雪乃奇譚 (Lチキ)
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名探偵ッスカ!ゆきのちゃん
学校で大事件!!


この物語は基本台本形式でお送りします。作品と関係なく台本形式だからと言う理由でのダメ出しはお断りしています。

仮に苦手な読者様がいましたらこの時点で読むのを控えていただきたく思います。



は――――――――――――――――――――――――――い!

 

 

 

この物語は総武高校2年生の雪ノ下雪乃ちゃんが数々の難事件を解決する推理小説だよ。

 

 

ぶっちゃけのりと勢いしかないよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小町「雪乃さん!大変事件です!!」

 

 

放課後の奉仕部。

 

そこに一人の少女が慌ただしくやってきた。

 

彼女の名前は比企谷小町、キュートでチャーミングな俺の妹である。

頭にそびえるアホ毛がチャームポイントの現役JCだ。

 

 

雪乃「どうやら事件のようね」

 

 

読んでいた本を静かに閉じる黒髪ロングの美少女。

 

彼女こそ、奉仕部の部長であり近所でも有名な名探偵ゆきのちゃん。

 

この世の犯罪者は例え親だろうと姉妹だろうと新世界の神であろうと通報する心構えを持った正義の使者である。

 

 

 

 

 

 

 

結衣「わーい、久々にゆきのんの名推理が見られるぞ!」

 

 

アホの子、馬鹿な子、由比ヶ浜。

 

その残念な頭のせいで事件解決に直接協力する事は少ないが、基本的にコミュ障な部長に代わり色んな場面でその真価を発揮する奉仕部唯一のリア充。

 

赤めの茶髪をお団子にし、珍しくスカートの下に青色のスパッツ?を穿いている奉仕部きってのムードメーカーである。

 

 

雪乃「どうしたのかしら小町さん。お兄さんの死体が玄関先に転がっていたの?」

 

 

結衣「妙に発想が恐ろしいよ‥‥ゆきのん!?」

 

 

雪乃「あら世の中、荒んでいるのだから比企谷君に何が起こっても不思議じゃないのよ由比ヶ浜さん」

 

 

本日最高の笑顔を見せる雪ノ下に対しほのかに震える由比ヶ浜。

 

‥‥と言うよりも、目の前にいるだろ俺。

 

 

結衣「ヒッキー限定なんだ!?って、そうじゃなくて何かが盗まれたとかだよきっと・・・」

 

 

雪乃「そうなのかしら小町さん」

 

 

小町「はい、実はスクール水着を盗まれたみたいなんです…」

 

 

瞬間部室に特大の雷が落ちる(主に俺の上に)

 

何という事だ、我がマイシスター小町の水着を盗むとは許せん!

 

犯人を見つけだし血祭りに上げてそいつの家の住所をネットに流さなければ俺のこの怒りは収まらない!

 

犯人は恐らく同じ学校の男子。

小町と同じ学校で、なおかつ小町に好意を向ける男子・・・は!?

 

分かったぞ、さてはあの野郎の仕業に違いない‥‥…

 

 

 

 

大志の野郎…!

 

 

小町に相手にされないからって等々やらかしやがったな!!!

 

そうと分かればさっそくめざし帽と鉄パイプを購入しなければ‥‥‥

 

 

結衣「そ、それって変態だよ!女の子の水着を盗むなんて…許せない!最低、マジキモイ!!」

 

 

小町「あ、結衣さん盗まれたの小町の水着じゃないですよ」

 

 

結衣「え?」

 

 

え?

 

違うの?

 

 

雪乃「…小町さんそれはどういう事かしら?詳しく話してほしいのだけれど」

 

 

小町「はいはい!えっとですね・・・スクール水着が盗まれたのは間違いなんですけど盗まれた水着の持ち主は小町じゃなくお兄ちゃんって事ですね」

 

 

結衣「・・・」

 

 

雪乃「・・・」

 

 

‥‥いやいや小町さん、いくらなんでもそれはないだろ。

 

女子のスク水は需要があっても男の水着には価値なんてないんだぜ?

 

あんなのただの水につかたっらぴっちりするパンツだし。

 

嫌がらせにしても水着を隠されるというのはあまりない。

 

俺でさえも小中学生時代に水着を隠された経験はないほどだ。

 

 

 

小学生1『お、こんな所に比企谷菌の水着があるぜ隠そうぜ~』

 

 

小学生2『比企谷菌の使用済み水着なんて汚いしキモイ触りたくない』

 

 

 

なんて会話をクラスメイトがしていた経験ならあるけどな。

 

要するに女子のスク水は萌えであり、男のスク水は燃えるゴミだ。

 

夏の陽気にあてられたのかマイシスターがおかしくなってしまった。

 

見てみろ雪ノ下も由比ヶ浜も呆れて―――――――――――――――――

 

 

 

結衣「な、なんて破廉恥なッヒッキーの水着を盗むなんてっ!?」

 

 

あれー?

 

呆れるどころかさっきよりも怒っている。

 

え?なんで?

 

 

 

 

 

 

結衣「許せないねゆきのん・・・は!?」

 

 

雪乃「(<●><●>)」

 

 

結衣(ゆきのんの目が冷たくなった!これはゆきのんのインスプレーション・・・?が働いてる印だ。

 

この特徴からゆきのんは『氷の女王』と呼ばれてる。

 

あの冷え切った目から逃れられる犯人は誰もいない!さあ始まるよ、ゆきのんの名推理が‥‥…!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「そういえば由比ヶ浜さん今日は珍しくスカートの下に何か穿いているのね」

 

 

結衣「え、うん。ていうかゆきのんその言い方だと変な勘違いするよ!」

 

 

雪乃「あらごめんなさい。でも珍しい色ね‥‥まるで学校指定の水着のような群青色・・・私もほしいわね、どこで買ったのかしら?」

 

 

結衣「えっとこれはねヒッキーの所にあった奴だから、ゆきのんと言えども上げられないかな!」ニコ

 

 

八幡「」

 

 

小町「」

 

 

雪乃「…」携帯ピッ

 

 

結衣「えへへへ」

 

 

 

ピーポー

 

 

 

            ピーポー

  

 

 

 

 

                         ピーポー

 

 

 

 

 

 

 

こうして事件は無事解決した。

 

ちなみに、結局俺の水着は事件の重要証拠品として雪ノ下が没収して未だに返ってきていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読者の皆様へ、

ここまでお読みいただき大変ありがとうございます。

それでは最後に一言








あらすじ詐欺してすいませんでした!!!!!!!!!!!!


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覗きなんて最低だ!

どうも皆様、第2話です。

残念な事に等々俺ガイルメンバーに被害者が出てしまいます‥‥

今回の難事件、雪乃探偵は解決できるのか・・・そして被害者とは一体…?

謎が謎ぶ第2話開幕です








 

「きゃあああアアアアアアアア―――――――――――ッ」

 

 

突如として総武校に響き渡る悲鳴。

 

多くの生徒がざわめきだす中一人の女生徒が立ち上がる。

 

 

 

 

雪乃「どうやら事件の様ね」

 

 

威風堂々と歩き出す彼女こそこの物語の主人公でメインヒロインの雪乃ちゃん!

 

事件あるところに彼女あり、名探偵に日常はないのである。

 

でも、体力がないから事件が起きても犯人が逃げようとも走って向かう事はなかったりする。

 

悲鳴が聞こえると条件反射で走りだし大人や高校生と並んで走った挙句先に到着するような見た目は子供、頭脳は大人、体力と足腰は絶対子供じゃい名探偵とは違うのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「どうかしたのかしら」

 

 

結衣「あ、ゆきのん事件だよ!」

 

 

悲鳴が聞こえ数分後

 

到着した場所は運動部などが部活後に汗を流すシャワールームの前だった。

 

 

平塚「雪ノ下か!覗きだ、誰かが私の入浴シーンを覗いていたんだ…」

 

 

そこにいたのは、奉仕部顧問であり現国担当教師平塚静だった。

 

先生は濡れた髪にバスタオル1枚で体を隠しどこか悔しそうな顔をしながら叫ぶ。

 

 

 

雪乃「平塚先生、なぜ教師である貴方がここにいるんですか?」

 

 

平塚「それはその、家の水道をうっかり止められて‥‥て、そうじゃなく覗きだ覗き!誰かが私のナイスバディーを覗いていたんだ!私は若いからな!」

 

 

雪乃「…………そうですか、では事件が起こった時の事を詳しく教えていただけませんか?」

 

 

平塚「ああ、私が某猫型ロボの出るアニメのヒロインの様に入浴していた時の事だ。ほら私もある意味しずかちゃんだしな!」

 

 

雪乃「先生、そういう良くわからないネタはいいので」

 

 

平塚「う、うむ。‥‥ゴホンッ、それでふと外を見てみると誰かが窓の外にいたという訳だ」

 

 

結衣「そんなそれって変態だよ、女の‥‥‥子?のお風呂を覗くなんて最低だよ!」

 

 

雪乃「(<●><●>)」ジー

 

 

結衣「て、な、違うよ私じゃないよゆきのん!そんな目で見ないでよ…確かに前科はあるけど…それにヒッキ―ならともかく先生の裸なんて覗く価値ないよ!」

 

 

平塚「雪ノ下、犯人は由比ヶ浜じゃないぞ。犯人は間違いなく男だった」

 

 

結衣「先生!」パァ

 

 

平塚「それと由比ヶ浜、女の子と言うのを渋った件と私の裸に価値がないといった件・・・後で話があるから生徒指導室までこい」ジロリ

 

 

結衣「先生ッ」ガーン

 

 

雪乃「……情報が少なすぎますね。他に何か犯人を特定できる特徴や証拠は覚えていませんか?」

 

 

小首を傾げそう問いかける雪ノ下。その問いに平塚先生は考える仕草の後、おもむろに答える。

 

 

平塚「・・・そうだな、後は犯人の目が酷く濁っていた事と頭にアホ毛のような物があったことくらいしか見ていないな…」

 

 

結衣「それってまさか!?」

 

 

雪乃「アホ毛に濁った目ね・・・普通に考えれば犯人はあの男」

 

 

2人の脳内にはある男性の姿が思い描かれている。

 

と言うよりもこの学校にさらに言えばこの世界にあんな特徴的な目をした人物がそうそういるとは思えない。

 

普通に考えれば犯人は彼で間違いない‥‥しかし、ここにいるのは普通の人ではない!

 

雪ノ下雪乃は数々の難事件を解決してきた名探偵である!

 

彼女の前ではどんな謎もトリックも意味をなさないのだ!

 

 

 

 

雪乃「‥‥でも、犯人がゾンビの特殊メイクをして頭にバナナを乗せていただけかもしれないわね」

 

 

結衣「その線はないと思うよ!?特殊メイクで、バナナを頭に乗っけて覗きなんて犯罪史上例がないよ!!」

 

 

 

加えて言っておこう!

 

彼女は名探偵ゆきのちゃんである!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平塚「真面目に考えろ雪ノ下!許せない事なんだぞ覗きなんて、しかも本当は窓の外を歩いていた比企谷を無理矢理襲おうとして失敗して逃げられたから覗きをされたと被害者ずらして責任逃れようなんて、なんて卑劣なんだッ

 

覗きなんて最低で卑怯な行いだよ!!」

 

 

雪乃「(<●><●>)」

 

 

結衣「・・・」携帯ピッ

 

 

 

 

ピーポー 

 

 

              ピーポー

 

 

                             ピーポー

 

 

 

 

 

こうして事件は無事解決した。

 

なお、事件が解決してしばらくして2キロほど離れた物陰でずぶぬれの比企谷少年が発見された。

 

彼は震えながらアラサ―怖い、眼がマジだったと呟いていたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 



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ゆきのちゃん最後の名推理!

今回は俺ガイルのチェーンメールの回を元にした推理物です。

原作では八幡の観察眼によりこの事件は解消されました。

でも、仮に、この事件の裏側にあったのが葉山グループ内の問題ではなかったら?

あの3人の中に犯人がいたらそれは誰か?またはその他に犯人がいるのか、などと言うIFの話を中心に物語が進んでいきます。

謎と疑惑が立ち込める第3話始まります。








 

 

 

 

 

 

 

八幡「うすっ」

 

 

雪乃「あら、今日はいつもに増して遅かったのね。ひ、比企・・・ごめんなさい誰だったかしら?」

 

 

八幡「比企まで出てんだろ、諦めるなよ。ちょっと先生に呼び出しくらってな」

 

 

雪乃「…会わなかったの?」

 

 

八幡「あん、誰と?」

 

 

雪ノ下の問いに首を傾げた所で、部室の扉が開き活発な少女の声が聞こえた。

 

 

結衣「あ!ヒッキーいた!」

 

 

八幡「…なんだよ?」

 

 

雪乃「貴方がいつまでたっても部室にこないから探しに行っていたのよ。由比ヶ浜さんが」

 

 

八幡「その倒置法で自分は違うアピールするのやめてくんない?知ってるから」

 

 

雪ノ下が俺が来ないからと探しに行くような真似をするとは天地がひっくり返っても思えない。

何なら、部活が終わって次の日の放課後になっても気が付かない可能性すらある。

 

むしろ彼女の脳内から抹消されてるとかな、自分で言っておいてなんだがどんだけ影が薄いんだよ俺。

 

 

結衣「わざわざ人に聞いて回ったんだよ。そしたら皆、比企谷?誰それっていうし、大変だったんだよ!」

 

 

八幡「そりゃあ悪かったよ」

 

 

八幡(存在感がなくてすいません。なぜそんな悲しい謝罪をしなければいけないのか・・・)

 

 

結衣「別にいいんだけどさ‥えっと、その、だから…ヒッキーの携帯教えて!」

 

 

八幡「え、なんで?」

 

 

結衣「それはほら!今回みたいな時とか不便だし…わざわざ聞いて回るの恥かしいし!」

 

 

八幡「別にいいけどよ」

 

 

そういいスマホを由比ヶ浜に差し出す。

 

それに由比ヶ浜は一瞬驚き良く人に渡せるねとか言ったが、自慢じゃないが誰かに見られて困る物があるわけじゃないし、そもそも連絡先の交換とか良く分からないからな。

 

赤外線とかフルフルとか何それ?

 

それにしても由比ヶ浜の携帯をまさぐる手が凄く早い。あれか、リア充特有のメールが来たら即返信しないといけないという謎ルールの為にボッチではできない進化を遂げたのか。

 

 

 

結衣「はい登録しといたよ」

 

 

八幡「おう」

 

 

 

携帯を受けとり確認する。初めから片手で足りるくらいしか登録されてないし見つけるのは容易だった。

 

ちなみに一番メールをしてる数が多いのは妹の小町。むしろここ1年は小町としかメールした記憶がないな。

 

親とメールのやり取りなんてほとんどしないし。

 

他にあるとすれば一方的に送られてくるどこぞの宗教の勧誘だったり、体を持て余した未亡人(金持ち)から来るくらいだ。

 

 

受け取った携帯を確認するとすぐに由比ヶ浜と思わしきアドレスは見つかった。

 

だがスパムメールの差出人みたいな登録名で若干引いた。携帯もトラックもやたらデコればいい訳じゃないと思うのだが、なぜリア充やオレオレ系はあんな光物が好きなのだろうか?

 

 

結衣「うわー…」

 

 

雪乃「どうかしたの?」

 

 

結衣「え!あ…うん、ちょっと変なメールが来てうわーてきただけ」

 

 

雪乃「比企谷君裁判沙汰になる行為はやめた方がいいわよ。メールなんて受け取る側に履歴が残るのだし証拠能力も十分発揮されるわ」

 

 

八幡「いきなり犯人扱いかよ。疑う前に証拠をだせ証拠を」

 

 

雪乃「犯人はみんな同じ事を言うのよ。証拠はなんだ?、たいした推理だ君は小説家の才能があるよ、人殺しと同じ部屋になんかいられるか、とね」

 

 

八幡「最後のはむしろ被害者のセリフだろ。死亡フラグビンビンだぞ」

 

 

雪乃「あら、そうだったかしら?でもどのセリフもありきたりな上に捻りがないわね。捻くれ谷君ならさぞや愉快なセリフを最後に吐いてくれそうだわ」

 

 

八幡「期待してるとこ悪いが、これから先もそんな機会は訪れないから」

 

 

そんな話をしていると扉がノックされる。返事を待たずに入ってきたのは大層なイケメンだった。

 

奉仕部の面々はそれぞれそのイケメンを知っている。同じクラスや同じグループであったり理由は様々。

 

彼の名前は葉山隼人、自他ともに認めるイケメンでサッカー部のキャプテン。クラスカーストの最上位に位置する通称リア王だ。

 

シェイクスピアじゃないぞ、リア充の王様と言う意味だからな?

 

そんなリア王葉山は、眩しい笑顔と共に彼ら彼女らに話しかける。

 

 

葉山「ちょっとお願いがあってさ。奉仕部ってここでいいんだよね?」ニコ

 

 

八幡「お、おう・・・」ニ、ニヤリ

 

 

そんなリア充に話しかけられ、ドンヨリした笑顔(ニヤケ顔)で返す男ができれば俺じゃなければいいと思いたい。

 

まあ、俺なんですけどね。ボッチの本能が自然と負けを認めてしまった。

 

戦う前から負けちゃってるのかよ。そもそも戦わないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「つまりはそのチェーンメールを送っている犯人を捜せばいいのね」

 

 

葉山の要件をまとめると、現在クラスに出回っている葉山グループ3人組のチェーンメールをどうにかしたいという事だった。

 

 

葉山「えっと犯人を見つけるとかじゃなくて、できれば穏便に解決したいのだけれど…」

 

 

雪乃「無理ね。チェーンメール、それは人の尊厳を踏みにじる最低の好意よ。止めたいのなら大本を見つけだし根絶やしにするほか解決方法はないわ。ソースは私」

 

 

八幡「実体験かよ…」

 

 

結衣「根絶やしにしたんだ…」

 

 

雪乃「私は犯人を捜す。恐らく一声かければぱったりとやめると思うけれど、見つけ出した犯人をどうするかはあなたに任せるわ。それでいいかしら?」

 

 

葉山「あ、ああそれでいいよ。えっと、それともう一つあるんだけど」

 

 

雪乃「何かしら?」

 

 

葉山「さっきの件とは関係なくもう一つクラスに出回ってる変なメールがあるんだ。これを見てくれ」

 

 

そういい葉山はさっきまでと別の画面を開き俺達に見せる。

 

 

 

 

宛先  ♡☆♡★ゆい★♡☆♡

――――――――――――――――――――

題名 ヒッキーへ

――――――――――――――――――――

 

今日ヒッキーのお部屋にお邪魔するね!

 

ヒッキーは何もせずいつもとおりに過ごしてい 

てください。

 

私は勝手にお邪魔してヒッキーの臭いの染みつ

いた服や下着をもらって行きます。

 

もしヒッキーが眠っていたら…

 

フフ、フフフフフフフフフフフフフフ

アハハハハハハハハハハハハハハハ

ハハハハハハハハハハハハハハハハ

 

ウフフフフフフフフフフフフフフフ

―――――――――――――――――――――

 

 

 

八幡「」

 

 

葉山「その、今日の昼間にクラス中に一斉送信されたんだけど…」チラ

 

 

結衣「ヒッキーの番号が分からなくて手当たり次第に送ったんだけど‥‥これからは直接送れるね!!」ニコ

 

 

雪乃「(<●><●>)」携帯ピッ

 

 

 

 

 

 

 

ピーポー

 

 

            ピーポー

 

 

                         ピーポー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして事件は無事解決した。

 

なお、チェーンメールの方は八幡の閃きで解消され結局犯人は分からなかった。

 

 

 



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犯人すかッがはまさん!

再犯。

世の中にいる犯罪者の何人が本当の意味で更生しているのでしょう?

それは強盗や空き巣であったり、麻薬などの違法ドラックであったり‥‥殺人であったり。


彼ら罪を犯した人たちは法により罰せられます。しかし、その多くはいずれ社会に舞い戻るのです。

そして、場合によれば罰せられる事もなく社会に復帰する。そんな犯罪者もいるのです。


今度の事件はそんな現状が生み出してしまったモンスターが登場します。


謎と罰が重なる第4話ここに再誕。









 

雪乃「最近事件が無くて退屈ね・・・被害者谷君、ちょっと首を180°回転してくれないかしら?」

 

 

八幡「お前スゲーな、あまりにナチュラルに言われたか一瞬分からなかったが、それ死ねって言ってるのと同じだからな?

というかどんな事件だよそれ」

 

 

今日もきょうとて平常運転の雪ノ下。どんな平常運転だ、罵倒前回笑顔が眩しい美少女。

 

なんだただの雪ノ下雪乃じゃないか。

 

 

あの事件からしばらくたち由比ヶ浜の拘留期間も終わった。

学生であることから処分は自宅謹慎となっているがそんな時でも奉仕部は休まず活動を続けている。

 

そしてまた、今日も依頼者がやってくるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平塚「邪魔するぞ」

 

 

雪乃「平塚先生だからノックを・・・ハア、どうかなさったんですか?」

 

 

もはや先生がノックもせずに入ってくるのは常なのかどこか諦めたため息とともに返答する雪ノ下。

 

そんな雪ノ下にかまわず先生も先生で話を始める。

 

 

平塚「実はここ最近学校の近くで露出魔が出ると近隣住民から連絡があってな」

 

 

八幡「露出魔ってあれですか、人気のない所でコートをバサーみたいな?」

 

 

平塚「ああ、概ねそんな感じだ‥‥」

 

 

どこか含みのある言い方で疲れ切ったため息を吐く先生。

 

まあ、先生も一応女なわけだし色々と心配なのだろう。口を開けば古いアニメネタにこっちが聞いてて泣きそうになるような自虐ネタのオンパレードで結婚の見込みがない人でも、遠目で見ればスタイルのいい美人なのだし。

 

何より学校の近くという事はその標的はおのずと学生と考えるのが自然だろう。生活指導の先生は何かと対策を練ったり忙しいのだろう。

 

 

八幡「…だとよ、雪ノ下。お待ちかねの事件だぞ」

 

 

雪乃「露出魔ね・・・比企谷君悪い事は言わないから今から自首しなさい」

 

 

八幡「言うと思ったよ。何でも間でも俺を被害者や犯人にするな、少しは推理しろよ名探偵」

 

 

俺と雪ノ下のやり取りも見慣れたのか、それとも突っ込む気力もないのか先生はかまわず話を続けた。

 

 

平塚「実は、その露出魔を目撃したとウチの川崎が言っていてな。できれば相談に乗ってほしい・・・」

 

 

八幡「‥‥それじゃあ、俺は少し席をはずしてます」

 

 

川崎と言うとあの川なんとかさんの事だろう。

 

見た目はファンキーなヤンキー風だが、その実重度のブラコン、シスコンを拗らせ、以外にも家庭的なところがある女生徒だ。

 

趣味は手芸、得意料理は芋の煮っ転がし、下着は黒のレー・・・ゴフン、ゴフンッ。

 

気が強く平塚先生に面と向かい人を心配する前にお前が結婚しろよこの年増と言い放つほどの度胸を持っている。

 

え、そこまで言ってないって?・・・HAHAHA。

 

とにかくだ、そんな普通の少女である人物が変態を目撃したというなら俺のような男(見た目犯罪者)がいない方が何かといいだろう。

 

雪ノ下と川崎を2人にするのには何かと不安があるがそこは平塚先生が緩和剤となってくれるはず。

 

そう思い部室を出ようとした時。

 

 

平塚「いや、お前もいてくれ」

 

 

八幡「いや・・・でも」

 

 

平塚「心配するな。これは川崎本人からの要望だ」

 

 

雪乃「依頼人の要望ならしかたありませんね・・・比企谷君席に戻りなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川崎「‥‥」チラ

 

 

八幡「‥‥」

 

 

雪乃「‥‥」

 

 

平塚「じゃあ川崎、その時の事を話してくれ」

 

 

少しして先生に呼ばれた川崎が奉仕部にやってきたが、その様子はやはりと言うかなんというか普段のギラギラ?ピリピリ?した雰囲気とは打って変わり消沈した様子だ。

 

その中で、時折俺に向け視線を送ってくる。

 

始めは男の俺がいるのがまずいんじゃないのとか思ったが‥‥なぜだか川崎のその視線は嫌悪や恐怖という物の類ではないような気がする。

 

なんだ・・・?

 

困ってる‥‥いや、困惑しているようなそれでいてどこか気まずそうで同情しているようなこの視線は・・・?

 

 

先生に促され川崎は意を決し当時の事を語るためその唇を開く。

 

その時、最後まで俺の方を見ていたんだが…本当に何なんだろうか。まさかと思うが俺が犯人みたいな冗談をいう訳でもあるまいし―――

 

 

 

川崎「‥‥全裸の由比ヶ浜が半笑いで比企谷を家の前までつけていました」

 

 

八幡「」

 

 

・・・・・・・・・冗談の方がよかった。

 

 

 

雪乃「(<●><●>)」携帯ピ

 

 

結衣『もしもしゆきのん?どうしたの』

 

 

雪乃「もしもし由比ヶ浜さん。ちょっと聞きたいのだけど今どこにいるのかしら?」

 

 

結衣『…今は自宅謹慎中だからもちろん家にいるよ?』

 

 

雪乃「・・・そう」

 

 

結衣『…うん、そうだよ!ところでゆきのん電話なんかしてどうかしたの?』

 

 

雪乃「…ええ、ちょっと気になったんだけど。比企谷君の家にはカマクラ君という猫がいるそうなのだけどその子は今どうしているのかしら。

気になって、気になって仕方がないの。教えてくれるかしら?」

 

 

結衣『ははは、本当にゆきのんは猫に目がないね!でもごめんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その子なら小町ちゃんの部屋にこもったきり出てこないから分からないんだー』

 

 

 

雪乃「…そう、また貴方なのね」携帯ピ

 

 

結衣『え、どういう――――?』

 

 

雪乃「(<●><●>)」1,1,0携帯ピ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーポー

 

 

               ピーポー

 

 

                            ピーポー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くの方でサイレンが聞こえる。その方角は偶然か否か俺の家の方向だった…

 

 

こうして事件は無事解決した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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名探偵だもの!ゆきのちゃん
盗難事件を推理!


2度ある事は3度ある。

これは、同じような事は繰り返し起こるという事でしょうか?


それはないも偶発的に起こった事だけではなく、人間にも当てはめられることでしょう。

今回の事件はそんな同じ過ちを犯してしまった少女の悲しい事件です。


謎と感情がひしめき合う第5話スタートです










は―――――――――――――――――――――――――――い!!

 

 

総武高校2年J組の雪乃ちゃんは名探偵だよ。

 

好きな物は猫とパンダのパンさん、嫌いなものは勿論犯罪者だよ。

 

そして好きじゃないけど嫌われたくない物は実の両親だよ!

 

複雑な家庭環境だけど事件にはまったく関係ないよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「最近は事件もなくて少し退屈ね・・・」

 

 

結衣「平和が何よりだよゆきのん!」ノ

 

 

と言いながら雪ノ下に抱きつく由比ヶ浜。

 

雪ノ下は暑苦しいだのと言って口では拒絶しているがその表情はまんざらでもないという感じだ。

 

うむ、なんともゆりゆりしい百合フィールドが形成されてやがる・・・!(いいぞもっとやれ)

 

 

そんな甘々なユリ空間を堪能していると不意に雪ノ下と目があった。

 

‥‥あーら不思議、さっきまでの表情が嘘のよう。まるで痴漢や覗きを見つけたみたいなゴミを見る目に早変わり。

 

いや何でだよ。

そりゃあ、ゆるゆりしてるお前らを見てたけど…べ、別にやましい気持ちなんてないんだからね!勘違いしないでよ…ポ、なんだぞ。

 

 

雪乃「そういえば最近発見されたのだけれど屋上のフェンスが老朽化しているそうよ」

 

 

結衣「え…!それって危ないじゃん」ノ

 

 

雪乃「ええ、だから屋上に近づいては駄目よ由比ヶ浜さん」

 

 

結衣「うん、分かったよ。ありがとうゆきのん!」ノ

 

 

雪乃「そういえば今日はいつものように1人で屋上に行かないのかしら比企谷君?」

 

 

八幡「おいこら、なんでその流れで勧めてくるんだよ。それと1人を強調するな」

 

 

雪乃「別に他意はないわ。でもそうね、屋上に行ったら正面右斜めのフェンスによりかかるといいと思うわよ」ニコリ

 

 

八幡「ねえなんでそんなに限定的なの?絶対それ老朽化してるフェンスだろ。落ちたらまず死ぬからな」

 

 

雪乃「大丈夫例え貴方が犠牲になっても犯人は私が見つけてあげるわ」

 

 

八幡「そのまま俺が死んでも推理するとこないだろ…それに、しいて言うなら犯人お前だし。未必の故意は殺人罪だぞ」

 

 

未必の故意

 

確定的に犯罪を行おうとするのではないが、結果的に犯罪行為になってもかまわないと思って犯行に及ぶ際の容疑者の心理状態。

 

殺人事件の場合、明確な殺意がなくても、相手が死ぬ危険性を認識していれば殺人罪が適用される。

 

この場合だと屋上のフェンスが壊れていて俺が落ちなくてもいいし、落ちても別にいいという思いで屋上に行かせるとかな。

 

要は死ぬかもしれないし死なないかもしれない。でも死ぬなら死ぬで別にいいやみたいな感じだ。

 

なので俺が死んでも雪ノ下は捕まる事になる。

 

 

雪乃「あら故意ではなく明確な殺意ならあるわよ」

 

 

八幡「なお駄目だろ。普通にアウトだ殺人罪だ」

 

 

雪乃「貴方の場合器物破損ではないかしら?」

 

 

小首を傾げながら可愛く言ってるが、言ってる内容は最悪だ。

 

ていうか俺人間としてカウントされてないのかよ…まあ、奉仕部の備品とか言われてるけれど。

 

 

雪乃「それに私が捕まる事はないわ。例え疑われようとも全力で学校側の過失に持ち込むし誘導もできる、灯台下暗しと言うことわざをご存知かしら?」ニッコリ

 

 

八幡「い、嫌な名探偵だな…解決どころか迷宮入りしてるだろそれ」

 

 

すると、ノックもなく扉が開き見知った人物が顔を出す。

 

なぜ毎度高校にいるのか不明な我が妹小町が、若干目を赤くはらせながらやってきた。

 

 

小町「雪乃さん大変事件です!」

 

 

雪乃「どうやら事件の様ね」キリッ

 

 

さっきまでの悪い顔(いい笑顔)が嘘のように凛々しい顔立ちになった雪ノ下はそんな小町の元に髪をたくし上げながら向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「今度はどうしたのかしら小町さん」

 

 

小町「ゆきのさん大変なんです!お兄ちゃんの・・・お兄ちゃんの‥‥ッ」

 

 

その瞳を涙で濡らし必死に訴えかける少女。というかまた俺関係なのかよ。

 

俺に身に覚えがないのになんで学校が違う小町が俺より俺の事を把握しているのか?

 

そんな疑問がふと頭をよぎるが、小町の真剣な雰囲気はそんなどうでもいい疑問をうちけす。

普段色々とたくらんだり、あざとかったり天使だったりする妹だがここまで本気に泣くことはそうはない。

 

兄として、いや一人の男として断言しよう。

 

他の2人もこれは普段のおちゃらけではないと感じ取ったのか真剣な眼差しで小町が話すのを待っている。

 

 

結衣「落ち着いて小町ちゃん。いったいどうしたの?」ノ

 

 

柔らかな声色であやすように小町に話しかける由比ヶ浜。

 

流石は奉仕部唯一のリア充だ。泣いている小町に何もできないでいた俺や雪ノ下とは一味違う。兄として駄目だろ俺。

 

 

小町「結衣さん‥‥はい実はお兄ちゃんの先端部分が盗まれちゃったんです!!」

 

 

・・・どうやらまだ小町は動揺しているようだ。だって言ってることがわけわからないもん!

 

ついついもんと言っちゃたけどキモイな俺。

 

それはどうでもいい。えっと先端部分?を盗まれたってどういうことだ・・・

 

聞き間違いか、それとも俺の知らぬ間に首から上が盗まれたのか?え、俺死んでんじゃん。

 

 

結衣「えっと…どういうこと小町ちゃん?」ノ

 

 

由比ヶ浜もこれには引き吊った笑いしか出ない。

 

 

小町「えっとですね、家の家系はみんな代々とある身体的特徴があるんです」

 

 

結衣「しんたいてきとくちょう?」ノ

 

 

小町「はい!それはなにを隠そう小町の頭の上にもあるこのアホ毛です!!」

 

 

頭を見えるように下げてみょんみょんと跳ねるアホ毛を指さす小町。

 

というかそれ代々引き継いできた物だったのか、初めて知ったぞ…そういえば両親もじいちゃんばあちゃんもアホ毛があったな。

 

いやいや、そういう事じゃなくてだ。

 

ふと気になり自分の頭を撫でると確かにない。

 

普段そこにそびえ立つアホ毛がなくなってはいる。でもだ、そんなの今日たまたま髪の毛がしっとりしてるとかであってだな―――

 

 

結衣「そんな!ヒッキーのヒッキーがなくなっている!!」ノ

 

 

小町「そうなんです!お兄ちゃんの・・・お兄ちゃんの・・・ッ」

 

 

・・・なんでこの2人はそんなくだらない事にここまでシリアスになれるんだ?

 

 

結衣「でも先端部分のみをなんて…これは奇妙な事件だねゆきのん・・・ああ!」ノ

 

 

雪乃「(<●><●>)」

 

 

結衣(怖ッ・・・ゆきのんの目が普段より冷たくなった。これはゆきのんのインスピレーションが働いた印なんだ。

流石ゆきのん、もう犯人に目星をつけているんだ)ノ

 

結衣(一体誰が犯人だと睨んでいるの!!)シノ

 

 

雪乃「由比ヶ浜さん、貴方の頭の上にあるそれは何かしら?」

 

 

結衣「え?頭の上に何かある?」ノ ←それ

 

 

八幡「」

 

 

小町「」

 

 

結衣「どうしたの2人とも?」シノ ←それ

 

 

雪乃「(<●><●>)」携帯ピ

 

 

 

 

 

 

 

ピーポー

 

 

 

                  ピーポー

 

 

 

 

                                 ピーポー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして事件は無事解決した。

 

 

ちなみにこの事件から数日後、無事八幡のアホ毛は復元されました。



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ゆきのちゃん最後はスピード解決!

どうも皆様いかがお過ごしでしょうか?

以前感想でシリアスな話もみてみたいとご要望がありどうにかこうにかやってみました。

まだシリアスに慣れていないので今回の話は事件の推理ではなく話の雰囲気を中心に作りました。

本当はシリアスな話の中に謎が盛り込まれた推理物がよかったのでしょうけど…そこはまだ勘弁してください。

何事も慣れない事を一辺にやると失敗してしまう物なので…

今回の見どころは登場人の心象です。分かりにくいかもしれませんがもしあれなら改善点のアドバイスをお待ちしております。

他の感想もどうぞよろしくお願いします。

それでは

謎と悲しみが織りなす物語開場です。






 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日はいつもと変わらない平凡な日常のはずだった。

 

私はその日を迎えるまで信じていた。

 

今ある日常がこれから先も続くのだと。

 

儚い幻想とも知らずにただただ信じていた‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1人きりの部屋、

 

1人きりの食事、

 

母の反対を押し切り始めた一人暮らし。

 

後悔はしていない。

 

だって、あの家にいても私はいつも1人だったのだから。

 

 

どんなに近くにいても、私とあの人達は周りに誰よりも離れている。

 

それなら1人でいたほうがましではあるし、好ましい。

 

学校にいても私は1人きり。

 

教室にはクラスメイトがいる。

 

授業が始まれば先生だってやってくる。

 

それでも私は1人きり。

 

別になんとも思いはしない。

 

これはいつもの光景。

 

何も変わりなくとてもくだらない、いつもの光景だもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になれば私は足早に教室を出る。

 

鍵を開け部室に入った私は誰もいない空間に腰を落ち着ける。

 

誰よりも早く部室にやってきた私はここで彼と彼女を迎え入れる。

 

新しい紅茶を用意して、電気ポットのスイッチを入れる。

 

これで準備は整った。

 

後は本を読みながら待つだけ。

 

電気ポットから微かに白い湯気が立ち込める。

 

もうしばらくすれば彼女がくるころだろう。

 

奔放な笑顔で、優しく微笑むスキンシップがややうっとおしい彼女が。

 

それからしばらくすると彼も遅れながらにやってくる。

 

気怠そうな猫背に濁った瞳の彼が・・・

 

そういえば、私と彼女は自分のカップを持参ししているけれど彼の紅茶は今も紙コップ。

 

いい加減彼のカップも用意しようかしら。

 

・・・深い意味はないのだけれどいつまでも紙コップでは経済的によろしくない。

 

男物のカップなんて買ったことがないのだけれど、どういう物がいいのかしら?

 

以前彼女の誕生日プレゼントを買った時、私が初めに選んだ品々は彼に駄目だしされている。

 

誠に遺憾ね。

 

貰ってうれしいのなら使うのに実用性を求めるのは当り前だというのに…

 

でも、そうね。今度は彼女にお願いして一緒に買いに行きましょう。

 

きっと私1人よりもいい物が買えるはず。

 

そこでふと自分が笑っているのだと気づき驚く。

 

誰かに物をあげるだけだというのに何が面白いのか?

 

人に渡す物なら真剣に品物を見定め機能的、実用的で長持ちする物が好ましい。

 

それがそれまでの私の考え。

 

でも今考えていたのはきっとそれとは別・・・

 

それがなんなのかうまく言葉にできないけれど、不思議と不快ではない。

 

人は変わることができる。変わらなくてはいけない。向上し自分を高めてこそ人は人足りる。

 

この変化が向上なのかそれとも別の何かなのか…

 

まだこの気持ちに正確な名前は付けられないけれど、ただ言えることは私はこれを好ましく思っているということだけ。

 

 

 

 

 

 

 

そんな事を考えていると廊下を走る靴の音が聞こえてくる。

 

コツン、コツンと早足に近づく足音が心地の良いリズムを刻む。

 

この足音は彼女のもだろう。

 

もう少し、あと少しで彼女はいつものようにあの扉を開くだろう。

 

そうしてまた今日もいつもと同じ暖かなあの空間が訪れる。

 

今日はどんな話をしようか、彼が来たらどんな事を言ってやろうか、依頼人は来るのか、またあの小説モドキを読まされるのは勘弁してほしい。

 

私は信じていた。少なくともこの時までは・・・

 

今日も明日も昨日と同じ3人だけの奉仕部、時折来る依頼人。そんな当たり前が送れるのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それがまさかあんな事になるなんて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ見ぬ彼女は扉を開けると焦った顔を私に見せる。

 

それは暖かな笑みでも優しい笑顔でもない。

 

そした開口一番にある事件を告げる。

 

それが悲劇の始まりとも知らずに、私はいつものように本を閉じ、いつものように立ち上がる。

 

事件のあるところに私がある。だって私は探偵なのだから。

 

そう、私は探偵。

 

事件が起これば誰より早くそれを解決する名探偵。

 

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は何もできなかった・・・

 

 

探偵は警察でもなければ医者でもない。

 

 

私にできる事なんてない。

 

 

探偵は事件を解決できる。でもそれは逆に言えばそれしかできないという事。

 

 

私は手を伸ばせない。

 

 

事件を未然に防ぐことも、被害者を立ち直らせることもできない。

 

 

私は何もできなかった・・・

 

私はあまりにも無力だった…

 

 

 

 

 

迷宮なしの名探偵、氷の女王

 

私を評する言葉は数多い、それは尊敬であり畏怖であり称号であり成果だった。

 

 

なんて滑稽なのかしら…誰がどんな名前を付けても私はただの無力な少女だというのに…

 

 

 

彼女足音が近づいてくる。

 

本当は待ち望んだ音のはず。でも、その足音が何より怖い。

 

忌々しい事件が始まってしまう。

 

彼が被害者として大きな傷を背負うあの事件が始まってしまう。

 

 

 

 

贖罪の言葉はもうない、懺悔の時間は終わってしまった。

 

 

これから起こる事件は暖かな空間も優しい笑顔も心地の良いやり取りもないただの悲劇。

 

 

探偵は私、

 

彼女はエキストラとして

 

彼は被害者として

 

物語は始まる。

 

 

 

 

私は雪ノ下雪乃。

 

誰もが認める名探偵。

 

悲劇が待とうと自身の感情を壊し、騙し、押し殺す。

 

目の前に起こる事件を解決する、それが私の役目。

 

 

足音が扉の前でやむ。

 

忌々しく私達に大きな傷を残した。何より彼を傷つけた悲劇が惨劇が幕を開ける。

 

 

美しいほど狂おしい世界(狂気)が待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、事件を始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結衣「ゆきのん大変、悪質なストーカーに追われてるヒッキーがグラウンドを全力で走ってるよ!」

 

 

雪乃「なんですってッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平塚「うおおおおおおおおおおおおおお比企谷うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!私と結婚しよう比企谷!君の将来の夢は専業主夫なのだろう、なら私と今すぐ結婚しよう籍を入れよう子供を作ろうであはないか!私は外で働き八幡が家を守るまさに完璧だろ!収入はある程度安定してるし貯金だってある、八幡に不自由な思いはさせないだから結婚しよう結婚結婚結婚!そうだな本当は一軒家に住みたいところだが手ごろなマンションを借りるのだっていいなッそうだ八幡は確か猫を飼っていたななら動物OKのマンションにしようそうしよう。2人きりの愛の巣で愛を確かめ合おう!あなたは何もしなくて大丈夫全部私に任せてくれればいいから!初体験だろうとなんだろうとしっかり私がリードしてやろう!何も怖い事なんてないさ、八幡はただ天井のシミでも数えていればいい、そうしたらあっと言う間に終わるから!!大丈夫!痛くしないぞ!全部私に任せてくれ、大丈夫だから。大丈夫だから!!本当だから本当の本当に大丈夫だから先っぽだけ先っぽだけ、ちょっとチクとしたらあとは大丈夫だから心配はいらない!一度ヤってしまえば後は本能に任せて毎晩お互いを求め合おう!そしてゆくゆくは2人の愛の結晶を作ろうではないか!!やっぱり初めは男の子がいいが別に女の子でも問題ない、なんなら2人ともつくろう!八幡が望むのなら2人と言わず何人でも作ろう静頑張る!男の子は君のように不器用ながらも優しい子に育ってくれるだろう。女の子でも素敵なレディーになる事だろう!私達2人の子供なんだから余計な心配はいらないな!君はきっと素敵なお父さんになってくれるだろう。君の義妹さんへの愛情は人一番強い、その愛情は子供に注がれても変わらないさ!きっといいパパになるだろう!いやでも行きすぎは何事にも問題があるぞ!でもでもそれ以上に私を愛してくれるのにはなんの問題もないから!どんなに行きすぎでもバッチコイ!ウェルカムだから!ああ、今から楽しみにで涎が・・・もとい胸が高鳴るよ!そういえば君は良く由比ヶ浜の胸を見ていたな。結婚したばかりなのに他の女に目が行くなんて君はいけない男だ・・・いくら八幡でも浮気は絶対に許さないぞ!!!!!!!!!!!!それにあんな物を見ずとも私の胸なら見るなり触るなり、その・・・すすす吸ったり噛んだりしてもいいんだぞ!なんなら君のアレを挟んだりだってしていい!この胸を好きな風に弄んでも構わん!!胸だけではなく私自身も好きなようにしてもかまわないぞ!八幡がどんなにマニアックなプレイが好きでも私は引かないしどこまでも付き合ってやる。SM、ハード、コスプレ、露出、無理矢理が好きなら乱暴にしたってかまわない♥キャハッ♡

さあ、そうと決まれば今すぐホテルに行こう!いいや私の部屋に行こう!なんなら今ここでヤってしまっても構わない!!!!!!!!!!!

でも分かってるよね?もしも、もしも、八幡なら絶対にないと信じているけどもしももしももしももしも浮気なんてしたら許さないんだから!相手が雪ノ下でも由比ヶ浜でも誰であろうと許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!!!!!!!!!!!!!

こんなにも八幡を愛しているのに裏切るなんて許さない!?!?!?

でも大丈夫私はちゃんと分かってるよ?八幡はそんなことしないよね?ね!?もしも仮にそんなことするんなら八幡の事だからきっとやむおえない事情があるんだよね?君はまたそうやって自分を犠牲にして誰かを救おうとするんだよね?そうだよね?そう、全部悪いのは相手のメスが全部悪いんだ…優しい優しい私の八幡に近づこうとするメスなんて全部全部全部!いなくなればいい!!

・・・そうだなんならいっそそんなメス共に八幡が傷つけられないように八幡を私が保護しよう!!鎖で手足を縛ってずっとずっと同じ家で過ごそう!!そうだそうすればいいんだよ!そうすれば世界の全部から私が八幡を守ってあげられる!なんて完璧な計画なんだ!我ながらあまりの完璧さに笑いが止まらないよ!

ハハハハハハは八はハハハハハハハハはっハハハハハハハハハハは八はハハハハハハハハはっハハハハハ!!!

ハハハハハは八はハハハハハハハハはっハハハハハ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安心して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハチマン?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシトケッコンシヨ?

 

 

 

ぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお八幡ぅおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 

 

八幡「うわあああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーポー

 

 

 

                 ピーポー

 

 

 

 

                                ピーポー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして一人の少年の心に大きな傷を残し事件は無事解決した。

 

 

 

 

 



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