剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜 (万屋よっちゃん)
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スタートダッシュ張り切る奴は後半スタミナが切れる

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

薄暗い迷宮、そこで一人の少年が異形なモンスターと戦闘を繰り広げていた。

 

黒いコートに黒いブーツ。

 

漆黒の刃が振るわれる度に金色の髪が揺れる。

 

 

「キシャァァァ!?」

 

 

少年の背後に巨大な蟻型のモンスターが現れ襲いかかる。

 

しかし、少年が一睨みすると蟻型のモンスターは金縛りにあったかのように動きを止めてしまった。

 

 

「ふん!」

 

 

動きを止めたモンスターを漆黒の刃が襲う。

 

辺りのモンスターは倒してしまったせいか少し静かになった。

 

漆黒の片手直剣を鞘に収めモンスターを倒した事で落ちた魔石を拾う。

 

 

「試し斬りも終わったしそろそろ帰るかな」

 

 

少年は出口へと向かっていった。

 

この迷宮はダンジョンといって世界に唯一存在している。

 

ダンジョンを中心に栄えてる都市がオラリオ、ダンジョンを夢見る冒険者達で賑わっている。

 

冒険者とは面白さを求めて下界した神々の眷属となり恩恵を与えられダンジョンへ潜る者の事だ。

 

神の眷属………言わば冒険者と神のコミュニティーをファミリアと呼ぶ。

 

そしてこの少年、レオンハルト・ヴァレンシュタインもその冒険者という奴だ。

 

 

「うわ〜〜、すっかり暗くなったな。

 

今日は宴会だって言ってたな、早く行かないとロキ様に怒られるよ……」

 

 

小走りで目的地へと向かう少年。

 

少年が所属しているのは神であるロキが率いるロキファミリアだ。

 

ロキファミリアというのは冒険者が集まる都市オラリオに置いて一二を争う巨大派閥だ。

 

昼夜問わず人通りが多いメインストリートを駆け抜け目的地へとたどり着く。

 

豊穣の女主人という看板が掲げられた居酒屋だ。

 

オラリオで最も人気の有る飲食店の一つだ。

 

店のドアを潜ると店内は喧騒に包まれていた。

 

 

「あー!やっと来たんかいな。

 

主役遅いから先に始めてしもーたで」

 

 

朱色の髪が目立つ麗人もとい麗神である主神のやや呂律の回っていない出迎えに笑みを浮かべながら店内に入る。

 

ロキの他にもロキファミリアの幹部クラスが勢揃いしていた。

 

 

「やぁレオン。

 

試し斬りにしてはエンジョイし過ぎたようだね。

 

ともかくランクアップおめでとう」

 

 

見た目は少年だが実年齢が40を超えているというナイスミドルな男性。

 

小人族〈パルゥム〉のフィン・ディムナだ。

 

レベル6の猛者にしてロキファミリアの団長を務めていて通り名は勇者〈ブレイバー〉、優しく頼れるお父さん。

 

 

「こんな時間までダンジョンに潜るとは流石アイズの弟だ。

 

ホラ、丁度料理が運ばれたぞ」

 

 

容姿の美しさは神にも届くと言われるエルフの王族出身である副団長、リヴェリア・リヨス・アールヴ。

 

フィンと同じくレベル6で通り名は九魔姫〈ナイン・ヘル〉、ロキファミリアのお母さんポジだ。

 

 

「ガハハハハハ!!強くなる事に貪欲なのは結構じゃろ!!」

 

 

ロキファミリア最古参のメンバーでオラリオ随一の怪力を誇る男。

 

ドワーフのガレス・ランドロック、通り名は重傑〈エルガルム〉。豪快なおじいちゃん的存在。

 

「レオンの癖に私達を待たせるなんて生意気ね」

 

 

「やっはろー!レオン」

 

 

やや露出度の高い服を着る褐色の姉妹。

 

アマゾネスのティオネ・リュヒテとティオナ・リュヒテだ。

 

レベル5の冒険者で通り名はそれぞれ

怒蛇〈ヨルムンガンド〉と大切断〈アマゾン〉。ロキファミリアのムードメーカー兼ベートお仕置き担当。

 

 

「けっ、ようやくレベル2かよ。訓練とか手伝ってやった俺に感謝しやがれよレオン」

 

 

銀色の狼を思わせる風貌の獣人、厳密には狼人〈ウェアウルフ〉のベート・ローガ。

 

レベル5の冒険者で通り名は凶狼〈ヴァナルガンド〉、ロキファミリアのツンデレ担当。

 

 

「……遅いから心配した、だから今度ジャガ丸君買って」

 

 

冒険者の中でトップクラスの剣技を誇り女流剣士最強との呼び声も高い美少女。

 

アイズ・ヴァレンシュタイン、レオンハルトの姉にしてレベル5の冒険者。

 

通り名は剣姫、ロキにとっての天使でありジャガ丸君狂気〈ジャガ丸ジャンキー〉だ。

 

オラリオでも有名な冒険者が集まったロキファミリア。

 

フレイヤファミリアと並んでオラリオの看板ファミリアだ。

 

 

「それじゃあ、レオンも来たことやし改めて…………ランクアップおもでとぉぉぉぉぉぉあ!」

 

 

そのあと閉店時間ギリギリまで飲み続けたロキファミリア。

 

調子に乗ったのか酔っ払ったせいか皿を割りまくったベートが店主であるミアの逆鱗に触れ店の掃除と後片付けをやらされていた。

 

ベートが帰ってきたのは次の日の昼頃だっそうな…………………

 

 

 

 

 

 




よろしくお願いします。


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レオンハルト・ヴァレンシュタイン

時系列としてはベルがヘスティアナイフを手に入れた後くらいです


オラリオの中心に悠然とそびえ立つ巨大な塔、バベル。

 

そこにはギルドがある。

 

ギルドとはダンジョンへ潜る冒険者の管理をする仲介業社の様なものだ。

 

レオンハルトはダンジョンに潜る前に必ず会う人物がいる。

 

 

「あ、レオン君。

 

ランクアップしたんだね、おめでとう」

 

 

「お久しぶりです、エイナさん」

 

 

ギルドの受け付け嬢にしてレオンハルトのアドバイザーであるエイナ・チュールだ。

 

エルフとヒューマンのハーフというハーフエルフなだけあってその容姿は相当なものだ。

 

冒険者を見ているのが趣味なのだが熟練の冒険者より駆け出しの冒険者の方が初々しくて好きらしい。

 

そのことでレオンハルトがエイナにショタコンと冗談で言ったらフルボッコにされた経験がある。

 

 

「これからダンジョンに潜るの?

 

それなら1人連れてってあげたい子がいるんだけど」

 

 

「え、エイナさんの事だからどうせ駆け出しでしょ?

 

俺十回層まで行くつもりなんですけど」

 

 

レオンハルトは冒険者として5年も生活している。

 

恩恵を貰ったのは7歳なのだが潜り始めたのは10歳になってからだった。

 

レオンハルトに5年程で熟練を名乗るつもりは更々無いがリヴェリアやフィンに教育されたのもあってかダンジョンの知識と度胸はレベル5並みのものがある。

 

そんなレオンハルトが駆け出しの冒険者と潜るのは邪魔でしか無い。

 

座っているからかエイナの視線は自然と上目遣いになる。

 

そして両手を合わせ懇願されてしまってはノーマルな男であれば耐える事は出来ない。

 

結論、レオンハルトはエイナのお願いに弱い。

 

「うっ………はい、いいですよ」

 

 

「ありがとね!今週末時間あるかな、その時にお礼するよ。

 

あ、来た来た…………」

 

 

何かに気づいたようでエイナが入り口の方へと目を向ける。

 

 

「エイナさぁ〜〜ん、おはようございます!!」

 

 

するとそこには白髪で深紅の目をした白兎のような少年がいた。

 

まだ朝とはいえギルドのロビーには人がチラホラ居る。

 

突然大声を出すものだから周りの人は一斉に注目する。

 

羞恥からか顔を真っ赤に染めるエイナ。

 

 

「ベル君、ギルドでは騒いじゃ駄目って言ってるでしょ。

 

あ、ベル君紹介するわ。

 

彼はレオンハルト・ヴァレンシュタイン、レベル2の冒険者で今日からベル君のお目付け役だよ」

 

 

レオンハルトもベルも同時にエイナを見る。

 

今日限りのお手伝いかと思えばお目付け役、詰まる所レオンハルトはベルのお世話を手伝わなければならない。

 

エイナは舌をチロッと出してやっちゃったという顔をしている。

 

怒鳴り散らしたいレオンハルトだがエイナの可愛さに免じて許してしまう。

 

 

「まぁいいか、よろしくなベル。

 

俺はレオンハルト・ヴァレンシュタインだ」

 

 

「は、はい!よろしくお願いします。

 

僕はベル・クラネルです…………ってヴァレンシュタインって事は…………ぇえぇえぇえぇえ!!

 

エイナさんの嘘つき!!」

 

 

「はぁ?何言ってるのベル君」

 

 

「アイズ・ヴァレンシュタインさんに恋人は居ないって言ってたじゃないですか。

 

なのに何でこんなイケメンで強そうな旦那さんが居るのを教えてくれなかっ「落ち着けアホ」ヘブライッ!」

 

 

1人でヒートアップしているベルにレオンハルトが右の張り手をかます。

 

そこまで強くしたつもりは無いがレベル1とレベル2のスペックの差なのか思いの外効いたようだ。

 

 

「俺はアイズ・ヴァレンシュタインの弟だ。

 

何で旦那さんと疑う、何か?俺はそんなに老けてるかコラ張っ倒すぞオラ」

 

 

アイズの弟と言うこともあってレオンハルトの容姿は整っている。

 

姉のアイズとは違ってキリッとした顔立ちのせいか実年齢より上に見られがちなレオンハルト。

 

そのせいでティオナにおじいさんと弄られ本気で凹みその落ち込み様から幹部総出で励ます事がよくある。

 

今レオンハルトは床に只管拳を叩きつけ泣いている。

 

 

「もうベル君、早とちりしないの。

 

レオン君、大丈夫よレオン君は大人っぽいって事よ。

 

そうだ、今日ダンジョンから帰ったら甘いものでも食べにいきましょ、ね?だから元気だして。

 

ほら、ベル君も謝りなさい」

 

 

「………………………」

 

 

「べ、ベル君?」

 

 

「兄貴って呼んでもいいですか?」

 

 

「うん、ベル君が馬鹿なのはよく分かったよ」

 

 

「もういいや、とりあえずダンジョンで暴れてきますよ。

 

あと、俺の事はレオンでいい、皆そうやって呼ぶからな。

 

エイナさん、俺甘いの苦手なんでジャガ丸君の豚キムチ味が食べたいです」

 

 

ベルの襟を持ち引きずるようにしてギルドから出て行ったエイナ。

 

 

「(色々押し付けちゃったし今日の晩御飯は奢ってあげようかな?

 

レオン君が戻るまでにお金引き落とさないと手持ちだけじゃ少し足りないかも…………)」

 

 

「え、え、エイナちゃん!!今日シフト上がったらご飯でもどうかな?」

 

 

「あ、ズリー」「抜け駆けは卑怯だぞ」「ふざけんな!!」

 

 

エイナはギルドの中でも一二を争う人気がある。

 

以前彼女が冗談で求人広告を机の上に広げていたら男の職員のショックが大きすぎてその日はギルドが崩壊したという逸話もある。

 

 

「ごめんなさい、今日約束あるので………………」

 

 

「へっ、ザマァミロボケ」「仕事しろや」「約束って、男じゃないよね!?」

 

 

エイナ・チュールは今日も人気だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒロイン候補のエイナさん登場ですね、はい。

レオンハルトの見た目はffシリーズのクラウドを浮かべてください、だいたいあんな感じです。

まぁあの見た目で15歳ってのは想像しにくいかもだけどw

服装はSAOのキリトがクリア直前に着ていた格好と同じです。


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剣術

「さてベル。

 

お前冒険者登録したのいつだ?」

 

 

「一ヶ月くらい前ですかね?」

 

 

「それで最高到達が7階層か…………エイナさんに頼まれた理由が何となく分かったよ」

 

 

モンスターが出てきて居ないせいか談笑する暇さえある。

 

 

『キシャァァァ』『シャァァァァ』

 

 

二体のコボルトが現れる。

 

剣を抜こうと手を掛けるがそれよりも早くベルが走り出していた。

 

黒いナイフを構え一直線に走る。

 

コボルトが防御体制をとる前にコボルトの左胸にナイフを突き立てる。

 

 

「はぁ!!!」

 

 

黒い煙を四散させ消えるコボルトその背後ではもう一体のコボルトが武器を振り上げていた。

 

ベルは振り向く際の回転を利用して後ろ回し蹴りを放つ。

 

ベルの回し蹴りを受け尻餅をつく様な形で倒れこむコボルト。

 

慌てて立ち上がろうとするがベルはコボルトの顎を蹴り上げる。

 

そして隙だらけの身体にナイフを突き立てる。

 

一体目と同じようにして四散して消えるコボルト。

 

 

「(速いな………これが冒険者になって一ヶ月かよ、才能に満ち溢れてるな)」

 

 

「どうですかレオンさん?」

 

 

「思ってたより凄いわ。

 

これなら…………7階層ぐらいまでなら大丈夫だな。

 

よし、今日はとりあえず8階層まで行くか」

 

 

レオンハルト9階層まで潜れる。

 

だがベルの実力とカバー出来る範囲を考えたら8階層が丁度いいところなのだ。

 

その後もモンスターが出てくるが基本的にベルが攻めてそのカバーをレオンハルトが務めた。

 

レオンハルトの感想としては実力は駆け出しそのものだがポテンシャルと戦闘への意欲は駆け出しのそれとはかけ離れているというもの。

 

剣姫、アイズ・ヴァレンシュタインに憧れ渇望するベル。

 

その実力差を埋めるためなら何だってする意識すらある。

 

そんな彼の主神であるヘスティアは友神の鍛冶神ヘファイストスに頼み込み一本のナイフを作ってもらった。

 

憧憬一途〈リアリス・フレーゼ〉というレアスキルの影響で飛躍とも呼べる成長速度を見せるベルと共に成長する神のナイフ〈ヘスティアナイフ〉。

 

スキルの存在に関して本人は認知して居ないがその成長速度に本人ですら疑心暗鬼になっていた。

 

 

「そう言えば、お前良くヘファイストスファミリアのナイフなんてゲット出来たな。

 

言い方悪いけどまだ一ヶ月くらいじゃそんなに稼げないだろ」

 

 

「神様が僕にくれたんです。

 

僕が高みを目指すのを応援してくれてる神様が頼み込んでヘファイストス様自身が打ってくれたナイフなんです。

 

僕はこのナイフと一緒に強くなっていつか……………」

 

 

嬉しそうにナイフを握り締めるベル。

 

ベルの目指す所は剣姫だ。

 

それは途轍もなく高い壁であるがナイフと共になら目指せると確信している。

 

そんなベルを見て駆け出しと軽んじた事を心の中で謝罪したレオンハルトだった。

 

 

「俺のこの剣…………エリュシデータは冒険者になった時に団長とロキ様から貰ったんだ。

 

まあベルと違ってゴブニュファミリアっつー穴場なんだけどクオリティだけならヘファイストスファミリアと互角じゃないかな?

 

っと話してる間に囲まれたみたいだな」

 

 

カラカラと笑うレオンハルト。

 

そんなレオンハルトに驚きツッコミたくなるベルだが上級冒険者としての余裕と考えたら関心するばかりだった。

 

 

「ベル、ちょ〜〜っと動くなよ?

 

『臆することなかれ兵達よ、敵は眼前にあり』

 

オーバーパワー」

 

 

瞬間、レオンハルトを中心に空気が変わった。

 

このオーバーパワーという魔法は簡単に言えば威圧する魔法だ。

 

威圧なのだが魔力を乗せたその魔法はかなり利便性がありこのように上層のモンスター程度なら暫く動きを止められるくらいだ。

 

また、フィン達レベル6にも効くのだが動きを一瞬遅らせるくらいにしかならない。

 

自分より格下の相手の動きを封じる事は出来るが同格以上は動きを遅らせる程度という事だ。

 

モンスターに向けて放った魔法なのだがレオンハルトを中心に発動している為隣にいたベルにも少なからずの影響が出た。

 

ぺたんと座り込んでしまったベル。

 

そしてレオンハルトは少しだけ腰を低く落とし右手に持ち肩に担ぐようにして構える。

 

 

「俺流剣術、其の一『旋☆風』」

 

 

肩に担ぐような状態から自身を軸にして駒のように回転しながら周囲の敵を斬りつける技。

 

レオンハルトには何故か恩恵を貰った直後からあるアビリティが存在していた。

 

そのアビリティというのが〈剣気〉。

 

魔法を使うには魔力がいるがこの剣気は『剣術』を使う際に使う。

 

『剣術』とは剣気を纏わせた剣で繰り出す技の事。

 

つまり剣気と魔力は似て非なるものという事だ。

 

 

「あ、あの…………あれは魔法なんですか?」

 

 

「まぁこれ話すと時間かかるから帰りの時にでも話してやるよ」

 

 

それから暫く狩りを続けて時間も丁度いいと言うことでダンジョンを出る事にした。

 

道中レオンハルトの魔法と剣術の話に目を輝かせていたベル。

 

本来ステータスの話はファミリア間の諍いの原因になり易い為御法度なのだがロキファミリアと対等にやり合えるのはせいぜいフレイヤファミリアくらいなものだから零細ファミリアであるヘスティアファミリアくらいなら問題無いだろうと考えたのだ。

 

魔石を換金したら3万バリスと大儲け。

 

その後ベルは嬉しかったのかダッシュで自身のホームへと戻っていった。

 

 

「おーい、レオンくーん」

 

 

振り返るとそこには仕事を終えたエイナがいた。

 

仕事終わりで制服じゃなく私服な為かギルドの男性職員がソワソワしている。

 

 

「エイナさん………めっちゃ似合ってます」

 

 

「ふふっ、ありがと。

 

お姉さん機嫌が良いから晩御飯は奢ってあげる、豊穣の女主人でいいよね?」

 

 

「俺今日は結構稼げたし自分で払います、ていうか僕が奢ります」

 

 

人差し指をレオンハルトの口火に当てながら

 

 

「だーめ。

 

年上の言うことはちゃんと聞くものよ?」

 

 

余裕のある笑みでそんな事を言われてしまっては赤面必死だ。

 

恥ずかしそうにしているのに気づいているのかエイナは心無しか楽しそうだ。

 

今のエイナを形容するなら悪戯好きなお姉さんだろう。

 

そのまま豊穣の女主人へと向かったがそれから暫くの間、ギルドの男性職員達はレオンハルトに対して視線もとい死線を送るというのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 




魔法のオーバーパワーは七つの大罪に出てくるスレイダーさんの魔法が強くなった感じです。

剣術ですが特に良い名前が思いつきませんでした。


コメントとか貰えたら嬉しいです。


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小話『風邪』

この小話シリーズは時たま書いていきます。

小話シリーズは本編と何ら関係は無く、息抜き的な感じです。


ある日の黄昏の館。

 

 

「うぅー、身体が熱いし関節の節々が怠い…………」

 

 

「完全に風邪だな。

 

この所ダンジョンに潜り続け訓練も頑張っていたからな。

 

魔法で治すより自然治癒がいいだろう」

 

 

ロキファミリアのお母さん、リヴェリアがレオンハルトの部屋を去る。

 

リヴェリアが部屋を去った後、レオンハルトの姉であるアイズが入った。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「別に大丈夫だよ、姉さんはダンジョン行かなくていいのかよ」

 

 

アイズは近くにあった椅子をレオンハルトが横になっているベッドの隣に座る。

 

 

「私、レオンのお姉ちゃん。

 

だから看病する」

 

 

凄く心配だ、戦闘以外のアイズは天然そのものだ。

 

アイズは何を思ったのかロキファミリア行きつけのジャガ丸君専門店の紙袋を突き出してきた。

 

中を見ると大量のジャガ丸君が入っている。

 

 

「風邪は辛いってリヴェリアが言ってた。

 

辛い時は甘いものが一番………」

 

 

「いやさ、好きだよ?ジャガ丸君好きだけどこういう時ってお粥みたいな消化の良いやつの方が良いでしょ。

 

ジャガ丸君はヘビー過ぎるわ」

 

 

ジャガ丸君ジャンキーなアイズにとって悲しい事なのか、お姉ちゃん的な行動が出来なくてショックなのか俯きあからさまにションボリする。

 

アイズ・ヴァレンシュタインに悪意というものは存在しない。

 

全ては純粋な善意で出来ている。

 

 

「……なら私が食べる」

 

 

そう言って袋からジャガ丸君を取り出しもぐもぐと食べ始めるアイズ。

 

木の実を齧るリスの如く頬が膨らむ。

 

しかし、それでも食べるのをやめない。

 

 

「よぉ〜〜、生きてっか?ってアイズ!?」

 

 

「ベートさんか、何?お見舞い?」

 

 

「雑魚のお見舞いなんかわざわざするかよ。

 

暇だから笑いに来てやったんだよ」

 

 

ベートの後ろから2人のアマゾネスがひょこっと顔を見せる。

 

 

「これでもねー、ベートさっきまで大丈夫かあいつ、心配だぜって言ってたんだよー!」

 

 

「尻尾が珍しくシュンとなっちゃって………ふふ、ベートったら可愛いとこあるのね」

 

 

ティオナとティオネがベートを弄り始める。

 

 

「るっせぇぞ、バカゾネスが!!」

 

 

 

「「や〜い、ツンデレ〜〜」」

 

 

「まじでぶっ殺す!!」

 

 

部屋を走り回る三人。

 

この三人が揃えば決まってこういう事になる。

 

リヴェリアやフィンやガレスが居なければ治ることはない。

 

そんな騒がしい中でもアイズのジャガ丸君を食べる手は止まらない。

 

 

「レオン、お粥作ってきた…………ってまたお前らかぁぁぁぁぁぁ!!

 

お前ら、其処に直れぇぇぇぇぇ!!」

 

 

お盆の上に小さな土鍋を乗せて運んできたリヴェリア。

 

ロキファミリアの中でも数少ない常識人なだけあって病人の接し方も心得ている。

 

リヴェリアのお説教は何故かアイズも巻き込んで5時間も続いた。

 

その間もジャガ丸君が止まらないアイズ。

 

うん、どんだけジャガ丸君あんだよ。

 

 

「あはは、彼らに静かにさせるのは難しいよね。

 

病人なのに大変だね」

 

 

フィンが部屋に入ってきていた。

 

「団長………まぁ明日には治りますよ。

 

リヴェリアのお粥食べたらなんか体調良くなってきたし」

 

 

「まぁ何でもエルフ族に伝わる秘伝のレシピらしいからね。

 

まぁ君はアイズと同じで無理をしがちだ。

 

今日は良い休みになっただろう、今後は呉々も無茶はしないように」

 

 

次の日には体調も良くなり動けるようにはなった。

 

なったのだが、食い捨てられたジャガ丸君の包装紙と白目を向いて亀甲縛りされているベートを発見した時レオンハルトは何とも居た堪れない気持ちになったという。

 

 

 



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エイナ・チュールとジャガ丸姫

「いらっしゃいませにゃ!!」

 

 

緑のエプロドレスに身を包み出迎えてくれる猫の獣人。

 

アーニャといってレオンハルトと面識があるのだが……

 

「あっ!金髪野郎にゃ!お前、またエルフと来てるのにゃ、エルフ好きにゃのか?」

 

 

この通り口が悪いし、声がデカイ。

 

奥の方で皿が盛大に割れ、ミアさんの怒声が鳴り響く。

 

 

「何にする?好きなの頼んでいいよ。

 

今日は私持ちだから」

 

 

メニュー表を見ながらエイナがレオンハルトに聞く。

 

その後ろで金髪紐野郎にゃーと騒いでいるがレオンハルトは無視をする。

 

パスタを頼んだレオンハルト。アーニャと兄妹喧嘩のような喧嘩をしている所を見てエイナは笑っていた。

 

 

「お、お久しぶりですレオンさん……………」

 

 

少し遅れてレオンハルトの机の上にパスタが置かれる。

 

若葉色の髪に女神を彷彿とさせるその容姿、エルフのリュー・リオンだ。

 

 

「リューか久しぶりだな」

 

 

「それより、さっきのエルフ好きと言うのは…………」

 

 

「別に種族が好きって訳じゃねぇよ、ただ俺の周りには美人が多いってだけだ。

 

ただし、アーニャてめぇは別だ」

 

 

「にゃ、ニャンだとぉ!?」

 

 

サラダをつつくエイナを他所にアーニャと喧嘩をし出すレオンハルト。

 

 

「(まぁデートじゃないから何とも言えないけど………他の子と話し過ぎだよね……………ちょっと寂しいな)」

 

 

ハーフエルフであるエイナにとってリューは知り合いの王族エルフ、リヴェリアと何処か似ているような気もしていた。

 

 

「レオンさん、折角女性と二人きりで来ている、しかも相当な美人だ。

 

これを放ったらかしにするのは褒められたことじゃない。

 

すいません………出過ぎた事を言いました」

 

 

清涼感溢れる声音でそれだけを言い残し厨房へと去っていったリュー。

 

 

「(全く私は一体何をしているんだ。

 

これではレオンさんとの距離が縮まらない。

 

何でレオンさんの周りには綺麗な人が集まるんだ…………こんな考えを持つとはアストレア様が知ったら驚くだろうか)」

 

 

かつての主神に想いを馳せながらこんなのは自分らしくないと否定する。

 

リュー自身、レオンハルトの事を考えると舞い上がってしまい冷静な自分を保つ事が出来ないのだ。

 

だから、エイナと一緒にいるレオンハルトを見てドス黒い感情が湧いたのは事実であり否定するつもりもない。

 

だが、自分と似て尖った耳を持つ女性、エイナを放ったらかしにして何時もようにアーニャと戯れ飯にありつく。

 

その様子を寂しそうに見ているエイナを見たら腹が立ってしまったのだ。

 

自分の気持ちを代弁してくれたようで嬉しかったエイナだが去り行く時のリューの悔しそうな表情を見たら手放しでは喜べなかった。

 

 

「あっ、すいませんエイナさん……………知り合いが多いとどうも舞い上がっちゃって」

 

 

「今度から気をつけるんだぞ。

 

さてそろそろ時間だし帰ろっか」

 

 

既に支払いを済ませていたエイナがレオンハルトを連れ店の外に出る。

 

 

「エイナさん、今日は本当にありがとうございました」

 

 

ギルドも近くなった時にレオンハルトに呼び止められるエイナ。

 

 

「いいのよ別に、今度買い物に付き合ってくれたらそれでチャラにしてあげる」

 

 

レオンハルトは一見年下の様に見えないのだが一緒に行動すれば彼のそれは年相応のものと言える事が分かる。

 

彼が見た目に反して少年であるならば自分はお姉さんで居なければならない、余裕を見せてないと何かが持ってかれてしまいそうだったから。

 

今の自分は上手くお姉さんを演じられていられるだろうか。

 

そんな疑問が付きまとう。

 

 

「お詫びというかなんというか…………兎に角プレゼントです」

 

 

レオンハルトが小包をエイナに渡す。

 

 

「へぇ………レオン君がプレゼントかぁ………開けさせてもらうね」

 

 

小包から出てきたのはネックレスだ。

 

エイナの瞳と同じエメラルドグリーンという色をした石が付けられている。

 

 

「明後日誕生日というのをリヴェリアから聞いたから買って来たんです。

 

何時こうやってゆっくり出来るか分からないし……………そのネックレスは魔除けと幸運をもたらすという効果があるみたいなんで是非つけてください」

 

 

照れ臭そうに頬を掻くレオンハルトを見て心が温まった。

 

 

「ふふっ、ありがとレオン君」

 

 

ギルドの事務員とは多忙だ。

 

その多忙さ故に誕生日が近い事を完全に忘れていた。

 

普段は屈強な男たちばかり見て、書類に追われ、同僚のミスのカバーをする、そんな毎日で自身の中で大事な何かが忘れ去られていた。

 

目の前の少年はそれを思い出させてくれたような気がした。

 

 

「(あぁ、そっか。

 

私レオン君の事好きなんだ)」

 

 

ギルド事務員、エイナ・チュール。

 

自身の気持ちに気付いた一日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い、何してたの………」

 

 

「知り合いと飯食べてきた」

 

 

「今日は私と訓練する約束、してたよね?」

 

 

金色の長く美しい髪をたなびかせる少女、剣姫。

 

レオンハルトの姉でもある。

 

 

「訓練は別にいい、でもジャガ丸君まだ買って貰ってない」

 

 

「え?」

 

 

「お腹減った、作って」

 

 

「いやいや、作れるけどもこの時間にそんなもん食ったら太るぞ!?」

 

 

アイズの愛剣、デスペレードを突きつけるアイズ。

 

若干涙目で物欲しそうにしているその表情は男なら(特にベートなら)前屈みものだろう。

 

 

「分かった、分かったから落ち着けって!!

 

ジャガ丸君作るから落ち着けって!!」

 

 

「善は急げって言う、から早く作って」

 

 

その善はアイズの空腹を満たすという極めてどうでも良い善なのだがアイズを一旦空腹にしてしまうと大変な事になる。

 

昔、アイズのジャガ丸君をベートが勝手に食べた時アイズは暴れ回り屋敷を半壊させてしまった事がある。

 

その責任としてベートが止めに入ったがボロ雑巾のように、それはもう見てて可哀想になるくらいボコボコにされていた。

 

その様子を見た幹部以外のファミリアはアイズの事を裏でジャガ丸ジャンキーやら芋姫などと呼んでいるらしい。

 

 

「なら良い」

 

 

剣をしまい、レオンハルトの手を引っ張って調理場へと連れてかれたレオンハルト。

 

次の日、黄昏の館の厨房の芋と小豆が消えてしまいヴァレンシュタイン姉弟は母(リヴェリア)に半日近く説教されたそうな……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




うん、ヒロイン候補全部出てないけどエイナさんのスタートダッシュが素晴らしいです。

最後の方のジャガ丸云々の話は眠さ故のおふざけです。


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お風呂好きなあの娘は如何程に

「レオン殿、お久しぶりです!!」

 

 

「久しぶりだな命、俺より年上なのにその敬う感じやめてくれよ」

 

 

レオンハルトは今回、タケミカヅチファミリアと行動する事になった。

 

ロキファミリアとタケミカヅチファミリアに直接的な交流は無い。

 

だがレオンハルトは1人タケミカヅチファミリアと交流を持っていた。

 

今回はタケミカヅチファミリアのヤマト・命のランクアップを手伝う事になったのだ。

 

 

「すまねぇなレオン」

 

 

「いや良いんすよ桜花さん、命のランクアップを手伝えるのは俺としてめ嬉しいんで」

 

 

大柄な青年、カシマ・桜花。

 

レベル2の冒険者でタケミカヅチファミリアの団長を務めていて二つ名は

金剛武人〈アイアンマン〉。

 

その桜花の後ろでレオンハルトをちょこちょこ隠れている小さな女の子がヒタチ・千草。

 

レベル2なのだが実力は命にやや劣る。

 

だが、桜花の幼馴染みとしてひたすらランクアップの手伝いをしていたらいつの間にか自分もランクアップしていたのだ。

 

二つ名は覇武総咫亞〈ハムスタア〉と小動物感溢れる二つ名。

 

 

「でも、桜花さん達が手伝わなくていいんすか?

 

レベル2が二人も居るなら俺要らなくないですか?」

 

 

「あぁ〜〜、それなんだがな。

 

実は俺の祖父が死んじまってな、俺と千草は地元に帰って葬式に行かなきゃなんねぇ。

 

なに、一週間もすれば帰ってくるさ。

 

そっちのファミリアでタケミカヅチ様と命を預かってくんねーか?」

 

 

思わず固まるレオンハルト。

 

エイナにベルのお世話というかお目付け役を命じられ、ベルにはアイズの話を延々とさせられ、ホームに帰れば姉にジャガ丸君を作らされ更にはアマゾネス姉妹に訓練と称した襲撃を受け結果お母さん(リヴェリア)に怒られる。

 

この所のレオンハルトには面倒ごとしか起こらない。

 

固まってしまったレオンハルトを他所に桜花と千草は出発してしまった。

 

 

「はっはっはっは!!

 

いやぁ〜〜、すまんなレオンハルト君。

 

暫くお世話になるよ」

 

 

「レオン殿、レオン殿!!ロキファミリアのホームには効能が素晴らしい温泉があると聞いたのですが!?」

 

 

命は生真面目で義理堅い性格だ。

 

それ故に、レオンハルトの世話に慣れないと拒んでいたのだが桜花がロキファミリアの風呂は凄いと言った所為で行く気満々になってしまったのだ。

 

そう、命は大の風呂好きだ。

 

 

「(あぁぁぁぁぁぁ!!なんで俺ばっか。

 

命、お前風呂入りてぇだけだろ。

 

なんで俺の周りはこう個性が凝り固まった奴らしかいねぇんだよ!!)」

 

 

そう、ティオナとティオネの戦闘狂〈バトルジャンキー〉アイズのジャガ丸狂〈ジャガ丸ジャンキー〉なジャンキーが多過ぎる。

 

命も風呂狂〈バスタブジャンキー〉だ。

 

 

「駄目………でしょうか?」

 

 

いざという時の為に桜花が授けた奥義にして女子の究極連撃〈アルティメットコンボ〉、涙目+上目遣いだ。

 

レオンハルトは基本的に人の頼みは断らない。

 

面倒くさいとか文句を言いながらも手伝う奴だ。

 

それが異性からの頼みとあらば尚更断らない。

 

そんなレオンハルトの性格を知っていた桜花。

 

ちなみに、奥義伝承にあたって桜花自身がタケミカヅチに実践したが見事な張り手を貰い更にタケミカヅチがショックで寝込むほどの威力を有していた。

 

ちゃんとしたやり方を教えたのが千草でそれを喰らった桜花は吐血して数時間目を覚まさなかったのは別のお話。

 

もちろん断る事が出来ずに二人を黄昏の館まで連れて行く事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう、レオン早いやな…………レオンがごっつ可愛い女の子連れてきよったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

門を潜って早々にロキに暴露てしまい大騒ぎなロキファミリア。

 

直ぐさま会議室へと呼び出されてしまった。

 

事の端末をロキ並びに幹部連中に説明したレオンハルト。

 

 

「なるほど、彼女を連れてきた父親の心境とはこんなものなのかな?

 

とまぁ、冗談は置いといてせっかくレオンが連れてきたんだ客人としてもてなそう。

 

いいよね、ロキ」

 

 

「まぁフィンの言う事も分かるんやけどな。

 

タケミカヅチまで来ると面倒な事になるで。

 

ロキファミリアとタケミカヅチファミリアが同盟を結ぶ事になるなぁ?

 

なんや、ウチの後ろ盾が欲しいんかタケミカヅチ」

 

 

ロキは普段飄々としているが頭のきれる神である。

 

タケミカヅチファミリアはまだまだ小さい。

 

いざこざに巻き込まれる事もあるだろう。

 

これが中小ファミリアなら良いがロキファミリアが発展途上のファミリアと同盟を結ぶと言う事は何かしらと勘違いされ易い。

 

例えば、ライバルのフレイヤファミリアを打倒する駄目の戦力補強とか。

 

 

「すまないロキ、宿を借りようにも彼奴らの旅費にかなりの額を持たせたから金が無いのだ」

 

 

「ロキ様!!私からもお願いします!!

 

駄目…………でしょうか?」

 

 

桜花より伝授された涙目上目遣いコンボを無意識に発動する命。

 

美少女と美人が大好きなロキ。

 

男なら必ず反応してしまうその武器もロキにならば通ずる、

 

 

「あかんくないよ!?うんむしろ来て欲しいくらいや。

 

そや、一緒にチャプチャプしよーや」

 

 

「辞めろロキはしたない」

 

 

お母さん(リヴェリア)のツッコミが炸裂。

 

 

「いたたた〜、もうお母さん痛いやんか〜〜」

 

 

「誰がお母さんだ、ヤマトと言ったな?

 

ちょうど良い、昼食の用意が出来ている食べて行きなさい。

 

タケミカヅチ様もどうぞ」

 

 

リヴェリアのお母さんスキルが発動したのが幸いし上手く溶け込む事が出来た命とタケミカヅチ。

 

二人とロキファミリアの奇妙な一週間が幕を開けた。




ベルがリリとあーだこーだしてる時レオンハルトは命ちゃんとあーだこーだします。

ベルのランクアップは書きませんが代わりに命のランクアップを書きます。

ちなみに桜花と千草の二つ名は適当に決めました。


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ヤマト・命

「んで、今日はどうする?

 

何層まで行くか?」

 

 

「11層までは行きたいです」

 

 

「お前はアホか、まだレベル2じゃないのに2人でそこまで潜れ…………無くは無いな。

 

OK、なら11層までだからな」

 

 

紫色の丈の短い着物を着た少女、命。

 

レオンハルトの年上ではあるがこれではレオンハルトの方が年上のようだ。

 

命の実力はレベル2と言っても通用するだろう。

 

単純なステータスの差が物言うこのダンジョンでは実力を発揮する為にも経験値を積みステータスを上げねばなるまい。

 

 

「オークか…………命、どうするやってみるか?」

 

 

「任せてください!!」

 

 

勢い良く飛び出す命。

 

オークはその巨大な体躯を活かしたパワーで攻撃してくるモンスターだ。

 

オークは近づいてくる命に棍棒を横薙ぎに振るう。

 

命は棍棒が当たる前にスライディングでオークの股の下を通り背後に出る。

 

オークの反応速度では反撃に時間がかかる為、それまでにダメージを与えなければならない。

 

剣でオークの腱を切り裂き膝を着かせる。

 

そして背中を登り

 

 

「せやぁぁぁぁあ!!」

 

 

オークの首に剣を突き刺した。

 

すると黒い煙と共に消え去り魔石だけを残していった。

 

剣を鞘に仕舞い嬉しそうにレオンハルトの元へ戻る命。

 

サイドテールに縛られた髪が嬉しそうに揺れる。

 

しかし、その背後にもう一匹オークが棍棒を振り上げていた。

 

その存在に気づいていない命は格好の的だ。

 

オークにオーバーパワーを放とう物なら対面上にいる命にも当たってしまう。

 

ゴブニュファミリアで作って貰った特殊な暗器………クナイを構えオークへ投げる。

 

命は自分が狙われたのかと思ったらしく動きを止め無意識のうちに剣に手をかけていた。

 

しかし、次の瞬間それは違うと分かった。

 

目の前のレオンハルトの姿が消えたのだ。

 

慌てて背後を振り返ると青い玉をオークにぶつけているレオンハルトがいた。

 

 

「螺旋丸!!」

 

 

ぶつけられたオークはその大きな腹に風穴を開けて絶命した。

 

 

「狩りは獲物を狩った後が一番危険なんだ覚えとけ」

 

 

冷たく言い放つレオンハルトに命は背筋を凍らせた。

 

自分の方が年上なはずなのだがレオンハルトから溢れるその気迫は一流冒険者と比べてもなんら遜色は無かった。

 

 

「はい、申し訳ありません」

 

 

軽いお辞儀をするとレオンハルトの雰囲気はパァッと明るくなった。

 

 

「うし、それじゃあそろそろ帰るか」

 

 

一流の冒険者に囲まれているレオンハルトであるからこそ分かる事、強い冒険者程基本に忠実で基礎を重視する。

 

深い層に潜る時は多くの人数でパーティーを組むとか回復薬などは常に揃えておくとかだ。

 

当たり前の事だが駆け出しの冒険者の方が装備品が不充分だったりする。

 

それで命を落とした冒険者を何人か見た経験もあるレオンハルト。

 

 

「それにしてもあの一瞬で移動したのとあの玉をぶつける魔法?はどういう事ですか?」

 

 

「昔受けたクエストの報酬でな………一々登るの面倒だな。

 

うし、命俺に捕まれ」

 

 

「キャッ!!」

 

 

急に命の肩を抱いたせいか女の子らしい小さな叫び声が響く。

 

そんな小さな叫び声がレオンハルトに届く間もなく命の眼前の景色が変わる。

 

 

「ここだけの秘密だけど俺の魔法………うん、魔法の1つなんだけど飛雷神の術って言ってなあらかじめマークしておいた場所に移動する事が出来る魔法なんだ」

 

 

「それは良いのですが何故先程の会議室なんですか!?

 

ロキファミリアの幹部勢揃いじゃないですか!!」

 

 

会議中にいきなり輪の中心に現れたら誰でも驚くだろう。

 

しかし、ロキファミリアも慣れているのか「あぁ、居たんだ」ぐらいな反応である。

 

ロキに至っては珍しい魔法だと見せる度に喜んでいる。

 

 

「レオン、そろそろ命ちゃん放したり。

 

命ちゃん顔真っ赤になって茹でタコみたいやで」

 

 

「真っ赤ってそんなわ…………赤!!

 

熱か!?やっぱ無茶し過ぎたか………いやでも動きそのものに問題は……………とりあえずお母さん、命を治療してやって!!」

 

 

九魔姫〈ナインズ・ヘル〉の二つ名を持っているリヴェリアにお願いするレオンハルト。

 

しかし、この赤面は発熱によるものではない。

 

羞恥と、もう一つ別の感情がある事をリヴェリアは見抜いていた。

 

それを知った上でこいつはどうしたものかと悩む。

 

 

「誰がお母さんだ、そもそも種族が違うだろ」

 

 

「はっ、その前にてめぇは独身だろうがババァ。

 

結婚相手探してる内にもう手遅れだろうが」

 

 

ベートが嘲笑しながら呟く。

 

腰まで伸びた綺麗な髪が怒りで逆立ち始めた。

 

それを確認したベートは一目散に逃げ出した。

 

 

「誰が婚期を逃した干物女だとぉおおお!?」

 

 

「そんな事言ってねぇだろうが!!」

 

 

目にも止まらぬ速さで全力のリアル鬼ごっこ(捕まったら九割殺し)が始まったのを笑顔で見守る(一部のアマゾネスがバカ笑い)と言うのがロキファミリアの日常。

 

それに圧倒される命。

 

 

「まだ顔赤いな、風邪が酷くなっちゃ駄目だな。

 

とりあえず風呂入ってサッパリしてこいよ」

 

 

「ヨシキタ!!行くでぇ、命たん!!ウチ無しには生きられへん身体にしたる!!」

 

 

「わ、わぁぁぁぁぁ!!」

 

 

自身の主神じゃないというのもあるがロキファミリアはオラリオで間違い無くトップクラスのファミリアだ。

 

そんなファミリアに楯突くことは出来ないという考えもあってロキの行動に上手くツッコめないでいた。

 

 

「レオン、彼女はどうだった?」

 

 

「まぁレベル2って言ってもおかしく無い位だな。

 

あと一週間も経たずにランクアップ出来るんじゃないかな」

 

 

「ふふっ、そうか。

 

毎度の事ながら他人のランクアップと言うはワクワクするね」

 

 

レベル6の勇者〈ブレイバー〉、フィン・ディムナ。

 

オラリオの最強の一角である彼は自身の成長が限界にきていると感じていた。

 

そう感じた途端、他人のランクアップに羨ましいという感情を抱くようになっていた。

 

 

「別にそうでもねぇだろ。

 

でもまぁ………同期が同じラインに立つってのは嬉しいもんだな」

 

 

命とレオンハルトは同じ時期に冒険者登録をしている。

 

レオンハルトとしても命のランクアップを手伝えるのは嬉しい事だろう。

 

会議室を出るレオンハルトの口元が緩んでいるのを見てフィンも微笑ましく思ったのだった。

 




飛雷神の術と螺旋丸はナルトから使わさせてもらいました。

命の可愛さを引き出せねぇwwww

予告としましては次の話で命のランクアップ、そしてその次に挟む小話として神会〈デナトゥス〉をやります。

雑でこめんなさい。


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青い悪魔

「せやぁぁぁぁあ!!」

 

 

命が何体目かの蟻型モンスター、キラーアントを斬り伏せた。

 

レオンハルトも同様に斬り伏せていた。

 

レオンハルトと命が四日が経った。

 

 

「ふぅ、今日の稼ぎは期待出来るな」

 

 

「そうですね、レオン殿のお陰ですよ」

 

 

「俺はサポーター紛いの事しかしてねぇよ。

 

レベル1なのに11階層でここまで立ち回れたら充分すぎるぜ」

 

 

オラリオの冒険者の半数はレベル1だ。

 

その中で命の実力は間違い無くトップだ。

 

レオンハルトは目の前で鼻歌交じりに歩く命の成長ぶりを今更ながら実感していた。

 

そしてドンドン進んで行き11階層。

 

白い霧に包まれ迷宮の武器庫〈ランドフォーム〉と呼ばれていてモンスター達が使うネイチャーウェポンがそこら中にある。

 

三人、四人程度のパーティーがちらほらと見える。

 

 

「はぁぁぁぁぁ!!せいやぁ!!」

 

 

「(何でこれでレベル2じゃ無いのかな…………)」

 

 

最早オーク如きでは命の相手にすらなっていなかった。

 

攻撃を避け、距離を取り、詰めて攻撃するヒットアンドウェイを徹底している。

 

何体か倒していたら何時の間にか昼時になっていた。

 

モンスターの波が収まったのか辺りは大分静かだ。

 

しかし、その静寂は最も簡単に破られる。

 

 

『ォォォォォオオオオオオオ!!』

 

 

慌てて雄叫びの方向を確認すると4足歩行のモンスターが見えた。

 

龍とよく似たそれは迷宮の孤王〈モンスター・レックス〉の居ない上層では事実上の階層主。

 

エンカウントする事すら稀有であるそのモンスターの名はインファントドラゴン。

 

 

「な!?インファントドラゴン!?」

 

 

パーティーが次々と逃げ出す。

 

倒せない事は無いだろうが無事では済まない。

 

インファントドラゴンの赤い目がレオンハルト達を捉える。

 

 

「おい、命俺に掴まれ!一旦飛ぶぞ」

 

 

「掛けまくも畏きいかなるものも打ち破る我が武神よ、尊き天よりの導きよ」

 

 

ターゲットをインファントドラゴンと定め魔法の詠唱に入る。

 

本来ならば直ぐにでも逃げるべきなのだろう。

 

いや、逃げるべきなのだ。

 

しかし、レオンハルトは事実上の階層主と向き合う命の目を見たら逃げるという選択肢は持てなかった。

 

 

平行詠唱の出来ない魔導師は敵にとって格好の獲物、インファントドラゴンもブレスの貯めに入る。

 

 

「こち向けアホ!」

 

 

クナイを目にめがけて投げる。

 

すると見事に命中して痛みを叫ぶインファントドラゴン。

 

そしてレオンハルトは右手に螺旋丸を準備しクナイの元まで飛ぶ。

 

そして頭上に螺旋丸をぶつける。

 

 

「今ここに、我が名において招来する。

 

天より降り、地を統べよーーー神武闘征!!!!

 

 

《フツノミタマ》!!!」

 

 

インファントドラゴンの頭蓋を半分以上削ったところで魔法が発動されたのに気づき間一髪逃げる事に成功するレオンハルト。

 

頭蓋を潰され動けなくなったインファントドラゴンの上には紫色の光剣が待ち構えていた。

 

そしてそれがインファントドラゴンに突き刺ささりふくすの同心円が現れインファントドラゴンを優に包む結界を構成する。

 

重力の結界だ。

 

 

『ォォォォォオオオオオオオ』

 

 

結界を壊そうにも頭蓋を潰されマトモに動けないインファントドラゴンは結界の重力に押しつぶされていた。

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

込める魔力を最大限にする。

 

何とか耐えていたインファントドラゴンだが迫りくる重力に耐えきれず黒い煙を四散させ消えてしまった。

 

それを確認して魔法を消す命。

 

相当の魔力を消費したのか肩で息をしている。

 

魔法は魔力を使うのだが消費されるのは精神力。

 

満身創痍だったとはいえ上層最強のモンスターを倒す程の魔法を使った反動はデカイ。

 

 

「良くやった命、マインドポーション飲んどけよ」

 

 

精神力を回復するポーションを命に渡すレオンハルト。

 

命が回復するまで待って地上へ帰還しようと考えた。

 

 

「れ、レオン殿…………」

 

 

「おう、流石命だな」

 

 

「い、いえ後ろを…………」

 

 

何のことかと思い振り返ると思わず言葉を失った。

 

先程のインファントドラゴンよりもデカイ、大きさは10mぐらいか。

 

ミノタウロスのような筋骨隆々で青い皮膚で羊のような頭をしている。

 

その手には何故か5mぐらいの大剣を引きずっていた。

 

レオンハルトの飛雷神の術で人を飛ばす時、最大で術者含めて2人まで飛ばせる。

 

しかし、2人を正確に飛ばすにはその分の集中力と魔力と時間を要する。

 

詰まる所…………………

 

 

『ゴォアアアアァァァァァ!!』

 

 

咆哮と共に此方へ向かい走り出す化け物。

 

そう、間に合わない。

 

このままでは二人ともお陀仏と判断したレオンハルトは命だけを地上へと飛ばした。

 

そして抜剣し構える。

 

その巨躯に似合わない俊敏性で近づき巨剣を振り下ろす。

 

レオンハルトはそれを受け流し懐へ潜り込む事が出来た。

 

 

「我流剣術…………九頭龍閃!!」

 

 

剣を振るう上でどのような流派、我流であろうと基本の9つの斬撃は必ず有る。

 

唐竹、右薙、右斬上、逆風、左斬上、左薙、逆袈裟、刺突

 

の9つだ。

 

この九頭龍閃とはそれらを神速で振るい9つの斬撃を同時に叩き込むという技だ。

 

どの方向に防ごうと回避不可能のこの技だが……………

 

 

『グ、グルゥゥゥウ』

 

 

大したダメージにならない。

 

 

「オーバーパワー!!オラオラオラオラぁ!!」

 

 

拳を次々と繰り出す。

 

するとモンスターは殴られたように身体が後退していく。

 

オーバーパワーは威圧するだけの魔法なのだが今のこれは応用バージョンだ。

 

拳で放つルートを限定し対処に当てる事でその部分だけに威圧を送りそこの部分に衝撃を与えたと錯覚させるというもの。

 

つまり、殴る振りで相手が勝手にダメージを受けたと勘違いさせる使用法。

 

生物の細胞に直接威圧を叩き込むこの技は外傷はなくともダメージにはなっている。

 

 

「ハァハァ、装甲固すぎだろ……」

 

 

今度は自分から近づきブンブンと振り回される巨剣を躱して螺旋丸を打ち込む。

 

現時点ではレオンハルトの持つ最高火力の技。

 

 

「ォォォォォオオオオオオオ!!!」

 

 

『ゴォアアアアァァァァァ!!』

 

 

ダメージを受けている最中だというのにモンスターはレオンハルトを掴みぶん投げる。

 

そして木にぶつかってしまう。

 

何とか立ち上がるがその瞬間に近づいており拳が目の前まで来ていた。

 

もろに喰らって何メートルと吹っ飛ばされ岩にぶつかる事で止められる。

 

 

「うっ…………」

 

 

助骨や背骨、脚など体中の至る所が骨折や内出血でボロボロになっていた。

 

軋む身体で何とかハイ・ポーションを飲み無理やり体を動かす。

 

そのモンスターは剣を振り上げながら突っ込んでいる。

 

このまま行けば死ぬ。

 

そう直感した瞬間、ふと足元に落ちていた剣に目がいった。

 

インファントドラゴンから逃げた冒険者が落としたものなのだろう。

 

大した剣では無い。

 

あの巨剣を防ぐ事すら出来ないだろう剣。

 

それを手に取った。

 

何時の間にか振り下ろされていた巨剣を二本の剣をクロスにして防ぐ。

 

剣術を使うときの剣気をその剣に纏わせる事で強化した為巨剣を防ぐ事が出来た。

 

 

「はぁ…………はぁ………」

 

 

巨剣とモンスターの全体重が乗った一撃を踏ん張りながらも耐えているレオンハルト。

 

全力の一撃というのに倒し切れない目の前の標的に焦りを感じるモンスター。

 

そしてその焦りは軈て恐怖へと変わる。

 

 

「スターバスト…………ストリーム」

 

 

技名を告げ巨剣を弾いた。

 

まさかの事に驚きを隠せないモンスター。

 

しかし、そこで止まらないレオンハルト。

 

懐へ飛び込み次々と連撃を繰り出す。右、左、右と早く、更に速く。

 

 

「(速く、速く、速くもっと速く!!

 

これだとまだ足りない!

 

強く、強く、強く、もっと強く!!

 

こんなんじゃ追いつけない!!)」

 

 

冒険者として、女流剣士としての才覚を遺憾なく発揮する姉をこそうと身につけた剣技の数々。

 

格上の相手に一矢報いる為にこしらえた最強の技。

 

それは未完ながらもモンスターを追い込んでいた。

 

当の本人はそれとは別のところを見ていたが。

 

 

「ォォォォォオオオオオオオ!!これで最後だ!!」

 

 

星屑と化した剣が次々と襲いかかり止めとばかりに一際大きな星屑がその巨躯を貫く。

 

体感時間は数時間なのだろうが数秒の静けさに包まれた。

 

そして青い悪魔は四散し消えた。

 

それを確認して鞘にエリュシデータを戻しもう一つの剣を捨て気を失ったレオンハルト。

 

それと同時に魔石とそれに似た物がゴトリと落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レオン?………あ、起きたらジャガ丸くん作ってもらお」

 

 

ボロボロになった弟を見て出てきた一言がジャガ丸くんとはどんなんだよとツッコミたいが天然故ツッコんでもしょうがない。

 

ジャガ丸くんという報酬がため魔石とそれに似た何かをレオンのバックパックに入れ担ぎ地上を目指すアイズ。

 

その後、目を覚ましたレオンハルトは悲惨に尽きた。

 

ギルドではまず、たった2人でインファントドラゴンと戦ったとしてエイナに怒られ、新種のモンスターと戦った報告したら何故逃げないと怒られ、命には勝手に自分だけ逃した事を怒られ、ボロボロになった事を怒られた。

 

ホームに帰ってもリヴェリアからの説教を受け、正座して痺れた足をティオナに突かれたり、酔っ払ったベートに痺れた足を蹴られ骨を折られたりもした。

 

そんな悲惨な状況にも関わらずジャガ丸くんを作らさせたアイズ。

 

 

「うん…………ランクアップしてから作るのが上手くなってる。

 

お礼に、訓練付き合ってあげる」

 

 

頭の中には戦闘とジャガ丸くんの事しか頭に無いアイズなりの鼓舞だと信じたかったレオンハルトであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所はバベル、そな高い所に聳える塔はオラリオを見渡す事が可能だ。

 

ワイングラスを揺らしながら美の女神は隣に立つオラリオ最強の獣人に問いかける。

 

 

「ねぇ、オッタル。あれの準備はどうかしら?」

 

 

「申し訳ありません、用意していたモンスターが剣姫の弟に倒されてしまった為急遽新しいのを用意しなくてはいけません」

 

「そう、構わないわ。彼もまた良い魂の色をしてる。

 

でも、純白の透き通った魂には叶わないわ………」

 

「早急に用意しますが予定のものよりかは実力が劣るでしょう。

 

彼の冒険となれば良いのですが……………」

 

 

「彼ならどんな壁でも越えてみせるわ。今度は新型とかじゃなくていいから………………そうねミノタウロスでも用意しといて、期待してるわよオッタル」

 

「はっ、仰せのままに」

 

 

オラリオの夜は更けていく。




はい、とりあえず命ちゃんはインファントドラゴンを倒してランクアップです。

その前にもたくさんモンスター倒してるしこれでいけると思いました。

そしてレオンハルトが倒したモンスターはSAOでキリトが二刀流スキルを発動した相手、グリームアイズを浮かべてください。

そして最後の所はあれですね。ヤンデレの陰謀ですよ。

頑張れ、ベル!!



レオンハルトの二つ名を、どうしようか迷ってます。

剣帝(けんてい) 金色の夜叉(こんじきのやしゃ)

瞬神(しゅんしん)

とりあえず浮かんでる二つ名ですがこのほかにも何か良いのはありますかね?

良ければ意見を聞かせてください!!!


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小話『神会〈デナトゥス〉』

神々の会合、神会〈デナトゥス〉。

 

三カ月に一度というペースで開催されただ駄弁る会合だがランクアップした者がいた場合はその二つ名をつける。

 

デナトゥスの会場に向かう廊下を少し緊張した面持ちであるくヘスティアの姿があった。

 

彼女のファミリア、ベル・クラネルは牛型のモンスターのミノタウロスをレベル1ながら討伐してランクアップしたのだ。

 

 

「よっ!ヘスティア」

 

 

「むっ、なんだ……タケじゃないか!」

 

 

ヘスティアのバイト仲間にして友人もとい友神のタケミカヅチ。

 

 

「聞いたぞヘスティア!お前の所の子供ランクアップしたらしいな!!

 

あの剣姫の記録を抜いたって事で神々の間じゃあ噂になってるぞ」

 

 

さも自分の事かのように喜ぶタケミカヅチ。

 

神とは娯楽を求める存在であるがそれ以外にも友神の子供の成長を喜ぶ優しい一面があるのだろう。

 

子供の事を褒められ満更でもないヘスティア。

 

 

「そう言えば今回はタケミカヅチファミリアからもランクアップした子供が出たそうじゃないか」

 

 

「あぁ、ヤマト・命って子だ。

 

今日のデナトゥス、俺は本気で行くぜ!!」

 

 

握り拳を作り決意を新たにするタケミカヅチを見てヘスティアも子供の為に気合いを入れる。

 

それというのも神々は娯楽を求めている。

 

ぶっちゃけると面白ければそれでいいのだ。

 

二つ名であれば痛々しい名前を好んでつける。

 

タケミカヅチファミリアのレベル2の者は二人とも脇腹が痛くなるような名前だ。

 

 

「あぁ、子供のためにもお互い良い名前を勝ち取ろう………」

 

 

ヘスティアは決意を固め大きな扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほな、始めんで!!今日のデナトゥスはウチが仕切らせてもらうで!!

 

先ずは適当な所から片付けるで。

 

ラキア王国がオラリオに向け進軍…………アレスのドアホの事はスルー。

 

11階層にて新しい大型モンスター出現、ギルドで決定した名前はグリームアイズと………………

 

よし、お前ら今日のメインいっくでぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

「いよっしゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「漲ってきたwwwwwwww」

 

 

「ふっ、俺の右目が疼くぜ………」

 

 

神々に資料が配られる。

 

其処にはランクアップした冒険者のプロフィールが書かれている。

 

神の悲痛な叫びと馬鹿にした笑い声が響き始める。

 

 

 

「ほな次はタケミカヅチファミリアのヤマト・命ちゃんやな」

 

 

「ウホッ、可愛いじゃねえか」

 

 

「お風呂好きなんだ、一緒にチャプチャプしたいお」

 

 

「漲ってきたwwwwwwwwwww」

 

 

命は容姿端麗な少女だ。

 

神々のテンションも高くなる。

 

 

「頼む!!命だけでも、命だけでもマトモな二つ名を!!」

 

 

タケミカヅチは精一杯叫ぶが神々には届かない。

 

 

「これだけ可愛いと巫山戯るのはちょっと不味いよな…………」

 

 

「真面目に付けるべきだな………」

 

 

「そうだな……………」

 

「こんなんどうだ?絶➕影ってのはどうだ?」

 

 

『それ採用wwwwwww』

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」

 

 

タケミカヅチは胃を抑えながら倒れ込んでしまう。

 

他の神も痛い痛いと笑い転げている。

 

 

「よし、次いくで…………ウチのレオンハルトやな」

 

 

「なるほど、剣姫の弟か」

 

 

「こう見るとイケメンだな………タヒれくそリア獣め」

 

 

「ウホッ、イイオトコ」

 

 

「後半の2人は後で半殺しとして………剣帝なんてどうや?」

 

 

「発言いいかしら?」

 

 

燃えるような赤い髪に男装をしていてもその美しさを隠しきれていない麗神、鍛冶の神ヘファイストス。

 

 

「なんや、ファイたん」

 

 

「ウチの子供が言うには鬼のような覇気を操るとか言うじゃない?だから、金剛夜叉ってのはどうかしら?」

 

 

「まぁちょっと痛いような気もするけど中々恰好ええな…………」

 

 

「剣姫にちなんで剣の鬼、略して剣鬼なんてどう?」

 

 

眉目秀麗な神々をも凌駕する美しさを誇る美の女神、フレイヤ。

 

オラリオの二大巨頭ということもあり発言権も強い。

 

 

「お、それいいっす!!」

 

 

「流石俺たちのフレイヤ!!」

 

 

「ウホッ、イイオトコ」

 

 

周りの神もそれがいいと賛成し始める。

 

ここに来ている男神も女神も殆どがフレイヤに食べられている(性的に)

 

 

「まぁ色ボケの言うこと聞くんは癪に触るけどしゃーないな。

 

レオンハルト・ヴァレンシュタインの二つ名は剣鬼や!!」

 

 

そしてロキは資料の最後のページをめくる。

 

其処にはオラリオ最速のランクアップ記録を塗り替えた冒険者、ベル・クラネルの姿が。

 

少し離れた所で黒いツインテールがピクリと揺れたのを確認したら無性に腹が立ったロキ。

 

 

「おい、ドチビ。

 

ウチのアイズたんですらレベル2になるんは一年も掛かったんやぞ。

 

どんな反則を使ったんや、なんやアルカナムでも使うたんか?」

 

 

「巫山戯るな、ロキ!

 

幾ら自分の胸が無いからって僕の子供に突っかかるんじゃない」

 

 

「今胸関係ないやろ!!ぶっ飛ばしたろか!!

 

あれか、スキルかなんかか」

 

 

「ふん、そんなの言われるまでもないさ!反則なんて使うはず無いじゃないか。

 

スキルなら其処に書いてあるじゃないか、疑われる筋合いなんてない!」

 

 

ヘスティアの言葉がイマイチ信用出来ないロキとベルに権限したスキルを隠し通したいヘスティア。

 

お互い睨み合う。

 

その空気に静かになるデナトゥス用に用意した会議室。

 

 

「あら、別にそんなのどうでもいいじゃない?それに、ステータスの情報を聴き漁るのはマナー違反よ」

 

 

会場の雰囲気を掌握しているフレイヤに言われてしまってはロキも反論は出来ない。

 

その後フレイヤはひとりでに帰ってしまった。

 

そしてフレイヤが「可愛い名前でお願いね」と言ったせいで男神が真面目に考えて二つ名はリトルルーキーとなった。

 

神々が帰るなかロキはヘスティアを捕まえ注意を促した。

 

フレイヤが男を庇ったのだ、という事はナニかしらを狙われている可能性が高い。

 

それだけ言い残してロキはデナトゥスを後にした。

 




はい、というわけで二つ名は剣鬼〈けんき〉です。

もう一つの異名はベルセルクさんのソードマスターを採用したいと思います。


これからもよろしくお願いします


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ソードマスター・レオンハルト

今回のサブタイトルってギャグマンガ日和のソードマスターヤマトみたいwwww


レオンハルトが対峙した新型モンスター、グリームアイズからドロップした鉱石のようなもの。

 

止めの一撃で魔石を確実に破壊したためこのドロップアイテムが魔石であるはずはない。

 

レオンハルトはこの鉱石を直接契約したばかりの鍛冶師、リズベットに見せていた。

 

 

「ふんふん、これは職人魂揺さぶられるインゴットだわ。

 

んで今回は片手用直剣でいいのよね?」

 

 

土台に置かれたインゴットをまじまじと見つめる桃色の髪をした少女。

 

鍛冶師という身分に反してかなり女の子らしい少女なのだがこれでもレベル3の実力者で『金棒少女』という二つ名まである。

 

メイスの達人で鍛冶師であるのにも関わらずモンスターをバッタバッタ倒すその姿は一部の冒険者で語り草となっている。

 

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

 

「どうする、作業見てく?」

 

 

「今日はいいや、遠慮しとく」

 

 

「ふーん、出来たらそっちのホームまで届けに行くわ。

 

ティオネさんとティオナさんにも呼ばれてるし」

 

 

「そうか、じゃよろしく頼むな」

 

 

そう言ってレオンハルトはゴブニュファミリアのホームを出て行く。

 

グリームアイズとの戦闘の後レオンハルトのステータスはかなり上昇していた。

 

近い内にランクアップしてしまうのではと噂されているくらいだ。

 

 

「おいネェちゃん!!俺と遊ぼうぜぇ〜〜」

 

 

近道の為に路地裏を通っていると呂律が回ってない口調で酔っ払いが誰かに絡んでいた。

 

 

「辞めなさい、私に貴方を相手にする程の時間的余裕はありません」

 

 

若葉色の髪をしたエルフ、リュー・リオンだった。

 

 

「あぁん?俺ぁレベル2の冒険者だぞぉ?痛い目みたくねぇなら黙ってついてきなぁ」

 

 

酔っ払いは大声をあげながらリューに掴みかかる。

 

瞬間、リューの流麗な瞳が鋭さを増す。

 

 

「あー、はいはいストップな」

 

 

このままでは酔っ払いが可哀想な事になってしまうと間に割って入る事にしたレオンハルト。

 

豊穣の女主人の従業員は何故か強者揃いだ。

 

店で暴れた冒険者を片っぱしから血祭りにあげている。

 

 

「レオンさん…………」

 

 

「あぁん?俺様に文句でもあんのかコラ!

 

俺はレベル2の冒険者だぞぉ?」

 

 

レオンハルトの胸ぐらを掴みメンチを切る酔っ払い。

 

掴んでいる手をとり合気道の容量で酔っ払いの腕の関節をとり組み伏せる。

 

 

「いででででで!!お前ふざけんなよ!!」

 

 

「同業者なら分かると思うが…………ロキファミリアは知人に対して甘い。

 

怪我したく無いならここから立ち去れ」

 

 

殺気を向けられた訳じゃ無いのに冷や汗が止まらないリュー。

 

レオンハルトが手を離すと一目散に逃げ出した酔っ払い。

 

 

「レオンさん…………貴方は何故ここに」

 

 

「鍛冶師に武器製作の依頼してきてな、その帰りですよ。

 

リューさんは買い出しの帰りか、手伝うよ」

 

 

「あ………」

 

 

無理矢理買い物袋を奪い取るレオン。

 

その際に手が触れてしまい思わず声を出してしまった。

 

エルフとは眉目秀麗な種族であるが同時に誇り高い種族として有名だ。

 

自分の認めたもの以外は肌を触れさせないと言われている、リューも例外では無い。

 

 

「あ、ごめんなさいリューさん。遅くなるとリューさんが怒られちゃうから早く行こう」

 

 

「は、はい」

 

 

手ぶらになった手をどうしたらいいか分からずレオンハルトの後ろをトコトコとついて行くリュー。

 

そこから豊穣の女主人までは意外と近く大して時間はかからなかった。

 

 

「あ金髪野郎ニャ、冒険者ならダンジョン潜らなくていいのかニャ?」

 

 

「今日は休暇だよ、それよりその口悪いの直さないとお兄さんに嫌われちまうぞアーニャ」

 

 

「余計なお世話ニャ、この女誑し、老け顔、変態」

 

 

「せめて大人びてるって言わんかいゴルァァァ!!

 

え?なに喧嘩売ってんの、張っ倒されたいの」

 

 

ゴスンと何かが壊れる音がした。

 

音の方を見ると主人のミアが包丁をカウンターに突き刺していた。

 

怖いのはその包丁の持つ所が砕けて刃先が粉々になりカウンターが凹んでいる事だ。

 

怪力云々で済ます事が出来ない超常現象に言葉を失うアーニャとレオンハルト。

 

 

「仕込みの邪魔だよ、暇なら店の掃除でもしてな」

 

 

「「い、イエスマム(ニャ)!!」」

 

 

「リュー、あんた買い出し品足りてないじゃないか!!

 

今すぐ買ってきな!!」

 

 

「え、あ、はい!」

 

 

「野郎が手伝わないでどうする!?坊主も行くんだよ!!」

 

 

「は、はい!!」

 

 

何故か叩き出されるようにして外に出されたリューとレオンハルト。

 

リューはリストにあった品は全て買った事を確認している。

 

それなのに外に出される意味が分からない。

 

分からないし納得がいかないがとりあえず大通りに向け歩き出す二人。

 

リューは店を叩き出される前に渡されたメモを確認した。

 

 

『あんたはしっかり働いてるからね、偶には好きな野郎と一緒にブラブラしな!!

 

戻ってきたらまた働いてもらうからね』

 

 

物凄いスピードでメモを裂き見なかった事にする。

 

しかし心拍数が異常に高く顔が熱くなりとんでもない程赤面をしているであろう自分を何とか落ち着けようとするリュー。

 

 

「どうしますか、リューさん。

 

確か今日はガネーシャファミリアがお祭りするってんで出店も沢山出てるらしいですけど……………

 

ミアさんには申し訳ないけど買い出しの前に寄ってきません?」

 

 

「買い出しはちゃんとしました。

 

恐らくミア母さんの勘違いでしょうがお金も持たせてくれた事ですし遊びましょうか

 

(なんか、考えがシルと似てきたような……………)」

 

 

リューはこの場には居ないサボり魔……………自由人な友人と思考が似てきた事に違和感を感じた。

 

レオンハルトは大人びてると言っても15歳なのだ。

 

普段は年の差を感じさせない程だがこういう祭り事が好きなのも遊べる事になった時の嬉しそうな顔は少年らしい。

 

そんな普段とのギャップにまた心拍数が上がるリュー。

 

 

「(私の方が年上…………心を冷静に保たないと駄目だ。

 

しかし、普段私よりも落ち着きある雰囲気なのにこういう時ばかりはなんと言うか………可愛いですね)」

 

 

とりあえずは心ゆくまで祭りを楽しもうと思ったリューであった。

 

 




とりあえず次回はリューさんとのラブコメ回です。

とりあえず、今はゴライアス戦をする事は決めていますがそれまでの経緯をどうするか考えている次第です。



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アイアムガネーシャ

「リューさん、リューさん!!何食べます!?

 

焼きそば………たこ焼きにお好み焼き………凄いですよ、見た事無い食べ物がいっぱいあります!!」

 

 

極東の食文化はオラリオとは異質なものだ。

 

米と呼ばれるものや豆を原料にした調味料などを用いて作る料理は和食と呼ばれオラリオでも人気を博している。

 

レオンハルトは別段、食関して大した拘りは無いがタケミカヅチファミリアでご馳走になった極東の料理に惚れ込んでしまいそれからというもの極東文化に染まり気味なのを主神であるロキから懸念されている。

 

レオンハルトが扱うクナイも螺旋丸も飛雷神の術も極東出身者である男から受注したクエスト報酬として授けてもらったのだ。

 

 

「自来也先生もこういうの食べてたのかな?」

 

 

「自来也先生?初めて聞く名前ですね」

 

 

「今の僕の戦闘スタイルがあるのはその人のお陰なんです。

 

クエスト報酬として修業をつけてやるって言われて………まぁそれからステータスもかなり上がるようになってランクアップも出来たって感じですね」

 

 

「なるほど、自来也さんとレオンさんは師弟の関係だったんですね。

 

それよりも驚きなのは魔法を他人に教えるなど出来るのですね」

 

 

灰色の髪をした可愛い同僚ならばもっとそれらしい………男女の会話らしい事などしてしまうだろう、何故自分は不器用にも堅苦しい話しか出来ないと嘆くリュー。

 

しかし、それを悟られてはいけない。

 

ポーカーフェイスに徹して会話を続けるリュー。

 

 

「まぁリューさんは強いし信用出来るから話すけどその二つは魔法じゃない。

 

自来也先生との修業で得たスキル……忍者戦士【ニンジャ・ウォーリアー】っていうまぁ俺だけの固有スキルの副産物なんですよ。

 

忍者としての知識や技術、素質と言ったモノが付与されて終いにはチャクラと呼ばれる魔力とは別のエネルギーまで手に入れてしまう始末なんですよ」

 

 

オラリオの神は娯楽を求めている。

 

人であれ、物であれ面白ければそれでいい。

 

冒険者のステータスなんて格好の的だ。

 

 

「辞めなさい、何処で誰が聞いてるかも分からないのに。

 

そしてそれを私に話す理由も明確じゃない」

 

 

何時のにか仕入れていた焼きそばを啜りもう片手にはたこ焼きとお好み焼きが無造作に置かれた紙パックを持っている。

 

 

「もへはふゅーはんふぁふぁれふよ」

 

 

「口にものを入れながら話すのはマナーが宜しくない。

 

飲み込んでから話しなさい」

 

 

「それはリューさんだからですよ。

 

リューさんは他人の秘密を話すような事はしないでしょう。

 

根拠が知りたいなら教えます、まずエルフの血がそんな下衆な行動を許さない、エルフとしての誇りがそれを良しとしない」

 

 

エルフは高潔で誇り高い。

 

だが自分が認めたもの以外は視界に映る有象無象としか捉えない傲慢さがある。

 

リューはそんなエルフの血を嫌ってこのオラリオまで来ている。

 

しかし、目の前のレオンハルトはそれを知っている筈なのにやれ血だやれ誇りだと言う。

 

自身でも好意を寄せていると実感しているのに嫌な苛立ちが渦巻く。

 

結局お前もそうなのか、エルフとしてしか私を見ないのか………と。

 

怒りと言うより裏切られて湧いた悲しみという方が正しいのかもしれない。

 

 

「そして何より、リュー・リオン本人が俺を裏切る筈が無い」

 

 

「へ?」

 

 

随分と間の抜けた声が漏れてしまった。

 

目の前の少年はリューに絶大な信頼を置いている。

 

先程までの怒りや悲しみは何時の間にか喜びと羞恥に変わっていた。

 

気が付けば心拍数も隣のレオンハルトに聞こえるのではというくらいに大きくなっていた。

 

同僚に無理矢理読まされたラブロマンスの物語の一場面とすごく似ていた。

 

その事に少し胸が踊るリュー。

 

 

「まぁ…………俺が勝手に思ってるだけなんですけどね」

 

 

たこ焼きや焼きそばは胃袋へイリュージョンされている。

 

その空いた手で恥ずかしそうに頬をかく。

 

その表情にリューは不覚にも可愛いなどと思ってしまった。

 

リューは自身より頭一つ分高いレオンハルトの顔を両手で挟んで無理矢理向かせる。

 

 

「レオンさん………それは勘違いなんかじゃない。

 

私は貴方を裏切らない、何時でも何時迄もこの魂が朽ち果てようとも一生信じ守ります。

 

だから貴方も約束してください」

 

 

お互いの顔の距離はゼロ距離に近い。

 

リューの青く澄んだ瞳がレオンハルトの金色の瞳を真っ直ぐに捉える。

 

 

「なんやなんや〜〜、レオンお前さん最近やたら出掛けとると思ったら彼女に会うてたんかい」

 

 

「な!?ロキ様!?」

 

 

ゼロ距離の2人の間をこじ開け顔を割り込ませるロキ。

 

その後ろには苦笑いをしているリズベットとニタニタ笑っているアマゾネス姉妹。

 

 

「しかもミア母ちゃんのとこの子かいな〜〜、こりゃ式は盛大にせんとあかんな〜〜」

 

 

「プクク、これはあのギルドのアドバイザーさん泣いちゃうね〜〜」

 

 

「はぁ!?なんで其処でエイナさんが出てくんだよ、その肌と一緒にアホ丸出ししてんじゃねぇよバカゾネス!!

 

そもそも俺とリューさんは付き合ってなんかな………………」

 

 

同意を求める為にリューの方を見ようとするレオンハルト。

 

しかし予想していたリューの姿とは全く違っていた。

 

 

「あ、あう………わたしとレオンさんがこ、こここここいびっ……あばばばばばば」

 

 

顔を真っ赤にさせ完全に壊れていた。

 

普段キリッとしていて何事にも同時無さそうなリューだったがその姿は見る影もない。

 

これ以上絡まれたら大変な事になる。

 

ロキが手に持っていた串カツを掠め取り壊れたリューを抱えその場から逃げ出す。

 

 

「あーっ!!その串最後の一本やねんぞ!!レオン帰ったら覚えとけよぉぉぉぉお!!」

 

 

ロキの悔しがる表情を尻目に串カツの美味しさを味わいながら脱兎の如く走り抜ける。

 

暫く走ると其処はオラリオ全体が見渡せる高台だった。

 

その頃には壊れたリューも復活していた。

 

 

「レオンさん本当にすいません」

 

 

まだ熱が収まらないのか顔が少し赤い。

 

 

「それにしてもこの景色は素晴らしい。

 

こういうのを見るとオラリオに来て良かったと思える」

 

 

若干顔の赤いリューが花のように微笑む。

 

それを見て反応しない男はいない、いたら何かしらの病気としか思えない。

 

 

「(心拍数が上がりっぱなしだ、彼の言動一つ一つに心が躍ってしまう。

 

この情景、心拍数、雰囲気。

 

ここは言うしかないのでしょうか)」

 

自身の心に問うリュー。

 

心の中の同僚は行け、言え、押し倒せと暴れまわる。

 

 

「また、この景色を見てくれますか?

 

ずっと私の隣で笑っていてくれますか?」

 

 

そう言ってレオンハルトの方を見ると…………………

 

 

「………………」

 

 

何故か寝ていた。

 

確かにはしゃいだり追い回されたりと疲れたかもしれないが寝るのは今じゃなくてもとちょっとしたイライラが募る。

 

しかしそういう所も可愛いのかもしれない。

 

 

「大好きです、レオンさん。

 

リュー・リオンはレオンハルト・ヴァレンシュタインを愛しています」

 

 

そう言って瞳を閉じているレオンハルトの額に軽い口付けをする。

 

その後目覚めたレオンハルトはリューと挨拶を済ませホームへと帰っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「聞こえてるってリューさん………」

 




うん、書いてみたけど言うほど甘々なラブコメは書けなかったw


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巨人

更新遅れてすいません。

最近アプリ版のパワプロにハマって更新するのが遅れました。

レオンハルトの剣術と忍術はダンまち的にチート過ぎるなと反省しておりますw

これからもお付き合いくださあ


「ベル君達の捜索を依頼したい」

 

 

そうギルドの受付嬢エイナに言ったのは昼過ぎの事だった。

 

そうしてヘスティアのホームにヘルメスとアスフィ、ヘファイストス、ミアハ、そしてタケミカヅチとそのファミリアが集まっていた。

 

 

「なんやなんや〜〜、思ったよりぎょーさん集まっとるやないか」

 

 

「なんなんだい君は!!

 

僕は今忙しいんだ、君の冗談に付き合う暇は無いぞロキ!!」

 

 

ロキを確認した途端ツインテールをひゅんひゅんと振り回し怒りを露わにするヘスティア。

 

オラリオ二大巨頭の一角、ロキファミリアが来るとは予想外だったのかヘファイストスもミアハもタケミカヅチも驚いていた。

 

ヘルメスは一人でカラカラと笑っている。

 

 

「それにしても貴方どうしたの?

 

ヘスティアとは仲が悪い筈だけど?」

 

 

「ウチかてドチビと関わるんは嫌やでファイたん?

 

せやけどウチのレオンが行くって煩いから付いてきたんや。

 

これ一応クエストやろ、せやったら受注者と一緒に発注者に挨拶するんがウチのルールや」

 

 

「ヘスティア様、自分はタケミカヅチファミリアを助ける為にベル達をダンジョンに置いてきました。

 

その決断を間違ったとは思いません、ですからタケミカヅチファミリアを責めず俺を糾弾してください!!」

 

 

頭を下げるレオンハルト。

 

それに対してヘスティアは慈母のような笑み、まさしく女神の微笑みを浮かべていた。

 

「ベル君が帰って来なかったら君たちを死ぬ程恨む、だけど憎みはしない。

 

だから…………僕に手を貸してくれないか?」

 

 

それは超越存在である神が差し伸べた救いの手だった。

 

神故の寛大さを目の当たりにして命、桜花、レオンハルトそしてタケミカヅチファミリアは一糸乱れぬ動きで敬意を示し誓いを立てた。

 

 

『仰せの通りに』

 

 

出発は3時間後という事になりそれぞれ用意してバベルに集合となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はは、随分と珍妙なパーティーになったなアスフィ」

 

 

「ええ、神二柱にランク2が四人、私にリオンですからね。

 

疾風は兎も角彼は……剣鬼は本当にランク2なのですか?

 

動き以上に気迫は第一級冒険者のそれと同等です」

 

 

「あはは、どうやらそうらしいよ?

 

あのロキの秘蔵っ子らしいからね、ベル君も面白いが彼もなかなどうして面白い」

 

 

前衛をレオンハルトとリオン………ランク4の冒険者、〈疾風〉リュー・リオンが務め、中衛を桜花と命と千草、後衛が〈万能者〉の二つ名を持つアスフィ・アル・アンドロメダ。

 

主神の命令でこの作戦に参加しているが前衛の二人が無双し過ぎて自分が本当にいるのかと思うアスフィ。

 

 

「魔石が多い……おそらく彼らでしょう」

 

 

「このお釈迦になったポーションの瓶もあるから状況的にかなりキツイか……………まぁとりあえず18階層行きますか」

 

 

18階層、それはダンジョンに存在する安全地帯の一つである。街などがあり綺麗な水晶が生えている事から迷宮の楽園……アンダーリゾートと呼ばれている。

 

しかし、ベル達はランクアップし初めて中層に挑むパーティーなのだ。

 

そんなベル達が未到達階層に挑むとは到底思えない。

 

 

「だ、だが普通危険な常態なのに更に下の階層に潜れるのか!?」

 

 

「だとすると相当肝のすわった参謀役がいるようですね」

 

 

「普通じゃね!!」

 

 

桜花の言うことは最もだがベルを知る者なら誰しも下の階層、18階層を目指したことは分かる。

 

英雄に憧れ冒険をする少年が更なる冒険をしない訳が無い。

 

 

「まぁ桜花さん、それがあいつですよ」

 

 

桜花は納得出来ない表情だったが渋々18階層を目指す事に賛同した。

 

ダンジョンとは下に潜れば潜る程モンスターの出現頻度も量も強さも変わる。

 

縦穴を使えば通常のりも早く18階層へと辿り着けるだろう。

 

しかし、既に上級パーティーと共に移動しているかもしれないと思うとすれちがいを防ぐ為に正規ルートを通らざるをえないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいおい、もうゴライアスが復活してんじゃねぇかよ!!」

 

 

桜花の叫びが木霊する。

 

17階層、嘆きの大壁。

 

そこは迷宮の孤王……モンスターレックスとも呼ばれる階層主のゴライアスがいる。

 

 

「疾風さん…………貴方の魔法をゴライアスにぶち当ててください。

 

後は俺が引き付けるのでその間に隙を見つけて抜け出してください」

 

 

「ば、馬鹿なのですか貴方は!?

 

ギルド認定ランク4の階層主にランク2の貴方がたった一人で挑むというのですか!?」

 

 

ここまで冷静を貫いてきたアスフィだったがレオンハルトの天然発言に思わず身を乗り出す。

 

 

「『今は遠き森の空、無窮その夜天に散りばむ無限の星々………」

 

 

リューは既に詠唱を始める。

 

それを確認してレオンハルトもエネルギーを練り始める。

 

 

「はぁ………なんで私ばっかり……」

 

 

「頼みますよ、アスフィさん。

 

貴方はこのパーティーである意味一番頼れる存在だ、神様と命達をお願いします」

 

 

エネルギーが充填されたのかレオンハルトの体は紫炎で包まれていた。

 

 

「星屑の光を宿し敵を討て』ルミノスウィンド!!」

 

 

両手を大きく広げ叫ぶリュー。

 

すると風が爆弾のようにゴライアスの元で爆ぜる。

 

それにつられ次から次へと爆破を繰り返す。

 

 

「何て威力…………」

 

 

同じ女性冒険者としてリューの……疾風の姿はさも英雄に見えた命。

 

凛とした立ち振る舞いに無駄の無く洗練された動きに圧倒的火力の魔法、羨望するには充分過ぎた。

 

 

「須佐能乎!!」

 

 

そう叫びながら飛び出すとレオンハルトが纏っていた紫炎はメキメキと形を変え鎧武者のような姿になった。

 

それと同時にルミノスウィンドのダメージで悶え苦しむゴライアスに殴りかかる。

 

 

「ゴァァァァァアアアアアア!!」

 

 

嘆きの大壁は細長い感じの構造となっている。

 

ゴライアスのような巨人と須佐能乎という紫の巨大武者がタイマンし始めたら安全なルートは無くなる。

 

ゴライアスの大振り気味な右のストレートを左手でガードして右ストレートを当てる。

 

階層主でギルド認定ランク4ということもありその膂力は凄まじい。

 

しかし、強過ぎる膂力を振り回すだけの戦法は同じサイズの須佐能乎ないしレオンハルトには通用しない。

 

次々にカウンターを決める。

 

そのレオンハルトとの戦闘に気を取られている間にリューが背後から斬りつける。

 

 

「ゴァァァァァア!!」

 

 

背後のリューを叩き落そうとするがレオンハルトはそこに出来た隙を見逃しはしない。

 

 

「(ちくしょう………段階踏まずにいきなり完成体まで持ってきたせいで身体にダメージがきてやがる、早いとこ決めないと………………)」

 

 

よろよろと壁に倒れこむゴライアス。

 

ここだ、左の拳に魔力をさらに集中させる紫炎が段々形を変えていき最終的に剣のようなものが握られていた。

 

腰を低く落とし右の掌で照準を合わせ剣を構える。

 

そしてそこから剣気を切っ先に集中させる。

 

 

「我流剣術…………牙突零式!!」

 

 

低くい体制から一気にゴライアスに近づき上半身のバネを活かした突きを放つ。

 

そして穿たれた突きはゴライアスの左胸……………魔石を捉える。

 

ピキリ、と音を立てゴライアスが煙となり四散する。

 

その巨大な魔石は剣に砕かれ焼失してしまう。

 

そして巨大武者となっていた紫炎も消えてしまった。

 

須佐能乎が消えた事で頭上から地面へと叩きつけられそうになるがリューが滑り込みながらのキャッチを見せた為地面への直撃は防げた。

 

ベルとは違ったレオンハルトの規格外さを目の当たりにしたヘスティアとタケミカヅチファミリアの面々。

 

ヘルメスは何処か嬉しそうに微笑む。

 

 

「まぁお前のチート具合は知ってたつもりだけどまさかここまでとは…………」

 

 

桜花の呟きに千草と命がウンウンと頷く。

 

 

「まぁなんだ、レオン君無双を見学したところでそろそろ18階層へ行くとしようじゃ無いか。

 

疾風ちゃんがレオン君を運んでくれるようだしさぁ行こう」

 

 

スキップでもするのでは無いかというぐらいの勢いで歩き出すヘルメス。

 

ベルとは違った才能の発見に喜びを感じ噛み締めていた。

 

 

「くっ、ヘルメス君に先を越される訳には行かない!!

 

待っててくれベルくぅぅぅぅん!!」

 

 

ヘルメスに負けてなるものかと走り出すヘスティア。

 

しかし、嘆きの大壁は結構滑りやすい。

 

なんの注意も無しに走っていると…………………

 

 

「わっぷ!!」

 

 

コケてしまう。

 

ヘッドスライディングするような形で18階層へと続く穴へと入っていくヘスティア。

 

ヘスティアの断末魔を聞きながらそれに続くリューとタケミカヅチファミリア、ヘルメスファミリアだった。




千鳥と螺旋丸、飛雷神の術に須佐能乎。

その他諸々の剣術………………………、こいつ魔法覚える意味あんのかてwwwwwww


あと、レオンハルトが圧倒的に格上のゴライアスに勝てたのは須佐能乎の性能が規格外というのと何よりレオンハルトのスキルの影響と明言しておきます。

近々レオンハルトのステータスを発表すると共に新キャラの発表が出来たらいいなと思います。


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アンダーリゾート

野球モノも書いてるけどこっちの方が書きたくなって放置しがちな今日此の頃。


「俺たちを見捨てといてよく俺たちの前に姿を表せたな、レオン!!」

 

 

ロキファミリアがベル達の為に用意したテントの中で救出隊とベル達が向き合って話していた。

 

 

「あの状況でタケミカヅチファミリアにモンスターから逃げて無事ダンジョンを抜ける事は不可能だった。

 

桜花は千草を背負ってて戦えないし命だけじゃ追っ手を処理しきれなかった」

 

 

「ま、待ってよヴェルフ!!

 

僕がレオンさんの立場ならそうしてたよ、死にそうな人を目の前に見捨て逃げるなんて出来ないよ」

 

 

ヴェルフが自分達を見捨てたレオンハルトに対して掴みかかっていた。

 

それをベルが必死に止める。

 

 

「ベルは英雄になる男だ、そんな男があんな程度のピンチで死ぬはず無いんだ。

 

だからおれはタケミカヅチファミリアを助ける事を選択した。

 

だがパーティーを見捨てたのはパスパレード以上に禁忌な行為、本当に申し訳ない」

 

 

「あ、頭を上げてください御兄さん!!」

 

 

「ちょっとベル君、そいつはヴァレン何某の弟だぞ?

 

それを御兄さん呼ばわりとは〜〜」

 

 

ベルの場を和ませようとした軽い冗談にヘスティアはいち早く反応する。

 

ツインテールがワナワナと動きベルの両手に巻きつくとヘスティアのタックルがベルに直撃する。

 

ベルも必死に抵抗するが上手く押さえ込まれてしまい動けずにいた。

 

微笑ましい絡みに空気が和んだのを感じたレオンハルト。

 

 

「ったく、ベルが許すってんだから許してやるがお詫びとして俺の作品買ってもらうぞ」

 

 

「ベル様もレオン様もお人好しすぎるんですよ!!」

 

 

リリルカ、ヴェルフからもお許しを頂いた事で漸くタケミカヅチファミリア直伝究極奥義であるドゲザを解除したレオンハルト。

 

しかし、慣れないせいか足が痺れて上手く動けない。

 

 

「ぁぁぁぁぁあ!!ちょ、ヘルメス様何してんの!?

 

あんたアホか、止めてくださちょ無視すんなぁぁぁぁぁ!!」

 

 

娯楽好きでアホばかりの神の中でも群を抜いてキチガイと呼ばれているヘルメスがフラフラのレオンハルトを逃しはしない。

 

木の棒で足をツンツンと突いたり帽子に付いている羽で足の裏を擦ったりとやりたい放題だ。

 

その後ろでアスフィがため息をつく。

 

テントの中は最早カオスだった。

 

 

「………………みんなご飯の用意出来たから来て……………」

 

 

アイズが呼びに来た事でカオスな状況は終わりロキファミリアの遠征パーティーが入るところに集まった。

 

中にはヘファイストスファミリアの鍛治師もいるようでヴェルフが絡まれていた。

 

 

「みんな聞いてくれ、彼らは我がファミリアであるレオンハルトの友人達だ。

 

客人としてもてなしてやってくれ」

 

 

レオンハルトはレベルこそ2であるがロキファミリアでは準幹部のような存在、実力もあり権力もあるということでファミリア全員と仲は良い。

 

その後ロキ、ヘファイストス、ヘスティア、タケミカヅチ、ヘルメスファミリアによる大宴会は盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リューさん、今日は救出隊に参加してくれてありがとうございます」

 

 

「クラネルさんはシルの伴侶となる方だ、それに貴方の友人であるなら私が助けない通りは無い。

 

貴方とシルの役に立てたようで良かった」

 

 

リュー・リオンこと疾風はギルドのブラックリストに乗せられている。

 

自身のファミリアが騙し討ちをくらい全滅してしまった報復行為としてその敵対ファミリアの関係者、関係者らしき人物を一人残らず叩きのめした。

 

報復行為というだけなら良いのだが流石にやり過ぎだと言うことでブラックリストに乗せられた。

 

ここに来る時もバレてはいけないからケープを深く被りエルフだとバレない疾風時代の衣装でいたのだ。

 

しかし今はリューとレオンハルトの周りには誰も居ない。

 

 

「しかし、そのケープの認識阻害魔法は凄いですよね」

 

 

「その事で神ヘルメスに恩を作った自分が恨めしい」

 

 

何を考えているか分からないヘルメスに借りを作るのはこのオラリオで最も怖い事だとリューは思っていた。

 

後で何を要求されるか、自分と友人が大変な事に巻き込まれるのでは無いかと心が落ち着かなくなるのだ。

 

 

「あはは、まぁ確かに俺もヘルメス様は苦手ですよ」

 

 

「そんな事よりも須佐能乎を神ヘルメス達の入るところで発動しても良かったのですか?」

 

 

巨大な鎧武者を纏った須佐能乎。

 

それは螺旋丸や飛雷の術と同じようなものである。

 

しかし、術としての力が不十分なのか魔力も同時に使わないと完成体には持ってけない。

 

マインドダウンする程の魔力を注ぎ込んだその効果は完全防御。

 

あらゆる攻撃をその範囲内であるならば防ぐというものだ。

 

しかし、フィンやガレスなど一級冒険者にはヒビを入れられる。

 

 

「神を二柱も含んだパーティーでゴライアスを避けつつ神を守るなんて不可能だ。

 

だからあそこは須佐能乎を発動するしか無かった」

 

 

「しかし、あれを発動した後貴方はマインドダウンだけでは無く視力も減り無事ではいられない」

 

 

一級冒険者の攻撃すら防ぐその究極の鎧は代償も大きい。

 

完成体を発動すれば視力は失明の一歩手前までいき身体のあらゆる器官がズタズタになるのだ。

 

そのデメリットをリヴェリアに知られてから発動を禁止されている。

 

まぁ平気で使うから何度も説教されるレオンハルト。

 

 

「エリクサーとリヴェリアの治癒で治してもらったよ、まぁ説教されたけど」

 

 

「本当なら私も貴方に説教の一つや二つしてやりたい所だ、だけど貴方はどんな時でも守る為ならどんな無茶ですら平気でしてしまう。

 

貴方のその心に免じて許すとしましょう」

 

 

レオンハルトの周りの女性は美人ばかりだ。

 

アイズは勿論リヴェリアや一途なアマゾネス、アホの子なアマゾネスやエイナに命と顔面偏差値は138くらいなんじゃないかと常々思うレオンハルト。

 

しかし、その中でもエルフという種族は群を抜いて美しい。

 

ハーフエルフのエイナや王族のリヴェリアの笑顔を見たときは心拍数が上がる。

 

 

「その笑顔は卑怯だろ………」

 

 

思わず顔を背けながら聞こえないように呟くレオンハルト。

 

自分はいつかの猫人に言われたエルフ好きなのでは無いかとよぎる。

 

昔同僚が言っていた握手会でアイドルと握手した時のような感情と同じだと心を落ち着かせようとするレオンハルト。

 

 

「貴方は私の手を………この血塗られ汚れた手を取ってくれた2人目の人だ。

 

いくら貴方が無茶をするといっても貴方に死なれたら私が困る。

 

我儘ですけど私の為に死なないでください」

 

 

「はい………」

 

 

手を握りながら懇願するリューの泣きそうになり赤くなった顔は破壊力満点だった。

 

それと同時にこの人を、大切な仲間を守り抜くことを決意したレオンハルトであった。

 

 

 




ふぅ、リューさんがリューさんでない気がしてならない。

あと二話か三話くらい日常だったりラブコメだったりしますのでよろしくお願いします


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小話『リヴィラ』

リヴィラの街、それは第18階層に存在する冒険者の街である。

 

武骨な冒険者達が作り幾度となく破壊されてきたがその度に作り直されてきた。

 

物価は高く質も良いとは言えないが冒険とは消費が激しい、だから高くても品質が低くても元がとれるのだ。

 

 

「くっ、ベル君と二人のデートの筈が………………何でこんな大所帯に」

 

 

ティオナ、ティオネ、アイズのロキファミリアとベル救出隊とベル達という随分な大人数で街に繰り出していた。

 

ヘスティア自慢のツインテールも残念がっているのかしおしおしている。

 

 

「高ぇ!!この砥石が一万三千ヴァリス!ありえねぇよ」

 

 

「くっ、このサポーターバッグぼったくり過ぎますよ全く…………」

 

 

初めてのリヴィラの常識という壁の前に驚くヴェルフとリリルカ。

 

 

「じゃーん!!どうだベル君」

 

 

ヘスティアは何処から捻り出したのか無駄に高い香水を振りまきながらベルに近づく。

 

ベルはその臭いを嗅いで素直に褒める、しかし香水なら地上の方が安く品質も良いものが買える。

 

ヘスティアのお金の管理能力を疑ってしまう。

 

 

「ヘスティア様は経済観念のかけらもありませんね」

 

 

どうやらリリルカの意見と俺の意見は同じようだ。

 

その言葉にヘスティアはツインテールをわさわささせながら対抗する。

 

 

「む!?サポーター君だってそのバッグを買ったじゃないか」

 

 

「これは必要なので仕方なくです!!」

 

 

「ボクだって仕方なくさ、乙女の嗜みだよ!!ベル君もレオン何某君も汗臭い子は嫌だろう?」

 

まだ俺の名前を覚えてないのかよヘスティア様…………………

 

ベルはハハハと苦笑いしか出来ない。ここでヘスティアを味方すればリリルカが怒り、リリルカを味方すればヘスティアが不機嫌になると分かっているからだ。

 

 

「まぁ度合いによりますけど基本的にはそういう所に気が回せない人は嫌ですかね、まぁ散財癖が強いのも困りますけど」

 

とまぁ、当たり障りのないコメントをする。

 

その時チラリと見えたリューさんが自分の臭いを嗅いでベースキャンプへ戻っていく姿が見えた。

 

リリルカとヘスティアは喧嘩している猫のように牽制しあっている。

 

最近はこの2人が姉妹だったりするのではと思ったりする。

 

それを見た賢い方のアマゾネス、ティオネが水浴びに誘う。

 

それに快く了承するヘスティア、そしてやはり乗ってくる命。

 

 

「やぁ、レオン君にベル君。

 

キャンプに戻ったら時間を貰えるかな」

 

 

ヘルメス様に肩を組まれるがここで逃げないと何か面倒ごとに巻き込まれる。

 

 

「すいません、ヘルメス様俺ちょっと忙しいんで失礼しますね」

 

 

そう言って腕を振り解き走って街を抜けた、まぁこれで面倒ごとは回避出来た筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、迷った…………」

 

 

絶賛迷子なうだ。俺だって18階層は初めてだ迷うのは仕方ない。

 

別に俺は悪くない。

 

飛雷神の術用のクナイはベースキャンプに置いてきたか自力で戻る事は不可能。うっかりしてた訳じゃない、決してうっかりしていない。

 

ともかくどうしようも無いので森を歩き続ける。

 

すると少し離れた所で水音が聞こえた。

 

走ったり動き回ったりで汗もかいてた所だ、丁度良い汗を流そう………なんて軽い気持ちで水音のする方へいった。

 

だが考えても見てくれ、滝でも無い限り水音などするはずが無い。

 

つまりは……………………

 

 

「………………」

 

 

若葉色の髪に女神でさえ霞む程の綺麗な肌をしているエルフ、リュー・リオンが水浴びをしていた。

 

絵にする事が出来たらどれ程の価値がつくのか、なんて考えてしまうくらいに美しかった。

 

そして俺の後ろに誰かの気配を感じた同時にそいつが枝を踏み折ってしまった。

 

 

「誰だ!?」

 

 

リューさんは石を投げてきたのだがレベル4の膂力で投擲された石はもはや弾丸に等しい。

 

 

「ベリンゲイ!?」

 

 

俺の後ろにいた奴はベルだったのだがリューさんの投擲をモロにくらい倒れ込んでしまった。

 

 

「クラネルさんに…………れ、れ、れれれれれれレオンさん!?な、ななぜここに?

 

というより見ないでください、恥ずかしいです」

 

 

「あ、ごめんなさいリューさん。

 

道に迷ってたらここに行き着いてそのあとは思わず見惚れちゃってて…………」

 

 

神様級に鋭いリューさんの事だから下手な事を言えばハートキャッチプリキュア(物理)である。

 

ここは正直に言うべきだろう。

 

 

「そ、そうですか事情は理解しました。

 

そしてその言葉は褒め言葉として受け取ろう(まだ私の身体にも魅力があったようで良かった)」

 

 

リューさんが着替えるということで背中を向けていたせいで表情はわからなかったがどうやら俺の体がスパーキングする事もないのは分かった。

 

その後、起きたベルと三人で元アストレアファミリア団員の墓に花を添えてベースキャンプへと戻った。

 




と言うわけで久々の更新。

なんかざっくりし過ぎたなとは思います、本当ごめんなさい。

実はまだ対ゴライアスとの決着について考えがまとまっていなくて書き出せない状況が続いています、ごめんなさい。

すぐに結論を纏め早めに更新出来るようにしたいです


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ドキッ!冒険者だらけのゴライアス討伐大作戦

今回はゴライアス戦直前ということで短いです。

次回から本格的な戦闘にはいっていきます


「ヘルメス様………これは一体……」

 

 

水晶の光が美しく映える18階層、しかしその美しくしい景色は暗く淀みまるで怒りに狂っているようだった。

 

 

「ダンジョンは憎んでいるのさ、こんな場所に閉じ込めた僕達神を……………ウラノス、祈祷はどうした?こんな話は聞いて無いぞ」

 

 

先刻、ベルの危機にヘスティアが自らの神威を解放した事で18階層が変わった事をヘルメスは気づいていた。

 

ヘルメスは自らの眷属であるアスフィにベル達の方へ向かわせこれから起こるであろう惨事を静観する事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったくヘスティア様が神威なんて解放するから階層主が出てきたじゃないですか」

 

 

「れ、レオンさん!?どどどどどーしましょー!!」

 

 

突然現れた黒い巨人におたおたするベル、それはレオンハルトが17階層で見たゴライアスとは異なり一回り大きくその肌も黒くより凶暴に見える。

 

 

「俺はあのデカブツ倒しに行くぜ」

 

 

エリュシデータとダークリパルサーを抜き巨人のいる方角へ向け走り出すレオンハルト。

 

それに続きリューが一陣の風の如くレオンハルトを追った。

 

 

「待ってくださいよぉおぉおぉお!!」

 

 

走り出したベルに着いて行くヴェルフやリリルカそしてタケミカヅチファミリア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴォールス、ありたっけの冒険者と武器を掻き集めなさい」

 

 

リヴィラの街の実質的なリーダーに指示を飛ばすアスフィ。

 

 

「何言ってんだアンドロメダ、まさかあの怪物とや「退路は既に断たれました」………………」

 

 

食い気味に話すアスフィ。

 

リヴィラに来る前に17階層へと続くルートまた下の階層へのルートを確認したが全て岩や大木に塞き止められ出られなくなっている。

 

それらを退かそうにも数時間はかかりゴライアスに襲われる、それならば倒してしまえばいいのだ。

 

頭数は多いし、確認する限り自身を含め一級冒険者はリューがいるし剣の鬼であるレオンハルトもいるのだ。

 

如何にこのゴライアスが通常のゴライアスよりも強く異常な存在であっても討伐は可能だ。

 

 

「ッハ、ったくよぉ………………おいオメェラ!!町中の冒険者を集めろ、あの化け物と一戦やるぞぉ!!

 

武器は腐るほどある、壊れたら交換すればいい。

 

連携なんて出来ねぇんだ、互いの邪魔にならねぇように暴れやがれぇ!!」

 

 

その怒号に冒険者達はそれぞれ用意を済ませゴライアスへ突撃していく。

 

こうしてダンジョン始まって以来の異常、イレギュラーとして神々の間で語り継がれる『ドキッ!!冒険者だらけのゴライアス討伐大作戦』が幕を開けたのであった。

 

 

 




決め技というか倒すシーンは浮かんでるけどそれまでの過程が思いつかないw


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ドキッ!冒険者だらけのゴライアス討伐大作戦Part2

ゴライアスとの戦闘は激しさを極めた。

 

ちまちま攻撃してもということで初撃からスターバーストストリームを打ち込んだり螺旋丸を打ち込んだりと大技を連発した。

 

17階層で戦ったゴライアスよりも強いらしく大したダメージにならないうえ、傷もすぐに再生してしまう。

 

 

「須佐能乎ォォォォォォォォ!!」

 

 

後でリヴェリアに怒れられるだろうけどここで使わないと勝てないしね、いきなり完成体で右ストレートを打ち込む。

 

 

「ゴァァァァァァァァアアア!!」

 

 

「ベル!!今から俺が先輩として英雄の姿ってもんを見せてやる、姉貴と並びたいなら英雄になりたいならその目によーく焼き付けとけぇえ!!」

 

 

聞こえているかは分からない。

 

だが同じ目標……いや、夢を追う仲間として先輩としての姿を見せるべきだ。

 

二本の剣を顕現させゴライアスの正面に立つ。

 

ゴライアスは突然自分の前に現れた同サイズの敵に警戒をしていた。

 

 

「(今回は準備無しの完成体だから持続時間もかなり短い………早い所倒さないと)」

 

 

飛ぶように駆け一瞬でゴライアスに接近する。

 

ダンジョンで生まれその膂力のみで戦うゴライアスとは違い俺には積み上げてきたモノがある。

 

 

「スターバーストストリーム!!」

 

 

一撃、二撃、三撃、四撃………と早く剣を振り抜く。

 

ただゴライアスの再生力が尋常じゃない為斬った傷もすぐに治る。

 

渾身の16連撃も意味もなさない。

 

スターバーストストリームは16連撃という連続技である為発動した若干のインターバルが存在する。

 

そう、今はそのインターバルで無防備なのだ。

 

 

「ゴァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

ゴライアスが振り下ろした拳が動けない須佐能乎の顔の部分を捉えられヒビが入ったのを感じる。

 

そのまま地面に叩きつけられバウンドしたところをサッカーボールの如く蹴り飛ばされる。

 

蹴られた瞬間に須佐能乎は砕け俺はゴライアスの蹴りをモロに喰らい宙に浮かぶ。

 

そしてそこにゴライアスの容赦無い咆哮〈ハウル〉が俺を襲う。

 

 

「ルミノスウィンド!!」

 

 

咆哮のチャージ中にリューさんが得意の広範囲高火力魔法であるルミノスウィンドを背後から発動した事で咆哮が当たる事は無かった。

 

しかし、スターバーストストリームでさえ効かなかったゴライアスにルミノスウィンドで削りきる事は出来ず

 

 

「ゴァァァァァァァァァァ!!」

 

 

背後からの攻撃を鬱陶しそうに裏拳………大振りなバックハンドブローを放つゴライアスが魔法を発動しているリューさんが狙われているのを見た。

 

 

「はぁぁぁぁあ!!鬼斬りぃぃぃぃぃ!!」

 

 

「れ、レオンさん!?」

 

 

あらかじめリューさんを始めある程度の仲間にはマーキングをしていたから飛雷神の術でリューさんの所まで移動しリューさんが持っていた木刀を口に咥え三刀流の剣技を放つ。

 

 

「(ハハッ、冗談じゃねぇよ。筋肉という筋肉がブチブチ千切れていきやがる。でもリューさんを守れるならこれくらい!!)ぉぉぉぉおおおおおお!!!」

 

 

普通のモンスター、人間ならこの技を喰らえば確実に吹っ飛ぶのだが絶対的な攻撃力の違いで俺は吹っ飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

「貴方は馬鹿なのですか!?彼処で私をかばったばかりにこんなダメージを負って!!それに昨日も須佐能乎を使っていたのに貴方はどれだけ自分を苦しめれば気がすむ!?」

 

 

本当なら目が見えない筈だがエリクサーのおかげでぼんやりとだがリューさんが見えた。

 

須佐能乎の反動はリヴェリアの治療とエリクサー使ってやっと治るレベルだからな。

 

冷静沈着なリューさんの怒った所は初めて見たかもしれないな…………

 

 

「怪我なんてポーションやら魔法やらで幾らでも治せる。

 

それよりもリューさんが傷つく事は耐えきれないんですよ」

 

 

「それでも!!例え貴方がは私を想い、仲間を想った故の傷であるとしても許す事は出来ない!!

 

貴方は………………貴方は………………」

 

 

リューさんは外していたフードをかぶり直し再びゴライアスの方へと向く。

 

そして小太刀を構え

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大切な人だから」

 

全力で駆けた。

 




本来ならもう少し長く書くつもりだったけどゴライアス戦は2話くらいに分けたいなという俺の身勝手ですわw


はい、リューさんの告白(?)が出た所で今回は終わりました。

ヒロインはリューさんだけどエイナさんの振られるフラグが立ってしまったので後で回収します。



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ファミリアミィス

「ぁぁぁぁぁああああ!!」

 

 

「魔導師は詠唱を急げ!!その他は時間を稼げ!!」

 

 

ダメージディーラーであったレオンハルトの戦線離脱は痛かった。

 

それまで周りのモンスターを倒すか軽く援護するぐらいでよかったのに自らが前線に立たねばならないのだ。

 

しかし、その程度で崩壊する程リヴィラの街の冒険者は柔じゃない。

 

魔導師が高火力の魔法の詠唱をしている間に他の冒険者で出来る限りダメージを与えようとの事だった。

 

 

「再生速度が遅くなってんぞぉ!!どんどん打ち込めぇ!!」

 

 

人間の細胞分裂の回数は決まっている。

 

某忍者漫画の怪力な医療忍者の使う創造再生の術後は細胞分裂を早め再生させる事で戦闘での死亡を防ぐものだ。

 

レオンハルトやリューの連続の攻撃すら再生してみせたがダメージはそれなりに残っていたようで再生するのが少し遅くなったのだ。

 

 

「…………星屑の光を宿し敵を討て!!ルミノスウィンドォォォォォオオオオオオオ!!」

 

 

その叫びが18階層に響く。

 

抑えようとも抑えきれない位に昂ぶる感情を吐き出すように魔法を放つリュー。

 

レオンハルト・ヴァレンシュタインを英雄と呼ばずして誰を英雄と言うのか。

 

英雄である彼はこの怪物必ず倒す、それまでにこの怪物の厄介な再生能力を削り取る………そう、決心していた。

 

 

「レオンさん………………」

 

 

憧れの剣姫の弟であり英雄物語の主人公のように格好良いレオンハルトに何時からか憧れていた。

 

自分もこうなりたい、強いモンスターに立ち向かってみんなを守りたい。

 

その願いに応えるようにベルの右手が白く発光し出す、それに伴い大鐘楼のような音が響く。

 

白い光は徐々にベルの身体を包んで行く。

 

英雄願望により強化した一撃、これがレオンハルトやリューでも倒せなかったゴライアスを倒せると思わなかったが右の拳をゴライアスに照準を合わせ構える。

 

叫べ、咆えろ、名乗りをあげるんだ。

 

何時か彼と同じ………彼を超える英雄になる男だと、この一撃はその第一歩なのだと。

 

 

「ファイアボルトォォォォォオオオオオオオ!!」

 

 

白い炎雷が巨大な塊となって吹き出す。

 

通常のゴライアスならば跡形も無く消しとばしていたかもしれない。

 

だがこのゴライアスは異常、イレギュラーなのだ。

 

着弾した炎雷はゴライアスの右半身を削ったが魔石を破壊する迄には至らなかった。

 

反動で、物凄く身体が怠くなるが次弾に備えチャージを始める。

 

意識が、持つなら何度でも放つ………英雄になる為名乗りを挙げた責任として最後まで全力を尽くすだけなのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視界は未だにボヤけたまま、身体中の怪我も治りきっておらずボロボロの状態だと言うのに高揚感が高まっていた。

 

レオンハルトは英雄に憧れていた少年の英雄になる為に挙げた狼煙を感じ取る事が出来たのだ。

 

 

「視界がボヤけてるけどあれだけデカイ的だ……外す訳ねぇだろ。

 

身体は剣で出来ていた…………………」

 

 

詠唱を始め一振りの剣をイメージする。

 

 

「血潮は鉄、心は硝子」

 

 

ドクン、ドクンと脈が強くなる。

 

 

「幾たびの戦場を越えて不敗、ただの一度も敗走は無くたった一度の負けを許さない」

 

魔力がレオンハルトを包む。

 

 

「担い手は此処に独り、迷宮の丘にて剣を振るう」

 

そのイメージが形となり始める。

 

「故にこの生涯に意味は要らず、その身体は剣で出来ていた」

 

 

黄金の刃を持った剣がレオンハルトの手に握られる。

 

 

「輝ける彼の剣こそは過去、現在、未来を通じ戦場に散りゆく全ての兵達が今際の際に抱く儚くも尊き夢。

 

その意志を誇りと掲げ、その真偽を貫けと正す。

 

今常勝の王は手に取る奇跡の真名を謳う。

 

其は……………………………………………」

 

 

手に握られた黄金の剣に光が集約する。

 

その光を見届ける者は居ないが一度見たら忘れられない程幻想的で理想的な暖かい光であろう。

 

人々の理想となった王が振るった黄金の剣が今此処で、このオラリオの地にて再び解放される。

 

 

「エクスカリバァァァァァァァァァァ!!」

 

 

その剣から放たれた究極の斬撃は黄金の塊となりゴライアスへ向かう。

 

 

「ファイアボルトォォォォォオオオオオオオ!!」

 

 

白い炎雷もゴライアスへ向かい黄金の斬撃と同時に着弾する。

 

ゴライアスの断末魔の後に残ったのはゴライアスの表皮のみだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいない木の上でヘルメスは慣れる事の無い神託をする。

 

 

「あぁ見たぞ、このヘルメスがしかと見た!!

 

素質が無い?馬鹿を言うなゼウス!!

 

貴方の孫は、貴方の残した意志は本物だ!!

 

これからも見届けよう、親愛なる彼らが紡ぐ眷属の物語。

 

ファミリアミィスを!!」

 

 

ヘルメスの神託を聞いた者は居ない。

 

しかし、この神託は聞こえているのだろう……神々達の元に。

 

 




結構書いたつもりなのに2,000字行かないとは…………

とりあえずゴライアス戦は完結です。

そろそろレオンハルトのステータスを作らなくてはw


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レオンハルトのすてえたす

「今回集まって貰ったんわ他でも無い、ウチの子供の事や」

 

 

ロキが自分の子供の事でわざわざ緊急デナトゥスを開く事は無い。

 

だが、ハーフエルフの受付嬢がうっかり大声で叫んでしまったが為にギルドから説明として緊急デナトゥスを開かされたのだ。

 

 

「うちの子供、レオンハルト・ヴァレンシュタインがレベル4にランクアップした」

 

 

会議場が騒然とする。

 

前々回のデナトゥス直後にランクアップしてから約半年でランクアップというのもかなりのものであるがレベル3を飛ばしてレベル4になった事に驚いたのだ。

 

 

「ロキ、あんたを疑う訳じゃ無いけど神の力は使って無いわよね?」

 

 

赤髪に黒い眼帯をした麗神ヘファイストスがロキに尋ねる。

 

「うちかてどっかのアホ神のようにステータスの秘匿なんて真似しぃへんよファイたん」

 

 

普段の飄々とした態度では無い事からロキ自身もかなりの事態だと分かっているのだろう。

 

 

「あのドチビのトコのガキの事も今回の事もレアスキルの発現によるものっちゅー事は確かや。

 

二つ名を更新してやりたいと思ってるんやけどなんか無い?」

 

 

「やぁやぁ、デナトゥスだと言うのに堅苦しいじゃないか」

 

 

羽をつけたとんがり帽子にロキ以上に摑みどころの無い神、ヘルメス。

 

突然の登場に周りの神々もざわつき始める。

 

 

「なんやアホゥ、別にお前は呼んでへんよ」

 

 

「まぁそう言うなよロキ。

 

ウチの子供の話だと18階層での彼の姿は剣を握った英雄そのものだったらしい、という事で彼の二つ名は剣の英雄………剣雄か剣の帝、剣帝というのはどうだろうか?」

 

 

『うはっ、ヘルメスだぉ』

 

 

『ヤバたん、やばたん』

 

 

『ウホッ、イイ冒険者』

 

 

周りの神々を無視してロキとヘルメスがにらみ合う。

 

並の人間がこの場に居合わせたならば気分を崩す程の神威と神威のぶつかり合い。

 

お互いに腹黒い所があるからか真意を探ろうと警戒心を強めるロキ。

 

 

「まぁええ、二つ名は剣雄や。

 

あぁ、それと最後に例えレオンが別のファミリアに居たとしてもウチのトコに居たとしても……………レオンとその仲間に手をだすゆーなら誰彼構わず消すで」

 

 

ロキの神威は周りの神々を震え上がらせたがロキが神威を飛ばしたのは奥の柱から覗いている銀髪の女神に対してだった。

 

その女神は震え上がる程の神威を衣に返さず不敵な笑みを浮かべ会議場を出て行った。

 

 

 

 

 

緊急のデナトゥスが終わりロキは自室リヴェリアとフィンの2人を呼んでいた。

 

 

「レオンもアイズもだけどあの姉と弟は凄まじいね」

 

 

「全く、2人揃って言うことを聞かんから厄介だ………………だがそれ以上にこのステータスは……………」

 

 

「せやろ?」

 

 

三人の前に置かれた一枚の羊皮紙、そこにはレオンハルトの名前が載ったステータスが書かれていた。

 

 

 

 

レオンハルト・ヴァレンシュタインレベル4

 

力: D 586 耐久: C 612 器用: E 498 魔力: C 678 《剣術》《忍術》

 

 

魔法: オーバーパワー

・恐る事なかれ敵は眼前にあり

エクスカリバー

・体は剣で出来ていた。血潮は鉄心は硝子。幾たびの戦場を越えて不敗、ただの一度も敗走は無くたった一度の敗北も許さない。彼の者は独り迷宮の丘にて剣を振るう。故に障害に意味は要らず、その体は剣で出来ていた。

 

輝ける彼の剣こそは過去、現在、未来を通じ戦場に散りゆく全ての兵達が今際の際に抱く儚くも尊き夢。その意思を誇りと掲げその真偽を貫けと正す。今、常勝の王は手に取る奇跡の真名を謳う。

 

 

忍術: 飛雷神の術、螺旋丸、千鳥、須佐能乎

 

スキル:【英雄の維持(プライドオブヒーロー)】

・危機に際し発動する

・敵が格上である時に発動する

・上記二つの度合いが高ければ高いほど効果は向上する。

・ステータスが上がる

【忍の心得(シノビノココロエ)】

・忍術を使える

・忍術に必要なエネルギーは魔力で代用

・忍術を他人に譲渡出来るが譲渡した忍術はその後使用不可

 

【鍍金の勇者(ソードオラリオ)】

・剣術を使える

・剣術に必要なエネルギーは魔力で代用

・他人に教える事も可能

・使用する武器に強度等の補正(刃がついているもののみ)

 

 

 

 

 

「色ボケ女神のとこ奴よりもチートやろこれ」

 

 

「まぁ【猛者】よりも強いだろうね」

 

 

親指を震わせながらオラリオ最強の男とレオンハルトが戦う様を思い浮かべるフィン。

 

楽し騒ぎが好きなロキでさえ神妙な面持ちをしている。

 

 

「兎に角だ、レオンの事に関してはある程度注意するくらいでいいだろう。

 

次の遠征について話したい、ガレスを読んでくる」

 

 

 

 

 

そのあとガレスも招いてロキを含めた四人で次の遠征の日程や到達階層について話し合いロキファミリアの夜が更けていった。

 




今回の話はレオンハルトのステータスを載せる為だけのものなので中身は残念になってしまいました。

もう話とか思いつかねぇよ、さっさと戦争遊戯書きてえよこの野郎ってな具合です。

さてレベル3を飛び級したのはレオンハルトが倒したモンスターが強かったからです。

レベル3相当のグリームアイズ、レベル4相当のゴライアス、レベル5相当の黒ゴライアスです。

コメント待ってます


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『小話』爆報オラトリア

顔を真っ赤にして暴れまわるリューを笑顔で抑え込もうとするシルやアーニャ達。

 

その横でベル顔を真っ赤にしているのに対してゲシゲシと足で蹴るリリルカとヘスティア。

 

申し訳無さそうにミアに謝るタケミカヅチファミリア一同。

 

バカ笑いをしているロキ、ティオナとベートとガレス。

 

笑いを必死に堪えようとするが堪え切れないリヴェリアとフィン。

 

 

山のように積まれたジャガ丸君と只管格闘しているアイズ。

 

混沌ここに極まれり。

 

 

「どうしてこうなった……………」

 

 

レオンハルトの絶望した声が豊穣の女主人に響く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠征の打ち合げとレオンハルトのランクアップ祝いとしてロキファミリア及びベル救出クエストに関わった人達でどんちゃん騒ぎをしたい、宴会しようぜとなった。

 

 

「ウチの奢りやからって調子に乗るんちゃうぞドチビィ」

 

 

「ふん、君の財布を胸同様に真っ平らにしてやる!!」

 

 

この二人がいがみ合っているのは通常運行なため皆ノータッチだ。

 

アイズに至ってはジャガ丸君しか見えていない。

 

 

「そーいえば、今日リューさんはどうしたのシルさん」

 

 

「ふふふ、上に居ますから今呼んできますね」

 

 

何処か機嫌の良さそうなシルはニヤニヤしながら従業員の寝室として使っている二階へ向かった。

 

 

「れ、れれれれレオンさん。

 

アイズさんとお、おおおおおお話したいんですけどどうすればぁぁぁぁ」

 

 

白髪に深紅の瞳を、持った兎のような少年ベル・クラネル。

 

ぱっと見は普通の少年なのだがその実、オラリオ最速ランクアップ記録のレコードホルダーだ。

 

ベルが間近に見えるアイズにガッチガチになっていた。

 

 

「隣に座ってジャガ丸君かダンジョンの話しといた三百年は話せる」

 

 

「なんなんですかそれ!!」

 

 

「いや、アイズ姉はジャガ丸君とダンジョンの事しか頭に無いからな。

 

あと、アイズお姉ちゃんって呼べば凄い喜ぶぞ」

 

 

「無理ですよ、そんなの!!」

 

 

そんな愚痴を言いながらアイズに特攻を仕掛けるがリリルカに阻まれ元いた席に戻された。

 

奥の方でヘルメスが何かを期待するように見られていたのを不思議がるレオンハルトだった。

 

 

「や、やめてくださいシル!!」

 

 

「可愛いから恥ずかしがっちゃ駄目よリュー」

 

 

階段の方からわちゃわちゃ騒ぎながら二人の声が聞こえてくる。

 

レオンハルトが声をかけようと思って階段の方を見たら固まってしまった。

 

 

「み、見ないでくださいレオンさん…………恥ずかしいです」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

顔を真っ赤に赤らめたリューの姿があった。

 

その服装は何時もの緑色のエプロンドレスでは無く純白。

 

女子ならば誰しも一度は憧れるであろうもの、女子における幸せの権化。

 

ウエディングドレスなのだ。

 

 

「いやぁ〜〜、実はとある神様が送ってくれたんですよ。

 

サイズが合うのがリューしか居なくてリューが着てるんですけどね。

 

レオンさん、どうです?」

 

 

顔を俯かせながらチラチラとレオンハルトの方を見るリュー。

 

その様子を何処か遠い目で見るリヴェリアとジャガ丸君を屠るアイズ。

 

花嫁は美しいと言うが眉目秀麗な種族のエルフであるリューは別格だ。

 

普段でさえ女神級の美しさであるのに今のそれは美の神に手をかけるほどかもしれない。

 

 

「う、うん。凄く似合ってると思い………ます」

 

 

「なんやなんやー、偉い可愛いコがおる思ったらリューたんやいなか。

 

リューたんいっただ…………ヘブライ!!」

 

 

いつの間にかヘスティアとの格闘を終えていたロキがリューに反応した。

 

可愛いものには目が無いロキはルパンよろしくなダイビングを見せたがリューの右拳よって迎撃され吹っ飛ぶ。

 

 

「そ、そうですか。そうですか……私の汚れた手ではこの白さは眩し過ぎると思いました捨てたものじゃないらしい」

 

 

かつての敵対ファミリア壊滅と関係者及び関係者と疑わしき人物への大立ち回り。

 

仲間への敵討ちとはいえそのやり口にギルドはブラックリストに載せ犯罪者となり堂々とダンジョンへ潜る事が出来なくなった。

 

数々の人間を殺した自分を汚れた存在だと卑下するリュー。

 

その目は先程よりも暗く、淀んでいるように見える。

 

 

「そんな事ない!!リューさんは、リューさんは汚れてなんか無い!!

 

確かに貴女のした事は許される事じゃないし昔の貴女はさぞ醜いものだった事でしょう。

 

だけど貴女は今を生きてる!!シルもいてミアさんもいてみんないて、俺もいる!!

 

今の貴女は何よりも綺麗だ、そんな自分を卑下するような事をしたら過去の自分も昔の仲間も浮かばれない!!

 

リューさんはそんな悲しい顔より笑顔の方がずっと綺麗だし可愛いです」

 

 

思わずリューの手を取り大声で話すレオンハルト。

 

しかしここは酒場、しかもロキファミリアの上位ランカー及び幹部連中やベル達がいる。

 

先程までの喧騒が嘘のように静かになっている事に気がつかないレオンハルト。

 

リューはレオンハルトに手を握られた事で一瞬意識が飛びかけたがだんだん冷静さを取り戻した思考で周りの状況に気づく。

 

そして……………………………………何かしらのシャッター音が響く。

 

 

「うん、良い画が撮れたよ。

 

これは直ぐにでもニュースにしなきゃね、アスフィー今直ぐ現像して明日の朝刊に間に合わせて」

 

 

とあるアイテムメーカーが作ったカメラと言われる念写機。

 

魔石によるマジックアイテムなのだが高価である為か使っているのはヘルメスファミリアぐらいだ。

 

そして朝刊というのは最近ヘルメスファミリアが発行している新聞『爆報オラトリア』、オラリオの色々ニュースを取り扱っており人気沸騰中でギルドや数々のファミリアが愛読している。

 

アスフィは念写機をヘルメスから受け取ると自分とヘルメスの分の食事代を置いて店から逃げ出していた。

 

「へ?」

 

 

「あ、あ、あ、あ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

リューさん御乱心である。

 

 

「止めろ、止めるんだ!!店が消し飛ぶぞぉ!!」

 

 

「この隙に乗じてエルフの色んな所をお触…………ニーブラス!!」

 

 

「デレデレリューたんかわゆす!!」

 

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

ロキファミリアの上位ランカーとシルとアーニャら従業員で阿修羅モードのリューを止めに入る。

 

そして冒頭に戻る訳である。

 

 

結局仕込みから戻ったミアが殴って気絶させる事で大事には至らなかったが宴はお開きとなった。

 

そのあとロキファミリアの幹部面々はレオンハルトにかける言葉が見つからずやきもきしていた。

 

アイズは安定してジャガ丸君を貪っていた。

 




剣姫の弟である剣雄に恋人!?ロキファミリア期待のエースに熱愛発覚!!


先日ランクアップを果たしたレオンハルト・ヴァレンシュタイン氏に恋人らしき人物がいる事が発覚。
お相手は某酒場の従業員のエルフ。
お互いに赤い顔がなんとも初々しく周りの客も恥らうほどだった。ロキファミリアの期待の星に恋人が出来た事で主神であるロキは

「まぁレオンはアレな奴やからな、恋人とかおっ……………え、ちょ螺旋丸はあかんて!!それシャレにならんてベート助けんかい!!」

その後、狼人の青年がボロ雑巾のような状態になっていた。(爆報オラトリアより一部抜粋)

.






はい、実は友人にウエディングリューさんを書いて貰ったので書いてみた次第です。
、思った以上にノリノリで書いちゃいましたよw


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レオン君は戦争遊戯をしたいお年頃

なんか凍結中とか人気作品ぶったまねしてすいませんでした!!

原作と違う感じになるとかどういう感じに進めようとか考えてたらスランプ的なことになってしまいまして…………


でももう大丈夫です、開き直っちゃいましたのでこれからは出来る限り更新していきます。


粗雑ではありますが何卒宜しくお願いします。


「ファミリアでこんな謹慎喰らってんの俺だけじゃね?」

 

 

主武装であるエリュシデータとダークリパルサーをリヴェリアに取り上げられ二週間程ダンジョンに潜るのを禁じられた。

 

手持ち無沙汰というのと護身用の為に持たされた鍔の無い刀。

 

武器もある事だしダンジョンに潜っても良いけど入り口にはリヴェリアがファミリアの新米をつぎ込んで敷いた《レオンハルトシフト》なるものがあるらしい。

 

なんでも、ダンジョンに近づけばリヴェリアに報告が飛び説教をくらうというもの。

 

 

「む?なんか向こうが騒がしいな………」

 

 

「ファミリア同士の抗争だぁぁぁぁぁぁ!!ロリ巨乳のファミリアが襲われてるらしいぞ!!」

 

「でも何処のアホが狙ってるんだろうな」

 

 

騒ぎ立てる神の話がふと耳に入った。

 

ロリ巨乳とはベルの主神、ヘスティア様の別名でもあったりする。

 

ベルのような異常は珍しく事、面白い事が好きな神々にとっては格好の獲物となるのは分かる。だけどわざわざ目立つような事するかな?

 

何処のファミリアかは知らんけど助けないとエイナさんとシルに怒られるからな。

 

抜刀しながら以前さりげなくベルにつけておいたマーカーの位置を検索、そして特定し飛雷神の術を発動する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベべべべべベル君!!増えてるよ、追っ手が凄いふえてるよ!!」

 

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁもうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

可笑しいよ、なんで僕達が襲われなきゃいけないんだろう。

 

敏速には自信あるのに追いついてきてる所を見ると同じレベル2なのかな?

 

両手塞がってるから魔法を撃てない………もっとスピード上げないと追いつかれる!!

 

 

「神様、ギルドまで向かいます!!そうすればあの人達も手は出せない筈です!!」

 

 

「くっそぅ………ごめんよベル君、アポロンの奴ただじゃおかないぞ!!」

 

 

太陽と弓のシンボル、アポロンファミリア。

 

ロキファミリアのような一級冒険者がいる訳じゃないけどダンインが百人を超えていて中堅ファミリアの中ではそこそこの力を持っているってエイナさんが言ってたっけ?

 

なんか神様はアポロン様になんか恨みがあるらしく口調が何処かトゲトゲしい。

 

 

「ベル君、弓が!!」

 

 

チラッと後ろを確認したら矢を放たれていた。

 

隠れる場所も逃げる時間も無い、詰んだ…………………………「諦めるにはまだ早いぞベル」来るであろう痛みに備え目を瞑った時最も憧れる人の声が聞こえた。

 

 

「よいしょっと」

 

 

刀を二回振るうとそれに当たった矢が切り刻まれ地に落ちた。

 

最強派閥、ロキファミリアの若きエースである剣雄、レオンハルト・ヴァレンシュタインが現れた事で襲ってきていたアポロンファミリアの人達も動きを止める。

 

一睨みするだけでこれだけの数の動きを止めるなんて…………凄いよ、レオンさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか間に合ったは良いがこの数どうするかな。

 

須佐能乎出してもいいけどそれは面倒くさいしリヴェリアにバレたら怠い。

 

ここはオーバーパワーでなんとかするしかないか?

 

 

「ふっ、剣雄が何の用だ。我々はアポロン様の命によりその兎を捕らえにきたのだ」

 

 

アポロンファミリアの一団の中から白を基調とした戦闘衣に身を包み波状の長剣と短剣を構えた美青年が現れた。

 

アポロンファミリア首領のヒュアンキントスだ。

 

 

「悪いな、ベルは仲間なんでね。

 

助けない訳には行かないでしょ」

 

 

「貴様は俺よりランクが上かもしれん、だがこの人数を前にして平静を保っていられるか!?

 

剣姫の弟だからってチヤホヤされたガキになぁ!!」

 

 

ブッチーン、今切れちゃいけないものが切れたわ。

 

アイズ姉が名を挙げ始めると俺は周りから剣姫の弟として扱われた。

 

剣姫の弟だから、剣姫の弟だから当然と皆口をそろえる。

 

それが腹立たしくてダンジョンに潜ってリヴェリアとエイナさんに怒られ、変態ジジイに忍術教わったりもしたのだ。

 

 

『アカン、レオンがブチ切れよったわ』

 

 

何処かでロキ様の声が聞こえたが気にしてはいけない…………というより今はこのアホ共を駆逐しなくちゃな。

 

須佐能乎は完成体にすれば深刻なダメージを受けるが骸骨状態の不完成体、若しくは部分的な顕現であればダメージは無しになる。

 

 

「シネェェェェェェェエええ!!」

 

 

俺は須佐能乎の完成体の右腕を顕現し全力で薙ぎはらう。

 

すると目の前にいたアポロンファミリアの面々は何処かへ吹っ飛んでいった。

 

突然の出来事に口をあんぐりと開けているベルとヘスティア様………うん、その反応は間違いじゃないと思う。

 

とりあえず腹の虫が治まらないからヘスティア様とベルを抱えて南西へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

植栽豊かな庭園と石造りの巨大な屋敷、アポロンファミリアのホームだ。

 

突然現れた他ファミリアの冒険者と神に門兵は槍を構える。

 

しかし、レオンハルトが睨むとプレッシャーに負けたのか門を開ける。

 

 

「おやおや、ヘスティアにリトルルーキー、そして剣雄まで何か用かな?」

 

 

男として完璧とも言えるくらいに整った顔立ち、アポロンだ。

 

レオンハルトは無言で近くにいた小人族の手袋を取り上げるとレベル4の身体能力を活かしてアポロンの顔面にそれを全力で叩きつけた。

 

 

「おぉふ…………」

 

 

「正直ここまで腹が立つとは思わなかったよ……………………ロキファミリアとしてと言いたい所だが勝手にファミリアの名前は使えない。

 

と言うわけでヘスティアファミリアがお前たちアポロンファミリアと戦争遊戯をする!!」

 

 

「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」

 

 

何処ぞの国では手袋を投げそれを拾うと決闘が成立するという。

 

それに準えた方法なのだろうがアポロンはニヤリとしながら大声を上げる。

 

 

「よろしい、ここに戦争遊戯が成立した!!」

 

 

『イヤッホォォォォォォウ!!』

 

『キタコレ!!緊急のデナトゥスを開け!!あとギルドにも連絡しろ!!』

 

『久々の祭りやぁぁぁぁぁ!!』

 

 

余程痛かったのか鼻を摩りながらでしかも服と顔が鼻血で血だらけになってとても格好が良いとは言えない。

 

その宣言を聞いていたのか木の陰や塀の上からとか色々な所から神々の歓喜の声があがる。

 

 

「ヘスティア様、本当に申し訳ございません。

 

ベルもすまない、俺の我儘に捲き込んじまって………………」

 

 

「まぁいいさ、アポロンの奴に何かガツンと言ってやりたかった所だ!!

 

レオン何某君はよくやってくれたよ」

 

 

「い、いえ僕もホームとか色々やられちゃったから何とか言いたかった所ですから………………大丈夫です」

 

 

「ふむ……………そうだ、ボクが何としても一週間を稼ぐ。

 

その間に出来るだけ強くなってくれないか?」

 

 

ベルのレアスキルによる短期間の爆発的な成長、それに望みをかけるヘスティア。

 

静かに頷くベルを見てレオンハルトは一つの決心をした。

 

 

 




地の文は最後だけ三人称にしてみました。

とりあえずここから戦争遊戯編に入りますが、リリルカ救出編は書きません。

本当ごめんなさい!!

これからも宜しくお願いします


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親は何時迄も子供を心配してる

これから更新しますと言っておいていきなり遅れてすいません。

テスト週間に入ってしまい執筆になかなか時間を割けません。

本当ごめんなさい、ちょこちょこと更新するので宜しくお願いします


「結論から言うと駄目や、認められへん」

 

 

「お願いしますロキ様!!」

 

 

ロキの自室にてレオンハルトは額を地面になすりつける極東のスタイル、土下座をしていた。

 

その横では団長であるフィン、副団長のリヴェリア、最古参の幹部のガレスがいた。

 

 

「そらあかんやろ、神としてもやけど家族が家を出る言うんやったら親として止めるやろ。

 

しかもよりよってあのドチビの所って…………あ、これは私怨とかちゃうで!?ホンマ!!」

 

 

ヘスティアとロキの因縁は有名なものであるがそれ以上にロキは認められない。

 

 

「僕も団長として認められないな、期待のホープを他所の派閥に譲るんなんて出来ない、今回の戦争遊戯を宣言したのが君だとしてもだ」

 

 

団長であるフィンはファミリアの安全と将来を1番に考えている。

 

今回のように中小ファミリアのいざこざに関わっている事ですら頭が痛くなる案件だ。

 

レオンハルトのスキルや戦闘力、そして彼自身の才能はオラリオの猛者《おうじゃ》にすら届くかもしれないのだ。

 

 

「私も認められない、レオンは何かと無茶をする。

 

他のファミリアにいってしまっては叱る人間もいないだろう」

 

 

レオンハルトの須佐能乎は能力こそ高いが身体的負担が大きすぎるのだ。

 

それ以外にもレオンハルトは散々無茶をして怪我を負ってきた、レベルが上の冒険者に喧嘩を売り骨折なんて当たり前で酷い時は腕が切れていたりしていた。

 

そんな世話しかかけないレオンハルトであるが独り身のリヴェリアにとって息子とも呼べる存在になっていた。

 

 

「う〜む、ワシとしては構わんのだがな………………まぁ色々考えると認めにくいわな」

 

 

ガレスもレオンハルトを息子のように思っているが可愛い子には旅をさせよという諺の如く、レオンハルト自身が強くなれるならファミリアを抜けても構わないと考えている。

 

昔、レオンハルトが癇癪をおこして家出をした時ホームは大変な騒ぎとなった。

 

リヴェリアは嗜む程度にしか飲まない酒を浴びるように飲み泥酔、アイズは無口が加速しなにも喋らず部屋に篭り、ティオナとティオネは暇なのかアイズを慰めようとするベートを袋叩…………この三人は平常運転だった。

 

ロキは冒険者依頼の報酬をファミリアの財産の半分にしようとしたりとカオスだった。

 

アイズに関してはジャガ丸で何とか復活したがリヴェリアはレオンハルトが帰ってくるまで大変だった。

 

ロキを殴るはベートを縛るわベートを半殺しにするわだった事を思い出すと頭が痛くなるガレス。

 

 

「何でそこまで頭をさげるんだい?」

 

 

フィンの問いに対してレオンハルトは

 

 

「友の為…………というのはただの詭弁です。

 

俺はこのファミリアにいる限り剣姫の弟っていう称号は消えない、剣姫の弟だから剣雄なんだっていう認識しかない。

 

崇められたい訳じゃ無いし、チヤホヤされたい訳じゃ無い。

 

認めさせたい………アイズ・ヴァレンシュタインの弟の冒険者としてじゃなくてレオンハルト・ヴァレンシュタインとして世間を認めさせたい、このオラリオに俺自身の名前を刻みたい!!」

 

 

オラリオに名前を刻む………それはベルの言う英雄になりたいといのと同義だ。

 

このオラリオに来る者ならば一度は夢見る英雄という称号。

 

アイズ・ヴァレンシュタインの弟というままでは本当の意味では英雄になれない、ただの七光りだからだ。

 

その気持ちを分からんでもないフィン達。

 

だからこそ認められない、認めたくない、君は英雄たる資質を持っている、焦らずともなれるのだ……………と。

 

 

「これはウチらがどれだけ言っても変わらへんやろな。

 

まぁいずれはこうなると思ってたからな…………………そこまで言うならレオン。

 

お前にその覚悟を見せて貰おか。

 

今いる幹部だと…………………そやなガレスと闘ってもらう」

 

 

レオンハルトは金色に輝く瞳をより一層輝せ一言……………

 

 

「上等!!」

 

 

それぞれの戦いが始まる中でロキファミリアのホーム、黄昏の館でも始まろうとしていた。

 

 




泥酔するリヴェリアとか見てみたいな……………


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開戦

ロキファミリアのホーム、黄昏の館。

 

その中庭は団員達の訓練の場としても使われているくらいの広さがある。

 

ロキ的にはアイズにレオンハルトの相手を頼む予定だったのだがどういう訳かティオナと共に何処かへ行ってしまったのだ。

 

ガレスは得物である巨斧を構え闘いに備える。

 

レオンハルトは双剣を構えてガレスを見据える。

 

 

「ロキ、良かったのかい?

 

幾らレオンが格上との戦闘に強いからってガレスを充てるなんて。

 

ガレスの事だから加減なんてしないと思うけど」

 

 

「それに関しては同意だ。

 

ランクが二つも上でガレスとは………格上が良いと言うならベートでもいいだろう」

 

 

団長と副団長の心配した声をロキには考えがあった。

 

あの状態のレオンハルトを引き留める為には戦闘以外の手段は無い、レオンハルトが勝ってしまっては彼はそのままファミリアを抜けてしまう。ならばレオンハルトよりも強く勝てる相手でなければならない。

 

幾ら格上の相手でもランク一つの差であるベート相手なら奇跡を起こし勝つ事だってありえる。

 

となるとファミリアにおいての最強、レベル6の幹部を使う他はない………しかし近接戦闘型のレオンハルトにリヴェリアは相性が悪すぎるるし、フィンは手加減してしまう。

 

ならばレオンハルトを叱るという意味も込めてガレスを送り出したのだ。

 

 

「あの子がゴライアスに勝てたんはモンスターやからや。

 

モンスターなら魔石を狙えば一発やし、洗練された戦闘技術を持つ格上の冒険者には流石のレオンも勝てへんやろ」

 

 

それを聞いたフィンはやれやれと溜息をつきリヴェリアはポーション等の回復アイテムの整備を下っ端に命じた。

 

 

「ええか!!これは真剣勝負や!!

 

最悪の場合は止めるけど殺す気でやりや、安心せぇ………死にかけようがリヴェリアたんが治してくれる。

 

このコインが地面に着いたらスタートや!!」

 

 

ファミリア期待のエースとオラリオ随一の怪力にして最高幹部の戦闘が気になるのか団員達も結構集まっていた。

 

そしてロキはコインを……………………

 

 

「よいしょぉぉぉお!!」

 

 

全力で地面に叩きつけた。

 

 

『いや、叩きつけるんかーい!!』

 

 

これについては総員全力のツッコミを飛ばす………………いや、1人動き出していた。

 

格上との戦闘をするうえで大事になるのは如何に自分のペースに持ち込めるか。

 

 

「スターバーストストリーム!!」

 

 

完全な不意打ちに加え高速16連撃、通常の敵ならばまず避けるのは不可能。

 

しかしそこは重鎧のガレス、パワータイプとはいえその反応速度は並みの冒険者とは比べようもない。

 

巨斧は大きいが故にスピードという点においてはレオンハルトの双剣に分がある。

 

 

「むぅぅぅぅん!!」

 

 

連撃を物ともせず全力で振り回す。

 

ギリギリの所で剣をクロスにして防ぐが数メートル吹っ飛ばされる。

 

 

「…………はは、相変わらず反則的なパワーだな」

 

 

「ガハハハハハ!!レオンも中々速くなったでは無いか!!

 

さぁ、もっと打ち込んでこい!!」

 

 

「後悔しないでくださいよぉ!!」

 

 

ダッシュで近づき再び接近して剣戟を見せ、それにガレスはパワータイプとは思えないスピードで対応する。

 

戦闘は激しさを増した。

 




今回は短めです。

二回くらいに分けてガレス戦を書く予定です


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重鎧vs.剣雄

「はぁはぁ…………はぁ………」

 

 

「ガハハハ!!どうしたレオン、もう疲れたか!?」

 

 

戦闘を初めてかれこれ二時間が経つ。

 

外傷は目立たないが全力で戦い続けたレオンハルトは肩で息をするくらいスタミナを消費していた。

 

レオンハルトの得物のエリュシデータとダークリパルサーは片手剣にしてはかなりの重量がある、二本合わされば大剣と変わらないくらいだ。

 

ガレスの斧はそれ以上に重い筈なのだがガレスはまだまだ余裕が見られる。

 

 

「来ないならこっちから行くぞぉ!!」

 

 

物凄いスピードでレオンハルトに接近そして、飛び上がりながら斧を振り上げ力任せに振り下ろす。

 

 

「く、ぐぅぅぅぅあぁああああ!!」

 

 

咄嗟に剣をクロスして受けるがガレスの腕力と体重の乗った一撃はゴライアスの攻撃とは比べる迄もない。

 

 

「(んだよこれ………体中の骨が軋んでやがるぞ。ていうかエリュシデータとダークリパルサーが耐え切れるかも怪しいぞ!!どんな怪力だよ!!)」

 

 

エリュシデータもダークリパルサーもだがゴブニュファミリアの上級鍛冶師が鍛えたものでそこら辺の武器とはモノが違う。

 

そんな名剣ですらギシギシと悲鳴をあげる。

 

レオンハルトは元々ファミリアを抜け出したかった。

 

ファミリアが嫌いという訳では無い、ロキファミリアだからとか剣姫の弟だからという声に嫌気がさしていたのだ。

 

今回の戦争遊戯をふっかけたのはファミリアを抜け出す良い機会だと思った。

 

どのみちあの状況ならレオンハルトが言わずともヘスティアが宣言していた。

 

友を助ける為でもあるが1番の理由はファミリアからの脱却。

 

エゴ、自分勝手な考えだ。

 

体中の骨や筋肉が悲鳴をあげ潰れていく地獄のような中でレオンハルトは己のエゴさに呆れこのままファミリアに居るからこの空間から解放されないのかと言いたくなる。

 

 

『いいかレオン、英雄になりたいと言うなら自身の言葉は何処までも貫け。

 

賛同も無く否定されても貫き続けた先にきっと………きっと必ずお前の見たい景色が広がっている。

 

冒険者という道は辛く険しい事が多い………いや寧ろそればかりだ。

 

だが自分自身で選んだ道だ、絶対に諦めちゃいけない。

 

もしも辛くなった時は叫べ、お前の熱い魂を!!』

 

 

かつてレオンハルトを鍛えた恩師からの言葉。

 

レオンハルトが剣術というオラリオ史上初のアビリティを開眼するきっかけとなった人物。

 

一瞬、ほんの一瞬でも諦めようとした事に腹が立った。

 

 

「ぉぉぉおぉぉぉおぉぉぉおらぁっ!!」

 

 

「む?おぉ!!」

 

 

力任せに斧を弾きかえす。

 

瞬間、無理が祟ったのか二本の剣は砕けてしまった。

 

 

「(すまん、リズ…………)いっくぞぉぉぉお、螺旋丸!!」

 

 

魔力が具現化する程に練り上げその魔力が球体という形を形成する。

 

その球はレオンハルトの魔力を螺旋状に高速回転させその大きさを増していく。

 

斧を弾かれた事で無防備になったガレスの腹部に鎧の上から叩き込む。

 

 

「吹っ飛べぇぇぇぇぇぇぇええ!!」

 

 

螺旋丸の威力に思わず吹っ飛ばされるガレス。

 

螺旋丸が当たった所は砕けている所を見ると生身で受けたら身体に風穴が空いて通気性抜群になってしまう。

 

そんな事を考えたら面白くなるガレス。

 

 

「ガッハハハハ、良くやったぞレオン。

 

しかしどうする?ワシの武器は健在だがお前の武器は壊れてしまったろう。だからこの勝負は…………って何を笑っとる」

 

 

「いやいや、もう勝ったと思われてるなら面白いなって………………まだ終わって無いですよ」

 

 

螺旋丸により吹っ飛ばされた事でガレスとレオンハルトの間にはそれなりの距離がある。

 

普通パワー型のガレスの間合いに飛び込もうものなら身体はバラバラになってしまう。

 

幾ら恩恵の影響で死にかけでも助かるとは言え息子的存在を斬りたくは無いガレス。

 

 

「何を言うてお「フン!!」グハァッ!!」

 

 

一瞬でガレスとの距離を詰めガレスの顎を蹴り上げる。

 

そう、レオンハルトには飛雷神の術がある為マーカーさえ付ければ距離なんてものは関係無い。

 

螺旋丸を撃つと同時にガレスにマーカーを付けておいたのが功を奏した。

 

打ち上げられたガレスに影舞葉といって相手を木の葉に見立て追尾する術で背後にピタリとつく。

 

 

「行くぜ…………」

 

 

そこからレオンハルトは蹴り、裏拳、ラリアットを高速で撃ち込み地面に叩き落とす。

 

 

「これで終わりだ、獅子連弾!!」

 

 

そしてトドメとばかりに落下に合わせ体重の乗った踵落としを叩き込む。

 

ランクが一つ違うだけで冒険者の身体能力は大きく変わる。

 

ガレスとレオンハルトはランクが二つも違う………幾らガレスが油断したとは言え奇跡を起こした。

 

レオンハルト・ヴァレンシュタイン【剣雄】がガレス・ランドロック【重鎧】を倒したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ分かったわ、勝ったことやし改宗は認めたる。

 

けど幾つか条件をつけるで。

 

まず一つ、ファミリアが変わろうがあんたはウチの子や、せやから週に一度は顔出せや

 

二つ、レオンが自分に自信を持てる………レオンハルト・ヴァレンシュタインに自信を持てたと思うなら戻ってきいや」

 

 

「分かりました…………」

 

 

それから3日後レオンハルトはヘスティアファミリアに加入した。

 

しかし改宗そのものはロキとヘスティアの喧嘩により五時間ぐらいかかった。

 




レオン君や…………剣雄名乗っといて体術で倒すとかwwwww

あ、みなさんレオン君が変に情緒不安定だったりエゴイストなったり色々キャラがぶれますがそれは15歳という年齢故です。

思春期なんです、許してあげてください!!


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小話『ほっこりしたらいいなぁ………という話』

皆さんのコメントが心の支えです。


アイズとレオンハルトがロキファミリアに拾われて一年が経った頃か………アイズ・ヴァレンシュタインが史上最速のランクアップを果たし名を売り始めた辺りの事。

 

ロキファミリアの歴史に残る事件が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺も冒険者になりたいー!!」

 

 

まだ幼い少年レオンハルト、当時6歳。

 

ロキから恩恵は貰っているが冒険者登録はさせて貰えてない為ダンジョンに潜る事が出来ない。

 

他の団員が語ってくるダンジョンの話とか格好の良い装備への憧れ…………そして何より姉に負けたくないという意地からか副団長のリヴェリアに直訴していた。

 

 

「はぁ………だから何度も言っているだろうレオン。

 

お前にとってまだダンジョンは危険だ、実力を付けてから潜っても遅くは無いと」

 

 

アイズは誰が唆したのか気がついたら冒険者登録していて気がついたらダンジョンに潜っていたのだ。

 

レベル6になってもダンジョンという場所は危険が多いとわかっているリヴェリアは予備知識と相応の実力をつけてから潜るべきとレオンハルトにそう教育していた。

 

 

「お姉ちゃんはもう冒険者じゃん!何で俺は駄目なの!?」

 

 

「アイズはロキの馬鹿が唆した所為で勝手に許可なく冒険者になっていただけだ。

 

どうした、今日はご機嫌斜めじゃ無いか。腹でも減ったのか、ジャガ丸君買ってやろうか?」

 

 

普段ならある程度言えば引き下がるのだが今回は中々引き下がろうとしない。

 

独身のリヴェリアから見てもレオンハルトは大人びて………いや、ませているように見える。

 

涙目を浮かべ訴えかけるその姿に母性本能をブチ抜かれまくるリヴェリア。

 

思わず許可してヘファイストス装備で整えて送り出してやりたくなるが副団長の責任感でその気持ちを抑え込む。

 

 

「リヴェリアは…………俺のこと嫌いなの?」

 

 

今にも涙腺を崩壊させそうに涙を貯め小首を傾げてながら聞くレオンハルト。

 

 

「うぐっ!!」

 

 

涙目+上目遣いのアルティメットコンボが炸裂。

 

今更引き下がる訳にも行かないから何とか説得しようと試みるリヴェリア。

 

 

「い、いや別にお前が嫌いとか言っている訳じゃ無いんだぞ?」

 

 

「皆お姉ちゃんばっかり褒めて俺の事褒めてくれないもん!!

 

リヴェリアもお姉ちゃんは褒めて俺には怒ってばっか!!

 

皆俺の事が嫌いなんでしょ!?俺もみんなだいっき………へっ?」

 

 

思わず手が出てしまった。

 

確かにアイズは幼いながら武功を立てランクアップを果たし周りが認めているだろう。

 

リヴェリア自身もアイズの才能と努力、そして勇気を認めていた。

 

だが、レオンハルトはアイズを超える才能があるとリヴェリアは踏んでいた。

 

甘やかしていてはこの子を強くしてやれない、だからこそ厳しく教えてきたのだ。

 

愛情故に厳しくしている事を分かって欲しいと思わないが最後の一言を口にしてしまっては引き返せなくなると思っての平手打ち。

 

 

「う、う、うわぁぁぁぁぁあん!!リヴェリアなんか大ッ嫌いだぁぁぁぁぁ!!」

 

 

レオンハルトなりに耐えてきた涙腺をけさせホームを飛び出す。

 

後悔先に立たずと言うがやってしまってから駄目だったと気づくリヴェリア。

 

もっと他の選択肢があったんじゃないかと後悔がやってくるがそれ以上に

 

 

「大嫌い……………だと…………」

 

 

余りのショックに追いかける事も出来ずただただ固まっていた。

 

夕食の時間になっても来ないリヴェリアを心配したフィンが来た時には真っ白な灰と化していた。

 

冒険者依頼を出そうと暴れるリヴェリアをベートとガレスがボロボロになりながらも抑え込む。

 

 

「まだレオンは6歳なんだ、お腹が空いたら帰ってくるさ」

 

 

この時にはロキファミリアの敵はフレイヤファミリアぐらいなものでレオンハルトに手を出そうものなら相手を完膚なきまで叩き潰す実力がある。

 

だからか大した心配をしてないと言うフィンだが貧乏ゆすりが止まらない。

 

 

「だからって怪我していたらどうする!?空腹で倒れていたらどうする!?」

 

 

「まぁまぁ、ちょっと落ち着いた方がええ「うるさい!」ガフッ!!」

 

 

背後からリヴェリアの胸をさりげなく揉もうとする変態な神に容赦の無い制裁を加える。

 

倒れるロキを一瞥して棚へ向かって歩き出す、それはロキが買ってきたソーマ酒を中心とした酒が多数並んでいた。

 

リヴェリアはそこから無雑作に酒をとり真夏に飲む烏龍茶の如く一気飲みをする。

 

リヴェリアの突然の奇行に目が点になるフィン、お気に入りを飲まれ血涙を流すロキ、唖然とする団員達。

 

 

「うぅ〜〜、ヒック…………何だこの酒は大した事無いのだな」

 

 

そう言ってどんどん瓶を取り出しては飲むリヴェリア。

 

 

「レオ〜〜ン、私を嫌いにならないでくれぇぇぇぇ!!」

 

 

冷静沈着、寡黙などいった言葉が似合いエルフという種族に恥じぬ美しさを誇るリヴェリア。

 

そんなリヴェリアが今、アルコールのせいか顔を赤くし涙を流しがら酒を煽っている。

 

 

「ふ、副団長そろそろ止めたほ………ヘブライ!?」

 

 

勇気を振り絞って止めにいったヒューマンの若手が一瞬にして吹っ飛ばされる。

 

 

「ガレス、僕は今からレオンを探してくる、その間にリヴェリアを何とかしてもらえるかい?」

 

 

この状況はレオンハルトが居なくては収集がつかない。

 

修羅と化しているリヴェリアを止める為に団員達に時間稼ぎを頼むフィン。

 

ガレスはやれやれといった風に溜息をつきリヴェリア沈静作戦に躍り出た。

 

 

「さてさて…………一体どう探したものか…………とりあえずギルドかな?」

 

 

探す当てもないフィンはとりあえずギルドへ向かった。

 

冒険者になりたいと言っていたレオンハルトならギルドにいって冒険者登録をしようとする可能性が高い。

 

受付嬢に聞いて見るとレオンハルトは既に来た後だった。

 

しかしリヴェリアがギルドに言伝してあったおかげで冒険者登録が出来なかったレオンハルトはそのままメインストリートの方を歩いていったという。

 

普段の教育で知らぬ店には入るな、知らない人には付いて行かないと教え込んでいるから次の目的地もすぐに決まった。

 

豊穣の女主人、打ち上げの際に贔屓している居酒屋だ。

 

 

「すまない、ここにレオンは来なかったかい?」

 

 

「あの坊主なら適当に飲み食いして今は上で寝てるよ。

 

それよりもあの坊主の分の代金を払って欲しいもんだ」

 

 

例え子供といえど客は客。

 

無償で食わせる事は出来ないからフィンに支払いを求める。

 

フィンは手持ちで支払いを済ませレオンハルトが寝ているという部屋に入った。

 

 

「やぁレオン、初めての家出…………いや冒険はどうだったかな?」

 

 

「ふん!」

 

 

フィンが部屋に入るまでは仰向けで横になっていたレオンハルトだがフィンが来た瞬間にうつ伏せになり顔を合わせようとしない。

 

 

「君は何怒っているんだい…………って答えてくれそうにないね。

 

君は本当に恵まれているね、僕の時と比べたら天と地の差があるよ」

 

 

フィンが駆け出しの時はこんな資金的な余裕も無く人数も少ないから余り深い層にも潜れ無かった。

 

 

「君にはまだ難しいかもしれないが怒られるという事は期待されてるって事なんだ。

 

寧ろ怖いのは誰からも相手にされず常に独りであること。

 

教えている方は期待しているからこそ出来なかったり失敗すると悔しいんだ、だからリヴェリアは君を厳しくしているんだよ。

 

だから君に嫌いと言われたリヴェリアは今ホームで泣いている。

 

君にはこうして迎えに来てくれたり呑んだ暮れながら心配する家族がいる。

 

その事をどうか忘れないで欲しい」

 

 

話し終えるとレオンハルトの様子が変わった事に気が付いたフィン。

 

心配してくれていた安堵感、そして一方的に突き放した事への罪悪感からなみだが溢れたのだ、その事を察したフィンは優しく頭を撫でた。

 

 

「さ、帰ろうか僕達の家に」

 

 

「うっ、うっ………リヴェリアは俺の事嫌いになってないかな?」

 

 

「ははは、それはこのオラリオが崩壊しようとあり得ないだろうね」

 

 

やっと泣きが治まってきたレオンハルトを連れて歩くフィン。

 

某お使い番組のワンシーンのようなその光景はショタコンの女神達の間で都市伝説的扱いを受ける事になる。

 

ホームに着くと喧騒は落ち着いていてリヴェリアのバーサクタイムを上手く止める事に成功したようだ。

 

食堂に入るとボロボロになって倒れる団員と縄で縛られ只管踏まれているベート、それを見て爆笑するアマゾネス姉妹に息絶え絶えになっているガレス………中々に混沌だった。

 

思わず苦笑いをしてしまうフィンだがレオンハルトにとってベートが縛られているのは良く見る光景なので特におかしくはない。

 

強いて言うならば何故みんなここまで疲れているのだろうか……ぐらいだ。

 

誰か来た事に気付いたリヴェリアが食堂の入り口の方を見るとフィンとレオンハルトが並んで立っていた。

 

ベートの頭をサッカーボールよろしくな具合に蹴り飛ばし残像が見える程の速さでレオンハルトの前に近づき

 

 

「レオン…………よかった………本当に良かった。

 

ありがとう、戻ってきてくれてありがとう。

 

そして本当にすまない……こんな私で本当にすまない」

 

 

抱き締めると涙が溢れた。

 

ガレスの作戦で「酔っ払うって事は体が異常状態って事だよね?って事はポーションとかぶっ掛ければ解決じゃね」という考えのおかげでリヴェリアの髪は少し濡れていた。

 

ポーション特有の柑橘系の香りとアルコールの匂いが混ざって変な気分になるレオンハルトだがそれ以上に自分を抱きしめてくれているリヴェリアの暖かさに幸福を感じた。

 

次の日、レオンハルトはギルドにて冒険者登録を済ませた。

 

一年と半年という姉に次ぐ歴代2位の速さでランクアップ、そしてレオンハルトのみが開眼してると思われるアビリティ剣術と共に忍術を習得。

 

その8年後、異例中異例………レベルの飛び級をしオラリオにその名を轟かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自室に飾ってある幼き頃のレオンハルトと自分が写っている写真を眺めながらしみじみとした気分になるリヴェリア。

 

 

「ふふ、本当に大きくなったんだなレオン…………………今日頑張ったら久しぶりにあいつの好物でも作ってやるか」

 

 

写真を伏せ立て掛けておいた杖を握り気持ちを整える。

 

アポロンファミリアとヘスティアファミリアの戦争遊戯の観戦はオラリオ中で可能だからロキファミリアが懇意にしている居酒屋へと赴くのだった。

 




はぁ…………長かった。

今回はマジで長かったっすわ、ほっこりする話が書ければいいなと思い書きましたがどうでしょう?

今回のようにリクエストしてくださればこういった形で書きますのでコメントとかしてくれたら嬉しいです。



p.s エミヤシロウとかセイバーとか英雄王とか色々あるけど征服王のやつ書いてる人いないっすよね。

おれイスカンダルが一番好きなんだけどなwwww

野球系の二次創作とかやりてぇーなー


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無毀なる湖光

「うん、そういう訳で今日付けで直接契約は解消ね」

 

 

「いやだから意味が分からんて」

 

 

ダークリパルサーとエリュシデータが折れたから修理を頼もうとゴブニュファミリアに足を運んだレオンハルトだったが思わぬ事で面食らってしまった。

 

直接契約を結んでいた上級鍛冶師のリズベットから解約を申し出されたのだ。

 

 

「だからー、お母さんが体調崩したから田舎に帰るって言ってんの」

 

 

「だからって直接契約を切る事に繋がらないだろ!」

 

 

「ゴブニュ様にも言って恩恵を無くしたから前みたく槌を叩けないのよ、ていうか私はもう満足したし」

 

 

「満足ってどう言う……………って完成したのかよ」

 

 

冒険者の目的が富と名声であるなら鍛冶師の目的は至高の一振りを造り上げる事だ。

 

リズベットも鍛冶師であるからして至高の一振りを求めていた。

 

とある英雄譚に登場する騎士が振るう剣を造り上げるのだと知り合った当初から聞かされていたレオンハルト。

 

 

「ちょっと、待ってて取ってくるから。

 

あ、あとこの二振りは親方達に見せてくる」

 

 

大剣くらいの重さの剣を両手で抱え運ぶリズベット。

 

レオンハルトの知っている彼女なら大剣でジャグリングしちゃうくらいお転婆なのだが運ぶだけで精一杯な所を見ると恩恵を失ったのは大きいのかもしれない。

 

「またロキファミリアかよぉぉぉぉぉぉぉ!!大切断といいもういい加減寝かせろチクショォォォォォオオオオオオオ!!」

 

親方の魂のシャウトに思わず苦笑いをして心の中で謝罪するレオンハルト。

 

五分程するとリズベットが布に包まれたものを持ってきた。

 

 

「ハァッー重かったー!!ほい、これが私史上最高傑作だよ」

 

 

余程重かったのか腕をパタパタとさせている。

 

リズベットがゆっくりと包みを取るとその剣が姿を現す。

 

黒、何処までも飲み込まれそうになる程黒く美しい刃。

 

その色故か禍々しく感じるが何処となく聖剣のような清らかさを感じるレオンハルト。

 

 

「へぇ…………こりゃ凄い剣だな」

 

 

「でしょー?今回は願いの結晶とも呼ばれてる聖晶石っていう鉱石を使ったんだ〜。

不壊属性〈デュランダル〉もつけてるし付与属性〈エンチャント〉私が今まで溜めてきた貯金全部費やして買ったから失敗出来ないな〜と思って頑張ったら出来ちゃった」

 

 

頬をかきながらアロンダイトの説明をするリズベット。

 

不壊属性が付いているだけで折れる事はまず無い、そして付与属性というのは魔力を纏わせる事を可能にするものだを

 

魔力を纏わせ増幅させ放出する事で魔法を打ち出す事が出来る、つまりは魔剣の真似事を可能とするのだ。

 

素材の性能、そして不壊属性によって魔剣のように折れる事は無い。

 

付与属性を付ける事が出来るのはリズベットのみなのだが知る人ぞ知るゴブニュファミリアである為買う冒険者は居ない。

 

その事を理解しているのか付与属性の剣を造ろうとしない。

 

 

「レオン、これを使ってちょうだいって言うかそれレオン用に造ったからレオン以外はあんまりしっくり来ないかも」

 

 

エリュシデータもダークリパルサーもレオンハルトもレオンハルトの拘りがある。

 

重さ、柄の長さ、刀身に刃渡と細かく注文し調整に調整を重ねている。

 

それを知っているリズベットはこのアロンダイトをレオンハルト用に造っていた。

 

 

「分かった………有難く使わせて貰うよ」

 

 

「じゃーね!!、レオン!!エルフの嫁さん泣かすんじゃ無いわよ〜〜!!」

 

 

店を出るレオンハルトに最後の爆弾を落とすリズベット。

 

それはヘルメスファミリア監修の爆報オラトリアに乗っていた記事。

 

ニヤニヤしているリズベットに苦笑いで手を振りながら戦争遊戯の作戦会議をする為ヘスティアファミリアの仮ホームとなっている豊穣の女主人へとむかうのだった。




とりあえずレオンハルトの折れた武器の代用というか代わりがアロンダイトっす。

まぁだからと言ってエリュシデータとダークリパルサーが倉庫入りするって事は無いんで安心してください。

付与属性に関しては……………ええまぁうん。あまり触れないでやってくださいw


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生存確認

今回は生存確認の為更新しましたw

グダグダですいません、次回はちゃんと書きますんで許してくだせぇ


「それじゃあ始めるとするか…………ウラノス、神の力【アルカナム】の使用許可を」

 

 

オラリオの神々を管理するウラノスの声がオラリオ全土に響く。

 

豊穣の女主人にてヘルメスが神の力の一つ、神の鏡を発動する。神々が下界で許された唯一のアルカナム。

 

それを皮切りにオラリオ各地で神々が神の鏡を展開させる。

 

それはオラリオから離れたシュリーム古城を写していた。

 

今回のフィールドとなったシュリーム古城は巨大な城壁に囲まれた城でその昔、アレス率いるラキア王国もオラリオ攻略戦の拠点としても使用していた。

 

期間は三日間で三日でアポロンファミリア団長、ヒュアンキントスを倒さなければヘスティアファミリアの負け…………逆にヒュアンキントスを倒せばヘスティアファミリアの勝ち。

 

 

「ヘスティアファミリアに二十万ヴァリス!!」

 

 

「へっ、俺は四十万だ!!頼むぜ幸運の白兎!!」

 

 

このように博打の対象となっている。

 

冒険者達は人数の多いアポロンファミリアに賭けるが大番狂わせを期待する神々と一部の冒険者と市民。

 

ギルド職員もちゃっかり賭けているのはここだけの話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょぉぉぉぉ、何でクロッゾの魔剣持ってんだぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「そんか事言ってないで何とかしろぉ!!」

 

 

シュリーム古城は絶賛大パニックであった。

 

開始早々レオンハルトと助っ人のリューが敵陣に突っ込みヴェルフの用意した二本の魔剣をぶん回しているのだ。

 

切っ先から紫電が迸り城壁を玩具のように壊していく。

 

 

「ヒュアンキントスからの命令で七十人連れて出撃しろってよ!!」

 

 

走り回りながら大声で団長からの伝令と叫ぶ小人の少年。

 

 

「はぁ?殆ど戦力を敵2人に使えだと!?」

 

 

「このまま城ごと潰されるよりはマシだろ!!」

 

 

渋々指示を聞いた冒険者は門から殆どの団員を連れレオンハルトとリューに突撃する。

 

 

「ヒィィィウィゴォォォォォオオオオオオオ!!レッツパーリィィィィ!!」

 

 

「レオン、はしゃぎ過ぎです」

 

 

「いや魔剣使うの初めてだからテンション上がっちゃって…………」

 

 

手軽に高火力の魔法をぶっ放せるのを楽しくなりレッツパーリィしていたレオンハルトを注意するリュー。

 

魔剣に溺れる訳では無いがこれはこれでそれなりの爽快感があるとレオンハルトは砕けていった魔剣を見つめていた。

 

しかしその間にも敵はレオンハルトを狙う。

 

 

「今度は惚けないでください!!」

 

 

リューは敵の刃をギリギリでかわしながら木刀で殴りつける。

 

レオンハルトとしては惚けていたつもりは無く油断させ大きく隙が出来たところを叩くつもりだった。

 

それを今言ってもしょうがないと考えたレオンハルトはリューに一言謝ってから奥の方へ走り出した。

 

 

「なっ、貴様エルフなのか!?同胞の癖に魔剣なんぞを使いおって…………貴様にはエルフの誇りは無いのか!?」

 

 

エルフ族の男の攻撃はリューの被っていたケープを切り裂いた、その際にエルフの象徴とも言える尖った耳が見えたのだ。

 

エルフはその昔、クロッゾの魔剣により故郷を焼き払われている、そのせいもあって魔剣を嫌う。

 

 

「一族の誇りよりも私には大切なものがある」

 

 

「何をふざけた事を…………恥を知れ!!」

 

 

「クラネルさんはシルの伴侶となる方だ。

 

友が為、そしてなによりレオンさんの為なら私はその程度の恥……………喜んで受け入れよう」

 

 

疾風の速さで魔剣が振るわれ紫電が辺りを焼き焦がす。

 

想い人が頭を下げてまで頼んできた助っ人の依頼、自分は全力を尽くすだけと木刀と小太刀を振るう。

 

 

 

 



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正義の騎士姫vs.剣雄

ジャンヌ・オルタさんの小説、アイズ・ヴァレンシュタインに転生者の妹がいるのは間違っているだろうか?とコラボします!!

お楽しみに!!


「く、くそぉ!!剣雄が止まりません!!」

 

 

「ならアレを使え!!魔力供給は充分にしてあるはずだ!!」

 

 

城の中では止まらないレオンハルトに対して大慌てだった。

 

アロンダイトを使っては確実に死人が出てしまうので敵の武器を奪いつつ1人1人確実に倒していくレオンハルト。

 

剣雄と戦える者はアポロンファミリアには居ない、なら呼べば良いのだと考えたアポロンはとある物の製作を【万能者】を始めとするアイテムメーカー達に依頼して急ピッチで作らせた。

 

あらゆる平行世界から縁のある者を召喚する『聖杯』を。

 

しかし違う世界線にある万能の願望器とは全く別の物である。

 

この聖杯は呼ぶ為の器でしか無く、召喚そして現界させるには相応の魔力と聖遺物もといその者に関する何かが必要となる。

 

 

「ヒュアンキントス様の許可は取ってある!!

 

さぁ、行くが良い!!異界の英雄よ!!」

 

 

召喚された''……………''は勢い良く飛び出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ………………数多過ぎるし無駄に連携上手いし疲れるな………っ!?」

 

 

一息つこうとしたレオンハルトを赤い剣尖が襲った。

 

ギリギリの所で避けたが驚いたのはそこじゃ無い、金髪であった事と珍しい赤い目であった事そして何より………………アイズ・ヴァレンシュタインに似ていた事だ。

 

レオンハルトとは真反対の純白のロングコートを纏い黒いミニスカートにオーバーニーという格好をした少女と向き合う。

 

 

「あ、アイズ姉……………な訳ねぇよな、あんた誰だ」

 

 

赤く怪しく輝く刀身をした刀を構えながら少女は不敵に微笑む。

 

 

「私?私はアリス・ヴァレンシュタイン。

 

違う世界線でお姉ちゃん……………アイズ・ヴァレンシュタインの妹をやってるんだよお兄さん」

 

 

「はぁお兄さん?腑抜けた事ぬかしてんじゃねぇぞアホンダラ(全く隙が無い…………これはアロンダイト使った方が良さそうだ)」

 

 

「私って14歳でお兄さんは15歳でしょ?

 

あはは、実は28歳ですとかじゃ無いよね」

 

 

レオンハルトの容姿はとてもじゃないが年齢相応のものとは言え無い。

 

大人びて見える…………悪く言えば老け顔な事を気にしているレオンハルトはこの事に触れられるのが何より嫌いだ。

 

以前そうやって馬鹿にした中小ファミリアに戦争遊戯をふっかけ潰してしまうくらいだ。

 

 

「上等だコラ…………お尻ペンペンで済むと思うなよ」

 

 

先に仕掛けたのはレオンハルト、高速で近づいて横薙ぎにアロンダイトを振るう。

 

しかしアリスはバックステップで避け魔力によって練られた風を纏わせる。

 

 

「秋天の太刀ー風華ー!!」

 

一息の間に風を纏った刃が四度レオンハルトを襲う。

 

しかしレオンハルトも負けずに応戦する。

 

 

「秘剣燕返し!!」

 

 

アリスの技が四連撃であるのに対してレオンハルトは3連続の斬撃。

 

1撃、2撃、3撃と打ち落すが4撃目の斬撃は撃ち落としきれず頬を掠った。

 

 

「私の技をそこまで防ぐなんて流石お兄さんだね。

 

どんどん行くよ〜〜、秋天の太「篠突く雨」っ!!」

 

 

次の技も同じような連撃だとしたら防ぎきれないと判断したレオンハルトは相手に息をつかせずに攻め込むという作戦をとった、そのためにまず高速で近付き鋭い斬撃でアリスを突き上げる。

 

アリスの反応が早かったからかコートが一部切れるだけですんでいた。

 

 

「五月雨」

 

 

左手でアロンダイトを振り上げそのまま振り下ろすと見せて頭上で手放す。

 

振り下ろしと思ったアリスは頭上を防御しようとしたのだが肩透かしを食らったようだった。

 

しかしレオンハルトはそこで終わら無い、落ちたアロンダイトを右手に持ち替え再び斬りつける。

 

 

「甘いよ、お兄ちゃん!!」

 

 

刃が当たる前に鞘に手を掛けていたアリスはアロンダイトを鞘で防ぎレオンハルトにハイキックを当てる。

 

 

「行くよ…………篠突く雨!!」

 

 

「な!?」

 

 

いきなり自分の技を使われた事で動揺し反応しきれず篠突く雨を食らってしまった。

 

腹部からは血が滴る。

 

 

「私のちょっと特殊な力でお兄ちゃんの技使えるから覚悟してね。

 

体は剣で出来ている………………」

 

 

「詠唱まで同じかよ!!」

 

 

同じ文句から始まった詠唱………レオンハルトのエクスカリバーと同等若しくはそれ以上の効果を持つ魔法である事は容易に想像出来る。

 

レオンハルトは詠唱をさせまいとアロンダイトを構え剣術ではない普通の攻撃をしかける。

 

 

「(目を瞑ってやがる…………何があるか分からんが詠唱だけはさせねぇ!!)」

 

 

しかしレオンハルトが近づいたところでアリスが手を振り下ろすと数十本の剣が浮遊していた。

 

 

「意地の見せ所だよお兄ちゃん」

 

 

剣がレオンハルトに向け降り注ぐ。

 

 

「ちっ、須佐能乎!!」

 

 

紫炎を纏いし骸骨がレオンハルトを庇うようにして護る。

 

しかし、着弾した剣の一つ一つが一級品の業物のようでガリガリと須佐能乎を削る。

 

着弾した剣が次々と爆破していく事で須佐能乎という装甲にヒビが入り始める。

 

 

「凄い装甲だねそれ…………」

 

 

アリスは降り注ぐ剣の雨と連続爆撃に晒されてもなお耐えている須佐能乎に驚いていた。

 

自身のスキル、皇帝特権でこんな凄い装甲を使えるようになるんだと思ったら背筋がゾッとした。

 

異世界にいた兄は自分と同じ目をしていた、姉の七光りと言われ負け無いように努力してきた自分…………アリス・ヴァレンシュタインと似ていると思った。

 

その凄い装甲も血反吐を吐く思いで習得したのだろう、その剣技も必死の思いの末に得たものだろう。

 

故に思う、だからこそ…………………

 

 

「(負けたく無い!!)」

 

 

アリスは深紅の刀、朧月を鞘にしまい瞳を閉じ魔術回路にパスを繋ぐ。

 

するとアリスを中心に一陣の風が吹く。

 

風が過ぎ去ると黄金の刃をしレオンハルトのアロンダイトとは真反対と言えるほどの神々しさを醸し出している剣が握られていた。

 

 

「束ねるは星の伊吹…………輝ける命の本流…………受けるが良い!!約束された勝利の剣《エクスカリバー》

!!」

 

 

黄金の聖剣から放たれる究極ともいる黄金の斬撃。

 

爆撃を耐えるには耐え切ったが須佐能乎をほぼ完全に砕かれ無傷とは言え無いレオンハルト。

 

そんなレオンハルトに襲いかかる黄金の斬撃。

 

慌てて須佐能乎のでガードするが投影爆撃の嵐に耐えたとは言え半壊している須佐能乎ではエクスカリバーの斬撃をガードしきれない。

 

レオンハルトは黄金の本流に呑まれた。

 



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決着

言葉を失った……………………リュー・リオンは目の前を通り過ぎた黄金の斬撃がレオンハルトを呑み込んだ事を受け入れる事が出来なかった。

 

ボロボロになって倒れ込む男をレオンハルトとして見れなかった。

 

しかし認めざるを得ない、しかし認めた瞬間に黒く汚れた懐かしい感情が溢れ出した。

 

 

「あ…………あ……………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

気が付けば言葉にならない叫び声をあげ白い女剣士に襲いかかっていた。

 

仲間を殺された時よりもドロドロとした感情を抑えようともせず内なる修羅をさらけ出すリュー。

 

 

「貴女は、貴女だけはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「え、ちょ………その「シネェェェェェェェェ!!」リオンさん!!」

 

 

「ユルサナイ、ゼッタイニユルサナイ!!」

 

 

目の前の女は自分をしっているようだ。

 

しかしそんな事は知った事では無い、目の前の女はレオンハルトに刃を向け斬り伏せたのだ。

 

めちゃくちゃにしたい、この女を目も当てられないくらいにの肉塊にしてやりたい。

 

普段のリューは冷静沈着や寡黙といった言葉がよく似合う。

 

自分も大好きな居酒屋の店員だから何となくはリューの事をしっているアリスだが目の前の人物はアリスの知るリューでは無かった。

 

 

「(お兄さん愛されてるなぁ……………ていうかリューさん強過ぎ無い!?攻めが激しすぎて技を出すことが出来ない)」

 

 

片手て木刀をブンブンと振りもう片手で小太刀を振るう。

 

リューもレベル4の冒険者なのだ、強さは折り紙付きだ。

 

木刀を聖剣に叩きつけると綺麗に折れてしまった。

 

バーサク状態のリューもこれには驚いたようで一瞬だけ動きを止めてしまった。

 

 

「ごめんなさい、秘の太刀ー虚空ー」

 

 

戦場では一瞬の隙が命取りとなる。

 

アリスは聖剣を構え技を発動する、それは魔力放出【闇】の魔力を纏った七連撃。

 

レオンハルトとの戦いで放ったのは四連撃なのでそれよりも強い技と言えるだろう、今のリューにはそういった必殺級の技じゃないと止められ無いと判断したのだ。

 

七つの刃を振るおうとした瞬間、アリスとリューは目を見張った。

 

 

「愚妹よ、歯ぁ食い縛れ…………螺旋丸!!」

 

 

濃い魔力の塊………螺旋丸と七つの刃がぶつかるが螺旋丸はその刃さえ吞み込み巨大化する。

 

螺旋丸はそのままアリスを巻き込みそしてアリスを吹き飛ばした。

 

 

「れ、レオンさん…………どうして」

 

 

「まぁ俺の生命力が強かったって事で……………それよりもまだあいつは倒せてない。

 

でも俺今右手意外まともに動かせないからちょっと支えて貰える?」

 

 

リューにマーカーを付けておいたレオンハルトは右手に螺旋丸を待機させた状態で飛雷神の術でアリスとリューの間に飛んだのだ。

 

今思えば飛雷神の術でエクスカリバーの斬撃を何処かに飛ばせばよかったとか思ったりはしていない、断じて思っていないと邪念を振り払うレオンハルト。

 

 

「ええ、支えましょう。何時迄も貴方の隣で」

 

 

黒く淀んだ疾風は変わり何時ものクールな笑顔が似合うリュー・リオンに戻っていた……………少し涙目を浮かべて頬を染めていたのにドキリとしたレオンハルト。

 

レオンハルトは気を取り直してアロンダイトを天へ掲げる。

 

 

「輝ける彼の剣こそは過去、現在、未来を通じ戦場に散りゆく全ての兵達が今際の際に抱く儚くも尊き夢」

 

 

アロンダイトの付与属性の影響でレオンハルトのエクスカリバーの詠唱を省略する事が出来るようになったのだ。

 

風を巻き上げながら黄金色の魔力をアロンダイトに溜め刃を金色に輝かせる。

 

アリスもレオンハルトの狙いがわかったようで聖剣に魔力を込め詠唱をする。

 

 

「その意思を誇りと掲げ、その真偽を貫けと正す。

 

今、常勝の王は手に取る奇跡の真名を謳う……………」

 

 

2人の声が重なる。

 

 

「「エクスカリバー!!」」

 

 

同じ黄金の斬撃はぶつかり合う。

 

意思と意地、誇りと気合…………レオンハルトとアリスを支える全ての何かがぶつかり合っていた。

 

同じ目標を目指すものとして、同じ剣士として互いに負けたく無いのだ。

 

暫くの拮抗を見せたあと弾けた。

 

黄金の粒子がキラキラと降り注ぐ中、ベル・クラネルがヒュアン何某を倒しヘスティアファミリアが勝利したと放送がかかった。

 

しかし大半の観客は謎の姫騎士と剣雄の激闘を見ていた為何とも締まりのない終わり方となってしまった。

 

戦争遊戯が終わったから戦う理由も無いと言うことでボロボロの身体を引きずりながらアリスに近づく。

 

するとアリスの身体は徐々に消えかかっていた。

 

 

「あはは、供給魔力が少ないのにエクスカリバー連発しちゃったせいでもう現界してられそうにないよ。

 

ありがとうお兄ちゃん。また超えるべき目標が見つかった、私はまだ強くなれる。

 

リオンさん…………どうかお兄ちゃんをよろしくお願いします」

 

 

殺そうとしていた相手に頭を下げられ対応に困るリューを尻目にレオンハルトは自身の特殊クナイを一本アリスに持たせた。

 

 

「まぁそのなんだ、世界は違えど一応俺はお前のお兄ちゃんなんだ。

 

だから何か困った事があったらそのクナイを持って俺を呼べ、直ぐに飛んでいく………………………またな」

 

 

「またねお兄ちゃん!!」

 

 

花のような笑顔を浮かべクナイを握り締めながらアリスは自分の居る世界へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




ベル君どんまい!!


コラボさせてくれたジャンヌさんありがとうございました!!

機会があればまたしましょう!!


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オラリオ恋愛賛歌大一節

色んな人に支えられてここまで続けられました、一応最終章です。

小説家になろうさんの方である大賞に向け書いてはいますがこっちで書く次回作のイメージは固まっています。

最終回ではありませんがもう少し続きますので宜しくお願い致します。


ギルド職員とは結構忙しい。

 

毎日入れ替わり立ち替わりで冒険者達がやって来てはその対応をしたり書類の整理などの事務作業をこなしたりと仕事は多い。

 

男性職員は馬車馬の如く働いて疲労困憊なのだが癒しがあった…………ハーフエルフのエイナ・チュールだ。

 

二十歳を迎えていないがその豊富な知識量とコミュニケーション能力で新米冒険達の良きアドバイザーとなっている為オラリオのギルドに関わる者にとって数少ない癒しなのだ。

 

 

「………ィナ、ィナ!!エイナ!!」

 

 

「あ、ごめんミイシャ………ボッとしてた」

 

 

その癒し、エイナに元気が無い。

 

仕事にミスが目立ち、黄昏てはため息を吐くというのがここ最近の彼女。

 

親友であるミイシャ・フロットは友人の疲労困憊した姿に心配を覚えるが原因と犯人の目星はついていた。

 

ヘスティアファミリアにフリーエージェントで入団し、史上初の飛び級やゴライアスの単騎撃破を筆頭に話題の尽きない人物……………レオンハルト・ヴァレンシュタインである。

 

某居酒屋にてエルフとのツーショットが『爆報!!オラトリア』というギルド非公認の新聞に大々的に載せられていたのだ。

 

ロキの秘蔵っ子に熱愛発覚!?という見出しを見てからのエイナはおかしいのだ。

 

エイナはレオンハルトに想いを寄せていた…………それは憧れや尊敬など言ったモノではなくもっと強く暖かい想い。

 

認めた者以外に触れさせる事を拒絶する身持ちの固いエルフにとって異性との恋愛は人間のそれとは想い入れが違う。

 

身持ちが固いからこそ恋に落ちたら何処までも落ちてしまう。

 

それはハーフエルフのエイナにとっても例外じゃない。

 

 

「ふむ……………エイナ、明日の休みって空いてる?」

 

 

「う、うん………空いてるけど」

 

 

「じゃあ明日、朝10時にアモールの広場に集合ね!!

 

おめかしして来なさいよ!!」

 

 

普段のエイナなら断って休日出勤をするだろう。しかし今のエイナは強引に行けば約束を取り付けられると踏んだミイシャ。

 

そしてミイシャは慌てて帰り支度をすると足早にギルドを出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミイシャが向かっていたのは嘗てのアポロンファミリアのホーム、現在ヘスティアファミリアのホームだった。

 

アポロンを象徴する弓と太陽のエンブレムだったり石像は粉々に砕かれていて代わりにヘスティアファミリアのエンブレムらしきモノが壁に刻まれていた。

 

ミイシャの目当ての人物レオンハルトは庭で日曜大工セットを片手に何かしらの小屋を作っていた。

 

 

「おいベルゥ!!それはマイナスドライバーだって言ってんだろうが!!おれが取ってほしいのはプラスドライバーなんだよ!!

 

ミコト、風呂に入ったら髪乾かせてから外に来い!!」

 

 

ヘルメットを被りトンカチをガンガン振り下ろしながら作業をする金の修羅と忙しそうに走り回る白兎。

 

 

「レオンくーん、ちょっといいかなぁ?」

 

 

「おっ、ミイシャさんどうしたんすか?」

 

 

「何をしてるかは聞かないけど…………明日って暇?暇だよね?」

 

 

「いや明日は久しぶりに迷宮探索に行こうか「ヒマダヨネ?」イエス、マム」

 

 

圧倒的なきはくに抗えなくなってしまい頷くレオンハルト。

 

 

「ふふっ、じゃあ明日10時にアモールの広場に集合ね!!エイナ来るからちゃんとお洒落して来なさいよぉ〜〜、じゃーねー!!」

 

 

一陣の風と共にミイシャ・フロットは去っていった。

 

何が何やら分からぬまま約束を取り付けられたレオンハルト。

 

後ろに視線を感じて錆びた機械仕掛けのようにギギと振り返るとニヤニヤしといる赤髪の鍛治師と小人の少女、尊敬の目を向ける白兎と極東の少女。

 

 

「まぁベル君みたく他のファミリアの子とって訳じゃ無いからボクは応援するぜ!!」

 

 

自慢のツインテールと胸を揺らしながらサムズアップを決める

 

 

「レオン君には返しきれない恩があるんだ!!ボクは何処までも応援するぜ!!」

 

 

ヘスティアはベルのヘスティアナイフを作るのに2億ヴァリスの借金をしている。

 

しかし、実のところヘスティアの借金は完済されている。

 

それと言うのもレオンハルトが戦争遊戯を吹っかけた謝罪をしたいと言ってヘファイストスに2億ヴァリス支払っていたのだ。

 

自分の借金は自分で返すと言っていたヘスティアは支払っていたという事に気付いてからレオンハルトに対して多大なる恩義を感じていた。

 

だがそれとこれとは話が別という事でヘスティアは自分で2億ヴァリスをヘファイストスに払うと言ってまた働き始める。

 

これに関してはレオンハルトは疎かベルが幾ら言っても働こうとする為好きにさせようという事になっている。

 

 

「いよーし、明日は我らがレオン君の晴れ舞台だ!!ご馳走にするぞ〜〜!!」

 

 

「ヘスティア様、散財癖を治してくださいと言ったじゃないですか!!」

 

 

ヴァリスが詰まった袋を掲げるヘスティアから袋を取り上げようとするリリルカ。

 

そこにヴェルフとミコト、ベルが加わって更に賑やかになる…………その光景は黄昏の館で見る光景と似て見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、この後ご馳走したレオンハルト達は経理担当であるリリルカにこってりしぼられた。

 

その気迫はリヴェリアに迫るモノが有ったとか無かったとか……………………

 




まだもう少し続きます。

次回作の主人公とヒロインは既に決定してます………とか次回作の話してるけどまだ続きますからね!?


本当にこの作品をありがとうございました、そしてこれからも宜しくお願い致します


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オラリオ恋愛讃歌第2節

一晩お洒落について考えたが結論の出なかったレオンハルトは普段通り真っ黒スタイル、違うのはロングコートを羽織っていない位なものだろう。

 

アロンダイトは疎かダークリパルサーやエリュシデータを携帯する事を禁止されたレオンハルトは背中に寂しさを感じていた。

 

 

「え、レオン君?」

 

 

集合時間通りに来たエイナ。

 

赤いミニスカートに白いシャツとシンプルな格好であるがスタイルの良い彼女には逆に映えるモノがある。

 

普段の彼女は眼鏡をかけているが今日は外していてそれが新鮮に思えた。

 

 

「おはようございますエイナさん。

 

今日はミイシャさんも来るって聞いてたんですけど………………」

 

 

「ミイシャなら風邪引いたから行けないって………看病しようとしたらもう1人待たせてるからその人にこれを渡してくれって頼まれて」

 

 

綺麗に折り畳まれた一枚の紙。

 

それを開くと中には綺麗な字が書き連ねられていた。

 

 

『やっほ〜〜レオン君!!最近のエイナが元気無いからレオン君が何とかしてね〜〜。

 

 

因みに私は物凄い元気なんで御心配無用でぃす。

 

お土産は要らないけど強いて言うなら2人の良い報告待ってまーす』

 

これの他にも小さなイラストやら絵文字顔文字が書かれており思わず千鳥で焼き決してしまった。

 

 

「ミイシャさんのは来ないみたいなんで行きましょうか、この前お金使ったんであんまり無いですけど多少位なら奢ります」

 

 

「あ、え、いや私は…………うん行こっか」

 

 

真面目な性分であるエイナはあの写真を見てからレオンハルトへの思慕を断ち切ろうとしていた。

 

写真の二人を見る限りエルフの人もレオンハルトもお互いの事を想っている………そう感じてしまったら諦め無いとレオンハルトに迷惑をかける。

 

しかし年下の人間に抱いた思慕はそう簡単に断ち切らせてもらえるものでも無い為ここ最近何事も上手くいかなかった。

 

この想いを諦める為にも最後に思い出を作ろうとついて行く事にしたのだ。

 

 

「じゃあ先ずはガネーシャの方に行きますか、あそこなら何かしらやってるでしょうし」

 

 

そう言って歩き出すレオンハルトに合わせるようにしてエイナがついて行く。

 

歩き始めて5分程でガネーシャファミリアがある通りに着く。

 

ガネーシャファミリアの主神、ガネーシャの「俺がガネーシャだ!お祭り………それはガネーシャだ!!」という一言で一ヶ月間この通りでお祭りしようぜとなった。

 

それで通りには様々な店のテナントが立っており人通りもそれなりに多かった。

 

 

「やっぱりこういう時は何か食べないと損ですよね!!

 

すいませーん、ジャガ丸君わさび味を二つくださーい」

 

 

屋台のおじさんが揚げ立てのジャガ丸君をレオンハルトに渡す。

 

エイナに渡そうとするレオンハルトだが朝ご飯を食べたばかりだからと断られシュンとしてしまうレオンハルト。

 

やけくそとばかりにわさび味のジャガ丸君を頬張る。

 

 

「まぁいいや、屋台は食物だけじゃ無いんで楽しみましょう。せっかくですから」

 

 

と言ったものの色々な屋台が出ている為か花より団子とばかりに色々食べるレオンハルト。

 

あっちへこっちへと歩き回るレオンハルトに置いてかれそうになっても何とか着いていくエイナ。

 

レオンハルトのフリーとなった右手を自分の右手と繋ごうとするがそこまで至らない。

 

過るは写真のエルフ。

 

 

「レオン君はベル君みたいに好きな人とか居ないの?」

 

 

何を聞いているんだ自分は…………そんな事を聞いても意味など無い。

 

どんな事を考えているか分からないが少なくともレオンハルト・ヴァレンシュタインの気持ちがエイナ・チュールに向いて居ない事だけはエイナ自身が分かっていた。

 

届くこと無い想い………分かったつもりなのにその現実を受け入れる事が出来ない。

 

 

「それは分からないですね…………いや、分かってるのかも知れないけど僕自身が分かろうとしてないだけかもしれないです」

 

 

分かっていたが自分の名前が出ない事に胸が締め付けられるエイナ。

 

顔には出すまいと顔を上げると意外なものが目に写った。

 

緑色エプロン姿で若葉色の髪をし、エルフ特有の長い耳…………写真に写っていた女性だった。

 

背筋に冷や汗が伝う、気付くな……気付かないでくれと。

 

 

「レオンさん……」

 

 

しかしそんな浅はかな願いは通じる事もなく気付かれてしまった。

 

 

「リューさん、こんにちは。

 

シルがまた財布を忘れたとかですか?」

 

 

「えぇ、まぁそんな所です」

 

 

取って付けたような笑顔、自分が仕事場でする営業スマイルと似ていた。

 

自身の負の感情を気付かれまいとする偽の顔だ、それに肩も少し震えている。

 

 

「いやぁ〜〜、今日はかくかくしかじかでエイナさんと遊ぶ事になったんですよ。

 

まぁ殆ど食べてばっかですけどね」

 

 

「そうですか、すいません用事を思い出したので失礼します」

 

 

それだけ言い残すと踵を返し来た方へと歩き出し人混みの中に消えていったリュー。

 

 

「レオン君、リューさんってもしかして………………」

 

 

「多分エイナさんの考えた通りの人物ですよ。

 

『疾風』ことリュー・リオン、アストレアファミリア所属のレベル4の元冒険者ですよ」

 

 

勤勉な彼女が読んだ資料の中に書いてあった名前だ。

 

ファミリアを壊滅させられた私怨から行き過ぎた報復行為によりブラックリストに載った冒険者だ。

 

 

「レオン君、リューさんを追い掛けてあげて」

 

 

「え、いやでも………………」

 

 

リューが行った道とエイナを交互に見るレオンハルト。

 

義理堅く優しいレオンハルトは様子のおかしかった知り合いを追うのと約束を捨てるのを天秤にかけれずにいる。

 

 

「レオン君だって気付いてたと思うけどリューさんは泣いてたよ?

 

泣いてる女の子には優しくしてあげないと駄目だぞ」

 

 

人差し指をピンと立てレオンハルトを注意する自分に嫌気がさす。

 

このまま一緒にいればレオンハルトは自分を楽しませてくれるに違いないし思い出にもなって想いを伝える事も出来るかもしれない。

 

だけどそれを選んでしまったら想いを伝えない事よりも後悔するだろうし思い出にもならない。

 

何より…………自分、エイナ・チュールを否定する事になると思った。

 

 

「(何がしたいんだろ…………私)」

 

 

しかしレオンハルトは困り顔になりながらリューを追いかけようとしない。

 

自分を押し殺してまで吐き出した言葉をどうしてくれるのだと憤りすら感じる。

 

 

「早く行きないよ!!私なんか放って置いてリューさんの所行ってあげなさいよ!!」

 

 

何をしているんだ……………。

 

レオンハルトは悪く無い、それなのに自分勝手な怒りを自分勝手に押し付けているのだ。

 

優しくて頼り甲斐のある年下の少年甘えてしまっている自分が嫌に感じるエイナ。

 

 

「エイナさんだって泣いてます」

 

 

泣いているのか………シャツの袖で濡れた頬を擦るエイナ。

 

きっと頭の中では分かっているのだ、自分の初恋が終わっている事を。

 

この涙はそれを教えてくれているのだろうか。

 

 

「バカねぇ、これは思い出し泣きよ」

 

 

「え、でも………………」

 

 

勘の鋭いレオンハルトならば自身の想いも彼女の想いも気付いているだろう。

 

ここで想いを告げる事は卑怯かもしれない、彼を困らせるかもしれない…………そんな考えだけが頭を過る。

 

だけど言わないとこの先も後悔しか残らず次へ向かって行けなくなる。

 

結局それは自身のエゴに他ならないがある人は『恋愛とはエゴとエゴの押し付け合い』なのだと言っていた。

 

それに習って精一杯の、一世一代のエゴをぶつけてみようと決心した。

 

 

「レオン君、ここで追い掛け無いと一生を後悔するよ?

 

私は本当にもう大丈夫だから、明日から普段のエイナ・チュールに戻ってるから………………………一言我儘言わせて?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レオン君、大好きだよ」



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オリラリオ恋愛讃歌最終節

走った……………只管走った。

 

レオンハルトはリューを追う為にオラリオの彼方此方を探して回った。

 

リューが買い出しの際に行く店、ダンジョンに潜る前に寄るミアハファミリアのホーム。

 

思い付く限りに走り回った挙句気が付けばオラリオの迷宮街、ダイダロス通りに来ていた。

 

 

「はぁ………はぁ………くそっ、リューさん何処に行ったんだよ」

 

 

壁に手をつき肩で息をするレオンハルト。

 

レオンハルト・ヴァレンシュタインは姉であるアイズと同様に容姿端麗であるが色恋の噂が無いことで有名だ。

 

アイズみたくロキのマークがある訳でもなくフィンでいうティオナみたいな存在がいる訳でも無い。

 

噂が無さ過ぎて男色説が流れた位なのだが単純にそう言った事を考える余裕が無かったのだ。

 

天才アイズ・ヴァレンシュタインを越えるための訓練や探索系ファミリアとしての迷宮探索など日常の大半は剣とモンスターの事で埋まってしまう程に。

 

ここ最近では無茶をし過ぎるせいか謹慎命令を出される事が多くなったお陰である程度の余裕が出来ていた。

 

その事もあってか異性を意識する事が多くなった。

 

気が付けば豊穣の女主人に通ってとある店員を目で追っていたり、ギルドの受付嬢と話して顔が熱くなったりといった具合にだ。

 

肩で息をしていたが漸く落ち着いてきた時、背後に視線を感じたレオンハルトは振り向き様にクナイを構える。

 

 

「ふふ、レオンさんそんな物騒なモノを人に向けちゃダメですよ」

 

 

灰色のショートカットで緑色のエプロンドレスを着た少女、シル・フローバ。

 

普段はあざとく飄々としているがいざという時は鋭いという何とも評し難い人物である。

 

 

「そんなに慌てて何かお探しですか?」

 

 

「シルさんには関係無いですよ」

 

 

リューの同僚であるシルを無関係と言うには些か疑問があるが変に話してしまえば弱味を握ったとばかりにパシリ出すに違い無いと警戒しているレオンハルト。

 

しかしシルは何処か見透かしたような顔でレオンハルトを見つめる。

 

 

「質問を間違えました、''誰をお探しですか?''」

 

 

知っているのだ、自分が誰を探していて何故探しているのか。

 

それを知った上で聞くあたり意地の悪い人間だと心の中で毒を吐くレオンハルト。

 

 

「知ってる癖に聞くなんて意地悪過ぎますよ」

 

 

思い切っり吐き出してしまっていた。

 

 

「ふふふ、私には何が何だか…………あ、そうだ。さっきリューが丘の方に向かって走ってましたよ?

 

早く帰らないとミア母さんに怒られるので失礼しますね」

 

そう言いながらレオンハルトの横を通り過ぎるシル。

 

その際に「お礼はシフト1日分で構いませんよ?」と仕事を押し付けてきたのは気のせいだと思いたくなったレオンハルト。

 

気が付けばシルの姿は見えなくなっているので心の中で礼を言ってダイダロス通りを駆け抜ける。

 

 

「丘って多分あそこだよな…………でも何でシルさんが知ってんだよ」

 

 

それは少し前にリューと見たオラリオ全体を見渡せる丘の事だろう。

 

しかし、あの場にいたのはリューとレオンハルトの二人だけだった。

 

話せば話すほど疑問が湧くシルに一抹の不安を抱きながら丘へと向かって行くレオンハルトだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているんだろうか私は……………アレじゃレオンさんが困るだけだと言うのに………」

 

 

街であった想い人との遭遇は胸がときめくモノでは無く何か別の負の感情を感じたリュー。

 

隣にいたのは自分と同じく細長い耳をしたハーフエルフ。

 

自分の容姿に自信を持っている訳じゃ無いが勝てないと思った。

 

自分よりも身長が高く、自分よりもスラッとした長い足で自分よりも大らかな雰囲気に包まれている。

 

血を血で洗うように汚れてしまった自分とは真反対の人間に思えた。

 

レオンハルトはリューの汚れた過去を何とも思っていないがやはりそれを払拭出来ない………否、払拭などしてはいけない。

 

その罪科は身が朽ち果てるまで背負っていなければならない。

 

 

「早く戻らないとミア母さんにもシルにも心配をかける………しかしこんな顔じゃ戻れない」

 

 

涙で赤く充血して覇気の無い表情をしていては必ず何かあったとバレる。

 

そうなってしまってはまた迷惑をかけてしまう。

 

しかしポーションを飲んでも治癒魔法をかけてもこの情けなく砕けた顔と心の傷は治せそうにも無い。

 

 

「リューさん!!」

 

 

今最も会いたくない想い人の声がリューの鼓膜を響かせる。

 

 

「何しに来たのですか?私を追いかけてくる暇があるならあのエルフと一緒にいた方が有意義だ。

 

彼女を放ったらかしにして他の女を追うとは飛んだ色男になったものですね」

 

全力で走っていたのだろう、息切れし咳き込んでいるレオンハルトに対して罪悪感がこみ上げてくる。

 

 

「リューさんが心配だったんだ。

 

いきなり泣いて走り出すから…………

 

あ、エイナさんはエルフじゃなくてハーフエルフであとただのアドバイザーで別に彼女とかそう言うんじゃなくてどっちかと言うとお姉さんみたいな感じでっていうか何ていうか………………」

 

 

後半捲したてるように早口になっているレオンハルトが少し微笑ましく思い思わず笑みが溢れるリュー。

 

それに自分を心配してくれたという言葉だけで胸が暖まるモノがある。

 

 

「しかしよくこの場所が分かりましたね、全力で撒いたつもりだったんですが」

 

 

「最初は18層かと思ったけど方向が逆だっしリューさんと言われて思い付く場所を探しまくってここに着いたんだ。

 

リューさんにとってどうかは分からないけど俺にとってはリューさんと一緒に来た思い出の場所だから…………………」

 

 

自分で言った言葉が恥ずかしくなったのか頬を赤く染め俯向くレオンハルト。

 

 

「私にとってもここは想い出の場所である事は間違い無い。

 

だが…………私は相応しく無い、あのエイナとやらを追うべきだ」

 

 

リューとて馬鹿じゃない。

 

泣いて走り去った自分を追いかけてきて顔を赤らめ何か言いたそう俯いていたらこの後にレオンハルトが言わんとする言葉が分からない訳じゃない。

 

しかし、その言葉を受け取るには自分は汚れ過ぎてしまっていた。

 

 

「そうやって逃げるんですか?」

 

 

「は?今なんと…………」

 

 

「そうやって過去のことを理由に僕から逃げるんですか?

 

何がそんなに怖いんで「止めなさい!!」」

 

 

何故かレオンハルトの口が切れていた。

 

思わずレオンハルトを殴っていたのだ、そのせいかリューの右拳はジンジンとした痛みが少し残っていた。

 

逃げているつもりは無かった、逃げているつもりは無いのにそのワードに対して過剰に反応した自分に………レオンハルトを殴ってしまった自分に困惑してしまう。

 

殴られたレオンハルトはというと優しい目をしていた。

 

その色は憂いでも憐れみでもない不思議と心が暖まる色だった。

 

 

「リューさんの気がすむなら幾らでも殴ってください、幸い耐久値にはそれなりに自信ありますから」

 

 

レオンハルトもリューも同じレベル4の冒険者である。

 

格下ならまだしも同ランクの冒険者に殴られ普通な訳が無い。

 

止めろ、止めろ、止めろ、止めろ、止めてくれ。

 

どれだけ願おうとも拳はレオンハルトの胸を叩くばかり。

 

自分が何を考えているのか、何故彼を殴っているのか、何故止められないのか分からない。

 

涙が溢れると拳も次第に弱々しくなっていく。

 

ひとしきりき殴り終わると優しく抱き締められた。

 

羞恥のせいか何のせいか分からないが顔が熱くなるリュー。

 

「リューさんが何をしたのかは一応知ってます。

 

僕には貴女の恐怖も苦しみもどうにかしてやる事が出来ません。

 

その恐怖が、苦しみが貴女の犯した罪に対する罰だと言うなら一緒に受けさせてください!!

 

リューさんが怖いと思うなら僕が側にいて護ります、リューさんが苦しいと言うなら僕も一緒に苦しみます。

 

その分嬉しい時は一緒に笑いたいです。

 

だから…………………この先も僕と一緒にいてください!!」

 

 

「私は…………私のこの両手は薄汚れている、それでも貴方はこの手をとってくれるのですか?

 

私は色々な輩から恨まれています、もしかしたら無事に生活をおくれないかもしれい

 

それでも私を…………こんな私を貰ってくれますか?」

 

 

「もちろんですよ、リューさん」

 

 

幸せ、その感情だけが今体中を支配していた。

 

汚れ堕ちた自分の事も未だ思い出すあの時の感触や断末魔も彼となら何とか乗り越えられると思った。

 

普段はそんなに非現実的な事を考えないリューだが遠くの空で昔の仲間たちが祝福してくれているように思えた。

 

 

「痛いやないかこのドチビ!!」

 

 

「ボクは子供の色恋に首を突っ込もうとするのを止めてやったんだ残念女神!!」

 

 

「ヴェ、ヴェルフ!!押さないでよ!!」

 

 

「レオンハルトの奴もやるじゃねぇか!!」

 

 

「私も団長にしてもらいたい私も団長にしてもらいたい私も団長にしてもらいたい私も団長にしてもらいたい………………」

 

 

「新しい妹………?でも年上だから………」

 

 

「ちょ、ヘルメス様!!流石に今写真撮るのは不味いです!!」

 

 

「固いこと言うなよアスフィ、別にこれは観賞用に撮っただけで掲載用じゃないさ」

 

 

見知った顔、その他の神や眷属それに加え冒険者でも無い一般人もチラホラといる。

 

 

「てめぇら全員そこに直れゴルァァァァァァ!!」

 

 

レオンハルトが抱き締めていた手を離すと鬼のような形相で見物人を追い回し始めた。

 

かくいうリューもニマニマと笑っている同僚を追いかけ回していたそうな。

 

 

後日、リュー・リオンとレオンハルト・ヴァレンシュタインの熱愛報道が爆報オラトリアに掲載された。

 

それに加えブラックリストに名前を載せていた冒険者、疾風がリストから消され正式に冒険者に復帰する事が出来るようになった。

 

 

そして熱愛報道されてから五年後、純白のウェディングドレスに身を包み幸せそうにブーケを握りしめらリューと恥ずかしそうに顔を赤らめ頭を掻くレオンハルトのツーショットが載った写真が爆報オラトリアに掲載された。

 




リューさんのヒロイン感が出てるかどうか心配だな〜〜

ふぅ、なんか勢いだけで書きましたわ、…………………」


さて、突然というか何というか次回が最終回とだけ連絡しておきます。

次回作については未定ですが必ず載せるので楽しみにしていてください。、


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聖夜の奇跡

クリスマスとは関係無いけど洒落た事したくて投稿しました最終回ですたい。





光り輝くクリスタルが群生しモンスターと冒険者のレストルームとなっている18階層、そこには数柱の神と多数の冒険者がいた。

 

通常神々はダンジョンに潜る事が出来ない……………というよりイレギュラーが当然のダンジョンに神を潜らせる訳にも行かないし潜ったら潜ったでどんなイレギュラーが起きるか分からないのだ。

 

しかし、オラリオにいる神々の纏め役であるウラノス自らダンジョンに入って祈祷をする事で18階層は平穏を保っている。

 

リヴィラの街にある宿屋の一室待機している冒険者達はそうそうたる面々だった。

 

 

「しっかし結婚式をわざわざダンジョンで挙げるなんざ凝ってるよな」

 

 

赤髪に着流しというスタイルで武具を作る鍛治師としても冒険者として一級線にいるレベル5『不冷魔剣〈イグニス・クロッゾ〉』ヴェルフ・クロッゾ。

 

 

「黙れよ鍛治野郎、お前は黙って鉄でも叩いてろよ…………まぁレオンの為だから俺は大人しくしといてやるよ」

 

 

銀髪の狼人、オリラリオ最強派閥のロキファミリアに所属しているレベル5『凶狼〈ヴァナルガンド〉』ベート・ローガ。

 

互いの胸ぐらを掴み会い眼を飛ばし合っているが周りにいる連中からしてみれば何時もの事なので顔色一つ変えない。

 

 

「ったく、なんでヴェルフは何時もベートさんに喧嘩腰なの?

 

出来ればベートさんも大人しくして欲しいですよ」

 

 

白髪赤目で兎のような容姿をしている少年、オラリオの冒険者に関するあらゆる記録をぶち抜き今では世界にその名を轟かしているレベル7『英雄〈アルゴノゥト〉』ベル・クラネル。

 

ベートとヴェルフの喧嘩は毎度ベルが仲裁役を担っている。

 

この三人の他にも『勇者〈ブレイバー〉』フィン・ディムナや『重鎧〈エルガレム〉』ガレス・ランドロックや『指揮者〈コンダクター〉』ラウルといった一級冒険者が集まっている。

 

 

「ははは、みんな主役を忘れて騒ぎ過ぎだよ。そうだよね、レオン?」

 

 

フィンがタキシードに身を包んでいるレオンハルトが緊張した面持ちで静かに座っていた。

 

 

「静かにされてるより落ち着くよ、それにしてもみんな本当に仲良くなったな」

 

 

「ここ半年くらい毎月のように戦争遊戯をしていればそれは互いの事も知るようになるさ」

 

 

ベルとヴェルフ、そしてここには居ないがリリルカもヘスティアファミリアの冒険者は全員が上位ランカーとなり志願者が増え今では最強派閥の一角に名を挙げるまできていた。

 

子ども想いのヘスティアとロキは毎月のように戦争遊戯をしている。

 

レオンハルトを取り合った勝負なのだが毎度引き分けになり盛り上がるのでギルドは恒例行事にしちゃう?みたいなノリになっている。

 

中でもベートとヴェルフ、アイズとベルとカードは大人気で物凄い量の金が動いていると言われている。

 

最強派閥といっても精力的に劣るヘスティアファミリアがロキファミリアと拮抗出来ているのは紆余曲折あり五年前に新加入した『疾風』ことリュー・リオンの働きが大きい。

 

ブラックリストに載っていたリューだがミィシャとエイナ、それにつられ男性職員及び一部の冒険者と阿呆な神々による必死の説得でブラックリストから疾風の名前が消えた。

 

 

「ちょっと邪魔するよ」

 

 

「ミアさん、どうしたんですか?」

 

 

リューの勤めている豊穣の女主人の店主であるミアが入り口に立っていた。

 

ドワーフというだけあってその迫力は本物であり一級冒険者のレオンハルト達でさえ睨まれたらビビる、超ビビる。

 

 

「とある神から聞いた話なんだけど…………娘が結婚する時にその親族は相手を一発ぶん殴るという風習があるそうでね」

 

 

握り拳を掲げ大きく振りかぶるミア。

 

その姿を見てレオンハルト以外の一級冒険者は下手に手を出すと巻き込まれるので静かに十字を切るしか無かった。

 

音の速さを超えた速度で向かってくる拳は鼻っ柱を見事に捉えそのまま陥没するのではという勢いでめり込む。

 

そしてレオンハルトはゴルフボールよろしくな勢いで吹っ飛んでいった。

 

幾らそういった風習があったとしてもこれは明らかにオーバーキルだ。

 

 

「っち、しゃーねーな」

 

 

ベートはポケットからポーションを取り出すとレオンハルトの顔面にむけ思いっきり叩きつけた。

 

そして何を思ったのか十何本ものポーションをとり出し次々にポーションをぶつける。

 

 

「ゥエヒヒヒ、ッエーイ!!レェェェェオンくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」

 

 

ベートの頭の中の何かが一方通行してしまった。

 

待機室はただのカオスからカオスという言葉すら形容に成らない異様な空間と成り代わった、その原因を作ったミアは一発殴ったおかげで満足したのかこれでもかというドヤ顔で式場へ向かうのだった。

 

その後ベートの献身的?な治療により何とか復活したレオンハルト。

 

時間も近いという事でベル達は急いで式場へ向かって行った。

 

 

「ふっ、剣雄ともあろう者が情けない姿だな。

 

これが噂に聞くマリッジブルーというやつか」

 

 

背中に大剣を担いだ猪人冒険者、最強派閥フレイヤファミリア所属にしてオラリオ最強の冒険者〈猛者〉オッタル。

 

元々そこまでの面識は無い二人だが何回か刃を交わした事もあり会えば会話をするくらいの仲にはなった。

 

 

「うるせぇよバーロー。

 

喧嘩売りに来たならそのまま三三枚におろすぞコラ」

 

 

「今の腑抜けたお前に斬られる程俺は落ちぶれていない。

 

よく聞くがヒューマン…………いや人間というのは護る者が居れば強くなれると。

 

これでお前にも護る者が出来る訳だ、つまりより強くなったお前と闘えると思うと夜も眠れず昼間に寝ている」

 

 

「それただ夜更かしし過ぎて昼夜逆転してるだけだから!!ていうかお前もそういったボケかますんだな」

 

 

オッタルの言葉は九割が本音だった、しかし彼なりに気を利かせて言った冗談が思いの外良い反応とは言えなく少し落ち込むオッタル。

 

自身の主神にも日々言われている、無表情過ぎて冗談が伝わらないと。

 

どんなに肉体を鍛えようともどんなに技を磨こうともギャグセンスが向上する事が無かった。

 

 

「別にマリッジブルーでも何でも無いから心配すんなよ、シュールで逆にイケるぜ?

 

次会う時は遺書でも書いてこいよ」

 

 

「抜かせ、お前こそ少ない遺産の相続人を探しておけ」

 

 

拳を合わせ待機室を後にするレオンハルト。

 

この後リューとレオンハルトの式は何事も無く済んだ。

 

互いに摑み合い子供達に止められているヘスティアとロキ、互いの襟を摑み睨み合うベートとヴェルフ、さりげなくベートにボディブローをかますアマゾネス姉妹、その様子を見て大爆笑のガレスと頭を頭を抱えるリヴェリアとフィン。

 

何にも無かった、神父代わりのウラノスも平然と進めていたのだ、騒ぎなど無かった………………と思いたいレオンハルトであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

式が終わり、リューのブーケトスを独身女性冒険者による争奪戦が起きたがリヴェリアが大人気なく全力であった為勝者はリヴェリアとなった。

 

その後の披露宴もそれなりに一悶着あったが無事に終わった。

 

騒ぎ疲れ皆が寝静まった頃リューとレオンハルトはとある場所にいた。

 

数種類の武具とユリが丁寧置かれた墓、そうリューのかつての仲間達の墓だ。

 

元々結婚式はオラリオの外れにある教会でやる予定だったのだが人生最高に幸せな姿を、自分はもう大丈夫だという姿を昔の仲間にみせてやりたいというリューたっての願いによりダンジョン内で行われたのだ。

 

 

「………………という事です、私は残りの人生は彼と共に歩みます」

 

 

墓の前で手を合わせながら淡々と今は亡き仲間へと語ったリュー。

 

レオンハルトはその隣でそれを聞いていた。

 

 

「良かったよ、リューさんの仲間にも報告出来てさ」

 

 

「はい、アストレア様にも報告はしていますから安心です」

 

 

「さてと、そろそろ戻ろっか?

 

彼奴らに抜け出してる事がバレたら面倒だしね」

 

 

リューの手を取りリヴィラの街へ戻るレオンハルト。

 

幸せな空間が二人の間には出来ていた。

 

レオンハルトもリューも思った…………何があってもこの手を離さない、二人の間に障害が立ち塞がるのならそれを乗り越えてみせると。

 

 

「リューさん」「レオンさん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「貴方を愛しています」」

 

 

 

墓に置かれているユリが静かに揺れた。




前半に登場した二つ名はオリジナルです、五年もあればベル君たちもかなりのところに行くと踏んでつけました。

こんな感じで最終回を迎えるのは何処かクるものがありますがとりあえず嬉しいです。

次回作ですが中国語の補習アンド再試があり僕自身がめっちゃナーバスになっているのでもう少し先になります。

次回作のお知らせについては活動報告にてしますのでお楽しみに
短い間でしたがこの作品を読んでくれてありがとうございました、次回作で会いましょう


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