僕と天狗の取材録 (彩風 鶴)
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プロローグ

注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・妄想過多
  ・自分設定
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
  ・不定期更新
  ・文ちゃんかわいいよ文ちゃん
         
       以上が苦手なかたもせっかくなので是非ゆっくりしていってください


  

 

 

  

  僕の名前さや・・・漢字で書くと刀を入れる<鞘>とかく

  僕は今紅魔館と呼ばれるお城で困り顔の吸血鬼さんと殺気にあふれた目をしたメイドさん・・・

  そして僕の師匠(?)である天狗であり新聞記者をしている射命丸文さんはにこやかな顔で

  交渉を続けている。。。

 

  誰か・・・・・・・・・・・・助けて・・・下さい・・・・・・・

 

 

 

~~~~~~~30分前~~~~~~~~~~~

  

僕は湖畔にある赤くて大きくて綺麗なお城の前でつぶやいた。

「ここが...紅魔館......綺麗なんだけどちょっと不気味・・・かな・・・?」

僕は文さんに頼まれて紅魔館というお城に取材交渉に来ています。

 

 

で、肝心の文さんは氷の妖精の証言だとかでネタ集めにいっちゃいました。

「と...とにかく屋敷に入らないと...ととっ!?」

そのとき、僕の視線の先には緑色のチャイナ服に<龍>と書かれた帽子をかぶった赤髪の女の人がたっていた。

 

 

「す、すすすいません!!ぼくはあ、あの...その...怪しいものとかではなく、その、なんかあのぶ、ぶ文々。新聞の...その...えっと...スタ...ッフ...?でして、そのいきなり押しかけてきて失礼なのは承知なの......です......が......?」

あれ...?もしかして寝てる...のか...な?僕は慎重に近づいて帽子を取ってみた...。

あ......これ完全に寝ちゃってる............。

そーーーっとぼくは門をくぐり抜けた。

 

 

 

  

 

僕は紅魔館の門を軽くノックする。

「あのーーだれかいませんか?」

到底聞こえることはないような弱々しい声で言ったのだが...、

答えるようなタイミングで「はい?」と綺麗な声が返ってきた。

それと共にお城のドアが開いてメイド服を着た、まさに<瀟洒>といった感じの女性が顔を出し...、

「どちらさまでしょうか?」

と、尋ねる。

僕はしどろもどろになりながら

「えっと......そのぼぼ僕はぶ、文々。新聞のものでして...あの...取材交渉に......。」

「文々。?...あぁあの天狗の......それで取材交渉って?」

「え!?そのあ...えっとす、すいません僕も急に文さんに言われたもので...あまり詳しいことは...」

「......まぁとにかく客室にお通しするわ。さ、入って」

明らかに怪しかったと思うが...優しい人で良かった......。

とは言っても、さすがに警戒されてるだろうし...できるだけ失礼のないようにしないと......。

そして僕は客室とは思えないほど大きな部屋に通された...。

 

 

 

「さて、で...あなたは何をしに来たの?」

「えっとですね...あの...文さんに<紅魔館の取材をするから取材OKか聞いてきて>と頼まれまして...それで文さんに色々訊こうとしたのですが......。」

「あの天狗のことだしネタ探しに行ってくるとでも言い残してどこかに行っちゃったんでしょ?」

「はい」

と僕は苦笑いしたが、メイドさんはスルーして

「そういえば名前きいてなかったわね」

と言った。

「あ、ごめんなさい僕は心音さや、漢字で書くと刀を入れる<鞘>と書きます」

「鞘...ね、分かったわ、私は十六夜咲夜。この紅魔館でメイド長をしているわ、よろしく...とにかくあの天狗が来ないことにはしょうがないようね...待ってて、今お茶を持ってくるわ」

「あ、お、お構いなく」

あぁ...行ってしまった。はぁ......ちゃんとしゃべれていただろうか?まぁそれにしても.........。

「綺麗な人だったなぁ......」

「咲夜さんですか?」

「はい!なんかこう...女性の中の女性ってゆうか、しかもメイドさんってとこがまt.........」

あれ僕いま誰としゃべって...?

「妖精の情報といえど侮ってはだめですねぇ、なかなかおもしろいネタがはいr」

「ああああああ文さん!?えっ!ちょっと!いつからそこに?」

「自己紹介に入ったあたりから」

「えっ...えっ......?なな、何でいるって言ってくれないんですか!」

「いやいや...なかなかおもしろかったものですから...。」

そういうと文さんは、おもむろにカメラを取り出して僕の目の前に突きだした。

そこには咲夜さんと手を前に突き出して...焦るというよりはパニックになっている。といったほうがいいようなそんな様子僕が写っていた。

 

 

「けっけけ消しtてくくkださいい!!!」

僕は必死で交渉するが文さんはにっこりと笑って...

「5万円になります」

「そんなせっしょうなぁぁぁ!!」

そんな会話をしているとドアが開き、

「ずいぶん騒がしいわね......」

と、おしゃれなティーカップののったお盆を持った咲夜さんが入ってきて.........そして絶句する

「あ、お邪魔してます」

「............玄関の鍵は閉めたはずなんだけど......」

「あぁ、そこの窓があいていたので...。」 

「......。」

「あ、文さんそれはさすがに...。」

咲夜さんは諦めたような顔をして...

「まぁいいわ......それよりお嬢様が広間に通すようにって...。」

あぁ咲夜さん怒ってる...完全に怒ってる

「ありがとうございます!」

あぁ文さん頼みますからもうちょっと咲夜さんの逆鱗に触れないように......。

 

 

 

あぁ、これは苦労しそうな予感が.........。

 

 

           続く...。

  

 

  

 




いかがでしたでしょうか。まあ中2の作品だしこんなもんだろ・・・程度で
見ていただけるとありがたいです。いやぁ文はかわいいですね。いやもう
あのあれですなんというかその・・・あれです。

    それでは第1話であいましょう(というか会いに来て下さいお願いします)


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紅魔館の取材
1章 1話~紅魔館の取材交渉~


 注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・妄想過多
  ・自分設定
  ・不定期更新
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
  ・文と結婚したい

       以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていってください


ふぅ・・・・・・これは・・・まずいと・・・思う

右には満面の笑みの文さん  左には喋ってくれなくなった咲夜さん

どうしよう・・・・・・そもそも今僕はどこに向かっているんだ・・・?

それにお嬢様って・・・?あぁもうわかんないことが多すぎる・・・・・・そして考えるのをやめた・・・

 

 

そして僕はとても大きな部屋に通され・・・その部屋の奥に一人の女の子が小さな体とは不釣り合いな大きないすに座っていた・・・・・・そこからはなんだかカリスマ性のようなものがにじみ出ている・・・・・・ような気がした

僕は文さんにきく

「あの方がえっと・・・<お嬢様>なんですか?」

「えぇ、そうでs」

文さんが言い終わる前に咲夜さんが早口で答える

「そうあのとてつもなくかわいいカリスマが溢れているお方があなたの言っているお嬢様・・・つまりこの紅魔館の主であり由緒ある誇り高き吸血鬼のレミリア・スカーレット様よ」

・・・・・・・・・えっ?いきなり水を得た魚のようにしゃべり出す咲夜さんの豹変ぶりにも驚いたが僕はそれよりもさっきの咲夜さんの言葉が引っかかった

きゅ、吸血鬼!?

 

 

「えっちょ、え!?き、きゅきゅくうけつきぃ!?」

口を半開きにして驚く僕に咲夜さんが

「鞘、落ち着いて、とりあえず素数でも数えなさい」

「えっと・・・1、3、5、⑨・・・・・・じゃなくてきゅっきゅきゅ吸血鬼ってどういうことですか!?」

叫ぶ僕をよそに咲夜さんが文さんに言う・・・

「あなたねぇ・・・・・・いくらなんでもここまで知識のない子を取材交渉によこすって・・・せめてある程度紅魔館について教えてからにしなさいよ」

「あいにくにも忙しかったものでして」

えっ?いやいやいやえっ吸血鬼あの女の子が?嘘でしょ?いやよく見たらなんか羽とかついてるけど・・・・・・・・・

「鞘、あなた烏天狗をみても驚かないのに吸血鬼をみると驚くのね・・・・・・」

「いやだって吸血鬼っていったら・・・えええっと血を吸うんですよねそそそうだじゅじゅ十字架あと杭とにんにくと日光と・・・・・・」

「だめだ、この子はやくなんとかしないと・・・」

咲夜さんがものすごく乾いた目で僕を見ている。そして僕に聞こえないように文さんにささやく

「この子幻想郷入りしてどれだけなの?ずいぶんと日が浅いんじゃ・・・・・・」

「えぇとですねぇおそらく昨日になります」

「昨日!?ああ通りで・・・・・・でも紅魔館までどうやってたどり着いたのよ?」

「ああそれはですね・・・「咲夜」

文さんが何か言おうとしたときにあの女の子が上品でよく通る声でいった

「いつまで私抜きで話をする気かしら?」

咲夜さんが焦りながら

「もっ申し訳ございませんお嬢様!」

「まぁいいわ、とにかく立ち話もなんだしそこのいすに掛けなさい・・・咲夜は私の分の紅茶を・・・・・・」

咲夜さんが血相を変えて

「はっはい!ただいま」

と、慌ただしく部屋を後にした・・・・・・

えっと、ちょっと待て、あの子は吸血鬼でお城の主で・・・ってことはここは吸血鬼のお城で今からそのお城に取材しようとしているんだよね・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・殺されるかもしれない!・・・

 

 

血相を変える僕をよそに文さんは平然と「失礼します」といすに座っている・・・僕は必死に

「あああああ文さんっっっしし死んじゃう殺されるるるるににに逃げましょうっ!」

と訴えるが吸血鬼はもう僕らの向かいの席に座っている・・・

(もうだめだこれは・・・死んだな・・・)僕が顔面蒼白で突っ立っていると吸血鬼がゆっくりと口を開いた

「咲夜からきいたわ<鞘>だったかしら?天狗の助手をしているとか」

「えっ!?ふぁっふぁい!」

もう何が何だかわからないうえ、いきなり話しかけられたので変な声を出してしまった。そして文さんはさも当然のように吸血鬼と喋っている・・・・・・

「助手というとかわいそうですし一応名目上は弟子と言うことで」

「そう。それから鞘、」

またまた話しかけられて体が強張る

「吸血鬼に変な先入観を持ってるみたいだけどあなたが思っているほど吸血鬼って言うのは恐ろしいものじゃないわよ」

「っ!?はっはい」

そのこえは妙に安心できて僕の中の恐怖が不思議と和らいでいった・・・・・・。何だろう?この感覚前にもどこかで・・・まぁ考えても仕方がないと思い、僕は落ち着いて深呼吸をし、素数を数えた上でいすに腰をかけた。

 

 

「それで取材交渉の件だけど・・・・・・」

「はい」

文さんがにこやかにこたえる。

「断らせてもらうわ」

吸血k・・・・・・えっと・・・レミリアさんの取材拒否に対して文さんは表情一つ変えずに

「なぜでしょう?」

と問う・・・・・・咲夜さんが紅茶を持ってきてレミリアさんの前に置いた。レミリアさんはそれを一口飲んだ後

「理由は一つではないけれどもあなたの言う取材というのはずいぶんと時間をとるものなんじゃないかしら?」

「そうですね。今回のは<紅魔館の住人の一日!>というのを考えていまして単純に一日かかると思います」

「そう。そうだとしても・・・・やはりうなずけないわね・・・こちらとしてもメイドたちやパチェのそしてもちろん私のプライベートってことがある訳よね?。そう簡単に<どうぞ>という訳にはいかないのよ」

そして文さんが言う

「プライベートというのは・・・たとえば咲夜さんのPADについてとかですか?」

そして次の瞬間僕は奇妙な体験をした。文さんが喋り終わった瞬間咲夜さんが見えないような速さで位置を若干移動したかと思うと文さんの周りには無数のナイフが刺さったような傷が見えた・・・何をいってるか分からないと思うんですが僕もなにがおこったか分かりません・・・。レミリアさんが「咲夜・・・」と困り顔で呟くと咲夜さんは「・・・・・・・・・申し訳ありません・・・」と答えた。ただ咲夜さんの周りから殺気のようなものが見えたので僕は目を合わせないようにした・・・

周りの刺し傷は気にもとめずに文さんはレミリアさんに交渉を続けている・・・・・・

誰か・・・・・・助けて・・下さい・・・・・・

 

 

「とにかく・・・取材は断らせてもらうわ」

そういうとレミリアさんは咲夜さんに僕たちを玄関まで送るように命じた・・・

そして僕は相変わらず殺気をまとった咲夜さんと残念そうな文さんにはさまれて玄関にむかった・・・・・・・・・

その途中咲夜さんに尋ねられた

「鞘、あなた昨日にこの幻想郷に来たらしいけど、どういうことなの?」

僕は返答にしばし困った後

「えっと・・・僕は昨日、文さんの仕事場の近くで倒れていたそうなんです。そこを文さんに助けてもらって・・・ですがその前の記憶がなくなっていて・・・文字などは読めるし基本的な知識は残っているのですが・・・」

「記憶喪失・・・・・・ってこと?」

「はい、そうです。といってもそんなに重要視していませんよ。文さんは良い人だし、弟子として働かせてもらっているので、今の生活で十分満足です。」

と僕は本心を口にする。咲夜さんはにっこりと笑って

「そう。(ずいぶんとアバウトなのね・・・・・・今の生活って半日しかたってないんじゃ・・・?)」

といったそして続けて

「そういえばあなたどうやって紅魔館にやってきたの?昨日の今日で紅魔館までの道を覚えた訳じゃないでしょ?」

「ああ・・・おぼえたんですよ」

と僕は答える。咲夜さんはとくに驚いた様子もなく

「どういうこと?」

と僕に尋ねた。

「えっとですね僕は昨日文さんに助けられて、その後いろいろお話しした後に、幻想郷についてしりたくて、文さんの仕事場の文献をある程度読ませていただいたんですけど。その文献の内容をほとんど覚えてるんですよ・・・昔のことは忘れちゃったっていうのに」

文さんにきいたら幻想郷ではこんなことはあまり珍しくないっていっていたしぼくが笑うと咲夜さんも「ふふっ」と上品に笑った。でも何か考えている様子だった。

 

 

そして僕らは広いお城の玄関についた。そして咲夜さんが文さんに忠告するように言い放つ

「今後今回のようなことがあるとこちらとしても大迷惑なの、行動は慎んで下さい」

僕は咲夜さんの気迫に驚いたが文さんはケロッとして咲夜さんに静かに言った

「あのー取材の件・・・やはり難しいんでしょうか?」

そして咲夜さんは

「それはお嬢様がお決めになることです。私には判断しかねます。」

とわざとらしい事務的な口調で答えた。すると文さんは胸ポケットから一枚の写真を取りだして咲夜さんに差し出した

「レミリアさん一人ならともかくお二人で写っている写真ともなるとなかなか貴重なのでは?」

「・・・・・・お嬢様と交渉してきます・・・」

と咲夜さんは何かに縛られたような義務的な口調で答えた・・・・・・

僕は今日<取引>・・・いや<賄賂>というものをこの目で見届けました。

 

 

しばらくすると咲夜さんが戻ってきて「お嬢様にとりあってどうにかお許しを得たわ。さぁ例の物を・・・早く!」と文さんに催促をして<例の物>を手に入れると満足そうな顔でポケットに入れ、しばらくするとハッとして僕に言った

「そうだ、鞘、お嬢様が来てほしいって言ってたわよ。いま連れて行くからついてきて」

「・・・・・・え!?」

僕は突然の呼び出しに驚き

「・・・・・・?」

文さんは不思議そうな顔をしている。

そして僕は再びレミリアさんのいる部屋に訪れた。

 

 

「あぁ鞘、いきなりごめんなさい、咲夜からきいたと思うんだけど今回の件、承諾することにしたのだけれども、あなたにだけ取材を抜けてほしいの・・・」

「え・・・?」

僕と文さんがそろえて声を出した。

「それというのも今回の件について咲夜と話した後一応メイドたちやほかの住人にもきいたのだけど・・・やはり長時間殿方と過ごすというのはみんな抵抗があるみたいで」

(えっ?)僕は予想だにしなかった単語に驚く

「だから・・・・・・・・・・・・・・・・・天狗、何がおかしいのかしら?」

文さんが笑いながら僕に言う

「鞘、あなた言ってなかったんですか?」

レミリアさんと咲夜さんがきいてくる

「どういうこと?」

僕は引っ込み気味にこう答えた

「あのぅ分かっていると思っていたんですが・・・・・・僕・・・女ですよ・・・・・・・・・?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「えっ?」

長い長い沈黙の後レミリアさんと咲夜さんの気の抜けた声が紅魔館に響いた・・・

 

 

 

                      続く・・・・・

 

 

小さなおまけ  ~咲夜さん視点のワンシーン~

 

いかに私といえどさすがにあの写真はずるいと思う。えぇあの写真はずるい・・・そう、そうよ、あの写真が悪い・・・

ということでお嬢様になんとか取材を承諾してもらわないと・・・・・・そして私はお嬢様の前に移動して呟いた

「お嬢様・・取材の件なのですが・・・承諾されてはいかがでしょう」

「?、どういうこと?」

「天狗の新聞とはいえど紅魔館にとって良いことをかかせれば私たちにとってマイナスなことはございません。この機会にぜひ取材をさせてはいかがでしょうか?」

っ!まずい・・・勢いのままに喋ってしまった言葉として成り立っていただろうか

「・・・・・・そうね、一理あるかもしれなわね・・・」

「とにかくメイドたちやパチェにもきいてきてもらえる?」

「かしこまりました」

よし、どうにか承諾にこぎ着けそうだ・・・・・

そして私はおそらく満面の笑みでメイドたちを集め始めた・・・

 

 




いかがでしたでしょうか?クオリティの低さは勘弁して下さいw
今回はネタ多めでしたね。w
いやぁそれにしても文はあれですね。あの・・・天使ですねホントw



それでは第三話にも会いに来て下さるとうれしいです!


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1章 2話~取材の始まり(?)~

注意

  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・妄想過多
  ・自分設定
  ・にわか故の原作と異なる設定やキャラ崩壊
  ・不定期更新
  ・ついに文とっけこんし・・・!!あれ・・・なんでおれはべットにいるんだ・・・・・・?

今回コラボをさせていただきました!!!!!!
コラボさせていただいたのはreiraさんという方です是非是非reiraさんの作品でもゆっくりしていってください

   それでは今回もゆっくりしていってくださいね


さて、・・・・・・ついに紅魔館への取材が始まるわけなんだけど・・・・・

まさか・・・男の子と勘違いされてるなんて・・・そりゃぁ僕は一人称が<僕>だけど

あれ?そういえば何で僕は自分のことを僕って呼んでいるんだろう?

それに文さんは何で僕が女って分かってたんだろう?・・・そういえば文さん眠っている間に僕の服を着替えさせてくれたんだっけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのときか・・・・・・

「どうかしました・・・?」

と僕は文さんにきかれて、

「えっ!?あっいや何でも・・ないです!」

と答えた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「顔が赤いですけど・・・・・・?緊張してるんですか?まぁ初の取材ですからしょうがないですね」

「!?」

そっか、今から取材なんだ・・・

あの後(前話参考)僕は取材立ち会いの許可をもらい、次の日の・・・つまり今日の早朝から取材を始める、ということになった。そして今僕は紅魔館までの道の湖畔を歩いてます。文さんは飛んだ方が速いんだろうけど危ないからと僕と一緒に歩いて向かってくれています。

・・・・・・危ないって・・・何があるんだ?

まぁとにかく僕と文さんは紅魔館にたどり着いた。

 

 

寝てる・・・・・・そういえば昨日もこの人寝てたよなぁ・・・・・・大丈夫なんだろうか・・・僕は目の前で寝息を立てながら幸せそうな顔で熟睡している赤髪の女の人を前にして思った

そんな僕の心中を察したのか文さんが

「この人は一応紅魔館の門番の紅美鈴さんです。まぁだいたいこんな感じで職務放棄してますけど」

と解説してくれた。・・・門番・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

・・・それは・・・やっぱり大丈夫なのだろうか?・・・・・・

 

 

そして僕は大きな紅魔館のドアを叩いた

「あの、文文。新聞ですけど・・・」

すると「待ってたわ」と咲夜さんがすぐにドアを開いてくれた。

「お嬢様がお待ちよ、お通しするから入って・・・」

「あっありがとうございます」

と僕は咲夜さんに一言言ってまた大きなお城に足を踏み入れた。

 

 

 

「ようこそ紅魔館へ・・・」

レミリアさんが僕等に言った

「今日はよろしくお願いしますね。まぁ取材と言ってもお二方はいつもどうりにしていただければこちらで勝手に取材させていただくので」

「えぇまぁそのつもりよ・・・くれぐれもメイドたちの邪魔はしないように・・・それじゃ、言いたかったのはこれだけよ・・・あとはそちらの好きにしていいわ」

「はい、ありがとうございます」

と文さんがお礼を言うとレミリアさんと咲夜さんは部屋を後にした。

レミリアさんたちが出て行くと文さんが僕にこう言った

「あ、鞘・・・取材は私が行うので鞘はとりあえず紅魔館の中を見学でもしといて下さい」

えっ?・・・

「ええええええぇぇ!?ちょっちょっと、それじゃぁ僕が来た意味がないじゃないですか!」

「まぁまぁ、私といても何もできないと思いますけど」

まぁ・・・・・・。そうかもしれないけど・・・・・・

「そっそれにしたって・・・」

「まあ見学するのも大事ですし何かおもしろそうなことがあったらメモするなり私をよぶなりして下さい」

「・・・・・・分かりました・・・」

ということで僕は紅魔館の見学をすることになりました・・・(不本意)

 

 

「見学と言っても・・・」

僕は辺りを見回して

「こんな広い館じゃ迷うのが落ちだろうなぁ・・・」

とため息をつく。ふう、とにかくそこら辺を歩いてみるか・・・迷わない程度に・・・

そして僕は紅魔館を歩き始めた。

しばらくするとこれまた大きな扉があった

「取材に来てるんだから・・・あけても・・・いい・・・よね・・・?」

と自分に言い聞かせて僕はその扉を開いた

 

 

そこにはとてつもなく広い空間に隅々まで本棚に本が積み重ねられていた・・・

「すごい」

思わず口にすると

「そう?」

と横から声をかけられて心臓が飛び出る

「うわぁぁぁぁぁごごごごごめんなさい」

「・・・・・・なんで謝るのよ・・・?」

「えええっとあなたは・・・・・・・・・?」

「パチュリー・・・パチュリーノーレッジ・・・・・・・・・・・魔女よ」

「まっま魔女ですか!?」

ダメだ吸血鬼がいるんだからちょっとやそっとでは驚かないつもりだったのに・・・驚いてしまった

とにかく・・・ええと1、3、5、⑨

「あなた、天狗の助手でしょ?」

「えっあっはい!文さんの・・・・・・助手の鞘です、えと・・・漢字だと刀を入れる鞘と書きます」

「レミィからきいたわ」

レミィ?レミリアさんのことだろうか?

そうこうしていると向こうから難しそうな本を抱えた女の子が駆けてきた

「パチュリー様・・・この魔導書なんですが・・・その子は・・・?あぁあの天狗の助手の確か・・・鞘でしたっけ」

どうやら僕のことはみんな知っているようだ・・・そしてやっぱり僕は助手なんだろうなぁ

「はい・・・・・・あの・・あなたは・・・?」

「あっすいません私はですね、この紅魔館の大図書館の司書を務める小悪魔です」

今度は小悪魔・・・もうさすがに驚かない・・・

「小悪魔さんよろしくお願いします」

「えぇこちらこそ」

魔女や小悪魔といっても二人とも普通の人みたいだし大丈夫だよね?

と考えているとパチュリーさんと小悪魔さんはどこかに行ってしまった。ふぅどうしよう

そして僕は大図書館を後にしてまたふらふらと歩き始めた。

 

 

ふらふらと紅魔館を歩いて数時間すると後ろからいきなり話しかけられた

「鞘?」

「ひゃいっ!?」

驚きすぎて変な声が出てしまった・・・

「ななななんだ文さんですか・・・おおおどろかさないでくださいよぉ・・・・・・」

文さんが笑いをこらえながら言う

「いやいや変な声を上げるうえに涙目になってくれるのでおもしろくて」

「そんなぁ」

僕は力なく嘆く。そして文さんにきいた

「それで何のようですか?何かお手伝いすることが?」

少し手伝えることを期待したのだが文さんの答えは

「あぁ、ちょっと違うんですが・・・とにかく紅魔館の外に出るのでついてきて下さい」

「はぁ・・・」

そして僕は言われるまま文さんについていった・・・

 

 

紅魔館から外に出ると広い庭がある。そこを抜けて熟睡している門番さんを通り過ぎて長い橋を渡った向こうの広い場所に出た。

僕は文さんにきく

「これは・・・・・・どういう・・・?」

すると文さんが僕に言った

「あのですね鞘、あなたはこの世界に来てどれぐらいたちますか」

「今日で三日目です」

「そう!まだ日が浅いわけですよね?そしてここ、幻想郷はなかなかに危険な世界です・・・自分の身を守る程度の戦闘能力は必要なんですよ」

「はぁ・・・・・・」

「ということで少し訓練をすることにしました」

「えっ?」

そういうと文さんは僕の後ろを指さした

そこには一人の男の人がたっていて僕と同じように戸惑っている様子だった。

「どこだ?ここ」

男の人が言う。どうやら彼も状況を理解していないらしい・・・・・・僕は文さんにきく

「どっどういうことですか!?っていうかこの方は誰ですか!?」

「う~ん・・・まぁ少し鞘の戦闘訓練につきあっていただく方ですよ」

男の人は

「えっ文・・・?ってことは幻相郷なのか?」

と呟いている。

するとどこからともなく黒いパーカーを着た人が出てきてその男の人を引っ張っていった・・・・・・

 

 

 

~~~~~~~~説明タイム~~~~~~~~~

鶴「こんにちは彩風鶴と申します。まぁこの作品の作者です(笑)」

鶴「ええと今回同じくハーメルンで小説の執筆をしている<reira>さんよりコラボのお誘いをいただきreiraさんの作品の一つ<どこか可笑しい幻想郷>より<時夜>君をこちらの世界に連れてこさせていただきました!(本当にありがとうございます)」

時夜「状況がよく分からないんだが・・・・・・」

鶴「・・・・・・ようはコラボなんでまぁ適当にやって下さい!ってことです」

時夜(アバウトだな・・・・・・)

鶴「まぁ一回だけ鞘と・・・あの女の子と手合わせしてやって下さい。それでは!」

時夜「えっ?あいつ女だったの?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

僕は文さんにきく

「戦闘訓練って・・・・・・どっどうしろって言うんですか?」

文さんは軽い口調で

「ええとですねここに二つのペイントボールがあります。ある程度の衝撃を与えれば破れるのでこれをお二人の額に固定して相手のペイントボールを壊しあってもらいます」

という

「そんな・・・僕戦闘なんてできないですよ・・・・・・」

「まぁものは試しです!とにかくあの方と一度お手合わせしてみて下さい」

「ふぇぇ・・・」

男の人は複雑な顔で

「まぁ・・・よろしく(なんかよく分からないけど要はこいつと戦って勝てばいいんだよな・・・?)」

といっている・・・・・・

そして僕とその男の人は額にペイントボールをつけて向かい合った・・・・・・

・・・・・・・・・あれ・・・?僕らって取材に来たんじゃ・・・・・・?

 

 

ふぅ・・・・・・今、時夜さん(ペイントボールやらつけるときに自己紹介を済ませた)と向き合っている訳なんだけど・・・・・・どうしろって言うんだ・・・・・・僕はまぁもしかしたら記憶のあったときはそこそこ戦えたのかもしれない・・・・・・その証拠に腰には使い古したような短剣があった・・・でもその短剣は柄と鞘の部分が固定されていてとても戦闘向きとは思えないし・・・・・・

そうこう考えていると時夜さんが動いた(時夜君には文が木刀を貸しました)僕は短剣を構えようとしてあることに気づく・・・・・あれ?足がうごかな・・・自分の足を見るとそこは凍っていた・・・僕は何が起こったか分からなかったがとにかく短剣でじぶんの額を守った。短剣の鞘と木刀がぶつかってゴンッ!と低い音が響く・・・・・・

僕は必死に木刀を振り払おうとして力を入れて

「うりゃっ!」

っと横に短剣を振った・・・・・・短剣の先には木刀はなく短剣は空を掻いて「ぶおぉん」と轟音を鳴らして勢い余って僕の体は横に倒れた・・・思いもしなかったことが起こったため僕は「うわっ」と声を漏らし・・・・・・そして・・・僕の記憶はそこから途絶えた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

気がつくと僕の視界に写ったのは赤い液体と心配そうにこちらを見る時夜さんと写真を撮っている文さんだった

「・・・・・・これはどういう・・・・・?」

僕が口にすると時夜さんは一瞬こちらを向いたのだが答えに困る感じで文さんの方に助けを求めるように顔を向けた

文さんはいつもと変わらない感じの口調で

「ええとですね。時夜さんとの訓練中に鞘、あなた気絶してしまったんですよ・・・・・・」

「気絶・・・?」

「ええ、コロッと。それでまぁ訓練は時夜さんの勝利ってことで」

「はっはぁ・・・・・・」

曖昧な答えで納得は行かないのだがとにかく時夜さんには迷惑をかけてしまったらしい僕は時夜さんに謝罪をした

すると文さんが楽しそうに言った

「そろそろ紅魔館に戻りましょう、さぁ鞘行きますよ」

「えっ?あの・・・時夜さんは・・・・・・」

「あぁ、さっきの黒い人が元の場所につれていってくれますよ」

元の場所・・・?なんだか分からないけどまぁ考えてもしょうがないか・・・・・・

そして僕は紅魔館に戻ってきた。

 

 

 

 

                             続く・・・・・・

 

 

小さなおまけ  ~~~時夜君視点の訓練~~~

 

ふぅなんだかよく分からないがとにかくあの子と戦えばいいってことだろ・・・?

 

でもなぁあんまり強そうに見えないけど俺もそんなに腕に自信がある訳じゃ・・・・・・

 

とにかく<四季を操る程度の能力>で足下を凍らせるか・・・・・・

 

・・・よし・・・あとはまぁ額のあれを壊せば・・・・・・

 

そして木刀を降り下げる。多少手加減をしたが短剣で防がれてしまった

 

はねのけられそうだったので木刀を引くとその子はかけ声とともに横に向かって思いっきり短剣を振った

 

出た音が明らかに短剣から出る音じゃないような音が出たが気のせい・・・・・・だろう

 

そしてその子は横にのめって倒れたが、倒れる瞬間に妙なものを見た・・・

 

その子が今までのゆるい表情からは想像できないような険しい表情で「チッ」とこちらをにらんだように見えた・・・気のせい・・・か・・・・・?

 

しかし倒れたかと思うと気絶していたようだった

 

その子の氷を溶かし、額のペイントボールを割った

 

 

      俺は・・・・・何をしてるんだ・・・・・・?

 

 

 

 




はい・・・・・・wええとですねとりあえずなんですが
「reiraさん本当にごめんなさい・・・マジでごめんなさい」
なんかコラボって難しいですね・・・なかなかうまくいかなく
どう書けばいいのか分からなかったです
とにかく僕の文才でコラボは難しいということが分かりましたw

そしてreiraさんありがとうございました

それにしても文は神様ですねなんかこう女神です
    それでは次回も是非ゆっくりしていって下さいね

ちなみにいま挿絵を描きたいなぁと考えているのですが近々挿絵が追加する可能性があります!!が!が、ですよ絵を描くのは好きですが絵はむちゃくちゃ下手な自分なので絶対に期待はしないで下さいお願いします


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1章 3話~メイドはつらい・・・です~

 注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・不定期更新
  ・妄想過多
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
  ・あやややや

これらが大丈夫ではない方もせっかくなのでゆっくりしていってくださいね!


さて・・・なんだかよく分からない戦闘訓練を終えて僕は今、文さんと紅魔館に戻ってきたところなんだけど・・・そこで僕は見た・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・門番さんが起きているところを・・・・・・・・・

「あ、ずっと寝てる訳じゃないんですね」

門番さんは門の端で仁王立ちをしていた。ぼくは門番さんに挨拶しようと思い門番さんに近づく

「あ~まぁ四六時中寝てるわけじゃないでしょうけど・・・・・・これは・・・」

「?」

文さんが若干にやつきながらこっちを見ているのがものすごく気になるけど、まぁとにかく挨拶をしておこう

「あの、こんにちは・・・僕、文文。新聞の射命丸文さんの助手をさせt・・・」

そこで門番さんの右足が信じられない速度で僕の顔めがけて飛んできた

「うぉわっ!?」

僕は驚いて頭を下げて首を持って行かれるのを防いだがすぐに文さんの方に全力で逃げた

「ああああああ文さんたったた助けて下さいいぃしっ死ぬ!」

その僕を見る文さんの表情が驚いた様子だったので本気で危ないのかと僕は考えたのだが次の文さんの一言でそんな恐怖は綺麗さっぱりなくなった。

「これが・・・・・・幻の睡拳・・・・・・!?」

「なな何をのんきなことを言ってるんですか!!そそそれよりはやく打開策を!!」

「鞘、ちょっと私の背中に乗って下さい」

「えっはっはい!」

「それじゃぁ目をつむって」

僕は言われるままに目をつむる。

少しの振動が起こり文さんが僕に

「はい、もう大丈夫ですよ」

と声をかけ、僕は目を開けた。するとそこには紅魔館の門があった

「えっ?・・・ええええ!?どっどどどういうことですか?」

「伊達に幻想郷最速な訳じゃないですよ」

げ、幻想郷最速?文さんは幻想郷最速なの!?

「えっあそこからここまで一瞬で移動したんですか!?」

「まぁ・・・そういうことです」

・・・・・・ここでは・・・幻想郷では僕の常識は全く通用しないようです・・・・・・

 

 

僕はまた紅魔館をふらふらし始めた・・・・・・

ふぅ、どうしようかなぁ・・・見学っていっても時々メイドさんたちとあって自己紹介される程度だし・・・・・・

そういえば自分に対しての疑問がいっぱいあるんだよなぁ・・・ちょっとそれについて考えてみようかなぁ・・・・・・

・・・まず僕は何でここに来たんだろう・・・まぁこれは記憶がないからどうしようもないんだけど・・・文さんに助けてもらったときは何を持ってたんだっけ・・・ええと鞘と柄が固定された短剣と・・・あとは・・・服と・・・簡単な鞄だったっけな?

どういうことなんだろう・・・・・・?ううん手がかりが少なすぎるなぁ・・・・・・

・・・後は・・・・・・あっそうだ能力についてだ・・・ここ幻想郷の人たちは何か能力を持っているんだよな・・・・・・

文さんは風を操る・・・だったっけ、僕は・・・何なんだろう・・・・・・ああ!!あの本の内容を覚えてるのがそれか!!あれっ?でも確か・・・えっと一度見たものを忘れない・・・求聞持の能力を持ってる人がいたような・・・あれっ、だれだったっけ?あれ?なんで覚えてないんだ?あれ覚えてるはずじゃ。そういえば幻想郷の地図もうっすらとしか思い出せない!?え!?何で?・・・・・・・・・・・・・ああ・・・・・・これは能力じゃないのか・・・じゃぁもしかして僕は前まで記憶力がものすごく良かったとかかな?う~んやっぱわかんないや・・・・・・

じゃぁ最後の疑問・・・・・・さっきの戦闘訓練の時・・・気絶しちゃったのもそうだけどなんかあり得ない速度で短剣を振れたような・・・・・・あのときの轟音がまだ耳に残ってるし・・・・・・あとさっき門番さん・・・えっと・・・美鈴さん・・・だっけ・・・?に蹴られそうになったとき体が勝手に動いたような・・・いや・・・人間ホントに危険を感じたらそんなもんなのかもしれないけど・・・・・・なんか・・・どっちかっていうと誰かに動かされたようなそんな感じだったんだなぁ・・・・・・あああわかんないぃぃ!

もう考えてもしょうがないな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして僕は考えることを放棄した・・・・・・あれ?デジャヴ・・・?

 

 

そんな風にしていると咲夜さんが前から歩いてきた、

「あ、咲夜さん」

僕が話しかけると咲夜さんが表情一つ変えずに

「取材、させてもらえなかったんだって?」

ときいてきた。うぅ・・・いきなり痛いところをつかれる

「はは、僕じゃ文さんの邪魔になってしまうでしょうし・・・」

と無理に笑って答える

「そう、」

「ところで咲夜さんは何をしているんですか?」

「少し休憩をいただいたのよ・・・それで鞘、唐突なんだけどメイドの体験してみる気はない?」

・・・・・・・・・えっ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ええええぇ!?えっちょっ!、ええええ、くあせdrftgyふじこlt!?

めめめいど?なんで僕が?ええ!?

ダメだ落ち着け深呼吸深呼吸・・・・・・あとええと1、⑨、1⑨、4⑨

「だっだいじょうぶ?鞘?・・・・・・・鞘?」

名前を呼ばれて我に返る・・・・・・素数数えてる場合じゃねぇ!

「ごごごごめんなさい!!ええええっとそっそれでメッメッメイドさんってどど、どういうことですか?」

何で僕はこんなに焦ってるんだ冷静になれ、冷静になれ

「ええと、いや、文から鞘が暇そうだったらメイドの手伝いでもさせてあげてっていわれて・・・・・・」

文さんその気遣いはとってもありがたいです・・・ありがたいんですが僕としては文さんの手伝いをしたいんですっ!

 

 

そしてなぜか僕は咲夜さんにつれられてメイドの控え室に連れてこられました。

メイド服・・・・・・着てみたくないことはないんだけど・・・僕、女の子っぽい服似合わないだろうし・・・・・・

そんな僕の頭の中の混乱を差し置いて咲夜さんは僕の服のサイズを測り、一着のメイド服をもってきてくれた。

実際に見てみると想像していたフリフリのついたそれとは違い、動きやすさを重視した感じのシンプルなものだった。

まぁさっきまであってたメイドさんたちもこのメイド服だったし考えてみれば当たり前なのだけれど・・・それに実用性を考えればそりゃそうか・・・・・・。

そんなことを考えながら僕はメイド服に着替えた。

・・・・・・・・・これは・・・似合ってるんだろうか、それにスカートってこんなにスースーするものなの?

なんか歩きにくい・・・かも・・・・・・

そんな僕を咲夜さんはじぃっと見ていた。

あぁやっぱり似合わないんだろうなぁここまでしてもらっていて咲夜さんには悪いけど・・・着替えさせてもら・・・

「かわいい・・・・・・」

えっ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えええ!?

僕は咲夜さんの口から出た一言に驚く・・・・・・かわいい・・・?何を見てそういったんだ?僕・・・・・・じゃないよね?

「鞘、あなたすごく似合ってるじゃない、ほら、見てみなさいよ」

そういって咲夜さんは僕を大きな鏡の前に押した。そして僕は鏡に映った僕をみて目を丸くする。

「これ、が・・・・・・僕・・・?」

そこには服を変えて髪を結んだだけなのにまるで別人のような自分がたっていた。

「うわぁぁぁすごい・・・・・・」

鏡に手をついて自分の姿をまじまじと眺める。ふと、そういえば自分の容姿なんてほとんど見てなかったなぁと思った

 

 

そして僕は恐らく生まれて初めてメイドさんになりました!!といっても仕事は運搬などだけだったけど・・・

ちなみに途中で文さんにあったとき

「おぉ・・・!なかなか似合ってますねぇ・・・いっそのこといつもその服でいたらどうですか?」

と文さんが冗談か本気か分からないような口調で言うので

「ははは・・・・・・それじゃ僕の身が持たないですよ・・・・・・」

と断った。

その後数分間視線みたいなものを感じたんだけど・・・・・・気のせい・・・・・・だよ・・・ね・・・?

 

 

そして外がもう暗くなってきた頃に僕はメイド服を着替えて咲夜さんにお礼を言ったあと、部屋を後にしようとして咲夜さんに呼び止められた・・・・・・

「鞘、今メイドたちの入浴時間なんだけど・・・あなたも入ったら?」

・・・・・・・・え?ええ!?

「いいいやいや、いいですよ?!そんな迷惑でしょうし・・・・・・」

僕は必死に遠慮する

「いいのよ、それに汗かいてべたべたじゃない」

確かに・・・・・・汗でべたべたで気持ち悪い・・・・・・いや・・・それでも・・・・・・ん~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・お言葉に甘えよう・・・か・・・・・・・。

そして咲夜さんにつれられて僕は大きな浴場にたどり着いた

 

 

紅魔館の中はほとんど見てしまったつもりだったんだけど・・・・・・この浴場には気づかなかったなぁ

そして僕は大きすぎる浴場に足を踏み入れた・・・・・・

僕は体を洗って大きな湯船につかると一日の疲れをはき出すような大きな息を吐いた

そういえば今日はホントに疲れたなぁ・・・・・こんなじゃダメなのかなぁ・・・・・・それに少し頭がくらくらする・・・・・・

それでもこのお風呂があればそんな疲れも吹っ飛ぶ・・・なんてことはなく・・・・・・

僕を見たメイドさんたちが一瞬驚いたようにこっちを見て、戸惑ったような表情をした後、納得したように通り過ぎる・・・・・・・・・なんてことが何回もあった

なんだか申し訳ないような・・・なんだか・・・・・・・変な感覚に襲われる・・・・・・

もう一度疲れをはき出すように「はぁ」と溜息をつく

「たいへんですねぇ」

よこから声をかけられて、答える

「いえ、まぁ・・・・・・しょうがないですy・・・・・・」

んっ!?・・・・・・僕はバッと横を向く

「隣、お邪魔してま~す」

「あああやさんんん!?なななんで・・・・・・何でいるんですか!?」

僕は驚いて大声を出す・・・・・・数人のメイドさんがこっちを向いた・・・・・・

「咲夜さんから入浴の許可をいただいたので」

「は・・・はぁ・・・・・・・・・」

そして僕はお風呂で完全にのぼせきり、ゆでだこになった・・・・・・

 

 

 

                 続く・・・・・・

 

 

 

~~~~~~~小さなおまけ~~~~~~~~

 

 

 心音 鞘 

       

女 14歳(?)

     

体重○○kg   身長153cm

   

~Memo~     

緊張しやすく、またすぐに焦ってろれつが回らなくなる混乱もしやすく

基本的にドジ、柄の部分と鞘の部分が固定された短剣を持っている。

また文とあう前の記憶を失っており詳しいことは分からない、また一人称

が<僕>のため男性と間違えられやすい、顔つきは別にふつうである。

時々異様な力や気迫を発することもあり、謎の多い人物である

 




ありがとうございました!

今回も最後まで最後まで見ていただきありがとうございます!

全く関係ないのですが・・・最近読みたい漫画や本がめちゃ多くて困っています。
最近読んでいるのが・・・名前だしていいのか・・・・・・?まぁいちおう伏せ字を・・・
干○妹うまるちゃん!です、・・・いやぁおもしろいですね・・・なかでもき○えちゃんが好きです・・・・・・かわいい!
あと気になってるのがノーゲームノーラ○フです。おもしろそうなんですよねぇ~
機会があれば買いたいです!カネナイケド

それにしても文はあれですね・・・・・・なんかこう・・・光ですねはい
なんかいつも光ってます・・・はい・・・

それではまた次回もゆっくりしていって下さい!!


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1章 4話~取材終了~

注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・妄想過多
  ・不定期更新
  ・自分設定
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
  ・文に関係を求めるのは間違ってるだろうか?

      それではゆっくりしていって下さい!


はぁ・・・・・・・・・・・・・僕は大きく溜息をついてお風呂からでた。

のぼせててクラクラするし、その上、周りの目がなんというか・・・・・・興味深々と言った感じの目なんだけど・・・・・・・・・・・・・ちょっと怖い・・・・・・・・・・・・・

「黙っていればただの女の子なんですけどねぇ」

文さんに話しかけられ僕は

「そんな・・・・!僕なんて全然可愛くないですし・・・・・・それに・・・」

と全力で謙遜・・・というか否定をする。

「まぁ女の子であることはみんな分かったでしょう」

ヘラっとそういうことを言わないでくださいいぃぃ!

 

 

僕は服を着て紅魔館の大きなお風呂を後にした・・・・・・そういえば咲夜さんはいつ入ってるんだろう・・・・・・さっき文さんがお風呂場に張り込むとか言ってたなぁ・・・それと関係あるのかなぁ・・・・・・・・・・・・・っていうか紅魔館の住人の一日って特集を組むんじゃなかったっけ・・・・・・大丈夫なのかな・・・・・・?

・・・それにしても・・・・・・・なんか体が・・・熱いというか・・・・・・のぼせたせい・・・か・・・・・・・ふぅ・・・とりあえずどこか休めそうなところは・・・・・・そして僕は紅魔館の中をふらつき始めた・・・・・・・

 

 

僕は今度こそ・・・・・・・本当に・・・・・・門番さんが起きているところに出くわした。僕は紅魔館の入ってすぐのロビーに来たのだがそこには小さな女の子が・・・・・・・レミリアさん・・・・・・・かな・・・・・・・と遊ぶというか・・・闘うというか・・・・・・をしている門番さん・・・・・・紅美鈴さんがいた。

「妹様、そうです!そこであいての脇腹があくので右足で・・・・・・・」

美鈴さんの声が静かな部屋に響くそして空気を裂く「シュッ」っという音が参加する

「こうか?」

「その調子です!」

僕はいろいろと混乱していた・・・・・・・・・・・・・まずあの子は誰・・・・・・?レミリアさん・・・みたいだけど髪の毛の色が違うしそれに羽になんだか宝石みたいなのがついてる・・・あと門番さんなのに門にいなくてもいいんだろうか・・・・・・・いや寝てるんじゃ、いてもいなくても同じかもしれないけど・・・・・・

頭の中でいろいろと考えていると美鈴さんがこちらに気づいてやってくる

「あぁ!あなたは・・・・・・天狗の新聞記者さんの・・・・・・・・ええと」

「じょっ助手の鞘といいます、ほっ紅、美鈴さんですよね・・・?よっよろしくお願いします」

やっぱり・・・僕は人見知りなんだろうなぁ、そして・・・助手・・・・・・だろう・・・・・・・なぁ・・・・・・

「よろしくお願いしますね」

美鈴さんはにこやかにこたえてくれた。

そして僕は気になっていた疑問を口にする

「あっあのぉ・・・・・・その女の子は・・・・・・レミリアさん・・・ではないですよね・・・・・・」

美鈴さんは少し驚いたような顔をした後、後ろの女の子と顔を合わせて笑った・・・

「はははっ!違いますよこの方はお嬢様の妹様の・・・」

そこまでいったところで女の子が前に出てきてスカートの袖を持ちながら言った

「フランドール・スカーレットよ」

その仕草はレミリアさんに似て上品で、声もレミリアさんと似ていたけどフランドールさんは・・・どこか幼い感じの雰囲気だった。

「よっよろしくお願いしますっ!」

僕は頭を下げた。そしてもう一つききたかったことを口にする

「あの、さっきは何をしていたんですか?」

そういうと美鈴さんが

「あぁ、ええとですね・・・・・・今は妹様から私に、武術を教えてほしいと頼まれまして・・・・・・それで私がご教授をさせていただいていました」

武術・・・・・・なんとなく苦手な響きで普段では絶対にかかわらないと思うが・・・昼間の文さんの言葉が頭をよぎる・・・・・・{ここ幻想郷はなかなかに危険な世界です・・・・・・だから自分の身を守る程度の戦闘能力は必要というわけですよ}・・・・・・僕は美鈴さんに言った

「あの、僕も一緒に・・・いい・・・ですか・・・・・・?」

 

 

紅魔館のロビーに「シュパッ」っという音が響いた・・・といっても当然僕が拳を突き出して出た音じゃない、もちろん美鈴さんの拳から出た音だ

そして僕はといえば「スッ」・・・全く音なんて鳴らない・・・っていうかなるのが普通なの・・・か・・・?

「もっとしっかり腰を入れて!」

美鈴さんに言われもう一度拳を突き出すが変わった様子はない・・・・・・

美鈴さんがこちらにやってきて言う

「鞘さんの場合はたぶん基礎的な体力や力の面が足りていないんだと思います・・・・・・普段から体を動かすように意識するようにしてみて下さい!きっと良くなると思います」

「はい・・・・・・」

やっぱり僕の運動能力は並以下なのかな・・・・・・ちなみにフランドールさんは飽きたみたいでどこかに行ってしまった・・・・・・

「それでも基礎的なことの飲み込みはとても早いですよ!素質あったりするんじゃないんですか?」

美鈴さんに言われ、お世辞だと分かっていても素直に「ありがとうございます」と返した。

すると・・・・・・ロビーの入り口から文さんが来て

「鞘、ここにいたんですか、何してたんです?」

そうきかれ、横にいる美鈴さんを指して

「ええと、美鈴さんから武術の・・・・・・」

そこまで言うと突然美鈴さんが何かを察知したようにロビーからすごい速さで出て行った・・・

そして、それとほぼ同時に咲夜さんが現れ、僕たちにこう聞いた

「いま美鈴がいなかった?」

僕がさっきまでいましたよ、と答えようとすると、それより先に

「美鈴さんですか?さぁ・・・?見ていませんですけど・・・」

と文さんが答えた。すると咲夜さんは

「そう」

と一言だけ言って戻っていった。僕は文さんにきく

「美鈴さんは咲夜さんから逃げてたんですか?」

文さんは曖昧な表情で

「ん~・・・・・・・・・まぁそんな感じです。」

と答えた・・・・・・それにしても・・・・・・美鈴さんには咲夜さんを察知するセンサーでもついているんだろうか・・・・・・・・・?

 

 

「そういえば文さんさっき僕を探してた感じでしたけどなにかあったんですか?」

僕は文さんにそう訊ねた

「あぁええとですね取材が終わったのでもう帰ろうかと思いまして探してたんですよ」

「あ、終わったんですか・・・どうでしたか?」

僕が訊くと文さんは微妙な表情で

「んん~まぁぼちぼちといった感じでしたね・・・・・・」

「・・・?そうですか・・・・・・」

そして文さんは思い出したようにこう言う

「あ、そうです!忘れてました!今から紅魔館の方々に挨拶をしようかと・・・・・・」

・・・・・・それは忘れちゃだめでしょっ!

 

 

「今回はありがとうございました」

文さんは満面の笑みで、集まった咲夜さん、レミリアさん、その他メイドさんたちにお礼を言った

「あ、ああありがとうございましたっ!」

そして、ぎこちない僕の声が続く

「いいのよ、記事楽しみにしてるわ」

レミリアさんが言うと

「期待していてください」

と文さんが答えた。そして最後にもう一度文さんが

「それでは今後も文文。新聞をご贔屓に」

と、そういって僕らは紅魔館を後にした。

 

 

僕らが紅魔館を出て行った後、咲夜さんはパチュリーさんと話していた

「パチュリー様なにかお分かりになりましたでしょうか」

「・・・・・・・・まぁ・・・まだなんともいえないわねそれにまだ完全にあの子のことを把握しているわけじゃない」

「・・・・・・そうですよね・・・・・・」

咲夜さんは小さく溜息をついた

そしてパチュリーさんは椅子に腰掛けて本を開いたその脳内を一つの考えがよぎる・・・・・・

(まさかそんなこと・・・・・・・・・・・・・・・まさかね・・・・・・)

パチュリーさんは持っている本に目を移した

 

 

 

             続く・・・・・・・・・

 

 




ふぅ・・・・・・・・・今回もありがとうございました!


ええ・・・昨日本屋に行ったんですけど珍しく兵庫に住んでいる叔母が里帰り(?)していて「漫画一冊買ってやる」と言っていただき、どれを買おうかと迷ったんですが、前回の後書きでも書いたようにノー○ームノーラ○フの漫画版にしようと思い、店員さんにどこにおいてあるかきくと・・・・・・
店員「あぁ今ちょっとないですね~」
彩風「・・・・・・・・・なんでやっ!?」
ということで・・・ほかにおもしろそうなのを探したんですがいっぱいあってめちゃ迷い、迷った末に何となく気に入った「青春×機○銃」という作品を買いました。そして読んで気づく・・・・・・おもしろい・・・・・・おもしろいんだけど時々BL要素が入るのはなぜ?

後は「月刊少女野○君」や「神様貴様を殺○たい」・・・あと「シリョクケ○サ」や「脳症炸○ガール」などのボカロ漫画、カゲプロのアンソロジーも買い込みたい・・・・・・そして東方系も譲れません。さてすべて読めるのはいつになるやら・・・・・・・・・

それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!


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おまけ編 1
おまけ編 1話~サバゲー・・・・・・ですか?~


注意
 ・この作品は東方projectの二次創作です
 ・妄想過多
 ・自分設定
 ・不定期更新
 ・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
 ・文のときん(頭のあれ)になりたい

     以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていってくださいね

今回リア友の雨宮さんとコラボさせていただきました!あとゲスト(?)的なキャラも登場します


僕は今、偽物の・・・・・・おもちゃのアサルトライフルをもって大きな岩を背にして息を殺している。

横には同じく銃(偽)を持った男の人が一人・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしてこうなった・・・・・・

 

 

「サバイバルゲーム・・・・・・ですか・・・・・・?」

紅魔館から帰ってきて一日空けた朝に文さんの口から出た言葉を僕は繰り返す。

僕は文さんの仕事場で寝泊まりさせていただけることになった、まぁそのかわりに仕事の手伝いをするわけだから住み込みのバイトみたいなもの・・・かな・・・?

「そう!サバイバルゲーム!まぁサバゲーという方がいいんですかね?」

「?・・・・・・・・・無人島にでも行くんですか?」

「あれ?鞘知らないんですか?外にいたときとかに・・・・・・」

「ん、外・・・・・・?ってどういうことですか?」

「えっあぁ・・・・・・おぼえてなかったんでしたっけ・・・・・・ええとですね・・・・・・」

 

~少女説明中~

 

「はぁ・・・・・・つまり僕はもともと<外>にいた外来人・・・で、おそらく幻想入りしたときに記憶も消えてしまったと・・・・・・・・・」

「はい。(それにしては変な点もあるけど・・・・・・)」

僕は・・・幻想郷に生まれたわけではなかったのか・・・・・・・・・なんだかよく分からないがちょっとがっかりした。

「それで・・・・・・鯖ゲー・・・・・って・・・・・・なんなんですか?」

「サバイバルゲーム・・・・・略してサバゲーです!」

「はぁ・・・・・・」

僕が気の抜けた返事を返す

「ええとですねぇ少し気になる外来本・・・・・・ええと、外の世界から来た本のことです。・・・・・・まぁその外来本を手に入れたのですが・・・・・・」

そういうと文さんは後ろに回していた手を「バッ」と前につきだして僕の目の前に一冊の本の表紙があらわれた

「ええと・・・・・・<サバゲー初心者から上級者への近道>・・・・・・・・・」

「ここで取り上げているサバゲー・・・というものがなかなかおもしろいのですよ!・・・ということで外の世界の遊戯という風にして文文。新聞で取り上げたいので、実際にやってもらおうかな・・・・・・と」

「やる、って・・・・・・僕が、ですか?」

文さんが笑顔で頷く。

まぁ・・・・・・取材の手伝いになるのなら、そう思った僕は文さんに

「で、サバイバルゲームって・・・・・・結局何をするんですか?」

「ん~まぁ簡単に言えばおもちゃの銃の撃ち合いです」

「・・・・・・・え?」

ええええ?銃の撃ち合いって、えっ、だってそれ、死んじゃうんじゃ・・・・・・・

「ああああやさんっ!?銃の撃ち合いって、それ死んじゃいますよね!?」

「・・・・・・・・・・・・・ですからオモチャの銃の撃ち合いです!」

「え?・・・・・・・・・・・・・おもちゃ?」

文さんの口からでた<銃>という言葉には似合わない台詞に驚く

「そうです、おもちゃの銃です」

「え?ってことは撃たれても?」「死にません」

「痛くも?」「ありません」

「死に?」「ませんっ!」

しばらくこんなやりとりが続いた後やっと僕が理解し、

「はぁ、外ではそんなことが流行ってるんですね・・・・・・・」

と呟く。文さんは

「まぁ銃というものが実際にどのようなものなのかよく知らないんですがね」

といっている。

大丈夫なんだろうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

 

 

「それでサバゲーって・・・・・・・具体的に何なんですか?」

「ええと本によりますと・・・・・・・エアソフトガン・・・・・・・まぁおもちゃの銃ですね。その銃を使って撃ち合いをします。ええと基本的に玉は当たったら自己申告、また2チームに分かれて行うそうです。チーム全員が<死亡>したら負けとなります。」

「場所は?」

「まぁ適当に決めればいいでしょう」

アバウトだなぁ・・・・・・・・・

「それじゃぁ人や道具はどうするんですか?」

「それについては心配はいりませんよ」

文さんはたのしそうにそういうと僕の後ろを指した。

そこには・・・・・・女の人が1人・・・あと、ええと男の人が4人いた。・・・・・・・・・なんだろうこのデジャヴは・・・・・・

 

 

~~~~~~説明タイム~~~~~~~

さて、どうも彩風です!今回ええと僕と天狗の物語に僕の友達のオリキャラ(つうか友達を若干キャラ変えたもの)3人とリア友・・・・・・ハーメルン作家の雨宮さんの<東方紅葉伝>より雨宮紅葉くんを引きずってきたんですが・・・・・・ええと簡単にみんなの説明を・・・・・・

 

・オリキャラ3人と自分

 

・まるさん 男

中3で超がつくほどのメカニック、基本冷静な人、めがね

 

・くまんさん 男

高1で超がつくほどのロリコン、基本優しい性格のイケメン・・・・・・でもロリコン 

 

・なるなる 男

中2で彩風鶴と名乗っている、天ぱ 以上w

 

・かいりさん 女

中2で唯一の女子、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の天才・・・・・・でも腹黒、とにかく腹黒ぱっと見めっちゃいいひと、でも腹ぐr・・・・・・・・・

 

・東方紅葉伝より

 

・雨宮紅葉 男

銃器、兵器を創造する程度の能力を持つ。それ以外はまだ謎が多い

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「・・・・・・・・・・・・文さん・・・・・・この方たちは・・・・・・?」

「あぁ・・・・・・・・・ええとですね、外来人と言えば外来人ですし違うと言えば違いますね・・・・・・」

「答えになってないですっ!」

それでもあっち側にいる5人・・・・・・いや1人をのぞいて4人は状況を理解している様子だった。

か「あれ、なるさんなんでいんの?」

な「いや、人数足んなかったし・・・・・・」

か「いや作者がいるとかおかしいっしょ」

な「そうかな?」

ま「そうだろ」

く「・・・・・・ははは・・・・・・」

か「まぁとりあえずなんか打開策考えろ!」

そういうと女の人は細い足で癖っ毛の男の人・・・・・・を蹴り飛ばした・・・・・・・・・蹴り飛ばした!?

そう、言葉のままに<蹴り飛ばした>

ま「うわっ・・・・・・いったそう・・・・・・」

か「大丈夫だってw」

女の人が上品に笑う・・・・・・・・・ものすごく怖いんだけど・・・・・・

そして何か戸惑ってる男の人が周りを見回す。

「え?いやちょっと、ここどこ?」

そして見たことあるパーカーをかぶった人が・・・・・・っというかたぶんさっき女の人に蹴り飛ばされた人が戸惑っている男の人を連れて行った・・・・・・・・

 

~~彩風が説明中~~

 

しばらくするとさっきの男の人が微妙な表情で戻ってきた。まだ納得がいっていない様子だ・・・・・・

そして僕たちはお互いに自己紹介をした。

しばらくすると文さんが「いいですかー?」と声を上げた

「はい、では今から皆さんにサバゲーを行ってもらいます!ええと・・・とりあえず保護めがねは今ここにあるので着用して下さい」

そういうと文さんが白い透明なゴーグルのようなものを配った、みんながそれをつけると文さんが説明を再開した

「さて、エリアなんですが・・・・・・特に取り決めません、迷子にならない程度にお願いします。妖怪とかの心配はこちらでどうにかするので大丈夫です。そして・・・・・・肝心の武器なのですが・・・・・・・・・・・・・」

文さんはチラッと雨宮さんの方をみると小さく頷いた。

雨宮さんは溜息をつき、「ほっ」と小さくかけ声を言うと雨宮さんの前には様々な銃が転がっていた。

僕は呟く

「これが武器、兵器を想像する程度の能力・・・・・・・」

「んっ、好きなの選べばいいよ」

そういうと雨宮さんは自分の手に大きな銃一つと腰にピストルを出現させた。

僕はたくさんある銃を前にして

「うわぁ・・・まるで本物みたいだなぁ・・・・・・・」

とつぶやく

「なんだ?これ?」

急に横から話しかけられ僕は

「あぁ・・・・・・・ええとエアソフトガンっていっておもちゃの銃・・・・・・」

ん?

僕は横に振り向く、そこには大きな帽子をかぶった金髪の女の人が座って、銃を触っていた

「ん?どうすんだこれ?」

「うわぁぁぁぁぁ、すすすすいませんすいません」

「うわっ!びっくりした~いきなり大声出すんじゃないぜ」

「え?いやっそっその・・・・・・あなたは・・・・・・?」

「ん?私か?私は霧雨魔理沙だ、よろしく」

「え?あぁはい・・・よろしく・・・・・・です」

え?どういうこと?さっきまでいなかったよね?この人、ええ!?どういうことだ?あぁ分かんない・・・・・・

僕が考えていると魔理沙さんは文さんに尋ねる

「おーい天狗!これなんなんだ?っていうかなにしてんだ?」

すると文さんの代わりにかいりさんが魔理沙さんに言う

「ええとですねいま外の世界の遊びの<サバゲー>と言うものをやろうとしているんですが、これはその時にもちいる・・・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・なんでかいりさんは普通に魔理沙さんと喋っているんだろうか・・・・・・?

「へぇ外の世界ではこんなのをやっているんだな」

そう言うと魔理沙さんは転がっているピストルを一つ手に取るとおもむろに岩目掛けて引き金を引いた、「パンッ」と小さな音がしてピストルからBB弾というものが発射される。魔理沙さんは楽しそうに

「へぇ、こりゃ面白そうだな天狗、私も混ぜてくれよ!」

と文さんに言った。文さんは

「まぁ人数も足りなかったしちょうどいいでしょう」

そういうと文さんは僕の方にやってきて

「さぁ、まだ決めていないのは鞘だけですよ」

「え?」

辺りを見回すと、皆自分の手にそれぞれ銃を抱えていた。ちゃっかり魔理沙さんも中くらいの銃を一つとピストルを一つ、

はっ早く決めないと!そう思い僕は銃に目を移した、そして何となく気に入ったものを選ぶ。

そして適当なものを二つ手に取った、すると文さんが本を片手に銃について教えてくれた。

「ええとっ、その大きな方がSSIG SG550 まぁアサルトライフルですね命中精度も高く、使いこなせれば下手なスナイパーとなら遠距離で戦えます。そしてそっちがコルトパイソン・・・・・・まぁ回転式拳銃ですね、リロードの方法は分かりますか?」

「はい、さっきかいりさんにききました」

「よしっ!それではチーム分けです!チームはこちらで分けさせてもらいました!」

僕らは一気に文さんに注目する、

「ええと、まずAチームは・・・・・・雨宮さん、かいりさん、魔理沙さん、です。で、Bチームが鞘、まるさん、くまんさんで、お願いします。」

僕らはチームになったもの同士で顔を見合わせる、そして集まって簡単に作戦を考えた。

・・・・・・・・・そして・・・・・・・・・

「それでは二分後、スタートの合図に、雨宮さんに創造ってもらった閃光弾を投げるので、それとともに開始して下さい・・・・・・では、開散!」

文さんが言い終わると僕らは一斉に二方向に散った・・・・・・・・

 

 

      続く……。




ありがとうございました!紅魔館編が終わり・・・さて次の話はどうしよう・・・と思っていると雨宮から「コラボしようぜ!」と連絡が入り、救われましたw
そして話を考えていくと、完全に人が足りなかったため普段遊んでいるネトモ三人に「あんた等出していいか?」と交渉し・・・・・・
「えぇ・・・・・・まぁオリキャラとしてなら・・・・・・・・・」
粘りに粘った結果この答えをいただけたため
<かいり>
<まる>
<くまん>
ができあがりました。
まぁこの三人・・・名前以外はそのまんまコピーしたような感じです。
現実でもまるさんはメカニックだし、かいりさんは鬼才です、そしてくまんさんは残念なイケメンです。
この名前については実際のハンドルネームをモジっているため、特に意味はありません。

それでは次も是非会いに来て下さいね!


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おまけ編 2話~サバゲー......ですね。~

注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・妄想過多
  ・自分設定
  ・不定期更新
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
  ・文様hsh(ry

       以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていってください


【まるview】

ええと・・・・・・・彩風から「小説に出てくれ」といわれて、幻想入りしたものの・・・・・・・サバゲーとは・・・・・・・せめて教えてほしかった・・・・・・・・・・・・・

んで、俺は今スナイパーライフルのスコープをのぞいている。

さっき立てた作戦・・・・・・・っていえるほどたいそうなもんでもないが、まぁ話し合いによると、鞘とくまんさんは前線につっこんでいって、俺が援護するって形になった。まぁそううまくいくとは思えないけど・・・・・・・

俺はスコープをのぞいて鞘とくまんさんの場所を確認する。そして周りを見回す、すると魔理沙がほうきにまたがって空を飛んでいた

「この距離なら・・・・・・・狙えるか・・・・・・・?」

そうつぶやいて標準をあわす。

すると予想外な事に、魔理沙がこちらに気付いたらしく猛スピードでこちらにつっこんできた

(ヤバッ)慌てて一発撃つと、不思議なことに「フッ」と魔理沙がスコープから消えて後ろで声がした

「いくぜっ!!マスタースパーkっっとと。こっちじゃなかったな」

「んなっ!?」

驚きつつ振り返り、魔理沙が撃ったと同時に体を横に転がしてなんとか難をしのいだ。

そのまま走り、すぐそこの岩に身を隠す。

後ろから魔理沙のサブマシンガン、トプソンM1928A1の「スパパパパ」という連射音が聞こえてくる。

(クッソ、サブマシンガン相手にパイソン一丁じゃ流石にきついか・・・・・・・PSG-1は置いて来ちまったし・・・・・・)

と思考を巡らしていると、不意に音がぴたりとやんだ。

「んっ何だ?弾切れか?」

そういうと魔理沙はトプソンを「ポイッ」と道端に投げ捨てた。

(捨てんなよっ!)

そう叫びたかったがこちらにとってはこれ以上ないくらい好都合。これで手持ちはハンドガン同士で互角になった。

その上、俺は魔理沙のデザートイーグルに入っている弾の数を知っている、たしか30発、それを打ち終えた瞬間に突っ込めばいい、

そして俺は岩陰からでて、魔理沙と対峙した。のもつかの間、間髪入れずに魔理沙が撃ってきた。

それでも距離はあるためハンドガンならねらいも安定せず、当たる心配はなさそうだ。

(突っ込んでこられたらどうしようかと思ってたが、良かった)

そして魔理沙が27発目を撃ち、そろそろ・・・・・・と身構えた瞬間、・・・・・・・・・・・・・頭部に何かをつけられる、振り向こうとすると澄んだ声で

「動くな<フリーズ>」

と言われ、動きを止める、構えていたパイソンが蹴られて道端に飛ばされた。「クスクス」と笑う声が聞こえる・・・・・・・・・・・・・声の主はかいりさんだった・・・・・・・・・・・・・

「ふふっ、まるさんOUT~」

年末の某番組のように楽しそうにそういうと俺はかいりさんに<殺された>

 

 

「ちょっと、かいりさんいつからそこいたの?」

俺がかいりさんにきくと、かいりさんはにっこりと笑って自分の口元に人差し指をつけ

「まるさん、<死人>はね・・・・・・喋らないんだよ?」

といった、ものすごくイラッときたのだが、こればっかりは仕方ない、と俺は黙った

俺がスタート地点まで戻ろうとするとかいりさんが置きっぱなしになっているPSG-1をみて

「あっ、PSG-1!やった♪」

とうれしそうに言う、すかさず俺が

「いや、それルール違反じゃ・・・・・・」

最後まで言う前にかいりさんがまた人差し指を口元につけて

「まるさん、<死人>はね、しゃべらn」

分かった分かった、仕方なく俺はその場を後にした、魔理沙が察したのか「大変だなぁ」と声かけてくれたが、あんまり慰められたかんじはしなかった・・・・・・・・・・・・・

はぁまさか一番最初に<死ぬ>とは・・・・・・・・・・・・・

後の二人は大丈夫だろうか・・・・・・いや、でも紅葉相手に近距離武器の二人じゃさすがにきついだろうな・・・・・・

なんてったって紅葉の武器は・・・・・・・・・・・・・

 

 

【鞘view】

ふう・・・・・・・ひとまず僕は岩陰に腰を下ろした。ここで待ち伏せしていればいずれ誰かくるだろう・・・

そう考えながら僕とくまんさんは少しだけ待った、するとまるさんが狙撃するといっていた所からエアガンの音が聞こえてきて、行くかどうするか、くまんさんに尋ねると

「大丈夫だと思うよ・・・まるさん運動できるし・・・・・・・(鞘ちゃんと一緒にいれる方がいいしね♪)」

とにこやかに答えてくれた、

そして岩陰から顔を出していたくまんさんが、急に顔を引っ込めた。

僕が声に出さすに表情で(どうしたんですか?)と伝えると、ジェスチャーで(前方、敵!)と返ってきた。

その返答に僕は体を強張らせる・・・・・・・・・そして銃を構えた、

すると、くまんさんが手で(待ってて)という風にウィンクしながら僕に伝えると、岩陰から飛び出していった、

(えっ?)

僕は驚いて動けなかったが、岩陰から出て行ったくまんさんがおもむろに銃を構える・・・・・・がすぐに血相を変えたかと思うと、僕のいる岩陰に飛び込んできた。

さらに僕は意味が分からなかったのだが、そっちの疑問はすぐに解けた、

「ズガガガ・・・・・・」

まるで本物の銃のような音が響きながら無数の弾が横を通り過ぎる、その光景を見て僕も血相を変えた。

くまんさんは

「え?あれミニミ?え?ミニミ?うそ?ミニミ?・・・・・・ミニミ!?」

と同じ言葉を何度も繰り返す

とにかく相手の使う銃がえげつないものだ・・・ということは僕にも理解できた。

「どどどどどどうします?」

僕はできるだけ小さな声でくまんさんに聞く

くまんさんは

「ええと、どうすっかな・・・・・・正面からいって勝てるわけないし・・・・・・・・・」

くまんさんがあごに手を当てて、ぶつぶつと言う

その間も「スガガガガガガガガ」という音は途切れることはなかった。

するとくまんさんは僕に呟く

「鞘ちゃん、今から俺が横に飛び出してくから・・・岩の反対側から紅葉君を狙撃してくれる?大丈夫距離はそんなに離れてないから」

「え!?・・・・・・・・・分かりました・・・・・・でもくまんさんは大丈夫なんですか?」

僕が訪ねるとくまんさんは

「う~ん・・・・・・まぁたぶん・・・・・・鞘ちゃんがハグしてくれたら勝てる気がする(ボソッ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

ん?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えええええええええええ?

え?いまハグって?え?ハグ?ハグって・・・・・・あのハグ?

僕の頭の中をたった二文字が飛び交っていると、くまんさんはさっきの言葉を言わなかったかのように

「さて、そろそろ行くかな、(ミニミ相手とか怖すぐるけど鞘ちゃんにいいとこ見せないとな・・・・・・)」

僕はくまんさんに聞く

「ああああの、ハハハ、ハグ・・・・・・・・・って?あの・・・・・・えと・・・・・・その・・・・・・」

最後まで言えなかったが、くまんさんが驚いたような顔で

「え?本気にしちゃった!?ごめんね冗談だよ?・・・・・・(あ、・・・やば、シクった・・・・・・・・・言わない方が良かったかもなこれ、つうか顔真っ赤な鞘ちゃんめっちゃ可愛いんだが!)」

え?え?・・・・・・・・・冗談?冗談なの?え?・・・・・・ええと?・・・・・・え?

「さて、んじゃ俺は行(逝)くわ、頑張れ!」

そういうとくまんさんは岩陰から飛び出し、草むらまで走り、転がり込む

紅葉さんはくまんさん目がけて、大きな銃を乱射する・・・・・・僕は銃口と顔だけ出して紅葉さんを狙う、よく狙いを定めて・・・・・・・・・一発撃つ・・・・・・・・・続けて二発目、

しかし弾は狙いを大きくはずれて飛んでいった。そして紅葉さんはこちらに気づいたように撃つのをやめて「バッ」とこちらを向く、しかしまだ場所は分かっていない様子だった。

(今だ!)

僕はよく狙って・・・・・・・・・・・・・・・・・・一発撃った

しかしその弾は惜しくも紅葉さんの横を通過する。

地に落ちた弾を見て、紅葉さんがこちらを向いて「ニヤッ」という風に笑う、そして腰からハンドガンを取りだしこちらに向けて撃つ、

「ひゃっ!」

僕は後ろに尻餅をつく、気付かれた以上ほとんど僕に勝ち目はない。

 

どうする・・・・・・・・・・・・・?

僕は数秒考えて、そして僕はなかばヤケになって突撃していくことに決めた・・・・・・・・・。

そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

皆さんは・・・・・・・・・ゾーンという言葉を知っていますか?

ゾーン、主にスポーツ選手などが体験することがある<究極の集中状態>を指します。このゾーンに入ると周りのものがすべてゆっくりに見えると言います。そして・・・・・・僕は今、・・・・・・それに近いものを体験しました。

 

正確には<すべてが止まって>見えた。そして、自分の意志に関係なく、<勝手に体が動いた>、

詳しく言うと、あのとき僕は突っ込んでいこうと覚悟を決めて岩陰から出て、紅葉さんに突撃していった、が、紅葉さんは微動だにしていなかった、普通の人ならこの状況には恐怖すら感じるだろう、でも僕はもっと驚くべき事を体験した。

一瞬、・・・・・・・そう、一瞬で紅葉さんの後ろに回って・・・・・・・・・・・・・銃を紅葉さんの後頭部に押し付けた。

そして間髪入れずに撃った。「パンッ」という音が響き・・・・・・・・・・・・・

僕の記憶はまた、・・・・・・・そこでとぎれた・・・・・・・・・・・・・

 

 

僕はサバイバルゲームのスタート地点、まぁ要するに文さんの仕事場の前で目を覚ました、みんなが・・・・・・・・・・・・・、正確には紅葉さん以外の方達が心配そうな顔で僕の顔をのぞき込んでいた・・・・・・・・・・・・・

「うわっ!」

目を覚ますとともにそう叫んだ僕を見て皆が安心したように、笑った

「良かった・・・・・・・無事意識が戻ったようで」

文さんに言われて僕は溜息をつきながら言った。

「また・・・・・・・・・・・・・気絶しちゃってたんですか・・・・・・・?」

僕の問いに対して文さんは無言でうなづく、

はぁ、どうしてこうなっちゃうんだろうな、、、そこで僕はあることに気づき口にする、

「あれ?紅葉さんは?・・・・・・・というかサバイバルゲームは?」

それに対して文さんは

「紅葉さんは先ほど元のせか・・・・・・・・・・・・・ええとまぁいるべき場所に戻りました。そしてサバイバルゲームは・・・・・・・・・・・・・残念ながら、2-0で鞘のチームの負けでした。」

それをきいて僕はとっさにくまんさんとまるさんの方に向き

「ごっごめんなさいっ!僕の力不足で・・・・・・・・・・・・・」

といったが、くまんさんは笑顔で

「なに言ってるの!鞘ちゃんは紅葉君を倒したわけだから、1番活躍してたよ!むしろ僕らが力不足だったよ」

といってくれた。

え?・・・・・・・・・・・・・倒した?・・・・・・僕が・・・紅葉さんを?・・・・・・

すると僕の脳裏にうっすらとあのときの情景が浮かんできた・・・・・・・・・

そして僕はあのことをみんなに伝えようと口を開きかけた・・・・・・が、説明しようにも、どうすればいいか分からない。

そして僕は開きかけた口を閉じた。

 

 

夜、、、、、、かいりさんたちが帰って行って僕は文さんの仕事場で雑用をこなして一日を終えた。

 

 

丑三つ時・・・・・・・・・・・・射命丸文はふと目を覚まして横に寝ているはずの助手・・・心音鞘がいないことに気づき辺りを見回したがだれかがいる様子はない、文は体を起こして仕事場を出た。・・・・・・するとそこには

ただ空を見つめる鞘がいた。文は鞘に話しかける。

「鞘、どうかしたんですか?」

文の問いに対し、鞘は視線を一切変えずに、心此処にあらずといった感じで答えた。

「あ、いえ・・・・・・」

、そしてふたたび鞘は言葉を口にしながら振り向いた

「月が・・・・・・綺麗だな・・・・・・・・・って・・・・・・」

 

(まだもう少し・・・・・・)<こころねさや>は口の中で静かに呟いた。

 

 

                    続く・・・・・

 

 

小さなおまけ~~~~~紅葉君の視点~~~~

 

はぁ・・・・・・・・・なんだかよくわかんないまま始まっちまったんだが・・・・・・というか・・・・・・自分で思ったものがそのまま創れるんだな・・・・・・・・・まさかエアガンのミニミを創れるとは・・・・・・うれしい誤算だ・・・

っていうか・・・・・・前に一人・・・・・・ええと、くまん、、だったっけな・・・あいつ隠れてるつもりか?おもいっきし顔みえてんだが・・・・・・・・

とにかくさっさとあいつを<殺す>か・・・・・・

すると、くまんはいきなり俺の正面に立ちはだかった、

「ミニミ相手に正面からとは・・・いい度胸してんな」

感心半分呆れ半分に俺は呟くとミニミを撃ち出す、するとくまんはすぐさま岩陰に飛び込んだ・・・・・・まぁ妥当な判断だろう・・・・・・

俺はなおも威嚇し続けた、するとまだ懲りないのか、くまんが飛び出してきて草むらに逃げ込む、

(無駄だってのに・・・・・・)

俺はその草むらに銃口を向けようとした、が横から弾が飛んでくる。

「んなっ!?」

ついそう叫んで撃たれた方向を見る、しかしどこから撃たれているのかは分からなかった、仕方なく俺はミニミを止めて耳を澄ました、しかし音は聞こえないのに、また弾が飛んできた、どうにかして音を消しているのだろう。でも<飛んできた方向が分かればいい>俺は弾が飛んできた方向に視線を移す。

いた、岩の横から少し顔をのぞかせている・・・・・・あれは。鞘・・・・・・だったな・・・俺はニヤッと笑って岩の方向にグロックの弾を放つ、そして小さな叫び声を上げて鞘が岩に隠れる。

 

 

・・・・・そして、その瞬間俺は<しんだ>、そう、その瞬間に俺の後頭部には弾が当たっていた。

振り返るとそこには鞘が倒れていた、何が何だか分からなかったが俺が<殺された>という事実だけはしっかりとしていた。そう、<鞘に>殺されたのである。

おれは「HIT・・・」と静かに右手を挙げると、そのままその場を後にした。

 

 

 

もういっちょ小さなおまけ~~くまんさんのおまけ~~~

 

ええと、何が起こったんだ?

鞘ちゃんがいきなり紅葉君の後ろに来たと思ったら、すぐ倒れちゃうし、紅葉君はどっか行っちゃうし・・・・・・・・・とにかく鞘ちゃんが大丈夫か確認しないとな、そう思い鞘ちゃんに駆け寄る、

「大丈夫?」

そう聞いたが返事ではなく代わりに

「んんっ・・・・・・・・・!」

というような痛みに耐えるような声が出た。

・・・・・・・・・めっちゃかわいいんだがっっっっっっっ!!!!・・・・・・

てかこれあれじゃね?人工呼吸おkじゃね?いやまぁ鞘ちゃんがいきなり倒れたから驚いてってことで、・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いける・・・・・・だいいちこれしょうs・・・・・・・・・

そこまで考えたところで後頭部に衝撃を感じる、

「って!?」

後ろを振り向くとかいりさんが笑顔で

「何しようとしてんの~~~?ロリコン?」

と聞いてきた、即座に

「何でもありません!」

と返す、そしてかいりさんはエアガンではなく手を銃の形にして鞘ちゃんに向け、

「BANG」

とだけ言った。

 




ありがとうございました!

さて、雨宮・・・・・・悪かった、、、挿絵の紅葉はあくまで僕の想像図ですので悪しからず
髪色赤に染めたら雨宮に怒られた・・・・・
さてさて、ええと・・・・・・挿絵はホントに難しい、っていうか絵が難しいw
そしてこんな話書いてるとサバゲーやりたくなりましたわw

くまん「彩風さん彩風さん!」
彩風「はい?」
くまん「こんかいありがとうね~鞘ちゃんかわいかったよ~♪」
彩風「はぁ・・・・・・っていうかくまんさんはどっちかっていうと次の話の方が喜べたと思うよ?」
くまん「?・・・・・・・・・なんで?」
彩風「え?いや次行くとこ白玉楼だし」
くまん「・・・・・・・・・え?」←妖夢たんhshsな人
くまん「彩風さん・・・・・・次回も俺出して!」
彩風「いやおまえ出したら何するかわかんないし」
くまん「大丈夫だやったとしてもセクh(ry」
彩風「次回もよろしくお願いしま~す」
くまん「よ~~~~む~~~~~」


psちなみにくまんさんの一番好きな二次元のキャラはゆるゆりの船見結衣ちゃんだそうです。


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白玉楼の取材
2章 1話~今度は白玉楼・・・ですか?~


 注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・不定期更新
  ・妄想過多
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
  ・やはり俺の青春ラブ米は間違っている(?)だが後悔はしていない!

    以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていってください


僕は目の前の実態を持たない黒い煙に対して驚き、後ろに倒れる。

そして覚悟を決めるように目をつむった。

黒い煙がゆらゆらと僕に近づく・・・・・・・・・

 

 

 

 

「鞘、ちょっといいですか?」

僕は見ていた文さんの新聞から目を離しその視線を文さんに向けた。

「はい?、なんですか?」

そう聞くと文さんは

「ええと次に取材に行く場所が決まったんですが・・・・・・」

といい、僕は笑顔になって

「あ!そうなんですか!どこなんですか?僕もお手伝いできるでしょうか?」

と聞く、

「あぁ、ええと白玉楼という場所なんですが・・・・・・・・・分かります?」

文さんに尋ねられてぼくは

「あ、分かります!ちょうど今読んでた記事に書いてありました。」

といいながら手元の<文々。新聞>を開く、そこには

『未開の桜の木の下に謎の花びら!』(公式ファンブック、東方文椛帖より)

という見出しがあった、

そこには冥界の白玉楼にすむ西行寺幽々子の仕業か?との文面があり笑顔のおっとりした感じの女の人の写真が添えてあった。

「ここに取材に行くんですか?」

僕がそう聞くと、文さんが答える

「はい、あの、前に紅魔館の住人の1日、という取材をしていたじゃないですか?」

僕は頷く

「あの記事がなかなか好評だったようで、今度は白玉楼に行こうかと・・・・・・」

「なるほど・・・・・・・・・分かりました!、で、いつ行くんですか?」

「今からです」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

え?・・・・・・・・・

しばしの沈黙の後、僕がもう一度言葉を口にする

「ええと・・・・・・、今、なんて・・・・・・・・・?」

「いや、だから今からです」

またしばし沈黙が入り、僕が言葉を発する

「ええええええ!?今からってそんな、え?・・・・・・・・・第一、何の連絡もなしにいきなりって言うのは失礼じゃ・・・・・・・・・?」

「紅魔館の時はいきなり鞘を向かわせましたけど・・・・・・?」

「・・・・・・・・・まぁ・・・・・・確かに・・・・・・・・・それでもですね?やっぱりいきなり行くのはまずいんじゃ・・・・・・」

「大丈夫です、だいたいいつも文文。新聞は神出鬼没ですし」

使い方・・・・・・間違ってませんか?

 

 

さてさて・・・・・・それで僕は白玉楼を目指すことになったんですが・・・・・・

いま、不良の(?)女の子が僕たちに向かって宣戦布告しています・・・・・・

「やい!天狗!そして、そこの・・・・・・?だれだおまえ・・・・・・?まぁいい!あたいと勝負しろっ!」

「チッチルノちゃんっ!・・・・・・やめた方がいいよ」

「大丈夫だよ大ちゃんっ!あたいはさいきょーだもんっ。さぁかかってこい!」

僕は文さんに聞く・・・・・・

「え?あの・・・・・・文さん、これは・・・・・・」

「あぁ相手にしなくて大丈夫ですよ、ただの妖精です」

ただの妖精、、、って妖精がもう<ただ>じゃないんじゃ・・・・・・

僕は口には出さず思ったが、文さんが「勝負しろっ!」と叫ぶ妖精さんを無視してスタスタと歩いていくので僕は

「ごめんね、文さん今忙しいみたいだから・・・・・・・」

と妖精さんに言うと、妖精さんは文さんに向けていた視線を僕に向けて

「じゃぁもうおまえでいいから勝負しろ!」

僕の体が固まる。

「え?・・・・・・・・・あの・・・・・ええと?」

僕は文さんの方を見る。

文さんが小さく溜息をすると、僕らの方へ歩いてきて、僕の手を取った・・・・・・そして・・・・・・

次の瞬間僕は・・・浮いていた・・・・・・いや、正確に言うと文さんにおんぶされた状況で浮いていた。下を見ると、さっきの妖精さんたちが周りをきょろきょろと見渡しながら

「やいっ!天狗!どこに行った?隠れてないで出てこい!」

僕が文さんに尋ねる。

「ええと、・・・・・・・・・どうするんですか?」

文さんが表情一つ変えずに

「このままおいていけばいいでしょう・・・・・・関わっていても仕方ありませんし・・・・・・白玉楼まで歩いたらかなりかかるので・・・・・・」

「え?いや、あの・・・・・・おぶっていたら疲れません?」

「え?・・・・・・はははっ!大丈夫ですよそれくらい、舐めないで下さい!」

「はぁ・・・・・・、じゃぁ・・・・・・お、お願いします・・・・・・・・・」

そして僕たちは白玉楼に向かって飛んでいった

 

 

はぁ・・・・・・47・・・3段・・・・・・目ぇ・・・・・・はぁ。はぁ・・・・・・

僕は石造りの階段に倒れる

「はぁ・・・はぁ・・・・・・・・・あ、あ・・・文さん・・・・・・・・・もう・・・ケホッケホッ・・・・・・限界・・・です・・・・・・・・・」

「階段、まだまだ続きますよ・・・?」

「あの・・・・・・さっきみたいに、・・・文さんに・・・おぶってもらって・・・・・・飛んで・・・・・・いけない?・・・んでしょうか・・・・・・」

「あぁぁ、ええと・・・・・・その・・・・・・あれです・・・・・・・・・そう!」

文さんは何か思いついたように言うと

「えと、此処冥界では妖怪の力というのは弱まってしまうんです、だから自分一人飛ぶのだけでも疲れてしまうのです・・・・・・(大嘘)」

僕は納得し

「はぁ・・・・・・なるほど・・・・・・・・・そんな理由が・・・そうとは知らず、ごめんなさい」

そういうと文さんに

「はいはい、そんなことより、休んでたらいつまでたってもつきませんよ!」

そういわれ僕は重たい足をまた動かし始めた。

文さんがにやついていたのはきっと気のせいだろう

 

 

意識が朦朧としていて、視界が揺れてきた頃・・・・・・ついに僕は・・・・・・白玉楼を目にした・・・・・・・・・そこには紅魔館とは対照的に古くからある日本家屋の大きなお屋敷が建っていた・・・・・・。

「や、やっと・・・・・・ひぃ、ひぃ・・・・・・つ、つきました・・・・・・ね。・・・・・・・・・はぁぁぁぁ」

そして、僕の視界は揺れて揺れて、そのまま真っ白になった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕は目を覚ますと、目の前には銀髪の僕と同じぐらいの背の女の子がタオルを洗って、絞っているところだった

「え?・・・・・・・・・あ、あの・・・・・・・・・」

僕が朦朧とする頭で必死に絞り出した言葉にその女の子は

「あ!、気がつきましたか・・・・・・・・・良かった、」

と、笑顔で答えてくれた。

「えと、その・・・・・・・・・これは・・・・・・・・・・・・・?」

僕が尋ねると

「あなた、階段を上ったところで気絶したらしいんですよ。それで幽々子様から介抱してあげるように命じられて今に至るわけです」

だそうだ・・・・・・・・・・・・・倒れた・・・・・・・・・・・・・また気絶して、文さんや他の人にも迷惑をかけてしまった・・・・・・・・・・・・・

「はぁぁぁ」

大きな溜息をつく僕に、女の人は不思議そうに首を傾げた。

 

 

そして僕は白玉楼の大広間に案内された。ちなみに僕を介抱してくれた女の子の名前は妖夢さん、というのだそうだ。

さて、その大広間にはひとりの、ピンク色の髪が目立つ女の人が座ってせんべいを片手にお茶を飲んでいた。

そう、そこまでなら僕も当然驚くことはなかった・・・・・・・・・・・・・。その女の人・・・・・・幽々子さんの周りを飛び回る青白い何かをみるまでは・・・

「ひゃっ!?ひ、ひ・・・人魂、」

僕は妖夢さんの後ろに隠れる。すると幽々子さんがこちらを向いて

「あら、起きたのね~」

と笑いながら軽い声で僕に話しかけた。僕が幽々子さんの周りの人魂を指さして、

「ひ、ひ、ひ、人、人魂が!」

と言うと、またまた軽く

「あら、妖夢の人魂には驚かないのね~」

その一言に僕の体が固まった

ゆっくり妖夢さんをみると、困った表情でこちらをみていた

そして、僕は妖夢さんの周りを飛び回る白い大きな人魂をみて、また気を失いそうになる、が、ぎりぎりのところで何とか持ちこたえて、そして

「ひゃぁぁごっっごご、ごめんなさいぃぃ・・・・・・」

必死に何かに謝った

妖夢さんが困ったようにこちらをみて幽々子さんはきょとんとしている。

・・・・・・・・・・・・・すると後ろでふと「カシャッ」と音がした。

振り返るとそこにはクスクスと笑う文さんがいた、

「鞘は驚くことと驚かないものの差があり過ぎじゃないですか?」

そういうと文さん撮った写真を確認した。

「え・・・・・・・・・?だって、ひ、人魂が・・・・・・・・・」

僕が涙目でそういうと

「この世界には天狗もいますよ?」

「そ、それは・・・・・・・・・」

僕は口ごもる

「吸血鬼も、悪魔も、魔女も・・・あと妖精もいますよ?」

「・・・・・・・・・・・・・」

やっぱり僕はいままでの常識をきれいさっぱり捨てきらないといけないようです・・・・・・・・・

 

 

僕は呼吸を整えて、素数を数えて立ち上がった。

そしてふと思った疑問を口にする。

「そういえば文さんは今までどこにいたんですか?さっきまでいなかったみたいですけど?」

文さんは目を若干そらすようにして

「あぁ、ええと、鞘のことを西行寺さんに頼んだ後、ちょっと野暮用がありましてね・・・・・・・それより!鞘は大丈夫なんですか?」

そう言われ、僕は

「あ、大丈夫です、妖夢さんのおかげですっかり元気です」

「そうですか、それはよかった。」

文さんはそういって笑うと、視線を幽々子さんに移した。

「ところで、西行寺さん?」

いきなり名前を呼ばれてか幽々子さんは煎餅を加えたまま

「ふぁい?」

と返事をした。

すると文さんはド直球に

「今日から明日までなんですが取材してもよろしいですか?」

と尋ねる。

いくら何でもその頼み方はまずいんじゃ・・・・・・・

そう思って心配そうにみていると幽々子さんの答えは

「いいふぁよ、ふぇつに」

予想外にもYESだった。

え?、と思いとっさに妖夢さんをみたが特に不満はなさそうな様子だった。

取材交渉というのはこうもあっさりしているものなんだろうか。

そして僕は二度目の取材を体験することになった。

 

 

                 続く

 

本当に小さいオマケ~氷の妖精~

くっそお~・・・・・・・いくらあたいが最強だからって逃げるとは卑怯なやつらめ・・・・・・・

今度会ったらぎったぎたにしてやる。

「大ちゃん!いこう!」

「あ、待って、チルノちゃんっ」

 

 

   妖精たちは今日も平和です。

 




はい!えつらんありがとうございました!
もう2章突入です!早いなぁw
皆様の感想やUAがとっても励みになっております!

あと、個人的に好きなキャラの順位を聞かれたので発表します(w)
1位 言わずもがな射命丸文です!かわいすぎる!
2位 犬走椛です、ケモミミは正義だ!
3位 物部布都です!いやぁ、譲れません、アホの子キャラとか・・・最高じゃないですか
4位 霧雨魔理沙 
5位 さとりん
6位 こいし
7位 四季様
8位 レミリア
9位 大妖精
10位 諏訪子様
1(強制終了)

  ・・・・・・此処まで書いて気づいた・・・・・・あれ?・・・おれ、ロリコン?


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2章 2話~妖夢さんも大変だった~

 注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・妄想過多
  ・自分設定
  ・不定期更新
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
  ・最近からすが増えたことに嫌悪よりも喜びの方が大きいのはなぜだろうか?

       以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていってください


さて、なんだかよく分からないまま白玉楼の取材が始まった訳なんだけど・・・・・・

なんと言えばいいのか、なんだか想像してた<取材>とは違った・・・・・・って感じだ。

想像してたのはもっとなんか・・・・・・話を聞きながら、ええと・・・・・・・・・なんか、もっと、突き詰める感じの・・・・・・そんな感じのものだった、

が、実際は文さんは幽々子さんの横で座ってるし、僕は文さんに

「鞘は妖夢さんについて行って下さい、分かったことやおもしろいことは細かくメモを取るように!」

といわれて妖夢さんについて行ってるけど、何というか・・・・・・妖夢さんはずっと料理や掃除など、家事をしていたから特にメモすることもなかった・・・・・・

(こんなので記事になるのかなぁ)

と心配しながら、なおも妖夢さんの後について行っていると、ずっと縁側に座っていた幽々子さんが

「妖夢~~~~~」

と妖夢さんを呼んだ、妖夢さんが慌てて

「はい!なんですか?」

ときくと幽々子さんが

「お茶菓子なくなっちゃった・・・・・・」

と、そばにある木のお盆を見る・・・・・・妖夢さんが

「あ、はい!今、持ってきます」

そういって急ぎ足に台所へ向かった、そして僕はそれを追う。

そして、台所について妖夢さんが戸棚を開いた。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「無い・・・・・・ですね・・・・・・」

そこには目当てのものはなく、僕がそういうと、妖夢さんは困った顔で

「ど、どうしよう・・・・・・・・・」

と呟いた、

「と、とにかく、幽々子様に謝ってこないと。」

そういうと、縁側に向かって走っていった。

 

 

「す、すみません、幽々子様・・・・・・」

妖夢さんが幽々子さんに謝ると、幽々子さんが静かに目を閉じて、言う

「じゃぁ、今、食べられない?」

その幽々子さんの表情は赤ちゃんが甘えるようで、妖夢さんは何も言えなかったようだった。

そして幽々子さんが言った

「買ってきてくれない?」

その幽々子さんの言葉に妖夢さんはしどろもどろになりながら

「いや、・・・・・・でもあのお菓子は人里でしか手に入らなくて・・・・・・今からいくのは・・・・・・」

というが、幽々子さんが涙目攻撃をしかける。そして甘えとも脅しともとれる

「ダメ?」

の一言で妖夢さんは溜息をつきながら

「分かりました、買ってきます・・・・・・」

といった。

(妖夢さんも大変なんだなぁ)

と考えていると、あることに気づく

僕が妖夢さんの取材をするってことは、すなわち妖夢さんについて行かなきゃいけないってことで・・・・・・ってことはあの階段をもう一度上らなきゃいけないってこと・・・・・・・・・?

僕は静かに文さんを見る、文さんは笑顔で

「鞘、行ってらっしゃい」

と言った。僕は・・・・・・死ぬかもしれない・・・・・・・・・・・・

 

 

「妖夢さんは腰に剣をさしてますけど・・・・・・・その・・・・・・・お強いんですか?」

僕の前でスタスタと階段を下りていく妖夢さんは振り返らず、

「いや、私はまだまだ未熟ですよ・・・・・・・・・・・・・」

という

「そうなんですか・・・・・・・?そういえば・・・・・・・幽々子さんの使用人として働いているんですよね?」

そうきくと妖夢さんは若干不満を含んだ声でこういった

「いえ、私は白玉楼の住み込みの庭師ですよ?まぁ一応は幽々子様の剣術指南役ではありますけど・・・・・・・・・・・・・・」

その返答に僕が驚いて

「え?家事をしていたのに・・・・・・・ですか?」

そういうと、しばらく間を空けてから

「それは・・・・・・・・・・・・・それです。」

と短くつぶやくように言った

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

まずい、地雷を踏んでしまったかもしれない

そう思い僕は話題を変えた。

「あの、・・・・・・・・・・・・・そういえばあの、人里って・・・・・・・どんなところなんですか?」

そう言うと妖夢さんは少し驚いたようにこちらを向いて

「え、鞘・・・・・・・さんは、えと・・・・・・・外来人ですよね・・・・・・・?」

僕は小さくうなづく

なんだか妖夢さんが不思議そうに僕を見るので僕は今までのことを軽く妖夢さんに話した。

 

~少女説明中~

 

「はぁ・・・・・・・・・・・・・そういうことですか・・・・・・・・・・・・・」

妖夢さんが納得しているのかいないのかよくわからない表情で僕を見る。

僕はそれに気づかないふりをして妖夢さんに先ほどの質問をもう一度聞く

「それで、人里って・・・・・・どんなところなんですか?」

その問いに対して妖夢さんは

「ええと・・・・・・幻想郷にある、まあ名前の通り人の住む里ですよ。幻想郷で人里と言えばそこのことです」

「はぁ、・・・・・・・・・(普通に村、ってかんじかな?)」

そんなことを考えているとふと思ったことがあった

「僕のこの格好って・・・・・・その・・・・・・人里では変にみえません?」

その問いに対し、妖夢さんはしばらく黙っていた

そして何か・・・・・・おそらくフォローをしようと口を開きかけると明るい、

いかにも楽しそうな声がそれを遮る

「まぁ、それは目立つでしょうねぇ・・・・・・着替えていってはどうですか?」

それは、言うまでもない文さんの声だった。

「ひゃぁぁっ!?」

いつものごとく驚いた僕は後ろに倒れそうになり、それを妖夢さんに支えられた。

「ご、ごごっ!ごめんなさい!」

そういって僕は妖夢さんに支えられた状態を直した

そして文さんを見る

「ど、どどどうして、いつも普通に出てきてくれないんですかぁ!」

涙目の僕の写真を取りながら文さんは一言

「おもしろいからです☆」

「そんなぁぁぁ」

僕の無念の叫び声が響く。

 

 

ふう・・・・・・・・・・・・・

僕は落ち着こうと深呼吸をして、そして文さんをみる。

「そ、それで着替えをしていくってどう言うことですか?」

「え?いやまぁ、その格好では人里では目立つでしょうし、目立たないような服装に、と・・・・・・・」

「いや、その・・・服はどうするんですか?」

「大丈夫です。白玉楼から借りてきました!」

そう言うとさっきからずっと黙って僕らのやりとりをみていた妖夢さんが「え?」と小さくいって文さんをみる

「それがコレです」

テレビショッピングのように文さんが言うと後ろに回していた手を前に出した

そこに持っていたのは・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・文さん?これは・・・・・・・・・・・・・・?」

・・・・・・・・・・・・・そこに持っていたのは

「なんで・・・・・・・・・・・・・ゴスロリなんですかっ!?」

ゴスロリだった。

「ゴスロリ・・・・・・・?って言うんですか?あいにく白玉楼にはコレしかなかったもので」

と、真顔で言った。

「え、え?えと・・・・・・・その人里の人たちは皆さんこんなのを着ているんですか?」

「はい」

と、これまた真顔の文さん、これは・・・・・・・着た方がいいのだろうか・・・・・・・

しばらく悩んだ結果、妖夢さんはどうなのか?という疑問が生じないでもなかったけど、周りがみんな着ているなら・・・としょうがなく着ることに決めた

「分かりました・・・・・・・・・・・・・」

そう口から絞り出すと文さんから

「どうぞ」

と、満面の笑みでゴスロリを手渡された、

はぁ・・・・・・・・・・・・・

僕は心の中で大きな溜息をついてから

「それじゃ・・・・・・・・・・・・・、着替えてきます・・・・・・・・・」

と近くの森に入った。

その僕を見る妖夢さんの目からは、戸惑いと、疑問と、哀れみと、不気味がる様子がみてとれた

 

 

「き、きき・・・・・・・・・き。着替えて・・・・・・・・・来ま、きま、、した・・・・・・・・・」

僕は違和感と恥ずかしさをスカートをギュッと握ることでどうにか隠し、・・・・・・・まぁ、実際には隠せていなかったわけだけど・・・・・・・妖夢さんと文さんのところに出てきた

「うん、予想通り、ばっちり似合っていますよ」

文さんが満足げにそう言い、妖夢さんに

「妖夢さんも似合ってると思いますよね?」

と急に振った。

急に振られた妖夢さんは「えっ!?」

と小さく漏らして

「えと、似合ってるんじゃない・・・ですかね?(いや、まぁ似合ってはいるんだけど、男の子が着てる、って考えると何ともいえないものが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」

と、無難な答えを選んだようだった。

「あ、あっあ、・・・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・ご、ございま、す・・・・・・・・・・・・・」

顔を真っ赤にしてうつむきがちの僕を<乱写>したあと、文さんは

あまりにすんなりと、息をするように

なんの問題もないように、

「まっ、ゴスロリでいくと目立つでしょうし着替えていった方がいいですよ」

と口にした

「は?」

僕の気の抜けた声が響いた

 

 

少し地味な着物を着た僕が頬をふくらませながら階段を下りていく、

その後ろを文さん、妖夢さん続く・・・・・・

文さんが笑いながら言う

「鞘・・・・・・悪かったですから・・・クスクス・・・機嫌直して下さいよ~」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

僕が無言と涙目で答える。

「・・・・・・まぁ気をつけて帰ってきて下さいね」

文さんがそういうと僕は

「えっ?ついてきてくれないんですか?」

とついつい話しかけてしまった

「まぁ、幽々子さんの取材もありますしね」

そう言うとくるりと後ろを向いて

「妖夢さんもついてますし、大丈夫でしょう・・・・・・・・・きっと」

と付け足した。

僕は少し不安だったのだがそれを隠すように

「分かりました・・・・・・・・・それでは」

と答えた。

そして文さんは文字通りあっという間に行ってしまった。

 

 

 

        続く……。

 




はい!最後まで読んでくださりありがとうございます!
えとえと、今回なんですが・・・・・・・・・
投稿遅れて申し訳ありませんでしたぁぁぁぁああ!!(彩風土下座)
いや、だってテストとかあったですしおすし・・・・・・・・・はい、言い訳ですごめんなさい。
これからは遅くとも1週間ごとは更新します!←それでも遅ぇよ?

さてさて、話は変わりますが、読みだい本が多すぎて困る件!
いやぁノゲ○ラは今読んでるんですがもうそのせいでラノベが読みたくて読みたくて・・・・・・・・・
今までラノベなんてキノ○旅しか読んだことなかったんですが、いまはノゲ○ラが読み終わったらよく聞くダン○ちでも読んでみようかと思っています!
・・・・・・・・・・・・あっでも金無いんだった・・・・・・・・・

できれば次回もゆっくりしていってくださいね!


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2章 3話~人里の妖怪事情~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・妄想過多
・自分設定
・不定期更新
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う設定
・文々。新聞、店頭にて発売中!買ってネ☆


僕達は人里についた。

「ここが、・・・・・・・・・人里・・・・・・・・・ですか?」

僕がせわしなく首を動かしながら妖夢さんに聞くと

「はい、そうです」

と返ってきた。

そこに広がる光景はまさに昭和・・・・・・・・・くらい?の村、という感じのものだった。

寺子屋や貸本屋などお店も様々なものだった

「へぇ・・・・・・・・・・・・・すごいなぁ・・・・・・・・・」

僕は完全に未知の世界だと思っていた幻想郷に少しだけでも見覚えがある部分があって安心していた。

すると妖夢さんが

「とにかく早くお茶菓子だけ買って帰りましょう」

と、そういって人の多い道をタタタッと駆けていき、

僕はそれを追うようにして

「ま、まま・・・まってくださーい!」

駆けていった。

 

 

「はい、これ・・・いつものお茶菓子の詰め合わせ・・・・・・・・・それと、お煎餅も、おまけで入れておいたわ」

老舗の雰囲気を漂わせるお菓子屋さんのおばさんが妖夢さんに袋を手渡す。

「いつもありがとうございます」

そう妖夢さんが笑顔で言うと

「いえいえ、こちらこそどうも!・・・・・・・妖夢ちゃんいつもいっぱい買っていってくれるし家としては大助かりだよ。」

そんな、どこにでもありそうな会話が突然途切れ、おばさんが僕の方をみて

「ん?」

と短くこぼした、そして今度は僕と妖夢さんを交互にみてから

「んん?」

とまたまたこぼした。

そしていたずらっ子のようにニヤァと笑うと心底楽しそうに

「あれあれ?・・・妖夢ちゃんも隅に置けないわねぇ~・・・・・・・いつの間に<彼氏>なんてつくってたの~?・・・このこのっ」

そう言うと妖夢さんを肘で突っついた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しばらくの間

そして・・・・・・僕と妖夢さんがほぼ同時に

「え?」

と、気の抜けた声を発した。

 

 

「ちっちち、違いますよ!?なに言ってるんです!?」

顔を真っ赤にして抗議する妖夢さんに対し僕は

「え、いや、え?そのぉ・・・・・・・ええと・・・・・・・・・・・・・」

言いたかったことをいえず、そのまま俯いた

なおもおばさんは笑い続け

「いいのいいの、おばさんそういうのには首突っ込まないから!」

と笑って答えている。

気のせいだろうか・・・・・・・現在進行形で突っ込んでないか?

妖夢さんは抗議を続けたがその努力は報われず、おばさんはカッカッカッと、笑いながら店の奥へ入っていった。

 

 

「あの・・・・・・すいません、なんか迷惑かけちゃったみたいで」

僕が謝ると、妖夢さんが少し、ほんの少しだけ頬を膨らませながら

「・・・・・・・・・・・・・別にいいですよ、こちらこそすいません、」

と早口に答えた。

僕が身につけている着物は一応は女性用のものなのだが、子供用、ということもあってか、確かに男の子が着ても違和感のないものだった

(妖夢さん怒っちゃったかなぁ?)

そう考えながら歩いていると、角を曲がったところで、「ドカッ」という音とともに僕と、ぶつかった誰かが同時にしりもちをついた。

「ひゃっ!?ごっっごご、ごめんなさい!」

僕がとっさに謝ると

「いったぁ、ったく、何なのよ?」

ぶつかった相手、巫女服を着た黒髪の女性が頭をさすりながらつぶやいた

「あ、あ・・・あの・・・・・・・・・怪我とかは無い・・・・・・ですか?」

「え?、あぁ大丈夫よ、これくらい・・・・・これからは気をつけなさい」

そういうと、その女性は立ち上がりたち去ろうとしたが、・・・・・・・・・・・・・・・・・・それを妖夢さんが呼び止める

「霊夢さんじゃないですか、どうしたんです?」

その声に霊夢さん、と呼ばれたその人は振り向いた。

「あら、妖夢じゃない・・・・・・・」

そしてさっきのおばさんと同じように僕と妖夢さんを交互にみて、しばらく考えた後、仏頂面で妖夢さんに告げた

「え?なに?妖夢、デート?」

いともたやすく(意識していないだろうが)地雷を踏んだ霊夢さんに妖夢さんは、にっこりと笑いながら

「違いますよ?なんなんですか?もうさっきから・・・・・・切り捨てますよ?」

・・・・・・・訂正しよう。にっこりと笑いながら・・・・・・しかし目は全く笑わずに、それどころか殺意すら感じさせる雰囲気で妖夢さんは言った

その雰囲気を感じ取ったのか霊夢さんはそれ以上追求することはなかった。

 

 

「で、霊夢さんは何で人里にいるんです?」

妖夢さんがそうきくと霊夢さんはつまらなさそうに

「なんか人間で、妖怪をみた!っていう人が今朝で3人もいたのよ、それで一応仕事だから見に来てるって言うわけ」

そういった

僕が霊夢さんに聞く

「妖怪って・・・・・・文さんもそうですよね?」

霊夢さんが怪訝な顔で僕に尋ねる

「文さん?・・・・・・・・・・・あぁ・・・あの天狗のことか・・・・・・・・・で?なんで今あの天狗が出てくるのよ?」

「あぁ、ええと・・・・・・それはですね・・・・・・・・・」

 

~少女説明中~

 

「はぁ・・・・・・天狗のところに居候・・・・・・ねぇ・・・・・・」

霊夢さんが哀れみともとれる視線を僕に向ける。がそれを気にせず僕は

「居候ではないですけど・・・・・・まぁ助手として働かせていただいてます!」

と元気に答えた

「あんた、あれによくついていけるわね(いろんな意味で)」

霊夢さんの、今度は同情の目に僕は苦笑いで返した。

すると妖夢さんが霊夢さんにきいた

「それで、妖怪って具体的にはどんなやつなんですか?」

「あぁええと・・・・・・それが・・・・・・」

霊夢さんが少し視線をずらしたかと思うと

頭を掻きながら

「なんだか要領をえないのよ・・・・・・・・・っていうのも、今朝妖怪をみたって言う人たちは、黒い煙のようなものがゆらゆらと揺れながら近づいてきたー、っていうだけで、それ以上は何にも知らないって言うし・・・・・・・・・はっきり言って見間違えの可能性が高いわね」

そういった

「はぁ、そうなんですか・・・・・・・・・」

「ま、一応はあんたたちも気をつけときなさい」

霊夢さんはそういうと僕らがやってきた方向に走っていった

 

 

 

 

 

奇跡、【通常ではほぼありえない、確率論では0に等しい可能性】を意味する、だったと・・・・・・思う・・・

今数分前に聞いた、妖怪が僕の目の前に現れ、妖夢さんは厠にいってて不在中、周りの人影がなく・・・・・・

誰がどうみても文句なしの絶体絶命の状況、

そんな<奇跡>がいま僕に起こっています。

理不尽・・・・・・・・・・・・・圧倒的理不尽!!  ざわ・・・ざわ・・・・・・・

僕は神様を・・・・・・・恨みます。

————

・・・・・・・状況を整理しておこう・・・・・・・・・・・・・

ええと、僕らは帰ろうと帰路をたどっていて、妖夢さんが厠に行くといって僕がここで待っていた。

すると得体の知れない黒い煙状のものがゆらゆら~と近づいてきて、

・・・・・・・・・・・・・現在に至る。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

なにそれ!?

いやいやいや、?え?なに?え、ちょっとまって・・・・・・・・・・・・・え?どういう仕打ちなんですか?これはなんなんです?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんなんです!?、

ああああぁどうしょうどうしょう・・・・・・・・・・・・・・・妖怪って、人食べるのかな・・・・・・・、ああぁぁ僕は今死ぬかもしれないぃ

そんなどうでもいいことを考えるのに思考をフル回転させる間も、煙は着々と近づいてきていた。

「ひゃぁぁぁああ!?ごめんなさいごめんなさい」

体育座りで頭を抱え、ブルブルと震えながら後ずさるという離れ業をやってのけた僕は少しだけ、霞む目で煙を見やった

そこにはさっきの三倍はあろう大きさの煙が少しずつ、近づいてきていた。

その光景を見た僕は声を出すことすらできず、

ただただ絶句した、

しかし、そんな僕にはお構いなく、煙は、

急に速度を上げて近づいてきた。

「!?」

突然のことに僕は対応できず、目を見開いただけだった。

そしてすぐそこまで煙が近づいてきたときにやっと僕ができたこと・・・・・・・それは

(こないでっ!)

心の中でそう絶叫するだけだった、

 

 

煙は・・・・・・・いなくなっていた、

あの後僕が目を開けると、そこにはなにもなく、

ただの静かな道だけがあった。

その光景に呆気にとられていた僕はしばらくは全く動くことができなかった。

しばらくして妖夢さんが戻ってきて、腰を抜かしている僕を見て心配そうに

「何かあったんですか?」

と聞いてきてくれた

僕はその問いに、ゆっくりと考えてそして

「いいえ、何でもないですよ」

と笑顔で答えた。

 

 

       続く・・・・・・・

 

小さなオマケ~妖怪生訳兼話~

 

私は・・・・・・・生涯孤独な人生であった。

貧しい親の元に生まれ、寺子屋などには通えず、人とはなすことなどできないし、また、はなす気にもなれなかった

そして私は、恋人はおろか友人さえいない、<つまらない>を形にしたような生涯を過ごし、そして、誰にも気づかれず静かに死んでいった。

・・・・・・・こうなったのは誰のせいだ?親か?それとも神か?

————————

そんなこと知る由もない、それに知ったところで、何にもなるはずがないではないか?

それなら、ただただ運命を呪おう、そして

ーーー自分を呪い続けようーーーーーー

 

ーーなんだ?どういうことだ?なにがおきてる?

私は死んだはずだろう?何故意識がある?それにここは?人里・・・・・・・?

有り得ない。コレは幻想か何かだろう・・・・・・・

ーーーいや、まて、前にこんな話を聞いたことがあったな。

人間が妖怪になったという・・・・・・・まぁ子供だましの童話だったかもしれんが。

もしや、・・・・・・・・・・・・・

やはり、そうなのか・・・・・・・・・・・・・信じられないが、事実そうなのだからしかたがない

どうやら、私は妖怪になったようだ・・・・・・・。

ーーーーーーーーー

どうする?妖怪になったんだから何かすればいい。何か・・・・・・・

・・・・・・・そうだ、そんなこと決まっているじゃないか、復讐だ、私を受け入れなかった世界に、復讐しよう。

<この世界をぶちこわしてやろう>

 

 

さて、生きている間もまともに外にでたことがなかったから仕方がないが、人里はこのようになっていたのか・・・・・・・

まぁそれはどうでもいい、とにかく、この体でどこまでのことができるものか・・・・・・・・・・・・・。

ん?あれは・・・・・・子供?

ちょうどいいあの子供を使ってなにができるか調べてみよう、

ーーーーーー

なんだ・・・・・・・もう気づいたのか。ふはっはっ!私をみておそれているのか、なんと心地よいっ!

さぁ、死ぬまでいたぶってやろう、どうしてやろうか・・・・・・・

ーーーーーー

なんだ、なにを言っている?「こないでっ!」?

そんなこと、祈っても無駄・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

んな!?どういうことだ。うそだろ?おいっふざけるなっそんなっそんなっ・・・・・・・・・・・・・

こんなはずでは・・・・・・・・・・・・・何故?何故だ?何故・・・・・・・・・・・・・

 

ーそして人里では独りの<魂>が消えていったー

 




ええと、最後までみていただきありがとうございました!
ええ、前話で一週間以内に更新するとか言ってましたが、すでにぎりぎりなんですが・・・・・・・・・
なかなかキツい・・・・・・・・・まぁそれでもくじけず頑張るのでw良かったら気長に待っていてください!
さて、今回のオマケ、勢いで書いたんですがひどいです、はい。

それでは次回もゆっくりしていってくださるとうれしいです!Seeyou next week!←(書いてみたかっただけですスイマセン)


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2章 4話~またまた、ですか・・・・・・~

注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・不定期更新
  ・妄想過多
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
  ・あやたん(に)inしt【不健全な内容が含まれます】

  以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていって下さいね


ひぃ・・・・・・・・・ひぃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひぃぃ・・・・・・・・・・・・・はぁぁぁあ

今僕は、お察しの通り、階段を上っています。

「ひぃ・・・・・・・・・・・・・ひぃ・・・・・・・・・」

体中が汗だくで、意識は朦朧としてきた。

「・・・・・・・・・大丈夫?。ですか?」

横からいっさい疲れを見せていない妖夢さんが聞いてくるのが、かろうじて分かった。

「はぁ・・・・・・え?あぁ、大丈夫ですよぉ~・・・・・・・・・ははっ・・・・・・・・・」

光のない目で僕が応えると、妖夢さんは

何ともいえない顔で、心配そうに階段を上るのを続けた。

~数分後~

「ひぃ・・・・・・・・・・・・・ひぃ・・・・・・・・・もう、無理・・・・・・・・・・・・・ですぅ・・・・・・・・・」

僕はそう言って、前に倒れる、そこには、石造りの道があった。

石造りの・・・・・・・・・道・・・・・・・・・?

僕はそれまでの疲労を忘れてバッと顔を上げた。

そこには白玉楼があった。

うっすらと僕の目に涙が映る、

「やっと・・・・・・・・・・・・・つい・・・・・・・・・・・・・た・・・・・・・・・」

そのまま、体中の力が抜けて前に倒れた、

「だ、大丈夫ですか!?」

そこに妖夢さんが駆け寄ってくる。

が、僕は登り切ったことに対する達成感に酔っていてそれどころではなかった。

 

 

「やりましたよ文さん!一人で登り切ったんですよ!」

そう興奮気味に言う僕を、縁側に座る文さんと、今妖夢さんが買ってきたお菓子を食べている幽々子さんが見る

「さいですか」

文さんが答える

え?それだけ?

「え?いや?自力で登り切ったんですよ!?」

「さいですか」

なおも語る僕に文さんは気のない返事を続けた。

その返事に若干不満を持ちながら僕は簡単に人里であったことを文さんに伝えた。

すると今度は文さんが興奮気味に、人里に妖怪が!?と身を乗り出して聞いてきた

僕は妖怪のことを知っている限り文さんに伝えた

「黒い煙のような妖怪・・・・・・・・・で、目撃者は少ないが、鞘があったというのなら実在するのでしょう・・・・・・・・・それで体を大きくすることができて、かなり速い・・・・・・・・・こいつはネタのにおいがぷんぷんしますねぇ」

文さんは心底楽しそうに言うと、いつも持ち歩いているネタ帳と呼んでいる、手のひらサイズのノートに、サラサラと新しく書き込みを加えた。

幽々子さんが一枚のせんべいをカプッとくわえて

楽しそうに笑った。

 

 

僕はなおも妖夢さんの取材を続けていると、妖夢さんはおもむろに庭に繰り出し、

腰に差した剣二つをスッと抜いて、素振りを始めた。

その様子はなんだかとても凛々しくてかっこよかった。

相も変わらず縁側で幽々子さんと談笑している文さんは妖夢さんをみて、ほうと小さく呟くと

「相変わらず精が出ますねぇ」

と笑った

相変わらず、ということは、ずっと続けているのだろうか?

そう考えながら、僕は妖夢さんを見つめていた。

「すごいなぁ・・・・・・・・・」

自分すら意識せずに僕は感嘆の声を漏らした、

「手合わせ・・・・・・・・・・・・・願ってみます?」

ふと、後ろから楽しそうな声が聞こえてきた。

「ひゃぁっ!?」

僕はおきまりのごとく驚いた後、涙目で

「だからふつうに話しかけてくださいっ!」

と文さんに言った。

そうしてからさっきの文さんの言葉について少しだけ平静に戻った頭で吟味する。

「手合わせ!?」

僕は吟味した上でそう叫んだ

「はい!手合わせです」

文さんは心底楽しそうにそういった。

 

 

「手合わせ・・・・・・・・・ですか・・・・・・・?」

妖夢さんが不思議そうな顔で文さんにきく

「そうです、といっても真剣で斬り合うわけではなく、木刀を貸すのでそれで、まぁ相手に当てるなり、突きつけるなりしたら勝ちです」

「はぁ・・・・・・・・・・・・・」

まだ納得がいかない様子で妖夢さんが頷いた。

僕が文さんに問う

「なんで・・・・・・・いつもそんなに戦闘の訓練をすることにこだわるんですか?」

文さんはいつぞやの回答と同じく

「だから、ここ幻想郷はとても危険な----」

「それはもう聞きました!」

僕はそういうとどうにか、戦闘を避けられないかとほかのいいわけを考える、そして

「それに妖夢さんはよくても幽々子さんが大事な庭師さんを傷つけたくないかもしれないじゃないですか!」

そう言って幽々子さんをみた、

急に振られた幽々子さんは

「いいわよ~、」

と穏やかな声で言った、

-----僕に救いはないのだろうか?

 

 

そして、なんやかんやで結局またまた、戦闘訓練をすることになったわけですが・・・・・・・・・

ふふふ-----僕は心の中で笑っていた。

こんなこともあろうかと、実は毎日文さんに気づかれないように、体力づくり、イメージトレーニング、その他諸々をやってきていたのだ!

出来る限り闘うことは避けたがったが決まってしまったものは仕方ない。

今なら、勝てはしないまでもそこそこいい勝負を繰り広げられるはずだ。

ふふふ--------妖夢さんには悪いですがここは本気でやらせてもらいます!

そう心の中で明言すると僕は前を見て木刀二本を構える妖夢さんと向かい合った。

空気を読んだのか風がヒューーッと吹き抜けた。

スッと妖夢さんが踏み込む、それをみた僕は注意深く妖夢さんの動きをみた

その次の瞬間僕の後ろには妖夢さんがいた。

それに僕は反射的に、持っていた短剣(鞘つき)を後ろに回してかがんだ

「ゴッ」という鈍い音がして僕は後ろに転がった、

すぐに体制を立て直し、僕は冷静にした頭の中で考える、

ん?え?・・・・・・・・・えええぇぇぇ!?なに?今の、速くない?え?速くない?いや、ちょと、え?無理でしょ!?

意味が分からないまま妖夢さんがもう一度踏み込む、

今度こそはと僕は妖夢さんの動きに全神経を集中させる。

今度は正面から突っ込んできた、

「っ!?」

さっきので少し分かっているつもりだったんだけど、さすがに速くて、怯む。

今回もほとんど反射に近い形で妖夢さんの動きに反応し短剣で受け止める。

今度はとばされることはなかったけどすぐに次の木刀が飛んでくる、

7回目の木刀をギリギリでよけた後で僕は一度後ろに下がって落ち着いた、

とにかく、妖夢さんが予想以上に強かったのは把握できた・・・・・・・

それで・・・・・・・・・どうする?どうすればベストだ?普通に闘ったって確実に勝ち目はないし・・・・・・・・・・・・・

僕は思考を限界まで加速させる、そして、一つの答えにたどり着いた。

-----ふつうに闘って勝てないから、<ふつう>に闘わなければいいんだ-----

この状況に至った上で、僕は不敵に笑った

その様子を見た妖夢さんの表情に若干動揺がみられた。

僕は・・・・・・・・・・・・・僕は・・・・・・・・・

持っている短剣を・・・・・・・・・・・・・妖夢さんに投げつけた・・・・・・・!!

妖夢さんはもちろん、縁側でみていた幽々子さんと文さんも

「えっ!?」

と驚きの声を上げた。

投げつけた短剣は円をえがきながら妖夢さんの顔めがけて、飛んでいく。

妖夢さんは驚きながらもスッと横に転がることで短剣を避けた。

大丈夫、それでいい、ひるんでくれれば、大丈夫・・・・・・・

僕は妖夢さんに全力で走っていく・・・・・・・

そう、走っていく--------ハズだった

僕はそこでグルッと視界が反転するような感覚を覚える

「あれっ?」

気の抜けた声が脳内にこだまする。

(嘘っ?なんで・・・また・・・・・・・・・)

僕の意識はそこで途切れた。

 

 

うっすらとした意識のまま僕は目を開けて周りの状況を確認する。

僕の顔をのぞき込む顔が3つ、それは当然のごとく、文さん、妖夢さん、幽々子さんの三人だった

「お、気がつきましたね」

文さんが笑顔でそういうと、僕はすぐに、布団から起き上がった、

そして、

「すいません・・・僕・・・・・・・また、気絶しちゃったみたいで・・・・・・・・・・・・・」

それを聞いた文さんが

「いえいえ謝る事じゃないですし、気にしなくていいと思いますよ」

文さんはそういってくれるが、こうも毎回気絶しているんじゃさすがに気になる

それにこれのせいでいろんな人に迷惑がかかるのは、申し訳ないし・・・・・・・。

そう思っているとふと、あることに気づく、

「あの・・・・・・・妖夢さん、怪我とかはなかったですか?」

その問いに、何か考えていた様子だった妖夢さんが、我に返り答える

「え?あぁ、大丈夫です、」

「そうですか・・・・・・・良かった・・・・・・・・・・・・・それにしてもこの勝負、僕の完敗ですね・・・・・・・」

僕が苦笑しながら言うと妖夢さんが若干怪訝そうな顔をしたような気がしたが、すぐに話しかけてきた文さんのおかげであまり気にすることはなかった。

「そうです、鞘、今のままではそのうち怖~い妖怪に食べられちゃうかもしれませんよ?」

文さんが笑いながら手を前に垂らすようにおどけて言った

さっきの煙のこともあって、僕は少し顔をひきつらせながら

「はい、・・・・・・・精進します・・・・・・・・・・・・・」

と答えた。

そして布団の横に置いてあった短剣を腰に戻した。

 

 

 

     続く・・・・・・・・・・・・・

 

小さなおまけ~妖夢視点の戦闘訓練~

戦闘訓練・・・・・・・・・なんだかよくわからないまま始まったわけだが・・・

さて、どうするか、・・・・・・・まぁ鞘さん相手にてこずることはない・・・とは思うが。油断は禁物だ

油断なんかしてたら負けても不思議はない。

絶対手を抜くな・・・・・・・・・

そう自分に言い聞かせて一歩踏み込んだ、

鞘さんの後ろに回り込んで寸止めできるように少しだけ手加減して木刀を放った、

鞘さんなら避けられないだろう、そう思っていた

が、予想に反し鞘さんは鞘のついた短剣で木刀を防ぐ

それでもぶつかった反動で後ろに転がっていった。

あれを防ぐのか・・・・・・・・・これは思ったより厄介かもな・・・・・・・・・

そう考えながらもう一度鞘さんに向かって踏み出す。

今度は威力を押さえて連続で放つ、

が、こちらも全てそらすなり受け止めるなりされた。

「嘘・・・!?」

心の中でつぶやく、はっきり言って避けさせるつもりはなかったのだが・・・・・・・・・・・・・

避けられた・・・・・・・・・ということに若干のショックを抱きながら

次の攻撃を仕掛けようとしたとき・・・・・・・・・・・・・

ふと鞘さんを見やる、そこには不敵に・・・・・・・・・いや獰猛という方がしっくりくるような表情で笑っていた

(まずっ!)

そう思ったときにはもう遅かった。

鞘さんは手に持っていた短剣を私に向かって<投げた>

武器として持っているものを手放すなど、自殺行為ではあるが、事実、鞘さんは投げた。

全く予期していなかった攻撃にバランスを崩して横に転がる。

マズい、そう考える前に体が動く。

立ち上がって攻撃に備えられる体勢になる、

-----目の前には鞘さんが立っていた-----

後ろに回られたわけでも、前にかがんでいたわけでもない、ただ目の前に直立していた、

反射的に目をつむった。

しかし、短剣が突きつけられた感触はない、

そっと目を開けるとそこには気絶する鞘さんの姿があった。

その顔はさっきとは打って変わって穏やかな表情をしていた。

 

 

幽々子様に頭を上げながら言う

「すみません・・・・・・・・・負けてしまいました」

幽々子様は笑いながら大丈夫よ、といってくださった、が

「でも、人間の女の子に負けているようじゃ、まだまだよ?」

と付け足された・・・・・・・・・ん?

「え?女の子?鞘さんがですか?」

まぁ女の子と言われればそう見えなくはないが、僕と言っていたからてっきり・・・・・・・・・

「あら、気づいてなかったのね・・・・・・・・・」

幽々子様は気づいていたらしい、そしてちいさく

「まぁ、人間の女の子・・・・・・・・・・・・・っていうのは怪しいかもしれないわね」

といって笑った。

 




はい!最後まで見ていただきありがとうございます!

えとえと、なんだか週一ペースの更新になってますね・・・
これからは更新ペース頑張ってあげるように努力します!

さて・・・・・・今気づいたんですが前回で10話目だったんですねぇ。
いやぁ、はやいなぁ・・・・・・
こんな作品ですがこれからもよろしくお願いいたします!
応援して下さる方がいるととてもありがたいです!

それでは次回も是非ゆっくりしていって下さいね!


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2章 5話~取材終了~

注意
 ・この作品は東方projectの二次創作です
 ・妄想過多
 ・自分設定
 ・不定期更新
 ・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う設定
 ・もうそろそろネタがキツいよ?


僕は目の前の光景に絶句する、そこにはとても4人分とは思えない、おびただしい数の豪勢な料理が並んでいた。

「うわぁ・・・・・・・・・!」

5回目の感嘆の声が漏れる。

僕が妖夢さんに言う。

「すごいですね!どれもこれもおいしいそうで・・・・・・ただ・・・・・・・・・・・・さすがに4人でこの量は・・・・・・」

白玉楼でご飯をいただくことになった僕達は今、大きなテーブルの前で正座している。

「え?あの・・・・・・えっと、これは全部幽々子様の分で文さんと鞘さんの分は今、持ってきますよ?」

ん?、

僕は笑顔のままその場に硬直する、

幽々子様の分?ん?

僕はもう一度目の前のテーブルを見る

そこにはさっき見たのと変わらない豪勢な料理が、おびただしい数で列をなしている。

えっと・・・・・・何かの間違いだろう。僕は妖夢さんに聞く

「えっと、この料理は何人分なんですか?」

妖夢さんは怪訝そうに眉をひそめるともう一度

「ですから、これは全部幽々子様の分ですよ?」

といった。

視界の端で文さんがにやにやしてるのが見えた。

 

 

僕は目の前の幽々子さんに呆気を取られる。

幽々子さんはおそらく下品にならないギリギリのレベルで目の前の料理を平らげていく。

文さんも半分呆れ気味に幽々子さんを見る。

「すごい・・・・・・・・・ですね・・・・・・・・・・・・」

僕が何とか絞り出した言葉に文さんが

「同感します」

と苦笑した。

僕が幽々子さんをずっと見ていると、しばらくして妖夢さんが料理を持ってきてくれた。

その料理はどれもおいしそうなものばかりで、食欲がそそられるものだった。

「うわぁ・・・!さっきも言いましたけど凄いですね!」

「そうですか?」

妖夢さんが少しだけうれしそうに答えた。

僕は妖夢さんが持ってきてくれた料理をいただいた。

「おいしい!」

その言葉に妖夢さんが再度少しだけ嬉しそうに微笑んだ。

 

 

「ふぅ・・・・・・ごちそうさまでした・・・・・・・・・」

僕が満足して呟く。すると横で妖夢さんが

「おそまつさまです」

と口にした。

ちなみに幽々子さんは、かなり前に食べ終わっていて、満足そうにお茶を飲んでくつろいでいた。

僕は文さんの横に行って、

「幽々子さんっていつもこんなに食べるんですか?」

と聞いた。すると近くにいた妖夢さんが苦笑しながら

「まぁ、そうですね、宴会なんかになると、もっと食べますよ?」

もっと、食べる・・・・・・・・・幽々子さんの胃袋はどうなってるんだろうか?

ん?宴会って何だろう?

「あの、宴会って、何ですか?」

そう聞くと文さんが

「あぁ言ってなかったでしたっけ?」

そういって、文さんは話し始めた。

「宴会、ええと、どう説明すればいいでしょう・・・・・・・・・そうですね、博霊神社で行われることが多い不定期の、人が、というか妖怪や神様が多く集まるイベント・・・・・・って認識で差し支えないかと・・・・・・・・・」

ええと、ん?妖怪は何となく分かる・・・・・・・・・神様?

「え?あの、神様って・・・・・・・・・・・・」

僕のその問いに文さんは

「あぁ・・・・・・・・・・・・・・・ええとそのうち分かると思うんで省きます。」

えええぇぇぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とてつもなく適当にあしらわれたが、僕がついでにもう一つ聞く

「あの、じゃぁ、博霊神社って何処の事ですか?」

それに文さんは

「あぁ、そうですねぇ・・・・・・そうだ!鞘は昼間、霊夢さんとあったんですよね?」

「はい」

「その霊夢さんが巫女をつとめる神社が博霊神社です」

答えきった!という風に誇らしげにする文さんに、

質問と答えがかみ合ってないことを伝えようか迷い---

そしてやめた。

 

 

食事を終えて、これまた白玉楼のお風呂を借りることになった僕は、お風呂場に向かう、そしてその途中、妙な体験をした。そう、この白玉楼は幽霊が住まう館である。それを再確認させるような出来事だった。

これは、・・・・・・とても恐ろしいものがたりである。(ノンフィクションです、いやホントに)

僕はあのとき、そう、お風呂場に向かおうとして台所の前を通ったんです。

すると台所の方からガタッ、ゴロゴロと音がして、不覚にも僕は

「ひゃっ!?」

と声を上げて驚いてしまいました。

しかし、ガタッという音から察するに恐らく、お鍋か何かが落ちたんだろうと思い、台所に足を踏み入れました。

台所には案の定、机が一つ倒れていて、そこに乗っていたと思われる、野菜たちが転がっていた。

「ああぁぁ」

僕は音の正体が何の不思議もないものでとりあえず胸をなで下ろす。

そして僕は机を立て直して、転がっている野菜を拾い上げていきました。

丁度最後の野菜を手に取ったときのことです、また奥の戸棚から妙な音が聞こえてきました。

‘ぽり・・・・・・・ぽりぽり、・・・・・・・’

僕はその音を聞き、また体をふるわせました、

それでも勇気を振り絞り、戸棚を開けました、すると

-----そこには白い大きな人魂がいた。

「っ!?」

僕は声にならない悲鳴を上げ、暗転しそうな意識をどうにか保ち、一目散に台所を後にした。

 

 

僕は文さんのところに走りついた。

「あれ?鞘お風呂に行ったんじ「あああああやさんっっ!?おお、おおお、おば、おばけ、がっがが・・・とと、とととだなににつっっつまってててます」

文さんはにっこりとして、

「とりあえず日本語でおkですから」

その言葉を聞き僕が素数を数えて落ち着く、そして再度言った、

「あ、あああやさん!戸棚、台所の、戸棚にお、お・・・・・・おばけ、が。」

「え~と、おばけならそこら中にとんでますが?」

僕は周りを見回す。

文さんの言葉通り多くの白い人魂たちが飛び回っている。考えてみれば、さっきからそうだった。

「鞘~?大丈夫ですか?」

文さんの言葉で我に返る

「へ?あぁぁぁ!だ、大丈夫です。失礼しましたぁ!」

僕はそういって恥ずかしさを隠すようにお風呂場まで走っていった。

背後で文さんが笑っていたのはきっと気のせいなんだろう、そう!そうにきまっている。

 

 

僕はのれんをくぐり脱衣所に入った。

ふぅ、今日も疲れた・・・・・・、

さすがにあの階段を上り下りするのは足に響く、おかげでくたくたで今すぐにでも横になりたいんだけど、まぁそういうわけにもいかないし、お風呂に入れるだけ感謝しなくては!

そう思い僕は、お風呂の扉を開けた。

「みょんっ!?」

・・・・・・・・・・・・・それと同時に、お風呂場にあまり聞き慣れない叫び声が響いた。

僕がそっちをみると、妖夢さんが真っ赤な顔でこちらをみていた

「あ!妖夢さんも入ってたんですか、ご一緒しても大丈夫ですか?」

その問いに答えることはなく、妖夢さんは僕の体を凝視した後、無言で顔を噴火しそうな色にして俯いた。

その反応に若干疑問を抱きながら、僕は湯船に使った、

妖夢さんは尚もゆでだこ状態で僕を一瞬見ては一瞬で目をそらし・・・・・・という動作を続けていた

さすがに心配になり、

「あの、妖夢さん・・・・・・大丈夫ですか?どこか調子でも・・・・・・・・・・・・・」

そして僕はこのタイミングであることに気づく、

<妖夢さんもしかして、僕のこと男の子だと思ってたんじゃ・・・・・・・・・・・・・>

そう思った瞬間に僕の体温もマッハで上昇し、顔も紅葉より赤く染まった。

数分間の沈黙の後、僕が口を開く。

「あの・・・・・・えっと、そのぉ、妖夢さんは、僕のこと、その・・・・・・・あの、男性だと思ってましたか?」

そういった瞬間妖夢さんは俯いていた顔を一瞬だけ上げ、頭から煙を出して、また俯いた。

あぁ、これ思っていたやつだ・・・・・・・・・・・・・

どどどどどどうすればいいんだろうか・・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・」

沈黙に耐えきれず、僕が口を開く。

「えっと、・・・・・・・その、だ、だだ・・・大丈夫、です・・・・・・・よ?」

その言葉に妖夢さんが少しだけ顔をこちらに向けた。

「その・・・・・・・・・前にも間違えられえたことありますし、気にしてないです!」

僕がそういうと妖夢さんは心なしか安心したように微笑し、そしてこっちを向いて

「ありがとうごボワッ」

何か言い掛けて噴火する。

「だだだだ、大丈夫ですか!?のぼせました!?」

僕がそばによると

「だだだだ、大丈夫です!の、のぼせたんで先にあがりますね!?」

そういい残して、ふらふらする足取りで脱衣所へと行ってしまった。

「大丈夫かな・・・・・・・・・・・・・」

僕は妖夢さんを心配しながら湯船につかる。

そして疲れ切った体でお風呂を堪能した。

 

 

「それでは、取材はこれで終了です!ご協力ありがとうございました!」

文さんが明るく言うと、

「いいのよ~~こっちもたのしかったわ~」

幽々子さんが相変わらずおっとりとした口調で言った。

妖夢さんはお風呂場のときのように俯きがちだった。

「それでは今後も文々。新聞をごひいきに」

そういい残して僕たちは白玉楼を後にした。

 

 

天狗とその助手がいなくなった白玉楼で妖夢は幽々子に問う

「不思議な子でしたね」

「鞘のこと?」

「はい・・・・・・・・・あの人間とは思えない身体能力は何か不自然な気がします。」

「そ~お?ふつうの女の子だったじゃない?」

幽々子が言うと妖夢は、

「そうですね、恐らく杞憂にすぎないと思いますが。」

それに対し幽々子は妖夢にも聞こえない声で呟いた、

「杞憂・・・・・・・・・だといいんだけどね・・・・・・・」

満月の中の、その声はいつもの様子とは違う深刻そうなものだった。

 

 

長い長い階段を下りていく途中、僕は言った。

「それにしても、疲れました・・・・・・・・・・・・・」

するとすぐさま文さんが

「そうですね、今回はほんとによく働いてくれました!ありがとうございます」

ド直球の感謝の言葉に僕は照れ隠ししきれずに

「いやぁ・・・・・・・そんな」

と答える。

「まぁ!ネタのストックもたまってきましたし!いい調子です」

そんなことを言う文さんを後目に、

僕はふと、こんな日々がずっと続くといいな、と本心から思うのだった。

 

 

        続く・・・・・・・




はい!見て下さりありがとうございました!

さて、ええと、最近誤字脱字が増えているので今回も見られるかもしれませんが、
もしあった場合はご指摘して下さるとうれしいです。

それでは次回もよろしくお願いします!ゆっくりしていってね~

あとがきかくのつかれた。


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おまけ編 2
おまけ編 1話~弾幕・・・ってなんですか?~


注意
  ・この作品は東方projectの二次創作です
  ・不定期更新
・自分設定←今回特に!
  ・妄想過多
  ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
  ・文様をぎゅうぎゅうしたいなじたばたする文様を押さえ込んでぎゅーってしたいな!腕かまれるのもありですよ?むしろかんで下さい文様!
    以上のことが苦手な方もせっかくなのでゆっくりしていってくださいね


目の前を飛んでくる淡い光を放つ小さな球体

僕は無数のそれをただひたすら避け続けた。

そして文さんのところにたどり着き言い放つ

「攻符!【---」

 

 

 

 

白玉楼の取材を終えて2日ほどたったある日、

僕はいつものように文さんの仕事場の文献を読んだり、隙を見て体力づくりをしようとしていた。

堂々とやればいい?だってなんか恥ずかしいですし・・・・・・・

・・・・・・・まぁ文献を読んでいたら、ふいに文さんに話しかけられた。

「鞘、今ちょっといいですか?」

「え?・・・・・・・あぁ!はい、大丈夫です!」

僕がそう答えると文さんは僕の座っているいすの横に座った。

「ええとですね、鞘が読んでいる文献で【スペルカード】について扱ってるものってありました?」

スペルカード?僕は初めて聞く言葉に首を傾げた。そして

「いえ・・・・・・多分無かったと思いますが・・・・・・」

その答えに文さんはニコリと笑って

「それじゃ教えますね」

そういった

 

 

「ええと、まずこの幻想郷には弾幕ごっこ、と呼ばれる決闘法があります。これはですね、ええ......妖怪と人間との力量差を縮めるためにスペルカードルール、というものに基づいておこなわれます。」

僕はいきなり出てきた知らない単語に困惑する。それを見た文さんが説明してくれた。

「え~、その弾幕ごっこを行うための<スペルカードルール>ですがこれは幻想郷内の揉め事を解決するためのものです。えぇ、対決の際には技名を記した、スペルカードという札を所持しておいて、弾に触れれば負けとなります。また、スペルカード使用時には宣言が必要なので不意打ちは不可能となります。」

「はぁ・・・・・・・」

早口に説明を終えた文さんを見て僕はそんな概念があったことに驚きながらも質問をしていく、

「その、ええと、それは・・・・・・・当たっても死なないんですよね?」

僕の問いに文さんは

「まぁ多少痛いですけど、致命傷になることはまずないでしょう。」

と答えた。

その答えに僕は少しだけ安堵する。

すると文さんが実際の弾幕を見せてくれると言った。

僕は文さんにつれられ、仕事場から出る。外は日差しが強かった。

 

 

比較的広い場所にでると、文さんは見ていて下さいといって、少し遠くに移動した。

そして、

「疾風【風神少女】」

そういうと、文さんの周りから無数の淡い光を放つ球体が飛び出してきた。

その球体はかなり速い速度で移動し、やがて消えた

僕は目の前の光景に呆気をとられて、声を出すこともできなかった。

文さんが横にやってきて、

「コレが弾幕です。まぁ形は様々ですがね。」

そういった。僕は文さんにやっとのことで

「ど、どどどうやって出したんです?」

と、一番気になったことを聞く。すると

「今から教えますから」

文さんはそう微笑して、僕を再び仕事場へと連れて行った。

 

 

僕は文さんの仕事場に戻り、<スペルカード>と<弾幕>についてきいた。

スペルカードとは自分の技を記したお札のことで、闘う際は攻撃するときに技名を言う必要がある

つまり不意打ちはできないという事だ。

弾幕というのは、すなわちスペルカードで放たれた攻撃のことで、その弾幕を避け、相手を被弾させれば勝利なのだ。

そして、肝心のスペルカードの作り方なのだが、

「はい、できましたよ。」

文さんが一枚の札を僕に差し出しながら言う、

「こんなに、簡単に作れるものなんですか・・・・・・・」

僕が言うと文さんは

「まぁ弾幕はイメージを具現化させたもので、これは、実際に弾幕を出すのとは関係ないただのお札ですから」

そういい、文さんはポイッとお札を投げた。

それを僕があわててキャッチする。

「それで、弾幕って言うのは、どうすれば出せるものなんですか」

あまりに直球の質問だったが、それ以外に聞き方が見つからなかった。

「そうですね~実際に言葉で説明するのは難しいんですが・・・・・・・強いて言うならばイメージ、ですかねぇ」

「イメージ・・・・・・・ですか?」

そういえばさっきもそんな言葉を聞いたような、

「そうです、まぁ実践あるのみですし!とりあえずもう一度外に出ましょう。」

どうしよう・・・・・・・展開が早すぎてついていけない・・・・・・・。

 

 

さて、またまたさっきの場所に戻ってきたわけなんですが、

「じゃぁ、とにかくやってみましょう!」

文さんはそういって、さらに

「スペルカードの名前は決めましたか?」

え?名前?

・・・・・・・・・・・・・完全に忘れていた。

「その反応から察するに決めてないんですよね」

文さんは苦笑しながらいい、僕はそれに頷いた。

「まぁそんなに考えなくても最初ですし適当でいいですよ」

そうはいってもやっぱり考え込んでしまう。

僕が悩みに悩んでいると、

「う~ん、だいたいは○符【○○】っていうのが多いですね」

そう文さんに言われ、さらに数分、数十分?悩んで、悩んだあげく、

「決まりました!」

「おお!そうですか!それじゃ早速やってみましょう」

太陽はまだ高い位置にあり時間の心配はなさそうだった。

僕は文さん前に出て、一度深呼吸をしてから、お札を前につきだして

「功符【棘獄】!」

そういうとともに、無数の細長い弾が空を裂く・・・・・・・・・・・・・

のをイメージしたのだが、実際は

---ヒュンッ

情けない音ともに一本の弾丸が力なく飛んでいった。

「・・・・・・・・・・・・・」

僕が無言で後ろを向くと文さんは

「最初ですし、むしろでる方がすごいですよ・・・・・・!」

と、必死に笑いを噛み殺しながら言った。

・・・・・・・・・・・・・泣きたいです。

 

 

「さて!まぁとりあえずは弾幕も出せるようになったわけではありますし、今度は一番重要な弾幕を<避ける>ことについて練習していきましょうか!」

文さんにそういわれて、先ほどの文さんの弾幕を思い出す。

・・・・・・・・・・・・・大丈夫だろうか・・・・・・?

そんな心配は知らずに文さんがどんどんと話を進めていく。

「それでは、鞘には私が出す弾幕をすべて避けた上で、私に弾幕を当ててもらいます。」

え?いやいやいやちょっと待って?え?それはさすがに・・・・・・、

「もちろんただやっても難しいと思うので、一つハンデをもうけます!」

文さんのその発言に僕は素早く顔を上げた。

「ハンデ、ですか?」

「はい、ハンデとして私は、<一歩も動きません>」

え?・・・・・・・・・・・・・文さんの発言に、僕は驚きを隠せずに目を丸くする。

「そんな、それはさすがに・・・・・・」

僕がそういうと、文さんは苦笑しながら、

「ははっ、なめないで下さいよ、それぐらいどうって事はないです!」

「はぁ・・・・・・・・・・・・・」

 

 

かくして、僕と文さんの<弾幕ごっこ>が始まった。

それにしても、文さんは一歩も動かないって・・・・・・・・・・・・・

いくら何でもなめすぎだ!

僕は文さんにぎゃふんっと言わせてやろうと、気合いを入れ直した。

すると文さんはかなり遠い場所から、

「はじめますよ~!!」

と大声で言った。

僕が頷いて応答すると文さんがスッとお札を前に構えた、

それを見た僕は一気に全神経を集中させた。

「疾風【風神少女】!」

そういうと文さんの周りから、さっき見たものの3倍近い量の弾幕が飛び出してきた。

「!?」

僕は驚きつつも、声を上げる暇もなく本能的に横に倒れ込むことで避けた、するとその目の前には光を放つ球体、

「マズッ---

言い終わる前には僕は被弾してしまっていた。

おでこに殴られたような鈍い痛みが走る。

「っ痛たたっ・・・・・・」

僕がそうつぶやくともう、すぐ横には文さんがいて、僕に

「大丈夫ですか?」

と声をかけた、

「え?あ!はいっ!大丈夫です!」

口ではそういったがまだ少しおでこに痛みを感じる・・・・・・

それにしても・・・・・・まさかあんなにすぐ、当たっちゃうとは・・・・・・

僕はかなり落ち込んだ後、文さんに少し期待混じりの視線を向けた。

「もう一回、やりますか?」

文さんが微笑みながら言う。

僕は目を輝かせながら

「はいっ!」

と答えた。

 

 

こうして僕は二度目のチャンスを手に入れたんですが・・・・・・

さぁ、どうやって避けよう・・・・・・・・・・・・・がむしゃらに避けるのはあんまり賢い選択とはいえないだろうし、

そんなことを考えていると文さんがさっきと同じ位置にいって、

「いきますよ~」

と声を上げた。

すかさず僕は文さんを見る、

文さんがお札を手に取り

「疾風【風神少女】!」

と宣言した。先ほどと同じ無数の弾が僕に襲いかかる。

僕は頭の中で考えたことを復唱した

さっきの僕が被弾した原因は、避けたときに体勢を崩したことだ。

それなら、体勢を崩さなければ!

文さんが放った弾幕に集中し、できるだけ小さな動きでかわしていく。

「ほぉ・・・・・・」

文さんが小さく言ったが、僕はその声も聞こえなほど集中していた、

しかし---

「っ!?」

僕は目の前の弾幕をみて一瞬動きが止まる。

これ、右と左どっちに避ければ・・・・・・・・・・・・・

迷っている間にも弾は近づきとっさに右に避ける、

が、避けた先にまた一つの弾、それもかがむことでどうにか避けたが、次の弾はさすがに、

「間に合わな---」

僕の視界は、一度真っ白になって、通常に戻ったときには頭に痛みを覚えた。

いつものようにいつの間にか横に移動していた文さんが苦笑しながら、

「大丈夫ですか?」

と聞いてくれた、が、僕はその問いを無視してこういった。

「もう一回!お願いします!」

 

 

 

    続く・・・・・・・・・・・・・

 

 

小さなおまけ~キヲク~

「こころ~!」

自分を呼ぶ声に意は手に持つ紙から目を離して振り向いた。

「あ、えり!どうしたの?」

意がそう聞くと

「なにって~期末テスト結果聞きにきたに決まってんじゃん!」

明るくえりが答える。

意はそれに対して、

「はは、いつもどうりだったよ~」

自棄になっているのか絶望しているのかよくわからない表情で答えた。

意の手にしている成績連絡票は1桁と2桁がちらほら見えるものだった

「うん、次は頑張ろうね......。」

えりがさっきとは打って変わってトーンを落とした声で慰めるように言った。

「まぁまぁ、それはおいといて、こころって、クリスマスなんか予定あるの?」

えりがそう聞くと意は

「え?いや別にないけど・・・・・・えりはええと、あの・・・・・・」

意が思い出せずに言葉が詰まっていると、えりが「籠城先輩?」

「そう!その人と過ごさなくていいの?」

そういうとえりが少しだけつまらなさそうに、

「あの人は忙しいもん・・・・・・せっかく付き合えたのに・・・・・・・」

と愚痴をこぼした。

「っていうか!意も彼氏ぐらい作りなって~」

えりが意に言う、意は苦笑しながら

「いや、私はちょっと・・・・・・・」

とだけ言った。えりがテンションをあげて言う。

「え~!だってあんた絶対もててるよ?顔可愛いし、仕草きれいだし、スポーツできるし!確かテニス県大優勝でしょ?それに性格はこの私が太鼓判を押すぐらいに完璧なんだから!」

意はほめちぎられて少しだけ照れながら「そんなことないよ・・・・・・」といった

「ただ少し頭がかわいそうなだけなのにね~」

親友に最後の最後で谷底に突き落とされた意は静かに溜息をついた。




はい!最後まで閲覧感謝感謝です!
ええと、今回、更新が遅れてすいませんでしたぁ、
いやですね?自分も書く時間を作ろうとは思ってたんですか・・・
彩風(今日部活休みだし早く帰れるじゃん♪)
副部長「おまえ残り練くるよな?」
彩風「・・・・・・」

彩風(朝早くに書けばいいじゃない!)
副部長「明日から朝練の時間早めまーす」
彩風「・・・・・・」

という何とも悲しい上下関係(同学年)で書けていなかったわけです・・・
しかしこれからもできるだけ早めには更新しますから、よろしくお願いいたします!

それと、余談なんですが・・・・・・
先日、某診断系サイトをリアともに紹介され遊んでいたんですが・・・・・・
<あなたがロリコンがどうか診断します>
彩風「!?」
これは・・・・・・ロリコン疑惑(2章1話あとがき参照)を晴らすチャンスでは?
やるしかない・・・・・・
一つ目の診断<あなたはロリコンです>
二つ目の診断<残念ながらあなたはロリコンです>
三つ目の診断<ロリコン度10000%>
四つ目の診断<黄金聖闘士級のロリコン>
五つ目の診断<警察による更正プログラムを受けましょう>
六つ目のロリコン<横で誘拐してきた小学生が寝てないことを祈りますよ>
七つ目のロリコン<㌔㍉?>
八つ目のロリコン<この・・・・・・っ!ロリコン共めっ!>
九つm「嘘だっっっっっっ!!!!」
?「ところがどっこい現実でぇぇす」←(カ○ジ結構好きです。)
彩風「あぁぁんまぁぁりだぁぁぁぁあ」

はい!以上疑惑が確定に変わった瞬間でした!泣きたい♪

そして、ラストに、超悲報が!
なんと制作者の労力とやる気と技術の枯渇により<今回の鞘>が不定期更新となりました!オイソコォ!ヨロコブンジャナイ!
今後は不定期の更新となります・・・・・まじめにごめんなさい・・・
それでも、こちらもできるだけ多くのせていくつもりですので!
できれば待っていていただけるとありがたいです!

それでは次回もゆっくりしていってくださいね!


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おまけ編 2話~勝てるわけがない・・・・・・・にげるんだぁ~

ぴーんぽーんぱーんぽーん
このしょうせつには
・二次創作物
・不定期更新
・妄想過多
・自分設定
・にわか
いじょうのようそがふくまれます。
それでもおk!ってひともそれいがいもできればゆっくりしていってください。


「ひにゃっ!?」

「ふぎゃぁっ!?」

「ひぎゃんっっ!?」

「うひゃっ!?」

「(グキィッ)痛っ!?(足首をくじきました)」

・・・・・・・・・・・・・

僕の悲鳴が8回目を迎えた頃。

「あの、鞘?大丈夫ですか・・・・・・?」

文さんが聞いてきた。

「だ、大丈夫に、決まってる・・・・・・じゃ・・・・・・ない、です・・・か・・・・・・・・・・・・・」

僕は必死に言葉をひねり出す。

「え~と、普通はそれを<大丈夫>とは言わないんですが、・・・・・・まだ続けますか?」

文さんが呆れ8割感心2割で言った。

もちろんお願いします!と言いたかったがそんな余裕はないので、頷いて答えた。

文さんが少しだけ考えるような仕草をした後

「じゃぁ・・・・・・日も暮れてきましたし・・・次で最後にしましょう。」

「・・・・・・分かりました。」

できればもっとやっておきたかったが、確かに日も沈みかけてるからしょうがないか・・・・・・・

「それじゃ、ラストチャンスです!」

文さんはそう言ってスタート位置まで戻った。

 

 

「ふぅ・・・・・・」

僕は短く深呼吸をした。全身が弾幕を受けて痛むけど今は気にしない。

さぁ、最後の一回、どうすれば勝てるんだ・・・・・・

文さんは一歩も動かないんだし、勝ち目がない事はないと思うんだけど・・・

今まで何度かやってきて分かったことといえば、

・・・・・・体勢を崩したらほぼ確実に負ける・・・あとは・・・・・・・・・・・・・

自分の観察眼に心底落胆していると、文さんが

「いきますよ~」

と、スタートを合図した。

僕はいつも通り全神経を集中させる。

そしていつでも動けるように体制を整えた。

「疾風【風神少女】!」

文さんの声が響いた。無数の弾幕が僕に襲いかかる。

僕は焦らず一つずつ確実に避けていく。

そして・・・・・・・・・・・・・僕はとても大きな発見をした。

「もしかして・・・・・・・パターン・・・・・・?」

思わず脳をよぎった考えを口に出した。今思えば、文さんの弾幕は僕との対戦の時はすべて同じ方向から同じ数が飛んできている。

自分がそれに気づいたことに対する電流が体を走ったのが分かった。

僕は目の前の弾幕だけではなく、周りの弾幕も視界に入れた。

すると思わぬ事に弾幕はすべて同じ間隔、同じスピードで進んできていた。

今までは目の前の弾幕のみに集中していたが、全体を見通すことで思ったよりも避けやすくなった。

僕の顔から思わず笑みがこぼれた、

<勝てる!>

そう心に言い聞かせてただひたすらに弾幕を避けていった。

 

 

ある程度たつと、文さんはもうわずか数メートルという位置に立っていた。

この距離なら・・・・・・当てられる!!

そして僕は言い放った。

「功符【棘獄】!!」

それとともに細くて弱々しい光の筋が飛び出し、

そして文さんを貫く・・・・・・・・・・・・・

という想像は見事に裏切られ、僕のはなった弾幕は文さんのかなり上を通り過ぎていった。

文さんが笑いながら

「次は命中させる練習ですね・・・」

まるで当たるはずがない、と確信していたかのような余裕の表情で言うと、小さく

「風符【風神一扇】」

そう言い、

文さんから放たれた弾幕が僕の体に刺さった。

 

 

「うぅ、・・・・・・・・・・・・・最初から負けるはずがないと踏んでたんですか・・・・・・?」

僕が文さんに消毒液を塗ってもらいながら尋ねる。

「痛ったた......。」液が染みて顔をしかめる。

「まぁ・・・・・・・そうですねぇ、あそこまでたどり着くのは予想外でしたが、さすがに被弾するとは考えて無かったですねぇ」

文さんはそう苦笑した。

「じゃぁ、僕は文さんに遊ばれただけ、ってことじゃないですか!!」

僕が訴えると

「いえいえ、ちゃんと訓練としての事でしたよ?、事実半日前まで弾幕を知らなかったとは思えない成長ぶりですし」

文さんにコロコロと笑いながら返され、返す言葉を見失い、ただ頬を膨らませながらふてくされていた。

その僕を見て文さんが声をかける

「まぁまぁ、そんなに怒らないで下さいよ」

「怒ってないです!」

そう明らかに怒っている様子で言う僕を無視して文さんが続ける。

「それはそうと明日はまたまた取材ですよ」

その言葉に僕は顔を上げ声色を変えて言う。

「え!?そうなんですか!今度はどこです?」

そう聞くと文さんはさっきまで持っていなかったはずの本を手にして、

ページを探して、そして僕に見せてくれた

「博霊神社・・・・・・・ええと、此処って確か・・・・・・・・・・・・・」

「はい、鞘が前に会った霊夢さんが巫女を勤める神社です。」

本には大きな鳥居がある立派な神社の写真が貼ってあった。

「それで、今回も一日取材するんですか?」

「あぁ、いえ・・・違いますよ」

予想と違う答えが返ってきたことに僕は少しだけ驚きつつも

「え?じゃぁ何か事件でも?」

文さんに聞いた。

すると文さんは頭を掻きながら

「あぁ、・・・・・・ええと・・・・・・・そのですね、・・・ちょっと面白そうなネタが無いんで・・・・・・とりあえず行こうかと・・・・・・・あそこに行けばだいたい何かありますし・・・・・・・」

笑いながらそう言った。

だいたい何かある・・・・・・・って・・・・・・・どんな神社なんだ・・・・・・・・・・・・・。

「はぁ・・・・・・・まぁ分かりました!」

僕はとりあえずそう答えると、明日に備えて!と早めに眠ることにした。

「それじゃ、先に失礼しますね」

僕はそう言うと、日中の疲れもあってかものの数秒で寝息を立て始めた。

 

 

 

 

その夜、射命丸文は、一つのノートを取り出して、書き込みを加えた。

そのノートには人間には読めぬ文字で【心音鞘】とだけ書いてあった。

そして射命丸文はページをめくった。

 

 

 

     続く・・・・・・・

 

 

小さなおまけ~【心音鞘】~

今日心音鞘《こころねさや》と名乗る一人の少女が妖怪の山麓で倒れているのを発見し介抱した。

彼女は人間であり恐らく外来人である。妖怪の山の麓に倒れていて無事だったことから察するによほどの強い運の持ち主なのだろう。

小さな手提げ鞄と鞘と柄が固定された短剣を持っており手提げ鞄には小銭と、文房具、メモが入っていた。

そして短剣だが、これについてはとても謎が深い、封印か何かの類で固定されているのか、ちょっとやそっとでははずれる様子がない。今後調べられる機会を待つことにする。

彼女は特に敵意があるわけではなく、面白そうなので助手として、雇うことにした。

これで当分は退屈しなくなりそうだ。

 

紅魔館への取材を終えたが鞘について、謎が増えた。

まず、戦闘訓練と称して身体能力を調べたが、予想通り並以下かと思いきや、時に人間にしては有り得ない速度で動いたりしていた。

紅美鈴の蹴りを肉眼で避けるなど、驚異的な身体能力を発揮するときもあるが、簡単な荷物運びでばてるなど、状況によって様々である。

能力と何か関係があるのかもしれないため今後も調べていくことにする。

 

外来本から見つけた【サバイバルゲーム】と呼ばれる、遊戯を再現して取材したが、今回もまた鞘は恐ろしいほどの身体能力を発揮した。

交戦中、私が上空から見ている中、【私さえ目で追えない速度】で敵の背後に回り込んだ。

しかし前回の戦闘訓練のときからも分かったが、驚異的な身体能力を見せた直後には気絶するようである。

また、本人はそのことを自覚しておらず、完全に無意識で行っているようなのである、

更に調べられることを楽しみに待つことにする。

ちなみに、気絶した彼女を介抱するときに調べたのだが

スリーサイズはB6・・・・・・・・・・・・・

 

 




はい!最後まで見ていただきありがとうございます!
えーと・・・・・・今回いつもより1000文字ほど少なくなっております・・・・・・・・・・・・・
ごめんなさい・・・・・・・なんていうかこう・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・・・・・・
さて、次は神社編ですね・・・・・・・もうホントほぼノープランで突入しているんですが・・・・・・・
まぁどうにかがんばります!w

あぁ!あとちなみに、本文中に書けなかった鞘のスリーサイズですが、え~と確か・・・・・・・上から
B ろくじゅうy・・・・・・・・・・・・・悪かったごめんなさい!ごめんなさい。いやほんとまじd・・・・・・・ギャァァァァア


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博霊神社の取材
3章 1話~早起きは三文・・・・・・・・・のとく?~


注意
 ・この作品は東方projectの二次創作です
 ・不定期更新
 ・自分設定
 ・妄想過多
 ・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
 ・もう率直に言います・・・・・・文を抱き((殴打




僕は今、何故か神社の掃除をさせられています。

なんで、・・・・・・こうなったんだろう・・・・・・

僕は箒をはきながら小さく溜息をついた

 

 

 

「鞘!鞘!起きて下さいっ!鞘っ!」

自分を呼ぶ声に反応し、僕は重い瞼を開けかけて、そして

「あと、・・・・・・あと・・・5分、いけ・・・・・・ます・・・・・・・・・・スヤァ」

僕のその答えにムッとした文さんが告げる。

「鞘が眠っているんだったら今のうちにスカートはかせてあげまし「起きました!起きました!おはようございます文さんっ!」

僕が体を起こして言うと呆れ顔で文さんが

「調子いいですねぇ~」

といった。

 

 

「それで、こんなに朝早くから取材ですか?」

僕があくびをしながら訊くと、

「はい!善は急げといいますしね、」

身支度をしながら文さんが振り向かずに答える。

そして

「それに、朝早く行くからこそ意味のあることもあるんですよ!」

そう言って笑った。

「はぁ・・・・・・・そうですか・・・・・・」

僕は眠っている意識をどうにか現実の方へと引っ張りながら言う。

そして、手提げに文房具、メモ帳、財布を入れて立ち上がると、文さんが言った

「それじゃぁ行きましょうか」

 

 

「やい!またあったな天狗!」

青い髪の大きなリボンをした女の子がまたまた僕たちに向かって叫んだ。

しかし文さんは完全にスルーしてスタスタと歩いていく。

「おい!無視するな!あたいはさいきょーなんだぞ!」

女の子がじたばたとしながら言うと横の優しそうな緑の髪の子が前と同じように宥める。

「や、やめなよ、チルノちゃん・・・・・・・」

チルノと呼ばれた女の子は、これまた前と同じように

「大丈夫だって大ちゃん!あたいはさいきょーだから!」

そういって胸を張った。

「あのぅ、文さん・・・・・・どうします?」

僕が一応訊くと

「どうもこうも・・・・・・・関わっていても時間の無駄ですし・・・・・・この前みたく、さっさとこの場を離れましょう。」

そういって文さんは背中に乗るように僕に指示した。

言われるままに僕が文さんの背中に乗ろうとすると、女の子が叫ぶ

「おい、天狗!また逃げるつもりか?」

そういう女の子を完全に無視していざ文さんが空へ飛ぼうとしたとき

「逃げたら面白いこと教えてやらないぞ!」

女の子の発した言葉に文さんの目つきが変わる。

「ほぉ・・・・・・・」

そう小さく言うと文さんは女の子の方を見て

「面白いこと・・・・・・・ですか?」

と繰り返す。

「そおだ!どうだ?まいったか!」

なんだかよくわからない理由で胸を張る女の子に対して文さんが告げる。

「よし、いいでしょう。あなたの言う勝負をして、私が勝ったらその面白いこと、というのを教えて下さい。私が負けたら、そうですね・・・・・・・面白いものをあげましょう」

その顔は自信と余裕と・・・・・・・何より好奇心に満ちあふれていた。

 

 

「よし!じゃぁ・・・・・・・あそこの木になってる実をとって、ここまで早く戻ってきた方が勝ちだぞ!」

「はい、分かりました」

女の子の言葉に何の躊躇いもなく文さんは笑いながら頷いた。

女の子が指さす方向を見ると、かなり遠くに一つだけ黄色の実をならしている木がポツンとたっていた。

あれなら確かに違う木の実でごまかすことはできなさそうだ。

「それじゃ、いくぞ~~~」

女の子は言いながら体制を低くして、

「よ~い・・・・・・・ドン!!!」

言う終わるやいなや物凄いスピードで女の子が飛んでいく。

・・・・・・・この世界の人達はこうも簡単に皆飛んでいるのだろうか・・・・・・

そして僕は文さんの姿を探す、が、全く見つからず、焦っていると、

「朝早くから・・・・・・元気ですよねぇ・・・・・・」

呆れるような声が横から聞こえ、その方向を見ると、

そこには文さんがいた。

僕があわてて言う。

「えぇ!?文さん早く取りに行かないと・・・・・・負けちゃいま・・・・・・・」

それに文さんは言葉ではなく手に持った黄色の木の実を見せることで答えた。

僕が驚きながら聞く。

「え!?・・・・・・その・・・・・・・・・・・・・どっどど、どうやって・・・・・・」

文さんは楽しそうに笑いながら

「ははは、見くびらないで下さいよ。これだけの距離ですし」

いとも簡単に裸眼で少しかすんで見えるようなものまでの距離を<これだけ>と言い切った。

すると、ものすごいスピードで女の子が戻ってくる。

地面に激突した勢いで周囲に少しだけ砂埃が舞った。

女の子が息を切らしながら文さんを見て言う。

「はぁ・・・・・・・はぁ・・・ど、どおだ天狗!びっくりして動けなかったか!。」

完全に勝ちきった表情の女の子に文さんが先ほどの木の実を見せて言う。

「それじゃ!面白いことっていうのを教えていただきましょうか?」

その声は全く息切れしていないいつも通りのものだった。

 

 

「おい!おまえいかさましたんだろう!?あたいはさいきょーだからおまえなんかに負けないんだぞ!」

頬を膨らませながらそう言う女の子に文さんはわざとらしく、

「え?貴女がもし<さいきょー>なら勿論私に面白いこと教えてくれますよね。」

こう言った。

それを聞いて女の子の動きが止まる。

「え?」

「ま、当然<さいきょー>だったら私に教えてくれるでしょうし、心配ありませんが・・・・・・もしかして貴女が<さいきょー>ではないなんて事はないですよね・・・・・・・・・・・・・?」

文さんが言い終わった後、数秒ポカンとしていた女の子がふいに意識を取り戻して

「そ、そりゃ!そうだぞ!な、なんて言ったってあたいは<さいきょー>だからな!!」

そう満足げに言った。

また、文さんも

「えぇ⑨《さいきょー》ですもんね」

と、満足げに言った。

 

 

「よし!じゃぁ<さいきょー>のあたいから、おまえ達に面白いことを教えてやろう!」

「はい!ありがとうございます!」

そう言う文さんの手にはいつの間にかメモ帳とペンがあり、そして目は好奇心によって光り輝いていた。

「ずばり、昨日の夜あたいが湖のほとりを歩いていたときのことだ。すると、紅魔館に忍び寄る影を見つけた。あたいは<さいきょー>だからもちろんそれがどろぼーだって事に気づいたんだけど」

女の子の口から泥棒という言葉が出てきたのに驚いて僕は文さんに

「あ、文さん!どどど、どろぼ・・・・・・」

そう言いかけてやめる、

女の子をみる文さんの目は先ほどまでのものとは打って変わっていて、光のない実につまらなさそうなものだった。

しかしそんなことはお構いなしに女の子は続ける。

「あたいがそのどろぼーの元まで飛んでいって、『やい!どろぼー!』って叫んでやったら、どろぼーのやつは一目散に逃げていったね!エヘンッ!」

そういってふんぞり返る女の子の話をまじめに聞いていたのは僕だけだった。

文さんが言い放つ。

「なるほど~妖精の間では日常茶飯事を面白いこと、と表すんですね~むしろそっちの方が気になりますわ~」

嫌み混じり、というか純度100%の嫌みを素直に受け取った様子の女の子は

「ふふふ・・・・・・・」

と自慢げに腕を組んでいる。

・・・・・・・・・・・あれ?ちょっと待って・・・・・・日常茶飯事?・・・・・・・・・泥棒が?

「ええぇぇぇ!?」

僕が驚きを思わず声に出すと、その場の三人が一斉にこちらを向いた。

「?・・・・・鞘?どうしたんです?」

文さんに聞かれ、僕は

「え?い、いや・・・・・・だって、日常茶飯事って・・・・・・・・・どっどど、泥棒が、・・・・・・ですか!?」

そう聞くと文さんが何の不思議もなさそうに

「えぇ、まぁ本当に一部の人間のみですがね。」

ここ幻想郷はかなり治安が悪かったらしい・・・・・・・・・・・・・。

 

 

「とにかく時間の無駄でした・・・・・・・・私たちはこれで失礼します。」

文さんはそう言い残し、僕を連れてその場を後にした。

「うぅ~ん無駄な時間を過ごしてしまいました・・・・・・・・・・・早く博霊神社へと向かいましょう。」

そう言って文さんは僕に背中に乗るようにジェスチャーで示す。

僕がそれに従おうとすると急に文さんがかがんでいた体を起こした。

「あれ、そう言えばここって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そう言って首を傾げる文さんにぼくは訊ねる。

「どうかしたんですか?」

それに対し文さんは

「あぁ、いえ前までここに封印を行った跡のようなものがあったんですが・・・・・・」

そう言う。その視線の先には何の変哲もない岩があるだけだった。

「見間違いとかじゃないですか?」

僕がそう聞くと、それもそうですねと答えて、もう一度身を屈めた。

僕が文さんの背中に乗っかると、

「それでは行きますよ・・・・・・っ!」

そう言って文字通り目にも留まらぬ速さで博霊神社へと向かった。

 

 

 

     続く・・・・・・・・・

 

 

小さなおまけ~妖精と白黒の魔法使い~

 

紅魔館の湖の畔、時刻は丑三つ時を少しすぎた頃だった。

一つの影が紅魔館へと忍び寄っていった。

霧雨魔理沙、大きな帽子をかぶった魔法使いで、盗みの常習犯である。本人は借りていくだけ!と主張するが、実質は窃盗と何ら変わらないものである。

彼女が今まさに紅魔館へ忍び込もうとしたとき、不意に後ろから声をかけられあわてて後ろを向く。

「なんだよ⑨妖精じゃないか、脅かすなよ。」

その声をかけた少女の正体を知り、彼女は安堵する。

「やいバカってなんだ!バカって、あたいはさいきょ・・・」

「だぁぁあ、うっるさい!!分かったからちょっと大人しくしてくれ、あ!そうだコレやるよ、ほれっ!」

彼女はどうにかその⑨を黙らせようとポケットにあった飴玉を投げる。

「おぉぉ」

ばk・・・・・・・・・失礼、・・・・・・⑨はその飴玉を受け取ってまじまじと見つめると、満足したように帰って行った

「ふぅ、扱いが簡単で助かるぜ・・・・・・・・・・・・さてと、」

彼女はそう言うと目の前の大きな屋敷を前につぶやいた。

「よし!今回はあれと、あれと・・・・・・あぁ!あとあの写本も欲しいなぁ、よし!まぁ全部持ってくかぁ!!」

その表情は夜の深い闇とは対照的にとても明るかった

 




はい、最後まで見ていただきありがとうございました。
さて、もう期末テストの時期です・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・どうしよう・・・・・・・・・・・・・・←嘘偽りなく文字通りノー勉の人。

まぁそんな個人的なことはおいといて、
完全な余談ですが、この前部活と学校以外で久々に外に出ました。
っていうのもなんか親にボーナスでも入ったのか、何を血迷ったのか回るすしを食べに行きました。
うぅむ久々に食べるすしはおいしかったんですが・・・・・・
さて、お品書きを見た彩風は思った・・・・・・
――かなり東方に毒されてるな・・・・・・(まぁいいけど)――
それというのもお品書きがなんか東方関連の文字に見える・・・・・・・・・
なかでも一番ひどかったのが・・・・・・
○○のもみじおろし。
もみじおろし・・・・・・
 椛 おろし・・・・・・
椛(で)おろし・・・・・・
椛(で)筆((殴打

  それでは次回もぶんぶ・・・じゃなかった。僕と天狗の取材録をよろしくお願いします!!


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3章 2話~お金は命より重い~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と異なる設定
・文は俺の命より重い・・・・・・・!!

以上が苦手な方でも、せっかくですし是非是非ゆっくりしていって下さい!


シュタッ。

そんな音とともに僕と文さんは神社の鳥居前へと降りた。

「ここが博霊神社ですか、・・・・・・・・・」

そこには一見普通の神社がたっていた。

「そうです。というか鞘は記事の写真で一度見てるでしょう?」

「え?まぁそうなんですけど、やっぱり現実で見るとちょっと写真とは違うじゃないですか?」

「・・・・・・・・・・・・・ん~そんなものですかね?」

そういうと文さんは神社の賽銭箱の前まで歩いた。

僕がそれに走って追いつく、そして

「お参りするんですか?」

そう聞くと、文さんは、驚いたように

「え?あぁ~・・・・・・・ええと、そうですね・・・・・・・ついでですしお参りしておきますか・・・・・・・。」

そう言うと、神社の方を向いて手を合わせた。

僕は小銭入れを取り出し、中を確認する。

500円玉3枚、100円玉2枚、10円玉3枚、・・・・・・・・・・・・・

微妙な持ち合わせである。

まぁ、ここ幻想郷に来てお金をケチってても仕方ない!そう思って、全部お賽銭箱に投げ込もうとすると

「あぁぁぁ!ま、待って下さい!」

文さんに止められ、投げるポーズをしたまま文さんの方を向く。

すると文さんは少し考えてから

「ええとですね・・・・・・・その、・・・・・・・・・あれです!十分、御縁があるように・・・・・・・・・っていってよく15円投げるじゃないですか、だから鞘の手持ちだと、」

そう言って文さんは僕の手から小銭を僕の目に捕らえられない速度で取った。

「500円玉と10円玉で、どうでしょう?」

・・・・・・・・・どうでしょう?といわれても僕はどう言えばいいのかわからないので、なんだか納得いかないまま、お賽銭箱へと510円を投げた。

そう、投げた。・・・・・・・・・

もちろん僕のコントロールがいいわけないので、その硬貨は緩い放物線を描き、賽銭箱の後ろへと落ちた。

「あ!、しまっ「いった、・・・・・・・うぅぅ、なによ全く・・・・・・・・・・・・・」

僕が言い終わる前に、なんだか聞いたことがある不機嫌そうな声に、遮られる。

声の主は博霊神社の巫女さん、博霊霊夢さんで、頭を押さえて起きあがってくるところだった。

「ひゃぁぁあ!?ごめんなさい!、ごめんなさい!」

僕がパニックを起こして叫ぶのをよそに文さんが

「あれ?霊夢さんじゃないですか、なにしてたんです?。」

そう霊夢さんに声をかける。

それを聞いて霊夢さんが、

「ん?あぁ文か・・・・・・・・・、それに、あんたは確か・・・・・・・・・」

といいながら僕の方を睨むように見た。

「あぁ、じょs、・・・・・・・・・弟子の鞘です。」

・・・・・・・・・・・・・文さん、もう助手でいいです・・・・・・・その気遣いがかえって心に刺さるんです・・・・・・・。

「あぁ、そうだったわね・・・・・・・で?なに?なんの用?どうせくるならお賽銭の一つでも・・・・・・・」

そう言う霊夢さんに僕は

「え?・・・・・・・あの、お賽銭ならそこに・・・・・・・」

僕が転がっていったお賽銭を指さすのと、そのお賽銭が霊夢さんの手に現れるのがほぼ同時だった。

霊夢さんがさっきとは違う、明らかに、かしこまった表情で何の用かしら?と僕に聞いた。

僕は文さんに視線で、助けを求めると、文さんが

「いや、ですね?あの最近ネタが少ないもんでして、何かないか探し回ってるんですよ。」

そう言った、それにたいして霊夢さんが

「・・・・・・・・・で、なんで家にくるのよ?他のとこいってなさいよ、」

「いやいや、ここにくれば何かと起こってくれるじゃないですか」

文さんが笑いながら言うと、

「あんたねぇ・・・・・・・家の神社をネタのたまり場だとでも言うみたいに・・・・・・・」

そう、明らかに【帰れ】と書いてある表情と目つきで文さんをみる。

しかし、文さんは気にせずに、

「あながち間違ってないですし」

といってくすくすと笑った。

それを見た霊夢さんは諦めたように、しかしきっぱりと

「教えてあげてもいいけど・・・・・・・いくら払う?・・・・・・・・・」

こう告げた。

 

 

「情報料を要求するとは・・・・・・・・・ホントに今月ピンチ何でしょうね」

文さんが呆れたように、哀れむように言うが霊夢さんは

「それぐらいケチってんじゃないわよ」

そう叫ぶ。

「さっき鞘がお賽銭渡渡したでしょう?」

「お賽銭はお賽銭、情報料は情報料。」

霊夢さんはそう言うと、文さんを睨んだ。

文さんは小さく溜息をつくと、手に持っている僕の小銭入れ、

・・・・・・・・・手に持っている僕の小銭入れ・・・・・・・・・僕の・・・・・・・・・小銭入れ。

「ええぇぇぇえ!?」

僕が叫ぶ。

「うわーびっくりしたー」

文さんが小銭入れを漁りながら棒読みで告げた。

「あ、文さん・・・・・・・・・いつの間に・・・・・・・・・」

僕がどうにか言葉を発するのを完全に無視して、小銭入れに残っていた全額を霊夢さんに渡す。いっさいの躊躇なく。

「うぅぅ、」

僕が力のない眼で抗議するが、全く意味はなかった。

「・・・・・・・・・私が言うのもなんだけど、さすがに酷じゃない?」

霊夢さんの哀れみの目が痛い、物凄く痛い。

「まぁ、一応私が養ってますから、大丈夫・・・・・・・・・ですかね」

「あんた鬼か?」

「天狗ですが?」

そんな会話が続き、霊夢さんが渡された額を見て、言う。

「なんか、鞘・・・・・・・・・だったっけ?まぁその子には悪いけど、この額はあんまりじゃないの?」

それを聞いた文さんは眉をひそめて

「それなら、諦めますが、お金は返して下さい。」

そう言うが。霊夢さんは

「嫌」

一言で拒否した。

なんだろう・・・・・・・・?矛盾してる気がするのは僕だけなんだろうか。

「どうせなら私の武勇伝を記事にしてよ、それなら無料ではなすわよ?」

「正確性の欠ける話は記事にはできないんですよ」

文さんは尚も交渉を続けるが、霊夢さんには折れる気配が全くなかった。

そこで文さんは諦めたように、

「はぁ、もう、わかりました。それじゃ残りの分はここにいる鞘に体で払ってもらいましょう。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はいぃぃぃぃぃぃいい!?!?」

霊夢さんと僕の声が重なった。

「・・・・・・・・・文、あんたねぇ・・・・・・・私そういうのに興味ないから。というか、いくら弟子でも貞操ぐらい勘弁してあげなさいよ。」

「ええぇ!?あ、あ、あ、・・・あの、体で・・・・・・・って。ええぇぇ!?嘘?あの・・・・・・・ええと・・・・・・・・・・・・・」

僕がいつものごとくパニクっているのを見て、笑いながら、

「あぁ、すいませんすいません。言い方が悪かったですね。体で、っていうのは労働力として、という意味です。けしていかがわしい意味ではないです。」

絶対この人わざと勘違いを招くような言い方したと思う。

「あぁ、はい・・・・・・・・・・・・・そうですよね、あははは・・・・・・・・・・・・・、はぁ、びっくりした・・・・・・・・・・・・・」

僕が安心して言うと、霊夢さんが

「・・・・・・・・・労働力っていったって・・・・・・・・・特にやること無いわよ?」

「まぁそこは適当に。」

あまりにも投げやりに、僕は労働力、となって霊夢さんの命令に従うことになった。

そして、下された命令は、

「んと、じゃぁ最近落ち葉がすごいことになってるから、そこらへんの掃除でもお願いしようかな」

あまりにも適当だった。

 

 

「はぁぁぁ・・・・・・・・・」

14回目の溜息が漏れる。

そして、雲一つない空を見上げてから、もう一度。

「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」

15回目の溜息をついた。

僕は、ホントに・・・・・・・・・文さんの弟子なんだろうか、いや、それどころか助手でさえ怪しいような・・・・・・・・・

そう思うしかないような自分の状況をもう一度見つめ、そして

「はぁぁ・・・・・・・・・・・・・」

16回目が更新された。

何故、取材に来たはずの神社で落ち葉掃除をしてるんだ僕は・・・・・・・・・。

いや、わかってる、わかってますよ?それくらい・・・・・・・・・。

それでも、コレはさすがに。

僕は一箇所に山になった落ち葉を見て

「はぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・」

17回m「どうです?はかどってますか?」

「ひゃぁぁあっっ!?」

相変わらず、突然現れた文さんは、相変わらず悲鳴を上げる僕に微笑みながら声をかけた。

「うぅぅ・・・・・・・・・なんで僕こんなこと・・・・・・・・・もっとそれっぽいことすると思ってたのに・・・・・・・・・」

ふてくされながら呟く僕に、文さんは急に、やさしい、見ている人を安心させるような、そんな表情で

「う~ん、まぁ・・・・・・・・・それは鞘にとっては不本意な仕事ですよね。でもです、鞘がそうやってやってくれているおかげで私は霊夢さんから、話を聞けましたよ。とても助かりました。ありがとうございます!」

いつもの調子とは違う文さんに「ありがとうございます」と面と向かって言われたせいか、急激に顔の温度が上がっていったのがわかった。

「あ、え・・・・・・・・・あの・・・その。ええと・・・・・・・・・はい・・・・・・・・・・・・・。」

どう反応していいのかわからず、しどろもどろになりながら僕が答えると。

文さんはそれをカメラに収め。

満足げに笑った。

「・・・・・・・・・・・・・っ!?ええぇぇ!?ちょ、ちょっと!けっけけけ、消して下さい!!」

そういつものごとく半泣きで抗議する僕に、文さんは短く。

「だが断る」

満面の笑みでこういった。

「なんですかそれぇぇ!」

僕はどうにか文さんのカメラを奪おうと手を伸ばすが、身長が足りなくて全く届かない。

楽しそうに文さんは笑いながら、撮った写真を表示して、僕に取られないように見せつける。

「ううぅぅぅ」

僕が弱々しく文さんを睨んでいると

「朝から元気ねぇ・・・・・・・あんたら・・・・・・・」

霊夢さんが呆れ顔でこちらへ来て、僕の集めた落ち葉の山を見て、

「よく、こんな短時間でここまでやったわね・・・・・・・まぁ結構片づいたし、・・・・・・・・・これで手伝いは終わりでいいわよ。お疲れさま」

そう言う。

「どうです?すごいでしょう?」

「なんであんたが自慢してんのよ・・・・・・・」

そんな風にやりとりが続いていると、ふいに霊夢さんが

「あ、お茶入れたけど、鞘、あんた飲む?」

僕に言った、僕はそれに

「あ、はい!お願いします」

そう答えて、博霊神社の縁側へと向かった。

 

 

 

 

   続く・・・・・・・・・

 

 

小さなおまけ~金欠巫女は今日も行く~

ふぅ、なんていうかこう・・・・・・・・・まずい、ここ二日何も食べてない・・・・・・・・・

つまり手持ちの金は文字通り、<0>・・・・・・・・・

どうしたもんか・・・・・・・・・

私、博麗霊夢は頭を抱えていた。

もう恥じることなく言おう、金欠だ、明日を生きていけるかわからない、誰か金をくれ、金を。

こういう状態なのだ。

・・・・・・・・・はぁ、とりあえず無いとは思うがお賽銭がないか確認を・・・・・・・・・

「っ!?」

賽銭箱の後ろには豪勢な料理が並んでいた。

「はぁ!?え?なんで?」

落ち着け私!こんなの絶対おかしいわよね?絶対何かの罠よね?こんな怪しいのに普通手を出す訳ないでしょ。

・・・・・・・・・だが、しかし。今の私は普通なのか?どう考えても違うだろ?

目の前にご飯がある=食べる だろ?なんか違うか?

いいや、何も違わない。

、ということで・・・・・・・・・

「いったっだっきまーーーーーす」

私はその料理をとにかく貪った。

そして腹が膨れると。

「あぁ・・・・・・・・・やばい・・・・・・・・・久しぶりにたらふく食べたせいか・・・・・・・・・めちゃ眠い」

布団に入ろう。

そんな思考よりも先に<寝る>という行為が私の中で重要だと判断されたようだった。

 

~十数時間後~

 

ちゃりーん!

私の頭に何か小さいものがあたった。

 

 

 

 




さて、とりあえず最後まで見ていただきありがとうございます!。

そして・・・・・・・投稿遅れましたぁぁすいませんん!!。
友人A「お前毎回それ言ってんじゃねぇか、反省してんの?」
彩風「(グサッ)はうぅっ!!・・・・・・・反省はしてます!でも今回は仕方なかったんです!」
友人A「何が仕方ないんだよ」
彩風「だって前回投稿の金曜日からの日程がこれですよ?これ」
土曜日・一日部活
日曜日・一日部活
月曜日・テストの提出物処理
火曜日・テスト
水曜日・テスト
木曜日・久々の部活な為か長め。
金曜日・・・・・・・・ええと、諸事情で・・・・・・・
土曜日・ちょっと本屋に・・・・・・・
日曜日・カラオケ行ってました
月曜日・←いまここ

友人A「おいこら後半どういうことだ?」
彩風「いや、だって息抜きって必要じゃん?」
友人A「知ったことか」
彩風「・・・・・・・・・・・・・(ええぇぇ)」

というわけでこれからはもっと早くしますホントです嘘じゃないです。

そしてそして!12月4日はごちうさのチノちゃんの生誕祭でした!
しっかし、○コ○コ動画ではもうすごいことになってましたね・・・・・・・・・・・・・コメで画面が見れたもんじゃなかったです。
ふぅ・・・・・・・まぁ何がいいたいかって言うと。ですね・・・・・・・

チノちゃん誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

ただそれだけです。

それでは次回も是非にゆっくりしていって下さいね!!


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3章 3話~喧嘩するほど仲がいい~ 

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・俺の嫁は文じゃないと思った?文ですがなにか?←意味不明(重要)
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


ズズ・・・・・・

僕は手元のお茶を一口飲む。

熱すぎず、けれどぬるくもない、ほどよい熱さで、ついついもう一口くちにする

「おいしいですね!」

僕が素直な感想を霊夢さんに言うと

「そう?」

とだけぶっきらぼうに返ってきた。

そして霊夢さんもお茶を一口飲む。

「いやぁそれにしても!」

文さんが明るく声を上げた

「さっきの話はおもしろかったです!うすうす気になってはいたんですがね・・・・・・」

さっきの話、というのは僕の全財産と労働力を引き替えに文さんが霊夢さんから聞いた話のことだろう。

僕が文さんに聞く

「さっきの話、って・・・・・・・・・いったい何だったんですか?」

文さんは

「・・・・・・・いやぁ・・・・・この業界にはよくある、スキャンダルですよ・・・・・・!。鞘にはちょっと早いかもしれませんが・・・・・・聞きたいですか?」

文さんがそう告げた瞬間霊夢さんが眉をひそめたが、きっと文さんが話を大きくしたか何かだろう。

僕は即座に首を振って、

「い、いや・・・・・・その、・・・・・・・・・・・・いいです・・・・・・っ!」

顔を赤くしならそう答えた

「スキャンダル・・・・・・っていえば・・・・・・・・・あんた、妖夢とはどうなったのよ」

霊夢さんがあくびをしながら思いついたように呟く。

霊夢さんの何気ない言葉で僕は硬直した。

「ほう!・・・・・・その話詳しくお聞かせ願えますかな?」

文さんがいつの間にかメモ帳を片手に目を輝かせている

「え?文、あんた知らないの?」

霊夢さんが意外そうに言うと、続けて

「この前人里に行ったときにこの子が妖夢とデートしてたのよ。」

そう言う。

僕は必死になって

「ち、ちち、ちがいますよ!?、そんな、その、妖夢さんとは別に・・・・・・・」

そう抗議するが文さんは、綺麗な笑顔で

「大丈夫です、私は人の好みにとやかく言う気はありません。同性愛だって一つの愛の形です。」

僕にそう告げる

「だからそんなのじゃないんです!、ほんとですからね!・・・・・・・・・・・・・それに・・・・・・・・・」

涙目になって僕が言葉を探していると霊夢さんが不思議そうに言う

「は?同性愛?・・・・・・・え?もしかして・・・・・・・とは思ったけどこの子・・・・・・・」

・・・・・・・あ、霊夢さんには言ってなかったか・・・・・・・

僕が説明しようと口を開く前に文さんが

「あぁ、鞘はれっきとした女の子ですよ?一人称<僕>ですけど」

そう言った。

「ふ~ん。・・・・・・・・・やっぱりか・・・・・・・・・」

それに霊夢さんはそう一言だけ言ってまたお茶を口にした。

「あれ?あんまり驚かないんですね。・・・・・・・」

僕がついつい霊夢さんに言うと、

「別にそんな驚くことでもないでしょ、確かによく見れば顔つき女だし、なんかいろいろと女々しいし、声高いし。」

女の子っぽい、といわれるのは嫌じゃない、むしろこれまで勘違いされてきたせいかうれしいぐらいだ。なのに、なのに・・・・・・・どうしてこんな微妙な心情なんだろうか・・・・・・・・・・・・・。

 

 

「さて、おもしろい話も聞けましたし・・・そろそろ帰りましょうか・・・・・・・」

僕がお茶の最後の一口を飲んだ後、文さんが言った。

「あ!はい、わかりました」

僕はそう言って立ち上がると自分の荷物、・・・といっても手提げ鞄だけだが、まぁ、一応確認する。

すると文さんがいつものごとく

「それじゃあ!ご協力ありがとうございました!」

そう明るく言うのに僕が続いて

「あ、ええと!ありがとうございました!」

そう言った。

「いや、いつでも来ていいのよ、お賽銭さえ持ってくれば・・・・・・・・・」

霊夢さんがとても優しい笑顔でお賽銭を要求してきたが文さんが無視をしたので僕は取りあえず苦笑いをしておく。

そして僕たちが家路につこうとした瞬間、目の前から

白黒の物体が猛スピードで突進してくるのがかろうじてわかった。

そう認識した直後には、その白黒の物体は真横に着地しており、その姿がしっかりと捉えられた。

「ひゃぁぁああ!!!?」

僕は悲鳴を上げ、文さんは怪訝そうに眉をひそめた

そこにいたのは

「よう!霊夢、・・・・・・・ん?そこにいんのは・・・天狗と・・・あと、ええと・・・・・・・・・」

いつかの魔法使いさん、霧雨魔理沙さんだった。

「あの・・・・・・・鞘です・・・・・・・・・・・・・」

僕が控えめに言うと、

「あぁ!そうそう鞘だ鞘だ。いや、もちろん覚えてたぜ?」

そう笑いながら言うと、文さんの方を向いて、

「んで天狗、何でお前等がここにいるんだ?」

そう尋ねた。

文さんは笑顔で

「いえ、ただの情報収集ですよ」

そう言った。

「ふ~ん、いやまぁ、そんなことはどうでもいいんだよ、それよりも・・・」

魔理沙さんはそう言うと霊夢さんの方を見て

「お~い霊夢!そろそろ宴会の時期だろう?」

そう大声で言った。

いままで他人事のようにしていた霊夢さんは急に自分の名前を呼ばれて面倒くさそうに

「え?あぁ・・・・・・・・・そういえばもうそんな時期か・・・・・・・・・・・・・」

そういうと頭を掻いた。

「宴会、開くんですか?」

文さんが興味津々できくと、

「・・・・・・・・・まぁ近々開くとは思うけど・・・・・・・・・」

これまた面倒くさそうに霊夢さんが言った。

「それじゃ、是非取材させていただきましょう!」

文さんは相変わらずうれしそうに呟いていた。

 

 

「宴会と言えば、料理だな・・・・・・・・・・・・・。」

魔理沙さんが楽しそうに呟く。

「料理ねぇ、今回はどうするかな・・・・・・・・・。」

霊夢さんも一見面倒くさそうに見えるがその表情はどこかうれしそうにも見える。

そんな光景を僕が見ていると、文さんが

「鞘、帰りますと言いましたよね?・・・・・・・あれは嘘です。」

僕の横で二人を見ながら心底楽しそうに言った。

「え?・・・・・・・は、はい!」

僕がそう言うと文さんは笑いながら

「ちょっとおもしろそうですしね。」

そう付け加えた。

 

「おぉ!そうだ!」

 

魔理沙さんがいきなり大きな声を上げると僕等の方を見て、

「おい天狗と、・・・ええと・・・・・・・鞘!お前等ちょっとなんでもいいから手伝ってくれよ。」

そう言った。

「いいですよ。」

それに対して待ってました!というように文さんが答える。

すると霊夢さんが相変わらず面倒くさそうに、

「ええと、じゃぁ・・・・・・・とりあえず、魔理沙は適当に宣伝でも言ってきて・・・・・・・んで・・・・・・・そこの二人は・・・・・・・・・」

霊夢さんが僕と文さんの二人を見て、そして考える。

考える。

まだ考える。

「う~ん、確かに宴会って言っても、前日ぐらいしか、やること無いしな・・・・・・・・・、べつに手伝いいらなかったかもな」

考える霊夢さんをよそに魔理沙さんが言う。

「あ!じゃぁ、とりあえずこの辺の掃除でも・・・・・・・・・・・・・なんだ?やけにきれいになってるな・・・・・・・・・もしかして霊夢・・・・・・・・・掃除したのか・・・・・・・・!?」

物凄く驚いた顔で、魔理沙さんが霊夢さんに訊く。

霊夢さんは少しだけ怒った様子で

「だとしたら何。」

とだけ言う。

魔理沙さんは目を見開いた後に天を見上げて、そして

「おいおい、雪・・・・・・・・・どころか霰でも降ってくるんじゃないか?」

そう言ったと思えば今度は霊夢さんのそばに行き、霊夢さんの額と自分の額に手を当てて

「熱・・・・・・・・・は無いんだよな・・・・・・・・・だ、だだ大丈夫か霊夢?金欠でやることないにしても、お前みたいな面倒くさがりが掃除なんて・・・・・・・・・もしかして異変・・・(バゴッ)」

霊夢さんが仏のような笑みで魔理沙さんの額に拳を叩きつける。

しかし魔理沙さんも予想はしていたのか、箒で霊夢さんの拳を防いだ。

霊夢さんが明らかに

「チッ」

と舌打ちしたが魔理沙さんは特に気にした様子もなくヘラヘラと笑いながら

「おっと?霰どころか拳が降ってきたぜ、そりゃぁ異変も起こるわけだ・・・・・・・」

霊夢さんを煽る。

掃除したのは僕なのだが、空気を読んで言わなかった、というか言えなかった。

霊夢さんはなおも笑いながら、しかし額には青筋を走らせて、

「魔理沙・・・・・・・?ちょっと調子に乗り過ぎじゃない?」

いつもと違う、ドスの利いた声で言う、

しかし魔理沙さんは怯みもせずに、

「おい天狗、よかったなぁ、ネタが一つ見つかったぞ、異変だ異変」

笑いながら文さんに言った。

その瞬間、霊夢さんが魔理沙さんのお腹めがけて蹴りを放った。

「おっと、」

しかし魔理沙さんはそれをさっきと同じように箒で防ぐ。

しかしさらに霊夢さんは放った右足を地に着け、文字通り目にも留まらぬ速さ、で回し蹴りを繰り出した。

「っ!?」

魔理沙さんも必死に対抗するが衝撃に耐えきれず後ろに転がった。

しかしすぐに体勢を立て直し、帽子の位置をなおした後、霊夢さんを軽く睨む。

「ほう、久しぶりに・・・・・・・やるか・・・・・・・・・・・・・?」

そう言う魔理沙さんに霊夢さんは

「あんたには一回きっつ~~くお灸を据えなきゃいけないみたいねぇ」

そういって不適に笑った。

そして、

「おらぁぁぁあ」「うらぁぁぁああ」

女の子の子の声とは思えない雄叫びをあげて両者が取っ組み合いを始めた。

「あわわわわ、あ、ああ、あ・・・・・・・・・あの・・・・・・・・・ええと、あ、文さん、と、とと・・・・・・・・・とと・・・・・・・止めないと」

僕があわてて言うが、文さんは、

「いえ、このままでも大丈夫でしょう、というか止めに入ると危険な気がします。」

そう言って苦笑した。

確かに僕が止めに入っても、一瞬で弾き飛ばされるだけだろう。

そう冷静に考え、改めて二人をみる。

「あ、てめっコノヤロ!」

「った、・・・・・・・あんたねぇっ!」

やってることはえげつないのだが、客観的に見ると子供同士の喧嘩のように見えた。

「ふふっ」

こんな状況なのに僕が思わず笑うと、文さんもつられたのか

「はははっ」

と声を上げて笑った。

無邪気にじゃれ合う子供、そんな風に考えると、急に微笑ましく・・・・・・・

「って、ええええ!」

僕が大声を上げる、

文さんがびっくりしたようにこちらをみた。

「あやや!?どうしたんですか?」

「いやいや、笑い事じゃないですよね!?、これ死人でちゃいますよ!これ!」

僕が必死に言うと、文さんが不思議そうに

「いや、これぐらいで死ぬほど柔な人たちじゃないですよ?それにあれぐらいのことなら結構やってますし」

「なっ!?」

これぐらいというには激しすぎる喧嘩なのだが、

いや、ちょっと待て。落ち着こう。イチ、サン、ゴ、⑨、

そうだ、ここは幻想郷だ。常識が通用しないのはとっくにわかってたことだろう?

あんな戦闘でも幻想郷ではただの喧嘩なのかもしれない・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

何でもありすぎないかな・・・・・・・・・・・・・幻想郷・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

          続く・・・・・・・・・・・・・

 




はい!最後まで読んでくれてThank Youです!

いや~、はい、あれですね、疲れたときは文の画像ファイル開くようになってきました。
いや!ほんと疲れとれるんですよ!?え!?あぁ・・・・・・・・・そんな目で見ないで下さいぃぃ!

まぁそんなことはともかく、もう年末ですねぇ・・・・・・・・・いやぁ、早いもんです。
まぁまだ20日もありますけどね今年、←気が早い。
今年はいろんなことがありましたよねぇ!
福山○治さんの結婚。(千○さん!俺はあなたのことも忘れねぇからな!)
五○丸選手の活躍。
バズーカや熊みたいな虫、いいのか駄目なのかはっきりしない二人←(違う)
爆買い。
紺○伝、
そのたもろもろ、数えてたらきりがない。
まぁ、来年も是非僕と天狗の取材録をご贔屓にお願いいたします。←(多分年内にあと二回ほど更新します)

それでは次回もよろしくお願いします!

ps感想も是非是非お願いします(懇願)


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3章 4話~初めて(じゃない)のおつかい~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・二次嫁の必要性について意見文を書いて世の中に提出したい
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


はぁ・・・・・・・。

僕は今、博霊神社を離れ、人里へと向かっています。

どうしてこうなったか、

それは・・・・・・・・・。

 

 

「だ、だだ、大丈夫なんですよね・・・・・・・・・?これ・・・・・・・・・」

僕は文さんに尋ねる。文さんはそれに軽く

「えぇ、これぐらい平気だと思いますよ?」

「・・・はぁ・・・・・・・・・」

僕は目の前の喧嘩・・・・・・・・・と言うよりは戦闘、といった方がしっくりくるそれを眺める。

これが・・・・・・・・・平気・・・・・・・・・・・・・

僕が改めて幻想郷の無茶苦茶加減を実感したところで、

「ただ、鞘がこの場にいると、もしかすると流れ弾でコロッ・・・・・・・と逝っちゃうかもしれないですね・・・・」

文さんが笑顔で呟いた。

・・・・・・・今すぐ全速力で逃げ出したい。・・・・・・・

するとすぐに文さんが言う

「まぁ・・・・・・・冗談ですけどね」

じょ、冗談なのか・・・・・・・

「まぁ、流れ弾が怖いのは確かなので、ちょっとお使い頼んでいいですか?」

・・・・・・・お使い。まぁこの場から逃げ出せるのなら、もう何でも言い。

僕は

「はい!わかりましたっ!」

文さんの陰に隠れながら、そう即答した。

 

 

「それでは人里まで言って、本を借りてきてもらってもいいですか?、ええと、【鈴奈庵】っていう貸本屋さんで借りれるみたいなので、お代はこれで。借りてきてほしいのはこの本です。」

そう言うと文さんは、僕にお金と、本の名前がかかれたメモを渡してくれた。

メモには、達筆で、・・・・・・・これ・・・・・なんて書いてあるんだ・・・・・?

どこかの書道家が書いたような、なめらかな線で僕には読めない何かが書いてあった。

僕は文さんに

「これ・・・・・・なんて書いてあるんですか?」

そう尋ねるが、文さんは

「そうですね・・・・・・鈴奈庵の店主さんに訊けばわかると思いますよ」

そう笑ってごまかした。

「・・・・・・?・・・まぁ、わかりました」

僕はそう言うと、人里へとむかって歩きだした。

 

 

こんなことがあって、僕は人里へ向かっていた。

それにしても、僕がいつもやってることって、文さんの役に立ってるのだろうか・・・・・・

取材場所の見学だったり、戦闘訓練だったり、お使いだったり、・・・・・・お使いだったり。

どうにしろ、新聞記者・・・・・・っぽくはないよなぁ。

「はぁ・・・・・・」

僕は小さく溜息をついた。

 

そんな風にしているといつの間にか、人里へとついていた。

そこで僕は自分の格好が普段のものであることに気づいた。

(あ!・・・・・・どうしよう・・・・・・・・・取りに戻るにしても、文さんが前みたいに着物持ってるかわからないし・・・・・・)

僕はしばらく考えて、用事をさっさと済ませてすぐ戻ってしまうことにした。

 

ええと・・・・・・確か、鈴奈庵・・・・・・だったっけ・・・

僕は、辺りを見回しながら、人里を歩く。

思ったより周りの人から気にされることなく、いつもの制服姿でも特に問題はなさそうだった。

そして、

(あ!見つけた!あれかな・・・・・・?)

鈴奈庵、という看板を掲げる、年季の入ったお店を見つけた。

とにかく!早めに用事を済ませちゃおう・・・・・・!

僕はそう思い、そのお店へと駆けた。

そして、

「ひゃうあ!?」

[ズシャァァァァ。]

妙な叫び声とともに盛大にコケた。

「痛たた・・・・・・」

そうつぶやきながら、顔を上げる。

幸運にも周りに人はいなく、誰かに見られたなんてことはな・・・・・・

「おいおい、大丈夫かい?おまえさん。」

・・・・・いなんてことはなかった。

いきなり後ろから話しかけられた僕は、いつも通り

「ひゃぁぁあ!?ごめんなさいごめんなさいい」

そう半ば叫ぶように言う。

しかしそれに対して声をかけた女の人は、ケラケラと笑いながら

「なんじゃ、大丈夫そうじゃのう。そんなに焦らんでもええよ?」

そう僕に言った。

その人は妙齢の女性で、葉っぱの髪留めのようなものをつけていた。

「は、はい・・・・・・・あ、ありがとうございます。」

僕はお礼を言うと、すぐにその場から去ろうとしたが

その女の人に呼び止められる

「おまえさん、ここの人間ではないみたいじゃが・・・・・・外の人かい?」

そして、鋭い目を向けて僕に言う。

外の人、というのは外来人・・・・・・のことだろう、僕は一瞬本当のことを言おうか迷ったが、この格好ではごまかしが利かないと思い、「・・・・・・・・・はい」とだけ答えた。

すると、女の人は予想と反して、柔らかな笑顔で、

「そうかい、ま、ここで生きていくのなら気をつけるといい、・・・・・・いろいろと、な。」

そう告げて、立ち去ろうとした。

僕はそれを呼び止める。そして

「あ、あの!・・・・・・貴女は・・・・・・・・・」

そう呟くが、女の人は、またケラケラと笑いながら、

「なに、名乗るほどのもんじゃぁないさ」

というと、すぐにどこかへ行ってしまった。

僕はしばらく、女の人が立っていた場所を見つめて、呆然としていた。

 

しばらくすると、意識を取り戻した僕は、人里にきた目的を思い出し、ハッとする。

「そうだ!本借りないと!」

そして、僕は鈴奈庵へと、駆けた。

 

 

鈴奈庵、そこは内装も外装と同じように、年季の入ったものだったが、ただ一つ。

店番をしている綺麗な飴色の髪に鈴の髪留めをした女の子だけが、ひどく不釣り合いだった。

僕と同じ用な年齢だと思われる彼女は、本棚に本をしまっていた。

僕が入ってきたのを見るとその手を取め、にっこりとして、

「あ!いらっしゃいませ」

と言う。

・・・・・・なんというか、とても可愛らしい笑顔だった。

同性であることも忘れてその笑顔に見とれていると、

不思議そうに、

「・・・・・・・・・どうしたんですか?」

と訊かれ、とっさに

「え?、あぁ!あの、その・・・・・・なな、何でもないです!」

そう答えた。

それを聞くとその女の子は本の整理に戻った。

なんで、こんな僕と似たような年の女の子が店番をしているんだろう・・・・・・お手伝いか何かかな・・・・・・

そんなことを考えながら僕は、女の子に話しかけた。

「あの、ええと・・・・・・・この本ってありますか?・・・・・・・・・・」

僕はそう言いながらメモを取り出し、女の子に見せる。

女の子は

「あ!はい、ちょっと見せて下さい」

というと、僕からメモを受け取った。

そしてそのメモを見つめる。その表情は毎秒ごとに、怪訝そうなものに変わっていった。

やがて、メモを僕に渡して尋ねてきた。

「このメモ・・・・・・どうしたんですか・・・・・・?これ、天狗の文字ですよね・・・・・・・・・」

ビクゥッと僕の体が跳ねる。僕は視線を逸らしながら

「え、・・・・・・・・・・あの、その・・・・・・・・・・・・・・・何というか。・・・・・・ええと・・・」

そう口ごもった。

確か、前に霊夢さんが妖怪を退治にきたって言ってたような・・・・・・・・・じゃぁ、ここで文さんの名前を出したら駄目なんじゃ・・・・・・いや、でも文さんは今霊夢さんといるのか、だったら大丈夫なんだろうか・・・・・・?。

頭の中で考えが右往左往していると、女の子が、

「まぁ、あまり追求する気はないですけど・・・・・・」

そういうと、納得のいかない様子で本棚へと向かっていった。

・・・・・・・助かった。

僕は溜息をつき、近くにあったいすに座った。

「あれ?、確かこの辺に・・・・・・ごめんなさい!ちょっと待ってて下さい!」

女の子が本棚を漁りながら声を上げる。

「あ、すいません・・・・・・・」

僕の声が届いているかどうかわからないが、女の子は尚も本棚を漁った。

さて、どうしようかな・・・・・・・・・

そう考えながら僕は目に付いた一冊の絵本を手にとった。

 

《ーい妖ーー神様ーーい》

 

表紙が全体的にかすれてしまっていて、タイトルを読むことができない。

僕は表紙をめくった。

すると、表紙の状態とは対照的に綺麗なページが、出てきた。

僕はその本を読み進めた。

 

 

「あれ?」

気がつくと僕は、絵本の最後のページを開いていた。

あれ、・・・・・・なんで最後のページが?

僕は不思議に思いながらも、本を読もうかとページをめくろうとすると、そのとき

「あ、ありました!、これですよね」

店主の女の子が声を上げて、三冊の本を抱えてこちらに走ってきた。

「すいませんね、すごく待たせちゃって・・・・・・」

女の子が申し訳なさそうに言う。

・・・・・・そんなに待っただろうか?

「・・・・・・・・・・・・・?、ええと、だ、大丈夫ですよ?。」

僕は不思議に思いながらも答える。

そして、女の子は、なにやらノートにさらさらとメモすると、

「お代は○○になります」

と笑顔で告げた。

文さんからお金を受け取ったときに、多くないかな?、と思ったけど、結構そんなものなのか・・・・・・

僕は女の子にお金を渡す。

そして本を受け取って戻ろうとした。

が、予想外なことに、その女の子に呼び止められる。

「あの、あなた・・・あまり見ない顔ですけど・・・・・・人里の方ですか?」

またまた僕の肩が跳ねる。

ど、どど。どうしよう・・・・・・・・・文さんの弟子、とはいえないし、かといって嘘を吐くのは、・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・僕はしばらく迷って、最終的には

「情報関連の仕事の、・・・・・・助手をさせていただいてます。この本はその資料です。」

といった。

・・・・・・・・・・・・・・・うん、うそは言っていない・・・・・・

女の子は、まだ納得がいっていない様子だったが、

「そうですか・・・・・・まぁ、がんばって下さいね。」

そう、笑顔で返してくれた。

 

はぁ・・・・・・・・・今日は幻想郷で初めて、まともな【人】に二人も出会えたなぁ・・・・・・・・・

 

僕はそんなことを思いながら、人里を後にして、博霊神社へと向かった。

 

 

 

 

     続く・・・・・・

 

 

 

小さなおまけ~《ーい妖ーー神様ーーい》

 

むかしむかしあるところに、とてもとてもわるいようかいがいました。

 

ようかいは〝魂〟をあやつり、いろいろなわるさをしました。

 

かみさまたちはそれをみかねて、そのようかいをころしてしまうことにしました。

 

しかし、ようかいは〝魂〟をあやつり、かみさまとたいとうにたたかいました。

 

たたかいはようかいひとりをあいてに何千年もつづきました。

 

そんなあるひ、ゆうきあるひとりのわかいかみさまがほかのかみさまたちにいいました。

 

「わたしがあのにっくきようかいをたおしてごらんにいれましょう」と、

 

わかいかみさまはそれからいろいろなさくせんをたて、ようかいとたたかいました

 

《中略》

 

こうして、わるいようかいはえいえんにふういんされ、せかいはへいわになったのでした。

 

めでたし、めでたーーーーーー。




最後まで見て下さり、ありがとうございます!

いやぁ・・・・・・もうちょっとでクリスマスですね~ ←先週年末とかほざいてた人
クリスマスか~~リア充が湧きますよね~どこもかしこもい~っぱい☆(白目)
自分は今年のクリスマスは、
「ラノベの新刊発売キターー(゜▽゜)ーー」
とかいってて、その発売日がクリスマスってことに一昨日気づきました。orz
まぁリア充もそうでない方も、クリスマスを満喫して下さい。

それでは次回も是非ゆっくりしていって下さいね!!






やっぱりリア充は爆発しろ☆。


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3章 5話~記憶という記録~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・あややは僕が養ってあげるから結婚しよう?(いけう゛ぉ)
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・よいしょっとぉ・・・・・・・・・」

荒い息をしながら僕は階段を上がる。

文さんのお使いで本を借りた僕は博霊神社へと向かっていた。

しかし、辞典のような厚みの本3冊をもって、移動というのはかなりキツい。

僕の頬を一筋の汗が流れる。

重い足を何とかあげて階段を上る。

しかし次の段があるはずのところには何もなくバランスを崩した。

「ひゃあぁ!?」

僕はそのまま本を庇う形で横に倒れた。

「ううぅぅぅ痛ってて・・・・・・・・・・・・」

僕が涙目で起きあがろうとすると目の前に手が差し出される。

その手を見て僕は

「あ!、ありがとうござい・・・・・・・・・」

ん?・・・・・・・・・

その手の元をたどると、見慣れた笑顔、つまり文さんがたっていた。

「大丈夫ですか?・・・・・・帰ってきたと思ったら、いきなり転ぶもんですから、驚きましたよ。」

文さんが苦笑しながら言う。

え?帰ってきた?・・・・・・・・・え?

僕は改めて前を見る。

そこには博霊神社と、お茶を飲む霊夢さんの姿があった。

「あら、帰ったのね鞘。」

霊夢さんが、眠そうな声で言った。

僕はいつの間にか博霊神社にたどり着いていたらしい。

「あぁ・・・・・・ついたのか・・・・・・・・・・疲れたぁ・・・・・・」

僕がそう独り言を呟くと、文さんが

「重い本を持って、ご苦労様でした。少し休んでて下さい。」

そう言って僕から本を受け取ると軽々と持って、縁側の隅に置いた。

それを見て霊夢さんが顔をしかめながら

「ちょっと、何勝手においてんのよ、それに軽々しく休んでて下さいって、ここ私ん家なんだけど・・・・・・?」

文さんを睨んだ。

文さんはいつもの調子で

「え?じゃぁ、駄目ですか?」

と聞く、霊夢さんはすこし考えた後、溜息をついて

「別にいいわよ、全く・・・・・・・・・」

諦めたようにそう言った。

「そう言っていただけると思ってました!」

文さんは心底うれしそうに言った。

 

 

僕は文さんと、霊夢さんの言葉に甘えて縁側の端でお茶を飲ませてもらっていた。

横では文さんと霊夢さんがなにやら話していた。

そこで、僕はふと気になったことを訊いてみた

「あの、そう言えば魔理沙さんってどこに行ったんですか?」

1時間ほど前まで霊夢さんと《喧嘩》していた魔法使いさんの居場所についてである。

それについては文さんがすぐに

「魔理沙さんでしたら、宴会のことを皆に知らせに行くことになって今飛び回ってると思いますよ。」

そう答えてくれた。

宴会・・・・・・かぁ・・・・・・・・・どんな人達が来るんだろう・・・・・・

僕は知っている限りの幻想郷の住人を思い出す。

・・・・・・・・・・

大丈夫だ。変わった人はたった7割ぐらいしかいない♪!。

僕は考えるのをやめて、お茶を飲み干した。

 

 

「それでは!そろそろお暇しましょうかね・・・・・・。」

文さんが立ち上がって言う。

「!、は、はい!」

僕は文さんに続いて慌てて立ち上がった。

「あら、もう帰るのね。」

霊夢さんがいつもの口調で言った。

文さんはいつも通り

「はい、今日はいろいろありがとうございました!」

笑顔で言う。

そんな文さんに対して霊夢さんは

「いや。別にいいのよ?いつでも来て。お賽銭さえ持ってきてくれれば」

とても、とても眩しい。すべてを包み込むような良い笑顔で言った。が、

「考えておきます。」

文さんは適当に答え、

「それでは3日後の宴会は取材に来るので、お願いしますね。」

そう言うとクルリと振り返った。

僕はそれに続き振り返る。

すると、前の方から・・・白黒の何かが・・・・・・

「た~~~~だ~~~~い~~~~ま・・・・・・・・・・・」

「ま」と同時に轟音が響き、僕の体に衝撃が走った。

・・・・・・つまり、白黒の何か。が僕に激突した。

・・・・・・・・・何このデジャヴ・・・・・・・・・

薄れゆく意識の中で僕が見たのは、

心配そうにこちらをみる霊夢さん。

白黒の何か。をジト目で見る文さん。

文さんに睨まれ、バツの悪そうに

 

「だZE☆?」

 

という魔理沙さんだった・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

あれ?

どこだろう?ここ?

なんか・・・体がふわふわした感じ・・・

 

ていうか・・・・・・私・・・誰・・・・・・・・・?

 

何してるの・・・?

音が聞こえる・・・・・・何の音だろう・・・?

サイレン・・・?救急車かな・・・・・・?

事故でもあったのかな・・・?

あれ?

体が動かない・・・・・・?

目の前も真っ赤だし・・・・・・?

・・・そっか、事故にあったのは私か・・・・・・

あぁ・・・・・・・・・そういえば体のあちこちが痛いや・・・

・・・・・・

・・・・・・誰か何か言ってる・・・・・・?

『意!ねぇっ!!!意ぉ・・・・・・』

こころ・・・・・・それが私の名前なのかな・・・・・・?

うぅ・・・耳元で大声出されると頭に響くなぁ・・・・・・・・・・・・。

あぁ、頭が痛い・・・このまま死んじゃうのかなぁ・・・・・・・・・

怖いなぁ・・・・・・死んじゃうんだ・・・・・・

死んじゃう・・・死んじゃう。死ぬ・・・死ぬ?・・・・・・死ぬ?

嘘?・・・・・・嘘嘘嘘嘘っ!!

嫌だよ、嫌だ。嫌だよ・・・・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌

嫌ぁぁぁぁぁぁああ!!!!!

 

 

 

 

あれ?私死んじゃったんだっけ・・・・・・。

目の前真っ暗・・・・・・。

何も見えない・・・・・・・・・。

?っまた声が聞こえる・・・・・・

『鞘っ?大丈夫ですか?鞘?』

鞘?それが私の名前?

私?あれ・・・僕?え・・・?

僕は・・・・・・何?何

何何何何何何何?

僕は?・・・・・・僕は・・・・・・・・僕・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・私は---・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

僕はかかっていた布団をはねのけて飛び起きる。

「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・」

「っ!?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

突然起きあがった僕を見て目を開いて驚く文さん。

僕の額には滝のような汗が流れている。

「はぁ・・・はぁはぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・」

呼吸は乱れて、眼は焦点があっておらず。

激しい頭痛、めまいに襲われ、五感はほとんど働いていない。

何かを考える余裕など全くなかった。

ただ。

理由もなく。

使命のように。

そのナニカを見据えて。

 

「誰?・・・・・・誰?、誰?・・・誰?誰?誰?誰?。」

 

とだけ叫んだ。

「だ・・・大丈夫ですか!?鞘っ!?」

横にいる誰かが何か叫んでいる。

それでも、・・・・・・只ひたすらに、意味もなく

「誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?誰?」

そう叫んだ。

その誰かが僕の肩をつかんで

「大丈夫ですか!?鞘!?」

またそう叫ぶ。

そのとき、ふすまが開き、

「・・・・・・・・・」

「何だ何だ!?」

慎重な面付きの巫女と慌てた様子の白黒の何かが入ってきた。

・・・・・・その瞬間・・・・・・・・・

視界からすべてが消え去り、そこには何もなくなった。

 

 

「・・・・・・・・っ!?」

僕は突然飛び込んできた景色に驚く。

そこには霊夢さんがおしぼりを僕の額にのせている姿があった。

「うわっ!?」

「ひゅあ!?」

僕が驚いて起きあがると霊夢さんはかわいい悲鳴を上げて後ろにのけぞった。

「ご、ごめんなさい」

少し冷静になり霊夢さんが僕の看病をしてくれていたのだと理解した。

「看病してあげてたのにいきなり『うわっ!?』はないでしょ・・・・・・」

「ご・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・・」

霊夢さんが不満そうに漏らし、僕が謝った。

「・・・・・・・・・」

霊夢さんが無言で僕の顔を凝視する。

「?・・・・・・・・・何かついてます?」

僕が訊くが、それを無視して霊夢さんは僕にじりじりと近づいてきた。

「え?・・・・・・あ!、あの、ちょっ・・・・・・・・・・・・」

僕は焦りながら後ろに下がっていくが

僕が下がった分の距離を霊夢さんが詰めてくる。

そしてとうとう僕の背中は壁にぶつかった。

「ひっ!?」

小さな悲鳴が漏れる。

霊夢さんは限界まで僕に近づき、そして・・・・・・

「大丈夫?」

とだけ言った。

僕はその言葉に

「え?」

としか反応できなかった。

霊夢さんが繰り返して

「だから!大丈夫か?って訊いてるの」

そう言った。

「え!?いや!あの・・・だ、だだ・・・・・大丈夫・・・・・・・・・です?」

僕が戸惑いながらも答えると、

「何で疑問系なのよ・・・・・・・・・・・・」

呆れた顔で霊夢さんが言った。

 

 

「いや~~悪かったな~~ちょっと手元が狂ったもんで」

目の前の魔理沙さんは笑いながら言った。

「だ、大丈夫ですよ・・・・・・はい・・・」

僕は言うが魔理沙さんには文さんと霊夢さんの視線が刺さる。

それに気づいたのか魔理沙さんは急に黙った。

「ったく・・・・・・たいしたことなくて良かったわよ・・・・・・見かけによらず頑丈なのね」

霊夢さんが呆れたように言う。

「それにしても鞘?なんだか寝てるとき凄く魘されてた様子ですけど大丈夫ですか?」

そう文さんに訊かれ、僕は霊夢さんのさっきの『大丈夫?』がそういう意味だったのか、と気づいた。

何故か場の空気が一気に張りつめた感じになる。

僕はどんな夢を見たのか思い出そうとする

・・・・・・・・

・・・・・・あれ?

確かに記憶はそこにある。

すごく嫌な怖い夢を見た。

でも・・・・・・

それがどんな夢で、何処にいて、何をして、何が嫌で、何を怖がっていて、そして・・・・・・それが果たして自分なのかも曖昧だった。

それに何故かそれを思い出そうとすると頭が痛くてしょうがなかった。

それを文さん達に伝えると、

「そうですか・・・・・・・・・まぁ無理に思い出すことないですしね・・・」

そう言ってその話は終わった。

 

「それはそうともう動けそうですか?鞘?」

文さんにそう訊かれ僕は軽く体を動かす。

特に問題はなさそうだった。

「それではもう遅いですし、急いで帰りましょう。」

文さんにそう言われ、僕は霊夢さん、魔理沙さんに挨拶をして、博霊神社を後にした。

 

 

 

            続く・・・・・・・

 

 

 

小さなおまけ~キヲク~

「クリスマスに女二人か~~・・・・・・空しいねぇ・・・・・」

横を歩くえりが苦笑しながら言った。

「はは、彼氏持ちがよく言うよ。」

私がえりに言うとえりは「えへへ~」とにやけながら笑った。

クリスマス、街にはカップルが行き交ってる中私たち二人は買い物したりなんだりしていた。

もしかしたら私はズボンを履いて髪はショートカット・・・・・・

ええと・・・・・・・・・ボーイッシュって言うのかな?

まぁ男の子と間違えられて周りからはカップルに見えていたのかもしれない。

とにかく私たちは二人で一緒にクリスマスを楽しんでいた。

夕方になり、私たちは近所の公園に来て、ブランコに並んで座った。

夕方な上クリスマスなので他に人はもちろんいない。

私はそこでえりとしばらく雑談した後、ふいに空を見上げた。

そこには・・・・・・・・・

「あぁ!雪だ!!」

白く輝く結晶達が降りてきていた。

「おぉ!珍しいね!」

えりも一緒になって騒ぐ。

雪に興奮して子供のようにはしゃいだ。

ある程度たつと二人とも疲れて、帰路につくことになった。

といっても今日はえりのうちに泊めてもらうので、まだ騒ぐだろうけど・・・・・・

そして私たちは交差点に来た。

信号は青だったので小走りに通り抜ける。

真ん中あたりまでくると後ろでズシャァアアと音がした。

私が振り返るとそこには男の子が転んでしまっていた。

きっと何かを買ってもらって、はしゃいでいたのだろう。

声をかけようと私は男の子に駆け寄ろうとした。

すると・・・・・・・・・・・・

 

キィィィィィィィィィイイイイイイイイ

 

激しいブレーキ音と共に私の視界に入ってきたのは、

猛スピードでこちらに突っ込んでくるトラックだった。




最後まで閲覧ありがとうございました!!

そしてそして・・・
『あけましておめでとうございます!!!』
いやぁ去年は時間がたつのが早かった・・・・・・
昨日に2015年が始まったような感覚ですw←重症

そんなことはともかく今年も是非是非僕と天狗の取材録をよろしくお願いします!。

それでですね、今回のおまけですが・・・・・・
執筆中・・・・・・
彩風『バーっと通ったトラックが君を~♪・・・・・・』
親『彩風・・・飯できたけど・・・・・・・・・』
彩風『ひぎゃぁぁぁあああああああああああああああああ!!????』
口ずさんでるのが熱唱になってたところ親に唐突に扉を開けられました。

・・・・・・切実に死にたい。

ちなみにですが・・・なんか情景が似ていますがあの神曲とは何の関係もございません。
ちょっとだけ、ほんとにちょっと。影響されたのかもしれません。

それでは今年も皆様にとって良い1年になりますように・・・・・・・・・


彩風『ふぅ・・・・・1年一発目の投稿やっと終わったーー!!』
彩風『まだ親帰らないんだな・・・・・・』
彩風『・・・・・・・・・』
彩風『さ~い~そ~くぅ、さい~こ~おの~~すぴぃ~どを~~みせ~♪』
親『ただいま』
彩風『ひぎゃあああぁぁぁぁぁぁあああああああああああ』



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おまけ編 3
おまけ編 1話~ボーイッシュって良いですよね~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・次元が違っても愛があれば関係ないよね?(威圧)
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


僕は目の前のソレを見る。

 

整った顔立ちの美青年二人が体を交ら(ry

 

僕の周りだけ時間が止まった。

 

 

 

 

「・・・・・・ううむ・・・・・・・・」

文さんが呟く。

「どうしたんですか?」

僕が訊くと文さんは笑いながら

「いえいえ、今日やれることはやってしまったので・・・・・・」

そういった。

やっぱり仕事熱心なんだなぁ、と感じつつ、僕は言う。

「最近文さん動きっぱなしですし、少しお休みになったらどうですか?」

しかし文さんは

「う~ん・・・・・・体力は有り余ってるんですよねぇ・・・・・・・・・・」

そういってとても眼では捉えられない速度で腕をブンッブンッと振った。

それとともに少しの風が起きる。

「そうですか・・・・・・じゃぁどこか取材に?」

僕が提案するが

「明日に宴会の取材がありますし、鞘も疲れるでしょう?」

帰ってきた文さんの言葉に僕は感動しながらも

「そんな!僕のことは気にしないで下さい!!」

そう言った。

それでも文さんは笑みを浮かべながら

「はは・・・大丈夫ですよ、もともと今日はどこにも行く予定は無かったですし、ネタ探しにふらふら~、って気分でもないですしね。それに鞘は私の弟子ですから、弟子のことを考えるのも師の役目ですからね」

そう言ってくれた。

「あ・・・・・・・文さん・・・・・・」

僕は不覚にも泣いてしまいそうになった。

そんなに僕のことを考えていてくれたなんて・・・・・・なんて優しいんだろう・・・・・・

僕はあなたにずっとついて行きます。

 

このとき僕は、この後自分の身に惨劇が降りかかってくるなど知る由もなかった・・・・・・

 

 

「ん~、そうですね~・・・・・・・・・」

文さんが手を顎に当て、考えるポーズをする。

僕は読んでいる本のページを覚えてから閉じて、文さんの方をみる。

珍しく真剣な顔の文さんは、手帳を開いたり閉じたりを繰り返す。

そして!

「あっ!」

と声を上げた。

「なにかあったんですが?」

僕が訊くと、文さんは「ふふふ・・・」と笑いを漏らしながら、こちらに近づいてきた。

「えっ?」

僕の口から反射的にそんな声が漏れる。

文さんは手を前に出して小刻みに動かしながら、迫ってくる。

ど、どうしよう・・・・・・・・・

いすに座っていたから逃げ場がない。

僕は文さんをみる。

うつろな目で一直線に僕・・・・・・の顔の下の方に視線を向けている。

その視線の方向に若干違和感を覚えつつも、僕は逃げる方法を思考する。

そうしてる間に文さんの顔が目の前まで迫っていた。

「ふふふ・・・・・・堪忍して下さいね・・・・・・・・・。」

た、たすけ・・・・・・

僕は後ろにのけぞって、そのままいすごと倒れた。

「ひゃあぁ!?」

「おぉっと!」

文さんの足も巻き込んで。

文さんの仕事場にドテーンと、音が響く。

「いたたたたた」

僕は頭に痛みを覚えつつ、起きあがろうとする。

が、上に何かが乗っかっていて立ち上がれない。

そこでやっと、文さんも巻き込んで転んでしまったことに気づいた。

「す、すみません!!文さ・・・・・・・・・・・・・・・・」

そこには文さんがいた。

が文さんの目は僕の顔の、したに向いている。

つまり、

ええと、文さんが・・・・・・

その・・・・・・・・・なんて言うんだろう・・・・・・

うーんと、僕の・・・・・・その。む、む・・・・・・胸。・・・・・・・・・・・・・・

を、その。なんて言うか、・・・・・・ええと。

触っ・・・・・・・

「いやぁ、・・・・・・やっぱりぺったんこですねぇ~~(笑)」

 

「ひにゃぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!???????」

 

僕は速攻で文さんを押しのようとする、

も、その手は空振り、文さんは立ち上がってにこにことしていた。

僕は動けるようになった体で飛ぶように部屋の角へと移動する。

「ななななななななな!な、なに、なになな、何してるんですか!!!」

僕は顔を真っ赤にして叫ぶ。

「何って何のことです?というかそれ・・・・・・」

文さんはいつも通りの平然とした口調で言い、僕の体を指さした。

僕は自分の体をみる。

「ひやぁぁぁああ!?」

文さんの仕業なのか服のボタンははずれ、中に着ていたものは託しあげられていて下着が露わになっていた。

光の速度で後ろを向き、光の速度でボタンを付け直す。

ボタンを付け終わり、泣きそうな目で文さんを睨む。

文さんは笑いながらからかうように

「おぉ・・・こわいこわい。」

といった。

「もう!なんなんですか!?」

僕が怒りながら言うと、

「いやぁ、やっぱりぺったんこだなぁ~~~と思って、つい・・・・・・」

特に悪びれもせず言う。

つい、って・・・・・・・・・・・・・・・

大丈夫なんだろうか・・・

「・・・・・・」

僕は半眼で文さんをみる。

文さんはそんな僕を写真に収めていた。

 

 

「まぁまぁそんなに怒らないで下さいよ」

文さんがなだめるように僕に言うが僕は文さんを涙目で睨み

「人にセクハラしたあげく、怒ってるとこを写真にとって、煽りに煽って、そこから怒らないで、って随分立派なお考えですね!?」

僕が普段言わない嫌みを言うと、文さんは少し笑いながらも普段とは違う真面目な口調で、

「確かに少しやりすぎましたね・・・・・・すいません・・・・・・反省してます。」

そう謝った。

そんな風に言われると許すしかないじゃないですか・・・・・・

僕は、文さんの表情を見てつい許してしまおうとした瞬間、

文さんが小さく

「だが後悔はしていないキリッ」

と呟いた。

・・・・・・・・・前言撤回。

僕はまた頬を膨らませそっぽを向いた。

そんな僕を見ても文さんは楽しそうに笑っている。

すると文さんが唐突に

「まぁ、つい。っていうのは冗談なんですけどね~」

そう言った。

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

「え?」

僕の口から力の抜けた声が漏れる。

冗談?

「いや、ですから、鞘の胸を見ててつい~~っていうのは冗談でして~~~」

文さんはぽかんとする僕に、

マジックのネタバラしでもするように楽しそうに言う。

「実際はですね~~~」

僕は文さんの方に注目する。

文さんは顔の前に人差し指をたてて、

もったいぶった後。本当の理由を言った。

「鞘を女の子にしようと思いまして。」

数秒の沈黙。

その後、僕の頭でお湯が沸いたかと思うと、

頭から湯気を出しながら倒れた。

 

 

「鞘~わかりますか~?鞘~~」

うっすらとした意識の中、文さんの声を聞いた。

「う、・・・・・・・・・痛っててて・・・・・・・」

僕は頭を押さえながら起きあがる。

「おぉ!起きましたか。大丈夫ですか。」

文さんの様子から察するに、また気絶していたんだろう。

この気絶癖・・・なおせないかなぁ・・・・・・・・・

そんなことを考えながら僕は文さんに答える。

「あぁ、はい。もう平気で・・・・・・」

そこで冷静になった頭に先ほどの文さんの言葉がフラッシュバックする。

『お前を女にしてやる・・・・・・(イケヴォ)』※鞘の脳内処理が追いついておりません。

「ひゃぁぁぁぁあああ」

「うわっ、びっくりした。」

突然悲鳴を上げる僕に文さんは笑顔に棒読みで告げる。

僕は文さんに問う。

「ああああああ、あや。文さん・・・・・・!?僕が寝てる間に。その・・・・・・ななな、なにか、へ、変なこと。・・・・・・しました・・・・・・?」

文さんはそれを訊いて一瞬きょとんとしたあと、すぐにニヤっと笑って。

「変なことって何です?ちゃんと言葉にしないとわからないなぁ・・・」

ふざけてそう言う。僕は必死になって

「もう!ふざけないで下さい!!!」

そう文さんに言い放った。

すると、僕の気迫(?)に押されたのか、文さんはちょっと驚いたように黙った後。

ははっと軽く笑って、

「すみません、すみません。確かにあの言い方だと勘違いしても無理はないですね~。私が言ったのはそういう意味ではなくてですね・・・・・・」

そう途中まで言うと、急に僕の顔をジッと見て

「鞘、男の子と間違えられるの嫌じゃありません?」

そう言った。

「え?」

唐突な質問に僕は戸惑った。

数秒間黙った後、小さく消えそうな声で、

「・・・それは、もちろん僕だってもっと女の子っぽくなりたいですけど・・・・・・」

そう呟く。

しかし、蚊の鳴くような声だったのにも関わらず文さんは、ここぞとばかりに

「ね!そうですよね!!ですから!どうすれば鞘が女の子っぽくなれるのか!がんばって鞘を一目で女の子だとわかるように変身させちゃおう!という意味で【女の子にする】と言った訳なんですよ。」

そう一気にしゃべる。

「は、はぁ・・・・・・」

文さんの剣幕に押されて、何か言おうにも言えない僕を置き去りに、さらに文さんは続ける。

「それでですね!鞘自身、なぜ男の子と間違えられたと思いますか?」

文さんの質問に僕は、少し考えて答える。

「顔?・・・・・・ですか?。・・・」

「違ぁぁぁぁあああああああう」

僕の出した答えに文さんは、全力で不正解であることを伝えた。

「顔?・・・・・・ですか?。・・・・・・じゃねぇよ。違ぇよ!?。あんた自分で思ってるより美形だよチクショウ。鏡見てこいコノヤロー!!?」

混乱しているのかキャラを失いかけている。

そして、僕を罵倒(賞賛?)したあと、冷静に戻り、もう一度言う。

「はぁ・・・・・・・・・それで。なんだと思います?」

「・・・・・・え、ええと・・・・・・・・声・・・・・・。」

僕はおそるおそる文さんの表情を窺いながら答える。

その答えに文さんは、一度にっこりと笑った後。

「なんでだよ!?どうしてそうなるんだよ!!??んな細い声の男がそうそういるかーーーーー!!!??。」

表情一つ変えずに叫んだ。

ま、まずい・・・・・・・よくわかんないけど凄い怒ってるみたいだ。

そろそろ、正解しないとやばいかもしれない・・・・・・・・・・。

僕はしばらく悩んだ。

そして、一つの回答にたどり着いた・・・・・・

「わかりました!文さん」

僕が文さんにそう言うと、文さんは機嫌悪そうに

「じゃぁどうぞ・・・・・・期待してませんが」

そう言う。

僕は自信満々に答える。

「仕草で・・・・・・」

「阿呆かあああああああああああああ!!??」

 

 

 

    続く・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 




最後まで見て下さりありがとうございます!!

いやぁ、それにしても今年は雪が降らないなぁ・・・・・・と思ってたら、とつぜ・・・
友人A「おいコラ、さらっと5日も遅れたこと流してんじゃねぇよ。」
彩風「・・・・・・いや、確かに遅れたしそこは誠に申し訳ないんですが、お前もお前でパソコン開くとは、『執筆進んでんの?あと○日で1週間だぞ?大丈夫か?。』ってお前は編集者か?」
友人A「いやお前ほっとくとポカやらかしそうだし。我輩が世話焼いてやっとんのじゃぞ?」
彩風「・・・・・・はぁ・・・」

なかなかに良い(ネ)友を持ったと思っておりますw

それでは!次回は遅れることがない(はず)です。
次回もゆっくりしていって下さいね!!!


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おまけ編 2話~ボーイッシュって・・・(大事なことなのでry~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・先日学校で先生に質問されたのですが・・・・・・「彩風さん文武両道、という言葉の『文』とは君にとってどんなものですか?」「え?嫁で(殴」

※今回彩風の勝手な都合で投稿がいつもより滅茶苦茶あいてしまいました。誠に申し訳ございません。問題はほぼ解決し、これからはいつも通りのペース(できればそれ以上)投稿しますので、できればおつきあい下さい!!。

以上が苦手な方でも折角ですし、ゆっくりしていって下さいね!


「まぁですね・・・・・・私が思うにやはり1番の問題は服装じゃないかと」

文さんの仕事場。

文さんは僕に向かって言い聞かせるように言う。

「はぁ・・・・・・」

僕は気のない返事をしながら自分の服装をみる。

確かにデニムパンツに、Tシャツ、その上から・・・パーカーを着ている。

ファッションには疎くてよく分からないけど、確かに男の子が着ていても不自然無い服装だった。

「服装・・・・・・」

「そうです服装です」

僕が呟くと文さんがしっかりとした口調で言う。

そしてニコッと笑うと、

「というわけで!!女の子になってみましょう!!」

そう言った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

僕の声が間抜けに響いた。

 

 

「あ、あの・・・・・・本当にこれ着るんですか。」

僕が文さんに尋ねると

「もちろんです!!」

文さんは力強く頷いた。

僕の手には文さんのいつも来ている服装のセットが丁寧に畳んでおかれていた。

「・・・・・・・・・・・・」

僕は無言でそれを見つめる。

そして

「あの・・・・・・・やっぱり・・・・・・・」

「着ます!。」

僕の言葉は文さんにかき消される。

「うぅ・・・・・・・・・」

僕はもう一度まじまじとそれを見た。

そして自分が来ている姿を想像して・・・・・・・

想像できなくて途中で諦めた。

僕は渋々着替えることにする。そこで

「あの・・・・・・・着るのは分かりました・・・・・・・。」

「はい!お願いします。どうぞ遠慮なく。」

「え、いや・・・あの・・・・・・・できれば・・・・・・・」

「なんです?」

文さんが不思議そうに尋ねてくる。

僕は勇気を振り絞り、告げる。

「あの・・・・・・・着替える間後ろ向いててくれません?」

それに文さんはきょとんとした様子で心底不思議そうに

「え?何でです?」

そう訊いてきた。

「え!?いや、その・・・・・・は。はず・・・・恥ずかしいから・・・・・・・です。かね・・・・・・・・・。」

僕はしどろもどろになりながら答える。

「あぁ。大丈夫ですよ女の子同士なんですから。別に何もしませんし・・・・・・・。」

文さんは眩しい笑顔でそう言う。

それを言われると反論できないうえ、決してスタイルに自信がないとか、そういうことじゃないから言わない。断じて違う。

「わ、わかりました・・・・・・・」

僕はそそくさと着替え始めた。

 

 

そして何事もなく着替え終わり、姿見で自分の姿を見せてもらった。

「おぉ・・・・・・・」

そこには自分とは思えない人物がたっていた。おそらく自分で間違いないのだろう。

スカートを履いてるってだけでこんなに印象が違うのか・・・・・・・

僕はまじまじと自分の姿を見た。

「おぉ、似合ってるじゃないですか!・・・・・・・・・」

文さんは楽しそうに言うが、すぐに「ただ・・・・・・」と苦笑しながら、

「ちょっと大きかったですかね・・・・・・・・・?」

そう言った。

ちょっとどころじゃない。だいぶ大きい。

袖から手はでていないし、膝近くまでシャツが来ている。

「・・・・・・・・・」

僕は無言で、伸ばしても手が拝めない裾を涙目で睨む。

そんな僕をみた文さんは言葉を探して、おそるおそるといった感じで、

「あの・・・・・・・もう着替えますか・・・・・・・?」

そう言った。

それに対して僕は誰に言うでもなく・・・・・・・いや自分に言い聞かせるようにして

「まだ伸びますもん!!」

そう叫んだ。

 

 

「うぅ・・・・・・・」

先ほどのことを引きずりながら僕が落ち込んでいると文さんが、

「まぁそう気を落とさないで下さい」

そう慰めてくれた

「うぅ・・・・・・・ありがとうございます。」

僕がお礼を言うと文さんはにっこり笑って

「ところでなんですが・・・・・・」

そう話を変えた

「まぁ、鞘が男の子と間違えられるのはですね・・・・・・・服装の問題もそうなんですが・・・・・・・おそらく1つは」

文さんはそう言うと右手をスッ・・・とあげて少し間を持たせた後、ビシィイ!っと効果音がつきそうな動きで僕のことを指した。

それと同時に

「それです!!」

そう叫ぶ。

それ?

僕は自分ではなく自分の後ろを指したのかな?と思い、振り向く。

が後ろには文さんの机があるだけで、特にこれといったものはない。

もう一度文さんを見るが、変わらず僕の方向を指している。

僕が首を傾げると文さんは溜息をついて、僕に訊いた。

「鞘、下を向いてみて下さい。何が見えます?」

僕は下を向いてみる。無論、見えるのは床である。

「え・・・・・・・床、ですけど・・・・・・・」

余りに当然で不自然な会話だなぁ、と思いつつ僕は答えた。

すると文さんは頷いて、次にこう尋ねた。

「そうですよね、では、鞘の知っているところで言うと・・・・・・・そうですね・・・・・・・幽々子さんなんかは下を向いたとき何が見えると思います?」

・・・・・・・文さんはバカにしているのだろうか・・・・・・・

不審に思いつつも僕が答える。

「それはもちろん地面に決まって・・・・・・・・・・あっ。」

ここでようやく文さんの言いたいことに気づく

それに気づいたのか文さんは満足そうに頷いた。

「そうです。あれだけ立派でしたら肩こりとかすごいんでしょうね~~」

そして笑いながらそう言う。

しかしその目はどこか笑ってなかった。

僕はもう一度下を向く。

限りなく平らに近い胸が見える。

あれ?・・・・・・・なんでだろう目から水が・・・・・・・。

「ふふ・・・・・・・ふふふ・・・・・・・・・」

僕の口から感情の無い笑い声が漏れる。

それを見た文さんが慌てて、

「大丈夫です!・・・・・・・鞘ならまだ大きくなります!!」

そうフォローしてくれたが僕の耳には届いていなかった。

 

 

「まぁ、そんなに気を落とすこと無いと思いますよ?大きすぎても不便でしょうし・・・・中には小さい方が好きって人もいるみたいですよ?ですよね?」

文さんが誰かに問いかけると空から「ぺったんこ最高じゃねぇか!!」とか聞こえた気がしたけどきっと何かの間違いだろう。うん。そうに違いない。

そんなことは置いておいて、僕は文さんの胸をみる。

幽々子さん、とまではいかないが、膨らみを持っている。

それに比べて・・・・・・・

僕はもう一度下を向きかけて、理性でどうにかとどまる。

今、下を向いたら再起不能になるまで落ち込むことになるかもしれない。

そして僕は、天井を見て

「はぁぁ・・・・・・・」

大きく溜息をついた。

「う~~ん・・・・・・・・・」

文さんが何かを考えるように、指先を口の前に持ってくる。

そしてしばらくすると、

「そうですっ!!!」

そう言って、勢いよく立ち上がった。

「ひゃぁっ!?」

いきなりだったので思わず驚きの声が漏れる。

しかしそんな僕を無視して文さんは、資料の大量においてある本棚へと向かった。

ガサゴソと音を立てながら本棚を探る。

そして、

「あぁ!ありました!!これですこれ!」

そう言って、古びた、妙に厚さのない本を取り出した。

「・・・・・・何の本ですか?それ、」

僕が訊くと、文さんはふふふ。と笑った後、

「たしか名前は、薄い本!!です。・・・・・・正式名称はたしかBL同人誌だったかと。」

「・・・・・・そのまんまですね。」

見た目通りのネーミングだったため、思わず肩の力が抜ける。

「まぁ、名前とは裏腹に凄い本らしいですよ。これ。」

文さんが本をひらひらとさせながら、楽しそうに語る。

「この本も外来本なんですがね・・・・・・ある情報によりますと。外の世界では(腐)女子達はみんなこれを読んでいるそうなのです!ですから、鞘もこれを読めば・・・・立派な女の子に・・・・・・・・・・・・って、もしかして読んだことありますか?」

文さんに訊かれ首をブンッブンッと振る。

同人誌、って言葉は、どこかで聞いた気がするけど。BLって言うのは聞いたことがなかった。

「それじゃぁ!早速読んでみましょう!」

文さんがその・・・・・・薄い本。を手渡してきた。

受け取って、表紙を眺める。

が、表紙はところどころ破れている上、掠れていて読むことはできない。

そんな状態に僕が顔を顰めると文さんが

「表紙は酷い状態ですけど中は比較的良い状態ですよ。」

苦笑しながら言った。

僕が適当なページを開く。

そしてーー

そこにはーーーーーー

『ちょっ、先輩。やめっ・・・・・・やめて・・・下さい・・・・・・・・・・・・』

『やめて?ホントはそんなこと思ってないんじゃないのか?体は正直だぞ?ホラ』

『あっ・・・・・・!?』

『おいおい女みてぇな声だしやがって・・・・・・そんなに気持ちいいか?オラッ』

『あっ!駄目っこわ、壊れる。あ、あ・・・・・・あぁぁぁぁあああ』

 

ーーーーー

僕はそっと本を閉じる。

そして、

「ふぅぅぅ・・・・・・・・・」

大きく溜息をついた。

そして、

「文さん・・・・・・」

文さんに話しかける。

そして、

 

「なんてもの見せてるんですかぁぁぁ!!!???破廉恥なぁぁ!!」

 

そう叫んだ。

はぁはぁ、と息を荒くして肩を上下させる。

顔が真っ赤なのはきっと怒りのせいだろう。

しかし僕の怒りは文さんには伝わってないらしく、不思議そうに首を傾げる。

・・・・・・とぼける気だろうか・・・・・・。

僕はそうはさせまいと文さんを睨むが、どうにも文さんは本気で不思議がってる様子だった。

すると文さんは僕に

「破廉恥・・・・・・っていうことはそういう内容の本なんですね。・・・・・・・・・いやぁよく分からない言葉だらけで、解読に困っていたんですよ。・・・・・・・・・にしても外の世界の人はこんなのを日常的に読むんですね・・・・・・」

複雑な表情で言った。

なんだか違う気がするが、ここで何か言っても面倒くさそうなので黙っておく。

僕はそっと持っている本を資料だなに戻した。

 

 

「いやぁやっぱりそんな簡単に変われるものじゃないですね・・・・・・ちょっと残念です。」

文さんは苦笑しながら僕に言った。

「僕はこのままでもいいですよ・・・・・・男の子と間違えられるのも、別段デメリットがあるわけでもないですし・・・」

本心は少し違ったが僕はそう答える。

「そうですか」と文さんが残念そうに言うと、ちょっと楽しそうに

「でも服は似合ってましたし、今度サイズが合うものがあったら、着てみたらどうですか?」

そう言った。

「いやいや・・・・・・いいですいいです・・・・・・・・・」

スカートはなんだかスースーして落ち着かないので苦手だ。

そんな風に会話していると突然文さんが

「あ!」

と声を上げた。

「どうしたんですか?」

と訊くと、文さんはふふふ・・・・・・と笑って、にやけ顔でこう言った。

「明日の取材に備えて倉庫からだしておきたいものがありましてね・・・・・・ふふふ、驚きますよ・・・・・・・・・」

その文さんの顔はまさにいたずらっ子のように純粋で悪質な笑みで満ちていた。

 

 

 

      続く・・・・・・

 

 

 




最後まで見て下さりありがとうございます。

さて・・・・・・前書きでも言いましたが、今回の投稿の遅れ方はまずかったですね・・・・・・
本当に申し訳ないです・・・・・・・・・
ここからはいいわけになってしまうんですが・・・
先日から部活やら何やらで若干傷心しており、立ち直るのに少しだけ日数を裂きました。
こんなのでこの先不安なのですが、どうにかがんばっていくつもりです。
更新ペースは、しっかり元通りにするつもりです!
というかします!!。
これからもよろしくお願いします!。


こっから小話。
先日帰り道で、彩風はリアルでは基本非モテ、コミュ症、引きニート、友なしなので一人で帰っていたのですが。
曲がり角を曲がったら猫が何かを狙った感じで身構えていました。
彩風(おぉぉおかわいい・・・・・・・・・)
それでちょっとした出来心で、近づいて触ろうとしました。
すると、猫の見つめていた草むらから何匹か鳥が・・・・・。
彩風「あっ・・・・・・・・・(察」
その後の猫のすごいショックを受けた感じの表情がめちゃ痛かったです・・・・・・・・・。

猫「あのな?うちらはたんぱく質は自分で取らなあかんねん?わかるか?しかも冬なんかなかなか獲物おらへんのに、お前はホンットに・・・・・・なぁ?」
彩風「ごめんなさい・・・・・・・・・」

次回もゆっくりしていって下さい!!!


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宴会の取材
4章 1話~何事も準備から~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・昔は漫画でみたパンツかぶるという行為の意図が分からなかったが、少しずつわかってきた今日この頃・・・・・・・。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「それでですねぇ~~もう鞘ったら・・・・・・・」

「文さん・・・・・・・飲み過ぎですっ!・・・・・・・」

僕は完全に酔っぱらってしまった文さんと、鬼に、巫女さん。妖怪数人に囲まれていた。

「もう・・・・・・・」

そう呟くと、僕は手元のお酒をグイッと一気に飲み干した。

 

 

 

「鞘~~行きますよ~~!!」

「は、はい!!ちょっと待って下さい!」

文さんの声に、僕は読んでいた本を慌てて閉じ、本棚にしまった。

机の上に置いてある荷物・・・・・・・といってもメモと文房具くらいしか入ってない手提げ鞄だけど、それを持えんって急いで文さんのところに走りつく。

すると文さんが僕に尋ねた。

「準備OKですか?」

準備と言っても特に何かするわけでもないため、僕は文さんの問いに頷く。

そうすると文さんも満足そうに頷き、

「それでは出発しましょう!」

楽しそうにそう言った。

しかし、その前にちょっとだけ気になったことがあったため、僕が文さんに質問する。

「あの・・・・・・文さん・・・・・・・?」

「はい?何ですか?」

「その、担いでいる木箱は何ですか・・・・・・・?」

文さんの背中にはよく分からないが小学生ぐらいなら入ることができそうなくらい大きな木箱が担がれてあった。

細身の文さんが担ぐと、まぁ文さんじゃなくてもだが異様なほど存在感を放っている。

「あぁ、これですか。」

文さんは、後ろの木箱を見た後、少し考えてから、

「ん~~中身は後のお楽しみと言うことで・・・・・・・・・どうせ宴会で開けますし。」

そういって、木箱を開けずに済ませた。

まぁ特に無理に見る必要もないし、僕は追求することはなかった。

 

 

「しかし・・・・・・・・・誤算でしたねぇ~~・・・・・・・」

隣で歩いている文さんが緊張感のない声で言う。

僕と文さんは山を下りながら、歩いて。博霊神社へと向かっていた。

「木箱を担ぎながらはさすがに飛べませんでしたか・・・・・・・・・・・・・。」

文さんが今度は悔しそうに嘆いた。

「そうまでして運ばなきゃいけないものなんですか?まぁ、行きは特に問題なさそうですけど帰りは・・・・・・・」

僕は今降りてきた道を振り返る。

なかなかに急斜面である。これをその木箱を担ぎながら歩くとなるといくら文さんでもキツいのではないだろうか・・・・・・・。

そんな心配をしていることを察したのか、文さんが

「それなら心配ないですよ。帰りはかるーくなってるはずですから。」

そう言って笑った。

行きは重くて帰りは軽い・・・・・・・?

ますます僕の中で木箱の中身が謎に包まれていった。

 

 

「宴会・・・・・・・かぁ・・・・・・・・・」

僕が思わず呟いた。

今まであった幻想郷の人達と言えば、あまりまともな人は、というか人自体があまり会わなかったけれど、とにかく僕の常識で見ることはできないってことだけはいえる。

そんな人達がいっぱい集まってくるんだろうか・・・・・・・。

僕の心を緊張とも恐怖とも興奮ともとれる感情が走る。

「大丈夫かな・・・・・・・」

ふとそんな言葉が僕の口から漏れた。

「心配ですか?」

「へっ!?」

心ここにあらずという状態だったのにも関わらず耳元で囁かれ、つい変な声を上げる。

「宴会・・・・・・・心配ですか?」

再度文さんが僕に尋ねた。

その眼は優しく温かくて、僕はついつい魅とれてしまっていた。

暫くして我に返ると、

「あ、あ!ご、ごめんなさい!!。」

何に対して謝っているのか自分でもわからないが、文さんの眼から視線を逸らす方法がこれ以外思いつかなかったのだと思う。

頭を下げて、気持ちを落ち着かせた後、おそるおそる顔を上げると、文さんがきょとんとした顔で、

「何で謝ってるんですか?」

そう訊いてきた。

「え!?あの、それはですね・・・・・・・その・・・・・・・・・」

僕はうまいいいわけを考える。が、そもそもいいわけを考える。という経験がほぼ皆無だったため、予想以上に困難だった。

思いつかず視線を泳がせていると、僕の目に、あるものが留まった。

「・・・・・・・・・文さん・・・・・・・あの木・・・・・・・・・変じゃないですか・・・・?」

僕は視線の先にある木を指さす。

一見何の変哲もない木だが、あの木だけ、何か・・・何かがおかしかった。

文さんが僕の指さす木を見た。が、不思議そうに

「特に変わった様子はないみたいですけど・・・・・・・・・何が変なんですか?」

そう尋ねられる。

何がおかしいか、というより、そこにあること自体がおかしいというか、なんだか自分でもわからずモヤモヤとした気持ち悪い感じが募っていく。

僕はそのことを文さんに伝えようとし、

そしてやめた。

何言ってるかわからないだろうし、第一、言ったところでどうこうなるわけではない。

僕はできる限り笑顔を繕って、

「見間違えだったみたいです・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・さぁ!早く神社に向かいましょう!」

そう、努めて明るく答えた。

「・・・・・・・・・?・・・・そうですね。早いところ着いてしまった方が都合がいいですし・・・・・・・先を急ぎますか。」

文さんは釈然としない様子ではあったものの、すぐにいつも通り、笑顔で僕に言ってくれた。

 

 

博霊神社横の、開けたスペースに、僕と文さんはたどり着いた。

あれだけの大きさの荷物を持ってかなりの距離を歩いたというのに文さんは汗一つ書いていない。

やってきた僕たちを見つけて、箒を掃いていた霊夢さんが前と同じ眠そうな声で

「あんた達来るの早すぎるでしょ。今から準備よ?」

そう呆れた様子で言った。

確かに、まだお昼前だし、宴会の取材にしてはいくら何でも早すぎる時間帯だろう。

僕はどうしますかという問いの意味を込めて文さんの方をみる。

文さんはそんな僕を見て、一度にっこりと笑った後、霊夢さんに、

「早く着いていた方が何かと都合がいいですし・・・・・・・それに何か手伝うことがあるならお手伝いしますよ?」

そう言った。

それを訊いたとたん霊夢さんはさっきまでからは想像できないほど優しい、しかしひどく威圧的な笑顔で

「そうね、そちらの都合があるわよね、じゃぁ悪いんだけどちょっと手伝ってもらえるかしら?」

そう猫なで声で言った。

 

 

「それにしても・・・・・・・・・」

宴会用の敷物をせっせと運ぶ僕に、文さんが大きな石に腰を下ろしながら、話しかける。

僕は足を止めて文さんの方に顔を向ける。

「何にも面白いもの無かったですね・・・・・・・・・」

どうやら話しかけたのではなく独り言だったようだ。

つまらなそうに博霊神社を見てぶつぶつと文句を言っている。

というか、面白いものがなかった・・・・・・・って勝手に人の家の、それも神社を物色したんだろうか・・・・・・・・・。

「前の時は魔理沙さんの写真が出てきたんですけど・・・・・・・・・何処に締まったんだ・・・・・・・?」

どうやら前科もあるらしい。大丈夫なんだろうか・・・・・・・・・いろんな意味で・・・・・・・・・。

もし文さんが暴走しそうになったら弟子として止められるようにしないとな・・・・・・・・

僕がそんなことを決意していると、霊夢さんから文さんに向けて野次が飛んでくる。

「コラァ!!天狗!!休むなぁ!!」

その声を聞いて、文さんはビクッと体を震わすと、次の瞬間には僕の横で何事もなかったかのように敷物を運んでいた。

もうこれぐらいじゃ悲鳴を上げなくなったなぁ・・・・・・・・・。

僕はしみじみと自分の成長ぶりに喜びと悲しみを5分5分で感じた。

 

 

ーー作業開始から1時間ほどたった頃。

「おぉ!やってるやってる!」

明るい声に僕が振り向くと、魔理沙さんが箒にまたがって笑顔で手を振っていた。

「あっ!魔理沙さ、モゴッ!?」

僕が声をかけようとするとすぐに魔理沙さんに口元を押さえられた。

何が起こったかわからずに僕は叫ぼうとするが、それを押さえつけて魔理沙さんは、

(静かにするんだぜ・・・・・・・今霊夢に見つかったら絶対、手伝わされる羽目になるだろ?それだけはごめんだぜ)

そう言って笑った。

僕は頷いて、ようやく手から解放される。

「そういえば天狗はどこだ?一緒じゃないのか?」

魔理沙さんが小声で尋ねてきた。

僕はそれに、同じように小声で

「文さんならさっきフラフラ~っとどこかに行っちゃいましたよ?そんなに遠くには行ってないと思いますけど。」

そう告げると、魔理沙さんは「いや、」と

「あの天狗のことだし、とんでもないところまで行ってるかもしれないぜ?」

僕はそれに全く反論できずに、苦笑いするばかりだった。

すると魔理沙さんは、

「んじゃ、宴会が始まるまでまだかかりそうだし、それまで適当に時間をつぶすかな・・・・・・・。」

そう言って頭を掻く。

じっとしていられない・・・・って点では魔理沙さんと文さんは似たもの同士なのかもなぁ。ふと、僕はそんなことを思った。

「まぁ、任せて悪いが準備はよろしくだ・・・・・・・「あら、魔理沙じゃない。」

魔理沙さんがこの場を去ろうとした瞬間、いつの間にか後ろにいた霊夢さんに肩をつかまれる。

その瞬間魔理沙さんが苦い顔をして「うげっ!」と叫んだ。

「あらーとっても奇遇ねーそうねー折角だし、準備手伝ってもらおうかしらー」

僕がかつて聞いた中で暫定トップの棒読みだった。

魔理沙さんは額に汗を浮かべながら、

「あ、よ、よう!霊夢!えん、宴会の準備か?。わわ、悪いんだがちょっと、紅魔館に本を返しに行かなきゃ行かないから、ちょっと手伝うのは無理だなあ・・・・・・・」

しどろもどろにそう言うが、霊夢さんはにっこりと笑って表情をピクリとも動かさず

「あらー、それならパチュリーはどうか知らないけど、レミリアや昨夜が来るから、宴会の時に返せばいいんじゃない?」

こう返す。しかし魔理沙さんも負けじと言い返す。

「いや、やっぱり、借りた本人にしっかり顔見て返すのが礼儀だろう?」

「あら、前までは借りたら死ぬまで俺のものーって言ってたのに随分律儀になったのねー?」

「だ・・・・・・・だろう?だから今日はすまんが・・・・・・・」

「だったら!、いつも入り浸ってる神社にちょっとぐらいご奉仕してもいいんじゃないかしら?」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

両者がにらみ合い、沈黙が流れる。そして、

「拒否権は?」

魔理沙さんが尋ねる。そして

「ない」

霊夢さんが答える。

そして

「慈悲は?」

魔理沙さんが尋ねる。そして

「ない」

霊夢さんが答える。

最後に魔理沙さんが

「時給は?」

と聞くが、当然のごとく霊夢さんは

「あるわけない」

と答えた。

 

魔理沙さんが一つ溜息をつき、

「これは貸しだからな?」

そう霊夢さんに言うが、

「あら、今までの借りを全部返しきった気でいたのね」

言い返されて、黙って黙々と作業に移った。

霊夢さんは勝ち誇ったようにフフンと鼻を鳴らすと、そちらも作業に戻った。

 

僕は、どうしたらいいかわからず、若干戸惑った後。・・・・・・・・・すぐに作業を再開した。

楽しい宴会の裏側にはこんなことがあったんだと来る人達に伝えたい・・・・・・・。

 

 

 

   続く・・・・・・・

 

 

 

小さなおまけ ~文の一人調査~

 

「ふぅ、来てみたはいいものの・・・・・・・・・やっぱり勘違いでしたかねぇ・・・・・・・・・」

射命丸文はそう呟いた。そして目の前の岩を隅々まで調べ上げる。

「ううむ、やっぱり、かなり古いときからありそうですし、昔に封印が行われたってこともあり得そうですよねぇ・・・・・・・・・」

そう独り言を漏らしながらもテキパキと作業をこなす。

そして、

「あや?・・・・・・・・・」

なにかが彼女の目に留まった。

「御札・・・・・・・ですか・・・・。見たところかなり古いものみたいですが・・・・・・・。」

そう言ってそれを丁寧にハンカチで包み、鞄にしまった。

 




最後まで閲覧ありがとうございます!!

どうも!彩風です!!
いやぁついさっきのことなんですがね。
友人に『俺某診断サイトでツンデレって診断されたんだがお前どうだったか結果教えろ下さい。』
といわれたため診断しました。
自分では、(まぁ、クーデレかツンデレだろうな・・・・・・・)
こう思っていたのですが・・・・・・・結果は・・・・・・・。
あなたは鬱デレです。


・・・・・・・・・・・・・嘘やん(・ω・;)



次回も良ければゆっくりしていって下さいね!


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4章 2話~空中散歩も楽じゃない~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・いやぁ...昨日文の夢を見たんですよぉ......え?どんな夢か?勿論淫m(殴
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!

今回更新が遅れた理由はあとがきで説明しています。
本当に迷惑をおかけしました。
これからも僕と天狗の取材録をお願いいたします。


「うーーーーっ」

僕は縁側に座り、手を精一杯上にあげて足を前に突き出す。

数秒ほどしてから、一気に全身の力を抜く。

そうやってからだの疲れを癒した。

「お疲れ様。」

横から話し掛けられてそっちを向くと、霊夢さんが隣でお茶をすすっていた。

「あの天狗にコキ使われてるからか知らないけど、いい働きっぷりだったわよ。」

「はは......」

霊夢さんにそう言われて僕はとりあえず苦笑いをした。

「いやぁこんなにすぐ終わるとは思ってなかったぜ。」

気づけば魔理沙さんも横に座って、笑っていた。

しかし、すぐに霊夢さんが魔理沙さんを睨んで

「あんたの担当するとこはまだ終わってないでしょうが。」

そう言う。

しかし魔理沙さんはケラケラと笑って、

「そんな細かいこといいだろ?たかだか料理のいくつかぐらい、」

余裕で言い返す。

「.........はぁ」

霊夢さんは何か言おうとして代わりに溜息を吐き出した。

そして魔理沙さんが霊夢さんにお茶を頼み、僕もお茶をいただいた。

 

仕事も終わり、のんびりとした空気が漂ってるなか、博霊神社に訪問者があった。

「ん?ありゃぁ......」

魔理沙さんが呟くと目を凝らして遠くを見る動作をする。

「咲夜じゃないか?」

そして、こちらに向かって歩いてくる人影の正体を口にした。

確かに、その人影は僕にも見覚えがある、いつぞやのメイドさんだった。

「あら?宴会にはまだ早いわよ?。」

霊夢さんが咲夜さんに告げる。

咲夜さんは少しだけ眉をしかめて、

「それぐらい分かってるわよ。」

そう言う。

「じゃぁ何でこんな時間に?」

「.........ちょっとした用事でね。」

僕が尋ねると咲夜さんは誤魔化すように曖昧に答えた。

その反応に若干の違和感を覚えながらも僕は追求することなく、

「そうですか。」

とだけ返事をした。

すると咲夜さんが僕にむかって

「それよりも何であなたがここにいるの?」

こう訊いた。

僕は意味がわからずに首をかしげる。

その反応を見て咲夜さんは

「あの天狗、さっき見かけたからてっきり一緒にいるのかと思ってたわ」

こう続けた。

僕は咲夜さんに僕が霊夢さんの手伝いをしている経緯を説明する。

すると咲夜さんは納得したように

「あぁ、そうなの」

と呟いた。

そこで魔理沙さんが咲夜さんに尋ねる。

「で、その天狗を見たってのはどこのことなんだ?」

咲夜さんは魔理沙さんを見て、答えるか迷うようにしたあと。

「妖怪の山の麓よ」

そう短く呟くように答えた。

 

 

「妖怪の山の麓ねぇ......」

魔理沙さんが咲夜さんの言葉を復唱した。

妖怪の山、というと文さんの仕事場がある場所だ。

何か忘れ物でもしたんだろうか?と僕が考えていると、

「どうする?見に行ってみるか?」

魔理沙さんが僕に話しかけた。

「え?」

僕が思わずこう漏らすと、魔理沙さんが楽しそうに

「どうせ宴会まではまだまだ時間があるんだし、それまでの時間つぶしにでも。」

そう言った。

しかしすぐに霊夢さんが

「あんた仕事は?」

そう冷たく言い放つ。

魔理沙さんは

「それぐらいどうにでもなるだろ?咲夜にでも手伝ってもらえよ」

そう言い、いきなり名前を出された咲夜さんは数秒遅れて、

「......え!?」

と驚きの声を上げる。

「じゃ!そういうことで!咲夜、よろしくなっ!」

誰にも有無をいわせない勢いで魔理沙さんはことを決めた。

そして僕を引きずって箒にまたがる。

かと思えばすぐに陸を離れて出発していた。

 

 

出発していた?。

 

 

「ええぇぇぇ!?」

僕が箒の上で大声を上げる。

その反応を見て楽しむように魔理沙さんは

「なんだ?飛ぶのは初めてか?」

悪戯っぽく笑った。

よく考えてみれば空を飛ぶのは文さんに乗せてもらったことがあるから初めてではないのだが......

さすがにここまで急展開で上空までつれてこられればさすがに驚く。

それに文さんのように脳内処理を振り切るようなスピードがあるわけでもなく、遅いわけでもない。

絶妙に怖い状況だった。

「だ、だだ大丈夫なんですよね......?」

僕が魔理沙さんの肩にしがみつきガクガクと震えながら尋ねる。

魔理沙さんは尚も笑いながら、

「大丈夫、大丈夫。私の運転技術をなめるんじゃないぜ。」

とウィンクとともに返した。

そうして、蛇行運転をしたりして僕の反応を愉しんでいた。

 

 

「生きてる?生きてる...?生きてる........」

僕は地面を踏みしめて、これでもかというほど自分の生存を確認していた。

正直箒酔い......?のせいで大分気持ち悪かったがそれよりも自分の生存の確認が大事だ。

「そんな大袈裟な.........」

魔理沙さんが呆れるように苦笑いしながらいう。

「あはは.........」

僕は力なく笑った。

「しっかし...ここらへんだと思うんだがな......」

魔理沙さんが辺りを見回しながら呟く。

ここは文さんの仕事場の周辺だ、いるとすればおそらくこのあたりだろう。

そんな風に考えながら文さんを探していると、これまた見覚えのある人影が。

「お、チルノじゃないか。」

「あ!!白黒!!」

チルノと呼ばれた女の子がそう叫ぶ。

白黒、っていうのは魔理沙さんのことだろう。

確かに魔理沙さんは服の全体的な色合いが白と黒の感じだから、と納得する。

「やい!見たぞ!!前にお前が紅魔館に忍び込んd......」

「ああああああああ!!ややこしくなるから今それを言うな!!」

チルノちゃんが何か言おうとしていたけど魔理沙さんがそれを遮る。

チルノちゃんはきょとんとして、なにがややこしいのか分からないといった風に首を傾げている。

魔理沙さんが話を逸らすように慌てて

「そ、そういえば...お前天狗を見なかったか?ちょっと探してるんだが。」

そう尋ねた。

「天狗?」

チルノちゃんがきょとんとする。

そしてすぐに

「あぁ!天狗か!天狗なら向こうの方にいたぞ。」

森の方を指さした。

「おぉ!サンキューな。」

魔理沙さんは短くお礼を言うとすぐに僕の手を引いて指された方向へと走った。

その様子をチルノちゃんはジッと見ていた。

 

 

「う~ん、いねぇなぁ......」

魔理沙さんが草をかき分けながら進み、僕はそれについて行く。

かれこれ30分近くたっている。

「あいつ......デタラメ言ったんじゃねぇえだろうな......」

魔理沙さんは苛立ちを隠すことなく言葉を吐いた。

僕は文さんの姿を探して周りを見渡す。

すると、

「あ!文さん!!」

文さんは予想外なところから姿を現した。

「おまえ......いつからそこにいたんだよ..........」

魔理沙さんは疲れを吐き出すように文さんに尋ねた。

文さんはクスッと笑った後

「5分ほど前から...草の中を探したって私がいることはないですよ?」

そう、僕らの頭上から声を浴びせた。

文さんは僕らの上の木の幹に腰掛けていた。

「ったく......なにしてたんだよ。」

魔理沙さんが頭を掻きながら言う。

「ちょっとしたことですよ。本当に......」

文さんは微笑みながらそう返した。

魔理沙さんは釈然としない様子だったがそれ以上追求はしなかった。

「それじゃあ、博霊神社に戻りますか?」

僕がこう言うと文さんがあぁ!と声を上げて、

「その前に、一つだけ寄り道をさせて下さい。」

そう言った。

 

 

「はぁ......なんだよ、何処に行くんだ?」

魔理沙さんが目に見えてイライラしながら尋ねる。

どうもこの二人は相性が悪いらしい......

というよりも、魔理沙さんが文さんと相性が悪いのかな...?。

そんなことを思っていると、文さんが

「つきましたよ、ここです。」

そう言った。

僕は周りを見回す。

特にこれといったものはないが、どうにも暗くて人目には付かなそうなところだ。

「ちょっと危険なので下がって下さいね。」

そう言うと、文さんは、一際目立つ大きな岩を

「よいしょ、」

軽いかけ声とともにあまりにも軽々と持ち上げた。

そして魔理沙さんはそれに対し何の驚きもなく、岩がおいてあった場所をみた。

「なんだこりゃ......壷か.........?」

「漬け物ですよ.........お酒とよく合うんです。」

魔理沙さんの問いに文さんは嬉しそうに答えた。

それを聞いた魔理沙さんも心なしか嬉しそうに、おぉ!と呟いて、

「じゃぁ、とっととこれ持って宴会に行こうぜ?、そろそろ人も集まってるだろ。」

そう言った。

そして魔理沙さんが漬け物を担いで僕たちは宴会へと向かった。

 

 

「おぉおぉ、やってるやってる!」

魔理沙さんが箒の上で博霊神社を見て楽しそうに言った。

僕は文さんにいわれて魔理沙さんの箒にのって博霊神社に向かっていた。

壷が乗っているからなのか魔理沙さんの運転はさっきより危なっかしい気がして気が気ではなかった。

そして長い長い移動を終えて博霊神社へとたどり着いた。

「つ...ついた」

例によって僕は自分の生存を確認していた。

そして、

「うわぁ......!」

僕は目の前の光景に思わず声を上げた。

 

 

 

 

     続く......

 

 

久しぶりの鞘

 

 

【挿絵表示】

 

 

えぇ、今回!

友人D、ことチョロ松さんが鞘と文を描いてくれました~~~!!!

いやぁ......うますぎて自信が完全に喪失しました(白目)

 

ちなみにですがチョロ松というのは、あの六つ子とは関係ないようです。

たまたまあだ名がかぶってしまったそうです。偶然ってすごいっすね.........

余談ですが彩風の推し松はチョロ......

 

 

 

 




「おちこんだりもしたけれど、わたしは元気です。」


ということで彩風です。
「彩風失踪したんじゃね?」
とか思いました?
「あの駄文製造機ついにぶっ壊れたかw」
とか思いました?

...残念、絶賛生存ちゅ......

ごめんなさい!ごめんなさい!ほんとにごめんなさい!!
謝りますから手に持ってる包丁やカッター、その他を置いて下さい!!。

ええとですね......今回遅れた理由ですが、

PC故障したw。

いや......笑い事ではないんですが......とにかく、PCの故障により更新ができない状況にありました。
今回の話は急ピッチで仕上げたので、誤字などがあるかもしれませんが教えていただけると本当にありがたいです。
しかし!これだけはいえるのは、

「失踪だけは絶対にしません!!!」

これは信用して下さい!。
ということで、これからも僕と天狗の取材録をお願いします!



そしてそして、久しぶりの鞘、ですが、
ちょっとした友人に描いていただきました!!
うれしすぎて泣きそう。

彼のPNはチョロ松で、リアルでのあだ名なのだそうですが...
最近話題の六つ子とは関係ないそうです。

いやぁ自分のお絵かきスキルのなさに泣けてきた。

チョロ松さんありがとうございました!!!!

それでは、次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!





とと......一つ言い忘れてた。

今日はあの悪夢から5年です。
5年経ったからといって、劇的に何かが変わるわけではないでしょう。
むしろ忘れようとしたあの震災を思い出させられ苦しく感じる人もいるかもしれません。
死んだ親、兄妹、お子さん、祖父母。
それを思い出させるのは酷なのかもしれません。

しかし、忘れてはいけないことがあると思うんです。
どれだけ苦しんだか、どれだけ悲しんだか、......どれだけ悔しかったか。
今、忘れずに苦しくても、胸にしまっておくことで、未来に繋がることもあるんじゃないでしょうか?

「餓鬼がわかったような口で薄っぺらい偽善並べてんじゃねぇよ。」

そう思った方もいるでしょうか......?
確かにそうです。
綺麗でも薄っぺらい、中身なんて無いに等しい言葉を並べても、被災者の方々の傷が癒えるどころか、いらつかせてしまうでしょう。

この文を見て不快に思った方、申し訳ありません......。

それでも、被災者の方々には、これからも強く生きていただきたいと思います。



「頑張って下さい。」




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4章 3話~賑やかな宴会~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ふぅ......まったく、小学生はさいk......(殴打
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


僕の目の前には、いろいろと...本当に......いろいろな人達がお酒を飲んだり談笑したりしていた。

宴会と言うこともあってみんながみんな明るい顔をしていた。

「すごいなぁ......!」

何がすごいかといわれればうまく説明できる自信はないけど、率直な感想はそれだった。

そんななか、文さんを見つけだす。

文さんはあちこちで写真を撮って回っていた。

僕はそんな文さんに話しかける。

「あぁ、鞘...!もう来てたんですね!」

そう告げる文さんの顔は活気に満ちていた。

「あら、鞘だったかしら?お久しぶり。」

ふいに文さんの向こうから声をかけられる

そこには、前に取材した吸血鬼の女の子。レミリアさんが座っていた。

横には魔法使いのパチュリーさんも一緒に座っている。

しかしパチュリーさんの方はかなり青白い顔をしていて、つらそうだった。

「あの......パチュリーさん.........?大丈夫ですか........?」

僕が恐る恐る尋ねる。

「え......?あぁ、だ......大丈夫よ。これぐら......い........。なんとも...ない......わ。」

あ......大丈夫じゃないらしい。何があったのだろうか......?

僕がレミリアさんに視線を送ると、レミリアさんは肩をすくめて苦笑いをしていた。

続いて文さんをみる。文さんは静かに笑った後、

「彼女はとてもじゃないですがアウトドアな人とはほど遠いので、紅魔館からやってきたというならこれだけ疲労するのも無理はないでしょう。しかし、なぜそうまでして宴会に?」

そうパチュリーさんに尋ねる。

「............はぁ...はぁ...別に......ただの気まぐれよ。」

パチュリーさんは肩で息をしながら、何とか言葉をひねり出したように言った。

なんだか、誤魔化すようで少し怪しかった。

僕がそんなパチュリーさんに違和感を感じていると、隣で文さんが

「あぁ、なるほど。」

そうニヤッと笑いながら呟いた。

「そうですか、じゃぁ、私たちはそろそろ......」

そして、そういうと文さんはスッとパチュリーさんの前にかがんで

「はい!じゃぁ撮りますよ?」

そう言ってから、答えは聞かずにシャッターをきった。

パチュリーさんは無言で文さんを見ると、

「普通被写体に許可を取ってから、撮影するものでしょう?」

ジト目でそう呟いた。

文さんは笑いながら、

「まぁ、まぁ......おかげでこんなに良い写真が撮れましたよ?これはサービスです。」

撮った写真をパチュリーさんに渡した。

パチュリーさんは渡されたその写真を見る。

......次の瞬間、顔を真っ赤にしてうずくまっていた。

そのパチュリーさんの反応にレミリアさんと僕が呆気にとられる。

何を渡したんですか!?

そう尋ねようと思ったが、尋ねる前に文さんに引っ張られて、聞くタイミングを逃してしまった。

 

 

博霊神社の宴会。

その中でもかなり盛り上がってるといえる一角。

即席のステージでライブが行われている。

僕と文さんはそのライブステージの前へと向かった。

「みなさん盛り上がってますかーーーー!?」

ステージ上の女の子が問うと、観客が歓声で答える。

文さんは絶え間なく写真を撮っていた。

僕が文さんにひそひそと尋ねる。

「あの、この方達は?」

「え?、あぁこの方達ですか?この方達は、プリズムリバー3姉妹です。見ての通り音楽隊ですね。ヴァイオリンを弾いているのが、長女のルナサ・プリズムリバー、トランペットを吹いているのがメルラン・プリズムry。キーボードを弾いているのがリリカ・ぷryです。」

最後のほうが適当だったけれど、まぁ、今は良いか。

するとステージ上の、ええと、メルランさんが声を上げる。

「それでは、次の曲に参りましょう!!」

そういって、演奏を始める。

音楽の善し悪しはよく分からないけど、なんだかとても温まるような演奏だった。

それにこの曲、どこかで聞いたことあるような。

あれ、この曲.........

 

 

「~♪」

 

 

自分の中で時間が逆流するような感覚に襲われる。

苦しいし、楽しいし、辛いし、眠いし、暑いし寒いし嬉しいし悲しいし泣いているし笑っているし怒っているし呆れているし、溺れているし墜ちているし撃たれているし刺されているしぶつかっているし笑われているし憎まれているし......

感情の波が溢れてきて言いようのない感覚に襲われる。

そんな中、それらを押さえつけるようにして我に返った。

あれ、僕......歌ってる............?

 

「~♪」

 

周りの人は皆驚いてこちらを向いている。

文さんや音楽隊の人達も例外ではない。

僕はそっと口を閉じて、目を閉じる。

それとともに拍手と歓声が耳を覆った。

僕は困惑する。

いつの間にか無自覚に歌っていたことにも驚いたが、それ以上に知らない曲を歌えていたことに驚いた。

今僕が歌っていた曲は歌詞どころかメロディーすら聴いたことのないものだった。

なぜそれを自分が歌えていたのかが不思議だった。

それに、さっき感じたあの感覚は......?感情、以外のものも混ざってたけれど、いろいろなものが大量に押し寄せてきてつぶれそうな。

それに、今拍手をもらっていることが不快でたまらない。

気を抜いたら倒れそうなほど気分が悪い。

 

「大丈夫ですか?」

文さんの声にふと我に返る。

我に返った結果、わかったことは......

「ひゃあっ!?」

文さんに右手で肩を持ちながら左手で膝の裏を支えられている。

要するに......俗に言う《お姫様抱っこ》をされていたことだった。

「なっななな!何してるんですか!?」

「あぁいえ、なんだか気分が悪そうだったので、静かなところに、と思いまして。」

文さんはニコッと笑いながら言う。

............その笑顔に同姓であることを忘れて顔が上気する。

いやいやいや、そんなことで騙されちゃいけない。

文さんのことだ。......何を考えているのか分かったもんじゃない。

「うぅ......何たくらんでるんですか.........。」

僕が警戒しながら尋ねる。

すると、文さんが顔を軽くしかめて、

「なっ.........心外ですね......。何もたくらんでなどいませんよ......。」

「......お尻触りながら言っても信憑性ないですからね!?」

僕は文さんの手を払おうとして体勢を起こそうとするが、文さんに押さえられて体勢を起こせない。

「はは、すきんしっぷですよーやだなーー」

「もうっ!真面目に言ってるんですからっ!!」

僕は、赤面したのを隠しながら語調を強めて言った。

しかし、文さんは笑うばかりでまじめに聞くことがない。

「もうっ......」

僕は諦めて、溜息をついた。

 

「あっ、ところで、体調はどうなんですか?」

「えっ?」

今のやりとりで完全に忘れていた...。

さっきみたいな感情が逆流して押しつぶされそうな.........何てことはないけど。

なんだったんだろう、あれ.........

「あ、もうすっかり大丈夫です。心配かけてすいませんでした。」

僕は笑顔を作るように努めて言った。

文さんはあまり納得した感じではなかったけど、

「そうですか.........明日からも忙しいですし、無理はしないようにお願いしますね」

そう心配そうに言ってくれた。

まぁ、そんなにつらいわけでもないから明日は大丈夫だろう。

って、え......?明日?

「明日も取材に行くんですか?」

僕は初めて聞いた事実に驚きながら尋ねる。

「あぁ、言ってなかったでしたっけ?ちょっと面白い情報が入ったものですから調査に行こうかと。」

いきなり取材が決まるのは今回が初めてってわけじゃないからそこまで驚くことはないけど、面白い情報、ってなんだろう.........僕は聞こうと、口を開けかけたが、もったいぶるってことはきいても答えてくれないんだろうな......。

そう思って口を閉じた。

 

 

「おう!天狗じゃないか。」

宴会の会場を文さんと一緒にふらふらと歩いていると、ふと声をかけられる。

高くて元気のある女の子の声だ。

声のした方向を見ると女の子がひょうたんを片手に手を振っていた。

女の子は体に三角、四角、丸の形をしたアクセサリー......にしてはちょっと大きいけど、まぁ何かをつけていた。

頬がほのかに赤く染まっており、酔っぱらってるようだ。

どう見ても未成年なんだけどそこには触れないでおこう。

「す、萃香さん.........」

文さんは心なしかかしこまった態度になっている。

普段見られない文さんの姿に僕は違和感を覚えた。

「なんだ?宴会だってのに取材かい?......せっかくなんだからもっと楽しめばいいじゃないか。」

文さんに萃香。と呼ばれた女の子はケラケラと笑いながら言う。

「は、はぁ......そうですね............。」

文さんは笑いながら言うがその顔にはいつものような余裕が一切見られなかった。

おそらく文さんは萃香さんが苦手なんだろう。

文さんにも苦手な人っているんだなぁ。

あ、いや...人じゃないか......。

彼女の頭には二本の角が生えていた。

ほとんど合間をあけずにひょうたんのなかのものを飲み続けている。

中身は多分お酒だろう。

僕はひそひそと文さんに尋ねる。

「この方は......?」

文さんは、珍しく表情を露わにして気を張っているようだった。

「え?あぁ、この方は伊吹萃香さん。鬼です。」

「......鬼...ですか......。」

もうこんなことで驚かなくなったことに若干不安を感じながら考える。

鬼......というと。桃太郎の悪役とか、泣いた赤鬼とか、節分の可哀相な役とか、ブルーベリー色の変なのとか、いろんなイメージがあるけどどれも厳ついイメージで目の前の小さな少女には当てはまらなかった。

そんな僕の考えをよそに萃香さんが文さんに言う。

「天狗、なんかつまみとか持ってないか、......ヒィック」

その言葉に文さんはさっきまでの表情とは打って変わって心底楽しそうに。

「あぁ!そういえば忘れてました!!」

そう声を上げ、神社の方へと目で追えない速度で何かを取りに行った。

 

 

 

 

     続く.........

 

 

小さなおまけ ~恋する乙女~

 

紅魔館、この館の図書館の主。パチュリー・ノーレッジ。彼女は今日行われる宴会へと向かおうとしていた。

普段は気にすることのない服装についてこれでもかと言うほど気を使う。

といっても服をそんなに持っているわけではないためどうしても、普段と同じような服装になってしまう。

「パチェ?宴会に行くんじゃないの?」

パチュリーの親友である吸血鬼、レミリアに声をかけられる。

メイド長の咲夜も一緒だ。

パチュリーは思い切って尋ねる。

「ねぇ、ちょっと......レミィ.........この服...変.....?」

柄にもないことを言ったためか二人は驚いた様子で目を見開き頭には【?】を浮かべている。

パチュリーはすぐに

「いや、何でもないわ、出発するの?」

こういった。

 

 

パチュリーは不機嫌だった。

インドア派の彼女にとって長距離の移動は拷問に等しい。

しかし、ある目的のためにその拷問に耐えてここまでやってきたのだ。

だが、しかしだ。その目的がどうにも見あたらない。いないということはないと思うのだが......

パチュリーは一つ溜息を付く。

するといつかの天狗と少女がやってきた。

しかし今の気分では彼女らの話など聞く気にはならないため、適当に返答をする。

すると突然に天狗が私に向けてシャッターをきった。

「普通被写体に許可を取ってから撮影するんじゃない......?」

パチュリーが不満を露わにして言う。が、天狗はヘラヘラと笑いながら撮った写真をパチュリーに渡してきた。

パチュリーは無言でその写真に目を通す。そこには......

 

不機嫌そうな自分と、その後ろにふざけ半分なのか、カメラに気づいてカメラに向かって笑顔でピースするお目当てのもの......人間の、霧雨魔理沙が写っていた。

 

パチュリーはこの写真を永遠に保管しようと心に決めた。




みなさん最後まで見ていただきありがとうございます!!彩風です!!

さてさて、先日少しだけ腹立たしいことがありました。
ある日のこと......

友人C「いやぁ...!俺最近超機嫌いいわー!!」
彩風 「鬱陶しいんだけど......何......?」
友人C「ふふふ.....よくぞ聞いてくれたな......驚くなよ?」
彩風 「お前いつもそうやって言うくせにどうでもいいこと言うじゃねぇか」
友人C「まぁまぁ......今回はマジでやばいからな?」
彩風 「はぁ......」
友人C「なんとなんと.........」

友人C「俺付き合うことになった!」

彩風 「.........そういう同人誌でも見てたのかな?(超笑顔)」
友人C「いやいやほんとだって。A奈と付き合うことになった!!」
彩風 「....................ガチ?」
友人C「ガチ!!!」
彩風 「............」


このあとめちゃくちゃぶん殴った。

いやぁ......はっは....死にたい。
まぁ僕には文がいますしその他嫁達がいるので羨ましくなんか無いんだからねっ///

.........はぁ


次回もゆっくりしていって下さいね。

Ps.明日友人Cの家にc4装備して突入してきます。(真顔)


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4章 4話~下戸や未成年はジュー《自主規制》~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ショタにまで手を伸ばし始めた今日この頃......まずいな...ボソッ。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


文さんが神社の隅から持ってきたもの。

それは見覚えのある木箱と壷、木箱の方は最初から文さんが持ってきていた得体の知れないもので、壷の方は確かお酒に合う漬け物だったはずだ。

ここまで来て、やっと僕は木箱の中身について察しが付いた。

文さんが木箱を開ける。

すると木箱の中から丁度木箱にすっぽり入るぐらいの大きな瓷が顔を出した。

「何だ...?それ?」

萃香さんが瓷を眺めながら文さんに尋ねる。

文さんは僕の予想の通り

「お酒ですよ。そっちの壷には漬け物が入っています。お酒がよく進みますよ?」

こう答えた。

萃香さんはそれを聞くと目を輝かせて、

「おぉ!、なんだか悪いねぇ!それじゃ遠慮なくいただくとするよ。でもお酒は間に合ってるんだ。それはあんた達で飲みな。」

そういって、ひょうたんに口を付ける。

さっきからすっと飲んでいるのに中身は無くならないのだろうか?

そんな僕の素朴な疑問をよそに文さんは、萃香さんに耳打ちする。

耳打ち、とは言っても、声のボリュームはいつも通りだったので僕にも聞こえた。

「実はこのお酒ただのお酒じゃないんですよ。」

......なんだか随分と怪しく見えるけど今は突っ込むのはよそう。

「《おにごろし》って知ってます?」

その単語に、萃香さんが「おっ」と反応する。

僕はたまらず文さんに尋ねる。

「あのっ.........!その、おにごろし.......って何ですか?」

文さんは僕の方へとゆっくり振り向く。

そしてニヤァと笑ったかと思うと、

「簡単に言えばとんでもなく強いお酒です。基本的にお酒に呑まれることはない鬼や天狗すらもベロベロに酔わせてしまうという代物ですよ。」

楽しそうに笑う。いやもうこれは嗤うと言った方がいいのかもしれない。

「どうです?鞘、飲んでみます?」

.........やっぱりそうくるのか...。

「いやいや......!僕未成年ですし、それにお酒なんて飲んだこともないですよ!?」

僕は思いつく限り正当な理由で拒む。

しかし、

「幻想郷では未成年なんて関係ないですよ。それに初めてかどうかなんておにごろしの前では関係ないですし。」

うぅぅ、未成年であってもお酒を飲ませるなんて......

僕はそれでも反論しようと試みるが僕の語彙力では文さんには討論では勝つことができないだろう......。

「はぁ......わかりました。一口だけですからね...?」

そう言って、いつの間にかお猪口に入れられていた鬼ごろしに口を付けようとした。

付けようとしたら......

 

「やめときなさい......。」

 

後ろから呆れるように声をかけられる。

振り向くと霊夢さんが声の通り呆れた様子で立っていた。

「そんな怪しいもの飲んだら、どうなるか分かったもんじゃないわよ.........」

そういう霊夢さんの顔は他の人と同じように赤らんでおり酔っているようだ。

「まず、それ.......人間が飲んでも大丈夫なものなんでしょうね...?」

霊夢さんは文さんに尋ねる。

人間が飲むことはできないほどのお酒.........。

僕はそっとお猪口を置いた。

「......大丈夫でしょう?単純にアルコール度数が高いというのと、過度な興奮作用があるだけのはずですから。」

「何が大丈夫よ、問題しかないじゃない。」

霊夢さんが眉をしかめながら訝しげに言う。

そんな霊夢さんに文さんは笑いながら、

「まぁまぁ、とりあえず一口だけ。」

そういって、僕の口に《おにごろし》を流し込んだ。

なんだか、今日の文さん変じゃないかな......?、もしかして先におにごろしを少し飲んだんじゃないだろうか?

僕におにごろしを飲ませた文さんは驚いたように僕を見つめる。

 

......

 

 

......

 

 

 

......

 

 

 

 

あれっ?

 

 

 

 

ええええぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!???

飲まされた!!??

おにごろしを?

 

 

僕はとんでもないものを飲んでしまった恐怖感からなのか、

ワナワナとふるえながら涙目で霊夢さんに助けを求める。

しかし霊夢さんも目を見開き驚いたようにこちらを見るだけだった。

 

と、ここで僕はやっとある違和感に気づく。

お酒なんて飲んだことあるはずもないから分からないけど、水を飲んだ後のように自分の体に変化が見られなかった。

文さんがとても強いお酒と言っていたし、霊夢さんに至ってはどうなるか分かったものではない、とすら言っていたのでなおさら違和感を覚える。

その違和感は正しかったようで文さんが口を開いた。

「あの......鞘...?なんともないんですか?」

恐る恐るといった口調で、文さんにしては珍しく目に見えて動揺しているようだった。

僕は改めて自分の体を確認する。

酔う。っていうのがどんな感覚なのか知らないけど、別段気分がいいと言うことはないし、体が火照る感覚もない。

「はい......たぶん、.........本当にお酒なんですか?それ。」

僕は一応そう伝える。

文さんは顎に手を当てながら、ぶつぶつと呟く。

「おかしいですね......飲んだ瞬間目を回しながら倒れてもらう予定だったんですが.........」

「聞こえてますからね!!??」

本当に油断も隙もない......。

僕は、体に本当に異常がないかしつこく確認した。

「うーん.........中身はおにごろしで間違い無いはずなんですが...」

文さんは、そういって瓷の中身をすくい口元へと運ぶ。

その後、ペロッと舐めて、一気にグイッと飲み干す。

 

すると、

 

すぐさま文さんに変化が見られた。

まず白い顔が紅く色を持ち、目がトロンとして、顔にはいつもとは違う雰囲気の笑みを浮かべていた。

 

~少女飲酒中~

 

「それでですね~もう~鞘ったら......」

「文さん!!飲み過ぎです!!」

僕は、フラフラとする文さんの体を押さえながら文さんに言う。

しかし、聞こえてる可能性は低いだろう。

文さんは、はははと笑いながら、半ば独り言のように同じことを繰り返し言っている。

要するに、酔っているのだ。それもかなり、

霊夢さんに少しだけ聞いたのだけれど、文さんが言っていたように、天狗や鬼といった種族?妖怪?の類はお酒に対する耐性が異常に強いらしい。

そのため、霊夢さんも天狗や鬼が、ここまで酔っているのは初めて見たのだそうだ。

しかし、やはり不思議なのが僕が平気だった理由だ。

文さんが飲んだものと僕が飲んだものは同じ瓷の中のものだし、それに...僕が今現在も片手に持っているお猪口の中のお酒......霊夢さんによると匂いを嗅いだだけで軽く頭がくらくらするのだそうだ。

しかし、確かに匂いはキツいと思うし、とんでもないお酒なのではあると思うけど、僕は今飲んでいてもこのおにごろしはまるで水でも飲んでいるかのようなすっきりとした感じがした。

ゴクゴクと飲めてしまう。

僕は手元のお猪口のお酒を一気に飲み干す。

横では霊夢さんが変なものを見るような呆れるような目でこちらを見る。

そんな僕らを萃香さんはケラケラと笑いながら見ていた。

 

いつの間にか文さんは眠ってしまっていたようだ。

右手にはお猪口、左手にはメモ帳とペンを持って、僕の肩に寄りかかりながら幸せそうな顔で眠っている。

「あぁ!文さん!風邪ひいちゃいますよ!!」

僕はそういって文さんの肩を軽く揺さぶる。

「んぅっ......。」

文さんは妙に艶めかしい声を上げるが、起きる様子はない。

僕は自分の着ているパーカーを文さんに着せる。

文さんは半袖なので寒そうでしょうがない。

たしか、文さんの仕事場にはマフラーがあったはずだが身につけているところは見たことがなかった。

 

 

文さんを、シートの上にそのまま寝かせておくのは忍びないし、神社の中に連れて行こうにも僕にそんな力はない......。

僕はそんなことを考えながら文さんを肩に寄りかからせたままでいた。

すると......

 

「あら、本当に天狗がつぶれてるのね......」

 

後ろから聞き覚えのない声が聞こえる。

「ひゃぁっ!?」

いつものごとく僕は驚きの声を上げながら、振り向く。

文さんが倒れなかったことに安心し、僕は声の主の姿を確認する。

 

その人は、おそらく......人...だろう。

日除けなのか傘を差していて全体から溢れる妖艶な雰囲気に僕は少し怯む。

「ふふ、なかなか...おもしろいものね......」

そういって笑う彼女の笑みは、なんというか...不思議。という言葉がよく似合っていて、

見た目だけでは、年齢が分からなかった。

妙齢にも見えれば、かなり若いようにも見える。

「それで、あなたが心音鞘ね?」

唐突に彼女に話しかけられる。

「え?あ、はい!そ...そうですっ!」

相手が僕の名前を知っていたことに少し違和感を覚えながらも、僕は答えた。

「本当に生きていたのね......」

そして、彼女がこう呟く。

その言葉に僕は少しだけ寒気がしたような気がした。

まるで死んでいるはずだ、とでも言わんばかりの口調に言いようのない感情を抱きながら、

「ど.........どういう...いみです、か......?」

 

僕は息が詰まるような感覚の中、なんとか言葉をひねり出す。

すると、彼女は笑って、

「いや、大したことではないのよ。」

そう言って、僕の隣に腰を下ろした。

「私はこの幻想郷の境界線、結界を管理しているの。それであなたがこの幻想郷に入ってきたのも見ていたのよ。といっても私じゃなくて私の式神が...だけどね......」

彼女は微かに微笑むとこう続ける。

「それでも、幻想郷に入ってきたあなたはすぐに私の監視下から消えてしまった。きっと、そこらの妖怪に殺られてしまったと思っていたんだけど、風の噂で見慣れない顔が天狗の助手をしていると聞いたものだから。」

なるほど、だから生きていたのね...と言ったのか......

にしても、今の話だと......監視下から消えたって言うのは多分気を失ったからなのだと思うけど、もし文さんじゃない凶暴な妖怪に見つかっていたら、今頃僕は......

その先を想像しようとして......そしてやめる。

今気絶してしまってはこまるだろう。

「まぁ、詳細はわからないけれど...とにかく!、幻想郷へようこそ。」

彼女は.........、ことあと文さんに聞いて、名前を《紫》とかいて、ゆかりさん。というのだと聞いた。

紫さんは相変わらず妖艶な笑みを浮かべながらそういった。

 

 

僕は、なぜかこの人に苦手意識を覚えた。

 

 

そして、ほどなくして、僕はお酒の効果なのかいつの間にか夢の中へと堕ちていってしまっていた。

 

 

 

 

     続く......

 

 




最後までみて下さりありがとうございます!!

いやぁ、早いものでもう25話ですね~
友人A「投稿ペースは遅いけd...」
彩風 「あぁぁぁあああ聞こえないなあぁぁぁぁあ!!」

......もう少し更新頻度あげれるように努力いたします。


それでですねぇ、先日祖母と外食にいったんですが、その際にす○家にいったんですよ。
するとですね......
『いらっしゃいませ~』
彩風(ん?なんかポスターあるな......なに?艦これ?そういや最近ログインしてn......はああぁぁぁぁぁあああ!!??)
祖母「彩風?どうしたの?」
彩風(まじでかすき家にまで艦これが浸食してるのか...嬉しいやら悲しいやら。)
祖母「彩風!」
彩風「え?あぁごめん。」

その後、祖母が艦これのポスターを指して、
祖母「これ知っとるよ!」
彩風「へぇ、そうなん」(はぁ!?まじで!?)
祖母「あれやろ?パズルで敵を倒してく奴やろ?」
彩風「へぇ~そうなん。」(ちげぇよ!それたぶんパズドラだよ!頭湧いてんのかぁ!?)
祖母「彩風はこんなんやらんの?」
彩風「......いや、こんなんはやらんわ」←提督
祖母「そうか?周りの子はやっとらんのん?」
彩風「たぶんやっとる奴おらんと思うよ?」←提督
祖母「でもねぇ、なんかオタクみたいやしね~」
彩風「......やよね~~~」←提督


いやぁ、あのやろう。その場で思いっきりぶん殴りそうだった。
まぁ冗談はおいといて。これ、方言でどこら辺にすんでるのかわかるのかなぁ?まぁいいや。

いやぁ、艦これねぇ。
電がかわいすぎて......えへへ.........(電・・・現在嫁ランキング2位)
今、電のことを《でん》って呼んだ奴怒らないから正直に手を挙げなさい。
北方棲姫ちゃんも(嫁ランキング30位タイ)
那珂ちゃんもかわいいし(嫁ランキング30位タイ)
第六駆逐隊は言わずもがなだし(電、2位・雷、32位タイ・響、39位・暁、50位タイ)

電は、もう......なんというか...天使......もしくは............天使ですね。
大人な女性を目指して毎日牛乳を飲んでいるらしい。
「ブッシャァアア」(彩風の鼻から鮮血が噴き出す音)
もう全力で俺を萌やしにかかってきてます。
かわいいよ電。
もう電に牛乳を飲ませたい。というかむしろかけたい。言わずもがな顔に...。


はぁ、.........尊い。

それでは、次回も是非ゆっくりしていって下さいね!!



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4章 5話~お酒は二十歳になってから~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・死ぬならオホーツク海でアザラシをモフったあとそのまま身投げしたい。
・今回!作者チョロ松さんに挿し絵を描いていただきました!
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


僕は、寝ぼけ眼で布団から体を起こす。

 

【挿絵表示】

 

「あれ?」

僕は昨日のことを、うまく働かない頭で思い出す。

確か、僕はお酒を飲まされて......、それで......、

「あら、起きたの。」

すると、ふと後ろから声がかかる。

振り向くと霊夢さんがお盆にいくつかの水をのせて、呆れ顔でこちらを見ていた。

僕は周りを見渡す。

ここは......多分、博霊神社だろう......。

横には僕と同じように布団に横になった文さん。

その横には、看病をしていたようで、魔理沙さんが腕を組んであぐらをかいて座っていた。

座っていたといっても、頭がコクリコクリと動いている。多分寝ているんだろう。

《ズキッ》

「うっ......!?」

僕は突如として襲ってきた頭痛に文字通り頭を抱える。

ズキズキッと小刻みに襲ってくる痛みに顔をしかめる。

「何?二日酔い?昨日は大丈夫そうだったけど......?」

霊夢さんが呆れ半分心配半分と言った様子で言う。

「二日酔い......なんですかね......?よく分からないですけど。」

僕は相変わらず痛む頭を押さえながら答える。

「まぁ、あんな怪しいもん飲んだんだったらしょうがないか......。」

霊夢さんは肩をすくめながら言うと、僕に水を持ってきてくれた。

「あ、ありがとうございます......!」

僕はお礼を言って、水を一気に飲み干す。

心なしか少し楽になる感じがする。

「ふぅ.........。」

僕は深く溜息をついた。

恐らく、僕はお酒に呑まれたんだろう。

文さんや霊夢さんもとても強いお酒だと言っていたし、お酒を飲んだことがない僕なら尚更呑まれても不思議はないだろう......。

「痛ぁ.........。」

ふと横から声が聞こえてくる。

僕が横を見ると、思った通り文さんが頭を押さえながらゆっくりと起きあがっていた。

「大丈夫ですか......文さん......?」

「うぅ......これが俗に言う《二日酔い》って奴ですか......初めて味わう感覚ですけど、とても良いものとはいえませんね.........。」

心なしか文さんも顔を青くしてフラフラとしている。

いや...まぁ.........二日酔いならしょうがないか。

それにしても...

「文さん......初めて味わうって......いままで二日酔いになったこと無いんですか?」

昨日の様子を見ると、とても普段はあまりお酒を飲むことはない.......何てことはなさそうだったのだが...。

「え?あぁ......昨日言いませんでしたっけ?、私たち......天狗や鬼は妖怪の中でも特に、お酒に対して強い耐性を持っている種族でして......ちょっとやそっとで酔っぱらうなんて無いはずなんですが......ましてや二日酔いとは...。」

文さんは溜息をつきながら呟いた。

「ふふ......なかなか面白かったわよ...天狗が酔ってるところなんてなかなか見れるもんでもないしね。」

霊夢さんがそういうといたずらっぽく笑う。

文さんは調子が狂うと言った顔で......。

「あの......私...何かしました......?」

おそるおそるそう尋ねる。

霊夢さんは下手に出て尋ねる文さんに対して少し考えた後......

とびきり嫌な笑みを浮かべて.........

「教えてほしい.........?」

煽るように文さんに向けて呟く。

「............」

文さんはどう答えるか迷って......迷った結果......

「はぁ.........いいです...。どうせ言わないんでしょう?」

「......まぁ、そうだけどね?」

霊夢さんは笑うと、文さんに水を渡した。

「あ、ありがとうございます、いただきます。」

文さんはそう、簡単にお礼を言うと、水を飲み干した。

 

「ぷはぁっ!」

文さんは水を飲み干した後、一気に酸素を取り込むように大きく息を吸い込んだ。

「あ~~なんだか頭がボーッとしますね。」

「まぁ、二日酔いだからそりゃそうでしょ...。」

「うぅ.........。なかなか不便なものですね......。いたた...。」

文さんが痛みに悶える姿に苦笑いしながら僕は文さんに一つ尋ねようと声を出しかけたのだけど......

 

「ん......あぁ?。あぁ寝てたのか私..........」

横からかかる声に邪魔されて言うことができなかった。

「あら?起きたの?」

顔を上げた魔理沙さんに霊夢さんが言う。

魔理沙さんは顔を青くして、頭を押さえて。

「あぁ.........頭痛ぇ.........二日酔いか...。」

そう呟くと。「うぅっ......。」と呻き声を上げた。

「大丈夫?もう...。はい。.........水。」

そんな魔理沙さんに呆れ顔で霊夢さんが水を手渡す。

それを受け取り、魔理沙さんは笑いながら。

「おぉ......悪いな。」

そういって、水を受け取りさっさと飲み干す。

そしてあっと言う間に中身がなくなったコップを霊夢さんに渡した。

 

「ふぅ......いやぁ...飲み過ぎたな.........ははっ...」

魔理沙さんは苦笑いしながら誰に言うでもなく呟く。

そんな魔理沙さんを見たからなのか文さんが僕の方を見て、

そういえば、と前置きをしてから

「鞘......?あんなお酒を飲んだって言うのに結構平気そうですね。私がこうなったってことはお酒は本物だったようですし......」

そう言った。

「ん......まぁ、少しだけ頭痛が痛いですけど...確かにそんなにひどくはないですね。」

僕がそういうと周りの三人...霊夢さんと魔理沙さん、文さんが何か言いたげに僕をジト目で見る。

不思議に思って、小首を傾げながら

「どうしたんですか?何か変なこと言いました?僕...。」

そういうと、なんだか哀れんだような雰囲気で霊夢さんが文さんに

「文......」

そう短く呟く。

それに対して文さんは

「はい......今度寺子屋にでも連れて行きましょう......。」

そう溜息をつきながら言った。

「しかも自覚無いみたいだしな.........。」

魔理沙さんまで真面目な表情になって言う。

 

なんだか良く分からないまま、時間が過ぎていってしまった。

 

結局あの雰囲気は何だったのだろうか?

 

 

「さて、では!あまり長居もできませんし!そろそろ仕事にもど......痛ってて.........。」

文さんが言葉の途中で頭を抱える。文字通りの意味で。

「だ!大丈夫ですか!?」

僕がすぐに文さんに駆け寄って声をかける。

文さんはグッと歯を食いしばりながら

「うぅ......ちょっとおにごろしを嘗めすぎましたね......。まさかここまでとは...。」

そう悔しげに呟く。

顔面蒼白とはまさにこんなことを言うんだろう......。

さっきと同じで文字通りとったとしたならだけど。

「病院とか...行った方が......。」

僕は言葉を探して、思考を回転させる。

そうやって出した言葉に文さんは力なく笑いながら。

「あぁ...。私が知っている限り優秀な医者はいても、まともな医者はいませんねぇ......。」

そうひねり出すように言う。

すると今まで喋っていなかった魔理沙さんが、

「あぁ......。それは同感するよ...。」

苦笑いしながらそう肯定した。

優秀なお医者さんなのに、まともじゃない.........。

僕は頭の中で人物像を思い描く。

そして、俗に言う《まっどさいえんてぃすと》みたいなものができあがったためいち早く記憶から消し去る作業に入った。

僕が頭を小刻みに振っていると、魔理沙さんが文さんに

「そんなに辛いんなら、ちょっと博霊神社で休んでったらどうだ?」

そう優しい言葉をかけた。

しかし霊夢さんは

「あんたねぇ......人の家を自分の家みたいに......。」

眉をしかめながら不快そうに言う。

「じゃぁ、駄目なのか?」

「じゃぁ、駄目なんですか?」

そんな霊夢さんに文さんと魔理沙さんが同時に尋ねる。

この二人を見て霊夢さんは、グッと黙った後...数秒考え......そして。

「はぁ......良いわよ......もう......。」

溜息をつきながらそういった。

どうやら霊夢さんはこういう押しには弱いようだ。

霊夢さんと魔理沙さんが顔を合わせてニヒヒと悪戯っ子のように笑った。

そんな様子を見て霊夢さんはもう一度深く深く溜息をついた。

 

 

僕は文さんに尋ねる。

「そういえば次に行く取材はどんな取材なんですか?」

文さんは布団に横になりながら隣で座っている僕に顔だけ向けて答える。

「え?あぁ、ええと。前も言ったように少し面白い情報を手に入れたんですよ。それの取材に......!」

「その......ですから...!その情報について教えて下さい!」

僕は思いきってそう言う。

いつももったいぶっていられるとさすがに身が持たない気がするからだ...。

そんな僕に文さんは少し驚いたように目を見開いた後。

にっこりと笑って、「そうですねぇ」というと。

「じゃぁ、教えましょう。」

そう続けた。

「ええとですね......情報元はあかせませんけど......。いや、行けば嫌でも分かると思いますけど...とにかく!情報がありまして、その内容がですね......。どうやら、人が抜け殻のようになってしまうというものなんですね。まぁ、正確に言えば人ではなく妖精ですが......そして、その抜け殻、になってしまった妖精ですが...明らかに心臓は動いているのですが、息をしていないそうなのです。それで一度取材に...と。そう思っていたんですが......どうです?」

文さんは一通り説明した後満足そうに笑いながら僕の方をみる。

僕は、それを聞いて、

「抜け殻......なんだか怖いですね.........。」

そう率直な感想を述べた。

文さんは、ははっと笑うと...

「まぁ幻想郷ではそんなに珍しいことでもないですよ。」

そういった。

「はぁ......。」

僕は納得がいかないまま答える。

やはり、ここ幻想郷はとんでもない場所らしい。

それでも、とにかく次の取材に向けて気持ちを整えなくては!!

そう思い、僕は文さんに一言言ってから博霊神社の外にでた。

 

 

 

 

.........続く。

 

 

 

小さなおまけ~犠牲~

 

私は紅魔館につとめるメイドの一人だ。

紅魔館には複数のメイドがいるし、お嬢様からすれば私など名前を覚えてもらえてすらいないと思う。

いや、でもそこはどうでも良い。私は紅魔館につとめる以上、仕事はやりきるつもりだ。

 

今日は......数人のメイドとともに美鈴様のお手伝いとしてお庭の手入れを命じられた。

お庭の手入れ......まぁ仕事とすれば楽な部類であろう...。

そう思い私はすぐに仕事に取りかかった。

美鈴様は......寝ていたけど.........後でメイド長に報告しておこう...。

私はテキパキと仕事をこなしていく。

すると......ここで門の方に、ふいに人影が見えた。

「誰.........?」

そう呟く。

 

いや...呟いたつもりだった。

 

その途端、急に体験したことがない感覚に襲われる。

自分の心が心臓が、中枢の何かが......暴力的に、無理矢理、乱暴に奪われていくような。

「がっ.......あ...あっ.........」

声がうまくでない。

周りのメイド達が心配そうに私に駆け寄る。

私は最期に、有らん限りの声を張り上げて。

実際はかすれて聞き取れるものだったかわからないが......

こう言った。

 

 

 

「わ......の!......しの!た.........を、.........い!おね...い!......がいだ...ら!か...して!!!......」

 

 

 




はい!閲覧ありがとうございます!!

今回!作者チョロ松さんに挿し絵を描いていただきました!!
うへへ……挿し絵……いいですねぇ……。


さて、いやぁ......もう......あとがきねぇ......うん。
ネタがない。
いつもはそこら辺に転がってるのに、今回は全くない......。

う~ん、まぁ次回もゆっくりしていって下さいね!!
では!またお会いしましょう!!


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おまけ編 4
おまけ編 1話~魔法使いVS人~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・最近従姉妹に「Doutei拗らすと怖いな。」って言われて真面目に凹んでいます。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


僕は魔理沙さんへと短剣を突きつけ、普段では考えられないような鋭い目で言い放った。

「僕の勝ちです。」

そういうと、魔理沙さんの細い喉に短剣を走らせる。

 

しかし、やはり、例の如く。

理不尽にも、僕の意識は暗転した。

 

 

 

 

僕は博霊神社から外へと出て、思いっきり呼吸をした。

その後大きく伸びをし、軽く体操して体を慣らす。

そうして準備してから僕は鞘付きの短剣を取り出し、構える。

目をつむり、十分に集中した後、剣を振り始めた。

目の前に敵を想像しながら動きを確認する。

頭の中では実は少し妖夢さんを意識していたりする。

 

「やっ!。」

軽いかけ声とともに懇親の一振りを繰り出す。

その一撃は想像の敵を切り裂く......

ことなく、綺麗な白い手に親指と人差し指でつままれた。

「えっ?」

いろいろなことに対する驚きで僕は間の抜けた声をあげる。

さっきまでいなかったはずの霊夢さんが目の前にいること。

懇親の一振りをつまむだけでおさえられたこと。

僕はその姿勢のまましばらく動けなかった。

呆気にとられる僕をみて心なしか楽しそうに、

「熱心なのね?二日酔いは大丈夫なの?」

霊夢さんが笑いかける。

その一言で我に返った僕は、裏返りそうな声で

「は、はい!だ、だだ...大丈夫です。」

こう答える。

そんな僕が可笑しかったのか霊夢さんがクスクスと笑った。

僕は思わず赤面した。

 

「なんだなんだ?やけにたのしそうだな......。」

唐突に聞こえてきた声に僕と霊夢さんは神社の方をみる。

「あら...魔理沙......あんた二日酔いは?」

「え?......あぁ、ぜんぜん大丈夫だぜ!」

霊夢さんの問いに対し魔理沙さんは元気に笑いながら言った。

「そういうとこはタフよねぇ。」

そんな魔理沙さんをみて霊夢さんは呆れたように溜息をついた。

 

魔理沙さんが僕等の方に近づきながら尋ねる。

「で......何してたんだ?」

霊夢さんが僕の方をみて答えるように促した。

僕は霊夢さんに促され、

「あ、ええと......訓練...?と言いますか......。とにかく。自分の身ぐらいは守れるように......と思っていて......。」

しどろもどろになりながらも答える。

「あぁ......まぁ、何かと物騒だしな、鞘なんかは真っ先に食べられそうだし。」

おどけながら魔理沙さんが言った。

僕が苦笑いを返すと、急に霊夢さんがこんなことを言い出した。

 

「じゃぁ、手合わせしてあげれば?」

 

唐突な言葉に僕は驚きを隠せずに霊夢さんをみる。

魔理沙さんは「おぉ!」と言って僕の方をみた。

......幻想郷の人...いや、住人さん達は皆...好戦的......?なんだろうか............。

「い、いえいえ。悪いですよ!。それに、僕じゃ魔理沙さん達とは相手にならないでしょうし......。」

僕はブンブンッと顔を左右に振りながら言う。

しかし、何となくそんな予感はしていたが、

「あぁあぁ...!そういうのはいいから、私は本気出さないから、やってみようぜ?」

魔理沙さんが僕の背中を押しながら、強引に話を進める。

 

どうやらまたこの流れのようだ。

「はぁ..........。」

僕は小さく溜息をついた。

 

 

 

「んじゃ!遠慮なく、本気でかかってきて良いぜ?」

目の前で魔理沙さんが余裕の表情で手をこっちに向けてひらひらとふる。

僕は短剣を構え、一点に魔理沙さんの動きをみる。

五感が普段よりも遙かに研ぎ澄まされるような感覚。

 

魔理沙さんや霊夢さんの強さは前の喧嘩(?)を目撃してある程度知っている。

まずまともに戦って勝てるわけがないのは分かっていた。

かといって、前の妖夢さんとの手合わせの時のように相手の裏をつくようなことをする気もない。

僕だってあれからある程度強くなったつもりだ。

本気でやれば少しはまともに戦えるはずだろう。

戦えると......思う。

うん。多分............。

 

僕はそんな考えを振り切ってもう一度魔理沙さんを見つめる。

そして、

《ガンッ!》

予備動作を極力なくして放った一発を魔理沙さんの八角形の何かによって抑えられる。

もしも当たりそうになったときのためスピードを落としてしまったせいだろう。

きっとそうだ。そうに違いない。

僕は間髪入れずに空いている左手を魔理沙さんの懐に放り込んだ。

「っとと。」

しかしその拳は魔理沙さんに簡単にかわされてしまう。

大丈夫。それでいい。

もともと、あてるつもりでやった攻撃ではない。

あたったとして僕のパンチなど、威力はたかがしれている。

隙ができればそれで良い。

僕は渾身の力で右足の蹴りを繰り出す。

 

僕はおそらく今まででもっとも頭を回転させて戦ったと思う。

しかし、どうしてもかなわない相手というのはいるもので、

僕は虚しく空を切った右足を驚愕の目で見つめる。

あれ...!?なんで!?

ふと頭に浮かんだのはこんな言葉だった。

「なかなか良い動きしてると思うぜ?」

無情にも後ろから声が聞こえる。

後ろを振り向くと、魔理沙さんがにっこりと笑いながら短剣を弄んでいた。

僕の短剣を。

僕の......?

「えぇ!?」

思わずさっきまで短剣を握っていたはずの右手を凝視した。

「おっと、つい悪い癖が。」

魔理沙さんはそういうと弄んでいた短剣を僕に向かってポイッと投げる。

「わっ」

僕はどうにかそれを受け取った。

「思ったよりも強かったな。だがまだまだかな......。」

魔理沙さんはそういうとはははと笑った。

僕は受け取った短剣を呆然と見る。

 

縁側で観戦していた霊夢さんが僕たちに近づき、煎餅をかじりながら、

「お疲れさま。」

そう短く言った。

せっかくのお言葉だったのだけど僕は呆然としていてまともに聞いていなかったと思う。

そんな僕をみて、霊夢さんが魔理沙さんにコソコソと耳打ちする。

しかし、どうも僕は地獄耳らしくそれらを聞き取ることができた。

といっても耳に入ってくる、というだけで意味をしっかり理解はできなかったが。

「あんたねぇ.........もうちょっと手加減してあげなさいよ...。鞘、多分落ち込んじゃうわよ。」

霊夢さんがちらちらとこちらをみながら言う。

そんな霊夢さんに魔理沙さんはヘラヘラと笑いながら、

「ん?あぁ、大丈夫大丈夫。多分このタイプは.........。」

そういうと僕の方をみた。

 

僕は短剣をみつめてワナワナと震える。

そんな僕を見てなのか、霊夢さんが心配そうに、僕に何か掛ける言葉を探しているようだった。

「か...。」

「ん?なんて?」

魔理沙さんが僕に言う。

「か......。」

「か?」

霊夢さんも僕に尋ねる。

 

「かっこいい!!!!」

 

僕が目を輝かせながら魔理沙さんに尊敬の目を向ける。

僕の反応が予想外だったのか霊夢さんが呆れたような不思議そうな顔になる。

それに対して魔理沙さんは予想通りの反応で満足。といったように頷いて笑った。

 

 

「違う違う。相手がこうしてきたときは空いてる左手で。」

「あぁ!なるほど。」

「そうそう!んで、そうすると相手がこうしてくるから。」

「へ?ひやぁ!?」

 

「仲良いわね.........。」

霊夢さんが僕たちのやりとりをみながら呟く。

「嫉妬ですか?らしくないですね。」

突如として後ろから声をかけられたにも関わらず霊夢さんは振り返りもせずに答える。

「嫉妬?.........んな訳ないでしょ?だいたい何に嫉妬しろってのよ。」

その声はどことなく不機嫌な雰囲気だった。

文さんは霊夢さんの反応を見てニコッと笑うと、

「そうですね。ちょっと的外れだったかもしれないです。」

「盛大にファウルしてるわよ。」

霊夢さんはそういうとほのかに色づいた頬を隠すように一気にお茶を飲み干した。

 

 

「どうです?動きは良くなってきましたか?。」

肩で呼吸する僕に文さんが笑顔で尋ねる。

「ひゃ!?」

後ろから尋ねられ、思わず僕は前に倒れそうになる。

「ととっ。」

そこを魔理沙さんに支えられる。

僕はすぐに元の体勢に戻り、

「ご、ごご。ごめんなさい!!」

魔理沙さんに頭を下げる。

すると魔理沙さんはにこっと笑って

「おぉ、気にすんな。」

そう言った。

文さんがカメラを構えていたがそこには触れないで置こう。

そして僕は文さんの方を向いて弱々しく言う。

「文さん......。いいかげんこんな風に登場するのやめてくださいぉ......。僕の心臓が持ちません...。」

そんな僕を見て、文さんは少しは罪悪感にかられたのか頭を掻きながら、

「あんまり驚かせるつもりはないんですけどね......?」

こう言った。

僕は小さく溜息をついてから心配そうな声色で文さんに訊く

「それで、二日酔いは良くなったんですか。」

その問いに文さんはいつも通りの表情でケロッとして、

「あぁ、問題ないですよ?私にかかればチョロいもんです!!」

力強くそういう。

今朝までフラフラしていたのが嘘のようだった。

そのかわり様に僕や霊夢さん魔理沙さんまでもが呆れていた。

 

 

「ずずず.........。ぷはぁ.........。」

僕は湯飲みから口をはなし大きく息を吸った。

やっぱり体を動かした後の一杯はおいしい。

そんなことをしみじみと思いながらお茶を飲み干す。

「ずいぶんとおいしそうに飲むのね...。」

横から霊夢さんに話しかけられる。

「あはは......。そうですかね。」

僕が照れながら言う。

 

博霊神社の縁側には平穏な空気が流れていた。

 

「んじゃ......。もう一頑張りするか!。」

「あ!は、はい!!」

魔理沙さんの声で僕は我に返り、返事をする。

そんな僕たちに霊夢さんと文さんが驚いたように、

「あんだけやって、まだやるの?鞘の体力持たないでしょ?」

「鞘、努力家なのはいいですが、明日の取材に響かないようにお願いしますよ。」

僕は二人の言葉に何も言い返せずに固まる。

確かに......このままでは体力が持ちそうにない......。

僕がそんな風に考えていると、

魔理沙さんがじゃぁ!と短く言って、そしてこう続けた。

「最後に私と手合わせして終わりにしようぜ。今日の特訓の成果を見せてくれよ!。」

「え.........あ!はい!お、お願いします!」

僕は少しだけ力んだ声で答えた。

 

 

 

 

      続く......

 

 

 

 

 

 

 




どうも!最後まで閲覧ありがとうございます!!彩風です。

いやぁ、あったかくなってきましたね。
彩風的には花粉のピークが過ぎてテンションがあがっています!

しかしですが、現在熊本が大変みたいですね......。
ネトモに一人九州住がいるのですが、知り合いが避難生活で大変らしいです。
一日でも早い復興を願っています...。


さて、ここから雑談となります!
えぇ、先日なんですが...。

...皆さんは覚えているだろうか。
宴会編の3話、その後書きを......。
みてなかったらみてくるのも良いかもしれない。
......いいかもしれない......チラッ。チラッ。

まぁ、この会話をご覧くだされ。

先生A「皆さんは子供。ときくと何を思い浮かべますか......?じゃぁC君」
友人C「へっ?あぁ......ええと、.........彩k......。」
ドゴォオオオ。

 数十分後
友人C「いや......悪かったって、」
彩風「死ね、それか氏ね、または四ね、もしくは市ね、今すぐ4ねぇぇぇえええ!!」
友人C「ごめんなさい......。」
彩風「まぁいいわ。っていうか、お前次の日曜あいてる?」
友人C「何故に?」
彩風「いや、メモカ買うから来ないかなぁって。」
友人C「あぁ、ごめん無理やわ。」
彩風「あ、そうなん。大会かなんか?」
友人C「いや、A奈の家行くことになってるから。」
彩風「............。」

このあとめちゃくちゃ腹パンした。

爆発しろ畜生めぇぇぇ。
ふぅ。取り乱しました...。
とりあえず日曜は朝から友人Cの携帯に
《避妊はしろよっキリッ》
と送り続けます。ニコッ。


それでは次回も是非是非ゆっくりして言ってくださいね!!


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おまけ編 2話~魔法使いVS人(?)~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・先日無意識に、遊んでる女子小学生の方を観てにこやかに笑っていました。ハハッ
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


僕は先程と同じように魔理沙さんと向き合う。

そして、深呼吸の後ゆっくりと集中した。

 

視覚、聴覚、その他の感覚が限界まで研ぎ澄まされる。

風の音が耳に痛い。

僕はもう一度目を見開き魔理沙さんの動きに集中した。

沈黙が流れる。

 

スッ。

魔理沙さんの手が微かに動いた。

そう認識した時点で魔理沙さんの拳が鼻先をかすめる。

間一髪で避けた僕はすぐに距離をとって思考する。

この状況で、勝つには......。

僕は自分でも信じられないほど冷静に考える。

しかし、魔理沙さんは落ち着いて考えさせてくれないようで、

「よっとぉ!!」

すぐに間合いを詰めてくる。

「くっ......!」

悔しげに唸った後、僕は飛んでくる魔理沙さんの攻撃をギリギリにかわしていく。

 

魔理沙さんの攻撃は一つ一つの威力は高そうだけど、そのぶんある程度の隙ができる。

だから、攻撃を入れるチャンスはそれなりに......ある!。

僕は魔理沙さんの蹴りを屈んでかわし、魔理沙さんの股下へと潜り込む。

「やぁっ!!」

軽いかけ声とともに魔理沙さんへと短剣を突く。

「惜しい惜しい!。」

魔理沙さんは笑いながら身を翻し、短剣を避けた。

「っ......!。」

僕は微かに動揺したがすぐに集中し直す。

そして短剣を突き上げた姿勢からそのまま魔理沙さんへと向けて振り下げる。

「ほっ。」

その一撃を後ろに転がって避けた魔理沙さんはほとんど間髪入れずに突っ込んできた。

......、そんな体勢からどうやって踏み込んだんだろうか......?。

若干疑問だったがそんなことを深く考える余裕があるはずもなく僕は魔理沙さんの攻撃をどうにかかわしていく。

 

「どうした?受けてるだけか?」

絶え間なく攻撃を仕掛けながら魔理沙さんが挑発するように言う。

当然、僕に答える余裕なんてあるはずもなく、ただ、淡々と魔理沙さんの攻撃を避けたり受け止めたりしていた。

防戦一方で徐々に後ろに下がっていく。

すると......。

《ゴンッ》

「っ!?」

背中に何かが当たったような感覚。

おそらく木にでもぶつかったのだろう。

今は何にぶつかったかなんてどうでも良い。問題は、

「もらった!」

飛んでくる魔理沙さんの一撃をどう避けるかだ。

屈む?

いや上から振り下げているんだから意味がない。

横に転がるか?

体勢を崩せばそこを畳みかけられるだろう。

受け止める?

いや、間に合わない。

 

どうする......?

どうする.........。

 

思考をフル回転させて対処法を考える。

なんだか時間が止まっているような感覚だ。

そして、実質コンマ数秒の思考の後僕が出した答えは。

《ドンッ。》

「んなっ!?」

魔理沙さんが驚きの声を上げる。

 

まぁ、目の前の敵がいきなり体当たりしてくればそれは驚くだろう。

 

運のいいことに体勢を崩した魔理沙さんに僕が上からのしかかる形になった。

反撃されないようにすぐにトドメとして首に短剣をあてる。

いや、あてた......つもりだった。

短剣は魔理沙さんの首から15cmほど上の方でぷるぷると震える。

要するに...、首元までもっていくまえに魔理沙さんに受け止められてしまった。

こんな状況だというのに魔理沙さんは軽く笑いながら、

「いやぁ......若干油断したなぁ.........。はは。」

そう告げる。

僕は短剣を持つ手に一層力を込めて言う。

「いいんですか......?このままじゃ負けちゃいますよ...。」

僕にしては珍しく挑発的な言葉だった。

僕の言葉に魔理沙さんは一瞬きょとんとした後、すぐに笑って。

「そうか、そりゃぁまずいな。............よぉっと!」

おどけたように言った後、のしかかられた状態であるにも関わらず僕を押し退けた。

「ひゃぁっ!?」

僕は後ろにしりもちを付く。

鈍い痛みに顔をしかめたが、すぐに冷静に戻る。

まずっ!

「お疲れさま。」

爽やかな笑顔で魔理沙さんが僕に言い放つ。

視界の端には魔理沙さんのローキックが飛んでくる様子が映っていた。

僕は思わず眼を閉じる。

 

僕の視界が暗転した。

 

 

 

 

 

あれ?

僕は不思議な感覚に首を傾げる。

なんだかぼーっとしていてうまく頭が回らない。

前にもどこかであったような感覚。

時間が止まっているようだ。

不意に視界が明瞭になる。

目の前で魔理沙さんが背中を向けて何もない方向に蹴りを放っている。

何をしているんだろう.........?。

するとゆっくりと魔理沙さんが振り向き、僕と眼があった。

魔理沙さんの顔がどんどん驚いた風に変わっていく。

何に驚いてるんだろう.........?。

僕は半眼で首を傾げ、魔理沙さんをジッとみる。

魔理沙さんが焦ったように右手のストレートを打ってくる。

ただ、何故かとてもゆっくりだった。

僕はとんでくる右手を落ち着いて左手で包み込むようにつかんだ。

自分の手が小さいせいか、しっかりはつかめなかった。

僕は落ち着いてゆっくりと、魔理沙さんの腕を捻り、地面に叩きつける。

「つっ!!?」

魔理沙さんが痛みに顔をゆがめる。

僕は膝をついた魔理沙さんのお腹に蹴りを入れる。

「ガッ!」

鈍いうめき声の後、魔理沙さんの体が数m吹っ飛ぶ。

「アハハッ.........。」

何が面白いのか僕が静かに嗤った。

蔑むようにお腹を押さえる魔理沙さんを観た後。

更に、魔理沙さんに追い打ちを仕掛ける。

襟元をつかみ、持ち上げる。

といっても魔理沙さんの方が身長が高いから魔理沙さんの足は地面に付いていた。

「フフ。」

僕は少しだけ笑った後。

人差し指と中指をピンと立てた状態で魔理沙さんのお腹に向けて突きさす。

何の遠慮もなく手加減なく。

 

内蔵ごと貫くつもりで。

 

《カンッ》

軽い音が響き僕の手が弾かれる。

僕は表情を変えずに、

「痛。」

そうとだけ呟いた。

魔理沙さんのお腹の周りには青く薄いガラスのようなものが衝撃を与えた一瞬だけ見えた。

何だろう......これ...?。

「結界?」

僕が呟く。

そんな間に魔理沙さんが僕の手から離れて、後ろに距離をとる。

「まってくださいよ。」

感情のこもらない声で呟くと僕は魔理沙さんの後ろに回り込む。

そして軽く殴りを入れていく。

魔理沙さんはそれをどうにかかわしていく。

僕はそんな魔理沙さんににっこりと笑いながら、

「受けるだけですか?」

そう告げる。

もちろん魔理沙さんに答える暇などなく......。

「あぁもう。クソッ。」

悔しげにそう呟くとどこからか箒を取り出し宙に浮いた。

そして、見上げればいけない高さへと到達しよくわからない魔法弾をいくつか放ってきた。

「ずるいなぁ......キャハハッ。」

僕は楽しげに嗤った後、右手を魔理沙さんと魔法弾に向けて突きだし、そして。

クイッ。

その右手を捻る。

それと共に魔法弾が全て消え去り、魔理沙さんの箒が二つに折れる。

「へっ!?。のわぁあっ!?」

魔理沙さんの驚きの声と共に魔理沙さんが箒と共に落ちてくる。

かなり高いところから落ちたにも関わらず魔理沙さんはしっかりと着地して体勢を崩すことはなかった。

だから、

「うわっ。」

足を引っかけられて魔理沙さんが声を上げる。

そして体勢を崩し地面へと手を付いた。

「しまっ......。」

魔理沙さんが声を上げるがその瞬間にはもう僕の短剣が文字通り眼の前だった。

気のせいか魔理沙さんの顔がおびえたように歪み、僕は可笑しくてくすくすと笑う。

そして、

「僕の勝ちです。」

穏やかな表情で僕が言い放つ。

そして、魔理沙さんの眼球へと短剣を突き立てる。

 

 

しかし、その瞬間、腕がしびれるような感覚に陥る。

体の奥で何かが暴れているような、そんな言いようもない感覚。

痛い、痛い痛い痛い。

今すぐにでも叫びたいが声が出ない。

そして、僕の視界は......。

いつも通り暗転した。

 

 

 

 

 

僕は目を覚ます。

何日も眠っていたような錯覚に陥る。

僕はガンガンと痛む頭を押さえて布団から起きあがる。

横には霊夢さん、文さん、魔理沙さんが心配そうにこちらをみていた。

「え?あぁ.........僕、気絶してましたか......。」

僕はさっきの戦闘の記憶を甦らせる。

そうか......魔理沙さんのローキックを食らって...そのせいで.........。

僕は魔理沙さんの方を向いて笑顔で言う。

「えへへ......さすが魔理沙さんですね手も足も出ませんでした......。もっと訓練しなきゃなぁ......。」

心なしが霊夢さんと魔理沙さんが訝しげな顔をする。

しかし僕はそんなことには気づかずに文さんの

「そうですね......。ですが、そこそこいい動きになっていたと思いますよ......?。」

この言葉に目を輝かせ、ホントですか!!と声を弾ませた。

しかし、

「文......あんた寝てたんじゃなかったの.............?」

霊夢さんの一言で手放しには喜ぶことはできなかった。

 

 

「それでは!そろそろ帰りましょうか......。」

文さんの一言に僕が布団から飛び起きる。

「は!はい!。分かりました。」

そう言うと痛む頭を抑えてすぐに準備をする。

そして、文さんがいつものように

「それでは、取材の協力ありがとうございました。」

そういうと、そそくさと博霊神社を後にしてしまった。

 

なんだか随分あっけない気がしたけど、僕は特に何も言わずにいた。

 

 

 

帰路の途中、僕は文さんの背中の上で景色に浸る。

「綺麗ですね......。」

僕は日の沈みかける景色をみた率直な感想をもらした。

しかし文さんはそれを無視して、

「鞘......。今日の訓練どうでしたか?」

そう尋ねた。そしてその声はどこか不安げに聞こえた。

僕は少し不思議そうにしたあと。

笑って、

「なかなか良い体験ができたと思ってますよ!。」

そういった。

「そうですか。」

文さんははにかみながらそう答える。

その表情はどこか安心したような不安げなものであった。

 

 

 

    続く......。

 

 

小さなおまけ~謎~

 

「いやぁ......意外...。というかなんというか......。」

気絶した心音鞘を見ながら霧雨魔理沙が呟く。

「全く、だから油断するなっていったじゃない。」

そんな魔理沙に博霊霊夢が呆れたように言った。

それに対し魔理沙は

「いやぁ......どうせ結界が張ってあるのは知ってたしな......。ちぃっと油断しちまったぜ。」

はにかみながら言う。

そんな魔理沙に霊夢が溜息をついた。

その後、霊夢は横にいる射命丸文に話しかけた。

「で、どういうことなのよ、あの結界、妖怪の類にしか反応しないはずなんだけど......って.........。」

しかし頭をカクカクと揺らしながら寝息を立てる姿に絶句する。

それを見て魔理沙が笑いながら

「はは、よほど鬼ごろしが効いたらしいな。」

そう言う。

 

 

「......んっ?」

文が目を開けて周りをみる。

すると霊夢が一言だけ文に告げた。

 

「あの子.........気をつけなさいよ...。」

 

「え?はぁ......。」

文は不思議そうに首を傾げた後不安そうに表情を曇らせた。




どうも!

彩風です!

今回鞘が覚醒していますね。
キャラが完全に変わっちゃってます。
所々表現に違和感を感じたり、
あれっ?みたいなことになるところもあるかもしれませんが
彩風の狙い的には恐らくはそれで合っているはずです。
誤字脱字は普通にミスなので報告してくださると助かります!

ではでは、ここから余談。


皆さんは彼女を知っているだろうか?
そう......彼女である。
え?わかる訳ないだろって?

彼女ですよ。
世間を騒がせた。
そう......《エレン・ベーカー》先生です。

突如中学生の英語の教科書に現れ、圧倒的今風な画風と美貌で数多もの中学生やオタ達を虜にしたあの。

さて......ここまでで気づいた方もいるかもしれない。
そう。彩風は中3である。......そう。

エレン先生......持ってる.........(震)。

ふはははは!!!
今や中学を卒業したエレン先生ファン達よ!残念だったなぁ!私は勝ち組だぁぁぁあああ。


すいません。取り乱しました。
いやぁですが、ホントにすごいことになってますよね。
薄い本すらでる始末です。PTA...ボソッ。
なんだかゼミママを思い出しましたw。

最初はエレン・ベーカー?え?なに?駆逐でもするの?
とか思ってましたけどね。
絵を見た瞬間硬直してました。
やったねた○ちゃん、授業中に脳内処理でキャラクターを美化しなくて良くなったよ。

正直言うと自分は安藤咲ちゃんの方が好みですね。
かあいい。

そして......伊藤光太君ですが...。
エレン・イ○ーガー。さんのほうに似てないですかね.........?

何というか......すごい偶然です......。



ではでは!次回も是非是非ゆっくりしていってくださいね!!


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異変の取材
5章 1話~新たな出会い~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今回出てくる新キャラはオリジナルキャラです。原作とは何の関係もありません。
・いやぁ最近考えてたんですけどあややがもし中学生だったらって、まぁ中学生っていえば制服なわけでとりあえず自分の妄s...空想力だけは豊かな頭を使って想像するわけでありますが、まぁ制服着せたらいつも天使な文ちゃんが更に天使になるわけでありましてうっはwたまらんわこれwwとか思っていたのですがそっからこのポンコツ脳味噌、違うコスもさせてみようってなりまして、自分の趣味全開ではありますが猫耳パカやらボニテ眼鏡やら想像するわけでありますよ。そしたら自分の中に蓄積されてる血液が鼻孔からどんどん放出されていくわけでございます。それで白スク着せたあたりから脳が危険信号を出したのか本来の目的を思い出すのでありますが、あややが中学生だったら、まぁ中学生と言えばチャリ通ですよね、普段は飛び回ってるあややがチャリンコをこいでいる姿はなんとも新鮮で萌えな訳でございますが、ふとあややの乗ってるチャリンコのサドルに猛烈な嫉妬心を抱くわけでございます。あぁ生まれ変わったらサドルになりたい、そんなことを考えながらどうしようもない腹いせに自転車小屋の自転車のサドルをすべてカリフラワーに変えておきました。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「やぁ!私はエルだよ!魂を宿らせることができるの!!」

「............」

僕の目の前の女の子がそう言った。

僕は不思議なものを見るような眼でその二人を見ていた。

 

 

 

 

「ふわぁ.........。」

大きな欠伸と共に体を起こす。

寝ぼけ眼の視界が鮮明になった頃、僕は布団から起きあがり、顔を洗ったりなど一連のことをすませた。

そうして、文さんが見あたらないことに気づき軽く探し始める。

「文さ~んどこですか~?」

そう言いながら仕事場を歩き回る。

台所やお風呂など、見て回るが姿はなかった。

ちなみに、水回りについてどこから水を引っ張ってきているのか前に聞いたことがあったのだけど、

聞いてみると、文さんはにっこりと笑いながら

「河童の科学力は世界一。ですから。」

そう言われた。

なんだか誤魔化されたような感じだったけど、それ以上追求はしなかった。

 

「あぁ!鞘。起きてたんですね。」

ふと後ろから声がかかる。

もちろん文さんの声だ。

ただ、いつものように真後ろゼロ距離からの声ではなく、ある程度離れたところからの声だった。

そのため驚くことはない。

後ろを振り向くと文さんは仕事場の小窓から手を振っていた。

外にいたようである。

僕は文さんがいたことに安心しながら文さんの元に歩いていった。

 

「外で何していたんですか?」

僕が文さんに尋ねる。

すると文さんはいつものようにはにかみながら、

「あぁ、ちょっと朝の体操を......。」

ふざけるように言った。まぁ本当ではないだろう。

僕は諦めたように溜息をついて、

「そうですか。」

そう呟いた。

 

「それで、今日の取材はいつ出発ですか?」

僕は軽く準備をしながら文さんに訊く。

まぁ、多分今から行きます。という答えが返ってくるのだろう。

そして、予想通り、

「あぁ......多分分かってると思いますが今からですよ。」

そう言った。

文さんはカメラを二種類持ち、ネタ帳をつかむとすぐに仕事場を後にする。

僕はそれをすぐに追い始めた。

 

 

文さんと共に珍しくのんびりと歩いていく。

「それで、今回の取材はどこに行くんですか...?」

僕の声に文さんは「あぁ...。」と呟いた後。

「鞘も知っている場所ですよ?」

そう笑いながら言った。

僕は首を傾げる

「勿体ぶらないで教えてくださいよ。」

すると文さんはためにためた後、こう言った。

「その場所とは......紅魔館です!!」

僕は聞き覚えのある単語にきょとんとする。

「紅魔館って、.........あの、紅魔館ですか?」

「はい...。あの紅魔館です。」

何だか不思議な会話をしながら僕と文さんは紅魔館へと向かった。

 

 

紅魔館への道の途中、またいつものごとく彼女が現れた。

 

「やい!天狗、とそのてしt......。」

「鞘、今かまってる暇ないんで無視で行きましょう。」

「え?あ。はい。」

文さんが本人の前で無視を宣言する。

するともちろんチルノちゃんが黙っているはずもなく。

「こらぁ!無視するなぁ!!」

そう言って、ジタバタする。

そんなチルノちゃんを見て、文さんが心底面倒くさそうに

「はぁあ.........。もう...、」

溜息をつくと、

「鞘.........任せた!!!」

そう言い残して僕の目の前から姿を消してしまった。

姿を消してしまった。

すがたをけしてしまった。

スガタヲケシテシマッタ。

 

姿を.........

 

「ええええぇぇえぇええ!?!?。」

 

僕はあまりの理不尽さに叫び声をあげた後。

冷静に素数を数えて、チルノちゃんをみる。

すると、チルノちゃんは可愛く小首を傾げた。

僕は心の中で大きく溜息をついた後、ひきつり気味の笑顔を浮かべながら

「あの......何すれば...いいですか.........?」

そう尋ねた。

 

 

「ええと。要するに、友達の......大ちゃん?がいなくなってしまったんですね。」

「そうだ。だから一緒に探してくれ!!。」

「......わ、分かりました。」

そうは言ったものの詳しくは分かっていなかった。

 

とにかく!チルノちゃんといつも一緒にいる緑色の髪の女の子が唐突にいなくなってしまったのだという。

人探しなら何故僕なんだろうと疑問に思わないでもなかったが、ここで手伝わないのはさすがに酷だと思い、僕はチルノちゃんと一緒に大ちゃんを探し始めた。

 

「うぅ......いないですね......。」

数十分ほど探し回り、姿一つ見えなかったためついつい嘆いてしまう。

しかしそれでも親友が急にいなくなってしまったチルノちゃんの気持ちを考えると休んでなどいられない。

すぐにチルノちゃんの方を見て発言を取り消す。

「あ!ごめんね!もうちょっと頑張って.........ってあれ。」

大きな岩にもたれていびきをかくチルノちゃんを見て僕は何ともいえない表情になる。

その後苦笑いを浮かべ、チルノちゃんを木陰までどうにか運び、できるだけ楽な姿勢にした後もういちど大ちゃんを探し始めた。

 

 

「うぅ......いない......。」

僕は呟いて溜息をつく。

よくよく考えてみればかくれんぼをしているんじゃないんだし周辺をちょっと探したところで見つかるはずがないんだけど......。

チルノちゃんには悪いけどここは置き手紙でも残して紅魔館に向かおうか......。

そんなことを考えているとふと声が聞こえてくるのに気づく。

僕は声の聞こえる方へと耳を澄まし、声の方向へと目を向ける。

 

「ね~え~チーー。見つかんないのぉ?」

「五月蠅い。しゃべってる暇あんなら手動かせ。」

「いやぁ。人探しなんだから動かすのは眼と耳ぐらいじゃん。」

「............。」

 

すると容姿のよく似た二人の女の子がなにやら喋りながら何かを探しているようだった。

もしかして......この子たちもチルノちゃんに頼まれて大ちゃん。を探しているんだろうか?

ふとそんな考えが浮かび女の子たちに声をかけようとする。

「あ...あの!!」

そう言った瞬間。

目の前の女の子たちが消えてしまった。

消えてしまった。

「え.........。」

突然の出来事に思わずこの一文字が口から漏れる。

しかし、すぐに冷静になる。

よく考えれば文さんで馴れっこだ。

そう考えてから深呼吸をする。

それで......。あの二人はどこに消えてしまったんだろう.........。

 

「やっほー!何してるの、君?」

唐突に背後から声をかけられる。

僕はどこぞのスイナパーではないけどどうにもこれが苦手だった。

「ひっ!?」

情けない声を上げて前のめりに倒れる。

その後すぐさま後ろを向いて臨戦態勢をとる。

すると僕の後ろにいた女の子があははと笑う。

「ごめんごめん!驚かせちゃったか...。にしてもお兄さんなかなか良い動きしてるね!。私びっくりしちゃった!」

そうして愉快そうに手をたたく。

さっきまではよく見ていなかったけどその女の子は長い青色の髪をしていてピンク色の髪留めをつけていた。

そして少しだけ眼を鋭くしてこう続ける。

「うん。本当に良い動きだ。人間の子供とは思えない。まぁ。ただ.........。」

「まだ甘い。」

再び後ろからの声に臨戦態勢だった僕はビクッと体を震わせた後直ちに振り向く。

すると前にいる女の子とほぼ全く同じ顔をした女の子がもう一人僕のことを冷たい目で見下ろす。

右手の人差し指は僕のおでこを押さえていた。

その表情と状況に思わず僕はひるむ。

しかしすぐに鋭い目の女の子は興味をなくしたように腕の力を抜いた。

それと共に僕も力を抜く。

「もう~!ちー。いきなりそんなことしないの。」

もう一人の女の子に諭されるように言われて、ちーと呼ばれた女の子は小さく舌打ちする。

「ごめんね~この子いつもこんななの.........。ところで君の名前は?。」

僕はそう尋ねられ、ついて行けてない頭を振り払って答える。

「え?......あぁ!はい!こ、心音鞘。っていいます。刀を入れる鞘と書いて《さや》と読みます。」

「鞘......かぁ。はは。何だか女の子みたいだね。」

女の子が可笑しそうに笑う。

まぁ......女の子なんだけど。面倒なので訂正はしない。

 

「あぁ!そう言えば!私の名前を言ってなかったね。」

女の子はそう言って腰を下ろしている僕の目線まで屈む。

そして笑顔で、

「私はエル。魂を宿らせることができるの!!」

こう言った。

......魂を宿らせる............?

このワードが僕の頭に引っかかる。

魂を......。

そんな僕を気にせずエルと名乗った女の子がこう続ける。

「んで......。こっちの愛想悪いのが...ちー。ええと...チールだよ。こっちは魂を奪うことができるの。」

今度は奪う...かぁ.........。

それにしても......魂......。

この単語がどうしても僕の心には引っかかっていた。

 

多分魂を宿らせる...だったり奪う...っていうのは幻想郷の能力...?のことなんだとおもう。

そういえば今更なんだけど僕には能力がないんだろうか。

何だか悲しいようなそうでもないような.........。

僕は複雑な気持ちを浮かべる。

 

「んじゃ!私たちは探し人がいるもんで!それじゃぁね鞘さん!」

チールさん......いや...エルさん。かな?

僕に手を振り去っていった。

僕は呆然とその場に居尽くす。

しばらくしてハッと我に返った。

僕はチルノちゃんの寝ている横に簡単な置き手紙を残して紅魔館に向かった。

 

 

 

 

......続く。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!彩風です!

いやぁ......なんか変なの出てきましたねw
まぁ新キャラです。仲良くしてあげてください。
今回推敲が適当なので...「いつもだr...」
......
ちょっとなにいってるかわかんないですはい。


さて、ここから雑談となります。

先日久しぶりにカラオケに行ったときのこと......。

友人B「おい。次彩風の番。」
彩風 「ん?あぁ、おkおk。何歌おっかなぁ...。」
友人C「彩風、このコーラやるわ、やっぱ俺炭酸飲めねぇ......。」
彩風 「なにやってんのおま.........ハッ」
友人C「ん?どしたの」
彩風 「......。」

  『H○T LIMIT』《ピッ》

彩風 「ふぅ......」


彩風 「YO!SAY夏が!胸をs...《割愛》」

この後めちゃくちゃコーラ振った。
※よい子だろうが悪い子だろうがまねしないでね。


ではでは!次回も是非!ゆっくりしていってくださいね。

...伏せ字仕事しろ。ボソッ


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5章 2話~同類~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・蔑んだ目で見られながら罵られるのってなんかそそられるものがありますよね?え?ない?
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「私はエル!。魂を宿らせることができるの!」

 

自分の頭の中でその声がずっとこだましている。

僕には彼女。エルさん...?の言ったその言葉がずっと引っかかっていた。

何がどうして、引っかかっているのかは自分でもよく分からない。

でも...何だか気持ち悪いような......。そんな感覚がまとわりついていた。

 

「あぁ...もう!。何なんだろう...これ...。」

 

僕が声を荒げるのを抑えて呟く。

何だかスッキリとしないまま僕は紅魔館へと向かった。

 

 

 

さて......。

いやぁ......すがすがしい空だ。

青く澄んでいて、雲一つない快晴。

おまけにポカポカの陽気がこの上なく眠気を誘う。

このまま寝ころんですぐに襲い来る睡魔に身を委ねてしまいたい。

あぁ......気持ちいいなぁ。もう何もかも気にせずに過ごしていたい。

人間っていいなぁ......。

 

ええと......何故清々しい笑顔でこんな事を思っているかというと......。

察しが付くだろうか。

.........大変申し上げにくいのですが......。

現在.........。

 

「ははは......ここ......どこなんだろ......。」

 

完全に迷子です☆。

 

......いやいや!?冷静に考えたら笑い事じゃないよね!?。

幻想郷には危険がいっぱいで危ないから、危険が危なくて...あわわ...。

 

僕はパニックになって、理由もなく手をぐるぐると動かす。

「どうしよう...どうしよう、ドウシヨウ......DOUSIYOU............。」

バカみたいに同じことを繰り返し呟いていると、横の方で草をかき分けるような音が聞こえた。

それに脊髄反射で振り向き、遅れて口から「誰?」と漏れる。

僕の反応に驚いたのかそこに立っている女の子が「ひっ!」と短く悲鳴を上げた。

......そして、僕はそこに立っていた女の子を見て思わず「あっ!!」と叫んでしまった。

そこにいたのは綺麗な緑色の髪をした女の子。

そう......先程までずっと探していたチルノちゃんの友達。大ちゃんだった。

「大ちゃん!!居たんですか!!。チルノちゃんがさがs......。」

「え......!!あの!!!私のこと知ってるんですか!!??」

僕の言葉を遮って大ちゃんがそう言う。

予想しなかった言葉に僕は「え?」と間の抜けた声を上げた。

知っているのか?...と言われても...何回か会っているし......いや...でも覚えてもらえてないってだけかも.........。

僕があれこれ思考を巡らせているうちに、大ちゃんが更に不可解な発言をした。

「それに......チルノちゃん...その人と私はどんな関係なんです!?」

驚きに見開かれた僕の目を見てなのか大ちゃんが不思議そうに小首を傾げる。

チルノちゃんを知らない...?

関係の薄い僕なら分かるけど...親友(?)であるチルノちゃんのことを忘れたりするだろうか......?。

もしかして......チルノちゃんたちの友情はチルノちゃんの一方通行だったのだろうか......。

あぁ...かわいそうなチルノちゃん。いなくなってしまった親友を必死に(?)探していたのに、まさか親友だと思っていた友達に存在を忘れられてしまっているだなんて......。

本人が知ればどれほどのショックを受けてしまうのだろうか......。

嗚呼。なんてかわいそうなチルノちゃ............。

 

......。

違う違う。落ち着け、落ち着け僕。

そんな訳ないじゃないか。

多分これは......僕と同じ.........。

「記憶喪失.........?」

驚きを隠せずに半ば独り言のように僕が呟く。

すると......。大ちゃんが図星を突かれたように表情を歪めた後。

認めたくない。と言わんばかりに俯いてしまった。

 

 

「やっぱり記憶がないんですね。」

見たところ大ちゃんは僕より歳が低いように見えるけど、なぜだか敬語で話しかけてしまう。

「.........はい」

大ちゃんが蚊の鳴くような声でどうにか呟く。

やっぱり記憶をなくしたというのは本人にとっては怖くて不安で仕方のないことなんだろう。

そう考えると、僕は何故、比較的平常心を保つことができたのだろうか?。

文さんという存在が在ったのもあるとは思うけど.........。

そんな呑気なことを僕が考えていると隣で不安げな声が僕に話しかけた。

「あの......あなたは私のこと...知っているんですよね............?」

震えていて微かに嗚咽の混じる声。

僕は安心させようとできるだけ優しくほほえんで。

「はい!ええと............。」

続きが出てこなくて焦る。

ついつい流れで知っているか。という問いに力強くYESと答えてしまったけど......。

正直この後なんと続ければいいのか全く思い浮かばない。

「......。」

大ちゃんの顔がどんどん不安げに歪んでいく。

「あ、あの......ええと。その......。」

言葉を探して僕の目線があちらこちらに泳ぐ。

そして、最終的に僕が選んだのは......。

「ちょっと.........。僕と一緒に来てもらって良いですか......?」

文さんに任せる。という選択肢だった。

 

 

久しぶりにみる紅のお城は、相変わらず大きくて綺麗で少しだけ不気味だった。

僕は横でマジマジと紅魔館をみる大ちゃんに話しかける。

「ここは紅魔館っていって吸血鬼さんたちが住んでいます。」

少しだけ驚かせるつもりで言ったのだけれど大ちゃんは、なるほど。と真面目に頷いた。

記憶喪失。とはいっても完全に何もかも忘れているわけではないようだ。

僕は安心半分驚いてもらえなかったことに対する不満半分で微妙な表情をつくる。

そして、紅魔館に入るときと言えば......。

 

「......。やっぱり寝てるんだなあ......。」

僕が苦笑しながら言う。

どうにもこの門番さんは寝不足のようだ。

そんなことを考えて僕は門を通ろうとした。

しかしここであることを思い出す。

前に文さんと共に門を通ったときのこと......。

 

「睡拳......。」

 

思わずそう呟く。

そうだった。美鈴さんは眠っていても門を守れるんだった。

......だからあんなに余裕の表情で眠っていたのか......。

僕が変なところで納得しているとすっと黙っていた大ちゃんが横でこう呟いた。

「大丈夫ですよ。この時間帯は爆睡してますから。.........安全です。」

「......え?」

僕が呆気に取られているのを気にせずスタスタと通り過ぎる。

 

何とも自然に、ごく当然のように大ちゃんはそう言っていた。

 

僕は思わず声をかけた。

「あの!!......記憶...。」

最後まで言うことはなかったが、大ちゃんには通じたらしくハッとした表情を作る。

 

そしてすぐに頭を抱え何かを思い出そうとする。

「私.......わたし.......。」

苦しそうにする大ちゃんに何とか声をかけようとするが、適当な言葉が思い浮かばず言葉を飲む。

何かを思い出せそうなのか、はたまた何一つ思い出せないのか大ちゃんが苦しげに呻き声を上げる。

そんな姿を見かねて僕は大丈夫ですか?と声をかけようとした。

しかし、明るい声が僕の言葉を遮った。

 

「あぁ!!鞘。もう来てたんですか。もう少しかかるものだt......。」

 

そして途中で言葉を留めた。

僕の陰になって見えなかったのか、初めて大ちゃんを見つけたように顔をしかめ。

すぐに営業スマイルを浮かべ、

「どうしたんです?その妖精......?というかあの氷精は......。」

僕にそう尋ねる。

僕はばつの悪い笑みを浮かべ、

「えっと......話せば長くなるですけど.........。」

そう言って文さんに経緯を話し始めた。

 

~少女説明中~

 

 

「はぁ.........なるほど...記憶喪失......ですか。」

文さんが半信半疑といった風に大ちゃんをみる。

それに怯えてなのか、大ちゃんが僕の陰に隠れた。

「た...多分!嘘じゃない......と...思います、よ?。」

確証はないため断言はできないものの僕はどうにか大ちゃんをかばおうとする。

「ん、まぁいいでしょう。それより!面白いものがみれますよ?」

文さんは悪戯っ子のように笑うと、こっちです。といって僕らに手招きをした。

 

 

紅魔館の庭園、その片隅、僕と大ちゃんは文さんに連れられてそこにやってきた。

そして、そこにいたのは......。

「.........メイドさん...ですか......?」

紅魔館に仕えているメイドさんの格好をした女の人だった。

前の取材の時にもいたような気がしないでもない。

ただ一つ変なところは......。

「動いて......ない.........?」

微動だにせず、色のない顔を見ながら僕は呟いた。

 

僕は文さんの言葉を思い出す。

「人が抜け殻のようになってしまう。」

軽い眩暈が僕を襲った。

「大丈夫ですか......?」

文さんの声で我に返る。

「え...あぁ!はい.........大丈夫......です......。」

とりあえずそう答えたものの吐き気と眩暈でとても大丈夫といえる状態ではなかった。

動かないメイドさんをもう一度まじまじとみる。

一瞬眼があったような気がしてすぐに視線をずらした。

「ちょっと刺激が強すぎましたか......。......とにかく!休憩も兼ねて、紅魔館に入りましょうか......。」

文さんが気を遣うように言った。

僕は素直に頷き、文さんの言葉に従うことにした。

「それでは、あなたも一緒に.........。」

文さんが大ちゃんに言い掛けて、途中で言葉を止めた。

僕はそれを不審に思い、大ちゃんをみる。

 

「いや......うそ.........なんで...。いや、いやいやいや!」

 

半分パニックを起こしたように呟いていた。

額には大きな冷や汗を浮かべ、眼の焦点は合ってない。

「だ!大丈夫ですか!!??」

僕がつい声をかけると、大ちゃんは怯えた眼で「ひっ!」と...そう悲鳴を上げると、

「いやぁああ!!」

そう叫びながらどこかに走り去ってしまった。

僕はその姿を呆然と見つめていた。

文さんはそれを、「ほう......。」そう笑みを浮かべながら呟いて、見つめていた。

 

 

 

 

 

      続く......。

 

 

 

 




はい!どうも!彩風です!!
最後まで見ていただき感謝感謝!すでのな。

ええと、ここで、一つ謝りたいことがあります。
投稿遅れました.........。

いや、でも!察した方はいるんじゃないですか?
彩風は中三です。そしてこの時期のイベント......。
そうです.........。

中間テスt......。

まてまてまて。違う違う。......いや、違わないけど大いに違う。
そうです!修学旅行です!!
京都やら広島やら、行ってきましたよ!!。ドウセナラオバマサントオナジヒガヨカッタ。
いやぁ、そのため投稿が遅れてしまいました。

申し訳ない。

次回投稿は......自分に縛りを設ける意味でも
次の金曜日まで!要するに27日まで!とさせていただきます。
え?緩くないか?だって。
.........。
.........。


さて!余談なのですが!!!。

ええと、まぁ先程も言ったとおり、彩風は先日修学旅行に行ったわけでございますが......。
それの最終日の出来事。

~自主プラン、金閣寺帰りのバス停~
彩風(お土産におたべでも買ってくか......。)
~店入店~
彩風「どれにするかな~......。」
店の人「おいでやす~」
彩風「!?」
...................
彩風「こ、これで......。」
店の人「○○○円になります。 ありがとうございました~」
.........。
~店を出る~
同級生A「彩風何やってんの、バスもうそろそろ来るぞ~?」
彩風「おい.........お前等......。」
同級生B「何だよ?」
彩風「あそこの店の人めっちゃ可愛い!!!」
同級生男子「「「マジで!?」」」

~入店~
そして5分後
店の人「○○○円です。ありがとうございました~」
同級生D「あ、ありがとございます!」
同級生B「そろそろバスくるし行くか......。」
彩風「そうだな」
~店からでようとする~
「肩トントン」
彩風「え?」
店の人「お友達呼んできてくれたの?」
彩風「え。あぁ!はい。」
店の人「ありがとね。ニコッ。」




20歳すぎたらBBAだと思ってたころの自分を思いっきりぶん殴りたい。
パッと見23ぐらいかなぁ?いやぁ。にしても。

めっちゃ可愛かったなぁ......。

おっと顔がにやける......。
童顔で目が大きくて薄化粧で笑顔が天使で......えへへ......。

皆さんも良ければ探してみてくださいね。
いや、あれは眼福でしたよ~~えへへ......。

それでは!次回もゆっくりしていってくださいね!!


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5章 3話~状況整理は手短に~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・僕と契約してお気に入り登録しようよ!!。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「まぁ、とりあえずこれでも飲んで落ち着きなさい。」

「あ、ありがとう......ございます。」

僕は軽くお礼を言って咲夜さんから紅茶を受け取った。

正直上品な味は良く理解できなかったが、とにかくいったん頭の中を整理しよう。

あ、あと素数も数えておかなくては......。

1、2、3、5、7、⑨......。

「鞘......?大丈夫?」

咲夜さんの心配するような、不思議がるような声で我に返る。

そうだ!素数数えてる場合じゃねぇ。

咲夜さんにできるだけ笑顔を作り大丈夫です。とそう返した。

そうだ、まずは頭の中を整理しよう。(2回目)

ええとここに来るまでの出来事だけど......。

 

まず、紅魔館に来るまでにチルノちゃんに会ったんだよね......。それでチルノちゃんはいなくなったという大ちゃんを探していた。それでその周辺にはいなかったから諦めかけてた頃に不思議な二人組に出会って、確かその二人の名前は......エルさんとチールさんだったかな?。で、その二人が言うには彼女らの能力は【魂を奪う】【魂を宿らせる】なんだそうだ。

能力っていうのは幻想郷の人達が持つ力のことだろう。

ここで一つ気になったことがあって思考をいったん中断する。

「あの......そういえば咲夜さんや文さんの......その...能力ってどんなものなんですか?」

僕が控えめに尋ねる。

ずっとメモ帳に顔を向けていた文さんはスッと顔を上げた。

「能力?ですか。どうしたんです?急に。」

文さんが楽しそうに笑う。

「あ、いえ......ちょっと気になったので...。」

僕は曖昧に答えておく。

「まぁ、いいでしょう。私の能力はですね......。《風を操る程度の能力》です。」

文さんはにこやかに言う。

なるほど、確かにそうきくとそんな感じだ。

ただ......程度の...っていうのは何なんだろうか?。

そんなどうでも良い疑問は置いておいて僕は続けて尋ねる。

「それで咲夜さんの能力は.........。?」

咲夜さんはあぁ。と面倒そうに、

「時を操る程度の能力。」

そうとだけ呟く。

「へぇ~」

思わずそんな声が漏れる。

時を操る......。the world!!。とかだろうか?。

そんなバカなことを考えていると、文さんがふざけるように

「バストを操る程度のn...。」

 

そして、僕はまたまた不思議な出来事を体験した。

咲夜さんの表情と姿勢が一瞬で変わったかと思うと、文さんの周りには無数のナイフが突き刺さっている。

しかし文さんは飄々としていて、相変わらず挑発するような表情で咲夜さんを見ていた。

「いやーいきなり酷いですねー.......。」

文さんがクスクスと笑う。

「ちっ......。」

咲夜さんがいつもとは違う敵視剥き出しの眼で文さんを睨む。

「おぉ怖い怖い。」

「文さん.........。」

愉快そうにする文さんに呆れながら僕が言った。

「まぁまぁ今争っても仕方ないですし......。」

「なっ!誰のせいだと......。」

咲夜さんは声を荒げようとしたがすぐに冷静になったようで、ため息を一つつくと、

「それで、鞘にはどこから話せばいいわけ?」

そう尋ねた。

 

「その......。それで、アレは何なんですか?」

僕が言葉が見つからず、わかりにくい言い方で尋ねる。

しかし咲夜さんは理解してくれたらしく、

「あぁ、鞘が前にきた時から暫くしてからなんだけど、あのメイドを含む数人に庭の手入れを頼んだの。それで、暫くしたらメイドの一人が血相変えて走ってきて、メイドの一人が気を失ってしまった!っていうの。だから急いで駆けつけるとあの子があの状態でいるのよ。最初は本当に気をうしなってるだけだと思ったんだけど、眼も開いてるし、にしてはどんなに待っても起きないし、いろんな手段を試したけど起きるようすがないのよ。といっても心臓は動いているようだし、呼吸も微かだけどしているわ......。」

こう一気に説明してくれた。

「なるほど...だから抜け殻のようになる。...ですか。」

「そういうことです。」

僕が呟くと文さんが相変わらず楽しそうに言った。

今の話を聞くとどうやらあのメイドの人は死んでしまっているわけではないようだ。なんだか、安心したようなよけい不気味に感じるような。

あといろんな手段って...具体的には何を......いや考えるのはよそう.........。

僕が頭の中で思考を巡らせていると......。

「それよりも、その妖精?それについて詳しく教えなさいよ。」

文さんに向かって咲夜さんがそう言った。

「ん?あぁ、それについては私より鞘の方が詳しく知っていると思うので鞘に任せます。」

文さんはそう言って僕に丸投げした。

 

......丸投げした?

......まるなげした?

......maruna...。

 

「ん~さすがにこのネタはもうくどいか......。」

 

天井......違った、天上から何か声が聞こえた気がしないでもないが気にしないでおこう。

いやいや、違う違う。丸投げされたんだった。

う~ん......とにかくなんとか説明しないと...。

僕は頭の中で言うことを整理してから話し始めた。

 

~ショウジョセツメイチュウ~

 

「記憶喪失......ねぇ...。」

何だか文さんとにたような反応で咲夜さんが言った。

やはり半信半疑なのであろう。

僕だけならまだしもこんな短期間に二人も...となれば尚更だ。

納得できなくとも無理はない。

でも本当に僕はそう言うしかなかった。

咲夜さんが釈然としないような顔で質問を続ける。

「まぁ...記憶喪失...ってのは分かったけど.........それで何でメイドを見たら急いで逃げていくのよ...?」

......確かに...。僕もそこはとても気になっていた。

「分かりません......。でも!...あの様子は......何か重大な、...何かがあるんだと思います。」

「何かって?」

「......それは............。」

僕が返す言葉が見つからずに黙り込む。

そのまま俯いてしまった。

十分な根拠もなく勢いで言ってしまったことで事態の整理がややこしくなってしまったかもしれない......。

何だか......迷惑かけてばっかりだな...僕。

ため息の一つでもつきそうになったがそれをどうにか抑えて咲夜さんとの会話を続行する。

「ごめんなさい。勢いでしゃべっちゃってて......。」

「まぁまぁ。鞘を責めても仕方ありませんよ。」

すると文さんが僕をフォローしてくれた。

「別に責めてなんか無いわよ......。」

咲夜さんが文さんに心外だとばかりに言い返すと、僕に

「きつい言い方しちゃったかもね......ごめんなさい。」

申し訳なさそうに謝る。

僕は予想外の行動についつい慌ててしまった。

「え?いえいえいえ!そんなことないです!!。」

顔を横にブンッブンッと振りながらこういった。

 

そして、気まずい沈黙が流れる。

 

暫くして咲夜さんが沈黙を破った。

「そう言えばさっき何か知ってそうな感じだったけど...あなた何か隠してないわよね?」

文さんが問いつめられるように迫られる。

しかし相も変わらず飄々とした文さんは、

「いえいえ、何も知りませんよ?私自身ついさっき鞘と会ったばかりですし......。知りようがないですよ?.........まぁあくまで私は、ですけど......。」

最後に何だか意味深な言葉を添えて言った。

「私は...って、どういうこと?.........。」

咲夜さんが文さんを睨む。

そんな視線を受けてか文さんが笑いながら答える。

「冗談です冗談!!。何となく意味ありげなことを言ってみたかっただけです。特に深い意味はありませんよ......。」

しかし、そう言う文さんの言葉はやはりどこか嘘っぽくとても信じられなかった。

いや、でも。どちらが嘘でどちらが本当なのだろう。

意味がないのが本当ならさっきの意味深な発言は適当で要するに文さんは本当に何も知らなくて、だから文さんは......あれ?えっと......だから............えぇ?。

そのうちに脳が考えることを放棄したため僕は二人の会話の続きに耳を傾けた。

「......はぁ...もう良いわ。とにかく、もう一度しっかりあの子を見に行きましょう...。」

咲夜さんがため息をつく。

文さんはそれを聞き、すぐに立ち上がって

「そうですね!!」

そう言う。しかしすぐに何かに気づいたように「あ!」と声を上げると

「そう言えば鞘...大丈夫そうですか?」

僕にこんな声をかけてくれた。

「だ!大丈夫です!多分。」

正直自信はなかったが大丈夫じゃないと言うわけにもいかない。

文さんは心配そうな表情を作る。

「そうですか......余り無理はしないでくださいね?」

「は、はい!。」

僕はどうにか決心をつけてスタスタと歩いていく二人の背中を追いかけた。

 

 

《ぷにっ》

《ぷにぷにっ》

《ぷにぃーーっ》

 

「ん~......やはり意識はないみたいですね。」

「...あの、文さん?仮に寝てたとしてもほっぺたつつくだけじゃ起きないと思いますよ?......」

「あやや...?そうですかね?」

僕は呆れながら文さんに言う。

すると文さんは可愛くニコッとはにかんだ。

その表情に微かにドキッとしたことを隠そうと僕は抜け殻へと視線を移す。

 

...が、その瞬間視線を動かしたことを後悔した。

意識はないようなのにパッチリと開いた眼と視線がぶつかる。

「うっ......。」

言いようのない感覚が僕を襲った。

 

「大丈夫?無理はしない方が......。」

咲夜さんの声にどうにか笑顔を取り繕って、

「大丈夫です。余り迷惑かけられないですから.........。」

何とか、そう答えた。

 

 

「うーーん.........。」

文さんが、悔しげに唸る。

「やはり脈はありますし、呼吸もわずかながらしているみたいですね......。」

ペンをクルクルと弄びつつ呟いた。

暫くして文さんは咲夜さんに顔を向けて、

「そう言えばこの子何か能力は......?。」

能力、という単語に僕が無意識に反応する。

咲夜さんは思い出そうと頭に手を押さえつけながら、

「えぇと.........。確か、......何だったかな。とにかく覚えていない程度のものってことよ。」

思考の結果、かなり適当に咲夜さんは答えた。

そんな咲夜さんに文さんはジト眼を向ける。

 

「はぁ...まぁいいです。そうですね......。とにかく何故こうなったか推理してみましょうか......。」

 

文さんはため息混じりにそう言った。

 

 

 

     続く.........

 

 

 

 

 

小さなおまけ~二人の捜し物~

 

「ね~ぇ~チー。いないよ~~。」

「うるさい。」

 

「もうこんなとこ探してたって見つかりようがないってぇ~~帰ろ~。」

「うるさいな。もとはといえばお前がヘマするからで...。」

「しっ!静かに.........。」

「んな...何だよ...。」

 

 

「いや......なんで、.........なんで...あああああ!!!」

 

 

「.........。」

「やっと見つけた!。」

 

「やぁやぁしばらくぶりだね妖精さん。調子はど~お?」

「え!?」

「んじゃ!おとなしくしててね~~。」

「な!?...いや!!誰!!??」

 

「いやいや、怪しいもんじゃないよ~?まぁただ。」

「ちょっと死んでてもらうけどな......。」

 




はい!最後まで見て下さりありがとうございます!!。

えぇ...前回言っていた期限ギリギリの投稿となりました...。
面目ない.........。

さてさて!ここから余談となります!!。

最近の話題と言えば...数年後には歴史の教科書に載るであろう重大な出来事。
米大統領、広島来訪ですよね...。

先ほど彩風もスピーチをテレビで聞いていました。
アメリカでは、というより世界では原爆投下は戦争早期終戦のための仕方のない手段であったという世論が一般的だそうです。
彩風も戦争を実際に体験していないこともあるせいかその考え方がおかしいとは思いません。
結果から言えば失われた命よりも救われた命の方が多かったかもしれません。
しかし、先日の修学旅行時に平和学習を行いました。
核兵器による被害を受けた唯一の國。
そうであることを改めて実感しました。核兵器がもたらした惨たらしい結果をその身で体験した國なのですから、平和に向ける思いが強くないはずがありません。
だからこそ核兵器の恐ろしさを全世界にしっかりと伝え、ありきたりな言葉ではではありますが、二度と同じ過ちを、同じ失敗を繰り返してはならないと声高らかに宣言するのでしょう。
今回の来日はそのことにおける大きな、本当に大きな一歩です。

これからの平和について、本当に微力ながらも自分も協力していけるのでしょうか?

世界から戦争は。紛争は消せるのでしょうか?

世界から憎しみは消せるのでしょうか?




堅苦しい話でしたねw。
子供にこんなことを言われても、何かが変わるわけではありません。
ただ、例えばマララさんのような立派な方もいるのです。
自分は可能性を信じたいと思っています。
というよりも可能性を疑ってしまえばおしまいだと思っています。

これからのみらいが、今よりも平和で、明日は今日より、明日は明後日より...平和であり続けますように。


以上が彩風の自己満足のためのものです。深く考えないで下さいね。


次回も、できればゆっくりしていってくださいね!。


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5章 4話~取り調べの時間~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今更ですが東方キャラの大半って合法ロr...(殴
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「推理......ですか......?」

 

僕は文さんが言った単語に反応する。

推理と言えば...見た目は子供で中身は大人なのかな......?。せやかて工d...。

僕の頭の中で眼鏡の少年が「バーロー」とジト眼でいってくる。

同じく頭の中で謝りつつ、僕は現実へと意識を戻した。

「推理って.........。具体的には何を......?」

「......。」

文さんは僕の質問に対し数秒黙った後...。

「...やっぱり聞き込みですかね.........?」

疑問系で答えた。

何も考えずに言っていたらしい...。

「それじゃ普段とやってること変わらないじゃない...。」

咲夜さんに突っ込まれ、文さんは苦笑する。

「とにかく!聞き込みのため、紅魔館に攻め込みましょう!!」

「攻め込むって......。」

咲夜さんが顔をしかめたが文さんは全く気にせずに紅魔館へと戻っていった。

「はぁぁ。」

咲夜さんの深いため息に僕は苦笑いで返し、僕たちも紅魔館の中に戻った。

 

 

「さて、まずはあのメイドと一緒に仕事をしていたメイドに話を.........、って...なんだか誰が誰かややこしいですね。」

文さんがう~んと唸りながら呟く。

「そうですね......あのメイドに名前は......?」

文さんの質問に焦ったように咲夜さんがそっぽを向く。

それをみた文さんは咲夜さんに呆れたように言い放つ。

「......あの.........まさかとは思いますけど......。」

「......しょうがないでしょ...一人一人の名前なんて覚えてないわよ...。あるかどうかすら定かじゃないし......。」

珍しくバツが悪そうに咲夜さんが言う。

何だか拗ねる子供みたいで少し可愛かった。

そんなことを考えてのほほんとしていると、唐突にとんでもない言葉が飛んできた。

「そうですね......何か適当なあだ名でも付けますか......、鞘、お願いします。」

「へ?」

思わず間抜けな声が漏れる。

「な、名前ですか.........?」

微かに声を震わせながら尋ねる僕に文さんは笑いながら、

「いやいや、そんな大層な物じゃないですよ...?たかが数日呼ぶだけのあだ名です。」

そう言った。

とは言っても、やっぱりある程度のプレッシャーがかかる。

僕はどうにか...悩みに悩んで......。

 

「アンネ......さん............?。」

 

そう絞り出した。

文さんと咲夜さんはキョトンとする。

「な......なんでそんな反応なんですかぁ...。」

僕が涙目に抗議すると文さんがつまらなさそうに、

「いえ......鞘のことだからとんでもなく、センスの欠片もないようなネーミングをすると思ったら、案外ふつうというか......。」

そう言う。

「そんなぁ...僕なりに考えたんですよぉ?」

僕の抗議を聴いてか今まで空気になりかけていた咲夜さんが、

「なんでアンネなのよ?」

そう尋ねる。

その質問に答えようと僕が得意顔を作っていると文さんが

「恐らく記憶喪失を英語に言いかえた《amnesia》からとったのかと...。」

つまらなそうに、僕が頭をフル回転させてどうにか絞り出した名前の由来を説明してくれた。

僕が灰になって固まる。

そんな僕を無視して二人は会話を続ける。

「英語ねぇ...なんであなたそんな言語知ってるのよ。」

咲夜さんは不思議そうに文さんをみた。

「ふふふ......これでも新聞記者ですからね。言語についてはそれなりに詳しいつもりですよ?」

文さんは胸を張って答える。

その後そういえばと呟いて、

「なんであなたは知らないんですか......あなたの主もそのお友達も普通に使えていたと記憶してますが......。」

呆れたようにそう続けた。

その言葉に咲夜さんはムッとして

「そんなの分かる訳ないでしょう。そもそもお嬢様やパチャリー様が英語が使えるなんて聞いたこともないわよ。」

「いえいえ、かなり前に郵便をたのまれたことがありましたけど確か二人とも英語で書かれてましたよ?それも結構達者なものだったと......。」

そう答える文さんに咲夜さんは軽蔑の眼を向けて。

「まさかとは思うけど.........預かった手紙......盗み見てたりしないわよね......?」

おそるおそるそう尋ねる。

しかし案の定文さんの答えは、

「あぁ、封を開けた痕跡は完璧に消しておきましたので心配ないですよ?」

こんな物だった。

文さんの爽やかな笑みに咲夜さんは軽く舌打ちした後。

何かを言おうとして、言葉を飲み込み、代わりにため息を吐き出した。

 

何だか危なげな会話を終えて、文さんが心ここにあらずの僕に声をかける。

「それよりも!何で鞘が英語を知っているんですか......?。」

僕は頭の中でぼやける文さんの言葉を数秒かけて理解すると、あわてて答えた。

「え!?。あぁ......ええと...。別に知っていると言うほど理解しているつもりはないですけど.........。これでも一応読書はする方なんですよ!。」

少し自慢げな声色になる。でも、記憶喪失って単語はたまたま文さんの仕事場の資料棚の奥に眠っていた小説にでてきた。ってだけなんだけど.........。

「そうですか......その割には、この前『頭痛が痛い』って言ってましたけど.........。」

「?......どこかおかしいですかね?」

「「.............。」」

二人の哀れむような不思議がるような呆れるような視線を、僕は意味が分からずただただ見つめていた。

 

 

その後少しだけ歩き、紅魔館の中ではお手洗いの次に小さいという部屋に着いた。

咲夜さんがアンネさんと一緒にいたというメイドさんを呼ぶように手配してくれたのでまもなく来てくれるだろう。

僕たちは部屋へと足を踏み入れる。

 

...そこは僕が初めて紅魔館に来て通された部屋より一回り小さい程度の、相変わらず大きな部屋だった。

これが紅魔館では小さい...なのか。

「どうしたのよ。」

呆然と立ち尽くしていると咲夜さんに横から声をかけられる。

まるで、何を驚いてるのか全く分からないと言った様子だ。

というかまるで、じゃなくて本当に分かっていないのだろう。

環境って怖いなぁ......。そうしみじみと感じた。

思わず文さんを見ると、表情をいっさい崩さず、咲夜さんには聞こえない程度に舌打ちをしていた。

.........。

 

「失礼します。」

するとドアが開き黒色の長い髪をしたメイドさんが恭しく入ってきた。

「あぁ......仕事中に悪いわね。」

「いえ!......それで...話って.........あと、この方たちは。」

メイドさんは不安げに尋ねる。

「話って言うのは予想はしてると思うけど先日の件よ。それで今回はここの記者擬きが質問するからそれに答えて。」

咲夜さんは優しげな声色で言う。

文さんが何か言いたげな眼で咲夜さんを睨んだが咲夜さんは無視を強行した。

「はぁ...。」

文さんは小さくため息をつくと、

「それでは、聞き込みを開始しますね。」

にこやかにそう言った。

 

 

「まず、あのメイド......仮に《アンネ》とさせていただきますが...。アンネさんがあぁなったときのことについてできるだけ詳しく聞かせてもらえますか?」

何だかドラマに出てきそうな雰囲気で文さん質問する。

それに圧されたのかメイドさんが緊張したような面付きで、

「ええと......その日はお庭のお手入れを頼まれていたのですが...、お手入れを始めてすぐ、急に彼女が呻き声を上げたんです。驚いて駆け寄ったんですが、彼女は過呼吸、涙目で掠れた声で何かを言うだけでそのまま《あぁ》なってしまったんです。」

「ちなみに、なんて言ったかは......?」

「すいません。声が掠れていたのでなんて言っていたかまでは.........。」

「そうですか......。つらいことを掘り返すようで申し訳ないですが、協力をお願いします.........。」

文さんの恭しい態度に僕は驚き、ちょっと見直した。

それとは対照的に咲夜さんが不気味がるように文さんをみる。

「それでは質問を変えましょう。」

文さんがメイドさんを安心させるためか微笑みながら言う。

少し表情が硬かったメイドさんはいくらか緊張がほぐれた様子だった。

僕も見ているだけなのに力が入っていたのに気づき力を抜いた。

 

「それでは次は......アンネさん本人について教えていただきます。」

「本人.........?」

メイドさんがキョトンとして首を傾げる。

「アンネさんはどんな人でしたか?」

「あぁ......ええと。とても、真面目でしたよ。冷静でしっかり周りを見られる人でした。......というかこの質問はメイド長にした方が......?」

「いいわ。続けて......。」

「............?」

咲夜さんが間髪入れずに答えた。

メイドさんは不思議そうに咲夜さんを見つめる。

咲夜さんはいつも通りクールな表情を保っていた。

ただその額に冷や汗らしき物が映ったのはきっと見間違いなんだろう。

「......えぇと...。そうですね。じゃぁ......、アンネさんのみに当てられていた仕事等はありましたか?。」

「さぁ......なかったと思いますよ...?って...それこそメイド長が一番理解していると思いますよ?。」

「そうなんですか?」

文さんの問いに対して咲夜さんは短くうなづく。

それを確認すると、文さんはうーーーと軽く唸りながらペンを弄ぶ手を加速させる。

「それでは......彼女の...そうですね............。」

文さんが次に続く言葉を探していると......。

 

「はぁ...メイド長.........。!!...はぁ...ここに...はぁ...いらしたんですか......。!!」

 

今質問しているメイドさんとほぼ同じ姿をしたメイドさんが息を切らしながら部屋へと入ってくる。

「どうしたの?」

「......様が...はぁ...はぁ.........お呼びです...。」

息が切れているせいか最初の方が聞き取れなかったが、

「お嬢様が?わかったわすぐに...!」

「あ!いえ...はぁ......。お嬢様では...なく.........!。」

すぐに向かおうとする咲夜さんをメイドさんが苦しそうに息をしながら引き留める。

そしてこう続けた...。

「呼んでいるのは...はぁ......。パチュリー様の方です。」

「パチュリー様が......?わかったわ。すぐいく......。」

咲夜さん気のせいか表情を先程よりも強ばらせ、答えた。

 

 

 

    続く......。

 

 

 

 

 




さて!どうも!彩風です!!。

はい。最後まで見てくださりありがとうございます!!

いやぁ、終わったと思えばすぐに忍び寄ってくるテストとか言う悪魔に舌打ちしつつ執筆しております。

以下、いつも通りの余談です!お前がくっちゃべってるとこなんてみたくねぇよ○ね!!。
という方はぶらうざばっくしてくださいね!


さて、唐突ですが皆さんは眠気覚まし、って何をしていますか?。
そもそも健康な体を目指して毎日9時に寝てるよ。なんて方もいるかもしれませんイナイカモシレマセン。
まぁ、ゲームをやる人、受験勉強、夜勤、などなど色々な理由で眠気覚ましと縁の深い方もいることでしょう。

彩風もその一人で...というかもはや夜行性になりつつあるのですが、主にゲーm...受験勉強で眠気覚ましには結構お世話になったりします。
最初の頃は健康のことを考え(てるなら早く寝ればいいのですが)カフェインを使った方法を避けていました。
ちなみにですが、彩風がやっていた方法は、
・洗顔。
・10分程度ジョギング。
・独り言を呟き続ける。
このような感じです。
彩風は田舎住なので夜中に外に出てもほとんど誰もいないのです。
親が寝たのを確認するとスッと外へ行きちょっと体を動かすと結構眠気がさめます。
そして独り言に関してですが...。
あぁちょっと待って引かないでください!
いやぁ......割と効きますよ?これ。
何だか知りませんが気づいたらZZZなんてことはないです。多分。

とまぁ、ある程度健康に支障がない(こともない)方法で睡魔と戦ってきたのですが...最近になると面倒になりカフェインに頼るようになります。
エナジードリンクを買ったりしているのですが......。
MON○TERすごいですね。結構効きます。
まぁ単純にコーヒーでもぜんぜん効果はありますね。
カフェイン中毒待った無しです。
どうにか戦っていた睡魔がワンパンでバッサバッサ薙ぎ倒されています。
今度ハイポーションにでも挑戦してみy......(殴

次回も是非にゆっくりしていってくださいね!!

Ps.カフェインの摂りすぎは体に悪影響を及ぼす場合があります。注意してくださいね。中毒、ダメ、ゼッタイ。


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5章 5話~進展~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今回はかなりの説明回となっております。そんなもんみたくねぇんだよ○ね!!。って方は後書きで簡単に説明しますので全力で下にスクロールしてください。
・あややを食べたいです。はい。性的な意(殴打
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「で、.........なんであんた等までついてきてるのよ.....。」

咲夜さんの冷たい視線が刺さる。

僕は申し訳ない気持ちで苦笑いを浮かべる。

文さんはクスクスと笑いながら、

「まぁまぁ、良いじゃないですか。こっちの方が面白そうですし。」

「基本原動力はそこなんですね。」

僕が呆れたように文さんに言うと、文さんはふざけるように

「そんな褒めないで下さい。」

そう言った。

咲夜さんは無言で鋭い視線を送り続ける。

しかし文さんには無駄だと悟ったのかため息を一つつき、パチュリーさんのもとへと歩を進めた。

 

 

「悪いわね、仕事中に。」

「いえ、とんでもない。それで......分かったのですか?」

「えぇ...まぁそれらしい情報は見つかったわ。」

お決まりの会話の後パチュリーさんが手に持っていた本へと視線を移す。

そしてその後に僕たちを訝しげに睨んで。

「で、この天狗とその助手はなんなの?」

そう冷たく呟く。

文さんはどうも。とヒラヒラと手を振る。

僕は.........天狗の助手は...どうすればいいか分からず、もはやお得意の苦笑いを浮かべた。

パチュリーさんは不満そうに顔をしかめると咲夜さんに

「続けて良いかしら?」

そう訊いた。

「はい。気にせずお願いします。」

咲夜さんの答えにパチュリーさんは短く頷くと続けて話し始めた。

 

「魂ですか.........。」

咲夜さんが手を顎に当てながら呟く。

なんだか展開についていけなかったがここでどうにか理解が追いつく。

どうやら咲夜さんはパチュリーさんにアンネさんのことについて調べてもらっていたらしい。

そしてパチュリーさんが言うには彼女のあの状態は、

 

『魂』が抜けてしまった状態。

 

だそうだ。

魂。最近一度聞いたことあるような...ないような......。

僕は必死で思い出そうと頭を抑えるがどうしても思い出すことはできなかった。

聞いた気はするんだけど.........。

 

僕が悶々と悩んでいるのを気にせず文さんはパチュリーさんに質問をぶつけた。

「そういえば......古い文献で見たことがあるような気がしますね...。それでも詳しくは書いてなかったんですが具体的にはどういう状態なんですか?」

文さんにしては珍しく真面目な質問だった。

 

「......。まぁ、どちらにせよ話さなきゃいけないでしょうし...。」

パチュリーさんは面倒くさそうにため息を一つつくと、僕たちをしっかりと見据えて説明を始めた。

「いい?生物は二つの概念でできあがってるの。一つは体。そしてもう一つは魂よ。この二つが在ることによって始めて『生きる』ことができるの。ただ、この二つの概念の重さは等しいわけではないわ。一般的に言われる『死ぬ』というのは概念のうちの体が壊れてしまうことを指しているのよ。」

 

パチュリーさんはなおも話し続ける。

 

「この概念の、体というのはいわば料理という名の魂をのせる器のようなもの......。器が壊れればそこに料理をのせておくことはできないわ。こぼれた料理はそう時間を経ることなくダメになってしまう。つまり、体が壊れてしまえば、それは魂が壊れるのと同じことなの。」

 

もう暫く前から頭が着いていけていないがなおもパチュリーさんは続ける。

 

「ただ、壊れるのが魂ならそれは、『死ぬ』ということではないの。まぁ、限りなく死んでいる状態に近いけれど...。魂のみが壊れたならばそれは理論上はただの人形になってしまう、ってこと。生物の記憶や能力なんかは魂が司っているわ。だから一度魂が壊れてしまえば恐らく、その人が還ってくることはない。といえるわね。」

 

頭の中で色々なワードが飛び回る。

もう正直なところ僕にはちんぷんかんぷんだった。

文さんと咲夜さんも似たようなものなのか渋い表情を作っている。

文さんが眉をひそめながら苦しそうに言葉をひねり出す。

 

「あー......。とてもわかりやすい説明感謝します。ただ...、読んでくれてる人が8割減りましたよコレ。」

読んでいる人とか聞こえたけどちょっと何言ってるか分からないのでスルーしておこう。

「わかりやすく3行にまとめてもらえます?」

文さんがかなりきつい注文をする。

パチュリーさんは数秒間をおいて、

 

「・人は魂と体で形成されてる。

 ・体が壊れると魂も壊れる。

 ・魂のみが壊れれば生物は人形のようになる。

 ・大まかに言うとこんな感じね。     」

 

文さんは少しだけ黙って、

「最後の行は要ります?」

呆れたようにそう言う。

その後、「はぁ...。最初からそう言ってくれれば楽だったのに。」

そうボヤいた。

 

「それで、それが件の彼女と何の関係があるんですか?」

続けて言った文さんにパチュリーさんが明らかにげっそりした様子で

「あなたねぇ......話聞いてなかったの?」

顔をしかめる。

 

「すいません。どうにも難しい話は苦手なもので...。」

文さんが笑うとパチュリーさんはため息を一つつく。

そしてまた仕方なく話し始めた。

 

「まず、さっきの3行の説明は分かったわね?」

4行でしたけど...。という文さんのつっこみを無視してパチュリーさんは続ける。

「それで、件の彼女はおそらく、説明で言うところの、魂が抜けた状態。つまり人形のようになっていると思われるわ。」

人形......。

その単語とアンネさんの姿を思い出し僕は身震いをした。

 

「.........。」

文さんが考え込む。

やがて、口を開く。

「先程もそうでしたけど、『魂のみが壊れる』ことに関しては《おそらく》とか《思われる》とか《理論上》と、なんだかハッキリしないしゃべり方なのは何故です。」

パチュリーさんは文さんの指摘に黙り込む。

そしてたっぷりと数秒の間を経て、

「あり得ないからよ。」

そう短く、暗く呟いた。

「あり得ない......とは?」

咲夜さんがどこか不安げに尋ねる。

 

「先程から言ってるように生物は二つの概念、魂、体。によって形成されているの。そのうち体が壊れてしまうことを、一般的に《死》と表現されるわ。死ねばそうしないうちに魂も土に還ってしまう。ただ、生物の体は脆いからとても簡単に壊れてしまう。逆に魂は宿った体と強く結びついているわ。物理的に引き離すことは不可能といえる。」

「じゃぁ、何故人形のようになってしまうと?」

文さんのもっともな疑問にパチュリーさんはふぅ。と一息を着くと。

「古い文献に......こうあったわ。」

手元にある本を一冊開いて僕たちに見えるように向きを変える。

 

文さんは真っ先に本をのぞき込み眼で文章をサラサラと追うと、

「なるほど............。」

顎に手を当て呟いた。

続けて咲夜さんが本をのぞき込む。

「.........。」

咲夜さんも文さんと似たような反応を示した。

続けて僕も.........。

「............。」

にこやかな表情を浮かべ額に冷や汗を浮かべる。

目の前の本には僕の人生では一回も目にしたことのない様な文字がズラズラと列をなしていた。

 

「まぁ、こんな感じね.......。」

「え!?」

全員が見終わったからかパチュリーさんが本を元の位置に戻す。

「長年記者として活動してきましたけどこんな話を聞いたのは初めてですね......。」

文さんが、神妙な面持ちで呟く。

咲夜さんは依然として黙っている。

「あ!あの......。」

「まぁ...実際にこんな事例があったみたいなのよこの本以外にも数件...。」

僕の呟きを無視してパチュリーさんが言う。

「で、原因は判明していないのですか?」

「えぇ。どの文献にも。」

文さんの質問にパチュリーさんは首を振った。

「う~ん......。」

文さんが唸る。

「き!聞いてください!。」

さっきよりも少しだけ口調を強めて僕が言う。

それに驚いたように三人が僕の方へ振り向いた。

「何?」

パチュリーさんが尋ねる。

しどろもどろになりながら僕は答えた。

「あぁ...ええと。その.......。さっきの本なんですけど.........。」

「さっきの本が?」

文さんが続きを言うように促す。

そして促されるままに僕は

「その......なんて書いてあったんです?」

そう尋ねた。

 

 

「まぁ、確かにかなり前に使われてた文字だし鞘が分からないのも無理はないわね。」

落ち込む僕に咲夜さんがフォローするように言ってくれた。

「正確には古い時代の吸血鬼の言語ですがね...。」

文さんがそう補足する。

そう言えば紅魔館の主の女の子は吸血鬼だったっけな......。

僕がのんきに考えているとパチュリーさんが簡単に説明してくれた。

「さっきの記事は大昔の新聞みたいな物なんだけど、それによると。数十年前にも今回と似たようなことが起こってるのよ。妖怪が急に呻き声を上げはじめたかと思うと『魂が...。』と呟きながら人形のようになり動かなくなってしまった。ってね。」

「......なるほど。」

僕がこう呟く。

「他にも同じような事例がいくつかあったわ。でもいずれも解決には至ってない......。」

パチュリーさんはこう締めくくった。

やはり僕の頭の中では『魂』という単語が引っかかる。

どこかで聞いたような......。

 

「う~ん......彼女の状態は分かっても状況は良くはならないですね.........。」

文さんが考え込むように自分のこめかみをペンで抑える。

「なにか......ほんの些細なことでも手掛かりになるようなことは?」

咲夜さんも似たような仕草をしながら尋ねる。

パチュリーさんは少し間をあけて。

「そう言えば......!」

そう呟いたかと思うと、机の上に連なる本をかき分けて一冊の本を探し始めた。

その光景を僕は呆然と見つめる。

数秒後......。

「あったわ!」

パチュリーさんが一冊の本を取りだした。

そしてページをぱらぱらとめくって、机の上にバンッと置いた。

 

「この本によると、約130年前の事件では一種の病として処理されているようよ。......まぁ、根拠のないこじつけだとは思うけど......。」

パチュリーさんは本の一文を指さして言う。

相変わらず書いてある文字は全く読めない。

「こじつけだとしても何の行動もしないよりはましです。病......となると...。やはりあそこでしょうか......。」

文さんが楽しそうに言う。

咲夜さんは疲れたように、

「まぁ......あそこでしょうね......。」

文さんに肯定する。

 

かくして僕たちは《あそこ》に向かうことになった。

 

 

 

 

 

.........どこ?。

 

 

 

 

      続く......

 

 

 




どうも!!彩風です!最後まで見て下った方ありがとうございます!!

さてさて!5章も終わり......。
異変に向けて踏み出しましたが.........。
シリアス展開はいったんお休みし、次のおまけはまったり回にしようと思っています。

さて!いつも通り、ここから余談となります。

これは大分前の話なのですが......。

引きこもり彩風が久しぶりに外出。
雑貨屋をぼっちでぶらぶらしていると......←結構不審者

「眠...。」
肩トントン
「?」
振り向くと、
「お兄ちゃん......。」
「え?」(歓k...困惑)
その後ちょっとだけ固まるとすぐに
「ご、ごめんなさい!......。」
タッタッタッタ。


おわかりいただけただろうか?

彩風はどうやら幼女にお兄ちゃんとして認めらr......。

待って!110番はやめて!冗談ですから!!。

ふぅ。まぁとにかく人違いとはいえ幼女に話しかけられました。
......うへへ~。

しかも彩風好みの短めの黒髪で癖っ毛という......。

こんなこと思い出してたらあの子のお兄ちゃんに嫉妬してきました...。
裏山しい......。
彩風にも妹がいたらなぁ...。


うへへ~........。




......次回もゆっくりしていってくださいね!


忘れてました......。
後書きで説明入れるんでしたね......。
ええと...、それでは簡単なまとめを...。

・抜け殻になった紅魔館のメイドはパチュリーの推測によれば『魂』が抜けてしまった状態。
・生きている物は『魂』『体』の二つの概念で構成されている。
・一般的に『死』と呼ばれるのは二つの概念のうち『体』が壊れてしまうことを指す。
・体が壊れれば魂もすぐに壊れてしまう。
・『魂』のみが壊れることは死とは少し違い、『体』は壊れないため人形のようになってしまう。
・しかし『魂』と『体』は強く結びついており『体』だけ壊れることはあっても『魂』のみが壊れることは理論上あり得ないといえる。
・しかし過去に『魂』のみが壊れる事例がいくつかあった。
・あややが可愛い。

多分こんな感じだと思われます。
正直自分でも混乱しております!(大問題)
と、とにかく!次回もゆっくりしていってくださいね!。


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おまけ編 5
おまけ編 1話~百合の花ってきれいですよね~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ロリコンがなんだ!特殊性癖がなんだ!みんな違ってみんないいじゃない!!......あ、いや...別に僕はロリコンじゃないです。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「いらっしゃいま......うわぁ...。」

店に足を踏み入れた僕に小鈴さんがこんな言葉をかける。

 

僕......何かしたっけ......?。

 

 

 

「鞘、ちょっといいですか?」

文さんに声をかけられ僕は見ていた本から顔を上げる。

そう。見ていた...のだ。読んでいたわけじゃない。

早いところいろんな言葉を覚えないとな...。

「ええと......ここの資料なんですけど......」

文さんは仕事机の横に山積みにされている本を横目にみる。

 

「いったん整理したいんですよね......。で......暇そうだったので...。」

そう言って文さんは笑う。

特に問題はないため僕は頷いて整理の方法を詳しく聞く。

「分かりました。でも、どこにどの資料を?」

「あぁ、基本的にはジャンル別、50音順に分けてありますけど、ある程度分ければ適当でかまいませんよ?」

文さんは手元に目線を移して言う。

適当って.........。

僕は内心呆れながら、山のような本達に手を着けた。

 

 

「文さん...。この本は...どこに?」

「あぁ、ええと。これは随筆ですから上から二番目の棚の右端です。」

「わかりました。」

 

こんな風に会話を挟みながら順調に整理を進める。

......。でも重なる資料が減る様子は全くない。

これは......日暮れまでかかるのではないだろうか?

僕はため息を一つついて整理を続けた。

 

 

机の横の資料が元々の3分の2程度になった頃僕の目にある本が留まった。

「文さん...これ...?」

「ん?それは外来本ですから左の棚の......」

「あ......いやそういうことじゃなく...。」

僕の言葉に文さんが不思議そうに首を傾げる。

「ええと...この本...、」

「この本がどうしました?」

文さんが僕の持っている本をマジマジと見つめる。

 

「......前に貸本屋さんで借りた本じゃなかったですか?」

 

その一言に文さんが黙り込む。

そして、数秒の沈黙。

それを経て文さんがこう言った。

 

「鞘...お使いを頼んでも?」

 

 

 

文さんは目の前の本をかなりのスピードで読み進めている。

借りた本の中で何冊か読めてない物があったらしい。

それで、返す前にぱらぱらと読んでいるそうだ。

......。本当にぱらぱらとページをめくっているようにしか見えない。

「ん......。」

すると、ここで今まで信じられないスピードで読み進めていた文さんの手が止まる。

そして、資料の中から特に分厚い辞書のような物を取り出し何かを探すようにページを行ったり来たりする。

文さんは少しの間辞書と睨めっこすると、その後諦めたように辞書を閉じた。

そして「う~ん......。」と苦しげに唸った。

 

「どうかしたんですか?」

そんな文さんに僕が声をかける。

文さんは難しそうな顔をして...。

「いえ......、これ...外来本なんですが......。どうにも余り見たことのない言語で記してありまして......。」

少しだけ眉をひそめた。

「言語なら詳しいんじゃなかったんですか?」

なんの悪気もない純粋な言葉のつもりだったのだが...

文さんには嫌みのように聞こえてしまったらしく不満そうな顔をして、

「ムッ。どこにも載ってない言語なんですよ?だいいち日本語も満足に使えない人に言われたくないですよ!。」

そう言い返した。

「あ!え、ええと......いや!その...そう言う意味ではなくて!!。」

焦りつつも僕はそう弁解する。

 

すると文さんが「そうです!」と言って手をたたいた。

いきなりの文さんの行動に驚きつつ

「どうしたんですか?」

と尋ねた。

「この本は外来本で、外で使われている文字のようです。」

文さんは本のページを指さして言う。

「そして鞘は外来人です。」

続けて文さんの指は真っ直ぐと僕に向けられる。

僕は先が何となく予想される上で恐る恐る尋ねる。

「それで.........。どうしたんです?」

怯えたような僕の表情を見て、文さんはニンマリと笑みを浮かべると。

すぐに爽やかな笑みに切り替わり、

「読んでください!」

親に読みきかせをねだる子供のように僕に本を押しつける。

そして好奇心で目を輝かせていた。

 

 

「ええと、じゃぁ...貸してください。」

僕は文さんから本を受け取る。

正直文さんが読めなかったのに僕に読めるはずがないと分かってはいたが、

記憶がないとはいえ一応は外の世界にいた(はずの)人間だ!

外の世界の言語なら分かるかもしれない!。

そんな淡い期待をしながら借りた本を開いた。

 

「.........。」

ええと......結果から言えば案の定読むことはできなかった。

しかし、見たことのある文字だった。

何という文字だっただっろうか......。

僕は数秒ほど考えて思考の結果を口に出す。

「えっと......たしか...。昔の文字だったと思います...。」

文さんは若干疑わしげな視線を作る。

「で...何という文字なんですか?」

「.........。」

僕は全力で明後日の方向を見つめる。

いやぁ......明後日はどんな日になるんd...。

「分からないんですね...。」

文さんの溜息がダイレクトに心に突き刺さる。

どうせ...どうせ僕なんて.........。

自嘲的になりながら僕は机に突っ伏す。

 

 

「まぁ...そう落ち込まないでください。生きてればいいことありますよ。」

なおも色々な辞書で調べながら文さんが僕を慰めてくれる。

「ははは......もういいんですよ...どうせ僕なんてなんの役にも立たないんです......。」

しかし、自嘲モードに入ってしまった僕はそんな言葉も耳に入れずに続ける。

「もう...、なんかこう、役には立たないし役には立たないし...あとは...役に立たないし。」

「とりあえず役に立たないってのが言いたいのは分かりました。」

 

なおも僕はぶつぶつと続ける。

だいたい僕の語彙力の欠片もない脳味噌では似たような言葉が繰り返されているのだが......。

そんな僕を見かねてなのか文さんが言う。

「まったく.........、いいですか鞘......。顔を上げてください。」

その言葉に僕がパッと顔を上げると...。

「ひゃっ!?」

ついついそんな声を上げてしまうほど近くに文さんの顔があった。

ありきたりな表現だが...透き通るような白い肌を目の前に顔が上気するのを感じる。

「ど、ど、どど。どどど、どうしたたた....んです...。か?」

かつてないほどに回らないろれつで顔を真っ赤っかにしながら尋ねる。

しかし、僕の声など聞こえないかのように文さんはジッと僕の顔を見つめる。

「ち、ちかいです...。文...さん?」

先程も言ったように真っ白な肌で全く動かないものだから人形なのかと本気で疑ってしまう。

 

それでとてつもなく長い時間...とはいっても実際には数秒にも満たなかったのかもしれないが...僕にはとてつもなく長い時間に感じられた。

まぁ、気まずい沈黙が流れた後に文さんが声を出した。

「鞘。よく聞いてくださいね。」

妙に静かで、それなのにしっかりとした声だった。

その声と文さんの雰囲気に気圧された僕は微動だにせずただただ文さんの声を聴いていた。

「あなたはよく働いてくれてますよ?複数人を同時に取材するときだって人手が足りなかったんですが鞘のおかげで同時進行ができましたし。面白そうな事の実践を協力してくれたりもしましたしね。」

僕は文さんの言葉に照れてしまいついつい、目線をそらす。

むろん言葉に照れたのであって文さんの顔が目の前にあって...とかそう言うわけではない。

文さんは女の子で僕も女の子だ。

うん......うん。

 

「聴いてます?」

 

文さんの声でふと我に返る。

「へ!?いや!...え、ええと...その、だ...だだ!大丈夫です!えぇ...本当に!。」

明らかに大丈夫じゃない返答に文さんは肩をすくめた。

そして、その後。僕の耳元で妙に艶っぽい声で

「しんぱいしなくても...頼りにしてますよ。」

いつも通りのまばゆい笑顔で呟いた。

 

その瞬間。僕の顔が沸騰したやかんのように一気に色を変えた。

ただでさえ紅かった顔は更に紅潮し全体が鮮やかな赤に染まっている。

心なしか頭のてっぺんからは湯気らしき物がでているようにも感じられた。

 

「だ、大丈夫ですか?」

文さんの問いにも気づかずに僕は暫く力の抜けたまま立ち尽くす。

その間。ずっと耳元で呟かれた文さんの言葉がこだましていた。

やけに耳に通る艶っぽい声。

聴いただけで体中にゾクゾクッとした感覚が走った。

悪い感覚ではないような......。

 

そんな風に半ば夢心地でボーっとしていると...

「鞘!!しっかりしてください!!鞘!!」

文さんの声に我に返る。

「え!あぁ!!はい!」

僕は脊髄反射でこう答えた。

文さんは心配そうに僕を見つめる。

ふと目が合ってしまい、ついつい視線をずらした。

「大丈夫ですか?熱でもあるんじゃ.........。」

文さんはそう言って手を僕のおでこへと動かす。

「ああぁああ!!あの!ほ、ほほほ!本当に大丈夫です!はいダイジョウブ!だいじょうぶ!ボクハゲンキデス!!。」

これ以上はまずいと僕のポンコツ脳も危機信号を出したのか、文さんの手を半ば強引に振り払うと、

「ほんっとに!ほんっとに大丈夫です!。これ以上は危険が危なくて危ないが危険です!。」

よく分からない日本語を口走った。

 

「ま、まぁ......大丈夫ならいいのですが......。」

文さんはどうすればいいか分からないと言った様子でそう言う。

僕はある程度落ち着き、苦笑いができるまでになっていた。

「えへへ......。」

頭をかきながらこう答える。

すると文さんがいつもの笑顔に戻る。

 

「ま!まぁ!とにかくですね!鞘は立派な私の弟子ですよ?私が言うんですから間違いありません!!。」

 

思いがけない言葉にまたまた僕は顔を上気させる。

そして、顔がにやけそうになるのを何とか抑える。

「そ!そんなことないですよ!」

おきまりの言葉で謙遜するがやはりにやけを止めることはできなかった。

「そこで!鞘にお願いなんですが!」

「はい!なんですか?」

文さんの言葉に僕は先程のテンションのまま応じた。

 

「お使い!行ってきてください!!」

 

文さんは積み上げられた本を僕の方へと突き出しながら満面の笑みを浮かべた。

 

............。忘れてた。

 

僕ははぁ。とため息をつき、山積みの本を受け取った。

「ありがとうございます!」

文さんの爽やかな笑みに何ともいえない表情になりながら改めて...もう一度ため息をついた。

 

 

 

     続く......。

 

 




さて!最後までの閲覧感謝しつつ彩風と申します!。

う~ん。今回のおまけ編は時系列を気にせずにお願いしますね~。
本編の方は5章と6章は続いている設定です。
挟んでいるおまけ編の時期には触れないでくださいね!。

さ~て!今週の余談は~?。
そんなもんききたかねぇよロ○コン!!。
ってかたはブラウザバックしてくd......。ちょっと待ってロリ○ンじゃないです!!。

さて、最近思うんですけど......。
今時の中学生って発育いいですよね(真顔)。
ちょっと待って何でそんな気色悪い物を見るような目で僕を見るんですか!?
いやぁ...最近本当に思うんですよ。
まぁ中学生と言えばちょうど成長期なのかもしれないんですが...いやぁ......。
胸.......でk......。
これ以上言うと僕の人格を疑われそうですが...。
いえ...まぁ、彩風の所属する部活は女子が9割を占める部活なため無意識に目がいってたりするんですが...。
んん......、ジャージのTシャツとかスポブラ透けてて目のやり場に困ったりとか...。
あ...いま羨ましいって思いました?
そんな方々に心から言います!
「ドンマイ!!」(満面の笑み)
ああぁぁああ!ごめんなさい!ごめんなさい!

と、とにかく話を戻しましょう。ダカラソノテノキンゾクバットヲオロシテクダサイ!。
ええと...まぁ最近の娘は発育いいですね...。
部活の可愛い後輩とか入部当時はぺっちゃんこだったのに......。
残念...。
同級生達もいつの間にか成長してて真顔で
(C...かな?)
とか考えてたりします...←変態。
もともとは背中とまな板でパラダイスだったのに......。
いや、別に大きくてもいいとは思うんですが.........。
う~ん、小さいままでよかったというか。
小さい方がいいというか。
貧乳はステータスというか、希少価値というか......。

そんな悩める中学生です。


次回も是非是非!ゆっくりしていってくださいね!


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おまけ編 2話~この~木何の木?~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・テストなんて知らない...テストなんて知らない......!!。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「よいっしょ.........」

僕は数冊の本を風呂敷に包んで抱えた。

服装はいつもの物ではなく白玉楼の取材で人里に来たときと同じく...着物を身につけていた。

しかし、前の時と少し違っていた点があった。

 

「なんだか......ちょっと...派手、じゃないですか?」

 

僕が恥ずかしさに声を小さくして呟くように言う。

「いえいえ。女の子ですしそれくらい普通ですよ?」

文さんは顔をこちらに向けることなく手元の資料に視線を送る。

文さんの言葉に僕はもう一度よく...自分の格好を確認する。

 

......確かに...。文さんの言う通り、女の子なら着ていても何の不思議もないような程度の派手さだが......。

ぼ...僕には似合わないし......んん...。ええと.........。う~ん......。

僕が落ち着かない様子で着物のいろんなところを身を翻したりしてよくよく見る。

 

「よく似合ってると思いますが?」

文さんは気を遣うように僕に言ってくれる。

「そ...そうですか......!」

気を遣ってくれたお世辞なのだと分かってはいてもついつい表情がゆるんでしまう。

「えぇ...。やはり鞘は女の子なんですね。」

文さんはそう笑った。

「え...!ど!どういう意味ですか!?」

 

そんなやりとりを経て僕は人里へと向かっていった。

 

 

人里へ向かう途中。

いつものパターンならもうそろそろチルノちゃん達が現れるのかな......。

なんて考えながら僕は道を歩き続けていた。

すると.........。

 

「あ...あの木!。」

 

ふと、一つの木が目に留まる。

 

前...博麗神社の宴会の時にも気になった木だ。

.........やはり、何か違う。

この木だけ...。

見た目は他の木と大した違いはないけど...。

この木だけ...他のものとは明らかに違う......何か...。

「なんなんだろう。」

僕はその木へと近づいていく。

 

そして近くで木をじっくりと観察する。

盛り上がった根っこや、幹の隅々まで...。

「.........。」

見れば見るほど普通の木との相違点が見あたらない。

じゃぁ、この違和感の正体は......。

僕は納得行かない気分に「う~......」と唸る。

 

すると.........。

 

 

 

『誰だ。貴様?』

 

 

 

「え?」

思わず間抜けな声が漏れる。

明らかに声が聞こえた。

聞き間違いなんかじゃない......鮮明に...しっかりと.........。

『誰だ?』

って.........。

 

そして、その直後。さらに不可解な現象が起こった。

 

「た...多分この木からの声.........ひゃぁぁぁあああああ!!!???」

盛大な叫び声をあげたのは...べつに木が喋ったからってわけではない。

無論目の前にどこぞの烏天狗の新聞記者さんがいたからでもない。

理由は......。

 

「ひ...ひ......光って...る?」

 

何の変哲もないはずの木が光り出したからだ。

幹の真ん中あたりにぼんやりとした黄色の丸い光があった。

「な...なな......何だろうこれ.........。」

今までの僕なら数秒で逃げ出していただろうけど...今の僕はそれなりにこういうことに関しては耐性があるんだ!。

僕は自分に半ば言い聞かせるようにして光へと近づく。

意識しないうちに手に力が入る。

緊張で若干手が震えていたが気にせず僕は手で光っている幹にさわった。

 

どこかのお伽噺ならパカーンと割れて中から女の子が顔を出すのかもしれないが、僕の記憶が正しければこの木は竹とは違うはずだ。

案の定、そんな風になることはなく...代わりに.........。

 

《ヒュゥゥウン》

 

そんな擬音と共に...光が消えてしまった......。

思ったより安全に終わってしまいホッとしたやら残念やらで僕は暫くその場に立ち尽くしていた。

 

時間にしてカップラーメンが一つできあがるぐらいの間その場にいた後、僕は文さんのお使いの途中だったことを思い出し...早足で人里へと向かっていった。

 

 

「久しぶりだなぁ.......。」

僕は人里につくと一言そう呟いた。

そんなに長い月日...というか全然久しぶりじゃないんだけど......。

間に起こった出来事が濃すぎて、久しぶりに感じてしまう。

 

そう言えば、僕が幻想郷に来てからだってそう長い年月はたってない。

なのに...なんだろう.........。

すごく長い間幻想郷を見てきたような感覚だ。

やはり過ごしてきた内容が濃すぎるのだろう。

僕は一つ苦笑を残して貸本屋さんへと向かった。

 

 

僕は前の時の記憶を頼りに人里の道を行ったり来たりする。

「ええと......確かこの辺に...。」

僕は呟いた後に視線の先に『鈴奈庵』の看板を見つける。

それと同時に表情がパァッと明るくなる。

「あった!!」

僕は風呂敷を抱える力を一層強くして鈴奈庵ののれんへと走った。

 

 

その年季の入った貸本屋の戸に手をかけ、開ける。

ガラガラと音を立て扉が開くと、見覚えのある女の子が本を整理しているところだった。

飴色の髪に鈴の髪留めをした元気そうな女の子。

僕が「こんにちは」と挨拶しようとする。

すると......、

 

「いらっしゃ......うわぁ...。」

 

女の子が入り口の方を見て、こう言う。

僕......何かしたっけ......。

僕は女の子の思わぬ対応に凍り付く。

まるで「面倒くさい客がきた...。」と言うような反応だ。

というか、結構ハッキリと言っているようなものだ。

僕がこれまでにこの女の子に何かしてしまったか全力で記憶を手繰っていると...。

 

「おいおい。客にそんな反応はないだろう?」

 

後ろから何だか聞き覚えのある声が聞こえる。

僕が振り向くと予想通り見覚えのある人物が立っていた。

「魔!魔理沙さん!?。」

「よっ。なんだ?お使いか?」

僕が驚いて声を上げたが魔理沙さんは笑顔で答える。

そんな僕らのやりとりを見て女の子は

「あぁ、一緒に行らしたわけじゃないんですね。」

そう言うと魔理沙さんに近づいてまばゆい笑顔を作って尋ねる。

「ところで魔理沙さん?この前に貸し出した妖魔本。もう返却期限なうえに代金も後払いって言ったっきり払ってもらえてないと記憶しているんですけど?」

そんな女の子に魔理沙さんは目をそらし、

「あはは......。」

と誤魔化すように笑った後、女の子と目を合わせて「そのうちな。」そう言って逃げるように店を出て行ってしまった。

 

「全く......。」

女の子は溜息をついてから、すぐに僕の方へと向き直り、

「あ!いらっしゃいませ!」

そう言ってニコッと笑った。

どうやらさっきの対応は僕ではなく魔理沙さんに向けての物だったようだ。

僕はちょっとだけホッとして胸をなで下ろす。

それにしても魔理沙さんは何をしたんだろう?

僕は魔理沙さんを頭に思い浮かべる。

ま...まぁ魔理沙さんなら何をしていても不思議じゃないけど......。

そんな風に考えていると想像の中の魔理沙さんに「失礼な!」と怒られてしまった。

 

「あの?どうかしました?」

すると想像に浸っている僕に女の子から声がかかる。

僕は現実に引っ張り戻されて「はっはい!?」...と裏返り気味に答える。

そんな僕を不思議そうにみた後、女の子は僕の手元風呂敷を見て、

「あぁ!返却ですね!」

そう言って手を差し出す。

僕はそこに風呂敷を渡した。

何冊か本が入ってるわけだから結構馬鹿にならない重さのはずだが女の子は馴れているのか軽々と風呂敷を手元に持って行き、結び目を解いた。

僕は一連の作業をただただ見つめていた。

すると手を動かすのを止めることなく女の子が顔をこちらに向けて、

「本の状態とかを確認するのでちょっと待っててもらえますか?」

気遣うようにそう言う。

「え?あぁ...はい!」

僕はしどろもどろにこう答えると、逃げるように本棚へと向かった。

 

「何か...ないかなぁ...。」

そう呟き、指を本棚に沿わせながら目でタイトルを追っていく。

そして......。

「これ...でいっか.........。」

一冊の本を手に取る。

本の題名は......。

『私と天狗の取材記。』

何でだろう......どこかで聞いたことがある気が...。

僕はそんな感覚を引きづったまま椅子に腰掛け本を開く。

内容は、突如異世界へとトリップしてしまった少女がとあるライターと出会い、その助手として雇われ、大変ながらも楽しい日々を送る......。という物だった。

......何だろう...この猛烈な既視感は...。

しかも...何だか素人が書いたみたいでちょっと読みずらい...。

そんな風に思いながらも僕は本を読み進めていった。

 

 

「お客さん!!お客さん!!」

ぼやけた声が聞こえる。

それに反応して「ん...。」と唸りながらも目を開ける。

視界には女の子の顔がドアップで映っている。

それを頭が認識した瞬間に、

「ふゃぁああ!?」

いつもと同じように叫び声をあげて後ずさった。

「ひゃぁああ!?」

僕のその反応に驚いたのか女の子も悲鳴を上げて後ずさりした。

お互いに自己防御の姿勢をとる。

数秒の時間を経てゆっくりと目を開ける。

すると女の子の方も恐る恐る目を開けるところだった。

「え......ええと...。」

「あ......あの.......。」

どちらもまともに言葉を紡がないまま更に時間が流れる。

さすがに空気に耐えられなくなり僕が先に沈黙を破った。

「その...ご、ごめんなさい......大声だしちゃって...。」

蚊の鳴くような声で謝る。

「え?...いえ!そんな!その...こちらこそ...急に声かけちゃって......びっくりしましたよね...。」

「そ!そんなことないです!!」

気まずい空気の中、途切れ途切れに言葉を発する。

 

「あ、その...状態の確認...終わりましたよ?とても綺麗でした!大切に保存してくれたんですね!」

そんな空気を打ち壊すように女の子が笑顔で言う。

僕は山積みの本の中に埋もれていた事を言おうか一瞬だけ迷いすぐに黙っておくことに決めた。

「どうかしたんですか?」

女の子がキョトンと首を傾げながら聞いてくる。

「な!なな、何でもないです!」

僕は誤魔化すように言うと、「ありがとうございました!!」と叫ぶように言い残し、鈴奈庵を後にした。

不思議そうに僕を見る女の子の顔が見えた気がしたが、気のせいだと言い聞かせて家路を急いだ。

 

 

 

 

    続く......。

 

 

小さなおまけ~鴉天狗の取材録~

 

「さて......。」

心音鞘を見送った射命丸文は一つ息を吐き出して、そして。

「それでは!尾行兼護衛をするとしますか!。」

いそいそと尾行の準備を始めた。

 

「随分とゆっくり行くんですねぇ......。」

射命丸文は、尾行...と言うには余りにも堂々と上空から心音鞘を見下ろす。

「もうちょっと急げば......ってあれ?」

ふとした瞬間に心音鞘を見失い射命丸文は辺りをすぐに見回す。

「あぁ!いたいた。ん?...何してるんでしょうか......?」

熱心に一本の木を観察する少女の姿を興味深そうに見つめる。

すると...

「ひゃぁぁああああああ!!!???」

心音鞘の悲鳴が辺り一帯に響きその木が唐突に淡い光を帯びた。

「あや?」

射命丸文は面白そうにその光景に見入る。

 

その後心音鞘が恐る恐るその木へと近づく。

お伽噺なら月の姫でも出て来そうだが正直幻想郷に二人もいらないのでそれはやめてほしいが...。

そんなことを考えていると、心音鞘が意を決したように木へと触れた。

そして、

《ヒュゥゥゥウウン》

そんなありきたりな擬音と共に木に宿っていた淡い光が心音鞘に吸い込まれるようにして消えた。

 

 

「やはり、なかなか面白いですねぇ......彼女は...。退屈しません!。」

射命丸文は楽しそうにそう呟くと、人里へと向かう心音鞘を引き続き尾行した。

 

 

 

 




最後まで見ていただきありがとうございます!。

彩風です!。
えぇと!今回!謝っておかなければいけないことが......。
この『僕と天狗の取材録』の警告タグについて何ですが...。
今まで『オリ主』のタグがついておりませんでした!。

先日指摘されて気づいたのですが......本当に申し訳ない。
彩風のミスで読んでいただいている皆さんに多大な迷惑をかけてしまっていたことを深くお詫びいたします。

このように至らない点も多くある作品(と作者)ではありますが...よろしければこれからも読んでいってくださいね!。



さてさて余談。はっじまっるよ~。!ンーリカッア


これは彩風が実際に体験した(事をかなり盛った)話......。
それは学校での休み時間に起きた。

友人c「暇だーー!!」
彩風 「うるさい」
友人c「彩風ー何か喋ろうぜー。話題振ってよ。」
彩風 「あ?.........んと...そうだな......ボブって可愛いと思わない?」
友人c「へ?」(ボブって...サップのことか?)
彩風 「いやぁ、ボブ...ってだけで、何かこう......イメージがフワッとしない?」
友人c「へ?おま?何いってんの?」
彩風 「いや、だからボブって萌えるよなーって......。」
友人c「萌えねぇよ!!??」
彩風 「え!?なんで?。」
友人c「なんで?ってお前......冷静になってみろ...ボブだぞ...。」
彩風 「ボブってだけで点数あがるよな~。」
友人c「はぁあ!?だ、だだ大丈夫か!?お前。」
彩風 「至って平常運転だけど?」
友人c「ボブって......黒い筋肉の結合体じゃねぇか!」
彩風 「は?おまw髪型の話してんだよ。」
友人c「(ボブの)髪型ぁ!!??」
彩風 「そうそうやっぱボブが一番可愛いよなぁ......。」
友人c「は!?そんな女子見たことねぇぞ!?」
彩風 「は!?クラスの女子にもいっぱいいるじゃん!」
友人c「いねぇよ!?日本人女性でスキンヘッドなんて見たことねぇぞ!?」
彩風 「は?」
友人c「は?」

こんな感じの会話がありました。
実際はここまで拗れることなく終わったのですが...。
こういう事ってありますよねぇ......。え?ない?


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていってくださいね~。


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永遠亭の取材
6章 1話~バカはなんとやら~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・物欲センサーの存在について画期的な研究結果を期待したい
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


何処......?ここ...。

 

僕は自分の居場所が分からないまま、辺りをさまよう。

進んでも進んでも似たような景色。

「あれ......?ここさっきも?......あれ?」

そんな事を呟きながら僕は文さん達を探して竹林を進んだ......。

「もう......!何処なんですかぁ...ここぉ.........。」

涙目になって嘆く僕の声に答える人など当然いるはずもな...

 

「だれだ?」

 

 

 

 

 

 

 

さて......まずは状況を整理しよう。

......とはいっても整理できるほど理解している自信はないのだが...。

 

ええと......。まず、文さんは咲夜さんから『面白い情報』を仕入れてこの紅魔館に取材に来たんだよな......。

で、その面白い情報って言うのが人が人形のようになってしまうということだった。

それで実際にそうなってしまったメイドさんを見たんだ..........。うぅ...あんまり思い出したくない...。

と、とにかくそのメイドさん...アンネさん(命名:僕)について調べようと仕事仲間のメイドさんや、パチュリーさんに話を聞いたところそのメイドさんは『魂が抜けてしまった状態』だと考えられるらしい。

『魂が抜けてしまった状態』というのは死んでしまっているのとは明確に違うらしいけど正直余りよく分からない。

ただ普通には『魂が抜けてしまった状態』になることはないらしく、原因は不明なままなんだそうだ。

ただ、理論上はなることがなくても今回のような事例が過去にあったらしく、そのうちの一つは『病気』で片づけられているそうなのだ。

それで、文さんは今からそれに深い関係があるところに行き取材をおこなうと言う。

 

ふぅ......。一通り整理してはみたものの......。

いつもといえばいつもなんだけど話が現実離れしすぎてて...いまいち実感が。

パチュリーさんによると...アンネさんは死んではないものの、もう再び蘇ることはないって言ってたし...。

それって死んでしまったっていうのと何か違いはあるだろうか?。

アンネさんは...死んでしまっている......。

 

そう考えた瞬間、吐き気と眩暈が僕を襲った。

 

「大丈夫?顔色が悪いけど」

パチュリーさんの声に僕は

「あ!いえ、大丈夫です!これぐらい...平気です!」

努めて明るく答えた.........がパチュリーさんは不安げな表情を緩めることなく僕の顔をマジマジと見る。

「本当?」

嘘を吐くなというようなパチュリーさんの声に少しだけ戸惑いながらも

「ほ、本当です!こ、こここれぐらい。へ...平気です.........。」

それを微塵も表面に出すことなく答えた。

 

パチュリーさんの呆れた様な視線がグサグサと刺さるが、気にしないようにして文さんに尋ねる。

「そ!それで!!その......次はどこに行くんですか?」

僕の質問に文さんは楽しそうに

「あぁ!それなんですがね!」

そう言って振り向くと行き先についてこう続けた。

「鞘も聞いていたとは思うんですが、過去の事例の中には...あの現象について『病気』という処理を行った物があったようです。今のところ他に手がかりのような物も見あたりませんし...。まずは病気であるという線で捜査してみようかと。」

文さんは手がかり......とか...、捜査......とか...。まるで探偵のように話した。

「なんだか探偵さんみたいですね......。」

僕が思ったとおりのことを口にすると文さんは、少しだけうれしそうに反応して...。

「ふふ......なるほど...探偵ですか.........面白そうですねぇ...。」

こう呟く、しかし...せやかて文さん。と言わんが如く咲夜さんが

「探偵...って......別に報酬はでないわよ......。」

呆れたように呟く。

文さんは軽く手を振りながら、

「勿論分かっていますよ?まぁ、ネタになれば何でもいいんですケド。」

そう言って笑うとスッと立ち上がる。

いきなりの行動に驚き僕は文さんの方を見つめる。

 

「さて!、それではさっそく!向かいましょうか......。」

 

 

「それで、向かうことになったのはいいんですが...。」

そう言って溜息を一つつくと文さんは僕......の後ろを見た。

「なんで貴女がついてきているんですか.........。」

文さんの視線の先には無表情な咲夜さんがいた。

咲夜さんは文さんの言葉に少しだけ不機嫌そうにすると、

「んなっ......。何?その言い方.........。私だって好きでこんな探偵ごっこに付き合ってるんじゃないわよ!。」

口調を強めてそう言った。

「お嬢様もなんで着いて行けなんて......、何か考えがあってのことなんでしょうけど......。」

続けてこうぼやく。

 

「ちょ!ちょっと待って下さい...。探偵ごっこ...とは、聞き捨てなりませんね......。」

すると文さんが目を光らせて言った。

しかし咲夜さんは肩をすくめながら、

「だってそうじゃない?こんなことで本当にあの子の状態が回復するとは...それに......『魂が抜けてしまった状態』って...いまいち良く分からないし、手がかりだってそうある訳じゃないんだから。」

呆れたようにそう言った。

文さんはそんな咲夜さんの様子を見てやれやれというようにため息を一つつく。

「まったく......そんなだから貴女はいつまでたってもPADなんですよ。そんな道具に頼らずにありのままを晒け出してみては?」

文さんの絶妙に人を苛つかせる声と口調と口元に咲夜さんはいつもの無表情を少しだけ歪ませながら

「どういう意味かしら?」

静かにそう尋ねた。

ちなみに文さんの周りに無数のナイフが突き刺さってた気がする。

ミエテナーイミエテナーイ。

 

「まぁ冗談はさておき...これは探偵ごっこなどではなく崇高な取材です。まぁアンネさんがあぁなってしまった理由を探るのであながち間違いでもないかもしれませんが......。とにかく、今ある手がかりでできる限りのことはやりましょう。」

珍しくまじめな表情でマトモなことを言う文さんを見て、僕と咲夜さんは面食らう。

そんな僕たちの表情を見て文さんはジト眼で

「なんですか......その顔は...。失礼な。」

不服そうに呟いた。

「いや、珍しくマトモなこと喋ったもんだから...。」

咲夜さんが歯に衣を着せることなく言い放った。

そんな咲夜さんに文さんは先ほどよりも一層不服そうに、

「躊躇なく言いましたね.........。まぁ...いいですけど。」

また、呟いた。

 

 

「さて......それじゃぁ向かいますけど...。さすがに行き先を教えないのもアレなので鞘には教えながら向かいましょうか。」

「は!はい!お願いします!。」

何故か緊張気味に僕は答える。

「さて!まぁ、先ほども言ったように、軽い調査...のようなもののために病気に関する施設に行きます......。見当は...つきますよね?」

文さんは当然答えられるだろうと言わんばかりに僕に答えを求めた。

無論...いくら僕でもここで答えられないほど頭が悪い訳ではない。

「病院......ですよね?」

僕の回答に文さんは満足そうに

「ご名答。」

そう言うと片手で小さく丸を作った。

「ば!バカにしないでくださいよ!」

口ではそう言いながらも僕はなんだかうれしくて口元の笑みを隠すのが精一杯だった。

 

「ということで、病院に向かう訳なんですが......。その病院の名前は『永遠亭』といいます。何かの資料で見たりしていませんか?」

「永遠亭......。」

僕はその単語を繰り返した。

それと共に一生懸命記憶を探る。

そして、記憶の隅からそれらしき物を引っ張り出した.........。

「たしか......だいぶ前に読んだ記事ですけど...。『永遠亭』って場所について書いてあるのがあったかもしれないです...。たしか...腕利きのお医者さんがいるとか...。」

そう言うと、文さんと咲夜さんが苦笑いのような表情を浮かべ...

「腕利き...ですか...。」

「腕利き...ねぇ......。」

にたような反応を示した。

記事によると、安眠用の薬なんかも作っていて、しかも効果は絶大だという。

 

幻想郷には、ちゃんとした病院はここしかなく...幻想郷で病気などになってしまうと皆此処を頼るそうだ。

ただ、いままで会った中で病気にかかりそうな人は殆どいないけど......。

天狗の病気って普通の人でも治せるのかな...。

っていうかまずそのお医者さんは普通の人なんだろうか...。

 

僕が頭の中で色々な考えを巡らせていると...。

「さて...、着きましたね.........。」

隣で文さんが呟く。

僕は永遠亭に着いたのだと思い、パッと顔を上げた。

しかし...そこに僕の想像したような『病院』は無く、広い広い竹林があるだけだった。

「あの......文さん?永遠亭って...どれのことですか?」

僕はあちこちを見回す。

幻想郷なら見えない建物や隠れ家みたいな病院があっても......不思議じゃない.......。なんて事はないけど、無いとは言い切れない!そう考えたからだ。

しかし僕の質問に文さんは「あはは」と軽く笑うと

「違いますよ!。着いたのは永遠亭ではなく...迷いの竹林です。」

「迷いの竹林......ですか?」

僕はそのどことなく怪しげな単語を繰り返して呟いた。

名前の通り迷いやすいのだろうか?

そんなことを考えていると...、

「ここだけはどうにも苦手だわ.........。」

咲夜さんが苦い顔で呟いた。

「私も...どうにも慣れませんねぇ......。」

続けて文さんもこういう。

 

二人の表情を見て、僕は改めて竹林をしっかりと見据えた。

濃い霧が全体的にかかっていて道の奥の方は何も見えない......。

「こんなところに...入っていくんですか......?」

答えを予測しながらも、一縷の希望を乗せて文さんに尋ねる。

「まぁそうなりますね。」

しかし、文さんの答えは酷くあっさりと希望を打ち砕く物だった。

 

僕は一度深く深く深呼吸をしてから、「よし!」と呟き、竹林へと入る決心をした。

 

 

 

 

      続く......。

 

 

 

 

小さなおまけ~メイド長は今日も行く~

 

「あの......今...なんと.........?」

十六夜咲夜はたった今耳に入った言葉が信じられずに主にもう一度発言を求めた。

咲夜に促されレミリア・スカーレットは表情を変えることなく、

「だからあの天狗達について行きなさいと言ったのよ。」

ケロッとした様子で言葉を繰り返した。

 

「ええと......。あのパパラッチについて行け...そう仰られているのですか...。」

普段は無表情な咲夜も少し不満げな表情を浮かべる。

「そうよ。もともと情報をあげたのは私達だし、当のあの娘は紅魔館のメイドよ...。ついて行くぐらい当然のことだと思うわよ?」

「し、しかし......。その間仕事は...。」

反論しようとした咲夜にレミリアはそんな時間を与えることもなく

「咲夜、彼女達について行きなさい...。これは命令よ。」

静かにそう言った。

 

そのレミリアの声に咲夜は数秒間押し黙ると、やがて何かを決意したように目を閉じ。

 

「承知しました。」

 

そう短く呟いた。

 

 

 

 

 




どうも!最後まで見ていただきありがとうございました!。
夜食はラーメン派の彩風です!。

僕と天狗の取材録も早いもので6章に突入しました。
この駄作者は未だに終わりのビジョンなんかも何一つ見えてないのですが......。
まぁ今まで通りゆっくりと進めていこうかな~とか考えていたりします。
よければ皆さんも付き合ってくれるとうれしいです。


さて!今回は余談二段構えで後書きをお送りします!
興味ねぇよ。って方はブラウザバックボタンへどうぞ......。

えぇ......皆様方...。
本日7月15日...。

ここまでで気づいたであろう、今日は...。

ごちうさのシャロちゃんの誕生日です!!!!!!!!!。

いやぁ...おめでとうシャロちゃん...かわいいよシャロちゃん。
ちなみに艦これの大井っちも本日誕生日(進水)だそうです。

これからも二人が愛され続けますように...。シャロちゃんかわいいよぉ...。


さてさて、このようにめでたい日を迎えたわけですがその前日の出来事についても少しだけ話させてください。


その日...彩風は思い出した。潜まれている恐怖を...、気付いていなかったという屈辱を......。

ある日の彩風。
「さてさて、今日も今日とて嫁を眺めつつゲームでも......。」
いつも通りPCへと歩みを進めたそのとき。
「カサッ」
不気味な音と共に彩風の視界の端に映る影。
「.........。」
声を出すことができず目を見開く。
額に冷たい汗が流れているのが分かった。
「嘘......だろ...。」
どうにかしてそう絞り出すとすぐにその場を離れようとした。
しかし足は小刻みに震え、動かない。
今は見失った「奴」に飛びかかられれば気を失いかねない。
「やるしか...ないのか。」
自らを奮い立たせるように呟くと机の端のゴキジ○ットへと手を伸ばした。

「どこだ......。」
目を見開き視界を極限まで広げる。
長期戦になれば分が悪いのは当然のこと。それに嫁ニウムが欠乏して彩風の命が危ない。
すぐに決着をつけなければ、

そして...
「カサッ」
動いたっ...!!。
二次の方向!じゃなくて二時の方向!。
黒光りするフォルム。あえてこれ以上奴について説明するのはやめよう。彩風の精神力が持たない。
「○ねぇ!!!」
そう叫ぶ。右手のゴ○ジェットが火を噴く。

時間にして数秒...。数時間にも感じられたそれは、奴の死...をもって唐突に終わりを迎えた。
「○ったのか......。」
自分の右手の武器と奴の死体を交互に見つめて心ここにあらずで呟く。

こうして、彩風に再び平和が訪れた。





......え?落ち?...そうですねぇ...


「あいつら(G)......駆逐してやる! この世から......一匹残らず!」


次回も是非ゆっくりしていってくださいね!


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6章 2話~迷える子兎~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・愛(と、あとその他諸々)を込めて文に花束を......!
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


どうにか竹林へと入っていく決心をしたものの実際はなかなか最初の一歩が踏み出せなかった。

それで決心と言っていいのかはともかく、僕は竹林の前で立ち尽くす。

目の前の竹林を眺めると、道と言っていいのか分からないような砂利の細い線が永く永く続いている.........様に見える.......。

霧がかっているせいなのか、どことなく...なんだろう......神隠し...?とかにあってしまいそうな雰囲気だ。

うぅ......やっぱり若干怖い。何だか紅魔館などとは違う不気味さで入るのを躊躇ってしまう。文さんや咲夜さんと一緒だと分かっていても...どうにも............。

 

すると...唐突に...いつもはポンコツであるはずの僕の脳が回転したのを感じた。

 

何とも情けないことに、こういうことになると人間というのは頭が働くようだ。

「そうです!文さん。」

僕は自分の提案に目を輝かせながら文さんに声をかけた。

「何ですか?」

文さんはいつも通りの笑顔で返す。

「思いついちゃいました!!!。」

僕が自信満々にドヤ顔を貼り付けて言うと、文さんは手をたたき

「わーなんですか?。すごくたのしみですー。きっとすごいことなんだろうなー。」

先ほどと変わらぬ笑顔を見せる。

しかしどうにも感情のこもっていない声が気になる。

咲夜さんに至っては顔全体でどうせろくなものじゃないだろうと言っている。

「どうせ、ろくなものじゃないでしょう。」

あ......本当に言っちゃった。

僕ってそんなにろくな事言ったことがないだろうか?。

僕が軽く傷心していると、

「まぁまぁ...とにかく聞いてみましょう。それで思いついた事というのは?」

文さんが慰めるようにして僕に発言を促した。

僕は「は、はい。」と返事して、もう一度気を取り直し...

「それでは!驚かないで聞いてくださいね!!。」

そして相変わらずのドヤ顔で言う。

咲夜さんも相変わらず疑わしい目をしている。

文さんもまた、相変わらず営業スマイルを貼り付けていた。

そして、僕は勢いよく言い放った......。

 

 

「あぁ.........。」

「あぁぁ......。」

二人が似たような反応を示す。

無論二人とは文さんと咲夜さんのことだ。

「どうです?......いい考えじゃないですか?」

得意顔の僕は二人の表情に気づかない。

「まぁ...そうくるような気はしてましたけど。やっぱりそうきましたか......。」

文さんは苦笑いを浮かべる。

咲夜さんも、

「まぁ...そう考える気持ちは分からないことはないけど。」

そう言ってフォローするように僕の肩をたたいた。

 

あれ?僕の提案...駄目なのだろうか?

僕は自信満々の提案を何だかやんわりと否定されて何ともいえない表情になる。

 

「決して悪い案ではないんですよ?ただ、少し問題がありまして......。」

文さんは僕を傷つけないためか言葉をオブラートに包みつつ僕の肩をたたいた。

僕は控えめにもう一度言う。

「え......だってこんな竹林、文さんと飛んで行っちゃえば簡単に......。」

全て言い終わる前に文さんは竹林の上の方を指さした。

その方向を見やる。

「あ......。」

思わずこう声を上げた。

自分の観察力不足にため息をつきたくなる。

竹林に霧がかかっているのだから当然その上を飛ぶのであれば霧の中を飛ぶことになる。

そんな無謀なことはいくら文さんでもしないだろう.........。しないよな?

それでも......。

「で、でも、霧よりももっと上の方を通れば......。」

僕は諦めきれずに文さんの無言に反論する。

しかし僕の言葉に文さんと咲夜さんは暫く不思議そうに首を傾げる。

その後文さんが「あぁ...。」と何か納得したようなつぶやきをもらすと、

「ええとですね...鞘は多分根本から勘違いしていますけど...永遠亭は『迷いの竹林の中』にあるんです。」

そう苦笑いを浮かべた。

「え......。」

予想外の言葉に僕は間抜けな声を出した。

こんな風にするのも何回目だろうか......。

一向に慣れることはないな......それに、これからも慣れないんだろうな。

......じゃなくて!

 

「竹林の中って......病院なんですよね!?」

「はい。」

文さんの迷いない回答に今一度竹林を見る。

一言で言い表すのであればそれは...《不気味》という言葉がもっともしっくりくるであろう。

濃い霧で覆われ、ほとんど先の方を見ることは叶わない。そのためか目の前の道がずっと続いているように錯覚する。

......本当に『竹林を抜けた先』ではなく『竹林の中』に永遠亭があるのだろうか......。

少なくとも僕は病院へ行くためにこの竹林の中へと進んでいく勇気も、こんな所にいるお医者さんにやっかいになる勇気もない。

「本当にこの中に?」

僕の疑いの目に文さんは表情は変わらない。

「はい。」

相変わらずの2文字の返事に僕はため息をもらして今度こそ、しっかりと竹林へと歩み行く決心をつけた。

 

いや......この場合諦めをつけた。の方が正しいのかな.........?

 

 

 

ガサッ

「ひぃっ!?」

草むらから聞こえた物音に子兎のように体をビクッと震わせながら音のした方向に振り向く。

すると本物の子兎が草むらから飛び出してきて僕たちの前を横切った。

「ふぅ......。びっくりしたぁ.........。」

僕は安堵の息をもらし、胸をなで下ろした。

 

「そんなにびくびくしなくても......。」

そんな僕に咲夜さんが呆れたように呟く。

続けて文さんも

「まぁ...あれだけ怯えてましたし...無理もないでしょう.........。」

苦笑いしながらそう言った。

「お、おお。怯えてなんて、い、いませんから。」

僕は膝を震わせながら強がる。

「そうですか...それならいいんですケド。」

文さんは全く信じていないという風に笑う。

怖い物は怖いですよ!。

 

「そ、そんなことより!永遠亭まではあとどのくらいの距離が?」

僕はあからさまに話を変える。

「あぁ......ええと...たぶん...おそらく...約10分ぐらいで着けるかと...思われます......。」

文さんはあからさまに目線を逸らしながら答える。

僕と咲夜さんに冷たい目を向けられながらも文さんは知らんぷりを強行した。

「はぁ......まぁはぐれでもしない限りは大丈夫でしょう。」

咲夜さんは文さんに聞こえるようにわざと大きくため息をつくとそう言った。

「そうですよ!くれぐれもはぐれないように行きましょう......!。」

咲夜さんの言葉に文さんが便乗する。

しかし再び僕たちに冷たい目を向けられてすぐに目線を逸らした。

僕は一抹の不安を覚えつつ文さん達と一緒に歩みを進めていった。

 

 

「さて、もうそろそろですかね.........。」

文さんが周りを眺めながら呟く。

僕も周りを見渡すがさっきからの景色とどこが違うのかまったくもって分からない。

文さんはどうやって判断しているのだろうか......。

そんな素朴な疑問を抱くがすぐに考えても無駄だと悟る。

 

もうすぐで目的地に着くと聞いても目的地が目的地なだけに余り喜べない。

永遠亭か......どんなところなんだろう。

僕は心の準備をしておこうと思い、永遠亭について色々と思考を巡らせる。

今知っている情報と言えば......。

まず、病院であること......。

そして腕利きのお医者さんがいること......。

あと、霧の濃い『迷いの竹林』の中に存在する...ってこと。

.........。

思ったよりも情報が少なくて渋い顔をする。

これだけの情報では顔を半分縫っていて、高額を請求する無免許の天才外科医ぐらいしか想像つかない。

 

病院と言えば......僕は幻想郷に来てから病気という病気は起こしてないけど...体は強い方なのかな?

記憶を取り戻せばそんなことを考える必要もないんだろうけど...。

 

......ん?いや?ちょっと待てよ.........!。

今から行くのはお医者さんなんだよな......。

それで、僕は記憶喪失.......。

 

.........、もしかすると記憶を取り戻すことができるかもしれない...!。

そんな期待に顔を輝かせる。

「文さん!!。永遠亭が病院なら......。って、あれ?」

しかし僕の視界には文さん...そして咲夜さんの姿は見あたらず、さっきから飽きるほど眺めていた竹林の景色のみが広がっていた。

............。

「......え?。」

そんな声が竹林に響いた。

 

 

「どどど.....どどど。どうしよう.......ドウシヨウ...ドウシヨウ...どうし..。」

バカみたいにそれだけ呟きながらぐるぐると円を描くようにせわしなく動く。

半ばパニックになりながら......いや...半ばなんかではなく完全にパニックを起こしながらいつまでも「どうしよう」と同じ言葉を繰り返し呟く。

なんだかデジャヴだ。

.........あ...そうか。前に紅魔館に来るときも......道に迷って...。

 

ん?。

 

ここで、僕はある違和感を覚えた。

 

「あれ?紅魔館に行く途中...確か......道に迷って...それで...大ちゃんと会って...。その後...大ちゃんの様子がおかしくなって...それで紅魔館に向かって...このことを文さんに伝えたんだよな...。ん?」

 

再び違和感を覚える。

 

何かが引っかかる......何かが...。

 

 

 

 

「そうだ.........!。」

思わず声に出して手をたたいた。

「迷ったはずなのに...なんでその後、普通に紅魔館に向かえたんだろう......?。」

違和感の正体に気づき、今度はその矛盾について考え始める。

なんで?なんで?と頭の中で色々な思考を巡らす。

しかし、一向に結論はでることなく...考えても仕方ないと判断し、何らかのはずみでコロッと紅魔館への道を思い出したという事にしておくことにした。

......少し無理があるだろうか......。

 

 

って...今はそんなこと考えてる暇はない!!。

どうにかしてこの危機を乗り越える方法を考えなくては.........。

 

僕は腕を組み、目を瞑ってじっくりと思考する。

危うく居眠りを始めようとする頭をどうにか起こしつつ熟考の末、出した結論は......。

 

《とりあえず歩き回ってみる》

 

という紙がかったものだった。

 

 

 

「はぁ.........。」

 

 

 

 

     続く......。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!夏休みに入ってから昼食を90%麺で片づけております!彩風です!

そうめんおいしいですよね。

さてさて!今回もここまで見ていただきありがとうございます!。
感謝感謝なのです!。

え?今回更新が遅かったって?。
いや...だって夏休みに入って新しくゲームをはじm......勉強が忙しくてぇ.....!

ハイ。ごめんなさい。次は頑張ります。ハイ。

ま、まぁ次回もゆっくりしていってくださいね!。


さてさて、ここからお待ちかねの余談となります。
いつもいつもつまんねぇんだよコノヤロウ!って方はブラウザバックを押してください。


さて、彩風は実は結構ゲームをやる方なんですが......。
そのジャンルは様々で全く一様ではありません。
RPGからアクション。パズルにホラーやシミュレーション系、アドベンチャーからレースに音ゲーまで...色々と遊んできたのですが...、一つ、やってないジャンルの物がありました。
そう、

『アダルトゲーm(殴

う、嘘です。いややったことないのは本当です。いや、やってないです本当です!!。

えぇと、今のはちょっとした冗談で......そのやってないジャンルというのは...

『ギャルゲー』

です!。まぁ恋愛シミュレーションですね。
これを彩風はやったことがなかったのです!ちなみに乙女ゲーはちょっとやったことがあります(なんでやってたんだろう?)

ですが、彩風はこの夏、ついにギャルゲーに手を出したのです!。
理由は単純でPSのストアで安売りしてたからという何とも中学生らしいものです。

それでまぁ、やり始めた訳なのですが...。

めっちゃおもしろい.........!。

これはもう。アレですね。そう......アレ。


とまぁこんな感じで今回はちょっと更新が遅れてしまった訳なのですが...。
次回はそんなことない(はずな)のでご心配なく!。


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていってくださいね!。


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6章 3話~迷子は迷子センターまで~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・勉強する気が起きません助けてください(懇願)
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「.........。」

僕は辺りを見回し、警戒しながら竹林を進んでいく。

特に警戒する必要はないのかもしれないけど、ついついそうしてしまう。

環境は人を変える...ってどこかの偉い人が言ってたけど本当にそうなのかもしれない。

 

「うー......。景色が変わらなくて進んでる実感が全く湧かない......。」

ぶつぶつと呟きながらただただ歩き回る。すると代わり映えのない景色に少しだけ変化が生じた。

「あ、.........この石。」

細い道のど真ん中に手のひらを目一杯広げたぐらいのサイズの石が二つ重なっていた。

「あれ?じゃぁ...ここさっきも?」

他でもない。僕が目印の代わりに積んでおいたものだ。

「.........はぁ」

それが意味するのはつまり、同じ場所へ戻ってきたという事。

「真っ直ぐしか進んでないはずなのに......。」

訳が分からなくなり僕は頭を抱える。

そんな風に混乱してくると目の前の目印が本当に自分で積み上げた物なのか不安になってくる。

こんな形だったっけ?

こんな色だったっけ?

もう少し小さかったかも......。

一度不安になってしまうと、そこから風船のようにもわもわと疑念が大きくなっていく。

 

「もう!何処なんですかぁ......ここぉ.........。」

涙目になって嘆く僕に答える声など当然あるはずもな......。

 

 

「誰だ?」

 

 

「ひゃぁぁあああ!!!???」

まったく気配がなかったのに唐突に声をかけられ僕は飛び上がり、すぐさま後ろを振り向いて声の主を確認する。

そんな僕の反応に驚いたのか声の主は若干後ずさった。

 

目の前の女性は綺麗な白い髪に御札......?のような飾りをつけている。

白いシャツと赤いズボンにサスペンダー...っていうのかな?そういうのには疎いから良く分からないけど...。

まぁ、そんなに特徴的な格好ではなかった。

幻想郷に来て、感覚が麻痺しただけなのかもしれないけど......。

 

「あんた...何してんだ?」

彼女は不思議な物を見るような目で僕を見つめる。

「あぇ......?ええと...僕は......。その......。」

別に訊かれてまずいわけでもないのに目を地面の方へと逸らした。

そして数秒にも満たない思考の後、

「文さ......あぁ...ええと...。永遠亭の取材に......。」

こう答える。

別に文さんの名前を伏せる必要はないのかもしれないけど何となく......。

「永遠亭...取材.........?あんた天狗の仲間か?」

女性に続けて訊ねられる。

「ん......。あぁ...そんなようなものです。」

わざわざ訂正する必要もないし、何より助手って言うよりも断然聞こえがいい。

心の中でちょっとだけ喜んだ。

 

「で......ここで迷っていたと?」

すると女性が図星をついてくる。

「あはは......」

僕は思わず苦笑した。

「それより...永遠亭に取材ねぇ......物好きなこった...。」

女性は呆れたように呟く。

この反応からするとやはり永遠亭はろくな場所ではないのだろうか......。

「あ、そういえば名前がまだだったな。私は藤原妹紅。妹紅でいいよ。」

つぎつぎと話が変わって若干置いていかれているが、とりあえず自己紹介が始まったので自分も名乗る。

「あ...ええと。心音鞘と言います...。刀を入れる鞘とかいてさやです。」

「あぁ...よろしく。」

妹紅さんは軽く笑うとそう言った。

印象としてはどことなく男勝りで魔理沙さんと似たような感じだ。

ともかく、決して悪い人ではなさそうだから安心する。

 

「妹紅さんはここで何を?」

今度は僕が妹紅さんに質問する。

「ん...あぁ、散歩かな...。」

「散歩...ですか」

こんな竹林でわざわざ......?と訊きたかったが何か都合があるのだろう。

深く追求するものでもないと思い、それ以上訊くことはなかった。

代わりに違う質問をする。

「ここで散歩......って、迷うことないんですか?」

明らかに散歩に適している場所ではないし、第一戻ってくることができるとは思えない。

しかし妹紅さんの答えは

「あぁ......慣れだな。慣れ。」

こんな軽めなものだった。

「慣れ......ですか......。」

驚きの余りポカンとした表情になっていたと思う。

しかしすぐに表情を正し、

「すごいですね...こんな場所で迷わないなんて。」

そう素直な感想を述べた。

「ははは...そんなことないよ」

妹紅さんは笑いながら謙遜した。

 

「それより、永遠亭に行きたいんだろ?連れてってやるよ。」

すると妹紅さんが思わぬ提案をしてくれた。

「ほ、本当ですか!?」

嬉しさのあまりパァっと顔を輝かせる。

「あぁ、別に減るもんでもないし、このままほっとくわけにもいかないしな。」

そう言ってちょっとだけ照れたように笑った。

「幻想郷にはこんなに良い人もいたんですね......。」

「...大袈裟だなぁ.........。」

今度はしっかり照れる。

そんな様子がとても可愛かった。

 

「にしても、さっきも言ったが永遠亭に取材とは物好きだな......何を取材するんだ?」

永遠亭へと向かう道中、妹紅さんが僕に訊ねた。

「あぁ...ええとですね......。うぅんと...。」

僕は全て教えてしまってもいいのか迷う。

しかし、助けてもらったのに何も喋らないっていうのは失礼かな...。

そんな風に返答を迷っていると、

「あぁ、悪いな...そりゃそういうことやってるといえないこともあるよな。」

妹紅さんが察してくれたのか、そう言って会話を終わらせた。

「ご、ごめんなさい......。」

僕は一言謝ると再び妹紅さんと永遠亭へと向かう歩みを進めた。

 

「.........」

永遠亭へと向かう間沈黙が流れる。

「.........」

なんとも気まずい沈黙だ。

妹紅さんは何ともなさそうだけどちょっと僕には耐え難い。

何か話した方がいいんだろうか......。

いや、でも相手は話す気がないのに一方的に話すのはちょっと...。

でも、ずっと何も喋らないのはなぁ......。

 

僕がもんもんと思考を巡らせていると...。

「ここを真っ直ぐ行ったらすぐに着くよ。気をつけてな。」

「え!?あ、はい!」

急に妹紅さんに言われ、変な声で返事をする。

どうやら永遠亭の近くに着いたようだ。

「妹紅さんは来ないんですか?」

「ん?...あぁ、私はいいよ。別に用があるわけでもないし。」

妹紅さんは少しだけ苦笑しながら答える。

「あ、そうですよね...。ごめんなさい...。」

余計なお世話だっただろうか。

ともかく、連れて来てくれた妹紅さんにお礼を言う。

「はは...いいよいいよそういうのは。永遠亭の奴等によろしく言っといてくれ。」

妹紅さんは爽やかに言うと、最後に僕にそう頼んだ。

どことなく心ない言い方に聞こえたが気のせいだろうか。

「分かりました。」

僕はそう言って微笑むと妹紅さんと別れて永遠亭へと急いだ。

 

 

「あ!鞘じゃないですか!探したんですよ!」

妹紅さんと別れた直後、文さん達と出会った。

「あ!文さん。」

妹紅さんと離れ、また一人になり、不安になっていたところの再会だったからか自然と表情がゆるむ。

ホッと安堵の息を漏らした。

「いやぁ、いつの間にかいなくなってしまうものですから焦りましたよ......無事でよかったです。」

「文さん......。」

文さんの優しい言葉に涙腺が崩れかける。

しかし、

「よく言うわ。『永遠亭の周りにいればそのうちどうにかしてやってくるでしょう...多分。』とか言ってたくせに。」

すぐに頑丈な防波堤を築き始めた

「.........」

文さんはにこやかな笑顔のまま明後日の方向を向く。

「うぅ......ちょっと喜んで損しました......。」

僕が恨めしそうに文さんを睨みつけると文さんは「えへへ...」とバツが悪そうに苦笑した。

「そ、そんなことしたって惑わされませんからね!!」

若干惑わされそうになりながら強気に言い放つ。

 

「まぁそんなことは置いておいて早速永遠亭に向かいましょう。」

すると文さんが話を変えた。

なんだかはぐらかされたような気がするが確かに急いだ方がいいだろう。

「そうですね......。アンネさんも、早く診てもらった方がいいでしょうし。」

咲夜さんが担いでいるアンネさんを横目に言った。

この状態では診せるのに早いも遅いもないのかもしれないけど......。

「章の真ん中をとうに通り越しているのに未だに目的地に着いていないなんて前代未聞ですよ...全く。」

文さんが何だかよく分からないことを呟いている。

《章》とか《真ん中》とか何のことだろう?

でも気にしたら負けなのかなと思い、深く追求するのは自重した。

 

 

「さて、着きましたね...。」

文さんがやれやれといった様子で言う。

「ふぅ......。」

咲夜さんも疲れを吐き出すようにため息をついた。

「ここが...永遠亭...ですか......。」

僕は今まで想像してきた永遠亭と目の前の永遠亭を比べてみる。

まず、一番の印象は、『思ったよりまともそうな場所』ってことだ。

施設自体はちょっと年季が入っていて、いかにも老舗...って感じだ。

お医者さんに対して老舗って言葉は使えるのかな......?

周りには適度に植物もあって結構良い雰囲気である。

 

施設の印象は思っていたよりも数倍よかった。

まぁ......こんな竹林の中にある...ってことを除いてだけど......。

 

そんなことを考えていると不意に足下に不思議な感触がはしる。

「えっ!?」

すぐに足下を見やる。

そこで僕の足に構って欲しそうにすり寄ってきていたのは...。

 

「あ......!文さん......!!」

 

僕は震え気味の声で文さんを呼ぶ。

「なんですか......ってあやや...。」

文さんは微笑ましいと言うように微笑する。

「あらあら...人懐っこいわね...。」

咲夜さんも心なしか羨ましそうな声色で、呟く。」

 

「う...う......。」

 

そう。僕の足にすり寄ってきていたのは......。

 

「うさちゃん!!......かわいい~~~!!」

僕はすぐに足下のウサギを抱き抱える。

クゥンと小さく鳴いて気持ちよさそうにくつろぐ。

「文さん!!モフモフしてます!!モフモフです!」

ウサギをなでながら僕は興奮気味に言う。

顔は嬉々としていただろう。

「ははは。」

文さんは微笑みながら答える。

 

「咲夜さんも言ってましたけど人懐っこいですね......。何も抵抗しないなんて......。」

なおもウサギをモフりつつ呟く。

顔は恐らくとろけていたことだろう。

そんな疑問を抱いていると後ろから声が聞こえてきた。

 

「おーい...。そんなところにいたのー?」

 

 

 

      続く......。

 

 

 

 

 

 

 




さてさて。夏休みだというのに睡眠時間がごりごり減っている彩風です。

今回も最後まで閲覧ありがとうございます!。

いやぁ、久しぶりに僕と天狗の取材録の1章やら2章やらを見返していたのですが......。
もう立派な黒歴史ですね。はい!。
もう。なんかこう。......見ていると体が熱くなって鳥肌が立ってきます。
......何というかこう......はい。......はぃ......。

え?今も対して変わってない?ちょっと何言ってるか分かりま......。


さてさて!よ・だ・ん...の時間ですよーー!!。
え?聞きたくない?そんなこと言わずにさぁさぁ、そこにお掛けになって!どうぞお茶でも!

さて......。前回に余談で話すつもりだったんですがね......。
ついに日本に上陸しましたね......!

『ポケモンG○』

いやぁ......配信からそう経っていないのに対策をたてられるような問題作です!。
やっぱり悪魔的な面白さがあるんでしょうね.....。

彩風はスマホを持っていない可哀想な青少年なのですが、持っていたとしてもポ○モンGOはやるか迷いますね~~。
ん~依存しそう......。

テレビで公園中を歩きスマホが占拠しているのを見て...
「うわぁ...すげぇ.......(小並感)」煎餅バリッ
とかやってました。

まぁ、ゲームが原因で事故が多発するなんていうのはどうかと思いますね......。
......これから色々な対策も必要になってくるでしょう......。

歩きスマホ。ダメ。ゼッタイ。



次回もゆっくりしていってくださいね。


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6章 4話~寂しいと死んじゃう~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・文を自転車の後ろに乗せてこの坂道をブレーキをかけずに下って電柱に突撃し、結果夢でったことを悟りたい
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


後ろから聞こえた高めの声に僕はすぐに振り向いた。

するとそこには小さな女の子が僕の方を見て息を切らしていた。

 

「おやおや、珍しい顔がいっぱいだね......?どうしたの...?」

 

女の子らしいピンクの可愛らしいワンピースを着ていて、胸元には大きな人参のネックレスをつけている。

頭には付け耳...?だろうか......。兎のように、白い耳がついていた。

見たところ...チルノちゃん達と同じくらいの歳だろうか?

「あや...?貴女ですか...。」

文さんは今にもため息をつきそうな表情で呟く。

 

「で、咲夜はソレ。何担いでるの?」

女の子は咲夜さんの背中のアンネさんを指して言った。

文さんが短く

「病人ですよ。」

と答えると。女の子は納得したように頷いた。

 

「それと、その子を抱えてる君...。見ない顔だけど......。人間?」

女の子に訊かれ僕は「え?」と声を漏らす。

「は、はい。.........そう...ですよ...?」

「何で疑問系...?」

咲夜さんに突っ込まれてハハ......。と苦笑いを浮かべる。

 

「その子が親以外に懐くなんて......。人間には懐きやすいのかな?」

女の子の言葉に、僕は腕の中のウサギを見やる。

気持ちよさそうに眼を細めて僕の腕に頭を擦りつける。

「あんまり懐かないんですか?このウサちゃん。」

モフモフすると、小さくクゥンと鳴く。

とても人に懐きにくいようには見えないけど.........。

「あんまりなんてもんじゃないのよ。その子物心ついてからずっと一人でいてね......。親の言うことはそれなりに聞くんだけど、他の子や私の言う事なんて全然。」

女の子は困ったものだと言うように肩をすくめた。

ここで、動物が喋るんですか?と訊くのは幻想郷においては可笑しな質問になるのだろうか.........。

少しだけ考えて、飛び出かけた言葉を呑み込んだ。

「貴女は...確かこの辺のウサギを統べているんじゃなかったんですか?」

文さんの質問に女の子は

「そのはずなんだけどね~。どうもこの子だけは言うこと聞いてくれなくて......。」

苦笑してそう言った。

ウサギを...統べる......。この子はうさちゃん達のリーダーみたいなものなのだろうか?

そんなことを考えているといつの間にか咲夜さんがすぐ目の前に移動していることに気づく。

「ひゃぁっ!?」

「えぁ...?ご、ごめんなさい。」

反射的に悲鳴を上げると、咲夜さんはいつもと違う弱々しい声で謝った。

「ど、どど......どうしたんですか...?」

僕は咲夜さんの様子に戸惑いつつ笑顔を作って尋ねる。

「あ、いや......人間に懐くんだったら私にも懐くのかなぁ......とか...。」

咲夜さんはバツが悪そうに視線をずらしながら答えた。

頬はほのかに朱くなっているように......見えなくも....なくも...ない...かな......?

「あ......。ええと...どうぞ......。」

僕はそんな咲夜さんにうさちゃんを差し出した。

「ぇぁ......。その...ゃぅぅ..........。」

咲夜さんは蚊の鳴くような声で唸ると、うさちゃんへと手を伸ばした。

少しだけ震えている。

 

そして、咲夜さんの手が触れようとした瞬間。

「ぅぅぅぅうううう.........!!」

僕の腕のうさちゃんが低く吠えた。

突然のことに僕はつい手を離しそうになる。

しかし、咲夜さんはもっと驚いたようでいつの間にか僕と3メートルほど距離を置いていた。

「ぁ...ご...ごめん......なさい...。」

またもや聞き取るのが難しいぐらいに小さな声で言った。

 

「クスッ...。」

横で文さんが小さく嘲る。

「人間には懐くってわけではないみたいね......。」

女の子も苦笑する。

 

「......ぁ...。ぅぅ.........。」

こころなしか涙目の咲夜さんは言葉になっていない言葉を紡ぐ。

「あ、あの......咲夜さん...?ええと...その......。」

僕は懸命にフォローの言葉を探したが今この状態で何か言葉をかけたとしても全て逆効果だろうと思い自重する。

 

「じゃぁ、なんで君には懐いてるんだろうね......?」

女の子が不思議そうに言う。

腕の中のうさちゃんは咲夜さんが離れたと分かると、すぐにまたくつろぎ始めた。

「単に咲夜さんに懐かないだけなんじゃないですか?」

文さんがからかうように咲夜さんに言う。

いつもの咲夜さんなら人を殺せる目で文さんを睨みそうなものだけど今回の咲夜さんは拗ねたようにそっぽを向いていた。

どうやらよほどダメージが大きかったらしい。

さすがに文さんも空気を読んだのかそれ以上は何もいわなかった。

「う~ん......。君...名前は?」

女の子に訊かれ

「あ......ええと。心音鞘と言います......。刀を入れる鞘と書いてさやです。」

いつもの通りそう答えた。

「そう。...女の子みたいな名前だね。私はてゐ。因幡てゐよ。」

もう慣れてしまったのか、性別の訂正をするのを横着し、苦笑ですませた。

それはそうと...この子、見た目の割にしっかりしているようだ。

いくつなんだろうか...?まぁ、小さい子とはいっても女の子だし歳を訊くのは失礼だと思い、やめておいた。

 

「そうだな...。人間に懐く訳じゃないなら...、最近人参食べた?」

てゐちゃんが僕に尋ねる。

人参......うさちゃんって本当に漫画みたいに人参が好きなんだろうか?

野菜なら結構何でも食べちゃいそうだけど......。

「いえ......食べてないと思いますけど...。」

「まぁ、それだけだったら私や他の子とも仲良くできるよね~......。そんな匂いもしないし。」

てゐちゃんはう~んと唸りながら小さな手を顎にあてる。

「動物に懐かれやすい体質だとか?」

「う~ん。多分そんなことないと思いますけど...。」

「先祖がウサギとか?」

「ない......ですよ...。多分。」

「そういう能力?」

「.........。それは...分からないですけど...?」

てゐちゃんに色々と訊かれたが最後の質問だけはしっかりと否定できなかった。

 

動物に懐かれる能力......?

う~ん...うれしくないことは全然ないんだけど...。

パッとしないというか......う~ん............。

 

「鞘!」「鞘!」

そんなことを考えていると、声をかけられていることに気づく。

「え?あぁ!はい!な、なんですか?」

「あ、いや。別に特に何。と言うわけではないのですが...考え込んでいる様子だったので。」

文さんは少しだけ心配そうにそう言った。

「あぁ、いえ。ちょっと考え事を......。」

僕は笑顔を作り、告げた。

文さんは納得いかないような表情で首を傾げるが、追求はしてこなかった。

 

「ん~?悩み事?」

するとてゐちゃんが少し嬉しそうに呟く。

てゐちゃんの方をみると、キラキラと輝く面持ちで手元には『お賽銭』とかかれた箱を持っていた。

それを見て文さんはゲッと言うように表情を濁した。

「お賽銭?......」

僕が呟くとてゐちゃんが可愛らしい笑顔でうん。と頷いた。

「私はね?実は幸運を呼ぶウサギなんだ。だからお賽銭を入れればあなたにもきっと幸せが訪れるよ?悩みなんてすっ飛ぶよ?」

なんだか妙に事務的な雰囲気で言った。

言ってることは無茶苦茶な気がしないでもないけど...。

まぁこんな小さい子が言うことを頭ごなしに否定するのもな......。

「また、それですか......。なかなかえげつない詐欺の手口ですね。初対面なら言ってることが多少おかしくても見た目で騙されそうですし......。」

横で否定する人がいました。

「だ~か~ら~詐欺とは人聞きの悪い......。実際、幸せになれるのは本当だしね~......。」

てゐちゃんは不満そうに頬を膨らませた。

文さんは訝しげにてゐちゃんを見ると、

「お金を払う必要があるには思いませんが。」

冷たく言い放つ。

「そもそもお賽銭って言うのはそんな風に回収するものじゃないでしょう。」

文さんは尚も言い続ける。

 

「......まぁ!信じる信じないは彼次第だからね...。どう?」

 

てゐちゃんは期待の眼を僕に向ける。

僕はどう答えて良いか戸惑う。

...とりあえず精一杯申し訳ない雰囲気をかもし出しながら...。

「んと...ごめんね...?僕、今お金持ってなくて......。気持ちだけってことで......。」

こう、答えた。

それと共に軽く文さんを睨む。

僕の財布をすっからかんにした張本人が口笛を吹きながら眼を逸らした。

反省してないな...この人.........。

 

「えぇ..........。」

てゐちゃんは露骨に残念そうな表情を見せる。

若干心が痛んだけど本当に無いものはどうしようもない。

改めてもう一度文さんを睨んだ。

 

「まぁ...手持ちがないならしょうがないか......。」

てゐちゃんは呟くと賽銭箱をしまった。

.........『しまった。』なんて簡単に言ってしまっているけどあの大きさのものを小さな体の何処にしまったんだろうか......?

「それじゃぁ、その子は親のところに帰らせないと...。」

そしててゐちゃんは僕の腕のうさちゃんを受け取った。

 

「あ...。」

僕からてゐちゃんへと移動したうさちゃんは少しだけジタバタと暴れたけどすぐに大人しくなった。

確かに僕にだけ懐くっていうのは本当らしい。

「それじゃぁ、また今度ねお兄さん。」

てゐさんはそういってウィンクすると竹林の中に消えていった。

 

 

「............。行っちゃいましたね。」

その場に立ち尽くし文さんに話しかける。

「行っちゃいましたね。」

文さんは適当に返す。

 

少しだけうさちゃんの余韻に浸りながらぼーっとしていると、咲夜さんを忘れていたことに気づく。

「あ!......咲夜さん.............ひぃっ!?」

僕は咲夜さんの方を向き、ついつい悲鳴をあげてしまった。

 

振り向いた眼の前には咲夜さんの顔があった。

「どっどどっ...どうしたんですか?」

冷や汗をかきながら少しだけ後ずさる。

「いえ。別に......。行きましょうか...。」

咲夜さんはいつも通り...いや。いつもより爽やかな笑顔で言った。

だけど眼が笑ってない。

色を持たない眼はずっと見ていると吸い込まれそうな気がする。

冷や汗が背中まで伝うのが分かった。

 

「そうですね......思わぬところで時間を喰ってしまいました......。」

文さんがそう言う。

咲夜さんは全然笑ってない笑みを張り付けたまま。

「そうね。」

と応答した。

 

そして、やっとのことで僕たちは目的地である永遠亭へと踏み入れた。

 

 

 

     続く......。

 

 

 

 

 

 

 




どうも。久しぶりに腹筋してみたら30回で限界を迎えました。彩風です。

今回も最後までの閲覧誠に感謝でございます!。

さて、もうこの章も残すところあと1話となりました。
未だに永遠亭に着いてないけど大丈夫か......。
なんてお考えの方もいることでしょう...!

でもみなさん。安心してください!

次章にも永遠亭引きずっていきますよ!!。

ということで安心して(?)次回も閲覧くだされば幸いです。



さてさて余談。
始まるざますよ?
今回はほんの少し下ネタが含まれるでガンス
フンガ~(訳:それでも大丈夫な方のみゆっくりしていってね。)


先日登校日の教室での出来事。
友人C「暇だーーー。」
彩風 「だな。」
友人B「C、お前何か話題振って。」
友人C「う~ん......そうだな...。」

 ~30秒後~

友人C「胸と尻だったらどっちが良い。」
彩風 「何故長考の後それを選んだ...。」
友人B「下ネタとかないわー。」
友人C「いや...言うても俺たち中学生じゃん?思春期真っ盛りな訳じゃん?こういう話題の一つや二つしなきゃいけない訳じゃん?男は獣じゃん?」
彩風 「獣である前に受験生だからね。」
友人B「中3って思春期真っ盛りか?」
友人C「.........。とにかく!俺も言うからお前等も言えよ?なっ?」
友人B「別にお前の性癖に興味ねぇけど?」
友人C「だぁあ!もう!ウダウダ言わない!」
彩風・B「えー.........。」
友人C「はい!じゃぁ!せぇの!!」

友人C「胸!!」
友人B「脚。」
彩風 「腋。」

友人C「.........選択肢ガン無視?」


きゃぁー。彩風の知られざる性癖がバレちゃうーハズカシー。

それでは、次回もゆっくりしていってくださいね!。


Ps.鎖骨も捨てがたい。


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6章 5話~クスリはリスク~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ホラーゲームがしたい症候群ですが耐性がなさすぎてフリーホラーゲームすらできません。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「.........。」

 

 

僕は眼を開ける。

 

 

「.........あれ?」

 

 

意識が朦朧としている。

 

 

僕......永遠亭に...文さん達と...。

 

 

「どうしたの?」

 

 

隣から声が聞こえる。

 

 

聴いたことがない懐かしい声だ。

 

 

「大丈夫?」

 

 

ぼやけた視界がだんだんと鮮明になってきた。

 

 

「また寝てたの~?」

 

 

横で見たことのない友人が苦笑する。

 

 

「あれ?おーい、聞こえてるー?ちょっと~帰ってこ~い。」

 

 

目の前で手をひらひらとされる。

 

 

あれ?ここは...どこ?文さん達は?永遠亭は?

 

 

あぁ、そっか次体育か...じゃぁ...着替えないと......。

 

 

「…コ…~?チョッ○…※んトニ△い丈ブ~?◎▼ンシつ行☆ウカ~/」

 

 

そうだ。僕永遠亭ニ着いてすグ倒れちャって。

 

 

そうか。前ノジュ業田上セん生だったカら……私寝ちゃッてたノか……。

 

 

そレで、今は…永エん亭のナカ………?

 

 

早ク着替えチャわナイと…………?

 

 

あレ?お…し…な。

 

 

私?……とも…僕…?

 

 

チ…ウ……………わ……は………………。

 

 

 

 

 

「!?」

僕は布団から身を起こした。

 

「あ、気がついた?」

横からの声に肩をビクッと若干震わせた。

 

体中に嫌な汗が流れる。

酷く嫌な夢を見た気がする。

思い出せない。

思い出したくない。

思い出しちゃいけない。

自分の中の理性のような何かが記憶を手繰るのを拒む。

そこにある。

そこに記憶はある。

でも触れられない。

もどかしい。

 

それに、何か強烈な既視感を覚える。

前にもこんなことがあった筈だ。

それも1回じゃない。

何回か......。

 

「大丈夫?」

完全に自分の世界に入っていた僕に不意に言葉がかかる。

さっきも声をかけてくれた人だった。

黒っぽいブレザーを着ていて長い薄紫の髪は透明感がある。

あと、特徴的なのは、頭の上に付いている付け耳だ。

てゐちゃんと同じで兎を模した耳に見える。

それに…とても綺麗な赤色の眼をしている。

なんだか見つめていると吸い込まれそうだ。

「綺麗ですね…」

気づくと思わずそう呟いた後だった。

「え?………あっ!」

その女の人は一瞬呆気にとられたように固まった後、すぐに自分の眼を手のひらで覆った。

 

「あぁ!ご、ごご…ごめんなさい急に……。驚きましたよね……?」

「あ……いや…だ、大丈夫。」

僕が焦りながらもすぐにそう言った。

その女の人は戸惑ったように目線をそらす。

どこか僕を不審に思っている様子だった。

 

それはそうか、いきなりあんなこと言っちゃったわけだし……。

僕とその女の人との間に微妙な距離感が生まれる。

 

「ええと………ここは…永遠亭なんですよね?」

このままでは少しの間気まずい空気に包まれることになりそうなので何とか会話を繋げる。

それにさっきから軽く眩暈がして記憶が定かじゃない。

一応現在地の確認をしておきたかった。

「……そうよ。いきなり天狗があなたを担いで来るもんだから驚いたわ。」

どうやらここは永遠亭で間違いないらしい。

それに、これは夢じゃなく現実のようだ。

少しだけ安堵する。

 

それにしても………また倒れちゃったのか……、いくら何でもこう頻発すると心配になってくる。

そういう体質なのかな………。

 

「それで、今意識はしっかりとしてる?」

すると女の人が僕に訊く。

「熱は多分引いてると思うけど……。」

熱があったのか………。

僕は自分の額へと手を当てる。

どうやら平熱のようだ。意識もしっかりとしているし特にどこか痛むわけでもない。

強いて言うなら変に頭痛がしていたけど今はそれももう影も形もなくなっていた。

「えぇと………大丈夫……だと思います。貴女が看病を?」

僕が尋ねると女の人はコクリと頷いた。

「すいません。ご迷惑かけちゃって。」

僕が頭を下げる。

「いやいや、ここは病院だから。」

女の人は笑みを浮かべて答える。

 

どうやら悪い人ではなさそうだ。

そもそも看病してもらったのにこんな言いぐさは失礼かもな………。

 

「えっと、僕は心音鞘と言います。刀を入れる鞘とかいてさやです。あの………宜しくお願いします。」

僕がいつものように自己紹介をする。

するとその女の人は自分も紹介し返さなきゃいけないと考えたのか

「あ、私は鈴仙よ……宜しく。」

そう言って微笑んだ。

「そう言えば………文さんたちは今どこに?」

「え?…あぁ、天狗たちならお師匠様のところにいる筈だけど……、そう言えばなんだかおかしな患者を連れていたけどあの人は何?格好はメイドみたいだったけど。」

僕の質問に対して答えた後、質問が返ってきた。

と言うよりお師匠様?ってことはこの人はお弟子さんなんだろうか?

だとしたら僕と同じ……じゃないか…僕は助手だもんね、雑用だもんね。

そんなことより訊かれた事に答えよう。

でも少しだけ、どう答える迷う。

………というよりはどう答えようか考える。

僕も全て理解してるわけじゃないし………。

むしろ殆ど理解できてないし………。

そんな風にぐにゃぐにゃと曲がる思考を何とか固めようとしていると。

 

 

「………あら、鞘じゃない。」

意外にも、聞き覚えのある声がかかった。

この声は……!

「れ、霊夢さん!?なんでここに?」

振り向いた直後にすぐ尋ねる。

そこにいたのはお金に目がない巫女さんだった。

 

どうにも霊夢さんとは何かと会うことが多いなぁ、何かの縁があるのかもしれない。

 

「病院にいる理由なんてそう多くないと思うけど?」

霊夢さんはため息をつきながらそう言う。

「あ、貴女寝てなくていいんですか?」

鈴仙さんが尋ねる。

訊かれた霊夢さんは何ともない、といった風に手をヒラヒラとさせ、

「不安なぐらいすこぶる調子良いわよ、あの妙なクスリのおかげで………味は酷かったけど……。」

そう言って乾いた笑いを浮かべる。

 

妙な……クスリ…。

 

「妙な、とは聞き捨てなりませんね……。師匠が直々に配合した特殊な頭痛薬ですよ?」

「これ以上ないくらい怪しいじゃない。それにあの味は流石に酷いわよ。」

煽るように言う霊夢さんを鈴仙さんが睨みつける。

マンガなんかでよく見る火花が散る演出が眼に見える。

なんだか自分がここにいてもいいのか不安になってきた。

「巫女って意外と教養無いのね『良薬は口に苦し』って諺知ってる?」

「今のご時世、薬の一つぐらい子供でも飲めるようにしないと医者としてどうかと思うわね。」

霊夢さんがなんだか無茶苦茶な理屈で反論する。

どうにもこの二人は仲が悪いらしい。

こういうのはあんまり関わらない方がいいだろうと僕は傍観者を努める。

 

そのまま数十秒ほど言い合いを聞いた後ふと霊夢さんが僕に話しかける。

「あ、そういえば鞘こそなんでここに?」

どうやら言い合いの末勝利したのは霊夢さんだったようだ。

鈴仙さんは恨めしそうな眼で霊夢さんを睨んでいる。

「あぁ……ええと、実はですね………。」

僕は永遠亭に来ることになった経緯を簡単に説明した。

といってもやっぱり僕だって理解できてないから何だか変な説明になってしまった。

 

「はぁ……まぁ大方は理解したわ。多分。」

霊夢さんは額に人差し指をあて考えをまとめるように眼を閉じる。

鈴仙さんは途中から完全に首を傾げて理解が追いついてないという様子だった。

「まぁ、兎にも角にも文に聞くのが良さそうね………。」

霊夢さんは呟くと鈴仙さんに文さんの居場所を尋ねる。

「その……アンネ…さん?を看てる師匠と一緒にいるはずだから………。」

鈴仙さんはそう言うとそこまで案内すると言ってくれた。

 

 

「あら、起きたのね?それに霊夢も……。」

鈴仙さんに連れられ診療室のような部屋へたどり着く。

というよりもそこにいる女性をみる限り診療室で間違い無いだろう。

そこに座っている女性は赤と青で分かれたナース服……?を着ている。

長い銀髪を後ろで結んでいて何だか『大人の女性』ってオーラを醸し出している。

ベッドに横にされたアンネさんを注意深く観察するようにしていたところだった。

部屋の端には咲夜さんと文さんが邪魔にならないようにかちょこんと座っていた。

「おぉ、お目覚めですか。気分はどうです?」

「あ、えっと……はい。大丈夫です、迷惑かけちゃってスイマセン…。」

僕がその場の全員に伝えるつもりで言った。

「いいのよこれぐらい……気にしないで…。」

ナース服の女性が微笑む。

何だか今まで聞いてきた噂の割には普通な感じだ。

まぁ、病院が建っている場所が場所だけど……今のところは美人のお医者さんってイメージしか抱けない。

 

「そういえば貴方、なかなか面白い体をしてたわね。」

そんなことを考えているとナース服の女性に急に話しかけられる。

「え……?あ、は…はい………えっ!?」

言われたことを理解した瞬間驚きに声を上げる。

面白い体………?

ということは寝てる間に何かされたのだろうか………。

バッタ人間みたいに改造されていないだろうか……。

僕は自分の体をマジマジと観察する。

 

「人間の女の子らしい体つきだけど何だか不思議なところもあったわね。貴方名前は?」

「え?女の子?」

横で鈴仙さんが驚いたように呟く。

僕は男の子と間違えられなかったことに少し驚きつつ、

「あぁ……ええと心音鞘と言います……。刀を入れる鞘と書いてさやです。」

そう自己紹介した。

「心音鞘……ね。覚えておくわ。私は八意永林よ……宜しく。また今度詳しく体を診せてくれないかしら?」

永林さんはそう言うと妖艶な笑みを浮かべた。

なんだか背筋がグッと伸びる。

さらに冷たい汗が流れるのが分かった。

 

来るまでに聞いていた情報も何となく間違っていない気がした。

 

「そう言えば鞘は何か永林さんに聞きたいことがあったのでは?」

すると文さんが僕にそう尋ねる。

そうだ!能力のことについて、永林さん、お医者さんなら何か分かるかもしれない!と思っていたんだ。

 

あれ?でも、何で文さんがそれを知っているんだ?。

僕の記憶上そのことを文さんに話した覚えはない。

僕みたいに単純な思考をしている人間の考えていることなんて手に取るように分かる………ということだろうか?。

まぁ、今はそこはどうでもいい。

とにかく永林さんに訊いてみよう。

もしかしたら僕のその……能力…?も明らかになるのかもしれない。

 

僕は淡い期待を胸に抱きながら永林さんにその旨を伝えた。

しかし帰ってきた答えは予想とは反して、

「ごめんなさい。そういうのは分からないの……生物の魂に直接関係してくることだから……。」

こんな答えだった。

「そうですか……。」

僕はガックリと肩を落とす。

やはり結局能力に関しては分からずじまいなのだろうか……。

 

「そういうのに関してはあっちが専門なんじゃない?」

すると思わぬことに永林さんが僕の後ろを指さして言った。

 

その指の先には……

「へ?」

急に話を振られポカンとする霊夢さんがいた。

 

 

 

       続く………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!縛るか縛られるなら断然縛られる派の彩風です!

こんかいも最後まで見ていただきありがとうございます!

さてさて、今回も大分期間が開いた投稿となってしまいました………。

ですがね…、夏休みなんですよ。
楽しみたいじゃん?彼女と海にいきたいじゃん?
キャッキャウフフしたいじゃん?

ま、彼女いないんですけどね。

俺は勉強が嫌いだぁぁあああ(ry


余談始まるで。


さて、先日あの大イベントが幕を閉じましたね……。
そうですリオオリンピックです。
今回の日本はすごかったですねぇ………。
メダルラッシュでした……!!

特にあの400mリレーは震えました!
チームワークの勝利でしたね!
さらにはレスリングもすごかったですね……、ただ吉田○保里選手は残念でしたが……。
体操も彩風が個人的に好きなこともあり燃えました………!
新体操のフェアリージャパンにも萌えまし(ry

東京オリンピックも!日本選手に期待します!
頑張れニッポン!!


それでは、次回もゆっくりしていってくださいね!


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おまけ編 6
おまけ編 1話~暇な時間ほど辛い時間はない~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今回は本当に『おまけ』です。本編の展開とは殆ど関係ありません
・エアブロアーってすげぇ……
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「あれ?なにやってるんですか?文さん?」

僕はガサゴソと棚を漁る文さんに後ろから声をかける。

「あやや!ビックリしましたー。鞘、いたんですか?」

「ビックリしてないですよね………。」

棚を漁る手を止めず視線を棚から外さない文さんにため息混じりに呟く。

 

「見ての通り探し物をしてますけど………、何か用ですか?」

文さんはきょとんと僕に尋ねる。

「いや!別に特に何か用がある……ってわけでも無かったんですけど…。」

ただ単にさっきまで読んでいた本を読み終え、することもなかったので仕事場を特に目的もなく歩き回っていただけなのだ。

「えぇと……、探し物手伝いますよ?なにを探してるんです?」

僕は文さんに提案する。

しかし文さんは

「あ……いえ。別にたいしたものでもないですし大丈夫ですよ?鞘はゆっくりしててください。」

そう言うと棚を探っていた手を横に積み上げてある資料の方へと向けた。

「あ……そうですか…ごめんなさい………。」

僕は断られてシュンとしながらさっきまで本を読んでいた部屋まで、戻った。

 

 

 

「…ー………。」

「……」

「オー……や。」

「……」

「…や!きこ…てますか?」

「……」

「鞘!……起きてください!」

「ひにゃ?」

文さんにほっぺをぺちぺちと叩かれ僕は重いまぶたをどうにか開ける。

半眼に映る世界はどうにも不鮮明で脳が状況を把握するまで時間を要する。

「…あれ……?どこ…?」

思わずそんなことを呟く。

ぼやけた視界と半分寝ている頭ではそんなことすらも不確かだ。

「………なに寝ぼけてるんですか……?私の仕事場ですけど……?」

文さんは呆れたように言うと僕のおでこへと右手を向かわせる。

……そして…………。

《ペシン!》

「ふぁゃ!?」

軽い音と共に頭部に唐突な痛みを覚え、僕は言葉になっていない言葉を発する。

両手を自分のおでこへと当てて、さする。

「なな…なにするんですかぁ!?文さん!」

僕は文さんに向けて抗議の目を向ける。

「いや、目が覚めると思って……。」

文さんはそう言って可愛く笑い、照れるように後頭部を掻いた。

「うぅ………」

そんな風にされると……、どうにも責めにくい。

もしかして文さんはそこまで考慮してこんな風にしているんだろうか?

………恐ろしい娘……!

 

「それで……探し物は見つかったんですか?」

ちょっと不機嫌な僕が尋ねると、文さんは僕の隣に腰掛け、

「えぇ、見つかりましたよ。ちょっと手間取っちゃいましたが……。」

右手のペンを弄る。

手間取った……っていうことは僕は結構寝ていたのだろうか?

今更涎がついてないか不安になり確認する。

「大丈夫ですよ涎ついてないですから。」

文さんに苦笑される。

何だか見透かされたようだ……。

僕は頬が熱くなるのを感じながら右手を引っ込めた。

「ち……ちなみに…探し物って何だったんですか?」

話を変えようと僕は尋ねた。

訊かれた文さんは「あ~」と、言うのを渋るように呟くと

「秘密です。」

そう言ってクスクスと笑った。

「なんですかそれ…………。」

こう言うときの文さんに無理に追求しても答えてくれないのは分かってる。

無理に聞くのはやめておこう……。

そう思い僕は会話を溜め息で止めた。

 

 

「暇………ですね…………。」

横で頬杖をつく文さんが言う。

「………そう…ですね。」

僕は両手を膝に置いて言った。

「過去最高レベルで暇です。」

文さんは相変わらず微動だにせずに呟く。

「文さんの口から暇なんて言葉が出てくるのはちょっと意外でしたけど………。」

僕が苦笑すると文さんはムッとしたようにこちらを向く。

「んっ……?どういう意味ですか……?」

「いや……文さんって……何ですかね……ええっと……マグロ?…そう!マグロみたいにずっと動いてないと死んじゃいそうですもん。」

僕の言葉に文さんは少し機嫌を損ねたのか頬を膨らませて、

「ムッ…………鞘のくせに生意気ですね………。」

そんなことを言う。

「ど…どういう意味ですか!?」

「言葉通りの意味ですよ。」

文さんはそっぽを向いたまま言う。

普段は余り心情が読めない文さんがこんな風にムッとしているのを見るとなんだか面白い。

このまますこしからかっていたいような……。

ハッ……、もしかして僕ってちょっとSっ気があるのかm

「いや……、鞘はどう考えてもM寄りでしょう。」

急に文さんが手のひらを顔の前でひらひらさせながらそう言った。

これが僕に対する言葉だったことに気づくまで数秒を要した。

よく考えれば二人しかいないのだから僕に言ったに決まっているのだが……。

「え!?ちょっ!なんで!?」

もしかして文さんは人の心が読めるのだろうか……?

「なに言ってるんですか……鞘…全部声に出してますけど……。」

文さんの呆れる声に僕は赤面し口元に手を当てた。

 

「そ……そんなことより!なな…なにかやることはないんですか……。」

話を逸らそうと噛み噛みになりながらも急いで言う。

「う~ん……そうですね……。新聞の配達(拒否権はない)はまだいいですし、ネタを探しに行くにしてもこの時間からでは………。」

文さんの言葉に外を見やる。

空はほんのりと朱く染まり夕暮れであることを知らせていた。

「なにかしたくてもなにも………。」

文さんは机に突っ伏すように脱力する。

「そう…ですね………。」

僕は適当に返事をする。

 

 

「あれ?文さん?」

気づくと横で机に突っ伏している文さんが微動だにしていない。

「文さ~ん!」

文さんに呼びかけるが返事がない。

まぁ別にただの屍になってしまったわけじゃない……恐らく寝てしまったんだろう。

あれだけ日中活動的なら夜眠くなるのも仕方がない。

……でも…あれ?烏って夜行性じゃないのかな?

「……風邪引きますよー。」

考えても仕方がなさそうなので取り敢えず文さんに毛布を持ってくることにする。

「えっと……確かこの辺に……あぁ!あったあった。」

すっかりこの生活にもなじんできたなぁ……。

そんな風に心の中で苦笑しながら文さんに毛布をかける。

「んっ……。」

文さんは小さくそう漏らすと寝返りをうって顔をのぞかせる。

とっても幸せそうな顔だ。

「…………。」

何気なく文さんの顔をまじまじと見つめる。

真っ白で透明感のある肌……。

唐突に僕の中に文さんの肌に触れてみたいという欲望が生まれる。

(寝てるんだったら大丈夫……だよね……?)

そんな根拠のない自信の元、ゆっくりと文さんの頬へと人差し指を近づける。

妙な緊張のせいで僕の額を一筋の汗が流れる。

ゴクリ…と唾を飲み込む音が頭に響く。

 

そして……ついに………文さんの頬に僕の人差し指が……。

 

「だぁぁぁあああ!暇です!!」

 

「ひにゅぁあああああ!!???」

 

触れることはなく……、盛大に椅子とともにひっくり返った。

 

 

 

「大丈夫ですか……?すごい音……と悲鳴でしたけど…?」

「痛ってて……。だ、大丈夫です。……それより…起きてたんですね……。」

僕はあとでたんこぶが出来るであろう後頭部を抑える。

「?……えぇ……、毛布を持ってきてもらったあたりで言い出そうか迷ったんですけど…。」

「そ………そうなんですか………。」

僕は飛び出しかけた溜め息を飲み込み、代わりに作り笑いを浮かべた。

 

 

「さて……繰り返しますが……暇なんです。」

「本当に繰り返しますね……。」

文さんは本日何度目かのその単語を呟いた。

「というわけで鞘……。」

そして手を後ろにまわしてゴソゴソと何かを取り出す。

 

何だろう……猛烈にいやな予感がする……。

 

文さんが取り出したのは大きな木の直方体に丸い足が付き、1面には9×9のマス目が彫り込まれたもの。

そして5角形に漢字が彫り込まれた小さな駒の山。

まぁ……要するに、

 

「将棋でもしましょうか……。」

 

文さんがいい笑顔でそう言った。

 

 

「何故唐突に将棋なんですか………?」

「今思いついたからですが?」

あっけらかんとした文さんはもう既に盤の上に駒を並べ始めている。

どうやら拒否権は無いようだ。

僕は小さく溜め息をつく。

「ルールは分かりますよね?」

「まぁ……一応は……もし知らなかったらどうするつもりだったんですか。」

僕は将棋盤を挟んで文さんと向き合った。

そして自陣の駒を並べ始める。

「そのときはそのときです。」

「……さいですか。」

クスクスと笑う文さんに呆れながら、自陣に玉将を置いた。

 

「あの……先に言っておきますけど…僕……弱いですよ?」

将棋盤には両陣営とも全ての駒が配備されている。

均等に並んだ駒は見ていると妙に緊張してくる。

「ムッ…勝負の前に弱音を吐くとは感心しませんね……諦めたらそこで試あ…」

「あぁぁあ!!いいです!それ以上はいけない!」

唐突によくわからないことを言い出す文さんの言葉をよくわからない使命感から遮る。

「?………まぁ、ものは試しです。一度お手合わせ願いますよ。」

文さんはやる気まんまんの様子だ。

まぁ……別に断る理由もないし……。

「お手柔らかにお願いします……。」

僕は文さんに向けて一礼した。

 

『カタッ』

『………カタッ』

将棋という遊びは何故こうにもややこしいのだろうか……?

僕は足りない頭をどうにか回転させて次の手を打つ。

『カタッ』

……なんでそこに飛車を置くんだろうか…。

文さんの思考を読もうとどうにかイメージを湧かせる。

だけど深読みすればするほど余計に文さんの考えが分からなくなってくる。

「大丈夫ですか?」

「はい!?」

突然の声に裏返った返事をする。

「あ、いえ。意識があるか微妙だったので…。」

文さんは心配そうにこちらをみる。

「え、あ…はい!だだ、大丈夫です!」

『カタッ』

異様なほど焦り、適当なところに駒を置いてしまう。

「……?それならいいですけど。」

不思議そうな文さんは僕が動かした盤面を見つめる。

そして3秒ほどの熟考の末……、

「王手」

『カタッ』

そんな短い声とともに文さんの手で駒が移動させられる。

「え……。」

僕は盤面を睨む。

相手の香車が僕の玉将をとらえていた。

「えっと………。」

『カタッ』

金将を使い玉将を守る。

しかし、間髪入れずに

「王手」

『カタッ』

文さんの右手が動く。

 

「………。」

もう逃げられるところはない。

僕は真っ直ぐ文さんの目を見て、

「参りました……。」

深々と頭を下げた。

 

 

  

 

      続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!スカートはロング派の彩風です。
ミニももちろん好きです。

さて!今回も最後まで見ていただきありがとうございます!

夏休みぼけを引きずっていきますよー!
いやぁ、楽しかったあのころに戻りたい………。
何故もっと勉強しなかったのだろうか……。
クーラーの利いた部屋でアイス食べながらポータブルゲーム機片手にネットしてた自分を呪いたい。

ま、そんなことはおいといてお待ちかねの余談です。
戻るボタンにカーソルを合わせたそこのあなた!
試しに覗くだけでも!

さてさて……この時期と言えばやはりあの行事が思い浮かびますよね………。
運動会!
小学校に行けば幼女の体操服姿が見放題撮り放だ……。

っとと…失礼しました。

まぁ、とにかく運動会があったわけなのですが……。
そこで気づいてしまったのです。
最近は全くと言っていいほど運動していなかった彩風は……。
急に運動すると……。

腰が悲鳴を上げる……。

お前いくつだよ。
って話なんですが、割とガチでやばいです。
かがんだ瞬間『バキッ』とかいう音と共に動かなくなったりしました。
病院行かなきゃな……。

そんな考えが過ぎりつつも億劫でいけてない彩風なのです。


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていってくださいね!


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おまけ編 2話~暇な時間ほど幸せな時間もない~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今回は本当に『おまけ』です。本編の展開とは殆ど関係ありません
・家がドードーに占拠されています。助けてください
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「いやぁ…………予想通り弱いですね……。」

「だから言ったじゃないですか…。弱いですよ?って……。」

討ち取った僕の玉将を弄びながら文さんはつまらなそうに言う。

「もう一局します?」

「………お願いします……。」

文さんの誘いに乗って僕は一礼した。

 

「「お願いします」」

向き合ってそう言うと、僕は自分の歩兵を一歩前へと歩ませる。

文さんも反対側の同じ位置にいる駒を同じように動かした。

 

 

「そういえば鞘……記憶は少しでも戻ったりしていないんですか?」

手を打つと同時に文さんに尋ねられる。

「え?あぁ………はい…特には………。」

《カタッ》

人は何かに集中し出すと必然的に黙ってしまうものだ。

まぁ…そもそも将棋というものは当然ながらもともと喋りながら行うものではないのだけど……。

僕はこの手の沈黙がどうにも苦手だ。

だから話しかけてもらえるのはちょっとありがたかったりする。

「そうですか………。何か…記憶を取り戻す手掛かりになるようなものも……?」

《カタッ》

文さんは僕の銀将を討ち取り自分の手元へと持って行く。

「手掛かり……ですか……?」

僕は手を止めて考えてみる。

特に心当たりはない……。

「スイマセン……。多分ないです……。」

《カタッ》

僕は歩兵を進める。

「ま、そんな簡単にいったら苦労しませんよね……。」

《カタッ》

文さんはため息を漏らし、ほぼ間髪入れずに駒を動かす。

手を読まれていたのだろうか……?

僕は長考に入る。

ええと……あそこに角がいるから、金は動かせなくて……。

香車を取ると……、あぁ龍がいるから駄目か………。

じゃぁ…手元の歩を囮にして………。

《カタッ》

そんな深読みの末、僕は手持ちの歩を盤上に繰り出す。

 

「王手」

《カタッ》

すると文さんは僕の深読みを知ってか知らずか何の躊躇いもなく宣言した。

「え!?……お……王手って……。」

僕は身を乗り出して盤上を睨む。

しっかりと地味に桂馬が僕の玉将をロックオンしていた。

「ムッ…………。」

僕は玉将の逃げ道を探す。

……………。

……………。

駄目だ……玉将は完全に包囲されている。

「………参り…ました………。」

僕は呻くように言って頭を下げた。

 

 

「はい…。まぁ……そんなとこだろうと思ってましたけど…。」

文さんは苦笑しつつそう言う。

「うぅ……。」

「これじゃ暇つぶしにすらなりませんね……。」

「いくら鞘だとはいってもここまで弱いとは……。」

「あの…?文さんさっきからかなりグサグサと鋭利な何かが刺さったような感覚に陥るんですが?」

「いくら鞘とはいっても……。」

無意識だろうか?故意だろうか?

どちらにしても質が悪いのには変わりないけど……。

 

「も……!もう一局……。お願いします………。」

「……いいですけど……?結果は変わらないと思いますよ?」

「…………。」

相変わらずあっけらかんとして文さんは言う。

確かに……このままやったところで僕の勝ちなんて全く見えてこない。

……でも、このまま諦めてしまうというのも悔しい。

 

「う~ん……じゃぁ…ハンデつけましょうか……?」

すると文さんはそう提案した。

「……ハンデ………ですか…………。」

僕は考える…。

もしハンデをもらった上で勝てたとしてもそれで素直に喜ぶことが出来るだろうか………?

さすがにそこまでひねくれているつもりはない。

 

だが、昔の偉い人はこう言ったらしい。

『勝てば良かろうなn……。』

 

「よろしくお願いします………。」

僕は惨めに頭を下げた。

 

 

「まぁ……ハンデと一口に言っても色々ありますし……。どうしますかね……。」

結局ハンデをつけてもらい、戦うことになった。

文さんがハンデの内容を考え、う~んと唸る。

「将棋のハンデって……具体的にはどんなのがあるんですか?」

僕が疑問を口にする。

「ん~…まぁポピュラーなところで言えば駒落ちでしょうか?」

「コマオチ?」

僕がお決まりの聞き返しを行う。

「えぇと…、言葉通り片方の陣営の駒を減らすってことです。」

駒を減らす………。

そんなことして勝負になるのだろうか?

よく知らないから何ともいえないんだけど…………。

「う~ん…まぁ駒落ちでもいいんですが……、何かもっとおもしろい……。」

文さんは尚も悩む。

どうやらハンデの採用基準は面白い面白くないであるらしい。

そして……数秒の思考の後…。

「そうです!目隠し将棋なんてどうでしょう!」

「目隠し将棋……?」

またまたお決まりの復唱……。

名前からして何となく何をするか分かるけど……。

「目隠しって………そんなこと出来るんですか?」

僕は半信半疑で文さんに問う。

とても目隠しした状態で将棋を打つことが出来るとは思えない。

「出来るんじゃないですか…多分……。」

文さんは見るからに適当に答えた。

「多分って……そんな適当な……。」

僕は呆れつつも内心、文さんが目隠しをするなら僕にも勝機があるのでは……?とほくそ笑んだ。

何度も言うけど…勝てば良かろうな…

「とにかく!ものは試しです!やってみましょう!」

僕の脳内の呟きを遮って文さんが言う。

「はぁ……。」

 

そうして僕と文さんは目隠し将棋を行うことになった。

 

 

「目隠し出来そうなものは……あ、これでいいですかね。」

文さんはタンスの中を漁り、細長いタオルを取り出す。

今更ながら本当に目隠しをした状態で将棋をするんだろうか………。

そんな状態が想像できない。

駒を動かすのは僕が文さんに聞いて盤上で動かせばいいけど……。

要するに文さんは盤面を見ないわけだから…。

何だか今更ながらとんでもないことをしようとしている気がしてきた。

本当に大丈夫なんだろうか……?

「おーい…?鞘…?えっと…後ろで縛ってもらっても……?」

文さんがタオルをこちらに差し出してあどけなく尋ねる。

「え?……あ、は!はい!分かりました。」

僕は了承すると、文さんの後ろに回り込んだ。

髪からフワッとした良い香りが漂う。

文さんの髪って柔らかそうだよなぁ………。

綺麗だし………。

唐突に触れてみたいという衝動にかられるがグッとこらえる。

「あの……?まだですか?」

文さんが手を膝の上に乗せた良い姿勢で尋ねてくる。

「ああぁああ!ごめんなさいごめんなさい!い、今すぐやります!!」

「……?」

焦りを全く隠せずに言う僕に、文さんは不審そうな目線を向ける。

それに気づかない振りをして僕は文さんの目をそっとタオルで覆った。

「……優しく…してくださいね……?」

妙に艶っぽい口調に内心ドキッとしつつも、それを面に出さないように努めて、

「あぁ……はい。分かりました分かりました。」

無愛想を装い、答える。

「んな………。適当に答えるのはどうなんですか……。」

そんな僕に不満そうに文さんが口をとがらせる。

「はいはい!結びますよー……。」

強引に話を終わらせると僕は文さんの頭の後ろで結び目を作る。

痛くないようにそっと…優しくだ。

「おぉ…見事に何も見えませんね。」

文さんはのんきにそう呟く。

「そりゃぁ……、そのための目隠しなんですから……って!ちょっt………!」

フラフラとする文さんはバランスを崩し僕の方に倒れてくる。

突然のことにうまく反応できず、文さんにのし掛かられる体制になる。

この体制は色々とまずい。

何がまずいっていうと………その………。

とにかくまずい。

「あーすいません。まえがみえなくてばらんすをくずしてしまいましたー。」

「絶対見えてますよね!!??」

僕はそう叫ぶとなんとか文さんを退ける。

 

「いやはや失礼しました……。射命丸文、一生の不覚です。」

「絶っ対思ってないでしょ……。」

僕は頬を膨らませながら盤上に駒を並べる。

「いえいえ、心の底から反省していますよ……?コウカイハシテマセンケド。」

「おっかしいなぁ…。最後のほう変な言葉が聞こえたなぁ…!?」

そんな調子で準備を終え、それを文さんに伝える。

試合の進め方だけど文さんは口頭で自分の駒の移動を伝え、僕がそれに従って実際に盤上で動かす。

僕の駒の移動も口頭で文さんに伝えるという感じだそうだ。

 

「「お願いします。」」

 

その一言で急に周りの雰囲気が変わる。

ピンッと張りつめた空気に肌がピリピリとする……気がする…………。

 

「えぇと………3四歩で…。」

《カタッ》

僕が駒の移動を伝えるとともに自陣の駒を動かす。

「7六歩で…。」

文さんは目隠しした状態ににっこりと言う。

「えぇと……7六歩だと…………。あ、はい……。」

《カタッ》

 

こんな調子で試合を進める。

 

…………

 

「手元の歩を………7五歩で………。」

「そこ二歩(将棋における禁じ手)になりません?」

「え?……あ!本当だ……。」

僕は置きかけていた駒を手元に引っ込める。

正式な試合ならこの時点でもう反則負けなんだろうけど…。まぁ、あくまで暇つぶしだからそこらへんは緩い。

「よく目隠しした状態でそんなこと分かりましたね……。」

「まぁ、頭の中に将棋盤がありますから……。」

僕が言うとよく分からない答えが返ってきた。

でも何にせよ目隠しして盤上が見えてない状態で相手の反則を指摘するなんて常人の出来ることではないだろう。

僕は素直に感心する。

「じゃぁ……えぇと…、3七銀で……。」

《カタッ》

「う~ん……3七角成で……王手です。」

「え!?」

前の二回と同じように文さんが王手と告げたのを聞いて盤上を睨む。

確かに王手だ。

《カタッ》

文さんの駒を動かし…逃げ道を探す。

 

……が、やはり完全に包囲されており此処から王を守り抜くのは無理そうだ。

「うー………。」

僕は数秒ほど唸ると、

「参りました…………。」

蚊の鳴くような声でそう呟き、文さんには見えていないと分かった上で頭を下げた。

 

「お疲れさまです。」

文さんは自分で目隠しを外し、いい笑顔でそういう。

「うぅ………。まさか目隠ししてる人相手に負けるとは………。」

「ふふふ……そんなに舐めないでくださいよ……。」

文さんはチッチッチと人差し指を横に振った。

別に文さんを舐めているわけではないが、さすがに目隠しした人に負けるというのは悔しい。

もしかしたら勝てるかもしれない……。とか思っていた自分が恥ずかしく思えてくる。

 

「あや?もう夜遅いですね……。」

文さんは外を見るとそう言った。

僕も一緒に窓から身を乗り出す。

確かに漆黒に染まった夜空には所々爛々と星が輝いていた。

「良い暇つぶしになりました。ありがとうございます。今日は遅いですし、明日に備えて寝ましょうか……?」

「え?は!はい……そうですね。」

夜であるとわかった途端に睡魔が襲いかかってきた。

今日はグッスリ寝られそうだ………。

「今度またお手合わせお願いします。」

「……はい!…喜んで。」

僕はそう答えて微笑む。

 

そうして、その日は清々しい負けっぷりに逆にすっきりと寝ることが出来た。

 

 

 

    続く……。

 

 

 

小さなおまけ~烏は夜は活発ではない~

 

 

心音鞘が寝息を立て始めた頃、射命丸文はスッと起きあがった。

隣にいる鞘を起こさないようにゆっくりと部屋を移動する。

 

資料で散らかった自分の机へと座り、一度体を大きくのばす。

「ふぅ~~~。」

目を瞑り、ゆっくりと息を吐くとすぐに作業に取りかかった。

 

「さてさて、遊んでいる暇なんて無かったんですけどね……。ま…、結果オーライってことにしておきましょう。」

 

文はクスッと一人で苦笑する。

 

そうして、山のような資料から器用に一冊のノートを取り出した。

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!
実はメガネ属性持ちの彩風です。

さてさて、おまけ編を終え、次はやっとこさ永遠停です。
もう先が見えないです。お先が真っ暗です。

まぁ、マイナス発言は控えつつやっていきましょう!

さてさて、今回のおまけ……なぜ唐突に将棋?と思った方もいるでしょう。
………。
………。
何でだろう?

いやぁ、何となく思いつきで何となくやっちゃいました。
昔から将棋はしてるんですが…さほど強くもなければ、すごい好きなわけでもありません。
たまに友人とジュース賭けて一局やるぐらいです。

まぁ…おまけ編なので自由に適当に作りました。
べつにネタ切れとかではないです。本当です。

それでは!次回もゆっくりしていってくださいね!


あれ?何か忘れてるような…………?

まぁいっか。(ネタをください)


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異変の取材 2
7章 1話~挑戦は大事~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・地面になって文に踏みつけられたい
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「あやや………もう手掛かりがなくなってしまいましたね……。」

「ふりだしに戻った………、ってことよね……。」

咲夜さんや文さんが嘆く。

 

雰囲気が重く居心地が悪い。

 

すると僕は重大なことを文さん達に伝えていなかったことに気づく。

「あ!」

 

僕が上げた声に、その場の全員が一斉にこちらを向いた。

 

 

 

 

 

急に話を振られた霊夢さんは間の抜けた声を上げる。

 

「能力は魂に直接結びついているもの………となれば貴女の方が専門でしょう?博霊の巫女さん。」

 

永林さんが微笑む。

「いや……、まぁ確かにそうだけど、そんなもん普通自覚してるもんだし、人の能力を調べるなんてやったこと無いわよ?」

霊夢さんは心底面倒臭そうに頭を掻く。

「出来ないんですか………?」

僕はおそるおそる尋ねる。

 

「………。」

 

霊夢さんは一瞬怯んだように顔をしかめる。

そして数秒ほど黙り込み、悩んだ末…ため息を一つつくと。

「………分かった。やるだけやってみるわよ…。」

「本当ですか!!」

僕は喜びをそのまま表情に映しだして叫んだ。

「ただし、期待しないでよ……?出来るなんて保証ないんだから。」

霊夢さんは目を輝かせる僕を鬱陶しそうに手で制し、念を押す。

「あ、ご……ごめんなさい!」

僕はどうにか興奮を抑える。

しかし、ずっと気になっていた自分の能力を知ることが出来ると考えると、なかなか速まる鼓動を抑えることが出来ない。

 

「じゃぁ……、何か適当な1部屋借りるわよ?いいでしょ?」

 

霊夢さんは、調子が狂うといったように表情を濁らせる。

「えぇ……使ってない病室があるからそこを使うといいわ。鈴仙……案内して上げなさい。くれぐれも散らかさないようにね。」

永林さんは妖艶に笑うとそう告げた。

そして、再びアンネさんを看始める。

「え?は!はい!師匠!」

指名を受けた鈴仙さんは急いで返事をして、僕と霊夢さんを連れて空き部屋へと向かった。

 

 

 

「あ……あの…こんな風にするものなんですか……?」

僕は手を後ろに回して縛られ、体のあちこちにお札を貼られた状態で尋ねる。

部屋全体はまさに《儀式》といったように薄暗い灯りに照らされ、壁の所々にも僕の体と同じようにお札が貼ってある。

「言ったでしょ?こんなことしたことないって………。だから手探りでやってくしかないのよ。少しぐらいは我慢しなさい。」

そういう霊夢さんは腕捲りをして、ハチマキを巻いている。

我慢………とはいっても、この禍々しい状況で身動きがとれないのは精神的にきつい部分がある。

気が狂いそう………とまではいわないけど何か変な感覚に陥りそうだ。

でも……乗り切れば自分の能力を知ることが出来るのかもしれないんだ。

僕はそれだけを自分に言い聞かせる。

「分かりました……がんばります!」

僕は意気込んで霊夢さんにそう伝えた。

残念ながら縛られているせいで手と一緒に決意を表現することは叶わない。

「そう?まぁ、もう少し待って。」

霊夢さんはどこか不審なものを見るような目で僕を一瞥すると、壁にお札を追加した。

 

「よし………じゃぁ…始めるわよ……力抜いて。」

霊夢さんは僕の後ろに回りそう言った。

一気に緊張感が高まる。

ふぅ……。

心の中で落ち着くように深呼吸をする。

 

「……………。」

 

そのまま沈黙が流れる。

後ろに霊夢さんの気配を感じる。

 

「鞘…………。」

「はい!?」

 

霊夢さんの声に咄嗟に声を上げる。

「緊張してる……?」

「しし……しし!してないです!よ……?」

僕は精一杯緊張などしていないことを伝える。

 

「…………鞘……、昨日何食べたか覚えてる?」

「え?昨日……ですか?……ええと……」

 

「せいっ……。」

 

僕がどうにか記憶を手繰っていると背中に強い衝撃を感じた。

それとともに僕の中の何か……《核》のようなものが弾き出される感覚に陥る。

痛みに声をあげたが上手く音にならなかった。

そして、僕の視界はゆっくりと……暗転……。

 

 

 

ふわふわとした感覚のなか途切れ気味に声が聞こえる……。

「まっ…く………単じゅ…ね……。でもあ…こと…あるし……調べ…いと………。」

霊夢さんの声だろうか……?

慎重な声だ………。

だんだんと聞こえる声が鮮明になってくる。

「あのデタラメな力……。人間の女の子の筈よね…。能力に何か関係するのだとは思うけれど………。」

デタラメな力………?誰のことを言ってるんだろう?

うまく思考を働かせることが出来ない。

「とにかく………やってみる……か…………。」

霊夢さんは再び慎重に呟く……。

僕は再び強い痛みを感じる……。

それから意識がなくなるまで…約0.5秒……。

 

 

「んぅ………?」

不鮮明な世界が段々と開けていく……。

何だか気を失ったり起きたりしているせいでこの感覚も慣れたものだ………。

 

「あら……起きたの?」

 

儀式……を執り行ったはずの部屋はすっかり元通りになっており、あの不気味な雰囲気は影も形もなくなっていた。

椅子に座ったまま寝ていたようで、首が少し痛む。

しかしそんなことは気にせずに霊夢さんに尋ねる。

「そ!それで!!結果は!!………結果はどうだったんですか!?」

霊夢さんはむしゃぶりついてくる僕に困り顔を作る。

「ちょ……一旦…離れて………。」

「え?………あぁ!ごめんなさい!」

僕は自分がしていたことに気づき、赤面して霊夢さんから離れる。

僕が距離を置くと少し安心したように霊夢さんはふぅ…と溜め息をつく。

 

「ええと……それで…肝心の結果だけど………。」

そして…霊夢さんは僕の能力名を口にした。

 

 

 

 

 

 

「あら、終わったの?」

戻ってきた僕達に、入り口のそばに立っていた咲夜さんが尋ねた。

「はい!」

「えぇ…。」

僕と霊夢さんは異なるテンションでおなじ答えを咲夜さんに告げる。

「それで…結果はどうだったんですか……?」

文さんは興味津々といった様子で僕達の方に振り返る。

「あ、それは……。」

「それはですね!!」

僕は説明しようとした霊夢さんを割って入る。

 

「僕の能力は…………。」

 

僕はたっぷりと間をおいて……そして………。

 

「ずばり!!覆す程度の能力………だ、そうです。」

 

ですよね?と、確認の意味を込めて霊夢さんを見やる。

「えぇ………恐らくは…ね。」

霊夢さんは『恐らく』という語を妙に強調していった。

 

「覆す程度の能力………ですか……。名前だけじゃ具体的なことは分かりかねますね………。」

 

文さんはどうにもパッとしない様子だ。

いや……文さんだけじゃない。その場の全員が何だか微妙な表情をしている。

………確かに能力名を聞いただけじゃよく分からない……。

自分にも能力があったことで舞い上がり過ぎて、肝心の能力の内容について聞いていなかった。

覆す程度の能力……。

頭の中で復唱してみるが、やはり具体的なイメージが湧いてこない………。

こうなればこの能力を導き出してくれた張本人に尋ねるのが一番早いだろう。

「えぇと………どんな能力なんですか……?霊夢さん。」

僕は後ろを振り向き張本人に尋ねた。

 

「さぁ?」

 

しかし、返ってきた2文字の返答に言葉を失う。

「え?……さ、さぁ?……ってどういうことです?」

僕はまさかとは思いながらも一応訊いておく。

そんな、まさか…能力を調べてくれた霊夢さん自身がその内容を知らないなんてそんなことあるはずもな…。

「分からないって意味よ。」

現実逃避に励んでいた僕に霊夢さんの無慈悲な声が刺さる。

 

………ですよね。

 

「大丈夫です鞘、生きてればいいことあります。」

文さんの慰める気などさらさらないような雑な慰めがむしろ胸に痛い。

 

「私はあんたの魂を一度浮かび上がらせたの……まぁ軽い幽体離脱みたいなもんね。そんで、その浮かび上がらせた魂から直接能力について調べたの。だから内容については全く解らないのよ。」

 

だから。という接続詞を使われても僕には全く持って理解できないのだが………。

 

「まぁ、そのうち自分の能力ぐらいなら扱えるようになるでしょ………。これで能力があることは分かったんだし……。」

 

霊夢さんは落ち込む僕を見かねたのか慰めるように言う。

「そうですよね……訓練してればいつかきっと……!」

僕は一縷の希望を胸に自分に言い聞かせるようにしていった。

「訓練って……何を訓練するの?」

咲夜さんがもっともな疑問を口にするが聞こえないフリをする。

考えたら負けだと思うんです。

 

僕は嬉しいやら悲しいやらの複雑な気分でふぅと溜め息を吐いた。

 

 

「そういえば、アンネさんはどうだったんですか?」

僕は自分のことでいっぱいいっぱいになっていたことに気づく。

永遠亭へと来た本来の理由はアンネさんのことについて聞くためだったんだった。

「う~ん……恐らく失神しているだけだとは思うけど……。」

永林さんはアンネさんの首元に手を当てている。

そしてその手を自分の口元へともっていった。

「それにしてはおかしなところも多いわね……生気が全く感じられないし………。」

そして永林さんは訝しげにアンネさんを見つめる。

 

「先ほども言ったように130年程前にも同じ様な事例があり…そのときには一種の病として処理されたらしいのですが……それについては何も知りませんか?」

「聞いたこともないわね………もし実際にあったとしたらあなたが嗅ぎつけてるんじゃない?」

「…………それもそうですね……。」

僕は目の前で行われる会話をただただ聞いている。

なぜ130年前にあった事柄を文さんが嗅ぎつけられるんだろう………?

 

「たしか吸血鬼の言語で書かれた文献だったんでしょ?それだったら吸血鬼に聞くのが一番手っ取り早いんじゃない…?」

 

永林さんの言葉に僕や文さん、咲夜さんは黙り込む。

「えぇと………やはり貴女はそれに対して知っていることはないんですよね………?」

文さんは永林さんの意見に触れずに尋ねる………。

「えぇ………まぁ…そういうことになるわね。」

永林さんは少し申し訳なさそうに答える。

 

その後、誰もしゃべらなくなる。

 

数十秒後。

 

「戻りますか………紅魔館………。」

「そうね。」

 

ここに来た意味はなんだったのかと言わんばかりに溜め息混じりで文さんと咲夜さんが言った。

 

僕は収穫があったから二人のように無駄な移動だったっていう気持ちはないけど………。

なんだかよろしくない空気のまま僕達は永遠亭を後にすることが決まった…………。

 

 

 

    続く……。

 

 

 

 

小さなおまけ~博霊の巫女は博霊の巫女~

 

 

「ふぅ………。」

慣れない一仕事を終えた博霊霊夢は力を抜くようにして息を吐いた。

ハチマキを外し、必要なくなった御札を雑に引き剥がしていく。

「何事もやってみるもんね…………。ただ…長時間結界張り続けんのはきついわ………。」

呟きながら凝った自身の首を強く揉む。

そして大きく伸びをしたあと、目の前に寝ている心音鞘の周りの御札を剥がしにかかった。

正確には寝ているのではなく、一時的に魂とのつながりを甘くさせられたことによるショックで気を失っているだけなのだが……、まぁすぐに起きるだろう。多分。

「それにしても………。」

霊夢は鞘を正面から見据えて呟く。

 

『覆す程度の能力』………ねぇ。

 

机の上に積もった書類を押し退けるように、散らかった脳内に空きを作り、考えを巡らせる。

覆す………前の魔理沙との戦いのアレは……試合展開を《覆した》?

じゃぁ、どこまでを操ることが出来るの?

どちらにしてもあの力を放っとくのは危ないわね………。

何か手を打たないと……。

 

 

 

考えに耽る霊夢を見て彼女は微かに嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!白スクか紺スクなら白スク派の彩風です!

っていうかどっちも好きです。

さてさて!今回も僕と天狗の取材録!後書きまで見ていただきありがとうございますです!
いやぁ……7章突入………夢のようですね……。
相変わらず人気はないですが!がんばってやっていきます!


さ~て、余談だ余談だ!
ウィンドウはそのままで!


さて、昨日……重大ニュースがtwit○erで飛び交った………。
そう………ついに決まったのだ……。


ごちうさ劇場版がやってくるぞぉぉぉぉおおお!!!。


おっと失礼……、取り乱してしまいました。
しかしです!スクリーンでシャロちゃん麻耶ちゃんチノちゃん達を見ることができるんですよ!!
これはブヒブヒ待った無しですブヒ!

彩風はもうこころがぴょんぴょんしすぎて、自然にスキップで通学するほどでした。
多くの難民が救われましたね。

劇場版と言えば……もう一つ……。
ものすごく話題になりました『君の名は』……。
彩風は映画公開の少し前に小説版も見ていまして、劇場でも見させていただきました。
劇場でみた後は新海誠さんの作品で『言の葉の庭』もまた見たくなって読み返してたなぁ!

そして、『君の名は』の主題歌、挿入歌を歌うRADWI○PSさん!
このグループが昔からの大ファンでして!本当にうれしかったです!
良い曲がいっぱいあるので是非聞きにいってみてくださいね!


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていってくださいね!









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7章 2話~無事帰還いたしました~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・二次元にトリップした夢を見たんだ……
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「「はぁ…………」」

 

溜め息と共に俯く二人。

どちらもげんなりした様子だ。

「あ………あの……。」

「何…?」

「何ですか…?」

「あ!………えぇっと……いえ…何でも。」

二人の機嫌悪そうな声に怖じ気付いて言葉をかけられずに飲み込む。

僕が話すのを躊躇ったのを見て、二人とも元の方向に向き直り…

「「はぁ…………」」

また大きく溜め息を吐いた。

 

「はるばる来てもらったのに悪いわね………。」

永林さんは申し訳なさそうに言う。

「いえ………大丈夫ですよ。」

文さんは力のない笑顔を作った。

「取り敢えず何か分かるかもしれないから患者は預かるわよ……?」

「えぇ……お願いします。」

咲夜さんも力のない声で言った。

 

「えっと………駄目でした……ね…?」

僕は恐る恐る文さんに話しかける。

「そうですね………何か収穫はあると思っていたんですが……。」

文さんは溜め息と共に肩を落とした。

 

「まぁ!駄目だったものは仕方ありません……!気を取り直して紅魔館に向かいましょう!」

しかしすぐに声色をグンッと変えてその場を元気づけるように文さんが言った。

「そうね……、お嬢様も心配だし……急いで向かいましょう。」

咲夜さんも眼に少し光が帯びる。

「あぁ…お嬢様……今頃私が恋しくて仕方がないことでしょう………。」

そして、そのまま自分の世界へと入っていく。

「確実に逆ですよね?」

文さんが呆れて言うが咲夜さんの耳には届いていない様子だった。

「そうと決まればこんなことしていられないわ!」

咲夜さんは何かに縛られるように病室を出る。

「何というか………大変ね……。」

「そうですね……。」

文さん達が哀れみの視線を送る。

しかしもう部屋を出た咲夜さんにそれが届くことはない。

知らぬが仏……ってやつだろうか?

 

「それじゃぁ………失礼しますね。」

「えぇ………気をつけてね。」

そして、僕達も席を立つ。

「はい…ありがとうございます。」

永林さんの言葉にお礼を言いながら僕達は部屋を出ようと襖に手をかけた。

しかし……。

 

「ちょっと、文……。」

霊夢さんに呼び止められる。

「?……はい?何ですか……?」

文さんは不思議そうに首を傾げながら振り向く。

「今回のこれ……何か分かったらすぐに私に知らせなさい……。なんだか嫌な予感がする………。」

そう言う霊夢さんの声はどことなく不安げだ。

文さんも珍しく神妙な面持ちで話を聞いている。

「基本的には神社にいると思うから……、いい?絶対に知らせに来なさいよ?」

霊夢さんは念を押すように言って、文さんの前に人差し指を突き出す。

急なことに怯んだのか、文さんは少し後ろに仰け反った。

「……?分かりました。………分かりましたけど……着いてくれば良いだけじゃないですか?どうせ暇でしょう?」

「なっ、私だってやることぐらいあるわよ失礼ね……。」

僕は前に博霊神社に行った時のことを思い出す。

お賽銭箱の奥で寝ていた気がする………………。

「とにかく、私は着いて行けないのよ……だから…何か分かったらすぐ報告……良いわね…?」

霊夢さんは一方的かつ強引に話を終わらせた。

「はぁ………。まぁ、分かりましたけど………。」

文さんは腑に落ちない様子で霊夢さんを見る。

一方霊夢さんは満足げに頷く。

 

「何してるのよ……?早く行くわよ!」

 

部屋の外から咲夜さんの急かす声が聞こえてくる。

「……。それでは、行きましょうか……。」

「………そうですね……。」

文さんの怪訝そうな視線を受け流しながら霊夢さんは椅子に腰掛けた。

「気をつけてね…、報告忘れないように!」

霊夢さんはこれでもかと念を押してくる。

「分かりましたって……。じゃぁ、失礼します。」

そんな霊夢さんに苦笑いしつつ、文さんは永林さん達に一礼する。

「えぇ……患者の方は任せなさい。必ず何か見つけてみせるわ。」

永林さんは頼もしい笑みを浮かべた。

その笑みには本当に何か見つけてくれると思わせる不思議な力があった。

 

こうして、僕達は永遠亭を後にすることとなった。

 

 

 

「いやぁ………戻ってきましたね……疲れました……。」

横で文さんが額の汗を拭う動作をする。

「何言ってるんですか……。まだ出発してから3分経ってないですよ………。」

そんな文さんを見て呆れながら呟く。

僕が言ったように永遠亭を出てからまだ3分も経っていない。

「ちっちっち。分かっていませんね鞘。鞘が突っ込みさえしなければ今頃、紅魔館の前でしたよ。」

「………?何言ってるんですか?」

ドヤ顔で意味の分からないことを言う文さんに首を傾げつつ先を急いだ。

 

 

「いやぁ………戻ってきましたね……疲れました……。」

横で文さんが全くかいていない額の汗を拭う。

「そうですね……はぁ、疲れました。」

僕は息を切らしながら少し遠くの紅魔館を見つめる。

永遠亭を出て、ながいながい物語があって、やっと紅魔館へと戻ってきたのだ。

「ほら、言ったでしょう?突っ込みさえしなければすぐに着くって。」

「………?何言ってるんですか?……大変な道のりだったじゃないですか……。」

ドヤ顔でよく分からないことを言う文さんに首を傾げつつ紅魔館の門へと進む。

 

そして、まぁ……紅魔館の門といえば…あの人がいるわけで……。

 

「寝てますね………。」

「………寝てますね。」

幸せそうに寝息をたてる美鈴さんを見つめる。

すると、横から殺気のようなものを感じる。

「…………。」

咲夜さんがにっこりと笑いながら美鈴さんの前に立っていた。

「…………。」

何も良わずに、さらには表情を一つも動かさずに美鈴さんの方を見続ける。

「あの………咲夜さん?……どうしたんですか……?」

僕は恐る恐る咲夜さんに尋ねる。

「……………………。」

しかし、咲夜さんの表情が変わることはなく、相変わらず良い笑顔のままだ。

対する美鈴さんも目の前で喋っているというのにまったく起きる様子はなく、相変わらず幸せそうな顔で眠っている。

「職務怠慢ですね。」

文さんは苦笑しながら呟いた。

 

すると、ここでさっきまで微動だにしていなかった咲夜さんが動いた。

スッと美鈴さんのおでこに指を向ける。

そして………。

『スパァーンッ』

幻想郷の空にキレの良い音を響かせた。

「うわっ………。痛そう………。」

思わず顔をしかめる。

「ひゃぁっ!?」

さすがに美鈴さんも痛みからなのか声をあげる。

「…………何してるのかしら……?美鈴?」

静かに清楚に、しかし凄みの聞いた声で咲夜さんが美鈴さんに尋ねる。

とんでもない迫力に、思わず震えあがった。

しかし美鈴さんはさっき声をあげた後から一言も喋らない。

それがかんに障ったのか咲夜さんはこめかみをピクッと震わせる。

「何とか言いなさい………?」

上げた口角を元に戻すことなくもう一度咲夜さんは美鈴さんに尋ねる。

「…………。」

しかし、やはり美鈴さんは何も言うことはない。

いや……これはもしかして……………。

「もしかして……?寝てます。」

美鈴さんの顔を見ながら呟いた。

帽子で表情が半分隠れていたが、よく見たら完全に眠ってしまっているようだった。

さっき声をあげていたというのに……もう寝ているとは………。

僕は少しだけ感心した。

「いやぁ……さすがと言うかなんと言うか…………。」

文さんもどう表情を作れば分からないのか呆れているような、苦笑しているような顔をしている。

「……………。」

咲夜さんはだまったまま美鈴さんのほっぺを軽くつねった。

「痛たたた…………。起きてますよ~。起きてます。……………スヤァ。」

美鈴さんは寝ながら必死に起きていることをアピールした。

もしかして、夢の中でも咲夜さんに怒られているんじゃないだろうか…………。

咲夜さんに手を離された美鈴さんは、また何やら寝言を呟きながら寝返りをうった。

 

「それじゃぁ、お嬢様のところにいきましょうか……きっと待っておいでだから………。」

咲夜さんの一言と共に僕達は門をくぐった。

ロープでぐるぐる巻きにされて拘束された美鈴さんを後目に………。

もちろん、このあと美鈴さんがどんな仕打ちを受けるかは僕には知りようがなかった。

 

 

「あら………?随分と早いお帰りなのね…。」

レミリアさんが紅茶を片手に意外そうに言った。

ベランダで優雅にティータイムを楽しむ様子を見るかぎり咲夜さんの言っていたように寂しがっている風には見えない。

「えぇ、予想以上に収穫が少なかったもので………。」

言葉とは裏腹に咲夜さんの声はうれしそうだ。

「へぇ…………なるほどね…………。それで……その少ない収穫というのは?」

レミリアさんは紅茶を口に運ぶ。

空になったカップを見て咲夜さんはすかさず紅茶のおかわりを注いだ。

「あぁ……えぇと、実はかくかくしかじかでして………。」

文さんはレミリアさんに簡単に永遠亭でのことを話した。

 

「…………。なるほどね………。」

レミリアさんは話を聞き終わると、短くそう呟いた。

「まぁ、収穫と言うよりは振り出しに戻っただけ。と言った方が正確ですが……。」

文さんは苦笑を浮かべながら言う。

確かに文さんの言うとおり結果的には振り出しに戻ってきただけなのだ。

「で、でも!可能性が一つ潰れたわけですし………。全く無駄だったってわけでも………。」

僕は自分の中の暗い考えを振り払う意味も含めて口に出す。

「……そうですね………!手掛かりが完全に途絶えてしまった訳でもありませんし。」

僕の言葉に文さんがそう言った。

そうだった。紅魔館に戻ってきた理由。

レミリアさんにあの資料について尋ねるためだった。

「………?」

視線を向けられているのを感じたのかレミリアさんが首を傾げる。

「えぇと、レミリアさん?………少々聞きたいことがありまして………。」

文さんはメモ帳を構えると、事情聴取のようにレミリアさんに話を聞き始めた……。

 

 

「………つまり、何も知らないと………そう言うことですか……?」

「まぁ……そうなるわね……。」

事情聴取の末、手に入れた情報は手掛かりが本当に全てなくなることを意味していた。

「…………はぁ……、とりあえず整理させてください。」

溜め息混じりに文さんはメモ帳に視線を落とす。

そして、レミリアさんの供述を整理し始めた。

 

 

 

       続く……。

 

 

 

 

小さなおまけ~お久しぶりです~

 

「ねぇーーちー。おなかすいたーーーー。」

「あぁ、もう………お前30秒以上黙れねぇの?」

裾を掴んでくる相方にチールは舌打ち混じりに呟く。

「だってつまんないんだもん………あーきーたーー。」

「あー……もう!五月蠅ぇな。ほら、お前の番。」

「んーー………。」

脱力したままエルはなにやら手を動かした。

「ちょっとお前!そんな適当にやったら…………。」

「あ!!ミスった。」

 

「………。」

「………。」

 

二人は溜め息をつき、また作業を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!SかMなら、お恥ずかしいことにSの彩風です!

サイズ的な意味で。

さてさて!今回もここまで見ていただき本当にありがとうございます!
えぇ、おまけの二人………。みなさんきっと覚えてないことでしょう……。
ちなみに僕と天狗の取材録5章1話に登場していますよ!
見返してきても良いと思いますよ!
ちょっとだけで良いんで!
さきっちょだけ!


さて、余談でござる。
カーソルはそのまま!ホイールだけ動かしていきましょう!


さて…先日。彩風、学校にて。

友人B「お!ちょっと、彩風!」
彩風. 「ん?何?」
友人C「今ちょっと話してたんだけどさ。三人で答えが分かれる質問って何かある?」
彩風 「三人で答えが分かれる?目玉焼きに何つけるか的な?」
友人C「そうそう、そんな感じ。」
彩風 「俺、塩胡椒だけど?」
友人C「俺もー。」
友人B「俺も。」
全員 「………」
彩風 「んー………じゃぁ、ロングヘア派かショートヘア派か」
友人B「二択じゃねぇか。」
彩風 「あ………そっか………。」
全員 「………」

友人D「何してんの?」
彩風 「お、良いところに!」
友人B「実はかくかくしかじかでさ。」
友人D「………なるほどね…。」

友人D「攻めの反対は?」

友人C「守り」
彩風 「受け」
友人B「待ち」

B・C・彩風「え?」

友人D「ドヤッ」


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていってくださいね!



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7章 3話~情報交換はお早めに~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・迷子……ってなんかそそりますy(殴
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「えぇと………つまりこういうことですよね?」

文さんはペンを弄びながら手帳をめくる。

「あなたは大図書館の本には全く関心はなく、知りたくば管理している小悪魔さんやパチュリーさんに聞けと?」

確認の意を込めて文さんはレミリアさんに視線を送った。

レミリアさんはえぇ、と頷く。

「まぁ、簡単に言えばそういうことね。あんなに長ったらしい質疑応答は必要だったの……?」

「勿論です。情報は信憑性を追求してこそ価値のあるものになるのですよ。」

「………そう…。」

力を込めて語る文さんに疲れたようにレミリアさんが呟く。

 

 

「私に聞いても意味ないわよ。」

 

「ほぇぁっ!?」

「?パチュリー様?」

「あら、パチェ。」

「おや?わざわざそちらから出向いていただけるとは……手間が省けました。」

唐突に現れたパチュリーさんに全員が違う反応をする。

驚いているのが僕だけなのは、僕がおかしいからなのだろうか?

「あそこにある本全部を私が集めたわけじゃないし、管理はしていても全て把握なんてしていないわ。」

パチュリーさんは安定しない足取りでふらふらと椅子へと移動する。

咲夜さんが椅子を差し出すと「ありがと」と小さくお礼を言って腰掛けた。

「では、あの本に関しても何も分からない?」

「分かることと言えばあれが吸血鬼の言語で書かれた昔の新聞だってこと。他の気になる文献もほとんど吸血鬼の言語のものが多いわね………。」

分からないかと聞かれて、逆に分かることを示した。

以外と負けず嫌いなのかもしれない。

「吸血鬼の言語ですか……。」

文さんは静かに呟いて、ある人に視線を向けた。

同じように僕もある人を見る。

「……。」

僕達の視線に半眼で不満そうにレミリアさんが答える。

「何よ……。」

「いえ、やはりこの状況で真っ先に疑われるのは貴女なわけで………。」

「………。」

咲夜さんがもの凄い笑顔で僕らを睨む。

怖い。あれは何人か殺ってる眼だ………。

僕は思わず視線をそらす。

しかし、文さんはそんなことはものともせずにレミリアさんに言葉を投げかける。

「まず、吸血鬼の新聞でたかが130年前に載っているような事を貴女が知らないのはおかしくないですか?」

130年前にたかがという副詞がくっついてくるのに違和感を感じたが突っ込むのはよしておく。

「『魂』について詳しく知っているご友人もいらっしゃるみたいですし?」

文さんは挑発するように笑った。

すると、さすがにイラついたのかレミリアさんが立ち上がり、

「一つ言わせてもらうわ。紅魔館に仕えるメイドを傷つけた犯人が私だと言っているならそれは大変な見当違いよ。」

静かに……しかし力強くそう言った。

「私はそいつを許せないの。この手であの子と同じ目に遭わせてやりたいぐらい。……それでも私を疑う?」

レミリアさんは普段は見せない部分を垣間見せたのだろうか?

僕はレミリアさんの強く握られた右手が微かに震えているのを確かに見た。

「落ち着いて……レミィ。」

そんなレミリアさんにパチュリーさんの声がかかる。

「貴女は知らないのかもしれないけど吸血鬼の魂は希少であり人間や他の妖怪のものより綺麗なのよ。だから、吸血鬼が魂に関する情報に敏感なのはごく自然なこと。」

レミリアさんに変わるようにパチュリーさんが続ける。

文さんは表情を変えることなく話を聞いている。

「それにあの資料は全て幻想郷のものじゃないわよ?まぁ、外来本ね。幻想郷のもので目に入った資料はなかったわ。」

パチュリーさんは更にこう続けた。

 

「ろくに考えもしないでお嬢様に疑いを向けるとは………良い度胸ね?」

咲夜さんは天使も裸足で逃げ出しそうな笑顔を浮かべる。

「いや……多分これぐらいのことは彼女でも…」

「えぇ、知っていましたよ?」

するとパチュリーさんの言葉をケロッと文さんは繋げた。

あまりにも軽くサッパリと……。

「は?」

「はい?」

「え?」

僕を含める三人が目を点にして呟いた。

「いやいや、あの資料が幻想郷のものではないことぐらい知っていましたよ。伊達に情報を扱う仕事してるわけじゃないです。」

文さんはケラケラと楽しそうに笑いながら言う。

「んな………じゃぁ、なんであんなこと……。」

咲夜さんは文さんの意図が分からないからか訝しげに視線を送る。

しかし、やはり文さんは気にしないのか…

「んー………まぁどちらにしても吸血鬼が怪しいのは確かですし、あぁあぁそんなに怖い顔しないでください。あくまでも怪しいだけです。それにそちらのご主人様だけのことを言っているわけではないですよ。なにも本気で言ったわけではないですって。」

どーどー、と宥める様に言った。

「………。」

しかし咲夜さんやレミリアさんの表情が緩むことはない。

「………。」

パチュリーさんも不満げだ。

でも、文さんはそんなことは気にも留めず、何やらメモをとり始めた。

 

 

「その………そ、それで!こ…これからどうするんですか?」

文さんの言葉にレミリアさん達は黙ったままだ。

その場の空気をどうにか変えようと言葉を紡ぐ。

文さんは一瞬だけ黙り、そしてパチュリーさんを見やる。

「念のため訊いておきますが……あの他にめぼしい資料などは……?」

「ないわよ。………いえ、あるにはあるけど似たようなものばかりだったわね………。」

「………そうですか。」

パチュリーさんは文さんの問いに即答し紅茶を一口飲む。

 

「あやや………もう手掛かりがなくなってしまいましたね……。」

「ふりだしに戻った………、ってことよね……。」

咲夜さんや文さんが嘆く。

 

雰囲気が重く居心地が悪い。

すると僕は重大なことを文さん達に伝えていなかったことに気づく。

 

「あ!」

 

僕が上げた声に、その場の全員が一斉にこちらを向いた。

 

「………?どうしたんですか?」

文さんに尋ねられる。

「あ!その………ええと……!」

言葉を探して言い淀む。

えぇと。と連呼しながらあたふたする。

「大丈夫ですか?落ち着いてください……。」

文さんに言われて一度深呼吸をした。

久しぶりに素数も数えた。2、⑨……。

 

そうして落ち着いた後、僕は話し始めた。

 

「えぇと………大分前の話になるんですけど……二回目に紅魔館にくる途中、文さんに置いて行かれたじゃないですか……?」

「記憶にございません。」

文さんは皆の、置いて行ったのか?という疑いの目に笑顔で応える。

「あ、いや………別にそれはいいんですけど………、そのときチルノちゃんに一緒に大ちゃんを探してと頼まれて…。」

「あぁ……そういえば、そんなこと言ってましたね。」

自分に注がれ続ける疑惑の視線を軽くスルーして文さんは思い出したように手を叩いた。

うん。別にいいとは言ったけど訂正しようかな……?

「まぁ………それで、探すのを手伝っていたんですけど…………そのとき二人の女の子を見つけたんです。」

その場の皆が相槌をうちながら僕の話を真剣に聞いている。

今更ながら何だか緊張してきた。

「え、えぇと………そ!それで!その女の子たちと少しだけ話をしたんですか……そのとき彼女等が言っていた自分達の能力というのが……。」

ここで一度言葉を切る。

「能力というのが……?」

案の定文さんから催促がかかる。

思った通りにいって僕は満足して頷き……。

そして文さんの催促に答えた。

 

「『魂を宿らせる程度の能力』と『魂を奪う程度の能力』だったんです……。」

 

「…………なるほど……。」

僕の言葉に文さんは手を顎に当てて考え込む。

「鞘にしてはまともなことを言いましたね……!褒めて遣わす。」

「何でですかね?素直に喜べないのは。」

僕は半眼で乾いた笑いを漏らした。

「さぁ、そんな重要なことを今まで黙ってたからですかね?」

「うぐっ…………。」

文さんの息をするような嫌味がクリティカルヒットする。

「なにげにえげつないわよね………。」

咲夜さんが呆れたように言う。

「だ、大丈夫です。な…………慣れましたから。」

言葉のナイフが突き刺さった腹部を押さえながら、はは……と力ない笑いを浮かべる。

パチュリーさん達の哀れみの視線が痛い。物凄く痛い。

 

「それより……その女の子二人についてもう少し詳しく話してもらえますか?」

「え?…あ!はい!」

珍しく文さんに真面目な声で言われ、あのときのことを詳しく思い出そうと記憶を手繰る。

そして、頭の中で喋ることをまとめてから話し始めた。

 

~少女説明ちゅー~

 

「僕が分かるのはこれぐらいです………。」

「なるほど………。」

何とか前にあったことを思い出して説明し終える。

文さんは何かを考え込むように真剣な眼差しでメモ帳のページを言ったり来たりする。

「咲夜さんやレミリアさん、パチュリーさんはエルさんとチールさんについて何か知ってますか?」

「いや、知らないわね。」

「私も。」

僕の問いに二人は知らないと、一人は首を振って答えた。

「そうですか……。」

何となく予想していた答えとはいえ、三人もいるからもしかして……という淡い期待が裏切られる。

 

「ところで、説明の中にあった『後ろに現れていきなり声をかけられた』というのは?」

 

すると、メモ帳にかじり付いていた文さんから声がかかる。

「へ?……あぁ!えっと。言葉通りですよ?いつの間にかエルさん……チールさん?だったかな?二人のどちらかが僕の後ろに回り込んでいて、明るく声をかけられました。」

さして珍しくもないでしょう?と問いかけるように首を傾げる。

「……まぁ、そのこと自体は特におかしいことはないのですが………。」

文さんはどこか腑に落ちないように呟く。

「………文さんもいつもやってることですしね…。」

僕の苦笑に返事は返ってこなかった。

どうやらよほど真剣に考え込んでいるらしい。

 

「因みに………その二人組の容姿についてもう少し詳しいことは分からないの?」

 

「え?…………えぇと………。」

急に咲夜さんに話しかけられ上擦った声をあげる。

ゆっくりと、訊かれたことを頭の中で整理して記憶を手繰る。

「…………すいません……。青い長い髪をしていて……二人ともよく似ていたとしか……。」

しかし、いまいち思い出すことができずこう答えた。

「そう………。」

咲夜さんは短く呟く。

 

「さて!それでは!新たな手がかりも手には入ったことですし!!エルさんチールさんを探しに行きますか!」

 

すると明るい声が耳に入る。

「え?い、今すぐですか?」

文さんの唐突な発言に座っていた椅子ごと倒れかける。

「無論。善は急げです。」

文さんは当然というように人差し指を立てながら言った。

何となく予想はしていたもののこうも突然だとさすがががが………。

「さぁ、急ぎましょう!!」

「え、ひゃん!?ちょ……ちょっとま……!待ってくだ…………。」

一方的に右腕を掴まれ、引きずられながら叫ぶ。

しかし既に紅魔館を出ていたのか、青空に僕の声が散った。

 

 

 

「彼女も大変ね…………。」

「そうですね……。」

「咲夜、紅茶のおかわりいいかしら?」

「あ、はい!ただいま!」

 

 

 

      続く……

 

 

 

 

 

小さなおまけ~お久しぶりです2~

 

「あれ?」

「どうした?」

首を傾げるエルにチールが尋ねた。

「いや、続けざまに二回もおまけに出るっていうのはどういうことなのかな?って。レギュラー陣の仲間入りする伏線?」

「頼むから黙ってくれ。ほんとに、後生だから。」

えげつないことをサラッと言うエルにチールが頭を抑える。

 

「まぁでも何かしらあるってことだよねぇ………単純に思い出してほしいだけだとしてもさ。」

 

エルは悪戯っ子のように笑みを浮かべる。

「お前なぁ………本当に大概にしろよ。」

チールはイラつきを隠すことなくエルを睨む。

「ほーら…ちー。そんな怖い顔しないの!リラックスリラックス。」

「………。」

エルは馬を宥めるようにどーどーと呟く。

そして次の瞬間には表情をさして変えることなく、目だけを細めて

「どちらにせよ、もうそろそろ来るんだろうし少し準備しておかないとね。」

クスッと笑った。

 

木にもたれ掛かるソレを横目に……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!キノコ派の彩風です!

タケノコもいけます。

さてさて!今回もここまで見ていただきありがとうございます!
最近は寝不足が続いていて頭を揺らしながら執筆していました。
そのため誤字脱字、おかしな点が見られるかとは思われますが指摘してくださると嬉しいです。

え?何?全部?……………。
ソレは言わないお約束でしょう?(微笑)



さて、やはり今回もあります。余談です。
そんなもんいらねぇんだよ□ね!!
って方はブラウザバックまで。
今回は大分下ネタが含まれます!
苦手な方もブラウザバックまで。

それでも大丈夫という方は!是非是非ゆっくりしていってね。




友人D「ときに彩風よ。お前の性癖ってなんぞや?」
彩風 「………。」
友人D「お前の性へ……。」
彩風 「っるさいなぁ!?聞こえてますよ?何ですか?クラス跨いでまで人の睡眠時間削りにきたのはそれがききたかったからですか!?」
友人D「あぁ、生きてた。」
友人B「何話してんの?」
友人D「おぉ、いいところに。」
彩風 「お前等帰れよ…………。」

友人B「なるほど………彩風の性癖ねぇ……ロリコンでマゾってぐらいだろ。」
彩風 「違イマス。ファミニストデス。」
友人D「いや、まぁそれは知ってるんだけど、他にないのかな……って。」
友人B「いや、もうこの二つだけで既に絶望的なのにそれ以上探ってやるな可哀想に。」
彩風 「お前等、本人前にいるの分かってるか?」
友人D「ま、そうだよな。ロリコンでMって終わってるよな。」
彩風 「うるせぇよサディストに言われたかねぇよ。」
友人D「マゾよりはましだろ。」
彩風 「そんなことねぇよ。お前、どうせアレだろ?陵○とか腹○ンとか調○とかが趣味なんだろ?」
友人D「最高じゃないですか。恐怖顔の素晴らしさが分からんとは………。」
彩風 「分かんねぇよ。できれば分かる日が来ないことを祈るよ。」
友人D「いや、マゾの方が理解したくないわ。」
彩風 「いやいや、蔑んだ眼で見下ろされながら罵倒されるのがどれだけの……。」
友人D「あーーあーー。分かった分かった。じゃぁ何か?お前密室に閉じこめられてロープと幼女が落ちてたらどうするんだよ。縛る一択だろ?」
彩風 「ロープを差し出して土下座しながら『縛って下さい』だろ。」
友人B「うわぁ……。」
彩風 「いや!?お前の答えも大概だろ!?」

友人B「お前等の会話聞いてると頭おかしくなりそう………。」

彩風・D「「黙れゲイが。」」
友人B「ゲイじゃねぇよ!!男の娘が好きなだけだ!!」
彩風 「似たようなもんだろうが。」
友人B「大いに違うよ?」
友人D「似たようなもんだって。」
友人B「ちげぇよ!!」
彩風 「まぁ戸○君は分からないでもないが、あとハ○太君。」
友人D「お前もか!?」

友人D「まぁ………最終的にはサドが一番マシってことだな。」
彩風 「俺が一番マシってことだな。」
友人B「男の娘の良さが分からんとは………。」

「「「……………よろしい。ならば戦争だ……。」」」

友人C(こいつらやだぁ………。)


次回も是非ゆっくりしていって下さいね!


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7章 4話~かんどーの再会~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・もし生まれ変われるなら枕になりたい
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「それで………これからどうするんですか?」

 

文さんに掴まれていた手が解放され、僕は尋ねる。

割と乱暴に引きずられていたのに痛くないのが不思議だ。

慣れ………なのだろうか…?

「もちろん、鞘の言っていた二人の女の子を探しますよ?」

当然だと言うように文さんが笑った。

「あ、いや……そういうことじゃなくて……どこをどう探すとか……。」

僕が質問し直す。

文さんはあぁ……と呟いて暫く間をおく。

「ええと………そうですね……。とりあえず鞘が彼女等を見つけた辺り一帯を適当に………。」

「それは……なかなか具体的な計画ですね……。」

僕の言葉を聞こえない振りで流して文さんは歩き出す。

「ん?あぁ!!ちょっと待って下さい!!」

僕はすぐに文さんを追っていった。

 

 

「で、どの辺りで見つけたか思い出せますか?」

数分歩いたところで文さんに訊かれた。

周りを見渡すと鬱蒼とした森だ。

正直ほとんど景色が変わらないし、どの辺りか?と言われても正確に答えられる自信はないのだけど……。

「多分もう少し向こう………だと…思います。」

「大丈夫なんですか……?」

僕の自信ない声に疑うように文さんが尋ねる。

僕は短く、重ねて「多分……」とだけ答えた。

「まぁ、もう少し歩き回ってみましょう。そのうち明確に思い出せるかもしれませんし……。」

文さんはそう口にすると歩くスピードを少し上げた。

「そうですよね。」

僕もそう呟いて文さんの後を追った。

 

更に数分ほど歩いた後、

相も変わらず深い森の中なのだが、なんとなく見覚えのある付近に来た……気がする。

「なんだか……この辺…の気がします。」

「随分曖昧ですね………。」

文さんの苦笑に同じく苦笑いで返しながら周りを注意深く見渡す。

すると、僕の目に一つの大きな木が留まった。

「この木って………確か……。」

間違いない。寝てしまったチルノちゃんを移動させた木だ。

この幹もなんだか見覚えがある気がしてきた。

「何か思い出せましたか?」

文さんが期待を乗せた声で尋ねてくる。

「はい。えぇと……ここがあの木ならあの人たちを見つけたのは………。」

僕は改めて記憶を手繰りながら彼女達を見つけた場所を探る。

「あぁ!そうです!!ここです!ここでエルさんとチールさんに出会いました。」

僕のさほど正確ではない記憶力もここだと言っていた。

木々に囲まれていて、狭いが開けた空間があった。

あのとき、確かにここに尻餅をついてチールさんに圧倒されたことを覚えている。

「なるほど……彼女等はここで人を捜していたわけですね?」

「はい。そのはずです。」

「じゃぁ………この周辺を一通り探すとしますか………。」

そうですね、と一言の後すぐに周辺を見て回った。

 

 

~数分後~

 

 

ふと冷静になる。

あれ………よく考えたらそんなにずっと同じところに留まっているなんて事があるのだろうか……?

それに彼女らも人捜しをしているんだったら尚更同じところにずっといたりしないだろう。

「あ、あの………文さん。今ふと思ったんですが………。」

僕が、顔を上げて文さんに呼びかける。

文さんは僕が二人と会ったまさにその場所で屈んで地面を熱心に観察していた。

「はい?どうしたんですか?」

僕の呼びかけに文さんも顔を上げた。

「いえ……その………エルさんやチールさんも人捜しをしていたみたいだったって事は言いましたよね?」

文さんがコクリと頷いた。

「それだと……この辺りを探し回ってても成果を得られるかどうかは微妙なんじゃ………。」

僕は出来るだけ控えめに恐る恐る言葉を紡いでいく。

そんな僕の様子に文さんはきょとんとした。

そして僕の言いたいことを理解したのか、あ~……と首を小刻みに縦に振る。

「なるほど……鞘の言いたい事は分かりました。ですが私達が探しているのは何もエルさんチールさん自体だけではないですよ?」

なんだか意味深な事を言い出した。

「と、言うと?」

僕の質問に文さんは口ではなく手招きをすることで答えた。

怪訝な面もちで文さんの元へと歩み寄る。

文さんは足下の地面を指さしている。

その先を見るとあるものが見つけられた。

「これ……………足跡……ですよね……?」

最後に?と付いているのはそれがあまりにもうっすらとしたものだったからだ。

これは……スニーカーだろうか……?

「はい。そのとおり、足跡ですね……。鞘のものかと思ったんですが若干小さいんですよね………。」

なんで僕の足のサイズを知っているんですか?と質問する間もなく文さんが続ける。

「これによると南の方に向かってるみたいですね………。どうします?向かいますか?」

向かいますか?と訊いているにも関わらず文さんはもう既に歩き始めていた。

どうやら僕に拒否権はないらしい。別に拒否するつもりもないけど………。

 

にしても……なんだか文さん、おかしくないだろうか?

というのも、人捜しをしている人の足跡が部分的に残っていて、それが南に向いていたとしても南に向かっていったってことにはならないだろうし、むしろ探しまわっているなら色々な方向に足跡がある方が自然だ……それだけで南に向かうなんて言うのは余りに安直だというか何というか……。

文さんらしくない………気がする。

立ち止まり、思考を続けた。

「あ……あの……!文さん……?」

僕の声に文さんが振り向――

 

「ひゃうっ!?んん……んんん!!」

いた瞬間に押さえ込まれ草むらに転がり込んだ。

口を押さえつけられ上手く声が出せない。

僕の上に乗っかるようにしている文さんの表情は逆光を受けていて分からない。

文さんの急な行動にどうすればいいのか分からずただただ拘束から逃れようと暴れる。

「んん!!んーーー!!」

くぐもった声を上げながら文さんを押し退けようと必死にもがいた。

段々と息が苦しくなってきた。

 

「助けて!!」

 

そう、有らん限りの声を上げようとしたそのとき………。

「シーーー………静かにして下さい……!」

文さんが口に人差し指を当てて言った。

「んん……ん~!!」

「静かに……!」

尚も僕が声を上げようとすると文さんは真剣な声色で言う。

どこか凄みのある声に諭され無言で首を縦に振った。

 

「………はぁ…はぁ……。」

文さんから解放され荒い息を漏らす。

「どうしたんですか………急に………。」

僕が尋ねるが文さんは答えず、ただ足跡があったあたりの方向を指さす。

草むらから眼だけを覗かせて指された方向を見た。

 

「何も見えませんよ……?」

僕の視界には特に特別なものは見受けられず、さっき調べていた風景と全く同じ空間が広がっている。

何だって文さんはわざわざ僕を押さえ込んで草むらに隠れたんだろう……?

文さんを見やるともう少し待てと言うように手で示している。

納得はいかないがとりあえずもう少し待つことにする。

 

すると、見覚えのある二人が急に姿を現した。

 

「行った?」

「あぁ………多分な……。」

きれいな青色の髪によく似た容姿の二人組。

間違いない………エルさんとチールさんだった。

「あはは………案外見つからないもんだねぇ………。」

エルさん……?が楽しげ笑う。

「灯台下暗し、ってな……。」

続けてチールさんもふふふと笑いを漏らす。

どうやらずっと木の上にいたようだ………。

全く気が付かなかったけど………。

「あ、文さん!あの二人です!エルさんにチールさん!!」

「やはりそうでしたか………。ばればれなんですけどね………。」

文さんは二人を軽く嘲るように笑みを浮かべた。

僕は気付けなかったがどうやら文さんにはばればれだったらしい。

「今はまだまずいんだよね~………。」

「そうだな………もう少し間を置いてからで――」

「何がまずいんです?」

すると視界の先では一人の新聞記者が二人の女の子を持ち上げる光景が広がっていた。

…………。

 

ゆっくりと横を見る。

当然ながら文さんはいない。

「「へ……?」」

状況を理解しきれていない様子のエルさんとチールさんが眼を点にしていた。

「いやぁ、素晴らしいステルススキルですねー……見習いたいですよ。」

文さんは嫌らしい笑みを浮かべて言う。

「なっ………!?ちょっ離せ……!!」

「ちー…………行ったんじゃなかったの……?離してーー!!」

二人ともが焦ったように口をそろえる。

 

「あ、文さん………。あの……離してあげて下さいよ……。」

僕は草むらを飛び出し三人の元へ駆け寄る。

「おや……お兄さん確かあのときの……おわっ!?」

ドサッ。

文さんに手を離され二人が地面に落ちる。

一人はしっかりと着地し、一人は尻餅をついた。

「いったいなぁ………こっっんなに…か弱い女の子なんだから扱い考えてよ……。」

エルさんはそんな風に軽口を叩きながらも一瞬の内に起き上がり、体勢を整えた状態で文さんと向き合っていた。

「それで………何で隠れるような真似したんですか?…………あんな分かりやすい上にほぼ意味のない偽装までして………?」

文さんは自分に向かう二人に半眼で問う。

「さぁ………?」

「知らないな。」

二人は打ち合わせをしていたかのように順々に答えた。

「あ……文さん……?そ……そんなに怖い顔しなくても……?」

怪訝な視線を送り続ける文さんに恐る恐る言う。

なんだか二人を警戒しているようだった……。

「あぁ……いえ。別にそう言う訳ではないんですけど……。」

文さんはどこかスッキリしない表情をしている。

 

「えぇと……僕達ちょっとエルさんとチールさんに訊きたいことがあって………。」

僕達の前で座る二人にいきなり本題を伝えた。

「あはは、名前覚えててくれたんだぁ。嬉しいなぁ。君は鞘君……だったよね?」

「訊きたいことってのは?」

一人は楽しそうに、一人は不機嫌そうに答える。

どうやらむじゃきな方がエルさんでクールな方がチールさんのようだ。

「はい。心音鞘です。ええと……訊きたいこととというのは……お二人の能力のことで……確か………。」

相手に名前を覚えてもらえていたことに少し表情を緩ませながら尋ねる。

「魂を宿らせる程度の能力だよ。」

「……魂を奪う程度の能力…。」

二人が答える。

僕は黙って文さんの方をみる。

文さんは一度頷きエルさんとチールさんに視線を送り。

 

「それでは、少し質問させてもらいましょうか……。」

 

そう言って笑った。

 

 

  

 

     続く……。




どうも!ごはん派の彩風です!

パンはどうにも好かん……。

さてさて、今回もこんな作品をここまで見ていただきありがとうございます!
やっとこさ本編に出てきました魂に関する能力のお二人。
前にも書いた気はするのですがこの《エル・チール》は今作品のオリジナルキャラクターです。
原作とは何の関係もございませんので悪しからず。


さて、こっから先は余談よ。
くどいんだよ、いい加減にしろ!
って方でも是非に見ていって下さい!


さて、これは先日………。
彩風がカラオケに行ったときのこと……。え?受験?
なお、余談中に出てくる作者チョロ松さんは彩風と同じくハーメルンで小説を投稿している方です。
今回の余談を別の視点からも見たいという物好きな方がいらっしゃいましたら彼の作品、『東方思考迷路~太陽と氷の迷探偵~』の6話のあとがきに同じく余談として載るらしいのでそちらも是非………。


彩風 「なんか罰ゲームたこ焼きなるものがあるっぽいぞ~」
友人C 「え?何ソレ?…………うっわ、ハバネロ?ありえないわ。」
彩風 「これは頼むしかねぇな……。」
チョロ「ほんとに?マジで?」

店員さん「お待たせしました……ごゆっくりどうぞ……。」

彩風 「あ、どうも~。」
彩風 「じゃ、同じ曲で点数低かった奴が罰ゲームってことで。異論ないな?」
チョロ「いや大ありなんだけど………。」
友人C 「まぁいっか………。」
彩風 「はい!じゃぁ、早速行ってみよう!!」

~十数分後~

彩風 「負けた…………だと……?」
チョロ「さすが彩風。」
彩風 「いや、でもキー的な問題も………。」
友人C 「つべこべ言うんじゃない。」

《罰ゲームたこやき編は作者チョロ松さんの作品で御閲覧下さい》

所変わって彩風宅。

友人C 「いやー罰ゲームって楽しいな。」
チョロ「いやぁ、ホントに。」
彩風 「せやな。んじゃ、もういっちょやりますか?コーラ2Lいっき飲みでも。(暴飲は体に悪影響を及ぼす場合があります。よい子も悪い子も真似しちゃダメだゾ。)」
友人C 「おぉ……良いんじゃないか?」

彩風 「さて、誰が罰ゲームを受けるか……ジャンケンで良いか?」
チョロ、C「いや、お前一択だろ?」
彩風 「何故!?」
チョロ「だって結局お前ハバネロ食ってねぇじゃん?」
彩風 「いや、まぁ………そうだけど。」
友人C 「んじゃ、彩風だな。」
彩風 「まぁ………………いいけど。」

●REC

彩風 「はーい。じゃぁ、飲みまーす。」
友人C 「おぉ!頑張れ~。」
彩風 「まぁ、ぶっちゃけ余裕だよな~。」

2分経過。

彩風 「おうふ……既に舌がひりひりする。」
チョロ「まぁ、コーラだしね。なにげにキツいだろ?ソレ。」
彩風 「いやいや、なんのなんの」

4分経過。

彩風 「ゲッフ………ちょっとまって意外にきついこれ。」
友人C 「うっわ、なんか可哀想に見えてきたわ。」
チョロ「ふぁいとー。まだ半分だぞー。」

6分経過。

彩風 「ふぅぅぅ……………きっつい………。」
友人C 「よく考えたら全くいっき飲みじゃないよねこれ。」
彩風 「もうそろ俺死ぬかもしれない…………。」

8分経過。

彩風 「………吐きそう……」
友人C 「これ横で美味しいって言ってたら美味しく感じるんじゃない?おいしいおいしいおいしいおいしい。」
彩風 「顔面に右ストレート叩き込むぞ?(真顔)」
友人C 「ゴメンナサイ」

10分経過。

彩風 「あと………ちょっと………。」
友人C 「がんばれー。」
チョロ「ふぁいとー。」
彩風 「ん………ん……。ぷはぁ………。」
友人C 「イェーイ!!おめでとー!」

彩風 「ブフォォォ………。」

チョロ・C「…………。」


大食いをする方は胃を膨らませる為に食べる前に水数Lをいっき飲みすると聞きました。
彩風はその時点で死にかけることが分かりました。←大袈裟


若気の至りってやつでしょうか?みなさんは決して真似しないで下さいね。
バカをやるのも程々にします。
もうコーラなんて一生飲まない。っていうか飲めない。



それでは!次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!!


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7章 5話~灯台下暗し~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・11月1日……ローソン…………いくさじゃぁぁぁあああ!!!
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「それで………質問って言うのは?」

 

エルさんがあどけない顔で尋ねる。

チールさんはムスッとした顔で黙り込んでいた。

……二人とも悪い人じゃないとは思うんだけど…文さんは何でこうも警戒しているんだろう?

「簡単なことです。あなた方の能力………えっと、奪うと宿らせる……でしたか?」

文さんの問いに一人は頷いて一人は黙ったまま肯定した。

「単刀直入に言いますとその能力ではどこまでのことができるんですか?」

本当に率直に尋ねた。

何ができるんですか……?ではなく、どこまでのことができるんですか?……と。

エルさんとチールさんは黙り込む。

文さんは全く視線を動かすことなく、ただ一点に二人を見つめていた。

気まずい沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのはチールさんの言葉だった。

「答える必要はないだろ。」

吐き捨てるような言葉だったが言い方からは慎重な様子が伝わってくる。

文さんは表情を一切変えることなく返事をした。

「まぁ……確かにそうですけど。」

なんだか今までには無いタイプの張りつめた空気だ。

肌がピリピリとするのを感じる。

「それなら無理に答える義理は無いな。」

チールさんは文さんから目を逸らす。

エルさんも黙ったままだった。

文さんはふむ……と呟くと顎に手を当てる。

「お二人は紅魔館のメイドのことについて何か知りませんか?」

そして、質問を変えた。

「こうまかん?」

「山の麓に湖があって、その畔に洋館があるでしょう?あそこのことです。」

エルさんに訊かれて文さんが答えた。

文さんの回答にエルさんはあぁ……と呟きを漏らす。

「で………そこのメイドがどうしたって…?」

チールさんが先を急かすように言った。

「メイドの内の一人が先日急に妙な状態になってしまったのですが……。」

「妙な状態?」

お約束の質問の後、文さんが説明を行う。

「脈もあれば呼吸もしているのですがまるで死んでいるかのように動かず、起きることがないのです。」

文さんの言葉を二人は真剣に聞いている。

「ある人は『抜け殻のようになる』と表現していましたが………。」

僕は咲夜さんを頭に思い浮かべる。

今頃はいつも通りレミリアさんのお世話をしているのだろうか?

「……………そこまでは分かったが、それが私等と何の関係があるんだよ………?」

チールさんの不機嫌な声で我に返る。

確かにこれだけでは何故自分たちが捕まって質問を受けているか全く分からないだろう。

しかし、文さんの話はまだ終わっていない。

「まだ話は終わってないでしょう?」

文さんはニコッと威圧的な笑みを浮かべる。

それに気圧されたようにチールさんはたじろぐと、口を噤んだ。

「それで、そのメイドに関して調べていくうちに分かったのですが………これは『魂』が抜けてしまった状態であるそうです。」

文さんは『魂』という語を妙に強調して言った。

そして、文さんが『魂』という語を口にした瞬間エルさんとチールさんの眉がほんの少し。

本当に少しだけ、動いた。

「それで、あなた方の能力は『魂』を奪う、宿らせる程度の能力…………。納得していただけました?」

最後に文さんが訊くと二人は小さく、首を縦に振った。

「話してくれる気にはなったでしょうか?」

続く文さんの問いにエルさん・チールさんが黙り込む。

かなり真剣に考え込んでいる様子だ。

文さんは相も変わらず顔に営業スマイルを張り付けたままだ。

 

この二人は結局何者なのだろうか………?

文さんや咲夜さん達は二人について知らなかったみたいだし、メイドさんのことが起こった時期と彼女等と会った時期、能力のことを考えても無関係とは考えにくい。

かといって本当にこの二人がメイドさんをあんな風にしてしまったのだろうか?

そんな人たちには見えないのに……………。

………………………………いや………。そんなこと言えないか……。

僕はずっと前からエルさん・チールさんのことを知っている訳じゃない。

たった数日前に少し会っただけだ。

《そんな人》なんて風に言えるわけないんだ。

 

「成る程………お姉さん等の言わんとすることは分かったよ。」

 

僕の思考を遮るようにエルさんが声を上げた。

両手を上げて目を瞑っている。

格好だけを見れば「参った参った」という言葉がよく似合いそうだ。

そして、続きを振るようにチールさんを肘で突っついた。

チールさんはエルさんのその行動が予想外だったのか軽く驚いたようにエルさんを見る。

その後、小さく溜め息をつき、続きの言葉を紡いだ。

 

「まぁ………でも―――――。」

《ガサッ》

 

チールさんの言葉を遮るように上から物音が聞こえる。

反射的に上を向くと何か小さなものが落下してくる途中だった。

「ひゃっ!?」

思わず身構えるが落ちてきた物体の落下地点は僕の少し前、

《ボスッ》

それは地面にぶつかって止まる。

何が落ちてきたのかと、体を前に乗りだした。

「す、雀…………。ですか……?」

誰に問うわけでもなく呟く。が、すぐ横から答えが返ってきた。

「そのようですね………。何故墜ちてきたのでしょう………?」

「ひゃ!?び、びび……びっくりした。」

相も変わらず慣れない登場に鼓動を早める。

このままでは僕の心臓は持たないのではないだろうか………?

そんな疑問をよそに文さんが続ける。

「どこか怪我をしているわけでも無いようで―――」

 

《ガサガサッ》

 

今度は文さんの言葉を遮って物音がした。

先程と同じように反射的に上を見上げた。

今度は雀なんかとは比べものにならない大きさの物。

いや、比べものにならない大きさの者。

僕の目が正常であるならばそれは人だった。

そう認識したときにはもう遅い。

さっきと違って今度は真っ直ぐ僕に向かって落ちてきている。

避けようにも間に合わない。

どうにか身構えることだけはできた。

 

…………。

…………。

強く閉じた瞼をゆっくりと開く。

小さな衝撃の後何か転がるような音が聞こえたが体に特に痛みはない。

目を開けるとそこは文さんの腕の中だった。

 

 

 

ん・・・?

 

 

 

意識的に瞬きをした。

そして、目を開けるとそこは文さんの腕の中。

 

 

 

……………。

 

 

 

文さんの、文さん。アヤサンの腕の……中?

文さんの腕の中。あやさんのうでのなか………。

 

ゲシュタルト崩壊を起こしそうなほど頭の中で連呼する。

 

脳が遅れて機能し始め、やっとのことで状況をしっかりと把握する。

 

今、文さんの腕の中にいる。

ぴったりとくっつくようにして抱きつかれたような状態だ。

それで……顔のこの感覚は…………。

 

 

ヒュゥゥゥウウウウ……。

と、やかんが沸騰したような音が聞こえたような気がした。

開いた口が塞がらないという言葉があったがまさにそんな感じだ。

もし言葉を発そうものなら確実に呂律が回らないだろう。

そもそもどうすればいいのか分からず声を出す余裕などないが。

 

「だ………です…?」

 

ふやけきった脳に声がかかる。

それが自分にかけられたもので「大丈夫ですか?」といった内容だったことに気づくまで数秒を要した。

「へ!?……ひゃ!ひぁい!!だだ、だいしょうぶ!です!!」

文さんは遅れてきた回答に不思議そうに首を傾げる。

案の定噛み噛みだった。

「本当ですか?耳まで真っ赤ですけど?」

「ほ、ほほ、本当です!!本当に大丈夫!」

何とか文さんの腕の中から出る。

そして半ば逃げ出すように文さんと軽く距離をとる。

 

すると、あることに気づいた。

「あれ?エルさんとチールさんは………?いない?」

さっきまでいたはずのエルさんにチールさんはまるで初めからいなかったかのように姿を消していた。

「えぇ………逃げられましたね…………。」

隣で文さんが悔しげに呟く。

どうやら混乱に乗じて逃げられてしまったらしい。

そもそも何故逃げる必要があるのだろうか………?

やはり件の犯人が彼女たちなのか………?

それにしてもそんな簡単に文さんから逃げられるものだろうか………?

少なくとも僕は絶対に逃げられない自身がある。

そんな思考を巡らせるがそれも途中で遮られた。

 

「それにしても彼女……何故上から……。」

 

文さんのそんな呟きが耳に入る。

文さんの言葉の中の彼女は、後の部分から考えても落下してきた人のことを指すのだろう。

僕はその彼女に視線を送った。

それは見覚えのある女の子だった。

緑色の髪に黄色のリボン。

ふわっとした雰囲気の優しそうな少女。

大妖精。

 

「だ、大ちゃん!?」

 

いつの間にかちゃん付けをするのが普通になってしまっていた。

チルノちゃんの親友で僕と同じ記憶喪失になってしまった女の子。

体を乗り出して彼女の顔をのぞき込む。

「だ、大丈夫ですか!?け、怪我とかは………。」

必死になって尋ねるが答えはない。

どうやら気を失っているようだ。

「あ、ああ!文さん!!だ、大ちゃんは、大丈夫なんですか!?」

重病に冒された我が子を想い、医者にむしゃぶりつく母親のように文さんにしがみつく。

文さんは「落ち着いて下さい」と言うように僕を手で制す。

僕が冷静になり文さんから手を離した。

文さんは大ちゃんの口元に手をやったり、胸のあたりに耳をおいたり、手首に自分の手を当てたりとまるで専門家のようにてきぱきと作業をこなしていった。

僕は息を飲みながらその様子を見守る。

「………ど、どうですか………?」

慎重に文さんに尋ねる。

文さんは顎に手をやって考え込むような仕草を挟む。

そしてすぐに笑顔を作り、

「大丈夫です、息はしていますし、心臓も動いています。」

その言葉を聞いて胸をなで下ろす。

肩に乗っていた重い何かが落ちたような感覚を覚えた。

「ですが……。」

しかし文さんの言葉はそこで終わりではなかった。

しかも続いたのはよりによって逆接である『ですが』……。

少なくとも良い展開が続くことはないのだろう。

それなりの覚悟を持って文さんの言葉を聞き逃すまいと耳を傾ける。

文さんはすこしだけ間を置いて、言葉を繋げた。

 

「生気が感じられないですし、何となく……似てるんですよね………。」

 

あえてなのか文さんはそこで言葉を切った。

まぁ、続けずとも続く言葉は予想できた。

「アンネさんと………。」

頭の中の文さんが言葉を紡いだ。

 

「………そんなことって……。」

 

僕は力なく横になっている大ちゃんに視線を移す。

つい先日は僕としゃべっていたのだ。

目を閉じて倒れ込んでいる姿はまるで眠っているようだ。

 

そう眠って―――。

 

 

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 

小さなおまけ~灯台下暗し~

 

 

いやぁ………あぶなかったねーー………。

 

エルはほっと胸をなで下ろす。

 

……はぁ……クソ…嫌なタイミングで……。

 

チールは今にも舌打ちしそうな表情を作る。

 

こらっ!そんな汚い言葉使わないの!

 

エルは人差し指を指に当ててチールに注意する。

チールは小さく小さく、音をたてずにため息をつく。

 

そして二人は下を見下ろした。

 

『灯台下暗し………ってな』

『灯台下暗し………ってね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!!あざらしとあざらしならあざらし派のあざらしです!。

かわいいですよね!!

さてさて!今回も僕と天狗の取材録を御閲覧いただきありがとうございます!!
7章は微妙なところで切る形ですね。
8章に続くのですが………いったんはコマーシャル…もといおまけ編の方に移らせていただきます!



さて、余談でござるよ。
え?見たくない?そそそそんなこと言わずにちょっとのぞいていって下さいよ?


さて!みなさん、明日はビッグイベントですよビッグイベント!
投稿日に見ていない方は察して下さいお願いします!!

まぁ、気を取り直しまして………明日はハロウィーンですね!!!

仮装!コスプレ!デュフフ!!

いやぁ、すばらしい一日ですね!

………といっても、当然のごとくぼっちに予定なんてあるはずもなく………家でカボチャ食ってるいつものハロウィンになることでしょう。




…………………………はぁ。



皆さんは彼女彼氏とデートですか?
なんなんですか?
勝ち組ですか?

私が負け組って言いたいんですか?



そうだよ!ぼっちだよ!ぼっちの何が悪いんだコノヤロー

ふう…………ったく……これだから最近の若いのは……。



楽しんできて下さいね…………(デレ)





次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!



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おまけ編 7
おまけ編 1話~アポ無しは良くない~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・メガネっ娘の可能性について友と一晩語らいたい。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


ガッ……!!

 

受け止めた、木刀を持つ手にびりびりと衝撃が走る。

しかし、反動のせいか相手は前に体勢を崩した。

 

 

…………刹那……。

 

 

 

 

僕の目の前にあるのは大きなクレープ。

僕の身長の3倍はあろうかというその全長に言葉を失った。

どう考えても一人で食べきることはできない。

そもそも何でこんなところにこんなものが落ちてるんだろうか?

どう考えても怪しい………。

 

 

しかしだ………。

 

目の前に大きなクレープがある。

ならばやることは一つだろう。

 

 

「いただきまーーす!!」

 

 

僕は大きくそう言うとクレープにかじり付いた。

 

口の中にクリームの甘みが広がる。

イチゴの酸味によってよけいに甘みが強調されるのだ。

「ん~~~~!!」

何ともいえない感覚に思わず声を上げる。

 

「美味しいー!」

 

これ以上ないくらいとろけた笑みを浮かべた。

ほっぺたが落ちそうだ。という表現があるが今ならよく理解できよう。

こんな感覚だったんだな………と。

 

続けてもう一口いただく。

「えへへ………。」

緩みきった表情筋を直すことなく少しずつ少しずつクレープを減らしていった。

 

………そして。

 

最初はあんなに大きかったクレープも3分の1ほどに減っただろうか。

そのときだった。

 

『カーーーーー!』

 

しっかりとKAと発音して聞こえた鳴き声。

恐らくカラスだろう。

口の端についたクリームを気にせず上を向く。

案の定1匹のカラスが羽をバサバサと音をたてながら振っていた。

問題はそのカラスがいる位置だ。

僕のすぐ目の前。

 

そう………目の前。

 

「…………。」

あまりのことに頭が追いつかない。

数秒ほど硬直した後。

「ひにゃっ!?」

僕は声を上げて仰け反った。

そのまま後ろに倒れる。

グチャッという音と共にクリームの中に突っ込んだ。

体中がクリームまみれになる。

ドロッとしていて少し気持ち悪い。

すると後頭部に鋭い痛みが走る。

「痛っ!?」

思わず叫びながら後ろを振り返るとカラスが僕の頭を突っついていた。

「あぁ!わぁあわ!や……やめ……。」

しつこくコツコツとまめにつついてくるカラスを追い払おうと頭のあたりで腕を振り回す。

しかし、それがカラスに当たることはなかった。

 

 

 

 

「お……。鞘…ー…?」

 

……?

 

「お…い。…こ………かー?」

 

痛い……。

 

「………幸せ……な顔……って……ね。」

 

何か……聞こえる……?

 

「起…て下……い……鞘ー?」

 

頭に……痛みが………。

 

「鞘!起きて下さい!」

 

「ふぁい!!」

 

バッと寝ぼけ眼のまま机から顔を起こす。

そこは文さんの仕事場。

「あれ………?クレープ……?」

ハッキリとしない意識の中で呟く。

 

途端に文さんが吹きだした。

 

「…………。」

だんだんと視界…そして頭の中が鮮明になっていく。

それに伴って顔が上気していくのが分かった。

 

「クレープは美味しかったですか?」

 

目の脇の涙を拭いながら文さんが尋ねる。

僕は返す言葉を探して目を泳がせる。

その両端に水が溜まっていたのは恐らく気のせいだろう。

もちろんプルプルと震えていたりなんかはしない。

ギュッと唇を噛んでゆっくりと机に突っ伏す。

そして…………

 

「ああああぁぁぁああ。」

 

くぐもった絶叫。

バタバタと足で空を蹴る音。

 

となりから文さんの噛み殺した笑いが聞こえてきた。

 

 

「大丈夫ですよ。何も聞いてませんから。」

文さんが僕の肩をぽんぽんと叩く。

「なにが大丈夫なんですかぁ……聞いてますよね……?」

何とか少しだけ落ち着いた僕は両手で顔を覆いながら蚊の鳴くような声で言う。

文さんはにこにこと楽しそうに笑いながら

「さて、なんのことですかねー。」

そう言って僕の反応を窺ってくる。

「もう良いです…!」

僕はリスが頬袋に餌を詰め込んでいるように片方の頬を膨らませてそっぽを向く。

大分子供っぽいと自分でも分かっているのだがついついこうしてしまう。

第一、今回のことに関しては文さんにも非があるだろう。

…………まぁ、そんなことをぶつぶつと考えていても仕方がない。

僕は何とか話を変えようと考えを巡らせた。

「そういえば………何で起こしたんですか?何か用があったとか…………?」

僕の質問に文さんは答えを探すようにあぁ~と呟く。

そしてまばゆいばかりの笑みを浮かべて、

「すごく幸せそうな顔で眠っていたのでつい……。」

「つい……って何ですかついって………。」

僕の視線を受け流してメモ帳を開く文さんに嘆息しつつ僕は夢のことを思いだしていた。

 

大きなクレープ。

思い出しただけで口元がほころぶ。

我ながら随分と幸せな夢を見たものだなぁ………。

僕は夢の中の出来事をできるだけ鮮明に思い出そうと記憶を探る。

しかし、やはり夢の中だったと裏付けるようにぼやけた風景しか思い出すことができなかった。

「うぅ~~ん。」

そう唸りながら頭を捻る僕の耳に急にこんな音が飛び込んだ。

 

《ガタッ》

「邪魔するわよ……?」

「お邪魔します。」

 

扉を開く音。

そして二つの声。

声のした方向を見ると二人の女性が扉をくぐるところだった。

まず気になったのはその見た目だった。

一人は白い髪に犬のような耳と尻尾がついている。

もう一人は色素が薄いふんわりとした髪をツインテールにしていて全体的に紫色を基調とした服装をしている。

それぞれは、幻想郷でそれなりに生活してきた今となっては珍しい見た目ではないけど……こんな二人いっしょにいるとなると少なからず違和感を抱いてしまった。

共通点と言えば二人共が頭に文さんと同じ……あの………変なの(頭襟)をつけていることぐらいだ。

「おや、はたて……。それに椛も……どうしたんですか?」

文さんはメモ帳から顔を上げた。

どうやら知り合いだったようだ。

「取材よ取材。何か悪い?」

ツインテールの女性は部屋に上がりながら文さんに言い返す。

取材………というと…文さんと同じで新聞記者さんだったりするんだろうか……?

すると彼女はスッと僕の方に向き……、

「で、誰……?その子。」

怪訝な面持ちでそう口にした。

「は!はい………!」

ついつい緊張で体が強張る。

しかし、それが余計に怪しく映ったのか彼女の眉は更に真ん中に寄った。

「あぁ、彼女についてはかくかくしかじかでして………。」

「説明端折らないで下さい………。」

笑顔で楽をしようとする文さんに白髪の女の子が呆れたように言った。

当然ながら実際はかくかくしかじかだけでは何も伝わらない。

 

~少女説明中~

 

「助手………ねぇ……。」

ツインテールの女性が僕の顔をまじまじと見る。

「はい。よく働いてくれていますよ。」

文さんの言葉に彼女は少しだけ肩をすくめる。

そして文さんに向かってこそこそと……しかしわざとなのか、僕に少しだけ聞こえるようにして

「それより……大丈夫なの………?山に連れて来ちゃって……いろいろとまずいんじゃない……?」

チラチラと横目で僕を見ながら耳打ちした。

「そうですよ。大天狗様とか……それに他の住民にもバレたりしたら……。」

そこに犬耳がついた女の子も参戦する。

良く分からないが少なくとも歓迎されている様子ではない。

僕は思わず二人の視線から目を逸らした。

すると文さんは他の二人とは対照的にヘラヘラとして手を振ると、

「ははっ、大丈夫ですよ。その辺りはこの射命丸文……抜かりはありませんから。」

どこぞの夢の国の愉快なネズミのように笑いながら言った。

「抜かりないって………現に私たちが知らなかったんだけど……。」

「そうですよ。」

しかし二人の女性は一様に半眼で文さんを見る。

文さんはゆっくりと僕の方に視線を移すと、

「とにかく大丈夫です!」

親指を立てた。

 

どうしよう………この上なく不安だ。

 

 

「それより、はたてが取材とは……明日の天気は槍ですかね?」

するとどうにか話を変えようと文さんがそう切り出した。

それを聞いたツインテールの女性はムッと文さんを睨む。

「何?……普通でしょ?」

「えぇ、まぁそのはずなんですが………はたて、これ以前で最近取材のために外に出たのはいつですか?」

「…………思い出せないけど……?」

恐る恐る言う彼女に文さんは「ほらね」と言わんばかりに肩をすくめる。

「それと、何で私の仕事場に取材に来るんですか………情報あげませんよ?それとも花果子念報は人の記事をパクるようになったんですか?」

「誰が好き好んであんたの記事盗りに来るのよ……。」

二人の目の間に火花が散り始める。

どうやら彼女は新聞記者のようだ。

だとすると、もう一人の女の子も記者さんなんだろうか?

僕の考えを読みとったようなタイミングで文さんがもう一人の女の子に話しかける。

「それで……椛はどうして…?手伝いですか?」

その問いに対し女の子はツインテールの女性を横目に見ながら、

「えぇ………まぁ……たまの休みだというのに手伝わされてます。」

不満げに答えた。

「別に良いじゃない。どうせ暇でしょ?」

「将棋の予定をキャンセルしてきましたけど……?」

「………」

僕たちの目線が一人に集まる。

「……悪かったわね……今度なんかお詫びするわよ……。」

彼女はバツが悪そうに三人の視線から目を逸らした。

 

「それで、話は戻りますがどうして私のところに?」

やってきた二人は椅子に腰掛けお茶を啜っている。

無論文さんが出したものだ。

考えてみれば………『助手』である僕が出すべきなのかもしれないが、文さんは「いいですいいです」って言って淹れさせてくれなかった。

「え?あぁ…………特に何も?面白いことでも転がってないかなーって。」

ツインテールの女性は空になった湯飲みを机に置き、肘を突いた。

その答えに文さんは顔をしかめると。

「さっき情報あげないですよ……って言いましたよね?もう一回言いましょうか……?」

やれやれと肩をすくめて言った。

「…………そこをどうにか!なんかないの?なんか。」

「だから情報は売りませんって。」

「……いいじゃない減るもんじゃないし。」

「我々にとって情報は命でしょうが。」

拝んで頼み込む女性を文さんはざっくりと切り捨てる。

「はぁ~~釣れないな~………んっ?」

体重を後ろにかけて椅子の前足を浮かせた彼女と目が合う。

何だろう?と首を傾げると彼女はニヤッと笑って

「そうだ、その子の記事書かせてよ。文々。には載せてなかったでしょ?」

「えぇ!?」「え?」「はい?」

三人で声を合わせる。

「だから。その子、ええと……鞘だっけ?鞘の記事を書かせてって言ってるの。外来人なんでしょ?上手いことやればちょっとした記事ぐらいできるでしょ?」

名案だと言わんばかりに早口で語り出す彼女を文さんは嘲るように見る。

「はぁぁ、同業者として恥ずかしいですよはたて……そんなのろくな記事ができる訳ないでしょう?それに鞘の同意もなしにそんなことさせませんよ?」

しかし文さんの返答を予想していたように間髪入れずに、

「そこんところはどうなのよ…?保護者兼師匠さん?」

そう尋ねる。

文さんは呆れたようにして即答……すると思ったが…。

「……………そうですね……じゃぁ、こうしましょう。」

親指を立てた…………。

「え?」

思わず僕が声を上げるが文さんには届かない。

「今から簡単な勝負をしましょう。我々が勝ったら情報は売りませんし逆に一つ要求させてもらいます。そちらが勝ったらその子の情報をあげます。……………どうでしょう?」

文さんがニコッと笑う。

記者の女性は楽しそうに笑って、

「いいわね。で…勝負って言うのは?」

文さんに尋ねる。

そして、文さんは言い放った。

 

「鞘と椛に闘ってもらいます。」

 

口角を緩く上げて、首を少しだけ傾げる。

とても良い笑みを浮かべての言葉だった。

 

「はい?」「へ?」

 

呆然とした二人の声が虚しく空を掻いた。

 

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!黒髪か金髪なら幼女派の彩風です!

アハハ、ジョウダンデスヨ。

さてさて今回もここまで見ていただきありがとうございます!!
いやぁ、おまけ編の方も今回で7回目………。早いです……。
本編の流れを断ち切るように………といいますか…繋がっている章と章の間にぶっ込んでいます今回のおまけ編……。
しかも内容は『そういえば椛とはたて出してなかったなぁ……』というふとした思いつきから思いつきを重ねて思いつきを添えたもの………。
なんともお粗末ではございますが付き合っていただけたら幸いです。

因みに彩風は
文×はたて も 文×椛 もどちらでもイケます。
原作とか知らない。
もう種族が同じってだけで百合展開は必須だろう!←おかしい

ハーレム系アニメも良いですけど、やっぱり男なんて出てこない日常系が最強なんですよね……。
栄養分って大事!
出てくる男の子がかわいいのも良いですよね。
男の娘ではなく、可愛い男の子。…………はぁぁ、いいですねぇ……。
勿論男の娘は大好物です。
男の娘と言えば……『は○ない』は幸○君が幸○ちゃんだと知った瞬間驚愕してました。
個人的には男の娘でいて欲しかった……。
理○に○鳩ちゃん、遊○ちゃんが好みです。守りたいあの笑顔。
『俺ガ○ル』の戸塚君もいいですよねぇ……みー○んとめっちゃ似てますよね。
あと『ダ○ガ○ロ○パ』の不○咲ちゃんも良いですよね。

……とまぁ、なんだか古い感じのものばかりあがっていることに今気づきました。
………あれ?彩風……遅れてる?



ふふふ、今回は余談の前の忠告を切り取っておいたのさ。
気付かないうちに余談を見てしまっていたでしょう……。



さて、それでは!次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!!



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おまけ編 2話~契約事項の確認を~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・VRの真価が発揮されるゲームっていうのはFPSとかエ(殴
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「あの………文さん?本当にやるんですか…?」

獣耳と尾のついた女の子が文さんに尋ねる。

しかしそれに答えたのは文さんではなく…

「今更何言ってるのよ。私の情報のためよ。」

その横にいるツインテールの女性だ。

「はぁ……。」

女の子は諦めたようにため息をつくと僕の方へ体を向けた。

 

「犬走椛です。よろしくお願いします。」

そう言ってペコリと頭を下げる。

「え?あ!ここ、心音鞘といいます!。え、えと……お手柔らかに……。」

つられて僕もペコペコと忙しなく頭を下げた。

椛さんは顔を上げるともう一人の女性を見る。

ツインテールの女性は視線に気づいたのか「ん?」と声を上げた。

「あぁ、そう言えば名乗っていなかったわね……私は姫海堂はたてよ。こいつと同じで新聞記者をやってるわ。」

「一緒にされるのは大変不本意ですね………発行部数を比べても『同じ』なんて言えますか?」

笑顔で自己紹介したほたてさんに文さんが食いかかる。

「ふん……なにも発行部数だけで新聞の良さがきまるわけじゃないでしょ!?」

「えぇ、もちろんそれぐらいのことは存じていますよ?ですが情報の鮮度、記事の面白味……どれ一つとっても文々。新聞の方が優れていると思いますが……?」

「私は捏造なんてしたことないわよ?」

「捏造だなんて人聞きの悪い。第一新聞っていうのは―――」

 

そして口論が始まる。

なんというか……同族嫌悪……っていうんだろうか?どうにも仲が悪いらしい。

マスメディア関連の人物っていうのは敵を作りやすいと聞いたことがある気がするけど……仲間内だけでも仲良くしておいた方がいいんじゃないだろうか?

そんなことを心配していると椛さんが仲介に入る。

「二人ともそれくらいにして下さい。」

諫められた二人は渋々といった様子でお互いに口を噤む。

 

「さて、じゃぁ気を取り直しまして……勝負のルールを説明しましょう!」

すると一転、声色をグンッと明るくして文さんが話し出した。

そして、ルールの説明を始める。

要約するとこんな感じだ。

・両者は木刀を持ち、合図で対戦を始める。

・勝利条件は木刀を相手に当てる。またはなんらかの方法で「降参」を認めさせる。

・基本的には禁止事項なしのフリーダムなもの。

・文々。新聞の記事は世界一ィィ。

………最後のはいらなかったのではないだろうか?

まぁ内容は前に妖夢さんとお手合わせさせてもらったときと殆ど変わらない。

「弾幕勝負ではないんですか?」

横で椛さんが不思議そうに尋ねる。

ほたてさんもなんだか納得がいかないように眉をひそめている。

「まぁ、聞き分けのない妖怪なんかには有無を言わさず喰い殺される可能性だってありますしね。そういうときに身を守るためには肉弾戦の技術も必須でしょう?」

しかし文さんは当然だと言うように肩をすくめる。

なんだかとんでもなく不穏な言葉が聞こえた気がするけど僕は何も聞いていない。

聞いていないったら聞いていない。

「んー……まぁそうね。人間でも足掻けばどうにかなるかもしれないしね……。」

ほたてさんが小刻みに頷く。

椛さんはまだ納得している様子ではなかったが、そんなことは知らないと文さんが明るく言い放った。

 

「……とまぁ!そういうことです!!それでは!早速始めましょう!!」

 

そうしてノリノリの新聞記者二人と溜息混じりの助手二人は仕事場の外へと足を踏み出した。

 

 

周りが木に覆われていて少しだけ開けた空間。

お互いに向き合うようにして僕と椛さんが立っている。

緊張で汗ばんでいる手をギュッと握った。

「はーい!じゃぁ、始めますよー!!」

……とそこに緊張感のない声が一つ、続けて

「椛ーー。負けるんじゃないわよー!」

二つ……。

なんだか自分だけ緊張しているのが馬鹿らしくなってきた。

「あ、すいません!ちょっと待って下さい!」

ほどけた靴ひもを結ぼうと体を屈める。

 

「しっかし…いいの?万が一にも負ける可能性なんて……?」

「いやいや、甘く見ていては痛い目を見ますよ……。」

「……?」

「あの……!もう大丈夫です!」

僕が文さんたちに聞こえるように叫ぶ。

「よし!それでは始めましょう。私の『開始』の合図で始めて下さい。」

意気揚々といった感じで話す文さんに僕たちが頷く。

僕たちの様子に、文さんは満足そうな表情をつくった………。

 

そして。

 

 

「それでは……………………開始!!」

 

 

文さんのその言葉と共に場の空気が一転する。

椛さんは合図直後に動く様子はなかった。こちらの出方を窺っているのだろう。

二人の得物は普通の木刀一本で同じ条件だ。

ハンデと言えば椛さんの服の方が動きにくそう……ってぐらいだろうか……。

とにかく……ほとんどフェアな状態での勝負と言うことだ。

今までの経験から言ってまず簡単には勝たせてくれないだろう。

しかし僕も個人情報がかかっている………負けられない戦いなのだ………。

 

チラッ…と椛さんの表情を見やる。

真剣で……鋭い眼だ。

見た目がふわふわとした印象だからかすごく違和感を感じる。

 

………って、そんなこと考えている暇はない……!

相手が来ないなら自分から行くまでだ……!!

 

そう心の中で叫ぶと椛さんめがけて猛突進を仕掛ける。

少しは怯んでくれることを期待したのだけれど椛さんは表情をぴくりともさせずに構えの姿勢を保っている。

大きく上に振りかぶったひどく乱暴な一手。

隙だらけだが椛さんは受け止めようと木刀を構えた。

僕は自分のありったけの力を込めて木刀を振り下ろす………相手の木刀を吹き飛ばすつもりで………!

 

椛さんはゆっくりと……そう………しっかり視認できるほどゆっくりと木刀を前に突き出す。

 

それは勢いよく振り下ろされた僕の攻撃を受け止める。

そして、じっくり、丁寧に横に衝撃を流した……。

その勢いで体勢が横に崩れる。

「なっ……!?」

あまりにもあっさりと避けられた木刀が向かう先はただの地面。

この後にどうすればいいかなど考えるまでもない……。

 

どうにか身を横に転がす。

一瞬前に僕がいたところに椛さんの木刀が走る。

何とか避けることが出来たのは良いが木刀を離してしまった。

しかし今取り返そうとするのは得策じゃないだろう………。

そう思い、まず間合いを取るのを優先した。

椛さんは横に転がる木刀を蹴り飛ばす。

カランカランと音をたてて椛さんを通して僕の対極へと移動した。

 

「降参しますか……?」

 

椛さんがゆっくりと距離を詰めながら訊いてくる。

答えは勿論……

「まさか……まだ負けてないですよ!」

ハッキリNOと椛さんの目を見据える。

「そうですか………。」

椛さんは気が進まないというように溜め息混じりに呟いた。

そして……。

 

強く踏み込んでグンッと間合いを詰められる。

 

鋭い突き………。

 

間一髪で身を翻す。

受け止めることは出来ないから避ける以外に方法はない。

続く攻撃も同じようにぎりぎりでかわす。

 

椛さんの攻撃は妖夢さんのように攻撃と攻撃のスパンが短いわけではない。

しかしどうにも隙が見当たらない。

木刀を取り戻そうと少しでも背中を見せようものならそこで試合終了だろう。

どうしたものか…………。

そんなことを考える暇も与えずに椛さんの攻撃は続く。

集中力を切らすことが出来ない防戦にだんだんと疲れが現れてくる。

対する椛さんは息の一つも切らさずたんたんと攻撃を続ける。

このままでは負けるのも時間の問題だ……。

 

どうすれば………。

 

 

 

「あぁ、もう!何やってるのよ椛…!さっさとしなさいよ………。」

いらだった様子の声。

闘っている二人から少し離れた岩に腰掛けながら二人は観戦に興じる。

「いやぁ………ピンチですねぇ………。」

緊張感のない言葉。

その耳に入ってくるのは「はっ!」とか「やっ!」など短いかけ声のみ。

防戦一方の助手を見ながら呟いた。

「あんたねぇ……もう少し応援してあげなさいよ…。」

「いえいえ私は応援していますよ。表に出さないだけで……。」

微笑みながらそう答えるが目は二人から離れない。

「まぁ、どちらにしてもこの勝負………。もらったわね……!」

余裕の表情で言い放つが彼女はただ…………

「…………どうですかねぇ………。」

クスクスと笑った。

 

 

 

………。

さすがに疲れからか目の前が不明瞭になってくる。

まずい……………。

まずいのは分かっているけど打開策は見あたらない。

放たれた突きを屈んでかわす。

 

もう………一か八かだ……!

 

半ば自棄になって体を前に乗り出す。

そうして椛さんの手を掴んだ。

もう一方の手を肩辺りに置く………そして……。

 

「いゃっ!?」

 

思いっきり突き飛ばした。

小さな声と共に椛さんの体勢がぐらつく―――が、すぐに立て直してしまった。

 

しかし僕のやることは一つ………。

椛さんから得物を奪い取るのは難しいだろう。

それなら自分の得物を取り戻すまで……。

僕は転がった木刀の方めがけて一目散に走った。

木刀はまるで待っていたというように見えやすい位置に転がっている。

走りながら木刀を掴み、それと同時に180度体を回転させる。

椛さんが追いかけてきていると思ったからだ。

しかし実際はそんなことはなく倒れていたところでゆっくりと立ち上がっているところだった。

 

視線がこちらを向く……。

なんだかさっきより更に鋭さを増したというか……まるで獲物を狩る狼のような眼をしていた。

それを見て思わず木刀を掴む力をいっそう強くする。

 

椛さんが動いた……。

その次の瞬間には目の前に振り下ろされた木刀。

咄嗟に自分の木刀で受け止める。

 

ガッ……!!

 

受け止めた木刀を持つ手にびりびりと衝撃が走る。

しかし、反動のせいか椛さんは前に体勢を崩した。

 

 

…………刹那……。

 

 

「やぁっ!!」

放たれたそれは弧を描きながら椛さんを横からとらえ―――

ガンッ…

る直前に音をたてて静止する。

 

お互いに木刀を持つ手がぷるぷると震えているのが分かった。

頬には相手の息がかかる。

 

競り合いになれば分が悪いのは分かり切っている。

いったん後ろに跳ねるようにして距離をとる。

しかし椛さんは間髪入れずに距離を詰め、細かく攻撃を放つ。

その一つ一つを受け止め、かわしながら徐々に後退していく。

ガッ……

ガン……

カッ……

そんな音と共に繰り返される単調で、しかし気の抜くことは許されない作業。

ミスした方が………負ける。

集中力を切らすことなく尚も後退を続ける。

 

そして……。

 

足がもつれて後ろに倒れる。

「しまっ―――」

声を上げる間もなく椛さんが僕に向かって走る。

 

 

その途中にこけた。

 

 

………。

もう一度言い直そうか………。

その途中にこけた。

かわいらしい悲鳴とともにかなり派手に。

 

靴紐を結ぶときにもし役に立ったらと思って足を引っかけるようにして結んでおいた高い草。

 

え?ずるい?

 

勝負の世界では勝つか負けるかが全てなんです………。

過程なんてそんなに重要じゃないんですよ………。

計画通り………と新世界の神のように笑うと椛さんの前に走る。

そして、余裕だというように満面の笑みを浮かべながら速度を加減した一振り。

今度こそそれは椛さんをとらえて――――。

 

あれ?

 

顎に何かが当たる感覚。

椛さんに当たるはずの木刀は空を掻いていた。

そして顎には木刀。

横にはその木刀を持つ椛さん。

 

 

「はーーい!!そこまでです!!」

 

 

遠くから聞こえてきた試合終了を告げる声に脱力し僕はその場に滑り込んだ。

椛さんは「ふぅ………。」と一息つくと僕に一礼した。

僕は力なくなんとか笑顔を作り一言。

 

「参りました……。」

 

 

 

 

 

 

      続く……。

 

 

 

 

小さなおまけ~本編の尺が足りない~

 

「いやぁ……惜しかったですね。」

「うぅ…………気休めはいいですよ………。」

笑いながら肩をポンポンと叩いてくる文さんに顔を覆いながら応じる。

 

「それじゃぁ文……!約束の品を頂戴するわよ。」

落ち込んでいる僕の襟首を掴む細い腕。

振り返るとほたてさんが勝ち誇ったように笑みを浮かべていた。

文さんはやれやれといったように肩をすくめるとほたてさんに向かって新聞を投げた。

「……?」

ほたてさんは訝しげにそれを受け取ると僕から手を離した。

新聞を広げて中身に目を通している。途中で椛さんを一瞥していた。

椛さんは不思議そうに首を傾げると横から新聞を覗き見る。

そしてその顔はみるみるうちに紅潮していった。

「ちょ、ちょっと文さん!?これ処分してくれるって言ったじゃないですか!?」

真っ赤にした顔で叫ぶように文さんに尋ねる。

何が書いてあるんだろうか……。

「これ、ちょっと前にあんたが出したやつでしょ?これなら私だって持ってるわよ「えっ!?」これが何だって言うの?」

ほたてさんも半眼で文さんに尋ねる。

 

文さんはすぐに答えることはせず僕の肩を持って自分のもとへ引き寄せた。

そしてニコッと笑顔を作って……

「私は確かに情報をあげると言いましたね?」

「……。」

ほたてさんが黙って頷く。

「それで、誰の情報だと言いました?」

文さんの問いかけにその場の全員が黙り込む。

僕が記憶を引っ張り出す前に椛さんが答えた。

「『その子の情報』って言いましたっけ?」

ご名答!と文さんは満足げにコクリと頷いた。

「えぇ、しっかりと椛の方を指差して言いましたよ?」

いたずらっ子が種を明かすように嬉しそうに楽しそうに言った。

 

「なっ!?………そんなの屁理屈……。」

「屁理屈は理屈の親戚ですよー。」

不服申し立てるほたてさんにヘラヘラと応じながら文さんは笑う。

 

「はぁ………」「はぁ………」

重なったため息に椛さんと顔を合わせる。

それがおかしくて、互いに少しだけ笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!面白そうなゲームが多すぎてどうすればいいか分からない彩風です。

それ以前に所有ハードが少なすぎるんですけどね……。

さて今回もここまで見ていただきありがとうございました。
さてさて、おまけ編も終わり次回からはやっとこさ本編に戻ります。
ふぅ……リアルが忙しくなってきて辛いです。助けて下さい。
………助けて下さい(期待の目)

いやぁ……戦闘編はどうにも書き方がつかめません………。
迫力のある描写を書ける人って凄いですよね……マジリスペクトデス。

因みに今回は久しぶりに《尺が足りない》という事態に襲われました!!
僕と天狗の取材録は基本4000文字から4500文字までで構成されているのですが今回はなんとなんと5000文字越えでお送りさせていただきました。
後書きの『ここまで見ていただきありがとうございます!』がより深みのあるものとなっております。

尺が足りないというのは結構な問題でして、鞘は話中ではたてのことをほたてと勘違いしているのですが………。
訂正するタイミングを逃してしまった……。
それ故鞘の中では、はたてはほたてであり続けるのです……!!
いやぁ、名前間違えることってありますよねぇ。
しょうがないしょうがない……(白目)


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!


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人里の取材
8章 1話~幻想郷では常識に囚われてはいけない~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・最近ちょっとBLっぽい漫画を読んだのですが新しい扉を開きそう………。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


目の前の光景に言葉をなくす。

耳が働かないせいか、世界から音が消え去ったように静かだ。

 

出来るならばもう目にしたくなかったそれは……。

 

清澄に……そして容赦なく。

 

しっかりと事実として僕の目の前にまた姿を現した。

 

 

 

 

「さて……どうしますかね………。」

「………どうするんですか……。」

 

鬱蒼とした森の中。

動かなくなった妖精を前にして二人は一様に唸っていた。

彼女の口元に手を寄せる。

微かだが息がかかる。

 

「きっとただ気絶しているだけですよ……。そうですよね。」

消え入りそうな声で文さんに尋ねる。

「………。」

それには肯定も否定も返ってこなかった。

それが無言という肯定だと理解していないフリをして俯く。

 

「とりあえずは彼女をどうにかしないといけないですね………。」

文さんはそう言うと軽々と大ちゃんを持ち上げた。

ヒョイと抱え上げられた大ちゃんが起きる様子はない。

思わず目を背けてしまう。

「具体的にはどうするんです……?永遠停ですか?」

なんとか視界の中心に入れないようにしながら尋ねる。

そういえば……とアンネさんのことを思い出した。

何か進展はあったんだろうか?

「そうですね………まぁ………そうするの―――」

 

「あぁ………やっと見つけた……。」

 

文さんの言葉を遮った声。

聞き慣れた声……疲れているのが一発で伝わってくるのにどこか凛としている。

博霊神社の巫女さん……。

「霊夢さん!?」

振り返るとそこには見覚えのある人が二人。

「おぉ。調子はどうだ?ブン屋の助手君よ。」

「探したのよ……ったく……………。」

魔理沙さんに霊夢さん………そして見覚えのない人が一人。

「これはまたお揃いで………。早苗さんはどうしたんです……?」

文さんに尋ねられ霊夢さん達の横に立つ、霊夢さんと同じように巫女服を着た女性が答えた。

「いえ、異変だと聞いて、いても立ってもいられなかったもので……。」

長い緑色の髪をかき分けて微笑む。

「おや、そこにいるのは霊夢さん達が言っていた文さんの助手の方ですか……!」

「え………?あ!は、はい!!助手の方です。」

いきなり声をかけられ変な回答をする。

しかし彼女はそんなことは気にせず僕の目の前まで歩み寄ると、

「私は東風谷早苗です!守矢神社の………巫女をやっています!よろしくお願いします!」

「え!?えと……?ぼ、僕は心音鞘と言います。刀を入れる鞘とかいてさやです。こちらこそ……お願いします。」

何をよろしくお願いされたのかよく分からないままに自分も自己紹介をする。

早苗さんはニコニコと笑っている。

見たところ普通の人みたいだ……いや…巫女さんって時点で普通という言葉を使うのもおかしなものだが幻想郷ではきっと『普通』の部類に入るだろう。

それより……守矢神社……って言ってたけど博霊神社とは別にもう一つ神社があるんだろうか……?

だとしたら霊夢さんと早苗さんは商売敵なのでは……?

そんな考えをすぐさま振り解く。神職ではそういうところはなんかこう………寛容……?なのかもしれない。きっとそうだ。

 

「っていうか……あんたは何で妖精を背負っているわけ?」

霊夢さんの尤もな疑問に魔理沙さんと早苗さんも頷く。

文さんはどう説明するか迷っているように言葉を詰まらせる。

そして、ふぅ……と文字通り一息ついた後説明を始めた。

 

~少女説明中~

 

「へぇー…………。なるほどね……エルとチールか……。」

「そりゃぁ……また露骨に怪しいな……。」

「そうですね……。」

話を聞き終わると全員が一様に考え込むように顎に手を当てる。

「とりあえずそいつらが怪しいのは確かみたいね。」

「能力も無関係とは思えませんしね……。」

そして、僕達を置いて話を盛り上げていく。

 

「それはいいんですけど……。」

文さんは申し訳なさそうににして三人の話に割ってはいる。

「霊夢さん…さっき確か『探したわよ……』って言ってましたよね……?何か私達に用が?」

すると霊夢さんは思い出したように声をあげて文さんに答える。

「実は人里でちょっと事件が起こってるみたいでね……それがどうも今回の事件と関係あるみたいなのよ。」

「と、言いますと?」

「人が次々抜け殻のようになってしまっているらしいわ。」

 

霊夢さんの言葉に僕は背筋が凍り付くのを感じた。

 

何度も聞いたその言葉。

もう聞きたくなかったその言葉。

「なるほど………そう……………ですか……。」

文さんは何かを考え込むようにしている。

 

「それで、人里に行く前にお前等と情報を交換しようと思って探してたってわけだ。」

魔理沙さんはそう言って大ちゃんの方に歩み寄った。

そして頬を少し捻る。

「で、これがその抜け殻……と。なるほどな…………。」

魔理沙さんは大ちゃんをまじまじと見つめる。

そこに早苗さんも駆け寄る。

 

物珍しそうに大ちゃんを観察する二人を余所に霊夢さんが文さんに話しかけた。

「で、まぁそんなわけだから今から人里に行くんだけど………来るでしょう?」

「もちろんですよ!!…………と、言いたいところですが……。」

文さんは自分の抱えた大ちゃんを見やる。

「まずは彼女を永遠停に連れて行かないといけないんですよね………。」

そして心底残念そうに嘆く。

「あぁ………まぁ、適当なところに置いてくわけにもいかないしね……。」

「それに人里となるといろいろと準備がありますし……。」

文さんはう~ん……と唸り、そしてゆっくりとこちらの方を向いた。

そして、僕と目があった瞬間にポンッと手をたたいた。

この感じは……たぶん……。

「そうです!……私は永遠停に行って人里に行くことが出来る服装になってから向かいますので、鞘だけ連れて先に向かってもらえませんか?恐らくそう時間はかかりませんから。」

やっぱりか……。

なんとなく予想していた展開にどう反応すればいいか迷う。

「そうね……分かったわ。ほら、二人ともそういうことだから行くわよ。」

霊夢さんは文さんの提案に二つ返事で了承すると魔理沙さんと早苗さんを大ちゃんから引き剥がす。

「ん?あぁ…もうちょっと。」

「駄目よ、依頼人待たせてるんだから。」

二人は渋々と大ちゃんを担いだ文さんから離れた。

 

「それでは!鞘は新しく聞いたことを一つ残らずメモしておいて下さい!よろしく頼みますよ。」

そう言うと文さんは風のように何処かに飛んでいってしまった。まぁ行き先は当然永遠停だろうけど。

何か言う暇もないまま飛び立たれてしまい「あ…」と漏らす。

その後に心の中で分かりました、と返事して気合いを入れると霊夢さん達の方へと向き直る。

「じゃぁ……向かいましょうか……。」

「そうだな。」

そして森の中の4人は足早に人里に向かい始めた。

 

 

「さて、それで……どこに行けばいいんだ?」

「えぇと………人里の端にある大きな屋敷に被害に遭われた方が隔離されているらしいです。皆さん流行病だと思われてるみたいですよ。」

しばらく歩くとそう時間が経たないうちに人里へとたどり着いた。

しかしそれは僕の知っている人里とは何かが違う気がした。

具体的にはよく分からないけど、なんというか……空気が淀んでいるというか、前に来たときのような活気がどこにも見あたらない。

こころなしか表を歩く人の数も前より少ない気がする。

道の端で世間話をする人たちの顔は暗く、何かを心配している様子だ。

「何というか………活気がないですね……。」

早苗さんも僕と同じ感想を漏らした。

「まぁ、人が次々あんな風になってるんだったらしょうがないでしょう。………それより早く向かうわよ。」

霊夢さんはカツカツと靴音を鳴らしながら道を歩く。

「………たく……そのエルとチールとかいうのが犯人だったらさっさと見つけだして懲らしめないとね………。」

「妖怪退治ですね!」

早苗さんが新しいおもちゃを手に入れた子供のように目を輝かせる。

頭を掻きながら溜め息をつき道の真ん中を堂々と歩く霊夢さんはパッと見大分ガラが悪いように見える。

なんかこう………煙草が似合いそうだ……。

そんな失礼なことを考えていると前の方から子供達が走ってきた。

 

「ほら!こっちだぞ!」

「ちょっと待ってよーー………。」

駆けっこをしている三人の子供達。

一人の女の子だけ息を切らして必死に他の二人を追いかけていた。

その子は何とか数秒かかって追いつく。

「はぁ……はぁ……ねぇ、ほんとにいいのかな………?せんせーはお家で大人しくしてろって……。」

「別に大丈夫だよ!おれは風邪なんか平気だし!!」

「そうだよ!皆恐がり過ぎなんだって!!」

恐る恐る言った女の子に二人は元気な笑いと共に返した。

女の子はどうしようかと迷うようにおどおどとしているが他の二人はしらないとばかりにまた走り出そうとしている。

すると……

 

「ダメですよ皆さん!先生のおっしゃることはしっかり守らないと。」

子供達を諭す声。

隣を見るとそこにいるのは霊夢さんと魔理沙さん………さっきまでいたはずの早苗さんはいない。

声のした方を見ると案の定早苗さんが子供達の目線まで屈んでいた。

「だれ?」

子供達は至極尤もな疑問を口にする。

「今はそんなことはどうでもいいんです!とにかく、よい子はお家に帰りなさ―――」

「おれは別によいこじゃないもん。」

「そうだそうだ。」

子供達はそう叫びながら早苗さんの脇をすり抜ける。

「あぁ!!ちょっと!!」

その叫びを聞いたところで子供達が止まるはずもなく、あっと言う間に早苗さんの前には誰もいなくなる。

きかん坊達は手に持つ木の棒を振り回しながら走る。

そして、彼らの先に立ちはだかる人間が一人。

「うわっ!?何だ!!」

ぶつかりそうになった子が何とか立ち止まる。

それを見習うようにして後ろの二人も走るのを止めた。

皆一様に目の前の紅白の巫女を不思議そうに見上げている。

「あんた等。いいこと教えてあげるからしっかり聞きなさい……。」

静かだが……どこか凄みの利いた声。

聞く者を黙らせる魔法でもかかっているように子供達、そして僕達も言葉を発すことなく彼女の声に耳を傾けていた。

「悪いことは言わないから早く帰った方がいいわよ………。昨日からここでおかしなことが起こってるのはしってるでしょう?」

「……あんなの平気だよ…………。」

やめておけばいいのに一番やんちゃそうな男の子がそう呟いた。

霊夢さんはその子に笑いかける。しかしその目は少しも笑っていない。

鬼や天狗も竦み上がりそうな表情。

「そう?……それなら好きにしなさい…………。」

妙に耳に鮮明に響く不思議な声。

子供達は背筋を伸ばしながらただ一点霊夢さんの方を向いている。

聞いているだけで姿勢が良くなりそうだ……目の前で聞いている子供達なら尚更だろう。

そして霊夢さんはこう続けた。

 

「死んでもしらないわよ。」

 

「………」「……っ!」「ひっ…!?」

三人の子供達は蜘蛛の子を散らすようにそれぞれ違う方向へと走っていく。

行き先は言うまでもないだろう。

「………はぁ…………。」

霊夢さんは一仕事終えたというように大きく呼吸をすると僕達の方へ向き、

「それじゃ、向かうわよ。」

 

僕は霊夢さんの意外……というほど意外でもない一面にぽかんとする。

しかしそんなことは気にせずに霊夢さん達は先へと進む。

「あ……ま、待って下さい!!」

そんな声をあげながら三人を追いかけて一歩踏み出した。

 

 

 

    続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも!無人島に一つだけ持って行くとしたらサバイバルナイフを選ぶ彩風です。

まぁ、それだけ持って行ってどうにかできるほどサバイバル能力は持ち合わせていませんが。

さてさて!今回もここまで見ていただきありがとうございます!!
今回からは8章突入!本編へと戻って参りました!
更に更に!今回でこの僕と天狗の取材録!



《50話に達してしまいました》



いやぁ………早いですねぇ……本当に早いです。
50話ですか……ここまで付き合って下さっている皆様には本当に感謝感謝です!!
これからもまったりのんびりやっていけたらなと思っております。
よければこれからもおつきあい下さい!

【悲報】まだまだ続きますよ!



【速報】後書きの途中ですが速報及び余談が始まります。
    チャンネルはそのまま!

彩風は60年以上胸の内に秘めていたことがあります。
唐突ですいません………ですがもう耐えられないのです。
なんで………なんで……………

彩風「周りに眼鏡属性理解できる奴がいねぇんだよぉぉぉぉぉおお!!!」

友人B「うわ!?びっくりした……。」
彩風「何でだよ……いいじゃねぇかよ眼鏡……。」
友人D「いやぁ………?よくわかんねぇわ。」
彩風「なんでやぁ………眼鏡!眼鏡!」
友人B「いや……だって邪魔じゃない?裸眼の方がかわいいって。」
友人D「ちょっと理解しかねるな。」
彩風「畜生!眼鏡の良さが分からないなんておかしいぞお前等!?」
友人D「はいはいおかしいおかしい。」


彩風「くそぅ!くそぅ!」
友人C「おー?どした彩風。」
彩風「お前は裏切らないよな?な?」
友人C「お……おう?……よく分からんがたぶん裏切らねぇと思う……けど?」
彩風「眼鏡っ娘っていいよな!?」
友人C「いや。それはない。」
彩風「×××××××」
友人C「うぉい!?」

彩風「何故だ何故誰も理解しないんだ。Aは分かってくれるよな?な?」
友人A「何が?」
彩風「眼鏡。」
友人A「あぁ、いいよね。4割増ぐらい?」
彩風「うぉぉおおお!!!やっときた理解者。」
友人A「……?(状況が分からん)」

友人A「あれだよね。なにより溜まんないのは普段かけてる子が外すのがかわいいよね。」
彩風「…………。」
友人A「あれ?」

彩風「かけてない娘がかけるからこそいいんだろうが!!」
友人A「うぉ!?なんだこいつ面倒くさい!!」



もちろんかけてる娘が外すのも好きです。
でも普段かけてない娘がかけてたり、もともとかけてる娘が好きです。
眼鏡取り上げてあわあわさせたい………。


それでは!次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!!



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8章 2話~一期一会~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ブイズ揃えたと思ったら何故か八匹……一匹足りない…………。あ、イ○ブイいないわ※SMではない
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!


「さてと………それじゃぁ先を急ぐとしますか……!」

魔理沙さんが手を頭の後ろで組み、足を投げ出すようにしながら進んでいく。

対する霊夢さんは溜め息混じりにとぼとぼと歩く。

「ったく……最近の子供は生意気ったらありゃしない………無駄に時間食ってる暇なんてないっていうのに……。」

そしてそう言って歩みを速めた。

 

 

「…………。」

 

『おい!大変だ!!まただ、また人が倒れたぞ!』

『おいおい……嘘だろ……何人そうなっちまうんだ……。』

『あぁ!あんまり近づきすぎるな!』

 

「…………さて、向かいましょうか。」

霊夢さんは騒ぎを横目にスタスタとその場をとおり過ぎようとする。

「うぉぉおおい!!??いやいやいやいや……ダメだろ!明らかに何かあっただろあれ!」

「うっさいわね……いちいち騒ぎに付き合ってらんないわよ!こっちも依頼人待たせてるんだから!」

一触即発の雰囲気を漂わせながら二人がにらみ合う。

そんな二人にどう声をかければいいのか分からずあわあわとその場に立ち尽くす。

僕たちの向かう先とは別の方向、大通りのような場所を外れた一本道の先では人だかりが出来ていてなんだかあまり明るくない声がちらほらと聞こえてくる。

「ここは少しだけでも見に行ってみるべきだろ!」

「だ、か、ら。人待たせてるって言ってるでしょうが!」

尚も続く口論を割くようにして人だかりの方から声が響いた。

 

『おい!見ろ!この女昨日のときもいたはずだぞ!!』

『本当だ!!俺も見たぞ!この女!』

『やめて!近づかないで!あんたが元凶なんでしょう!?』

 

「…………。」

「…………。」

二人共、声の方向を向いて黙り込む。

あがった罵声は醜く、鋭利な刃物となる。

魔理沙さんには見慣れない半眼で、霊夢さんを見る。

「………はぁぁ。分かったわよ………さっさと済ませるわよ。」

霊夢さんは肺の空気を全て出し切ったんじゃないかというほど大きな溜め息を吐き、けだるそうに人だかりの方へと足を向けた。

 

 

「こ、これは!!巫女様じゃないですか!!」

「大変なことが起こっているのです!どうかお力をお貸し下さい!」

進むに連れて霊夢さんや早苗さんの周りを取り囲む人の数が増える。

皆同じように二人を拝むようにして乞う。

こうしてみると二人が凄い人なんだと理解せざるを得なかった。

「分かったから……何があったのか説明して頂戴。」

食いつくようにして取り囲む人々を退けるようにして手を広げると霊夢さんが尋ねた。

すると人混みの中から一人、年配の女性が前へと歩み出る。

「実は昨日から何人も人が倒れていってね………今もまた一人倒れたんだよ。気絶しているみたいなんだがこう続けてだとさすがに偶然なんてことはないだろうし…………。」

「………!」

お婆さんの言葉に思わず霊夢さん達と顔を見合わせた。

間違いなく人が抜け殻のようになっていったことを言っている。

魔理沙さんが「やっぱり来て良かっただろ?」というように笑みをつくると霊夢さんは眉をピクッと震わせ、お婆さんの方に向き直った。

「それで今、倒れた人達は里の端の屋敷に移されているんだけど………聞いたところじゃまだ起きる様子はないらしい。老若男女関係なく倒れていっちまって原因なんぞ分かったもんじゃない………。病か何かだとは思うが……。」

「原因なんて決まってる!全部こいつのせいだ!!」

話を続けるお婆さんを割ってはいり、若い男性がこう叫んだ。

「俺は見たんだ!昨日の何回かの騒ぎの時もずっとこいつがいたところを……!俺が騒ぎを聞きつけたときには毎回な……そんで倒れた奴を最初に見つけた人に訊いたら人が集まる前にいつの間にかそこにいたって皆が口を揃えて言いやがる……。だからこいつが元凶に決まってる!どんな手を使ったかは知らないがな………。」

男性の言葉で一気にその場がどよめいた。

 

『本当……?』

『そういえば私もあの人見た気がする……。』

 

ざわざわと不安の波は広がり、やがて一人の女性への罵声へと変化していった。

しかしそれを受ける女性は表情を一つも変えずに虚ろな目で立ち尽くしている。

「あぁ……!ちょっといいかしら……?」

霊夢さんが控えめに上げた声に集団は静まりかえった。

「えっと………ひどい言われようだけど………実際のところどうなの……?あなたは何か知ってる?」

「知らない。」

余りにもストレートな質問に余りにもストレートな回答が返ってくる。

「たまたま通りかかったところでたまたま人が倒れていて、それがたまたま10回ぐらい続いただけ。」

そして、あまりにも現実味のない補足をした。

「…………そ、それみろ!!やっぱりこいつが犯人だ!」

若干ひきつった笑みを浮かべながら男性が言った。

女性をみる周りの人たちの目も冷たい。

しかし、さっきと同じように女性はそれらを特に気にも留めない様子できょとんと首を傾げている。

見たところ、年齢は10代後半ぐらいのようだ。

身長が高いせいか霊夢さんより少し年上に見える。

きれいな長い黒髪を後ろで束ねていてなんだか上品な感じがする見た目だが、着物が少しくたびれてしまっているのが残念だ。

「………とりあえず……今回のことは私達がどうにかするまで何もしないこと………外にでるのも必要最低限以外は控えた方が良いわね。ほらほら!野次馬は帰りなさい。」

霊夢さんがそう言うと周りの人たちはがやがやと散っていく。

最終的にそこに残ったのは僕達4人に最初に状況を説明してくれたお婆さん、そして疑いを向けられたスラッとした女性だけだった。

いや、もう一人……塀を背にして座り俯いている僕と同じぐらいの歳に見える女の子。

彼女がこの騒ぎを作った原因なのだろう。

大ちゃんやアンネさんと同じ、魂が無くなり抜け殻となってしまった人。

だが不思議と見ていて軽くえずいたりすることは無かった。

それが《慣れ》であると告げる思考を振り払い女の子から目を逸らす。

「この子も屋敷に連れて行かんとな………。全く……まだ若いっていうのに可哀想に………。」

「あぁ……それだったら私達が連れて行ったらどうだ……?どうせ目的地なんだからついでにさ。」

魔理沙さんは言うと同時に女の子を抱え上げる。

「おや……?いいのかい……?」

申し訳なさそうにするお婆さんに「いいっていいって」と笑みを作る魔理沙さんはなんだかかっこよく見えた。

 

「そうかい……?じゃぁお願いしようか……。」

お婆さんはペコリと一礼するとスローペースに去っていく。

それを見送った後霊夢さんは一つ、大きく溜め息を吐いた。

そして…

「それで………あんたは何で残ってんのよ……。」

目の前に立ち尽くす女性に半眼を向けた。

「言ったでしょ……?私達が何とかするから解決するまで――――。」

「私もついて行く………。」

霊夢さんの言葉を遮るようにして彼女が言った。

その場にいる本人以外の全員が口を開けてぽかんとする。

しかし女性は垂れ目をキリッとさせてなんだかこう……やる気まんまんといった感じだ。

「いや……何があるか分かりませんし………。」

遠回しにやめておくように早苗さんが言い聞かせるが聞き入れる様子はない。

鼻をスンッと鳴らしながら霊夢さんの目の前にたっている。

「あぁ………まだほとんど何も分かっていない状態だしハッキリいって危険よ……だから早くあなたも……。」

早苗さんと同じように霊夢さんも彼女を諭すがやはり動く様子はない。

 

「まぁ、別にいいんじゃないか?何も減るわけじゃないんだから………。」

すると魔理沙さんが苦笑いとともにそう言った。

「いや、でもっ………―――」

反論しようとした霊夢さんを掴み魔理沙さんは僕と早苗さんの方へと駆け寄った。

そして4人で輪を作るようにしてコソコソと話し始める。

「大丈夫だよ。何もずっと着いてこさせるわけじゃない。人里にいる間だけ一緒に行動してその後は何でも良いから適当な理由付けて逃げればいいだろ?」

「………何でそんな面倒なことしなくちゃいけないのよ………。」

「だって、あいつ何言っても着いてきそうだぞ?」

改めて女性を見ると僕らの行動を不思議に思ったのか首を傾げていた。

確かにさっきの様子からして適当な理由を付けて「はい。そうですか。」で済みそうな感じではなかった。

「はぁ…………。」

霊夢さんが本日何度目かの溜め息を吐いた。

そしてお利口に待っている女性の方を向く。

「しょうがないわね取り敢えずは着いてきてもいいわよ………ただし、勝手な行動は控えること。いいわね?」

霊夢さんの言葉に子供のようにパァッと表情を輝かせると彼女はこっちに駆け寄ってきた。

そして、霊夢さんの右手に触れた。

「……え?………何?」

突然の行動に戸惑いながら霊夢さんはやんわりと手を離した。

しかしそれにショックを受ける様子もなく女性はニッコリと笑みを浮かべている。

「……………じゃぁ……向かうわよ……?」

霊夢さんはどこかその女性を警戒するようにして言った。

 

 

「えっと………名前はなんて言うんですか?」

屋敷へと向かう途中。

なんだかさっきからただでさえ少なかった人通りがもうほとんどないような状態になり、不安を紛らわせるのも兼ねて女性に尋ねる。

女性は最初不思議そうにしていたがすぐにやわらかい笑みを浮かべて

「ちえ……一十百千の千に恵みって書いて千恵。」

優しい声でそう言った。

「千恵さんですね!よろしくお願いします!」

そこに早苗さんがぴょこっと顔を出した。続けて自己紹介をし始める。

僕や魔理沙さんも早苗さんにならって自己紹介をする。

最後に霊夢さんが、

「博霊霊夢。巫女よ。」

そうぶっきらぼうに言った。

 

「早苗、魔理沙、霊夢、鞘………よろしく。」

千恵さんは僕たち一人一人を見ながら確認し、握手を求めたのか右手を差し出す。

それを魔理沙さん、早苗さんの順に握り、次は僕だというように千恵さんの右手がこちらを向く。

「あ……!ええとよ、よろしくお願いしま――」

「ひゃっ!?…………。」

何故か慌てながら僕が手を触れた瞬間………弾けるようにして千恵さんは手を離した。

その反応についつい戸惑いを顔に出してしまう。

しかし、当の千恵さんも似たような表情をしていて左手で右手を覆うようにしていた。

何かにひどく驚いた様子だった。

「え?あ、あの………えぇと?」

僕がどうしていいか分からずに霊夢さん達に視線で助けを求めたりしていると千恵さんはハッと我に返り、

「あ、ご………ごめん!………なさい……。」

消え入りそうな声で呟いた。

「だ、大丈夫です!……よ?こ、こちらこそごめんなさい………。」

よく分からないままに頭を下げる。

正直なところ大分精神的なダメージを負ったけど………大丈夫。……………大丈夫………。

 

「………ちょっといいかしら?」

すると霊夢さんが声を上げる。一斉にその場の皆が霊夢さんの方を向く。

「見えてきたわ。たぶんあれよ。」

霊夢さんの指さす方向には一軒の大きな屋敷があった。

その周りに建物はなく孤立しているようにも見えた。

 

「さぁ………ぱっぱと行って、さっさと終わらせましょう。」

霊夢さんは軽く伸びをしながらそう口にする。

そういえば霊夢さんだけが握手をしないまま終わってしまった。

千恵さんを見てみるとさほど気にしていない様子だ。のほほんとした表情で霊夢さんの後を着いて行っている。

 

そして、やっと僕たちは目的地である人里の端の屋敷へとたどり着いた。

 

 

 

 

    続く……。

 

 




はい!ポケ○ンSMが変な意味に聞こえてしょうがない変態です。

思春期だからね。仕方ないね。

さてさて、今回もこんなところまで見に来ていただきありがとうございますね!
いやぁ、またやらかしてしまいました。
「千恵ちゃん」お察しの通り原作には登場しないオリジナルキャラとなりますので悪しからず。
黒髪ロングの不思議ちゃん…………彩風の趣味がバレてしまう!!


さあて、ここから余談ですわよ!
べ、別に見ていって欲しいなんておもってないんだからぁぁあああああ!?待って!嘘です!!


彩風「最近思うんだよ………平仮名ってすごいなって。」
友人B「唐突だな。」
友人C「どうしたんだよ。」
彩風「いや、だって平仮名ってだけで文に色気が生まれるじゃん?」

友人B「………今日はいい天気だな。」
友人C「そうだな、土砂降りだけど……。」

彩風「そんな無理に話かえなくても………。だって考えても見ろよ平仮名だぜ。」
友人B「平仮名だからだよ。この変態が。」
彩風「いや、なんかこう平仮名って艶めかしい感じがするんだよな。」
友人c「しねぇよ。」

友人D「うぃーっす。」
彩風「お。来た。」
友人D「ん?どうした?」
彩風「平仮名ってなんか色気があるよな。」
友人D「あぁ、わかる『てふてふ』とかやばいよな。」
彩風「そうそうそう!!てふてふはやばい!!」
友人D「あれは未成年に見せてはいけないわ……。」

友人BD「ダメだこいつら…………。」


平仮名ってなんか色っぽくないですか?
え?分からない?


次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!!


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8章 3話~現実なんてそんなもの~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・ホラー映画が観たくて借りてきたはいいけど怖すぎて観られない
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「あぁ!来て下さったんですね!ありがとうございます!!」

屋敷にたどり着いた僕達を迎えたのはそんな明るい声だった。

声の主は若い女性で、後ろで髪を束ねている。

顔には笑みを浮かべているが、その笑顔はどこか陰っている感じがした。

「えっととりあえず中にどうぞ。」

「じゃぁ、お邪魔するわよ。」

そう言って霊夢さんはズカズカと玄関へ足を踏み入れる。

それに続いて早苗さんや千恵さんも屋敷の中に入った。

 

僕は改めて屋敷を眺める。

パッと見ただけでも相当の大きさだと分かる。

個人が住んでいるような感じじゃないから……何だろう?村民が何かのイベントとかで使うんだろうか?

ただ、それにしては里の端にあるみたいだし周りに建物もない。

いったい何のための建物なんだろうか?昔は周りにも建物があったけど今はもうなくなっちゃった………とかかな?

 

「あれ?その方はどうしたんです?」

そんな想像を頭に巡らせているとそんな声に我に返った。

てっきり自分にかけられた声だと思って答えかけたが実際は違うようで……

「あぁ………ここに来る途中で倒れてたんだ。ついでだからここに連れてきたんだよ。」

「え………あぁ、そうなんですか。ありがとうございます。」

魔理沙さんが笑顔で言った答えに女性は申し訳なさそうにお礼を言うと魔理沙さんから抜け殻となった女の子を受け取る。

どうにも浮かない顔に見える………まぁ明るく振る舞えという方が無理な話かもしれない。

「おーい。鞘?どうしたよ?入らないのか?」

「あ…あ、あ!待って下さい!!」

不安げにしている女性から視線を外し玄関へと急いだ。

 

 

「それで、今何人くらいが倒れてるの?」

5人と人を抱えた1人がぎりぎり並んで通れるぐらい広い廊下を歩く。

「えっと………この方で14人目です……。昨日で9人、今日が5人目です。」

その答えに僕は「え!?」と思わず声を上げた。

「あ………ごめんなさい。」

皆に視線を向けられ咄嗟に謝る。

それにしても14人………。そんなにたくさんの人があんな状態になってしまったんだろうか……。

……あまり考えたくないが、今からその人たちが休まされているところに行かなくてはいけないのだ。

「14人か……そりゃまた随分と多いな……。」

「えぇ……。急なことで皆戸惑ってしまって、寺子屋はお休みにしているみたいですけど……全く外に出ない訳にも行きませんから。」

「あなたはこれらのことは病か何かだと?」

「はい。違うんですか?」

質問に質問で返されて早苗さんは答えを迷っている様子だった。

下手に魂のことなんかを口にしようものなら余計に混乱させることになるだろう。

「まだ、なんともいえないわね。もう少し情報がないことには………。」

そんな早苗さんをフォローしたのか霊夢さんがさりげなく話を繋げた。

「そうですよね………。あ、つきました。ここです。」

そんな話をしていると、どうやら倒れた人達がいる部屋に着いたようだった。

 

「じゃ、お邪魔するぜ。」

魔理沙さんは真っ先にドアを開く。

そして僕は自分の見た光景に言葉をなくした。

 

 

耳がうまく働かないせいか、世界から音が消え去ったように静かだ。

 

出来るならばもう目にしたくなかったそれは……。

 

清澄に……そして容赦なく。

 

しっかりと事実として僕の目の前にまた姿を現した。

 

 

そこには老若男女様々な人達がいた。

白髪のお爺さん。若い女の人に、がたいのいい男の人。5歳くらいに見える女の子までいた。

ただ………全員同じように………

「動かない………ですね。なんだか不気味な感じがします。」

隣で早苗さんが口元を手で押さえる。

僕は思わず部屋に背を向けてしゃがみ込んでしまった。

「だ、大丈夫ですか!?」

すぐに駆け寄ってきてくれる声があったがすぐには答えることができない。

現実を見るのが辛くて仕方なかった。

目の焦点が合わず、視界がぼやける。

「は……はい。大丈夫……です。」

作り笑顔なんてする余裕もなく下手な嘘をつく。

「おい……。無理はするなよ?大丈夫なんて様子じゃ―――」

「大丈夫です……。本当です。」

ただ、辛かったのは紛れもない事実だがそれ以上に逃げたくないという思いがあった。

目を覆うことは簡単だけどそうしてしまえば再び視界を開くことができないような気がした。

「いや休んでおけよ、どう見ても―――」

心配してくれたのか僕に休むように言う魔理沙さんを霊夢さんが手で遮る。

魔理沙さんは腑に落ちない様子だったが「無理はするなよ」と、それ以上は何も言わなかった。

その好意はありがたいけど僕にだって意地はある。

 

一度大きく深呼吸をした後、もう一度顔を部屋の中へと向けた。

 

目を背けたがる脳内を必死に黙らせ目の前の惨状を直視する。

そこにいる人たちは皆、一様にピクリとも動くことはない。開かれた眼は虚ろで焦点は合っていないだろう。

布団が広い部屋に所狭しと敷き詰められているからかどことなく災害時の避難場所を思わせる。

「こいつは……本当に年齢もなにもバラバラだな………。」

「症状が起こる人にはこれといった関連性はなさそうですね。」

「まだ詳しく調べてないんだし、なにも言えないわよ。分かる範囲で良いから話を聞かせてもらうわよ?」

「は……はい!」

 

そして、僕達はそこにいる人達一人一人の詳しい情報。具体的には年齢とか職業なんかをききながら倒れた人達を順々に見ていった。

それを経て、分かったことといえば…………。

「なんの統一性もないわね………。」

それぐらいのことだった。要するになにも分かっていないということだ。

霊夢さんにつられて思わず溜め息をつきたくなる。女性に聞いたところ、どうも見た通り倒れた人達に共通している部分はほとんどなく特徴的ななにかがあるわけでもない。

ここにいる人たちで共通しているのは皆人里に住んでいる『人間』であるぐらいだけど、大ちゃんや紅魔館のメイドさんの例があるから人間だけがこんな風になってしまっている訳ではないだろう。

最初の方は女の子だけなのかとも思っていたがここにはお爺さんや若い男の人もいる。

考えれば考えるほどそこに規則性のようなものは見いだせなかった。

「ん~……。」

「ねぇ………あの人………なんか変。」

僕が足りない頭を捻って考えていると横で千恵さんが声を上げた。

千恵さんの視線はただ一方向を見ている。その先には一人の女性……30代半ばぐらいだろうか…………?

見たところ、他の人達と何の違いもないように見えるけど……。

「変って………なにが変なんです?」

そんな問いには耳を貸さず千恵さんはフラフラと覚束ない足取りでその女性の下へ歩いた。

そして、スッと身を屈めると静かに女性の瞳をのぞき込む。

千恵さんの様子を僕達は不思議そうに見つめていた。

伸ばされた白い腕はまっすぐに女性の手に添えられる。

 

そして……。

それが当たり前であるかのように、自然にムクッと。

起きあがった。

 

 

「「「え!?」」」

千恵さんと起きあがった女性以外が声を揃える。

起きあがった女性は頭を押さえて苦しそうに表情を歪める。

「だ、大丈夫ですか!?」

すぐに女性の下に皆が駆け寄る。

肩を揺すられて状況を把握できないというように戸惑っていた。

「どうして急に………。」

「………まぁ……別に悪いことじゃないんだし、いいんじゃないか………?」

霊夢さんと魔理沙さんが呆気にとられている姿はなんだか新鮮だ。

ってそんなことを考えている場合じゃない………。

起きあがった女性を改めてまじまじと見る。

「な………なんなんだい……?」

女性は不安そうに周りを取り囲む僕達を見回した。

「意識はしっかりとしていますか?何処か体に異常とかは……?なにがあったかは思い出せますか?」

起きた直後に質問攻めにあい、更に戸惑ったのか女性は「え?え?」と小刻みに呟きながら退いた。

そんな様子を見ながら僕は前に紅魔館で聞いたパチュリーさんの言葉を思い出す。

 

『ただ、壊れるのが魂ならそれは、『死ぬ』ということではないの。まぁ、限りなく死んでいる状態に近いけれ ど...。魂のみが壊れたならばそれは理論上はただの人形になってしまう…ってこと。生物の記憶や能力なんかは魂が 司っているわ。だから一度魂が壊れてしまえば恐らく、その人が還ってくることはない。といえるわね。』

 

もし彼女が魂が無くなってしまった状態であるならば何故再び起きあがることが出来たのだろうか?

まぁ、それに越したことはないのかもしれないけど……なんだか腑に落ちない。

ただ単にパチュリーさんの情報が間違っていただけ………というのもあり得るけど………。

 

「なにがあったかって………あたしは買い物に行っていて……それで……。」

起きあがった女性は状況が読めないままに訊かれたことに答える。

が、途中で言葉が切れる。そして次の言葉を紡ぐことがないまま時間は過ぎていった。

何かを思い出そうとするように頭を強く押さえながら

「そのあと……。そのあと………………。何であたしはこんなところにいるんだ?」

思い出せない現実を逃避するように質問を返した。

「あ、えっと……あなたは昨日道で倒れているのをここまで運ばれてきたんです。昨日今日とそんな人達がたくさんいたので里では病か何かだと判断して被害にあった方々を隔離したんです。」

「いきなり倒れた…?それに隔離だって?」

急な話に着いていけないのか女性は眉をひそめて説明されたことを復唱する。

 

「倒れたときのことは覚えていないんですか?」

「……あぁ…。買い物から帰ってるところまでは記憶にあるんだが……。」

霊夢さん達はパチュリーさんの話を聞いていないはずだけど、それでもどこかしっくりこないところがあるのか考え込むような様子で起きあがった女性を見ていた。

「本当なら詳しく話を聞きたいところなんだけど……その様子じや、あんまり意味無さそうね……。」

「……………?よく分からないが悪いね……。」

霊夢さんは自分で自分の肩を揉みほぐしながら溜め息をつく。

 

 

 

「うーん…………。なんだか複雑なことになってきたみたいですね…………。」

 

 

突如響いたその声に僕達が振り向く。

そこにはやはり、例のごとく………。

 

「文さん!?」

 

ニコニコと笑みを浮かべる一人の新聞記者が立っていた。

 

 

 

 

    続く……。

 

 

 

 

小さなおまけ~お家に帰るまでが買い物です。~

 

今日はすこぶる天気がいい。

やはり天気がいいと足も軽くなり、いつもと同じ買い物からの帰り道がなんだか普段より鮮やかに見えてくる………気がする。

この分なら家事も捗りそうだ……。

 

ドンッ……。

 

「あっ……すいません。」

「あ、いや大丈夫だよ。」

角を曲がるときに人とぶつかって後ろに尻餅をついた。

しかしぶつかった相手の方はよろめいたりすることなくぶつかった後も直立していた。

「怪我とかはないですか?」

そういって差し出された手を遠慮なく取る。

 

 

そして………暗転。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!キリンさんが好きですが海獣類の方がもっと好きな彩風です!

今回もここまで見ていただきありがとうございます!
この作品ももう文字数、話数ともにかなり大きなものとなって参りました!
皆さんも暇でs――
皆さんも時間の使い方が上手いですね!見習いたい!
相変わらずの文才ではありますが次回も見に来て下さいれば幸いです。


さて、余談に移りましょうか(満面の笑み)

彩風は先日驚愕しました。
名前は控えますがあの有名俳優さんにコカインを服用していたという容疑がかかってしまいました……。
ショックです。
ショックで死にそうです。

相○好きだったんですがね……。
再放送は大丈夫なんでしょうか………。
やはりあのシリーズ最終回は意味ありげでしたからね……いや、関係ないとは信じていますが………。

まぁ別にまだ決まった訳ではありません!
本人は否定しているそうですし、何事もなく終わってくれることを願っています。



それでは!次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!!





なんてな………それだけで終わると思ったかい?
今日が何の日か私が覚えていないとでも!大丈夫だ忘れていない!


チノちゃん誕生日おめでとーう!!!!

可愛いよ。可愛いよチノちゃん!!
お兄ちゃんが何でも買ってあげるからついてこようね~~。


チノちゃんのジト目に罵られたい。

投稿日当日に見ていない方はお察し下さい……。


それでは!今度こそ次回もゆっくりしていって下さいね!


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8章 4話~変身なんて序の口~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・なんだか最近お腹が出てきた気が……夜食ラーメンがたたったのだろうか……?
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「いやぁ………遅くなりました……申し訳ない。」

 

「こ……この方は……?」

今の文さんはいつもとは違いジャケットにズボン……頭襟の代わりにキャスティング帽をかぶっている。

なるほど………確かに人に紛れても違和感のない服装かもしれない。

それより僕の服装が普段通りであることに気づいた。でも、それに関して何か言われた記憶はとくにない………。

本当にあのとき着物を着ていく必要はあったんだろうか……?

「あぁ………えっと……とりあえず怪しい奴……ではないわよ。」

霊夢さんが言葉に詰まりながらも何とか答えた。

『怪しい奴ではない』と言い切るのを少し躊躇った様子だったがそれも無理はないだろう。

尋ねた女性からすれば急に自分たちの後ろに現れてニコニコと笑みを浮かべているわけだ。

怪しいを形にしたようなものだろう。

「そう……ですか………。」

訝しげに視線を送られた文さんはそれに答えるようにニコッと微笑んだ。

 

「いったいいつからそこにいたんですか……?」

「勿論今来たばかりですよ?」

文さんは考える間もなく答えた。………本当かどうか疑わしいものだが疑っても仕方がない。

「しかし………なかなか酷い有様ですね……。これは昨日今日で倒れた方々ですか?」

「あぁ……昨日で9人今日で5人、合わせて14人だぜ。」

なるほど……と文さんは手に持つペンを顎に当てて何かを考え込んでいる。

そしてサラサラと手帳になにやら書き込んだ。

「まぁ、その辺は鞘のメモを見ればだいたいは把握できるでしょう。それでは鞘……メモを……。」

「え?」

僕はきょとんと首を傾げる。

メモ?

めも……?

MEMO!?

「あぁ!!」

文さんがやれやれと肩をすくめる様子を見て一つ、とても大事なことを思い出した。

 

 

「ごめんなさい!!!」

地面にぶつかったおでこに走る痛みなど気にすることなく土下座の姿勢を保った。

反射的にとった行動に下を向いていても皆が驚いているのが分かる。

「とりあえず頭を上げて下さい。」

すると文さんの優しい声がかかる。恐る恐る顔を上げるとやわらかくあたたかい人を安心させるような笑みがあった。

ただ右手が写真機へと添えられているのが凄く気になる。撮ったんですか?撮ったんですよね?

「あぁ……なんというか。失敗は誰にでもあるものですしそんなに気にしなくてもいいですよ………。これまであったことを伝えてもらえれば……。」

慰めるような声に思わず視界が霞む。

言葉を発そうとしたのに上手く音にならずに空気中に溶けてしまった。

「あら……随分と甘いのね。」

「はは…こういうのは飴と鞭が大切なんです。鞘とハサミは使いようですしね。」

僕の涙を返して下さい。

 

とは言っても今回は僕の不注意のせい……というか間抜けだったせいだ。

「え……えっと、じゃあ説明しますね……。まずは……。」

 

 

~少女説明中~

 

 

「なるほど………それはまた随分と面白いことがあったんですね。」

「面白い……って不謹慎でしょ。」

霊夢さんに咎められ文さんは考え直すように視線を下ろすとすぐに人差し指を立てて

「興味深いこと……で、どうでしょう?」

「いや、どうでしょうと言われても………。」

霊夢さんは呆れるようにため息をつき、それから起きあがった女の人の方を向く。

「それで、この人はどうすんの?人里に帰れるの?」

「あ、まだ完治したとは限りませんし一応もう少しだけここにいてもらうことになるかと……。」

「え!?」

期待と違う答えだったのか女の人は眉間にしわを作り、不満そうに声を上げた。

「あたしは大丈夫だよ!!旦那や子供が待ってるに違いないんだ!!どうにか帰れないのかい?」

「ご……ごめんなさい……。」

「……。」

布団を退けて身を乗り出してこられたからか怯みながらも女の人は頭を下げる。

その答えに、起きあがった女の人は頭を掻きながら小さくため息をついた。

機嫌悪そうな眼がふと僕を向く。……いや、僕じゃない……僕の横にいる…………千恵さん?

千恵さんを見る眼がどんどんと見開かれていき、そこには驚きの色のみが映っていた。

「あんた……そう言えば……。」

彼女の指はまっすぐ千恵さんへと向けられている。

その先の千恵さんはきょとんと首を傾げていた。

「ええと……何だったか……?」

女の人はなかなか続きを言わず、言葉を探して黙り込んでいる。

するとそんな女の人に千恵さんがゆっくりと近づいた。目の前まで行くとすっと屈む。

そして女の人が起きあがったときの同じようにそっと右手を差し出した。

その瞬間…………。

 

フッと糸が切れたかのように先ほど起きあがった女性がまた倒れてしまった。

 

「「「え?」」」

全員が声を揃える。正確には千恵さん以外の……ではあるが……。

そして千恵さんはフラフラと立ち上がる。顔だけをゆっくりとこちらに向けた。

その顔には感情が映っておらず、なにを思っているかは読みとれない。強いていうなら苛つき……だろうか?

それには少し見覚えがある気がした。

「チール……さん?」

恐る恐る呟いた僕に正解だといわんばかりに千恵さん……いや、チールさんがヘラッと笑みを浮かべた。

瞬間、辺りに緊張が走る。

 

「この方がチールさんですか………?」

早苗さんが慎重に呟いた。ただ一人だけ状況を理解できていない女の人は困惑しながらも再び倒れてしまった彼女の下へと駆け寄った。

顔、体つき、見た目からはそれがチールさんだなんて思えない……けれど、それは確かに…彼女だった。

皆の表情が強ばるのに対してチールさんはポケットに手を突っ込み顔に余裕を映すと……

「お久しぶり……とでも言っとこうか?」

僕と文さんを順に見る。その声はチールさんのものとは少し違うような気がしたが、それでも特徴的な雰囲気は他人とは思えなかった。

「どうも……随分と印象が変わりましたね。それも能力ですか?それに相方がいないようですが?」

「あぁ、エルならいたよさっきからずっとな。」

一つ目の質問には答えずにクスクスと笑う。そんなエルさんに苛ついたように霊夢さんは一歩前に出た。

「えっと……あんたのことは聞いたわ。単刀直入に訊くわよ……。今回の事件の犯人はあんた?」

そっして本当に単刀直入に尋ねる。

予想だにしない急展開に何も知らない女性はただただ混乱していくようだった。

そんな彼女に追い打ちをかけるようにしてチールさんは……

 

「あぁそうだよ。その通りだ。」

 

驚くほどあっさりと犯行を認めた。

あまりのあっけなさに何だかむしろ怪しく思えてくるぐらいだ。他の皆も同じように感じたのか一様に眉をひそめている。

「私等がこいつになって里で人の魂を狩ってたんだよ。昨日からな。」

そんな僕達を気にせずにチールさんはスラスラと話を続ける。その様子に嘘が混じっているような様子は見受けられなかった。単に僕が嘘を見抜くのが下手なだけかもしれないけど……。

「どうしてそんなことを……。」

するとずっと傍観していた女の人がこう呟いた。不安げで辛そうで何か乞うような声。

しかし続いた言葉は無慈悲に鋭利な刃となって突き刺さる。

「意味なんてないよ。ただの暇つぶしだ。」

「そんな!暇つぶしだなんて!!!」

思考するよりも先に叫んでいた。

色の映らない眼がこちらを向く。

「た、たかが暇つぶしでこんなこと……。許されるはずないじゃないですか!!!」

俯いて震えながら……しかし力強く、ハッキリと言いはなった。しかし、答えは間を空けずに返ってくる。

「……何でおまえにそんなことが言えるの?人道に反するだとか非道徳的だとか言いたいわけ?悪いけど私等にそういうの求めないでもらえないかな?ルールだとか決まりだとかそんなもの関係ない。私等にとっちゃそんなのは知ったことじゃな―――。」

「チー。そこら辺にしときなさいよ~。」

そんなに喋るタイプではないと思っていたチールさんが熱くなっているのを宥めるようにして聞こえた緊張感のない声。

その声の主は先ほど再び倒れたはずの女性。

驚きに言葉をなくす僕達を気にすることなく、ムクッと体を起こすとチールさんの肩に手を置き

「いじめたら可哀想でしょ~それにそんなにツンツンしてたら友達なくすよ~?」

あまりにも場に似合わない声色で話す。

「ん~?あ!どうもどうも。お二人はおひさしぶりだね。エルだよ~。」

そしてふとこちらを向いたかと思うとニコニコと笑いながらそう言った。

 

 

簡単に整理してみよう。

まず僕達はここに来る途中に千恵さんと出会う。

千恵さんは周りの人たちからこの事件の元凶だと騒がれていたけど本人は否定していた。

新たに被害に遭った女の子を連れて、この屋敷にやってくるとそこには14人もの人が隔離されていた。

特に収穫もないまま息詰まっていると千恵さんがおもむろに倒れている女性の一人に近づいて、

すると急に倒れていたはずの女性が起き上がった……。

それで驚いて話していると女性が千恵さんを指さして何かを言おうとして

それと見た千恵さんが再び彼女に近づいて彼女はまた倒れてしまった。

すると千恵さんは自分はチールであると告げる。見た目は違えどその言葉には嘘がないような気がした。

そして僕達が話している最中、熱くなったチールさんを宥めるようにして声を上げたのが先ほどチールさんによって蘇り、チールさんによって再び意識を失った女性だった。

そしてその女性は先ほどとは全く違う雰囲気で喋っており彼女は自分がエルであると言っている。

 

…………全く訳が分からず頭痛が痛くなってくる。

 

 

そもそも彼女たちがエルさんとチールさんだって本当なのだろうか?

まぁ空を飛んだり得体の知れない弾を繰り出すことが出来るこの世界で人の見た目変わるぐらいそう不思議でもないかもしれないが……。

それに仮に本当にエルさんとチールさんだったとしても行動の意味が分からない。

事件のことは暇つぶしだって言っていたけど……一度僕達から逃げたのに何故もう一度僕達の前に現れたんだろう。

それに倒れていた女性がエルさんだったなら何故被害者に化ける必要があったのだろうか……。

それにそのエルさんに対するチールさんの行動も不可解だ。

 

溢れそうな疑問に首を傾げているとそんな様子を見たからかエルさんが苦笑する。

 

 

「あはは。少しだけ種明かししてあげても良いかな……。」

 

 

 

 

      続く……。

 

 

 

 




はい!嫌いな教科は社会。苦手な教科は社会。無ければいいのにと思う教科は社会の彩風です。

歴史が特にやう゛ぁい。

とまぁ、そんなことは置いておきまして今回もここまで閲覧ありがとうございます!
最近はリアルの方も忙しくなってきました。
更新ペースは落とさないようにするので大丈夫だ問題ないです。


そんじゃ、余談ですよ!
彩風の余談は安心安全お子様や御高齢の方でもご利用いただけます。
安心してご覧ください。


来る12月13日……
そう。やってくるのだ……

ローソンごちうさコラボがやってくるぞぉぉおお↓おおおお↑

さて取り乱しましたね……
いやぁそれにしてもやってきましたね……あれ?前にもこんなこと言ってた気がする……。
加賀さんや鹿島さんは制服着たんだからシャロちゃんやマヤちゃんも着ればいいのに。

とまぁ、コラボのせいで彩風は朝からせっせとローソンまでチャリンコを走らせなくてはいけない訳なのですが、
それはいいんだ。別に大した労力でもないです。
ただ一つ問題があるとすれば、

彩風の財布が吐血しだしています。

枯れきった声で泣きわめいています。
助けたいけど残念ながら俺の力じゃどうにもならないんだ……。
すまん財布(棒)

そんな自らの貯金にコークスクリューかましていくローソンの思惑にはまる豚野郎です。



それでは次回も是非ゆっくりしていって下さいね!!


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8章 5話~理由なんてさほど重要ではない~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今年ももう半月かぁ……………今年の思い出がいくら探しても見あたらない
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「あはは。少しだけ種明かししてあげても良いかな……。」

 

 

そう言うとエルさんは人差し指を立てて「まず一つ…」と続ける。

「私の能力は『魂を宿らせる程度の能力』これは宿らせるとはいっても、0から1を作る能力じゃない。」

緊迫した雰囲気の中、僕達の周りをゆっくりと歩く。

「私が出来るのは存在している魂を存在している体に取り込ませること。魂と体を結びつかせることが出来るのが私の能力。そんでチーの方の能力は『魂を奪う程度の能力』こっちは名前通りだね。魂を体から無理矢理引き剥がすことができるってわけだよ。」

「これは親切にどうも……。そうやって体を入れ換えているってわけですか……。」

「う~ん……まぁそんなとこだね。あ、因みに前の姿が本当の姿だからね?本来ならもっとピチピチの女の子だから。」

どうでもいい補足をしながらエルさんは笑った。

 

でも今の説明と状況を比べると魂を体から引き剥がすまでは分かるけどその魂はどこに行ってしまったかが分からない。

チールさんが人々から魂を『奪った』後にエルさんが何かに魂を『宿らせる』という流れではないのだろうか?

今のエルさんとチールさんは何故かは知らないけど、自分から情報を僕達に伝えている……思考するよりも訊いた方が早いと口を開けかけるがそれを慎重な声が遮った。

「それなら私達も危険なんじゃ……。」

早苗さんが一歩後ずさる。

言われて初めて気づいた。確かに魂を奪うことが出来るならいくら文さんや霊夢さんでもどうにも出来ないんじゃ……。

「あはは。安心してよ。私達にお姉さん等の魂は扱えない。勿論皆に試してみたけど……すごいよね君達の中の誰も私等の能力じゃどうにも出来なかったんだから。」

エルさんがクスクスと笑う。まぁ確かにそれが出来たら僕達から逃げる必要もなかっただろう。

その言葉に嘘はない……と思う。

「どうしてわざわざそんなことを私達に教えるんですか?あなた方にメリットがあるとは思えませんけど……。」

尚も警戒する僕達にエルさんは楽しげに答える。

「そうだよね。不思議だよね……。えっと……簡単にいうと『ゲーム』がしたいんだよ。」

そしてありきたりな理由を示した。ありきたりとは言ってもそれはB級映画や小説の中の話だ。

現実でこんな事件に発展していながら理由がそんなものだなんてにわかには信じられない……。

「そこのお兄さんは不満があるみたいだけど私等がこの事件を起こしたのは単なる『暇つぶし』なんだ。それ以上でも以下でもない。」

エルさんは手を後ろで組んでニコニコと話す。

「欲しかったのは刺激。ただそれだけだから。」

すると黙っていたチールさんも口を開いた。

エルさんは浮かべていた笑みを一層深める。そして「でもさ……」と続ける。

「ただ一方的に自分よりも弱い人や妖怪の魂を奪うだけじゃ物足りないでしょ?だから君等に私等を止めて欲しいんだ。妨害があればちょっとは楽しめるでしょ?」

あははと無邪気な笑みを浮かべる裏には計り知れない悪意のようなものが窺えた。

「それでも止める側になんのハンデも無しじゃアンフェアだからね。ヒントをあげたってわけさ。どう?納得いったかな?」

「いくはずないじゃないですか!!」

思わず声を荒げた。

記憶が戻ってから今まで……そしてきっとその前も感情的になることなんて殆どなかったけど、今はならざるを得なかった。

プルプルと震える僕を見てエルさんは少し驚いたようにきょとんとして、それからすぐに、

「あはは、どうもお兄さんは正義感が強いらしいね……。良いと思うよ。こちらとしてもそういう人が相手の方が燃えるしさ。」

いつも通りの笑みを浮かべる。

「そんなこと言ってるけど私達が相手にしなかったらどうするの?」

「う~ん……そんなこと考えたなかったな……。だって無視なんて出来ないでしょ?」

エルさんはわざとらしくとぼけ、いやらしい笑みを浮かべる。

霊夢さんはピクッと眉を震わすと今にも額に青筋を浮かべそうな笑顔をつくる。

「そんな怖い顏しないでよ。綺麗な顔が台無しじゃない。」

その場に一人分の笑い声が響いた。それは場を呑み込んでしまうような不思議な雰囲気をかもし出している。

 

「笑っていられる内に笑っておきなさい……。」

 

すると負けじとエルさんと同じように場を呑み込むような笑い声が響く。

思わずぞくぞくと背筋を悪寒が走る。隣を向くと声の主が笑みのような何かを浮かべていた。

もし表情に色があるとするならば今の霊夢さんの表情は間違いなく黒だろう。

そんな霊夢さんに怯んだのか、それともたんに不気味がっているだけなのかエルさんとチールさん。それに魔理沙さんや早苗さんもひきつった顔で霊夢さんを見つめている。

「なにそれ……?どういう意味―――。」

怪訝そうに恐る恐る口にするエルさんの表情が一瞬で凍った。

チールさんも目を見開いてエルさんと顔を合わせている。

 

霊夢さんがにやぁと嫌な笑みを浮かべ、二人に話しかける。

「どう?身動きできない気分は?」

二人が地面に跪いて霊夢さんを睨んでいるところからすると霊夢さんの言葉通り身動きがとれないのだろう。

「あんたらが言う…ゲームだか何だか知らないけど……そんなもん知ったこっちゃないわ……。よくあんた等みたいな間抜けが私を利用しようだなんて考えたわね。」

正直なところ今、目の前で何が行われているか全く分からないけど、とりあえず分かるのは霊夢さんが相当頭にキているってことだけだ。

「さぁ洗いざらい喋ってもらうわよ……その前に一回痛い目見た方が良いかしら……?」

エルさんやチールさんの悔しげな様子を見て霊夢さんの表情の色がどんどん爽やかな空色へと変化していく。

一歩一歩、二人の反応を愉しむようにゆっくりと距離を縮めていっている。

僕がもし二人の立場だったら怖さで失神していたかもしれない。

 

「ほら、何か言いなさいよ。」

霊夢さんの冷たく言いはなった言葉に答える声はない。

「チール………だったかしら?黙ってないでなんとか―――」

 

バタッ……。

 

はかなく響いたそんな音。

目の前ではチールさんの体がエルさんに寄りかかるように横たわっていた。

「………?」

そして横のエルさんが俯いた状態で微かに笑みをこぼす。

「チールは私の方だよ。」

続いてこう言った。

そう。エルさんが「チールは私の方だよ。」と言ったのだ。

その声は確かに先ほどまでのエルさんの声………しかし、妙な説得力のあるその言葉に僕は息を呑んだ。

「………ハッ…。一個教えてやる。魂に実体はない……体を拘束したところで意味なんてないんだよ。」

つり上がった口角の端から嘲笑が漏れる。

そして、

「あはは。ま、そういうことだね。」

倒れていたチールさんがゆっくりと起きあがった。

 

………ええと?これはどういうことだろう………?

エルさんとチールさんが入れ替わった?

それともお互いにお互いを演じているだけ?

もともと分かっていたわけでもないけど、もう訳が分からない

 

「にしてもお姉さんは結界を使うのが上手だね………。鬱陶しいんだよね、これ。」

僕達の理解が追いつくのを待たずにチールさん……いや、エルさんがスッと立ちあがる。

「なっ!?」

エルさんの動きが予想外だったのか霊夢さんが驚きの声をあげた。

そしてすかさずエルさんを捕まえようと一歩踏み込んだ。

闘牛の如く突進してきた霊夢さんに怯むこともなくエルさんは闘牛士のようにヒラリとかわす。

勢い余って体制を崩し、なんとか踏み出した一寸先にはチールさんの足………。

見事にひっかかった霊夢さんは派手な音をならしながらすっ転んだ。

「おーきれいだね。」

クスクスと霊夢さんの転び方に短く拍手を送った後、エルさんが視線を移した先は…横で腰を抜かしている女性。

僕と同じでもう何がなにやらといった様子だ。

 

「そうだね……あなたがこの辺の仕上げ……ってことでどうだろう?」

エルさんの言葉も耳に届いていないのか呆然と目の前に立つ二人組を眺めている。

「ま、いいんじゃないか?」

座っていたチールさんも立ち上がり女性の方を向く。

女性は逃げることすらせずにただ黙って不安げな表情を浮かべている。

「大丈夫大丈夫。別に痛くも何ともないからね……たぶん。」

エルさんの手が女性へと伸ばされる。

 

 

『まずい』

 

 

考えるより先に体が動いていた。

エルさんと女性の間に割り込むようにして突っ込んでいく。

世界がスローモーションで流れて見えた。

エルさんの手が女性の手に触れる瞬間。

それを割くようにして僕の体がぶつかる。

瞑った目に映る暗闇の中でガンッガンッと鈍い音が鳴り響く。

 

そして、静寂が流れる。

 

ゆっくりと瞼を上げる。ぼやけた視界に映る曖昧な景色を眺めた。

さっきと同じ、腰を抜かした状態で動けていない女性。

その奥に立っている文さん、魔理沙さん、早苗さん。

横には頭を抑えながら体を起こす霊夢さん。

そして……彼女達は………?

姿が見あたらず数秒ほどせわしなく頭を動かす。

見つかったのは座り込んでいる女性の目の前、床に倒れている状態でだった。

 

「この……よくも…………って何よこれ。」

リベンジをしようと駆け寄った霊夢さんが呟く。

「意識があるようには見えませんね………恐らくこの二人はもう抜け殻なのでしょう。」

文さんが冷静に二人を観察し、溜め息をついた。

それにならうようにして霊夢さんや、魔理沙さんも倒れた二人の顔をのぞく。

「全く……さっきから何が何だか訳が分からないぜ………。」

魔理沙さんは頭を抱え、皆が思っていることを言葉にしてその場に吐き出した。

「確か魂には実体がない……とか言ってましたよね………。」

「あぁ……確かに言ってたわね……。じゃぁ何?体だけ置いてどっかに飛んでったとかいうわけ?」

「彼女達の本来の体は他にあるみたいですしあながち間違っていないかもしれませんね………。」

「はぁ………冗談でしょ………どうやって退治すりゃいいのよそんなの………。」

霊夢さんは一気に力を抜いたのかドスンとその場に腰を下ろす。

そして盛大に溜め息をついた。

 

「それで………これからどうするんですか?」

 

早苗さんの一言に皆が黙り込む。

本当に実体がないのであれば捕まえようがないような………。

それに手がかりも何もないし追いようもない………。

行き詰まった状態に空気はどんどんと重くなっていく。

 

 

「とりあえず……もうちょっと里を回ってみましょう。何か見つかるかもしれないし。」

 

 

霊夢さんが何とか発したこの言葉も何だか力ないものに思えた。

「それじゃ………私達は一旦離れるけど………何かあったらすぐに助けを呼びなさい。」

「は、はい!ありがとうございます!」

頭を下げる女性を背にして僕達は屋敷を後にした。

 

 

 

 

 

      続く……。

 

 

 

 

 

小さなおまけ~hide and seek~

 

「あははは……いいねいいね。面白くなってきた!!」

愉しそうに笑う声。

「相手としては十分だな。」

もう一つの声も心なしかいつもよりトーンが上がっている。

「しっかし……やっぱり使い慣れた体が一番だねぇ………。体が軽いよ。」

「そりゃそうだろ………。」

ぴょんぴょんと跳ねるように歩く二人が抱えているのは一人の女性。

彼女は抵抗することなく、まるで抜け殻だというようにピクリとも動かない。

二人組は周りにいる十数名と同じように彼女の体を布団にそっと置いた。

「安心しなよ。別にお世話なんてしなくても大丈夫だからさ。」

聞こえているはずがない耳にそう呟くと、二人組はそそくさとその場から離れた。

 

辺りに静寂だけを残して。

 




はい!今夜の飲み物を麦茶とオレンジジュースで迷い結果選ばれたのは○鷹でした。

嘘ですインスタントコーヒー飲んでます。


気を取り直しまして!今回も、ここまで見ていただきありがとうございます!!
近頃毎週日曜更新に努め始めました……。時間はバラバラですが………。
もしかすると時間は変動するかもですが悪しからず………。

気づけば今年ももう終わりですね……皆さんはピコハラ大丈夫ですか?
自分は恋ダンス強要させられてノリノリで……はなく赤面しながら仕方なく踊っていました。
ドラマの方は見ていないんですけどね。

そう言えば………年末の更新はどうしよう………。
早めに仕上げて予約投稿で……という方法もありますが………彩風の体力がもつ気がしないし。
そもそも年末年始にこんなもん見に来てくださる方がいるとは当然思っていませんが、ついつい気にしちゃうのが人間の性と言いますか知らず知らずの内に方法を模索してしまっています………。
まぁ、最終的には恐らく気合いで……ってことに落ち着くと思いますが………。



さ~て今週の余談ですよ。
いいですか?
僕は余談がみたい。僕は余談がみたい。僕の余談は痛い。僕は余談がみたい。
※御唱和ください


先日……とある本をよんでいた彩風………。

『最近の人はどうも周りを気にしすぎていて自分自身の考えを持っていない』
彩風「………(煎餅ボリッ)」
『ブログなどをやる人も大変多いですが知らず知らずの内にブログに自分の暮らしをコントロールされていっている』
彩風(コントロールねぇ………)
『いつの間にか日常の中でブログに書けるようなことを探しているんですね……』
彩風(あぁ………)
『それならまだ良いですがひどいとブログにかくネタのために自分の趣味を自分の好み関係なく変えてしまう人もいる』
彩風(別にそれはそれでいいと思うけど)
『そういう人は自分の書いたものが不特定多数の目に入るという前提で生活しているんですよね』
彩風「……ピクッ」
『実際は数人ぐらいしか見てないことの方が遙かに多いわけですけど』
彩風「………。」
『自分は人気者であるという妄想のせいで自らの生活を狂わせる人がとても多いんですよね。』


彩風「私のことですかねぇ!!??」


いやぁ……確かにそうでないと言うと嘘になるのですが………。
だって多くの人が見てるって妄想した方がモチベーション上がるじゃないですかぁ(涙目)
え?何?小説情報?お気に入りの数?UA?
…………。
あぁ~聞こえないし見えないわ~何も見えないわ~真っ暗だわ~


それでは!次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!


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おまけ編 8
おまけ編 1話~信じていれば来てくれます~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今日は何の日?さぁ?子日ですかね?
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






 

「いや………まぁ。そうですけど………。」

躊躇いなく子供達の夢を破壊する文さんに微妙な表情で応じながら溜め息をついた。

今年は雪が降るのだろうか?

 

 

 

 

 

 

「あぁ………おはようございます………。」

ある清々しい朝。鳥はさえずり澄んだ空気が僕の体を包んでいる。

出来るならばこのままお昼まで寝ていたいくらいだ。

「お、起きましたか。おはようございます。」

寝癖を立てて目をこすりながらあくびをしている僕とは対照的に文さんはこんな朝から机に向かっている。

規則正しい生活を送るのは良いことだし見習いたいものだ。

そう言えば新聞配達をしている人の朝はとても早いと聞いたことがある。

文さんの新聞は誰が配達しているのかな?

まさか全部一人でやっているわけでは…………文さんならあり得るかもしれない………。

でも新聞を刷ったりするところは見たことないし仕事場にそんな機械は見あたらない………。

考えれば考えるほど謎は深まるばかりだろう。

戻ってこれなくなる前に考えるのをやめた。

 

「いやぁ……それにしても鞘と会ってからもう暫くしますね………。時が経つのは早いものです。」

「なんだかお年寄りみたいですよ。」

しみじみと言う文さんに苦笑を漏らす。ふと頭に一つ、素朴な疑問が浮かんだ。

付き合い始めてすぐの人には訊けないが、これだけの時間を共にして知らないのはどうかとも思う。

意を決して疑問を質問へと変えて口にする。

「そういえば……文さんっていくつなんですか?」

文さんの笑顔が微かに震えた気がした。

「いくつ……というと?」

「いえ、年齢のことですけど……。もう会ってからそれなりに経つわけですから知らないのもどうかな……と思って。」

「私は鞘の年齢を知ってますよ?」

「いえ、僕も文さんの歳を………って何で知ってるんですか!?」

文さんは明らかに話から逃げようとしている………。

別にここで引き下がってもいいのだけれど文さんの秘密を知ることが出来るのかもしれない。もう少し粘ってみよう……。

「と、とにかく……文さんの年齢を教えてくださいよ。」

半ば強引に話を繋げる。文さんはう~んと唸りながら目を逸らすと笑顔を浮かべた。

「いくつだと思いますか?」

「………。」

出た……。とこぼれかけたのを何とか飲み込む。

いくつに見える?といえば世の中において5本の指に入るほど面倒な質問だろう。

実年齢より上を言えば勿論アウトだし、若すぎてしまっても考え物だ。

かといって当ててしまっても面白くないと言われてしまう。

ベストなのは実年齢よりも少しだけ下を言い当てること………相手を適度に満足させ、関係性を崩さずに済むのだ。

チラッと文さんを見やる。

ニコニコと浮かべる笑みは一見それなりに人生経験を積んできたものにみえる。

しかし、パッと見では成人しているようには見えない。

ここ幻想郷でのシステムは知らないから何ともいえないけど少なくとも文さんは仕事をしている。

それもジャーナリストという何だか経験を必要としそうな職業だ……詳しくは知らないけど。

これらから僕が考察し、導き出した答えはずばり………19歳………。

だとすれば口にするべき答えはマイナス1をして18歳にでもしておこう。

「18……歳………ですか?」

我ながらベストな選択が出来ただろう………。

しかし自画自賛に酔っている僕に文さんは苦笑を漏らした。

しまった………しくじっただろうか?

顔が緊張で強ばるのを感じる。

「さすがにそこまでではないですね……。」

文さんはクスクスとわざとらしく上品に笑った。

…………。

…………。

え?それだけ?

文さんは笑顔をキープしたまま言葉を切ってしまった。

そこまでではない……ってどっちだ?

下過ぎたのだろうか?それとも上過ぎた?

かなり自信があっただけに何だかちょっと悔しかった………。

「じゃぁ、いくつなんですか?」

「………。」

文さんは笑顔を崩さないまま一言も喋らない。

「えっと……?文さん?聞こえてます?」

「………。」

先ほどより文さんの顔がほんの少しだけ近づいた。

顔に陰が出来てちょっと怖い。

これが表すのはなんだろうか?これ以上詮索するなと言いたいのだろうか?

無言の圧力に気圧されながらもここで退いては女が廃ると負けじと訊き返した。

「文さんが僕の年齢を知っていて僕が文さんの年齢を知らないのは不公平ですよ!教えてください!」

「………。」

明らかに無理のある言い分だったが僕の必死さでそれをカバーできたのか文さんはどうするか悩むように唸った。

最後の一押しと文さんに期待の目を向け続ける。

「はぁ…………分かりましたよ……そうですね、教えてあげましょう………。」

溜め息と共に文さんからこぼれた諦めの言葉。これは僕が押し勝ったという認識でいいのだろうか?

ともかくどうにか文さんの年齢を知ることが出来そうだ………今回は珍しく僕の勝ちだろう。

勝利から来る満足感に浸りながらも文さんの次の言葉に耳を傾ける。

「とは言っても……こうも長く生きてると詳しい数字なんて忘れちゃってるんですよね。1000余年生きましたかね?」

「…………。」

サラッと答えた文さんの顔をまじまじと見る。しょうがなく白状してあげた……といった様子だ。

「何です?私の顔に何か付いてますか?」

疑いの目を向け続ける僕にいつも通りの笑顔を貼り付けてとぼけている。

「それで………実際のところは?」

気を取り直して尋ねる。文さんのことだ……ちょっとからかってきただけなのだろう。

「いえ、ですから1000歳ぐらいですって……。」

「………。」

しかし現実は笑いながら同じ答えをする文さんが目の前にいるだけだった。

「真面目に答えてください!怒りますよ!」

子供のように頬を膨らませて不服を申し立てる。

「私は至って真面目に答えてるんですけどね………。」

しかし続いた苦笑に怒る気力すら失われた。どうやら本当に教えたくないみたいだ………。

「分かりましたよ………文お婆ちゃん。」

溜め息と共に申し訳程度の嫌味をこぼして会話を終了させた。

このまま粘ったところで本当の答えは教えてくれそうにない。

まさか本当に1000歳なはずはないし20歳ぐらいだと思っておくことにしよう………。

最後の嫌味が効いたのか文さんはムッと眉をひそめると「まだまだ若いですよ!」とさっきまでの主張と全く違うことを言い出した。

 

 

ガタッ。

文さんとの会話にも一旦区切りがつき、僕は椅子に腰掛け、読みかけになっている本を開いた。

えっと……昨日どこまで読んだんだったかな……。あ、ここだここだ。

文字を頭の中で読み上げてゆっくりと本の中に入り込んでいく………。

のが理想的なんだけど……正直ちょっと難しくてスラスラとは読み進められない………。

………。

少し気を抜くだけで眠ってしまいそうだ………。

そういえばさっきも話していたけどもう文さんと出会って結構経つんだな………ここに来てからは気にもしていなかったけど今は何月何日なんだろう?

ふと浮かんだ疑問に思考回路を移す。文さんと会った日から1日ずつ駒を進めるように頭の中で年月を辿っていく………。

昨日が12月24日……そして今日が12月25日……………。

左右の指を何度か往復した末の終着点はそこだった……12月25日………。

皆さんは聞き覚えがあるだろうか?

ガタッ。

思わず本が閉じるのも気にせずにその場で立ち上がった。

「?……どうしたんですか?」

振り向いて不思議そうに尋ねる文さんに転びそうになりながらも駆け寄るとこう言い放った。

 

「今日クリスマスじゃないですかぁぁああああ!!!!」

 

 

 

「クリスマス………ですか?」

文さんは耳慣れない単語にいつの間にか手帖とペンを装備している。

「え?………まさかとは思いますけど知らないんですか?」

「クリスマスと言いましたよね……。聞いたことはないです………外の文化でしょうか?」

「えぇ……まぁそうですけど………。」

驚くことに幻想郷ではクリスマスがないらしい………。まぁ確かにクリスマスって感じの雰囲気は僕の知る限り見当たらないけど………。

ここは一つ………僕から文さんにクリスマスについて教えてしんぜよう!!

「コホン……いいですか文さん……クリスマスというのは毎年決まった日に行われる行事です。」

「年中行事ですね。」

「?…ええと……そうです。その通りです。それでですね……何をするかなのですが……。白髪の赤い服を来たお爺ちゃんがいい子達にプレゼントを配って回るのです!!」

あながち間違ってはいないが確実に核心から逸れている説明に文さんが成る程……とペンを走らせる。

「プレゼントというのは具体的には何を?」

「えっと………渡す子の欲しいものですよ………ぬいぐるみだったりスポーツの道具だったり……。」

「ではそのプレゼントを配る老人とは何者なんですか?」

「そ、それはですね……。」

子供に「ねぇねぇお母さん、サンタさんって本当にいるの?」と訊かれた親はこんな気持ちになるのだろう……。

しかしこの場合「ねぇねぇお母さん、サンタって何?」である……。

「えっと……さっきの通りいい子達にプレゼントを配るのですが………目立つ赤い服を着て、白髭を生やした優しいおじさんです……多分。トナカイにソリを牽かせて一晩で子供達の家をプレゼントを配って回るんです。」

「ひ……一晩でですか?その子供達とはどれぐらいの人数がいるんですか?」

「え?………えっと100万人……くらい……?」

当然そんなこと僕に分かるはずもなく適当に予想した数字を答えた。

珍しく驚いた様子を表に出す文さんはそれでも腕の動きを止めなかった。

「とんでもないですね………少なくとも人間ではないでしょうけど………。単純計算で1秒30人強…ですか。」

何かブツブツと呟きながら尚も手帖にペンを走らせている。

「そう言えば鞘は先ほど多分。って言ってましたけど、実際に見たことはないんですか?」

「あ、ありませんけど……。」

「プレゼントをもらったことは?」

「あ、ありますよ?」

「そもそもどうやって子供の欲しい物の情報を仕入れているのでしょうか?………それに今日以外は何をしているんでしょうか?どうにも謎に包まれた人物ですね………。」

「いや………まぁ。そうですけど………。」

 

躊躇いなく子供達の夢を破壊する文さんに微妙な表情で応じながら溜め息をついた。

今年は雪が降るのだろうか?

 

 

 

 

    続く……。

 




はい!好きな物は最後までとっておく派の彩風です。

そもそも好物ってそんなに無い気がする。

そんなことはどうでもいい!!
今回もここまで見ていただきありがとうございました!
いやぁ、投稿日に見ている方しか分からないネタを平気でぶっ込んでいく系男子です。

さて、まぁ本文を見た方は察しているでしょう……。

今日は何の日?



子日だy(殴



使い回しは良くない。


とまぁ、冗談はさておきクリスマスですね。
そう、聖なる夜もとい○なる夜です。
テンション上がったいい感じの男女が××で○○○○な△△△を☆☆☆☆☆しちゃう夜です。
彩風はぴゅあなので自分でも何言ってるか全く分かっていませんが、何故か怒りが湧いてきました。

とはいっても、皆さん投稿日に見てくださっている方々は勿論、彩風と同類でしょう。
クリスマスに見るようなもんじゃないですよ?これ。
いやぁ、あなた方とは旨いお酒が飲めそうです※お酒は二十歳になってから
一緒にクリスマスを飲み明かしましょう!!※お酒は二十歳になってからだって
もう、今日は飲んじゃいます。ドンペリいっちゃいます!※お酒は二十歳になってからっていってんだろうが


え?
おまえと一緒にするな?
今横で彼女が裸で寝てる?
………。



この後書きは10秒後に自動的に爆発します(真顔)





次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!
非リアに神のご加護が有らんことを。


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おまけ編 2話~あけおめ・そしてことよろ~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・2017年も是非僕と天狗の取材録をご贔屓に……
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「明けましておめでとうございます!!文さん!!」

 

 

窓に映る初日の出を眺めながら横の文さんに話しかけた。

「鞘。前回のあれがあってからいきなりそれをぶっ込んでくるのはどうなんでしょうか。」

心惹かれる美しい太陽の光を浴びながら文さんは失笑をこぼす。

「…?前回というのは?」

「何でもないですよ。」

文さんにそう言ってはぐらかされて何だかスッキリしないまま会話を終える。

 

そうして目の前の景色に意識を移した。

 

 

「改めて文さん!!明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!!」

背筋を伸ばして正座をすると深々と頭を下げる。

「えぇ、こちらこそ今年も宜しくお願いしますね。」

文さんは僕の目線まで屈むとニコッと笑みを浮かべた。

 

「いやぁ………去年はとっても忙しいし内容の濃い一年でした………。」

「新年早々去年の話をするのはどうかと思いますけど…………。」

文さんに半眼を向けられて確かに……と話題を変える。

「文さんは何か今年の目標とかは無いんですか?」

「目標………ですか………。」

う~んと唸ること5秒ほど……懐から手帖を取り出すとサラサラと何やら書き込んだ。

そして、ページを一枚破り僕の前に突き出す。そこには達筆で、

 

『猪突猛進』

 

………。

チラっと文さんの顔を見やると満足げな顔で僕の反応を待っている。

「何というか、こう…………とても文さんらしいですね……!」

とりあえずは思ったことをそのまま伝えておいた。

今年の目標になるのかどうか怪しいけど……。これだったらもう達成してしまっているだろう。

「何事にも全力で取り込むことが成功への一番の近道です!手を抜くなんて言語道断ですよ。」

………何だか格好いいことを言っているけど文さんが言っても説得力が無い気がする。

文さんは兎を狩るときは最低限しか力を出さないタイプの獅子だろう。もしくは爪を景色と擬態させる鷹かな?

あ、でもネタにはなりふり構わず突っ走っていくかもしれない。

「今年はもうネタになりそうなことは何でもして手に入れるぐらいの意気込みで行きますよ!!勿論鞘も。」

「ん?」

今何でもするって……。僕も?

文さんの言葉通りにならないように祈りを込めて大きく溜め息をついた。

 

「それで?鞘の方は何かありますか?今年の目標は。」

「僕ですか?」

文さんにペンと手帖を無理矢理手渡される。同じようにここに書いて示せ。ということなのだろう。

「ん~………目標ですか……。」

目を瞑ってゆっくりと考えてみる…………。フリをしてから思いついたように手帖にペンを走らせた。

きっと訊いたら訊きかえしてくるだろうなと予想していたのだ。

ふふふ……文さんに尋ねる前から答えは準備してある。

丁寧にページを破るとバッと文さんの前に差し出す。

 

『安全第一』

 

「………。」

チラッとこちらを見やる文さんに満足げな表情を見せる。

「何と言いますか………こう………鞘らしいですね。本当に……。」

しかし期待とは裏腹に文さんの反応は思ったことを適当に口にしたようなものだった。

確かに目標としてはありきたりかもしれないけど……去年の経験を生かして僕が最善だと考えた四字だ。

「幻想郷では常識に囚われちゃいけないと学びました!何事にも慎重によく考えて臨むようにしたいと思います!」

「まぁ、いいんじゃないですか?とても大事なことですし。」

そう言う文さんは苦笑いを浮かべている。僕が何か変なこと言っただろうか?

 

「因みに、《安全第一》の次に何があるか知っていますか?」

僕の心配をよそに文さんが人差し指を立てた。

「え?続きなんてあるんですか?」

「えぇ、どう続くと思いますか?」

安全第一のあと……、多分○○第二と続くのだろう。

安全の次だから……健康………とか?

「………健k……。」

ニヤニヤと面白そうに僕の考える様子を見る文さんを見て言いかけた言葉を飲み込む。

果たして本当にそんなに単純なことなのだろうか……。

文さんのことだ…きっと引っかけを用意しているに違いない。

そもそも○○第一なら○○第二なんて簡単な問題を文さんが出すわけがないじゃないか………。

一度思考をリセットする。

 

まず、安全第一って言葉を見かけるのは基本工事現場だ。

そして、その先に続く言葉………。もしかして○○に心がけよう!とか○○に気をつけよう!のような注意を促すような言葉が入るのでは?

その考えが浮かんだ瞬間僕の体に電撃が走った。

そうだ!きっとそうに違いない!!文さんめ……そんな引っかけに足をかけるような前の僕と同じではありませんよ。

じゃぁ、その次に続く言葉は?

工事現場において安全第一……ってことは事故防止ということだろうか?

工事現場の事故………。思い浮かぶことと言えば高い場所で足を踏み外したり鉄骨なんかが上から落ちてきたり……。

色々なケースがあるだろう。

それらをまとめて防ぐように促すような文句…………。

 

「分かりましたよ文さん……!」

「おおー。そうですか……それでどんな言葉が続くと?」

自信満々の僕に文さんは言葉の割には感情が籠もっていない声をあげる。

その様子だとろくな答えが出ないだろうと思っているに違いない。

ふふふ………10秒後、貴様はその考えを覆すことになる………!

「安全第一………」

とりあえず小さく呟く。

文さんはニコニコと母親が子供の言うことに耳を傾けるようにして僕の方を向いている。

意図しているのかしていないのか分からないけどかなり馬鹿にされている気がする………。

しかし!そんな風にしていられるのも今のうちだ………。

僕は大きく息を吸い込み、たっぷりと間を開けてからこう言い放った。

 

「周りに気をつけよう!」

 

ドヤァ。

そんな擬音が似合いそうな自信満々の笑みを浮かべる。

そして数秒の沈黙。

 

「くっ………くくっ………くす………………ブホォ!!」

人をいらつかせるという点にかなり長けている笑いが沈黙を破った。

堪えようとしているのか全く堪える気がないのか良く分からないが何にせよちょっとムッとしてしまう。

「ははは………ひぃ……ひぃ………。」

腹を抱えて笑い出す文さんに頬を膨らませて半眼で応じる。

そのまま数十秒ほど笑い声が止まることはなかった。

 

「満足しましたか?」

「悪かったと思ってますって……よく考えればそんなに変な答えでもないですし……『周りに気をつけよう!(キリッ)』……ブッ。」

「もういいです……!」

「あぁあぁ!!ごめんなさいごめんなさい!」

涙目でそっぽを向いた僕の機嫌を取り戻そうとしているのか僕の周りをシュバシュバと移動しながら謝罪の言葉を述べる。

これは挑発というのではないだろうか?

「それで……答えは何なんですか………?」

ボソッとこぼした僕に文さんはきょとんと首を傾げる。

そして思い出したようにあぁ!と声を上げると僕の正面の椅子に腰掛ける。

「そうでしたね。伝えてなかったですね。」

そう言うと手帖から新たに一枚ページを破った。……そんなに破ってしまっていいのだろうか?

スッと差し出されたそこにはまたまた達筆で

 

《安全第一・品質第二・生産第三》

 

こう書かれていた。

品質……?生産?

○○第二という考えは合っていたのか深読みしなければ良かった。

にしても、品質と生産……って?

 

僕が頭を捻っていると僕が考えていることを察したのか

「この言葉はもともとはとある会社の方針のことだったんですよ。因みに最初は安全と生産の順が逆だったそうですけど。安全は二の次だったってことですね。」

「へ~」

そんな豆知識に何だか気の抜けた声を漏らす。

今年の目標として《安全第一》と掲げた後にそれを聞かされると何だか複雑な気分だ。

別に品質や生産を気にするような1年になるなんてことはないだろう………。よほどのことでもない限り。

 

 

 

 

「とまぁ………そんなことはどうでもいいんです。」

すると急に真面目な顔になった文さんの顔が近くなる。

「ひぇぁ!?」

急のことに思わず変な声を上げる。

触れてみなくても自分の顔の表面温度が高くなっているのが分かる。

 

「改めて!今年も宜しくお願いしますね!!」

 

思わず入っていた力を抜く。

「は………はい。お願いします。」

力ない笑みを浮かべるとそう言ってペコッと頭を下げた。

どこか満足げな文さんはうんうんと頷くと机に視線を落とした。

 

 

さすがの文さんでもお正月くらいは休むのかなと思っていたけどむしろいつもより熱心に机に向かっているように見える。

記事を書いているときは僕に手伝えることは何もない。

「ふぅ………」

力を抜いて椅子に腰を下ろした。

何だか妙に眠い、ちょっと寒いからかな?

眠くてぼやけた視界で外を見やる。

それから曖昧な意識が冴えるまで数えるほどもなかった。

 

「文さん!!」

 

「はい?」

振り向いた文さんに外を見るように指で窓を指す。

促されるままに窓の外を見た文さんも「おぉ……!」と声を上げた。

思わず窓の方に駆け寄って円形の景色を眺める。

 

 

「雪ですよ!!」

 

 

文さんも外を見たのだから当然分かっているだろうけど、ついつい自分の視界を言葉にせずにはいられなかった。

しんしんと降り積もるそれに目を奪われ、仕事場の外に足を踏み出した。

 

 

 

「うわぁ………!!雪です雪!snaw!!」

子供のように両腕を空に向けてはしゃぐ僕を見て文さんが苦笑を漏らす。

「活字じゃないと分からないネタをぶっ込むのはどうなんでしょう……鞘、snawじゃなくてsnowですよ。」

「あれ……?そうでしたっけ。」

そんな間違いを照れ笑いでごまかした。

 

辺りは真っ白な薄いカーペットで覆われ光を反射して幻想的な風景が広がっている。

屈んで触れてみるとふわふわと柔らかいそれはスッと手のひらに溶けた。

新鮮な感覚に何度も手を握ったり開いたりを繰り返していると首もとに何かがぶつかった感覚があった。

「ひゃん!?」

首もとの冷たい何かを一心に払い落とす。

振り向くと文さんが雪玉を片手にニヤニヤと笑みを浮かべていた。

「それぐらい避けてもらわないとこれから先が不安ですねぇ………。」

「………。」

おもむろに周囲の雪をかき集める。

適当に固めると狙いを定めて………投げた。

「覚悟!!」

そこそこの速度で文さんに向かって投げられた雪玉は文さんにぶつか、

ることなく無惨に地面で砕けた。

 

「甘い甘い。」

 

文さんはクスクスと挑発するように左右にステップを踏む。

「むぅ…………。」

すぐにまた弾薬の補充を始めた。

 

 

 

 

      続く………。

 




どうも!初詣は行かない派の彩風です!!

だって人いっぱいなんだもん。


さてさて気を取り直しまして………。
今回も僕と天狗の取材録を後書きまで閲覧いただき本当にありがとうございます!
そしてそして、
投稿日に見てくださっている皆様方……(いるのだろうか?)

あけましておめでとうございます!!!!
今年も宜しくお願いします!!!

いやはやもう2017年ですか………時が経つのは早いですねぇ。
皆さんは初夢はどんな感じでしたか?
彩風は茄子をくわえた鷹が富士山の周りを飛び続ける夢でした。
いやぁ……新年から縁起いいわぁ………幸せだわぁ。

まぁ……この後書き書いてるの2016年なんですけど。

予約投稿って便利。



それでは!このような拙い作者と作品を開いて下さった皆様。
改めて感謝申し上げます!!
そしてそして!
しつこいようではありますが……

今年も『僕と天狗の取材録』を宜しくお願いします!!!


それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!



Ps.予約投稿で年のバー動かしたの初めてだ……。


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異変の取材 3
9章 1話~(笑)~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・スカートの下に体操服は残念って言うけど本当にそうだろうか?
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「師匠に侵入者を追い返すように言われてるんですよ。お帰り願えますか?」

霊夢さんが首を横に傾けて小気味良い音を響かせる。

恐らくNOだと言いたいのだろう。

鈴仙さんは一つ大きな溜め息をつくとその鋭い眼をこちらに向けた。

 

 

 

 

 

「全く………これはまた厄介なのが現れたわね………。」

霊夢さんが椅子に深く腰掛け盛大な溜め息と共に空……というか天井を仰ぐ。

「大事になる前に何か手を打たないとまずいですよね………。」

「手を打つったってどうするのよ。」

辺りを気まずい沈黙が覆う。

誰もが誰とも目を合わせようとしない。気のせいか空気がどんよりと重い感じがする。

 

「とりあえず……人里であったことをまとめてみませんか……?何だか頭の中がいっぱいいっぱいで……。整理してみたら何か分かることがあるかもしれないじゃないですか。」

「………そうですね……確かに鞘の言うとおりでしょう。」

恐る恐る口にすると文さんが同意してくれた。

とにかく少しだけ嫌な空気は払拭できただろう。詰まっていた息がまた流れ出したのかのように安堵の息を吐いた。

「まぁ、そうだな……何かしなきゃ始まらない。まずは人里に来たときの騒ぎについて思い返して見ようぜ。」

魔理沙さんは話よりも先にそこにいる皆をまとめるかのように明るく声を上げた。

「さして上手くないですよ。」

「人の心読まないでくださいよ……。」

赤面して俯いた僕を置いて話し合いが始まった。

 

 

「まず、私、霊夢、早苗、鞘で……人里に来たわけだよな。そんで、館に着くまでの道の途中に騒ぎを見つけた。霊夢は関わることを反対したがどうも見過ごせない様子だったんで結局騒ぎの方に向かったわけだ。結果的にはそれが良かったんだよな。」

「悪かったわね。」

ムスッとした霊夢さんを無視して話は続けられる。

「それでその騒ぎというのが人里で起こっている『人が次々と抜け殻のようになってしまう事件』の新しい犠牲者を囲むようにして出来ていたわけですよね。今度の犠牲者は女の子……ちょうど鞘さんと同じくらいの年齢でしたよね?」

質問に無言で頷く。

「そして騒ぎに駆けつけた人達の中の一人の男性が千恵さんのことを……あ………。」

「面倒ですからとりあえずは千恵さんにしておきましょう。」

彼女達のことをなんて呼ぶか迷ったように言葉を切った早苗さんに文さんが話を続けるように促す。

「……ええと。騒ぎの中の一人の男性が千恵さんを『彼女が犯人だ。元凶だ。』と騒ぎ立てました。」

「あの男性が言っていたことは間違ってなかったんですね。」

「そうですね………。その男性によると千恵さんはそれより以前の事件でも同じようにその場に最初から居合わせていたようです。彼らに責め立てられても気にしないように彼女はケロッとしていました。」

「どうせ実証が無けりゃ何もされないとか考えてたんでしょ………。あぁ……もう!腹立ってきた……。」

拗ねたり怒ったり霊夢さんの表情を変えるのに忙しそうだ。

「と、とりあえず落ち着いてください!!」

今にも飛び出していきそうな暴れ馬を早苗さんが宥める。

「これ以上ないくらい落ち着いてるわよ。大丈夫。」

今にも舌打ちしそうな表情で霊夢さんはボソボソと呟く。

多分平静を装っているんだろうけど………すごく分かりやすい。僕もこんなに分かりやすいのだろうか?

「そ、それで……霊夢さんが集まった人たちを散らせて、倒れた女の子を連れて館に向かおうとしていたんですが、千恵さんが『着いてくる』と駄々をこねました。」

「で、まぁ別に減るもんでもないし人里にいる間だけってことで着いてこさせたんだよな。」

「その後に……えっと………館に向かう途中に自己紹介を済ませて、僕達は館にたどり着きました。倒れていた人たちの看病をしていた女性に来る途中に拾った女の子を預けて僕達は館へと上がり込むと、悲惨な状況を目の当たりにしたんです………。」

思い出さないようにしていた記憶が一瞬だけ脳裏に映る。

自分の中でわき上がる感情を全て抑えつけ、話を続ける。

「そして看病をしていた女性に、運ばれてきた人たちのことを詳しく聞いて回ったんですが……特に収穫はなく分かったことと言えば『倒れていた人たちに関連性はなく無差別に被害を被ったらしい』ことぐらいでした。」

「ま、何も分からないことが分かった訳だけどな。」

「……そうして行き詰まって悩んでいたところで千恵さんが倒れていた一人の女性に近寄ります。千恵さんがその女性の手を握ったかと思うとその女性が当たり前のように体を起こしました。彼女に話を聞こうと思ったんですがあいにく、倒れたときの記憶が飛んでしまっていたようでまともに話が聞けそうになかったんですよね………。」

「何だか最近記憶喪失の患者を多く見る気がするんですけど偶然ですかね?」

「さぁ……?とにかく今は状況をまとめるのが先でしょ。」

「失敬。」

「そ、それで………どうしようもなくなっていると文さんが現れたわけです………。」

「なるほど………。そして私が鞘から軽く状況を説明してもらい、さてどうしよう……?ってところで千恵さんが倒れていた女性に近づき今度は彼女が糸が切れたように元の状態に戻ってしまったと………。」

「何がしたいのか全く訳が分からないですよね………。」

「あー………。頭痛くなってきた……。」

「そしてそこで千恵さんは本性を現します。どう姿を変えたのかは分かりませんが彼女は私と鞘が知る《チール》であると言い放ちました。雰囲気や言ってることからそれは嘘ではないと思われます。」

「何で姿を変える必要があったんでしょうか?」

「あんた達に見つかるとマズいからじゃないの?」

「あぁ………。なるほど………。」

霊夢さんの尤もな意見に思わず手をポンッと叩いた。

「急に正体をバラしたチールさんに続けてエルさんも《先ほどまで倒れていた女性》となって姿を現します。」

「もう……何が何だか………。」

「二人の話によると彼女らは《魂を奪う程度の能力》と《魂を宿らせる程度の能力》を駆使して千恵さんの体を乗っ取り、人里でこれらの事件を起こしていたそうでした………。動機についてはこれは《ゲーム》だと。刺激が欲しいだけだと言っていましたね。」

「だぁーもう!!………何がゲームよ!?そんなんで秩序破られたらこっちの身が持たないっての………。」

霊夢さんが頭を抱えて愚痴をこぼす。

「そのゲームにおいて少しでも楽しめるように私達に妨害をして欲しいとも言っていましたね。まぁ、見逃せないのが分かっていて言ってるんでしょうが………。」

「あいつ等天狗より性格悪いんじゃないの?」

「聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしますが今はあえて触れないことにしておきます。」

文さんに半眼を向けられても霊夢さんはそれどころじゃないと言った様子で溜め息をついている。

「それでまぁ……我らが博霊の巫女様(笑)が結界を使って彼女達を物理的に拘束します。」

「おい。」

「一瞬優勢に見えた巫女様(笑)でしたが、ここで驚いたことに先ほどまでエルさんを名乗っていた女性が『私がチールだ』と言い放ちます。まぁ、嘘である可能性もありますが私にはそういう風には見えませんでしたね。」

「おいコラ……。」

「そしてチールさんだったはずの千恵さんが今度はエルさんへと変身します。しかもあろうことか彼女は博霊の巫女(笑)の結界に拘束されていたはずであるにも関わらずスッと立ち上がります。驚いた巫女(笑)はすぐに彼女に突進攻撃を仕掛けますが簡単に避けられた上に足をかけられ大袈裟に転びます(笑)」

「よっさすが貧乏巫女(笑)!!」

「…………。」

悪ふざけが過ぎる文さんに乗っかって魔理沙さんも挑発を始める。霊夢さんの表情が怖い………。ものすごく怖い。

「そして二人は『ここら辺の仕上げ』と何だか意味深な発言をしながら倒れた方々の看病をしていた女性に歩み寄ります。そんな状況にも関わらず彼女は何が起こっているのか理解できていないのか立ち上がることすら難しいようでした。」

「………。」

尚も霊夢さんの目つきは緩まない。

「鞘が身を挺して守ろうとしたからなのか彼女は無事なようで、チールさんエルさんは一瞬で体の力が抜けたように倒れてしまいました。そして貧乏(笑)が人里を見て回ろうと提案したことで今に至る………というわけですが。」

「腋(笑)の提案だったな。」

 

「上等よコラその締まりのないだらしない口二度と開けないようにしてやるわよ…………。」

 

「何でそんなに怒ってるんですか?」

「いやぁ、皆目見当もつかない。」

まるで打ち合わせをしていたかのように息ピッタリにとぼける二人に霊夢さんの拳が振り下ろす。

前に控えめに声が響いた。

 

「あの………店の中で暴れないでくださいね?」

 

「…………分かったわよ。悪かったわね急に大人数で押し掛けて。」

「いえ…!それは大丈夫ですよ!」

笑顔で答えた小鈴さんは小さく一礼した後カウンターの奥へ移動する。

「あ!!そう言えば!!」

視界の外へと移動する寸前、バッと振り返るとビシッと真っ直ぐに魔理沙さんを指さすと

「延滞料金とんでもないことになってますからね!!」

「分かってる、分かってるから。」

指された張本人は冷や汗を垂れ流し、噛みつきそうな勢いで迫ってきた小鈴さんを仰け反って避けながら早口にそう言った。

「お願いしますよ?」

「あぁ、分かってる分かってる。」

小鈴さんは大きな溜め息をつきながらカウンターの奥へと消えていった。

 

「まだ返してないんですか?」

「いやぁ………そもそもまだ1冊も読んでないんだけど……。」

「………。」

「だから鈴奈庵はやめとこうって言ったんだけどな。」

へへっとはにかみながら言う魔理沙さんの顔に反省の色は見られなかった。

 

「なに話を逸らしてんのよ。店内が駄目なら表に出りゃいいじゃない」

どこかの国の女王様みたいなことを良いながら霊夢さんは親指でビッと出入り口を示した。

ポーズだけ見ればヤンキー以外の何でもない。

「別に良いですよ?」「霊夢もさっきの勇姿(笑)をみる限り鈍っているみたいだしな。」

しかもこの二人は売られた喧嘩は漏れなく買い占めるようだ………。

「あ……あの……。」

 

「今はそんなことしてる場合じゃないでしょう!!」

 

僕の声を遮って代わりに遙かに凛とした声が響く。

「こんなことになっているんですから事件の原因解明の方が先です!!喧嘩してる時間なんて無いんですよ!!」

「「「……。」」」

早苗先生に諭されて三人はトボトボと席に戻る。

早苗さんが満足げに頷き対照的に霊夢さんは不機嫌そうに頬杖をつく。

 

そして特大の溜め息を吐き出す。

 

「じゃぁ……まとめてみた上で何か気づいたこととかある?」

 

 

 

 

 

      続く……。

 

 




はい!どうも!お年玉は貯金派の彩風です!!

まぁ、夏には底をついてると思いますが。

というわけで!今回もこんなところまで閲覧ありがとうございます!!
皆さんはお正月はゆっくり過ごせましたか?
お年玉はたくさんもらえましたか?もしくはあげましたか?

それぞれお正月を楽しく過ごしたことでしょう。

え?彩風?勿論寝正月ですよ。



さてさて、今回は余談と言うほど余談でもありません。
まぁまぁ、そんな顔せず見ていってくださいな。

いやぁ………。もう年も明けてはや8日。
受験生にとっては大忙しの時期でございます。
しかし彩風と言えば怠けて怠けて怠け通しておりました。

成績については第一志望は再検討をするほど危なくもなく、しかし余裕ぶっこいてられるほどでもない。というものです。
さすがの彩風も「このままではイカン……!!」と気を改め――――
た訳でもなく、別に第二志望でもいいかなーー。と軽い考えで過ごしています。
高校の実績については第一志望の方が高いのですが、高校の環境的には第二志望の方が行きたかったりするんです。

とと………。
「んなこと聞いてもしょうがないんだよ帰れロリコン××××ぞ!この××××××××。」
という声が聞こえてきそうなので本題に入ります!

えぇ、まぁ要するにさすがにちょっとは(かなり)勉強せねばならんわけですよ。
それによってハーメルンの方の更新がやや遅れるかもです。
「何だそんなことかどうでもいいわ×××××××。」
なんか聞こえてきた気がしますが気のせいでしょう。

現在は一応《毎週日曜日か月曜日(時間は未定)》で更新するように心がけてはいるのですが勉強の方に精を出すことになると平均7日ごとペースだった更新が8日9日と落ちるかもしれないのです。
勿論更新ペースを落とさないように心がけます!!
30%ぐらいの確率で遅れるでしょうか………?こんな作品でも読んでくれる方々がいらっしゃるので彩風も最大限努力しようと思います!!


それでは!是非次回もゆっくりしていってくださいね!!






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9章 2話~話し合いは念入りに~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・最近ふくらはぎが痛いのですがこれは新しい扉を開けという神からのお告げだろうか?
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「じゃぁ……まとめてみた上で何か気づいたこととかある?」

 

霊夢さんが上げた声に答える声はなかった。

皆一様にうーんと唸りながらそれぞれに違う方向を見つめている。

「結局何も無いんじゃないの…………。」

霊夢さんは溜め息混じりに呟くと足を投げ出して背もたれに体を預ける。

 

気づいたことかぁ……。

「あの、い……いいですか?」

静かに手を挙げると視線が一気に集まるのを感じた。

「あぁ……鞘か…………。で、何?」

何だか端から期待していないといった感じに聞こえるけど気のせいだろう。

頭の中で一度話すことを整理してから話し始める。

 

「ええと……結局僕達が最初の騒ぎで出会った千恵さんはチールさんだったわけですよね?」

「まぁ、恐らく正確には《千恵さんの体に入ったチールさん》なんでしょうけど。」

「はい。それで、そのときはエルさんは何処にいたんですかね?」

「そりゃぁ…………あの倒れてたおばさんの中じゃないのか?」

「でも!あの二人の能力からしても二人で一つって感じがしますし一緒にいないのって不自然じゃないですか?」

 

僕の気づいたことに霊夢さん達は「言われてみれば……」と小さく頷く。

「確かに不自然ではありますね……。」

 

「はい!はい!!じゃあ、次は私が!!」

それに続くように魔理沙さんが元気よく手を挙げる。

霊夢さんが足を組み直し、顔をんっと前に出して続けるように促す。

「ええと………私達が最初にあった千恵はあの時点でチールだったわけだよな?」

どこかで入れ替わったとは考えにくいしきっとそうだろう。

僕達が頷いたのを見て魔理沙さんは話を続ける。

「あいつ、私達一人一人に握手を求めてただろ?霊夢の手に急にくっついてたりもしてたよな?」

僕はそのときの記憶を頭から引っ張り出す。

確かに握手を求めていたし、霊夢さんの手に自分の手を添えたりしてたっけ……。

魔理沙さんの話を皆が記憶を手繰りながら聞いている。それが面白いのか一層楽しそうに喋り出した。

「そして、倒れてたおばさんが起きあがったときだけど、あのときも確か近づいてたよな?それに最後に看病してた彼女に触れようとして鞘に阻まれてた。」

「つまり、魂を奪うとき、もしくは乗り移るときはその人に触れる必要があるっていうことですか……?」

「恐らくな。」

ハッとして僕が言うと得意げに魔理沙さんは人差し指を立てた。

なるほど……確かに言われてみればそうなのかもしれない……。これは有力な新情報が得ら――

「って、んなこた分かってんのよ。」

僕が感動しているのを霊夢さんが不機嫌そうに遮った。

「そんなことまとめてる時点で分かってるわよ。そんな猿でも分かること言ってないで新しい何かを見つけなさいよ。」

「なんだよ。ちょっと確認で言ってみただけだぜ?」

「そんな妖精でも気付くようなこと得意げに言っておいて……。」

容赦なく流れ弾を正確にこちらに向けて撃ってくる霊夢さんがふと言葉を止める。

文さんが何かコソコソと耳打ちしていたから多分それが原因だろう。

それより……。

「猿以下…………。」

さや は めのまえが まっくらに なった

 

「あぁ…………えっと……なんかごめんね。」

霊夢さんに雑に慰められる。

「大丈夫です。大丈夫です。」

「え?鞘さんどうしたんですか?」

「触れないであげてください。」

「?は、はあ…………。」

早苗さんは良く分かってないようだった。それにしても猿以下……。猿以下…………。

 

 

「えぇ……約一名戦闘不能になってしまいましたが……とりあえす続けましょうか。」

「完全に仲間割れだったけどな。」

「……わざとじゃないわよ。」

「だ、大丈夫ですよ!!」

「…………?」

どうやら僕のせいで話が中断されてしまったようだ。

 

とにかく、話し合いを再開させよう。

「そういえば……エルさん達は2日で14人もあんな風にしてしまったわけですよね……?すごくペースが早くないですか?」

「まぁ確かにとんでもなく早いペースですね…………。」

「って言っても無理な数でもないだろ?現に千恵を見たって人もいたんだし。」

魔理沙さんが何気なく呟いた言葉に何か違和感を覚える。

どうやら霊夢さんや文さんも同じ風に感じたのか眉をひそめる。

「ちょっと待って、魔理沙その人の証言覚えてる?」

「ん?確か昨日の何回かの騒ぎにも千恵が来ていたって言ってたな、実際にそいつが見た訳じゃなくてその場にいた知人に聞いたらしいが。」

…………正体のわからないモヤモヤが僕の頭の中を覆う。

「妙ですね……。」「妙ね……。」

すると二人が同時に呟いた。

「何がですか?」

早苗さんが即座に二人に尋ねた。

僕は何だか問題の答えを見るようで複雑な気分だったが話を遮るわけにも行かないので二人の言葉に耳を傾ける。

「千恵の中にはチールがいたわけよね?」

「それは間違いないでしょう。しかしそれだとさっき鞘が言ったように不自然です。」

「あ……そうか……。」「確かに妙ですね……。」

横で魔理沙さんと早苗さんがハッとして呟く。

まずい。これは僕だけついていけてない展開だ……。

ちょっと整理しよう…………。

 

えっと、文さんと霊夢さんが反応したのは魔理沙さんのこの言葉。

『って言っても無理な数でもないだろ?現に千恵を見たって人もいたんだし。』

『ん?確か昨日の何回かの騒ぎにも千恵が来ていたって言ってたな、実際にそいつが見た訳じゃなくてその場にいた知人に聞いたらしいが。』

つまりチールさん達を倒れた人たちがいた場所で目撃した人が複数人いるということだ。

でも、誰か一人が全て見たってわけでもないしそんなにおかしいところがあるようには思えない。

 

「鞘、証言した人は誰を見たと言ってましたか?」

 

首をひねる僕に苦笑混じりに文さんがヒントを出した。

「ええと……千恵さんですよね?何かおかしいですか?」

「誰か足りなくないですか?」

足りない………………?

足りない………………。

足りない………………!

「あ!!」

声を上げた僕に4人が微笑む。

確かに最初に僕が疑問を持ったとおり二人で行動していた訳ではないようだ。

二人で一緒にいたとするなら目撃されるのは千恵さんとあの女性の二人じゃないとおかしいはずだ。

ところがどっこい現場にいたのは二人ともではありません。千恵さんのみ……つまりチールさん…………。

「鞘は時々微妙にネタ突っ込んできますよね。」

「使いやすいんだろ。」

文さんと魔理沙さんが何か言ってるけど気にしないことにする。

現場で目撃されたのはチールさんだけだった。でも一人でいたとは考えにくい。

そこには恐らくエルさんも一緒にいたはずだろう。

「チールは見つかったけどエルの方は上手く隠れたってことか?」

「ありえなくはないですけどちょっと無理がありませんかね?」

「そもそもあの二人の証言が本当だって証拠はないわけだし……何にしても断定は出来ないわね。」

「んー…………嘘には見えなかったんですけどね…………。」

「あんたもケロッと嘘ついたりするでしょうが。」

「なっ!?…………心外ですね……私はいつでも真実を―――」

だんだんと話が脱線してくる。

「えっと……もしかしたら千恵さんの体の中にエルさんとチールさんの二人が混在していたとしたらどうですか?」

話を戻そうと思いつきの考えを述べてみる。

「…………。」

霊夢さんがジッとこちらをみる。

そして腕を組み、目を瞑って俯く。

たっぷり間を空けてからゆっくりと顔を上げると。

「あり得る…………のかしら……?」

難しい顔をしてそう呟いた。

「あ、いや適当に言っただけですし、多分間違っているんじゃ…………。」

「いやいやあながち間違ってるとも言い切れませんよ……なるほど……一人の中に二人、ですか。」

「はーー。なるほどな。」

予想外に皆の反応が肯定的で戸惑う。

でも、確かに改めて考えてみるとあり得ない話ではないのかもしれない。

これはもしや僕のファインプレーが決まったのでは?

そんな淡い期待を抱いていたところなんとももっともな意見が僕に突き刺さった。

「でも、そうだったとしてもそれがどうなるんですか?」

「「「「…………」」」」

早苗さんの恐らく何気ないであろう一言に皆が黙り込む。

「?」

首をちょこんと傾げて不思議そうに僕達を眺める早苗さんは何だか小さな子供を思わせる無垢な雰囲気があった。

 

「…………まぁ、一人の人物の中に二つの魂を混在させている可能性があることがわかったわけだから、収穫が全く無かったわけではないわよ……。」

 

霊夢さんの慰める声に苦笑いで答える。

 

 

 

「あああーーーー!もう!埒あかないわね!!」

隣でいきなりバンッと机を叩いた霊夢さんに思わずビクッと体を震わす。

一度は少しだけ盛り上がった議論もあれ以降完全に勢いを失ってしまい……数分後のこと。

「やっぱり話し合いなんて柄じゃないわ…………。」

溜め息と共に立ち上がった霊夢さんがん~……と伸びをする。

「じゃあどうするんだ?」

少し呆れたように魔理沙さんが肩をすくめる。

「とりあえずはもともとの予定通り外を回ってみましょう………。」

「回るって言ったって……どこをどう歩くんですか……?」

「そんなもん知らないわよ。こういうときは適当に歩いときゃ何かあるもんなのよ。」

「それは名案ですね。」

文さんの皮肉を軽く受け流して霊夢さんは立ち上がって出口の方へと向かう。

もう外に出る気まんまんのようだ。

「まぁ、確かにずっと座ってて疲れてきたところだしな。ちょっと気分転換がてらってのもいいだろ。」

「案外霊夢さんの言うとおりコロッと何か見つかるかもしれませんしね。」

その霊夢さんに続くように魔理沙さん、そして早苗さんも立ち上がる。

 

「行きますか……。」

文さんが苦笑を漏らす。

つられて僕も笑いながら

「行きましょうか。」

そう言って立ち上がった。

 

「それじゃ、邪魔したわよ。」

鈴奈庵ののれんを内側から押しながら霊夢さんが店の奥に向かって一声かける。

しばらくして返ってきた声は

「早く返してくださいねーーー!!」

魔理沙さんの顔をひきつらせ、僕達は魔理沙さんのあとを追ってそそくさと鈴奈庵を後にした。

 

 

 

 

   続く……

 

 

 




はい!どうも!アニメは一気に観たい派の彩風です!

最近観てないなぁ…………。

さて!今回もここまで見に来ていただき本当にありがとうございます。
感謝感謝でございます。


みなさんは前回の後書きを覚えていますか?
前回の後書きで彩風はこんなことを抜かしていました。

《ちょっと勉学に励むから投稿1,2日遅れるかもしれないピーヤ》

しかしこれが投稿されたのはいつものスパンの2倍開いた前回投稿からの2週間後。
活動報告にて一度理由を申し上げてはいたのですが……実は…………。

ノロウイルスにかかってました。

いやあ………………ははは笑えない笑えない。
というわけで投稿が遅れた次第でございます。

もう体調も元に戻りましたので大丈夫です!

よければ次回もまたまたのぞきに来てくださいね!

それでは次回もゆっくりしていってくださいね!


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9章 3話~雨に降られば~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・今年の大河の子役ちゃんかわいい。あ、男の子の方です。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「しかし、本当に人通りが無いな…………。」

風の音がしっかりと聞こえる中で魔理沙さんが呟いた。

「みなさん未知の病を恐れて外出を控えているんでしょうね。」

5人が並んで道を歩くなど普通なら迷惑極まりないが、今に限っては特に問題もないだろう。

あてもなく人里を歩く。

 

「それで、これからどうするんだ?」

「だから言ったじゃない。人里を見回るのよ。」

「いや、その後の話だよ。」

魔理沙さんの言葉に霊夢さんが言葉を詰まらせる。

多分考えていなかったのだろう。

「それじゃあ……永遠亭に行ってみませんか?」

すると霊夢さんに代わって文さんが魔理沙さんに答える……というか提案する。

「?……何で永遠亭なんだ?」

「あ、それはですね……。かくかくしかじか―――」

「文さん……。説明ぐらい面倒くさがらないでください。」

文さんは小さく頬を膨らませると溜め息をついてから、説明を始めた。

 

 

~少女説明中~

 

 

「へー……永琳のとこに紅魔館のメイドがねえ…………。」

「そろそろ何か分かった頃かもしれませんし行っておいて損はないかと。永琳さんに人里でのことを伝える必要もあるでしょうしね。」

確かに文さんの言うとおり永遠亭を次の目的地とするのは良い案かもしれない。

「そうね……じゃあ軽く見回った後に永遠亭に向かうってことでいいわね?」

特に誰かが異議を唱えることもなく次の目的地が決まり、僕達は人里の見回りを始めた。

 

 

鈴奈庵を出てから10分ほど経っただろうか?

何か目立った発見があるわけでもなく会話も減ってきたころ。

「あれ?」

早苗さんが短く声をあげる。

「どうしたの?」

「いえ……雨が……。」

早苗さんが呟くとポツポツと雨が降り始める。

「うわ、降ってきた!」

「とりあえず屋根があるところに避難しましょう!」

 

「急に降ってきたわね…………。」

雑貨屋さんの小さな屋根に並んでどんよりとした空を眺める。

「通り雨みたいですし少ししたら止むでしょう。」

始めはまばらだった雨が地面に落ちる音が今は途切れることなく聞こえてくる。

僕は雨はそんなに好きじゃない。

とはいっても雨が好きな人ってあまりいないだろうか?

そんなどうでも良いことを考えていると向こうの方から声が聞こえてきた。

「おーい!儂もいれてくれー!」

そんな声とともに小走りにこちらに向かってきたのは若い女性。

手を傘にして屋根の下まで来ると、僕らの横に同じように並ぶ。

「ふぅ……いやぁ…………急に降り出すから困るよ……。」

苦笑しながら髪を手で軽くとくと上がった息を整えるために深呼吸をする。

20歳ぐらいの見た目に反してしゃべり方からは何だか古風な雰囲気が窺えた。

「おたくさん等は連れかい?」

「え?……は、はい!そうです。」

ニコニコと綺麗な笑みを浮かべながら尋ねる女性に総答える。

「あんたは?何でこんなとこにいるのよ。」

「何でというと?」

「人里で人が次々に倒れていってるんだけど……知らないの?」

「あぁ…………何だか外が騒がしかったがそんなことがあったのかい。」

女性は霊夢さんの言葉を聞いても特に驚いた様子もなくケラケラと笑いながら応じる。

僕からするとそんな様子が不思議でしかたなかった。怖くはないんだろうか?

「どうりでやけに静かだと思ったよ。」

女性は壁に背を預けると何処からかキセルを取り出して紫煙をくゆらせ始めた。

「あんたも出来るだけ大人しくしてなさい。まだ詳しいことはわかっていないから。」

霊夢さんを一瞥し、女性はふぅ……と煙を吐くと

「あぁ……その方がよさそうだ……。それじゃぁ雨も少し弱まったようじゃし儂は急ぎの用事があるんでの……。」

その後、短い一服を終えて女性は来たときと同じように小走りにその場を去っていった。

 

「な、何だか不思議な人でしたね。」

「別に珍しくもないわよ。」

思わずそう漏らした僕に霊夢さんは短く答える。

確かに…………幻想郷ではそんなに珍しい人でもないのかな…………?

「そういえば……あそこって、来るとき女の子が倒れていた場所ですよね。」

すると、早苗さんが女性が向かってきた方向を指す。

「あぁ…………そういえばそうだったな……。」

「じゃあ少しだけ見ていってみますか?」

「そうね。」

横に並んでいて互いに顔を合わせることなく短い会話を続ける。

そんな僕達の話を聞いていたかのようにパッと雨が止んだ。

「おっ?もう大丈夫そうか?」

「大丈夫そうですね……それじゃ、再開しましょうか。」

 

「ここで女の子が魂を奪われ、皆さんがチールさんとあったというわけですか?」

「はい。その通りです。」

文さんは刑事ドラマの鑑識の人みたいに現場をいろいろな角度から写真に収める。

水を得た魚のように生き生きとした笑みを浮かべているところをみるとやはり文さんは本能的に写真を撮ることを求めているのだろう。

ほかの皆も女の子が倒れていた辺りの地面を熱心に眺めている。

「まぁ……そもそも期待してなかったけど特に何もないわね……。」

周りを見渡してもそこにあるのは道端のごみぐらいで霊夢さんの言うとおり特にめぼしい物は見あたらない。

「あ、鞘……ちょっといいですか?」

「はい。何ですか?」

写真を撮り終わった文さんに声をかけられて、後ろを振り向くと不自然なほどにこやかな笑みがあった。

嫌な予感を抱きながら文さんの次の言葉に耳を傾ける。

まあ……嫌な予感が外れることはなく、

「ちょっと、女の子が倒れていた状態を再現してみてください。」

 

「はい?再現?」

思わず聞き返すが文さんの言葉は変化することなく、

「はい。女の子が倒れていた状態を鞘が実際に再現してみてください。」

「僕がですか?」

自分で自分を指さしながら尋ねると「勿論です」と言わんばかりに文さんが頷く。

…………まぁ、文さんの手伝いができるのなら良いんだけど……。

何だか釈然としないまま塀を背にして腰を下ろす。

地面がまだ湿っているんだけど……まぁ、文句を言っても仕方がない。

「こ、こうですかね?」

力を抜き、記憶を手繰って出来るだけ再現を試みる。

「こうですかね?と訊かれても私は実物を見てないですからね……。こんな感じでしたか?」

「う~ん……だいたいこんなんだったかしら?」

探すのに飽きたのかいつの間にか文さんの横に立っていた霊夢さんが顎に手を当てて答える。

「まぁ、とりあえずはこれでいいでしょう。」

文さんはそう呟くとまた色々な角度からシャッターを切り始めた。

 

考えてみると文さんに不意打ち以外で写真を撮られるのって初めてじゃないだろうか?

そう考えると何故か急に顔が上気する。

「別に力入れなくても大丈夫ですよ?」

カチコチに固まる被写体を不思議そうに眺める文さんに声をかけられ裏返り気味に「は、はい!」と答える。

それを見てさらに不信感を抱いたのか怪訝そうな表情をつくり、またファインダーの先に目を移した。

 

「はい。もういいですよ。ありがとうございました!」

文さんの声で我に返る。

何だか写真を撮られていたときの記憶だけスッポリと抜け落ちてしまっているようだ。

そんなに緊張していたのだろうか?

 

 

「み!皆さん!これ見てください!」

すると急に早苗さんが興奮気味に声を上げる。

声の方を見ると早苗さんが顔を輝かせており、右手には茶色の封筒を掴んでいた。

「何それ?」

霊夢さんが極めて簡潔に尋ねる。

「そこのごみに紛れて転がってたんです。どうやら新しいようですし何か関係があるんじゃないですか?」

早苗さんの手の封筒は皺などはなく、確かに新しいもののように見えた。

「あー……?そんなもん関係あるわけないでしょう?」

霊夢さんは早苗さんの手から封筒をひったくると封を雑に開いた。

その様子を僕達4人が興味津々といった様子で見つめる。

「開いた後に言うのもなんだけど……これ開けて良かったのかしら……。」

「別にいいんじゃないか?もとから捨ててあったんだろ?」

「そうですよ。開けちゃいましょう!」

魔理沙さんや早苗さんに背中を押されて霊夢さんは封筒の中身に手を伸ばす。

「どうせただのごみで今回の件に関係なんて無いわよ。」

 

封筒の中から細長い紙を引っ張り出すとそれを開いた。

僕達も後ろからのぞき込む。

そこにはこう細い字で書かれていた。

 

 

《前略 親愛なる新聞記者とその助手のお二方。あとなんか3人ぐらい。

この度は勝手ながら我々の遊びに付き合わせてしまったことを深くお詫びいたします。

今回、文という何とも面倒な方法を取らせていただいたのにはいくつか理由があるのですが……省きましょう。

さて、本題に入りますが……恐らく次に何処に向かえばいいか迷っていると思います。

ということで、私達が次に向かう場所をお教えします。私達が次に向かうのは光の射さない深い森。

その中、人形遣いの小さな家にてお茶を淹れて待っております。

草々 エルとチール》

 

 

……どうやら大いに関係があったようだ。

「いろいろと突っ込みたいところはありますが……光の射さない深い森というのは魔法の森ですよね?」

「人形遣いってのはまぁ……アリスのことだよな。」

「大変じゃないですか!!助けに行かないと。」

聞き覚えのない名前が出てきたが、どうやらこの手紙はエルさんとチールさんに書かれたものらしい。

そして文さん達の会話から察するにそのアリスさんという人が次の標的とされているようだ。

「それより……何よこれ…………。」

しかし霊夢さんはそれとは違うところに反応しているようだった。

手紙を持つ両手はワナワナと震えているように見える。

きっとゲーム感覚の二人が許せないのだろう……。

そして霊夢さんの口から小さく怒りの言葉が漏れ出た。

 

「なんで文は新聞記者で鞘はその助手って書いてあるのになに?私達だけ《あとなんか3人くらい》?ふざけるのも大概にしときなさいよ?」

 

…………。

その場の全員が霊夢さんに半眼を向ける。

「……何よ?」

「いえ、別に……。それよりどうしますか?一刻も早くアリスさんのところに行った方が……。」

「んー……アリスなら大丈夫だろ?それより先に永遠亭に向かった方がいいんじゃないか?」

魔理沙さんが言うのを聞いて霊夢さんも

「そうね……鞘ですら体を乗っ取られなかったわけだからアリスなら心配ないでしょ。」

ですら、という言葉がちょっと引っかかるけどこの二人がこんな風に言うってことはきっとアリスさんって人は相当強いのだろう。

それより、いろいろあって忘れてたけどエルさんは確か

『この5人の誰の魂も扱えなかった……。』って言ってたっけ……。

何を基準に出来る出来ないが決まっているのか分からないが僕でも霊夢さんや文さんと同じ括りの中に入れたということだ……。

思わず笑みが漏れる。

「とりあえずもうちょっと人里を見て回ったら永遠亭に向かいましょうか。」

「そうですね……。」

そんな会話で我に返る。

 

「それじゃあ、早速行きましょうか。」

 

 

 

 

 

    続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!1時間だけ寝ようが成功したことがない彩風です。

絶対そのまま3時間は寝る。

さてさて、そんなことは置いておきまして……今回もここまで見ていただきまして誠にありがとうございます!!
毎回言っていますが大事なことなのでこれからも言っていきますよ!
それにしても通り雨……嫌ですよね……。
結構雨が多い地域に住んではいるのですがどうにも好きになれません……。


さてさてさて、ここから余談でっせ親分。

いやぁ、先日ついに発売されましたね…………!

《バイオハザ○ド7》

いいですねー。いいですねー!
彩風はホラーは苦手ですがついついこの手のはやりたくなってしまいます!
まぁそもそもハードを持ってないので自分がプレイするのは難しいのですが……。
仕方がないので友人Cに体験版の様子を聞くと
「いやぁ、めっちゃ怖かったよ。いや、言うほど怖くはなかったんだけど、それでも怖かったよ。」
……ダメだこいつ。

しかし、グラフィック等も今までより大分進化しているそうですし気になって夜も眠れません。
そのうちプレイしたいなぁ…………。
え?受験?




アシュリーちゃんってかわいいですよね(明後日の方向)




それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!



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9章 4話~迷子の迷子の~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・スカイダイビングもバンジージャンプもジェットコースターも絶対やりたくないけど気球船には乗ってみたい
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「…………ここさっきも通らなかったか?」

 

 

霧で数メートル先の景色すらぼやけて見える中。

文さん達を見失わないようにと必死に背中を追い続ける。

再びここに足を踏み入れてからもう既に1時間ほど経っただろうか?

「……これは、明らかに妙ですよね。」

「この感じは…………多分……。」

もう足が疲れ果てていて意識も朦朧としているせいか目の前の会話がうまく頭に入ってこない。

 

 

 

説明しよう!

人里でこれといった成果を得られなかった私達は次の目的地である永遠亭へと向かいました。

迷いの竹林へと足を踏み入れた私達を待っていたのは行っても行っても景色が変わらない、同じところをぐるぐると回っているような錯覚に陥る……迷路のような空間。

果たしてそれは本当に錯覚なのでしょうか……?

そして私達は永遠亭にたどり着くことができるのでしょうか!?

 

 

 

「なにやってるんですか?さっきから……。」

文さんはあらぬ方向に身振り手振りでなにかを説明している。

いったい文さんには何が見えているんだろうか?

「今あらすじが終わってオープニングに入ったところです。」

「あらすじは大切ですからね!」

「今回から見てる奴もいるかもしれないしな。」

「いや、いないでしょ……さすがに。」

訂正しよう。僕以外の皆には何が見えているんだろうか?

僕がおかしいのだろうか?

 

「って、そんなことはどうでもいいのよ。それよりこの状況を打破する方法を考えないと…………。」

「そうですね……闇雲に歩いていても埒があかなさそうですし。」

そんな会話を聞いて前に来たときのことを思い出す。

文さん達とはぐれてしまったばっかりに言いようのない不安を抱くことになったのだ。あのときは妹紅さんがいたからよかったものの今度こそ迷ったら知らない妖怪が出てきてそれで…………

改めて絶対見失わないようにしようと心に誓う。

 

「そもそもさっきからずっと一本道だったよな?何で同じところを回ってるんだ?」

魔理沙さんが尤もな疑問を口にする。

確か僕が迷ったときも一本道を歩いていた気がする。

「横道とかありましたっけ?」

「さぁ?無かったと思うけど……。」

元々濃かった霧がなんだかさらに濃くなったような気がする。

皆で固まって動いているはずなのに全員の姿を視認することができない。

どうしようもなく不安になってしまい目の前を歩く文さんの裾をつかむ。

「あや?…………どうしましたか?」

「い、いえ……別に何でもないですけど…………。」

何だか心細かったので。なんて答えるのが恥ずかしくて目を逸らして嘘をついた。

文さんは不思議そうに首を傾げると前に向き直る。

……いつもの文さんなら写真の一枚でも撮りそうなものだけど……霧が濃いおかげか更に恥ずかしい思いをすることは無かった。

恐らく相当情けない表情をしているだろう。

 

ガサガサ……。

 

「ひゃっ!?」

するといきなり目の前を白い何かが横切る。

僕の上げた悲鳴に驚いたのかそれはピタッと止まって一瞬こちらをみるとすぐにまたどこかへと行ってしまった。

「大丈夫ですか?」

「あ、ありがとうございます……。」

差し出された手を取って立ち上がり、お尻についた土を軽くはらった。

「今のは……兎…………?」

「はい。そうだったみたいです……。」

「兎ぐらいで悲鳴上げてたらキリがないぞ?」

僕はそうですよねと苦笑して頬を掻く。一応、こういうのにはある程度耐性ができたつもりだったんだけど……やっぱり急にだとまだ慣れないな…………。あれ?前もこんなこと考えてたような。

「何突っ立ってんのよ。置いていくわよ?」

置いていくという言葉が耳に入り、慌てて顔を上げる。

 

そのときあるものが目に入った。

 

 

 

「あ、あの!!皆さん!!」

僕の声に、もううっすらとしか見えない四人の影が振り返る。

「何?」

返ってきたのは霊夢さんの短い声。

「いえ……その、さっきまでこんな道あったかなあ……?って思って…………。」

「どれですか?」

唐突な耳元の声に一瞬だけ体を震わせたが平静を装って自分から見て右の竹藪を指し示す。

「あ、本当ですね!道があります!」

「どっちかというとけもの道って感じだけど……。」

僕が見つけたのは一本の細道。竹藪に埋もれて見えにくいけど人一人なら通ることができそうな道だった。

霊夢さんが竹藪をかき分けて道を確認する。

「これだったらぎりぎり通れそうね…………どうする?」

「んー……このままさっきの道を進んでもまた戻ってくるだけだろうし、行ってみるのもいいんじゃないか?」

「そうですね……進んでみましょうか。」

どうやら満場一致でこの道を進むことが決まったようだ。

 

 

「それにしても…………狭いな。」

魔理沙さんを先頭に5人が並んで歩く。

この感じなら民家に入ってタンスから5ゴールド持って行っても問題なさそうだ。

「これは……もしかして戻った方がいいですかね?」

元はといえばこの道に進むことになったのは僕が原因だし、無駄足だったときのことを考えると申し訳なくてそう提案する。

「ここまで来て戻らないわよ。戻るのは、行けるとこまで行ってから…………。」

そう言う霊夢さんの表情もどこか期待している様子が窺えない。

何だかさっきの道よりも霧が濃いような気がしてくる。

やっぱり早めに引き返した方が……。

そんな風に思っていた矢先だった。

 

「お!抜けたみたいだぜ!」

 

先頭の方から嬉しそうな声が聞こえてくる。

下がっていた顔をバッ……一気に上げると、僕のマイナス思考を慰めるかのように視界に一筋の光が映った。

延々と続くかとさえ思われた竹藪を抜けて光に包まれる。

喜びと安堵とが胸の内に沸き上がってきてほっと一息をつく。

「良かった…………。」

「でも、道を抜けたはいいけど、肝心の永遠亭がどっちにあるか分からないと意味ないじゃない。」

霊夢さんは辺りを見渡すとため息をついた。

確かに細道を抜けて、いくらか広い場所に出ることは出来た。しかし、そこに永遠亭らしきものは見あたらないし霧が完全に晴れたわけでもない。

状況が好転したのかは判断する事ができなかった。

「状況は変わってないってことですか…………。」

早苗さんが口に出したことで一気にその場の空気が重くなる。

このまま永遠亭が見つかるまでひたすら歩き続けるしか方法はないのだろうか?

 

「んー……。そんなこともないみたいですよ。」

 

文さんの声だった。

先ほどに比べれば霧が薄く、通る視界の中の文さんは一方向を見て微笑んでいる。

 

「はぁ…………抜けてきちゃいましたか…………。」

霧の中を僕らに向かってくる一つの陰。

頭から飛び出した二つの長い耳のシルエットですぐにその正体を知ることができた。

「っ……やっぱりあんただったか。」

霊夢さんは小さく舌打ちをするとその人を鋭く睨んだ。

「あ、鈴仙さん!」

僕が名前を呼ぶと、彼女はこちらを向いて軽く会釈した。

何だか妙に重々しい雰囲気だ。状況が読めずに首を傾げる。

「もうちょっと迷っていてもらいたかったんですけど……。」

鈴仙さんはため息とともにゆっくりとこちらに向かってくる。

迷っていてもらいたかった……?それにさっきの霊夢さんの言葉。

『やっぱりあんただったか……。』

やっぱりって何がだろうか?

 

「何でこんなに面倒なことするのかしら?」

 

「師匠に侵入者を追い返すように言われてるんですよ。お帰り願えますか?」

 

霊夢さんが首を横に傾けて小気味良い音を響かせる。

恐らくNOだと言いたいのだろう。

鈴仙さんは一つ大きな溜め息をつくとその鋭い眼をこちらに向けた。

その瞬間何かに目の前を覆われる。

「わっ!?」

思わずふりほどこうとするが上手くいかない。

「あー、大丈夫です。もう少し待っていてください。」

すると耳元で静かに囁かれる。何かが背中に這ったようにぞわぞわとした感覚が走った。

どうやら文さんに視界を遮られたようだ。

「あ、文さん!?どどど、どうしたんですか?」

後ろに立っている人物が誰かわかり、極めて冷静にいつも通り、少しも焦ることなく尋ねる。

「ええと……彼女の眼をみましたか?」

「え?……紅色の綺麗な眼でしたけど……?」

「彼女と眼を合わせると少し面倒なので気をつけて下さいね。」

そう言ってろくな説明もないまま視界が開ける。

どういうことですか?と尋ねようとして開けた口を閉じる。

そのとき目の前で繰り広げられていたのは……。

 

「これが……弾幕勝負?」

 

一方には霊夢さんと魔理沙さん、もう一方には鈴仙さんが宙に浮いた状態で対峙しており、縦横無尽に淡い光を放つ球体が飛び回っていた。

前に文さんと対決させてもらったけどあのときは文さんが手を抜いていたんだと実感する。

客観で見るのはこれが初めてだけど、なかなかの迫力だ。

…………。

それより、何だか今にも流れ弾が飛んできそうな雰囲気なんだけど。というより進行形で飛んできている気がする。

マズッ……!!

反射的に右へと体を倒す。そのまま転がっていき体勢を立て直した後で次の段幕に備えた。

前転、後退、ジャンプ、後退。

集中力を切らすことなく飛んでくる弾を避けることだけに意識を向ける。

これ、本当に流れ弾なんだよね?僕に向けて撃ってるわけじゃないんだよね?

そんな疑惑の念が生じるほど次から次へと弾が飛んできていた。

次は……屈んで避け…………。

 

 

ふわっ

 

 

と、体が一瞬宙に浮く感覚。

反射的に体が受け身をとっていた。

しかしいっこうに地面にぶつかる様子はない。

おそるおそると目を開くと、30mほど離れたところで霊夢さん達が闘っているのが見えた。

霊夢さん達が移動したのかと思ったけど、どうもそうじゃないらしい。

移動したのは僕の方のようだ…………それより未だに宙に浮いたままなのはどうして……。

上を見上げる。

ニコッと笑顔を見せられる。

何だか……デジャヴだ。

「あ!文さん!?お、下ろしてください!!」

「あぁ、失礼しました。」

案外あっけなく解放される。

「ど、どど……どうして?」

さっきとは離れた場所で文さんにお姫様だっこされてるんですか!?

口にするのを躊躇って省略して尋ねる。

「助けてなかったら今頃鞘、後ろから被弾してましたよ?」

文さんは遠くで行われるまるで戦争でも起こっているのではないかと錯覚するほどの弾幕と爆発を眺める。

どうやら、後ろにまで気がいってなかったらしい…………。迂闊だった……。

「あ……そうなんですか、ご、ごめんなさい迷惑かけちゃって…………。」

「いえいえ、別にそれはいいですよ。それより、もうすぐ終わりそうですよ。」

「え?」

 

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!このあとがきを執筆している現在、おなかが空いて力がでておりません。

女の子たべt(殴

さてさて、早速見て下さっている方の内の7割を引かせたところで今回もここまで見ていただきありがとうございます!!
いやぁ……9章も残り1話となりましたが中途半端なところで終わるにおいがぷんぷんしてます……。
きりの良いところまで書けよタコ!
と言われてしまえば何も言い返せないのですが…………おまけ編書きたいんです許してください。
え?きりの良いように調整しとけよタコ!ですか?
…………。
…………。
確かに……………………。


尽力いたします。




さてさて、ここから余談ですわよ。
いったんマウスカーソルをブラウザバックから離してください。


先日彩風は重たい体を引きずって模擬試験へと向かいました。
これはそのときの話。


彩風(うわーわかんないな……)
彩風(ん?斜め前の人なんか手出してるな……。何だろう?)

すると彩風の隣に座る少年がおもむろに消しゴムを手に取る。
そして、

彩風(え!?投げるの!?)

呆然とする彩風など気にせずに消しゴムを投げた少年は解答用紙へと目を移していた。
肝心の投げられた消しゴムはというと、ゆるい放物線を描き前の席に座る少年の元に落ちる。
思わず拍手をしてしまいそうになる光景だったが理性で衝動を抑え、彩風も問題に戻る……。

しかし……彩風はあの日の勇者達を忘れることはないだろう……。




※試験中の物の貸し借りは基本的に禁止されているのが殆どです。絶対にマネをしないようにしましょう。




それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!


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9章 5話~患部で止まってすぐ溶ける~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・勉強中の彩風「わーい。たっのしー。(白目)」
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「それより、もうすぐ終わりそうですよ。」

 

文さんが微笑を浮かべて見つめる先、弾幕勝負が行われている光景はなかなかに幻想的だ。

あの中に自分が放り込まれたらと考えるとゾッとするけど……。

よく見てみると弾幕の形は全て同じというわけではないようだ……。

 

綺麗な球体もあれば楕円もある。レーザーのように細長いものもあった。

そう言えば僕が出したのは弱々しい細長いものだったっけ…………?

そんな無数に飛び交う弾幕の中で一際目を引く形状のものが一種類。

 

ミサイルのような……銃弾のようにも見える……。

発射された元を辿っていくと鈴仙さんが出す弾幕のようだった。

なんだろう……この形は…………

 

「相変わらず患部で止まってすぐ溶けそうな形してますね。」

 

隣で文さんが呟く。

その瞬間、患部で止まってすぐ溶けそうな形の弾幕が目の前まで迫ってきていた。

すんでのところで何とか避ける。

鈴仙さんの方を見ると怒りの笑みを浮かべながらこちらの方を向いていた。

どうやら気にしているらしい。きっと文さんはそれを理解した上でわざわざ煽るようなことを言ったのだろう。

文さんらしいと言うか何というか……。

しかし結果的にはそれが功を奏したのか、よそ見をした鈴仙さんに一つの弾幕が直撃する。

その後はあっという間だった。

体勢を崩した鈴仙さんを他の弾幕が容赦なく襲う。明らかにオーバーキルだろう……お気の毒に…………。

しばらくすると攻撃が止み、地面に伸びている鈴仙さんの姿が明らかになった。

 

「あぁー…………しっかりやられましたねー……。」

文さんと共に鈴仙さんのもとに駆け寄る。

自分をボコボコにした二人とその他三名に見下ろされる様子は端から見れば不良に絡まれているようにしか見えないだろう。

「うぅ……。」

「だ、大丈夫ですか……?」

鈴仙さんは呻き声を上げて、頭をさすりながら体を起こす。

「さて、それじゃあ説明してもらおうかしら?」

「説明も何もさっき言った通りよ……。師匠に侵入者は追い返すように言われたから私はそれに従っただけ。」

……どうにも状況が読めない。何であの数少ない常識人の鈴仙さんといきなり戦闘が始まったのだろうか?

師匠……っていうのはきっと永琳さんのことだろうけど侵入者って…………。

「雑用には何も知らされてないってわけか。」

「何とでもどうぞ。」

魔理沙さんの挑発に乗ることなく鈴仙さんはそっぽを向いてしまった。何だか拗ねた子供のようにも見える。

どうやら弾幕勝負での勝敗は絶対であるようだ。

「え……えっと……文さん、これはどういう……?」

小声で横に尋ねてみる。

「あー……ここに来るまでの竹林が前と全然違う構造になっていたうえに途中から同じところを回りそうになったでしょう?あれは彼女の……鈴仙さんの能力によるものです。それで理由は分かりませんが我々の行く手を阻んだということで今にいたるわけです。」

「は……はぁ……。」

よく分からないが鈴仙さんによって僕達は竹林を迷うよう仕向けられていたらしい。

それじゃあ、前に僕が迷ったのも鈴仙さんのせい―――

「あ、いや、あのときはただ純粋に鞘が迷っただけです。」

心を読まれた上にバッサリと断言され何ともいえない表情を作る。

 

「それで……永遠停はどっちよ?」

「私があなた達に教えるとでも?」

霊夢さんと鈴仙さんの間に火花が散り始める。

今にも第二ラウンドが始まりそうだ。

「あんた負けたんだから大人しく言うこと聞きなさいよ。」

「私はそんなの知りませんよ。」

「この……あんたが知らないわけないでしょうが!」

声を荒げる霊夢さんに負けじと鈴仙さんも知らぬ存ぜぬを突き通す。

「何だよ……。こんなんじゃ埒があかないぞ……。」

「そうですよね……。」

そう言えばいつの間にか早苗さんが戻ってきている。弾幕勝負が行われている間は姿が見えなかったけど……ちゃっかり避難していたのだろうか?

 

「あんたね……みっともないわよ。」

「…………。」

鈴仙さんの態度を見るにこのまま粘っても吐いてくれそうにない……。

再び竹林をさまようしかないのだろうか?

そんな風に思いかけたそのときだった。

 

「ちょっと良いですか?」

 

全員が文さんの方に注目する。皆の視線を気にすることなく文さんは一歩前へと踏みだし、地面に腰を下ろしている鈴仙さんの前にしゃがみ込む。

するとおもむろに懐から一枚の写真を撮りだした。

それを鈴仙さんの眼前へと突き出す。その瞬間鈴仙さんの顔色が何かの試薬のように真っ青に変わった。

ニコニコと楽しそうな文さんは鈴仙さんに耳打ちする。必死の形相でしきりに顔を縦に振る様子を見ると何だか気の毒になってきた…………。

 

 

「道教えてもらえるそうですよ。」

2分ほど経った後、文さんが僕達に向かって親指を立てた。

その後ろの鈴仙さんは正座しながら地面の方を向いている…………。可哀想に……。

「ここから右にずっと行った先です。」

先ほどに比べると随分と低くなったトーンで右の方向を指さした。

「おぉ、ありがとな!」

魔理沙さんが無邪気にお礼を言う。悪意があるのだろうか?ないのだろうか?どちらにしても質が悪いのには変わりないが……。

「よし、じゃあ永琳のとこに行くわよ。いきなり侵入者を追い返すだとか何考えてるか知らないけど本人に聞けばいい話よ!」

「善は急げですね!」

霊夢さんも早苗さんも特に気にすることもなく鈴仙さんの教えてくれた方向に進み出す。

何というか…………うん……。

言いようのない感覚のまま霊夢さん達の後を追う。

 

「あ!……ちょっと。」

 

去り際に後ろから消え入りそうな声がかかる。

振り向くと、鈴仙さんが文さんに縋るような目で何かを話していた。

微かに聞こえた声の一部。

「あの…………本当にお願いしますね……。」

小刻みに震えながら表情で何かを訴えている。

…………何でだろう……目から水が……。

 

 

 

「あの……文さん?鈴仙さんに何見せたんですか?」

「写真ですよ?」

「いや、まぁ……それは分かってますけど…………。」

何だか迷っていたときに比べてかなり霧が薄くなったようにみえる。

「そうじゃなくて僕が聞いているのは写真の内容についてです。」

鈴仙さんをあそこまで怯えさせる写真……いったいどんな写真なんだろうか…………。

「見たいですか?」

文さんに目を合わせて尋ねられる。一見すると曇りのない綺麗な眼だ。

改めて見たいか?と訊かれれば、見たいような見たくないような複雑だ。

「鞘にはちょっと刺激が強すぎるかもしれないですねー。」

「しげきがつよい?」

…………。

し、刺激が強いっていうのは……?

それは、つまり?そういうこと?

え?いや。どういうことだろう?

鈴仙さんの弱みになるような写真であり、なおかつ僕には刺激の強い写真。

そこから予想できるのは…………。

 

 

「?ど、どうしました鞘?顏真っ赤ですけど……?」

「あ、あ、あ、あ!文さん!?さ、ささ……最低です!!見損ないました!!!!」

「え?」

叫ぶように言い残して少し先を歩く霊夢さん達のところに駆ける。

いくら文さんでもそんな写真を撮って、人を脅すだなんて…………許されない行為です…………。

第一、何で文さんがそんな写真を持っているんですか……。

心内にモヤモヤとした気持ち悪さが膨れ上がってくる。何だろう……コレ…………。

「おー?どうした鞘。」

いきなり走ってきた僕に魔理沙さんから声がかかる。

「い、いえ。別に大したことでは…………。その、永遠亭はもう近いんですか?」

「……。断言はできないけどもう近くまで来てると思うわよ。」

「しっかし永琳は何で侵入者を追い返すだなんだってやってるんだ?」

「何か私達に来られてはマズいことでもあるのでしょうか?」

「どうせろくでもないこと考えてるんでしょ。」

霊夢さんは首を揉みほぐしながらだるそうに歩みを進める。

何だかこう……巫女さんってもっと神聖なイメージがあったけど、実際はそんなものだよね。今更といえば今更だし。

「何?」

「え!?いや、別に何でも!」

何を考えているかを悟られてしまったのか霊夢さんの半眼が刺さる。

 

「うーん……なんだろうな……タイミングから考えても今回のことと無関係とは思えないしな。」

「そうですよね。永琳さんはアンネさん達を看ていたはずですし、そこで何かが起こったのでしょうか?」

「うっ……あ、文さん。」

いつの間にか真後ろには文さんが立っていた。最低だの見損なっただの言ってしまったせいで目を合わせることができない…………。

「何かって何よ?」

「さぁ?そこまでは。」

文さんは肩をすくめてみせる。

「そういえばブン屋は人里に来る前に永遠亭に行ってたんだよな?」

思い出したように言った魔理沙さんの言葉に皆の視線が文さんへと向けられる。

確かに文さんは人里で僕達と合流する前に永遠亭に大ちゃんを預けにやってきていたはずだ。

「はい。確かに来ましたけど特に何かあったわけではないですよ?大妖精を預けただけです。」

「それにしてはちょっと人里に来るの遅くなかった?」

「そうでしたか?」

疑うような声にも動じることなく文さんが答える。

 

「んー……なんだろうな?何か月に関連することか?」

すると魔理沙さんが気になる発言をした。

月?月ってあの空の月だろうか?兎がお餅をついてるあれ?

「……もしかしてエルさんとチールさんは月の住人だったりするんでしょうか?」

月の住人?ど、どういうことだろうか?

頭の中がこんがらがっている僕をおいて話は膨らんでいく。

「エルさんとチールさんは月からの使者で永琳さんと輝夜さんを追って地球にやってきたとか?」

「話が飛躍しすぎよ。第一根拠がないわ。」

早苗さんが楽しそうに想像を巡らせるのを霊夢さんが遮った。

「じゃあ、二人は月からの侵略者で、幻想郷を征服しに来たとか!」

 

「「「…………」」」

 

ジト目が早苗さんに向けられる。

暫く間をおいた後

「勿論冗談ですよ?」

ニコニコとしたまま早苗さんが声を上げて笑う。

…………やっぱり話についていけない……。

 

「まぁ……何にせよ本人に聞けば分かる話よ。ほら、見えてきたわ。」

辺りはさっきとは比べものにならないほど霧が晴れて視界は明瞭になってきた。

「それじゃあ、行きましょうか!」

そして僕は再び永遠亭に足を踏み入れることとなった。

 

 

 

 

          続く……。

 

 

 




はい!どうも!彩風です!!

ねぇ?なんか言うと思った?ネタ言うと思った?

さて、やっとこさ9章を終えることができました。
相変わらず目標である日曜更新にギリギリではございますが私は元気です。


次はおまけ編ですが、おまけ編だといつもよりは捗るのかなー…………。
相も変わらず酷い文章で推敲もろくに出来てはございませんが……皆さんの広い心でお許しください。




「今日の余談はお休みよ」




それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!


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おまけ編 9
おまけ編 1話~用法・用量をお守り下さい~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定←今回特に
・妄想過多←今回特に
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分←今回特に
・今回は彩風の妄想に妄想を重ねて妄想をコーティングしたお話となります。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「で、どうすればいいんですか…………?」

 

文は人を殺す目で静かに誰かを見つめる。

 

「あぁ、えーっと……それはね―――」

 

「みつけましたよ~~~あ~や~さ~ん……。」

誰かの言葉がゆらゆらと安定しない声に遮られる。

……ダッ

ガシッ

目にも留まらぬ速さで走り出した文の裾が掴まれた……。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…………。終わった~~~~~~。」

「お疲れさまです。」

机にかじりついていてガチガチに凝ってしまっているであろう師の肩を揉みほぐしながら労をねぎらう為に言葉をかける。

彼女に自分のマッサージしている肩が凝っているかどうかなど分かりはしないのだがこういうことはやること自体に意義があるものだ。

「お。ありがとうございます。悪いですね……こんなに遅くまでつきあわせてしまって。」

「いえ!むしろ手伝わせてもらえるだけありがたいですよ!」

たった今書き終わらせた原稿をトントンと揃える彼女は射命丸文。ここ、幻想郷の新聞記者であり妖怪の山に住まう烏天狗である。

そしてその横で柔らかい笑みを浮かべる少女……心音鞘。一見すると少年に見間違えるほどの控えめな――――失礼。暫く前に幻想郷へと迷い込んで倒れていたところを文に介抱されたのだ。どうやら記憶を失っているようである。

 

「今更改めて紹介する必要があるでしょうか。」

「……?どうしたんですか?」

文はヒラヒラと手を振ると原稿を引き出しへとしまった。

「何でもありませんよ。それより、鞘も疲れたでしょう?しっかり休んでください。」

「はい。それじゃあ先に失礼しますね。おやすみなさい。」

鞘は軽く一礼すると布団の敷いてある部屋へと入っていった。

「さて、それでは私も今日は休んで……。あや?」

大きな伸びを終えた文の目に何かが映り込む。

玄関の隅にちょこんと置いてある小包。身に覚えのない届け物に顔をしかめながら文はそれを手に取った。

 

『親愛なる新聞記者とその助手のお二人へ。これはちょっとしたプレゼントです。ネタにでもしてください。』

 

癖のある字でそう書かれたメモはあるものの肝心の差出人の名前が見あたらなかった。

これ以上怪しいものというのもなかなか思い浮かばないが、この新聞記者より強い好奇心を持つ人物もなかなか思い浮かばない。

文は小包を机の上に移すと慎重に包装紙を剥がしていく。すると中から小さな白い箱が顔を出した。

ゆっくりとそれを持ち上げると細かく左右に振る。

――が、音はしない。

つまり、その箱のサイズにぴったりのものが入っているか、もしくはクッション材のようなものが一緒に入っているということになる。

重さは特に重くも軽くもない。

これだけでは何が入っているのか想像のしようもない。

仕方なくその不気味な箱を開けることにする。

 

そっと開かれた蓋からのぞいたのはクッションに収まる小瓶が一つとそこに添えられた一枚の手紙だった。

『これはすてきなおくすりです。疲れがとれるので是非一度ご賞味あれ。』

先ほどのメモにあるものと同じ字でこう書かれている。

薬とは本来決して賞味するものではないだろう。文は苦笑を漏らしつつ丁寧に小瓶を手に取った。

飴色の瓶にはラベルのようなものは見あたらず薄く中の液体のみが目に映る。

大きさはちょうど手のひらに収まるぐらいの小さなものだ。

おもむろに蓋を取り、仰いで中の液体のにおいを確認する。特に異臭がするわけでもなく無臭のようだ。

「…………どうしますかね。」

くすりの送り主は何となく予想がつく。

だからこそ何の警戒もなく口にすればどうなるか分かったものではない。くすりの効能は……まあ、アブナイ類のものだろう。

そこまで、考えて文は一つの案を導き出した。

自分が飲めないなら誰かに飲ませればいいじゃない!

小瓶を丁寧に箱に戻すと部屋の隅へと移動させる。

文は満足げに頷くと明朝に備え、休息をとることにした。

 

 

 

 

「おはようございます…………。」

 

寝ぼけ眼をこすりながら頭をこくりこくりと揺らす。

日の入りから暫く経っただろうか。鞘はあくびをかみ殺して小さく頭を下げる。

「あぁ、おはようございます。よく眠れましたか?」

「はい。それなりには……。」

まだハッキリとしない意識を引っ張りながら椅子へと腰掛ける。

「ん~~……!!」一度大きく伸びをしていくらか視界が明瞭になった。

極めつけにキリッという擬音を想像しながら目を見開く。意外にもこれだけで結構目が覚めるものだ。

「目は覚めましたか?」

「はい!ばっちりです!あ、ありがとうございます!」

机に置かれた湯飲みを見て鞘は振り向き、お礼を言った。

文はニコッと笑うと

「いつもとは少し違う淹れ方をしてみたんですよ。どうぞ。」

そう言って早くソレを飲むように促す。

「へえ、そうなんですか?じゃあいただきますね。」

そんなことに気付く様子もなく鞘は湯飲みを手に取る。そして一口啜った。

「…………どう……ですか?」

「はい!おいしいです……けど、僕には味の違いは分からないですね……。」

鞘の様子に特にいつもと違ったものはない。申し訳なさそうに頭を垂れている。

「いえ、変えたといっても本当に些細なことですから気付かなくて当然ですよ。」

そう。その通りだ。あの小瓶の中身を垂らしただけなのだから。

 

「そうなんですか……?何だかすいません……。」

尚も暗い表情をしたままお茶(おくすり入り)を口に運ぶ。

「でも、いつも通りとてもおいしいですよ!」

気を遣うように鞘が笑う。可愛らしいが文が今求めているのはそれではない。

いったいこのくすりの効果は何なのだろうか?

わざわざ何でもないくすりを送りつけてくるなどは考えにくい、効果が出るのが遅いだけだろうか?

アレが送ってくるくすりだ。ほぼ確実にそういうくすりだろう。ネタにするしないは別にしてくすりが効いてこなくては面白味がない…………。

そこまで考えて初めて変化が現れ始めた。

 

「すー……すー……。」

 

さっき「ばっちりです!」とか言っていた気がするが目の前の鞘は幸せそうに寝息を立てている。

「これは……睡眠薬…………?ですかね……。」

鞘を起こさないように注意して呟く。

ただの睡眠薬……そんなことがあるだろうか?それにそうだとしたら何のためにこんなものを送りつけてきたのだろうか?

もしそんなものでネタになると思っているならアレには一言言っておいたほうがいいだろう。

期待していたようにならず、文は残念そうにため息をつくと鞘の背中に毛布をかける。

「まぁ、まだ睡眠薬と決まった訳じゃないですしこれから何か起こることも十分あり得ますからね!」

空気を取り戻すように再び呟くと、いつ何が起こっても大丈夫なように鞘が見える位置で原稿の見直しでも…………。

 

ギュッ

 

不意に服の裾を捕まれた。

当然、掴んだのは鞘だ。先ほどまで寝息をたてていたのにいつの間に……。

「文……さん?」

鞘は眠そうな表情で文を見上げていた。

しかし、何だか様子がおかしい。顔は妙に紅潮しているし目もトロンと垂れ下がっている。

これはもしや……。

「……?どうかしましたか?」

文はいつも通りの表情で尋ねる。

「ええと…………僕……何だか熱があるみたいれ……。えっと……それで、体が熱いので…………。」

「…………。パシャッ」

ついつい無意識にシャッターをきっていた。

「…………?」

しかし、いつもの鞘なら涙目で慌てて何か言いそうなものだが今回は違った。虚ろ目で小首を傾げている。

…………どうやらくすりの効果は催眠作用だけでは無かったようだ。

「大丈夫ですか?どこかに横になった方が…………。」

「だいじょうぶ……れす。はい。だいじょうぶ……。」

ろれつが回っていない上虚空を見つめて笑っていることから察するに絶対大丈夫ではないだろう。

 

まぁ、面白ければ何の問題もない。

 

どうやって記事に繋げるかは少し難しいところではあるが、方法ならいくらでもある。まずはこのくすりの効能の詳細を知るのが先だろう。

「鞘、私の顔が分かりますか?」

「……?文さんですよー?」

さすがに今話しているのが誰か分からないほど意識が朦朧としているわけではないらしい。

では、これはどうだろうと鞘の目の前で人差し指を立てる。

「じゃあ、これは何本ですか?」

「……?ええと……。」

…………どうやら、思った以上にまずいらしい。人の判別よりこっちの方が簡単な気もするが……。

そのときだった。

 

はむっ

 

「ひぃゃ!?」

不意にそんな声があがった。しかも鞘のものではない。文のものだ。

文自身、相当長く生きてきているがそんな声をあげたのはいつ以来か思い出せない。

自分が上げた声に戸惑いつつもそれよりも鞘のとった行動に大きく動揺する。

鞘の口から解放された右手の人差し指は鞘の唇と艶めかしく光る細い糸で繋がっていた。

相も変わらず鞘は虚ろな目で文を見上げている。口元は微かに緩んでおり鞘らしくない色気のようなものが窺えた。

いつの間にか鞘の腕は文の腹部に回されており、耳を澄ますと吐息が聞こえてくる。

「えへへ…………あ~や~さ~ん。」

……とりあえずこのくすりの効能に関してはある程度分かった。

考えたとおり、まぁそういった類の《おくすり》だったようだ。

しかし……この状況はちょっとマズい。

 

まぁ、面白そうだから良しとしよう。

 

「どうかしましたか?鞘?」

「何らか、暑くって……変な気分で……。」

だんだんと息が荒くなっている。さっきから紅潮していた鞘の顔はもうきれいな紅色に染まりきっていた。

何というかこう……ゾクゾクとした何かが身体中を這い回る。

バレないように気をつけながら写真に収めていった。

「あやや?そんなこと言ってたら襲っちゃいますよ?」

冗談で鞘の顔をこちらに向けて囁いてみる。いつもの鞘なら爆発して卒倒しそうなものだが……。

その瞬間視界がグラッと揺らぐ。背中に軽い痛みを感じ床に押し倒されたことを理解した。

 

「そうですよね。そうです!そうしましょう!大丈夫です何の問題もありません!女の子同士だからノーカウントです。文さんは何の心配もしなくて大丈夫ですよ。僕に任しておけば大丈夫です、文さんは天井のシミでも数えていてください。あ、でも僕から目を離しちゃ駄目ですよ。ずっと見ていて下さいね。ずっと…………。」

 

先ほどとは違う獣のような息の荒さに思わず怯む。

一息でそうまくし立てると鞘はゆっくりと妖艶な笑みを浮かべた。

そんな中文が上げることができた声と言えば…………

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

    続きますごめんなさい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!ロシアの女の子が何であんなにかわいいのか不思議でならない彩風です!

目の保養ですね。はい。

そんなことはさておきまして今回もここまで読んでいただきありがとうございます!!
まずは一言……

『申し訳ございません!!』

いやぁ……あの…………はい。深夜テンションって怖いですよね。痛感しております…………。
だって男って皆こういう展開好きでしょ?
薬より《くすり》ってしたほうがいいんでしょ?
スク水には平仮名で名前を書くでしょ?
…………。
…………すいませんでした。



反省の直後ですが余談ですよ!←まるで成長していない

皆さん、今週の火曜日……どうでしたか?
今年一番幸せだった人もいれば一番不幸だった人もいるでしょう。
そう2月14日……。男なら皆がそわそわするであろう一日。

《リゼちゃんの誕生(殴

え?何?14日?あれ?何かあったっけ?14日?ちょっと待ってちょっと待って今ここまで来てるここまで来てる。え?バレンタイン?あ~それだそれだ。喉まで来てたわ~今ちょうど喉まで来てたわ~っていうかお前に言われなかったら気付かなかったわ~。全く気づけなかったわ~危なかったわ~。これっぽっちも意識してなかったわ~。つうかお前今日髪型決まってね?え?俺?何言ってんの?これ寝癖だから、朝時間無かっただけだから。にしてもバレンタインか~うわ~全く気付いてなかったわ~ていうか俺甘いもの苦手なんだよなー。うわ~困っちゃうな~参ったな~あっちゃーそれにしても参ったなあっちゃー。
こんな風になっていた男子諸君!念願のchocoleteは貰えたかい?(イケヴォ)
え?彩風はどうかって?

あっはっはっはっはっは。





コトバヨクワカンナイ。






次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!


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おまけ編 2話~メタ発言はお控えください~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定←今回特に
・妄想過多←今回特に
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分←今回特に
・彩風は勉強が好き、彩風は勉強が好き、彩風は勉強が好き、彩風は勉強が好き……
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「え?いや、ちょ……鞘?ど、どうしたんですか?」

 

珍しく本気で取り乱しているのか詰まりながら文は自分に跨がる少女を押し退けようと力を入れる。

「どうしたって~、文さんが言ったんじゃないですか……。」

しかし抵抗むなしく、床に押さえつけられたまま鞘に両手の動きを封じられる。

「大丈夫ですよ~……優しくしてあげますからね……ふふ。」

甘い声が耳元にこぼれ落ちる。思わず声を上げそうになったのを何とかかみ殺した。

どうにかして逃げなければと体勢を立て直そうとするがガッチリと拘束されていてうまく身動きがとれない。

「文さん照れてるんですか~。大丈夫ですよ~落ち着いて~。」

柔らかい手が文の首元からなぞるように頬まで移動した。

鞘の行動一つ一つにゾクゾクとした感覚が伴う。

「ゆっくり……少しずつでいいんです。少しずつ。」

鞘の顔がどんどん近づいてくる。明かりは鞘に遮られてしまい、逆光となるため表情は窺えない。

そしてそのまま…………。

 

 

 

 

はいはいはい。ちょっと待った。

 

いつもよりは数倍速く回る脳内で一度そう呟いた。

このままでは、いろいろとマズい。そう、本当にいろいろな意味でマズい。

さて、どうしたものだろうか。

恐らく……というか間違いなくこのままでは鞘の顔が自分の顔に重なることとなるだろう。

距離的に考えてあと0.3秒ほどだろうか……。

押し退けようにも異常なほど強い力で押さえつけられており逃げられそうにない。

少々乱暴だが他に手はないだろう。

 

ちょっと我慢してくださいね……!

 

心の中で短くそう呟いた。

 

 

ゴウッ……。と低い音が響き、鞘の体が浮かび上がる。

「え?」

再び鞘の体が地面につく頃にはそこに文の姿はなく鈍い音と開いたドアから流れる風の音だけがその場に残った。

 

 

 

 

暗く狭い部屋の中。

カタカタと何かをたたく音。薄明かりに照らされた人影が一つ。

唐突に……そして乱暴に後ろにあるドアが開かれる。

外からの光で部屋の中がいくらか明るくなった。開け放たれた入り口には一人の少女が立っていた。

 

「見つけましたよ…………。」

 

そういう彼女の息は酷く荒れており、相当急いでここまでたどり着いたことが窺えた。

少しだけ位置のずれた頭襟を正して文は部屋に一歩踏み込む。

 

「何か言ったらどうなんですか?あのくすり……送りつけたのはあなたでしょう?」

 

文の威圧するような低い言葉にも反応を示すことなくその誰かはカタカタと音を鳴らし続ける。

その態度に呆れたのか文は肩をすくめるともう一度誰かに聞こえるようにハッキリと

 

「もしもし!聞こえてますよね!どうなんですか?」

 

半ば叫ぶように声をかける。どうやら珍しいことに相当気が立っている様子だ。

しかし、それでもなお誰かは手を止めることなく軽い音を小刻みに奏で続ける。

 

「あなたねぇ……。」

 

文が誰かの座る椅子を軽くkwる。

一度では物足りなかったのか更に二度目の蹴りをかmっした。

ここまで来ると意地なのか、目の前の誰かは気にしないフリをして作業を続ける。

そのとき、一瞬だけ文のこめかみに#のようなマークが入ったように見えた。

 

「……。」

 

無言で誰かの首筋を捻り…………。ちょっと待って、痛い痛い。分かったって、いったん落ち着いて……あああ!?痛っ!?いやタンマ、タンマ。確かに我々の業界ではご褒美だけどタンマ!!

「意味もなく頑なに無視するからですよ……。」

いや、だって設定的に反応したらマズいかなって……。

「それは無視する理由にはならないでしょう。」

っていうか何でここにいるんすか。駄目でしょ作品内に作者が出ることになっちゃうんだから。

「……とりあえず読みにくいんでこのスタイルやめてもらえますか?」

 

 

文にそう言われたため渋々と天の声が帰ってきました。

「それで……どうなんです?あなたでしょう?あの妙なくすりを送りつけてきたのは。」

「はい。そうですよ。」

「よくもまぁそんなにケロッと言えますね……。」

目の前の癖毛の《誰か》はヘラヘラと笑う。彼は……まぁ、そういう人物だ。ロリコンの変人といえば理解していただけるだろうか?

「だって、ネタが思い浮かばなかったもんだから思いつきでちょっとね…………。」

「思いつきで人の貞操危険に晒しますかね普通?」

文の口調はいつも通りだ。しかし、明らかに感情的な部分が混じっている。隙を見せると人生が打ち切られそうな気さえする。

しかし、この命知らずはバカなのかマゾなのかアホなのか、

「女の子同士だからノーカンでしょ!っていうか私のためにもうちょっと頑張ってくださ(殴」

言葉を最後まで紡ぐことなく床に倒される。当然の報いだろう……笑みを浮かべているのが気味悪いが…………。

 

「鞘に押さえられてふりほどけなかったのもあなたが原因ですか……。」

「その通り!私にかかればそれぐらい朝飯前さ!」

文は親指を立てる誰かを思わずもう一度床にキスさせてやろうか迷うがどうせ恍惚の表情を浮かべるだけなのでやめておく。

「今すぐ元に戻してください。」

代わりに丁寧にそう言った。字面や表情こそ恭しいが実質は命令のようなものである。

「ア、ハイ。ワカリマシタ。」

さっきまでのドヤ顔は遙か彼方へ飛んでいったようで、生まれたての子鹿のようにガクガクと震えながら片言で答えた。

「でもワカリマシタとは言ったけどそんな簡単に戻せないと思うよ?」

「はい?」

「いやぁ……今回のおまけ編の中ではこういう力関係にしちゃったからね。仕方ないね。」

テヘッと舌を出した誰かの体がきりもみ回転をしながら地面に叩きつけられる。

さすがの文も我慢できなかったらしい。気味の悪い笑みを浮かべながら誰かが地面を転がる。

「何をふざけたこと言ってるんですか、さっさと直しなさい。」

「いや、ですから簡単には直せないんですよ。あ^いいっすね^。」

踏みつけられる痛みに口角を緩めながら答えが帰ってくる。

この変態が言ってることが本当なら少々マズいことになる。

おまけ編はおそらくあと2000文字ほど、今現在この話数の半分ほどが消費されている。

後半半分で鞘に会おうものなら今の力関係では何をされるか分かったものではない。

こうなったらどうにかして文字数を稼ぐしかないのか…………。

よし……。

 

「ああああ…………。」

 

「ああ!!それ規約的にヤバいからやめて!!直す方法なら一応あるから!」

強行手段に移ろうとした文を誰かが必死に止めに入る。

「ん?今直す方法はあるって?」

「あ、うん。まぁ……鞘を元に戻す方法ならありますけど。」

勢い余ったのか自らの発言を後悔するように誰かは表情を濁らせた。

「で?その方法は?教えてください。」

「ん~……ええとね。せっかちはホモの始まりだから良くな――」

「あくしろよ。」

文の目映いばかりの笑顔に誰かは思わず不自然な笑みを浮かべて言葉を切る。

そして小さくため息をつくと全然似合わない真面目な表情に変わる。

 

「鞘を元に戻す方法……それはね……。ズバリ!文と鞘がバトル漫画のように熱く!北海道産のバター並みに濃厚で!それでいて小学1年生のようにぎこちないキスを交わすこtttttttttt」

 

最後まで語ることなく誰かの体はきりもみ回転をしながら天井に叩きつけられる(天丼)

「ぐふっ……ふふふ、私にとってこれぐらいのことむしろ快楽でしかないのだよ。さぁ、どうする文よ!!」

「このコンピューター……破壊しがいがありそうですよね。」

「スイマセンでした勘弁してください。」

PCの前に立ってそう言ってやると途端に文の目の前に土下座している誰かが現れた。

 

 

「で、どうすればいいんですか…………?」

 

文は人を殺す目で静かに誰かを見つめる。

 

「あぁ、えーっと……それはね―――」

 

 

 

「みつけましたよ~~~あ~や~さ~ん……。」

 

 

 

誰かの言葉がゆらゆらと安定しない声に遮られる。

……ダッ

ガシッ

目にも留まらぬ速さで走り出した文の裾が掴まれた……。

「えへへ……どうして逃げるんですか~。」

スリスリと顔を文にこすりながらモゴモゴとした口調で鞘が尋ねる。

「さ、鞘!?いいですか!正気に戻ってください!ここで何かしようものならそこの変態が喜ぶだけですよ。」

鞘はゆっくりと後ろを振り向く。

変態がとても健やかな笑顔で正座していた。手元には録音機器、脇にはビデオカメラと準備は万端のようだ。

「こちらの準備はOKだ。いつでも始めてくれ。」

親指を立てて何かを促す。

 

「おや?どうしたんだい鞘、こちらの準備は完璧だからいつでも始めてくれて…………それとも私も交ざっていいんdddd―――」

 

すると誰かの体が壁を一枚突き抜けてその先にゴロゴロと転がる。

こ、これは……死んでる……!?

 

「文さ~ん。邪魔は亡くなりましたよ~……!さぁ思う存分……。」

 

ゴミ処理を終えて達成感と狂気に満ち溢れた鞘の視線の先にお目当ての女性は見あたらなかった…………。

 

 

 

 

「はぁ…………はぁ…………。」

勢いよく仕事場のドアが開かれる。

力を抜いてドスッと椅子に腰掛ける。空気以外のものも抜けていくのではないかと言うほど大きなため息をついた。

「あー……もう…………。どうしたものですかね…………。」

アレのせいでひどく面倒なことになったと頭を抱える。鞘の単純な頭ならできるだけ遠くに逃げていると考えるだろう……だからこそあえて山へと戻ってきたはいいが…………。

 

ふと、文の目に机の上の飴色の瓶が映った。しかしあのくすりをここに置いた覚えなどない。

「……もしや。」

身を乗り出して瓶を手に取る。瓶の下には小さな手紙が瓶を重石にするようにして置いてあった。

 

『もう残りの文字数がやばいから元に戻す用のくすり置いときます。活用ください。』

 

文は右手に持っている瓶をもう一度まじまじと確認する。

発言の内容に関してはともかくこれで状況を打破できるならそれでいい。

 

 

「あ~や~さ~ん…………!!今度こそ逃がしませんからね~……。」

 

 

どうやら本格的にしゃくが足りないようだ。ですがまぁ、こちらにとっては好都合。

文は内心ほくそ笑むと鞘につかみかかる。

「?……どうしたんですか~?文さん。そんなにがっつかな……んっ!?」

半ば無理矢理に瓶の中の液体を鞘の喉に流し込む。

 

まえのおくすりの時とは違いすぐに鞘がひざを突いて床に倒れる。

もう4000文字を越えているため終わらせたくて仕方がないのだろう。

まぁ、何はともあれ一件落着だ。文も椅子までいかずにその場で腰を下ろすと安堵の息をついた。

 

 

 

 

―――――その夜―――――

 

 

 

「だって~~、僕だけおかしいですよー!何で僕だけ成長が遅いんですか~!!」

顔を真っ赤にして机に突っ伏し、グチを漏らす鞘。

その横で苦笑いをしつつ鞘の話に耳を傾ける文。

《元に戻す薬》を飲ませて、起きあがってからずっとこの調子である。

 

静かな夜の妖怪の山に鞘の声が響く中で文は今度こそアレを妖怪の餌にでもしようと誓うのだった。

 

 

 

    続きませんからご安心を……。

 

 

 




はい!どうも!最近勉強の楽しさに気付いた彩風です。

あはは。わ^い。たっのし^。え?使い回しはよくない?

とまぁ、そんな分かりやすい冗談は置いといて……今回も後書きまでありがとうございます!
皆よかったね!彩風の暴走も今回で一旦幕を引くよ!
実のところ彩風も安心しています。実は彩風も余りに酷い展開は避けようと思っていたのですが封印されし髪の右手が勝手にキーボードを叩いてしまっていたのでs……。
あ、すいません。嘘です。

そういえば、一つお知らせが……。
次回の更新についてなのですが、お休みさせていただく可能性が高そうです。
というのもまぁ、彩風も受験生ではありますし公立受験が近いため来週の更新がキツそうだという次第です。
でも、勉強の間を縫って執筆することが出来れば更新しますのでよければ覗きに来てください!


さてさて、余談を始めようか。

はい、先日2月25日は何の日か皆さん知っているだろうか?
そう!

\イェエエエイ/我らがアイドル電ちゃんの誕生日です!!\フゥウウウ/

いやぁ可愛いよ電ちゃんはぁはぁ。
その靴下しれーかんに渡しちゃおうねー。

とまぁ、当然ながら彩風は誕生日をお祝いしたわけですがこれはその前日のお話。


友人C「彩風何か今日機嫌いいな。」
彩風「ふふふ……お前等明日が何の日か分かるか?」
友人B「さぁ?」
彩風「電ちゃんの誕生日なんですよ。祝え。」
友人B「あぁ…………。」
友人C「え?なんて?誰の誕生日って?」
彩風「いやぁ……よきかなよきかな(無視)」
友人C「もしかして俺の誕生日1ヶ月前か?」
彩風「あ、うん。そうだね(適当)」
友人B「俺も久々に会いに行こっかな……。」
彩風「いやー……ケーキ買わなきゃな……うへへ。」
友人B「えぇ……(引)」友人C「えぇ!?(驚)」

友人C「俺の誕生日にってこと!?」

彩風,友人B「え?」
友人C「あ、彩風お前……根はいい奴だったんだな……。」
彩風「え?いや、違……。」
友人C「どうしようもない変態だとばかり思ってたけどな……ごめんな……。」←変態
彩風「は?え、ちょ……。」
友人B(www)
友人C「やばい、俺涙腺脆いから涙が……。」
彩風(うわぁ……本当に涙目なんだけど……)


……………………どうしよう。


それでは次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!


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魔法の森の取材
10章 1話~なりすましにご注意を~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定←今回特に
・妄想過多←今回特に
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分←今回特に
・受験終わったああ!よっしゃやりたいことやろう!やりたいことやろう!やりたいこと…………。ゲームするか……。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「なんだか外が騒がしいな。」

そう呟くと魔理沙さんは玄関の扉を開く。

開かれたドアから覗けたのは太いツタが壁を作っているというなかなか珍しい光景だった。

 

「「「なっ……!?」」」

 

その場の全員が驚きの声を上げる。

優雅なティータイムはそこで幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

「お邪魔するわよー。」

 

ドゴォォオン

 

少年マンガのような擬音を響かせながら霊夢さんは永遠亭の扉を開ける。

いや、開けると言うよりも倒すという方が正しいだろうか。

「だ、大丈夫なんですか?」

「私達は永遠亭のお客様よ?お客様にあんな出迎えだなんてなかなか素敵な根性してるじゃない?」

僕の心配は答えになってない答えで一蹴される。

 

 

「あら、随分乱暴なお客が来たわね。」

 

 

「あ、永琳さん……。」

永遠亭にのりこめー^^わーい^^した僕たちを迎える声は特に怒っている様子はなく平然としているようだった。

「そちらからお出ましとは探す手間が省けて助かったわ。」

「悪いけれど今来てもらっても伝えるようなことはなにもないわよ。」

「何もしらばっくれる必要はないでしょう。何で私達を追い返そうとしたりしたのよ?」

威圧的に笑みを浮かべる霊夢さんを見ても永琳さんは何も言わない。

僕には何だか困惑しているように見えた。

 

「それでもまだしらばっくれるって言うなら力ずくで―――」

 

「さっきから何か勘違いしているようだけど私は何もしてないわよ?」

永琳さんの言葉に霊夢さんは「はあ?」と声を上げる。

「何言ってんのよ。ここにくる途中鈴仙に襲われたわよ。まぁ、返り討ちにしてやったけど……そのときあんたに侵入者は追い返すように言われたって…………。」

「確かに鈴仙は今朝から見あたらないけれど……そんなこと言った覚えはないわよ。」

「はぁ……?」

永琳さんの態度をみる限り嘘を吐いているという感じじゃない。

霊夢さんや他の三人も同じように感じたのか不思議そうに首を傾げている。

「私は別に追い返すつもりはないから安心していいわよ。でも、さっき言ったとおり今伝えるようなことは何もないわ。」

「まだ何も分かっていないってことか?」

「そういうことになるわね。とりあえず立ち話も何だし場所を変えましょう。」

何だかスッキリしないまま話が移り変わっていく。

そして僕達はアンネさん……そして大ちゃんが寝かせられている部屋へと向かった。

 

 

「やっぱり、一見するとただ眠っているだけのようにしか見えませんね……。本当に深刻な状態なんですか?」

「私も思いつく限りのことは調べてみたけれど、どれも空振りだったわ。でも普通の気絶した状態何かとは違うのは確かよ。」

横にされた二人はピクリとも動く様子はなく、目を瞑っている綺麗な顔は何だかシンデレラを思わせる。

あれ?それを言うなら白雪姫だろうか?

「まぁ、とにかく引き続き調べてちょうだい。それより私達の方でちょっと面白いことがあったのよ。」

「面白いこと?」

「えぇ……。」

 

 

~少女説明中~

 

 

「なるほどね……魂を奪う、それに宿らせる、ねえ……。」

「文、あんた前ここに来たとき二人のこと話さなかったの?」

「そういえば話してませんでしたね……急いでましたからうっかり……。」

文さんはそう言うとアンネさんの顔の上で手をヒラヒラとさせる。

「その二人は妖怪なの?」

「まだ確実なことはいえないけど多分そうでしょうね。ただ付喪神でもなさそうだし人の姿形をしてるけど私はあんな妖怪は見たこと無いわね。」

「ま、見た目だけでは化けている可能性もありますし分かりませんね。」

永琳さんは顎に手を当てて何か考え込むようにポーズをとる。

「なに?なにか引っかかるの?」

「いや、特に何も無いわ。」

誤魔化すような笑みを浮かべた後、それより……と襖の方に体を向ける。

「鈴仙……バレてるわよ。」

襖の奥でビクッと体を震わせたのが何となく分かった。

「し、師匠……すいません私の力不足で……。」

襖を開きウサギ耳の女性が頭を下げる。

どうやら襖の向こうで話を盗み聞きしていたようだ。

「鈴仙……あなた私に霊夢達を追い返すように言われたのよね?」

「え?は、はい!し、師匠言いましたよね?」

永琳さんからの質問に鈴仙さんは戸惑いながらも時間を置かずに答える。

「言ってないわよ。」

「え?」

そして返ってきた返答に目を丸くする。

でも……やあのとき確かに……と呟きながら必死に記憶を辿っているようだ。

「幻覚でも見たんじゃないか?」

 

「昨日試した薬がマズかったのかしらね?」

 

魔理沙さんがおそらく冗談で言ったであろう言葉に永琳さんが深刻な顔で呟くのを僕は聞き逃さなかった。

…………。

聞き逃せば良かった……。

「って……そんなことどうでもいいのよ。新しい発見が無かったなら私達は魔法の森に向かわないと……。」

霊夢さん達は聞こえていなかったのか永琳さんの言葉に反応することは無く話を続ける。

「そういえば言ってたわね。手紙が届いたとかなんとか……。」

「届いたんじゃなくて見つけたのよ。全く、誰が拾うかわからないでしょうに……。」

「行き先を悟られてたってことだな。」

「舐めたマネしてくれるわ……。」

霊夢さんが今にも舌打ちしそうな雰囲気で拳を固める。

「とにかく私達は魔法の森に向かうわ。」

「そう……。くれぐれも気を付けてね。」

「言われなくても分かってるわよ。」

霊夢さんはお祓い棒で肩をポンポンと叩きながら部屋を後にする。

お祓い棒をそういう使い方しても良いものなのだろうか……。

 

ダメなんだろうな……。

 

そんなふうに考えているといつの間にか部屋には永琳さん、鈴仙さん、そして横になった二人と僕だけになっている事に気づいた。

「おーい、鞘ー?」

「は、はい!!」

部屋の外からの声に永琳さんと鈴仙さんに短く礼をして襖の方へと走る。

僕が部屋を出た後永琳さん達が何か話しているような気がしたが内容は聞き取れなかった。

 

 

「あの……文さん。」

「?……どうしましたか?」

前を歩く文さんの服の裾を引っ張る。

「いえ、あの…………その……さっきは考えなしにひどいこと言ってしまってごめんなさい……。」

視線を何処に向けたらいいのか分からず右やら左やら斜め下やら色々なところに目を移しながら小さな声で呟くように話す。

さっきの今で調子がいいかもしれないけれど言っておかないと話しづらくなりそうだし……何より自分の中でモヤモヤが消えそうにない。

「え?……あぁ……うん。はい大丈夫ですよ。はい、気にしていませんから……はい。」

何と言われるだろうかと身構えていた割には文さんの返事が妙に軽く拍子抜けしてしまう。

というか何を謝罪されたのか分かっているのだろうか?

何ともいえない表情のまま歩みを進める。

「そういえば今は《魔法の森》に向かっているんですよね?どんな場所なんですか?」

気を取り直して訊こう訊こうと思っていた質問を口にする。

「どんな場所……ですか?」

「うーん……とりあえず暗いな、それにジメジメしてるし茸が多いぜ。」

「とにかく居心地が悪いわ。」

楽しそうに言う魔理沙さんと対照的に霊夢さんの声のトーンは低い。

「慣れてない内は森の中にいるだけで体調を崩すこともあるようですよ。」

「そうですね……。」

とりあえずろくな場所じゃないことは伝わってきた。

そんなところに家があるなんて……アリスさんという人はいったいどんな人なのだろうか?

確かあの手紙には人形遣いだって書いてあった気がするけど……。

僕の頭の中で暗い部屋で黙々と藁人形を作成する濃いくまのある女の人の画ができあがっていく。

「随分貧しい想像力ね……。」

…………幻想郷の人達は皆が皆、人の考えていることを覚れるのだろうか?

それとも僕の考えていることなど全部すべてまるっとスリッとゴリッとエブリシングお見通しなのだろうか?

 

「そういえばあの手紙って誰が持っているんですか?」

すると急に文さんが全員に尋ねた。

「それは勿論霊夢が持ってるんだろ?」「それは勿論魔理沙が持ってるんでしょ?」

霊夢さんと魔理沙さんがほぼ同時に答える。

そして目と目を合わせる。

「「…………」」

気まずい沈黙が流れる。

「私、魔理沙に渡したはずだけど?」

「いやいや、その後すぐ返したはずだぜ?」

そしてお互いに責任のなすりつけあいを始める。

ああだこうだと言葉が飛び交うのを文さん、早苗さんと共に傍観する。

言い合いは徐々にヒートアップしていき声のトーンもどんどんとあがっていく。

なんだかこう……もう口喧嘩に近くなっているのではないだろうか?

「あの……この状況で言い出しにくいんですけど……。」

控えめに手を挙げた早苗さんを気にも留めずに二人はぎゃあぎゃあと口論を続けている。

「手紙私が預かっていたんですよね。」

そういうと早苗さんは懐から手紙を取り出す。

 

「「…………」」

「だいたいあんたはいつもいつも……!」

「それを言うなら霊夢だって……!」

霊夢さんと魔理沙さんは自分達の声で聞こえていなかったらしい。

今にも掴みかかりそうな雰囲気でお互いにらみ合っている。

「あー…………ちょっと拝見してもいいですか?」

仕方なく文さんが二人を無視して早苗さんから手紙を受け取る。

僕も文さんの横から背伸びをして手紙を覗いた。

 

 

《前略 親愛なる新聞記者とその助手のお二方。あとなんか3人ぐらい。

この度は勝手ながら我々の遊びに付き合わせてしまったことを深くお詫びいたします。

今回、文という何とも面倒な方法を取らせていただいたのにはいくつか理由があるのですが……省きましょう。

さて、本題に入りますが……恐らく次に何処に向かえばいいか迷っていると思います。

ということで、私達が次に向かう場所をお教えします。私達が次に向かうのは光の射さない深い森。

その中、人形遣いの小さな家にてお茶を淹れて待っております。

草々 エルとチール》

 

 

当然ながら前に見たときと変わりはない。

「…………」

文さんは真剣な表情で手紙を舐めるように観察する。

「なにかあるんですか?」

「いえ、この『文という何とも面倒な方法をとらせていただいたのにはいくつか理由があるのですが』というのが少し気になったんですが……。」

「『文』さんだけにですか?」

「わざわざこんな意味深な言葉を残す必要があったのか……と。まぁ特に理由はないのかもしれませんね。」

そう言うと文さんは手紙を早苗さんに渡す。

スルーされたことは別に気にしてなどいない。

 

「あの、二人とも……手紙はもう見つかりましたよ。」

額に青筋を走らせる二人を宥めるように早苗さんが声をかける。

「「あ?」」

恐ろしい表情のまま同時に睨まれ早苗さんが少し怯んだ。

「い、いや……手紙はもう見つかったんで――」

「「は?」」

「…………。」

 

 

 

その後、霊夢さんと魔理沙さんを落ち着かせるまでにかなり多くの時間を要した。

 

 

 

 

 

 

 

    続く……。

 




はい!どうもなんとか高校入試を終えました彩風です!

無事合格いたしました。

さて、そんなことは置いておきまして、まずは何度目かの謝罪から始めようと思います。
今回、2週間も更新を遅らせてしまい申し訳ありませんでした!!
前回遅れるかもしれない的なことは一応後書きにちょっこりと書いたのですが2週間も消えることになるとは思いもしませんでござんした。
深くお詫び申し上げます。


それではお詫びの意味も込めて余談を始めましょうか。
これは彩風が受験を終え、結果発表も聞いた後に友人と遊びに出かけたときの話。

友人C「バスケたのしかったなー!!」
彩風「おまえは初心者をバカにできるんだからさぞかし楽しかっただろうな。」
友人C「ご、ごめん……。」
彩風「いや、まあいいけど。」

友人C「あ、ごめんM(Cの元カノ)からLI○E来たわ」
彩風「何て?」
友人C「《今Iと一緒にファ○マにいてファミ○キ2個もらえるし、一個やるから来い》だってさ。」
彩風「随分と仲がよろしいんですわね。」
友人C「別にふつうだろ。」
彩風「じゃあ、俺帰るわ。」
友人C「え、来てよ。」
彩風「は?気まずすぎるだろ。やだよ。」
友人C「アイス奢ってやるから。」
彩風「じゃ、行く。」

ふぁみふぁみふぁみー○ふぁみふぁみ○ー

M「おぉ、来た来た。って彩風もいんの?」
I「ファ○チキ足りないよ?」
彩風「俺ソフ○バンクだからさっきもらったしいいよ。」
M「あ、そうなの。それよりC金持ってきた?」
友人C「持ってきたよー」
M.I「じゃ、これ奢ってーー♪」
友人C「…………。」

ふぁみふぁみふぁみー○ふぁみふぁみ○ー

M.I「ありがとねー。」
友人C「あ、うん。」
M.I「じゃ、私ら帰るねー。」
友人C「送ろうか?」
M「え、キモい止めて。」
友人C「あ、はい。すいません。」

3分後

友人C「あ、ファミ○キもらってない。」
彩風「おまえも苦労してんだね。」


それでは次回も是非是非ゆっくりしていって下さいね!!




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10章 2話~キノコの胞子~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定←今回特に
・妄想過多←今回特に
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分←今回特に
・デレ○テを始めた彩風「小梅ちゃんが出ない小梅ちゃんが出ない小梅ちゃんが出ない……。」
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






鬱蒼とした密林。

一歩足を踏み入れただけでもう戻ることができなくなるような……不思議な雰囲気を纏っている。

そんな妙な威圧感のある魔法の森を前に僕達はいっこうに前に進めずに―――

 

「何してるんだ?置いてくぜ?」

 

いるなんてことはなく、前を行く魔理沙さんに声をかけられる。

「は、はい。今行きま――すにゃぁ!?」

ズルッ

ぬかるみにすっぽりと片足がはまる。

まあ、当然僕がそこから体勢立て直すことができるはずもなく…………ベチャッと嫌な音が耳元で響き、顔が生ぬるい液体につっこんだ。

「だ、大丈夫ですか!?」

「盛大に転びますね。」

「うわぁ…………。」

「あー…………。」

4人が思い思いの言葉を発しながら哀れみやらなんやらの視線を向ける。

早苗さんに手をかしてもらって起きあがった。

「す、すいません……ありがとうございます……。」

顔や体に付く泥のような何かをしきりに取り払う。

何だか白っぽくて粘っこい……。

「最近魔法の森の土質が所々こんな感じになってるんだよな。」

「なんだか不思議な色ね……悪意を感じるわ。」

「こうした方が喜ぶ人もいますからね。」

「鞘より私の方が需要あるんじゃない?」

「じゃあ、今から飛び込むか?」

「お断りするわ。」

霊夢さんはひらひらと手を振りながら何処からかハンカチを取り出す。

「ほら、そのままじゃ気分悪いでしょ?とりあえず使いなさい。」

「え?いや、そんな……悪いですよ…………。」

「気にしなくて良いわよ。その状態で来られるのも困るからね。返さなくてもいいから顔だけでも拭きなさい。」

そう言うと霊夢さんは手に持ついい香りのするハンカチを僕に押しつけた。

 

「おや、ツンデレですか?」

「あざとい!さすが腋巫女あざとい!!」

少し離れたところから両手をメガホンのようにする二人を霊夢さんの拳骨が襲う。

「るっさいわね……殴るわよ?」

「もう殴ってますよね?」

「分かってないな霊夢。そこは『か、勘違いしないでよね!?』で決まりだろ?」

頭にできたたんこぶをさすりながら懲りずに二人は霊夢さんをからかい続ける。

とりあえず遠慮なくハンカチで顔を拭いた僕は汚れを簡単に払い、折り畳んで仕舞った。

できるだけ早く洗って返すようにしよう……。

しかし、顔を拭いたはいいけど服の中までどろどろで気持ち悪いな……。

アリスさんの家でシャワー借りれたりしないだろうか?

「それじゃあ、先を急ぐわよ。」

霊夢さんは尚もニヤニヤと中学生のように自分をからかう二人にため息をついた。

 

~10分後~

 

「あ、あの……まだ着かないんですか?」

「まだ森に入って10分ぐらいしか経ってないですよ?」

「そうですか……?もう何時間も歩き続けているような気が――ひゃっ!?」

小石につまづいて前のめりに倒れかける。

「おっと……。」

何とか文さんに支えられて再び地面に頭を埋めずにすんだ。

「あ、ありがとうございま……。」

しかしおぼつかない足取りで今度は後ろに倒れそうになる。

「よっと……。」

今度は魔理沙さんに助けられ倒れずにすむ。

「ご、ごめんなさい……ええと、もう大丈夫です……。」

「いや、明らかに大丈夫って感じじゃないですけど。」

「フラフラだし、目もなんだか虚ろだし…………。」

「ほ……本当に大丈夫ですから……。」

そう言って何とか立ち上がる。

これ以上迷惑をかけるわけにはいかない……このままじゃ前から何も成長していないと思われてしまう。

それにしても何でこんなに頭がぼーっとするのだろうか?

特に思い当たる節は何も……

「あ、鞘!前を――」

「きゃんっ!?」

鈍い音を立てて頭部に強い衝撃を覚える。

何か見えない壁に阻まれているのだろうか?

「どうしたんですか鞘さん……木に突っ込んだりして。」

早苗さんの心配そうな声を聞いて僕がぶつかったであろう目の前の木を見つける。

さっきまでこんな木、あっただろうか……?

 

「鞘、どうしたんだ?明らかにおかしいだろこれは。」

「幻覚でもみてるんじゃないの?」

「茸の胞子にやられたんですかね?」

「あー……なるほど。」

なんだか僕をおいて話が進んでいく。

「だ、大丈夫ですよそんなに心配しなくても……この通りピンピンしていますから……。」

すぐに立ち上がり、無理に笑顔を作る。

「…………」

しかし僕をみる皆の目は何だか冷たい。

「マズいですね。」

「マズいな。」

「マズいわね。」

「マズいみたいですね。」

ため息混じりに4人が順々に呟く。

不思議なことに目の前の4人の声が後ろから聞こえ、思わず首を傾げる。

 

「鞘……それ、花ですよ。」

 

また後ろの方で文さんの声がした。

 

 

「どうするんですか?このままじゃそのうち川の向こうのお婆ちゃんのところまで連れて行かれちゃいそうですよ」

「どうせ小町はサボってるでしょうし大丈夫なんじゃないの?」

霊夢さんや文さんの声が聞こえるけど見渡しても姿はない。

それより、いつの間にかお花畑に移動していたようだ……あ、蝶々……。

「あー……ちょっと待ってろよ、確かここに…………あったあった。」

 

「んぐっ……!?」

 

急に何かを口に流し込まれる。苦くて独特のにおいがする粉っぽいものだ。

「何それ?」

「霧雨特製魔法の森の茸で作った万能治療薬だぜ。」

「この上なく胡散臭いですね……。」

「大丈夫なんですか?その薬。」

「効果に関しては私が保証するぜ?」

さっきから軽く揺れていた視界がぐにゃぐにゃとねじ曲がりだす。

皆が何か言っているけど文字として頭の中に入ってくるだけで頭が働かず、その文が何を意味しているかが分からない。

「どうみても悪化しているようにしか見えませんけど……。」

「即効性の高い薬だけど効くまでに何秒かはかかるからな……。」

「そんな数秒で効くんですか!?」

「だから言っただろ?万能薬だって!」

 

ねじ曲がったり移り変わったりしていた視界が徐々に安定し始める。

頭もなんとかまともに働き始める。

「うぅ…………ん……。」

「お、大丈夫か?」

「は……はい、多分大丈夫……です?」

「疑問系なんですね。」

早苗さんに苦笑され、釣られたように僕も笑みを漏らす。

「まぁ、顔色は大分良くなったみたいですね?意識もしっかりしているようですし……。熱とかは……?」

「え……やっ、ちょっ……待っ………文さん……んっ…………。」

文さんに前髪を上げられ、おでこを当てられる。

「大丈夫そうですね。平熱です。」

「あ、あの……文さん、ちか……近い……です…………。」

何かの歌詞じゃないけど爆音で鳴り響く鼓動音が聞こえてしまうのではないかと錯覚してしまう。

魔理沙さんがニヤニヤとこっちをみているし早苗さんはなぜか嬉しそうにしている。

「あんまりからかうと可哀想よ。」

「あや?私としてはからかっているつもりなど毛頭なかったのですが?」

「え?からか……。」

「あー……なんでもないですよー。」

文さんは楽しそうに笑いながら話す。

はぐらかされたようでスッキリしないまま再びアリスさんの家に足を向けた。

 

 

「おっきいですね…………。」

小並感を漏らしながら目前の一軒家に目を奪われる。

青い屋根に白い壁の綺麗な家で幻想郷に来てからは紅魔館以来の洋式の建物だ。

「アリスさんって一人暮らしじゃないですよね?」

「いや、一人暮らしのはずだぜ?どうしてだ?」

「一人暮らしするにしては大きい家だな……と思って……。そうなんですか……。」

目の前の家はさすがに紅魔館ほどではないものの女性一人が生活するには十分すぎる大きさのものだ。

でも紅魔館のような言葉にできない不気味さはなく、おとぎ話にでも出てきそうな素敵な感じだ。

いくらするんだろう…………。

そんな夢も何もないことを考えていると豪華な扉が開く。

そして扉が開いた先にはアリスさんが…………。

立っているなんてことはなく人の姿は見あたらなかった。

「あ、あやあ、あやさん……!?ととと、扉が勝手ににに……。」

「お、アリスいんのかー?」

明らかに勝手に開いたであろう扉にズカズカと躊躇なく魔理沙さんが足を踏み入れる。

「ま、魔理沙さん、何があるかわか――」

「っ!?」

その瞬間だった。

 

魔理沙さんの周りに小さな人形のようなものが現れる。

可愛らしい見た目に反してそれぞれが槍やメイスなど恐ろしいものを手に持っている。

「危なっ――」

最後まで言い切ることなく言葉を呑み込む。

自分の喉元に突きつけられた切っ先が鋭く光った。

どうやら文さん、霊夢さんと早苗さんも同じ状況にあるようだ。これはここの家主の仕業なのだろうか?

 

「なんだ……あなた達だったの……。それにしても面倒なことするわね……。」

 

すると家の方からため息混じりに声が聞こえてくる。

一歩も動けないため顔だけ動かして声のした方向をみる。

「こんなもの送りつけてきて……何のつもりよ…………。」

そこに立つ女性は想像していたよりもずっと若く、それこそ人形のように綺麗な見た目をしていた。

魔理沙さんと同じく金髪で、でも魔理沙さんとは対照的に落ち着いた雰囲気を感じさせる。

「あー……状況が読めないんだけど?」

どうやら霊夢さん達も僕と同じようで訳が分からないみたいだ。

「何もとぼける必要はないでしょう。で、何が欲しくて来たのよ……。」

「あの、アリス……?本当に訳が分からないんだぜ……。」

魔理沙さんの言葉にアリスさんの顔が一瞬だけピクッと動いた。

「本当に身に覚えがないの?」

「ああ。」

「じゃあ、何しにきたのよ?」

アリスさんが小さくパチンッと指を鳴らすと僕たちの周りを囲んでいた人形達が一斉に武器を下ろした。

思わずふぅと安堵の息と共に入っていた力を抜く。

「あー……話すと長くなるんだけど……。それでも聞く?」

「話すの面倒がっているだけでしょ?話さないと家に入れたりしないわよ。」

「分かった分かった……。」

 

~少女またまた説明中~

 

「なるほどね……異変の話は私のところにも少しは入ってきてたけど……次は私のところに来る……と。」

アリスさんは顎に手を当てて真剣に考え込む。

「そういえばさっき、あんた『こんなもの送りつけてきて』って言ってたわよね。何よそれ。」

「私に届いた手紙のことなんだけど……事情は分かったから中に入りなさい。紅茶でも淹れるわ。」

そう言ってアリスさんに手招きされて僕たちはアリスさんの家へとお邪魔した。

 

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!ゴミ箱に丸めたちり紙がどんどん溜まっていって困る彩風です。

花粉症だからね。仕方なクシュッ。

さて、いつの間にか10章に突入していたんですね……。彩風自身も驚きが隠せません。
なんでこうも文章を作るという能力が向上しないのだろうか……。

そういえば一つみなさまに謝罪を……。
なんか最近頻繁に謝っている気がするけどきっと気のせいですね。
まあ、謝罪というのも何となく察していただけていると思いますが来週の更新を勘弁してほしいという次第です。
だって忙しいんです課題が夢の中で追いかけてくるんです助けて下さい。
ということで誠に勝手ではありますが来週の更新はお休みさせていただきます。
もし、更新を待って下さっている物好きな方がいらっしゃったのであれば、深くお詫び申し上げます……。


それじゃ、お待ちかねの余談ですよ!

先日、彩風達が入学前最後になるであろう外出をしようとしていたときのこと。

彩風「はぁぁ…………」
友人B「どしたの?今から○○行くのに疲れてんな。」
彩風「だって、都会だよ?洒落おつなちゃんねーがわんさかいる都会だよ?田舎もんが行くべき場所じゃねえっぺ。」
友人B「お前の都会のイメージがよくわかんねぇよ。」
彩風「ああ……嫌だ……お洒落した人達と同じ場所にいたくない。」
友人B「妙に格好気合い入ってると思ったらそういうことだったのね。」

友人C「お待たせー。」

彩風「うわぁ……」
友人B「あぁ……」
友人C「どったの?」
彩風「パーカーとか……しかもお前サイズ明らかに小さいだろ。バカなの?死ぬの?」
友人C「えぇ……いいじゃん別に服とかどうでも。」
彩風「B、俺こいつと歩きたくない。」
友人B「おう。今回はお前に同意するわ。」

作者チョロ松「お待たせー。」

B,C,彩風「…………」
作者チョロ松「どしたの?」
~作者チョロ松の服装~
暖色のTシャツにチェックのシャツ。
Gパンに使い古したよれよれのスニーカー。
すね辺りまである靴下。
極めつけのリュックサック。

彩風「俺帰っていいすか?」



まあ、彩風がお洒落かと言われたら決してそうではないんですがね。



それでは次回も是非ゆっくりしていって下さいね!!


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10章 3話~優雅なお茶会~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・最近のお昼は8割ラーメンを食べてる気がする。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「そういえばあなたは?」

アリスさんの家に入ろうとする途中で呼び止められた。

アリスさんからしたらきっと僕だけが未知の生物なのだろう。

「あ、ええと……僕は――」

「天狗の助手だってよ。」

悪意があるのか分からないが魔理沙さんの声が紡ぎかけた言葉に重なる。どちらにしてもかなり質が悪いのだが…...。

「へー……大変ね……。」

「それ何気に失礼ですよね?」

哀れみの視線を向けるアリスさんに文さんが不服を申し立てるがスルーされた。

「それよりあなた……そのまま私の家に入るつもり?」

「え?」

半眼を向けられ、自分の格好に目を向ける。

至る所に白い粘液がこびり付いている。普通の人ならこいつを自宅に入れたいとは思わないだろう。

「あ、ご……ごめんなさい!!ええと、どうしたらいいですかね……?」

「とりあえずお風呂貸してあげるから体洗いなさい。」

「は、はい……。ありがとうございます!でも、着替えも何もないんですけど…………。」

「あぁ……着替えならここに。」

そう言うと文さんがどこからか丁寧に畳まれた洋服を取り出した。

一体いままでどこに持っていたのだろうか?…………っていうか何で文さんが僕の着替えを持ち運んでいるのだろうか……。

「こんなこともあろうかと思いまして。」

グッと僕に向かって親指を突き立てる。文さんは一体何を想定して日々過ごしているのだろう……?

まぁ、この妙な泥を落とすことが出来るのなら細かいことは考えなくていいか……。

思考を停止した僕はアリスさんの言葉に甘えてお風呂を借りることにした。

 

 

~少女入―――

 

 

「ねぇ魔理沙、この前貸した魔導書……早めに返してよね。」

「ん?あぁ……分かった分かった。」

アリス、霊夢、魔理沙、早苗、文の5人がが中サイズのテーブルを囲む。

アリスが置いたカップからは上品な香りが漂っていた。

浴室の方からはよく耳をすますと控えめな鼻歌が聞こえてくる。言わずもがな中の鞘のものだろう。

「それ、多分返ってきませんよね……。」

「はぁ……分かってたことだから別にいいけど……。」

ため息混じりに頭を抱えるアリスも椅子に腰掛ける。

「そういえばあなた、助手とかいたのね?てっきりそういうことはしないのかと思ってたわ。」

文は紅茶を一口啜り、クスッと笑顔を作ると、

「別段人手が足りないなんてことはないのですが面白そうだったもので……。」

再びカップに口を付けた。

「ふーん……。ちょっと鈍くさそうな子だしあなたと馬が合うと思えないけど……。」

「確かに役が立つイメージはないわね。」

「むしろお荷物になってるイメージがあるな。」

「皆さんなかなか辛辣ですね……。」

当然のようにグサグサと言葉を並べる三人に早苗が苦笑いを浮かべる。

「まぁ、確かに仕事の役に立った記憶はほとんど無いですけど、なかなか不思議な力を持ってますよ。……私にも計り知れないようなものを。」

「不思議な力……ね。」

霊夢の顔が一瞬だけ陰る。脳裏にあのときのことが横切ったからだ。

「意味深なこと言いたいだけじゃないの?」

そしてそれを隠すように文に半眼を向ける。

「まぁ、それに関して追求する気はないけど……意外だったから――」

 

 

 

「あ、あの……お風呂、ありがとうございました…………。」

なにか話し込んでいる皆にタイミングを計って声をかける。

「!?」

予想通り、アリスさんと早苗さんが驚きの表情を隠すことなくこちらに目を向けている。

まぁ……そんな反応をするのも当然だろう……。

「おぉ……似合ってます似合ってます。」

文さんが意地悪く笑う。

「何でこんな服なんですかぁ……。」

涙目になって、手を下腹部のほうに押し当てる。

マンガやアニメの中でだけの存在であるとんでもなく短いスカート。すこし屈もうものなら服としての機能を失ってしまうような代物だ。

「大丈夫ですよ。鉄壁を誇る射命丸印のスカート(short version)です。たとえ台風が吹こうがひっくり返ろうが意図的にめくろうがめくれません!!」

文さんが何か熱く語っているけど正直何を言っているかよくわからない。

最後のに至ってはさすがに無理があるのではないのだろうか?

「あぁ…………ええと、何て言うか……。」

早苗さんにアリスさんが何ともいえない表情で僕の格好を凝視する。

「しゅ、趣味は人それぞれですからね……。く、悔しいぐらい似合ってますよ……?」

早苗さんの笑顔がひきつっている。そりゃまあ、男だと思っている人がミニスカートを履いて目の前に現れたら引きもするだろう。

「あ、あの……一応誤解がないように言うんですが……僕……女ですよ?」

さすがにこの状態でそれを言っておかないと僕の人格を疑われそうだ。

それを聞いた二人がポカンと首を傾げる。文さんがそんな二人の反応を面白そうに観察していた。

「……ってそんなことはどうでもいいのよ。それより、アリスに聞きたいことがあるのよ。鞘は早く座りなさい。」

「あ、はい。ごめんなさい。」

急いで一つ空いてる席に腰をかける。隣にいる早苗さんが「女の子みたいな名前だと思ってたけど本当にそうだったとは……。」とブツブツ呟いている。

なんだか前もそんなこと言われた気がするなぁ……。もう男の子に間違えられるのも1回目や2回目じゃないし別に何とも思わなくなってしまった………………グスン。

 

 

「とりあえず……冷めないうちにどうぞ。」

「あ、ありがとうございます。」

訝しげな視線を向けたままアリスさんが紅茶の入ったカップを出してくれた。

スカートのせいでアリスさんからの印象は最悪だろう……。もしかしたらあの人形達を使って襲われるかもしれない。

「それで、アリスが送りつけられた手紙って言うのは?」

自分の妄想に怯えていると魔理沙さんがそう切り出した。

「あぁ、そうだったわね。これよ。」

アリスさんが取り出した手紙を皆が体を乗り出して覗く。

僕たち宛てにきた手紙と同じ封筒に入っている。代表するように霊夢さんが封筒から手紙を取り出す。

 

《前略 素敵な人形遣いのお姉さんへ。

急なお手紙をお許し下さい。この度、私どものちょっとした計画においてあなたに協力していただくことにしました。勝手をお許し下さい。まぁ、協力といっても簡単なことですからあなたであればきっと造作もないでしょう。それではまた後日お伺いすることになるでしょう。 草々。》

 

「…………。」

僕がざっと目を通した後にはそれぞれ何か考えている様子だった。僕が一番読むのが遅かったようだ。

「あ、そういえば……私たち宛に来た手紙がこれです。」

早苗さんがアリスさんに届いた手紙の横にもう一つの手紙を広げる。

「全く同じ字ですね。文体もどことなく似ています。」

「どっちも絶妙に鼻につくわね。」

手紙本体も二つとも同じもので二つの手紙が同一人物にかかれたものだと物語っていた。

「どうやらあの二人は意図的に私たちを同じ場所に集めたようですね。」

「一体何が目的なんだ?」

「愉快犯の行動にいちいち理由なんざ求めてたらきりがないわよ。」

霊夢さんは切り捨てるようにそう言うと二つの手紙を仕舞った。

「ま、大丈夫だとは思ってたけど無事みたいで安心したわ。防犯対策もバッチリみたいだしね。」

「あなた達が堂々と入り込みすぎなのよ。」

「悪い?やましいことなんて何もなかったんだから。」

紅茶を一口啜ると椅子に深く腰をかけ直す。

「でも、アリスさんが無事だったのはいいんですがこの後どうするかが問題ですね。」

「そうだな……。また手がかりが途絶えたって訳だからな。」

「わざわざ手紙を送りつけてきた理由が必ずあるはずです。待っていれば姿を現すかもしれませんし、一休みするのも兼ねて暫くおじゃまするのはどうですか?」

「私は別にかまわないけど…………。」

アリスさんは一瞬だけ目を泳がせるとすぐにそれを誤魔化すように右手に持つ紅茶に視線を落とした。

 

 

「アリスは異変解決に着いてくる気はないのか?」

「自分の身が狙われたわけだし、勿論協力するわ…………と、言いたいところだけど私も忙しくてね。少なくともすぐにって訳にはいかないわ。」

「ま、お決まりよね……そんなこったろうと思ってたわ。おかわり。」

霊夢さんが差し出したティーカップにコポコポと紅茶が注がれる。

「そういえば僕達宛の手紙には《お茶を淹れて待っています。》と書いてありましたね。」

何気なくそう呟く。

「実際には武装した人形集団に手厚い歓迎を受けたわけですが……。」

「ま、そう言うなよ。何も悪気があったわけじゃないだろうし。」

魔理沙さんがアリスさんをカバーする。

「着いてこないのは構わないけどくれぐれも気をつけなさいよ?相手の実力はまだ未知数なんだから。」

「言われなくてもわざわざこんな手紙まで送って『警戒して下さい』って示されてるんだから大丈夫よ。」

「そう。」

どうやらアリスさんに置かれる信頼は厚いようだ。人形のことを除けば普通の人のようだし数少ない常識人の内の一人なのかもしれない。

 

「あ!そういえば!全く関係ないのですが……。」

話し合いが一段落すると文さんがその場で立ち上がった。

「前の話の続き……教えていただけませんか?」

「はい?」

コソコソと隠すつもりのない聞こえ放題の耳打ちをする。その相手は霊夢さんだ。

「前の話……って。どの話よ?」

霊夢さんは心当たりがないのか眉をひそめる。

「一番最近に神社に伺ったときですよ。意味ありげに話を切っていたじゃないですか。」

「そうだったかしら?ま、どっちにしても情報料はきっちり払ってもらうわよ?」

「そう言うと思ってましたよ。」

文さんが懐から手帖を取り出すとサラサラと何かを書き込む。

さりげなくのぞき込もうとしたが角度が悪く、上手く内容は見えなかった。

「これでどうですか?」

手帖から一枚紙が破かれ霊夢さんの手元に移動する。

「どれどれ…………。」

暫くマジマジと紙切れと睨めっこしていると不意にニコッと明るい表情が現れる。

文さんは営業スマイルを浮かべているがどこか期待するような目を向けている。

「ま、この条件なら……。」

霊夢さんは紙切れを丁寧に折り畳む……そして。

 

「話にならないわね。」

 

そう言って破り捨てた。

「あやや……やはり駄目でしたか。」

いつの間にか破り捨てられた破片をすべて回収した文さんが残念そうに呟く。

一体何を提示したのだろうか?前みたいに僕が関わってないかものすごく心配だ……。

「ま、今度はそれ以上の条件もってきなさい。そしたら考えてあげるわ。」

笑顔でそういう霊夢さんは僕の目にはなんだか相当やり手のように映った。

 

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 




はい!どうも!財布のHPがごりごり削られて涙目の彩風です!

5桁あった貯金が3桁になりましたwww笑えねぇよ畜生www

とまぁ、そんな個人的な話はさておきまして今回もこんなところまでご苦労様です。
先週お休みさせていただいたので体力満タン!(というわけでもないですが)がんばっていきたいと思います!!

しかしまぁ……キャラ達の生活的な側面を書くのはとても難しいですね……。
お風呂、洗濯、睡眠、食事、花摘みなどなど……想像力をフル回転させて執筆しております。
あんまり放っておくと暴走してとんでもない方向に走り出すかもしれませんが悪しからず。



※これより先は余談を含みます。
そういうものが苦手な方、本編未プレイの方、百合より薔薇派の方は気をつけて閲覧下さい。




これは2週間ほど前のお話……。
彩風が書店にてブラブラと歩き回っていると。←不審者
ん……?これは……。と、新刊コーナーの一角に目をやる。
そこには……

『あら○けいいち最新作!!』

……。
きたああああああああああああああ!!!!!!!!!!
ついに来たよ!あ○ゐさんの新作ぅぅうう!!あぁぁああ!待ってたよ新作クンカクンカハァハァ!!
おっと失礼。取り乱しました。
しかしやってきましたね……。あの日○で有名なあらゐけ○いちさんの新作ですよ!
○常もなかなかカオスでしたが新作はどうなのでしょうか……。
早い内に一度読みたいものです!!!


新作アニメも楽しみだなぁ…………。←気が早い


それでは!次回も是非ゆっくりしていって下さいね!!


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10章 4話~植物は偉大~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・準定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・さぁ、すばらしき青春の始まりだぜ!!友達ゼロでな!!
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






しょぼんと肩を落としつつ文さんは元いた席に戻るとドスンと腰を下ろす。

「なんなんだ?その情報ってのは。」

「私、気になります!」

文さんに負けず劣らず好奇心旺盛な二人が霊夢さんに食いつく。

「ここであんたらに教えたら意味ないでしょ……。それ相応のコストを用意してもらうまでこの情報は死守するわよ。」

呆れたようにそう言ったかと思うと、その意志が確固たるものだと証明するように霊夢さんの目が鋭く光る。まるで獣の目だ…………。

「冗談だよ冗談。いくら霊夢でもそこまでバカじゃないだろ。」

「そこまでって何よそこまでって……。」

はぁ……と大きなため息をつくと気怠そうに頬杖をつく。

もう何度目かわからないが、度々霊夢さんが本当に巫女さんなのか疑ってしまう時がある。

早苗さんも巫女さんぽいかと言われたらそうでもない気もするけど…………。

 

「何?私の顔に何か着いてる?」

「ひぇっ!?あ、いやいやいやなな、何でも―――」

ゴォォオオオオオオオオン!!!!

 

突如、僕の声をかき消すように騒音が鳴り響いた。

それはメキメキッとかグシャッとかずいぶんバラエティに富んでいる。

周りを見回してみるがどうやら音の出所は室内ではないらしい。

 

「なんだか外が騒がしいな。」

そう呟くと魔理沙さんは立ち上がり、玄関の扉を開く。

 

開かれたドアから覗けたのは太いツタが壁を作っているというなかなか珍しい光景だった。

 

「「「なっ……!?」」」

 

その場の全員が驚きの声を上げる。

優雅なティータイムはそこで幕を閉じた。

 

 

 

「ちょっ……!?何だこれ!?」

魔理沙さんがすかさずツタを抑えるように掴みかかる。

しかし……。

「うわっ!!」

バチィ!と痛々しい音がして魔理沙さんの体が弾かれる。転がった体はそのまま棚にぶつかり、飾られた人形がいくつか床に落ちる。

「魔理沙!?」

「ちょっと!魔理沙!?大丈夫!?」

「だ!大丈夫ですか!?」

「魔理沙さん!?」

皆一斉に名前を呼びながら魔理沙さんの元へ駆け寄る。

 

「ってて……。大丈夫だぜ、ちょっと打っただけだから……。」

 

 

「…………アリス。ちょっと借りるわよ……。」

霊夢さんがそう呟くと同時に太いツタにランスが深々と刺さる。

「え、ちょっと……。」

「やぁっ!!」

かけ声と共に、更にツタにランスが食い込んだ。

「気をつけろ霊夢!そいつ、魔力が宿ってるみたいだぞ!」

「そんなの言われなくても……ってちょっ……嘘!?」

霊夢さんが持ち手を離すと同時に7割ほど見えなくなっていたランスが更に姿を消していく。要するに、ツタに飲み込まれていったのだ。

数秒でまるで何もなかったかのようにランスの姿は見あたらなくなり、刺した痕跡もきれいさっぱりなくなってしまった。

その様子はどこか補食シーンを思わせる。

 

 

「さて……どういう状況ですかね。これは…………。」

「少なくとも喜ばしい状況じゃないってことは言い切れるわね。」

「何のんきに座ってるのよ!閉じこめられたかもしれないのよ!?」

アリスさんが扉の先を塞いでいるツタをこじ開けようと人形達にツタを攻撃させている。

しかし、ガンッとかバキッとか状況に相応しくない擬音が聞こえてくるばかりで出口が確保される様子はない。

「かもしれなくはないな。完全に閉じこめられてるぜ。」

「相当強い魔力がこもっているみたいですね……。」

アリスさん以外のみんなはなんだか諦めムードを漂わせている。

 

「なんでそんなに無関心なのよ!?危機的状況に置かれてるかもしれないっていうのに……。」

「塞がれているのはドアとか窓だけ?そうだとしたら壁でも破れば抜けられるんじゃないの?」

「いや……外の子達に調べてもらったけど家全体が巨大な植物に覆われてるみたいね……。」

「外の子達というのは?」

「…………露西亜人形よ……。」

アリスさんはボソッと呟くと一つため息をつき、霊夢さん達と同じように椅子に腰掛ける。

「まぁ、どちらにしても別に無駄に体力消耗する必要はないでしょ。あんたのお人形達がツタをどうにかしてくれるまで気長に待ってるのが得策よ。」

霊夢さんは大きく伸びをした後、一気に力を抜いて首から小気味良い音を響かせた。

「そんなこと言って……面倒に思ってるだけだろ?」

「まさか、そのようなことがあろうはずがございませんー。」

「霊夢……あんたね…………。……って、ん?」

呆れて顔を濁らすアリスさんが机の下に目を向ける。そして手を伸ばして何かを取ろうと踏ん張る。

「…………!?……これって……。」

アリスさんが机の下から取り出した封筒。どこか見覚えのあるそれはどことなく不気味な雰囲気を纏っているような気がした。

見間違えるはずがない。僕達宛の手紙、そしてアリスさん宛に書かれた手紙が入っていた封筒と同じ。

「中身は?」

文さんの冷静な……しかし緊張感のある一言にアリスさんが慎重に封を解く。

中から出てきたのはやはり一枚の折り畳まれた紙……これも二つの手紙と同じものだ。

手紙が開かれ、机の上に置かれると6人が同時にのぞき込む。

 

『拝啓。人形遣いの家に集いし6名の皆様方。 まずは予告通り紅茶を淹れておくことが出来なかったことをお詫び申し上げます。茶葉が無駄だと感じたものですから………。さて、そういえば私達の自慢の妖花はお気に召したでしょうか?手懐けて間もないため、まだ上手く扱えていないのですが一軒家を囲むくらいは可能でした。ともかく少々頑張れば脱出は容易ですのでご心配なく。』

 

「「「…………。」」」

黙ったまま皆と顔を見合わせる。

疑うまでもなくあの二人が置いた手紙なんだろう。

「妖花……ですか。あまり覚えはないですね。」

「私もね……思い当たる奴はいないわ。それっぽいのはいたにはいたけどそいつ等は皆退治しちゃってるはずだから……。」

「にしても『茶葉が無駄』ってのはかんに障るな……。」

魔理沙さんが眉をひそめる。

「それ言わないでよ……わざとスルーしてたのに……。」

霊夢さんがイラついた様子でため息をつく。確かにそこのフレーズは挑発としかとれない。というか事実挑発なんだろう。

 

「そういえばこの手紙っていつここに届いたんですかね?」

僕達が来たときに机の下に置いてあったとするならばきっと誰かが気づいていただろう。だとすれば僕達が来た後……それもアリスさんが手紙を見つける直前。閉じこめられた後の可能性もある。

「なるほど……確かにそうですね。」

自分ではなかなかの発見だと思ったのだけど文さんの反応はイマイチだ。

「もしかして私達が閉じこめられる直前か直後なんじゃないですか?」

早苗さんが僕の考えをそっくりそのまま代弁する。自分も気づいていたのに、と発言しなかったことに対する後悔の念が湧いてきた。まぁ、そんなこと考えていても仕方がない。

「ってことはあの二人は今もこの家の中にいるってことか?」

「え……?」

魔理沙さんの言葉につい周りを見回す。この部屋に僕を含めた6人以外は見あたらない。

「前の時のように、二人が一人になって潜んでいる可能性もありますね。」

 

「そもそも私等の中に二人が乗り移った奴がいないとも言い切れないぞ。」

 

その一言で驚くほど空気が重くなるのを感じた。疑心暗鬼というのは空気感染するらしく全員の目が穢く光り始める。

「で、でも……あの二人が僕達の誰も能力でどうにかできなかったって言ってませんでしたっけ……?」

「そんなのいくらでも偽れるわよ。」

おそるおそる言ってみるも霊夢さんにあっさり切り捨てられる。

「お互いに疑ってても仕方ありませんよ。今は脱出が先決でしょう?」

「そんな悠長なこといってられないですよ!殺人鬼と同じ部屋になんていられません!私は自室に戻りますよ!!」

「なんであんたは自分から死ににいこうとしてるのよ……。」

早苗さんの冗談(?)で幾分か場の雰囲気は戻りつつあった。しかし、相変わらず皆が疑いの目を光らせている。

「ツタの方はどうなの?なんとかなりそう?」

「え?あぁ……時間をかければどうにかなりそうだけど、どれだけかかるかは何とも言えないわね。」

「ま、とりあえずしばらく待ちましょうか……。」

 

 

 

あれから1時間ほど経っただろうか?もしかすると僕の感覚ではそうというだけで実際にはそんなに経っていないのかもしれないけど……。

 

「もし……仮によ……?」

 

いろんなことがありすぎて疲れていたのもあり、うつらうつらと首を揺らしていたところに霊夢さんの声で我に返る。

「どうしました?」

「もしも、私達の誰かが体を乗っ取られていたとして、その可能性が一番高いのって……。」

そこまで言って言葉を切った。「鞘さん……ですよね?」すぐさま早苗さんが続ける。

まぁ、確かにこの中で一番乗っ取りやすそうなのはどう考えても僕だろう。だからこの中にあの二人がいるとしたら当然疑わしいのは僕…………。

「えぇっ!?」

ぼやけていた脳が一気に鮮明になる。

気づけば周りからの目がどこか冷たくなっていた。

「ままま、待って下さい!!た、確かに一番疑わしいのは僕かもしれませんけど!ぼ、僕は僕ですよ!?信じて下さい!」

焦って、上手く舌が回らないがそんなことはお構いなしに否定を続ける。むしろ怪しいかもしれないが必死であることは伝わっただろう。

……伝わったうえで霊夢さんがニコニコとしたまま立ち上がる。

目の前の人物がここまで大きく見えるのは初めてだ。人が視覚から得る情報というのはかなりいい加減らしく、こうも気持ちに左右されるようだ……。

「おち、おお……落ち着いて…………落ち着いて下さい!」

ジリジリと近づいてくる霊夢さんに僕の声は届かず、一向に足を止める様子はない。

一縷の頼みを込めて、文さんの方に目を向ける。文さんは満面の笑みで、「Fight!」というように親指を立てていた。

「鞘、大丈夫よ。ちょっと隔離か何かするだけだから。そんなに痛くないわよ。多分。」

霊夢さんの顔はなんだか明るい。この巫女Sだ。絶対サディストだ。

「は、話せば分かります!だ、だからちょっと待っ……。」

「観念なさい。」

高く振りあがる霊夢さんの腕は決して永琳さんを呼ぶものではなく先端ではお払い棒が僕を見下ろして嗤っている。

こうなったらなんとかして避けようと、霊夢さんの動きに集中する。

 

きたっ――

 

咄嗟に避けようとしたが、避けることが出来なかった。

というか、避ける必要はなかった。

鋭くヒュッと空気を切りながら振り下ろされたそれは一直線に僕……の隣の早苗さんに一撃を喰らわせた。

 

「あはは、みつかっちゃったか。」

 

誰かがそう言って嗤った。

 

 

 

     続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!高校生活が本格的に始まった彩風です!

クラスに友達いないけど…………。

さて!今回もみていただきありがとうございます!!
始まってしまった高校生活に不安と期待と不安を抱きながら日々過ごしています。
怖いわー。高校生活怖いわー。

しかしまぁ、妖花なんてものを登場させてしまいましたが自分の中でも設定が上手く定まっていません。めっちゃでかい食虫植物みたいな感じですかね……。
植物って言うのは侮ってはいけませんからね……彼らのおかげで世界が成り立っていると言っても過言ではないわけですから。



さぁて、今週の余談は……!


「みなさん!今回もみてくれてありがとうござ《ここからは番組を変更してちょっとした報告をお送りいたします。》

「さて、先ほどから何度も高校生活が始まったやら青春が始まるとか言っていますがそんな青春と切っても切れない関係である《部活》。そんな部活ですが、彩風が選んだ部活は……そう!」


《吹奏楽部!》


「中学の時にやっていたので継続する形ですね。まぁ、部活の内容はさほど関係はないのですが……何がいいたいかというと……。十分に自分の時間がとれなくなる可能性が高いのです。」
「吹奏楽と言えばなまら忙しい部活だという印象を持っている方も多いと思いますが、うちの高校はそんな偏見通りまぁ、なまら忙しいんですわ。『次の休みはテスト期間除いたらお盆ね☆』とかいう死刑宣告を受けたぐらいです。」
「というわけで、何がいいたいかというと簡単な話です。更新頻度が遅くなる。ということです。まぁ、出来るだけ早く更新するようにはしますが、それでも10日~15日という感じになっていくと思います。数少ない更新を待って下さっている方々には本当に申し訳ないです。何卒ご理解をお願いいたします。」


それでは次回も是非ゆっくりしていって下さいね!


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10章 5話~最後まで手を抜かないで~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・そういえばもう何年も花見なんて行ってないな……。
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「やっ!」

続けざまに霊夢さんが早苗さんに向けてもう一度お祓い棒を振り下ろす。

しかし早苗さんはニヤニヤと笑みを浮かべたままそのお祓い棒を素手で受け止める。

「ざ~んねんっ。さすがにそれじゃ――」

「何が残念なのよ?」

突如早苗さんの手に電撃のような何かが走ったかと思うとバチィッと激しい音を立てて強い衝撃が生まれる。

 

「痛っ……。人間ってのはそればっかりだね……。」

 

早苗さんは少し表情をゆがめると素早く身を翻した。

逃げられる!直感的にそう気づいたが上手く体が動かなかった。

「逃がしませんよ。」

しかし僕が動く必要はなかったらしく、微笑を浮かべる文さんが早苗さんを押さえつけていた。

 

 

 

「状況が全く理解できないんだけど……。」

アリスさんに続けて僕と魔理沙さんも首を縦に振る。

分かっていることは、僕に向けて振りかぶられたお祓い棒が実は早苗さんに向けられたもので、逃げようとした早苗さんが文さんによって取り押さえられたってこと。

その早苗さんはというと椅子に縛り付けられて身動きがとれない状況にある。

 

推測できることとしては、早苗さんの中に実はエルさんかチールさん。あるいは両方が存在しているということくらいだろうか?

「ま、お察しの通りこいつが一連の事件……異変の元凶よ。」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ!!わ、訳が分かりません!早く縄をほどいて下さい!」

早苗さん……ではなくエルさん及びチールさんは両手を後ろに回し、足を椅子の両足に固定された状態であるにも関わらず器用に霊夢さんの元まで前進する。

「逃げようとしておいて今更それは厳しいでしょう。もうちょっとマシな言い訳はないんですか?」

冷たくあしらわれて尚、必死に主張を続けるがそれが聞き入れられることはなく、霊夢さんがくるっとこちらに体の向きを変えた。

「さっき文が私にメモを渡してたでしょう?それに書いてあった内容が早苗が怪しいってものだったのよ?」

「具体的に言いますと……少し前に我々への手紙を見つけたときですが……よくあのときのことを思い出して下さい。」

あのときその場にいたのは文さんと霊夢さんに、僕と魔理沙さんだから、答えを求められているのは僕と魔理沙さんだろう。なんとか記憶を探り出す。

「あのときのことっていわれてもな……。鈴奈庵で少し話した後、現場を見に行こうって話になって現場に向かったわけだろ?」

「その途中で通り雨に降られて若い女性としばらく駄弁ったあと、現場に行って手紙が見つかったんですよね?」

「そこです。」

文さんが急に僕に向かって人差し指を突きつける。どうやら僕が何か重要なことを口からこぼしたらしい。

「あの女性が何か関係しているんですか?」

「いえ、そちらではなくもう少し前の……。」

僕は自分の発言を思い出してなぞるようにして頭の中の文章を読み上げる。

「えっと……その途中で雨に降られてわか――」

「そうそこ。」

正解だというように笑顔を作られたけど正直何が正解なのか分からない。

「まぁ、確かにあのときは雨が降ってたけど……それがどう関係するんだ?」

「これが私達宛の手紙よ。」

質問には答えることなく霊夢さんはスッとあの手紙を取り出した。もう何回も見ているけど特に変化している様子はない。あのとき雨が降っていたことと何が関係しているのだろうか?

「あぁ……なるほど…………手紙が濡れてないってことか。」

答えをひねり出す前に横で魔理沙さんがボソッと呟いた。

「あぁ!!」

「その通りです。」

確かにあのあたりに傘に出来そうなものはなかったし雨が降る前に手紙が置かれていたならびしょびしょになっていないとおかしいはずだ。ところがどっこい、実際に僕達が見つけた手紙は特に濡れている様子はない。

雨宿りしたところから事件の現場は目視できる位置にあったし、雨が止んでから手紙が置かれたということはないはずだ。

つまり手紙を見つけたと言った早苗さんが怪しいということになるわけか……。

なんだ……考えてみれば単純な話だ。なぜ僕は気づけなかったのだろう?

「しかし、それだけで早苗が怪しいってのはさすがに乱暴すぎないか?」

「私も確かにそう思ったんですが……霊夢さんならきっと深く考えないだろう思ったので。」

文さんの言葉にムッとしたように霊夢さんが眉をひそめた。

「悪い?かま掛けて引っかかればそれで問題ないじゃない。」

「ずいぶん適当な思考回路ね……。」

 

「というわけだけど……どう?何か言いたいことは?」

「い、言いたいことも何も……さっきも言いましたけど何がなんだか意味が分かりませよ!!」

目の前の早苗さん(?)は先ほどと同じように必死にそう主張する。

僕の記憶が正しければ確かさっき「ざんねん」とか「人間はいつも」とか言っていた気がするし、本当に早苗さんにあの二人が乗り移っているとするなら白々しいことこの上ない。

しかし、今目の前にいる人物を見ていると、果たしてそれが今まで見てきた早苗さんと別人であるか疑わしく思う部分があるのも事実だ。

実は目の前の早苗さんはさっきまであの二人が乗っとっていたけれど、今はもう元の早苗さんに戻っている。そんな可能性もあるのではないだろうか?

「あんたねぇ…………往生際が悪いわよ。いい加減諦めなさいよ。」

「…………。」

早苗さんを正面から睨みつける霊夢さんに、早苗さんは黙り込んでしまった。

「はぁ……。」

と思ったらすぐに深くため息をつく。そして、早苗さんらしくないヘラヘラとした笑みを浮かべた。

「まさか、捕まっちゃうとは思ってなかったんだけどな……。」

「やっと認めましたか……。」

「ま、しらばっくれようがないみたいだからね。」

さっきまでの泣き出しそうな必死さから一転、余裕を表情に張り付けてクスクスと話し始める。

どうやら間違いなくこの人は早苗さんではないらしい。要するに目の前の人物は早苗さんの皮を被ったあの二人なんだろう。

文字通り人が変わった光景にアリスさんは呆然と目の前の様子を眺めている。そんなアリスさんに不意に偽早苗さんが声をかけた。

「やぁ、お姉さん。初めまして……ってのは少し違うかな?さっきそこの巫女さんが説明した通り、エルだよ。よろしくね。」

妙に明るく緊張感のない声が室内に響いた。場の雰囲気も相まって、耳障りに聞こえる。

「ん~……もともとはお姉さんをターゲットにするつもりだったんだけど……ちょっと難しそうだね。ま!私達の狙い通り、いい感じに妨害が入ってくれたわけだね!うんうん!このぐらいしないと面白くないもんね。」

早苗さんの見た目をした愉快犯は随分と愉しそうに語っている。もし、早苗さんの体じゃなかったとしたら思わず手が出ていたかもしれない……いや、それは自分を勇敢にかいかぶりすぎだろうか。

「それにしても、1回目から阻止されるっていうのは予想外だったな~……。さすがは私達が見込んだ奴らだね。次は負けないよ!」

「それは、残念ね……次はないわよ。」

偽早苗さんの話を遮るようにして霊夢さんが冷たく呟いた。

そして右手にいつの間にか持っていたお札を偽早苗さんに掲げると何かぶつぶつと呪文のようなものを唱え始めた。

すると面白いぐらいに偽早苗さんの表情が変わった。余裕を表すかのようにニヤニヤとしていたのが180度変わって顔を真っ青にして何とか逃げ出そうともがき始めた。

「―――っ!!」

よく分からない呪文が終わったのか言葉を勢いよく切ると空中に五芒星……のような何かを描き目をカッと見開いた。

それとともにお札から光が線になって飛び出すとピタッ……と糸が切れたように早苗さんが動かなくなってしまった。

 

「な、何をしたんですか……?」

目の前で起こることの展開が早すぎてそう霊夢さんに尋ねるのが限界だった。

「簡単な話よ。早苗の中に妖怪を閉じこめたってだけよ。」

一言の回答があったがそれだけでは何のこっちゃ分からない。僕が訳が分からないよといった様子で首を傾げていると、

「妖怪を封印したのよ。」

恐らくかなり噛み砕いた説明だったのだろう。何とか僕でも理解することが出来た。

「ってことはもう被害は広がらないってことですか…………?」

「いや、それはまだ言い切れないわね。」

「……というと?」

霊夢さんは手に持つお札を早苗さんの額に貼り付けると、椅子にだるそうに腰を下ろす。

「早苗の中に今二人ともいたかどうかが定かじゃないってことよ。」

「まぁ、そうですね。今のはエルさんみたいでしたから、チールさんの方がどこにいるか分からないですし。」

「そういうことね。ま、この手の輩は片方が無力化するだけで案外簡単に捕まえられるもんだから大丈夫だと思うけど。」

 

「そうそう!片方を崩せばもう片方なんて勝手に崩れ落ちるもんなんだから。」

 

「えぇ……その通り……………………!?」

偽早苗さんはバリバリと派手な音を響かせながらお札を自らの手ではずすと、小さな口から舌の先端だけをのぞかせた。

すぐさま同様を隠し切れてない霊夢さんが偽早苗さんに向けて掴みかかる。

しかし、その先にさっきまでいたはずの偽早苗さんの姿はなく、霊夢さんはピタッと制止する。

 

「は~い。皆スト~ップ!」

 

後ろで静かに呟かれる。

僕の首もとに突きつけられた手のひらサイズの小さなナイフは残忍に光っている。

バカでも分かる。《人質に取られた》のだと。

これまでここで起こったことの殆どを理解することが出来ていない僕だったが、今の状況はもっと理解に苦しむ。

しかしまぁ、こうなってやることと言えば一つだ。僕は静かに両手をあげた。

「動かないでね?絶対に動かないでね?あ、別に某飛べない鳥クラブみたいなノリじゃないからね?」

後ろでは早苗さんの皮を被った妖怪が一人で楽しそうに笑っている。

「それじゃ、私はお暇させてもらおうかな……いやぁ、あれ喰らったらひとたまりもなかったと思うよ。うん。さすが博霊の巫女さんだ。」

後ろ歩きで徐々に入り口のほうへと連れて行かれる。扉のところまでたどり着くと、今まで塞いでいたツタがまるで偽早苗さんに道を開けるように人が通れる隙間分だけ開いた。

「じゃあね。次も期待してるよー!」

最後にそう言い残すと、僕は入り口からまた部屋の中へと押し戻された。

「待―――」

逃がしてなるものかと振り向いたそこには最初からいなかったかのように偽早苗さんは見あたらず、先ほどと同じようにツタが入り口を塞いでいた。

 

 

 

 

   続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!脱脂綿とタイムカードのハーフです!

もうそれ人間じゃねぇよ。

さてさて!今回もここまで見ていただき誠にありがとうございます!!
10章という節目も終わりを迎えまだまだ先が見えない恐怖に怯えております(コワイワー)
しかしまぁ、こうも簡単に早苗さんが犠牲になってしまいました。
体を乗っ取られた早苗は果たして自我を取り戻すことが出来るのでしょうか!?
そして何人もの犠牲者を出したこの異変は博霊の巫女とその愉快な仲間によって解決する事が出来るのか!?
彼女らの冒険はこれからだ!!

彩風先生(笑)の次回作にご期待ください。

終わりません。
残念ですが終わりません。



さてさて、余談の時間です!
今回もゆっくりしていってね。

さぁ、前回もお話ししたとおり吹奏楽への入部が決定した彩風。そこで彩風を待ち受けていたのは驚きの連続だった!!
訳でもなく、そこそこ忙しい充実した日々を送っています。
しかしまぁ、吹奏楽部と言えばみなさんのご想像通り中学、高校では部員の9割は女子となります。(そして男子部員はだいたいそこが目的で入ったと思われる。)
当然女子部員が2桁も集まれば部員同士のいざこざが発生します。
彩風の入る吹奏楽部も例外ではなく、さっそく1年生女子部員の間でも2つの勢力が発生しています。
そんな中、数少ない男子部員はといえば口を出せば○されるので波風立てぬように1歩引いて眺めているしかない……のであれば楽なのですが無干渉であれば、それはそれで色々文句を言われます。
どちらの味方につくでもなく、かつ適度に関わっていくという不可能に近い技術を要求されるのです!←大袈裟

それにプラスして最近では顧問の先生と2・3年生との間で1年生のパートを巡ってなのか、トラブルが起きたらしくとんでもなく部活の雰囲気が悪いのです。
もう最初からハードルが高すぎてつらたん。

とまぁ、余談と言うよりはただの愚痴になってしまいました……。
これに関してはどんな部活でも似たようなことは起こっているでしょう。吹奏楽部だけが特別なんてことはないはず……です。
現在青春真っ盛りの皆さんも青春なんざ昔の話だという皆さんもバテて転んでしまわない程度に日々頑張ってくださいね!


それでは!次回も是非ゆっくりしていってくださいね!!



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おまけ編 10
おまけ編 1話~恋患い~


注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・やはり世の中でもっとも旨い食べ物はラーメンだな
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






あれ?そもそも何で僕はこんなところにいるんだろう……?

ふと浮かんできた疑問に首を傾げる。

まぁ……本編じゃないし、深く考えてはいけないんだろうか?

…………。

…………。

って、本編って何だ!?

 

 

 

 

 

世界から音が消えしまったのではないかと錯覚してしまうほど静かな空間。

よく耳を澄ませてみると遠くから微かに時計が秒を刻む音が聞こえてくる。

目の前では先ほどから一度も視線をあげることなく読書にいそしむ少女が僕と向き合う形で座っている。

 

スッ……

 

頁をめくるときの紙が擦れる音ですら耳に響いてくる。

この状態でもう何時間経ったのだろうか……?実際の10倍以上時間が経っているように感じるほどその空間に居るというのは気まずいものだった。

僕はどうやら誰も何も話さない。こんな状況が苦手なようだ。

賑やかなのが好きと言うわけではないけれども静かすぎるというのはどうにも耐え難い物がある。勇気を振り絞って控えめに声を上げてみた

「あ、あの……パチュリーさん……?」

「なに?」

石像のように同じ体勢を続けていたパチュリーさんは僕の声にゆっくりと顔を上げた。

紅魔館の地下にある図書館に二人の声が順々に響きわたる。

「え、……ええと……その、何を……読んでるんですか?」

「フモリティシッチ式魔導書第2版。」

「え?あ、はい……へぇ…………。」

早口に素っ気なく答えられて、咄嗟に出た声は何ともな間の抜けた物だった。

パチュリーさんは再び視線を落とし、真剣な眼差しで、ただ一点自分の手にある分厚い本を追い続けている。

こうして、状況は振り出しに戻るという結果になった。

しかし、こんなところで諦めるわけにはいかない……!そう意気込んで再びパチュリーさんに言葉を投げかける。

「パチュリーさんって……肌真っ白ですよね……。」

長めの袖の先から顔を見せる手は殆ど色がついておらず、正にお人形のようという喩えが相応しい。

幻想郷で見てきた女性は皆が皆とても綺麗で色の白い肌をしていたけど、中でもパチュリーさんは規格外に白い気がする。

「あんまり日の光を浴びることがないからかしらね。レミィも白いでしょ。」

顔を動かさずに声だけで反応が返ってくる。

レミィというのは吸血鬼のレミリアさんのことだ。確かにレミリアさんも真っ白な肌をしていた気がする……吸血鬼は日の光を浴びられないっていうから当たり前なのかもしれない。

「全く外に出ないんですか?」

「そうね。」

半ば冗談のつもりだったのだけど帰ってきたのは予想外の三文字だった。

「ま、全くですか?」

「えぇ、全く。」

パチュリーさんは顔を上げることなく受け答えを続ける。

全く外に出ない……。確かにお世辞にも活動的なタイプには見えないけれど……。

「そ、そうなんですね……。でも!だめですよ!あんまり日の光を浴びずにいると、体が弱くなっちゃいますから。」

「そうね。気をつけるわ。」

パチュリーさんはそういうとまた一つ頁をめくる。

なんとなく、無言の圧力で話しかけるな。邪魔するなと訴えられている気がする。

そうして、何度目かの沈黙が訪れた。

どうしよう……。

あれ?そもそも何で僕はこんなところにいるんだろう……?

ふと浮かんできた疑問に首を傾げる。

まぁ……本編じゃないし、深く考えてはいけないんだろうか?

 

 

…………。

…………。

 

 

って、本編って何だ!?

 

自問自答を終え混乱する頭の整理がつかないまま何気なくパチュリーさんの方へと顔を向ける。

すると視界に、なんとも予想外な人物が映り込んでいた。

いや、ある意味予想通り……お決まりとも言えるだろうか?

読書に勤しむパチュリーさんの後ろ。ふわふわと空中を上下しながら烏天狗がニコニコとこちらに手を振っていた。

「え?なんでこk……。」

思わず驚きを声に出したが、すぐに自ら口を塞いで言葉を切る。

「なに?どうかしたの……?」

パチュリーさんが怪訝そうな表情をこちらに向けた。

「あぁああ!!え、ええと。その……。なんでもないです。はい……。ほ!ほんとに何でもないんですよ!」

「……?そう。」

上手くごまかせただろうか……?

文さんが持つフリップに書かれた『しゃらっぷ』の文字を横目に、いつの間にか少し浮いていた腰をいすに落ち着ける。

僕の咄嗟の反応に、文さんは満足したように親指を立てると、パチュリーさんに気づかれないようにフリップを取り替えた。

取り替えられたフリップに書かれた文字を目を凝らして読む。

『次のフリップの文をそのまま声に出して読んでください。』

ちょうど読み終えた瞬間にフリップが入れ替えられる。

いったいどこから取り出しているのだろうか?それにどこに仕舞っているのだろうか?

青い狸のポケットでも持っているのかな?

そんなことを考えていると文さんがフリップの文字を何度も指さす。

どうやら早く読むように急かしているらしい。あわててフリップに目を向ける。

そして、たどたどしくフリップに書いてある短い文を読んだ。

「そういえば、魔理沙さんってどう思いまs――」

「ゴホッ!ゲホッ……!」

すべて言い終わる前に急にパチュリーさんがせき込みだした。

「だ、大丈夫ですか?」

「だ、だだだ、大丈夫よ……。」

急いで立ち上がり駆け寄ろうとしたが、パチュリーさんはそれを拒むように僕の動きを手で制した。

手で半分隠れた顔が上気しているように見えたのは僕の気のせいだろうか?

 

「な、なんで急に魔理沙が出てくるのよ。」

咳払いを一つして、パチュリーさんが僕に尋ねる。

「え?……あぁ、えと。その…………。」

どうやらパチュリーさんは真後ろで必死に笑いをこらえている文さんに気づいていないようだし、文さんも気づかれないようにしているようだ。

そのため文さんにそう言うように指示されたとは言えず、なんと返答するべきか思考する。

「とくに……深い意味はありませんよ?ふと頭に浮かんだので……。」

しかし、僕の足りない頭ではそんな答えをひねり出すので精一杯だった。

「そ、そう……。」

パチュリーさんは納得行かない様子だがそれ以上追求はしなかった。

すると先ほどまでかじりつくように読んでいたフモ何とか魔導書を閉じて頬杖をつく。

 

「魔理沙……ねぇ……。貴女はどう思うのよ。」

「え?……僕ですか?」

質問に質問で返され一瞬戸惑うが、答えにくい質問でもないので率直に答える。

「そうですね……。まず、元気な人……って印象が強いですかね?」

「ふふ……。まぁ、そうね。」

そう言って微笑むパチュリーさんを見るのはとても新鮮だった。あまり笑わない人だと思っていたけどもしかしたらそんなことはないのかもしれない。

 

「あとは……なんですかね……霊夢さんととても仲がいいですよね。」

 

……あれ?

不意に訪れる静寂。パチュリーさんが眉を一瞬ピクリと動かしたっきり固まってしまった。

急の出来事にどうしていいか分からず、助けを求めるように文さんの方を見る。

そこで文さんが浮かべていた表情は言葉では何とも言い表しにくい物だった。

哀れみともとれるし、呆れともとれる。いったい僕はなにをしでかしたのだろうか……。

「霊夢ね……そうよね。とても仲がいいわよね。」

すると時間差で、固まっていたパチュリーさんが動き出す。

その声は僕との会話と言うよりは、独り言のように聞こえる。

「そ、それで……パチュリーさんはどうなんですか……?」

この状態で、僕がこれ以上何か言うのは危険だという判断の元、パチュリーさんに順番を譲る。

 

「え?……あぁ、そうだっわね。質問されたのは私っだったわ……。そうね……魔理沙ね……。」

呟きながら顎の方に手をやるとパチュリーさんは早口に話し始めた。

「借りていった……というか盗んでいった本は返ってくる気配がないし、頻繁に図書館内を破壊するし、思いつきで無理矢理外に連れ出されるし、無鉄砲だし、魔法もパワーしか考えてないお粗末なもの……。面倒見は良いけど気を抜いたら変な茸食べさせられるし、好奇心旺盛にしても度が過ぎててすぐ周りを巻き込むトラブルメーカー…………ってとこかしら。」

僕の勘違いでなければ一度も息継ぎせずに全て言い切ったようだった。

言っていることと反して声色は明るく、表情も心なしか楽しそうに見える。

「いい加減何か取り返す手段を考えた方がいいかしら……。」

やれやれといった風にため息をつくパチュリーさんの後ろで文さんはニヤニヤと笑みを浮かべている。

何かの拍子でパチュリーさんが振り向けば一発でばれてしまいそうな距離だが全く気づかれる気配はない。

文さんの先祖は忍者か何かなのだろうか?

「まぁ、あれで結構良いところあるし、悪い人じゃないわよ。」

パチュリーさんは優しく微笑むと、そう言って締めくくった。

 

「へー……。魔理沙さんのことよく知ってるんですね!」

 

「…………。」

あれ?

デジャヴにしては随分とスパンが短い気がする。

いや、あのときとは若干違う……文さんの顔は哀れみや呆れではなく、よくやったという感じの讃えのようにも見えた。

何よりパチュリーさんの様子が180°違っていた。

あのときは死んだ魚のような目をしていたが、今は目を丸く見開いて鼻のあたりまで真っ赤にしている。

 

 

僕は……なにをしでかしたんだろうか……?

 

 

「…………別にそういうのじゃないわよ。」

しばらくの静寂の後、ボソッとそう呟くとパチュリーさんは赤くなってまだ戻りきっていない顔を隠すようにフ何とか魔導書に顔を埋めてしまった。

「え?あ……え?僕、何か変なこと言いましたか?」

「別に。」

顔を上げることなく短く返されて、何か変なことを言ったのだと確信する。

どうしよう……ここで謝るのは逆効果だろうか……でも黙っているというわけにも……。

 

ふと助けを求めて文さんの方に目を向ける。

……文さんは満足げな笑みを浮かべて僕に写真を見せつけていた。

目を凝らして見てみるとどうやら顔をきれいに赤く染めたパチュリーさんの様子が映っているらしい。

貴女という人は……。

 

呆れて半眼を向ける僕を気にもとめずに、満足したのか文さんはクルリと窓の方を向く。

そのときだった。

浮かれていたのか文さんが本棚にぶつかって小さく音が鳴った。

 

「あ」

 

文さんがそう声に出したときにはもう既にパチュリーさんが文さんの腕を掴んでいた。

「あら、いたのね。全然気づかなかったわ。」

にこやかな表情には所々青筋が入っている。

 

 

僕はその日、初めて文さんが青ざめている姿をこの目でみたのだった。

 

 

 

   ……続く?

 

 

 

 

 

 

 








その空間を言い表すとすればこの一文字がもっとも当てはまるだろう。
まぁ、正確に言うのであればディスプレイに映る淡い光が弱々しく部屋を照らしてはいた。
夜中の2:00。よい子はとっくに眠っている時間である。
カタカタとキーボードをたたく音。秒針が自らに与えられた役目を忠実に果たして、規則的に小さな音を刻む。

しばらくぶりに開いたそのサイトは自分がいなかったことなど何一つ気にせず今日も変わらないにぎわいを見せていた。
当然だ。
それが普通。
またウィンドウを閉じかけたそのとき、ふと頭に過ぎる言葉があった。
「彩風さん僕天更新まだー?」
毎回自分の作品を読んでくれている物好きな友人。
これを聞いたとき、溢れんばかりの喜びとともに、悔しさや自嘲といった感情がこみ上げてきた。

『高校生活が忙しいから』
『失踪しても誰も気づきやしない』

継ぎ接ぎの理由を唱えながら目を背けていた日々。
痛いほど分かっていた自分の中の罪悪感と欲求。


そんなことを考えながら、私はEnterキーを押した。





と言うわけで、お久しぶりの彩風です。
え?なにそれっぽく誤魔化そうとしているんだって?
そもそもそれっぽくもなんともねえんだよ□ねって?

……返す言葉もございません。

この度は本当に長い間、無断でハーメルンの活動を放棄してしまい、本当に申し訳ありませんでした。
期間にして2ヶ月半ほど。高校生活が始まってからずっとということになります。
理由としては……というより言い訳ですが、何度も漏らしていたように『部活』が最大の要因です。
部活が忙しいということもありますが。それによって自分の中でサボりの正当化がなされていたことでこのような結果になってしまいました。

これからの更新も前のように1週間1話という風には行かないかもしれませんが、できる限り早く更新します。


それでは、次回も是非ゆっくりしていってくださいね!


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おまけ編 2話~恋患い ぱぁとつぅ~

注意
・この作品は東方projectの二次創作です
・不定期更新
・原作とは異なる自分設定
・妄想過多
・にわか故のキャラ崩壊や原作と違う部分
・花火大会だ~~!屋台だ~~!リア充だ~~!…………ペッ
以上が苦手な方でも折角ですしゆっくりしていって下さいね!






「はい。」

「あ、ありがとうございます!」

カチャ……と高い音を立ててテーブルにお洒落なティーカップが置かれる。

当然僕には紅茶の善し悪しを判断できるような才能は無いけど、少なくともそれはとてもいい香りを部屋中に漂わせていた。

ティーカップが上品なものであるだけになんだか飲む側としても無意識に背筋が伸びてしまう。

香りを十分に味わってから普段とは違う仕草で口元まで紅茶を運ぶ。

 

「あちっ!!」

 

「あぁ……、まだ熱いと思うから気をつけてね。」

「あ……はい。」

どうやら僕に高貴だとか上品という言葉は似合わないようだ。……まぁ分かり切っていたことだけど……。

ゆっくりとティーカップを机に戻し、ため息をついた。

魔法の森のとある一角。

隠れるようにして建っている洋風の一軒家……その一室。

僕の向かいに腰掛けているのは人形遣いのアリスさんだ。

短い金髪にカチューシャがよく映える。

 

もはや僕が置かれている状況に疑問を抱く余地はない。『おまけ編だから』その一言で片が付くのだ。

無心で、浮かびそうになる疑問を前もって解決しておく。

「なに?随分複雑な顔してるけど……。」

アリスさんが不思議そうに……というか心配そうに…………というか訝しげに尋ねる。

「ふぇ?あ、いえ!何でもないです!」

「そう?」

当然アリスさんもこの状況に特に疑問を持っている様子はない。パチュリーさんと同じだ。

さて、今僕がしなくてはいけないことは何だろうか?

僕は短い時間で考える。

そしてものの数秒で考えても無駄であると悟った。

 

「それにしても……すごい数の人形ですね。」

考えることを放棄した僕は、他愛もない話題をふることにする。

アリスさんの部屋の棚にはものすごい数の人形が隙間なく敷き詰められていた。

手のひらサイズの物もあれば部屋の隅には僕の背丈と変わらないのではないかというほど大きな物もあった。

「殆ど実験で使った後の物よ。飾るぐらいしか用途がないから……。」

アリスさんは棚に並ぶ人形を眺めながら苦笑する。

僕は初めてアリスさんと会ったときのことを思い出す。

目の前の人形達も武装して動き出すのだろうか……?

「なかなか物を捨てられない性分だから。」

「そんな!捨てるなんてもったいないですよ!こんなによくできてるのに。」

それは少しデフォルメされてはいるもののとても精巧に作られていて捨てるなんてとんでもない。

「あら?そういってくれると悪い気はしないわね。」

アリスさんは照れ笑いを浮かべてそれを隠すようにティーカップを口元に運んだ。

 

「でも、一体どうやって人形達を動かしているんですか?」

僕は人形が自分よりも遙かに大きな剣やランスを装備した姿を思い出しながら尋ねる。

アリスさんはその質問に何と返すのが適切か分からないと言った様子でしばらく考え込んだ後、

「そうね……どこから説明すればいいのかしら。簡単に言えば人形に心を宿すってところかしら?召喚系の魔法のちょっとした応用ね。まぁ、特に対象が人形である必要はないのだけど。魂を持たないもの……要するに無機物ならなんでもいいの。」

 

……なるほど分からん。

 

「心を宿すと言ってもそれは自我を与えるということではなくて、ただ単に行動や感情の受信機関を生み出すと言う方が正確ね。この方法はかなり古くから今よりもお粗末ではあるけど使われていて…………。」

きょとんとしながら右耳から左耳へと通り過ぎていく説明をただただ聞いている僕を見てアリスさんは苦笑を浮かべると、

「まぁ……魔法ってことよ。」

そう言ってまとめた。

……なるほどわかった!

僕はパッと表情を輝かせてぽんっと左の掌に右手を握ってのせた。

とても簡単でわかりやすい仕組みだったようだ。

そんな単純な僕の反応に改めて苦笑を浮かべた後にアリスさんは紅茶を飲み干した。

 

 

「手にとって見てもいいですか?」

「どうぞ。」

紅茶を飲み終わり、アリスさんに尋ねるとあっさりと一言で返答してくれた。

目の前にある普通のサイズの人形を手にとってまじまじと観察する。

金色の髪はまるで本物のようにサラサラでリボンや服もピッタリのサイズをアリスさんの手で作ったのだろう。

とても精巧に作られていて今にも動き出しそうだ……まぁ、動かそうと思えばすぐに動かせるのかもしれないけど。

そんなことを考えていると急にアリスさんの表情が強ばった。

「これは…………。」

「どうしたんですか?」

アリスさんの様子を見る限りあまり良い状況ではないのだろう。

僕の問いに答えることなくアリスさんは何かを耳にすませるような姿勢で目をつむっている。

 

「誰かがここに向かってきてるみたい……。ちょっと様子を見てくるわね。」

 

しばらくするとアリスさんが口を開いた。

「え?は、はい。大丈夫なんですか……?」

「まぁ……人数は一人だけみたいだし、大丈夫だとは思うけど。もしものときの為にね……お客さんもいることだし。」

どうやら僕に気を遣ってくれているようだ……。なんだか途端に申し訳なくなる。

「あ、ありがとうございます。」

アリスさんは笑顔で答えるとそそくさと出て行ってしまった。

 

僕はその場に一人取り残される。

正直に言うと、他人の部屋に一人で置いて行かれる方が不安をかき立てられるのだが、気を遣ってもらっている以上なにも言えなかった。

一人。

独り。

意識した瞬間、背筋にぞわぞわとしたものが走り抜けるのが分かった。

もしもアリスさんが戻ってこなかったら……?

アリスさんじゃない……知らない人がやってきたら?それが『人』ならまだいい。

もし…………もしも獰猛な妖怪だったら……?

そこまでで思考を振り払う。ちょっと一人になったぐらいで何を心細くなってるんだ僕は……もう子供っていうような歳じゃないんだから。

僕は気持ちを入れ替えるように深呼吸をする。

 

ガンッ

 

「痛っ!」

伸ばした手が棚にぶつかって痛々しい音が部屋の中に響く。

そして人形がいくつかバタバタと床に落ちる。

「あー!すいません!すいません!!」

誰か居るわけでもないが反射的にそう口にしながら人形達を元あった場所に戻していく。

とはいっても、どの人形がどこにあったかなど分からないので、人形の大きさなどでだいたいの場所を予想して配置していく。

「合ってる……かな?」

自信はないが、まぁアリスさんが戻ってきたら正直に話せばいいことだろう。

そう思って最後の人形を上から二番目の段に座らせる。

 

すると……。

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………。

 

 

何ともありきたりな音。

ありきたりに声を上げて、ありきたりに腰を抜かして。ありきたりに目を見開いて……。

 

ありきたりに棚が動いて隠し扉が顔をだした。

 

 

 

さて。

一度整理してみよう。

 

1、アリスさんの家でくつろいでいた僕とアリスさん

2、するとアリスさんがこちらに近づいてくる敵影を確認

3、アリスさんと僕は別行動を取ることに、アリスさんは敵の確認、僕は待機

4、落としてしまった人形を拾い上げ棚に戻すと隠し扉がガガガガガ……。

 

どうやらまだ頭の中が混乱しているようだ。

とりあえず重要なのは

『なんかアリスさんの家に隠し扉があってひょんなことからそれを開いちゃったZE』

ってことだ。

 

「どうしよう……。」

鉄製のいかにも重そうな扉を前に僕は手を口元に当てながら呟いた。

試しに、動いた棚を戻そうと引っ張ってみる。しかし、当然ながら非力な僕では微動だにさせることができない。

そもそも何でこんな物がアリスさんの家にあるのだろうか?

小説や漫画、ゲームなんかではあって当然だというように定番の隠し扉が存在する家があるが、実際に作ろうと思えばかなり大変だろうし、第一そんなに用途が思い浮かばない。

お宝でも隠してあるんだろうか?

そんな風に考えていると扉を開けたいという欲求が胸の奥から波のように押し寄せてきた。

ついついドアノブに手をかけそうになるがすんでのところで留まる。

人の家を勝手に探索するなんていくら何でも非常識だろう……。

しかし『今更この幻想郷で僕が持つ常識なんて無い物に等しい』という考えがないと言えば嘘になる。

 

ゆっくりとノブを捻る。

 

 

カチッ…………。

 

 

「あれ?」

ドアが開くことはなく金属がぶつかる音が扉が施錠されていることを示していた。

棚で隠してある上に鍵がかかっているとは……よほど重要な物が隠されているらしい……。

ここまで来ると余計に中が気になってくる。

いや、でも駄目だ。そんなことしてしまっては泥棒と同じようなもの。

…………でもわざと開けたわけではないし、鍵を見つけても元の場所に戻しておけばバレないんじゃ……。

いやいや……さすがに……。

でも見たい…………。

僕の中の天使と悪魔が交互に囁き、そのまま数分が経過する。

 

どうやら僕は着々と文さんの影響を受けているようで、最終的に出した結論は……。

 

「鍵はどこだろう……?」

痛む心を抑えながら部屋を探し始める。

しかし、鍵は案外すぐに見つかった。

L字型のドアノブの丁度死角の位置、鍵の形のくぼみにピッタリはまっている小さな鍵。

灯台もと暗しというが、ドアの近くに鍵を隠しておくというのはなかなかいい方法かもしれない。

まぁ……僕がこんな簡単に見つけてしまっているからそんなことないのかもしれないけど……。

 

そんな思考を置いて、鍵を慎重に差し込む。

焦る手を押さえつけてゆっくりと回した。

カチャンと音が鳴るのを確認して、今度はドアノブを捻る、今回は引っかかる感覚はなくスムーズに扉が開いた。

ごくりと、息をのむと隠し扉の先に目を向ける。

 

 

そこには……。

 

 

黄色、そして白と黒。

パッと見で視界に入った色はこの三つ。部屋中がそれで埋め尽くされている。

そこにあるのは人形の山だった。

それだけなら特に驚くこともない、アリスさんらしいという言葉で片づいてしまう。

しかし、目の前の景色はそうはいかないものだった。

その人形たちは明らかに僕の知っている人物を模して作られていた。

 

「これって……魔理沙さん?」

 

思わず呟いた。

 

 

 

その瞬間。

 

 

 

急に体に力が入らなくなり、床にひざを突く。

 

薄れていく景色の中、アリスさんの顔がうっすらと見える。

 

穏やかに笑っているようにもみえるけど、感情を映さない人形のような顔にも見える。

 

そのまま僕の意識はとぎれた。

 

 

 

 

 

   ……続く

 

 

 

 

※この話はフィクションです。本編や実際の人物、団体とは一切関係ございません。

 

 

 

 

 

 




はい!どうも!!オレだよオレ!


そうだね。プロテ……


さて、そんなわけで彩風です。
皆さんはオレオレ詐欺に引っかかったりしていませんか?
受話器の向こうが怪しい人物ではないかと少しでも感じたら即座に
「私とは遊びだったのね!!」
といって勢いよく電話を切りましょう。

さて、そんな茶番はさておき、今回も最後まで見ていただきありがとうございます。
相変わらず素晴らしい更新速度に自惚れざるを得ませんね。はい。(自嘲)
なんとか頑張って更新するようにします……。




それでは、次回もゆっくりしていってくださいね!!




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