笛の音を轟かせて (アレグロ)
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プロローグ

この作品は、作者がない頭を振り絞りながら、マイペースに更新していくお話になります。
妙な解釈や、文法の使い方、誤字脱字などが多々あると思いますが、暖かい目でご覧頂ければ幸いです。

よろしくお願い致します。


 ゴロゴロゴロ・・・

 ザーザーザーザー・・・

 

(ひどい土砂降りだな)

「旦那さん旦那さん、もうすぐユクモ村だから辛抱するニャ」

「ああ、ありがとう」

「しっかし、ひどい雨だなあ」

「この辺りは今の時期、気候は安定してるはずなんだけどニャア」

「そうなんだな・・・」

 

 ザーザーザー・・・

 ゴロゴロピカッ・・・

 

(ん?何だ、この妙な気配・・・)

(・・・今、森のなかで何か動いたような?)

「お、おいっ!ちょっと待て!」

「どうしたニャ?」

「今、森のなかで・・・」

 

 バキバキバキッ・・・

 ゴロゴロゴロッ、ピカッ!

 

(な、何だ・・・!?)

 

 暗闇の中、突如目の前に今まで見たことのない程の巨体が現れ、行く手を塞いでいるのがわかった。

 

「お、大型モンスターだニャッ!」

「う、うわああああああああああ!」

「ぶ、ぶつかるニャアアアッ!?」

 

 ガッシャーン・・・

 

「・・・ってて」

(な、何が起きた?)

(と、とりあえず、状況を!?)

「な、なんだよ、こいつ・・・」

 

 どうやら、馬車が目の前の巨体をかわした衝撃で、外に投げ出されてしまったようだ。

 ・・・その突如現れたモンスターの目の前に。

 暗闇の中で見えるモンスターは、全身を碧色の毛並みで覆われ、青白く発光している。

 そのせいか、暗闇の中にいても、その姿をはっきりと確認できる。

 

(な、何だよ、これ・・・)

(・・・こ、怖いっ)

(ただ、逃げようにも)

 

 行くてはモンスターが塞ぎ、右手には深い森。

 左手には切り立った崖が、ポッカリと口を開けている。

 

(どうすれば!?)

 

 だが、そのモンスターは目の前のちっぽけな存在など意に介さず、遥か遠くを見据えている。

その立ち振舞は、恐怖を感じると同時に、なんとも言えない妙な気高さを感じる雰囲気を漂わせていた。

 

(って、呆けている場合じゃない!)

(あいつ・・・こっちに気付いてない!?)

(今なら、逃げられるか!?)

(・・・あれは!?)

 

 その時、崖の下を爆走している一台の馬車が目に入った。

 

(くそっ!どうする!?)

「・・・って、迷ってる暇はねえだろ!!」

 

 とっさに体を起こし、崖に向かって飛び出した。

巨体がこちらを一瞥した気がしたが、そんなことを気にしている余裕はなかった。

 

 ドサバキッ、ドサドサッ

「・・・っあっぶねぇ!」

「旦那!?無事だったニャ!?」

「な、何とかな・・・」

(し、しかし、さっきのあれは一体?)

 

 後ろを振り返ると、さっき目の前に現れた狼のようなモンスターが、まるで全身から雷を放出するように青白く発光し、雄叫びを上げているのが微かに見えた。



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