もしも、苗木が希望厨だったら (黒いオオカミ)
しおりを挟む

平凡な暮らし

 スーパーダンガンロンパ2? 何それ・・・美味しいの? 狛枝らしさがなくても作者は知らないからね?


「ふんふん・・・今日は、美味しいお料理♪」

 

 タンタン・・・と鼻歌交じりで、包丁で鰐肉(わににく)を切っている少女は、セーラー服にハートのピンク色のエプロンを身に付けている。

 彼女の名は、苗木こまる。兄、苗木誠の実の妹で、兄よりも1歳年下の中学三年生である。

 

「お兄ちゃん。遅いな・・・何処で道草食っているのやら」

 

「やぁ、こまる。ただいま! 御免、帰りが遅くなってさぁ・・・」

 

「おかえり! もぅ、お兄ちゃんは何処で道草を・・・ひぃ!」

 

「あはは・・・こまる、驚き過ぎだよ? そりゃ、昨日クリーニングに出したばっかりなのに、服を汚したのは驚くけどさぁ・・・」

 

「血が、血が・・・」

 

「こまるも慣れてほしいな・・・たかが、血くらい何回か見ているんだからさぁ・・・」

 

 ガタン・・・苗木こまるが包丁を落としてしまうほど、驚いていた。

 苗木こまるが驚くのは無理もないだろう。兄である、苗木誠の服にはショッキングピンク色の血がべったりと付いているのだから・・・

 普通の人でも、自身の兄が血塗れで帰ってきたら、対応に困るものであるが・・・

 

「また、ギャンブルしてきたの!! 血なんて簡単に落ちないんだから、さっさと脱いでよね」

 

「あはは・・・ごめんごめん」

 

 この兄いて、この妹あり・・・この兄弟は異常なのか、人よりも感性がずれているのは不明である。

 

 

 

 血の付いたパーカーと制服を青色の桶に、洗剤を入れて付けて、兄である誠自身に血の付いた服を自身で洗わせて、こまるは料理をテーブルに置いていく。

 

「もぅ! 何で、またギャンブルするのかな? お兄ちゃんは!!」

 

「ほら、落ち着いて深呼吸。深呼吸。それに安心しなよ、こまる。僕が運良く死んでも、生命保険金は全額こまるに入るようにしているからさぁ」

 

「何で、運よくなのさぁ!? それに、そういう問題じゃないよ! もう少し、お兄ちゃんの身も考えなよ!」

 

「大丈夫、大丈夫・・・比較的安全なギャンブルだからさぁ」

 

「比較的安全っていうけど、Eカードとか、鉄骨を命綱なしで橋渡りとかでしょう?」

 

「あはは・・・そんな、アブノーマルなのではないよ。拳銃に6発中5発の弾を入れてのロシアンルーレットをしただけだよ」

 

「もういいよ。何処が、比較的安全なのか全然分かりかねないよ・・・」

 

 「ほら、落ち着いた所だし、もう食事をしようよ」と苗木誠が言うと、こまるが「全然落ち着いていないし、お兄ちゃんのせいでしょう!」とどこでもある兄妹の話し? である。

 苗木兄妹は、「「頂きます!!」」と言い、食事をしだした・・・。

 

「で? こまる。今日の晩御飯は何なんだ?」

 

「見ての通りだけど、シチューとご飯と玉子と野菜サラダとコロッケだけど?」

 

「父さんと母さんが好きな料理だね? 今日は何かいいことでもあったのかな?」

 

「うーん。今日はお兄ちゃんにとっては良い話とこまるにとっては悪い話が二つあるけど、どっちを先に聞くのかな?」

 

「じゃあ・・・こまるにとっては悪い話で。かな?」

 

「ふーん・・・明日から5年間はお兄ちゃんと離ればなれになっちゃいます。寂しくて、寂しくて悲しいんだよ?」

 

「あれ? 意外だね・・・こまるの事だから、僕との血の繋がりのないとかがくると思っていたんだけど?」

 

「そうそう・・・血の繋がりがないと、お兄ちゃんとのあんな事やこんな事が世間帯を気にせずに合法的に・・・って、違うから!! それで、お兄ちゃんにとっては良い話だけど・・・」

 

「あれ? 強制的に話すんだ?」

 

「何と、あの有名私立の希望ヶ峰学園からお兄ちゃん宛に手紙が届きました!!」

 

 そういって、こまるから手紙を貰うと・・・

 

「ねぇ、こまる。ピンセットとかってないかな?」

 

「そこまで、厳重な事しなくてもいいと思うけど?」

 

 そんな会話をしつつ、丁寧に封を開けると・・・『あなたは超高校級の幸運として私立希望ヶ峰学園の生徒に選ばれました。つきましては現在在学中の高等学校を中退して、〇月〇×日に本校に来てください』と書かれた文面があった。

 少し、横暴すぎないか? と思われるような文面が書かれている希望ヶ峰というのは、あらゆる分野で優れた高校生を集めた学園、ここを卒業すれば人生の成功は間違いなしと言われている程で、入学は現役高校生に対するスカウトが支流である。まぁ、僕みたいなゴミ屑みたいな例外もあるけど・・・

 

「あはは・・・まさか、僕みたいなゴミ屑が選ばれるなんて、希望ヶ峰も落ちたものだね」

 

「そこまで悲観するんだ・・・それに、幸運と言えどもお兄ちゃんにはピッタリな才能だよ。私なんか、幸運や不運ですら入学なんて難しそうだし・・・」

 

「それは違うよ! いいかい、こまる。僕みたいなたかが訳有りの幸運程度の才能よりも、こまるは可愛いくて優しくて・・・それに、僕の幸運でいなくならない唯一の大切な妹なんだ!」

 

「ゴメン・・・変な事言っちゃって。だけど、妹どまりはちょっと嫌かな?」

 

「へぇ・・・あはは、ごめん、ごめん。さぁ、食事をしようよ」

 

 そういって食事をすると、シチューをスプーンから救うと・・・鮪の目ん玉が出てきた。しかも、僕に目を合わせて・・・

 

「ねぇ、こまる? シチューから鮪の目ん玉出てきたんだけど?」

 

「へぇ? あ、それ当たりだよ。いいなぁ・・・結構入れたのに、私のは全然出てこないんだよ?」

 

「あ、じゃあ僕のあげるよ。多分・・・いや、結構入ってそうだし・・・」

 

 此れが今回のギャンブルの勝ち分に対する不運が来たのなら安いくらいである。僕はそう思いつつ、コロッケを口に含むと・・・

 

「・・・ねぇ、こまる? コロッケの肉変えたのかな?」

 

「へぇ、気づいた!! 今日はお兄ちゃんの祝希望ヶ峰っていう事で、カンガルーのお肉を使ったコロッケ。で、シチューのお肉は鰐肉と羊の肉を・・・」

 

 訂正・・・やっぱり、不運が大きいよ。

 それと、母さんが生きていた頃は、色々な肉を使って料理したり、下手物料理が多いのは普通の家庭でもあることだよね? そうじゃないと、僕がどんなけ不運すぎるんだよ! と言いたくなるから・・・

 

 

 

 僕は何とか食事を終えた後、お風呂に入る事にした。血渋きとか結構掛かってたし、此れも、不運と解釈すれば安いものだが・・・

 

「はぁ・・・まさか、僕みたいなゴミ屑代表が希望ヶ峰に入れるなんて・・・辞退でもしようかな」

 

 苗木誠は基本的に、ネガティブで人よりも少し後ろ向きである。そんな彼だからこそ、希望ヶ峰はあまりにも大きすぎるのだ。

 無論、苗木は貧乏ではない。ハッキリ言えば、ギャンブルや宝くじで結構設けている分、お金は腐るほどあるのだ。

 そして、何よりも・・・

 

(こまるを一人ぼっちにするのは嫌だからな・・・)

 

 此れが、彼の本心である。

 苗木こまるは中学3年生である。幾ら自炊や家事が出来るとは言え、一人でこの家に暮らすのは可哀想だし、だからと言って、親族の誰かに面倒を見て貰うのも問題はないが・・・それが一番怖いからだ。

 

(辞退でもしようかな・・・こまるの事には変えられないし・・・)

 

「お兄ちゃん! 私もお風呂に一緒に入ろう!」

 

「ちょ、待った。こまる」

 

 僕はすかさず目を隠し、こまるの裸を見ない様にすると、流石にタオルで隠していたらしい。流石に、幸運が回らない(苗木的には、それでいいが・・・)

 

「あれれ、お兄ちゃん。まさか、私が全裸で入ってくると思ったの? 幾ら、兄妹でも弁えるよ?」

 

「こまるが中学生になっても全裸で一緒に入ろうとするからだと思うけど? 一応、僕も思春期の高校生なのにさぁ?」

 

「・・・へぇ? お兄ちゃんは私の事を異性として見てくれてたんだ! じゃあ、次は全裸で入ろうと!」

 

「ねぇ、何でそうなるの? 少しは自主しようよ?」

 

「えー、いいじゃん。兄妹なんだしさぁ・・・じゃあ、身体洗いっこしようよ!」

 

 そういって、僕を持ち上げるこまる。僕の人権なんて関係なく、身体の隅々まで洗いっこされてしまった。

 え? 洗いっこの描写? そんなの書いたら、エロ同人誌のような事になるから、省略するにきまっているじゃん? それこそ、キミ達が妄想すれば希望が見えてくるはずだよ?

 

「ふぅ・・・○ブのナ○ト○ロマは気持ちいいね。お兄ちゃん!」

 

「まぁ、そうだね・・・だけど、こまるとの入浴が此れで最後と考えると寂しいな」

 

「えー、それってどういう意味なのさぁ?」

 

「・・・はぁ。いいか、こまる。希望ヶ峰は全寮制だから、自宅に帰宅も少しだけだろうし、こまるとの会える時間が少なくなるからだよ」

 

「へぇ? だけど、それって強制じゃなかったと思うよ? それに、学園長辺りに頼めば融通は利かせてくれるだろうし・・・」

 

「へぇ? そうなの? 人類の希望とされる才能達同士で共同生活させるのが目的だから、てっきり強制かと思ってたよ」

 

「お兄ちゃんって、超高校級のマニアと言っておきながら、分からない事もあるんだね?」

 

「・・・当り前だよ、こまる。幾ら僕でも、超高校級の才能だけであって、希望ヶ峰の事はあんまりだからね」

 

 一応、言っておくけど・・・あんまりって言っても、希望ヶ峰が何年生や授業時間や全寮制やらは知っているけどね・・・

 そう思っていると、こまるはお風呂から上がっていた。

 

「あれ? もう出るのかい、こまる?」

 

「そりゃそうだよ。洗濯物を洗っておかないといけないし・・・」

 

「あはは・・・察しが悪くてゴメンね」

 

 「それにお兄ちゃん臭を堪能しないといけないしね・・・」とこまるが言った為、「流石に、そんな事をしたら、本気で怒るよ?」と僕も言って、そんな事をさせない為に、上がっておいた。




説明と設定

・私立希望ヶ峰学園って?
 色々な高校生の中の一分野に優れた才能「超高校級」と言われる者が通う事が許された学園。簡単に言うと、一芸入試である。

・希望ヶ峰って何年生?
 5年生設定です。5-Cとかあったりしていたし、プチ大学院みたいなものです。本編には一切関係ありませんが・・・

・時間割は?
 基本7時限目まで存在する、1~5限目:5教科+美術等+体育+情報・6時限目:カリキュラム・7時限目:研究


 まぁ、こんな所です。微妙ですが・・・後々投稿いたします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

入学前

 よくタイトルが書いているから勘違いする読者がいるけど、そんな読者には希望なんて見いだせないね。絶望にもなりえない凡人だよ。


「お兄ちゃん、誰に喋っているか知らないけど・・・牛乳要らないの?」

 

「いや、いるけど?」

 

 僕はこまるから、牛乳の入ったコップを頂く・・・あ、決して読者が考えている様にこまるのぼ「お兄ちゃん、変な事考えていない? 幾ら、私でも怒るよ?」

 

「あはは・・・こまるは、エスパーもあるんだね。感服ものだよ」

 

「兄妹だから、嫌でも分かるんです・・・例えば、お兄ちゃんが隠しているエロ本やエッチなDVDの隠し場所。お兄ちゃんの好きなジャンルとか・・・あと、それと・・・」

 

「あ、もういいよ・・・僕のライフが0に近いから。後、どうやって調べたの?」

 

「そりゃ・・・お兄ちゃんの部屋に隠してあるカメラと盗聴器で・・・って、変な事を言わさないでよ!!」

 

「うん、変な事は言わせたつもりはないし、後で部屋を隅々まで調べないとね・・・」

 

 普通の一般家庭では冗談じみた発言でも、半信半疑程度で信じる程度だけど、僕の妹のこまるは自意識過剰かもしれないが僕が好き過ぎて本気でしかねないからである。個人情報保護法と言った法律なんて苗木家では無意味なのである。

 そんな事を思いつつ、まだ寝る時間帯ではないので適当にテレビを付けておくと、運が良い事に『ピィー』が出ている番組で、超高校級のアイドルである舞園さやかさんが出演していた。

 

『・・・さやかちゃんはさぁ? あの有名な希望ヶ峰学園に入学するって聞いたけど、今でも凄いのに、どうして入学しようなんて決めたのかしら?』

 

『はい・・・希望ヶ峰に卒業して、それをステータスにし、私と同じグループである仲間達と一緒にもっと活躍出来る様になる為に希望ヶ峰に入学を決めまし』

 

 この番組の司会者の様な立場である『ピィー』さんは、舞園さんの発言を聞いて一応納得はしていたが、彼女は意地悪な質問をしてきた・・・

 

『あら、さやかちゃんならソロでも活躍できそうだし、それにあやかちゃんって子なんかグループには場違いって思うけど、それはどう思っているのかしら?』

 

 バラエティ番組でよくあるフリートークは、舞園さんの表情を一瞬だけであったが、引きつっていた。

 『ピィー』自身の他愛もない質問なのか、番組のプロデューサーのイジワルなのかはゴミ屑の僕だからこそ分かりかねないが、答え方次第では彼女の仕事が激減する事も有りえるからだ。

 

(さぁ、舞園さん・・・この絶望からどう立ち向かうのかな?)

 

 そう僕は期待していると、グーギュルルル・・・とお腹が鳴りだし、腹痛に見舞われた。

 僕自身、我慢して舞園さんが何て答えるのかを見ると言う選択もあるが、僕の不運が見舞われたら、トイレが確実に詰まる可能性がある為、潔く行く事にした・・・

 

 5分後・・・トイレで何とか出して、気持ちよくなったので戻ってみると、舞園さんとのディープに近いトークは終わっており、他愛もないトークになっていた。

 

「はぁ・・・まぁ、5分間もトイレに行っていたら、当り前だよね」

 

『さやかちゃんに聞きたいんだけど、希望ヶ峰が70期生から超高校級の幸運っていう運がらみの才能も採用しだしたけど、どう思っているのかしら?』

 

『・・・どうって言われましても、一般高校生から採用しだした幸運や不運も運だけとはいっても、私達の世界も運も必要ですし、入学は当たり前だと思いますよ』

 

『・・・あら、そう。じゃあ、今年の78期生から入学する超高校級の幸運枠で入学する苗木誠って言う子が入学するけど、舞園ちゃん的にはどう思うかしら?』

 

『・・・はい、そうですね。全国の高校生の中から抽選とはいえ、幸運と言っても過言ではないと思います。苗木誠君には私自身も応援し、彼自身も頑張って欲しい思います』

 

『そういうのじゃなくて、舞園ちゃんと苗木君って言う子も同じ出身校だから、どういった関係なのかを聞いている』

 

 またディープな質問であった。スタジオに来ているお客もざわざわ・・・と騒いでいた。

 確かに僕と舞園さんは同じ中学ではあるが、クラスも違うし、僕自身はゴミ屑だと理解しているから一度も話したことがない為、特別的な関係ではない。

 まぁ、それでも・・・テレビや記者からしてみたら、興味のある話題なのだろう。

 

(さぁ、今度こそ・・・この絶望からどう立ち向かうのかな?)

 

 そう思っていると、ピィ・・・とテレビが切られた。

 

「お兄ちゃん!! テレビばっかり見ていないで希望ヶ峰の入学願書と夕闇高校の退学届を書かないとダメでしょう!!」

 

「こ、こまる・・・一応言っておくけど、入学願書が今日届いて、明日には入学式なのに、向こう側の不備なんだからさぁ・・・」

 

「へぇ・・・あ、そうだね。だけど、流石に退学届は書いておくべきじゃあ・・・」

 

「悪いけど退学も糞も、向こうから学校に籍を入れているだけで、一切出席をしなくてもいいって頼んできたんだけど? それこそ電話で頼めば簡単に了承してもらえるけど?」

 

「ご、ゴメン・・・嫌な事を思い出させちゃって・・・」

 

「別にいいよ。僕みたいなゴミ屑が居られるだけで、相当迷惑なのは僕自身が嫌でも理解しているし・・・」

 

 補足しておくと、夕闇高校の校長自身が頼んできた事である。授業に出席はしなくても良い代わりに、テスト時は別の教室で受けて、ちゃんとした点数さえ取っていれば進級や卒業を認めると・・・

 そう言うのを認めるのは、大体が超高校級の才能を持ったものか、訳有りの学生である。

 まぁ、僕みたいなゴミ屑の場合だと、後者だけどね・・・その為、基本的には家で過ごしているのが多いのである。

 

「あまり、こういうのは言いたくないんだけど・・・お兄ちゃんが希望ヶ峰に入学したら確実にイジメ被害にあいそうで怖いし・・・」

 

「あはは・・・イジメに合うなんて、酷い言われようだね」

 

「・・・だって、お兄ちゃんはネガティブだし、希望ヶ峰に入学する生徒の大半が危なそうな生徒だよ? 妹として心配するのは当たり前だよ!!」

 

「まぁ、大丈夫だよ。僕みたいなゴミ屑でサンドバックや空気抜きの代わりになるなら、この身を捧げるし・・・こまるも僕が居ない方が嬉しいだろう?」

 

 「ふざけないでよ!」とこまるは、バン!と机を叩いた・・・

 

「お父さんもお母さんもいないのに、頼れる親戚の人も自身の利益しか考えていないのに、お兄ちゃんがいなくなると、私は一人ぼっちなんだよ? いなくなった方がいいって気軽に言わないでよ!!」

 

「ほら、落ち着いて・・・深呼吸、深呼吸。大丈夫だよ、こまる。こんな兄思いの妹を残して死ぬなんてしないからさぁ・・・」

 

「ぐす・・・それならいいよ。取り敢えず、明日は朝練とかあるし、早く寝ないといけないから、一緒に寝ようよ」

 

「うん、分かったから、引っ張らないでよね」

 

 情けない事に、1歳年下の妹に引っ張られるなんて、自分でも同情したくなるよ・・・

 

 

 

「えへへ・・・お兄ちゃん、一緒に寝ようね!」

 

「分かったから、そんなに引っ付くなよ。それに、ほぼ毎日一緒に寝ているだろう」

 

「まぁ、そうだけどさぁ・・・学校側が強制的に寮生活とかを強いられたら、お兄ちゃんは家にいなくなるし・・・」

 

「まぁ、その場合は希望ヶ峰を辞退するけど・・・」

 

「・・・そりゃあ、お兄ちゃんと一緒にいられるからいいよ。それでも私的には、今のお兄ちゃんは嫌いじゃないけど、希望ヶ峰に入って変わってほしいって言うのが本音かな?」

 

 そういって、僕に抱き付いていた。「ぐぅ・・・」とイビキを掻いて寝ていた。

 

「寝るの早すぎるだろ・・・」

 

 それから数時間後、拷問のような時間である・・・

 ハッキリ言えば、こまるの嫌いな所を一つあげるとしたら、寝相が悪い事である。普通に聞けば、寝相が悪い=蹴りやパンチが飛んでくる。変な方向になっているとあげられるが、こまるの場合は・・・

 

「うぅん、お兄ちゃん。スキィ・・・」ギュ

 

「こまる、頼むから離れてよ・・・」

 

 うちのこまるは、僕と寝る時だけはくっ付いて寝てくるのだ。ただ単にくっ付いて寝るならまだいい。僕の顔に胸を押し当てて、腕に抱き付きながら寝るのだ。逃げる事も出来ないのだ。

 こまるの胸の柔らかい感触と、お風呂に入った時の石鹸の匂いと女の子特有の匂いのせいで、僕の理性が爆発寸前なのである。

 誰もがリア充爆発しろ! と思う展開だが、実の妹である為、手を出さずに耐えなければいけないのだ。これは思春期男子にとっては拷問と言わざる得ないであろう・・・

 

 そんな拷問のような行為をされて数時間、苗木誠は目を覚ましたのは朝の6時半くらいである。

 

「はぁぁああ~! あまり、寝れなかったな・・・」

 

 僕は欠伸をして、目覚まし時計を見てみると・・・本来なら6時40分に起きるべきだが、10分早く起きてしまったようだ。

 

「取り敢えず、さっさと朝ごはんを食べないとな・・・」

 

 そう言って、僕はパジャマ着のままで階段に降りた

 キッチンに行くと、テーブルにはこんがりと焼かれた食パン2枚。目玉焼きと野菜サラダと昨日の残りのシチューである。後は、メモ帳で『私はラクロス部の朝練があるので、昨日の残り物をチンして食べて下さい こまるより』と書かれたメモが置いてあった。

 

「こまる・・・目玉焼きは要らないって言っているのに、僕の分まで作るなよ」

 

 僕は愚痴を零しながら、目玉焼きを別の所に置いておく。一般家庭での目玉焼きは、玉子を割って焼いたのが支流だろう。苗木家の目玉焼きは、鮪の目ん玉を焼いたのが支流である。

 そりゃあ、目玉焼きよりも健康にいいよ。DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)やビタミンB1などが含まれているらしいよ。原型さえなければの話しだけど・・・

 

「はぁ、テレビでも見るか・・・」

 

 ピィっと動かしにくい左腕を使ってリモコンを変えると、丁度良く○スドのCMであった。

 

『あの、オリンピック候補生と言われる程の有名な超高校級のスイマーである朝日奈葵さんも食べているドーナツは、この○スター○ーナツ店のドーナツです』

 

『えへへ、○スター○ーナツ店のドーナツを食べて、全国大会も優勝しているんだよ』

 

 そういって、スクール水着の朝日奈さんが○スター○ーナツ店の袋を持ちながら、そこからドーナツを一つだけだし、それを食べて見せていた。

 

『そんなドーナツが、なんと全品10円引きでお売りいたします!』

 

『びみょ・・・10円引きされたら、どんなドーナツもお手頃に食べられるよ!!』

 

 うん、おもっきし微妙って言いかけていたけど、確かに微妙だね。10円引きされても300円の商品なんてあるのにさぁ・・・




 現実的に考えて、超高校級と言われる生徒が●いとも等や●曜は●ふかしに出て来るのかが怪しいんだけど・・・
 だれか、ハールメンでルビ等の仕方を教えてくれると嬉しいです。

それと、
『俺ガイル』比企谷八幡の前世が織田信長のようです
『俺ガイル』総武高校に花山薫が入学するようです
『ダンロン』もしも、苗木がカムクライズルプロジェクトを受けたら(苗舞要素)
『俺ガイル』比企谷八幡が希望厨のようです
『俺ガイル』坂町銀時が、比企谷八幡に転生したようです
『ダンロン』苗木の前世がヒトラー(もしくはスネーク)のようです

・・・思いついたけど、描けないので、誰か書いて頂けると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ニューダンガンロンパV3 希望厨の二人(体験版)1

 まぁ、簡単に言いますと、本編に入る前にニューダンガンロンパV3作者も購入したのと、体験版では苗木と日向が出て来るため、だったら、二人とも希望厨にしたかっただけです。


 「うーん」と彼は目を覚ますと、見慣れない教室であった。彼は見回しても、やはり自分が居た世界の教室とはあまりにも似て似つかないだろう。

 

「あれ? ここはどこだろう? (黒板は電子黒板みたいだし、窓は鉄板ではなく鉄格子と有刺鉄線みたいだね・・・)」

 

 彼は冷静に分析し、自身のポケットに手を突っ込む。自身の幸運で、窓の鉄格子を外す道具が出て来るだろうという期待があったのだろう。

 だが、世の中そんなに甘くない。幾ら、彼が超高校級の幸運でも、この状況下を打開できる物など出て来るわけでもなく、○マホが出てきた。

 

「何だろう・・・これは○マホだね」

 

 ○マホのスイッチを押すと、現れたのが、一つだけ謎のアプリがあり、それにタッチすると・・・

 体験版・コロシアイ新学期の手引きと書かれた書類が現れた。その書類には、今年度入学する生徒の写真や胸囲や身長や体重や超高校級の才能と個人情報保護法やプライバシーを一切尊重しない表記が書かれていた。

 

「えっと、何々・・・超高校級のピアニストや超高校級の保育士・・・へぇ、総統やロボットもいるんだね。だけど、地位絡みの才能や運絡みの才能は存在しないんだね」

 

 彼は残念がっていた。理由は明白だが、決して自身が幸運だから、今年度にも幸運が来なかったことに残念がっている訳ではなく、自分の様なゴミ屑がいて、初めて他の超高校級が輝かせられるのに、この学園では幸運なんて才能はいないのが、彼にとっては絶望的なのだろう。

 

「(あぁ、絶望的だね。僕の様なゴミ屑がいないなんて、どうやって他の才能を希望として輝かせられるんだろうね) うん、これは?」

 

 下らへんをスクロールすると、体験版・コロシアイ新学期コロシアイをするまでの過程(苗木ver)と書かれたのを見つけたのであった。

 それをタッチすると、面白いものを見つけたのであった。

 

「素晴らしいよ。これなら、超高校級の皆を希望に輝かせられるよ」

 

 その表情には、希望と絶望を混ぜたような不気味さと気味悪さがあった。

 一方、赤松楓は眠っていた。苗木と同じ教室である。普通なら、気が付くはずなのだが、まぁ、それはご都合主義である。

 

「ええっと、へぇ、この子は赤松楓。超高校級のピアニスト。あまり、才能と外見と名前が全然合ってないね」

 

 そうツッコミながら、彼女を見ていく。名前と外見が全然合ってはないが、ハッキリ言えば可愛らしい女性である。

 やはり今時の高校生だからか化粧はしているが、薄化粧である。顔もだが美人である。体系は少しふくよかだが、女子高校生の平均バストよりかはかなりの大きさである。まぁ、最も名前とは違って外見がギャルぽいやビッチぽい為、誰がどう見ても名前の赤松楓とは到底思わないだろう。

 

(まぁ、そういう事は置いといて、起こさないとね)

 

 苗木はモノパットには指令所と書かれており、行動1「同じ教室にいる女主人公(仮)を起こす事」と書かれていた為、その通りに赤松を起こそうとする。

 

「おーい、赤松さん」

 

 ゆさゆさとゆすってみたが中々起きず、赤松は熟睡したままである。仕方ない為、ポケットから動くコケシを取り出す。

 動くこけしとは、ダンロン1・2ででてくる底部のスイッチを押すと震えだすこけし人形。もっともダンロン3では出て来ないし、ハッキリ言えば謎アイテムである。最も、如何わしいことに使うなら別だが・・・

 どうして、そんな変なアイテムがポケットから出てきたのかは彼の幸運だからか、主人公のご都合主義かは不明だが・・・

 

「おーい、赤松さん。起きないなら、これを使うけど、僕は悪くないよね」

 

 そう言って、苗木は・・・部分に当てると、後ろのスイッチを動かし、最強にする。ブゥウウン・・・と強い振動が赤松を襲う

 1分も経たない内に「んぅううう・・・」と頬を真っ赤にさせて、変な声を出していた。流石に、赤松もこれでは確実に目を覚ましたのであった。

 

「へぇ、なにそれ・・・」

 

 赤松は苗木が振動しているこけしを見て、状況を理解するのにそうかからなかった。

 

 「変態!!」とどっかの静ちゃんみたいな大声を出して、苗木をおもっきし叩いたのであった。

 幾ら、赤松さんのような美少女に叩かれるのは嬉しいかもしれないが、そう何度も叩かれるのは嫌な為・・・

 

「と、取り敢えず、話しを聞いてほしいんだ」

 

「話しって・・・何ですか!! 変なことを言い出すんなら、怒りますよ」

 

「あはは・・・大丈夫だよ。僕のことを信じてほしいんだ。まず、僕が動くこけしを使って、何に使ったと思っているんだい?」

 

「そ、そりゃ・・・」

 

⇒いかがわしいこと

・マッサージ

・起こす事

 

「(口が裂けても絶対に言えない・・・) い・・・です」

 

「ねぇ、赤松さん。僕は残念ながらエスパーじゃないんだ。ハッキリと〈放送禁止用語〉をされたと・・・」

 

 無言で、赤松さんの右ストレートが僕のお腹におもっきし入ったのは言うまでもなかった。

 

「キミはピアニストではなく、戦犯ボクサーに変えるべきだよ・・・」

 

「キミが、変なことを言わせるからでしょう!! 念の為に聞いておくけど、変なことはしてないよね?」

 

「・・・ほっぺたに当てただけで、赤松さんが想像しているような所には当ててないよ」

 

「変なことなんて想像してないから!!」

 

 ふと、赤松は違和感を感じたのであった。当り前だが、赤松は彼にあっていない。何故、彼が私の名前を知っているのだろうか。もし、知り合いだったら失礼だが、一応聞いておくことにする。

 

「えっと、失礼を承知でだけど、キミって私と一度会ったことでもある?」

 

「うん、一度もあっていないよ。ただ、新入学制の資料を見ただけだよ」

 

「えっと、失礼ですけど、まさかこの学校の先輩でしょうか?」

 

「まぁ、一応そうなるかな。自己紹介をしておくと、僕の名は超高校級の幸運。苗木誠。宜しくね」

 

「え・・・あ、私の名は超高校級のピアニスト。赤松楓です。すいません。てっきり、同級生と思ってため口で話して・・・」

 

「あはは・・・いいよ。敬語なんかで話さなくても。僕みたいなたかが運程度で入っているようなものだからさぁ。僕のことをゴミ屑だと思って接してくれればいいよ」

 

「(変な人に絡まれたなぁ・・・) 流石に、先輩をゴミ屑と思って接するほど人間ではないですし、それに、私も超高校級のピアニストって言われていますけど、ただのピアノ馬鹿で超高校級になれたようなものなので、殆ど運みたいなものなので・・・」

 

「じゃあさぁ、無理して敬語とかは止めてくれていいよ。先輩後輩って言っても、年が一つか二つ離れているだけだからね」

 

「そっか、じゃあ、苗木さん。宜しくね」

 

 「よろしくね、赤松さん」と僕も答えると、取り敢えず、手帳もとい○マホを確認すると、2「赤松楓に自分が居た机を確認させる」と書かれていた。

 新入学生の資料について、とある疑問があった。確かに、自身は超高校級の人材だが、まだ入学は決めていないし、何故か目を覚ましたら、ここに居た状態である。だからこそである。

 

「(苗木さんなら知っているはずだよね・・・) ねぇ、苗木さんなら知ってますか? この学園はなんなのか?」

 

「その前にさぁ、机にある紙を確認したら、どうかな?」

 

 私はそう言われて、自身の机を見るとよだれでべったりとなった紙がある。

 それを確認すると、1枚目は『お願いします。体育館に来て下さい。体育館に来てもらわないと、話しが進まないのです』と書かれており、2枚目は『でも気を付けて下さい。他の連中がうろついています。話し掛けると、自己紹介をする羽目になります』と書かれていた。3枚目は『他の連中と自己紹介をするのは自由ですが、とにかく体育館に来てください。マジでお願いします』

 

「えっと、これって行きべきかな?」

 

「ここまでお願いしているなら、行くべきじゃないかな?」

 

「あ、そうですね・・・えっと、苗木さん。お願いがあるんだけど、体育館まで案内してほしいんだけど」

 

「あぁ・・・僕自身、この学校のことはあまり知らないんだ。ゴメンね、僕みたいなゴミ屑がキミの先輩にあたるなんてさぁ・・・」

 

「えっと、苗木さんはこの学校の先輩じゃないんですか? じゃあ、一緒に行かない?」

 

「いいのかい? 赤松さんは優しいね。僕はなるべく赤松さんの視界に入らない様に存在感を消して、同行するよ」

 

「えっと、別に存在感を消さなくてもいいですよ」




まぁ、なんていうか・・・ちゃんとダンロン1は書いていきますよ(震え声)。ただ、書いてみたかっただけです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ニューダンガンロンパV3 希望厨の二人(体験版)2

 取り敢えず、もう一人の希望厨も登場させようと思います。


 取り敢えず、僕達は教室から出て、辺りを見回すと、チャラチャラした男性。俗に言うチャラ男と目があい話し掛けられた。

 

「やぁ、どっもす。キミ達も目を覚ましたら、この学園にいたんすか?」

 

「えっと、そうなるけど・・・キミは?」

 

「あぁ、俺っすか? 天海蘭太郎っす」

 

「えっと、私は超高校級のピアニスト。赤松楓です」

 

「僕の名は苗木誠。あまり自慢もできないし、たいした才能ではないけど、超高校級の幸運だよ。一応、こんなゴミ屑のような才能だけど、キミの先輩にあたるのかな?」

 

 「え? そうっすか」と少し驚いた表情であった。苗木は天海にたいして「ねぇ、聞いておきたいんだけどキミの才能は何かな?」

 

「あぁ・・・ちょっと言いづらいすね」

 

「へぇ・・・言いづらいって、例えば・・・超高校級の殺人鬼や暗殺者だから、いいづらいのかな?」

 

 苗木君、にぃっと不気味な笑みで言うと、赤松は驚いた表情で「えぇ、そうなの!?」っと驚き、天海から少し離れた。

 

「あぁ・・・そんなんではないんす。てっか、赤松さん。俺から離れないで下さいよ。傷つきますよ。後、苗木さん。俺の才能はそんな物騒な才能ではなくてですね・・・」

 

「・・・なくて? まさかと思うけど、超高校級のナンパ師とかそういう女性をあんなことやこんなことをする才能なのかな?」

 

「え!? ごめん、天海くん。私の半径5m離れてほしいんだけど・・・子供を身籠りたくないし・・・」

 

「身籠りませんっすよ!! 本気で傷つくっすよ。俺よりも赤松さんの方が、遊びなれているイメージがあるっすよ」

 

 ・・・天海自身、赤松の外見で見た感想を口を滑らしてしまい。「あ、しまった・・・」と言う表情であったが、もう遅い。

 

「はぁ・・・!? 酷い。人を外見で判断するなんて、信じられないんだけど、どういう神経しているのよ!」

 

「それ、そのまま赤松さんにお返しします。ハッキリ言ってブーメランっす。俺自身も言いますけど、童貞っすよ」

 

 「え」と苗木と赤松は驚いた表情になり、天海も「変な意味で傷つくっすよ」と言ったのであった。

 

「取り敢えず、念の為に言っておきますけど、俺自身の才能はヤリ○ンやナンパ師や○V男優みたいなアウトな才能ではなく」

 

「僕達がこの学園にどうやって連れてこられた記憶と一緒に自身の才能とかが思い出せないんだよね」

 

「・・・あ、そうっす(新手の後輩に対する嫌がらっせすかね?)。なんっつか俺だけはぶられているようで、嫌なんっすよ。まぁ、こういう状況下ですけど、決して怪しい者ではないことは断言するっす」

 

「こういう状況下? ってどういうこと?」

 

「・・・あぁ、そうっすね。他の何人かに聞いてみたんすけど、みんな何時どうやってこの学園に連れてこられたのか覚えていないって言うんで、下手すれば記憶喪失みたいっすね」

 

「待ってよ。流石に記憶喪失は大袈裟だよ。多分、多分だけど・・・記憶が混乱しているだけで、すぐに・・・」

 

「ねぇ、赤松さん。何でさぁ、楽観的なのかな?」

 

 「え? 楽観的って?」と赤松は答えると、苗木が「はぁ・・・キミって超高校級なのに、状況が整理できなさすぎるよね」と答え、そのまま続けてくれた。

 

「ねぇ、天海くんの話しからすると、僕も含めてここにいる全員が、何時どうやってこの学園に連れて来られたってことを覚えていないんだよ。それを記憶が混乱しているだけで片付けるってポジティブすぎないかな?」

 

「え、そうかなぁ・・・だけど、本当に混乱しているってことも」

 

「だから、それが楽観的って言っているんだよ」

 

 苗木くんは、少し怒った表情で、そのまま続けてくれた。

 

「ねぇ、考えてみてよ。一人や二人ならまだしも、僕や赤松さんや天海くんだけなら、記憶が混乱しているって片付けられるけど、それがここにいる全員だよ? ねぇ、普通に考えてみたら異常だとは思わないのかい?」

 

「そ、そうだけどさぁ・・・流石に大袈裟じゃあ・・・」

 

「まぁ、赤松さんみたいにポジティブに考えるのもいいかも知れないすっけど、俺も苗木さんの意見には同意すね。下手すれば、何かの犯罪に巻き込まれたか、集団催眠や洗脳といった可能性もね・・・」

 

「天海くん、怖い事言わないでよ! とりあえずさぁ・・・他の人にも聞いてみて、誰か覚えているかも知れないしさぁ・・・」

 

「ふぅ・・・ん。まぁ、その可能性も捨てられないね(赤松さんはポジティブが取りえか・・・まぁ、こんな状況下じゃあ、ポジティブは無神経と同じだけどね・・・)」

 

 

 些細な切っ掛けや発言一つで相手を怒らせる可能性だって高いのだ。特にこういう監禁状態では、幾ら悪気が無くても、最悪の事態とて起こりえるのだ。そう考えると、苦笑いしてしまっていた。

 そんなことを苗木が考えているとは知らず、赤松は次に話しかけたのは、ガタイがよく、ムキムキなのにも関わらず、虫かごを持っている人であった。しかも、何故か裸足である。

 赤松さんは少し怯えながら「あの・・・ちょっと、いいですか?」と聞くと、「・・・え、ありがとう!」と発言違いの言葉で返されたのであった。

 

「あはは・・・いきなりどうしてお礼なんて言うのさぁ? 僕達がお礼をされることは一切していないのにさぁ?」

 

「ご、ごめん・・・ゴン太は見た目が怖いからさぁ、あんまり話し掛けて貰えなかったんだ。だから、紳士的にお礼を言ったんだ」

 

「ふぅん、そうなんだ。大した才能がない僕が言うのもなんだけど、紳士なら、先に自己紹介をするべきじゃないのかな?」

 

「あ、そうだね。僕の名前は獄腹ゴン太。超高校級の昆虫博士なんだ」

 

 彼、ゴン太に自己紹介されたので、僕達二人も自己紹介を終えると、「昆虫博士なんだ・・・」と赤松さんは言った。

 

「君は昆虫が好きなの?」

 

「えっと・・・(正直に苦手って言うべきかな)」

 

「・・・まさか、昆虫が嫌いなのかい?」

 

「えっと、それは・・・」

 

 「どうして! 昆虫が嫌いなんだね!!」と鬼の形相で、赤松さんを睨みつけていた。その迫力には、僕も驚いてしまった。

 こんな所で、しかも殺し合いを強要されてもいないのに死人が出ても困るので、「赤松さん。獄腹くんに嘘でもいいから、昆虫が好きっていいなよ」と僕は囁いておく。

「えっと・・・嫌いじゃないよ。むしろ好きだよ」

 

「・・・そっか、昆虫好きには悪い人はいないからね」

 

「はぁ・・・もし、昆虫が嫌いなんて言ったら、確実に死人が出ていたね」

 

「うん、だけど・・・昆虫が嫌いってハッキリと言った人がいたから、つい手が出てしまったんだよ」

 

 獄腹くんのアウト発言を聞いて、よく言えたものだと内心思いつつ、その場を去る事にした。

 私達がいるのは玄関ホール付近だろう。すると、男女が喧嘩をしているのであった。流石に、見て見ぬ振りなんて出来ないので、止めに入ることにした。

 

「ちょっと、止めなよ。二人とも・・・」

 

「ちょっとアンジーを止めないで欲しいな。神様のことを信じさせようとしているのに・・・」

 

「はぁ・・・夜長さんさぁ、神様なんているわけないでしょ。もし、神様がいるなら、この状況下を打開してくれるよね?」

 

「それは凪斗が神さまを信じていないからだよ。神さまを信じれば、この状況を何とかしてくれるから」

 

「・・・笑わせないでよ。それはキミの設定の話しでしょ? そもそも神さまなんてフィクションの存在が何とかしてくれるなんて期待しすぎているよね。いい加減に現実を直視したら・・・」

 

 そう言われた瞬間であった夜長の表情は真っ赤になり、「凪斗なんて、六親等親族まで罰が当たればいいんだよ!!」と大声で叫んでどこかにいったのであった。

 流石の赤松も「ちょっと、何で喧嘩していたかしらないけど、言い方が・・・」と言おうとした時に、「君だって、才能がないくせに偉そうに言わないでよ。○○さん。それに、人のこと信じられない癖に・・・」と言って、どこかに消えたようだ。

 

「ちょっと、私は赤松であって、○○じゃあ・・・」

 

「止めておきなよ。赤松さん。狛枝クンは基本あんなのだから・・・」

 

「狛枝くん? ・・・えっと、じゃあ苗木さんは狛枝さんと同じ?」

 

「うん、僕と同じで平凡で大した才能のない凡人と変わらない超高校級の幸運だよ。そして、ここの生徒ではもないのもね」

 

「(苗木先輩みたいに、後ろ向きとかじゃなく、やさぐれ感が半端なかったなぁ・・・) そうなんですか。そんな事よりも、あの子を探さないと」

 

「あの子? あぁ、白髪の長い女子だよね? 多分、こっちだよ」

 

 「え、ちょっと・・・」と言って、苗木さんの行くところに仕方なく付いていくことにする。

 着いた場所は私達が居た教室で、彼女は泣いていた? と言うべきなのだろうか? 多分、お祈りをしているのだろう。

 

「えっと、なんで彼女がいる場所とか分かったの?」

 

「まぁ、ほら・・・僕の才能は幸運だからね。運よく、彼女を見つけられたんだよ」

 

「ねぇ、アンジーはお祈りを捧げているんだ。それとも、どちらかがイケニエになってくれるのかな?」

 

「えっと、そうじゃなくて・・・その、心配だからさぁ?」

 

「心配? 心配してくれたんだ。大丈夫だよー。凪斗には、神様が罰を与えてくれるから」

 

「えっと、そうなんだ・・・(電波系なのかな。ちょっと、距離とか取るべきかな? だけど、クラスメイトになる可能性も高いし・・・)」

 

「ねぇ、その前にさぁ、アンジーさんだっけ? 自己紹介してくれないと、僕達には、君が誰なのか分からないからさぁ・・・」

 

「ごめん。じゃあ、アンジーはね。夜長アンジーだよー。超高校級の美術部員なのだー」

 

「えっと、私は赤松楓。超高校級のピアニスト。で、この人は・・・」

 

「僕は苗木誠。超高校級の幸運。こんなゴミ屑みたいな才能だけど、君の先輩にあたるんだ」

 

 「ふむふむ・・・そうなんだねー」と言って、何か考えているかの様子であった。




 ダンロンV3のキャラのアンジーがすごく書きずらいですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。