ハイスクールヒーローズ-THE ULTIMATE HERO'S- (絶狼ゼロ)
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始まりのハプニング!?
序章―プロローグ―


タイトル通り序章

オープニングテーマのイメージ

『ウルトラマンパワード』


エンディングテーマのイメージ

『W―B―X』


ケンイチ

「これは、夢なのか?」

 

涼太郎

「何故だ、何故俺たちは、非現実的な場所に入るのだ?」

 

鋼賀

「これも、何かの因果か?」

 

突如として謎の空間にいる三人の青年、『櫂ケンイチ』、『左涼太郎』、『道外鋼賀』の三人は落ち着きながらもテンパっていた!

 

自分たちは、小学生からの友人同士だが、それぞれ違う就職先に勤めていたのだ。

 

そして三人は一緒いる。

 

けれども集まる約束をしていた訳ではない。

 

いつも通りの勤務を終えて、帰宅途中に彼等に事件が起こり現在に至るのだ。

 

ケンイチ

「なぁ、鋼賀と涼太郎は何が起こったんだ?」

 

鋼賀、涼太郎

『知らん![いやハモるなよ!]』

 

と状況を確認しようとするが、本当に分からない三人である。

 

とその時!

 

???

「ごめんなさ~~~~~い!!!」

 

と突然幼い声が聞こえたと思えばトテトテっとなんとも言い難い存在を目にした。

 

三人

『え゛ッ!?』

 

振り向く三人はそれぞれ思ったことを口にした。

 

三人

『バリバリの幼女??』

 

と見事にハモった。

 

???→神様

「違います~~!!あたちは『神様』何ですよ!」

 

その言葉を聞いた三人は、

 

 

ポクポクポク・・・・・・チーン!?

 

三人

『え゛ぇーー!!』

 

驚くのも当然だ。

 

神様らしい服装ではない!

 

むしろ、そこいらの幼稚園児そのものなんだから。

 

しばらく三人は、放心状態に陥った。

 

10分後、、、、

 

ケンイチ

「まあ兎も角、神様で間違いが無いなら話を良いかな?」

 

神様

「良いよ!ケンイチクン!」

 

ケンイチは、代表して自分達の状態を聞いたのだ。

 

ケンイチ「俺たちの身に何が起こったんですか?」

 

神様

「カンタンだよ、三人はねぇ………」

 

三人

『うんうん』

 

神様の言葉をじっと待つ三人。

 

するととんでもない言葉が返ってきた!

 

神様

「同時に空から降って来たカッターナイフが頭に刺さって死んじゃったんだよ〈無邪気な笑み〉」

 

ポクポクポク・・・・・・・チーン!!

 

三人

『ハアァァァァァァ!?』

 

またもやハモった!

この三人は一体どれだけ仲が良いのか?

しかし『そう言えば』と思い出す。

 

涼太郎

「なんで空からカッターナイフが降って来たんですか?」

 

涼太郎が理由を聞くと神様はこう答えた

 

神様

「カッターナイフでジャグリングをやってたから〈無邪気な笑み〉」

 

なんとまたとんでもない理由だった!

 

鋼賀

「まさか、刃を出しながらですか!?」

 

神様

「ピンポーン!〈無邪気な笑み〉」

 

と明らかに最初の謝罪とは真逆の反省の色無し!

 

ケンイチ

「いや何してくれとんじゃーーー!?」

 

ケンイチが頭を抱えて叫んだ!

 

神様

「いやぁ、ゴメンゴメン、テヘペロ〈ウインクして舌を出す〉」

 

この行動に三人は遂にブチ切れた!!

 

ケンイチ

「よし!殺そう!」

 

涼太郎

「ちょっと(肉体言語と言う名の)“お話し”しようか?」

 

鋼賀

「貴様の罪深き因果、俺たちが断ち切る!!」

 

と最早止められ無いブチ切れ度だ!

 

神様

「キャーッ!?本当にごめんなさ~~~い!?だからその『お詫び』を持ってきたから許してぇ~乱暴しないで~!?」

 

三人

『お詫びぃ~??』

(バキボキッバキボキッ)←指を鳴らす音

 

切れた三人に恐怖した神様は突然態度を改め、『お詫び』を持ってきたと言うのだ。

コレには流石に反応した三人

 

神様

「そ、それは『転プレ』だよ!!(ガクガクブルブル)」

 

『転プレ』、それ聞いた三人は

 

三人

『え゛ッ、マジ!?』

 

と一瞬で頭冷えたのだ

 

神様

「本当だよ!?転生先は『ハイスクールD×D』だよ!?三人の特典は何でも許すよ!?」

 

必死に弁護するように説明する神様!

 

ケンイチ

「なんでラノベのハイスクールD×Dなの?」

 

二人

『うんうん』

 

転生先の理由を聞く三人

 

神様

「それは安直に三人が好きな作品だから許してぇ~!?」

ということであった。

 

鋼賀

「どうするケンイチ?話に乗るか、ボコすか?」

 

神様

「ウゥゥ(ガクガクブルブル)」

 

鋼賀はケンイチに聞いてみたのだ。

涼太郎もケンイチに同じようにに目線を送る。

 

ケンイチ

「しゃーねーな、信じてやるか。」

 

神様

「ホントッ!?」

 

ケンイチ

「どのみち俺たちは死んだ身だ、だったらこのチャンスに、二次元世界に行こうじゃねぇか!」

 

とポジティブに答えた!

 

鋼賀

「仕方ない、信じてやろう。」

 

涼太郎

「まあ良いかもしれないな。」

 

二人もケンイチに同意したのだ!

 

ケンイチ

「という訳で転生の言葉、信じるよ神様。」

 

神様

「よ、良かったぁ~(冷や汗)

 

じゃあプレゼントは一人四つまでだよ。」

 

とプレゼントの説明を受けた三人は、一つずつ答えていく

 

鋼賀

「俺はまず一つは、容姿を牙狼シリーズの『鈴邑零』みたいに頼む、二つ目は、牙狼シリーズの『黄金騎士牙狼(鋼牙バージョン)』を、三つ目は、強力な剣士、そして四つ目、牙狼のデメリットを無しにしてほしい。」

 

まず鋼賀は自分が牙狼になることを選んだ

 

神様

「三つまでは分かるけど、具体的デメリットというのは?」

 

鋼賀

「仮面ライダーみたいに簡単に翼人や竜人とか鷹麟(おうりん)と心滅獣身が簡単に変身出来るようにしてほしい、後制限時間無しと心滅は自我を保てる状態で頼む」

 

神様

「よし、鋼賀クンはOK!次は涼太郎クン!」

 

次は涼太郎だ。

 

涼太郎

「う~ん、俺は一つ目は、容姿が仮面ライダーWの『左翔太郎』で、二つ目は、原作のフォーム全てに変身出来る事、三つ目は、仮面ライダーWに変身出来る事、最後は、一人でWに変身出来ることだな~」

 

神様「よし、涼太郎クンもOK!じゃあ最後、ケンイチクン!」

 

涼太郎もOKが出てラストがケンイチになったのだ

 

ケンイチ

「俺はじゃあ、一つ目は、ウルトラマンパワードに変身出来るように頼む、二つ目は、ウルトラマンジャックのウルトラブレスレットにウルティメイトブレードを追加した特殊ブレスレットとウルトラコンバーターの装備と、三つ目が、容姿はウルトラマンネクサスの『姫矢准』をお願いして、最後は結構筋肉の有る体にしてほしい。』

 

神様

「デメリットはいいの?」

 

ケンイチ

「ああ、ウルトラコンバーターを頼んだから、デメリット解消の代わりになるから。」

 

神様

「よし、ケンイチクンもOK!しかしまあ、一言言えるとすれば、『鬼畜な位チート』だね!」

 

三人

『うっせぇ!』

 

三人の転プレは決まったが確かにかなりチートである

 

神様

「じゃあ、今から扉開けるから、向こうに付いたら手紙を呼んでね!〈Vサイン〉」

 

 

ケンイチ

「手紙って?」

 

ケンイチが神様の言った手紙の説明を求めた。

 

神様

「簡単な詳細だよ!」

 

それを聞いた三人は納得した。

 

神様

「それじゃあ心の準備はOK?」

 

神様がそう言うと、三人の前に扉が出現した。

 

鋼賀

「ああ、問題無い。」

 

涼太郎

「鋼賀に同じだ!」

 

ケンイチ

「むしろ、ワクワクが止まんねぇや!」

 

三人とも問題なかった。

 

神様

「ドアノブを三人で同時に引いていってねぇ~〈満面の笑み〉」

 

そう言われた三人はドアノブを握る。

 

その時?

 

神様

「(ニヤリ)」

 

何故かニヤリと怪しい笑みを浮かべる神様だが、三人は気付かない。

 

ケンイチ

「よっしゃ、俺のタイミングで行くぜ、二人とも!」

 

二人

『O.K.!!』

 

そしてカウントダウン開始!

 

ケンイチ

「さ~~~~ん、にぃ~~~~、い~~~~ち!」

 

三人

『ゼロォォォォ!!』

 

と最後は同時に三人が、ウルトラマンゼロの〈すすめ!ウルトラマンゼロ〉最後の部分を叫び、ドアノブを回す!

 

すると、、、、、!?

 

バカンッ!!

 

三人

『ヘッ!?』

 

足元に穴が開いて、文字通り…落ちる!!

 

三人

『ギャアアアアアア!?そんなの有りかアアアアアアッ!?』

 

そう断末魔を上げながら真下へ一直線!

 

神様

「行ってらっしゃーい!地獄行きじゃなくてちゃんとハイスクールD×Dに行けるから~~!!(無邪気で楽しんでいる)」

 

そうは言うが、ものすごいスピードで落ちた三人に聞こえる筈がなかった!

 

神様

「ふう、これで一仕事完了!!

じゃあこれでカッタージャグリングの続きをやろーッと!!」

 

と言って去って行った神様であった!

 

三人

『覚えてろよーーーーーーーーーーーーー!!』

 

と言った三人は、必ず神様に復讐心を燃やすのだった…。

 

つづく!!

 




次回予告BGM
『牙狼~saver in the dark~(サビバージョン)』


ナレーション(ザルバ風)

「まさかお前たちは、自分が死ぬ訳無いなんて思ってないだろなぁ? 人生ってのはよくわからないもんなんだぜ?

次回『接触(コンタクト)』

全く、ヒーローは辛いぜ。」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


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勇者に転生せし者達と、悪魔達の運命の出逢い!
第1話 接触(コンタクト)


OPテーマ
『英雄』


怪異宇宙人
ケットル星人登場


EDテーマ
『Double-Action ソードフォーム』

※色々可笑しな所が有りますがお許し下さい。


ケンイチ

「グオォォォッ」

 

涼太郎

「グゥースカピーッ」

 

鋼賀

「グガアァァァッ」

 

突然だが,三人は寝ている。

 

それもそのはず、何せ精神世界の会話でもあったのだから。

 

すると?

 

???→パワードの目覚まし時計

 

《グワンギュンギュンギュンギュンギューーン!!〔いわゆるウルトラマンの変身音〕、、、

私は、×2

ウルトラマン×2

パワードだ×2

早く起きなさい!!×2{カラータイマーの点滅付き}》

 

なんと、目覚まし時計が鳴りました

 

三人

『あん?何だ?』

 

三人は同時に目覚めて、そしてビックリした!

 

三人

『なんで、パワードの目覚ましが有んのーーーー!?』

 

三人は叫びながら突っ込んだ{てか、突っ込み所が違う}

 

ケンイチ

「てか、なんで俺たち一緒に寝てんだ?」

 

二人

『知らん[いや、だからハモンなよ!]』

 

いつも通りに仲が良い三人の漫才だが、同時に“あの事”を思い出して、辺りを見渡す。

 

すると、近くに有った大きなテーブルの上に、それぞれ名前の書かれた三つの箱と手紙に気がついた。

 

鋼賀

「なぁ、手紙はこれで良いんだよな?」

 

涼太郎

「うん、間違い無いな。けど、箱の大きさが違うのが気になるな。」

 

ケンイチ

「まあ兎も角、手紙は後にして、名前ごとに分かれた箱を開けてみっか?」

 

ケンイチの言葉に二人はそれぞれの箱を手に取る。

勿論ケンイチも箱を取る。

 

そして同時に三人は箱を開けた。

 

その中身は、

 

鋼賀

「これは、『牙狼剣』!」

 

涼太郎

「おいおい、こりゃあ『純正ガイアメモリ』に『Wドライバー』じゃねぇか!?」

 

ケンイチ

「間違い無い、俺のもだ、コレは紛れもなく『フラッシュプリズム』!」

 

箱の中身はなんと、自分たちが『神様』に願った『英雄』に変身するがこと出来る『アイテム』だった!

 

そして三人は、お互いを見て頷き合う。

 

そして同時に手紙を見る。

 

『ハロー!あたち神様だよ!

無事に三人はたどり着いたかな?

 

目が覚めたら近くに三人の箱が有るから、それぞれ開けてね~!

 

それと特別に三人の為に用意した“サポート”が、変身アイテムと一緒入ってるからねぇ~!

 

鋼賀クンには、牙狼で当然の相棒

『魔導輪ザルバ』、

涼太郎クンは

『メモリガジェット』とその『ギジメモリ』を用意したからね!(V)』

 

コレを読んだ涼太郎と鋼賀は直ぐ確認した。

 

鋼賀

「確かに、コレは

“ザルバ”だ!」

 

涼太郎

「俺のもだ!

『バットショット』に『ビートルフォン』と『フロッグポット』が有った!」

 

ケンイチ

「マジか!?」

 

鋼賀

「てことは、ケンイチは何が用意されているんだ?」

 

涼太郎

「続きを読もう!」

 

三人は再び手紙を確認する。

 

『さて、最後に

ケンイチクンなんだけど、あたち!神様は“大サービス”をしました!

[“大サービス”??]

そ、れ、は!

まず、光線銃

“トライガーショット”!オマケにメモリーディスプレイ付きでメテオールは無制限の超小型ハイテク光線銃!

更に、長距離狙撃光線銃[ダンクショット]と、超万能換装型光線銃[ディバイドランチャー]を用意したからね!

後それらは、量子変換することによって メモリーディスプレイから転送されるから簡単に使えるよ!』

 

鋼賀

「マジかよ、、、」

 

ケンイチ

「俺の箱がやたらデカいのはそう言う意味か!?」

 

涼太郎

「あれ?まだ続きが有るぞ?」

 

驚きを隠せない三人だが、更にまだ

ケンイチの説明は続いていた。

 

『後ケンイチクンの為にね、もし変身不能に陥った時の場合にね、『カプセル怪獣』と『怪獣ボール』と『バトルナイザー』を用意したからね!オマケにサイズは、ケンイチクンの思いのままに変えられるからね!』

 

三人

『はいッ!?』

 

急いで箱の中を確認すると、本当に三種類の怪獣の入れ物が有った!

 

『カプセル怪獣』には、

『E(エレキ)ミクラス』、

『F(ファイヤー)ウインダム』、

『アギラ』と入れ物に記されていた。

 

『バトルナイザー』も同様に、

『ゴモラ』、『リトラ』、『エレキング』とバトルナイザーが発光していた。

 

そして、掌に収まりそうで収まらないちょっと大きなカプセル、『怪獣ボール』には、『セブンガー』と記されていた。

 

ケンイチ

「頼んでいた訳でも無いのにサイズまで変えられるのかよ……まあ、深く考えれば変身不能と言えば、〔ウルトラマン〕の作品には、必要不可欠だからかもなぁ。」

 

涼太郎

「確かに、そう考えると有り難く頂戴するべきだな。」

 

鋼賀

「俺もそう思うぞ。」

 

まさかの味方怪獣の支給に驚きを通り越して、若干呆れたが、確かに変身不能となれば、最悪の状況になるだろう。

それを、考えて用意してくれたのなら、“受け取らないのは、野暮”ってやつである。

 

『そして鋼賀クンと涼太郎クンのヒーローには、ちゃ~~んとデメリットを外して置いたし、ケンイチクンのも、ウルトラコンバーターとウルトラブレスレットにウルティメイトブレードを移植した『パワードブレスレット』もちゃ~~んと付いているからねー!

 

そして最後!

 

三人は“コレを”読んだ後は、自動的に“ハイスクールD×D”ワールドに組み込まれて、次の日は、『駒王学園高等部』の二年に転校生という形にしてあるから、其処から先は君たちの新たな人生だから、健闘を祈るよ!!

 

後もう一つ、ケンイチクンと鋼賀クンの光の力は、正しい心を持っている存在であれば、闇の住民と友好関係を築いても、その者がダメージ、又は消滅するなんてことは起こらないからねー!

消滅及びダメージ現象が発生するのは、二人の光が、本当の邪悪、もしくは邪光と判断したときに起こるから、覚えておいてねー!by.神様より』

 

説明書である手紙を読み終えた三人

 

ケンイチ

「まあとりあえず、説明は分かったから先ずは、」

 

鋼賀

「俺の“魔導輪ザルバ”からだな。」

 

鋼賀はそう言うと、小箱から指輪の形をした“魔導輪ザルバ”を取り出す。

 

すると?

 

ザルバ

『お前さんかい?俺の“相棒”は?』

 

喋りだしたではないか!?

しかし三人は全く驚かない。

 

鋼賀

「ああ、その通りだ。俺は道外鋼賀だ。」

 

ザルバ

『ほほう、お前さん“コウガ”って言うのか?初めて聞く名前じゃないな、さて俺も名乗ろうと言いたいが、生憎名前が無いのでな、名前を付けてくれねぇか?』

 

鋼賀

「ああ、お前は今から、『ザルバ』だ!

言葉の意味は『友』」

 

ザルバ

『ほう、『ザルバ』か?気に入ったぜ、鋼賀!』

 

 

鋼賀

「ああ、よろしく頼む、ザルバ!」

 

ザルバ

『ああ、勿論だ。

ところで、そっちの“ヤロー”お二人さんは?』

 

鋼賀とザルバの契約みたいなのが終わった直後、ケンイチと涼太郎に気付いたザルバ

 

涼太郎

「や、“ヤロー”って、随分豪快な物言いだなオイ。」

 

ケンイチ

「俺たちは、鋼賀の親友で仲間の

櫂ケンイチだ。」

 

涼太郎

「俺は左涼太郎だ。」

 

ザルバ

『そうか、じゃあよろしくだケンイチ、涼太郎。』

 

とりあえずは、身の回りものを確認する為に、部屋を確認する。

 

そして分かった事が有った。

どうもこの部屋は、三人共同の部屋だという事と、一つの家に同居しているということが。

 

そして次に三人は、別々に行動する。

 

涼太郎は風呂に入り、鋼賀は表に出て剣術の独学をする為に素振りを、そしてケンイチは、装備品である光線銃の整備を行う。

 

そして昼間に至り、三人は一番の問題点である“所持金”を確認する。

 

銀行の通帳を確認したところ、三人の額は、同じ数字であり、1000億単位の預金が有ることに腰を抜かしてしまった。ケンイチに限っては、盛大にずっこけている。

 

オマケに財布の中も、6万円の額が入っていた。

 

それで三人は、駒王学園の道筋を覚える為、外食ついでに部屋を出た。その後、ファミレス〔ガヌト〕という店入り、昼食を済ませるのだった。

 

ケンイチ

(オイ!?ガヌトってガストじゃないのか!?)

 

そして、午後3時、、、、、、、、

 

意外にもそこまで離れていない距離に、お目当ての『駒王学園』に到着した。

 

ケンイチ

「此処だな、駒王学園は。」

 

鋼賀

「間違い無い、此処だ。」

 

涼太郎

「確か、設定上の割合は、男が3の女が7だったかな?

 

こりゃあ、安全に学校生活が送れるか分からんぜ?」

 

涼太郎の言う通り、自分達の容姿は、ケンイチが『姫矢准』、涼太郎が『左翔太郎』、鋼賀が『鈴邑零』である。

 

間違い無く女子達には人気間違い無しなのだが、反面イケメン男子を除く男共にとっては間違い無く目の敵そのものである。

 

鋼賀

「とりあえず、学校は分かったんだ。

後はこのまま、明日を迎えたいな、な?ケンイチ、涼太郎。」

 

ケンイチ

「まあ平和に越したことは無いよな?」

 

涼太郎

「じゃあちっとばかし早ぇが、晩飯をどうするか考えるか?」

 

 

と言うわけで、三人はこれから街の探索も兼ねて、晩飯をどうするか、歩きながら話す。

 

それから時間が流れ、午後6時30分、、、、、、、

 

食品の買い出しに向かって、“今日は何を食うか”というのを時々リアルファイトを行いながら今晩のメニューを考えては、買い物かごに入れていく。

 

そして最終的に決まったメニューは、

 

『肉じゃが』

 

に決まったのだ。午後8時に三人は慣れないながらも奮闘し、見事な出来栄えになったのだ。

 

その食後、三人は表に出て、ランニングモードに入る。

 

“さあ!特訓開始”と言わんばかりに、

ケンイチは既にウォーミングアップを行う。

 

涼太郎と鋼賀も同じように準備運動をして、走る気満々である。

 

 

とその時!!

 

三人

『ッ!?』

 

三人が同時に何かを感じた瞬間、ザルバも反応した!!

 

ザルバ

『鋼賀!ケンイチ!涼太郎!危ない邪気だ!此処から遠くないぞ!!!』

 

ザルバの言葉に確信を持った三人!

 

鋼賀

「ザルバ!方角はどの辺りだ?」

 

鋼賀はザルバが付いている左手を突き出し、360°回転する。

 

すると

 

ザルバ

『ストップだ鋼賀。あの方角だ!』

 

ザルバの言った方角、その先には?

 

涼太郎

「ありゃあ[教会]か?」

 

ケンイチ

「間違い無い!俺のメモリーディスプレイにも[教会]の位置から反応が出ている。しかもご丁寧にその正体は、[怪獣]系だ!」

二人

『何だと!?』

 

ケンイチの言葉に驚く二人。

 

ケンイチ

「名前は『怪異宇宙人ケットル星人』だ!」

 

鋼賀

「おい、教会で事件となれば、原作だと、どの辺りになる!?」

 

涼太郎

「確か駒王学園に行った時、生徒達の制服は[冬服]だったから、、、、、」

 

ケンイチ

「[レイナーレ戦]だ!]

 

ケンイチの言葉に二人は急いで準備する!

 

涼太郎は、仮面ライダーWの愛車である[ハードボイルダー]に跨がり、鋼賀も同じ様に、

 

鋼賀

「轟天ッッ!!」

 

と叫ぶと、空間に金の亀裂が入り、黄金の体に身を包み、頭に角が生えた、

例えるなら、黄金のユニコーンと言える牙狼の愛馬、[轟天]が姿を現し、鋼賀が跨がる。

 

鋼賀

「涼太郎!先に向かおう!」

 

涼太郎

「ああ!ケンイチ!」

 

ケンイチ

「俺も直ぐに向かう!足止めを頼むぜ!」

 

準備の出来た二人は先行する。

そしてケンイチは、一度部屋に戻り、

 

ケンイチ

「初めましてでいきなりだが、無関係の命を守る為、力を貸してくれ! [ウルトラマン]!」

 

そう言うと、手にしているフラッシュプリズムのコアが輝きを増す!

 

ケンイチ

「ありがとう、ウルトラマン!

ウルトラマン、パワァァァァドォォォォッ!!」

 

 

ケンイチの雄叫びと共に、フラッシュプリズムを天に翳してスイッチを押す!

 

そして、両側の青い発光部分と中央のコアが発光して、ケンイチを青い稲妻と共に眩い青光が包み込む!

 

光が晴れた時、ソコにいたのは『櫂ケンイチ』ではなく、銀色と赤色が中心の体に、両手には肘までの幅でヒレ状の刃『パワード・スタビライザー』を装着し、更に右手首にはウルトラコンバーターを、左手首に万能武器

『パワードブレスレット』を装着しており、更に胸の中心に特殊な発光部分『みなぎりメーター』がついた『カラータイマー』を装着していた。

 

何よりも顔は、人間からかけ離れているが、どことなく人間に近く感じ取れるモノであり、一番の特徴は目が、地球のように青く輝いている。

 

今、ケンイチは己の憧れていた英雄、ウルトラマンパワードに変身したのだ!

 

(※此処から作者はパワードを『ウルトラマン』と呼称します。理由は本編パワードで、パワードと呼ばれず、『ウルトラマン』と呼ばれていたというちょっとしたこだわりです)

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

ウルトラマンは声と共に光となり、教会へと急行した。

 

 

道中

 

 

涼太郎

「さぁ~て、初めての変身だ!華麗に決めてやるぜ!」

 

そう言った涼太郎は、変身ベルト『Wドライバー』を腹部に装着!

 

そして『ハードボイルダー』のハンドルをコインで固定し、左右のポケットからガイアメモリの、『サイクロンメモリ』と『ジョーカーメモリ』を取り出して、ボタンを押す!

 

『サイクロン!!』

『ジョーカー!!』

 

この音声の次に、腕をクロスするように回し、

 

涼太郎

「変身ッッ!!」

 

その掛け声と共に、ガイアメモリをWドライバーのメモリスロットにセットして、そのスロットを左右に開く。

 

『サイクロン!!』『ジョーカー!!』

 

その音声が響き渡り、独特の効果音と共に涼太郎の姿が変わった。

 

右半身が緑色の体色いており、左半身が黒色の体色をしいている、いわゆる『半分こ怪人』の英雄。

そして銀のマフラーに赤い複眼、そう!

涼太郎は、この町を守る『風』、『仮面ライダーW』に変身したのだ!

 

「さぁ~て、この町を泣かせる奴ぁは俺が、いや俺達が絶対に許さねぇ!」

 

Wはハンドルを握り直し、そのまま走る。

 

同時に鋼賀も、愛馬『轟天』と共に急行中に『変身』の体制に入る。

 

ザルバ

『鋼賀![鎧]を召喚しても損は無いぞ!お前たち三人なら、あのケットルなんたらは倒せる!』

 

鋼賀

「ああ、行くぞ!ザルバ!!」

 

鋼賀は、走行中に牙狼剣を『赤鞘』から引き抜き、その牙狼剣を天に垂直伸ばし、真上に円を描いた!そして牙狼剣を振り下ろすと、まるで骸骨のイメージが大きい天使、『魔天使』が姿を現し、鋼賀の体に鎧の一部ずつを装着させていく。

 

最終的に顔以外は金の鎧で包まれ、牙狼剣も鍔の位置に三角形のエンブレムが入った本来の形態になり、鋼賀が顎を引き、睨め付けた途端、

 

『ガルルルッ!!』

 

犬や狼の威嚇する鳴き声と共に鋼賀の顔は、黄金の狼に変わった。

 

鋼賀は今、『守りし者』として命の盾となる『黄金騎士牙狼』に変わったのだ!

 

牙狼

「行くぞ!轟天!!」

 

主の言葉に応えるように、轟天は加速する!

 

 

 

教会側、、、、、、

 

(イッセーナレーション)

 

オッス!俺『兵藤一誠』!!

突然なんだけど俺は『悪魔』なんだ!

今俺達『オカルト研究部』は、レイナーレって言う残酷な堕天使を倒して、目の前で殺された俺の新しく出来た友だちの『アーシア・アルジェント』っていう子が今、駒王学園の『二大お姉さま』と言われ、レイナーレに殺された俺を『悪魔』に転生して助けてくれた主であり部長の『リアス・グレモリー』先輩によって、人間ではなくなっちまったけどそんなの関係ねぇ!

部長は『悪魔』に転生させることで、アーシアを生き返らせてくれたんだ!

『悪魔』って言っても、俗に言う化け物の『悪魔』じゃないぜ!ソコわかってくれよな!

それに、俺の為に協力してくれたリアス部長と同じ『二大お姉さま』の片割れで部長と同等かそれ以上のナイスバディの副部長『姫島朱乃』先輩に駒王学園の『ロリマスコット』というかわいこちゃんで後輩の『塔城小猫』ちゃんに駒王学園の俺達男子敵でイケメン王子の『木場祐斗』には感謝しきれないぜ!

ホント皆、ありがとう!

 

(イッセーナレーション終了)

 

イッセー

「さあ、帰ろう!アーシア!」

 

アーシア

「イッセーさん!」

 

(作者ナレーションに戻ります。)

 

イッセーは生き返ったアーシアを嬉ながら抱きしめた。

 

その光景にオカルト研究部は微笑みながら見守る。

 

リアス

「さあ、コレで今日の部活動は終わりよ。」

 

朱乃

「はい部長。」

 

小猫

「お疲れさまです。」

 

木場

「それじゃあイッセー君、お先に失礼するよ?」

 

イッセー

「おう!ありがと!みんな!!」

 

オカルト研究部が部活動を終えて、解散しようしたその時!!

 

ケットル星人

「タアッ!!」

 

イッセー達

『ッ!?』

 

怪異宇宙人ケットル星人出現!!

 

イッセー

「アーシアあぶねぇ!」

 

イッセーはアーシアを抱えて回避した。

 

ケットル星人

「おのれ、かわすとはやるな?」

 

リアス

「あなた何者なの!?」

 

リアスの問いかけに、勿論ケットル星人はこう答える。

 

ケットル星人

「私は遥か宇宙の彼方のケットル星から来たケットル星人だ!」

 

イッセー

「な、なんだと!?」

 

木場

「宇宙人だって!?」

 

驚きを隠せないリアス達一同。

 

ケットル星人

「我々の種族繁栄の為、お前たち『悪魔』の寿命と若さを頂く!」

 

ケットル星人は槍を構えて迫る!

 

リアス

「冗談じゃないわ!

あなたなんかに、私達の命は渡さないわ!朱乃!!」

 

朱乃

「雷よ!」

 

ケットル星人を迎え撃つリアス達はまず、朱乃が雷撃を放つがケットル星人は

 

ケットル星人

「あまいぞ娘よ!タアッ!!」

 

なんと驚異的な速さでかわしているではないか!!

 

小猫

「なんて速さ……!」

 

朱乃

「私の雷をかわすなんて!?」

 

木場

「ならば僕が行きます!」

 

ケットル星人の驚異的な速さに驚く朱乃と小猫。

 

木場は魔剣を生成して己の持ち味であるスピード勝負を行う!

 

ケットル星人

「ほう、なかなか速い上に太刀筋が良いな。」

 

木場

「それはどうも!」

 

木場の能力の高さに誉め言葉を送るケットル星人だが、

 

ケットル星人

「しかし君はパワー不足だ!ハアッ!!」

 

木場

「何!?ぐあッ!?」

 

ケットル星人のパワーに押され、弾き飛ばされてしまった木場!

 

リアス

「祐斗!?」

 

ケットル星人はそのまま木場に近付く!

 

ケットル星人

「先ずは君の命を頂こう!」

 

木場

「く、くそ!右腕が!?」

 

ケットル星人のパワーに敗れ、右腕を骨折してしまったため、木場は動けなくなってしまった!

 

イッセー

「テメェー!!木場から離れろー!!!!」

 

イッセーが木場救う為、左腕の『ブースデッド・ギア』からドラゴン波を放つが!

 

ケットル星人

「無駄だ!トオォ!!」

 

難なく弾き返した!

 

イッセー

「何ッ!?」

 

ケットル星人

「隙有りだ!」

 

攻撃が弾かれ、動揺したイッセーにケットル星人は突撃する!

 

イッセー

「や、ヤベェ!?」

 

イッセーが側にいたアーシアを左に離れさせた!

 

アーシア

「キャッ!?イッセーさん!?」

 

イッセー

「ぐあッ!?」

 

アーシアはイッセーを見たが、既にケットル星人がイッセーを抑え込んでいた!

 

ケットル星人

「良いだろう!先ずは君からだ!」

 

そう言うと、ケットル星人は右手が異様なオーラに包まれた!

 

リアス

「イッセー!!」

 

朱乃、祐斗

『イッセー君!?』

 

小猫

「イッセー先輩………!!」

 

誰もが歯痒く、そして絶望しかけた。

 

この時、アーシアは祈った…!

 

アーシア

〔お願いです!誰でもいいですから、イッセーさんをお助け下さい!!〕

 

アーシアはこの絶望的な数秒間祈ったのだ。自分を守ろうとしてくれている人が、目の前で殺されるなんて嫌だ!誰か助けて!と祈り込めた。

 

すると、アーシアの願いが、『英雄』達に届いた!

 

町の『風』となり、命を守る『守りし者』達が、絶望に差し込む『希望の光』となりて悪しき者を打ち倒す『彼ら』が!

 

ブオォォォォォン!!!

 

ドゴォォォォォンッ!!

 

ケットル星人

「何だ?」

 

ケットル星人が反応して見たのは!

 

「ライダァァァァ!!ブレェェェェイクッ!!!」

 

牙狼

「ハアァァァァァッ!!!」

 

壁を突き破って現れたのは、町を守る『風』仮面ライダーW!

 

そして町の『守りし者』、『黄金騎士牙狼』!

 

そして、牙狼を乗せた轟天がケットル星人に突撃!

 

ケットル星人

「グアアッ!?」

 

轟天の攻撃、角カチ上げ攻撃を受け、宙を舞うケットル星人に、

 

『サイクロン!マキシマムドライブ!!』

 

Wがハードボイルダーから派手に飛び出して、Wドライバーにあるサイクロンメモリを右腰にある『マキシマムスロット』に装填する!

 

「行くぜ!〔サイクロンブロー〕!!オウリャア!!」

 

Wは技名を言いながら、右腕にパワーを込めて、俗に言う『ライダーパンチ』を放った!!

 

ダアァァァァンッ!!

 

ケットル星人

「グオオオオッ!?」

 

空中で〔ライダーパンチ〕の直撃を受けたケットル星人は、地面に叩きつけられた。

 

一同

『…………!?』

 

何が起こったのか分からない!

 

イッセーの危機に、金馬に跨がった黄金の狼の戦士と、左右半分体色が違う謎の半分こ戦士が

自分たちの前に現れて、イッセーを救ったではないか!

 

「ようあんた等、怪我はねえかい?」

 

牙狼

「おいW、その言葉は意味ないぞ。一人骨折しているからな。」

 

ザルバ

『その通りだぜりょう………いやW、既にもう大怪我なんだから。』

 

「んだよ牙狼、ザルバ。こういうのはノリだって。ホント冷たいねぇ。」

 

ちょっとした口論になっている。

 

ケットル星人

「ぐう、何者だお前たち!」

 

ダウン状態から立ち上がったケットル星人はWと牙狼に問いかける。

 

「あ~ソイツはちょっと待ってくれねぇか?あともう一人此処にくるんだ。その後で、名乗ってやるよ。」

 

ケットル星人

「ふざけるなぁぁぁぁぁ!」

 

バカにされたと思ったのか、逆ギレを起こし、槍を構えて突撃する!

 

ザルバ

『牙狼、そろそろ“怪獣退治の専門家”がくる頃だろ?』

 

牙狼

「いや、もう来た。」

 

とその時、赤き光の玉が教会の扉をぶち破った!

 

リアス

「何!?」

 

朱乃

「赤い、光の玉?」

 

その光の玉は、リアスと朱乃の間をすり抜けて、ケットル星人に目掛けて体当たり!

 

ケットル星人

「何ッ!?グハァッ!?」

 

にしてもケットル星人は、老いぼれの宇宙人の為か、意外にも吹き飛ばされまくる

 

そして光の玉はWと牙狼の前に止まり、輝きを増す!

 

その光景に、イッセーやリアス達はあまりの眩しさに顔を背ける。

 

ウルトラマン

「シュワァッ!!」

 

突然の声と共に姿を現したのは、命を愛する光の戦士、『ウルトラマンパワード』だった!

 

イッセー

「こ、今度はなんだ!?」

 

驚くのも当然である。

なにせ、また謎の戦士が出現したのだから!

 

ザルバ

『おうおう、随分と早いご到着だなぁ。』

 

ウルトラマン

「当たり前だザルバ 、俺は常に『助け』を求める者の為に全力だ。

何よりどんな状況でも、最後まで諦めず、信じる者の心が、不可能を可能にする!

それが!『ウルトラマン』だぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

今、ウルトラマンパワードが平行世界に降臨した!

 

ケットル星人

「何ッ!?ウルトラマンだと!?」

 

すると、倒れていたケットル星人が、『ウルトラマン』という単語に反応して起き上がった!

 

ケットル星人

「間違い無い!貴様、我が“父”を殺したあの“ウルトラマンレオ”の同族だな!?」

 

なんと!

このケットル星人は、かつてM78ワールドにおいて、当時ウルトラマンレオが地球防衛についていた時に地球を襲ってはウルトラマンレオと闘い、敗れたあの“ケットル星人”の息子だったのだ!

 

ウルトラマン

「だったらどうした?ケットル星人。」

 

ケットル星人

「知れたことを!ウルトラマンレオではないが、ウルトラ戦士に変わりはない!父の仇、覚悟ッ!ウルトラマンッ!!」

 

ケットル星人は、こんなことを言ってはいるが同情出来ないのが、Wと牙狼である。

 

「おいおいケットルさんよ、随分と生意気な“逆恨み”じゃねぇかよ。」

 

牙狼

「貴様等のような奴らは、どうも『命を奪う』ことしか頭に無いのか!」

 

Wと牙狼は逆恨みを指摘し、怒りを爆発した!

最早、コレは己の目的からかけ離れて、逆恨みになっているのだから。

 

ケットル星人

「黙れぇぇぇッ!!」

 

もうケットル星人は聞く耳無し。

ケットル星人はそのまま迫る!

 

「おいおい、俺たちの自己紹介はさせろよ!」

 

するとWは、そう言いながら違う色のメモリを出す。

 

色は白っぽさ思わせる銀のメモリ。

 

“メタルメモリ”だ!

 

『メタルッ!!』

 

メモリのボタンを押し、ジョーカーメモリと交換して、ドライバーに入れる!

 

『サイクロンッ!!メタルッ!!』

 

すると先程黒かった左半身が、今度は銀色に変わった。

 

オマケに背中には、メタル系の専用武器である棍棒『メタルシャフト』が装備されていた。

 

この姿は、打撃によるパワー形態の一つ、『サイクロンメタル』である。

 

ガキィィィィン!!

 

Wと牙狼はメタルシャフトと牙狼剣をクロスするようにして、

ケットル星人の槍を抑えつけた!

 

ケットル星人

「邪魔をするなぁぁ!!」

 

「アホ、友を狙ってるっていうのに、突っ立ってるバカはいねぇよ!!」

 

牙狼

「貴様の相手は俺たち三人なのだからな!」

 

ケットル星人

「おのれ雑魚が!

『ダラァァァッ!』

何ッ!?グボォォッ!?」

 

ケットル星人がWと牙狼を『雑魚』と罵った瞬間、ウルトラマンの怒りを買ってしまい、顔面にウルトラパンチを受けたのだ!

 

ウルトラマン

「貴様、俺の友を『雑魚』呼ばわりしたな?覚悟しろよ!この屑野郎が!!」

 

ケットル星人

「ぐう、な、なんという覇気だ!だがそれでも、ウルトラマンを倒さねば、父の無念は晴らせん!行くぞ!」

 

ケットル星人はウルトラマンの異常な覇気に圧されるが、仇討ちという気合いを入れて、襲いかかった!

 

ウルトラマン

「受けて立ってやる、ケットル星人!!

フアヤァッ!!」

 

対してウルトラマンも戦闘ポーズを取り、向かっていく。

 

「よし、俺はサポートするぜ!」

 

そういうとWは、

『サイクロンメモリ』を抜いて、また別のメモリを取り出す。

 

そのメモリは『黄色』だった。

そしてスペルは『L』…すなわち、

 

『ルナッ!!』

 

〔ルナメモリ〕である。

 

『ルナッ!メタルッ!』

 

ルナメモリをWドライバーに入れて、右半分が黄色なる。

この形態は『ルナメタル』、更にさっき形態にあった『サイクロン』は『疾風』を意味する。

そして『ルナ』は、『幻想』を意味する。

それはつまり、思いのままである。

 

「武器を使うのは反則だ!くらえッ!」

 

Wがメタルシャフトを振るった瞬間、なんとメタルシャフトが鞭の如くうねりだした!

それだけ出なくメタルシャフトとしての固さはそのままで、さらには駄目押しの能力!

 

バシンッ!

 

ケットル星人

「ダニィ!?」

 

なんとメタルシャフトが、文字通り〔伸びて〕ケットル星人の槍に巻き付いて、その槍を自分の方へ引き寄せる!

 

これにより、ケットル星人に隙が出来たのを見逃さないのが、ウルトラマンである!

 

ウルトラマン

「シャッ!フアイッ!ダラァッ!フアヤァッ!!」

 

ケットル星人

「ぐう!?グボ!?ガアァ!?グアァァァッ!?」

 

ウルトラマンは果敢に攻め立てる!

一度ケットル星人を掴み、首目掛けて〔ウルトラチョップ〕を繰り出し、更に脇腹に〔ウルトラチョップ〕の二連打を加えて、駄目押しの一撃、首を掴んだ豪快な〔背負い投げ〕で攻撃!!

 

この光景を見ているオカルト研究部+アーシアは、まるで夢を見ているのではないかというモノだった!

 

〔それ以前に完全にフルボッコだろコレ〕

 

「よし、そろそろ“準備”するぜ、牙狼!」

 

牙狼

「ああ、W。

俺たちの炎で奴を怯ませる!」

 

するとWはまた、メモリを交換する。ルナメモリを取り出し、今度は赤いメモリだった。

 

それは正に、燃える炎の如く!

 

そのメモリの名は、

 

『ヒートッ!!』

 

“ヒートメモリ”である。

 

その名の通り、熱き炎の力を宿したメモリだ。

 

そしてドライバーに入れる。

 

『ヒートッ!メタルッ!』

 

そして黄色だった右半分が、真っ赤色変わる。

 

牙狼も似たように左手には、魔戒騎士専用ライター『魔導ライター』を取り出す。

 

「んじゃ行くぜ、牙狼!」

 

牙狼

「ああ、しっかり合わせてくれよ、W?」

 

「言ってくれるぜ。」

 

そういうと、Wはメタルメモリを手に取り、メタルシャフトのマキシマムスロットに装填する。

 

『メタルッ!マキシマムドライブッ!!』

 

『オオオオオッ!!』

 

するとメタルシャフトの両サイドが燃え上がる!

 

牙狼

「ハアッ!!」

 

そして牙狼も

魔導ライターを点火し、牙狼剣に魔導火を灯す!

〔魔導火の色は緑〕

 

忽ち魔導火が最終的に牙狼の全身を駆け巡る!

 

ザルバ

『おいおい、こりゃあ有る意味“激アツ”じゃないか?』

 

そして、ウルトラマンは二人が技の体制に入ったのを悟り、ケットル星人を羽交い締めする!

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

ケットル星人

「ぐッ!?は、離せッ!!」

 

ケットル星人は暴れるが、ウルトラマンは決して怯ま無い!

 

W、牙狼

『お熱いの、かましてやる!{やるぜ!}』

 

「メタルブランディグ!!」

 

牙狼

「烈火炎装!ハアアッ!!」

 

二人が己の武器を構え、ケットル星人目掛けて走り出す!

 

「オウリャアッ!!」

 

牙狼

「セヤァッ!!」

 

そして牙狼剣とメタルシャフトを振るい、ウルトラマンはケットル星人に命中する直前で脱出する!

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

ケットル星人

「グアァァァッ!?あ、熱いぃぃぃぃッ!?」

 

それもそうだ。

メタルブランディグと烈火炎装による、二重の火炎必殺技である故に、同時に繰り出した為、尚強力である!

 

W、牙狼

『今だ!ウルトラマンッ!!』

 

ザルバ

『トドメは任せるぜぃ!』

 

フィナーレの準備は出来た。

 

今だ!ウルトラマン!

 

【ケットル星人を撃破せよ!!】

 

〔※パチンコCRガロシリーズのSPリーチ風でタイトルの稲妻は赤〕

 

[BGM:ウルトラマンパワード〔サビ〕]

 

ウルトラマン

「ああ!任せろ!シャッ!フアヤァッ!!」

 

ウルトラマンは二人の言葉に合点承知!

するとウルトラマンの目は、青色から、赤く輝いた!

 

その直後、彼の全身を青き稲妻が迸る!

 

コレには、リアス達も驚愕する!

 

イッセー

「な、何だ!?この半端じゃないオーラは!?」

 

リアス

「信じられない!?これほどの力を持つ存在が居たなんて!?」

 

木場

「このパワーはまるで!上級悪魔はおろか、魔王や神、もしかしたらドラゴンを上回るかもしれない!?」

 

朱乃

「彼は稲妻と[光]を操り、[光]は本来私達悪魔には猛毒なのですが、何故彼の輝かしくも強烈な[光]を浴びても何とも無いなんて!?」

 

小猫

「寧ろ、癒やされる気がします……!?」

 

アーシア

「あの方は、まさか[主]なのですか?」

 

オカルト研究部が様々な反応するが、

事実、何故[彼]の光は自分たち悪魔に害を及ぼさない上に、真逆の安心感と慈愛に満ちた明らかに自分たちの知っている[光]とは根本的に違う物だった。

そしてアーシアは、ウルトラマンが[主]、つまり[神]なのではないかと思ってしまう程であった。

 

一方ウルトラマンは、己の必殺技の体制に入った!

 

それと同時に、

彼のカラータイマーの周りにある点灯物、【みなぎりメーター】が点滅していた!

 

それ即ち、彼の持つ最大の必殺技が放たれることを意味していた!

 

ウルトラマンは、右足を後ろに引いては両膝を曲げ、右腕を垂直に立て、左腕を右腕の手首の前に十字にクロスするように組んだ!

 

ウルトラマン

「シュワッ!!!」

 

そして十字に組んだ両腕から、凄まじい音と共に必殺光線が発射された!

その光線こそ!

ウルトラマンパワードが持つ最大の必殺技、【メガ・スペシウム光線】である!

 

この威力は、基本は初代ウルトラマンが持つ【スペシウム光線】の約5倍だが、ウルトラマンパワードはコレに、みなぎりメーターが点滅する要因と、目が赤く輝くことに関係を持つ、ある“力”を込めて5倍の2倍、即ち合計で約10倍の威力を誇る代物だ!

 

その“力”は、感情が高まった事によって驚異的な戦闘力は発揮するその力は、通称【気力モード】である!

 

この気力モードに変化した時、彼の戦闘力は桁外れのパワーを発揮する上に、これを必殺技のメガ・スペシウム光線に組み込む事で、異常な威力を発揮するするのだ!

 

更に、この時のメガ・スペシウム光線は、只の光線では無くなり、あのスペシウム光線を跳ね返した[宇宙忍者バルタン星人]の持つ対光線反射板【シュペルゲン反射光】をも突破する程のものである!

 

そんな破壊力抜群の光線が、何の耐性も持たないケットル星人に直撃した!

 

ケットル星人

「グアァァァッ!?お、おのれウルトラマン!?貴様だけはアアアアアアッ!?」

 

メガ・スペシウム光線の直撃を受けたケットル星人は、

全身がエメラルドグリーンに発光して文字通り、“消滅”したのだ!!

 

ウルトラマン

「シャッ!」

 

ウルトラマンは光線の体制を解いた。

 

其処に、仮面ライダーWと黄金騎士牙狼が駆け寄る!

 

「やったな!親友!」

 

牙狼

「流石は、[地球を愛した無敵のヒーロー]だな?」

 

ザルバ

『おいおい牙狼、キャッチコピーは言うもんじゃないだろ?』

 

ウルトラマン

「まあでも、二人がサポートしてくれたお陰だ、ありがとよW!牙狼!それと、ザルバもな!」

 

と互いに誉め合っている。

 

しかしリアス達は彼等三人、特にウルトラマンに対して戦慄を感じていた。

 

もしウルトラマンが自分達にその力を向けてきたら、間違い無く全滅は免れない!

 

彼等が本当に“敵ではない”事を祈るしか出来なかった。

 

ウルトラマン

「あ、そうだ!」

 

二人+ザルバ

『どうした、ウルトラマン?』

 

ウルトラマンが何かを思い出し、問いただすW達。

 

するとウルトラマンは、なんとイッセーの方に向いて歩き出した!

 

イッセー

「い゛ッ!?」

 

リアス達

『イッセー!?

(イッセー君!?)

〔イッセー先輩‥!?〕[イッセーさん!?]』

 

 

誰もが、イッセーに手を出すのではないかと思い、リアスと木場と小猫は駆け出し、朱乃は雷を放とうとしたが、予想と真逆の行動に驚愕した。

 

ウルトラマン

「(手を差し伸べる)立てるか?勇気ある者よ。」

 

リアス達

『えッ!?』

 

イッセー

「えッ!?あ、ああ。ありがとう、ございます。」

 

ウルトラマンの差し伸べられた手に同様したイッセーだが、素直に手を取り立ち上がった。

 

この行動で一つの可能性が浮かんだ。

 

[もしかしたら、彼等は敵ではない]という可能性が。するとそれを決定付ける行動を取った。

次にウルトラマンは、アーシアに寄る。

 

ウルトラマン

「よく最後まで、希望を捨てなかったね。」

 

アーシア

「え、えっとその……!?」

 

ウルトラマン

「君の、最後まで信じる心が、彼(イッセー)を救えないという不可能を可能したんだ。」

 

リアス達

『ッ!』

 

アーシア

「私が、イッセーさんを救った?」

 

ウルトラマン

「そうだ。

そして俺達は、その思いを繋ぎとめる為に此処に来たんだ。例えそれが、人間であろうが無かろうが、そんなのは俺達には関係ない!只“罪の無い命”と、“かけがえのない絆”を守り、命を泣かせる邪悪な者達から、俺達はそれを守る“守り者”となって、正しい心を持つ者を見守る『風』になって戦うだけさ。」

 

この言葉にリアス達は悟った。

ウルトラマン達が自分達の前に現れたのは、アーシアがイッセーを救いたいという願いが、奇跡を起こしたものであるという事と、彼等が自分達の敵ではないという事が確信出来た。

 

リアス

「お礼を言わせて頂戴。

イッセーを、そして私達を助けてくれたことを感謝するわ。」

 

イッセー

「お、俺からも!ありがとう!」

 

朱乃

「私からも、ありがとうございます。」

 

木場

「僕からも、ありがとうございます!」

 

小猫

「ありがとう………。」

 

アーシア

「あ、ありがとうございます!」

 

リアス達は、心からの感謝の言葉を述べたのだ。

 

ウルトラマン

「当然だ、常に助け合うことが大事だから。

それと金髪のイケメン君。」

 

木場

「え、僕“木場祐斗”といいますが?」

 

ウルトラマン

「んじゃあ木場、ちょっと右腕を見せてみな、治してやるよ。」

 

リアス

「で、出来るの!?

 

本来私達悪魔には、光の力は猛毒その物よ。」

 

ウルトラマン

「薄々気付いてるだろ、“俺達”の光は自分達の知る光とは違うことに?」

 

ウルトラマンが、負傷した木場を治療すると言って驚いたリアス達。

何せリアス達悪魔は、闇を生きる存在。

光は正しく猛毒なのだが、何故かウルトラマンの光は、自分達を蝕む所か、暖かい慈愛に満ちた光なのだ。

 

ともかく言われるがまま、木場はウルトラマンから治療を受けることになった。

 

ウルトラマン

「“リライブ光線”!」

 

ウルトラマンは光の国の全ウルトラ戦士が共通する治療光線、“リライブ光線”を使う。

 

すると忽ち木場の右腕から腫れている部分が引いているのだ。

 

木場

「す、凄い!?一瞬で腕が治った!」

 

リアス

「なんともないの、祐斗?」

 

木場

「はい、痛みが一瞬で消えました。」

 

本当に腕が治った為、誰もが驚くものだ。

 

すると端から見ていたWと牙狼は、そろそろ退散すべきと考え、ウルトラマンに声をかける。

 

「おいウルトラマン。そろそろ戻ろうぜ?」

 

牙狼

「あまり長居すると厄介事が増えるからな。」

 

ザルバ

『いずれまた会えるから今日はここまで!ってやつだ。』

 

ウルトラマン

「お!解った。と言うわけで俺達は帰るわ。」

 

 

ウルトラマン達が退散するため、Wはハードボイルダーに、牙狼は轟天に跨がる。

そしてウルトラマンは、お決まりの空を飛ぶ準備をする。

 

リアス

「待って!最後に聞かせて、あなた達の名前を?」

 

リアスがウルトラマン達の名前を改めて聞くため、彼等を呼び止める。

 

三人は、顔を見合わせて頷く。

 

牙狼

「牙狼、我が名は牙狼!黄金騎士だ!」

 

「俺は町の風となり、陰から命を守る、仮面ライダーW。」

 

ウルトラマン

「そして俺は、ウルトラマンパワード。

仲間と人々からは、ウルトラマンと呼ばれている。」

 

まるでこの自己紹介は、お決まりのセリフのような感じの言い方になっている。

 

リアス

「本当に、また会えるかしら?」

 

ウルトラマン

「ああ、近い内に会える。その時まで、さらばだ!」

 

ウルトラマンの言葉を最後に、Wはハードボイルダーを走らせる。

 

牙狼

「轟天!行くぞ!」

 

そして牙狼も轟天の腹を蹴り、Wと共に走り去る。

 

(来た道から帰る)

 

ウルトラマン

「シュワッチ!!」

 

そしてウルトラマンも、二人が去ってほんの少し遅れてから、軽く膝を曲げながら両腕を前後に一回だけ振ってから飛び立ち、その腕を前方に突き出しながら飛び去って行く。

ウルトラマンが飛び去って行くのを見届けてから、オカルト研究部は解散した。

 

その後、イッセー、小猫、木場と分かれたリアスと朱乃、そしてアーシアだが、そのアーシアに帰る場所が無いため、しばらくは学園の部室で過ごすことになるため、朱乃も同行で学園に戻った。

 

そして学園に着いて、アーシアに部室を案内した後は部屋を貸して、今日の寝床は朱乃の住む『神社』(と言うか、リアスが朱乃の為に用意した特殊なである)に寝泊まりする事にしたのだ。

 

その道中、朱乃はリアスに聞いてみる。

 

朱乃

「リアス、今日の事は“サーゼクス様”には報告するの?」

 

リアス

「私もどうしようか考えてるのよ。

“お兄様”に報告すべきかどうか?」

 

この二人の会話に出てきた“サーゼクス”と言う人物は、現在の四大魔王“ルシファー”の名を襲名したグレモリー家の長男で、家系上リアスの兄に当たる人物だ。

 

そしてサーゼクスは、とても家族思い、それも妹であるリアスを第一に考えることが多い為、所謂バカ兄、またはシスコンと言うリアスにとっては困った兄なのだが、実はリアスも兄が嫌いでは無く、むしろ尊敬している。

 

だからこそ、兄に心配させないようにするべきか、それとも話すべきか。

 

リアス

「決めたわ、彼等の正体が解るまで、まだお兄様には報告しないわ。」

 

朱乃

「あらあら、まあ仕方ないですからね、リアスが決めた事を尊重するのが私ですものね。」

 

リアス

「ありがとう、朱乃。やっぱり貴女が“親友”で助かるわ。」

 

朱乃

「うふふ。」

 

ともかくリアスは、

ウルトラマン達の正体が解るまでサーゼクスへの報告を後回しにしたのだ。

 

それから朱乃の住む神社に着くまで他愛ない話をしながら歩いていると?

 

朱乃

「あら?」

 

リアス

「どうかしたの、朱乃?」

 

朱乃は何かを見た。

 

それは、、、、、、

 

朱乃

「あの家なんですけれども。」

 

リアス

「あの家がどうかしたの?」

 

朱乃

「いえ、家と言うよりその家に停めてある“バイク”なんですけども?」

 

二人がある一軒家に注目したが、問題はそこに駐輪してある“バイク”が問題だった!

 

そのバイクは、仮面ライダーWのハードボイルダーだった!

 

このバイクを見た時、“まさかッ!?”と感じたが、家に灯りが点いておらず、既に就寝しておると考えられる為、次の機会に伺うことにしたのだ。

 

そして問題の“その”家に住む住民はと言うと?

 

ケンイチ

「ぐがぁぁぁぁ。」

 

涼太郎

「こぉぉぉぉ。」

 

鋼賀

「ムニャムニャ、

がぁぁろぉぉ。」

 

と気持ちよく眠っていた。

 

 

えっ?“ガッロ~”って聞こえた?

気のせい気のせい!

 

 

ところ変わって此方は『転生界』

 

 

ソコには、三人の“神”が居た。

 

一人目は皆さんが一番知っているケンイチ達を殺しては、転生させた、あの『ロリ神』、

二人目は、黄金の鎧と兜で身を包み、紫のマントを羽織ったちょっと厳格な表情をした神、ゼウスこと『ゼウス神』、

そして最後の一人は、全身が銀色の体色をしており、その全身の所々にはかなり筋肉質を表す彫刻のような細かな線が入っており、背中には翼を思わせる突起物、更に胸にはY字かV字を思わせるコアをつけて、極めつけは人間ならざる顔で有りながら、どこか人間に似ている。

その者こそ、平行世界宇宙に散らばる沢山の光の戦士たちや正義の戦士たちを見守ってきた伝説の英雄、

ウルトラマンノアとと『ノアの神』である。

 

神様→ロリ神

「(カッターナイフジャグリングをやりながら思い出

す)あッ!いけない!」

 

ゼウス

「どうしたのだ?」

 

ロリ神

「今回転生させた三人の説明書に、間違いがあったのを思い出したの!」

 

ノア

「間違い?それは何だ?」

 

なんでもロリ神が、何か間違いをしたらしい。その間違いとは何だ?

 

ロリ神

「本当は,『三年生』の筈が『二年生』って書いちゃったの。」

 

ノア、ゼウス

『ナンダトォォォォォォォォ!?』

 

なんと、説明文に誤植が有ったのだ!

 

これは確かに問題だ!

 

ロリ神

「ま、いっか!」

 

ノア、ゼウス

『良くねェェェ!?』

 

そして何も知らない櫂ケンイチと左涼太郎に道外鋼賀は,朝6時に起床し、朝7時に食事を済ませ、朝8時に駒王学園に到着し、職員室で転校生の確認をしてもらい、教師の説明の最中に不可解な言葉を聞いた。

 

それは、自分達が『二年生』の転校生ではなく、『三年生』の転校生だという事に。

ケンイチが代表して聞き直すが、やはり間違いなかったのだ!

 

三人

『何じゃそりゃァァァァァァ!?』

 

つい叫んでしまった三人だが、直ぐに教師にツコッミをくらって黙らされた。

 

一方、リアスと朱乃のクラス

『3年3組』では?

 

リアス

「(今日、あのバイクの持ち主の家に訪問しようかしら?)」

 

リアスは昨日の事を考えていた。

 

ウルトラマンが言っていた、『近い内にまた会える』と言う言葉。

その言葉の意味は、自分達を誘っているんじゃないかと思ってしまう。

 

事実朱乃の神社に泊まる時、その道中の一軒家に彼の仲間である仮面ライダーのバイクが有ったためにどうしたものかと、考えていた。

 

朱乃

「リアス……。」

 

隣の席に座る朱乃は、リアスの心中を察していた。

 

すると、教師が入って来た為、騒がしかった教室が静まり返った。

 

教師

「皆さん、おはようございます!

さて突然ですが、このクラスに『転校生』がやってきました!それも三人です!」

 

その言葉に、

リアスと朱乃以外の生徒達が奇声を上げた。

 

男子

「先生!女の子ですか!?」

 

女子

「男の子ですよね!?」

 

という風に、また騒がしくなった。

 

この時朱乃は違和感を感じた。

 

朱乃

「(この時期に『転校生』?どういうことでしょうか?)」

 

確かに5月が始まったばかりに、転校生とは何か妙であると。

 

教師

「残念ながら転校生は男子だ。それも飛びっ級のイケメンなんだなコレが。」

 

男子達

『な、ナンダトォォォォォォォォ!?』

 

女子達

『イエーーーイ!!』

教師の説明で転校生が『女子』ではなく『男子』、それも『イケメン』だということにクラスの男子達は絶望し、女子達はテンションがMAXになった!

 

しかしこんなに騒がしいのに、リアスには耳に入っていなかった。それだけ、昨日のことが深いのだ。

 

教師

「それじゃあ、転校生!出て来いや!!」

 

リアス、朱乃以外の生徒

『いや何でやねん!!』

 

と教師がどっかの芸能人の真似をして、

生徒達にツコッミをくらった!

 

すると

 

ケンイチ

「ドォーーーン!!!」

 

涼太郎、鋼賀

『待て待て待て待て馬鹿やろう!!』

 

ズビシッ!スパコーンッ!

 

ケンイチ

「グハァ!?」

 

すると、転校生としてきたケンイチ達が入って来たが、初っ端ケンイチが、とある伝説番組のレギュラー芸人の真似をして扉を開けたため、涼太郎と鋼賀に鋭いツコッミを受けた。

 

ケンイチ

「バッキャロー!何しやがる!?

インパクトが大事だからこそ笑い取ってだな!」

 

涼太郎

「バーロー!

そんな事したって“しらける”だけじゃねぇか!?」

 

鋼賀

「普通に接すればいい話じゃないか!?お前は何でそこまで笑いを求める!?」

 

ツコッミを入れられて、復活したケンイチは二人と言い合いになる!

 

その光景に唖然と一同。

 

更には、考え事をしていたリアスと朱乃さえも唖然呆然!

 

リアス

「な、何あれ?」

 

朱乃

「一体?」

 

あの二大お姉さまと呼ばれる二人がまさかの呆然!

 

このままでは先に進まない!

 

教師

「あ、あの~、そろそろ自己紹介をお願いしたいんだけれど~?」

 

三人

『ハッ!?しまったァァァァァァ!?何で俺たちこうも漫才染みてんだァァァァァァ!?』

 

と三人が最後にハモった後、3分間愕然とした!

 

その後、とんでもない回復を見せ、立ち直った!

 

(おまえ等ホントに何者!!)

 

そして自己紹介に入った。

 

先ずは鋼賀から。

 

鋼賀

「俺は道外鋼賀、特技は剣道、即ち武道も剣道だ。

それから好きな食べ物はフレークだ。

一年間だがよろしく頼む。」

 

この時ザルバは思った。

 

ザルバ

『(お前わざと笑顔を隠したな。)』

 

今鋼賀はわざとムッツリ状態である。

 

次に涼太郎。

 

涼太郎

「俺は左涼太郎。

特技は射撃で、棒術を嗜んでいる。

好きな食べ物はおでんだ!

まあ一年間の付き合いだが、よろしく頼むぜ。」

 

涼太郎は、若干ハードボイルドを気取ってみたが、隣でケンイチがくすくすと笑いこう言った。

 

ケンイチ

「気取るなよ、

ハーフボイルド(笑)!」

 

するとその声が聞こえたのか、丁度ケンイチの脇腹が空いていたため、素早く突っついた。

 

それによりケンイチは悶絶した。

 

そして最後は、復活したケンイチだ。

 

ケンイチ

「俺は櫂ケンイチだ。特技は空手と合気道と柔道を嗜んでいて、時折棒術と剣術も学んでいる最中だ。

あと趣味の一環として、筋トレをしている。

最後に好きな食べ物は寿司だ。

一年間だけの付き合いだからよろしくな!」

 

ケンイチが、意外にもいい感じに最後を閉めた。

 

それに対しクラス反応は、

 

女子達

『キャァァァァッ!!』

 

女子A

「素敵!格好いい!最高!」

 

女子B

「飛びっきり所か

俳優と間違えちゃった!」

 

女子C

「しかも三人とも

武道を嗜んでいるなんて!

ああ、私を護って~!」

 

女子D

「この三人、ハアハア、良いかも、ハアハア、嫌いじゃないわ!」

 

女子E

「私、寝技をかけてもらいたいな~。」

 

などと、とんでもない程の歓声(主に女子)で受け入れられている。

 

え?痴女と京〇が居たって?

気のせい気のせい!

 

対して男子共は、

 

男子達

『チクショォォォォォォォ!!』

 

と嘆いていた。

まあそうであろう。

なにせ、桁違いの

イケメン度である。

 

けどその中で、

リアスと朱乃は話し合っていた。

 

リアス

「朱乃、感じたかしら?

彼等の、特にあの[櫂ケンイチ]ていう人の内なる波動を?」

 

朱乃

「ええ!間違い有りません、『光』の力を感じましたわ。

それにあの三人のやり取り、まさしく昨日の『三人』のやり取りに似ていますわ。」

 

リアス

「あとで接触しましょ。」

 

そう、リアスと朱乃は、彼等が『ウルトラマンパワード』、『仮面ライダーW』、『黄金騎士牙狼』だという可能性が浮かんだのだ。

 

そして、休み時間、当然の如く質問攻めの三人。

[特に女子達から]

 

そしてリアスと朱乃は動く。

 

リアス

「ちょっと良いかしら?櫂君?」

 

ケンイチ

「えっ?何?」

 

リアスがケンイチに声をかけた途端に質問攻めが止んだ。

 

リアス

「あなた達三人、私たちの“部活”に入らないかしら?」

 

女子達

『えーーーーーーーッ!?』

 

男子達

『そんなバカなァァァァァァッ!?』

 

周りから見れば完全に部活動への勧誘である。

 

しかし、ここでケンイチが一手を取った!

 

ケンイチがウルトラマン特有のテレパシーを使って話した!

 

ケンイチ

「(もしかして俺たちのこと気付いた?)」

 

リアス、朱乃

『ッ!?』

 

突然頭に声が響いた。

 

そしてケンイチは普通に戻り、

 

ケンイチ

「良いぜ、入ってやるよ。

涼太郎、鋼賀も良いよな?」

 

涼太郎

「まあ構わないけどな。」

 

鋼賀

「俺も異論はない、良いぞケンイチ。」

 

ケンイチ

「という訳だ。

グレモリー、姫島。」

 

朱乃

「ハッ!は、はい、分かりましたわ。」

 

リアス

「そ、そう。

なら後で申請書を出しておいて。」

 

リアスと朱乃は、ケンイチの放ったテレパシーに動揺しつつも、そう言うと席に付いて準備する。

 

 

これが、人を襲わない正しい心を持った『悪魔』と、命を護る為に転生した『英雄』の接触(コンタクト)だった。

 

続く。

 




次回予告
『BGM:牙狼~saver in the dark~サビver』

(ザルバナレーション)

遂に接触した悪魔と英雄、
この出会いは果たして吉と出るか凶と出るか?
あるいは、鬼が出るか蛇が出るか?

次回!
『対話』

大切なのは、信じる心だ。


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第2話 対話

OPテーマ
『ウルトラマンパワード』

EDテーマ
『W―B―X』

※今回、有り得ない展開です!

途中からケンイチが主に話ます。

後書き宜しくです!


ケンイチと涼太郎と鋼賀が転校してきたその日の放課後、

 

ケンイチ

「あぁ~やっと終わった!やっぱどこの世界でも学校は面倒くさいなぁ。」

 

涼太郎

「そう言うなよ、俺たちは本来、成人した身なんだぜ。それでほんのちょっと若返らせてもらっただけだ。」

 

鋼賀

「ああ、一年間だがもう一度学生に戻れたんだ。有る意味では、あのロリ神に感謝しないとな。」

 

などと前世で成人した身が、もう一度学生に戻れたことに多少の文句を零しているが、テレビで見て当時憧れていたヒーロー、『ウルトラマン』と『仮面ライダー』と『牙狼』に変身する能力を与えてくれただけでなく、アニメの世界に転生させてくれたのだから、これ以上文句を言うと、ロリ神に殺されそうだ。

 

そして三人は、

入部届けの書類を書いて、担任に渡す。

 

受け取った担任はかなり驚いていた。

 

一応念のため信じさせる為、【勧誘を受け、それに応じた。】と答えた。

 

そしてケンイチ達は下駄箱でリアスや朱乃と合流し、部室のある旧校舎に向かう。

 

旧校舎に到着した一同、そしてリアスがケンイチに問いかける。

 

リアス

「どうかしら?」

 

ケンイチ

「う~~~~~ん、“味”がある!」

 

涼太郎

「ズコォォォッ!?」

 

朱乃

「あらあら、これは盛大転けましたね、うふふ。」

 

鋼賀

「ケンイチ、お前は何故そうもツッコミ所満載なんだ?」

 

とにかく旧校舎に入り上へと上がって行くと?

 

ケンイチ

「お?なあ二人とも。」

 

朱乃

「はい?」

 

リアス

「何かしら?」

 

ケンイチ

「あの“立ち入り禁止”のテープやら錠前で厳重強化されてる部屋は何だ?」

 

ケンイチが気になったのはある場所、それは見ての通り立ち入り禁止の部屋だった。

 

リアス

「その部屋はいずれこっちから話すわ。」

 

朱乃

「それまでお待ち下さい。」

 

二人がそう言うため、敢えて追求しなかった。

 

そして、部室の有る部屋に到着し、中に入ると、

 

リアス

「あら小猫、相変わらず早いわね。」

 

朱乃

「あらあら、小猫ちゃんてばいつも偉いわね。」

 

小猫

「部長、朱乃さん、こんにちはです。

それと、あなた方は…?」

 

一年生の小猫が既に羊羹を食べながら待っていたのだ。

 

そして当然ケンイチ達に気づく。

 

リアス「小猫、その事は皆が集まってから話すわ。」

 

小猫

「分かりました…。」

 

リアスがそう言う為、小猫は気にせず黙々と羊羹を食べる。

 

一方ケンイチ達は、小猫を見てこう思った。

 

三人

『(ヤベェ、頭撫でたい!)』

 

と三人共が同じように思い、“兄さん本能”が丸出しだった。(特にケンイチ君はウルトラマンである為、なお小猫を妹のように見てあげたいのだ。)

 

すると?

 

木場、アーシア

『失礼します。』

 

イッセー

「チワーッス!」

 

イッセー達が部室に到着。

そして、当然ケンイチ達に気づいた。

 

木場

「あれ?部長、この方達は?」

 

木場が代表してリアスにケンイチ達の事を聞いた。

 

何故ならアーシアは戸惑っている上に、イッセーに関してはイケメンには有る意味恨みが有るため、涙を流しながら愕然していた。

 

イッセー

「ブツブツ……なんで此処にイケメンが居るんだよ………ブツブツ」

 

そんなイッセーはほっといて、リアスは答えた。

 

リアス

「丁度みんな集まったわね、ではこれより部活動を始める前に、“新入部員”を紹介するわね。」

 

この言葉に朱乃以外全員が驚く!

 

イッセー

「エェェェェッ!?このイケメン三人が新入部員!?そんなの有りですか部長!?」

 

イッセーは完全に快く思っていない。

アーシアは最早何が何だか解らない状態である。

だが木場と小猫は違う意味で驚いていた。

 

それは…………、

 

小猫

「部長もしかしてその人は……!?」

 

木場

「まさか!?」

 

何かを悟った木場と小猫に、イッセーとアーシアは違う反応を取っている2人に困惑しつつ聞いてみた。

 

イッセー

「な、なあ木場、なんか俺達と違う反応取ってるけど、なんか知ってるの?」

 

アーシア

「小猫ちゃんも何か解るですか?」

 

二人の問いにこう答える木場と小猫

 

木場

「解らないかいイッセー君?」

 

小猫

「あの三人、特にあの人からとんでもない“オーラ”が出ているのが……。」

 

イッセー、アーシア

『“オーラ”?』

 

小猫が指を向けた相手は…………ケンイチだった!

 

するとようやく、イッセーとアーシアにも、ケンイチの“覇気”を感じた。

 

イッセー

「な、何だこの覇気!?」

 

アーシア

「凄まじい覇気を感じます!?

でも、この覇気を知っている気がします。

それもかなり最近です。」

 

イッセーとアーシアにもケンイチの持つ覇気を感じた為、リアスと朱乃が遂に話を切り出す!

 

リアス

「さて、自己紹介をして貰うわ。

あなた達は、“何者”?」

 

朱乃

「この時期に転校生はちょっと不自然に近いですが、それよりももっと気になるのが、あなた方の、特に“櫂ケンイチ”君から人間にしては有り得ない光の波動を感じまして、それだけでなく、私達が勧誘した時に“テレパシー”を使って話したのですから、何者なんですか?」

 

二人の問いに、ケンイチ達は?

 

ケンイチ

「涼太郎、鋼賀、“ベルト”と“メモリ”と“赤鞘”を持ってるか?」

 

涼太郎

「常に持ってるが、お前が説明しろ。」

 

鋼賀

「右に同じだ。」

 

ケンイチ

「いや俺はヤダ!」

 

涼太郎

「たくぅ、しょうがねぇなぁ、じゃあ俺が説明するよ。」

 

鋼賀

「いや俺がやろう。」

 

涼太郎

「いや俺がやる。」

 

鋼賀

「俺がやる。」

 

涼太郎

「俺がやる。」

 

鋼賀

「俺がやる。」

 

涼太郎

「俺がやる。」

 

鋼賀

「俺がやる。」

 

とエンドレス状態。あれ?この流れは!?

 

ケンイチ

「もういいよ、俺がやるよ。」

 

涼太郎、鋼賀

『どうぞどうぞ!』

 

ケンイチ

「やっぱりこのオチかぁぁぁぁッ!?」

 

やっぱりなってしまった!

ベテランのダチョウ芸人のネタに転がってしまった!

 

リアス

「な、何してるのよ?」

 

この光景に若干リアス達は引き気味である。

 

ケンイチ

「ああすまない!で、俺たちが何者かだよな?

有る意味では光栄に思ってくれよ!

本来戦い以外で“変身”するのは許されないから。」

 

と言うとケンイチは自分で説明すると言った以上、簡単に事を済ませる為、変身することを選んだ。

 

制服の内ポケットからフラッシュプリズムを取り出し、

 

ケンイチ

「ちょっと眩しいから気をつけてくれよ?」

 

リアス達

『?』

 

ちょっとした注意を呼びかけた後、フラッシュプリズムを天にかざして、スイッチを押す!

 

《バチュン!!グワンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギューーン!!バチュン!バチュン!》

[所謂ウルトラマンの変身音]

 

この青白い光の輝きにリアス達は直ぐに目を背けた!!

 

そして光が晴れたそこには!

 

リアス達

『ッ!?ウルトラマン!?』

 

そう!

昨日自分達の危機を救った1人で、木場の治療までしてくれた光の戦士、ウルトラマンパワードだった!

 

ウルトラマン

『納得してくれたか?』

 

流石に目の前で、しかも簡単に正体を現すとは思っても見なかった為、驚愕するほかなにもない!

最早開いた口が塞がらない!

 

そして!

 

ザルバ

『おいおい、こりゃあ面白い反応を取ってるな!』

 

この中の誰でもない者の声が聞こえて、リアス達は辺りを探るが、

 

鋼賀

「ザルバ、ようやく喋れたな。」

 

そう、ザルバの声である。

 

ザルバ

『全くだぜ鋼賀、どのタイミングで口を開こうか困ってたんだ!』

 

朱乃

「では道外君が、黄金騎士牙狼なのですね?」

 

鋼賀とその左手に着いているザルバをのやりとりを察して、鋼賀が『牙狼』だという事が解った!

 

鋼賀

「ああ、俺は道外鋼賀で『黄金騎士牙狼』だ。そして“コイツ”はパートナーの“ザルバ”だ。」

 

ザルバ

『宜しくな“嬢ちゃん”達に“坊主”達。』

 

朱乃の問いに、

鋼賀とザルバが自己紹介をしたのだった。

 

リアス

「という事は左涼太郎君、貴方が最後に残ったという事は、」

 

リアス達がケンイチがウルトラマンであり、鋼賀が牙狼であるという事が解り、最後に残った涼太郎が仮面ライダーだという予想がつけられる。

 

涼太郎

「ああ、お察しの通り、俺が仮面ライダー…Wだ。」

 

涼太郎が自分の正体を明かして、リアスが代表してこう言った。

 

(この時既に、ウルトラマンからケンイチに戻っている)

 

リアス

「そう、解ったわ。

なら改めてお礼を言うわ。

イッセーを、祐斗を、そして私達の助けてくれてありがとう。」

 

リアスが頭を下げてお礼をしたため、リアスの部員、いや、“眷属”の朱乃達も頭を下げてお礼の姿勢をとった。

 

イッセーも、彼等が昨日助けてくれた戦士だということを知り、慌てて頭を下げた。

 

ケンイチ

「頭を上げてくれ、俺達は当然の事をしただけだ。」

 

涼太郎

「ああ、それに俺達は、“お人好し”でな。」

 

鋼賀

「助けを求めるに理由が有る奴は、大抵が下心があるが、俺達は考える前に身体が動いちまうんだ。つまり、助けるのに理由はいらねぇ!ってことさ。」

 

三人の言葉が更にリアス達の心にも響く。

しかしまだそれでも信じきる事が出来ない。

 

リアス

「けど教えて欲しいわ、あなた達がどこで力を手に入れたのか?そしてその力は、本当に私達に危害を加える事はないの?」

 

リアスの言葉に

ケンイチはこう答えた。

 

ケンイチ

「俺たちの“力”は、本来“異世界”から来た力なんだ。」

 

リアス達

『異世界!?』

 

ケンイチはややこしくしないため、可能な限り捏造する事を考え、涼太郎と鋼賀、そしてザルバも話に合わせたのだ。

 

朱乃

「異世界の力なんてそんなこと!?」

 

ケンイチ

「ならば、この世界にウルトラマンは“3000万年”前から居たか?それとも“1966年7月10日”に宇宙から最も地球に友好的な宇宙人、“ウルトラマン”は来たか?そして宇宙から侵略宇宙人の攻撃が来たか?」

 

朱乃の異世界の力を否定的な言葉に対し、ケンイチはウルトラマンが最も驚くべき時代に存在していた事を聞いてみるが、いくら悪魔の寿命が長くとも、そんな大昔を知らないどころか、聞いたことも無いのだ。

ケンイチの言葉に黙ってしまった朱乃。

つまり信じざるを得ない事だ。

 

リアス

「ということは、涼太郎と鋼賀も同じということでいいのね?」

 

涼太郎、鋼賀

「ああ。」「その通りだ。」

 

朱乃

「では、一体どうやってその力を手にしたのですか?」

 

リアスが二人の確認を聞き、朱乃がどうやって“力”を手にしたか聞いたのだ。

 

ケンイチ

「俺たちが手に入れた方法は、スゲェ奇跡だったんだ。」

 

リアス

「その奇跡っていうのは?」

 

ケンイチ

「それは…………………[平行世界の自分と重なった]という事象なんだ。」

 

リアス達

『平行世界の自分と重なった!?』

 

この言葉に驚くリアス達。

 

木場

「という事は!?

あなた達はその平行世界では、櫂さんがウルトラマンであり、左さんが仮面ライダーであり、道外さんが黄金騎士牙狼ということなんですね!?

 

ケンイチ達

『ああ、その通りなんだ。[だぜ。][だ。]』

 

つまり彼等が力を手に入れたのは、完全なる偶然、即ち[奇跡]である。

 

《という捏造を話、信じさせる事に成功した。》

 

ケンイチ

「此処まで話したんだ、信じて欲しい!

無論俺たちも君達が『悪魔』だということ口外する気は無い。」

 

最早ケンイチを言葉を信じるしかないが、最後にリアス達が一番恐れる事態避ける為、ある事を聞いた。

 

リアス

「一つだけ聞かせて、あなた達はいずれ、私達悪魔にその力を向ける事は有り得るの?」

 

そう、一番恐れる事態は、その力が自分たちはおろか、悪魔に向けられる事は無いだろうか?という事態である。

三人、特に昨日明らかに異常な戦闘力を持つケンイチ=ウルトラマンと、似た光の力を持つ鋼賀=牙狼の光は、敵と認識しなければ自分たちはダメージを受けないが、自分たちの敵なったらと思うと、背筋がゾッとするのだ。

 

ケンイチ

「それは君たち次第だ。」

 

リアス達

『えっ?』

 

ケンイチの予想外の言葉がでたのだ。

 

朱乃

「それはどういう事ですか?」

 

ケンイチ

「それは君たち悪魔が、地球に生きる命、それも人間を身勝手な理由で殺すという事しなければ、俺達は君たち悪魔を、敵と見ない。

俺達というよりも、『ウルトラマン』が人間を愛し、人間の無限の可能性を知っているから。』

 

小猫

「“無限”…ですか?」

 

ケンイチ

「ああ、けどその無限の可能性は、君たちにも有るんだ。」

 

イッセー

「俺たちにも、ですか!?」

 

ケンイチの話に出た無限の可能性、それは確かに人間が持っている。

 

その力は確かに、幾度となくウルトラマンや仮面ライダー等その他の光の戦士達、正義の戦士達の危機を救ってきたのだ。

 

リアス

「つまり私達が、人間を身勝手な理由で殺したりしない限り、あなた達が敵になる事は無いのね?」

 

ケンイチ

「ああ、そう言うことだ。」

 

リアス

「その事については断言するわ。私達も現四大魔王も、理不尽に人間の命を奪ったことは無いわ。

これは、現四大魔王の内の一人、そして私の尊敬するお兄様、“サーゼクス・ルシファー”の名において。」

 

ケンイチ達が敵にならない理由聞いたリアスは、彼に強い決意と意志、そして覚悟を表した。

 

ケンイチ

「分かった。

俺たちは、君達を信じる。

だから君達も、俺たちを信じてくれ。」

 

涼太郎

「俺からも頼む。」

 

鋼賀

「俺の方も頼む。」

 

ケンイチが頭下げ、涼太郎と鋼賀も同じように頭を下げた。

 

この時リアス達はこう思った。

“確かに彼らはお人好しだ、でもだからこそそのお人好しに力が伝わったのだろう”と。

 

リアス

「此方も分かったわ、みんなもいいわね?」

 

朱乃

「はい、部長。」

 

木場

「僕もです。」

 

小猫

「私も信じてみます………。」

 

イッセー

「俺も、この人たちを信じます!

だって、俺を助けてくれましたし、木場だって治療してくれたんです!」

 

アーシア

「わ、私だって同じです!何も出来ない私の思いを繋いで、イッセーさんを助けてくれたのですから!」

 

リアスの問いに、誰もが否定しなかった。

つまり、

 

リアス

「という訳よ。

コレは私たちの総意、あなた達を眷属に迎える事は出来ないけども、協力者または傭兵という事で力を貸して。」

 

リアス達はケンイチ達を信じて、力を貸して欲しいと、願い出た。

 

勿論ケンイチ達の答えは決まっている。

 

ケンイチ

「ああ、約束する。

俺たちは君たちを守り、力を貸そう。

な、涼太郎!鋼賀!」

 

涼太郎

「オフコース!

勿論だ!」

 

鋼賀

「俺も異論は無い、ケンイチが決めたのら、俺たちは着いていくだけだ。」

 

 

ケンイチ達の迷いの無い力強い言葉は、リアス達にまるで希望を与えたのだ。

 

リアス

「なら改めて、みんな、私に合わせなさい!」

 

朱乃達

『はい!部長!』

 

リアス

「ようこそ!」

 

リアス達

『オカルト研究部へ!!』

 

リアスの号令で、ケンイチ達を完全に受け入れ、オカルト研究部に強力な協力者が加入した!

 

光の戦士ウルトラマン、風の使者仮面ライダー、輝く黄金騎士牙狼が加わった!

 

ケンイチ

「ありがとうこれから宜しくな!」

 

涼太郎

「俺の方も宜しく頼むな。」

 

鋼賀

「俺からも、宜しく頼む。」

 

ザルバ

「当然俺様もだ!」

 

若干一名偉そうな言い方をしているが、気にしない気にしない。

 

(え?一名じゃない?じゃあなんて言えば言えば良いのよ?)

 

リアス

「じゃあ朱乃!

今日は張り切ってご馳走作るわよ!!」

 

朱乃

「はい部長!

腕によりをかけて、びっくりさせましょう!!」

 

その日は特別な日となった。

 

新たな仲間が加わり、お互いに信じ合い、決して偽りの仲でないと約定を交わした正しき悪魔が、命を愛する英雄達を歓迎した。

 

その後の歓迎会で、

テンションがMAXになったケンイチがウルトラパワーを使い、カラオケセット持ち込み、

『TAKE ME HIGHER』を歌った為、全員が熱くなった!

 

しかし時折、

『俺の歌を聞けぇぇッ!』

とメタ発言をしたため、涼太郎と鋼賀に、牙狼剣とメタルシャフトで殴られ、大乱闘になってしまったが、それでも忘れられない1日となった。

 

余談だが、リアスと朱乃の合作料理は………冥界料理だと言うが見た目は

ダークマターであり、スープが熔岩のようにボコボコ音をシていたが、尋常じゃないほどの美味しい味に、ケンイチ達は見事完食したのだった!

 

つづくッ!!




次回予告BGM
『牙狼~saver in the dark~』

ザルバナレーション

悪魔と英雄が仲良くしていると
新たな悪魔を知る

何?
超次元テニス?
超次元ドッジボール?

まるでわからん。

次回『VS生徒会!』

球技勝負にはハプニングが付き物


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第3話 VS生徒会!

OP『牙狼~savior in the dark~』


フィンディッシュタイプビースト・ノスフェル

登場!

ED
『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』

※今回、長い上に無理矢理感が多いですが、お許し下さい!
そして後書き宜しくです!!


ケンイチ達がオカルト研究部に入部してから4日が経った。

ケンイチ達の人気は、二年生の木場祐斗を遥かに凌ぐモテッぷりを見せたのだ!

 

三人が歩く先々では、奇声が上がるは、階段から踏み外した女子がいた瞬間には絶妙なタイミングで窮地を救うという、木場祐斗が駒王学園の『イケメン王子』なら、ケンイチ達は『勇者様御一行』である。

 

更にケンイチ達がオカルト研究部に入部したため、ケンイチが結構木場に話しかけては、一緒に昼食を取る所を女子達が見た時は、正に『勇者と騎士の絵になる食事会』というふうに広まり、人気なったのだ。

 

だが反面男共には、全くを持って恨めしそうな目で見られる事があるだけでなく、ケンイチ達の特技を知った男子柔道部と男子剣道部が、ケンイチ達に不意打ちやら闇討ちを仕掛けてくる事が有るが、冷静にケンイチ達は撃退している。

 

そして、今日も…。

 

剣道部部長

「グハァッ!?」

 

柔道部部長

「グヘェッ!?」

 

部員達

「ギャアァァァァァ!?」

 

剣道部と柔道部は、

ケンイチ達を襲撃したが、あえなく全滅。

 

それもそうだろう。

三人の身体能力は人間で言えば化け物クラスである。

 

特にケンイチは、

彼自身がウルトラマンである為、見事な身のこなしやら、さばき技を披露したりしては、一本背負いに持ってく。

涼太郎と鋼賀も似たように剣道部と柔道部を無力化していく。

 

ケンイチ

「さぁて~、これで終わりか?」

 

剣道部部長

「ヒィィッ!?」

 

涼太郎

「たくよぉ、こんな事している暇が有るなら、自主トレしてろよ?」

 

柔道部部長

「ギクッ!?」

 

鋼賀

「それとも何か?

お前たちは、俺たちへの嫉妬が大きいせいで練習に集中出来ないってか?

質が悪いぞ!!」

 

部員達

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

最早逆リンチによる地獄の絵地図となっていた。

 

そこへ?

 

リアス

「あらケンイチ、涼太郎、鋼賀じゃない。」

 

朱乃

「あらあら、これはどういう状況ですか?」

 

二大お姉さま登場!

 

ケンイチ

「よお!リアス、朱乃!」

 

涼太郎

「見ての通り、襲撃を受けたから返り討ちにしただけだ。」

 

鋼賀

「全く、コイツ等は自分たちの集中力の無さを棚に上げて、俺たちのせいにするんだよ。」

 

リアス

「酷いわねそれは!」

 

朱乃

「許し難い人たちですわ、私たちの“友人”にそんなことをするなんて!」

 

 

剣道部、柔道部

『ごめんなさぁぁぁぁぁい!!』(高速で退散)

 

ケンイチ達だけでなく、リアスと朱乃の二大お姉さままで敵回すとは、この学園の部活動は大丈夫か?

 

 

とここで涼太郎が思い出す。

 

涼太郎

「あ、そうだケンイチ。」

 

ケンイチ

「なんだ?」

 

涼太郎

「お前今日の昼飯は?」

 

ケンイチ

「ああそれならバッグに入って……………………」

 

ケンイチに今日の昼飯を持って来たか確認したのだ。

 

ケンイチは時折弁当を忘れることが多いため常に確認を取るが……………。

 

 

ケンイチ

「………無い!?」

 

涼太郎

「あちゃ~」

 

鋼賀

「やっちまったか~」

 

やっぱり忘れてしまったようだ。

只でさえケンイチは食が太い故に、弁当が二つ無いと満たされないのだ。

 

(ヒーローがそんなので良いのか?)

 

とその時。

 

リアス

「なら丁度良いわね、今日貴方へのせめてもの“恩返し”に、お弁当を用意したわよ。」

 

ケンイチ

「えッ!?マジ!?」

 

なんとリアスがケンイチに、弁当を用意してくれたのだ!

更に!

 

朱乃

「あらリアス、貴方もなんですか?私もなんですよ。」

 

なんと朱乃までケンイチにお弁当を用意してくれたのだ!

 

鋼賀

「おお!マジ!?」

 

涼太郎

「やるじゃんケンイチ!」

 

リアス

「でもどっちを選ぶのよ?」

 

リアスはケンイチがどっちかを選ぶと考えるが、そこは彼だ!

 

ケンイチ

「二人が良いなら、両方貰うよ!ご厚意を無駄にするわけにはいかないからさ!」

 

朱乃

「あらあら、そうですか。

はい、コレは私からです。」

 

リアス

「はい、これは私からよ。」

 

二人が差し出した弁当の柄は、品のあるものだった。

流石べっぴんさん!

 

ケンイチ

「サンキューな!

リアス!朱乃!

この礼は、必ず返すな!」

 

リアス

「ええ、楽しみにしているわ!」

 

朱乃

「うふふ、どんなお返しが来るのでしょうか?」

 

ケンイチがリアスと朱乃から弁当を受け取り、五人は教室に向かう。

 

(途中全校生徒に見られては、女子達からは“まるで姫を守る勇者様御一行”という風に見られ、男子達はこの世の終わりを見たのごとく、愕然としていた。)

 

そして五人が階段を上がろうとすると?

 

???

「ごきげんようリアス、姫島さん。」

 

横から声をかけられた為、振り向くと?

 

リアス

「あらソーナ!

ごきげんよう。」

 

朱乃

「あらあらごきげんよう、会長。」

 

この学園の生徒会長、支取蒼那が居たのだ。その後ろには副会長の『真羅椿姫』も一緒である。

椿姫

「おはようございます、リアスさん、姫島さん。」

 

リアス

「ええ、ごきげんよう、椿姫。」

 

朱乃

「はい、おはようございます、椿姫さん。」

 

お互いに挨拶し合う4人の“美女”達。

その光景は、上品過ぎるものだ!

 

リアス

「あ、そうだ!ソーナ、ちょっと紹介したい新入部員が居るのよ!今日の放課後に部室に来てもらえるかしら?」

 

ソーナ

「あら、丁度こちらも眷属が増えたから、改めて挨拶しに行こうと思っていたのよ。」

 

リアス

「それじゃあ、放課後待ってるわね。

朱乃、行くわよ?」

 

朱乃

「ええ、リアス。

それでは失礼します。」

 

リアスは幼なじみであるソーナと放課後に、お互いに新しく加入したメンバーを紹介し合う事を約束して、リアス達はソーナ達と分かれたのだ。

 

そして上の階で、先に上がっていた

ケンイチ達が4人の会話を見ていたのだ。

 

涼太郎

「なあケンイチ、鋼賀、あの二人…」

 

鋼賀

「ああ、間違いない。」

 

ケンイチ

「“支取蒼那”生徒会長、本名“ソーナ・シトリー”、リアスと同じように魔王を姉に持つシトリー家の悪魔で姉の名は、“セラフォルー・レヴィアタン”。

そして“真羅椿姫”副会長、ソーナ・シトリーの右腕で、駒は朱乃と同じで女王(クイーン)、こりゃまた楽しくなりそうだな。」

 

ソーナと椿姫を見てケンイチ達は、今後の展開を思い、また仲間が出来ると思い、先に教室に向かう。

 

そして教室に向かう途中、彼等は女子達に憧れの視線をたっぷりと受けていた。お当然男共は、膝をついては愕然とし、「不公平だ…」や、「勝てる筈が無い…」など、完全絶望しきっている。

そしてリアス達も、同じように教室に向かう途中、憧れの眼差しを浴びていた。

そして時は流れ、12時、、、、、、

 

ケンイチ

「よし!飯だ!」

 

涼太郎

「いやはえぇよ!

どんだけ準備がはえんだよ?」

 

鋼賀

「涼太郎、ケンイチに何を言っても無駄だって、コイツの脳は“食う、寝る、筋トレ”以外無いんだから。」

 

ケンイチ

「そうそう!ん?

って、俺はキンタロスか!?」

 

昼休みとなり、昼食の準備をするが、ケンイチはものの3秒で準備をしたのだ。

それ故に、リアスと朱乃から頂いた弁当が実は楽しみしていたのだ。

 

 

 

とそこへ、

 

リアス

「ケンイチ、涼太郎、鋼賀、私たちも同席して良いかしら?」

 

リアスと朱乃がやってきた。

 

ケンイチ

「ん?構わねえぜ。

なあ、涼太郎、鋼賀?」

 

鋼賀

「ああ、問題ない。」

 

涼太郎

「オフコース!一緒の方が楽しいし、友だちと飯を食うのは、更に格別だからな!」

 

ケンイチ

「という訳だ。一緒に食おうや!」

 

朱乃

「うふふ、ではお言葉に甘えて。」

 

リアス

「お邪魔するわね?」

ケンイチ達の承諾を得て、リアスと朱乃は昼食を一緒にする。

 

それを見ていた男子生徒は、もはや唖然呆然愕然!

 

女子達は羨ましがったり、ウットリする者もいた。

 

そしてリアスと朱乃は、今朝ケンイチにプレゼントした弁当の感想を聞く。

 

リアス

「どう?口に合うかしら?」

 

朱乃

「正直、私も不安ですわ。」

 

意外と乙女な一面を見せたリアスと朱乃に、涼太郎と鋼賀は、貰った弁当を食べるケンイチの反応を見る。

 

ケンイチ

「………うッ!?」

 

4人

『へッ!?』

 

なんと!ケンイチは苦しみだした!

リアスと朱乃は、

“まさか!?まずかったのか!?”

と思った。

 

だが、ケンイチをよく知る涼太郎と鋼賀は、“ある物”を手に待機する。

そして!

 

ケンイチ

「う!う!う!…………ウマァ~~~イ!!」

 

 

涼太郎、鋼賀

『パッ〇ョンか!!』

 

と言って取り出したのは……………ハリセンだ。

 

スパコーン!!

パシコーン!!

 

ケンイチ

「アウチッ!?」

 

ボケやすいケンイチの為に、涼太郎と鋼賀が作った、良い音が鳴るハリセンは、見事ケンイチの頭に命中!!

 

ケンイチ

「何しやがんだバカ野郎共!?こういうパターンの方が…」

 

涼太郎、鋼賀

『普通に美味いと言えぇーー!!』

 

スパコーン!!

パシコーン!!

 

ケンイチ

「アマツッ!?」

 

ケンイチが抗議する前に再びツッコミを入れる二人。

 

この光景を見るリアスと朱乃は、時折こう思う。

 

リアス、朱乃

『(本当に彼等は

ヒーローなのかしら?)』

 

しかし二人は、ケンイチが自分の弁当を美味いと言ったため、安心したのだ。

 

リアス

「そうだ三人共、今日紹介したい人たちがいるから、三人は必ず来なさいよ?

特にケンイチ!

その人たちの挨拶が終わってからでいいから、“パトロール”は後にしてちょうだい。良いわね?」

 

ケンイチ

「あいよ、多分悪魔関係か?」

 

リアス

「あら?やっぱり解っちゃうかしら?

その通りよ。」

 

朱乃

「ええ、グレモリー家と永く友好関係を築いてきたシトリー家の悪魔でリアスの幼なじみの“支取蒼那”生徒会長。

本名、ソーナ・シトリー様ですわ。」

 

涼太郎

「やっぱりか。

悪魔の気配はたっぷりと感じていたから、もしかしたらとは思っていたが。」

 

鋼賀

「まあでも、早め知り合っておいた方が、面倒事も少なくて良いんじゃないか?」

 

ケンイチ

「そうだな、まあ向こうの反応が楽しみだけどな。」

 

朱乃

「うふふ、なにせ“光”と“闇”が仲良く一緒に居るのですからね。」

 

ケンイチ

「とりあえず分かった。けど、緊急事態のアラームが鳴ったら、流石に俺等の内1人居なくなるの見逃してくれ。手遅れの状態になってたら意味が無いから。」

 

リアス

「ええ、そこは仕様がないから特別に許すわ。あなた達は“命を守るのが使命”だものね。」

 

 

 

リアスから、今日会って欲しい人達がいると言われ、ケンイチ達は悟り、それを承諾するが、自分たち専用の特別な活動である“パトロール”は後回しにする代わり、メモリーディスプレイから緊急事態のアラームが鳴ったら、誰か一人が抜ける事を許して欲しいと頼み、リアスはそれを許した。

ケンイチ達がオカ研に入部してから、新人悪魔であるイッセー達の護衛ついでのパトロールをやっており、リアス達から堕天使やはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)の話を聞いている為、朱乃と木場は問題ないとして、イッセーとアーシアは勿論だが、小猫も襲われる可能性も否定出来ないため、ケンイチ達に護衛を頼んだリアスだが、ケンイチ達は快く引き受けてくれたのだ。

しかしそれでも昨日の夜は、予想外の事態が起こり、朱乃が“契約者”の下に訪れた時、その相手が堕天使であり、多人数による強襲を受けてしまい、負傷してしまったが、偶々その辺りをパトロールしていたケンイチ=ウルトラマンが、朱乃の悲鳴を聞き、瞬時駆けつけ、窮地を救ったのだ。

そして邪な心を持った堕天使であると判断したウルトラマンの光は、堕天使を拒絶し、撃滅したのだ。しかも堕天使どもは、ウルトラマンの目の前で命知らずな事に“地雷言”を口にしたため、最後に残った一体には、メガ・スペシウム光線の直撃を貰ったのだった。

そして朱乃を治療し、部室に帰還した後は、当然リアスに何事かと聞かれ、“朱乃が堕天使の強襲を受けた為、救出しただけ”と答え、リアスは朱乃を泣きながら抱きしめ、自分が助け行けなかった事を朱乃に謝罪したが、無論朱乃はそんな事でリアスを拒絶したりしない。

そしてリアスはケンイチに、親友を助けて貰ったお礼を考え、次の日にケンイチに弁当を作る事を考えたのだ。

(当然朱乃もリアスと同じくケンイチにお礼を考え、弁当を作ってきたのだ。)

 

まあともあれ、リアス達の話を聞いたケンイチ達はしっかり挨拶に参加する事を約束したのだ。

 

そして時が流れて午後3時30分、、、、今現在部室には、ケンイチ達を含むオカ研メンバーが集まっている。

 

そして、イッセーとアーシアはリアス達から悪魔のパートナーである“使い魔”の説明やら紹介を受けていた。

 

因みに、ケンイチ達は結構ギャップを感じていた。

 

リアスの使い魔は蝙蝠、

朱乃の使い魔は小鬼、

小猫の使い魔はまんま子猫である。

 

では何がギャップかって?

朱乃の使い魔が小柄とはいえ、『鬼』であることがだよ。

 

因みに、木場の使い魔は見ようとしたら、イッセーが拒否したのだ。

 

とそこへ、

 

コン!コン!

 

朱乃

「はい?」

 

ソーナ

「失礼します。」

(ココから“ソーナ”と統一して呼称します)

ソーナ率いる生徒会がやってきた。

 

イッセー

「あ!?あの方は!?」

 

アーシア

「イッセーさん、何方なんですか?」

 

イッセー

「この学校の生徒会長、支取蒼那先輩だよ。そしてその隣は副会長の真羅椿姫先輩。

てゆーか、生徒会メンバーが総動員でオカ研に来るなんて、なんかマズい事でもしたのかな?(冷汗)」

 

生徒会の登場にイッセーは驚いて、若干テンパっている。

 

リアス

「待ってたわよソーナ。

イッセー、アーシア、先ずはあなた達から挨拶なさい。」

 

アーシア

「えっ?」

 

イッセー

「あ、あの~部長、それはどういった事でしょうか?」

 

全く理解していないイッセーに朱乃が答えた。

 

朱乃

「この方の真実の名は“ソーナ・シトリー”、グレモリー家と同じで上級悪魔シトリー家の次期当主様なんですよ。

そして、グレモリー家と永く友好関係を築いていらっしゃる、言わば部長の幼なじみですわ。」

 

イッセー

「部長の幼なじみ!?てゆうかこの学校に、悪魔が他にも居たんですか!?」

 

アーシア

「私も驚きです!」

 

朱乃の説明を聞いて驚くイッセーとアーシア。

 

すると、生徒会側に居る一人の男子生徒がリアスに聞く。

???→匙→サジ

「リアス先輩、僕たちの事彼に話してないんですか?

同じ悪魔なのに気づかないコイツもどうよって感じですが?」

 

確かに気づいてもおかしくないが、まだまだイッセーには無意味である。

ソーナ

「サジ、私たちはお互いに干渉し合わない事を約束しているのです。

兵藤君とアルジェントさんが知らなくて当然ですよ。」

 

サジ

「あ、そうなんですか…。」

 

するとイッセーが気付いた。

 

イッセー

「お前って確か、最近生徒会の追加メンバーになった」

 

ソーナ

「匙元士郎、兵士(ポーン)です。」

ソーナがサジの紹介と同時に、彼の駒を説明した。

 

リアス

「兵士の兵藤一誠、それから僧侶(ビショップ)のアーシア・アルジェントよ。」

 

リアスとソーナが、お互い新眷属の紹介を簡単に済ませた。

 

イッセー

「ヘェ~、お前も兵士か?それも同学年なんだ?」

 

サジ

「ハァ、俺としては、“変態三人組”の一人であるお前と一緒だなんて、ひどくプライドが傷つくぜ!」

 

イッセー

「なッ!?なんだとテメー!?」

 

サジ

「お!やるか?」

 

しかしサジはイッセーをバカにする為、くだらない事で一触即発にのぼった。

とここで見ているだけではないのが、ケンイチだ。

 

ケンイチ

「よっ!!」

 

ズビシッ!!×2

 

イッセー、サジ

『いてぇ!?』

 

ケンイチが二人の仲裁に入った。

 

ケンイチ

「バカ!そんな事やってると、時間ねぇわ!」

 

イッセー

「す、スイマセン!ケンイチ先輩!」

 

サジ

「あイテテテ、あんただれ?」

 

サジは、突然介入してきたケンイチとその後ろにいる涼太郎と鋼賀にも目が入った。

 

リアス

「そういえば、こっちが本命の新入部員よソーナ。」

 

リアスの言葉に、ソーナはケンイチ達を注視すると、

ソーナ

「ッ!?」

 

三人を、特にケンイチを見て険しくなった。

それと同時に、椿姫達シトリー眷属も(サジを除く)何かを感じ取った。

 

サジ

「あれ会長?副会長?みんなもどうしたんですか?」

 

椿姫

「サジ!“彼”の波動を感じませんか!!」

 

サジが椿姫に言われるまま、ケンイチ達を見ると?

 

サジ

「な!?なんで“光の力”があるの!?」

 

サジもようやく解った。ケンイチの波動、即ち光の力に。

 

ソーナ

「リアス、コレはなんの冗談ですか?」

 

ソーナがケンイチを見ながら、警戒するようにリアスに聞いた。

 

リアス

「ソーナ、少し事情を聞いてくれるかしら?」

 

リアスが超真面目な顔つきで聞いてきたので、ソーナは耳を貸したのだ。

 

そしてソーナ達は耳疑った。

 

アーシアを眷属に迎えた時、突如宇宙人、“ケットル星人”の襲撃を受け、抵抗したのだが、たった一人を相手にあしらわれ、さらにはイッセーがケットル星人に殺されかけたのだ。

しかし、その時アーシアの願いが伝わり、

『ウルトラマン』

『仮面ライダー』

『黄金騎士牙狼』

となって駆けつけたケンイチ達によって、窮地を脱したのだと。

 

その後の話で、転校初日に、ケンイチ達はリアス達のオカ研に入部して、お互いに話合ったのだ。

そして、リアス達が悪魔にその力を向けるのかをケンイチ達に聞いたら、“君たち悪魔が、人間を理不尽に殺しさえしなければ、絶対に力を向けない。”と言ったため、魔王を兄に持つ者として、ケンイチ達に覚悟と決意を示して、ケンイチ達も“信じるかわりに信じてほしい”と言ったのだ。

 

ここまで自分達を信じてくれたのだ。だから、彼らは信じるに値する者達だと。

 

事実、朱乃が堕天使の襲撃と闇討ちを受け、窮地に陥ったが、ウルトラマンとなり、パトロールをしていたケンイチに救われたのだ。

ここまでの説明を受けて、彼らを信じないのは申し訳無いため、ソーナ達は警戒を解いて謝罪する。

 

ソーナ

「すみませんリアス、彼らに失礼なことを…」

 

ソーナが謝罪とともに頭を下げ、椿姫達も頭を下げた。

そしてサジも慌て頭を下げた。

 

リアス

「仕様がないわよ。

だって、こんなことは類を見ないわけだし。

じゃあ改めて、ケンイチ、涼太郎、鋼賀、挨拶良いかしら?」

 

ソーナ達の謝罪を快く許し、ケンイチ達の紹介に入った。

 

ケンイチ

「おう!

俺は櫂ケンイチ!

又の名を、

ウルトラマンパワードだ!

宜しくな!“ソーナ”とその眷属!」

 

自己紹介するケンイチが、いきなりソーナを呼び捨てしたのだ。

コレには一発物申す。

 

涼太郎、鋼賀

『(ハリセン持って)いきなり呼び捨てかい!!』

 

バコンッ!!

バシコーンッ!!

 

ケンイチ

「ハウッ!?」

 

ツッコミを受けたケンイチだが、昼間より破壊力がデカい!

 

ケンイチ

「いってぇぇぇぇぇッ!?何しやがんだバカ野郎!」

 

涼太郎

「いきなり呼び捨ては無いだろ!?」

 

鋼賀

「せめて会長くらいは付けろよ。」

 

二人の言うことも最もである。

しかしケンイチは、

 

ケンイチ

「しゃーねーだろ!?

俺は堅苦しいのは、苦手なんだよ。」

 

とのことである。

 

リアス

「ごめんなさいソーナ、ケンイチってば相手を呼び捨てにしやすいのよ。

オマケに、どうも下の名前がほとんどなのよ。」

 

ソーナ

「いえ、彼に悪気がある訳では無いので、別に構いません。

では私も、櫂ケンイチ君を“ケンイチ君”と呼ばせてもらいます。」

 

ケンイチ

「ああ、サンキューな!」

 

何はともあれ、ケンイチが自己紹介を終え、ソーナと握手をする。

 

次は涼太郎である。

 

涼太郎

「次は俺だな、俺は左涼太郎、仮面ライダーWだ。

宜しく頼みますぜ、『会長さん』。」

 

ソーナ

「ええ此方こそ、では左涼太郎君を“涼太郎君”と呼ばせてもらいますね?」

 

涼太郎

「ああ、呼び方はお好きどうぞ。」

 

涼太郎もソーナと握手をするが、涼太郎は少しハードボイルド気味に自己紹介をしたのだ。

 

コレに気づいたケンイチは、

 

ケンイチ

「(ボソッ)また気取っててるよ、このハーフボイルド(笑)!」

 

と聞こえないように言ったが、“ハーフボイルド”という単語には敏感に反応するのが、涼太郎である

 

ズキュッ!

 

ケンイチ

「グハァッ!?」

 

涼太郎

「あワ~リィ、手がすべっちった(笑)。」

 

涼太郎がケンイチの弱点である脇腹を突っつき、見事にケンイチは悶絶する。

 

そして最後は、鋼賀になった。

 

鋼賀

「最後は俺か。

俺は道外鋼賀、黄金騎士牙狼として戦う“魔戒騎士”だ。

宜しくな“会長殿”。」

 

ソーナ

「此方こそ。

それと“魔戒騎士”とはなんですか?」

 

自己紹介と途中で鋼賀の口から出た、

“魔戒騎士”

という単語が気になってソーナは聞いてみた。

 

鋼賀

「魔戒騎士とは、闇にまぎれて邪悪を切り裂く、言わば俺のような騎士を名乗れる者の総称だ。

そしてその魔戒騎士の証が、この“魔戒剣”だ。

まぁ、魔戒剣だけが魔戒騎士だけじゃ無いけどな。」

 

ソーナに魔戒騎士を説明する鋼賀は同時に、その魔戒騎士の証である魔戒剣も見せた。

 

ソーナ

「なるほど、理解出来ました。

では道外鋼賀君を、“鋼賀君”と呼ばせてもらいますね?」

 

鋼賀

「そこは好きに呼んでくれて構わない。」

 

鋼賀もソーナと握手を交わすと?

 

ザルバ

『オイ鋼賀!おれも紹介しやがれ。』

 

ザルバ乱入!

 

コレにはシトリー眷属も驚く!

 

サジ

「おわッ!?

指輪がしゃべった!?」

 

椿姫

「この指輪は一体?」

 

当然の反応を取る

ソーナとシトリー眷属。

 

ソーナ

「鋼賀君、此方の指輪は?」

 

鋼賀

「コイツは『ザルバ』、魔導輪でな、邪悪な奴を見つけだす、言わば心を持った探知機だ。」

 

ザルバ

『そういうわけだ、“嬢ちゃん”に“坊主”、俺様はザルバだ。そして鋼賀のパートナーだ。』

 

ソーナ

「わかりました、宜しくお願いします、ザルバ。」

 

ザルバ

『オイ!呼び捨てするな、“ザルバ様”と呼べ!』

 

『え゛!?』

 

鋼賀

「ザルバ…割れてみるか?」

 

ザルバ

『ちょ、ちょっと待て、悪かった鋼賀、冗談だ!お前らも好きに呼べ!」

 

ソーナ

「は、はあ、分かりました。ではサジ、兵藤君とアルジェントさんにちゃんとなさい。

 

とりあえず自己紹介が終わり話が進まる。

 

サジ

「は、はい!

宜しく…」

 

サジが握手しようと右手を出すと、

 

アーシア

「宜しくお願いします!!」

 

アーシアが両手握り返し、笑顔で言った。するとサジが豹変!

 

サジ

「こちらこそ!

君みたいなとても可愛いくて素晴らしい子ならば大歓迎だよ!!」

 

アーシア

「はい!」

 

何故かサジがイッセーのような感じの“におい”が滲み出ていた。

そしてイッセーは面白く無いため、アーシアとサジの間に割って入り、

 

サジ

「イテテテテテテッ!?」

 

イッセー

「ナッハッハッハ!

サジ君!!俺の事も宜しくね!!つうか、アーシアに手を出したら殺すよ!!殺すからねサジ君!!」

 

笑顔でサジの手を取り、悪意満々でサジの手を強く握る!

 

しかし!

 

イッセー

「ぐわッ!?アァァァァァッ!?」

 

サジ

「ハッハッハッハッハー!!可愛い美少女を独り占めか?流石は鬼畜のエロエロ君だなぁ!!」

 

サジが逆にイッセーの手を握り返し、逆襲をするのだ!

 

この光景を見て、二人の主達は?

 

リアス

「大変ね、ソーナ。」

 

ソーナ

「そちらもですね、リアス。」

 

とお互い苦笑い。

 

とその時!

 

ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

 

全員

『ッ!?』

 

突然謎のブザーがなり、ソーナ達は何事かと思う。

 

そしてリアス達は、『まさかッ!?』と思い、ケンイチ達を見ると!案の定ケンイチがメモリーディスプレイを手に取り、注視していた!

 

ケンイチ

「悪いリアス!!

今のタイミングなら俺達三人は抜けても問題ないか!?」

 

ケンイチが切羽詰まった感じで、三人同時に抜けることの許可を取りに来た!

 

リアス

「用件はもう済んだわ!良いわよ!!」

 

ケンイチ

「サンキュー!!

涼太郎ッ!鋼賀ッ!」

 

涼太郎

「all right!!

スタンバッてたぜ!」

 

鋼賀

「何時でも行けるぜ!」

 

ケンイチ

「というわけだ、ソーナ!俺達は緊急を要することであるため、ここで失礼する!行くぞ!」

 

二人

『応ッ!』

 

ケンイチ達はリアスの許可を得て、一度ソーナ達に抜けると言った後、急いで外へ出る!

 

ソーナ

「リアス!これは何事ですか!?」

 

ソーナが戸惑った感じでリアスに聞く。

 

リアス

「私たちも外へ出るわよ!!

ソーナ達もついてきて!

その後で説明するわ!」

 

リアス達の後に、ソーナ達が続く!

 

一方ケンイチ達は!

 

涼太郎

「ケンイチ、今度はどんな奴が出てきた!?」

 

涼太郎に聞かれ、ケンイチがメモリーディスプレイを確認する。

 

ケンイチ

「オイオイオイオイ!!コレは有りか!?」

 

鋼賀

「どうしたケンイチ!?」

 

ディスプレイを見て驚愕しているケンイチに鋼賀が尋ねる。

 

その正体は!?

 

ケンイチ

「マズいぞ!

“スペースビースト”系だ!」

 

二人

『何だとッ!?』

 

確かに驚かざるをえない!なにせスペースビーストは夜行性の怪物なのだが、まだ夜には早い夕暮れである!更に驚きはそれだけではない!

 

ケンイチ

「しかも最悪の、フィンディッシュタイプビースト・ノスフェルじゃねぇかコイツは!?」

 

二人

『ノスフェルだとッ!?』

 

確かにノスフェルは危険なビーストである。これ以上ここで会議をしている猶予は無い!

もしノスフェルに殺された人間がいれば、ゾンビの如く

“ビーストヒューマン”が繁殖して、人間が全滅しかねない!只でさえこの世界の人間達には未知なる怪物との戦う力は無い!ならば、自分達がやるしか無い!

だが不幸中の幸いに、ノスフェルの出現場所は町から遠く離れた山の中だ。

偶然にも人間達の居る場所からは奇跡的に距離があった。

 

今急行すれば、被害は最小限に抑えられる!

 

三人は頷き合い、己の変身アイテムを取り出す!

鋼賀は赤鞘から牙狼剣を引き抜き、その牙狼剣で頭上に円を描く。

 

涼太郎はWドライバーを装着し、

 

『サイクロン!』

『ジョーカー!』

 

サイクロンとジョーカーのメモリを手にして、ボタンを押し、両腕をクロスする。

 

そしてケンイチは、制服の内ポケットからフラッシュプリズムを取り出し、天にかざす。

 

ケンイチ

「ウルトラマン!パワァァドォォッ!!」

 

涼太郎

「変身ッ!!」

 

鋼賀

「ガロォォォッ!!」

 

三人の雄叫びと同時に、ケンイチは光包まれてウルトラマンパワードに、涼太郎は風に包まれて仮面ライダーWに、鋼賀は鎧に包まれて黄金騎士牙狼に変身!!

 

ウルトラマン

「涼太郎!足は大丈夫か?」

 

「大丈夫だ!さっきビートルフォンでハードボイルダーをタービュラーに喚装して、もう直ぐ来る!」

 

牙狼

「準備が早いぜ涼太郎!」

 

いつの間に準備をしていたか!

そこへ、Wの言うとおり!

ハードタービュラーが自動操縦でやってきた!

 

(此処に来るまでに、ステルス及びジャマー使ってやってきため、誰にも気付かれなかった。)

 

それを確認した牙狼は、頭の中で鷹をイメージし、集中する!

 

牙狼

「オオオオ!ハアァッ!」

 

すると牙狼の背中から、金色の翼が出現!

 

これにより牙狼は、飛行可能なだけでなく、通常の約4倍のパワーも跳ね上がった強化形態、『翼人牙狼』へと変身したのだ!

 

ウルトラマン

「よし、行くぞ!」

 

W、牙狼

『応ッ!!』

 

三人のヒーローは、目的地である山に急行するため、Wはハードタービュラーに跨がり発進して、ウルトラマンと牙狼は、空を飛ぶ!

 

そこへ、リアス達がやってくるが、ケンイチ達=ウルトラマンとWと牙狼は既に飛んでいったのだ。

 

そして、空から急行中にWと牙狼が、ウルトラマンに提案する!

 

「ケンイチ!先に行ってくれ!この中で一番速いのはお前なんだから!」

 

牙狼

「その通りだ!お前が先に行って食い止めてくれ!!」

 

ウルトラマン

「分かった!急いでくれよ!!シュワッ!」

 

二人の言葉に、ウルトラマンは肯定し、スピードを上げた!

 

そして山のでは………、

 

ノスフェル

「ガアァァッ!」

 

ノスフェルは速度は遅いが、確実に町に迫っていた。

 

しかし、この個体の全長は、かつてウルトラマンネクサスが戦ったノスフェルに比べて、最も小型である“5m”の個体よりも更に小さい“2m”のノスフェルだった!

 

そこに!!

 

ウルトラマン

「ダラァァァァッ!!」

 

ウルトラマン参上!!

急降下キックを繰り出した!

 

ノスフェル

「グギャアッ!?」

 

ウルトラマンの不意打ちを受けたノスフェルは、地面に伏した!

 

そしてノスフェルは、ウルトラマンに気付く!

 

ノスフェル

「ギャアァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「ノスフェル!!

これ以上!おまえをこの先に進ませない!!」

 

ウルトラマンは、

ノスフェルに立ち向かう!

 

しかしノスフェルは強敵だ。

ノスフェル

「ガアァァッ!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?フアイ!」

 

ノスフェルの“鋭い両手の爪”が、ウルトラマンに襲いかかる!

 

ウルトラマンはなんとか回避して、一度距離を取る。

 

ウルトラマン

「(奴の爪には注意しなければ!一発でも喰らえば危険な上に、それを真正面から受けたら致命傷は免れない!!)」

 

そう、ノスフェルの爪は、いくらウルトラマンでも、一撃を喰らえば只では済まない!!

仮に運が良くても大怪我、運が悪ければ致命傷、最悪の場合、“死”に至る程の強力且つ鋭い爪なのだ!

 

事実、闇より生まれしダークウルトラマンの一人、『ダークファウスト』

の皮膚を貫き、死に至った程だ!

 

そのため、気を抜けば奴の爪の餌食になりかねない!!

 

ウルトラマン

「シュワッ!フアヤッ!!」

 

ウルトラマンは、ギリギリでノスフェルの爪をかいくぐり、接近戦を仕掛けた!

 

ウルトラマン

「ダアッ!フアイッ!」

 

ノスフェル

「グギャアッ!?」

 

ノスフェルの爪に注意しながら、パンチとキックを繰り出す。

 

しかしノスフェルも負けじと、鼻と顎の位置に、爪と同じように鋭い牙をウルトラマンに振り下ろす!

 

ウルトラマン

「シャッ!?フアイッ!」

 

寸での所で気付いたウルトラマンは一度かわして、ノスフェルの牙を掴む!

 

しかしノスフェルは、それを待っていたかのように、両手でウルトラマンの脇を叩きまくる!

 

ウルトラマン

「カアッ!?フレェッ!?」

 

今手を離せば牙の餌食になる。

運が良いことに、ノスフェルの攻撃は、爪ではなく、掌で攻撃をしているのだ。

 

ノスフェル

「グギャアッ!」

 

ウルトラマン

「フアヤーッ!?」

 

すると埒がないと判断したのか、ウルトラマンを投げ飛ばす!

 

ウルトラマン

「このままでは、奴の“口”を狙うにはせめて涼太郎が居ないと無理だ!早く急いでくれ、涼太郎!鋼賀!」

 

ウルトラマン=ケンイチは、ノスフェルの弱点が“口”だということは知っているが、それを一人で行うのは難しいのだ。

ウルトラマンパワードは分身能力を持っていないため、メガ・スペシウム光線をぶち込んでも、口にある再生器官を攻撃しない限り、例えバラバラに吹き飛んでも、再生して復活するため、口を狙うにはもう1人居ないと無理である!

 

その中でも適任なのが、涼太郎=仮面ライダーWである。何故なら、Wの持つフォームの中に、『ルナトリガー』が存在するのだ。

このフォームならば、確実にノスフェルの口を狙う事が出来る!

 

だが肝心の本人がまだ居ないのだ。

 

ノスフェル

「ギャアァァァッ!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?フアヤーッ!?」

 

とここでノスフェルが突撃し、ウルトラマンを押し倒した!

 

これによって馬乗り状態である。

 

ノスフェル

「ガアァァッ!」

 

更にノスフェルは追い討ちを掛けるように、爪でウルトラマンの顔を狙う!

 

ウルトラマン

「フレェッ!?フアヤッ!」

 

寸での所でウルトラマンは爪を掴み、時間稼ぎをする。

 

とその時!

 

牙狼

「ハアァァァァッ!!」

 

木場

「テヤァァァァ!!」

 

牙狼が姿を現し、向かって行くが、なんと木場も一緒だったのだ!!

 

ノスフェル

「ギャアァァァッ!?」

 

ノスフェルは突然の奇襲に吹き飛ばされ、ウルトラマンを解放した!

 

牙狼

「大丈夫か!?ケンイチ!?」

 

ウルトラマン

「ああ、大丈夫だ。」

 

木場

「先輩!」

 

ウルトラマン

「ッ!?」

 

そしてウルトラマンは木場に気付く!

 

ウルトラマン

「なッ!?木場!?

何故お前が此処に!?」

 

ウルトラマンの問いに、木場はこう答えた。

 

木場

「僕だけじゃありませんよ、先輩!」

 

ウルトラマン

「なにっ?」

 

木場に聞こうとした時!

 

朱乃

「雷よッ!!ハアァッ!!」

 

更に上空から、なんと朱乃が雷をノスフェルに放ち、下がらせた!

 

ウルトラマン

「朱乃まで!何故!?」

 

「悪いケンイチ、俺と鋼賀で連れてきた!」

 

Wがハードタービュラーに乗って駆けつけたが、その後ろにグレモリー家の魔法陣が現れ、リアス、イッセー、アーシア、小猫が現れた!

 

それと同時に、朱乃も地面に降り立った。

 

ウルトラマン

「涼太郎と鋼賀は解るけど、どうしてリアス達が!?」

 

「俺たちが連れて来たんだ。ケンイチを先に行かせ後、俺たちを追って来た部長さんと朱乃さんに呼び止められてだな、どうしても俺たちの力になりたいってな。」

 

牙狼

「部長達に頭を下げられては、罪悪感があってな、『一緒に闘わせて欲しい』と、『私たちは仲間だから』と、そういう風に言われちゃあな?」

 

リアス達が現れたのは、仲間としてケンイチ達の力になりたかったから此処へやってきたのだ。

 

ウルトラマン

「そうなのか?リアス?」

 

リアス

「ええ、ここのところ、あなた達に助けられて来たから、今度は私たちが、あなた達の力になる番よ!!」

 

リアスの言葉を聞いて、朱乃達を見ると、同じ覚悟を感じた。

 

ノスフェル

「グギャアッ!」

 

するとほったらかしにされていたノスフェルが怒り出した!

勿論全員が気付く!

 

リアス

「ケンイチ、策はあるの?」

 

ウルトラマン

「ああ!お前らの嬉しい誤算で、勝算は大ありだ!

先ず、木場と小猫は無茶しない程度に鋼賀と一緒に、ノスフェルの動きを封じてくれ!

その後俺が、奴の“口”をこじ開ける!

そして、リアスと朱乃は、涼太郎と一緒にノスフェルの口内を攻撃してくれ!!」

 

リアス

「その意味は?」

 

ウルトラマン

「奴の口内が再生器官を司るため、幾ら俺でも倒しきれないが、逆に言えばそこが弱点になる!再生器官を破壊すれば、流石の奴も再生出来ない!」

 

リアス

「わかったわ!」

 

朱乃

「うふふ、ゲテモノをいたぶるのは趣味ではありませんが、他ならぬケンイチ君の頼みなら、腕が鳴りますわ!」

 

ウルトラマン

「イッセー!お前はアーシアを守る事だけを考えろ!」

 

イッセー

「は、はい、先輩!」

 

ウルトラマン

「アーシア!君は木場と小猫がもし、奴の爪で掠り傷でも負ったら直ぐ治療するんだ!少しでも治療が遅れれば、深手は確実だ!下手をすれば、最悪死ぬ可能性だってあり得る!」

 

アーシア

「は!はい!ケンイチさん!!」

 

ウルトラマン

「そして奴の再生器官を破壊したら、涼太郎!鋼賀!リアス!朱乃!

俺たちの攻撃を合わせて、奴を殲滅するぞ!」

 

W、牙狼

『応ッ!!』

 

リアス、朱乃

『ええッ!!』

 

ウルトラマン

「行くぞォッ!!」

 

【ノスフェルを撃破せよ!!(CR牙狼シリーズ風:赤稲妻)】

 

(牙狼~savior in the dark~サビ)

 

牙狼

「よし、木場!小猫!俺に続け!!」

 

木場、小猫

「はい!鋼賀先輩!」

「了解です…!」

 

先行して動きを止めるため、鋼賀達が動く!

 

木場

「いきます!!

魔剣創造《ソードバース》!!」

 

木場が魔剣を地面に突き刺し、ノスフェルの足の裏に、四本ずつの魔剣が見事に突き刺さる!

 

ノスフェル

「グギャアッ!?」

 

相当応えたのか?悲鳴を上げたノスフェル。

 

そこに!!

 

牙狼

「ハアァァァァッ!!」

 

牙狼剣を巨大化させた《牙狼斬馬剣》で、ノスフェルの背中に深く突き刺した!

 

ノスフェル

「ギャアァァァッ!?」

 

これも相当応えているぞ!

 

小猫

「捉えた…!」

 

この隙に、ノスフェルの背後に回り込んだ小猫は、自前の馬鹿力で尻尾を掴む!

 

これにより、ノスフェルの動きは封じた!

 

ウルトラマン

「フアヤッ!!」

 

すかさずウルトラマンが、ノスフェルの懐に飛び込み、鼻と顎の牙を掴む!

 

ノスフェル

「ガアァァッ!?」

 

ウルトラマン

「ダラァァァァッ!!」

 

ウルトラマンは《気力モード》になり、ノスフェルの口を強引にこじ開けた!

 

それを見計らったWは、メモリチェンジを行う!

 

「行くぜッ!」

 

『ルナ!』

 

『トリガー!』

 

『ルナ!トリガー!』

 

ドライバーに、ルナとトリガーのメモリを差すと、色が黄色と青色の姿に変わり、右手には、トリガーの専用武器、《トリガーマグナム》を手にしていた!

 

「それじゃあ行くぜ?レディ達?」

 

リアス

「誰に言っているのかしら?」

 

朱乃

「準備万端ですわ!」

 

涼太郎の言葉に、二人は準備万端整った!

 

「ハッ!」

 

リアス

「受けなさい!」

 

朱乃

「お仕置きですわ、うふふ。」

 

三人の同時攻撃が、ノスフェルの口へ、目掛けて一直線!

 

そして!

 

ノスフェル

「グギャアッ!?」

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

ノスフェルの口内が、火花を散らす!

 

その瞬間にウルトラマンは、バク転して距離を取ったのだ!

そして同じように、牙狼達もノスフェルから離れ、ウルトラマン達の下へ戻る。

 

ウルトラマン

「これで終わりだ!ノスフェル!!」

 

ウルトラマンの言葉に、リアスと朱乃は魔力を集中させる。

 

リアス

「我がグレモリー家の名において、あなたを!滅ぼしてあげる!!」

 

朱乃

「うふふ、ごめんなさいね?」

 

朱乃さん?ちょっと笑顔?が恐いですよ?

 

牙狼

「ハアァッ!!」

 

斬馬剣から通常の牙狼剣に戻し、牙狼は力のかぎりに魔導火を解き放つ!

そして牙狼剣を勢いよく振り上げた瞬間、“火炎竜”が姿を現す!

 

牙狼

「ノスフェル!

貴様の因果!俺が、いや俺たちが断ち切る!!」

 

更にWは、トリガーマグナムにあるマキシマムスロットに、トリガーメモリをセットし、銃口を上げる!

 

『トリガー!マキシマムドライブ!!』

 

「さぁノスフェル…、今までお前が、本能のままに食い殺してきた命と数々の罪を…、数えろぉ!!」

 

そしてウルトラマンは、両腕にスペシウムエネルギーを溜め、その両腕を十字型に組んで、

メガ・スペシウム光線を発射する!

 

ウルトラマン

「ダラァァァァッ!!」

 

リアス

「吹き飛びなさい!」

 

朱乃

「雷よ!ハアァッ!」

 

牙狼

「烈火激竜ッ!!ハアァァァァッ!!」

 

「くらえ!トリガーフルバースト!!」

 

5人の持つ強力な技が、ノスフェルに向かう途中でまさかの一つとなり、凄まじい光線状の攻撃となり、ノスフェルに直撃した!

 

ノスフェル

「ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

恐らくノスフェルは、リアスと朱乃の攻撃は耐えられただろうが、ウルトラマンのメガ・スペシウム光線に、Wのトリガーフルバーストと、牙狼の烈火激竜まで加わった攻撃は、最早耐えられず、頭から爆散していった!!

 

(因みに、ソーナ達は学校で待ってくれているのだ。)

 

 

ウルトラマン

「よしッ!」

 

ノスフェルの爆散する光景を見て、完全に消滅したのを確信して、勝利のガッツポーズしたのだ!

 

リアス

「なんとかなったようね?」

 

ウルトラマン

「ああ、ありがとなみんな。」

 

ウルトラマンが変身を解き、ケンイチに戻ったが、

 

ケンイチ

「ふう……ぐぉ!?」

 

全員

『ケンイチッ!?』

『ケンイチ君!?(さん!?)』

『先輩ッ!?』

 

突然ケンイチが脇腹を抑え、全員が心配したのだ!

 

涼太郎

「大丈夫かケンイチ!?」

 

朱乃

「一体どうしたのですか!?」

 

ケンイチ

「ぐぅ、どうやらノスフェルの爪がかすったようだ。」

 

どうやら先ほどの戦いで、傷を付けられたようだ。

 

リアス

「いけないわ!アーシア!直ぐに治療を!!」

 

アーシア

「はい!!」

 

直ぐさまリアスの指示で、アーシアはケンイチをセイクリッド・ギア、“トワイライト・ヒーリング”で治療を行った。

 

ケンイチがウルトラマンであった事が幸いしたのか、傷も深くなく、直ぐに治ったのだ。

 

ケンイチ

「おお、痛みが引いた。ありがとなアーシア。」

 

アーシア

「いえ、これくらいしか私は出来ませんから。」

 

ケンイチ

「それでもだ、誰にでも優しく出来るその“心”を、大切にな?」(頭を撫でる)

 

アーシア

「はい!ケンイチさん!」

 

ケンイチは治療を終えて、見事回復した後は、ちゃんとアーシアに御礼をして、頭を撫でてやるのだ。

 

木場

「にしても先輩、さっきの怪物は一体?」

 

イッセー

「そうですよ!まるで人間が思い浮かべる本物の“悪魔”みたいなあの化け物は!?」

 

リアス

「確かにあんな化け物は、冥界でも見たこと無いわ!」

 

小猫

「少し、恐怖を感じました…。」

 

リアス達がケンイチに質問してきたのだ。小猫に限っては、ノスフェルを見て、恐怖を感じていたのだ。

 

ケンイチ

「奴の事に関しては、確証が無いから深くまで説明出来ないが、コレだけは言える。

奴は…宇宙の獣、“スペースビースト”だ。」

 

リアス達

『“スペースビースト”!?』

 

ケンイチ

「ああ、その名の通り、宇宙から来た恐怖を餌に、生命体を捕食する怪物だ。」

 

リアス

「な!?宇宙から!?」

 

イッセー

「ま!?マジですか先輩!?」

 

ケンイチ

「ああ。

でも確信を持つには、情報が不足している。

だから、いつの日かにスペースビースト等の説明をするから、今は待ってくれるか?」

 

リアス

「…わかったわ。

いずれ必ず説明する事。

皆もいいわね?」

 

朱乃達

『はい!』

 

ケンイチはいずれスペースビーストも含む、色々な説明をする事をリアス達に約束し、学校に戻る。

 

ザルバ

『ふぁ~、ああよく寝たぜ』

 

鋼賀

「ザルバ…お前初めて仕事をサボったな!」

 

因みに今回ザルバは、本来の役目をほっぽりだし、ふて寝したため、ケンイチ達にお仕置きされたのは言うまでもない!

 

【因みにケンイチは涼太郎のハードタービュラーに乗せてもらった。】

 

そして、ケンイチ達はリアス達のご厚意で特別に上がる事になった。

 

しかし次の日、

 

ケンイチ

「何故…こうなった!?」

 

涼太郎

「部長さんに朱乃さん、更に会長さんに副会長さんまで…」

 

鋼賀

「なぜテニス?」

 

三人が状況を掴めず、絶句していた。

 

木場の説明によれば、昨日ケンイチ達が上がった後、グレモリー家とシトリー家のどっちかが“ある男”に使い魔ゲットの手伝いをしてもらいたいのだが、その男は月に一度の満月にしか受け持ってもらえないのだ。

 

そのため、リアスとソーナは高校生らしく、スポーツによる実力勝負で決めるとのこと。

 

しかし4人は服装にまで気合いが入っている。

 

4人とも共通の若干エロティックな感じの服装で、尚且つ見えそうで見えないギリギリラインのスカートを履いている。

 

恐らく、サーブや打ち返しをしたら、間違いなくパンチラが起こるだろうと、1学年から3学年の男子生徒の殆どが、写メやらカメラをスタンバイしている。

 

しかしケンイチ達は別の事に気付いた!

 

ケンイチ

「なぁ、椿姫の持ってるラケットって…」

 

涼太郎

「ああ…」

 

鋼賀

「間違いなく…」

 

ケンイチ達

『ぜってーテニスラケットじゃなくて、ラクロスラケットだろ!?』

 

確かに重要なとこであるが、そんなのお構いなしに、4人は戦闘開始!

 

外野で見ると、4人のお嬢様な美女達が、テニスを行う。

 

まさに、神クラスの光景である。

 

しかも案の定、朱乃がボールを打ち返した時、スカートが揺れ、パンチラが発生して男共は釘付けになる。

 

因みに写真を撮ろうした輩には、ケンイチがウルトラ念力で、カメラを破壊したり、携帯やスマホ等を破壊しない程度に、故障させる。

 

すると?

 

ソーナ

「お食らいなさい!

シトリー流スピンサァァァブッ!!」

 

何とソーナが、ギャラリーがみる中で、魔力を込めた!

 

オイ!有りかよ!!

 

リアス

「甘いわ!

グレモリー流カウンターを受けなさ…ッ!?」

 

リアスが厨二病染みたセリフを言うが、何と魔力がこもったボールは、リアスのラケットとは違う方に跳ねたのだ。

 

涼太郎

「なぁ、あの技…」

 

鋼賀

「ああ、間違いない。」

 

ケンイチ

「あれは…ヒグマ返しか!?」

 

ソーナの放ったサーブは、まるで有名な“テニ〇リ”のような技だった!

 

男子生徒

「ま、魔球だ!?すげぇ!?」

 

『オオッ!?』

 

確かに魔球ではある。

なにせ魔力を込めた球なのだから。

 

(そのまんまかい!)

 

リアス

「やるわねソーナ!

ならば私も!!

ハアァッ!!」

 

ソーナに一本取られたリアスは、反撃するときとんでもないやり方で、ボールを打ち返した!

それはなんと、地面に触れそうで触れない絶妙な高さで打ち返し、更にはそのボールがコートのアウトゾーンの方に向かうと思ったら、見事にカーブしてソーナのコートで落ちた!

 

ソーナ

「なッ!?やりますねリアス!」

 

コレにはソーナも熱くなったのか、笑みをこぼす!

 

しかしケンイチ達はまたまた反応した!

 

涼太郎

「オイオイマジか!?」

 

鋼賀

「最早何でも有りだな。」

 

ケンイチ

「今度は

ブーメランスネークかよ!?良いのかよ!?」

 

またまたテ二プ〇の技が飛び出した!

 

そこへ、ケンイチ達の側に木場と小猫がやってきた。

 

小猫

「ケンイチ先輩…。」

 

木場

「楽しんでますか?

先輩方?悪魔式のスポーツを?」

 

ケンイチ

「いやいや!?

魔力込めるのアカンやろ!?大丈夫なのか!?」

 

涼太郎、鋼賀

『うんうん!』

 

木場達が呑気な事を聞いてきたから、ケンイチ達はある意味抗議をしている!

 

小猫

「その点は大丈夫です…。」

 

木場

「アレでもけがしない程度ですからね。」

 

ケンイチ達

『マジかよ!?』

 

さすがにそれを聞かれれば、絶句するのだった!

 

(因みにイッセーは、変態組と一緒にパンチラを見て興奮していた)

 

するといつの間にか、デュースに持ち込んでおり、一進一退の攻防戦になっていた!

 

リアス

「流石だわ、ソーナ!

でも!!絶対勝たせてもらうわ!

私の魔球は108も有るのよ!!」

 

ソーナ

「受けて立ちますわリアス!

それが私の!貴方への、愛!!」

 

 

ケンイチ達

『愛ッ!?』

 

ケンイチ

「まさかソーナは、乙女座のセンチメンタリズムを感じずにはいられないのか!?」

 

2人

『それ違うの人のネタ!?』

 

パン×2

 

ケンイチ

「グハァ!?」

 

という明らかにもう訳が分からない!

 

一言で言うならば…勝負が着かなかった。

 

小猫

「と言うわけで…。」

 

ケンイチ

「結局は団体戦になるわけね?」

 

小猫

「はい、先輩…。」

 

イッセー

「それで何をやるんだろう?」

 

木場

「その競技を今、部長と朱乃さんが会長達と話し合っているんだ。」

 

とリアスと朱乃を待つケンイチ達。

 

とここで、リアスと朱乃が帰ってきた。

 

朱乃

「皆さん全員居ますね?」

 

リアス

「競技の種目は、『ドッジボール』に決まったわ!」

 

涼太郎

「あらま、ドッジボール?」

 

鋼賀

「随分と懐かしいなぁ。」

 

ケンイチ

「んでリアス、時間は?」

 

リアス

「明日の午後7時にスタートよ。

イッセーとアーシアの為に、一致団結するわよ!」

 

アーシア、小猫、木場

『はい!』

 

イッセー

「みんな…。」

 

涼太郎

「んじゃ、一肌脱ぎますか!」

 

鋼賀

「何処までやれるかは分からないが、力の限り相手をしてやるぜ。」

 

ケンイチ

「腕がなるぜ!」

 

朱乃

「あらあら、ケンイチ君てば、うふふ。」

 

ともかく、全員が明日に備えて帰宅するのだが、

 

朱乃

「ケンイチ君、ちょっとよろしいですか?」

 

ケンイチ

「ん?どうした朱乃?」

 

帰ろうとしたケンイチに、朱乃が呼び止める。

 

朱乃

「一昨日は、本当に助かりました。

ありがとうございます。」

 

一昨日…それは朱乃が堕天使の闇討ちを受けて危機に陥ったが、丁度付近をパトロールしていたケンイチに救出された日であった。

 

ケンイチ

「なんだあの日の事か?俺たちは“友だち”で、“仲間”なんだ!仲間を助けるのは当然じゃないか!」

 

朱乃

「ッ!そうですわね、うふふ。」

 

ケンイチの“当然”という単語に、朱乃は嬉しかった。

 

ケンイチ

「んじゃ、また明日!」

 

朱乃

「はい、また明日お会いしましょう。」

 

ケンイチは涼太郎達と合流するため、駆け足で進むが、面白いことにその足が、一瞬だが、“タイヤ”のように見えたのだ。

 

しかしそれよりも、朱乃の顔が、赤かった。まるで恋する乙女の如く。

 

そして次の日、

 

駒王学園の体育館でウォーミングアップを行うオカ研メンバー。

 

しかし途中でイッセーがエロい妄想をしたのか?

小猫がイッセーの身体を深く倒し、骨の幾つかが逝ってしまう程の音が聞こえたのだ。

 

リアス

「そうだわ!

ケンイチ、涼太郎、鋼賀!」

 

ケンイチ

「ん?」

 

涼太郎

「へ?」

 

鋼賀

「なんだ?」

 

リアスがケンイチ達を呼ぶ。

 

リアス

「今日のドッジボールなんだけど、人数はコッチが多いから、三人の内二人が審判をやって欲しいんだけど、良いかしら?」

 

そう、公平に勝負するため、協力者であるケンイチ達三人から、二人に審判を担当したいとのこと。

 

ケンイチ

「問題ない、出るのは俺だから。」

 

リアス

「あら良いの?」

 

ケンイチ

「ああ、涼太郎と鋼賀は変身が出来なきゃ“普通”の人間だからな。」

 

リアス

「いや普通じゃない気がするけど、それで良いの?

涼太郎?鋼賀?」

 

涼太郎

「ああ、確かにその方が良いかもな。」

 

鋼賀

「只のドッジボールとは思え無いから、それが良いぜ。」

 

ケンイチ

「と言うわけだリアス、問題ないだろ?」

 

リアス

「スムーズに話しが進んで助かるわ。OK。」

 

と言う事でこのドッジボールに参加するのは、ケンイチになり、涼太郎と鋼賀は審判を勤めるのだ。

とここで、

 

イッセー

「そうだ!

先輩!部長!みんなもちょっといいですか?」

 

リアス

「イッセー?」

 

ケンイチ

「どうしたイッセー?」

 

全員が集まると、イッセーがある物を取り出す。

 

それは…。

 

全員

『鉢巻?』

 

鉢巻だった。

 

イッセー

「徹夜して作ったんですが、やっぱダサかったですか?」

 

なんと徹夜してまで人数分の鉢巻を作ったのだ。

 

理由はリアスと朱乃は勿論、木場や小猫だけでなく、ケンイチ達がイッセーとアーシアの使い魔ゲットの為に、生徒会と勝負してくれるのだから、自分に出来る事をイッセーは考え、志気を高め、団結力更に向上させる事が出来る鉢巻を思い付き、それを作ったのだ!

 

リアス

「素晴らしいわ、イッセー。」

 

朱乃

「ええ、素敵ですわ。」

 

小猫

「予想外の出来映え…」

 

木場

「凄いじゃないかイッセー君。」

 

アーシア

「私、こうゆうの初めてですが、良いと思います!」

 

リアス達にはかなりの好評であった。

 

ケンイチ達は、

 

鋼賀

「見事なものだな。」

 

涼太郎

「ああ、結構器用なんだなイッセー。」

 

ケンイチ

「コイツは一本取られたわ!見直したぜ後輩!」

 

なんとケンイチ達にも好評なのだ!

 

みんなに感心されたイッセーは照れた。

 

リアス

「コレを着けて、みんなで更に一致団結するわよ!」

 

『応ッ!』

『はいッ!』

 

全員に気合いが入った途端、

 

ソーナ

「お待たせしました。」

 

ソーナ率いるシトリー眷属が現れた!

 

さあ!試合開始だ!

シトリー眷属

「ハアァッ!」

 

小猫

「あッ!?」

 

涼太郎

「アウト!」

 

チームオカ研

小猫…アウト!

 

しかしここで涼太郎と鋼賀のイヤな予感的中。

 

椿姫

「槌翼の投げキッス!」

 

なんとボールに魔力を込めた!

 

涼太郎 鋼賀

『良かったー審判で。』

 

魔力の込められたボールは、リアスに向かって行ったが、見事真正面からキャッチした!

 

ソーナ

「流石ですね、椿姫の球を真正面から取るなんて。」

 

リアス

「私を誰だと思っているのかしら?」

 

ソーナがリアスを称えると、お返しと言わんばかりに、リアスも魔力を込めて投げ返す!

 

それをキャッチしようとしたシトリー眷属の女の子だが、失敗しアウト!

 

(オマケに衣服が燃やし尽くされた!」

 

涼太郎、鋼賀

『アカン!あれは絶対ヤバいパターンだ!』

 

涼太郎と鋼賀の言うとおり、色々な魔力が飛び交う!

 

さらにケンイチも混ざってるのだから、更にカオス化していく!

 

シトリー眷属

「やあぁッ!」

 

シトリー眷属の女の子が、ケンイチに向かって投げたが!

 

ケンイチ

「ヘアッ!」

 

ケンイチは難なくキャッチし、こう言うのだった!

 

ケンイチ

「なんだなんだ?

随分とチンケな球だなぁ?」

 

なんと挑発し、ボールをソーナに渡したのだ!

コレに意外とカチンときたのか、ソーナの背後に、黒いオーラが出現する!

 

ソーナ

「ケンイチ君?

言ってくれますね?」

 

笑っているが、明らかに笑っていない!

 

涼太郎、鋼賀

『あ゛ー!?

バカ!!なんて事をッ!?」

 

涼太郎と鋼賀は、ケンイチの行動に頭を抱えた!

 

ケンイチ

「だったら何?

ニヒーーン(悪い笑顔)」

 

ケンイチ君!?

ちょっとその顔、イケメンが崩壊してるよ!?

 

平行世界の魔王の赤ん坊に懐かれた不良の悪い笑顔に見えるよ!!

 

ソーナ

「お食らいなさい!

シトリー流!

スパイラルシュゥゥトッ!」

 

ソーナが魔力込めて、ケンイチに投げた!

 

が!

 

ケンイチ

「トアッ!!」

 

イッセー

「エエェェッ!?」

 

なんとケンイチは、バク転で回避!!

 

コレに関しては、普通にカッコ良すぎだよ!

 

そして外野からボールを受け取ったソーナにサジが提案する!

 

サジ

「会長!

挑発に乗っちゃ駄目です!

此処は兵藤を狙いましょう!!」

 

サジの言葉に冷静になったか、ソーナは再び魔力を込める!

 

ソーナ

「そうね、挑発に乗せられていたわ!

兵藤君、覚悟なさい!

シトリー流!バックスピンシュゥゥトッ!」

 

イッセー

「ダニィッ!?」

 

『イッセー(君)避けろ!(て!)』

 

次に標的になったイッセーは回避するが、なんとホーミング式の投球だった!

 

しかし此処まで逃げ続けると、イヤな予感が…

 

イッセー

「うおッ!?わっとッ!?ヤベェッ!?ウワッ!?

(カコーーンッ!?)いッ!?………グハァ!」

 

イヤな予感的中!

イッセーにヒットしたのだが………場所が、男の勲章だった。

 

ケンイチ

「スマンイッセー、

助けられなかった!」

 

リアス

「ごめんなさいイッセー。

みんな!イッセーの弔い合戦よ!」

 

朱乃

「ええ!イッセー君の死を!」

 

木場

「無駄にはしません!」

 

小猫

「勿論です…!」

 

ケンイチ

「必ず仇を取ってやる!」

 

アーシア

「イッセーさぁぁぁん!」

 

涼太郎、鋼賀

『いや勝手に殺しちゃだめだろぉぉぉ!?』

 

イッセー

「た、たすけてアーシア……ガクッ」

 

とまあそういうわけで、イッセーがアウトになった。

 

そして、ボールを持っているのは、小猫だ。

 

サジ

「よし!何処からでもこい!」

 

意気込みや良し。

しかし!一度あれば、二度ある!

 

小猫

「えい。」

 

ビュンッ!!

バキュンッ!!

 

サジ

「ぐわッ!?

あ゛あ゛あ゛あ゛!?」

 

サジも男の勲章にヒットし、イッセーと同じを運命を辿った。

 

椿姫

「こうなればもう一度!いきます、ケンイチ君!

槌翼の投げキッス!」

 

再び椿姫が魔力を込めて、ケンイチに放つが、ケンイチは冷静だ。

 

すると!

 

ケンイチ

「ハアァッ!

ハアァァァァァ!

テヤァァァァッ!!」

 

なんとケンイチはキャッチしたのと同時に、その魔力を吸収した!

 

椿姫

「なんと!?」

 

ソーナ

「何をする気!?」

 

そして

 

ケンイチ

「これで決める!グレート直伝!マグナムシュゥゥトォォォッ!!」

 

ケンイチの放った投球は、なんとマグナムシュートだった!

 

涼太郎

「あいつやりやがった。」

 

鋼賀

「もう勝ちだな。」

 

涼太郎と鋼賀の言うとおり、あの技は止められないのだ!

 

椿姫

「ああッ!?」

 

先ずは椿姫にヒットして、そして残ったエネルギーで、

 

ソーナ

「キャアァァッ!?」

 

ソーナにも命中!!

しかも二人の衣服が、マグナムシュートによって燃やし尽くされた!

 

涼太郎

「えー只今の一撃によって、チーム生徒会は全滅したことによって、チームオカ研の勝利になります。」

 

涼太郎のオカ研勝利宣言により、リアス達は勝ったが…

 

ケンイチ

「ギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?

なんでェェェッ!?」

 

朱乃にお仕置きとして、雷撃を食らっているケンイチ君だった。

 

朱乃

「うふふ、ケンイチ君てば、ソーナ様と椿姫さんにこんなおいたをするなんて、お仕置きですわ~!」

 

この光景は、シュールすぎる!

 

学園トップの美女に、超絶イケメンがお仕置きされる。

 

一体なんだこの珍光景は!?

 

リアス

「ソーナ、椿姫、ごめんなさいね。

ケンイチはおそらく面白くなってきたから、つい本気を出しちゃったのよ。」

 

ソーナ

「まあ、ケンイチ君の性格は知っておりますので、悪気がある訳では無いことはわかっておりますから、大丈夫です。

しかし、驚きましたわ。あんな方法で投げ返すなんて。」

 

椿姫

「私も驚きました。

コレが『ウルトラマン』という力を宿した者の実力なのですね。

凄い光を感じましたけど、とても暖かったです。」

 

ソーナ

「そうですね、確かに私たちの知る光とは違いましたわ。

良い協力者ね、私も欲しいわ。」

 

リアス

「でしょう!

でもちょっと面白いのよね。」

 

リアスがソーナ達に謝罪するけど、ソーナ達は快く許してくれたのだ。

 

そしてケンイチの力=ウルトラマンの力の一部を知り、むしろケンイチを欲しいとまで言う程である。

 

リアス

「そういえば、使い魔の件は此方が先で良いわね?」

 

ソーナ

「ええ、ケンイチ君の御陰と言えど、リアス達の勝ちですから。それに、意外と楽しめましたし。」

 

まあともかく使い魔の方は、リアス達が先という事で決まったのだが、

 

ケンイチ

「ナ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?

もう勘弁してくれ朱乃ォォォッ!?」

 

朱乃

「あらあら、うふふ、まだまだ逝けますかぁ?ケンイチ君?」

 

ケンイチ

「ギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!?」

 

この光景に、この場にいた者達は苦笑いで、特に涼太郎と鋼賀は、大爆笑だった。

 

 

余談だがその後ケンイチ達は、リアス達がイッセーとアーシアの使い魔ゲットの為に出発しており、お留守番していた。

そしてリアス達が戻ってきたが、イッセーがボロボロになっていたのだ。

 

話によれば、アーシアが使い魔にした

雷撃竜、『スプライト・ドラゴン』に滅多打ちにされたのだという。

 

続く!!

 




次回予告
『BGM:W-B―X』

(ザルバナレーション)

お前ら、不死鳥を知ってるか?
あの伝説の鳥だ。
そんな鳥の名前持った悪魔が俺達の前に現れたんだ。

何?リアス嬢ちゃんの婚約者だぁ?

悪い冗談だぜ!!

次回! フェニックス

調子に乗るなよ、成り上がりが!


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激闘フェニックス!/見参妹達!?
第4話 フェニックス


OP
「W-B-X」


ED
「雷牙~Tusk of thunder~」

今回遂にライザー出現!
だがクライマックスには、予想だにしない出来事が!!

と言うわけで、新たなオリキャラ登場です!

そして後書きよろしくです!!


生徒会と対決した超次元によるバトルドッジボールから3日が経った朝の4時、ケンイチ、涼太郎、鋼賀は、日課であるトレーニングを行っていた。

 

近くの公園で彼らは、準備運動をする。

 

涼太郎はブランコの一番上に飛び乗り、そこに膝で挟んで腹筋を行う。

 

鋼賀は調節可能な鉄棒で、自分の背丈よりも更に高い最上部の位置に調節して、懸垂を行う。

 

そしてケンイチは、腕立て伏せをやっているが、ただの腕立て伏せではなく、なんと逆立ちをしながら腕立て伏せなのだ!

 

この三人、やはり化け物クラスの体力だ!わざわざ自分から危険な事をしているのだから、もうミラクルマンである。

それを10分感行い、次はランニングに入る。

 

そしてランニング中に?

 

リアス

「ほら!だらしなく走らない!」

 

イッセー

「ハア、ハア、はい。ハーレム王に!俺はなる!!ハア、ハア、」

 

偶然リアスとイッセーを発見。

 

ケンイチ

「ん?イッセー!リアス!」

 

イッセー

「へッ?」

 

リアス

「あら、ケンイチ!涼太郎に鋼賀も!

何してるのよ?」

 

イッセー

「あ、お、おはようございます先輩方!」

 

涼太郎

「おう、おはよう!」

 

 

鋼賀

「見ての通り、俺達の日課のトレーニングだ。」

 

リアス

「あら、なら付き合っても良いかしら?

イッセーの特訓をやっているのだけど、イッセー一人じゃあ、なんか寂しいのよ。」

 

ケンイチ

「良いぜ。二人も良いよな?」

 

鋼賀

「ああ、イッセーは眷属で唯一の兵士だ。鍛えない訳にはいかないな。」

 

涼太郎

「俺たちもイッセー専用のメニューを作ってやろうぜ。

徐々にハードに極めていく感じに。」

 

イッセー

「ううう、ありがとうございます先輩方!俺の為にそこまで考えてくれるなんて!!」

 

リアス

「ありがとう三人とも。じゃあイッセーに合わせてあげて。」

 

ケンイチ

「よっしゃあ!行くぞ!涼太郎!鋼賀!イッセー!」

 

二人

『応ッ!!』

 

イッセー

「はいッ!」

 

リアス

「ふふ。これで特訓が楽しくなるわね」

 

というわけでリアスの《イッセー強化作戦》に、ケンイチ達は動向した!

 

しかしやはり、イッセーには難しかったか?

 

腕立て伏せをリアスに乗って貰った状態で、15回までしかできなかった。

 

それに比べて、ケンイチ達はやはり化け物級だ!

 

 

ケンイチは逆立ちによる腕立て伏せをしており、涼太郎は鉄棒に膝をかけて腹筋をしており、鋼賀はその隣で、鉄棒を最上部に調節して懸垂をしている。

 

しかも三人は既に、千回を超えていた!

 

故にイッセーは絶望感に見まわれた!

 

“やっぱり先輩達に勝てない”と。

 

ウルトラマンである半分人間と半分宇宙人のケンイチはともかく、人間である涼太郎と鋼賀に、新人とはいえ悪魔であるイッセーが体力で人間に負けているのだ。

 

それから特訓は6時半まで続き、それぞれが帰宅して、朝食と登校の準備をする。

 

そして朝食を取り終えて、ケンイチ達は学校に向かうが、ケンイチにはイヤな予感がしていた。

それから時が流れて放課後、ケンイチ達は旧校舎に向かう途中に、

 

ケンイチ達

『ッ!?』

 

何かを感じ取った!

 

涼太郎

「おい鋼賀、ケンイチ!この感じ…!」

 

鋼賀

「ああ、間違いないだろう。」

 

ケンイチ

「来やがったな、『焼き鳥野郎』が!

急ぐぞ、二人共!」

 

二人

『応ッ!!』

 

ケンイチ達は駆け出し、部室へ急ぐ。

 

ケンイチ

「みんなッ!?」

 

部室へ到着したケンイチ達は扉を開けると、そこに居たのはオカ研のメンバーにもう一人、メイド服と呼んでもいい物を着ていた女性が居た。

 

リアス

「来てくれたわね!ケンイチ!涼太郎!鋼賀!…グレイフィア、コレでこれで全部員は揃ったわよ。」

 

リアスが、ケンイチ達が来た事に安心感が出たような声を出し、メイド服を着たグレイフィアと言う女性に部員が全員揃った事を言った。

 

グレイフィア

「お嬢さま、もしかして此方の方々が、“サーゼクス”様への報告に有った協力者の人間ですか?」

 

リアス

「ええ、その通りよ。」

 

グレイフィアがケンイチ達を見て、リアスに確認を取り、リアスは肯定した。

 

グレイフィア

「初めまして櫂ケンイチ様、左涼太郎様、道外鋼賀様、

私はグレモリー家に仕える者で、リアスお嬢さまの兄であり、現四大魔王の一人である“サーゼクス・ルシファー”様の女王(クイーン)の駒を持つ、

グレイフィアと申します。」

 

グレイフィアがケンイチ達に自己紹介を行った。

 

涼太郎

「おっと、こいつはご丁寧にどうも!

俺は左涼太郎、協力者でございます。」

 

鋼賀

「初めまして、道外鋼賀であります。」

 

ケンイチ

「俺は櫂ケンイチだ。

まあ宜しく頼んますわ、グレイフィアさん。」

 

三人は簡単に自己紹介を行った。

 

ケンイチ

「んで、この状況は?」

 

ケンイチが訪ねる。

 

グレイフィア

「お嬢さま、ここは私がご説明致しましょうか?」

 

リアス

「いいえ、私が言うわ。

ケンイチ、涼太郎、鋼賀、それからイッセーにアーシア、実は…」

 

リアスがそこまで言った途端、ケンイチ達の後ろに魔法陣が出現する!

 

ケンイチ達がバックステップで下がると、その魔法陣から炎が舞い上がる!!

 

「フェニックス…!」

 

おそらく木場か小猫が吹いたか?

 

そして確信するケンイチ達!

 

ケンイチ

「(やはり来たな、ライザー・フェニックス!)」

 

そして炎が消えると、明らかにチャラいホスト風の男が現れた!

 

ライザー

「ふぅ~、人間界に来るのは久し振りだなぁ。

会いに来たぜ?

愛しのリアス。」

 

明らかにチャラいこの男に、ケンイチ達は暫くは派手に出ないようにタイミングを見計らうのだ。

 

イッセー

「だ、誰!?」

 

イッセーとアーシアは、何者かわからない為、戸惑っていた。

 

グレイフィア

「櫂ケンイチ様、左涼太郎様、道外鋼賀様、兵藤一誠様、アーシア・アルジェント様、この方はライザー・フェニックス様と言いまして、上級悪魔“フェニックス家”のご三男様でございます。

そして、グレモリー家の次期ご当主様の“婚約者”様でございます。」

 

イッセー

「えええええ゛ッ!!」

 

イッセーが驚きの声を上げた!

 

そして、

 

ライザー

「さあ、今すぐ式場を見に行こうぜリアス。」

 

リアス

「何度も言うわライザー!

私はあなたとは結婚しないわ!」

 

ライザー

「ああ、何度も聞いたさ。

けどそうも言ってらんないだろう?

だからこの縁談が出てきたんじゃないか。」

 

ケンイチ

「(クソッ!見ただけでもうウゼェ!

“子安武人”さん ボイスで、そんなチャラい言い方してんじゃねぇ!(怒))」

 

リアスとライザーが言い合っている中で、ケンイチは全く関係ない事を考えていた!

 

なにを考えているんだケンイチ君!?

 

リアス

「いい加減にしてちょうだい!

何度だって言うわよ!

私が心身共に尽くすと決めた者でないと結婚する気は無いわ!」

 

ライザー

「でもそれじゃあ、自分のお家の潰すか、泥を塗ることになるんじゃ無いのかい?

俺はそうさせたく無いから、こうして人間界まで来ているんだがな?」

 

ケンイチ

「(ああクソッ!

今すぐコイツにスペシウム光線をぶちかましてェッ!!)」

 

涼太郎

「(抑えろケンイチ!)」

 

鋼賀

「(まだ俺等が出しゃばる訳にはいかない!

耐えるんだ!)」

 

ケンイチ

「(クソがッ!!)」

 

ライザーとリアス言い争いを見て、いてもたってもいられず、ケンイチはウルトラマンに変身しようとするが、親友二人になんとか抑えられている!

 

リアス

「家を潰すつもりも無いし、泥を塗るつもりだって無いわよ!!

だから今すぐ立ち去りなさい!!」

 

リアスが凄い怒気を上げて、ライザーにキレる!

 

一言で説明するなら、大戦争で多くの柱とも言うべき貴族悪魔が死んでいったりだとか、家系が途切れたりしているのだという。

その為、純血種を繁栄させるため、このような縁談が有るのだが、普通に考えて、定められた未来は、本当に“幸せ”というわけでは無いのだ!

 

ライザー

「俺もなリアス!

フェニックス家の看板を背負ってるんだ!こんな所で泥を塗られる訳にはいかないんだよ!!

君がその気なら、俺は君の眷属全てを焼き払ってでも冥界に連れて帰らせて貰うぞ!」

 

遂にライザーもキレかかった!

このまま一触即発が発生した途端!

 

イッセー

「こ、コイツッ!?」

 

ケンイチ

「だったらやってみろやゴラァッ(怒)!!」

 

リアス達、涼太郎、鋼賀

『ッ!?』

 

遂にケンイチが乱入!!

その言葉に全員が反応した!

 

リアス

「ケンイチッ!?」

 

朱乃

「ケンイチ君ッ!?」

 

イッセー、木場、小猫

『ケンイチ先輩ッ!?』

 

アーシア

「ケンイチさん!?」

 

涼太郎、鋼賀

『あ゛あ゛!バカァッ!?』

 

ライザー

「あん?何だ貴様は?人間が何故こんな場所にいる?それも三人も居るとはなぁ?」

 

ライザーはケンイチ達を見て、睨んでビビらそうとしたのか?炎の羽を出すが、そんな物でケンイチが臆する訳がない!!

 

ケンイチ

「んなことたぁどーでもいい!!

テメェ!俺だけならまだしも、俺の友を、仲間を、後輩を焼き払うと言ったな!この沸点の低い不死鳥如きが、もう一度と焼き払うと言ってみろ!俺がテメェを“殺す”ぞ!!」

オマケにケンイチは既に臨戦態勢だった!

 

リアス

「ケンイチ!?ダメよ!いくら貴方でも、相手は不死身「それがどうしたリアス!」!?」

 

ケンイチを止めようとしたリアスだが、ケンイチは続ける!

 

ケンイチ

「たとえどんな事があっても、他人の未来を勝手に縛るような行いは、絶対にあってはならない!

それが親であろうと、親族であろうとな!!」

 

ケンイチは力強く言い放った!

 

ライザー

「貴様ぁ、何様のつもりだ!此処で消し炭にしてくれるわ!人間風情が!!」

 

ケンイチ

「上等だぁ!かかって来いよ!

この焼き鳥野郎が!!表へ出ろォッ!!」

 

ア゛ア゛ア゛ア゛!?今度はコッチがバトル勃発寸前へ!?

 

コレにはリアスはおろか、朱乃達眷属まで、オロオロしだした!

不死身と呼ばれしフェニックスの名を持つライザーに一歩も引く所か、逆に立ち向かっているである!

 

故にリアスは、ライザーがケンイチは恐らくこの世界で間違い無く最強の存在である『ウルトラマン』と言うことを知らない!

 

 

グレイフィア

「ライザー様、ご自重ください。

ケンイチ様も。

これ以上争いが続くなら、私も黙ってはおりません!」

 

グレイフィアが仲裁に入った。

これによりライザーは、手を引いた。

 

ライザー

「最強の女王である貴方を相手にするなんて、俺もバカではない。

わかりました。」

 

ケンイチ

「チッ!しゃーねーな!」

 

グレイフィアの介入によって、なんとか乱闘になるのを封じたのだ。

 

漸く散っていた火花が、グレイフィアの介入によって消え、ライザーとケンイチは下がった。

 

グレイフィア

「やはりリアスお嬢さまは、断固たる姿勢を取られておいでですね?

こうなることは、既に予想しておられました。

双方のお父上とサーゼクス様の提案として、

“レーティングゲーム”で決着をつけて下さい。」

 

リアス

「なんですって!?」

 

レーティングゲーム……それは成人を迎えた悪魔同士がお互いの眷属と共に闘うと言う、一種の娯楽に近い物だ。

 

しかし本来、それは成人を迎えた“悪魔”だけが出来る物。

 

まだリアスは成人を迎えていない為、本来は出来ないが、

 

リアス

「どういうつもりよグレイフィア!」

 

グレイフィア

「先ほど言った通り、こうなることを見越した上です。」

 

ライザー

「しかしよろしいんですか?成人していないリアスがレーティングゲームを行うのは?」

 

グレイフィア

「今回は、“非公式”の物であるため特別問題はありません。」

 

非公式だから問題は無いのだという。

 

涼太郎と鋼賀、そしてケンイチはなんとかリアス達の力になれないか、工夫をこらしていた。

因みにイッセーは、朱乃達にレーティングゲームの詳細と駒の意味を知り、あることに気付いた。

 

イッセー

「ちょ、ちょっと待って!駒の“数”って!」

 

そしてライザーはリアスにこう訪ねる。

 

ライザー

「リアス、念の為聞くけど、この人間三人を除けば、君の下僕は五人だけでいいのかな?」

 

リアス

「だったら何かしら?」

 

ライザー

「フッハッハッハッ!!笑わせてくれるよ!」

パチン!(指を鳴らす)

 

突如が指を鳴らすと、ライザーの魔法陣が出現する!

 

ライザー

「此方は駒が、フルに揃って居るだよ!」

 

其処に現れたのはライザーの下僕だが、明らかに“問題”が有った!

 

それは!

 

イッセー

「び、美女と美少女だけだと!?」

 

そう、その問題は、“美”が付く程の女性達と少女達だった!

 

イッセー

「こんなことが……あって良いのかよ!?(泣き崩れる)」

 

己が夢と言う名の野望を、このライザー・フェニックスが既に手にしている。

 

その事に、イッセーは、崩れ落ちた。

 

ライザー

「おいリアス、君の下僕君が泣き崩れているんだが?」

 

リアス

「…その子の目標、“ハーレム”なのよ。」

 

ライザー眷属の金髪少女

「キモいですわ…。」

 

ライザー

「ほお……ユーベルーナ!」

 

ユーベルーナ

「はい、ライザー様。」

 

イッセーが泣き崩れた理由を聞き、理解したライザーは己の眷属の女王、ユーベルーナを呼び寄せ、

そして!

 

ケンイチ達、リアス達

『ッ!?』

 

なんと仮にも婚約者の立場の者が己の眷属に、それも普通に“口づけ”をしやがった!

 

イッセー

「なッ!?」

 

ライザー

「君にこんな事が出来るかな?まあ出来ないよなぁ?ハッハッハッ!」

 

この時ケンイチは、否!

ケンイチだけじゃない!涼太郎と鋼賀、そして朱乃達も同じように考えていた!

“コイツ(この男)にリアス(部長)は不釣り合い過ぎる!”

そしてイッセーがキレた!

 

イッセー

「デメ゛ェッ!?

俺が一番やりたい事をやってんじゃねぇよ!!」

 

そう怒りを爆発させて……てどこにキレてやがるイッセー君!?

そもそもハーレムに成りたいなら、変態行動やいかがわしい発言を大声でするもんじゃない!

 

イッセー

「テメェと部長は不釣り合いなんだよ!!

だから部長はぜってー渡さねえ!

ブースデッド・ギア!!」

 

なんとイッセーは、

ブースデッド・ギアを起動させる!

 

ライザー

「下級悪魔風情が、そこの人間もそうだが、何様のつもりだ?立場をわかっているのか!」

 

イッセー

「立場なんぞ知ったことか!!俺は!!」

 

リアス

「イッセー!止めなさい!!『リアス・グレモリー様の兵士だって事だけだ!!』ッ!?」

 

イッセー

「部長はテメェなんかにはもったいなさすぎなんだよ!!何がフェニックスの眷属だ!

この場で全員ぶち倒してやる!」

 

イッセーがそう言うと、飛び出した!

 

これに対しライザーは、指示を出す。

 

ライザー

「ミラ、向かい撃て!」

 

ライザーの眷属陣から、棍棒を持った一人の小柄な少女が現れた!

 

イッセー

「こんな小さな子が相手かよ?やり辛いぜ。(ドゴッ!!)ガアッ!?」

 

とイッセーは油断していたため、棍棒で腹を突かれ、天井に叩き付けられ、落下した!

 

アーシア

「イッセーさん!?」

 

リアス

「イッセー!?」

 

イッセーの惨状にリアスとアーシアが駆け寄る。

 

ライザー

「ふん!赤龍帝の力を宿していながらこの程度だとわな?

俺の下僕で一番弱いミラを相手にできないとわ、笑わせてくれるよ!ハッハッハッ!!」

 

ライザーが完全に勝ち誇って高笑いして、ライザー眷属も釣られて笑っているのだ!

 

しかし皆さん、何か忘れていませんか?

そう!とても仲間思いで、後輩達を弟や妹のように可愛がる、彼(ウルトラマン)を!

 

リアス

「ライザー…!

許さない、私のかわいい下僕を!」

 

ドオォォォォンッ!!

 

全員

『ッ!?』

 

リアスがキレた瞬間、この場に轟音が響いた!

 

ミラ

「ガハァッ!?」

 

ケンイチ

「…………」

 

その正体は、壁に叩き付けられたミラと、拳を突き出したケンイチだった!!

 

(BGM:ウルトラマンギンガのテーマ)

 

ケンイチ

「確かに弱いな。

悪魔で有りながら、思いっきり油断しすぎている。」

 

ライザー

「ミラッ!?貴様ッ!!何をした!」

 

己の下僕を、不意打ちとはいえ人間によって叩き伏せられて、ライザーは遂にキレた!!

 

ケンイチ

「見て解らないか焼き鳥!俺は後輩を“かわいがって”もらったから、同じやり方で返したんだかな?」

 

ライザー

「貴様ぁ!もう許さん!!消し炭にしてくれる!死ねぇ!!」

 

ケンイチのその言葉に完全にキレたライザーが、ケンイチに向かって火炎弾を放った!!

 

リアス、朱乃

『ダメッ!避けてェッ!!』

 

リアスと朱乃が同時に叫んだ瞬間!

 

鋼賀

「ハアアアアアッ!!」

 

鋼賀が牙狼剣を引き抜いて割って入り、火炎弾を文字通り“叩き斬った”!

 

ライザー

「な!?ナンだと!?」

 

ライザーとその眷属には、信じがたい光景だった!!

 

人間が、悪魔の攻撃を防いだのだ!

 

涼太郎

「たくよぉ、本当貧乏くじになりやすい俺たちの身にもなってくれよケンイチ?」

 

鋼賀

「全くだ。

幾ら友とはいえ、フォローにも限界があんだから。」

 

ケンイチ

「すまねぇな、怒りが爆発しちまったから、止まれなくてな。」

 

涼太郎と鋼賀は、ケンイチの行動に注意するのだ。

 

涼太郎

「ああグレイフィアさん?」

 

グレイフィア

「は!?はい、何でしょう?」

 

かなりデカい騒動だったのにもかかわらず、グレイフィアは止めなかったいや、“止められなかった”のだ。

涼太郎に声をかけられ、こう聞かれたのだ。

 

涼太郎

「そのレーティングゲーム、俺達も参加出来ませんかね?」

 

全員(ケンイチ、鋼賀を除く)

『ッ!?』

 

このレーティングゲームに、ケンイチ達が参加出来ないか?であること。

 

グレイフィア

「公式戦のレーティングゲームは不可能ですが、今回のような非公式戦なら助っ人として参加可能です。」

 

涼太郎

「なるほど、なら面白い戦いが出来るな、ライザーさんよ?」

 

ライザー

「なんだと?どういう意味だ人間!」

 

涼太郎の言葉にライザーは理解出来ない。

 

鋼賀

「ライザー・フェニックス、お前は“不死身”の力、そして俺達の友、櫂ケンイチは“無敵”の力、この2つは、どっちが最強だと思う?」

 

リアス達

『ッ!』

 

ライザー

「何ッ!“無敵”だと!?この人間(ケンイチ)がか!?」

 

涼太郎

「ああ、それに言っとくがケンイチは只の人間じゃねぇぞ。

俺と鋼賀は人間だが、ケンイチはある意味では“異星人”、それも宇宙の平和を護り、命や仲間を愛し、罪無き者をこの身に代えてでも護り、どんな狂暴な怪獣や凶悪星人を相手に闘い抜いた“宇宙警備隊隊員”であり、その実力はその宇宙警備隊の本拠地、『M78星雲』において一時期は究極の戦士とも呼ばれ、地球では人間の大人達に“平和の守護神”、子供達に“地球を愛した無敵のヒーロー”という二つの称号を愛する地球人から与えられ、そしてその“守護神”と“無敵のヒーロー”に相応しい名前を与えられた英雄!」

 

鋼賀

「そして…その勇者の名は!」

 

ケンイチ

「“ウルトラマン”だぁぁ!!!!」

 

木場達

『ッ!』

 

朱乃

「宇宙…!?」

 

リアス

「警備隊…!?」

 

今リアス達はケンイチの力の正体を擬似的にだが、知ったのだ。

 

ライザー

「おい人間!それは本当なのか?」

 

ケンイチ

「ああ。

最も俺が力を手にしたのは、平行世界の“俺”が“ウルトラマン”だと知ったときだ。

そりゃあ勿論驚いたけど、それを知った途端俺は“その世界の俺”と重なった事により、ウルトラマンの力を手にしたのでな。」

 

ライザー

「ならば証拠を見せてみろ!!なってみせろ!!

お前がその最強の戦士“ウルトラマン”だと言うのなら!!」

 

ケンイチ

「上等だぁ!

刮目しろよ不死鳥!

そしてフェニックスの下僕に魔王の女王!

人間を愛した光の戦士を!!」

 

ケンイチがそう言うと制服の内ポケットからフラッシュプリズムを取り出し、勇者の名を叫ぶ!

 

ケンイチ

「ウルトラマン!パワァァァドォォォッ!!」

 

フラッシュプリズムのスイッチを押した!

そしてケンイチは、神々しく輝く光に包まれた!!

その光にライザーとライザー眷属は眩しさ目を背ける!

そしてグレイフィアも悟った!

この力は確かに不死身だけで無く、魔王、天使長、堕天使総督をさえも纏めて倒せる物だが、同時に温かさも感じた!

 

そして、光が晴れたそこにはケンイチではなく、“ウルトラマンパワード”が立っていた!

 

[BGM:光の戦士‐THE ULTIMATE HERO‐]

 

ライザー

「こ、コレがウルトラマン、だと!?」

 

グレイフィア

「凄まじい力と光、そして信念と正義!

なんて波動を!?」

 

ライザーとライザー眷属は勿論、グレイフィアも驚愕する。

 

ウルトラマンがこれほどの存在感を醸し出すとは。

 

そしてウルトラマンはケンイチに戻る。

 

ケンイチ

「これでわかったか!」

 

ライザー

「いいだろう!

お前とはレーティングゲームで決着を付けてやろう!そこの人間二人もだ!必ず来い!

グレイフィアさん、奴らのレーティングゲーム参加を承諾してください!

面白いと思いますからね!

不死身VS無敵、どちらが強いかハッキリしようじゃないか!!」

 

ケンイチ

「上等だぁ!お前の翼をへし折ってやる!」

 

グレイフィア

「わかりました。

しかし助っ人が入ると言えど、リアスお嬢さまは未経験、そのため修行期間を与えます。

よろしいですねライザー様?」

 

ライザー

「ええ良いでしょう!

少しは楽しませて貰いたいですからね!」

 

グレイフィア

「わかりました。」

 

ライザー

「しっかり下僕君を鍛えておきたまえ。

それじゃあ意味が無いからなぁ?

それじゃあまた逢おうぜ?

愛しのリアス。」

 

ケンイチ達がレーティングゲームの参加が決まった!

 

それにより、

ケンイチとライザーには因縁が出来上がった!

 

そしてライザーは、リアスに眷属達を鍛えて置くようにと言った後、己の眷属と共に帰って行った。

 

リアス

「ケンイチ…。」

 

ケンイチ

「リアス、俺は、いや俺たちは前に言ったぜ?

“俺たちはお前達の力になる”ってな。

約束は、守るから。」

 

リアス

「ありがとう…(少し嬉泣き)。」

 

ケンイチ達がお人好しだから、こんなにも関係無い筈の自分を助けようとしている。

この時リアスの胸が熱くなった。

 

グレイフィア

「ではお嬢さま、期間は10日間と言うことでよろしいですか?」

 

リアス

「ええグレイフィア!

ケンイチ達が…私たちの力になってくれるなら、

10日間で十分よ!!」

 

リアスの目には、もう迷いはなかった!

その目は正に、決意を新たにした者の目だった!!

 

グレイフィア

「わかりました。

では11日後の深夜に、此処へお集まりください。」

 

リアス

「わかったわ!みんな、問題ないわね!」

 

朱乃達

『はい!部長!!』

 

朱乃達も同じ決意の目をしていたのだ!

ケンイチ達が共に闘ってくれる、これほど心強い味方は、魔王以外に居ない!

 

恐れる物は、何もない!

 

グレイフィア

「では私は、サーゼクス様へ報告致しますので、失礼します。」

 

リアス

「ええ。」

「(小声)お兄さまに宜しく言って置いて、“お義姉さま”。」

 

グレイフィア

「(小声)ええ、あなたも、良い人を見つけたわね、リアス。」

 

リアス

「なッ!?」

 

グレイフィア

「では皆様、失礼いたします。」

 

グレイフィアが“義妹”をからかった後、サーゼクスの下に帰還しようとしたその時!

 

 

バタンッ!!

『ちょっと待ったーーーーー!!』

 

全員

『ッ!!』

 

突如扉が開き、

それぞれ制服が異なる3人の少女達が現れた!

 

リアス

「あなた達、どこの生徒!?」

 

朱乃

「一体此処へ何のようですの?」

 

リアスと朱乃が、少女達に質問する。

 

一方でケンイチ達は、“違和感”を感じていた。

 

この少女達、初めて会った気がしない!

そう!まるでずっと一緒に居た、懐かしい感覚。

 

黒髪の少女

「その“レーティングゲーム”、私たちにも参加させてください!」

 

全員

『ッ!?』

 

なんと少女は先の会話をすべて聞いていたのか!!

 

茶髪の少女

「あたし等の腕は、結構良いものよ!

そこの3人に引けを取らないほど!」

 

青髪の少女

「一応私たちは、いずれこの学校に転校しますし、人間を超える力を手にしていますし、戦闘経験も積んでいます!」

 

話が急すぎる!

兎に角、今わかるのは、彼女たちは自分たちが悪魔だという事を知っていると言うことだ!

 

リアス

「あなた達、何者!?」

 

リアスが警戒する。

そして,グレイフィアと朱乃達も同じように。

 

黒髪の少女

「私の名前は雪菜、“櫂雪菜”と言います!」

 

茶髪の少女

「あたしは“美琴 ”、“左美琴”よ!」

 

青髪の少女

「私の名前は“翼”、“道外翼”と言います!」

 

リアス

「ケンイチ達と、同じ性の名前!?」

 

ケンイチ達

『ッ!?』

 

リアスは勿論、グレイフィアと朱乃達も驚いたその時!

ケンイチ達の脳裏に、前世の記憶が蘇る!

 

(ケンイチ達の記憶の中)

 

黒髪の少女

「お兄ちゃぁーん!」

 

茶髪の少女

「兄さぁーん!」

 

青髪の少女

「お兄さまー!」

 

(現実に戻る)

 

そしてケンイチ達は、思い出した!

 

自分たちの前世には、たった一人の家族が居たことを!

 

ケンイチ

「ゆ、雪菜…なのか!?」

 

涼太郎

「マジで、美琴なのか!?」

 

鋼賀

「本当に、翼なのか!?」

 

木場達

『先輩?!』

 

朱乃

「ケンイチ君?」

 

リアス

「涼太郎?」

 

グレイフィア

「鋼賀様?」

 

3人の様子が変になり、心配したリアス達だが、次の瞬間!

 

ギュッ(少女達がケンイチ達に抱き付いた!)

 

リアス達

『ッ!?』

 

この光景に驚くが次の言葉にもっと驚いた!

 

「やっと見つけました!“お兄さま”!(半泣き)」

 

美琴

「探すの、苦労したのよ!何か奢ってよね!“兄さん”!(半泣き)」

 

雪菜

「ようやく、見付けました!“お兄ちゃん”!(半泣き)」

 

リアス

「兄!?てことは!?」

 

朱乃

「ケンイチ君達の、妹さん!?」

 

 

いま、ケンイチ達は予想だにしなかった“妹達”と再開した!

 

つづく!!

 




次回予告
(BGM:ウルトラマンバワード)

(ザルバナレーション)

フェニックス野郎とレーティングゲームで闘う事になったが、まさか急展開!

鋼賀達の妹!?
初耳だぜ!?

次回 再会

いいもんだなぁ、
兄妹の“絆”ってのは。


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第5話 再会

OPテーマ
「ウルトラマンパワード」

EDテーマ
「W―B―X」


※今回、多分つまらないと思います。
因みにオリ主達の妹設定は
ストライク・ザ・ブラッド、超電磁砲、シンフォギアです。

あと批判は止めて下さい。
もしもうイヤだという方は回れ右を。

後書き宜しくです。


前回、リアスの許婚の上級悪魔である、ライザー・フェニックスが現れたが、リアスは断固たる態度でライザーとの婚約を拒否。

 

それでもライザーは懲りず、リアスの眷属を焼き払ってでも連れて行くと言った途端、ケンイチが乱入し、乱闘に発展しそうになった。

しかしなんとか抑えてもらい、レーティングゲームで決着を着ける事となり、ライザーは帰って行った。

 

だが、その直後突如少女達が現れ、自分たちもレーティングゲームに参加させてほしいと言ったのだ!

だが問題は、それだけではなかった!

 

その少女達の名前は、『櫂雪菜』、『左美琴』、『道外翼』というケンイチ達と同じ苗字という事だった!

 

そしてケンイチ達は、脳裏に蘇る前世の記憶が一つの答えを導き出した。

 

それが……妹だった!

 

雪菜

「(すすり泣く)

会いたかった、会いたかったよ!

お兄ちゃん!」

 

美琴

「(すすり泣く)

なんで心配ばっかかけんのよ!

このバカ兄さん!」

 

「(すすり泣く)

いつもいつも、厄介事に巻き込まれて、心配するこっちの身にもなってください!お兄さま!」

 

その問題の妹達はケンイチ達の腕の中で、泣きながら純粋に心配していたことを訴えていた。

リアス達には困惑する以外何も出来なかった。

 

そして、ケンイチ達は完全に悟り、自分達の妹を抱き締めた!

 

鋼賀

「すまない翼、お前にはいつも苦労をかける。」

 

「でもお兄さま!

私はそれでも嬉しいです!お兄さまにもう一度、会うことが出来て!」

 

鋼賀の方は、なんとか収まったようだ。

 

涼太郎

「あ~、美琴?

ワリィなぁ、お前にまた面倒掛けさせちまったな。

ホントにワリィ。」

 

美琴

「いいわよ、会えただけでも嬉しかったから。

でも必ず何か奢ってよね!こっちにはそれぐらいの権利が有るんだから!」

 

涼太郎

「了解だぁ!

その時が来たら、注文しろよ。

但し、多少の遠慮はしてくれよ?

無駄遣いするわけにはいかねぇからな。」

 

美琴

「わかってるわよ、兄さん!」

 

涼太郎の方も落ち着いたようだ。

 

そして、ケンイチの方だが、意外と時間が掛かっていた。

 

雪菜

「ヒック、ヒック」

 

雪菜は完全に泣いていた。

 

雪菜に、ケンイチは優しく頭を撫でた。

 

ケンイチ

「ゴメンな雪菜。

辛かったよな、俺が突然居なくなって、寂しい思いをさせてしまったんだから。

本当にゴメンな、雪菜」

 

雪菜

「ヒック、お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

 

なかなか雪菜は泣き止まない。

 

ケンイチ

「今度は約束する。

二度と勝手に消えたりしないからな。」

 

雪菜

「ヒック、約束ですよ、ヒック、お兄ちゃん。」

 

ケンイチ

「ああ、約束だ!」

 

ようやくケンイチの方が収まった。

 

 

ようやく収まった所で、リアスは尋ねた。

 

リアス

「ケンイチ?涼太郎?鋼賀?その子達って、あなた達の妹なの?」

 

ケンイチ

「ああ、似てないってよく言われるけど、ちゃんと血が繋がった妹なんだよ。」

雪菜

「はい、そうなんです!」

 

涼太郎

「俺の方も同じだ。」

 

美琴

「たった一人の血が繋がった兄妹でして」

 

鋼賀

「DNAは、俺達が父親似で、」

 

「私たちが母親似なんです。」

 

この言葉に、リアス達はやっぱり驚く。

 

その隙に、ケンイチは雪菜達にテレパシーを送る。

 

ケンイチ

「(雪菜、美琴、翼、俺達の会話に合わせてくれるか?

俺達が“転生者”だという事は、なるべく伏せておきたいから。)」

 

雪菜

「(はい、お兄ちゃん!)」

 

美琴

「(まっかせて、先輩!)」

「(わかりました、ケンイチさん。)」

 

ケンイチの頼みを直ぐに聞き入れた雪菜達に、ライザーの眷属のミラに敗れたイッセーが漸く目を醒ました。

 

イッセー

「ウゥ、あれ?俺は?」

 

ケンイチ達、リアス達

『イッセー(君)(さん)(先輩)!!!』

 

イッセー

「先輩?部長?アーシア?皆?…ハッ!?

そうだ!あの焼き鳥は!?」

 

グレイフィア

「ライザー様は、既にお帰りなりました、兵藤一誠様。」

 

イッセー

「そうですか…。」

 

 

イッセーがライザーの事を聞いたが、既に冥界に帰った事に一安心した。

 

とここで、イッセーは、

 

イッセー

「あれ!?誰ですか!?このカワイ子ちゃん達!!」

 

雪菜達に気付いた!

 

小猫

「イッセー先輩、顔がイヤらしいです…!」

 

イッセー

「ガァーン!?」

 

意外とイヤらしい顔になっていたか?

小猫にツッコミを入れられて凹むイッセーだった。

 

雪菜

「初めまして、櫂雪菜と言います。」

 

美琴

「左美琴よ。よろしく!」

 

「道外翼です。初めまして。」

 

イッセー

「え?“櫂”?“左”?“道外”?なんで先輩達と同じ苗字?ハッ!?まさか先輩達、この子達に既成事実を!?」

 

ケンイチ達

『んなわけあるかぁ!バカちんがぁぁぁッ!!』

 

デシッ!×2

バキッ!!

 

イッセー

「ギャアアア!?」

 

イッセーは雪菜達の苗字を知り、ケンイチ達が既成事実を作ったと誤解してしまい、ケンイチ達の強烈なツッコミを受けた!

 

イッセー

「痛ぇ…。何もフルボッコは無いですよ先輩…(泣)」

 

ケンイチ

「なんで同じ苗字で答えが既成事実になるんだよ!妹だよ。それも自慢のな。」

 

イッセー

「え、えええええ!?

全然似てないです!?」

 

涼太郎

「ま、当然反応だ。」

 

鋼賀

「心配するな、ちゃんと血は繋がってる。」

 

イッセーは、雪菜達がケンイチ達の妹だという事を知り、当然驚いた反応を取った。

 

グレイフィア

「オホン。

それで雪菜様、美琴様、翼様、レーティングゲームに参加させてほしいとは、どういった事でしょうか?

それと、あなた方が持つ『力』とは?」

 

グレイフィアは本題に入り、雪菜達がレーティングゲームに参加したいという理由を聞いた。

 

雪菜

「簡単な理由ですが、それはお兄ちゃん達の力になりたいのです。」

 

グレイフィア

「それは具体的に言って頂いてよろしいですか?」

 

美琴

「だって兄さん達の友だちが、幸せになれる訳じゃない結婚を迫られて、兄さん達がその人の為に体を張って守ろうとしてるんだから、妹の私たちも一緒に守りたいのよ。」

 

リアス達

『えっ!」

 

「お兄さま達は、いつも色々な人達の為に体を張っていますし、その所為で私たちにも『お人好し』の性格が移ってしまいました。

だから、私たちは、お兄さま達が守りたいモノを、一緒に守りたいのです。」

 

雪菜達の理由は、正に

ケンイチ達の性格が移ったお人好し故のモノだった。

 

グレイフィア

「成る程、理解できました。

では、あなた方の力とは?」

 

雪菜達の理由を知り、考えこんだグレイフィアは、雪菜達の持つ力を知ってから決めようと考えた

 

「では私から。

私の持つ力は、コレです。」

 

翼がそう言いながら、背負っていた剣道の竹刀のケースから、青と白で彩られた刀が取り出された。

この時、ケンイチがテレパシーを送る。

 

ケンイチ

『雪菜、美琴、翼、お前達の、“力を手に入れた”は、“平行世界の自分と重なった”ということにして説明するんだ。そうすれば、俺達もフォローをするから。』

 

雪菜達

『はい、お兄ちゃん(先輩)(ケンイチさん)!』

 

ケンイチのテレパシーを受け取り、翼は己の力を説明する。

 

「コレが私の愛刀、聖遺物《シンフォギアシステム1号のアームド・ギア、“天羽々斬”》です。」

 

リアス達

『シンフォギアシステム?アームド・ギア?』

 

リアス達は、翼の持つ刀がシンフォギアシステムのアームド・ギアと呼ばれる物だという事を初めて知った。

 

「はい。

このシンフォギアシステムと言うのは、遥か昔人間の手によって作られ、適合性の高い人間にこのシステムを装着させて、人間を襲う怪物と戦うように作られた物です。

そしてこのシンフォギアシステムを起動させ装着した後、“奏者”に強力な戦闘力を発揮させます。

更にのその奏者は、戦闘中に歌うことになり、歌の種類によって奏者を含めて半径50メートル以内に居る仲間と認識している者達には『能力上昇』や『治癒能力』、『疲労回復』等の恩恵を受ける事が出来ます。」

 

朱乃

「なんという能力を!?」

 

木場

「それを人間が作っただなんて!?」

 

翼の説明に驚きを隠せない!

更にケンイチ達が補足する。

 

涼太郎

「それと知ってるか?翼が持ってるこの天羽々斬だが、とんでもない伝説的にも有名な物だということを?」

 

イッセー

「す、凄い有名なんですか!?」

 

ケンイチ

「ああ。なんせなあ鋼賀?」

 

鋼賀

「あの“遠呂智(ヤマタノオロチ)”を斬った剣その物でもあるんだからな。」

 

リアス

「や、ヤマタノオロチって、あの首が8つある伝説の蛇じゃない!?」

 

流石にコレは驚かざるをえない!

翼の持つ天羽々斬が、あの伝説の蛇、“ヤマタノオロチ”を斬った伝説の剣その物だと言われれば。

 

「とは言っても、私もこの力が元からあったわけではありませんから。」

 

グレイフィア

「と言いますと?」

 

「なにせ私が天羽々斬を手にしたのは、平行世界の自分が天羽々斬を振るう“防人”だと知った途端にこの力が私に宿ったのです。」

 

小猫

「先輩達と同じ…!?」

 

イッセー

「まさか先輩達の妹さん達は、先輩達と同じ境遇なんですか!?」

 

ケンイチ

「ああ、雪菜も美琴も翼も、俺達と同じで類い希の存在なんだ。」

 

涼太郎

「ただ、俺達や翼と違って美琴と雪菜は、特殊な力で変身するタイプじゃないんだ。そうだよな?」

 

美琴

「うん、私の場合は凄い電撃の使い手で、その世界の私は、超能力使いの中でも現在の段階で最上位の能力者で、たった七人しか居ない最上級能力者“LEVEL5”の第三位で、『電撃姫(エレクトロマスター)』と『超電磁方(レールガン)』の2つの称号を持っているの。」

 

アーシア

「超能力者…ですか!?」

 

翼が己の能力の説明を終えて、次に美琴が己の能力を説明するのだった。

 

美琴

「うん、電気を簡単に操れるし、腕に電気のエネルギーを溜めてコインとか鉄の塊に力を打ちつけることで、それがレールガンになるの。」

 

朱乃

「それは少し興味深いですわ。

同じ雷の使い手として、私も学んでみましょうかしら?」

 

リアス

「朱乃、それはちょっと冗談が過ぎるわよ!?」

 

美琴が己の超能力の力を説明をして、アーシアは驚き、朱乃はちょっとした冗談を漏らして、その朱乃にある意味マジのツッコミをリアスは入れた。

 

美琴

「後電撃の力で、地面にある砂の中から砂鉄だけを集めて、自分なりにチェーンソーを作る事も出来るし、そのチェーンソーを鞭のように扱う事も出来るのよ。」

 

イッセー

「ちぇちぇちぇ、『チェーンソー』!?」

 

リアス

「そんな事まで出来るの!?」

 

美琴

「はい、出来ますよ。」

 

流石に砂鉄によるチェーンソーを作り出すのはワイルド過ぎる。

そのためイッセー達は、驚愕するしか無いのだ。

 

美琴

「後は電気を利用して磁石のように壁にくっついて足場にする事も出来るのよ。」

 

木場

「そんな事まで出来るのか!?」

 

小猫

「最早何でも有りです…。」

 

美琴の能力にリアス達はもう開いた口が塞がらないと言ったようなものだった。

 

朱乃

「それでは、最後にケンイチ君の妹さんの雪菜ちゃんなんですけども…。」

 

雪菜

「はい、“お義姉ちゃん”!」

 

涼太郎、鋼賀

『ん!?』

 

美琴、翼

『へッ!?』

 

リアス達(朱乃を除く)

『えッ!?』

 

朱乃

「あ、あら?」

 

ケンイチ

「だあぁぁッ!?」

 

美琴の説明が終わって最後に雪菜の能力の説明に移ったのだが、雪菜が返事をした後、なんと朱乃のことを“お義姉ちゃん”と呼んだではないか!?

 

コレには流石に誰もが反応しただけでなく、朱乃は明らかに戸惑い、ケンイチはずっこけた!

 

リアス

「あ、あの雪菜と言ったわよね?」

 

雪菜

「そうですが、先輩。」

 

リアス

「なんで朱乃を、“お義姉ちゃん”て呼んだのかしら?」

 

リアスが代表して、雪菜に聞いたのだ。

 

雪菜

「それはお兄ちゃんの“コレ”だと思ったからです。(小指を立てる)」

 

リアス、朱乃

『なッ!?』

 

イッセー達

『え!?』

 

ケンイチ

「オイィィィッ!?

雪菜!俺の未来を縛るような言い方はしないでくれ!!」

 

雪菜

「お兄ちゃん、違うの?」

 

ケンイチ

「違う!断じて違う!仮にそうだったら、既に紹介してるって!」

 

朱乃

「ムスッ!(若干不機嫌)」

 

美琴

「ねえ翼、あの人絶対先輩に気があるわよね?」

 

「恋愛はよくわからないけど、ケンイチさんに視線を浴びせてるのを見ると、そうかもしれないわね。」

 

雪菜の思わぬ天然の爆弾発言に、朱乃は焦ったがケンイチが否定したため、若干不機嫌になる。

その様子を見ていた美琴と翼は確信した。

 

あれは、ケンイチに“脈あり”だと。

 

リアス

「と、とにかくあなたの力を教えてくれるかしら?」

 

話が脱線事故を起こしたため、リアスがなんとか話を戻す!

 

雪菜

「それじゃあいきます。」

 

そう言って雪菜が背負っていた“ギターケース”から、

特殊な折り畳み式の“槍”が取り出され、展開する。

 

リアス

「この槍は?」

 

雪菜

「はい、“神格振動波駆動術式”という、

全ての魔力を無力化する魔力無効化術式が組み込まれた、七式突撃降魔機槍『シュネーヴァルツァー』と呼ばれる物で、通称『雪霞狼』という物です。

そして私は、その世界で“剣巫(けんなぎ)”と呼ばれる“攻魔師”と言う戦士なんです。」

 

朱乃

「ま、魔力無効化!?」

 

リアス

「そんな反則な術式が存在していたの!?」

 

イッセー

「やっぱケンイチ先輩の妹なだけあって、反則だぁ…」

 

雪菜の持つ武器が、あらゆる魔力を無力化する事が出来る術式が組み込まれた槍と聞いて、リアス達は今までで一番驚いた!

美琴と翼の能力は勿論驚いていたが、雪菜の物は明らかに兄であるケンイチと同等の反則能力であった。

 

雪菜

「あと美琴さんに及びませんけど、電撃を利用した攻撃も可能です。」

 

小猫

「本当になんでもありすぎです…。」

 

更には電撃による攻撃も可能と言った雪菜に、絶句であった。

 

するとリアスは、

雪菜の説明を聞いて、“ある部分”が気になったため、聞いてみた。

 

リアス

「そう言えばさっき、あなたは自分を“剣巫”や“攻魔師”と言っていたけど、その二つの肩書きはどういう意味かしら?」

 

雪菜の説明の中に、

“剣巫”と“攻魔師”という単語があったのを思い出し、

リアスは雪菜に聞いたのだ。

 

雪菜

「では先ず、攻魔師の説明からいきます。

攻魔師は、呪術、魔術、仙術などを用いて魔導犯罪者の捕縛、及び魔獣の殺傷を行うという“職業”です。」

 

リアス

「職業って…。」

 

朱乃

「意外とシュールなのですね。」

 

雪菜

「まあ、大層なネーミングで実際に職業と言われたら、

シュールなのも仕方ないですね。」

 

朱乃

「それでは、剣巫と言うのは?」

 

雪菜

「剣巫と言うのは、“剣を持つ巫女”の略でして、攻魔師の肩書きの一つでもあり、優れた戦闘能力と、先ほど説明した呪術、魔術、仙術を駆使して戦う者を、剣巫と言います。」

 

雪菜のこれらの説明受け、やはり彼女はケンイチの妹と言うのは、納得のいくものだった。

 

ケンイチは、ウルトラマンの受け継ぎ、その力は正に最強と呼んでもおかしくないほどの身体能力や有り得ない超能力に、神を超えるほどの光の力を持つ者。

 

そんな妹である雪菜も、兄であるケンイチに負けない力を受け継いだのだ。

(最も、実際は転生による特典なのだが、混乱を招かせないために、

無さそうで有り得そうな事象である

“平行世界の自分と重なる”というふうに捏造をしたのだ。)

 

グレイフィア

「なるほど、お三方の力は把握出来ました。

しかし私の一存では決めかねますので、ライザー様とリアス様のお父様に、魔王サーゼクス様に申請させていただきますので、少々お待ちください。」

 

雪菜達

『はい。』

 

グレイフィアは雪菜達の力を知り、サーゼクス及びリアスの父と、ライザーの父にこの事を話して、決める事にしたのだ。

 

そして五分後、

 

グレイフィア

「サーゼクス様とリアス様のお父様からは、“構わない”とのこと。

またライザー様のお父様は“人間が加わるのは、それはそれで面白い事になる。御自由にやってくれ”にとのこと。

そしてライザー様にも話が行ったところ、“俺の目当ては、あの“ウルトラマン”を名乗る人間を葬る事です。奴の妹が参加しようが問題有りません!”

という風に仰られたので、後はリアスお嬢さまと、ケンイチ様達の許可だけです。」

 

意外や意外、魔王と双方のお父上に、あのライザーまで雪菜達の参加を認めたのだ。

 

まあフェニックス家の方は、ライザーが完全にケンイチ達だけでなく、雪菜達ナメきっているのだからかもしれない。

 

ケンイチ

「リアス、お前の意見を聞かせてくれ。

お前の言葉に、俺達は決める。」

 

ケンイチの言葉に、

リアスは雪菜達を改めて見て聞いたのだ。

 

リアス

「本当にいいの?

死ぬかも知れないのよ?」

 

リアスの言葉に、雪菜達は覚悟と意志をきかせた。

 

雪菜

「私たちは、お兄ちゃん達の護りたい物を護りたいのです!」

 

美琴

「だから、覚悟なんて何時でも有りますよ!」

 

「お兄さまと一緒に護れるなら、防人として本望です!」

 

雪菜達の言葉にリアスだけでなく、朱乃達も心をうたれた。

“やはり、ケンイチと涼太郎、鋼賀の妹である”

 

と言うことが。

 

リアス

「……わかったわ、許可するわ。

あなた達を協力者、及び傭兵としてケンイチ達と一緒の位置で良いかしら?」

 

雪菜達

『はい!』

 

リアス

「という訳よケンイチ、涼太郎、鋼賀。

コレが私の答え。あなた達は?」

 

リアスの答え“受け入れ”だった。

ではケンイチ達は?

 

鋼賀

「翼が決めた事だ。

俺がとやかく言うのは間違っているからな。」

 

涼太郎

「俺も同じだ。」

 

ケンイチ

「雪菜が選んだ道は、雪菜が進むモノだ。

俺が否定するのは、お門違いって奴だ。

だが……無茶すんなよ。(雪菜の頭を撫でる)」

 

雪菜

「はい!お兄ちゃん!」

 

美琴

「さっすが兄さん!」

 

「ありがとうございます、お兄さま。」

 

ケンイチ達は雪菜達の覚悟を尊重したため、決まったのだ。

 

雪菜、美琴、翼は、対ライザー戦のレーティングゲームに参加する事になった。

 

ケンイチ

「と言うわけだグレイフィアさん、雪菜達の参加を俺達とリアスは工程するぜ。」

 

グレイフィア

「わかりました。

では雪菜様達も11日後の深夜、この場所に来てください。」

 

雪菜達

『はい!』

 

グレイフィア

「それでは失礼します、皆様。」

 

雪菜達の参加が決まり、グレイフィアはその事を魔王サーゼクスに報告するため、部室を後にした。

 

ケンイチ

「じゃあ雪菜、美琴、翼、俺達が出会った仲間を紹介するぜ。

みんなが悪魔なのは知っているから、説明は省くって事で良いよな?」

 

雪菜

「はい!お兄ちゃん!」

 

美琴

「りょ~か~い。」

 

「わかりました。」

 

ケンイチ

「先ずは、この部活動の部長且つ、

グレモリー眷属の主で、王(キング)のリアス・グレモリーだ。」

 

リアス

「よろしくね。」

 

ケンイチが代表して、雪菜達にリアス達の紹介を行う。

 

ケンイチ

「で、次は副部長でリアスの親友でもあり、女王(クイーン)の姫島朱乃。」

 

朱乃

「よろしくおねがいしますわね。」

 

ケンイチ

「んで次に、グレモリー眷属のエースで、騎士(ナイト)の木場祐斗だ。」

 

木場

「よろしく。」

 

ケンイチ

「それで“コイツ”なんだが、学園一の変態でグレモリー眷属の唯一の兵士(ポーン)の、兵藤一誠だ。」

 

イッセー

「先輩扱い酷すぎっす!?(泣)」

 

ケンイチ

「ほんで、ちょっとした理由で、シスターから悪魔になったグレモリー眷属の僧侶(ビショップ)の、アーシア・アルジェントだ。」

 

アーシア

「はい。よろしくおねがいします。」

 

ケンイチ

「そして最後は、

この学園のマスコットで、グレモリー眷属の末っ子とも言える戦車(ルーク)の、塔城小猫だ。」

 

小猫

「小猫です…。」

 

雪菜達

『はい!宜しくお願いします!!』

 

ケンイチの紹介で、リアス達と雪菜達は挨拶をしあった。

 

とここで?

 

雪菜

「ところでお兄ちゃん。」

 

ケンイチ

「どうした雪菜?」

 

雪菜がケンイチに問いかけた。

 

雪菜

「この小猫ちゃんて子、撫でて良いですか!!(目がキラキラ)」

 

ケンイチ

「は?」

 

小猫

「え…?」

 

全員

『へ?』

 

なんと雪菜が小猫を撫でたいと言い出した!

 

ケンイチ

「え~と雪菜?

お前、何を…「ちょっと!ズルいわよ雪菜!!抜け駆けするなんて!!」アバァーッ!?(吹っ飛ぶ)」

 

ケンイチが雪菜に聞こうとしたら、

なんと美琴も同じような事を考えていたのか、雪菜に抗議した!オマケにケンイチ君を吹っ飛ばした!

 

雪菜

「美琴さん!?

別に私は抜け駆けなんて!て言うか、何で美琴さんがそんな事を!」

 

涼太郎

「オイオイオイオイ!?美琴!?お前もかい!」

 

美琴

「良いじゃない兄さん!こんな“愛くるしさ”オーラ丸出しの子はどうしても撫でたくなっちゃうのよ!」

 

涼太郎

「オイオイ…(頭を抱える)」

 

美琴と雪菜………このふたりは勿論、翼もだが、兄達の繋がりで知り合い、とても仲が良い幼なじみ同士の友だちなんだが、可愛いモノに関しては……目が無い。

 

そして、この子(翼)も……

 

鋼賀

「全く、相変わらずだなぁ。

翼、お前ももう卒業し…「ちょっと雪菜!美琴!そういうのは私が先よ!」…お前もか(左手で顔を押さえる)」

 

やっぱり翼同じ考えだった。

 

雪菜

「翼さん!なんで後から入ってきて割り込みをするんですか!?」

 

「割り込みではなく、呼び名が“早い順”という事を考えればよ。だから必然的に私が先なるのよ!」

 

美琴

「ちょっと翼!それはおかしいわよ!?」

 

と言い合っている。

 

(しかしまあ、なんとも可愛いモノを見ると、こうも人は変わるのか?というかモノではなく“人”なのだが、そもそも人ではなく“悪魔”なんだがどう言い表せば良いのか?)

 

ケンイチ

「痛ぇ…あ~イテテテ」

 

リアス

「ちょっと大丈夫ケンイチ?」

 

ケンイチ

「ああサンキュ、ふぃ~。あー小猫?」

 

小猫

「はい…」

 

ケンイチ

「あー、雪菜達に撫でさせてやれないかな?」

 

美琴に吹っ飛ばされたケンイチが復活して、小猫に撫でさせてもらえないか頼んだ。

 

小猫

「……少しなら良いです。」

 

ケンイチ

「そうかサンキューな。

雪菜!美琴!翼!

小猫から許可がでたぞ。」

 

とケンイチが言った途端!

 

ビュン!!

小猫

「にゃぁッ!?」

 

全員

『ッ!?』

 

雪菜

「可愛いです~(ナデナデ)」

 

美琴

「う~ん!“小猫”って名前なだけあって、猫の如く可愛い~(スリスリ)」

 

「体が小さい分更に愛くるしさが倍増です!(ナデナデ)」

 

小猫

「にゃぁ~!?」

 

アララララララ!?

雪菜達がケンイチの言葉に瞬時反応し、小猫に飛び付いて撫でたり頬ずりをしたりと、我慢していた物を爆発させた。

 

暫くの間小猫は雪菜達にもみくちゃされていた。

 

その後、ケンイチ達にとリアス達に抑えられて小猫はやっと解放されたのだ。

 

その後はリアスの指示で本日の部活動は終わり、全員が帰宅するが、勿論雪菜達はケンイチ達の住む家に一緒に向かったのだ。

 

そして到着後、ケンイチ達は改めて、何故雪菜達が此処に…“この二次元世界”に居るのかという事である。

 

ケンイチ

「じゃあ本題に入るか。

雪菜、美琴、翼、どうしてこの“世界”に?」

 

ケンイチが雪菜達に代表して聞いたのだ。

 

その時、雪菜達は………泣いていた。

 

コレにはケンイチ達は戸惑う。

 

と雪菜達は訴えた。

 

雪菜

「グスッ、解らないのお兄ちゃん!」

 

美琴

「だって私たち!兄さん達が死んだって聞いて!

“自殺”したんだよ!!」

 

ケンイチ達

『ッ!?』

 

「たった一人の家族が死んだと聞かされたら!心が堪えられるわけ無いじゃないですか!!」

 

雪菜達の訴えに、

ケンイチ達は黙り込む。

 

雪菜達がこの世界に居る理由は、正しくに“神の悪戯”が引き起こした、ケンイチ達を死なせた事が原因だったのだ!

 

たった一人の家族である兄の死を聞かされ、妹は精神が崩壊し……自殺を図ってしまったのだ。

 

ケンイチ

「それは本当にすまない!でもどうやって転生と特典を?」

 

雪菜

「私たちの魂を拾い上げてくれた存在がいるの。」

 

だがその時、自分達の魂を拾い上げた者が居たという。

 

ケンイチ

「誰なんだ?」

 

ケンイチはまさか、あの“ロリ神が!”かと思ったが雪菜の口から思いがけない名が出た!

 

雪菜

「確か、“ウルトラマン”だった筈なんだけですけど。」

 

涼太郎

「なに!?」

 

鋼賀

「ウルトラマン、だと!?」

 

その言葉に鋼賀と涼太郎は驚愕した!

その瞬間にケンイチは驚く間もなく、答えが導かされた!

 

ケンイチ

「まさか!?

“ウルトラマンノア”が!?」

 

涼太郎

「確かに、ウルトラマンノアなら有り得る!」

 

鋼賀

「ウルトラマンの中でも神の領域に立つ存在のウルトラマンノアならば!」

 

ケンイチ

「雪菜達はウルトラマンノアに転生させられたと言うことか。」

 

雪菜

「はい。

その時にお兄ちゃん達が違う世界で生きているって聞いたとき、私たちもその世界に行かせてくださいって言ったら、快く了承してくださいました。」

 

ケンイチ

「そうか。(何時かウルトラマンノアにお礼を言いたいな。)」

 

涼太郎

「それで、あの時はなんとか会話を合わせたが、“特典の力”はどういう風に貰ったんだ?」

 

涼太郎の問いに、美琴が答えた。

 

美琴

「あーそれね!

名前が同じだからって理由でね、ウルトラマンノアがくれたの!」

 

鋼賀

「そんな理由で!?有りかよ…。」

 

「まあ、“神はなんでも有り”というものです、お兄さま。」

 

という理由なのだ。

“神よ、それは有りか!?”

 

そして転生界では?

ロリ神こと“転神子”はというと?

 

転神子

「キャァァァァ!?

ごめんさァァァァい!?」

 

ウルトラマンノア

「このバカちんがァァァァ!!」

 

ゼウス

「自業自得だ転神子よ、罰を受け入れなさい!!」

 

ウルトラマンノアの“ライトニング・ノア”に追いかけられながら逃げ回っていたのだ!

 

勿論理由は、ケンイチ達を勝手に死なせたことで、雪菜達に辛い思いをさせた事による“天罰”だった。(笑)

 

 

そしてケンイチ達の方に戻る。

 

雪菜

「と言うわけでお兄ちゃん、何か言うことが有りますよね?」

 

美琴

「兄さんも、有るわよね?」

 

「勿論お兄さまも有りますよね?」

 

ケンイチ達はというと、情報交換が終わった後、妹たちによって正座させられていたのだ!

 

ケンイチ

「本当にスマン!(土下座)」

 

涼太郎

「すんません!!(土下座)」

 

鋼賀

「返す言葉も有りません!(土下座)」

 

妹たちの“黒いオーラ”に、兄達は完全謝罪モードだった!

 

意外と理不尽な怒りだが、心配していたのは本当なんだから、返す言葉が無いのだ。

 

すると雪菜達は黒いオーラを消して、ケンイチ達にこんな甘え形をしたのだ。

 

雪菜

「じゃあお兄ちゃん、一緒に“お風呂”に入ってくれますか?」

 

ケンイチ

「な゛、ナニ!?」

 

美琴

「それ良いアイデア!良いよね兄さん!」

 

涼太郎

「いやまてまてまてまて!?何でそんな事になる!?」

 

「私も…その、お兄さまの背中を流したいです。」

 

鋼賀

「つ、翼!?お前まで、何故!?」

 

なんと!一緒にお風呂に入ろうと言ってきたではないか!?

 

ケンイチ

「いやあのなぁ、一応高校生であってだな!」

 

雪菜

「ダメ…ですか?

(目がウルウル、涙目)」

 

ケンイチ

「グハァ!?」

 

ケンイチは雪菜を説得しようとしたが、“涙目攻撃”という毒にやられた!

 

美琴

「良いでしょ?兄さん?(涙目)」

 

涼太郎

「ウグッ!?」

 

「それともお兄さまは、私を疎ましく思っているのですか?(ウルウル攻撃)」

 

鋼賀

「うッ!?」

 

流石の涼太郎と鋼賀も自分達の妹に、そんな目で見られたら、負ける確率、100%である。

 

という訳で、結局今日の風呂は兄妹一組による交代制なったのだ。

 

その後、晩御飯を取ろうとしたら、リアスから連絡が入り、

「明日雪菜達を連れてこの場所に来るように。合宿を行うから、学校は明日から10日間、公欠扱いにしておいたわよ」

とのこと。

 

とりあえずは、レーティングゲームの事も有るため、納得したのだ!

 

余談だが、就寝の時間の時に、ケンイチのベッドに雪菜が潜り込んだ為、次の日の朝ケンイチが起きたら、隣に雪菜が居たため、盛大に転げ落ちたのだった!

 

つづく!!

 




次回予告
(BGM:牙狼~savior in the dark~サビ)

ザルバナレーション

兄妹、良いもんだったなぁ。
おっと明日から特訓か?
こりゃあ鋼賀達が先生になるしかねぇな。
と言うか作者!
俺の出番も寄越せ!

次回 修行

ん?涼太郎!
ベルトのスロット、片側が無いぞ!?


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第6話 修行

OP
「ストライク・ザ・ブラッド」

ED
「絶刀・天羽々斬」

古代怪獣ツインテール

古代怪獣ゴモラ

登場!!

※一言で言うと、ムチャクチャ無理やり感が有る上に、カオスです。


イッセー

「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ、」

 

今オカ研は、リアスの人間界に有る別荘に向かって、ハイキングのような感じで山道を歩いてきたが、リアス、朱乃、そしてアーシアの荷物を持たされ、更には坂道ばかりを歩いてきたので、体力が最早限界であった。

 

イッセー

「なんでこんなに持ってるんだろオレ…。」

 

とそこに、

 

リアス

「イッセー、気張りなさい!」

 

朱乃

「美味しいお水が待ってますわよ~。」

 

アーシア

「イッセーさん!頑張ってください!!」

 

リアス達がイッセーを応援してくれたのだ。

 

コレでやる気が出たイッセーだが、

 

木場

「イッセー君、お先に。」

 

イッセー

「ええ!?」

 

同じくらいの量を持っている木場が、涼しい顔で横を通過しており、更には沢山の山菜をつんでいたのだ。

 

 

小猫

「失礼します…。」

 

更に、明らかに自分より大きい荷物を持っている小猫が余裕の表情で、横を通過した。

しかもその右手には!?

 

イッセー

「ちょ!?小猫ちゃん!?何で猪引きずってるの!?」

目が×印になっている猪だった。

 

小猫

「…美味しそ…いえ、襲って来ましたので、捕獲しただけです。」

 

イッセー

「いや明らかに“美味しそう”と言い掛けたよね!?」

 

小猫

「気のせいです…」

 

などと言われ、イッセーはまた自信が無くなりかけたが、その自信を“粉砕”する事態が訪れた!

 

ケンイチ

「お!ワリィ皆!!遅れた!」

 

とケンイチ達がやってきた!

 

リアス

「ケンイチ!皆!遅かったじゃ…!?」

 

朱乃

「うふふ、どうしましたリア…ス!?」

 

アーシア

「はわわわわッ!?ケンイチさん何ですかその生物は!?」

 

木場

「こ、コレは!?」

 

小猫

「ちょっと怖い顔です…。」

 

ケンイチの右手には、木場と小猫が持っていた物より、遥かに“凶悪”だった!

 

涼太郎

「だから止せと言ったのに!?」

 

鋼賀

「いくら偶然見つけたと言えど、コレはアカンぜ。」

 

美琴、翼

『ハァ~。』

 

雪菜

「お兄ちゃん、いくら何でも“怪獣”を食料にするなんて、ダメですよ!」

 

ケンイチ

「良いじゃねぇか!“ツインテール”を生で見たんだ!

一度食ってみたかったんだよ!」

 

そう!ケンイチが持っていたものは、“古代怪獣ツインテール”だった!

 

リアス

「か、怪獣って!?」

 

朱乃

「だ、大丈夫ですの!?食料だなんて!?」

 

リアスと朱乃はもの凄い心配になるが、

 

ケンイチ

「ああ心配するな、このツインテールって言う怪獣は、数少ない食用の怪獣なんだ!

因みに味は意外と海老に近い味なんだ!」

 

とのこと。

 

リアス

「大丈夫かしら?」

 

朱乃

「流石に不気味ですわ。」

 

小猫

「食べたいです…!(涎が垂れる)」

 

全員(ケンイチ、イッセーを除く)

『えッ!?』

 

ケンイチ

「お!小猫、食いたいか?」

 

小猫

「はい…!」

 

ケンイチ

「OK!!じゃあ今晩はツインテールのステーキだな!!」

 

なんと小猫!

ケンイチが言った“ツインテールの味は海老に近い”という言葉に、“猫本能”が反応し、ツインテールが食べたくなってしまったのだ。

 

イッセー

「ぶちょ~!まいりました~!」

 

漸く上がって来たイッセーだがケンイチが怪獣を引きずって遅れてやってきたのを知り、完全に尻餅が着いた。

 

遡ること30分、

 

ケンイチ達がリアスの指定した別荘に向かっている途中に、ケンイチが結構大きめな卵を見つけた。

 

ダチョウの卵かと思ったが、明らかに大きかった!

 

そして卵が割れ、中からツインテールが現れた!

 

ケンイチ達

『えー!?ツインテール!?』

 

流石にコレは驚いた!

 

するとケンイチが!?

 

ケンイチ

「よし!コイツを食料にしよう!」

 

涼太郎

「まてまてケンイチ!?ツインテールを食料って危ないだろ!」

 

鋼賀

「コイツを町に降ろさないようにここで仕留めるべきだ!」

 

雪菜

「そうですよお兄ちゃん!!」

 

美琴

「いくら何でも、こんな気持ち悪い怪獣を食べるなんて!」

 

「流石に気が引けます。」

 

涼太郎達と雪菜達の反応は当然だろう。

 

しかし皆さんご存知ですか?

ツインテールは実は本当に食料になると!

 

ただ食する場合は、必ず火をしっかり通さないと“食中毒”を起こすのである。

 

(SFのコンパチシリーズ、ヒーロー戦記プロジェクトオリュンポスを参照。)

 

 

ケンイチ

「いや誰がなんと言おうと!

ツインテールは俺たちの食料だ!

ウルトラマンッ!パワァァドォォ!!」

 

なんとケンイチは信念を曲げず、ツインテール捕獲の為、変身した!!

 

涼太郎達

『あちゃー…(左手で顔を押さえる)』

 

雪菜達

『ハァ…(溜め息を吐く)』

 

とまあケンイチの行動に呆れているのだった。

 

【ツインテールを捕獲せよ!?】

(パチンコ牙狼風、タイトルは青)

 

(BGM:逆転のクァンタムストリーム)

 

ウルトラマン

「行くぜ!シュワ!!」

 

 

ツインテール

「ガァァ!!」

 

ウルトラマンはツインテールに向かっていったが、

 

ツインテール

「ガァァ!!」

 

バチン!バチン!バチン!バチン!

 

ウルトラマン

「フレェ!?カアァ!?」

 

なんと先制を取ったのはツインテールだった!

 

ツインテールの上下は、まるで鯱のように逆さまになっているため、ツインテールの鞭のような尻尾がウルトラマンをぶっ叩きまくる!!

 

コレはいくらウルトラマンでも痛い!!

 

バチン!バチン!バチン!

 

ウルトラマン

「カアァ!?フレェ!?ゲアァ!?」

 

ツインテール

「ガァァ!!」

 

先制を取った事で調子に乗ったのか、更にぶっ叩きまくる!!

 

だがウルトラマンは遂に怒った!!

 

ウルトラマン

「ええ加減せぇ!!ダラァァァァ!!」

 

ガシッ!?

 

ツインテール

「ガァァ!?」

 

怒ったウルトラマンは、タイミングよく尻尾を掴んだ!

 

ウルトラマン

「シュワ!フアイ!」

 

ツインテールの尻尾と尻尾の間にチョップ、更に三半規管には目玉クラッシュのように指を二本にして攻撃!

 

ツインテール

「ガァァ!?」

 

ウルトラマンの逆襲をくらったをツインテールは敢え無く瀕死状態になった。

 

ウルトラマン

「美琴!電撃頼むわ!」

 

美琴

「なんで私がこんな事を…。」

 

と言いつつ、美琴はツインテールに触れて、全力全開の電撃を流し込んだ!

 

ツインテール

「クワ゛ワ゛ワ゛!?」

 

コレを受けたツインテールは、声にならない悲鳴を出して…絶命した。

 

ウルトラマン

「ヨッシャ!ツインテール!!捕ったドォォォ!!」

 

涼太郎達、雪菜達

『ハァ…。』

 

ケンイチの行動に、何かを言う勇気が無くなったのだ。

 

そういった事で、ケンイチはツインテールを引きずって、リアス達の前に現れたのだ。

 

時は戻り現在、

 

ケンイチ達

『デ、デカい!』

 

雪菜達

『わあぁ!!』

 

イッセー

「す、スゲー!?なんて広い別荘なんだ!!」

 

リアスの別荘を見て、ケンイチ達とイッセーは驚愕し、雪菜達は感動していた。

 

リアス

「さあ!今日から十日間の間、此処を宿舎にして特訓をするわよ!」

 

朱乃達

『はい部長!』

 

雪菜達

『はい先輩!』

 

鋼賀

「了解した、部長。」

 

涼太郎

「あいよ部長さん!」

 

ケンイチ

「っしゃあ!やぁぁってやるぜ!!」

 

リアスの言葉に、ケンイチ達全員が気合いを入れた!

 

リアス

「それじゃあ、みんな荷物を置いたらケンイチ達以外は、ジャージに着替えて此処に集合ね。

ケンイチ達は“胴着”に着替えて頂戴。

イッセーに祐斗、小猫の修行相手になって欲しいの。

雪菜達は実力が未知数だから、ケンイチ達の補佐ついでに、イッセー達の模擬戦相手になってもらってもらうわね?

そしてアーシアは、戦闘向けじゃないから、私や朱乃と一緒に魔力の勉強ね。

それとイッセーは一定時間戦闘訓練を受けたら、直ぐアーシアと同じように魔力の勉強よ。いいわねみんな?」

 

朱乃達

『はい部長!』

 

雪菜達

『はい先輩!』

 

ケンイチ達

「よしやるか。」

「まあやってやらぁ。」

「オシ!たっぷりしごいてやるぜ!」

 

 

という訳で全員が荷物を置きに行く為、中に入ろうとするが、ココでイッセーが

 

イッセー

「(そういえば雪菜ちゃんに美琴ちゃんに翼ちゃんて、結構良いスタイルしているよな~。

それに雪菜ちゃんて、朱乃さんに負けない清楚でセミロングの黒髪美少女だなぁ~。

美琴ちゃんも短髪で茶髪だけど、結構お嬢さま風の感じだなぁ~。

あと翼ちゃんも青髪でロングのサイドポニテな上に、アイドル顔負けの美少女だなぁ~。)(ニヤニヤ)」

 

なんと最強の先輩達の妹達を、最強の先輩達の目の前で品定めするような目で見てしまったのだ!

 

これに気付いた小猫はツッコミを入れた。

 

小猫

「イッセー先輩、ケンイチ先輩達が居る中で雪菜さん達を“いやらしい”目で見ていると殺されますよ…?」

 

イッセー

「い゛い゛!?小猫ちゃん!?チクらないで!!」

 

とツッコミを受けたイッセーは小猫に弁明をするが、時すでに遅し!

 

ケンイチ達

『ナンだとイッセー?』

(バキボキ×2回)

(目が笑っていない笑顔)

 

イッセー

「い゛!?先輩!?め、目が笑ってな…ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

「私、変態は嫌いよ。」

 

美琴

「私も変態は大っ嫌いなのよねぇ。」

 

雪菜

「イヤらしい…!」

 

妹達が“おっぱい魔神”に目を付けられたと知った兄達によって、イッセーは肉体言語と言う名の“O☆HA☆NA☆SHI”を受けたのだった!

 

そして特訓が始まった。

 

《鋼賀サイド》

 

鋼賀の担当する特訓は、《剣術》…即ち相手、木場である。

 

勿論翼も一緒である。

 

鋼賀

「よし、じゃあ始めるか?」

 

木場

「はい!お願いします、鋼賀先輩!」

 

鋼賀

「それじゃあ先ずは、翼の実力確認と一緒に、2人で模擬戦をしてくれ。その後は俺が直々に模擬戦相手になる。勿論一人ずつだぞ。」

 

「わかりましたお兄さま。では木場さん、お願いします。」

 

木場

「はい!翼さん!」

 

鋼賀は先ず、妹である翼の実力を確認するため、木場と模擬戦を行わせる。

 

木場は己のセイクリッド・ギア“魔剣創造『ソードバース』”を発動し、魔剣を精製する。

 

対する翼も、“アームド・ギア『天羽々斬』”をとりだす。

 

今世界を越えて、名剣VS魔剣が、刃を交える!

 

お互いが剣を構えると、二人の間に微風が吹く。

 

鋼賀

「それじゃあ、どちらかが寸止め、または戦闘続行不可能になったら模擬戦終了って事でいいな?」

 

木場、翼

『はい!先輩!(お兄さま!)』

 

鋼賀が簡単なルールの説明をして、2人は了解した。

 

鋼賀

「それじゃあザルバ、久し振りの出番だ。

開始の合図を頼む。」

 

ザルバ

『たくよ~鋼賀、あの日から今まで俺に、口枷を入れて黙らせてたクセに』

 

ここで、久し振りに喋った相棒のザルバ。

なんでも、あの日ノスフェルを探知せずにふて寝したことで、ケンイチ達がザルバの口に、枷になるような物を入れたため、今まで喋れなかったのだ。

 

(※実際は作者がザルバの存在を忘れていました。)

 

ザルバ

『それじゃあ嬢ちゃんと坊主、用意は良いな?』

 

「はい。」

 

木場

「いつでも行けます。」

 

ザルバ

『じゃあ……始め!!』

 

「テヤァッ!!」

 

木場

「フゥンッ!!」

 

ガギィィィンッ!!!

 

 

ザルバの戦闘開始を合図に、2人は距離を詰め、剣を交えた!

 

「迷いの無い太刀筋に、パワー不足を補うスピード、ケンイチさんの言うとおり“エース”の名に恥じない実力ですね。」

 

木場

「其方こそ、独自の剣術といえど、鋼賀先輩と似通った剣捌きとその胴体視力、普通の女性には不可能なのに、スゴいですよ。」

 

一回の鍔迫り合いで、お互いの秀でている部分を見抜くとは。

 

この時鋼賀は、こう思った。

 

鋼賀

「(やるな木場、俺の剣術を多少取り込み、更に独自の剣の道を見つけた翼の戦闘スタイルを見抜くとは。

そして翼もだ。

木場の短所と長所を見抜いている。

両方とも鍛え甲斐がある!)」

 

 

鋼賀は前世で翼を鍛え上げていた頃を思い出していた。

 

今の翼なら、生身で剣を交じり合えれば、恐らく互角の闘いが出来るかもと。

 

木場も、まだまだ粗削りな部分も有るが、ソードバースの事も考えれば素質は大いにある。

妹の大きな成長と、新たに出来た自分の弟子の成長を楽しむという二つの喜びが、鋼賀の笑みを零れさせた。

 

それから何度も木場と翼は、剣を交じり合わせる。

 

ザルバ

『鋼賀、木場の坊主もそうだが、お前さんの妹も、いい腕だな。』

 

鋼賀

「当たり前だザルバ。なんたって、俺の妹だ。」

 

ザルバ

『へッ、ケンイチじゃねぇが、お前さんも“兄バカ”だな?』

 

鋼賀

「意外とそうなのかもな?」

 

 

「タアァァァァァッ!!」

 

木場

「ハアァァァァァッ!!」

 

鋼賀とザルバが会話をしていると、

 

翼の天羽々斬が木場の腹部に寸止めを入れており、木場も魔剣を翼の首筋に寸止めを入れていた。

 

ザルバ

『其処までだ二人とも。』

 

結果は…引き分けだった。

 

木場、翼

『ありがとうございました!』

 

木場

「やはりスゴいですね、翼さん!あなたも鋼賀先輩の妹として恥じない腕をお持ちですね!」

 

「こちらこそ、良い勝負が出来ました!

また空いたときにでももう一度?」

 

木場

「ええ!勿論です!」

 

お互いの実力を知り、称え合う翼と木場は握手をして、再び模擬戦をする事の約束をしたのだ。

 

鋼賀

「木場も流石だが、翼も見事だったな!

悪魔であり、グレモリー眷属エースの木場を相手に互角とは、見ない内に腕を上げたな。」

 

「ありがとうございます、お兄さま!」

 

鋼賀

「よし、じゃあ先ずは木場、お前からだ。」

 

木場

「はい。一体、どのような事を行うのですか?」

 

鋼賀が翼の成長をほめた後、木場に特訓メニューを与えた。

 

それは……。

 

鋼賀

「先ずは、巨大な魔剣を精製しろ。

その後はその魔剣で俺に攻撃して来い。」

 

木場

「先輩、それは何故?」

 

鋼賀

「お前の弱点は“パワー不足”だ。

だから自慢のスピードを損なわずに、その巨大魔剣を操れるようになるためだ!そうすればお前は、もっと研かれる!」

 

鋼賀が木場に出した特訓は、弱点の克服だった。

それを聞いた木場は、納得して魔剣を精製する。

 

木場

「わかりました!」

 

巨大魔剣を精製し構えるが、やはりパワー不足の木場には重い。

 

鋼賀

「じゃあ簡単なルールを説明する。

その巨大魔剣で、この俺に牙狼剣を引き抜かせろ。

それで充分だ。」

 

木場

「成る程、僕がパワー不足だから、鞘に納めた常態で魔剣を防いだり、避ける余裕があるということですね?」

 

鋼賀

「ああ、その通りだ。

そして俺が牙狼剣を引き抜いた時、それは俺が身の危険を感じた時だ。わかったな?」

 

木場

「はい!ならば行きます!ハアァァァァァ!」

 

鋼賀の説明を受けて、木場は巨大魔剣を振るい、鋼賀に向かって走って行った!

 

ところ変わって、時間は遡り《涼太郎サイド》。

 

此方も鋼賀達と同じように、涼太郎が師匠となり、小猫の特訓相手になっていた。

勿論美琴も涼太郎のサポートである。

 

涼太郎

「とりあえず、宜しくな小猫?」

 

小猫

「涼太郎先輩、宜しくお願いします…。」

 

涼太郎の軽い挨拶に、小猫は丁寧に返した。

 

美琴

「兄さん、先ずはどうするワケ?」

 

美琴が涼太郎に内容を聞いてみた。

 

涼太郎

「先ずは俺と小猫で模擬戦を行おう。

小猫、俺は変身するから、遠慮せずに掛かってこい!」

 

小猫

「解りました…では……逝きますよ」

 

涼太郎

「んッ!?ちょっと待て小猫!?

“逝きますよ”って漢字が違うだろ!?」

 

小猫

「……気のせいです。」

 

涼太郎

「オイィィィィッ!?何時俺は小猫の恨みを買った!?身に覚えがなぁぁい!?」

 

自ら小猫の模擬戦相手になった涼太郎だが、何故か小猫から危険な匂いが感じられた。

 

そのため涼太郎はWドライバーを素早く装着し、ガイアメモリを取り出す!

 

『サイクロンッ!』『ジョーカーッ!』

 

涼太郎

「変し…『えいッ!』イヤちょっと待て小猫!?それは反そ…ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

変身しようとした涼太郎に、まさかの小猫が変身妨害!!

 

反応が遅れた涼太郎は小猫のパンチをくらい、吹っ飛んだ!

 

美琴

「あららららら…(顔を左手で抑える)」

 

兄の思いがけないハプニングに美琴は“なっさけな~”と思いながら顔を押さえた。

 

更に、ハプニングは続いた!

 

涼太郎

「ヌオッ!!

変身を妨害されるって、ウルトラマンギンガじゃないんだから勘弁してく……ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

涼太郎はそう言いながら不意にドライバーを見て、驚愕した!!

 

涼太郎

「べ、ベルトの左スロットが外れてやがるぅー!?」

 

なんと!?小猫に吹っ飛ばされた影響でドライバーの左スロットが外れていたのだ!!

 

美琴

「え~?そんな事ってあるの!?」

 

兄の更なるハプニングに妹はビックリ仰天物だった!

 

小猫

「先輩、大丈夫ですか…?」

 

現行犯の小猫が涼太郎を心配したのだ。

 

涼太郎

「バーロー!!小猫!せめて変身してから攻撃して来くるべきだろうが!!

ナンてことを…『ごめんなさい、先輩…(マジで泣きそうな顔!)』……ウッ!?」

 

 

ベルトのスロットが外れいたため、若干キレ気味の涼太郎だが、小猫の泣き顔を見て戸惑い、逆に罪悪感がでてしまったため、怒りが一瞬で静まった。

 

美琴

「兄さん!いくら何でもキレ過ぎよ!

小猫だって早く体を動かしたくてウズウズしてたんだと思うから!」

 

更に美琴が弁護してきたため、涼太郎は最早何も言えなかった。

 

涼太郎

「わーったわーった!俺が悪かったって。

たくよ~どうしたもんか?」

 

涼太郎は己の罪悪感を詫びた後、小猫の修行をどうするか考えると?

 

涼太郎

「ん?何だこの接続部?」

 

涼太郎はドライバーの中心に目がいった。

 

ソコにはまるで取り外しが可能のような感じの接続部になっていたのだ。

 

涼太郎

「待てよ?もしかして?」

 

美琴

「どうしたの兄さん?」

 

小猫

「先輩…?」

 

涼太郎は外れていたスロットを直すように、ドライバーにくっつけると?

 

カチャッ!

 

と接続する音が聞こえた!

 

涼太郎

「くっついた!?

てことは、外せるのか?」

 

試しに涼太郎はドライバーのどこかに、片方のスロットを外せるスイッチを探すと?

 

涼太郎

「これか?」

 

ドライバーの中心の下に突起してるものがあり、それを押してみると?

 

カシャンッ!

 

と音を立ててドライバーから再び分離したではないか!

 

涼太郎

「やっぱり外せた!!てことは、このWドライバー!!

ロストドライバーにもなる“セパレート式”だったのか!?」

 

なんて事だ!?

涼太郎が特典で貰ったWドライバーは、ロストドライバーにもチェンジ出来る“セパレート式Wドライバー”だった!!

 

コレは新しい発見だ!

 

美琴

「ねぇ兄さん、スロットが片方無くても変身出来るの?」

 

涼太郎

「ああ。変身出来るぜ!よく見てな!」

 

美琴の質問に涼太郎答えた後、右側しか無い状態で、変身体制を取る。

 

『ジョーカーッ!』

 

再びジョーカーメモリのボタンを押して、スロットにセットする。

 

そして右腕を斜めにして、胸の持って行きポーズを取る!

 

涼太郎

「…変身ッ!」

 

例のフレーズ共に、スロットを開く!

 

『ジョーカーッ!!』

 

メモリの音声と共に、涼太郎の体は仮面ライダーWに酷似した姿に変身したのだ!

 

さほどWと大差は無いが、やはり違いは色が全体的に黒一色であった!

 

そう、その姿は正に“11人目の仮面ライダー”を思わせる姿だった!!

 

ジョーカー

「よっしゃ!やっぱり変身できた!」

 

美琴

「本当に出来たんだ!?」

 

小猫

「黒い仮面ライダーW?」

 

小猫がまんま思った事を口にした。

 

ジョーカー

「違うぜ小猫!

俺は切り札の戦士………仮面ライダー、

ジョーカーだ…!」

 

(あの仮面ライダーBLACK RXのような名乗り方)

 

小猫

「どうしてWじゃないんですか…?」

 

何故“W”ではなく、“ジョーカー”なのか疑問に思った小猫に、ジョーカーは答えた。

 

ジョーカー

「簡単だ、Wはベルトのスロットを左右に開くと、Wの文字になる。

そしてもう一つ、左右の体には二つのメモリの力が宿っているため、色が統一されていないからだ。

そしてスロットが一つの場合は、メモリの名前と力が宿る為、色が一色になるんだ。

だからWじゃないんだ。」

 

小猫

「そうなんですか…。」

 

小猫は納得した。

 

ジョーカー

「よし小猫!仕切り直しだ!掛かってこい!」

 

小猫

「解りました…。行きます!」

 

と小猫が気合いを入れ、仮面ライダージョーカーに向かっていったその時!!

 

イッセー

「ギャアアアアアッ!?先輩!!!止めて下さァァァい!?」

 

なんと!!イッセーのバカでかい悲鳴が聞こえた!!

 

ジョーカー

「な、なんだなんだ!?」

 

ジョーカーと小猫は模擬戦を中断した!

 

時を同じくして鋼賀達も同様にイッセーの悲鳴が聞こえた。

 

鋼賀

「何故イッセーが悲鳴を上げている?」

 

此方も木場との模擬戦を中断した。

 

その時!

涼太郎達と鋼賀達の耳に、驚きの声が聞こえた!!

 

『キシャアアアアアッ!!』

 

涼太郎、鋼賀

『ッ!?こ、この鳴き声はまさか!?』

 

離れているにも関わらず、2人がハモった!

 

そして鳴き声の正体は!

 

ケンイチ

「バカやろう!!逃げてんじゃねぇ!!“ゴモラ”に向かって来んかァァ!!」

 

なんとケンイチがバトルナイザーで呼び出した“古代怪獣ゴモラ”だった!!

 

(ケンイチによってサイズは十メートル)

 

コレはいったいどういう特訓ナンだケンイチ君!?

 

遡ること涼太郎、鋼賀が木場、小猫の特訓を行う時間まで遡る。

 

ケンイチ

「よっしゃイッセー!!お前の特訓を始めるぞ!」

 

イッセー

「はい!

お願いします先輩!!」

 

雪菜

「お兄ちゃん、やっぱり熱い。」

 

明らかに熱血漢漂うケンイチは、イッセーに気合いを入れさせる程の返事が返ってきた!

 

この兄の熱血さを見て、妹は若干呆れた。

 

ケンイチ

「先ずはイッセー、セイクリッド・ギアを起動させろ!」

 

イッセー

「え?良いんですか先輩?部長には使っちゃダメと言われてるのですけど?」

 

ケンイチ

「リアスには俺が必要があったと言っておく。そうじゃないと出来ない特訓だ。」

 

イッセー

「…解りました!ブースデッド・ギアッ!!」

 

ケンイチの補足を聞いたイッセーはブースデッド・ギアを起動させた。

 

『ブーストッ!!(ギアの音声)』

 

ケンイチ

「よし!じゃあイッセー、予め言っておこう。

俺や涼太郎、鋼賀は、セイクリッド・ギアに関しては皆無だ。

そのため、ギアに関する知識が無いから、個々の持つ戦術や戦い方を極めさせていく事で、それぞれの技術を向上させる。それを俺たちはリアスに頼まれた訳だ!」

 

イッセー

「はい、それは部長から聞いています。」

 

ケンイチ

「そしてリアスから、俺がお前の師匠を頼まれたのも解っているな?」

 

イッセー

「はい!」

 

ケンイチ

「だから、リアスからある程度セイクリッド・ギアの事を聞いたが、そのブースデッド・ギアは、使用者の体力が無ければ宝の持ち腐れだという事を聞いている。その為お前には、戦闘訓練よりも己の体力を向上させることが先だ。」

 

ケンイチの説明は、所謂体力が無ければ、強力な力を引き出すことは出来ない。

 

(しかしケンイチが言うと、さほど説得力が無い気がするのは、作者の気のせいか?)

 

イッセー

「え?でもそれじゃあ俺戦えなくて足を引っ張るだけですよね?」

 

ケンイチ

「案ずるなイッセー。

たった“3日間”でお前の体力を上げて見せるさ!

その後は、雪菜や俺と素手による戦闘訓練を行う。」

 

イッセー

「3日!?

まさか先輩達がよくやっているトレーニングですか!?

俺にはまだ無理ですよ!」

 

ケンイチの説明を受け、イッセーはケンイチ達のトレーニングを思い浮かべ、流石に青ざめたが、

 

ケンイチ

「いや、お前の体力では先ずは無理なのは解っている。

最も簡単な方法がある。

雪菜、“あれ”を持ってきてくれたか?」

 

雪菜

「は~いお兄ちゃん!」

 

雪菜はケンイチに“あれ”を渡した。

 

そう、“バトルナイザー”を!

 

イッセーはバトルナイザーを初めて見たため、一言物申す。

 

イッセー

「先輩?それは何ですか?」

 

ケンイチ

「コイツは“バトルナイザー”。この中に怪獣が居るんだぜ!」

 

イッセー

「えッ!?怪獣!?マジすか先輩!?大丈夫なんですか!?」

 

ケンイチ

「ああ、大丈夫だ!なんせ、俺の仲間だからな!」

 

イッセー

「それなら良かったです。

で、それをどうするんですか?」

 

ケンイチ

「こうするんだ、いけぇ!ゴモラァァァァッ!」

 

イッセーの質問に対し、ケンイチはバトルナイザーを起動させた!

 

“バトルナイザー!モンスロード!!”

 

ゴモラ

「キシャアアアアッ!」

 

バトルナイザーから光と共に、古代怪獣ゴモラが現れた!

 

(サイズはケンイチによって十メートルである)

 

ゴモラ

「キシャアアアアッ!」

 

イッセー

「オオッ!?か、か、格好いい!!」

 

現れたゴモラを見て、イッセーは率直な感想を述べた。

 

(作者曰くゴモラはチョーイイネ!キックストライク!サイコーッ!!なほどの好きな怪獣ベスト3である)

 

雪菜

「ワアァッ!可愛い!ゴモちゃ~ん!(ナデナデ)」

 

ゴモラ

「クゥゥゥゥン。(意外と嬉しそう)」

 

すると雪菜が気に入ったのか、撫でるとまるで犬みたいな鳴き声をゴモラが発した。

 

ケンイチ

「さてイッセー!始めるぞ!」

 

イッセー

「え?どういう事ですか?」

 

ケンイチの言葉にイッセーは意図が読めなかった。

 

するとケンイチの言葉から、予想だにしなかったセリフが飛び出した!

 

ケンイチ

「これからお前は………ゴモラと“戦え”!

それがお前の特訓だ!」

 

イッセー

「……エ゛!?」

 

ケンイチ君、今なんと言った?

 

ゴモラと“戦え”!?

 

イッセー

「え~と先輩?今なんと?」

 

ケンイチ

「ゴモラと戦え!だ!」

 

ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?聞き間違いじゃなかった!

 

ケンイチ、君は鬼畜になるつもりか!!

 

嘗て、ウルトラマンレオを鍛え上げたウルトラセブン隊長のように、敢えて心を鬼にするつもりか!?

 

イッセー

「イヤイヤイヤイヤイヤイヤ!!先輩!無茶苦茶言わないで「いけぇ!ゴモラァァァァッ!!」ギャアアアアッ!?」

 

イッセーが抗議しようとしたら、問答無用にケンイチがゴモラを突撃させた!

 

即ち、それがイッセーの悲鳴の理由だった!!

 

時は戻り、

 

イッセー

「ギャアアアアッ!?先輩!?止めて下さい!?」

 

ケンイチ

「逃げるな!特訓にならねぇぞ!!」

 

ゴモラに乗ってイッセーを追い掛けるケンイチ。

 

当然このゴモラ鳴き声とイッセーの悲鳴とケンイチの怒鳴り声は、別荘内に居るリアス達にも聞こえた!!

 

リアス

「ケンイチ!?なにが起こってるのよ!?この怪獣はなんなのよ!?」

 

騒ぎを聞きつけたリアス、朱乃、アーシアはケンイチの元へやってきた!

 

ケンイチ

「見て分からねぇか?修行だって。

それとコイツはゴモラ。俺の仲間だ!」

 

朱乃

「幾らなんでもコレは修行とは言い難いですわ!!」

 

アーシア

「ケンイチさん!

イッセーさんの身に何か遭ったら大変ですよ!?」

 

リアス

「こんな事の為にイッセーを貴方に託したのでは無いのよ!!」

 

明らかに抗議モノだったがケンイチが力強く言い放った!

 

ケンイチ

「バカやろう!!」

 

リアス達

『ッ!?(ヒィッ!?)』

 

ケンイチのバカデカい声に、三人は怯む。

 

ケンイチ

「リアス、それじゃ“甘やかして”いるのと同じなんだよ!

イッセーに自信を持たせるためにも、過酷な特訓をしてこそ意味が有るんだ!」

 

リアス

「けどケンイチ!

イッセーは私達やあなた達も含めて一番弱い上に体力も魔力も少ないのよ!それじゃあイッセーが死んじゃうじゃない!

主としてそれは許せないわ!!」

 

ケンイチの言い分も分かるが、リアスの言うこともごもっともである。

 

だがこの発言は遠回しに言えば、“始めからケンイチ達の力頼りの戦い”をするとも取れるものだった。

 

ケンイチ

「リアス…一つ聞く。

俺たちは確かにお前らの為に力を貸すと言ったのを覚えてるよな?」

 

リアス

「え、ええ勿論覚えてるわよ。

でもどうしてそんなことを?」

 

突然ケンイチがそんな事を聞いてきた為、リアスは戸惑った。

 

ケンイチ

「ならば、俺たちに“頼った戦い”はしないでほしい。」

 

リアス

「どういう意味よ?」

 

ケンイチ

「ライザーはレーティングゲームに置いてほぼ無敗なんだろ?」

 

リアス

「どうしてそれを知っているの!?」

 

ケンイチの言葉に、リアスは驚いた。

なぜケンイチがライザーの戦績をを知っているのか!?

 

ケンイチ

「簡単な推理だ。

あの野郎は、不死鳥と同じ能力を持つ悪魔。

即ち、再生能力に頼った戦い方をしていると考えるのが妥当だ。」

 

(実際は原作知識である)

 

リアス

「確かに、その通りよ。でもそれとさっきの話と何の関係が有るのよ?」

 

ケンイチ

「俺から言わせれば、不死身が最強だと言う奴は愚の骨頂なんだ。

殆どの奴はその能力に頼り、己の肉体を鍛えるという事をしない。

そしてリアス、何故俺がさっき、俺達に頼った戦い方をするなと言った意味はな、知らぬ間に“未知なる力に頼り、自分たちの誇りを失ってしまう”

ということがあってしまうの防ぐ為だ。」

 

リアス

「自分たちの、誇り……。」

 

朱乃

「リアス…。」

 

アーシア

「部長さん…。」

 

ケンイチの言葉に、リアスはよく考えてみた。

 

確かに昨日ケンイチ達が、自分たちの力になると言ったとき、どこか心の中で“牙狼が、仮面ライダーが、ウルトラマンが居れば絶対に勝てる!”という“ケンイチ達の力を頼りにした”戦い方を、いつの間にか考えていたようだ。

 

ケンイチ

「俺たちは決して仲間を見捨てたりはしない。

けど、始めから俺たちの力を頼りにした戦い方は、悪魔としての誇りを無くしてしまう可能性だって有り得るんだ。

だから俺たちは、この十日間の特訓で、俺たちの力に頼らずに、自分達の限界を越える事で、皆に自信もってほしいんだ。

そして俺たちに示して欲しいんだ。

俺が以前、ウルトラマンが人間を命に代えてでも護った理由の一つであり、その理由はどんな生き物にもある、“無限の可能性”を。

それに、限界を越えた時、初めて見えるモノが有るんだ。

掴み取れる、“力”が。」

 

リアス

「ッ!限界を越えた時…」

 

アーシア

「初めて見えるモノ…」

 

朱乃

「掴み取れる、力が…」

 

ケンイチの言葉に、リアス達は考えた。

 

ケンイチはこう言いたかった。

 

ケンイチ達が戦うのは、リアス達が限界まで戦い抜いたとしても、本当に越えられない壁が立ちはだかった時、初めて力を貸してくれるということを!

 

その答えに、リアスと朱乃はたどり着いた!

 

するとケンイチの心の声が、イッセーに届いた!

 

イッセー

「ドォラゴォォン!!!ショットォォッ!!!」

 

ケンイチ達

『ッ!イッセー!(君!)(さん!)』

 

なんと、さっきまで逃げていたイッセーが、ケンイチのゴモラに初めて立ち向かった!

 

イッセー

「先輩!俺、やっと解りました!

先輩が何でこんな無茶苦茶な特訓をやらせるのか、漸く!

この地獄の特訓を乗り越え、限界を越える事で、俺にしか見つけられない“力”を引き出す事だったんですね!!」

 

ケンイチ

「イッセー…解ってくれたか!

ああ!地獄を乗り越えて、お前にしか見えない何かを掴む!

コレが俺の、お前に出した特訓の意味だ!」

 

イッセー

「はい!!先輩!!

部長!!先輩の特訓を認めて下さい!

俺、絶対乗り越えて見せます!!

そして、先輩の手を煩わせること無く、焼き鳥野郎をぶっ飛ばしてやりますから!!

それからアーシア!

心配してくれてありがとう!俺は大丈夫だから!

朱乃さんもありがとうございます!

必ず俺は、先輩から課せられた特訓を乗り越えて見せます!!」

 

リアス達

『イッセー…(イッセー君…)(イッセーさん…)』

 

イッセーの覚悟に、リアス達は、何も言えなかった。

 

そして、

 

リアス

「……ケンイチ。

イッセーを、改めてお願いね。」

 

ケンイチ

「任せろ!責任を持って、イッセーを強くしてやるさ!」

 

リアスはケンイチに、改めてイッセーを託すと朱乃とアーシアを連れて、別荘に戻った。

 

ケンイチ

「イッセー!

俺も勿論お前を殺すような真似はしないが、殺されるつもりで立ち向かえ!!

 

そうすれば、必ず何かが見える!!」

 

イッセー

「はい!!先輩!!」

 

こうして再び、イッセーの“最短強化特訓”が再開された!!

 

コレを遠くから見ていた涼太郎達及び、鋼賀達は…

 

ジョーカー

「ケンイチ…無茶苦茶やんなぁ~。

ゴモラでイッセーを追い掛けるとは~。」

 

美琴

「ホントよね兄さん。」

 

小猫

「涼太郎先輩、

美琴さん…イッセー先輩は大丈夫ですか…?」

 

ジョーカー

「大丈夫大丈夫!

ケンイチだって其処までバカ野郎じゃねぇから。」

 

美琴

「先輩はちゃんと、手加減するからね!」

 

小猫

「信じてます…。」

 

と言い合った後、模擬戦再開をした涼太郎達。

 

木場

「鋼賀先輩!?

イッセー君大丈夫ですかあれ!?

明らかに僕よりも厳し過ぎないですかあれ!?」

 

鋼賀

「問題無い。

ケンイチはあえて心を鬼にして接している。

だから、殺すような真似はしないさ。」

 

「それにケンイチさんは、兵藤の持つ強い力があるからこそ、大事なモノをちゃんと護れるように育て上げるのだから。」

 

木場

「強い力…?赤龍帝の事ですよね?」

 

鋼賀

「ああ、イッセーは赤龍帝という、ウルトラマンに及ばないが、この世界において最強のドラゴンを宿していながら、まだ強い力を操れていない。

だからこそ、力を扱えるように体力と戦闘力の特訓を同時に行っているんだ。」

 

木場

「そういうことだったんですね!!わかりました!」

 

鋼賀

「よし木場、続きをするぞ!

まだまだ俺の牙狼剣を引き抜かせる程に達していないぞ!」

 

木場

「はい鋼賀先輩!行きます!」

 

と此方も同じような会話をして、特訓の再開に入った。

 

 

しかし、この時…………誰もが気づかなかった。

 

ケンイチ達を見る黒い影、謎の男を……(←此処重要)

 

???

「面白そうなやつだなぁ…櫂ケンイチ、いや、ウルトラマン!

いずれお前の光は、この俺が頂く!」

 

いったいこの男は、何者だ!?

 

すると、その男に近付く更なる謎の男2人。

 

???

「溝呂木さん…貴方の宿敵はどうでしたか?」

 

???

「黄金騎士を遥かに越える存在が、あの男とは。」

 

溝呂木

「月影とバラゴか…。お前たちこそどうだったんだ?」

 

月影

「中々楽しめそうな相手でしたよ。

左涼太郎という男は。」

 

バラゴ

「私の方も、黄金騎士の力を持つ道外鋼賀には、興味を持てた。

コレから先が楽しみだ。」

 

溝呂木

「そうかぁ。

おれもだ、櫂ケンイチ…奴は楽しませてくれるだろう。」

 

月影

「やはり私達は、」

 

バラゴ

「似た者同士だな?」

 

溝呂木

「だが仕掛けるのは、今じゃない。

今は退散するぞ。」

 

そう言うと謎の男達、溝呂木、月影、バラゴは姿を変えた。

 

バラゴの姿は、ひとことで言えば、闇黒の鎧を纏った狼。

 

月影の姿は銀と黒のボディに、腰周りには黒いベルトが巻かれ、その腹の部分にエメラルドグリーンの発光物をつけており、もっとも目立つのが、バッタのような顔に緑の複眼。

 

そして溝呂木の姿は、赤と黒のボディが特徴的で、胸には禍々しい銀のプロテクターをつけており、そのプロテクターの中心には、カラータイマー状の黒いコア。そしてなんといっても、顔は、ウルトラマンを思わせるフェイスだった!

 

そして謎の男達は、邪悪なブラックホール状の空間に消えて行った。

 

ケンイチ

「ッ!?」

 

突如ケンイチが後ろを振り向いた!

 

雪菜

「お兄ちゃん?どうしたのですか?」

 

ケンイチ

「…いや、何か邪悪気配を感じたが…気のせいか?」

 

ケンイチは、さっき感じた“何か”を気のせいして、雪菜の特訓に移っていた。

 

因みにイッセーは、ゴモラの攻撃を必死で回避しながら、隙を見てはドラゴンショットを撃ち込む!

 

そして雪菜の特訓であるが、いたってシンプルである。

 

棍棒を使い、ケンイチに一撃を当てる事である。

 

その意味は、雪霞狼は軽い上に切れ味が良いため、特訓に使うと、いずれイッセーが怪我どころじゃすまなくなってしまうため、敢えて棍棒で馴染ませるというものだ。

 

雪菜

「ハッ!!ヤアァッ!!」

 

ケンイチ

「ヘアッ!ふんッ!」

 

雪菜は棍棒を駆使して、ケンイチに攻撃していくが、流石は彼の妹。

 

直ぐに棍棒の重さを攻略し、打ち出す速さにキレが出ている。

 

しかし兄も負けていない。

雪菜の攻撃全てを弾いたり、さばいたり、アクロバティックに避けていく。

 

そして!

 

ケンイチ

「デヤァァッ!!」

 

雪菜

「キャアッ!?」

 

ケンイチが素手で棍棒を力強く弾き、雪菜は棍棒を手離してしまった。

 

そしてケンイチは右手を手刀にして、雪菜の首目掛けて振り下ろす!

それも己の妹を相手にかなり力強く!

 

普通の女の子なら恐怖感に襲われて固まるが、雪菜は違う!

 

雪菜

「若雷!!」

 

ケンイチの強力な手刀に対し、雪菜は右手に拳を作り、電撃纏わせて迎撃する!

 

ドォォォンッ!!

 

兄妹の攻撃のぶつかり合いは、かなりの余波が飛び交う!

 

ケンイチ

「シャッ!」

 

雪菜

「ハッ!」

 

少しの間にらみ合っていた二人は、距離を取る。

 

ケンイチ

「…よし!合格だ雪菜!見事じゃないか!棍棒を弾かれた瞬間に慌てず、俺の攻撃を冷静に迎撃するとは!」

 

雪菜の素晴らしい土壇場による迎撃を見せた事に、ケンイチは素直に誉めた。

 

雪菜

「ありがとうございます、お兄ちゃん!

お兄ちゃんがウルトラマンだから、“ウルトラマンの妹”だということに恥じないように頑張りました!」

 

ケンイチ

「そうか、悪いな。

なんか重圧を背負わせちまって。」

 

雪菜

「ううん!

大丈夫ですから!」

 

妹の頑張りが、“ウルトラマンの妹”という重圧を跳ね返したモノだった事に、ケンイチは罪悪感を感じて雪菜に謝るが、雪菜は気にしていなかった。そして三ヶ所による特訓は、夕方まで続いた。

 

その特訓の過程で、イッセーはリアス達による魔力の特訓がある為、午後4時に特訓を終わらせた。

 

そして午後6時…………

 

ケンイチ

「よ~しぃ!飯を作るぞぃぃ!!」

 

涼太郎

「オメェ随分テンション高ェな!?」

 

鋼賀

「まあ~、漸くツインテールが食べられるという感動に浸ってるんだろ?」

 

という訳で、夕飯の準備にかかるケンイチである。

 

リビングで待つリアス達は不安と期待の間でさまよっていた

 

ケンイチ

「涼太郎、鋼賀。

2人もリビングで待っててくれ。飛びっきりの料理を作り上げてやるぜ。」

 

涼太郎

「ハァ。

わーったよ、期待しないで待ってるわ。」

 

鋼賀

「ケンイチ、雪菜はどうするんだ?」

 

ケンイチ

「雪菜は勿論、俺のアシスタントだ。

問題無ぇ!」

 

とケンイチが言った所に、

 

雪菜

「お兄ちゃん、お待たせしました!」

 

花も恥じらう可愛らしいエプロン姿の雪菜が現れた!

 

涼太郎

「あらまぁ~こりゃあ…」

 

鋼賀

「中々良いセンスをしているじゃないか?」

 

ケンイチ

「リアスから借りた甲斐があったな!可愛いぜ雪菜!(頭撫でる)」

 

雪菜

「えへへ。

ありがとうお兄ちゃん、先輩方。」

 

ケンイチ達に似合うと言われた雪菜は素直に喜んだ。

 

そして涼太郎と鋼賀はリビングに向かった。

 

ケンイチ

「よ~しぃ!始めるぞ、雪菜!」

 

雪菜

「はい!」

 

こうして櫂兄妹による、夕飯の料理が開始された!

 

一方リビングでは、櫂兄妹の夕飯が作り終わるまで、美琴と翼を含めたオカ研ガールズと、涼太郎に鋼賀を含めたオカ研男子チームは、それぞれ暇つぶしをしていた。

 

オカ研ガールズは、言わずと知れたガールズトーク!

 

大して、オカ研男子チームは?

 

イッセー

「(ヤベェ…何も揃ってない!?これじゃあ“ブタ”だ!?)」

 

木場

「(かなり良いのが来ています!ストレートが来るとは、少し安心ですね!)」

 

鋼賀

「(ほう、面白い。まさかフルハウスが来るとはな。)」

 

涼太郎

「(マズい!6のワンペアじゃねぇか!?これじゃあ望み薄じゃねぇか!?)」

 

なんと4人の心の会話を読み取った通り、ポーカーしていた。

 

この4人の中でも、騎士の2人が凄い手札を持っているが、

 

兵士の手札は何も揃ってない…所謂ブタだ!

 

そして仮面ライダーは、6のワンペアだけである。

 

この勝負、勝つのはグレモリー騎士か!?

 

それとも、勝つのは黄金騎士か!?

 

さぁ!運命のジャッジだ!

 

涼太郎

「(仕様がねぇ!コレしかない!)」

 

ん?涼太郎、何を企んで…って、その“メモリ”は!?

 

木場、イッセー

『涼太郎先輩?』

 

鋼賀

「どうした、涼太郎?」

 

三人が注目すると!

 

“(I文字)イリュージョン!!”

 

なんとお手製のオリジナルガイアメモリ、“イリュージョンメモリ”を使った!!

 

そして涼太郎は、2人の分身体を創る。

 

三人

『え?』

 

勿論驚く三人だが、涼太郎はお構いなしに分身体と共に手札を見せた!

 

涼太郎×3

『俺は6スリーペアだ!!』

 

何を言っているんだ涼太郎君!?

 

そんな行いが認められる訳無いだろ……………

 

鋼賀

「ば、バカな!?」

 

イッセー

「マジかよ!?」

 

木場

「僕が…負けた!?」

 

オイィィィィィィッ!?お前たち!!認めて良いのか!?

 

涼太郎の反則プレイを!?

 

コレにはリアス達も苦笑だった。

 

オマケに美琴に限っては、頭を抱えていた。

 

すると?

 

ケンイチ

「よっしゃぁッ!!待たせたな、みんな!!」

 

雪菜

「ツインテールのウェルダムステーキが出来ました!

後はポテトサラダも用意しました!」

 

櫂兄妹が夕飯を持ってきた!

 

そしてテーブルに、ツインテールのステーキが乗った皿

が、それぞれ分けられるが…

ケンイチ

「(ニッシッシッ。

涼太郎、お前は気付くまい。お前以外の皆は全員ウェルダムだが、お前のだけはレアにしてやったぜ!散々俺の脇腹を突っついたんだ!俺からの仕返しだぜ!)

 

なんとケンイチ君!?涼太郎のツインテールはレアにしたのだ!

マズいぞ!このままでは涼太郎が食中毒になってしまう!

 

すると

 

涼太郎

「(ん?なんだ?俺のだけ妙に焼き加減が甘いな?………………まさか!?)」

 

此処で何かを悟った涼太郎は?

 

涼太郎

「ッ!?ケンイチ!外に何か居るぞ!?」

 

ケンイチ

「何ッ!?」

 

全員(涼太郎以外全員)

『えッ!?』

 

(涼太郎が、自分の皿とケンイチの皿をすり替える)

 

全員が窓の外を見るが…

 

ケンイチ

「…何も居ないぞ?」

 

ケンイチの言うとおり、何も居なかった。

 

涼太郎

「そうか?俺の気のせいか?」

 

と言うが、内心…

 

涼太郎

「(この野郎!何の因果で俺に、レアのツインテールを食わせようとしやがった!?)」

 

とケンイチの狙いに気付いたのだ。

 

そして、気付かずにケンイチは椅子に座る。

 

ケンイチ

「まあ気を取り直して…全員、お手を拝借!」

 

全員

『(随分と古典的!?)』

 

ケンイチ

「それでは…この世の命全てに感謝して、いただきます!」

 

全員

『(な、長い。それも地味に…)いただきます!』

 

ケンイチの“いただきます”の合図で、夕飯に入った。

 

そして初めて怪獣を口にした一同(ケンイチ、涼太郎を除く)

 

リアス

「あら、思いのほか美味しいじゃない。」

 

朱乃

「あらあら、本当ですわね。」

 

アーシア

「本当です~!」

 

イッセー

「ウオッ!マジで旨いッす!先輩!」

 

木場

「凄いです!確かに少し海老の味が、乙で良いですね!」

 

小猫

「美味しいです…!!!(ギャァブッ!!)ケンイチ先輩、おかわりありますか…?」

 

ケンイチ

「ありがとよお前ら!後小猫、幾らでも有るぞ!じゃんじゃん食って良いぞ!」

 

リアス達にはかなりツインテールのステーキは好評だった。

 

鋼賀

「うん、やるな。ケンイチ、旨いじゃないか。」

 

「色々な意味驚きです!此処まで美味しいなんて。」

 

美琴

「確かに吃驚だわ!ちょっと良いかも。」

 

雪菜

「やっぱり、お兄ちゃんは凄いです!」

 

ケンイチ

「おう、鋼賀達もありがとよ!にしても涼太郎、食わないのか?(ニヤニヤ)」

 

鋼賀や雪菜達にも好評だったが、ケンイチは何故か食わない涼太郎を見て、明らかに悪意満々の笑みを浮かべながら、涼太郎に聞いてみる。

 

涼太郎

「おっとワリィワリィ!頂くわ!」

 

ケンイチ

「(ニヤリ)じゃあ俺も食おう!」

 

と2人が同時に食べた!!

 

そして!

 

涼太郎

「おお!うめぇな!素晴らしい位に“火が通っているな”!」

 

涼太郎の言葉に、ケンイチは疑問に思った

 

ケンイチ

「(あれ?どうなってやがる?

涼太郎はレアの筈…ってなんで俺のがレアになってんだ!?

ハッ!?

まさか涼太郎!?

俺の企みに気付いたのか!?

やべえ!レアのツインテールのステーキ食ってしまった!!)」

 

涼太郎が企みに気付いた事を知ったケンイチだが、時既に遅し!

 

ギュオオオオオ!!

 

ケンイチ

「グオッ!?」

 

全員(涼太郎を除く)

『ケンイチ?(さん?)(君?)(先輩?)

お兄ちゃん?』

 

ケンイチの腹が突然鳴りだして、ケンイチは立ち上がり、

 

ケンイチ

「スマン、と、トイレに行ってくる!?」

 

と言い出し、スタコラサッサと出て行った。

 

朱乃

「一体どうしたのでしょうかケンイチ君?」

 

リアス

「明らかにお腹を抑えていたわよね?」

 

雪菜

「お兄ちゃん…大丈夫かな?」

 

ケンイチを心配するリアス、朱乃、雪菜だが、勿論イッセー達もである。

 

涼太郎

「あ~大丈夫大丈夫。

彼奴、“食中毒”になっただけだから。」

 

全員

『えッ!?“食中毒”!?』

 

涼太郎の言葉に、誰もが驚愕した!

 

木場

「ちょっと涼太郎先輩!?食中毒って、どういう事ですか!?」

 

涼太郎

「このツインテール……よく火を通さないと、食中毒を起こすんだ。

そして、あの野郎!

何の因果か知らないが、最初俺に渡したステーキをレアにして渡したんだ。」

 

鋼賀

「全くケンイチの奴、大方今まで涼太郎に脇腹を突っつかれたから、それで仕返しのつもりなのだろう。」

 

美琴

「あ~、先輩ならありえそう~。」

 

その言葉にリアス達はため息を吐く。

 

そしてケンイチが戻って来て、涼太郎と乱闘になったのは言うまでも無い……。

 

そして乱闘が終わった後、食事を終えた後はお決まりの、入浴であるが、

 

リアス

「さて、じゃあそろそろお風呂に入ろうかしら?」

 

イッセー

「お風呂!!」

 

イッセー君?

お風呂という単語に反応するとは、君はどこまで変態なのだ!

 

リアス

「あらイッセー、一緒に入りたいの?」

 

イッセー

「えッ?あ、いやその…」

 

リアス

「朱乃も良いかしら?」

 

朱乃

「うふふ、殿方のお背中を流してみたいですわ。」

 

イッセー

「え?」

 

ケンイチ達

『ん?』

 

リアス

「アーシアも良いかしら?」

 

アーシア

「え?え~と…はい。」

 

イッセー

「え!?」

 

ケンイチ達

『おいおいマジか!?』

 

リアス

「小猫は?」

 

小猫

「絶対イヤです…。」

 

イッセー

「ガックシ!」

 

ケンイチ達

『ふぃ~、助かった…。』

 

と、小猫の言葉でイッセーは希望を失い、ケンイチ達は安心のため息を吐いた。

 

小猫

「でもケンイチ先輩に涼太郎先輩、鋼賀先輩なら良いですよ…。」

 

全員

『…へ?』

 

ん?小猫ちゃんよ、今なんと言った?

 

“ケンイチ先輩に涼太郎先輩、鋼賀先輩なら良いですよ”!?

 

涼太郎

「ブゥゥゥッ!?」

 

鋼賀

「オッホ!?オッホ!?」

 

当然涼太郎は飲んでいた水を吹き出し、鋼賀はむせてしまった!

 

涼太郎

「何言ってるんだ小猫!?」

 

鋼賀

「んな冗談言うな!」

 

涼太郎と鋼賀は抗議するが、

 

雪菜

「私は小猫ちゃんに賛成です!」

 

涼太郎、鋼賀

『え?』

 

美琴

「あたしも賛成!!」

 

涼太郎、鋼賀

『な゛!何だと!?』

 

「わ、私も、その…賛成です…。」

 

涼太郎、鋼賀

『何でだよ!?』

 

イッセー

「チキショー!?なんで先輩ばっか!?」

 

リアス

「あら雪菜達、意外ね?」

 

雪菜達がまさかの小猫の言葉に賛成!!

 

(まあ三人は、兄貴達と一緒に風呂に入るなど、問題なし!特に雪菜は、兄であるケンイチの部屋に潜り込み、いつの間にか添い寝するほど、お兄ちゃん子であった。)

 

涼太郎

「なんでこんな目に合うんだ!?」

 

鋼賀

「くそ!ケンイチ!!お前もなにか言ってや…!?」

 

涼太郎と鋼賀が大ピンチに陥り、ケンイチに助けを求めるが!?

 

ケンイチ(変身↓)

ウルトラマン

「………………」

 

なんとケンイチが、ウルトラマンにいつの間にか変身していた!?

 

朱乃

「あらあら、ケンイチ君が変身していますわ。」

 

朱乃がそう言った途端!!

 

ピコピコンピコピコンピコピコピコピコ!!

ピコピコンピコピコンピコピコピコピコ!!

ピコピコンピコピコンピコピコピコピコ!!

 

なんと!!

ウルトラマンのカラータイマーが、点滅しているではないか!?

 

しかも、ただの点滅ではない!

異常なテンポのタイマー音だ!?

 

涼太郎

「アァァァァ!?

イカン!!ケンイチが動揺のあまり、

カラータイマーが点滅してやがる!!」

 

鋼賀

「ま、マズいぞ!このままではケンイチが“死ぬ”!!」

 

全員

『え?……えぇぇぇぇぇぇぇ!?』

 

鋼賀の言葉にリアス達と雪菜達が驚く!!

 

更に!!

 

バタァァァンッ!!

 

全員

『ハッ!?』

 

ピコピコンピコピコンピコピコピコピコ!!

 

ウルトラマン

「……此処が……俺の…死に場所か……」

 

涼太郎、鋼賀

『そんな事で死ぬなぁー!?』

 

ウルトラマンが倒れた!?

 

ウルトラマン!!立て!!立つのだ!!

 

とまあおおざっぱに言えば、ケンイチは小猫の言葉に動揺し、己の意思に反してウルトラマンになり、カラータイマーが異常なテンポの点滅を起こして…倒れたのだ。

 

その後は、小猫が渋々ながらも冗談と言い、ウルトラマンは蘇った。

 

勿論ケンイチにも戻る。

 

だがそれでもケンイチは、ダメージがでかかったため、風呂は明日入ると言い、一人寝室に戻り、ベッドにくるまった。

 

そしてリアス達は雪菜達と一緒に風呂に入り、その後に涼太郎達が入った。

 

その後リアス以外が就寝した頃、ケンイチに少し異変が。

 

ケンイチは就寝しているが、夢を見ていた。

 

ケンイチ

「なんだ?此処は?」

 

ケンイチは、変な場所に居た。

 

其処は、まるで…………地獄。

 

即ち、冥界だった!!

 

いったい何故、彼はこんな夢を見たのか!?

 

つづくッ!!

 




次回予告
(BGM:LEVEl5)

-ザルバナレーション-

ケンイチがタイムスリップしたのは、
悪魔、天使、堕天使の三つ巴の大戦争であった!

ちょっと待てケンイチ!?

あれは…赤い竜と白い竜じゃないか!?

どうするつもりだ、ケンイチ!?

次回! 夢-ドリーム-

ウルトラマンと二天竜が…激突する…。


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第7話 夢-ドリーム-

OP
ウルトラマンパワード

ED
飛び立てない私に、あなたが翼をくれた
※ど~も~!
新年!
明けまして!
おめでとうございま~す!!
(ゼアス&ナイス風)

赤龍帝ドライグ
白龍皇アルビオン
堕天使コカビエル

登場!!(戦う相手)

という訳で、新年早々短いですが、
気に入ってくれている方は、また宜しく御願いします!


ケンイチ

「なんだなんだ?

随分薄気味悪い場所に俺は居るな。

此処何処だ?」

 

ケンイチは訳が解らぬまま、さまよっていた。

 

故に彼が今居る場所が、冥界だということを彼はまだ知る由もなかった。

 

しかし

次の瞬間彼は、遂に自分が冥界に居ることを自覚する!

 

???

「神如きが!

魔王如きが!

堕天使の親玉如きが!

我らドラゴンの決闘に入るな!!」

 

???

「介入したということは、我らドラゴンに消されたいと見たぞ!悪魔!天使!堕天使!覚悟を決めてもらうぞ!」

 

突如デカい声が聞こえた!!

ケンイチ

「な゛!?あれは

赤龍帝、

ウェルシュ・ドラゴン

“ドライグ”!

それに白龍皇、

バニシング・ドラゴン

“アルビオン”!

それに戦っているのは、三大勢力じゃないか!?

 

そういえば原作じゃ冥界で三大勢力が戦争をしていたな!

そこに二天竜が突然乱闘しながら現れて、三大勢力に決闘の邪魔をされたから

神や魔王、総督に牙を向いたんだよな!

そうなると、

てことは…俺はタイムスリップをしちまったのかぁぁぁぁ!?」

 

なんと、ようやくケンイチは状況を理解したが

彼が昔の冥界に

タイムスリップしたこと自体に驚愕だ!ケンイチはどうしたものか考えた。

 

何故俺が昔行われていた冥界の戦争に居るのか?

 

ただ単に俺に見物客として、何者かが俺を招いたのか?

 

それとも、まさか俺がこの戦争の歴史の一部だとでも言うのか!?

 

しかしそうこう考えている内に、

三大勢力は二天竜によって劣勢に追い込まれた。

 

故に、神と魔王が

重傷を負ったのだ!!

 

ケンイチ

「ッ!?チィ!

考えてる暇なんぞ無ぇ!」

 

ケンイチはそう言いながらも、懐の内ポケットを手探りで確認して、

フラッシュプリズムが有るのを確認してから取り出し、

天にかざしながら

もう一つの魂の名を叫ぶ!

 

ケンイチ

「ウルトラマンッ!

パワァァァドォォォッ!!」

 

フラッシュプリズム

のスイッチを押して、体が瞬く間に青白い光に包まれ、

二天竜と三大勢力の戦いに介入する!

 

 

一方、

二天竜の猛攻に、

三大勢力は最早風前の灯火だった。

 

そんな三大勢力に、二天竜は追い討ちをかける!

 

サーゼクス

「ッ!みんな!

防御体制に入れ!」

 

アザゼル

「決して気を緩めるな!待てば必ず勝機が来る!!」

 

ミカエル

「だから、希望を捨ててはなりません!」

 

この時、致命傷を負った神と魔王に変わって、

後々の未来で魔王・ルシファーを襲名する

サーゼクス・グレモリー

と、後々の天使の長となる神の側近

大天使ミカエル。

そして、

現在の堕天使総督の

アザゼルが

生き残った兵達に気合いを入れさせるが、圧倒的な力を前に、

悪魔も、天使も、堕天使も、幹部クラスを除いて戦意を失っていた。

 

そして

二天竜の攻撃が、

三大勢力を襲う!

 

 

サーゼクス

「(最早此処までか…。

父上、母上、グレイフィア、ミリキャス、リアス、不甲斐ない息子を、夫を、父を、兄を許してくれ…。)」

 

アザゼル

「(くそ!なんてこった!このままじゃ共倒れだ!何か手はねぇのか!?)」

 

ミカエル

「(主よ、私には皆を護る事が出来ませんでした。お許し下さい!)」

 

サーゼクス達が諦めかけたその時!!

 

バラキエル

「ッ!?あれは何だ!?」

 

堕天使の

“神の子を見張る者(グリゴリ)”

の幹部・バラキエルがこの戦場に向かって来る青き発光体を見つけた!

 

そして!!

 

ドォォォン!!

 

ドライグ

「ヌオォォォッ!?」

 

アルビオン

「ドライグ!?」

 

ドォォォン!!

 

アルビオン

「グオォォォォッ!?」

 

青き発光体が

二天竜に体当たりを放った!

 

サーゼクス

「何だ!?」

 

アザゼル

「何だありゃ?」

 

ミカエル

「この輝かしき光はいったい?」

 

三大勢力が青き発光体に注目した途端!!

 

(グワンギュンギュンギュンギュンギュンギュゥゥンッ!!)

[所謂ウルトラマンの変身音]

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

光が輝きを増すと共に、ウルトラマンが現れた!!

 

それも、今まで

2メートルの体だったが、

今回初めて本来の大きさである

55メートルであった!

 

サーゼクス

「何だ!?あの巨人は!?」

 

アザゼル

「おいおいおいおいなんだありゃあ!?」

 

ミカエル

「見たことがありません!

あの巨人はいったい!?」

 

流石に、

巨人=ウルトラマンの出現は予想外であるため、

 

三大勢力は驚愕した。

 

そして二天竜は、

 

ドライグ

「何者だ貴様!」

 

アルビオン

「貴様もドラゴンの決闘に介入するか!!」

 

ドライグとアルビオンが、

巨人=ウルトラマンに向かって言い放つ!

 

ウルトラマン

「…俺は、人間を愛した光の戦士、

『ウルトラマン』だぁぁぁぁぁッ!!」

 

ウルトラマンは、

今この戦場に居る者達すべてに、自分の名を轟かせた!!

 

サーゼクス

「人間を愛した…」

 

アザゼル

「光の戦士…」

 

ミカエル

「ウルトラマン…」

 

現時点三大勢力のトップが、ウルトラマンという存在に、心を奪われていた。

 

ドライグ

「ほう、“人間を愛した”…か。

あんな脆弱な種族を心から愛した者が居るとはな?」

 

アルビオン

「うむ、ならば何故下等生物人間の守護者が、この戦争に介入するか?」

 

所々で、人間を見下している

ドライグとアルビオンは、ウルトラマンに問う。

 

ウルトラマン

「悪いな!

俺は別に、“人間の守護者”になったつもりはない!

人間の持つ素晴らしさと、限りのない無限の可能性を知ったから、人間とともに歩んでいるだけた!!何よりも俺は!

その人間が生み出した可能性“そのもの”でもある!!」

 

ドライグ

「面白い、人間が生み出した可能性の体現者がどれほどのモノか!!」

 

アルビオン

「試させて貰おうではないか!!」

二天竜が赤と青の炎を、ウルトラマンに向けて放った!

 

ウルトラマン

「シャッ!ヘアッ!!」

 

ウルトラマンは二つの炎を、両手を前に突き出して、敵の火炎などを無力化する防御技、

“ハンドシャットアウト”

の構えを取り、二天竜の攻撃を迎え撃った!!

 

ウルトラマン

「シュワッ、フアヤァッ!!」

 

更にそこから

二天竜の火炎を、

気力エネルギーを利用して、両手で吸収する!

 

ドライグ

「何ッ!?」

 

アルビオン

「我らの炎を、防いだだけでなく、吸収しただと!?」

 

驚くドライグとアルビオンだが、

ウルトラマンは更に、吸収した火炎を

玉状にして、撃ち返した!!

 

ウルトラマン

「お返しだ二天竜!!

マグナム!!

シュゥゥトォォッ!!」

 

玉状の攻撃は、

マグナムシュートとして撃ち返された

 

ドライグ

「ヌオォォォッ!?」

 

アルビオン

「ドライグ!?」

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

ドライグにマグナムシュートを叩きつけた後に、

アルビオンには、

接近して首を掴み、ヘッドロック体制に入る!

 

アルビオン

「グアッ!?

な、何だこのバカ力は!?」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!!」

 

アルビオン

「グオォォォォッ!?」

 

更に其処から、

見事な一本背負いに持っていき、

アルビオンにダメージを与えた!!

 

この光景は、三大勢力にとっては信じ難いモノだった!

 

二天竜を相手に優勢状態に持ち込む者が現れたのだから!

 

そして、ウルトラマンからマグナムシュートを受けたドライグが立ち上がったが、マグナムシュートは強力な技である為、足が覚束ない!

 

ドライグ

「バカな!?

俺は“力”のドラゴン!!なのに何故、

力で圧倒される!?」

 

ウルトラマン

「シャッ!ダラァァァッ!!」

 

アルビオンを投げ飛ばした後、ドライグが立ち上がった事に気付いたウルトラマンは、助走して

1000メートルの高さに大ジャンプし、右足に電撃を纏わせて飛び蹴りを放った!!

 

ウルトラマン

「ウルトラッ!!

パワァァァドッ!!

キィィィックッ!!

ダラァァァッ!!」」

 

この技は、ウルトラマンパワードが持つ幻の必殺技、

“パワード・キック”

だ!!

[PSのコンパチシリーズ、ザ・グレイトバトルⅥを参照]

ドライグ

「ヌオォォォッ!?」

 

パワード・キックを受けたドライグは、見事に吹っ飛び……………力尽きた。

 

アルビオン

「ドライグ!?

なんということだ!

我が宿敵が!?

己ぇぇぇぇッ!!」

 

宿敵、ドライグが

ウルトラマンに倒された…、それによりアルビオンは怒り狂ってウルトラマンに全力の火炎を放つ!!

 

ウルトラマン

「メガッ!

スペシウゥゥゥムッ!!

光線ッ!!」

 

対してウルトラマンも、両腕を左右に開き、拳を握り締め、その両腕を腰に移動させ、光エネルギーをチャージして、両腕を十字に組んで放つ己が持つ必殺技、

メガ・スペシウム光線で対抗した!

 

両者はぶつかり合うが、馬鹿丸出しのくだらない理由でドライグと乱闘していたアルビオンに対し、

ウルトラマンは常に、罪無き命とかけがえのない仲間達を護る為に戦う彼が………負ける筈がなかった!

 

ぶつかり合う二つの攻撃だが、

アルビオンの能力は

“相手の力を奪う”だが、ウルトラマンには意味をなさなかった!

 

どれだけ能力を行使しても、

一向にウルトラマンの力は減らない!

それどころか、逆に押されている!

 

アルビオン

「何故だ!?

何故我の力が通用しない!?」

 

ウルトラマン

「簡単だ白きドラゴンよ!!

最後まで諦めず、

不可能を可能にする!

それが!

“ウルトラマン”だぁッ!!」

 

アルビオン

「バカな!?そんな理由で我等ドラゴンが、敗れるのかぁぁぁぁッ!?」

 

メガ・スペシウム光線は炎を押し切り、

アルビオンに直撃し……前のめりに倒れ、力尽きた!

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

アルビオンが倒れたのを見たウルトラマンは、光線の体制を解いた。

 

サーゼクス

「な!?なんという力だ!?」

 

アザゼル

「俺達3つの勢力が力を合わせても苦戦したにもかかわらず、たった一人でだと!?」

 

ミカエル

「まるで、救世主のようです…!」

 

それぞれが感想述べる中、ウルトラマンが此方を向く!

 

三大勢力

『ッ!?』

 

次は自分達かと思ったが、

 

ウルトラマン

「シャッ!」

 

ウルトラマンは胸の前で、両腕をクロスして、2メートルになり、三大勢力の前に立った!

 

ウルトラマン

「悪魔、天使、堕天使に告ぐ。

今すぐ戦争を停止し、勢力を引け!」

 

三大勢力

『何ッ!?』

 

ウルトラマンの予想外の言葉に、三大勢力は驚いた。

 

ウルトラマン

「このままお前たちが戦争を続ければ、取り返しのつかない泥沼に足を踏み入れるぞ!」

 

ウルトラマンの警告に現時点三大勢力のトップは、実はウルトラマンの言うとおり、勢力を引き、休戦体制を取ろうとしたのだ。

 

だが、その休戦に納得のいかない者が、必ずいる!

 

コカビエル

「ふざけるなぁッ!!

戦争止めろだと!?

何様のつもりだ!

二天竜を倒したからといって調子に乗るな!!

貴様なんぞ、我等こそが真の最強である堕天使の敵ではない!!」

 

堕天使の

“神の子を見張る者”の幹部コカビエルが、ウルトラマンに逆ギレを起こし、

光の槍を形成して向かって行った!

 

アザゼル

「止せコカビエル!?」

 

コカビエルを止めようとしたアザゼルだが、聞く耳無し!

 

コカビエル

「死ねぇぇぇぇぇッ!!」

 

ウルトラマンに槍を突きつけようとした途端!!

 

コカビエル

「ッ!?グアァァァァァァァァァッ!?」

 

ウルトラマン

「………(拳を寸止めさせた)」

 

ウルトラマンの放った寸止めによる風圧に、コカビエルが吹き飛ばされた!

 

コカビエル

「グアァァァァァァァァァッ!?」

 

巨大な岩に激突し、

コカビエルは全身が複雑骨折を起こし、

額に傷が出来ていた!

 

ウルトラマン

「もう一度言う、

今すぐ戦争止めろ!」

 

この行為に、三大勢力は休戦と同時に、ウルトラマンの怒りを買うわけにはいかないと誓った。

 

所謂、ウルトラマンに勝てない、ということである。

 

ウルトラマン

「最後に、人間を見下す者に忠告する。

人間は、この宇宙で、最も可能性に満ちた種族だ。

上辺だけで、人間を下等生物と判断する奴に、人間は決して負けない!

よく覚えておけ!」

 

ウルトラマンはそれだけを言うと背中を向け、

 

ウルトラマン

「シュワッチ!!」

 

空を飛び、見えなくなった。

 

その後、瀕死の魔王により、

二天竜は体をバラバラにされ、

瀕死の神によって、セイクリッド・ギアになり

神と魔王は力尽き、命を落とした。

 

そして、三大勢力はこの事実を隠蔽し、

改めて戦争を停止した。

 

 

一方、

 

ウルトラマン

「ああは言ったは良いけど、どうやったら目が覚める?」

 

現実世界にどう帰るか、模索中であった。

 

すると?

 

「…た………て」

 

ウルトラマン

「ッ!?なんだ?

何か聞こえる…。」

 

突如聞こえた途切れ途切れの声に

ウルトラマンは

ウルトライヤーを使い、耳を研ぎ澄ます。

 

ウルトラマン

「だ……か……け………だ……か…すけ…だ……かたすけ…

ッ!?そうか、そういう事か!!

だがどうすればいい?助けに行こうにも、場所は何処だ?」

 

声の意味を理解した

ウルトラマンだが場所が解らない!

 

その時、ウルトラマンの左手の

パワードブレスレットから一筋の光が出た!

 

そしてその光は、

特殊な穴を作り出した!

 

更に穴ができた事で、声が更に聞こえた!

 

“誰か!たすけてぇぇぇぇぇッ!!”

 

ウルトラマン

「ッ!?あの穴の向こうか!!よし!今行くぞ!

シュワッチ!!」

 

ウルトラマンは、自分に聞こえた助けを求める声に、直ぐさま駆けつけるべく、

穴の中に飛び込んだ!!

 

その行いが、

彼の仲間の一人に、

大きな影響を与えるとも知らずに……。

 

つづく!

 




次回予告
(BGM:ウルトラマンパワード)

(ザルバナレーション)

昔の三大勢力と二天竜の戦争を止めたのが、ウルトラマンだったのか!?
コレが真の歴史なのか!?

ん?女の子が襲われているぞ!

しかも襲っているのは、黒い骸骨タイツを率いる怪人と宇宙人じゃねぇか?

大変だ!!

ウルトラマン(ケンイチ)、あの女の子を頼むぜ!!

次回、命

こ、この子は、
朱乃嬢ちゃんか!?


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第8話 命

OP
ウルトラマンパワード

ED
W―B―X

(ある意味では、タイトル詐欺です。
なにせ命の重み関する話はちょこっとしか入っておらず、かなり強引が多い上に、グダグダ感ありまくりです。)

四次元宇宙人
イカルス星人

ショッカー幹部
イカデビル

ショッカー戦闘員

登場!


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…キャアッ!?」

 

少女は、逃げていた。

 

こんな事が起こる前は、家族三人で静かに、睦まじく暮らしていた。

 

だが、少女の平穏な生活を許さない者が現れた。

 

その原因は、少女の中に流れる血が問題だった。

 

少女はただの人間ではない。

人間の女と…堕天使の男との間にできた

“ハーフ堕天使”

だった。

 

その事を知った

母方の親族は、少女を亡き者にするため、堕天使の留守を狙い、母子に刺客を放って強襲した。

 

その強襲により、少女は母に守られたが、母は命を落とした。

その直ぐに堕天使の父が駆けつけ、刺客を撃破したが、

少女は助けに来てくれず、母を見殺しにしたと勘違いして、父を責めた。

 

それにより、

少女と父の間に大きな亀裂が入ってしまった。

 

そして少女は、

父の静止を振り切り、ただ一人さまよっていた。

 

その時、自分を追いかけている存在に気づき、振り向いた時、異形の存在と黒い骸骨タイツの集団が、己を追っていることに気づき、逃げたのだ。

 

そして今…………………

 

???

「イカカカカ。

逃げても無駄なんじゃなイカ?」

 

???

「ゲソー!

ゲソー!

ゲソー!

イカゲッソー!

小娘!

お前のその隠された力を、我々がイカだく…あいや頂くぞ!」

 

???

『イーッ!イーッ!イーッ!イーッ!』

 

少女

「嫌、来ないで…!」

 

迫り来る異形の怪人と宇宙人、そして黒い骸骨タイツの集団に少女は躓いた瞬間に囲まれた。

 

怪人

「そんなに怖がるな!お前の体さえ貰えれば良いのだ!

その後でたっぷりと可愛がってやるからな!」

 

宇宙人

「イカカカカ!

イカデビル殿、言葉には気をつけた方が良いんじゃなイカ?」

 

イカデビル

「おお、そうだったなイカルス殿!

では、行けえぃ!

ショッカー戦闘員!

小娘を捕らえよ!!」

 

戦闘員

『イーッ!イーッ!』

 

宇宙人と怪人の正体は、なんと

四次元宇宙人

イカルス星人と

イカの改造人間

イカデビルだった!

 

なんという事だ!

 

かつて地球を侵略しようとし、ウルトラセブンによって阻止された宇宙人に、

かつて地球を恐怖に陥れ、世界征服を企んだ悪の秘密結社

『ショッカー』

の幹部、そして忠実な下部の

『ショッカー戦闘員』が、何故この世界に居る!?

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!イーッ!』

少女

「い、嫌!

誰か…(恐怖)」

 

イカデビル

「ゲソゲソ!

誰も来やしないよ。」

 

イカルス星人

「イカカカカ。

さあ、大人しく我が輩達と一緒にくるんだ!我らが“支配者様達”がお前を有効に扱ってくれるさ。

堕天使の力を受け継ぐ、

“姫島朱乃”よ~!」

 

なんと!?

イカルス星人と

イカデビルの狙っていた少女は、

ケンイチの仲間で、

リアスの親友の

 

“朱乃”

 

だった!!

 

朱乃を捕らえようと、

ショッカー戦闘員が徐々に迫る!

 

朱乃

「嫌!誰か!

母様!父様!

 

“助けて”…誰か!

助けて!

誰か!助けて!

 

誰か!助けてぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

朱乃は恐怖のあまり、

今は亡き母と、嫌いな筈の父を口にしたが、来てくれる筈が無かった。

 

仮に誰かが来ても、

常識を越えた存在には、誰もが恐怖するだろう。

 

だから、“普通”の人には絶対に助けて貰えないだろう。

 

そう、“普通”の人には。

 

イカルス星人

「イカカカカ!」

 

イカデビル

「ゲソーッ!ゲソーッ!ゲソーッ!

イカゲッソー!」

イカルス星人と

イカデビルの高笑いが響いたその時!

 

ダラァァァァァァッ!!

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?』

 

乱入者が現れた!

 

朱乃

「えっ?」

 

朱乃は恐る恐る目を開けると、

 

イカルス

「イッカーん!?

何でお前が此処に居るんだ!?

“ウルトラマーン”!?」

 

イカデビル

「イカー!?

ライダーよりももっと邪魔者ではなイカ!?」

 

そう!

朱乃の窮地を救ったのは者は、時空を越えて駆けつけたウルトラマンだった!!

 

即ちあの助けを求める声は、朱乃のモノだった!!

 

ウルトラマン

「おいおい、

イカルス星人と

イカデビルのコンビって、有り得ないだろ?」

 

イカルス星人

「イカーん!

我が輩達をバカにしたな!?」

 

イカデビル

「己ウルトラマン!

聞いて驚け!!

 

このワシ、イカデビルと!」

 

イカルス星人

「我が輩、イカルス星人のタッグ!」

 

イカルス星人&

イカデビル

『名付けて

“デビルスタッグ”

じゃあッ!!』

 

堂々と二体がコンビ名を言うが……センスねぇ~。

 

ウルトラマン

「…安直すぎて、センスねぇ~…」

あまりのセンスの無いコンビ名に、

ウルトラマンは若干呆れていた。

 

イカルス星人

「イッカーん!!

我が輩達をイカらせたら、イカんじゃなイカァ!!」

 

イカデビル

「イカゲッソーッ!!

イカルス殿の言う通りだゲソー!

こうなったら、貴様を倒して後ろに居る

“姫島朱乃”

をイカだく…いや

頂くぞ!」

 

ウルトラマン

「ッ!?“朱乃”だと!?」

 

ウルトラマンはイカデビルの口から出てきた

 

“朱乃”

 

の名前を聞いて驚き、振り返った!

 

朱乃「ヒィッ……」

ウルトラマン

「(間違いない!

俺の知る朱乃の面影があるということは、

此処は、

“朱乃の過去の時間”!

コイツ等に朱乃を渡してしまえば、

間違いなく未来が変わってしまう!)」

 

状況を理解したウルトラマンは、

この時間の朱乃を護る事を決意した!

 

ウルトラマン

「…させるか、朱乃は絶対に渡さねえ!

お前たちの好きにはさせねぇぞ!」

 

イカルス星人

「イカカカカ!

やはり邪魔者だな、

ウルトラマン!」

 

イカデビル

「イカゲソー!

後悔しても遅いぞぉ!

行けえぃ!

ショッカー戦闘員!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!イーッ!

イーッ!イーッ!』

 

イカデビルの命令で、迫る!ショッカー戦闘員!

 

朱乃

「い、嫌…」

 

ウルトラマン

「大丈夫だ。

“俺が君を護る”。

信じてくれ!」

 

朱乃

「えっ?」

 

再び迫るショッカー戦闘員に恐怖した朱乃だが、

ウルトラマンが言った言葉に、どういう事か、異常なほどの安心感が出た。

 

ウルトラマン

「……行くぜ?」

 

その言葉と共に、

ウルトラマンはファイティングポーズを取る。

そして……。

 

ビュゥゥゥゥゥンッ!!

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

普通じゃ有り得ない速さで、ショッカー戦闘員が……全滅した!

 

イカルス星人

「イッカーん!?

ちょっとイカデビル殿!流石に戦闘員は弱すぎるのではなイカ!?」

 

イカデビル

「いやいやイカルス殿!?逆に聞くぞ!

なんだあのバカげた強さは!?

あんなに強いとは聞いてないぞ!?」

 

ショッカー戦闘員が一瞬で全滅したことに、イカルス星人とイカデビルがお互いを責め合っている!

更にウルトラマンがイカルス星人とイカデビルに近づき!

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!!」

 

イカルス星人&

イカデビル

『イカー!?

(イカゲソー!?)』

 

渾身のウルトラパンチをくらった!!

 

イカルス星人

「イッカー…じゃなくていったー!?」

 

イカデビル

「イカゲソー…!?

な、なんという威力だ!?」

 

愚痴が零れるが

そんな事お構いなしに、ウルトラマンがバキボキバキボキと指を慣らしながら、迫った!

 

ウルトラマン

「テメェら…覚悟は出来てんだろうなぁ?」

 

明らかにドスが聞いた声だ!?

それもそうだろう。

過去の世界と言えど、仲間に手を出そうとしたのだから!

 

イカルス星人

「イ、イカー!?

せ、正義の味方が

逆リンチとは

イ、イカがなモノかぁ~!?」

 

抗議するイカルス星人だが、

 

ウルトラマン

「か弱い女の子を恐がらせた上に、集団リンチしている奴らが何を抜かしてやがる!」

 

ウルトラマンの言うことはごもっともである!!

最早言葉は不要!!

 

【イカルス星人とイカデビルを撃破せよ!!:パチンコ牙狼風タイトル緑】

 

(BGM:ウルトラマンパワード)

 

ウルトラマン

「覚悟は良イカ?

このイカ共!」

 

イカルス星人

「イッカー!?

セリフを取られたじゃなイカ!?」

 

イカデビル

「イカルス殿!?

そんな事を言っている場合じゃなイカゲソッ!?」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!ダラァッ!! 」

 

イカルス

「イッカー!?…じゃなくていったー!?」

 

イカデビル

「イカゲソーッ!?」

 

ウルトラマンの怒りが、デビルスタッグに炸裂する!

 

パンチ、キック、チョップ、そして投げ技!

 

ウルトラマンの真骨頂たる格闘攻撃のオンパレードに、

デビルスタッグは!?

 

イカルス星人

「イカ~…。」

 

イカデビル

「ゲソ~…。」

 

完全にタジタジだった!!

 

ウルトラマン

「コレで決まりだ!!」

 

ウルトラマンは

両腕を胸の前で水平に構えて、

体勢を低くして、

左手を突き出し、

右手を頭の後ろに持って行くと、

右手に青い丸いノコギリ状の円盤を手にしていた!

 

ウルトラマン

「フアイッ、ヘアッ!ダラァッ!!」

 

そしてウルトラマンは丸ノコギリ状の円盤を2つデビルスタッグに放った!

 

この技は、

ウルトラマンパワードが持つスペシウムエネルギーの切断技Ver.であり、二番目の必殺技、

“パワードスラッシュ”である!!

 

デビルスタッグ

『イカ~!?』

 

デビルスタッグは、

パワードスラッシュの直撃を受けた!

 

イカデビルは縦に真っ二つになり、

イカルス星人は首を見事にぶった切られた!

 

ウルトラマン

「シュワァッ!!」

 

次にウルトラマンは、残ったデビルスタッグの死体に、

メガ・スペシウム光線を放ち、消滅させた。

 

ウルトラマン

「シャッ!」

 

朱乃

「…もしかして、神さま?…」

 

朱乃は、

自分を攫いに来たデビルスタッグを撃破したウルトラマンを、神さまと呼んでしまった。

 

ウルトラマン

「いや、俺は神じゃないよ。

俺も、そして君も、この世界を生きるものだよ。」

 

ウルトラマンはそういった後、

朱乃に近付く。

 

ウルトラマン

「怪我は無いかい?」

 

朱乃

「は、はい…痛ッ!?」

 

朱乃はウルトラマンに怪我は無いかと聞かれ、無いと答えたが、足を擦りむいていたのだ。

 

朱乃

「痛いです。」

 

ウルトラマン

「ちょっと待ってな、

“リライブ光線”!」

 

ウルトラマンは、

擦りむいていた朱乃の足を、リライブ光線で治療した。

コレにより、朱乃の擦り傷は見事に治った。

 

朱乃

「凄い!ありがとう!…えーっと?」

 

ウルトラマン

「俺は光の戦士

“ウルトラマン”、命を愛する者だ。」

 

朱乃

「あ、ありがとう!

ウルトラマン!」

 

朱乃がウルトラマンにお礼を言った途端、ウルトラマンに異変が!

 

ウルトラマン

「ッ!?」

 

朱乃

「どうしたの?

体が光ってるよ。」

 

ウルトラマンの体全身が、粒子のように光りだした!

この事態にウルトラマンは悟った。

彼が過去でやるべき事はもう無い。

現実世界に帰れる事を意味していた。

 

ウルトラマン

「どうやら、俺は帰る時が来たようだ。」

 

朱乃

「えっ?帰っちゃうの?」

 

ウルトラマン

「ああ、俺の本来居るべき“場所”にな。」

 

 

ウルトラマンの言葉に、朱乃は不安のあまり泣きついた。

 

朱乃

「いや!一人にしないで!一緒にいて!」

 

初めて会った存在であるにもかかわらず、朱乃はウルトラマンに一緒に居てほしいと泣きついた。

 

ウルトラマン

「すまない…。

俺の力じゃあ、

どうやっても無理な代物なんだ。

故に、俺を待っている人達が居る。

だから、本当にすまない…。」

 

朱乃

「やっぱり…私は、黒い天使の子どもだから、

“いらない命”なのかな?」

 

朱乃は泣きながら、己の出自を悔やんでいたが、

 

ウルトラマン

「この世に、いらない命なんて存在しない。」

 

朱乃

「えっ?」

 

ウルトラマン

「たとえどんな事があろうとも、いらない命は存在しない。

どのような生まれ方をしても、必ず誰しもが生まれた意味があるんだ。

“希望”

を棄てちゃダメだ!」

 

朱乃

「希望…?」

 

ウルトラマンの言葉は、閉ざされた朱乃の心に一筋の光を射し込ませた。

 

ウルトラマン

「俺と君が出会ったのは、偶然か必然かはわからない。

故に出会いがあるから別れが来るが、

それは永遠ではない。

別れがあれば、また出会いは訪れる。」

 

朱乃

「あ…。」

 

ウルトラマンの言葉に、朱乃は少しだけ悟れた。

 

ウルトラマン

「だから、何時の日かきっと、俺達はまた会える。

その日まで、この名前を覚えておくんだ。」

 

朱乃

「名前?」

 

ウルトラマン

「そう。

“リアス・グレモリー”という名前を。」

朱乃

「リアス・グレモリー?」

 

ウルトラマン

「そうだ。

この名前を持つ少女が現れたら、

その子を警戒せずに、

その子の言葉を受け入れるんだ。

そうすればきっと、希望の未来が、君を待っている。」

 

朱乃

「本当に?」

 

ウルトラマン

「ああ、本当だ。

約束する。」

 

朱乃

「うん‥。」

 

ウルトラマンの説得により、朱乃は希望を取り戻しつつあった。

 

ウルトラマン

「それじゃあ、

リアス・グレモリーという名前は消さないように、“記憶を封印”しなきゃならないから、少し良いかな?」

 

朱乃

「どうして?」

 

ウルトラマンの言葉に当然疑問を持つ朱乃であるが、

ここでウルトラマンが“来た場所”を教えた。

 

ウルトラマン

「俺は、そう遠くない“未来”から来たんだ。」

 

朱乃

「未来から?本当に?」

 

ウルトラマン

「ああ、この粒子になりつつある体が証拠さ。

故に、未来から来た者が過去に干渉し過ぎると、未来が変わってしまうんだ。

だから、此処で起きた出来事は、封印するんだ。

君を襲った宇宙人と怪人、そして君を助けたウルトラマンを封印するんだ。

ただその封印する過程で、リアス・グレモリーという名前は封印しない。

解るよね?」

 

朱乃

「な、なんとなく…。」

 

朱乃は、ウルトラマンの言葉を少しだが理解した。

確かに未来の者が過去に干渉すると、その過去が変わり、未来も変わってしまうのだから。

 

ウルトラマン

「よし、じゃあ始めるよ。」

 

ウルトラマンはそう言うと、朱乃の頭に触れて“記憶の消去”を行う。

 

すると

 

朱乃

「本当に、また会える?」

 

朱乃が不意に聞いてきたのだ。

そんな彼女にウルトラマンは、安心させるためにこう言った。

 

ウルトラマン

「ああ、勿論だよ。

なんせ君は、

“オカルト研究部の副部長”で、

俺の“友だち”で、

リアス・グレモリーの“心友”(←ケンイチが使う場合)なんだから!!!」

 

朱乃

「?」

 

ウルトラマン

「何れ解るよ。

そろそろ終わるかな?」

 

ウルトラマンは朱乃にそう言うと、

今の言葉を含む記憶消去を終わらせた。

 

ウルトラマン

「よし、コレでOKだ。後は俺が目の前で消えたら、自動的に行われるから。」

 

朱乃

「本当に、行っちゃうの?」

 

ウルトラマン

「ああ、だからまたな。“朱乃”!

(背中を向け、呟く)8年後にな。」

 

ウルトラマンはそう言うと、朱乃に背中を向けて、歩きながら、光の粒子になっていった。

 

そして朱乃の記憶には、宇宙人と怪人、そしてウルトラマンに関する記憶は無くなった。

だが、一つだけ覚えていたモノがあるそれは、

“リアス・グレモリー”という名前だった。

 

それから暫く経った日、朱乃はリアス・グレモリーと出逢い、半ば強引に近かったが、彼女に拾われ、彼女の家族に娘同然の扱いを受けただけでなく、リアスと友情を育んだのだった。

 

-----------

 

そして未来………………

 

ケンイチ

「……ん?フワァァァァ…、夢か?

夢にしちゃあリアルだったなぁ~。しかしなんちゅう夢見てんだか。」

 

ケンイチは深夜に起きた。

 

時間は深夜0:30。

 

ケンイチ

「ふう…ん?」

 

ケンイチがベッドから起きようとしたら?

 

雪菜

「スゥ、スゥ、スゥ、……」

 

なんと雪菜ちゃん、

ケンイチが風呂に入っていないにも関わらず、ケンイチのベッドに潜り込んでいた!

オマケに可愛らしい猫の人形、“ネコマタン”の人形を抱きながら、兄のベッドで寝ていたのだ。

 

ケンイチ

「全く勘弁してくれよ雪菜…。

いい歳して兄と一緒に寝るのはよぉ。」

 

とケンイチは愚痴を零しつつ、水を飲みに部屋を出た。

 

調理場で適当に水を飲み、戻ろうとしたその時?

 

ケンイチ

「うん?あれ、

リアスと朱乃じゃねぇか?」

 

偶々窓を見たら、リアスと朱乃が2人で話していたのだ。

ケンイチはコレを見て、

“やっぱり女の友情は、仲睦まじいな。”と思いつつ、部屋に戻った。

 

しかしケンイチはこの時、予想していなかったであろう。

 

実は朱乃は、リアスに相談していたのだ。

 

リアス

「どうしたの朱乃?

相談なんて珍しいじゃない?」

 

リアスが聞いてみると、朱乃の顔が、なんとも言えない、深刻な表情をしていた。

 

朱乃

「リアス、この話、笑わないでもらえますか?」

 

リアス

「あら、ヒドいこと言うわね?親友の話を聞いて笑うのは、本当に可笑しな話を聞いた時よ。

で、どうしたのよ?」

 

朱乃

「実は先程、昔の夢を見ていたのですが、

その夢が少し妙なのです。」

 

リアス

「どんな風に妙なの?」

 

朱乃

「私が“怪物に攫われそうになった”夢なのよ。」

 

リアス

「えっ?どういうこと?」

 

朱乃から語られたモノは、確かに妙だった。

 

朱乃

「でも、それだけじゃ無いのよ。

私はあの頃、今より無力の子どもだったから、ただ逃げるしかできなくて、でも途中で躓いて包囲されて、もうだめって思って、母様やあの“男”に助けを求めてしまったの。

でも母様は殺されて、あの“男”は母様を見捨た上に、私を助けに来てくれなかったの。」

 

リアス

「朱乃、それ…本当に“夢”なの?」

 

朱乃

「解らないわ。でも本当に妙なのは、此処からなの。

その時私は、誰かに助けられたの。」

 

リアス

「その“誰か”っていうのは?」

 

朱乃

「…“ケンイチ君”だったわ。」

 

リアス

「えッ!?

け、“ケンイチ”が!?」

 

朱乃の言葉に、リアス驚愕した!!

 

リアス

「本当にケンイチなの!?見間違えじゃなくて!?」

 

朱乃

「ええ、間違い無いわ!何より、彼以外に“ウルトラマン”は居ないわ!」

 

なんとケンイチによって封印されていた記憶が、丁度8年先の未来で、朱乃の脳裏に蘇ったのだ。

 

リアス

「もしそれが本当なら、朱乃は彼に“救われてた”という事よね?」

 

朱乃

「ええ、しかも私に“リアス”の事を教えてくれたのも、

ケンイチ君よ。」

 

リアス

「何ですって!」

 

やはりコレも驚く!

いったいどういう事なのか?

答えは単純だが、そう簡単に理解出来るモノではなかった。

 

朱乃

「でもリアス、私はあの時、ケンイチ君があの時助けてくれたという事を認識した時、私、胸が熱くなってしまいましたの。」

 

リアス

「それって、まさか!?」

 

朱乃

「ええ、彼の事が、

“好き”になってしまったようですの。」

 

なんと朱乃が、恋を、それもケンイチに対して恋心を抱いたのだった!

 

リアス

「…でも、もし本当の話なら、私は

ケンイチに“感謝”しなくちゃならないわね。」

 

朱乃

「リアス…」

 

リアス

「だって朱乃、もしあの時ケンイチが朱乃を助けてくれなかったら、“今”の朱乃は無いわ。

何よりも、“親友”にだってなれなかったのだから。」

 

彼女たちにとって、本当かどうかは定かではない。

だが、もし本当なら、ケンイチが朱乃を助け、リアスの存在を教えたから、今この時まで、リアスと朱乃は、“かけがえのない親友同士”なのだから。

 

 

朱乃

「そうですわね。

本当に感謝しきれませんわ。なにせ、数日前も助けられましたし、故にあの時もケンイチ君は助けてくれました。」

 

リアス

「でも意外ね?

あなた、祐斗は兎も角、イッセーを除いて“男は嫌い”だなんて言っていたのに。

 

朱乃

「うふふ、涼太郎君と鋼賀君も素敵ですけど、ケンイチ君は意外と私の“好み”の方ですわよ?

私の“正体”を知ってか知らずか、今でもケンイチ君の“あの言葉”が、胸に響いてます。」

 

リアス

「どんな言葉よ?」

 

朱乃

「ケンイチ君曰く、『俺たちは友だちであり、仲間なんだ。

仲間を助けるのは当然じゃないか。』

との事ですわ。」

 

リアス

「良い言葉ね。

でも朱乃?

ケンイチを“譲る”つもりは無いわよ。」

 

朱乃

「あらあら?

リアスもまさか、

ケンイチ君に?」

 

最早ガールズトーク状態である。

(↑by.作者)

 

リアス

「だって、あんなに心から自分よりも仲間のために闘えるなんて、普通に考えて、ライザーなんてクズと改めて思える程にケンイチは素敵と思うわよね?」

朱乃

「ええ、まったくですわね。というより、あの男とケンイチ君を比べては、ケンイチ君に可哀想ですわ。あんな外道とケンイチ君では天と地の差ですわ!」

 

リアス

「うふ、ごめんなさい朱乃?私もミスったわ。確かに天と地の差よね。」

 

などと2人ガールズトークは、ケンイチに関する事で盛り上がったのだ。

その中で、ライザーがどれだけ快く思われていないのかが、明白であった…。

 

リアス

「そろそろ寝ましょうか?流石に夜更かしは、女の敵だからね?」

 

朱乃

「ええ。

でもリアス、

相談に乗ってくれて、ありがとうございます。お陰で決心がつきましたわ。」

リアス

「どう致しまして。

それと、私も負けないわよ?朱乃。」

 

2人は最後に、ちょっとした挑戦状を叩きつけ合う。

 

朱乃

「では、お休みなさい。」

 

リアス

「ええ、お休み。」

 

そして2人は、部屋に戻っていった。

 

ケンイチの見た夢が、現実世界に大きな影響をもたらした。

 

そしてその影響で、

 

二人の少女は、

ウルトラマンに恋をしてしまったのだ。

 

ウルトラマンよ、

ケンイチよ、

コレは君が望んだ事なのか?

 

それは彼しか知らない…。

 

つづく!

 




次回予告
BGM:牙狼~SAVIOR IN THE DARK~(サビ)

ザルバナレーション

特訓もいい感じに進んでいるな。

ん?ケンイチ、何をやっているんだ?
イッセーのギアに触れて…何?取引だって!?

まるで解らん!

次回 禁じ手
-バランス・ブレイカー-

おいおいイッセー!?見違える覚悟じゃねぇか!?


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第9話 禁じ手-バランス・ブレイカー-

OP
ウルトラマンパワード



ED
Rebirth-day


※滅茶苦茶グダグダ感があります。

お許し下さい
『土☆下☆座』!


特訓を始めてから、3日が経った日の朝……。

 

その中で“ある異変”が起こった。

 

ケンイチ

「…………………」

 

櫂ケンイチは今、ある修羅場に直面していた。

 

いや、ある意味では修羅場と言えるだろう。

 

リアス

「ねえケンイチ?

私の胸に、あなたの顔を埋めてみたくないかしら?」

 

朱乃

「あらあら?リアス、ケンイチ君に何を誘惑しているのかしら?男の子は胸が大きい女性が大好きですのよ。ねえケンイチ君?」

 

 

ケンイチ

「いやおい!

ちょっと待て!

突然どったの!?

なんで俺、迫られてるの!?」

 

涼太郎、鋼賀

『プックックックックックックック(堪えた笑)』

 

祐斗

「ケンイチ先輩、なんだかすごいですね。」

 

イッセー

「あ゛~はぁ~!?なんで先輩ばっか!?(泣き崩れ)」

 

アーシア

「い、イッセーさん……(泣)」

 

小猫

「ケンイチ先輩って……歩くフラグメーカーですか…?

雪菜さん?」

 

雪菜

「まあそれなりにね。お兄ちゃんてば、思いの外女の子を殺しにかかる程のフラグメーカーなの。」

 

美琴

「確か中学の頃だったかな?先輩ってね、勝手にフラグを立たせておいて、自分はそのフラグを信じない質だからね~。」

 

「故に、ケンイチさんの虜になった色々な女の子達は、バッサリ断られたの。

そしてケンイチさん曰く、

“心から自分を理解してもらえる人且つ同い年の女の子じゃないと付き合わない”と、自分から決めているということなの。」

 

小猫

「そうなんですか…。」

 

周りは傍観者に徹するなり、笑いを堪えたり、悔しがる者達に分けられた。

 

ケンイチ

「クソッ!?

なんで俺はこんな事になってる!?

雪菜!!助けて!!」

 

ケンイチ君、

まさかの妹に助けを求めた!

 

雪菜

「ハァ、仕方ありませんね。お兄ちゃん。」

 

ケンイチ

「おッ!!」

 

ケンイチは雪菜が助けてくれると思い、希望を膨らませるが…

 

雪菜

「早く“お義姉ちゃん”をどちらにするか決めて下さい!」

 

なんと雪菜の放った言葉は、ケンイチを地獄に突き落とすモノだった!!

 

ケンイチ

「待て待て待て待て待て!?雪菜!!おまッ!?何を言ってやがる!?」

 

まさかの妹の裏切りに、ケンイチはテンパる!!

 

涼太郎、鋼賀

『ケンイチ………………ご愁傷様です(笑)!』

 

ケンイチ

「オイィィィィッ!?涼太郎!?鋼賀!?心友を裏切るかぁぁぁぁッ!?」

更に心友の裏切りにも合い、

 

リアス

「さあケンイチ?

私が一番でしょう?

 

朱乃

「私ですわよねケンイチ君?

なにせ、リアスより私の方が胸は大きいですからね。」

 

ケンイチ

「いやだから!?

なんでそうまでして俺を誘惑するんだ!?勘弁してくれ!?」

 

雪菜

「お兄ちゃん、“ヘタレ”はダメですよ?(兄の反応を楽しみながら)」

 

ケンイチ

「不幸ダァァァァ!?」

 

ケンイチ君、本当にご愁傷様(笑)でございます…。

 

二大お姉さまにモテており、更には可愛い妹まで居るのだからね~。(ニヤニヤ)

 

ケンイチ

「(ピコーン!!そうだ!この危機?を脱出するには、コレしかない!!)

ああ!そうだ!!

イッセー!!

特訓を始めるぞ!!」

 

イッセー

「え?いやでも先輩?」

 

ケンイチ

「問答無用!?

行くぞォォォッ!!」

 

ガシッ!!

(リアスと朱乃の波状攻撃から脱出し、イッセーの首根っこを掴む)

 

イッセー

「ええッ!?ちょっと!?先輩!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?」

 

ケンイチは、誘惑と言う名の波状攻撃から逃れるため、特訓を始める為にイッセーを捕まえ、外へ出た。

 

一言で言うなら…………ヘタレッ!!(笑)

 

リアス

「ちょっとイジメ過ぎたかしら?」

 

朱乃

「うふふ、ケンイチ君てば、ワイルドで熱い性格なのに、意外にウブなのですね?」

 

雪菜

「もう、お兄ちゃんてば、ヘタレです。」

 

ケンイチはイッセーを連れて行ったが、

リアスと朱乃にはからかわれ、雪菜にはヘタレと言われていた。

 

 

そしてそのケンイチは、イッセーと共に広場に居た。

 

ケンイチ

「ふう~。あぶねぇあぶねぇ!!

ウルトラマンが美女の誘惑に負けちゃあ、ウルトラマンを名乗れなくなっちまう所だったぜ。」

イッセー

「先輩…羨ましいです…。部長と朱乃さんにあんな事を言われながら迫られるなんて…ハーレム王の道は遠いなぁ…。」

 

ケンイチの光景を見ていたイッセーは、羨ましく思っていたが、ケンイチはこうアドバイスするのだった…。

 

ケンイチ

「イッセー…ハーレムなんて望むなよ。」

 

イッセー

「何故ですか先輩?ハーレム王の何が悪いんですか!?」

 

ケンイチ

「ハーレムになっちまったら…“ヤンデレ”が、起こるからだ…。」

 

イッセー

「や、ヤンデレ?」

 

ケンイチ

「そうだ。

ヤンデレとは…自分の大好きな人を殺したくなる程デレてしまって病んでしまう事。下手をすれば、色々な人達に危害が発生するほどのモノだ…。」

イッセー

「な゛ッ!?

ほ、本当なんですか!?」

 

ケンイチ

「十中八九な…。

特に…雪菜は無いかも知れないが、主に妹が過剰な程ブラコンなら特に有り得るからな…。」

 

イッセー

「そうなんですか…。諦めようかな…?」

 

ケンイチのアドバイスを聞いたイッセーは、己の欲望を諦めるか否か迷った。

 

その時!!

 

ドックンッ!!

 

イッセー

「グワッ!?」

 

ケンイチ

「ッ!?どうしたイッセー!?」

 

イッセー

「解りません!?

急に左手が、燃えるように熱いです!?」

 

ケンイチ

「(もしや!?)………イッセー、その状態で

ブーステッド・ギアを起動させるんだ!」

 

イッセー

「え?どうしてですか?」

 

ケンイチ

「いいから早く!!」

 

イッセー

「はッはい!?

ブーステッドッ!ギアッ!!」

 

ケンイチに言われるがまま、ブーステッド・ギアを起動させたイッセー。

 

するとケンイチは?

 

ケンイチ

「やはりか…。」

 

イッセー

「先輩?何がですか!?」

 

ケンイチ

「今ブーステッド・ギアは、“強い力”に反応してやがる!」

 

イッセー

「強い力?まさか先輩の力に!?」

 

ケンイチ

「ああ。俺の、いや正確に言えば、

ウルトラマンの力に反応してやがる!」

 

なんとイッセーのブーステッド・ギアが、ケンイチに宿る

ウルトラマンの力に反応していたのだ!

 

ケンイチ

「(やはり“あれは”タダの夢ではなかったのか!?)

イッセー!

その状態を維持しろ!いいな!」

 

イッセー

「でも先輩!熱いです!?すげぇヤバい程に『俺を信じろ!』ッ!?わ、解りました!。」

 

イッセーは、ケンイチの言うとおり、その状態を維持する。

 

ケンイチ

「よし、後は任せろ!」

 

そう言うとケンイチは、フラッシュプリズムを取り出して点火させ、

ウルトラマンに変身した!

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

するとイッセーのブーステッド・ギアが、更に強く反応する!

 

イッセー

「ぐうぅぅぅぅ!?」

 

ウルトラマン

「イッセー、

少しブーステッド・ギアに触れるぞ。」

 

イッセー

「どうするんですか!?」

 

イッセーの問いにウルトラマンは答えた。

 

ウルトラマン

「直接俺の精神を、ブーステッド・ギアに潜り込ませて、

“ウェルシュ・ドラゴン”と話をつけてくる!!」

 

イッセー

「ウェルシュ…ドラゴン!?」

 

ウルトラマン

「そうだ!

お前の中に宿るもう一つの魂だ!」

 

イッセー

「…解りました!

お願いします!」

 

ウルトラマン

「ああ!行くぞ!」

 

ケンイチは意識を集中させ、ブーステッド・ギアに精神を突入させた。

 

ウルトラマン

「此処か…奴が居る場所は?」

 

イッセーの精神世界の中で、唯一炎の包まれた空間が存在しており、ウルトラマンは其処に突入した。

 

すると!?

ドライグ

「最近感じていた強い力の波動は貴様だったか、ウルトラマン!」

 

ウルトラマン

「ッ!赤龍帝ドライグ!」

 

遂にウルトラマンは、ドライグとご対面した!

 

ドライグ

「随分懐かしいなぁ。それで、何のようで俺の宿主の中に入って来た?」

 

ドライグがウルトラマンに問いただす!

 

ウルトラマン

「その前にドライグ!聞きたいことが有る!」

 

ドライグ

「何だ?」

 

ウルトラマン

「何故イッセーの左腕が“ドラゴン化”している?答えろ!」

 

ドライグ

「さあな?」

ウルトラマン

「とぼけるな!

お前は強い力には反応する奴だ!

そうじゃなかったら、イッセーは熱さに苦しむ筈がない!」

 

ウルトラマンは逆にドライグに、イッセーの異変を問いただしていた!

 

ドライグ

「…やはり貴様だけは、欺けないか。

答えは単純だ。

俺の相棒は貴様の特訓を受けた後も、実は自主トレしていたものでな。

思いの外、相棒の急成長に驚いたぜ。

だが相棒には俺の声が聞こえていない。

あのままじゃ、俺の力を存分に引き出せない。

だから無理矢理にでも、“俺の声を届かせよう”としていたものでな。」

 

ドライグは、ウルトラマンの問いにそう語った。

ウルトラマン

「そう言うことか…。

なら、俺が彼奴に呼びかける。

その後で、俺が此処に来た要件を話す。

いいな?」

 

ドライグ

「可能なのか?」

 

ウルトラマン

「俺を誰だと思ってやがる。」

 

ウルトラマンは、一度ドライグから離れて、イッセーに呼びかけた!

 

ウルトラマン

『イッセー!聞こえるか!』

 

イッセー

「えッ!?先輩の声が!?どこから!」

 

ウルトラマン

『イッセー!今俺は精神世界からお前に呼びかけている!!』

 

イッセー

「なるほどそういうことですか。

それで先輩、どうしたんです?」

 

イッセーは、

ウルトラマンが突然呼びかけに驚いたが、ウルトラマンの説明に納得し、何事かと聞いた。

 

ウルトラマン

『イッセー。

今から俺の言うとおりに精神を統一させて、お前自信の精神世界に来い。』

 

イッセー

「わ、解りました…。で、どうすれば?」

 

ウルトラマン

『まず一切の雑念を捨てろ。そして、心を無にし、精神を統一させるんだ。

その後は、俺がサポートする。』

 

イッセー

「は、はい、やってみます!」

 

イッセーは、ウルトラマンに言われた通りに雑念を捨て、一切の欲を封印して、精神を統一した。

そして…

 

ウルトラマン

『良し。見えた!』

 

ウルトラマンは、精神体となったイッセーを見つけ出した。

 

そしてそのイッセーに触れた。

 

イッセー

「ウオッ!?先輩!?」

 

ウルトラマン

「こんな事で吃驚するな。

取り敢えずついて来い。」

 

いや、無茶苦茶な事を言っちゃアカンよ!

 

ともかくイッセーがウルトラマンに言われるがままについて行った。

 

ウルトラマン

「連れてきたぞ、ドライグ!」

 

イッセー

「オオッ!?

此奴が、部長達の言ってた伝説のドラゴン!?」

 

ドライグ

「漸くまともに会話が出来たなぁ、“相棒”。」

 

イッセー

「あ、“相棒”って…まあ一応一心同体な訳だし…ま、良いか。」

 

イッセーは遂に、ドライグとご対面を果たした。

 

ドライグ

「そしてウルトラマン、お前は俺に何のようだ?」

 

イッセーが自分と会話が出来たため、本題であるウルトラマンが来た理由を、ドライグが聞いてきた。

 

ウルトラマン

「ならば聞くぞ?

今のイッセーなら、

“バランス・ブレイク”が出来るのか?」

 

イッセー

「バランス…ブレイク?何ですかそれ?」

 

ウルトラマンの問いは、セイクリッド・ギアの最終形態、

 

『禁じ手(バランス・ブレイク)』

 

であった!

 

ドライグ

「ほう?

面白い質問だな、

ウルトラマン。」

 

ウルトラマン

「答えろ!

今のイッセーならば可能なのか!?」

 

ウルトラマンの問いに、ドライグはこう答えた。

 

ドライグ

「流石にソイツは無理だ。

バランス・ブレイカーは、所有者が

“劇的”

な変化に遭遇しない限り不可能だ。

だが、俺達ドラゴンはある意味では例外だ。」

 

ウルトラマン

「例外…だと?

まさかと思うが、

所有者に対して、

“対価”を

求める訳じゃ無いよな?」

 

ドライグの例外という言葉に反応した

ウルトラマンは、まさかと言いながら問う。

 

ドライグ

「その“まさか”だ、ウルトラマン。

俺のように、ドラゴンの意思が宿った神器には、その神器所有者とドラゴンが取引を行い、所有者に力を与える代わりに、その所有者の体の一部をドラゴン化する事で、制限時間は付くが、

バランス・ブレイカーになることは可能だ。」

 

イッセー

「あのォ、先輩?

話が見えないのですけど?」

 

イッセーは、ドライグとウルトラマンの会話についていけずにいた。

 

ウルトラマン

「イッセー…。

解りやすく言うとだな…お前の身体の一部をコイツに差し出す事で、お前は強くなるって事だ。」

 

イッセー

「つッ!強くなれるんですか!?俺が!?」

 

ウルトラマン

「ああ…。

だがそれには条件、

即ち取引が必要だ。」

 

イッセー

「取引…さっき言っていた対価って奴ですよね?」

 

ウルトラマン

「そうだ。

もしお前に、元に戻らないという覚悟を受け入れるならば、お前は強くなれる。

だが…言葉の通り…対価を支払えば…身体の一部はドラゴン化して、二度と元には戻らない。その覚悟が有るか?イッセー!」

 

ウルトラマンの説明を聞いて、イッセーは、よく考えた。

 

今此処で飛躍的強くなることが出来るが、その代償に自分の身体の一部がドラゴン化していく。

もしかしたら何時の日か、

“自分が自分で無くなる”

可能性が大きくなるのだ。

 

だが、イッセーが此処であることを思い出した。

 

イッセー

「(此処で俺が強くなれるなら…!

待てよ、確かあの時、グレイフィアさんがあの焼き鳥野郎の伝言もらった時、

アイツの眼中には、先輩しか映ってなかった!

それに、先輩は言ってた。

先輩達が助けてくれるのは、俺達が必死になっても駄目なときに助けてやる!

って。

だったら、俺は先輩の弟子として、先輩の手を煩わせる事なく、焼き鳥野郎を倒せれば!)」

 

イッセーは決心した。

取引の代償はヤバいが、もしそれで強くなれるなら、ケンイチの手を煩わせる事なく、リアスを守ることが出来る。

だったら迷わない!と。

 

イッセー

「先輩…。決めました!

俺、ドラゴンと取引します!」

 

ウルトラマン

「ッ!?イッセー!

良いのか!?」

 

ドライグ

「ほう?案外潔いなぁ?相棒、何がお前をそうさせた?」

 

イッセーの言葉に、

ウルトラマンは驚き、ドライグは意外だという感じであった。

 

イッセー

「俺…思ったんです。

俺は確かに先輩達はおろか、部長や朱乃さんに小猫ちゃん、そして木場や雪菜ちゃん達に比べれば、明らか弱いって事を。事実ライザーの眷属にいきなり負けました。

しかも部長達から聞いたんです。

あの時、先輩は俺の為にライザーの眷属をぶっ飛ばした上に怒りを露わにしたって。俺、その時こう固めたのです。

“先輩の手を借りる事なく、ライザー倒せれば!”って。

それに先輩は、俺の為に特訓メニューをを考えてくれました!俺が先輩に恩を返せるのは、

“俺が強くなって、ライザーを倒す!”

だって解ったんです!」

 

ウルトラマン

「イッセー、お前…。」

 

イッセー

「だから、覚悟は出来ています!」

 

ドライグ

「良い覚悟じゃねぇか相棒。

どうするよ、先輩殿?」

 

イッセーの大きな覚悟に、ドライグは感服した!

そして…ウルトラマンも同じだった。

 

ウルトラマン

「イッセー…俺がお前にとやかく言うのは間違っているから言わないがコレだけは言わせてくれ…

“悔いの無い生き方をしろよ。”」

 

ウルトラマンは、

イッセーの覚悟を尊重した!

 

イッセー

「先輩…!

ありがとうございます!!」

 

ドライグ「なら取引を始めるか?」

 

ドライグがイッセーと取引を開始しようとした。

 

ウルトラマン

「その前にドライグ、最後に質問だ。」

 

ドライグ

「何だウルトラマン?まだ有るのか?」

 

ウルトラマンが最後の質問をドライグにしてきた。

 

 

ウルトラマン

「取引でイッセーが

バランス・ブレイカーを発動したとき、今のイッセーの体力で制限時間は最大幾つだ?」

 

そう、制限時間である。

いくらバランス・ブレイクが出来たとしても、それは不完全の力である為、制限時間が掛かるのだ。

 

正に、一部を除く宇宙人系列の

ウルトラマンが、

地球ではその本来の姿が3分間しか

維持できないのと同じである。

 

ドライグ

「そうだなぁ。

今のままじゃあ

長くても“1分間”が限界だ。」

 

イッセー

「短ぇ!?」

 

ウルトラマン

「長くてもか…残りの日数で鍛え抜けば、制限時間も上がるか?」

 

ドライグ

「そりゃあ当たり前だ。

お前さんが相棒に与える特訓の課題は凶悪と言える程のモノだ。

オマケに相棒は夜中にまで独自の特訓をしてやがるから、意外と期待できるぞ?」

 

ウルトラマン

「そうか。

解った、俺からはもう何も無い。

イッセー、後はお前だ。」

 

イッセー

「でもまあ、先輩の地獄特訓を乗り越えれば良い話だし。

それに先輩!

もう覚悟は決まってます!」

 

ウルトラマン

「解った。ならば俺は現実世界で待っているぞ?」

 

そういうとウルトラマンは、光となりて消えた。

 

そこに残ったのは、

イッセーと赤龍帝ドライグだけだ。

 

イッセー

「じゃあ、取引しようぜドラゴン…いや、

ドライグ!!」

 

ドライグ

「良いだろう相棒。

ウルトラマンじゃないが、後悔するなよ?」

 

そういうとイッセーは、ドライグに触れて取引を始めた。

 

 

そして、現実世界にて…

 

ウルトラマンはケンイチに戻っていた。

 

ケンイチ

「………………」

 

ケンイチは1人待っているのもなんだから、その場で座禅をしていた。

 

ケンイチ

「………………」

 

暫く座禅をしていると、ケンイチに異変が!?

 

(座禅による精神世界)

 

リアス

「あん!ケンイチ~。私と貴方で、“合体”しないかしら?(精神世界のリアスがケンイチに乗っかる)

 

朱乃

「あらあらリアス?何をしていらっしゃるのかしら?ケンイチ君と“合体”するのは、私でしてよ?(精神世界の朱乃がリアスを引っ剥がし、朱乃がケンイチに己の胸を押し付けて乗っかる)

ケンイチ

「グッ!?オワッ!?や、止めろ、止めろリアス!朱乃!俺を誘惑するな!?」

精神世界のケンイチは、抵抗しようとするが、相手がいくら悪魔といえど

“女の子”。

 

人間として生きるだけでなく、ウルトラマンとして生きる

ケンイチにとって、

手を出せば、

いくらリ・イマジネーションといえど、

ウルトラマンを名乗れなくなってしまう!

 

リアス

「ちょっと朱乃!?

いくら親友でも

遠慮ってものが有るでしょ!?」

 

朱乃

「あらあら?

真剣勝負に遠慮は禁物ですわ?

王(キング)ともあろう方が何を不抜けた事を?」

 

ケンイチ

「お、おい…俺を無視するな!?」

 

精神世界なのに明らかにケンイチを取り合っている。

おまけにリアスと朱乃のケンイチ争奪戦はヒートアップ所か、デッドヒートしていた!

 

リアス

「何よ!

朱乃のおたんこナス!!」

 

朱乃

「あらあら?

ならリアスは全裸で寝る変態な痴女ですわね?ウフフ。」

 

リアス

「な゛ッ!?

それは貴方も同じじゃない!?」

 

ケンイチ

「いや、せめてそこは嘘でも否定しろよ。つうか俺を無視するな!?」

 

ケンイチ争奪戦は、更にデッドヒートを重ねていく!

 

リアス

「こうなったら、

ケンイチ!私を選びなさい!」

 

朱乃

「あらあら?強行手段に出ましたか?

ケンイチ君、

私が一番ですわよね?」

 

リアス

「私に決まっているわよねケンイチ!!」

 

ケンイチ

「止めてくれェェェェェェェッ!?」

 

超絶美女の二大お姉さまが、己の特大の胸を寄せながら、ケンイチに迫る!!

 

最早万事休すか!?

 

現実世界…………………

 

 

イッセー

「先輩?先輩?

(ケンイチの肩を揺らす)」

 

ケンイチ

「ウオッ!?……………あれ?なんだ?夢か?ああ助かったぁ。」

イッセー

「先輩大丈夫ですか?かなり魘されてましたけど?」

 

座禅していた筈が、いつの間にか寝ていたケンイチだが、

イッセーが起こしてくれたのだ。

 

ケンイチ

「いやあワリィな

イッセー。助かったわ。」

 

夢と言えど美女達に問答無用で誘惑されていたとは言えないケンイチ君だった。

 

ケンイチ

「そうだイッセー、

取引は?」

 

イッセー

「決まりました!

俺の“左腕”を完全に差し出して、一時的にバランス・ブレイカーになれます!」

 

ケンイチ

「そうか。もう後戻りは出来ないからな?」

イッセー

「先輩、それは覚悟の上です!」

 

 

ケンイチの言葉に、

イッセーは真面目な顔で、力強く意志を示した。

 

ケンイチ

「よし!

ならば始めるぞ!

早速、発動するんだ。

未完成だが

“バランス・ブレイク”を!」

 

イッセー

「はい!先輩!

行くぞドライグ!!」

 

ドライグ

『良いだろう相棒。試運転だ!』

 

ブーステッド・ギア

『ウェルシュ・ドラゴンッ!

オーバーブースターッ!!』

 

イッセーの言葉に、ドライグは応え、

光と力がイッセーの体を包み込む!

 

全身が左腕の

ブーステッド・ギアみたいに、真っ赤に燃え上がる炎の如き鎧に、体の所々に魔力の塊と言える緑の宝玉が付いており、

頭部は正しくドラゴンと言える程の厳ついモノだった!

 

イッセー

「コレが未完成だけど、俺のバランス・ブレイカーモード!!

 

“ブーステッド・ギア!スケイル・メイル!”

 

だぁッ!!」

 

力強くイッセー言い放った!

 

ケンイチ

「(完成型は確か、ドラゴンの羽がある筈だが、贅沢はいえねぇな。)

よし、ならばイッセー!

 

お前に出来るかどうか解らないが、お前に“一撃必殺技”を伝授してやる!」

 

イッセー

「えっ!?

本当ですか先輩!?」

 

突然のケンイチの言葉に驚いたイッセーだが、ケンイチは構わず続ける。

 

ケンイチ

「ああ。

仮に覚えたとしても、最後の最後まで必ず取って置け。

今のお前には、正に

“切り札”だからな!」

 

イッセー

「解りました!

で、どうすれば?」

 

ケンイチ

「先ずは、ギアの力でパワーを上げろ!

先ずは十回!

時間もない!」

 

イッセー

「はい!

行くぞドライグ!!

ブーストッ!!」

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!』

 

ケンイチに言われた通りに、イッセーはパワーを溜める!

 

そして十回目…。

 

イッセー

「ブーストッ!!」

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!』

 

ケンイチ

「どうだイッセー?

たったの3日間で、

自分がパワーアップしているのが解るだろ?

俺の修行を受けなかったら、此処までパワーは付けられなかったぜ!」

 

イッセー

「すげぇ。

バランス・ブレイクの恩恵があるとは言え、こんなにパワーアップが出来るなんて!」

 

ケンイチ

「よし!じゃあ本題だ!」

 

イッセー

「はい!先輩!」

 

パワーを溜めた所で遂に本題に入った。

 

ケンイチ

「先ずは右腕を前にして、両腕を胸の前でクロスさせろ。

その後に、左腕のギアにエネルギーを集中させろ。」

 

イッセー

「はい!」

 

イッセーはケンイチに言われた通りにポーズを取り、

エネルギーを集中させた。

 

ケンイチ

「次に、左腕を左の腰に持って行き、体勢を低くしろ。」

 

イッセー

「はい!」

 

ケンイチの指示により新たな構えを取るイッセー。

 

皆さんお気づきでしょうか?

ケンイチ君がイッセー君に与えようとしている

必殺技の“モデル”が?

 

ケンイチ

「よし!次で最後だ!

頭でイメージしろ。

左腕を突き出してエネルギーをビームとしてぶっ放せ!

解らなかったら、

俺のスペシウム光線を思えばいい!」

 

イッセー

「左腕を突き出して…エネルギーを解放し…先輩のスペシウム光線のようなビームを…ぶっ放す!!」

 

ブーステッド・ギア

『エクスプロージョンッ!!』

 

イッセー

「どわあぁぁぁぁッ!!」

 

ギアの音声と共に、

イッセーは左腕を突き出した!

 

次の瞬間!

 

突き出した左腕から、一直線に強烈な魔力の光線が発射された!

 

それは、彼の持つ技、

“ドラゴン・ショット”

を明らかに上回るモノだった!

 

その一撃は、木々を凪払うかのように突き進み、山頂に直撃した。

 

イッセー

「ハァ、ハァ、ハァ、」

 

ブーステッド・ギア

『ブラストッ!』

 

イッセー

「えっ?何だって?

ウオッ!?」

 

魔力の光線を発射してから少し間を空けた後、ブーステッド・ギアから聞き慣れない音声が出た瞬間、バランス・ブレイクが強制解除された。

 

イッセー

「身体が動かねえよ、先輩?どうなってんだ?」

 

ケンイチ

「(まだまだだな)

率直に言えば、

修行が足りん!だな。

今の強力な一撃に、魔力は足りても、

体力が足りないという事だ。」

 

イッセー

「くっそぉ。

まだまだかぁ。」

 

イッセーは己を悲観するが、ケンイチは“こんな”言葉を贈った。

 

ケンイチ

「そう悲観するなよイッセー。

俺は吃驚したぞ?

まさか一回言っただけ

“ウルトラマン”の技を会得した奴を。」

 

今のケンイチの言葉に、イッセーは耳を疑った!

 

そう、ケンイチが授けた技は、

ある“ウルトラマン”の技だった!

 

イッセー

「えっ!?

い、い、今の技って、

先輩の技なんですか!?」

 

ケンイチ

「いやそう言う意味じゃなくて、

“ウルトラマンの1人の技”をだ。

さっき教えた技は、

“ウルトラマンメビウス”という、

ウルトラの星の中でも、義理堅く、とても厚く、勇気と絆で結ばれた栄誉ある称号、

“ウルトラ兄弟”

の1人でな。

そんでお前に教えた技のオリジナルを持つのが、

彼なんだ。

技名は

“ライトニング・カウンター”、及びゼロ距離で放つ

“ライトニング・カウンター・ゼロ”

だ。

彼はこの技を

左腕にあるブレスからエネルギーを解き放ち、左腕を突き出して、ライトニングの名の通り電撃のビームを遠距離とゼロ距離で放つモノだ。

前者は強烈なダメージを与えたが、

後者は全身頑丈な鎧で出来た怪獣を撃破した程のモノだからな。」

 

ケンイチの説明に、

イッセーは驚かざるを得ない!

 

イッセー

「お、俺そんな凄い人の技を会得したんですか!?」

 

ケンイチ

「ああ、丁度お前のブーステッド・ギアも左腕だからな。

丁度良いと思ったからだ。」

 

イッセー

「ありがとうございますッ!!先輩!!

俺、更に精進したいです!」

 

ケンイチ

「良し!じゃあ少し休憩したら、また特訓だ!

次は近距離戦闘の特訓だからな!」

 

イッセー

「はい!」

 

イッセーはケンイチから学んだ新たな技と共に、更に強くなることを決意した!!

 

とそこへ?

 

リアス

「ケンイチ!?

イッセー!?

一体何かあったの!?

尋常じゃないほどの魔力を感じたと思ったら一部が焼け野原になっているじゃない!?」

 

リアスがイッセーの尋常じゃない魔力に反応してやってきたのだ。

 

ケンイチ

「リアス!

いやなに、イッセーに“切り札”を伝授したんだ!

一撃必殺を。

な、イッセー?」

 

イッセー

「はい!

部長!先輩から伝授してもらった技は凄いです!!

レーティング・ゲームで披露しますので、楽しみにしていてください!」

 

リアス

「そ、そうなの?

なら良いのだけど?

それよりお昼を朱乃と一緒に作ったから、特訓はまた後で良いかしら?」

 

ケンイチ

「えっ!?もうそんな時間か!?

よしイッセー!戻るぞ!

腹が減っては戦は出来ん!だからな!」

 

イッセー

「了解です先輩!!」

 

と言うとケンイチ達は別荘に戻った。

 

そして戻ってきたのだが………、

 

ケンイチ

「…………」

 

朱乃

「ケンイチ君。

はい、あ~ん。」

 

リアス

「ちょっと朱乃!?

いくら親友でも抜け駆けするなんて、遠慮しなさいよ!!」

 

朱乃

「あらあら部長?

もしかして妬きモチですか?

みっとも無いですわよ~。」

 

リアス

「なッ!?なんですって!?

もう!!朱乃の、

おたんこナス!!」

 

ケンイチ

「(なんかデジャヴを感じる…)

つうか…オデノゼイ゛ジン゛ハガリガリダア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

まさかの昼食時に

ケンイチを取り合うリアスと朱乃に、

ケンイチは完全に精神が参っていた。

 

涼太郎

「全くケンイチはよ~。彼奴ばっかし良いとこ持って行きやがって!

オデダヂヲ゛!!

オンドゥルルギッダノガ!」

 

鋼賀

「お、おいおい涼太郎!ケンイチもそうだが、オンドゥル語になってるぞ!?」

 

ケンイチと涼太郎は、まさかのオンドゥル語発言をしてしまった!

 

勿論イッセーは泣き崩れており、

アーシアを除く雪菜達は傍観者に徹していた。

 

雪菜

「リアス先輩と朱乃先輩…“どっちも”お義姉ちゃんになって欲しいです。」

 

美琴

「いや雪菜!?流石にそれは無茶でしょ!?」

 

「確かに美琴の言う通りよ雪菜(苦笑)」

 

雪菜

「やっぱりそうでしょうか?

悪魔だから出来るかなと思ったのですが?」

 

雪菜達はとんでもない会話をしていた!

 

雪菜!?君は意外に欲張りじゃないか!?

 

因みに祐斗と小猫は大人しく食べていた。

 

朱乃

「はい、ケンイチ君。」

 

リアス

「朱乃の好きにはさせないわ!

ケンイチ!あーん!」

 

ケンイチ

「誰か助けて…(精神ボロボロ)」

 

ケンイチ君。

 

ご愁傷様です!

 

 

ところ変わって、

此方は冥界の魔王の領地の一つ、

 

『ルシファード領』

 

にて、

 

その領地のトップにして現魔王ルシファーであり、リアスの実兄である

 

“サーゼクス・ルシファー”

 

は…頭を抱えていた。

 

サーゼクス

「ライザー君。

君はなんて事をしてくれたんだ…。」

 

以前、妹のリアスと、妻のグレイフィアの報告を聞いたとき、リアスの報告は冗談だろうと思っていたのだが、グレイフィアの報告を聞いて確信したのだった。

……"ウルトラマン"……

 

 

この単語をリアスから聞いたとき、まさかという考えがあったが、グレイフィアの

 

“魔王を超え、

ミカエルやアザゼル所か、神すら上回る光の力を持つ者が、レーティング・ゲームに助っ人として参戦すると。

そしてリアスのその協力者がウルトラマンであると”

 

という事には

悩みのタネ以外ほかなら無かった!

 

もしウルトラマンが、自分達悪魔を人類の敵と見なしたら、

間違い無く全滅は免れない。

 

しかも、ライザーが無知な事に、

ウルトラマンの前で怒りを買っただけでなく、ケンカをふっかけたのだから、頭を抱えるのは当然だ。

 

サーゼクス

「さて…どうしたモノか。」

 

サーゼクスは、なんとかウルトラマンに出会った時に、どう対応すべきか、悩んでいた。

 

 

 

果たして、冥界の運命は!?

 

 

つづくッ!!

 




次回予告

“ザルバナレーション”
(BGM:W-B-X)

まさかケンイチがモテモテになっちまうとはなぁ。

まあ取り敢えず、
特訓も終了で
レーティング・ゲームだな。

負けるなよ皆!!

次回! 開幕!

鋼賀!涼太郎!
翼!美琴!雪菜!
人間の力を見せてやれ!!


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第10話 開幕(前編)

ちょっとした詐欺です…申し訳ありません。

本来ならこの一話でレーティング・ゲームを完結させようとしたのですが…自分の文才を考え、
“前中後編”
に分ける事にしました。
どうかご容赦下さい。

今回はその“前編”です。

OPテーマ
ウルトラマンパワード

EDテーマ
W-B-X


特訓を始めた日から、遂に10日間目に入った。

 

この10日目は、最後の仕上げとして、

 

イッセー、祐斗、小猫の前衛組は、

雪菜、美琴、翼を相手にして最後の戦闘特訓に励んでいた。

この10日間の特訓で、三人は特に近接戦闘に置いては、

かなり上昇した!

祐斗は鋼賀の特訓により、腕力が上がった事によって、己の武器であるスピードを損なわずに、巨大な魔剣を操る事が出来ただけでなく、普段使う魔剣を二刀流で操る事も可能になったのだ。

 

そして小猫も同じように、涼太郎と戦闘訓練を行うことで、持ち前のバカ力に、臨機応変の戦い方を身につけた。

中でもイッセーは、ケンイチの地獄特訓を受けたことにより、特に体力が段違いに上がったのだ。

 

更にはケンイチしか知らないが、

神器に宿るドライグと取引を行った事で、未完成だが

バランス・ブレイクを発動する事が可能になり、極めつけはケンイチから一撃必殺技、

(ケンイチ命名)

“ドラゴニック・カウンターブラスト”

を授けられたのだ。

 

そしてケンイチを相手に、残りの日数を使い、近接戦闘の特訓を行っていたのだ。

 

そして最終日である本日は、まさに最後の仕上げである。

 

 

イッセー

「オウリャアァァッ!!」

 

雪菜

「ハアッ!」

 

イッセーは雪菜に向かって、拳を繰り出すが、雪菜は冷静に雪霞狼で上手く受け止める。

 

小猫

「えい…!やぁー…!」

 

美琴

「おっとっと、

危ない危ない!

よっと!」

 

小猫も美琴に突撃していくが、美琴も負けじと回避しつつ、

 

美琴

「ハアァァァァァッ!!」

 

己の武器である電撃を放つ。

しかし小猫も的ではなく、必要最低限の動きで回避しつつ、美琴に接近する。

 

祐斗

「でやぁッ!!」

 

「フッ!!ハアッ!」

 

 

祐斗の方も、魔剣二刀流を駆使して翼に迫るが、翼は見事に

天羽々斬のアームド・ギアで防ぎきる。

 

両者共に剣の使い方に長けている者同士、

並みの戦士ではそう簡単に目視できるモノではない。

 

だが2人は、目視するのではなく、剣の音と気配、そして敢えてお互いに出し合っている“殺気”を感じ取りながら、

攻撃しては受け止める行為の連続だった。

 

この光景を見ているケンイチ達とリアス達は

 

リアス

「凄いわ!たった10日間で此処まで強くなれるなんて!!」

 

朱乃

「ええ!それに

雪菜ちゃん達も凄い戦闘力の持ち主ですわ!流石は、

ケンイチ君達の妹さん達ですわね!」

 

ケンイチ

「まあな。」

 

涼太郎

「俺も美琴があんなに強いとは、考えても見なかったよ。」

鋼賀

「当然だ、翼は鍛練を怠らないからな。」

 

アーシア

「本当に凄いです!!」

 

各々ビックリから感想やら自慢やらを上げていた。

 

そして、雪菜達とイッセー達の模擬戦は…

 

イッセー

「どおぅりゃあぁぁっ!!」

 

雪菜

「ッ!甘いです!」

 

ギンッ!!

(イッセーの突きを雪霞狼で受け止める)

 

イッセー

「なにッ!?」

 

雪菜

「揺らぎよッ!!!!」

 

(両手に纏った電撃を掌底にしてイッセーの腹部に放つ)

 

イッセー「グワアァァッ!?」

 

雪菜の一撃を受けた

イッセーは、かなり吹き飛んだ!

 

小猫

「えい…!…ッ!?」

 

美琴

「よっと!…はいもらった!

(レールガンを構える)

動いたらアウトだよ?」

 

小猫

「…負けました。」

 

祐斗

「ハアァッ!」

 

「ハアッ!」

 

(お互いの剣が首に寸止めされる)

 

 

イッセーが吹き飛ばされたのを機に、

小猫も美琴に敗れ、祐斗は翼とまた相討ちになったのだ。

結果としては、

グレモリー前衛組は、

最強の兄を持つ妹組に敗れたのだ。

 

イッセー

「だああああ!

結局勝てなかった!」

 

小猫

「本当に強いです…。」

 

祐斗

「やはり隙が無い…凄いです、まだまだ強くならなければ。」

 

イッセー、小猫、祐斗はそれぞれ悔しさを口にするが、

ケンイチ達とから言わせれば、著しい成長である

 

ケンイチ

「何言ってんだお前ら?ちゃんと特訓の成果が出ているじゃねぇか。

まあイッセーの場合は、木場みたいに相手が女でも遠慮する事なく、果敢に攻めりゃあベストなんだよな。」

 

イッセー

「やっぱそうですよね…」

 

ケンイチ

「だがそれでもお前らは、見事に強くなったな。

そう思うだろ?

涼太郎。鋼賀。」

 

涼太郎

「ああ、戦いの場では、予測不能が多いから、臨機応変に且つ、大胆不敵な行動を取るというのも有りだしな。」

 

鋼賀

「そして其処に瞬足且つ、破壊力抜群の攻撃を加えれば、

相手は必ず動揺する。

一人が学んだ事は、後の二人にも大事な所は共有させるんだ。」

 

ケンイチ

「と言うわけだお前ら、例えお前らが負けても、心が折れてなけりゃあ、それは負けではない。

どんなに絶望的でも、どれだけボロボロになっても、勝利を信じて立ち上がってみせろ!

それこそが生物の持っている“可能性”なんだからな!

お前ら絶対にできる!“諦めるな”よ!!!。」

 

イッセー、小猫、祐斗

『は、はい!先輩!(先輩…!)』

 

ケンイチ達から誉めの言葉と助言、そして激励を受けたイッセー達は、打倒ライザーに再び志す!

 

雪菜

「あの~、お兄ちゃん?」

 

ケンイチ

「ん?どうした雪菜?」

 

すると雪菜がケンイチの側による。

 

同様に美琴と翼も

己の兄に寄る。

 

雪菜

「私達も頑張ったんですよ?

せめて頭を撫でてくれても良いじゃないですか?」

 

美琴

「あたしもおんなじ気持ちよ、兄さん。小猫のヤバいバカ力を避けつつ相手をしてたんだから。」

 

「わ、私もその…お兄さまから誉め言葉が欲しいです。

悪魔である木場さんと互角の戦いを繰り広げたのですから。」

 

なんと雪菜達が、

ケンイチ達におねだりしてきたのだ。

 

ケンイチ

「いやオイ。

なんで今更…ッ!?」

 

雪菜

「ひ、ヒドいです!?

お兄ちゃん!

美琴さんと翼さんはご褒美を貰っているのに!

(手で顔を覆い泣き顔になるが嘘泣きである)」

 

雪菜が顔を覆いつつ、美琴達を指差しながら嘘泣きスキルを使う。

 

ケンイチ

「グアッ!?(クソォ!?雪菜め!何時からこんなスキルを身に付けやがった!?俺はこの手のスキルは本当に苦手なんだよ!?)…ッたくわーったよ!

(雪菜の頭を撫でる)

本当に甘えん坊な妹だぜ。

ドコで育て方を間違えたかな?」

 

雪菜

「えへへ。

お兄ちゃん、大好きです!(ケンイチに抱き付く)」

 

ケンイチ

「ハァ…。」

 

あまりにも甘えん坊な雪菜に、ケンイチは溜め息を漏らした。

 

その光景を見ていたリアスと朱乃は、微笑ましくも羨ましく思っていた。

 

雪菜は妹という特権を最大限に使い、

ケンイチに甘えまくるのだから、

ケンイチの恋人にでもならない限り、ケンイチに甘えるのは難しいだろう。

 

因みに、左兄妹と道外兄妹はというと、

 

涼太郎

「ほれ、こんなんで良いか?(小遣い“二千円”を渡す)」

 

美琴

「うん、ありがと!

兄さん!」

 

鋼賀

「これで良いか?

(優しく頭を叩いて、撫でる)」

 

「はにゅぅ…お兄さま、嬉しいです!」

 

明らかに仲睦まじかった。

 

だが涼太郎君、小遣いを与えるとは!?

 

そして時間が経ち

その日の夜、

ケンイチは、

メモリーディスプレイから量子変換させて取り寄せたギターを持って、

庭に出ていた。

 

ケンイチ

「やれるかどうかわかんねえけど、

やってみるかな。」

 

そう言うと

徐にギターを弾き、

歌い出した。

 

ケンイチ

「♪青空がある限り~、風は、時を運ぶよ~、勇気がある限り~、夢は必ず、叶うよ~、

誰よりも~何よりも~、君だけを守りた~い、いつ~までも~何処まで~も、君だけを守りた~い、WOW×3叫ぼう~、世界は終わらない~。」

 

そう、彼が歌ったのは『君だけを守りたい』である。

 

別にケンイチは心が折れそうになった訳ではなく、

只純粋に歌ったのだ。

 

ケンイチ

「やっぱ良い歌だなぁ。」

 

とそこへ、

 

“パチパチ”

 

ケンイチ

「ん?」

 

拍手が聞こえたので、振り返ると?

 

リアス

「聞かせてもらったわよ。良い歌ね。」

 

ケンイチ

「リアス、何時の間に。」

 

そう、リアスが居たのだ。

 

リアス

「ドコで覚えたのかしら?その歌を。」

 

ケンイチ

「この歌は、別次元に存在する伝説の英雄が歌ったモノなんだ。

本来は

“心が折れそうになった”

時にそっと口ずさめばいいものなんだが、結構気に入ってな。」

 

リアス

「へぇ~、伝説の英雄がねぇ。

その英雄は、今は何をしているのかしらね?」

 

ケンイチ

「自分の宇宙を守り抜いた後、旅人になって別次元を渡り歩いては、邪悪と闘っているよ。」

 

リアス

「…もしかしてその英雄って、ケンイチと同じ…?」

 

ケンイチ

「ああ。

俺から言わせれば、

先輩の“ウルトラマン”

『ウルトラマンダイナ』

だ。」

 

ケンイチの言葉にリアスは驚く。

ウルトラマンは何人居るのかと。

 

 

リアス

「素敵な話じゃない。何時かその

ウルトラマンに会えると良いわね?」

 

ケンイチ

「ああ、会ってみたいものだぜ。

オマケに本家本元の歌も聞きたいぜ。」

 

ケンイチに一つの目標できた。

何時かオリジナルの

ウルトラマン達に会ってみたいという想いが。

 

ケンイチ

「そう言えば、リアスはなんで外に。」

 

とここでケンイチは、リアスが此処に居ることを質問した。

 

リアス

「少しね、ライザーを倒す作戦を練っていたの。

外の方が風が気持ちいいからね。

そしたら、あなたの歌が聞こえたのよ。」

 

リアスが外に居たのは、風にあたりながらレーティングゲームの作戦を練っていたのだ。

 

ケンイチ

「そうだったのか。

で、どうだ?」

 

 

 

リアス

「正直、無意味だったわ。

どんなに考えても

ライザーは不死身、

あの伝説の聖獣である

“不死鳥・フェニックス”

の名を持つ者。

やっぱり勝には、

ケンイチの力が無いとって考えてしまうわ。

どんなに身体をバラバラにされても、

驚異的な生命力で直ぐに再生するし、

もう既に詰んでいるわね。

倒すには、精神を折るか、神クラスの攻撃を与えるしか無いわ。」

 

リアスは、少し残念気味に言っていたが、ケンイチはある部分を聞いて、こう言った。

 

ケンイチ

「いやリアス、

他にも奴を倒せる方法はあるぞ。」

 

リアス

「えっ?どういう事?」

 

ケンイチの言葉に、驚きを隠せない。

 

精神を折るか、神クラスの攻撃をぶつける以外あるというのか?

 

ケンイチ

「その方法は、

奴の再生能力を逆手に取るんだ。」

 

リアス

「と言うと、どういう事?」

 

ケンイチ

「奴をバラバラに吹き飛ばした後、

強烈な灼熱の“竜巻”を奴にぶつけるんだ。」

 

リアス

「するとどうなるの?それで再生されたら…「いや、再生出来ないぜ。」えっ!?」

 

ケンイチ

「何故なら再生する際には、相当な集中力が必要になる。

其処にその集中力を阻害する攻撃を与えれば、再生できず、逆にダメージを受ける。しかもその時、奴の質量は極端に低いから、地獄の苦しみになるんだ。」

 

リアス

「ま、まさかそんな方法があったなんて!?でも、どこでそんな方法を!?」

 

リアスの問いに、

ケンイチはこう答えた。

 

ケンイチ

「それはな、

この方法で

ウルトラマンと人間が力を合わせて、

ライザー以上の再生能力と戦闘能力を持つ邪悪な宇宙人を撃破したんだ。」

 

リアス

「ウルトラマンと人間が、力を合わせて…。」

 

そう、

ケンイチがリアスに教えた戦法は、

嘗て、暗黒大皇帝に仕えていた

冷凍星人

グローザ星系人で

暗黒四天王の豪将の肩書きを持つ

“不死身のグローザム”を撃破した戦法であった。

 

そしてこのグローザムも、豪将の肩書きの名の通り、強力な戦闘力を持つ上に、再生能力を持った不死身である。

ライザーと比べたら、天と地の差である。

 

ケンイチ

「まあ、そう言う訳だ。まだまだ希望は有るぜリアス!

俺たちだって参加しない訳じゃないんだ。それに、俺が戦いに参戦するきっかけは、イッセーに有るぜ。」

 

リアス

「イッセーに?

どういう事?」

 

ケンイチ

「彼奴がドコまで根性を見せるか、最後まで諦めないでいるか、この二つを俺に示したら、俺は必ず戦う。

だから、リアスも諦めるなよ。」

 

リアス

「そういうことなのね。解ったわ!」

 

ケンイチ

「んじゃあリアス、

寝る前にこの歌を聞いてくれ。

夢を諦めるなよ。」

 

そういうとケンイチは、再びギターを手にし、弦を弾く。

 

ケンイチ

「♪夢を追いかけて~、全てがか~わ~る、何時だ~ってき~みを、心は~見ている~、愛は何処にあ~る?、そ~の答え~から~、君だけ~のゆ~う~き、かな~らず~、探しだせ~るさ~

 

夢を追いかけて~、全てがか~わ~る、

つ~よくな~る意味をここ~ろは~、

しぃってる~、

愛は何処にあ~る?

気付いたと~きに~、君だけ~にで~き~る~、なに~かが~、さ~が~しだせ~るさ~♪」

 

今ケンイチが歌ったのは、

“ウルトラマンコスモス

~君にできるなにか~”

 

であった。

 

この歌の簡単な意味は…夢を諦めずに追い続ければ、必ず叶うという意味である。

 

そしてリアスは…歌の意味を、悟った。

 

リアス

「ありがとう、ケンイチ(若干涙目)

私は決して、夢を諦めないわ!

私を

“グレモリーのリアス”、

“魔王の妹・リアス”ではなく、

“只一人のリアス”と見てくれるヒトと結婚するのが夢なんだから!」

 

ケンイチ

「ああ!頑張れよ

リアス!

お前は“お前”なんだ。

“他の誰でも無いんだから”。」

 

リアス

「ありがとう。

(小さい声)

最もその理想の相手が、“目の前”に居るのだけどね。」

 

ケンイチ

「ん?何か言った?」

 

リアス

「ううん、なんでも無いわ。

お休み、ケンイチ。」

 

ケンイチ

「おう、お休み。」

 

ケンイチとリアスはお互いにお休みを掛け合い、部屋に戻った。

 

そして時が流れ…遂に11日目の深夜11時、

 

部室にはケンイチ達を含んだオカ研メンバーが集合した。

勿論雪菜達も一緒である。

 

リアス

「みんな集まってるわね?準備は良い?」

 

朱乃達

『はいっ!部長!』

 

雪菜達

『はいっ!先輩!』

 

鋼賀

「何時でもいける!」

 

涼太郎

「問題無い!

既にフルスロットルだぜ!」

 

ケンイチ

「ああ!やってやろうじゃねぇか!!」

 

リアスの言葉に、ケンイチ達は気合いが入っていた。

と、其処へ白い魔法陣が出現し、グレイフィアが現れた。

 

グレイフィア

「失礼しますリアスお嬢さま。

少しの間“櫂ケンイチ様”をお借りしてもよろしいでしょうか?」

 

リアス

「どういう事よ!?

グレイフィア!」

 

流石にこれは予想外なのだから、リアス問うと、

 

グレイフィア

「魔王・サーゼクス様が、櫂ケンイチ様に会談を申し出ていられますので。」

 

リアス

「お、お兄さまが!?」

 

イッセー

「ホントに先輩って何処まで規格外のすげぇ人なんだよ!?」

 

グレイフィア

「よろしいでしょうか?お嬢さま。勿論開始時間は延長しますので。」

 

リアス

「わ、わかったわ。

お兄さまがケンイチに何のようなのかしら?

申し訳無いけど、

お兄さまに会ってあげて、ケンイチ。」

 

ケンイチ

「ん?まあ別にかまわねぇけど。」

 

グレイフィア

「それではケンイチ様、此方へ。

会談が終わり次第、

ケンイチ様を送った直後にゲームを開始致します。」

 

そう言うと、グレイフィアはケンイチを連れて、転移した。

 

朱乃

「一体サーゼクス様は、ケンイチ君に何のようがあるのでしょうか?」

 

リアス

「流石に今回ばかりは、お兄さまの会談は読めないわ。」

リアスと朱乃は、若干不安になる。

なんせ、自分の想い人が現魔王と会談をするのだから。

 

因みに涼太郎や鋼賀、そして雪菜達もそんなに心配はしていなかった。

なんせアイツは…………ウルトラマンだから。

 

 

一方此方はVIPルームに転移したグレイフィアとケンイチである。

 

グレイフィア

「此方で暫しお待ちください。

サーゼクス様をお連れしてまいります。」

 

そう言うと、退出して行く。

 

ケンイチ

「何のようだか?

現魔王殿が俺に用とは。」

 

そうぼやいていると、

 

グレイフィア

「お待たせしましたケンイチ様。」

 

グレイフィアが戻り、その後ろに

リアスと同じ紅髪の青年、

現魔王サーゼクス・ルシファーが居た。

 

ケンイチ

「アンタが、

リアスの兄貴の

魔王・ルシファー殿か?」

 

ケンイチの問いに、サーゼクスは肯定する。

 

サーゼクス

「その通りだ。

初めまして櫂ケンイチ君。

いや、

“ウルトラマン殿”と言った方が良いかな?」

 

するとサーゼクスが、ケンイチを

“ウルトラマン”と呼んだため、ケンイチ補足する。

 

ケンイチ

「ウルトラマンの名は、俺がウルトラマンに変身した時に言って欲しいんだが。

なんせ、俺は

“ウルトラマン”でもあり、

人間の“櫂ケンイチ”でもある。」

 

サーゼクス

「わかった。

では櫂ケンイチ君、

今回の私の個人的会談に応じてくれてありがとう。」

 

サーゼクスがケンイチの言葉を聞いた後、御礼の述べる。

 

ケンイチ

「前置きは要らない。俺を呼んだのは何だ?」

 

ケンイチが今回会談したい理由を、

サーゼクスに問いた。

 

サーゼクス

「では聞こう。

君は…、

“あの時”に悪魔、天使、堕天使を二天龍の脅威から救ってくれた“あの”ウルトラマンなのかい?」

 

サーゼクスの用件は、ケンイチが嘗て、悪魔、天使、堕天使の三大勢力が二天龍の脅威に晒され、全滅しかけた時、

其処に横槍を入れるかのように乱入した

 

『ウルトラマン』

 

を名乗る光の巨人が姿を現し、瞬く間に二天龍を撃破し、

三大勢力に戦争を停止するように呼び掛けたのだ。

 

 

そして、

リアスとグレイフィアの前で、彼が自分をあのウルトラマンと名乗ったのだ。

 

そのため、確かめたかったのだ。

 

もし彼が、

あの時自分達を救ってくれたあの

“ウルトラマン”

なのか、否か…。

 

ケンイチ

「(やはり夢じゃなかったか…あれは。)……。」

 

サーゼクス

「どうなんだい?」

 

ケンイチ

「…ああ、

確かに俺が…“あの”戦いに乱入した

“ウルトラマン”だ。」

 

 

ケンイチの告白に

サーゼクスは、

 

サーゼクス

「そうか…、

ならばお礼を言わなければいけないな。

あの時我々を救ってくれた事を感謝する。

ありがとう。」

 

ケンイチ

「まあ礼には及ばない。当然の事をしただけだ。」

サーゼクスはお礼の言葉を述べるが、

ケンイチはあたりまえの事をしたまでだという感じだ。

 

サーゼクス

「それから…、

ライザー君の事なのだが。」

 

ケンイチ

「何だ?」

 

サーゼクス

「私達現4大魔王が人間を見下さぬよう呼び掛けていたのだが、ライザー君が人間達を見下しただけでなく、あまつさえ侮辱し、さらには無知な事に君の怒りを買ってしまったのだ。

だから私に謝罪させてくれ。

非常に申し訳ない事をした。

本当にすまない。

どうか私に免じて、我ら悪魔を“人間の敵”として見ないで欲しい。」

 

サーゼクスは最も本題である

“人間”と“悪魔”の関係である。

 

人間を愛する

ウルトラマンにとって、人間を見下し、下等な種族などと侮辱する者は決して許さない。

 

故にサーゼクスは、

ウルトラマンの力を、あの戦争で知った為、可能な限り怒りを買わないよう心掛けていたのだが、

己の才能で調子に乗っていたライザーの愚行によって、水の泡になりかけているのだ。

 

だからこそ、

魔王である自らが、

ウルトラマン=ケンイチに、土下座してまで謝罪していたのだ。

 

隣に居るグレイフィアも、主であり夫でもあるサーゼクスを尊重して、横槍を入れないのだ。

 

対してケンイチは…こう答えた。

 

ケンイチ

「何か勘違いしてねぇか?」

 

サーゼクス

「えっ?どういう事だい?」

 

ケンイチの予想外の言葉に、サーゼクスは驚きを隠せない。

 

ケンイチ

「確かに俺は人間を見下す者を許せない。

例え何者であろうと例外は無い。

だがな魔王サーゼクス、悪魔が人間を見下しても、

“その全て”の悪魔が人間を見下している訳ではない。

そう、アンタやアンタと同じ他の現魔王達に、

グレモリー家と

シトリー家、

そして、ソーナにリアスのような人間に友好的な悪魔が居ることを知っているんだ。

だから俺が許せないのは、人間を“完全に見下す者”だということだ。」

 

サーゼクス

「っ!?」

 

ケンイチのその言葉は、サーゼクス達悪魔にとって、正に救いの言葉でもあった。

 

それと同時に、彼の人柄がよく解った。

 

“優しすぎるが故のお人好し”だということだと。

 

しかし、彼に“黒い”部分は一切感じられない。

正に純粋の塊と言える程に。

 

サーゼクス

「そうか…ありがとうケンイチ君。」

 

ケンイチ

「話はそれだけか?」

 

サーゼクス

「後もう一つ聞きたい。

何故、妹のリアスに加担するようにこのレーティング・ゲームに参加したんだい?」

 

最後にサーゼクスが質問したのは、彼が何故リアスに加担したのか?

 

ケンイチ

「…大した理由じゃないな。

“筋”が通ってないんだよ。

アンタは勿論、

グレモリー家の者も

リアスが人間界の大学を卒業するまで、自由に過ごして良いと約束していたのにも関わらず、まだ高校生のリアスに

縁談を強引に持ち込むなんざ、筋が通ってないにもほどが有るんじゃないのか!

 

しかも言わせて貰うが、アンタ等は相手を“みる”目があんのか!?

あのライザー(ゲス)が、いくら自分が王だからと言って自分の下僕は女ばかり!あまつさえ、仮にもその婚約者の立場の者が己の下僕をリアスを含んだ俺達の目の前ではしたない行為を行ったのだぞ!

そんな奴が“この縁談は悪魔の未来の為”だなんて口にしているが、俺にはそうは見えねぇ!

あのゲスは、完全にリアスの“身体”目当てで縁談に乗ったんだろうな。

いやリアスだけじゃない!

このゲームに勝てば、リアスだけじゃなく、朱乃や小猫、そしてアーシアすらも手篭めにする気だ!イッセーと木場は男だから、“排除”してな!

もしアンタ等が本当にリアスの幸せを考えているなら…リアスを信じろよ!」

 

サーゼクス

「っ…!?」

 

ケンイチの言葉を聞いて、サーゼクスは言葉を返せなかった。

ライザーがとんでもないことをしていたということに。

 

しかもリアスの身体目当てで縁談を承諾しただけでなく、

リアスの心友である朱乃や、妹とも言える小猫、そして新参者のアーシアをも手篭めにするつもりなのだからと言われれば。更にリアスの下僕であるイッセーと木場を排除してまでと来たから。

 

ライザーの愚行を聞かなければ、反論していたかも知れないが、グレイフィアからの事前報告と、

ケンイチの言葉を合わせれば、有り得る話だった。

 

サーゼクスは

 

“自分達は、間違っていたのか!?”

 

と自覚した。

 

ケンイチ

「それと、さっき言ったのは、

“ウルトラマン”としての理由だ。

そしてコレが、人間としての俺の“本心”だ。

 

理由なんか無いんだよ!

仲間が、友だちが困っているのなら助けてやる。

それが仲間、友だちってもんだろ!」

 

サーゼクス

「ッ!」

 

そしてケンイチは、人間としての本心のを、サーゼクスにぶつけた。

 

その言葉に、サーゼクスは心を打たれた。

 

サーゼクス

「…わかった。

君の思いは凄い程に。私から聞きたいことは以上だ。

グレイフィア、ケンイチ君をリアスの元に送ってくれ。」

 

グレイフィア

「畏まりました、サーゼクス様。

それではケンイチ様、此方へ。」

 

サーゼクス

「改めてありがとうケンイチ君。

有意義な時間だったよ。

リアスを頼むよ。」

 

ケンイチ

「まあ俺も言いたいことは言えたからな。

それと、よく考えておけよ。本当にリアスの幸せを思っているのなら。」

 

ケンイチはそう言うと、グレイフィアの魔法陣に入り、リアスの元へ戻った。

 

サーゼクス

「もしかしたら、

リアスは彼に惚れたのかも知れないな。」

 

―――――――――――

 

そしてケンイチはグレイフィアに送られて来たのだが、

ソコには、カオスが存在していた。

 

ライザー

「どうよリアス~。

フェニックス家が誇るゴージャスなドレスは?」

 

リアス

「いい加減にしてライザー!もう直ぐ始まるのよ!

今すぐ陣地に戻ってちょうだい!!」

 

なんとライザーが、余裕綽々とリアス達の陣地にやってきては、もう自分は勝ったも同然の如く、

リアスに婚約パーティー用のドレスを着せようとしていた!

 

はっきり言おう!

 

エクストリーム(極限)なまでのバカな上に、エクストリーム(極限)なまでの悪趣味なドレスであると!

 

ケンイチ

「何だ、この状況は?」

 

雪菜

「あ!お兄ちゃん!」

 

ケンイチが戻ってきたのに気づいた雪菜が、瞬時にすがりついた。(若干涙目)

 

ケンイチ

「…雪菜、あのゲスに何かされなかったか?」

 

ケンイチが雪菜に、ライザーから何かされなかった聞いたのだ。

 

雪菜

「…うん。

汚らわしい手で、

私だけじゃなく

美琴さんに翼さん、

朱乃先輩に小猫ちゃん、アーシアさんに触って来たの。

その後、“品定め”と言いながら、馴れ馴れしく…」

 

此処まで雪菜が言った途端に、

 

バキャァァァン!!

ケンイチの瞳から、ハイライトが消えた!

 

ライザー

「なんだお気に召さないのか?

なんならフェニックス家が誇る冥界1のゴージャスなウエディングドレスでどうよ?」

 

とライザーがリアスに迫った途端!

 

ケンイチ

「ディバイドランチャー転送。」

ケンイチがメモリーディスプレイを操作し、

ディバイドランチャーを量子変換させて転送し、それを持って構える!

 

ガチャリッ!

 

ケンイチ

「ウルティメイトパニッシャー!!」

 

ライザーの用意したドレスに向かって、ぶっ放した!!

 

ウルティメイトパニッシャーは、歴代の地球防衛組織が持つ火器の中でも、

最もウルトラマンの光線技に相当する程の物である。

 

そんな物を、

高々悪趣味なドレスに命中すれば、言わずが通り…微塵も残さず、消滅する。

 

ライザー

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?

フェニックス家の冥界1のドレスがぁぁぁぁぁ!?」

 

 

自慢のドレスが消滅したことに奇声を上げたライザー!

 

そして同時に全員がケンイチに気づいた。

 

ケンイチ

「ヒュ~っ。

一丁上がり!」

 

リアス達

『ケンイチ(君)(先輩)(さん)!!!』

 

涼太郎

「戻ったか!」

 

鋼賀

「悪いな、この状況下で。」

 

ケンイチ

「しゃーねぇさ。

美琴、翼。

大丈夫か?」

 

美琴

「先輩…!」

 

「不覚を取りました…すみません。」

 

己の兄の背中に隠れるかのような位置にいた美琴と翼に、心配の声を掛けた。

 

ライザー

「貴様あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?

よくも“リアスのドレス”を消してくれたなあ!!

くたばれぇぇぇぇッ!!!!!」

 

と突然ドレスを消しさせられたライザーが逆上して、火炎弾を放った!

 

リアス、朱乃

『あっ!?危ない!?避けてケンイチ(君)!?』

 

リアスと朱乃が同時に叫ぶ!

 

勿論ケンイチは迎撃しようとすると!?

 

ギャオンッ!!

 

オカ研全員(ケンイチ達以外)

『えッ…!?』

 

ライザー

「な゛!?何ぃ!?」

 

ライザーの火炎弾が消え去った!

 

その正体は…ケンイチの前で雪霞狼を構えた雪菜だったのだ!!

 

雪菜だって、兄に護られるばかりじゃない!

 

少しでも兄・ケンイチの負担を減らす為に、今このように前に立ち、ケンイチを守ったのだ。

 

雪菜

「お兄ちゃんに…手を出さないでいただきますか…?

さもなくば…“消滅”しますよッ!!

“2つ”の意味でッ!! 」

 

ライザーを睨みながら、雪菜が言い放った!

 

更に恐るべき殺気まで出していたのだ!

 

しかもその殺気は、

怒りが爆発した

ケンイチと非では無かったのだ!

 

リアス達は勿論驚くと同時に、再確認した。

 

やはり雪菜は、ケンイチの妹だと!

 

ライザー

「お、己!?人間の分際で!!」

 

グレイフィア

「ライザー様、

これ以上騒ぎを大きくしないでいただきたいのですが?

(背後に黒いオーラを出す)」

 

ライザー

「し、しかしグレイフィアさん!

此奴等は無礼な事を!!」

 

グレイフィア

「私から見ても、

無礼が有るのは、

明らかにライザー様です。」

 

ライザー

「な!?何故俺なのですか!?

明らかに!」

 

グレイフィア

「何度も言います。

無礼なのはライザー様、貴方自身です!

ケンイチ様はリアス様のご友人として、当然の事をしたまでです。

さらに言えば、今すぐにレーティング・ゲームを始める筈が、貴方様のせいで長引いているのです!しかも貴方様は既に勝った気で、リアス様に無理矢理“こんな悪趣味なドレス”を着させようと言うのなら、それは魔王・サーゼクス様に対する冒涜行為です!

おわかり頂けますでしょうか?」

 

ライザー

「ぐう!?」

 

グレイフィアの此処まで迫力を、リアスと朱乃は久し振りに感じ、イッセー達下僕は後退り、

ケンイチ達は、感服していた。

 

 

 

ライザー

「チィッ!

覚えていろよ

“偽り”の最強!

貴様はレーティング・ゲームで燃やし尽くしてやる!

灰すらも残さずにな!!」

 

グレイフィアの迫力に負けたライザーは、退き際にケンイチを挑発し、陣地に戻った。

 

ケンイチ

「ば~か、やってみろや糞鳥野郎風情が!

才能に頼った“なまくら”な奴がどれほどアホな奴か、身を持って知ることになるぜ。」

 

グレイフィア

「それでは皆さん、

今回の

レーティング・ゲームの会場に転移します。

尚、

レーティング・ゲームが終了しない限り、人間界に戻る事は出来ませんので、

ご了承ください。」

 

リアス

「ある程度の事は私から涼太郎達に言っておいたわ。

だから、始めましょう。」

 

グレイフィア

「しかしケンイチ様は宜しいのですか?」

 

ケンイチ

「問題はねぇさ。

バトル中に聞きゃあ良い話だからな。」

 

グレイフィア

「解りました。

では皆様、御武運を…。」

 

グレイフィアがそう言った途端、

全員がオカ研の部室から消えた。

 

その様子を見ていた……黒い陰。

 

???

「グッヘッヘッヘ!

なかなかに面白いイベントが起こるようだなぁ?」

 

部室の外にある木にもたれかかるように立っていた存在。

 

その者の見た目は………はっきり言って人間ではない!

 

と其処へ、

 

溝呂木

「よお。

暫く振りだな、“兄弟”。」

 

???

「溝呂木か?

どうした?俺に何かようか?」

 

溝呂木

「手筈は整ったか、見に来てな。

俺達の宿敵が、どれほどの強さを持っているか、

今回の“ゲーム”は、それが目的なんだからな。」

 

この溝呂木なる男、一体何を考えている!?

宿敵とはまさか、

ケンイチ達の事なのか!?

 

???

「だが良いのか?

俺に任せたら、

“2人”は兎も角、

あの光の戦士の魂を宿した男は、俺にとっても復讐の対象だぞ?

もし俺“兵器”共が抹殺しちまったら、お前としても困るのじゃないか?」

 

溝呂木

「その時はその時だ。其処までの男だったと言うことだ。」

 

???

「…わかった。

ならば俺の好きなタイミングでやらせてもらう。」

 

溝呂木

「ああ、吉報を待っているぜ?

“ヤプール”。」

 

ヤプール

「ああ。

我が兄弟溝呂木…いや、“メフィスト”よ。」

 

な゛!?なんということだ!?

溝呂木が兄弟と呼んでいた

相手は……………………“異次元人ヤプール”だった!!

 

長き渡って、

ウルトラ戦士と因縁深い“本物の悪魔”が……“D×Dスペース”にて復活した!

 

この

レーティング・ゲーム…ヤプールの罠になるのか!?

 

ヤプール

「グッヘッヘッヘ。

早速月影から貰った

“ネオ生命体”に、

溝呂木から貰った

怪獣達の死体を“合成”させて

“タイラント”と、

“ファイブキング”

を造るか?

くっくっく、

奴らは勝てるかな?」

 

果たして、レーティング・ゲームの行方は!?

 

そして、ケンイチ達の運命は!?

 

 

つづくッ!!

 




BGM
牙狼~SAViOR IN THE DARK~(サビVer.)

ザルバナレーション

遂に始まった
レーティング・ゲーム。
人間を見下すバカ共に、一泡吹かせてやれ!!

次回!中編へ、続く!

ておいドラゴンの坊主!?
なんだそのいかがわしい技は!?


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第11話 開幕(中編)

ギャアアアッ!?
まさかの3日月半も投稿が掛かってしまった!
せめて我がバースデーに間に合わせたかったのに、現実は非情すぎる(泣)

次回はなんとか頑張ろう!

OP「Fight 4 Real」

ED「only my railgun」

異次元人ヤプール
(スポット)
及び
スペシャルゲスト
登場!

※一部だけ修正しました。


リアス

「じゃあ、作戦を説明するわね?

この作戦は、ケンイチと一緒に練ったモノだから、解らない所があれば遠慮なく聞いてね。

それじゃあケンイチ、お願い。」

 

ケンイチ

「ああ。」

 

さてさて今現在オカ研メンバーは、異空間に転移して、己の“陣地”となる場所に居た。

 

最初は転移失敗かと思ってしまったが空を見れば一目瞭然、明らかに空の色合いが違ったのだ。

 

特にケンイチ達転生組は、この空を見て“ある光景”と重なった。

 

その光景とは、

転生する前に見ていたテレビシリーズ作品

“特撮テレビ番組

ウルトラマン”に登場した、

 

“異次元人ヤプール”の根城である

“異次元空間”に酷似してるくらいに

不気味な空だったのだ。

 

それでも流石に、

ヤプールが一枚絡んでいるか!?という考えを持ったが、正しく考え過ぎであろう。

 

という訳で現在に至る。

 

因みにバトルフィールドは駒王学園を模した、言わば擬似駒王学園である

 

ケンイチ

「そんじゃあ、作戦を説明する。

いいか、この作戦は

“フェーズ3”に分けて行う。

先ずフェーズ1だが、雪菜、イッセー、小猫、お前たち3人でチームを組み、

重要点となる体育館を確保しろ。おそらく向こうも同じ事を考えているはずだ。もし向こうの眷属と遭遇したら、時間を稼げ。無論ぶち倒しても構わない。

そして雪菜達が時間を稼いでいる間、

朱乃と美琴は、雷と電撃を現在の最大威力で放てる程チャージしてくれ。

チャージが完了次第、雪菜達に退避するよう伝達し、体育館を消し飛ばしてくれ。敢えて重要点を潰す事で、奴らに利のある展開を防ぐ必要があるからな。

それから、木場と翼はリアスの幻術を利用して、本拠地に奇襲攻撃を仕掛けてくる奴らを迎え撃て。

迎撃が完了次第、木場達はイッセー達と合流…それでフェーズ1が成功だ。」

 

イッセー

「あの先輩?

どうして敵を倒すのに、何で体育館を壊すのですか?」

 

イッセーは、ケンイチの作戦に気になった所があり、聞いてみた。ケンイチ

「いい質問だイッセー。何故なら体育館は中央にある上に、建物自体それなりにデカい。

其処を拠点にされたら、俺達の行動は筒抜けだ。

こっちはいくら俺達6人の助っ人が居ても、4人向こうが多い為、数の不利は否めない。

故に、俺達3人はフェーズ3に分けられた条件を満たさない限り、参加出来ないため、地質9人しか動けない。

だから、俺達は陣取るよりも潰す方が動きやすいということだ。解ったな、イッセー。」

 

イッセー

「は、はい!先輩!」

 

ケンイチ

「じゃあ次にフェーズ2を説明する。

フェーズ2の移行条件は、さっき説明したフェーズ1を成功後だ。フェーズ1成功後、木場達はイッセー達合流後、翼はライザーの眷属共の前で、“シンフォギア・天羽々斬”の“シンフォギアアーマー”を纏え!」

 

「了解、ケンイチさん。」

 

ケンイチ

「翼がシンフォギアアーマーを装着後、朱乃と美琴も合流、その後雪菜と美琴と翼でチームを組み、

朱乃達はリアス、アーシアと合流するんだ。」

 

イッセー

「それってどういうことですか?」

 

イッセーは疑問に思うが、勿論祐斗に小猫、アーシアも疑問を持つ。

 

ケンイチ「雪菜達の力を、人間を見下す馬鹿共に示す為だ。

朱乃達はリアス達と合流後ライザーを強襲しろ。

そして、雪菜達はライザーの眷属共を相手にしている間、

涼太郎と鋼賀に雪菜達の援軍に行ってもらう。」

 

涼太郎

「なるほど。

なかなか面白い作戦だ。」

 

鋼賀

「解った。

それとケンイチ、

あのライザーの女王の相手は、誰が担当すればいい?」

 

ケンイチ

「最初は翼が奴の女王を相手にするんだ。フェーズ3の条件は涼太郎達が合流した時に移行し、鋼賀に変わり、鎧を召喚して叩き伏せてくれ。

涼太郎は雪菜、美琴をサポートして、フェーズ3に移行した後、雪菜達は下がらせて変身してくれ。」

 

鋼賀

「承知した。」

 

涼太郎

「良し、任せとけって。馬鹿共に一泡吹かせてやるぜ!」

 

涼太郎と鋼賀は、気合いを入れた。

 

ケンイチ

「そしてイッセー。」

 

イッセー

「は!はい!?」

 

ケンイチ

「お前はフェーズ3移行後、お前は“秘密兵器”を披露して、皆と一緒にライザーの野郎を総攻撃して弱らせろ!!

そして、“一撃必殺技”をぶちかましてやれ!!」

 

イッセー以外

『秘密兵器!?

一撃必殺技!?』

 

イッセー

「了解です先輩!

あの焼き鳥をぶっ倒してやりますよ!!」

ケンイチ

「そのイキだ!

それと、万が一奴を一撃必殺技で仕留めきれなくても、最後まで立ち向かう勇気を忘れるな!

諦めない思いが、不可能を可能するんだからな!

勿論、リアス達もだ!どんなに強い相手でも、その相手を打ち倒す意志を折られず、俺に示しくれ!

それが、必要有るか無いかの

“フェーズ4”だ!このフェーズ4を満たした時、皆の思いを繋ぎ、リアスの未来を守る為に、俺が戦う事を約束する!」

 

リアス

「ケンイチ…。」

 

朱乃

「解りましたわ、ケンイチ君。」

 

祐斗

「ケンイチ先輩、

イッセー君に教えた秘密兵器って、いったいなんですか?」

ケンイチ

「見てのお楽しみだ。それじゃあ、雪菜、美琴、翼、フェーズ1は頼んだぞ!」

 

雪菜達

『はい!!お兄ちゃん!(先輩!)(ケンイチさん!)』

 

ケンイチ

「よし!それじゃあリアス、後は任せた!」

 

リアス

「わかったわ。

みんな、ライザーに一泡吹かせてやるために、フェニックスの炎を消し飛ばしてやりましょう!!」

 

朱乃達

『はい部長!!』

 

リアスの言葉に朱乃達は同時に返事して、イッセー達は行動を起こすために配置へ向かう。

ケンイチ

「頑張れよ、弟子ども。」

 

鋼賀「ケンイチ、ちょっといいか?」

 

ケンイチ

「どうした鋼賀?」

 

イッセー達を見送ったケンイチに、

突然鋼賀が声をかけた。

 

鋼賀

「ザルバが俺たちに言いたい事があるらしい。」

 

ケンイチ

「なに?涼太郎にもか?」

 

涼太郎

「ああ、俺たち三人にな。」

 

ケンイチ

「かなり重要と見ていいんだな?」

 

ザルバ

『勿論だケンイチ。なんせ…“感じた事の無い邪気”を感じたんだ。』

 

ケンイチ達

『何だと!?』

 

リアス

「どうしたのケンイチ?涼太郎?鋼賀?」

 

ケンイチ達の声に反応したリアスは、心配して声をかけた。

 

ケンイチ

「悪いリアス、少しの間俺たち三人で“作戦会議”を行う。

許してくれ。」

リアス

「ちょっとケンイチ!?涼太郎!?鋼賀!?」

 

そう言ってケンイチ達は擬似部室を出た。

 

朱乃

「リアス、なんだかケンイチ君達、表情が険しくありませんでしたか?」

 

リアス

「確かにそうね。

どうしたのかしら?」

 

 

擬似旧校舎の前…、

 

ケンイチ

「ザルバ、その感じた事の無い邪気は何時感じたんだ?」

 

ザルバ

『この異空間に転移する直前だ。』

 

涼太郎

「なんだって!?」

 

鋼賀

「詳しく解るか?」

 

ザルバ

『得体の知れない邪気なのは、確かだ。

もっと細かく言うと…“怨念の塊”と言うべきか?』

 

ケンイチ達

『怨念の塊…だと!?』

 

ザルバの言葉に耳を疑った。

ザルバが感じた得体の知れない邪気…それを細かく言うと、“怨念の塊”だと言うことはケンイチ達には心当たりが俄にある。

それは…異次元人ヤプールであった。

なにせヤプールは全ての生命体、特に地球人の負の感情、“マイナスエネルギー”を糧として姿を現し、ウルトラ戦士と長きに渡って激闘を繰り広げたのだ。

何よりも、怒りや悲しみに苦しみ、そして怨念といった感情を己の糧とするため、決して滅びる事の無い、“本物の不死身の悪魔”である。

ヤプール人が滅びるには…この世から“生物”が消え去る事が条件である。

 

だが、命を愛し、真の平和の為に闘い続けるウルトラ戦士がそんな手段を取る筈が無い。

故に復活しては、撃破する事の繰り返しである。

 

鋼賀

「どう思う、ケンイチ?」

 

涼太郎

「もし本当に“奴”なら、ヤバい事態になりかねないぞ!」

 

ケンイチ

「…今はまだ、様子を見よう。

“奴”でないことを祈っていたいものだ。」

本当なら確かにマズいが、確信が無い為、少し様子を見る事にしたのだ。

 

ケンイチ達の不安は当たるのか?

 

一方…雪菜、イッセー、小猫の三人は、ケンイチの指示通り、体育館に到着し、既に戦闘を開始していた。

 

雪菜

「ハアッ!!」

 

ミラ

「ぐッ!?人間のクセに…なんで強いの?」

 

雪菜は見事持てる力を出し、ライザーの眷属相手に立ち回ってみせた!

 

修行期間にも披露したが、ケンイチを相手に一歩も退かなかったのだ。

 

何よりも、相手は自分が人間だからと見下し、油断している愚かなライザーの眷属、もし相手が(例えるなら)メフィラス星人なら、勝つのは難しいだろう。

(※理由…メフィラス星人は意外にも人間に対して高い評価を示しています。[作者の見解])

 

雪霞狼を駆使しつつ、兄・ケンイチには及ばないが、それでも高い身体能力を披露していた。

近くで戦っている小猫も、涼太郎や美琴との特訓の効果が出ており、冷静に相手を見極めては、一撃を与えていく。

 

一方イッセーは…、

 

ライザー眷属の双子

「「解体しま~~~す!!」」

 

イッセー

「ちょっと待ってぇ!?なんで“チェーンソー”振り回すのォォッ!?

殺人鬼にしか見えないよォォッ!?」

 

…ケンイチの鬼特訓を受けたのにもかかわらず、ライザー眷属の双子が振り回すチェーンソーに恐怖して、逃げ回っていた。

まあ流石に…チェーンソーに恐れるのは当然だが、ケンイチがコレを見たら間違い無く、

 

“逃げんじゃねぇッ!!”

 

と言うのは、目に見えている。

 

イッセー

「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!?いくら何でも、可愛い双子がチェーンソーを振り回すのはダメでしょ!?危険どころの騒ぎじゃないよッ!?)チキショーッ!?こうなったら!ドライグ!ブーストだ!」

 

ドライグ

『オイ相棒、まさかウルトラマンから受けた技を使うつもりか?』

 

イッセー

「ちげーよ!俺が夜な夜な特訓してた“俺独自の技”の方だよ!」

 

ドライグ『アッチか?だがあれは“技”と言えるのか?』

 

イッセー

「当たり前だ!今やらずして、何時やる!?今しかない!今でしょッ!!」

 

ドライグ

『どうなっても知らんぞ?』

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!』

 

イッセーは逃げながらドライグと会議をしていたが、

何やらイッセーの顔がどうやらよからぬ表情になっているではないか!?

何を考えている!?

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!ブーストッ!!』

 

イッセー

「良し充分!

行くぜッ!!」

 

倍加を三回行い、イッセーはその倍加の力で高速に動く!

 

 

ライザー眷属の双子は、急に速くなったイッセーに驚愕するが、イッセーはお構いなしと、更に倍加を行う。

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!ブーストッ!!』

 

イッセー

「いよっしゃぁ!

行くぜ!俺の独自の“必殺技”ッ!!」

 

雪菜

「えッ?」

 

小猫

「必殺技…?」

 

驚く雪菜と小猫に構うことなく、高速移動中のイッセーはライザー眷属の双子に触れて、魔力を流し込む。

 

そして!!

 

イッセー

「行くぜッ!!コレが俺の独自で掴んだ必殺技!!

洋服破壊(ドレ~ス・ブレイク)ッ!!(パチンッと指を鳴らす)」

ブーステッド・ギア

『エクスプロージョンッ!!』

 

するとどうだろう!?

 

双子の衣服が…一瞬で、木っ端微塵に吹き飛んだではないか!?

 

 

イッセー以外

『…………………』

 

双子

「「き…キャアアアアアッ!?」」

 

イッセー

「き…決まった…。

決まったぜぇッ!!

初めて使用して…初めて成功したぁぁぁッ!!」

 

双子は各々隠す部分を必死に隠し、雪菜や小猫達は呆然としており、イッセーに限ってはエロい顔且つヤバい顔で喜んでいた!!

 

小猫

「最低です…。」

 

雪菜

「酷過ぎです。

軽蔑します!」

 

 

イッセー

「ええッ!?

そりゃあ無いでしょ!?

逆転したんだよ!?

何でなの!?」

 

小猫

「女性の“敵”です…。」

 

雪菜

「全くを持ってその通りです!!

これじゃあお兄ちゃんに対して、

“恩を仇で返しています”!!」

 

イッセー

「ううう…、

俺のロマンの技が…コレさえ有ればハーレム王になれると思ったのに…。」

 

雪菜、小猫

『なりませんッ!!(…!!)』

 

イッセーは、雪菜と小猫から切れ味の鋭いツッコミを入れられてへこんだ。

 

ミラ

「私たちを無視しないでもらいたいのですけど…。」

 

呆然状態から抜け出したミラが一言物申す。

 

と其処へ雪菜の端末機がなる。

 

雪菜

「もしもし?」

 

美琴

『もしもし雪菜?

そっちはどんな感じ?』

 

相手は美琴であった。

即ちコレは…。

 

雪菜

「まあ…手筈通りだと思います。

今小猫ちゃんと兵藤さんと一緒に敵を迎撃中ですから。」

 

戦闘中であるのにもかかわらず、不意打ちを仕掛けてくる敵に対し、雪菜は見事に回避しつつ美琴と通話をする。

 

美琴

『オッケー!

コッチも朱乃さんと準備万端整ったから、無理に敵を倒さなくていいよ!』

 

雪菜

「わかりました、美琴さん!

小猫ちゃん、兵藤さん。美琴さんと朱乃さんが準備出来ました。

予定通りに行動します!」

 

小猫

「解りました…。」

 

イッセー

「わ、わかったよ、雪菜ちゃん!」

 

 

フェーズ1決行の準備が整い、雪菜達は体育館から脱出を図る。

 

それを追うようにライザー眷属の戦車(ルーク)が殴りかかってきたが、

 

雪菜

「若雷ッ!!」

 

ウルトラマンノアからの転生特典で貰った自分の“オリジナル”とも言える人物の特殊能力である電撃による攻撃手段と、呪術、魔術、仙術を駆使して立ち回ってみせ、ライザー眷属の戦車を迎撃した!

 

そして体育館から脱出したのだ。

 

途中でライザー眷属のミラもかかってきたが、勿論雪菜が迎撃してみせたのだ。

 

その後雪菜達が脱出したのを見計らった美琴は、朱乃に連絡を入れる。

 

美琴

「よし、雪菜達は体育館を出たわね!

朱乃さん!

行けますか?」

 

朱乃

「問題ありませんわ、美琴ちゃん。

では始めましょうか?」

 

美琴

「よっしゃあ!」

 

朱乃の言葉で、美琴は体中から電撃を迸らせる!

 

そして朱乃も、魔力を最大限までにチャージし、発動する!

 

朱乃

「天雷よ…鳴り響けッ!!」

美琴

「せぇ~~ッのッ!!いっけぇッ!!」

 

朱乃と美琴が同時に、腕を振り上げた後、その腕を振り下ろす!

 

すると上空から凄まじい轟音と共に、自然現象以上とも言うべき異常な落雷が体育館に直撃し、数秒位たった後に体育館は、消し飛んでいたのだ!!

 

更に!

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、兵士三名と戦車一名、リタイア。』

 

アナウンスを担当しているグレイフィアよって撃破された者の役割があげられた。

 

イッセー

「…うそぉん!?

朱乃さんは解ってたけど、美琴ちゃんの一撃もヤバ過ぎでしょッ!?」

流石にヤバいと感じるのは当然だ。

 

なにしろ体育館が有った場所は、巨大なクレーターが出来上がっているのだから。

 

 

一方…祐斗と翼も同じように、リアスが用意した幻術によって、まんまと引っかかったライザー眷属を迎え撃っていた。

 

「ハアッ!テヤッ!!」

 

アーマーを身に纏っていないにもかかわらず、体術と剣術を駆使して対応してみせた!

 

ライザー眷属兵士A

「ぐッ!?なんなのこの人間!人間の癖して悪魔より強いなんて!?」

 

「あまり人間を見下すな!人間を見下す者に…私たち人間は負けない!!

何よりも、“人類守護の防人”の力を受け継いだ以上、私は決して負けない!!」

 

ライザー眷属兵士B

「くッ!?人間風情の女が!?」

 

天羽々斬のアームド・ギアを振るい、ライザー眷属の2人掛かりでも全く怯まない翼。

 

流石は、護りし者の力を受け継いだ兄を持つ防人の力を受け継ぎし妹である!

 

祐斗

「流石ですね翼さん!フェニックスの眷属相手でも隙を見せない上に、剣一本で2人掛かりをモノともしないとは!」

 

祐斗もライザー眷属の騎士(ナイト)を相手に、鋼賀や翼との特訓の成果を発揮していた!

 

序盤から魔剣創造(ソード・バース)を発動し、いきなり大魔剣を創り出し、特訓の効果である大魔剣を操りながらスピードを損なわない戦い方を見せつける!

 

その猛攻に、案の定ライザー眷属の騎士は劣勢である。

 

すると!

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、兵士三名、戦車一名リタイア。』

 

グレイフィアのアナウンスで体育館側の雪菜達が順調だということ理解出来た!!

 

ライザー眷属の騎士

「バカな!?ミラ達が負けたというの!?」

 

ライザー眷属の騎士が、先程のアナウンスに気取られた隙に、

 

「私を相手に気取られるとは!どれほど愚かか身を持って知れ!!」

 

祐斗と相手を交換した翼が突撃した!

 

「ハアッ!!テヤッ!!」

 

ライザー眷属の騎士

「ちぃ!?人間のクセしてなんなの!?」

 

「其処までして人間を見下すか!!

ならば、防人を受け継ぎし我が力の全力を持ってして、地ベタに這いつくばっもらおうか!!」

 

翼の猛攻に、手の施しようが無く劣勢に追い込まれる!

 

その時!

 

祐斗

「ソォォォドッ、バァァスッ!!」

 

祐斗が魔剣創造を発動し、大量の魔剣が地面から出現して、ライザー眷属の兵士2人と騎士に襲いかかった!!

 

ライザー眷属の兵士2人はまんまとその攻撃を喰らい、騎士の方には怯ませることに成功した!

 

ライザー眷属の騎士

「ぐッ!?己!?」

 

「タアァァァァッ!!」

 

ライザー眷属の騎士

「何ッ!?グアァッ!?」

 

其処にすかさず翼が駆け巡りつつ、ライザー眷属の兵士2人と騎士に一太刀を浴びせていった!

 

ライザー眷属の騎士

「バカな…!?私達が、人間の攻撃なんかに…!?」

 

「貴方達の敗因は…人間を見下しすぎた事…相手を見下さなせければ、私達に勝てたかもしれないわね。」

 

翼のその言葉を聞く前に、ライザー眷属は消えた。

 

それと同時に、

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、兵士二名、騎士一名リタイア。』

 

翼達の勝利が決まったアナウンスが響いた!

 

祐斗

「やりましたね翼さん!」

 

「ええ、それに…木場さん、助太刀感謝します。先程の一撃が無ければ、こんなに早く決まりませんでした。」

 

祐斗

「いえ、当然です。

僕たちは仲間ですから。」

 

「フッ、そうですね。では、雪菜達の下へ参りましょう。」

 

祐斗

「はい、行きましょう!」

 

翼と祐斗は役目を果たし、雪菜達と合流するため移動を始めた。

 

そして、勿論翼達の勝利の朗報はグレイフィアのアナウンスによって、雪菜達にも届いていた!

 

イッセー

「オオッ!!木場と翼ちゃんも成功したんだな!?」

 

小猫

「流れは此方に向きつつありますね…。」

 

雪菜

「はい!それでは予定通り、美琴さん、朱乃先輩、翼さん、木場さんと合流し、フェーズ2に移行しましょう。」

 

イッセー

「よっしゃあ!」

 

小猫

「了解です…。」

 

状況を確認し、雪菜達が朱乃達と翼達と合流するため移動しようとしたその時!?

 

雪菜

「ッ!?小猫ちゃん!危ないッ!!」

 

小猫

「え…?」

 

突如雪菜が雪霞狼を構えて小猫の側に駆け寄る!

事態が読めない小猫とイッセーだが、この後の雪菜の行動の意味に納得する!

 

雪菜

「ハアッ!!」

 

雪菜は、小猫の側で雪霞狼を地面に突き刺した!!

 

イッセー

「雪菜ちゃん?何を…?」

 

イッセーが問いただそうとしたその時、なんと小猫を中心に方陣が浮かび上がったと思えば、その方陣が消滅したのだ!!

 

イッセー

「ええッ!?どう言うこと!?」

 

小猫

「いったい何が…!?」

 

雪菜

「危なかったです、小猫ちゃん!今のは正しく魔力による攻撃…つまり居るのでしょう!出て来たらどうですか!それとも…恐れをなしましたか!」

 

雪菜が声を上げて言い放つと!

 

ユーベルーナ

「人間のクセによく気づいたわね、賢しいわ。」

 

 

雪菜の言い放った言葉が気に入らないかのように姿を現したのは…ライザー眷属の女王(クイーン)だった!

 

 

 

イッセー

「あッ!?アンタ確かライザーの…え~と…」

 

小猫

「女王です、イッセー先輩…。」

 

イッセー

「そうだった!!」

 

雪菜

「随分姑息な手を使ってきますね。」

 

ユーベルーナ

「姑息だなんて心外ね、人間の小娘。

戦いは“頭”を使って行うものよ?

特に油断した相手は狙い易いわ。

違うかしら?」

 

雪菜

「確かに戦い“頭”を使いますが、あなた方には随分と足りないモノあります!」

 

ユーベルーナ

「なんですって?」

 

雪菜

「それは…『最後まで諦めない心』と、『それを信じる心』です!故にこの思いを失わなければ、“勇気”生み出し、“力”となりて、“不可能を可能”とするのです!!」

 

雪菜の語った言葉を聞いたユーベルーナは、それを吐き捨てる!

 

ユーベルーナ

「馬鹿馬鹿しい!

そんなもの何の意味もないということを教えてあげるわ!」

 

雪菜

「兵藤さん!小猫ちゃん!」

 

イッセー

「お、応!」

 

小猫

「はい…。」

 

雪菜が雪霞狼を構えてイッセー達に注意を呼び掛け、迎撃体制に入ると!

 

美琴

「オラアァッ!!」

 

朱乃

「雷よッ!!」

 

ユーベルーナ

「ッ!ちッ!?」

 

付近に居た朱乃と美琴が合流直後に雪菜達の援護に入ったのだ!

 

雪菜

「美琴さん!朱乃先輩!」

 

美琴

「お待たせッ!!」

 

朱乃

「うふふ、雪菜ちゃんはやっぱりケンイチ君の妹ですわね。

『爆弾女王(ボム・クイーン)』

を相手にあそこまで言えるなんて。」

 

雪菜

「当然です!何せ私は…“ウルトラマン(お兄ちゃん)”の妹ですから!

それに、お兄ちゃんの正義や信念、そして信じることの大切さを踏みにじる存在を、許すわけにはいかないんです!!」

 

雪菜は、ケンイチの性格を受け継いでいるだけでなく、ケンイチを尊敬し、ケンイチの思いを踏みにじる者は、決して許さないのだ。

 

ユーベルーナ

「本当に生意気ね!

纏めて相手になってあげるわ!

“雷の巫女”と“ウルトラマンの妹”!そしてその仲間諸共!」

 

雪菜の言葉は、ユーベルーナにとって不快そのものであった為、雪菜達を纏めて倒すと言うが、

朱乃

「あらあら、何を勘違いしているのかしら?貴方のお相手は私達ではなくよ。」

 

ユーベルーナ

「あら、どういう事かしら?」

 

ユーベルーナが問いただそうとすると!

 

「貴方の相手は私です!」

 

祐斗

「お待たせしました!」

 

翼と祐斗が合流したのだ!

 

イッセー

「木場!翼ちゃん!」

 

ユーベルーナ

「あらあなたが?

どういう冗談かしら?」

 

「無論、お前たちのような人間を見下す愚か者に引導を渡すためだ!」

 

翼はユーベルーナの問いにこう答える。対してユーベルーナは最早怒りが爆発した!

 

ユーベルーナ

「本当に生意気ね!

人間のクセに大口を叩いて置いて…死んで後悔させてあげるわ!」

 

「やれるものならやってみろ!」

 

雪菜

「皆さん!翼さんの援護をお願いします!」

 

翼が“変身”の構えに入り、雪菜は朱乃達に翼の援護を要請する!

 

朱乃

「ええ!雷よッ!!」

 

美琴

「このおォ!」

 

小猫

「えい…。」

 

祐斗

「ハアッ!!」

 

イッセー

「よし行くぜ!

ドラゴォン、ショットォッ!!」

 

雪菜

「ハアァァァッ!!」

ユーベルーナ

「ッ!?くッ、邪魔を!!」

 

朱乃と美琴が雷撃と電撃を放ち、小猫がバカ力で用意した巨大な瓦礫を投げつけ、イッセーがドラゴンショットを放つ。

それらの攻撃をなんとか回避するが、身体能力を生かした雪菜が雪霞狼で、悪魔の翼で飛翔した木場が魔剣で斬りかかった!

 

しかしこれを間一髪回避したユーベルーナだが、時すでに遅し!

 

『Imyuteus amenohabakiri tron(エミュテウス アメノハバキリ トローン)』

 

翼が“変身”するカギである“聖詠”を口ずさんだ!

 

その時!翼のアームド・ギアに装着されていた、シンフォギアシステム『天羽々斬』の“コンバーター”が蒼白く輝きだし、翼を包み込んだ!!

青いインナースーツに青と白のアーマーに、耳元にヘッドホンを思わせるモノ、そして胸元には天羽々斬のコンバーターが出現する。

極めつけは、両足の外側に翼を思わせる刃が装着されていた!

 

この姿こそが、『シンフォギアアーマー・天羽々斬』の力を解放した姿である!

 

「コレが私の、シンフォギアだッ!」

 

 

(BGM:月煌の剣)

 

この翼の能力に、ライザー陣営と見物客として来ていた双方の王(キング)の親親族に友人、そしてサーゼクスが驚いた!

 

特にサーゼクスは、櫂ケンイチことウルトラマンが“以前”言っていた言葉が過ぎった。“人間は、無限の可能性に満ちた生物”

であると。

 

正しくその光景を肉眼で捉えていた!

 

 

ユーベルーナ

「バカな!?人間にこんな能力が有るなんて!?

残りの駒(ピース)は今すぐ私の下へ集まりなさい!」

 

流石のユーベルーナも、こればかりは焦りの色が見えたか?

残存の駒を自分の下へ来るように指示したのだ!

 

イッセー

「コレがシンフォギアアーマー…!?

なんか格好いいかも!!」

 

雪菜

「では皆さん、手はず通りにお願いします!」

 

朱乃

「解りましたわ。

雪菜ちゃん、美琴ちゃん、翼ちゃん、気をつけてくださいね。」

雪菜

「はい!

皆さんも、御武運を祈っています!

それから兵藤さん。」

 

イッセー

「えっ?何、雪菜ちゃん?(も、もしかして!俺のハーレム第一号になってくれるのかな!?でもそんなことしたら、先輩に殺されそうだ!)」

 

雪菜に呼び止められたイッセーはよからぬ事を考えていたが、100%有り得ない考えである。

 

雪菜

「お兄ちゃんにちゃんと示してくださいよ。お兄ちゃんは貴方の“覚悟”を買っているんですから!」

 

イッセー

「うぐッ!?(やっぱり無いか…)解ったよ雪菜ちゃん!

やってやるよ!」

 

朱乃

「ではイッセー君、祐斗君、小猫ちゃん、部長とアーシアちゃんと合流しますわよ。」

 

イッセー達

『はい!(はい…!)』

 

朱乃達はフェーズ2であるリアス達との合流及び、ライザー強襲の為に動き出し、雪菜、美琴、翼が残った。

 

ユーベルーナ

「あら…馬鹿にしているのかしら?

何のためにライザー様以外全員を呼んだのかしら?」

 

美琴

「馬鹿にしてる訳ないじゃない。

アンタ達が人間を見下すから、私たち3人がアンタ達をぶっ潰す“デモンストレーション”になってもらうだけよ!

ま、兄さんと鋼賀先輩が来るまでだけどね。」

 

「覚悟しろフェニックスの眷属!」

 

雪菜

「人間を見下して足下をすくわれて、見苦しく喚かないでください!」

 

ユーベルーナ

「…いいわ、散り残らず殺してあげるわ!下等な人間風情が!」

 

今…人間を見下す愚かな悪魔を相手に、光の戦士たちの意志と遺伝子を受け継ぐ少女達が、人間の意地と誇りを賭けて、立ち向かう!

 

一方ケンイチ達&リアス達の陣地にて、涼太郎は壁に寄りかかって腕を組みつつ足を組んでおり、鋼賀は精神統一をしており、リアスはアーシアを妹のように撫でており、ケンイチは座禅からの精神統一からの心眼にて戦況を確認していた。

ケンイチ

「…!翼がシンフォギアを起動させたか。」

 

鋼賀

「!そうか、思ったより早かったな。」

 

涼太郎

「そんじゃあ鋼賀、部長さん、アーシア、行こうかい?」

 

リアス

「ええ。アーシア、準備は良いかしら?」

 

アーシア

「は!はい!部長さん!私も頑張ります!」

 

ケンイチ

「じゃあ、フェーズ2に移行だ。

涼太郎と鋼賀は兎も角、気をつけろよリアス、アーシア。

“何が起こるか”解らねえからな。」

 

リアス

「ありがとう、ケンイチ。

あとゲームに勝てたら、話したい事があるんだけど良いかしら?」

 

ケンイチ

「えっ?構わねえけど…。」

 

リアス

「ありがとう。

じゃあ行ってくるわ。」

 

アーシア

「行ってきます!」

 

リアスとアーシアはイッセー達と合流すべく、陣地を出立する。

 

よって陣地には、涼太郎、鋼賀、そしてケンイチの三人になった。

 

ケンイチ

「んじゃあ涼太郎、鋼賀、警戒しつつ手はず通りに頼む。

特に鋼賀はライザーの女王が、

“フェニックスの涙”

に手を出したときは、それを使わせず奪って倒さずに女王を捕獲しておいてくれ。

その後、俺がタイミングを出すからフェニックスの涙を渡してくれ。」

鋼賀

「解った。

じゃあ、行ってくる!」

 

鋼賀もケンイチの指示を受けて、フェーズ3への移行の為に、出撃した。

 

ケンイチ

「涼太郎も、もし女王以外にフェニックスの涙を所持している奴らがいたら、鋼賀と同様に捕獲して、俺のタイミングで渡してくれ。」

 

涼太郎

「ああ、任せろ心友!それと、雪菜の事は心配すんなよ?

俺が命に替えても、身体に替えてでも守り抜いてやるからよ!」

 

ケンイチ

「フッ、サンキュー。けど自分が死ぬような言い方は、流石に頂けないぜ心友?」

 

涼太郎

「ハッハッハッ!

ワリィワリィ!

んじゃ、行ってくるわ!」

 

涼太郎もケンイチの指示通りに陣地を出立する。

 

残るは、ケンイチのみである。

 

ケンイチ

「…一応警戒しておくか…。」

 

ケンイチは、ザルバから警告された正体不明の邪悪の気配を突きとめることを決意した。

 

ケンイチ

「来い!

『ゴモラッ!』

『リトラッ!』

『エレキングッ!』」

 

バトルナイザー

『バトルナイザーッ!!モンスロードッ!!』

 

ゴモラ

「キシャアアアッ!」

 

リトラ

「キュエエエッ!」

 

エレキング

「キュイイインッ!」

 

ケンイチはバトルナイザーを取り出し、古代怪獣ゴモラ、原始怪鳥リトラ、宇宙怪獣エレキングを召喚する!

 

勿論サイズはエレキングはリムサイズ、ゴモラも同様にリムサイズ、

そしてリトラは…鳩サイズで召喚したのだ!

 

ケンイチ

「お前たち、少しの間フィールド内を見回ってくれ。

どんな異変だろうと、小さな違和感でも良い。

何かを感じたら直ぐに俺の所に戻って来い。良いな?」

 

ゴモラ

「キシャアッ!」

 

リトラ

「キュエッ!」

 

エレキング

「キュイッ!」

 

ケンイチ

「良し、頼んだぞ。」

 

ゴモラ達は、

主であるケンイチ(ウルトラマン)の指示を受けて、フィールド内のパトロールに向かった!

 

ケンイチ

「思い過ごしならば、それに越した事は無いんだが…なんだこの違和感は?

嫌な予感しかしないぜ…。」

 

ケンイチはある程度の準備をするが、どうにも不安が拭えない。

 

だが…ケンイチのこの嫌な予感は…当たりつつあった!

 

 

 

―異次元空間―

 

ヤプール

「クックックックックッ。

我が造り出したタイラントとファイブキング、ドラスの相手をしてもらうぞ。

そして復讐の生け贄になってもらうか

櫂ケンイチ、いや…

ウルトラマンパワードッ!」

 

 

今…異次元に潜む、本物の悪魔の魔の手が、迫りつつあった!

 

 

一方人間界の駒王学園にて…、

 

???

「この世界の何処かに潜んでいるか!

お前が何度蘇ろうと、我々はお前を倒す!たとえそれが…永遠に続こうとも!」

 

1人の男性が立って、空に言い放った。

 

その人は、見た目は眼鏡を掛け、流れ星を思わせるバッジを付けており、良い年のお爺さんなのだが、何故か老いぼれとは思えない。

 

すると?

 

???

「兄さん!」

 

そのお爺さんのもとに、一人の青年がやって来た。

しかも不思議な事に、まるで兄弟であるかのような言い方をしたのだ。

 

お爺さん

「どうだ?“ゼロ”はもう“エックス達”に呼び掛けてくれたか?」

 

青年

「はい!先ほど“ゼロ”からのテレパシーを受け取りまして、既に此方に到着した“マックス”に、僕と兄さん、そして“ゼロ”に他の戦士たちを合わせて、

“12人”揃いました!」

 

お爺さん

「うむ…、後は…この世界で誕生した“パワード”と、この世界を生きるモノ達と共にヤプールを倒せれば、我々の任務は完了だ。

ヤプールが動き次第、我々も直ぐに出るぞ!“メビウス”!」

 

青年→メビウス

「はい!

“ウルトラマン”兄さん!!」

 

なっ!?

なんと!?

この二人の正体は…

ウルトラ兄弟10番目の弟にして、ウルトラ兄弟唯一のヴァージョン・アップが可能の光の戦士、

 

“ウルトラマンメビウス”と、

 

ウルトラ兄弟2番目の兄であり、伝説の勇者にして、すべての始まりであり、地球に取って永遠のヒーローである

 

“ウルトラマン”

 

だった!

 

この戦いの予兆…誰も想像のつかない激戦が待っているであろう!!

 

 

つづくッ!!!

 




次回予告
BGM:「W-B-X」

~ザルバナレーション~

遂にバトルが開始された!
鋼賀達は問題ねぇが、リアス嬢ちゃん達は流石にヤバいぜ!?

なっ!?オイクソ鳥!テメェ“不正”しやがって!

次回! 後編へつづくッ!

ヤッ!?やべえ!
イッセえええッ!?


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第12話 開幕(後編)

アアアッ!?
なんて日だ!!
まさか、半年も掛かるなんて!?
本当に申し訳有りません!!(土下座!!)

どうかまたお願いします!

グダグダ感有りですが…。

OPテーマ
[W―B―X]

EDテーマ
[ウルトラマンパワード]

※ちなみに、
ウルトラマンオーブが行っているサブタイトルを探せという遊びを取り入れました。
これからたまにやりますので探して見てください!
そしてサブタイトルは一つだけではありませんので!

仮面ライダージョーカー

黄金騎士牙狼

ウルトラマンパワード

参上!


イッセー

「大丈夫かな?

雪菜ちゃん達3人でアイツ等の相手をするのは?」

 

祐斗

「イッセー君、翼さん達を信じよう。

彼女達も、先輩達の兄妹なだけあってかなり腕っ節が立つんだから。」

 

小猫

「そうです…。

祐斗先輩と翼さんは互角…、私とイッセー先輩は、雪菜さんと美琴さん相手で実際に負けました…。」

 

朱乃

「そうですわイッセー君。

あの子達はケンイチ君達と同じで、強い友情で結ばれています。

何よりも…あれ程深い絆で結ばれた兄妹達なのですから、フェニックスの眷属相手に遅れをとる筈がありませんわ。」

 

イッセー

「そう…ですよね。

だって先輩達の妹さんな上にすげぇ強かったし、負けるわけ無いですよね!

よし!俺もやってやるぞ!」

 

現在イッセー達は、ライザーを強襲すべく、リアス、アーシアとの合流を目指していた。

 

リアス

「朱乃!みんな!」

 

朱乃達

『!部長!アーシア!(ちゃん!)(さん!)(先輩…!)』

 

アーシア

「お待たせしました!イッセーさん!皆さん!」

 

敵の陣地である疑似駒王学園の新校舎に向かっている途中に、リアスとアーシアが合流したのだ!

 

リアス「今さっき、涼太郎と鋼賀も出撃したわ!直ぐにでも雪菜達と合流してくれるわ!だから私達は、」

イッセー

「ライザーをぶっ倒す!!ですよね部長!」

 

リアス

「ええ!なら、行くわよ!みんな!」

 

朱乃達

『はい!』

 

リアスの言葉に朱乃達は団結して、ライザーの陣地である疑似新校舎を目指す!

 

イッセー

「(見ていてください先輩!貴方の力を借りずとも、ライザーをブッ倒してやりますから!!)」

 

リアス達

『[にしてもケンイチ(君)(先輩)(さん)、イッセー(君)(先輩)(さん)にどんな秘密兵器や必殺技を託したかしら?(かな?)(でしょうか?)]』

 

各々が心で吹くが、イッセーを除くリアス達は意外にもハモっていた。

場所は疑似体育館があった跡地にて、雪菜、美琴、翼は、ユーベルーナにライザーの残りの眷属を相手に戦闘中であった。

 

(BGM:月煌の剣)

 

ユーベルーナ

「ナンなのよ!この人間は!!

戦いの最中に“歌いながら”戦うなんて!!しかもなんで私の攻撃が当たらないのよ!?」

 

翼の予想外な戦い方にユーベルーナは動揺と苛立ちを隠せなかった。

 

「人間を見下し過ぎる…。故に、見切れる!ハアっ!!デヤッ!!」

[千ノ落涙]

[蒼ノ一閃]

 

 

翼もただ避けるだけでなく、小刀のエネルギー体を無数に放つ技[千ノ落涙]、そして瞬時にアームド・ギアの剣を巨大化させて、エネルギーの斬撃波[蒼ノ一閃]を放つ!

 

ユーベルーナ

「くっ!?何から何までイライラさせてくれるわね!!」

 

翼の攻撃をなんとか避けつつも、自分の攻撃が当たらない事に、冷静さを欠いていた。

 

美琴

「やっぱやるわね翼は、あたし等もやるわよ雪菜!」

 

雪菜

「はい!美琴さん!」

 

翼の奮闘振りを見て、雪菜と美琴はライザーの騎士や戦車、兵士に立ち向かっていく。

 

???

「全く何をしていらっしゃるの!?

たかが普通の人間より強いだけの人間相手に遅れを取るなんて!」

 

ライザーの兵士

「ですけど“レイヴェル”様!

あの者達、異常です!あんなに強い人間がいるなんて、私達だって信じたくないですよ!!」

 

レイヴェル

「まったく、情けないにも程がありますわ!」

 

おや?ライザーの僧侶にしては随分と偉そうなご身分ではないか?

しかも“様”付けされているし。

 

雪菜

「ハアッ!

(キンッ!)

随分偉そうな立場なのですねッ!

(キンッ!)

貴女は何なんですか?」

 

雪菜はライザーの兵士と戦車の攻撃を雪霞狼で受け流しつつも反撃しながら、僧侶のレイヴェルに問いただした。

 

レイヴェル

「いいわ、特別に教えてあげるわよ。ありがたく思いなさい。私はレイヴェル・“フェニックス”ですの。」

 

この解答に美琴は直ぐにツッコんだ。

 

美琴

「え?“フェニックス”?まさかあの男の“親族”なわけ?」

 

この問いにレイヴェル率直に答えた。

 

レイヴェル

「あら?人間にしては随分と感が良いですわね。

その通り、

ライザー・フェニックスは、私の“お兄さま”でございますの。」

 

おっとこりゃとんでもない暴露だ!?

 

この金髪ツインテの美少女が、ゲス鶏…あ、間違えた(笑)。

ライザー・フェニックスの妹だと!?

 

美琴

「えぇ~!?マジ無いんですけど~!?」

 

雪菜

「私達が言えた事では無いですけど、明らかに似てなさすぎて疑っちゃいますね。」

雪菜と美琴は明らかに声がダダ漏れするくらい似ていないと言ったのだ。

 

しかし雪菜の言う通り、君たちと翼はもっと凄いギャップの持ち主だよ。

 

君たち三人は其処のレイヴェル以上に、兄たちと比べて髪の毛一本も似ていない最強イケメンの兄&超絶美少女の妹だから。

 

レイヴェル

「(プチッ)

もう我慢の限界ですわ!身の程を弁えない愚かな人間が!」

 

ライザー眷属の騎士

「レイヴェル様、私達にお任せを!」

 

ライザー眷属の戦車

「必ず黙らせます!ここまでライザー様を侮辱する愚かでバカな人間共を!」

 

レイヴェル「任せましたわよ!

『シーリス』、

『イザベラ』!

フェニックスの眷属がどれほど素晴らしく、凄まじいかを知らしめなさい!」

 

騎士→シーリス

「ハッ!」

 

戦車→イザベラ

「直ちに!」

 

己の名を侮辱されたからか、それとも己の兄を侮辱されたからかは定かでは無いが、レイヴェルに我慢の限界が来たためにキレたが、レイヴェルの怒りを治める為に、

戦士のような容姿持つライザーの騎士

“シーリス”と、

格闘家を思わせるライザーの戦車

“イザベラ”が、

雪菜と美琴の前に立ちはだかった。

 

騎士と戦車が動いたことによって、

雪菜、美琴と戦闘中だった三人の兵士と、レイヴェルとは別で兵士達のバックアップに徹していた僧侶は後退した。

 

雪菜

「次は貴女方がお相手ですか?」

 

シーリス

「そうだ。

感謝すると良い。

人間如きが我々と遊んでもらえるのだからな。」

 

美琴

「あ~、御託はいいから掛かってきたら?その手の輩は実は大したこと無かったりするからさ。」

 

イザベラ

「なんだと?(怒)」

 

雪菜

「確かにお決まりですもんね、ねぇ美琴さん?」

 

美琴

「ほんとほんと。

例えるとすれば何が合うかな?」

雪菜

「おそらく、宇宙の帝王を自称するけど、帝王を名乗る程強くなく、卑怯な手段しか使えない物凄く弱かった侵略宇宙人が良いかもしれませんね。」

 

美琴

「アッハッハッ!

確か“鳩”みたいな名前の宇宙人だよね雪菜。」

 

雪菜

「はい、美琴さん。」

 

雪菜ちゃん美琴ちゃん!?その例えは有り!?

 

シーリス

「訳の解らない事を言いおって…(怒)」

 

イザベラ

「お望み通り…叩き潰してくれる!(怒)」

 

明らかに怒りの炎を燃やす二人が、遂に攻撃を開始した!

 

シーリスは大剣を振るって雪菜に襲いかかり、イザベラも拳を構えて美琴に襲いかかった!

 

雪菜

「(ギンッ!!)

ッ!?これは、なかなか重い一撃ですね。貴女ホントに騎士なんですか?」

 

シーリス

「スピードに特化したのが騎士という訳ではない。

私のようなパワー型の騎士も稀にいるのだ。」

 

雪菜

「悪魔事情はよくわからないですねッ!」

 

シーリスの大剣を雪霞狼で受け止めつつ、反撃のチャンスを伺う雪菜。

 

美琴

「おっとっと!

格闘家な上に戦車って、脳筋なんじゃないの?ウチの先輩じゃあ絶対ありえないけどね。」

 

イザベラ

「チィッ!ちょこまかと除けおって!」

 

美琴もイザベラの攻撃から回避しながら、反撃の機会を伺う。

 

ユーベルーナ

「あら?やっとシーリスとイザベラが動いたわね。

コレであの二人は終わりね。

貴女も直ぐに終わらせるけど。」

 

「そう言う割には、一撃も当たっていないけれど?」

 

ユーベルーナ

「一々気に障るわね、人間如きが。

(とは言え、全く当たらないのも事実ね。こうなれば奥の手を使うしかないわね。)ハア!」

 

翼の挑発にユーベルーナは再び攻撃を開始したが、

無論翼も冷静に空中へ回避する。

 

ユーベルーナ

「(ッ!此処!)

貰った!」

 

「甘いッ!」

 

翼の回避先を読んだユーベルーナが魔力の光弾を放つが、翼は『蒼の一閃』で迎撃した。

 

「この程度のワンパターンな攻撃に…アアッ!?」

 

と突然翼に異変が!

「なッ、何だ!?

身体が思うように動かない!?ぐうッ!?」

 

ユーベルーナ

「掛かったわね?

さっき放ったのは、“痺れ”の効果を含ませた魔力の攻撃よ。迎撃するのを計算し、爆発したら、その痺れの効果が含んだ煙をあなたが意図せずに触れる事で、その効果が発揮されるということよ。」

 

「なッ!?何だと!?ウッ!?」

 

まさかの予想外の攻撃に、優勢から逆転されて一気に劣勢へ陥ったしまったのだ!

 

ユーベルーナ

「散々私をコケにしてくれたわね、覚悟は宜しくて!」

 

「グアアッ!?」

 

散々コケにされたその仕返しの如く、ユーベルーナは翼の足下を爆破させてダメージを与えた。

 

シンフォギアアーマーを纏っていなければ、恐らく翼は間違い無く“焼死”していたであろう程の威力であった!

 

「ぐッ!?己ッ!」

 

そしてその爆破の音は、近くで戦っていた雪菜と美琴にも聞こえていた。

 

雪菜

「ッ!翼さんッ!!」

 

美琴

「ッ!翼ァァッ!」

 

シーリス、イザベラ

『余所見をしている暇が有るのか!!』

 

雪菜

「ッ!ウッ!?アアッ!?」

 

美琴

「ッ!?アグッ!?ア゛ア゛ッ!?」

 

翼に気を取られた2人は攻撃を防御したは良かったが、受け止めきれず吹き飛ばされた!

ユーベルーナ

「さて、そろそろ死んで貰うわね。」

 

「くそッ!?このままでは!?」

 

ユーベルーナは魔力を集中させ、翼を葬ろうとする。

 

イザベラ

「お前も消えろ。

その耳障りで生意気な口を二度と開かぬようにしてくれる!」

美琴

「ぐッ!?ア゛ア゛ッ!?」

 

イザベラが仰向けに倒れ込んだ美琴に対して、首を見事に鷲掴んで宙吊り状態する。

 

故に美琴は先程の一撃のダメージがまだ残っていた為、抵抗もままならかった!

 

雪菜

「美琴さんッ…!

翼さんッ…!

グハッ!?」

 

シーリス

「ふん、随分とナメられたモノだけど…此処までだな。」

 

美琴と翼の下へ、身体に鞭を打ってうつ伏せのから立ち上がろうとする雪菜だが、シーリスが雪菜の背中を踏みつけて追い打ちを掛ける!

 

ユーベルーナ

「さあ、死になさい!」

 

イザベラ

「くたばれ!」

 

シーリス

「我々を相手によく奮闘したものだ。

さらばだ。」

 

ユーベルーナ達は、雪菜達にトドメの一撃を放とうとした!

 

「(く…お兄様…私は此処までです…申し訳ございません…)」

 

美琴

「(助けて…助けてよ…兄さん…。)」

 

雪菜

「(此処までなの…やっとお兄ちゃんに逢えて…お兄ちゃんのお嫁さんも見られずに…お兄ちゃん…いつも我が儘ばかり言って…ごめんなさい…。)」

 

この一瞬雪菜達は兄達への謝罪や、助けを求めた。

 

だが、この状態を…二つ“希望”が見捨てる筈が無い!!

町の希望(仮面ライダー)と、

人の希望(魔戒騎士)が!!

 

『ヒヒイィィィンッ!!』

 

鋼賀

「ハアアアアッ!!」

 

ユーベルーナ

「ッ!?何ッ!?」

 

突如雄叫びが聞こえたと思えば、此方に向かってくる金馬に跨がった青年が迫ってきた!

 

そう、人類守護の防人・翼の兄にして、人の希望であり、守りし者となりて闘う兄、魔戒騎士=鋼賀がケンイチの指示を受け、金馬・轟天ともに駆けつけた!

 

鋼賀

「ウオオオオッ!!」

 

ユーベルーナ

「チィッ!!」

 

ユーベルーナは攻撃を中断し、翼から離れた!

 

「お、お兄様…!」

 

鋼賀

「翼…待たせたな、少し休んでおけ。

轟天、翼を頼む。

回復したら、俺たちで決めるぞ!」

 

「…はい…。

一時退却します。」

 

翼を乗せた轟天は、正に金色の風の如く、走り去って行った。

そして鋼賀は、魔戒剣=牙狼剣を取り出して赤鞘から引き抜き、剣をユーベルーナへと向ける。

 

鋼賀

「俺の妹が世話になった…。

随分と“可愛がって”くれたものだ。………覚悟は出来ているな!!(怒りを込めて殺気を放つ)」

 

ユーベルーナ

「ッ!?

(な!?何なの!?この人間が放つ途轍もない殺気は!?まるであの男《ケンイチを指す》に匹敵するなんて!?)

だ、だから何なの!?それに、あの女だけ助けて、他の仲間は見捨てるのかしら?」

 

鋼賀

「勘違いするな。

何も俺一人が行動している訳ではない!」

 

ユーベルーナ

「なんですって?」

 

鋼賀の言葉に、ユーベルーナが問おうとしたら!

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、兵士三名、僧侶一名、リタイア。』

 

 

ユーベルーナ

「な゛ッ!?何ですって!?」

 

鋼賀

「ふ…、

流石は…仮面ライダー、影で人間の自由と平和を護る為に闘う戦士の名を持つ者だな、涼太郎。」

 

少し時間を遡り、

雪菜と美琴がトドメを刺される寸前!

 

『ブオオオオオッ!!』

 

涼太郎

「その子達から離れろォォォッ!!

ライダァァァッ!!

ブレェェェイクッ!!」

 

シーリス、イザベラ

『ッ!?何ィッ!?』

 

美琴の兄にして、町の希望という意味を持つ仮面ライダー=涼太郎が、ケンイチの指示を受け、出撃の直前にケンイチに頼んで量子変換させてもらった相棒のバイク・ハードボイルダーに乗り、雪菜と美琴の危機に見参!

 

レイヴェル

「な゛、何ですのあの男は!?」

 

突然の涼太郎の乱入により、シーリスとイザベラは雪菜達から離れた!

イザベラが離れたことにより、美琴は地面に落ちて尻餅をついた。

 

涼太郎は勢いのままに、ライダーブレイクを繰り出した後、何気にカッコ良く着地した後!

 

涼太郎

「オウリャアァァァァァァァッ!!」

 

ライザーの僧侶と兵士たちにライダースライディングで突撃した!

 

このとっさの攻撃によって、僧侶と兵士たちは、所謂バイクに引かれたようなモノであるため、凄まじいダメージを受けたことで!

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、兵士三名、僧侶一名、リタイア。』

 

涼太郎

「良し、出だし好調だ!美琴、雪菜、

すまん!待たせたな。」

美琴

「ケホッケホッ!

に、兄さん…。」

 

雪菜

「先輩、ありがとうございます。

助かりました。」

 

涼太郎が駆けつけた事で、事なきを得た雪菜と美琴。

 

涼太郎

「さてと、其処のお二人さん。

ウチの妹と後輩が世話になったねぇ…。仮は倍にして返してやるよ!(激怒)」

 

シーリス

「な゛、何だこの殺気は!?」

 

イザベラ

「この凄まじい殺気…、まるであの男《ケンイチを指す》と同じではないか!?」

 

レイヴェル

「ヒィッ!?な゛、何なのです!わ、私たちが人間なんかに恐れを抱くなんて!?」

涼太郎

「じゃあ美琴、雪菜。

下がってしっかり休みな。

特に雪菜、あまり無理するとケンイチが泣くからな。

故に、ケンイチを心配させんなよ?」

 

雪菜

「は…はい、先輩。美琴さん、後は。」

 

美琴

「うん、兄さんに一度任せよう。

兄さん!回復したら、直ぐに行くから!」

 

雪菜と美琴は一時退却の為、その場を離れた。

 

涼太郎

「さてと…んじゃあ、始めますか?

“クソ鳥”の眷属さん達よ。」

イザベラ

「き、貴様!ライザー様だけでなく、我々をも侮辱するか!」

 

シーリス

「己!我々だけでなく、ライザー様を愚弄するとは!!

絶対に生かすわけにはいかない!」

 

怒りに駆られたシーリスとイザベラは涼太郎に向かった。

 

だが、涼太郎は

“仮面ライダー”…。

 

必要最低限の動きで、しかも紙一重スレスレで避けていた!

 

シーリス

「己ッ!ちょこまかと避けおって!」

 

イザベラ

「何故当たらない!?」

 

涼太郎

「おいおいおいおいおいおいおい、随分拍子抜けするほど単調な攻撃じゃねぇか。剣術なら鋼賀は勿論、格闘術ならケンイチの方が凄まじく強ぇっての!

ま、俺も負けてないけどな!

ハアッ!

オウリャアァッ!!」

 

シーリス

「ヌグッ!?」

 

イザベラ

「グハッ!?」

 

涼太郎の回避からの裏拳や回し蹴りを受けたシーリスとイザベラは見事に怯んで、後ろへ下がらされた。

 

シーリス

「くっ、この男、飄々としているだけの人間かと思っていたのに!?」

 

イザベラ

「貴様はいったい何者なんだ!?」

 

涼太郎

「俺か?そうだな…(この振り的にこの台詞が合うかな?)」

 

涼太郎がシーリス達から問われ答えようとした。

 

 

時間は少し遡り、兵士3名と僧侶が敗れた時間帯の鋼賀サイド…。

 

ユーベルーナ

「馬鹿な!?一気に四人も撃破されたというの!?」

 

鋼賀

「俺の友が、時を同じくして雪菜と美琴の下へ向かったのだ。

何よりも俺達のリーダー格である、

ケンイチが予め考えていたが故の戦術だ。俺達の妹達が危なくなるのを見越した上のな。」

 

ユーベルーナ

「まさか…全てあなた達の作戦通りだとでも言うの!?」

 

ザルバ

『その“まさか”だぜ、‘お馬鹿な女王さん’?

人間てのは、論理を超えた無限の可能性を秘めているんだぜ。

それこそ計算機でも決して計れない程の深く、広い可能性をな。』

 

ユーベルーナ

「そんな事が、有ってなるものかッ!!」

 

ザルバの言葉に動揺を隠せなくなったユーベルーナは魔力弾を放つが、

 

鋼賀

「ふぅんッ!(キンッ!)」

 

ユーベルーナ

「そ、そんなバカな!?」

 

鋼賀は牙狼剣の刀身の平らな側面で弾いて見せた!

 

鋼賀

「それと、最初に言って置く。

貴様のような愚か者に、俺を倒す事は出来ない。

例え俺が鎧を召喚しても尚の事だ。」

 

そう、鋼賀の実力はケンイチには劣るものの、戦闘能力は既に人間の達人の域を超越しており、涼太郎もまた然りである。

 

ユーベルーナ

「くっ、人間のクセに…ッ!

どうやら“あの方”も動いたようですね。」

 

鋼賀

「何?」

 

と突然ユーベルーナが意味深な言葉を言った。

 

するとライザーの陣地となる新校舎から、火災の爆発音の如く巨大な音が聞こえた!

 

鋼賀

「ッ!これは…!!」

 

鋼賀はこの音を悟った。

 

ユーベルーナ

「これで私たちの勝利は確定的ね(笑)。

いくら魔王様の妹君でも、不死鳥のライザー様に勝てるわけが無いわ。」

 

 

時を同じくして、涼太郎もまた然り。

 

涼太郎

「へえ、遂に野郎が動いたのか?」

 

シーリス

「その通りだ。

最早我々の勝利は揺るがぬ。」

イザベラ

「だが、貴様は確実殺す!我々だけでなく、ライザー様までも愚弄した貴様だけは、決して許さん!」

 

レイヴェル

「ま、お兄様が居るか居ないかの時点で勝敗は決まったも同然ですけど、もう少し粘って欲しかったですね。」

 

随分とまあ、散々の事を言っちゃってるけど、皆さんはお忘れでは無いですよね?

 

レイヴェル

「お兄様が相手ではどんなに“リアス”さんが修行を施しても意味無いのに、特にあの最弱でキモい赤龍帝は哀れでしか無いですね。

お兄様に勝てるわけが無いのに、倒すだなんてほざいているのですから。」

 

あらあら、やはりライザー陣営は間違った考え方をしてますね。

イッセー達を鍛え上げたのリアスではなく…“ウルトラマン(ケンイチ)”達なのに。

 

涼太郎

「あれ?何、部長さんがイッセー達を鍛えた?

やっぱりフェニックスは鳥だから、脳みそが小さいから馬鹿なのか?」

 

レイヴェル

「(ブチッ!)

な、何ですって!?

馬鹿とはどういう意味です!?」

 

シーリス

「貴様!レイヴェル様まで!」

 

イザベラ

「レイヴェル様が間違った事を言った言いたいのか!?」

 

完全に馬鹿呼ばわりされて、レイヴェルが完全にブチ切れ、シーリスとイザベラにも殺意が高まっていた!

 

涼太郎

「だってそうでしょ?彼奴ら、特にイッセーを鍛えたのは…部長さんじゃなくて、俺達のリーダー・ケンイチこと、“ウルトラマン”だからな。」

 

レイヴェル達

『……へ?』

 

涼太郎

「その証拠に、そろそろイッセーが“秘密兵器”を出すかな?」

 

涼太郎の言葉に呆気にとられたレイヴェル達。

 

そして同じ頃、鋼賀も同様に。

 

ユーベルーナ

「最早、詰んだわね。」

 

鋼賀

「そうか、あの男が動いたか。なら“秘密兵器”が出てもおかしくないか。」

 

ユーベルーナ

「ッ、秘密兵器?」

 

勝ち誇った感じのユーベルーナに、鋼賀は明らかに冷静であり、“秘密兵器”を口にした。

 

鋼賀

「そうだ。

言って置くが、赤龍帝を鍛え上げたのは、リアス部長ではないぞ。」

 

ユーベルーナ

「ッ、何ですって!

なら一体誰が…。」

 

鋼賀

「……“ウルトラマン”だ。」

 

と鋼賀が言った時、

実は涼太郎も同じタイミングでウルトラマンと言ったのだ!

 

そして新校舎から、赤白の光の柱と、エメラルドの輝きが出現した!

 

時は光の柱が出現する前のイッセー達。

 

ライザー

「まさか俺の所にたどり着くとはな。

少々甘く見ていたよ、リ~ア~ス。」

 

リアス

「お生憎様、コレも作戦通りなの。

あなたを消し飛ばす為のね。」

 

イッセー

「やいやいやい焼き鳥野郎が!

覚悟しやがれよ!

テメェなんかぶっ飛ばしてやるからな!」

 

イッセーの言葉に祐斗と小猫は構え、朱乃も雷を放つ準備をしていた。

 

ライザー

「舐めるなよ、クソ餓鬼が!!」

 

とライザーは焼き鳥と言われただけで、怒りが爆発し、新校舎の屋根が吹き飛んだ!

 

それも凄まじいものだが、リアスと朱乃が共同で防御結界を張り、ダメージを防いだ。

 

ライザー

「はんッ!少しは楽しませてくれよ?」

 

ライザーが挑発すると、

 

イッセー

「部長、俺が前に出ます!」

 

リアス

「イッセー!?何を!?前衛は祐斗と小猫がするわ。

あなたは二人の倍加を…」

 

イッセー

「今こそ、特訓の成果を見せる時なんです!」

 

イッセーの言葉に、一度は止めようとしたが、彼の目が真剣そのものだったため、行動を許したのだった。

 

リアス

「わかったわ…必ずライザーを倒すのよ!フォローはしてあげるから。」

 

イッセー

「はい部長!

“昇格”(プロモーション)、[女王]」

許可を得たイッセーは女王に昇格し、数歩前へ出る!

 

ライザー

「ほう、まずは雑魚な赤龍帝のクソ餓鬼が相手か?

なあリアス、コイツちゃんと鍛えたんだろうな?」

 

やはりライザーも同じ考えをしていた。

 

イッセー

「ワリィなライザー、俺を鍛えたのは部長じゃなくて、

俺達のケンイチ先輩、“ウルトラマン”なんだよ!」

 

ライザー

「何ッ!?あの男が貴様を!?」

 

イッセー

「ああそうさ!

そりゃもう死んでもおかしくないような地獄の特訓だったぜ。ほぼ毎日毎日怪獣に追いかけられるわ、日が経つに連れて密度が濃くなるわ、一番ヤバかったのは…先輩が光線で追い掛けてきたんだよ!だからこそ、テメェに見せてやる!

特訓の成果を!!

ブーステッド!ギアッ!」

 

イッセーはブーステッド・ギアを起動させた。

 

イッセー

「行くぜ…ドライグッ!」

 

ドライグ

『漸くお出ましか相棒!!待ちくたびれたぞ!!』

 

イッセー

「行くぜライザー!

コレが一つ目!

秘密兵器だ!

輝きやがれ!

オォォォォバァァァァブゥゥゥストォォォォォォッ!!」

 

リアス達

『えっ!?』

 

ライザー

「何ッ!?」

 

イッセーが赤白い光とエメラルドの輝きに包まれ、ギアが発する!

 

ブーステッド・ギア

『ウェルシュドラゴンッ!!オォォォォバァァァァブゥゥゥスタァァァァッ!!!』

 

その音声と共に輝きが晴れた其処には…!!

 

イッセー

「コレが秘密兵器!

“バランスブレイカー・ブーステッドギア・スケイルメイル”だ!」

 

ドラゴンの鎧を身に纏ったイッセーが力強く叫んだ!

 

リアス

「ッ、バランスブレイカー!?

ということは、あの時感じた巨大な力の波動は…バランスブレイクだったの!!」

 

朱乃

「ケンイチ君から受けた特訓の成果がこれほどのモノなんて!?」

 

祐斗

「凄い、凄まじいオーラとパワーを感じる!」

 

 

小猫

「…ちょっと見直しました。」

 

アーシア

「イッセーさん、とても格好いいです!!」

 

リアス達は驚かざるを得なかった!

それは勿論、ライザーもまた然り。

 

ライザー

「馬鹿な!?こんな雑魚に此処まで凄まじさが!」

 

イッセー

「ライザー、最初に言っておく!

俺を止めたければ、

魔王様かケンイチ先輩に頼むんだな!

なにしろ

“禁じられた下法”

なんだからな!」

 

この光景は、誰の目にも映っていた!

 

そして観ていた魔王・サーゼクスは、

 

サーゼクス

「なんという運命だ。あの少年が赤龍帝を宿し、その少年を鍛え上げたのが、あの“ウルトラマン”、ケンイチ君だとは!」

 

そう、三大勢力を滅ぼし欠けた二天龍の片割れを宿した少年・イッセーと、

三大勢力を救い、二天龍を叩きのめし、更には赤龍帝を宿したイッセーを鍛え上げた光の戦士・ウルトラマンの青年、ケンイチ。

 

こんな運命は聞いた事がない。

 

ザルバ

『鋼賀、あのドラゴンの坊主が変身しやがったぞ!』

 

鋼賀

「成る程、未完成だがバランスブレイクを覚えさてたのか。

ならば俺も、

“バランスブレイク(鎧召喚)”といこうじゃないか。」

 

ザルバ

『オイオイ鋼賀、牙狼の鎧をあれと一緒にするなよ。』

 

暫くユーベルーナの爆破攻撃や、光弾を避けたり受け流したりして回避しつつ、牙狼剣を振るい、強烈な風圧や斬撃で反撃する!

 

しかし指輪と会話ってのはシュールだなぁ。今思えば(笑)。

 

ユーベルーナ

「あなた一体何なの!?本当に人間なの!?」

 

 

鋼賀

「ヒドい言い方だ。

俺はれっきとした人間だ。ただ単に化け物退治に特化した人間だがな。」

 

ユーベルーナの問いに、鋼賀はそう答えると、牙狼剣を天に伸ばして円を描く!

そして円の中から魔天使が出現し、鎧を装着させていき、

顔の部分を装着したとき、

 

『グルルルッ!!』

 

狼や犬の威嚇の如き声を発し、

 

【黄金騎士・牙狼】

 

へと変身した!

 

ユーベルーナ

「な゛ッ!?あなたまで姿を変えた!?なんなの!?何者なの!?」

 

ユーベルーナの動揺が最早隠し切れなくなった!

 

鋼賀

「いいだろう、この際教えてやろう。

俺は…否!

我が名は!!」

 

一方涼太郎も…。

 

涼太郎

「さて…じゃあ本当の戦いを始めますか?」

 

そう言うと涼太郎は、Wドライバーを取り出し、中心の下部にあるボタンを押して半分に割り、ロストドライバーとして巻く!

 

シーリス

「なんだそれは?」

 

涼太郎

「俺は今から…お前さん達で言う所の、“バランスブレイカー”になる!」

 

イザベラ

「な゛ッ!?なんだと!?」

 

涼太郎

「その証拠を見せてやるぜ…。」

 

涼太郎はそう言うと、ジョーカーメモリを取り出し、

 

【ジョーカーッ!!】

 

メモリのボタンを押して、スロットにメモリを装填し、右腕を胸の前で左斜めに傾けて構えを取り、

 

涼太郎

「…変身ッ!!」

 

例のフレーズと共にスロットを開き、

仮面ライダージョーカーへと変身を遂げた!!

涼太郎

「よっと、決まったかな?」

 

レイヴェル

「な゛ッ!?そんな!?こんな人間が、バランスブレイカー!?」

 

シーリス

「何者だ…、何者なんだ!貴様は!?」

 

涼太郎

「いいぜ、教えてやるよ。

俺はな…。」

 

シーリスの問いに涼太郎は答えようとすると、なんと涼太郎と鋼賀、お互いが離れているにもかかわらず言葉が重なった!

 

涼太郎

「通りすがりの…仮面ライダー、ジョーカーだ!覚えておけ!」

鋼賀

「牙狼…、我が名は牙狼!黄金騎士だッ!!」

2人の言葉は眼前の敵と中継を観ている者達に轟かせた!

イザベラ

「仮面…ライダー、だと?」

 

シーリス

「なら、その仮面を叩き割ってくれる!」

 

シーリスが大剣を振るい、ジョーカーへ攻撃を仕掛けるが…。

 

バシイィィィィンッ!!

 

シーリス、イザベラ

『な゛ッ!?』

 

 

ジョーカー

「なんだなんだ?

魂が籠もらねえ一撃だな?」

 

なんと白刃取りをしてみせたのだ!!

 

 

ジョーカー

「コレなら鋼賀どころか、ケンイチの方が凄まじいぞ!!

俺だって負けるつもりはねえが、鋼賀の鋼のような意志に何度も感服したからな。けどケンイチは、それを『遥か』に上回っているな!」

レイヴェル

「どういう意味ですの?」

 

ジョーカーの言葉にレイヴェルが代表して聞いた。

 

しかし涼太郎君、なかなか器用ですな。白刃取りしながら己が友のことを語るとは!

 

ジョーカー

「ケンイチはなぁ…仲間の為なら、命を賭けられるお人好しな奴なんだぜ。何故だか解るか?」

 

イザベラ

「何?何だというのだ?」

 

ジョーカー

「それはな…彼奴は常に、弱き者や誰かを思いやる“慈愛の心”を持っていてな、それでいて本当の悪を許さない“真の強さ”を持っているんだよ!

だから俺や鋼賀は、いつも思っている。

“彼奴(ケンイチ)には適わない”

ッてな!」

 

バキイィィィィィンッ!!

 

シーリス

「ッ!?バカな!?私の剣が!?」

 

なんと!?

シーリスの大剣を、ジョーカーは見事に叩き折った!

 

ジョーカー

「だから…俺たちは、彼奴に着いていけるんだよ!

しかもケンイチにはな、不思議なくらいに色々な奴を惹きつける奴なんだよ。

それはもう男も女も、彼奴には関係無い!だから彼奴は強いんだよ!力よりも、能力よりも、彼奴は人間の中で…一番“心”の強い持ち主なんだ!だから言っておく!ケンイチとお前さん達の主が戦う事になっても、彼奴は必ず勝つ!」

 

『ジョーカーッ!

マキシマムドライブッ!』

 

ジョーカー

「行くぜ…

“ライダーパンチ”ッ!

オウリャアァァァッ!」

 

シーリス

「ッ!ウアアッ!?」

 

 

 

己が友を語りながら、ジョーカーは必殺技、『ライダーパンチ』を繰り出して、シーリスを打ち倒した!

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、騎士一名リタイア。』

 

このアナウンスにライザー苛立ちを隠しきれずにいた。

 

ライザー

「クソがッ!!

俺の可愛い下僕共は何をしている!!人間如きに敗れるとは情けない!!」

 

イッセー

「ライザー!

テメェの為に闘った自分の下僕にそんなひでぇ事が言えんのかよ!!」

 

ライザーの放った心無い言葉に、イッセーは怒る。

 

ライザー

「ふんッ!!

人間如きに敗れる奴なんざ、用はないんだよ!」

 

リアス

「ライザー…!

あなたってヒトは!!」

 

コレには流石にリアスや朱乃達も怒りを覚える!

いくらライザーが嫌いとはいえ、ライザーの為に闘った眷属達が、自分が見下していた人間に負けるという事態を見て、簡単に眷属を見限るなんて、それでいてよく

“可愛い”

だなんて言葉を使えるモノだ!!

 

ライザー

「何だ?あいつらに同情かリアス?

人間に負ける時点で、俺にはもうあいつらには用はないだよ!」

 

この言葉に最早怒りを隠しきれなくなった!

 

イッセー

「…ぜってぇ許せねぇ!ライザー!テメェはやっぱり“種蒔きのクソ焼き鳥野郎”だ!

だから吹っ飛ばす!」

 

ライザー

「俺もいい加減その生意気な口を消したいと思っていた所だ!死ねェッ!!

クソ雑魚がァッ!!」

 

イッセー

「望むところだァッ!!ウオオオッ!!」

 

イッセーは右拳に赤い光を纏い、ライザーは右拳に炎を纏い、ぶつかり合った!

 

時間はシーリスが打ち倒される前の時間に遡る。

 

ユーベルーナ

「黄金…騎士ですって!?」

 

牙狼

「そうだ!

今此処で貴様を叩き落とす者の名だ!!」

 

牙狼が牙狼剣を振るうと、斬撃が出現して向かって行く!

 

それも、先程翼と対峙したときと比べようもない程の速さを持っていた!

 

ユーベルーナ

「な゛ッ!?くうッ!?」

 

あまりの速さに、一撃が掠ったユーベルーナだが…

 

ユーベルーナ

「くうッ、掠っただけでこの威力!?」

 

そう、動かすだけで痛みが襲ってきた。

この瞬間を牙狼は見逃さない!

 

ザルバ

『鋼賀、今だ!突っ込め!引きずりおろしてやれ!』

 

鋼賀

「解っている!」

 

牙狼剣を地面に刺し、その牙狼剣を足場にしてユーベルーナに迫り、拳を構える!

しかし…凄い器用な事をする。

幅の少ない牙狼剣を足場にするとは!

 

牙狼

「ハアアアッ!」

 

そして、牙狼パンチを繰り出す!

 

ユーベルーナ

「クアアアッ!?」

 

牙狼の一撃により、遂にユーベルーナは地面についた!

 

そして牙狼は着地して、牙狼剣を引き抜き迫る!

 

ユーベルーナ

「ヒイッ!?来るな!?」

 

一瞬恐怖に駆られたユーベルーナは魔力弾を放つが、

 

牙狼

「ハア!」

 

難なく牙狼剣で真っ二つに切り裂き、牙狼の背後で破裂する!

 

その隙に、ユーベルーナは距離を取った。

 

ユーベルーナ

「(このままでは、確実に負ける!

ならば此方も最終手段を!)」

 

と懐に手を伸ばしたその時!

 

グレイフィア

『ライザー様の眷属、騎士一名リタイア。』

 

ユーベルーナ

「な゛ッ!?シーリスが…敗れた!?」

 

牙狼

「流石だな、涼太郎。本当に行動が早いモノだ。」

ザルバ

『鋼賀、ならば此方も片をつけるぞ!』

 

牙狼

「ああ。

行くぞ…翼アアッ!」

 

もう作戦は完全に最終フェーズに突入している!

ならば此処で、ライザーの女王を打ち倒すため、牙狼が妹・翼を呼び寄せた!

 

「はい!お兄様!」

 

ユーベルーナ

「何ッ!?」

 

翼が横から姿を現し、アームド・ギアを二本用意し、持ち手の部分を連結させた!

それと同時に二本の刀だったアームド・ギアが変化して、槍と薙刀を合わせたような形態へと変わり、それを棒術の如きくるくる回す!

 

さあ!ユーベルーナにお灸を据える時だ!!

 

【ライザーの女王を撃破せよ!!(不正した場合は捕獲せよ!!)(青)】

[牙狼~savior in the dark サビVer.]

 

牙狼は素早くユーベルーナに接近して掴み、空高く放り投げた!

 

ユーベルーナ

「アアッ!?」

 

宙を舞うユーベルーナの真下に、翼がアームド・ギアを構え、牙狼が追跡するかのように飛び上がる!

 

そして、

ユーベルーナを上下で挟む位置となり牙狼が翼に伝える!

 

牙狼

「翼、遠慮するなと言いたいが、ダウンさせるだけで良い。

加減してやってくれ。コレはケンイチの指示だ。

いいな?」

 

「解りました、お兄様の言ならば!いざ!」

 

牙狼の指示を受け、翼は技の体制に入る!

 

牙狼

「ザルバ、魔導火は威力を調整出来るか?」

 

ザルバ

『ライターは無理だが…俺様がやれば行けるぞ。後はお前さん次第だ鋼賀。」

 

鋼賀

「解った、頼む。」

 

牙狼は牙狼剣をザルバの近く持って行く。

そしてザルバが口を開き、魔導火を吐いた!

 

それによって、牙狼剣の刀身は緑炎に包まれた!

 

「私も行きます、

お兄様!ハアアアッ!」

 

兄の準備を見て、翼もアームド・ギアを更に回転させる。

するとアームド・ギアの刀身が赤炎に燃え上がった!

 

 

牙狼

「行くぞッ!!」

 

「はい!お兄様!」

 

牙狼の合図に翼は応え、飛び上がると同時に両脚のブレード式バーニアが火を噴き、翼を加速させた!

 

「受けてみろ!

『風・輪・火・斬ッ!!』」

 

牙狼

「烈火炎装ッ!」

 

牙狼、翼

『ハアアアアアッ!!』

 

ユーベルーナ

「アアアアアアッ!?」

 

二つの炎斬系の攻撃がユーベルーナを切り裂き、ユーベルーナは赤と緑の炎に巻かれて、最早大ダメージは否めない!そして着地する牙狼と、遅れて着地する翼。

牙狼

「せっかくだ。名付けるか?翼。」

 

「良いですね、お兄様。

名付けて…」

 

と此処で兄妹が…、

牙狼、翼

『風輪火斬ッ!!牙狼ノ太刀ッ!!』

 

流石はご兄妹ッ!!

見事にハモった!

 

ユーベルーナ

「くぅ、ナメた真似を…こうなったら!」

 

地面に墜落したユーベルーナは遂に懐に手を伸ばした!

 

だが、それを見逃さない牙狼と翼であった!

 

牙狼

「翼!今だ!」

 

「はいッ!!」兄の指示に、翼は小刀のアームド・ギアを用意し、それを投降した。そう…ユーベルーナの“陰”へ…。

 

 

サクッ!という音がした瞬間、ユーベルーナに異変が。

 

ユーベルーナ

「な゛!?バカな!?身体が、“動かない”!?何故ッ!?」

 

そう、身動きがとれなくなったのだ!

 

「因果応報…人間を見下し過ぎたが故の末路ね。」

 

牙狼

「教えてやろう、

その技は“陰縫い”…貴様達が散々見下してきた人間の中で、“卓越した者だけ”が成功出来る金縛りだ。」

 

ユーベルーナ

「な゛!?なんですって!?」

 

牙狼

「故に貴様は“ベストタイミング”で金縛りを受けた。

後は、ケンイチ次第だ。覚悟しておけ。」

 

ユーベルーナ

「何ッ!?」

 

牙狼の言う“ベストタイミング”とは…ユーベルーナの“手に有る物”だった!

 

牙狼

「貴様の手に有る、その“小瓶”は何だ?」

 

ユーベルーナ

「ッ!?」

 

そう、ユーベルーナは今…隠し持っていた特効薬、

“フェニックスの涙”

の蓋を開ける直前で、翼の陰縫いをくらったのだ!

 

「無理に身体を動かせば、いくら悪魔でも千切れるから、動かない事をお勧めするわ。」

 

牙狼と翼の言葉に、ユーベルーナは顔を青ざめた。

故に、自分たちが不正している事を看破されたからだ。

何故なら、審判が用意していないもの、特に特効薬は決して使用してはならない!

ましてや今回は更に最悪である。

 

そう、魔王もこの中継を観ているのだから。

 

時間は、ジョーカーがシーリスを打ち倒したところに遡る。

 

ジョーカー

「さてと、んじゃやりますかい?

戦車さんよ?」

 

イザベラ

「己!よくもシーリスを!」

 

イザベラは、シーリスを打ち倒したジョーカーに向かって行く。

 

だが忘れてはいけない。

シーリスの相手は、オリジナルでないとはいえ、

仮面ライダーだ。

 

イザベラのあらゆる攻撃を見事な身のこなしで回避しつつ、ジョーカーはある程度加減を施しつつ反撃している!

 

イザベラ

「チィッ!

姿が変わると更に動きのキレが増しているとは!?」

 

ジョーカー

「よっと、甘い甘い。オリャアッ!」

 

イザベラ

「グハアァッ!?」

 

イザベラの拳を避けると同時に、流麗な回し蹴りを繰り出した!

 

ジョーカー

「此奴も持ってけッ!トオリャア!」

 

イザベラ

「ヌアァッ!?」

 

更に追い打ちのワンステップによる足刀蹴りを繰り出して、吹っ飛ばした!

イザベラ

「バカな!?私が手も足も出ないだなんて!?」

 

ジョーカー

「あまり長引かせる訳にはいかねぇな。

美琴!やれるな!」

 

美琴

「オーライ!兄さん!」

 

と此処でジョーカーが美琴を呼びかけ、ある程度回復した美琴が姿を現した!

 

ジョーカー

「よし美琴、合体技だ!

俺がライダーキックを放つ直前で、俺の足に電撃を放て。

いいな?」

 

美琴

「オッケー、兄さん!」

 

ジョーカー

「見せてやるぜ、クソ鳥の眷属!

テメェ等が散々見下してきた人間の底力ってヤツを見せてやらぁ!」

イザベラ

「何ッ!?」

 

レイヴェル

「何する気なのよ!?」

ジョーカーの放った言葉に、謎の恐怖感に襲われたレイヴェルとイザベラ。そしてジョーカーは、既にマキシマムスロットに装填されていたジョーカーメモリを一度抜き、再び挿してマキシマムスロットのスイッチを叩く!

『ジョーカーッ!

マキシマムドライブッ!!』

マキシマムドライブの音声と共に、ジョーカーの右足が紫の炎と稲妻が迸る!

そして、仮面ライダーが共通する特殊なポーズを取り、技名を口にする。

[ライザーの戦車を撃破せよ!!(緑)〔BGM:W―B―X〕]

ジョーカー

「行くぜ…。ライダー…キック!

ハア!」

 

そう、仮面ライダーが共通する代名詞の技、

『ライダーキック』

の体制に入り、空中にひとっ飛び!

 

更に!

 

美琴

「今だ!

ハアアアア、デヤァッ!!」

 

美琴がタイミング良く、ジョーカーの右足に向かって電撃を放つ。

 

すると、ジョーカーの右足に青白い稲妻が加わり、更に威力が増した!

 

ジョーカー

「オウリャアアアッ!!」

 

イザベラ

「ッ!?グアアアアアッ!?」

 

レイヴェル

「イザベラッ!?」

 

ジョーカーの強化型ライダーキックを受けたイザベラは、見事に吹き飛び、壁に激突した。

 

ジョーカー

「見たか!コレが人間の底力こそが、力を合わせるということだ!」

 

美琴

「ねぇ兄さん、何か名前あるの?」

 

ジョーカー

「あるぜ。

名付けて…左兄妹流、

『ジョーカー電光ライダーキック』

だ!

まあ名前長いから、

『電光ライダーキック』

で良いか。」

 

美琴

「シンプルだけど、良いね!」

 

なるほど、電光ライダーキックか…あれ?

そういえば、誰か使ってなかったっけ?

(すっとぼけ)

 

そして、電光ライダーキックを受けたイザベラは、吹き飛ばされてから少し経って…、

イザベラ

「私…が、人間…なん…かに…。」

 

この言葉を口にして、消えた。

故に、

グレイフィア

『ライザー様の眷属、戦車一名リタイア』

 

このアナウンスが報じられた!

 

レイヴェル

「そんな!?イザベラまで!?」

 

そう、仮面ライダージョーカーによって、騎士と戦車が打ち倒されたのだから、これに似合う言葉は、“相手をなめすぎて痛い目に合う”という言葉そのものである。

 

ジョーカー

「よし、後はアンタだが…やり合う気が無いなら、こっちから仕掛けるわけにはいかねぇな。

後はアイツ等次第か…。」

雪菜

「先輩!美琴さん!」

ジョーカー

「お、雪菜!」

 

美琴

「雪菜!やったよ!

兄さんなかなかカッコいい締め方をしてくれたし!」

 

雪菜

「はい!後は、リアス先輩達次第ですね。」

 

ジョーカー

「ああ…イッセー、この闘いの勝利は、お前の根性に掛かっているからな。

根性次第では、負けるかも知れないが、もし“絶望の中でも、希望を諦めない”心を持ち続ければな、アイツ(ケンイチ)は、必ず助けてくれるさ。」

 

美琴

「うん!だってケンイチ先輩は…ね!

雪菜!」

 

雪菜

「はい!!私のお兄ちゃんは、“沢山の命を愛し、本当の悪を許さない正義のヒーロー”、

《ウルトラマン》

ですから!!」

 

所変わって、牙狼達にも、ライザーの戦車が撃破されたのが聞こえていた。

 

ユーベルーナ

「バカな!?イザベラまで負けるなんて!?」

 

牙狼

「コレが人間の可能性だ。1つ面白いことを教えてやろう。

人間は時に…

“神すら凌駕する可能性を見出す”。」

 

「そしてそれは、世界を滅ぼす事すら可能な“邪神”や“破壊神”、“暗黒皇帝”さえも凌駕出来る。その可能性こそが、“人間の持つ諦めない心”だ。」

 

牙狼

「コレを期に、心に刻み込んでおけ。」

 

ユーベルーナ

「…………」

 

牙狼と翼の語った言葉に、陰縫いで動けないユーベルーナは、最早黙るしかなかった。

 

そして、リアスの陣地で皆を見守りつつも、“嫌な気配”に対して慎重になっていたケンイチは…、心眼で状況を確認しつつ、ゴモラ達の帰還を待っていた。

 

ケンイチ

「まったく、美琴や翼もそうだが、雪菜のヤツ、心配かけさせんじゃねよ。

まあ、涼太郎と鋼賀にはマジで感謝だな。ともかく、後はイッセー、リアス、朱乃達だな。」

 

作戦の進行状況が、

フェーズ3を既に突破している事と、雪菜達の心配をしていたりと、

嫌な気配を突き止めよう等色々な感覚が駆け巡ったが、

3つの感覚の内に、二つの重さが降りたのだ。

とそこへ、扉が開く!

現れたのは…

 

ゴモラ

「キシャアッ!」

 

リトラ

「キュイッ!」

 

エレキング

「ピュイッ!」

 

ゴモラ達だった!

 

ケンイチ

「お前等、良く戻った!しっかり休め。」

 

ゴモラ達が無事に帰還したケンイチは、バトルナイザーを取り出して、ゴモラ達を回収した。←(表現は悪いがご容赦を)

 

ケンイチ

「で、異変は見当たらなかったか?」

 

収容後、ケンイチはバトルナイザーにメモリーディスプレイを近づけさせ、そのメモリーディスプレイに搭載されている翻訳機で、ゴモラ達に聞いてみた。

 

ゴモラ

「キシャアッ!

(問題無しだ!旦那ッ!)」

 

リトラ

「キュイッ!

(問題無しだよ!

兄ちゃんッ!)」

 

エレキング

「ピュイッ!

(異常なしだよ!

あんちゃん!)」

 

ケンイチ

「(此奴等、中々個性的な言い方するな…)良し、ありがとよ。しっかり休め。」

 

ゴモラ達の個性的な喋り方に苦笑しつつも、ケンイチは礼を言ってバトルナイザーを閉じて、専用のバッグに仕舞った。

 

ケンイチ

「…やっぱり俺の杞憂か?まあ、杞憂なら幸いだ。

さてと…イッセー、頼むぞ。」

ケンイチは陣地で待機しつつ、涼太郎と鋼賀にテレパシーを送った。

テレパシーを受け取った2人は噴いたが、友のカッコいい且つ衝撃を与える演出を作ることを受け入れる。

 

そして時は、イザベラ撃破に遡る。

 

ライザー

「クソが!!

独←(どいつ)も此奴も役に立たん!

人間なんかに遅れを取りおって!!」

 

イッセー

「マジざけんなよライザー!!お前なんかの為に頑張ったあの子達をよくも!!」

 

イッセーは最早、

“ライザー許すまじ”

の状態だった!

 

ライザー

「さっきも言っただろう?使えなければ意味がないんだよ!!」

リアス

「黙りなさいッ!!

ライザー!!」

 

朱乃

「雷よッ!!」

 

リアスと朱乃が力を合わせて、強力な合体技、

“滅びの雷”

を放つが、ライザーは飛翔して回避する。

とそこに、

 

 

祐斗

「ハアアアアッ!!」

 

小猫

「えいッ…!」

 

祐斗と小猫が迫って来る!

 

ライザー

「チィッ!雑魚が!!」

 

祐斗

「ぐううッ!?」

 

小猫

「ああッ…!?」

 

だがライザーは炎を振るい、祐斗と小猫を迎撃した。

 

イッセー「ウオオオオオッ!!」

 

ライザー

「ッ!?今度は貴様か!!目障りなんだよ!クソ餓鬼がァァッ!!」

 

とそこへ、左手にエネルギーを纏って、イッセーが殴りかかって来た為、ライザーも直ぐさま迎撃する!

 

ドゴォォォンッ!!

 

そしてお互いは、

クロスカウンターの如く、顔面を殴った!

 

イッセー

「…ぐ…グホッ!?」

 

そして反応が出たのはイッセーだった!

イッセーは今の一撃で吐血してまったのだ!

 

ライザー

「ふん!やはり雑魚だな、大したこと無い…グハアァッ!?」

 

イッセーを罵ったライザーだが、そのライザーも吐血したのだ!

これはいったいどういった事なのだ!?

 

ライザー

「き、貴様!?

な、何をした!?」

 

お互いが落下する中、ライザーはその途中で、イッセーの左手を見て驚愕した!

 

ライザー

「ッ!?じ、“十字架”だとッ!?」

 

リアス(アーシアを除く)

『えっ!?』

 

なんと!?

どういう事か、悪魔にとって十字架は

“弱点”その物!

此には驚かずにいられない!

 

イッセー

「ヘッ!ウチの僧侶はな…元シスターなんだよ!

だから今日部室に転移する前に、アーシアに頼んで引っ張り出してもらったんだよ!」

 

ライザー

「だ、だがいくら

龍の鎧を纏うとも、貴様も悪魔の筈!?

何故…ッ!?

まさか貴様ッ!?」

 

ライザーは何か気づいた!

 

イッセー

「そうだ!

俺の左腕はもう…

“ドラゴンの腕”

なんだよ!

だからドラゴンの腕なら、悪魔の弱点なんか無意味だからなッ!!」

 

リアス

「まさかッ!?

アーシアは知ってたの!?」

 

アーシア

「はい…最も知ったのは、今日の今日なんです…すみません部長さん。

イッセーさんがどうしても黙っててと仰るのものでして。」

 

リアス

「てことは…ケンイチはこの事を始めから知っていたってことなの!?」

 

リアスの推測に皆は動揺をかくせなかったが、イッセーがリアスに言った。

 

イッセー

「部長!先輩は悪くありません!

コレは、“俺の意志”です!」

 

リアス

「えっ?」

 

イッセー

「先輩が言ってたんです、

“強大な力には必ず相応の代償が有る”と!

確かにいつか

“俺が俺じゃなくなる”かもしれないですけど…俺の左腕一本で、部長の未来が護れるならば、安いもんなんですよ!!」

朱乃

「イッセー君…。」

 

祐斗

「君にそんな覚悟が…。」

 

小猫

「本当に、イッセー先輩なんですよね…?」

 

リアス

「でも、どうして其処まで!?」

 

朱乃達は、イッセーの覚悟に言葉が出ないくらい驚愕したが、リアスは聞いた。

何故其処までするのか?

 

イッセー

「俺、ケンイチ先輩から聞いたんです。

先輩の“身体”の事を…。」

 

リアス

「ケンイチの?」

 

何故“彼”が出て来るのか?

しかし次のイッセーの言葉に、誰もが言葉を失う!

 

イッセー

「先輩は言ったんです…“俺は既に…『人間の身体』では無いからな”と…。」

 

リアス達

『えッ!?』

 

どういう事か!?

ケンイチは既に人間の身体では無い!?

確かに彼はウルトラマンであるが…。

 

朱乃

「どういう事ですの!?イッセー君!」

 

朱乃がただならぬ焦りを見せつつ、イッセーに聞いた。

朱乃もリアスと同じように、ケンイチに想いを寄せる者。

幼き日に、朱乃は彼によって命を救われ、リアスと出会う事が出来た正しく恩人である為、動揺を隠せないのだ。

 

イッセー

「先輩の身体は、

自分がウルトラマンになった時からその肉体構造が変化して、人間が宇宙人、つまりウルトラマンの肉体に変化したんです。

悪魔よりもとてつもなく長生きしちまう程の生命力を持っているんです。」

 

この言葉に、リアス達は最早信じられなかった。

 

イッセーが言いたいのは、ケンイチは既に“人間”という概念を離れ、“ウルトラマンそのもの”だという事だ。

 

イッセー

「それ聞いた時、結構理不尽な話だなって俺は言ったんですけど、先輩はこう言ったんです。

“たとえ人間に戻れなくても、俺は『心』を失わない。

『心』を失ったら、俺はウルトラマンどころか、人間を名乗れない。だから強い『心』を持ち続けるんだ。その強い心を持ち続ける限り、俺は『ウルトラマンという光』であり、『櫂ケンイチという人間』だという事に誇りを持てるんだ。”

だから俺は先輩のように強くなりたい!それは力だけじゃない!何者にも負けない強い信念と心を持ちたいんです!

だから俺は、恐れる事なくドライグと取引をしたんです!

そんな俺に先輩は、後押ししてくれたんです!

そして先輩は言ってたんです!

“真の強さとは…大切なモノを護りたいと願う心、そして、何者にも立ち向かえる勇気なんだ”と!だから俺は今、皆と部長の為に、この力使うんだと!」

 

リアス

「イッセー…」

 

朱乃、祐斗

「「イッセー君…」」

 

アーシア

「イッセーさん…」

 

小猫

「イッセー先輩…」

 

この10日間の特訓で、イッセーはケンイチに色々な事を教わった。

何よりも、“力の意味を”。

 

ライザー

「しょ、正気か貴様ッ!?そんな取引をすれば二度と戻らんのだぞ!!」

 

イッセー

「んなもんは覚悟の上だ!テメェなんかの為に、部長の未来を汚されてたまるかぁッ!!」

 

ライザーの言葉なんか一蹴し、

イッセーは遂に動き出す!

 

イッセー

「ドライグ、行くぞ!遂にこの技を使うときだ!」

 

ドライグ

『ああ!相棒!

思う存分チャージしろ!但し最大限までチャージして放てば、バランスブレイクの効力は消えるぞ。いいな?』

 

 

イッセー

「んなもんは、承知の上だ!先輩から学んだ、俺の最強技!

行くぜ!」

 

イッセーは、“あの技”を発動するために、両腕を×字に組む!

 

ライザー

「何をするか知らんが、そんな事を許すと思うか!!バカが!!」

 

すると空気が読めないライザーは、イッセーに対して妨害を仕掛ける!

 

イッセー

「部長!少しの間、援護してください!今こそ、必殺技を披露します!」

 

リアス

「わかったわ。

朱乃、私と一緒にライザーを牽制して。

祐斗と小猫はライザーを迎撃、

アーシアは私のサポートをお願いね。」

 

朱乃達

『はい!』

 

イッセーの頼みを聞き、行動に移す。

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!

ブーストッ!!

ブーストッ!!』

 

イッセーはその間に、倍加を行う!

 

ライザーは、火炎弾を放ちながら迫るが、リアスと朱乃がそれを迎撃し、祐斗と小猫が左右から挟み撃ちを繰り出すが、ライザーはそれを避ける。

だがライザーは、苛立っていた。

思い通りにならない上に、雑魚と罵った奴が、とんでもなく厄介者だったことに。

だがその間にイッセーは倍加を続ける。

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!

ブーストッ!!

ブーストッ!!』

 

かれこれ続けて、援護のおかげで、既に17回にまで倍加が成功した。

すると

 

ドライグ

『相棒、あとラスト三回が限界だ。

それ以上倍加を行えば、強制的にバランスブレイクが解除される!』

 

イッセー

「ヘッ!十分だぜドライグ!20回も倍加出来たんだ!

先輩との特訓の成果がちゃんと出ている証拠だ!」

 

ドライグの忠告を、逆にプラス思考で返し、ラスト三回の倍加を行う!

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!

ブーストッ!!

ブーストッ!!』

 

イッセー

「キタァァァァァッ!!行くぜドライグ!」

 

ドライグ

『ああ!ぶちかましてやれ!相棒ッ!!』

 

ブーステッド・ギア

『エクスプロージョンッ!!』

 

チャージが完了し、左腕を腰に引き、

左拳に魔力を集中する!

 

更にその膨大な魔力は、その場に居るもの達に知れ渡った!

ライザー

「な゛!?何だ!?

この膨大な魔力の量は!?」

 

驚きを隠せないライザー。

 

そしてリアス達も当然驚いて居るが、

特にリアスはデジャヴを感じていた。

そう、イッセーの修業で感じた尋常ではない魔力と同等かそれ以上だったことに。

 

リアス

「ケンイチ、たった10日間でイッセーをこんなにも鍛え上げたなんて…」

 

イッセー

「部長!下がっていてください!

この、先輩が託してくれた

“一撃必殺技”

で勝負を決めます!」

 

リアス

「わかったわ!

朱乃!祐斗!小猫!下がるわよ!」

 

リアスは全てをイッセーに託し、朱乃達を下がらせた!

 

イッセー

「行くぞ、ライザー!俺の全身全霊の必殺技をくらえぇッ!!」

 

イッセーはその体制で、背部のバーニアを吹かし、ライザーに突撃する!

 

ライザー

「ちぃッ!?ほざくなぁぁぁぁッ!!」

対してライザーも、火拳を構えて向かって行く!

 

 

ライザー

「くたばれぇぇぇッ!!」

 

そしてライザーは、炎の右拳で、イッセーに迫り、殴りかかった!

 

だが、イッセーは見事にしゃがんで避けて見せた!

 

ライザー

「何ィィィッ!?」

 

イッセー

「くらえライザー!

コレが必殺!

“ドラゴニックカウンターブラスト!ゼロ”ッ!!」

 

ドンッ!!

ドゴォォォォォンッ!!!!!!!!

 

ライザー

「ヌオアァァァァァッ!?」

 

イッセーの拳突きを直に受け、十字架の力も含んだ凄まじい莫大な魔力エネルギーをライザーにぶちかました!

 

この凄まじい威力に、疑似新校舎は耐えられず、倒壊する!

 

ジョーカー

「オオッ!こりゃまた随分と派手に壊れたな!」

 

美琴

「うっはぁ!

正に怪獣災害クラスだね!」

 

雪菜

「少しは見直しましたよ、兵藤さん!」

 

牙狼

「ほお、大した破壊力じゃないか。」

 

「流石はケンイチさんですね。兵藤の戦闘能力をかなり底上げさせては、あんな技を覚えさせるなんて。」

 

この光景に、ジョーカーや牙狼、雪菜達は驚きつつも感心した。

 

更に、生かされているも同然のレイヴェルとユーベルーナは、恐怖に駆られて言葉も出ない。

 

そして土煙が晴れて、息が上がったイッセーに、リアス達近寄る。

 

すると!

 

ブーステッド・ギア

『リセットッ!!』

 

イッセー

「や゛、ヤベェ…力が入んない…。」

 

ドライグの言う通り、イッセーの限界且つ全力全開のフルパワーを放ったため、本来まだ制限時間はあるのだが、未完成のバランスブレイクである為に効力が切れてしまい、イッセーは魔力のガス欠を起こして力無く落下する。

 

リアス達

『イッセーッ!(君ッ!)(先輩…!)(さんッ!)』

 

なんとかリアス達が近寄り、イッセーを拾って地面の激突を防いだ。

 

イッセー

「部長ォ…、俺…やりましたよ…。」

 

リアス

「イッセー…良くやったわ!私の為にこんな腕になってまで…本当にもう。」

 

普通に考えて、リアス達の勝利は驚愕だが、事実上勝利はほぼ確定と言える状況だった。

後はグレイフィアのアナウンスを待つのみである。

 

祐斗

「にしてもイッセー君、さっきの技はいったい?」

 

小猫

「私も気になってました…。」

 

と此処で、祐斗と小猫が、先ほどイッセー放った“必殺技”を代表して聞いた。

ほんのちょっと体力が回復したイッセーは、ちょっと自慢気に話した

 

イッセー

「ヘヘ、よく聞いてくれたぜ。

あれは、先輩が教えてくれて、俺がアレンジした、

“ウルトラマンの技”

なんだ!」

 

アーシア

「ええッ!?」

 

朱乃

「う、

“ウルトラマンの技”

って、本当なのイッセー君!?」

 

祐斗

「今の技が…

“ウルトラマンの技”!?」

 

小猫

「でも、納得できる部分もあります…。」

 

リアス

「今のがまさか、

“ウルトラマンの技”

だなんて!」

 

コレには流石にリアス達も驚いた!

イッセーがまさか、

ウルトラマンの技すらも覚えるとはと!

イッセー

「はい。

元の名前は

“ライトニングカウンター”

という名前で、この技を扱う

“ウルトラマンメビウス”

ていうウルトラマンが居るということで、先輩が教えてくれたんです。

しかも一発で覚えられたんです。

其処からずっと、この技の威力を操る為に、体力の底上げをした特訓をしていたんです。」

 

イッセーが語った言葉に、リアスは、ケンイチへの感謝が耐えなかった。

イッセーがそのウルトラマンの技をライザーにぶつけたともなれば、凄まじい大ダメージなるのは確実だ。

オマケに十字架の効力まで付属しているのだから、いくらなんでも絶対に無傷では済まない。

 

とその時!!

 

ガラリッ!!

 

瓦礫が崩れる音が聞こえた!

リアス達が反応して確認すると…絶句した!!

 

なんと其処には…

 

ライザー

「ふぅ…危ない危ない、もう少しで本当にやられるところだったな。」

 

ライザーが、“無傷”で、しかも何事も無いかのように土埃を叩いていた!

 

イッセー

「う!?ウソ…だろ!?」

 

イッセーは思わず言葉を漏らした!

 

ライザー

「クソ餓鬼と思って侮っていたが…随分ナメたマネをしてくれたな!!

さっきの技には驚いたが、結局俺は不死身のライザー様なんだよ!!」

 

ライザーは怒りの業火をリアス達に放った!

とっさにリアスと朱乃が防御魔法陣を発動するが!?

 

リアス、朱乃

『ああああッ!?』

 

耐えきれず、弾かれてしまう!

 

祐斗

「くッ、ハアアアアッ!」

 

小猫

「えい…!」

 

ライザー

「目障りだぁッ!」

 

祐斗

「グアッ!?」

 

小猫

「ああ…!?」

 

続けて迎撃に向かった祐斗と小猫も、

ライザーがハエを叩き落とすかのように返り討ちにしたのだ!

 

イッセー

「や゛…ヤベェ…、

アーシア、部長達の所に逃げろ!」

 

アーシア

「嫌ですイッセーさん!」

 

イッセー

「早く!俺よりも、部長達の方がヤバいだ。それにもう倍加を出来ない等しい。

だったら俺は最後まで自分に出来ることやるから!」

 

アーシア

「イッセーさんッ!!」

 

リアス達がライザーに弾かれてダウン状態を見て、イッセーはもう戦えない筈なのに、アーシアの止めの言葉も聞かずにライザーに向かっていった!

 

イッセー

「ウオオオオッ!!」

 

ライザー

「ふんッ!雑魚が!」

 

イッセー

「グハッ!?」

 

だがライザーは難なくイッセーをいなし、顔面に一発殴ると首を掴んだ!

 

イッセー

「ガアッ!?」

 

ライザー

「やはり貴様は目障り以外の何者でもない!このまま死んで貰うぞ!」

 

そう言いつつ、イッセーを地面に投げ落とした!

 

イッセー

「ゴホッ!?」

 

最早イッセーは風前の灯火な程に意識が朦朧としていた!

 

ライザー

「しかし…お前ら最悪だなぁ。

結局“彼奴”は出てこなかったな。

奴は恐らく怖じ気づいたか?」

 

するとライザーは、

“彼”を侮辱しはじめた。

恐らくお解りであろう。

ライザーの言う“彼”とは。

 

ライザー

「あ、リアス~、

もしかしての薄情な奴に惚れちゃてたか?だとしたら、最悪だなぁ。奴に此処に来ないという事は、完全に見捨てたと言うことだなぁ。」

 

リアス

「ライザー!!

あなた、ケンイチを侮辱するなんて!

万死に値するわ!」

 

朱乃

「ケンイチ君の事を何も知らないあなたが、ケンイチを侮辱するなんて、“2万年”早いですわ!」

 

ライザーのケンイチを侮辱する言葉に、リアスと朱乃が怒りの言葉を放つも、

 

ライザー

「まあ、どうせ俺の勝ちなんだ。

後で念入りに、奴の事を忘れるくらいに愛でてやるからな。

愛しのリ~ア~ス。」

 

怒りの言葉などなんのその!

軽く受け流し、

 

ライザー

「さあ目障りな雑魚君には消えて貰うぞ!」

 

ライザーは大玉上の火炎弾を生成し、イッセーへ投げた!

 

リアス達

『イッセー(君)(先輩)(さん)!?』

 

最早には気力も体力も無いイッセーは、心の中でケンイチに謝った。

 

イッセー

「(すみません先輩…ライザーをぶちのめせなくて…)」

 

 

少し遡り、ジョーカー達と牙狼達が合流し、“あること”を行うとした。

雪菜達はそれを聞いた時は思わず噴いたが、リアス達に希望の光を再び灯させるため、ジョーカーと牙狼が…徐に歌う感じで口ずさむ。

 

ジョーカー

「ぎ~り~ぎ~りまで~がんば~て~、

ぎ~り~ぎ~りまで~ふんば~て~」

 

牙狼

「ど~にも~、こ~にも、ど~にもな~らない」

 

ジョーカー

「マ~ズいぜ~、ヤ~バいぜ~、ピンチの~、ピンチの~、ピンチの連続~そんなと~き~」

 

牙狼

「きっとだれ~かが~待~っている声がする~、遥かかな~たに~、続いている銀河~」

 

ジョーカー

「青くかが~やく~、“胸”の光に正義を誓う~」

 

ジョーカー、牙狼

『君の名は~、

ウルトラマ~ン、

“パワ~ド~!

パワ~ド~!

パワ~~~ド~~~~!”』

 

まさかケンイチ君は、コレを頼んだのか!?

明らかに替え歌だ!

 

そしてリアス達の陣地にて!

 

遂にケンイチが動いた!

懐から

フラッシュ・プリズムを取り出し、天に掲げてスイッチを押し、青白い輝きと共に目に見えない凄まじい光の速度で、リアス達の下へ向かった!

 

ケンイチ

「(待っていろ皆、今行くぞ!)」

 

そして時間は、

火炎弾がイッセーに直撃した瞬間へ。

 

 

リアス

「イッセぇぇぇッ!?」

 

誰もが、脳裏にイッセーの死という文字が横切った!

アーシア

「イッセーさあぁぁぁぁぁぁんッ!!」

 

アーシアはイッセーを心から愛している者。その人物が目ので死んだと感じ、涙流す。

ライザー

「フッハッハッハッハッハ!!」

 

高笑いするライザー。

 

その時!!

 

シュワッ!!

 

『ッ!?』

 

燃え盛る炎の中から…“彼”が、イッセーを抱えて飛び出した!

 

輝く真の正義の光と共に、リアス達の下に、勇者が降臨した!

 

ジョーカー

「何があっても仲間は決して見捨てねぇ、例え種族が違うともな。彼奴ももしかしたら、真の勇者かもな。」

 

牙狼

「ああ、光の戦士、

命と地球を愛した無敵の正義のヒーロー、

その名はウルトラマン…。」

 

美琴

「やっぱりね!

来ない筈が無いもん!」

 

「ああ、きたぞ!われらの!」

 

雪菜

「はい!

ウルトラマンです!!」

 

そう!

遂にウルトラマンが姿を現した!

 

仲間の危機は決して見捨てない!

 

リアス

「ケンイチ…」

 

朱乃

「ケンイチ君…」

 

祐斗、小猫

『ケンイチ先輩ッ!!』

 

アーシア

「ケンイチさん!」

 

ケンイチ=ウルトラマンは腕に抱えたイッセーをアーシアの下へ。

 

それによってリアス達も集まった。

 

そしてリアス達は、気絶してるだけでイッセーは無事であることに、誰もが安心した。

 

 

ウルトラマン

「よく最後まで頑張ったな。

ちゃんと見てたからなイッセー。

お前は充分戦い抜いた。

ゆっくり休めよ。」

 

そしてウルトラマンは、リアスへ顔を向ける。

 

ウルトラマン

「リアス、待たせたな。ちゃんと約束は、護るぜ。

なんせお前自身の未来は、お前のモノなんだからな。」

 

リアス

「ケンイチ、ありがとう…。」

 

ウルトラマン

「その言葉は、

まだはえぇよ。

この戦いが終わったら、好きに言えば良いさ。」

 

そう言うとウルトラマンは、

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

勢い良くジャンプし、前宙一回転して、ライザーの前に立ちはだかった!

 

(BGM:ウルトラマンパワード『アメリカ版[解らない方はヴォーカル無しだと思ってください]』)

 

中継を見ていた者の誰もが驚く!

 

そう、何故なら…かつて三大勢力が戦争締結をするきっかけとなったウルトラマンが時を越え、

この場所に居るのだから!

 

サーゼクス

「やっぱり彼だったのか、ウルトラマンは…。

なら私の願いは一つ、ケンイチ君、リアスの未来を救ってくれ。」

 

確信を持ったサーゼクスは、ウルトラマンに祈った。

“どうか妹を救い、護ってくれ”と。

 

そして、

 

ウルトラマン

「待たせたなライザー、お前の羽を…折りに来てやったぜ!」

 

今、不死身と無敵、

悪魔の不死鳥

VS

正義の光の戦士

が…相対する!!

 

つづくッ!!

 




次回予告
(牙狼~savior in the dark~サビVer.)

[ザルバナレーション]
遂に激突する無敵と不死鳥
果たして勝つのは、
欲望にまみれた不死鳥か?
それとも
仲間を愛する無敵か?

今、因縁に片を付ける時だ!

次回!
Gの決着/Uの正義

ウルトラマンに、不死身は無意味だぜッ!!

※サブタイトル、
わかりましたか?
答えは
ウルトラマンコスモス
最終話[真の勇者]

ウルトラマンパワード
第2話
[その名はウルトラマン]
です!


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第13話 Gの決着/Uの正義

以前は…半年掛かったが、3ヶ月で済んだ。何気に奇跡だ!
というかすみませんでした!!この投稿に達するまで…様々なアニメを見過ぎたり、パチンコを打ちまくったりと、二十歳越えても、学生時代のおバカな生活が悪化まっしぐらな絶狼ゼロです!!
因みに主に打つのは、仮面ライダーシリーズと牙狼シリーズとガールズ&パンツァーと緋弾のアリアと戦国乙女とクイーンズブレイドと魔法少女リリカルなのはです!!
すいません!関係ないですね!
けどライダーと牙狼からは、色々な合体技や設定を採り入れまして、この作品の牙狼も、パチンコが大きく影響しています!
本当なら、ウルトラマンシリーズも上げたいですが、タロウの勝ち星は無い上に、新台として登場したウルトラマンゼロはMAXタイプな為、
“ウルトラマン降臨祭”の年を最後に、MAXタイプが完全撤去された為、省きました(泣)

まあ戯れ言は置いといて、レーティングゲームの決着編とオリキャラ追加に、チートなケンイチ君をご覧ください!!
あともしかしたら、自己解釈が有りますので、お手柔らかにお願いします!

因みにこの作品のD×Dのレーティングゲームでのフェニックスの涙の使用は反則行為という設定です。

OP
ウルトラマンパワード

ED
W-B-X

異次元人ヤプール(スポット)

登場!!

※9月21日、13話の内容を更に更新。


ライザー

「ハンッ!

漸く出てきたな“臆病者”が。

てっきりリアス達を見捨てたのかと思ったのだがなぁ。」

 

ウルトラマン

「ふんッ。

悪いな、俺が直接戦えば、リアス達の為にならなかったんでな。

リアス達には、極力俺達に頼らないように試練を与えていたのさ。

そして最後の試練を、イッセーに託したが、見事にやってのけた。

だから俺は今此処に立っている。」

 

ライザー

「ふん!そういうことにしといてやろう。」

 

お互いに睨み合い、罵ったり、それをスルーするウルトラマンとライザー。

そしてウルトラマンの後ろでリアス達は、ウルトラマン=ケンイチの勝利を内心祈っていた。するとウルトラマンがライザーに問いただした。

 

ウルトラマン

「それと戦う前にライザー、一つお前に問う。」

 

ライザー

「何だ?」

 

ウルトラマン

「お前はリアスを“どういう風に見ている”?」

 

そう、ライザーがどんな風にリアスを見ているかだった。

もし、ウルトラマンの思っているとおりの大バカ野郎なら許せないが、現実はやはり彼に味方をした

 

ライザー

「知れたことを。

勿論“俺の女の1人に加えることだ”!リアス程スタイルの良い女はそうそうに居ないからな!

それが何か悪いことか?あん?」

やはりライザーは

リアスの

“体目当てだった”!

 

ウルトラマン

「そうか、それを聞けて安心した…。

なら…尚更テメェをリアスに近づけさせるわけにはいかねぇ!!」

 

やはりライザーが、ウルトラマンの思っているとおりの奴であったため、怒りが爆発した!

しかもライザーは、この中継の声が、

リアスの兄にして、

現魔王ルシファーの耳に届いているとは、考えもしなかった。

 

ライザー

「ふん!

何故貴様がそんな事を言う権利が有る!

調子に乗るなよ!

“偽りの最強”がッ!

何故サーゼクス様達が貴様に恐れるのか解らんが、貴様さえ殺せば俺はサーゼクス様に認められてリアスと結婚出来るんだ。だから…貴様にはさっさと死んで貰おう!」

 

ライザーは欲望丸出しの発言をしたり、サーゼクスの苦労を水の泡にするような発言をしたりと、好き勝手に言っていた!

 

ウルトラマン

「ほお…俺を“殺す”?サーゼクスに“認めて貰う”だと?

随分ご大層な言葉を並べるじゃねぇか?

クソ鶏がッ!!」

 

ライザー

「ッ!貴様!

サーゼクス様を気安く“呼び捨て”にするな!!何様のつもりだ!〔んなことはどうでもいいッ!!〕何!?」

 

ウルトラマンがサーゼクスを呼び捨てにしたことに、ライザーは怒りを露わにするが、ウルトラマンはそれを一蹴して続ける。

 

ウルトラマン

「ライザー、テメェさっきサーゼクスに“認めて貰う”だなんてほざいたな?」

 

ライザー

「貴様…まあいい。

それが何だ!」

 

ウルトラマンの言葉に意味を解せないライザー。

そしてウルトラマンは、“ある言葉”をライザーにぶつけた!

 

ウルトラマン

「ほお…“不正した”御身分でありながら大層な態度を取っていられるな?」

 

『ッ!?“不正”!?』

ライザー

「何だと!?

この俺が“不正”をしただと!?」

 

ウルトラマンの言葉に、誰もが耳を疑った!

ライザーが“不正”を!?

 

ライザー

「貴様!?何をふざけたデマを!?

この俺が不正なんぞ…」

 

ウルトラマン

「ならば、“あれは”どう説明付ける!!」

 

ライザーが否定しようとするが、ウルトラマンはある“場所”を指差した!

 

それは…牙狼兄妹に敗れ、翼によってフェニックスの涙の蓋を開けようとする直前で、陰縫いで動きを封じられたユーベルーナの姿が目にいった!

 

ライザー

「はあ?

俺のユーベルーナが何だ?」

 

ウルトラマン

「テメェの女王が

“手に持っている物”は何だ?

何を開けようとしてる?」

 

ライザー

「何ッ!?」

 

ライザーはウルトラマンの言葉に驚き、動揺した!

ライザーもよく確認すると、ユーベルーナがフェニックスの涙の蓋を開けようとする直前であることに、更に焦る!

更に魔王ルシファーも観ているのだから更に焦りが上昇する!

 

ライザー

「(ま゛ッ!?マズい!?まさか奴は、全てを見抜いていたのか!?このままじゃ、俺の無敗記録が全て不正によるモノだとバレてしまう!?)」

 

焦りまくったライザーは…こう言った。

 

ライザー

「し、知らんッ!!

俺はあんな物知らん!」

 

なんと!?

しらを切ったではないか!!

 

ウルトラマン

「ほお、知らねえと?」

 

ライザー

「お、俺はあんな物知らんぞ!!」

 

明らかに動揺しまくりな上、少し前にウルトラマンを薄情者と罵ったライザーだが…どう見ても、ライザーの方が“薄情者”だ!

むしろウルトラマン=ケンイチはリアス達の危機を決して見捨てなかった、正しく勇者そのものである!

 

ウルトラマン

「なら確認して貰うか?リアス、悪いが奴の女王に近づいて、奴の手に有る物を確認してくれ。

もしあれが

“特効薬の類”

なら、ライザーは今まで不正をしていた事になるからな。」

 

リアス

「ッ!ケンイチ、わかったわ!」

 

本来ならプライドがそれを許さないが、他ならぬウルトラマン(ケンイチ)の頼みとあらばと快く引き受け、朱乃と共にユーベルーナに近付く。

当のユーベルーナは、まるで

“この世の終わりを見ている”

かのような表情になっていた。

 

何より

“人間を見下していた”態度ではなく、むしろ

“人間の恐ろしさ”

を知り、固まっているのだった。

 

そしてリアスと朱乃は、ユーベルーナの手から“小瓶”を取り上げ、驚愕した。

 

リアス

「こ、これは!?

“フェニックスの涙”

じゃないのよ!?」

 

リアスの言葉に中継を観ていた親戚や友人の悪魔、更には両家のご家族、そして祐斗と小猫、朱乃、極めつけは、

現魔王

サーゼクス・ルシファーも驚かずにはいられなかった!

ウルトラマンの言う通り、ライザーは…不正していたことになるのだ!因みにアーシアは理解が追い付かず、

ジョーカー、牙狼、雪菜達は確信を持っていたため、驚く事は無かった。

 

ウルトラマン

「リアス、

フェニックスの涙とは、それを使用することでどういう効力を発揮するんだ?」

 

リアス

「簡単よケンイチ、

フェニックスの涙は、使用者のあらゆる損傷を回復する物よ。

そしてコレが造られているのは、ライザーの実家である

“フェニックス家”

しかないわ!」

 

ウルトラマン

「…という事だがライザー、これでもしらを切るか?」

 

ウルトラマンがリアスの言葉を聞いて、確信を持ったが、故に敢えてライザーに質問する。

 

ライザー

「た、確かに俺の実家でフェニックスの涙は造られているが、それでも俺は知らんッ!」

 

製造は認めているものの、やはりしらを切るライザーであった。

ライザーのうざったいくらいに非を認めない言葉に対し、

ウルトラマンは遂にライザーの本性をあぶり出す為に、

“釣り餌”

を垂らした。

 

ウルトラマン

「成る程…つまりはテメェの女王の“独断”という事か?」

『ッ!?』

 

この独断という言葉に、誰もが時間が止まる感覚がした。

ライザーの回答次第では、間違い無く全てを敵に回すことになる。

そう…ライザーが全てを敵に回すか…。

ライザー

「そ…そうだ!!

俺は始めっから何も知らん!

“ユーベルーナが勝手にやった”事だ!」

 

やはり現実は、正しき心を持つ物に味方した。

この言葉を聞いたユーベルーナは絶望した。信じていた主に裏切られたのだから!

 

リアス

「ライザー、あなたってヒトは!!」

 

リアスはもちろん、朱乃達だって同じだ。

女王は王の為に尽くす。そして王は、己の配下全てを愛でる。

それが、この世界の理。

だがライザーは、己の眷属を殆ど捨て駒のように切り捨てた。

右腕である女王ですらも、“用済み”の如く切り捨てたのだ。

 

涼太郎

「あ~あ、言っちゃった~。」

 

鋼賀

「もはや救いようもない愚かな奴だったか…。」

 

コレばっかりは、

涼太郎と鋼賀、勿論雪菜達だって呆れてモノも言えなかった。

 

ウルトラマン

「なら寧ろ合点がいかねえな?

俺がイッセーに授けた技をくらっても尚無傷で立っているお前がな。

オマケに十字架の効力付きでよ。」

 

ライザー

「そ、そんなモノ、今関係無いだろうが!!」

 

ウルトラマン

「大有りなんだよ。

イッセーがテメェに放った技は、ウルトラマンの技なんだよ。」

 

ライザー

「ふ、ふん!

つまり大したことがないと言うことだ。

つまり貴様も…」

 

ウルトラマン

「あの技は

“宇宙怪獣”を倒せる程の破壊力を秘めていたのにな。

下手したしら…

“宇宙恐竜”だって倒せても可笑しくない物なのにな。」

 

『ッ!?』

 

ウルトラマンとライザーが淡々と言葉を交じり合わせる中、ウルトラマンの言葉に誰もが凍った。

 

あの技は…“宇宙怪獣”や“宇宙恐竜”を倒せると言うことだ!!

 

リアスは涼太郎達に近づいて聞いた。

 

リアス

「涼太郎!鋼賀!

ケンイチの言っていることって本当なの!?」

 

涼太郎

「ああ、嘘偽り無いですぜ、部長さん。」

 

鋼賀

「何よりもケンイチが授け、イッセーが使った技のオリジナルの持ち主は、

ウルトラ兄弟10番目の弟・ウルトラマンメビウスの技にして、無限大の可能性を秘めた栄光ある勇者だからな。」

 

リアスはもう言葉が出なかった。

ウルトラマンが此処まで凄いとは!

だが…こんなのは序の口である。

 

ウルトラマン

「ライザー、コレでも真実を語らないなら、一つ“サシで勝負”しようぜ。」

 

ライザー

「何んだと?」

 

ウルトラマンはもう語る気は無いとばかりに、動いた。

ウルトラマン

「ルールを変更して、俺を倒せたら今の言葉は全て無かった事にした上で、お前のゲームの勝ちだ。」

 

『ッ!?』

 

誰もが耳を疑った!

なんと勝利条件を勝手に変更したのである!

 

ウルトラマン

「グレイフィアさん、良いよな?

コレを観ている連中も、ウルトラマンの力というのを知るには良い機会だと思うがな?」

 

ウルトラマンは天へ向かって叫ぶ。

 

そして帰ってきた言葉が、この言葉だった。

 

グレイフィア

『ライザー様の勝利条件変更、リアス様からケンイチ様へ変わり、ケンイチ様を撃破する事で勝利が確定します。』

 

この言葉に、誰もが驚かずにいられない!

勿論涼太郎達は冷静である。

 

寧ろ…

 

涼太郎

「やりやがったなケンイチの奴。

これじゃアイツの独壇場だなぁ。(笑)。」

 

鋼賀

「まあ…アイツの腕なら寧ろ、“後ろに守るモノがある上でのサシでの勝負”は正しく独壇場だからな。(苦笑)」

 

雪菜

「そうですよ!私の時もお兄ちゃんは護ってくれましたし!」

 

美琴

「そりゃあ、大事な妹が“強盗に巻き込まれて人質”にされてたのに、“大胆不敵”な行動で且つ、被害が出ないよう冷静沈着に強盗を“鎮圧”したんだからね!」

 

「あの時はお兄様も涼太郎さんも苦労しましたね。

只でさえ“貧乏くじ”を引きやすいのですから。」

 

涼太郎、鋼賀

『それを言わないでくれ…。(くれよ…。)』

 

等と会話をしているが、まさか彼らの前世でそんな事件があったとは!?

何よりもケンイチ君、強盗を鎮圧するとは凄まじい過ぎます!?

 

 

ライザー

「貴様ッ!?何を勝手な!?」

 

ウルトラマン

「既に決まった事だ。

それに案外返答が早かったのをみると、サーゼクスは快く引き受けてくれたのだろう。」

 

サーゼクス

『その通りだよ、

ケンイチ君。』

 

リアス

「ッ!?お兄さま!?」

 

ライザーが抗議しようとするが、

ウルトラマンの言葉に、サーゼクスがモニターを出現させて、彼(ウルトラマン)の言葉を肯定した。

 

ライザー

「サーゼクス様!?

そんな勝手は…」

 

サーゼクス

『黙りたまえ、

ライザー君!

私は悲しく思っているよ、君が我が妹と婚約を決めた時は

“不束者ですが悪魔の未来の為ならば”

と言っていた君が実は、“妹の身体目当て”

だとはね。』

 

ライザーの抗議なんぞ一蹴して、サーゼクスはこの中継でのライザーの言と、

ゲーム開始前にて、

ウルトラマン=ケンイチと対談した際に、彼の言葉が本当であった事に悲しくなっていたのだ。

 

ライザー

「な!?何を仰って…」

サーゼクス

「ライザー君、まさか君はこの中継が、

“聞こえていない”

とでも思っているのかい?」

 

ライザー

「ッ!?」

 

全くをもって話しを聞いてもらえず、ライザーは動揺する。

 

サーゼクス

『ライザー君、私達四大魔王は何度も

“人間に対して無礼を働くな”と、

“ウルトラマンの怒りを買うような真似はしないように”と言ったのに、君は私たちの努力を水の泡にするなんてね。

けど、ウルトラマンがとても心が広い方で助かったよ。

彼を敵に回したら私たち悪魔はおろか、“神”や“天使”、“堕天使”だって、彼によって“滅ぼされていた”可能性があるのだから。』

 

ライザー

「そ…そんなバカな!?サーゼクス様!

何故そこまで大袈裟な事を!?」

 

サーゼクス

『解らないかい?

彼は正しくこの世界において、“最強”の存在だ!その力は神を遥かに凌ぐ!

私はそれを、嘗ての3勢力の戦争に参加したときに見たのだ!!

たった一発の

“寸止めだけ”で、堕天使の幹部を叩きのめした“彼の力”を、そして伝説の生物である“ドラゴン”すらも、ウルトラマンの足下にすら及ばない!

この意味が、本当に解らないのかい?』

 

ライザー

「そ!?そんなバカな!?」

 

リアス達

『ッ!?』

 

涼太郎

「何?」

 

鋼賀

「どういう事だ?

何故3勢力の戦争にケンイチが関係している?」

 

サーゼクスの言葉を聞いたリアス達は、衝撃の真実に驚愕していたが、涼太郎と鋼賀は疑問に思っていた。

 

そして、ウルトラマン=ケンイチの愛妹である雪菜は勿論、涼太郎と鋼賀の妹である美琴と翼も同じだ。

 

ウルトラマン

「(さり気なく言わないでくれよサーゼクス…、説明がめんどくせぇじゃねぇか。説明しても信じてもらえるかな?

涼太郎と鋼賀、雪菜達は信じてくれるだろうけど…リアス達はどうかな?)」

 

一方ウルトラマンは、サーゼクスの思いがけないカミングアウトによって、若干頭を抱えていた。

何せ彼が3勢力の戦争に介入したのは、意味不明なタイムスリップ現象である。

だから、あまりにも非現実的な理由であるため、涼太郎達は信じてくれそうだが、リアス達はわからないのだ。

 

サーゼクス

『だがライザー君、

もし君が本当に

“恐れ知らず”

ならば、彼の言う通り君が勝てば、今ままでの彼の言葉は勿論、今ままでの君の言葉を聞かなかったことにしよう。』

 

『ッ!?』

サーゼクスの言葉に、涼太郎達以外の誰もが驚く!

 

 

ライザー

「ほッ、本当ですか!?サーゼクス様!

この男を倒せば!?」

 

 

 

サーゼクス

『勿論だ。

だが、負けた場合は…

“解っているね?”

(怒りを込めて)』

 

ライザー

「も、勿論でございます!サーゼクス様!

私がこんな“デマを言いふらす”上に、“偽りの最強”なんぞに負ける筈がありません!」

 

サーゼクス

『良いだろう。

その言葉を忘れず、

“後悔”しない事だ。』

 

サーゼクスは、ライザーにそう告げた後、リアスの方へ言葉をかける。

サーゼクス

『リアス、君に言わなければならない事がある…。』

 

リアス

「お兄様…?」

 

突然の兄の登場によって驚愕の嵐に吹き荒れて、呆然していたリアスは、サーゼクスの声で現実に戻った。

そしてサーゼクスは、リアスにこう言った。

 

サーゼクス

『すまなかった…、君の未来を決めるような真似をしてしまったことを…。』

 

リアス

「えッ、お、お兄様?」

 

突然の兄からの謝罪にリアスは動揺した。

それもそうであろう。

今回のリアスの婚約を勝手に取り繕った一人である兄が、突然謝罪したのだから。

 

サーゼクス

『私や父上も母上も、

グレイフィアだって、

君の事を信じていなかった訳じゃないのだが、知らずの内にリアスを心配し過ぎたが故に、勝手に未来を押し付けてしまった事に気づけなかった。

けど、このゲームが開始される前に彼と…ウルトラマンと対談したことは、君も知っている筈だ。』

 

リアス

「は、はい…。」

 

サーゼクス

『その時に、こう言われたんだ…。

“リアスの幸せを思っているなら、尚更リアスを信じろ”とね。

その言葉に、私は頭を強打した感覚にみまわれたんだ。

即ち、君を信じていなかった事に。』

 

リアス

「ッ、ケンイチが…そんな事を…!」

 

 

サーゼクスの言葉に、一瞬戸惑った。

ケンイチが、サーゼクスの心を突き動かした事が。

何よりも、リアスの事を思っての言葉であった事に。

 

サーゼクス

『だからリアス、

もしケンイチ君が勝利すれば、私は君が尽くすと決めた相手と結ばれることを許そう。

けど、彼が負けた場合は…未来を縛ってしまうことを許してほしい。』

 

そう言ったサーゼクスは、モニターと共に消えた。

 

リアス

「お兄様…。」

 

リアスはこの時、言いようもない複雑な感覚に見舞われた。

けど、確かなのは…リアスを仲間として信じている事。

そして仲間が真の幸せに成れるのなら祝福する。

だが…仲間が真の幸せに成れないのなら、たとえどんな奴を敵に回してでも、仲間が真の幸せになるまで、守り抜く為に立ち向かう。

それが、

“櫂ケンイチ”

という青年の“正義”だと、遂に知ったリアスだった。

 

彼が自分の幸せを本気で願ってくれている。現に彼は、兄の心を突き動かしたのだから。

 

もうリアスには、

“迷いは無かった。”

 

少し前は彼に恋心を抱き、朱乃と取り合って誘惑したりしたが、今回の彼の行動が、リアスの決意を固めさせた。

 

彼こそが、理想の相手である!

 

ウルトラマン

「じゃあ…“殺り合うか”?ライザー。」

 

ライザー

「ああ、臨む所だ!

貴様のような愚かな

“デマ吹き”に、

この俺が負けるわけがないだろう!!」

 

ウルトラマンの言葉にライザーは、肯定しつつ、炎の翼を広げ、周りに火炎弾を備える!

 

 

ウルトラマン

「それと一つ言っておく。」

 

ライザー

「何だ?いきなり降参か?」

 

バトルを始める前に、ウルトラマンが物申す。

 

ウルトラマン

「“命乞いはするな…”、時間の無駄だからな。」

 

なんと、ウルトラマンらしからぬ台詞であった!しかしそれ程までに、

ウルトラマン=ケンイチは、ライザーへ怒りを爆発させていたのだ!

 

ライザー

「ふんッ!

この不死身のフェニックス様が、命乞いをするわけ無いだろうが!!

死ねえッ!!」

 

ウルトラマンの言葉に、ライザーは直ぐに否定した後、周りの火炎弾を統合させて放った!

 

対してウルトラマンは…微動だにしなかった!

 

そして…普通に命中してしまった!?

 

リアス

「ッ!?ケンイチッ!!」

 

朱乃

「ケンイチ君ッ!!」

 

祐斗、小猫

『ケンイチ先輩ッ!?』

 

アーシア

「ケンイチさん!?」

 

リアス達は驚きを隠せなかった!

そしてライザーは、

拍子抜けしたかの如く、高笑いをする!

 

ライザー

「ハッハッハッハッハ!

何だ?随分デカい口を言っていた割に、呆気ないモノだなぁ!

まあ良い、これでリアスは…いや!

リアスとリアスの女達は俺の物に…」

 

ウルトラマンを倒したと確信したライザーは好き放題言うが、皆さんはお忘れではないでしょうね?

 

涼太郎

「あちゃー、こりゃアホな事したな~。

本当に脳みそが小さいな。」

 

鋼賀

「ああ、ケンイチを殺す気でいるなら、

最低でも

“一億九千度”、

最大で

“百兆度以上”の

温度は必要だというのに、高々

“数千度~数万度”

の温度で彼奴を焼き殺そうだなんて、アホ以外の何者でもないな。」

 

雪菜達

『まったくです!』

 

リアス

「えッ!?どういう事!?」

 

涼太郎

「ま、とりあえず見てみれば、解りますぜ。」

 

リアスが聞いたが、涼太郎は論より証拠とばかりに、ウルトラマンを見ろという!

 

すると!!

 

ウルトラマン

「フアイッ!」

 

『ッ!?』

 

ライザー

「ッ!?ば、バカなぁッ!?」

なんと!!

ウルトラマンの声が聞こえたと思えば、燃え盛っていた炎が…一瞬の内に消滅した!!

コレにはライザーは驚きを隠せない!!

オマケに損傷の痕すら無かったのだから!

 

ライザー

「き、貴様!?

何をした!?」

 

ワナワナ震えながらライザーは、ウルトラマンに問う。

 

ウルトラマン

「簡単な事だ。

テメェ程度の炎で俺を消し炭に出来ると思ったか?

最低でも今の温度の“千億倍”

は持ってきやがれ!

それと炎が目障りだから、

“俺の念力で炎を鎮火した”

に過ぎねえ。」

 

そう、ウルトラ念力を使い、己を囲んでいた炎を鎮火したのだ!

リアス

「念力で炎を鎮火って!?そんな事が出来るの!?」

 

涼太郎

「もちコース!

なあ鋼賀、彼奴の

“オリジナル”

は凄かったもんな!」

 

鋼賀

「確かオイルを求めて、米国のオイルの工場を荒らし回った怪獣いたな。

其奴によって米国のコンビナートが辺り一面に火の海になるという地獄の絵地図になったんだが、

彼奴の

“オリジナル”

は犠牲者を出すこと無くその怪獣を撃破し、辺り一面地獄の絵地図となっていたコンビナートの火災を、ウルトラ念力で見事に一瞬で鎮火したんだ。」

 

涼太郎

「そうそう!そういう奇跡的な能力も合わさって、

ウルトラの戦士たちは、人間の理想とする“英雄”だったり、“神”と呼ばれたりするんだ!

まったく凄いもんだぜ。なあ雪菜、お前の兄貴にして、俺と鋼賀の心友はな。」

 

雪菜

「はい!自慢のお兄ちゃんですから!」

 

リアス

「えッ!人間の理想の“神”ですって!?」

 

涼太郎の言葉に有った、

“ウルトラマンは人間の理想とする神”

 

に驚きを隠せず、声を上げた!

 

勿論その声は、全体に響いていた!

 

ライザー

「な゛ッ!?

なんだと!?

貴様が“神”だと!?」

 

ウルトラマン

「おい涼太郎、

余計な事を言わないでくれよ。

別に俺は神を気取る気はないからな。」

涼太郎

「わーってるわーってるって。

けどよケンイチ、実際ウルトラマンを見たとある国の人間たちが、ウルトラマンを、自分達を救ってくれた平和の守り神として、“ノアの神”と呼ばれてるじゃねえか。」

 

鋼賀

「まあ…確かに、死者をマジで蘇らせたり、ウルトラの星でも、あの伝説の英雄と呼ばれる“キング”とか、“慈愛の勇者”と“宇宙の正義”が融合した“レジェンド”とか、

その“慈愛の勇者”と、“光の超戦士”、そして“光の国の若き最強のサラブレッド戦士”が融合した“サーガ”とかは、最早神と言っても過言じゃないのに、その“サーガ”へと融合するきっかけとなった、

“ウルトラマンノア”

に至っては、マジもんの神じゃないか?

“宇宙の守護神”

とか言われている上に、名前に“ノア”と名の付いている時点で、人間の言う

“ノアの神”

じゃないか?」

 

涼太郎

「オマケにその

“光の国若き最強のサラブレッド戦士”

に至っては、絆の力を通して、

“時間さえも操ってしまう”

なんて芸等、最早神だって。」

 

ウルトラマン

「それでも…ウルトラマンは“神”じゃねえんだ。

確かに、“死の概念”を完全に越えてしまったけど、それでもちゃんと死んじまうんだよ。」

 

このウルトラマン(ケンイチ)と涼太郎・鋼賀の会話は、このフィールドは疎か、観戦している悪魔達にも聞こえているため…戦慄が走っていた…!

 

ウルトラマンが人間たちに取って、

“平和の守り神”

だと言うことに!

さらに、死んだ人間を蘇らせたりする事も可能だという事に。

事実、ウルトラ兄弟6番目の兄

“ウルトラマンタロウ”がかつて地球防衛の任に就いた時、彼の前に現れたとある怪獣“リンドン”を討ち倒したが、この怪獣はまさかの“不死身怪獣”という別名を持った再生怪獣であった。

故にタロウと仲間達は、苦戦を強いられ、その戦いの最中、一人の民間人がリンドンによって、悲しい事に犠牲者となってしまった。

だがその時に、奇跡が起こった。

リンドンの前に、

ウルトラ兄弟の義父にして、タロウの実父である、

“ウルトラの父

(ウルトラマンケン)”が現れ、リンドンを一撃で撃破したのだった。

そして次に、その戦いで犠牲者となった民間人に、見た目は花冠の形をし、蘇生の効果を持つ奇跡の力、

“ウルトラクラウン”

を使い、その犠牲者を蘇生させたという、正に

“ウルトラの奇跡”

が起こった瞬間でも有ったのだ。

故に、死者を真に蘇生させる行為は、神に等しい行いであるから、ウルトラマンを神と呼ぶ者も居るのだ。

 

とまあ、このような会話を3人が飛ばし合っていたため、全てがマル聞こえであった。

 

ライザー

「ふ、ふざけるな!?

そんなデタラメな奴が、神でたまるか!?」

ウルトラマン

「テメェも頭が悪い上に耳が悪過ぎだろ。

俺は櫂ケンイチであり、またの名を!

光の戦士、ウルトラマンパワードだ!それ以上でもそれ以下でもねえ!!だから俺は、神じゃない!」

 

ウルトラマンの勇ましい言葉は、あらゆる悪魔達に衝撃を与え、恐怖の念すらも覚えさせた!

 

だが、サーゼクスは漸く“ケンイチ”という青年を理解した。

ウルトラマンはもしかしたら、人間の守護神という考えを持っていたが故に、その力を持つ彼が何故、己の利益になるような事をしないのか。

それは彼が、誰よりも人間として、弱者に手を差し伸べる優しい心と、本当の悪を許さない正義の心を持って居るが故に、力の使い方を解っていたからだ。仮に、ウルトラマンが本当に神の力ならば、その力を扱うのに、正義の心が無ければ、その力は…神は神でも、破壊神の力となるのだ。

 

ライザー

「くそッ!?

そんな筈あるか!?

俺は不死身のライザー様だ!!

あんな偽りの最強なんかに!!」

 

ライザーは焦り見せながら、火炎弾を放つが…。

 

ウルトラマン

「(長引かせるわけにはいかない…ここで決着をつける!)

フアイッ!」

 

なんとウルトラマンは、片手で火炎弾を防いだ!

 

ライザー

「ば、バカな!?

ま、まぐれだ…そうだ!まぐれに違い無い!俺の地獄の業火を片手で防げる筈が無い!!」

 

攻撃を防がれた事で、動揺と焦りから、精神面が徐々に崩れ始めていたライザーは、自己暗示しつつ火炎弾を連続で放つが…、

ウルトラマン

「ダアッ!フアイッ!

シャッ!シュワッ!」

 

ウルトラマンの前には意味を為さない!

交互で片手を振るいながら、ライザーに歩きながら近づいていく!

その歩き方は…正に、

“英雄の歩き方”

だった!

 

攻撃を防ぎながら迫り来るウルトラマンを見てライザーは、恐怖を感じ始めていた!

 

ウルトラマンを敵にするという事が、どれほど愚かか…。

 

己は、神に等しい…いや、神以上の存在と戦っている事に。

 

ライザー

「う、嘘だ!?

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!この俺が、こんな得体の知れない奴なんかにッ!!」更にライザーは、火炎を放つ!

 

対してウルトラマンは、ハンドシャットアウトの体制に入った!

 

ウルトラマン

「ヘアッ!」

 

ライザーの火炎を防ぎつつ、気力エネルギーを利用して両手で吸収する!

 

そして、

マグナムシュートを放とうとするが、

野球ボール程の大きさだった!

 

ライザー

「そんな…バカな!?

俺の…フェニックスの炎が、何故ッ!?」

 

ウルトラマン

「返してやるよライザー、お前の“炎”をよ…

マグナムシュート!

ウルトラストレートッ!」

 

ウルトラマンは、野球ボール程のマグナムシュートを、

野球選手顔負けの凄まじい投球を見せた!

その時速…驚く無かれ、500㎞!?

 

実は彼はまだ全力では無い。

ウルトラマンの姿で全力投球を行えば、“このフィールドに風穴が空く”

だけじゃ生温い!

 

[ライザー・フェニックスを撃破せよ!!(赤タイトル:BGMウルトラマンパワード)]

 

ライザー

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアッ!?

痛い!?熱い!?痛い!?熱い!?痛い!?熱い!?

ど、どうなっている!?俺の炎も此処まで熱くない筈!?」

マグナムシュートを受けたライザー、醜い程にのたうち回り、驚きを隠せない!

何よりもマグナムシュートによって凝縮され、ライザーが放つ威力よりも増しているため、フェニックスの炎はライザーを燃やす…皮肉ですね。

ウルトラマン

「わざわざテメェをパワーアップさせるために、威力を増してテメェに返した炎だぞ!それをみすみす逃し、モノに出来ねえとはな。

フェニックスが聞いて呆れるぜ!

俺の知るフェニックスは、暗黒の闇の中に燃えたぎる、仲間達と一つになった魂の籠もった希望の炎だが、テメェのはまるで違うな!

子どもが喚くような無駄に炎が燃えるだけの、魂が籠もらない温泉みたいなもんだ!」

 

ライザー

「き、貴様ぁぁッ!?

言わせておけば!?

(そうだ!奴は

“空を飛べん”!

空中で戦えば、俺の勝ちは見える筈だ!!)」

 

ウルトラマンの言葉に、ライザーはギリギリ精神を保ちつつ、怒りを露わにするが、此処でウルトラマンが空を飛べないと考え、空を飛ぶ。なんと愚かな行為だことか…。

 

ライザー

「ど、どうだ!

貴様は空は飛べんだろう?この空中に居る俺に攻撃できるか!!」

 

涼太郎

「あ…こりゃ焼き鳥負けたな。」

 

鋼賀

「ああ、負けだ。」

リアス

「ど、どういう事よ?」

 

涼太郎と鋼賀の、ライザー負け宣言にリアスは思わず聞く。

 

涼太郎

「それじゃあ雪菜、解説宜しく。」

 

雪菜

「はい、涼太郎先輩。

良いですかリアス先輩?お兄ちゃんが変身したウルトラマンは、飛行能力が“マッハ27”なんです!」

 

リアス

「え…ま、“マッハ27”ですって!?」

リアスが雪菜の言葉に驚いたその時!!

 

ウルトラマン

「…やはり本物の馬鹿だ。シュワッ!」

 

ウルトラマンは凄まじいスピードで飛行した!

 

ライザー

「な゛!?貴様!空を飛べないハズでは!?」

 

ウルトラマン

「誰が空を飛べないって?寧ろ空中戦は、俺にとって独壇場そのものだ!!」

 

ライザー

「ふざけるな!?」

 

ウルトラマンの言葉に動揺しつつ、炎を纏った右拳を振るうも、

 

ウルトラマン

「やっぱり止まって見えるぜ…、シャッ!」

 

ライザー

「な゛!?く、クソォォォッ!?」

ウルトラマン

「やっぱりテメェなまくらだ…俺を殺そうなんざ!!

“10万年早いぜッ!!”」

 

ライザー

「ば、バカな!?

グワアアアアアッ!?」

 

右拳を片手で受け止められ、左拳で同じく攻撃するも受け止められて、ウルトラマンの素早い手捌きによってがら空きになった胴体に、平手打ちを放つ!

 

ライザー

「くそ!?くそ!?くそ!?くそ!?ありえん!?

この俺が!?

こんな奴に!?」

 

最早錯乱しているとも言えようライザーは、再び火炎放射を行う。

対してウルトラマンは、

 

ウルトラマン

「シュワッチッ!!」

 

雪菜の言う通り、

マッハ27のスピードで真上へ飛翔!!

 

余りにも、凄まじいスピードに、涼太郎と鋼賀以外は目に見えなかった!

そして、ウルトラマンは前宙一回転して急降下キックを繰り出す、“流星キック”を放った!!

 

ウルトラマン

「ダラアァァァァッ!!」

 

だがコレでも、ウルトラマンは威力を弱めている。

何故ならウルトラマンは、ライザーを“確実に殺す”のではなく、“再起不能になるまで懲らしめる”のだ。

何せ、ライザーは外道ではあるももの、ウルトラマンが“本当の害悪ではない”と判断したまでである。

それにこんな奴を殺せば、サーゼクスと対談した己の思いに反する事になるからだ!

 

ライザー

「ば、バカな!?何時の間…グワアアアアアッ!?」

 

流星キックの直撃を受けたライザーは地面に激突するが、激突の衝撃で、肋を数本骨折したのだ!

 

そしてウルトラマンは、流星キックが命中した後、前宙一回転して着地した。

そしてまた、ライザーに迫る。

 

ライザー

「(こ、こうなったら、あの餓鬼のせいでフェニックスの涙を2つも消費したから、最後の一つを使うしか無い!)」

 

なんとライザー、

フェニックスの涙を隠し持っていた!

左手を内ポケットに入れて取り出そうとするが、

 

ウルトラマン

「ッ!(させるか!!)シャッ!」

 

ウルトラマンはライザーの不自然な動きに気付き、

“マッハ9.99”

の走行スピードで迫り、ライザーを掴み上げた!

 

ライザー

「ぐおっ!?」

 

ウルトラマン

「…やはり、

“フェニックスの涙”

を隠し持っていたか。」

 

ウルトラマンがライザーの内ポケットに手を突っ込み、

フェニックスの涙を見つけ出した!

 

ライザー

「き、貴様ぁ…何故わかった!?」

 

ウルトラマン

「不自然過ぎなんだよ。恐らく、イッセーと殺り合った時は、複数持っていただろうな。」

 

ライザー

「ち、チクショー!?」

ウルトラマンに完全に不正を看破されたライザー。

 

そしてウルトラマンは、フェニックスの涙を放り投げて、

ライザーにこんな言葉をかけた。

 

ウルトラマン

「さてと…ライザー、テメェはよくもリアスの未来を踏みにじり、俺と友の妹たちに手を出し、それだけに飽きたらず、朱乃達にまで手を出し、極めつけは…俺の後輩を焼き殺そうとしてくれたな!!」

 

ライザー

「な、何が悪い!?

コレは“悪魔の未来”に必要な事で…」

ウルトラマン

「テメェの言い分なんか聞く気無えぇぇッ!!!」

 

ライザー

「グワアアアアアッ!?」

 

ライザーは悪足掻きにも、まだ“悪魔の未来”だなんて口にした為、ウルトラマンは豪快な背負い投げでぶん投げた!

 

そしてウルトラマンの目は…怒りに燃えているかの如く、

“慈愛の富んだ青き目”から“悪を許さない正義の紅き目”へと変わっていた!

 

ウルトラマン

「ライザー…覚悟は出来たな?」

 

と言うと、ウルトラマンは両腕に青い稲妻を迸らせ、光エネルギーとスペシウムエネルギーをスパークさせる!!

まさか放つというのか!?ウルトラマン、いやケンイチ君!こんな奴に、

メガ・スペシウム光線を!?

 

リアス

「だ、ダメよケンイチ!!あなたのその技は!!」

 

涼太郎

「まあまあ部長さん、心配しなさんな。」

 

鋼賀

「彼奴は解っている。

殺しはしないさ。」

 

リアス

「で、でも!!」

 

雪菜

「リアス先輩。

先輩にとって、お兄ちゃんは何ですか?

お兄ちゃんを信じていませんか?」

 

 

リアス

「し、信じてはいるけど…」

 

雪菜

「なら、最後まで信じて下さい。」

 

リアスは、ウルトラマンを止めようとするが、涼太郎、鋼賀、そして雪菜に逆に止められてしまう。

そこへ、朱乃が近づいてきた。

 

朱乃

「部長…信じてあげましょう。

私達の“ヒーロー(ケンイチ君)”を。

何よりも、信じることの大切さを教えてくれたのは、他でもないケンイチ君ですわ。」

 

リアス

「朱乃…」

 

朱乃にも説得されて、リアスはウルトラマンを止めるのを断念した。

 

一方ウルトラマンは、今にもメガ・スペシウム光線を発射しそうなほど両手の指を、花開くかの如く、開いたり握ったりしている。

 

ウルトラマン

「もうこれ以上、テメェの声なんざ聞きたくねえ。

テメェに教えてやるよ。不死身も死ねるということを!!」

ウルトラマンが両腕を十字に組もうとしたら!!

 

ライザー

「まッ待て!!

この婚約は、本当に

“悪魔の未来”

に必要なモノなんだぞ!お前のような得体の知れない奴がどうこうしていいモノじゃないんだぞ!?」

 

またも苦し紛れに

“悪魔の未来”

などと口にする!

 

するとウルトラマンはこんな言葉を投げる。

 

ウルトラマン

「ならばテメェは、

“世界の未来が滅びて無くなろうとも、誰かを助け、守れる心”

を持っているのか!!」

 

リアス達

『ッ!』

 

ウルトラマン=ケンイチの言葉は、とあるウルトラマンの歌詞を繋げた言葉であったが、リアス達には響いていた。ウルトラマンは…ケンイチは本当にお人好しだと。

じゃなきゃ、

ウルトラマンになれる筈が無い。

確信を得たからこそ、彼を真に信じる。

 

ライザー

「な…何を訳の解らないこと!?

そんな有るわけが無いだろうが!!」

 

しかしライザーには届かず、最後の全力を持って、大玉火炎弾を放つ!

 

ウルトラマン

「そうか…ならもう、テメェに語る言葉は…無いッ!

シュワァッ!!!」

 

これ以上の言葉は無意味と考えたウルトラマンは、両腕を十字に組んで、メガ・スペシウム光線を発射!!

そして、メガ・スペシウム光線は、火炎弾を撃ち抜き、ライザーに迫った!!

これにより、ライザーやっと悟った。サーゼクスを始めとする四大魔王が、何故ウルトラマンを恐れるのか。

そう…明らかに神を超える存在だからだ。

 

ライザー

「やッ止めろ!?

おッ俺は…俺はまだ、

“死にたくないッ!!”

た、助けてくれぇぇぇぇぇッ!?」

 

遂にウルトラマンという存在に恐怖したライザーは、“命乞いをした”。

あれだけ命乞いはしないと豪語した男とは思えない。

そしてウルトラマンのメガ・スペシウム光線は、ライザーへ真っ直ぐ向かっていったが。

 

ウルトラマン

「フアイッ!」

 

なんとウルトラマンは、ライザーに当たる数メートル辺りで、メガ・スペシウム光線の軌道をズラしたのだ!!

コレによりライザーは、メガ・スペシウム光線の直撃を免れたが、後方の地面に着弾し、凄まじい爆風が起こり、涼太郎、鋼賀以外の者達は顔を覆いつつ、顔を背けた。

そして爆風が晴れた其処には…尻餅着いてへたり込んでるライザーの後ろには、巨大なクレーターが出来ていた。

 

しかも、そのクレーター内は…焦げていた。

 

悪魔陣営の誰もが、戦慄に包まれる中、ウルトラマンはライザーに近づき、胸ぐらを掴んでこう言う。

 

ウルトラマン

「二度とふざけた考えでリアス達に近づくんじゃねえ…(怒)!!

文句が有るなら、何時でも相手になってやるよ。闇討ちだろうと不意打ちだろうと何だろうとな。

だがその過程で、無関係の奴らを巻き込むのなら…お前は、“確実に消す”!!それが嫌なら…絶対に近づくな…!」

 

ウルトラマンの…否、ケンイチの怒りの声はライザーには届いてはいなかった。

何故ならライザーは…“気絶”している上に、“小便”を漏らすという、無様な“失禁”を晒していたのだから。

 

ウルトラマンはライザーから離れると、アナウンスが流れた。

 

グレイフィア

『ライザー様の、戦闘続行不可能を確認。

よって…

“リアス様の勝利”

を宣言します。』

 

グレイフィアのアナウンスが聞こえ、リアスは若干呆然としていた。

 

リアス

「か…勝った…?」

その言葉を言いながら、力が抜けたの如く、地面に尻餅が着いた。

 

そんなリアスに、ウルトラマンは近づいてこんな言葉を贈った。

 

ウルトラマン

「ああ、リアス。

俺の…いや違えな。

“お前たちの勝ちだ”。何よりも、諦めない心を持って立ち向かった、“イッセーが一番の功労者”だからな!

故にリアス…お前の未来は、“本当にお前が決められる未来”になったんだぜ。」

 

そんな言葉を贈りながらウルトラマンは、リアスの頭を撫でた。

人間のケンイチも凄い暖かいが、ウルトラマンとなったケンイチの手の感触は、人間とは違えども、人間の時と同じ暖かさが出ていた。

遂にリアスは我慢出来ず、ウルトラマンに抱き付いた!!

ウルトラマン

「ッ、リアス?」

 

若干驚いたウルトラマンに…リアスは、嬉涙を流しつつ、若干涙声で“感謝の言葉”を贈った。

 

リアス

「“ありがとう…

ウルトラマン”…!

貴方は、私の本当の

“ヒーロー”よ…。」

 

“ありがとう…ウルトラマン”

 

リアスの口から出たこの言葉に、ウルトラマン(ケンイチ)は、心の中でこう思っていた。

 

ウルトラマン

「(まさか…俺が、

“ありがとう…ウルトラマン”

という言葉を貰えるなんてな。何気に、こそばゆいな。)」

 

そう、彼はこの言葉に、嬉しくもこそばゆい感覚であった。

何せ彼にとっては、

“ウルトラシリーズ史上究極且つ

〔Simple Is Vest〕な

『名ゼリフ』”

であるのだから。

 

グレイフィア

『只今を持ちまして、レーティングゲームを終了致します。

尚、リアス様達とライザー様達及び、リアス様の助っ人であるケンイチ様達には、冥界にある控え室への直結魔法陣を皆様方の足元に用意致しましたので、暫しお待ちください。』

 

とグレイフィアのアナウンスが流れた時、皆の足元に白い魔法陣が現れた。

そしてウルトラマンは、リアスに抱きつかれた状態で人間に戻り、ケンイチとなる。

 

それと同時に全員が、

バトルフィールド

『疑似駒王学園』から姿を消した。

 

勿論このレーティングゲームの事は、

沢山の悪魔連中が、

黄金騎士牙狼と仮面ライダー、そしてウルトラマンに対しての色々な抗議やら危険性を口にしてサーゼクスに申し出る者が多いが、サーゼクスが彼等のとんでもないバカが付くぐらいのお人好しな存在である事を説明した上で、彼等は

『人間を護る者』、

『人間を救う者』、

『人間を愛する者』であると説明し、彼等の怒りを買うような真似をしなければ、“もしかしたら”と悪魔達に話して、納得させた。

 

一方、冥界・ルシファード領のとある建物にある控え室にて。

 

涼太郎と鋼賀は清々しい気分でテーブルに置いてあった水で乾杯をしており、雪菜と美琴はハイタッチをして喜んでおり、翼は雪菜達を宥めつつも嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

一方朱乃、祐斗、小猫は安心感の余り、腰が抜けており、

イッセーは未だにアーシアの腕の中で眠り続けはいる。

 

そして、我らのウルトラマンことケンイチ君は…リアスお姉様に強く抱き締められて困惑していた。

 

ケンイチ

「あの~リアス?

何時まで、この状態?」

 

リアス

「私の気が済むまで。」

 

ケンイチ

「さ、さいですか…。(勘弁してくれ~、只でさえ“凶悪的に発達”している部分が当たってるんだよ…。)」

ケンイチは今、三度天ご…いや地獄(笑)を受けていた!

オマケに、今は直立状態な上に、高身長のリアスだが、ケンイチはそれを上回るの身長の為、リアスの髪の匂いにも攻撃されているため、何故か精神的にもダメージを受けていた。

 

そんな様子に気づいた涼太郎と鋼賀、雪菜達は何気に楽しそうに傍観者に徹していた。

 

ケンイチ

「(くそ~…マトモに動けねえ…。

雪菜、涼太郎、鋼賀、助けてくれ~。)」

 

テレパシーを使って、妹と心友に助けを求めるが…

 

雪菜

「(お兄ちゃん!

ファイトですよ!!このまま行けば、リアス先輩は私の

“お義姉ちゃん”

に成ってくれますから!!)」

 

涼太郎

「(まあ…ご愁傷様だなぁ~。)」

 

鋼賀

「(ケンイチ、偶には息抜きって意味で戴いておけ。)」

 

ケンイチ

「(何でだ…俺は別に望んだ訳じゃないのに…不幸だ…。)」

当然の如く、心友からは見捨てられ、妹に限ってはエールを贈られた為に、最早大ピンチ!

 

と其処へ、この控え室に誰かが入って来た

 

サーゼクス

「…リアス、宜しいかな?」

 

リアス

「ッ!?お、お兄さまッ!?」

 

魔王サーゼクスの来訪だった。

コレには流石にリアスも、猫の如く飛び跳ねる感じで驚いて、ケンイチから離れた。

 

ケンイチ

「(あ~助かった~、ありがとうサーゼクス。)」

 

リアスが離れた事で、何とか復活したケンイチだった。

そして朱乃、祐斗、小猫は、魔王の突然の来訪に少し慌てながらも姿勢を直して、片足立て膝の体勢の状態になって、敬意を表す。

涼太郎達もサーゼクスに視線を向けたのだ。

 

リアス

「お兄さま…。」

 

サーゼクス

「リアス、まずはゲームに勝利したことに対しておめでとう。ケンイチ君達のハンデが有ったとはいえ、君たち勝利に変わりはない。」

 

サーゼクスは、リアス達を労った。

リアス達は、その言葉に肩の荷が漸く降りた気分だった。

 

サーゼクス

「処でリアス、ケンイチ君とその仲間達と少し話しをしてもいいかな?」

 

リアス

「えっ?ケンイチ達とですか?」

 

すると本題に乗り換えたかの如く、サーゼクスはリアスに、ケンイチ達と話しをしたいと切り出した。

 

リアス

「ですが…」

 

ケンイチ

「構わねえよ、リアス。な、雪菜、涼太郎、鋼賀、美琴、翼。」

 

雪菜

「勿論です、お兄ちゃん!」

 

涼太郎

「おう!何れこうなることは予想出来てたからな。」

 

鋼賀

「ああ、問題ない。」

 

美琴

「あたしもオッケーですよ、先輩!」

 

「無論、断る理由が有りませんから。」

 

ケンイチの言葉に同意した涼太郎達。

 

サーゼクス

「ありがとう。

この度は、我が妹・リアスと眷属達を救ってくれた事についてだ。

本当にありがとう。

君達の中でも特にケンイチ君には、本当に感謝しきれない程のものだ。

何よりも君の言う通り、ライザー君は今までのゲームにおける勝ち星は全て不正によるものだけでなく、リアスの身体目当てで婚約に応じたということに、的を射ていた事には、感謝以外に他ならないよ。」

 

ケンイチ

「当たり前さ。

俺を信じてくれているリアス達を裏切るような真似は…

“決してしない”さ。」

 

サーゼクス

「だがやはり…君にはもう一度聞きたい。

何故そうまでして、リアスの盾になってくれたんだい?

君の意志は、他にも有る気がするんだ。」

 

サーゼクスは、改めてケンイチに問うた。

何故、其処までの思いを持ってまでして、ケンイチがリアス達の為に闘ったのか?

 

ケンイチ

「そう言えば、あの時は時間が押してたから全てを語れなかったな。」

 

そう言うとケンイチは、改めて語れなかった理由を話した。

 

ケンイチ

「さっきも言った事に付け足しだが…

“俺がウルトラマンを名乗る限り、リアス達の期待を決して裏切らない。

リアス達の…『希望』であり続ける”

という事でもあるんだ。」

 

涼太郎

「(お~、あのウルトラの父がウルトラマンメビウスに送った、

“ウルトラマンの意味”を少し弄ったな。)」

 

ケンイチの言葉に、サーゼクスやリアス達は、その言葉に驚きと納得が交差した。

更にケンイチは続ける。

 

ケンイチ

「それに俺は…人間ではなくなったが、“心”は人間のままだ。」

 

リアス

「それはどういう意味なの?」

 

今のケンイチの言葉に、リアスは疑問に思い、問う。

 

ケンイチ

「それはな…

ウルトラマンは本来、“他の種族の心には干渉しない”んだ。

何故なら、ウルトラマンは“光その物”だから。」

 

朱乃

「えッ?ですけど、イッセー君も仰ってましたが、その言葉が本当ならケンイチ君もウルトラマンその物筈…どうしてなのですか?」

 

ケンイチ

「確かにそうだが、さっきも言ったとおり、俺は人間としての“心”を持ち続けている。

つまり俺は、

“光であり人である”ということなんだ。」

 

サーゼクス

「すまないケンイチ君、具体的に言うとどういう事なんだい?」

 

ケンイチの、今の言葉が理解できないサーゼクスやリアス達。

 

ケンイチ

「それはこういうことだ。“己の信じる正義を進む”と言うことだ。

現に俺は、今回のリアスの婚約は、決してリアスが幸せに成れるモノではないと考えていたからこその行動だ。

リアスが本当に幸せ成れるなら、

“介入しなかった”が、幸せになれないと確信したから

“介入したんだ”。」

 

サーゼクス、リアス達

『ッ!』

 

今の言葉に、漸くサーゼクスとリアス達は理解した。

ウルトラマンは光だから、本来他の種族に干渉はしない。

だがケンイチは、人間としての心を持っているから、こうして種族が違くとも、リアス達を…仲間を守る為に、闘う事が出来たのだと。

 

鋼賀

「(こんどはウルトラマンティガか…確かに、ケンイチはティガよりだと言えるだろうな。)」

 

ケンイチ

「それに何よりも、

俺は“この言葉”を胸にずっと実行してきた。俺が、お人好しと呼ばれる由縁かもしれないが。」

 

サーゼクス「?それは、どんな言葉なんだい?」

サーゼクスは、ケンイチの“言葉”の意味を聞いた。

 

 

ケンイチ

「“優しさを失わないでくれ、弱い者を労り、互いに助け合い、何処の国の人達とも、友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。

たとえその気持ちが…何百回裏切られようと”」

 

サーゼクス、リアス達

『ッ!?』

 

その言葉に、サーゼクス達は言葉がでなかった。

何度裏切られようと…弱きを助け、別の人種と友だちになるという心を、ケンイチは持ち続けているという事だ。

出なければケンイチは、リアスの未来を奪おうとしたライザーに怒りを露わにする必要は無かった筈である。

サーゼクス

「どうして、其処までの思いを持てるんだい?」

 

暫くして、サーゼクスは言葉を発した。

 

ケンイチ

「コレは、俺の“頭の中に雪崩れ込んだ幾つもの世界に居る別次元の俺の記憶”の言葉だ。

光の国の栄光あるウルトラ兄弟5番目の勇者、

“ウルトラマンエース”が、地球防衛の任務を終えて光の国に帰還する直前に人間…特に子ども達にその言葉を託したんだ。

その世界の当時の人間達は…あまりにも醜く、身勝手な人間達ばかりだったんだ。

彼の一つ上の兄に当たる4番目の勇者、

“ウルトラマンジャック”

も人間の醜い心を間近で見てしまっているんだ。なんでもかんでも、

“異星人は地球を侵略者しに来た”

という考えが全てであったが故に、

本当に有効的な異星人を殺してしまった最悪の事件があるんだ。

何しろその異星人は、最初は調査の為に地球にやってきたが、地球の大気に侵されて力を失っていき、遂には乗って来て隠した円盤を起動する事すら出来ない程に弱ったんだ。」

 

ケンイチの口から語られた、人間を救ったウルトラマンが、その過程で知ってしまった人間の残酷な心は、サーゼクス達にも衝撃を与えた。

 

ケンイチ

「そんな弱った彼だけど、一人の人間の少年との出会いによって、彼の運命を大きく変えたんだ。

少年は異星人だろうと無かろうと、彼を懸命に救おうとしたんだ。

自分の持てる全てを持って。

何時しか彼と少年の間には、星と星を越えた“親子”と呼べる程の絆になったんだ。

けど…人間の大人達は、決して彼を相容れず、なんの罪も犯していない上に、抵抗する力すら無かった彼を…一人の警官が放った凶弾によって殺されてしまったんだ…。

その当時、地球を防衛していたウルトラマンジャックは、酷く心を傷めたんだ。彼等は…“異星人=悪”を倒したと正義を気取ったから…。

何よりウルトラマンジャックは、近くいながら、その異星人を助けられなかった事が…一番悲しかったんだ。

ウルトラマンが人間を守るのは、人間があまりにも理不尽な災いから守るのであるのだが、それ以前に弱き者を助け、守るのがウルトラマンの本来の使命なんだ。だから彼を救えなかった事を、今も悔やんでいるんだ。」

 

リアス

「そんな…」

 

朱乃

「どうして…」

 

アーシア

「ひ…酷過ぎます…」

 

祐斗

「何も出来ない上に、身勝手な考えで…そんな…」

 

小猫

「…余りにも…残酷過ぎます…。」

 

ケンイチが語った人間の酷さを知り、途轍もない悲しみに覆われたリアス達。

 

サーゼクス

「けどケンイチ君、ソレでも彼らウルトラマンは人間を、守ったんだね?」

 

ケンイチ

「ああ。

残酷で醜い心を知っても…ウルトラマンは、“ソレだけ”が人間の全てじゃないと知っているからだ。さっき言ったように、彼に寄り添った人間が、いい例だからな。

そしてウルトラマンエースもまた、人間の醜く、身勝手な心を見てしまった。

とある強力な侵略者が、ウルトラマンエースを差し出せと人間に言ったんだ。

そして其奴が姿を眩ました後、人々の間でウルトラマンエースを差し出そうだなんて考えが大きくなったんだ。

何故なら、其奴は…“宇宙最強”を名乗れる程の実力を持っている奴なんだ。

そんな奴の恐ろしさを知ってしまえば、その当時の人間は、その考えが当たり前に成ったんだ。

それに、其奴によって親を殺された子どもも居たから、なおウルトラマンエース追放が大きく成ってしまったんだ。

けどそれが大きな間違いに気付いた時は、後の祭りと成ってしまった…。

其奴に立ち向かったウルトラマンエースは、奴の罠に嵌まり、敗れた。

敗北直前に彼は、SOSの信号を兄たちに送ったが、救援に駆けつけた兄たちもまた、ウルトラマンエース同様に…“生ける死体”にされてしまったんだ。」

 

サーゼクス

「“生ける…死体”!?」

 

リアス

「ど、どういう意味!?」

 

ケンイチの語った

“生ける死体”。

この言葉に、サーゼクス達もまた言葉を失う衝撃を受けた。

 

ケンイチ

「その意味は、相手をブロンズ像に変えると言うこと事なんだ。

故に、平和の守り神であるウルトラ兄弟をブロンズ化して捕らえた奴は、真の目的である地球侵略を開始しようとした。

けど、其処に…ウルトラ兄弟と地球、そして人間を救うために、ウルトラ兄弟の父、即ち

“ウルトラの父”

が駆けつけたんだ。」

 

朱乃

「“ウルトラの父”…。」

 

ケンイチ

「ああ…彼はまず、

ウルトラマンエースを救出したが、光エネルギーを失ったが故に、彼の光は失われたままだった。

その後ウルトラの父は奴に立ち向かったが、長き旅によって蓄積されていた疲労が爆発してしまい、彼もまた危機に陥ったんだ。

そのとき彼は、とんでもない行動に出たんだ。」

 

サーゼクス

「それはいったい?」

 

次の瞬間…ケンイチの言葉で、今までに無い絶句を受けるサーゼクス達。

ケンイチ

「それは…

“己(父)の命を、息子(エース)に繋げる”

事なんだ。」

 

サーゼクス、リアス達

『なッ!?』

 

この言葉にサーゼクス達は、絶句を余儀なくされた。

何しろ、“親が己の命を、子に繋げる”行為は…“子は蘇り、親は死ぬ”ということであった。

 

ケンイチ

「ウルトラの父によって復活したウルトラマンエースは、少ないエネルギーの中で怒濤の反撃に転じ、遂に其奴を撃破に成功したんだ。

そして彼は、兄達を復活させたが、自分達を救うために命を繋いだウルトラの父は…命を落としたんだ。」

 

サーゼクス

「なんという話だ…」

 

ケンイチ

「それ故にこの戦いは、人間達も観ていたんだ。そしてやっと自覚したんだ。

“自分達は恩を仇で返そう”

としていたと。

ウルトラマンとて、親を失えば悲しいんだ。

それが自分たちを救おうしたからこそ、尚更な。

その事を理解し、徐々に人間達は変化し始めたんだ。

そしてウルトラマンエースは、己の最後の戦いの後に、自分の犯した過ちが断ち切れる事を祈って…。」

 

サーゼクス

「“あの願い”を、人間達に託したということなんだね。」

 

ケンイチ

「ああ、その通りだ。」

 

漸く理解したウルトラマンが人間を愛し、守り続けた理由にリアス達もサーゼクスも、最早本当にウルトラマンが神じゃない確信出来た。

それ故に、ケンイチも同じ様にそのウルトラマン達の思いを自ら背負ってその力を行使しているのだと。

 

ケンイチ

「以上が、俺がリアス達を救うために戦った“真の理由”だ。」

 

サーゼクス

「とてもよく理解出来たよケンイチ君。

改めてありがとうを言わせてくれ。」

 

ケンイチの真の理由を聞いたサーゼクスは、深く頭を下げて、再度感謝の言葉を述べた。

 

ケンイチ

「頭を上げてくれ。

別に俺は感謝されたいんじゃないんだから。

ただ守りたかっただけだ。」

 

ケンイチの言葉にサーゼクスは頭を上げる。

 

サーゼクス

「けどやはり、それでは私の気が済まない。何か私の出来る範囲で君に御礼をさせてくれないか?」

 

サーゼクスは、ケンイチに恩返しをしたい為、なかなか食い下がらない。

 

流石のケンイチも此処までされれば無碍に出来ない。

 

ケンイチ

「なら聞きたい事がある。俺達が現れた事以外でここ最近、変わったことや、妙な噂とか無かったか?」

 

ケンイチはレーティングゲームの開始直後に、ザルバから教えられた邪気を探るため、バレないようにゴモラ達を使ってパトロールしたが、問題は無かったのだ。

そのために、外部からの情報を貰おうとしたのだ。

 

サーゼクス

「そういえば…最近こんな噂が上がっているのだが、良いかな?」

 

ケンイチ

「構わないさ。

どんな事なんだ?」

 

自分達の手掛かりに成るか否か不確定要素だが、可能性を賭けて聞いた。

 

サーゼクス

「三大勢力の間でも噂程度なのだが、

はぐれ悪魔の討伐や、天使側や堕天使側で危険人物となった者を断罪する“五人組”の人間なのだが。」

 

ケンイチ

「“五人組の人間”?」

サーゼクスの語られた内容は、ケンイチに大きな疑問を与えられた。

それは勿論涼太郎達とリアス達も同様である。

 

ケンイチ

「何か特徴とかはあるのか?」

サーゼクス

「特徴と言えば、

年齢的に言えば君達と同じくらいで、

一人は“少年”で、

後は“少女達”だったね。」

 

更に語られる謎の五人組の詳細。

お目当ての情報ではないが、興味深い情報なのは確かである。

 

ケンイチ

「他に何か特徴は?」

 

サーゼクス

「彼らを見た者達は、通り名としてこう呼んでいるよ。

『自由の翼(フリーダム)』、

『青き仁のくノ一』、

『流麗の舞威媛』、

『凍てつく狙撃手(スナイパー)』、

『閃光の雷切』

と呼ばれているんだ。

何か君たちと関係は無いかな?」

 

サーゼクスの口から語られた二つ名に、

ケンイチは考え込む。

 

ケンイチ

「(どういう事だ?

俺達以外にも“転生者”が居るのか?

それに…、

自由の翼(フリーダム)だなんて、俺には“G兵器”しか思い浮かばない。

あの“核エンジンを搭載したハイブリッドモンスター”かもしれない。

そして、

青き仁のくノ一…もしや…いや不確定要素が多過ぎる。

だが解るのは…俺達以外にも“転生者”が居るという事だな。)悪いなサーゼクス、せっかくの情報だが、俺達と其奴等は無関係かもな。」

 

サーゼクス

「そうか…ケンイチが知らないとなると、君の仲間達も…」

涼太郎

「ああ、お察しの通りだ。

申し訳ないなサーゼクスさん。」

 

鋼賀

「俺達も、初めて聞いたものだ。

すまない、魔王・サーゼクス。」

 

ケンイチ

「けど興味深い情報なのは確かだ。

この情報の新たな詳細が加わったら、なるべく俺達にも提供してくれると有り難いんだが。」

 

サーゼクス

「勿論さケンイチ君。最優先で君達の下へ届けよう。」

 

ともかく、コレでケンイチはサーゼクスの後ろ盾を得ることが出来て、情報収集の約束を快諾してくれたのだ。

 

ケンイチ

「じゃあサーゼクス、話題を変えて、俺の友とその妹にして俺の後輩、そして俺の妹を紹介しねえとな。」

 

ケンイチは新たな話題として、まだ紹介していない涼太郎と鋼賀、雪菜達の紹介に入った。

サーゼクス

「有り難い。

それと君達も“妹持ち”だったね。もしかしたら気が合うかもしれないね。」

 

ケンイチ

「どうだかな?

そんじゃ先ずは、

俺の妹の雪菜だ。」

雪菜

「雪菜です。

宜しくお願いします !」

 

サーゼクス

「こちらこそ、雪菜。」

 

ケンイチ

「で、俺の友、

左涼太郎とその妹の美琴。」

 

涼太郎

「改めまして、左涼太郎です。

またの名を、

仮面ライダーW及び、

仮面ライダージョーカーだ。

そんでもって、俺の妹。」

 

美琴

「美琴です。

宜しくお願いします!」

 

サーゼクス

「こちらこそ、

涼太郎君、美琴。」

 

ケンイチ

「最後は、同じく俺の友、道外鋼賀とその妹の翼だ。」

 

鋼賀

「ケンイチの紹介に与った魔戒騎士・道外鋼賀、黄金騎士牙狼です。

そして妹の。」

 

「防人にして、鋼賀お兄さまの妹、翼です。

どうぞ宜しくお願いします。」

 

サーゼクス

「こちらこそ。

それと鋼賀君、

“魔戒騎士”とは?」

サーゼクスが鋼賀の語られた魔戒騎士という単語に反応し、質問した。

 

鋼賀

「呼び名としては、ケンイチのウルトラマン、涼太郎の仮面ライダーと同じ総称だ。

そして魔戒騎士は人を闇より来る魔獣から守り、平和の為に戦ってきた者達さ。」

 

サーゼクス

「なるほど。

では涼太郎の仮面ライダーとは?」

 

納得したサーゼクスは次に涼太郎に仮面ライダーの事を聞いた。

 

涼太郎

「仮面ライダーは…元々“改造人間”にされた方が名乗ったモノさ。」

 

サーゼクス

「な、なんと!?

“改造人間”!?」

リアス達

『えッ!?』

 

涼太郎の語られた改造人間という単語に驚きを露わにする。

 

涼太郎

「しかもその人は、本当に凄く稀な人間で将来は約束されたも同然だった。

何せ、“IQ600”で、

“頭脳明晰”で“スポーツ万能”な

“文武両道”の凄い人なんだ。」

 

祐斗

「そんな人物がどうして改造人間に?」

 

確かに、そんな稀な人間が何故改造人間になったのか?

だが、次の涼太郎の言葉は新たな存在を呼び寄せる。

 

涼太郎

「その人は、“拉致”されたんだ。

悪の秘密結社

“ショッカー”にその才能を狙われてな。」

サーゼクス

「悪の秘密結社…

ショッカー…」

 

朱乃

「!?」

 

サーゼクス達は、涼太郎の悪の秘密結社ショッカーという組織に眉を細める中、只一人朱乃は驚愕していた。

そう、8年前…彼女を襲った宇宙人と怪人が多数の手下を引き連れて朱乃を攫おうとしたとき、怪人が手下をこう呼んでいた。

“ショッカー戦闘員”。

そして今理解した。

そのショッカー戦闘員は、涼太郎の言った悪の秘密結社ショッカーの戦闘員だという事を。

 

リアス

「ちょっと待って!

涼太郎、あなた

仮面ライダーは“改造人間”と言ったわよね?」

涼太郎

「確かにそうだぜ、

部長さん。」

 

リアス

「ということは…あなたも!?」

 

リアスの質問に朱乃達とサーゼクスも反応するが、涼太郎はこう返す。

 

涼太郎

「心配しなさんな、

俺は人間でさぁ。

なんせ俺の場合は、人間が科学の力を結集させた上で、仮面ライダーそのものがモデルだから。

そもそも仮面ライダーも、改造人間が全てじゃない。

始まりが改造人間となった人が名乗り始めて、その後を継ぐかのように現れ、次第には改造人間じゃなくても、仮面ライダーと名乗り、戦う者達も現れたのさ。」

 

小猫

「そうなんですか…。」

涼太郎の説明に納得した皆であったが!?

 

ザルバ

『オイ!俺様をスルーするな!鋼賀!ケンイチ!涼太郎!』

 

ザルバが乱入した!

 

サーゼクス

「なっ!?なんと!?指輪が喋った!!」

 

ケンイチ

「(この反応、意外と見飽きたな。)」

鋼賀

「(そう言うなケンイチ。何気に良い反応じゃないか。)」

 

涼太郎

「(そうそう。こうゆうのはお決まりだぜ。)」

 

サーゼクスの驚きを見て、ケンイチ達は各々思っていた。

 

サーゼクス

「鋼賀君、この指輪はいったい?」

 

鋼賀「魔導輪・ザルバ。

俺のパートナーで、邪悪を探しだす、

“心を持った”

探知機だ。」

 

ザルバ

『と言うわけだ。

俺様もよろしくな。』

 

カチカチとやかましい音を立てながら偉そうに喋るザルバに、サーゼクスは困惑しつつも了承した。

 

サーゼクス

「おっと、忘れる所だった。

これからリアスの勝利を祝ってパーティーを用意しているよ。」

 

ケンイチ

「そうか、ならイッセーを起こしとくか。」

 

サーゼクスの、リアスの勝利のパーティーを開くと聞いて、

ケンイチはアーシアの腕で眠り続けているイッセーに向かって歩き出し、

 

ケンイチ

「フッ!」

 

フラッシュプリズムを取り出して、ウルトラマンにもう一度変身して能力を行使する。

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

カラータイマーに添えた右手をイッセーに突き出し、リライブ光線を放つ。

 

放ち終えた後は直ぐにケンイチに戻る。

そしてタイミングよくイッセーが目を開けたのだ。

 

イッセー

「あれ…俺は…?」

 

アーシア

「イッセーさん!」

 

イッセーが目を覚ました事で、アーシアは強く抱きしめた。

 

イッセー

「オワッ!?アーシア、苦しいよ…」

 

アーシア

「はわッ!?ごめんなさい!イッセーさんが無事で嬉しくて!!」

 

イッセー

「無事…?

ッ!そうだ!

レーティングゲームは!?」

 

アーシアの口から漏れた無事という単語から、レーティングゲームを導き出し、ゲームの行方を聞いた。

 

ケンイチ

「勝ちだぜイッセー。リアス達のな。」

 

イッセー

「本当ですか!?」

 

リアス

「正確に言えば…“ケンイチの御陰”よ。」

 

リアスの言葉に、イッセーは少しうなだれた。

 

イッセー

「そんな…結局俺は先輩に頼っちゃったのかよ…。

先輩に頼らないで、彼奴を倒すって、見栄を張ったのに…。」

 

と悔しそうにイッセーは若干涙を堪えているが、ポロポロ流れていた。

不甲斐ない自分を見かねたケンイチが現れ、ライザーを倒したと思っていたのだ。

それに気付いたケンイチは、イッセーの頭に、

 

ケンイチ

「よっと。」

 

イッセー

「いて。」

 

コツンと軽い拳骨を送り、こう言うのだった。

 

ケンイチ

「イッセー、忘れたのか?俺が戦い参加する理由を?

その条件が“お前に懸かっていた”のを。」

 

イッセー

「え?」

 

ケンイチ

「こりゃ完全に忘れてやがる。

良いか、イッセー?

どんな絶望の中でも、諦めない心を持って立ち向かう勇気を、お前は俺に見せてくれたじゃないか。

倍加が出来なくても、奴に立ち向かってみせた。

己の今持てる全てをもってして。」

 

イッセー

「あ…!」

 

漸くケンイチの言葉でイッセーは、自分の行動を思い出した。

倍加が出来なくても、ライザーに立ち向かった自分の事を。

つまりそのおかげで、ケンイチが現れ、イッセーを救い、ライザーを叩きのめし、リアス達を救った事を理解した。

 

イッセー

「先輩…俺…」

 

ケンイチ

「いいか?この勝利の功労者は、他でもないお前だ、イッセー。まあ、野郎が不正さえしなけりゃあ、俺が出る必要は無かったんだが、野郎が不正したために、俺の手で再起不能なった事は間違いないだろうな。」

 

イッセー

「やっぱり先輩は凄過ぎて適わないです…」

 

ケンイチの凄まじさを改めて知り、イッセーは頭が上がらなかった。

 

サーゼクス

「やあ、初めまして、赤龍帝・兵藤一誠君。」

 

するとタイミングを見計らって、サーゼクスがイッセーに声をかけた。

 

イッセー

「えっと…、先輩?部長?此方の方は?

髪の色からして、部長に似てるんですけど?」

リアス

「まあ、そこまで解ってて解らないなんて。」

 

ケンイチ

「たくぅ…、

リアスの“兄”、

魔王“サーゼクス・ルシファー”だっつうの。」

 

イッセー

「ウエエェェェッ!?まッ!?魔王様!?」

 

ケンイチの言葉にイッセーは飛び跳ねて、“ジャンピング土下座”を行った!?

 

イッセー

「はじ、はじ、はじ、初めまして!?

りりり、リアス様のぽぽぽ、兵士の兵藤一誠で御座います、魔王様!!」

 

明らか、動揺しまくりのイッセーである。

 

サーゼクス

「いやあすまない。

楽にしてくれて構わないよ。

しかし凄い運命だ。

伝説の二天龍の片割れである赤龍帝が悪魔陣営…それも我が妹の眷属になるとは。

そして君を鍛え上げた者が、其方に居るウルトラマン殿…いや、ケンイチ君に鍛えられたんだからね。

驚くなと言うのが無理な話さ。」

 

ケンイチ

「普通に考えりゃあそうだろうな。」

 

イッセー

「せ!?先輩!?

いくら何でも魔王様相手にそんなフランクな!?」

 

イッセーは、魔王相手にタメ口で話すケンイチにつっこむが、

 

サーゼクス

「気にしないでくれたまえ兵藤一誠君。

私個人としては寧ろフランクに接してくれた方が嬉しいだよ。」

 

ケンイチ

「それに、俺は年の近い相手に堅苦しい態度を取るのが苦手なんだよ。」

 

イッセー

「つまりお互いの利害が一致したということですね。」

 

ケンイチ、サーゼクス

『その通り。』

 

ハモる程に利害の一致が発生した為、イッセーは溜め息を漏らす。

 

ケンイチ

「取り敢えずイッセー、今からサーゼクスが用意してくれた会場に行くぞ。

リアス勝利の祝いと言うことで、飯だ。」

 

イッセー

「え?でも(ぐぅ~)あ…」

 

流石のイッセーでも遠慮しようかと思ったが、タイミング良く腹の虫が鳴ったのだ。

ケンイチ

「決まりだな!

案内宜しく、サーゼクス!」

 

サーゼクス

「了解したよケンイチ君。リアス達も構わないね?」

 

リアス

「は…はい、お兄さま。」

 

リアスも、ケンイチがここまで型破りでフランキーな男だとは、考えてもみなかった。

 

しかし皆さん思い出してください。

 

ケンイチ君はウルトラマン、光の勇者です。

対してサーゼクスは、四大魔王一角・ルシファーである。

即ち“勇者”と“魔王”の関係とも言える上に、お互いがフランキーな野郎だということである!!

 

という訳で一行は、パーティー会場へ向かった。

一方、異次元空間………

ヤプール

「全くメフィストめ、怪獣の死体の中に生きたままの怪獣を寄越すとは…。

死体さえあれば良いのだが、まあ良い。

奴らと戦わせて、倒した所が運の尽きだ。」

 

邪悪の権化である本物の悪魔・ヤプールの謀略が…迫っていた。

 

更に一方、冥界のとある場所にて…、

 

その場所2人の少女と1人の男の“人間達”が居た。

 

???

「まったくもう、彼奴ったらいつも面倒事に首を突っ込んでくれて…もう仕様がないったらありゃしないわ。」

 

???

「まあまあ、“紗矢華さん”落ち着いてよ。“シノン”も手伝ってよ!」???→シノン

「止めた所で止まらないわよ“キラ”。」

 

紗矢華

「そうよ!

私と“雪菜”だけじゃなく、“涼太郎達”や“鋼賀達”まで巻き込んじゃって!」

 

キラ

「だからヒートアップしてるから抑えてって!」

 

等と会話をしていた。しかも紗矢華と呼ばれる少女の口から、“涼太郎達”や“鋼賀達”、そして“雪菜”という名前が飛び出していた!

 

更に其処へ新たな少女が二人やってきた!

 

???

「こらこら、仲間内で揉めないの。」

 

???

「やっと“ケンちゃん”達の居場所を特定しんたんだから、

再開する前にそんなに揉めてたら呆れられちゃうよ?」

 

紗矢華

「あ、お帰りなさい。“ユカさん”、“刀華さん”。

でもですよ、“ケンイチ”ったら毎度毎度…」

 

ユカ

「だからもうストップ!」

 

刀華

「そういうのは、

“ケンちゃん”達に会ってから言ってね。けど程々してあげてね。“ケンちゃん”は罪悪感を感じやすいから。」

 

紗矢華

「解ったわよ刀華さん…。もう、覚えていなさいよ!“ケンイチ”!」

 

取り敢えず口論は静まったが、彼女達の口からやはり“ケンイチ”という名前も飛び出していた!

 

もしや関係者なのか!?更に刀華なる少女はケンイチを“ケンちゃん”と呼んでいた所をみると、かなり親しげである!

キラ

「すいません、助かりました、“浅野先輩”、“彩辻先輩”。」

 

ユカ

「なんかごめんね、“ヤマト君”。

貧乏くじ引かせた感じになっちゃって。“シノン”も、少しはヤマト君を手伝ってあげたら?」

 

シノン

「“姉さん”、私は被害を受けたくないだけなの。」

 

ユカ

「もう、可愛げが無いんだから。

そんなのじゃ、“涼太郎”に振り向いてもらえないわよ?」

 

シノン

「別に…そんなのじゃないわよ。」

 

刀華

「はいはい、もうこの辺にして、早く“ケンちゃん達”に会いに行きましょう。」

 

紗矢華

「そうですね、一発殴んないと気が済まないですよ!」

 

シノン

「取り敢えず、合流しないと始まりませんから。」

 

ユカ

「“ノア様”には本当に感謝しきれないし、ていうか3人とも信じらんない位のイケメンになってるっていう話だし。」

 

キラ

「それを言うなら、僕も同じですよ。

“女顔”の男子って、結構コンプレックスに成りやすいですし。」

 

刀華

「兎も角行きましょう。吃驚させてあげましょう。」

 

4人

『うん。(はい。)』

 

取り敢えず会話を終えた5人は、冥界にあるルシファード領へ足を運び出した。

果たして、彼女達は、ケンイチ達の関係者なのか!?

 

刀華

「(待っててね!

私の大好きな“恋人”のケンちゃん!)』

 

更に同じ頃、冥界の別の場所にて…、

 

???

「確か、この世界に“ケンイチ”さんと“ユッキー”達が居るんだよね?

“志緒”ちゃん。」

 

???→志緒

「そうね、“ノア様”の言葉通りなら、別行動中の“紗矢華”や“刀華”さん達ももう冥界に居る筈だしね。

ねえ“ラクス”さん、なんか今更だけどゴメンね?

本当なら“ヤマト”君と一緒の方が良かった筈なのに。」

 

ラクス

「いえ、そんな事はありません。

離れていても、私と“キラ”はずっと通じ合っておりますし、何よりも贅沢を言うつもりは有りませんから。」

 

志緒

「やっぱりどうもお嬢さまの家柄出身とは思えない位に、肝が据わっているわよね、“唯里”?」

 

唯里

「うん、見習わないといけない所が沢山有るよ、志緒ちゃん。」

 

先程の刀華達5人と同様の、ケンイチ達と関係があると思しき少女達が待機していた。

其処に…、

 

???

「唯里ちゃん、志緒ちゃん、ラクスちゃん、待たせてゴメンね。」

 

唯里

「あ、“葵”さん!

間に合いましたね!」

 

真剣を帯刀し、特効服を着用し、胸囲にサラシを巻いた、

朱乃に負けない青みがかかった黒髪を持つ大和撫子な少女が現れた。

 

志緒

「そんなに待ってませんでしたよ、葵さん。」

 

ラクス

「はい、まだまだ時間はコレからですから。」

 

「ありがとね。

そういえば志緒ちゃん、唯里ちゃん、ラクスちゃん、

“浅葱”に“庄一”君、“勝也”君は?」

 

唯里

「もう直ぐ来てもいい頃なんですけども…」

 

志緒

「まあ、わざわざ“浅葱”さんが前線でデータ収集しなくてもと思いますが、

“勝也”君はともかく、“庄一”はもしかしたら…」

 

等々、彼女たちが何やら話していると…?

 

ブロロロロロォォォォォォンッ!!

 

???

「ワアァッ!?

怖い!?落ちる!?

出過ぎ出過ぎ!?

スピード違反で逮捕されちゃいますよ!?

“庄一”さん!」

 

庄一

「しょうがないよ、“勝也”君!

遅刻したら急ぐのは当たり前でしょ!」

勝也

「遅刻したのは庄一さんが夜食のお弁当を皆の分作ってきたからじゃないですかぁ~!?」

 

此方に凄まじい速度で向かってくる一台のバイクと、そのバイクに跨がった2人の少年がやってくる!

 

ラクス

「あらあら、噂をすればなんとやらですね。」

 

唯里

「あはは、やっぱりお弁当作って来てたんだ。」

 

志緒

「はあ…庄一、夜食は要らないって言ったじゃない、全く。」

 

庄一

「いやいや志緒ちゃん、“腹が減っては戦は出来ぬ”だよ!

“備えあれば愁い無し”とも言うしさ。」

 

「まあ兎に角、後は“浅葱”よね。」

 

新たな少年、庄一と勝也が来た事で、最後の1人を待つ六人。

そして…。

 

???→浅葱

「ごめ~~ん、遅れちゃった!?

もう何気に冥界広過ぎよ、もう!」

 

最後の少女が現れた。

 

「あ、きたきた。」

勝也

「あ、“暁”先輩!」

 

庄一

「“浅葱”さん!

遅かったですね。

何か調べてましたか?」

 

浅葱

「まあね、色々と此処が珍しいからね!つい寄り道して来ちゃった。」

 

志緒

「浅葱さんも相変わらずですね。」

 

唯里

「それじゃあ全員揃った事ですし、葵さん、生きましょう。」

 

「そうね、それじゃあ早いとこ、刀華達と合流して、“ケンイチ”達の下に行きましょう。」

 

浅葱

「ええ。」

 

唯里達

『はい。』

 

やはり、彼等もケンイチ達と関わりが有るようだ!

枝分かれした道が、一つになろうと言うのか?

答えは、ケンイチ達しか知らない…。

 

ズデッ!!

 

勝也

「痛いッ!!」

 

庄一

「あ、大丈夫、勝也君?」

 

勝也

「だ、大丈…ギャアアアアッ!!

顔が汚れた!?

近くに!?近くに湖が在った筈ッ!?」

 

庄一

「勝也君、そんな大袈裟な。」

 

志緒

「はあ…幾ら彼が年下でも、情け無いわね、“潔癖症”だなんて。」

 

唯里

「もうちょっと、しっかりして欲しいかな、“ウルトラマンゼアス”」

 

ラクス

「あらあら、困りましたわね?」

 

 

葵、浅葱

『はあ、先が思いやられるわ…。』

 

つづくッ!!

 




次回予告
(ザルバナレーション)
[BGM:牙狼~SAVIOR IN THE DARK~]

遂に決着が着いたレーティングゲーム!
だがその平和も一瞬、嘗て無い最悪が降りかかる!!

大変だ!!怪獣軍団と大ショッカーの襲来だ!!

マズいぜ!?
ヤバいぜ!?
ピンチの連続に、
ウルトラマンが!?

次回!新章突入!
襲来!異次元の悪魔・ヤプール編第一章!
[激突!ヤプール軍団VSパワード軍団]!!

ゴモラ達!!闘ってくれるのか!?


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悪魔・ヤプール襲来!/異界のウルトラマン降臨!
第14話 激突!ヤプール軍団VSパワード軍団


二つの意味で…あまりにも長かった!(泣)
只、この投稿に達までに、ゲーム分野とDVD/BDと2つずつ、個人的な朗報です。
先ずはゲーム分野にて、懐かしいPS1での幻のゲーム
“仮面ライダーアギト”と、
“ザ・グレイトバトルⅥ”が、10年以上の時を得て、遂に手に入れたという嬉しさです!
因みにグレイトバトルⅥは、ウルトラマンパワードがプレイヤーキャラの一体なので個人的に嬉しいです!
(補足するとスーファミのグレイトバトルⅣでもパワードがプレイヤーキャラです。)
そして、DVD/BDの方では、ストブラⅡDVD全巻と…ウルトラマンパワードBDを手にしたという喜び!
もう断言します!
ウルトラマンパワードの根っからの“ファン”であることを!!

まあ戯れ言は置いて、過去に修正した分も含めて、お願いします!
(駄文ですけど)

因みにサブタイトルを隠しましたが、これに引っかかったら、貴方は…“にせウルトラファン”の烙印を押されてしまいますのでご注意を!!
それと、お得意様達の許可を得て、初のコラボが発生します!

古代怪獣ゴモラ
原始怪鳥リトラ
宇宙怪獣エレキング
カプセル怪獣Eミクラス
カプセル怪獣Fウインダム
カプセル怪獣アギラ
怪獣ボール・セブンガー

宇宙大怪獣ベムスター
装甲怪獣レッドキング
殺し屋超獣バラバ
超古代怪獣ゴルザ
超古代怪獣Fゴルザ
超古代竜メルバ
宇宙海獣レイキュバス
宇宙戦闘獣コッヴ
宇宙戦闘獣超コッヴ
奇獣ガンQ
暴君怪獣タイラント
超合体怪獣ファイブキング
異次元人ヤプール
ネオ生命体ドラス
クロウロード
スネークロード
ジャッカルロード
ショッカー戦闘員
登場!!

コラボ作より、
ウルトラマンティガ
ウルトラマンネクサス
参上!!

OP:ウルトラマンパワード

ED:W-B-X



冥界・ルシファード領のとあるパーティー会場…、そこではリアスの親族や友人達が集まっていた。

その中には、リアスの眷属であるイッセー、祐斗、小猫、アーシアに、強力な助っ人である涼太郎、鋼賀、美琴、翼の姿もあった。

 

そして、ケンイチは妹の雪菜と共に、リアス、朱乃、サーゼクスに案内され、とある一室に連れてこられた。

なんでも会って貰いたい方々がいるという。

因みに雪菜を連れているのは、不貞な悪魔がゲスい目で近づくのを防ぐ為で、

美琴と翼は涼太郎と鋼賀によるガードがあるが、流石に自分の妹を護るのに手一杯であり、雪菜のガードが手薄に成りかねない。

そのためにケンイチに動向させたのだ。

暫く待っていると、グレイフィアがある方々を連れて来た。

その方々にリアスが一番に反応した。

 

リアス

「“お父様”!?

“お母様”!?」

 

それは、リアスとサーゼクスの両親、グレモリー家現当主のジオティクスと、妻のヴェネラナだった。

 

サーゼクス

「ケンイチ君、此方の2人は、私とリアスの両親でね、君に話をしたいと頼み込まれたんだ。」

 

ケンイチ

「成る程…ね。

大方俺に文句でも言いにきたのかな?」

 

ジオティクス

「いやいや、寧ろ逆の話をしたいんだ。

娘の“貞操”を守ってくれた君にね。」

ヴェネラナ

「あなた、少し話が拗れていますわ。

本当に言いたいことはそんな事では無いのに。」

 

ジオティクス

「おや、諌められてしまったな。」

 

ケンイチ

「おいおい…」

 

リアス

「お父様ッ!?お母様ッ!?何を言っておられるのですか!?」

 

父の口から、“貞操”という単語が出て、顔を真っ赤にして声を上げたリアス。

そしてケンイチは思った。

 

ケンイチ

「(やっぱりサーゼクスと親父さん、似てるなぁ。とんでもないフランキーだぜ。

にしても親父さんて、それなりに若いけど…お袋さんは詐欺だろ?

普通だったら明らかに成人を越えて“嫁さん”に“子持ち”の息子と、もう直ぐ高校を卒業する時期が近い娘が居て、

“この若さ”は反則だろ?リアスと比べたら明らかに“親子”じゃなくて“姉妹”で通るぞ?間違い無く。

まあそれだけ、悪魔の生命力が凄いんだろうけど…俺も人のことを言えた事ではないな。

ウルトラマンから見れば、悪魔の寿命なんて人間と変わらないようなもんだしな。事実、悪魔連中の年齢を人間年齢に換算すれば数千年程度で年寄り扱いだろうけども…ウルトラマンは数千年程度だとまだ中学生や高校生とか、大学生だもんな。)」

リアスの両親があまりにも若過ぎる事に対してだが、ウルトラマン“そのもの”でもある彼からしてみれば当然か!みたいな自己解釈で納得していた。

 

ケンイチ

「そういえばサーゼクス、フェニックス家の状況はどんな感じなんだ?」

 

サーゼクス

「フェニックス卿の話だと、ライザー君は完全に塞ぎ込んだという話だよ。

なんでも、君に対する恐怖症ができちゃってね。

オマケに今までの勝利が不正によるという事が明らかになったことで、フェニックス卿直々の大目玉を受けた事で、さっき君が言った通り、もう再起不能だと言う事さ。」

 

ケンイチ

「そうか。

まあ…流石にやり過ぎた感があるけどな、ああいった己の欲望を満たす為に他の奴を巻き込む奴に対しては怒りが爆発しやすくてな。

そうだ!雪菜達から聞いたんだが。」

サーゼクス

「何かな?」

 

話の途中であることを思い出したケンイチは、サーゼクスにその事を聞いた。

 

ケンイチ

「ライザーの奴が“自分の妹を眷属”としてゲームに参加させていたことについてだが?」

 

サーゼクス

「聞かれると思っていたよケンイチ君。

レイヴェル・フェニックスはあの後、母であるフェニックス夫人とトレードされたのさ。

一応ライザー君としては、自分の妹に、レーティングゲームの勉強ということで、置いていたとフェニックス卿から聞いたよ。」

 

ケンイチ

「そうか…ま、今度会う機会があれば少し話したいもんだ。」

サーゼクス

「おや?彼女に“気がある”のかい?」

 

ケンイチは、いつかレイヴェルと話をしたい考えていたが、サーゼクスがそれを茶化す。

 

リアス

「ケンイチィ~…(黒)」

 

朱乃

「ケンイチ君…貴男は“ロリコン”だったのですか…?(黒)」

 

雪菜

「お兄ちゃん、ダメですよ?そんな事をしちゃ。」

 

サーゼクスが茶化したせいで、リアスと朱乃からは黒いオーラが出ていた!

 

ケンイチ

「おいおいおいおいッ!?何か誤解してるだろ!?

アイツの妹に話を着けるだけだ。

人間を見下す行為がどれほど愚かか、解った筈だからよ。」

リアスと朱乃から出た黒いオーラに身の危険を感じたケンイチは完全全力全開否定を行う!

 

リアス

「でもケンイチと話したらあの子多分…」

 

朱乃

「“殺し文句”を言われて“堕ちる”可能性が大有りですわ。」

 

ケンイチ

「えっ!?俺、そんなに殺し文句言ってるのかよ?」

 

雪菜

「少しは“自分の言葉に責任を持った方”が良いですよお兄ちゃん。

只でさえ、

“歩く殺し文句のフラグメーカー”

と涼太郎先輩や鋼賀先輩が仰っていましたから。」

 

ケンイチ

「そりゃあ無いだろ~、てか涼太郎と鋼賀の奴!とんでもねえ事を言うんじゃねえよ!全く…。」

 

ジオティクス

「ハッハッハッ!

ケンイチ君はやはり、とても色々な者達に好かれているね。」

 

ケンイチ

「なんかすいません…お見苦しい感じを見せたようで。」

 

ヴェネラナ

「いえいえ、貴男のようなお方だから、娘も貴男を信じられると思いますわよ?」

 

ケンイチ

「まあ、信じてくれたからこそですね。

俺の今回の闘いは…。」

グレモリーご夫婦は、ケンイチがとても馴染みやすく、リアス達を本当に友と見ている事が解り、彼ならば娘を託せるんじゃないかと考えた。

リアスの未来を守ってくれるのならば、例え悪魔ではない別の種族・光の戦士ウルトラマンであるケンイチに任せても良いと感じた。

それに本当なら自分達には既に“純血の孫”が居るのだから、リアスにはもう家を継ぐだけで良いのだ。

 

サーゼクス

「そうそうケンイチ君。折り入ってお願いが有るんだけれど、良いかな?」

 

ケンイチ

「何だよサーゼクス?

お願いって?」

 

するとサーゼクスがケンイチに頼み事をした。

その頼み事は、ケンイチとって悩ましいモノだった。

 

サーゼクス

「私や“息子”と記念写真を撮ってくれないかな?

可能なら“ウルトラマンの姿”でなんだが…駄目かな?」

 

それはケンイチ=ウルトラマンとの記念写真を取りたいということであった。

 

ケンイチ

「訳を聞いて良いか?」

 

サーゼクス

「私の息子はヒーロー好きでね、勿論今回のレーティングゲームを私と一緒に観戦していたんだ。

そして、ライザー君の悪行を懲らしめる君の勇士を観て“大ファン”に成ってしまったんだ。」

 

リアス

「本当ですかお兄様!“ミリキャス”がケンイチの!」

 

サーゼクス

「ああ、そうなんだリアス。人間を愛したウルトラマンが、人間ではないリアスの為に全力で闘い、リアスの為に本気に成って怒り、リアスを救ったその勇士に凄く興奮してね、こんな事を言ったんだ。

“本物の正義のヒーロー”

だって。」

 

リアス

「“ミリキャス”がそんな事を。」

 

ケンイチ

「………ちょっとばかし、時間をくれないか?」

 

サーゼクス

「構わないよケンイチ君。」

 

サーゼクスの言いたい事を理解したケンイチは考えた。

それは、前世におけるちびっ子の頃のケンイチも憧れた、

“ウルトラマンと写真を撮りたい”

ということであった。

 

だがこういう行為は本来、

“ウルトラマンが空想の産物”

であるが故に、

ヒーローショー等で初めて行える事なのだ。

しかし…今の自分は、“オリジナルではない紛い物”、

そして、

“己は本当に正義のヒーローとは言い切れない”。

 

確かに今までウルトラマンを名乗って来たが…己はウルトラマンを名乗るのに相応しいのか?

その疑問が生まれたのだ。

本当にこの世界の子どもに“愛と勇気”、“夢と希望”を与えているのかと。

するとそんな兄の悩みに気付いたのか、妹・雪菜がケンイチに近付き、右手を取る。

 

ケンイチ

「雪菜?」

 

雪菜

「お兄ちゃん、自分の思うことをやりましょうよ。

“思い出して、ウルトラマンを愛した子ども達を”。」

 

ケンイチ

「ッ!ウルトラマンを愛した子ども達…。」

 

雪菜

「そして今、

お兄ちゃんを

“心からのヒーロー”

と思う子がいるんです。子どもの願いを叶えるのも“ウルトラマン”ですよ。」

 

ケンイチ

「ッ!」

 

雪菜の言葉に、ケンイチは思い出した。

空想といえども、

ウルトラマンは、子どもの願いを叶えていたと。

彼が覚えいる限りでは、“ウルトラマンガイア”と“ウルトラマンコスモス”にそんな出来事が有った。

ウルトラマンガイアに会いたいと願う子ども達の真意は、彼への“頑張れ”という応援と“何時も護ってくれてありがとう”という感謝の想いだった。

故にそれを知ったガイアは、子ども達への御礼に一緒に空を飛んだのだ。そしてコスモスもまた、力尽き瀕死の状態だった己を救ってくれた子どもへの恩返しに、その子どもの願いを聞いた。その願いは“ウルトラマンと空を飛びたい”

というものだった。

彼は快く受け入れ、その子と空を飛んだのだ。

その事をケンイチは思い出して、決意を固める。

 

ケンイチ

「(妹に教えられるとはな…粋な真似をしやがって)

良いぜサーゼクス。

ウルトラマンに成った上で、写真を撮ってな。」

 

サーゼクス

「オオッ!?

ありがとう!ケンイチ君!では早速、グレイフィアに頼んでミリキャスを連れてきて貰おう!」

 

サーゼクスは、ケンイチの言葉に喜んで、我が子を呼んだ。

 

リアス

「ケンイチ、本当に良いの?」

 

ケンイチ

「良いんだ。

コレで子どもの夢が叶うなら、それに越したことは無いさ。

何よりも子どもの笑顔が、俺は一番大好きだからな。」

 

朱乃

「素敵ですわよ、ケンイチ君。」

 

リアス

「ええ、本当に素敵よ。」

 

ケンイチ

「へへッ!何時、何処でも、どの世界でも、子どもは世界の宝だしな!

何よりも笑顔が一番だ!」

 

リアスと朱乃に素敵と言われたケンイチは、少し照れつつも、己の正直な心を打ち明けた。

 

すると、グレイフィアがやってきた。

そして彼女の側には、小さな紅髪の少年が居た。

 

グレイフィア

「お待たせしました、サーゼクス様。」

 

サーゼクス

「ありがとう、グレイフィア。

ケンイチ君、この子が私の子どもの

“ミリキャス”だ。

ミリキャス、ご挨拶だよ。」

 

ミリキャス

「はい!お父様!

“ミリキャス・グレモリー”です!

初めまして!

ケンイチさん!

雪菜さん!」

 

自己紹介するミリキャスは、とても元気が良かった!

因みに雪菜を知っているのは、サーゼクスから渡された参加人数及び、名簿欄を読んだためである。

 

雪菜

「とても可愛らしいですね!そう思いますよね!お兄ちゃん!」

 

ケンイチ

「ああ、ちびっ子の男の子だが、サーゼクスに負けない素質を持ってるな。」

一目でミリキャスの才能を見抜いたケンイチ…お見事!

その後ケンイチは、片足立て膝になるようにしゃがんだ。

この行動は、子どもと目線を一緒の位置にする事で、“対等の目線”というのがケンイチの流儀である。

何よりも、子どもがずっと自分を見上げていると、その子の首が痛くなるからというのも、彼が対等の目線にする理由である。

 

ケンイチ

「初めまして、

俺は“櫂ケンイチ”…又の名を、

"ウルトラマンパワード"だ。

宜しくな、ミリキャス!」

 

そう簡単な自己紹介をしつつ、ミリキャスの頭を撫でる。

 

雪菜

「私は“櫂雪菜”、ケンイチお兄ちゃんの妹です。

宜しくお願いしますね、ミリキャス君!」

 

雪菜も同じようにしゃがむが、ケンイチと同じ方法でしゃがむと、“ミリキャスが間違ってスカートの中のパンツを視てしまう”可能性を考慮して、両膝を突いた立て膝となって、ミリキャスに自己紹介をした。

 

ミリキャス

「はい!宜しくお願いします!」

 

ケンイチと雪菜の行動に、リアスと朱乃、グレモリー夫婦、そして、“サーゼクス夫婦”は、関心するのだ。

相手と対等の目線で話そうだなんて者は、中々居ないのだから。

 

ミリキャス

「ケンイチさん、

この度はリアス姉さまを助けてくれて、ありがとうございます!ライザーさんにリアス姉さまを取られたくなかったので、本当にありがとうございます!!」

 

ケンイチ

「へへ、君は純粋で素直だな。ま、あの鶏野郎はもう、君の大好きなリアスに手を出すことは無いからな。」

 

ミリキャス

「はいです!

ケンイチさん、これからも、リアス姉さまを護って下さい!」

 

ケンイチ

「ああ、俺が側に居る限り、リアスや皆を…、守り抜いてやるよ!」

 

リアス

「こ!?こらミリキャス!?もう、恥ずかしいじゃないの!ケンイチも!!」

 

朱乃

「あらあら、羨ましいですわね、“部長”?」

 

リアス

「朱乃!?からかわないでよ!?」

 

朱乃

「うふふ。」

 

愛しい甥っ子の無垢な発言に対し、ケンイチは真っ直ぐ即答する。

ミリキャスは別に深い意味で言ったのではないが、ケンイチの迷いの無い一言で少し戸惑い、朱乃にからかわれたリアス。

正に種族を越えた信頼関係が、確かに実在した。

 

ケンイチ

「よし、んじゃあサーゼクス、カメラはオーライか?」

 

サーゼクス

「スタンバイ出来たよ、ケンイチ君。」

 

ケンイチ

「よっしゃ。

じゃあやるぜ!フッ!!」

 

カメラの準備を確認したケンイチは、内ポケットに手を入れてフラッシュプリズムを握り、引き抜く感じで天に翳し、スイッチを押して点火!

(バチュンッ!!グワンギュンギュンギュンギュンギュンギュンギュゥゥゥゥンッ!!!バチュンッ!!バチュンッ!!)

 

グレモリー夫婦

『オオッ!?/まあ!』

 

ミリキャス

「わあ…!」

 

フラッシュプリズムの点火時に発生した凄まじい輝きに、ジオティクスとヴェネラナは驚き、ミリキャスは釘付けだった!

一方のリアスと朱乃、サーゼクスとグレイフィアは、共通の思いを持つ。

“何時見ても、暖かい輝きだ”と。

 

そして輝きが消えれば、右腕を天に伸ばし、左腕は頭部の真横に曲げて、背筋をビシッ!と伸ばした、櫂ケンイチが変身したウルトラマンが、三度参上した!

 

ウルトラマン

「どうだ、ミリキャス?生のウルトラマンは?」

 

ミリキャス

「とても格好いいですッ!!お父様!早く写真を撮りましょうよ!」

 

サーゼクス

「ハッハッハッ、慌てない慌てない。」

“本物”のウルトラマンを見たミリキャスは大興奮で、サーゼクスを急かす。

 

サーゼクス

「それじゃあケンイチ君。お願いするね?」

 

ウルトラマン

「ああ。

ミリキャス、行くぞ。

よっと!!」

 

ウルトラマンは撮影の体勢に入るために、ミリキャスを抱え上げた。

 

ミリキャス

「わあ!凄い逞しい筋肉ですね!!」

ウルトラマン

「邪悪と闘う為に、鍛練は一切欠かさなかったからな。

それじゃあミリキャス、自分だけのポーズ、

『ウルトラショット!』を構えるんだ!どんなポーズでも構わないからな!」

 

ミリキャス

「はい!」

 

ウルトラマンにそう言われたミリキャスは、定番のピースで構えをとる。

対してウルトラマンは、右腕でミリキャスを抱えているため、カメラに左手の甲を向け、中指と薬指を曲げて、親指、人差し指、小指を開いた状態の、

ウルトラマンゼロ宜しく、“フィニッシュ”の仕草である。

 

サーゼクス

「それじゃあミリキャス、ケンイチ君、此方を向いて。」

カメラを構えたサーゼクスの方へ、ウルトラマンが向き、サーゼクスはシャッターを押す。

 

端から見ていた雪菜は、少し笑みを浮かべていた。

嘗ては兄が憧れていた側だが、今は逆で、子どもの夢を叶えようとしていることに、嬉しかったのだ。

幾らか写真を撮った後、サーゼクスがこんな事を言った。

 

サーゼクス

「よし、次は私とグレイフィア、父上と母上に、リアスと朱乃君、そして雪菜も一緒に撮ろうじゃないか。」

 

まさかのこの場に居る全員で写真を撮ろうという考えだ。

 

ジオティクス

「オオ、サーゼクス!素晴らしい提案だ!宜しいかな、ケンイチ君?」

ウルトラマン

「ええ、勿論です。」

 

サーゼクス

「ありがとう。

グレイフィア、カメラの台座を用意して欲しい。」

 

グレイフィア

「解りました。」

 

ヴェネラナ

「全く、申し訳ありませんね、雪菜さん。主人と息子が、貴女のお兄さんに色々な要求をしてしまって。主人と息子ってば、子どもっぽい考え方が似通っているのですよ。」

 

興奮気味の旦那・ジオティクスと息子・サーゼクスの若干の暴走とも言える状態、妻として、母として呆れていながら、雪菜に軽く謝罪をする。

 

雪菜

「いえ、お構いなく。お兄ちゃんは、出来るだけ多くの望みを叶えて上げたいんです。

それが、ウルトラマンである自分にしか出来ない事でもありますから。」

 

ヴェネラナ

「本当に、あなた方御兄妹は素敵ですね。さあリアス、朱乃さん、並びましょう。」

 

リアス

「は…はい、お母様。」

 

朱乃

「はい、ヴェネラナ様。」

 

そう会話をしつつ、ミリキャスを抱えているウルトラマンの側まで寄る。

そして、グレイフィアがカメラの台座を用意してセットし、時限シャッターに切り替えて、全員がウルトラマンを中心に並ぶ。

 

更にサーゼクスは、ウルトラマンと握手してもらったのだ。

実はその行為は、

ウルトラマン=ケンイチがサーゼクスを信頼した証としての行動である。

こうする事で、サーゼクスとウルトラマンは協力関係にあるといえるモノをついでに作ったのだ。

 

何はともあれ、これでミリキャスは、父、母、祖父、祖母、姉と言うべき叔母とその親友と一緒に、ウルトラマン=ケンイチとその妹・雪菜と写真を撮り、大喜びだった。

幾つか撮って終了し、ウルトラマンはケンイチに戻った。

 

サーゼクス

「ありがとう、ケンイチ君!ミリキャスがこんなに喜んでくれたとは、予想外だよ!

さあミリキャス、お礼を言うんだよ。」

 

ミリキャス

「はい、お父様!

ケンイチさん!ありがとうございます!!」

 

ミリキャスは子どもだからこそ、純粋無垢にお礼をケンイチに言った。

ケンイチ

「ああ、どういたしまて!ってなッ!」

 

そう言つつもケンイチは、何処か照れくさそうに鼻の下を擦って、ミリキャスの頭を撫でた。

 

ジオティクス

「さてと、長く引っ張ってしまってすまないね。

食事にしようか。」

 

サーゼクス

「ええ、父上。」

 

漸く用事が終わり全員が会場へ向かおうとした…その時!!

 

ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

 

『ッ!?』

 

なんと!?ケンイチの持つメモリーディスプレイが警告音を発した!!

 

ケンイチ

「ッ!?まさか!?」

 

直ぐにメモリーディスプレイを取り出し、画面を見ると…危険度のランクが印されていた!

以前戦った敵にも、危険度が存在しているのだ。

そして危険度は、F~Aのランクによって印され、FEは人間との共存の可能性有り、DCは興奮状態の暴走であり最悪の場合は撃破、BAは侵略目的及び意図的な殺戮や虐殺に捕食等の確実撃破といったモノに分けられる。

最初のケットル星人はBランクで、二番目のノスフェルはAランクである。

因みにツインテールはBランクであり

イカルス星人はAランクである。

だがコレが印されるのはあくまで、

“怪獣”、

“超獣”、

“魔獣”、

“宇宙人”、

“怪人”、

“魔人”、

“妖怪”、

“ロボット”、

“スペースビースト”、

そして“悪魔”、

“天使”、

“邪神”といった、

“ウルトラマン”と関わりを持つ存在にしか反応しないのだ。

 

そして今回の危険度は…信じられないランクだった!

 

ケンイチ

「危険度…“Sランク”だと!?」

 

そう、“Sランク”である!

 

雪菜

「お兄ちゃん!

“Sランク”って…まさか!?」

 

ケンイチ

「最悪の敵だ…まさか嫌な予感が当たるとは…何て事だ!!」

 

リアス

「ケンイチ、いったい何が…?」

 

リアスが心配になって声をかけた。

 

ケンイチ

「リアス、もしかしたら俺は…いや“俺達”は…“死ぬ”かもしれない…!」

 

リアス

「ど、どういう事!?」

 

ケンイチ

「今回の敵は…、

『本物の悪魔だ!』」

 

サーゼクス

「“本物の悪魔”…!?いったいどういう意味なんだい?」

 

“本物の悪魔”で“危険度Sランク”。

コレが意味する答えは…こういうことである!!

 

???

「フッハッハッハッ、冥界に住む下等な“同族”よ…我は貴様らの“主”だ!

跪け!!」

 

『ッ!?』

 

ケンイチ

「ッ!この声…間違いない!!」

 

突如響いたドスの効いた声が、冥界中に響き渡り、冥界中の誰もが震撼した!

そしてケンイチは確信を持った!

そう、“異次元の血塗られた赤い悪魔”である事を!!

そして同時に涼太郎から連絡が入った!

 

涼太郎

『ケンイチ!

今の声聞いたか!?』

 

ケンイチ

「ああ!ザルバの警告は、正しかった!!“ヤプール”が来やがった!!」

 

そう、

“異次元人ヤプール”が…襲来したのだ!

 

リアス

「“ヤプール”って、何者なの?」

ヤプールを知らないリアスはケンイチに聞いた。

 

ケンイチ

「ウルトラ戦士の因縁の宿敵の一体であり、ウルトラ兄弟からは、“本物の悪魔”と呼ばれる異次元人だ!」

 

リアス

「ウルトラ戦士の宿敵という事は…ウルトラマンの敵という事なのね!」

 

ケンイチ

「ああ、そして奴は…幾度倒されても、様々なウルトラ戦士の前に現れては、惨い謀略を用いて苦しめてきたんだ。」

 

朱乃

「待ってケンイチ君!さっき、“ヤプールは幾度倒されても”と言いましたが、何故幾度も復活したのですか!?」

 

ケンイチとリアスの会話に、疑問の単語があったので、朱乃は聞いた。

 

ケンイチ

「それは奴が“不死身”だからだ!」

 

リアス

「不死身!?」

 

朱乃

「まさかフェニックスと同じ能力を!?」

 

この言葉にリアスと朱乃は驚愕したが、考え方が違う事気付くケンイチは、ヤプールの“最悪”の説明する!

 

ケンイチ

「いや、フェニックスの不死身とは次元が違いすぎる。

もっと最悪な不死身だ!」

 

朱乃

「え!?」

 

リアス

「もっと最悪!?」

サーゼクス

「どういう意味なんだい、ケンイチ君?」

 

そして次のケンイチの言葉に、嘗て無い程の驚愕に見舞われた!

ケンイチ

「ヤプールの不死身の意味は、

“生命体がこの世に存在している限り、ヤプールはその生命体の持つマイナスエネルギーを糧としているから”

ヤプールは不死身なんだ!」

 

『ッ!?』

 

サーゼクス

「それはまさか!?逆に言えば、

“あらゆる全ての生命体が消滅しない限り、幾度だって蘇る”という事なのかい!?」

 

ケンイチの言葉の意味に気付いたサーゼクスは驚いた。

 

ケンイチ

「その通りだサーゼクス。

ヤプールは全てのマイナスの感情である、怒り、悲しみ、怨み、苦しみ等を己のエネルギーにしているんだ!

だから奴が完全に消滅には、あらゆる生命が消えなくてはならないんだ。」

リアス

「そんな!?」

 

朱乃

「まるで悪魔でありながら、死神のようですわ!?」

 

ケンイチ

「ああ、そして奴の狙いは…!」

 

漸く理解したリアスと朱乃だが、ケンイチはヤプールの目的を直ぐ察知した瞬間、ヤプールが動く!

 

ヤプール

「聞け!愚かな冥界の悪魔共と雑魚な魔王共よ!

今すぐこの“兄妹”を“追放”し、我の前に差し出せ!!

さすれば貴様ら悪魔共は人間を思いのままにする事が出来るぞ!」

 

ヤプールは冥界中に演説をするかのように己の声を響かせる。

そして、ある“兄妹”を“追放しろ”と要求してきた!

リアス

「ある“兄妹”ですって!?」

 

ケンイチ

「やはりな…奴の狙いは、“俺”と“雪菜”だ!!」

 

朱乃

「どういう意味ですか!?」

 

ケンイチが確信したとき、ヤプールはその“兄妹”の名を言った!!

 

ヤプール

「その兄妹の名は…

“櫂ケンイチ”、

“櫂雪菜”だ!!

この2人は我が憎き、

“光の一族”の力を持つ者だ!!

特に“櫂ケンイチ”はその光の一族の持つ“光の力”が強いが為に、

“光の戦士・ウルトラマンパワード”

に覚醒した“人間”の男だ!!

許されざる存在であるが故に、その妹である“櫂雪菜”も同じだ!

その女は貴様達悪魔の天敵と言える魔力の無効化の武器と術式を持ち、更には光の一族の力を持つ、兄の力の“一部”が流れているのだ!!

決して許される存在では無い!!

三分間の猶予を与えてやる。

必ず差し出せ!!

言っておくが、我の言葉を信じないならば、我が“下部共”を解き放ち、冥界を本物の地獄にしてやろう!

フッハッハッハッ!!」

 

そう言うとヤプールの声は、高笑いと共に遠ざかっていった。

 

通信を繋げていたケンイチは、涼太郎と対策を即時練った。

 

涼太郎

『どうするよケンイチ!ヤプールの眼中には、お前と雪菜だ!みすみす仲間を売るような真似を、俺達が絶対するわけがねえ!!』

ケンイチ

「そいつは理解しているが、此処の冥界の悪魔連中がどう考えているかだ。

それにヤプールは、約束を守るような奴じゃない!」

 

涼太郎

『ああ。只でさえ、人間を見下している奴が、冥界の悪魔を見下さない訳がねえからな。

現に、“愚か”と言ってやがったからな!』

 

ケンイチ

「それ故に、此処の冥界連中がどう反応するかだ。」

 

雪菜

「お兄ちゃん、先ずはみんなと合流しましょう。」

 

ケンイチ

「そうだな雪菜…、涼太郎!鋼賀達とイッセー達を集めといてくれ。

俺と雪菜、リアスと朱乃もそっちに合流する。」

涼太郎

『良し解った!

時間もあまり無え、なるべく早く頼むぜ、“総司令官殿”!』

 

ケンイチ

「なんだよ“総司令官”って?」

 

涼太郎

『何だ?気に入らないか心友?

なら、“大隊長”が良いか?』

 

ケンイチ

「涼太郎…後で覚えてろや…。」

 

ケンイチは涼太郎が地味にからかって来たので、必ず報復する事を予告して通信を切る。

 

ケンイチ

「たくぅ、場が白けちゃったじゃねえか彼奴のせいで…ふう。」

 

リアス

「ケンイチ、どうするの?」

 

ケンイチ

「遅かれ早かれ、後手に回らざるを得ない状態だ。

しかも相手が本物の悪魔だ。

サーゼクス、悪魔連中はどんな感じだ?」

 

ケンイチは現在状況を確認するため、サーゼクスに悪魔達がどんな反応をしているか聞いた。

 

サーゼクス

「これは酷いかもね。仲間の魔王達に聞いてみたけど、魔王を除いて他の悪魔達は質の悪い悪戯だと思って無関心だよ。」

 

ケンイチ

「おいおい…予想より斜め上行っちまったぞ。事は一刻を争うっつうのに!」

 

そう言いつつ、ケンイチは直ぐにグレイフィアに向かい合う。

 

ケンイチ

「取り敢えずグレイフィアさん、悪いけど親父さんとお袋さんとミリキャスを避難させてくれ!

ヤプールの事だ、恐らくとんでもない謀略を張り巡らせているに違いない。

巻き込む訳にはいかねえ!」

 

グレイフィア

「解りました、ケンイチ様。

旦那様、奥様、直ちにご避難ください。」

 

ジオティクス

「解った、ケンイチ君、もし良ければ、今度はゆっくり話そうじゃないか。」

 

ケンイチ

「構いませんよ。

ミリキャス、またな。」

 

ケンイチはミリキャスに別れの言葉を言うと、

 

ミリキャス

「はい。負けないで下さい、ケンイチさん!」

 

ミリキャスなりの応援の声をくれたのだ。

 

ケンイチ

「ありがとな。

頼む、グレイフィアさん!」

 

グレイフィア

「はい、さあミリキャス、サーゼクス様とリアス様、そしてケンイチ様は大丈夫だから、行きましょう?」

 

ミリキャス

「はい、“お母様”。」

 

ミリキャスはグレイフィアに連れられて、ジオティクス、ヴェネラナと共に避難した。

 

ケンイチ

「よし、涼太郎達と合流しよう。

サーゼクス、あんたも手伝ってくれるとありがたいんだが。」

 

サーゼクス

「問題無いよ、冥界を守るのが魔王だからね。」

 

ケンイチ

「そうかい。

んじゃあ雪菜、リアス、朱乃、行くぜ!」

リアス、朱乃

『ええ!』

 

雪菜

「はい!お兄ちゃん!」

 

サーゼクスの協力を得て、ケンイチ達は涼太郎達の下へ向かった…が!?

 

ケンイチ

「…ッ!?」

 

突如、ケンイチが一瞬体勢を崩して膝を着いた!?

 

リアス

「ケンイチ!?」

 

サーゼクス、朱乃

『ケンイチ君!?』

雪菜

「お兄ちゃんッ!?」

 

その光景に心配したリアス達は直ぐに駆け寄る。

 

ケンイチ

「(しまった…やっぱり幾らチートな肉体でも、“連続変身”は流石に応えるか…ヤ、ヤッベェなぁ…!)

大丈夫だ、少し“足がモツレた”だけだ、問題無い、行くぞ。」

 

そう言って再び立って走る。

不安ながらもリアス達はケンイチの後を追ったが、雪菜は見逃さなかった…いや不確定だが、感じた。

兄の“疲労”を…。

 

雪菜

「(お兄ちゃん…まさか!?)」

 

一方、涼太郎達はというと、突然のヤプールの宣戦布告を聞いて、イッセー達を集めて事を説明していた。

 

涼太郎

「いいなお前ら、今の声は質の悪い悪戯じゃないからな!」

 

イッセー

「けど先輩方、どうしてそのヤプールは、ケンイチ先輩を其処まで狙うのですか?」

 

鋼賀

「ヤプールはウルトラマンの宿敵の1人だ。永久の如く、長きに渡って激闘を繰り広げて来たんだ。」

 

祐斗

「永久の如くって、そんなに長くも!?」

 

涼太郎

「ああ、故に地球侵略を何度も邪魔された上に、侵略を阻止されまくっているんだ。

ウルトラ戦士に怨みがあって当然だから、“最悪のストーカー”だ!」

 

鋼賀

「しかも奴は、あらゆる生物達のマイナスエネルギーを生命力にしているから不死身なんだ。」

 

アーシア

「ふ!?“不死身”ってまさか!?」

 

小猫

「フェニックスと同じなんですか…!?」

涼太郎と鋼賀がヤプールについて説明中、ケンイチもリアス達に説明した“ヤプールの不死身”に反応したイッセー達。

勿論涼太郎と鋼賀は釘を刺す。

 

涼太郎

「悪いがヤプールの不死身は、フェニックスより質が悪いぞ。」

 

祐斗

「どういう事ですか?」

 

鋼賀

「奴は言わば、全ての生命体の負の感情、マイナスエネルギーを生命力にしているんだ。

しかもそれは、この世に生物が存在する限り、奴は何度倒されようとマイナスエネルギーがある限り、何度だって蘇る!」

 

イッセー

「そ!?そんな!?

それじゃあ、どうやっても完全に倒せないという事ですか!?」

涼太郎

「ああ、オマケに奴はウルトラマンを殺す為ならあらゆる外道な手段だって使って来やがる、

“残忍”で“狡猾”で“凶悪”で“邪悪”で“最悪な悪魔”だ!この世界にいる冥界の悪魔とは“別格な程桁違い”だ!」

 

アーシア

「そ!?そんな存在が居たのですか!?」

 

小猫

「どうしてこの世界を狙ったのですか…」

 

涼太郎と鋼賀の説明から、驚愕の事実を知り恐怖するが、

小猫は素朴な疑問を思い出す。

そう、何故ヤプールはこの世界にやってきたのか?

 

涼太郎

「これは予測だが、奴が侵攻した世界は常にウルトラマンが居る世界だ。

故に奴は、何処の世界でもウルトラマンが一人でも居るなら、敢えてウルトラマンの居る世界へ行き、ウルトラマンを殺した上でその世界に居るあらゆる生物を己の手駒として“超獣”に改造するだろう。そしてその後、元居た世界に戻って、光の国のウルトラマン達を挑発する気だ。」

 

イッセー

「ち!?“超獣”に改造って、そんな!?」

 

祐斗

「それに、元の世界に戻って挑発だなんて、何故そのような回りくどい事を!?」

 

鋼賀

「奴と因縁の深い光の国のウルトラマンに突きつける為だ!“貴様達が愛した地球と生命体は、我らヤプールが占領した!”と。

その後で生命体を超獣に改造し、光の国のウルトラマン達・宇宙警備隊と戦争を起こす気だ!」

涼太郎

「オマケにウルトラマンは自責の念を背負う事になっちまう!ヤプールに無理矢理改造されてしまった者が地球の生命体なら特にな!」

 

涼太郎と鋼賀の、ヤプールに対する危険性を知ったイッセーは、戦慄に包まれる。

 

イッセー

「どうすればいいんですか!?」

 

涼太郎

「兎も角今は、ケンイチや部長さん達と合流だ!

表に出るぞ!」

 

涼太郎の統率の下、鋼賀と美琴と翼、イッセー達は会場を後に、表に出た。

 

しかし此処で、ヤプールがトンでもない行動を起こした!

 

ヤプール

「ふん、“ネズミ”がコソコソしよって…しかし冥界の悪魔共は我の言葉を真に受けずにいるとは、人間より愚か過ぎるな。

ならば…冥界に相応しく、地獄を見せてやろう!!

パワード暗殺計画の始動だ!」

 

異次元空間で冥界を見ていたヤプールは、自分の思っていた通りに事が運んでいた為、直ぐに決行した。

そう…、“ウルトラマン暗殺計画”を!!

 

ヤプール

「行け!

超獣共!怪獣共!

冥界を本当の地獄に招いてやれ!

そして行け!

ロードよ!

ショッカー戦闘員を引き連れて、“ネズミ共”を始末しろ!」

 

ヤプールが号令を出した!まだそれ程時間も経っていないのに!!

 

そしてその号令を合図に…“地獄”が、始まってしまった…!!

 

冥界の空が…硝子が割れるかの如く亀裂が入り、大きな音を立てながら砕け、禍々しい異次元空間が現れた!

 

冥界悪魔、特にルシファード領の誰もが目に入った。

 

ケンイチ

「ちぃッ!?やっぱり野郎は、最初っから時間通りに待つ奴じゃなかったか!!」

 

リアス

「な…何なの?

空が割れるなんて!?」

 

サーゼクス

「あの禍々しい異空間はいったい!?」

 

涼太郎達と合流するためにケンイチ達は疾走していたが、ケンイチが空の割れる音が聞こえたと言って、外に出たので後を追った為、リアス達はこの現象を目の当たりにしたのだ。

そして異次元空間から、合計“8体”の“怪獣達”が、姿を現し、冥界の地に降り立った!!

それは…ケンイチにとっても、悪い意味で印象に残っている怪獣達だった!

 

ケンイチ

「な!?あれは!?

“宇宙大怪獣ベムスター”!

“どくろ怪獣レッドキング”!

“殺し屋超獣バラバ”!

“超古代怪獣ゴルザ”!

“超古代竜メルバ”!

“宇宙海獣レイキュバス”!

“宇宙戦闘獣コッヴ”!

“奇獣ガンQ”!」

 

それは正く強敵の揃いの怪獣である。

ベムスター、レッドキング、バラバ、ゴルザ、メルバ、レイキュバス、コッヴ、ガンQの8体は、歴戦のウルトラ戦士達と激闘を繰り広げた怪獣達である!

特にベムスターはウルトラ兄弟のジャックやタロウ、メビウスに対して圧倒的な戦闘力を見せた程である。

ジャックは己の技が全て通用せず、撤退に追い込まれてしまい、タロウは一度完敗してしまい、メビウスに至っては喰われかけたのだ。

更にベムスターはウルトラ兄弟以外にも、ヒカリやゼロ、ギンガとビクトリーにエックス、そしてウルトラマンオーブらを相手に戦い、何れもその戦闘力で苦戦させたのである!

更にウルトラ戦士を敗北に追いやった者ならば、レイキュバスも同じである!

奴はウルトラマンダイナが、まだ伝説の英雄になる前に激突しており、怪獣では珍しい属性チェンジを持ってフェイントを仕掛け、ダイナを氷漬けにした程の実力者である!

他にも今現れた怪獣達の殆どがウルトラ戦士達と何度かに渡って戦ってきた強敵が多いのだ。

『わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?』

 

『いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?』

 

明らかに見たこともない魔獣やドラゴンとも違う、大怪獣を目視したルシファード領の悪魔市民は、パニックを起こし、我先へと逃げる!

 

 

サーゼクス

「なんという事だ!?

ドラゴンなんてちっぽけに思える程の威圧と迫力を感じるじゃないか!?」

 

ケンイチ

「クソッ!ヤプールめ!よりによって強豪揃いの怪獣達を差し向けるとは!?」

 

雪菜

「マズいです!お兄ちゃん!」

 

怪獣達を見てサーゼクスやリアス、朱乃は戦慄に駆られ、ケンイチと雪菜は冷や汗を垂らしている。

 

涼太郎

「ケンイチ!!」

 

ケンイチ

「ッ!涼太郎ッ!みんなッ!!」

 

其処に、建物内に居た涼太郎達が合流した。

 

鋼賀

「すまない、お前の気配を探すのに苦労した。」

 

涼太郎

「結構ヤバいぜコレは!?

お前の嫌な予感はかなりの確率で当るけど、今回に限ってヤプールに加えて大量の、しかも強豪揃いの怪獣達だぞ!

どうする!?」

 

ケンイチ

「どうするもこうするも無えよ!

先ずはサーゼクス、今直ぐにこの領内の悪魔に通達してくれ!

“戦えない者は避難を!戦える者は戦えない者の護衛をしろ!”

という通達を頼む!」

 

サーゼクス

「しかしケンイチ君、まさか君達だけで戦うつもりかい!?」

 

ケンイチ

「んなわけ有るか!

ただ“信用出来る奴”に頼みたいんだ。

あんたやリアス達とかな。」

 

サーゼクス

「そうか…わかった。直ぐグレイフィアと一緒に領内の皆に通達しよう。」

 

ケンイチは、自分達が戦い易いように、サーゼクスに領内の者達に避難指示を出すよう頼み、サーゼクスは全体に通達するために転移した。

そして、行動を起こそうとケンイチ達。

 

とその時!!

 

…クケケケケ…

 

ケンイチ、涼太郎、鋼賀

『ッ!?』

 

突如不気味な笑い声が、ケンイチ達3人に聞こえた!

そして3人は警戒しながら周りを見渡す。

 

朱乃

「ケンイチ君?

どうしたのですか?」

 

朱乃が気づいて少し近づいた瞬間!

 

ザルバ

『鋼賀ッ!嬢ちゃんの上だ!!来るぞぉッ!!』

 

鋼賀

「ッ!ケンイチ!涼太郎!」

 

ケンイチ

「みんな伏せろッ!!」

 

リアス達

『ッ!?』

 

涼太郎

「“死”にたくなかったら言うとおりにしろッ!!」

 

雪菜達

『ッ!?早く伏せて!!』

 

ケンイチ達が伏せろと大声で言って戸惑うリアス達は理由を聞こうとした途端、兄達の意図に気付いた雪菜達は直ぐさま伏せさせた!

 

そして!

 

ケンイチ

「頼む!鋼賀ぁッ!!」

 

鋼賀

「承知…ハアアアアッ!!」

 

そして、鋼賀はケンイチの指示に動き、赤鞘から牙狼剣を瞬時に引き抜き、刀身をザルバに近付けて、烈火炎装を発動し、牙狼剣を天に向けた!!

 

すると!?

 

???

「グギャアッ!?」

 

鋼賀

「オオオオッ!!ハアッ!!」

 

???

「ギャアアアアッ!?」

 

“黒い何か”が牙狼剣に突き刺さった!

そして鋼賀は突き刺さった牙狼剣を振り下ろし、その“黒い何か”を切り裂き、“黒い何か”は燃え盛りながら、爆死した!!

 

ザルバ

『流石だぜ鋼賀!

ケンイチと涼太郎もそうだが、翼達も良く鋼賀達の意図に気付いたな!』

 

「当然だザルバ、お兄さまにケンイチさんと涼太郎さんがあんなに急かす程の大声をあげるのだから。」

 

美琴

「となれば、相当ヤバいって訳なのだから、」

 

雪菜

「瞬時に解ったという事です。」

 

イッセー

「せ、先輩?いったい何が?」

 

困惑のリアス達を代表して、イッセーが質問したのだ。

 

ケンイチ

「新手だ。

それもヤプール程ではないが、かなりヤバいタイプで質が悪い“奴ら”の可能性高い。」

 

イッセー

「“質の悪い奴ら”…ですか?」

 

イッセーがケンイチに問おうとした時、涼太郎が声を上げた!

 

涼太郎

「ケンイチ、今のは間違いねえ!

“クロウロード”だ!」

 

ケンイチ

「やはり

“アンノウン”か!

となると最早猶予は無いな。

涼太郎、鋼賀、皆を頼む!」

 

鋼賀

「ああ…友よ、絶対に死ぬなよ!」

 

涼太郎

「必ず生きて帰って来いよ心友!」

 

ケンイチ

「ああ!」

 

ケンイチは涼太郎と鋼賀に雪菜達とリアス達を任せて、フラッシュプリズムを取り出して、変身しようとする…が!!

 

ケンイチ

「ッ!?(ガクッ!!)」

 

なんと、再び膝を着いてしまった!?

いったいどうしたというのだ!?

ケンイチ君!!

 

涼太郎、鋼賀、リアス

『ケンイチ!?』

 

美琴、イッセー、祐斗、小猫

『先輩!?』

翼、アーシア

『ケンイチさん!?』

 

朱乃

「ケンイチ君!?」

 

雪菜

「お兄ちゃん!?」

 

この光景に涼太郎達とリアス達は驚き近付く。

 

ケンイチ

「(や、ヤベェ…やっぱり、連続変身が祟ったか!?

少し前は、問題無かったが…ちょっと怠いぜぇ…。)」

 

そう…彼は今、己のミスで大ピンチに陥った!

 

何故ならウルトラマンへの連続変身は、自殺行為に近いのだ。

それは、体力とエネルギーを激しく消耗するため、充分に回復しなかれば、身体に異常が発生するのだ!

現に地球を防衛の任に就いていたウルトラマンメビウスは、回復していていない身体で無理に連続変身を行い、満足に戦えずに一方的に攻められたり、さらには最悪な事にその連続変身が祟り、変身不能に陥った程である。

そして今回のケンイチの場合は、ただでさえメビウス以上に、1日で既に三回も変身しているため、凄まじく体力を消費してしまったのだ!

そして若干感づいていた雪菜は、遂に確信を持って切り出した。

 

雪菜

「お兄ちゃん、駄目です!!今の体で戦えば“死んでしまいます”!」

 

リアス達

『ッ!?』

 

雪菜がケンイチに放った、“死んでしまう”という言葉に、リアス達が反応した!

そして涼太郎達は察した!

 

鋼賀

「バカッ!?なんで黙ってた!?」

 

涼太郎

「お前、最後に変身したのは何時だ!?」

 

ケンイチ

「数分前だ…ちょっと、子どもに頼み事をされたからな。」

 

鋼賀

「全く、トンだお人好しだな。」

 

涼太郎

「其処が良いところだが、こうなっちまったら元も子もねえよ!

少しは考えてやってくれ!」

 

ケンイチ

「わかっているが…兎も角今は怪獣達や超獣達が先だ!

悪いが、行かせて貰うぜ!!

“これら”は預けておくから、“アンノウン”は任せた!!」

 

涼太郎、鋼賀

『待てッ!?ケンイチッ!!』

 

リアス、朱乃

『ケンイチッ!?(ケンイチ君ッ!?)』

 

美琴、イッセー達

『先輩ッ!?』

翼、アーシア

『ケンイチさんッ!?』

 

雪菜

「お兄ちゃんッ!?」

 

ケンイチは友と妹に“あるもの”を託して、皆の制止を振り切り、走り出す!!

その涼太郎の手には、“メモリーディスプレイ”が、そして雪菜の手には“バトルナイザー、カプセル怪獣、怪獣ボール”が握られていた。

そしてケンイチは、冥界を蹂躙する怪獣達と超獣達に向かって走りながら、フラッシュプリズムを手にして、“もう一つの魂”の名を叫ぶ!!

 

ケンイチ

「ウルトラマンッ!!パワァァァァドォッ!!!!」

 

輝かしき光が彼を包み込み、右腕を大きく天に突き出し、左腕は拳が耳元の近くに来るように肘を曲げて、ウルトラマンが姿を現した!!

(身長は勿論本来の55㍍)

 

そしてウルトラマンの出現は、怪獣達と超獣達も気付き、上空の異次元空間に居るヤプールも、思ったより早い“怨敵”の出現に少し嬉しそうな声を出した。

 

ヤプール

「ほぉ…現れたのが随分早いな、追放された訳では無いようだな?

わざわざこ奴等を護るために出て来たか?

だが、コレだけの超獣共と怪獣共を相手にたった1人でどう戦う、ウルトラマンパワード?

クックックッ…。」

 

何とも不気味で不吉で物騒なセリフを言葉にして傍観者となる悪魔・ヤプール。

 

そして場所は冥界に戻り、ウルトラマンがデカく成ったことにリアス達は驚いていた!

なんせ彼の姿を見ていた時は等身大(約2㍍)であった為に、本来の大きさを知らなかったのだ!

 

イッセー

「ええぇーッ!?

せ、先輩がめっちゃデカくなったーッ!?」

 

リアス

「ど、どういうこと!?どうして!?」

 

そんなリアス達に、涼太郎が軽く説明する。

 

涼太郎

「あ~、あれが本来のウルトラマンの大きさなんだ。

ウルトラマンは殆どが自分の身体を調整出来るから、ミクロ化も出来るんだ。」

 

涼太郎の軽い説明に、リアス達はそれでも驚きを隠せないのだ。

とここで、鋼賀とザルバが口を挟む。

 

鋼賀

「涼太郎…どうやら、戯れは“此処まで”のようだ。」

 

ザルバ

『来るぞぉ!“奴らが”!!』

 

すると、鋼賀とザルバの声に反応するかのように、

“グレーの歪み”

が出現した!

 

その歪みに警戒するリアス達。

一方の涼太郎達は大方何が来るのか予想がついていた。

何故ならこの歪みは…“大ショッカー”、即ち“ショッカー”が用いる次元移動方法である!

そして中から、“奴ら”が現れた!

 

『イーッ!イーッ!イーッ!イーッ!』

 

歪みから現れたのは、全身黒タイツに骸骨の如き骨の模様が描かれた集団、

“ショッカー戦闘員”

であった!

 

涼太郎

「ちぃッ!

やっぱり出たな!

“ショッカー”!

しかも“ロード怪人”も同行してやがったから、

“大ショッカー”か!」

 

鋼賀

「かなり厄介だな。」

 

更に戦闘員の後方から、新たな怪人が姿を現した!

その怪人は、黒みがかかった青い体色に、エジプトの古代人のような姿に、顔はまんま“蛇”、それも最強の“コブラ”の顔をした怪人、

“スネークロード”

だった!

 

「明らかに一筋縄ではいかない敵ですね、生きて帰れるでしょうか?

お兄さま?」

 

鋼賀

「解らない…俺達は兎も角、ケンイチが心配だ。」

美琴

「マジでヤバいって兄さん!

本当に迫るショッカーだよ!」

 

涼太郎

「お前さり気なく上手いことを言うなよ!

兎も角、新たな“ロード怪人”が来るとはなぁ。

しかも蛇型の、

“スネークロード”

じゃねぇか!」

 

鋼賀

「皆、戦えるな?」

 

鋼賀の言葉にリアス達は戦闘体勢に入るが、朱乃だけは、少しだが震えていたのだ。

 

雪菜

「朱乃先輩?」

 

雪菜がそれに気付いた。

 

朱乃

「だ、大丈夫ですわ、雪菜ちゃん。」

 

雪菜に心配されつつも、朱乃は気を奮い立たせて戦闘体勢を整える。

涼太郎

「よし、なら鋼賀!翼!変身だ!

直ぐに片を着けて、ケンイチを援護するぞ!」

 

鋼賀

「ああ、行くぞ!」

 

「はい!」

 

涼太郎はダブルドライバーを巻き、鋼賀は赤鞘から牙狼剣を引き抜き、切っ先を天に向ける!

そして翼は、天羽々斬のアームド・ギアを取り出し、そのアームドギアの持ち手を逆さまし、そこに内蔵してあるシンフォギアのコンバーターに“聖詠”を口ずさむ!

 

[Imyuteus amenohabakiri tron…!]

(エミュテウス アメノハバキリ トローン…!)

 

それと同時に鋼賀は、天に突き刺した牙狼剣で円を描き、牙狼剣を振り下ろし、涼太郎はCメモリを左手に、Mメモリを右手に持ち、メモリのボタンを押して腕をクロスさせ、フレーズを口にしてドライバーに挿し、ドライバーを開く。

“サイクロンッ!”

“メタルッ!”

 

鋼賀

「ハアァァッ!!」

 

涼太郎

「変身ッ!!」

 

“サイクロンッ!!”

“メタルッ!!”

 

 

三人の同時の“変身”によって、翼は青白い光に包まれてシンフォギアアーマー・天羽々斬を身にまとい、鋼賀は描いた光の円の中から現れた魔天使達が金色の鎧を一部ずつ鋼賀に装着させていき、最後の頭部は鋼賀が相手を睨みつけるかのように顎を引き締めると、金色の狼が鋼賀を覆う形で装着され、黄金騎士牙狼となる。

そして涼太郎は、体の右側が緑、左が銀の仮面ライダーダブル・サイクロンメタルとなり、背負っていたメタルシャフトを手にする。

(BGM:Beyond the BLADE)

 

ダブル

「みんなッ!良いな?」

 

牙狼

「待て、また何か来るぞ!」

 

戦闘を開始使用としようとしたその時、再びグレーの歪みが現れた。

そしてその歪みから新たな怪人が姿を現した!

その怪人は、先ほどスネークロードと違うが、共通するものがあった。

それは容姿がエジプトの古代人のような容姿であったから。

そして体は黒く、顔はまるで、犬や狼に近い顔をしていた。

何よりも人間界の神話に伝わる冥府神アヌビスに酷似していた!

 

ダブル

「ッ!?“ジャッカルロード”!!

マズい、ロード怪人が二体になるとは!

鋼賀!“ジャッカルロード”を頼めるか!?」

 

牙狼

「涼太郎、水くさい話は無しだ。」

 

ダブル

「サンキュー。

部長さん、美琴達も一緒に戦闘員の群れを頼む!

トンでもねえ数だだから。」

 

リアス

「だけど!」

 

リアスは涼太郎の頼みに躊躇するが、

 

雪菜

「ダメです!リアス先輩!あの二体は

“闇の神”に付き従う“凶悪な天使”なんです!!」

 

朱乃達

『ッ!?』

 

リアス

「なんですってッ!?

あの“二体が天使”ですって!?」

雪菜の“天使”の単語に動揺した!

 

イッセー

「て、て、天使!?

あの怪人が!?

そんな!?

あれが天使だなんて!?」

 

美琴

「悪いけどマジよ!

彼奴等は、“普通の人間”を脅かす者を殺す凶悪な連中よ!」

 

祐斗

「“普通の人間”を脅かす者を殺す者?

それは人間の味方なのかい?」

 

「人間の味方であるものか!!

確かに奴らは、人間に害を加える存在を抹殺した事もあるが、奴らの真の行動理由は、“力の無い”人間には手は出さないが、“微量”でも“人の領域を超える可能性”がある“力を持つ”人間を恐れており、そして力を持つ者なら“赤子”だろうと“老人”だろうと、“胎児”にだって牙を向けるとんでもない“悪魔のような天使”なのです!!」

アーシア

「そ、そんな!?

そんな行いは天使にあるまじき行為です!!」

 

ダブル

「故に奴らの今のターゲットは、今此処に居る俺達だ!

だから、ロード怪人の事を詳しく知っている俺と鋼賀があの二体を相手するんだ!

それに戦闘員だって、数が多いと厄介なんだ!

頼む!」

 

ダブルの懸命な頼みに、リアスは首を縦に振った。

 

リアス

「…解ったわ。

必ず直ぐに援護に向かうわ!

朱乃!皆!」

 

朱乃達

『はい!部長!』

 

リアスは直ぐに朱乃達と共にショッカー戦闘員の迎撃に向かう!

 

牙狼

「翼、美琴、雪菜。

お前たちもリアス部長と共に奴らを迎え撃て。

必ず生きて帰るぞ!」

 

「はい!お兄さま!」

 

美琴

「オーライ!鋼賀先輩!」

 

雪菜

「もちろんです!先輩!」

 

そして雪菜達も牙狼の指示の下、リアス達と共に向かう!

 

牙狼

「よし、行くぞ!涼太郎!」

 

ダブル

「おうさ!

さあ来いよ!ロード!

俺達が相手になってやるぜ!」

 

スネークロード

「シャァァ…!」

 

ジャッカルロード

「グルル…!」

 

二体のロードがダブルと牙狼を視認すると、二体は共通して、右手を左肩に持って行き、更に下へスライドさせ、左の腹部にまで移動させた後、その右手を横からなぞるように左手を動かす。

これはロードが共通して、相手を抹殺する際に行う儀式である!

そして二体のロードの頭上に光の輪が現れ、其処に手を入れて武器を手にする。

スネークロードは、

『審判の杖』の呼ばれ、生身の人間ならば即猛毒によって瞬殺出来る危険な杖手に、

ジャッカルロードは、

“断罪の大鎌”と呼ばれ、如何にも死神の鎌と呼ぶに相応しい大鎌を手に、

二体は構える。

 

ザルバ

『気をつけろよ!

鋼賀!涼太郎!

ヤバい気がビンビンにするぜ!』

 

牙狼

「解っている!」

 

ダブル

「行くぞ!」

 

ダブルは牙狼は、それぞれメタルシャフトと牙狼剣を構えて突撃し、

 

スネークロード

「シャァァ…!」

 

ジャッカルロード

「グルル…!」

 

二体のロードも同じく迫り、それぞれの武器が火花を散らし、鍔迫り合いになる!

 

一方、ウルトラマンは…、

 

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

冥界を蹂躙するヤプール率いる怪獣軍団に立ち向かって行った!

 

ゴルザ

「グオオオンッ!!」

 

レッドキング

「グウウッ!!」

 

ウルトラマン

「シャッ!ダアッ!」

 

最初に向かってきたゴルザとレッドキングのフック攻撃を前転で避けて、瞬時に二体にチョップを放ち、更に二体を掴んでお互いをぶつけさせる。

 

バラバ

「ギィィィンッ!」

 

メルバ

「クエェェッ!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?フアイッ!」

 

更にバラバとメルバの二体が迫り、バラバの鎌とメルバの爪がウルトラマンに迫るが、寸で回避した!

だが其処に!?

 

レイキュバス(炎)

「キュゥゥゥッ!!」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

レイキュバスが、ウルトラマンの回避先に火炎弾を命中させた!

 

ウルトラマン

「グアァッ!?

(クソッ、やはり数が多い!)」

 

レッドキング

「キィハアッ!!」

 

コッヴ

「ギャアアッ!!」

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

ダウン状態から起き上がったウルトラマンに、コッヴとレッドキングが飛び道具を放つ!

 

ウルトラマン

「フルレェッ!?

ゲアァァァ!?

(なん…だと!?

このレッドキング、“どくろ怪獣”じゃねえ!?

“装甲怪獣”じゃねえか!!

クソッ!マジで厄介だ!)」

 

なんと!ウルトラマンが、まさかの読み違いを起こした!

何故なら、“飛び道具”を使うレッドキングは、彼が知る限りでは、ウルトラマンマックスと戦った、“どくろ怪獣レッドキング”ではなく、“装甲怪獣レッドキング”の方であった!

故に厄介なのは其れだけではない!

そのレッドキングの体内には、飛び道具の元である爆発製を秘めた岩石がびっしり詰まっている。

つまり、下手に倒せば大爆発を起こし、このルシファード領が消し飛ぶ可能性が有り得る!

かつてウルトラマンが二代目レッドキングと相対した時に、そのレッドキングが水爆を6個を飲み込んだ状況に似ているが、今回は更に他の怪獣達もいるのだ。

状況は極めて最悪だ!

 

ウルトラマン

「(更にベムスターやガンQも居るんだよな…クソ!兎も角短期決戦で一体ずつ確実に仕留めねえと!)

ヘアッ!フアイッ!」

 

ウルトラマンは、短期決戦へと行動を移し、ベムスターにパワードスラッシュを放った!

 

しかし!?

 

ベムスター

「キュエエエッ!!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?

(何ッ!?クソッ!

ベムスターめ!

八つ裂き光輪も吸収するのかよ!?

純粋な光線だけじゃねえのかよ!?)」

 

ベムスターの持つ、腹部の口の用途の広さに毒づくウルトラマンだが、更に予想だにしない事態が起こる!

それはベムスターの傍に居たガンQの目が歪んでいた!

 

ガンQ

「キュゥゥゥッ!!

ぺッ!!」

 

そして歪んだ目から、驚く事に先ほどベムスターに吸収されたパワードスラッシュが飛び出したではないか!?

 

ウルトラマン

「シャッ!?カアァ!?

(ぐ!?クソ、マジ…かよ!?まさかベムスターとガンQが、あの“ベムQコンビ”だったとは!?)」

 

“ベムQコンビ”…、

それはベムスターが相手の光線を吸収し、ガンQが吐き出して攻撃するというとんでもないコンビネーションであるのだ!

 

ウルトラマン

「(クソッ!どうすればいいんだ!?[ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!]ぐッ!?や、やべえ…!?無茶が祟っちまった!)

フルレェッ!?」

 

とここで遂に無茶したツケが来てしまった!

 

本来は、ウルトラコンバーターによってエネルギー切れによって倒れる心配を無いのだが、ウルトラマン=ケンイチはたった1日で連続変身を行使したため、体力を消耗したからカラータイマーが点滅しだしたのだ!

 

ヤプール

「お…?

随分早いな、エネルギー切れを起こすのは。

だが好機なり、ウルトラマンを抹殺しろッ!」

 

そのヤプールの号令によって、怪獣達が一斉に飛び道具で攻撃する!

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?

(があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?)」

ベムスターのベムスタービーム、

レッドキングの岩石爆弾、

バラバの火炎放射、

ゴルザの破壊超音波、

メルバのメルバニックレイ、

レイキュバスの火炎弾、

コッヴのコッヴショット、

ガンQの破壊光線をモロに受けたウルトラマンは、凄まじく吹き飛び、ルシファード領にある建物の上に落下したため、倒壊させてしまった!

 

雪菜

「…ッ!お兄ちゃんッ!?」

 

兄が怪獣達の総攻撃によって吹き飛ばされた事に、雪菜は戦闘中に声を上げた。

 

「雪菜!今は眼前の敵に集中しろ!」

 

アームドギアで、戦闘員をバッタバッタと切り倒していく翼は、雪菜にそう言った。

雪菜

「ですけど!

このままじゃ、お兄ちゃんが危険です!!」

 

美琴

「アタシらだって解ってるよ!

だけど先輩を援護出来るヒトは限られてる!

それに戦闘員が無駄に多いから尚難しいわよ!」

 

地面を軽く破壊して、其処から電撃を利用して砂鉄を纏めて剣状にした得物、

[砂鉄剣(エレクトロフェンサー)]を振るって戦闘員を迎撃する美琴は、雪菜の悲痛を理解しつつも、眼前に集中するように言う。

 

イッセー

「くっそぉ!

わらわらと群れてきて、全然減らねえ!」

 

アーシア

「イッセーさん、ご無理なさらないでください!

イッセーさんにもしもの事があったら!」

 

祐斗

「そうだよイッセー君!

あまり無理は駄目だよ、君は病み上がりなんだから!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

小猫

「そうです…。」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

イッセー

「解ってる…解ってるよ!

けど俺が不甲斐ないせいで、俺の為に力を使いまくって、エネルギーが足りない状況なのに、皆を守ろうとして、先輩が必死で戦ってるんだ!

先輩の弟子である俺が、こんな所でへこたれる訳にはいかねえだろ!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?』

 

イッセー達はアーシアを護りつつ、3人で戦闘員を迎撃していた。

ショッカー戦闘員自体は、戦闘力が常人より多少上なだけの改造人間であるため、元々戦い慣れしている祐斗と小猫は勿論、ケンイチと雪菜に戦闘の指導を受けていたイッセーは難なく立ち回っていた。

 

だがイッセーは、自分の為に殆ど力を使い、今尚身体が危険な程疲労しているにも関わらず、皆を守ろうとしているケンイチ=ウルトラマンを見て、祐斗や小猫以上に果敢に戦闘員を攻める。

 

リアス

「消し飛びなさいッ!!」

 

朱乃

「雷よ!ハアッ!!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?イーッ!?イーッ!?イーッ!?』

 

リアス

「拙いわ!

余りにも多すぎる!」

 

朱乃

「このまま持久戦が続けば、確実に誰かがやられてしまいますわ!」

 

リアスと朱乃も、お互いの息のあったコンビネーションで、戦闘員を殲滅していくが、わらわらと蟻のように、無駄に現れる戦闘員に、2人は着地して背合わせになる。

 

リアス

「早く全滅させて、ケンイチと涼太郎、鋼賀の援護をしないといけないのに!!」

 

朱乃

「…まるで、“それを見越している”かのような大群ですわ。」

 

リアスと朱乃は直ぐに宙を舞い、再び戦闘員に攻撃を仕掛ける。

 

そしてダブルと牙狼は、闇の神に仕える邪悪な天使、二体のロードを相手にしていた。

 

ダブル

「ハアッ!デエイッ!オリャアッ!」

 

スネークロード

「シャァッ!」

 

ダブルとスネークロードは、お互いのロッドから火花が散る程の凄まじい攻防が繰り広げられている!

 

牙狼

「ハッ!!ふんッ!!」

 

ジャッカルロード

「グルルッ!!」

 

牙狼とジャッカルロードも剣と大鎌を交差させ、火花が散っていた。

 

ジャッカルロード

「ガウッ!」

 

するとジャッカルロードは、埒があかないと考えたか、凄まじいスピードで走り出す!

牙狼

「ッ!なんて速さだ!」

 

ザルバ

『鋼賀、落ち着け。

動きに惑わされるな、音を聞き取れ。

お前さんなら、問題無いだろう?』

 

牙狼

「ふッ、愚問だな、ザルバ。

俺を誰だと思っている。」

 

ザルバ

『そうだったな、鋼賀!』

 

牙狼=鋼賀は、ザルバの助言に耳を傾け、ガロフェイスの中で目を瞑り、精神を研ぎ澄ませる。

その微動だにしなくなった姿勢を見たジャッカルロードは好機と判断し、大鎌を振るいながら牙狼に飛び出した!

 

牙狼

「…ッ!そこかぁッ!!」

 

バキィッ!!

ジャッカルロード

「グガアァッ!?」

 

常人に聞こえる事は無い僅かな音を聞き取り、位置を割り出した牙狼は、振り向きざまにストレートパンチを繰り出し、ジャッカルロードに命中させた!

 

ザルバ

『流石だぜ鋼賀!

ドンピシャじゃねぇか!』

 

牙狼

「このまま続ける!」

 

牙狼はそのままジャッカルロードを追撃する。

 

スネークロード

「シャァッ!」

 

ダブル

「ちぃッ!?

この野郎!突風を吹かせやがって!?

まどろっこしいッ!」

 

一方のダブルも、スネークロードと戦闘中だが、予測不能と言ってもいいスネークロードの突風攻撃に参っていた。

ダブル

「こうなったら賭けてみるか?来いッ!“ファング”ッ!」

 

Fメモリ

『ギャアアオオッ!!』

 

ダブルは戦況を打開すべく、賭けとしてF(ファング)メモリを呼び出した!

そして、今までどこに居たのか?

ダブルの声に反応して、野獣のような鳴き声と共に恐竜のような小型のロボットに見えるFメモリが現れ、ダブルの手に収まる!

 

ダブル

「力を借りるぞファング!」

 

ファングメモリ

『ガオッ!』

 

ダブルはファングメモリを畳むように変形させ、尻尾となる後部を回転させてメモリを出現させる。

 

スネークロード

「シャァッ!」

 

ダブル

「ッ!?危ねえッ!!」

 

だがその一連の動作を、スネークロードが見逃す筈も無く、不意打ちを仕掛けてきた!

ギリギリ避けたダブルはMメモリとCメモリを直ぐに抜き、Jメモリを取り出し、ドライバーに挿す。

 

ダブル

「ファングのお出ましだ!

見せてやるぜロード、今の俺の“全力”をよッ!!」

 

『ファングッ!』

 

ダブルは左手に持ったFメモリを右のスロットに挿すと同時に開き、ファングの胴体を、ドライバーに被せるように引き倒す。

 

『ファングッ!ジョーカーッ!』

 

するとまるでファングメモリは、恐竜の顔に成り、“メモリを食っている”かのような印象になった。

 

そしてダブルは、目つきが鋭く、右側が白、左側が黒の、身体能力ならばどのフォームの追随を許さない強力な形態、

『ファングジョーカー(FJ)』

にチェンジした!

 

スネークロード

「クシャァッ!?」

 

ダブル

「さてと…悪徳天使さんよ、地獄の底まで…俺と“相乗り”しろやッ!」

 

FJにチェンジしたダブルは、猛々しい獣の如き構えで向かって行く!

 

ダブル

「ふんッ!ウォッ!ワァッ!」

 

スネークロード

「グワギャッ!?」

 

ダブルの凄まじい猛攻にスネークロードは一気に形勢を逆転された。

 

ダブル

「へッ!先ずは“コイツ”を受けてみろ!」

 

そしてダブルは、顔となったFメモリの先端である角を一回叩く。

 

“アームファングッ!”

 

ダブル

「ふんッ!」

 

するとその音声と共に、右手首から白い刃、“アームファング”が姿を現す!

 

ダブル

「ウォラァッ!!」

 

スネークロード

「グシャァッ!?」

 

其処からは、明らかに一方的に殴りつつ切り裂きまくる!

まるでヤクザの如くに!

更にFJは戦闘力がどのフォームよりも高いため、破壊力抜群のパンチがスネークロードに炸裂しまくる!

ダブル

「ふんッ!!ダァリャァッ!!ウォリャァッ!!」

 

スネークロード

「グワギャッ!?」

 

最後の一撃を受けたスネークロードは見事にぶっ飛ばされた!

そして…ダブルには幸運を、ロード達には不幸を与えた。

 

それは…、

 

ジャッカルロード

「グガアァッ!?」

 

スネークロード

「グワギャッ!?」

 

なんと!?

牙狼と交戦中のジャッカルロードの上にのしかかる形でぶっ飛ばされたのだ!

 

牙狼

「ッ、涼太郎!」

 

ダブル

「おう鋼賀!

邪魔したか?」

 

牙狼

「いや、逆に良いタイミングだった!」

 

ダブル

「そりゃあ何よりで!」

 

ダブルと牙狼がお互いを確認しあうが、ロード達はと言うと…?

 

ジャッカルロード

「ガウッ!!ガウガウガウッ!!」

 

スネークロード

「シャァッ!?シャウシャウ!!」

 

…揉めていた…。

なんとも言い難い光景である。

 

ザルバ

『おい鋼賀、涼太郎、奴らが揉めているぞ?』

 

牙狼

「なんとも言えないな。」

 

ダブル

「だが寧ろチャンスだ、一気に奴らを畳み掛けよう!

俺が奴らを怯ませる。

鋼賀はその間に準備しといてくれ!」

 

牙狼

「承知。

直ぐ片づけてケンイチを援護しなければ、取り返しがつかなくなる!」

 

ダブル

「だな、良し行くぜ!」

 

その間にダブルと牙狼は、ロード達を仕留めるため行動に出る!

そしてダブルは再びファングの角を叩くが、今度は二回叩いた。

 

“ショルダーファングッ!”

 

すると手首に装着していた刃が今度は右肩に現れた!

そしてその刃を手に取る。

 

ダブル

「コッチを見ろや!

ロード共!食らえ!

ファングブーメランッ!」

次に刃を、文字通りブーメランのように投擲する!

コレがショルダーファングの特徴である!

 

ロード達

『ッ!?グワギャッ!?』

 

鋭いブーメランとなった刃は、ロード達の至る所を切り裂きまくる!

 

牙狼

「ハア…、ふんッ!!」

 

そして牙狼は、牙狼剣に炎を灯し、それを地面に突き刺す!

 

すると地面から緑の炎を纏った“鳳凰”が出現した!

 

そして牙狼は、その背中に飛び乗り、ロード達に突撃する!

 

牙狼

「凰牙烈空(おうがれっくう)ッ!!

つアァァァァァァッ!!」

 

ロード達

『グギャアァッ!?』

 

牙狼の放った凰牙烈空は、ロード達に命中し燃え盛る!

 

ダブル

「ラストはコレで決まりだ!」

 

そこにダブルが、ファングの角を三回叩く!

 

“ファングッ!マキシマムドライブッ!!”

 

ダブル

「行くぜ!ハアッ!!」

 

それはマキシマムドライブの発動であった!

マキシマムを発動したダブルの右足首に刃が現れ、ダブルは大ジャンプからライダーキックの構えを取りつつ、身体全体を逆時計周りに高速回転させる!

それはもう目が回るんじゃないかと言わんばかりの速度で!

 

ダブル

「ファングストライザァァァァァァァッ!!!」

 

ロード達

『ガアァァァァッ!?』

 

未だに牙狼の攻撃で燃えているロード達に、駄目押しのFJが放つ必殺技、ファングストライザーが炸裂した!

 

そしてダブルが着地した後、ロード達は一瞬動かなくなり、上半身と下半身がズレて消滅した!

 

牙狼

「良し!片付いた!」

 

ダブル

「なら急ごうぜ!

ケンイチが危ねえッ!!」

 

ダブルと牙狼がロード達を撃破し、ウルトラマンの援護に向かうために駆け出す!

 

一方、雪菜達も一気に決めるために動き出す!

 

「このままでは埒があかない!

雪菜!美琴!

我々の大技を奴らにお見舞いするぞ!」

 

美琴

「オーライ、翼!

いっちょ、

“超電磁砲(レールガン)”

をぶちかましてやろうじゃないさ!!」

 

雪菜

「解りました!

もう私だって、お兄ちゃんに護られる弱い妹じゃ…無いんです!」

 

最強の兄を持つ妹たちもまた、群がる戦闘員を殲滅するため、個々の持つ大技を放つ準備に取り掛かる!

 

雪菜

「リアス先輩!皆さん!

少しの間だけ援護をお願いします!」

 

リアス

「どうすると言うの?」

「我々が大技を放ちます!」

 

美琴

「いっちょ大きなモノを撃ちますから!」

 

雪菜

「ですから、フォローをお願いします!

時間も有りません!」

 

リアス

「解ったわ。

朱乃!行くわよ!」

 

朱乃

「了解、部長!

雷よ!ハアッ!」

 

リアス

「イッセー!祐斗!小猫!アーシアの傍から絶対離れないで!」

 

イッセー達

『はい!部長!』

 

雪菜達の提案を承諾したリアスは朱乃と一緒に、戦闘員を牽制する!

 

美琴

「んじゃ、見せてやろうっと!

生身で、人間がぶっ放す“超電磁砲(レールガン)”を!!」

 

「先ずは、私からいく!」

 

美琴はコインを手に構え、翼は脚部のバーニアを噴かせ、宙を舞う!

 

「私は決して…仲間を失うものか!!

テヤァァッ!!」

 

『千ノ落涙』

 

宙を舞う翼は、大剣となったアームドギアを戦闘員の群れに投擲し、直ぐに千ノ落涙を放つ!

 

そして千ノ落涙は、アームドギアを素通りし、戦闘員に突き刺さる!

 

更に直後にアームドギアは、更に巨大化した!

 

「私は…暗闇を切り裂く刃になろう!

ハアッ!!」

其処に翼は、恐らくケンイチと涼太郎が見ていれば間違いなく突っ込むであろう、ウルトラマンと仮面ライダー顔負けの急降下キックを繰り出して、アームドギアを蹴り押す!

 

「ハアァァァァァァッ!!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

『天ノ逆鱗』

 

戦闘員の群れに突撃していく巨大な翼とアームドギアは、戦闘員の群れの中心の地面にアームドギアをぶっ刺した!

その凄まじい余波が、戦闘員の群れを襲い、爆風によって吹き飛ばされていく!

更に!!

 

美琴

「アタシらをナメんじゃないわよ!

いっけぇぇぇぇッ!!」

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

美琴が翼の天ノ逆鱗で倒しきれなかった戦闘員に向かって、必殺武器、“超電磁砲(レールガン)”を、遂にぶっ放す!

この一撃で翼と合わせて、大半の戦闘員を殲滅した!

そして駄目押しの!

 

雪菜

「私は…光の戦士、ウルトラマンパワードの妹…光の剣巫、櫂雪菜!

地球と人類を愛した無敵のウルトラマンの妹として…此処から先は、“私の闘い(ケンカ)”ですッ!」

 

雪霞狼を構えた雪菜が、呪術、魔術、仙術を自らに注ぎ込み、瞳の色が青く変化した!

 

雪菜

「覚悟は出来ましたね…?

乱れ無双…、

“雪霞繚乱”ッ!!

ハアァァァァァァッ!!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?イーッ!?』

 

そして己を身体強化した後、木場にも負けない超スピードで戦闘員に迫り、凄まじい剣戟による乱れ切りを繰り出しては、一気に貫く!

 

イッセー

「マジかよ…とんでもなく強すぎでしょ!?」

 

イッセーの言うとおり、わらわら群がっていた戦闘員の群れが完全に消えた!

 

リアス

「コレが…人間の底力なのかしら?」

 

コレにはもう開いた口が塞がらない。

 

美琴

「ふぅ、やっと片付いたね。」

 

「よし、ケンイチさんの援護に…」

 

戦闘員の殲滅を確認後、ウルトラマンの援護に向かおうとしたその時!!

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

ウルトラマンが近くまで吹き飛ばされてきた!?

 

雪菜

「ッ!?お兄ちゃん!?」

 

ウルトラマン

「ゲアァッ!?」

 

ウルトラマンは如何にもボロボロだというのがよく解るぐらい、フラフラになりながらも立ち上がる。

が…、

 

ウルトラマン

「フレェッ!?」

 

やはり膝を着いてしまった!

 

そしてウルトラマンに迫る8体の怪獣達!

 

 

ヤプール

「フッフッフッ、哀れだな、“異界”のウルトラマンパワード。

貴様に取って、この冥界やこの世界に生きる人外の生命体は、“護るに値する”のか?」

 

ウルトラマン

「…どういう、意味だ?ヤプール!」

 

突如ヤプールはウルトラマンに、この世界の人外は護るに値するのかと聞いてきた。

 

ヤプール

「言葉の通りだ、ウルトラマンパワード。

この世界の悪魔共を始めとする天使共や堕天使共は、貴様がかつて救ってやった命であり、人間への忠告をしたのにも関わらず、3つの種族は人間に頼らねば滅びると言うのに、その頼っている者共は人間を見下し、あまつさえ自分達の都合の良いように管理するという愚行を行っているのだぞ。

現に貴様を慕う龍の力を持つ小僧と、その小僧を愛する小娘は、本来人間として生きられた筈だ。

だが、堕天使共は自分達の都合でその小僧と小娘を殺した。

更にその死んだ小僧と小娘の持つ人間の身に余る力欲しさに、同じ悪魔に転成させて戦力に加える悪魔共。

そして何よりも人間を家畜同然に考えている天使共。

明らかに貴様の想いは届いていないぞ。」

 

ヤプールはまるで全てを見ていたかのような言い方していたが、そんな種族事情は、ウルトラマン=ケンイチは始めっから理解していた。

 

-世界は直ぐには変わらないと。-

 

だが、もう一つわかっている事があった。

ウルトラマン

「…確かに、テメェの言うとおりかもな、ヤプール。」

 

ヤプール

「ほぉ…、

否定しないのか?

ウルトラマンパワード?

貴様の愛した人間が、言いように玩具にされているのだぞ?

最終的には、自分勝手に“はぐれ”にしておいては処分する、我と似たようなものだぞ。

貴様はそれを蔑ろにする気か?」

 

そんな言葉を投げられたが、ウルトラマンはこう言った。

 

ウルトラマン

「だがなヤプール、その行いも含めて、直ぐには無理でも、いつの日か過ちを正せる日が来ることを、俺は信じている!

それに少なくともリアスは、堕天使に殺されたイッセーとアーシアを転生させた理由は、戦力なんて二の次だ!

理不尽に殺されたからこそ、その奪われた命を助けてやったんだ!

テメェのような、真の残虐な本物の悪魔と一緒にするんじゃねえッ!!」

 

リアス

「ケンイチ…」

 

この、ヤプールとウルトラマンの会話は、しっかりと周囲の付近に居る者達にも聞こえていた。

特にリアスは、驚きと嬉しさの二つが身体を駆け巡っていた。

彼が其処まで、自分や悪魔を想ってくれていた事に。

 

ウルトラマン

「だから…俺は、テメェに屈する訳にはいかねえ!」

 

ヤプール

「そうか…やはり貴様も、“ウルトラ兄弟”と同じだな。

故に…何も護れん!!

レッドキング!」

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!!」

 

ウルトラマン=ケンイチの心が、ウルトラ兄弟と同じお人好しであると解ったヤプールは、レッドキングに“ある場所”を攻撃させた。

それは…避難中の悪魔市民にであった!!

 

ウルトラマン

「ッ!?させるかァッ!!」

 

即座に気づいたウルトラマンは、身体に鞭を打ち、駆け出す!

 

『うわぁぁぁぁぁッ!?』

 

レッドキングが吐き出す岩石爆弾が迫り、悪魔市民は恐怖に駆られ、腰を抜かして顔を背ける。

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

しかし、割って入ったウルトラマンが悪魔市民の盾になった!

 

ヤプール

「…意地でも、その下等生物共を護るか?

ウルトラマンパワードよ。

ならばレッドキングよ!

そのまま攻撃していろ。

バラバ共よ、奴の仲間の“ネズミ共”を、捻り潰せ!」

 

ウルトラマン

「なッ!?何ッ!?ガアァッ!?」

 

するとヤプールはそれを待っていたかのように、バラバ達で雪菜達とリアス達に攻撃を仕掛けた!

 

イッセー

「ヤバッ!?

部長!?逃げましょう!?」

 

リアス

「無理よ!間に合わないわ!!」

 

ウルトラマン

「止めろォォォォォッ!!」

 

怪獣達

『ガアオォッ!!!』

 

ダブル

「ヤッベ!?皆から離れすぎた!」

 

牙狼

「マズい!」

 

怪獣達が個々の飛び道具を放とうとした…その時!!

 

ピカーンッ!!

 

雪菜

「ッ、え?“ゴモちゃん”!?」

 

なんと、兄から預かったバトルナイザーが輝いた!

そして其処から、一筋の光が飛び出し、バラバ達を纏めて吹き飛ばした!!

 

怪獣達

『グオォンッ!?』

 

そしてその輝きが大きくなるにつれて…、巨大な“恐竜”型の“怪獣”が、ウルトラマンに負けないド派手な着地をしながら姿を現した!

 

それは、雪菜達は勿論、リアス達、特にイッセーには、その怪獣には見覚えがあった。

何故ならその怪獣は、イッセーの修行相手になってくれた、頼もしい怪獣であったのだ!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

イッセー

「ご、“ゴモラ”!?」

 

そう、“古代怪獣ゴモラ”である!

 

ヤプール

「なぬッ!?何故此処にゴモラが居る!?」

 

ヤプールは予期せぬ乱入者に動揺した!

更に!!

 

ピカーンッ!ピカーンッ!

 

雪菜

「え?

“リトちゃん”?

“エレちゃん”?

“ミクちゃん”?

“ウィンちゃん”?

“アギちゃん”?

“ガーちゃん”まで?」

 

なんとバトルナイザーから更に二体の怪獣、

“原始怪鳥リトラ(S)”

“宇宙怪獣エレキング”、

カプセル怪獣と怪獣ボールから、

“E(エレキ)ミクラス”、

“F(ファイヤー)ウィンダム”、

“アギラ(story0版)、

“セブンガー”

が立て続けに出現した!

 

そしてミクラスは、レッドキングを吹き飛ばして、ウルトラマンを救出した!

 

ウルトラマン

「ッ!ゴモラ!

それにお前ら!」

 

驚くウルトラマンだが、無理もない。

本来、ウルトラマン=ケンイチの指示によって出現する怪獣達なのだ。

 

なのに何故、総動員で出現したのか?

 

雪菜

「ゴモちゃん?

どうして?」

 

ゴモラ

「キシャァッ!」

 

雪菜がゴモラに問いかけたら、ゴモラは鳴き声を上げた。

 

そして、その疑問に答えたのは…、

 

ダブル

「簡単だぜ雪菜。

ゴモラ達は、ケンイチの正義の心に触発されたんだ。」

 

牙狼

「ああ、やはり適わないな。

彼奴の正義の心は、ゴモラ達にも火を灯すのだからな。」

 

ザルバ

『コイツは俺様も驚きだ。

正に彼奴は可能性の塊だぜ!』

 

雪菜

「ッ、涼太郎先輩!鋼賀先輩!」

 

美琴

「兄さん!無事だったんだね!」

 

ダブル

「おいおい美琴、さも死んだみたいな言い方すんなや。」

 

「お兄さま!

ご無事で何よりです!」

 

牙狼

「すまないな。」

 

雪菜

「それより先輩!

ゴモちゃん達がお兄ちゃんの正義の心に触発されたのは、本当なんですか!」

 

ダブル

「コレが証拠だ。」

 

ダブルと牙狼が雪菜達の側にやってきて、ダブルがウルトラマンから託されたメモリーディスプレイを見せると、其処には“文字”があった。

『オイラ達も戦うぜ!旦那一人に負担を背負わせるもんか!!行くぜ!皆!(ゴモラ)』

 

メモリーディスプレイの翻訳機能で表示されたゴモラの声であった。

 

リアス

「あの怪獣達が、ケンイチの為に立ち上がったの?」

 

ダブル

「ああ!

もう心配はいらねえ!

ゴモラ達!

ケンイチを頼んだぞ!」

 

[BGM:英雄の詩]

 

ゴモラ達

『グオォンッ!!』

 

ダブルの願いに応えるかのように、ゴモラ達は各々咆哮を上げる!

因みにセブンガーは、腕をガコンガコンと振るっている!

 

ウルトラマン

「ヘッ、助かるぜ、お前ら!

行くぞ!」

 

ゴモラ達と並び立ったウルトラマンは、ヤプールの刺客共に立ち向かった!

 

ゴモラ

「キシャァッ!」

 

ゴルザ

「グオォンッ!」

 

先ず、ゴモラとゴルザ、二体の古代怪獣バトルが勃発!

更に!!

 

アギラ

「ギャオギャオッ!」

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!」

 

アギラとレッドキングがぶつかり合う!

 

はたまた空中では!

 

リトラ

「キュエェェェッ!」

 

メルバ

「クエェェェッ!」

 

 

リトラとメルバが並々ならぬ空中飛行をしながらお互いに火炎弾と光弾を発射しては、相殺する!

 

ミクラス

「クワァァァァッ!」

 

ベムスター

「キュエェイッ!」

 

更に更に、ミクラスとベムスターがお互いにラリアットを繰り返しては、お互いに命中するが、両者共にタフな怪獣であり、まだまだピンピンしている!

 

エレキング

「キイィィィィンッ!!」

 

レイキュバス

「ギュゥゥッ!!」

 

此方も水中戦に特化した二体のスペースモンスター、エレキングとレイキュバスが、放電光線と火炎弾を相殺し合っている!

 

ウィンダム

「グワヮヮヮヮンッ!」

 

コッヴ

「ガァオォンッ!!」

 

そして此方、お互いにメカニカルな皮膚を持つウィンダムとコッヴが、己の得物(とウィンダムは片方が素手)で殴り合っていた!

 

セブンガー

「(ガコンッ、ガコンッ、ガコンッ、ガコンッ。)」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

一方此方は…ガンQが破壊光線やら何やらで攻撃しまくっているのに、セブンガーは全く怯まず突き進み、その剛腕でガンQを袋叩きにしまくる!

 

ウルトラマン

「(ピコン!ピコン!ピコン!)

フアイッ!」

 

バラバ

「ギイィィィィンッ!」

 

最後は、ゴモラ達の救援で再び熱き闘志を燃え上がらせて立ち上がった光の戦士ウルトラマンと、殺し屋超獣バラバが、ドッグファイト中である!

 

ゴモラ

「キシャァッ!!」

 

ゴルザ

「グオォンッ!?」

 

おっと!ゴモラが、迫力あるドロップキックをゴルザに炸裂させた!

だがゴルザも負けていない!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!!」

 

なんと!?自ら前転して大玉になり、ゴモラに突撃!!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!?」

 

流石に反応できず、ゴモラに直撃して火花が散った!

しかしゴモラも立ち上がる!

 

ゴモラ

「キシャァァァァッ!!!」

 

するとゴモラは、再び向かってくるゴルザに対し、なんと!?

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

怪獣にしては芸達者!

ジャンプしては一回転して、その要領で尻尾を振るい、ゴルザを叩きつけた!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!?」

 

今の一撃が応えたか!たまらず元に戻って座り込んだ!!

 

ゴモラ

「キシャァッ!」

 

そして着地したゴモラは距離を取る!

 

するとゴルザは、

額を紫に点灯させ、

破壊超音波を放った!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!!」

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

だがゴモラも負けじと、頭部の三日月角にエネルギーを集中させ、鼻の位置にある角から放つ超振動波で対抗した!

 

ヤプール

「ええいッ!ゴルザ!特別にマグマエネルギーを与えてやる!ゴモラを葬れ!」

 

と此処でヤプールが横槍を入れて、ゴルザに力を注入した!

するとゴルザは、忽ち身体の所々が赤く変化した強化体、

“ファイヤーゴルザ”

に変貌した!

 

ゴルザ

「グオオオオンッ!!」

 

パワーアップしたゴルザの破壊超音波は、紫からオレンジ色がかかった赤に変化した!

そしてゴルザがパワーアップしたことで、ゴモラの超振動波が押され始めた!

 

雪菜

「頑張って!ゴモちゃん!」

 

その光景を見た雪菜が、声援を送る!

すると、ゴモラがその声援を受けた事で力が漲ったのか、様子が変わった!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

突如ゴモラの身体が“青く輝き”、体色が文字通り薄い青色に姿を変えたのだ!

 

雪菜

「ゴモちゃんが変わった!?」

 

美琴

「あ、“青いゴモラ”!?」

 

「これはいったい?」

 

雪菜達が驚きを露わにしているが、ダブルが牙狼が推測した。

 

ダブル

「鋼賀!さっきのゴモラの変化…あの“レイオニックバースト”に似ていなかったか?」

 

牙狼

「ああ、俺もそう思った。

青い…レイオニックバースト…。」

 

ダブル

「いや、本来の持ち主のケンイチがウルトラマンだからさしずめ、レイオニックバーストならぬ、

“ウルティメイトバースト”

と言った所か。」

 

ダブルと牙狼がそのように推測する。

 

そして更に、ゴモラの放つ超振動波は、赤色光線に加えて青い螺旋が混じり、威力もまして、ゴルザの強化型破壊超音波を押し返した!

ゴルザ

「グオオオオンッ!?」

 

そしてゴルザの頭部に直撃し、頭から爆散していった!

 

ゴモラ

「キシャァァァァオンッ!!」

 

ゴモラはコレを見て、勝利の咆哮を上げる。

今…ゴモラとゴルザ、この二体による古代怪獣バトルは…ゴモラに軍配が上がった!

 

アギラ

「ギャオギャオッ!」

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!」

 

さて此方は、アギラとレッドキングがお互いに殴り合っている!

 

アギラ

「ギャオッ!」

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

おっと!アギラがレッドキングにアッパーをぶちかました!

レッドキング

「キィハァァァァッ!!」

 

アギラ

「グウウンッ!?」

 

しかしレッドキングは耐え抜き、頭突きでアギラを攻撃!!

コレにはアギラも流石に頭を抑えながら後ずさって怯んだ!

しかし此処でレッドキングに悲劇が!?

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!」

 

レッドキングが破壊した建物から大きな瓦礫を持ち上げて、アギラにぶん投げようとしたその時!!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

なんとセブンガーにボコボコにされていたガンQが飛ばされてきて、レッドキングの尻尾の上にのしかかる形で倒れ、踏んづけた!

 

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

余りの痛みに、思わず瓦礫を放り投げたレッドキング!

更に悲劇は続く!

 

その放り投げられた瓦礫は宙を舞い…レッドキングの足の指に、ダイレクトアタック!!

 

ガッチィィィィィィンッ!!!!!!!!!!!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

見事に足の指を挟んだレッドキングは、まるで人間が足の指を痛めた時と、全く同じくように、

足の指を抱えてピョンピョン飛び跳ねる!

更に不幸は未だに続く!

 

グキッ!!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

先程落とした瓦礫を間違って蹴ってしまい、更に鈍い音が鳴り、痛がっている!

そしてガンQは、その文字通り巨大な目に砂やら石やらが入ったか、もがきながら起き上がれないでいた。

その間に合流するアギラとセブンガー。

そしてアギラはセブンガーに頭を下げる。

正に、『ありがとう』と言っているように。

 

そしてアギラとセブンガーは、レッドキングとガンQに突撃する!

 

今度はセブンガーがレッドキングに殴りかかった!

 

セブンガー

「ガコンッ!ガコンッ!」

 

ゲシッ!ゲシッ!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

セブンガーの剛腕が左右からレッドキングをぶん殴り、そのレッドキングは…頭上にガッツ星人と思しき可愛らしい雛鳥がピヨピヨと飛んでいた。

 

アギラ

「ギャオッ!ギャオッ!」

 

ドカッ!バキッ!デシッ!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

アギラに無理やり起こされたガンQも、アギラが放つ容赦のパンチ攻撃が、ガンQの目にぶち込まれる!

そして倒れ込んだガンQの足を掴み、勢いよく放り投げた!

そしてその投げた先は…!

 

ドガンッ!!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

またもやレッドキング、しかも今度は頭部に直撃!!

コレは痛い!

ガンQはそのままレッドキングを押し倒したが、レッドキングは怒りを露わにし、なんと!?

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!!(怒)」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

レッドキングがガンQに襲いかかった!

恐るべきレッドキングの腕力が、ガンQを殴りつける!

アギラとセブンガーそっちのけで、

殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!殴る!蹴る!殴る!殴る!

と延々と怒りをぶつけていた!

最早ガンQはとばっちり以外の何ものでもなかった。

が!?またまたレッドキングに更なる不幸が舞い降りる!

 

メルバ

「クエェェェッ!?」

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

なんと空中戦闘中のメルバが落下し、レッドキングとガンQの上にののしかかった!

そしてアギラとセブンガーの近くには、

 

リトラ

「キュエェェッ!!」

 

メルバと戦い、勝利したリトラが舞い降りて、嬉しそうにアギラとセブンガーの周囲を飛んでいる!

なんとリトラ、メルバとの空中戦を制したのだ!

正にデカけりゃ良いってもんじゃねえ!

 

そして、更に怒りを爆発させたレッドキング。

今度はメルバに殴りかかり、ボコボコに殴る!

 

レッドキング

「キィハァァァァッ!!」

 

ブチブチブチブチ!!

 

メルバ

「クエェェェッ!?」

 

アーッと!?レッドキング!

怒りのあまりメルバの羽をもぎ取った!?

コレではメルバ、丘の上の河童!

または、牙をもがれたライオンであります!

しかしこの暴れん坊のレッドキングに遂に天罰が下った!

 

メルバ

「クエェェェッ!!」

 

ズバッ!!

 

レッドキング

「キハァァァッ!?」

 

なんとメルバが己の鎌状の爪で、レッドキングの喉元を一発で切り裂いた!

そしてそのレッドキングは様子がおかしくなった!

先程まで威勢がよかったレッドキングが微動だにしなくなり…前のめりに倒れたのだ!?

 

レッドキング

「…………………」

 

レッドキングは今の一撃で絶命したのだった…。

暴れん坊のレッドキングと呼ばれたコイツがこうもあっさりと…。

 

だが、メルバは油断していた。

 

リトラ

「キュエェェッ!!」

ドガンッ!!

 

メルバ

「クエェェェッ!?」

 

突如メルバの頭部に爆発が起こり、そのメルバの頭部が無くなっていた!

その後、何事も無かったかのように、メルバの死骸は倒れ込んだ!

この謎の正体は…なんとリトラがパワーアップした、ファイヤーリトラとなって放ったファイヤーストライクであった!

 

イッセー

「す、すげぇッ!!

ゴモラは勿論だけど、他の皆も超強えッ!!」

 

ゴモラ達の戦闘を観ていたイッセー達は、驚かざるをえない!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

だが一方でガンQは最早残念であった。

またもやアギラにボコボコに殴られ続けていた!

 

リトラ

「キュエェェッ!!」

 

とそこへ、リトラがまたもやファイヤーリトラとなり、ガンQ目掛けてファイヤーストライクを放った!

 

アギラ

「ギャオギャオッ!!」

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

するとアギラはそれに合わせて、ガンQを掴み、ファイヤーストライク目掛けてブン投げた!

 

ガンQ

「イ゛ッデエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛ッ!?」

 

流石のガンQも、巨大な目による吸収が間に合わず、ファイヤーストライクの直撃を受けて、大爆発をおこして敗れた!

ミクラス

「クワァァァッ!」

 

ベムスター

「キュエェイッ!!」

 

さて此方は、ブサイクな顔に似合わない怪力を持つ水牛型の怪獣・ミクラスと、可愛い見た目からは想像出来ない凶悪な暴食と戦闘力を持つ鳥型の怪獣・ベムスターがドッグファイト中である!!

 

ミクラス

「クワァァァッ!」

 

ベムスター

「キュエッ!?」

 

おっと!

ミクラスがベムスターに優勢だぞ!

果敢にベムスターにパンチを繰り出すミクラス!

更にベムスターへ、角による攻撃!

 

ベムスター

「キュエェイ!」

 

ミクラス

「グワワワ!?」

 

おっと、此処でベムスターが反撃した!

翼状の腕でビンタ!ビンタ!ビンタ!と連続で攻撃からの、肘打ちタックル!

この攻撃に、ミクラスはかなり吹き飛ばされたが、ミクラスとて簡単にやられるタマではない!

勇敢に戦っている仲間や、罪無き者を守る為に戦っているご主人の力になるために、再び闘志を燃え上がらせて、立ち上がる!

 

ベムスター

「キュエェイ!」

 

さあ此処でベムスターは、ミクラスに向かって頭部の角から放つベムスタービームを放った!

 

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

だがミクラスはそれを、走りながら横に飛んで避ける!

ベムスターは追撃しながらビームを放つが、怪獣とは思えない身軽なステップで左右に飛びながら避けつつ、ベムスターに迫るミクラス!

 

そして!!

 

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

ベムスター

「キュエェェッ!?」

 

突撃しながら己の角をベムスターに向け、突き刺した!!

そしてそのままベムスターを持ち上げて!

 

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

ベムスター

「キュエェェッ!?」

 

エレキミクラスの名の通り、凄まじい電撃を放つ!!

ベムスターは、ミクラスの角から直接伝わって来る凄まじい電撃をモロに受けて、絶命した!

ミクラス

「クワァァァッ!!」

 

そしてミクラスは、絶命したベムスターを放り投げて、勝利の雄叫びを上げた!

 

一方此方は…、

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

レイキュバス

「ギュゥゥゥッ!!」

 

水陸両用の“宇宙怪獣”と“宇宙海獣”の戦闘が勃発中である!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

おっと!

エレキングが驚く事に、アクロバティックに動いてみせた!

レイキュバスに向かって走りながら側転してからの“力道山チョップ”を放つ!!

 

レイキュバス

「ギャウッ!?」

 

思わぬ行動からのチョップ攻撃を受けたレイキュバス。

更に其処から、相撲宜しくの如く、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張り、突っ張りからの猫パンチ!

この連続攻撃は、レイキュバスにかなりダメージを与えた!

だがレイキュバスも反撃だ!

 

レイキュバス

「ギュゥゥゥッ!!」

 

エレキング

「ギィィンッ!?」

 

右腕の巨大な鋏を大振りして、エレキングを殴った!

コレにはエレキングも頭を抱えて痛がる!

だがエレキングも痛みに耐えきった!

 

エレキング

「キィィィィィン!!」

 

レイキュバス

「ギャウッ!?」

 

負けじとエレキングは、己の尻尾をレイキュバスに巻き付かせた!

そして!!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!

 

レイキュバス

「ギャババババババッ!?」

 

必殺の感電攻撃、

“エレキングコレダー”

を発動!!

かの有名な電気ウナギや電気ネズミが放つ威力よりも強烈な“千万ボルト”の電撃がレイキュバスを襲った!

凄まじい電撃がレイキュバスの全身を駆け巡る!

だがそんなダメージを受けつつも、レイキュバスは、火炎弾で反撃する!

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

だがエレキングも、口に電撃エネルギーを溜め、

“電撃光線・ボルテックビーム”

を放って、火炎弾を撃ち消し、更にそのままレイキュバスに追加攻撃!

 

レイキュバス

「ギャババババババッ!?」

 

エレキングコレダーとボルテックビームの二重電撃攻撃に、レイキュバスは動かなくなって絶命した!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

レイキュバスが動かなくなったのを確認したエレキングは、勝利の咆哮を上げた!

 

ウインダム

「クワァァァッ!!」

 

コッヴ

「ガァオォンッ!!」

 

さて此方はウインダムとコッヴの殴り合いである!!

 

ウインダムは、左腕のファイヤーショットでぶん殴り、右腕の素手でぶん殴ったりと、交互に攻撃する!

一方コッヴも攻撃をくらいつつも鎌状の両腕で殴る!

 

コッヴ

「ガァオォンッ!!」

 

ウインダム

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

おっとコッヴ!!

両腕の鎌状の手でウインダムを掴み、ウインダムを投げた!

その投げられたウインダムは、建物の上にのしかかり、破壊しながら倒れ込んだ!

 

ヤプール

「良いではないか、コッヴよ!

お前にもゴルザと同様に力をやろう。」

 

その光景を見ていたヤプールは、コッヴに邪悪な力を流し込んだ!

 

コッヴ

「ガァァァァァッ!?」

 

すると、ヤプールに力を流し込まれたコッヴに異変が起こった!

コッヴは所々が変化し、更に一回りも巨大化したパワーアップ形態の、

『超(スーパー)コッヴ』

へと変貌した!!

 

ウインダム

「クワァァァッ!」

 

だがウインダムは臆することなく直ぐに立ち上がり、左腕のファイヤーショットを構えて、火炎弾を撃ち込む!

 

超コッヴ

「ガァァァァァッ!」

 

対して超コッヴも両腕を前に組み合わせ、その後に額から

“フラッシュコッヴショット”

を放ち、火炎弾を相殺する!

更に相殺しつつ、火炎弾を押し返し、ウインダムに直撃する!

 

ウインダム

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

フラッシュコッヴショットが命中し、ウインダムの体から火花が散る!

ウインダム大ピンチ!!

とその時!

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

レイキュバスとの戦いから勝利をもぎ取ったエレキングが放電光線を放ち、超コッヴに直撃した!!

 

超コッヴ

「ギャウッ!?」

 

 

更に立て続けに!

 

ミクラス

「グワァァァァァ!!」

 

ミクラスが体当たりを超コッヴに放ち、ダウンさせた!!

 

そしてウインダムに駆け寄るミクラスとエレキング。

そんなウインダムは、しっかり立ち上がり、ウインダム達は頷き合う!

そして超コッヴは立ち上がり、再びスーパーコッヴショットを放とうとするが!?

 

ミクラス

「グワァァァァァ!!」

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

ミクラスが超コッヴを捕まえて感電させ、其処にエレキングを放電光線を撃ち込む!

 

超コッヴ

「ギャババババババッ!?」

二重の感電攻撃に超コッヴは、大ダメージを受け、極めつけはウインダムが決める!

 

ウインダム

「クワァァァッ!」

 

ウルトラマン

「ッ!?

オイ!ウインダム!!

お前何処で覚えたんだ!?

その

“ウルトラギロチン”!?」

 

ウインダムは両腕を前に重ねて、次に斜めに傾けて腕を交差するように開きながら、スライドさせた!

 

すると、ウルトラマンもびっくり!?

なんと、ウインダムが

“ウルトラギロチン”

を放ったではないか!!

 

真っ直ぐ超コッヴに飛んで行くウルトラギロチン…いやさしずめ、

“ウインダムギロチン”

と言った所か?

そのウインダムギロチンは超コッヴに向かって行き、

 

超コッヴ

「ギャァァァオッ!?」

 

超コッヴは、見事に首をぶった切られた!

ゴロンッ!

と、頭部は地面に落下して、胴体の腕はだらんと垂れて、体は前のめりに倒れた!

 

ウインダム

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」

 

ミクラス

「グワァァァァァッ!!」

 

エレキング

「キィィィィィンッ!!」

 

そしてミクラス、ウインダム、エレキングは、勝利の雄叫びを上げた!

 

イッセー

「やったぁッ!!

ゴモラ達が勝ちましたよ!部長!」

 

リアス

「ええ!後は…、頑張って、ケンイチ!」

 

朱乃

「ケンイチ君、どうか負けないで下さい!」

 

ゴモラ達がゴルザ達に勝利した事により、残るは超獣バラバとウルトラマンだけである!!

故にリアスと朱乃は、ケンイチが無事に帰ってくる事を祈っている。

 

「…まさか押し付けられたコイツが役に立つとはな。」

 

とダブルは言うと、ケンイチから預かったメモリーディスプレイを操作する。

そして転送画面で“あるもの”を転送する。

 

ダブル

「“リボルギャリー”、転送っと。」

 

するとダブルの近くに、ダブルの顔を模した巨大な大型特殊装甲車、

“リボルギャリー”

が転送された!

 

祐斗

「ッ!!涼太郎先輩!それは?」

 

小猫

「車…?」

 

リボルギャリーに気付いた木場と小猫がダブルに聞いた。

 

ダブル

「コイツは、

“リボルギャリー”。

ハードボイルダーの後輪を換装する事が出来る上に、装甲車の名の通り頑丈だ。」

 

そう言いつつ、リボルギャリーに近づき、リボルギャリーのダブルの顔部分が展開され、中にハードボイルダーとその後ろに、リボルバーのように準備された2つの後輪が有った。

ダブルはハードボイルダーに跨がり、

 

ダブル

「よし、“ガンナー”で彼奴を援護しに行くか!!」

 

ハードボイルダーの後輪を換装し、大砲を装備した、戦車の如き砲撃形態、

“ハードガンナー”

になり、発進した!

 

ダブル

「ちょっくらコイツでケンイチを援護してくるわ!」

 

美琴

「兄さん!先輩を頼んだよ!」

 

 

牙狼

「しまった!

涼太郎に先を越された!

翼、俺もケンイチの援護に行ってくる!」

 

「はい!お兄さま!

我々は、奴らの再来に備えて待機します!」

 

雪菜

「涼太郎先輩!鋼賀先輩!

お兄ちゃんをお願いします!!」

 

ウルトラマンの援護に出撃しようとするダブルと牙狼に、雪菜は兄の事を頼んだ。

 

ダブル

「当然だ雪菜!

なんたって、ケンイチは…!」

 

牙狼

「ああ!俺達の、掛け替えのない“心友”だ。

彼奴が居なければ、今の俺達が無いと言っても過言じゃない!」

 

ダブル

「応さ!」

 

その言葉を雪菜に伝えて、ダブルはハードガンナーにアクセルを掛け、牙狼は脳内で鷹をイメージして宙を舞い、光に包まれて

“翼人・牙狼”

となり、空を飛行して向かった!

 

そしてウルトラマンは!!

 

ウルトラマン

「(ピコン!ピコン!ピコン!)

フアイッ!」

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

カラータイマーが点滅していようがお構い無しに、超獣バラバを相手に果敢に立ち向かう!

ウルトラマンは飛び蹴りを放ち、すぐさまバラバに掴み掛かり、膝蹴りから首にチョップと腹部に連続パンチを繰り出す!

だがバラバも負けじと、両腕でウルトラマンの首を掴み、ブン投げる!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!?」

 

投げられたウルトラマンだが直ぐに立ち上がり、バラバに組み掛かるが再びバラバに投げられる!

 

ウルトラマン

「(くッ!?

流石は超獣、並の怪獣とは訳が違うぜ。

流石にこのままじゃじり貧だ。

なんとか気をそらせねえと勝機は無ぇぞ…?)」

 

どうにかしてバラバを攻略しようとするウルトラマンだが!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「シャッ!?」

 

バラバが右腕の鎖付き鉄球から鎖を射出し、ウルトラマンの右手に巻き付いて縛る!

 

ウルトラマン

「ヘアッ!?」

 

バラバ

「ギィヤッハッハッハッハッ!!」

 

ウルトラマンは必死に巻き付いた鎖を解こうしているがなかなか解けない!!

更に其れをあざ笑うかのようにバラバは左腕の鎌でジリジリと手繰り寄せる!

そしてもう確実に至近距離の攻撃が命中する距離まで手繰り寄せられた!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「フウレッ!?ゲアァッ!?」

 

バラバは引き寄せたウルトラマンに鎌を振るい、トドメを刺そうとする!

だがウルトラマン抵抗し、鎌を避けて、左手でバラバの左腕を抑える!

しかしコレでは状況は不利であることに変わらない!

ウルトラマン、大ピンチだ!!

 

とその時!?

 

ゴモラ

「キシャァァァオンッ!!」

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

ウルトラマン

「シュワッ!?

フアイッ!!」

 

なんとゴモラが乱入!!

ゴモラテールを放ち、バラバを吹き飛ばして、ウルトラマンの窮地を救った!

 

ウルトラマン

「ゴモラ…悪いな、助かった。」

 

ゴモラ

「キシャァァァオン。」

 

ウルトラマンがゴモラに礼を言うと、

 

牙狼

「立ち上がれケンイチッ!!

 

ダブル

「ヘコたれんなウルトラマン!!」

 

ウルトラマン

「ッ!」

 

ウルトラマンの近く飛んで来た牙狼と、ハードガンナーに乗って来たダブルが、ウルトラマンに激を送った!

ダブル

「この宇宙をヤプールから護る気があんなら、お前のバカみたいな熱血と、バカみたいなド根性で押し返してやれよ、“ケンイチ”ッ!!」

牙狼

「お前の決して諦めることをしない姿勢と、絶望を希望に変える奇跡を、この世界でも示してくれ、“ウルトラマン”ッ!」

 

しかしまあ激励の送り方がどうにもめちゃくちゃな気が…。

 

ウルトラマン

「…言ってくれるぜ、涼太郎ッ!!鋼賀ッ!!

やってやろうじゃねぇか!!」

 

まさかの、またまた闘志が燃え上がった!?

正に“熱血バカ”だ…。

 

(BGM:光の戦士-THE ULTIMATE HERO-)

ウルトラマン

「ダラァァァァァッ!!」

 

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

ウルトラマンのダイナミックなラリアットがバラバに見事と炸裂した!!

 

ウルトラマン

「シャッ!」

 

バラバ

「ギャウッ!?」

 

更にのしかかり、交互にチョップからの交互にパンチを繰り出し、そのまま尻尾へ移動して持ち、

 

ウルトラマン

「フアヤァァァァッ!!」

 

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

豪快に持ち上げて、背負い投げの要領でバラバを地面に叩きつけた!

 

バラバ

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

だがバラバも負けじと起き上がり、頭部に付いている剣を、ウルトラマンに射出した!

 

だが、ウルトラマンは冷静に!

 

ウルトラマン

「シャッ!シュワッ!!」

 

白刃取りで受け止め、バラバに投げ返した!

 

ドザシュッ!!

 

バラバ

「ギャウッ!?」

 

見事にバラバの胴体に突き刺さった!

そしてバラバは、足取りが覚束ない!

そして知らぬ間に、ウルトラマンに背中を向けてしまった!

コレがバラバの運の尽きだ!

 

さぁ!行くぞ!

“空から迫る大超獣!!”

 

ウルトラマン

「ダラァァァァァッ!!」

 

ドガンッ!!

 

バラバの後頭部に向かって、ウルトラマンが流星キックを放った!

 

バラバ

「ッ!?ギャババババババッ!?」

 

するとなんと!?

バラバは目玉が飛び出し、混乱状態に陥って辺り駆け巡る!

今だウルトラマン!

“正義のヒーロー”

 

ウルトラマン

「フアヤッ!!」

 

ウルトラマンは距離を詰め、バラバの左腕の鎌を上に勢いよく払いのけた!

すると鎌がすっぽりと抜けた!

 

ウルトラマン

「シュワッ!!」

 

そしてウルトラマンは大ジャンプして、宙を舞っている鎌を手に取り、

 

ウルトラマン

「フアヤッ!!」

 

空中からバラバの背中に向けて鎌を投げつけた!

 

ドザシュッ!!

 

バラバ

「ッ!?ギィィィヤァァァッ!?」

 

己の武器が、己に突き刺さったバラバは、最早風前の灯火!

 

ウルトラマン

「今だ!行くぜ!

涼太郎ッ!鋼賀ッ!ゴモラッ!」

 

ダブル

「応よ!くらえッ!!」

 

牙狼

「承知!

ツアァァァァァッ!!」

 

ウルトラマンは好機と見て、ダブルと牙狼、ゴモラに指示を出し、ダブルはハードガンナーの大砲から惜しみなく砲弾を放ちまくってバラバに命中させていき、牙狼はバラバの頭部に着地し、バラバに連続斬りを放つ!

ゴモラ

「キシャァァァオンッ!!」

 

そしてゴモラは三日月角にエネルギーを溜め、バラバに突撃し、鼻の角を突き刺した!

 

それと並行して、ウルトラマンは目が赤くなり、右腕は合掌するような構えを取り、左腕は斜め下に構えて、ほんの少しだけ上に動かす動作を行う!

 

バラバ

「ギィアアアッ!?」

 

ゴモラ

「キシャァァァオンッ!!」

 

一方ゴモラは、バラバに対し、必殺技である“超振動波”を撃ち込む“ゼロシュート”を放った!

 

ウルトラマン

「…!シュワァッ!!」

 

そしてその後方で、ウルトラマンは両腕を十字に組み、スペシウムエネルギーと光エネルギーをスパークさせて、

"メガ・スペシウム光線"

を放った!

 

しかしこのままでは、ゴモラも巻き添えになってしまう!

 

しかしゴモラは、主人の意思を読み取ったか?

 

ゴモラ

「キシャァァァッ!!」

 

なんと直撃直前でゴモラは後転してバラバから離れた!

故にメガ・スペシウム光線は、バラバに直撃した!

 

バラバ

「ギャババババババッ!?」

 

当のバラバは、最初にゴモラから受けた

“超振動波(ゼロシュート)”

に加えて、

ウルトラマンの

"メガ・スペシウム光線"

の連携技、

“超振動スペシウム光線”

の直撃を受けたのだ!

 

この攻撃に耐えきれる訳も無く、大爆発を起こして、跡形も無く消え去った!

 

ダブル

「いヨッシャァァァッ!!」

 

牙狼

「よし!やったッ!!」

 

リアス、朱乃

『やったァッ!!』

 

イッセー

「やったぞぉ!

先輩が勝ったッ!!」

 

祐斗

「よし!!」

 

アーシア

「はい!やりました!!」

 

小猫

「凄いです…、あの状況から…、不可能を覆すなんて…!」

 

「コレこそが、最後まで諦めず、不可能を可能にする…それがウルトラマン。

ウルトラの奇跡そのものだ!!」

 

雪菜、美琴

『バンザァァァァイッ!!』

 

最後に残ったバラバが消滅したのを見て、ダブル、牙狼、雪菜達、リアス達は歓喜を表した!

 

『オオッ…』

 

ルシファード領の悪魔市民は、ヤプールの刺客達を撃破した、ウルトラマンと、彼の使役するゴモラ達を見て、感謝と同時に何か言いようもない恐怖心も持ち、複雑な気持ちとなったのだ。

 

ウルトラマン

「…ふう…アリガトな、ゴモラ達。

ゆっくり休んでくれ。」

 

ゴモラ達

『ガァオォッ!!』

 

ウルトラマンが労いの言葉を贈り、ゴモラ達は光になって雪菜が持っているバトルナイザーとカプセル怪獣、怪獣ボールに収まっていった。

 

雪菜

「お疲れ様です!

ゴモちゃん!皆さん!」

 

ウルトラマン

「ヤプールッ!!

テメェの刺客は撃破したぞ!

後はテメェだけだ!!」

 

ウルトラマンは最後の力を振り絞り、ヤプールに立ち向かうべく、異次元空間に飛び込もうとするが…?

 

ヤプール

「…フハッハッハッハ、コレで“終わった”と思うのか?

ウルトラマンパワード?」

 

ウルトラマン

「何ッ!?

どういう意味だ!!」

 

ヤプールは、意味深な事を言ったのだ。

 

ヤプール

「教えてやろう、

最初は貴様を葬ればそれで良かったが…本命は、貴様がバラバ共を“倒す”事にあったのだ!

貴様を確実に倒し、この世界を絶望に叩き落とす為にな!」

 

ウルトラマン

「何だとッ!?」

 

なんと、全てはヤプールの思惑通りに事が進んでいたのだ!

そしてヤプールは、左手を突き出して、“有るもの”を見せた!

それは…“紅いリング”であった!

 

ダブル

「ッ!あれは?」

 

牙狼

「“ダークリング”か!?」

 

ダークリング…それはこの世で、

“一番邪悪な心を持つ者が手に出来る”、

悪しき力の権化であった!

 

ウルトラマン

「何故テメェがダークリングを!?」

 

元々転生者であるウルトラマン=ケンイチや涼太郎達は、ダークリングの存在を知っていたのだ。

何故なら…彼らは、

“ウルトラマンが50周年を迎える直前で命を落とした”

為、ウルトラマンオーブや変身アイテム、対を成す力等の前情報をある程度知っていたため、ダークリングの事知っていたが、ダークリングの

“真の能力(ちから)”

までは知らないのだ。

 

ヤプール

「簡単だ。

我が邪悪だからだ。

故にこうする為だ!」

 

ヤプールがそう言うと、ダークリングを持つ左手を上に掲げた!

 

ヤプール

「蘇れ…光に敗れし数多の怪獣達の怨念よ、一つの肉体に成りて、ウルトラマンを抹殺せよッ!!」

そう叫ぶヤプール。

すると、ウルトラマンとゴモラ達に倒されたバラバ達の怨念と、予め用意していた怪獣や超獣の怨念が現れて集い、

“カード”に成って、一枚ずつダークリングにスキャンされていく!

 

ダークリング

『レッドキング!

バラバ!

シーゴラス!

ベムスター!

ハンザギラン!

キングクラブ!

イカルス星人!

超合体ッ!!

“タイラント”ッ!!』

 

最初にスキャンされた七枚のカードを合わせると…恐るべき凶悪無比の合体獣、

“暴君怪獣タイラント”

が、両腕を合わせて火花を散らせ、咆哮を上げながら姿を現した!

 

タイラント

「グギャァァァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「なん…だとッ!?

“タイラント”だとッ!?」

 

恐るべきタイラントの出現に、ウルトラマンだけじゃなく、ダブルと牙狼、雪菜達とリアス達も驚きを隠せない!

更に!?

 

ヤプール

「タイラントだけではない!!」

 

再びヤプールは、残り五枚のカードをダークリングにスキャンする!

 

ダークリング

『ファイヤーゴルザ!

メルバ!

レイキュバス!

ガンQ!

超コッヴ!

超合体ッ!!

ファイブキングッ!!』

 

新たにスキャンされた五枚から、タイラントに匹敵する恐るべき合体怪獣、

“超合体怪獣ファイブキング”

が、悪魔の如く翼を広げて、地面に降り立ち、咆哮を上げながら現れた!

ファイブキング

「ギィィィヤァァァッ!!」

 

ウルトラマン

「マジかよ…ファイブキングまでかよ…!?(こりゃマジで死ぬぞ…)」

 

只でさえ限界を通り越して戦い抜いたウルトラマンだが、その矢先に、明らかに先程の怪獣達よりも別格で凶悪な怪獣達である!!

最早…彼は、真に限界だった!

だがヤプールは、コレだけに終わらない!

 

ヤプール

「それとネズミ共は、暇を持て余すだろう?

“コイツ”と遊んでいるが良い。」

 

そうヤプールが言うと、リアス達と雪菜達の近くで雷が落下した!

 

リアス

「な、何!?」

警戒するリアス達と雪菜達と、戻って来たダブルと牙狼。

 

そして煙が晴れて、一体の“飛蝗怪人”が姿を現した!

 

だがその飛蝗怪人に、ダブルと牙狼、雪菜達は戦慄した!!

 

何故なら、その飛蝗怪人を知っていたのだ。

腹部にコアを持ち、キメラの如く恐ろしい顔をしていたのだ!

 

牙狼

「なん…だとッ!?

あれは、まさか!?」

 

ダブル

「やべえ、ケンイチも最悪で、こっちも最悪だ!

“ネオ生命体・ドラス”ッ!?」

 

そう…それは恐るべき悪魔の実験によって生み出された、

急速進化と驚異的再生能力を持つ“最強にして最悪”、そして“最凶にして凶悪”の怪物、

“ネオ生命体・ドラス”

であった!

 

ドラス

「…ねぇ“パパ”、あの“お兄ちゃん達”と“お姉ちゃん達”、食べて良いの?」

 

ヤプール

「ああ、好きなだけ食え。

お前の思うがままにな。」

 

ドラス

「わぁ~い…ありがとう、“パパ”。

それじゃあ…“頂きま~す”!」

 

ヤプールから行動を許可されたドラスは、ダブル達に迫り来る!!

 

イッセー

「や、やべえ!?

足が竦んで動けない!?」

 

リアス

「なんて恐ろしい怪物なの!?

冥界の魔獣達が可愛く見えちゃうじゃないのよ!?」

 

リアス達はドラスに恐怖し、身動きがとれなくなってしまった!

 

ダブル

「クッソッ!!

やるっきゃねぇ!

鋼賀、行けるか!?」

 

牙狼

「…こうなれば、あの世だろうと、地獄だろうと相乗りしてやるぞ、涼太郎!」

 

ダブル

「へッ!有り難い話だ!

必ず生きようぜ!

俺達は、“死ぬ訳には”いかないんだ!」

“アームファングッ!”

 

牙狼

「ああ!行くぞ!」

 

ザルバ

『嫌いじゃないぜ、お前さん等の覚悟!

俺様も付き合ってやるぜ!』

 

だがダブルと牙狼は、アームファングと牙狼剣を構えて気を奮い立たせ、怪物・ドラスに立ち向かった!

一方のウルトラマンも、死ぬ覚悟で、タイラントとファイブキングに向き合う!

 

ウルトラマン

「俺は、死ぬ訳にはいかないッ!

必ず、2体の暴君を倒してみせる!!

フアヤッ!!」

 

ウルトラマンがタイラントとファイブキングに向かって行った!!

 

ヤプール

「フッフッフッ、愚かな事を…。

最早貴様は長くは戦え無いはずだ、ウルトラマンパワード。

貴様さえ居なければ、この世界の制圧など軽いモノだ。

最後の挨拶だ。

さらば!ウルトラマン!!」

 

果たしてウルトラマン達は、ヤプールの侵略から冥界と人間界、そして地球と宇宙を守れるのか!?

 

一方…ルシファード領のとある街角の路地裏に、二人の人間が居た。

 

片方は白を基調とした制服を着ている、

“高校一年生の少年”であり、もう片方は、ラフな服装に身を包んだ、

“大学生と思しき青年”であった。

しかし彼等は、

“この次元”

の人間ではない。

時空を越えてやってきたのだ。

 

青年

「君もあの“ロリっ子”に呼ばれて来たのかい?」

 

少年

「はい、貴方も同じなんですか?」

 

青年

「うん、その“ロリっ子”に、

『その世界のウルトラマンが、闇に倒されてしまう。

力を貸して欲しい!

“ウルトラマンティガ”!』

っていう風に頼まれてね。」

 

少年

「同じですね。

俺もそう言われました。

只その時に、初めて俺のウルトラマンとしての名前を知りましたよ。

今まで気にしてなかったんですけど、

“ネクサス”って言うんですね、俺がウルトラマンに変身した時の名前って。」

 

青年

「しかし君が“デュナミスト”だったなんてね、多分一番若いかもね。」

 

少年

「そうですか?」

 

青年

「まあとりあえず、積もる話も有るだろうけど…今の優先事項は、ウルトラマンパワードを助けることだよ。

共に戦ってくれるね?」

 

少年

「無論です、そのために来たんですから。

この世界の希望を絶やさないために!」

 

なんと、この2人は“ウルトラマン”であった!

そして2人はそう会話して、懐から

“変身アイテム”

を取り出す!

青年の方は

“クリアーなスティック”、

少年の方は

“赤石とエメラルドのコアが埋め込まれ、鞘に収まった短刀のスティック”

を手にする。

 

青年

「そういえば、名前聞いてなかったね。

僕は“五代マドカ”って言うんだ。」

 

少年

「俺は、“櫻井一樹”って言います。

行きましょう、マドカさん。」

 

マドカ

「うん、行こう…一樹君!」

 

一樹

「はい!」

 

2人は決意を固め、

各々変身アイテムを振るう!

 

マドカは右手に持ったスティック、

“スパークレンス”

を前に突き出し、左腕を後ろにした感じで、腕を十字に組み、正面から見たら時計廻り、マドカから見たら逆時計廻りの要領で右腕を下から移動しながら、スパークレンスを天に突き出し、翼状の部分展開する!

一方一樹も、右手に持ったスティック、

“エボルトラスター”

を一度見て、

鞘を左手に持ち、抜刀するように引き抜き、エボルトラスターが輝く。

そしてもう一度収める感じで体を屈めて、再び一気に振り上げる!

 

そして2人は…輝く正義の光に身を包まれながら、気合いの一声を上げた!!

 

マドカ

「ティガァァァァッ!!」

 

一樹

「オオオオオッ!!」

 

二つの輝きから、2人の勇者が現れた!

 

片方は、超古代の時代に現れ、

闇に立ち向かった古の光の戦士、

“ウルトラマンティガ”!

 

そしてもう片方は、数多の適能者に受け継がれ、失われた輝きを取り戻す、

“守護神”が弱体化して正体を隠した絆の光の戦士、

“ウルトラマンネクサス”!

 

今、“超時空大決戦”が、幕を開けた!

 

つづくッ!!

 




次回予告
(ザルバナレーション)
BGM:牙狼~SAVIOR IN THE DARK~(ラストサビ)

おいおい、こりゃマジでヤバいぞぉ!?
このままじゃ、世界が危ないぜ!?

んッ!?

おいあれは、ウルトラマンか!?

それに何だ彼奴等は!?

鋼賀達の仲間だって!?

益々カオスだな!!

次回、『光の仲間』!

ウオォッ!?
アツい!!アツいぜぇッ!!

※サブタイトルの答えですが、パワード最終章の物です!

一つは、
『パワード暗殺計画』、
そしてもう一つは、
『さらば!ウルトラマン』
ですが、
初代ウルトラマンと間違えた方、貴方は“にせウルトラファン”だッ!!

何時の間にか、この作品のお気に入り登録が、55になってた…。
この駄文をお気に入り登録してくれた方々、ありがとう御座います!!


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