東方饅頭拾転録 官能編 (みずしろオルカ)
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外伝 伊吹萃香のセクハラ

 伊吹萃香のセクハラを描写した話になります。

 性的表現や感情を向ける描写がありますので、苦手な方・萃香は俺の嫁という方・饅頭拾転録の世界観で性的表現を読みたくないと言う方はブラウザバックをしてください。

 R指定の文章なんて久しぶりに書いたので、おかしい部分があるかもしれませんが、よろしくお願いします。


 伊吹萃香の朝は早い。

 

 日も昇りきらぬ時刻に身体を霧にして参護の部屋に入り込む。

 

 危険な仕事もしているからか、参護の眠りは一定時間に極力疲れを取る為に深い。

 

 身に危険が迫らない限り、途中で起きることは無い。

 そして参護から萃香は危険のない人物だと認識されている。

 

 それを萃香は良く知っていた。

 

「さてさて、今日も参護の力を貰おうかな?」

 

 慣れた手付きで、参護の寝巻を脱がしていく。

 

 この時間も萃香は好きだった。

 甚平の様な薄手の布を脱がす時、肌と布の中に籠っていた参護の汗の匂いが体臭と合わさって彼女の鼻をくすぐる。

 

 程よい筋肉と寝汗でしっとりとした肌に触れると頬が熱くなる。

 

 上着を疎にして脱がし、密にして固める。

 参護に気づかれずに、服を脱がせる技術は萃香の特技になりつつあるようだ。

 

 脱がせたら準備は完了だ。

 

 最初に萃香は、参護の胸に顔を埋めて一度深呼吸をする。

 

 寝汗と男特有の匂い。

 オスは命の危険や怪我が多い日常を送っていると子孫を残そうと、フェロモンを濃く分泌する。

 参護のフェロモンは相当濃い事だろう。

 

 そのフェロモンを匂いと一緒に、萃香は身体いっぱいに吸い込む。

 

 たったそれだけで、彼女の瞳は潤み、頬は紅潮し、鼓動が早くなる。

 

 眠っている間も参護は波紋の呼吸を続けている。

 起きている時ほどの量は練れていないが、こうして触れているだけで萃香の身体は仄かに熱くなるのを感じていた。

 

「あー、やっぱり最高だぁ」

 

 彼女の口から出た言葉も、熱を帯びていてかなりの色香を出していた。

 

 匂いを嗅いだだけで、こんなにも身体を熱くしてくれる。

 

 なら、舌を這わせればどうなるのか?

 

 ゆっくりと、萃香は下を伸ばして参護の胸板へと近づいていく。

 何度も参護の身体に舌を這わせているのに、萃香はまだ最初に触れるこの瞬間は勇気が必要なのだ。

 

 そして、萃香の舌先が参護の胸板に触れた瞬間。

 

「ッ!」

 

 ビクビクンッ。

 

 彼女の腰が数度跳ねる。

 口をつぐみ、漏れそうな声を必死にこらえる。

 

 毎回、参護の胸に舌を這わせた瞬間に彼女は達しているのだ。

 

 彼女の舌が触れた瞬間、舌先から子宮まで一気にゾクゾクとしたものが駆け抜け、下半身の熱を急激に増幅させて、絶頂を味わう。

 

「ああ、さんごぉ~」

 

 収まったであろう絶頂、だけど彼女の口から出た言葉は未だに熱が籠っていて、愛おしそうな切なそうな感情が強く表れていた。

 

 今この場で、参護のモノを受け入れればどれ程の快楽が得られるだろう?

 舌を這わせただけで軽く絶頂を味わえるのだ。

 

 受け入れたら、それこそ伊吹萃香は海原参護から離れられなくなる。

 

 昼夜を問わずに、参護と繋がっていたくなってしまう。

 

 若干手遅れな気がするが、やはり一線を越えるなら双方に意識がある上でしたい。

 

 それさえできるなら、参護の身体に溺れても、一生離れられなくなっても本望だ。そう言い切れるだけは参護に依存していた。

 

 風呂を覗いて確認したが、中々の大きさのモノを持っている。

 その上、波紋で疲れ知らずの行為が可能なはずだから、一度の体験で鬼の萃香でさえも壊されかねない。

 なにしろ、触れただけで火照り、舌を這わせただけで達してしまう程に、参護の身体に反応してしまうのだから。

 

「それもいいかなぁ~?」

 

 参護にだったら壊されてもいいかもしれない。

 一生参護の傍で暮らす。

 そう妄想するだけで、ゾクゾクと下腹部から甘い痺れが全身に広がる。

 

「でも、私一人じゃ捕まえておけないんだろうなぁ」

 

 触れるだけで達する程の萃香だけで参護を捕まえておけないだろう。

 とても強く、色々な勢力に対して繋がりを持つ参護。

 

 フラフラとどこかに行ってしまうかもしれない。

 私だけじゃ捕まえきれない。

 

 阿求とパチュリー、この二人にも捕まえる手伝いをしてもらおう。

 

 参護と一緒に爛れた生活も悪くないかも?

 

 一瞬、参護の下半身に手を伸ばしかけて、慌てて思い止まった。

 

「危ない危ない。ずっと今まで我慢してたんだもん。最高の状態で味わいたいよね」

 

 そう言うと参護の下半身に伸ばしかけて思い止まった手を参護の手に向かわせる。

 

 彼は杖を使って戦っているけど、拳も使うし足も使う。

 手を取ってみると、参護の手はゴツゴツして岩の様な印象を受ける。

 

 しかし萃香は何の躊躇いも無く、参護の指を口に運び、

 

「はむっ」

 

 口に含んだ。

 大事そうに、愛おしそうに、舌を指一本一本に絡め、じっくりを味わう。

 

 それだけで萃香の目はトロンと蕩けてしまう。

 

「ちゅ……、じゅる……」

 

 飴やアイスを舐めるように、ゆっくりと味わう。

 

 気付いたら、もう日が昇っていた。

 

 一時間? いやそれ以上だろう。

 

 口から出した参護の指はふやけていた。

 長時間舐め続けた結果だろう。

 

 完全に無意識だった。

 

「やっちゃったなぁ……あれ?」

 

 気付くと下半身に違和感があった。

 

 見ると水たまりができてしまっていた。

 漏らしたわけじゃないから、そういう事なのだろう。

 

「うんわぁ……恥ずかしい……」

 

 水たまりができるほどって、どれだけ舐め続けたのか、感じ過ぎたのは確実だろう。

 

 急いで水たまりを疎にして証拠を隠滅する。

 

「最後だし……」

 

 まだ欲が残っているのだろう。

 参護の匂いを密にして萃めようとした時だった。

 

「う……ん……」

 

 参護が目を覚ました。

 すぐに萃香は自分を疎にして、部屋から脱出を図ろうとするが、

 

「またか。波紋疾走!」

 

 部屋に波紋が流れた途端、萃香の疎になった身体は急速に萃まり、床に落ちる前に参護に顔面を鷲掴みにされる。

 

「ふぎゅ!?」

 

「寝ている間に全身舐めるとか、何してんだよ……」

 

 波紋を流しつつ、ギリギリとアイアンクローを決める。

 

「イダダダダダ!?」

 

「好いてくれてるのは嬉しいけど、時と場所を考えような?」

 

 バタバタと暴れていた萃香が、今の言葉を聞いた時に一瞬動きが止まる。

 

 参護も違和感を覚えたのか、解放すると萃香はペタンとその場に座り込む。

 

「どうした? ……俺は風呂入ってくるぞ?」

 

「うん……私も後で入るねー」

 

 神妙な萃香の様子に違和感を感じたようで、首を傾げていたが上半身の違和感に勝てなかったのかそのまま風呂に行ってしまった。

 

 しばらくそのまま座り込んでいたが、顔をあげたその表情は完全に蕩けていた。

 

「好いていてくれるのは嬉しい……って」

 

 初めて好意を受け入れるような言葉。

 

 それが、極限まで高ぶった萃香の身体を優しく揺さぶり、今までの快感よりもずっと深い快感を萃香に与えた。

 

「立てなくなっちゃった……」

 

 深すぎる快感に腰が抜けた状態で座り込んでいる。

 未だにジワジワと快感が燻ぶっている。

 

「言葉だけでこんなにしちゃうなんて……」

 

 快感に蕩けた瞳を参護が出て行った方向を見る。

 

「大好きだよ……、参護」

 

 そう呟いて、萃香は疎になり、部屋から消えて行った。




 成人指定の文章って随分昔に友人に書いてあげた時以来ですが、いかがだったでしょうかね。

 大学時代のハードエロゲ―プレイヤーの経歴があるので、エロを試行錯誤させていただきました。

 ご意見ご感想ありましたら、遠慮なくお願いいたします。


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外伝 伊吹萃香の妄想

 お待たせしました。
 東方饅頭拾転録 官能編です。

 萃香の二連続で、ご不満の方も居るかもしれませんが、他の二人もきちんと予定していますので、お楽しみに。


 今日も今日とて、朝一番に参護にスキンシップを図りに行って、捕まって阿求とパチュリーに説教を受けている。

 

 むぅ、今日はいい感じだったのにな。

 

「まったく、萃香? 貴女も女性なのだから、慎みと恥じらいを持って行動しなくちゃだめですよ?」

 

 そんなこと言われてもなぁ。

 本能が求めてるのだから仕方が無い。

 

 触れるだけで心臓が高鳴り、舌を這わせるだけで軽く達してしまう程の反応具合。

 

 人間だったらそうそう出会えるような相手じゃない。

 

「でもさぁ、阿求も想像してみてよ……」

 

 

********************

 

 

 海原邸の庭に立つ物置小屋を兼用した倉庫。

 

 そこに私、伊吹萃香が全裸に首輪を付けらえて拘束されていた。

 

 別に強要されている訳じゃない。

 私が望んで、彼がそれに応えてくれたのだ。

 

 ジャラ……。

 

 音を出す鎖はこの状況下では、ただ淫靡な響きを宿す拘束具となっていた。

 

「ほら、萃香。どんな気分だ? 人間に負けて、その人間にこうして拘束されている気分は?」

 

 眼前にはいつもの笑顔で参護が立っていた。

 

 彼も全裸で萃香の前にいた。

 

 グイッと萃香の首輪に指をかけると、自分の方へ引き込む。

 

 もう参護と萃香の距離は目と鼻の先だ。

 

 参護には萃香の、萃香には参護の息遣いが肌で感じられる。参護がこんなに近くにいることに、いつもと違い男らしく、強者らしく振舞う姿に、萃香の下半身は自然と蜜を垂らしていた。

 

「さ、参護? 私は……んむ!?」

 

 言葉を発する前に口を塞がれる。

 

 軽いキスじゃない。

 

 舌と舌を絡め、唾液を交換する深い深いキス。

 

 参護の舌が萃香の歯茎を舌の先、舌の裏、頬の内側と次々に蹂躙するように、強引でいて慈しむような深い深いキス。

 

 プハッ!

 

 どちらから出た声なのか?

 双方ようやく酸素にありつけたようで、息が荒く、萃香に至ってはこの時点で目に力が無くすっかり蕩けきっていた。

 

「ふぅ、可愛いな萃香は。全部全部、俺が奪い尽くしてあげるよ」

 

 ゾクッ!

 

 奪われる。

 自分が、自分の尊厳が……。

 

 愛している男にすべてを奪われ、彼無しでは生活できなくなる。

 

 それがたまらなく嬉しかった。

 

「参護ぉ、全部……奪って?」

 

 ニィっと参護の口元から笑みが漏れた。

 

 それは、萃香を味わい尽くせる喜びからか、彼女自身から捧げられた思わぬ宝物に対してか。

 

「ああ、全部味わい尽くしてやるよ」

 

 そう宣言した。

 

 そのまま、再び深い深いキスに移る。

 唾液をすする音、制限された呼吸で荒くなる鼻息が淫靡にその場に響く。

 

 参護は、片手で萃香の首輪に手をかけ、空いている手を萃香の外見相応の女性の象徴へと伸ばし、濡れ具合を確かめる様にゆっくりと、そして徐々に強く、萃香を責め上げていく。

 

「ふっ!? むぅ! むぅぅぅ!?」

 

 抗議の声か、快楽の咆哮か、キスをされている最中にくぐもった声を上げるが、参護は決してキスをやめることは無かった。

 むしろ、これ幸いと萃香の口の中を蹂躙していく。

 

 酸素が足りない。

 

 鼻で息をしようと、萃香の女性自身を刺激されて、隅々まで刺激してくる舌の動きが、徐々に彼女から酸素を奪っていく。

 

 酸欠状態。

 

 ボーっとして息苦しくても、その快感から逃れられず更に意識が白くなっていく。

 

「ぷはぁ! すごいよ萃香? 見てごらん」

 

 混濁する意識の中で、参護は今まで彼女の下半身を刺激していた掌を見せつける。

 

 そこには明らかに快楽で漏らした愛の蜜がベッタリと付いていた。

 

 ボーっとする意識の中でも理解してしまう。

 

 カァァァッと顔に血液が集まってくるのが分かる。

 

 もう体がどうしようもないぐらいに参護を求めてしまっている。

 言い逃れのできない決定的証拠だ。

 

「こんなにして、可愛いね萃香は」

 

 プシッ

 

 思わず、下半身から噴き出してしまった。

 

「さん……ご、さんごぉ……」

 

「ほら、自分から足を広げて?」

 

 そう言いつつも、萃香の太ももに手を置いてゆっくりと開くように誘導している。

 開ききった足、その付け根にある女性の象徴をじっくりと指を入れながら愛撫していく。

 

「んあ、ぁぁ……」

 

「へぇ、萃香のここはこうなってるんだな?」

 

 羞恥を煽る言葉。

 

 しっかりと萃香の目を見て放たれるその言葉に、羞恥心が全身を暴れる様に動き回った。

 

「や、やぁ……」

 

「おや? いつもの萃香らしくないな。こういう萃香も好きだよ」

 

 再びゾクゾクっと全身に走る快感。

 

 その上更に

 

「んひぃ?!」

 

「お、萃香の弱い所はここか。サービスだから一回イっとけ」

 

 そう言われた途端、股を中心に全身へと痺れる様な快感が一気に広がり、酸欠でボーっとしていた彼女の思考を更に溶かしていく。

 

「あぁぁ……さんごぉ」

 

「可愛く蕩けちゃって。ここまで濡れてれば大丈夫だよな」

 

 すっかり蕩けきった萃香の股に、参護のモノがあてがわれる。

 熱く蕩けきったアソコなのに、参護のモノは更に熱くて、炎でも宿しているのではないかと疑ってしまう程だった。

 

「んあぁ!!」

 

(立派だとは思ってたけど、入りきらない。これ以上入れられると子宮までいっちゃうって!? 仕方ない、少しだけ疎にして余裕を……ッ!!!?)

 

 バチバチっと軽い電気が身体を巡ったような感覚。

 しかも快楽を邪魔するようなものではなく、むしろ快感に連動して更に感覚が鋭敏になった気がする。

 

「さ、参護!? くっ付く波紋使った!? ダメだよ! これ以上は私の膣じゃ受け止められない……」

 

「ダメだよ? 能力なんか使っちゃ。萃香の全部を貰うんだからさ……」

 

 そう行った参護の笑顔は、いつもの笑みよりも少し悪戯好きの感情が見えていて。

 

「俺のも全部受け止めてよ?」

 

 元々、子宮が下りてきていたのもあった、子宮口が参護のモノの先を咥えてしまっていたのもあった。

 それでも、参護はグリッと逸物を萃香の最も大事な部屋に侵入させた。

 

「んあぁぁぁぁぁ!!!!?」

 

 異物感よりも、深く刺された快感の方が強かった。

 視界が白と黒に点滅し、意識していないのに手足に力が入る。

 

「一滴も無駄にしないよ。全部受け止めて?」

 

 快楽で脳内がスパークしている状態で、どこか頭の隅にあった冷静な部分が警鐘を鳴らす。

 

 これ以上されたら、本当にまずいことになると、全力で萃香に警告する。

 だけど、それすらも萃香の参護を求める心は受け入れた。

 

「うん! うん! 全部! 全部ちょうだい!!!」

 

 その言葉に腰の動きが速くなり、無理やりに萃香の感覚を頂へと突き動かしていく。

 

 グリッと子宮口を半ばこじ開けたような状態。

 一番奥まで入れた状態で参護はピタッと止まり……

 

 ドクンッドクンッ……。

 

 大事な大事なお腹の部屋が、温かいモノで溢れていく感覚。

 

「……ッ! ……ッ!?」

 

 声にならない声を上げる様に、口を魚の様にパクパクとさせながらも、本能なのか意地なのか、萃香の足は参護の腰を固定するように回され、彼女が満足しなければ外れないようになっていた。

 

「可愛いよ、萃香。一滴残らず受け止めてくれるんだね」

 

 その状態のまま、参護はパクパクと繰り返している萃香の口をキスで塞ぎ、更に痙攣している萃香のナカを蹂躙していく。

 

 二人の営みはまだまだ始まったばかりなのだ。

 

 

********************

 

 

「こんな感じで、二人とも溶け合うような性交をしてさ、身も心も参護から離れられない様な激しい行為を……ってあれ?」

 

 熱弁していたら、阿求が顔を真っ赤にして奥に逃げていってしまった。

 

 刺激が強すぎただろうか?

 

「あーあ。でも、参護とこういう行為したいよねぇ。一生離れられなくなるような、濃い逢瀬」

 

 話している自分の下着がムズい事になっているのに気付いた。

 

「はぁ、いつか参護してくれないかなぁ……」

 

 そう呟いた彼女の望みは予想以上の形で叶う事になったのだが、それはまた別の話。

 




 鬼畜っぽく書こうとして失敗している様。

 どうも、オルカです。

 今回も期待外れの評価を貰わぬように色々とがんばりましたが、どうも物足りませぬ。

 他の官能物が、中々にエロい物が多いので、それらに慣れた方は本当に物足りないやもしれませぬ。


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外伝 稗田阿求の自慰

 こちらは久々更新。

 元々は萃香のセクハラを書くだけの枠だったのに、やっぱり私にも欲望というものはあるようです。

 物足りない描写も多いでしょうが、本番はもう少しお待ちください。


 私の能力に『一度見た物を忘れない程度の能力』というものがある。

 

 見た物と言うのが結構範囲が広く、聞いた・嗅いだ・味わった・触れた これらはそれ単体では忘れてしまいがちだけど、視覚情報と一緒に覚えてしまうと、セットで想起される。

 それだけではなく、見た情報から想起されることもある。

 例えば、梅干しを見て唾液が出る様に、条件反射とも言える状況が起きやすいのだ。

 

 まぁ、何が言いたいかと言えば、先ほど萃香の妄想と彼女の表情が頭から離れません。

 

「ああもう、萃香も最近落ち着いて来たと思えば……」

 

 最近セクハラが落ち付いて来たかと思えば、今度は成人指定の妄想をしているとは……。

 

 萃香は容姿こそ童女のそれですが、経験も戦闘能力も妖怪・鬼そのものなのだ。

 

 その彼女が、人間である参護さんに首輪で繋がれて無理やり犯される妄想をしている。

 

 何かが激しく間違っているような気がします。

 

 強引な参護さんと言うのも、割と良いと思いますが、やはり優しく抱いてくれる方が私としては嬉しい。

 

 私だって、何度も転生をしている身。

 そういう経験だってある。

 

 男女両方と言うのが珍しい所なのでしょうけど。

 

 参護さんの身体は、あれだけ戦っているにも拘らず、非常に均整の取れた身体つきをしています。

 

 上半身を見たことがありますが、細マッチョと言うのでしょうか?

 衣服を纏っている時はさほど鍛えているようには見えませんが、服の下は無駄な脂肪の無い彫刻の様な理想的な身体をしていました。

 

 あの引き締まった両腕で優しく私を支えるように抱き締めてくれて、いつもの笑顔のまま優しく囁くような、そんな……

 

「っ!?」

 

 ゾクッと、下腹部を中心に甘い痺れが波紋のように広がる。

 

 ジワジワと広がり、思わず自分を抱きしめる様にして、熱に抗うようにして身体を揺すったり、歩き回ったりして不意に襲ってきた疼きを抑えようとする。

 

「……ぁあ」

 

 思わず漏れてしまった吐息を慌てて両手で塞ぐ。

 

 これは、予想以上に火がついてしまったようだ。

 

 一度、部屋に戻って発散しないと、一日がまずいことになりそうですね。

 

 慌てて部屋に戻り、襖が開かない様にきちんと塞ぐ。

 

 萃香は参護さんに関しての妄想を私に話していたし、同じ状況だと思う。

 

 部屋の明かりを灯さず、着ていた着物を脱いでいく。

 

 肌着一枚。

 普通なら肌寒いぐらいの格好でも今は全身が熱い。

 

 床に腰を下ろすと、自分の胸に手を伸ばす。

 

 無い……、とは言わないけどかなり薄い。

 

 パチュリーは結構豊満な方だし、萃香は潔いぐらいだ。

 

 中途半端よりも無いに近い微妙な膨らみ。

 

 揉むと良いと言う話を聞いたことがあるし、揉む手にも気合が入ってしまう。

 

「ふっ……う……んっ」

 

 火がついている身体は、容易に快感を生み出す。

 

 ましてや、さっきまで萃香の妄想とはいえ、好きな人の情事の話を聞いていた。

 

 徐々に熱が全身を燃やすように体の中で燃え盛り、汗が肌を艶めかしく濡らす。

 

「ふっ、ふ……う、あぅ!」

 

 予期せず漏れてしまった声、慌てて手拭いを口に運び、噛むようにして声を漏らさない様にする。

 

 ここまで敏感になっている自分の身体に戸惑ってしまう。

 

 胸だけで声が漏れてしまうなんて経験が無い。

 

 これで下半身に手を伸ばしたらどうなってしまうのか?

 

 濡れ具合を確認しようと手を伸ばすと。

 

 ピチャッ……

 

「ふ!?」

 

 湿っているとかの話じゃない。

 

 まさに濡れているとはこのことだろう。

 

 いつもなら、触れる指を口に含んでからじゃないと出来ないのだけど、そんなことが必要ない程に準備が出来てしまっている。

 

 正直、ものすごく恥ずかしいのだけど、それだけ私の心が反応してしまったと言う事。

 

 今の時点でここまで濡れているのに、このまま続けたらどうなってしまうのか?

 

 恐る恐る、指を割れ目に沿うようにゆっくりゆっくりと擦っていく。

 

「ふ……むっ、は……ぅん……」

 

 手全体でゆっくりと、入り口や豆をまとめて柔らかく擦っていく。

 

 もう、全身が汗で濡れてしまっている。

 

 ああ、お風呂入らないと、なんて場違いな思考が頭をよぎった時だった。

 

 以前、参護さんの上着を洗濯する時に、彼の上半身をしっかりと目に焼き付けてしまった。

 

 それを思い出しただけで、全身に鳥肌が立ち、触れている部分に電気の様な痺れが追加された。

 

「ふぁ……ふぁんふぉふぁん≪参護さん≫……んっ!?」

 

 ああ、もう駄目だ。

 

 参護さんの名前を呟いただけで、全身に電気のような感覚と燃えるような疼きが一気に広がる。

 

 ここまで来てしまえば、途中で止めるなんてできない。

 

「ふぁんふぉふぁん≪参護さん≫! ふぁんふぉふぁん≪参護さん≫!」

 

 無意識に手の動きが速くなっていき、最初はゆっくり揉むような形だった手が、今は擦ると言っても良いぐらいまで力が入っていた。

 

 快感もいつもよりもずっと深く、強く、ネットリと纏わり付くように、私の身体を絡め取っていく。

 

 いくら手を動かしても、力を込めても、絡め取られていくこの感覚。

 

 いつもならすでに絶頂を迎えて、後片付けすら終えているだろう。

 でも、全然絶頂を迎えられない。

 

 こんなにも自信を慰めている時間が長い事など無かった。

 

 知っている場所に行きたいのに、いつも通りの道順でたどり着けないもどかしさ。

 

 身体を動かして、体位を変えて、色々と試してみても決して絶頂にはたどり着けない。

 

 その時、誤って屑籠を蹴飛ばしてしまう。

 

 結構溜まっていたらしく、その場に散らばってしまう。

 

 その中から、ボロボロの布切れが飛び出して、目の前に落ちてくる。

 

 参護さんが修行中に杖で手を擦り切らない様にとしていた包帯。

 

 私が洗いながらほつれ等を軽く補強していたのだけど、今回でこれ以上使えないだろうと判断して捨てていた布だ。

 

 布から濃厚な彼の匂い。

 

 無意識に身体を寄せ、続きをしようと指を動かした途端

 

「ッ!?」

 

 今までとは全く違う、深い快感。

 

 ここで理解した、彼を思って彼の名を呟いても深くなるだけの快感は、ただ彼を求めていただけだったのだ。

 

 まるで彼の手で愛撫されているかのような、彼に抱かれているかのような、安らぎと興奮。

 

 相反するようでいて、両立できるこの感情は私の全身を絡め取っていたモノをいとも容易く払いのけ、絶頂へ導いてくれた。

 

「~~~~ッッッッ! ふ……んぁ……」

 

 一瞬の硬直と永遠とも思える絶頂。

 

 そして、脱力と余韻。

 

 気付くといつもより荒い呼吸が、以前の自慰よりも激しい事を教えてくれていた。

 

 フワフワと身体を包む余韻が、徐々に晴れていき、冷静になってきて、後悔の念がムクムクと育っていく。

 

 私は何をしていたのだろう。

 

 この一言に尽きる。

 

 これでは萃香を叱れない。

 

「しかも、参護さんの……」

 

 彼の手を保護していた包帯の匂いで自慰をするなんて、恥ずかしいなんてものじゃない。

 

 先程の萃香が話していた妄想を非難できない。

 

 参護さんの匂いを嗅ぎながら、参護さんに触れられているような、抱かれているような感覚を味わっていた。

 

 冷静になれば、かなり恥ずかしい事だ。

 

 しかも、それで今まで以上に深く達してしまったことも、今では頭を抱えてしまう。

 

「……~~~ッ!」

 

 落ち込みながら、床に視線を落とした時に、先ほどの包帯が目に飛び込んできた。

 

 羞恥心を振り払うように、散らばったゴミを勢いよくかき集めて屑籠に放り込んでいく。

 

 それが終わると、汗だくな全身を丁寧に拭き、服装を整えて、部屋に香を焚く。

 

 証拠隠滅と言えば聞こえは悪いけど、自慰の痕跡は片付けておきたかった。

 

 風呂は沸かしてるけど、道中で誰かに会うのは避けたい。

 

 洗濯物を籠に押し込み、自慰の残り香を消すために、匂い袋を携帯する。

 

 汗をかいて気持ち悪いですし、素早く湯浴みを済ませてしまいましょう。

 




 ちょっと、自慰行為を隠ぺいする中学生みたいなことになってますが、気のせいです。

 こうして書いていると、自分の性癖の様なものが出てきてしまうのが何とも言えず悲しいです。

 パチェさんのも書かなきゃ(使命感)


 あと、明日は会社宿泊の為、更新はありません。


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外伝 パチュリー・ノーレッジの初めての自慰

 お待たせしました。

 と言ってもライトな表現なんですがね。

 ハイスクールDHも、つまり気味だし、ようやく書き上げたこっちもライトだし。

 ちょっと疲れ気味ですわw


 大図書館に私は住み着いている。

 最近は、参護さんの家への行き来も多いけど、基本的に私はここにいる。

 

 この大図書館は魔導書以外にも外から流れてきた書物が流れ着きやすく、小悪魔がそれらを分類分けして本棚に収めている。

 

 当然だけど、私の興味の無いジャンルの本も納められている。

 

 漫画の類がそれだったし、特に恋愛漫画や小説系は殆ど手を付けていなかった。

 

 最近は参護や阿求が借りて行くから手を付けないと言う訳じゃない。

 

 恥ずかしながら、恋愛というものがどう言うものなのかをまったくわからない私としては、そういうテーマの本は助かるのだ。

 

 私のゆっくり妖怪と記憶の同期をしてから、参護さんへの感情がとても強く、抑えられない程に高まる時がある。

 

 それは別にいい。

 

 受け入れているし、楽しいと感じるのも事実だしね。

 

 ただ、そういう時に一般的にどうするか?

 

 これが分からない。

 

 男女の行き着く先と言うのは、本で読んだことがあるし、行為の内容も房中術の本や性魔法の本でも読んだ。

 

 だけど、これはそういう目的がある行為ではない。

 

 一般的な物と魔法使いの知識や行動原理を比べた時に、回りくどいと言うか無駄とも思える事が多くあるのも理解している。

 

 その無駄とも思える部分を知るのに、恋愛小説や恋愛漫画と言うのは良い教材になる。

 

 無駄と敬遠してきたものをこうやって調べ直すことになるなんて、知識と言うのは本当にどこで必要になるかわからないものね。

 

「あら?」

 

 ふと、目に留まったのは恋愛関係の棚に並べられた小説や漫画たちのさらに奥。

 

 奥まった棚で、こうして足を運び、恋愛小説等々の棚を隅から隅まで見ようとしないと見つけられない様な奇妙な角度にある棚だ。

 

 そこにもたくさんの本が納められている。

 

 いくつもある書物。

 

 そこには、先ほどの本棚に納められていた漫画や小説とは違うものが収納されていた。

 

 性的な表現。

 

 ああ、確かに奥まった本棚に仕舞っておきたいと言う考えも分かる。

 

 しかし、私にはこういう本も重要な情報なのだ。

 

 数冊をまとめて抜き出し、参護さんの家にある自室で読みふけることにした。

 

 内容としては、長生きしているけど恋愛経験の無い妖怪と人間の恋物語。

 結構しっかりと性交の描写も、その前後の睦言や触れ合いの描写もされていて、物語としても一冊の本としても完成度は高いと思う。

 

 何も知らない妖怪の女の子に、少しずつ教えながら愛し合う。

 

 この内容は結構今の私や参護さんの状況と合致する部分がある。

 だからこそ、容易に置き換えることが出来てしまう。

 

*********************

 

「ねぇ、参護? 私、長く生きているけどこういうの初めてで……」

 

「俺も初めてですから、一緒に覚えて行きましょう」

 

 緊張しているのだろうけど、参護は私よりもこういう事への知識が有る。

 一枚の布団の上で、寝間着で相対している状態。

 

 私の両肩に手を置いて、ジッと私を見つめてくる。

 その瞳は優しげで、いつも私を見てくれている瞳そのものだった。

 

 そのまま、ゆっくりと近付いて行き、優しい接吻を交わす。

 

 唇を軽く啄む様な軽いキスだけど、触れ合っている、という事実が私の心を温かくしてくれる。

 

 私の肩に置かれていた手が、スッと背中に回され、グッと私と参護の間を縮めてくれる。

 

 啄むような接吻は、一歩深い接吻になる。

 

 二人の舌を絡め、唾液を混ぜる様に、互いの歯を舐める様に。

 

「ふ、むぅ……」

 

 唾液を交換し、吐息を交換し、二人の脳が溶けていき、混ざり合う。

 

 温かく柔らかいモノが自分の舌に絡みつき、練り合うように互いを擦りあう。

 

「ぷはっ! 積極的な接吻だね。なんて可愛くてイジらしいんだ……パチュリー」

 

 キュン

 

 その言葉だけで、心が胸がキュッと切なく、下半身がジュンッと湿るのが自覚できてしまう。

 

 愛する相手の言葉は、こうも身体が蕩けてしまうものなのか?

 

 こんなにも、女を刺激されるものなのか?

 

「参護、お願い……抱い

 

*********************

 

「……!!?」

 

 バタン! っと思わず読んでいた本を勢い良く閉めてしまう。

 

 こういう本であると分かっていたし、その上で手に取って読んだ。

 むしろ、似たような本は読んだし、これも内容的には前に読んだ本と大差が無い。

 

 違いと言えば、頭の中で登場人物を自分や参護さんに入れ替えた。ただそれだけなのだ。

 

「本当に、感情って予測不可能だわ」

 

 目を覆うように視界を手でふさいで、落ち着こうと努力する。

 

 触って見ると良く分かるけど、顔がとても熱い。

 考えるまでも無く赤面しているわよね……。

 

 置き換えると言うこと自体は容易だった。

 

 いくつか参護さんや私との共通点があったから、すんなりと置き換えが可能だった。

 

 だけど、置き換えたら自分の感情が異常に昂ってしまった。

 

 現金なものだ。

 

 とりあえず、何冊か例の棚から集めて、いつもの席に持っていく。

 

 一歩踏み出した時に、下半身に違和感を感じて止まる。

 

 意識して内股で確かめてみると、すぐに濡れていると分かる。

 

 自覚した途端に、恥ずかしさがこみあげてくる。

 とりあえず、本を席に置いてから下着を取り換えに向かう事にする。

 

 参護さんの家にある私室に着くと、殆どが本棚で占められている私室の中の一つだけある衣装ダンスから衣服をいくつか出す。

 

 この際だし、全部着替えてしまおう。

 読んでいる内に火照って汗もかいたでしょうし、着替えを持ってお風呂に入ってしまおうかしら?

 

 確か、今日はお湯を張ってある日だし、大丈夫。

 

 そう考えて、脱衣所に向かっていると、私のゆっくり妖怪と出会う。

 

 ピョンッと私の頭に飛び乗ると、記憶同期をする。

 

 会う度にやっているので、もはや癖の様なものになっている。

 

 すると、私のゆっくり妖怪は急にニヤニヤとした表情をすると、スッと一冊の本を手渡してくる。

 

 題名が『初めての自慰』。

 

 よし、オシオキだ。

 

 そう思って私のゆっくり妖怪を探すが、考えることは同じ。

 ほぼ、同心異体の状態だ。

 この本を渡した私の反応位は予想済みだろう。

 

 すでにその姿は無く、渡された本だけが手元に残る。

 

 大体、あの娘も知っているだろうけど自慰自体は興味本位で試したことはあるし、魔法の儀式のために愛液を集めた経験もある。

 

 自慰を知らない訳じゃないのだ。

 

 あの娘は、次に会ったら身体強化の魔法を使ったアイアンクローをかけてあげる必要がある。

 

 参護さんの家に居ると土地が半聖域化しているせいか、体調がすこぶる良いのだ。

 

 大量の本がある大図書館は心が休まるし、半聖域である参護さんの家は身体が休まる。

 

 最近、私にとって最高の環境が整いつつある気がする。

 

 参護さんや私のゆっくり妖怪には感謝しなければならない。

 

 まぁ、アイアンクローは確定だけどね。

 

 風呂へ行く前に、渡された本に目を落とす。

 

 こ、この本は読んだことが無かったわね。

 

 脱衣所に入浴中の札を掛けておけば、誰も来ないでしょうし……。

 

 と言う欲望に負けて、脱衣所にて全部脱ぎ去り、風呂場でつい実践をしてみようかと言うバカみたいな思考に至ったのは、さっきの小説のせいだと思いたい。

 

「初心者におすすめなのは……胸や乳首を刺激しつつ、陰核を刺激する」

 

 一日の殆どを椅子に座って本を読む時間に費やしている私。

 

 最近は参護さんの料理を食べたりしているから、全体的にムチッとして来ている。

 

 運動をして痩せなければと思うのだけど、どうしても読書を優先してしまう。

 

「そのせいか、最近また大きくなった気がするのよね……」

 

 そのつぶやき、と同時に触れるのは私の胸。

 

 参護さんの料理を食べ始めてから、全体的に太り気味になって、その時に一番重量が増えたであろう部位がここだ。

 

 正直、これ以上大きくなられても困るのだけど……。

 

 書物には、『男性は大きな胸を好む』と書かれていた。

 これに関しては、参護さんは阿求の事が好きであり、彼女はさほど大きくないことから個人差があることは容易にわかる。

 

 かと言って、大きな胸が嫌いかと言えば、そうでもないようだ。

 時折、私の胸に興味を抱いているだろうと言うのも分かる。

 作業中に不意に胸が当たった時に、ドギマギしていたし、顔が非常に赤くなっていた。

 

 阿求や萃香には無い、私の長所。

 

 もし、参護さんに抱かれる時が来れば、あまり利点を感じなかった私のこの胸が活躍するのだろうか?

 

 両手で胸を包み上げる様にして、ゆっくりと揉み上げる。

 揉むと大きくなると言う話があり、大きくしたくなかった私は揉むことをしなかったけど、参護さんが触れてくれるなら……って考えると、身体が芯から熱くなる。

 

 熱に浮かされたまま、右手を股間に持っていき、陰核をゆっくりと擦り上げる。

 

「ふぁ…!?」

 

 ビリビリッと、全身に伝わる刺激に熱が今まで以上に燃え上がる。

 皮に包まれていて、その上からゆっくりとゆっくりと刺激すると、身体の芯を伝って全身に甘い痺れが広がる。

 

 じんわりと、下半身が濡れていくのを感じながら、まだまだじっくりと刺激を続ける。

 

 痺れが身体を震わせる時、参護さんの色々な表情が脳裏に浮かぶ。

 

 本を読んでいる時の横顔、真剣に稽古に打ち込んでいる時の顔、微笑みながら話しかけてくれる笑顔、縁側で昼寝をしている時の寝顔。

 

 たくさんたくさん、私の中の参護さんが溢れてくる。

 

 クチュクチュ

 

 陰核を刺激するだけで、水音が混じる様になり、その度に参護さんの姿が脳裏に浮かぶ。

 

 皮の上からでも甘い刺激が全身を駆けるのだ。

 もし、直に刺激したらどうなるのか?

 

 知的好奇心がムクムクと膨らむ。

 

 指でゆっくりと手前に擦りながら、剥いて行く。

 プクッと出てきた陰核。

 僅かな恐怖心と、膨らみ切った好奇心。

 

 思い切って、指先を触れさせる。

 

 ビクンッ!

 

 僅かに滲みるような痛みと、意思に反して反射的に跳ねる腰。

 

 遅れて来る快感に驚く。

 

「え? ふ、ぐぅ!」

 

 思わず、指を噛んで声を殺した。

 そうしなければ、いくら風呂場とはいえ外に漏れる可能性がある。

 

 ジンジンと、表皮の上からとは比べ物にならない程の衝撃。

 

 快感だけじゃなく、痛みも伴っていて僅かだけど意識が浮上した気がする。

 

 熱や快感に沈んでいた意識。

 

 ゆっくりと、痛みを覚悟で陰核を刺激していく。

 

「っ! っ!?」

 

 ゆっくりと、風呂場の床に座り込み、徐々に強く陰核や胸を刺激する。

 

 もう、頭の中は参護さんと触れ合った記憶や、小説の登場人物に置き換えたシーンを何度も何度も頭の中で繰り返しながら、両手の速度は上がっていく。

 

 グチッヌチッと音も水音が多くなり、それに伴って快感も段飛ばしに増えていく。

 

 そしてついに……。

 

「……ッ!!? ッ! ッッ!?」

 

 腰が跳ね、全身が硬直する。

 それと同時に、脳内で雷が暴れているのではないかと言うぐらいに快感が弾けまわり、下半身全体が熱で溶けてしまっているのではと思える程に熱く、痺れている。

 

「ハッ……ハッ、今のが……イクって奴……かしら?」

 

 正直、全身が鉛のように怠い。

 それと同時に、心地よい疲れと甘い痺れがまだ身体に残っていて、全裸でいるにも拘らず、そのまま眠ってしまいそうなほどに、甘く心地よい余韻。

 

 しかし、いくらなんでも風呂場で全裸で倒れる訳には行かない。

 

 さすがに、この姿を阿求や萃香に見られる訳にはいかないし、参護さんなんか絶対に見られたくない。

 

 怠い身体に鞭を撃ち、身体にお湯をかけながら床や身体から汗や愛液を流してしまう。

 その後、しっかりと全身を洗った後に、湯船に浸かり、意識を回復させてから、私室で倒れ込むように眠った。

 

 その日の夢は、大変恥ずかしかった。

 

 翌朝にシーツや下着を換えることになってしまったのは、私とゆっくりだけの秘密だ。




 友人に「お前の真骨頂は鬼畜な話だろうが!」っとガチのトーンで言われた今日この頃。

 ソンナコトナイデスヨー

 そろそろ、絡みが入れられるか!!?


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外伝 稗田阿求の初体験

 お久しぶりです。年末年始でバタバタなオルカです。

 周りもバタバタしてるので、皆さんも忙しい事でしょう。

 そんな中で、官能小説を書きあげる俺!

 ついに本番ですよ~。


 -追記-
 改行のおかしな部分を修正しました。


 俺も阿求様も何も申し合わせていない。

 

 だけど、自然とこの日が互いの肌を重ねる日だろうと考えていた。

 

「えっと、参護さん。よろしく、お願いします」

 

「あ、ああ。こちらこそ、よろしく頼みます」

 

 間抜けた挨拶から始まってしまった。

 

 ここは、俺の家にある阿求様の部屋。

 

 互いに和服の肌着で布団の上で行儀よく正座していた。

 

 阿求様がゴロンッと布団の上に横になり、その上から覆いかぶさる様に近付く。

 

 互いに頬が紅いのが分かる。

 

 頬に手を添えると、阿求様は目を閉じてその口をわずかに前に出す。

 

 そのまま、自分の唇を彼女の唇に重ねて、抱き締める様に背中に手を回す。

 

 華奢な阿求様の身体。

 成人していると言うのに、線が細くて、体温が少し低い。

 

 普通に本能に任せて彼女の身体を貪ろうものなら、彼女の身体は持たないだろう。

 

 でも、一生残る初体験。阿求様は前世では体験しているそうだけど、九代目としては初めてだと言う。

 なら、来世でも思い出せるような体験にしたい。

 

 では、どうするか?

 

 強い快楽を短時間に与えるのは彼女にとって負担になる。

 

 故に、ゆっくりと長く、しっかりと身体に刻み込んであげることが一番だろう。

 

 波紋の呼吸を教えてからは、線の細さや病弱な所はある程度緩和されている。

 

 ゆっくりと長く続けるなら、むしろ問題無く行けるだろう。

 

 だから、口付け一つでも彼女を満足させられる様に頑張らなくちゃだめだ。

 

「ふ、ぅん……」

 

「阿求様……」

 

 唾液を交換するように、吐息を交換するように、ネットリと接吻を交わし続ける。

 

 頬に沿えていた手を、そのまま阿求様の肌着にかける。

 こういう時は、洋服より和服の方が脱がしやすい。

 

 帯を解き、肌着の前をはだけてあげるだけで、彼女の素肌が晒される。

 

 初めて出会った頃から変わらない。

 俺はゆっくり達に出会った辺りから徐々に背も体格も成長を始めていた。

 

 今では、兄貴に近いぐらいまで背が伸びた。

 体格は兄貴ほどではないけど、結構成長できた。

 

 阿求様は後ろから抱き締められるのが好きらしい。

 あすなろ抱きだったっけ?

 

 そんな体格差があるが、正面から抱き合っている俺達はもはや裸同士だ。

 

 触れ合っている肌が熱くなり、交わしている口付けは更に激しいモノになる。

 

 阿求様の両手は抱き締める様に俺の首の後ろに回されている。

 

 俺の手は片手は支える様に彼女の首筋に回し、片手は胸を愛撫する。

 

 胸を、脇腹を、ヘソを、太ももを、お尻を順番に愛撫していく。

 大事な所へはまだいかない。

 

 焦らしてあげるのも、愛し合う一歩だろう。

 

 今の様な愛撫を繰り返していると、徐々に阿求様は焦れてきたのだろう。

 太もも付近やお尻に触れている時に、わずかに腰を浮かせて催促して来る。

 

 キスのまま、見つめ合うように舌を絡ませているその瞳には、まだ薄いけど確実に淫らな炎がチラチラと揺らいでいるのが見える。

 

 首に回していた両手がギュッと強く強張るのを感じる。

 

 彼女の恥丘にソッと指を這わせたからだろう。

 

 その体格からも想像できる通り、ほぼ無毛の股間。

 体毛が薄いのか、腋の下も処理の跡が無い。

 

 その興奮が自分のモノを硬くするのが分かる。

 

 いけない。

 今は、所謂スローセックスを行おうとしているのだ。

 欲望のままに行動してはいけない。

 

 阿求様の心も身体も、蕩けさせる。

 

 そう再び決意して、絡めている舌を口内を味わうように動かす。

 

 ピクンピクンッと、首筋の震えを感じる。

 気持よくなってくれていると思う。

 

 絡めている腕の力も少しずつ強くなってきている。

 

 愛撫を続けている片手も秘所を丁寧に外しながら、その周囲を撫でる様に、つつく様に、揉む様に刺激していく。

 

 彼女の身体に灯った小さな火は、徐々にその勢いを増していく。

 全身がほのかにピンク色を帯びてきた。

 

 潤んだ瞳も、訴えるような色を見せている。

 

 ゆっくりと唇を離すと、名残惜しそうに彼女の口が少しだけ付いて来る。

 それがたまらなく愛おしく思える。

 

「阿求様……」

 

「参護さ……ひゃっ!?」

 

 殆ど不意打ちだったが、秘所を撫であげると、短い悲鳴とキュッと俺を抱きしめる腕に力が入る。

 

「可愛いですよ、阿求様」

 

「参護さんは、思ったよりも意地悪ですね?」

 

「失礼な。愛しい相手だからこそ、色々な表情を見たいと、引き出したいと思うものですよ」

 

 これは親父の受け売りなんだけど、実際その通りだと俺も思う。

 

 普段の木漏れ日の様な優しい笑顔、さっきまで見せてくれていた蕩けるような表情、今のちょっと拗ねるような表情。

 俺の好きな人は、こんなにも可愛いと、こんなにもイジらしいと、こんなにも愛おしいと、心から思える。

 

「その内、萃香やパチェともこうするんでしょう?」

 

「嫌ですか?」

 

「いいえ、今私がこうしているのは、貴方とあの二人のお陰ですから。最初が私でいいのか、と言う話です」

 

 普段はそうでもないのだが、たまに阿求様は自信を卑下する時がある。

 俺に負い目を感じていた時も、俺を自分の転生と言う業に付き合わせたくないと考えていた時もだ。

 

「阿求様、何度でも言いますよ」

 

「参護さん……? ふむっ!?」

 

 言いますよっと口にしておいてキスで口を塞ぐとは、ちょっと間抜けな話だ。

 だけど、ちょっとだけ蕩けて貰おう。

 

 理屈で凝り固まった思考は本能で溶かせ、これも親父の受け売りか。

 今でも思うが、あの親父は女誑しだ。

 だけど、誑した女は全霊を持って護っていた。

 

 当時は色々と嫌っていたが、俺も人のことが言えない。

 今なら分かる。

 親父が母さん達を三人も娶ったのか。

 

 キスで口を塞ぎ、口内を舌で蹂躙してやる。

 そして、秘所に伸ばした手で覆うように包み込むと、全体を擦り上げる。

 

 初めてなら、いきなり指を入れたり、陰茎を刺激するよりも、柔らかい刺激から慣らしていくのが良いと言う。

 

「ふみゅ!? むぅお! もぅもぁん!!?」

 

 何か言っているが、聞く耳を持たない。

 

 じっくりと、何十分も、何時間でもかけて蕩けて貰おう。

 

 幸い、波紋と気功は大分練りあがっている。

 

 波紋自体はキスをしているから新たに練ることはできないが、気功はそうではない。

 疲労を回復させつつ、長く長く睦み合う。

 

 どのくらい時間が経っただろうか?

 

「……っ。……ふぁ、ぁぁ……」

 

 やり過ぎたかな?

 

 途中から、抗議の声も上げなくなり、素直に反応してくれるようになった。

 

 その辺りで止めておけば良かったのだが、何分好きな人が俺の攻めに可愛く反応してくれている。

 その事実が嬉しくて堪らなかった。

 

 うん、調子に乗り過ぎたな。

 

「阿求様。俺は貴女が最初でいいんです。貴女が俺の最初なんです」

 

 囁くように、阿求様の耳元で俺の本心を語る。

 今のように蕩けていなければ、悪い方に考えて、それを心に溜め込んで居たかも知れない。

 

「貴女はこの世界に来た俺を、右も左も分からなかった俺を、救ってくれました。そこにどんな考えや思惑があっても構わないのです。俺が救われたのは事実で、貴女の采配が人里を救いました」

 

「い……ぇ、参護さんを……利用しようと……していたのは……」

 

 ジュクッ

 

「ひんッ!」

 

 ここに来て初めて、指先を彼女の膣内に滑り込ませた。

 十分に解してあるから、熱いぐらいに火照った膣内は、俺の指をキツくも柔らかに受け止めてくれる。

 

「ダメですよ。例え貴女にだって否定させません。俺は貴女に救われて、この幻想郷で生きています。そして、沢山の出来事の中で貴女はいつも近くに居てくれた」

 

 キュッっと締めてくる膣内は、とても熱くて心地よかった。

 

 膣内に入れている人差し指、ならばと親指を陰核の上に置く。

 

 置くだけだ。下手に擦ったりすると初めての身体は痛いと聞く。

 反応を見ながら調節するものらしい。

 

「しゃんごしゃ……!?」

 

 呂律も回らなくなってきたようだ。

 

 それでいい、この気持ちを本能に、心の奥底に届けたい。

 

「俺、海原参護は稗田阿求が好きです。何も負い目を感じる必要は無いんですよ。貴女のすべてを受け止めます。だから、俺のすべてを感じてください」

 

 長い間、待たせていた俺のモノも限界だとばかりに自己主張している。

 

 向かい合う形、いわゆる正常位で互いの性器をあてがった状態で止まる。

 

 流石にこの先は俺でも戸惑う。

 破瓜は痛いらしい。

 それこそ、いくら準備してもその痛みは残るものだと。

 

 一瞬の戸惑い。

 

 それを感じ取ったのか、阿求様が動いた。

 

 グッと、その両足で俺の腰をホールドしたのだ。

 

「はぁはぁ……、キテください。貴方のすべてを受け止めますから、私のすべてを感じてください」

 

 ああ、ここまで言われては、我慢できない。

 ゆっくりと進めてきたけど、正直下半身がヤバいのだ。

 

 そのまま、阿求様の膣内へと進んでいく。

 

 少し進むだけで、膣内がまるで絞る様に伸縮して全体を揉み上げてくる。

 

 そしてついに……。

 

 プツッ

 

 亀頭から感じる破瓜の瞬間。

 膣内が痛いぐらいに締め付けて来て、彼女の両足も強張ったように振るえた。

 

「っ! 大丈夫です。もっと奥まで、全部来てください」

 

 痛みに耐える様な表情で、絡めた足で俺の腰をグイグイと奥に導こうとしている。

 

 それに導かれるまま、亀頭に何かが当たる感覚。

 奥まで届いたのだろう。

 

「ぐっ! 奥まで感じます。参護さんが私の中に居ます……」

 

 ウットリと、慈しむような表情で自分の下半身を見つめている。

 そして、阿求様。

 さっきから、男殺しなセリフを次々と……。

 

「見ていてください……。コォォ!」

 

 いきなり、波紋の呼吸を始めた阿求様。

 破瓜の傷が癒えようとして、膣内全体が流動する。

 

 全体が俺のモノを締め上げて、まるで型でも取っている様に固定されている。

 

「ふふ……。これで私の膣内は、参護さんの形になりましたよ」

 

 涙目で微笑みながら、両手を俺の背に回して、そのまま口付けをしてくる。

 

 ああ、これはダメだ。

 

 彼女にハマっているのが分かる。

 

 溺れるとも言うのか?

 

 それが全然嫌じゃないのが、重症なんだろうな。

 

「無茶をして……。でも、ありがとう」

 

 そのまま彼女の口付けを受け入れ、ユルユルと腰を動かす。

 負担にならない様に、暴走しない様に。

 

「あぁ、参護……さぁん……」

 

 うっとりと、俺の名を呟きながら、彼女自身も腰を俺の動きに合わせて動かしてくれる。

 

 俺の形、と言うのは伊達じゃない。

 今にも出してしまいそうなのを踏ん張っている所だ。

 

 何度も何度も、口付けやピストン、胸の愛撫や首筋、沢山の事を時間をかけて、一般的に普通と思われる時間よりもずっと長く続けていたと思う。

 

 それまで何度もどちらかだけの、絶頂はあったけど、最後の最後に同時に登り詰めて、もつれる様にして二人で布団に倒れ込んだ。

 

 その時には外の様子は雀が鳴き出している時間。

 

 どれだけ長い時間交わっていたのだろう?

 

 俺も阿求様も、激しい行為こそしなかったが、ネットリとしたセックスを波紋や気功を使いながら続けていたことになる。

 

 そりゃ、性も根も尽きるというものだ。

 

「参護さん、大好きです……」

 

 とりあえず、俺の胸に抱かれている彼女がたまらなく愛しいと感じたのは間違いじゃないだろう。

 

 

********************

 

 

「にゅふふ~、昨夜はお楽しみでしたね~」

 

 結局、二人が起きたのは夕方だった。

 

 予想されていたようで、食事の支度から洗濯、風呂を沸かしてある手際まで完璧だった。

 

「結構お決まりのセリフで何がしたいんだよ萃香」

 

「あ、今朝方までお楽しみでしたね、の方が良かったかな?」

 

「ふぇ!?」

 

「な!!」

 

「いや、覗いてないよ? 目が覚めて、水飲もうと移動してたら聞こえてきたからね?」

 

 以降、防音魔法がそれぞれの個室にかけられたのは言うまでもない。




 ハイスクールDHの方じゃ無くてすいません。

 官能編の筆が進んだのがいけなかった……。

 次は、どっちにしようかな?
 順番では萃香、順当ならパチェさんだけど……。

 どっちも書きますがね?


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外伝 伊吹萃香の自業自得

 お待たせしております。
 お久しぶりでございます、オルカです。

 新しいやつを書いてるのですが、内容的に少し暗いもので、明るいというか違う方向を書きたくなったのでこちらを投稿します。



 

 嘘。

 鬼が嫌う事柄で、由来は酒呑童子が騙し討ちで討ち取られたこと。

 

 幻想郷に住む鬼達も当然のように嘘を嫌っている。

 海原参護と共に住んでいる伊吹萃香も。

 

「阿求様から聞いたんだけどな?」

「…………」

「おい、目を反らすな」

 

 正座している萃香とその正面に腕を組んで仁王立ちしている参護。

 傍から見るとかなり珍しい光景ではある。

 萃香が正座しているとき、大体正面にいるのは阿求であり、内容は様々だがほとんどがセクハラ関連のお説教だった。

 

「人の事を使って随分の好き勝手な妄想してくれてるらしいじゃないか」

「…………」

「おい、顔ごと反らすな」

 

 大抵のセクハラはその場での説教と軽度の制裁が下る程度で済む。

 だが、今回の参護は傍目からでもわかるぐらいに青筋が浮かんでいる。

 それと同時に、顔は紅く、周囲に漂っている酒気が濃い。

 

 泥酔状態だ。

 しかし、参護は波紋の呼吸の影響で肝臓は常人の何倍も強く、宴会などでは参加したうえで後片付け要員まで務めるウワバミだった。

 故に泥酔状態になることは一度もなかった。

 ではなぜ、参護が今泥酔状態で萃香に説教をしているのか?

 それは萃香のいつも持ち歩いている瓢箪が精製する『鬼の酒』だ。

 

 人間が飲むには適さない種類の酒であり、鬼達もそれを理解しているからこそ、人間にそれを飲ませたりはしない。

 だが、萃香のいたずら心がほんの数滴を参護の盃に混ぜるという行為に及ばせた。

 波紋の驚異的な活性力があるならば、鬼の酒でも数滴分なら平気じゃないかな? っと考えたからだった。

 結果は見ての通り。

 

「大体萃香はいつもいつもセクハラばかりで慎ましくしろとは言わないが自重というものを覚えるべきであって……」

 

 句読点を付けないほど流暢に説教をする参護の出来上がりなわけだった。

 だが萃香自身は、「やっちゃった」という表情の中に、「珍しい参護が見れてラッキー」という感情が見え隠れしている。

 萃香らしいといえば萃香らしいのだが。

 

「こうして二人で飲むの久しぶりなんだしさー、私の希望とか叶えてくれてもいいじゃんかよー」

「……希望?」

「そうだよー、こうして二人でまったりとだね……」

「……ああ、阿求様に話してた話の通りにして欲しいんだなぁ?」

「へ?」

 

 泥酔気味の参護に小脇に抱えられ、萃香は参護の私室へ連れていかれた。

 

 

********************

 

 

「えっと……参護? この状況の説明をして欲しいんだけど……」

「ん? 手錠と首輪が萃香のお望みだろう?」

 

 萃香の脳裏に浮かぶのは先ほど説教を受けていた原因である、阿求に自分の妄想を語ってしまったことだ。

 その妄想の内容には、手錠や首輪が出てくるシチュエーション。

 

「それは妄想でだね……、ってなんで疎になれないの?」

「波紋って便利だよね」

「くっ付く波紋!? くっ付く波紋を手錠と首輪に纏わせてるの!?」

 

 なんとも無駄な技術の応用方法ではあるが、実際やられている萃香が脱出できないので成功ではあるのだろう。

 萃香自身、これを無効化する方法も心得ている。

 妖力を爆発させるように開放して、波紋を押し流す方法があるが、それをこの家でやると余波でこの家自体が危ない。

 もう一つは、鬼の腕力に任せて手錠を引きちぎること、しかし萃香本人の満更でもないような感情がそれを良しとしない。

 故に萃香は解除方法を実行する事が出来ない。

 

「萃香には世話になってるし、萃香の望みだから精一杯叶えるよ」

「いや、ちょっと待っ……!?」

 

 抵抗しようとした萃香の口をキスで塞ぐ。

 両手を拘束され、首輪をしている状態でアゴをクイッと持ち上げるようにして、ディープな接吻をしている。

 

 舌を絡め、唾液を交換し、歯茎を、上あごを、丁寧に味わう。

 萃香は突然の接吻に驚いていたが、徐々にその瞳が潤みはじめ、両手が拘束されていながらも、少しでも長く味わおうと必死に参護の口に吸い付き始めた。

 

「ふぅ、綺麗だよ萃香」

「参護……って、え!?」

 

 長い長い接吻の後、二人の唾液が離れることを拒むように二人の口をしばしの間繋ぐ。

 とろけ切っていた思考が僅かに戻って来た途端に気付いた。

 萃香の衣服はほぼ脱がされており、控えめな胸は完全に露出して、下半身は下着以外は完全に脱がされていた。

 彼女の秘所を隠す下着は、接吻の影響でぐっしょりと濡れており、薄手の布地はピッタリと張り付き、その形を透けて見せている。

 

「さ、参護……? 今日は積極的だね?」

「阿求様から君の妄想を聞いた時にね、期待されているなら応えないとって思ってさ」

 

 参護は基本的に万能である。

 本人の努力と才能が上手く噛み合って、周囲からは出来ない事の方が少ない印象があるのだ。

 それは事、性癖においても大差は無い様だ。

 完全に酔っている状態ではあるが、抱いた感情は間違いなく彼の感情であり、萃香を思う気持ちも本物だ。

 

「い、いやぁその気持ちは嬉しいけど……ひゃい!?」

「こんなに濡れて、楽しみにしてくれたんだね」

「そりゃ、あんな情熱的な接吻だったし……って、むぐぅ!?」

 

 接吻を褒められたのが嬉しかったのか、再び萃香の口を塞ぐように深い接吻を交わす。

 ただ、彼の両手は先ほどは衣服を脱がすことに終始していたが、今は左手で萃香の頭を、右手で彼女の秘所を撫でるように愛撫していた。

 

 拘束具などを使用して乱暴な印象から、まるで柔らかい果実を触るように優しく、丁寧に揉み解す。

 素面の参護だったら、躊躇していたのかもしれない行為。

 だが、その中でも参護らしい優しさを萃香は感じ取っていた。

 

 けして乱暴ではなく、こそばゆさを感じるほどのソフトタッチ。

 そして、接吻を楽しんだ後に、慈しむように萃香のうなじに顔を近づけ、スゥッと匂いを嗅ぐ。

 空気が肌を撫でる感覚に、ゾクゾクと身体の芯が震える。

 

「ふぁ……んっ……」

「ちゅ……、れ…る……」

 

 うなじの匂いを嗅いだ後に、軽く舌で舐め、少し吸い上げ、跡が少し残るように吸い上げている。

 部屋にチュチュっと吸う音が響く度に、ピクンピクンっと萃香の身体が跳ねる。

 

「ちょ、参護! いい加減に……!!」

「ちゅっ……、大丈夫だって、任せてくれればいいよ」

「んっ!?」

 

 秘所を優しく撫でていた手を、割れ目に中指を沿うように撫で上げ、敏感な豆をジワジワと刺激していく。

 予想外の刺激に少しばかりの抵抗の素振りすら、封殺されてしまう。

 拘束されている萃香に後ろから寄り添うように身体を密着させると、抱きしめる。

 萃香の腰あたりに参護の硬くなったモノが当たる。

 

「こうして抱きしめると、すっぽりと収まって可愛いな」

「さ、参護!? やっぱり酔ってるでしょ!?」

「ちょっと気分がいいだけだから、酔ってないって」

 

 世間一般では酔っているという状況だろうと、萃香は考える。

 しかし、口に指を入れられ、秘所は愛撫を続けられている。

 ピクピクと反応を続ける身体。

 その反応を喜ぶように参護の愛撫は的確にそして上手になっていく。

 萃香の腰に当たっているモノも脈動を感じられるぐらいにまで硬くなっている。

 

「ひょっと、ひゃんほ!? んん! いつまへいひって……ひぅ!?」

「やっと繋がれるな……」

 

 背面座位の形で十分に濡れきっている秘所に参護のモノをじっくりと擦るように、彼女の愛液を自身のモノに塗り込むように擦り続ける。

 愛おしそうに耳元で囁き、擦っていただけのイチモツを彼女の秘所の先に当てる。

 このまま、参護が腰を持ち上げれば、入ってしまう位置だ。

 ツルッと口から指を口から抜いて、そのまま胸への愛撫へと変更する。

 慎ましやかな胸だが、その先の小さな豆を萃香の唾液で濡れた指で摘み上げる。

 

「っ!? さ、参護? これ以上は……入っちゃうんだけど……」

「ああ。お待たせ、愛し合おう萃香」

 

 参護のセリフと同時に萃香の身体の中へと進入する。

 丁寧な接吻と愛撫によって十二分に濡れそぼるその秘所は、まるで待っていたとばかりに参護を受け入れ、拒むような動きではなく、狭くも包み込むように参護を受け入る。

 ゾワゾワと萃香の身体に快感が走る。

 痛みはあるが、それ以上に走る未知の快感が強い。

 

 十分以上に愛撫をしていたが、膜が破れた痛みが少ない。

 萃香が此処で気づいた。

 参護の全身から波紋と気の気配がする。

 銀色の闘気ではない、それぞれを器用に使い分けて萃香の身体と参護の身体両方を強化と活性をしている。

 

「さ、参護! 波紋とか気とか使って……!?」

「うん、萃香にはたっぷり楽しんでもらいたいから」

 

(好意なんだろうけど!?)

 

 痛み以上に快感が沸き上がる。

 中国には房中術と呼ばれる、性行為での健康法のような技術がある。

 現代に至るまでに、一部が変質し性行為による気力や精力の循環術という形になっている。

 参護が使っているのは現代版の房中術。

 概念を理解しており、それを実践できるほどの気功と波紋の技術力があるためだ。

 

 参護の知識の元は父親。

 三人の女性と子を成した海原家でも珍しい人種だ。

 その知識と経験は三人を同時に相手して、女性側が音を上げるほどだった。

 そして、その血は参護に色濃く受け継がれている。

 

「阿求様もパチュリーもしばらく二人っきりにしてくれるらしいし、楽しもう?」

 

 その言葉に、萃香はヤバいと思った。

 阿求と参護が初めて繋がった時、3・4日程二人っきりにした経緯がある。

 初体験からしばらくは二人っきりでイチャ付いてもらおうという意図だったのだが、阿求の時は初日以外は家に誰もいなくなっていた。

 初日は阿求の体力の事を考えて、萃香もパチュリーも待機していたのだが、今回の萃香の体力は三人の中で一番だろう。

 であるなら、初日から参護の家には誰も居ない。

 ゆっくり達も阿求やパチュリーの所で一時的に引き取っている。

 

 それがどういう意味かというと、誰も参護を止められないという事だろう。

 阿求を気遣ってのスローセックスに対して、萃香は体力の続く限りの激しい行為が行われるだろう。

 初体験であり、出だしの今だからこそ今のようなゆっくりとした行為なのだ。

 

「……あ、あははは、お手柔らかにね……?」

 

 これから行われるであろう宴に、不安少々期待大といった感情でそう呟いた。

 

 

********************

 

 

 肌と肌がぶつかり合う音が、リズミカルに室内に鳴り響いている。

 両手を拘束されているが、その両腕の中に参護を抱きしめるようにしてその秘所を突かれている萃香。

 

 彼女を支えているのは、参護の首に回している両腕と、何度も突くためにしっかりと腰に当てられている参護の両手、そして彼女の中に深く刺さっている参護の剛直である。

 

「あふ、ひんっ!?」

「ああ、萃香。可愛いよ……」

 

 息も絶え絶えで、涙と涎が垂れ流し状態の萃香。

 それを愛おしそうに語り掛け、首筋に跡を残し、何度も何度も腰を打ち付ける参護。

 

 鬼である萃香が、息も絶え絶えになる。

 普通はそんなことは無いだろう。

 その気になれば何日でも闘い続けられる鬼である彼女に体力で押し勝つのはほぼ不可能だ。

 

 しかし、現状は萃香がグロッキー状態だ。

 それはなぜか?

 あれから三日間、ほぼ貫徹で交わり続けていたのだ。

 

 萃香の身体で参護が触れていない場所は無い。

 萃香の身体で参護の舌が這っていない場所は無い。

 

 強く、濃厚に、刺激的に交わり続けている。

 

 口で、前の穴で、後ろの穴で、おおよそ参護の知識にある性行為のほとんどを萃香にぶつけていた。

 突かれる度に彼女の膣とアナルからは参護の精液が零れ落ちていく。

 それは尽きる気配が無く、それどころか流れ出る傍から補充されている始末であった。

 

 波紋と気功の無駄な使い道である。

 何故、対面立位で繋がっているかと言えば、彼らの足元にある布団はもはや使い物にならない。

 萃香の愛液や尿、汗、参護の精液や汗で池にでも漬け込んだのだろうかと言うほどにグッショリだった。

 

 初めての感覚に萃香は抵抗もできずに陥落状態。

 参護も鬼の酒というある意味で初めての感覚で暴走状態。

 

 しかしその永遠に続くと思われた快楽の園は三日目で突然終わりを迎えた。

 三日目の夕方に帰って来たパチュリーに魔法で二人とも昏倒させられたのである。

 

 そこから、パチュリー主導で疲弊していた萃香の回復、これはすぐだった。

 というより、萃香は治療は不要で、むしろ危険だったのが参護の方。

 鬼の酒で本能が増幅され、波紋と気功で無限ともいえる体力があったが、それを支える肉体側の栄養失調と水分不足による脱水症状が顕著。

 どちらも軽微なものだったのが救いだった。

 

 原因の鬼の酒はすぐにパチュリーが浄化した。

 

 当然萃香は阿求とパチュリーにきつく説教を受けた。

 それで済んだのは、三日間連続で犯されてたので十分だろうという二人の判断からだった。

 

 さて、人間は激しく酔っ払った際は記憶はどうなってしまうのか?

 その例として二つの例を挙げる。

 一つ目が完全に記憶が飛んでしまうタイプ。

 これは魔理沙や布都に当てはまる。

 

 もう一例がしっかりと残るタイプ。

 これに当たるのが……。

 

「俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ俺のバカ」

 

 一日で復帰した参護が頭を抱えながら柱に額を押し付けながら、永遠と呟いている。

 いくら酔っていたとはいえ、鬼の酒だったとはいえ、萃香との初体験にあれは無いっと自責の念に苛まれていた。

 被害が大きかったのは参護の方なのだが、彼自身は自分よりも萃香への申し訳なさの方が先立っていた。

 

「あれは、しばらく落ち込むわね」

「私たちを大事に思ってくれているから、余計に自分を責めているのでしょうけど……」

 

 パチュリーと阿求は、時間が解決する方向で進めることにしていた。

 大事にする存在に迷惑をかけて、大事にする存在に慰められれば自責の念がさらに強くなると考えたからだ。

 

「……それで、どうだったの萃香?」

「………」

 

 余韻が抜けきらないのか、若干ぐったりしている萃香。

 だが、その問いにぴくっと反応すると、ゆっくりと顔を上げる。

 

 ぽ~っとした顔が、何かを思い出したのか更に蕩けた後、ハッと顔を引き締めようとするも、引き締め切れずにまたぽ~っとした表情になってしまう。

 

「萃香?」

「……すごかった」

 

 そう一言呟いた後、再び表情を蕩けさせ机に顔を突っ伏してしまった。

 その表情は、紅潮した頬に蕩けきった瞳、少しだらしなく空いていた口。

 官能的で未だに行為の中に居るかのような、美しくも退廃的な表情だった。

 

 三日の激しい行為から抜け切れていない萃香が再起動するのは、それから一週間後だったのだが、奇しくも参護が再起動するのも同時だった。




 暗いのを書いてると、日常が恋しくなります。

 仕方のないことでしょうが、日常系が好きなのはこういう理由なのかもしれません。

 すいません、新作はもう少しお待ちください。


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外伝 パチュリー・ノーレッジの新婚生活

どうも、例大祭への一般参加を画策しているオルカです。

大変お待たせいたしました。
これにて、ヒロインの三人の初夜を書き終えた形になります。

更新頻度が著しく落ちてますが、色々と設定を考えることはしているので、いつか日の目を見せられるように、コツコツと続けていきたいと思います。

設定厨の悪い癖なのかもしれないですが……。


 不文律、と言うモノがある。

 

 稗田阿求、伊吹萃香。

 この二人が海原参護と初体験をする際に、他の二人とゆっくり妖怪たちが家を空け、二人きりで初体験を行った事から暗黙のルールが出来上がっていた。

 

 特に話し合った訳ではない。

 最初に言い出したのは、パチュリーだった。

 と言っても、飛び入り参加しそうだった萃香を引きずるようにして二人っきりにした経緯である。

 

 その後、萃香の時も阿求と話し合って二人っきりにしたのだ。

 結果として、三日三晩の貫徹性交と言う恐ろしい世界が展開されたわけだが、それを収めたのも彼女だ。

 

 三人の内、二人が同じ条件で初体験を迎えたのなら……、という事で彼女の時も他の二人は家を空けて、パチュリーと参護を二人っきりにした。

 

「なんというか、いざこうなってみると気恥ずかしいものね」

 

「改めてって意識しちゃうとな」

 

 今二人は読書をしている。

 日の入る居間で、胡坐をかいて座っている参護の上に座るようにして二人で一冊の本を読んでいた。

 

 パチュリーは参護に完全に寄りかかるようにして本を開いており、完全に頭すら預けていた。

 そんなパチュリーを参護は、お腹に両手を回して抱え込むようにして抱きしめていた。

 

「参護を独り占めできるってだけで充分に贅沢なんだけどね」

 

「ごめんな、寂しい思いさせちゃってたかな?」

 

「ううん。独り占めができないだけで、参護さんは私達との時間、いっぱい作ってくれているって分かっているもの」

 

 そう言うと、振り返るように参護に笑顔を見せる。

 紅色に染まった頬とフワッと参護の鼻を女性特有の甘い香りがくすぐる。

 

「えっと……、飲み物用意するよ。紅茶でいいよな?」

 

「あ、ちょっと……」

 

 気恥ずかしさから、台所へ逃げてしまう参護を少し頬を膨らませつつ、不機嫌そうに見つめるパチュリー。

 しかし、溜息をつくと愛おしそうな表情で彼の背を見つめていた。

 

 視線の先では魔法で釜戸に火を点け、湯を沸かしつつ、ティーセットを準備していく参護の後ろ姿。

 その背は出会った頃よりも広く、頼りがいのあるものに成長していた。

 

(魔法の修業を始めて、ずっとずっと頼もしくなったなぁ。部分詠唱破棄も使いこなせているし、本当に器用な人)

 

 魔法には才能が必要である。

 それは、魔女として生きているパチュリーも十二分に認識していることだ。

 

 彼女自身も多くの知識を持ち、多くの魔法を使いこなすが、喘息持ちの為、詠唱の長い魔法は滅多に使えない。

 アリスは精密な糸の魔法を使いこなしている反面、大出力を必要とする魔法は苦手である。

 魔理沙は大出力の魔法を得意としているが、魔法の系統・属性が単調であることが弱点である。

 

 だからこそ、三人で弱点を補いあうようにしながら参護の指導を行っていた。

 そうしていく内に、参護自身の得意不得意が見えてきて、その内容に合わせて主指導員を定めようという取り決めになっていたのだ。

 

 しかし、参護はその指導の中であらゆる方面で一定の評価を出していた。

 落第と言える部分が見当たらず、同時に特化していると言える部分も無かった。

 

(だから最終的に参護さんが咄嗟によく使用する魔法系統から得意なものを割り出したのよねぇ)

 

 友人であり、彼の指導員であるアリスと魔理沙と共に苦悩した記憶を思い出し、再びパチュリーの顔が不機嫌そうに変わる。

 

(分類するのであれば、精密系万能型って所かしら? ホント、ズルい人……)

 

 自分の適性すら覆い隠す万能性。

 そのせいで、パチュリー達は苦労したのだろう。

 

「紅茶お待たせ。スコーンとアプリコットジャムあったから好みで……どうした?」

 

 不機嫌そうなパチュリーの表情に気付いた参護が不思議そうな顔をしながら配膳をしていく。

 鋭くも抜けている、相変わらずな彼にパチュリー自身も毒気を抜かれたようで、苦笑気味に自分の後ろの方の床をポンポンと叩いて参護へ催促する。

 さすがに気付いた参護も一度配膳したティーセットをパチュリー側へ寄せると、再び彼女の後ろ側へ腰を下ろし、そっと抱きしめる。

 

(今晩にもっと触れ合えるけど、今のこの時間も独り占めできるのは……嬉しいわね)

 

 背中の暖かさに、そのまま身を預けるとその心地よさを噛みしめる様に一つ深呼吸をして、そっと微睡み始める。

 それに気づいた参護も、腕の中で微睡んでいるパチュリーの体温を感じながらそっと目を閉じる。

 

 

********************

 

 

 夜。

 互いに身に着けているものは無く、産まれたままの姿で布団の上に座っていた。

 

「えっと、宜しくお願いします……」

 

 真っ赤な表情で慌てたように挨拶をする彼女に、参護も照れたように頬を掻きながらも目が泳いでいる。

 部屋には小さい明りが一つのみ。

 

 オレンジに照らされた二人の身体は、うっすらと汗ばんでいるようにも見える。

 参護は細身ながら鍛えられた筋肉とわずかに残る傷跡が、彼らしい印象を与えていた。

 

 パチュリーは三人の中では一番女性らしいプロポーションをしている。

 痩せ型だったり、童女のような姿をしている二人と比べ、柔らかそうな印象を与えるその肢体は、彼女の武器ともいえる。

 

「こちらこそ。パチュリーを……感じさせて……」

 

 そう言うと、二人は唇を合わせながらゆっくりと布団に倒れ込んだ。

 頬に添えられた参護の左手は、愛しそうにパチュリーの耳や頬を撫で、太ももへ添えられた右手は子猫を撫でる様にゆっくりと動いていた。

 

 パチュリーは参護にしがみつく様に背中へ手を回し、参護との口づけが終わらないことを願うように、彼との触れ合いを楽しんでいる。

 

「プハッ! えっと、どうかな? 私、あの二人と比べてお肉が……」

 

 ギュッと身体を抱くような仕草をすると、その豊満な胸がその存在を強調し、潤んだ彼女の瞳と相まって、相当な破壊力があった。

 彼女の周囲には、女性特有の柔らかさと言うモノを持った女性が少ない。

 友人であるレミリア・スカーレットは『永遠に赤い幼き月』と呼ばれており、小柄な体躯をしている。

 その妹であるフランドール・スカーレットも姉同様に幼く狂気と天真爛漫を兼ね備えた性格をしている。

 メイド長をしている十六夜咲夜は激務ともいえる紅魔館の家事全般を執り行っている為、柔らかさと言うよりは、しなやかさの光るプロポーションをしており、門番をしている紅美鈴は、一番豊満な胸を持っていながらにして引き締まった身体つきをしている。

 

 双方戦闘がこなせる存在の為、柔らかさよりもしなやかさの強い体躯であった。

 そうならば、パチュリーの発言も仕方のない事なのかもしれない。

 その言葉に参護は少し考えた後、胸に顔を埋める。

 

「え? 参護……? なにを……!?」

 

 チュゥっという音と共に、彼女の胸の谷間より少し上にキスマークが刻まれる。

 そして、胸、脇、お腹、脇腹、太ももと次々にキスマークを付けていく。

 

 一通りつけて満足したのか、再びパチュリーとキスをして、こう言った。

 

「あの二人と比べなくていいよ。パチュリーにはパチュリーの魅力があるって、今から俺が教えてあげるよ」

 

 キスをしながらゆっくりと秘所を優しく揉みあげる様に愛撫していく。

 もう片方の手は、胸をさすり、その先にある小さな豆を指先で弄る。

 口づけしながらも、微妙な反応を探りながらその愛撫を続いた。

 

「ふっ……んっ……あ……」

 

 重なり合う口の間から漏れる彼女の声が参護の興奮度を上げていく。

 両手で自身の秘所へ伸びている手を掴んでいるが、その抵抗は抵抗と言うよりは放さないでと言う感情が透けて見えていた。

 

「大丈夫。少しでも痛くないように、いっぱい愛し合ってから……ね」

 

 慈しむ様に参護の右手はパチュリーの秘所へ、左手は彼女の頭の下を腕枕の様に通って耳や頬を撫でている。

 それに対してパチュリーも参護の股間を優しく擦る。

 密着した二人、参護の胸板に当たってパチュリーの豊満な胸が形を変え、先端のピンク色の乳首が徐々に固くなっていくのが見える。

 

「さ……参護さん」

 

「辛い?」

 

「いえ……でも、恥ずかしくって……」

 

 そうパチュリーが言うと、参護は指を明かりへ向ける。

 すると、ジッと音を立てて火が消えて、周囲が薄暗くなる。

 

「はい、これで大丈夫」

 

 暗くなったことで互いの体温や息遣いが良く分かる。

 呼吸をする度に互いの香りが鼻腔をくすぐり、上下する互いの肌が触れ合う度に温もりを伝え合う。

 

「ありがとう……参護さん」

 

 ギュッと参護の胸板に顔を押し付け、呼吸する。

 雄のフェロモン。

 数多の死地を潜り抜け、鍛え抜かれた身体。

 その身体からは子孫を残そうとする強い雄としてのフェロモンが発されていた。

 

 参護が触れている秘所からは洪水を思わせる量の愛液が流れ、参護の指をふやかせる。

 それを感じた参護はそろそろだろうと体勢を正常位に変えると、ソッとパチュリーの頬に手を添えてその瞳を覗き込んだ。

 

「準備できたけど、辛かったら言ってね?」

 

「大丈夫よ。どんなに痛くても、辛くても、参護さんが私にくれるモノですもの」

 

 そう言ったパチュリーの笑み。

 だけど、参護は気づいていた。彼女の肩がかすかにふるえている事を……。

 

「そっか……。でも、無理は禁物だからね?」

 

「ええ……、参護さん。キて?」

 

 あてがわれた剛直が徐々にパチュリーの秘所の中を進んでいく。

 ゆっくりと彼女の呼吸を見ながら、反応を見ながら、タイミングを計って進めていく。

 

「う……あ……っ!!」

 

 プツンと、膜を破いた感覚。

 パチュリーの声に苦悶の感情を感じ、波紋をゆっくりと彼女に流し込む。

 

「あったかい……」

 

 安堵の声。

 その声を聞いた参護も安心したような表情を見せた。

 

「パチュリー、苦しくない?」

 

「ええ、参護さんの波紋のおかげですぐに楽になったわ」

 

 パチュリーに気と波紋をゆっくりと流しながら、奥へと進めていく。

 痛みが和らいで感覚が鋭敏になってきたのか、参護が動く度にピクピクと膣内が痙攣し、それに合わせてパチュリーの身体も反応する。

 

 膣内がピクピクと痙攣する度に、参護の股間にもその感覚が伝わり、更に固く、そして敏感になっていく。

 乱暴に動きたいという欲求を堪えながら、パチュリーに語り掛け、胸を愛撫し、キスをして、互いに熱を交換し合っていく。

 

 何時間経ったのか、汗と唾液で互いがまるで溶け合っているかの様な錯覚さえ覚える。

 繋がったまま、相互に刺激し合い、二人の火はついたままだ。

 

「参護さん……! 波が……、なんか来ちゃう!?」

 

「一緒に居るから。怖くなったら、こうしてギュってしてあげる」

 

 そう言うと、パチュリーの背中に手を回し、頭を彼の胸に抱え込む様にして抱きしめる。

 その瞬間、パチュリーの身体が小さく痙攣し、ギュッと参護に抱き着いていた両手に力がこもるのを感じる。

 

「……ッ! っく……ぁ……」

 

 パチュリーの膣内に挿入されている剛直へ、キュッキュッっと絞め詰められるような感覚が伝わる。

 それに合わせて、参護も堪えていたモノを吐き出した。

 

「っ……!」

 

「……ぁ。あったかぁい……」

 

 パチュリーは、オーガズムに達したことはあったが、あれ程に深く互いに高ぶらせ合い、その上で絶頂に達したことは初めてだった。

 初めての感覚に、思考がトロけて思わず出た素直な言葉。

 参護はその姿を見て再び覆いかぶさりそうになる本能を抑えるのに必死だった。

 

 

********************

 

 

 海原家の風呂場。

 五右衛門風呂だった湯船を改修し、魔法と科学を合わせた特殊な風呂。

 

 そこに二人は居た。

 

 湯船にジックリと浸かった参護と、彼に背を預ける形で一緒に風呂に浸かっていた。

 

「ふぅ、流石に汗とか色んな汁で汚れてたからね。サッパリする……」

 

「そうね。サッパリしたし全身の疲れが溶け出していくみたい」

 

 長い髪をタオルでまとめ上げたパチュリーは、参護に抱えられるようにしてリラックスしている。

 豊満な胸が湯船から見えるが、流石に参護もつい先ほどまでたっぷりと愛していた胸だ。

 自分が付けた跡を見つけて少し気恥しそうにしている。

 

「上ったら何か飲む?」

 

「参護の入れた紅茶って結構好きなのよね。お菓子と一緒に出してくれない?」

 

「俺のなんかでよかったら丹精込めて入れるよ」

 

 今にも溶け合いそうな雰囲気でまったりとした時間が流れる。

 初めて繋がり合った二人の甘い空気。

 

「……参護」

 

「……ん?」

 

「……大好きよ、これからもよろしくね」

 

「……俺も、大好きだよ。ずっと一緒に……ね」

 

 参護に抱きかかえられ、パチュリーも彼の手を愛おしそうに撫でる。

 その姿は、新婚の夫婦のようだった。

 

 




砂糖を吐かせられれば大成功ですがどうでしょう。

R18シリーズとしてはもう一つシリーズを出したいのですが、エロと別の何かを描写していきたい形です。

クロスオーバーで画策中。

まぁ、創作意欲が湧いたものから必死に書いてる形です。

ゆっくり待っていただけたら幸いです。


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