大きく光輝く。そして、砕け散った宝石はそれを目指して天へと登り大きくて丸いトパーズへと変わる。

 

「トパーズの宝玉が輝きし時、雷の龍が覚醒する。天空に平和をもたらす光を輝かせ!シンクロ召喚!!照らし出せ!!光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン!!」

 

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン 攻2600

 

上空に現れたトパーズがピキピキとヒビ割れていき、強い輝きとともにパリーンと音がする。光が収まるとトパーズ・ライトがフィールドを悠然と待っていた。

 

「シンクロ素材となったプルートの効果!エンドフェイズまでこのカードを素材としたシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」

 

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン 攻2600→2900

 

「それでもノーブル・デーモンと並んだだけだよ!」

 

「バトル!光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴンでノーブル・デーモンに攻撃!トパーズ・ライトと戦闘を行う相手モンスターはその戦闘時のみ、攻撃力と守備力を入れ替える!リバーサルワールド・フラッシュ!!」

 

「なっ!?だ、だったらリバースカードオープン!罠カード、新風のバリアーエアー・フォースー!これでトパーズ・ライト・ドラゴンはエクストラデッキに戻す!」

 

「トパーズ・ライトの効果!!相手が発動した魔法・罠を1ターンに1度だけ無効にして破壊する!」

 

「なっ!?」

 

相手の目の前に貼られたエアー・フォースのバリアをトパーズ・ライトは自身の身体を光らせてそのバリアを無力化にした。

 

「ヘブンズ・ボルテックス!!」

 

上空の雷の電気を吸収して、身体に電気を帯びたトパーズ・ライトはそのままノーブル・デーモンに向かって体当たりをする。攻撃を止められなかったノーブル・デーモンは吹っ飛ばされて破壊された。

 

光玉霊 トパーズ・ライト・ドラゴン 攻2600→2900

CNo,102 光堕天使ノーブル・デーモン 攻2900→2400

 

アリア LP 350→0

 

 

WIN 奏 LOS アリア

 

 

奏 side out

 

 

遊輝 side

 

・・・・・ゴゴゴゴッ

 

「扉が開いた・・・・誰かが勝ったのか?」

 

右足を拘束されて大体30分過ぎ、ようやく一つ目の扉が開いた。扉が開ききったところで鎖が外れて俺は自由に動くことができる。

 

「まずは第一歩だ!?な、なんだ!?」

 

そう思って建物の中に入ったその時、突然頭に頭痛が走った。我慢できるとかの痛みではなく、頭がかち割れそうなほどに痛い強烈な頭痛だ。

 

「な、なんだ!?い、いきなり!?」

 

俺の頭の中に得体の知れない何かの情報見たいな物が凄いスピードで入ってくる。そして、頭の中で突然ハッキリとした映像と声が見えた。

 

『・・・・・・ない』

 

「(・・・・・この少女、誰だ?)」

 

その映像には一人の少女が森の中をさまよっていた。身体はやつれて、腕も細く、頬の肉も無くなっている。ボロボロになった魔法使い特有の三角帽子やローブ、白いシャツに紺のブレザーと紺のスカートも着ていてどこかの学祭のような雰囲気を感じた。

 

『・・・いない、お腹空いたよ、誰か・・・・』

 

「(・・・・・まさか?アリア?)」

 

その幼い雰囲気半分、少し大人のような雰囲気を半分醸して出している少女を俺は勝手にそう仮定した。何と無くだが、雰囲気や顔がアリアにそっくりだったからだ。

 

『街に帰りたくない・・・・でも一人は嫌だ・・・・誰か、誰か私にご飯を・・・・』

 

ひたすらその少女が森をさまよっている。すると、その少女の目の前に小さな洞穴が見えてきた。少女はその洞穴の中に入って休憩をする。

 

『街の奴ら・・・・見返してやりたい・・・・でも誰も私のことを助けてくれない・・・・・・・このまま死んじゃうのかな・・・・ん?』

 

洞穴の中から外を見て呟いていた少女は洞穴の中を覗く。洞穴はまだまだ続いていたがその先が少し光っていた。少女はその光に魅入られるようにして洞穴の中へと進んでいった。

 

「!?ハァ・・・・ハァ・・・・・」

 

少女が洞穴の奥に進んで行くところで映像は終わり、途端に俺は身体に疲れが溜まっていることに気づき両膝をついてしまう。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・な、何だったんだ、今のは?」

 

今の映像、もし本当にアリアの過去の物だとすると、いやそうじゃなくだとしてもあの洞穴の先に光っていた、あれは何だ?

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・・・な、何してもとりあえずは先に進むしかないか」

 

少し息が整ってきたので立ち上がり建物を見渡す。すでに入ってきた扉は閉まっていて、次のフロアに行く扉はまだ開いていない。つまり、誰かが勝つまで俺はまたここで待ったなくちゃならない。

 

「(・・・・・もしかしたら思っている以上にアリアの心は酷くボロボロになっているかもしれんな・・・・・何にせよ、早くあいつを止めないと)」

 

そう思いながら俺は身体の体力を回復させるため、目に入ったベンチに座ることにした。

 

 




魔理沙「今思ったけどさ、何で黄色の宝石でトパーズなんだ?金とか琥珀とかあっただろ?」

奏「なんか・・・その当時の作者が調べた中ではトパーズしか名前に使えそうになかったて」

文「でもよくよく見たらシトリンとかイエローダイヤとかありますし、その辺でもよかったんじゃないでしょうか」

奏「そこはもう作者に言って・・・」

魔理沙「それにしてもやったぱあのドローカード強いよな〜。結局手に入れなかっぜ」

文「でも手に入れなくて良かったんじゃないですか。あれ手に入れたらインフレがさらに加速してしまいます」

魔理沙「ごもっともだぜ」

奏「(・・・・私の決死の戦いについて語ってくれない(汗))」

文「次回は響さんですね。【霧の恐竜vs氷結界】」

魔理沙「次回もよろしくだぜ!」


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第165話 霧の恐竜vs氷結界

最強カードの紹介〜。

ジャック「フン」

なんスカその態度・・・・・

ジャック「クロウではないが、あまりにも俺の出番が少なすぎる」

仕方ないじゃないですか・・・・主人公たちの視点を書くのが目的なんだから。

ジャック「言いたいことは分かるが遊星は声だけでも俺たちと比べてかなりの出演があるだろ」

そりゃ遊星さんは主人公なうえに色々とスペックがありますから。

ジャック「貴様!!この俺が低スペックだと言うのか!?」

事実じゃねぇか。

ジャック「何だと!?」

最強カードの紹介にいくぞ!今回はNo,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ!!

ジャック「チッ・・・・ランク4の水属性モンスターで、効果が優秀なため相性の良いデッキではかなり重宝される」

効果は相手の攻撃力が元々の攻撃力と異なるモンスター1体を対象にして、そのモンスターを破壊して1枚ドロー!自分から相手のステータスを変えるカードを入れればノーコスト1ドローという化け物カードになるぞ!

ジャック「第165話、デュエルスタート!」


響 side

 

 

「♪♪♪〜〜〜、スケート楽しい〜!!」

 

能力によって作った氷の道、それをスケートのように滑っていく。目的のコーヒーカップのアトラクションまではかなりの距離があるため普通に走っていくのは疲れると思った私は能力を使い道を凍らせて滑っていく。いや〜、こうなるんだったらスケート用の靴があればなぁ〜〜。

 

「っとと、ついたついた。ここがコーヒーカップね」

 

凍った道を滑ってきて、目的地のコーヒーカップについた。辺りは遊園地なのに人の気配がなく閑散としている。

 

「まったく、遊園地は華やかなのがいいのにこれじゃ台無しだよ」

 

「いいじゃない。貸切で♪」

 

「!?ど、何処!?」

 

「後ろよ〜〜」

 

「う、後ろ!?」

 

突然聞こえてきた声に慌てて辺りをキョロキョロする。後ろという言葉を聞いて慌てて後ろを向くとフィギュアスケートの選手のように華麗に氷の道を滑っている人型の黒い影が見えた。

 

「とおっ!!」

 

その人型の黒い影はジャンプをして見事なトリプルアクセルを決めた。

 

「す、凄い・・・・綺麗・・・・」

 

「どうもどうも!」

 

「って、そうじゃない!!何でここにいないの!?っていうか誰!?」

 

「何でここにって言われても私だって移動するものだよ。それと私はアリアよ」

 

「嘘だ!?」

 

「正確には私の操っているものだけど。私の本体はタワーの上よ」

 

あぁ・・・・なんか魔法使いならそういう事出来そうだもんね・・・・何か納得だわ。

 

「ここの相手はあなたのようね。見る限り、頭悪そうだけど」

 

「なっ!?人を見て第一声がそれ!?」

 

「じゃあ江戸時代の第十五代将軍の名前は?」

 

「そんなの簡単よ!!足利尊氏!!」

 

「(・・・・・・・あぁ、私が思っていた以上にバカだったわ)」

 

「何その悲観な目!?あっているでしょ!?」

 

「・・・・・足利は室町の将軍家よ。江戸時代は徳川よ」

 

「えっ!?」

 

あれっ!?そうだっけ!?徳川って確か鎌倉・・・あれ?それだったら織田信長は何時代の将軍だっけ?確か豊臣秀吉の次の将軍だから・・・・

 

「・・・・ああ!!歴史なんて嫌いだ!!)」

 

「(・・・・・あぁ、この子は救い用がないバカなのね)」

 

「そんな事より!!!あなたを止めてこんなやばい事を止める!!」

 

「話が繋がってないような・・・・(私、普段はボケ担当なんだけど(汗))」

 

とにかく私はこいつを止める、その一心でデュエルディスクを起動させる。相手も腕が変形をしていきデュエルディスクが現れる。

 

「行くよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

響 LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は私よ!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「魔法カード、氷結界の紋章!デッキから《氷結界》モンスター1体を手札に加える!氷結界の軍師を加えてそのまま召喚!」

 

氷結界の軍師 攻1600

 

「軍師の効果発動!手札の氷結界の虎将 グルナードを捨てて1枚ドロー!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

響 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

氷結界の軍師 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「永続魔法、ダイナミスト・チャージを発動!このカードの発動時の処理としてデッキから《ダイナミスト》モンスターを手札に加える!私はダイナミスト・プテランを加えてそのまま召喚!」

 

ダイナミスト・プテラン 攻1800

 

相手が発動した永続魔法によって手札に加わったカードがそのままデュエルにセットさせる。上空からスピードに乗った物体が私の横を通過して相手のフィールドに現れる。機械で出来た恐竜みたいなモンスターだ。

 

「バトル!ダイナミスト・プテランで氷結界の軍師を攻撃!」

 

ダイナミスト・プテラン 攻1800

氷結界の軍師 攻1600

 

響 LP 4000→3800

 

「ぐう!!リバースカードオープン!!激流蘇生!!このターン、破壊された水属性モンスターを可能な限り特殊召喚する!!戻ってきて氷結界の軍師!!」

 

ダイナミスト・プテランの攻撃によって破壊された氷結界の軍師だったけど、私が発動した激流蘇生の効果によってすぐにフィールドに戻ってきた。

 

「そしてこの効果で特殊召喚したモンスターの数×500ポイントのダメージを相手に与える!」

 

アリア LP 4000→3500

 

軍師を再度特殊召喚した激流の波が相手に襲う。アリアは少し後ろに下がったけどこの攻撃を受け止めてすぐに前に出た。

 

「どうってことないわね。ダイナミスト・プテランの効果発動!戦闘で相手モンスターを破壊した場合、デッキから《ダイナミスト》カード1枚を手札に加える!ダイナミスト・ハウリングを手札に加える!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 4枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

ダイナミスト・プテラン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

ダイナミスト・チャージ

伏せカード 2枚

 

 

さっき加えたのは罠カードだったわね・・・・あの状況で罠カードだから間違いなく妨害する気ね・・・・そう簡単にはいかせないから!!

 

「私のターン!ドロー!」

響 手札 4枚

 

「まずは軍師の効果!氷結界の破術師を捨ててドロー!氷結界の軍師をリリース!ブリザード・プリンセスをアドバンス召喚!!」

 

『超久々に私の出番よ!!』

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

 

軍師がリリースされて大きな氷の玉を鎖で繋げた氷の棒を振り回しながらプリンセスが現れる。

 

「ブリザード・プリンセスが召喚したターン、相手は魔法と罠を発動出来ない!」

 

「チッ」

 

「バトル!ブリザード・プリンセスでダイナミスト・プテランを攻撃!」

 

『ヘイル・ブリザード!!』

 

プリンセスが放った氷の雨嵐が相手のモンスターに襲う。氷漬けにされた相手はそのまま破壊されて超過ダメージが相手を襲う。

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

ダイナミスト・プテラン 攻1800

 

アリア LP 3500→2500

 

「ダイナミスト・チャージの効果。1ターンに1度だけ、フィールドからエクストラデッキに送られた《ダイナミスト》Pモンスター1体を手札に戻す」

 

「いっ!?ペンデュラムモンスター!?」

 

あのダイナミストってモンスターペンデュラムカードだったの!?不味い!!持久戦になったらこっちが不利になる!!

 

「(けど、幸いまだPゾーンにカードはない。それにペンデュラムモンスターは特性上、最初のペンデュラム召喚のために大量のカードを消費する。その間に盤面を制圧すれば大丈夫!)カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 1枚 LP 3800

【モンスターゾーン】

ブリザード・プリンセス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 5枚

 

「リバースカードオープン!永続罠、ダイナミスト・ハウリング!このカードの発動時処理としてデッキから《ダイナミスト》Pモンスター2体をPゾーンにセットする!」

 

「いっ!?」

 

何そのカード!?1枚でペンデュラム召喚できるって言っているものじゃない!!

 

「レフト・Pゾーンにスケール6のダイナミスト・アンキロス、ライト・Pゾーンにスケール3のダイナミスト・ケラトプスをセッティング!」

 

相手が発動した永続罠の効果で上空の雲の隙間から光が2箇所差す。そして、それぞれのPゾーンにPモンスターがセットされた。

 

「これでLv4と5のモンスターが召喚可能!Here we go!!It"s show time!!振れろ!輝きしペンデュラム!長き封印から目覚め私に栄光よ!ペンデュラム召喚!現れよ!私のモンスターたち!手札からダイナミスト・レックス!ダイナミスト・プテラン!ダイナミスト・ブラキオン!ダイナミスト・プレシオス!」

 

ダイナミスト・レックス 攻2400

ダイナミスト・ブラキオン 攻2000

ダイナミスト・プレシオス 攻1700

 

Pゾーンの間に大きな穴が開いて、その中から4つの光が飛び出してきた。その光が大きく輝いて4体の身体が機械で出来た恐竜がフィールドに現れる。

 

「さらにリバースカード・オープン!ダイナミスト・ラッシュ!デッキから《ダイナミスト》モンスター1体を特殊召喚する!ダイナミスト・ステゴサウラーを特殊召喚!」

 

ダイナミスト・ステゴサウラー 攻1600

 

さらに相手が発動した罠カードの効果により、その罠カードの中から機械で出来たステゴザウルスみたいな恐竜が現れた。

 

「やばいやばい・・・・・でも攻撃力はブリザード・プリンセスにかなわないわよ!」

 

「ダイナミスト・プレシオスがフィールドにいる限り、相手のモンスターの攻撃力と守備力は私の《ダイナミスト》カード1枚につき100ポイントダウンする!私の場には9枚のカードがある!!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800→1900

 

「えっ!?プリンセス!!」

 

「そのまま倒しても勝てるけど念のため、Lv5のダイナミスト・レックスとダイナミスト・ブラキオンでオーバーレイ!」

 

☆5 × ☆5 = ★5

 

「2体の機械族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク5!サイバー・ドラゴン・ノヴァ!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァ 攻2100

ブリザード・プリンセス 攻1900→2100

 

「いっ!?それはダメ!!リバースカードオープン!!強制脱出装置!!」

 

サイバー・ドラゴン・ノヴァが出てきたところで私は伏せカードをたまらず発動。すぐにサイバー・ドラゴン・ノヴァは機械に吸収されて遠くに飛ばされてしまった。

 

「感づいていたか・・・・・」

 

「あ、危ない危ない・・・・インフィニティになんか出されたら負け確定だよ・・・(汗)」

 

あのノヴァの後に出されるのはサイバー・ドラゴン・インフィニティ、エクシーズモンスターの中でもトップクラスの強さを誇る。本当なら攻撃してきたときにダイナミスト・プレシオスを戻そうとしたけどこればかりはもう・・・・

 

「でもまだ終わらないわよ!Lv4のダイナミスト・ステゴサウラーとダイナミスト・プテランでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!魅惑の氷の女王が舞い降りる!エクシーズ召喚!No,103!神葬令嬢ラグナ・ゼロ!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ 攻2400

ブリザード・プリンセス 攻2100→2300

 

げっ!?あのモンスターも厄介な効果を持っているわよ!?

 

「ラグナ・ゼロの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて攻撃力が変化している相手モンスター1体を破壊して1枚ドローする!ガイダンス・トゥ・フューネラル!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ OVR 2→1

 

ラグナ・ゼロがオーバーレイ・ユニットを1つ使い、手にしている氷の杖を振り回して投げる。その杖がプリンセスを斬りつけて破壊される。

 

アリア 手札 1枚→2枚

 

「バトル!ラグナ・ゼロでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!この戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

響 手札 1枚→2枚

 

「ダイナミスト・プレシオスでダイレクトアタック!」

 

響 LP 3800→2100

 

「ぐうぅ!!!」

 

ラグナ・ゼロの攻撃はガード・ブロックの効果によって無効にしたが続けてのダイナミスト・プレシオスの攻撃は無効に出来ず攻撃を受けた。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 1枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

ダイナミスト・プレシオス 攻1700

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

ダイナミスト・チャージ

ダイナミスト・ハウリング

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

ライト:ダイナミスト・アンキロス

レフト:ダイナミスト・ケラトプス

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 3枚

 

確かあのモンスター、相手ターンにも使えたよね・・・・っていうことかはあのプレシオスをどうにかしないといけないのね・・・とはいえ500ポイントもダウンしているし・・・

 

「(そういえばダイナミスト・ハウリングって・・・・・うわっ、めんどくさい効果ね・・・・)速攻魔法、サイクロン!ダイナミスト・ハウリングを破壊する!」

 

私が発動したサイクロンによって相手のダイナミスト・ハウリングは破壊された。これで除去の心配はなくなった!

 

「チューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000→500

 

「デブリ・ドラゴンの効果発動!召喚時、墓地から攻撃力500以下のモンスター1体を特殊召喚する!氷結界の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻300→0

 

「Lv3の破術師にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500→2000

 

デブリ・ドラゴンの身体から4つの緑色の輪の中に破術師が入って3つの光となる。それらが一つの光となって上に登ると上空にオーロラが現れる。そのオーロラの中からアイス・スプラッシュが現れる。

 

「ラグナ・ゼロの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてアイス・スプラッシュを破壊する!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ OVR 1→0

 

「リバースカードオープン!永続罠、安全地帯!アイス・スプラッシュを対象にして発動!」

 

ラグナ・ゼロがオーバーレイ・ユニットを一つ使ってアイス・スプラッシュを破壊しようとしたが私が発動した永続罠の効果によりアイス・スプラッシュはフィールドに現れた大きな宇宙基地に入っていった。

 

「安全地帯の対象になったモンスターは効果の対象にならず、戦闘でも効果でも破壊されない!」

 

「チッ、めんどくさいわね」

 

「アイス・スプラッシュの効果発動!シンクロ召喚時、相手の手札1枚をランダムに選んで墓地に送る!」

 

アイス・スプラッシュが口から放った水鉄砲でアリアの残っていた手札を撃ち抜いた。

 

「さらにアイス・スプラッシュの効果発動!このターンのバトルフェイズを放棄して、自分フィールドの水属性モンスター1体を選択!そのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える!!行けっ!!ウォーターフォール!!」

 

アイス・スプラッシュが上空に咆哮をあげる。そのことにより快晴だった青空の天気にどんよりとした大きくて分厚い灰色の雲が相手を中心に現れる。そして大量の水が流れ始めた。

 

アリア LP 2500→1100

 

「ブアッハアアアア!!!!!!何よこれ!?アリアさんの大事な服が台無しじゃない!!」

 

・・・・・・割とどうでも良いし、それにそれなんかの物体よね?服とか関係ないじゃない。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

響 手札 0枚 LP 2100

【モンスターゾーン】

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

安全地帯 (アイス・スプラッシュ)

伏せカード 1枚

 

 

「あったまきた・・・・アリアさんのお洋服を台無しにした事を後悔させてあげる!!私のターン!!ドロー!!」

 

アリア 手札 0枚→1枚

 

「スタンバイフェイズ、リバースカードオープン!トラップ・スタン!このターン、このカード以外の罠カードの効果は全て無効になる!!」

 

「いっ!?」

 

相手が発動したトラップ・スタンの効果で私のフィールドにある安全地帯の色がなくなっていき、無力化になってしまう。

 

「魔法カード、強欲で貪欲な壺!デッキトップ10枚を除外して2枚ドロー!」

 

アリア 手札 0枚→2枚

 

「RUMーバリアンズ・フォース!!フィールドのNo,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロを選択しカオス・エクシーズ化する!」

 

相手が発動したRUMによりラグナ・ゼロは再びブラックホールに吸い込まれていった。

 

「1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!!魅惑の氷の女王が時をも凍らせる悪魔へと変わる!カオス・エクシーズ・チェンジ!CNo,103 神葬令嬢ラグナ・インフィニティ!!」

 

CNo,103 神葬令嬢ラグナ・インフィニティ 攻2800

ブラックホールの渦から現れたのは先ほどの水色と白の衣装から黒い衣装へと変わり、氷の杖が大きく鎌のようになったラグナ・ゼロだ。先ほどあったお淑やかさが完全に消えて殺意が向けられている。

 

「ラグナ・インフィニティの効果!カオス・オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて相手フィールドの攻撃力が変化しているモンスター1体を選ぶ!その数値分のダメージを与えて、選択したモンスターをゲームから除外する!!」

 

「いっ!?」

 

CNo,103 神葬令嬢ラグナ・インフィニティ OVR 1→0

 

「ガイダンス・トゥ・パーガトリィ!!」

 

ラグナ・インフィニティがオーバーレイ・ユニットを使い、手にしている氷の鎌を振り回す。アイス・スプラッシュの下に氷のクレパスで出来た穴が現れてその中に吸い込まれていった。

 

響 LP 2100→1600

 

「これで終わりよ!バトル!!ラグナ・インフィニティでダイレクトアタック!!」

 

「リバースカードオープン!!速攻魔法、皆既日食の書!!」

 

私が発動した伏せカードによってフィールドに皆既日食が表紙になった分厚い魔道書が現れて、相手のモンスターを全て裏側守備表示にした。

 

「チッ、カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに私のモンスター達は守備表示になって私は2枚ドローする」

 

 

アリア 手札 0枚→2枚 LP 1100

【モンスターゾーン】

ダイナミスト・プレシオス 守1400

CNo,103 神葬令嬢ラグナ・インフィニティ 守2400

【魔法・罠ゾーン】

ダイナミスト・チャージ

ダイナミスト・ハウリング

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

ライト:ダイナミスト・アンキロス

レフト:ダイナミスト・ケラトプス

 

 

あ、危ない危ない・・・・・遊輝に言われて皆既日食の書を入れておいてよかった・・・・このカード、思っていたよりも強いわね・・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

響 手札 1枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

響 手札 0枚→3枚 アリア 手札 2枚→5枚

 

・・・・・・いける!!これで勝てる!!

 

「装備魔法、D・D・R!手札のカードを1枚捨てて、除外されているアイス・スプラッシュを特殊召喚!」

 

『ギャアアアア!!!!!!!』

 

D・D・Rの効果によって次元の穴が開いてその中からアイス・スプラッシュが再びフィールドに現れた。

 

「アイス・スプラッシュの効果発動!」

 

「リバースカードオープン!永続罠、デモンズ・チェーン!」

 

アイス・スプラッシュの効果が発動する前にデモンズ・チェーンがアイス・スプラッシュの身体を縛ってしまった。

 

「これで効果ダメージは無くなったわよ!」

 

「いいえ、これはブラフよ!!本命はこれ!!チューナーモンスター、氷結界の守護陣を召喚!」

 

氷結界の守護陣 攻200

 

「Lv7のアイス・スプラッシュにLv3の氷結界の守護陣をチューニング!」

 

☆7 + ☆3 = ☆10

 

「サファイアの宝玉が輝きし時、水の龍が覚醒する。海に永久に続く流氷を導け!シンクロ召喚!!凍らせ!!水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン!!」

 

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン 攻2800→2300

 

アイス・スプラッシュが氷結界の守護陣と一つになるとサファイアの宝石が現れて、それが青く輝きながら光る。その宝石がヒビ割れていき、中からサファイア・アイスがフィールドに現れた。

 

「水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚成功時、相手フィールドのカード1枚をゲームから除外する!私が除外するのはラグナ・インフィニティ!!フローリング・アイス!!」

 

サファイアからの冷たい冷気がラグナ・インフィニティを包み込み、カッチカチの氷漬けにする。その氷漬けにされたマキシマムが流氷のように何処かに流れていく。

 

「ラグナ・インフィニティを除外したところで私のライフは削りきれないわよ!!」

 

「いいや!!これで終わりだよ!!サファイア・アイスの効果発動!!このターンのバトルフェイズを放棄して自分フィールドの水属性モンスター1体のLv×300ポイントのダメージを与える!!」

 

「なっ!?」

 

「水玉霊 サファイアのレベルは10!3000のダメージを与える!!溶けない雪で永遠に眠りなさい!!アイス・フォール!!」

 

サファイア・ドラゴンが空へと登り、相手の上に大きな雲を作る。そこから大量の雪が落ちて来て、相手がどんどんと白くなっていく。

 

アリア LP 1100→0

 

 

WIN 響 LOS アリア

 

 

響 side out

 

 

遊輝 side

 

 

・・・・・・ゴゴゴゴ

 

「開いた・・・・ってことはまた誰かが勝ったのか」

 

入り口から入り、今度は2階へと続く扉が開く。立ち上がった俺はゆっくりと歩き、扉の前で立ち止まる。

 

「・・・・・ふぅ、行くか」

 

一種の覚悟を決めて、俺は右足をその扉の前に出す。今度は左足を前に出した時、またしても頭痛がおきる。

 

「グッ!?やっぱりきたか・・・・・」

 

ある程度予測していたとはいえこの頭痛はなれない・・・・そう思いつつ、またしても頭の中に映像と声が流れてきた。

 

『・・・、本当に入るの?」

 

『うん!!絶対に立派な魔法使いになる!!・・・に不可能なことはないよ!!』

 

『・・・・・そうね、それでこそ私の娘だわ!』

 

その映像の場所は家の中、そこには最初に見た映像に映っていた少女がさらに幼い時の姿が見えた。その反対側には少女よりも一回りもふた回りも大きい女性がいた。

 

「(・・・・この女性、どこかで見たことがある・・・・・)」

 

『じゃあ早速、ジュノン様にお願いして魔法学校に入れるようにしておくわね』

 

『ありがとう、トールモンドお母さん!!』

 

「(トールモンド?・・・・トールモンドって確かグリモワールにいたアリアの義理の母・・・・となるとあの少女はやっぱり・・・)」

 

そう思っていたら、突如場面が変わった。今までの家の中の映像から学校みたいな建物の庭みたいな所に、そこには先生らしき人と沢山の魔法使いの格好をした子供達がいた。そして、その子供達を代表してアリアが一人前に出ていた。

 

『セイクリッド・ライト!!』

 

アリアが声を出して杖を前に振ったが何も起こらない。先生はアリアに一言二言アドバイスをして、アリアは再び同じことをするがやはり何も起こらない。

 

『もういい、次』

 

『アリア、またお前何もできなかったな』

 

『やっぱり人間の子は魔法使いになれないんだよ』

 

後ろにいた生徒たちはアリアを罵り、罵倒したり笑っていた。誰一人としてアリアを味方する人はいない。

 

『(・・・・・やっぱり、私には・・・私には・・・・・・)』

 

「!?ハァ・・・ハァ・・・・・」

 

アリアが周りから責められているところで映像は終了、途端に俺の身体にはとてつもない疲れが襲ってきた。

 

「ハァ・・・ハァ・・・(あれが、トールモンドが言っていたアリアが魔法学校に馴染めなかった過去・・・・なるほど、確かにあんな事されたら誰だって馴染めないな)」

 

いわゆるイジメ・・・・って奴だな。俺は幸い、経験をせずむしろイジメられていたやつをたま〜に助けていた方だから、気持ちなんて分からない。

 

「(・・・・・・あいつ、生涯孤独だったのかな。それだったら俺に甘えるのも何となくわかる気がする・・・・)」

 

生涯、誰一人味方につく人が誰一人、いや正確にはトールモンドがいたが、とにかくいなかったアリアにとって何でも構ってくれる俺は初めての存在だったのだろう。それがあの時、グリモワールを救ったあの言葉なのか・・・・・

 

「フゥ〜・・・・とにかく、体調を整えてからまた上に上がろう。どうせ時間はかかるんだ」

 

後ろにある扉は再び閉まり、前にある扉も閉まっている。再び部屋に閉じ込められた俺はそう呟いて能力を使って自分自身の体力を回復させる。




咲夜「ふむ、ダイナミスト・ハウリングは厄介ね」

霊夢「1枚で取れるアドバンテージじゃないわね・・・・」

響「今回は色々と運が良かったよ」

咲夜「まぁ私の影霊衣の前には意味がありません」

霊夢「ペンデュラム使いとして、もっと展開してその後のことを考えることをオススメするわ」

響「・・・・相変わらず厳しいわね(汗)」

咲夜「そうそう、あなたももう少しお勉強をなさった方がいいですよ」

霊夢「流石の私もあれは引いたわ。有名どころの戦国武将ぐらい知っているでしょ」

響「・・・・勉強なんて嫌いだああ!!!!!」

咲夜「というわけで次はスバルさんの出番ですね」

霊夢「【運命のHEROと魂のHERO】。次回もよろしく」


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第166話 運命のHEROvs魂のHERO

何とか復帰させました・・・・・マジでシンドかった・・・・(汗)

最強カードの紹介〜。

クロウ「久しぶりだな!俺様が活躍した予選や決勝トーナメント1回戦をカットするなんて何考えてやがるんだ!」

だってタダのモブ戦だよ。やってもあんまり意味がないし。

クロウ「予選なんか俺が3連勝とカッコよく決めたのに!!」

あれこそつまんないただのBFツエェ!!って叫ぶだけじゃん。

クロウ「だからこそだよ!」

最強カードの紹介に行くぞ。今回はRUM-七皇の剣!

クロウ「ドローフェイズにこのカードをドローした場合のみ、メインフェイズ1まで公開して初めて効果を使えるカードだ」

効果はCNo,以外のNo,101〜107のいずれかを含んだモンスターをエクストラデッキまたは墓地から特殊召喚、さらにその一つ上のCNo,モンスターにランクアップする効果だ。

クロウ「まさにデステニードロー!たった1枚のドローから起こる奇跡だな!」

ゾンビキャリア・フラポット等でデッキトップを操作すると簡単に発動できるぞ!

クロウ「第166話、デュエルスタート!」


スバル side

 

 

「ほいっと!」

 

ドーーン!!!

 

「フゥ〜・・・・・全く数が多いんだから・・・」

 

通路を塞いでいる謎の黒い物体を倒しながら俺は目的のジェットコースターに向かって走っていく。アリアの野望を止めるために急いで走ってはいるものの、さっきから道を塞ぐようにしてこいつらが邪魔をしてくる。

 

「っと、ようやく見えて来たな」

 

敵を倒しながら進み続け、ようやく目的のジェットコースターが見えてきた。いつもいつも混んでいるこの遊園地、その目玉となるジェットコースターも長蛇の列が当たり前だが、今回ばかりは人の気配もしない。

 

「あ〜あ、こんな事が起こらなかったらジェットコースター乗り放題なのにな」

 

「じゃあ今からでも乗る?」

 

「!?だ、誰だ!?」

 

「上だよ、君の上」

 

「う、上!?」

 

ジェットコースターを見ながらそう思っていたけど突然どこからか声が聞こえて慌てて辺りを見渡す。声の主から上という単語を聞いて俺はすぐに上を向く。空から黒い物体がこっちに向かって落ちてきていた。

 

「!?あ、危ねぇ!!」

 

ドーーン!!!!

 

すぐに俺はその場所から避ける。黒い物体は地面にぶつかり、そのまま潰れる・・・・ことはせずに変形をしていき人型の姿になった。

 

「危ないじゃない。おかげで地面とゴッツンコしたわよ」

 

「・・・・・アリアの声」

 

「さすがに分かったか。アカデミアの英雄、遊城十代の子孫さん」

 

「何でそんな詳しい事まで知ってるんだ」

 

「遊輝ちゃん言っていたでしょ〜、私は事細かく調べるって」

 

あぁ、そんな事言っていたな。だからあの時デュエルを止めるように言っていたのか。ちょっと納得したわ。

 

「まぁ俺の素性なんてどうでもいい。俺はお前を倒すだけだ」

 

「怖い怖い」

 

お互いにデュエルディスクを展開してデッキをセットする。ある程度の距離を取り、お互いに向き合う。

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は俺がもらう!俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

「魔法カード、Eーエマージェンシーコール!デッキからLv4以下の《E・HERO》1体を手札に加える!俺はE・HERO エアーマンを加えてそのまま召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果発動!召喚成功時、デッキから《HERO》モンスターを手札に加える!俺はシャドー・ミストを手札に加えるぜ。さらにカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

E・HERO エアーマン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「V・HERO ヴァイオンを召喚!」

 

「ヴィ、V・HERO!?」

 

V・HERO ヴァイオン 攻1000

 

相手のフィールドに関節の場所にコアのような丸い物体をつけた紫色のヒーロースーツを着た人型のモンスターが現れる。まさか相手もHEROを使うのか!?しかも俺の全く知らない新たなHERO・・・・・

 

「ヴァイオンの効果!召喚成功時、デッキから《HERO》1体を墓地に送る!私はE・HERO シャドー・ミストを墓地に送り、シャドー・ミストの効果!このカードが墓地に送られた場合、デッキから《HERO》1体を手札に加える!私はD-HERO ディアボリックガイを手札に加える!」

 

「で、D-HEROだと!?」

 

「そうよ、私のデッキは【D-HERO】。もっとも、あなたの知っているD-HEROのデッキとはタイプが違うわよ」

 

マジかよ!?D-HEROって言えば確か爺ちゃんのライバルだったエド・フェニックスが使っていたデッキじゃないかよ!そんなデッキと戦うのか!?

 

「さらにヴァイオンの効果!墓地の《HERO》1体を除外してデッキから融合を手札に加える!そのまま融合を発動!手札のディアボリックガイとフィールドのヴァイオンで融合!地獄の番人を受け持つ運命のHEROが地上に恐怖の渦を巻き起こす!融合召喚!Lv6!D-HERO デッドリーガイ!」

 

D-HERO デッドリーガイ 攻2000

 

相手の後ろに現れた融合の渦にヴァイオンとさっき手札に加えたディアボリックガイが吸い込まれていき、丸い紫色の球体が現れる。それが変形をしていき大きな翼が生えた地獄の閻魔のようなモンスターが現れた。

 

「デッドリーガイの効果発動!手札のカードを1枚墓地に送る事でデッキから《D-HERO》1体を墓地に送る!私はD-HERO ディバインガイを墓地に!その後、墓地の《D-HERO》1体につき攻撃力が200ポイントアップする!」

 

D-HERO デッドリーガイ 攻2000→2400

 

「さらに墓地のディアボリックガイの効果発動!このカードをゲームから除外してデッキから2体目のディアボリックガイを特殊召喚!」

 

D-HERO ディアボリックガイ 攻800

 

「Lv6のデッドリーガイとディアボリックガイでオーバーレイ!」

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク6!永遠の淑女 ベアトリーチェ!」

永遠の淑女 ベアトリーチェ 攻2500

 

デッドリーガイとディアボリックガイ、2体のHEROがフィールド中央に現れたブラックホールに吸い込まれていき、その中からベアトリーチェが姿を現した。あれって確かデッキからカードを墓地に送る効果を持っていたな・・・

 

「ベアトリーチェの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、デッキからカードを1枚墓地に送る!私はゾンビキャリアを墓地へ!」

 

永遠の淑女 ベアトリーチェ OVR 2→1

 

「バトル!ベアトリーチェでエアーマンに攻撃!」

 

永遠の淑女 ベアトリーチェ 攻2500

E・HERO エアーマン 攻1800

 

スバル LP 4000→3300

 

「グウウゥ!!リバースカードオープン!ヒーロー・シグナル!俺の場のモンスターが破壊された時、デッキからLv4以下の《E・HERO》1体を特殊召喚する!E・HERO バブルマンを特殊召喚!」

 

E・HERO バブルマン 攻800

 

「バブルマンの効果発動!特殊召喚成功時に場にこのカード以外が存在しない場合、2枚ドローする!」

 

スバル 手札 5枚→7枚

 

「やるわね。カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

永遠の淑女 ベアトリーチェ 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

随分時間を掛けた割にはあまり展開して来なかったな。次のターンの準備ってところか?そうなる前に早めにケリをつけよう。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 8枚

 

「(・・・よし)魔法カード、戦士の生還!墓地から戦士族モンスターを手札に戻す!俺はエアーマンを手札に戻して、再度召喚!召喚時効果でデッキからオーシャンを加える!」

 

「けどバブルマンとエアーマンだけじゃベアトリーチェには敵わないわよ」

 

「そんな事ないさ!HERO達の力は無限大に広がる!俺たちの新しい力を見せてやるぜ!Lv4のエアーマンとバブルマンでオーバーレイ!」

 

「チッ、持っていたのね」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!H-C エクスカリバー!」

 

H-C エクスカリバー 攻2000

 

1ターン前に出来たブラックホールが再び現れて、今度はエアーマンとバブルマンを吸い込んでいく。その中から大きな剣を持った赤を基調とした甲冑を着た戦士がフィールドに現れた。

 

「ヘヘッ、ようやくエクシーズモンスターを手に入れることができたぜ。これで条件は対等だな。エクスカリバーの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除き、相手ターンのエンドフェイズまで攻撃力を倍にする!」

 

H-C エクスカリバー OVR 2→0

攻2000→4000

 

エクスカリバーがオーバーレイ・ユニット2つを吸収して大剣を天高く上げる。その大剣に雷が落ちて、エクスカリバーの大剣は電気で輝く。

 

「さらに融合を発動!手札のシャドー・ミストとオーシャンを融合!現れろ最強のHERO!E・HERO アブソルートZero!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「シャドー・ミストの効果により俺は2枚目のエアーマンを手札に加える。バトル!エクスカリバーでベアトリーチェに攻撃!」

 

「ベアトリーチェの効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いてデッキからD-HERO ダイナマイトガイを墓地に送る!」

 

「関係ねぇ!一刀両断!必殺真剣!!」

 

エクスカリバーが大剣を手にしてベアトリーチェに向かって走っていき、ベアトリーチェの頭から下に向かって剣を振る。ベアトリーチェは身体が真っ二つになった。

 

H-C エクスカリバー 攻4000

永遠の淑女 ベアトリーチェ 攻2500

 

アリア LP 4000→2500

 

「グウゥ!!!」

 

「これで終わりだ!アブソルートZeroでダイレクト」

 

「ベアトリーチェの効果発動!相手によって破壊され墓地に送られた場合、エクストラデッキから《ダンテ》とついたモンスター1体を特殊召喚する!」

 

「何だと!?」

 

「彼岸の巡礼者 ダンテを特殊召喚!」

 

彼岸の巡礼者 ダンテ 攻2800

 

ベアトリーチェが破壊された後に杖を持った白い服を着た男の人が現れる。マジかよ・・・・アブソルートZeroの攻撃力じゃ倒せないじゃないか・・・・

 

「攻撃は中断!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

スバル 手札 4枚 LP 3300

【モンスターゾーン】

H-C エクスカリバー 攻4000

E・HERO アブソルートZero 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「墓地のディアボリックガイの効果!自身を除外して3体目のディアボリックガイを特殊召喚!さらに魔法カード、闇の誘惑!カードを2枚ドローして終末の騎士をゲームから除外する!D-HERO ダイヤモンドガイを召喚!」

 

D-HERO ダイヤモンドガイ 攻1400

 

「ダイヤモンドガイの効果!デッキトップをお互いに確認してそのカードが通常魔法の場合、墓地に送って次の自分のメインフェイズに発動する!・・・・デッキトップはデステニー・ドロー!よってこのカードを墓地に送る!そして2枚目の融合!フィールドのディアボリックガイとダイヤモンドガイで融合!」

 

ディアボリックガイとダイヤモンドガイが再び現れた融合の渦に吸い込まれていき、その渦の中から触手が飛び出してきた。

 

「毒の牙を持つ擬態した花が獰猛なる龍へと変化する!融合召喚!Lv8!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!!」

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800

 

「スターヴ・ヴェノム!?ヤバっ!?」

 

「スターヴ・ヴェノムの効果発動!融合召喚成功時、相手の特殊召喚したモンスター1体の攻撃力を吸収する!」

 

スターヴ・ヴェノムの翼が口のように大きく開いて、そこに紫色のエネルギーが溜められて、羽のように広がった。

 

スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 攻2800→6800

 

「これでスターヴ・ヴェノムでアブソルートZeroに攻撃をしたら私の勝ちね」

 

「そんな物、やってみなきゃ分からぇでだろ?」

 

「(ふ〜ん・・・何かあるのね。まぁいいわ)バトル!スターヴ・ヴェノムでアブソルートZeroに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!この戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

目を輝かせたスターヴ・ヴェノムが自身の身体から2本の触手を飛び出しアブソルートZeroに攻撃。スターヴ・ヴェノムの攻撃を食らったはアブソルートZeroはそのまま爆発した。

 

スバル 手札 4枚→5枚

 

「アブソルートZeroの効果!このカードがフィールドから離れた時、相手フィールドの全てのモンスターを破壊する!」

 

アブソルートZeroが破壊された跡から強烈な吹雪が吹き始め、相手フィールドのモンスターを包み込む。やがて吹雪が収まると凍り付けにされた2体のモンスターが目に見えてその氷がピキピキと割れていき、破壊された。

 

「どうだ!これでお前のモンスターは全滅だ!」

 

「スターヴ・ヴェノムの効果発動!融合召喚したこのカードが破壊された場合、相手フィールドの特殊召喚したモンスターを全て破壊する!」

 

「なにっ!?」

 

破壊されたスターヴ・ヴェノムの跡から大きな穴が開き、スターヴ・ヴェノムの触手がエクスカリバーに絡みつく。そのままエクスカリバーは触手の力に負けて穴の中に吸い込まれてしまった。

 

「さらにダンテの効果!相手によって破壊されて墓地に送られた場合、相手の手札1枚をランダムに墓地に送る!」

 

「ぐっ・・・・・」

 

さらにダンテの霊が俺の前に現れて俺の手札のカード1枚を持ち去っていった。こっちが有利になったはずなのに全然有利になってない・・・

 

「まだバトルは終わってないわよ!リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地からダイヤモンドガイを特殊召喚!ダイヤモンドガイでダイレクトアタック!」

スバル LP 3300→1900

 

「ウワアア!!」

 

「メイン2、ダイヤモンドガイの効果発動。・・・・デッキトップはV・HERO ヴァイオン。通常魔法以外の場合はデッキの下に送られる。墓地のゾンビキャリアの効果発動!手札1枚をデッキトップに置いて特殊召喚!」

 

ゾンビキャリア 攻400

 

「Lv4のダイヤモンドガイにLv2のゾンビキャリアをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「赤き紅蓮の炎が宿いし眼を輝かせろ!シンクロ召喚!Lv6!レッド・ワイバーン!」

 

レッド・ワイバーン 攻2400

 

ダイヤモンドガイがゾンビキャリアの身体から放たれた2つの緑色の輪の中に入って一つの光となる。その光から炎が飛び出してレッド・ワイバーンがフィールドに現れた。

 

「レッド・ワイバーン・・・・・面倒臭いモンスターを・・・・」

 

「これでターンエンドよ!」

 

アリア 手札 1枚 LP 2500

【モンスターゾーン】

レッド・ワイバーン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

 

 

ついさっき大型のモンスター2体を倒したのにまた厄介なモンスターを出してくるあたり、遊輝が苦戦した理由がよくわかるぜ・・・・とにかくあいつよりも攻撃力の高いモンスターを2体だそう。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 4枚→5枚

 

「E・HERO エアーマンを召喚!その効果でバブルマンを手札に加える!そして速攻魔法、マスク・チェンジ!風属性のエアーマンを対象に変身!M・HERO ブラスト!」

 

M・HERO ブラスト 攻2200

 

エアーマンの周りに風が吹いてエアーマンと一緒に上昇する。風がエアーマンの身体を包み込んでエアーマンの姿が見えなくなり、風が吹き終わるとブラストがポーズを決めてフィールドに現れた。

 

「ブラストの効果発動!特殊召喚成功時、相手のモンスター1体の攻撃力を半分にする!」

 

ブラストの周りに再び風が舞い始め、その風がかまいたちのようにレッド・ワイバーンの身体を切りつけていく。

 

レッド・ワイバーン 攻2400→1200

 

「ならレッド・ワイバーンの効果発動!シンクロ召喚したこのカードがフィールドにいる限り1度だけ、このカードよりも攻撃力が高いモンスター1体を破壊する!」

 

レッド・ワイバーンが赤いブレスを放ってブラストを攻撃、そのままブラストは破壊された。

 

「だがこれでレッド・ワイバーンの効果はもう使えない!リバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!墓地からE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

 

「シャドー・ミストの効果発動!特殊召喚成功時、デッキから《チェンジ》速攻魔法を1枚手札に加える!俺は2枚目のマスク・チェンジを加えてそのまま闇属性のシャドー・ミストを対象に発動!変身!M・HERO ダーク・ロウ!」

 

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

リビングデッドの呼び声で墓地から復活したシャドー・ミストがすぐに風に纏われて姿を変えてダーク・ロウが現れる。

 

「チッ、厄介なモンスターを・・・・」

 

「バトル!ダーク・ロウでレッド・ワイバーンを攻撃!」

 

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

レッド・ワイバーン 攻1200

 

アリア LP 2500→1300

 

「ウンンン!!!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

スバル 手札 3枚 LP 1900

【モンスターゾーン】

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

「やってくれるわね・・・・・じゃあそろそろ本気と行こうじゃない!私のターン!」

 

アリア 手札 2枚

 

「このドローフェイズ時、ドローしたRUMー七皇の剣(ザ・セブンス・ワン)の効果発動!」

 

「ラ、ランクアップマジック!?エクシーズモンスターもいないのにどうやってやるんだ!?」

 

「このカードはドローフェイズの通常ドローでドローした場合のみ、メインフェイズ1まで手札で公開することで発動できる。CNo,以外のNo,101〜107の何れかの名前を含んだモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!」

 

「な、なにっ!?」

 

「現れろNo,107!時間と空間を操りし銀河の竜!銀河眼の時空竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン)!!」

 

No,107 銀河眼の時空竜 攻3000

 

相手が発動したRUMの効果で上空に大きな穴が開いて、その中からタキオン・ドラゴンがフィールドに舞い降りてきた。

 

「さらにこの特殊召喚したモンスターを素材にランクが一つ上のモンスターにカオス化させる!」

 

「なっ!?」

 

「私はタキオン・ドラゴンでオーバーレイ!」

★8→★9

 

「1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!時空を司る銀河が絶対的存在となる!ランクアップ・エクシーズチェンジ!CNo,107 |超銀河眼の時空竜《ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン》!!」

 

CNo,107 超銀河眼の時空竜 攻4500

 

さっきフィールドに出てきたタキオン・ドラゴンがすぐにフィールドに出来たブラック・ホールに吸い込まれていき、爆発する。その中から身体が金色で3つ首になった・・・・・キング○ドラ?が現れた・・・・いや、あれ絶対キン○ギドラだろ。

 

「タキオン・ドラゴンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、このカード以外の表側表示のカードをエンドフェイズまで無効にして、相手はエンドフェイズまでフィールドのカードを発動することができない!タイム・タイラント!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!和睦の使者!このターン、俺は戦闘ダメージを受けず俺のモンスターも戦闘では破壊されない!」

 

CNo,107 超銀河眼の時空竜 OVR 1→0

 

タキオン・ドラゴンがオーバーレイ・ユニットを一つ使う前に俺が発動した和睦の使者が有効になる。その後、タキオン・ドラゴンの身体が輝いてタキオン・ドラゴン以外のフィールドの全てのカードの色が無くなった。

 

「このターンでトドメをさせなかったか・・・まあいいわ。カードを伏せて墓地のディバインガイの効果発動!手札が0枚の時、墓地のこのカードとディアボリックガイを除外することで2枚ドロー!」

 

アリア 手札 0枚→2枚

 

「さらに前のターンにダイヤモンドガイの効果で墓地に送ったデステニー・ドローの効果!2枚ドロー!」

 

アリア 手札 2枚→4枚

 

「リバースカードオープン!魔法カード、デステニー・ドロー!手札のデビルガイをさらに2枚ドロー!」

 

アリア 手札 3枚→5枚

 

おいおいおい!?手札0枚から一気に5枚に増えたぞ!?

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 4枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

CNo,107 超銀河眼の時空竜 攻4500

【魔法・ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

あ、あぶねぇ・・・・和睦の使者以外だったら死んでいた・・・それでもあのデカブツを何とかしないと・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 4枚

 

「(・・・よし)魔法カード、テラ・フォーミング!デッキからフィールド魔法を手札に加える!摩天楼3〜ミラージュ・タウンを加えてそのまま発動!」

 

フィールドが遊園地から濃霧に包まれた夜の摩天楼へと変わっていく。

 

「ミラージュ・タウンの効果!墓地のエアーマンを除外することで1枚ドローする!さらに魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地のテラ・フォーミング、Eーエマージェンシーコール、マスク・チェンジの3枚を除外して2枚ドロー!」

 

スバル 手札 2枚→4枚

 

えっと・・・・手札のこのカードたちなら・・・行ける!

 

「チューナーモンスター、E・HERO ダーク・ネオを召喚!」

 

E・HERO ダーク・ネオ 攻0

 

「ダーク・ネオの効果発動!召喚成功時、手札から《融合》または《フュージョン》と名のついたカード1枚を墓地に送ることで墓地から《HERO》とついた融合モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!俺は融合回収を墓地に送り、M・HEROブラストを特殊召喚!この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は0になり、Lvは1つ下がる!」

 

M・HERO ブラスト 攻2200→0

☆6→☆5

 

「Lv5になったブラストにLv3のダーク・ネオをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

ブラストとダーク・ネオが一つの光となって、その光は大きな満月となる。その満月が放つ強い光が映ったコースから大きな地響きが鳴り響いて、地面が割れる。そこからスピリット・ドラゴンがフィールドに現れた。

 

「スピリット・ドラゴンの効果発動!墓地の《HERO》融合モンスター1体をゲームから除外して、次の相手ターンのエンドフェイズまでそのモンスターの半分の攻撃力を吸収して同じ効果を得る!俺はM・HERO ブラストを選択!スピリットドレイン!!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→3300

 

墓地からブラストの魂が現れてその魂をスピリット・ドラゴンが吸収する。

 

「ブラストの効果を得たスピリット・ドラゴンの効果発動!LPを500払って今度は右側の伏せカードを手札に戻す!」

 

スバル LP 1900→1400

 

「チェーンでリバースカードオープン!和睦の使者!」

 

「なっ!?」

 

「これでおあいこよ!」

 

スピリット・ドラゴンが相手の伏せカードを吹き飛ばそうとしたが相手が発動した和睦の使者によって相手の前にバリアが張られた。マジかよ・・・・このターンで決める計画が台無しだ・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 2枚 LP 1400

【モンスターゾーン】

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 5枚

 

「さてと・・・じゃあこのターンで決めるわよ!魔法カード、融合!手札のダイヤモンドガイとディバインガイで融合!暗黒の世界を守りし運命のHEROがこの世界を征服する!融合召喚!Lv8!D-HERO ディストピアガイ!」

 

D-HERO ディストピアガイ 攻2800

 

ダイヤモンドガイとディバインガイが相手の後ろに出来た融合の渦に再び吸い込まれていき、その中から青と黄色を基調にしたヒーロースーツを着た人型のモンスターが現れた。

 

「ディストピアガイの効果発動!このカードの融合召喚成功時、墓地のLv4以下の《D-HERO》1体を選択してそのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

 

「なっ!?」

 

「私は墓地のダイヤモンドガイを選択!1400ポイントのダメージを受けてこれで終わりよ!スクイズ・パーム」

 

ディストピアガイの身体にダイヤモンドガイの魂が宿り、身体の周りに赤い覇気みたいなものに覆われて俺に向かってきた。だが、俺の目の前に1体のモンスターが現れる。

 

「なっ!?」

 

「墓地のダメージ・イーターの効果発動!相手ターンに効果ダメージを与える効果が発動した時、墓地のこのカードをゲームから除外してその効果を回復する効果に変える!」

 

墓地から現れたダメージ・イーターがディストピアガイの効果ダメージを全て食べて、俺のライフを回復させる。

 

スバル LP 1400→2800

 

「い、いつの間に・・・・・」

 

「ダンテのハンデス効果の時だ。あの時、運良くこいつが墓地に送られたのさ」

 

いや〜、遊輝に言われて効果ダメージの対策でピン差しで入れたこのカードがこんなに役に立つとは。相手は凄い悔しそうな表情をしているし、してやったりだ。

 

「ぐぅ・・・だけどこのターンに決めることに変わりはない!墓地のダイナマイトガイの効果発動!墓地のこのカードをゲームから除外して、自分フィールドの《D-HERO》1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

D-HERO ディストピアガイ 攻2800→3800

 

「バトル!ディストピアガイでダーク・ロウに攻撃!ディストピアブロー!」

 

ディストピアガイがダーク・ロウに近づいてチョップ攻撃でダーク・ロウを破壊した。

 

D-HERO ディストピアガイ 攻3800

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

スバル LP 2800→1400

 

「グワアアア!!!!!」

 

「さらにディストピアガイの効果発動!このカードの攻撃力が変化している場合、フィールドのカード1枚を破壊する!」

 

「なにっ!?」

 

「これでスピリット・ドラゴンを破壊する!ノーブルジャスティス!」

 

ディストピアガイの握っていた右手が開いて手のひらにある小さな穴から吸引が始まる。スピリット・ドラゴンはその穴に吸い込まれていった。

 

「ス、スピリット・ドラゴン!!」

 

「この効果を使った後、ディストピアガイの攻撃力は元に戻る!」

 

D-HERO ディストピアガイ 攻3800→2800

 

「これで終わりよ!超銀河眼の時空竜でダイレクトアタック!」

 

「まだ終わらせねぇよ!リバースカードオープン!速攻魔法、クリボーを呼ぶ笛!デッキからハネクリボーを守備表示で特殊召喚!頼むぜ!」

 

『クリクリ〜!!!』

 

ハネクリボー 守200

 

「ああもう・・・超銀河眼の時空竜でハネクリボーを攻撃!アルティメット・タキオンスパイラル!」

 

タキオン・ドラゴンの攻撃をその身で受けたハネクリボーはそのまま破壊されてしまう。

 

「ハネクリボーの効果!戦闘で破壊されたターン、俺は戦闘ダメージを受けない!」

 

「仕留め損なったわね・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 1枚 LP 1300

【モンスターゾーン】

CNo,107 超銀河眼の時空竜 攻4500

D-ディストピアガイ 攻2800

【魔法・ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (使用済み)

伏せカード 1枚

 

 

「(ふぅ〜・・・何とか耐えることができたぜ)」

 

『クリ〜!』

 

「(あぁ、お前のおかげだ。助かったぜ相棒)」

 

『クリクリ〜!』

 

「(ああそうだな。爺ちゃんの教えを少し忘れかけていたぜ。どんな時でもデュエルを楽しまないとな)」

 

全く・・・・少しばかり変なことを考え過ぎたぜ、これはデュエルなんだ。楽しまないと損してまうぜ。

 

「(さあ行くぞ・・・・奇跡のドローを見せてやる!)俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 3枚

 

「さらにフィールド魔法、ミラージュ・タウンの効果!墓地のオーシャンを除外してさらにドロー!」

 

スバル 手札 3枚→4枚

 

「(・・・・よし!)速攻魔法、サイクロンを発動!その伏せカードを破壊する!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!速攻魔法、禁じられた聖槍!ディストピアガイの攻撃力を800ポイント下げる代わりにこのターン、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受け付けない!」

 

D-HERO ディストピアガイ 攻2800→2000

 

なるほど、それでまたディストピアガイの効果を使えるようにしたのか。だが関係ねぇ!!

 

「魔法カード、貪欲な壺!墓地のモンスターを5体戻してカードを2枚ドローする!」

 

・E・HERO アブソルートZero

・M・HERO ダーク・ロウ

・E・HERO バブルマン

・E・HERO シャドー・ミスト

・M・HERO ブラスト

 

「この5枚のカードを戻して2枚ドロー!」

 

スバル 手札 2枚→4枚

 

「そしてフィールド魔法、ミラージュ・タウンの効果!このカードの効果によって除外したモンスターをデッキに戻し、その戻したモンスターで融合召喚を行う!」

 

「なっ!?」

 

「俺は除外ゾーンのエアーマンとオーシャンを戻して融合!もう一度現れろ!E・HERO アブソルートZero!」

除外ゾーンにいたオーシャンとエアーマンがデッキに戻り、上空の空間がパリーンと割れる。その中からアブソルートZeroがフィールドに現れた。

 

「こ、この状況で面倒くさいカードを・・・・・」

 

「さらに速攻魔法、エレメンタル・トリック!《E・HERO》と名のついた融合モンスター1体をリリースしてデッキから魔法カードを加える!俺はアブソルートZeroをリリースするぜ!」

 

「!?チェ、チェーンでディストピアガイの効果発動!ミラージュ・タウンを破壊する!」

 

ディストピアガイの効果によりミラージュ・タウンは破壊、エレメンタル・トリックの効果でアブソルートZeroはリリースされて俺の手札に1枚の魔法カードが来る。

 

「俺は壺の中の魔術書を加えた。この効果で手札に加えたこのカードはこのターン、発動できない。そしてアブソルートZeroの効果!相手フィールドのカードを全て破壊する!」

 

リリースされたアブソルートZeroの跡に再び強い吹雪が吹いて、相手のモンスターを全て凍り付けにして破壊した。

 

「ぐっ!!でもこれでお互いに場のモンスターはいなくなったよ!」

 

「いいや、これで俺の勝ちが決まりだ!チューナーモンスター、E・HERO マッハ・ウィンドを召喚!」

 

E・HERO マッハ・ウィンド 攻300

 

「そして魔法カード、死者蘇生!墓地からスピリット・ドラゴンを特殊召喚!」

 

『ギャアアア!!!!!』

 

「行くぞ!Lv8のスピリット・ドラゴンにLv2のマッハ・ウィンドをチューニング!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「クリスタルの宝玉が輝きし時、地の龍が覚醒する。大地に眠る新緑の力を解放しろ!シンクロ召喚!!見参せよ!!地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン!!」

 

地玉霊 クリスタル・アース・ドラゴン 攻2500

 

スピリットとマッハ・ウィンドが一つの光となってその光から大きなクリスタルが現れる。そのクリスタルがピキピキと割れていき、中からクリスタル・アースが現れた。

 

「あっ・・・・あっ・・・・・・」

 

「これで終わりだ!クリスタル・アースでダイレクトアタック!エターナル・エナジーバースト!!」

 

地面から生えてきた巨大な植物のツルからエネルギーを吸収して、貯めたエネルギーをアリアに向かって放った。

 

アリア LP 1300→0

 

 

WIN スバル LOS アリア

 

 

スバル side out

 

 

遊輝 side

 

 

・・・・・ゴゴゴゴッ

 

「3つ目の扉が開いた・・・・あと一人か」

 

目の前にある扉が開いていくのを見て俺はそう呟いた。現在、4つ閉ざされている扉のうちこの3つ目を含む3つが開いた。あと一人、誰かが勝てば俺はアリアのところに行くことができる。

 

「フゥ〜・・・・・恐らく、また来るんだろうな・・・・」

 

息をついて目の前の扉を前にそう思った。ここに来る前、2回とも扉を跨いだ瞬間に頭痛が起きて、その度にアリアと思われる女の子の過去の映像が流れてきた。恐らく今回も同じことが起きるだろう。

 

「・・・・ジッとしていても仕方ねえ。さっさと行くか」

 

一つのケリをつけて俺は一歩、扉の向こう側に足を運ぶ。

 

「!?き、きた・・・・・」

 

その瞬間、再び頭痛が起きて脳内に映像が流れ始めた。今回の場面は一人の女性が家の中で家事をしているところからだ。しばらくすると玄関の扉が開いて一人の少女が入ってきた。

 

『!!○○○!!無事だったのね!!2年間もいなくなったから心配だったわよ!!』

 

『お母さん・・・私ね、力を付けたんだ』

 

『そうなの、凄い苦労をしたのね。さあさあ、中に入ってお風呂に入ってきたら。今日はご馳走ね!』

 

『見ていてね・・・・ライトニング!!』

 

呪文をいったその女の子の杖が光り出した。あまりにも眩しい光で俺も目を瞑ってしまう。そして、目を開けると家の壁はおろかその隣の家や周りの建物などが跡形もなく消えていた。

 

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

『どう?今まで散々私のことをバカにしてきた奴らに見返してやるためにここまで力を付けたのよ』

 

『あっ・・・・あっ・・・・こ、怖い・・・・・』

 

その女性は腰を抜かしてしまった。

次に場面が変わってその女の子の周りにたくさんの人が集まっている。その女の子が何かしらの魔法で周りのものを全て氷付けにしてしまう。

 

『す、すげぇ・・・・』

 

『け、けど・・・』

 

『ああ・・・・なんてパワーだ・・・・』

 

最初は野次馬の集まりで多かったけれども、段々と人数は減っていき、最終的には周りに人がいなくなった。それだけでは終わらず、その女の子が街を歩くとその周辺にいる人たちがヒソヒソと話しをしたり中には建物の中に入って隠れてしまう人もいる。

 

『・・・・・力を付けたのに誰も私に構ってくれない・・・・また一人・・・・・こんな世界、いらない・・・・・』

 

「!?ハァ・・・ハァ・・・・・」

 

映像はそこで終わり、とてつもない疲労感を感じた俺は両膝をついてしまう。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・さ、さすがに3回連続でこの疲れは堪えるな・・・・」

 

この映像を見る前にすでに2回も同じようなことが起こり、その度にこの疲労感を味わっている。いくら体力を回復してから来てもやはり身体には疲れが取れていない。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・4つ目の扉はまだか・・・・」

 

目の前にある最後の扉はまだ閉じている。つまり最後の一人はまだ戦っている途中か戦っていない、あるいは負けたか・・・・・

 

「・・・・そんな変な考えている暇があるなら体力を回復させよう。今はあいつらを信じよう」




紫「D-HEROが新規のカードが出たのは良かったけど昔のカードたちは入っているの?」

フラン「ドグマガイとかBloo-Dは専用デッキを組んだ方が強いんだよね」

スバル「俺に言われてもそんな事知らねぇよ・・・・・(汗)」

紫「昔のテーマを復刻するのはありがたいけど、昔のカードを生かすような復刻の仕方にしてもらいたいわね」

フラン「うんうん」

スバル「それは分かるな。というわけで次はレミの出番だ」

フラン「【龍の騎士vs熱き拳】。次回もよろしくね!」


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第167話 竜の騎士vs熱き拳

最強カードの紹介・・・・・

スバル「なんだそのやる気の無さ」

だってさ・・・・忙しい合間を塗って執筆して、読者様に持ってもらったのに出来上がりはあんまり良くないんだぞ?凹むよ。

スバル「そんなのやり直したらいいじゃねぇか」

簡単に言うなよ・・・・・次の遊輝とアリアの最終決戦に神経を使わなきゃいけないんだぞ・・・それにこれ以上待たせてられるか・・・

スバル「んなこと知らん知らん」

ハァ・・・最強カードの紹介に行こう。今回はBK スイッチヒッター。

スバル「《BK》のキーカード!Lv4のモンスターで召喚時、墓地の《BK》を特殊召喚できる!この効果を使ったターン、《BK》以外は特殊召喚できないけどな」

この効果でBKを釣り上げてリードブローや新星のカイザーになって攻めていったり、グラスジョーで回収して何回も使いまわそう!

スバル「第167話、デュエルスタート!」



レミ side

 

 

「うざったいわね!!少しは大人しくなりなさい!!」

 

『ンギャア・・・・・』

 

『レミ様、こちらは片付けました』

 

「よくやったわフェザー!」

 

私は今、目的の場所である観覧車に向かってフェザーと協力しながら敵を倒しながら走っている。

 

「全く!!何でこんなに気色悪いのが多いのよ!!」

 

『ゴタゴタ言っても仕方ありません。それに、向こうからしてみれば我々は邪魔な存在ですから』

 

「んな事分かってもイライラはするでしょ!」

 

何でこんなに敵が多いわけ!?明らかに入り口から来た時よりも多いのだけど!?嫌がらせ!?

 

『ンガアァ・・・・・・』

 

「フェザー・ショット!!」

 

後ろから気味の悪い声が聞こえてきたので即座に振り向いて羽根の弾を放つ。その弾は黒い物体を貫通してベチャッとスライムのように崩れていった。

 

「さっさと行くわよ!フェザー!」

 

『御意』

 

敵を倒した私たちは目的の場所めがけて走っていく。走る事数分、ようやく観覧車の前に辿り着いた。

 

「さあて、ここにいる敵は誰かしら?」

 

「慌てない慌てない、私はここにいるんだから」

 

「!?何処!?」

 

「あなたの目の前にいるわよ」

 

「め、目の前!?」

 

目の前と言われて目の前にある観覧車を目にする。すると中心部の黒い骨組みがニョキニョキと動き出して地面に降りてくる。地面に降りたところで黒い物体は人型へと変形をしていった。その顔は何処かアリアに似ている。

 

「どう?私の魔法は?」

 

「き、気色悪・・・・・・・」

 

「失礼ね、これも立派な魔法よ」

 

「そ、そんな魔法いらないわ・・・・」

 

さ、さすがにあんな得体の知れない物体を操る魔法なんて使いたくも相手にもしたくないよ・・・・

 

「えぇ、あなたには魔法の素晴らしさが伝わらないのね・・・・・」

 

「そんな魔法で素晴らしさを伝えようとしてくるのが間違いだと思うわ」

 

お互いにそれぞれ口で攻め合いながらデュエルディスクをつけてデッキをセットする。遊輝が苦戦する相手だから慎重にいかないと・・・・

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

レミ LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は私!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

BK(バーニングナックラー) ヘッドギアを守備表示で召喚!」

 

BK ヘッドギア 守1800

 

頭にヘッドギアをつけて赤いグローブをはめたボクサーみたいなモンスターが現れる。

 

「ヘッドギアの効果!デッキから《BK》と名のついたモンスター1体を墓地に送る!BK カウンターブローを墓地に!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BK ヘッドギア 守1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

「魔法カード、調和の宝札!攻撃力1000以下のドラゴン族チューナーモンスター、ドラグニティーブランディストックを捨てて2枚ドロー!」

 

レミ 手札 4枚→6枚

 

・・・・・よし、時間を掛けてられない。一気に行くわよ。

 

「魔法カード、テラ・フォーミング!デッキからフィールド魔法の竜の渓谷を加えて、そのまま発動!」

 

辺り一面が遊園地から夕陽が指す大きな渓谷へと変わる。

 

「竜の渓谷の効果!手札のカードを1枚捨てる事でデッキから《ドラグニティ》モンスター1体を手札に加える!私はドラグニティードゥクスを加えて、そのまま召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1700

 

渓谷に風が吹き始め、その風に乗ってドゥクスが羽ばたきながら現れる。

 

「ドゥクスの効果発動!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ブレイクスルースキル!ドラグニティードゥクスを対象にこのターン、そのモンスターは効果を使えない!」

 

「えっ!?」

 

「ドゥクスからの超展開なんて許さないわよ!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1700→1500

 

ドゥクスの効果を発動させようとした時、相手が発動したブレイクスルースキルのカードから大きな腕が飛び出してドゥクスを捕まえる。あ〜あ・・・・・作戦が台無しだよ・・・・しかも攻撃力も下がっちゃったし・・・・

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

レミ 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ドラグニティードゥクス 攻1500→1700

【魔法・罠ゾーン】

竜の渓谷 (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「BK グラスジョーを召喚!」

 

BK グラスジョー 攻2000

 

ヘッドギアの隣に身体が緑色のボクサーが現れる。

 

「ヘッドギアを攻撃表示に変更してバトル!グラスジョーでドゥクスに攻撃!」

 

BK グラスジョー 攻2000

ドラグニティードゥクス 攻1700

 

レミ LP 4000→3700

 

「ヘッドギアでダイレクトアタック!」

 

レミ LP 3700→2700

 

「グウゥゥ!!!!!!」

 

グラスジョー、ヘッドギアによる連続ジャブで私は吹っ飛ばされてしまう。足で勢いを殺して何とか体制を立て直して相手をキリッと見つめる。

 

「まだまだ!メイン2にLv4のグラスジョーとヘッドギアでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!BK 拘束蛮兵リードブロー!」

 

BK 拘束蛮兵リードブロー 攻2200

 

グラスジョーとヘッドギアがブラックホールに吸い込まれていき、その中から後ろ手に木で両手を拘束された人型のモンスターが現れる。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BK 拘束蛮兵リードブロー 攻2200

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 4枚

 

危ない危ない・・・・・よく生き残ったわ。こっから反撃していくわよ!

 

「フィールド魔法、竜の渓谷の効果!手札のカードを1枚捨てて、デッキから2枚目のドラグニティードゥクスを手札に加える!そしてドラグニティードゥクスを通常召喚!」

 

「リバースカードオープン!激流葬!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、トラップ・スタン!このターン、このカード以外の罠カードの効果を無効にする!」

 

相手が発動した激流葬は私がカウンターで発動したトラップ・スタンの効果により激流葬の効果は無効になる。

 

「これでもう除去カードは怖くないわよ!ドゥクスの効果!墓地からLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族チューナーモンスター1体をこのカードに装備する!墓地からドラグニティーファランクスを装備する!」

 

フィールドに現れたドゥクスの横に風が吹いてその風に乗るようにファランクスが現れてドゥクスの身体につく。

 

「ファランクスの効果発動!装備状態のこのカードを特殊召喚する!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

『・・・・・・・・・・・』

 

ドゥクスの身体に装備していたファランクスがフィールドに現れる。

 

「さらにファランクスをリリース!ドラグニティアームズーミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

フィールドにいたファランクスがリリースされて、その代わりにミスティルが現れる。ミスティルはフィールドに出てきたところで地面に大剣を突き刺した。

 

「ミスティルの効果!墓地からファランクスを装備!ファランクスの効果で自身を特殊召喚!Lv4のドラグニティードゥクスにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を舞うさすらいの騎士が、楽園の未来に立ち向かう。竜の意志で羽ばたけ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーガジャルグ!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

 

「ガジャルグの効果発動!デッキからLv4以下のドラゴン族または鳥獣族を手札に加えてその後、手札の鳥獣族かドラゴン族を墓地に送る!デッキからBFー精鋭のゼピュロスを加えてそのまま捨てる!」

 

「長いわね・・・・・早く進めてくれない」

 

「うるさいわね!Lv6のガジャルグとミスティルでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のドラゴン族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

フィールドのガジャルグとミスティルがブラックホールに吸い込まれていき、その中からアトゥムスがフィールドに現れた。

 

「遊輝ちゃんの仲間・・・いつの間にこんなエクシーズを使うようになったのよ・・・・・まぁいいわ。速攻魔法、月の書!アトゥムスを裏側守備表示にする!」

 

「えっ!?」

 

相手が発動した月の書、その効果によってエクシーズ召喚されたアトゥムスは裏側守備表示になってしまった。

 

「それ以上の頭おかしい展開なんてさせないわよ」

 

「ぐっ・・・・・ 魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

レミ 手札 1枚→4枚 アリア 手札 2枚→5枚

 

・・・・・・よし、何とか耐えれそう。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

レミ 手札 2枚 LP 2700

【モンスターゾーン】

裏守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

龍の渓谷 (フィールド)

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「手札のBK シャドーの効果!自分フィールドの《BK》エクシーズモンスターのオーバーレイ・ユニットを一つ取り除くことで特殊召喚できる!」

 

BK 拘束蛮兵リードブロー OVR 2→1

BK シャドー 攻1800

 

相手のリードブローのオーバーレイ・ユニットが一つなくなって、黒いボクサーが現れた。

 

「この瞬間、リードブローの効果と墓地のグラスジョーの効果発動!このカードのオーバーレイ・ユニットが取り除かれた時、このカードの攻撃力は800ポイントアップする!」

 

「えっ!?」

 

BK 拘束蛮兵リードブロー 攻2200→3000

 

オーバーレイ・ユニットが取り除かれて強化されるとかアリ!?不味い!だんだん不利になってきている!!

 

「さらに墓地に送られたグラスジョーの効果!カード効果で墓地に送られた時、墓地の《BK》モンスター1体を手札に戻す!BK ヘッドギアを戻してそのまま召喚!効果でデッキからスイッチヒッターを墓地に送る!Lv4のシャドーとヘッドギアでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,79 BK 神星のカイザー!」

 

No,79 神星のカイザー 攻2300

 

2体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていって次に出てきたのは赤を基調にした翼がでかいヒーロースーツみたいな物を着た人型のモンスターだ。

 

「神星のカイザーの攻撃力はこのカードのエクシーズ素材×100ポイントアップ、さらに1ターンに1度、墓地の《BK》モンスター1体をこのカードのオーバーレイ・ユニットとする!」

 

No,79 BK 神星のカイザー OVR 2→3

攻2300→2600

 

神星のカイザーが拳を地面に突き落としてそこから地割れが起き、その中からグラスジョーがオーバーレイ・ユニットとして吸収された。

 

「バトル!神星のカイザーで裏側モンスターを攻撃!」

 

神星のカイザーが突撃してきて、反転して膝まづいているアトゥムスを破壊した。

 

「ぐぅぅ!!」

 

「そしてリードブローでトドメのダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

レミ 手札 2枚→3枚

 

「しぶといわね・・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

「エンドフェイズ時、速攻魔法、ツインツイスター!手札のカードを1枚捨てて左側と真ん中のカードを破壊する!」

 

「ぐっ!」

 

 

アリア 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

BK 拘束蛮兵リードブロー 攻3000

No,79 BK 新星のカイザー 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

「魔法カード、貪欲な壺!墓地のモンスター5体を戻して2枚ドローする!」

 

・ドラグニティードゥクス

・ドラグニティードゥクス

・ドラグニティアームズーミスティル

・ドラグニティナイトーガジャルグ

・聖刻龍王ーアトゥムス

 

レミ 手札 2枚→4枚

 

「さらにフィールド魔法、龍の渓谷の効果!手札のカードを1枚捨ててデッキからドゥクスを加える!」

 

「いい加減しつこいわね!」

 

「これが私の戦法よ!ドラグニティードゥクスを召喚!効果で墓地からファランクスを装備して、ファランクスを自身の効果で特殊召喚!さらに装備魔法、ドラグニティの神槍をドゥクスに装備!ドラグニティこ神槍の効果でデッキから2体目のファランクスを装備して特殊召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→2100

ドラグニティーファランクス 攻500

 

「(チィ・・・・さっきのツインツイスターでカウンターカードが全部墓地に行っちゃったよ・・・・)」

 

「さらに墓地のBFー精鋭のゼピュロスの効果!フィールドの龍の渓谷を手札に戻して墓地からこのカードを特殊召喚!その後、私は400ポイントのダメージを受ける!」

 

BFー精鋭のゼピュロス 攻1600

レミ LP 2700→2300

 

墓地にいた精鋭のゼピュロスがフィールドに戻ってきて、その効果で龍の渓谷が消え私はダメージを受けてしまう。

 

「Lv4のゼピュロスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を舞うさすらいの騎士が、楽園の未来に立ち向かう。竜の意志で羽ばたけ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーガジャルグ!」

 

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

 

「本当にしつこいわね!!」

 

「ガジャルグの効果発動!デッキからブランディストックをサーチして、ブランディストックを墓地に送る!Lv4のドゥクスにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

ファランクスの2つ色の緑の輪の中にドゥクスが入って4つの光となる。やがて一筋の光となってその中からヴァジュランダがフィールドを駆け抜けてきた。

 

「ヴァジュランダの効果発動!特殊召喚成功時、墓地の《ドラグニティ》ドラゴン族チューナー1体を装備する!墓地からファランクスを装備!そしてファランクスの効果で特殊召喚!Lv6のヴァジュランダにLv2のファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

吹き荒れる風が徐々に竜巻のように渦巻き、その中心となる目からフェザーが姿を現し、私の隣へと舞い降りてきた。

 

『やはり油断できない相手ですね・・・・』

 

「全く・・・・・遊輝が苦戦するわけよ。フェザーの効果!シンクロ召喚成功時、墓地からドラゴン族モンスターを任意の枚数だけこのカードに装備する!墓地のファランクス1体、ブランディストックとアキュリスを装備!」

 

フェザーが大きな咆哮を上げて地面が揺れ始めて大きく割れる。その中からファランクスとブランディストック、アキュリスが現れてフェザーの身体にくっついた。

 

「チッ・・・アキュリスは色んなコストの時か・・・」

 

「さらにフェザーの効果!墓地の風属性モンスター1体を戻すことでフィールドのカード1枚をデッキに戻す!ドラグニティードゥクスを戻してリードブローを戻す!ウィンドセプション!」

 

フェザーが左手の刃を地面に突き出すとそこから竜巻が再びできて、リードブローがその中に巻き込まれて遥か彼方へと飛ばされていった。

 

「これでバトル!フェザーで新星のカイザーを攻撃!ストーム・ウィングブレイク!」

 

「墓地のBK カウンターブローの効果!ダメージステップ時に墓地のこのカードをゲームから除外して神聖のカイザーの攻撃力を1000ポイント上げる!」

 

「なっ!?」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

No,79 BK 新星のカイザー 攻2600→3600

 

レミ LP 2300→1500

 

フェザーが竜巻を起こして左手の刃で新星のカイザーを斬りつけようとしたが、相手の墓地に眠っていたカウンターブローの効果で攻撃力を上げられたことでカウンターを食らってしまった。

 

「どう?これであなたの自慢のドラゴンは粉々よ?」

 

「・・・・・まだよ!!私のエースを舐めないでちょうだい!!」

 

『・・・・ギャアアアアア!!!!!』

 

「なっ!?破壊されてない!!」

 

カウンターを食らって攻撃を受けたことで煙が舞ったけど、その煙が晴れるとフェザーは破壊されずにフィールドに残っていた。

 

「フェザーは装備カードを墓地に送ることで破壊から免れる!私はこの効果でアキュリスを墓地に送った!」

 

「!?ア、アキュリス!?」

 

「ドラグニティーアキュリスの効果!装備カードのこのカードが墓地に送られた時、フィールドのカード1枚を破壊する!私が破壊するのは新星のカイザー!!」

 

装備されたアキュリスが新星のカイザーに向かって突進をしかけ、そのまま相打ちとなって破壊された。

 

「フェザーに装備されたブランディストックの効果でフェザーは2回攻撃できる!ガジャルグの攻撃と合わせてあんたの負けよ!!」

 

「ぐっ・・・・破壊された新星のカイザーの効果発動!相手によって破壊されて墓地に送られた時、このカードのオーバーレイ・ユニットの数まで墓地からLv4以下の《BK》モンスターを特殊召喚する!私はBKヘッドギア・グラスジョー・シャドーを特殊召喚!」

 

BK ヘッドギア 守1800

BK グラスジョー 守0

BK シャドー 守1400

 

アリアの破壊された新星のカイザーのオーバーレイ・ユニットが全て光って、それぞれ墓地にいたモンスターに姿が変わり、守備表示で現れる。もう、めんどくさいわね・・・・

 

「フェザーで2回目の攻撃!攻撃対象はヘッドギア!」

 

フェザーが再び刃を相手に見せつけて、竜巻に乗ってヘッドギアを破壊した。

 

「続いてガジャルグでグラスジョーを攻撃!」

 

「グラスジョーは相手の攻撃対象になった時、自爆する!」

 

ガジャルグが攻撃をする前にグラスジョーは自分から勝手に爆発をした。

 

「そしてグラスジョーの効果!効果によって墓地に送られた時、墓地の《BK》モンスター1体を手札に戻す!私はスイッチヒッターを手札に戻す!」

 

「なら巻き戻しによりガジャルグでシャドーに攻撃!」

 

戦闘の巻き戻しが発生して、ガジャルグはシャドーに標的を変えて攻撃をした。

 

「ぐぅぅ!!」

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

レミ 手札 1枚 LP 1500

【モンスターゾーン】

ドラグニティナイトーガジャルグ 攻2400

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

ドラグニティーファランクス (フェザー)

ドラグニティーブランディストック (フェザー)

伏せカード 2枚

 

 

「さすがに不味いわね・・・・・ここらで私の力を見せて上げるわ!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「さっき手札に戻したスイッチヒッターを召喚!効果で墓地のグラスジョーを特殊召喚!さらに手札から魔法カード、バーニング・スピリッツ!デッキの一番上のカードを墓地に送り、墓地から《BK》とついたモンスターを守備表示で特殊召喚する!BK シャドーを特殊召喚!Lv4のスイッチヒッター、グラスジョー、シャドーの3体でオーバーレイ!」

☆4 × ☆4 × ☆4 = ★4

 

「3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろNo,105!熱き拳を秘めて全てを撃ち砕け!BK 流星のセスタス!」

 

No,105 BK 流星のセスタス 攻2500

 

3体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき、爆発が起きる。その中から青と黄色を主にした肩に大きな盾をつけた人型のモンスターが現れた。

 

「さらにRUMーバリアンズ・フォース!」

 

「ら、ランクアップマジック!?」

 

「流星のセスタスでオーバーレイ!」

 

★4→★5

 

「1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!!カオス・エクシーズ・チェンジ!!CNo,105!!闇の力を得た絶対的王者!!BK 彗星のカエストス!!」

 

CNo,105 BK 彗星のカエストス 攻2800

 

ついさっき出てきた流星のセスタスがまたブラックホールに吸い込まれていき、先ほどよりも大きな爆発が起きる。その中から4つの赤と青が混ざった羽みたいなものをつけて、黒のゴムのようなものを素材にした人型のモンスターが現れた。

 

「彗星のカエストスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ使って、相手モンスター1体を破壊してそのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!!」

 

「なっ!?」

 

「フェザー・ウィングって言いたいけどまた破壊を免れるわけにもいかないわ。ガジャルグを選択!!」

 

CNo,105 BK 彗星のカエストス OVR 4→3

 

彗星にカエストスがオーバーレイ・ユニットを一つ使い、ガジャルグに向かって拳を放ち、その拳がエネルギー弾となってガジャルグを襲う。

 

「これで本当に終わりよ!!」

 

「リバースカードオープン!!罠カード、ダメージ・ダイエット!!このターンの受けるダメージを全て半分にする!!」

 

ガジャルグが破壊される直前にダメージ・ダイエットの発動が成立、ガジャルグぎカエストスの効果で破壊されてその爆風が私を襲ってきた。

 

「キャアアアアア!!!!!!!」

 

レミ LP 1500→300

 

『レ、レミ様!!!』

 

「本当にしぶといわね・・・・・いい加減倒れなさいよ!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

CNo,105 BK 彗星のカエストス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「ゴホッ・・・・ゴホッ・・・・・ッツツツ」

 

『だ、大丈夫ですか!?』

 

「だ、大丈夫よ、慌てすぎよフェザー・・・・」

 

とはいえ、今の一撃はかなり聞いたわね・・・・ダメージ・ダイエットで半分にしてあれなんだから・・・・・シャレにならないわ・・・

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 2枚

 

「フェザーの効果!墓地のミスティルを戻してその伏せカードをデッキに戻す!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、神の通告!ライフを1500ポイント払ってフェザー・ウィングの効果を無効にして破壊する!」

 

「カウンター罠、神の宣告!!ライフを半分払って、神の通告の効果を無効にする!ぐぅぅ!!」

 

アリア LP 4000→2500

レミ LP 300→150

 

フェザーの効果に対して相手はカウンター罠を打ち込んできて、私はそれにチェーンをして神の宣告を発動。これによって相手のカウンター罠は無効になった。

 

「神の通告は不発になったけど、これでもうそのドラゴンの効果は使えないわよ!」

 

「まだよ!装備されているファランクスの効果!自身を特殊召喚!Lv8のフェザー・ウィング・ドラゴンにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「エメラルドの宝玉が輝きし時、風の龍が覚醒する。大空の時の流れを取り戻せ!!シンクロ召喚!!吹き荒れろ!!風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000

 

フェザーとファランクスが一つになって、光となるところが緑色に輝く大きなエメラルド色の宝石になる。その宝玉がピキピキとヒビ割れていき、最後に大きな音が聞こえて真っ二つになると刀を構えたフェザーがその中から姿を現せた。

 

「エメラルド・ドラゴンの効果!シンクロ召喚成功時、墓地のドラゴン族モンスターを好きなだけ装備する!墓地からファランクス・アキュリス・フェザー・ブランディストックの4枚を装備!エメラルド・ドラゴンの攻撃力は装備カードの数×100ポイントアップする!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000→3400

 

「さらにエメラルド・ドラゴンの効果発動!フェザー・ウィングを墓地に送り、彗星のカエストスの効果を無効にして攻撃力と守備力を0にする!」

 

「なっ!?」

 

『時よ・・・・過去へ・・・・』

 

「タイム・リフレックス!」

 

フェザーが掛けている胸にある懐中時計の針が止まり、逆回転を始める。すると、周りの空や風、虫たちの動きが止まってしまい、さっきとは逆方向に動き始める。時の逆方向の流れに彗星のカエストスは乗り、身体が見る見るうちに小さくなっていった。

 

風玉霊エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3400→3300

CNo,105 BK 彗星のカエストス 攻2800→0

 

「これで終わりよ!!エメラルド・クロックで彗星のカエストスを攻撃!!時空・封殺斬!!」

 

エメラルド・クロックが刀を抜いて、横に素早く音を立てて切った。それが真空波となって、空気を切りながらカエストスの身体を真っ二つに切り、カエストスは爆発した。

風玉霊エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3300

CNo,105 BK 彗星のカエストス 攻0

 

アリア LP 2500→0

 

 

WIN レミ LOS アリア

 

 

レミ side out

 

遊輝 side

 

 

・・・・・・ゴゴゴゴッ

 

「開いた・・・・っていうことは全員勝ったんだな」

 

最後の扉が大きな音を立てながら開いていく。その様子を俺は床に座りながら様子を見ていた。その扉の先は階段となっていて、さらに上の階を目指せと言っている。

 

「・・・・・・・フゥ〜、まさかもうないよな・・・・・」

 

今までのことを考えると可能性は否定できないが、アリアとの決戦の前にあれで体力を削られるのは勘弁してほしい。そう思いつつ、俺は立ち上がって扉の向こう側に行った。

 

「・・・・・・・・・どうやら何も起こらないようだな。これで良いんだが・・・・・」

 

扉の向こう側に行っても今回は変な頭痛みたいなものは起きずにすんだ。起きないことが嬉しいんだが何か拍子抜けだな・・・・

 

「まぁいいか・・・・みんな繋げてくれたんだ。最後は俺が決めてやる!」

 

そう心に決めて俺は階段を駆け上がって行った。




レミ「あ〜あ・・・・せっかく当てたエクシーズモンスターを活躍させることができなかったよ」

霊夢「あれは私でも止めるわね」

魔理沙「だな、あれを許したらほぼ負け同然だぜ」

レミ「もうちょっと魔法と罠の除去カードを入れても良かったかも・・・・」

霊夢「ドラグニティは罠カード少ないイメージがあるわね」

魔理沙「だな、カウンター系以外は全く入れないっていう」

レミ「次は遊輝とアリア、ついに最終決戦よ」

霊夢「【龍の魔術師vs四龍の魔術師 前編】。次回もよろしく」


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第168話 龍の魔術師vs四龍の魔術師 前編

今回は真面目な話をしたいですので最強カードの紹介は無しにさせてください。

昨日の活動報告を見てくださった方、コメントくださった方、ありがとうございました。応援コメントとかは非常に嬉しかったです。

今現在、まだ大学病院には行ってないので何とも言えませんが、80%〜90%以上の高確率で左目は白内障だと思います。不幸中の幸いだったのは利き目では無かったこと、まだ左目の視力があるうちの発見だったことです。

今後とも、ご心配をお掛けしますがこの小説の完結を目指すという目標だけは変わらないのでそこだけは安心してください。

今回は早めに投稿できましたが、これ以降は本当にどうなるか分かりません。ご了承ください。


遊輝 side

 

 

目の前に続く螺旋状の階段、それをひたすら登り続ける。窓から外を見上げるとビルでいう5階か6階ぐらいの高さまで登ってきているがまだまだ少し続きそうだ。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・・い、一体どれだけ登ればいいんだよ・・・・」

 

一向に終わる気配が見えないこの長い長い螺旋階段に俺はうんざりとしてしまう。しかし、そこは気力と根気で駆け上がっていく。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・や、やっとゴールだ・・・・」

 

そこからさらに登り続け、ようやく屋上へと繋ぐ扉が見えた。両手を膝に付けてまずは息を整える。

 

「スゥ〜・・・・ハァ〜・・・・・・よし」

 

何回か深呼吸をして息を整えたところで目の前にある扉に手をつける。

 

「(・・・・・いよいよだな。みんな、俺に繋いでくれたんだ。俺が最後に決めてこないと)いくぞ・・・・」

 

取っ手を時計回りに回して扉をゆっくりと開ける。強風が吹いてきたのでバランスを取りつつ、屋上に足を踏み入れる。屋上には高さが1.5mくらいのフェンスに囲まれている以外は何もない。タワーの頂上とはいえ、なかなかな広さがある。そして俺の目の前の先には一人の女性・・・・・・アリアが立っていた。俺は歩いてアリアから少し距離を取って対峙する。

 

「・・・・やっと来たわね」

 

「しんどかったんだぞ。あの階段登り」

 

「飛べばよかったじゃない。遊輝ちゃんなら楽勝でしょ」

 

「あれは公には秘密だ。いついかなる時でも飛ばない」

 

「面白くないわね・・・・・・」

 

「・・・・なんでこんな事をしたんだよ。お前は何をしたいんだよ」

 

「・・・いいわ、教えて上げる。私はね、子供の頃からずっと一人だったわ・・・・・・一人だけ、人間で魔法が使えずにみんなから仲間外れにされてどうしようにもなく自暴自棄になったわ」

 

ああ・・・・やっぱりあの時見た映像通りなんだな。あの映像はアリアで、あいつは孤独な人生を送ってきたんだ・・・・

 

「もう嫌気がさしたからあの街を飛び出した。毎日死ぬ思いで森にさまよっていたわ。食料も十分に取れず、寝るところの確保すら難しい。そんな生活をずっとしていたある日、洞窟で雨を過ごしていだ時に洞窟の奥で禍々しいオーラが放った書物を見つけたわ」

 

「書物?」

 

「これよ」

 

アリアは背中に手を回してそこから一冊の分厚い本を取り出した。遠目でしか分からないが何かしらの魔導書っぽい感じと不気味なオーラが漂っているのが分かる。

 

「・・・・・気味が悪いな」

 

「普通はそうでしょうね。でも、当時の私には救世主にしか思えなかった。だからこの書物を手にしたわ。そうしたらこの書物から不思議なエネルギーが私の身体に入ってきたわ」

 

「おいおいおい・・・・・マジで呪われた書物とか変な物じゃねぇのか?」

 

「そうよ。後からわかった事だけどこの書物、大昔前にひと暴れした悪の魔法使いの能力を閉じ込めた書物だったわ」

 

「ブゥゥ〜〜!?!?」

 

アリアがとんでもない事を言ったせいで俺は思いっきり唾を吐いてしまった。

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・・」

 

「私は魔法使いとして禁忌を犯した。でも、それでもよかった。私は禁忌を犯した代わりに膨大な魔力を得て、魔法使いとしての第一歩を踏み出すことができたわ。そこからは修行、修行、修行よ。山にこもって自給自足の生活をしながら魔法の精度を高めていったわ。足がけ2年ね、今の魔法の基礎を極めたのは」

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・物語みたいな事がマジで起きてる・・・」

 

「遊輝ちゃんからすればこの世界のお話だって物語でしょ」

 

「俺からすればこれは物語に似たパラレルワールドだな」

 

本編でフォーチュン・カップに登場するはずのボマーはなく、レミやスバル達だっていなかった。龍亞のシグナーとしての覚醒もめちゃくちゃ早かった。そして何よりも、俺という存在が明らかにこの世界では異物だ。こういう点を考えれば、この世界は俺の知っているアニメとよく似たパラレルワールドっと言った方が良いだろう。

 

「パラレルワールド・・・・か、表現的には合ってるかもね・・・・・・・」

 

アリアは俺のパラレルワールドという言葉に少し頷いた。

 

「ああそうそう、何で私が遊輝ちゃんの正体も教えてあげる。私がこの禁忌の書物を手にした瞬間、この本に眠っていた魂が私の中にエネルギーと同時に取り込まれたのよ」

 

「・・・・・・悪魔か」

 

「そんな解釈でいいわ。私が魔法を使えるようになったのもある意味その悪魔のおかげ。でも、私が魔法を教わった代わりに私はその悪魔に絶対服従をしなくちゃいけなくなったのよ」

 

なるほどな・・・・・・それでグリモワールの時、運命とか訳のわからない事を言っていたのか。世界の王になるって言っていたのはその悪魔がアリアにそうするように指示をしたのか。

 

「悪魔は私に魔法以外の色んな事を教えてくれたわ、生きるために必要なことに重要人物の細かな情報・・・・・・・そして私が精霊世界に来る前の情報も」

 

「ほう・・・・ずいぶん物知りな上に過去も見通すことのできる悪魔か」

 

「そうよ、その時に初めて知ったわ。私は別の世界の生まれ変わり・・・・・遊輝ちゃんのいた世界のね」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「遊輝ちゃんのような転生ではなく、私はちゃんと寿命で死んで輪廻転生を経てこの世界に生まれたわ、()()()()()()()()()()

 

「・・・・・今の言い方はカチンっとくるな」

 

「・・・・前世も酷かったわ。産まれてすぐに親に捨てられて孤児院に入れられ、学校ではイジメられて、碌に勉強もできず、来る日も来る日もその日の食料を確保するために窃盗や強盗の日々、アルバイトしたくても字が書けないと何も始まらないわ」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「私の寿命はすぐだったわ、雨に打たれて風邪を引いて、そのまま何もできずに症状が悪化して死んだわ。思えば私の人生って本当に孤独ね・・・・・前の世界もこの世界も誰一人として私の味方はいなかったわ」

 

「違うだろ!!お前にはこの世界にたった一人だけ、確実に味方をしてくれる人がいるじゃねぇか!!!お前を育ててくれた義理の母が!!」

 

「味方じゃない!!!トールモンド叔母さんも私の魔法を見た瞬間に怖いって言って逃げ出したのよ!!!血も繋がってなくて逃げ出したあの臆病者なんか私の母じゃない!!!」

 

「んなことねぇ!!!義理の母はお前の事を本当に大事そうに俺に話しかけていた!!!本当に逃げ出したんなら俺にお前の事を色々と教えたりしないだろ!!」

 

「だったらどうして!!どうして私の前でそんな事を話してくれないの!?」

 

「目の前で話す機会はお前が潰したんだろ!!お前があの街を出たっきりであの異変の時しか帰らなかったからだろ!!」

 

「だったらその時でも私に対して言ってくれたら良かったじゃない!!!結局、私には・・・・・・私には仲間なんて最初からいなかったのよ!!!」

 

「!!お、お前・・・・・・」

 

大声で叫ぶアリアの目にはうっすらと涙が流れていた。悲しい、そして孤独をずっと味わってきたアリアの涙が・・・・・・・

 

「だから!!だからこそ!!私はこの悪魔の忠実な僕として世界の王になってみせる!!誰も私の味方になってくれないならそれで充分!!!私がこの世界からみんなを消してあげるわ!!!」

 

「んな事したところで、結局お前一人のままじゃねぇか!!!お前は何をしたいんだよ!!世界を征服したいんか!?仲間が、友達が欲しいのか!?」

 

「世界を征服することよ!!でもそうね・・・・・この一年で一つだけ、気分を変えたわ」

 

そう言ってアリアは右手を突き出して人差し指で俺を指差す。

 

「遊輝ちゃん、あなただけは私の世界に生き残らせてあげる」

 

「何だと?」

 

「遊輝ちゃん、あなただけは私についてきた。私のぽっかり空いた心を埋めてくれたわ。だからあなただけ、アリアさんの忠実な下僕として生き残らせてあげる」

 

「却下だ、俺には大切な仲間がいるんだ。そいつらをほっといてお前の世界に行きたくない」

 

「・・・・・そう、だったら力尽くでも遊輝ちゃんを連れて行ってあげるわ!!!」

 

「却下だと言っているだろ!!」

 

「じゃあ私を止めてみせなさい!!!」

 

「やってやるさ!!!お前に勝って、全てが無かったことにしてやる!!!」

 

お互いにデュエルディスクを起動させてデッキをセットする。デッキはオートシャッフルされて5枚の手札が飛び出した。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は私よ!私のターン!」

 

アリア 手札 6枚

 

「レフト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師を、ライト・Pゾーンにスケール2の賤竜の魔術師をセッティング!」

 

相手のPゾーンに慧眼の魔術師と賤竜の魔術師がセッティングされて、天から射す青い一筋の光に慧眼の魔術師と賤竜の魔術師が上空から降りてきた。

 

「魔術師・・・・」

 

「さらに魔法カード、デュエリスト・アドベント!Pゾーンにカードがある場合、デッキから《ペンデュラム》カードを手札に加える!私は永続魔法の星霜のペンデュラムグラフを加えてそのまま発動!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!Pゾーンのこのカードを破壊してデッキからスケール8の虹彩の魔術師をセッティング!」

 

慧眼の魔術師が破壊されて代わりにオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと同じような感じの服を着た魔術師がPゾーンにセットされた。

 

「この瞬間、星霜のペンデュラムグラフの効果発動!自分フィールドの《魔術師》PモンスターがモンスターゾーンまたはPゾーンから離れた場合、デッキから《魔術師》Pモンスター1体を手札に加える!私は調弦の魔術師を選択!さらに賤竜の魔術師のペンデュラム効果!エクストラデッキの慧眼の魔術師を手札に加える!そしてLv3から7までのモンスターが同時に召喚可能!」

 

エクストラデッキにあった慧眼の魔術師がアリアの手札に戻ったところでアリアの真上に大きな穴が開いた。

 

「Here we go!!It"s show time!!振れろ!輝きしペンデュラム!長き封印から目覚め私に栄光よ!ペンデュラム召喚!現れよ!私のモンスターたち!手札から調弦の魔術師をペンデュラム召喚!」

 

調弦の魔術師 攻0

 

大きな穴の中から一つの光が飛び出してきて調弦の魔術師がフィールドに現れた。

 

「調弦の魔術師の効果発動!手札からペンデュラム召喚した場合、デッキから《魔術師》Pモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!2体目の慧眼の魔術師を特殊召喚!」

 

慧眼の魔術師 守1500

 

調弦の魔術師が持っている杖が震えて、慧眼の魔術師がアリアのデッキから飛び出してきた。

 

「Lv4の調弦の魔術師と慧眼の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!星と時を刻み彼方の地より舞い降りろ!エクシーズ召喚!ランク4!星刻の魔術師!」

星刻の魔術師 攻2400

 

慧眼の魔術師と調弦の魔術師がブラックホールに吸い込まれていき、その中で爆発。中から星刻の魔術師が杖を振り回しながらフィールドに現れた。

 

「星刻の魔術師の効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてデッキから闇属性・魔法使い族モンスター1体を手札に加える!」

 

星刻の魔術師 OVR 2→1

 

「私はこの効果で召喚師アレイスターを手札に!」

 

「また面倒臭いモンスターを・・・・」

 

「召喚師アレイスターを召喚!」

 

召喚師アレイスター 攻1000

 

「アレイスターの効果発動!デッキから召喚魔術を手札に加えて、そのまま発動!フィールドのアレイスターと墓地の慧眼の魔術師で融合!」

 

アリアの後ろに融合の渦が現れてフィールドにいたアレイスターと墓地の慧眼の魔術師がその渦の中に吸い込まれていった。

 

「融合召喚!Lv9!召喚獣メルカバー!」

 

召喚獣メルカバー 攻2500

 

「さらに墓地の召喚魔術の効果!このカードを墓地からデッキに戻して除外されているアレイスターを手札に戻す!カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星刻の魔術師 攻2400

召喚獣メルカバー 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

レフト:虹彩の魔術師 (スケール8)

ライト:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

さて・・・・どうやってメルカバーを対処するかなんだが・・・どうやら解決しそうだな。

 

「EM ドクロバット・ジョーカーを召喚!」

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果発動!このカードの召喚時、デッキからこのカード以外の《EM》、《オッドアイズ》、《魔術師》Pモンスターのいずれか1体を手札に加える!」

 

「召喚獣メルカバーの効果発動!手札のアレイスターを墓地に送り、ドクロバット・ジョーカーの効果を無効にしてゲームから除外する!」

 

「チェーンで速攻魔法、禁じられた聖杯!メルカバーを対象にして攻撃力を400ポイント上げるかわりに効果を無効にする!」

 

召喚獣メルカバー 攻2500→2900

 

「ぐっ!?」

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果は有効!俺はデッキから慧眼の魔術師を手札に加える!そして俺も手札から魔法カード、デュエリスト・アドベント!デッキから星霜のペンデュラムグラフを加えて発動!レフト・Pゾーンにスケール8の龍穴の魔術師を、ライト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師をセッティング!」

 

今度は俺の両隣に天空から青い光が射して、慧眼の魔術師と龍穴の魔術師がセットされた。

 

「慧眼の魔術師のペンデュラム効果発動!デッキから賤竜の魔術師をセッティングして、星霜のペンデュラムグラフの効果!俺も調弦の魔術師を加えるぜ!」

 

「その瞬間、リバースカードオープン!罠カード、次元障壁!私が宣言した召喚方法は使えずおよびその宣言したモンスターは効果は無効になる!私が宣言するのはペンデュラム!」

 

アリアが発動した次元障壁によって俺たちの周りにバリアが張られる。これでペンデュラム召喚を封じたわけか・・・・まぁ関係ない!

「賤竜の魔術師のペンデュラム効果!エクストラデッキから慧眼の魔術師を手札に戻す!そして魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキからガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアアアア!!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

ガガガ・ゲットの効果により、目の前にできた魔法陣からダイヤが鎖を振り回しながら現れた。

 

「行くぞ!Lv4のドクロバット・ジョーカーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろオーバーハンドレッドナンバーズ!!No,103!!神葬令嬢ラグナ・ゼロ!!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ 攻2400

 

フィールドの中央にブラックホールにドクロバット・ジョーカーとダイヤが吸い込まれていき、かわりにラグナ・ゼロが周りの空気を凍らせてフィールドに現れた。

 

「ラグナ・ゼロの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、攻撃力が変化しているモンスター1体を破壊して、1枚ドローする!ガイダンス・トゥ・フューネラル!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ OVR 2→1

 

ラグナ・ゼロがオーバーレイ・ユニットを一つ吸収してメルカバーの前に移動して、メルカバーを凍らせる。そのまま杖でメルカバーの氷の像を粉々に壊した。

 

遊輝 手札 3枚→4枚

 

「チッ!だけどラグナ・ゼロじゃ星刻の魔術師まで倒せないわよ!」

 

「装備魔法、エクシーズ・ユニットをラグナ・ゼロに装備!装備モンスターの攻撃力をランク×200ポイントアップする!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ 攻2400→3200

 

「バトル!ラグナ・ゼロで星刻の魔術師に攻撃!」

 

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ 攻3200

星刻の魔術師 攻2400

 

アリア LP 4000→3200

 

「ぐぅぅ!!!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,103 神葬令嬢ラグナ・ゼロ 攻3200

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

エクシーズ・ユニット (ラグナ・ゼロ)

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

レフト:龍穴の魔術師 (スケール8)

ライト:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「速攻魔法、揺れる眼差し!フィールドのPゾーンのカードを全て破壊する!」

 

「なっ!?」

 

フィールドにあった全てのPゾーンのカードは大きな竜巻に飲み込まれていき破壊されてしまった。

 

「この時、破壊したPゾーンのカードの枚数によって追加効果を得る!1枚以上の時は相手に500ポイントのダメージ!」

 

「ぐっ!」

 

遊輝 LP 4000→3500

 

「2枚以上の時はデッキからPモンスター1体をサーチ!デッキから2枚目の調弦の魔術師!さらに3枚以上の時、フィールドのカード1枚をゲームから除外する!私はラグナ・ゼロを除外!」

 

さらにアリアのデッキから1枚のカードが飛び出してそれがアリアの手札に来たり、ラグナ・ゼロが揺れる眼差しの効果でフィールドから除外されてしまった。

 

「そして破壊された虹彩の魔術師、チェーン2で星霜のペンデュラムグラフの効果!」

 

「こっちも星霜のペンデュラムグラフの効果!チェーンの逆順処理でこっちから解決だ!デッキから2枚目の慧眼の魔術師を手札に加える!」

 

「チェーン2で私は黒牙の魔術師を手札に加え、虹彩の魔術師は破壊された場合デッキから《ペンデュラムグラフ》魔法・罠を1枚手札に加える!私は時空のペンデュラムグラフを手札に!」

 

ちっ・・・・一番厄介な永続罠が手札に加わったな・・・・・

 

「ライト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師を、レフト・Pゾーンにスケール8の黒牙の魔術師をセッティング!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!このカードを破壊してデッキからスケール1の白翼の魔術師をセッティング!これでLv2から7までのモンスターが同時に召喚可能!」

 

「させるかよ!リバースカードオープン!罠カード、次元障壁!」

 

「っ!?」

 

「俺もペンデュラムを選択!そう安々と大量展開されてたまるかよ!!」

 

「仕方ないわね・・・・・・EM ドクロバット・ジョーカーを召喚!バトル!ドクロバット・ジョーカーでダイレクトアタック!」

 

「ぐぅぅ!!!!」

 

遊輝 LP 3500→1700

 

「メインフェイズ2、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 2枚 LP 3200

【モンスターゾーン】

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

レフト:黒牙の魔術師 (スケール8)

ライト:白翼の魔術師 (スケール1)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

 

遊輝 手札 3枚→6枚 アリア 手札 2枚→5枚

 

「さらに魔法カード、アメイジング・ペンデュラム!自分のPゾーンにカードが存在しない場合、エクストラデッキの《魔術師》Pモンスターを2種類手札に戻す!俺は賤竜の魔術師と龍穴の魔術師を選択!」

 

アメイジング・ペンデュラムの効果によりエクストラデッキの2枚のカードが飛び出して俺の手札に来る。

 

「レフト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師を、ライト・Pゾーンにスケール2の賤竜の魔術師をセッティング!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!自身を破壊してデッキから龍穴の魔術師をセッティング!さらに星霜のペンデュラムグラフの効果!デッキから相克の魔術師を手札に加える!これでLv3から7までのモンスターが同時に召喚可能!」

 

Pゾーンにセットされた龍穴の魔術師と賤竜の魔術師の間に大きな振り子が現れて揺れ始める。その揺れた軌跡から大きな円が描かれた。

 

「揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け!光のアーク!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスターたち!!」

 

大きな円から4つの光が飛び出してきて、俺の周りを囲むようにモンスター達が現れる。

 

「エクストラデッキから慧眼の魔術師!手札から調弦の魔術師、EM ペンデュラム・マジシャン、相克の魔術師!!」

 

慧眼の魔術師 攻1500

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500

相克の魔術師 攻2500

 

「チェーン1で調弦の魔術師、チェーン2でペンデュラム・マジシャンの効果発動!ペンデュラム・マジシャンの効果でPゾーンの賤竜の魔術師と龍穴の魔術師を破壊してEM ギタートルとEM リザードローを手札に加える!」

 

ペンデュラム・マジシャンが持っている振り子を投げ飛ばして賤竜の魔術師と龍穴の魔術師を破壊、その後デッキから2枚のカードが飛び出して俺はそれを手にする。

 

「調弦の魔術師の効果!デッキから龍脈の魔術師を守備表示で特殊召喚!」

 

龍脈の魔術師 守900

 

調弦の魔術師が持っている杖が振動してその音色に導かれて龍脈の魔術師がフィールドに現れた。

 

「Lv4のペンデュラムマジシャンと龍脈の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4!Em トラピーズ・マジシャン!」

Em トラピーズ・マジシャン 攻2500

 

「チッ!!流石にそれは許せないわね!!リバースカードオープン!!永続罠、時空のペンデュラムグラフ!!自分のモンスターゾーン・Pゾーンの《魔術師》Pモンスター1体とフィールドのカード1枚を選択して破壊する!私は黒牙の魔術師とトラピーズ・マジシャンを選択!」

 

アリアが発動した時空のペンデュラムグラフにより、黒牙の魔術師とトラピーズ・マジシャンが時空のペンデュラムグラフに吸い込まれていき、壁みたいなところから透明な矢を放たれて破壊されてしまった。

 

「そして黒牙の魔術師の効果!このカードが破壊された場合、墓地から闇属性・魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する!星刻の魔術師を特殊召喚!」

 

破壊された黒牙の魔術師の服に怨霊みたいなものが取り憑いて、そこから星刻の魔術師がフィールドに戻ってきた。

ああ・・・・あいつはそんな効果だったのか・・・・虹彩の効果しか覚えてなかったから忘れていたよ・・・それだったら予定変更だ。

 

「Lv4の慧眼の魔術師にLv4の調弦の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

『・・・・・グオオオオオオ!!!!!』

 

調弦の魔術師が作った4つの緑色の輪の中に慧眼の魔術師が入って一つの光とる。やがてそれは漆黒の太陽へと代わり、上空に登っていき、その漆黒の太陽が変形しいってブラックが姿を現した。

 

「ブラック・サンの効果発動!このカードの特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスター1体をこのカードの装備カードとして装備する!俺はトラピーズ・マジシャンを選択!」

 

『ギャアアアアア!!!!!!』

 

ブラックが大きな咆哮を上げ、地面からトラピーズ・マジシャンが姿を現し、その魂を吸収した。

 

「この効果で装備したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力はアップする!」

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3500

 

「ブラック・・・・・舐めた真似を・・・」

 

「舐めているわけじゃない!!こいつで倒してお前のその腐りきった考えを治してやる!!レフト・Pゾーンにスケール6のEM ギタートルを、ライト・Pゾーンにスケール6のEM リザードローをセッティング!!」

 

ペンデュラム・マジシャンの効果で空になったPゾーンに新たな2体のモンスターがセットされた。

 

「EM ギタートルのペンデュラム効果!このカードがPゾーンに存在して、もう片方に《EM》Pモンスターがセットされた場合、1枚ドローする!さらにEM リザードローのペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに《EM》Pモンスターが存在する場合、このカードを破壊して1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

「バトル!ブラック・サンで星刻の魔術師を攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

星刻の魔術師 攻2400

 

アリア LP 3200→2100

 

「グワアアア!!!!!!」

 

「続いて相克の魔術師でドクロバット・ジョーカーに攻撃!」

 

相克の魔術師 攻2500

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

アリア LP 2100→1400

 

よし、大分削れた。あともう一息だ。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 3枚 LP 1700

【モンスターゾーン】

相克の魔術師 攻2500

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

Em トラピーズ・マジシャン (ブラック)

伏せカード 2枚

【Pゾーン】

レフト:EM ギタートル (スケール6)

ライト:なし

 

 

「ぐっ・・・・や、やるわね・・・・」

 

ブラックと相克の攻撃を受けたアリアは左手を押さえながら立ち上がる。少し身体がポロポロになっている。

 

「だからと言ってこっちも『モウイイ・・・・・』!?」

 

「?何だ?」

 

アリアが気合を入れ直そうとしたところで突然、頭の中に男性の低い声が響いた。突然のことで俺は辺りをキョロキョロとする。一方で、アリアは凄い焦ったような表情をしていた。

 

「な、何で!?出てこないって約束したはずじゃ!?」

 

『オ前ハコノ男二優シサヤ情ヲ抱イタ。ソンナ奴ハ我ハ求メナイ。オ前ハモウ用済ミダ』

 

「い、いや!!何するの!?来ないで!!」

 

「!?ア、アリア!?おいアリア!?どうしたんだ!?」

 

突然アリアが頭を抱えて膝から崩れ落ちてしまう。何事かと思って駆け寄るがその途中、アリアの身体からドス黒いオーラみたいな物が飛び出してきた。

 

「な、何だこれは!?」

 

「い、いや・・・いや・・・・・乗っ取られたくない・・・・一人になりなくない・・・・」

 

『オ前ハモウイラナイ。コレカラハ我ガオ前ノ身体ヲ使イ、コノ世界ヲ支配スル。オ前ハ心ノ中デ眠ッテオケ』

 

「おいアリア!!しっかりしろ!!どうした!?」

 

「ゆ、遊輝ちゃん・・・・助けて・・・・・私、私じゃない誰かに乗っ取られる・・・」

 

「しっかりしろ!!意識を強く持て!!!」

 

「嫌だ・・・・せっかく遊輝ちゃんと出会ったのに・・・・また一人になんてなりたくない・・・・」

 

「アリア!!!アリア!!!!」

 

「遊輝ちゃん・・・・・た、助けて・・・・・・」

 

「アリア!!!アリア!!」

 

・・・・ドン!!

 

「ウワッ!!!」

 

その言葉を最後にアリアはガクッと落ちてしまい、意識を失ってしまった。その瞬間、禍々しいオーラがさらに強く放たれて、俺を吹き飛ばした。

 

「い、いつつつっ・・・・・」

 

『・・・・久しぶりに肉体を手に入れることができた。こんな感覚は2000年ぶりか』

 

「・・・・誰だ、お前?」

 

壁にぶつかって頭を抑えているとオーラを放っているアリアがゆっくりと立ち上がり自分自身の身体を見つめていた。いや、アリアではない・・・・アリアという身体の器を使った全く別の人格だ。

 

『我の名はベルモンド。その昔、世界を闇に陥れようとした偉大な魔法使いだ』

 

「自分から偉大とか言う奴は大概大したことしていないんだな」

 

『ふん、まあいい。今まではあの女が我の野望のために働いてくれたが、余計な感情を抱いた今、あいつはもう用済みだ。ここからは我一人でやる』

 

「・・・・・ハァ、何で俺はこうも面倒臭いことに巻き込まれるのかね・・・・いててて・・・・」

 

壁に激突した時にできた足の痛みや擦り傷に手を押さえながら俺は立ち上がり、あのアリアを乗っ取った野郎に対峙する。

 

『ここからは我が続きをやる。そして貴様は我に敗れて我の野望のための最初の生贄となる』

 

「生憎、俺はそんじょそこらの普通の人間と同じようにしてもらっては困るんでね・・・・・お前をぶっ倒す!!」




フラン「本当に魔術師ってどっちも強いよね〜」

文「新マスタールールのおかげでエクストラデッキからエクシーズモンスターを大量に特殊召喚出来ないのが惜しいですよね。特に闇属性中心の魔術師は覇王関係のモンスターを出せたのに」

遊輝「ルール改定後にあのカードが出ちゃったからな・・・・ルール改定前だったら皆喜んでザァークさんのデッキを作っていたのに。まぁ今でも普通にエクストラに入れていたら強いけど」

フラン「あとはこのファイアウォール・ドラゴンがヤバイ」

文「あれは強過ぎですね。早めの再録が決まって良かったです」

遊輝「あれはどうなるかな〜・・・主人公の切り札になるんかな?」

フラン「と言うわけで次回!!いよいよ最終決戦決着の時!!」

文「【龍の魔術師vs四龍の魔術師 後編】。次回もよろしくお願いします」


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第169話 龍の魔術師vs四龍の魔術師 後編

【このお話は 22:00に投稿したお話です。この後、 23:00にもう1話投稿します】


【この話の投稿後、アンケートや投票、コラボについての活動報告を載せます。この話を見た後、活動報告もご覧ください】


最強カードの紹介〜。

響「久しぶりだね!!」

いや〜・・・本当に読者の皆様には色々と心配をおかけしました。

響「ビックリだよ。白内障になるなんて」

俺もビックリだよ。何より問題なのがどうして白内障になってしまったのか?3人、医師に診てもらったけど3人とも結局原因が分からないって言っていたし。

響「不思議だよね〜」

まぁ世の中の病気ってだいたいこういうものだよ。原因不明なんて言っちゃ悪いけど沢山あるし。
それじゃ最強カードの紹介に行こう。

響「今回は覇王龍ズァーク!!アニメ、Arc-Vのラスボスが使ったモンスター!!」

今までの歴代のラスボスの切り札はOCG化の時に悲しい運命を辿ったがこのカードは割と良心的でしかもまだ出しやすかったな・・・・

響「そこに感動するの?(汗)。Lv12の融合・Pモンスター、融合素材には融合・S・X・Pのドラゴン族モンスター1体ずつ、4体ちょうどにすることよ!」

攻撃力4000!効果は融合召喚時に相手フィールドのカード全部破壊!豪快な効果で出した意味があるカードだな。

響「おまけにあらゆるカード効果を受け付けず、破壊されない!そして相手モンスターを破壊した場合、デッキ・エクストラデッキから《覇王眷竜》モンスター1体を特殊召喚!」

破壊された後はPゾーンに移動して相手のサーチやドローフェイズ以外のドローを妨害したり、エクストラデッキから特殊召喚したモンスター効果を無効にしたりとまさにやりたい放題!このモンスターを出して相手を圧殺しよう!

響「第169話、デュエルスタート!」


前回までの状況

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 1700

【モンスターゾーン】

相克の魔術師 攻2500

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

Em トラピーズ・マジシャン (ブラック)

伏せカード 2枚

【Pゾーン】

レフト:EM ギタートル (スケール6)

ライト:なし

 

 

ベルモンド 手札 4枚 LP 1400

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

時空のペンデュラムグラフ

【Pゾーン】

レフト:なし

ライト:白翼の魔術師 (スケール1)

 

 

遊輝 side

 

 

『行くぞ、我のターン』

 

ベルモンド 手札 5枚

 

『まずは永続トラップ、時空のペンデュラムグラフの効果。Pゾーンの白翼の魔術師と貴様の伏せカード1枚を破壊する』

 

ここは・・・通そう。変に破壊できなかったら追加でこっちのカードが墓地に送られる。

 

『さらに星霜のペンデュラムグラフの効果。デッキから紫毒の魔術師を手札に加える。さらにマジックカード、手札抹殺。互いのプレイヤーは手札を全て捨てて、捨てた枚数分カードをドローする』

 

手札抹殺?この局面で?あいつの手札は確か調弦の魔術師があったはず。なぜ調弦を自ら捨てたんだ?

 

『レフト・Pゾーンにスケール0の覇王門零、ライト・Pゾーンにスケール13の覇王門無限をセッティング』

 

「は、覇王門だと!?」

 

時空のペンデュラムグラフの効果でガラ空きになったPゾーンに0の形をしたモンスターと∞の形をしたモンスターがセットされた。いや、そんな事より!?

 

「お、お前!?まさかあいつを!?」

 

『気づいたようだが遅い!!我はLv1からLv12までのモンスターが同時に召喚可能になった!!ペンデュラム召喚!!エクストラデッキから虹彩の魔術師、黒牙の魔術師、白翼の魔術師、そして手札からアストログラフ・マジシャン!!』

 

虹彩の魔術師 攻1500

黒牙の魔術師 攻1700

白翼の魔術師 攻1600

アストログラフ・マジシャン 攻2500

 

覇王門零と覇王門∞の間にできた大きな穴からそれぞれオッドアイズ、ダーク・リベリオン、クリア・ウィングをモチーフにした魔法使いが現れて、さらにそれらの魔法使い達の後ろに大きな神秘的なマントをつけ、青い服を着た細くて高い魔導師がフィールドに現れた。

 

『そして我はアストログラフ・マジシャンの効果を発動!フィールドのこのカードをゲームから除外して、フィールド・手札・墓地から《ペンデュラム・ドラゴン》、《エクシーズ・ドラゴン》、《シンクロ・ドラゴン》、《フュージョン・ドラゴン》モンスターを1体ずつゲームから除外する!!我のフィールドにいる魔術師達、そして墓地に存在する紫毒の魔術師はそれぞれ、それらのモンスター名の名称も持っている!!我はこれら5体のモンスターをゲームから除外してこのモンスターをエクストラデッキから融合召喚扱いで特殊召喚する!!』

 

フィールドにいたアストログラフ・マジシャンが先に消えて、そこにできた大きな黒い穴の中に4体のモンスターが吸い込まれていく。そしてそこから赤くて分厚い雲がこのタワーを中心に広がっていき、赤い雷が鳴り響いて、地面に落ちる。雷を打たれた地面や建物はその凄まじいパワーにどんどんと破壊されていく。

 

「ぐっ!!」

 

『我が野望を叶えるため、世界を恐怖に陥れた最恐のドラゴンよ!!今再びこの地に降臨せよ!!覇王龍ズァーク!!!』

 

覇王龍ズァーク 攻4000

 

『・・・・・ギャアアア!!!!!!』

 

フィールドの分厚い赤い雲から大きな翼が見え始め、やがて雲が晴れるととてもつなく巨大なドラゴンがあいつの後ろに現れる。黒色の身体に明るい黄緑が体の骨格のように入り、空に向かって大きく吠える。その圧倒的な存在感、さらに威嚇によりフィールドに大きな風が巻き起こり、俺は後ろに飛ばされないように両足で堪える。

 

「ぐぅ!!ぐうぅ・・・・・」

 

『覇王龍ズァークの効果発動!!このカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのカードを全て破壊する!!』

 

「ぐ、ぐうぅ・・・・り、リバースカードオープン!!ダメージ・ダイエット!!このターン、俺が受けるダメージは半分になる!!そしてブラック・サンは装備されているカードを墓地に送る事で破壊から免れる!!」

 

ズァークの効果が発動される前に俺はダメージ・ダイエットの発動に成功。さらにブラックは自分自信の装備カードを盾に防御の構えを取る。ズァークが再び空に向かって咆哮を上げて、赤い雷がフィールドに無差別に落ちていき、俺のフィールドのカードやこの街の建物などを破壊していく。

 

『グギャアア!!!!!』

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500→1000

 

『フン、まあいい。バトル!覇王龍ズァークでブラック・サン・ドラゴンに攻撃!』

 

覇王龍ズァーク 攻4000

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

遊輝 LP 1700→200

 

「グワアアア!!!!!!!!」

 

ズァークが大きなブレスを放ち、それがブラックを襲う。ブラックは何も太刀打ちができずにそのまま破壊されてしまい、その攻撃の余波が俺に襲いかかる。ダメージ・ダイエットで半分になっているとは思えないくらいの高火力に俺はまた吹き飛ばされてしまい、壁に激突してしまった。

 

「ぐ、グワアアア・・・・(な、なんだあの馬鹿な火力・・・は、半減して腕や足の骨が折れてしまったぞ・・・・)」

 

立ち上がろうとするにも左足を強く打ち付けてしまい、右腕も変な方向に曲がってしまっている。それを気力で元に戻して立ち上がる。

 

「ハァ・・・ハァ・・・・・」

 

『立ち上がるとは、なかなかしぶといやつだ。だが我の攻撃はこれで終わりではない!!覇王龍ズァークの効果発動!!このカードが相手モンスターを破壊した場合、デッキまたはエクストラデッキから《覇王眷竜》モンスター1体を特殊召喚する!!」

 

「ハッ!?」

 

「我はデッキから覇王眷竜オッドアイズを特殊召喚!!』

 

『グギャアア!!!!!!』

 

覇王眷竜オッドアイズ 攻2500

 

ズァークの隣に穴が開いて、その中から俺が持っているオッドアイズとは雰囲気が違う、覇王の力を得たオッドアイズが現れた。

 

『これで終わりだ!!覇王眷竜オッドアイズでダイレクトアタック!!』

 

「て、手札の速攻のかかしの効果!ダイレクトアタック時にこのカードを手札から捨てる事で攻撃を中断させる!」

 

俺の手札から速攻のかかしが飛び出して、俺の前に現れる。オッドアイズの攻撃は全て速攻のかかしが受け止めて俺へのダメージは0になった。

 

『ゴキブリみたいにしぶといやつめ・・・・我はカードを2枚伏せてターンエンドだ』

 

 

ベルモンド 手札 1枚 LP 1400

【モンスターゾーン】

覇王龍ズァーク 攻4000

覇王眷竜オッドアイズ 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

時空のペンデュラムグラフ

伏せカード 2枚

【Pゾーン】

レフト:覇王門零 (スケール0)

ライト:覇王門無限 (スケール13)

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・ぐっ!!」

 

何だろう・・・・俺、精霊世界に来て骨折している記憶しかない・・・・そ、そんな冗談はともかく・・・・

 

「(・・・マジでヤバいぞ。ズァークは思っている以上に強いぞ)」

 

あれ、冗談抜きで本当に強い・・・・何よりも対象も取れずに破壊もできない。しかも攻撃力4000っていうのも馬鹿にできない・・・俺のデッキでそんな高火力持ちはいないぞ・・・・

 

「お、俺のターン・・・ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

しかもあのPゾーンの2体のペンデュラムモンスターは厄介な効果を持っていたな・・・何とかして両方とも破壊したいが・・・

 

「魔法カード、ペンデュラム・ホルト!!エクストラデッキに表側表示のPモンスターが3体以上いる場合、2枚ドローする!!」

 

遊輝 手札 2枚→4枚

 

「さらに魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地の星霜のペンデュラムグラフ、禁じられた聖杯、デュリエスト・アドベントの3枚をゲームから除外して2枚ドロー!!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

・・・・よし!これなら片方は破壊できる!

 

「ガガガシスターを召喚!」

 

『イエイ!』

 

ガガガシスター 攻200

 

フィールドに鍵の形をした杖を持った小さい魔女、ガガガシスターのサファイアがフィールドに現れる。

 

「ガガガシスターの効果!召喚成功時、デッキから《ガガガ》と名のついた魔法・罠をサーチする!俺はガガガボルトを手札に加えて発動!フィールドのカード1枚を破壊する!俺が選ぶのは覇王門零!!」

 

サファイアが鍵の杖を上空に掲げる。空には雷が鳴り響き、覇王門零に向かって雷が落ちた。覇王門零はそのまま破壊されてしまう。

 

『フッ、先に我のPゾーンのカードを破壊したことは褒めてやるが、そんな弱いモンスターでは我のズァークは倒せない!』

 

「別に倒す必要もない!魔法カード、死者蘇生を発動!ガガガマジシャンを復活!!」

 

『ハアアアア!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

フィールドに現れた魔法陣、その魔法陣が光り出して魔法陣の中央からダイヤが飛び出して来た。

 

「ガガガシスターの効果発動!ダイヤを対象にして、対象にしたモンスターとこのカードのレベルを2体の合計分とする!」

 

ガガガシスター ☆2→☆6

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6のガガガシスターとガガガマジシャンでオーバーレイ!!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『・・・・ギャアアアアア!!!!』

 

サファイアとダイヤがブラックホールに吸い込まれていき、代わりに出てきたのは白く光る太陽、それが登っていって変形してホワイトが姿を現す。

 

『ほう、2体目のシグナーの龍か。確かにその攻撃力ならオッドアイズだけは倒すことが出来るな』

 

「倒すのはオッドアイズじゃない!!貴様だ!!ホワイト・サンの効果発動!!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、このターン、俺のモンスター1体はダイレクトアタックができる!!」

 

『な、何だと!?』

 

「ライト・サプリメーション!!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

オーバーレイ・ユニットを一つ吸収したホワイト、そのホワイトに向かって赤い雲で覆われた空に一筋の光が射し込んでホワイトを包み込むようにする。

 

「行くぞ!!ホワイト・サンでダイレクトアタック!!サンシャイン・パティズム!!」

 

自身の効果でダイレクトアタックの権利を得たホワイトは空へと上っていき、口にためたブレスを放った。そのブレスはザァークやオッドアイズの横を通り抜けて相手に向かっていく。だが、その攻撃は当たらなかった。

 

「なっ!?」

 

『我はトラップカード、和睦の使者を発動した。これで我へのダメージは0になったというわけさ、残念だったな』

 

「ぐっ・・・・・カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 0枚 LP 200

【モンスターゾーン】

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

『我のターン!ドロー!』

 

ベルモンド 手札 2枚

 

『覇王門無限のペンデュラム効果!自分フィールドに覇王龍ズァークが存在する場合、相手のモンスター1体を選択してそのモンスターの攻撃力分ライフを回復する!』

 

ベルモンド LP 1400→3800

 

『これで我のライフはほぼ回復した。せっかく我最強の僕、ズァークを出したのだ。ここはズァークに仕えし四龍を出して貴様を抹殺する』

 

「な、何だと・・・・」

 

『リバースカードオープン!!トラップカード、覇王の逆鱗!!覇王龍ズァーク以外のモンスターを破壊して、デッキ・手札・墓地・エクストラデッキから名前が異なる《覇王眷竜》モンスターを4体まで特殊召喚する!!』

 

「なっ!?一気に4体だと!?」

 

『我は覇王眷竜オッドアイズを破壊して、エクストラデッキから覇王眷竜ダーク・リベリオン、覇王眷竜クリア・ウィング、覇王眷竜スターヴ・ヴェノム、そして覇王眷竜オッドアイズの4体を特殊召喚する!!』

 

覇王眷竜ダーク・リベリオン 攻2500

覇王眷竜クリアウィング 攻2500

覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻2800

 

ズァークの咆哮により再び赤い雷雲が現れて、雷がオッドアイズに落ちて破壊されるが、すぐにまた赤い雷が4つ落ちてその雷の中から4体の龍が姿を現した。

 

「(まずい・・・・非常にまずいぞ・・・・5体の総攻撃なんて受けたらマジで死んでしまうぞ!?)」

 

『このターンで貴様は滅ぶ!覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの効果発動!自分または相手のフィールド・墓地のモンスター1体を選択して、エンドフェイズまでこのカードはそのモンスターと同じ名称、効果を得る。我が選択するのは召喚獣メルカバー!!』

 

スターヴ・ヴェノムが地面に触手を突き刺して穴を開けて、その中に触手を突っ込み墓地にいたメルカバーを釣り上げて自身の体に装備した。

 

『そしてこのターン、我のモンスターは貫通能力を得る!バトルだ!覇王眷竜クリアウィングでホワイト・サン・ドラゴンに攻撃!この瞬間、覇王眷竜クリア・ウィングの効果!戦闘を行う相手モンスターを破壊して、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!』

 

「ホワイト・サンの効果!オーバーレイ・ユニットがある限り、カード効果では破壊されない!!」

 

『ならばそのまま戦闘で破壊するまでだ!!』

 

覇王眷竜クリアウィング 攻2500

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

遊輝 LP 200→100

 

「グワアアア!!!!!!」

 

効果が不発になったクリアウィングがそのままホワイトに突進、ホワイトは吹き飛ばされて破壊されてしまいその余波が俺を襲う。建物の破片が飛んできて俺の顔を斬りつけていく。

 

「ぐっ・・・・・」

 

『終わりだ!覇王眷竜ダーク・リベリオンでダイレクトアタック!!』

 

「リ、リバースカードオープン!!ガード・ブロック!!この戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!!」

 

遊輝 手札 0枚→1枚

 

『ダメージ計算時ならスターヴ・ヴェノムでも発動できない。よく考えたが無駄な悪あがきだな。覇王眷竜スターヴ・ヴェノムでダイレクトアタック!!』

 

「リバースカードオープン!!罠カード、ピンポイント・ガード!!」

 

『覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの効果発動!手札のトラップカードである時空のペンデュラムグラフを墓地に送り、ピンポイント・ガードの発動を無効にしてゲームから除外する!』

 

「本命はこれだ!チェーンで墓地の超電磁タートルの効果発動!!」

 

『な、何だと!?』

 

「相手の攻撃宣言時に墓地のこのカードをゲームから除外することでこのバトルフェイズを終了させる!!」

 

墓地にいた超電磁タートルが俺の目の前に現れて、電磁波のプロテクトを速攻で作りスターヴ・ヴェノムの攻撃を弾き返した。

 

『グッ・・・・い、いつの間に・・・・・』

 

「手札抹殺だ。本当ならカードコストに捨てる用のカードとしてピンで入れていたが上手いことバレずに済んだな」

 

『な、舐めた真似を・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!!』

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!!貪欲な瓶!!墓地のカード5枚をデッキに戻して1枚ドローする!」

 

・ガガガシスター

・死者蘇生

・ペンデュラム・ホルト

・埋葬呪文の宝札

・EM ドクロバット・ジョーカー

 

「これらの5枚のカードをデッキに戻してシャッフル!そして1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 1枚→2枚

 

 

ベルモンド 手札 0枚 LP 3800

【モンスターゾーン】

覇王龍ズァーク 攻4000

覇王眷竜オッドアイズ 攻2500

覇王眷竜ダーク・リベリオン 攻2500

覇王眷竜クリアウィング 攻2500

覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

時空のペンデュラムグラフ

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

レフト:なし

ライト:覇王門無限 (スケール13)

 

「ハァ・・・ハァ・・・・・(み、右目が血で見え辛いな・・・・)」

 

さっき飛んできた破片が顔を切って、そこから垂れてくる血が俺の右目にかかってまともに右目を開けることができない。おまけにたった100ポイントのダメージでも骨が折れてしまった足や腕には相当なダメージがある。

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・(よ、よく心臓とか目ん玉とか脳を怪我しないことだ・・・・)」

 

『さっさと始めろ。すでに貴様にはどうすることもできない』

 

「ハァ・・・ハァ・・・・言ったな・・・・だったらこのドローで全部を変えたら面白いよな・・・・・」

 

ベルモンドが俺の負けを悟るように言ってくるので俺はそう問いかけた。実際、俺には遊星やスバルのような凄いドロー力というのは持ち合わせてないが、それでもこの局面を変えるようなカードはデッキに眠っている。それにドローカードも豊富だ。

 

『ふん、ならやってみろ。もっとも、我が最強の僕、ザァークの前には無意味だがな』

 

『ガアアアア!!!!!!』

 

「やってやるぜ・・・・これが奇跡だっていうことをな!!」

 

俺がデッキに手をかざした時、俺の右腕のシグナーの痣が赤く光り輝き始めた。その瞬間、俺の頭にはシークレットシグナーである4人の思いや祈・恭輔、茜たちの思いが入ってくる。

 

「(・・・・へへっ、みんなの想いを受け取ったぜ)俺のタアアアン!!!ドロー!!!」

 

遊輝 手札 3枚

 

・・・・・よし!!

 

「魔法カード、聖なる呪文の宝札!墓地の罠カード、ガード・ブロック、次元障壁、ピンポイント・ガードの3枚をゲームから除外して2枚ドロー!!」

 

遊輝 手札 2枚→4枚

 

「(・・・・・・ん?こんなカード入れてたっけ?)」

 

ドローしたカードの中に一枚だけ、全く見覚えのないカードが目に入った。しかし、その違和感をすぐに消した。

 

「(・・・・!?あ、頭の中にカードのイメージが!?)」

 

そのカードをじっと目にしていた時、一枚の白紙のカードが頭によぎった。

 

「(な、なんだこの白紙のカード・・・・?ブラック?ホワイト?それにホープ?)」

 

そのカードに向かってブラック・サンとホワイト・サン、さらにはホープの3体が現れて白紙のカードの中に入っていく。博士のカードは白く光り輝き、イラストと文字が浮かび上がってくる。

 

「(・・・・・・そうか、そういうことか。分かった。お前らに託すぜ)」

 

『さっきから何をしている?さっさとターンエンドを言え』

 

「誰がそんなこと言うかって・・・・ガガガガールを召喚!」

 

『で、出番だああ!!!!』

ガガガガール 攻1000

 

手札からガガガガールであるパールがフィールドに大声を出しながら現れた。

 

「さらに装備魔法、ガガガリベンジ!墓地から《ガガガ》モンスター1体を特殊召喚する!墓地からガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアアアア!!!!』

 

死者蘇生の効果により墓地にいたダイヤもフィールドに現れる。

 

「ガガガガールの効果発動!フィールドのガガガマジシャンと同じレベルになる!」

 

ガガガガール ☆3→☆4

 

「Lv4のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ!!No,39!!希望皇ホープ!!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

 

ブラックホールにダイヤとパールが吸い込まれていき、大きな爆発が起きる。その中から大きな剣の形をした物体が現れて、変形をしていき希望皇ホープが現れた。

 

『フハハハハハハ!!!貴様の負けだ!!リバースカードオープン!!カウンタートラップ、神の警告!!我がライフを2000払い、そのモンスターの特殊召喚を無効にして破壊する!!』

 

ベルモンド LP 3800→1800

 

ベルモンドが自身のライフを払ってホープの上に雷が落ちる。その雷を受けたホープは悲鳴みたいな声をあげて破壊されてしまった。

 

「グッ・・・・・」

 

『フハハハハハハ!!!これで貴様の望みは絶たれた!!我が勝利は確立された!!」

 

「いいやまだだ!!まだ終わっちゃいない!!これが俺の最後の望みだ!!魔法カード、ミラクルシンクロフュージョン!!」

 

『ミ、ミラクルシンクロフュージョンだと!?』

 

「フィールド・墓地にいる融合素材モンスターをゲームから除外して、シンクロモンスターを融合素材にした融合モンスター1体を融合召喚する!!俺はホワイト・サン・ドラゴン、ブラック・サン・ドラゴン、No,39 希望皇ホープ、この3体を除外する!!」

 

フィールド中央の上空に現れた融合の渦、その中に墓地いるブラック・サン、ホワイト・サン、そして希望皇ホープの3体が吸い込まれていく。

 

「極夜の太陽よ、白夜の太陽よ、そして希望の名を持つNoの王よ!!今こそ一つになりて、この世界に救いの光を!!融合召喚!!Lv10!!XNo,39!!希望太陽龍 ソル・ホープ!!!」

 

XNo,39 希望太陽龍 ソル・ホープ 攻4000

 

『・・・・・ガアアアアアア!!!!!』

 

『な、なんだ!?』

 

3体のモンスターを吸いこんだ融合の渦は大きな爆発を起こして眩いばかりの白い光を照らし出す。この戦いの場となっているタワーの頂上だけでなく、この街や数十km離れた森までも。やがて光の中から白い身体をしたドラゴンがフィールドに現れた。白い身体に黒の翼、頭は2つありそれぞれの頭にはホープにあった黄色のヘッドがある。足はなく、蛇のようになっていて翼をなびかせるその動作は美しい一言だ。一方で両手はしっかりとあり、それぞれの手には2本の大きな剣を持っている。

 

『なっ・・・・なんだ・・・・なんだこのモンスター!?』

 

ソル・ホープの登場によりベルモンドは一歩、また一歩と下がっていく。さらに、ズァークまでもがソル・ホープの登場により後ろに下がってしまい、小さくなってしまっている。

 

『わ、我が魔法をも凌駕するモンスターだと!?』

 

「希望太陽龍 ソル・ホープの効果!このカードの融合召喚成功時、墓地にいるエクシーズまたはシンクロモンスター1体を装備する!俺はEm トラピーズ・マジシャンを装備!!」

 

効果の宣言時、墓地にいたトラピーズ・マジシャンが現れてソル・ホープの身体の中に吸収されていく。

 

「この効果で装備したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力はアップする!」

 

『ギャアアア!!!!!!』

 

XNo,39 希望太陽龍 ソル・ホープ 攻4000→6500

 

『こ、攻撃力6500!?』

 

「これで貴様の悪事は全て終わりだ!!ラスト!!希望太陽龍 ソル・ホープで覇王龍ズァークに攻撃!!ホープ剣・ダブル・ソルスラッシュ!!!」

 

ソル・ホープの前に白と黒の色が混じった太陽が現れる。ソル・ホープは一度大きく空に上昇をして、その太陽目掛けて急降下、両手の剣を前にして太陽を貫通させると右手の剣は白い炎、左手の剣は黒い炎で燃え上がり、その剣をズァークに向かって一刀両断。ズァークの後ろに移動したソル・ホープが2本の刀を上から下に振るとズァークの身体は横にゆっくりと三等分にされてズレていき、大きな爆発が起きる。

 

『バ、バカな・・・我が野望は・・・我が野望はまた果たせないのかああああ!!!!!!!!』

 

XNo,39 希望太陽龍 ソル・ホープ 攻6500

覇王龍ズァーク 攻4000

 

ベルモンド LP 1800→0

 

 

WIN 遊輝 LOS ベルモンド




パール「わ、私の出番・・・・わずか1コマ・・・・」←跪いている。

遊輝「あのなぁ・・・・そんなこと言ったら皆そうだし、プラチナに関しては出ていないんだぞ」

紫「よくもまぁ綱渡りの状態で勝てたわね」

藍「いわゆる鉄壁ですね」

遊輝「正直危なかった。ズァークも出されて覇王眷竜4体出てきたときは本当にどうしようだったから」

紫「前のルールだったら可能なコンボよね」

藍「それでは今回のオリカの紹介です。今回はSD・クロニクルさんから、作者が改良したカードです」


XNo,39 希望太陽龍 ソル・ホープ ☆10
光属性 ドラゴン族 攻4000 守4000
No,39 希望皇ホープ+ブラック・サン・ドラゴン+ホワイト・サン・ドラゴン
このカードは闇属性モンスターとしても扱う。
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
①このカードが融合召喚に成功した場合、自分の墓地に存在するXまたはSモンスター1体を対象にして発動する。
そのカードを装備カードとしてこのカードに装備する。
②このカードの攻撃力と守備力は装備したモンスターの攻撃力、守備力分アップして、装備モンスターの効果を得る。
③このカードに装備カードが装備されている場合、このカードは相手の魔法・罠・モンスター効果を受けない。
④このカードがフィールドに存在する限り、このカード以外のフィールドの魔法・罠・モンスターの効果は全て無効になる。



紫「原案との変更点は以下の通りよ」



・「サン」と名のついたSまたらXモンスター→ブラック・サン・ドラゴンとホワイト・サン・ドラゴンを融合素材に
・①の相手ターンのエンドフェイズにこの効果で装備した装備カードをゲームから除外する。→削除
・①1ターンに1度、→融合召喚成功時
・③墓地のこのカードをゲームから除外することで、エクストラデッキの「サン」と名のつくモンスターを召喚条件を満たした状態で特殊召喚できる。→削除
・④このカードがカード効果でフィールドから離れた場合、自分のライフを1000にすることでフィールドのカードを全て墓地に送る。→削除



遊輝「まず融合素材、これは明確にこの二匹のみとしました。原案の素材は色々といましたので。③・④はこのカードを切り札級のモンスターとしてフィールドで圧倒的な存在感を示すために削除して新しい効果にしました」

藍「融合素材が重たくなった代わりに効果は強くなったという感じですね」

紫「破壊された時どうしようにも無くなるけど、それじゃロマンカードとして意味がないわね」

遊輝「ロマンカード言わないで・・・・・」

藍「次回は1時間後、23:00に投稿します。すぐに投稿するのでご注意を」

紫「【一人じゃない、だってみんな友達だから】。次回もよろしくね」


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第170話 一人じゃない、だってみんな友達だから

【このお話は23:00に投稿された話です。このお話の前に22:00で投稿された話があります。そちらを見ていない方は先にそちらをご覧ください】

【アンケートや投票、コラボについての活動報告を載せます。この話を見た後、活動報告もご覧ください】

このお話、本当なら169話に載せるつもりでしたが、一つに纏めるとちょっと長くなりそうになったので別投稿になりました。


このお話の投稿後、アリアのプロフィールを乗せて順次他の人たちのプロフィールも改定します。


遊輝 side

 

 

『ウワアアアアアア!!!!!!』

 

ソル・ホープの攻撃を食らったベルモンドは悶絶しながら飛ばされていく。その途中で悪魔の化身とも言える怨念みたいな分身がアリアの身体から飛び出て、アリアの背中から飛び出した魔導書の中に吸い込まれていき、魔導書が閉じる。

 

「ソル・ホープ!!あの魔導書を焼き尽くせ!!」

 

『ギャアアア!!!!』

 

ソル・ホープは周りに白と黒、二色の太陽を作ってその本目掛けて放つ。二つの太陽の攻撃を受けた魔導書はそのまま燃えて灰となって消えてしまう。一方、アリアは目が醒めることなく、フェンスを突き破ってしまいタワーの頂上から落ちてしまった。

 

「まっず!?」

 

直感的にそう思った俺は怪我の痛みを押して、霊力を解放。そのままタワーの頂上からフェンスを越してジャンプ、アリアに向かって加速しながら落下する。

 

「ま、間に合えええええ!!!!!!!」

 

俺の思いを乗せてさらに加速をして、アリアの右手を掴み、無理矢理引っ張り上げる。そのまま地面にぶつかりそうなところで上下を反転、足を地面の方に向けてそのまま上へ上へ飛んでいく。

 

「あ、危な・・・・・かった・・・」

 

「・・・・ん、んん・・・・・・」

 

「!!おいアリア!!しっかりしろ!」

 

「ん・・・・わ、私・・・・・私・・・・・生きている・・・・?」

 

「ああ、ちゃんと生きている。あの訳わからない悪魔はぶっ倒した」

 

「・・・・倒した?あいつを?」

 

「ああ」

 

「・・・・・・・・・」

 

「ちょっと待ってろ。今地面に降りるから」

 

このままの状態では俺の足や腕も悲鳴をあげるので俺はゆっくりと下降していき、地面に足をつける。固まっているアリアをゆっくりと地面に座らせる。

 

「ハァ・・・・や、やっと解放された・・・・・」

 

「・・・・・・きちゃん」

 

「えっ?何か言った?」

 

「遊輝ちゃん!!!!」

 

「オワッ!?」

 

ドスン!!!!グキッ!!

 

「いってええええ!!!!!」

 

怪我をしている俺も地面に座ってゆっくりしようとした時、アリアが突然飛びついてきた。俺はその勢いを止めることができずに背中は地面と激突、その衝撃で骨が折れていた足や腕はさらに悪化してしまう。

 

「い、いててて・・・・ど、どうしたんだよ」

 

「ゆ、遊輝ちゃん、ヒグッ・・・・わだじ、わだじ・・・・・・ごわがった!!!」

 

「!?お、お前・・・・・・」

 

「わだじ、わだじ、ごわがった!!また一人になるのがごわがった!!!」

 

「ア、アリア・・・」

 

「ぐ、暗い空間に一人でどり残されてごわがったよ!!!うわあああ!!!!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

アリアの目からには大粒の涙が沢山流れて、顔がグジャグジャになっていた。そんな事を関係なく、アリアは俺の顔を見た後、顔を俺のお腹に当てて延々と鳴き続けた。俺はそれを見て、聞いて、アリアの感情を察して優しく頭を撫でた。

 

「遊輝!!!」

 

「お前大丈夫だったか!?」

 

そんな時に限って空気読めない四人組がやってきた。

 

「シイィ、空気読めKY供」

 

「け、KYは失礼「これを見ろ」ん?」

 

「ヒグッ・・・・ヒグッ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

泣いているアリアの姿を見て四人とも察して、そのまま無言になった。とりあえずアリアが泣き止んで落ち着くまでそっとしてあげよう。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「ヒグッ・・・・ヒグッ・・・・・・」

 

「よしよし・・・・やっと落ち着いてきたか」

 

「ヒグッ・・・・私・・・・私・・・・」

 

「何も考えるな。とりあえずこれからのことを言うぞ」

 

「・・・・うん・・・」

 

ようやく泣き止んで顔を上げたアリアの表情は怯えている。自分が犯した罪の重さを凄い実感しているのだろう。

 

「とりあえず今から速攻でグリモワールに行ってジュノンのところに行く。そこでお前は謝罪しろ。俺たちも掛け合って罪を軽くするように言ってやるからさ」

 

「でも・・・・わ、私・・・・・」

 

「大丈夫!!私がいればどんなことでも」

 

「響が発言したら逆に問題が起こりそうね」

 

「奏!!!」

 

「まぁアリアさん、そんなに心配しなくていいよ。ちゃんと事情を話せばいいし、魔法使いとしては優秀なんでしょ?」

 

「遊輝から聞いた話によれば、ジュノンって奴、心優しい人じゃないか。何とかなるって」

 

「なっ、みんな言ってくれているんだから」

 

「・・・・何で」

 

「?なんだ?」

 

「何で・・・何でみんな、私にこんな優しくしてくれるの?」

 

「優しくって・・・・当たり前じゃないかよ」

 

「「「「「困った人を助けるのは当たり前だろ(じゃない)。それが人間なんだから」」」」」」

 

俺たち全員は当たり前だと心から思っていることをアリアに向かって言った。その言葉を聞いたアリアはとても驚いたような表情をした後、凄い安心したような顔になった。

 

「(ああ・・・・これが、これが私が本当に心から望んでいた友というものなんだ・・・・)」

 

「よし、今から行くぞ。プラチナとフェザーで大体ぶっ飛ばして4時間、今は・・・・げっ、もう9時かよ・・・・」

 

「今夜は徹夜ね・・・・」

 

「(始めて・・・・・こんなにもたくさんの暖かい人との会話だなんて)」

 

「よし行くぞ。お前らも付いて来いよ」

 

「分かった分かった」

 

「フワァ・・・フェザーの上でゆっくり寝ようか」

 

「アリア、お前も行くぞ」

 

「・・・・・うん」

 

「プラチナ、頼んだぞ」

 

「フェザー、あんたもよろしく」

 

『分かりました』

 

『御意』

 

アリアをプラチナの背中に乗せて、他のメンバーはフェザーの背中に乗せ、俺たちはジュノンがいるグリモワールに向けて飛び立った。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「あの・・・・ごめんなさい!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

「ジュノンさん、ここは一つお願いします。アリアは確かに禁忌を犯しましたがそれは訳ありなんです。どうか許してやってください」

 

現在、深夜2時。

グリモワールの被害もかなり大きく、中心部のラメイソン以外はほぼ機能を失ってしまっている。この街だけでなく、ほとんどの街がこのような被害を追っているので、アリアの罪が無くなるとは思ってもいないが何とか軽くしてもらうよう、眠たい目を擦りながら俺はジュノンに頭を下げてアリアの罪の許しを願う。

・・・・・ちなみにレミ達はラメイソンの入り口で門前払いされました。よくよく考えたらこの建物、関係者以外立ち入り禁止でした。

 

「・・・・・・遊輝さん、あなたのお気持ちは分かりますし、私もこの子を救いたいです。ですが今回ばかりは被害の規模が大きすぎます。いくらこの街を救った魔法使いとはいえ、魔法使いとしての禁忌を犯した上、主要都市の機能を停止させた罪はなかなか軽くなりません」

 

「そこを何とか!!」

 

「・・・・・・・・分かりました。エンディミオンを説得してみましょう。彼がこっち側につけば、罪は大分軽くなります」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「あ、ありがとうございますジュノン様!!」

 

ジュノンもアリアの事を気にしてくれていた様子なので何とかしてくれるところまではやってくれると約束してくれた。

 

「幸いにも彼はあなたの精霊と仲が良いですし、交渉は難しくならないでしょう。ただ、それなりの資料や条件を提示する必要があります。今からその資料作りを行いますので二人とも手伝ってください」

 

「は、はい!!」

 

「分かりました」

 

俺とアリアはジュノンについていき、ジュノンの部屋に入った。

 

「まずはエンディミオンに禁忌の魔法使いがやったという証拠の資料を作成するところから始めましょう。そのあと、アリアさんの処罰に対する条件資料を作成して、すぐにエンディミオンに向かいます。遊輝さんは処罰に関する本を持ってきてください」

 

「はい」

 

「アリアさん、あなたは私と一緒に資料作成をしてください。あなたの証言一つ一つも非常に重要です」

 

「はい!」

 

そこから夜を徹しての資料集めと資料作成が始まった。アリアの身の潔白の証明と今回の事件に対するアリアの罪の重さの条件等、とにかく片っ端から資料をジュノンが読んでそれに関する資料作成を俺とアリアの二人で行う。地味で辛い作業を目を擦りながら誰も寝ずに無事に朝方には資料を作ることができた。

 

「出来ました・・・・ではこちらの資料をエンディミオンに渡して交渉しましょう。アリアさん、貴方は来てください。事件の当事者として全てを話してもらいます」

 

「は、はい・・・・」

 

「遊輝さん、本当にご苦労様でした。あなたの役目はこれで終わりです。家でゆっくりとしてください」

 

「ふ、ふわい・・・・」

 

非常に眠い目を擦りながら俺はジュノンに返事をする。すぐにジュノンとアリアは部屋を出ていってしまった。俺も足をヨボヨボとしながらジュノンを部屋を出て、ラメイソンの建物の外にへと出る。そこにはレミ達が待っていた。

 

「遅いわよ!!おかげで私たち寝袋無しの野宿をする羽目になったじゃない!!」

 

「ヘックション!!か、風邪ひいてしまいまそう・・・・・」

 

「ス、スマンスマン。資料作りに時間がかかってしまって・・・・」

 

「どうなの?」

 

「ジュノンが何とかしてくれるってさ。多分、そんなに大きな罪にはならないと思う」

 

「良かった・・・・」

 

「とりあえず・・・・帰ろう、そして寝たい。久しぶりに徹夜した、身体がしんどい」

 

「まぁ・・・私たちも十分に睡眠が取れてないしね。早く人間世界に帰って遊星さん達がどうなったか知る必要もあるわね」

 

「それじゃ帰りましょう」

 

「ダイヤ、パール・・・ふぉろしく」

 

『分かりました。行きますよ』

 

ダイヤとパールが俺たちの足元に魔法陣を作り、光り輝き始める。そのまま俺たちの身体は魔法陣に包まれていった。

 

 

〜〜(人間世界)〜〜

 

 

目をゆっくりと開けると目の前にあるのはグリモワールの象徴、ラメイソンではなく遊星さんとハグをしている皆の姿だった。

 

「遊星さん!!」

 

「・・・・!!遊輝!!お前達も帰ってきたんだな!!」

 

「ってことは遊星さん達も・・・・」

 

「ああ、アーククレイドルの衝突を阻止することはできた」

 

「や、やったああああ!!!」

 

アーククレイドルの衝突回避、その一言で俺たちの方も盛り上がる。お互いにお互いの偉業を健闘・讃えあい、それぞれに何が起こったのか情報交換をする。

 

「・・・・なるほど、ZONEがね」

 

「そうだ。俺たちは今後、ZONEの使命を果たさなければならない。シンクロ召喚に行き着く未来が破滅の未来へと進まないように」

 

「そっちもそっちで大変だったな。特に遊輝、お前なんか」

 

「ク、クロウ!!お願いだから怪我のことは!!「遊輝・・・・」(ビクッ!!)は、はい!!」

 

クロウの余計な一言で隠していた怪我のことがバレてしまい、俺は龍可の一言で硬直状態になってしまう。そのままゆっくりとロボットのようにカタカタと体を反転させる。そこに写っていたのは怒っている龍可ではなく心配そうな表情をしていた龍可だった。

 

「遊輝・・・・・」

 

「え、えっと・・・」

 

そのまま龍可は俺の所まで歩いてゆっくりと抱きついてきた。

 

「良かった・・・・・無事でよかった・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「心配したんだから・・・・」

 

「・・・・・龍可」

 

「・・・・何?」

 

「・・・・・ただいま!」

 

「・・・・おかえり!!」

 

俺のただいまという言葉に少し驚いたような表情を見せたが、すぐに龍可は笑顔になって返事をしてくれた。

これで全ての事件を解決・・・・・したわけだが、

 

「しかし・・・・この街の様子ではWRGPの続行は無理だな。これだけ街の被害が大きい以上、中止せざろうえんだろ」

 

「そうだな・・・・消化不良だがこれじゃ仕方ないか」

 

「そのような心配は貴方方はしなくても大丈夫ですよ」

 

「!?い、イェーガー!?」

 

ジャックやクロウはネオドミノシティの街の被害を見てWRGPの続行は不可能と思い、落胆をするがすぐにそれを否定する声が聞こえた。みんなでその声の方に振り向くとネオドミノシティのセキュリティ長官を務めるイェーガー、その後ろに狭霧さんと牛尾さんがいた。

 

「この度のあなた達の活躍、本当にありがとうございます。ネオドミノシティの住民を代表して、私からお礼を申し上げます」

 

「気にするな。皆、この街のことが好きで救ったんだ」

 

「しかしイェーガーさん、WRGPの続行はこの被害状況じゃ」

 

「確かに今のこの街でWRGPを行うことは不可能です。しかし、私はネオドミノシティのセキュリティ長官としてWRGPを最後までやり遂げるとシティの皆様に宣言しました。その約束を破るつもりはありません」

 

「そ、それじゃ・・・・・」

 

「まずは街の復興を優先します。それがどのくらいかかるか分かりません。ですが、必ずWRGPをこの街で行います。これが、私の長官としての使命です」

 

イェーガーは頭を下げて俺たちにそう宣言した。その言葉を聞いたジャックやクロウ、スバルやレミ達は喜んでハイタッチなどをした。

 

「良かったな遊星」

 

「ああ、何とか俺たちの目標は繋ぐことは出来た」

 

「おっと、俺たちもそう簡単に負けるつもりはないぞ。俺はフォーチュン・カップのリベンジも兼ねて」

 

「フッ・・・・・楽しみにしてるぞ」

 

「ああ」

 

俺と遊星は握手を交わす。その背後には綺麗な朝日が昇り始めた。

 

 

その後、この町はイェーガー長官率いるセキュリティを中心にネオドミノシティ、サテライトの復興が始まった。街の損傷はかなり大きく、全ての公共施設はまだその機能を果たしていないがこの街の住民は皆希望に満ち溢れた目をして、お互いにお互いを助け合って生活をしている。

 

そして俺たちもあの精霊世界からの決戦から1週間、主に俺の怪我が思っていたよりもひどく、しばらくは怪我の回復のために休養することになった。そして・・・・・

 

「おはよう・・・・・」

 

「違うだろ、もう昼の12時だぞ。いつまで寝ているんだよ」

 

「だってアカデミアもWRGPもないし、みんな街の復興で忙しそうにしているんだもん・・・・せっかくの休みなんだからゆっくり寝かせてよ」

 

「そう思うならお前も寝てないで手伝いに行けよ」

 

「遊輝、ご飯が出来たわよ」

 

「サンキュー龍可。ほら、龍亞もさっさと顔を洗って《ピンポ〜ン》?誰だ?」

 

昼近くまで寝ていた寝坊助の龍亞、そして昼メシを作るのを手伝ってくれた龍可、それぞれに声をかけていた時、突然インターホンが鳴った。

 

「こんな時間に声をかけるなんて・・・・一体誰だ?は〜い」

 

バタバタと音を立てながら俺は廊下を走っていき、玄関の扉を開ける。

 

「どなたさんですか?」

 

「は〜い遊輝ちゃん♪お邪魔するね♪」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そこにはスーツケース一つを持った腰まで伸びた青い透き通った髪とそれと同系色の三角帽子、さらに青い目をした小顔の女性が杖を持って笑顔で手を振り、俺の返事を待たずに家の中に入っていった。

 

「・・・・・・!?ちょ!?ちょい待ち!?」

 

「は〜い♪」

 

「・・・えっ!?」

 

「ア、アリアお姉さん!?!?」

 

家に入り、廊下を歩いた女性・・・・・アリアはそのままリビングへと入っていきリビングにいる龍亞と龍可に挨拶をした。俺は慌てて玄関を閉めてリビングに戻った。

 

「ア、アリア!?お前なんでここにいるんだ!?グリモワールで更生していたんじゃねぇのか!?」

 

「ジュノン様が気を利かせて条件付きで更生を終わらせてくれたのよ♪」

 

「じょ、条件付き?」

 

何だか凄い嫌な予感がするなか、アリアはスーツケースを置いて俺たち三人の前に立つ。

 

「私、今日からここに住むことになったから!!」

 

「「「・・・・・・え、ええええ!?!?!?」」」

 

どうやら、この家が静かになるにはまだまだ時間がかかるようです。

 



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第171話 魔法少女(笑)、再誕!

【人気キャラの投票、質問を募集しています。活動報告、私へのメッセージ機能でドシドシ参加してください】


*コラボの受付は終了しました。ご応募してくれた方、ありがとうございました


今回はちょっとしたお願い、というより作者の欲求を満たして欲しいと思ったので最強カードの紹介は無しです。これのためにわざと早く執筆しました。


とりあえず前回の話の後、皆様からの質問や人気投票、コラボなど色々とありがとうございました。


そしてそれらを頂いて読んで思ったこと・・・・・・みんな魔法少女遊輝ちゃんが気に入ってるんですねww


本当にビックリしたよ。正直な話、4.5章は私の自己欲求で書いた話もあってあまり読まれておらず、「人気が無いんだな・・・」と思っていたら魔法少女3人組を結成したあたりから「魔法少女遊輝ちゃんを見たい!!」という声が多数寄せられました。いや、マジで。R18の影響か分かりませんが、魔法少女3人組の番外編もおかげさまで本編よりも読まれています。

中には「遊輝が可哀想だ!」という声もありますが、それ以上に魔法少女遊輝ちゃんの人気が凄すぎです。人気投票に魔法少女遊輝ちゃんが出るほどに。(そして主人公の名前が無いほどに・・・・・)

そこで思いました。
「イラストあればな・・・・」と、

残念ながら私には絵の才能が皆無なのでイラストを掛けないんです。

そこで、今回初めてなのですが魔法少女遊輝ちゃんのイラストを募集してみようかな・・・と思いました。本気で描きたいと思った人は私の活動報告やメッセージに描きたいとおっしゃってください。遊輝ちゃんの特徴と服の衣装を言いたいと思います。

あっ、できたら魔法使いアリアと魔法少女龍可ちゃんもお願いしたいな・・・・・

まぁこれは作者の個人的な欲求ですので、無視していただいて結構です、ではでは。


遊輝 side

 

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「遊輝ちゃん♪そんなムッス〜とした表情をしていたらシワが多くなるよ」

 

「・・・・誰のせいでこうなっていると思ってるんだ?」

 

「気にしたらダメだよ♪はい、あ〜ん」

 

「ア、アリアお姉さんダメ!!次は私!!」

 

「ハーレム、リア充、女の天敵」

 

「龍亞・・・・後で覚えておけよ・・・・」

 

時刻は夜の7時過ぎ・・・・・

世間は晩御飯の時間、この家も例外はなくいつも7時にはご飯を食べれるようにしている。そして今日、この家に新たな住民が増えた。そいつがまぁ・・・・・好き放題やりまくって非常に困っている。(主に俺が)

 

「・・・・なぁ、頼むから普通に食わしてくれ。俺、まだ箸を触ってないんだけど」

 

「そんな事しなくても大丈夫大丈夫♪はい、あ〜ん」

 

「ダメ!!アリアお姉さんさんダメ!!」

 

「・・・・・・・普通に食った方が早く終わるぞ」

 

何でこんなことになったのか・・・・・それはアリアがこの家に住むと宣言したあの時からだ・・・・・

 

 

〜〜(回想)〜〜

 

 

「私、今日からここに住むことになったから!!」

 

「「「・・・・・・え、ええええ!?!?!?」」」

 

「ちょ、ちょっと待て!?一体何がどうなってこうなったんだ!?」

 

「えっとね・・・・・これ、ジュノン様とエンディミオンの手紙、遊輝ちゃんに渡してって」

 

アリアはポケットをゴソゴソとしてクシャクシャになった紙を取り出して俺に渡した。俺はそれを受け取って綺麗に広げた。

 

「え、えっと・・・・『お久しぶりです遊輝さん。今回はアリアの処遇について一つ決まったことがあるのでご報告させていただきます。この子は人間なのでやはり人間世界で生活するのが一番だと、私とエンディミオンは結論付けました。幸いにも、この子は奉仕活動を積極的に行い、周りの方にもある程度は認められる存在にはなりました。そこで、これからの処罰の事、アリア自身の事を踏まえまして彼女を人間世界で生活させる事を決めました。そこで、遊輝さんにはアリアの責任者として彼女を監視してもらいます』・・・・・・・ふざけんなよ!!!!」

 

 

〜〜(回想終わり)〜〜

 

 

とまぁこんな風に・・・・要約するとジュノンはアリアの更生を早めたのだがその条件として、まず一つ目が人間世界で人間として生活をすること、次にたくさんの人と触れ合うこと、最後にその保証責任者として俺がずっと見ていること・・・・・・・つまり纏めると・・・・・

 

「(ジュノンとエンディミオン・・・・・2人して俺に全責任を投げやがった・・・・・)」

 

俺からすればもうこう思うしかないくらいである。非常に面倒くさい(汗)。

 

「(アリアは確かに人間だけどさ・・・・精霊世界で育った人間なんだから精霊世界で生活させたら良いのに・・・・)」

 

「はい遊輝ちゃん♪」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

結局、晩御飯を食べ終えるのに1時間もかかってしまった。ご飯を食べるというのは人間の欲望を満たして幸せにするはずなのに、俺は非常に不満を抱いて尚且つ非常に疲れた。

 

「はぁ〜・・・・やっとゆっくりできる」

 

今は一人でお風呂に入っている。俺が最後だ・・・・まぁアリアや龍可の誘いを断るのに時間がかかってしまったが(汗)

 

「とりあえずアリアの住むところはここでいいにしても、問題は・・・・・どうやって働き口を探すか、だな・・・・・」

 

一番の問題はここだ。アリアをどうやって働かせるか。アリア自身は頭が非常に良いからアルバイトとかすればすぐに採用してもらえるだろう。ただ、そのためにはどうしても通らないといけない道がある。

 

「学歴どうするんだよ・・・・しかもこいつ、住民票とかないぞ・・・・」

 

人間世界ではなく、精霊世界で生活をしてきたアリア。精霊世界では中退とはいえ、学校には通っていた。だが人間世界では小学校にすら通っていない事になっている。この情報をごまかすことはハッキリいって難しい。

 

「なんとかしようと思ったら・・・・やっぱりコネでアルバイトを探すしか方法がないか・・・・ああもう!!明日だ明日だ!!最悪、適当な内職させれば良い!!」

 

なんで俺はアリアに対してこんな悩まなければならんだろう・・・そう思いつつ、洗面所からリビングに戻るとアリアは一生懸命布を切っていた。

 

「・・・・何してんだお前?」

 

「うん?これ!!このキャラの服を作るのよ!!」

 

アリアが手にしたのは何かのアニメのキャラのデザイン集に乗っている女性のイラストだ。白を基調にしたマントみたいなものがついた服を着て、赤のスカートを履いている。

 

「・・・・誰だっけ?えっと・・・」

 

「ソード○ードオンラインのアス○だよ!」

 

「あぁ・・・・この小説は読んでないな・・・・」

 

「今からこのキャラの服を作るんだよ!」

 

「それで布を並べているのか・・・・・しかしまた高そうな布だな・・・・安物にはない光沢があるぞこれ・・・・」

 

「さ〜てと・・・・寸法はこれだから・・・」

 

「・・・・お前、まさか今から作る気か?俺が言うのもあれだがもう10時は過ぎてるんだぞ?」

 

「大丈夫大丈夫!!徹夜すれば10時間くらいで出来るから!!」

 

「はっ!?えっ!?じゅ、10時間!?」

 

「一人分で大体3時間、計10時間を見積もってる。これでも遅い方よ」

 

こ、これで遅い方って・・・・コスプレイヤー恐ろしい(汗)・・・ん?ちょっと待てよ?

 

「なぁ、一人3時間なんだろ?あと7時間は?」

 

「私の分と遊輝ちゃんの分と龍可ちゃんの分♪」

 

「・・・・・・ハッ?」

 

「とりあえず私の分の寸法から切り出そう。えっと・・・・これこれ」

 

アリアは胴体が人型の紙を布に当てて、布をその型に合わせて切っていく。

 

「・・・・・もういい、寝よう」

 

さっきまで風呂で色々と考えていた俺の善意を返して欲しい・・・・・そう思ってリビングを出て、自分の部屋に戻る。扉を開けると部屋の中に龍可がいた。

 

「・・・・・・・・・・あ、あの、龍可さん?最近は一人で寝る練習をしていましたよね?」

 

「今日からまた一緒に寝る」

 

「・・・・・・何故に?」

 

「このままだと遊輝がアリアお姉さんに取られてしまう」

 

「(・・・・・・女の争いってこえぇな(汗)。しかも俺は物じゃねぇ・・・)」

 

てか俺、ギターの調整をしたかったんだけど・・・・・そう思いつつ、俺はベッドに入った。俺が入るのと同時のタイミングで龍可も入ってきて俺の右手両手で、右足を両足でガッチリと固めた。

 

 

〜(次の日)〜

 

 

「ふわぁ・・・・ねっむ・・・・」

 

いつも通り、朝の6時過ぎに起きて寝室から出て顔を洗いにいく。

 

「えっと・・・・今日もあんまりやる事ねぇんだよな・・・ここんとこずっと家にいたからたまには外にでも《ゴゴゴゴ・・・・・》ん?」

 

タオルを持って廊下を歩いているとリビングの方から何かの機会音が聞こえて来たのでそっちの方にいく。リビングへと向かう扉を開けると、テーブルに座ったアリアがミシンを使って作業しているのが目に入った。

 

ゴゴゴゴ・・・・・・・

 

「(・・・・あいつマジで徹夜して作ったよ・・・しかも本当に三着作ってるし・・・)」

 

「出来たああああ!!!!」

 

「バカ!!大声出すな!!朝の6時だぞ!!」

 

ミシンを止めて両腕を高く突き上げて大声で叫ぶアリアに俺は慌てて止めに入る。

 

「えっ?朝の6時過ぎ?ってことは8時間くらいで出来たのか」

 

「出来たのか、じゃなくて・・・・・」

 

「んん〜〜!!!久しぶりにいい感じに出来たよ!早速遊輝ちゃん!!試着して!!」

 

「誰が女物のコスプレなんかするか!!」

 

「だって着てくれないと本当に寸法が合っているか分からないじゃない」

 

「だから俺は着ないぞ!!」

 

「うるさい・・・・・朝早くから何なの?」

 

「うるさいよ!!ゆっくり寝てられない!!」

 

階段から降りてくる龍亞とリビングの扉を開けて龍可が入ってきた。

 

「いや、こいつが騒ぐから・・・・」

 

「ちょうどいいところに来た!!龍可ちゃん!!これ着て!!」

 

「?何ですかこれ・・・・」

 

「まぁまぁいいから!!遊輝ちゃんも来なさい!!」

 

「いててて!!み、耳引っ張るな!!」

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「じゃっじゃ〜ん!!」

 

「・・・・ああ!!○AOの○スナ!!」

 

「そうそう!!大正解!!」

 

「・・・・・・誰か全く分からないのだけど(汗)」

 

「/////い、嫌だって・・・・嫌だって言ったのに」

 

部屋に連れ込まれて何も抵抗出来ずに着替えされられた・・・・・何!?あいつ非力とか言いながら俺を力で押さえつけたんだけど!?あいつ、実は密かに筋トレしてたんじゃね!?

 

「へっへ〜〜ん!!アリアさんにかかればどんな衣装でも再現できるわよ!!」

 

「(・・・・どんな、衣装でも?)」

 

アリアが言った一言が俺の脳裏に引っかかった。

 

「(・・・・そう言えばあいつ、確か裁縫は得意で服も自前とか前に言っていたな・・・・)」

 

「すげぇ・・・・本物にしか見えねぇ」

 

「(これだったら、ひょっとしたら・・・・・)」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「スカウト?この子を裁縫で?」

 

「はい」

 

その日の午後、俺はアリアを連れて茜のお母さん、すみれさんの事務所に来た。目的は一つ、アリアをこの事務所の裁縫部門に置いてもらうためだ。

・・・・・・本当は行きたくなかったけど(汗)。だってこの人、何しでかすか分からないもん。龍亞と龍可に言ったらあの二人、速攻で逃げ出したし・・・・・

 

「知ってると思うけど、私の事務所は小さな個人経営だからそんなに人は雇えないのよ。ましてや私は裁縫は他の会社の方が優秀だと思ってるくらい」

 

「だからですよ。自分のブランドを立てる時に服を作る人は一人や二人はいるでしょ。それにこいつ、ルックスも良いですし」

 

「いやだね遊輝ちゃ〜ん。ルックスが良いなんて♪」

 

アリアは両手を頬につけて顔を赤くする。

 

「・・・・・・まぁいいわ。じゃあとりあえず実力を確認させてもらうわ。今までに作った服を見せて」

 

「アリア」

 

「は〜い♪」

 

上機嫌のアリアは袋の中に入れていた自分自身で作った服を取り出す。ほとんどは精霊世界にいた魔法使いの衣装かコスプレ衣装だが、中にはちゃんとしたワンピースやニット系の帽子、ブレザーなどもある。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

すみれさんは真剣な表情でアリアが持ってきた服を見る。一つ一つ手にとって肌触りやデザイン、機能性など全てのことを見ている。

 

「・・・・・縫い目が細かくて肉眼では見えにくいわね。それに所々縫い目を隠すようにして布を当て、それを生地として使っている。こんな技術、見たことがないわね」

 

「私の技術は誰にも負けない自信があるからね!」

 

「それにしてもいい素材ね・・・・肌触りも通気性も伸縮性も全て絶妙なバランスで尚且つ最高の状態を保っているわ・・・・」

 

すみれさんから出てくる言葉は絶賛の嵐。俺にはよく分からないがとにかく凄いらしい。

 

「・・・・・確かにこの子、凄いわね。こんな子が内に入ってくれるなら百人力だわ。あとは制作時間ね・・・・・一着辺りの平均は?」

 

「大体3時間くらいかな?」

 

「平均的ね・・・・いいわ、じゃあ一つ試験よ。この紙に書いてある服、ここにある好きな材料を使ってこのイラスト通りに仕上げて。制限時間は特に設けないけどストップウォッチで時間を測らせてもらうわ」

 

「分かった。じゃあ紙を見させて」

 

すみれさんから渡された紙をアリアは真剣な表情で見ていく。少し見た後に服の材料が置かれている場所に言って紙にあるデザインに似合う布を探す。

 

「・・・・・これとこれ、あとはこれも」

 

手際よく材料を手にしたアリアはそのままこの事務所唯一のミシンがある作業台に移動する。ここはすみれさんが他の会社にプレゼンする衣装を作るための作業台で大量に服を作るような場所ではない。現にミシンも業務用の高級感のある物ではなくそこら辺にある家庭用のミシンだ。

 

 

〜〜(2時間後)〜〜

 

 

「出来た!」

 

しばらくして、アリアは大きく両手を伸ばして椅子から立ち上がる。作業台の上には一着の服が出来上がっていた。

 

「これでどう?」

 

「・・・・・・・・・・完璧ね。合格だわ」

 

すみれさんはアリアが作り上げた服をものの数秒で判断した。

 

「デザインの再現度に材料、縫い目の技術もそう。そして時間、この服をこの時間で出来たなら文句なしだわ」

 

「じゃあ・・・」

 

「えぇ、あなたは私の事務所のスタッフとして働いてもらうわ」

 

「やった!!」

 

「ほっ・・・・・」

 

これでアリアの就労の問題は解決だな・・・・これさえ解決できれはあとは何とかなりそうだ・・・・

 

「それじゃ悪いけど早速やってほしいことがあるの」

 

「はい!何でしょうか!?」

 

「じゃあ俺はもうこれで・・・・」

 

「何言ってるの優姫ちゃん、あなたも仕事があるわよ」

 

「(ビクッ!!)お、俺用事があるので失礼「逃さない!!」ドフッ!?」

 

身の危険を感じた俺は速攻で逃げようとしたが、後ろから茜がダイブしてきて俺を関節技で締め上げてきた。

 

「イタタタタタッ!!!ギブギブギブギブ!!!」

 

「逃さないわよ!!さぁ遊輝っち!!あなたの分の撮影だけが終わってないのよ!!このままじゃ発売日に間に合わないわ!!」

 

「だ、誰がやるもんイダダダダダッ!!!!」

 

「さあやると言いなさい!!このまま関節技で締め上げてやるわ!!」

 

「お、俺、骨折治したばかイダダダダダッ!!!!!!」

 

「・・・・・何してるの?」

 

「あぁ、優姫ちゃんはこの事務所の看板モデルだから♪」

 

「!?!?や、やめろ!!それをアリアにイダダダダダッ!!!!!!」

 

すみれさんがアリアに俺の黒歴史が写っている写真を見せた。

 

「(不味い!!あいつにあれを見せたら不味い!!)」

 

「・・・・・!?ゆ、遊輝ちゃん!?」

 

「そうよ〜、彼女はこの事務所の看板モデルなんだから♪」

 

「す、すごい・・・・私が魔法少女にした時以上にすごい・・・・・」

 

「あら?そう言えば優姫ちゃんの魔法少女はあなたからだったっけ・・・・ちょうどいいわ。魔法少女遊輝ちゃんの人気もすごいのよ。次いでだから龍可ちゃんも連れてきてまたペアで撮影したいわ」

 

「嫌だ!!絶対にイダダダダダッ!!!!!」

 

「う〜ん・・・・じゃあこうしましょう。私がデュエルに勝ったら遊輝ちゃんは撮影、遊輝ちゃんが勝ったら撮影無し・・・っていう事で・・・」

 

「・・・・まぁいいわ。茜、外しなさい」

 

「は〜い」

 

「イデデデッ・・・・この野郎、俺を舐めちぎりやがって・・・・・」

 

茜からの関節技に解放された俺は右腕を労わる。だが、それよりもさっきのアリアの発言、明らかに俺に勝てると自信満々な雰囲気で言ったのが気にくわない。

 

「(見返してギャフンと言わせてやる!)」

 

そう心に誓い、事務所から出て前の道でアリアと対峙、デュエルディスクを起動させる。

 

「行くわよ」

 

「必ず勝ってやる!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は私!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

・・・・よし!この手札は最高だ!これなら次のターンに勝てる!!

 

「フィールド魔法、ドラゴニックDを発動!」

 

「はっ!?」

 

フィールドが住宅街から広大な平野へと変わり、俺たちは崖の上に立っている。いやちょっと待て!?あいつ、まさか《真竜》なのか!?

 

「ドラゴニックDの効果!手札のベビケラザウルスを破壊して、デッキから《真竜》カードを手札に加える!真竜皇リトスアジムDを手札に加える!破壊されたベビケラザウルスの効果発動!デッキからLv4以下の恐竜族モンスターを特殊召喚する!魂喰いオヴィラプターを特殊召喚!」

 

魂喰いオヴィラプター 攻1800

 

ちょちょちょ!?!?【恐竜真竜】!?しかもこの流れ!!一番最悪なパターンじゃねぇか!!

 

「オヴィラプターの効果!デッキから恐竜族モンスター1体を手札に加える!2体目のベビケラザウルスを手札に加えて、そのまま召喚!」

 

ベビケラザウルス 攻500

 

「オヴィラプターの第二の効果!このカード以外の恐竜族モンスターを破壊して墓地から別の恐竜族モンスター1体を特殊召喚する!ベビケラザウルスを破壊して、墓地のベビケラザウルスを特殊召喚!」

 

フィールドにいたオヴィラプターがベビケラザウルスを食い尽くして、後ろに卵を産む。その卵から別のベビケラザウルスが生まれた。

 

「破壊されたベビケラザウルスの効果!デッキからプチラノドンを特殊召喚!」

 

プチラノドン 攻500

 

「手札の真竜皇リトスアジムDの効果!手札・フィールドからこのカード以外の地属性モンスター1体以上含む2体のモンスターを破壊してこのカードを特殊召喚!」

真竜皇リトスアジムD 攻2500

 

フィールドにいた2体の卵から生まれたばかりの恐竜が破壊されて、アリアの上からリトスアジムDが舞い降りて来た。

 

「さらにリトスアジムDの効果!このカードの特殊召喚時に破壊したモンスターが2体とも地属性の場合、相手のエクストラデッキを見てその中からモンスター3体をゲームから除外する!」

 

「おいバカやめろ!!」

 

俺のエクストラデッキのモンスターカードが電子化されてアリアの目の前に現れる。

 

「・・・・ブラック、ホワイト、ホープを選択」

 

「この野郎・・・・人のエースモンスターを容赦なく・・・・」

 

とは言っても効果は効果なので俺は仕方なくエクストラデッキからアリアに言われた3枚のカードを抜き取りポケットに突っ込む。

 

「さらに破壊されたベビケラザウルスとプテラノドンの効果!プテラノドンはデッキからLv4以上の恐竜族モンスターを特殊召喚する!プテラノドンの効果で幻想のミセラサウルス、ベビケラザウルスの効果でチューナーモンスター、ジュラック・アウロを特殊召喚!」

 

幻想のミセラサウルス 攻1800

ジュラック・アウロ 攻200

 

「Lv4のオヴィラプター、ミセラサウルスにLv1のジュラック・アウロをチューニング!」

 

☆4 + ☆4 + ☆1 = ☆9

 

「万年雪に眠りし伝説の龍よ、遥かなる古代より甦れ!!シンクロ召喚!!Lv9!!氷結界の龍 トリシューラ!!」

 

氷結界の龍 トリシューラ 攻2700

 

ジュラック・アウロの身体から出来た緑色の輪の中にオヴィラプターとミセラサウルスが入って8つの星になる。それらが一つとなって、フィールドに吹雪が吹き始めた。その吹雪の中からトリシューラが咆哮をあげながら現れた。

 

「トリシューラの効果発動!シンクロ召喚時、相手の手札・フィールド・墓地からカードを1枚除外する!」

 

「ぐっ・・・・」

 

トリシューラの咆哮によって俺の手札1枚が何処かに吹っ飛んで言ってしまった。

 

「さらにLv9のトリシューラとリトスアジムDでオーバーレイ!」

 

☆9 × ☆9 = ★9

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク9!幻子力空母エンタープラズニル!」

 

幻子力空母エンタープラズニル 攻2900

 

トリシューラとリトスアジムDがブラックホールに吸い込まれていき爆発、エンタープラズニルがフィールドに現れた。

 

「エンタープラズニルの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、手札の方を選択!相手の手札1枚をランダムに選んで除外する!」

 

「この野郎・・・・・」

 

幻子力空母エンタープラズニル OVR 2→1

 

エンタープラズニルがオーバーレイ・ユニットを一つ吸収して、俺の手札1枚を吸い込んでしまった。

 

「カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

アリア 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

幻子力空母エンタープラズニル 攻2900

【魔法・罠ゾーン】

ドラゴニックD (フィールド)

伏せカード 3枚

 

 

「(んやろう・・・いきなり2ハンデスとか・・・しかもエクストラ全部見られたし・・・・)俺のターン!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「スタンバイフェイズ、リバースカードオープン!永続罠、魔封じの芳香!」

 

「!?」

 

「これでお互いに魔法カードは一度伏せて次のターン以降じゃないと使えない!ペンデュラムなんて使わせないわよ!」

 

「・・・・まだだ!!まだ終わってない!!EM ドクロバット・ジョーカーを召喚!効果により」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、神の通告!ライフを1500払ってドクロバット・ジョーカーの効果を無効にして破壊する!」

 

アリア LP 4000→2500

 

「・・・・・・・・カ、カードを1枚伏せてターンエン「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!速攻魔法、ツインツイスター!手札のカードを1枚捨てて、伏せカードと魔封じの芳香を破壊!」・・・ターンエンド」

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 1枚

 

「墓地のミセラサウルスの効果!墓地のこのカードを含む恐竜族モンスターを任意の枚数除外して、除外した枚数と同じ枚数の恐竜族モンスターを特殊召喚する!ミセラサウルスとベビケラザウルスを除外して3体目のベビケラザウルスを特殊召喚!フィールド魔法、ドラゴニックDの効果!ベビケラザウルスを破壊して、リトスアジムDを手札に!ベビケラザウルスの効果でデッキからオヴィラプターを特殊召喚!」

 

気が動転してもう頭が回ってない俺を良いことにやりたい放題してくるアリア、まるで死体をさらにフルボッコにされている気分だ。

 

「オヴィラプターの効果!デッキから究極伝導恐竜(アルティメットコンダクターティラノ)を手札に加える!そして墓地から2体のベビケラザウルスを除外して究極伝導恐竜(アルティメットコンダクターティラノ)を特殊召喚!!」

 

究極伝導恐竜 攻3500

 

墓地にいたベビケラザウルス2体がゲームから除外されて、フィールドに地割れが起きてマグマが噴出、究極伝導恐竜がフィールドに現れた。

 

「バトル!全てのモンスターでダイレクトアタック!!」

 

遊輝 LP 4000→0

 

 

WIN アリア LOS 遊輝

 

 

「うしっ!!!やっぱり遊輝ちゃんは弱い!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「あれ?遊輝っち?お〜い」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「あ〜、気が動転して固まってる」

 

「そういう時はこうするのよ」

 

バチンッ!!!

 

「!?!?いったああ!!!!!!」

おデコに強烈な痛みを感じて俺は声をあげて悶絶する。

 

「デコピン最強説」

 

「おお・・・なかなかの威力だね、アリアっち」

 

「いてててて・・・・・」

 

「はいはい、そんな所で悶絶しないの優姫ちゃん♪」

 

「!?」

 

「というわけで・・・・・まずは魔法少女からね♪茜、アリア、龍可ちゃんを引っ張ってきなさい」

 

「アイアイサー」

 

「は〜い!!」

 

「さぁ優姫ちゃん、こっちに来てお着替えしましょうね♪」

 

「嫌だああ!!!!助けてくれえええ!!!!」

 

 

 

〜〜(一時間後)〜〜

 

 

「///な、何で私も何ですか!?」

 

「魔法少女は二人一組でやるのが定石よ」

 

「///そ、そんな定石知りません!!」

 

「///う、うぅ・・・・・・」

 

結局何も抵抗できず、さらには途中からアリアと茜に連れられて来た龍可も一緒に着替えさせられて、魔法少女のコスプレ衣装を着るはめになってしまった・・・・

 

【魔法少女遊輝ちゃん、魔法少女龍可ちゃんの衣装・・・・みんな大好き《このすば》のめぐみん。遊輝ちゃんは赤、龍可ちゃんはピンク】

 

しかも、しかも・・・・・・

 

「見事なテーピング技術ね。遊輝ちゃんのもう一人の子が影も形もないわ」

 

「////す、すみれさん!!スカートめくらないでください!!」

 

すみれさんがスカートをめくって俺の下半身をガン見してきた。その羞恥に耐えることができずに俺は離れてスカートを抑えつける。アリアの奴、俺を部屋に連れ込んで俺の下半身をテーピングで固定して本物の女の子のようにしやがった・・・・・

 

「遊輝ちゃん遊輝ちゃん!!さっき渡した紙のセリフ!!めぐ○んみたいに厨二病っぽく言って!!」

 

「///だ、誰が言うか!!しかもお前、ビデオカメラ持ってるじゃねえか!!」

 

「言ったら撮影時間短くなるかも?」

 

「///ぐっ・・・・・わ、我が名は遊輝!!アークウィザードを生業とし、エクシーズとペンデュラムを操るもの!!」

 

「ヒュ〜〜!!!良いね良いね!!!じゃあ次龍可ちゃん!!」

 

「////わ、我が名は龍可・・・・アークウィザードを生業とし、最強の龍、エンシェント・フェアリーを操るもの・・・・」

 

「違う違う!!!もっと堂々としないと!!それに遊輝ちゃんも!!」

 

「///お、俺はOKじゃないのかよ!?」

 

「さっき確認したらマントをパサ〜としてなかった!!もう一回!!」

 

「////うぅ・・・・我が名は遊輝!!アークウィザードを生業とし、エクシーズとペンデュラムを操るもの!!」

 

「・・・・あの子、出来るわね」

 

「・・・お母さん、そんなドSのような目で人を見るのはやめてくれる?」




遊輝「////も、もう疲れた・・・・・」←めぐみんの服

龍可「////や、休みたいよ・・・・・」←めぐみんの服

アリア「ダメだよ!!ちゃんと杖に乗って空を飛ぶようなポーズ取らないと!!」

魔理沙「・・・・・あの衣装、意外と露出が多い上に厨二病満載だな。特にあの眼帯」

霊夢「あんたが言える台詞?」

魔理沙「私はまだ普通の魔法使いだぜ」

霊夢「・・・・まぁあれに比べたらまだマシか」

アリア「ほら!!二人とももっと堂々と!!」

遊輝「////うぅ・・・・・・」

龍可「////わ、我が名はひゅか!!い、痛い・・・・」

アリア「はいやり直し!!」

魔理沙「それじゃ、次回もよろしく頼むぜ!」


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第172話 パタンナー アリア

ご心配おかけしました。無事に手術も終わり、何とか過ごしています。

この話は手術前に半分ほど終わらせましたので術後に無理矢理書き上げました。まだまだ本調子ではないので完全な投稿復帰にはなりません。ご了承ください。

・・・・・療養期間ってね、すごい暇な上に何のやる気も起こらないんだよ。(心の声)


あっ、アンケート、人気投票、質問をバンバン受け付けてます。今のところあまりにも無くて企画倒れしそうです(涙)。ハーメルンに登録していない人も投票出来るのでドンドン活動報告やメッセージで投票してください。


遊輝 side

 

「じゃあ一時間休憩入れるわよ」

 

「////つ、疲れた・・・・・」

 

「////わ、私・・・・もうやらないって言ったのに・・・・」

 

「二人ともお疲れ!これりんごジュースね!」

 

「お疲れお疲れ〜、可愛いわよ遊輝ちゃんに龍可ちゃん」

 

「////うう・・・・何で、何でアリアなんかに慰められるんだよ・・・・」

 

ようやく撮影が終わり、休憩時間をもらえた。俺と龍可はヘナヘナになりながらソファの上に座った。茜が俺たちにりんごジュースを持ってきて、アリアは俺と龍可の頭を撫で撫でとする。

あの後、ひたすら恥ずかしいセリフを言った後に撮影が始まったのだが、何としばらく泊まり込みで撮影しようとすみれさんが言いだしてきた。もちろん俺と龍可は反対したのだが・・・・・アリアにデュエルで全敗しました(涙)。俺と龍可、二人掛かりでやっても一勝も出来ず15連敗ぐらいしてしまった。結果、何もかもが言いくるめられて魔法少女の格好のまま、撮影が泊まり込みで続くことが決まってしまった・・・・

 

ピンポ〜ン

 

「あれ?誰かしら?茜、出てちょうだい」

 

「は〜い」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

「魔法少女遊輝ちゃん、何でそんなに息が上がるのよ。ただポーズを決めて写真撮るだけよ」

 

「う、うるせぇ・・・精神的に疲れているんだよ・・・・・」

 

「お母さ〜ん、レミっち達だよ〜」

 

「久しぶりすみれさん」

 

「コソ泥も捕まえきたわ」

 

「離せ!!離せこの野郎!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「ギャアアア!!!!冷たい冷たい冷たい!!!!背中!!!背中凍っている!!!!」

 

「師匠、お久しぶりです。相変わらず可愛いですね」

 

「///恭輔!!テメェ覚えておけよ!!」

 

「うるせぇな全く・・・・・」

 

茜の後ろから続々とやってくる人・・・・レミや奏、響にスバル、龍亞に恭輔、そして祈と・・・・久しぶりに全員集合した感じだな。

 

「なぁ・・・さっきチラッと聞こえたコソ泥って何だ?」

 

「こいつ、俺たちが三日前にすみれさんの事務所の掃除を手伝いをしていた時に黙って冷蔵庫からケーキを食べたらしいぞ」

 

「食べてない!!俺が食べたのはイチゴ大福・・・あっ!?」

 

「・・・・・食べたのね」

 

つまり龍亞はすみれさんの怒りを買ったからああなってるのね・・・・・

 

「何でみんな来ているの?今日は何も言ってなかったはずよ」

 

「すみれさん・・・・新作衣装のモデルを頼んでいたじゃないですか・・・」

 

「あ〜!!そうだそうだ!!今日はみんなに仕事を頼んでいたわね!!」

 

「全く・・・・忘れないでよねお母さん」

 

「それじゃ早速、アリアは裁縫を続けてちょうだい。スバル君と恭輔君は壮太君と一緒に写真撮影、それ以外はモデルね」

 

「嫌だ!!!モデルなんて嫌だ!!!」

 

「・・・・・・じゃあアリアとデュエルしてちょうだい。勝てば無しにあげる、負けたら一週間の泊まり込みよ」

 

「マジで!?じゃあやってやる!!」

 

「あ〜〜あ・・・・・」

 

「・・・終わったわね」

 

あいつがアリアに勝てるはずないのに・・何を思い込んでいるのやら・・・・・

 

「じゃあみんな、外に出て龍亞君が無様に負けるところを見ましょうね♪あっ、君たちはその魔法少女の格好のままよ」

 

「・・・せ、せめて、私服「ダメ!!着替えている時間がもったいない!!」・・・・・・・」

 

ぐうの音も言わせてもらえず、すみれさんに背中を押されて外に出る。すでにアリアと龍亞が対峙して構えている。

 

「よっしゃ!!やってやる!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

龍亞 LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は私、ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「マンジュ・ゴットを召喚!」

 

マンジュ・ゴット 攻1400

 

「マンジュ・ゴットの効果でデッキからユニコールの影霊衣を手札に加える!」

 

「うわぁ・・・・・こら下手したら・・・・」

 

アリアが使っているデッキが分かって俺はドン引きをした。あいつ、龍亞の精神を壊す気満々や・・・・・

 

「儀式魔法、影霊衣の万華鏡!この儀式魔法は《影霊衣》専用の儀式魔法で、儀式素材となるモンスターはエクストラデッキのモンスターで代用できる!」

 

「ハァ!?」

 

「エクストラデッキのレベル4の虹光の宣告者(アーク・デレクアラー)を墓地に送り、ユニコールの影霊衣を儀式召喚!」

 

ユニコールの影霊衣 攻2300

 

アリアが発動した儀式魔法によってエクストラデッキにいた虹光の宣告者が生贄にされ、魔轟神獣ユニコールが人型になって現れた。

 

「墓地に送られた虹光の宣告者の効果!デッキから儀式モンスターまたは儀式魔法を手札に加える!ブリューナクの影霊衣を加えて、効果発動!手札のこのカードを捨てて、《影霊衣》モンスターを手札に加える!クラウソラスの影霊衣を加えて効果発動!このカードを手札から捨てて、《影霊衣》儀式魔法を手札に加える!」

 

「ねぇ遊輝・・・・何か私、凄い嫌な予感がするのだけど・・・」

 

「いや、もう・・・・多分龍亞の負け確定・・・」

 

「影霊衣の反魂術を手札に加える!Lv4のユニコールの影霊衣とマンジュ・ゴットでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4!外神ナイアルラ!」

 

外神ナイアルラ 守2400

 

ユニコールの影霊衣とマンジュ・ゴットがブラックホールに吸い込まれていき、その中から外神ナイアルラが現れる。

 

「外神ナイアルラの効果!このカードのエクシーズ召喚成功時、手札を任意の枚数捨てることでこのカードのランクを捨てた分だけ上がる!私は手札のセンジュ・ゴットを捨ててナイアルラのランクを1つあげる!」

 

外神ナイアルラ ★4→★5

 

「さらにナイアルラの効果!このカードのオーバーレイ・ユニットを全て取り除いて墓地のモンスター1体をこのカードのオーバーレイ・ユニットにする!私は墓地の虹光の宣告者をオーバーレイ・ユニットとして加える!」

 

外神ナイアルラ OVR 2→0→1

 

「このカードはフィールドのランク5以上のモンスターのオーバーレイ・ユニットを一つ取り除くことで特殊召喚できる!外神ナイアルラのオーバーレイ・ユニットを取り除いてオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

★5→★6

 

「1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを再構築!エクシーズ召喚!ランク6!No,21 氷結のレディ・ジャスティス!」

 

No,21 氷結のレディ・ジャスティス 守500

 

ナイアルラのオーバーレイ・ユニット一つがブラックホールへと変わっていき、その中にナイアルラが入って代わりにレディ・ジャスティスがフィールドに現れた。

 

「墓地に送られた虹光の宣告者の効果!今度はサイバー・エンジェルー弁天ーを加える!さらにレディ・ジャスティスでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

★6→★7

 

「1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク7!迅雷の騎士ガイアドラグーン!」

 

迅雷の騎士ガイアドラグーン 攻2600

 

「そして手札から儀式魔法、影霊衣の反魂術を発動!手札のサイバー・エンジェルー弁天ーを墓地に送って、墓地の《影霊衣》儀式モンスターを儀式召喚する!」

 

「・・・・も、もう、何でもありだね(汗)」

 

「出でよ!ブリューナクの影霊衣!」

ブリューナクの影霊衣 攻2300

 

手札にいたサイバー・エンジェルー弁天ーがリリースされて墓地にいた氷結界の龍 ブリューナクが人型となって現れる。

 

「サイバー・エンジェルー弁天ーの効果!このカードが儀式素材として墓地に送られた場合、デッキから光属性・天使族モンスターを手札に加える!大天使クリスティアを手札に!」

 

「げっ!?」

 

「墓地に天使族モンスターが4体!大天使クリスティアを特殊召喚!」

 

大天使クリスティア 攻2800

 

「大天使クリスティアは自身の効果で特殊召喚した時、墓地から天使族モンスターを手札に加える!マンジュ・ゴットを手札に加えて、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

迅雷の騎士ガイアドラグーン 攻2600

ブリューナクの影霊衣 攻2300

大天使クリスティア 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「あいつ、終わったな・・・・」

 

いや、まだまだスキはある方なんだろうけど、それでもクリスティアの除去方法が無かったら詰むな・・・・

 

「お、俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「(・・・・!!ま、まだ!!まだワンチャン!!)魔法カード、D・スピード・ユニット!」

 

「・・・・それって確かドロー効果あったよね?」

 

「えっ?あっ、うん・・・そうだけど・・・」

 

「じゃあ手札から灰流うららの効果」

 

「あっ・・・・・」

 

「相手がデッキからカードをドローする効果、墓地に送る効果、モンスターを特殊召喚する効果を含むカード効果を発動した時、このカードを手札から捨ててその発動を無効にする」

 

「・・・・・えっ?どういう事?」

 

「つまりD・スピードユニットは使えない」

 

あ〜あ・・・・唯一のモンスター除去カードが・・・・(汗)

 

「・・・・モ、モンスターをセット・・・」

 

「良いの?ガイアドラグーンは貫通効果持ちよ」

 

「・・・・カードを1枚伏せてターンエンド」

 

「エンドフェイズ時、永続罠、王宮のお触れ」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

龍亞 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

裏側守備表示モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アリア 手札 4枚

 

「バトル!ガイアドラグーンから裏側守備表示モンスターに攻撃!」

 

迅雷の騎士ガイアドラグーン 攻2600

裏側守備モンスター→D・スコープン 守1400

龍亞 LP 4000→2800

 

「全てのモンスターでダイレクトアタック!」

 

龍亞 LP 2800→0

 

WIN アリア LOS 龍亞

 

 

「うしっ!!この三つ子の姉妹、まだまだ甘い!!」

 

「み、三つ子の姉妹・・・・(汗)」

 

「とうとう龍亞君も男扱いにされなくなってきた・・・・(汗)」

 

「というより三つ子なんですね・・・(汗)」

 

「まぁ・・・・遊輝の身長も低いし、ちょっと髪型変えたら三つ子に見えなくはないけど・・・(汗)」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「お、お〜い・・・・龍亞・・・・」

 

「龍亞・・・・龍亞・・・・・・」

 

「・・・・・キュ〜」

 

バタン!!

 

「あっ・・・・・気絶した・・・・」

 

「なっさけないわね!!たかがデュエル一つ負けたぐらいで気絶するなんて女の子でもしないわよ!!ほら、連れて行くわよ!!」

 

すみれさんは龍亞を片手で持ち上げてそのまま事務所に戻っていった。アリアや茜もそれに続いて戻って行く。

 

「じゃ、じゃあ俺たちも・・・」

 

「何言ってるのよ、あんた達はアレの相手」

 

『キャアア!!!優姫さん!!』

 

『龍可さん!!サインください!!』

 

「・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・な、中に入り「龍可ちゃん、現実を見なさい」うううう//////」

 

レミと奏によって現実を見せられて俺と龍可は顔を赤くする。誰が何をして広めたのだろう・・・・いつの間にかすみれさんの事務所の前に女性がたくさん来て俺と龍可に色々と求めて来た。

 

「私たち、先に入って撮影してくるからあんた達はそれ終わってから来なさいよね」

 

「ファンサービスは大事なんだから♪」

 

「良かったね、すみれさんが給料弾んで貰えるって」

 

「「////う、嬉しくない(です)!!!」」

 

「キャアア優姫さん!!」

 

「龍可さん!!握手!!握手お願いします!!」

 

「スバルと恭輔、捌いてね」

 

「へいへい・・・・・面倒クセェことを押し付けやがって・・・・」

 

「みなさ〜ん、近隣に住まわれている方々に迷惑にならないように順番に並んでくださいね!心配しなくても優姫さんと龍可さんは逃げませんので」

 

「////お前ら・・・・・後で覚えておけよ・・・・」

 

「龍可さん、スマイルスマイル」

 

「////二、ニコッ」

 

『キャアアアア!!!!!!』

 

「遊輝も、スマイルスマイル」

 

「////・・・・・二、ニコッ!!」

 

『キャアアアアアア!!!!!!』

 

 

遊輝 side out

 

 

アリア side

 

 

ワイワイガヤガヤ

 

「外はすごいわね・・・・・ちょっとSNSで写真を上げたらすぐ来たわよ」

 

「原因はお母さんなのね・・・・・」

 

「ところですみれさん、この気絶している龍亞君は?」

 

「気絶しているうちにこの服に着替えさせて。起きたら面倒くさいから。アリア、あなたは続きの仕事をしといて」

 

「は〜い」

 

すみれさんはレミに本日の衣装を渡して一旦奥の部屋に戻っていった。私は写真スペースにある小さな机に置いてあるミシンを起動させて途中まで塗っていた新作の服の最後の作業に入る。

 

ガガガガガッッ・・・・・・・

 

「・・・・アリアさんって裁縫が本当に上手いのですね」

 

「どうもどうも、これで仕事にありつけたんだから」

 

「ちょうどいいわ。うちのお店のこの制服、ちょっとほつれちゃったから後で直して欲しいの」

 

「分かった」

 

作業をしている途中、すみれさんの服に着替えた奏がやって来て、お店の制服を直して欲しいという依頼がやってきた。快く引き受けた私はその服をミシンの隣に置いて今の服を仕上げる。

 

プツンッ

 

「よし!これで終わり!じゃあまずはこっちね!」

 

奏から預かったお店の制服を広げてどこに問題があるのか探す。ふむふむ・・・・・あっ、脇の所が開いているわね、後は腰の部分の紐とそれを止めるところがダメになってるわね。

 

「これくらいだったら10分もあればいいでしょ。えっと・・・・・」

 

まずはこのほつれてしまった紐とそれを止めるところから直しましょうか。一旦作業場から離れて倉庫に向かい、制服に合う紐や布を探す。

 

「・・・・・これとこれ」

 

瞬時に制服に似合う紐と布を見つけてそれを手に取り、作業場へと戻る。

 

「似合う似合う!!!さすが龍亞ちゃん!!双子の姉の実力は本物ね!!」

 

「///う、ううう・・・・・・」

 

写真スペースでは一人目の龍亞君の写真撮影が始まっている。赤と青のストライプのロング襞スカートに白いブラウス、さらには麦わら帽子を被り、夏のお嬢様のような雰囲気だ。

 

「・・・・・これは金持ちの子しか出来ない服ね」

 

「さすが龍亞ちゃん」

 

「///二人とも揶揄わないで!!」

 

「は〜い、写真撮りますよ」

 

「さてと・・・・・こっちも作業をやりますか」

 

龍亞君の撮影が始まったけどそれを無視。

私の作業場へと戻り、まずは奏の制服にある紐とそれを止めている所をハサミで切る。その後に取ってきた紐を適当な長さに切って二つ折り、縫い合わせる。そして紐を縫い合わせてあった元の場所に新しく作った紐を取り付ける。それと紐を止めるところもササっと付け替える。

 

「よし、後はこの脇のところね」

 

脇の部分は裏側に布を当てるため、まずは布を適当な大きなにハサミで切る。それを裏側から当てて、調整をする。

 

「(・・・・・・脇の可動部のことを考えると両はしは円形に切った方がいいかな?そうなると切れ端が当たるから・・・・・)」

 

そんな事を考えながら裏側に当てる布にチャコペンで薄く線を引いていく。イメージが決まってチャコペンで切る箇所が決まったところでさらにハサミを入れて余分なところは落とす。そして制服の裏側につけて、まち針で止めていく。

 

「・・・・さすがにミシンは難しいわね。針と糸と・・・・・」

 

白い糸と縫い針を探し出して、細かく本返し縫を繰り返していく。

 

「・・・・・出来た!!これでよし!!」

 

縫い終わって玉留めをして、パチンと糸を切る。表側を見ると縫って糸が目立っているが人には見せないところなので問題ない。

 

「奏〜、出来たわよ」

 

「ありがとう・・・・・すごいわね。本当に縫い目が細かいわ」

 

「でしょ〜!!」

 

「すみれさん、終わりましたよ」

 

「////つ、疲れた・・・・・」

 

「////う、うう・・・・恥晒しだよ・・・・」

 

扉がゆっくりと開いてスバルと恭輔が遊輝ちゃんと龍可ちゃんを連れて戻ってきた。二人の顔は真っ赤になって顔を両手で隠している。

 

「ご苦労様、スバル、恭輔。それじゃ二人とも写真撮影に入って。優姫ちゃんと龍可ちゃんは着替えてちょうだい。次の撮影に入るから。それとアリア、あなたの自前の衣装、貸してちょうだい」

 

「えっ?」

 

すみれさんが私に向かって突然変な事を言ってきた。私は訳が分からずに首を傾げ、それを見たすみれさんが私の耳元でこう話した。

 

「皆にあなたのその自慢の衣装を着てもらって、世界中に見せつけましょう」

 

「!!・・・・はい!!!」

 

「もちろん、あなたもモデルをやってもらうわよ」

 

「分かりました!!」

 

「さあさあ!!まだまだ仕事は始まったばっかりよ!!」

 

すみれさんの声が事務所に響きわたり、スタッフとモデルが声を出した。

 




レミ「これ、凄い着心地が良いわね」←アリアの魔法使いの服を着ている。

奏「そうよね・・・・」←上に同じく

茜「私、こういうタイプの服って着づらいイメージがあったけど、これ着たらイメージが変わるわ。しかも可愛いし」←以下略

アリア「でしょ〜!!アリアさんの服は世界一なんだから!」

レミ「コスプレの服もあるけど、オリジナルで作っているってところがまた凄いよね」

奏「後は・・・・デュエル強いわね(汗)」

茜「遊輝っちが止める理由がよく分かるよ。もう完全に事務所のデュエル用心棒だもん」

アリア「アリアさんに刃向かうものなんて一刀両断で切り裂いてやるわよ!」

レミ「・・・ちなみにあの後、三つ子の姉妹は?」

茜「3人で共闘しても全敗。50戦くらいやったから・・・・お母さん、本気で二週間は返さないと思うわよ」

奏「・・・・・あの、私の家のバイト(汗)」

茜「それくらいなら解放してくれると思う」

アリア「というわけで次回もよろしくね!」


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第173話 文化祭に向けて・・・・

【*アンケート、人気投票、質問をバンバン受け付けてます。ハーメルンに登録していない人も投票出来るのでドンドン活動報告やメッセージで投票してください】

とりあえず復帰・・・・ではないな。
一応、復帰宣言としますがまだまだ調子を取り戻せてないところもありますが、何とか戻ってきました。

今回はテンポ重視の会話多めの構成、本当なら地の文を付けたら良かったけど何か・・・・読み辛くなりそうだったから。
結果、締まらない(汗)。ダメだな・・・・・


あとはデュエル構成を書く練習だけです。短期的なデュエルはともかく長いデュエルは2〜3ヶ月書いていないので・・・・・


遊輝 side

 

 

「ウィース!!」

 

「よう遊輝!!!お前また骨折したんだってな!!」

 

「うるせぇな後藤・・・・・人の勝手だろ」

 

「あんまり骨折していたらお前の彼女が悲しむぞ」

 

「へいへい」

 

「おっはよう!!」

 

「響〜!!!久しぶりね!!!悪いけど来週の日曜にハンドボールの助っ人に来て!!」

 

「ごめ〜ん!!その日はバンドの練習があるから」

 

「ああ・・・そうか、もう1ヶ月切ってるんだったわね。だったらそっち頑張ってね!」

 

「もちろん!!」

 

アカデミア再開の日・・・・・

アカデミアの建物復旧に約1ヶ月かかったが6月に入って無事に再開をした。今日がその初日、教室に入ると色々なメンツが挨拶をしてきた。

 

キンコ〜ンカンコ〜ン

 

「おはようございます!」

 

『おはようございます!』

 

「はい、みんな元気で良かったです!」

 

「先生〜!!ここに一人骨折していた人がいます!!」

 

「言うな!!」

 

『アハハハッ!!!』

 

「はいはい、遊輝君の怪我は日常茶飯事ですから」

 

「いやいやいや!?加藤先生!?俺そこまで骨折してないですからね!?」

 

これの前が冬休み、その前がアカデミアデュエル大会・・・・・・あれ?結構な頻度で大怪我している・・・・・

 

「それより皆さん、ちゃんと勉強はしていましたか?来週から中間テストがありますよ」

 

「げっ!?」

 

「特に響さん、今回も赤点の場合、いつものより多く補習がありますのでご注意を」

 

「か、加藤先生〜〜!!!そこはお許しを〜!!!」

 

『アハハハハ〜〜』

 

「そういうわけね・・・・休みの間にちゃんと勉強していたのか今から抜き打ちテストをします!」

 

『ええええ!!!!!!』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「じゃあ今年の文化祭でやる劇を決めるわよ!!」

 

「(今年ももうこんな時期か・・・・・・今年はやけに早い気もするけど劇なら仕方ないのか)」

 

例年の傾向で中等部3年、高等部3年は劇をやる事になっている。もちろん、他の学年もやってもいいんだがまぁ一種の暗黙の領域だ。ちなみに今年の文化委員はレミじゃない。女子生徒2人で切り盛りしている。俺?いつも通り、一番後ろの席でスバルとワイワイと話している。

 

「まず・・・・どうする?創作にする?それともパロディにする?」

 

「パロディにしようよ〜。創作だと台本を考えるのに時間かかるし」

 

「そうだな〜〜」

 

「そうよね・・・・・私たちも考えるのは面倒くさいし・・・・」

 

「じゃあパロディ劇にするとして元ネタは何にするの?」

 

「そうだな・・・・・何があるかな?」

 

「はいはい!!ごちうさ!!!」

 

「ごちうさ?」

 

「『ご注文はうさぎですか?』だよ!!劇に出るメンバーは少ないけど、あれならセットも少なくすむし!!」

 

「私たちにはそのごちうさっていうのが分からないけど・・・・みんなは?」

 

「さんせ〜い!!」 「ごちうさならいい!!」

 

「じゃあ・・・・・私たちは分からないから発案者の彩に任せるわ」

 

「OK!まずはキャラ決めよね!主要キャラはえっと・・・・・」

 

発案した彩が黒板の前に行き、さらさらとキャラの名前と歳を書いていく。

 

「JKが4人とJCが3人、あとは男のバーテンダーとこの主人公の姉、さらには小説家の人、最低限これだけがいるわ。ちなみに主人公はこの子よ」

 

チョークで書いた10人の中から『ココア』という人を指す。

 

「主要人物は上に書いたこの5人、特にこのチノちゃんは中学生だけどかなりウエイトの高い人物よ」

 

「そのチノちゃんの条件は?」

 

「中学生だから身長が低いことね。このクラスだと・・・・150をギリギリ行くか行かないかが条件、それとコーヒー豆に詳しいから、味に詳しくて髪が長いことよ」

 

「150ギリギリだと・・・・京子と美穂だよね?」

 

「京子は?」

 

「私151」

 

「美穂ちゃんは?」

 

「153」

 

「美穂ちゃんは高いね・・・・京子はギリギリ・・・・・2人はでもチノちゃんに向いてないわね。この子、無表情で大人しいから」

 

「あ〜あ、確かに」

 

「「響に言われたくないわよ!!」」

 

「どういう意味!?」

 

「でも困ったわね・・・・それ以外の人はみんな155近くあるし・・・・」

 

「他に150の人は・・・・・・・・」

 

「「「「「・・・・・・・・」」」」」

 

「・・・・!?な、何だよ!?何でみんな俺を見るんだよ!?」

 

キャラ決めの最中、何故か全員こっちに注目をする。俺は慌てて理由を聞いた。

 

「・・・・遊輝、あなた身長は?」

 

「ひゃ、154・・・・・」

 

「本当は?」

 

「ひゃ・・・・153.5・・・・・」

 

「「「「・・・・・・・・・・」」」」

 

「・・・・・ひゃ、149です」

 

圧倒的な圧力に負けてしまい、俺は身長を言ってしまった・・・・・

 

「決まった!!!チノちゃんは遊輝、あなたね!!!」

 

「こら待て!!!俺、ごちうさ知ってるんだぞ!!!何で俺が女子中学生をやらなきゃいけないんだ!?」

 

『心配しなくても遊輝は女子中学生のキャラが一番よく似合う』

 

グサッ!!!!!

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「それにコーヒー豆に詳しいのもあんたは料理や食材についてはよく理解しているじゃない」

 

「髪も長いしね」

 

「でもさ、俺もごちうさは知っているけど髪はどうするんだ?カツラは高いぞ」

 

「そんなの簡単簡単!!染めたらいいよ!!」

 

「ハッ!?染める!?」

 

「どうせごちうさのメンバーのキャラの髪は特徴的なんだからみんな染めたらいいじゃん!!」

 

「いいねそれ!!染めよう!!遊輝の女装の新境地に立つかもしれない!!」

 

「おいこら待てレミ!!!何でそうなるんだよ!?」

 

「はい、というわけでチノちゃんは遊輝ね!!マヤちゃんは美穂、メグちゃんは京子にお願いするわ」

 

「任せてちょうだい!!」

 

「は〜い!!」

 

「だからちょっとま「チノちゃん!!うるさいわよ!!」俺はチノじゃねぇ!!」

 

「次行くわよ!次に重要なのは主人公のココアちゃんよ!」

 

俺の意見を無視して会議はどんどん進めて行く。

 

「なぁ、この際だから歌やダンスもやってみないか?」

 

「?どういう事?」

 

「確かごちうさのOPもEDも声優さんが歌ったり踊ったりしていたはずだぜ。劇の前や後に歌ったり踊ったりしたら観客も嬉しいと思うぞ」

 

「確かに・・・・・・」

 

「それは一理あるわね・・・・」

 

「だから俺の提案は人前で歌うことに慣れている軽音部に主要メンバーを任せることを提案する」

 

「えっ?」

 

青木が言った一言で奏や茜たちは驚いた表情をした。さしずめ、「こいつ、何を言ってるんだ?」だろう。

 

「それいいかも!!軽音部のみんなはクラス外や学外の人たちにも知れ渡っているし!!」

 

「いや・・・・私達は別に構わないけど、皆良いの?この主要メンバー以外は劇に出ないでしょ?」

 

奏が立ち上がって周りを見ながら皆に聞いて行く。ほとんどの奴らの反応は良くて、たまに渋っているやつも「まぁいいか・・・」ぐらいの反応は出ている。

 

「それにセリフとかいちいち覚えてられないから、そういうのが得意そうな軽音部に全部任せたら後々楽だし」

 

「ちょっと、今の言葉聞いていたからね」

 

「まぁ・・・じゃあ主人公は・・・・響かな?」

 

「えっ!?私!?」

 

「だってココアちゃんの雰囲気的に茜や奏やレミは似合わないから」

 

「やったあああ!!!私主人公!!!」

 

「次にこのリゼって人が・・・・・奏かな?常識人であり、身長が一番高いから。本当なら体力があった方がいいのだけれども、そこはまぁ部活と今後の練習で付けていけばいいわ」

 

「分かったわ」

 

「千夜は・・・・・茜ね」

 

「千夜ってどんな人?」

 

「お淑やかで大和撫子な和服美人」

 

「和服美人か・・・・私似合うかな?」

 

「残りのシャロちゃんはレミね」

 

「何か余り物感が凄いする・・・・・」

 

「このバーのマスターがスバル君ね。スバル君、身長も高いし、似合うわよ」

 

「そ、そうか?」

 

「残りはこの小説家の青山さんとココアのお姉さんのモカね・・・・・この人、普通の小説家じゃなくてのほほ〜んとした雰囲気を醸し出しているのよ」

 

「それこそ発案者の彩がやればいいじゃない。その人、小説家何でしょ?次いでだから台本も書いちゃって」

 

「えっ?・・・・そうね、そうしようか。あとはモカ・・・・・」

 

「モカさんの特徴は何だよ?」

 

「う〜ん・・・・・まぁココアのお姉さんだから大体は似ているけど、ココアよりも何でも出来るよ」

 

「う〜ん・・・・・じゃあ琴音に任せようぜ」

 

「いい?琴音ちゃん?」

 

「私は大丈夫だよ〜」

 

「じゃあこれで役決めは終わり!次に大道具と小道具担当・・・・」

 

「その前に服どうするんだ?服が一番の問題だろ?」

 

「服なら茜に頼めば良いじゃない。最近パタンナー雇った言っているし」

 

「おい、パタンナーって何だ?」

 

「服を作る人のことよ。全く、男子は何にも知らないんだから・・・・」

 

「んだと!!」

 

「そんなことよりさ〜、髪を染めるんだったらさっさと染めようよ〜。時間かかるじゃん」

 

「あっ、確かにレミの言う通り・・・・みんな染めて髪型を整えないとダメだから・・・・よし!今から私たち文化委員と彩で買ってくる!!」

 

「えっ?」

 

「というわけで・・・・みんな!!遊輝を逃さないように!!」

 

「「「「「「イエッサー!!!!」」」」」

 

「えっ!?えっ!?えっ!?ごめん話の流れが分からないのだけど!?」

 

突如文化委員二人と女の子が部屋をガラガラと開けて出て行き、残りのメンバー全員が俺を取り囲むようにした。

 

「な、何だよお前ら!?」

 

「だってこうしないとお前逃げるだろ?」

 

「当たり前だろ柳!!誰が好き好んで女装して髪染めるんだよ!!」

 

「というわけで・・・・遊輝を逃さないように私たちで見張るというわけよ!」

 

「ふざけんな!!!」

 

「みんな!!遊輝が暴れようとしているわ!!抑えつけるのよ!!」

 

「「「「「オオオッーーー!!!!!」」」」」

 

「っうえ!?ちょ!?ちょっと待てええええ!!!!!」

 

みんながバタバタと俺に寄ってたかって捕まえてその圧に耐えきれず俺は倒れてしまった。

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「ただいま〜!近くの薬局で良い感じの奴があったから全員分買ってきたわよ!」

 

「まずは遊輝から染めましょう!!」

 

「んんんんん!!!」

 

訳もわからず椅子に縛られて、誰かのハンカチを猿轡にされて喋れない状態の中、文化委員と彩が帰ってきて、ヘアカラーの薬をビニール袋から取り出してきた。

 

「よっしゃ!!!じゃあ今から遊輝の黒髪を水色に帰るわよ!!」

 

「んんんん!!!んんんん!!!(やめろ!!!周りから変な目に見られる!!!アアアア!!!!!!!)」

 

 

〜〜(その日の放課後)〜〜

 

 

「う〜ん・・・・このローラーの動きじゃマニューバにはキツイんだよな・・・・」

 

「ローラーもこれからはエイムが試されるのよ!」

 

「良いよな〜・・・何で響はチャージャーが上手いんだよ・・・・」

 

「スバル、茜と3人で挑むけどいい?」

 

「いいぜ。そうだな・・・・・何で行くんだ?」

 

「私はスシコラ」

 

「リッタースコープ」

 

「ふむ・・・・・塗りがいるな。バレルでも持つか」

 

現在、軽音部の部室。

今日は皆で集まって久しぶりにゲームをしている。今日からアカデミアも再開になってこうやって皆でワイワイと過ごす日々がまた始まった。

 

「・・・・あのさ」

 

「あっ!?やっべ!!ガロンが侵入した!!」

 

「任せない!!リッターの射程よ!!」

 

「ううむ・・・・シャープマーカーで鍛えるか」

 

「・・・・・あのさ!!私たち、何のために集まったか知ってる!?」

 

「知ってる知ってる!!スプラ2の全国大会に向けた練習!!」

 

ゴン!!!!!シュウ〜〜・・・・・・

 

レミの怒りを買った響の頭には大きなタンコブが一つ、山になって出来上がった。

 

「違うでしょ!!全国ツアーに向けた練習でしょうが!!」

 

そう言ってレミの右手にあった一枚の紙が床に落ちた。そこに描かれていたのは俺たち6人の集合写真、そして上には『LIVE FES in Showtime!』の文字が・・・・・

 

俺たち、アカデミア中等部軽音楽部は一年の時から活動が実った・・・・・のか?とにかく、ありがたいことに幅広いファンを獲得することになり、かねてからやって欲しいと言われていた全国ツアーが去年の文化祭後に決まった。もちろん、公に発表したのはもっと後の元旦に発表。反響は・・・・・・凄すぎた(汗)。○フーのトップニュースはおろか、次の日の芸能ニュースでトップで挙げられるってどういうことよ・・・・・

 

まぁもちろん、それだけじゃなくてちゃんとPRもしている。過去のライブ映像や自分たちで作った数曲のオリジナル曲を動画サイトに投稿して評判を見ている。辛辣な意見もあるけどそれなりの評価はもらっている。

 

「それで、最終的にどうなった?」

 

「まず7月の頭から9月の終わりまで13都市15公演、それとアカデミアの文化祭でファイナルの2day」

 

「・・・・・丸々3ヶ月かよ。吐き気するわ」

 

・・・・・本当、どこで間違えたんだ(汗)。何がどうなってこうなったんだろう・・・・

 

ガラガラ〜〜!!!!

 

「ひっさしぶりにゲームやるぞ!!!!」

 

「龍亞さん・・・・ここは部室ですよ。ゲームやるためにある部屋じゃないんですから」

 

「・・・・・あれ?何か」

 

「・・・・何で皆さん髪色を変えたのですか?」

 

祈と龍可は俺たちの髪の違和感に気付いたようだ。

・・・・・・ええそうですよ。何も抵抗できずに水色に染められましたよ、もうどうでも良い気分です。

 

「私たち、今年は劇だからね。カツラを買うよりも染めた方が安上がりだから」

 

「ああ・・・・そう言えば3年生はもう文化祭の準備をするのですね」

 

「1年は期末テスト終わり頃から話し合うからね。まぁその前に2回のテストを補習なしで乗り越えられるか・・・・・」

 

「茜さん!!俺をバカにしすぎでしょ!!」

 

「だって〜、龍亞っちが勉強している姿なんて想像できないよ」

 

まぁごもっともなことだ。こいつ、普段から遊び呆けて宿題を忘れることもチラホラ。

 

「冗談抜きで龍亞、テスト大丈夫なの?」

 

「大丈夫大丈夫!!大船に乗ったつもりでいてよ!!」

 

「その大船が泥舟じゃ意味がないわよ」

 

「全く・・・・・・・・」

 

 

 

それから2週間後、放課後の補習の時間には龍亞と響の姿がいて先生から有難いお説教付きのお勉強が5日続いたとさ。




霊夢「・・・・・違和感ありまくり」

遊輝「うるせぇ・・・・」

魔理沙「遊輝が染めるなら赤だろうな〜、青は合わないぜ」

レミ「劇のキャラのためだからね、私も黄色のボブカットは似合わないと思うけど」

霊夢「あんたはまだいいわよ」

魔理沙「でもやっぱ遊輝は小さい女の子の服がよく似合うことがよく分かったぜ」

遊輝「覚えていろよ・・・・」

レミ「というわけで次回は早めの期末テストになるのかな?私たち、7月からアカデミアに行ける日々が少ないから。次回もよろしくね!」


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第174話 期末テストと言う名の悲劇

【*アンケート、人気投票、質問をバンバン受け付けてます。ハーメルンに登録していない人も投票出来るのでドンドン活動報告やメッセージで投票してください】

最強カードの紹介〜〜。

奏「久しぶりすぎるわね・・・・」

そりゃまあ・・・近況報告をしなくちゃいけないことが多かったからこんな事してられなかったよ。

奏「まぁ・・・・入院は仕方ないよね」

視力も大分安定はしてきたが近くで見るときはどうしても右目に頼っちゃうんだよね。人工レンズはピントの調節が出来ないから。

奏「目の手術とかやりたくないわね」

ごもっともです。最強カードの紹介に行きましょう。今回は・・・・・海亀壊獣ガメシエル。

奏「この小説初登場、壊獣シリーズです。共通効果で相手モンスター1体をリリースして相手フィールドに特殊召喚、そして相手フィールドに壊獣がいる場合、手札から特殊召喚できる」

ガメシエルの効果はガメシエル以外のカード効果を発動した時に壊獣カウンターを2つ取り除けば無効にできるけど、まぁぶっちゃけ関係ないよね。このカードの魅力は壊獣シリーズでも攻撃力が一番低い事だから。

奏「第174話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「これ欲しいなぁ・・・・」

 

「何見てんだ?」

 

「これよこれ、ギブソンのレスポール、Tak Matsumotoモデル」

 

「ブッ!?それ、希少性のある上に超高級ギターじゃねぇか!!ギブソンのレスポールって安くても20万超えるのに、松本モデルって最低価格40〜50万だぞ!?」

 

「だからこそだよね、B'zが好きなギタリストとして欲しいでしょ。遊輝だってテレキャスのブルーフラワーを持っているんだから」

 

「まぁ・・・・そうだな。あれは安価だったし・・・・てかお前、次のライブの為って言って特注でギター頼んでいたじゃないか」

 

「そりゃ・・・・・あの曲やるならやっぱりあのギターを使わないと」

 

「お願いだから私を助けて!!次の期末テストも補習だったら私死んじゃう!!」

 

「うるせぇ!!自分で巻いた種は自分で育てろ!!」

 

「・・・・・使い方が違うと思うけど」

 

現在、龍可たちの家。ここで俺と奏、そして響が集まって響の勉強会をしている。目的はただ一つ、響を期末テストで補習にさせないためだ。

 

「おかしいよ・・・中間テストが終わって2週間後に期末テストだなんて・・・・」

 

「アーククレイドルの事件で6月初めに伸びて、俺たち7月の間はアカデミアは飛び飛びでしか行けないから見兼ねた教師陣が期末テストを俺たちだけ早めたんだろ?仕方ないことだ」

 

「やっぱりおかしいよ!!」

 

「そんな事言ってないでさっさと続きをやりなさい」

 

「だって・・・だって・・・・わからないんだもん・・・・・あ〜あ、ベランダでデュエルしているあの三人が輝いて見える」

 

「んな事言ってねぇでさっさとやれ!」

 

「だから教えてよ!!」

 

「全く・・・・どこの問題?」

 

「ここ・・・・・・」

 

「えっと・・・・・これはね、まずxから割るのよ。そうすればほら」

 

「・・・・・・分かんない」

 

「・・・・ハァ(汗)」

 

こりゃ・・・・響は補習コースかな?(汗)3年に上がった途端に何もかもが躓き出したもんな・・・・

 

「遊輝ちゃ〜ん!!!」

 

「!?ドワッ!!!」

ドン!!!

 

「ア、アリアお姉さんダメ!!私も!!!」

 

「遊輝ちゃんの体って本当に抱き心地が良くて人形みたいね〜」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・遊輝も大変ね、彼女が公認で二人いると」

 

「俺は二人目を認めた記憶なんかないぞ・・・・」

 

後ろからアリアに抱きつかれて、さらには右から龍可にも抱きつかれて身動きが取れない状態。そんな俺の様子を見て、奏は遠い目になりながら俺を見ていた。

 

 

〜〜(数日後)〜〜

 

・・・・キンコ〜ンカンコ〜ン

 

「そこまで!!答案用紙をこっちに持って来なさい!!」

 

「は〜い」

 

俺たち6人それぞれが自分の答案用紙を試験監督の先生に渡す。

 

「よし、筆記テストはここまで。この後に実技テストを行う。お前たちは心配ないと思うがしっかりと準備しておきなさい。以上」

 

「はぁ〜!!!終わった!!!」

 

「小野寺!!気を抜くんじゃない!!」

 

「は、はい!!」

 

「全く・・・・・・」

 

試験監督、生徒指導の先生なのに何やってるんだか・・・・・先生に活を入れられた響は恐縮して頭を下げる。回答用紙を持って教室から出て行った先生を見て、緊張の糸をほどいた。

 

「もう!!ちょっとくらい気を抜いたっていいじゃない!!」

 

「そんな事言ったってお前が一番ここがダメなんだからさ」

 

「何よ〜!!!」

 

「事実じゃ無い」

 

スバルは人差し指で頭を指して響をバカにする。それに対して響は反論をするがすぐにレミがバサっと斬りつける。

 

「ふわぁ・・・・もう実技か・・・響じゃないけどさすがに詰め込みすぎだよな・・・」

 

「仕方ない仕方ない。7月入った途端に九州に行くんだから」

 

「にしても缶詰はさすがに・・・・トイレと昼休憩以外は部屋から出れないのはちょっとね・・・・・おかげでまともな練習をしてないよ」

 

ガラガラ〜

 

「実技テストを行うぞ。デュエルスペースに来るんだ」

 

「は〜い」

 

「気を抜いた返事をするんじゃない!!」

 

あ〜あ・・・・・こいつは本当に・・・(汗)

 

 

〜〜(移動中)〜〜

 

 

「今回のテストも勝敗ではなくデュエルの内容で点数を付けるから気をつけるように。まずは遠藤と水野、それとあっちで葵と遊城だ」

 

「はい」

 

「はい」

 

先生に言われて俺と奏がデュエルフィールドに上がる。奏か・・・・パーミッションにしろ堕天使にしろちとやり辛いな・・・・

 

「それじゃ行くわよ」

 

「OK」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 奏 LP 4000

 

「先行は俺!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「・・・・・魔法カード、一時休戦」

 

「嫌なカード入れたわね・・・・」

 

「互いに1枚ドロー、次のお前のエンドフェイズまで全てのダメージは0だ。ターンエンド」

 

遊輝 手札 6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「(・・・・先行で動かないってことは聖刻の可能性が高いわね)私のターン、ドロー!」

 

奏 手札 7枚

 

「(となると・・・・デッキチョイス間違えたわね・・・・)魔法カード、堕天使の追放。デッキから堕天使イシュタムを手札に加えてイシュタムの効果。このカードと堕天使スペルビアを捨てて2枚ドロー」

 

「(うっわ〜・・・・・殺す気マンマンじゃねぇか)」

 

「堕天使ユコバックを召喚」

 

堕天使ユコバック 攻1400

 

「ユコバックの効果、デッキから《堕天使》カードを墓地に送る。堕天使の戒壇を墓地に送ってカードを1枚伏せてターンエンド」

 

奏 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

堕天使ユコバック 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

堕天使で伏せカード?背徳の堕天使か?それはそれでなかなか面倒臭いな・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 7枚

 

「(・・・・・あっ、トップ解決)速攻魔法、ツインツイスター!」

 

「!?やめてええ!!!」

 

「手札のカードを捨てて、その伏せカードを破壊!」

 

えっと・・・・うわっ!?魅惑の堕天使!?あっぶな!?

 

「それと堕天使ユコバックをリリース!相手フィールドに海亀壊獣ガメシエルを特殊召喚!」

 

海亀壊獣ガメシエル 攻2200

 

奏のフィールドにいたユコバックがリリースされて、その代わりにフィールドに水の竜巻が現れる。水の竜巻が弾いて消えるとガメシエルが奏のフィールドに現れる。

 

「(あっ、まっず・・・)」

 

「こいつは相手フィールドにモンスターがいて、自分フィールドにいない場合特殊召喚できる!聖刻龍ートフェニドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

「そしてこのカードは相手フィールドに《壊獣》がいる場合、特殊召喚できる!怒炎壊獣ドゴラン!」

 

怒炎壊獣ドゴラン 攻3000

 

俺の後ろから火柱が立ち上がり、ドゴランがフィールドに現れる。

 

「トフェニドラゴンをリリース!聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

「リリースされたトフェニドラゴンの効果!デッキからドラゴン族通常モンスターを攻守を0にして特殊召喚する!チューナーモンスター、ラブラドライドラゴンを特殊召喚!」

守0

 

「Lv6のラブラドライドラゴンとシユウドラゴンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

「アトゥムスの効果!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてデッキからドラゴン族モンスターを攻守を0にして特殊召喚する!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」

 

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 守0

 

「レッドアイズの効果!墓地から神龍の聖刻印を特殊召喚!」

 

神龍の聖刻印 攻0

 

「Lv8の神龍の聖刻印と怒炎壊獣ドゴランでオーバーレイ!」

 

☆8 × ☆8 = ★8

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!舞い降りろ銀河究極竜!光と闇の力を一つにし、宇宙の果てから今現れる!エクシーズ召喚!!降臨せよNo,62!!|銀河眼の光子竜皇《ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン》!!」

 

No,62 銀河眼の光子竜皇 攻4000

 

ドゴランと神龍の聖刻印がブラックホールの中に吸い込まれていき、ブラックホールが爆発をして翼を光り輝かせたプラチナがフィールドに舞い降りてきた。

 

「さらに聖刻竜皇ーアトゥムスでオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

★6→★7

 

「ランクアップ・エクシーズチェンジ!迅雷の騎士 ガイアドラグーン!」

 

迅雷の騎士 ガイアドラグーン 攻2600

 

「まぁ今日はこれくらいで勘弁しとしてやろう」

 

「これくらいってどういう意味よ!!」

 

「バトル!!銀河眼の光子竜皇でガメシエルを攻撃!!この瞬間、銀河眼の光子竜皇の効果!!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、フィールドのエクシーズモンスターのランクの合計×200ポイントアップする!!ランクの合計は15!!ただし、銀河眼の光子竜を素材にしていない場合、このカードが与える戦闘ダメージは半分になる!!」

 

No,62 銀河眼の光子竜皇 攻4000→7000

海亀壊獣ガメシエル 攻2200

 

奏 LP 4000→1600

 

「ラスト!!迅雷の騎士 ガイアドラグーンでダイレクトアタック!!」

 

奏 LP 1600→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 奏

 

 

「そこまで!!次は小野寺と栗城のデュエルだ!!」

 

「遊輝〜〜!!!!」

 

「お前もぶっ殺そうとしていたじゃないかよ!?何で俺、怒られなきゃいけないんだよ!?」

 

納得いかねぇ!!!何で俺は奏に怒られるんだよ!?あいつだって1killしようとしていたじゃねえか!!

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

そんなこんなで知らぬ間に響と茜のデュエルが始まっていた。

 

響 LP 4000 茜 LP 4000

 

「先行は私!ドロー!」

 

響 手札 6枚

 

「魔法カード、氷結界の紋章!デッキから《氷結界》モンスターを手札に加える!氷結界の破術師を手札に加える!」

 

「・・・・初っ端から嫌な予感がするんだけど(汗)」

 

「氷結界の軍師を召喚!」

氷結界の軍師 攻1600

 

「軍師の効果!手札の《氷結界》モンスターを捨てて1枚ドロー!魔法カード、二重召喚!このターン、もう一度通常召喚を行える!チューナーモンスター、デブリ・ドラゴンを召喚!」

 

デブリ・ドラゴン 攻1000

 

「デブリ・ドラゴンの効果発動!攻撃力500以下のモンスター1体を効果を無効にして攻撃表示で特殊召喚する!氷結界の破術師を特殊召喚!」

 

氷結界の破術師 攻400

 

「Lv3の氷結界の破術師にLv4のデブリ・ドラゴンをチューニング!」

 

☆3 + ☆4 = ☆7

 

「クレパスの奥地に眠る水の龍がオーロラの光で蘇る。永遠に降り積もる雪を降らせ!シンクロ召喚!放て!アイス・スプラッシュ・ドラゴン!」

 

アイス・スプラッシュ・ドラゴン 攻2500

 

「先行1ターン目からアイス・スプラッシュとは・・・容赦ねぇな・・・」

 

シンクロ召喚して現れたアイス・スプラッシュを見て呟く俺に隣にいる奏はうなづく。だってあれ、手札に対策が無ければずぶ濡れになるんだぜ・・・・

 

「アイス・スプラッシュの効果発動!シンクロ召喚成功時、相手の手札1枚をランダムに除外する!」

 

「くっ!」

 

「さらにアイス・スプラッシュの効果!このターンの攻撃を放棄して自分フィールドの水属性モンスター1体のレベル×200ポイントのダメージを与える!ウォーターフォール!!」

 

ザバアアアアン!!!!!

 

茜 LP 4000→2600

 

「ヘックション!!初っ端からこういう事はやめてちょうだいよね響っち!!それでターンエンド!!」

 

「まだよ!魔法カード、氷結界の意志!墓地のLv4以下の《氷結界》をゲームから除外して、デッキから除外したモンスターと同じレベルの《氷結界》を攻守0、効果を無効にして特殊召喚する!チューナーモンスター、氷結界の守護陣を特殊召喚!」

 

氷結界の守護陣 攻200→0

 

「ぶっ!?ちょ!?ひ、響!?あなたまさか!?」

 

「Lv7のアイス・スプラッシュにLv3の氷結界の守護陣をチューニング!」

 

驚いて唾を吐いてしまった奏、そんな奏の言葉になんか耳を傾けずに響はプレイングを続ける。これは・・・・アカンやつや(汗)

 

☆7 + ☆3 = ☆10

 

「サファイアの宝玉が輝きし時、水の龍が覚醒する。海に永久に続く流氷を導け!シンクロ召喚!!凍らせ!!水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン!!」

 

『・・・・・(ピキッ)ギャアアア!!!!!!!』

 

水玉霊 サファイア・アイス・ドラゴン 攻2800

 

アイス・スプラッシュが上空へと舞い上がっていき、再びオーロラが現れる。そのオーロラから神秘的な雪の結晶が降り始め、その結晶が集まっていきサファイア・アイスがフィールドに舞い降りた。

 

「えっ!?えっ!?ちょ!?ちょっと響っち!?私のターンは!?」

 

「サファイア・アイスの効果!!このターンの攻撃を放棄して、自分フィールドの水属性モンスター1体のレベル×300ポイントのダメージを与える!!アイスフォール!!」

 

『ギャアアア!!!!!!!』

 

サファイア・アイスの咆哮がデュエルフィールド全体に広がり、茜の真上から大量の雪が雪崩以上の勢いで落ちてくる。

 

茜 LP 2600→0

 

 

WIN 響 LOS 茜

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・ひっでぇ(汗)」

 

茜の雪だるまがデュエマスペースに出来ているし・・・・ってか、今の先行1killの確率ってすげぇ低かったような(汗)。

 

「うしっ!!テストなんか消えてしまえ!!」

 

「小野寺!!!」

 

「ゆ、遊輝・・・・茜を救出しよう(汗)」

 

「そ、そうだな・・・・(汗)」

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

「ヘックション!!う゛う゛〜〜!!!(ガクガク)」

 

「こんなもんか?」

 

「も、もっと・・・・(ガクガク)」

 

「これ以上やったら火傷するぞ」

 

「あんた・・・・実技テストで何やってるのよ」

 

「テストの鬱憤晴らし」

 

やって良いことと悪いことがあるんだよ・・・・茜のやつ、タオルで巻いて俺の能力で結構体温を上げてやってるのにまだ寒いとか言ってやがるぞ。

 

「全員終わったな。今回の期末テストはこれで以上だ。この後、全国に行くがしっかりと勉強はするように、夏休みの宿題を先に出しておくから」

 

「ええぇ!!!!!」

 

「驚くことか・・・・」

 

「まぁ3ヶ月も時間があるからちょくちょくやれば余裕でしょ」

 

「っていうわけで・・・・いよいよツアーだ!!」




フラン「・・・・・さすがにあの1killはひどいね」

文「雪だるまになるとか絶対に嫌ですよ」

遊輝「全員最低5回は食らっているからな・・・・その度に俺が溶かして体温を上げるという」

響「だってそういう効果だもん」

フラン「どっちしろあのバーン、地味なんだけど聴くんだよね」

文「裁定変わる前のDDBの二の舞にならずに済んでますよ」

響「次回、いよいよSECRETのライブツアーが始まるよ!」

遊輝「まずは九州地方から、【Live TOUR Live Fes in Show Time!!】」

フラン「フランも行きたいな〜」

文「次回もよろしくです!」


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第175話 Hole TOUR Live Fes in Show Time!!

【*アンケート、人気投票、質問をバンバン受け付けてます。ハーメルンに登録していない人も投票出来るのでドンドン活動報告やメッセージで投票してください】


ちょっとタイトル変えさせてもらいました。
と言うわけで・・・・・バンド、SECRETのオリジナル曲を何曲か載せます。全部載せるとまた文字稼ぎとか言われそうですし、ギュウギュウで見にくいので全体の半分程度にする予定です。


・・・・・・・ちなみにどんな感じで回るのか大体の想像で書いたらこんな感じになった。


ホール (2000人規模)
7/3 熊本
7/8 愛媛・松山
7/14 京都
7/20 新潟
7/25 神奈川
7/30 秋田

アリーナ (8000〜13000人規模)
8/13 札幌
8/20 宮城・仙台
8/27 愛知・名古屋
9/3,4 大阪
9/11 広島
9/18 福岡・博多
9/24,25 埼玉


アリーナは追加公演みたいな感じです。うん、アマチュアデビュー3年目のバンドのやることじゃないな(汗)


遊輝 side

 

 

「やってきました九州、熊本!!」

 

「色々言ってみたいね!熊本城、阿蘇山、船に乗って天草・・・・」

 

「そんな事している暇ねぇぞ。俺たち前日入りでライブ終わった次の日の夜には移動なんだから」

 

「でも終わった日は空いてるじゃん!」

 

熊本市内、熊本駅に着いてレミが一言。

今回のライブでは予算が少ないため移動は割安の特急電車、自由席で移動。まぁそれでも結構良い値段だと思うが・・・・

 

「ここからはスタッフさんが来てバス移動だそうよ。もうすぐスタッフさんが来るんだけど」

 

「あれじゃない?」

 

奏が指差す先には大きな横文字の入った垂れ幕を持った大人数のグループ、そこには『歓迎!熊本にようこそ!SECRET様!!』っとデカデカ書かれて、道行く人々が写真を撮っていた。

 

「・・・・・・・・バカ」

 

「何であんな目立つようにしているんだよ・・・・お忍びの意味ないじゃん」

 

「とりあえずあれでしょうね・・・・行きましょうか」

 

俺たちは垂れ幕を持ったグループに向かって歩いていく。

 

「あの〜・・・・・片村さん?」

 

「君が葵さんだね、ようこそ熊本へ!君たちのツアー初日がここ、熊本に来てくれ私たちは嬉しいよ!」

 

「それは良いんですか・・・・この垂れ幕は?」

 

「こうした方が目立って皆さん迷わないでしょ?」

 

「えぇ・・・・おかけですごい目立って困るんですけど」

 

「えっ!?SECRET!?」

 

「何処だ!?」

 

「写真撮ろう!あとでサインも貰おうぜ!」

 

あんな目立つ垂れ幕、しかも主要駅の駅近に堂々と掲げるから周りの人達が騒ぎ出したじゃないか・・・・どう始末してくれるんだよ・・・・(汗)

 

「それじゃあ行こうか、バスは直ぐそこに止めてあるから。今日はリハーサルをやって近くのホテルで宿泊してもらうよ」

 

「分かりました」

 

「それじゃ行こう」

 

いつの間にか横断垂れ幕は片付けられて、俺たちはスタッフの人に案内されてバスロータリーに止めてあった中型のバスに乗って駅から移動する。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「着きました。ここがライブ会場です」

 

「おお〜、建物が新しいな〜」

 

「最近建て替えましたからね」

 

バスで移動して目的地となる会館に着いた。スバルの言う通り、建物自体は新品に近いような感じがする。

 

「早速中を見ましょうよ!どんな感じなのか!!」

 

スタッフに案内されてスタッフ専用口から廊下に入り、まずは楽屋で荷物を置いて舞台裏に移動。すでに大勢のスタッフが楽器や機材をセットし終えて確認をしている。俺たちは舞台に立って観客席の方を見る。

 

「・・・・・こうやって見たらアカデミアのホールがどれだけバカデカイかよく分かるな」

 

「あのホールの収容人数は10000人だからね」

 

「それでも結構良いじゃない?お客さん全員が私たちを見れそうな距離だし」

 

「去年のアカデミアのコースのライブは70000人だったからね。後ろの人たちは見えにくかっただろうな〜」

 

「それではSECRETの皆さんが来たのでこれより前日リハーサルを行います!皆さん、よろしくお願いします!」

 

「「「「よろしくお願いします!」」」」

 

 

〜〜(次の日)〜〜

 

 

ガヤガヤ・・・・・・

 

「うわ〜・・・・ホールでやるなんて滅多にないからこんなに人がギュウギュウになるんだね」

 

「2000人くらいとは聞いたけど熱気はすごいわね・・・・・・」

 

前日リハーサルを終えたその日の晩、外で食べに行こうにも俺たちは中学生なので遅くまで外にいることは出来ないため結局ホテルにあるお店で食べることになった・・・・・・馬刺し食いたかった(汗)

 

そんなことはさておき、いよいよ本番3分前、カーテン越しでチラチラと顔を出す響や茜はすでにいっぱいのお客さんたちの熱気に少し押され気味だ。

 

「響〜、茜〜、エンジン組むわよ」

 

「は〜い」

 

すでにベースを持っているレミが響と茜を呼び戻して、お客さんの見えないところ・聞こえないところでエンジンを組む。

 

「それじゃあ、ツアー初日、気合い入れて行くわよ!1・2・3!!」

 

「「「「「Let's Go!!!」」」」」

 

『大変長らくお待たせしました。SECRET、HOLE TOUR、熊本公演を開催します』

 

パチパチパチパチ!!!!!!!!

 

気合いを入れたところで客席にアナウンスが流れる。観客の拍手とともに一度、ステージのライトは全て消される。その暗い中、スバルと響、茜とレミが先にステージに立つ。

 

《ワアアアアア!!!!!!》

 

♪♪〜〜〜〜〜♪♪〜〜〜〜〜

 

観客の拍手と歓声が巻き起こる中、スポットライトが響に当たり、響のソロからイントロが始まる。キーボードから流れるゆっくりとした音は観客の熱気、感情などは高まって行く。

 

♪♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

響のキーボードのソロの途中に先に奏が入り、最後に俺がスポットライトに当たりながらステージに出て行く。

 

♪・♪・♪!!♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜〜〜

 

《オオオ!!!!!》

 

♪♪〜〜〜♪♪♪!!!!

 

『ウッ!!!』

 

スバルのバチの合図で俺は最初の曲のイントロ部分を弾き始める。そのイントロを聴いた観客は一斉に歓声を上げ、曲のテンポが上がったところでマイクスタンドを持った奏の声がホールに響き、スポットライトが奏に当たりながらステージのライトが全てついた。

 

 

 

1 It's show time! 【B'z】

 

2 カルマ 【BUMP OF CHICKEN】

 

〜〜〜♪♪♪♪!!!!

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございます』

 

エレキギターをスタッフに預けた奏はマイクスタンドからマイクを取って前に出る。

 

《奏さ〜ん!!!》

 

《熊本にようこそ!!》

 

『ありがとうございます。え〜、私達はデュエルアカデミアの一部活動から始まった軽音楽部、SECRETですが皆さんのお声にようやく答えるという形でツアーが決まり、無事に初日をここ、熊本で迎えることができました』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

《イメチェン!?》

 

《髪どうしたの!?》

 

『ああこれ?これはちょっと・・・文化祭の関係でね(汗)。お陰で凄い違和感があって・・・』

 

《似合うよ!!》

 

《遊輝さ〜ん!!!》

 

『ありがとうね、それじゃ次の曲なんだけど・・・・次からは3曲連続でSECRETのオリジナル曲をやろうと思います』

 

《オオオオ!!!!!》

 

『その関係で一曲一曲に簡単な説明を入れたいのだけど、大丈夫?テンポ悪くなっちゃうけど』

 

《大丈夫!!!》

 

《無くていい!!》

 

『・・・・・どっちよ?(汗)』

 

《早く歌って!!》

 

『急かさないで(汗)。じゃあ最初の曲だけ説明して、続けて2曲目は説明なし、最後の曲は歌い終わったら説明する、これでいい?よかったら拍手してくれるかしら?』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

『じゃあまずは最初の曲。このバンドを結成して3年目、今までやってきた曲とはちょっと違う、バンドっぽくない曲をやります。行くよ!!【ポップステップジャンプ!!】』

 

♪♪♪♪〜〜〜!!!

 

 

『せっので ホップステップジャンプ!!

いつだって みんなと 高く高く飛んでみようよ 笑顔で

 

いつもニッコニコ 煌めく目がスパイス

朝の日差しよりも眩しい 君の笑顔

「何でいつもそんなに笑ってられるの?」

悲しいことはあるよ でも笑っていたら忘れられる

そんな当然な返し 「聞いたこっちがバカだった」

友達にバカにされた それでも笑顔になってた

 

今日あった悲しい出来事 悔しい出来事

耳を防ぎたくなるよ

でも (でも) 笑顔になったら全部忘られる

だからこそ こんな時には

 

せっので ホップステップジャンプ!!

高い丘から飛んでみた この街を全部見渡せた気がして なんだか嬉しくなった

せっので ホップステップジャンプ!!

もう一度飛んでみた 今度はお母さんよりも高くなった気がして 心が軽くなった

 

せっので ホップステップジャンプ!!

 

遠足の日の雨模様 せっかくのお菓子も

せっかくのお弁当も 台無しになる

てるてる坊主に 願いを込めて

た〜くさん作って 玄関に飾るよ

小雨模様 バスの中 どんより模様

そんな時でも 君は笑顔 何でそうなるんだ?

 

動物園について 入り口から入って

雨が当たり憂鬱気分

でも (でも) 笑顔に笑っていたら晴れるよ

だからこそ こんな時には

 

せっので ホップステップジャンプ!!

みんなで飛んでみた ゾウさんよりも高くなった気がして キラキラ星になった

みんなで ハイジャンプ!!

高いところから飛んでみた キリンよりも高くなった気がして みんなの笑顔が虹になった

 

 

せっのでホップステップジャンプ!!

みんなで一緒に あの輝いている星に向かって

高く飛んでみよう!

せっのでホップステップジャンプ!!

いつだって みんなと 高く高く飛んでいこうよ 笑顔で

 

せっのでホップステップジャンプ!!』

 

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

『続いて行くわよ!!【Dreaming】!!』

 

♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

 

『不安定なことばかり 気になって

日常に埋もれ 色んな色に汚されて

 

大したこともせずに 未来図を勝手に汚され

僕のキャンパスは描かれる だから 真白にして

 

行こうぜ!

新しいキャンパス開いて 鉛筆で下書きして どんな未来を描けるかな? 想像してみよう

描こうぜ!

新しい夢探して 行け!荒れ狂う海原へ

どんな自分になれるかな? 想像してみよう

drawing

 

ほんの少しだけ 疲れて

水筒飲み干して 気合い入れなおし

 

日常から非日常に スイッチを入れ替えて

僕らの旅は続く そんな漫画 見たいに

 

行こうぜ!

新しい光探して 暗闇を突き進んで

どんなお宝を手に入れるかな? 想像してみよう

走ろうぜ!

新しい出会い求め 荒れ狂う世界を駆け抜けて

どんなことが起きるだろ? 想像してみよう

thinking

 

 

甘い甘い夢ばかり見て 日常に引き戻されて

「そんな人生なんて嫌だ」 そんな事言っても どうしようにもない だからせめて 大きな夢を見に

 

行こうぜ!

新しいキャンパス開いて 色をつけてカラフルにして

どんな未来を描けるかな? 想像してみよう

行こうぜ!

新しい夢探して 行け!荒れ狂う海原へ

どんな困難が待っているかな?想像してみよう ポジティブに

 

どんな自分になれるかな? 想像してみよう

dreaming』

 

♪♪♪♪〜〜〜!!!!

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜

 

4曲目が終わり、すぐにスバルがドラマを書いてリズムを変える。今までのアップテンポの曲からゆったりとしたテンポの曲、その曲に合わせてギターとベースの音が重なりイントロが始まる。

 

 

『笑いながら走りあって いつでも二人でふざけあって

隣にお前がいたから俺がいて いつでも二人して 先生(おとな)に怒鳴られ

あの日の夜に お前と初めて会って いざこざから始まった殴り合い

そんなくだらない 馬鹿らしい出会いが 友達(だち)という大事な物だと気付いた

 

Best friend Best friend 固く結ばれた

Best friend Best friend この絆は解けない

本気で笑い合い 殴り合い 共に青春を叫んだ友達(だち)に 大きな声で叫ぶよ Best friend

 

とてつもなく途方にくれ 悩みもがき苦しんだ日々

隣にお前がいてくれたおかげで いつでも二人して 助けあえた

 

あの日の夜に 俺の心が砕け散って 大事なものを失いかけた

そんなプライド 初めから無かったと お前が教えてくれたんだ

 

Best friend Best friend 彷徨う俺を

Best friend Best friend 立ち止まされた

傷つけあい 助け合い 共に支えて生きてきた友達(だち)に 照れながら言うよ Best friend

 

ああ

ここでお前とあって 俺は揺るぎないものを手に入れて お前と二人してやってきたんだ

だから俺たち いつまでも

 

Best friend Best friend 大切な友達(だち)へ

Best friend Best friend この言葉を送るよ

共に歩んで 共に過ごして 大切にしてくれて嬉しかったよ

 

Best friend Best friend 俺からの贈りもの

Best friend Best friend お前は喜ぶかな?

本気で笑い合い 殴り合い 共に青春を叫んだ友達(だち)に 大きな声で叫ぶよ Best friend』

 

 

♪♪〜♪♪♪〜〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!

 

『ありがとうございました。さっきの曲は【Best friend】という曲です。歌った通り、悪仲間との友情をテーマにしてみました。私自身は悪仲間というと・・・・ここにいるメンバーかな?』

 

《ハハハハハ!!!!》

 

『ここにいるメンバーと切磋琢磨して今にいる・・・・・ってカッコ良く言ったけどどうかな〜?』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

『ありがとうございます。え〜・・・・・それじゃまぁ、今度はカバー曲をやりましょう!ギター!』

 

♪♪♪♪〜〜〜♪〜〜〜

 

 

 

6 やさしい気持ちで 【Superfly】

 

7 愛の歌 【倖田來未】

 

8 トリセツ 【西野カナ】

 

9 Glory days 【オリジナル】

 

10 星の風 【オリジナル】

 

11 Show Time! 【オリジナル】

 

 

 

♪♪〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございました!!』

 

マイクをマイクスタンドに戻した奏はスタッフからアコースティックギターを受け取って俺とポジションを入れ替える。俺もアコースティックギターを持ってボーカルのポジションに立った。

 

《遊輝さ〜ん!!!》

 

《遊輝〜〜!!!!》

 

『ありがとうございます。え〜・・・ちょっと準備がありますのでその間に自己紹介でもします』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

『ドラム、遊城スバル!!』

 

♪♪〜♪♪♪!!!!!

 

『キーボード、小野寺響!!!』

 

♪〜〜〜♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

『ギター&パーカッション、栗城茜!!』

 

♪♪♪♪〜〜〜♪〜〜〜!!!!

 

『ベース、葵レミ!!』

♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪〜〜〜

 

『ヴォーカル&ギター、水野奏!!』

 

♪♪♪♪♪!!!

 

『最後、私、ギター&ヴォーカル、遠藤遊輝です!』

パチパチパチパチ!!!

 

ドラムのスバルから一人一人紹介をして、それぞれの紹介の時にそれぞれの楽器の音を鳴らす。最後の俺の挨拶は頭を下げて、観客から拍手が巻き起こる。

 

『え〜・・・・まぁツアー初日ということで、色々な不安もありましたが・・・今のところは何とか無事にこなしています。特にキーボードの響はテストの補習を受けてツアーに参加出来なかったかも』

 

『ゆ、遊輝!?』

 

《ハハハハハ!!!!》

 

『それに始めてのことばっかなので機材トラブルとかも心配しましたけど・・・皆さんの熱気や感性のおかげで中盤まで来ることができました。まだまだ盛り上がっていくぞ!!!』

 

《オオオオオ!!!!!》

 

♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

独特の音楽から始まったイントロ、そのイントロに合わせてキーボードとドラムの音が乗り、アップテンポの曲へと変わっていく。

 

 

 

12 表裏一体 【ゆず】

 

13 *〜アスタリスク〜 【ORANGE RANGE】

 

14 シュガーソングとビターステップ 【UNISON SQUARE GARDEN】

 

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜!!

 

《イエエエエ!!!!》

パチパチパチパチ!!!!

 

 

 

『え〜、次から3曲はオリジナル曲です。最初の曲、皆さんはここ熊本出身ですか?』

 

《イエエエエ!!!!》

 

『熊本以外にも住んでいる人〜〜!?』

 

《ワアアアアア!!!》

 

『あっ、以外と多い』

 

《ハハハハハ!!!》

 

『ま、まぁ、今日は熊本なので熊本に限定させてください。熊本県民は熊本が好きかああ!?』

 

《イエエエエ!!!!》

 

『熊本を誇りに思ってますかああ!?』

 

《イエエエエ!!!!!》

 

『熊本を心から愛してますかああ!?』

 

《イエエエエ!!!!!》

 

『そんな地元愛をテーマにした歌です!!【Hometown】!!』

 

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

 

『交差点の角にあった ガソリンスタンドがコンビニ変わっている

子供の頃はその隣に平凡な食堂があったはずだ

水田畑のばかりの田舎町が住宅街に変わっていき

虫のさざめきがエンジン音へと変わっていく

 

流行という言葉には鈍感だった

そんなこの町の景色は変わってきた

それでもこの町を愛している気持ちは変わらない Oh year

 

HEY!(HEY!)

僕らはまたこの生まれ育った町に帰ってくるよ

HEY!(HEY!)

誇りや夢を語りまくったこの町に土産話を連れて帰るよ

妻や子供に誇れるものはなくてもこの生まれ育った町を 愛しているよ

 

緑道の屋台で買った十円くじ 友達と一緒に歓喜と悲劇の繰り返し

高校の頃は放課後 駅の近くの売店で摘み食いの毎日

夜には不良どもの溜まり場となる公園

バイク音からサイレンの音まで響いていたな

 

大した名所もない

遠くにある寂れた遊園地も廃業

だけどもこの町の人々の笑顔と人情は変わらないで Oh year

 

HEY!(HEY!)

僕らはこの街を懐かしく思ってまた帰ってくるよ

HEY!(HEY!)

大した目的もなく親の家に居候みたいな感じで

同僚や後輩に誇れるものはなくてもこの生まれ育った町を 愛してるよ

 

 

この町から出ていた時に メールで送られた旅立ちの言葉 何年たっても消せずにいるんだ

コンビニ・ファーストフード・パチンコ

ショッピングモールだなんて

こんなださい町には似合わない

だけれどもこの町の景色は変わってしまう

だからと言ってこの町を嫌いになるわけじゃない

 

HEY!(HEY!)

僕らはまたこの生まれ育った町に帰ってくるよ

HEY!(HEY!)

誇りや夢を語りまくったこの町に土産話を連れて帰るよ

誰にだってある故郷への誇りを胸にして この生まれ育った町を 愛してるよ

 

ラッラララ〜〜ラッラララ〜〜〜〜』

 

 

 

『一緒に!!!』

 

『ラッラララ〜〜ラッラララ〜〜〜〜』

 

『ありがとう〜〜〜〜!!!!』

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

『次行くぞ!!【素晴らしき世界】!!』

♪♪〜♪♪〜♪♪♪!!!!

 

 

 

16素晴らしき世界 【オリジナル】

 

 

 

〜〜♪♪♪♪♪♪〜〜〜!!!

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

曲が終わり、スタッフからアコースティックギターを受け取ってベルトを肩にかける。そのままマイクスタンドに立てたマイクに向かって話しかける。

 

『ありがとうございます。それでは本日最後の曲です』

 

《エエエエ!!!!!》

 

『・・・・・・だからそのエエエエっていう反応やめて(汗)。本当に困るからさ』

 

《もっと続けて!!》

 

『続けたいのはやまやまだけど、明日は熊本観光してみたいし、何より労働基準法の問題が』

 

《ハハハハハ!!!!》

 

『それでは本日最後の曲、去年の文化祭、Fantasy Worldのテーマ曲です。ある時、一人の男が幻想の世界に巻き込まれ、そこで出会った不思議な人たちとの不思議な生活・・・・・・【Fantasy World】」

 

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪

 

 

17 Fantasy World 【オリジナル】

 

 

♪〜〜〜♪♪〜♪♪〜・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございました』

 

最後の曲を終えてマイクスタンドの前に立ち、頭を下げる。そのまま先に下がった他のメンバーを追いかけるようにステージから舞台裏に下がっていった。

 

「お疲れ様でした」

 

「お疲れ様です。何とか大きなトラブルもなく過ごせましたね」

 

「えぇ、僕らでもやっぱりツアーの初日というのは気が気ではありません」

 

「遊輝〜、お疲れ〜」

 

「お疲れ、奏」

 

「早速だけど飲み物飲んだらギターをストラトに変えてね」

 

「はいはい・・・・」

 

スタッフさんと話していたら舞台裏の奥から奏が紙コップに入ったお茶を手にして俺に渡してきた。俺はそれを一気飲みして上着だけを着替えに行く。

 

「アンコールが入りました。準備をお願いします」

 

「は〜い。みんな、行くわよ」

 

「ウッス」

 

「さぁ、もうちょっとだけ頑張りましょうか!」

 

全員、着替え終えたところで舞台袖に立ち観客の拍手とアンコールの声が鳴り響く中、今度は皆揃ってステージへと戻る。奏はマイクを持ってアンコールのお礼とMCを始める。

 

《ワアアアアア!!!!!》

 

『アンコールありがとうございます』

 

パチパチパチパチ!!!

 

『え〜、それでアンコールなんですが・・・・じつは前々からアニソンをやって欲しいと言われまして・・・』

 

《オオオオオ!!!》

 

『いや、そこまでの過剰な期待をしないでね!私たち、あんまりアニソンというものを知らないから!!』

 

《エエエエ!!》

 

『アニソンはやるよ!!やるから安心して!!』

 

パチパチパチパチ!!!

 

『えぇ、まぁ・・・・非常に困ったから、ちょうど定番の曲になるけどいいかな?』

 

《いいよ!!!》

 

《定番の方が分かりやすい!!》

 

『ありがとうございます。それじゃ・・・・・』

 

・・・♪♪♪♪

 

《オオオオオ!!!!》

 

アンコール一発目の曲・・・・最初のAメロの部分は奏一人のコーラスから始まる。そして奏が歌い上げたところでドラムの音が鳴って最初の曲が始まった。

 

 

18 魂のルフラン 【高橋洋子】

 

19 crossing field 【Lisa】

 

♪♪〜♪♪〜!!!

 

 

 

『それでは・・・・ここからまたオリジナル曲を一つ』

 

《オオオオオ!!!!》

 

『この曲はね・・・・作詞は遊輝なの。だけども遊輝がこの歌を歌うとみんなしっくりこなくてね、それで私が歌うことになったのよ(汗)」

 

《ハハハハハ》

 

『でも難しいのよ、遊輝が作ったから男っぽい歌詞もあって・・・・でも、個人的には凄く良い曲だと思っているので頑張りたいと思います・・・・・【ありがとう】』

 

♪♪〜♪♪〜

 

イントロもなく、最初のキーボードから出るピアノの音と共に奏の声が乗る。

 

 

『「ありがとう」 「さようなら」

こんな言葉なんて 垢がつきまくるほど 使い古したのに

 

「大切な物は家族です」 入学式後の授業で

親父を真っ赤にしてた 無邪気に生きてた

子供の真っ白な心 今では灰色に濁って

何にも信じられず 親父と口喧嘩

 

「何を目指してもいい めちゃくちゃでもいい 自分の意志を貫き通せ」

親父の言葉 背に生きてた

目指すもの 遥か頂き 目指すんだ

 

さようなら 今まで何にもしてこれず

親不孝呼ばわりされるけれど それでもこの願いを叶えるため この街を出ていくんだ

 

上京して0から始まる 新たな期待と不安

やがて壁にぶつかり 引きこもってしまった

心の片隅にある 「夢」を探したはずなのに

蓋をして閉じ込めて のうのうと生きる日々

 

「どれだけくじかれようと 何度も挫折しようと お前の思い 簡単に捻じ曲げるな」

親父の言葉 再起の時に蘇る

必ず夢を 叶えるため 再び立ち上がるんだ

 

ありがとう 黒くなりかけた心

もう一度白に戻してくれて 今度こそ描き続けた 夢を叶えるんだ

 

 

「壁にぶつかっても 跪いても

まっすぐ見つめろ 自分を信じろ」

旅立つ前の 最後の言葉

ようやくその時が来た気がしたから

 

「ありがとう」 「さようなら」

こんな言葉なんて 垢がつきまくるほど 使い古したのに

それでも こんな言葉しか出てこない

何でなんだろ? 親父の不器用な遺伝

俺にも受け継がれてるんな?

だからこそ 今ここで 叶えるんだ

遥か頂き 登り続けようと 夢を叶えるまで

 

ありがとう さようなら』

 

 

♪♪〜♪♪〜〜〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございました。え〜・・・・まぁこんかなんじでツアー初日をもうすぐ終えることになります』

 

《エエエエ!!!!》

 

『・・・・だからぁ〜(汗)』

 

《ハハハハハッ!!!》

 

『ちょっと準備に時間がかかるから私の話に付き合ってね。私たち、今のような形になってからもうすぐ3年目だけど、まぁ色んなことがあったわ。それはもちろん見えているところでは良いことばかりだけど、見えてないところでは苦労を味わったり、練習がしんどかったり・・・(汗)。それでも、いつもこうやってメンバーがいてくれて、お互いに支え合うことが出来たから、今こうしてツアーというのも出来ていると思いますのそろそろ準備いいかな?』

 

奏がお客さんに向かってMCをしている時にスタッフさんと俺たちで最後の曲の準備をする。全員が前に出てスタンドマイクの前に立ち、奏はタンバリン、俺はハーモニカ、レミはフルアコのエレキギター、それ以外はアコースティックギターを手にした。

 

『それではまぁ・・・・最後はみんな仲良く、いつまでもこんな関係が続くことを願って・・・・・【何気ない日常】」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

♪♪〜♪♪〜

 

 

21 何気ない日常 【オリジナル】

 

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

最後の曲を終えて鳴り止まない拍手の中、ギター組は楽器をスタッフさんに渡した。

 

『え〜、今日は皆さんのおかげで無事にツアーの初日を終えることができました。本日はありがとうございました!!』

 

「「「「「ありがとうございました!!」」」」」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『それでは、こんな感じでホームツアーとアリーナツアーを頑張っていきます!』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

《頑張ってええ!!!!》

 

最後の挨拶を終えて、俺たちは舞台袖に下がっていった。

 

「皆さん、お疲れ様でした。もうすぐ21時ですので打ち上げはホテルで行います」

 

「またホテル〜、いい加減外に出たいよ〜」

 

「文句言うなよ」

 

「とりあえず楽屋の荷物を持ってホテルに行きましょう。反省会とかはその時ね」

 

ステージ裏から全員で楽屋へと向かい、荷物を持って支度を始めた。

 

「でも楽しかったわ〜、緊張したけどああやって気分を高めてくれるからやっぱりいいよね」

 

「そうね。私たちも熱気に包まれていって楽しくなってきちゃうもの」

 

「そうだな」

 

これから3ヶ月、こんな感じで回っていくのか・・・・大変だけど気合入れて頑張ろうか。




霊夢「あんたたちって改めて凄いって分かったわ」

遊輝「何度も言うが俺たち、アマチュアバンドだからな(汗)」

紫「やっていることはプロデビューして2、3年目のことじゃない」

霊夢「ところで、何で期間空いている上にこの・・・・キャパの広さ違うのよ」

遊輝「アリーナは追加公演だからだよ。まぁ追加公演とは言え、やる曲は変わるんだけど」

紫「あら、そうなんだ」

遊輝「おかげで大変なんだよ・・・・コード譜覚えるのがしんどい」

霊夢「次回は・・・・まだ未定ね。それじゃまたね」


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第176話 京都観光

地元の近くだと執筆しやすいね。
何でこの話を書いたかと言うとですね、次の話からWRGP決勝戦にしようと前々から思っていたんです。ただ、デュエル構成の時間が結構かかると予想されるので合間にクッションを入れようとしたのです。


・・・・バンドリのガルパ楽しい。音ゲー初心者で練習しようと思いやったけど、カバー曲があっていいね、さすがブシロード。ただ、ラグだけは勘弁してほしい。フルコンボの挑戦を何度か途絶えることになったから。


遊輝 side

 

 

「次どこ行く〜?」

 

「鴨川行ってみようよ。あそこの川床は有名じゃない」

 

「鴨川行くんだったらそのまま北上して神社にも行って見たいな」

 

「・・・・・ここから時間かかるぞ」

 

ツアー中盤、松山も結局リハーサルのせいで碌に観光が出来なかったが、京都公演は日程に少しの余裕があるので今日と明日、2日間をかけて観光してみようということになった。現在もう4時前、京都市内の有名な観光名所には回れるだけ回った。

 

「(・・・・・疲れるだけだから嫌だったんだよな(汗)」

 

むか〜し、前世にいた時に修学旅行で京都に行ったんだが、とにかく移動がしんどかった。清水寺から金閣寺に行くとか超地獄だったな・・・・

 

「鴨川か・・・・そのまま川床でご飯とか食べてみたいよね」

 

「無理言わないでよね。あそこ高いんだから」

 

「そうでもないぞ。鴨川の川床は初心者向けで色んな店があるから。まぁ、人気が高くて入れるか分からないけど」

 

「あっ!舞妓さん!」

 

響が坂道から降りて来る二人の舞妓を見つけた。舞妓はこちらに気づいて、軽く微笑んで通り過ぎていった。

 

「良いなぁ、舞妓さん」

 

「やめといた方が良いよ響っち。あそこまで塗りたくっていたら肌荒れるし」

 

「でも一回やってみたいし〜」

 

「舞妓はあれだけど着物のレンタルならできたはずじゃね?確か・・・・・ほら、ここのページに」

 

「えっ!?どれどれ!?」

 

スバルが持っていた観光ブックを響は強奪、そのままそのページをじっくりと見る。

 

「・・・・これ良いわね!!みんなやろうよ〜!!」

 

「う〜ん・・・・まぁ1回くらいなら」

 

「私も」

 

「私パスしたいんだけど・・・」

 

「茜はやらなきゃ、劇の役柄で和服美人にしなくちゃ行けないし」

 

「だってしんどいし・・・」

 

「行こうよ皆で!」

 

「えぇ・・・・・・・スバル〜、明日鉄道博物館と水族館に行ってみないか?」

 

「鉄道博は賛成だけど水族館は・・・・・」

 

「いいじゃんか別に!!着物着るだけだよ!!」

 

響はああ言うんだけど、着物ってすげぇ面倒臭いんだよな・・・・下駄で歩くの苦手だし・・・

 

「って言うことで明日皆で行こう!!」

 

「遊輝も行こうよ。別に()()の着物を着るだけだし」

 

「何で男物を強調するんだよ・・・・・」

 

 

〜〜(次の日)〜〜

 

 

「いらっしゃいませ。ご予約のお名前は?」

 

「小野寺です!」

 

「はい、女性の方四人と男性の方二人ですね。こちらへどうぞ」

 

結局、押し通されて昨日の夜に響が予約をした。7月とはいえ、平日のど真ん中だったためすんなりと通ってしまった。

 

「男性の方と着物の女性はこちらの部屋で着付けをします」

 

「は〜い!!」

 

ウキウキ気分の響、それに続くようにレミと奏・茜は2階に上がって行った。俺たちは入り口から奥の部屋に入っていき、部屋に俺とスバルだけが残る。すぐに着物を着た女性二人組が男用の着物セットを持って着て、着付けが始まる。

 

「凄い体がしまってますね」

 

「ありがとうございます」

 

「何か運動でもしているのですか?」

 

「いんや・・・・特には」

 

「俺も・・・・そうだな」

 

「そうですか。さて、それじゃ着物を着付けますね」

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「よっ、早かったな」

 

「暇していたんだからね」

 

「まぁここからまだ1時間近くかかりそうだけど」

 

お店の入り口にはすでに着物に着替えた茜がいた。緑色の着物を着ている茜はカバンの中をゴソゴソとして本を取り出す。スバルは青い着物を、俺は赤い着物を着ている。

 

「フゥ〜・・・・こんな時期に着物とはねぇ・・・」

 

「茜の言う通りだな。今日は熱いぞ。最高気温何度になるんだ?」

 

茜と同じくフゥ〜と息を吐きながらスバルは椅子に座る。俺たちが着ているのは着物とは言っても、その一種である浴衣を着ている。さすが、盆地の京都の夏。すこぶる熱くて普通の着物を着ちゃうと熱中症になってしまう。

 

「この後どこに行くの?」

 

「そうだな・・・・ほとんど観光してしまったし・・・」

 

「お客様、それでしたら鞍馬に行ってみたらどうでしょうか?」

 

「鞍馬?」

 

「はい、今の時期でしたら山が涼しいですし」

 

「ふむ・・・・行ってみるか?」

 

「そうだな」

 

「お待たせ〜!!」

 

2階から響とレミ、奏が降りてきた。響はピンク色、レミは黄色、奏は水色の着物を着ている。響が入り口にある下駄を履いて、外に駆け出す。

 

「お、おい!!ちょっと待てよ!」

 

「もう・・・相変わらずなんだから」

 

「とりあえず今から鞍馬に行くぞ。えっと・・・・地下鉄だな」

 

 

〜〜(移動中)〜〜

 

 

「凄いね〜〜、涼しいねぇ〜〜」

 

「あぁ、同じ京都とは思えないくらい涼しいなぁ」

 

地下鉄と電車で揺られること1時間ちょっと、山深い土地の駅に着いてそこから名所となっているお寺に向かう。川沿いであり、山の深くに位置するこの場所はとても涼しい。

 

「まずはお参りだよね!と言うわけでレッツゴー!!」

 

「いやいや、レッツゴーって言うけど・・・・ここから40分よ!40分!」

 

「まぁ整備された道だし下駄でも歩けるだろ。その先は無理があるけど」

 

鞍馬は初心者でも簡単にできる山登りコースがあり、本当ならこの山登りをしてお寺と奥にある神社に行くらしいんだが、今回の俺たちは着物に下駄。いくらなんでも登山道を下駄で歩くのは無理があるためそこに行くのは断念だ。

 

「40分登って、あとは降ってゆっくりと川沿いを歩くだけだから大丈夫だって奏っち」

 

「ん〜〜・・・・・・・」

 

「ゆっくり行けば良いんだし、着物のレンタルもこんな時のために明日まで借りれるようにしたんだから」

 

「そう言うわけでお寺に行くわよ!!」

 

楽しそうに響がお寺へと向かって行く。観光客が流れ込むように同じ目的の場所へと向かうため、結構な人数が向かっている。

 

「ぎゅうぎゅうなのが嫌だな〜・・・確か鞍馬は秋の観光が有名だったはずだけど」

 

「そうそう、さっき乗った電車が紅葉の季節に走ると爽快な景色を見ることができるのよ」

 

「今だったら電車の外を見ても一面緑色にしか見えないけど」

 

全く持ってその通りだ。真夏の京都観光なんかやるもんじゃないな。人多いし、熱いし、何処行っても混んでるし。

 

「この階段を登れば良いのよね」

 

「えぇ・・・・ロープウェイあるんだからロープウェイに」

 

「じゃあ行くよ!!」

 

「あっ!!響っち!!下駄で走ったらこけるよ!!」

 

「・・・・あ〜〜あ、行っちゃったわね」

 

「良いじゃねぇか別に、歩いて行こうぜ」

 

「えぇ・・・・・」

 

運動が苦手な奏はとにかく楽をしたいためロープウェイに乗りたいらしいが先に響が駆けっていったため、歩きで山を登ることが決定した。

 

 

〜〜(2時間後)〜〜

 

 

「次何処行く〜?」

 

「お前気が早すぎるだろ・・・・」

 

「だって回るとこ回ったし」

 

「ハァ・・・・ハァ・・・・」

 

「か、奏大丈夫?」

 

「こ、こんなに山登りするんだったら着物なんて着てなかったよ」

 

って言うかここ、着物でくるような所じゃねぇだろ。明らかに俺たち浮いているぞ。他の奴らがこっちを見ているし。時々小声で俺たちの名前言ってくるし。

 

「とりあえずさ、昼飯食おうぜ。そろそろ混む時間だし」

 

「って言うけど・・・・どこもかしこも高いわよ」

 

「そんなこと言ったって、ここそう言うところだし」

 

「ん?なんか人が集まってるぞ?」

 

スバルが指差す先には確かに大勢の人たちが群がっている。全員、何があるのか気になったのでそっちの方に向かうとスピーカーを持ったおじさんが叫んでいた。

 

「さぁさぁ飛び入り参加OKのデュエル大会だよ!優勝者は川床でのお食事がグループで食べられるよ!」

 

「川床のお食事!?やろうよ!やろうよ!」

 

「・・・・・どうする?」

 

「デッキは持ってきたけど・・・・俺、まだ無理」

 

「そりゃあんたはねぇ、ペンデュラム使うし」

 

「言い出しっぺの響っちは決定、あと一人くらい・・・・・」

 

「スバルで良いんじゃないの?一番勝ち上がれそうだし」

 

「俺は良いぜ。デュエル出来るんだし」

 

「それじゃあ二人に頼もうかね」

 

川床のお食事を掛けた大会もどきは言い出しっぺの響とデュエルにやる気のあるスバルに頼んだ。俺はまだ世間に見せられねぇし、他はやる気がない。

 

「・・・・・そういえば私たち、お忍びで来たのにこんなことしたら騒ぐんじゃない?」

 

「ないない〜、いくら何でもそんな芸能人みたいなことが起こるはずないよ〜」

 

 

〜〜(一時間後)〜〜

 

 

『いよいよ決勝戦!!残った2人はなんと親友同士!!そしてビッグゲストだ!!WRGPの決勝進出チーム、チームSECRET、そして現在全国ツアーの途中、バンドグループSECRETのキーボードとドラマーとの勝負だ!!』

 

《ワアアアアア!!!!!》

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「俺しらねぇから」

 

「いや、私に言われても・・・・」

 

案の定、一回戦から騒ぎ出した。当たり前だよな・・・・WRGPの決勝進出チームのメンバーが出たら絶対こうなるって分かっていたやん・・・・(汗)

 

『注目の決勝戦!今、始まります!』

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 響 LP 4000

 

「先行は俺だ!ドロー!」

スバル 手札 6枚

 

「魔法カード、ヒーローアライブ!ライフ半分を払って、デッキから《E・HERO》を特殊召喚する!E・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

スバル LP 4000→2000

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

 

「シャドー・ミストの効果発動!デッキから《チェンジ》速攻魔法を手札に加える!俺はマスク・チェンジを加える!カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 3枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「まぁ順当な立ち上がりだな」

 

「スバルにしては大人しい方だけど、ね・・・」

 

「私のターン!ドロー!」

響 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ、速攻魔法、マスク・チェンジ!フィールドのシャドー・ミストをリリース!M・HERO ダーク・ロウに変身!」

 

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

フィールドにいたシャドー・ミストが風の対流に包まれていき、その風が止むとシャドー・ミストからダーク・ロウに変わっていた。

 

「墓地に送られたシャドー・ミストの効果!デッキから《HERO》1体を手札に加える!V・HERO ヴァイオンを手札に加えるぜ!次いでに響の墓地に行くカードは全部じょがいするぜ!」

 

「(ヴァイオン?エアーマンじゃなくて?)氷結界の舞姫を召喚!」

 

氷結界の舞姫 攻1700

 

「さらに魔法カード、二重召喚!もう一度通常召喚権を得る!氷結界の舞姫をリリース!ブリザード・プリンセスをアドバンス召喚!」

 

「ゲッ!?」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

 

「ブリザード・プリンセスの効果!アドバンス召喚したターン、相手は魔法・罠を使えない!」

 

『全部凍らせてあげるわよ!』

 

舞姫がリリースされて現れたブリザード・プリンセスが睨みを効かせた目をスバルの伏せカードに向けて放ち、スバルの伏せカードはカチコチに凍ってしまう。

 

「バトル!ブリザード・プリンセスでダーク・ロウに攻撃!ヘイル・ブリザード!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

スバル LP 2000→1600

 

「ぐうぅ!!!最近、ダーク・ロウを倒すのが早すぎるだろ!」

 

「そんなモンスター残すわけには行かないわよ!メイン2でカードを2枚伏せてターンエンド!」

 

響 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ブリザード・プリンセス 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 4枚

 

「V・HERO ヴァイオンを召喚!」

 

V・HERO ヴァイオン 攻1000

 

「ヴァイオンの効果!デッキから《HERO》モンスターを墓地に送る!エアーマンを墓地に送って、ヴァイオンの第二の効果!墓地のダーク・ロウを除外してデッキから《融合》を手札に加える!」

 

墓地にいるシャドー・ミストが除外されて、代わりにスバルのデッキから一枚のカードが飛び出る。スバルはそのカードを手札に加えた後、すぐに伏せカードを発動した。

 

「リバースカードオープン!罠カード、戦線復帰!墓地のLv4以下のモンスターを守備表示で特殊召喚する!E・HERO エアーマンを特殊召喚!」

E・HERO エアーマン 守300

 

「エアーマンの効果発動!デッキから2枚目のエアーマンを手札に加える!魔法カード、融合!フィールドのエアーマンとヴァイオンで融合!E・HERO エスクダリオ!」

 

E・HERO エスクダリオ 攻2500

 

「そんなことさせないわよ!リバーズカードオープン!罠カード、奈落の落とし穴!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、エレメントの加護!自分フィールドの《E・HERO》を発動ターンのエンドフェイズまで除外して、奈落の落とし穴の効果を無効にする!エスクダリオを除外!」

 

響が発動した奈落の落とし穴はスバルがすぐにカウンターをして、一時的にエスクダリオは除外される。

 

「魔法カード、フュージョン・バース!デッキの上から5枚をめくってその中に融合素材があれば融合召喚できる!残りのカードは全て墓地に送る!」

 

・E・HERO ブレイズマン

・マスク・チェンジ

・ミラクル・フュージョン

・E・HERO マッハ・ウィンド

・E・HERO バブルマン

 

「俺は水属性のバブルマンとブレイズマンで融合!現れろ最強のヒーロー!!E・HERO アブソルートZero!!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

「め、めんどくさいわね〜〜!!!」

 

「さらに魔法カード、埋葬呪文の宝札!マスク・チェンジ2枚とフュージョン・バースを除外して2枚ドロー!」

 

スバル 手札 2枚→4枚

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からシャドー・ミストを特殊召喚!シャドー・ミストの効果発動!デッキから3枚目のマスク・チェンジを加える!」

 

「いっ!?やめてえぇ!!」

 

「速攻魔法、マスク・チェンジ!フィールドのアブソルートZeroをリリース!M・HERO アシッドを変身召喚!」

 

M・HERO アシッド攻2600

 

「アシッドの効果!そしてフィールドから離れたアブソルートZeroの効果発動!アブソルートZeroの効果で相手フィールドのモンスター全てを破壊する!」

 

アブソルートZeroの霊が現れて、フィールドに吹雪が吹き荒れる。響のブリザード・プリンセスは見事な氷の像となり、そのまま粉々に破壊されてしまった。

 

「アシッドの効果で相手の魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊する!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!激流蘇生!効果で破壊されたブリザード・プリンセスを特殊召喚!そして相手に500ポイントのダメージを与える!」

 

「なっ!?ぐうぅ!!!」

 

スバル LP 2000→1500

 

アシッドが上に向かって銃を放ち、雨の弾を撃ち込むはずが響が先に伏せカードを使いブリザード・プリンセスを復活させただけでなく、有利な盤面を作ることができた。

 

「どうよ!そう簡単には負けないわよ!」

 

「っつぅ〜・・・・今のは聞いたな。でもこれで伏せカードはもうないな。魔法カード、ミラクル・フュージョン!」

 

「・・・・はっ?」

 

「墓地のマッハ・ウィンドとブレイズマンで融合!現れろ!E・HERO Great TORNADO!!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

 

「あ〜・・・終わったな。相変わらず良い引きしてやがる」

 

「Great TORNADOが融合召喚に成功した時、相手フィールドのモンスター全ての攻撃力と守備力は半分になる!!タウン・バースト!!」

 

ブリザード・プリンセス 攻2800→1400

 

フィールドに現れたGreat TORNADOが大きな竜巻を巻き起こし、それに飲み込まれたブリザード・プリンセス。竜巻が止まると身体中が傷だらけになっていた。

 

「バトル!Great TORNADOでブリザード・プリンセスを攻撃!スーパーセル!!」

 

E・HERO Great TORNADO 攻2800

ブリザード・プリンセス 攻1400

 

響 LP 4000→2600

 

「ウワアアア!!!」

 

「アシッドでダイレクトアタック!!」

 

響 LP 2600→0

 

 

WIN スバル LOS 響

 

 

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「スバル〜〜!!!じゃんじゃん飲もうよ!!」

 

「お前ら飲みすぎだって!!明日腹壊してもしらねぇぞ!!」

 

「心配しなくて良いよ〜〜!!たかがジュースなんだし!!」

 

スバルが優勝したあのトーナメント、まぁ決勝戦に進出したのが二人だったからどっちが勝っても同じだったのだが俺たちはかなり高いお店の川床で懐石料理を食べることができた。なのだが・・・・・

 

「にしても疲れた・・・・二の腕がパンパン・・・・」

 

「結局お忍びで来たのにSNSに上がったりして、即席のサイン会になっちゃったね・・・」

 

案の定というべきか、今の世の中、情報が伝わるスピードはすごくてすぐに俺たちがいる場所が分かった。デュエルが終わってからもう・・・何が何だか、正直覚えてない(汗)

 

「まあまあ、美味しい料理をタダで、しかもこんな所で食べられるんだからいいじゃない」

 

「それもそうだな・・・・ここは涼しくて気持ちいいなぁ〜・・・・」

 

川床から見える鴨川の流れる音が心地よく、しかも夏なのに少し寒いくらいに涼しい。これがまたいい風流なんだよね。

 

「・・・・何か良い詩書けねぇかな」

 

「あんたにはこんな穏やかな曲を作れないわね」

 

「んだと〜・・・・」

 

「じゃ〜ん!!見て見て〜!!神で鶴を折ってみた!!」

 

「・・・・・・普通」

 

響のアホっぽさが余韻として残り、何か風流が台無しな気分になりながら料理を食べた。




レミ「つっかれた〜・・・」

奏「あんな風になるんだったらサングラスぐらいかけるべきだったわね・・・」

響「もう・・・・何でスバルには・・・」

茜「こっちの身にもなっても響っち・・・・」

奏「おかげで京都公演はMCが大変だったから・・・・皆好き勝手に喋るんだから」

レミ「え〜と・・・次回はいよいよ待ちに待ったWRGP決勝戦」

茜「【WRGP決勝戦 紅き魂vs龍の姫】。次回もよろしくね」


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第177話 WRGP決勝戦 紅き魂vs龍の姫

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】



久しぶりの最強カードの紹介〜〜

祈「お久しぶりです」

最近はデュエルする回でもあんまりにも短い回は飛ばすようになったからね・・・正直、前回の話は繋ぎだとしてももうちょっと工夫するべきだった。

祈「確かに・・・・3ターンだけでしたから」

普段はデュエルする話を決めた時は前々からメモ帳にメモするようにしているんだが、あの時は突然決まったようなものだったからな・・・・それでもやるべきだった。

祈「ま、まぁ、次から気をつければ」

そうだな。最強カードの紹介に行くか!

祈「今回はスカーレッド・ノヴァ・ドラゴン。ジャックさんのエースモンスター、レッド・デーモンズ・ドラゴンが進化したモンスターです」

初めて・・・・いや、初めてはヴァイロン・オメガだったな。2体目のチューナー2体を必要とするシンクロモンスターだ。攻撃力3500にプラスして墓地のチューナーの数×500ポイントアップする!

祈「さらに効果では破壊されず、相手モンスターの攻撃宣言時にこのモンスターを除外することでその攻撃を無効にします。このカードはエンドフェイズに戻ってきます」

まぁぶっちゃけ、今の世の中効果破壊よりもバウンスの方が多いけど・・・・

祈「第177話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


遊輝 side

 

 

「一ヶ月ぶりの家だな・・・・長かった」

 

無事にホールツアーも終わり、最終日の次の日は少しだけ秋田観光して新幹線から帰ってきた。時刻は7時前、ようやくトップスの一番下の階のエレベーターホールに着いた。手にはスーツケースを1つ持っている。

 

「これでアリーナまでゆっくりしたいけど、WRGPの決勝まで数日しかないからそうは言ってられんもんな・・・・」

 

ホールツアー中、イェーガーから電話がかかってきてWRGPの再開のメドが立ったと教えてくれた。ただ、ツアー中の俺たちの日程の関係上、ホールツアーが終わってすぐにしか日程が取れないため急遽という形で明日から練習が始まる。

その決勝戦、俺たちと当たるチームはもちろんチーム5D's、準決勝でチームラグナロクと対決してまぁほぼ原作通りに勝ち上がってきた。お互いにイリアステルのことを気にすることもなく、全力でぶつかり合い、接戦の末に勝ち上がってきた。

 

「とりあえず今日はゆっくりお風呂に入って早々に寝よう・・・・1ヶ月で6都市移動とかたまったもんじゃないな」

 

ガチャ

 

「ただい「遊輝ちゃ〜ん!!!!!」ドワアア!!!!!」

 

ボスン!!!

 

「い、いつつつつ・・・・・」

 

「遊輝ちゃん!!お土産な〜に!?」

 

「あっ、おかえり。二股」

 

「二股言うな!!」

 

「・・・・・お、おかえり(汗)」

 

玄関の扉を開けてすぐにアリアがダイブをしてきて、驚いた俺はアリアが飛び込んだ勢いに押されて背中から倒れてしまう。

 

「全く・・・・お土産なら送ったはずだぞ」

 

「荷物なら届いてないわ。今日は3人とも遅くまで出かけていて、明日の午前中に届くようにしたから」

 

「えっ?マジ?あの中に歯ブラシとか入ってるんだけど」

 

荷物をできる限り少なくしようと買ってきたお土産とかもう使わないであろう生活用品に関しては高くついてでも宅急便で送ったのにそれが仇になるとは・・・・参ったな・・・・

 

「だいじょ〜ぶ!!わたしの貸してあげるから!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

純粋な笑顔で言ってくるアリア、龍可が何やら文句を言って突っかかるがそんな事よりも俺は一つ気にしていることがある。アリアの奴さ、もうアレじゃね?一種の中毒症状じゃね?あんまり聞きたくないけど、俺がいない間どうしていたんだろう・・・・マジで想像もしたくない。

 

「そんな事より腹減ったよ〜、早く何か作って〜」

 

「お前は一ヶ月ぶりに帰ってくるやつを労わる気持ちが無いのか」

 

「無い無い。だって旅行じゃん、京都のやつなんかYa○ooで見たよ。即席サイン会だって」

 

「旅行じゃねえよ!!仕事だよ!!」

 

「ご飯なら私とアリアお姉さんが作っているわ。もうすぐで出来るわよ」

 

「助かるわ・・・・・・」

 

こんな身も心もクッタクタな時にご飯を作るという重労働はしたくなかった・・・・

 

♪♪〜〜

 

「電話?ちょっと・・・・」

 

アリアから解放されて、ズボンのポケットに入れていたスマフォを取り出す。相手は・・・・・レミか。

 

「もしもし」

 

『もしもし、とりあえずお疲れ様』

 

「お疲れ、んで何の用だ?」

 

『今日の帰りにクロウさんと会って、明日の練習を一緒にやらないかだって』

 

「ふ〜ん・・・・クロウにしてはやけに優しいな」

 

『偵察兼ねてじゃない?それと私たちの腕が鈍ってないとか』

 

「まぁ別に良いけど、分かった。場所は変わらないんだよな?」

 

『えぇ、いつもの場所』

 

「サンキュー」

 

通話ボタンを切ってスマフォをポケットに直す。にしてもクロウから練習を誘うとはな・・・明々後日がWRGPの決勝戦だからすごい気合いを入れてきそうだな。

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「おせぇぞ遊輝!!チームリーダーが遅刻してどうするんだよ!!」

 

「しゃあねぇだろ・・・・・荷物整理して、お土産を持ってきたんだから」

 

翌日、出発直前で届いた荷物の荷ほどきと次いでだから遊星達に渡すお土産を引っ張ってきたら結構な時間が経ってしまい遅刻をしてしまった。俺たちのホームグラウンド、アカデミアのRD専用コースにはチームSECRETのメンバーだけでなく、チーム5D'sのメンバー全員も揃っている。

 

「これ遊星さん、これジャックとクロウ、これがアキさんね」

 

「ありがとう、私のは・・・・お財布ね

 

「食料は助かる。しばらくの間困ることはないな」

 

「よし!じゃあ早速やろうぜ!まずはお前らからだ!全国旅行して訛ってないかちゃんと見極めてやる!」

 

「旅行じゃなくてツアーだよツアー!!ちゃんとした仕事です!!」

 

「5人全員でやるには無理がある。遊輝だけは残ってまずは肩慣らしで走ってもらおう」

 

「分かりました遊星さん」

 

遊星さんの指示でまずは俺以外のメンバーがDホイールに乗ってスタートラインまで走っていく。そのまま綺麗に一列に整列したタイミングでピット席に座った遊星さんが機械を触って4人の前にシグナルを出す。赤から青に変わったタイミングで4人はスタートする。俺は遊星の隣に座る。

 

「・・・・・スタートはまずまずってところだな。奏の加速は相変わらずすごいが」

 

「ああ、いつ見てもあの加速はすごい。俺も習得しようとしたがなかなか出来なかった」

 

「・・・・・・早いものでもう決勝か」

 

「・・・そうだな。あの戦いから3ヶ月が経とうとしたな」

 

「遊星さんたちはその間に街の復興を手伝いながら準決勝、決勝に照準を当ててきたんだろう?俺たちとは練習量も期間も違うな」

 

「準決勝も紙一重だった、少しの判断ミスで負けていた」

 

「それに比べて、こっちは復興の手伝いが終わったらライブまでスパートをかけていたもんな・・・・ろくに練習してなかった」

 

「そういう割には余裕そうだな。風格が漂っている」

 

「これでも内心は心臓が破裂しそうなほどにバックバクだよ。なんせ世界大会の決勝なんだから」

 

平常心、平常心っと心で言ってもやっぱり舞い上がってしまうものは舞い上がってしまう。こんな経験、下手したら人生でもう二度と味わうこともできないかもしれないし。

 

「・・・・・いつも通りのことをする。これだけで良いんだ」

 

「・・・・・・・・そうだな。いつも通りにやって、それで勝つか負けるか、だな・・・・っと言っても俺もやられっぱなしは嫌だからな。決勝戦は勝たせてもらう」

 

「それはこっちも同じ思いだ。ずっと望んでいた優勝が手に届きそうなところまで来たんだ。負けるわけにはいかない」

 

「決勝戦、お互いに全力を出し切って悔いの残らないデュエルにしよう」

 

「ああ」

 

お互いに誓い合い、コースを走っている4人の状況を確認する。

 

 

〜〜(数日後)〜〜

 

 

パーン!!パーーン!!!

 

『ついに・・・・ついにこの日が来た!!アーククレイドル事件により3カ月の先延ばしはあったが、ついに!!!ついにWRGPの決勝戦が始まる!!!栄光のチャンピオンチームが今日決まる!!』

 

《ワアアアアア!!!!!!!!》

 

『それではこの舞台まで勝ち進んだ2チームを紹介しよう!!決勝トーナメントAブロックを勝ち進んだのはデュエルアカデミアからの刺客!!準決勝で優勝候補最有力と言われたチームニューワールドを倒した若きチーム!!フォーチュン・カップ準優勝、エクシーズ・ペンデュラムの創始者、遠藤遊輝率いるチームSECRET!!!!』

 

《ワアアアアア!!!!!》

 

『対するは開幕カード、チームユニコーンとの死闘を制し、大逆転勝利を収め、その後危なげなく勝ち進んだ!!!元キング、ジャック・アトラス、サテライト一と言われる韋駄天、クロウ・ホーガン、そしてフォーチュン・カップ優勝者、不動遊星と言う豪華メンバーで組まれたチーム5D's!!!』

 

《ワアアアアア!!!!!!!》

 

MCの雄叫びに近いような力のこもった大声のアナウンス、そのMCに負けないくらいの割れんばかりの歓声がレース場に巻き起こる。

 

「ついに・・・・ついにここまで来たよ・・・」

 

「夢にまで見てたWRGPの決勝戦・・・・・」

 

「お前ら固すぎるだろ。っていうか今日、お前らの出番ねぇ」

 

「そ、そうは言っても・・・・」

 

ピット席に入ってガッチガチに固まっている響と奏。今日の出番はないと予め伝えているのに何でここまで目に見えて緊張しているんだが・・・スバルやレミの方がリラックスしているじゃんか。

 

「俺は自分のDホイールの調整をしてくる」

 

「分かった。レミ、気合い入れていけよ」

 

「任せてちょうだい。パワー馬鹿にパワーだけじゃ勝てないことを教えてあげるわ」

 

「・・・・それ、本人の前で言ったらボロクソに怒られるぞ」

 

すでに準備を終えてDホイールに乗りヘルメットを被っているレミ。スバルは最後の調整のために車庫に向かう。最後のアドバイスを聞いたレミは向こうよりも先にピットから飛び出す。アドバイスを終えた俺は監督席に座る。

 

『それぞれのファーストホイーラーがスタート地点に並んだ!!いよいよ注目の一戦が始まる!!歴史が刻まれる瞬間をとくとみよ!!』

 

MCのアナウンスで歓声が一際上がる。そして二人の目の前に電子のシグナルが現れる。10のカウントから減っていく。

 

『決勝戦、いよいよ開始だ!!』

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

レミ LP 4000 ジャック LP 4000

 

『注目の決勝戦!!お互いに良いスタートを切った!!!』

 

シグナルが青になった瞬間にお互いに飛び出す。最初のスタートは若干ジャックが早く飛び出した。そのままレミは追いつくことができず、しかも第一コーナーを内側に曲がったジャックがそのまま前に出た。

 

『第一コーナーを取ったのはチーム5D's、ジャックだ!!』

 

「俺のターン!」

 

ジャック 手札 6枚

レミ SP 0→1 ジャック SP 0→1

 

「チューナーモンスター、レッド・リゾネーターを召喚!」

 

レッド・リゾネーター 攻600

 

「レッド・リゾネーターの効果発動!このカードが召喚に成功した時、手札のLv4以下のモンスターを特殊召喚する!マッド・デーモンを特殊召喚!」

 

マッド・デーモン 攻1800

 

フィールドに現れたレッド・リゾネーター、自身が持っている共鳴機を鳴らしてジャックの手札にいたマッド・デーモンが飛び出してきた。

 

「Lv4のマッド・デーモンにLv2のレッド・リゾネーターをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「王者の従者、王者の咆哮と共にその紅蓮なる姿を見せつけろ!シンクロ召喚!燃えろ!レッド・ライジング・ドラゴン!」

 

レッド・ライジング・ドラゴン 攻2100

 

レッド・リゾネーターが共鳴機を鳴らして、2つの緑色の輪を作り、その中にマッド・デーモンが入って4つの星となる。やがてそれらがひとつの光となって赤いマグマの塊が燃えたぎってレッド・ライジング・ドラゴンがフィールドに現れた。

 

「レッド・ライジング・ドラゴンの効果発動!このカードのシンクロ召喚時、墓地の《リゾネーター》モンスター1体を特殊召喚する!再びレッド・リゾネーターを特殊召喚!」

 

レッド・ライジング・ドラゴンの前にプロミネンスの輪っかが現れて、その輪の内側に赤いバリアが貼られそれを突き破るようにレッド・リゾネーターが現れる。

 

「レッド・リゾネーターの第二の効果!このカードが特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスター1体の攻撃力分だけ俺のライフは回復する!レッド・ライジング・ドラゴンを選択!」

 

ジャック LP 4000→6100

 

「初っ端から全開ね!!後々のことを考えないの!?」

 

「手加減などしない!!俺のプライド、俺の魂がそんな事を許しはしない!!Lv6のレッド・ライジング・ドラゴンにLv2のレッド・リゾネーターをチューニング!!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「王者の鼓動、今ここに列をなす!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!我が魂!レッド・デーモンズ・ドラゴン!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 

フィールドに現れるレッド・デーモンズ。赤い炎の塊から現れたジャックの魂のカードは大きな芳香をあげる。

 

『キターーー!!!ジャックのエースモンスターが1ターン目から登場だああ!!!』

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

ジャック 手札 3枚 LP 6100 SP 1

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 6枚

 

レミ SP 1→2 ジャック SP 1→2

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある場合、2枚ドローして手札のカードを1枚捨てる!」

 

レミ 手札 7枚→6枚

 

「そっちが本気ならこっちも本気で行くわよ!ドラグニティーレギオンを召喚!」

 

ドラグニティーレギオン 攻1200

 

「レギオンの効果発動!墓地に存在するLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターを装備する!ドラグニティーファランクスを装備!」

 

フィールドに現れたレギオンが手で笛の形を作り、口笛を吹く。それに呼び答えるようにして墓地にいたファランクスがフィールドに現れてレギオンに装備される。

 

「レギオンの効果発動!装備カードを墓地に送り、レッド・デーモンズ・ドラゴンを破壊する!」

 

「甘い!手札のレッド・ガードナーの効果!自分フィールドに《レッド・デーモン》モンスターが存在するときに相手がカード効果を発動した時、手札のこのカードを墓地に送ることでこのターン、自分フィールドのモンスターはカード効果では破壊されない!」

 

レギオンが装備したファランクスを飛ばして、レッド・デーモンズを破壊しようとしたが、ジャックが手札から発動したレッド・ガードナーがレッド・デーモンズの前に現れてファランクスを受け止めてしまう。

 

「だったら破壊じゃなければ良いんでしょ!フィールドのレギオンをリリース!ドラグニティアームズーミスティルを特殊召喚!」

 

ドラグニティアームズーミスティル 攻2100

 

レギオンが風に包まれて消えていき、上空からミスティルが疾走と羽ばたいてきた。

 

「ミスティルの効果!墓地の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターを装備する!ファランクスを装備!そしてファランクスの効果発動!装備カード状態のこのカードを特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

「Lv6のドラグニティアームズーミスティルにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「嵐が吹き荒れる時、竜の渓谷の救世主が舞い降りる。龍の騎士と共にこの楽園を救え!シンクロ召喚!吹きあれろ!フェザー・ウィング・ドラゴン!」

 

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

ミスティルとファランクスが一つの光となって、その光から竜巻が発生、空へと伸びていく竜巻の中から一体のモンスターが身体をクルクルと回転させながら竜巻から現れる。

 

『決勝戦、相手にとって不足はなしですね』

 

「そうだね、ここに勝ってこそ、優勝の意味があるわ!フェザー・ウィングの効果発動!墓地のドラゴン族モンスターを好きなだけ装備する!」

 

「俺は常に二歩先を行く!永続罠、デモンズ・チェーンを発動!」

 

「なっ!?」

 

ジャックが発動したデモンズ・チェーンがフェザーの身体を巻きついていき、フェザーは身動きが取れない状況になった。

 

『ぐっ!?この!?』

 

「このカードの対象となったモンスターはこのカードが存在する限り、効果は無効になり攻撃できない!」

 

「ぐうぅ・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

レミ 手札 2枚 LP 4000 SP 2

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「行くぞ!俺のターン!」

 

ジャック 手札 3枚

 

レミ SP 2→3 ジャック SP 2→3

 

「このカードは自分フィールドにLv8以上のシンクロモンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!チューナーモンスター、クリエイト・リゾネーターを特殊召喚!」

 

クリエイト・リゾネーター 攻撃300

 

「そしてこのカードもシンクロモンスターがいる時に特殊召喚できる!チューナーモンスター、シンクローン・リゾネーターを特殊召喚!」

 

シンクローン・リゾネーター 攻100

 

ジャックは手札から2体のリゾネーターモンスターを特殊召喚した。これは・・・・いきなりあいつの出番か。

 

「(チューナー2体?何をする気?)」

 

「荒ぶる・・・・荒ぶるぞ俺の魂!!この最高の舞台で俺の魂が荒ぶる!!Lv8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにLv3のクリエイト・リゾネーター、Lv1のシンクローン・リゾネーターをダブルチューニング!!」

 

「ダ、ダブルチューニング!?」

 

クリエイト・リゾネーターとシンクローン・リゾネーター、そしてレッド・デーモンズが上空へと昇っていき、2体のチューナーモンスターから赤い炎の輪っかが生まれ、それがレッド・デーモンズを取り囲むように回転を初めて赤い炎に包まれていく。

 

☆8 + ☆3 + ☆1 = ☆12

 

「王者と悪魔、今ここに交わる!荒ぶる魂よ!天地創造の叫びをあげよ!シンクロ召喚!出でよ!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン!!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻3500

 

レッド・デーモンズを包んだ炎が弾け飛んで、身体をクルクルと回転させながらそのドラゴンはジャックの上にゆっくりと舞い降りて来た。赤と黒の4つの翼を持ち、禍々しいオーラを放った悪魔みたいな龍だ。

 

『きたああ!!!ジャックのエースモンスター、レッド・デーモンズ・ドラゴンが進化したモンスター、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンだ!!』

 

「シンクロ素材で墓地に送られたシンクローン・リゾネーターの効果により俺は墓地のレッド・リゾネーターを手札に戻す。スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの攻撃力は墓地のチューナーモンスターの数×500ポイント攻撃力が上がる!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻3500→4500

 

「よ、4500!?」

 

「バトル!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンでフェザー・ウィング・ドラゴンに攻撃!

 

「リ、リバースカードオープン!!罠カード、ハーフ・アンブレイク!!フェザー・ウィングを対象にこのターン、戦闘で破壊されず戦闘ダメージは半分になる!!」

 

「構わん!!バーニング・ソウル!!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻4500

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

レミ LP 4000→3150

 

「ぐううう!!!!!!」

 

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが炎を纏いながら空へと登っていき、加速をつけてフェザーに向かって突進する。レミが発動した罠の効果でフェザーの前にバリアが張られて、スカーレッド・ノヴァはバリアに向かって突進、攻撃を抑えることには成功したが超過分のダメージは受けてしまい、スピードダウンしてしまった。

 

『先制したのはチーム5D'sのジャック!果たしてチームSECRETのレミはこの状況を返せるのか!?』

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

ジャック 手札 1枚 LP 6100 SP 3

【モンスターゾーン】

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻4500

【魔法・罠ゾーン】

デモンズ・チェーン (フェザー)

伏せカード 1枚

 

 

 

 




フラン「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンか・・・・・」

文「なかなかお目にかからないモンスターですね」

遊輝「最近はシンクロ召喚を連打しにくい環境でも【レッド・デーモン】は頑張ってる方なんだけど、ぶっちゃけ後に出た漫画版やArcーVの方がパワーカードだから・・・・当時は出たら強かった」

フラン「出たら強くて、そのまま色んなデッキに入ったのがシューティング・クェーサーだよね」

文「あれは・・・・トラウマです。ルール改定前、何度霊夢さんに出されて負けたことか・・・・」

遊輝「あれ、そう簡単に出せるカードじゃないのにな・・・・」

フラン「次回もWRGP決勝戦!【僭主の誇りを持つ龍vs時を操る風の龍】」

文「次回もよろしくお願いします!」


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第178話 僭主の誇りを持つ龍vs時を操る風の龍

最強カードの紹介〜〜。

恭輔「どうも、WRGP決勝中で大変です」

まぁ・・・・チームニューワールド、アリア、チーム5D'sとなかなかに重要度の高いデュエルが続きますから・・・・

恭輔「僕もピットでドキドキしながら見てますよ」

こっちは胃が痛い・・・読者が期待を込めているから・・・

恭輔「頑張ってください」

はい・・・・っていうわけで最強カードの紹介。

恭輔「今回はレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント、Arc-Vでジャックさんが出した切り札ですね」

スカーレッド・ノヴァを意識したダブル・チューニング、しかし効果はスカーレッド・ノヴァ以上に強い!

恭輔「1ターンに1度、このカード以外のふいのカードを全て破壊する。分かりやすい強さですね」

加えて、このカードの攻撃中に相手が魔法・罠を発動した時、効果を無効にして500ポイント攻撃力がアップする!まぁ・・・最初の効果と多少噛み合ってないけど。

恭輔「第178話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


前回までの状況

 

ジャック 手札 1枚 LP 6100 SP 3

【モンスターゾーン】

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻4500

【魔法・罠ゾーン】

デモンズ・チェーン (フェザー)

伏せカード 1枚

 

 

レミ 手札 2枚 LP 3150 SP 3

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

 

 

レミ side

 

「不味いわね・・・・・」

 

目の前に見える一体の赤い龍を見ながらポツリッと私はそう呟いた。攻撃力4500という化け物を倒すカードは私のデッキにはカード効果を破壊するしか方法がない。しかし・・・・

 

「(よりによってカード効果で破壊されないって・・・・フェザーも効果を使えないし・・・)」

 

あのモンスターはカード効果では破壊されない、この効果が途轍もなく厄介である。

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

レミ SP 3→4 ジャック SP 3→4

 

・・・・・針虫の巣窟、これじゃ墓地を肥やす程度ね。ここは相手が何もしないことを祈ろう。

 

「カードを2枚セット!フェザー・ウィングを守備表示にしてターンエンド!」

 

レミ 手札 2枚 LP 3150

【モンスターゾーン】

フェザー・ウィング・ドラゴン 守1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ジャック 手札 2枚

 

レミ SP 4→5 ジャック SP 4→5

 

「・・・・・・バトルだ!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンでフェザー・ウィング・ドラゴンを攻撃!バーニング・ソウル!!」

 

「リバースカードオープン!!強制脱出装置!スカーレッド・ノヴァは帰ってもらうわ!」

 

「甘い!リバースカードオープン!カウンター罠、闇の幻影!闇属性モンスターを対象にしたカード効果を無効にする!」

 

「!?」

 

起死回生として発動した強制脱出装置はジャックさんが発動した闇の幻影の効果で交わされてしまい、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの攻撃をフェザーは受けてしまい、破壊されてしまった。

 

「ぐううう!!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「え、エンドフェイズ、リバースカードオープン!針虫の巣窟!デッキの上から5枚を墓地に送る!」

 

・ドラグニティーアキュリス

・ドラグニティアームズーレヴァティン

・聖なるバリアーミラーフォース

・SPーおろかな埋葬

・ドラグニティーブランディストック

 

よし!!大分良いカードが落ちた!!

 

ジャック 手札 1枚 LP 6100 SP 5

【モンスターゾーン】

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 攻4500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

レミ 手札 3枚

 

レミ SP 5→6 ジャック SP 5→6

 

「ドラグニティードゥクスを召喚!」

 

ドラグニティードゥクス 攻1500→1700

 

「ドゥクスの効果発動!墓地のLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスター1体を選択してこのカードに装備する!墓地からファランクスを装備!」

 

私の横に現れたドゥクス、そのドゥクスの目の前に穴が開いて、その中からファランクスが出てきてドゥクスに装備される。

 

「さらに装備カード状態のファランクスの効果!自身を特殊召喚!」

 

ドラグニティーファランクス 攻500

 

『・・・・・・・・・・』

 

装備されていたファランクスが自主的にドゥクスから離れる。

 

「Lv4のドラグニティードゥクスにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「竜の渓谷を守りし赤い騎士が、楽園の窮地に立ち上がる。竜の絆で駆け抜けろ!シンクロ召喚!カモン!ドラグニティナイトーヴァジュランダ!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900

 

ドゥクスとファランクスから出来た一つの光、その光から大きな風が吹き始め、その風に乗ってヴァジュランダがフィールドに現れた。

 

「ヴァジュランダの効果発動!シンクロ召喚成功時、墓地のLv3以下の《ドラグニティ》ドラゴン族モンスターを装備する!墓地から装備するのはドラグニティーアキュリス!」

 

私たちの目の前にもう一度穴が開いて、今度はアキュリスが現れてヴァジュランダに装備される。

 

「さらにヴァジュランダの効果!このカードに装備している装備カードを墓地に送ることで攻撃力を倍にする!」

 

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻1900→3800

 

「それでもまだ俺のスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの方が上だ!」

 

「まだよ!アキュリスの効果!装備状態のこのカードが墓地に送られた時、フィールドのカードを破壊する!」

 

「スカーレッド・ノヴァはカード効果では破壊されない!」

 

「私が破壊するのはその伏せカードよ!」

 

「ならばリバースカードオープン!罠カード、ダメージ・ダイエット!このターン、俺が受けるダメージは半分になる!」

 

装備されて墓地に送られたアキュリスがジャックさんの伏せカードめがけて突撃、ジャックさんは先に破壊される伏せカードを発動して自身の周りをバリアで囲んだ。

 

「スカーレッド・ノヴァではなく伏せカードを狙ったのは褒めてやろう。だが!そのモンスター1体では俺のスカーレッド・ノヴァは倒せない!!」

 

「ええそうね!!だからまた私のエースに力を借りるのよ!!リバースカードオープン!!永続罠、リビングデッドの呼び声!!」

 

「何だと!?」

 

「墓地からこのモンスターを復活させる!フェザー・ウィング・ドラゴン!!」

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

 

私が発動したリビングデッドの呼び声、そのカードの効果により、Dホイールのコースに風が集まってきて竜巻が巻き起こる。そして墓地に眠っていたフェザー・ウィングが身体を横回転させながらフィールドに舞い戻ってきた。

 

『復活です』

 

「フェザー・ウィングの効果!墓地の風属性モンスター1体をデッキに戻して、フィールドのカード1枚を手札に戻す!墓地のドラグニティードゥクスをデッキに戻して、スカーレッド・ノヴァにはおかえり頂くわよ!!ウィンドセプション!!」

 

「ぐっ!?」

 

フェザー・ウィングが自身の左手の刃をコースに突き刺す。コースはそこからヒビが入ってそのヒビから竜巻が発生する。その竜巻がスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンを取り込んで上空へと飛ばして行った。

 

『ジャックのスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが遂にフィールドから離れた!!これはチームSECRET、葵レミにとって絶好のチャンス!!』

 

「バトル!!ドラグニティナイトーヴァジュランダでダイレクトアタック!!迅雷の矢!!」

 

ジャック LP 6100→4200

 

「グオオオオ!!!!」

 

「フェザー・ウィングでダイレクトアタック!!ストーム・ウィングブレイク!!」

 

ジャック LP 4200→2800

 

2体のモンスターのダイレクトアタックを受けたジャックさん。ダメージ・ダイエットの効果で半減しているとはいえ、相当なダメージは入り、Dホイールが減速。その隙に私は横から抜いて前に出る。

 

『一気にレミが有利となった!!ジャックはこのピンチを返すことができるのか!?』

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにヴァジュランダの攻撃力は元に戻る!」

 

レミ 手札 1枚 LP 3150 SP 6

【モンスターゾーン】

ドラグニティナイトーヴァジュランダ 攻3800→1900

フェザー・ウィング・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

リビングデッドの呼び声 (フェザー)

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

ジャック 手札 2枚

 

レミ SP 6→7 ジャック SP 6→7

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして手札を1枚捨てる!」

 

ジャック 手札 3枚→2枚

 

「(・・・・・クロウには悪いが使わせてもらう)スピード・ワールド2の効果!SPCを7つ取り除き、1枚ドローする!」

 

ジャック SP 7→0 手札 2枚→3枚

「(・・・・・なるほど、面白い)レッド・リゾネーターを召喚!」

 

レッド・リゾネーター 攻600

 

「今回はレッド・リゾネーターの効果を使わない。そしてこのカードは俺が《リゾネーター》モンスターを召喚した時、攻撃力を半分にすることで手札から特殊召喚できる!レッド・ウルフを特殊召喚!」

 

レッド・ウルフ 攻1400→700

 

フィールドに再び現れるレッド・リゾネーター、さらにそのレッド・リゾネーターの後ろを追いかけるように走ってくる一匹の狼、これは・・・・・

 

「Lv6のレッド・ウルフにLv2のレッド・リゾネーターをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「王者の鼓動、今天地を揺るがす!唯一無二なる覇者の力を刻むがいい!シンクロ召喚!!荒ぶる魂!!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 攻3000

 

『出たああ!!ジャックが持つもう一体のレッド・デーモンズ!!このレッド・デーモンズは元祖レッド・デーモンズよりも遥かにパワーアップしている!!』

 

「レッド・デーモンズ・スカーライトの効果!このカードより攻撃力が低い特殊召喚したモンスターを全て破壊して、破壊した数×500ポイントのダメージを与える!!アブソリュート・パワー・フレイム!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの右手の拳が炎で纏われて、私のモンスターたちに向かって振り下ろす。フィールド全てが炎に燃やされて私のモンスターは全滅、私もダメージを食らってしまう。

 

「ぐうぅ!!!!」

 

レミ LP 3150→2150

 

『ついに先鋒戦も大詰めだ!!レッド・デーモンズ・スカーライトの攻撃が通ればジャックの勝ちだ!!』

 

そう簡単に攻撃が通るとは思わないでよね・・・・この伏せカードで・・・

 

「レミ!!この俺と対等に戦い、俺の魂を熱くさせた!!その褒美として俺のもう一つの熱き魂を見せてやる!!」

 

「はっ!?」

 

「墓地のレッド・ライジング・ドラゴンの効果発動!墓地のこのカードを除外することで、墓地に眠るLv1の《リゾネーター》モンスター2体を特殊召喚する!現れろ!シンクローン・リゾネーター!ミラー・リゾネーター!」

 

シンクローン・リゾネーター 攻100

ミラー・リゾネーター 攻0

 

墓地にいたレッド・ライジング・ドラゴンの霊がフィールドに一度現れて、その両手を地面に突き刺す。そのままレッド・ライジング・ドラゴンが空へと登っていき、その時に地面に突き刺さった両手が見えて2体のリゾネーターモンスターがフィールドに現れる。2体のリゾネーターモンスターを残したままレッド・ライジング・ドラゴンは上空へ消えていった。

 

「ミラー・リゾネーター・・・・エンジェル・バトン!」

 

「そうだ!そして見せてやる!!俺の熱く燃え上がるもう一つの魂を!!Lv8のレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトにLv1のシンクローン・リゾネーターとミラー・リゾネーターをダブルチューニング!!」

 

「なっ!?ま、また!?」

 

☆8 + ☆1 + ☆1 = ☆10

 

ミラー・リゾネーターとシンクローン・リゾネーター、2体のチューナーモンスターが作った炎の輪の中にレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトが入る。そして・・・・

 

「あ、赤き龍!?」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの後ろ側に赤き龍が現れて上空へと登っていく。

 

「王者と悪魔、今ここに交わる。赤き龍の魂に触れ、天地創造の雄叫びを上げよ!シンクロ召喚!顕れよ!レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント 攻3500

 

・・・・・ゴゴゴ

 

「ぐっ!?地鳴り!?」

 

激しい地鳴りと共にジャックの後ろのコースにヒビが入っていき、そのヒビから1体のドラゴンがフィールドに現れる。レッド・デーモンズの翼が赤いマントのようになびいてジャックの後ろに現れた。

 

「シンクロ素材となったシンクローン・リゾネーターの効果により、俺は墓地のレッド・リゾネーターを手札に戻す。レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントの効果発動!1ターンに1度、このカード以外のフィールドの全てのカードを破壊する!」

 

「なっ!?」

 

「アブソリュート・パワー・インフェルノ!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントの右手の拳が炎で纏われて、それをコースに向かって叩きつける。コースが再び地響きを起こしてそこから炎が現れて私の伏せカードを焼き尽くした。

 

『す、すごい!!何もない状況から新たなドラゴンを呼び出し、逆にレミを追い込んだ!!』

 

「バトルだ!レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントでダイレクトアタック!!獄炎のクリムゾンヘルタイド!!」

 

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントの身体が熱く炎で纏われて、口から炎のブレスが私に向かって放たれる。その間にジャックは私を向いていった。

 

「・・・・・・・・・・」

 

『決まったああ!!!ファーストホィーラー対決を制したのは・・・・・ああっと!?!?』

 

レミ LP 2150

 

『走っている!?まだレミは走っているぞ!!』

 

「手札の速攻のかかしの効果!相手のダイレクトアタック時にこのカードを手札から捨てて、その攻撃を無効にする!」

 

私の目の前にいる速攻のかかし、そのモンスターが全ての攻撃を受け止めて、私は無事ってわけよ。

 

「・・・・・面白い、やはりお前たちは面白い!俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

ジャック 手札 0枚 LP 2800 SP 0

【モンスターゾーン】

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント 攻3500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「さあ見せてみろ!!お前のデュエルを!!」

 

「・・・・やってやるわよ!!私のターン!!!」

 

レミ 手札 1枚

 

レミ SP 7→8 ジャック SP 0→1

 

「・・・・・・SPーデッド・シンクロン!!SPCが5つ以上ある場合、私の墓地のチューナーモンスター1体とチューナー以外のモンスター1体を除外してシンクロ召喚を行う!!私はLv8のフェザー・ウィング・ドラゴンにLv2のドラグニティーファランクスをチューニング!!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「エメラルドの宝玉が輝きし時、風の龍が覚醒する。大空の時の流れを取り戻せ!!シンクロ召喚!!吹き荒れろ!!風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000

 

フェザーとファランクスが一つになり、緑色に光輝く大きなエメラルドがコース中央にに現れ、そのエメラルドからゴオオという音とともにピキピキと真っ二つに割れていく。完全に割れると、エメラルドから大きな竜巻が上空へと登っていきその竜巻を切るようにしてエメラルドがフィールドに現れた。

 

「風玉霊 エメラルド・クロックの効果!シンクロ召喚成功時、墓地のドラゴン族モンスターを任意の枚数だけ装備する!私はドラグニティーアキュリス、ブランディストック、ドラグニティアームズーミスティル、レヴァティン、ドラグニティナイトーヴァジュランダの5枚を装備!!」

 

エメラルド・クロックの周りに5体のモンスターが現れてエメラルド・クロックの中に吸収していく。

 

「エメラルド・クロックは装備カードの数×100ポイント、攻撃力がアップする!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3000→3500

 

「さらにエメラルド・クロックの効果!装備カードを墓地に送ることで、相手フィールドのモンスター1体の攻撃力、守備力を0にして効果を無効にする!アキュリスを墓地に送り、対象はレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント!!タイムリフレックス!!」

 

『時よ・・・・・過去へ・・・・・・・』

 

エメラルド・クロックの胸にある懐中時計が止まり、やがて逆回転を始める。フィールドの風の流れも止まり、逆回転と同時に逆方向に進んでいく。レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントもこの時の流れに逆らうことが出来ずに、身体がどんどんと小さくっていく。

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3500→3400

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント 攻3500→0

 

「さらに墓地に送られたアキュリスの効果!その伏せカードを破壊する!」

 

さらにエメラルド・クロックのこうかで墓地に送られたアキュリスがジャックさんの最後の伏せカードを破壊した。

 

「バトルよ!エメラルド・クロックでレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントに攻撃!時空・封殺斬!!」

 

エメラルド・クロックが左手の刃をレッド・デーモンズに見せつける。エメラルド・クロックの後ろから追い風が吹き始め、その追い風に乗ってエメラルドは加速をしてレッド・デーモンズを斬る。身体が真っ二つになったレッド・デーモンズは破壊された。

 

「ぐおおおお!!!!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3400

レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント 攻0

ジャック LP 2800→0

 

WIN レミ LOS ジャック

 

 

 

『決まったああ!!!シーソーゲームの先鋒戦を制したのはチームSECRET、葵レミ!!!』

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「か、勝てた・・・・・・」

 

何とか一戦目を取ることは出来たけど、次のデュエルを勝つことは難しいわね・・・・伏せも手札もないこの状況であのBFの圧倒的な展開力を抑える術がない・・・・・

 

『チーム5D's、セカンドホイーラーのクロウ・ホーガンがピットから飛び出し、スタート地点に帰ってきたレミの後ろにピタリとつけた!!』

 

「(指示は・・・・なし、か。となると遊輝も次のスバルに託したわけね)」

 

スタート地点に戻って私はチラッとピット席の方を見たけど遊輝からの指示はなし。つまり、遊輝もクロウさんの最初のターンで私が負けることを見越しているみたい。

 

「ジャックが負けてしまったのは痛いが、俺が3人抜きをすれば問題ないぜ!」

 

「やれるもんならやってみなさい!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

レミ LP 2150 クロウ LP 4000

 

「俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 6枚

 

レミ SP 8→9 クロウ SP 1→2

 

「BFー白夜のグラディウスを召喚!」

 

BFー白夜のグラディウス 攻1200

 

「さらにこのカードは自身以外の《BF》モンスターが存在する場合、特殊召喚できる!チューナーモンスター、BFー疾風のゲイルを召喚!」

 

BFー疾風のゲイル 攻1300

 

クロウさんのフィールドに白夜のグラディウス、そしてその白夜のグラディウスの隣に疾風のゲイルが現れる。

 

「疾風のゲイルの効果発動!相手モンスター1体の攻撃力と守備力を半分にする!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻3400→1700

 

疾風のゲイルが翼を羽ばたかせて生まれた風、エメラルド・クロックを包み込んでエメラルド・クロックの攻撃力が下がってしまった。

 

「Lv3の白夜のグラディウスにLv3の疾風のゲイルをチューニング!」

 

☆3 + ☆3 = ☆6

 

「神話の名刀を振るえ!猛禽の勇士!シンクロ召喚!BFー星影のノートゥング!」

BFー星影のノートゥング 攻2400

 

「星影のノートゥングの効果発動!特殊召喚に成功した時、相手モンスター1体の攻撃力と守備力を800ポイント下げて、相手に800ポイントのダメージを与える!舞い戻る剣《ホーミング・ソード》!」

 

シンクロ召喚で出てきたノートゥングはすぐに手にしている刃を投げつけてエメラルド・クロックと私にダメージを与えた。

 

「!!アアッ!!」

 

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻1700→900

レミ LP 2150→1350

 

「カードを1枚伏せて、これでバトル!BFー星影のノートゥングでエメラルド・クロック・ドラゴンに攻撃!」

 

BFー星影のノートゥング 攻2400

風玉霊 エメラルド・クロック・ドラゴン 攻900

 

レミ LP 1350→0

 

 

WIN クロウ LOS レミ

 

 

『チーム5D's、セカンドホイーラーのクロウがレミを1ターンで退けた!!これで両者ともに残り2人となった!!WRGP決勝戦の勝者はまだ分からない!!』

 

「くぅ〜・・・・さすがにクロウさん相手にあの盤面は無理だったか・・・・」

 

結果的に私は何も引き継ぐことは出来なかったわね・・・・・

 

「レミさんが帰ってきました!!」

 

コースからピットに入って恭輔君の声が聞こえる。茜が持っているボードの前で止まる。

 

「お疲れ様、五分五分って感じね」

 

「一戦目は完全に痛みわけね」

 

「そうでもない、SPCであれほどの差が出たんだ。特に次のスバルはよく使うんだから、ターンを稼いでくれた方だ」

 

「まあ・・・・そうね」

 

「スバル、こっちの指示が出ない限りは自由にSPCを使っていいぞ」

 

「分かった、とりあえずクロウさんだけは倒しにいくぜ!」

 

「準備OK!」

 

「Ready Go!!」

 

準備を終えて茜がボードをスバルの目の前から外す。祈ちゃんがフラッグを振ってスバルはアクセルを回してピットから出て行った。




レミ「さすがにあの状態でBFは無理〜〜」

奏「まぁ、あの状況じゃねぇ」

茜「結果的には本当に痛み分けね。相手が相手だからそう簡単に勝たせてくれないでしょう」

レミ「う〜ん・・・・ジャックさん、やっぱりリゾネーターとレッド・デーモンズ関係のカード手に入れた辺りからパワーだけじゃなくて若干の柔軟性も手に入れちゃって、それがたまに厄介なんだよね」

奏「たまになんだ・・・」

レミ「だって基本、パワーゴリ押しだし」

茜「・・・・・そうね」

奏「次回は次鋒戦、スバルとクロウよ。【WRGP決勝戦 黒翼の翼vsHERO】」

レミ「次回もよろしく!」


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第179話 WRGP決勝戦 黒翼の翼vsHERO

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】

最強カードの紹介〜〜

茜「やっほ〜〜!!私だよ!!」

皆さん、蒸し暑い日が続いていますかいかがお過ごしですか?私は7月に入ったその日にたまらずクーラーを付けました。

茜「私もダメ〜〜、蒸し蒸しとしたのがもう・・・・」

響はそんなこと関係なしだけどな。能力で自身の身体冷やしているし、逆に大変なのは遊輝。

茜「わかるわ・・・・何か周りの人より暑いから近づきたくないんだよ」

最強カードの紹介に行くぞ!今回はABFー神立のオニマル!

茜「Lv12のBFシンクロモンスター、BFモンスターのみでシンクロ召喚に成功した場合、このカードはチューナー扱いになるよ」

さらにカード効果で破壊されず、墓地のBFモンスターと同じレベルになる!

茜「そして、シンクロ素材をシンクロモンスターのみで行なった場合、攻撃する時に攻撃力は3000ポイントアップする!」

最後の一撃にトドメとして使おう!

茜「第179話、ライディングデュエル、アクセラレーション!!」


前回までの状況

 

 

スバル 手札 5枚 LP 4000 SPC 9

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

クロウ 手札 3枚 LP 4000 SPC 2

【モンスターゾーン】

BFー星影のノートゥング 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

スバル side

 

レミから受け取ったバトンを胸に秘めて、俺は先に走っているクロウを追いかけ、後ろにピタリとつける。

 

『チームSECRET、セカンドホイーラーの遊城スバルがクロウに追いついた!ここから次鋒戦に入る!!トリッキーな戦いが得意なクロウに対して正面突破なデュエルをするスバルがどこまで戦えるか注目だ!!』

 

「悪いがこのまま俺で逃げ切らせてもらうぜ!」

 

「そんな事したら遊星さんに悪いと思わないのか!?その天狗の鼻をポキッと折ってやるぜ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

スバル LP 4000 クロウ LP 4000

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

スバル SPC 9→10 クロウ SPC 2→3

 

・・・・・ここは様子見だな。

 

「召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

召喚僧サモンプリースト 守1600

 

「サモンプリーストの効果発動!手札の魔法カードを墓地に送り、デッキからE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」

 

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

 

俺の横に現れたサモンプリーストが手札の魔法カードをコストにした事で詠唱の呪文を唱えて、シャドー・ミストがフィールドに現れた。

 

「シャドー・ミストの効果発動!特殊召喚成功時、デッキから《チェンジ》速攻魔法を手札に加える!俺はSPーマスク・チェンジを加えて、カードを4枚伏せてターンエンド!」

 

 

スバル 手札 1枚 LP 4000 SPC 10

【モンスターゾーン】

召喚僧サモンプリースト 守1600

E・HERO シャドー・ミスト 攻1000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

「へっ、見え見えの罠を張ったところでクロウ様は止まらねぇぜ。俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 4枚

 

スバル SPC 10→11 クロウ SPC 3→4

 

「このカードは自分フィールドに《BF》がいる場合、特殊召喚できる!チューナーモンスター、BFー突風のオロシを特殊召喚!」

 

BFー突風のオロシ 攻100

 

ここでLv1のチューナーだと!?ここからホーク・ジョーに繋げられたら不利だ!

 

「リバースカードオープン!速攻魔法、SPーマスク・チェンジ!スピードカウンターが3つ以上ある時に発動できる!シャドー・ミストをリリースして変身!M・HERO ダーク・ロウ!!」

 

M・HERO ダーク・ロウ 攻2400

 

シャドー・ミストが風に包まれていき、黒の光が漏れ始める。その風が音を立てて消えるとダーク・ロウがポーズを決めてフィールドに現れた。

 

「墓地に送られたシャドー・ミストの効果!デッキから《HERO》モンスターを手札に加える!俺はE・HERO エアーマンを手札に加えるぜ!」

 

これでもし突風のオロシとノートゥングがシンクロ召喚してホーク・ジョーが出てもシンクロ素材となったモンスターは除外されて後続が続かない!これで良し!

 

「はっ、大方、ホーク・ジョーを警戒したんだろうがあいにく俺の考えは違うんだよ!リバースカードオープン!罠カード、ゴッドバード・アタック!」

 

「なにっ!?」

 

「さっき召喚した突風のオロシをリリースして、ダーク・ロウと左側の伏せカードを破壊する!」

 

突風のオロシが一度引いて、スピードを付けてダーク・ロウに向かって突進する。ダーク・ロウは突風のオロシの攻撃を受け止められずに破壊、さらに俺の伏せカード1枚も破壊した。

 

「BFー蒼炎のシュラを召喚!」

 

BFー蒼炎のシュラ 攻1800

 

「バトルだ!BFー蒼炎のシュラで召喚僧サモンプリーストを攻撃!」

 

蒼炎のシュラが両翼の黒い羽を飛ばしてサモンプリーストを攻撃、サモンプリーストは破壊される。

 

「蒼炎のシュラはバトルで相手モンスターを破壊した時、デッキから攻撃力1500以下の《BF》モンスターを効果を無効にして特殊召喚する!BFー上弦のピナーカを特殊召喚!」

 

BFー上弦のピナーカ 攻1200

 

「上弦のピナーカ、そして星影のノートゥングでダイレクトアタック!」

 

「ノートゥングのダメージ計算時、リバースカードオープン!ガード・ブロック!ノートゥングの戦闘ダメージを0にして1枚ドローする!」

 

スバル LP 4000→2800

手札 2枚→3枚

 

「メインフェイズ2、Lv4のBFー蒼炎のシュラにLv3のBFー上弦のピナーカをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「漆黒の翼濡らし、そぼ降る雨に響け!雷鳴の一撃!シンクロ召喚!突き抜けろ!ABFー涙雨のチドリ!」

 

ABFー涙雨のチドリ 攻2600

 

蒼炎のシュラが上弦のピナーカの身体からできた3つの緑色の輪の中に入り、一つの光となって黒い羽が飛び散る。フィールドに現れたのは左手に刀を持った鳥人間のようなモンスターだ。

 

「涙雨のチドリの攻撃力は墓地の《BF》の数×300ポイントアップする!俺の墓地には4体のBFがいる!」

 

ABFー涙雨のチドリ 攻2600→3800

 

「3800だと!?」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにシンクロ素材として墓地に送られた上弦のピナーカの効果!デッキからLv4以下の《BF》1体を手札に加える!俺は極北のブリザードを手札に加える!」

 

クロウ 手札 2枚 LP 4000 SPC 4

【モンスターゾーン】

BFー星影のノートゥング 攻2400

ABFー涙雨のチドリ 攻3800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 4枚

 

スバル SPC 11→12 クロウ SPC 4→5

 

「E・HERO エアーマンを召喚!」

 

E・HERO エアーマン 攻1800

 

「エアーマンの効果発動!デッキから《HERO》モンスター1体を手札に加える!俺はE・HERO バブルマンを選択!そしてバブルマン以外の残りの手札を全て伏せる!」

 

「全てだと!?」

 

「バブルマンは手札がこのカード1枚の場合のみ、手札から特殊召喚できる!」

 

E・HERO バブルマン 守1200

 

「へっ、数を揃えたところで意味がないぜ!」

 

「そんな口叩いていられるのも今のうちだ!Lv4のエアーマンとバブルマンでオーバーレイ!」

 

「な、なにぃ!?」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!H-C エクスカリバー!」

 

H-C エクスカリバー 攻2000

 

エアーマンとバブルマン、2体のモンスターがフィールドに現れたブラックホールに吸い込まれていき、エクスカリバーがフィールドに現れた。

 

「H-C エクスカリバーの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて攻撃力を倍にする!」

 

「げっ!?涙雨のチドリを超えるだと!?そんな化け物相手にしてられるか!!リバースカードオープン!!強制脱出装置!!」

 

効果を使おうとしたエクスカリバーがクロウが発動した強制脱出装置に吸い込まれてしまい、上空へと飛ばされてしまった。

 

「これでお前のエクシーズモンスターは消えていったぜ!」

 

「焦ったなクロウ!リバースカードオープン!罠カード、戦線復帰!墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!」

 

「なっ!?」

 

「もう一度戻ってこい!エアーマン!」

 

E・HERO エアーマン 守300

 

「エアーマンの効果で俺はバブルマンを手札に加える!さらに手札1枚の時、手札のバブルマンは特殊召喚できる!Lv4のエアーマンとバブルマンでもう一度オーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!H-C エクスカリバー!!」

 

「結局そいつが戻ってくるのか!!」

 

「エクスカリバーの効果発動!」

H-C エクスカリバー OVR 2→0

攻2000→4000

 

エクスカリバーがオーバーレイ・ユニットを2つ取り除き、右手の大剣を天高く突き上げる。その大剣に向かって雷が落ち、エクスカリバーの攻撃力は倍になる。

 

「さらにリバースカードオープン!SPーミラクル・フュージョン!SPCを3つ取り除いて、墓地のバブルマンとシャドー・ミストで融合!現れろ最強のHERO!!E・HERO アブソルートZero!」

 

スバル SPC 12→9

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

墓地にいたバブルマンとシャドー・ミストがフィールドに現れた融合の渦に巻き込まれていき、その渦から冷気が吹き始め、渦の中からアブソルートZeroがフィールドに現れた。

 

「バトルだ!H-C エクスカリバーで涙雨のチドリを攻撃!一刀両断!必殺真剣!!」

 

H-C エクスカリバー 攻4000

ABFー涙雨のチドリ 攻3800

 

クロウ LP 4000→3800

 

「ぐっ!」

 

「さらにアブソルートZeroで星影のノートゥングを攻撃!瞬間凍結《Freezing at moment》!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

BFー星影のノートゥング 攻2400

 

クロウ LP 3800→3700

 

「ぐおっ!」

 

「これでターンエンド!」

 

 

スバル 手札 0枚 LP 2800 SPC 9

【モンスターゾーン】

H-C エクスカリバー 攻4000

E・HERO アブソルートZero 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

『決勝戦にふさわしい一進一退の攻防!!どちらが倒すのか未だに読めない状況だ!!』

 

本当、そうだな・・・・こっちが有利か状況に持っていってもすぐに返されて、休むことができないぜ・・・・

 

「やってくれるじゃねぇか・・・俺のターン!ドロー!」

 

クロウ 手札 3枚

 

スバル SPC 9→10 クロウ SPC 5→6

 

「チューナーモンスター、BFー極北のブリザードを召喚!」

 

BFー極北のブリザード 攻1300

 

「極北のブリザードは召喚成功時、墓地のLv4以下の《BF》を守備表示で特殊召喚する!BFー蒼炎のシュラを特殊召喚!」

 

BFー蒼炎のシュラ 守1200

 

「さらに手札にあるBFー砂塵のハルマッタンはこのカード以外に《BF》モンスターがいる場合、手札から特殊召喚できる!」

 

BFー砂塵のハルマッタン 攻800

 

「またモンスターがズラズラと並んでくる。いい加減しつこいぜ!」

 

「あいにく、俺は諦めの悪い奴さ!Lv2の砂塵のハルマッタン、Lv4の蒼炎のシュラにLv2の極北のブリザードをチューニング!」

 

☆2 + ☆4 + ☆2 = ☆8

 

「吹き荒べ嵐よ!鋼鉄の意思と光の速さを得て、その姿を昇華せよ!シンクロ召喚!BFー孤高のシルバー・ウィンド!」

 

BFー孤高のシルバー・ウィンド 攻2800

 

こ、孤高のシルバー・ウィンド!?まずい!!

 

「孤高のシルバー・ウィンドの効果発動!このカードのシンクロ召喚成功時、このターンのバトルフェイズを放棄することにより、このカードの攻撃力よりも低い相手の守備力を持つモンスター2体を破壊する!行けっ!パーフェクト・ストーム!!」

 

孤高のシルバー・ウィンドが翼を大きく振るい、翼を羽ばたかせて突進、アブソルートZeroとエクスカリバーの2体を持っている刀で切り落として破壊した。

 

「ぐうぅ!!アブソルートZeroがフィールドから離れた時、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」

 

破壊されたアブソルートZeroの後から猛吹雪が吹き溢れ、シルバー・ウィンドを氷付けにして破壊した。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

クロウ 手札 0枚 LP 3700 SPC 6

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 1枚

 

スバル SPC 10→11 クロウ SPC 6→7

 

・・・・・このターンには決められそうにないな。だが、蓋をすることはできる!

 

「リバースカードオープン!SPー増援!SPCを3つ取り除いて、デッキからチューナーモンスター、E・HERO グランドマンを手札に加えて、そのまま召喚!」

 

スバル SPC 11→8

E・HERO グランドマン 攻100

 

頭にドリルがついたヒーローが現れ、コースに向かって穴を掘り始める。

 

「グランドマンはシンクロ召喚にする時、その素材なるモンスターは墓地の融合またはシンクロモンスター1体を使用する!俺はLv6のM・HERO ダーク・ロウとLv2のE・HERO グランドマンをチューニング!」

 

☆6 + ☆2 = ☆8

 

「摩天楼の暗闇に潜む魂が月光の光に反射する。勝利の雄叫びをあげろ!シンクロ召喚!轟け!E・HERO スピリット・ドラゴン!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200

 

ダーク・ロウとグランドマンが一つの光となって、その光は大きな満月となって上空に登っていく。その満月が放った光がコースに写り、そこから大きな地響きが鳴り響く。地面がヒビ割れていき、その中からスピリット・ドラゴンがフィールドに現れた。

 

「スピリット・ドラゴンの効果発動!墓地の《HERO》と名のついた融合モンスターをゲームから除外することで、相手ターンのエンドフェイズまでそのモンスターの半分の攻撃力を吸収して、同じ効果を得る!俺が選択するのはアブソルートZero!スピリット・ドレイン!」

 

スピリット・ドラゴンの前にアブソルートZeroが墓地からフィールドに戻ってきて、アブソルートZeroの魂がスピリット・ドラゴンに吸収された。

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2200→3450

 

「バトル!スピリット・ドラゴンでダイレクトアタック!フレア・アースシュート!!」

 

クロウ LP 3700→250

 

「グワアアア!!!!!!」

 

スピリット・ドラゴンの攻撃はそのままクロウに直撃、攻撃を受けたことでクロウのDホイールが減速したのを見逃さずに俺は横からクロウを追い抜く。

 

『強烈な一撃が決まった!!クロウは大丈夫か!?』

 

「へっ、心配される筋合いはねぇ!リバースカードオープン!ショック・ドロー!このターンに俺が受けたダメージ1000ポイントにつき1枚ドローする!俺が受けたのは3450!3枚ドローするぜ!」

 

クロウ 手札 0枚→3枚

 

ッチ、手札を増やすカードだったか・・・・参ったな・・・残りの手札はモンスターだ。

 

「これでターンエンド!」

 

 

スバル 手札 1枚 LP 2800 SPC 8

【モンスターゾーン】

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3450

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「行くぜ・・・・俺のターン!ドロー!」

クロウ 手札 4枚

 

スバル SPC 8→9 クロウ SPC 7→8

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして手札を1枚捨てる!このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!チューナーモンスター、BFー朧影のゴウフウ!」

 

BFー朧影のゴウフウ 守0

 

フィールドに竜巻が何本も現れて、クロウの目の前に鎖で縛られた鳥モンスターが現れる。その鳥モンスターの周りには黄色の風で纏われていた。

 

「朧影のゴウフウがこの効果で特殊召喚した時、自分フィールドに朧影トークン2体を特殊召喚する!」

 

朧影トークン 守0 ×2

 

「そして朧影のゴウフウはこのカードとチューナー以外のモンスターをゲームから除外することで、墓地の《BF》シンクロモンスターをチューナーモンスターとして特殊召喚する!」

 

「なっ!?」

 

「俺は朧影トークン1体と朧影のゴウフウをゲームから除外してファントムシンクロ!墓地から舞い降りろ!BFー星影のノートゥング!」

 

BFー星影のノートゥング 攻2400

 

フィールドにいたゴウフウとトークン1体がフィールドから上空へと登っていき、一つになる。そこから強い風が吹き始めて、星影のノートゥングがフィールドに戻ってきた。

 

「星影のノートゥングが特殊召喚に成功した時、相手のモンスター1体の攻撃力と守備力を800ポイント下げて、相手に800ポイントのダメージを与える!舞い戻る剣《ホーミング・ソード》!」

 

「グワァ!!」

 

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻3450→2650

スバル LP 2800→2000

 

星影のノートゥングが剣を投げつけて、それが俺とスピリット・ドラゴンに斬りつける。俺はバランスを崩してしまってスピードが落ちてしまい、クロウに並ばれてしまった。

 

「グウゥ・・・・けど、スピリット・ドラゴンの方が攻撃力が上だ!」

 

「まだ終わらないぜ!俺のスピードはどこまでも伸びて行く!!チューナーモンスター、BFー極北のブリザードを召喚!極北のブリザードの効果で墓地の蒼炎のシュラを特殊召喚!Lv4の蒼炎のシュラにLv2の極北のブリザードをチューニング!」

 

☆4 + ☆2 = ☆6

 

「漆黒の翼!大いなる翼に宿りて、神風を巻き起こせ!シンクロ召喚!吹き荒べ!BFーアームズ・ウィング!」

 

BFーアームズ・ウィング 攻2300

 

極北のブリザードと蒼炎のシュラが一つとなって、その中から三度黒い羽が舞い踊り、その中からアームズ・ウィングがフィールドに現れた。

 

「行くぜ!Lv6のBFーアームズ・ウィングにLv6のBFー星影のノートゥングをチューニング!」

 

「れ、レベル12のシンクロだと!?」

 

☆6 + ☆6 = ☆12

 

「漆黒の翼よ!雷の力宿して鮮烈にとどろけ!シンクロ召喚!切り裂け!ABFー神立のオニマル!」

 

ABFー神立のオニマル 攻3000

 

星影のノートゥングが作った6つの緑色の輪の中に漆黒のエルフェンが入り、一筋の光になる。その中から翼が広がり、背中に背負っていた剣を右手に持って鳥人間がフィールドに現れた。

 

「カードを1枚伏せて、行くぜ!バトル!神立のオニマルでE・HERO スピリット・ドラゴンを攻撃!神立のオニマルはシンクロモンスターのみをシンクロ素材とした時のみ、このカードの攻撃時にこのカードの攻撃力を3000ポイントアップする!」

 

「なっ!?」

 

ABFー神立のオニマル 攻3000→6000

 

「いっけえええ!!!サンダーボルトフラップ!!」

 

神立のオニマルに光が包まれて、金色の鳥となる。そのまま高速でスピリット・ドラゴンの攻撃を交わして、スピリット・ドラゴンに斬りつける。

 

ABFー神立のオニマル 攻6000

E・HERO スピリット・ドラゴン 攻2650

 

スバル LP 2000→0

 

「グウゥ!!!!タダではやられない!!WRGPのルールでこのエンドフェイズが終了するまで俺のモンスター効果は有効だ!!アブソルートZeroの効果が備わったスピリット・ドラゴンの効果!!さらにチェーンしてスピリット・ドラゴンの強制効果!!チェーンの逆順処理でスピリット・ドラゴンの効果により、この効果で除外されたアブソルートZeroを融合召喚扱いで特殊召喚する!!」

 

破壊されたスピリット・ドラゴンの後に満月の光が当たり、そこから冷たい風が吹き始め、アブソルートZeroがフィールドに舞い戻ってきた。

 

「さらにアブソルートZeroの効果を吸収したスピリット・ドラゴンの効果!相手フィールドのモンスター全てを破壊する!」

 

「神立のオニマルはカード効果では破壊されない!」

 

「なにっ!?」

 

破壊されたスピリット・ドラゴンから冷たい冷気がクロウのフィールドのモンスターに襲い掛かる。朧影トークンはそのまま破壊されたが神立のオニマルはそのまま飛び続けていた。

 

「俺たちの絆はこんな冷たい風で砕けたりしないぜ!」

 

「くっ・・・・・」

 

 

WIN クロウ LOS スバル

 

スバル side out

 

遊輝 side

 

 

『決まったあああ!!!次鋒戦を制したのはチーム5D's、クロウ・ホーガン!!!』

 

「ス、スバルさんが・・・・」

 

「まぁたまには負けるって、スバルも」

 

にしても神立のオニマルがあったとは・・・・アブソルートZeroを吸収したスピリット・ドラゴンが完全にパワー負けしてたもんな。

 

「さあてと・・・・最後の悪あがきでもしてきますか」

 

「スバルさんが帰ってきました!」

 

ピット席からヘルメットを手に取り、バトンタッチラインで止められているDホイールのエンジンをかける。ちょうど同じタイミングでスバルが帰ってきた。

 

「すまねぇ遊輝・・・・」

 

「心配するな。アブソルートZeroが残っただけでも相手にとってはプレッシャーだ、それにクロウも満身創痍だ。このターンに決めたら最後は遊星との一対一だ」

 

「・・・・そうだな。最後はお前に全てを賭けるぜ!」

 

「頼むわよ遊輝!!優勝がかかっているんだからな!!」

 

「準備OK!」

 

「Ready Go!」

 

茜が降ったフラッグを見て、俺はアクセルをフルスロットルにしてレースに飛び出す。コースに誘導されて、そのままクロウの後ろについた。

 

『後がないチームSECRET、ラストホイーラーである遠藤遊輝が飛び出した!!果たして遊輝はここから逆転できるのか!?」

 

「さぁてと・・・悪いがクロウ、遊星に向けた足踏みにさせてもらうぜ!」

 

「へっ!鉄砲玉のクロウ様がそんなことされてたまるかよ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 クロウ LP 250

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

遊輝 SPC 9→10 クロウ SPC 8→9

 

「EM ドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

俺の横にドクロバット・ジョーカーが現れて、ドクロバット・ジョーカーは自信が被っているハットを手に取り1枚のカードを取り出した。

 

「ドクロバット・ジョーカーは召喚時、デッキから《魔術師》、《オッドアイズ》、ドクロバット・ジョーカー以外の《EM》Pモンスター、いずれか1体を手札に加える!俺は慧眼の魔術師を手札に加える!さらにこのカードは自分フィールドに魔法使い族モンスターがいる場合、手札から特殊召喚できる!ジゴバイトを特殊召喚!」

 

ジゴバイト 攻1500

 

「Lv4のドクロバット・ジョーカーとジゴバイトでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鳥銃士カステル!」

 

鳥銃士カステル 攻2000

 

ドクロバット・ジョーカーとジゴバイトがブラックホールに吸い込まれていき爆発、その中からカステルがフィールドに現れた。

 

「カステルの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、フィールドのカード1枚をデッキに戻す!戻すのは神立のオニマル!!」

 

鳥銃士カステル OVR 2→0

 

カステルが2つのオーバーレイ・ユニットを取り込んで、銃をオニマルに向かって構える。照準があったところで銃を撃ち、途中で弾が爆発、捕獲用のネットが現れて神立のオニマルを捉えてそのままどこかに飛んでいった。

 

「カードを1枚伏せて、バトル!鳥銃士カステルでダイレクトアタック!」

 

クロウ LP 250→0

 

「ガアアアア!!!!」

 

『決まったああ!!大将、遠藤遊輝がクロウを1ターンで片付けたああ!!』

 

「ま、まだ終わんねぇよ・・・・墓地のBFー天狗風のヒレンの効果発動!」

 

「なにっ!?」

 

「このカードが墓地に存在する時に俺が2000ポイント以上のダメージを受けた時、墓地のこのカードとLv3以下の《BF》モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する!俺は天狗風のヒレンとBFー白夜のグラディウスを特殊召喚!」

 

BFー天狗風のヒレン 攻0

BFー白夜のグラディウス 攻1200

 

墓地にいた天狗風のヒレンが白夜のグラディウスを連れてフィールドに舞い戻ってくる。

 

「そしてこいつが遊星につなぐカードだ!!リバースカードオープン!!緊急同調!!」

 

「き、緊急同調!?」

 

「Lv3の白夜のグラディウスにLv5の天狗風のヒレンをチューニング!!」

 

☆3 + ☆5 = ☆8

 

「黒き疾風よ!秘めたる想いをその翼に現出せよ!シンクロ召喚!舞い上がれ!ブラックフェザー・ドラゴン!!」

 

ブラックフェザー・ドラゴン 攻2800

 

天狗風のヒレンが作った5つの緑色の輪の中に白夜のグラディウスが入って3つの星となり、一筋の光を作る。その中から黒い羽が舞い始めて、ブラックフェザー・ドラゴンがフィールドに現れた。

 

「・・・・スバルもスバルだが、クロウもクロウだな」

 

「遊星・・・・後は頼んだぞ!!」

 

 

WIN 遊輝 LOS クロウ

 

 

『チーム5D's、クロウ・ホーガン、敗れはしたが最後に自身のエースモンスターをラストホイーラーの不動遊星に託した!!』

 

面倒くせぇの残してくれたな・・・まぁこっちもアブソルートZeroがいるし、どっこいどっこいか。

 

・・・ブー、ブー

 

「?なんだ?電話?」

 

遊星が来るまでコースを走っているとDホイールの画面にテレフォンのサインが出る。

 

「誰だよこんな時に・・・もしもし」

 

『は〜い遊輝ちゃん♪調子どう〜?』

 

「・・・・・こんな時に電話かけてくんなよ、アリア」

 

電話の相手は今日、観客席で決勝戦を観戦しに来ているアリアだった。

 

「ってかお前、Dホイール持って来ていたんだな」

 

『あったり前じゃない!これで来ないと遠いし!』

 

「そりゃそうだけど・・・」

 

『優勝したらすみれさんが晩御飯奢ってくれるって!!頑張りなさいよ!!』

プツン!プー、プー

 

「結局飯かよ・・・・」

 

まぁ・・・・ツアーの英気を養うためにも豪勢な飯を食わしてもらうか・・・・

 

『チーム5D's、ラストホイーラーの不動遊星が遠藤遊輝に追いついた!!奇しくもこの組み合わせはフォーチュン・カップ・決勝戦の組み合わせ!!またしても優勝争いはこの二人に委ねられた!!』

 

「来たか・・・・」

 

MCの声が聞こえて後ろを振り向くと遊星が迫っていた。

 

「結局、最後の最後に戦うのは遊星なんだな!」

 

「そうだな・・・・」

 

・・・・何でこういう時には言葉が少ないんだよ(汗)。もっと気合い入れていこうぜ・・・

 

「・・・・負けるつもりはない」

 

「それはこっちも同じだ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」




スバル「BFにやられたぜ・・・さすがに弾丸が尽きなかった」

文「BFは強いんです!」

フラン「幻影彼岸やKozmoの相手じゃないよ」

文「ぐっ・・・・」

遊輝「ボッコボコにやられてんじゃねぇか・・・」

スバル「チェックメイトだと思ったんだけどな、さすがにショック・ドローは予定外だった」

フラン「そういえば今度、ショック・ドローに似た永続魔法が出るよね!」

遊輝「永続魔法ってところがなぁ・・・やっぱり罠カードの方がまだ奇襲性があるんだよ」

文「というわけで次回、WRGP決勝戦、最終ラウンド!大将と大将のぶつかり合い!!」

スバル「【WRGP決勝戦 太陽龍と閃光龍 栄光の優勝は・・・・】」

遊輝「・・・似たようなサブタイトルねぇか?」

フラン「次回もよろしく!」


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第180話 WRGP決勝戦 スピードの境地に達した星屑龍とカオスの力を得た黒い太陽龍

【*謝罪

え〜〜・・・また言われる前に謝罪をさせてください。
第162話、【希望のペンデュラム 四竜降臨!】で一部の読者様は違和感を覚えた方がいると思います。


そう、「PモンスターをPゾーンにセットする時は魔法カード扱い」と「スピード・ワールド2」の関係です。

スピード・ワールド2の基本ルールは『「SP」以外の魔法カードを使用した場合、2000ポイントのダメージを受ける』と書いています。それを読者に言われて、私も気が付きました・・・・だからArc-VはSPを使わなかったのかと・・・・・

こちらは世界観が5D'sですのでスピード・ワールド2のまま、そしてSPを使うことを前提としていますので、矛盾してしまいますが『PモンスターをPゾーンに置く場合のみ、この効果を適用しない』ということにしてください。じゃないとこの世界ではライディングデュエルでペンデュラムモンスターを使えないです・・・・】


【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】


最強カードの紹介〜

アリア「は〜い♪アリアだよ♪ってか前編って?」

なんかね・・・・想像以上に遊輝と遊星のデュエルが長くなった。頭の中だと9ターン10ターン11ターンとかかる。しかも1ターン1ターンが長そう。

アリア「うわぁ・・・・さすがにヘビー・・・」

だからサブタイトルも変えました・・・
それとさ、最近、音ゲーでバンドリの曲をよく聞くんだけどさ・・・

アリア「さ?」

あれを聞くたびにyoutubeで放課後ティータイムを聞く、そして思うんだ、けいおん!の偉大さが・・・・

アリア「あれは今でも伝説でしょうね・・・本格的なバンドのアニメってあれが初めてのはず」

今でこそバンドを主体としたアニメはいっぱいあるけど、当時は革新的だったよ。そりゃ当時、軽音ブームになるわけだな。

アリア「あれ?でも作者ってけいおん!は合わないって・・・」

バンドリの影響で興味を持つようになりました。そして改めてけいおん!の凄さが身に沁みました。
最強カードの紹介に行こう!

アリア「今回は慧眼の魔術師!《魔術師》デッキを強デッキに押し上げた当時ぶっ壊れカード!」

当時って言うな、当時って。今でもめちゃくちゃ強い。☆4の光属性・魔法使い族・ペンデュラムモンスター、モンスター効果はPゾーンのスケール数値が異なるPカードの数値を元に戻す効果。

アリア「本命のペンデュラム効果はもう片方のPゾーンに《魔術師》または《EM》がある場合、自信を破壊してデッキから《魔術師》PモンスターをPゾーンにセットする。しかも1ターンに何回も」

これ、本当に魔術師のストラクチャー出た時にぶっ壊れカードになったよな・・・・まあ同時に応募者全員で付いていたペンデュラム・マジシャンはもっとぶっ壊れだったけど・・・

アリア「第181話、ライティングデュエル!アクセラレーション!」


前回までの状況

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 4000 SPC 10

【モンスターゾーン】

E・HERO アブソルートZero 攻2500

鳥獣士カステル 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

遊星 手札 5枚 LP 4000 SPC 9

【モンスターゾーン】

ブラックフェザー・ドラゴン 攻2800

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

 

遊輝 side

 

 

『いよいよ長きに渡って続けられたWRGP、その決勝戦、ついに大将同士の対決がやって来た!!奇しくもこの組み合わせはフォーチュン・カップ決勝戦と同じ組み合わせ!!フォーチュン・カップ準優勝、エクシーズ・ペンデュラム召喚の創始者!!チームSECRETのリーダー、遠藤遊輝と!!!フォーチュン・カップ優勝、この街を救った英雄!!相手がエクシーズ・ペンデュラムならこちらは最強のシンクロ召喚の使い手!!チーム5D'sのリーダー、不動遊星とのデュエルが今、始まる!!」

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

遊輝 SPC 10→11 遊星 SPC 9→10

 

「SPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カートを2枚ドローして手札を1枚捨てる!」

 

遊星 手札 7枚→6枚

 

「シンクロン・エクスプローラーを召喚!」

 

シンクロン・エクスプローラー 攻0

 

「シンクロン・エクスプローラーは召喚時、墓地から《シンクロン》と名のついたチューナーモンスターを特殊召喚する!ロード・シンクロンを召喚!」

 

ロード・シンクロン 攻1600

 

フィールドに現れたシンクロン・エクスプローラーの効果により墓地にいたロード・シンクロンが現れる。

 

「このカードは自分の墓地からモンスターが特殊召喚された時、手札から特殊召喚できる!ドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

ドッペル・ウォリアー 攻800

 

さらに墓地から現れたロード・シンクロンの隣からドッペル・ウォリアーが現れる。

 

「来いよ遊星!!最初から全力で!!」

 

「Lv2のシンクロン・エクスプローラーとLv2のドッペル・ウォリアーにLv4のロード・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆2 + ☆4 = ☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

ニトロ・シンクロンがつくった2つの緑色の輪の中にレベル・ウォリアーとシンクロン・エクスプローラーの2体が入り、一筋の光が生まれる。その光から星屑が降り注いでスターダスト・ドラゴンがフィールドに現れる。

 

『来たああ!!遊星のエース、スターダスト・ドラゴン!!1ターン目から容赦しない!!』

 

「シンクロ素材に使われたドッペル・ウォリアーの効果!ドッペル・トークン2体を特殊召喚する」

 

ドッペル・トークン 攻400 ×2

 

「バトルだ!スターダスト・ドラゴンで鳥獣士カステルを攻撃!シューティング・ソニック!」

 

「それでブラックフェザー・ドラゴンでアブソルートを攻撃させようってか!?甘いな!!スバルの残してくれたカードを使わせてもらうぜ!!リバースカードオープン!!罠カード、立ちはだかる強敵!!」

 

「なんだと!?」

 

「相手モンスターの攻撃宣言時、自分フィールドのモンスター1体を選択してこのターン、相手は俺が選択したモンスターしか攻撃できない!!選択するのはアブソルートZero!!反撃だ!!瞬間凍結《Freezing at moment》!!」

 

スターダストがカステルに向かってブレス攻撃をしようとしたが、カステルの前にアブソルートZeroが立ち塞がり、スターダストに向かって反撃をする。同じ攻撃力同士のモンスターとの戦いは相打ちとなり、両方とも破壊された。

 

「この瞬間、フィールドから離れたアブソルートZeroの効果発動!相手フィールドの全てのモンスターを破壊する!」

 

破壊されたアブソルートZeroの周りから冷たい冷気が再び出て来て、それがブラックフェザー・ドラゴンとドッペル・トークンを襲って凍りづけ、破壊してしまう。

 

『チームSECRETの遊輝、華麗なカウンターで遊星のエースモンスター2体をアッサリと倒した!!』

 

「・・・・カードを3枚伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

遊輝 SPC 11→12 遊星 SPC 10→11

 

「SPーシフト・ダウン!SPCを6つ取り除いて2枚ドロー!」

 

「リバースカードオープン!逆転の明札!相手がドローフェイズ以外でカードをドローした時、俺は相手の手札と同じ枚数になるようにカードをドローする!」

遊輝 SPC 12→6

遊輝 手札 4枚→6枚 遊星 手札 1枚→6枚

 

『チーム5D'sの遊星!わずか1枚しか無かった手札が一気に6枚まで回復した!』

 

う〜ん・・・・やけに伏せてカードが多いと思ったがそういうためだったのか・・・かといって俺のやることは変わらないけど。

 

「レフト・Pゾーン、ライト・Pゾーンに2体の慧眼の魔術師をセッティング!」

 

俺の両横に天空から青い一筋の光が地面に降り注ぐように表れて、雲の間から2体の慧眼の魔術師がセッティングされた。

 

「物質の本質を見極める2体の魔術師よ!今ここでその力を発揮し、新たなる魔術師を創生せよ!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに【魔術師】か【EM】カードの場合、自身を破壊することでデッキからこのカード以外の【魔術師】PモンスターをPゾーンにセットする!俺はデッキからスケール8の龍穴の魔術師をライト・Pゾーンにセッティング!さらにもう1枚の慧眼の魔術師の効果でデッキからスケール2の賤竜の魔術師をレフト・Pゾーンにセッティング!」

 

ライト・Pゾーンの慧眼の魔術師が先に破壊されて龍穴の魔術師がセッティング、次にレフト・Pゾーンの慧眼の魔術師が破壊されて賤竜の魔術師がセッティングされた。

 

「賤竜の魔術師のペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに《魔術師》カードが存在する場合、エクストラデッキに表側表示の《魔術師》Pモンスター1体を手札に戻す!俺は慧眼の魔術師を戻す!」

 

さて、龍穴の魔術師の効果なんだが・・・・慧眼は置いておきたいし、かといって他のカードでも残しておきたいし・・・・ここはあえて使わずに、

 

「さあ行くぜ!!俺のフィールドにはスケール2の賤竜の魔術師とスケール8の龍穴の魔術師が存在する!!これによりLv3から7までのモンスターが同時に召喚可能!!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け!!光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

賤竜の魔術師と龍穴の魔術師の間に青色に輝く大きな振り子が現れて、最初はゆっくりと、徐々に早さをあげて円を描くように振れる。その円の中から3つの光がフィールドに現れた。

 

「エクストラデッキから慧眼の魔術師!!手札から調弦の魔術師とEMペンデュラム・マジシャン!!」

 

慧眼の魔術師 攻1500

調弦の魔術師 攻0

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500

 

『出たあああ!!準決勝で初披露となったペンデュラム召喚!!一気にモンスターを3体も増やした!!』

 

「調弦の魔術師、さらにペンデュラム・マジシャンの効果!まずはペンデュラム・マジシャン!!特殊召喚成功時、自分フィールドのカードを2枚まで破壊して、破壊した枚数だけペンデュラム・マジシャン以外の《EM》モンスターを手札に加える!カステル1枚だけを破壊してEMセカンドンキーを手札に加える!」

 

ペンデュラム・マジシャンが手にしている振り子を使ってカステルを破壊、飛ばした振り子が帰ってくると手の中には1枚のカードがあり、それが俺の手札に来る。

 

「調弦の魔術師の効果!このカードが手札からペンデュラム召喚に成功した時、デッキから《魔術師》Pモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!龍脈の魔術師を特殊召喚!」

 

龍脈の魔術師 守900

 

「Lv4の慧眼の魔術師にLv4の調弦の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

『・・・・・グオオオオオオ!!!!!』

 

調弦の魔術師が作った4つの緑色の輪の中にペンデュラム・マジシャンが入って一つの光となる。その光から黒い太陽が現れて、変形していきブラックがフィールドに姿を表す。

 

「ブラック・サンは特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスター1体を選択してこのカードの装備カードとして装備する!装備するのは鳥獣士カステル!」

 

墓地に眠っていたカステルがフィールドに戻って来てブラックの体内に吸収されて行く。

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3000

 

「さらにLv4のペンデュラム・マジシャンと龍脈の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!Em トラピーズ・マジシャン!」

 

Em トラピーズ・マジシャン 攻2500

 

ブラックホールに吸い込まれた2体のモンスター、やがてブラックホールが爆発してトラピーズ・マジシャンがフィールドに現れた。

 

『この2体の攻撃が通れば遊星は負けてしまう!!』

 

「バトルだ!トラピーズ・マジシャンでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!くず鉄のかかし!」

 

Dホイールを90度左回転させて横滑りで走りながら星刻の魔術師に攻撃を支持、星刻の魔術師は遊星に向かって攻撃をするが遊星が発動したくず鉄のかかしによって無効にされた。

 

「ならばブラック・サンでダイレクトアタック!ダークネス・ブラスト!」

 

「リバースカードオープン!カード・ディフェンス!手札のカードを1枚捨てることで、相手の攻撃を無効にして1枚ドローする!」

 

『遊星、この攻撃を全て防ぐことができた!!』

 

「チッ・・・仕方ない、やりたくなかったがくず鉄のかかしだけは破壊させてもらう!メインフェイズ2に入って、龍穴の魔術師のペンデュラム効果!手札の慧眼の魔術師を捨てて、くず鉄のかかしを破壊する!ドラゴンズマジック!」

 

手札にあった慧眼の魔術師を墓地に送り、Pゾーンの龍穴の魔術師が手にしている杖を振り回して遊星のくず鉄のかかしを破壊した。

 

「これでターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、リバースカードオープン!永続罠、ウィキッド・リボーン!ライフを800払い、墓地のシンクロモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!再び飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

遊星 LP 4000→3200

 

遊星が発動したウィキッド・リボーンの効果でフィールドのコースに穴が開いてスターダスト・ドラゴンがフィールドに戻って来た。

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 4000 SPC 6

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻3000

星刻の魔術師 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

鳥獣士カステル (ブラック・サン)

【ペンデュラムゾーン】

赤:龍穴の魔術師 (スケール8)

青:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 7枚

遊輝 SPC 6→7 遊星 SPC 11→12

 

「カードを1枚伏せてSPーハイスピード・クラッシュ!SPCが2つ以上ある時、自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する!俺は伏せカードとお前の伏せカードを破壊する!」

 

「リバースカードオープン!和睦の使者!このターン、俺のモンスターは戦闘で破壊されず、戦闘ダメージは全て0になる!」

 

遊星が発動したハイスピード・クラッシュによって遊星がさっき伏せたカードと俺が伏せていた和睦の使者が破壊される。

 

「(攻撃できない・・・・ならここは盤石の体制を整える!)破壊されたリミッター・ブレイクの効果!デッキからスピード・ウォリアーを特殊召喚する!」

 

スピード・ウォリアー 攻900

 

「このカードは手札のモンスター1枚を墓地に送ることで特殊召喚できる!チューナーモンスター、クイック・シンクロンを特殊召喚!」

 

クイック・シンクロン 攻700

 

「Lv2のスピード・ウォリアーにLv5のクイック・シンクロンをチューニング!」

☆2 + ☆5 = ☆7

 

「集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く!光さす道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・アーチャー!」

 

ジャンク・アーチャー 攻2300

 

「ジャンク・アーチャー!?まっず!?」

 

「ジャンク・アーチャーは1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体をこのターンのエンドフェイズまでゲームから除外する!選択するのはブラック・サン・ドラゴン!ディメジョン・シュート!」

 

シンクロ召喚で出てきたジャンク・アーチャーがブラック・サンに向けて矢を構え、放つ。その矢がブラック・サンの胸に刺さり、ブラック・サンはゲームから除外された。

 

『ああと遊輝のエースモンスターがフィールドから離れた!!これでブラックの攻撃力は元に戻ってしまう!』

 

「スピード・ワールド2の効果発動!スピードカウンターを10個取り除き、Emトラピーズ・マジシャンを破壊する!」

 

遊星 SPC 12→2

 

遊星がスピードカウンターを10個取り除き、遊星のDホイールから電撃が放たれてトラピーズ・マジシャンが破壊された。

 

「トラピーズ・マジシャンは戦闘または相手のカード効果で破壊された時、デッキから《Em》モンスター1体を特殊召喚する!Em ハット・トリッカーを特殊召喚!」

 

Em ハット・トリッカー 攻1100

 

破壊されたトラピーズ・マジシャンの帽子がボンっと音がなって煙がモクモクと出る。その中からハット・トリッカーがフィールドに現れた。

 

「カードを2枚伏せてターン・エンド。エンドフェイズ時、ジャンク・アーチャーの効果で除外されたブラック・サンは戻ってくる」

 

遊星 手札 1枚 LP 3200 SPC 2

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻2500

ジャンク・アーチャー 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

ウィキッド・リボーン (スターダスト)

伏せカード 2枚

 

 

相変わらず遊星相手だと油断一つも出来ねぇな・・・・和睦の使者が無かったらヤバかったぜ・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 7→8 遊星 SPC 2→3

 

・・・・・よし!

 

「EM セカンドンキーを召喚!」

 

EM セカンドンキー 攻1000

 

俺の横にハットを被った子馬が現れて駆け足で俺の後を付いてくる。その馬の口には1枚のカードが蓄えられていた。

 

「セカンドンキーは召喚・特殊召喚成功時、デッキから《EM》カードを墓地に送る!ただし!俺のPゾーンにカードが2枚ある場合、そのカードは手札に加える!俺はEM ペンデュラム・マジシャンを手札へ!さらに賤竜の魔術師のペンデュラム効果!エクストラデッキからの慧眼の魔術師を手札に戻す!」

 

手札が増える増える・・・・さすがEMと魔術師、サーチ能力はバカみたいに高いな。

 

「(ここからペンデュラムに繋げて大量展開を狙うのか)」

 

ふむ・・・・・先に伏せカードを破壊しようか。スターダストを使ってくれたら・・・・いや、龍穴の破壊は痛いな・・・いや、ペンデュラム・マジシャンをコストにすれば・・・

 

「龍穴の魔術師の効果発動!手札のペンデュラム・マジシャンを捨てて、その伏せカードを破壊する!ドラゴンズマジック!」

 

「スターダスト・ドラゴンの効果発動!その発動を無効にして龍穴の魔術師を破壊する!ヴィクティム・サンクチュアリ!」

 

龍穴の魔術師がペンデュラム・マジシャンのカードを杖に吸収して遊星の伏せカードを破壊しようとしたが、スターダスト・ドラゴンが自身を犠牲にして龍穴の魔術師の効果を阻止して破壊する。

 

「(・・・・・ここは無理に展開せずに行った方が良さそうだな)Lv4のセカンドンキーとハットトリッカーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!超越の名を持つ龍よ!反逆の牙を持ち、世界に轟かせ!エクシーズ召喚!ランク4!降臨せよ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

 

『・・・・グキャアアアアアアアア!!!!!!』

 

セカンドンキーとハットトリッカーの2体がブラックホールに吸い込まれていき、その中からダーク・リベリオンが姿を現わす。

 

「ダーク・リベリオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いてジャンク・アーチャーの攻撃力を半分にして、その数値分このカードに加える!トリーズン・ディスチャージ!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン OVR 2→0

攻2500→3650

ジャンク・アーチャー 攻2300→1150

 

ダーク・リベリオンがオーバーレイ・ユニットを2つ吸収して、ジャンク・アーチャーに向かって自身の身体を変形させて蔓のようにしてジャンク・アーチャーを縛り上げる。そのままジャンク・アーチャーのパワーを吸収していった。

 

「バトル!ダーク・リベリオンでジャンク・アーチャーに攻撃!反撃のライトニング・ディスオベイ!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!この戦闘で発生するダメージを0にして1枚ドローする!」

 

「だがジャンク・アーチャーは破壊される!」

 

ダーク・リベリオンが自慢の顎を使い、ジャンク・アーチャーに攻撃、ジャンク・アーチャーは何もできずに破壊されるが、遊星はガード・ブロックの効果で戦闘ダメージは0になる。

 

遊星 手札 1枚→2枚

 

「ブラック・サンでダイレクトアタック!ダークネス・ブラスト!」

 

続いてブラック・サンの攻撃、伏せカードと場のモンスターがない遊星はこの攻撃を直接受ける。

 

遊星 LP 3200→2200

 

「メインフェイズ2、スピード・ワールド2の効果!SPCを7つ取り除いて1枚ドローする!」

 

遊輝 SPC 8→1 手札 3枚→4枚

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「エンドフェイズ時、スターダスト・ドラゴンはフィールドに戻ってくる!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000 SPC 1

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻3650

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:なし

青:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 3枚

 

遊輝 SPC 1→2 遊星 SPC 3→4

 

「SPーマジック・プランター!SPCが4つ以上ある時、自分フィールドの永続罠を墓地に送って2枚ドローする!ウィキッド・リボーンを墓地に送り2枚ドロー!」

 

遊星 手札 2枚→4枚

 

「(・・・・・・・勝負を決める!)チューナーモンスター、ターボ・シンクロンを召喚!」

 

ターボ・シンクロン 攻100

 

ドローしたカードを確認した遊星はすぐにそのうちの1枚のカードをディスクにセットして、ターボ・シンクロンがフィールドに現れた。

 

「このカードは自分のモンスターが召喚に成功したターンに手札から特殊召喚できる!ワンショット・ブースターを特殊召喚!」

 

ワンショット・ブースター 攻0

 

「Lv1のワンショット・ブースターにLv1のターボ・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆1 = ☆2

 

「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う!光さす道となれ!シンクロ召喚!希望の力!シンクロチューナー!フォーミュラ・シンクロン!」

 

フォーミュラ・シンクロン 攻200

 

「フォーミュラ・シンクロンの効果発動!シンクロ召喚成功時、カードを1枚ドローする!」

 

遊星 手札 2枚→3枚

 

ほえぇ・・・・ここでスターダストとフォーミュラ・シンクロンか・・・・・

 

「来いや遊星!!!全力でぶつかり合おうぜ!!」

 

「当たり前だ!!」

 

遊星のDホイールが加速をして俺を追い抜いていく。そのままスピードを上げていき、スピードメーターが振り切れるほどではないかというくらいにどんどん加速していく。

 

「クリアマインド!!Lv8、シンクロモンスター、スターダストドラゴンにLv2、シンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロンをチューニング!!」

 

☆8 + ☆2 = ☆10

 

「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く!光さす道となれ!アクセルシンクロ!!!」

 

フォーミュラ・シンクロンが作った輪の中にスターダストと遊星が入っていき、最後に出来た輪の中に入って消える。そして俺の後ろからドンッという効果音とともに後ろから遊星と一体のドラゴンがフィールドに現れた。

 

「生来せよ!シューティング・スター・ドラゴン!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻3300

 

そのドラゴンは上空に登っていき、クルクルと身体を回転させて決めポーズを決めた。

 

『来たああ!!!遊星のエースモンスター、スターダスト・ドラゴンが新たなる力を得たモンスター、シューティング・スター・ドラゴン!!』

 

「だけどダーク・リベリオンには勝てない!」

 

「SPースピード・エナジーを発動!自分のSPCが2つ以上ある時、自分フィールドのモンスター1体の攻撃力を俺のSPCの数×200ポイントアップする!」

 

「げっ!?」

 

「俺のSPCは4つ!よってシューティング・スターの攻撃力は800ポイントアップする!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻3300→4100

 

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、俺のデッキの上から5枚をめくってその中にあるチューナーモンスターの数だけ攻撃が出来る!1枚目、チューナーモンスター、デブリ・ドラゴン!2枚目、SPーデッド・シンクロン!3枚目、チューニング・サポーター!4枚目、チューナーモンスター、ジャンク・シンクロン!5枚目、チューナーモンスター、スチーム・シンクロン!このターン、シューティング・スター・ドラゴンは3回の攻撃が可能だ!」

 

『この攻撃が全て決まったら遊星の勝ちだ!』

 

「バトル!シューティング・スター・ドラゴンでダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンに攻撃!スターダスト・ミラージュ!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻4100

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻3650

 

遊輝 LP 4000→3550

 

「グワアアア!!!」

 

「二撃目!ブラック・サン・ドラゴンに攻撃!」

 

「ぐっ・・・・あんまり調子に乗ってもらっては困るな!!リバースカードオープン!!バスター・モード!」

 

「なにっ!?」

 

「ブラック・サンをリリースしてデッキからこのモンスターを特殊召喚する!闇の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!降臨!ブラック・サン・ドラゴン/バスター!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500

 

ブラック・サンが黒い太陽へと戻り、周りに電気と氷で出来た鎖らしきものが太陽を取り囲む。それが太陽の中に入っていき、大きな鼓動を鳴らして黒い太陽が変形、ブラック・サン/バスターが姿を現わす。

 

「ブラック・サン/バスターは特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスターを装備、攻撃力は装備したモンスターの2倍を得る!」

 

「何だと!?」

 

「装備するのはダーク・リベリオン!」

 

『グオオオオオオオ!!!!!!!!』

 

墓地に眠っていたダーク・リベリオンがフィールドに現れてブラック・サンがダーク・リベリオンを吸収、身体が一回りもふた回りも大きくなり、シューティング・スターに向かって大きな咆哮を上げる。

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500→6500

 

「さあ遊星!どうする!?」

 

「・・・・バトルは終了!カードを1枚伏せてターン・エンド!エンドフェイズにスピード・エナジーの効果は切れ、シューティング・スターの攻撃力は元に戻る!」

 

 

遊星 手札 1枚 LP 2200 SPC 4

【モンスターゾーン】

シューティング・スター・ドラゴン 攻4100→3300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚




スバル「お高いにエースモンスターと上級モンスターを使って1ターン1ターンで戦況がひっくり返るって・・・・」

レミ「やっぱりあの二人のレベルは高いわね・・・・」

奏「私たちじゃあのレベルまでは持っていけないわね・・・」

響「奏はそもそもそんな事させないでしょ。相手の戦術を妨害するんだから」

奏「そう言う響こそアイス・スプラッシュのバーン効果で終わらせるのでしょうが!!」

レミ「・・・・どっちも大概だね」

スバル「次回、今度こそ本当に決着が着くぜ!【WRGP決勝戦 決着!栄光を手にするのは・・・・・】」

響「次回もよろしく!」


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第181話 WRGP決勝戦 決着!栄光を手にするのは・・・・・

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】


最強カードの紹介〜。

遊輝「何ヶ月ぶりだろ・・・・」

ずいぶんキャラが出たからね〜。最初の頃は割とすぐに回ってきたけど今じゃ2〜3ヶ月は最低でもかかる。

遊輝「人数増えたよな・・・・こんなに増えるとは・・・・」

最初の構想から右に行ったり左に行ったりしながらもやっとここまで来れたよ。

遊輝「WRGPが終わればもう本編もそろそろ終わりか・・・・」

あとは最終回まで走り抜けるだけだな。最強カードの紹介行くぞ!

遊輝「今回はシューティング・スター・ドラゴン。遊星がシンクロ召喚の境地として辿り着いたシンクロチューナーとシンクロモンスターを素材にするシンクロモンスターだ」

1ターンに1度、フィールドのカードを破壊するカード効果を無効にして破壊する。これだけでも強い。

遊輝「そして相手の攻撃宣言時にこのカードをゲームから除外することで一度だけ戦闘を無効にできる。自身を攻撃対象にされてなくても発動できるぞ」

そして最後!デッキトップ5枚をめくり、その中にあるチューナーモンスターの数だけ攻撃することができる!夢は5回攻撃!

遊輝「現実は儚く、一度も攻撃できないってこともあるけど・・・・第181話、ライディングデュエル!アクセラレーション!!」


前回までの状況

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 3550 SPC 2

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻6500

【魔法・罠ゾーン】

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン (ブラック)

【ペンデュラムゾーン】

赤:なし

青:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

遊星 手札 1枚 LP 2200 SPC 4

【モンスターゾーン】

シューティング・スター・ドラゴン 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

遊輝 side

 

『激闘が続く決勝戦、最終戦!!シーソーゲームを繰り返す両者!!果たしてどちらが勝つのか!?』

 

「俺のターン!ドロー!」

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 2→3 遊星 SPC 4→5

 

「まずはレフト・Pゾーンに慧眼の魔術師をセッティング!」

 

空いていた左側のPゾーンにもう一度慧眼の魔術師が天空から舞い降りてくる。

 

「慧眼の魔術師のペンデュラム効果!自身を破壊して、デッキから2枚目の龍穴の魔術師をセッティング!続いてSPーエンジェル・バトン!SPCが2つ以上ある時、カードを2枚ドローして手札を1枚捨てる!」

 

遊輝 手札 4枚→3枚

 

「賤竜の魔術師のペンデュラム効果発動!」

 

「リバースカードオープン!罠カード、砂塵の大竜巻!」

 

「はぁ!?」

 

「俺はPゾーンの龍穴の魔術師を破壊する!」

 

賤竜の魔術師のペンデュラム効果をしようと高らかに叫んだら、遊星が伏せカードを発動させて龍穴の魔術師を破壊する。

 

「なんでそんなカードあるんだよ!?」

 

「何事も対策は必要だろ?」

 

・・・・・ア〜ハイソウデスネ、じゃあ俺が善意で抜いたあげた次元障壁の時の気持ちを返してください。

 

「(参ったな・・・・ブラック・サン一体だけじゃ殴っても無効にされるだけだし・・・)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 3550 SPC 3

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻6500

【魔法・罠ゾーン】

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン (ブラック)

伏せカード 1枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:なし

青:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

遊輝 SPC 3→4 遊星 SPC 5→6

 

「SPーシフト・ダウン!SPCを6つ取り除いて2枚ドローする!」

 

遊星 SPC 6→0 手札 1枚→3枚

 

「チューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロンの効果発動!このカードの召喚成功時、墓地のLv2以下のモンスターを特殊召喚する!チューニング・サポーターを特殊召喚!」

 

チューニング・サポーター 攻100

 

遊星さんが召喚したジャンク・シンクロン、その隣にジャンク・シンクロンの効果でチューニング・サポーターが釣り上げられる。

 

「・・・クイック・シンクロンかカード・ディフェンスの時か」

 

「このカードは自分フィールド上に《ジャンク》と名のついたモンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!ジャンク・サーバントを特殊召喚!」

 

ジャンク・サーバント 攻1500

 

「げっ!?合計Lv8!?」

 

「Lv1のチューニング・サポーターとLv4のジャンク・サーバントを にLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆4 + ☆3 = ☆8

 

「集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光さす道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ!ジャンク・デストロイヤー!」

 

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

 

やっぱり出やがった!!今非常にまずいモンスターを出しやがって!!

 

「ジャンク・デストロイヤー、そして墓地に送られたチューニング・サポーターの効果発動!チューニング・サポーターはシンクロ素材として墓地に送られた場合、1枚ドローする!」

 

遊星 手札 1枚→2枚

 

「そしてジャンク・デストロイヤーはシンクロ召喚成功時、このカードのシンクロ素材の数までフィールドのカードを破壊する!俺はブラック・サンに装備されたダーク・リベリオンと伏せカードを破壊する!タイダル・エナジー!」

 

「チェーンでその破壊されるカードオープン!罠カード、貪欲な瓶!墓地のカードを5枚戻してシャッフルして1枚ドローする!」

 

・慧眼の魔術師

・慧眼の魔術師

・Em ハットトリッカー

・ジコバイト

・SPーシフト・ダウン

 

「この5枚を戻して1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 2枚→3枚

 

シンクロ召喚でできたジャンク・デストロイヤーの4本の腕から2本の幻影の拳が現れて、俺が発動した貪欲な瓶とブラック・サンに装備されていたダーク・リベリオンが破壊される。

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻6500→1500

 

ダーク・リベリオンが破壊されたことにより、ブラック・サンの身体が一回り小さくなってパワーダウンした。

 

「(くっそ〜・・・さすがにブラックやホワイトの手の内は知られているか)」

 

「バトル!ジャンク・デストロイヤーでブラック・サンに攻撃!デストロイ・ナックル!」

 

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500

 

遊輝 LP 3550→2450

 

「ぐうぅ!!!バスター・モードのモンスターが破壊された時、墓地にいる元のモンスターを特殊召喚できる!戻ってこい!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

破壊されたブラック・サン/バスター、その煙の中で再び黒い太陽がフィールドに戻ってきて変形をしていき、通常モードのブラック・サンがフィールドに戻ってきた。

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

「ブラック・サンが特殊召喚された時、墓地のエクシーズモンスター1体を選択してこのカードに装備する!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを選択!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→3500

 

「・・・・バトルは終了。カードを2枚伏せてターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 0枚 LP 2200 SPC 0

【モンスターゾーン】

シューティング・スター・ドラゴン 攻3300

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

遊輝 SPC 4→5 遊星 SPC 0→1

 

う〜ん・・・・さすがに魔術師カードが不足してきたな・・・・ちょっとデッキをいじり過ぎた感がするな。ドローカードで補えるかと思ったが・・・

 

「ガガガシスターを召喚!」

 

『イエイ!』

 

ガガガシスター 攻200

 

フィールドに現れるサファイア、そして持っている杖を振り回して1枚のカードが飛び出る。

 

「ガガガシスターの効果発動!召喚成功時、デッキから《ガガガ》と名のついた魔法・罠を1枚手札に加える!装備魔法、SPーガガガリベンジを手札に加える!続いてSPーオーバー・ブースト!SPCを6つ増やす!」

 

遊輝 SPC 5→11

 

「そして装備魔法、SPーガガガリベンジ!SPCが6つ以上ある時、墓地の《ガガガ》モンスター1体を特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアア!!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

発動したガガガリベンジの効果でフィールドに穴が開いて、その中からダイヤが鎖を振り回しながら現れる。

 

「ガガガシスターの効果発動!このカード以外の《ガガガ》モンスター1体を選択して、このカードと選択したモンスターのLvを2体の合計分とする!」

 

ガガガシスター ☆2→☆6

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャンとガガガシスターでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

『・・・・・ギヤアアアア!!!!!!』

 

ダイヤとサファイア、2体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき、大きな爆発を起こす。ブラックホールの中から白い太陽が現れて、フィールドに登っていき変形、ホワイト・サンが姿を現わす。

 

『遂に遊輝の2体目のドラゴンが出た!!この勝負、本当に分からなくなってきた!!』

 

「墓地に送られたガガガリベンジの効果!装備モンスターがエクシーズ素材でこのカードが墓地に送られた場合、自分フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力を300ポイントアップする!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400→2700

 

「バトル!ブラック・サン・ドラゴンでシューティング・スター・ドラゴンを攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外することで一度だけその攻撃を無効にする!」

 

ブラック・サンがエネルギーを貯めてシューティング・スターに向かって攻撃をするが、シューティング・スターは後ろにできた穴に隠れて攻撃は透かしてしまう。

 

「ホワイト・サンでジャンク・デストロイヤーに攻撃!サンシャイン・パティズム!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

ジャンク・デストロイヤー 攻2600

 

遊星 LP 2200→2100

 

ホワイト・サンの攻撃でジャンク・デストロイヤーは破壊、超過分のダメージが遊星に入る。

 

「(とはいえ・・・・シューティング・スターは残してしまったな)」

 

出来ればシューティング・スターも除去すればよかったのだがあいにく手はなく・・・・・カステルも使っちゃったしな。まぁカステルは空気読まないからあっても使わなかったと思うけど・・・・

 

「メインフェイズ2、スピード・ワールド2の効果!SPCを7つ取り除いて1枚ドローする!」

 

遊輝 SPC 11→4 手札 2枚→3枚

 

「(・・・・・えぇ、先に発動しておけばよかったよ)SPー貪欲な壺!SPCを2つ取り除いて墓地のモンスター5枚を戻して2枚ドローする!」

 

・EMセカンドンキー

・鳥獣士カステル

・Em トラピーズ・マジシャン

・EM ドクロバット・ジョーカー

・龍脈の魔術師

 

「この5枚を戻してシャッフル!そして2枚ドロー!」

 

遊輝 SPC 4→2 手札 2枚→4枚

 

「・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズにオーバー・ブーストの効果でSPCは1になる!」

 

 

遊輝 手札 2枚 LP 2450 SPC 2→1

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン (ブラック)

伏せカード 2枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:なし

青:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊星 手札 1枚

 

遊輝 SPC 1→2 遊星 SPC 1→2

 

「(・・・・このターンで決める!)シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!デッキの上から5枚をめくり、その中のチューナーモンスターの数までこのターン、攻撃することができる!」

 

この局面で使ってきた?っていうことは・・・・このターンでトドメを刺すつもりか!?ブラック・サンよりも攻撃力は低いんだぞ!?

 

「1枚目、チューナーモンスター、ターボ・シンクロン!2枚目、リミット・リバース!3枚目、ターレット・ウォリアー!4枚目、チューナーモンスター、アンノウン・シンクロン!」

 

4枚めくれて2体・・・・つまり2回の攻撃が確定、ただ、何かしらのカードがあっても俺のライフを0にすることは出来ないはず・・・・

 

「(・・・・あと1枚・・・あと1枚必要だ・・・・デッキよ・・・答えてくれ!!)5枚目!!!!」

 

右手をデッキに置いた遊星は一呼吸置いて、勢いよくカードをドローする。そのままそのカードを確認、頬が少し緩んだ。

 

「チューナーモンスター、ブライ・シンクロン!これでシューティング・スター・ドラゴンは3回の攻撃が可能になった!」

 

シューティング・スター・ドラゴンの身体が3体に分身をする。本体の白、赤色、黄色へと分かれてそれぞれがこっちを威嚇するように睨みつけている。

 

「バトル!シューティング・スター・ドラゴンでホワイト・サン・ドラゴンを攻撃!この攻撃宣言時、リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・ストライカー・ユニット!」

 

「何だと!?」

 

「発動後、シンクロモンスターの装備カードとして装備する!俺はシューティング・スター・ドラゴンを選択!」

 

『ギャアアア!!!!』

 

遊星が発動したシンクロ・ストライカー・ユニットがシューティング・スターに取り込まれていき、シューティング・スターはフィールド全体に咆哮をあげる。

 

「このカードを装備したモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!」

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻3300→4300

 

『これでシューティング・スター・ドラゴンは遊輝の全てのモンスターの攻撃力を上回った!!これが通れば遊星の勝ちだ!!』

 

「行けっ!スターダスト・ミラージュ!」

 

3体いる分身のうち、黄色の分身がホワイトに突撃、攻撃力で負けているホワイトはそのまま破壊されて超過ダメージが俺を襲う。

 

シューティング・スター・ドラゴン 攻4300

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2700

 

遊輝 LP 2450→850

 

「ぐうぅ!!!!」

 

「二撃目!!シューティング・スター・ドラゴンでブラック・サン・ドラゴンに攻撃!スターダスト・ミラージュ!!」

 

今度は赤色の分身がブラック・サンに向かって攻撃、一度上昇をしてから一気に急降下してブラック・サンに突進する。だが・・・・・

 

ガンッ!!!!!

 

「何だとっ!?」

 

『ああっと、ブラック・サン・ドラゴンはシューティング・スター・ドラゴンの攻撃を受け止めたあああ!!!!』

 

ブラック・サンは破壊されずにシューティング・スターの攻撃を受け止める。それどころか、シューティング・スターに向かって反撃を始める。

 

「どういうことだ!?」

 

「どういうこと?・・・・・・それはな、俺がこの攻撃のダメージ計算時にこのカードを発動したからだ!!」

 

俺は遊星に向かって一枚のカードを指差す。そこには発動状態となっている罠カードが1枚あった。

 

「罠カード、ロケット・ハンド!発動後、攻撃力800以上の攻撃表示モンスターを対象にして攻撃力を800上げる装備カードとしてモンスター1体に装備する!」

 

「何っ!?」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻3500→4300

 

『攻撃力が並んだああ!!つまりこれは相打ちになる!!』

 

「反撃だブラック!!ダークネス・ブラスト!!」

シューティング・スターの攻撃を受け止めたブラックはエネルギーを貯めて、目の前にいる幻影と本体に向かって攻撃する。シューティング・スターも赤色の幻影がブラックの攻撃を交わしながらブラックに近づいていく。

 

「いっけえええ!!!」

 

ズゴーーーン!!!!!

 

交わしながら近づいてくるシューティング・スター・ドラゴンに向かってブラックの攻撃は直撃、しかし攻撃を受けたシューティング・スター・ドラゴンもタダでは破壊されず、ブラック・サンに攻撃。双方の龍は死闘の末に共倒れとなって破壊された。

 

「ぐっ!!シューティング・スター!!」

 

「ブラック・サン・ドラゴンの効果発動!このカードが破壊された時、墓地のエクシーズモンスター1体を特殊召喚して、このカードをエクシーズ素材とすることができる!白銀の太陽よ!今一度舞い戻れ!!ホワイト・サン・ドラゴン!!」

 

破壊されたブラックは黒い太陽へと戻り、そのまま地面に吸い込まれていく。そして、黒い太陽から白い太陽が登り始め、白い太陽が変形をしていきホワイト・サンがフィールドに戻ってきた。

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400 OVR 0→1

 

『ああっと!!遊輝のフィールドにはモンスターが戻っている!!これでは次のターン、遊星はダイレクトアタックを受けてしまう!」

 

「リバースカードオープン!罠カード星屑の残光(スターダストフラッシュ)!墓地から《スターダスト》モンスター1体を特殊召喚する!再び飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

こちらがホワイト・サンを復活させたことに対抗して遊星も伏せカードを使ってスターダスト・ドラゴンを復活させた。

 

『遊星も対抗してエースモンスターのスターダスト・ドラゴンを復活させた!!両者の激闘はまだ続くのか!?』

 

「スターダスト復活か・・・・けど、ホワイト・サンを破壊したらまたブラック・サンが復活するぜ!」

 

「手札から速攻魔法、SPーシューティング・ソニックを発動!SPCを2つ取り除いて、自分フィールドの《スターダスト》シンクロモンスター1体はこのターン、相手モンスターと戦闘を行う場合、ダメージステップ開始時にそのモンスターをデッキに戻す!」

 

「なんだと!?」

 

遊星 SPC 2→0

 

「スターダスト・ドラゴンでホワイト・サン・ドラゴンを攻撃!シューティング・ソニック!」

 

スターダスト・ドラゴンがホワイト・サンに向かって攻撃、SPーシューティング・ソニックの効果を受けたスターダストの攻撃を受けたホワイト・サンはそのまま何もできずにエクストラデッキに戻ってしまった。

 

「ぐうぅ・・・も、戻されたか・・・」

 

「これでターン・エンド」

 

遊星 手札 0枚 LP 2100 SPC 0

【モンスターゾーン】

スターダスト・ドラゴン 攻2500

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚

 

遊輝 SPC 2→3 遊星 SPC 0→1

 

・・・・!!!ハハッ・・・・こいつで決めろってか・・・・面白い!!

 

「ジゴバイトを通常召喚!」

 

ジゴバイト 攻1500

 

「リバースカードオープン!永続罠、リビングデッドの呼び声!墓地からモンスター1体を特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアアア!!!!』

 

手札からジゴバイトを、そしてリビングデッドの呼び声の効果で墓地からダイヤが現れた。

 

「Lv4のジゴバイトとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろNo,39!!希望皇ホープ!!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻2500

2体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき、大きく爆発。ブラックホールの中から黄色の大剣がフィールドに現れて変形をしていき、ホープが現れた。

 

「行くぞホープ!!!バトルだ!!」

 

「なんだと!?」

 

「希望皇ホープでスターダスト・ドラゴンに攻撃!!」

 

「迎え撃て!!シューティング「この瞬間、希望皇ホープの効果発動!!」なにっ!?」

 

「オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてこの攻撃を無効にする!!!」

 

No,39 希望皇ホープ OVR 2→1

 

ホープが自身の背中から取り出した剣を右手にスターダストに向かって攻撃しようとしたが、オーバーレイ・ユニットを消費して自身の攻撃を無効にした。

 

『どういうことだ!?自分の攻撃を自分自身で無効にしてしまったぞ!?』

 

「そしてこれがこのデュエルを決める最後のカード!!速攻魔法、SPーダブル・アップ・チャンス!!自分のモンスターの攻撃が無効になった時、スピードカウンターを1つ取り除くことで攻撃が無効になったモンスターの攻撃力を倍にしてもう一度攻撃の権利を得る!!」

 

「なんだと!?」

 

遊輝 SPC 2→1

No,39 希望皇ホープ 攻2500→5000

ダブル・アップ・チャンスの効果を受けたホープの手には先ほど攻撃しようとした剣よりもさらに一回りもふた回りも大きくなった剣になる。

 

「ラスト!!希望皇ホープでスターダスト・ドラゴンに攻撃!!!ホープ剣・ダブルスラッシュ!!!!」

 

俺の掛け声とともにホープがスターダスト・ドラゴンに近づき、スターダストの頭から足元に向かって剣を振り下ろす。俺のところに戻ってきたところでスターダスト・ドラゴンの身体は真っ二つに割れて破壊された。

 

「グアアアア!!!!!!!」

 

No,39 希望皇ホープ 攻5000

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

遊星 LP 2100→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 遊星

 

 

 

 

 

『・・・・・き、決まったああああ!!!!激闘となったWRGP決勝戦!!!!チーム5D'sの絶対的エース、不動遊星が敗れた!!!WRGP、初代チャンピオンという栄光を手にした優勝チームはチームSECRET!!!!!!』

 

『ワアアアアア!!!!!!!!』

 

「ッシャアアアアア!!!!!!!!!」

 

Dホイールを走らせながら俺は右手の拳を力強く高く上げて、その後に人差し指1本を突き立てる。そのままスタートラインまで走っていき、ゆっくりと止める。

 

「遊輝!!!!」

 

「やったぞお前ら!!!優勝だ!!!」

 

Dホイールから降りて、みんなが走ってこっちに向かってくる。俺は誰もいないところヘルメットを投げてみんなを受け止める。それぞれが抱き合い、そして称え合う。

 

「やったよ!!!優勝だよ、優勝!!!!」

 

「私たち、世界一になれたよ!!!」

 

「やりましたね師匠!!!本当に優勝しましたよ!!!」

 

「ゆ、夢じゃないですよね・・・・・」

 

「夢じゃねぇぞ祈!!!現実だ!!!」

 

俺たちがコース中央で大はしゃぎの中、遊星さんもスタートラインに帰ってくるのが見えた。遊星さんのところにはチーム5D'sのメンバーが近づいて行くのが見えた。

 

「遊星・・・・・」

 

「・・・・・みんな、すまない」

 

「気にすんなよ遊星、今回は相手が上手だっただけさ」

 

「敗者を経験してさらに強く磨き、やがて勝者となる・・・・・この負けは無駄ではない」

 

「今回は遊輝たちが強かっただけだよ。次やった時はチーム5D'sが勝つ!!」

 

「みんな・・・・・」

 

「さぁ、俺たちにやれることはただ一つ。ここにいる勝者をたたえようじゃないか」

 

そう言ってジャックが先に拍手をする。それを見てアキさんや龍可、クロウたちも拍手をして、観客からも拍手が巻き起こる。

『みんな、待たせたな!ただいまより優勝セレモニーを行うぞ!!』

 

いつの間にかスタート地点中央に現れた白い台。俺たちは大会運営スタッフに案内されて白い台の後ろに立つ。

 

『それではみんな!!紹介しよう!!長きに渡った第1回WRGP、激闘の末初代チャンピオンとなったチームの名は!!!チームSECRET!!!!!!』

 

『ワアアアアア!!!!!!!!』

 

MCの紹介に合わせるようにして俺たち全員、手を繋いで両手を上げて台に乗る。

 

『優勝したチームの代表としてチームリーダー、遠藤遊輝に栄光のトロフィーがイェーガー長官より贈られる!!』

 

トロフィーを持ったイェーガーがこっちに近寄ってきて俺にトロフィーを渡す。それを受け取った俺は両手で持って頭上よりも高く上げる。その瞬間に周りからボンッと音を立てて紙吹雪が舞い上がった。




遊輝「行くぞお前ら!!シャンパンファイトだ!!!」

スバル「いえええ!!!!!」

奏「ちょっ!?私たち未成年!!」

恭輔「心配しなくてもこれ、ただの炭酸水です」

レミ「ほらっ奏!!」

奏「きゃああ!!!頭から掛けないで!!」

響「ほらほら!!!背中ガラ空きだよ!!」

奏「!!!ひ、響いい!!!」

茜「祈っちも行くわよ!!!」

祈「ま、待ってください!!ゴ、ゴーグル!!」

霊夢「・・・・よっぽど嬉しいのね」

文「あれだけ笑っている遊輝さん、なかなか見られませんよ」

魔理沙「それだけ苦労とかしたんだろうぜ。ここは私たちも・・・・・」

霊夢「ひゃい!?」←背中に炭酸水をかけられた。

魔理沙「私たちも派手に暴れようぜ!!」

霊夢「ッ、やったわね魔理沙!!!」

フラン「フランもやりたかったなぁ・・・」

文「吸血鬼である以上、流水はダメですからね。フランさんは見学だけです」

遊輝「ホラホラ霊夢!!!お前のこうだ!」

霊夢「やったわね!!!」

フラン「というわけで今回で第4章、WRGP編は終了です」

文「次回からは最終章として卒業編となります。卒業はしませんが、形式上、卒業はするので」

フラン「それでは、次回もよろしくお願いします」


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第6章 卒業編
第182話 日常に戻った学生、ツアーと最後の文化祭に向けて


お待たせしました。少しばかり休養して、第6章、卒業編の始まりです。

まずはアリーナツアー、そして文化祭、あとは忘れ去られたアカデミアデュエル大会、そうですね・・・・冬休みに卒業旅行とかですかね。今のところ、大枠で決まっているのはそんなところです。


遊輝 side

 

 

「あ〜・・・・あ、頭いてぇ・・・・なんで決勝の翌日の日に9時から練習なんだよ・・・」

 

頭を抑えながらアカデミアの制服に着替える。

昨日・・・・・WRGPで優勝した俺たちはその後がもう・・・・あの表彰式の後に優勝会見をさせられて、その後にすみれさん主催で優勝パーティをやって、そこから二次会とか行って俺の家でカラオケ大会をして・・・・2時ぐらいまで馬鹿騒ぎしてたっけ・・・

 

【*・・・16歳未満は親同伴でも22時までに帰らなきゃダメです】

 

 

「ふわぁ・・・・決勝の次の日ぐらい休みにして欲しいもんだよまったく・・・」

 

9時練習開始とはいえ部屋の掃除や機材チェックしなくちゃいけないので部室には最低でも1時間前に行かなくちゃいけない。つまり、夜遅くまでどんちゃん騒ぎをしたのに朝はクッソ早いんだ。

 

「ふわぁ・・・・さてと、行きますか」

 

リュックを背負い、その後ろにギターが入ったケースを背負う。そのまま静かに家の扉を閉めてアカデミアに向かう。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「う〜す」

 

「う〜す」

 

「おはよう」

 

「あっついなこの部屋〜・・・・クーラー付けてないのか?」

 

「さっきつけたばっかだよ」

 

アカデミアについて部室に入る。すでにスバルとレミが部屋にいたがまだ来たばっかなのか部屋が蒸し暑い。全く、8月のこんなクソ暑い日に丸一日練習とか地獄でしかない。

 

「さっさとチューニングしちゃおう・・・・チューナーある?」

 

「ちょっと待って・・・・これこれ」

 

カバンを机の上に置いた後、レミからチューナーとコードを借りてギターに繋げる。ギターの方で音量を調整した後、6弦からチューニングを始める。

 

♪♪♪〜〜〜〜

 

「・・・・・・・高いな」

 

チューナーを見てそう思い、一度ペグを回して弦を緩め、わざと低くしてから音程を合わせる。

♪♪♪〜〜〜〜〜

 

「・・・・・・あんた、ギターの弦変えた?」

 

「へっ?こいつの?う〜ん・・・・・3ヶ月くらいは変えて「今すぐ変えなさい!!」え、えぇ・・・・」

 

チューニングをしている途中、レミがギターの弦について聞いて来たので3ヶ月って言ったら怒鳴られた。

 

「あれほどギターの弦はどれだけ伸ばしても1ヶ月って言ったでしょ!!あんた、ツアー中も変えてなかったの!?」

 

「いや、ツアー中はこいつ留守番だったから・・・」

 

「ひっどいわね・・・・ギタリストとしてなってないわよ」

 

「いや、俺プロじゃねえし・・・」

 

「・・・・それもそうね。いい加減このうざったいメディアの取材許可も何とかならないかしら」

 

ハァ〜とため息をつきながらレミは大量にある封筒の山から一つを手に取りポイっとゴミ箱に捨てる。

 

「ったくあの校長先生・・・・・あれほどこの類の手紙は回さないようにって言ったのに・・・」

 

レミが何を愚痴っているのか簡単にいうと、メディアが俺たちに取材を申し込んで来ている。ただ、俺たち全員は全部断っている。その窓口はこの学校の責任者である校長先生を介してちゃんと言っているんだが、ご覧の有様で・・・・・

まぁしかし、リーダーのレミも校長先生には頭が上がらない。何せ部費を私物に回しているのにお咎めなしなのはほとんど校長先生のおかげだからだ。

 

「おはよ〜う」

 

「おはよう」

 

「う〜す。奏〜、弦変えるの手伝って」

 

「また〜?いい加減一人で出来るようになってよね」

 

「おっは〜!!」

 

「おっは〜、響っちが最後だよ。と言うわけでジュース奢り〜」

 

「ええぇ!?!?」

 

「はいはい、さっさと掃除して練習しましょう。スタッフが来る前に片付けるものは片付けてしまいましょう」

 

そう言ってパンパンと手を叩くレミ、掃除用具入れから箒を数本出したスバルから箒を一本取って掃除を始める。

 

「うっわ〜、埃多い〜」

 

「しょうがないでしょ、1ヶ月以上も離れていたんだから」

 

「テレビの裏とかゲーム機とかヤバそうだな・・・・なんかカバーかけとけばよかった」

 

1ヶ月もこの部屋を使わなかったせいで部屋の隅や荷物の裏には埃が溜まりに溜まっている。これじゃ掃除するだけで1時間とられそうだな・・・・・

 

「よっと・・・ああ、アンプのコードが絡んじゃって」

 

「奏〜、濡れてない雑巾取って〜」

 

「は〜い」

 

 

〜〜(1時間後)〜〜

 

 

「ふぃ〜・・・・なんとか掃除が終わったな」

 

全員で協力し合い、部室はピカピカに・・・・輝いてないな。何せここ、今の時代では珍しい木の机とかあるし、

 

「これでようやく準備ね。アンプの配置はこの図の通りにお願い」

 

「失礼します。皆さんおはようございます」

 

扉が開く音が開いて男の人2、3人が中に入って来る。

 

「小林さん、ツアー後半もよろしくお願いします」

 

「こちらこそ、すでに別の部屋の準備は終わってます」

 

「えっ?じゃあ早くやらなきゃ・・・」

 

「慌てなくていいですよ。掃除も準備も大切なことなんですから」

 

「小林さん!油売ってないでコード繋げるの手伝ってください!」

 

「はいは〜い、全く・・・・俺が上司だって言うのに相変わらず硬いな」

 

そう言って男の人は苦笑いをしている。この人たちはレミの会社の社員さん、1年の頃から俺たち軽音部の音響を担当している裏方で一番偉い人。もちろん、今回のツアーも帯同してくれて、リーダーを務めている。

 

「え〜・・・・それでは音合わせからはいります。頭から通し、途中で問題があれば止めますね。奏さんはどうしますか?」

 

「最初から歌います」

 

そう言ってマイクスタンドにさしてあるマイクを手にする奏。俺はピックを手に取り、新しく貼った弦の感触を確かめる。

 

「喉潰さないでくださいよ。じゃあお願いしま〜す」

 

「1・2・3・4」

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

スバルが声と同時にスネアドラムをリズムよく叩く。タイミング良く俺がギターを弾き始め最初の曲のイントロから入る。

 

「ウッ!!!」

 

ギターのみのイントロが終わるタイミングで奏の低い叫び声が部室に響き、開幕ナンバーのイントロが本格的に始まる。

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

「(・・・・・さすがに1週間近く間が空いたら少しズレて来るか・・・にしても相変わらず凄い団結力だ)」

 

左手のコードを意識しながら右手のピックを使って弦を弾く、時に早く激しく、時に遅くゆったりと・・・・

 

「ごめんストップ!!」

 

「えっ!?」

 

♪♪♪〜〜〜〜

 

「!!!ゆ、遊輝さん!!止めて!!」

 

「は、はい!!」

 

突然、レミがストップと言ってきた。その反応に止めることができずにギュイーンと大きく引いてしまい、ヘッドフォンをしたスタッフがヘッドフォンを外して俺に止めるように言ってくる。

 

「ど、どうしたのよレミ!?いきなりストップって!?」

 

「いや・・・・前々から気になっててさ、アリーナの開幕、変えようと」

 

ベースを持ったまま、レミが黒板に貼ってあるツアー曲の開幕ナンバーをコンコンと叩く。

 

「えっ!?お前ツアー曲を変えるのか!?」

 

「元の開幕ナンバーは・・・・・ここにして、これを無くすの。その代わりにこのライブでやるこれを開幕ナンバーにするの」

 

そう言ってレミは別のライブで歌う予定の曲の紙を黒板からはがして開幕ナンバーの場所にする。

 

「・・・・・・ああ、確かに」

 

「演出は変えなくていいのよ。確かこの曲はこのライブに向けて録音したイントロがあるから最初の演出の後にこれを流して私たちが出てくる」

 

「いや、でも・・・・その曲はそのライブのための秘蔵にしたんじゃねぇのか?」

 

「アリーナツアーの曲も数曲こっちでやる予定は言ったよね?そうなるともう一曲、強い曲が欲しいのよ」

 

「いいんじゃない?私はレミっちの意見に賛成よ」

 

「私も、ホールと同じ開幕はどうも気が引けたから」

 

「まあいいんじゃね?ツアー回っている時にお客さんの反応が悪かったら元に戻せばいいし」

 

「じゃあこれを開幕にしてこの曲はここに移動ね。すみません小林さん、ちょっと手間かけてしまって」

 

「構わない構わない。ただ、準備するのに時間かかるから待っておいて欲しい」

 

「じゃあその間に私たちだけでセッションしよう。やっぱり間空くと感覚が狂っちゃう」

 

「ごもっともだな」

 

1週間近くも練習していないとこうも調子が狂うんだな・・・・俺も弦を替えたばかりとはいえ、微妙に左手のコードを抑える指に違和感を感じるし。

 

「じゃあこの変わった開幕ナンバーの練習をしましょう。奏、ギターは?」

 

「これでしょ?」

 

「それそれ。じゃあスバル」

 

・・・♪♪♪♪!!

 

スバルのスネアドラムのリズムからリードギターの俺と茜のギター音が入り、それに合わせるようにリズムギターの奏の音が入る。響のキーボードのメロディに合わせてテンポを整えて奏が歌い始める。

 

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

いつもよりも高い声を出している奏、テンポも早くリズムギターとしてはかなり難しめな曲のはずだがそれでもすんなりとこなしてしまっているあたり、さすがだと思う。俺?こんな高くてテンポの速い曲をギター弾きながら歌うとかまだ無理。

♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜

 

「・・・・フゥ」

 

「続けるわよ」

 

「1・2・3・4!!」

 

♪・♪・♪♪♪♪〜〜〜〜〜〜

 

ペッドボトルの水を一口飲んな奏がレスポールギターからフォークギターに持ち替える。スバルのバチの合図ですぐにフォークの伴奏から始まり、エレキギターとベース、ドラムのイントロが入る。先ほどと同じくテンポが早い、疾走感のある曲だ。

 

バン!!!

 

「レミ!!」

 

「ぶっ!?」

 

練習の途中、部室の扉がバンと大きく音を立てて開く、そこには少し慌てた様子のクラスメイト、彩がいた。

 

「な、何よ彩!?どうしたのよ!?」

 

「どうしたもこうしたも練習どうするの!?もう10時よ!?」

 

「えっ!?」

 

慌てたレミ、いや全員が一斉にこの部屋に一つしかない壁に掛けられた時計を見る。針はすでに10時10分を指していた。

 

「ま、まずっ!?」

 

「小林さん!!練習は午後から!!」

 

「はいはい、劇の練習も頑張ってね」

 

慌ててカバンを持って部室を飛び出る。場所は体育館、この部室から少し遠い場所だ。

 

「ごっめ〜〜ん!!!」

 

「すみません!!」

 

体育館について早々、クラスメイト全員に謝る。

 

「・・・・何かこうやって見ていると、お前らも普通の生徒なんだな〜って思う」

 

「分かるわ〜、こいつら化け物の上に昨日世界一になったのにな〜」

 

「・・・・ぐうの音もありません」

 

「はいはい、台本覚えてきたのでしょう。早速最初から」

 

「・・・・・役を変えることをきぼ『絶対にダメ!!!』む、むぅ・・・・」

 

この野郎・・・・クラスメイト全員に案を却下されるなんて・・・・民主主義じゃねぇ・・・

ほぼ強制連行で体育館の舞台に立たされる。一応、セリフは覚えてきたがまだうろ覚えなので台本は丸めて後ろポケットに入れてある。

 

「まずはシーン1、ラビットハウスの日常風景よ」

 

「・・・・ねぇ彩、今更なんだけどさ、遊輝って棒読み感が凄かった」

 

「大丈夫大丈夫、チノちゃんは無表情・棒読みだから。それじゃ用意スタート!」

 

「ねえねえチノちゃん!!私この前お客さんに『ココアちゃんはシスター・コンプレックスだね』って言われちゃった」

 

「えっ・・・・・」

 

「響がカッコいいよね!」

 

「コ、ココアさん、シスター・コンプレックスっていうのは」

 

「リゼちゃん聞いて〜〜!!私シスター・コンプレックスなんだって!!」

 

「・・・やばい意味を分かってない。早く止めなきゃ」

 

「はいカット!!チノちゃ〜ん!!いくら無表情でいいとはいえもう少し驚いてちょうだいよ〜〜!!棒読みは別にいいんだけどさ〜〜」

 

え、ええ・・・・・無表情で良いっていたのは誰だよ・・・

 

「それとリゼちゃ〜〜ん!!もっとこう・・・・男らしく!」

 

「男らしくって?」

 

「う〜ん・・・・なんか奏のやるリゼちゃんって少し乙女チックなんだよね・・・ライブでやるような」

 

「あんな歌っている低い声でやれっていうの!?」

 

「あれの1/3程度でいいからさ」

 

「え、ええと・・・・・『えっ?おいココア』」

 

「さっきよりは近いね。また動画見て声覚えてね」

 

「こんな声ずっと出していたら喉潰れちゃうよ!」

 

「関係ない関係ない。じゃあもう一回シーン1!アクション!!」

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「次のクラス来たわよ〜〜」

 

「じゃあ今日はここまでね。お疲れ様〜」

 

「「「「「お疲れ様〜〜」」」」」

 

「あっそうそう、チマメ隊。明日はダンスと歌の練習だから」

 

「お、鬼だ・・・・」

 

おかしい・・・・ツアー開始まであと5日しかないのに、5日しかないのに・・・・

 

「じゃあ私たちも1時間昼休憩をして練習再開しようか」

 

「ねぇレミ!!練習見ていっていい!?」

 

「ダメ、非公開じゃないとどこから情報が流れるか分からないじゃない」

 

「えぇ・・・・チケット手に入らなかったんだからさぁ・・・」

 

「知らないわよそんな事。自己責任だから」

 

プイッとレミは振り向いてさっさと体育館を出ていってしまった。

 

「あ〜あ・・・・まぁ最近忙しくてカリカリしちゃうし、自己管理も出来ないよな」

 

「軽音部って学生なのに今年は全然学業に専念出来ないよね」

 

「私は大いに嬉しいよ!勉強しなくていいから!」

 

「あ〜〜・・・・・響を見ていたら勉強が大事と思って来た」

 

「京子〜〜!!!!!」

 

「あなたたち!!さっさと出て行きなさい!!時間がないんです!!」

 

「げっ!?生徒会長!?」

 

「お前ら!!早く出て行こうぜ!!」

 

「俺も部活だから!!」

 

後ろがつかえているのが支えているのが気になったのか、このアカデミアの生徒会長が体育館に入って来た。みんな、生徒会長を見て慌たらしくカバンをまとめて体育館から出て行く。俺たちもカバンを持って体育館から出ていった。

 

「ふぃ〜危ない危ない・・・・あの生徒会長固いから苦手なんだよな」

 

「分かるわ・・・・私もああいうタイプ苦手・・・・」

 

「ガミガミしてて、なんか時代遅れな感じが・・・・」

 

「時代遅れは言い過ぎだろ。とにかく部室戻って昼飯食おうぜ。腹減った」

 

同感だわ・・・・飯食って昼寝して、ゲームして帰りたい・・・・・あれ?俺、何のためにアカデミアに来たんだっけ?

 

とりあえず部室に帰り、先に帰って打ち合わせをしていたレミを尻目にみんなで弁当を出し合って食べ始める。俺は今日はコンビニ弁当だ。

 

「なんか遊輝がコンビニ弁当なんて意外ね〜」

 

「作ってる暇無かったんだぞ。3時に寝たのなんか久しぶりだったわ」

 

「2年ぐらい前までは夜更かし当たり前だったのに最近は健康的ね〜」

 

「おかげで最近は12時過ぎたら眠たくてたまらない」

 

「いや、その前に12時まで起きているのかよ」

 

「それ以前に健康的な生活を送りたいのだったらコンビニ弁当だけって言うのもどうなのよ」

 

全くもってごもっとな意見を奏が言った。そうだな・・・・ケチらんとなんか野菜のサラダとか買うべきだったな・・・でもコンビニのサラダ高えんだよな・・・

 

「うん・・・・うん・・・・じゃあこれを・・・」

 

「・・・・いや、そんな所にこれはちょっと」

 

「無理?じゃあ・・・・」

 

「レミもレミで忙しいわね。リーダーってあんなにもやる事あるんだね」

 

「普通はマネージャーとかプロデューサーがやるべき事なんだけどそんなものねえからな」

 

「レミ〜〜、忙しかったら私たちも手伝うわよ」

 

「そんな事してもらう必要ないわよ。全部書類仕事だし」

 

「・・・・・うん、これでいいでしょう。あとはツアースタッフにお渡しします」

 

「お願いします」

 

ようやく会議が終わったのか、トントンと紙を整えたスタッフが椅子から立ち上がって部室から出て行った。

 

「ふぃ〜、ようやくお昼ごはん〜」

 

嬉しそうな表情を浮かべながらレミは自分のカバンから弁当箱を取り出し・・・・・?

 

「お前?カレーでも入れたのか?」

 

「?そうだけど?何かあるの?」

 

「いや、すんごい強烈な匂いが・・・」

 

「別にいいじゃない。カレー食べたって」

 

そう言って弁当箱の蓋を開けて電子レンジで温めるレミ。いや、別に食うのは構わないんだけど、匂いが部屋に籠るぞ・・・・

 

 

この後の午後の練習、案の定というべきか部室はカレーの匂いでこもってみんな腹が空いているような顔で練習しました。




霊夢「カレーって何?」

遊輝「料理の一種だよ。好きな人は多いけど嫌いな人は絶対にいないと言われるある意味魔法の料理」

魔理沙「へぇ〜、食べてみたいぜ!」

遊輝「その代わり、美味しいカレーを作るには手間がかかる。一般的な家庭用でも最低3〜4時間はかかる」

魔理沙「そんなに!?」

霊夢「面倒くさいわね・・・・・」

遊輝「でも料理初心者が手を出す最初の関門みたいな感じがあるし、ちゃんとやれば誰だって美味しくできるよ」

魔理沙「へぇ〜」

霊夢「次はホールツアーに続くライブツアー、アリーナツアーよ」

遊輝「夏休みは基本的に劇の練習とライブだけだから一気に千秋楽、埼玉の二日目のライブをやるぞ。千秋楽だから派手にやる予定だぜ。会場はまさかまさかの埼玉スーパーアリーナ】

魔理沙「【Arena TOUR 千秋楽 Live Fes in Show Time!!】 次回もよろしく!」


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第183話 Arena TOUR 千秋楽 Live Fes in Show Time!!

というわけでツアーの千秋楽です。とりあえずこれでツアーはひと段落しました。次は文化祭に向けてですね。

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】


遊輝 side

 

 

「・・・・つまりお前が犯人だ!」

 

「負けたああ!!!」

 

「っしゃああ!!」

 

「茜〜!!あそこで取引はダメだって!!」

 

「私が負けない最善の策だよ響っち」

 

楽屋に響く歓喜と悲劇の声。勝ったスバルはガッツポーズをしているが負けた響は机の上にダバーンと倒れてカードが散らばる。楽屋で行なっていたのは最近軽音部内で流行っているテーブルゲームのカードゲーム、これがまたネタになって面白いんだよね。

 

本日、9月25日、3ヶ月にも渡った初の全国ツアーは今日で一応、千秋楽を迎える。今のところ、何の問題も起こらず、円滑に運営することができた。これが一番嬉しいことだよ。

 

「うるさいわね・・・・ゆっくりさせてよ」

 

「ヴォーカル組はマッサージしているからでしょ。っていうか遊輝、あんた何しているのよ」

 

「針打ってもらっている。気持ちいいぞ」

 

「い、良いわ・・・」

 

うつ伏せになって鍼医に針を打ってもらっている。その姿を見たレミは若干引いていた。何でだよ?すごく気持ちいいのに・・・・

 

「うう〜〜ん、最終リハが終わってからのこの時間が一番退屈で一番プレッシャーのかかる時間だね」

 

腕を上に伸ばす茜、その言葉にレミやスバルは頷く、全く持ってその通りだな。最終リハが終わって今はお客さんが会場に入ってくるこの時間、この時間が一番プレッシャーを感じる。未だにお客さんが会場に来るのか信じられないし本当に埋まるのかドキドキだ。

 

「本当にお客さん入るのかな・・・・」

 

「皆さんが心配しなくてもお客さんはちゃんと入ってきてますよ。チケットは完売したんですし」

 

心配する俺たちをよそに楽屋に入ってきたスタッフはお気楽そうに言ってくる。そうは言ってもな・・・・・・

 

「う〜〜ん・・・・身体が軽くなったよ」

ポキッ、ポキッ

 

「俺もOK。こうでもしないと体力持たない」

 

「っしゃ、じゃあ遊輝、身体動かしに行こうぜ」

 

「そうだな。軽く動かしておくか」

 

マッサージが終わったのでスバルとともに裏方さんが通るような道を使って軽く準備運動をすることにする。ライブってね、めちゃくちゃ身体動かすんだよ。ライブパフォーマンス中に身体をツルとか最悪だし。

 

「そんじゃ、ちょっとランニングしてくる」

 

「15分後にミーティングあるからね」

 

「分かった分かった」

 

ミーティングの時間を聞いてスバルと二人ランニングを始める。軽く走っていると色んなスタッフが話し合ったりご飯を食べていたりしていてリラックスしている。

 

「だんだんスタッフたちも段取りが分かってきたんかね」

 

「3ヶ月も一緒に全国を回ったんだぜ。嫌でも協力し合うもんだ」

 

「それもそうだな。俺たちも初日の頃より上手くなったかね」

 

「さあな、それを決めるのは観客だろ。一つ言えることはさらに仲良くなったということか」

 

「共同生活みたいなことをしてきたんだからそれもそうだな」

 

この3ヶ月、仲間と会わなかった日は1日もないと言い切れるほどメンバーとは良く会って、良く話した。不思議なことに喧嘩という喧嘩はほぼ無かった。何というか全部笑って解決していた。

 

「まぁこんな非日常も今日で一旦終わりなんだから、とりあえず今日頑張ろうぜ」

 

「そうだな・・・・っと、そろそろ引き返すか」

 

「もうそんな時間か?」

 

「何事も余裕があった方がいいだろ?」

 

「そうだな」

 

整理運動のことも兼ねて早め早めに戻っておくことにしよう、そうスバルに言って元来た道を戻っていく。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「皆さんバッチリ決まってますね」

 

「んなこと言ったてほとんど自分たちの私服をコーディネーターに任せてるだけじゃないですか」

 

開演5分前、着替えも終わり観客席も9割以上埋まった。あとは開演を待つまで。段々とみんなに緊張感が張り詰めてそれを肩を揉んだりしてリラックスしている。そんな時、スバルと響がとあるところを見ていた。

 

「どうしたのよ響っち、何か忘れたの?」

 

「そうじゃないそうじゃない。あれだよあれ」

 

「あれ?」

 

スバルと響が指差す。その先にはマイクの前に立つスタッフの女性が一人。

 

「あれ、やっちゃう?」

 

「・・・・やっちゃう?」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「ほんっとよく取れたよな」

 

「奇跡ですよね。1回目の応募で4人分ですから。さすがに一番いい席じゃないですが」

 

「アリアさんは?」

 

「あの人はスタンドだって。まぁ2回目の当選だから仕方ないよね」

 

私たちはアリーナ席の真ん中あたり、センターステージの近くにいます。ホールツアーではなく、アリーナツアーの千秋楽に行こうと全員で企画、チケットの抽選に祈が4人分当てたので私たち4人だけでここまで来た。アリアさんは一回目を外して2回目で当てたのでアリーナ席ではなくスタンド席で見ることになっている。

 

「そ、それにしても埼玉スーパーアリーナで初ツアーの千秋楽って・・・」

 

「確かに・・・・」

 

『本日はSECRETのアリーナツアー、『Live Fes in Show Time!!』にご来場いただきありがとうございます。開演に先立ちまして、皆様にお願いがあります。本日のきゃあ!!』

 

『離れさせろ!!離れさせろ!!マイク奪え!!』

 

『イエエエエイみんなあああ!!元気イイ!!!』

 

まもなく開演時間、そのタイミングでマイクから女性の声が聞こえて観客のみんなに注意アナウンスを施そうとした時、女性の悲鳴が聞こえて次にスバルさんと響さんの声が響き渡る。

 

『イエエエエイ!!!!』

 

パチパチ!!!!!

 

『元気良くていいよ!!今日でツアー最終日!!ここに全員、元気良くスタンバイしているわよ!!』

 

『ワアアアアア!!!!』

 

パチパチ!!!

 

『ほらレミ!!挨拶挨拶!!』

 

『うるさいわね・・・・・えぇ、皆さん、今日でいよいよ千秋楽です。今回のツアーの集大成とも言えるよう、そして過去一番に良かったと言えるように頑張っていきます!』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

『ありがとうございました!!というわけで今からそっちに行くから待っててね!!!』

 

『ワアアアアア!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『レミ!!掛け声よろしく!!』

 

『ここで!?まぁいいや・・・・千秋楽!!最後まで気合い入れて行くわよ!!1・2・3!!』

 

『Let's Go!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

最終案内をしていたスタッフさんのマイクを強奪して行われたMC、今までのライブで行われていない特別な即興パフォーマンス(おそらく)に会場は感性と拍手が沸き起こる。

 

『それではお待たせしました。まもなく開演いたします』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

♪♪〜〜〜〜〜♪♪〜〜〜〜〜

 

会場の照明が落ちてアリーナ席のお客さんが立ち上がる。大きな画面には日本地図が現れる。熊本県から最初のライブ会場となる場所へと拡大していき、そこにいるお客さん達が手を振っている。数秒流れると今度は愛媛県に飛んで、そこにいた人たちをピックアップ、今回のツアーの会場、そして数時間前から来ているお客さん達の映像が流れる。ライブが始まる前の熱気や期待などを感情・気持ちなどが前面に押し出されていた。

そして、最後のツアー会場となっている埼玉県にアップ、観客達の背中に続くようにカメラも中に入っていった。

 

・・・♪♪〜〜〜〜♪♪〜

 

パチパチパチパチ!!

 

映像がそこで終わり、センターステージにスポットライトが当たってそこからギターの遊輝が現れた。様々な曲のイントロをアレンジして弾いていく。

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

・・・・♪♪〜〜♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!』

 

♪♪〜〜♪♪〜〜〜〜

 

遊輝のイントロが終わるとBGMが流れてメインステージにメンバー全員が出てくる。リーダーのレミさんとキーボードの響さんが両手を高く上げて叩く。そのリズムに合わせて観客全員も両手を上げて叩く。みんなが楽器の準備をしている間に遊輝はセンターステージから駆けってメインステージへと行く。メインステージに辿り着くとギターを持った奏さんとガッチリ握手してからいつものポジションに戻る。

 

「行くよおおおお!!!」

 

「3・2・1!!」

 

バン!!!

♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

『オオオオ!!!!!』

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

イントロの流れから奏さんの歌い出し、同時タイミングで流れる開幕ナンバー、意外すぎる選曲に観客から喝采が起こる。普段の軽音部には考えられない、アニソンから始まる開幕ナンバーだった。

 

 

 

1 GO!GO!MANIAC 【放課後ティータイム】

 

2 ワタリドリ 【[ALexandros]】

 

3 Hello world 【BUMP OF CHICKEN】

 

 

♪♪〜♪♪〜・・・・・・

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございます」

 

ギターをスタッフの人に預けた奏さんはマイクを手にとって前に出て話し始める。

 

「今日はSECRETのライブに来てくれてありがとう!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「大丈夫?元気?」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「元気があっていいね。私たちはもう・・・ねぇ(汗)」

 

『奏さ〜〜ん!!!!』

 

『頑張って!!!』

 

「応援ありがとう。熱い?大丈夫?」

 

『大丈夫!!』

 

「なら良かった、これでエアコンMaxみたいだからね、すごい熱気が伝わってくるわよ」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「・・・・・・・・ごめん、この後何話したらいいか忘れた(汗)」

 

『エエエエ!!!!』

 

「いや、忘れるくらいだからどうでもいいことだと思うわ。とりあえず一言だけ・・・・今日は千秋楽だから最後まで全力疾走で駆け抜けるわよ!!!」

 

『イエエエエ!!!!!!!』

 

「じゃあオリジナル曲入ります!!『星の風』!」

 

・・・・♪♪♪〜〜〜〜

 

 

『真冬の雪が降る 皆(みな)が待ち望んだ聖夜の夜

僕はプレゼントを片手に 君を待っていた

君の笑顔が見たくて 白い息を吐き

この街で一番の高い場所で 君を待っていた

 

何億光年遠ざかろうと 星の光は変わらないように

君のその笑顔 空にいてもずっと輝き続けている

 

星の風に吹かれ 宇宙の海を流れる

流星のように 君は永遠に旅をしてるのかなぁ?

 

去年のクリスマスは二人で 港町を歩き

高いタワーに登って 夜景を見たんだ

君は僕にとって ダイヤモンドよりも輝き

太陽よりも熱い 大切な存在(ひと)だった

 

何十年経っても 僕の身体が衰えてしまっても

君のその声を 高い丘から聞いているよ

 

星の煌めきを感じて 宇宙から見下ろす

月のように 君はずっと輝いているかなぁ?

 

 

春には桜通りを掛けて 夏には花火を見て

秋には銀杏の下で喧嘩をして 冬には星を見上げた

そんな事を今でも 思い出すよ

君の姿を僕の瞳に焼き付けて

 

 

星の風に吹かれ 流れる時が過ぎて

永遠(とわ)に続く 宇宙の旅へと出ている君に

僕の想いが 届く事を願って

空へと両手を突き出して 君を待っているよ』

 

 

♪♪〜♪♪〜・・・・・

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

バラードのオリジナル曲が終わり、観客から拍手が巻き起こる。奏さんは頭を下げてすぐに話し始めた。

 

「えぇ、続いての曲はごくありふれたカップルの日常を描いた曲です。今思えばタイトル付け間違えたかなと思ってますが・・・・・『Glody days』」

 

 

♪♪〜♪♪〜〜〜〜〜

 

 

『雨の中 ずぶ濡れに

二人並んで 歩いていた 初めてのデート

僕は 「ごめんね」と

ただひたすら 謝り続け 泣いていた

何も言えない 雰囲気で

君が不意に こっち向いて 「またしよう」と言ってくれた

 

何にも出来ずに 泣いた僕を

見捨てずに来てくれて ありがとう (Thank you)

 

First days

全てが計画のように 思い通りになれないけど

ちょっとだけ 自分を好きになれた気がしたよ 君と出会えて

 

SNSで 誕生日を

確認して 約束をする 心が躍った

君は 僕の事

気にかけて 今日という日 プレゼント渡してくれた

不器用な 僕は

「ありがとう」の 言葉しか 言えなかった

 

こんな僕を 好きでいて

気づかない振りをして ごめんね (I Love you)

 

Wonderful days

そっぽを向いて 怒る君を 慰める僕がいた

いつの間に 雨は止んで 雲に光が差す

天を見つめて

 

 

Happy days

励まして 背中を押してくれたあなたに かっこ悪い僕が

君に 捧げる最初のプレゼントは 雨上がりの虹

Glory days

奇跡のような瞬間 君と見れて 嬉しかったよ

君の 笑顔が 燦然と輝いていた

勇気を持って告白しよう

 

「愛している」と伝える事が出来た』

 

♪♪〜♪♪〜〜〜〜〜・・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました」

 

奏さんが挨拶をしてギターを変えた遊輝とスバルさんがセッションを始める。ロック系のイントロが会場全体に響き渡り、サポートギターの茜さんとキーボードの響さんがテンポ早めに手を叩き、それに合わせるようにまた観客達が叩きだす。1分近く流れたその間に奏さんは服を着替えて走りながらセンターステージに行く。

 

「イエエエエ!!!!!」

 

『イエエエエ!!!!!!』

 

「盛り上がっている!?」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「いいねいいね!!!次の曲はこの熱気に負けないような熱い曲です!!今回のツアー曲!!『Show Time!』!!」

 

♪♪〜♪♪〜〜〜〜!!!

 

 

『39度を迫る真夏日 そんな暑い日よりもさらに熱くなるような熱気

チケットを握って Tシャツ買って ペットボトル買って戦闘準備OK?

 

熱く高鳴る胸の鼓動を押さえきれず

まだかまだかと期待は膨らむばかり

スタジアムゲートを潜り通路を抜けたその先に広がるのは

 

灼熱のようにに燃え上がっているshow time

日常にはない空想の世界

誰もいない ド派手に彩るステージ

今か今かと 高鳴る感情を爆発させよう

 

趣向を凝らして パーティナイトで人をおもてなしするようなライフ

バック裏にたち 円陣組んで 気合い入れて戦闘準備OK?

 

バックミュージックと映像が流れて

観客の歓声は高鳴り拍手が巻き起こる

ステージ裏で待機して暗闇の階段を登りその先に広がるのは

 

爆発のように盛り上がるshow time

ギターとドラムから始まる激しいイントロ

観客のウェーブ 彩るステージ

激しい爆発ともに奏でよう

 

 

雨が降ろうが風が吹こうが僕らの音楽はどこまでも広がる

 

灼熱のようにに燃え上がっているshow time

日常にはない空想の世界

誰もいない ド派手に彩るステージ

今か今かと 高鳴る感情を爆発させよう

 

胸に踊る show timeを始めよう』

 

 

♪♪〜〜〜!!!!!

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

「ありがとうございます」

 

曲が終わり、観客から拍手喝采が巻き起こる。その間に他のメンバーが楽器を変えたり飲み物を飲んだりして、奏さんが話し始める。

 

「えぇ・・・・・序盤からいよいよ中盤に入って、せっかくセンターステージを作ってくれたのでそちらの方で歌いたいと思います」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「せっかくなので・・・・・センターステージに向かいながらメンバー紹介をしたいと思います。ドラム!!遊城スバル!!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「キーボード!!小野寺響!!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ギター&パーカッション!!栗城茜!!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ベース!!葵レミ!!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ギター&ヴォーカル!!遠藤遊輝!!」

パチパチパチパチ!!!!

 

「最後にヴォーカル&ギター、私、水野奏です!」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

メインステージからセンターステージに向かう道を歩くときに奏さんから一人一人の自己紹介をする。それぞれが頭を下げてセンターステージへと歩いていった。

 

『奏さ〜〜ん!!!』

 

『響さ〜〜ん!!!!』

 

「えぇと・・・・準備に時間がかかるから少しだけお話しするね。私たち、7月から今日に至るまでの3ヶ月間、初ツアーでずっと突っ走ってきたの。もちろん、体調が良い日もあれば悪かった日もあって、それでも私たちなりに全力疾走をしてきました。こうやって何かに長期間、全力疾走をすることは私としてはある意味初めてかもしれない」

 

みんながギターやタンバリンなどを持ってマイクの調整をしている間、奏さんはずっと喋っている。

 

「こうやって全力疾走しても最後まで走りきることが出来たのはこのツアーに来てくれた、もちろんここにいるお客さん達、そして私たちを支えてくれるスタッフさん、そして仲間のおかげなのかなと私は思います・・・・・準備できた?」

 

奏さんは周りを見渡して他のメンバーの様子を伺う。

 

「こんな、楽しい毎日がずっとずっと・・・・永遠に続くよう願って歌います,1・2・3」

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

レミさんのエレキギターから始まったこの曲、観客は拍手をしてからリズムを取って手を叩きだした。

 

 

7 何気ない日常 【オリジナル】

 

8 Best friend 【オリジナル】

 

 

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました」

 

「何気ない日常」の次の曲、「Best friend」が終わって奏さんは頭を下げる。

 

「それでは・・・・・さすがにずっとここで歌うのは前のお客さんに悪いのでそろそろ戻るね」

 

『エエエエ!!!』

 

「だから・・・・(汗)」みんな戻って準備するまでに時間がかかるからちょっと待っててね」

 

奏さんがマイクを持ったままスポットライトから外れる。そのまま照明は暗くなって、ステージのスクリーンに映像が流れる。画用紙が現れてそこから赤や青、黄色などたくさんの色が画用紙に無造作に塗られていく。その中から赤色がピックアップされていく。赤色には誰かから怒られたり傷つけられりして血が吹き出て画用紙が汚されていた。次に青色、青色は誰かが居なくなったり大切な人と別れたときに流れた涙が青色になって汚されていた。そんな感じで次々に色んな色で汚されていく。悲しみや嬉しさ、楽しさなどで喜怒哀楽を色で表現した。そしてもう画用紙の白が無くなったとき、次のページへと変わっていった。

 

・・・・♪♪〜♪♪〜

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

スクリーンが次のページへと変わったタイミングでメインステージの照明がついて響さんとスバルさんのセッションが始まる。その音に合わせて、拍手が行われて観客は手を叩く。キーボードとドラムのセッションで一番高揚感が達したタイミングでステージ裏から奏さんが戻って来た。

 

「行くよおおおお!!!!!」

 

バーン!!!!

 

『オオオオオ!!!!!』

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

次の曲が始まると同時に再び爆発音が鳴り響き、この曲のイントロを聴いて観客は歓声をあげた。

 

♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜♪♪〜

 

 

9 Dreaming 【オリジナル】

 

10 ホップステップジャンプ!! 【オリジナル】

 

11 Driver's High 【L’Arc-en-Ciel】

 

12 It's show time! 【B'z】

 

13 Hey Ho 【SEKAI NO OWARI】

 

14 ありがとう 【オリジナル】

 

 

〜〜〜♪♪♪♪・・・・・・

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました」

 

奏さんが頭を下げて照明が落ちる。少しの間だせ間が開いてメインステージの照明が点く。そこには遊輝一人だけが立っていた。

 

『ワアアアアア!!!』

 

「遊輝さ〜〜ん!!!!』

 

「元気ですか〜〜??」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「良いですね良いですね。元気があれば何でもできるって某有名プロレスラーも言ってましたね」

 

『遊輝さ〜〜ん!!!!』

 

「さて、ここからは私の番です・・・・・何ですが、えぇ・・・・他のメンバーが休憩に入りまして、私一人でやれと・・」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「なんて無茶振りなんだと言いましたが、長期間のツアーだから休憩欲しいと言われまして・・・・ふざけるなと言いたいですね」

 

『ハハハッ!!!』

 

「どうせアコギ一本で弾くので何を歌うのか結構悩みましたが、こんなアレンジはどうかなと考えてこの曲を選曲しました」

 

・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「よしOK」

 

・・・・・♪♪♪〜〜〜〜〜

一本一本、丁寧にゆっくりとしたテンポでアコースティックギターを弾いていく。そして確認が終わったところで遊輝が歌い出した。いつもと違うバラードが強いその曲に観客は何もせずにただ聞くだけになる。

 

 

15 Fantasy worid 【オリジナル】

 

 

♪♪♪〜〜〜〜・・・・・・・・

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました!・・・・えぇ、それでは皆さん、戻って来ても大丈夫です」

 

スタッフにアコースティックギターを渡した遊輝はマイクスタンドからマイクを取り出してステージ裏へと下がっていたメンバーに戻るように催促する。遊輝の言葉を受けて他のメンバーがステージへと戻っていった。

 

「それじゃさっきは一人で湿っぽかったけど盛り上がっていくぞ!!」

 

『イエエエエ!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

 

16 リライト 【ASIAN KUNG-F GENERATION】

 

17 PADDLE 【Mr.Children】

 

18 告白 【FUNKY MONKEY BABYS】

 

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

 

『イエエエエ!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「それじゃ次!!オリジナル曲いくぞ!!『素晴らしき世界』!!」

 

前の曲が終わり余韻に浸ることもなくに次の曲が始まる。

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

 

『夢中になって はしゃぎまくって 泥まみれになって いつでも俺たち 少年時代 Wow Oh

七つの海渡って 深き谷通って 寒き山越え

果てしない妄想をしながら 今日も旅に出よう Wow Oh

 

嬉しい時も 悔しい時も 仲間がいるから

辛い時も 悲しい時も 仲間と笑顔になれるから

 

Ah 輝いている 素晴らしき世界を

駆け抜けていこう

全てがうまくいくことじゃないけど この世界を愛し合おう そんな気持ちになれば 人生楽しいじゃない

 

メソメソして 怒鳴られまくって ふざけあって いつでも俺たち 少年のまま Wow Oh

地図を片手に 双眼鏡持ち 帽子を被って

気分は大航海時代 今日も海に出かけよう Wow Oh

 

悩んでいる時も 困っている時も 仲間と助け合って

笑顔になって モヤモヤが晴れるなら

 

さあ 生きている 素晴らしき世界を

走り出そう

神様に恵まれなくて 不幸なことがあっても この世界を愛し合う どうでも良いことがあって それが楽しいじゃない

 

 

はしゃぎまくったあの日の頃を いつまでも

忘れないように 例え僕たちが大人になっても

 

Ah 輝いている 素晴らしき世界を

駆け抜けていこう

全てがうまくいくことじゃないけど この世界を愛し合おう そんな気持ちになれば 人生楽しいじゃない

 

この素晴らしき世界を 愛し合おう』

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

「ありがとうございました!!!!」

 

センターステージからメインステージに戻った遊輝はマイクをマイクスタンドに取り付けて話し始める。

 

「え〜〜・・・・・それでは本日最後の曲になります」

 

『エエエエ!!!!!』

 

「だから・・・そのエエはやめて(汗)」

 

『もっとして!!!』

 

「後ろの方からもっとっていうけど・・・さすがにもう体力が無い(汗)」

 

『まだまだいけるでしょ!!』

 

「・・・・・曲紹介して良い?一向に終わらないから(汗)」

 

『ハハハ!!!』

 

「えぇ・・・・最後の曲、ここにいる皆さんの地元はどんな街ですか?都会ですか?それとも田舎、はたまた偏見の地だったり・・・・他の人たちにとっては魅力がない街でも自分が生まれ育った街というのはなぜか魅力的に感じます。そこには仲間・家族・そして近所のおっちゃんおばちゃんたちなど暖かな安心感などがあります・・・・そんな気持ちは心の中でずっとずっと、大事にして欲しいです・・・・・『Hometown』」

 

「1・2・3」

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

 

20 Hometown 【オリジナル】

 

 

♪♪♪〜〜〜〜!!!

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました!!!SECRETでした!!」

 

遊輝がみんなを代表して頭を下げる。他のメンバーは手を振ったり頭を下げてステージ裏へと下がっていき、最後に遊輝が下がった。

 

「相変わらずすごい演奏力ですね・・・・」

 

「なんか・・・オリジナル曲も普通のことを言っているのに良いように聞こえるのがすごい」

 

「そ、そうですね・・・・」

 

『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』

 

会場いっぱいに響き渡るアンコールの合唱と拍手の音。1分近くだったところでメインステージに照明がついてメンバー全員が戻っていた。

 

「アンコールありがとうございます!!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「えぇ・・・・ホールツアー、あるいはこれより前のアリーナツアーを見たり噂を耳にした人は知っていると思いますが、アンコールではSECRETではあんまりやってこなかったアニソンをやって来ました」

 

『オオオオオ!!!』

 

「待って待って(汗)。そのツアー中の中でメンバー内で話し合ったことがあるの。アニソンってコアなイメージがあったけど、実はそんな事なく全く知らない人やライトな人でも楽しめることができるって・・・」

 

パチパチパチパチ!!!

 

「だからね、みんなもアニソンを聴いて欲しいの。なんか気難しい感じはするけどそんな事は全然ないから。というわけで・・・・盛り上がっていくよ!!!」

 

『イエエエエ!!!!!!』

 

・・・♪♪♪〜〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜

 

奏さんのMCが終わり、BGMとともに遊輝と茜さんのギターから始まったイントロ。それを聴いただけで観客は一気に盛り上がる。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

21 紅蓮の弓矢 【Linked Horizon】

 

22 God knows 【涼宮ハルヒ】

 

23 Little Busters! 【Rita】

 

24 STEP by STEP UP ↑↑↑↑ 【fourfolium】

 

 

♪♪♪〜〜〜・・・・・

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「ありがとうございました!!」

 

奏さんが頭を下げてステージに上がったスタッフからエレキギターを受け取る。一方、ギターをやっていた遊輝はギターをスタンドに立てて、マイクを手にした。

 

「僕からも一言、アンコールありがとうございました」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

「そしてさっきギターでそっちに移動していた時聞こえたぞ!・・・・・・最終日なんだから朝までやろうぜ!!って」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「やらねぇぞ!!」

 

『エエエエ!!!!』

 

「あのねぇ・・・・労働基準法というのがありましてね・・・・」

 

『ハハハハハ』

 

「そんなわけでそんな長い時間をやれるわけではないです。その思いをこの曲にぶつけてください!!」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

「最後の曲だああ!!!最後まで全力全開で走り続けろよ!!!」

 

『イエエエエ!!!!!』

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜♪・♪・♪〜〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!!』

 

スバルさんのドラムから始まり、茜さんのアコースティックギターのイントロから始まる。そのイントロに合わせて遊輝が振り付けを踊っている。私でも知っている、アニソンで神曲と言われ続けたうちの一曲だ。

 

♪〜♪〜♪♪♪〜〜〜!!!

 

「ヘイッ!!!」

 

バーーン!!!

 

『オオオオオ!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪・♪・♪〜〜〜〜

 

 

25 シュガーソングとビターステップ 【UNISON SQUARE GARDEN】

 

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『イエエエエ!!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!!

 

最後の曲が終わり、観客は拍手喝采。センターステージに来ていた遊輝は頭を下げてメインステージへと戻っていく。

 

「ありがとうございました!!それでは本日のメンバーに再び拍手をお願いします!!ドラム!!遊城スバル!!」

 

パチパチパチパチ!!!

 

「キーボード!!小野寺響!」

 

パチパチパチパチ!!!

 

「ギター&パーカッション!!栗城茜!!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ベース!!葵レミ!!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ヴォーカル&ギター!!水野奏!!」

 

パチパチパチパチ!!!

 

「最後にギター&ヴォーカル!!遠藤遊輝!!」

 

パチパチパチパチ!!!

 

それぞれが楽器をスタッフに預けたりして、メインステージの前出る。遊輝が最後の挨拶としてメンバーの紹介を終えた後、マイクはレミさんに渡った。

 

『レミさ〜〜ん!!!』

 

「本日は最後までありがとうございました。今日も無事に終わり、ついにツアーを完走することが出来ました」

 

『おめでとう!!』

 

『ありがとう!!』

 

「ありがとうございます。それで本日、千秋楽に来てくれた人たち限定ですが、私たちSECRETのツアー完走記念としてこの場で集合写真を撮りたいと思います」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「ちょっと後ろの方や横の方は映るかどうか怪しいけどできる限り映るようにするからね。じゃあみんな」

 

そう言ってメンバー全員、背中を観客の方に向ける。メインステージの上にあるスクリーンにはメンバーと観客が写っていた。

 

「いける〜〜?じゃあみんな、撮るよ!!」

 

「はい、チーズ!!」

 

パシャン!!

 

スクリーンがカメラのようにパシャンと音を立てた。そして写真を撮り終わったスクリーンには笑顔で写っているメンバーと観客の人たちがいた。




レミ「無事に完走したというわけで今から打ち上げをしたいと思いま〜〜す!!」

魔理沙「いよっ!!待ってました!!」

遊輝「・・・・お前、何処から湧いてきた」

霊夢「肉!!魚!!久しぶりにお米と野菜以外の食べ物を食べられる!!」

遊輝「数日前の宴会でバカみたいに食ってただろうが!!!」

響「やっとツアーが終わったよ!これでひと段落ついた!!」

レミ「ところがどっこい、半月後に文化祭があります」

スバル「地獄のスケジュールだよな・・・・全くもって・・・・」

奏「というわけで次回は普通のお話になるかな?次回もよろしくね」


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第184話 将来に進むべき未来

最強カードの紹介〜〜。

龍亞「久しぶりだぜ!ここ最近出演だけでろくにデュエルもさせてくれなくて困ってるぜ!」

ぜ!って言われてもなぁ・・・・無いもんは無い。

龍亞「薄情者!そこは無理矢理でも作るべきでしょ!!」

いや、お前と龍可って何だかんだ大事なところでデュエルさせてたし・・・・

龍亞「それにしてもこのところの出番のなさだよ!!」

そりゃチーム違うし、主人公と学年違うし。

龍亞「納得いかねぇ!!」

最強カードの紹介に行くぞ!今回は大革命!

龍亞「・・・・・・何これ?」

えっ?知らないの!?超有名カードだぞ!

龍亞「いやいや!だって使っている人見たことないんだもん!!」

嘘だ〜〜、このカードネタデッキとして超有名だぞ〜、勉強不足だな〜。

龍亞「うっ!?」

罠カードで効果はフィールドに弾圧される民、逃げまどう民、団結するレジスタンスが自分フィールドにいる時のみ発動可能。相手の手札を墓地に送り、相手がコントロールする相手フィールドのカード全てを墓地に送る。

龍亞「・・・・一瞬強いと思ったけど、どうやってこの3体を並べるのよ」

そこは今回の話で見たら分かる。

龍亞「・・・第184話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「遊輝君、すまないがここにある梨と柿をカットするの手伝ってくれるか?」

 

「は〜い」

 

「奏、オープン準備手伝って」

 

「分かったわ」

 

奏のお店の調理場でカップケーキの飾り付けをしていた俺と奏は奏のお父さんとお母さんに呼ばれてそれぞれの持ち場に着く。俺の目の前にはボウルに入った皮が向かれた大量の柿と梨が置かれていた。

 

「(・・・・とりあえず梨からやるか)」

 

ヒョイッと梨を一個取ってカットしていく。

 

俺たちは3ヶ月にも及んだツアーが無事に終わり、次は文化祭に向けて劇やライブの練習をしなくちゃいけないのだが今日1日はオフ日となった。しかし、それは学校関係のことやライブのオフ日であってバイトまではオフ日にならなかった。いや、本音を言えば休めたんだよ?ただ、最近働いてないから自分の持ち金がピンチなんだ・・・・・神様からの仕送りとKCのお金?あんなのに手をつけたらぐうたら暮らしになってクズな人間になっちゃう。

 

「(・・・・・あっ、果物か・・・日常系の歌詞を書いてみようか・・・・どうせなら題材はあのアニメを使ったり)」

 

最近の悩み、頭の中で自然と歌詞を書こうとする、完全に職業病です(汗)。俺はまだマシなんだよな・・・・・奏は単純計算で俺の2倍の量の詩を書くから余計に大変なんだよな。

 

「(心踊る・・・・・ホールで踊る・・・・)」

 

「遊輝君遊輝君、君は何を切っているのかね?」

 

「えっ?・・・・あっ」

 

奏のお父さんに言われて手元を見る。そこにはみじん切り以下の梨があった。

 

「す、すみません・・・考えことをしていて・・・」

 

「ハハハッ、まぁ構わない。君も奏も忙しいからな。別に無理して来なくて良かったんだぞ。店の売り上げ自体、そこまで悪くないんだから」

 

「いえっ、その休みたかったら休みたいですけど・・・・・お金が」

 

「ハハハッ、有名人になったと言うのにお金に困っているとは」

 

「・・・・・お願いですから茶化すのやめてください」

 

「遊輝く〜〜ん、レジお願い〜〜、というよりお客さんの相手お願い〜〜」

 

「ゆ、遊輝さん!!サインください!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「ハッハッハッ、頑張りたまえ」

 

お店のレジにはサイン色紙を持ったお客さんがやってきて、奏は何人かのお客さん相手にサインをしていた。

・・・・ふと思うんだよね、俺の人生ってどこで間違えのかな・・・・ああ、前世でトラックに轢かれて死んだところからかな?あれがなかったら今頃に普通の社会人で社畜で過ごしていたと思うんだけどな・・・

 

「何黄昏ているのよ!早く来てちょうだい!」

 

「は、は〜い・・・・」

 

少しくらい現実逃避させてよ・・・・何でバイトまで来てサインを書かなくちゃいけないんだよ・・・そう思いつつもファンサービスを断ることも出来ないのでサラサラ〜とサインを書いていく。

 

「・・・・はい」

 

「ありがとうございます!!」

 

全てのサインを書き終わり、ファンは帰っていった、奏のお店のカップケーキが入った箱を手にして。

 

「なぁ、何でここにいることが分かるんだよ」

 

「そりゃ、ここが私の実家だから」

 

「実家だからって来るか・・・・」

 

「お店やっているんだから当たり前でしょ」

 

根も子もないことを言わないでよ・・・・・お客さん来ないで欲しいなぁ・・・ゆっくりとしたい。休めば良かった・・・・・

 

「は〜い遊輝ちゃ〜ん♪」

 

「・・・・・・家に居てもゆっくり出来なかったな」

 

「どういう意味よ!?」

 

お店の扉が開いてアリアと龍亞を見て、俺はボソッと言った。そうだったな・・・家でぐうたらしようとしてもうるさいこいつらがいたな。

 

「何の用?営業妨害なら帰って」

 

「いやだな〜、ちゃんとお客として来たわよ。それと遊輝ちゃんあてにお客さんだよ」

 

「ハッ?客?わざわざここまで?」

 

「俺とアリアさん、二人して今はいないから帰ってって言ったんだけど、どうしても今じゃないとダメだって」

 

何だその客・・・・・もう既に嫌な予感しかしないんだが・・・

 

「ここなのか?・・・・・いたっ!!」

 

「?・・・・・あの、どちらさん?」

 

「遠藤遊輝さん!!あなたを私のお店にスカウトします!!」

 

「・・・・・・・ハッ?」

 

ダークブルーのスーツ姿に黒縁のメガネをかけたいかにもサラリーマンという男性が俺の姿を見て一言言い、頭が止まった。えっ?えっ?・・・・・・スカウト?どういう事?

 

「私、こういうものです」

 

男の人はカバンから財布みたいなものを取り出して名刺を一つ手に取り、俺に渡して来た。俺はそれを受け取り注意深く見た。えっと・・・・・

 

「・・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「・・・フランス語読めない(汗)」

 

「あっ、すみません。こちらでした」

 

貰った名刺はフランス語しか書かれてなかった。いや、英語は親に散々言われて勉強して、ちゃんと話したり聞いたりすることはできたよ。でもさすがにフランス語は触れてすらもいないんだぞ、どうしろっていうんだ。

 

「えっと・・・・・『レストラン Arc en ciel』・・・・なにこれ?」

 

「君を私どものレストランのパティシエとしてスカウトしたい」

 

・・・・・デジャブ?(汗)。前世でも確か中学のこの時期にスカウトが来たんだけど・・・・

 

「レストラン Arc en cielって?」

 

「いや、俺も知らないんだけど・・・・奏は?」

 

「私も・・・・・」

 

「私たち、レストラン Arc en cielはフランスを代表するレストランでございます。庶民から富裕層まで幅広くの方から愛されるように見た目・味だけではなく誠実さや感謝など、お客様に最高のひと時を食事で過ごしていただきたいというコンセプトを元、皆様にお料理を提供しています」

 

「ハァ・・・」

 

「つきまして本日は遠藤様を我がレストランのパティシエとしてお伺い「パス」しよう・・・・・えっ?」

 

「だからパス。俺、パティシエになるつもりこれっぽっちも無いから」

 

スーツ姿の男性が色々と言ってきて、最終的にはスカウトとか言い出したので即刻蹴った。料理人に憧れた身だけどさすがにパティシエにはなりたいとは思ってもいない。これは粉うことなき事実だ。

 

「第一、俺よりも将来有望な奴が隣にいるぞ」

 

「奏さんですか?奏さんには既にスカウトを出したのですがお父さんに断られました」

 

「えっ!?私そんな話聞いてないよ!?」

 

「誰かと思えば・・・・またあんたですか」

 

俺が隣にいるやつに指差したら、なんとまぁスカウト済みだった。そこに奏のお父さんが厨房から現れた。

 

「お父さん、お願いします!この二人を是非我がレストランに!必ずや良いパティシエに!」

 

「だからそんな話聞かないって言っただろ!いい加減諦めてください!」

 

「何故です!?彼らの素質・才能は間違いなく一流です!!しかも人としての性格も「貴様の性格が三流以下だろ!!」ぐっ・・・」

 

「ともかく帰った帰った!!二度と来るな!!」

 

「ぐっ・・・・私は諦めませんよ」

 

苦虫を噛み潰したような表情をしてスーツ姿の男は出て行った。ここんところ、俺が前にあった人は柔和で人の話を聞き入れるような人だったんだけどな・・・・

 

「こっわ・・・・いつもは母親に尻叩かれるお父さんだろ・・・」

 

「あんな形相、初めて見たわ・・・・」

 

キレ気味の奏のお父さんはそのまま厨房に戻っていった。いっつもいっつも奏のお母さんに尻叩かれている情けないお父さんの面影はどこにいったのやら・・・・・

 

「それにしてもスカウト、ね・・・・まさかそんな物来ていたとは」

 

「マジで知らなかったの?」

 

「ここんところお店の手伝いなんてしてなかったから・・・」

 

あぁ・・・まぁそうだな。今年に入ってからはずっとツアーに向けた練習とWRGPに向けた練習だったからな・・・・お店のことまで気にかける体力や気力なんて無かったな。

 

「あのさ・・・・いい加減お客さんの相手してくれないかなロリコン、5分も待ったのだけど」

 

「おいこらそこの変態魔女、ちょっと表に出ろや。その語弊を招く口を治してやる」

 

「良いじゃない。ボコボコにしてあげるわよ」

 

「ああ?」

 

喧嘩腰のアリアに俺はその喧嘩を買ってバチバチと目を合わせる。カチンと来たのでちょっと痛い目にあってもらおうじゃないか。頭の作業帽を外して部屋の奥に戻る。

 

「あ〜あ・・・・・遊輝が本気のアリアさんに勝てるはずもないのに」

 

「・・・・・あの二人を題材にして詩書いてみようかしら・・・・・喧嘩ばかりの二人だけどとても仲が良いって」

 

「奏さん、それ完全に職業病」

 

「・・・・・龍亞君、作詞ってね1週間に1つぐらいのペースでやらないと」

 

「ワアワアワアワア!!!!病んでる!!それ完全に病んでるから!!!」

 

「「「うるさい!!!」」」

 

「す、すみません・・・・・」

 

店に残っていた龍亞がギャアギャア騒ぐの活を入れる。全く、店の中だって言うのに騒ぐ馬鹿がどこにいるんだ。

 

「よっし準備できた。今日こそはけちょんけちょんにしてやる」

 

「返り討ちにしてすみれさんに献上してあげるわ」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 アリア LP 4000

 

「先行は私!ドロー!」

 

アリア 手札 6枚

 

「フィールド魔法、召魔装着を発動!」

 

アリアが発動したフィールド魔法により辺りが建物ばかりのビル群から不思議な空間へと変わる。

 

「召魔装着の効果で手札を1枚捨てて、魔装戦士ドラゴディウスを守備表示で特殊召喚!」

魔装戦士ドラゴディウス 守1500

 

「さらに魔法カード、調和の宝札!手札から攻撃力1000以下のドラゴン族チューナーを捨てて2枚ドローする!ギャラクシー・サーペントを捨てて2枚ドロー!カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

アリア 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

魔装戦士ドラゴディウス 守1500

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

召魔装着 (フィールド)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

召魔装着にドラゴディウスか・・・・ランク4を大量に作るデッキか?だが関係ねぇ!

 

「魔法カード、召集の聖刻印!デッキから聖刻龍ートフェニドラゴンを手札に加える!」

 

「あっ!卑怯者!!」

 

「卑怯でも何でもねぇ!トフェニドラゴンは相手フィールドにモンスターがいて自分フィールドにモンスターがいない場合、手札から特殊召喚できる!」

聖刻龍ートフェニドラゴン 攻2100

 

「トフェニドラゴンをリリース!聖刻龍ーネフテドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーネフテドラゴン 攻2000

 

「トフェニドラゴンの効果発動!デッキからチューナーモンスター、ラブラドライドラゴンを攻守0にして特殊召喚!」

 

ラブラドライドラゴン 守2400→0

 

「ネフテドラゴンの効果発動!手札のアセトドラゴンをリリースしてドラゴディウスを破壊する!」

 

「ドラゴディウスの効果発動!相手によって破壊された場合、デッキから攻撃力2000以下の戦士族か魔法使い族モンスターを手札に加える!ダーク・ドリアードを手札へ!」

 

「(ダ、ダーク・ドリアード!?なんか怪しいんだけど!?)リリースされたアセトドラゴンの効果!デッキからエレキテルドラゴンを攻守0にして特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン 守1000→0

 

「Lv6のエレキテルドラゴンとラブラドライドラゴンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

「アトゥムスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除き、デッキからレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを攻守0にして特殊召喚!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800→0

 

「レッドアイズ・ダークネスメタルの効果発動!墓地からエレキテルドラゴンを特殊召喚!さらにネフテドラゴンをリリースして聖刻龍ーシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

「リリースされたネフテドラゴンの効果!デッキから神龍の聖刻印を特殊召喚!」

 

神龍の聖刻印 守 0

 

「Lv6のシユウドラゴンとエレキテルドラゴンでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!セイクリッド・トレミスM7!」

 

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

 

「トレミスの効果発動!オーバーレイ・ユニットを取り除いてフィールドのレッドアイズ・ダークネスメタルを手札に戻す!」

 

セイクリッド・トレミスM7 OVR 2→1

 

「そして神龍の聖刻龍を除外してレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを再度特殊召喚!効果により手札の銀河眼の光子龍を特殊召喚!」

 

銀河眼の光子龍 攻3000

 

「聖刻龍王ーアトゥムス1体で再びオーバーレイ!」

 

★6→★7

 

「1体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!迅雷の騎士 ガイア・ドラグーン!」

 

迅雷の騎士 ガイア・ドラグーン 攻2600

 

はっはー、これで俺のフィールドに4体のドラゴン(1体は違うけど)が並んだ。これでいつも痛い目に合わせられているあいつをフルボッコにしてギャフンと言わせてやる!

 

「バトルだ!」

 

「メイン終了時、威嚇する咆哮を発動!」

 

「・・・・・・ターンエンド」

 

 

遊輝 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

迅雷の騎士 ガイア・ドラグーン 攻2600

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻2800

銀河眼の光子龍 攻3000

セイクリッド・トレミスM7 攻2700

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

 

「んじゃあ私のターンね、ドロー!」

 

アリア 手札 3枚

 

「ダーク・ドリアードを召喚!」

 

ダーク・ドリアード 攻1800

 

アリアのフィールドに黒い祭服を着たドリアードが現れる。両手を胸のところに掲げて、水・赤・緑・茶の4色の光が光る。

 

「ダーク・ドリアードは召喚成功時、デッキから炎属性、水属性、風属性、地属性のモンスター1種類ずつを選んで好きな順番にデッキトップに置く!そして魔法カード、魔の試着部屋!ライフを800払って、デッキの上から4枚を巡り、その中のレベル3以下の通常モンスターを特殊召喚する!」

 

アリア LP 4000→3200

 

「おいおいおい!?お前さっき積み込んでいたじゃねぇか!?」

 

「そうよ!私のデッキの上から4枚はチューン・ウォリアー、弾圧される民、逃げまどう民、団結するレジスタンス!この4体を特殊召喚!」

 

チューン・ウォリアー 攻1600

弾圧される民 守2000

逃げまどう民 攻600

団結するレジスタンス 攻1000

 

ハッ!?ハッ!?弾圧される民に逃げまどう民!?ちょっ!?まさか残りの伏せカードって!?

 

「リバースカードオープン!罠カード、大革命!自分フィールドに弾圧される民、逃げまどう民、団結するレジスタンスが存在する時、相手のフィールドと手札のカードを全て墓地に送る!」

 

フィールドにいた弾圧される民、逃げまどう民、団結するレジスタンスが剣を天に掲げる。そのままモンスター達は俺のフィールドのモンスターと手札に突撃をして俺のフィールドをすっからかんにした。

 

「・・・・・・・・」

 

「Lv1の弾圧される民とLv2の逃げまどう民、Lv3の団結するレジスタンスにLv3のチューン・ウォリアーをチューニング!」

 

☆1 + ☆2 + ☆3 + ☆3 = ☆9

 

「万年雪に眠りし伝説の龍よ、遥かなる古代より甦れ!!シンクロ召喚!!Lv9!!氷結界の龍 トリシューラ!!」

 

氷結界の龍 トリシューラ 攻2700

 

「バトル!ダーク・ドリアードとトリシューラでダイレクトアタック!」

 

遊輝 LP 4000→0

 

 

WIN アリア LOS 遊輝

 

 

 

 

遊輝 side out

 

 

奏 side

 

 

「うっわ・・・・派手に負けた・・・あんな簡単に大革命って発動できるんだな・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「?奏さん?奏さ〜ん」

 

「!?な、何!?」

 

「何って・・・あぁ、また歌詞を書こうとして」

 

「だってあの二人の関係見ていたらさ・・・・でもね、何か似たようなフレーズしか出てこなくて」

 

二人の関係を見て自前の作詞ノートで色んな言葉を並べているところに龍亞君が声をかけてきた。そういえば遊輝の作詞は全部スマフォでやっていたわね・・・

 

「『口喧嘩ばかり 矛盾ばかり まるで虎と龍のように・・・・・』対になる言葉ばっか」

 

「その方が表現として合っているから・・・」

 

「そんな事よりお店手伝わなくて良いの?お客さんが来ているよ」

 

「えっ!?」

 

龍亞君に言われて私はお店の方に向く。混んでいるとは言わないけど、待っているお客さんがチラホラと見えた。

 

「ヤバい!私のお小遣いが減らされる!」

 

「そっち!?」

 

「特注のギター買ったの!!お小遣い稼がないと!!」

 

大慌てで私はノートと鉛筆を片手にお店に戻っていった。

 

「・・・・・・・奏さんも中学生なんだな・・・いや、中学生はバイトなんかしちゃダメだって前言っていたような」

 

 

〜〜(その夜)〜〜

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「う〜ん・・・・・バラード、か・・・・これは遊輝に任せましょう。私はこっちの曲で・・・」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「それにしてもこのギター・・・・次の文化祭のライブの為に作ってもらったけどなかなかいいわね」

 

お店の営業も終わり、夕食もお風呂も終わって今は自分の部屋でギターを弾いている。此の前、レミが仮で作った曲の2つの譜面のうち、一つの曲の譜面を手にとってそれを弾いてみる。少しゆったりとしたテンポから徐々に早くなり、最後は激しくなっている。

 

「こういうタイプの曲って詩を書くの難しいのよね。さてと・・・・どんなテーマで行こうかな」

 

自前のノートを広げてどんな歌詞を書こうかペンを回しながら考える。う〜ん・・・・・

 

「・・・・・そういえばお父さん、何でパティシエのスカウト断ったんだろう・・・てっきり修行させるのかと思った・・・」

 

朝の出来事が突如ふいっと蘇った。遊輝にスカウトに来たあの男の人、前に私もスカウトしたって言っていた。だけどお父さんはその話をすぐに断った、パティシエの娘なんだしフランス修行なんて言ったら普通、喜んで送るものだと・・・・

 

「パティシエか・・・・私はこのまま家を継ぐのかな〜?」

 

ふと思った。私はこのお店の一人娘、普通に考えたらやっぱりお店の後継としてパティシエになるのかな・・・・

 

「あんまり考えてなかったな・・・・今までは趣味や手伝いの範囲でしかおもってなかったし・・・どうせなら楽しんで仕事したいよね・・・・・そう考えたらアーティストってのも悪くないよね」

 

パティシエとしてケーキを作るのと同じくらいにアーティストとして歌を歌ったりギターを弾いたりするのは凄く楽しい。自分の歌を聞いてもらってそれで感動してくれるお客さんがいてくれるのだからなおさらだ。

 

「ケーキを作ってもそれで感動してもらえるのかお店じゃ分からないし・・・・」

 

♪♪♪〜〜〜

 

「メール?レミから?・・・・・明日は自主練?親の手伝いで放課後来れない・・・」

 

なんか最近、みんな忙しいわね・・・・まぁ誰も彼もツアーで調子こいてお土産を買いまくったから金欠なんでしょうね・・・・ツアーの時のお給料は文化祭のライブ終わったからって言うし。

 

「うう〜〜ん・・・・ダメだ。もう今日は寝よう。何も考えられない」

 

色々と考えて、全てにおいて結論に辿り着くことが出来ず、逃げるようにベッドに飛び込んだ。

 

「(・・・・・まぁいいや。時が経てばそのうち分かることもある。今はもう・・・・ゆっくり寝よう。お休み・・・・・)」




紫「大革命とは、いい趣味しているわね」

アリア「でしょ〜、ただこれ、2戦目以降は何も役に立たないのがネックなんだよね」

藍「ネタデッキとはそういうものです」

アリア「大革命デッキも飛躍を遂げたよね。ダーク・ドリアード、トレジャー・パンダ。簡単に素材を整えることができて、しかもリンクやエクシーズができるんだから」

紫「いいわね・・・・ロマンデッキにも夢が見れて」

アリア「(・・・・・何かあったの?)」

藍「(どうも、三日三晩考えて作ったロマンデッキをいとも容易く破られてナイーブになっているみたいです)」

アリア「(あぁ・・・それはちょっと凹むわね)っていうわけで次回は・・・・・文化祭の準備ね。中等部3年側と1年側、両方を載せる予定みたいよ」

藍「次回もよろしくお願いします」


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第185話 文化祭の準備

デュエル載せようか悩んだけど、載せる意味も載せる場所も無かったので無しになった。日常系の話が多くなるとこうなってしまうんだよね・・・・


響 side

 

 

「じゃっじゃ〜〜ん!!!」

 

「「「「「おおおお!!!」」」」」

 

「すっげぇ・・・・・マジココア・・・」

 

「髪型じゃなくてヘアアクセサリーに服まで、何から何までココアだ・・・・」

 

文化祭1週間前、この週からはどのクラスも文化祭の準備に向けてラストスパートをかけている。私たちは劇に向けて練習をしてきたけど、今日ついにアリアさんが服を完成させたという事なのでアカデミアに来て、私たちに届けてくれた。早速試着をして、アリアさんに髪型を整えてもらい、クラスメイトに披露した。

主人公、ココアちゃんが働いているラビットハウスの制服、黒いロングフレアスカートに長袖のYシャツ、そしてココアちゃんのトレードマークであるピンクのベストと胸元の赤い胸リボンを付けている。

 

「響、響!!あれやって!!こうやって・・・『お姉ちゃんに任せなさ〜〜い』って!」

 

「えっと・・・・お姉ちゃんに任せなさ〜〜い!!」

 

「おおお・・・・・」

 

「すげぇ・・・ポンコツぶりも出てる」

 

「ちょっとそれどういう意味!?」

 

沙織に言われてココアのモノマネをする。右袖のシャツをめくって右腕を90度曲げて左手を右腕に添えてココアちゃんのモノマネをする。

 

ガラガラ〜〜

 

「こんな感じ・・・・なのかな?」

 

「凄いわね・・・・着物とは思えないくらいに着心地がいいんだけど・・・しかも軽い」

 

「ねぇ、このメイド服のスカート、丈短すぎじゃない?膝上のスカートなんか私、来たことないんだけど」

 

「「「「「おおおお!!!!!!」」」」

 

扉が開いた音が聞こえてみんなそっちの方に向くと、着替えと髪型を整えたレミと奏と茜がやって来た。奏は私と同じ服だけど、ベストが紫、胸リボンも紫となっている。茜は緑色の着物を来てフリルのついた白いエプロンを羽織っている。レミは少し長めのロップイヤーを付けて両手首に黒のカフス、膝上のスカートを着ていた。

 

「すっげぇ・・・・・」

 

「再現度高すぎる・・・・」

 

「天使だ・・・・天使がいる・・・ここは楽園だ・・・」

 

「可愛い!!!レミ!!写真とらせて!!」

 

「茜にあっているわよ!!着物美人!!」

 

「奏!!口に薔薇を加えて銃を構えてよ!」

 

教室に戻ってきた3人にクラスメイトは色々と要望を言ってくる。あれだね、人気者ってあんな感じになるんだね。

 

「みんな〜〜、どう?」

 

「・・・・・・凄い、美穂も京子も小学生」

 

「小学生じゃないわよ!!中学生だよ中学生!!」

 

次に教室に戻ってきたのは学校の制服のような物を着た美穂と京子だった。青い帽子を被って白のワイシャツ、その上から群青色の服を、同じく群青色のスカートを履いている。うん、身長も相まって小学生にしか見えないや。こうなると遊輝も同じ制服を着ると怪しいな。

 

「こうやってみると、やっぱり身長は高い方がいいって思うわね。レミ達は高校生に見えるから」

 

「それはこの4人が制服を着ていないからでしょ!」

 

ガラガラ〜〜

 

「う〜〜ん・・・・なんか私の普段来ている私服とは違うから違和感があるな」

 

「どうかしら?大人の女性の雰囲気を醸し出しているかしら?」

 

「彩・・・・無理矢理大人の女性にならなくても」

 

「それに大人の女性になるんだったらここがボッキュン「悪かったわね貧乳で、あんたの大事なところを潰してあげようかしら?ええ?」ご、ごめんなさい・・・・・」

 

さらに教室に戻ってきた今回の劇の総監督、彩と琴音、二人とも大人の女性の私服という事で普通の私服、彩は大人の女性のような口調で話したが、男子生徒一人が彩の・・・・・虚しいところを言ってきたので、彩は無言の威圧を放って男のその・・・・・大事な所手前でグーパンチの構えをした。

 

「彩・・・・そんな事言ったらキャラとして台無しだよ」

 

「あいつが私の胸を貧乳って言ってきたんだよ!女として侮辱する言葉だよ!」

 

「心配しなくても世の中には貧乳が素晴らしいっていうマイナーな人もいるから」

 

「何よ琴音!!いいわね貴方は!!!私よりも胸があって!!」

 

「どうどうどう、そんな争いをしていたら彩が負けるのが目にみえるじゃない」

 

凄い口論になりかけた所でレミが二人の間に割って入って争いを止めた。まぁ・・・・・ああいう系の口論は結局、劣っている方が負けるんだよね。

 

「何か・・・・首が苦しいんだけどおかしくないか?」

 

「そんな事ないわよスバル、普通のバーの制服なんだから」

 

次に教室に入ってきたのは白いYシャツに黒いズボン、そして黒のベストを着たスバルとスバルの肩を掴んでいるこの服を作ったアリアさんだった。

 

「何だかんだスバルで良かったかもな〜、モデルのタカヒロさんってスラッとしているし」

 

「かもな〜、それに俺、ああいうタイプの服は苦手だな」

 

「あとは・・・・チノちゃん」

 

「ここまで来たら・・・・チノちゃんがどうなっているのか・・・」

 

クラスメイトの関心、それはこのアニメの主要キャラにして一番の人気キャラ、チノちゃんがどんな感じで出てくるからだ。

 

「そういえば・・・・遊輝遅いわね」

 

「可笑しいなぁ・・・・スバルの後ろにいたはずなんだけど」

 

そう言ってアリアさんが教室の扉を開けて廊下を見る。

 

「?何あれ?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、あそこに人だかりがあるのだ「本当か!?チノちゃんがいるって!?」け・・・・ど・・・・?」

 

「マジで言ってるのか!?あの子は空想のキャラだぞ!!」

 

「本当だって!!ほらあそこに!!」

 

「本物だ・・・・本物がいるぞ!!」

 

廊下で騒ぎ声がしたので何事かとと思い、私も扉から顔を出す。私だけじゃない、レミや奏、クラスメイトも全員廊下に顔を出した。

 

「何の騒ぎ?」

 

「何か・・・チノちゃんがいるって」

 

「・・・・まさか・・・もしかして・・・」

 

「いや、もしかしかなくても・・・」

 

「・・・・・おいお前ら!!チノちゃんを助けに行くぞおお!!」

 

「「「「「オオオオオ!!!!!」」」」」

 

何を思ったのか、うちのクラスの男子生徒全員が突如結束、一斉に廊下へと駆け出して集団の中に突撃していった。それはもう・・・・辺り構わずに体当たりをしていった。数分後、男子生徒が誰かを囲むようにして教室へと戻ってきて、扉を閉めた。向こうからは他のクラスの人たち(主に男子生徒)が残念そうな顔をしたり、悔しそうな顔をしている。

 

「長く苦しく、そして険しい戦いだった・・・・この戦いで散っていった」

 

「いや、あんたたち集団で突撃して辺り構わずに体当たりして強奪するようにしてきただけじゃない」

 

なんか変な寸劇を男子生徒がしようとしたが即刻レミがツッコんだ。それにしても・・・・

 

「・・・・・・・・・チノちゃんだね」

 

「チノちゃんだな」

 

「遊輝という面影が何一つ残ってない」

 

「/////う、ううう・・・・」

 

「どうよ!!私の最高傑作!!すみれさんから教えてもらったメイク術をフル活用したのよ!!」

 

フフンと息を出して胸を築き上げるアリアさん。その横には見事にチノちゃんにしか見えない・・・・・・ダメだ、遊輝って思えない。チノちゃんだ。恥ずかしい仕草から何から何まで、何でこうもビンゴなの?

 

「マジ可愛い・・・・アニメからそのままポンっと出た感じ・・・」

 

「ってか遊輝、お前なんで内股なんだよ」

 

「/////う、ううう・・・・・」

 

そう言われたら・・・・教室に来た時からずっと内股で股間を抑えてウズウズしているわね・・・・・何があったの?

 

「まぁまぁ良いじゃない!!女の子らしさがアップして!!」

 

何事も無いようにアリアさんがチノちゃ・・・・間違えた、遊輝の肩をトントンと叩く。その後は体育館や講堂が使えないのでこのまま教室で練習することに・・・・っとその前に、私はアリアさんに近づいて・・・

 

「(で、実際何したのよ。さすがにずっと内股は怪しく無い?)」

 

「(簡単簡単♪遊輝ちゃんの(ピー)を(ピーーー)しただけだから♪)」

 

「アウトオオオオオ!!!!それアウトだからね!!!」

 

「響、何大声出しているの?」

 

耳元で話したアリアさんに私は大声で叫んでしまった。えっ!?何!?じゃあ遊輝は今どうなってるの!?

 

「(冗談冗談♪実際は(ピー)をテーピングしただけだから)」

 

「(・・・・・それもギリギリアウトだからね)」

 

「(セフセフ♪)」

 

「あとはティッピーだね。アンゴラウサギなんて誰も持っていなかったから人形を作ることになったけどなかなかの出来だよね〜」

 

「これで動いてくれたら完璧なんだけどなぁ〜、まあ流石にそんな事は出来ないか」

 

「そんな事になったら怖すぎるだろ」

 

「声の当て振り自体は男子たちの中から声優っぽくやってもらいましょう。それじゃ練習しましょう」

 

「響〜、何してるのよ。早く並んで、ダンスから始まるから」

 

「えっ、は、は〜〜い」

 

彩に急かされて私はポジションに着く。

 

「・・・・・ねぇ、あそこにいる男子生徒何とかしてよ。さすがに鬱陶しい」

 

レミが指を指してまだ廊下に群がっている男子生徒を指差す。気のせいかもしれないけど、ちょっと増えた・・・・いや、確実に増えているわね。

 

「確かにあれは鬱陶しいわね・・・・」

 

「迷惑行為だね。ちょっと男子たち、あれ追い返してきてよ。ご褒美にチノちゃんをモフモフさせてあげる」

 

「///ちょっ!?」

 

「マジで!?」

 

「お前ら行くぞ!!チノちゃんをモフモフするために!!」

 

「「「「「オオオオオ!!!!!」」」」」

 

気合いのこもった声を上げた男子生徒たちはドドドドッと音を立てて教室から出て追い返す・・・・いや、あれはもはや作業ね。所々殴っているのが目に見えるが見なかったことにしよう。

 

練習後、男子生徒全員にモフモフされていたチノちゃんだったけど一番モフモフしていたのはデレッデレのアリアさんだった。

 

 

響 side out

 

 

龍可 side

 

 

「おおい!!この景品どこのゲームのだよ!?」

 

「はぁ・・・・ヨーヨー釣りじゃなくてハイパーボールすくいにすれば良かった・・・風船膨らますの面倒臭い」

 

「射的って楽しいなぁ。こうやって重い物を狙ってお客さんから金をむしとっていくんだろ?」

 

「龍可、これはどこ?」

 

「それは・・・・・あっちね。ボーリングの方よ」

 

「ありがとう」

 

私たちのクラスは文化祭で小規模の屋台を沢山やるお祭りみたいなことをすることが決定した。最初はあれやこれや言っていたけど、誰かが「纏めて全部やれば?」と言って、それが採用された。

 

「たっだいま〜〜、業務用のスーパーから飲み物を仕入れてきたよ」

 

「流石に5ケースは重いです・・・・」

 

飲み物の買い出しをしてきた龍亞と恭輔君が段ボール箱に入ったケースを運びながら帰ってきた。

 

「ご苦労様。それは資材室にある冷蔵庫で冷やしといてね」

 

「えぇ・・・・あんな離れまで行くの・・・」

 

「仕方ないですよ。運びましょう・・・・そう言えば何か中等部がやけに騒がしかったですよ」

 

「中等部?どういう事だ恭輔?」

 

段ボール箱を持った恭輔君が言った一言に教室にいた男子生徒一人がくっ付いた。

 

「いや、よく分かりませんでしたけど・・・・何か人だかりが出来たらしくて、それを3-1の男子たちが無理矢理崩して、他のクラスの生徒は泣いていたって」

 

「泣いていた?何で」

 

「さぁ・・・・核心には迫れませんでしたから・・・」

 

「あ、それなら私知ってるよ。さっきトイレ行った時にチラッと見た。なんかね、一人の女子生徒に群がっていたよ」

 

「はぁ?何で女子生徒に?」

 

「可愛いコスプレをしていたみたいよ。3年は劇だからね」

 

「3-1って・・・・ああ、遊輝達のクラスじゃん」

 

遊輝達のクラス・・・コスプレ・・・・まさか、ね。流石にそんなことあるはずないよ。

 

「とりあえず恭輔、これ運びに行こうぜ。さっさと運んで遊ぼうぜ」

 

「遊ばないで手伝いなさいよ・・・・」

 

笑いながら龍亞は恭輔君と一緒に資材室へと向かって行った。

 

「龍可〜、こっちはもう終わりそうだから龍亞の手伝いしに行ったら?」

 

「祈ちゃんも、実際問題、あとは当日に設置するだけだから」

 

「えっ?いいの坂根さん」

 

「いいわよいいわよ。これくらい私たちで解決できるわ。向こうを手伝ってきて」

 

クラスメイトが私と祈に龍亞達の手伝いをするようにと、まぁ確かにほとんどの作業は終わっちゃって手が空いている人もチラホラ見えているし・・・・

 

「龍可〜〜、次いでだから中等部の方回ってきてその女の子ってのを拝んできてくれないか〜〜?知り合いがいるんだろ?写真でもとってきてくれよ」

 

「おおいいなぁ。後で見さしてよ」

 

「まぁ・・・・レミさん辺りに頼めば大丈夫かな。じゃあ行こう祈」

 

「は、はい」

 

祈と一緒に資材室へと向かって段ボールを運んでいる龍亞と恭輔君を追いかける。幸いにもまだ見える所にいたため走って追いかける。

 

「龍亞〜、手伝うわよ」

 

「ん?あれ?何で?」

 

「はぁ・・・・はぁ・・・だ、大分教室の方も準備を終えたみたいなので・・・」

 

「そうですか。こっちも飲み物を運ぶのが辛かったですから」

 

「あ、あと序でに例の人だかりの件も調べてって」

 

「ああ、3-1の?確かにあそこは遊輝達がいるし、簡単に話を聞けるな」

 

龍亞から段ボールの箱を一ケース、祈も恭輔君から一ケース受け取って資材室まで歩いていく。対話もない会話をしながら資材室について、近くにある冷蔵庫に段ボール箱ごと飲み物を入れていく。

 

「これでよしっと、じゃああとは遊輝達に話を聞きにいこうか」

 

「そうですね。僕自身も少し気になってましたし」

 

「・・・・・あの、私何かオチが見えている「「祈(さん)、それ以上は言ったらダメ」・・・は、はい」

 

「いい?クラスの男子生徒には夢を見させるのが一番なんだよ」

 

「現実を突きつけると立ち上がれない人も絶対にいますから」

 

・・・・・何か二人とも、まるで男子生徒が女子生徒にコスプレをしている風に言っている。まぁ、私も薄々と勘づいていたけど、ちょっとは、ねぇ・・・・

そう思いつつ、資材室から中等部のクラスがある校舎、階へと向かい「3-1」という札がある教室に着く。

 

「お〜〜す、レミさ〜〜ん。話題の女子生徒の写真を撮りに来たぞ〜〜」

 

「ん?・・・・ああ1-1の奴らか。すまんが今は無理だ。本当なら他クラスの奴らは断るが、お前達は別扱いにしてやるよ。写真を撮るんだったらこれに並んで」

 

ガラガラと音を立てて龍亞が先導して入る。目に入ったのは綺麗に1列に並んだこのクラスのクラスメイト達、一人の男子生徒はスマフォを操作しながらそう言ってきた。

 

「この列って、噂になっているあの?」

 

「そう、このクラスだけでも男女関わらずに人気があってな。1人1分間のモフモフタイムが決められている」

 

「モ、モフモフタイム?何ですかそれ?」

 

「っていうか誰なの?さっきから」

 

「お前らはもう察しがついているだろ」

 

「「「「・・・・・・・アッ、ハイ」」」」

 

そう言って男子生徒に礼をして、並んでいる列を横目にとりあえず先端に行って見ることにした。

 

「ふわぁ・・・・お人形だよ〜、チノちゃん、私の妹にならない〜?毎日お菓子あげるわよ〜」

 

「///け、結構です」

 

「こんな所までチノちゃんに似ているわね〜」

 

「おい美香、時間だ。交代だ」

 

「えぇ・・・・もう少しモフモフしたかったわね・・・・」

 

「じゃあ次俺、チノちゃん。可愛いがってあげるから」

 

「///ヒッ・・・・・」

 

「・・・・・(グリグリ)あ、あれ?」

 

「・・・・・・・ゆ、夢じゃない」

 

「あ、あの・・・・私あのキャラの名前知らないです」

 

「祈、あれはチノちゃんっていう漫画のキャラなんだけど・・・・コスプレのレベルじゃない」

 

キャラを知らないって言ってきた祈にキャラを紹介する。目に映ったのは本当にチノちゃんだった・・・・・いや、本気で誰がコスプレしたの?龍亞は何ども目をこすり、恭輔君は自分のほっぺをつねっている。

 

「マジ可愛い、お持ち帰りしたい。しかもモフモフして気持ちいいとか、チノちゃんマジ天使」

 

「///離れて仕事をしてください・・・・」

 

「台詞もマジチノちゃんに似てる。ヤベェ、本気でチノちゃんにしか見えなくなってきた」

 

「はい1分経過、終了よ」

 

「え、えぇ・・・・」

 

ストップウォッチを図っていたレミさん。1分の経過を伝えると男子生徒は凄い悲しそうな顔をしてチノちゃんから離れていった。

 

「あ〜・・・俺のチノちゃん・・・」

 

「チノちゃんは私のものよ!私の可愛い妹なんだから!!」

 

「響、ややこしくなるからここで劇の練習はしないで」

 

「あ、あの〜〜レミさん」

 

「ん?あれ?何でここにいるの?」

 

「い、いや、そんなことよりだよ!!このチノちゃん誰がやってるの!?」

 

「誰って・・・遊輝」

 

「「「「やっぱり!!!!」」」」

 

「///やっぱりって何ですか・・・やっぱりって」

 

「いや〜、ビックリだわ。喋り方まで似ているんだから本気で本物かと思った」

 

「そりゃそうでしょ。この劇の総監督の気合の入りようよ。ちょっとでも間違えたら鬼軍曹になるんだから」

 

「こりゃ本気でみんなにお見せしないと。このクラスの特権を分けてくれたんだから」

 

「いいけど並んでよね、さすがにこの列の順番抜かすこと出来ないから。はい次〜〜」

 

「別に写真撮る「アリアさんにしょっ引いてもらうわよ?」さあ並ぼう!!」

 

龍亞が文句を言おうとしたらレミさんが龍亞の耳元で私たちに、というか近くにいるアリアお姉さんに聞こえるようにそう呟いた。それを聞いた龍亞は何事も無かったように列の一番後ろへと並んだ。

 

「弱すぎでしょ龍亞さん・・・」

 

「ま、まぁ・・・・デュエルの実力であの人に叶う人は私たちの中ではいませんから・・・」

 

「う、うん・・・・」

 

私もアリアお姉さんに何十連敗したことだか・・・・あれに勝てる遊輝って実は凄い、凄いんだけど・・・・

 

「可愛い〜〜、ずっとモフモフしていられる〜〜」

 

「///仕事に戻ってください京子さん」

 

「私はマヤだよ!これくらいのスキンシップ良いじゃない!!」

 

・・・・あんなの見ていたらそんな威厳も感じないわね。

 

 

結局、30分以上かけて並んだ龍亞は制限時間ギリギリまで写真を撮り続けてそれをクラスメイト全員に見せた。男女関わらずに遊輝が扮したチノちゃんは大人気となってしまい、何故か3-1の劇の時はお店を休んで全員で観に行こうと言うことになった。なお、龍亞のこの写真は何処からか漏れてしまい、次の日のアカデミアは大騒ぎだった。

 




響「チノちゃん、モフモフさせて〜〜」

遊輝「ココアさん、仕事をしてください」

アリア「キャラに成り切っているわね〜〜・・・・」

レミ「結果的に劇の練習にはなっているか良いんじゃない。実際、アニメでもあんな感じだし」

アリア「どうよ私の最高傑作!!今回は今まで以上に気合いを入れたんだから!!」

レミ「そこに関してはうん・・・・凄かった。服のクオリテイもそうだけど」

アリア「伊達にすみれさんの下で働いているんだからね!これくらいのレベルアップは当たり前よ!」

レミ「そんな訳で次回からは3度目の文化祭、まずはその前夜祭、ツアーのファイナルと位置付けたライブよ」

アリア「【Live Fes in Poppin'star Final day 1】。次回もよろしくね♪」


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第186話 Live Fes in Poppin'star Final day 1

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】

まさか3年連続で文化祭のネタが続くとは思わなかったな・・・・


遊輝 side

 

「おいおいおい・・・・・去年の前夜祭じゃこんなに屋台は並んで無かっただろ。いくら何でも多過ぎだ」

 

「焼きそば、フランクフルト、たこ焼きに綿あめ〜〜♪」

 

「・・・・・・そんなに食べたら太「それ以上言ったら身体の関節を曲げちゃいけない方向に曲げるわよ」ハ、ハイ・・・・・」

 

文化祭の前日、つまり前夜祭。一昨年までは生徒会の一部の人たちによるパーティーのみだったが、去年からに引き続き俺たちのバンドの2days公演の初日として選ばれた。まぁ詰まる所、これを文化祭の開催として使おうとしている。去年と違って今年は会場となるアカデミアの前に出店が増えたのが気がかりだが・・・・

 

『そりゃ去年は突然の発表だったから、行政側が土地の貸し借りを許してくれなかったからね。今年はツアー最終公演をやるって元旦に前もって言っていたから、そういう人たちが押し寄せてきたのよ』

 

っと、レミ談。要するにお客さんがたくさん来るから商売しようと言うことだ。

 

「んで、何で俺は朝早くからこんな変装をしてお前のお供をしているんだよ」

 

「祭りだよ祭り!私初めてなんだから!!お供してくれないと!」

 

「いや、あのな・・・・まだ朝の9時でほとんどの店始まってないんだが・・・」

 

サングラスを掛けている俺にアリアはピョンピョンと跳ねて前へ走りした。

 

「あっ!!ベビーカステラやってる!!これ買おう!!」

 

「お前さぁ・・・・朝飯をついさっきばっかみたいに食っているのによく食べれるな」

 

「遊輝ちゃんの料理が美味しいからね!そこから胃袋鍛えられたんだから!」

 

「あとで腹壊しても知らねぇぞ。それはそうと何で俺はサングラス掛けなきゃ行けないんだ?」

 

「だって変装していないと周りが騒いで面倒臭いでしょ?ライブ当日にアーティストが屋台をウロウロと」

 

「お前が無理矢理連れ出したんじゃないか。確かに集合は午後だけどさ」

 

「それと朝早くから連れて行かないと龍可ちゃんが付いてくるし」

 

「・・・・・・・結局それかよ」

 

昨日、龍可と龍亞のクラスは文化祭の準備に手間取ったらしく帰ってきたのが夜の9時も回っていた。そのまま二人でご飯を食べて、お風呂に入ってすぐに熟睡だ。俺たちが出て行く時間帯にはまだ起きてすらいなかったから、置き手紙をして出てきた。

 

「毎度あり」

 

「んん〜〜!このフワフワの食感がたまらない〜!遊輝ちゃんも食べる?」

 

「朝飯食ったからいらねぇよ。第一、ライブ終わるまであんまり食べたくない」

 

「変わってるわね〜、普通は体力つけるために食べるでしょ」

 

「横っ腹痛くなるから、食っても少食程度だ」

 

昔からご飯を食べた後、1〜2時間くらいは横っ腹が痛くなる。それに身体が重く感じてあんまり動けない。だから運動やスポーツする前にはあんまり食べたくないのだ。

 

「あっ!ねぇねぇ!!焼きラーメン!!あれも食べよう!!」

 

「本当によく食べるな!?」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

あれから2時間くらい、とにかく食べれるだけ食べたアリアは満足気に一度家に帰った。俺はすでに楽器や荷物を部室に置いていたので、部室へと行く。すでに中にはレミと響、奏の3人が入ってご飯を食べていた。

 

「う〜〜す」

 

「おはよう〜〜」

 

「おはよう〜、ご飯はそこにあるから」

 

「いらな〜〜い」

 

「いらないって・・・・あんたはいつも通りね。さすがに食べなさいよ」

 

「横っ腹痛くなる。この後すぐにリハだし」

 

「食べ過ぎなきゃ大丈夫よ。それか野菜だけ食べて」

 

執拗に何かを食べるように迫ってくる。気持ちは分かるがやっぱり動く前だから食べたくない。

 

「おはよう」

 

「おはよう〜」

 

「おはよう、二人が最後よ。って言うわけで何か奢ってね」

 

「えぇ・・・・勘弁してくれよ。今月お客が来なくてピンチなんだから」

 

「あんたの事情なんか知らないわよ」

 

俺のすぐ後に入ってきたスバルと茜、最後に来たので何か奢るように催促する響、全くもっていつも通りの光景だ。なんかもう・・・流石に何回もやっていたら新鮮味が無くなったな、特に今年は。

 

「もうすぐスタッフさんが来てリハが始まるから着替えるんだったら早めに着替えてよね」

 

「は〜〜い」

 

「俺は・・・・このままでいいか」

 

カバンを置いた茜とスバル、茜は着替えのために一度部屋から出て、スバルはカバンの中からバチを取り出してエアドラムをする。

 

「1曲目はホールの曲からだな?」

 

「そうよ。あれから入っていくわよ」

 

「お前そんな事聞かなくても俺から合わせるんだろうが」

 

「皆さん、リハーサルに入ります。ステージに上がってください」

 

部室に入ってくるスタッフさん、それを見て全員が椅子から立ち上がる。さてと・・・・今日、明日で長かったツアーも終わるんだ。もうひと頑張りしますか。

 

「ところで遊輝」

 

「ん?何だ?」

 

「何でサングラスを掛けているの?」

 

「あっ・・・・・・・」

 

そうじゃん、サングラス掛けっぱなしじゃん・・・・・・まぁいいや。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「んん〜〜!!やっぱここのたこ焼き美味しい!!」

 

「・・・・・・あれ何品目?」

 

「恐らく、もうとっくに二桁はいってるかと・・・・・」

 

「た、たしかアリアさん。朝からお昼に掛けても屋台で食べていたって・・・・」

 

「・・・・・無自覚なのが恐ろしいわね」

 

私たちの前で嬉しそうにたこ焼きを頬張っているアリアさんを見て、コソコソと話す。あの人、あんなに大食らいだったかな・・・・そう言えば精霊世界に拉致されたその日も確か角煮を3kg以上食べていたわね・・・・

 

「・・・・大食いの人達ってなんで太らないんですかね?」

 

「確かに・・・普通あれだけ食べたらすぐに体重が増えるのですが・・・」

 

「君たち、そこでなにを話しているの?アリアさんに対して失礼な話をしていたらすみれさんお手製の特性イタズラチューブを鼻に突っ込んであげるわよ」

 

「「「「ごめんなさい!!!」」」」

 

振り向いてアリアさんが私たちに脅しを掛けてたのですぐに謝った。口元にはソースや青海苔が付いているが何も言いません。これ以上言って二次被害を受けるのは被りたいです。

 

「そ、それにしてもアリアさん、もうそろそろ行きましょう。中に入るまでに時間が掛かりますから」

 

「う〜〜ん・・・・仕方ない。あのりんご飴で締めにするか」

 

・・・・・・本当に良く食べるわね、この人。最初に会った頃とイメージがガラッと変わった・・・・・・

 

 

 

りんご飴を食べ終えたアリアさんを連れてアカデミアのライディングコースに向かう。去年同様、そこにステージが建てられていた。去年と違うとこはメインステージから伸びるセンターステージが付けられたことくらいだ。

 

「お〜〜、大きいわね〜〜。前に見たアリーナとは規模が違うわね」

 

「収容人数7万人ですから、ね」

 

「これだけ大きいステージの目の前の席を取ってくれるなんて太っ腹ね!」

 

それはまあそうね・・・・・今じゃ遊輝達のバンドの席を取るのはかなりとまでは言わないけど最初の頃と比べると難しくなってしまっている。特にアカデミアの文化祭で行われるライブは・・・・・

 

『お待たせしました。まもなく開演いたします』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

女性の人の声が会場全体に響き渡り、拍手が沸き起こる。ステージ、観客席の照明が落ちてメインステージの巨大スクリーンに映像、そして周りのアンプから大音量の音楽が流れ始める。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

ゆっくりとした音楽にスクリーンに映っているのは一人の女性。夜、何も無い、草原、そこにポツンと立っていた一人の女性。本当に何もなく、風がザザーと吹いて草原が揺れる。女性は草原に寝転がって星空を見上げる。周りにビルは愚か建物の一つもない星空はキラキラと輝いていてとても綺麗だった。

 

・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『・・・・・この星の鼓動、これが私が探し求めていたもの・・・・』

 

女性の目に映っている星、その星から不思議な音が聞こえてくる。コツンとしたぶつかる音ではなく、まるで星自体が楽器のように周りにある星と共鳴して一つの音を作り出していた。

 

『この星の煌めき、この星のドキドキ、そしてこの星の鼓動・・・・・・みんなに感じてもらいたい・・・・あの星の鼓動のように・・・・・』

 

♪♪〜♪♪〜♪〜〜〜♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

スクリーンの映像が終わり、SECRETのメンバーがステージに上がって来た。照明が消えて見えにくい状態でも六人の人影が楽器の前に移動したり楽器を受け取ったりしている。そして、ギターの遊輝が一人前に出てきた。それに合わせてスポットライトが遊輝に当てられる。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

スクリーンの途中から流れていた音楽と遊輝のギターソロ、この二つが奏でる音楽は深く私たちの心に刻まれていく。星の鼓動、それを表すようにゆっくりとした調でギターソロは続けられた。

 

♪♪♪〜〜〜・・・・・

パチパチパチパチ!!!!

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「ウッ!!」

 

バーーーーン!!!!!

 

『オオオ!!!!!!』

 

ギターソロが終わり、観客が拍手する。次にスバルさんがシンバルを叩いてカウントを取り、最初の曲のイントロが始まる。一番の盛り上がる場面で奏さんの雄叫びとステージの照明が一気に灯された。さらに同時にステージの前にある仕掛けが作動して大きな爆発音が会場全体に響き渡った。

 

 

 

1 It's show time! 【B'z】

 

2 未完成行進曲 【ONE OK ROCK】

 

3 Emotions 【MAN WITH A MITTION】

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!!

 

曲が終わって観客は歓声と拍手が沸き起こる。遊輝やレミさんはギターとベースを変えて、奏さんはマイクをマイクスタンドに付けてスタッフからエレキギターを受け取った。

 

「ありがとうございます。えぇ・・・・今日はSECRETのLIVE Fesに来ていただきありがとうございます」

 

パチパチ

 

『奏さ〜〜ん!!!』

 

『遊輝さ〜〜ん!!!』

 

「ええと・・・今年もまたアカデミアの文化祭の時期が来て、去年に続いて2dayのライブを行うことが出来ました。これは私たちの力ではとても出来ず、スタッフさんのお力、そして何よりここに来てくださった皆さんの声援のおかげです。本当にありがとうございます」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「さて、私たち、SECRETは今年の7月から3ヶ月に渡って初めてのツアーというものを行わさせていただきました。それはもう・・・初めての経験だらけです。全く知らない地域に行って、会場もその場所によってバラバラ。ですが、地元の人達や遠くから来た人達の歓声、これは何処に行っても変わらない、暖かいものでした」

 

「えぇ・・・・・その中でアンコールとして初めて、アニソンだけのセットリストと言うのを組んでみました。そんなわけでそのツアーの中で人気の高かった曲を続けてやります」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

ギターのチューニングを軽くした奏さんは後ろに振り向いてドラムのスバルさんに合図を送る。

 

♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

スバルさんのドラムから始まり、奏さんが振り向いてギターのイントロから始まる。

 

 

4 God knows 【涼宮ハルヒ】

5 great escape 【cinema staff】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました!」

 

エレキギターをスタッフさんに預けた奏さんはマイクを手にしてセンターステージへと歩いていく。

 

「えぇ・・・・続いては同じくツアーで披露したSECRETのオリジナル曲を披露したいと思います」

パチパチパチパチ!!!!

 

「スバル!!」

 

「1・2・3・4!!!」

 

♪♪♪〜〜〜

 

スバルさんの掛け声とドラムの音に合わせて軽快なキーボードの音が流れる。ギターとキーボード、ベースとドラムによる心が弾むような曲だ。

 

 

6 ホップステップジャンプ!! 【オリジナル】

 

7 Show Time! 【オリジナル】

 

8 Best friend 【オリジナル】

 

9 Glory days 【オリジナル】

 

10 Dreaming 【オリジナル】

 

11 星の風 【オリジナル】

 

12 ありがとう 【オリジナル】

 

♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございました」

 

【ありがとう】という曲が終わって、一度ステージの照明は落とされる。スポットライト一つが奏さんに当たり、奏さんはゆっくりとセンターステージに歩いていく。

 

「えぇ・・・・去年の文化祭では無かったのですが、今年はツアーからセンターステージを設けてもらったので、せっかくですのでみんなで前に出て何曲かやりたいと」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

奏さんがセンターステージについた頃にはセンターステージだけにライトが照らされていた。そこには5つの椅子とあれは・・・ガボンって楽器だったかな?

 

「準備が出来たからみんな来て」

 

先に椅子に座った奏さん、その声に呼ばれて他の5人もセンターステージへとやってきた。スバルさんはガボンに跨いで、響さんはアコーディオンをスタッフさんから手にした。レミさんと茜はさんはメインステージからアコースティックギターを、遊輝はアコースティックギターのようなエレキギターを持ってやってきた。

 

「せっかくこっちに来たから、いつも知っている曲をちょっとアレンジしてみました。聴いてください・・・・・」

 

・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

 

13 トリセツ 【西野カナ】

 

14 First Love 【宇多田ヒカル】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチ

 

「ありがとうございました。続きまして、遊輝のターンです」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

奏さんがマイクをセンターステージについさっき置いたマイクスタンドに立てて、暗闇のメインステージへと消えていく。他のメンバーもメインステージの方へと消えていく中、遊輝だけアコースティックギターを持ってセンターステージのマイクスタンドの前に立った。

 

「えぇ・・・・・ここからは私のターンということで・・・後ろでは他のメンバーが準備をしなくちゃいけないので、私一人で何か一曲・・・」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

「まぁ・・・何をやろうか結構迷いましてね、ツアーの時はオリジナル曲をやりましたが、あまりにも完成度が低いのでヤメになりました」

 

『エエエエ!!!!』

 

「嫌だって・・・・メンバー内でもお客さんの反応でもそこまで良くなかったからさ。それを見ているとまだまだだな〜〜って痛感させられました。そんなわけで今回はこの曲をやってみたいと思います」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

丁寧に弾いたギターから奏でられる音はゆっくりと会場全体に響き渡る。いつものPOP要素の音楽ではなく、民謡っぽい感じの音が流れる。

 

 

15 海の声 【桐谷健太】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございました」

 

歌い終わった遊輝はギターをスタッフさんに預けて、マイクスタンドは別のスタッフさんが片付ける。メインステージに照明が点いて、メンバー全員がポジションについていた。

 

♪・♪・♪・♪〜〜〜〜〜

 

メトロノームのような単調の音が流れ始め、その音に合わせて観客が手を上げて叩く。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「ヘイ!!」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

遊輝の掛け声と共に次の曲のイントロが始まる。その曲のイントロを聴いて観客は大盛り上がり、遊輝はセンターステージからマイクを握りしめてメインステージへと走っていく。

 

 

 

 

16 PADDLE 【Mr.Children】

 

17 カルマ 【BUMP OF CHICKEN】

 

18 シュガーソングとビターステップ 【UNISON SQUARE GARDEN】

 

19 Hometown 【オリジナル】

 

20 素晴らしき世界 【オリジナル】

 

 

♪♪〜〜〜!!!!

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「ありがとうございました」

 

曲が終わり、遊輝は頭を下げる。後ろのメンバーも一緒に頭を下げてその間に楽器を変えていく。

 

「それでは次の曲、この曲は名曲中の名曲です。正直言って、この曲を演奏するのはすごく難しいのですが、僕らはこの、ツアーの最終公演にどうしてもこの曲をやりたかったので、この曲を選曲しました。えぇ、この曲のテーマは《深き絆》、歳を取っても、離れ離れになっても、一人で見知らぬ土地に言っても僕らの絆は決して、決して切れない、そんな思いがこもっています」

 

「僕らがこの曲をこの場面で選んだ理由は2年前、この文化祭のライブが実質、SECRETとしての初ライブでした。そこから2年、僕らは本当に色んなことがありました。もちろん、音楽関係だけでなく、今年はWRGPにもこのメンバーで出場して、優勝することができました」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

『おめでとう!!!』

 

「ありがとうございます。その時、僕らが思うことは、このメンバーで出会えたことは本当に偶然であり、奇跡であると・・・・・そしてこの偶然や奇跡って言うのはこれから先もずっと、ずっとずっと、続いていくんだなと」

 

「そしてこの奇跡は僕らだけでなく、ここにいる皆さんも一緒です。何故なら、今こうして、こうやって僕らと話していること自体が偶然じゃないでしょうか?」

 

パチパチパチパチパチパチ

 

「そんな奇跡をいつまでも、そして僕らとのこの出会いをいつまでも、いつまでも大切にしてほしい・・・・・・そんな思いでこの曲を歌います」

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!!!!!!』

 

スバルさんのドラムのカウントから始まり、奏さんのソロギターが響き渡る。そのイントロを聴いた誰もが歓声を上げて、中には拍手をしたりする人もいた。

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

21 Brotherhood 【B'z】

 

 

『ウイイイイルビイイイイイイイイイオオオオオオオオオオルライトオオオオオ!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!

 

「ありがとうございました!!SECRETでした!!!」

 

 

曲が終わって観客の拍手が止まらない中、遊輝は頭を下げる。その間に他のメンバーも楽器をスタッフさんに預けたりしてステージ裏へと下がって行った。

 

「すっげぇ・・・・【Brotherhood】を歌うなんて・・・・」

 

「あれは名曲中の名曲だよね。チラホラ泣いている人もいたよ」

 

「胸に打たれます・・・・最後のロングシャウトもしっかりとやってくれて・・・・」

 

確かに・・・・私はこの曲を始めて聴いたけどこんなに多くの人を感動させるなんて・・・

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

 

『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』

 

拍手が鳴り止まずにそのまま手拍子へと変わっていき、アンコールの大合唱が始まる。1分ほど続き、メンバーがステージ裏から戻ってきた。

 

『オオオオオ!!!!』

 

その姿に観客全員が驚いた。メンバー全員、アカデミアの制服を着ていた。アカデミアの制服を着たライブは2年前の文化祭もあったけど、あの時とは違い今回はキチンと着ていた。遊輝はギターを、レミさんはベースを手にして奏さんはマイクスタンドの前に立つ。

 

「アンコールありがとうございます」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「こうしてアカデミアの制服を着てライブに出るのは始めてだけど・・・・暑い!!!」

 

『ハハハハハ!!!!!』

 

「ほんっと、こんなところでYシャツとか着るもんじゃないわよ。それで、アンコール何ですが、私たちは学生バンドとしてずっと前から続けてきました。この学生バンドっていうのは私には特別なバンドだと思ってます。何故ならどれだけ長くてもこうして制服を着てバンド活動をするのは6年だけですから」

 

「その6年というのはバンドの活動ではすごく短い期間です。だからこそ、学生バンドはこの瞬間を大事に、そして輝きたいと思っています。そこで、アンコールではアニメで活躍した学生のガールズバンドの曲をやりたいと思います」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!

 

「えぇ・・・・まず最初、このバンドは本当にまだまだ発展途上なんですが、心秘めている思いは誰にも負けていないです。このバンドのヴォーカルは結成当時にこう言いました。『キラキラと輝く星の鼓動を音楽に表したい』っと、スタッフさ〜〜ん」

 

奏さんのMCの途中、奏さんがスタッフさんを呼ぶ。一人のスタッフさんが一本のギターを持ってやってきた。そのギターを受け取った奏さんは肩にベルトを回してギターを持つ。

 

『オオオオオ!!!』

 

そのギターを見て観客は歓声を上げた。奏さんが持ったそのギターは歪な星の形をした赤いギターだった。

 

「これ分かるの?」

 

『分かる!!!』

 

『香澄ちゃんのギター!!!』

 

「すごいね、本当に分かる人がいたわ(汗)」

 

『ハハハハハッ』

 

「これ、すごいお金かかったんだからね。今回のセットリストのために特注したんだから。せっかく、このバンドは歌うパートが分かれているので、私たちも歌うパートを分けてみようと・・・」

 

『オオオオオ!!』

 

「歌うよ、みんな歌うよ。レミもスバルも響も、普段はコーラスでしか参加しない人たちも」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「それじゃもうみんな分かるよね?今からやる学生ガールズバンド・・・・・【Poppin'party】!!!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

・・・・・♪♪♪〜〜〜

 

奏さんのMCが終わり、観客が声を上げたところでメインステージの照明が一度落とされてスクリーンに映像が映る。そこに写っていたのは5人の高校生くらいの少女達、浴衣姿を着て、屋台に群がる人混みから抜け出して、そこから裏道に入る。暗い暗い階段を駆け上がると古びた神社が見えて、5人はその神社の裏手に回る。

 

ヒュ〜〜〜〜・・・・ドーン!ドーン!

 

神社の裏手に回ると、花火が打ちあがっていた。誰もいない、5人だけのために打ち上げられたと思うような花火が鮮明に映っていた。

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

スクリーンの映像の花火の音に合わせて奏さんのアカペラが始まる。アカペラが終わるとギターとドラムの音が鮮烈に聞こえ、アンコールが始まった。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

 

22 夏のドーン! 【Poppin'Party】

 

23 Happy Happy Party! 【Poppin'Party】

 

24 前へススメ!【Poppin'Party】

 

25 キラキラだとか夢だとか〜sing girls〜 【Poppin'Party】

 

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

『イエエエエ!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!

 

「ありがとうございました!」

 

奏さんが頭を下げる。そしてギターとベースのメンバーが次の曲のために楽器を変えていく。

 

「それじゃ次の学生ガールズバンドを紹介するよ」

 

先にギターを変えた奏さん、今度はある意味普通のエレキギターを持っていた。

 

「このバンドを知っている人は絶対に多いよね。アニメソング史上、私たちの中では伝説と言ってもいいガールズバンド、このアニメが視聴されていた当時、軽音楽ブームまで引き起こし、数々のヒット曲を生み出したバンド・・・・・・【放課後ティータイム】」

 

『オオオオオ!!!!』

 

「緩い感じでどこか頼りないのに、音楽を奏でる5人の高校生と不思議と見とれてしまう。・・・・っていうところで紹介は終わって行くよ!!』

 

『オオオオオオオオ!!!!!』

 

♪♪!!♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

「3・2・1!!!」

 

♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

 

 

26 GO!GO!MANIAC 【放課後ティータイム】

 

27 ぴゅあぴゅあはーと 【放課後ティータイム】

 

28 ふわふわ時間 【放課後ティータイム】

 

29 Don't say "Lazy" 【放課後ティータイム】

 

 

♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「ありがとうございます!!」

 

奏さんが頭を下げる。放課後ティータイムの演奏になってからメンバーは楽器を変えずに演奏をしているためアンコールはスムーズに進んでいった。

 

「それでは最後の曲になります。放課後ティータイムの最後を飾り、今日のライブの最後に相応しい曲だと思います」

 

♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

30 天使にふれたよ 【放課後ティータイム】

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございました」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

最後の曲が終わり、奏さんが頭を下げる。スタッフさんにギターを預けて、残りの5人と一緒に前に出た。

 

「本日は本当にありがとうございました!明日もライブがあるから明日来る人は頑張って起きてね」

 

『アハハハ!!』

 

「それでは今日はどうもありがとうございました!!SECRETでした!!」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

奏さんがマイクで話した後、6人全員で手を繋ぎ万歳をした状態から下におろして頭を下げた。そして、6人はステージ裏へと下がっていった。




レミ「あっつい!!!」

響「あんな照明がバンバン当たるステージで制服なんか着たくないわね・・・」

霊夢「そんなに暑いの?」

遊輝「あのステージ用の照明はパワーが違うから当たるだけでも暑いんだよ。んで持ってYシャツっていうのがまた熱を貯めやすい素材でな・・・・」

魔理沙「へぇ〜、私には到底関係ない話だぜ」

レミ「でもまぁ・・・次の日のライブでようやくツアーが終わるよ。長かったわ・・・」

遊輝「というわけで次回、【最後の文化祭】。あまりにもデュエルの話が無いからなんかここで入れようとしているらしいぞ」

霊夢「次回もよろしくね」


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第187話 最後の文化祭

最強カードの紹介〜。

龍可「お久しぶりです」

この話の前の話のライブのセットリストを公開したらさ、Poppin'Party(通称、ポピパ)で反応する人が意外と多くてさ・・・」

龍可「確か放課後ティータイムで反応が多いって」

そう、知名度で言えば放課後ティータイムの方が圧倒的なんだけどな・・・放課後ティータイムって言ったのが不味かったのかな?「けいおん!」って言えば良かった?

龍可「アレじゃないの?ゲーム」

ああ、確かに俺もやっているよ〜って何回か前書きで言ったし・・・でもその時に付け加えて放課後ティータイムはそれ以上に凄いって感じの事を言ったんだけど。

龍可「ゲームをやっているからどうしてもそっちの方にいくんじゃないかしら?」

さあ?おかげで次のセットリスト困ってるんだよ・・・・
最強カードの紹介に行くよ!今回は深淵に潜む者!

龍可「ランク4のエクシーズモンスターで最強の墓地メタと呼ばれるモンスターね。正直、私このモンスター苦手・・・・」

ライトロードは墓地から発動する効果いっぱいあるからな。効果はエクシーズ素材に水属性があれば1枚につき500ポイントアップ、エクシーズ素材を取り除けばそのターン、相手は墓地からカード効果を発動できない。

龍可「自分のターンだけじゃなくて相手ターンにも発動できるこのカードは強いのよね・・・」

さすが再販されるまで1枚2000円近くしていたカード。

龍可「お金を言わないの・・・・第187話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

「眠いんだよ・・・寝かしてくれよ・・・」

 

「誰だって眠いんだよ。お前一人だけじゃ無いんだよ」

 

「しょうがないでしょ。ここで優勝報告しなくちゃいけないんだから」

 

「本来なら始業式の日にやるはずだったけど、私たちその時期はツアーだったからね」

 

非常に眠い目を擦りながら文句をグチグチと言っていても誰一人俺の味方をしてくれる人はいない。

今日からアカデミアの文化祭が始まる。初日の今日、開幕セレモニーを行うのだが何故かその舞台裏に呼ばれた俺たち。実はツアーの関係でまだアカデミアにWRGPの優勝報告をしておらず、この場で優勝報告をする羽目になった。おかげで超眠い。深夜の1時に寝て7時起きとか・・・・・あれ?割と普通・・・

とりあえず優勝したという証拠の優勝トロフィーを部室から持ってきた。

ここにいるのはチームSECRETのメンバー、つまり軽音部のメンバーに祈と恭輔もいる。

 

「わ、私たちが参加して良かったのでしょうか」

 

「別に良いじゃないか祈、ちゃんとチームの一人として頑張ってくれたし」

 

「僕はまぁ・・・・一応は出させてもらったのですが・・・・臨時みたいな感じで」

 

「良いじゃん良いじゃん!!恭輔っち大活躍だったんだし!!」

 

『それでは、開会宣言の前に本日は皆様にご報告をする生徒たちをお連れしました。皆さん、舞台の方へ』

 

開幕セレモニーの司会をしていた生徒会の一人がこっちを向いて話しかけてきた。それに呼ばれて俺たちは舞台袖から表に立つ。

 

『ワアアアア!!!』

 

舞台に立つと沢山のアカデミアの生徒が目に移る。まだお客さんは入れていないのでとりあえず眼に映るのはアカデミアの生徒だけだ。

 

『えぇこちら、チームSECRETの皆さんは我がアカデミア代表として第1回WRGPに参加して、見事初代チャンピオンチームになりました!!』

 

『ワアアアアア!!!!』

 

『おめでとう!!!』

 

『それではチームを代表しましてキャプテンの遠藤遊輝さんよりお話をお願いしたいと思います』

 

司会の生徒からマイクを受け取る。トロフィーをスバルに預けて一歩前に出る。

 

「えぇ、皆さんこんにちは」

 

『こんにちは!!』

 

「今日は朝早くからお集まりいただきありがとうございます。えぇと・・・・ご存知の通り、私たちのチーム、チームSECRETはWRGPに出場して見事優勝することができました」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

『おめでとう!!!』

 

優勝の一言を言った瞬間、生徒たちが割れんばかりの拍手とおめでとうの大合唱が聞こえてくる。

 

「アカデミア代表として恥ずかしくない成績を残そうと心に決めていましたが、優勝は正直出来すぎました。えぇ・・・これも皆さんの応援のおかげです。本当にありがとうございました」

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございました。以上でキャプテンの遠藤遊輝さんのお話を終わります』

 

フゥ・・・・何話そうかマジで悩んだけど何とかなった・・・・

 

『それではせっかくですので、WRGPチャンピオンチームのキャプテン、遠藤遊輝さんと誰かがデュエルをしていただきましょう」

 

「エッ!?」

 

突如、司会の口から台本にはないことを言いだして生徒たちが歓喜の声を上げている。

 

「うおおおいちょっと待て!?俺そんな話聞いてないよ!?」

 

「そりゃ、あんたしか知らないんだから」

 

「ハッ!?お前ら知っていたのか!?」

 

「すみません師匠・・・・ドッキリです」

 

「嫌なドッキリだな!!」

 

恭輔の申し訳なさそうな声を聞いて俺は声を荒げた。見たら他の奴らも祈以外はニヤニヤとしていた。こいつら、グルで俺を嵌めやがった!!

 

『それではアカデミア代表として、去年のアカデミアデュエル大会の優勝クラスで大将を務めました中等部1-1の龍可さん、お願いします』

 

「ウエエエエイ!?!?」

 

待て待て待て待て待て!?!?龍可が相手!?公開処刑じゃねぇか!!!

生徒たちの波を掻き分けて龍可がステージの上に上がってくる。その時になぜか一緒に龍亞もステージ前まで来ていたけど・・・・

 

「(あいつら龍可と戦うと知っていたから俺を嵌めやがったのか!?)」

 

だったら余計なタチが悪いドッキリだな!!あいつら、龍可とやりたくないだけじゃんか!!

 

「な、なんか・・・ごめんね遊輝、私も前日に言われて」

 

「いや・・・龍可は良いんだよ・・・・問題は何も教えてくれないあいつらが問題で・・・・」

 

俺がげんなりしている様子を見たせいか、何故か龍可が申し訳なさそうな顔をして謝ってきた。まぁもう・・・成り行きでやる羽目になったんだからやってみるだけやってみるか・・・

 

『それではお二人ともデュエル開始の宣言をお願いします!』

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「先行は・・・・俺!俺のターン!」

遊輝 手札 6枚

 

龍可相手に先行なんか譲りたくない。っていうか後攻も渡したくない・・・・・

 

「魔導書士バテルを召喚!」

 

魔導書士バテル 攻500

 

俺の目の前に青いローブを着た子供の魔法使いが現れる。その子が持っている魔導書が開いて、あるページで光始める。

 

「バテルは召喚成功時、デッキから《魔導書》魔法カードを手札に加える!グリモの魔導書を加えてそのまま発動!デッキから《魔導書》カードを手札に加える!ルドラの魔導書を加えて発動!バテルを墓地に送って2枚ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚→7枚

 

・・・・・よし、最高の展開だ!

 

「レフト・Pゾーン、ライト・Pゾーンに虹彩の魔術師2枚をセッティング!」

 

レフト、ライト、それぞれのPゾーンに2体の虹彩の魔術師がセッティングされる。

 

「速攻魔法、揺れる眼差し!互いのPゾーンのカードを全て破壊する!」

 

「!?じ、自分から破壊!?」

 

フィールドに竜巻が起こり、ペンデュラムゾーンの2体の虹彩の魔術師が破壊された。

 

「揺れる眼差しは破壊したカードの枚数によって効果を得る!1枚の時は相手に500ポイントのダメージ!」

 

「ぐっ!?」

 

龍可 LP 4000→3500

 

「2枚破壊した時はデッキからペンデュラムモンスターを手札に加える!慧眼の魔術師を手札に加えて、破壊された虹彩の魔術師の効果発動!デッキから《ペンデュラムグラフ》魔法・罠カードを1枚手札に加える!星霜のペンデュラムグラフと時空のペンデュラムグラフを手札に加える!」

 

遊輝 4枚→7枚

 

「て、手札が減ってない!?」

 

「永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを発動!ライト・Pゾーンに慧眼の魔術師、レフト・Pゾーンに賤竜の魔術師をセッティング!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!このカードを破壊してデッキから黒牙の魔術師をセッティング!星霜のペンデュラムグラフの効果!《魔術師》Pモンスターがフィールドから離れた場合、デッキから《魔術師》Pモンスターを手札に加える!調弦の魔術師を手札に加えて、ペンデュラム召喚!エクストラデッキから2体の虹彩の魔術師、手札から調弦の魔術師!」

 

虹彩の魔術師 攻1500 ×2

調弦の魔術師 攻0

 

「調弦の魔術師の効果発動!手札からペンデュラム召喚に成功した場合、デッキから《魔術師》Pモンスターを守備表示で特殊召喚する!紫毒の魔術師を特殊召喚!」

 

紫毒の魔術師 守2100

 

「Lv4の虹彩の魔術師2体でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星刻の魔術師!」

 

星刻の魔術師 攻2400

 

「星刻の魔術師の効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてデッキからEM ドクロバット・ジョーカーを手札に加える!」

 

星刻の魔術師 OVR 2→1

 

「さらにLv4の調弦の魔術師と紫毒の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!深淵に潜む者!」

 

深淵に潜む者 攻1700

 

「えっ!?そ、それはダメ!!」

 

深淵に潜む者を見て、龍可は慌て始める。深淵に潜む者は墓地から発動する効果を1ターンの間、全て無効にする効果がある。普段ならお遊びで出さないようにしているが、悪いが今回は別だ。俺にも優勝チームのキャプテンとしてのプライドがある。

 

「賤竜の魔術師のペンデュラム効果!エクストラデッキの表側の《魔術師》Pモンスターを手札に戻す!慧眼の魔術師を手札に戻して、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星刻の魔術師 攻2400

深淵に潜む者 攻1700

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

伏せカード 2枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:黒牙の魔術師 (スケール8)

青:賤竜の魔術師 (スケール2)

 

 

「わ、私のターン!ドロー!」

 

龍可 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ、深淵に潜む者の効果!オーバーレイ・ユニットを取り除いて、このターン相手は墓地からカード効果を使うことはできない!」

 

深淵に潜む者 OVR 2→1

 

深淵に潜む者のオーバーレイ・ユニットが一つ吸収され、龍可の墓地に自身の身体の一部を送りつけて龍可の墓地を見えないようにした。

 

「ううう・・・・・と、とりあえず魔法カード、隣の芝刈り!」

 

ほら見ろっ!!やっぱり危ないカードを入れていたよ!!

 

「私のデッキ枚数は54枚」

 

「・・・・・23枚だ」

 

「私のデッキ枚数を相手のデッキ枚数と同じにする!墓地に送るカードは31枚!」

 

おかしいだろ、31枚もデッキから墓地に送るとか普通ありえないから。

 

「(落ちたカードは凄く良いのに・・・・全部無効にされるよ!)魔法カード、光の援軍!デッキの上から3枚を墓地に送ってライトロード・アサシン ライデンを手札に!そして通常召喚!」

 

ライトロード・アサシン ライデン 攻1700

 

「ライデンの効果発動!デッキの上からカードを2枚墓地に送る!」

 

墓地に落ちたカード

・ソーラー・エクスチェンジ

・死者蘇生

 

「墓地に4種類以上の《ライトロード》が存在する場合、このカードを特殊召喚する!裁きの龍(ジャッジメント・ドラグーン)を特殊召喚!」

 

裁きの龍 攻3000

 

「そうはいくか!リバースカードオープン!永続罠、時空のペンデュラムグラフ!自分フィールドの《魔術師》Pモンスター1体とフィールドのカード1枚を破壊する!俺は賤竜の魔術師と裁きの龍を選択!さらにチェーンで星刻の魔術師の効果!《魔術師》PモンスターがモンスターゾーンまたはPゾーンから破壊される場合、代わりにデッキから魔法使い族モンスターを墓地に送ることで破壊されない!俺は魔導書士 バテルを選択!」

 

俺の後ろに無数の大砲みたいな物が現れて、一斉にレーザーが放たれる。対象になった裁きの龍と賤竜の魔術師が破壊されるが、賤竜の魔術師は星刻の魔術師の効果でバテルが盾になり、破壊から免れた。

 

「ぐぅ・・・」

 

「さらに時空のペンデュラムグラフのさらなる効果!この効果で2枚のカードが破壊されなかった場合、フィールドのカード1枚を墓地に送る!ライデンを選択!」

 

「さ、さらに墓地に!?」

 

賤竜の魔術師を破壊できなかった時空のペンデュラムグラフはさらなるレーザーを放ち、ライデンをも墓地送りにした。

 

「ぐぅ・・・・・墓地の光属性のエクリプス・ワイバーンと闇属性の混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)〜終焉の使者〜をゲームから除外して、カオス・ソルジャー〜開闢の使者〜を特殊召喚!」

 

カオス・ソルジャー 〜開闢の使者〜 攻3000

 

あっぶな!?そんなカードまで持っているのかよ!?なんで裁きの龍を後に出したかよく分かったわ!

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、神の通告!ライフを1500払ってカオス・ソルジャーの特殊召喚を無効にする!」

 

遊輝 LP 4000→2500

 

俺のライフをコストにして天空から雷が落ちて、カオス・ソルジャーが破壊される。なんかレミたちの視線が妙に冷たい気がするが気にしてられん。俺も恥をかいていられん。

 

「か、カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

龍可 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「スタンバイフェイズ、深淵に潜む者の効果とそれにチェーンで時空のペンデュラムグラフの効果発動!対象は黒牙の魔術師とその伏せカード!」

 

「チェーンで墓地の妖精伝姫(フェアリーテイル)ーシラユキの効果!墓地の魔法カード7枚をゲームから除外して守備表示で特殊召喚!」

妖精伝姫ーシラユキ 守1000

 

龍可の墓地にある7枚の魔法カードがゲームから除外されて墓地にいたシラユキがフィールドに現れる。

 

「時空のペンデュラムグラフの効果で黒牙の魔術師とその伏せカードを破壊!」

 

時空のペンデュラムグラフの効果で今度は黒牙の魔術師と龍可の伏せカードが破壊された。

 

「そして深淵に潜む者の効果でこのターン、龍可は墓地のカードの効果を発動できない!」

 

深淵に潜む者 OVR 1→0

 

「さらに破壊された黒牙の魔術師、永続魔法、星霜のペンデュラムグラフの効果!」

 

「こっちもシラユキの効果発動!星刻の魔術師を裏側守備表示に!」

 

シラユキが振り向いて尻尾をはらい、星刻の魔術師が裏側守備表示になる。

 

「星霜のペンデュラムグラフの効果で2枚目の慧眼の魔術師をサーチ!黒牙の魔術師は破壊された時、墓地から闇属性・魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する!虹彩の魔術師を特殊召喚!」

 

星霜のペンデュラムグラフの効果で手札に慧眼の魔術師が来て、破壊された黒牙の魔術師の効果で墓地から虹彩の魔術師が復活する。

 

「メインフェイズ、EM ドクロバット・ジョーカーを召喚!」

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果発動!デッキからEM ペンデュラム・マジシャンを加えて、さらに星刻の魔術師を反転召喚!効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて2枚目の調弦の魔術師を手札に加える!」

 

星刻の魔術師 OVR 1→0

 

「魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキからガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアア!!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

ガガガ・ゲットの効果によりデッキからダイヤが現れて手にしている鎖を振り回す。

 

「Lv4のEM ドクロバット・ジョーカーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体の魔法使い族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ランク4!Em トラピーズ・マジシャン!」

 

Em トラピーズ・マジシャン 攻2500

 

「トラピーズ・マジシャンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、星刻の魔術師を選択!このターン、選択したモンスターは2回攻撃ができる!バトル!深淵に潜む者でシラユキに攻撃!」

 

深淵に潜む者がシラユキに向かって突撃、シラユキはそのまま破壊される。

 

「星刻の魔術師とトラピーズ・マジシャンでダイレクトアタック!」

 

龍可 LP 4000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍可

 

 

『決まったあああ!!やはりWRGPチャンピオンチームのキャプテンは凄まじい強さだったああ!!!』

 

「あんた・・・・鬼でしょ」

 

「俺にだって色々と負けられない理由があるんだよ!!」

 

デュエル終了後にみんなから冷たい視線を突きつけられるがそんなこと気にしてられない。あんな所で負けたらそれこそ公開処刑だよ!

 

「しかもお前、ペンデュラム召喚してなかったからあれだけど、していたら地獄絵図だっただろ・・・」

 

「おっそろしいわ・・・・あの龍可ちゃん相手に手を抜いて完封して叩きのめしたんだから・・・・」

 

「彼女相手にやることじゃないわね」

 

「お前ら言いたい放題言いやがって!!誰だこの事秘密にしてたやつ!!なんだったらお前らがデュエルしろよ!!」

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

「こっち向けやお前ら!!」

 

あまりにも一方的な事を言ってくるので俺が代わりにやればみたいな事を言った途端、全員があさっての方向に向きやがった。こいつら、結局龍可とやりたくないから俺に押し付けただけじゃねえか!!

 

『以上を持ちまして報告の方を終わらせていただきます。みなさん、ありがとうございました。この後、生徒会長より開会の宣言をしていただきます』

 

司会の人に従って、龍可はステージから降りて俺たちはステージ裏へと下がっていった。




龍可「・・・・・あれは無理」

龍亞「ひっさびさに龍可がボロボロにやられるのを見たな」

恭輔「深淵に潜む者なんか出されたら龍可さんも祈さんも終わりですよ」

祈「ジェ、ジェムナイト・フュージョン帰ってこないのは辛いです・・・・・」

恭輔「最近墓地から発動する効果多いですからね。ただ、あれレア中のレアですから・・・」

龍亞「なかなか当たらないエクシーズモンスターの中でもあれはさらに当たらないモンスターなのがな・・・・」

龍可「次の話は文化祭初日、っと言っても軽音部はリハーサルとか劇の関係で初日と最終日は楽しめないのでそのままライブよ」

恭輔「【Live Fes in Poppin'star Final day 2】。次回もよろしくお願いします」


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第188話 Live Fes in Poppin'star Final day 2

セトリ悩みましたけど前々から考えていたセトリにします。ポピパがあんなに人気だとは正直思ってませんでした・・・・放課後ティータイム知らない人多くなったのかな?


遊輝 side

 

「ふむ・・・・・・結局こうするのね」

 

「その方が良いでしょう。今回は今まで以上にヴォーカル2人に重点置いた構成だからね。あんた達の負荷は重くなるけど、違う一面を見せられると思うわ」

 

「いいじゃん、やってやろうじゃんか」

 

「OK、じゃあ頼むよ」

 

控え室となっている軽音部の部室、そこで最終ミーティングが行われる。リハーサルは終わり、そのリハーサルでの反省点や気づいた点などを話し合う。今回はリーダーのレミと俺だ。スバルたちは先に解散している。リハーサル前にレミとミーティングをしていたので参加せず。

 

「あとはセトリの確認っと・・・・」

 

「う〜ん・・・・やっぱりこのセトリ不安なんだが」

 

「やってみなきゃ分からないよ。不評だったらこれから先やらなくていいし」

 

それもそうだな、何でもやってみないと分からないことだらけだし。まぁたまにやらなくても結果が見えることがあるけど・・・・

チラッとテーブルの上でデュエルをしていた奏と響の盤面を見る。

 

 

奏 手札 0枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

豊穣のアルテミス

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 5枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:解放のアリアドネ (スケール3)

青:なし

 

 

・・・・・先行1ターン目でパーミッションがやっちゃいけない展開だよ。ドロソ確保、カウンター罠のコストなし、伏せ5とかどうやって突破せいっていうんだよ。

 

「ド、ドロー!」

 

「カウンター罠、強烈なはたき落とし。アルテミスで1枚ドロー」

 

「は、ハーピィの「神の宣告。アリアドネの効果でノーコストで1枚ドロー」。ひょ、氷結界の紋しょ「輪廻のパーシアス。手札の神の通告を見せて、他はノーコスト。デッキから天空聖騎士パーシアスを特殊召喚、1枚ドロー」・・・・・・タ、ターンエンド」

 

「・・・・・地獄絵図」

 

ボソッと口にしたレミの言葉に思わず頷いてしまう。これ以上の地獄絵図なんてあるだろうか・・・・・いや、あるな。

 

「この新型パーミッション強いわね〜。今回はアースにお願いして代行者を抜いたけど、これだけでこんなに回るとは」

 

「笑顔で言うセリフじゃねぇよ」

 

恐ろしい・・・・今度から奏とやる時はお触れ3枚入れて先行を取らなくちゃ・・・

 

「そんなこと言ったってやっぱりアルテミスとかヴァルキリアとか引かないと大変だよ」

 

「納得いかない!!次遊輝!!」

 

「俺?まぁいいけど・・・・」

 

といってデッキケースに手をかける。ふうむ・・・・まぁ響にはまた地獄絵図を味わってもらうか。

 

 

〜〜(数分後)〜〜

 

 

遊輝 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,41泥眠魔獣バグースカ 攻2100

爆竜剣士イグニスターP 攻2850

星刻の魔術師 攻2400

竜巻竜 攻2100

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

時空のペンデュラムグラフ

【ペンデュラムゾーン】

赤:EM ギタートル

青:なし

 

 

 

響 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・さらに地獄絵図」

 

「えっ、さらに地獄絵図?やだな〜葵さん、これのどこが地獄絵図ですか〜?」

 

「気色悪いからその話し方やめて」

 

「わ、私・・・・何もしてない・・・・・何もしてない・・・・」

 

「違うぞ響、してないんじゃない。こっちがさせてないんだよ」

 

「ゲスいこと言わないであげなさいよ」

 

「奏、少なくともあんたが言う資格はない」

 

「ただいま〜。ストレッチ終わらせてきたぜ」

 

「軽く汗も流したし、先に着替えてくるわね」

 

ストレッチを終えたスバルと茜が部室に戻ってきた。そのまま荷物を置いて隣の試着部屋に行こうとする。

 

「・・・・・なんだこの盤面」

 

「残虐行為」

 

「残虐行為もここまで来たら行き過ぎだろ」

 

「なんだよ、言いたい放題言いやがって・・・・・んじゃあダイレクトアタック」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「あっ、響が固まった」

 

「そりゃ、あんなデュエルさせられたら誰だって固まるわよ」

 

失礼な奴だな、響みたいに固まらない奴の方がたくさんいるだろ。ギャアギャアと文句を言ったり泣いたりするやつがいるかもしれんが。

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

ガヤガヤガヤガヤ・・・・・・

 

「多くなってきた多くなってきた」

 

「いつもいつも思うのですがやっぱりこれだけのお客さんを集められるのはすごいですよね・・・」

 

文化祭初日、そして軽音部のライブ二日目。

文化祭初日の私たちの仕事は外回り、そのため朝から夕方まで校舎を一日中駆け回った。昨日のライブも重なって足はパンパンに腫れている。こういう時にパイプ椅子でも良いからあったらいいよね・・・アリーナ席は椅子がないから・・・

 

「なんか皆だらしないわね〜。柵にもたれかかったら倒れるからやめてくださいって注意書きされているでしょ」

 

「だって疲れたんだもん・・・・昨日のライブから今の今までずっと立ちっぱなしでさ・・・」

 

「さ、さすがに足にきてますね・・・」

 

「鍛え方が足りないわね〜、デュエリストなんでしょ?もっと身体を鍛えないと」

 

「アリアさんや軽音部の皆さんと比較しないでください・・・・」

 

『お待たせしました。LIVE FES in Poppin'starまもなく開演です』

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

会場にアナウンスの声が聞こえて観客が拍手をする。ステージ全体の照明が落ちて大きなスクリーンに映像が映し出される。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!』

 

スクリーンに流れたのは街の中にある一軒の小さなライブハウス、そのライブハウスがズームアップしていき、カメラが中に入っていく。ライブハウスの奥ではライブをやっていた。たくさんのお客さんの声援を受けて一組のバンドグループが演奏している。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!』

 

『(この感性・・・・この声・・・・・これが私が探し求めていた星の鼓動・・・・)』

 

観客席の一番奥、出口の扉の近くで昨日スクリーンに映っていた女性が学校の制服を着てライブを見ていた。その瞳はキラキラと輝いていた。

 

『(この鼓動をみんなに届けたい・・・・・あの場所に立ちたい!!!)』

 

その女性のその思いは私たちにも伝わった。やがてその女性は同じ学校の仲間たちを集めてバンドグループを結成した。5人がバラバラだった演奏は時には誰かを笑顔にし、時には厳しく指摘されたりした。しかし、5人は決してめげずについにライブハウスのステージに辿り着いた。

 

『(・・・・ここから始まる私の鼓動・・・・みんなに伝えるこの思い・・・・)』

 

正面の大スクリーンの左右にあるスクリーンに「10」の文字が点灯した。

 

『(伝えよう・・・・この星の鼓動を・・・・私たちの歌を!!!)』

 

『9!!8!!7!!6!!』

 

スクリーンの女性のセリフと同じタイミングでカウントがスタート、それに合わせて観客の大合唱が始まった。

 

『5!!4!!3!!2!!1!!0!!!!』

 

バーーーン!!!!!

 

♪・♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

0になった瞬間、メインステージに照明が一気に着いた。しかし、観客のほとんどメインステージに目を向けず中央のセンターステージ、もしくは画面のスクリーンに目を向けた。メインステージにいたのは奏さんと遊輝以外の4人だけ、奏さんと遊輝はセンターステージにいた。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ウッ!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

 

1 アラクレ 【B’z】

 

2 BLOWIN' 【B'z】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「イエエエエイエエエエ!!!!盛り上がっている!!」

 

『イエエエエ!!!!』

 

「まだまだ声出せるでしょ!?!?もっともっと身体が動くでしょ!!両手を天高く突き上げて!!行くよおおおお!!!」

 

♪♪♪・♪♪♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪・♪♪♪・♪♪♪〜〜〜

 

『バンザイ!!!』

 

♪♪♪・♪♪♪・♪♪♪〜〜〜

 

『バンザイ!!!』

 

♪♪♪・♪♪♪♪♪♪〜〜〜

 

「『バンザイ!!!!」』

 

♪♪♪・♪♪♪・♪♪♪〜〜〜

 

「バンザアアアアアアイ!!!!!」

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪〜

 

 

3 BANZAI 【B'z】

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『イエエエエエエ!!!!!』

3曲目が終わり、奏さんはマイクをマイクスタンドにはめる。

 

「こんばんは〜、今日はSECRETのライブに来てくれてありがとうございます!」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

『奏さ〜ん!!!』

 

「えぇ・・・Poppin'starの二日目は今までのセットリストと趣向を変えてみました。今までは色んなアーティストの曲を偏見なく聞いて欲しくて色々な曲を入れていましたが今日は特別です。私たちが自身を持って演奏できるアーティスト4組のみに絞り、そのアーティストのメジャーからマイナーな曲までを皆さんに聞いて欲しい・・・・っと」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございます。それじゃまぁ長く待たすのも悪いから・・・次の曲に行こう!!」

 

『イエエエエ!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜

 

「huuuu!!!」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!!』

 

「Wonderful Opportunityです!!」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

奏さんのMCから始まったこの曲、B'zは有名な曲しか知らない私からすれば何の曲か分からなかったけど、真っ先に恭輔とアリアお姉さんが反応した。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

4 Wonderful Opportunity 【B'z】

 

5 恋心 (KOI〜GOKORO) 【B'z】

 

6 STAY GREEN 〜未熟な旅は止まらない〜 【B'z】

 

7 ギリギリchop 【B'z】

 

8 ultra soul 【B'z】

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「ウルトラソウル!!」

 

『ハイッ!!』

 

♪♪♪〜〜〜!!!

 

『イエエエエ!!!!!』

 

『ultra soul』が終わり、観客からは拍手と喝采が巻き起こる。その間に照明が一度落ちてセンターステージの方でガヤガヤと音が聞こえて来た。

 

「ありがとうございます!」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「まずは一組目のアーティスト、B'zはこれで終わりにして次のアーティストに行こうと思います。そのアーティストの最初の数曲はセンターステージで歌おうかと・・・」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「えぇ・・・そのセンターステージ準備中なのでその間にメンバー紹介をするね。ドラム、遊城スバル!!」

 

パチパチパチパチ!!

 

「キーボード!!小野寺響!!」

 

パチパチパチパチ!!

 

「ギター&パーカッション!!栗城茜!!」

 

パチパチパチパチ!!

 

「ベース!!葵レミ!!」

 

パチパチパチパチ!!

 

「ギター&ヴォーカル!!遠藤遊輝!!」

 

パチパチパチパチ!!

 

「最後私、ヴォーカル&ギター、水野奏!!」

 

パチパチパチパチ!!!

 

『茜さ〜ん!!』

 

『奏さ〜ん!!』

 

「センターステージ出来た?・・・・それじゃ今からそっちに行くね」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

奏さんがマイクスタンドからマイクを外して先にセンターステージへと向かう。メンバーの皆は手を振ったり頭を下げたりしてセンターステージに向かう。茜さんはパーカッション、スバルさんと響さんはドラムとキーボードの前に行き、レミさんはエレキギターを、奏さんと遊輝はアコースティックギターを手にした。遊輝はそこからさらに首にハーモニカホルダーを回していた。

 

「えぇ・・・・さっきまでは盛り上がる曲を歌ったのでここではしっとりとした曲を歌います。あっ、あと、遊輝のウォーミングアップにも付き合ってね」

 

『ハハハハハ!!!!』

 

♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!』

 

スバルさんがバチでカウントを取り、遊輝のハーモニカから始まる。そのメロディを聞いて観客は歓声を上げた。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜

 

 

9 サヨナラバス 【ゆず】

 

10 嗚呼、青春の日々 【ゆず】

 

11 いつか 【ゆず】

 

12 友〜旅立ちの時〜 【ゆず】

 

13 栄光の架橋 【ゆず】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとうございました!!それじゃメインステージに戻るからちょっと待ってね!」

 

『栄光の架橋』が終わって観客が拍手を送る。センターステージではスタッフさんが出てきて慌ただしく楽器を片付ける。メンバーは真っ暗なメインステーキへと戻っていき、最後に奏さんがゆっくりと歩いていく。

 

「えぇ・・・・何の話をしようか・・・あぁそうだ。みんな今日の文化祭楽しんだ?」

 

『楽しかった!!』

 

「ありがとうね、私たちは今年の元旦からずっと活動し続けてね、WPGPもあったからほぼノンストップ状態だったわ。文化祭が終わったらこれでようやくゆっくりできる時間ができるわけよ。まぁ文化祭が終わるまではもう暫くバタバタしているけど」

 

『ハハハハハ』

 

「今年はバンドとして色んな意味で初めてが多い年だったわ。昨日の遊輝の続きになるけど今年は初めの年だったら次は飛躍の年になって・・・・行けたらいいな」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

「ありがとう。じゃあ準備も終わったみたいだし、次の曲行くわよ!!」

 

『イエエエエ!!!!』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

14 3カウント【ゆず】

 

15 Love&Peace 【ゆず】

 

16 夏色 【ゆず】

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「せええの!!!」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「ありがとうございます!!」

 

奏さんがマイクスタンドにマイクをはめて頭を下げる。照明が一度落ちて奏さんはスタッフさんからギターを受け取る。そして、遊輝がヴォーカルのマイクの前に立つ。

 

『遊輝さああん!!!』

 

「えぇ・・・それじゃ僕のターンということで、僕が自信を持ってお届けするアーティストはやっぱりこの人たちかなっと、まずはしっとりとバラードから。マイナーな曲ですが、ファンの間では名曲と言われるいい曲です」

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

ベースを担当しているレミさんが木の笛、尺八を使ってメロディを奏でる。そのメロディに遊輝の優しい歌声が乗るように会場に響き渡る。

 

♪♪♪〜〜〜

 

 

 

17 もっと 【Mr.Children】

 

18 花言葉 【Mr.Children】

 

19 Tommorw never knows 【Mr.Children】

 

20 everybody goes 〜秩序のない現代にドロップキック〜 【Mr.Children】

 

21 ランニングハイ 【Mr.Children】

 

22 幻聴 【Mr.Children】

 

23 エソラ 【Mr.Children】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!』

「ありがとうございます!!」

 

『エソラ』が終わって遊輝は挨拶をする。スタッフさんから青い花のギターを受け取ってマイクの位置を調整してピックを手にした。

 

「それでは本日最後の曲です」

 

『ええええ!!!!!』

 

「・・・・・あのさ、恒例行事みたいになってるけど、本当にこっち困るからね(汗)」

 

『もっとしてええ!!』

 

「・・・・・労働基準法のことについて一から話そうか?」

 

『ハハハハハ』

 

「まぁそれは置いといて・・・・・この曲に込められた思い、それは僕たちの長い長い旅は決して終わらないということです。昨日は友情をテーマにしましたが今日はその終わらない旅をテーマにしました。ずっとずっと続いて欲しいこの友情、この仲間との音楽、それと同時に僕らの先にあるのは果てしなく、地平線の先でも続いているような道です」

 

「起伏のある、曲がりくねった、時には平坦な道です。昨日の歌ではこの長い道は人それぞれ違うと歌いましたが、僕らは今、同じ共通の目的を持ってます。だからこそ、この果てしない道を一緒に歩いて行こう、そう決めました」

 

「僕らはたまたま、同じ道を歩むことになったのでこんな事を言えますがここにいる皆さんは昨日の『Brotherhood』と同じように一人でこの果てしない道を歩いて行くでしょう。そんなみんなに向けての応援歌です』

「1・2・3・4!!」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!』

 

スバルさんがバチでカウントを取り、遊輝がギターを弾く。そのメロディを聞いて観客は歓声を上げる。去年の文化祭でも歌った、しかしその時は奏さんが歌って遊輝は歌ってない。ミスチル好きの遊輝が歌う、名曲だ。

 

♪♪♪〜〜〜

 

 

24 終わりなき旅【Mr.Children】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「どうもありがとう!!SECRETでした!!」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪!!

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

『終わりなき旅』が終わり、ギターやベースを弾いていたレミさんや奏さん、茜さんはスタッフに預け、先に裏へと戻ったスバルさんと響さんに続いて行く。遊輝もギターを預けたあと、一歩前に出て頭を下げてからステージ裏へと下がっていった。

 

「何かこう・・・本当に毎回毎回が凄いライブになるんですのね」

 

「と、特に今回は凄いヴォーカルの二人を押していましたね・・・」

 

「あそこまで二人を押し出した構成は今までになかったし・・・そういう所で新たな一面かな」

 

『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』

 

メンバーがステージ裏に下がり、すぐにアンコールの大合唱。熱気が冷めやまらない会場の大合唱はいつにも増して大きく響いている感じがする。

 

『アンコール!!アンコール!!』

 

・・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

観客のアンコールに答えるようにステージのスクリーンに映像が流れ、BGMも同時に流れる。映像には開幕に流れていた5人の女性がいた。海岸線の夕焼け・・・・裸足でビーチを立ち尽くす5人はそれぞれ色々と他愛もない話をして、笑い合っていた。

 

『(・・・・・あの時感じた星の鼓動・・・・ライブをするだけじゃ足りなかった何かが今だと分かる・・・このみんなの笑顔、そして私たちの歌を聞いてくれるお客さんの笑顔、これが私が追い求めていた・・・・・・)」

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『オオオオオ!!!!』

 

スクリーンの映像とともにBGMがピアノの音に変わる。メインステージに照明が付いて、響さんのピアノソロが始まり、そのメロディに合わせて奏さんが歌い出した。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

 

25 笑顔 【いきものがかり】

 

26 sweet! sweet! music! 【いきものがかり】

 

27 気まぐれロマンティック 【いきものがかり】

 

28 青春ライン 【いきものがかり】

 

29 ブルーバード 【いきものがかり】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございました!!」

 

奏さんがマイクスタンド越しに挨拶をする。観客からの拍手が鳴り止むと口を開いた。

 

「それでは最後の曲になります・・・・・・私は遊輝ほど思いを込めた事を上手く言えませんが、この曲には時代の流れとともに生きている人たちへの応援歌です。いつ、どこにいても、この地球という場所に立っている限り、風が背中を押してくれる・・・・・・」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

奏さんのMCが終わると同時に奏さんが歌い始めた。アカペラによる歌声は会場に響き渡る。

 

♪♪♪〜〜〜

 

 

30 風が吹いている 【いきものがかり】

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

『ありがとうございました!!』

 

奏さんがマイクで挨拶をする。メンバー全員が楽器をスタッフさんに預けて奏さんの横に並んだ。

 

「今日はありがとうね!ツアーの最終日に相応しいライブができたよ!!」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

『ありがとう!!』

 

『最高だった!!』

 

「それじゃみんな、またね〜!!」

 

奏さんが頭を下げてメンバーも頭を下げる。私たちは拍手をしてそれに答える。頭を上げたメンバーはそのまま両手を振りゆっくりとステージ裏に・・・

 

「まだ終わんねぇぞ!!」

 

突然、ステージ裏へと下がろうとした遊輝がヴォーカルのマイクを持って大きく叫んだ。

 

「まだ終わんねぇぞ!!もう1曲だけあるんだ!!やらしてくれ!!」

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

遊輝の一言でメンバー全員が担当の楽器の前に戻った。茜さんと奏さんはエレキギター、レミさんはベース、遊輝はアコースティックギターを手にした。

 

「もう一曲、ツアー中に出来たオリジナル曲があるんだ!!」

 

『ワアアアアア!!!』

 

「ええとですね・・・・・この曲は奏と同様にツアー曲を書くようにレミに言われたんですが、なっかなか上手く行かなくて没になりかけたんです。そんである日、動画でたまたま久しぶりに見たとあるアニメを見たんです。そのアニメは今でもずっと続いているのですが、主人公の男の子とパートナーと言われる一匹の生物が色んな所に旅に出て武者修行するというのが本筋です」

 

「とある土地で仲間と一緒に旅をして、お別れの時には再開を誓い、また新たなる土地で新たなる仲間と出会う、そんな調子で続いていますが、主人公とパートナーはどこに行ってもずっとずっと、どこまでも一緒でした。それを見て僕は思いました。この二人の関係って僕たちにも関係があるんじゃないかなって・・・」

 

「僕たちSECRETはこの主人公とパートナーの関係を、そして土地で会う仲間というのはそこの場所に来てくれた皆さんとの一期一会の関係ではないかって・・・・そう思い、ツアー中に書き上げた、オリジナル曲です・・・・・・『風に吹かれ』」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

遊輝のアコースティックギターのみで始まったその曲、Aメロ、Bメロ、サビをアコースティックギターとキーボードのメロディだけで歌い、一番のサビが終わったところでドラムとエレキギターの音が入る。ゆったりとした風が吹くようなメロディだ。

 

 

『朝の日差しが差し込んだ 新たなる一日の始まり

眠い目をこすり 顔を洗って歯を磨く

小川のベースキャンプから 帽子を被り

相棒を肩に乗せて 旅立つ

 

ほどほどの練習をしながら のんびり気ままに過ごす毎日

君と一緒だから こんな時間をずっと過ごしていたい

 

雨に打たれ濡れて どこまでも

風に吹かれ揺れて ひらひらと

僕らの旅は続く どこまでも

風に吹かれ揺れて ふらふらと

 

しばらくぶりの街に 気分が高揚をして

ほったらかしにして はしゃぎまくる

不意に右肩に目を向けて いないことに気づいて 慌てて探し出した

 

それほどの付き合いなのに 長く感じる共に過ごした日々

拗ねている君を 慰めて不意に感じた

 

僕らは夢を目指す どうやって

風に尋ねられて 答えられない

そんなこといっても 分かりはしない

風に吹かれ揺れて また歩き出す

 

 

今までの良いことや嫌な事 落ち込んだ時もあったよね

そんな時でも 絆という大事な物は無くさずにいたんだ

 

長い旅は続く どこまでも

風に吹かれ揺れて ひたすらに

終わりのない旅は 大変だけど

風のように気ままに どこまでも 歩き続ける』

 

 

♪♪♪〜〜〜

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

「ありがとうございました!!」

 

最後のギターソロが終わって観客から最後と思われる拍手が送られる。今日、送った拍手よりも一番大きく。遊輝たちは楽器を預けて前に出る。

 

「今日は本当にありがとうございました!!最高のライブでした!!」

 

『ワアアアアア!!!!」

 

「せえの!!!」

 

『ありがとう!!』

 

バーーン!!!バーーン!!!

 

『オオオオオ!!!!』

 

「どうもありがとう!!」

 

最後に遊輝の掛け声で観客全員でありがとうと叫ぶとメインステージの後ろからたくさんの花火が打ち上げられた。




遊輝「終わった〜〜!!!」

レミ「私の肩の荷もようやく降りることができたよ!!」

スバル「3ヶ月半か・・・・・長かったな」

奏「体調管理が一番・・・喉痛めたら台無しだったし・・・」

響「しばらくは休もう!山行こう!!トレッキング!!」

茜「私仕事があるから」

遊輝「俺も奏の店のバイト」

レミ「お父さんの仕事の手伝い」

スバル「修理屋を再開しないとな・・・仕事が溜まりに溜まってる」

響「付き合い悪すぎる!」

遊輝「というわけで次は文化祭二日目、俺たち6人で色々と回ることになりました」

レミ「次回もよろしくね〜」


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第189話 文化祭巡り

最強カードの紹介〜。

ダイヤ「遅いですね」

いや・・・・ゼミ終わってゆっくりしすぎた。土日はあの天気の中、選挙のバイトしていたし。

ダイヤ「ああ・・・・1日拘束されますね」

キッツイよ・・・日給15000超えるけどさ・・・あんな大雨の中行きたくなかったよ。帰りなんか川が氾濫していつ電車が止まるか分からなかったし。

ダイヤ「ずぶ濡れでしたね」

あんな大雨の中、もう二度と外に出たくない。最強カードの紹介に行こう。今回はヴェルズ・オピオン。

ダイヤ「意外ですね。始めて紹介なんですね」

俺も、とっくに紹介していたと思ったよ。
ランク4の《ヴェルズ》の切り札モンスター、素材にはヴェルズモンスター2体必要だぞ。

ダイヤ「このカードにエクシーズ素材がある限り、お互いにLv5以上のモンスターを特殊召喚できません」

これがこのカード最大の強み、インゼクター時代とはいえ、シンクロがまだ頑張っていた時期に出たこのカードは最強のシンクロキラーとしてなっていたぞ。

ダイヤ「さらにエクシーズ素材を一つ取り除く事でデッキから《侵略の》と名のついた魔法または罠カード1枚を手札に加えます」

8割は侵略の汎発感染、残り2割は侵略の侵食感染を持ってくる。汎発感染をセットするだけでこのカードの制圧力は凄い上がるぞ!

ダイヤ「第189話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

・・・・ピピピ

 

「ん、んん・・・・・8時・・・ふわぉ・・・」

 

ピピピとうるさくなる目覚まし時計を止める。上半身を起き上がらせて無理矢理立ち上がる。

 

「ああねみぃ・・・昨日バカ騒ぎしすぎたなぁ・・・」

 

そう思いつつベッドから立ち上がる。

昨日は最終日ということもあってスタッフさんと派手に打ち上げをした。場所はもちろん軽音部の部室で、ただ・・・・・派手にやりすぎた。4時まで遊んでいるとは思ってもなかった・・・

 

「ふわぁ・・・・ああもう龍亞たちは家出たのか・・・・今日は自由行動だし集合時間も遅めだからな・・・・・食パン焼くか」

 

自分の部屋からリビングに出て誰もいないことに気づく。すでに龍亞と龍可はアカデミアに行って出し物の手伝い、アリアは仕事で出掛けていてこの家には俺しかいない。まぁかえってきたのは5時で全員寝ていたからな・・・冷蔵庫の中から食パンとジャムを取り出してトースターに食パンを乗せる。

 

「どうしようかな・・・・明日劇で今日は一日やることないし・・・結局あいつらと回ることになるのかな」

 

眠いから寝るという選択肢もあるがまた無断欠勤したら加藤先生に叱られるからな・・・・

 

「うう〜ん・・・とりあえず飯食って顔洗って支度してアカデミアに行くか・・・」

 

頭の中で適当に予定を組んで一人勝手に頷く。いつもは誰かが一緒なんだがこういう時は寂しいな・・・・チーンと言うトースターがリビングに鳴り響く。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「おはよう!!」

 

「騒ぐな・・・・頭に響く」

 

「今回は遊輝に一票、さすがに身体がキチィ・・・」

 

「元気出さないとダメだよ!」

 

「うるさい・・・・1時ごろに寝た奴が4時まで起きていた奴の気持ちがわかるか」

 

集合場所の部室で元気よく騒ぐ響、それ以外のみんなはそんな響の様子にげんなりとしている。昨日、真っ先に寝たのは響だ、しかも部室で。なので響は朝早くに家に帰ってシャワーと朝ごはんを食べて来たみたいだ。今頃スタッフさんたちは眠い目をこすりながら慌ただしく機材を直したりステージの撤去作業をしているだろう。申し訳ない気持ちだが、素人の俺たちが手を出しちゃいけないことなのでここはスルー。

 

「じゃあ今日は自由行動だし、色々と回ろうよ」

 

「じゃあ部室にこもって寝よう「「「「却下!!」」」」お、おう・・・」

 

「そんな引きこもりみたいな事をしたらせっかくの文化祭楽しめないじゃない!!」

 

「さっきの眠たいという意見には賛成だけど、それは反対だよ!」

 

え、えぇ・・・・眠いから寝るんじゃないのかよ・・・・

 

「とりあえずまずは射的行こう!!景品取りに行こう!!」

 

「いいじゃない。とりあえず行こう」

 

「そうだな」

 

ふわぁと欠伸をしながら話を聞き流す。まあ正直、文化祭を楽しみながら回ったことって3年目で初めてなんだよな・・・・1年目は・・・・黒歴史、2年目は・・・・忙しすぎて文化祭なんか回ってなかった・・・・

 

「じゃあまずは射的に行こう!」

 

ガラガラ〜と扉を開けて部室から出る。アカデミアの中でも一番外れにある部室、関係者以外立ち入り禁止にするのは簡単だけどその分メインの場所まで行くのにも時間がかかる。

 

「射的に金魚すくいにたこ焼き、綿菓子♪焼きそばに」

 

「おい、途中から食べ物だぞ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

パン!!パン!!パン!!

 

「はい残念、残念賞の駄菓子だよ」

 

「もう!!なんで当たらないの!?」

 

「構えからおかしいんだよ、構えから。前のめりなったら逆に当たんないぞ」

 

パン!!コトッ

 

「おお、おめでとう。景品の水筒だよ」

 

「サンキュー」

 

前のめりになって景品を落とそうとして失敗した響、その隣では普通に構えたスバルが小さめの水筒を撃ち抜いてゲットした。

 

「さてと・・・じゃあ俺はあのゲームカセットでも・・・・」

 

パン!!コトッ

 

「えっ?」

 

「ブイ!!」

 

弾を詰め込んで目玉商品の一つであるゲームカセットを狙おうとしたら俺の隣から放たれた弾が見事にカセットを撃ち抜いてコトッと落ちていった。隣の茜はVサインを上げている。

 

「おお!!見事!!」

 

「お、俺が狙っていた・・・」

 

「早い者勝ちだよ遊輝っち!っていうわけでこれ私の!!」

 

「やるぅ〜!!それ後でみんなでやろうね!」

 

盛り上がっている茜とレミに羨ましさを覚えつつ、目的の品が無くなった俺は駄菓子を撃ち落とした。

 

「ああ・・・一発も当たらなかった・・・次どこ行こう・・・」

 

射的が終わって廊下を歩いている。一発も当たらなかった響は明らかにテンションがガタ落ちしていてトボトボとしている。

 

「いくらなんでもテンション落ちすぎでしょ」

 

「さすがに一発も当たらないのは堪えるよう・・・なんか食べよう。食べて元気になりたい」

 

「食べるっつったて・・・・何食うんだ?」

 

この辺でやっている屋台だと・・・・・フランクフルトにカキ氷、チョコバナナくらい、昼飯というにはちょっと程遠い。

 

「食堂行こう食堂、やけ食いして気分を紛らわす」

 

「やけ食いは健康に悪いわよ」

 

「やってられないのよ!!」

 

「おおそこのSECRETのメンバー!今からビンゴ大会やるけどどうだ!!」

 

「なんだ?」

 

ダラダラと愚痴を言い続ける響、そこに何処からか俺たちを呼ぶ声が聞こえる。キョロキョロと辺りを見渡してハッピを着た男子生徒が一人いた。

 

「今からビンゴ大会やるんだ!参加費500円で豪華景品ゲットのチャンスだぜ!」

 

「ビンゴ大会、か・・・・やってみる?」

 

「いいじゃない!行こう行こう!」

 

「えぇ・・・ご飯食べよう」

 

「景品はレアカードから人気のB級グルメの調理セットまで色々あるよ」

 

「レアカード!?行く行く!!

 

「(子供かよ・・・・・)」

 

「(扱いやすくて助かるわね〜)」

 

先ほどとはテンションが180度代わり、元気マックスの響、そのまま男子生徒に誘導されて教室に入っていく。中に入った地点でビンゴカードを貰って、人の大群の後ろの方につく。前の方では台に乗った一人の女子生徒がメガホンを持っていた。

 

「それじゃビンゴ大会始めるわよ!まず最初は・・・・63番!」

 

「あっ、あったあった」

 

「私も」

 

「・・・・ないな・・・」

 

「一発目から簡単に当たらないわね」

 

「次行くわよ!!・・・・・21番!!」

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「あと1個・・・・あと1個・・・・」

 

「顔怖えぞ・・・」

 

隣でブツブツと呟き、雷様のような形相をしている響、正直、一人だけ空気感が違いすぎて周りが少し引いている。

 

「さあそろそろ一人目の当選者が出るんじゃないかな?つづいては・・・・1番!」

 

「あ〜!!違う!!11番なのに!!」

 

「あっ、ビンゴ」

 

「なにぃ!?」

 

先にビンゴしたのは響ではなくスバル、あいつこういう時でも強運発揮するんだな・・・

 

「おお!!ついに一人目が出たよ!!前に来てちょうだい!!」

 

司会の女子生徒に呼ばれスバルは人混みを掻き分けて前に出る。

 

「おお〜、一人目は軽音部のスバル君だね!さあここにある好きな商品を一つ選んでちょうだい!!」

 

「んん・・・そうだな・・・・じゃあっこれ!」

 

「おお!!今回の目玉のレアカードだね!!さすが!!」

 

「ああ・・・私のレアカード・・・」

 

「いつ、誰が響っちのレアカードって決まったのよ」

 

「それにあのカード、響のデッキにも入らないでしょ。かくいう私も入らないけど」

 

悲壮感漂わす響に茜とレミが色々と耳打ちする。まぁ・・・言っちゃ悪いがあのカード、正直俺も使わないし、スバルも使えないだろうな・・・・効果自体は強いんだがなんせランク5のエクシーズモンスターだし・・・

 

「さあどんどんと参りましょう!続いては29番!」

 

「当たったぜ!」

 

「やった!!私も!!」

 

「ああ・・・私の・・私の景品が・・・」

 

「だからお前のじゃないだろ」

 

スバルのビンゴをトリガーに周りの生徒たちも次々とビンゴしていく。その様子を見て響の悲壮感はより増していく。

 

「あっ、ビンゴ」

 

「もう!!何で私の周りの人たちばかりビンゴになるのよ!」

 

「そんな風に叫んでいると余計に運気下がるわよ」

 

「・・・・・あれ?響お前46番忘れているぞ」

 

「えっ?」

 

「46番は1個前に言っていたわね・・・・すでにビンゴ出来ているじゃない」

 

「え、えええええ!?!?」

 

「さて次は「待ってええ!!私ビンゴ!!ビンゴしているから!!」うえっ!?」

 

「・・・・・うるせぇやつだな・・・」

 

大慌てで前に飛び出る響を見てボソッと呟く。あそこまで行くと迷惑行為だな・・・

 

「残りは俺と茜だけど・・・・現状、俺リーチすらかかってない」

 

「私も1列しか・・・」

 

「まともな景品残ってないし・・・かといってこのまま引いたらなんかカッコ悪いし・・・」

 

「続いて・・・・・19番!」

 

「むぅ・・・・なかなか揃わない・・・・」

 

「俺も・・・・・」

 

この後、粘ってはみたものの結局、二人してビンゴを揃えることは出来ずにビンゴ大会は終わってしまった。

 

「あ〜あ、さすがにビンゴ無しは答えるわね〜」

 

「だな〜、まぁ最後の方はガラクタだったからいいか」

 

「負け惜しみ?」

 

「・・・・・誰が好き好んでしおりとかコインケースを欲しいと思う?せめて百均でもいいから財布だろ」

 

真面目にコインケースは使わない・・・・財布に全部入れるし、栞なんか俺使わない・・・・

 

「そろそろお昼ご飯出し食堂に行こう。今年は食堂に出したクラスはないから普通の食事ね」

 

「それじゃ去年が普通じゃないみたいじゃねぇか。真っ当なものを出していたぞ」

 

「1割ほどボッタクリメニューを作った奴が何を言っているのよ」

 

ボッタクリじゃねぇぞ。俺が作ったのは大食いファイターカモンなメニューであって、ちゃんと完食したらタダにしてあげたぞ。

 

「ゴタゴタ言ってないで食堂に行こう。もうそろそろいっぱいよ」

 

「ご飯ご飯〜〜♪今日はカツカレー〜」

 

「腹にガツンと来るものをよく食うな・・・・」

 

「ライブ明けはいっつもお腹空くから!」

 

「気持ちは分かるが・・・」

 

ライブ前は食いたくないけどライブ明けはめちゃくちゃ食いたいからな・・・・本物のアーティストならライブの練習中からすごい量を食べるって聞いていたけどあれ本当かな?そんな疑問は置いといて、食堂について適当に食べて午後の部へと回る。

 

「さて、後半なんだが・・・・」

 

「これ行ってみない?デュエル大会。今年は二日目になったんだし」

 

「おお、いいな!今年こそは出場してみたいぜ!」

 

デュエル大会か・・・・去年も一昨年も龍可のお供だったからな・・・・景品が海馬コーポレーションからのレアカードだから俺、出る意味無いけどまぁ観戦にはいいかな。

 

「じゃあ行こう!今年は出場して優勝するわよ!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ムッス〜〜〜〜」

 

「そんな顔していたらシワ出来るぞ」

 

「だって理不尽でしょ!!何!?何で出場出来ないの!?」

 

「向こう側だって優勝チームのメンバーをそう安安と出場させるわけにはいかないってことよ」

 

「あとはまぁ、単に定員オーバーだけど」

 

午後最初の項目としてデュエル大会に行ってみたけど、残り1人のみとなっていた。んでもって、WRGPを優勝した俺たちじゃ強すぎると言われて参加拒否をさせられた。よって残り一枠で出場したのはうちのメンバーで唯一、大会に参加しなかった茜が出ることになった。

 

「頑張れ茜〜!!優勝してレアカードかっさらいなさい!!」

 

「泥棒かよ」

 

「茜なら余裕だろ。今年の大会はそんな強者いねぇし」

 

「確かにそうね。高等部はあんまり出てないし、あの4人も出ていないし、茜ならオピオン出せばほとんど決まりね」

 

うんうんと頷く。茜のオピオンは未だにシンクロ召喚が主流のこの世界ではシンクロキラーとして刺さりまくっている。オピオン対策をしていなかったらガチで完封勝利を狙える。しかし、そんなオピオン対策をしているなんて普段から茜とデュエルしている俺たちか龍可たち、せいぜい同学年くらいだ。っというわけで・・・・

 

『さあ決勝に残ったのはこの2人!中等部3-1の栗城さんと高等部2-3の龍崎さんだ!!』

 

MCの紹介で観客が歓声を上げる。茜は無事にというべきか順調すぎるくらいに決勝まで勝ち上がった。

 

「対戦相手のデッキどう思う?」

 

「どうかな〜、結局シンクロ召喚に頼っちゃっているし茜が先行オピオンなんてしたら瞬殺だぞ」

 

決勝に残った方も割と強い相手なんだが結局シンクロ召喚に頼ってしまっているのでオピオンをなんとかしないとどうしようにもならない。さすがにこの大会で何度も見ているだろうから何かしら対策を立てているのだろうけど。

 

『それでは決勝戦!』

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

茜 LP 4000 龍崎 LP 4000

 

「私の先行!ドロー!」

 

茜 LP 4000

 

「闇の誘惑!カードを2枚ドローして、手札の闇属性モンスター、ヴェルズ・マンドラゴをゲームから除外する!レスキュー・ラビットを召喚!」

 

レスキュー・ラビット 攻300

 

はい、また来ました兎さん。お前やっぱ悪いことしかしないなを

 

「レスキュー・ラビットの効果発動!このカードをゲームから除外してデッキからヴェルズ・ヘリオロープ2体を特殊召喚!」

 

ヴェルズ・ヘリオロープ 攻1950

 

「Lv4のヴェルズ・ヘリオロープ2体でオーバーレイ!」

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!ヴェルズ・オピオン!」

 

ヴェルズ・オピオン 攻2550

 

ハイ出ました先行オピオン、茜の成功確率は異常すぎる。

 

「オピオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてデッキから《侵略の》と名のついた魔法か罠を1枚手札に加える!侵略の汎発感染を手札に加えて、カードを3枚伏せてターンエンド!」

 

 

茜 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

『この大会で猛威を振るまくっているオピオン!果たしてこのモンスターを突破できるのか!?』

 

「(心配しなくても俺にはあんなカード一瞬で破壊できる!)俺のターン!」

 

龍崎 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズ、永続罠、魔封じの芳香を発動!」

 

「なにっ!?」

 

「お互いのプレイヤーは魔法カードを発動する場合、一度伏せてから次のターン以降でしか発動できない!」

 

うわぁ・・・・オピオンに魔封じの芳香・・・・これ、まさか伏せカードに虚無空間とかねぇよな?あったら完勝なんだが・・・

 

「(くそッ!魔法カードが使えないのか!?)モンスターをセット!カードを4枚伏せてターンエンド!」

 

 

龍崎 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 4枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 4枚

 

「ヴェルズ・サンダーバードを召喚!」

 

ヴェルズ・サンダーバード 攻1650

 

「バトルフェイズ!ヴェルズ・サンダーバードで伏せモンスターを攻撃!」

 

「ぐうぅ!!」

 

伏せモンスター→ラヴァル炎湖畔の淑女

 

ヴェルズ・サンダーバードが裏側守備モンスターを攻撃、裏側守備モンスターは反転をしたがそのまま何もせずに破壊されてしまう。

 

「ヴェルズ・オピオンでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!次元幽閉!」

 

「チェーンでリバースカードオープン!速攻魔法、侵略の汎発感染!このターン、《ヴェルズ》モンスターはこのカード以外の魔法・罠の効果を受けない!さらにチェーンでヴェルズ・サンダーバードの効果発動!自身を次のターンのスタンバイフェイズまでゲームから除外する!」

 

相手が発動した次元幽閉は侵略の汎発感染によって効果を受けなくして、さらにサンダーバードは自身の効果でゲームから除外していった。

 

「バトル続行!オピオンでダイレクトアタック!」

 

「ぐうぅ!!」

 

龍崎 LP 4000→1450

 

「メインフェイズ2、カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

 

茜 手札 1枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヴェルズ・オピオン 攻2550

【魔法・罠ゾーン】

魔封じの芳香

伏せカード 2枚

 

 

「く、くそ・・・俺のターン!」

 

龍崎 手札 2枚

 

「スタンバイフェイズ、除外されたサンダーバードは帰ってきて、攻撃力は300ポイントアップする!」

 

ヴェルズ・サンダーバード 攻1650→1950

 

「(まだ何とかなる!)リバースカードオープン!炎熱伝導場!デッキから《ラヴァル》モンスター2体を墓地に送る!ラヴァルのマグマ砲兵とラヴァル炎火山の侍女を墓地に!さらに墓地に送られたラヴァル炎火山の侍女の効果!墓地に他の《ラヴァル》モンスターが存在する場合、デッキから《ラヴァル》モンスターを墓地に送る!2枚目の侍女を送り、効果発動!3枚目を送り、効果発動!ラヴァル・ランスロッドを墓地に送る!」

 

相手が発動した炎熱伝導場によって次々とラヴァルモンスターが墓地に送られていく。やっぱ【ラヴァル】って頭おかしいよな。1枚で墓地肥やしして1枚で一気に展開するんだから。

 

「(まずはあの伏せを除去だ!)墓地のラヴァル炎湖畔の淑女の効果発動!墓地のこのカードと侍女を除外してそのセットカードを破壊する!」

 

「でもそれって発動されたら意味がないのでしょ?リバースカードオープン!永続罠、虚無空間!!」

 

ああ!!!伏せてやがった!!

 

「このカードがフィールドにある限り、お互いに特殊召喚ができない!」

 

「なっ!?」

 

「ついでだからヴェルズ・サンダーバードの効果で自身を除外!」

 

発動される虚無空間、さらについでとばかりにサンダーバードもゲームから除外される。これがあるから今の茜とはやりたくないんだよな・・・・オピオン気にしていたら虚無空間とか張ってこっちの妨害をさらに固めてくるんだから・・・

 

「ぐっ・・・・モ、モンスターをセットしてターンエンド・・・」

 

 

龍崎 手札 1枚 LP 1450

【モンスターゾーン】

裏側守備モンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

茜 手札 6枚

 

「スタンバイフェイズにヴェルズ・サンダーバードは戻ってくる!バトルフェイズ!ヴェルズ・サンダーバードで裏側守備モンスターを攻撃!」

 

裏側守備モンスター→ラヴァル・キャノン

 

「これで終わりよ!ヴェルズ・オピオンでダイレクトアタック!」

 

「うわあああ!!!!」

 

龍崎 LP 1450→0

 

WIN 茜 LOS 龍崎

 

 

『決着!!今年の優勝者は中等部3-1の栗城茜さん!!』

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

「無難ね」

 

「そうだな」

 

全くもって危なげなく優勝したな。最後の最後でオピオン+魔封じ+虚無空間というほぼ鉄壁に近い場を固めることができたし。

 

『優勝者の栗城さんには優勝商品としてこのカードを贈呈いたします!!』

 

司会者から優勝商品となるカードを受け取り、茜は嬉しそうな表情をした。そのままトントン拍子でデュエル大会は終了、裏側の出口から茜を待つ。

 

「おまたせ〜」

 

「優勝おめでとう!」

 

「本当良かった!優勝出来なかったらどうしようだったもん!」

 

「何でそんなプレッシャー感じていたんだよ」

 

「一応これでもWRGPの優勝メンバーの一員なんだから下手なデュエルは出来ないよ!」

 

そんな事誰も気にしてないと思うけどなぁ・・・どっちかというとみんな、オピオン強いなって反応が多かったと思う。

 

「このカード、私使えないから御守りとして大事にしておくよ」

 

「次どこ行く〜?」

 

「・・・・そういえば龍可ちゃんのクラス行ってないわね」

 

「ああ、確かに。今年は出し物出しているんだね」

 

そう言えば何だかんだで龍可たちのクラスに行ってなかったな・・・・何の出し物しているんだろう・・・

 

「じゃあ行ってみようぜ」

 

「そうだね!行こう行こう!」

 

次の目的地も決まり、次の演目が始まっている会場を後にする。運動場から校舎の方に入り、そのまま中等部が普段使っている校舎練に。

 

「何してるのかな〜、食べ物屋?」

 

「食べ物ではないでしょう。それだったら食材とか買い付けないといけないのに、あのクラスそんな噂聞いてないわよ」

 

「何だろうなぁ・・・・・スーパーボールすくい?」

 

「それはそれでショボいなぁ・・・・」

 

あーだこーだとみんなで言いながら龍可たちのクラスに到着、中に入ると小規模の屋台が沢山あった。

 

「何これ?」

 

「色んな屋台があるけど・・・・何だろう?」

 

「あっ、龍亞君よ」

 

「おおい!!こっちこっち!!」

 

奏が龍亞がいる屋台を見つけて、そっちの方に行く。ここは・・・・・輪投げか。

 

「いらっしゃ〜い!1回100円ね!」

 

「それよりこのクラスは何やってるのよ?色々とやっているようだけど」

 

「クラスのみんながやりたいお店多かったから、『それだったら全部やればいいじゃん』って誰かが言ってそれが採用された」

 

「・・・・・何それ」

 

何かこう・・・・・パッとしないな。一つに絞ってやらないとこんな風に中途半端な感じになるぞ。

 

「他のみんなは?」

 

「祈と龍可は休憩中、恭輔は外で客引き」

 

「そりゃ他の3人を見かけないわけだ」

 

「頼むからやってよ〜、輪投げの売り上げ少ないからさ〜」

 

「そもそもこんな風にやって売り上げ良いの?」

 

「そこそこ稼いでいるよ。だから輪投げしていってよ〜」

 

「繋がってない繋がってない。どこに輪投げをする理由があるのよ」

 

「まぁいいじゃねぇか。一人100円だろ?」

 

「そう!5回投げて、ポールに入ったら景品ゲット。色によって景品が変わるから注意してね」

 

財布から100円玉1枚を取り出して龍亞に渡す。龍亞はお金を受け取って缶に入れた後、5本の綱で出来た小さな輪をくれた。目の先には色々な色をつけたポールがある。

 

「そっれ!」

 

輪を一つ、ポール目掛けて投げる。見事に外れて全く違うところに飛んでいった。

 

「あ〜あ・・・・」

 

「ノーコンね。なんてところに投げれているのよ」

 

「うるせぇよ。そりゃ!」

 

後ろからのガヤを無視してまた輪を投げる。




遊輝「結局一つも入らなかった・・・・」

レミ「情けないわね〜」←駄菓子を手に入れた。

スバル「あれくらい簡単だろ」←ミニカーと駄菓子

遊輝「クッソ・・・ぐうの音も出ねぇ・・・」

響「私も大会出たなかったな〜、1年も2年も出れなかったから今年こそとは思ったのに」

奏「出て優勝しても貰ったカードはどうしようにもできないでしょ」

茜「私もこのカードはお守りね。使い道ないわ」

レミ「っというわけで次回、みなさんお待たせしました!いよいよ『ごちうさ』の創作劇が始まります!」

スバル「『文化祭の劇 『ご注文はうさぎですか?』』。次回もよろしく!」


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第190話 文化祭の劇 『ご注文はうさぎですか?』前編

・・・・・なんか思っていたよりも長くなった(汗)。というわけでまさかの前後編の二部構成です。どうしてこうなった・・・・・

劇が始まりますと地の分は少なめです。あくまでこれは劇ですので。
台本書きは悩みましたが、やめておきます。
時間的には多分30分ギリないくらいですかね?文化祭の劇ですし、1時間も取ってられません。
参考にしたのはモカさんがラビットハウスに始めて来たお話を簡略化したお話です。あれが私的には一番ごちうさらしさがあると思ったからです。


えっ?他の服の着替えはないかって?考えてみてくださいよ。普通の劇で着替えなんてありませんよ。どこかの某アイドルグループみたいな早着替えなんてしません。


キャスト及びスタッフ


保登心愛(ココア)・・・・・小野寺響
香風智乃(チノ)・・・・・・遠藤遊輝
天々座理世(リゼ)・・・・・水野奏
宇治松千夜(千夜)・・・・・栗城茜
桐間紗路(シャロ)・・・・・葵レミ

条河麻耶(マヤ)・・・・・・美穂
奈津恵(メグ)・・・・・・・京子

青山ブルーマウンテン・・・彩
保登モカ・・・・・・・・・琴音

香風タカヒロ・・・・・・・遊城スバル

ティッピー(声当て)・・・・男子生徒


大道具・・・・・・・・・・男子生徒たち
小道具・・・・・・・・・・女子生徒たち
音響・・・・・・・・・・・男子生徒・女子生徒
照明・・・・・・・・・・・男子生徒・女子生徒

衣装提供&アーティスト・・アリア・リューベック

台本&総監督・・・・・・・彩



OP:Daydream café(Petit Rabbit's)
ED:ときめきポポロン(チマメ隊)


遊輝 side

 

「ピンマイク大丈夫!?」

 

「おいこの小道具どこに置いておくんだ!?」

 

「バカ!!そんな所にそんな物を置かないでよ!!」

 

「ふわぁ・・・いよいよだね・・・・」

 

ガヤガヤガヤガヤと舞台裏が慌ただしくなっている。あるものは板状のものをセッティング、あるものは机やテーブルなどを端に寄せて準備、またあるものは台本を見てセリフを確認している。

白いブラウスの上にピンクの袖なしベスト、胸に赤のリボンをつけて黒のスカートを履いた薄ピンクの髪の色をしたココア役の響がそんな様子に声をあげる。

 

「な、なんか・・・・大会やライブよりも緊張してきた・・・」

 

「奏〜、固くなりすぎよ。別に失敗して良いんだから。みんなに見てもらう劇なんだし」

 

響の隣には響と色違いのお揃いの衣装、ピンクのベストが紫、胸リボンが紫の紫の長髪のリゼ役、奏がガッチガチに緊張していた。それを見て、監督も兼ねている彩が肩を揉み、緊張をほぐす。奥から着替えが終わったレミや茜、スバルに京子と美穂がやって来る。

 

「お待たせ〜、着替え終わったよ」

 

「これでダンスってきついよ」

 

「まぁまぁ・・・・早着替えするよりマシだろ」

 

「そうなんだけどさ・・・・」

 

「チノちゃんはどう?」

 

響がこっちに振り向いて俺の頭の上に乗っているティッピーの人形を撫でながらそう言ってくる。何故かカチンと来たので少しチノっぽく返そう。

 

「ココアさん、いい加減真面目に働いてください。ココアさんなんて嫌いです」

 

「ヴェエエエエアアア!!!!チノちゃんに嫌われた!!」

 

「大丈夫だよココアちゃん、チノちゃんはココアちゃんのことが好きで注意しているのよ。だからもっとチノちゃんに振り向かせるために声をかけるのよ。『チノちゃん、もっと私のことを抱きしめていいんだよ』って」

 

「それだと逆効果にならないか?」

 

「せんぱ〜い、私この後の展開がよそうできるのですが・・・・」

 

「あんたたち絶好調ね〜。こんな時でもキャラになりきれるなんて」

 

「その自信はどこから湧いてくるんだ・・・・」

 

「まもなく本番です!!配置についてください!!」

 

「は〜い!!!」

 

タイム管理を担当している生徒会の生徒が俺たちに声をかける。その声を聞いた後に響が返事をして響を真ん中に俺とレミ、奏と茜が響を囲むように配置につく。

 

 

遊輝 side out

 

 

No side

 

文化祭最終日、この日もアカデミアのホールは大盛況である。ガヤガヤと雑音が入る鳴り響く中、観客は劇が始まるまで今か今かと待っている。

例年、文化祭で行われる劇は中等部の3年と高等部の3年がやっており、この日も午前中に高等部の一クラスが劇を行なった。そして、次が最終のクラスとなる。最後の公演も相まって、さらに、今年の最終公演はアカデミアの生徒たちの間ですでに話題を呼び起こし、ホールには入りきれないほどの外部からの人たちやアカデミアの生徒たちが入ってきている。

 

『お待たせしました。14時開始、中等部3-1による劇、『ご注文はうさぎですか?』、まもなく開演いたします』

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

ウィーーン

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

舞台の幕が機械音を立てながらゆっくりと上がっていく。ステージには舞台セットが立てられて、5人の少女がピンクの髪をした少女を中心に配置に付いていた。ピンクの髪をした少女の両隣に水色の髪をした少女と紫色の髪の少女が並んでいる。3人の服は色違いという点を除いてお揃いの制服だ。中央から見て右側で膝をついているのはロップイヤーをしたメイド服を着た黄色の髪をした少女、その反対側には和服を着た綺麗な黒髪の少女が同じく膝をついている。

 

・・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

ホールの壁についている大型のオーディオから歌が流れ始め、その歌に合わせてステージ上の5人の少女が歌い、踊り始めた。観客は歓声を上げ思い思いに叫んでいる。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「みんな!こんにちは!!」

 

『こんにちは!!!』

 

歌が終わりかけたところでピンク色の髪をした少女が一人前に出る。

 

「私はココア!高校入学の時にこの木組みの家と石畳の街に引っ越してきたの!」

 

『ココアちゃ〜ん!!』

 

「ここは喫茶店ラビットハウス!私が下宿しているところよ!今日はこの町に来てから出来た私の大切なお友達を紹介するね!まずはこの子!!この子はチノちゃん!」

 

『チノちゃん!!』

 

「チノちゃんはこのお店のマスターの一人娘で、そして私の大事な可愛い妹!」

 

「妹じゃないです。だいたい、ココアさんはいつもいつも私のことを妹と言いふらして、私がそれを訂正しているのですよ。少しは・・・」

 

「それでチノちゃんの頭の上に乗っているこのモフモフとしたもの!ラビットハウスの看板うさぎのティッピー!」

 

「ココアさん、私の話を聞いていますか?これに懲りて無駄な話を広めないでください」

 

「続いてリゼちゃん!」

 

『リゼちゃ〜ん!!!』

 

「リゼちゃんは私よりも先にラビットハウスでアルバイトしているちょっと変わった女の子なの!」

 

「か、変わってなんかない!私は至って普通の女子高校生だ!」

 

「普通の女子高校生がハンドガンとかナイフとか持ってないよね?」

 

「えっ!?持ってないのか!?」

 

「その反応自体が普通の女子高生生じゃないんだよ。そのお隣は千夜ちゃん!」

 

『千夜ちゃ〜ん!!』

 

「千夜ちゃんは私と同じ高校のクラスメイトで甘味処、甘兎庵の看板娘として働いているの!そして私とは凄く気が合うの!」

 

「ココアちゃんと同じクラスで本当に良かったわ。ココアちゃんがいなければ私、私・・・・・生きていけない!!」

 

「ココアがいないだけで大袈裟すぎるでしょ!!」

 

「そんな千夜ちゃんの特技は新商品の商品名を考えることと〜〜!!」

 

「ハッ、ホッ、お盆三刀流よ〜」

 

『おおおお!!!』

 

「何であんたはいつもいつもそんな危ない運び方をするのよ!!しかも一番悲惨な事になるカキ氷を頭の上に乗せるなんて!!」

 

「さっきから千夜ちゃんに対して叫んでいるこの子はシャロちゃん!」

 

『シャロちゃ〜ん!!』

 

「千夜ちゃんと昔からの幼馴染で甘兎庵のお隣にある倉庫で住んでいるの!」

 

「倉庫じゃないわよ!私の家よ!」

 

「普段は紅茶を扱っているフルール・ド・ラパンに働いているの。シャロちゃんはリゼちゃんと同じ高校に特待生として通っている秀才よ!」

 

「チノ〜!!遊びに来たよ〜!!」

 

「お邪魔しま〜す!!」

 

「マヤさん、メグさん、いらっしゃいませ」

 

ステージ5人の紹介が終わったところでステージ袖から学校の制服のようなものを着て、ランドセルを背負った二人組みの女の子がやってきた。一人は赤色の長髪、もう一人は青色に近い髪をした女の子だ。

 

「この子たちはマヤちゃんとメグちゃん!チノちゃんのお友達だよ!」

 

「チマメ隊、久しぶりだな」

 

「マスター、ブルーマウンテンをお願いします」

 

「やあ青山くん、今日もネタ詰まりなのかね?」

 

「そうなのです〜、凛ちゃんから逃げてきました〜」

 

先ほどの少女2人と同じステージ袖から今度はロングワンピースを着て、袖に原稿用紙を挟んだスラリとした女性が現れる。反対側のステージ袖からはYシャツを着てスーツのズボンを履いた男性が現れて、お客さんの接客を始めた。

 

「この人は青山さん!有名な小説家でラビットハウスの常連さんだよ!そしてこの人がチノさんのお父さん!ダンディな声で普段は夜にバーをやっているんだ!」

 

「ココアさん、そんなところで遊んでないで早く仕事に戻ってください」

 

「じゃあココアちゃん、私は甘兎庵に戻るわね」

 

「私もバイトに戻るわ。そろそろ休憩時間が終わるから」

 

「チノ〜!私たちも手伝ってあげる!」

 

「いえ、大丈夫です。今は余裕がありますし、もうすぐ店仕舞いですから」

 

「じゃあ遊ぼう〜!また私のレベルアップを」

 

『ヒィエエ〜〜』

 

「ティッピーは魔物じゃないです」

 

「相変わらずだな、マヤは」

 

「じゃあマヤちゃん!私と遊ぼう!」

 

「ココアさんは仕事をしてください」

 

「じゃあココア!今からかくれんぼしようぜ!チノもリゼも一緒に!」

 

「私もか!?」

 

「マ、マヤさん、あまりお店で遊ばれても」

 

「構わないさ。今日は青山くんで最後のお客様だから」

 

「お父さん・・・・・すみません」

 

「リゼもかくれんぼやろうぜ!」

 

「そうだな・・・・ひさびさに楽しむか」

 

「あらあら〜、じゃあ私も『お前はさっさと仕事をしろ』!?い、今、マスターの声が!?」

 

「どうしたのかな青山くん?」

 

「い、今、確かにマスターの声が?」

 

「きっと天国から見ているのでしょう。このブルーマウンテンを飲んで仕事を頑張ってください」

 

「は、はい〜」

 

「チノちゃんチノちゃん」

 

「何ですかココアさん?」

 

「エヘヘ、チノちゃんだ〜いすき!!」

 

デレッデレのココアはチノにギューと抱きつく。いつもいつもやられていて、チノはついポロっと毒を吐いた。

 

「・・・・・ココアさんなんて嫌いです」

 

「ヴェエエエアアア!!!!!チノちゃんに嫌われた!!」

 

チノの毒づいた言葉にショックを隠しきれないココア、そのまま倒れてしまい魂が抜けてしまう。

 

「お、おいココア!?しっかりしろ!!」

 

「大変だよメグ!ココアが死んじゃったよ!」

 

「多分、死んではいないじゃないんかな〜」

 

「全く・・・・いつもいつも賑やかで、少しは静かにならないのですかね、お爺ちゃん」

 

『ホッホッ、だが楽しくていい。ワシが生きている間では考えられないくらいじゃ」

 

「・・・・・本当に、しょうがないココアさんです」

 

こうして、ココアが来てからのラビットハウスは毎日が賑やかでいた。そんな日の夜・・・・・

 

 

「今日も一日楽しかったな〜。明日も楽しい一日になるといいなぁ〜、ん?何だろう」

 

今日一日の出来事が終わり、部屋に戻るココア。机の上には1つの封筒があった。それを手に取り、差出人を確認する。

 

「わぁ!!お姉ちゃんからだ!!お姉ちゃん元気にしているかな〜〜?・・・・・・ん?んん?・・・・・・」

 

ココアは自分の部屋に置かれている手紙を見て大きく目を見開く。そして翌日の朝・・・・

 

・・・チュンチュン

 

「ココアさん、いつまで寝ているのですか?起きてください。春休みだからって寝坊はいけませんよ。・・・・・あれ?」

 

チノは朝早くから寝坊しているココアを起こすため、布団を揺さぶり、取り上げる。しかしその中にはココアの姿は無く、ぬいぐるみが置かれていた。

 

「ぬ、ぬいぐるみ!?じゃ、じゃあココアさんは!?」

 

「おはようチノちゃん・・・・」

 

突如、扉の方から声が聞こえたチノはバッと振り向く。そこには制服にエプロン姿のココアが立っていた・・・・・・・焦げたステーキが載っているお皿を持って。

 

「朝食が冷めちゃうよ?」

 

「い、いつもと違う!?!?・・・・でも焦げてる・・・・」

 

 

 

 

 

「ココアの様子が変?」

 

「はい・・・・」

 

その日の午前中のラビットハウス・・・・バイトに来たリゼにチノは耳打ちで今朝の出来事を話す。それを聞いたリゼはチラッとココアの方を振り向く。

 

「・・・・・・・・・」

 

無言で窓拭きをしているココア、動きが俊敏である。

 

「確かにいつもよりキレがあるな・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

「ティッピーの撫で方も機敏だ」

 

「ティッピーを撫でることは変わらないのですね」

 

「すみませ〜ん、またブルーマウン「1名様ですね。お席はこちらです」あら〜?」

 

「客の招き方も機敏だ!」

 

「違うお店みたいですからやめてください」

 

「それにしても・・・・・あんなココアは初めてだ・・・・・もしかして偽物?」

 

「まさか・・・・・あっ、髪の分け目がいつもと逆・・・・」

 

「本当だ・・・やっぱりあいつは偽物か?」

 

「だからなぜその発想に思い浮かぶのですか?」

 

「よし、あのココアが本物かどうか確かめてみよう!チノ!こっちに来てくれ!」

 

「?」

 

リゼはチノを呼び、ラビットハウスの裏側に連れ込む。数分後、頭にティッピー、さらには沢山のうさぎのぬいぐるみと一緒に縛られたチノがリゼに連れられて戻って来た。

 

「本物ならこうすれば抱きついてくるはずだ」

 

「何で私を・・・・」

 

「どうだココア!!これなら」

 

ココアはチノの姿を見て身体を震わせる。だが両手で目を覆いそっぽ向いた。

 

「ま、真面目に仕事しなきゃダメだよ!!」

 

「・・・・何故か分かりませんがすごく悔しいです」

 

「地味にショックだな」

 

ココアに無視されてプゥ〜と頬を膨らませるチノと反応が違って困惑気味のリゼ。結局、どうすることもできずにそのまま放っておくことにした。

 

「仕事熱心なのは構わないが・・・・気を張りすぎて熱を出さなきゃいいけ(ムギュッ)ん?」

 

何かを踏んだと足元を見るリゼ、そこには倒れ込んでいるココアの姿がいた。

 

「言ったそばから!!」

 

「だ、大丈夫ですかココアさん!?」

 

「大丈夫かココア!?一体何があってこんなになるまで!?」

 

「お、おね・・・」

 

「何だって!?」

 

「お、お姉ちゃんが・・・・明後日来るんだ・・・・(ガクッ)」

 

「「それとどう関係が!?」」

 

とりあえず倒れたココアをリゼは肩を貸して椅子に座らせて、チノはビニール袋に氷を入れて手渡す。そしてココアはこれまでの経緯を2人に語った。

 

「つまり、明後日来る姉に良いところをしっかりしているところを見せたかったのか」

 

「そうだよ」

 

「ココアさんのお姉さんって厳しい方なのですか?」

 

「そんなことないよ!!すっごく優しいお姉さんだよ!!お兄ちゃんも二人いるんだけど躾けて従えている姿がカッコ良かったんだ〜」

 

「調教師か・・・・・うん?」

 

ココアの話を聞いたリゼはなぜかカタカタと震えているぬいぐるみと一緒に縛られたチノの方に振り向く。

 

「ちょ、調教・・・・私これ以上何されるんですか・・・・?」

 

「怯えてしまった!?ってか解くの忘れてた!!」

 

慌ててリゼはチノを解き、そしてココアのことについて考え始める。

 

「・・・よし、私もココアに協力しよう!」

 

「ありがとうリゼちゃん!!」

 

「しかし兄弟がいるのは羨ましいなぁ・・・私は一人っ子だから・・・」

 

「リゼちゃん・・・・だったらリゼちゃんもチノちゃんと一緒に私の妹だって紹介するね!!」

 

「普通に友達でいい。とりあえずみんなに来てもらって相談しよう」

 

抱きついてくるココアの頭にチョップするリゼ、そして携帯で知り合いにラビットハウスに来てもらうようにメールを送った。数分後、ゼェゼェと息を吐く千夜と落ち着いた様子のシャロが来た。

 

「ゼェ・・・ゼェ・・・・コ、ココアちゃんに何があったの!?」

 

「落ち着きなさいよ千夜、まずは息を整えなさい」

 

「二人ともすまない。実は・・・・・・」

 

「お姉ちゃん修行?」

 

「つまりココアはお姉ちゃんにしっかりしているところを見てもらいたいわけね」

 

「そうなのシャロちゃん!どうしたらしっかり見えると思う?」

 

「そうは言われても・・・・」

 

「とりあえずあそこで怯えているチノに対して何か声を掛けて安心させてくれ」

 

「ちょ、調教師・・・・調教師・・・・」

 

「チノちゃんは何があったの?」

 

「とりあえず私がやってみるわ。コホン・・・・・・大丈夫、私がいるから」

 

「おお分かった!!こうすればいいのね!!・・・・・だいじょーぶ!!私がいるから!!どんとこい!!」

 

「シャロさん・・・・・」

 

「チノちゃん取られた!?」

 

「同じセリフなのに・・・・この違い・・・・・」

 

「ウエエエン!!!!千夜ちゃんどうすればいいの!?」

 

「ココアちゃんがしっかりみえる・・・・そうだわ!!逆にリゼちゃんたちがドジな姿を見せたらしっかり見えるんじゃ」

 

「「逆転の発想!?」」

 

千夜の衝撃的な発言で戸惑うチノとリゼ、しかしココアは下から目線で二人に無言の圧力をかけてくる。

 

「わ、分かった・・・・やってやる!!」

 

「先輩!?」

 

「リゼさん!?」

 

「じゃあ早速、あそこにいる青山さんをお相手にしてみようかしら、青山さん」

 

「はい〜」

 

千夜はちょうどお店に来ていた青山さんにお願いを頼み込む。青山さんは快く引き受けてメニュー表を手に取った。

 

「すみませ〜ん、コーヒーの注文をお願いしたいです〜」

 

「ほら、チノちゃん。行ってきて」

 

「は、はい・・・・」

 

「私、コーヒーの銘柄ってあんまり理解していないので、オススメを教えて欲しいのですが〜?」

 

「わ、私、コーヒーの区別がつかないので・・・・」

 

「ココア〜!!助けてくれ〜〜!!」

 

「シャロちゃんも」

 

「わ、分かったわよ・・・すみませ〜ん、お会計をお願いします」

 

「わ、分かりました・・・・ハワワ!!け、計算を間違えてしまいました!!」

 

「ココア〜!!パンって火炎放射器で焼けるの〜?」

 

次々とドジっ子や失敗の演技をするチノとリゼ。それを見ていたココアはワナワナと震え出して泣き出した。

 

「こんな二人見てられないよおおお!!!ウワアアンン!!!!」

 

「お前のためにやってるのだぞ!!!!」

 

「あんたの作戦ダメじゃないの!!!」

 

「あれぇ〜?」

 

「こんにちは〜!」

 

「ココアのお悩み解決の手伝いに来たぜ!」

 

千夜の作戦が失敗に終わったところでマヤとメグのコンビがラビットハウスにやって来た。千夜は今までの経緯を二人に説明する。

 

「なるほど〜、じゃあ今度は私たちが鍛えてあげるよ!」

 

「よろしくですサー!」

 

「じゃあまずは・・・・・ココアさん、ここまだ埃が残っていたわよ」

 

「姑!?」

 

「このフリスピーをとっておいで!」

 

「ワン!」

 

「犬!?」

 

「ところぜリゼ、これ何の特訓?」

 

「おい」

 

「あんた教えてなかったの!?」

 

「ココアちゃんを鍛えてとしか」

 

「どうして肝心なところが抜けているのよ!!」

 

「てへぺろ♪」

 

シャロの説教を聞き流す千夜。リゼは二人に何の特訓かを教える。

 

「なるほど〜、お姉ちゃんらしくなる特訓か〜」

 

「お姉ちゃんらしく・・・ココアさんは充分お姉ちゃんだと思いますが」

 

「メグちゃんありがとう!でも今のままじゃダメなんだ!」

 

「今のままだともっとダメです」

 

「オッケー!チノ!」

 

「はい・・・・」

 

マヤに呼ばれてチノは近づく。マヤとメグはチノ手をそれぞれ持ってココアに抱きついた。

 

「ココアお姉ちゃん〜パンが食べたいな〜」

 

「私は宿題手伝って〜」

 

「あはは〜〜いいよ〜〜」

 

チマメ隊とココアによる和やかな寸劇が始まった。その様子を3人はじっくりと見て、シャロがつぶやいた。

 

「あれいつまで続くんですか?」

 

「ココアが無意味だと気づくまで・・・・」

 

「それ、一生終わらないじゃないですか?」

 

「ココアさんは十分お姉さんらしくやっていると思いますよ〜」

 

「青山さん?」

 

戯れるチマメ隊とココアを冷めた目でみていた3人に後ろから青山さん呟きだした。

 

「あんなに仲良く、まるで姉妹のように見えるなんてココアさんの凄いところだと思います〜」

 

「・・・・・そうね、確かにココアちゃんは私たちにはない、人を惹きつける力があるかも」

 

「そうだな」

 

「そうですね、先輩」

 

「ところでシャロさん、『カフェインファイター』の次回作のモデルのためにまたスカートの下を・・・」

 

「何で良いこと言った後にそんなこと言ってくるのですか!?

 

「だって・・・・アイデアが真っ白」

 

「あんたはさっさと仕事をしろ」

 

 

 

 

 

「よいしょっ・・・・みんな!今日はありがとう!こんなことでしかお礼ができないのだけど、カフェラテよ」

 

数時間後、お姉ちゃん修行(?)を終えたココアはお盆にコーヒーカップを乗せてみんなの前に配っていった。先に置かれたシャロはコーヒーカップを手にしてハッと驚いた。コーヒーの上には綺麗な花のラテアートが書かれていた。

 

「これ・・・・ココアが書いたの!?」

 

「そうだよ」

 

「初めてもらっときからすっごく上手になってるよココアちゃん!」

 

「ずっと見ていたから気づきませんでした・・・」

 

「良かったなココア、ちゃんとした成長の証があったじゃないか」

 

「リ、リゼちゃ〜ん・・・・」

 

「ココアちゃんすご〜い!!」

 

「カッコいい!!」

 

「よーし!!今からもっとすごいものを振る舞うからね!」

 

「じゃあココア!!私、3Dラテアートをやってみたい!」

 

楽しそうなマヤとメグ、ココア。そのやり取りを後ろから見ていたチノはむす〜とした表情をしてつまんなそうだった。

 

「店員としては成長しても姉としてはまだまだです」

 

「・・・・素直じゃないんだから」

 

「できたああ!!!3Dラテアート!!」

 

ココアが手にしていたのは巨大カップの上に入ったティッピーだった。

 

「それただのティッピー!!!」

 

 

 

そして二日後、ココアのお姉さんが来る日・・・・・

 

「ついにこの日が来たか・・・・」

 

「そうですね」

 

「どうだココア?楽しみか?・・・・ココア?」

 

返事がないココアにリゼはココアの方を振り向く。そこには石のようにガッチガチに固まっているココアがいた。

 

「ココアさん!?緊張で固まってます!?」

 

「おい接客業!!そんな調子じゃお客さんのもてなしができないだろう!!」

 

「・・・・ココアさんのお姉さん、どんな人なんでしょうか?」

 

 

その頃、この木組みの家と石畳の街をカバンを持った女性が、一人スキップしながら歩いていた。

 

「うっさぎーうっさぎー♪」

 

 

 

 



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第191話 文化祭の劇 『ご注文はうさぎですか?』後編

後編です。原作とかなり違いますが、劇ですので許してください。


キャスト及びスタッフ


保登心愛(ココア)・・・・・小野寺響
香風智乃(チノ)・・・・・・遠藤遊輝
天々座理世(リゼ)・・・・・水野奏
宇治松千夜(千夜)・・・・・栗城茜
桐間紗路(シャロ)・・・・・葵レミ

条河麻耶(マヤ)・・・・・・美穂
奈津恵(メグ)・・・・・・・京子

青山ブルーマウンテン・・・彩
保登モカ・・・・・・・・・琴音

香風タカヒロ・・・・・・・遊城スバル

ティッピー(声当て)・・・・男子生徒


大道具・・・・・・・・・・男子生徒たち
小道具・・・・・・・・・・女子生徒たち
音響・・・・・・・・・・・男子生徒・女子生徒
照明・・・・・・・・・・・男子生徒・女子生徒

衣装提供&アーティスト・・アリア・リューベック

台本&総監督・・・・・・・彩



OP:Daydream café(Petit Rabbit's)
ED:ときめきポポロン(チマメ隊)


No side

 

 

木組みの家と石畳の街・・・・

ここに来た一人の女性、その女性は街に沢山いる野良うさぎを可愛がっていた。

 

「可愛いね〜、本当にいい街だわ」

 

「そうでしょう。私もこの街が大好きなんです」

 

「あらっ?」

 

女性は独り言のつもりで言ったはずが誰かに聞かれていたみたいだ。キョロキョロと辺りを見回すと同じくらいの歳の女性・・・・・青山さんが座っていた。女性もベンチに座っている青山さんの隣に座る。

 

「こんにちは」

 

「こんにちは〜。今日はどうしてこの街に?」

 

「一年ぶりに妹に会いに来たのですよ。妹はこの街の高校に入学するため、この街で下宿しているのです」

 

「まぁ、妹さんの下宿先に行くなんて仲の良い姉妹なんですね」

 

「そうなんです」

 

「でもせっかく行くのでしたら、そうですね・・・・・サプライズを仕掛けたり、変装してこっそり近づいたりしたら面白そうですね」

 

「た、確かに!私もビックリさせるの大好きなんです!この本もイタズラ心満載で素敵なんですよ」

 

そう言って女性はカバンの中から一冊の本を取り出す。表題は『カフェインファイター』だ。

 

「あ、それは私が書いた本ですね」

 

「それはサプライズですか?騙されませんよ〜」

 

「あら?」

 

 

 

 

一方、その頃ラビットハウスでは・・・・・

 

「うう〜〜ん・・・・うう〜〜ん」

 

「お姉さん、遅いですね」

 

「確かに・・・・もう来てもいい時間なんだけど」

 

なかなかココアのお姉さんが来ずに時間だけが過ぎていく。ココアは落ち着くことができずに先ほどから店の中をウロウロと徘徊している。

 

「この街は複雑だからきっと道に迷ってるんだ!私探してくる!」

 

「あっ、おい!そんな事しなくてもそのうち」

 

リゼの話も聞かずにココアは飛び出してしまった。

 

「・・・・最初は道に迷いまくっていたのに、あいつも頼もしくなったな・・・」

 

「そうですかね・・・・どこかで道草を食いそうですけど」

 

ピロリン♪

 

「メール?ココアからだ」

 

『かわいいうさぎ見つけた!』

 

「おい!姉はどうした!?」

 

「やっぱり・・・・・・」

 

カラ〜ン

 

予想通りの展開にため息をつくチノ。するとそこに、一人のお客さんが入ってきた。

 

「あっ、いらっしゃ・・・・・・」

 

慌ててチノはお客さんの方に振り向いて挨拶しようとしたが、途中で途切れた。何故なら入ってきたお客さんは女性だが、サングラスにマスク、帽子を被っていて明らかに不審者同然の格好だった。

 

「1名だけど」

 

「は、はい。こちらへどうぞ」

 

こんな格好をしているとはいえ、お客さんであることには変わりがないのでチノは少し怪しみながらもお客さんを案内する。席に着いた女性はメニュー表を見る。

 

「ご、ご注文は?」

 

「オリジナルブレンドとココア特性厚切りトーストで」

 

「か、かしこまりました」

 

メニューをとったチノはそのまま早足でお客さんから離れる。

 

「あの子は厨房にいるのかな?この格好で仕事ぶりを確認してみよう♪」

 

「な、何ですかあの人・・・」

 

「明らかに怪しい・・・・あの風貌、スパイか運び屋だな?」

 

「何故そんな物騒な考えになるのですが?他の発想があるでしょう。芸能人とか」

 

「とりあえずチノは下がっておけ、私が対応しおう」

 

「わ、わかりました。オリジナルブレンドと厚切りトーストです」

 

チノが注いだコーヒーとトースターで焼いた厚切りのトーストをお皿に乗せてリゼが先ほどのお客さんに配膳する。

 

「お待たせしました。オリジナルブレンドとココア特性厚切りトーストです」

 

「ありがとう♪」

 

お客さんはテーブルに置かれたパンを一切れ手に取り、クンクンと匂いを嗅いだのち、一口食べる。

 

ガタン!!

 

「(ビクッ!!)」

 

「このパン、モチモチが足りない!!!

 

「えっ?あ、あの?お客様?」

 

「私が本当のパンを教えてあげる!!」

 

椅子を後ろに倒して急に立ち上がったお客さんは横に置いていたカバンに手を取り、開ける。その中にはビニールでパッキングされた大量の白い粉がたくさんあった。

 

「白い粉!?」

 

「やっぱり運び屋だったじゃないか!!お前は誰だ!?」

 

突然の出来事と怪しい風貌で一気に怯えるチノ、そしてそんなチノを自分の後ろに回して拳銃を構えるリゼ。

 

「私?私は・・・・」

 

そう言ってお客さんはマスクとサングラス、そして帽子をバッと外す。そして高らかに言った。

 

「私は私よ!!」

 

「「本当に誰!?」」

 

 

 

 

 

一方その頃、ココアは街を駆け巡りお姉さんを探していた。

 

「全く、お姉ちゃんどこにいるのよ〜・・・・あっ!シャロちゃん!千夜ちゃん!」

 

「あら?ココアちゃん」

 

「どうしたのよそんなに慌てて」

 

「お願い二人とも!!一緒に私のお姉ちゃんを探して!」

 

「ココアちゃんのお姉さん?」

 

「携帯で連絡すればいいじゃない」

 

「お姉ちゃん、機械苦手だから持ってないの」

 

「う〜ん・・・・どんな人なの?さすがにココアちゃんのお姉さんだけじゃ私たち、分からないし」

 

「じゃあモノマネするね!」

 

偶然見つけた千夜とシャロに協力してもらおうとしたココア。お姉ちゃんのモノマネとしてYシャツの左袖のを捲り上げて力拳を作るように腕を曲げる。

 

「お姉ちゃんに任せなさ〜い!!」

 

「・・・・・自分のマネ?」

 

「いつものココアちゃんじゃない」

 

「・・・・・あれ?」

 

 

 

 

その頃、ラビットハウスでは変装を解いたお客さん、モカがチノやリゼに事情説明をしていた。

 

「ココアさんのお姉さんでしたか・・・」

 

「ココアならあなたを探しに」

 

「別にそんな事してもらう必要なかったのに、相変わらずそそっかしいわね〜」

 

「そのうち帰ってくると思います。ここでゆっくりとしてください」

 

「君がチノちゃんでリゼちゃんね。二人の話をも聞いているよ。写真も見たよ」

 

そう言ってテーブルの上に置かれていく写真。ココアがリゼにジャイアントスイングを決められたり、チノのピントがブレた写真などまともな写真が一つもない。

 

「あいつ、ロクな写真を送ってないな・・・」

 

「エヘヘ、みんな可愛い〜」

 

「どこが!?」

 

「せっかくだし、妹が帰ってくるまでお手伝いしようかな」

 

「そ、そんな、お客さんにそんなことは」

 

厨房に行こうとするモカを止めようとするチノ。次の瞬間、モカは振り向いて力こぶを作るように腕を曲げた。

 

「お姉ちゃんにまかせない♪」

 

ピカアアアアアア!!!!!!

 

モカが言ったそのセリフ、そのセリフからチノとリゼの二人には神々しく見えた。

 

「こ、これが・・・・・」

 

「頼れる姉のオーラ!?」

 

「いつものココアさんが・・・・・」

 

「茶番のようだ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「出来た〜、二人とも召し上がれ〜♪」

 

結局、モカは厨房を借りて自宅から持ってきた小麦粉を使いパンを作った。焼きたてのパンを二人は一つ手にして口に運ぶ。

 

「お、美味しい・・・・美味しすぎて涙が・・・」

 

「さすがココアの姉・・・・普段ココアが作っているものよりもずっと美味しい・・・」

 

「ありがとう、嬉しいわ」

 

嬉しそうな表情をしてモカはパンを食べているチノの頭の上に乗っているティッピーを撫で始める。

 

「それにしてもチノちゃんは偉いね〜、中学生でお仕事をしているのでしょ?」

 

「マスターの孫として当然です」

 

ティッピーを撫で終えたモカは隣にいたリゼの頭も撫で始める。

 

「リゼちゃんもかわいいわね〜」

 

「高3ですが・・・」

 

「私から見たら可愛いの!年下だし」

 

「うっ!?えつ!?」

 

モカに可愛いと言われ、顔を真っ赤にするリゼ。モカはリゼを撫でるのをやめない。こういう事に慣れていないリゼの頭はだんだんと混乱してきた。

 

「真っ赤になるのもかわいいなぁ」

 

「うっ・・・・ううう・・・・」

 

「かわいいかわいい♪」

 

「うわあああ!!!!!」

 

「逃げた!?あ、あのリゼさんがタジタジなんて・・・」

 

「もう、素直じゃないわね。それにしても二人ともモフモフして気持ち良さそう・・・」

 

「えっ?あっ・・・モ、モフモフしますか?」

 

モカが何か羨ましそうな目をしてきたのでチノは頭の上に乗っていたティッピーを手に取る。しかし、モカは何も言わずにチノを抱きしめた。

 

「チノちゃんって本当にモフモフなんだね〜、あったか〜」

 

「・・・・・・お母さんのような温もり・・・・」

 

モカに抱きつかれたチノはその安心感に包まれ、身を寄せてしまう。それを柱の陰から見るリゼ。

 

「チノが捕まってしまった!?」

 

「ん?隠れてないでおいでー」

 

「ち、近寄るなぁ!!」

 

柱に隠れるリゼを見つけてモカはチノを離してリゼの方に近寄る。リゼはポケットからハンドガンを取り出して脅しをかけるが、全く通用せずに抱きつかれてしまった。

 

「捕まえた!」

 

「お、脅しが効かない!?」

 

「ほれ、モフモフ〜モフモフ〜」

 

「うっ、あっ・・・ウワアアアア!!!!」

 

 

〜(数分後)〜

 

 

「まんぞくまんぞく♪」

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「わ、私が・・・・モフモフされるなんて・・・・」

 

モカから解放されたリゼは床にヘナヘナと崩れ落ち、ガタガタと震えていた。

そして、そんな様子を見ている3人の少女・・・・・ココア、千夜、シャロの3人だ。

 

「探す必要なかったじゃない」

 

「馴染みすぎて三姉妹みたいだね」

 

「・・・・・・・」

 

「あれ?ココア?・・・・・泣いてる!?」

 

「チノちゃんも・・・リゼちゃんも取られた・・・・グスン」

 

返事がない事に違和感を覚えたシャロはココアの方を見る。ココアは涙をポロポロと流していた。慌てたシャロはココアと千夜の手を握り上にあげる。

 

「わ、私たちだって三姉妹よ!」

 

「天下もとれるわ〜」

 

シャロと千夜はココアを慰めようとするが何をやってもココアは泣きやまない。

 

「私どうすればいいの!?このままじゃ二人とも取られちゃう!?」

 

「取る取られるかは置いといて・・・・たしかに入りにくい雰囲気ね」

 

「んん〜、じゃあこうしてみましょう♪」

 

 

 

 

 

 

 

カラ〜ン

 

「いらっしゃい・・・・・?」

 

扉が開く音が聞こえたのでチノが反射的に振り向いて声を上げようとしたが続きが出なかった。なぜならそこにはサングラスをしてベレー帽を被り、コートを着たココアがそこにいたからだ。

 

「なんだココアか、お帰り」

 

「何しているんですか?あっ、さっきのうさぎ、可愛かったです」

 

「あれっ!?」

 

「ココア!?その変装は・・・・ダサい!!」

 

「数分前に同じ光景を見たぞ!?」

 

「あんたの作戦失敗じゃない!!」

 

「あれぇ〜?」

 

「あっ、千夜さんにシャロさん。こんにちは」

 

「?ほんとだ。二人とも、何でここにいるんだ?」

 

窓越しでシャロは千夜に怒られる。その様子をチノがとリゼはしっかりと見ていた。

 

「とにかくココア。久しぶりだけど元気そうで良かったわ」

 

「お・・・・お姉ちゃん!!!」

 

久しぶりにお姉さんに会えて嬉しいココアはそのまま抱きついて甘える。しかし、後ろから感じる4人の視線にハッと我に帰り、バッと離れる。

 

「みんなの前で恥ずかしいよ!しっかり者の姉で通っているから!!」

 

「「「んんん?」」」

 

しっかり者の姉という言葉に反応して疑問符をつくチノ、リゼ、シャロの3人。

 

「そっか〜、すっかりお姉さんだね〜」

 

「まってください、違います。ココアさんはしっかり者で」

 

モカはココアの言葉を信じきってしまう。チノが慌てて訂正しようとするが何も聞き入れない。一方、ココアはお姉さんに褒められたのが嬉しかったのか目でもっと褒めて欲しいと合図を送ったり身体を揺らす。

 

「まるでしっぽを振る犬のようだな・・・」

 

「実は一つご報告が・・・・・私、明後日までここに宿泊させてもらう事になってるんです!?」

 

「ほんと!?」

 

「ま、待ってください。私何も知りませんよ」

 

『ワシも知らないぞ!?』

 

「すでにタカヒロさんから許可を頂いております!」

 

「お、お父さん・・・・」

 

モカの突然の発表にココアは喜び、チノは恨み節を言う。一方、モカの方は先ほどのココアと同じようにおねだりをしてもらうような状態だ。

 

「・・・・血の繋がりを感じる」

 

「分かります先輩」

 

「ココアちゃんが二人いるみたい〜」

 

「あっ!そうだ!」

 

何かを思い出したようにココアは一度厨房に行き、ソーサラーを乗せたカップを一つ手にしてモカに渡した。

 

「あのね・・・・これ、ラテアートって言うんだけど」

 

「すごい!ココアが作ったの!?」

 

ココアからコーヒーカップを受け取ったモカはコーヒーに描かれたラテアートを見て驚く。

 

「サプライズ負けしちゃったわね・・・」

 

「ココアさんがこの一年で成長した証です」

 

「お客さんのために練習したんだね」

 

「それか日向ぼっこしているかのどっちかだもんな」

 

「ココア!?!?」

 

 

 

 

「二人もココアの友達よね。確か・・・・」

 

「千夜で〜す。ココアちゃんと同じクラスです」

 

「初めまして、私は桐間紗路。みんなからシャロと呼ばれてます」

 

テーブルについたモカ、その反対側に千夜とシャロの二人が座る。ココアの友達ということで二人と会話したいとモカが言ったので、ラビットハウスでこの場を作ってもらった。

 

「2人はとても仲良しなのね」

 

「はい、シャロちゃんとなら漫才で日本一を取れそうです」

 

「私は目指さないわよ」

 

「やん、冷たい」

 

「一々突っ込むこっちの身にもなってちょうだい」

 

「じゃあ今からシャロちゃんに変わってツッコミをやりま〜す」

 

「はっ?」

 

「ねぇねぇシャロちゃん。どうしてシャロちゃんのお家は貧乏なの?」

 

「人が気にしているところを土足で踏み込んできた!?」

 

「それにシャロちゃん、最近少し体重増えてきてない?おすそ分けしている和菓子も最近よく食べるし」

 

「う、うるさいわね!!何であんたにわたしの体重を教える必要かあるのよ!!」

 

「それにシャロちゃん、最近はバイトと勉強ばかり・・・・私を捨てたのね」

 

「何でそうなるわけ!?それとさっきから突っ込むどころかボケてばっかりじゃない!!」

 

「100点満点☆」

 

「いい加減にしなさい!!」

 

「フ、フフフ、本当に仲良しだね。ココアの言った通りだわ。そうだわ、これ、さっきチノちゃんやリゼちゃんに作ったパンの余りなの」

 

「まぁ、頂きます」

 

「わ、私はちょっと・・・・」

 

「どうしたのシャロちゃん?体重増えるのがそんなに心配?」

 

「う、うるさいわね!た、ただ、ちょっとお腹周りのお肉が気になるだけだよ!」

 

「う〜ん・・・・・」

 

「ふぇっ!?」

 

モカが持ってきたパンを一つ手にとって食べる千夜、シャロはお腹の方を触りお肉を気にして食べようとしない。そんな様子を見ていたモカがシャロの方に近寄り抱きしめた。

 

「な、ななな、何ですか一体!?」

 

「うん、もっとモフモフしていいと思うよ!」

 

「何ですかその基準!?で、でも・・・それだったら食べても」

 

「イヤアア!!!私の友達が次々にお姉ちゃんの妹になっていくよ!!」

 

抱きつかれたシャロもそこまで抵抗をせずにパンを手にして食べ始める。そんな様子を見ていたココアは泣き出した。

 

「そもそも取られるってどういうことですか」

 

「このままじゃみんなお姉ちゃんの妹になっちゃうよ!」

 

「まずその考えがおかしいのです」

 

「なに言ってるの!?みんな私をの妹よ!」

 

「誰一人としてそんなこと認めていないぞ」

 

「モ、モカさん」

 

「ん?どうしたのかな千夜ちゃん?」

 

「わ、私も・・・私もモフモフしてください♪」

 

「いいよ♪」

 

「ヴェアアアア!!!!!千夜ちゃんも取られる!!!」

 

「コ、ココア!?おいココア!?」

 

千夜が自分からモフモフされに行った状況を見て、ココアは発狂して倒れてしまい、気絶してしまった。それを見て慌ててリゼとチノがココアの看病をする。

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫かココア?」

 

「お、お姉ちゃんに・・・・取られちゃう」

 

「まだそんな事言うのか・・・・・」

 

何とか目覚めたココア。すでにお店は喫茶店からチノの父が経営するバータイムへと変わっていった。

 

「それじゃ私は帰るから。また明日よろしく」

 

「う、うん、リゼちゃんありがとう」

 

ココアの看病を終えたリゼはそのままココアの部屋から出て行った。それと変わるようにしてチノとモカが部屋に入ってきた。

 

「やっと目覚めたわね、お寝坊さん」

 

「ココアさん、大丈夫でした?」

 

「もう大丈夫だよ!どんと来い!」

 

「あらあら、そうだわ。今から夕ご飯のオカズを買いにスーパーに行くの。みんなで行きましょう」

 

「本当!?私、お姉ちゃん特製のハンバー・・・はっ!?」

 

「?ココアさん?」

 

「こ、ここで甘えちゃチノちゃんに『甘えん坊』って思われちゃう・・・・・わ、私、明日のパンの材料買ってくるから!!」

 

「コ、ココアさん!?待ってください!」

 

慌てて部屋を飛び出したココア、それを見てチノは追いかける。一方、置いてけぼりにされたモカは・・・・・

 

「・・・・・チノちゃんのお姉ちゃんはココアの方が向いているのかな?」

 

という訳の分からないことを呟き、一人で買い物することに。

その夜、夕ご飯のモカ特性ハンバーグを食べた3人はココアの部屋で談笑する。

 

「もうこんな時間ね。今日は3人で一緒にお風呂入ろっか〜」

 

「わーい!私洗いあっこ・・・・はっ!?・・・・・ひ、一人で入る!」

 

「えっ!?コ、ココア!?」

 

「め、珍しい・・・・・」

 

「コ、ココア・・・・・・」

 

深夜、バータイムとなったラビットハウスにはチノの父とその頭の上に乗ったティッピーがある女性の相手をしている。

 

「マスター・・・・なんだかココアが冷たいようー・・・シクシク」

 

「ミルクでも飲んで落ち着きたまえ」

 

『弱点はココアか』

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「私の妹、ココアは昔から私のマネが大好きでした。四兄弟の末っ子なので色んな影響も受けてます。ところが・・・・」

 

「ダメ!!お姉ちゃんは入っちゃダメ!!」

 

バタン!!

 

「妹の姉離れが深刻です」

 

「深刻なのは姉の方だ。そんなところで体育座りをして何してるんですか?」

 

翌日、今日もココアに冷たい態度をとられていじけてしまって三角座りをしているモカにすかさずリゼが突っ込んだ。モカは音を立てないようにそろりそろりと扉を開ける。その中にはココアの方にチマメ隊の姿もいた。

 

「あの子達は?」

 

「チノの友達だよ」

 

「これ、開幕一番にかまそうと思って」

 

「今度の集まりは戦争って聞いたから派手なの持ってきたの」

 

「どんな話!?」

 

「いい?開幕の合図は私が指示するからね」

 

「「イエッサー!」」

 

「ちびっこマフィアの抗争!?」

 

「変な影響を受けているだけの遊びだよ。休憩時間だから今日は私が街の案内するよ。甘兎庵に行こう」

 

「千代ちゃんのお店?」

 

リゼはモカを連れてラビットハウスを出る。そのまま甘兎庵に連れて行くのだが・・・・

 

「ねぇ、エスコートしてくれる割には距離が?」

 

「!?」

 

リゼとモカの間は2m近く離れている。昨日のモフモフにより、リゼはモカに対して恐怖心を抱いている。

 

「まあリゼちゃんの後ろ姿も可愛いから良しとしましょう」

 

「(ビクッ)や、やっぱり後ろはダメだ!!っていうかちかづくなぁあ!!!」

 

「案内放棄!?!?」

 

 

 

 

 

こちら、甘味処甘兎庵。ココアの友達である千夜が働いている和菓子などを提供する喫茶店だ。

 

「はぁ・・・・中抜きで3時間とか退屈でしょうがないじゃない」

 

「制服のままここに来るなんて珍しいわね」

 

「着替えている時間がもったいないわよ。それにどうせこの後チラシ配りだから直接行った方がいいわ」

 

現在、バイト休憩中のシャロがここに来て千夜と世間話をしている。

 

「今頃ラビットハウスではココアちゃん達が明日に向けた準備をしているんでしょうね〜」

 

「昨日、ココアからメールが来た時はビックリしたよ。まぁ、ココアらしいけど」

 

バタン!!

 

「た、助けてくれ!!」

 

「せ、先輩!?」

 

「あら、リゼちゃん。いらっしゃい」

 

二人の世間話の途中、突然甘兎庵の扉が開いた。そこには慌てた姿のリゼがいて、驚いて立ち上がったシャロの後ろに隠れる。

 

「ど、どうしたんですか!?」

 

「命までモフられる!!」

 

「リゼちゃんみぃ〜つけた!」

 

シャロの背中に隠れて怯えるリゼ、そこに目をキラキラとしたモカがやって来た。シャロは両手を広げてリゼを守ろうとする。

 

「あわわ・・・・あの先輩がタジタジになって・・・」

 

「逃げると追い詰めたくなっちゃうぞー」

 

「その気持ち分かります」

 

「分かるなあぁぁ!!!!!」

 

「あら?千夜ちゃんその制服イケてるわね」

 

「本当ですか!?」

 

リゼを捕まえようとしていたモカだが、千夜の制服を見てコロッと様子が変わる。

 

「シャロちゃんが働いている喫茶店のミニスカも可愛いんですよ!」

 

「へぇ〜、こんな感じなのね。行ってみたいわぁ。私もまだまだミニスカで働けるかな?どう思うシャロちゃん」

 

「えっ?そ、そうですね・・・・」

 

突然振られたシャロはモカの身体・・・・・特に張っている胸を凝視する。そこでシャロは過去に働いたリゼの姿と重ね合わせる。

 

「・・・やめましょう・・・トラウマになる子もいるんですよ・・・」

 

「トラウマ!?」

 

 

 

 

「明日帰っちゃんですね」

 

「妹に避けられているのがちょっとだけ気がかりだけど・・・・」

 

あの後、休憩が終わりそうだということでリゼだけが(逃げるように)ラビットハウスへ帰って行き、モカはせっかくだということで甘兎庵で休憩していくことになった。

 

「ココアがグレてブラックココアにならないようにお願いね」

 

「何ですかブラックココアって・・・・」

 

「あの子の取り柄って言ったら温かい笑顔くらい」

 

「おもてなしのアイスココアです」

 

「アイス・・・ココア・・・・・この冷たい感じ・・・・今のあの子にそっくり」

 

「空気読みなさいよ!!」

 

「準備したのはシャロちゃんよ」

 

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

ラビットハウスの一室ではモカが荷物をまとめて鞄に詰める作業をしている。テーブルの上には色んな写真があった。作業の手をやめてその写真を手に取る。

 

「甘えん坊の妹はこの写真だけにしか残ってないのかな・・・・」

 

込み上げて来る思いに堪えきれず、モカは涙を流してしまう。

 

「うぇるかむかもーん」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「ようこそ木組みの街へ」

 

「何!?」

 

突然部屋に入ってきた怖いうさぎの被り物を被った人だった。突然のことでモカは慌てふためく。そのままうさきの被り物を被った人に腕をとられて何処かに連れていかれてしまう。うさきの被り物を被った人が扉を開けた。

 

パーン!!パーン!!!

 

「!?」

 

「サプライズパーティの始まりだよ!!」

 

そこはラビットハウスのホール、色鮮やかに飾り付けられたホールでクラッカーを鳴らしたチマメ隊。そのままモカは椅子に座らせる。

 

「こ、これは・・・・」

 

「ようこそモカさん」

 

「モカさんが元気がないからって励まそうってココアちゃんが」

 

「ココアじゃないよ!この街のマスコットキャラクターぴょん」

 

厨房から料理を運んできたシャロと千夜。千夜がモカに説明をする。それを聞いたモカは嬉し涙を流してうさきの被り物を被ったココアに抱きついた。

 

「ぐへっ!?」

 

「元気ないのはあんたのせいでしょうーー!!!」

 

「ま、待ってお姉ちゃん!変な音鳴ってる!」

 

「こんにちは〜!私マヤだよ!この銃私が買ったんだ!」

 

「こんにちは。メグです。この被り物私が選んだの」

 

強く抱きしめるココアの両隣にマヤとメグが現れてモカさんに自己紹介をする。

 

「マヤちゃんにメグちゃんね。いいセンスだ!」

 

「やったあ!モカ姉って呼んでいい?」

 

「モカお姉ちゃ〜ん」

 

「うんうん、順調に甘え上手な妹に育っているようね」

 

「急にあの二人の将来が心配になってきました」

 

モカに甘えるマヤとメグを見てニヤニヤするココアとそんな二人の将来を心配して冷たい視線を送るチノ。モカは二人の肩を掴んでニコリとした表情を見せる。

 

「この子たちも私へのプレゼントかな?」

 

「違うよーーー!!!!!もう!!お姉ちゃんは見境がなさすぎるよ!!」

 

「んん?それは聞き捨てならないなぁ」

 

「あ、あの、喧嘩は・・・・」

 

険悪な雰囲気になってきたのでチノはココアとモカの間に入ろうとするが、マヤとメグがそれを止めた。

 

「あれくらいならアニキといつもやってるよ」

 

「じゃあ心配いらないねぇ〜」

 

「あのくらい・・・姉妹なら普通・・・・」

 

ココアとモカのちょっとした喧嘩に一人っ子のチノは羨ましそうな表情で見ている。

 

「めんどくさくなったらGQCでねじ伏せれば完璧だね」

 

「なっ、なるほど」

 

「それはマヤちゃん家だけだと思うよ」

 

「あっ!そうそう!今日はスペシャルゲストもお呼びしているんだよ!」

 

「スペシャルゲスト?」

 

ココアは何かを思い出したようにラビットハウスの入り口にある扉に向かう。扉を開けるとそこには青山さんが立っていた。

 

「お姉ちゃんがファンの青山ブルーマウンテン先生に来てもらいました!」

 

「!?あ、あなたはあの時の!?」

 

「?知ってるのか?」

 

「ココアさんのお姉さんだったんですね」

 

「はわわわわ・・・・本当に作者様だったなんて・・・・私、私・・・・こっ、これにサインを!!」

 

「一体どこから麺棒を!?」

 

憧れの青山さんに会えてテンパるモカ、懐から自分の麺棒を取り出してサインを求める。青山さんは麺棒を受け取り、サインを書き出した、が・・・・・

 

「失敗しました・・・・」

 

「字がでかい!!!」

 

「青山ブルーマ」までは大きく、残りは少ないスペースで小さく「ウンテン」とサインした。

そこからチノのお父さんが作った料理を食べたり、みんなと遊んだりしてモカの顔は笑顔へと変わっていった。

 

「ココアの友達は年齢層が幅広いなぁ・・・」

 

「ねえねえ見て見て!!お姉ちゃんとお揃い!!」

 

モカはココアを見る。そこには自分と同じ髪型をしたココアがいた。その時に思い浮かんだのはまだココアが幼い頃、自分がココアに同じ髪型をして喜んでもらった時の思い出が蘇った。それを思い出し、ポケットから花柄の髪飾りを自分の髪へとつけた。

 

「私もココアのマネ!」

 

「その髪飾りまだ持っていたの!?」

 

「当たり前じゃない。これは私にとって大切なものなのよ」

 

「・・・・・良かったですね。モカさん、元気になって」

 

「ああ、昨日とは大違いだ」

 

仲良さそうに話をする姉妹を見て、チノやリゼ、千夜たちも微笑ましい顔で二人を見ていた。

そして、夕刻、モカが帰る時間になった。ココアとチノはモカを見送るためラビットハウスの外に出た。

 

「もう帰ってしまうんですね」

 

「あんまり長居してしまうとお母さんが大変だからね。でもまた今度、フラッと遊びに来るよ」

 

「元気でね〜」

 

「ココアもたまには帰ってきなさい!」

 

「でも私が帰っちゃうとチノちゃんが寂しがるから・・・」

 

「わっ、私を引き上いに出さないでください!」

 

「ウワアア!!!怒らないで!!ホントは私が寂しいの!!ゴメンね!!」

 

「ケンカにすらならない・・・」

 

チノが怒ったような仕草をしたのでココアは泣いてチノに抱きつく。鬱陶しく感じたチノはココアを話して技をかける。

 

「ナニコレっ!?」

 

「マヤさんに教えてもらったGQCです」

 

「・・・・ああ、そっか・・・」

 

そんな二人の様子を見ていたモカはそっと呟いた。

 

「もう・・・私のマネじゃなくて本当のお姉ちゃんなんだね・・・」

 

「えっ?何か言った?」

 

「うんうん、何でもない。そうだ・・・成長したココアにこれを受け継がせる時が来たようね・・・・」

 

そう言ってモカは懐を探ってドヤ顔で青山さんのサインが入った麺棒を差し出した。

 

「それ渡しちゃっていいの!?」

 

「モカさん、そろそろ・・・」

 

「そうね。じゃあ二人とも、元気でね」

 

「バイバ〜イ!!」

 

「ありがとうございました」

 

鞄を持ってモカは駅に向かって歩き出した。二人はモカの姿が見えなくなるまで手を振り、見送った。

 

「・・・・行っちゃいましたね」

 

「・・・本当はもう少し甘えたかったなぁ」

 

「そういえばモカさん、帰り際にラテアートを描いてみたいです」

 

「ほんとに!?初めてなのに一生懸命に作ったんだろうなぁ」

 

モカが作ったラテアートを見るため、二人はラビットハウスの中に入り、厨房に行く。そこには一つのコーヒーカップが置かれていた。そのコーヒーには細やかな模様まできちんと描いたお花のラテアートが描かれていた。

 

「私よりも上手い!?」

 

「すごい・・・ずっとウチで働いてもらったです」

 

『即採用じゃな』

 

キラキラとした目でチノはコーヒーカップを手に取る。そんなチノを見て、ココアはワナワナと震え出した。

 

「もう!!お姉ちゃんは去った後でも私の妹の心を奪っていくよおお!!!!」

 

 

 

 

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

ココアのセリフが終わった後、ココアは舞台袖に下がっていき、マヤとメグの2人が舞台に現れてチノと3人で歌い、踊り始める。曲が止まり、舞台の幕が下がった。

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!!

 

『以上をもちまして中等部3-1、『ご注文はうさぎですか?』の演目を終了します。ご観覧くださり、ありがとうございました』

 

 

 

 

響 side

 

 

「お疲れ〜!!!みんなよくやってくれたよ!!これ、スポーツドリンクよ!」

 

「ありがとう彩」

 

無事に劇が終わり、男子たちが舞台の撤収作業をしている中、監督をした彩からスポーツドリンクを貰った。ペットボトルの蓋を開けて、そのまま勢いで飲む。

 

「プハァ・・・生き返る〜」

 

「出来も良かったし、お客さんの反応も良かったよ!これなら優勝目指せるんじゃない!?」

 

「さすがに優勝は無理でしょ・・・高等部の出来も凄いんだし」

 

「そんなの分からないわよ!」

 

「凄い気合が入っているわね、彩」

 

「それが空回りしなきゃいいんだけどね」

 

気合いが入り、背中に炎が見える彩を私は奏と二人、パイプ椅子に座って見ていた。

 

 

 

 

その後、文化祭最後に行われた劇の最優秀作品で見事、私たちの作品が選ばれ私たちは舞台の上で大騒ぎをした。




レミ「彩喜んでいたわね」

茜「気合の入りようが違ったからね。まさか最優秀作品を取るとは思わなかったよ」

奏「高等部の劇も凄い凄いって言われていただけに、って感じよね」

響「発表された後の彩の顔、泣き噦んでいたよね」

レミ「これでようやく文化祭は終わり。次はまた日常の話をするかな?」

奏「それじゃ、次回もよろしくお願いします」


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第192話 軽音部の奉仕活動

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】


最強カードの紹介。

パール「・・・・・・・・・」

読者の皆さま、遅くなってすみません。なかなか執筆する時間が無くて、はい、と言うわけで今日の最強カードは「無視しないで!!」うるせぇな!!なんか喋ろよ!!

パール「私の出番が無さすぎる!!しかも前回の前書き順番間違えたでしょ!!」

だって仕方ねぇだろ。ふつうに考えて優先順位はダイヤ、サファイア、パールだし。プラチナはデッキの関係上、魔術師は入らないけど。

パール「だからってお兄様の次にサファイアってどういうこと!?」

明らかに使い勝手が違う

パール「こらああ!!!」

と言うわけで最強カードの紹介〜。今回は爆竜剣士イグニスターP!

パール「(また逃げた・・・・)Lv8のシンクロモンスターでチューナー以外のモンスターはペンデュラムモンスターを指定しているよ」

効果はデッキから《竜剣士》ペンデュラムモンスターを守備表示で特殊召喚できる。これで出したモンスターはシンクロ素材にはできないが、融合・エクシーズ素材には使用可能だ!

パール「もう一つ、フィールドのペンデュラムカードを対象にして、そのカードを破壊した後、フィールドのカード1枚を選んでデッキバウンスできる」

ペンデュラムカードを破壊して尚且つ対象取らないデッキバウンスとかいう意味不明な強さの除去性能だ。一時期、このカードは制限カードに指定されていた。そう、『EMEm』→『EM竜剣士』という時代に・・・

パール「第192話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

♪♪♪〜〜〜〜〜

 

「ふぅ、良かったんじゃない。あとでビデオカメラで確認するわ。とりあえず休憩」

 

「うい〜、水筒水筒・・・・」

 

「う〜ん・・・・やっぱテンポが合わない。もうちょっと練習するか」

 

文化祭も終わって静かになったアカデミア、この軽音部の部室もツアーのためにあった機材たちは撤去されていつもの部室へと元に戻った。とはいえ、俺たちの練習は変わらない。文化祭のライブが終わった後も今度はクリスマスコンサートに向けて練習をする日々だ。今日も今日とて、グループの練習を続ける日々。

 

「・・・・・・ダメだ〜。この音に合わせる歌詞なんてない」

 

「そんなに煮詰まっているならこっちで音鳴らしまくればいいじゃない」

 

「なんかね〜、ランダムスターを弾いてからあれ無しじゃ音合わせづらくて」

 

「へぇ〜、さすが特注で50万出した「お願いだからお金は言わないで!!」はいはい・・・」

 

「あれ作ってもらうのに親にどれだけ頭を下げたのか・・・・ライブ出演料だけじゃ足りずにお小遣い半年無しで交渉して・・・」

 

・・・・・悲惨だなぁ(汗)。確かにあのギター、本物そっくりで作るようにレミの会社からそのギターを作っている別会社に委託したけど。

 

「他じゃダメなの?テレキャスとか割と似ている気がするけど」

 

「ダメなんだよ。あれ気に入ったからさ、いつもあれを基準に調整していたし」

 

「分かるわ〜・・・・俺も基本ブルーフラワーからだから」

 

奏の気持ちも分かる。一度これと決めたギターはその後どれだけ買っても結局そのギターを基準に考えてしまう。ある意味、ダメな考えだけど。

 

「どんなイメージあるんだ?」

 

「う〜ん・・・・何かこう・・・・この曲はダーク且つアップテンポのイメージ・・・」

 

「難しいわね。今までそんな感じの詩を作っているところ見たことがない」

 

「だから悩んでいるんじゃない」

 

「その一方であんたは?最近ギターの練習しかしてなくて歌うことすらしてないわよ」

 

「うるせぇ!この前の劇で無理矢理高音の台詞を喋りまくったんだからまだ喉が痛えんだよ!」

 

この前の劇、棒読み無表情とか言いながら結局高い裏声とか無理矢理高くしたせいでまだ喉の調子が戻んねぇんだよ!あ〜・・・叫んだら喉が・・・・

 

「ヴォーカルの練習はともかく、歌詞は?」

 

「何か良い感じのテーマを見つけた。それをもとに書いている」

 

「何?」

 

「飛行機雲」

 

「・・・・・・・・あんたの感性はよく分からないわね」

 

分からなくて結構、こういうのは思い付いたことをドンドンとメモして何でも書くべきだと思う。詰まんなかったらボツにすれば良い話だ。

 

ガラガラ〜

 

「葵さん、ちょっといいですか」

 

「せ、生徒会長!?一体何の用ですか?」

 

「申し訳ないですがこの提出いただいた資料、間違いがあるので訂正して欲しいのです」

 

「えっ?間違い?」

 

突然部室に現れたのはアカデミア中等部の生徒会長、慌てた俺たちは一歩引いたがレミの用件だけっぽいようだ。いや、だって・・・俺たちこの人、いや、生徒会苦手で・・・(汗)

 

「それにしてもみなさん、今日も練習ですか?ツアーが終わったばかりなのにご苦労様です」

 

「い、いえいえどうも・・・」

 

「毎日こうして練習して欲しいものです。学校に私物を持ち込んだり、学校から支給された部費で遊んだり、しまいには劇のためとはいえ勝手に髪を染めたりなどしないで欲しいものですね。第一、あなた達は不真面目すぎるのです。そこに座ってください」

 

「・・・・・は、始まった。生徒会長のお話が」

 

うなだれるように俺たち6人は正座して仁王立ちしている生徒会長のお話を聞かされる。

俺たち、勉学や実学、さらにはライブツアーなどの知名度で黙認されているけど、生徒会や一部の先生たちの間では問題児扱いをされている。理由はまぁ・・・・・うん、色々と身に覚えがありすぎてキリがない。現状だけでも・・・

 

1・・・学校の部費で遊びまくってる

 

2・・・6人中3人は居眠り犯(レミは能力の副作用だけど)

 

3・・・さらにそのうちの一人は補習常連

 

4・・・あまりにも危険なシグナーの能力

 

5・・・無断欠席(特に俺)

 

などなど・・・・キリがない(大事なことなので2回言いました)。

 

「ちょっと遠藤君、私の話を聞いてきますか?」

 

「は、はい・・・身に染みるお言葉を」

 

「じゃあ何を話していたのかここで言ってください」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

「全く聞いてないじゃないですか。全く・・・あなた達、前にも増して弛みすぎです。生徒会長として流石にこれ以上は見逃すことは許しません」

 

「そ、そんなぁ〜・・・そこをなんとか」

 

「言い訳は受け入れません小野寺さん。あなたが一番の問題児なんですから」

 

ガラガラ〜

 

「響〜、今度の日曜日の試合、助っ人来て」

 

「きょ、京子!!助け「何ですか?今私達お話があるので」

 

「せ、生徒会長!?し、失礼しました!!」

 

バシャン!!

 

「きょ、京子〜〜!!!!」

 

「次いでです。この後に生徒会の役会がありますから、皆さんの奉仕活動について提案してみましょう」

 

「「「「「「ほ、奉仕活動!?」」」」」」

 

「今のあなた達は問題ありすぎです。では葵さん、この資料の訂正が終わり次第また生徒会室に来てください」

 

ガラガラ〜

 

「・・・・・・あぁ・・・・」

 

「た、魂抜けるかと・・・」

 

「な、何で、何で奉仕活動なんか・・・・」

 

「普段の行いが悪いとしか・・・・」

 

「あ〜あ・・・やってられねぇ・・・」

 

1時間後、生徒会と先生達の役会で来週の月曜日からの1週間、奉仕活動を行う事が決まりました。理不尽すぎる・・・・・・

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「・・・・・・で、何でここ?」

 

「今日は小等部の3年が幼稚園生との交流ですからね、あなた達はその見張りです」

 

「いやいやいや生徒会長さん、俺ら今日は芸術鑑賞「どうせ映画館で寝るだけなのでしょ?奉仕活動としてこちらに来ていただきました」・・・・・・・・」

 

奉仕活動三日目、昨日一昨日と朝の挨拶から先生の手伝い、放課後の掃除など色々させられて、今日は何故か近くの幼稚園に行くことになった。目的は小等部3年が幼稚園児のお兄さんお姉さんみたいなことをやるって・・・・まぁ上司と部下の関係の勉強だな。んで、3年の先生だけじゃ人手が足りないので俺達も付いてくることになった。

 

「は〜い、今日はアカデミアから皆さんのお兄さんとお姉さんが来てくれました!みんな!挨拶して!」

 

『今日一日よろしくお願いします!!』

 

「では皆さん、昨日決めた通り今日付いてもらうお兄さん、お姉さんの所に行ってください!」

 

『はああい!!』

 

元気良く返事をした幼稚園児はそのまま3年の生徒達に駆けっていった。その様子を見た後、幼稚園の先生が俺たちの所にやって来た。

 

「すみません、本日はよろしくお願いします」

 

「いえ、ちゃんと出来るのか見守るのが私たちの役目なので」

 

「本当にありがとうございます。私が言うのはダメなのですが、何人かは中々馴染めない子達もいるので・・・・・」

 

「分かりました。出来る限りは見守りますが難しいようでしたら仲介に入らせてもらいます」

 

先生は頭を下げてそのまま園児達の見回りにはいった。生徒会長はこっちに振り向いて何か言いたそうな表情をしている。

 

「・・・・分かってますね?」

 

「分かってますよ・・・・」

 

「見守っておけばいいのでしょ?それくらい出来るわよ」

 

「あなた達は色んな人と付き合いがあるのでこう言うことは心配しませんが、変なことしたりサボったりしたらダメですよ」

 

相変わらず固いな生徒会長・・・・流石に幼稚園児がいる前でそんな下手なことするやついねぇよ。

 

「それじゃそれぞれ持ち場についてください」

 

「へいへい・・・・」

 

適当な返事をして生徒会長から離れる。全く・・・やっぱああいう固い人は苦手だ。

 

「さてと・・・・俺はあの辺のグループだな。適当に遠くから見て「あ、あの・・・」うん?」

 

持ち場となるグループを見るためにそっちの方に行こうとした時、ズボンの裾を引っ張られて下の方から声が聞こえたのでそっちに振り向く。この幼稚園に所属している男の子が俺のズボンにしがみついていた。

 

「どうしたの?今はお兄さん達と一緒に遊ぶ時間でしょ?」

 

「そ、それが・・・・・いない」

 

「いない?」

 

「僕のお兄さん・・・・いないんだ」

 

「(んなアホな・・・・)ちょ、ちょっとだけ待ってくれるかな」

 

心の中で呟いた俺は直ぐに3年の担当の先生にその話を持ちかける。

 

「・・・・おかしいな、アカデミア出る前にちゃんと点呼を取ったし、ここにいることも確認したんだが・・・・」

 

「はぐれたわけでもないですよね。となると、何処かに混ざったのか?」

 

「それだったらそれで直ぐに分かるはずなんだが・・・・何処にもいないしな」

 

「う〜ん・・・・とりあえずこの辺りを探してきます」

 

「すまない、こちらももう一度確認してみる」

 

先生達も分からないって・・・・マジでどうなってるんだ?神隠しじゃあるまいし。とりあえずこの建物の裏にでも行くか。そう思い、幼稚園の校舎の裏に回る。運動場がある表側と違い、裏は木が何本か植えられて雑草が生えている。

 

「全く・・・・手間かけさせやがって・・・・見た感じはいないか、となると木に登っている可能性は・・・・ん?」

 

辺りをチラッと見た感じでは人の気配がしないので木の上の方を見る。手前から三本目の木のところで足がぶら下がっているのが目に入った。俺はその三本目の木に近寄る。探していた男子生徒が木の上で寝転がっていた。

 

「いたいた・・・・お〜い、何してるんだ?」

 

「?・・・・!?な、何でここが分かったんだよ!?」

 

「足がぶら下がっていたぞ。あんなの視線を上にしたら誰だってわかるわ。そんな所で何してんだ?」

 

「・・・・・・サボってる」

 

「そりゃ見りゃ分かる。何でサボってるんだ?」

 

「・・・・・楽しくないから」

 

「ふ〜ん」

 

「?納得するの?」

 

「楽しくないんだろ?素直に言った言葉だから受け入れるのさ、無理やり楽しませるようなことはしない」

 

「・・・・・話が分かって助かるよ。確か遠藤遊輝だっけ?」

 

「おいこら、さん付けぐらいはしろ。これでも年上なんだから」

 

そういうと少しだけ視線を上方向にずらして少し考えだした。こいつ、口が悪いな・・・・多分だけど、こいつも先生達に目をつけられているんじゃないのか?

 

「・・・・・・遠藤遊輝さん」

 

「それでよろしい。んで、何で楽しくないんだ?」

 

「・・・・・家にたくさん兄弟がいて、一番上の俺はいっつも世話係、何かやっても親から褒められることはない」

 

な〜るほど・・・・普段からやっている事だからあんまり新鮮味が感じないのね。人によっては楽しくないのか。

 

「それより何で遊輝さんがここに?」

 

「不良生徒だからね、生徒会と先生達に奉仕活動を言い渡されたんだよ」

 

「ふ〜ん・・・・とてもそんな風には見えないけど」

 

「人は見た目に判断しちゃいけないってことさ。お前はどうなんだ?今の俺の判断では不良生徒だぞ」

 

「不真面目、だからここでサボってる。一応、勉強だけはしている」

 

「そうかそうか、勉強しているという点では偉いな」

 

「・・・・・・あんた、変わっているんだな」

 

「よくメンバーから言われている。さて、さすがに降りたら?そろそろ先生達にバレるぞ」

 

「・・・・・・ん、あんたの言うことは信頼できる」

 

そう言ってその子は上半身を起こしてヒョイっと下に降りる、が・・・・

 

グギッ!!

 

「!?」

 

「あっちゃ〜・・・やっちゃったな・・・・」

 

飛び降りる反動が強すぎて、右足があらぬ方向に曲がってしまった。全く・・・・・

 

「立てるか?」

 

「・・・・・無理」

 

「ん、じゃあ背中に乗れ。おんぶしてやる」

 

「・・・・・ごめんなさい」

 

「良いから、さっさと乗れ」

 

こういう時は素直になるんだな、そう思いつつ、男子生徒を背中に乗せて裏から表に出る。運動場の中心で先生達が集まっていた。

 

「すみませ〜ん、見つけました」

 

「おお!!良かった良かった!!・・・どうしたのかね?」

 

「どうもトイレを探していたみたいなんですけど、足が絡んでコケてしまって、その時にグネッてやっちゃったみたいなんです」

 

「な、何!?大丈夫か!?」

 

「本人は大丈夫って言っているんですけど、ちょっとやっちゃってる可能性がありますね」

 

「そ、それなら救急「あっ、いいっすよ。治してやります」・・・・えっ?」

 

「ほら、一応僕、化け物みたいな能力持ってますから」

 

「あ、ああ・・・そういえばそうか」

 

「・・・・化け物?」

 

「校長公認とセキュリティ公認の化け物。とりあえず降ろすぞ。えっと・・・・・あそこでいいか」

 

周りをキョロキョロして手頃なベンチを見つけたのでそこまで移動してよいしょっと声を出して男子生徒を座らせる。そのまま俺は男子生徒の右足に右手を掲げて、力を入れる。右手から緑色の淡い光が現れてそれが男子性の右足首に吸収していく。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「!?な、何だこれ!?」

 

「ちょっと黙ってろ。これ、体力持っていかれんだから」

 

集中力を切らさないようかつ自分の体力も考慮しながら治癒を進めていく。

 

「・・・・・・こんなものか。立てるか?」

 

「・・・・痛みが引いてる」

 

「ん、そりゃ良かった。けどそれは応急処置程度だから帰ったら病院行くように。とりあえず安静にしてろ」

 

「・・・・・・・・はい」

 

「悪いな遠藤君」

 

「どうってことないですよ。というわけで持ち場に戻りますね。ふわぁ・・・・」

 

治療も終えたので俺は持ち場に戻る。久しぶりに能力を使ったせいか、少し体が重く感じる。普段からこんなことやってないし、やる必要もないからなぁ・・・・・

 

「(・・・・ガチで寝ようかな。でも生徒会長いるしなぁ・・・)」

 

チラッと生徒会長の方に視線を向ける。今は別のところを見ているが、俺の視線に気がついたのか一瞬だけこっちを見たような気がした。

 

「(ふわぁ・・・別に俺らいなくても結構順当にやってくれてるんだけどなぁ)」

 

「うわあああ!!!!」

 

「こらぁ!!上の子が下の子に暴言吐いちゃダメでしょ!!」

 

「す、すみません。あれ取ってくれないですか?」

 

「アレか?ちょっと待ってろ。取ってやる」

 

♪♪♪♪〜〜〜

 

「こんな感じ?」

 

「お姉さんピアノ上手〜!!」

 

「(・・・・・・・・んなことなかった)」

 

なんかアイツらすげぇ馴染んでる・・・・ってか響、お前がピアノ弾いて幼稚園児の世話をしちゃダメだろ、企画共倒れじゃねぇか。

 

「とは言っても、こっちは割と平穏だしな・・・・なんだかんだ自分達で解決していってるし、やることねぇな」

 

「・・・・じゃあ、俺とデュエルしてくれ」

 

「ん〜わかった。デュエ・・・・・はっ?」

 

「俺とデュエルしてくれ」

 

後ろから声をかけられて流れのまま適当に返事をしようとして変なことに気がついたので後ろを振り向く。さっき足を怪我した男子生徒がデュエルディスクを持って構えていた。

 

「あんた、WRGPのチャンピオンチームのキャプテンなんだろ?だから俺とデュエルしてくれ」

 

「いや、お前、今ここではさすがにマズイだろ。ってか、安静にしとけよ」

 

「暇なんだし別にいいじゃねぇか。不良生徒同士だし」

 

「流石に無理がある、ここ幼稚園だぞ。しかも園児達が駆け回っているし」

 

「俺が先生達を説得させる」

 

「そんな力お前にあるのか?」

 

「教育の一環と言えばあんな先生達いちころだ。ちょっと待っとけ」

 

「(・・・・・口悪いな本当に)」

 

相変わらずな態度にハァ〜とため息をつく。男子生徒は先生達に話し合っている。男子生徒が粘ること数分、ため息をついた男の先生がこの幼稚園の先生に話をする。そして、幼稚園の先生は声を上げた。

 

「みんな!!今からWRGPのチャンピオンになった人のデュエルが始まるよ!!」

 

たったその一言で一斉に園児達はワアアと叫んで俺と男子生徒の周りを囲むように座り込んでいった。

 

「・・・・・なんでこうなるのかね」

 

「手加減無しで頼むぞ」

 

「(それは・・・・ちと無理な相談だな。このデッキ、ポテンシャル高過ぎるし)」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 男子生徒 LP 4000

 

「先行は俺、ドロー」

 

男子生徒 手札 6枚

 

磁石の戦士(マグネット・ウォリアー)δを召喚」

 

磁石の戦士δ 攻1600

 

「磁石の戦士の効果。召喚成功時、デッキから《マグネット・ウォリアー》モンスターを墓地に送る。電磁石の戦士(エレクトロマグネット・ウォリアー)βを墓地に送る。フィールド魔法、マグネット・フィールドを発動!」

 

相手の後ろに磁気で囲まれたカプセル装置みたいな物が現れる。磁石の戦士δがそのカプセルに磁石の手を突っ込むと、磁気が動き出した。

 

「マグネット・フィールドの効果。自分のフィールドにLv4以下の岩石族・地属性モンスターがいる場合、墓地からLv4以下の《マグネット・ウォリアー》モンスター1体を特殊召喚する。電磁石の戦士βを特殊召喚」

 

電磁石の戦士β 攻1500

 

「電磁石の戦士βの効果。特殊召喚時、デッキからLv4以下の《マグネット・ウォリアー》を手札に加える。電磁石の戦士αを手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

男子生徒 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

磁石の戦士δ 攻1600

電磁石の戦士β 攻1500

【魔法・罠ゾーン】

マグネット・フィールド (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

ふむふむ・・・・マグネット・ウォリアーか。あのレベルが高いのとエクシーズモンスターを持っていたら厄介だな。

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

まぁ・・・・本当に手加減無しでやっちゃうと割とすぐに終わっちゃうからここは少し手加減を・・・

 

「魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキから《ガガガ》モンスターを特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

ガガガマジシャン 攻1500

 

「さらにEMドクロバット・ジョーカーを召喚!」

 

EMドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果!召喚成功時、デッキから《オッドアイズ》《EM》《魔術師》ペンデュラムモンスターのいずれか1体を手札に加える!慧眼の魔術師を手札に加えて、バトル!EMドクロバットジョーカーで電磁石の戦士βに攻撃!」

 

「電磁石の戦士βの効果!相手ターンにこのカードをリリースすることで《マグネットウォリアー》モンスターを特殊召喚する!2体目の磁石の戦士δを特殊召喚!」

 

ドクロバット・ジョーカーの攻撃を受けるはずだった電磁石の戦士βは自身がリリースされて、代わりに磁石の戦士δが現れる。

 

「δの効果!デッキから電磁石の戦士γを墓地に送る!」

 

「戦闘の巻き戻し発生、ドクロバット・ジョーカーで磁石の戦士δに攻撃!」

 

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

磁石の戦士δ 攻1600

 

男子生徒 LP 4000→3800

 

「メイン2、Lv4のドクロバット・ジョーカーとガガガマジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,41!泥眠魔獣バグースカ!」

 

No,41 泥眠魔獣バグースカ 守2000

 

ドクロバット・ジョーカーとダイヤの2体がブラックホールに吸い込まれていき、その中から巨体のバクが現れる。守備表示で特殊召喚したこのモンスターはそのまま居眠りを始め、さらにバグースカの鼻から出た泡がフィールド全体に広がっていき、磁石の戦士δをも寝かした。

 

磁石の戦士δ 攻1600→守1400

 

「!?ど、どういう事だ!?」

 

「バグースカの効果、このカードがフィールドに守備表示で存在する限り、お互いのモンスターは守備表示になり、守備表示のモンスターは効果を発動出来ない」

 

「!?」

 

「手加減無しなんだろ?これくらい突破してもらわないと」

 

嘘だけど。本当に手加減無しならこのターンに決めに行ったけど、それは言葉にしないでおこう。

 

「カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,41 泥眠魔獣バグースカ 守2000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「お、俺のターン、ドロー!」

 

男子生徒 手札 5枚

 

「先に言っておくがバグースカはスキルドレインと違って、リリースされたモンスター効果も無効にするぞ。電磁石の戦士特有の効果やマグネット・バルキリオンですら無効にするぞ」

 

「(・・・・・・面倒くせえモンスターだが、モンスター以外で対処すれば良いんだな。それが難しいんだが・・・)」

 

なんか色々と考えているなぁ・・・・バグースカを対処しないといけないのは分かっているんだろうが。

 

「(・・・・・本当ならやりたくないけどこうするしかないな)電磁石の戦士αを召喚。その召喚にチェーンしてリバースカードオープン!激流葬!」

 

ウエエエエイ!?!?最近、俺に対する激流葬メタ多くね!?ペンデュラム使い出したからか!?

 

「効果によりフィールドの全てのモンスターを破壊する!そして墓地の電磁石の戦士α・β・γの3体をゲームから除外して電磁石の戦士 マグネット・ベルセリオンを特殊召喚!」

 

電磁石の戦士 マグネット・ベルセリオン 攻3000

 

相手の墓地にいた電磁石の戦士α・β・γの3体が合体して、マグネット・ベルセリオンが特殊召喚された。

 

「マグネット・ベルセリオンの効果発動!墓地からLv4以下の《マグネット・ウォリアー》モンスター1体を除外し、フィールドのカードを1枚対象にして破壊する!左側の伏せカードを破壊する!俺は磁石の戦士δをゲームから除外する!」

 

「・・・・・通す」

 

マグネット・ベルセリオンが墓地の磁石の戦士δを除外して、俺の伏せカード1枚を破壊した。

 

「(・・・奈落の落とし穴。ベルセリオンの効果を知っていて使わなかったのか)バトル!マグネット・ベルセリオンでダイレクトアタック!」

 

遊輝 LP 4000→1000

 

マグネット・ベルセリオンが俺に突っ込んできて手にしている磁石の棍棒を俺に向かって殴ってくる。それを俺は両手を前にクロスして受け止めた。

 

「バグースカを突破したことに免じて受けといてやったよ」

 

「・・・・・カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

男子生徒 手札 2枚 LP 3800

【モンスターゾーン】

電磁石の戦士 マグネット・ベルセリオン 攻3000

【魔法・罠カード】

マグネット・フィールド (フィールド)

伏せカード 1枚

 

 

「それじゃ・・・俺のターン!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「レフト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師を、ライト・Pゾーンにスケール2のEM ダグ・ダガーマンをセッティング!」

 

俺の両側に天空から青い光が差し込んで、左側に慧眼の魔術師、右側にダガーマンがセットされた。

 

「ペンデュラム・・・・動いてきた・・・」

 

「魔法カード、デュエリスト・アドベント!Pゾーンにカードが存在する場合、デッキから《ペンデュラム》カードを手札に加える!永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを手札に加えてそのまま発動!慧眼の魔術師のペンデュラム効果!反対側のPゾーンが《魔術師》ペンデュラムモンスターまたは《EM》モンスターの場合、自身を破壊してデッキから他の《魔術師》Pモンスターをペンデュラムゾーンにセットする!レフト・Pゾーンに黒牙の魔術師をセッティング!」

 

レフト・Pゾーンの慧眼の魔術師が破壊されて、代わりに黒牙の魔術師がセッティングされた。

 

「永続魔法、星霜のペンデュラムグラフの効果!自分フィールドから《魔術師》Pカードが離れた場合、デッキから《魔術師》Pモンスター1体を手札に加える!調弦の魔術師を手札に加えて、リバースカードオープン!永続罠、時空のペンデュラムグラフ!自分フィールドの《魔術師》Pカードとフィールドのカード1枚を選択して破壊する!俺はスケール8の黒牙の魔術師とその伏せカードを破壊する!」

 

発動した時空のペンデュラムグラフの効果で俺の黒牙の魔術師と相手の伏せカードを焦点を当て、その2枚のカードを破壊した。

 

「ぐっ・・・(ミラーフォースが・・・)」

 

「破壊された黒牙の魔術師の効果発動!墓地から闇属性・魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する!ガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

破壊された黒牙の魔術師が霊状態で現れて、杖を振り魔法陣を出現、その中からダイヤが飛び出してきた。

 

「EM ダグ・ダガーマンのペンデュラム効果!このカードをPゾーンに発動したターンのメインフェイズのみ一度だけ、墓地の《EM》モンスター1体を手札に戻す!ドクロバット・ジョーカーを手札に加えてそのまま召喚!効果でデッキから2体目の慧眼の魔術師を選択!」

 

「(ま、全く無駄がない・・・・何て完成度の高いデッキなんだ・・・・)」

 

「Lv4のガガガマジシャンとドクロバット・ジョーカーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!超越の名を持つ龍よ!反逆の牙を持ち、世界に轟かせ!エクシーズ召喚!ランク4!降臨せよ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

 

「ダーク・リベリオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて相手のモンスター1体を選択!選択したモンスターの攻撃力を半分にしてその数値分、このカードよ攻撃力をアップする!トリーズン・ディスチャージ!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン OVR 2→0

攻2500→4000

電磁石の戦士 マグネット・ベルセリオン 攻3000→1500

 

ダーク・リベリオンがオーバーレイ・ユニットを2つ吸収して、マグネット・ベルセリオンに向かって自身の身体を変形させて蔓のようにしてジャンク・アーチャーを縛り上げて、マグネット・ベルセリオンのパワーを吸収していった。

「ま、マグネット・ベルセリオン!」

 

「レフト・Pゾーンに2体目の慧眼の魔術師をセッティング!慧眼の魔術師の効果!自身を破壊してスケール8の虹彩の魔術師をセッティング!これで俺はLv3から7までのモンスターを同時に召喚可能!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け!!光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!手札から調弦の魔術師!!エクストラデッキから2体の慧眼の魔術師を特殊召喚!」

 

調弦の魔術師 攻0

慧眼の魔術師 攻1500 ×2

 

虹彩の魔術師とダグ・ダガーマンの間で大きな振り子が揺れ始め、その軌跡が描いた穴から3つの光が飛び出し、調弦の魔術師と2体の慧眼の魔術師が現れた。

 

「調弦の魔術師の効果!手札からペンデュラム召喚に成功した場合、デッキから《魔術師》Pモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!紫毒の魔術師を特殊召喚!」

 

紫毒の魔術師 守2100

 

「Lv4の慧眼の魔術師にLv4の調弦の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「名を馳せる竜剣士よ!紅の闘志と同調し、誇り高き騎士となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!爆竜剣士イグニスターP!」

 

爆竜剣士イグニスターP 攻2850

 

調弦の魔術師が作った4つの輪の中に慧眼の魔術師が入って4つの星となり、それらが集まって一つの光となる。その光から真っ赤な炎が燃えたぎってイグニスターPが現れた。

 

「イグニスターPの効果!自分のペンデュラムカード1枚を対象にして、そのカードを破壊した後フィールドのカード1枚を選んでデッキに戻す!」

 

「なっ!?」

 

「虹彩の魔術師を破壊してマグネット・ベルセリオンをデッキに戻す!」

 

イグニスターPが先にPゾーンの虹彩の魔術師を破壊、そしてマグネット・ベルセリオンに目を向けてマグネット・ベルセリオンを吹き飛ばした。

 

「(破壊じゃないからマグネット・ベルセリオンの効果も発動できない・・・・)」

 

「バトル!ダーク・リベリオンでダイレクトアタック!反撃のライトニング・ディスオベイ!」

 

男子生徒 LP 3800→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 男子生徒

 

 

 

『ワアアアアア!!!!』

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

 

「ふぅ〜・・・・疲れた」

 

「はいみんな!!二人にお礼を言いましょう!!」

 

『ありがとう!!」

 

「どういたしまして」

 

デュエルが終わって幼稚園児たちからお礼を言われる。適当に流して相手をした男子生徒に向かう。

 

「ほら、満足したか?」

 

「・・・・ああ、やっぱりチャンピオンのリーダーは強いな」

 

「いいや、俺はまだまだだ。負けることだって沢山ある」

 

「・・・・・・・・」

 

「満足したんならあっち行って安静にしておけ。一応、俺も目付けられているからあんまり下手なこと出来ないし」

 

「・・・・分かった」

 

首を縦に振った男子生徒はそのまま近くのベンチまで歩いて座る。やれやれ・・・・本当、口が悪いやつだな。

 

「お疲れ〜」

 

「お疲れ〜、突然何するんかと思ったわ」

 

「なんか向こうから誘ってきて、めちゃくちゃ先生に頼み込んでいたし」

 

「それでもお前は相変わらずだな。1ターン目手を抜いていただろ?」

 

「あっ、やっぱりバレた?」

 

「ペンデュラムしない時点でバレるわよ」

 

「あなたたち!!さっさと持ち場に戻りなさい!!」

 

「げっ!?また生徒会長!?」

 

「うるせぇな・・・・」

 

そう呟いて俺たちは自分たちの持ち場に戻っていった。




フラン「早くに決められたでしょ?」

遊輝「そりゃそうだが、それじゃ面白くない。でもあのデッキ、もしかしたらスキルドレインが入っていたら話が変わったかもな」

文「バグースカを使った人の台詞ではありませんね。あのカード可笑しいです。何でスキルドレインを内蔵しているのですか?」

フラン「あれ強いよね・・・・フランの彼岸には関係ないけど」

遊輝「むしろ彼岸はありがたいカードだけどな」

文「私はもう恨みしかありません。霊夢さんもあのカード使ってきて腹が立ちます」

遊輝「次回は・・・・・アカデミアデュエル大会のお話だな。そう言えばもうそんな時期か」

フラン「今年はちょ〜〜と訳が違うことになるよ」

文「次回もよろしくお願いします」


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第193話 紅のバラvs振り子の魔術師

【*人気投票、質問を活動報告、メッセージで受け付けてます。ハーメルンに登録していない人もできるのでドシドシと応募してください。匿名も希望できます】

【*活動報告にご相談という項目を作りました。リミットレギュレーションに対する意見が欲しいです。よろしくお願いします。】



最強カードの紹介〜

遊星「久しぶりだな」

まぁなんと言いいますか・・・また年末ですね。年々、1年が早く感じます。

遊星「なんかの法則があるって言っていたな」

そうそう、ジャネーの法則。テレビで見て、へぇ〜って感心したよ。

遊星「年末に向けて気を引き締めておかないと大変なことになるぞ」

そうっすね。ってなわけで最強カードの紹介〜。

遊星「今回はNo,41 泥眠魔獣バグースカ。ランク4のエクシーズモンスターだ」

攻撃表示の時は相手のカード効果の対象にならず、相手のカード効果では破壊されない。ただ、これはこのカードの攻撃力が少し低いからあんまりって感じだけど・・・

遊星「守備表示の時、フィールドのモンスター全てを守備表示にして、守備表示のモンスターは効果を発動できない」

はい、まさに生きたスキルドレインです。スキルドレインとは違い、攻撃表示には出来ませんが、場持ちは十分すぎます。

遊星「最近はモンスター効果で場を固めてくるからこのカード1枚出ただけで全く動けないってこともありえるな」

その通り、ただ、リンクモンスターには無意味なのでご注意を、このカード、1年生まれるのが遅かったんだよなぁ〜。

遊星「第193話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

 

 

『ワアアアアア!!!!!!』

 

アカデミアの文化祭も終わり、平穏に過ごしていた俺たち、だが、そんな平穏も1か月たった今日はあちこちから歓声が巻き起こる。そう、今日は年に一度のアカデミアデュエル大会、校内優勝を目指して色んな生徒が頑張っている。そして、俺たちは・・・・

 

「・・・・つまんない」

 

「いい加減にしろよ。いつまでそう言ってるんだよ」

 

「だって!!私たち今年は出られるのよ!!何で出られないのよ!!」

 

俺たちはスタンドにいた。

 

 

〜〜(数日前)〜〜

 

 

「えええええ!?!?!?」

 

「た、大会には出ずに最後のエキシビションマッチに出てくれ!?」

 

「はい、そうです」

 

放課後、全員で練習をしていたら「校長室に来なさい」というアナウンスがあったので何事かと思い全員で行ってみると、開口一番に今年の大会はエントリーせずにエキシビションマッチの方で出て欲しいと言われた。

 

「な、何でですか!?そりゃ去年は優勝したから出られないのは分かりますけど今年はそんなことないでしょ!?」

 

「本来ならそうなんですが、あなた達はWRGPで優勝したから状況が変わっちゃったのですよ」

 

「何?まさか強過ぎるから出場するな?」

 

「他方面からその意見もありましたが、どちらかと言えば少数派です、むしろほとんどの生徒が戦いたいと」

 

「じゃあ参加しても問題ないでしょ!?」

 

「本当ならそうなんですが・・・・少々ややこしい事態になりましてね」

 

「ややこしい事態?」

 

「その前にあなた達の事について。先ほどもお話しした通り、あなた達はWRGP優勝、さらにはバンドグループとしても活動していますから連日たくさんの取材の申し込みが来ております」

 

「知ってますよ。だから断ってって」

 

「えぇ、私自身も混乱を招くので全て断っています。ところが、アカデミアデュエル大会の運営をする先生が今年は教頭先生で、彼がどうも勝手にテレビ局の取材を許可したみたいなのです」

 

「あんのクソ教頭・・・・・・」

 

校長先生の話を聞いて俺たちは頭を抱えてしまった。あのハゲ・・・・最近大人しいと思っていたら裏で余計なことをしやがって・・・・

 

「それで、テレビ側が「WRGPの優勝チームとアカデミア杯の優勝チームとのマッチを撮影したい」って、そうなると我々も考えなくてはいけないんですよ。イカサマをする訳にもいかないですし・・・・・心配しなくてもあの教頭には勝手なことをした罰で減給処分を言い渡しています」

 

「・・・・・・いい加減クビにしてくれませんかね?」

 

「君たちの気持ちはも分かるが、オトナの事情があってなかなか上手くは行かないんだよ。それに、これを機会に、一度だけでも取材を受けてください。もうあなたたちが思っている以上にマスコミや世間はあなた達の取材を待ち望んでいるのです」

 

「そんなこと言われても・・・・私たち、アマチュアですよ?」

 

「マスコミというのは不思議なもので、旬なものや時の人を何処よりも早く、そしてより多くの情報を求めるのです」

 

本当、はた迷惑なことだ・・・・・

 

「ああ、それと」

 

「?何ですか?」

 

「これが君たちの出演するにあたってのギャラの資料」

 

「ギャラ!?」

 

「うわっ!?」

 

校長先生の「ギャラ」という言葉にいち早く反応した奏、ギターを買って未だにお金に困っているみたいだ。

 

「・・・・・・・・・・」

 

「あ、あの・・・・奏?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

奏が校長先生から奪ったギャラの契約書を真剣に読んでいる。そんなにお金に困っているのかよ・・・・まぁ、ギターを特注で頼むから・・・・・

 

「やります!エキシビションマッチやります!!」

 

「か、奏!?」

 

「お願い!!私のお財布を厚くしたいの!!」

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

「人間って・・・・欲深い生き物だな」

 

「何よ?」

 

「何でもないよ」

 

結局、奏があまりにも可愛そうだったので校長先生の話を受け入れた。奏の目がケモノのような目だった。あんなの勝てやしない。

 

「エキシビションマッチは明日ね・・・このまま行けば今年はアキさんのクラスかな?」

 

「そうだな・・・・今年は龍可たちが出ていないし」

 

今大会、俺たちはエキシビションマッチのせいで出ることが出来ず、さらに去年の優勝メンバーが固まってしまったため、龍可たちも出場が禁止された。そうなると優勝候補最有力はアキさんのクラス、現に今現在、アキさんのクラスは誰一人として負け無しで来ている。

 

「なんか今年のアキさんのクラスはいつにも増して強そうな人たちが多いわね・・・・」

 

「2年連続で高等部の優勝が無かったから本腰を入れたんじゃない?」

 

「普通に考えたら前代未聞だもんなぁ・・・去年なんか小等部が史上初の優勝したし」

 

「隣の対戦は中等部と高等部でしょ?あの高等部のクラスも強いし・・・・・」

 

「茜たちが負けたもんな。茜が出ることもなかったけど」

 

「けどアキさんのクラスほどの強さを感じないな・・・多少、運が絡んでいるからか」

 

「運も実力のうちって言うし、そんなものじゃね?」

 

「あっ、終わった」

 

『勝者!!高等部2-3!!』

 

『ワアアアアアアア!!!!!!』

 

『決勝は明日、高等部3-1と高等部2-3、そして午後からエキシビションマッチを行います!』

 

「終わった終わった。今日はこれで終わりね」

 

「う〜ん・・・・身体が怠いなぁ。やっぱここにいる意味無いんじゃかったんか?」

 

「そうやってサボろうとするから色々と言われるんだろうね・・・・」

 

「とりあえず今日の練習は無しね。最近ずっと練習詰めで疲れてきているし」

 

「うぃ〜・・・・」

 

う〜ん・・・今日はそのまま帰るか?なんかやる事もないし・・・・あぁそうだ、最近市場に行ってなかったから久しぶりに行ってみようかな〜。

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

『これより第5戦、遠藤遊輝と十六夜アキのデュエルを始めます!』

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「う、うう〜〜ん、ようやく出番か」

 

「頑張ってよ遊輝!!メンツがあるんだからね!!」

 

「ビシッと決めてこいよ!」

 

ようやく出番が呼ばれて、両腕を上に伸ばし、デュエルディスクを付けてデュエルフィールドに上がる。向こう側にはすでにアキさんが構えていた。

 

「アキさんとやるなんて久しぶりですね」

 

「今年はあなた達が忙しそうにしていたから」

 

「全くもって、ですね。来年はゆっくりしたいものです」

 

「フフ・・・・さすがにリーダーとしてこのデュエルは勝ちにいくわよ。全敗なんて情けないから」

 

「一応、こっちにもWRGP優勝というメンツがありますから、そう簡単に負けちゃダメなんすよ」

 

お互いにデュエル前に色々と言い合いながらデュエルディスクをセットする。

 

『第5戦、遠藤遊輝と十六夜アキ!デュエルスタート!』

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 アキ LP 4000

 

「先行は私、ドロー」

 

アキ 手札 6枚

 

「魔法カード、ワン・フォー・ワン。手札のダンディライオンを墓地に送って、チューナーモンスター、グローアップ・バルブを特殊召喚」

グローアップ・バルブ 守100

 

「墓地に送られたダンディライオンの効果!このカードが墓地に送られた場合、フィールドに綿毛トークン2体を特殊召喚する!」

 

綿毛トークン 守0

 

「永続魔法、超栄養太陽を発動!フィールドの綿毛トークンをリリースして、リリースしたモンスターの+3のレベルを持つ植物族モンスターをデッキから特殊召喚する!ローンファイア・ブロッサムを特殊召喚!」

 

ローンファイア・ブロッサム 守1800

 

「ローンファイア・ブロッサムの効果!フィールドの植物族モンスター1体をリリースして、デッキから植物族モンスターを特殊召喚する!綿毛トークンをリリースして、2体目のローンファイア・ブロッサムを特殊召喚!2体目のローンファイア・ブロッサムの効果!1体目をリリースして、紅姫チルビメを特殊召喚!」

 

紅姫チルビメ 守2800

 

「め、めんどくせぇ・・・・」

 

ローンファイアから出てきたモンスターを見て、俺はそっと呟いた。紅姫チルビメ、植物姫の4体のうちの1体、他のモンスターとは違い、守備型の能力を持つこのモンスターは先行で出されると非常に面倒くさい。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

アキ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

グローアップ・バルブ 守100

ローンファイア・ブロッサム 守1800

紅姫チルビメ 守2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「・・・・・割とめんどくさい状況にしましたね」

 

「あなた相手なんなからこれくらいはしておかないと」

 

「俺どうこうよりもこの布陣を突破すること自体至難でしょうよ、俺のターン!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「EM ドクロバットジョーカーを召喚!」

 

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

「召喚成功時、カウンタートラップ、ポリノシスを発動!グローアップ・バルブを墓地に送ってドクロバット・ジョーカーの召喚を無効にする!」

 

アキさんのフィールドにいたグローアップ・バルブがリリースされて、ポリノシスの効果によりドクロバット・ジョーカーが何もせずに破壊された。

 

「(さすがにこのカードの強さを知っているか・・・)レフト・Pゾーンにスケール6のEM ギタートル、ライト・Pゾーンにスケール6のEM リザードローをセッティング!」

 

「ギタートルのペンデュラム効果!もう片方のペンデュラムゾーンに《EM》ペンデュラムモンスターがセットされた時、1枚ドロー!そしてリザートルのペンデュラム効果!もう片方のペンデュラムゾーンに《EM》ペンデュラムモンスターの場合、自身を破壊して1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 3枚→5枚

 

「(・・・・・ラッキー)ライト・Pゾーンにスケール2のEM ダグ・ダガーマンをセッティング!ダグ・ダガーマンのペンデュラム効果!このカードをペンデュラムゾーンにセットしたターンに1度だけ、墓地の《EM》モンスターを回収する!ドクロバット・ジョーカーを手札へ!」

 

「(それじゃドクロバット・ジョーカーを破壊した意味がないじゃない・・・・)」

 

「さらに魔法カード、デュエリスト・アドベント!ペンデュラムゾーンにカードが存在する場合、デッキから《ペンデュラム》カードを手札に加える!EM ペンデュラム・マジシャンを手札に加えて、行くぜ!揺れろ!!魂のペンデュラム!!天空に描け!!光のアーク!!ペンデュラム召喚!!現れろ俺のモンスター達!!」

 

ペンデュラムゾーンのギタートルとダグ・ダガーマンの間に大きな振り子が現れて円を描くように軌跡を描く。

 

「手札からEM ペンデュラム・マジシャン、そして調弦の魔術師!」

 

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500

調弦の魔術師 攻0

 

「ペンデュラム・マジシャンの効果、チェーンして調弦の魔術師の効果発動!調弦の魔術師は手札からペンデュラム召喚に成功した場合、デッキから《魔術師》Pモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!虹彩の魔術師を特殊召喚!」

 

虹彩の魔術師 守800

 

「そしてペンデュラム・マジシャンは自分フィールドのカードを2枚まで破壊することで、デッキからペンデュラム・マジシャン以外の《EM》モンスターを手札に加える!Pゾーンのギタートルとダグ・ダガーマンを破壊して2枚目のダグ・ダガーマンとEM ラディッシュ・ホースを手札に加える!」

 

「(相変わらずすごい展開力、そしてそれを補うように手札のリソースが切れない)」

 

さてと・・・・残念ながら手札が噛み合ってないな。ここは守りを固めよう。

 

「Lv4の調弦の魔術師と虹彩の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,41 泥眠魔獣バグースカ!」

 

No,41 泥眠魔獣バグースカ 守2000

 

「バグースカの効果!このカードが守備表示で存在する限り、表側のモンスターは全て守備表示になり、守備表示のモンスターは効果を発動できない!」

 

「!?」

 

エクシーズ召喚して現れたバグースカの欠伸から出た丸いシャボン玉みたいなもの、それがフィールドに行き渡って全てのモンスター・・・・ってもペンデュラム・マジシャンを守備表示にする。

 

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500→守800

 

「ちなみにロンファのリリースして発動する効果も無効にしますよ。チルビメの効果は墓地で発動するから意味ないですが」

 

「それでも面倒くさいモンスターね・・・・」

 

「カードを1枚伏せて、ライト・Pゾーンにスケール1の紫毒の魔術師をセット!これでターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,41 泥眠魔獣バグースカ 守2000

EM ペンデュラム・マジシャン 守800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

【ペンデュラムゾーン】

赤:なし

青:紫毒の魔術師 【スケール1】

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アキ 手札 3枚

 

「(・・・・・バグースカを何とかしないとその内、遊輝の手札が増えていくわね。かといってモンスター以外であのモンスターを除去となると・・・)」

 

うっわ〜・・・・すっげぇ考えているな。当たり前か、最近はモンスターで相手のカードを除去することが多くなったから。

 

「(・・・・・参ったわね。何もできないじゃない・・・・)カードを1枚伏せてターンエンド」

 

アキ 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ローンファイア・ブロッサム 守1800

紅姫チルビメ 守2800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

やっぱり止まったか。バグースカの制圧力マジで凄いなぁ・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚

 

「スタンバイフェイズ、バグースカはオーバーレイ・ユニットを一つ取り除かないといけない」

No,41 泥眠魔獣バグースカ OVR 2→1

 

さあてと・・・・ふむ、ここで決めに行くか。

 

「魔法カード、壺の中の魔術書!互いのプレイヤーは3枚ドローする!」

遊輝 手札 3枚→6枚 アキ 2枚→5枚

 

「魔法カード、デュエリスト・アドベント!今度はデッキから永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを手札に加えて、発動!リバースカードオープン!時空のペンデュラムグラフ!自分フィールドの紫毒の魔術師とローンファイア・ブロッサムを破壊する!」

 

フィールドに現れた時空のペンデュラムグラフが紫毒の魔術師とローンファイア・ブロッサムを照準に合わせて、2枚のカードを破壊した。

 

「くっ・・・」

 

「さらに永続魔法、星霜のペンデュラムグラフ、チェーンで紫毒の魔術師の効果発動!紫毒の魔術師の効果でフィールドの表側のカード1枚を破壊する!」

 

「なっ!?」

 

「チルビメを破壊!」

 

破壊された紫毒の魔術師の霊がチルビメの前に現れて、手にしている鞭のような杖を振り回してチルビメを破壊した。

 

「そして星霜のペンデュラムグラフの効果でデッキから黒牙の魔術師を手札に加える」

 

「破壊されたチルビメの効果!デッキからチルビメ以外の植物族モンスターを特殊召喚する!2体目のダンディライオンを特殊召喚!」

 

ダンディライオン 守300

 

「関係ない!バグースカを攻撃表示に変更!」

 

No,41 泥眠魔獣バグースカ 守2000→攻2100

 

「そしてEM ドクロバット・ジョーカーを召喚!効果により調弦の魔術師をデッキからを手札へ!Lv4のドクロバット・ジョーカーとペンデュラム・マジシャンでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鳥獣士カステル!」

 

鳥獣士カステル 攻2000

 

「カステルの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、ダンディライオンをデッキに戻す!」

 

鳥獣士カステル OVR 2→0

 

カステルがオーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、ダンディライオンに向かって銃を発車、捕獲用のネットがダンディライオンに絡まり、そのネットを持って何処かに連れ去っていった。

 

「バトル!鳥獣士カステルでダイレクトアタック!」

 

アキ LP 4000→2000

 

「あああっ!!」

 

「バグースカでダイレクトアタック!」

 

「リバースカードオープン!竜魂の源泉!墓地からモンスター1体を幻竜族にして守備表示で特殊召喚する!ダンディライオンを特殊召喚!」

 

ダンディライオン 守300

 

「あっちゃ〜・・・・まあいいか。バグースカでダンディライオンに攻撃!」

 

攻撃表示となりやる気になったバグースカがダンディライオンに向かって突進、ダンディライオンは破壊されたがフィールドに綿毛トークン2体が残る。

 

「破壊されてダンディライオンの効果!綿毛トークンを2体特殊召喚!」

 

参ったな・・・ペンデュラムしなくても勝てるだろうと思って温存したらトークンを残す結果になるとは・・・仕方あるまい。

 

「ライト・Pゾーンにスケール8の黒牙の魔術師をセット。これでターンエンド!」

 

遊輝 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

No,41 泥眠魔獣バグースカ 攻2100

鳥獣士カステル 攻2000

【魔法・罠ゾーン】

星霜のペンデュラムグラフ

時空のペンデュラムグラフ

【ペンデュラムゾーン】

赤:なし

青:黒牙の魔術師 (スケール8)

 

 

「私のターン!ドロー!」

 

アキ 手札 6枚

 

「綿毛トークン1体をリリース!ギガプラントをアドバンス召喚!」

 

ギガプラント 攻2400

 

「さらに装備魔法、スーペルヴィスをギガプラントに装備!」

 

「げっ!?それは許せない!永続罠、時空のペンデュラムグラフの効果!」

 

「チェーンで速攻魔法、サイクロン!時空のペンデュラムグラフを破壊する!」

 

「なっ!?」

 

発動しようとした時空のペンデュラムグラフはアキさんが発動したサイクロンによって破壊されてしまった。

 

「スーペルヴィスの効果でギガプラントはデュアル状態になったわ!ギガプラントの効果!墓地から植物族モンスター1体を特殊召喚する!」

 

「チェーンで手札から増殖するGを発動!このターン、相手が特殊するたびに1枚ドローする!」

 

「チューナーモンスター、グローアップ・バルブを特殊召喚!」

 

遊輝 手札 4枚→5枚

 

「(・・・一気に決めに行く)Lv6のギガプラントにLv1のグローアップ・バルブをチューニング!」

 

☆6 + ☆1 = ☆7

 

「冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻2400

遊輝 手札 5枚→6枚

 

光の中から漆黒のバラが無数に咲き誇り、その中央に咲いた大きな黒いバラが花開いて、ブラック・ローズ・ドラゴンが現れた。

 

「墓地に落ちたスーペルヴィスの効果!墓地から通常モンスターを特殊召喚する!ギガプラントを特殊召喚!墓地のグローアップ・バルブの効果!デッキの一番上を墓地に送り、墓地から特殊召喚!」

 

遊輝 手札 6枚→7枚→8枚

 

「Lv7のブラック・ローズ・ドラゴンにLv1のグローアップ・バルブをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

「漆黒の花が赤い炎に包まれる。紅の花よ、開け!シンクロ召喚!咲き乱れろ!フレア・ローズ・ドラゴン!」

 

フレア・ローズ・ドラゴン 攻3000

 

グローアップ・バルブとブラック・ローズが一つの光となって、漆黒のバラが燃え上がる真っ赤なバラに変わる。さっきは無数に咲いていたが、今度は大きな一つの大輪の花が花開いてフレア・ローズが現れた。

 

「(うえええい!?よ、よりによってそいつ!?)Gで1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 8枚→9枚

 

「フレア・ローズ・ドラゴンの効果!このカードのシンクロ召喚成功時、フィールドのカードを任意の枚数選択して持ち主のデッキに戻す!」

 

「バグースカは攻撃表示の時、相手のカード効果の対象にならない!」

 

「なら私はバグースカとギガプラント以外のフィールドのカードを全て選択!ローズ・タイフーン!」

 

フレア・ローズの周りに色んな薔薇の花びらが竜巻のようにまとって、ギガプラントとバグースカ以外を飲み込んで飛ばしていった。

 

「バトル!フレア・ローズ・ドラゴンでバグースカに攻撃!この瞬間、フレア・ローズ・ドラゴンの効果発動!このカードの攻撃宣言時に自分のライブが相手よりも低い場合、このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで倍になる!フレア・ローズ・バーニング!」

 

フレア・ローズ・ドラゴン 攻3000→6000

No,41 泥眠魔獣バグースカ 攻2100

 

遊輝 LP 4000→100

 

「ぐわああああ!!!!」

 

「これで終わりよ!ギガプラントでダイレクトアタック!」

 

「手札の速攻のかかしの効果!このカードを手札から捨てて、ダイレクトアタックを無効にして破壊する!」

 

ギガプラントの攻撃は目の前に速攻のかかしが現れて、攻撃を無効にした。危ねぇ・・・Gを使ってなかったら引いてこれなかったぜ。

 

「(あれだけ引かれたら仕方ないわね・・・・)カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

アキ 手札 2枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

フレア・ローズ・ドラゴン 攻3000

ギガプラント 攻2400

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 9枚

 

あの伏せ怖いなぁ・・・・どうやって対処しようか・・・・

 

「魔法カード、ガガガ・ゲット!デッキからガガガマジシャンを特殊召喚!」

 

『ハアアア!!』

ガガガマジシャン 攻1500

 

「さらにガガガシスターを召喚!」

 

『イエイ!』

 

ガガガシスター 攻200

 

「ガガガシスターの効果発動!召喚成功時、デッキから《ガガガ》魔法か罠を加える!ガガガリベンジを加えて、ガガガシスターの効果発動!このカードとガガガマジシャンのレベルを2体の合計値とする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

ガガガシスター ☆2→☆6

 

「Lv6のガガガマジシャンとガガガシスターでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ダイヤとサファイア、2体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき、代わりに白い太陽が輝きながら現れて変形、ホワイトが姿を現わす。

 

「(なるほどね・・・・棘の壁(ソーン・ウォール)は無意味ね)」

 

「ホワイト・サンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いてこのターン、ホワイト・サンはダイレクトアタックができる!ライト・サプリメーション!」

 

ホワイト・サン・ドラゴン OVR 2→1

 

「バトル!ホワイト・サンでダイレクトアタック!サンシャイン・パティズム!」

 

アキ LP 2000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS アキ

 

 

 

『5試合目、勝者、遠藤遊輝!!』

 

『ワアアアアア!!!!!』

 

「終わったああ・・・いやぁ、危なかった・・・」

 

マジでフレア・ローズが出てきたときは負けるかと思ったよ・・・・あんなこと起こるんだったら前のターンに展開しておくべきだった。最近、俺に対する激流葬メタが怖くて仕方ないけど・・・・

 

「完敗ね。本当、WRGP以降強くなったわね」

 

「アキさんもお強いですよ。あと一歩まで追い詰められたんだすから」

 

デュエルディスクを直して、アキさんがこっちから近づいてきた。

 

「それにしてもなんで前のターンにペンデュラムしなかったの?普通にしていたら勝っていたでしょ?」

 

「・・・・・・・最近、俺に対する激流葬メタが多すぎる」

 

「どれくらい?」

 

「向こう10戦中8戦・・・・・」

 

「あ、ああ・・・・(汗)それは警戒するわね・・・・」

 

何?何で激流葬ばっか使ってくるの?神の系の方が刺さるんだけど、まぁあれライフコストあるからこっちではなかなか使われないけど。

 

「あなた達も大変ね、教頭が全ての原因だけど。この後部室で収録なんでしょ?」

 

「・・・・何でそんな事知ってるのですか?」

 

「知らないと思ってるの?アカデミアの生徒が嗅ぎつけてみんな知っているわよ」

 

「・・・・・・ガチであの教頭丸焼きにしようかな・・・」

「あなたが言うとシャレにならないからやめなさい」

 

「遊輝〜〜!!戻るわよ!!」

 

「分かった〜、というわけでアキさん、先に戻ります」

 

「分かったわ。頑張ってね」

 

励ましの言葉をもらって俺はデュエルフィールドから降り立ち、レミ達を追いかけた。




*注意・・・・この後書きはリミットレギュレーション改定前に書いたものです。




遊輝「マジGに助けられた・・・・カカシ無かったら死んでいた・・・」

霊夢「Gって優秀だよね。見た目と名前はグロいけど」

魔理沙「準制限に行くのも納得だな」

遊輝「タイミング的にはなぜ今?と何でGだけ?だけど」

霊夢「良いような悪いような、ね」

魔理沙「ところでさぁ、あれ何なの?」

遊輝「あれ?」

魔理沙「ほら、あの・・・・デッカくて黒い肩にかけている」

遊輝「・・・・あぁ、カメラだな」

魔理沙「デカすぎだろ!?」

遊輝「あれは写真を撮るやつじゃなくて映像を残すやつだ。しかも業務用」

霊夢「ふぅ〜ん。次回もよろしくね」


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第194話 卒業旅行?の計画

*謝罪

ごめんなさい、この話、小休憩でデュエルなしにするつもりだったので、過去最高にクソな話となりました。本当なら没にしたいのですが、卒業旅行(?)の導入部分ですのでお許しください。


そのかわり、活動報告にも書いた番外編の方を頑張りたいと思います。
こんなことならこの話、前回の後につけたらよかった・・・・

後書きも無しとしました。あまり筆が乗りませんでした。

読者の皆さん、本当に無能な作者ですみません。


遊輝 side

 

「クシュン!うぅ・・・寒っ」

 

「11月も後半だしなぁ・・本格的に冬到来って感じだぜ」

 

「遊輝、もっと能力使って部屋温めて」

 

「俺は暖房器具じゃねぇんだぞ」

 

季節は木枯らしが吹き出した頃・・・・

唐突の冬将軍の到来で今年初めて部室に暖房を付けて、部員全員で話し合う。今日は練習は休みでミーティングだけだ。

 

「来年はもう高校生か・・・・」

 

「実感ないよね。本当にあっという間だよ」

 

「面子は変わらないから、結局あんまり変わらないままだろうな」

 

「遊輝っちの言う通りだね」

 

「さてと、こっちの書類も片付けようじゃないの」

 

ドサっとテーブルの上に置いた紙束はそのままバサ〜と広がる。

 

「来年のツアーの話、か・・・」

 

「うちのお父さんも話を言っていたわね。『簡単なアルバムでも作ってみないか?』って」

 

「もう高校生だもんな。中等部と違ってやれることが増えてくるし」

 

「遊輝って前世のとき、高校生活していたのでしょ?どんな感じだった?」

 

「あんまり変わらなかったなぁ〜。強いて言えば部活での練習が本格的ぐらい。名ばかりの強豪校だったから、すぐに辞めちまったけど」

 

今でも覚えてるなぁ・・・・最初に剣道を教えてくれた人は尊敬できたけど、高校の担当の人はなんというか、勝つために何でもするっていう汚いやり方だった。喧嘩とか暴動の時ならともかく、剣道の試合ではそんな事して欲しくなかったな。

 

「あとは勉強が難しくなっただな。現代語は変わらないけど、他はだいぶ本格的な授業をやっていたし」

 

「じゃあ俺は変わんねなぁ。寝るだけし」

 

「いや、お前らいい加減まじめに起きてやれよ。レミはともかくとして進級テストがあるんだぞ」

 

授業中居眠りばかりしているスバルと響に注意をする。レミも居眠り常習犯だけど、あれは勝手に発動しているシグナーの能力の副作用で致し方ない部分もあるし、レミは上の下ぐらいの成績は取っているから。

 

「そうだ・・・夜の活動時間も増えるな、一応、高校生だから22時まで行けたはず」

 

「そうか、じゃあツアーの時間も少しなら遅められるのね」

 

「でもやっぱ基本は土日がいいだろうなぁ」

 

「というかツアー確定なのか?」

 

「何かしらの事が起こらない限りはほぼ決まりね。今年はクリスマスのライブやって、来年の年明けからまた練習ね」

 

「なかなか大変だなぁ・・・こうやってみると毎年ツアーをやっているアーティストってすごいな」

 

全くだ。観ている側はすごい楽しいけど、演者はなかなかに体力も頭も使う、しかもそれを全国回って、なかなかに酷だ。

 

「新曲もどうする?カバー曲もやるけど」

 

「何曲か混ぜたらいいだろう。1体1の割合は変えない方がいい」

 

「そうね。オリジナル曲はまぁ・・・何曲か新しいの入れてみようか」

 

「うう〜ん・・・・じゃあこの書類はまた後で、さて次は・・・・」

 

「これ何〜っと・・・・?修学旅行?」

 

「あれ?そんな紙入ってたの?」

 

バサ〜と広げられた紙類を一枚一枚適当に流しながら整理していると、奏が一枚の紙に手をつけた。

 

「それいらないよね。ってか何でそんな書類入ってたの?」

 

「さぁ?校長先生が入れ間違えたのじゃない?」

 

「修学旅行・・・・行けなかったなぁ」

 

「そのかわり全国3ヶ月弾丸ツアーをやったじゃないか」

 

「あれを旅行って言えるの!?」

 

バンッと机を大きく叩いて響が立ち上がる。

修学旅行・・・・・小学校や中学校、高校などが行う団体行動で見学や研修を泊まり込みで行う行事、アカデミアにも中等部の3年になったら修学旅行に行く。だが、俺たちはその時期はツアー中だった。そんなわけで修学旅行には行けなかった。

 

「だって皆とワイワイ楽しむんだよ!」

 

「それだったらめちゃくちゃやり合っていたじゃねぇか。枕投げなんか人生の一生分っていいくらいにやったぞ」

 

「この6人ででしょ!?しかも半ばヤケクソの!!あ〜あ・・・・そうだ!!みんなで年越しかけて旅行に行こうよ!少し早めの卒業旅行!!」

 

「えぇ・・・・」

 

「?何でそんな渋い顔をしているのよ」

 

響の旅行という提案に露骨に嫌な表情をして返した。それを見たレミが俺にそう返してきた。何故かって?それは・・・・

 

「今年の冬こそは平穏に過ごしたいから家でゆっくりしたかったのに」

 

「平穏?平穏に過ごしていただろ?」

 

「・・・・この世界に来て最初の冬はパリで悪党に捕まり、去年は精霊世界で魔法少女とか言われた上に処刑寸前で牢獄行き・・・・」

 

『う、うっわぁ〜・・・・・・・』

 

この世界きてから、碌な年越しは一度もしていない。せめて、せめて今年こそはゆったりと平穏な、コタツでミカンを食べて、テレビを見ながら除夜の鐘を聞きたい!まああの家、コタツないけど。

 

「ま、まぁ・・・遊輝じゃないけど、わたしも正直難しいと思うよ。中学生だけで年越しに旅行なんて、高校生くらいならいけるだろうけど」

 

「えぇ・・・・2年前は行けたじゃない」

 

「あの時は響のお父さんがいてくれた上にすみれさんがいたからでしょ。それに言っておくけど、今年もずっと練習よ」

 

「練習・・・・それだ!!!」

 

「!?ビ、ビックリした!?何よ突然!?」

 

「合宿だよ合宿!!合宿って言えばいいじゃん!!」

 

「が、合宿?」

 

「確かに合宿ならお金を出してくれるかもしれないけど・・・・行く意味ある?」

 

「あるよ!気分転換になるし旅行気分にもなるし」

 

いや、それツアー中となんら変わりねぇじゃん。こいつはとにかく年越しを何処かで過ごしたいんだな、なんて贅沢な考え。

 

「でもさぁ、どこに行くのよ?行くとなるとスタジオと泊まる所借りなきゃ行けないし」

 

「それに機材も借りないとダメだぞ。運ぶなんて以ての外だ」

 

「そこはほら!レミのお父さんと私のパパとすみれさんの力で」

 

「何人の力借りようとしているのよ!!」

 

「まぁ・・・・合宿って案はいけるかもしれないわね。幸か不幸か、ツアーの練習とかアルバム作ろうとしたらこの部室じゃ無理だし・・・・とは言ってもお金降ろしてくれるのかなぁ〜?」

 

「レミ!聞いて見てよ!私もパパに相談してみるからさぁ!!」

 

「行けるなら行けるとして・・・どこに行きたいの?」

 

「そうだな・・・決めてなかったけど冬から逃れたいから暖かいところに行かない?」

 

「海外は勘弁してよ、流石に却下される」

 

「じゃあ・・・・・沖縄?」

 

「良いね!!冬の沖縄ってなんか惹かれる!!暖かいし、観光客も少ないし!!」

 

「結局遊びたいだけじゃないか」

 

「それとやっぱ海!!今年は海行けて「いくら沖縄でも12月の海は冷たいし、第一海開きしてないから海で泳いじゃダメだよ」そうなよ!?」

 

「おい、普通に考えたらわかるだろ。いくらなんでも年中入れるわけねぇだろ」

 

まぁ沖縄よりもっと南・・・・セブ島くらいなら年中入れるだろうがそんな所行く理由がない。

 

「今年は海行けなかった・・・・」

 

「ツアー入った時点で諦めろよ」

 

「ちなみにこのまま行くと来年も海なしよ」

 

「いやあああ!!!!海なしなんて!!海に行くことが夏休みの生きがいなのに!!」

 

何を言ってるんだこいつは・・・・・

 

「じゃあこの資料はこっちにまとめて・・・・終わり!」

 

「というわけで・・・・・ゲームやろうぜ!!今日はオデッセイだ!」

 

「じゃあ久しぶりにゼルダでもやるか」

 

「悪いけど私は帰るね。家の手伝いしなくちゃ行けないし」

 

「私もお父さんに合宿のこと相談しなくちゃ」

 

「じゃあ私がお供してあげる!」

 

レミと奏はそれぞれ用事があるのでカバンの中に荷物をまとめ始める。残った俺たちはやることもないのでゲームのスイッチを押して、テレビをつける。今日は何しようかな・・・・

 

 

〜〜(数日後)〜〜

 

 

「っというわけで、沖縄に行って何する!?」

 

「いや、普通に練習と収録だろ、遊んでいる暇ないだろ」

 

「とりあえず何やるか決めよう。向こうで決めている時間がもったいない」

 

黒板に数字を書き終えたレミがこっちに振り向く。この数字はライブでやる曲順などだ。

結局、あの後レミと響が会社の人たちに相談した結果、あっさりとOKをもらい、スタジオやペンションなどを早々に借りてしまった。

 

「テーマどうする?」

 

「それはまたおいおい、簡単に決められるものじゃない」

 

「そうだな。開幕ナンバーとそこから先数曲だけ決めよう。あとはアルバム」

 

「開幕どうする?」

 

「ベースからやってみたら?ベースが聞く曲」

 

「ベースが聞く曲・・・・ねぇ・・じゃあこれから?」

 

「ああ・・・・そういうの良いね。そうしたら次はもう少しメジャーどころのこの辺の曲を入れていこう」

 

「アレンジ加えよう。最初の曲のイントロ、せっかくベースがいい味出しているんだからベースを強調してみようぜ」

 

「そうね・・・・じゃあアレンジの編曲を考えておくわ。次にこっち」

 

「そっちは正統派のカバーでいいんじゃない?」

 

「いやぁどうなんだろうねぇ〜。少しくらい変えてもいいんじゃない?」

 

「ベースのアレンジってどうなるの?」

 

「う〜ん・・・・・・」

 

♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪〜〜

 

「これギターの原曲」

 

「原曲が良いからなぁ・・・・・キー音下げたら?」

 

「どうなのかな・・・・・」

 

ベースを片手にレミが五線譜ノートを取り出して色々とメモを始めた。

 

「う〜ん・・・・・良いメロディ思い浮かばない」

 

「ベースらしく重厚感のあるイントロにすれば?」

 

「どうかな〜・・・・・動画見て考えてみるか」

 

「じゃあ向こうで何して遊ぶか考えよう!」

 

「だからお前・・・・」

 

「まぁいいじゃん。大晦日と正月三が日は休みなんだし」

 

「大晦日は年越しの瞬間に初詣しようよ!」

 

「だから、15歳以下は夜の外出は禁止だって。法律で言われているでしょ」

 

「初詣も沖縄ね・・・・沖縄って神社あるの?」

 

「流石にあるでしょ」

 

そんな感じで俺たちは沖縄合宿に向けて色々と準備を進めていった。

 

 

 

 



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第195話 卒業旅行?

今回もデュエルなしです。
本当なら色々とやりたかったですが、どれもこれも中途半端且つ、つまんないのでボツになりました。

そして、この話の後はいよいよ最終回に向けたデュエルです。
なんかもう・・・感慨深いです。
・・・・・遊輝君の対戦相手、誰にしようかな?


遊輝 side

 

 

「ついた〜!!南国の国、沖縄〜!」

 

「温かいわね〜。さすが気温20度」

 

「おい、まだ空港の中だぞ」

 

「外は意外と寒いらしいから少し着込まないとダメって観光ブックに書いていたわね。海風で体感が寒くなるなんてなんか意外」

 

12月のクリスマスが終わって数日。

クリスマスライブが終わって1日の休みの後、飛行機で沖縄に到着した。冬でも温かいイメージがあったが、観光のページ曰く、海風で体感は寒くなるから注意しろよだった。

この沖縄旅行に来たのはSECRETのメンバーのみ、一応、収録やライブの練習があるので関係者しか来れない。

 

「とりあえずペンションに行こう。マンションのようなペンションを3部屋借りたみたいだら」

 

「えっと・・・・ゆいレールに乗っていけば良いんだね。じゃあゆいレール乗り場に行こう!」

 

「ここから出たら良いのね・・・・うっひょ〜、ほんと寒いわ〜」

 

「早いとこ行こうぜ」

 

空港から出て、海風が吹いて冷たい風が体に染み渡る。これでも外の気温は20度なんだからなぁ〜。

 

「えっと・・・この駅だな。5つ目か。よし、いくぞ」

 

「おう」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「はいさい、めんそーれ沖縄へ」

 

「小林さん、3日ぶりですね」

 

「クリスマスライブにあったばかりだからね、これ部屋の鍵だよ。1時間後に今回押さえたスタジオと近くのスーパーを案内するからそれまで部屋でゆっくりしておいで」

 

「分かりました」

 

目的地となるペンションに辿り着いて、そこのロビーにいたレミの会社の人と会う。レミが代表して前に出て、握手をして部屋の鍵を3つ受け取った。

 

「君たちの部屋は2階だよ。エレベーターでも行けるけどそこの階段から行った方が近いから」

 

「分かりました。それじゃ」

 

鍵を受け取ったレミを先頭にゆびざしした階段をスーツケースを持って移動し、目的の部屋に着く。

 

「ここから3つね。一部屋につき二人、まぁ男は男で過ごしてよね」

 

「分かってますよ」

 

「そんじゃまたね〜」

 

鍵を一つ受け取って、扉を開ける。中は普通のマンションの一部屋みたいなかんじだ。リビングとキッチン、ベットルームでトイレとお風呂付き。

 

「とりあえず荷物はここに置いといて・・・掃除機と洗濯機もあるのか。洗剤買ってこなくちゃな」

 

「タンスはここ一つだけだな」

 

「半分ずつ使うか。とりあえず荷物を軽く出そう、それから先はまたあとで」

 

「そうだな。スティックは・・・・ここで」

 

「えっと・・・・・あっちゃ〜、ピックの予備切れかけてるじゃん・・・・あるかな〜」

 

「スタジオで聞いてみたらいいだろ。とりあえず整理しようぜ」

 

「おk」

 

とりあえずスーツケースの中の荷物をタンスに入れるか・・・・えっと、こいつはここで、こいつはここで・・・・

 

ピンポーン

 

「ん?なんだ?まだスタジオに行くには早いだろ?」

 

インターホンが鳴ったのでバタバタと駆けって玄関の鍵をあける。扉の向こうには響と奏がいた。

 

「どうしたんだよお前ら?」

 

「ご・・・ご・・・・ご・・・」

 

「ご?」

 

「ゴキブリ!!ゴキブリがいるの!!」

 

「はぁ?ゴキブリ?」

 

「うるせぇな!!近所迷惑だぞ!」

 

奏が大声で叫んで、それに反応してスバルが部屋からやってきた。そりゃあんな大声出したら近所迷惑の一つくらい言いたくなるわな。

 

「ゴ、ゴキブリだよ!?ゴキブリ!!しかもかなり巨大な!?」

 

「それがどうしたんだよ。さっさと退治しろ。そこらへんにある新聞紙まとめて」

 

「な、ななな、なんであんた達そんなにゴキブリで平然としていられるのよ!」

 

「俺は物置掃除していたらしょっちゅう出てくるし」

 

「お前、ちゃんと掃除しているのか?整備士失格だろ。俺はまぁ過去に大量のゴキブリと格闘した経験で耐性ついた」

 

あれは未だに覚えているわ・・・・爺ちゃん家の物置整理していたらゴキブリが出てくるわ出てくるわ。もう最後の方なんか機械作業で目が死んでいたもん。

 

「お願いだから退治して!!」

 

「分かった分かった・・・とりあえず黙ろう。本当に近所迷惑」

 

あ〜あ・・・・今回も騒がしい年越しになりそうだ。

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「奏さんいきま〜す。まずは『Best friend』」

 

「わかりました」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「・・・ここ、こう〜・・・・もっと広がる感じの方がいいじゃね?こうやって」

 

♪♪♪〜〜〜

 

「ドラムとの相性悪くなるから・・・・ちょっと待って、スバルに言ってくる」

 

「相性悪いか・・・じゃあ」

 

♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜〜

 

「こんな感じ?」

 

「違うと思う。そこは多分こう・・・・抑えめで」

 

「抑えめ?」

 

「遊輝、ごめん。ここのコーラス取って」

 

「どこ?」

 

「ここ、ここのこの部分」

 

「・・・・あ〜わかった。ちょっと喉の調子整えてくる」

 

歌の収録をしていた奏が五線譜の紙を持ってコントロールルームに入ってきて、俺に鉛筆である部分を丸で囲む。そこの部分を見て俺はソファから立ち上がり、ペットボトルの水を一口飲んで発声練習を始める。

 

「あ、あ〜・・・・ふぅ〜。OK」

 

「じゃあよろしく。そのまま入っていいわ。私はちょっといい感じのフレーズ思いついたから」

 

「わかった」

 

紙を受け取った俺はそのままコントロールルームの隣にある小さな個室に入る。そこは簡単なコントロールパネルとヴォーカルの録音用のマイクしかない。備え付けのヘッドホンを耳に当て、マイクに向かって声を出す。

 

「あ〜、あ〜・・・・じゃあお願いします」

 

『分かりました』

 

♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「あ〜、あ〜、ああ〜〜・・・・・」

 

マイクに向かって歌い始める。コーラスは編曲されるとは言えヴォーカルより目立っちゃダメだ。出来る限り目立たない且つ丁寧な高さに出さないと。

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「一回聞きま〜す」

 

『は〜い』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「(・・・・・・・う〜ん、微妙)もう一回、頭から」

 

『分かりました』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

録音した自分の声を聞いて納得いかなかったのでもう一回歌い直し、そして再び録音していたのを聴く。

 

「ん〜・・・・なんかおかしい」

 

『違和感はありますね。ライブの時に取った、あの時の方がマシですよ」

 

「キーが外れてるのですか?なんか合わない」

 

『キーは外れてないよ。ただ、ライブの時よりも声量を落としているからじゃないか?』

 

「落としすぎ?そんなに」

 

『調整はこちらでやりますから一度ライブと同じ要領でやってみたらどう?』

 

「分かりました」

 

とりあえず声量に注意してっと・・・・・

 

♪♪〜〜♪♪〜〜♪♪〜〜

 

「ああ〜〜・・・・・・・」

 

♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜

 

『OK、さっきよりいいよ』

 

「そうですか。ちょっと聞いてみます」

 

コントロールパネルのスイッチを押して、ついさっき録音した自分の声を聞く。

 

「(・・・・ああ、確かに違和感ねぇな。こうなるとここの音、半音下がるか・・・・)」

 

う〜む、難しい・・・・・こういう時は一番初めにやった通りにした方がいいな。後から考えれば考えるほどダメになるパターンだ。

 

「とりあえずこれでレミに渡してください。えっと・・・・次、『風に吹かれて』を頭から通しで」

 

『はいよ〜』

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

ひたすら録音していた曲に歌を歌って、自分の歌を聴いて気に入らないところがあれば歌い直し、こんな作業をずっと続ける。気づけば夜の9時だった。

 

『遊輝さ〜ん、これ以上は無理ですよ。それと歌い過ぎです』

 

「あ゛あ゛・・・・ちょ、調子乗り過ぎた・・・・」

 

今日は調子いいわ〜・・・・とか思って呑気に歌うんじゃなかった・・・喉いてぇ・・・ペットボトルの水を飲み干して、小さな部屋から出る。

 

「お疲れ様です。明日は歌わないでくださいよ」

 

「さすがに歌いませんよ・・・・」

 

「他の皆さんは先に帰りました。遊輝さんが最後です」

 

「まぁ夜9時だもんなぁ・・・・」

 

とっとと荷物をまとめて部屋に戻ろう。明日まで収録して、明後日からは休みだな。確か明後日水族館行こうとか言っていたな・・・美ら海ってすげぇ遠いんだけど。

 

「お疲れ様でした」

 

「おつかれ〜」

 

スタジオに残っているスタッフさんに挨拶をしてスタジオを出る。晩飯はスバルに任せていたな・・・となるとコンビニか。

 

「まぁ夜9時過ぎちゃったら俺も作る気ないな・・・ふわぁ・・・」

 

にしても暗いなぁ・・・この辺はまだ建物が多いけど、お、お化けとか出ないよな・・・

 

「・・・あっ、ステーキ屋だ。そういえば沖縄県民はシメにステーキって言っていたけどマジなんだな。なんじゃあの行列」

 

チラッと見えたステーキ屋には夜9時を過ぎているのに長蛇の列。これがまだ深夜にかけて続くとかとても想像できない。

 

「沖縄ソバとかテビチとかあと魚の・・・グルクンとか食べてみてぇ料理いっぱいあるけど、どれもたどり着けそうにないな。マグロの目玉とか絶対に食わねえだろ」

 

あれはまぁ、コラーゲンの塊とか言えば簡単に釣れそうだけど。

 

「他なにあるかな〜・・・まぁこういうのはそこらへんの食堂に行けばあるだろ。っということでついた」

 

歩いて2〜3分、拠点のペンションに着いた。いや〜、近くにあるのマジ便利、アカデミアから家までそこそこかかるし。

 

「ふわぁ・・・さっさと食べて風呂入って寝よ。明日も早いし」

 

あくびを一つついて部屋へと戻っていった。

 

「戻ったぞ」

 

「おっせぇな。先に飯食ったぞ」

 

「わかってら。何買ったんだ?」

 

「サラダと電子レンジでチンするご飯と適当なオカズ」

 

「・・・・・・なんていうか、センスねぇな」

 

「お前人が買ってきたもんにケチつけるんか!?」

 

「だってお前、サラダにレジ横のチキンと肉まんだぞ?どう考えてもセンスねげだろ。沖縄のコンビニだって沖縄料理の一つや二つあるだろ」

 

「訳のわからねぇ魚の目玉とか豚の頭とか食えるか!!」

 

「・・・・・んなもん、コンビニに置いてるのか?」

 

流石にコンビニにそんなものは置かねぇだろ・・・せいぜいチャンプルーとかシリシリとかだろ・・・

 

「コンビニじゃなくて近くの市場に行ったんだよ。でも夜遅くてめぼしいものなかったからコンビニに寄ったんだよ」

 

「お前、6時も過ぎて市場に行っても何もねぇわ。市場は朝に行かなきゃ」

 

「知るか」

 

「まぁいいや。さっさと飯食って寝よう・・・明日も早いし、明日は忘年会に行くし」

 

「ああもう忘年会か・・・年末だもんな」

 

持ってきた小さなカレンダーを見てスバルが呟く。今年は本当、あっという間だったな・・・そう思ってかなり遅めの夜ご飯を食べ始める。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「来ました!!美ら海水族館!!」

 

「遠かったわね〜。バスで2時間」

 

「沖縄の北のほうにあるからなぁ」

 

「にしてもデケェ・・・想像していたよりも遥かにでかい」

 

美ら海水族館に着いてパンフレット目にして初めて分かったんだが、この水族館意外とデカイなぁ。しかも水族館以外にも色んな物があるから1日かけて回るって・・・・

 

「早速行こう!!まずはここ!!」

 

「走っちゃダメだよ響!」

 

「タッチプール!」

 

入り口から入ってエスカレーターで下の階に行き、入場口を渡ってすぐにある水槽に響が走っていく。

 

「見て見て!ヒトデとかいっぱいいる!」

 

「ヒトデとかなら近所の水族館にもいっぱいいるじゃん」

 

「こんな触る施設は無かったけど」

 

「へぇこいつら、以外と可愛いなぁ」

 

「たしかに、こうやって触ってみると以外と感触いいわね」

 

「おおい!次行くわよ!サンゴの解説がもうすぐ始まるんだから!!」

 

「おおっといけね」

 

「分かった!」

 

レミに言われてさっさと手についた水を切って、隣のサンゴが沢山ある水槽にいく。

 

「綺麗・・・」

 

「すげぇなぁ・・・」

 

「ここまで多いと圧巻ねぇ・・・」

 

「隣の熱帯魚もすごいぞ。色とりどりの魚がいてカラフル」

 

「あの辺は目立つ魚多いし」

 

何だっけな・・・・確かわざと目立つようにしてるんだっけ?

 

「あっ、ここに書いてあるわよ。えっと・・・『サンゴ礁に擬態するため、カラフルな色をしています。ただし、アマゾン川に住む淡水の熱帯魚はカラフルではありません』って」

 

「へぇ〜そうなんだ」

 

「こんなカラフルな色をしていても結局は生き残るためなんだね」

 

弱肉強食の世界じゃ怖いなぁ・・・人間に生まれてきて良かったよ、俺は転生して2度目も人間だから運が良かったんかね。

 

「あっ、カクレクマノミ」

 

「綺麗だな〜」

 

「こいつ毒のあるイソギンチャクを住処にしてるんだろ?不思議だな」

 

「物騒なこと言わないでよ」

 

「事実だろ。イソギンチャクは毒持ちなんだから」

 

とてもあの見た目・・・・いや、見た目も実はグロいけど、あの見た目から想像つかねぇよな。

 

「いいなぁ〜・・・こうやってのんびりと暮らしてみたい」

 

「今年一年は大変だったけど、来年も同じくらい大変よ」

 

「ゆっくりしたいわね〜」

 

「再来年ぐらいはゆっくりできるよ」

 

「お前ら、年末の水族館でやる話じゃないだろ」

 

たまにはゆっくりとしたいんだよ。そんな仕事関係のことをこの場で話すなよ。

 

「次行こうぜ!今日は貸し切りに近いし、大きな水槽を独占できるぞ!」

 

「お前も慌てなくていいぞ!」

 

全く・・・こいつらいつになったら落ち着きを覚えられるんだ・・・・そんな事を思いながら俺たちはスバルと響の後を追いかけた。




響「カヤック楽しかったね!」

遊輝「おいこらちょっと待て、水族館の話でなぜカヤックが出て来るんだよ」

スバル「実際行ったじゃねぇか」

遊輝「お前らにはモラルがねぇのか、モラルが」

響「楽しかったのは楽しかったからいいじゃない!」

スバル「正月の初日の出をビーチで見た時は良かったなぁ〜」

響「あとは沖縄そば!あれ美味しかった!」

遊輝「あそこの沖縄そばは間違いなくうまかった。あと豚足も」

スバル「・・・・お前、人のこと言えねぇよ」

響「というわけで次回、いよいよ最終回に向けたお話よ」

遊輝「【それぞれの未来】。次回もよろしく」


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第196話 それぞれの未来

色々ぶっ飛んですみません。一話か二話入れても良かったのですが、なくても結果変わらないって結論に至りました。

デュエルは次回に、私、途中で切るのがどうも嫌で・・・一話で完結させたいんです。


遊輝 side

 

 

♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜

 

「OK!」

 

「はぁ〜・・・やっと通しでできた・・・」

 

ライブでやる最後の曲が弾き終わって近くにある椅子に腰をかける。全く・・・・この曲なかなかにハードだ。しかし全くもっておかしい話だ・・・高等部に進学するはずの俺たちが高等部に進学した生徒に向けて歓迎ライブをやるなんて・・・・

 

「新入生歓迎会のライブ練習はこれまで、ちょっと休憩に入ろう」

 

「良かった〜、飯食べよう」

 

「お疲れ様です。あの、これ・・・」

 

「恭輔っちありがとうね〜、毎日弁当持ってきてくれて」

 

部室には弁当を持つ恭輔と部屋の隅で紙を広げて鉛筆を持った祈がいる。龍亞と龍可はやらなきゃいけない事があるっと言って何処かに出かけている。

 

「この卵焼き、美味しい!」

 

「唐揚げもきんぴらごぼうも美味しいわね。本当に恭輔君、腕を上げたね」

 

「ありがとうございます。これも師匠のおかげです」

 

「お前、本当に才能あるよな〜。正直羨ましいぜ」

 

今日持ってきた弁当は恭輔の手作りなんだが、本当に美味い。俺にあって約2年と半月、デュエルのことを教えながら俺が料理しているところを見て、それを学んで料理をしていった。最初こそ失敗だらけだけど、気づいていったら俺が学んだことを全て吸収していった。こいつ、実はとんでない才能をもっていたんだ。

 

「どう祈ちゃん?」

 

「む、難しいです・・・・いざ自分でデザインを考えてみると・・・・」

 

「そんなに難しく考えなくていいわよ。お母さんも言っていたけど、自分の直感と個性で書いていくことが大事だから」

 

「は、はい」

 

一方、部屋の隅で頭を抱えている祈にレミと茜は色々とアドバイスを送る。祈は祈で少しずつ、すみれさんの下でファッションデザイナーとしての道を歩みだそうとしている。

 

「そこ、その部分は削った方がいいわよ。お母さん、そういうの嫌いだから」

 

「な、なるほど・・・」

 

ガラガラ〜〜

 

「お前ら、元気にしてるか」

 

「うん?クロウさんじゃないですか。久しぶりです」

 

部室の扉を開いて現れた、セキュリティの制服を着てヘルメットを持ったクロウ。WRGP終了後、セキュリティの試験に合格したと連絡来た時はみんなして度肝抜かれた。なんせクロウはマーカー付きだから。

 

「にしても似合わないわね〜。やっぱマーカー付きがセキュリティの制服着ていたら違和感あるわ」

 

「しょうがねぇだろ、私服で回るわけにも行かねぇんだから」

 

「それで何の用で来たのですか?」

 

「イェーガー長官からお前たちに招待状だ。市長就任パーティーに来てくれって」

 

クロウはポケットから封筒を取り出して近くにいたスバルに渡した。それを受け取ったスバルは封を切って中の手紙を見る。

 

「へぇ〜そうか。もうそんな時期か。あっという間だな」

 

「俺や遊星も行くぞ。もっとも、ジャックが見つからないんだけどな、ったくあいつは何処に行ってるだか・・・・」

 

「あ、アハハハ・・・・」

 

乾いた笑い声がスバルから聞こえてくる。ジャックは今年になってから突然、ポツンと姿を消した。置き手紙で『修行に行く』と書き残して、Dホイールとともにどこかに行ってしまった。

 

「(・・・・・となると、もうすぐなんだな。チーム5D'sのメンバーが一緒にこの街で過ごすのも・・・)」

 

WRGP終了後、いや、去年の夏ごろからなかなか遊星さんたちに会う機会がなかったな。俺たちが全国を駆け回ったりしたからけど・・・

 

「(・・・そうか、俺も決断しなくちゃいけない時が来るんだな・・・・・)」

 

チーム5D'sのメンバーがネオドミノシティから離れる・・・・つまり、龍亞と龍可もこの街から離れる。

 

「(・・・・・いざ、この状況に追い込まれると悩むな・・・・龍可とは一緒にいたいけど、こいつらとのバンド活動も続けたい・・・)」

 

何だろうなぁ・・・すごい欲張りなことを言っているのは自分でも分かるんだが、そうしたい思いは強くなる・・・・

 

「・・うき、遊輝!」

 

「!?な、何だ!?」

 

「どうしたのよ、さっきからボウ〜として」

 

「え、あ、ああ・・・・悪かった」

 

「とりあえずお前たちも来いよ。久しぶりにみんなであってワイワイ話そうぜ」

 

「そうですね。出来る限り予定は入れないでおきます」

 

「出来る限りじゃなくて入れるなよ。じゃあな」

 

右手で手を振ったクロウは部室の扉を閉めて出て行った。

 

「さてと・・・お昼からまた練習ね、次はツアーよ」

 

「あいよ」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「招待状?ああそれなら私たちにも来たわ」

 

「みんなに会うの久しぶりだな〜、ここんところ遊星もクロウもアキさんも忙しそうにしていたし」

 

「ねぇ・・・招待状・・・私」

 

「だからお前は戸籍が無いんだから仕方ないって」

 

夜、部活の練習が終わって夕飯を食べる時間、今日クロウから渡された招待状の話をみんなに話したら龍亞と龍可のところにも来たみたいだ。

 

「あれ、よく見たら関係者だけの極秘みたいだな。公には確か次の日にお披露目だけど」

 

「イェーガーさんも忙しい身だから・・・・かな?関係者以外は入れないってアキさんが言っていたわ」

 

「アキさん?今日アキさんと会ったの?」

 

「ほら、アキ姉ちゃん、まだ遊星に告ってないじゃん。だから俺たちがアドバイスしに言っていたんだよ」

 

え、えぇ・・・あのアキさんが龍亞と龍可に恋のアドバイス・・・・龍可はともかくこいつが・・・・

 

「何だよその目!!まるで俺じゃ役立たないみたいな!!」

 

「だってぇ・・・お前だぜ・・・」

 

「気持ちは分かるけど」

 

「龍可!!」

 

俺が疑いの目を龍亞に向けると龍亞はバンッと机を叩いて立ち上がる。しかし龍可は俺の見方をしてくれて、龍亞はさらに膨れっ面になる。

 

「私・・・ぼっち・・・」

 

「ああ分かった分かった、さすがに関係者限定のパーティーには連れていけないけどそれまで構ってやるから」

 

一人、ポツンと夕飯を食べているアリアを見て、俺は頭を撫でながらそう言った。さすがに隣であんな暗い空気を出しながら飯を食べるのはやめてほしいし・・・・

 

「ほんとに!?じゃあ明日私の買い物に付き合って!」

 

「買い物?まぁいいけど・・・お前昨日も買い物してなかったか?」

 

「あれは仕事道具を買いに行ったのよ。ミシン壊れちゃって」

 

あ〜あのミシン、とうとう動かなくなったのか。たしかに結構オンボロだったからな。

 

「でもお前、自分のミシン持ってなかったか?」

 

「この際だし、ちゃんとした高性能のミシンを買いに行ったのよ」

 

「ふ〜ん・・・俺には分かりっこないね」

 

料理関係なら多少は分かるがそれ以外は全くもって皆無、最近剣道の道具すら名前を忘れることもあるんだから・・・未だに楽器関係の道具は覚えていない。っていうか大概レミが勝手に揃えてくれるし。

 

「そう言えばさ、アルバムいつになるの?」

 

「うん?あれはリリースは9月の中旬だぞ」

 

「えぇ〜、長くない?」

 

「収録は終えても編曲とか著作権の関係とか色々あるんだよ。手続きに手間取ることも考えて長くしたんだよ」

 

特に今回は初めてCDを出す、いわゆるレーベルっていうのもレミのお父さんの会社だからなぁ・・・初めてだらけで何起こるか全くわからないもんだ。

 

「まぁ出す言うてもそんなに売るつもりないし・・・・売れるとは思ってないし」

 

「えぇ、あれだけ人気なのに?」

 

「あれはカバー曲が人気なんだよ。オリジナル曲が好きな人ってそう簡単に出来るかいな」

 

カバー曲マジ強し・・・・まぁ最初は学校の一部活動として活動していたんだから当たり前なんだけど。

 

「でもいい曲多いじゃん」

 

「そうだよ遊輝ちゃん。割と真面目にいい曲あるよ」

 

「ちゃんとCD出たら買うから心配しないで」

 

「そう言ってもらえるだけありがたいよ。レミとかに言ったら大喜びするだろうな」

 

レミの苦労は果てしないからなぁ・・・まじあいつ、寝てないんじゃないのか?リーダーとしてやること多すぎるし・・・ちとこっちに頼ってもいいんだけど、何せ分からないことだらけだ。

 

「まぁ最初から売れるとは思ってないし、学生の間だけかもしれないから気楽でいけるか、ご馳走さま」

 

そんな呑気なことを言って、食べ終わった食器をまとめてキッチンに運ぶ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「うおおお!!すげぇ!!あれもこれもどれも美味そう!!」

 

「ちょっと龍亞!!はしゃがないでよ!!」

 

「龍亞さんは相変わらずですね」

 

「全く・・・・・ちとお灸を据えないとダメだな」

 

イェーガーの市長就任パーティー(本当は前祝いパーティーだけど)に呼ばれた俺たちはアカデミアの制服を着てやってきた。龍亞と龍可はちゃんとした服だけど。早速龍亞は食べ物を取りに走り出す。他のみんなも皿を受け取って適当に料理を取っていく。

 

「みんな、久しぶりね」

 

「!アキさん!」

 

「おお!髪伸ばしたんですね!」

 

入り口の方から声が聞こえてきたのでそっちの方に振り向く。赤いドレスを着て、髪を伸ばしたアキさんが手を振りながらこっちにやってきた。

 

「アカデミアデュエル大会以降はなかなか会えなくてごめんね」

 

「いえいえ、アキさんも進路とかで大変でしょ?こっちから邪魔しちゃ悪いですし」

 

「えぇ・・・・まあね」

 

「アキさんも大変ですよね・・・・進路は決まったのですか?」

 

「まだ悩んでいるわ・・・・周りはデュエリストって言っているけど・・・」

 

「ああ・・・医者の道ですね」

 

「ええ・・・」

 

前に一度、アキさんが部室に来て俺たちにぶっちゃけた。周りはデュエリストとして煽てるけど私は医者の道を進んでみたいって・・・・ただ、俺たちが返した返事はそれは俺たちじゃなくてアキさん自身が決めなくちゃいけないことだと。

 

「前にあなた達に相談してからも考えているけど、やっぱり決めきれないのよね・・・」

 

「まぁ前にも言いましたが、これは俺たちが決めるべき問題じゃないですから・・・」

 

「そうよね・・・ちゃんと考えるわ」

 

「やっと見つけた!お前ら!」

 

「あっ!クロウさん!遊星さんも!」

 

「久しぶり遊星!」

 

今度は入り口から遊星さんとクロウが入って俺たちを見つけた。遊星さんは私服の上に白衣を着ていて、クロウはこの前と違って私服を着ていた。

 

「遊星さん、開発の方はどうですか?」

 

「順調だ。明日にも完成しそうだ」

 

「そうなんだ!やったね遊星!」

 

「ああ」

 

相変わらず遊星さんはクールだね・・・・反応が小さい(汗)。

 

「クロウさん、結局ジャックさんは見つからなかったのですか?」

 

「ああ、でもあいつがいたら騒がしくなるからこれはこれでいいかもしれないぜ。一昨年のWRGP発表会のパーティーも派手に登場して・・・」

 

「ああ・・・・たしかに・・・・」

 

スバルや恭輔、他のメンバーも苦笑または遠い目をする。たしかにあの時のジャック、白の服だったのに派手だったな・・・あんなのいたら目立って仕方ない。

 

「遊星、久しぶりね」

 

「アキ、すまない。しばらく会えなくて」

 

「うんうん、大丈夫よ。遊星も忙しかったのでしょ?」

 

「ああ、でももう大丈夫だ」

 

「(・・・・・あれ?あの二人ってあんなに関係近くなっていたっけ?)」

 

『皆さまお待たせしました。これよりイェーガー長官の市長就任パーティーを開催いたします。イェーガー長官、どうぞ』

 

パチパチパチパチ

 

司会者の声が聞こえて、部屋の照明が落ちる。ステージの方ではサーチライトが照らされてステージの端からイェーガー長官がゆっくりと歩いて中央についた。

 

『皆様、今日は私の市長就任パーティーにお越しいただきありがとうございます。皆様のご存知の通り、明日、ネオドミノシティから治安維持局が解体、それに伴い治安維持局長官職も無くなり、新たに市長が誕生します。私は皆様の推薦をいただき、市長に就任致しますがまだまだ力不足だと痛感しています。これからも皆様のお力をお借りして、このネオドミノシティの更なる発展に尽力を尽くしたいと思います』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

なんか・・・・風格感じるな。ゴドウィンの尻尾を掴んでいた頃とは大違いだ。

 

『本日はささやかなものですが皆様におもてなしをしたいと思い、パーティーを開催いたしました。硬い挨拶はこれまでとして、あとは和気藹々とお話しください。では』

 

イェーガー長官の挨拶が終わり、部屋の照明は点く。ステージを見ていた人たちはまばらになって再び会食を始める。

 

「うう〜ん・・・・なんか立食って疲れる」

 

「なんだ?お前そんなに疲れていたのか?」

 

「疲れるも何もここ最近まともに寝てないもん。誰よ・・・・役員資料ブチまけて持ち帰ったやつ・・・・八つ裂きにしてやるんだから・・・」

 

「お、おいこら、こんなところでそんな物騒な話をするな」

 

レミの目からハイライトが消えてブツブツと危ないことを言い出した。「お陰で私の睡眠時間がなくなった」とか「何でアルバイトの私がこんなことをするのよ」とか何か良からぬ方向に行きだした・・・・

 

「お前疲れてるだけなんだよ。今日は早く帰って寝たらいいんだよ」

 

「寝る?寝れたらいいわね。だって今日は高橋さんと編曲作業だもん。寝ている「分かった分かった分かった!!高橋さんには俺から今日は休みっていうから寝ろ!!」

 

レミの精神状態に異常が見られたのですぐに止める。ああ・・・これは本当に不味いやつだな(汗)。とりあえず1週間休ませよう、レミのお父さんに行って無理矢理でも休ませよう。

 

「ああ・・・・こんなところで暗い話を持ち込むなよ」

 

「おい遊輝!お前明日のバーベキュー行くか!?」

 

「?バーベキュー?」

 

「遊星さんが明日、ガレージでみんなで集まってバーベキューしよって!お前も行くよな!?」

 

バーベキューか・・・・まぁ別に予定ないし。

 

「いいよ。何か持っていけばいいのか?」

 

「肉持ってきてくれって。お前のつてならいい肉貰えるだろ」

 

「ん、肉ね。分かった」

 

んじゃ、明日は久しぶりに市場に行こうかな。最近練習のせいで全然行けてないし。

 

 

〜〜(翌日)〜〜

 

 

「んじゃあ行くぞ〜」

 

「まって遊輝、まだ龍亞が降りてきてない」

 

「えぇ、あれだけ出る時間確認していたのに」

 

「龍亞くん〜、早くしないと置いて行くよ〜」

 

「待って!今降りるから!!」

 

買ってきた食材を保冷バッグに詰め込んで肩に背負い、出かけると声をかけたら龍亞だけまだリビングに降りてきてなかった。すでにオシャレして準備万端の龍可とアリアは少し退屈そうにしている。

 

「お待たせ!ちょっと探し物していたら時間かかっちゃって」

 

「はぁ、ほら行くぞ。約束の時間過ぎてしまう」

 

♪♪♪〜〜〜

 

「ん?電話?誰かな・・・・」

 

家を出ようとしたその時、突如電話が鳴り、龍可が駆け寄る。受話器を取って電話をかけてきた相手と話し始める。

 

「もしもし・・・・お父さん!?ど、どうしたの!?・・・・えっ!?ちょ、ちょっと待って!?龍亞!!」

 

「?どうしたの?」

 

「ちょ、ちょっとこっち来て。悪いけど遊輝とアリアお姉さん先に行っててくれる。あとで追いかけるから」

 

「?分かった。じゃあ遊輝ちゃん、行こう」

 

「ん、鍵頼んだ」

 

返事を返した頃にはすでに龍亞と龍可は電話相手と話を続けていた。俺とアリアは荷物を持って遊星さんのガレージへと向かう。

 

「にしてもどうしたのかね?あの龍可ちゃんの慌てよう」

 

「さあな、お父さんからだったみたいだし結構重要なこと・・・ってお前知らないのか?」

 

「?・・・・ああ、そうか、もうそんな季節か」

 

「3月って別れの季節って言うけど本当にそうなんだな・・・」

 

「それは卒業式のシーズンだからでしょ」

 

「そりゃそうなんですけどね〜、アカデミアはエスカレーター方式だし、俺と中学卒業2回目だからそんな感情湧かねぇんだよ」

 

「おっさんね〜」

 

「おっさんだよ」

 

そりゃお前、見た目15だけど中身はもう20近くなんだから、おっさんみたいな考えをするわ。そんなくだらない事を話しつつ遊星さんのガレージに着いた。

 

「よっと、遅くなってすみませ〜ん」

 

「ん?あ〜、遊輝とアリアさん」

 

「まだ大丈夫ですよ師匠、みんな来ていません」

 

「あれ?何で?もう時間だよね?」

 

「みんな遅れるそうだ。さっき連絡あったから俺たちで先に準備している」

 

シャッターを開けて中に入ると炭に火を付けているスバルとそれを手伝っている恭輔、あとはレミと響と茜が周りの準備していた。

 

「よっと、肉持って来たぞ。とりあえずこれだけ一旦冷蔵庫」

 

バタン!

 

「すまない、遅くなってしまった」

 

「ああ遊星さん、大丈夫ですよ。まだみんな来てませんから」

 

「よう遊星!みんな!待たせたな!」

 

「遊星!」

 

「ごめん!遅くなっちゃった!」

 

「みんな!」

 

遊星さんが入ってきてすぐ、クロウやアキさん、龍亞と龍可もやってきた。

 

「よっし!景気良く燃えてきたぞ!いつでも始められる」

 

「じゃあみんな揃ったし、レッツバーベキュー!」

 

響がトングを使って塊肉を網の上に乗せる。ジュ〜と焼ける音が聞こえてきた。

 

「こっちは野菜とか乗せるね」

 

「調理用のハサミどこだっけ?」

 

「すまないな。こっちが企画したのに何から何まで準備してもらって」

 

「気にしなくても良いですよ。最近皆さん忙しいのですから。こう言う時こそ、今暇人の私たちがやるべき事なんですから」

 

それからしばらく、肉や野菜が焼けてきた頃にみんながワイワイと食べながら話し始める。俺たち軽音部組は焼きながらみんなの皿に料理を乗せていった。そんな時だった。

 

「何でみんな・・・・私の将来を勝手に決めるのよ!」

 

「お、おい・・・どうしたんだよ」

 

突然、クロウと遊星さんに話していたアキさんが怒鳴るように怒り出した。

 

「クロウ!あなたはしゃぎ過ぎなのよ!さっきからおんなじことばっかり言って!やりがいやりがいって本当にやりがい感じているの!?」

 

「ア、アキさん、落ち着いて・・・・・」

 

「・・・・みんな、悩んでいるんだよ。クロウ、お前は海外のプロリーグからオファー来ているんだろ?」

 

「なっ!?な、何で知って」

 

「アキ、お前は医科大学の留学・・・・」

 

「!?ど、どうして!?」

 

「クロウはスカウトから、アキはご両親から相談がきた。みんな、一歩踏み出したい気持ちはあるんだ。だけどこの街が大切でどうしても踏み出せずにいるんだ」

 

「・・・あ、あのね!!実は俺たち、さっき親から電話があって・・・・一緒に暮らそうって」

 

「る、龍亞・・・」

 

「だ、だって今言わなきゃ・・・タイミング逃すじゃん・・・俺、その話を聞いた時、すっげえ嬉しかった!だけど・・・まだ決めてないんだ・・・・」

 

「・・・・みんなと、みんなと一緒にいたい。ネオドミノシティにいたいの」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「ふん、なんだこの空気は。ここは葬儀場か!?」

 

「!?ジャック!?」

 

シンとした空気になりみんなが黙っていた時、突如上から声が聞こえてきた。みんながそっちの方に向くとジャックが腕を組んで立っていた。

 

「お前、今までどこ行ってたんだよ!?」

 

「ふん、今はそんなことはいい。今日はみんなに報告することがある」

 

そう言ってジャックは飛び降りた。

 

「俺はネオドミノシティから離れる!」

 

「!?」

 

「な、何言ってるんだよジャック!?」

 

「俺はこの3ヶ月間、武者修行の旅に出ていた。そして俺は世界最強のデュエルリーグ・ライド・エースから誘いがきた!俺はそこに挑戦して真のデュエルキングになってやる!!」

 

「何言ってるんだよジャック!!だったら俺たちの、ネオドミノシティとの絆はどうなるんだよ!?」

 

「そうやっていつまでも甘えているからダメなんだ!!」

 

「!!」

 

「いつまでもこの街がとか絆とかにしがみつくからダメになるんだ!!己の力を世界に試して、この街から出て挑戦してみないと思わないのか!?」

 

「そ、それは・・・・」

 

「俺は挑戦したい!!どこまでやれるかは分からない!!だからこそ燃えるんだ!!それに、ここでお別れして、俺たちの絆は終わりか!?」

 

「・・・・・・・・」

 

「遊星!当然お前にも誘いが来てるんだろ!?」

 

今までクロウと言い争って、クロウを黙らせたジャックが今度は遊星さんに振る。

 

「・・・・ああ、確かに俺のところにもきた。だからこそ迷っている。この街は大好きだ。だが、ジャックの言う通り挑戦したい気持ちも確かにある」

 

「風の噂によるとメインフレームを完成したらしいな」

 

「そうだ。だからこそ、次の目標が無いんだ。この街に残って目標があるのか?だったらこの街から離れた方がいいんじゃ無いかって・・・・」

 

「ゆ、遊星・・・・・」

 

遊星の本音・・・・それを聞いてみんな黙ってしまう。俺たちも肉を焼くのをやめてこの話の決着を見ている。

 

「俺たちはチームで挑戦した。結果は準優勝だったが俺たちの力は世界中に見せつけた。ならば!!今度は自分自身の力で世界を見せつけて、切り開くんだ!!」

 

「それが出来ねぇから悩んでいるんじゃねぇか!!俺だって・・・俺だってどうすればいいのか分からねぇんだよ・・・・」

 

「ク、クロウ・・・・・」

 

「・・・・・ジャック、デュエルしよう」

 

「ゆ、遊星さん?こんな時に何を?」

 

「デュエルはいつだって俺たちを導いてくれた。俺たちが迷っているならその答えはデュエルでしか見つからない」

 

「ふん、良いだろ。世界に出る前にお前を倒さなくちゃいけないと思っていたからな」

 

「あ、あのスバルさん・・・・」

 

「口挟むな祈、これはあいつらの問題なんだ。俺たちはただ黙って見ていればいいんだ」

 

「は、はい・・・」

 

「1時間後、場所は港の入り口からだ」

 

そう言ってジャックさんはガレージから出ていった。

 

「・・・・・・・・・」

 

「ゆ、遊星・・・お前・・・」

 

「俺も分からない、分からないからデュエルに聞くんだ。すまないがこれは俺自身の問題なんだ」

 

「・・・・分かった、だったら俺も見届けてやる」

 

「私も・・・何かきっかけを掴めば」

 

「お、俺も!」

 

「私も!」

 

「よし・・・・お前ら、Dホイールは?」

 

「心配しなくてもちゃんと持ってきてるぜ。荷物運びには便利なんだから」

 

「龍亞と龍可、アキさんに祈と恭輔は俺たちの後ろに乗れ。すぐにコースに行くぞ」

 

「わ、わかりました師匠!」

 

「っと、その前に炭の火を消すぞ」

 

すっかりバーベキューのこと忘れてしまったぜ・・・これ消して行かなきゃ火事になる。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

時刻はもう夜の12時を回っている。本当なら帰らなくちゃいけない時間だ。だが、そんなことは気にしてられない。それに今日はセキュリティ(クロウ)公認だ。

 

今、俺たちは遊星さんとジャックのスタート地点から離れた海の見えるところで陣取り、Dホイールの画面を二人のDホイールに映るようにしている。

 

「・・・・・何だろうこの感じ」

 

「?クロウ」

 

「遊星とジャックのデュエルはガキの頃から何度も見ているんだ・・・・なのに・・・何だこの震えは・・・・・」

 

『遊星、思えばお前とのデュエルはフォーチュン・カップ以来だな』

 

『そうだな。あれからもう随分時間が経ったな』

 

『その間に色々とあった。まさかお前と共闘して様々な敵と戦うとはあの時は思いもしなかった』

 

『ああ』

 

『だが、俺は心の奥底で待ち望んでいた・・・・お前と再びデュエルすることを!』

 

『・・・・・俺も、心の中でそう思っていたかもしれない。だからこそ、今、凄い燃え上がっている』

 

『ふん、それは俺もだ。ダーク・シグナーもイリアステルもいない・・・もう俺たちのデュエルを邪魔するものはいなくなった!』

 

『ああ!全てをぶつける!このデュエルに!』

 

『無論だ!俺もお前に全てを叩きつける!デュエルに取り憑かれた、このジャック・アトラスがな!!行くぞ!!』

 

『スピード・ワールド2!セットオン!』

 

2人のDホイールを中心に緑色の空間が広がり、高速道路は変形をしてライディングデュエル専用のレーンが作られた。

 

『ライディングデュエル!!アクセラレーション!!』

 

シグナルが赤から青になったタイミングで二人のDホイールは飛び出した。

 

「行けぇ遊星さん!!ジャックさんを倒しちゃえ!」

 

「ジャックさん!ここで負けたらデュエルキングになっても意味ないよ!!」

 

俺たちは思い思いにこのデュエルを見る。そして遊星の先行でデュエルが進んでいた時・・・・

 

「・・・・遊輝」

 

「ん?どうした龍亞?」

 

「俺も・・・・・俺もデュエルしたい。俺なりに結論を出したい」

 

「・・・・・分かった」

 

後ろにいた龍亞から声をかけられてそっちに振り向く。何事かと思ったが、龍亞の目が本気だったので俺はそれを承諾した。Dホイールに置いてあるカバンの中からデュエルディスクを取り出してセット、ベルトに付けてあるデッキケースからデッキを取り出した。すでに龍亞は準備万端のようだ。

 

「言っとくが手加減はしねぇぞ。お前を勝たせるためにやるデュエルじゃないんだから」

 

「当たり前じゃん!これは・・・これは俺なりのケジメをつけるためのデュエルなんだ!だから・・・・本気で来て!」

 

「行くぞ!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 




霊夢「肉捨てるなんて持ったいない!私にちょうだい!!」

遊輝「え、ええ・・・・こんな時に?」

フラン「さすがにこの局面でそれはちょっと・・・」

霊夢「私にとっては死活問題なのよ!明日の食料確保が大事なのよ!」

遊輝「・・・良い話が台無しだよ」

フラン「そんなに困ってるなら紅魔館くれば?一日くらいなら多分いけるけど」

霊夢「そんな事したら人里の人たちに博麗の巫女は妖怪と手を組んだとか言われるじゃない!」

遊輝「・・・・もう知らね、次回、ついに最後のデュエル。相手は俺がこの世界に来て最初に戦ったデュエリスト、龍亞」

フラン「【遊輝vs龍亞 未来へと続く道へ】。次回もよろしくね!」


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第197話 遊輝vs龍亞 未来へと続く道へ

最後の最強カード紹介〜!

遊輝「俺なんだな・・・」

そりゃ、主人公(笑)ですから。

遊輝「おいこら待て、(笑)ってなんだ」

いや〜、あちらこちらからヒロイン、ヒロインって言われてるんだぞ。

遊輝「なんでそうなるんだよ!ってか誰だよヒロインヒロイン言ってるやつ!!」

読者の皆様。

遊輝「俺はヒロインじゃねぇぞ!!!」

では、最後の最強カードの紹介!最後はジャンク・ウォリアー!

遊輝「・・・・意外と紹介してなかったんだな。Lv5のシンクロモンスターでジャンク・シンクロンをチューナーの指定にしているモンスターだ」

シンクロ召喚成功時、フィールドのLv2以下のモンスターの攻撃力の合計分、アップする!

遊輝「悪い使い方をすればカリキュレーターとか色々あるけど、遊星が使う場合は色んなモンスターを並べて上げることが多いかな」

最後の最後にスクラップ・フィストを決めて相手に勝とう!

遊輝「第197話、デュエルスタート!」


遊輝 side

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

遊輝 LP 4000 龍亞 LP 4000

 

「先行は俺!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「D・モバホンを召喚!」

 

D・モバホン 攻100

 

「モバホンの効果発動!ダイヤル、オン!!」

 

召喚されたモバホンの胸が点滅を始める。数秒の点滅の後、5の数字に光が灯った。

 

「1枚目、死者蘇生!2枚目、D・ラジカッセン!3枚目、ミラーフォース!4枚目、D・スコープン!5枚目、D・リモコン!チューナーモンスター、D・スコープンを特殊召喚!」

 

D・スコープン 攻700

 

「スコープンの効果発動!手札からLv4のD(ディフォーマー)を特殊召喚する!D・ステープランを特殊召喚!」

 

D・ステープラン 攻1400

 

「Lv4のステープランにLv3のスコープンをチューニング!」

 

☆4 + ☆3 = ☆7

 

「世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!パワー・ツール・ドラゴン!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

 

スコープンが作った三つの緑色の輪の中にスコープンが入って四つの星となる。それらが一つの光となって玩具のパーツが現れ、合体していきパワー・ツールが現れた。

 

「パワー・ツール・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、デッキから装備魔法をランダムに1枚手札に加える!パワー・サーチ!」

 

龍亞のデッキがシャッフルされ、1枚のカードが飛び出る。それを手に入れた龍亞はすぐに発動した。

 

「装備魔法、月鏡の盾をパワー・ツールに装備!」

 

「め、めんどくせぇ!!」

 

パワー・ツールの右腕が取り外されて代わりに月鏡の盾が付けられる。

 

「このカードを装備したモンスターが戦闘を行う場合、ダメージ計算時のみ攻撃力・守備力はその戦闘を行うモンスターの攻撃力または守備力の高い方の数値+100となる!」

 

これでパワー・ツールは簡単に戦闘では破壊されなくなったってわけか・・・

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300

D・モバホン 攻100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

月鏡の盾 (パワー・ツール)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 6枚

 

「レフト・Pゾーンにスケール8の虹彩の魔術師、ライト・Pゾーンにスケール1の紫毒の魔術師をセッティング!」

 

俺の両横に天空から青い光が差し込んできて、空から虹彩の魔術師と紫毒の魔術師が降りてきた。

 

「これでLv2から7までのモンスターが同時に召喚可能!揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!現れろ!俺のモンスターたち!!」

 

虹彩の魔術師と紫毒の魔術師の間に大きな振り子が現れて、ゆっくりと揺れ始める。その軌跡が描く円状の形に穴が開いて2つの光が飛び出して来た。

 

「調弦の魔術師、そしてEM ペンデュラム・マジシャン!」

 

調弦の魔術師 攻0

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500

 

「チェーン1、ペンデュラム・マジシャン、チェーン2、調弦の魔術師の効果発動!調弦の魔術師の効果でデッキから黒牙の魔術師を特殊召喚!」

 

黒牙の魔術師 守800

 

「さらにペンデュラム・マジシャンの効果!Pゾーンの虹彩の魔術師と紫毒の魔術師を破壊して、デッキからドクロバット・ジョーカーとギタートルを手札に加える!」

 

調弦の魔術師が持っていた大きな調律が響き渡って黒牙の魔術師が現れて、ペンデュラム・マジシャンは手にしている振り子を投げ飛ばして虹彩の魔術師も紫毒の魔術師を破壊、俺の手札に2枚のカードが手札に加えられた。

 

「破壊された虹彩の魔術師、そして紫毒の魔術師の効果発動!紫毒の魔術師の効果で表側のカード1枚を破壊する!月鏡の盾を破壊!」

 

「ぐっ!」

 

Pゾーンに行った紫毒の魔術師が龍亞のフィールドにあった月鏡の盾を破壊した。

 

「月鏡の盾の効果でライフを500払い、デッキの上に置く!」

 

「次に破壊された虹彩の魔術師で永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを手札に加えて、通常召喚!EM ドクロバット・ジョーカー!」

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

「ドクロバット・ジョーカーの効果発動!デッキからEM リザードローを手札に加え、Lv4の調弦の魔術師と黒牙の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!星刻の魔術師!」

 

星刻の魔術師 攻2400

 

「星刻の魔術師の効果発動!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、デッキから闇属性・魔法使い族モンスター1体を手札に加える!ガガガマジシャンを手札へ!」

 

星刻の魔術師 OVR 2→1

 

「Lv4のペンデュラムマジシャンとドクロバット・ジョーカーでオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!超越の名を持つ龍よ!反逆の牙を持ち、世界に轟かせ!エクシーズ召喚!ランク4!降臨せよ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500

 

ペンデュラム・マジシャンとドクロバット・ジョーカー、2体のモンスターがブラックホールに吸い込まれていき爆発、その中からダーク・リベリオンが姿を現した。

 

「ダーク・リベリオンの効果発動!オーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて、パワー・ツールの攻撃力を半分にしてその数値分、このカードの攻撃力をアップさせる!トリーズン・ディスチャージ!」

 

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン OVR 2→0

 

ダーク・リベリオンがオーバーレイ・ユニットを2つ胸に取り込んで、身体の一部が触手のような感じでパワー・ツールを縛り付け、エネルギーを吸収した。

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2300→1150

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻2500→3650

 

「バトル!ダーク・リベリオンでパワー・ツールに攻撃!」

 

「リバースカードオープン!カウンター罠、攻撃の無力化!」

 

龍亞が発動した攻撃の無力化により、ダーク・リベリオンの攻撃がパワー・ツールに届く前に吸収されていった。

 

「メイン2、レフト・Pゾーンにスケール6のEM ギタートルを、ライト・Pゾーンにスケール6のEM リザードローをセット、ギタートルのペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに《EM》Pモンスターがセットされた時、1枚ドロー!リザードローのペンデュラム効果!もう片方のPゾーンに《EM》Pモンスターがいる場合、このカードを破壊して1枚ドロー!」

 

遊輝 手札 4枚→6枚

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

遊輝 手札 5枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星刻の魔術師 攻2400

ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン 攻3650

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

赤:EM ギタートル (スケール6)

青:なし

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 3枚

 

「モバホンの効果発動!」

 

再びモバホンの胸が点滅して、今度は3の数字に止まる。

 

「1枚目、Dリモコン!2枚目、ハーピィの羽根箒!3枚目、D・スマホン!D・スマホンを特殊召喚!」

 

D・スマホン 攻100

 

「スマホンの効果発動!・・・・4!1枚目、D・スピードユニット!2枚目、サイクロン!3枚目、D・ソードマン!4枚目、D・ラジオン!D・ソードンを手札に加えて、守備表示で召喚!」

 

D・ソードン 守800

 

「ソードンの効果発動!モバホンをリリースしてデッキからD・シールドンを特殊召喚!」

 

D・シールドン 守1800

 

「そしてソードン、シールドンの効果!それぞれを装備カード扱いとしてパワー・ツールに装備する!」

 

ソードン、とシールドンがそれぞれ剣と盾に変形してパワー・ツールに装備された。

 

「ソードンを装備したパワー・ツールの攻撃力は1200ポイントアップ!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻1150→2350

 

「さらに装備カードとなったソードンの効果!相手の表側のカード1枚を破壊する!ダーク・リベリオンを破壊!リボルクラッシュ!」

ソードンを手にしたパワー・ツールが腰に戻して、一瞬の移動でダーク・リベリオンの後ろに行く。ダーク・リベリオンの身体は綺麗に真っ二つになり、爆発した。

 

「ぐっ!」

 

「さらにパワー・ツールの効果発動!パワー・サーチ!持ってくるのは・・・・ダブルツールD&C!パワー・ツールに装備!」

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻2350→3350

 

「さらに装備魔法、月鏡の盾をスマホンに装備!これでバトル!スマホンで星刻の魔術師に攻撃!ダメージ計算時、月鏡の盾の効果でスマホンの攻撃力は2500になる!」

 

D・スマホン 攻100→2500

星刻の魔術師 攻2400

 

遊輝 LP 4000→3900

 

「パワー・ツール・ドラゴンでダイレクトアタック!クラフティ・ブレイク!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!」

 

パワー・ツールが突進して攻撃してきたが、俺が発動したガード・ブロックの効果でダメージは0になり、俺は1枚ドローした。

 

遊輝 手札 5枚→6枚

 

「・・・・これでターンエンド」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 3500

【モンスターゾーン】

パワー・ツール・ドラゴン 攻3350→2350

D・スマホン 攻100

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

ダブルツールD&C (パワー・ツール)

D・ソードン (パワー・ツール)

D・シールドン (パワー・ツール)

月鏡の盾 (D・スマホン)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 7枚

 

「ライト・Pゾーンにスケール2のEM ダグ・ダガーマンをセッティング!ギタートルのペンデュラム効果!1枚ドロー!そしてダグ・ダガーマンの効果!このカードをPゾーンにセットしたターンに1度だけ、墓地の《EM》モンスター1体を手札に戻す!ドクロバット・ジョーカーを手札へ!」

 

「(手札が・・・全く減らない・・・)」

 

「そしてドクロバット・ジョーカーを召喚!効果でデッキから賤竜の魔術師を手札に加えて、ペンデュラム召喚!手札からガガガマジシャンとガガガガール!」

 

『ハアアア!!』

 

『久しぶりの出番だ!!』

 

ガガガマジシャン 攻1500

ガガガガール 攻1000

 

再び現れた大きな振り子、それが描く円の軌跡から穴が開いて、2つの光が飛び出し、ダイヤとパールが姿を表す。

 

「ガガガマジシャンの効果発動!レベルを6にする!」

 

ガガガマジシャン ☆4→☆6

 

「次にガガガガールの効果!自分フィールドのガガガマジシャンと同じでレベルにする!」

 

ガガガガール ☆3→☆6

 

「Lv6になったガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ!」

 

☆6 × ☆6 = ★6

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!白夜の地に輝く純白の太陽よ!天空の世界から降臨して、この世界の光の神となれ!エクシーズ召喚!輝け!ホワイト・サン・ドラゴン!」

 

『・・・・ギャアアア!!!!』

 

ホワイト・サン・ドラゴン 攻2400

 

ブラックホールに吸い込まれたダイヤとパール、爆発が起きた後に白い太陽がブラックホールから登ってきて変形、ホワイト・サンがフィールドに現れた。

 

「ガガガガールの効果!このカードを含む《ガガガ》モンスターのみでエクシーズモンスターをエクシーズ召喚した時、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体の攻撃力を0にする!ゼロゼロコール!」

 

オーバーレイ・ユニットに存在するパールが携帯をいじり、画面をいじりパワー・ツールに向ける。その画面から0の数字が飛び出してパワー・ツールの攻撃力を0にした。

 

パワー・ツール・ドラゴン 攻撃2350→0

 

「ぐっ!」

 

「さらにRUMーバリアンズ・フォース!ホワイト・サンで再びオーバーレイ!」

 

ホワイト・サンが再び白い太陽に戻り、オーバーレイ・ユニットを持った状態のままブラックホールに吸い込まれていった。

 

「光の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!カオスエクシーズ・チェンジ!降臨!CXホワイト・ゴッド・ドラゴン!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン 攻3000

 

ホワイト・サンを吸い込んだブラック・ホールから赤い鎖が飛び出して円を作る。その中から白と黒が混ざった太陽が現れて、変形してホワイト・ゴッドがフィールドに現れた。

 

「!?ヤ、ヤバイ!!」

 

「ホワイト・ゴッドの効果!カオス・オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、相手フィールドの表側表示のモンスター全てを破壊する!スピリチュアル・ゴッドフレア!」

 

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン OVR 3→2

 

ホワイト・ゴッドがオーバーレイ・ユニットを一つ吸収して、上空に巨大な太陽とそれを取り囲むように氷の矢が数十本出現し、龍亞のフィールドのモンスター目掛けて放たれた。

 

「ぐううぅ!!!月鏡の盾の効果!ライフを500払って、今度はデッキの下に送る!」

 

龍亞 LP 3500→3000

 

「バトル!ホワイト・ゴッドでダイレクトアタック!サンシャイン・ミリオンズスピア!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にして1枚ドロー!」

 

龍亞 手札 2枚→3枚

 

「ドクロバット・ジョーカーでダイレクトアタック!」

龍亞 LP 3000→1200

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

遊輝 手札 4枚 LP 3900

【モンスターゾーン】

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

【Pゾーン】

赤:EM ギタートル (スケール6)

青:EM ダグ・ダガーマン (スケール2)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

「墓地にあるD・スコープンを除外して、D・スマホンを特殊召喚!効果発動!・・・・4!1枚目、D・リペアユニット!2枚目、D・モバホン!3枚目、和睦の使者!4枚目、死者蘇生!D・モバホンを手札に加える!」

 

モバホンが除外されて出てきたスマホンの画面が4という数字になり、デッキの上から4枚をめくってカードを1枚手札に加えた龍亞。そのまま手札に加えたカードを使う。

 

「D・モバホンを召喚!モバホンの効果発動!ダイヤル、オン!」

 

再びモバホンの胸が点滅を始める。今度は・・・2か。

 

「1枚目、ハーピィの羽根箒!2枚目、D・モバホン!D・モバホンを特殊召喚して、2体目の効果!ダイヤル、オン!・・・3!1枚目、D・ラジカッセン!2枚目、団結の力!3枚目、死者蘇生!D・ラジカッセンを特殊召喚!」

 

D・ラジカッセン 攻1200

 

「Lv4のラジカッセンにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆4 + ☆1 = ☆5

 

「闇の世界から最終兵器が繰り出される!シンクロ召喚!A・O・J カタストル!」

 

A・O・J カタストル 攻2200

 

ラジカッセンとスマホンが飛び上がり、ひとつの光となる。その光からカタストルが飛び出してきた。

 

「チッ、ここでお前は痛いな・・・」

 

「さらに魔法カード、弱者の贈り物!手札のD・リモコンをゲームから除外して2枚ドロー!魔法カード、ジャンクBOX!墓地から3体目のモバホンを特殊召喚!効果発動!ダイヤル、オン!」

 

このターン、3度目のモバホンの効果が起動、今度は胸の点滅は3で止まる。

 

「1枚目、D・リペアユニット!2枚目、D・ボードン!3枚目、D・スコープン!D・スコープンを守備表示で特殊召喚!スコープンは守備表示の時、レベルは4になる!」

 

D・スコープン ☆3→☆4

 

「Lv1のモバホン3体にLv4のスコープンをチューニング!」

 

☆1 + ☆1 + ☆1 + ☆4 = ☆7

 

「世界に希望の橋を架けるため、勇気と力をカスタマイズ!シンクロ召喚!機械竜 パワー・ツール!」

 

機械竜パワー・ツール 攻2300

 

3体のモバホンとスコープンが一つの光となって、その中から身体が黒くなったパワー・ツールが現れる。

 

「装備魔法、魔導師の力を機械竜パワー・ツールに装備!パワー・ツールの効果!装備魔法を装備した時、カードを1枚ドローする!装備特典(イクイップ・ボーナス)!」

 

機械竜パワー・ツール 攻2300→2800

龍亞 手札 1枚→2枚

 

「バトル!A・O・J カタストルでホワイト・ゴッドに攻撃!カタストルの効果!このカードと戦闘を行うモンスターが闇属性以外の場合、そのモンスターを破壊する!」

 

カタストルからレーザー光線が放たれて、ホワイト・ゴッドは破壊された。

 

「ぐっ!」

 

「機械竜パワー・ツールでEM ドクロバット・ジョーカーに攻撃!重装解体(フルメタル・デモリション)!」

 

機械竜パワー・ツール 攻2800

EM ドクロバット・ジョーカー 攻1800

 

遊輝 LP 3900→2900

 

「ぐうぅ!!!」

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

龍亞 手札 1枚 LP 1200

【モンスターゾーン】

A・O・J カタストル 攻2200

機械竜パワー・ツール 攻2300

【魔法・罠ゾーン】

魔導師の力 (パワー・ツール)

伏せカード 1枚

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

「魔法カード、天の落とし物!互いのプレイヤーは3枚ドローして、2枚捨てる!」

 

遊輝 手札 7枚→5枚 龍亞 手札 4枚→2枚

 

「魔法カード、デュエリスト・アドベント!自分または相手にPゾーンにカードがある場合、デッキから《ペンデュラム》カードを1枚手札に加える!デッキからEM ペンデュラム・マジシャンを手札に加えて、永続魔法、星霜のペンデュラムグラフを発動!」

 

俺の後ろに青い歯車の様なものが浮かび上がる。

 

「ペンデュラム召喚!手札からEM ペンデュラム・マジシャンと調弦の魔術師と虹彩の魔術師!」

 

調弦の魔術師 攻0

EM ペンデュラム・マジシャン 攻1500

虹彩の魔術師 攻1500

 

「チェーン1、ペンデュラム・マジシャン!チェーン2、調弦の魔術師で効果発動!調弦の魔術師の効果でデッキから紫毒の魔術師を特殊召喚!」

 

紫毒の魔術師 守2100

「ペンデュラム・マジシャンの効果でPゾーンのギタートルとダグ・ダガーマンを破壊して、デッキからダグ・ダガーマンとリザードローを手札に加える!Lv4の虹彩の魔術師にLv4の調弦の魔術師をチューニング!」

 

☆4 + ☆4 = ☆8

 

「極夜の地に潜む漆黒の太陽よ!暗黒の世界から舞い降りて、この世界の闇の神となれ!シンクロ召喚!染まれ!ブラック・サン・ドラゴン!」

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000

 

『・・・グオオオオ!!!』

 

調弦の魔術師が作った4つの輪の中に虹彩の魔術師が入ってひとつの光となる。それが黒い太陽へと変わり、ブラック・サンが現れる。

 

「チェーン1で星霜のペンデュラムグラフ、チェーン2でブラック・サンの効果!ブラックの効果で墓地にあるCXホワイト・ゴッドを装備!」

 

ブラック・サンの前にホワイト・ゴッドが現れて、ブラック・サンが吸収した。

 

ブラック・サン・ドラゴン 攻1000→4000

 

「星霜のペンデュラムグラフの効果!デッキから慧眼の魔術師を手札に加える!レベル4のペンデュラム・マジシャンと紫毒の魔術師でオーバーレイ!」

 

☆4 × ☆4 = ★4

 

「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!鳥獣士カステル!」

 

鳥獣士カステル 攻2000

 

ペンデュラム・マジシャンと紫毒の魔術師がブラックホールに吸い込まれていき、爆発が起きる。ブラックホールの中から鳥獣士カステルが姿を表す。

 

「鳥獣士カステルの効果!オーバーレイ・ユニットを二つ取り除いて、機械竜パワー・ツールをデッキに戻す!」

 

鳥獣士カステル OVR 2→0

 

カステルがオーバーレイ・ユニットを二つ吸収して、パワー・ツールに手にしている銃を構えて発砲、パワー・ツールは捕獲用の網に捕らえられて何処かに飛んで行ってしまった。

 

「これでラストだ!ブラック・サンでA・O・J カタストルに攻撃!ダークネス・ブラスト!」

 

「リバースカードオープン!ガード・ブロック!」

 

龍亞 手札 2枚→3枚

 

ブラック・サンの攻撃を受けた機械竜パワー・ツールは破壊されたが龍亞へのダメージは0になった。

 

「けどこれで本当に終わりだ!鳥獣士カステルでダイレクトアタック!」

 

「手札からモンスター効果発動!速攻のかかし!」

 

「なにっ!?」

 

「相手の直接攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」

 

龍亞の目の前に速攻のかかしが現れて、カステルの攻撃を防いだ。

 

「(まさか防がれるとは・・・となるとカステルの棒立ちは危険だ)メイン2、魔法カード、セブンストア、カステルをリリースして1枚ドロー、これてターンエンド!」

 

 

遊輝 手札 4枚 LP 2900

【モンスターゾーン】

ブラック・サン・ドラゴン 攻4000

【魔法・罠ゾーン】

CXホワイト・ゴッド・ドラゴン (ブラック)

伏せカード 1枚

 

 

「(強い・・・やっぱ遊輝は強い・・・だからこそ!勝ちたい!!)俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 4枚

 

「(・・・・!!)魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地から魔法カードの魔導師の力、ジャンクBOX、ダブルツールD&Cの3枚をゲームから除外して2枚ドロー!」

 

龍亞 手札 3枚→5枚

 

「魔法カード、死者蘇生!墓地からモンスター1体を特殊召喚する!俺は墓地からパワー・ツール・ドラゴンを特殊召喚する!」

 

龍亞が発動した死者蘇生によって墓地に眠っていたパワー・ツールが復活した。

 

「パワー・ツールの効果発動!パワー・サーチ!」

 

龍亞のデッキがシャッフルされて、1枚のカードが飛び出してそれを手札に加えた。

 

「墓地のモバホンをゲームから除外してD・スマホンを特殊召喚!」

 

墓地にいたモバホンがゲームから除外されて3体目のスマホンが現れた。

 

「スマホンの効果発動!・・・3!1枚目、D・ボードン!2枚目、ツインツイスター!3枚目、D・リペアユニット!D・リペアユニットを手札に加えて、Lv7のパワー・ツール・ドラゴンにLv1のスマホンをチューニング!」

 

☆7 + ☆1 = ☆8

 

パワー・ツール・ドラゴンが上空に登って、現れた赤き竜に吸い込まれていく。

 

「世界の未来を守るため勇気と力がレボリューション!シンクロ召喚!進化せよ!ライフ・ストリーム・ドラゴン!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900

 

赤き竜が吐き出して、赤く燃え上がったパワー・ツールは機械の甲冑みたいなものが壊れてライフ・ストリーム・ドラゴンが現れた。

 

「ライフ・ストリーム・ドラゴンの効果発動!このカードのシンクロ召喚成功時、ライフポイント2000未満のプレイヤーのライフを2000にする!」

 

龍亞 LP 1200→2000

 

ライフ・ストリーム・ドラゴンの身体から金色の輝きが放たれて龍亞のライフが回復した。

 

「装備魔法、団結の力をライフ・ストリーム・ドラゴンに装備!さらに装備魔法、D・リペアユニット!手札のカードを1枚捨てて、墓地からD・ステープランを特殊召喚!」

 

D・ステープラン 攻1400

 

「2対のモンスターが並んだことでライフ・ストリーム・ドラゴンの攻撃力は1600ポイントアップ!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻2900→4500

 

「だけどそれじゃ俺のライフは削りきれないぞ」

 

「これで最後だ!装備魔法、巨大化をライフ・ストリーム・ドラゴンに装備!攻撃力は元々の数値の倍となる!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻4500→7400

 

「バトル!ライフ・ストリーム・ドラゴンでブラック・サン・ドラゴンに攻撃!ライフ・イズ・ビューティホール!!」

 

ライフ・ストリーム・ドラゴンがエネルギーを貯めてブラック・サンに向けて放たれる。

 

「これで俺の勝ちだ!」

 

「・・・・まだまだアマちゃんだな、龍亞」

 

「!?・・・・・!!(し、しまった!!まだ伏せカードが!)」

 

「リバースカードオープン!バスター・モード!ブラック・サン・ドラゴンをリリース!闇の太陽龍よ!混沌の力を受け、最高神となれ!降臨!ブラック・サン・ドラゴン/バスター!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500

 

バスター・モードの効果で一度黒い太陽に戻ったブラック・サン、その周りに電気と氷のエネルギーが現れて、黒い太陽の周りに帯びる。それを吸収した黒い太陽が一回り大きくなって、変形していきブラック・サンのバスターモードが現れた。

 

「ブラック・サンの効果!特殊召喚成功時、墓地のエクシーズモンスター1体を装備して、そのモンスターの攻撃力の倍の数値分、このカードの攻撃力を上げる!墓地からホワイト・ゴッドを装備!」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻1500→7500

 

「な、7500・・・・・」

 

「さあどうする?モンスターが入れ替わったことで戦闘の巻き戻しが発生する」

 

「・・・・・ターンエンド」

 

龍亞 手札 1枚 LP 2000

【モンスターゾーン】

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻7400

D・ステープラン 攻1400

【魔法・罠ゾーン】

団結の力 (ライフ・ストリーム)

巨大化 (ライフ・ストリーム)

D・リペアユニット (ステープラン)

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

遊輝 手札 5枚

 

「レフト・Pゾーンにスケール5の慧眼の魔術師、ライト・Pゾーンにスケール2のダグ・ダガーマンをセッティング。慧眼の魔術師のペンデュラム効果!このカードを破壊して、デッキから黒牙の魔術師をセッティング!星霜のペンデュラムグラフの効果でデッキから紫毒の魔術師を手札に加える!」

 

Pゾーンにセットされた2体のモンスター、そのうちの慧眼の魔術師が破壊されて、代わりに黒牙の魔術師セットされた。

 

「(・・・・やっぱ)」

 

「黒牙の魔術師のペンデュラム効果!相手モンスター1体の攻撃力を半分にして、このカードを破壊する!俺はライフ・ストリーム・ドラゴンを選択!」

 

Pゾーンにいた黒牙の魔術師が杖を振り、ライフ・ストリーム・ドラゴンの攻撃力を半分にする。

 

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻7400→3700

 

「(・・・・やっぱ)」

 

「これでラスト!!ブラック・サン・ドラゴン/バスターでライフ・ストリーム・ドラゴンに攻撃!ゴッド・サンダー・プロミネンス!!」

 

「(やっぱ遊輝は強いや!!!)」

 

ブラック・サン・ドラゴン/バスター 攻7500

ライフ・ストリーム・ドラゴン 攻3700

 

龍亞 LP 2000→0

 

 

WIN 遊輝 LOS 龍亞

 

 

 

 

 

「大丈夫龍亞くん!?」

 

「お前、派手にやられたけど」

 

「大丈夫だよみんな」

 

最後の攻撃を受けた龍亞はそのまま大の字で倒れ込んだ。心配そうに駆けつけるみんなだったが、龍亞はすぐに上半身を起こした。俺はデュエルディスクを直して龍亞のところにいく。

 

「まだまだだな、最近冷静に見ていたと思った矢先にこれだから」

 

「うん・・・・俺、決めた。この街から出て、パパとママに会う」

 

「る、龍亞・・・」

 

「確かにこの街は大好きだよ。できれば、パパとママがこの街に来て、ずっとこの街で暮らしたい。でも、分かったんだ。今のまま、この街に居たら俺は半人前のままで終わってしまうって。だから!!俺はこの街を出て、色んな世界のデュエリストと戦ってみたい!!」

 

「・・・・・そうか」

 

「だから・・・・遊輝、俺が一人前になった時はもう一回デュエルして!!」

 

「分かった。その時まで楽しみにしているよ」

 

「・・・・・このままこの街に居たら・・・半人前のまま終わってしまう」

 

「・・・・半人前・・・」

 

「あっ、遊星さん達も終盤ですよ」

 

俺と龍亞のデュエルを見て、クロウとアキさんは何かを感じ取ったようだ。ちょうどその時、恭輔がDホイールの画面に目を向けて、終盤であることをみんなに伝えた。今は・・・遊星さんのターンが始まったばかりだ。

 

「チューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロンの効果発動!墓地のLv2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚する!スピード・ウォリアーを特殊召喚!」

 

スピード・ウォリアー 守400

 

「さらに墓地のボルト・ヘッジホッグは自分フィールドにチューナーが存在する時、墓地から特殊召喚できる!」

 

遊星のフィールドにはジャンク・シンクロンを始めとした遊星がずっと愛して使っていたモンスター達が並んで居た。

 

「あのカード達は・・・」

 

「遊星が・・・ずっと使っていた・・・」

 

「例え・・・攻撃力が低くても、レベルが低くても」

 

「遊星が・・・ずっと使っていた、遊星を支えたモンスター達・・・」

 

「Lv2のソニック・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆3 = ☆5

 

「集いし星が新たな力を呼び起こす!光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

 

「墓地に送られたソニック・ウォリアーの効果!自分フィールドのLv2以下のモンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」

 

スピード・ウォリアー 攻900→1400

ロード・ランナー 攻300→800

ボルト・ヘッジホッグ 攻800→1300

 

「そしてジャンク・ウォリアーはシンクロ召喚成功時、フィールドのLv2以下のモンスターの攻撃力の合計分、攻撃力をアップする!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300→5800

 

「こ、攻撃力、5800だと!?」

 

「ジャック、お前のおかげで気づいた。たとえ、俺たちが離れ離れになって一人では弱い存在だとしても、俺たちの絆は決してなくならない!そして、強くなると!」

 

「俺たちの絆があれば・・・いつだって強くなれる・・・・・か、そんな大事なことを忘れていたんだな・・・・俺は決めた。プロリーグに行く」

 

「私も!医者の道に進むわ!」

 

「私も・・・ここを離れて世界を見たい!」

 

「・・・・みんな」

 

それぞれの覚悟を決めたみんな、俺たちはその決断を見守りながらDホイールの画面に目を向ける。

 

「お前とのデュエルが俺に教えてくれた!俺の魂に宿るものを!」

 

「やっと見つけたか!お前の道を!」

 

「俺は・・・この街に残る!この街に残って、みんなを繋ぐ架け橋になる!!」

 

「・・・見事だ遊星、さあ来い!!お前の魂の一撃を俺の魂にぶつけてみろ!!」

 

「行くぞジャック!!」

 

ここで遊星さんはDホイールを加速させて大きくジャンプ、それに合わせてジャンク・ウォリアーも高く飛び上がり、大きく振りかぶった。

 

「ジャンク・ウォリアーでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!スクラップ、フィスト!!!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻5800

レッド・デーモンズ・ドラゴン 攻3000

 

ジャック LP 2500→0

 

 

WIN 遊星 LOS ジャック

 

 

 

「遊星〜〜!!」

 

「みんな!!」

 

デュエルの後、遊星さんとジャックを追いかけにDホイールで走らせる。2人を見つけた時は拳をぶつけ合っていた。

 

「遊星!!俺は決めたぞ!!プロリーグに行く!!」

 

「私も!!しっかり勉強してくる!!」

 

「私たちも向こうに着いたら手紙を送るわね!」

 

「今まで甘えられなかった分、思いっきり甘えちゃおっかな!!」

 

「みんな、自分なりの道を決めたんだな」

 

「ああ・・・たとえ離れ離れになっても俺たちの絆は永遠に不滅だ」

 

そう言って遊星さんは拳を高く突き上げる。クロウやジャック、アキさんに龍亞と龍可もそれに合わせて拳を突き上げた。

 

「・・・・良かったわね、みんな前に踏み出して」

 

「そうだな。こっちはこっちでやらなきゃいけないことを片付けないと」

 

「・・・・!?!?ちょ、ちょっと!!今日朝からライブの練習よ!?」

 

「あっ!?い、今何時だ!?」

 

「・・・・8時」

 

「や、ヤベェ!!アカデミアに行くぞ!!」

 

「ま、待ってください師匠!僕と祈さん置いていかないでください!」

 

「ああ悪い!!祈はこっち乗ってくれ!!」

 

「は、はいスバルさん!」

 

「行くわよ!!」

 

「遊輝!!」

 

「へっ?」

 

ライブの練習を思い出した俺たちはすぐにDホイールに乗り込んでアカデミアに戻ろうとする。その時、龍可から声をかけられてそっちに振り向く。

 

「・・・・・・私はこの街を離れる。遊輝は?」

 

「・・・・悪い、俺はこの街に残る。龍可のことは大好き、だけど今はこのメンバーとの活動を大事にしたい。俺もまだまだ一人前とは言い切れない。だから・・・・それまで待っていてくれないか?」

 

「・・・・うん!」

 

「おい遊輝!!行くぞ!!」

 

「分かった分かった!!」

 

「いってらっしゃい!!」

 

スバルに急かされて、俺はヘルメットを被り、Dホイールを急発進させた。




この後、23時から最終話を投稿します。


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最終話 十人十色のみらいいろ

*注意

このお話は本日(2018年2月3日)2回目の投稿です。ご注意ください。


遊輝 side

 

 

「ん、んん・・・く、首が苦しい・・・」

 

「ダメだよ遊輝ちゃん、今日ばかりはキチンと襟を正さないとダメなんだから」

 

「お前は母親かよ。っていうか本当に来るのか?」

 

「当たり前じゃん!!みんな来るんだし!」

 

「・・・・おかしいんだよなぁ、ただの形だけの卒業式なのに」

 

リビングの前にある大きな鏡でキチンと襟元まで止めたYシャツのボタンとネクタイ、その上から着慣れたアカデミアの制服を着る。いつもなら前は全開しているんだから、今日はキチンとボタンを閉める。

 

ピンポ〜ン

 

「あっ、みんな来たよ」

 

「ん、じゃあ行くか。おおい!」

 

「こっちはもう準備OK!」

 

「私も」

 

「それじゃ行くか」

 

インターホンが鳴ったので、机の上に置いてあったリュックサックを持つ。すでに同じアカデミアの制服を着ている。アリアも普段着ではなく、清楚なワンピースを着ている。玄関の鍵を閉めて、エレベーターを使って下まで降りる。そこには軽音部のメンバーに祈と恭輔、そして遊星やジャック、クロウにアキさん、さらには牛尾さんや狭霧さんがいた。

 

「よう、今日はキチンとしているんだな」

 

「そういうクロウこそスーツなんか似合わない物を着て」

 

「仕方ないだろ、上司にちゃんとした服を着ろって言われたんだから」

 

「卒業式と言う晴れの舞台であんな不良感満載の服を着て行くバカがいるか」

 

「ねぇ遊輝!早く行こう!」

 

「分かった分かった、それじゃ行くか」

 

 

・・・・・本日3月9日、アカデミア中等部の卒業式、小等部は一昨日、そして高等部の卒業式は昨日行われた。

 

アカデミアに着くとすでに多くの生徒が家族や親戚、または友達と一緒にワイワイとしている。生徒たちは靴箱へ、それ以外の人たちは式が行われるアカデミアのホールへと向かって行った。

 

「それじゃ、俺たちはこっちで待っておく」

 

「良い卒業式を期待しているわよ」

 

「まっかせてください!」

 

「響が言うと信用ないんだよねぇ・・・」

 

「奏!!!」

 

「ハハハ、おいクロウ、行くぞ」

 

「厳しい上司だぜ・・・・じゃあな」

 

「お前たちの晴れ舞台、楽しみにしてるぞ」

 

「また会おう」

 

「遊輝ちゃん、楽しみにしているから」

 

「分かったから」

 

ここで一度遊星さんたちとはお別れ、ホールの方へと向かっていった。俺たちは靴箱で靴を履き替えてそれぞれの教室に行く。

 

「おっはよう!」

 

「おお!軽音部のやつら来たぞ!」

 

「おはよう!遊輝君!卒業生代表の言葉決まった!」

 

「何とか、徹夜で考えた・・・誰だよ、俺を卒業生代表にした奴・・・」

 

「生徒会と先生たちで満場一致って言ったじゃない。当たり前といえば当たり前だけど」

 

「遊輝っち、WRGPの優勝チームとのキャプテンな上に成績学年1位なんだから」

 

「納得いかねぇ・・・・」

 

「席につきなさい!ホームルーム始めるわよ!」

 

前の扉が開いて加藤先生が入ってくる。それを見た俺たちは慌てて自分たちの席に着く。

 

「皆さん、おはようございます!」

 

『おはようございます!』

 

「みんな元気よく、今日という日を迎えることができて先生はとても嬉しいです。この後のお話はこの後にすることにして、早速ホールに向かいましょう」

 

『は〜い』

 

加藤先生の合図で俺たちは教室から出て、ゾロゾロとホールへと向かう。隣のクラスともう一つ隣のクラスも同時タイミングで教室から出て、かなりの大所帯でホールへと向かう。ホール近くの階段で名前順に並べ、その時まで出番を待つ。

 

『卒業生、入場!!』

 

ホールの外まで響き渡る執行役の先生の声、あんたちょっとマイクのボリューム考えて喋ろよ。何でもかんでも大声出せばいいもんじゃないぞ。そんな愚痴を心の中で並べながら1組の俺たちから先頭にホールの中へ入っていく。

 

パチパチパチパチ!!!

 

ホールには保護者や他の中等部の生徒、さらに高等部や小等部の生徒たちがいて、全員で拍手をして卒業生たちを迎え入れてくれた。所定の席に着いて、全員が座ったところで音楽と拍手が止まった。

 

『これよりデュエルアカデミアネオドミノシティ校、中等部の卒業式を始めます。保護者の方、ご起立お願いします。在校生、卒業生、起立!例!』

 

司会の挨拶で全員が立ち上がり、頭を下げる。そのまま国家斉唱が行われて、

 

『続きまして、卒業証書授与。なお、人数が多いため、今回はそれぞれのクラスから代表者2名が授与されます。ご了承ください。3-1組、遠藤遊輝!水野奏!』

 

「はい!」

 

「はい!」

 

司会の人に呼ばれて俺と奏は立ち上がり、階段を上ってステージに立つ。目の前には校長先生と補佐として一人の先生が卒業証書を手にしている。

 

「卒業証書、遠藤遊輝。貴方は本校での過程を修了したことをここに証明します。おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

『続いて、水野奏!』

 

「はい!」

 

「卒業証書、水野奏。貴方は本校での過程を修了したことをここに証明します。おめでとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

俺と奏は校長先生から卒業証書を受け取り、握手をする。会場から拍手が巻き起こり、奏とタイミングを合わせて回れ右をした後、一度例をしてからステージから降りた。

 

『続きまして、3-2・・・・・』

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

『卒業生、答辞!卒業生代表!遠藤遊輝!』

 

「はい!」

 

色んなプログラムが終わっていき、いよいよ最後の卒業生の答辞。俺はもう一度ステージに立ち、胸ポケットに入れていた紙を取り出す。

 

「答辞、私たち、3年生は本日を持って中等部を卒業します。この3年間、楽しい日々もあれば苦しい日々もありました」

 

「2年前、小等部から中等部に進学した私たちは新たな期待と不安で満ち溢れていました。しかし、先生方や先輩方の支えがあって私たちはこの中等部の生活を楽しく過ごすことができました」

 

「最後になりましたが、先生方や事務員の方々、3年間お世話になりました。先生方や後輩たちのさらなるご健闘を期待して、卒業生の答辞とします。卒業生代表、遠藤遊輝」

 

パチパチパチパチパチパチ!!!!

 

『以上をもちまして、デュエルアカデミアネオドミノシティ校、中等部の卒業式を終了します』

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!

 

 

〜〜(その夜)〜〜

 

 

「んん〜〜、やっと堅苦しい式とか終わったよ!自由って最高!」

 

「何言ってるのよ・・・・はい、ご飯よ」

 

「サンキュー龍可」

 

卒業式が終わった後もクラスのみんなと話したり、軽音部内で集まって色々としていたらこの家に帰ってきた時にはもう夜になっていた。晩御飯は龍可とアリアで作ってくれて、他の3人はすでに食べ終わっていた。

 

「・・・・この家も物が無くなったらもっと広く感じるな」

 

「そうね・・・」

 

明日、龍亞と龍可、いやチーム5D'sのメンバーは遊星さんを除いてこの街を旅立つ。この家も明日には引き渡されるため、すでに不必要な家具や家電は龍亞と龍可が新たに住む家に送った。

 

「遊輝はこの後、どこに住むの?」

 

「近くに安い家賃で借りれるアパートがあったからそこで住む。家具や家電は必要最低限買えばいい。アリアは茜の所に住み込みだ。あいつはまだ住民票ないからな」

 

アリアの住民票が無い問題をなんとかしたいが・・・イェーガーさんも渋い顔してたしな・・・ちょっと難しそうだ。

 

「そう・・・・」

 

「な〜に暗い顔してるんだよ。別に一生会えないわけじゃ無いんだからさ」

 

「そっちは心配ないんだけど・・・遊輝がアリアお姉さんに乗り換えないか」

 

「そっち!?」

 

「だってあの人、やる事全てめちゃくちゃだから・・・」

 

あ〜・・・わかる気もする、あいつめちゃくちゃだからな・・・

 

「何二人して話しているの?」

 

「出た、元凶・・・・いたたたた!!!!」

 

「元凶ってどういう意味?えぇ?」

 

部屋からアリアが降りてきて、ついボソッと元凶っていたのが聞こえたのか、すぐさま俺のところにきて両頬をつねってきた。

 

「いたたたた!!わ、悪かった悪かった!!」

 

「ちょっと目を離したすきにアリアさんの悪口ばっか言うんだから、だから私と一緒に住もうって」

 

「絶対に嫌じゃ!!あんな地獄に誰が好んで住むか!!」

 

「いいじゃない。給料入るし、食事代諸々、全てタダよ!」

 

「その給料入るためにやる事が嫌なんじゃあ!!」

 

「ちょ、ちょっと二人とも、もう9時回っているんだから静かに」

 

「何騒いでいるんだよ、明日は早いんだからもう寝たいんだけど」

 

「「だってこいつが」」

 

「・・・・・似た者同士ね、この二人」

 

「そうだな」

 

 

〜〜(翌日 早朝)〜〜

 

 

「・・・・ここからだったよく見えるな」

 

「ああ、チーム5D's最後のラストランを見届けるにはふさわしい所だ」

 

「いい景色ね。モーメントが見えて、6人の姿も肉眼で捕らえられて」

 

次の日、まだ陽が昇る前、6人は誰も走っていないライディングデュエル専用のレーンで待機していた。俺たちはそれがよく見える高台に待機している。チーム5D's、ラストランを俺たちはこの場所で見届けることにした。

遊星さんたちの声が聞こえるように、許可を取ってDホイールの画面をつないでいる。

 

「・・・・やっぱ寂しいですね、仲間が遠くに行っちゃうなんて」

 

「それはみんな一緒さ恭輔、でも、あいつら一歩踏み出すために道を選んだ。その邪魔をしちゃいけない」

 

「そうですね、師匠」

 

「わ、私も・・・・一歩踏み出しました。ファッションデザイナーに向けて、だから、みんな、頑張ろう・・・」

 

「おいおい祈、肝心なところで恥ずかしがってちゃダメだろ」

 

「おっ、朝日が昇ったわよ」

 

「いよいよだな・・・・みんな、頑張れよ」

 

『行くぞみんな!これが俺たちの・・・ラストランだ!』

 

チーム5D's、リーダーの遊星さんが先陣を切って走り、その次にジャック、クロウ、アキさん、龍亞と龍可が順番に走って行く。

 

『俺は必ず帰ってくる!真の王者となって!』

 

『見てろよガキども!!俺の活躍を!!』

 

『ありがとうネオドミノシティ!!』

 

『私たちの故郷!!』

 

『(・・・さよならは言わない。また会える日まで)』

 

「カッコいいこと言うわね〜」

 

「・・・!ねぇみんな!!あれ!!」

 

「・・・赤き龍・・・」

 

遊星さんたちのラストラン、その上空に赤き龍が現れる。そして龍亞たちシグナーの証である痣が赤き龍に吸い取られていき、赤き龍は天空へ消えて行った。

 

「なん・・・で・・・」

 

「きっと自分の役目を果たしたのだろう。この時代のシグナーのやることはもう終わったってことだ。次の世代に託すのだろう」

 

「・・・・ちょっと待った!!じゃあ私たちの痣は!?」

 

「・・・・・消えてない」

 

赤き龍がシグナーの痣を回収したことで、響が俺たちの痣はどうなってるのっと聞いて、奏が確認、すぐさま、俺たちも自分の痣を確認したが確かに消えてなかった。

 

「・・・・何で?」

 

「いや、私に聞かれても・・・」

 

「・・・・俺たちは赤き龍を補佐する秘密のシグナー、きっと、これからも影に隠れながら、赤き龍の補佐でもするんじゃないのかな」

 

「えぇ〜、あれを見たら普通の生活出来ると思ったのに」

 

「もう慣れちまったからいいだろ」

 

シークレットシグナーのことはまたダイヤから詳しく聞かないとな、そんなこと思っていたら遊星さんがみんなとハイタッチしていた。

 

「さて、ラストランを見届けたんだし、練習に行くわよ!」

 

「うっす」

 

「はぁ〜、今年もツアー頑張るか!」

 

チーム5D's、ラストランを見届けた俺たちは自分のDホイールに乗って、今日もアカデミアに向けて発進する。

 

遊輝 side out

 

No side

 

〜〜(数年後)〜〜

 

 

「・・・き、遊輝!!」

 

「ん、んん〜〜・・・」

 

「いつまで寝てるのよ!ロンドンついたわよ!みんな降りちゃったわよ!」

 

「ふわぁ・・もう着いたのか?早いなぁ・・・」

 

飛行機の機内で寝ていた一人の男性は女性から揺さぶられて起床する。手早く荷物を取り出して、CAに挨拶した後すぐに機内から降りて、入国手続きを行いスーツケースを手にして空港内を歩く。

 

「えっと・・・しばらくレコーディングして、2ヶ月後にロンドンからスタートなんだな?」

 

「そうよ。あと半分ほどだからスパートかけるわよ」

 

「あっいたいた」

 

「おおい遊輝!!レミ!!早く来いよ!!迎えが待っているぞ!」

 

遊輝とレミと呼ばれた男女、そして彼らを呼んだ4人組のグループは全員サングラスをかけていた。

 

「遊輝、あなたレミより爆睡してたわよ」

 

「しゃあねぇだろ、昨日、恭輔の電話の相手をしていたんだから」

 

「そんなことより、すみれさんと祈ちゃん待っているからさっさと行くわよ」

 

彼らは少し話し合ったあと、空港の外に出た。彼らは6人組バンドグループ、SECRET。デュエルアカデミアネオドミノシティ校から生まれたこのバンドグループは高等部に進学した時期からデビュー、そこから着々と人気が上がっていき、ついにワールドツアーを開催することが決定した。

 

「あっ、いたわよ」

 

「お母さ〜ん」

 

そのメンバーの一人、栗城茜が遠くにいる2人の女性と一人の男性に手を振った。一人は歳めいてうっすらと白髪が見える。もう一人は黒髪が色鮮やかにそして元気よく手を振っている。男性の方は眼鏡をかけてカジュアルな服装をしていた。

 

「すみれさん、わざわざ来ていただいてありがとうございます」

 

「良いわよ別に、ロンドンの仕事がまだまだかかりそうだしね」

 

「祈も久しぶりだな。聞いたぞ、この前賞を取ったんだな」

 

「い、いえいえ、賞を取ったと言っても入賞しただけですから」

 

「恭輔、お前寝る前に電話はするなよ、てかよく来れたな?」

 

「言いましたよ?僕ツアーのスタッフとしてしばらく同行しますって」

 

「店の許可は取ったのか?」

 

「降りてますよ。オーナーからしばらく休んでいいって」

 

「それお前、遠回りにクビ宣告だろ」

 

遊輝はその男性の言葉を聞いて若干の苦笑をした。

 

この3人組、男性の方は成田恭輔、遊輝という男性に師匠と言い、共に生活をして来た。遊輝の影響から料理の道へと進み、海外のレストランの料理人にまで成長した。もう一人、恭輔と同じ年くらいの女性は櫻井祈、ファッションデザイナーの栗城すみれに弟子入りしてファッションデザイナーになるために勉強をしている期待の新人だ。そしてその栗城すみれが少し白髪の入った女性だ。

 

「もう一人はどうした?」

 

「スタジオで待っているわよ。なんせ準備してしなくちゃいけないこと多いからね」

 

「じゃあ皆さん、スタジオに行きましょう」

 

恭輔の案内で遊輝たちは付けてあったマイクロバスに乗り込んで空港から出る。

 

「テレビ、テレビっと・・・」

 

『それでは2年連続学生チャンピオンになりました龍亞さんへのインタビューです。龍亞さん、今日のデュエルはどうでしたか?』

 

『序盤、危ない場面が何回かありましたがそこを耐えて終盤に畳み掛けたことは大きいですね』

 

「へぇ〜、あいつ2年連続学生チャンピオンか、派手なことをしたな」

 

「龍亞さんすごいですよ。もうプロチームとの契約を結んで、来年度からクロウさんの後釜として入りますから」

 

「世界一のチームのキャプテンの後釜、ね。龍亞君も成長したわね」

 

『いよいよ来年度から今年世界一になったチームにプロ選手として所属されます。チームは個人リーグ出場のため、離脱することになったクロウ・ホーガンに変わる期待の新星として期待してますがその辺りはどのような心境でしょう?』

 

『そうですね、まだまだアマチュアな自分がいきなりリーダーと同じレベルの境地に達することは難しいと思いますが、そこに少しでも近づくように頑張りたいと思います』

 

『ありがとうございました。現場から以上です』

 

『ありがとうございます。それでは本日の特集です。チームIBFのリーダー、クロウ・ホーガンがライド・リーグの参戦を表明しました。これにより、ライド・リーグの構図がどう変わるのか、専門家たちの議論を・・・』

 

「あっ、そう言えば今年のキング戦どうなったんだろ、確か今日だったわね」

 

ピッ

 

『強い!!やはり強い!!この世界最高峰と言われるライド・リーグに出場わずか2年でデュエル・キングに上り詰め、そこからずっとキングを守り続けた男の実力は伊達じゃない!!WINNER!!キング!!ジャック・アトラス!!』

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「うわぁ・・・・今年もジャックさんが優勝したんだね」

 

「すごいね、これで何年連続年間チャンピオンなんだろ?」

 

『キング、来季はクロウ・ホーガンが参戦を表明していますが、かつての仲間と戦うのはどのような心境ですか?』

 

『クロウはキングは自分がなると言っていますが』

 

『ならばクロウに伝えておけ、たとえ束にかかって来ても俺には土をつけることはできないと、』

 

「かっこいいこと言うじゃない、ジャックさん」

 

「みんな、着いたわよ。早速迎えが来ているわ」

 

マイクロバスを運転していたすみれさんが目的地に着いたことを報告、それを聞いて全員荷物を手にとってマイクロバスから降りる。そこには赤い髪の女性と青い髪の女性が立っていた。

 

「ヤッホー!みんな元気!?」

 

「体調は大丈夫?心配だったら私に相談して」

 

「アリアさん、それにアキさんも」

 

「私も今回、あなたたちのツアーに医療スタッフとして携わることに決まったわ。何より面白そうだしね」

 

「いいんですか、医者がそんな長期休暇取っちゃって」

 

「上司にこっ酷く怒られたわ。無視したけど」

 

「肝座ってますね、大した根性ですよ」

 

青い髪の女性、彼女はアリア。遊輝に助けられて精霊世界という異次元から人間世界に戻った少し変わった経歴の持つ女性、今は栗城すみれの下でパタンナーとして働き、その腕前は世界一と言われている。

もう一人の女性、十六夜アキ。かつてチーム5D'sのメンバーとして行動していた彼女は現在、医者として多忙な日々を送っている。

 

「さあ中に入って、今日はみんなにサプライズがあるんだから」

 

「サプライズ?」

 

「いいから入った入った!」

 

「みんなも早く入ってちょうだい」

 

「ちょ、アキさんも急かさないでくださいよ」

 

アリアとアキに急かされるようにSECRETのメンバーは今回の拠点となるスタジオに入っていく。何かを急かすようにメンバーをメインスタジオへと押していき、そしてレミが扉を開ける。

 

パ〜ン!パ〜ン!

 

「えっ?」

 

『おめでとう!』

 

「みんな、久しぶりだな!」

 

「おめぇら元気にしてたか!?最近忙しいと聞いていたからさ!!」

 

「えっ!?えっ!?クロウさんに龍亞君!?」

 

そこにいたのは今回一緒に帯同するツアースタッフ、さらに先ほどまでテレビに出ていたプロデュエリストのクロウ・ホーガンとアマチュア学生チャンピオン、龍亞の二人がクラッカーを鳴らして出迎えていた。

 

「な、なんでここにいるの!?クロウさん、確かフランスに」

 

「何言ってるんだよ!お前らを祝うためにわざわざ飛んで来たんだぜ!この後にジャックと遊星もこのためだけに駆けつけてくれるってよ!」

 

「い、祝うって・・・・何?」

 

「何言ってんだよレミさん!今日はバンド結成日って言っていたでしょ!?」

 

「・・・・・あっ!?」

 

「そう言えば・・・・そうだっけ」

 

「ここ最近忙しかったから、忘れていたわ・・・・・」

 

「さあさあ!!今日のために恭輔が腕をふるってくれたんだから食べまくろうぜ!!」

 

龍亞が手にしていたクラッカーをゴミ箱に捨てて、全員に皿を回す。スタッフやアキさん、メンバーにも回ったところで後ろに隠れていた豪華なご馳走が振舞われた。

 

「いや〜美味しい。ほんと、恭輔君の腕すごいわね」

 

「遊輝も遊輝で美味しいけど、遊輝よりも美味しいんじゃない?」

 

「それは俺、ちょっとショックなんだが・・・」

 

「・・・・遊輝!!」

 

「?・・・!!る、龍可・・・」

 

声をかけられた遊輝が後ろを振り向く。そこには緑色の髪をした、龍亞と同じ顔をした女性、龍可が立っていた。

 

「あ、・・・その・・・ひ、久しぶり」

 

「久しぶり・・・・大分時間かかっちゃったね」

 

「ああ・・・色々と忙しかったから」

 

突然現れた女性に顔を赤くしてキョロキョロする遊輝、それを周りのスタッフやメンバーはニヤニヤしながら見ていた。

 

「会いたかった・・・・・ずっと会いたかった」

 

「あ、ああ・・・俺もだ」

 

「ほらぁ遊輝〜、お前龍可に渡すものがあるのだろう?」

 

「早く渡しちゃいなさいよ〜」

 

「う、うるせぇ!!こ、心の準備が・・・・」

 

「早くしないと逃げちゃうわよ〜」

 

「わ、分かったよ!!る、龍可・・・・」

 

「は、はい・・・・」

 

遊輝はカバンから小さな黒い箱を取り出して、龍可の目の前で跪く。「キャー」という黄色い歓声が飛ぶ中で、遊輝は黒い箱を開けた。

 

「これ・・・・・指輪?」

 

「お、俺と・・・・・結婚してください!!」

 

「・・・・はい!!」

 

『ワアアアアア!!!!』

 

「こいつは愛でたい!!!早速飲もうぜ!!」

 

「良かったわね龍可ちゃん!!遠距離恋愛が実って!」

 

「は、はい・・・」

 

「う、うるせぇ!!お前らもう少し大人しくしてろよ!!」

 

顔を真っ赤にして喚く遊輝、それを見ながら龍可は微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー彼らの物語はこれからも続く




本編、完結しました。
ここまで読んでくださり本当にありがとうございました。

色々と話したいことあるのですが、後書きでやるには長すぎるので、活動報告の方に後書き談をやります。


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