魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~ (半生)
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【第0章】 神様転生のマジックマシン
俺、転生するそうです


始めまして、半生と申します
あ、はんせいではなくはんなまといいます。


この作品はノリと勢いと見切り発車により書かれた私の処女作になる作品です

それでは、どうぞ。


とある日、俺の人生は事切れました。

 

高校二年の夏ごろに重い病気をわずらって入院したのですが、

それが一切完治せずついには余命宣告すら出されました。

 

ああ、これはもうだめだな。と思いながらその余命の日まで闘いましたがやっぱりダメでした。

 

 

今俺はベッドに倒れながら家族に見守られています。

 

ああ、母さんそんなに泣かないで。なるべくしてなったことなんだから。そんなに泣いてると、安心してあっちにいけないよ。

 

父さん、皆のことお願いします。こんなこと俺がいう必要ないと思うけど・・・一応。

 

我が妹よ、卒業式行ってやれなくてごめんな。

 

・・・ああ、俺も限界みたいだ。それじゃあ、皆おやすみ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******************

 

 

 

 

 

うん、そんな感じに皆とお別れしたよな、うん間違ってないよな

 

そう思ってもう一回前を向く。

 

俺の目の前には、一つの真っ黒のデスク。そのデスクにはの黒いイスがおいてあるけども向こうを向いている。そして俺は真っ黒いソファに腰をかけている。この真っ黒の部屋の中で。

 

・・・・・・どーゆーことなの・・・・・・

 

そう思っていたら目の前のデスクのイスがこっちを向いた。イスには、黒い礼服を着て黒い眼鏡をかけた疲れたサラリーマンみたいな印象を受けるおじさんが座っていた。誰だこの人。そんな彼?はいきなり俺に向かってこういった。

 

「気分はどうだい?」

 

・・・いきなりそんなことを言われましても混乱してるのでわからんとです。

 

「そうか、混乱しているのか」

 

心を読んだ!?この人何者!?

 

「私?私は・・・そうだね、神様みたいなものだよ」

 

「神・・・様・・・?」

 

「そう、神様」

 

なるほどなるほど、神様か。へー・・・って、エエエエエエエエエエ!?

 

「うん、ベタな反応ありがとう」

 

ああ、どうもいたしまして・・・ってちげがうよ!!え、何!?神様って!?マジで神様って存在したの!ごめんなさい、全然信じていませんでした。正直、ファンタジーの世界のものだと思ってた。よくある、異世界転生のための歯車的存在かと思ってた。

 

「そのとおり、私はその歯車的存在の神様だよ。」

 

・・・マジですか・・・なんか一週まわって冷静になった。つまり、俺は今から転生させられるってことですか?

 

「うん、そのとおりだよ」

 

マジかぁ、そういうことって現実?にあったんだね・・・ってアレ?それってなんかおかしくない?

 

普通こういう転生って魂に不備があったから殺してお詫びに転生させるってことが多いじゃないですか。それ以外でも、他の人間の代わりに死んでしまってそのことを痛く感動した神様が転生させるし。なんで、普通の死に方した俺が何で転生する必要あるの?人を守って転生したでもなく、普通に病死だよ?急な事故死とかでも心臓発作とかでもなく、普通に病死だよ?

 

「ああ、そのことね。実はね、この転生はそういうものじゃなくて、義務的なものなんだよ」

 

「義務的?」

 

「うん、義務的。世界っていうのは厄介でね。数十年に一度、魂が多くなっちゃってねオーバーフローしちゃうんだよ。だからそのオーバーフローを防ぐために1年に1度、死んでしまった人間を1人他の世界に転生させることにしているんだ。」

 

なるほど、それで奇跡的に選ばれた何万人の中の1人が俺だったということですか

 

「うん、そうなんだ。さて、ここからが本題なんだけど。他の世界って言うのは君たちが住んでいる世界以外は特殊も特殊でね?何かしらの力が無いと下手したら生れ落ちた瞬間デットエンドなんて普通のレベルなんだ。」

 

へー、そうだったんだー、しらなかったなぁ・・・生まれた瞬間、即死なんて嫌な世界ばっかりなんですね。

 

「それでね、転生する人間には何かしらの特典のようなものを上げているんだ。」

 

特典?っていうと、あれですか?それって転生物で良くある、何でもかなえてくれる猫型ロボットのポケットみたいなやつですか?

 

「そうそれだよ。とにかく何でも答えてあげるよ。力だったら力を、お金だったらお金をって感じに望むものだったら転生後必ず獲得できるようにするよ?」

 

なるほど、なんでもか・・・。だったら・・・

 

「だったら、俺の死ぬ前の家族が幸せに暮らしていけるようにしてください」

 

これしかないだろうな

 

「・・・えっ!?」

 

あ、神様、困ってる。でもコレばっかりは仕方ない。

 

俺の家族は献身的に俺の看病をしてくれた。母さんは毎日といって良いほど俺のところに来てくれたし。父さんも、入院生活がつまらない物にしない為に好きだったゲーム(特にスパロボ。父さんがすきで俺もよくやっていた)をモニターごと持ってきてくれていた。・・・その後、看護師さんに怒られてたけど。妹も、学校帰りに必ず果物をもって来てくれた。あれって、小遣い大丈夫だったのかな?あいつが言うには、全然平気だよ!ってことだったけど・・・

 

まあようするにこれは、俺からのお礼なんだ。献身的に看病してくれていた家族へのお礼。入院しているときは何もできなかったから。せめて、お礼がしたいんだ。

 

 

だからお願いします、神様。この願い、叶えてください。

 

そう思って前を見たら・・・

 

 

「ううっ、ヒッグ、うう・・・」

 

神様がメッチャ泣いてました。

 

「いい人間だね君は、うう・・・ズズッ!」

 

いやいやいやいや、どうして泣いてるんですか!!泣く必要別にあなたには無いでしょうよ!!

 

「いやね、私が転生する際に担当する魂、魂、全員さ、転生前の家族のことなんてすっかり忘れてやれこの能力よこせだの、やれコレをやれるようにしてくれだのね、自分ことばっかりでね。君のような人間は、コレをやり始めて初だよ」

 

「そうだったんですか・・・」

 

「うん、その願い、聞き入れよう。そして、君には特別だ。もう一つ、特典をあげよう。コレは君のその心が私に感動を与えてくれた。そのお礼だよ。」

 

お礼かぁ・・・そういわれると拒否できないなぁ・・・さて、何を願おうかなぁ・・・

う~ん・・・

 

「・・・だったら、誰かを守れるような・・・そんな力をください」

 

「守れるような力?」

 

「はい、そんな死が隣り合わせな世界だらけならばせめて自分の身の回りの人を守れるような・・・そんな力が欲しいんです」

 

「・・・そうか、君は本当にいい人間だね・・・しかし・・・守るための力かぁ・・・少し抽象的だなぁ・・・う~ん・・・」

 

ごめんなさい、抽象的すぎて・・・でも仕方ないんです!これ以上思いつかないんです!

 

「そっかぁ・・・それもそうだよね・・・あっ、そうだ!だったらコレを使おう!」

 

そういって神様が取り出したのは5枚の・・・カード?

 

「コレはね、《魂視の札》っていう特別なものなんだ」

 

それと俺の特典と何が関係するんですか?

 

「コレは、魂の中に宿っている可能性を読み解いてそれを色や形で指し示す札なんだ」

 

そういいながら、カードを俺のほうに向けると五枚のカードの色が見る見るうちに変わっていった。

 

カードの色は

 

一枚目:蒼い色で塗られている

二枚目:赤、青、緑、黄で塗られている

三枚目:オレンジ色で塗られた中にハートが描かれている

四枚目:鉄のような色をしている

五枚目:真っ赤な色のカードに大きくJと書いてある

 

の五枚である・・・

 

「さあ、このカードの中から好きなカードを選んで」

 

・・・好きなカードかぁ・・・そうだなぁ・・・

一枚目は・・・なんか形容しづらい恐怖を感じる。二枚目から、強い意志を感じるような気がする。三枚目からは・・・なんだろう・・・初めてスパロボKをやったときのような感想が出てくる・・・なんでだ・・・。四枚目からは、なんだろ・・・鋼鉄のような硬さを感じる。五枚目からは・・・貫くような意志を感じた。

 

・・・この中から一枚選ぶのか・・・だったら

この四色のカードかな?

 

「じゃあ、このカードで」

 

「そうか、このカードか・・・」

 

あ、そうだ

 

「この力って・・・ある程度封印ってかけれますか?」

 

「封印?なんでまた?」

 

「いや、それなんですが・・・」

 

ほら、新しい力をもらっても、制御できなきゃ危険じゃん。そんな危ないもののせいで守りたいと思ったものを傷つけたくない。だったら、自分が制御できるようになったら使えるようにしたい。

 

「なるほど、いいよ。そうできる様にしよう」

 

「ありがとうございます」

 

「さて、コレで心のころは無いね?」

 

「無いです」

 

正確にはできるわけ無いです。

どうやら話しぶり的に、どんな世界に行くかは神様にも分からないみたいだし。

 

「さて、それでは転生してもらいます!」

 

そういった瞬間、ソファの後ろからガシャンと何かが降りてきた。

えっ!?なにこれ、ジェットコースターの安全バー!?

 

「それでは、新たな人生の幸せを願って!行ってらっしゃい!!」

 

「ちょっと待って下さいなんですかこれぇぇぇぇえええええ!?」

 

とめようとしてそういった瞬間、神様がデスクに急に現れたレバーを倒した。そうすると、ソファが後ろに回転した。回転した瞬間、後ろの壁が開きだした。開いた壁の先、そこにあったのは・・・

 

「・・・・・・ガ○ガ○くん?」

 

某有名氷菓のような顔だった。って、なんで!?

そう思った瞬間ソファが物凄い勢いで前進した。

その瞬間、俺は意識を手放しました。耐えれるわけがございません。ただでさえジェットコースター嫌いなのに・・・

 

 

******神様 サイド******

 

「・・・行ったかな?」

 

新たなる転生者が行ったのを確認して、とりあえず安堵する

珍しいくらいに他人を思いやろうとする転生者だった。確かに、ほかの人間のことを思う転生者は他にもいたけどそれはあくまで転生後のことだった。転生前の人のことまで考えたのは彼が本当に初めてだった。

 

「さて、お仕事しましょうか」

 

そういって、デスクの上にあるパソコンを開く。

ここには、転生者がどんな世界に行ったかが書いてある。

 

「えーと、転生先は・・・へー《ハイスクールD×D》かぁ」

 

転生先を確認して、次に彼の特典をどうするか考えることにした。

 

「・・・とすると、この力がアーでーコーで・・・」

 

彼の要望にもこたえて、彼の力があっちの世界で浮かないようにもすると・・・うん、コレがちょうどいい。コレだったら、運命にも傷はつかない・・・個人の運命は派手に変わる可能性もあるけども・・・

 

そう考えながら、パソコンのキーボードを叩く・・・・・・うん、コレでよし

 

 

 

 

「がんばりたまえ、新たなる転生者」

 

彼の人生に、幸運があることを・・・

 

 

 

 

 



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俺、転生したみたいです

第2話です。
さて、この話で転生者の特典がわかります。

それではどうぞ


えー、はい、転生しました。

そして、5年ほど月日がたちました。

月日がたつのは早いもんです。

 

転生してから5年たちますがいろんなことがありました。

まず、名前ですね。俺の新しい名前は、兵藤正輝というそうです。

名前が転生前と同じで助かりました。それと、苗字も転生前にすっごい似てます。

 

次に・・・精神年齢18歳に母親の胸を見るのはつらかったということです。

ええ、ほんとにきつかったです。勘弁して欲しかったです。でも、死にたくは無いから吸いました。

 

そして、妹ができました。俺が生まれて次の年のことでした。

驚きました。そして妹につけられた名前で二度驚きました。

まさかの一誠です。男やん。それ男につける名前やん。何でなん?と思って聞いてたら、生まれる前は男と聞いていたらしく生まれてすぐに書いてあった書類を出したらしい。うちのおやぇ・・・

 

 

 

 

そして、俺が生まれてとてもうれしそうな新しい両親や、新たに生まれた妹を見て、絶対に守らなきゃと思いました。

 

 

 

 

 

さて、話は変わりますが、俺の特典の話です。

皆様にとっても残念なお知らせがございます。え?それはなんだって?

 

・・・・・・・・・どんな力が俺に送られているのか聞くのを忘れていました。

 

いやね!俺のいいわけも聞いて下さい!

 

特典もらったときは、自分にもらった特典を制御できるのかどうかで頭一杯だったわけですよ!だからね、そんな状態の自分にね、自分の特典がどんなものかなんて知る由なんてなかったんですよ!!

 

なので、割とどんな力をもらったのか気になっているのもあり、皆を守るためにも両親の目に触れないように必死に鍛錬をしています。

 

まあ、腹筋とか腕立てとか位なんですがね・・・

 

 

 

 

 

 

 

さて、5年もたちますと子供は親同伴でなくともお外に出るようになります。他の親はどうかはしりませんでしたが家の親は転生前も後も割りと大丈夫なほうでした。

 

そこで俺は、私の家を飛び出して少し遠いところにある山。そこで、偶然見つけた廃屋で修行しております。

 

いい響きだよね修行。あこがれるよね・・・っていかんいかんいかん。転生前は、最後の一年ほとんど運動できなかったから、こういうことをするとなるとかなり舞い上がってしまう。自重せねば。

 

さて、修行ですがやってることはとてもシンプルです。まず、山を駆け巡ります。この山、実は神社などがあり割と楽しい場所なのです。その神社の階段を全力で上り下りしたり、参道を全力で走ったりして修行をしています。後は、廃屋の中で筋トレとか座禅組んで瞑想とかしたりしてます。

 

 

それでも、一向に、いっっっっこうに、もらった思しき力は発現しません。ああ、やっぱりどんな力か聞けばよかった・・・。

 

そう思った瞬間

 

『あーあー、コレ聞こえてるのかなぁ?旧式の交神機だから不安なんだよねぇ。聞こえてますかー聞こえたら何かいってぇ』

 

という、あの神様の声が聞こえた。おお、ナイスタイミング神様!

 

『あ、繋がってた。あーよかったよかった。伝え忘れてたことがあったから心配してほとんどつかってなかった交神機引っ張り出したんだよ』

 

交神機・・・恐らくこのテレパシー的な奴だと思うけど・・・

 

って、伝え忘れてたこと?もしかして、特典のことですか?

 

『そうそう、それのこと。いやーすっかり忘れてたよ。特典もらう人間って大体どんな能力か自分で言うからさぁ』

 

あー、そっかぁ、俺が抽象的なことを行った挙句神様に魂から可能性とやらを引っ張ってきてもらったからこうなったのか・・・なんか本当にごめんなさい。

 

『いや、君が気に病むことは無いよ。それで。君の特典なんだけどもね。この世界にあった封印をさせてもらったよ。いや、封印というよりもまだ発現してないといったほうがいいかな?」

 

発現してない?どういうことですか?

 

『いやね、君が転生した世界にはね神器(セイクリッド・ギア)という特別な力が人間だけにあってね。それを君に与えるようにしたのさ』

 

なるほど、神器・・・ん?なんかどっかで聞いたことがあるような・・・まあいいか別に関係ないことだろう。どっか変なところで聞いた言葉をいきなり思い出しただけだろうし。

して俺の特典とは?

 

『そうだね・・・一言で言うなら《魔装機神を操る力》かな?正確にはいろいろと違うけど』

 

えっ?魔装機神ってあの魔装機神?

 

『そうだよ、その魔装機神だよ』

 

 

さて、ここで魔装機神について説明しようと思う。

 

魔装機神とはバンプレスト(現在はB.B.スタジオって言う名前のはず)が売り出しているスーパーロボット大戦シリーズの一つである。この作品は、版権を使用したロボットが一切出てこずバンプレストオリジナルと銘打たれている機体のみが出てくる『OGシリーズ』の一番最初の存在なのである。

 

さて、魔装機神には二つの種類の機体が存在している。そのうち一つが、魔装機といわれる存在である。この魔装機は、魔装機神の舞台である《ラ・ギアス》のラングラン帝国に「ラングランに魔人がおそう」という予言がされ、その予言を回避しようと建造された人型機動兵器である。

これらの魔装機は、風、炎、水、大地の四つの精霊と契約を結び、その守護を得ている。

 

もう一つ、この世界には機体が存在している。その名も、ゲームのタイトルと同じ魔装機神・・・まあ、二つの種類といったけども実は魔装機神も魔装機なのである。というのも、魔装機神はラングランの作った16体の魔装機(これらを正魔装機という)のなかでもより高位の精霊と契約した魔装機を表している。魔装機神は4体あり、そのどれもが強力な存在である。

 

つまり、俺の能力はその魔装機神4体を操るないし動かすことができるんですね。そういう意味ととっても大丈夫ですよね?

 

『そう、そのとおり。察しがよくて助かるよ。まあ、動かすにはまだ少し時間ががかるけどね』

 

ん?それってどういう意味ですか?

 

『魔装機神を動かすにはまだまだ力が足りないってことさ。まあ、コレ以降のお話は君の神器が目覚めたときに君の神器に聞いてみてよ。それじゃ、又話す機会があったらねぇ』

 

うぇ!?俺の神器に聞くってどういうこと!?

 

そう聞こうと思ったんだけども、すでに交神は切れていました・・・

 

俺の中の神器に聞くって・・・いったいどういうことなんだろうか?

 

 

 

 

 

 




はい、というわけで2話目早くも終了でございます。

2話目短い。
圧倒的に短い。

コレはつまり・・・作者の未熟・・・!圧倒的・・・未熟!

次回以降はがんばりますので勘弁してあげてください



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俺、親子を助けました

 

どうも、兵藤正輝です。

 

あれから3年ほどたちまして8歳になりました。

 

 

さて、この三年間の間、何かあったのかを単刀直入にいうと・・・

 

 

正直何もなかったです!

我々は!この三年間で!!何も変化することができませんでした!!!

 

 

いやですね、ああいわれたときからずっと修行を続けているわけですよ。

 

 

魔装機神がいずれ使えると聞いたので、小学校に入ったところから剣道を習うようになりました。サイバスターは剣術を使ってるし、そのほかの魔装機神も剣術を使う機体が多いし。

 

後は、我流ですが少林寺拳法も学んでいます。こっちは、剣が使えないときの緊急手段です。なるべく使いたくはありません。

 

なぜ少林寺拳法かというと、魔装機神のうちの一つである炎の魔装機神・グランヴェールの操者、ホワン・ヤンロンさんの出身が中国だったからという安易な発想からきています。

 

 

 

この三年間で妹の一誠も小学生になったのですがね、ずっと俺の後ろをチョコチョコついてくるようになりました。

 

でもね、お兄ちゃんとても心配ですよ?

 

俺の周りは、剣道場とかの友人が多いので男勝りな性格になってしまわないとかそういう方向で。

 

あと、俺が服を脱ぐたびに筋肉を触ってみようとするのをやめてくれないかな?結構むず痒いものがあるのよ?

 

大丈夫かなこのこ、いずれ筋肉が好きという変態にならないよね?大丈夫だよね?

 

一緒に道場に来たときに親分の体をジーっと見てたけど大丈夫だよね?

 

家の両親なんかは、仲がよくていいわね!なんていっていますが俺は本当に心配です。

 

あ、ちなみに親分というのは道場の師範のことです。

 

 

 

まあ、こういう日常を守ろうと必死こいて修行をしているわけなんですが・・・それでも神器というのは一向に発現してくれません。

 

 

まあ、簡単に使えてしまってはつまらないものもありますし、使えないということは俺が制御できるようになっていないということなんでしょうしね。

 

制御しきれない力を持った人間を物語の中でも現実でも見てきたからいえることだけど、強大すぎる力は身を滅ぼしてしまうから。

 

身を滅ぼすのが自分だけならいい、でも、それで周りの人が怪我してしまったら・・・

 

 

 

 

俺は、それはいやだと思う。

 

 

 

 

 

そんな感じで今日も今日とて修行を開始します。

 

 

 

 

************

 

 

さて修行場はいつもの廃屋ですが、今までは向かうのにバスとかを駆使していましたが最近になり修行の一環ということで全力疾走することにしています。

 

 

それにしてもはっしるの気持ちいいいいいいい!ヒャッホォォオオオオ!!

 

 

今まで運動できなかった反動で運動してる間はなんかテンションが高いことが多いです。

 

・・・あれぇ?前世じゃ運動は好きだったけどこんなじゃなかったはずなんだけどなぁ?

 

まあいいか、運動楽しいし。

 

それにしても1人って言うのも少しさびしいものがあるなぁ。

 

神様がくれたって言う神器喋らないかなぁ。

 

 

 

そうやってテンション高く走っているとですね。なんか、街の様子がおかしいんですよ。

 

なんというか・・・人が少なすぎる。

 

あれ、今日って休日だよね?

 

そもそも、休日じゃなけりゃこんな朝早くから走ろうなんて考えは出てこない。

 

ということは・・・なんか不思議なことが起こってる?

 

でも、何が起こってるかまでは判断できない・・・

 

どうしようか・・・

 

 

そこで、俺は周りに気を配り、軽く探しながら走ることにしました。

 

えっ?原因を探す為に街の中を走り回るのか?

 

一応、そのつもりではいますがたぶん見つかることはまれだと思う。

 

だって、名探偵でも物的証拠だったり状況証拠だったりがあってからこそ、犯人を特定できるんですよ?

 

でも俺の今の状況は、物的証拠は探せっこないですし、状況証拠なんて分からないものだらけ。

 

そんな状態じゃ、犯人なんて見つけれません。

 

それに、見つけたとしてもこんな超常現象を起こせるようなやからと一対一なんて無謀にもほどがあります。

 

じゃあ何で探すかって?

 

 

人払いするってことはなにか悪いことをしようとしているということです。

 

それは、俺は許すことはできない。

 

悪事は人を不幸にします。

 

それによって、人から笑顔が消えます。

 

俺はそれが大嫌いです。

 

 

だから、人を不幸にするような悪意を俺は許せません。

 

・・・俺の願いの家族や身の回りの人を守るはそんな感情からも来ているのかもしれません。

 

 

 

とりあえず、修行場に向かいつつ怪しいものがないか探してみよう。

 

 

 

 

 

************

 

 

 

「見つからないなぁ」

 

 

見つからないまま、廃屋までついてしまいました。

 

ええ、何も起きないまますんなりと入れてしまいました。

 

あるぇ?コレってあれじゃないの?街の中で事件が起きてるんじゃないの?現場は会議室なの?

 

 

 

とそんなわけの分からないことを考えながら、修行用に剣道場の親分よりもらった木刀を持って神社に向かっています。

 

 

この廃屋のある山には前にも説明したとおり神社があります。

 

上り下りするには少し大変な会談の上に存在しています。

 

ですが、なんとこの廃屋から出て少し登ると神社にたどり着けるようになっているのです。

 

もし、コレが仮に俺がここに来たから起こってしまった謎の現象だとしたらもしかしたら神社に行けば治る可能性があるからです。

 

その場合、狙いは俺ということになるんですけどねぇ・・・

 

俺を襲ってもなんも価値もないよ?

 

あ、なかなか出てきてくれない神器っていう価値があるか。

 

神器はこの世界では割と普通のものらしいですし(神様談)

 

 

持ってる木刀は何かあったときのための護身用です。

 

銘は桜花王といいます。

 

親分が言うには、この木刀はさるところにある御神木から削り出し作られたものだそうです。

 

それくらい神聖なものなのだとしたら、不思議な物が出てきても、一時しのぎ位にはなりそうですし。

 

でも親分、何でそんな木刀を持ってたんだろうか・・・

 

 

そう思いながら、神社のほうに歩いているとですよ、なにやら神社が騒がしい。

 

近づいていくと、数人の・・・虚無僧?が何かをしている様子。

 

しかも、その声をよく聞くと殺せだとか滅せよとか聞こえてくるわけですよ。

 

推測するに、どうやら街に人がまったくいなかったのはこのせいのようです。

 

 

 

 

やっと原因を突き止めました、

 

事件は街の中で起こっているわけじゃなく山の中で起こっていました。

 

そしてやっぱり、人払いをした理由は悪事のためでした。

 

どうやら彼らは、誰かを探しているようです。

 

しかもあろうことかその誰かを殺そうとしています。

 

人が死ぬのは、人にとって一番の不幸です。

 

親しい人が死ぬだけで人はとても悲しい気分になります。

 

俺はその顔を知っています。その顔は、見るととてもつらい気分になる。

 

 

 

それだけは・・・それだけは絶対に止めないと・・・

 

 

 

俺はその悪事を止めるため、とりあえず彼らの目的であろうその「誰か」を探すことにしました。

 

 

誰かの特徴は分かりませんが、あいつら虚無僧たちは全員ほとんど同じ格好をしているのでそれ以外の格好をした人を探せばいいわけです。

 

また、しきりに親子という言葉を虚無僧たちが使っているのであいつらが追っているのが親子ということも想定できました。

 

つまり、あいつらとは違った格好の親子を探し出せばいいわけです。

 

山の中なので、見つけることができる可能性は少ないですがうだうだ言っている時間がありません。

 

俺は神社から離れその親子を探すことにしました。

 

 

 

そうやって山の中を探して数十分経ったとき目当ての親子を見つけることができました。

 

ただし・・・想定される中で最悪の状況で・・・

 

 

 

***************

 

 

 

見つけた親子はすでに虚無僧たちに周りを囲まれている状態でした。

 

母親とその子どもはここまで必死に逃げてきたのか息が上がっていました。

 

また母親は子どもを庇って攻撃を受けたのか傷だらけです。

 

今すぐにでも助けに行きたいのですが、如何せん虚無僧の数が多い。

 

そこで俺は少し遠くから勝機が来るまで待つことにしました。

 

 

すると虚無僧が母親に向かってこう言い出した。

 

「その穢れた子どもを渡せ。そうすれば、命だけは助けてやろう」

 

・・・あの野郎・・・・ふざけんじゃねぇ・・・

 

俺は知っている、子どもっていうのは親にとって大切なものだと。

 

恋人との間にできた宝物だと、前世の母さんは言っていた。

 

今の母さんも俺たちのことを大事に大事に育ててくれたのを俺は知っている。

 

それを・・・渡せだって?ふざけんじゃねぇ。

 

だが・・・今の俺に、この状況で突っ込んで彼女らを助ける力はない。

 

せめて・・・せめて好機が巡ってくれば・・・

 

 

そう考えていると母親が

 

「この子は渡せません。この子は私たちの宝です。決して渡しません!」

 

と言った。

 

その言葉聞き、虚無僧が仕方ないと呟き

 

「ならば、親子揃いで冥府に向かうがいい」

 

と言いながら、持っていた刀を構えた。

 

 

 

その瞬間、俺はキレた。

 

 

 

母親って言うのは父親にとって宝だ。何者にも変えられない宝だ。

 

そして、その子どもだって父親にとって宝だ。こっちも、何者にも変えられない。

 

それを・・・それを両方奪う・・・

 

それは、人を・・・父親を一番悲しませることとなる。不幸にすることになる。

 

それだけは止める。止めなくちゃならない。

 

 

 

 

俺は、走りながら木刀を振り上げて虚無僧に向かって殴りかかった。

 

 

 

 

でも、俺はまだ非力だった。

 

俺の接近に気づいた虚無僧が俺の攻撃をいなし親子の前に投げ飛ばした。

 

「チッ、邪魔が入ったか・・・まあいい、目撃者も生かしてはおけぬ」

 

 

ああ、もうだめなのか・・・

 

親も、妹も、守ろうとした親子も守れないのか・・・

 

誰も守れずに死ぬのか・・・

 

 

いや、守るって決めたんだろ。

 

あの神様に始めてあったときに、出合ったすべての人を不幸にしないように守るって決めたんだろ!!

 

まだあきらめるには早いだろ俺!!

 

 

そう思いながら立ち上がり俺は・・・

 

 

「俺の中の神器よ!!お前が俺のための力なんなら・・・人を守るための力だっていうんなら!力を貸しやがれぇ!!」

 

 

――――――叫んだ。

 

その瞬間、俺の右手が光り、目の前で4つの変化が生じた。

 

 

 

一つは風だった。

 

竜巻のような風が虚無僧たちを吹き飛ばした。

 

 

 

一つは炎だった。

 

逆巻く炎が虚無僧たちを燃やした。

 

 

 

一つは水だった。

 

濁流のような水が虚無僧たちを流しだした。

 

 

 

一つは大地だった。

 

せり出した大地が虚無僧たちを吹っ飛ばした。

 

 

 

そして、その四つの現象が収まり俺の右腕には、

 

 

篭手が付いていた。

 

白い篭手だ。どこか、風の魔装機神の腕に似た篭手。

 

その篭手には、緑・赤・青・黄の宝玉がはまった台座がついていた。

 

 

俺がその篭手に目を移した瞬間、

 

『やっと我々を呼び起こしてくださいましたね、主様』

 

と言う声が聞こえた。

 

 

 

その声のおかげで俺の思考は現実のものへと引き戻された。

 

 

 

えっ!今の声、誰ッ!て言うかなにこの惨状!

 

今しがたおきた、四つの現象のお陰で周りは大惨事だった。

 

竜巻のような風で木は折れまくってるし、炎のせいで木とかにこげあとが付いてるし、濁流のような水のせいで地面が引っぺがされてるし、挙句の果てにせり出した地面が元に戻ることがないので地形が変わっている。

 

しかし、こんな大惨事名状態にもかかわらず虚無僧たちに死者はいないようだ。

 

・・・少しホッとした。

 

あの人たちだって死んだら悲しむ人たちがいるだろうし・・・。

 

ってそんなことはどうでもよくて!

 

『少し落ち着いてください、主様』

 

エッ、あ、はい、すいません。取り乱しました。

 

『とりあえず、自己紹介をさせていただきます。私の名前はサイフィス。主様の右手の神器《精霊達の篭手(フェアリーズ・ガジェット)》に宿る精霊の1柱でございます。よろしくお願いいたしますね、主様』

 

あ、はい、よろしくおねがいします。

 

・・・サイフィス、その名前に聞き覚えがある。と言っても前世でだ。

 

風の魔装機神と契約した精霊。その名前がサイフィスなのだ。

 

って、俺のこの右手のが神器?そして何で、サイフィスが俺に向かって喋ってるの?

 

神様が言うには魔装機神を操る力ってだけで精霊は聞いてないんだけども?

 

『はい、主様の右手にある《精霊達の篭手》は私達四体の精霊(・・・・・・・)をその昔、この世界の神様が篭手に宿し作られた神器となります』

 

神様がくれた神器はてっきり、武器の形の何かと思ってたけどこんなものだったのか・・・

 

それもご丁寧に精霊を宿していると・・・

 

・・・・・・ん?四体?じゃあ後の3人は?

 

『あ、ええ、紹介させていただきます』

 

すると、三つの声が聞こえてきた。

 

『俺の名はグランバ。炎の精霊だ。よろしくな、マスター』

 

『退きなさい、グランバ!・・・ゴホン、私の名はガッド。水の精霊でございます』

 

『・・・・・・ザムージュ・・・地の精霊だ』

 

・・・・・・なんか特徴的な精霊達だこと。

 

しかも、原作?とは性格違いすぎやしませんかね?

 

まあ、いいや。

 

 

そうやってやり取りをしていると

 

「っ!?・・・母さま?母さま!?」

 

と、子どもがいつの間にか倒れた母親に向かって叫んでいた。

 

よく見ると、子どもは俺と同い年くらいだ。

 

しかも女の子のようです。

 

ってそんなことを考えている場合じゃない!!

 

この人、血を流しすぎている。

 

顔色も悪い!

 

このまま、病院に連れて行っても間に合わない・・・どうすれば・・・

 

精霊さん達何か方法はありませんか!!

 

 

『・・・一つだけ方法があります』

 

っ!!本当ですか!!

 

『しかし・・・とても危険な方法です。もしかしたら、主の命にかかわるほどの・・・』

 

なんだっていいです!助けることができる力を持っているのに何もできずに見ているなんてできません!!

 

『・・・分かりました。私、ガッドの力をお使いください』

 

ガッドの?

 

『ええ、主の神器は私達の力を主の魔力・・・そして、感情のエネルギーであるプラーナを使うことで使用できるようになると言うものです』

 

なるほど、さっきの風とか炎とかは精霊達の力ではなく俺の力だったのか

 

『そして、私ガッドの力は水のほかに癒しの力が存在しております。それを使えば、その母親の傷を癒すことは可能でしょう』

 

よし、だったらそれを・・・

 

『ですが、主の魔力、プラーナ双方が先ほどの攻撃によってかなり減っております。その状態で癒しの力を使えば、最悪主が死ぬことに・・・』

 

いいんです。俺の命にかかわるって言うのは最初に聞いてたから分かっていましたし、さっきも言ったとおり助けるための力を持っているのに見てるだけなんて俺には無理です。

 

『・・・分かりました、では!!』

 

そうガッドが言った瞬間、篭手から

 

『change!!』

 

という、男とも女とも取れない声が聞こえ宝玉が嵌っている台座が回りだした。

 

回りだした台座は、青い宝玉が先になった瞬間ピタリと止まった。

 

『・・・これで、あなたがその力を使うと言う意志を出せば、その力が行使できます』

 

ありがとうございます。

 

 

そうガッドにお礼を言って親子のところに近寄る。

 

女の子は、俺が近づいてきたのを見て母親を守ろうと俺の前に立ちふさがりました。

 

それも、泣きながら・・・。

 

 

「・・・大丈夫、俺が絶対お母さんを治すから」

 

そういって、女の子の頭にポンッと手を置きました。すると・・・。

 

「うん・・・」

 

女の子はそううなずいて退いてくれました。

 

 

 

俺は、彼女の母親の近くまで行くと俺は篭手を前に出し

 

俺は念じた―――――――――

 

 

 

『cure!!』

 

 

 

という音声が篭手から出た瞬間、母親の傷が見る見るうちに治り始めた。

 

だが、今度は俺の意識が朦朧とし始めた。

 

やばい、コレはまずい・・・。

 

でも、まだ倒れるわけには行かない。

 

この人が治りきるまで倒れるわけには・・・。

 

そして、1分程立ち母親が治ったと言うことを確認して

 

 

 

俺は意識を手放した―――・・・

 

 

 

 

************

 

 

 

目を覚ますと、そこには見知らぬ天井があった。

 

「・・・知らない天井だ」

 

と、シンジくんの真似をしながらベッドから起きた。

 

 

 

ここはいったいどこなんだろうと周りを見ると

 

すぐとなりにあの女の子がおりました。

 

・・・寝顔が可愛い・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

・・・・・・えーと、サイフィスさーん、聞こえてたら返事してぇ

 

『ああ、主様。お目覚めになられたのですね』

 

はい、なんとか

 

それで、あー、俺が倒れた後のことって分かります?

 

『ええ、それが・・・』

 

そうサイフィスさんが言おうとした瞬間、扉が開いた。

 

誰かが来たのだろうかと思いそちらに目を向けると

 

 

1人の男性が立っていた。

 

うん、男性、うん。

 

何も特徴もない男性。

 

しいて特徴を挙げるとするならば・・・

 

その背中に生えた・・・黒い羽・・・

 

 

「えーとっ・・・」

 

俺が何か言おうとした瞬間、その人が

 

 

 

いきなり土下座した。

 

 

 

・・・・・・ファッ!?

 

「本当に申し訳ない!!そして、私の妻と子を救ってくれて本当に感謝する!!」

 

えっ!?なに、どういうことコレ!!

 

 

こうしてここに、土下座する羽の生えた男性といきなりのことに慌てふためく俺。そしてその横で、静かに寝る女の子と言う謎の構図が完成した。

 

 

そうやって俺が狼狽すると、

 

「何をやってるんですかあなた!」

 

と言いながらさっきの母親が土下座している男性をハリセンでひっぱたいた。

 

 

「えーと・・・」

 

「先ほどは、ありがとうございました」

 

「あ、いえ、俺が勝手にしたことですから」

 

「それでも、助けていただいたことは事実です。ほんとうに、ありがとうございます」

 

 

そういわれた後俺はさまざまなことを聞いた。

 

堕天使のこと、姫島家のこと、朱璃さんのこと、バラキエルさんのこと、朱乃ちゃんのこと

 

堕天使のことを聞いたとき少し、いやかなり驚いた。

 

えっ?まじで?堕天使っているの!?ってなった。

 

いや、精霊とか神器って言う不思議物体が存在している時点でそういうのもいるのかなぁとは思っていたけどもこんな普通の人とは思っていなかった。

 

もしかして、悪魔とか天使とかも存在するのかなぁ?

 

 

そうこうしているうちに俺の体力が戻った。

 

さて、もう結構おそい。そろそろ帰らないと

 

 

「俺、そろそろ帰ろうと思います。俺の親も心配するから」

 

「ああ、すまない。長くなってしまったね」

 

「いえ、別に気にしないでください」

 

「今度、またここにいらっしゃい。それで、朱乃と遊んであげて?あの子、私達のせいで友達がいないのよ・・・」

 

「はい、分かりましたでは」

 

 

 

彼らの家から出て、俺は守るべきものが増えたこと。そして、何が起こっても俺の力で守り抜くことを帰り道で再度誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが、道がまったく分からず最終的にサイフィスに頼って家に帰りました。

 

・・・まったく知らない道は嫌いです。迷うから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと・・・やっと第3話が書き終えれました

今回から精霊4人集が出てきました。
精霊四人集の性格は魔装機神からかけ離れていますが見逃してください。

では、また次回。


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俺、猫を保護しました

長らくお待たせしました

第四話スタートいたします


あれから数ヶ月たちました。どうも、兵藤正輝です。

 

 

その間、俺は発現した神器(セイクリッド・ギア)精霊達の篭手(フェアリーズ・ガジェット)》の練習を毎日のようにやっていました。

 

精霊達が言うにはまず、力の使い方をマスターしないと危険だと言われ、いつもの廃屋で力の練習をしていました。

そして、分かりました。確かに俺の力、メッチャ危険だと。

いや、だってですよ!炎よでろって念じただけでメラゾーマレベルの炎が出てくるんですよ!!

そのときはあわや山火事かと思いました!びっくりしてガッドの力使ったらメッチャ水でてびびったけども。

まあそんな理由でコレはあかんと、俺は必死こいて制御方法をマスターしていました。

大体、練習初めて3ヶ月くらいかかってやっとある程度制御できるようになった記憶があります。

 

 

それと、朱乃ちゃんと友達になれました。

いや、最初のころは割りと恐る恐るだったんですよこっちもあっちも。

それが数日立つにつれてなれてきましてね。

1ヵ月後にはよく遊ぶ友達になりました。

でもね、遊んでるときにね引っ付いてくるのは少し勘弁してもらいたい。すっげぇ恥ずかしいです。

その上、精霊達が茶化してきます・・・ザムージュさん以外・・・

本とやめて欲しい。一応、精神年齢30近いしね。ただ、肉体に精神が引っ張られると言うのか割と幼い感じになってるけども。

それでも、かなり恥ずかしいんです!!

 

 

精霊達も・・・なんというか、最初のころはサイフィス以外はさん付けしようと思ってたんですよ。

ところがですね、あの発現した次の日家帰って寝たらですねいきなり謎空間にいたんですよ。

どこ見渡しても真っ白な空間に俺はいたんですよ。

それで、謎空間を見渡すとですよ

 

 

赤い女性と青い女性が言い争いをしていました。

 

 

************

 

 

『すいません主様、いきなりこんなところに呼び出してしまい』

 

「えーと・・・サイフィス?」

 

『ええ、そうです』

 

そこにいたのは緑の髪をした綺麗な女性でした。

魔装機神の精霊は両性具有と聞いていたのだが・・・神様(仮称)のちょっとしたいたずらなのか?それともこの世界での彼らはこの姿なのか・・・それはおいとくとして

 

「ここはいったい?」

 

『ここは、神器の中の空間に近いものですね。いうなれば精神世界と言ったところでしょうか』

 

「なるほど、で、俺を呼んだのは一体・・・」

 

『ええ、私達の本当の自己紹介かねて呼ぼうとしていたのですがあの二人が・・・』

 

と言ってサイフィスさんが向いた先には

 

 

 

『お・れ・が、先にマスターに挨拶をするんだ。お前は引っ込んでろガッド!!』

 

『いいえ、私です!!あなたこそ引っ込んでなさいグランバ』

 

『俺が先のほうがお前の陳腐な自己紹介がすっきりと聞こえる!つまり俺を最初にしたほうがいい。コレは確定的に明らか』

 

『いえ、私が最初に自己紹介すればあなたの騒音のような自己紹介もきちんとした音楽のようになります。コレは真実なのです』

 

『いいや、俺だ!!』

 

『私です!!コレは譲れません!!』

 

 

 

と言い争う二人の馬・・・いや、精霊であろう姿があった。

なにアレ。どういう状況だ・・・

片方は、赤い髪をした女の子のような姿をしている。

そしてもう片方は、青い執事服のような物を着た青い髪の女性の姿をしている。

その二人が互いをけなしながらいがみ合っているのだ・・・何だコレ。

 

「えーと、コレは・・・」

 

『いやですね。さて自己紹介の順番はどのようにするかと言うところでですね。あの二人が自分が先だと譲らずあのように・・・』

 

「で、何で俺をここに・・・」

 

『いや、私では収拾が付きそうになかったもので。ザムージュは静観を決め込んでいますし』

 

そういってサイフィスが向いた先には二人の諍いを何も言わずじっと見ているアサシンのように顔を隠した黄色い髪の男性がいた。

アレがザムージュさんか・・・

 

「でも・・・俺が行っても収拾つかないと思いますよ。あの手のば・・・いや、人、いや人ではないけども言っても聞きませんし」

 

『ですよねぇ・・・』

 

そして、二人でため息をついた。

 

この時から、俺はあの二人のb・・・いや精霊のことをさん付けするのをやめた。

 

 

************

 

 

「いやー、あの時はあの馬鹿二人をなだめるの大変だったなぁ。」

 

『あの、主様。ならなぜ私はさん付けされていないのでしょうか?』

 

「んー、なんていうか、サイフィスはゲームをやっていた時もマサキの相棒的な感じで俺もそう感じてたから。あ、さん付けしたほうがいい?」

 

『あ、いえそうわけではございません。それでしたらいいのです』

 

『『いやいやいやいやよくないですよ(ぜ)!!』』

 

「あ、どうしたの?グランバにガッド?」

 

『撤回を!!撤回を申し立てます!!グランバはいいとして私は馬鹿ではありません!!』

 

『そうだ!!撤回を求めるぜ、マスター!!ガッドはいいとして俺は馬鹿じゃねぇ!!』

 

『今なんていいましたかグランバ!!私が馬鹿と言ったんですか!!』

 

『おお、そうだよ!!お前が馬鹿だって言ったんだよ!!と言うかお前こそ俺を馬鹿って言うんじゃねえよ!!』

 

 

・・・長くなりそうだなぁ・・・

と思いながら俺は篭手の台座から彼女たちの宝玉を外した。

実はこの宝玉、着脱可能だ。

宝玉は彼らの存在の入れ場所のようで、外すことで彼らを神器から一時的に解放することができる。はずしてる間は神器をしまっておいても外したまんまの上具現化した状態のままにできる。

宝玉間で会話はできるようだが、神器から外せば俺に声は聞こえないようになっている。プライバシー上の配慮なのだろうか・・・

まあ、とりあえずコレで、五月蝿くなくて済む。

 

ちなみにあれを見た瞬間ふと前世の友人二人を思い出したのは内緒だ。

 

 

 

さて現在、俺はいつもの廃屋に向かっています。しかし、走ってはいません。

えっ?それじゃあ、バスに乗っているのかって?それも違います。

俺は今空を飛びながら廃屋に向かっています。え?どうやって飛んでいるかって?それは今から説明します。

まず、コレも修行の一環としてです。

この空中飛行はサイフィスの力である風の力、それを常時発動させて空を飛んでいます。

こうすることで、俺の魔力とプラーナの底上げと力の精密動作の練習をしているのです。

いやぁ、最初のころは大変だった。

まず空を飛ぶと言う感覚がないからそれのイメージができない。

イメージができても風の流れをちゃんと作らないと少し浮いてから地面に落下するし、浮いてから風の制御に失敗してどっかの鉄男レベルで飛ぶし、それが怖くて風を弱めると全然進まないしで散々でした。

今はある程度使いこなせているのでキチンと飛べています。

 

 

よし、到着!・・・迷ってないよね?間違えてないよね?実は

さて、今日も特訓しようかなーと廃屋に近づくとですねそこには・・・

 

 

「にゃ~・・・」

 

 

二匹の猫がおりました。

片方は黒猫、もう片方は白猫です。

 

 

 

さて、俺は猫、特に黒猫と白猫にとても思い入れがあります。

と言っても現実のものではありません。

ゲームの風の魔装機神・サイバスターの操者、マサキ・アンドーには白猫と黒猫のファミリア、つまり使い魔が存在しているのです。名前はシロとクロ。

俺はスパロボのシリーズの中でもこの二匹のキャラがとても好きだった。シロは子どもっぽくてどこか憎めないキャラをしている。そしてクロは逆に大人びていてそれもそれで好きだった。

彼らの会話はまるで漫才のようで、俺はそれも好きだったのである。

 

 

・・・と言うわけでそんな組み合わせの猫が俺が特訓をするのに使う廃屋の縁側にいるわけですよ。

メッチャ、メッチャ触りたい。

死ぬ前の一年ほどは動物にあうのもダメだったからなおさら触りたい。

家の周りの動物は怖いのとかばっかりですし。

 

『では触ればいいのでは?』

 

「いいや、サイフィスそれはダメだ。たぶん触らしちゃくれない」

 

だって、考えてみるとこんなところにいる猫だ。野良猫に決まっている・・・たぶん。

それに首のところを見ると首輪をしていない。

飼い猫ではなく野良猫だとすると触ろうとするとメッチャ攻撃される。

その上、猫って言うのは警戒心も強い。

近づくだけで逃げる可能性だってある。

 

 

触るのはあきらめるしかないなぁ、と思いながらさらに廃墟に近づこうとする。

そこで、その猫二匹の様子がおかしいことに気づいた。

 

 

白猫の足の辺りがなんか赤い。

黒猫はそんな白猫を心配そうに見ながら周囲を警戒する様に見ている。

その黒猫も白猫ほどひどくはないが怪我をしているようだ。

 

 

「ひどいな、野生動物にでも襲われたのかな」

 

『そのようですね。・・・主様、回復の力を使いあの傷を治そうとはしないのですか?』

 

「治してやりたいところなんだが・・・うーん、不安だな・・・」

 

と言うのも回復の力だけは制御の訓練をしていないからだ。

なぜかというとだ、実は回復の力は自分に対して使用できないのである。

炎や水、風や大地の力は念じれば出ててきたり何か変化を起こすことができるのだが、回復の力はわけが違う。

傷ついている他者がいなければそもそも使えないのだ。

使えないものは訓練できないと言うわけだ。

そんな不安の残るものをあまり使いたくない・・・けど・・・

 

 

黒猫が白猫を不安そうに見ているのを見て、これまた前世の母さんを思い出した。

 

 

俺が倒れて入院したときに、母さんは俺が寝ていると思って普段は見せないとても不安そうな顔をしていた。

それは、こっちから見ても悲しくなるような顔だった。

 

そんな不安な顔をしてもらいたくない。

たとえそれが他人・・・いや他猫でもだ。

 

よし、治してみよう。

どうなるかは分からないけど、それでも傷はよくなるはずだ。

 

そう思い、俺は猫たちに近づいた。

 

近づいていくと黒猫がこっちに気づき、俺を警戒するように黒猫が白猫を守るかのように立ちふさがり、俺を威嚇するように睨み付けてきた。

 

 

まあ、そうなるよな。

分かってる。

お前が白猫を心配そうに見てたのもちゃんと見てたから。

だから・・・

 

「大丈夫だ、俺が絶対なんとかするから、な?」

 

だから、お前の大切なもの俺に治させてくれ。

 

そう思いながら、黒猫の頭を撫でた。

すると俺の気持ちを分かってくれたのかそこから退いてくれた。

 

「ありがとう」

 

俺は、そう黒猫にお礼を言い神器を出しそれを白猫に向けた。

 

 

 

 

 

 

「本当によかったなお前達」

 

「「にゃ~!」」

 

数分後、そこには怪我こそ残っているが元気になった白猫がいた。

 

制御しようと弱めにプラーナと魔力を抑え目にしようとしたのがアレだったのか怪我の治りが微妙なものになってしまった。

といっても、連続で使えるほど両方とも残ってなかったし、抑えずに使ったらどうなるか分からなかったから仕方がない。

それに全力で使った結果前のように倒れてしまうかもしれなかった。

 

でも、よかった、元気になって。

白猫は立ち上がって黒猫に向かって鳴いている。

黒猫も喜んでくれているようで白猫の回りを跳ね回っている。

 

しかし、白猫の歩き方はまだぎこちない。やはり、まだ治りきっていない傷が痛むのか・・・。

どうにかしようにもこれ以上回復の力は使えそうにない・・・。

そんな状態で野良猫だからって理由でここにおいて行きたくはない。

 

 

 

 

・・・・・・よし、じゃあこうしよう。

 

 

 

 

「なあ、お前達――――――」

 

 

 

***************

 

 

 

 

「あー、今日も疲れたなぁ」

 

 

アレから数週間経過した。

今俺は、剣道場から家に帰る途中だ。

 

俺が行っている剣道場はなかなかハードな所で、実は俺がやってる修行よりもハードなんじゃないかと思える。

たぶん、実際はそんなことは無いんだと思うのだが。

だから毎回いった後はかなり疲れる。

 

しかし、しかしだ。

今の俺には家にとんでもない癒しがある!!

 

もう、とんでもない癒しだ。

実は剣道中は精霊達(主にガッドとグランバ)がうるさくてさらに疲れる。

こんなときには彼女らの出番だ!

 

 

「ただいま~」

 

「「にゃ~っ!」」

 

「うん、ただいま、二匹とも」

 

 

そう、あのときの白猫と黒猫だ。

あの後俺は猫たちを家に連れ帰り、両親に直談判した。

そしたらすんなりと飼っていいことになった。

つれて帰ってきたときに少し警戒してたけども今では立派なうちの家族です。

名前は白猫のほうが白音、黒猫のほうが黒歌だ。

単純にクロ、シロでもよかったんだけども彼女たちが歌うように鳴いていたのを見てそんな名前にした。

 

 

その癒し力は、うちの妹イッセーと同じくらいある。

もう触れ合うだけで、剣道の疲れなんて吹っ飛ぶ。

 

「にゃう~」

 

「・・・にゃあ」

 

 

 

こいつらのこともちゃんと守らないとな。




うん、すまない。

何をいいたいかは分かる。
とりあえず、こうなったのは私の責任です。
でも私は満足してます。


感想、誤字脱字報告、お待ちしております。


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俺、高校生になります

亀更新ですが完成いたしました。
第五話です。

それでは行ってみましょう。


どうもっす、兵藤正輝です。

 

あれからさらに月日もたちまして、俺は中学生になりました。

といってももう三年ですけどね。

時の流れって本当に早いですね……。

 

 

猫たち二匹を保護して、かなりの時間が経過し、その間にもいろいろありました。

 

 

 

まず、・・・保護した猫たちが家を出ていってしまいました。

彼女たちを保護して4年くらいたったころでした。

野良猫だったから少し仕方がなかったかなと思っていたところはありましたが、しばらく一緒に住んでいた”家族“だったから心配になって妹と一緒に探し回りました。

しかし、二週間たったくらいで両親に止められた。

仕方なく俺達二人はその時点で探すのをやめた・・・今でもこっそりと猫探しのポスターを貼ったりしてるけども。

 

もうあれから数年たつ……。

あいつら、今いったいどうしてるんだろう。

何事もなく元気に暮らしてくれてるといいんだが……。

 

 

さて、もう一つ変わったことがある。それは修行場にしてたあの廃屋だ。

神器が発現してからしばらくの間はあそこで特訓だったりをしてたんだけど・・・。

ぶっちゃけ、山の中だとしても炎だったり水だったり岩だったりがいきなり出れば騒ぎになるよね?

それも、街がすぐ近くにある場所でだ。絶対騒ぎになる。

・・・まあ、そういった理由で修行場を変えることにしました。使いやすい場所でしたがまあ仕方がないことです。

 

いまは、サイフィスたちが教えてくれた魔界と呼ばれる場所のすぐ近くにある森で訓練をしている。

いやぁ、その森すっごい危険でね。

なんか変な獣はいるわ、こっちを食ってこようとする植物はいるわでとっても大変です。

もうね、油断すると即☆死な場所なわけですよ。一回、真面目にやばいこともありましたしね。でも、うん、いい訓練場だね、ええ何の問題もない場所ですね……

 

 

なわけあるかぁぁぁああ!なんでこんなところ教えた、サイフィィィイイイイス!!

あと、グランバ!!お前、俺が必死に逃げてる時に大爆笑すんな!!!

こちとら、生きるのに必死なんですよわかってますかこんにゃろおおおおおお!!!!

ホントふざけんな勘弁してくださいよこんちくしょおおおおおおおお!!!

 

 

……ゴホン。

えーあー……うん、話を戻そうか。

 

 

修行場を変えるとなると一つ問題がありました。朱乃ちゃんのことです。

結論から言うと、朱乃ちゃんとあう事がかなり少なくなりました。

それを説明するために家に行って、修行場を変えることとそれが理由で朱乃ちゃんに会いにくくなるという二つのことを説明すると泣かれて

 

「ダメです!!」

 

って言われながら抱きつかれました。

やめて、女の子の武器使うのやめて!変えなきゃいけない理由があるから!会いに行くからちゃんと!

そんな感じで俺がしどろもどろになりながら必死に説得すると、

 

「でしたら、一年に一回は絶対に来ること!」

 

と約束されました。

元々行く予定ではいたけど、その位ならお安い御用だと俺は答えた。

でも、中学に上がって俺が陸上部に入り活動するようになると会うことができなくなった。

それを連絡したら、怒ってしまってしばらく連絡を取ってくれなくなってしまいました。

ごめんね朱乃ちゃん。

 

 

************

 

 

『主様、そろそろ時間なのでは?』

 

「え?そんな時間?」

 

『ええ、もう行った方がよろしいかと…』

 

「そっか…それじゃ、ぼちぼち行きますか」

 

あら、もうそんな時間なのか。

さて、俺は今中学の教室でとあることを待っていた。

それは高校受験の結果発表だ。

 

受験した場所はここら辺じゃ有名な高校、駒王学園。

学業だったり部活だったりがかなり充実してる学校である。

ただそんな学校であるためかなり受験のレベルが高い。

先生からはスポーツ推薦をすすめられたが、そういう方法で高校に入るのはなんとなくずるいと感じたので普通に受験を受けることにした。

 

しかし、この評価を受けている学校は数多くある。

遠くに行けばもうちょいいい条件の学校だってあるだろう。

じゃあ、なぜこの学校を選んだか。

その理由は朱乃ちゃんからの推薦だ。

 

高校をどこにするか迷っているときにちょうど朱乃ちゃんから連絡が来た。

その際に少し相談したら駒王学園を進められた。

それに、朱乃ちゃんもそこに行くと言うことらしかった。

朱乃ちゃんという友人もいるし、その朱乃ちゃんの約束を無碍にしてしまったのもあって、俺も駒王学園を受験することにした。

(ちなみに、駒王を受けることにしたと言う報告を朱乃ちゃんにしたらめちゃくちゃ喜ばれた。)

 

 

学校から出ようとしていたところ前に人影が見えた。

あれは…あ、部活の顧問の先生か。

少し挨拶していくとするかな。

 

「先生、こんにちわー」

 

「おー、兵藤。何だこんな時間に…ああ、今から合格発表見に行くのか?」

 

「そうなんですよ、受かってるか分からないですけどねぇ…」

 

「そうか……お前が受けたのはここいらじゃあかなり人気が高い高校だからな。まあ、お前だったら大丈夫。絶対に合格してると俺は思うぞ。それじゃあ、気をつけて行って来いよ。」

 

「ありがとうございます、先生。じゃあ、行ってきます」

 

「おう、吉報待ってるぞ」

 

 

先生にそう挨拶し、俺は学校を出た。

 

…本当に、受かってるといいなぁ。

 

 

 

************

 

 

 

 

「……前見た時も思ったけど、本当に大きいなこの学校」

 

あれから数十分、俺は駒王学園の近くに来ていた。

受験のときやオープンキャンパスだったりと何回か来たこともあり、あまり迷わずに来れた……いや、本当ですよ?嘘じゃございませんよ?

そもそも、受験の時も迷ってませんよ?校内で迷ってもおりませんよ?

……ゴホンッ。

 

 

それはさておき、この学校は本当に大きい。

なんでこんなところにこんな学校があるんだろうか。

上流階級の人たちが通う学校だといわれてもおかしくはない学校だ。

さらに、この大きさで普通の学校と同じ学費とかもはや詐欺を疑うレベルである。

まあ、大丈夫だとは思うけども裏を感じてしまうのはなぜなんだろうか。

 

 

「っと、そうだ。朱乃ちゃんはどこにいるんだろう」

 

合格発表を一緒に見ると約束したのを思い出し、携帯のメモに書いた集合場所を確認する。

 

「んーと、たしか…『校門のところで友人とお待ちしております』…だったっけか?」

 

朱乃ちゃんらしいわかりやすい集合場所だな。

えーと、確か校門は……

 

「…あったあそこか」

 

大きな学校ということもあって校門もわかりやすかった。

やっぱり普通の学校と比べて大きな気がしないでもないけども。

 

 

それにしても、合格発表だけあって人が多いな……。

この中から朱乃ちゃんたちを探すのか。

見つかるかな?そう思いながら人の波に目を向けると…

 

 

「何だあれ……」

 

 

目当ての人間がいた…でもなんだあの光景。

校門を通る人通る人全員立ち止まって見てるし。しかも、男性も女性もだ。

なんか不思議な光景だな、あれ。

さて、立ち止まってる人たちの向いている方向に目を向ける。

 

 

 

そこには、燦然と輝く太陽のような二人の女性が立っていた。

 

 

一人は、まるで大和撫子といっても過言ではない黒髪の女性。

昔から変わらないかわいさと、それに付随して丁寧な彼女の雰囲気も窺える。

 

 

その隣には、真っ赤に燃えるような髪を持った女性だ。

見た者を魅了するかのような綺麗さを持っている。

初めて見る人だけども、朱乃ちゃんが友達にするような人間だ。きっと心優しい人なんだろうなと一目見て思った。

 

 

 

さて、そんな美しい容姿の二人が一緒に立っているとまるで芸術作品のように感じられるくらいだ。

 

その綺麗さのあまり俺は我を忘れて二人のことを見続け―――

 

 

『主様!!戻ってきてください!!』

 

 

…………ハッ!?あ、あぶねぇ…なんか別世界に行きそうになってた…。

やっぱり、前世の影響か?

女性とのかかわりなんてないに等しい生活だったし……。

…いや、関係ないな。そんな状況になっているの俺だけじゃないみたいだし。

 

っとそんなことしてる場合じゃない。女性を待たせてはいけない。

昔っから言われてることだからな。前世でも今世でも言われてるから俺の胸の中にしみこんでるぜ。

ただ…あの二人に近づく事が結構な試練なんだけども。

俺みたいなやつが近づいていいのかってくらいのオーラが出てる気がする……。

ええい、うだうだ言ってないで行くか。男は度胸だ。

 

「えーっと…久しぶり朱乃ちゃん」

 

俺は二人に近づいてそう挨拶をした。すると―――

 

「…っ!?正輝くんッ!?」

 

朱乃ちゃんはそう言った瞬間ものすごい速さで俺に抱き付いて来た……。

って何事!?

 

「えっ!?…えっ!!?」

 

「久しぶりですわ、正輝くん」スリスリ

 

「え、ちょ、まって、ストップ!止まろうか朱乃ちゃん!?視線が!!視線がめっちゃ痛いから!!ていうか何やってんの!?」

 

「いやです、ダメです、断ります。一年に一回は絶対に会うという約束を破った罰ですわ」ギュー

 

「わかったからわかったから分かりましたから!!今度、埋め合わせするから!!だから離れてくださいお願いします!!」

 

「………むぅ、仕方ありませんわね。わかりました」

 

そういうと朱乃ちゃんがやっと離れてくれた。

ほら、もう、朱乃ちゃんの友人だろうと思う人もフリーズしちゃってるよ。

この状況どうすればいいんだろうか。

 

「ごめんなさい、いきなり抱き付いて。ほら、リアス」

 

「……!…えーと、あ、朱乃から話は聞いてるわ。私はリアス・グレモリー。よろしく、正輝君」

 

「え、えっと、兵頭正輝です。こっちからもよろしく」

 

ふう、やっと自己紹介できた。

 

彼女が朱乃ちゃんが言っていたリアスさんだったのか。

類は友を呼ぶというのか、彼女もかなり美人でした。

あ、そういえばここに彼女がいるということは彼女も…

 

「え、えーと……リアスさんも、この学校を受けたの?」

 

「……ええ、そうよ。」

 

?なんか含みがある言い方だな…まあいいか。

 

「さっ、それじゃ合格発表を見に行きましょうか」

 

「ええ、そうしましょう」

 

 

リアスさんの号令で合格発表の紙が張り出されている場所に移動することになった。

移動した場所には学校の掲示板みたいなものがあり、そこにはもうすでに合格者番号が張り出されていた。

 

もう張り出されてるのか……えーと、384、384…

 

「!…あった」

 

「ありましたか?おめでとうございます、正輝君」

 

「朱乃ちゃんとリアスさんは?」

 

「大丈夫、ありましたわ」

 

「私もあったわね」

 

あー、よかった。ここにいる全員受かってたのか。

 

 

「そっか、それじゃあ、3年間よろしく」

 

「ええ、こちらこそ…」

 

「よろしくお願いしますわ」

 

 

ここから…俺の新しい人生の高校生活が始まるのか。

わくわくするな。

前世の分まで精いっぱい楽しむとしよう。

 

 

「さっ、正輝君。私のお家に行きましょう!たくさん、『持て成し』ますわよ?」

 

「あ、朱乃?あなた、目がやばいわよ?」

 

「あ、朱乃ちゃん。ちょっと落ち着いて!」

 

 

……なんか前途多難な気がしてならないけれども……

 

 




この次に、正輝君の前世の話を挟みやっと本編に入ります。
長かった…本当に長かった。

誤字脱字報告、感想お待ちしております。


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過去の実憶、今の虚憶――友人――

たまに、夢を見る。

 

前世の夢だ。前世の記憶だ。

 

もう戻ることのできない、もう会うことのできない、もう話すことのできない、昔の実憶であり今の虚憶……。

 

俺の大切な……記憶だ。

 

 

 

 

************

 

 

「おーい、起きろ正輝。もう授業終わっちまったぞ」

 

「ん…あぁ……寝てたのか……ふわぁ…」

 

「はい、おはよーさん。珍しいなお前が授業中に寝るなんて」

 

「うるさい……俺だって寝ちまうことぐらいある」

 

それが珍しいんだよと、友人は言う。

 

「お前が授業中に寝るなんてこと俺は生まれてこの方見たことないぜ?お前、人に迷惑かけたくないが心情じゃねえか」

 

「いやいや、お前が気付いてないだけで俺は結構寝てるはずだ。というか、どこから来たその心情」

 

友人と二人で会話をすると―――

 

「ん?何の話だ?」

 

俺たちの会話が気になった他の友人が声をかける。

 

「あぁ?お前には関係ねえよ。帰れガリ勉」

 

「…それを訂正してもらおうか、この類人猿」

 

「……あぁ?」

 

そしていきなり、二人で煽り始める。

 

「ん?図星でも付かれて切れるか?やってもいいぞ?まあ、私の圧勝だろうがな。今なら、特別に許してやってもいいぞ」

 

「はっ、何を言うかガリ勉。勉強のし過ぎで体が鈍っちまってるくせに。そっちこそ、負けてぼこぼこになるだろうぜ。まあ、こっちは別に構わないけどな?」

 

「……やるか……!?」

 

「やらいでかぁ!?」

 

馬鹿二人が急に喧嘩を開始し始める。

それも教室でだ。授業もHRも終わってるけどもこんなところでやるなと思っていた。

 

「おい、おまえら…」

 

そこ口を挟もうとすると―――

 

 

ガンッ!ゴンッ!

 

彼らの頭に、大きなハードカバーの本の角が振り下ろされる。

 

 

「ぐぁあ!!」

 

「痛てぇ!!」

 

 

振り下ろされた本によって頭を押さえてやっとこさ止まる二人の馬鹿。

 

「……うるさい……」

 

ハードカバーを振り下ろした友人は小さくそう言う。

 

「やめろ!!お前のそれ痛いんだよ!!」

 

「そうだ!そんな強引に止めなくてもいいだろう!!」

 

「私がやってくださいと頼んだんです。強引に止めないと止まらないでしょう。あなたたちの場合」

 

そうやって彼女の後ろから、友人がもう一人やってくる。

 

「委員長かよ。やめてくれませんかねあの止め方。言われりゃ俺たち止まるぜ?あ、こいつは別だけど」

 

「そうです。私たちだって人間ですからね。こっちの類人猿と違ってね」

 

「おぉ?」

 

「あぁ?」

 

「やめんかお前らは……」

 

俺はそういう。さっき自分たちで言ったばかりだというのに二人に止まる様子はない。

 

「―――も―――もすまんな。いつもいつもこいつらに付き合わせて」

 

「………別に…大丈夫……」

 

「もう気にすると馬鹿馬鹿しくなりましたからね。この二人に関しては」

 

二人はそういう。

 

「いや、本当にすまないな。…なんだったら帰りにあそこのカフェでデザートなりなんなり奢るぜ?」

 

「……だったら……ストロベリーサンデー……」

 

「そうですね…でしたら、ビッグサンダースペシャルをお願いします」

 

「お前…その体にどうやってあんな化け物パフェを入れるんだよ…あれ、大の大人でも食べきれねぇってやつだぞおい」

 

「ふふふ、女の子の体は不思議でいっぱいなんですよ?」

 

「……甘い物は…別腹……」

 

そうやって、会話をしていると頭の冷めた二人が会話に入ってくる。

 

「お?何々、おごってくれるのか正輝?だったら俺は、スペシャルパンケーキ食ってみるかな。一度あの化け物サイズのパンケーキ食ってみたかったんだよな~」

 

「だったら、私はバナナサンデーをいただこうか。あそこの物はボリュームがあるからな」

 

「お前らには奢らねぇよ!!なんで、さも当たり前のように奢ってもらおうとしてるんだよ!!」

 

「「そんなぁ(´・ω・`)」」

 

「いや、そんな顔したところで奢らねえからな?食いたきゃ自分で金払え」

 

「あー、わかったよ。さて、授業も終わったところだし帰るとしますか。まってろよ、パンケーキ!」

 

「そうしますか。さて、何を食べるとしますかね」

 

「ホント食い意地だけはお前らよく似てるよな……」

 

「……同族嫌悪……なだけ……」

 

「そうですね……この二人が止まるようになる日は来るのでしょうか……」

 

「止まる日は来ない、現実は非情であるに300ペソ」

 

「……正輝が……止めるに……300ジンバブエドル……」

 

「では、二人が自主的にやめるに300ソマリアシリングで行きましょう」

 

「全員掛け金めっちゃ低いじゃねえか、これじゃ賭け事にならないな………で実際止まる可能性ってあるのか?」

 

「……ないね……」

 

「……ないな……」

 

「……ないでしょうね……」

 

 

 

これが俺の日常だった風景だ。

 

これが昔の友人たちとの虚憶だ。

 

 

************

 

 

 

「……夢か……」

 

懐かしい夢を見た。

友人たちとの日常の夢だ。

 

俺が入院してからも俺のところに来ていた。

大切な友人たちだ。

 

元気にしているのだろうか。

確かめる術はないがしりたくなる。

 

帰りたくないといえばうそになる。

でも、ここにも、今俺が生きている世界にも”友人”がいる。

それを守るためにも、帰ることはできない。

 

…そもそも、帰る方法がないけども。

 

でも、少し元気が出た。

 

「…うっし、今日もがんばるとするか」

 

実憶のはずの虚憶。

確かに大切な記憶だが、今の俺が生きているこの世界も大切なのだ。

 

 




これにて過去の話一つ目終了となります。

スパロボOGシリーズの「虚憶」、「実憶」が絡めやすかったのでこのようなタイトルとなっております。


さて、次回からようやっと本編に突入します。

次回!魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~
第一章 旧校舎のディアボロス

お楽しみに。

感想、誤字脱字報告、お待ちしております。


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【第1章】 旧校舎のディアボロス
俺、日常を謳歌中です


スパロボX-Ω配信しましたね。
私の携帯はエクシアが出てくる病になっている模様でどんなガチャをしても1体はエクシアが出てきます。
スーパー系が欲しいんですが……。


さて、やっとこさの本編でございます。
楽しくて筆が進む進む!

それでは、第一章第一話スタートです。


どうも、兵頭正輝です

 

あれからさらに2年ちょい経過してわたくしは高校三年生になりました。

 

あれから、いろいろありましたが現在俺は青春を謳歌しております。

 

 

 

 

************

 

 

朝――――――

 

大体4時ごろに目が覚める。

朝じゃない深夜だ?細かいことは気にしない方向で。

 

数年前、父さんが少し遠めの場所に単身赴任した。

それ以来、母さんも夜勤の仕事をするようになり……朝がアレな感じになってしまった。

うちは経済的に少し難があるので弁当じゃないときつい。

でも、母さんを朝眠い状態で起こしてもかわいそうだ。

なので、俺たちが何とかしないといけないのだが妹のイッセーは朝はあまり強くはない。

仕方なく、朝ごはんや弁当を作るために俺が早く起きるようになった。

 

 

さて、今日はどうするかなぁ……。

とりあえず冷蔵庫の中身で決めるとするかな。

えーと、中にはなんかあるかなぁ?

前日の残りはなかったはずだから…っと…

 

『豆腐、お揚げ、ハム、それと卵にサケの切り身ですね』

 

お、ありがとうサイフィス。

うーんだったら、普通にハムエッグでも作るかなぁ。

で、弁当にサケを入れよう。

弁当の後の中身は…冷凍食品でいいか。

 

そう考えながら朝ご飯と弁当を作っていく。

こうやって料理するようになってからもう結構立つからまあまあ料理はうまくなった。

40分くらいで料理は完成した。

できたものを確認して片づけをする。これでよしと…。

 

さて、それじゃあ、日課の走り込みに行くかな。

 

修行を始めてからずっとやってる走り込みだけど、部活を始めてから力を入れるようになった。

いや、以前は力を込めてなかったというわけではないが。

朝は清々しくいかないとな。

 

 

走り込みを終えて家に帰って着換えをしようとすると

 

「あ、お帰り、兄貴。はい、タオル」

 

「ん、ああ、おはようイッセー。ありがとう」

 

妹であるイッセーがタオルを差出してくる。

差し出してくる…うん、差し出してくるのはいいんだが……

 

「うむ、いい筋肉である」

 

「……いつも、いつも、言ってるけどな、イッセー。俺が着替えようとするたび体触って来るのやめてくれ……」

 

「えー、別にいいじゃん。減るもんじゃないし」

 

「減るんです!!なんかいろいろと!!」

 

ど う し て こ う な っ た !!

 

昔から懸念したけども!してたけども!!

男勝りな性格にはならなかった……それは懸念だけに収まってよかった…だが!!こっち方面は懸念が現実となり妹は立派なHENTAIとなってしまった…なぜじゃぁ…。

しかも、懸念していた予想を遥かに通り過ぎ女性として正しい方向だけでなく百合方向にも…ほんまになぜなんじゃ……。

せめて俺に対する行動だけでも止めようとして、女性に触れられて私満足!!て言っていたタイミングで満足なら俺に触るなよと言ったら、男体と女体の違いやらそれぞれのよさやら、あと俺のことを刻々と説明してやがってくれました。

どうして俺の妹になる存在はこう…変態なんだろうか…。

 

ちなみに、この妹2号(ちなみに1号は前世の妹)は俺と同じ駒王学園に去年入学した…動機は不純だけどな!!

元女子高だから女子が多く毎日眼福とか、

元女子高だから男性が馬鹿な理由で引き寄せられるだろうからその筋肉を見るためとか、

そもそも、俺がいるからとかいってた。

もう何とかしてくれこの妹を……最後の奴はまあ、うん、結構うれしいけれども。

 

「むー、昔は触らせてくれたのにー……仕方ない。それじゃ、兄貴!ご飯食べよ、ご飯」

 

「昔は昔です。っと、ちょい待ち。まだ母さん起きてないから、起こしてくる」

 

「了解!じゃあ、準備しておくね」

 

「はいよ」

 

母さんの部屋に行き母さんを起こす。

うん、起こそうとするんだけどね……。

 

「母さーん、あっさでっすよー」

 

「うーん……あと、20年……」

 

ハァ…またコレか……

母さんは父さんが単身赴任してからだんだんと朝が弱くなっていって…この有様である。

父さんの話によると、結婚する前まではこんなんだったらしい。

 

「いや、子供か、20年って…ほら、早く起きてイッセー待ってるから」

 

「わかった、起きます、起きますよー……zzz…」

 

「起きてないじゃん!!寝てんじゃん!!ほら、おーきーろー!!」

 

この朝の弱さである。

たまーに誰よりも早く起きるんだけどね。

朝以外はしっかりした母親なのになぁ……。

 

『まあ、それだけ平和ということだと思うぜマスター』

 

平和は平和でいいんだけども……まあ、そういうことにしておこう・・・

 

二度寝の体制に移行しそうになった母さんを無理やり叩き起こし、家族三人で朝ご飯を食べる。

 

「あ、イッセー。今日俺、道場があるから一緒に帰れないぞ」

 

「なん……だと……。……わかった、友達と一緒に帰るよ」

 

「おうすまんな…って、母さん、食事中に寝始めようとしない!!」

 

「しらなーい……お母さんは朝弱いんです、それを考慮してくれない正輝ちゃんが悪い」

 

そんなこんなでだらだらと朝ご飯が食べ終わる。

これが兵藤家の朝である。

 

 

朝ご飯を食べたら俺は朝練に出るため学校に行く準備をする。

 

「イッセー、俺先に行くからな。遅刻するなよー。ほんじゃ、行ってきます」

 

「わかってますよー、行ってらっしゃーい」

 

「行ってらっしゃーい、気を付けてねー」

 

「はいよー」

 

さて、それでは今日も元気に行きますか。

 

 

************

 

 

家を出て学校につくと既に何名かは、着換えを済ましてグラウンドで自主トレをしている。

あいつら早いなぁ…。いつから来てるんだろうか。

そんなことを考えながら、俺も着替えを済ませグラウンドに行く。

ちょうどそのタイミングで顧問の先生が到着する。

 

「よーしそれじゃ、朝練始めるぞー」

 

「うーすっ!」

 

まあ、朝練はそこまで長くはかからずに終了。

ぶっちゃけ、走り込みぐらいのもんだし。

 

 

終了後、制服に着替える

 

「兵藤、お前今日の現国の課題やったよな?」

 

「もちろん。…お前もしかして…」

 

「貸してくれさい!!お願いします兵藤大明神様!!」

 

「なんだそれ、俺は大名人でも何でもねえよ……まあ、貸すくらいいいけども」

 

「ありがとうございます!!あとで、ジュースを奢らせていただきます」

 

前世じゃこういう話もあまりできなかったから結構楽しい。

 

 

そうして着換えが終わりさて、教室に向かおうかと考えていたら……

 

 

「来ましたわね正輝君。さぁ、早くいきましょう」

 

出待ちしていた(らしい)朱乃ちゃんに捕まる。

なしてこの子は私のことを待ってるんでしょうね?

 

 

さらに、朱乃ちゃん以前イッセーが物凄い俺に触っているのを目撃してから「でしたら、私も触ります」といって、今までより積極的に触ってくるようになった。

本当にやめてください!!俺の理性とSAN値とその他いろいろなものがマッハでやばいです。

 

 

「なぜじゃ…なぜ兵藤兄ばかり優遇されてるんだぁぁああ!!」

 

「神はなぜこの人に2物以上の物体を与えてたんですかちくしょおおお」

 

「許さん!許さんぞ!兵藤ぉぉぉおおおおお」

 

「しかもなんでこの状態だというのにいまだに学校での女子人気も高いんだよ!!なんなんだまじで!!!」

 

 

さてこの状況になると、男子が怨嗟のような声をあげてくる。

いや、お前ら普通にうるさいよ。

 

「うふふふ、さぁ、行きましょう正輝君」

 

「えっ、あ、はっ、えぇ!?」

 

朱乃ちゃんこの怨嗟を無視し俺の腕に抱き付く…てっオイィ!!なんでこんなことするの朱乃ちゃん!俺のハートが羞恥でマッハ!!と言うかやわらかい感触がががが!!

更に今の状態を見た怨嗟の声をあげてる連中の音量が上がった。

朱乃ちゃんはうろたえる俺を見て楽しそうに笑っている。

何だこの状況!!

騒ぎに気が付いた顧問の先生が走ってこっち来たし!!

誰かこの状況何とかしてください!!

 

「ふぅ、正輝君に触っていると落ち着きますわぁ…」

 

「本当に離れてください朱乃ちゃん。本当にマジで」

 

ハァ…本当、いつもいつも何なんでしょうか。

 

 

そうこうしていると自分の教室についた。

うん、ついたけどこの状態じゃ入りたくない。

 

「はい、朱乃ちゃんそろそろ離れてくれないかな?」

 

「……いやです」

 

はぁ、どうしたらいいか。

そうやって困っていたら後ろから声をかけられた。

 

 

「おはよう、正輝君。朱乃も、ほらいい加減離れてあげなさい。正輝君困ってるでしょう」

 

「あっ、おはよう、リアスさん」

 

声をかけてきたのは、リアス・グレモリーさんだった。

あの合格発表以来友人となっていろいろ話をする中になった。

こうやって、暴走する朱乃ちゃんからも助けてもらうことも多い。

まあ今はとにかく、助かった!

これで何とか……。

 

「おはようございますわ、リアス。そしてその提案は受け付けていませんわ」

 

なりませんよね…。知ってました。

 

「いや、なんで断るのマジで」

 

「はぁ~、いつもこうなんだから……」

 

誰か助けてください……毎朝こんな感じなんです。

 

ここから、お昼までこんな感じが続きます

 

ちなみにこの二人、学園の間では「駒王学園の二大お姉さま」呼ばれている。

さらに、この二人と一緒にいたりするから俺は俺で「駒王学園のさわやかお兄様」とか呼ばれている。

二人は分かるんだけどおれは何でそんな感じに呼ばれるのか分からない。

俺そんなにかっこいいわけじゃないよ?

 

 

*************

 

 

いろいろあって昼休みになりまして……。

 

「さあ、正輝君。お昼ご飯を食べに行きましょう!」

 

「朱乃!授業終わってからすぐじゃない!!少し落ち着きなさい!!」

 

うん、まあ、こうなるよね?

 

「さっ!正輝君食べに行き…ますわ…よ…?」

 

「また、逃げられたみたいね朱乃。さっ、ご飯食べに行くわよ」

 

「クッ、次こそは一緒にご飯を…」

 

なので、さすがにお昼は逃げます!!

お昼ご飯の時まであれをやられると俺がいろんな意味で死んでしまう!!

なんかご飯の中に入ってそうだし!!

リアスさんが朱乃ちゃんを止めてくれている間に俺は逃げることにしている。

もう、これをかれこれ3年くらい繰り返してる。

うん、本当にいつもいつもありがとう、リアスさん。助かっております。

 

 

というわけで、俺はあまり人がいない校舎裏の林の中でご飯を食べています。

場所的にはちょうど、旧校舎と新校舎の間くらいの所。

新校舎には食堂があるのでほとんどだれも旧校舎に行かないし、弁当持ちの人も食堂か屋上で食べる。なので旧校舎には殆どの人が近づかないしでこの時間は誰も来ない。

それに林の中なので、そう簡単に見つかることもない。本当に最高の場所である。

いや、人は来るには来るにけど。

 

「…こんにちわ、正輝先輩」

 

「んっ?ああ、小猫ちゃんか。うん、こんにちわ」

 

おっと、噂をしたらなんとやらだ。

この子は、搭城小猫ちゃん。ここの1年で後輩である。

俺は知らなかったけども、イッセーいわく学園でも人気の存在らしく1年のマスコットとしての地位を築いているらしい。

 

「お昼ご飯、今日も一緒に食べていいですか?」

 

「別に大丈夫だよ。一緒に食べようか」

 

うむ、かわいい。

このかわいさならばマスコットの地位を築いてしまうのも納得できる。

俺の最近の一番の癒しである。

以前は妹のイッセーとか飼い猫とかが癒しだったんだけど、妹はああなっちゃったし、飼い猫は逃げてしまったから、今となっては唯一の癒しとなっております。

しかし、この子を見るたびになんかどっかであった気がするんだけどなぁ…なんだろう。

 

……それにしても……。

 

「モグモグ……」

 

うーむ、よく食べる子である。それもとってもおいしそうに。

彼女の眼の前には彼女が持ってきた弁当とかお菓子とかが置いてある。

それもめいいっぱいに。

それを、すごくおいしそうに食べている。うん、ほんとうにかわいいな。

……そうだ!

 

「小猫ちゃん、よかったら俺の弁当も食べる?」

 

「……いいんですか?」

 

「いいよ、少し量多めに詰めちゃったから」

 

「じゃあ、いただきます」

 

弁当をあげたら少し喜んでくれたらしく、少しはにかみながら食べ始めてくれた。

うん、そんな感じで喜んで食べてくれるんだったらうれしいな…。

今度、弁当もう一箱作って持って来てみようかな。

食べてくれるかわかんないけど。まあ、その時はその時か。

そう考えている内に食べ終わったようで、

 

「ご馳走様でした。ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

「……それじゃあ、失礼します」

 

そう言って、小猫ちゃんは行ってしまった。

いつもごはんを食べ終わったらどっかに行っちゃうんだよ。

少し話ししたいんだけども、引き止めちゃ悪いし仕方ないかな。

 

さて、今からどうしようか……。昼休みが終わるまでまだ少し時間がある。

でも、教室に戻ったら朱乃ちゃんが暴走してそうだし……。

 

『でしたら、神器(セイクリッドギア)の訓練をしたらいいのでは?』

 

いや、ガッド多分ここで使ったらいろいろな意味で不味いと思うんだけども?

学校内でいきなり水やら火やらが出てきてみ?

確実に騒動になる……。

 

『そうだぜ、ガッド。こんなところでやるわけないだろ。だからあんな危険な場所に修行場移したんだからよ』

 

『……クッ…反論できないのが忌々しい』

 

…あの場所危険な場所だったのかやっぱり。

それにしても、相変わらずだな、まったく。

 

『……無関心よりは……マシだ……』

 

そうですね、ザムージュさん。

まったく興味を持たれないことより、どういう感じだとしても意識しあうことの方がいいことだ。

まあ、四六時中それのせいでうるさいのは困るけども。

 

っと、もうこんな時間か。

次の授業もあるからそろそろ行かないとな……朱乃ちゃんの暴走状態、収まってればいいけども……。

 

 

************

 

 

午前の授業も終わり放課後になった。

朱乃ちゃんが何かしようとしていたけどもリアスさんに引きずられていきました。合掌。

あと、本当に毎回毎回ありがとうございますリアスさん。今度何かしてあげよう。

 

さて、放課後になれば部活があります……が俺は一つやらなければならないことがあります。

それは……

 

「だから、私はやめたほうがいいって言ったの。何回も同じミスしてるんだから」

 

「うるせぇ!!ここでやめたら今までの苦労が水の泡!!」

 

「そうだ、もう俺たちは…止まることはできないんじゃああああ」

 

……うん、やっぱり来たか。

 

向こうの廊下の角から声が聞こえてきた。

一人の声は全然焦ってはいないが、あとの二人の声はめちゃめちゃ焦っている。

 

 

さて、準備をしますか。

 

まず、軽く助走する体制になり声が聞こえてくる廊下のほうに走る。

そこから、廊下の曲がり角の近くになったら体を横にしながら飛ぶ。

このタイミングで角から男子二人の顔が見えた。

その顔に向かって、飛ぶ時に曲げておいた足を全力で伸ばす。

 

これが兵藤家必殺の技……正輝式ドロップキックだ(命名イッセー)。

 

「グヘァ!?」

 

「バモラッ!?」

 

うむ、完璧に決まった。

蹴られた二人は吹っ飛んでいく。

 

吹っ飛んでいった二人を確認していると曲がり角からイッセーが顔を出す。ああ、またこいつは…。

 

「兄貴、お疲れさまー」

 

「毎度毎度ナイス誘導、イッセー…というか、またお前はついていってたのか……」

 

「だってこいつら諦めないんだもん。仕方ないから保護者的ーな感じで見守ってるだけ。それに……」

 

「それに?」

 

「男子更衣室を覗くチャンスでもあるからね!!それにこいつらを兄貴がいるところに誘導することにより二度美味しい!!」

 

「……さいですか……」

 

もう…いいや…いつものことだし。

そうイッセーと話していると、蹴られた馬鹿二人―――丸刈り頭の男子と眼鏡をかけた男子が起き上がった。

 

「イッテテテテテ…って……正輝……さん……」

 

「ゲェ!!正輝さん!!」

 

こいつらは、松田と元浜。イッセーの親友?いや悪友でこの学園の問題児だ。

中学のころからイッセーとともに問題行動を起こしては俺が全力で止めていた。

ちなみに、こいつら二人は毎回反省文を書く運命にあるのだがなぜかイッセーは咎められない。

 

「兄貴、私がなんで咎められないか考えてるでしょ?」

 

「……なんでわかった」

 

「んー、乙女の勘……ってやつ?」

 

「お前が乙女だったら他の女子はスーパー乙女ですかこの野郎……。はぁ、で、お前ら今度は何をやった?正直に言えば犯罪じゃない限り怒らないから」

 

まあ、先生には突き出すけども。

 

「いやぁ……あのですね?お、俺が言いだしたわけでは決してないんですよ?これは、元浜が言いだしたことでありまして……」

 

「ちょっ、待てお前!!友人を売るんじゃねえよ!!」

 

「イッセー、真相は?」

 

「二人して私に覗きに行こうぜって言ってきたよ」

 

「OK、自分たちで正直に言わなかっから……ギルティー」

 

「「ヒッ……ヒィィイイイイイ!!」」

 

うん、問答無用で有罪判決です。

怯えた二人の首根っこを掴んで職員室に向かおうとすると向こうから数人の女子が走ってきた。あれは……剣道部かな?

 

「あっ、兵藤先輩。馬鹿二人とイッセーちゃん見ませんでしたか…って…」

 

「うん、馬鹿二人は捕獲済み。今から、この二人を職員室に持ってくところだけど何か用事?」

 

「あ、いえ、何でもないんです!ありがとうございました」

 

「いいよ別に。もはや、いつもの事だし」

 

「だよねぇ、兄貴。松田も元浜もいい加減学習しなさいよ」

 

「引かぬ!媚びぬ!顧みぬ!」

 

「俺たちに逃走はないことだぁああ」

 

「そうかそうか、職員室コースをご所望かと思いきやスペシャルコースをご所望でしたか。いいだろう、イッセーが最近問題行動を起こさなくなったからな。久々に腕が鳴る」

 

「「生言ってすいませんでした!!」」

 

全くこの二人はいい加減懲りて懲りてくれないかな。

ん?イッセーが陸上部の女子と何か話してる。

 

「イッセーちゃん、正輝先輩のアレ…今ある?」コソコソ

 

「…兄貴がいるから今は出せない。今出したりしたら、兄貴のスペシャルコース確定だし……。兄貴が部活に行ってからでいい?」コソコソ

 

「わかった。じゃあ、またあとで」コソコソ

 

……何を話しているんだろうか。よく聞き取れない。何だろう……。すっげぇ背筋が寒いけども。

 

 

************

 

 

部活が終わり俺は学校から出た。

部活終わりになると結構回りは暗い。

えーと、今は…6時か。

 

ここから家に帰りたいのは山々なんだが…今日はこれから剣道がある。

……普通の剣道とは多分、いや、絶対に違うと思うが……。

 

大体、学校から歩いて30分ほどのところに剣道場がある。

螺旋残(ねじのこり)流剣道場。ここが俺が幼少から通っている剣道場だ。

大きな道場で、かなり古くからあるらしくいでたちは住宅地の中に立っているにも関わらず堂々としている。

 

「失礼します」

 

「……よく来た。まだ鍛錬は始まってはいない。道着に着替えておけ」

 

この人が、この道場の師範、螺旋残 嶄(ねじのこり ぜん)。道場に通っている門下生からは”親分“と呼ばれている。

キレると本当に怖い存在であり、この道場はこの人の無自覚の恐怖政治によって成り立っているのかも知れない。実際はわからないけども。

 

着換えをしようと更衣所に入ると知り合いがいた。

 

「こんばんわ、兵藤先輩」

 

「ああ、こんばんわ、木場君」

 

この子は、木場祐斗君。

駒王学園の後輩で、現在2年生。

ここの道場に来るようになったのはちょうど彼の入学と同時だったかな。

リアスさんが復活させたオカルト研の部員でもある。あの部活何なんだろうね?

イッセーとか馬鹿二人の話によると朱乃ちゃんとか小猫ちゃんもいるらしいけど…。美男美女の集い?

おっと、木場君の話木場君の話。

木場君は、普段からさわやかオーラが出てる子で学校では「駒王のさわやか王子様」とか呼ばれている。

うん、俺なんか比べ物にならないくらいかっこいいからね。

それを友人とかに言うと、なぜかボコられます。なんでや……。

 

え?俺は王子さまって呼ばれてなかったのかって?……イエオボエテナイデス。

 

まあ、そんなことは置いておこう。

 

「今日は少し遅かったですね兵藤先輩。何かありましたか?」

 

「ん?いや特に変わった理由ではないよ。少し、片づけに手間取っただけだから。木場君は変わりない?」

 

「ええ、今は特に変わったことはないですよ」

 

「そっか、じゃあそろそろ行こうか」

 

「はい」

 

そうして喋っていると着替えが完了し二人で鍛錬場に向かう。

 

「……皆そろったか。では、鍛錬を開始する」

 

親分の掛け声で鍛錬が開始される。

この道場はかなり実戦的な鍛錬をしてくれる場所だ。

ただ、剣道的な実戦ではなく本物の戦いのための実戦と言える。

……やっぱり普通の剣道場じゃない気がしてきた。

 

「それでは……始め!!」

 

親分の号令で今日の鍛錬がスタートした。

受身の練習、打ち合い、打ち合い、型の練習、打ち合い……。大体いつもそんな感じである。

基本、型の練習はあんまりせずいかに不利な状況を打開できるかがここの鍛錬の基本だ。

……うん、普通の剣道場じゃないんじゃないかなやっぱり。新人が来てもどんな人間が来てもこの基本は絶対に変わらないから。

 

鍛錬は大体2時間くらいで終わる。

 

鍛錬が終わって木場君と他愛無い話をしながら、その後家に帰る為分かれる。

 

あー、今日も疲れたー。

 

 

************

 

「あっ、お帰り兄貴」

 

「んー、ただいまー」

 

家に帰ると、イッセーが迎えてくれた。

そしてそのまま……イッセー、俺に抱きつく。

俺、それを避ける。

イッセー、それを予見し器用に体をカーブさせる。

そして、そのままなんでか知らないが匂いを嗅いでくる

 

「…ってやめい!!!なにやってんだ!!」

 

「ふー、いやーいい匂い……」

 

「は な れ や が れ!!イッセー、やーめーろー!!!」

 

「離さない!!この幸福を絶対離さないぞおおおお!!」

 

「何言ってるのこの子!!!」

 

もう、何だこの妹は!!

わけが分からないよ!!

誰か説明して!!

 

「正輝、お帰り。こっちにこないで何をやって…」

 

やべ!!母さんがこっち来た!!

 

「…お母さんも抱きつく!!」

 

って母さんも抱きつくんかい!!

 

はぁ、まあ…いいや。

二人とも、楽しそうだし。

 

 

************

 

 

 

コレが俺の今の日常だ。

このまま変わらず……続いていくと思っていた。

 

 

あの日が…来るまでは……

 

 




OK。
皆、何を言いたいのかはよく分かってる。
まず、先に行っておきたいことがある。

……ごめんなさい。
本当にマジでごめんなさい。
イッセーに関しては…なんだろう…
友人と後輩にアドヴァイスを貰いイッセーの性格を鑑みた結果、この状態かな?
うん、真面目にごめんなさい。


……次回から物語が動き出しますね。
待て!!次回!!!

感想、誤字脱字報告、作者への罵倒、お待ちしております。


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俺、ブチ切れます!

はい、第8話ですよー

今回からやっと物語が動き始めます。

ではどうぞ~。


とある日の放課後、俺、兵藤正輝は部活が終わり帰ろうとしていた。

 

剣道がない日は基本的にイッセーと一緒に帰っている。

 

俺はイッセーが待っているであろう校門へと歩いていく。

校門につくとイッセーが女子と喋っていた。イッセーと同い年くらいの見た目をしている。

誰だろ。俺はイッセーの交友関係全く知らないからな。

あいつは俺の交友関係なぜか一方的に知ってるけども……。いったいどこからそういう情報を仕入れてくるんだ。

 

そうしているとイッセーがこっちに気付いた。

 

「あ、兄貴。部活終わった?」

 

「ん?ああ。終わったぞ。で、そっちの子は?イッセーの友達?」

 

「うん、新しいおっ……お友達の夕麻ちゃんです」

 

おい今何を言おうとしたこの妹は。その間は何だ。

……いいや、置いておこう。

 

「初めまして、天野夕麻です。よろしくお願いします」

 

「ああ、俺はこいつの兄の兵藤正輝だ。こっちからもよろしく」

 

うん、丁寧な子だな。

朱乃ちゃんが少し前までこんなんだったんだけどなぁ……。懐かしいなぁ……。どうしてああなったんだろうなぁ。

 

「じゃあ、夕麻ちゃん。また今度ね」

 

「ええ、では…」

 

そう言って夕麻さんは帰ってしまった。

 

「よし、じゃあイッセー。俺たちも帰るぞ」

 

「はーい。あ、今日の晩御飯何?」

 

「んー、今日はそうだなー…まあ、冷蔵庫の中見て決める。今何が冷蔵庫にあるか覚えてないし」

 

 

話をしながら帰路に就く。

その途中、サイフィスが急に話しかけてきた。

 

『主様……』

 

ん、どうしたんだサイフィス。何かあった?

 

『…いえ、何でもありません』

 

?なんだろう?

 

 

そうして、その日は過ぎていった。

 

 

************

 

 

その週の日曜日。

俺は、剣道の帰りに食料品の買い出しに出ていた。

いつも大体日曜日に買い出しを行ってる。イッセーも俺も結構食べるからな。

 

今日、イッセーはこの間の友達と遊んでくるといって出かけて行った。

珍しいな、あいつが休日に遊びに行くのは。

大体の場合、俺を堪能するだのなんだのといって家にいることが多いのに。

 

『違うことをしたい日もありますよ。主様だってそうでしょう?』

 

んー、まー、そっか、そういう日もあるか。

っと、今は買い出し買い出し。

そろそろ、タイムセールだ。

タイムセールは気を抜いてたらやられる。気合を入れないと!!

 

『タイムセールはいったい何なんでしょうか……』

 

タイムセール?タイムセールはね……戦争です。

 

 

 

 

 

 

 

ふう、大量大量。今日も何とか競り勝てたな。

 

今俺の手には、タイムセールで勝ち取った食材が入った袋が握られている。

うちは家計が結構厳しい方だからタイムセールは本当に助かる。

よし、それじゃ帰ろうとするかな。

 

そう思って、スーパーから出るとイッセーと夕麻ちゃん…だったかな?が歩いていた。

そろそろ帰るところかな?

ちょっとついていってみよう。

 

 

 

 

彼女たちについていくとスーパーの近くの公園についた。

ここの公園は人気が少ないので俺の初期の修行場として使っていた。

しかし、こんなところに何の用事があるんだろうか?

 

おっと、ベンチに座った。

俺は近くにあった木に身を隠し聞き耳を立てた。

 

「はー、今日は楽しかった。ありがとうね、イッセーちゃん」

 

「いいの、気にしないで。私も楽しかったから」

 

楽しかったんだろうな。イッセーはそういうところ素直なやつだから。

 

「……ところでね、イッセーちゃん」

 

「ん?なに、夕麻ちゃん」

 

「実はね…お願いしたいことがあるの」

 

頼みたいこと?いったい何なんだろうか。

 

「私にできること?だったら大丈夫だよ」

 

イッセーがそう言った瞬間、彼女はこう言った―――

 

 

 

 

「うん、それじゃあ――――――

 

 

 

 

 

 

         死んでくれないかな」

 

 

 

 

 

……はぁっ!?

そう俺が驚いていると夕麻ちゃんは光でできた槍上の物を取り出し…振り上げた。

 

…っ!?まずい!!

俺は持っていた竹刀入れの中から木刀、桜花王を取り出し、全力で走り二人の間に割って入った。

 

「なっ、何!?」

 

ギィンという、まるで剣と剣がぶつかり合うような音が鳴る……これ木刀なんですが。

いや、そんなことはどうでもいい!!

 

「イッセー、早く逃げろ!」

 

「へっ!?お、お兄ちゃん、どうしてここにいるの!?」

 

「いいから、さっさと逃げろ!!」

 

「えっ!!で、でも、お兄ちゃんが……」

 

「俺は大丈夫だ!!早く行け!!!」

 

 

俺は、イッセーを守りながら全力でイッセーを逃がそうとする。

俺にはイッセーを守りながら戦う技量はない。だから、こそせめてこいつが逃げ切るまでの時間を稼ぐ。

俺の声に不安そうにしながらも、イッセーは背中を向けて走り出した。

 

 

「てめぇ…家の妹に何しようとしてやがる…!!」

 

そう言いながら、彼女から離れ桜花王を構える。

 

「あら…誰かと思えば…イッセーちゃんのお兄さんじゃない。まあ、いいわ、誰であれ邪魔するなら殺すだけよ!!」

 

そう言った瞬間夕麻ちゃんは、黒い翼を出し光の槍を矢のように撃ってきた。

えっ!?堕天使の人!?いや、そんなことを考えてる暇は今はない!!飛んできた槍を桜花王ではじく。

 

こんな時が来る……それを知っていたからこそ鍛えてきた。この刀はそのための力だ。

でもまだ俺には本当に誰かを守れるくらいの力はない。このままじゃ、俺は何もできずジリ貧だ。イッセーを……知り合いを守ることすらできやしない。

だから今は――――――

 

「《精霊達の篭手(フェアリーズ・ガジェット)》!!」

 

俺は、俺が神様からもらった守るための力に頼る。

 

「なっ!!なんだそれは…まさか神器(セイクリッドギア)!?」

 

「すまないが…そいつは企業秘密だ!!」

 

『change earth!!』

 

夕麻ちゃんのセリフを受け流し、篭手をザムージュさんの力、大地の力に変更し、四方から岩を召還した。

しかし、夕麻ちゃんはそれを見たすべての岩を避け空へ逃げた。

 

「ふふっ…いくら強くたって所詮は人間…空に逃げれば……」

 

なんか、強がってるところ悪いですが!

 

『change wind!!』

 

「残念、空を飛ぶことができるんだな、これが!!」

 

「何っ!?」

 

今度はサイフィスの力に変更し、風を操り空を飛ぶ。

夕麻ちゃんは俺が翼なしで空を飛んだことに動揺しているらしい…その隙、見逃さない!!

 

「螺旋残流…一文字斬り!!はぁああああああ!!」

 

桜花王を両手で持ち横薙ぎする。

全力の一撃が効いたのか空中でよろめく。

 

「ついでだ!これでもくらえ!!」

 

空中で、大きな旋風を作り出す。それを思いっきり夕麻ちゃんにぶつけた。

彼女は、その旋風に対応できず錐揉み状態で地面に落下していった。

 

「これで形勢逆転だ。それで?まだやるのか。お前のおかげで買い出しした食料全部パーだ」

 

「クソ…この餓鬼がぁぁぁあああああ」

 

彼女は、そう怨嗟の声をあげながらさっきより大きな光の槍を作り出した。

俺はそれに対応するため桜花王を構えなおす。

その直後……。

 

 

「キャァアアアアアアアア」

 

 

 

声が響き渡った―――

 

 

 

この声は…イッセー!?

 

「……誰かが目的を達成したみたいね」

 

「!!イッセーに何をした!!」

 

「いやね、単純よ。……ただ殺しただけよ」

 

「!?」

 

人の死…それは周りを悲しみに包むことになる。不幸にすることになる。

妹が死んだこと…それが、うちの母親が…父親が…そして何よりも俺が悲しむ。

こいつは…それを…それを…!!

 

『主様!!落ち着いてください!!』

 

落ち着いていられるか!!

あいつは、俺の妹を殺したんだ!!

そんなことされて…ブチ切れないやつは……いない!!!

 

「何考えてるのイッセーちゃんのお兄さん。大丈夫よ、あなたもすぐに……あの子のところに送ってあげるわ」

 

その言葉で俺は完全にブチ切れた。

その瞬間、それに呼応するかのごとく俺の体からプラーナが噴き出す。

俺はその噴き出してくるプラーナを使い全力で飛翔する。

 

「な…なに……その光は…」

 

その言葉を完全に無視し俺は夕麻ちゃんにとんでもない速さで飛んでいく。

こいつを生かしては置けない……。その考えが俺の中で渦巻いていた。

その思いとともに俺は桜花王でやたらめったらに斬りつけた。

何度も、何度も、何度も、何度も……。

何度斬りつけたかわからない…それでも止まらない俺に――――――

 

 

『おやめください!!主様!兵藤正輝!!』

 

サイフィスの言葉が響いた。

その言葉を聞いた瞬間、俺は我に返った。

何度も斬りつけたことで少し落ち着いたらしい。

我に返り、夕麻ちゃんを見てみると傷だらけになっていた。

 

「ハァ…ハァ…いったい…何なのよ、あんたは……」

 

俺はそれを無視し…夕麻ちゃんを睨み付ける。

我には返ってはいるがもはや、動くことができない。

キレてしまったときにかなりの魔力、プラーナを消耗してしまったのが理由だろう。

 

「……チッ……今は、撤退してあげるわ……次に会った時には必ずあなたを殺す!!!」

 

そう言って、彼女はその場所から飛び去って行った。

 

俺は完全に去っていったのを確認して、地上に戻る。

 

 

……イッセーを探さないと……。

 

 

全く動こうとしない体を無理やり引きずるようにイッセーが走っていった方向に歩く。

少し歩いて俺が見つけたのは……紅……血の紅……。

 

 

 

 

 

 

紅い血の中に倒れた紅に染まった俺の妹、それを焦ったような顔をして見る、俺がよく知る…紅い髪の女性……。

 

 

 

 

 

それを見た瞬間、俺の体に限界が来たらしく俺は―――意識を手放した。




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俺、友人が悪魔でした!?

かなり遅れてしまってすいませんでした。

ここまでの間、文化祭の準備したり、文化祭に出たり、後輩とオリジナル小説の設定考えたり、最近ハマったアプリを広めたり、後輩とピシパシグッグッしたりといろいろ忙しかったです。


それでは、9話目どうぞ~。


――――――目が覚めた。

 

 

……俺はなんで家にいるんだ?

えーと、確か俺は公園で夕麻ちゃんと戦ってブチ切れてかなりのプラーナを使って…

それから……血に染まるイッセーとそれを見る知り合いの髪によく似た女性を見つけて気を失ったんだっけか?

こんなにきつい事をスラスラとよくもまあ思いだせるもんだな……。

んで、そっから帰った記憶がない。それもそうか、気を失ったんだからな。

……ということは、誰がここまで運んでくれたんだ?

 

 

『!?目覚めましたか主様!!』

 

おはよう、サイフィス。ありがとう。心配させてごめん。

 

今は…午前4時……俺がいつも起きる時間だ。さすが俺の体内時計。ぶっ倒れても、正確な時間に起きることができてしまった。

 

……そうだ!イッセー、イッセーはどうなったんだ!?サイフィス、わかるか!?

 

『……私たちは主様の目を通して外の物事を見ています。なので、主様が倒れた後のことはわからないのです。……御力になれず、申し訳ありません』

 

……そっか。分かった、大丈夫。

とりあえず起きよう。じゃないと、母さんも心配するし。

その後に、何が起こったかを確認するから。

 

プラーナを使いすぎて怠い体を何とか起こす。

 

……?

なんで俺が起きたはずなのに布団が盛り上がってるんだ?

俺はその疑問とともに布団をめくってみた。

 

 

「!!?!??!?!!?!」

 

 

布団をめくるとそこには……綺麗な寝息を立て眠っている黒髪の女の子……朱乃ちゃんがいました………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイっ!?

おおおおお、落ち着け。こ、これは多分夢だ。OK、落ち着こう。

まだ俺は寝ぼけているんだなこれは。一回顔を洗ってこよう。きっと何かを見間違えたんだ。そうだ、そうに違いない。

 

 

俺は、ベットから出て洗面台の前に行き顔を洗う。

よし、目が完全に覚めた。プラーナをかなり使ったから体がだるいけども。

 

目が覚めて今の俺の体の状態がよく分かった。

どうやら、俺の神器(セイクリッド・ギア)が自動的に蓄えられていたプラーナを解放してザムージュさんの大地の力の一つ、自己再生の魔法を使ったらしい。以前も同じようなことがあったのでよく分かる。怪我だらけだったはずの俺の体がある程度治っている。ただ、プラーナに関してはまだ回復しきってないようで体が少しふらつく。

うし、自分の体のこともよく分かった。さて、じゃあ一回部屋に戻るか。

 

 

部屋に戻ると、布団がやっぱり盛り上がっていた。OK、ここまでは問題はない。問題はその布団の中身だ。

 

自分の布団に近づき掛け布団をめくるとそこには、先ほどから全く変わらず寝息を立て眠っている朱乃ちゃんがいました。

 

うん、夢じゃないねこれ。現実に起こってることだねこれ。

よし、とりあえず、ご飯作ろう。

 

俺は、キャパオーバーした頭に整理を付けるため現実逃避気味に朝ご飯を作ることにした。

 

 

現実逃避(朝食作り)をし始め数分後、二階からイッセーのビックリする声とドタドタと走ってくる音がした。

何やってるんだあいつ?

あれ?あいつ、無事だったの!?

あれ?いろいろとどういう事なの?

 

頭の中で考えがグルグルしていると、イッセーが勢いよくドアを開けいきなりこう言った。

 

「お、お兄ちゃん!?私の隣にリアス先輩が裸で眠ってた!!!」

 

「何言ってんのお前!?」

 

ハァ!?何それ?訳が分からないよ!?

 

「というか、お前大丈夫だったのか!?」

 

「へっ!?え、えーと……あ、私…昨日……」

 

すると、そう言いだした途端イッセーが震え始めた。

 

「え、あ、イッセー、大丈夫か!?痛いとこないか!?」

 

「うっ……」

 

「うっ?」

 

「うわぁあああん、怖かったよぉおおおおお」

 

「えっ、あ、もう大丈夫だからなー。怖くないからなー」

 

急に泣き出したイッセーに焦った俺、抱きしめて頭を撫で始める。

 

「大丈夫。お前も生きてるし、俺も平気だから。だから、泣かなくても大丈夫だぞ」

 

「そうですわ、もう大丈夫ですわよ。イッセーちゃんも正輝君も」

 

んっ?

 

「……朱乃ちゃん、なんでナチュナルに抱き付いてるのかな?というか、なんでそもそも俺のベッドで寝てたのかな?」

 

「いえ、人肌恋しかっただけですわ」

 

この人何やってるのぉぉぉぉおおおおお。

焦り過ぎて朱乃ちゃんを振りほどけずにイッセーを撫でる俺、ずっと泣いてるイッセー、ご満悦な顔をして俺とイッセーを抱きしめる朱乃ちゃん。

こうしてここにカオスな状態が作られた………あれ?なんかデジャブ……。

 

 

「貴方たち……何をやってるの……」

 

数十分後、上から下りてきたらしいリアスさんが俺たちを鎮めてくれました。

もう朝練に行く余裕ないな………あっ、母さん起こしてない。

 

 

************

 

 

朝からカオスを演じた俺は、部活の朝練をサb……いや、朝練に出ずに学校に行くことになった。

サボるつもりはなかったんだけどもなぁ……。あとで謝りに行かなくちゃいけないな。

 

「それで…あー、昨日俺が倒れた後にいったい何があったんだ?」

 

昨日、俺が倒れた後に見た紅い髪の女性を自分の中でリアスさんということにしあの後何が起きていたのか…主に、イッセーのことについて聞こうとした。

 

「そうね……今ここで話すには少し厄介なの。放課後に、オカルト研の部室に来てくれない?そこでならゆっくりと話すことができるわ。私からも聞きたいことがあるし。イッセーちゃんには迎えをよこすわ。それでいい?」

 

「んー、わかった。了解」

 

そのような会話をしながら学校についた。

 

 

「兵藤兄妹とリアス先輩たち二人が一緒に通学してきた……だと……」

 

 

「お兄様とイッセーちゃんがお姉さま達と登校してきた!?」

 

 

「そんな!!あんなに避けてたから正輝×木場だと思っていたのに!!」

 

 

おお!?何この大騒ぎ。普通に通学したというのになんでこんなに騒ぐんだろうか。

というか最後の子!?俺にそんな嗜好はありません!!ノーマルです!!

妹1号のせいでそう言うの敏感なんだから!!

 

「うふふふ……」

 

「……どうして、そんな笑いをしているのですかね朱乃ちゃん?」

 

「いえいえい、なんでもありませんわ…うふふふふ」

 

何なんでしょうかこの子は本当。

 

 

 

大騒ぎの中を抜け下駄箱で靴を履き替えると

 

「正輝さあああああんあんたって人はああああああ」

 

「うばっしゃあああああああああ」

 

元浜と松田(馬鹿二人)が全力でこぶしを作りながらこっちに向かってきた。

 

「フンっ!!」

 

「「タコスっ!?」」

 

まあ撃退するけども。

 

「朝からいきなり何をするんだ二人とも」

 

「何をするんだ…じゃありませんよそんなうらやましい状態で登校して!!」

 

「そうだそうだ!!」

 

俺にどうしろというんだ。

正直なんでこんな状況になったのか俺自身もわからないのに。

 

「……まあいいや、とりあえず苦情(?)は後で受け付ける。そろそろ始業のベルもなるし、お前らも急いだ方がいいぞ」

 

「んっ?あ、ほんとだ。松田、元浜、さっさと行くよ。兄貴、またあとでね」

 

「ちょ、まて!イッセー、歩ける!自分で歩ける」

 

そう言ってイッセーは二人をずるずると引きずって自分たちの教室に向かっていった。

 

「……さて、俺たちも行くか」

 

「…ねぇ、正輝君。あの子達、いつもあんな感じなの……?」

 

「……それは聞かないでくれ、リアスさん」

 

 

 

************

 

 

放課後になった。

なんか時間が吹っ飛んだ気もしないでもない。

 

んで、放課後になったわけなんだけども、いつの間にやら朱乃ちゃんとリアスさんがいない。

なんか珍しい気がするな・・・。いや、本当に珍しいんだけども。

 

まあ、いいや。えーと、確かオカルト研に集合だっけか?

 

『そうですが・・・大丈夫でしょうか主様?』

 

え、なにが?

 

『いえ、その、ナビなしでたどり着けるか不安でして・・・・・・』

 

いやいやいやいや、そこまで方向音痴じゃないし。さすがに場所が分かってるのに道間違えるとかないよ?本当だよ?地図無しでも余裕でたどり着けますよ?

 

『いえ、ですが最近、買い物から帰る際に一回思いっきり迷ったことが…』

 

気のせいです!そんなことはありませんでした!私のログにはありません!!

 

 

サイフィスと話しながら歩いていると前方に見覚えのある二人が・・・。

アレは・・・イッセーと・・・木場君か。

リアスさんがイッセーに使いを出すって言ってたけど…木場君なのかな?

 

俺がそう考えていると、二人のほうから近づいてきた。

 

「あれ、兄貴だ。兄貴も今から行くの?」

 

「ん?まあ、そんなところだ。で、木場君がリアスさんが言ってた使い?」

 

「ええ、そんなところです」

 

「それじゃあ、ちょうどいいし一緒に行くか」

 

俺はそういって二人と一緒に行くことにした。

 

 

さて、二人と歩いているとですよ、

 

「木場君と正輝先輩が二人で歩いてるわ!!なかなかないレアショットよ!!」

 

「あそこの剣道場だと中にはいることもできないからなかなか見ることができないわ!」

 

「イッセーちゃんも一緒にいる・・・と言うことは・・・いつもありがとうございます!!」

 

「やっぱり・・・やっぱり、正輝×木場だったんですね!!」

 

と言う声が聞こえまくってくるわけですよ。

というか、最後の子!!君、朝も同じこと言ってなかった!?

そして、変な声も聞こえたんだけど!?いつもありがとうございますってなに!?

イッセーに聞こうとしたら、誤魔化すように腕に絡みつかれた。……いったい何をした……。

 

 

 

そうこうしているうちに、旧校舎にたどり着いた。

 

旧校舎に入るのは実は初めてだ。基本的にこっちにはこないからな。

朱乃ちゃんから逃げるために間にある林の中で昼ごはんを食べることはあるけども、完全にこっちまで来ることもなかったし。

 

旧校舎の廊下を少し歩くと、オカルト研究部と扉のプレートに書かれた教室にたどり着いた。

 

そしてそのドアを開けるとそこには……

 

「うわぁ………」

 

「なに……これ……」

 

なんか、いろんな意味で異次元な空間があった。

壁には髑髏がかかってるし、床には魔法陣が書いてあるし。本棚には……何あれ、魔導書?

普通の精神でこの部屋を作ってるんだったらいろんな意味で怖い。

ここが本当に美男美女が集まる部室何だろうか。

隣のイッセーも唖然としてるし。

 

「……木場君、これ、普通に考えてやばい部屋だよね?」

 

「あはは……オカルト研ですし、こんなものかと」

 

こんなもので済むのか……これ……。なんか、漫画でよく見るオカルト研(想像図)みたいな感覚がする。

 

あ、小猫ちゃんがいた……すごい黙々と羊羹を食べてる。

いつみても、よく食べるなぁ。

 

「こんにちわ、小猫ちゃん。」

 

「……どーもです、正輝先輩」

 

そういうと、また羊羹を食べることを始めた。

 

そうしていると、奥の方から朱乃ちゃんが現れた。

 

「あらあら、正輝君、イッセーちゃん。……いらっしゃいませ、オカルト研へ」

 

「あー……朱乃ちゃん。よろしくお願いします」

 

「いえいえ、いいんですわ正輝君。イッセーちゃんも……災難でしたわね」

 

「あ、いえ、大丈夫ですから。ありがとうございます、朱乃さん」

 

イッセーがそう言うと朱乃ちゃんは少し微笑んで、俺たちにお茶を出してくれた。

 

日本茶……そう、日本茶。こんな部屋なのに、日本茶。しかも、湯呑で。

 

俺たちがお茶を少し啜ると、奥からリアスさんが出てきた……バスタオル一枚で……。

 

「何やってるの、リアスさん!?」

 

「いや…ね?ほら、昨日貴方たちを運んでからすぐに寝てしまったものだから……」

 

……まあ、少し納得できてしまったから良しとしよう。

と言うかこの部室、シャワー室まで完備してあるのか……。

 

「さて……まず、いろいろな疑問とかに答える前に……一つ、二人に打ち明けなきゃいけない秘密があるの」

 

「「秘密?」」

 

なんなんだ?秘密って?

 

「実はね……私達、悪魔なの」

 

「「悪魔?」」

 

え、やっぱり悪魔っていたの!?

あの時、得た疑問は見事に的中してしまったのか……。

おれはそう言うことを知っているからそこまで驚きはなかった。

だが、イッセーはいきなりそんなことを言われて戸惑っている様子だ。

 

「……あれ?正輝君はあまり驚かないのね?」

 

「んー、まあ、そこら辺は後で。まず、イッセーを落ち着かせなきゃどうにもならないし」

 

「え、へっ?あ、悪魔ってどういうことですか!」

 

「そうね、これから説明するわ」

 

 

***************

 

 

「……つまり……私は、この変なもののせいで命を狙われた……そういう、ことなんですか……」

 

そういうイッセーの手には、赤い籠手のようなものがついていた。

 

リアスさんが言うにはだ…。

どうやらイッセーはあの籠手……神器を狙われて襲われたそうだ。

襲ったのは堕天使なわけなんだけども、リアスさんがそれを言うとき朱乃ちゃんがちょっと俯いてた。

……あとでフォローしておきゃなくちゃな。

 

 

『……おそらく、堕天使の一部の独断専行でしょうね』

 

うん?なんでそう思うんだサイフィス?

 

『ここは、悪魔が納めている土地です。そんな場所で、人間の命を奪えば最悪血で血を洗う戦争へと突入してしまいます。堕天使達もそこまで馬鹿じゃないでしょうし』

 

ふむ、なるほど。確かにそうだな……って、悪魔が納める土地?なにそれ?

 

そう考えた瞬間、リアスさんが言った。

 

「……ごめんなさい…そう言うことになるわ。そのせいで、あなたは殺されてしまった」

 

「えっ?…で、でも私生きてますよ!?」

 

そう、そこだ!

昨日俺が倒れる前に見たイッセーは……どう見ても助からなかった。俺が、全力でプラーナを使ったとしてもだ。

 

「それはね、これを使ったの」

 

そう言いながらリアスさんが出したのは、チェスの駒のようなものだった。

 

「?なに、これ?」

 

「これは、悪魔の駒(イーヴィル・ピース)と言ってね。人を悪魔に転生させることができるものなの」

 

そんなものがあるのか、なにそのすごい技術……ん?

 

「それと、イッセーが生きてるのと何の関係があるんだ?」

 

「これを使った時に、ある程度肉体を蘇生させてくれるのよ」

 

「へぇー………えっ?ということは今私って……」

 

「そう、悪魔になっているわ」

 

そう言うと、リアスさんたちが背中に翼を生やした。

そして、それとほぼ同時にイッセーの背中にも同じような翼が生えた。

 

「さて、これで分かったかしら?」

 

「……はい。あんまり実感は、わかないけども・・・・・えっと、ありがとうございます」

 

「俺からも礼をいうよ。ありがとう、リアスさん」

 

「いいのよ……さて、次に私から質問させて。正輝君、まずなんであの時あそこにいたの?」

 

「あっ、そう言えばなんでお兄……兄貴はあそこにいたの?」

 

おっと、今度は俺の番か。

 

「あの時は、買い物帰りでイッセーを見つけたから何となくついていっただけなんだけどね。それで、イッセーが襲われそうになったのを必死で守ろうとして……何とか撃退はしたんだけど、無理しすぎて……」

 

「で、あそこで倒れたと………なんて無茶なことをするの、正輝君!!あなたがいくら剣道で強いからって堕天使と闘おうなんて!」

 

「い、いや、イッセーを助けるためには仕方なかったことだし。……それに」

 

「それに?」

 

うわー、スゲー言い辛い……。でも言うしかないよな……下手に隠してもダメだと思うし。

 

「いや……すごい言い辛いんだけどね。そのね、俺も持ってるんだ、神器」

 

「「「「……えっ?」」」」

 

俺が神器を持っていることを言った瞬間、朱乃ちゃんをのぞいたこの場の人間?が驚きの声を上げた。

 

「はい、これが俺の神器です」

 

驚いてるみんなを尻目に俺は神器を出した。人前でだすことがほとんどなかったからなんだか新鮮だ。

 

「これは……珍しいわね。《精霊の篭手(フェアリー・アシスト)》かしら?でも、聞いたことがある物とデザインが違うような……。ねぇ、正輝君。これの中の存在を今ここに出すことはできる?」

 

「えーと、ちょっと待ってね……」

 

おお、すごい。見ただけで、何の神器かを当てた。やっぱり、リアスさんはすごいな。

ちなみに、精霊の篭手は精霊達の篭手(フェアリーズ・ガジェット)の下位互換の神器だ。

 

さてと、だ。確かに、サイフィス達を外に現すことはできる。

でも、この世界では精霊王とか何とか言われてるような存在を見せていいのかどうか……それに……

 

『よし、マスター!出すんだったら俺を一番に出せ!ガッドより先にな!!』

 

『いいえ、主よ。私を最初にお出しください。もちろん、グランバより先ですよ?』

 

馬鹿二人をみんなの前に出したくないです。

 

馬鹿二人は置いといて、サイフィス。やっぱり、出さない方がいい?

ほら、サイフィス達がここに現れるといろいろと大参事になるだろうし。

 

『いえ、大丈夫だと思いますよ主様。現れて狼狽える様な方ではないと思いますし』

 

えっ、いや、そういう問題じゃないと思うんだけど!?

 

『大丈夫ですよ、私たちがここで現れたとしても世界には何にも影響ないと思いますし……………多分』

 

をい、ちょっと待て。今なんて言いましたかサイフィスさん。まさか、あなたも外に出たいとか考えてないよね?

 

『考えてませんよ。ただ、ちょっと話し相手が増えるのは楽しいなーと考えてるだけで』

 

やっぱり出たいだけじゃないか!!

 

………はぁ、もういいや。出してしまおう。大参事になっても俺はもう知りません!!

 

「じゃあ、出すけども………驚かないでね?」

 

「えっ?」

 

俺はそう言いながら、神器から精霊たちの姿を現そうとする。

すると、神器にセットしてある宝玉一つ一つに魔法陣が浮かび上がる。

全部に魔法陣が浮かび上がると、その魔法陣からサイフィス達の姿が現れた。

 

『ごきげんよう、皆さま。わたくしは、風精霊の“高位”。精霊王“風”のサイフィスと申します』

 

『………大地精霊の“高位”。精霊王“大地”のザムージュ』

 

『あっ!?先を越された!!まあいいぜ、俺は炎精霊の“高位”。精霊王“炎”のグランバだぜ』

 

『私が最後ですって!?…まあいいでしょう。私は、水精霊の“高位”。精霊王“水”のガッドと申します』

 

………おれもうしーらなーい。

 

「………はぁ!?」

 

ほらもうこうなったもう!!




ちなみに最近の私の頭の中は、


吸い付く指 「ドドドドドドドッ」
回転する鉄球「ドヒュゥゥウウウ」
黄金の鎧  「ガシャンガシャンガシャン!」


小説の設定(わくわく)が押し寄せて来ています…スクラム組んで…。
これが、初めて作品を作った人間に来てしまう新作書きたい病か・・・・・・。



感想、誤字脱字報告、作者への罵倒、お待ちしております。


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俺、悪魔になります!?

はい、こんにちは半生です。

10話です。
何というか……精霊達が元気にはしゃぎ回ってます。

それでは……どうぞ!


2016年2月23日 後書き次回タイトル変更


「………はぁ!?」

 

サイフィス達が自己紹介した瞬間、リアスさんが声をあげた。

イッセーは何の事だかわからず頭にはてなマークを出してるし、それ以外の皆も固まっている。

 

それもそうだ。なんたって、俺の神器の中の存在4人は全員精霊王といわれる存在なのだから。

悪魔とか堕天使とかの人にとってはとんでもない存在だ(本人達談)。

 

スパロボで例えるならば、初めてネオグランゾンと戦った時と同じだと思う。しかも、第四次S版。3体出てくるなんて聞いてません。

 

「えーと……正輝君、これは?」

 

「あ、えーと、はい、俺の神器の精霊達ですハイ」

 

うん、そう言うしかないね。

本人たちが自分から精霊王って言っちゃったし、もう誤魔化せない。

 

「普通の精霊の篭手(フェアリー・アシスト)だと思ってたらとんでもない物が飛び出して来たわね。精霊王4柱全てが宿っているなんて普通の神器でもありえないわ。確かに、これだったら私たちが悪魔だって聞いても驚かないわね……朱乃、あなた正輝君の神器の事知ってた?」

 

「……神器を持ってるのは知ってましたけど……こんなの知らなかったですわ」プクゥ

 

……何か朱乃ちゃんがかわいく怒ってらっしゃる。

 

「教えなかったのは謝るよ。でも、このことは簡単に人に話せるものじゃないし」

 

「……そうね。こんな神器が他の悪魔に知れたら、無理やり勧誘してくる輩も出てくるでしょうし」

 

「まあ……そう言うことならいいですわ」

 

ふう、よかった。許してもらえたらしい……。

 

俺は少しほっとして、魔法陣で姿をあらわにした精霊たちを見た。

 

今精霊たちの姿を映している魔法陣は、部屋の机の上にある。そして、精霊たちは現在――

 

『……グランバ、なぜあなたが私より先に自己紹介を済ましているんですか!』

 

『ハンッ、こう言うのは早いもん勝ちなんだよガッド。俺より早く、自己紹介できなかったお前が悪いんだよ。コレは確定的に明らか』

 

『あ゛あ゛っ?』

 

『おっ?やるか?』

 

『『……ハァ……』』

 

絶賛喧嘩中でございます。この二人には、もはや対面なんてものはないらしい。

 

「………“水”の精霊王と“火”の精霊王がとんでもなく仲が悪いって言うのは本当だったのね……貴重な体験といえば貴重な体験なのだろうけども……」

 

「…………」

 

こうなるからこの二人を出したくなかった。小猫ちゃんが、うわぁ……って顔で二人のやり取りを見てる。

多分、今この瞬間この場所にいる人達の精霊王への想像が完全に崩れ去ったと思う。

 

『まあ、この二人に関しては昔からこうでしたし。初めて会った人に呆れられるなんてよくありましたよ?』

 

『………何百年も……変わらない……』

 

「そんなに前からこんなだったのか……」

 

今明かされる衝撃の事実……でもなんでもないか。

当時の様子がものすごい簡単に予測できるよ。

 

「……そうね…それがいいわね……」

 

「ん?リアスさん、なんか言った?」

 

「……ねぇ、正輝君。あなた、悪魔になってみない?」

 

リアスさんがぶつぶつ何かを言っていたので、聞いてみたら悪魔に勧誘されました。

 

「……えっ?」

 

うん、悪魔になることがある物があるって聞いてもいきなり提案されたら驚くよね。

 

「この悪魔の駒はね正輝君、大分前に起こった戦争によって減ってしまった悪魔の人口を増やすために作り出されたものなの」

 

『先の戦争で天使・堕天使・悪魔の三陣営は多大な被害を受けましたからね』

 

戦争か……まあ、どう考えても天使と悪魔と堕天使なんて相いれないからな。

 

『………まあ、それもこれもどっかの馬鹿のせいなんですけどね』ボソッ

 

!?なんかサイフィスがすごいことを言った気がする……。気のせいか?

 

『ゴホン……それに、純粋な悪魔だとしても出生率がかなり低いですから人口を爆発的に増やす方法がないのです』

 

「そう、それを解決するために悪魔の駒は作られたといってもいいわ……ありがとうございます、サイフィス様」

 

『いえ、いいのです。それとリアスさんは主様の友人ですから私のことも別に敬称など着けず好きに呼んでもらっても構いませんよ』

 

「……でしたら、今度からそうさせてもらいます。……さて、話をつづけるわね。それで、今魔界ではこれで転生させた眷属を使って行われている『レーティングゲーム』というものがあるの。まだ、私は成人していないからできないのだけれど」

 

なるほど、ゲームと称して実践に近い戦いをすることで自分たちの陣営の強化も図ってるのか。

……螺旋残道場と同じ感じがしてきた。あそこ、実践ばっかりだし。

 

「私の目標は、このレーティングゲームで上位のランクに上り詰める事なの。そういう意味だと正輝君、あなたはとんでもない逸材なのよ。種族的な意味で劣っているのにほぼ生身で堕天使と戦える存在なんて、のどから手がほしくなる位の逸材よ」

 

なるほど、そういうことか……。

 

「もちろん正輝君、あなたの意見も尊重するわ。どう?」

 

そう言って、リアスさんは微笑んでこっちを見た。

 

今の俺に、悪魔になるということに対する忌避感はない。妹がすでに悪魔になってるからな。

 

――――――だが

 

俺は少し考えて、精霊たちに言う。

 

なあ、みんな。俺が悪魔になるとしてだ……俺はもっと強くなれるかな。俺の手の届く範囲の誰かを、ちゃんと守れるくらいに。今度こそ、家族を―――イッセーを守れるくらいに。

 

『…それは主様、あなた次第です。あなたの意志一つで、力はどこまでも届くようになりますよ』

 

『そうだぜ、マスター。要は、考えようだ考えよう』

 

『あなた様の力で、誰かを守ろうと考えさえすればその思いに力は答えます』

 

『………強くなれるでない……強くなる……そう考えるんだ……』

 

そうか、だったら……。

 

 

「リアスさんさえ良ければ。よろしくお願いします」

 

「……いいのね、正輝君」

 

「大丈夫、俺に二言はないよ」

 

俺がそう言うとリアスさんは一つ駒を取り出した……が、

 

「……もしかしたら、これだけでも足りないかも……少し足しましょうか……」ボソボソ

 

何か口に出してから駒をいくつか追加で出した。

 

「では……我リアス・グレモリーの名に於いて命ずる。兵藤正輝よ、その身を捧げ悪魔として我と共に生きよ」

 

リアスさんがそう言った瞬間、リアスさんが持っていた三つの(・・・)駒が光だし俺の胸のあたりに入っていった。

駒が胸に入った瞬間、リアスさんがまだ持っていた駒に変化が訪れた。

 

「えっ…?」

 

さっきの駒が単純に光っていたのに対し……こっちの駒が4色の光を放ちながらこちらに迫ってきたのだ。

迫ってきた駒は先ほどの駒と同じように俺の胸に入っていった。

これで終わりなのかな?

 

「……今のはいったい……いったんお兄様に相談する必要がありそうね」

 

ん、なにかリアスさんが考えている。

そう思っていたら、背中から黒い翼が生えてきた。

おお、なにこれ!?なんか不思議な感覚がするんだけど!?

 

「まあ、いいわ。それじゃあ、改めて自己紹介でもしましょう」

 

俺がいきなり生えてきた翼に少々混乱している内に、リアスさんがそう言った。その直後、イッセー以外の全員が羽を出した。

 

「私はリアス・グレモリー。駒は“(キング)”よ。これからよろしくね、正輝君にイッセー♪」

 

「姫島朱乃ですわ“女王(クイーン)”を務めさせていただいてますわ。今後ともよろしくお願いしますわ」

 

「僕は木場祐斗。“騎士(ナイト)”をやらせてもらっているよ」

 

「塔城小猫です……。“戦車(ルーク)”です……。宜しくお願いします、先輩方」

 

 

 

 

「あー、3年の兵藤正輝だ。精霊の王だとかそんな感じの四体が入った神器を持ってます。悪魔の勝手だとか、そう言うのはよく分からないからしばらく迷惑かけると思うけど、よろしくお願いします」

 

「いっ、妹の兵藤一誠です。私も悪魔とかそう言うのはよく分かりません。でも、よろしくお願いします」

 

 

こうして、俺たちの悪魔生が始まりました。

今度こそ……家族や友人を守るために、頑張ろうと思う。

 

 

『大体あなたは何年そんな感じなんですか!!もうあれですか!?頭まで炎に取り込まれて馬鹿になりましたか!?』

 

『ああ?ああ、お前の場合運動しなくて貧弱だからな!少しは運動したほうがいいんじゃないかぁ!?』

 

『『……ハァ……』』

 

「……とりあえず、正輝君。アレ、止めてくれない……?」

 

「……うん」

 

 




正輝「アレ、なにこれ?」

サイフィス『どうやら作者の気まぐれで、今回からスパロボの中断風に次回予告をすることにした
      ようですね』

グランバ『本当に迷惑なマスターだよなぁ。行き当たりばったりで急にこの作品書き始めたり
     よぉ。せめて、きちんと原作を読み込んでからにしろよ』

正輝「一応、書くにあたって原作買ったようだけどな」

ガッド『珍しいですね、私も同じ意見ですよグランバ。最近なんて作者、「今週ジョジョの
    ゲームの発売日だヒャッホォーッ!」なんてことを言ってるらしいですからね』

正輝「まあ、仕方がないんじゃないかそこは?」

サイフィス『主様疑問形になってます』

正輝「とりあえず置いておこうそれは。
   それでは次回、魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~第11話
   「俺、悪魔の仕事をします」!お楽しみに」

サイフィス『ところでこの作品、どのようになるんでしょう』

正輝「……作者も知らないらしい」


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俺、悪魔の仕事をします

ディモールトディモールトディモールト遅くなって申し訳ございません!!!半分遅かったら生焼けだった略して半生です。

とりあえず、いいわけは後書きにて。

それでは11話スタート!!


どうも、兵藤正輝です。

 

今、俺は家々を簡易魔法陣が書かれた紙を持って回っています……深夜に。いや、悪魔になったんだから深夜でもいいんだけどね

 

悪魔になって初めての仕事がこんなビr……魔方陣配りとは恐れ入ったけどね!!

 

悪魔って言うぐらいなんだから、まあ人間と契約とかするのかなーと思っていたらやっぱりでしたよ。人の欲望をかなえる代わりに対価を払ってもらう……それが悪魔の契約らしい。魂とかそう言う類のはとらないのかと少し思ってしまった。

 

さて、俺は昔から飛行訓練的なものをしてきたから割と簡単な仕事です。神器出して風の魔法使うだけだからな。が、イッセーの場合はそうはいきません。

 

ふと、下を見る。するとそこには―――

 

「うわぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

 

―――なんか叫びながら自転車で走っている妹がいました。なんか、どこぞのザクg……いや、ガン○ス○ーのパイロットの叫び声と思ったのは内緒だ。それにしても大変そうだ。しばらくの間、自転車で毎夜全力疾走することになるのかイッセーは。

 

『まあ、悪魔の体になれるにはいい特訓になるのでは?』

 

あー、そう考えるとそうだなぁ。というかそう言う類のことを言ってたような気がする。実際、俺も少しやりにくいし魔法操作も若干違う。

 

そうサイフィスと会話しながら、俺はび……魔法陣配りに集中した。

 

 

 

 

 

********************

 

あのビラ配りから数日経ちました。

 

『もう、言葉すら濁さないのですね』

 

いや、もう単純にもう面倒くさかった。もうやりたくないあんな仕事。

だって、後で聞いたら実は使い魔を使って配る物だったらしいし。

 

それは置いておいて、そのあとの話だ。

ビラ配りは実は短い期間で終わりついに悪魔の本分(らしい)である人間との契約をすることとなった。

しかし、そこで問題が起こった。

転移のための魔方陣にイッセーが乗ったところ……何も反応がなかったのだ。魔方陣自体は正常に作動しているというのにだ。

その原因は、イッセーの魔力の少なさにあった。

 

仕方なくイッセーは物理的な移動(自転車)で契約者の元に向かうことになった。行く時に、「悪魔なのに…悪魔なのに自転車って……」って言っていたのが印象的だった。……後でなんかしてやるか。

そんなことがあった後に俺もその契約に行く事になった。

 

まあ、俺は魔力は問題ない。すんなりと契約者の元に向かうことができた。

向かうことができたのはいいんだが……そこにいたのは、まるで世紀末にいそうな人間だった。名前は、ミルたん。見た瞬間、ああ、魔装機神にもこんな感じのキャラがいたなぁ名前なんだったかなぁエリックって名前だっけ?……と思ってしまうような見た目の人でした。

 

そんな御方のお願い事は……「ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」でした……。

 

いや、魔法少女って、その見た目で魔法少女って……いっそ魔王とか世紀末覇者とかのほうがあってるんじゃないかと思った。

 

とりあえず何とかなるのかどうかだけでもうちの4精霊に聞いてみたところ、

 

『純粋な魂を持ってるのは評価できますね』

 

『ああ、魔法少女とやらにはなれそうもないし俺達精霊にもできそうにはないが……』

 

『ええ、死後素晴らしい精霊になりそうな感じがします』

 

『……方法については……残念だが……』

 

と言った感じの高評価?だった。ちなみに、純粋な魂を持った生物は死後精霊になる可能性を秘めているらしい。

 

とりあえず、家の精霊からの評価を言ったところ、「精霊さん褒めて貰えたにょ!?やったにょー!」と言いながら抱きつかれた。なんか一瞬、走馬灯が見えた。

まあ、そんなこんなで魔法少女にはできなかったが契約を結んでくれた。

 

 

 

 

 

さて、今日も今日とてオカルト研に顔を出す。

 

オカルト研に顔を出すようになり、朱乃ちゃんの暴走が少しおとなしくなった……なんか嵐の前の静けさな気がしないでもない。

ちなみに陸上部と兼部状態のため一日の日程がさらに忙しいことになったのは秘密だ。言うとイッセーが心配するからな。

 

オカルト研に着くと、イッセーに小猫ちゃん、木場君にリアスさんが居た。

というか、リアスさん達はここに住んでいるのだろうか。ここにくると絶対にいるんだけど。

そしてイッセーは何でここにいるんだ。さっきまでグラウンドで部活動を見てたはずなんだが。

 

「あ、兄貴」

 

「……どうもです」

 

「ん、こんばんわ小猫ちゃん。……イッセー、さっきまでお前グラウンドに居なかったか?」

 

「女の子には秘密があるんだよ、兄貴」

 

「一体どんな秘密だよ・・・・・・」

 

小猫ちゃんとイッセーが一緒に座っていたので声をかける。

今日も小猫ちゃんがなにか食べていた。今日はどら焼きか……。机の上のどら焼は、山盛りに積まれておりどこぞの猫型ロボットでも早々食べることができなさそうである。それを二人で分け合って食べている。

珍しいな、小猫ちゃんが他の人に自分のおやつをあげるなんて。

……え、ところでその量今日中に食うの?いつも見てるけど、彼女の胃は一体どうなっているのだろうか。

 

「あら、こんばんわ正輝君。今日は来るのが少し早いのね」

 

「あ、えーと…部長、こんばんわ」

 

「……正輝君別に無理して言わなくてもいいわよ?」

 

「んー、じゃあいつもの感じで」

 

ハーブティー入れたけど飲む?と差し出してきたので遠慮なく受け取る。

そういやリアスさん、なんでもそつなくこなすよな…大分前にお嬢様みたいな暮らしをしてたて聞いたのに……。

 

 

 

「それで、俺たちは今日何をやればいいんだ?」

 

ソファに座って一息ついたところでリアスさんに聞いた。

 

「そうね、今日は特にはないわ。契約が来れば別だけどね」

 

「いいえ、今しがた用事ができましたわリアス」

 

そう会話し始めると、朱乃ちゃんが部屋に入ってきた。

 

あ、そういえば最近朱乃ちゃんが部活終わりに部室の前で待ち伏せしなくなったな。

一体どうしたというのだろうか。

 

「それはですね正輝君。ここに来ればあなたに会えると確信しているからですわ」

 

「!!?」

 

え、なんかナチュラルに心の中読んできたんだけど!?

そう驚くとリアスさんが少しあきれたような顔をして口をあけた。

 

「はぁ、よくやるわね全く……それで、朱乃。用事とは?」

 

そう、リアスさんが言うと朱乃ちゃんは少し顔を曇らせた。

 

「討伐の依頼が大公から届きました」

 

 

*****************

 

 

――――はぐれ悪魔。

 

なんでもそういう存在がいるらしい。

 

爵位もちのの悪魔に下僕にしてもらった存在が、その主を裏切り、またある者はその主を殺して主なしになった存在。それがはぐれ悪魔だそうだ。

 

はぐれとなった者は元人間。人間の頃とは明らかに違う力を使いたくなるのだろう。

だが、自分を信頼してくれた主を殺すのは……それはやってはいけないことだ。

 

だからこそ、各勢力ではこのはぐれ悪魔を危険と判断し見つけ次第殺すようにしているという。

制約から逃れ、野に放たれた悪魔ほど恐ろしいものはないという。

 

今俺たちは目的地である町外れの廃墟に向かっている。

そこには、毎晩人をおびき寄せ喰らっているというはぐれ悪魔が居るらしい。

もしそれが本当なら、それはもはや、悪魔ではなく単なる「ケダモノ」だ。

人の頃の記憶もあるだろう。だというのに……。

 

だが、それでもまだ俺は殺すというのに納得できないでいる。

 

 

 

廃墟に着くと、神器を出していたせいかその廃墟から何かいやな臭いがしてくる。

 

「…………血の臭い」

 

小猫ちゃんがそう呟く。どうやら、俺の嗅いだ臭いは本物のようだった。

 

 

「さて、イッセーに正輝君。ちょうどいい機会だから二人に悪魔としての戦いを経験してもらうわ」

 

廃墟まであと少しというところでリアスさんが無理難題を切り出してきた。

 

「いや、ちょっと待って下さいリアス先輩!おにい…兄貴ならまだしも私、戦力になりませんよ!」

 

「そうね、確かに無理ね」

 

速攻の拒否だった。あ、言われたイッセーがちょっとへこんでる。

 

「でも、悪魔の戦いを見ることができるわ。正輝君も、今日は私達の戦いをしっかりと見ておきなさい。それと、ついでに悪魔の駒の特性について説明しましょうか」

 

「「特性?」」

 

「ええ、悪魔の駒が作られるときに人間界のチェスの特性を取り入れたのよ。だからそれぞれに、違った特性があるの。悪魔の主であるものが王の駒を持ち、それ以外の下僕がそれぞれの駒を持つわ」

 

「ふむ、だったら俺たちの駒の特性はなんなんだ?」

 

「あなた達二人の特性は―――――」

 

そこまで言ってリアスさんが言葉をとめた。それと共にいやな気配が漂う。

 

『主様……』

 

ああ、分かってる。

気配を感じた方向を向く、そこにいたのは――――――

 

「不味そうな匂いがするぞ。でもうまそうな匂いもする。ギャギャギャ」

 

―――まさしく、化物がいた。

言ってしまえば、もう人には見えなかった。上半身は女性だけど下半身は獣。上半身は槍のようなものを持っている。俺が見たことあるもので一番近いのはそう……魔装機神のヴォルクルスだ。

 

「己の欲のために主の元を逃げたはぐれ悪魔バイザー。グレモリー公爵の名においてあなたを消し飛ばしてあげるわ」

 

俺達二人が呆けているとリアスさんがはぐれ悪魔に向かってそう言い放った。

 

「小娘が……逆にお前達をグチャグチャに食い尽くしてくれるわぁぁぁああああああ」

 

そう、バイザーは吠えるがリアスさんはうろたえる様子もなく――

 

「祐斗!」

 

「はい!」

 

――木場君に指示を飛ばした。

指示を受けた木場君は、烈火のごとき勢いで向かっていった。

 

「さて、二人ともさっきのレクチャーの続きよ」

 

するとリアスさんは木場君のほうを向いた。

向かっていった木場君の手には何時の間に取り出したのか西洋の両刃剣が握られていた。

その剣を、とんでもない速さで振り化物の攻撃を往なしていた。

 

「祐斗の駒の性質は“騎士(ナイト)”。特性はスピードよ。あのように騎士になった悪魔は速さが増すの」

 

そう言っている間に化物に隙ができた。木場君はその隙を見逃さずに化物の腕を斬り飛ばした。

 

悲鳴を上げるバイサー、その足元には小猫ちゃんが立っていた……って!

 

「危ない!!」

 

「大丈夫よ正輝君」

 

リアスさんがそう言っている間に小猫ちゃんは化物に踏み潰された。

ん、ちょっと待てなんか少し浮いてる。

そうこうしているうちになんと化物の足が小柄な小猫ちゃんの手によって持ち上がっていく。

 

「あの子の駒は“戦車(ルーク)”。その特性は、馬鹿げた力と強靭な防御。生半可な攻撃じゃ小猫は沈まないわ」

 

ズン

 

その音と共に完全に小猫ちゃんは化物の足をどかした。

 

「……吹っ飛べ」

 

小猫ちゃんは空高く飛び上がり、化物の腹を思いっきりぶん殴った。

すると何ということでしょう。あの巨体が吹っ飛んでいくではありませんか……今度から怒らせないようにしよう。

 

「ふざけるなぁあああああ」

 

そう言って、こちらに槍をリアスさんにぶん投げるバイサー……って誰も射線上にいねぇ!?直撃コースだ!!

 

俺はそう思い神器を使う。防御だったら・・・!

 

『change earth!!』

 

神器がそう言った瞬間、篭手の天板が回りザムージュさんの宝玉を前にしてとまる。

 

「ど・・・っせい!!」

 

俺が力をこめると、リアスさんの前に岩の壁が現れ槍を防いだ。

 

「間一髪?」

 

「……そうねありがとう正輝君。さて、最後はあけ……の……」

 

「あらあら、ウフフフフフフ」

 

なんかすでに出来上がってる。何かに。

 

「えーと……、朱乃の駒は“女王(クイーン)”よ。私についで次に強い駒。“兵士(ポーン)”から“戦車”までの“王(キング)”以外のすべての力を兼ね備えた最強の副部長」

 

そう説明をしている間に、朱乃ちゃんは先ほどの攻撃の反動で倒れたバイサーの元に歩き始めた。

 

「部長に、正輝君、イッセーちゃんにまで手を出そうなんておいたが過ぎるどころか万死に値するわ」

 

朱乃ちゃんが天に手をかざすと空から雷が降ってきた。

 

「っがgっががががgggg」

 

激しく感電するバイサー。

雷が止むと黒焦げになったバイサーがいた。

しかし――――

 

「あら、まだ元気がありそうですわ。正輝君がいることですし、大盤振る舞いで行きますわよ」

 

まさかの朱乃ちゃん追い討ち。

しかもさっきより雷が太い。

 

「ウフフフフフフフフフフフ」

 

……うわぁ、すごい楽しそうな顔をしていらっしゃる。引きはしないが少し怖い。

 

「……朱乃はね、魔力を使った攻撃…特に雷が得意なの。そして……究極のドSよ」

 

……おーう、もうだめかもしれん。イッセーの顔もかなり青くなってカタカタしてるし。

 

「大丈夫よ。正輝君は知ってるかもしれないけど味方には優しいから」

 

「ウフフフフフ……ウフフフフフフフフフフフフフフ」

 

「ウンソウダネ」

 

ごめん、もうこの記憶を記憶の奥底に閉まって置きたい位怖い。イッセーはカタカタをさらに加速させたし。誰かあの子に精神コマンド覚醒をかけてあげて!!目を覚まさせて!!

 

「ふう、流石にやり過ぎましたわ。さて、止めは部長に」

 

そういって、朱乃ちゃんがこっちに歩いてきた。とっても晴れやかな笑顔なんだけど。やだ、いつもと同じ感じに見えない。

 

「……もしかして、嫌いになりました。正輝君……」

 

「いや、それとコレとは別だから」

 

うん、別に友人の本性がドSだとしても嫌いにはならないなうん。

 

「さて、なにか言い残すことは有るかしら?」

 

「……殺せ」

 

その言葉を聞いた瞬間、リアスさんは手に黒い魔力の塊を作り出した。

 

「なら、消し飛びなさい」

 

リアスさんが手にあった魔力をバイサーに向かって解き放った。そして、その魔力はバイサーにぶつかり―――――

 

 

バイサーはこの世から痕跡すら残さずに消え去った。

 

 

 

消え去ったバイサーを見て俺はもう一度覚悟を決めた。

どんなことがあろうと家族を友人を守ると。

 

 

 

 

そういえば、聞きそびれたことがある。

 

「なあ、リアスさん」「あの、リアス先輩」

 

あ、イッセーと被った。まあ、多分同じだろうしそのまま。

 

「「俺/私達の駒は?」」

 

そうここに来て最初に聞いたのを忘れていた。

 

少しわくわくするとリアスさんが口をあけた。

 

「“兵士”よ。あなた達二人は“兵士”なの」

 

……俺達、一番下っ端だった。

 




正輝「さて、作者。何でここまで遅くなったんだ」

半生「1月2月3月の前半と忙しかったから……」

サイフィス『えー、一月…というより大晦日あたりから御節の準備に大学のテストの準備、二月はフルで自動車教習、三月には従兄弟が始めて家にやってきた』

正輝「うん、妥当だな。確かに、理由としては妥当だ。ところで、今日の日付で、つまり3月24日付けで小説投稿したな。あれって確か、1月あたりから息抜きで始めたやつだったよな。……なんでそっちの完成のほうが早いんだよ!!!」

半生「ウグッ!!」

正輝「しかもさ!!ちょっと今ワードの中にある書き出してある小説の設定何個だ!!去年某所で諦めたもんのリメイク含めて4つ有るじゃねえか!!!」

半生「グハァ!!」

正輝「そのうち一つは、ハイスクールD×Dだし!!なに、飽きたの!?」

半生「アキテハナイデスゴメンナサイ」

正輝「あと、カードゲームの事考えすぎだし!!」

半生「ウィクロスガタノシクテイオナサマガカワイスギルダケデス」

正輝「それにだな!!2月入ってPSO2始めるわフィギュアヘッズ始めるわ。しかもPSO2やり込みすぎだ!!!」

半生「シンルイニイッテクダサイ」

正輝「後だな……」

イッセー「えー、兄貴の話が長くなりそうなので次回、魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~第12話~「俺、聖女に出会います」
次回もこの小説にファイナルフュージョン承認!!」

正輝「イッセーも後で説教な」

イッセー「なんで!?」

半生「次回はなるはやに作るます……」


ご意見、ご感想、作者てめぇ遅いんじゃワレェ!!……お待ちしております。


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俺、聖女に出会います

ジョジョ四部のトニオ回を早く見たい「ハンデを貰ったと言うのにビット残しの生殺しでボコボコに」略して半生です。

前回よりは早かったですね(にっこり)

それでは、12話スタートです。


うっす、兵藤正輝です。

 

あの、はぐれ悪魔討伐から一日たちまして今日は休日です。

 

と言うわけで、兵藤家休日恒例の買出しにきております。

 

 

 

「えーと、冷凍食品にお米に牛乳……」

 

「野菜に、お肉。歯磨き粉に箱ティッシュ……」

 

「……よし、コレで全部だな」

 

先週いけなかった分も合わせ、2週間ぶりの買出しだったから割と多くなった。

いやぁ、かごが一つで足らないとか半端ないな。

 

「あ、兄貴。これ買っていい?」

 

「ん?ああ、ミ○キーか。お前それ好きだな」

 

イッセーは昔から乳製品が好きであり、ミ○キーやカル○゜スとかを今でもよく食べてる。

 

「それにしても……兄貴、昨日のアレは……凄かったね……」

 

とイッセーがそう切り出してきた。なんかちょっと言い方があれだけども、多分……。

 

「ん、ああ、リアスさん達のことか?」

 

「うん……私もああやって戦えるのかなって……」

 

昔からイッセーは割りと優しい人間だ。困ってるやつを見かけるとどうにも助けなきゃいけないと思うらしい。

俺も、そういう性質の人間だからそう思ってしまうのも分かる。

 

「……まあ、何とかなるさ。お前はくよくよせずに前だけ見てるのが似合ってる」

 

俺はそう言いながらイッセーの頭に手を載せた。

 

「……うん、分かった!」

 

元気になったようだ。うん、やっぱりイッセーは明るく笑ってるのが似合ってる。

 

「よし、それじゃあ「はわう!」ん?」

 

何か変な声が聞こえて後ろでボスンという何かが倒れるような音がした。

気になって振り向くと、シスターが転がっていた。

 

『ガタッ!!』

 

それと同時に家の精霊の誰かが立ったような擬音を口から出した。いや、と言うか……何やってんの家の精霊。

というか今のいったの誰だ!ザムージュさんじゃないことは確かだけど!!

 

『それどころではありません!!主様彼女を助けましょう!さぁ!さぁ早く!』

 

いや、一体全体なんなんだ。元々助けようとは思ったけども、なんなんだこの精霊の鬼気迫る感じの言い寄り方は。

しかもザムージュさんもはよ、はよ!って感じを醸し出してる!?珍しいって騒ぎじゃねえぞ!?

 

「……あー、まあいいや。大丈夫か?派手に転んだみたいだけど」

 

そういいながら、手を差し出す。

 

「うう……あ、ありがとうございます」

 

おや、結構な音なってたけども大丈夫だそうだな。

見た目とかから……多分イッセーと同じくらいかな。

 

そう思いながら俺が手を引き上げた瞬間、風でヴェールが飛んでいった。

ヴェールが飛んで行きその下で束ねられていたのであろう金髪の長髪がキラキラと流れ出した。

そして、顔にはグリーン色の双眸が輝いていた。

 

正直に言おう、ちょっと時が止まった感覚があった。

と言うかあれだな、朱乃ちゃんとかリアスさんとかと一緒に行動するから

よく顔を見るんだけどもやっぱり美人の人を見るのはなれないな。何と言うか……照れてしまう。

 

「兄貴?」

 

「ん、ああ、すまん」

 

っと、呆けていたか。

 

「怪我は……無いか。俺は兵藤正輝、んでこっちが妹の一誠。君は?」

 

「あ、ありがとうございます。私はアーシア・アルジェントと申します」

 

今時礼儀正しい子だな……いや、そもそもシスターなんだから礼儀正しいのは当たり前か。

俺は、運よく近くに落ちていたヴェールを拾いアーシアさんに渡す。

 

「本当に申し訳ございません!その……私は上手く日本語が喋れないので……言葉が分かる人がいて助かりました」

 

「いいって、俺たちは別に迷惑にも全然思ってないから。ところで、旅行?大きめのキャリーバックだけども……」

 

実は、悪魔には言語翻訳機能の様なものが備わっているらしく彼女の言葉もそのまま意味が通じるように聞こえる。

結構便利なもので、英語の授業とかがまあまあ楽になった。

 

「い、いえ。実は今日からこの街の教会に赴任することになりまして……でも、お恥ずかしい話道に迷ってしまって……」

 

ん?この街の教会……そんなところ……ああ、あったわ。廃協会だけども一つだけ。昔、修行場として候補にしてた場所だ。

流石に廃墟にしておくには惜しいと思ったのかな?でも、必要ないから廃協会になったはずのところに新しく赴任する必要があるのか?

何かしらの思惑を感じるような……

 

「あっ!その教会だったら知ってる!私たちが案内してあげるよ!」

 

俺が考えていると、イッセーがそう言った。

……まあ、いいか深く考えててもしょうがない。困ってるんだったら助けないわけにもいかない。引き止めてもあれだろうし。

それに某プロレスラーも「迷わず行けよ、行けば分かるさ」って言ってたしな。

そうして、俺たちは教会へと歩き始めた。

 

 

 

「それにしても、俺達と同じくらいの年でシスターとして頑張ってるのか……すごいな」

 

アーシアさんはマジで俺たちと同い年くらいだった。この年で自立して行動できるのか、本当にすごいな。

 

「い、いえ、私は信仰する神様の事を知って貰おうと」

 

「いや、兄貴の言う通りだよ。もっと胸張っていいと思うよ、アーシアちゃんは」

 

「そ、そうでしょうか……?」

 

そう話しながら、公園を横切ろうとしたとき、

 

 

「うわーん!」

 

という泣き声が聞こえ、心配になり3人で聞こえたほうに向かった。

そこには、こけて膝を擦りむいた男の子がいた。

 

あー、懐かしいなぁ。イッセーも、昔は全力で走っては全力でこけてたなぁ。

そう思いながら、神器からガッドの宝玉を取り出す―――それと同時に、アーシアさんが先に飛び出していった。

 

「大丈夫?男の子がこの位の怪我で泣いてはいけませんよ」

 

そう言いながらアーシアさんは男の子の膝に、手のひらを当てた。

すると、そこから淡い緑色の光がでて怪我が見る見るうちに治っていく。

 

サイフィス、あれって……。

 

『ええ、神器でしょう。それも、あれほどの効力……。神器として、なかなかの物でしょうあれは』

 

そうしている間に、男の子の傷は完全になくなっていた。

 

「はい、これで大丈夫ですよ」

 

その言葉を聞くと、男の子は首を傾げた。おそらく何と言っているのかわからないのだろう。

 

「すいません、つい」

 

アーシアさんは俺達の方を見て、少し舌を出しながらそういう。

 

すると、その様子を遠めから見ていた女性が近づいて来た。おそらくこの男の子の母親だろう。その女性は、アーシアさんを怪訝な表情で見た後足早に公園を後にしようとする。

 

「おねえちゃん!ありがとう!」

「……?」

 

男の子は立ち去る前にお礼を言いながら去っていった。……アーシアさんには伝わってはいないけど。

 

「おねえちゃん、ありがとう。だってさアーシアちゃん」

 

分かっていないアーシアさんに対してイッセーがそう言う。そういうところ気が効くんだよなこいつは。

 

「……アーシアさん、その力は……」

 

「…はい、治癒の力です……神様にもらった、大切なものなんです」

 

そういうと、アーシアさんは何処か悲しそうな顔をした。

 

……何かあったのだろうか。信仰している神様からもらった賜物だというのに。

こう言うことは深く詮索してはいけないな。

 

「……そっか」

 

俺は、その悲しげな表情を自分の中で気づかないことにした。

そこで、会話は途切れそこから十分も立たないうちに教会にたどり着いた。

 

 

近づいた瞬間、体に何かよく分からない“恐怖”が走る。イッセーも感じたらしく、少し震えている。

多分、悪魔としての拒絶反応的な物なんだろう。

 

「ここまでで大丈夫か?」

 

「ええ、本当にありがとうございます。何とお礼したらいいか……!そうだ、お礼を教会で!!」

 

「いや、お礼をもらうためにやったわけじゃないからいいよ」

 

「う、うん気にしないでアーシアちゃん」

 

うん、アーシアさん的にちょっとお茶を飲んで貰おうという感じなんだろうが……。

何というか、身の危険を感じる。これ以上は近づいてはいけない。そう感じる。

 

「そうですか……」

 

「ごめんね、アーシアちゃん……困ったことがあったら何でも言って!主に、兄貴がなんでも解決してくれるから」

 

「……まあ、そういうことかな。何でも言ってくれ。ある程度、無理なことじゃなければ何とかするから」

 

「………はい!」

 

 

そう言って、アーシアさんは教会の中に入っていった。

 

 

「いい娘だったね、兄貴」

 

「ああ、そうだな………あ゛っ!?」

 

ここにきて俺は重要な……そう、とても重要な事に気が付いた。

 

「?どうしたの?」

 

「冷凍食品……全滅してる……」

 

来週……弁当の簡単なおかずどうしようか……。




正輝「冷凍……食品……」

イッセー「どんだけ落ち込んでるの……」

サイフィス『以前、迷った時に冷凍食品全滅させましたからね』

正輝「弁当の……おかず……来週……ほぼ無し」

イッセー「っ!??……おかずが…ない…」

サイフィス『……イッセー様も撃沈しましたか……では次回予告を
      次回「魔装機神~THE HIGH SCHOOL D×D~」第13話
      俺、神父と対峙します。次回も、サービスサービスーです』

正&一「「弁当……」」


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