神様転生?否、邪神転生さ! (銀狐β)
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賢者の石
プロローグ


さて、初投稿ですがうまくできるでしょうかね。暖かく見守っていただけると幸いです。
邪神さまは容赦なんてしません。だって邪神さまからしたら大半の人間なんて有象無象の塵芥、一部の人間でも道化師扱いがせいぜいなんですもの。


私は、ふと見上げた遥か上空に広がる光景に身動きできないでいた。

普段であれれば綺麗な青を見せるその空は、今は無数のタマムシ色の球体で埋め尽くされている。

 

ーッ……なんて神々しいのだろうか……ー

 

手足は金縛りにあったように動かない。

声は声帯が麻痺したのか出てこない。

 

ーなんだ……アレはッ……!?ー

 

私は理解しようとして脳を働かせ、頭上に広がる光景を本能的に理解してしまう。

アレは見てはならぬものだと、理解してはならぬものだと。

その瞬間、到底人の身では抗えぬほどの根源的な恐怖に襲われ、私は正気を失った。

 

「■■■■■ーーーーー!!!」

 

声にならぬ叫びをあげながら。

 

 

 

 

 

ふと目がさめると、私は真っ白な空間に放り出されていた。

周りには何もない、ついでに言えば私の体すらなかった。

……どうやって物事認識してるんだ?霊体?

 

ふと背後に気配を感じ振り向くと(体ないけど)そこには虹色のローブとファラオの冠に身を包んだいかにも高貴そうな男性がそこに立っていた。

ニヤニヤといやらしい笑顔を顔に貼りつけながら彼は話しかけてくる。

 

「やぁやぁ、これはごきげんよう。哀れでお間抜けな人間くん?」

 

……初対面でお間抜けとか失礼だと思わないのか?

私は苛立つ心を隠し、問いを投げる。

 

「いや、あんた誰よ?」

 

すると彼は大げさに驚きやたらと芝居のかかった動作でこちらに一礼する。

 

「これは失敬、自己紹介がまだだったね。私は暗黒のファラオ、膨らんだ女、無貌の神と呼ばれている。」

「……あんたあれか、思春期特有の痛い空想引きずった大人か。」

「いやいや、あんな道化にすらなれない連中と一緒にしないでくれたまえ。さて、本題に入るが君にはもう一度人生をやり直してもらう。転生という形でね。」

 

……こいつは何を言っている?

怪訝な顔をした私を愉快そうに眺めながらその男は聞き捨てならない一言を発する。

 

「あぁ、そうそう。伝え忘れたけど、君死んだから。」

 

……本日二度目のこいつは何を言っている?

そんなことを思っていると男は堪えきれないというように盛大に吹き出しながら耳障りな声音で困惑する私に言い放つ。

 

「ヒャハハハッ!覚えてないかなぁ?君ね、あのタマムシ色の球体を見て発狂、気絶したところを同じく発狂した運転手が乗ったトラックにはねられて死んだんだよぉ!んで、たまたま通りかかった私の気まぐれで二度目の生を得ようとしてるとこなのさぁ!でも、ただ生き返るだけじゃつまんないからさ、魔法の世界に放り込んであげるよ!大丈夫大丈夫、君も知ってる世界だからさ!ついでにクトゥルフ神話系の魔術は全て使えるようにして置いたからさ!」

 

そして男は先ほどとは打って変わってまるで虫けらでも見るような目で私を見ながら、背筋が凍りつきそうなほど冷たい声で何も言えぬ私に告げる。

 

「せいぜい私を楽しませてくれよ?卑小な人間くん?」

 

そうして私は知らぬ間に意識を失い第二の人生を歩むことになった

 




さてさて、物語が始まるのはもう少し後になります。


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入学許可とダイアゴン横丁

はい、転生後のお話です。


……前書きってなに書けばいいのん?


 暖かな日差しの中、私はパンの焼ける香ばしい匂いに目を覚ます。この世界でリア・シャトレーヌとして第二の生を受けた私は気だるげに寝床を抜け出しリビングに向かう。

 

「おはよ、お母さん。」

「あら、おはよう。リア、手紙来てるわよ。」

「あー、そういや今日だっけ。」

 

手紙とはホグワーツ魔法学校からの入学許可証のことで11歳の誕生日に届くものである。

母さんから手紙をもらい私は朝食をとる。

母さんはアンという名前でとても綺麗な金髪を持っている。ややくすんだ金髪の私にはとても羨ましいものだった。

父さんは私が生まれてからちょっとして死んだと聞いている。死因は知らないがまともな死に方ではなかったようだ。

朝食を取っていると窓から新聞をくわえたフクロウが入ってくる。

動く写真も今では見慣れたものだが初めて見たときは驚いたものだ。

そして今日届いた手紙。

事前に母さんから話を聞いていたので理解してはいたが、やはりここはハリーポッターの世界なのだ。

そのことに気づいたときはやや安心した。

いや、だってそうでしょう?

○木市の某戦争に巻き込まれたり、カルト教団にさらわれて生贄にされるということもないのだ。

一応ハリポタの世界にもヴォルさんがいたり過去にはグリンデルバルドさんとかいたけど致死率は低いと思う。多分。

 

「今日はダイアゴン横丁いくわよ。」

「はいよー。」

 

入学許可証を適当に流し読みながら返事を返す。思考は全く別のところに飛んでいたが。

考えているのはあの真っ白な空間で会った男のことと彼から与えられた魔術のことだ。

とりあえず男は次会ったらぶん殴るとして問題は魔術の方だった。

一部を除いて真っ黒なのである。真っ黒黒魔術である。

特に召喚系の魔術は何があっても使いたくない。

簡単な魔術なら問題ないがある程度以上の魔術となると私の正気がゴリゴリ削れてしまう気がする。

そんなことを思いながら身支度を終えて暖炉の前に立ち、煙突飛行粉を使う。

 

「ダイアゴン横丁!」

 

エメラルドの炎が私の体を包み視界がぐるぐる回り出す。

途中で気分が悪くなり目を閉ざしてしまう。

そうしているうちに着いたことに気づき目を開けると私は往来のドン真ん中で立ち尽くしていた。

 

「こっちよ、そんなところにいたら邪魔ね。」

 

母さんに腕を引っ張られ道の端っこに移動する。

てか母様よ、力強すぎませんかね。腕が痛いのだが。

マントの店や望遠鏡の店、新作の箒のショーウィンドウに群がるこどもらを背後に流しながら教科書や、小道具を一通り揃えた後、制服を作りにマダムマルキンの洋装店に入る。

すると藤色ずくめの服をきたずんぐりしたおばさんが私を迎えてくれた。

 

「いらっしゃい、どのようなご用かしら?」

「この子の制服を作って欲しいの、ホグワーツよ。」

「はいはい、かしこまりました。全部うちで揃います……さあ、お嬢ちゃん、こちらへどうぞ。」

 

マルキンに促されるままに私は先客二人に軽く会釈をしながら踏み台の上に立つ。

その後、マルキンが丈を合わせていると先客の一人に話しかけられる。

 

「やぁ、君もホグワーツかい?」

「ん?あぁ、そうだよ。も、ということはあんたもかい?」

 

と尋ねたものの私は彼がホグワーツであることは知っている。

そう、マルフォイだ。フォイフォイなのだ!

前世の記憶で彼の凄まじいまでのネタにされっぷりを思い出し、その本人が目の前にいるという事実に私は密かに感動した。

アル○ォートならぬマ○フォーイとかもろに私のツボだった、でも食べたいとは思わない。

 

「そっちの子と何か話してたよね、私も混ざっていいかい?」

「もちろん構わない、ちょうど今ホグワーツには純血以外は入学させるべきではないということを話していたんだ。」

「へぇ、そりゃまたなんでさ?私も一応魔術師の家系ではあるけどそんな血に誇りなんぞ持っちゃいないよ?」

「だって汚らわしいじゃないか!あんな連中が同じ教室にいるなんて吐き気がするね。」

 

ふむ、わかってはいたが彼の純血至上主義は聞いていて気分のいいものではないな……。どうにかして黙らせたいが……。

しばらくすると彼が踏み台から降り、私に言う。

 

「これで君も純血の素晴らしさがよくわかっただろう?それじゃホグワーツで会おう、たぶんね。」

 

……ん?どうやら彼は私が考え込んでる間も純血の素晴らしさ(笑)について話してくれていたようだった。

私は全く聞いていなかったがね。やれやれ、ご苦労さまなことだ。

そんなことを考えてたらもう一人の少年と目が合う。なんというかボサボサだ、うん。

ただ、とても綺麗な目をしている。

 

「や、大変だったね。あんたもホグワーツかい?」

「うん。」

「今日は一人?」

「ううん、ハグリッドが来てくれたから。」

「へぇ、そうなんだ。ハグリッドってあの人かな?」

 

そういって私は少し離れたところで母さんと談笑している大男を指差す。原作知識で既に特定できてはいたが一応聞いておかないと何故知ってるのか疑問を持たれてしまうだろう。二人が何を話しているか聞きたいがここからでは少し遠いな。

 

「うん、ホグワーツで働いてるんだ。」

「なるほど、しかしなかなか愛嬌のある顔をしているね。」

「ふふ、そうかな。」

 

そんなことを話しているとハリーの制服を作る作業が終わった。

 

「話せて面白かったよ。ホグワーツでもよろしくね。」

 

そういってハグリッドに連れられて出て行ってしまう。もう少しお話したかったな。

からかうと面白いし、にひひw

しばらくして私の制服を作る作業も終わり母さんと連れ立って杖を買いに行く。どんな杖になることやら。

ちなみにクトゥルフ神話の魔術は杖を必要としない。加えて言うなら詠唱も必要なかった。

ただ詠唱なしだと最大出力で魔術が発動するので、細かい微調整が必要な時は詠唱を行う必要がある。

この前興味本位で詠唱ありの『ヨグ=ソトースの拳』使ったら地面に半径5メートル深さ3メートルほどのクレーターができてびっくりした。

ついでに言うなら衝撃で吹っ飛ばされ全身を強く打ち気絶しかけた。あれはめちゃくちゃ痛かったね、手加減してあれなんだから全力で使ったらどうなることやら。

……ん、どうやらついたようだ。オリバンダーの店、高級杖メーカーか。

中に入るとベルがチリンチリンとなる。それにしても薄暗いな。

とても静かだがその静けさにすら魔術的な意味合いがあるのではないかと思わせるぐらい厳かな雰囲気の店だった。

 

「いらっしゃいませ。」

「…ッ!?」

 

いきなり背後から声をかけられ驚いてしまう。……全く気配を感じなかった、旦那にはしたくないタイプだな。

振り向くと老人がいた。色素の薄い銀の瞳が月のように輝いている。

 

「ここにある杖は全てが一級品、一本一本強力な魔力を持ったものを芯に使っております。さてお嬢様、どちらが杖腕かな?」

「ふむ?利き腕のことなら左ですが。」

「腕を伸ばして、そう。」

 

老人は私のあちこちを巻尺で測っていく。むぅ、なんだか気恥ずかしいな。

しばらくして老人は巻尺をしまうと杖を一本差し出してくる。

 

「それではこちらをお試しください、柊にドラゴンの心臓の琴線。二十センチ、しなりが良くとても従順。手にとって、振ってごらんなさい。」

 

さぁ、いざ!と勢い良く杖を振ったらものすごい音がして天井に大穴が開いてしまった。……どうしよう。

母さんはお腹抱えて転げまわっている、流石に笑いすぎでは?

老人は杖をひったくると新しい杖を差し出してくる。

 

「いかんな、次はこちらを。イチョウにバイコーンのたてがみ、19センチ。しなやかでキレがある、どうぞ。」

 

しかしその杖は指に触れるか触れないかのところで下げられてしまった。

そんなこんなでなかなか見合う杖が見つからずかなり疲れてきた頃、老人が言う。

ちなみに母さんは途中で魔導書を買いに何処かへ行ってしまった。

 

「当店でお出しできる木材をベースに作った杖は残らず合いませんでしたな。これよりお出しする杖は一般的な杖とは違い特殊な形状をしておりますが通常の杖と同じように魔法が使えます、しばしおましを。」

 

そう言って奥の方に引っ込んでしまった。しばらくすると老人は手に短剣を携えてこちらにやってくる。

 

「こちら、ミスリル銀にオリハルコンの刃、35センチ。ドラゴンの心臓の琴線と柄にサファイア。どうぞ。」

 

差し出された短剣を握った瞬間視界が一気にクリアになる。

感覚が鋭敏化して皮膚で空気の流れや店内、店前にいる気配を認識する。

ほぼ無意識のままに鋭く短剣を振り下ろすと、その剣先から青と銀の火花が吹き溢れた。

 

「ふぅ、なんとか合う杖が見つかりましたな。こちらが鞘になります、持ち運びにはくれぐれもお気をつけて。」

「ありがとうございます……これは本当に杖なんですか?」

「さよう、わしが若い頃に少々調子に乗ってわしが考えた最強の杖というノリでつくったものですな。まさか杖に選ばれる方が現れるとは思いもしなかった。ほぼ封印されていたようなものじゃ。」

 

 

私は当初の予定の4倍近い額を払うと礼を言って店を出る。

ちょうど戻ってきた母さんと鉢合わせになりそのまま帰ることになる。

 

「そういえばリア、ハルもホグワーツに行くみたいよ。」

「へぇ、そうなんだ。なら向こうでも寂しくはないかな。」

 

ハルというのはハルファス・スタンフォードという名前の幼馴染の男の子だ。私たちは彼をハルと略して呼んでいる。

どんな子かと言われればこれしかない。

 

「格闘技バカ」

 

なんでも漫画に影響されて何度も大怪我しながら無茶な修行をしているらしい。

空手とテコンドー、ボクシングの大会では何回か優勝してるとかなんとか。

親が魔法使いだから治癒は簡単なのだがもう少し私たちの気持ちも考えて欲しいものだ。

そんな彼が魔法なんて格闘技とは正反対の事象にどう向き合うか、私は少々楽しみだ。

そんなことを思いながら帰路についた。

 

 

 

 




閲覧ありがとうございます。


……書くことがない。


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いざ、ホグワーツへ!

弟「ハリポタ×クトゥルフの面白いss見つけた!」
私「どれどれ?(私以外にも書いてる人いたんだな)。」
弟「これ!(見事にこの作品)。」
私「えっ。」
弟「どうしたの?」
私「これ書いてるの私。」
弟「えっ!?」

そのあとめちゃくちゃ気まずくなりました。
面白いと言われたのは素直に嬉しかったたけどなんだかなぁ。

それでは本編どうぞ。



とうとうホグワーツに向かう日になった。

一応、今日までの間になにをしていたのか報告しておくと、ダイアゴン横丁で買い物した日からずっと母さんに頼んで入手できる魔法、魔術関連書籍をありったけ取り寄せてその全てを頭の中に叩き込んだ。これでもうなにも怖くない!

ホグワーツに行ったらとりあえずどうにかして閲覧禁止の棚の本を読めるような算段をたてないとな。

流石に一般家庭である我が家では希少度の高いものは取り寄せられなかったし。

今はキングズ・クロス駅の九と四分の三番線にて母さんと幼馴染のハルとハルの父親のカールが談笑している。

私は母さんにもらったペット二匹を相手に最近覚えた魔法を試していた。

母さんは「オニギリ」という名の真っ白なフクロウとショゴスというよくわからない生き物の幼生をくれたのだがショゴスは絶対に他の人の目に触れぬようにすることときつく言い渡されている。まぁ、当然だな。

ショゴスは不定形、アメーバ状の生き物でなんでも母さんが南極に興味本位で突撃した際に手懐け母国に持ち帰ったと聞いている。

名前はまだないとのことなので「ショーン」と名付けた。

ちなみに鳴き声は「テケリ・リ!テケリ・リ!」という奇妙なものだが、開心術でショーンの心を読んで意思疎通を図るので基本的に耳にする機会は無い。

そんなショーンは今、透明マントに包まれて私のカバンの中にいる。

今試しているのは念話の魔法である。

 

『やぁやぁ、ショーンにオニギリ。体調とか大丈夫?』

『ZZZ……。』

『はい、マスター。特に問題はありません。』

『そっか、ならよかったよ。』

『オニギリは寝てますが、特に問題は無いでしょう。』

『ん、了解さね。』

 

ショーンは私のことをマスターと呼ぶ。なんだか気恥ずかしいがやめてと言ってもやめてくれないので諦めた。

ふと振り返るといつかの髪の毛ボサボサの少年が赤毛の家族とホームに入ってくるのが見えた。よくよく思い出してみれば彼がハリー・ポッターなんだよな。

前会った時は生フォイフォイに会った感動ですっかり頭から抜け落ちていた。

となるとすぐそばの赤毛の子がロンかな?

せっかくの機会だ、挨拶でもしておこう。

 

「やぁ、あんた。久しぶりだね、私のこと覚えてるかい?」

「え?あぁ、制服のとこであったよね、覚えてるよ。久しぶり。」

「前名乗り忘れてたよ、私はリア・シャトレーヌ、よろしくね。」

「僕はハリー・ポッターだよ。こちらこそよろしく。」

「さて、私は家族に別れを告げてくるよ。また後でね。」

「うん。」

 

さて、母さんはーっと、ああ、いたいた。

なんだ、ハルはもう汽車の中か。

 

「母さん、行ってきます。手紙書くからね。」

「ええ、いってらっしゃい。たくさん学んでたくさんやんちゃしてくるのよ。」

 

やんちゃって……。まぁ母さんの言いそうなことではあったけど。

微妙な笑みを返してるとカールさんが会話に加わってくる。

 

「ははは……アン、ホグワーツで悪名高きお転婆娘であった君の娘だ。やんちゃしないわけがないだろう?」

「それもそうね。」

「そういえば君何時ぞやの教室爆破事件のときは……。」

 

なんでも母さんはホグワーツに在籍していたころ、とんでもないいたずらっ子だったらしい。一回度が過ぎて教室を丸々ひとつ爆破したとか。何やってるんだ母さん。

昔話に花を咲かせている二人を尻目にハルのいたコンパートメントを目指す。

えーと……あぁ、いたいた。

 

「や、ハル。ご一緒しても?」

「あぁ、構わない。荷物を預かろう、そこに座るといい。」

 

ハルはこういうさりげない気遣いのできる人だ。ゆえに女の子にはモテる……が、格闘技バカなので女の子に興味を示さない。禁欲的すぎるでしょうに。

そんなことを考えているとコンパートメントの扉が開いてロンを連れたハリーが声をかけてくる。

 

「あ、リア。ごめん、ここ入れてくれないかな?他のとこ空いてないんだ。」

「ん、大丈夫だよ。ハルもいいよね?」

「うむ、問題ない。荷物はこっちだ。」

 

全員の荷物を運び終え一息をつく。

 

「自己紹介をしておこう、俺はハルファス・スタンフォード。ハルと呼んでくれ、ちなみにこの金髪とは幼馴染というやつだ。」

「で、私がリア・シャトレーヌさね。これからよろしく。」

「僕はハリー・ポッター。よろしくね。」

「えーっと……ロン、ロン・ウィーズリーです。よろしく。」

 

ん?ロン口調ちょっと違うな、緊張でもしてるのかな。するとハルが反応する。

 

「む、ウィーズリー?もしかして君の父親はアーサーさんか?」

「う、うん。」

「そうか、いつもお世話になっているんだ。」

「そうなんだ。」

 

しばらく談笑していると唐突に廊下側の扉が空いて泣き顔の男の子と栗色の髪の毛の女の子が入ってきた。

もしかしなくてもハーマイオニーとネビルである。

ハーマイオニーが話しかけてきたのをハルが対応する。

 

「ねえ、この子のヒキガエル知らない?」

「見てないな、どうかしたのか?」

「無くしちゃったみたいなの、見かけたら教えてくれる?」

「承知した。」

 

私は短剣もとい杖を握り目を閉じる。

杖を初めて持ったときと同じ感覚が身体全身に広がり、あたりの気配が読めるようになる。

最近わかったことだが、この杖は使い込むほど力を増していくもののようだ。

現に気配を読むことができる範囲も徐々に広がっていっている。

えーっと、ヒキガエルか。これは……フクロウかな、でこっちがねこ。うーん……ん?車両と車両の連結部にいるのがそうかな?

一応伝えておこう。

 

「えーと、君。私の勘だと多分ひとつ後ろの車両との連結部にいるんじゃないかな?」

「連結部?わかったわ、探してみる。ほら、メソメソするんじゃないの!」

 

ハーマイオニーってなんだかママさんっぽいな、ハーマイオニーならぬマーマイオニーかね。

そんなこんなしてるとお菓子がどっさり乗ったカートを押しているおばさんが来たので百味ビーンズとカエルチョコを買ってのんびり過ごしていた。

すると、また扉が開き、マルフォイとその他二名が声をかけてくる……が私は対応できなかった。

直前に食べた百味ビーンズがジョロキア味だったのだ……oh……地球のみんな!私に水を分けてくれ!!!

 

「水飲むと、余計に辛くなるぞ。あと、ドラ○ンボールやめい。」

 

心を読まれた!?

まぁ、要するに私は身体をグネグネさせながらあまりの辛さに悶え苦しんでいたわけだ。そんな私を見たマルフォイは顔を引きつらせてドン引きしていた。まぁ、そうなるな。一応マルフォイに話しかけておこう。

 

「ひゅいみゃふぇん、ひょっほひまひゃへへはふへ。」

「何を言ってるのかよくわからないよ。」

 

はい、ごもっともです。その後、私の醜態にドン引きしたマルフォイはロンを少々けなしハリーとハルに反撃された後取り巻き二人を連れて出て行った。ふぇぇ……まだ舌がいたいよう……。

そういえばからさって痛みなんだね、初めて知ったな。

 

「そろそろ、ホグワーツに着く頃だろう、ロン、ハリー、制服に着替えるぞ。」

「うん。」(ハリー)

「そうしようか。」(ロン)

「イエッサー。」

「おい、待て。なんで服脱ごうとしている。」

「え?着替えるんでしょ?」

「お前は女子だろうに。他で着替えてこい。」

「私は気にしないから大丈夫。」

「「「俺(僕)達が気にするわ(よ)!」」」

「えー。」

 

結局おいだされました。私たちの年ならまだ男女の差異なんて微々たるものだし気にすることはないと思うのだがなぁ。

私がおっさん系女子なだけか?

なんにせよ男子諸君の焦る顔が見れて私は満足だ、うへへw

うろちょろしてるとハーマイオニーがいるコンパートメントを見つけたのでそこで着替えさせてもらった。

ちなみにヒキガエルはちゃんと見つかったらしい。




リアちゃんにおっさん系女子という設定が生えました。
あと、ハリーとロンの区別を文脈で察せれない場合にはわかるようにしてあります。

なんか文字数にばらつきがありますね、なるべくばらつきを大きくしないように頑張ってみます。

ちなみに私はおっさん系女子が大好物です。(誰も聞いてない


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組み分け

ペンタブがご逝去なされました。
イラストが描けぬ……


着替えてしばらくすると汽車は速度を落とし始め、やがて小さく暗いプラットフォームでその車体を完全に停止させる。

汽車から出ると……うん、めっちゃ寒かった。

生徒の頭上にランプがゆらゆらと近づいてきた。

 

「イッチ年生!イッチ年生はこっち!ハリー、元気か?」

 

ハグリッドがハリーに笑いかけるのが見える。

彼についていけばいいんだな、しかし足場が悪い……。

滑ったりつまずいたり、誰かの足を踏んだりしながら小道を歩く。

 

「みんな、あの角を曲がったらホグワーツが見えるぞ。」

 

そしてその角を曲がると……そこは雪国だっ……いや、失礼。大きな湖の向こう岸に高い山がそびえ、その天辺に壮大な城が見える。

 

「四人ずつボートに乗って!」

 

ハグリッドは岸辺に繋がれた小舟を指差したので、適当に選んだ船に乗る。

 

「よーし、では、進めぇ!」

 

しばらくして暗いトンネルに入り地下の船着場に到着、下船し岩の路を登り城の陰に入る。

皆が巨大な樫の木の扉の前に集まると、ハグリッドが拳を振り上げ城の扉を三回叩いた。

すると扉が開きエメラルド色のローブを着た黒髪の魔女が現れた。

なんか厳しそうな顔つきをしている。逆らったら面倒臭そうだな。

 

「マクゴナガル先生、イッチ年生の皆さんです。」

「ご苦労様、ハグリッド。ここからは私が預かりましょう。」

 

玄関ホールを経由し大広間に通される。

何千本というロウソクが空中に浮き、四つの長テーブルが並んでいる。

また、広間の上座にはもう一つ長テーブルがあり教員方が座っている。

マクゴナガル先生が私たち新入生を上座側まで誘導すると、私たちの前に4本足のスツールとボロボロのとんがり帽子が置かれる。……ふむ?おそらく魔法の品、何かあるのだろう。

と、思っていると帽子のつばのヘリの破れ目がまるで口のように開き、帽子が歌い出す……なにあれ、欲しい。

歌の内容としては組み分けの方法、と言ってもかぶるだけ……と、騎士道精神に富む人間がグリフィンドール、誠実な人間がハッフルパフ、知識欲旺盛な人間がレイブンクロー、手段をいとわない狡猾さを持つ人間がスリザリンに組み分けられるといったところだ……おそらく私のいく場所はレイブンクローかスリザリンになるだろう。

騎士道精神に関しては前世の私がまさにそんな感じの人間だったが。

今の私はむしろ騎士道精神に関しては否定的だ。

よってグリフィンドールはない。

誠実な人間が集まるハッフルパフもない。

私は昔から嘘を言うのは得意だった。

というか得意にならざるを得なかった。

だってそうだろう?私がこの世界においてこれから起こりうることを知っており、さらに前世の記憶があるなんて誰が信じるものか。

私だって信じない。

 

「ABC順に呼ばれたら椅子に座って、組み分けを受けてください。」

 

マクゴナガル先生が名前を読み上げる。

 

「アボット・ハンナ!」

 

金髪のおさげの少女が転がるように前に出て帽子をかぶり組み分けを受ける。

一瞬の沈黙の後

 

「ハッフルパフ!」

 

と告げられる。

ハッフルパフのテーブルからは歓声が上がる。なるほど、これが組み分けか。

その後、次々と名前が呼ばれその度にどこかの寮の名が叫ばれる。

 

「ハルファス・スタンフォード!」

 

ん、次はハルか。

まああいつはもしかしなくてもグリフィンドールかね。

とりあえずスリザリンだけはあり得ない。

 

「グリフィンドール!」

 

ほらね、予感的中。

ハルはグリフィンドールの長テーブルに向かう途中に一度こちらを振り返りすこし微笑む。

やれやれ、私に微笑んだって仕方ないだろう。

その微笑みはハルを慕う女の子に向けるべきだ。

 

「ハリー・ポッター!」

 

その名が呼ばれた瞬間、大広間が一瞬シーンとなり、ささやきが漣のように伝播していく。

流石は有名人といったところか、本人はあまり気分よさそうじゃないけれどね。

でもそんなんじゃ苦労するよ、ハリー。

と心の中で届かぬ忠告を送り帽子を見つめる。

 

「グリフィンドール!」

 

グリフィンドールの長テーブルから割れんばかりの歓声が響く。

まあ、有名人ゆえ致し方なし。

ハリーはロンのそばに座った。

しばらくして私の名前が呼ばれる。

 

「リア・シャトレーヌ!」

 

さてさて、とうとう私の番だ。

スツールに腰掛けボロ帽子をかぶる。

すると面白いことに帽子の声が聞こえて来る。

他の人間の時に声が聞こえなかったということはこれは直接心に語りかけているのだろう。

 

「(ふーむ……これまた面白い子が来たね。私には君が二重の魂を持っているように見える…。)」

 

ちょうどいいし、あれやってみるか。

 

「(ファミチキください。)」

「(ファミキチ……?なんだね、それは?)」

 

ネタが通じなかった。まぁ期待はしていなかったがね。

しかしこれでは私が痛い人だ。

 

「(一つの魂は限りなくグリフィンドールの因子が強い魂だ……しかしもう一つはレイブンクローとスリザリンが半々、グリフィンドールとハッフルパフの因子は見受けられない。どうしたものか……む!?誰だ貴様は!止めたまえ!私の中に入ってくるなあぁぁぁぁっ!!!)」

 

……ん?組み分けさんの様子がおかしいな。私も面倒な事情抱えているからそれを垣間見て正気でも減ったのかね?

 

 

「(いや、失敬。少々取り乱した。それでは君の寮を言い渡そう。)グリフィンドール!」

 

っはぁ!?私がグリフィンドールなんて場違いもいいところだ。

歓声を上げてくれた皆には申し訳ないが、抗議の念を送ろうと帽子に意識を集中すると、先ほどの紳士的な声とは違い、耳障りな、それでいて甘ったるい声音で聞き覚えのある声を聞いてしまう。

その声を聞いた瞬間背筋に氷柱を突っ込まれたような怖気が全身を走り、あの真っ白な空間で出会った男が脳裏にフラッシュバックする。

 

「(ヒャハハハハハッ!これでもっと楽しませてくれるかねえ?ククク……もっとだよ、もっと楽しませてくれよぉ!ヒハハハハハハッ!)」

 

……もっとということはこれからもちょっかいをかけてくるわけか。やれやれ、私も難儀な星の下に生まれたもんだ。

そんなことを思いながら、グリフィンドールの長テーブルに向かう。

ほらね、ハルが驚いた顔でこちらを見ている。付き合い長いから私がどんな人間かは知っている。

動揺するのも無理はない。

だが口の端が少々緩んでるのは私と一緒なのを喜んでくれてるのかね?

そうだと嬉しいのだが。

そんなこんなで組み分けが終わった。

その後は宴会でどんちゃん騒ぎとなり、私は半ばヤケになりながら先輩とのコネクション構築にいそしんでいた。

 

「う……うへへへへへ……。」

「おいおい、君大丈夫かい?」

「はい、大丈夫です……。」

 

やはり私とは全く別のタイプの人間ばかりでどことなく居心地が悪かった。

そして宴会も終わると各テーブルの生徒が監督生に連れられてそれぞれの寮に向かう。

寮にむかう途中で一人のゴーストと出くわした。

まぁ、あのイタズラゴーストのピーブズだ。

原作知識由来の知識量の多さは凄まじい。

監督官であるパーシーに脅されてか姿を現したピーブズは意地悪なかん高い笑い声をあげ、私たちに突っ込んでくる。

 

「おおぉぉぉぉ!かーわいい一年生ちゃん!なんて愉快なんだ!」

 

皆はひょいと身をかがめてピーブズの突撃を避けるがそこにピーブズをにらみつけて動かないものが一人。

ハルである。

ハルは胸の前で両掌を合わせ右掌をわずかにズラし、一瞬だけ瞑目すると音高く両掌を打ち鳴らす。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

うん、ピーブズが吹っ飛んで行った。

今ハルが行ったのは日本神道でいうところの柏手である。

なんでも霊体相手にお手軽にできる簡単な対抗策らしい……詳しいことは知らんけどな。

さて、寮に着いた。

パーシーの話によると合言葉式の施錠方法らしい。

魔法ってもっと発展してるイメージがあったけどな。

肖像画の人物と目を合わせると瞬時に寮生だと確認され扉が開くとかさ。

 

「合言葉は?」

「カプート ドラコニス」

 

パーシーが答えると肖像画が前に開き、奥に丸い穴があるのが見えた。

苦労してなんとかよじ登ると談話室につながっている。

パーシーの指示で男女別のドアを抜けるととても長い階段が待っている。

設計した人はアホじゃないのか?なんでわざわざこんな長い階段を……。

なんとか天辺までのぼると天蓋付きの豪華なベッドが見えた。

もう荷物は届いているようだ。

一応念話でショーンに挨拶しておく。

 

「やぁ、トランクの旅は満喫できたかい?」

「はい、マスター。いささか狭いですが南極に比べれば極楽浄土みたいなものですよ。」

「さすがに比べる対象が違いすぎると思うなぁ……。」

 

私はベットに倒れこむ。

念話を続けるつもりだったのだが予想以上に疲れていたらしく睡魔に敗れ寝落ちしてしまった。

 

 

 




今回は自分でもあまり面白く書けてないと思いました。

もっと読者様を楽しませられるような作品を作れるよう精進いたします。

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小道具と授業

遅れてすみません、入院してました。

久しぶりに書いたものでおかしなところが多々あるかもしれません。
見つけた場合、ご指摘いただけると幸いです。


少し肌寒さを感じ目を覚ます。

皆を起こさないようにこっそりとベッドを抜け出す。

窓を見るとまだ太陽は昇っておらず、あたりはまだ薄暗い。

ふむ、暇だな……少し散策でもしてみるか。

長い階段を降り談話室にを経由して、ひんやりとした廊下に出る。

そこで私は前からやろうやろうと思っていたことを思い出す。

ホグワーツでは姿現しはできない、つまり校内で瞬間的な移動はできない。……通常であれば。

実はクトゥルフ魔術にも瞬間移動する方法はある。

ただ姿現しのように杖ではなく小道具を使う必要がある。しかもあらかじめ移動したい場所に小道具を設置しておかなくてはならないとので少々クトゥルフ魔術のほうが手間がかかる。

小道具が必要という点では方向キーに近いだろう。

小道具として小さな木箱が必要だ。

材料として木材が必要になる。禁じられた森……は立ち入り禁止、しかしばれなきゃ犯罪じゃないんですよ♪

さあ、森に行きますかね。

 

ゴーストをさけながら冷たい廊下を歩く。

早朝の空気はとても冷えておりピンとはりつめた空気が肌に心地よい。

私は冬が好きだ。

校庭に出ると窓から死角になるような位置を探りながら森へ森へと近づいていく。

特にコソコソする必要はないのだが、ついつい楽しくなってやってしまう。

某蛇さんみたいに待たせたな!とか言ってみたい。

そういえばホグワーツではどんなキャラ付けにしようかね。

できればウィーズリーの双子と仲良くなれるキャラにしたい。

彼らと仲良くなれればかなり楽しそうだ、ぶっちゃけジニーに妹の座を譲ってもらいたい。

そんなことしたら十中八九ブラコンをこじらせる自信がある……やっぱやめておこう。

そんなことを考えてるうちに森の入り口に着く。

ふむ……でかいなぁ、一人で何も持たずに入ったらまず出られなくなるだろう。

手頃な大きさの木の枝と木の皮を少し頂いて寮に戻る。

 

談話室に戻るとちらほら起きている人がいた。

彼らに木材を気づかれないようにして談話室を抜け、女子寮への階段を登る。

気づかれたら説明面倒だからね。

寮のドアを開け、抜き足差し足忍び足でこっそりと自分のトランクの中に木材を忍び込ませる。

さて後は時間のあるときにちょくちょく作業するだけかな。

なんの気なしにベッドに寝転がると突然睡魔が襲ってくる。

抵抗する間もなく私の意識は闇に落ちた。

 

目がさめともう授業直前だった。

喉から悲鳴が出そうになるが、なんとか押さえ込み教科書を引っつかんで転がるように階段を駆け下りる。

なんで寝落ちしてしまったんだ!?しかもよりにもよってマクゴナガル先生の授業じゃないか!

クトゥルフ魔術の浮遊をばれない程度に使いながら目的の教室に突っ込んでいく。

教室に入ったと同時に授業が開始される、つまり私はまだ席についていない。

マクゴナガル先生は呆れたような目でこちらをみるとため息を漏らす。

 

「ミス・シャトレーヌ、もっと余裕を持って行動しなさい。」

「すいません……。」

 

申し訳なさそうにしながらロンの隣に座る。

 

「隣、失礼するよ。」

「あぁ、うん。君、髪の毛すごいことになってるよ。」

「お、本当だ。ありがと。」

 

指摘された頭髪を整えて授業に集中する。

本日の内容はマッチを針に変えるというものだった。

錬金術とか〜うん、関係ないね。

魔法や魔術というものは強固なイメージによって成功率を上げることができる。

ぶっちゃけイメージさえ強固であればそれが正しくなくても効力があるのだから思い込みとは恐ろしい。

マッチに視線を注ぎマッチが目に見えない細かい粒、いわゆる原子で作られているイメージを思い浮かべる。

そしてその原子がマッチの形から針の形に移動する様子を思い浮かべながら短剣を振るう……といってもブン回すのはあまりに危ないので必要最低限の動きでこなすけどね。

うん、成功。

しかしこれはただの針だな……。

綺麗な装飾とかつけてみたいがおっさん系女子である私に死角はなかった。

結局この授業でマッチを針に変えられたのは私とハーマイオニーだけだった。

ちなみにハーマイオニーはとても綺麗な装飾の付いた針に変えていた……コレが才能というのか感性というのかの違いってやつか。

授業はハーマイオニーが20点をもらい終了した。

 

授業が終わり廊下を歩いていると掲示板が目に止まる。

どうやらクラブの宣伝のようだな……原作ではクィディッチしか描写されてなかった気もするがこうしてみると色々あるんだな。

えーと……魔法生物クラブにチェスクラブ、オカルトクラブに発明クラブ……ほかにも色々あるみたいだ。

私もどこかに入ってみようかね?

 

 

 

 

 

 

 

 




またのんびり書き始めていきます。


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魔法薬

一晩寝れば正気が回復するリアちゃんは増えるワカメメンタル。

遅れに遅れて申し訳ありません。
今回短めです。


なんのクラブに入ろうか思案しながら次の授業に向かう。

次は魔法薬学の授業で担当はスネイプ先生だ。

個人的に一番興味のある教科ということもあり、教室に向かう私の足取りも軽い。

噂によればスネイプ先生は原作通りグリフィンドールに対して相当キツくあたるようだ。

だが私はスネイプ先生は嫌いじゃない、むしろ好きの部類に入るだろう。

彼の生き方など好感が持てる部分は多々存在する。

しかし人間は良いことよりも悪いことが記憶に残りやすい生き物なので悪い噂しか流れてこないのだと思う。

できれば良好な関係を築きたいところだ。

……ん?あそこにいるのはハルか。

 

「おーい、ハールー。」

「む?リアか。おはよう、次は魔法薬か?」

「ん、おはようさん。そだよ、ふふ……楽しみだな。」

「スネイプ先生は評判が悪いらしいが……。」

「大丈夫だよ、認めざるを得ないほど優秀になればいいから。」

「ふむ、成る程な。」

 

少し息を吐き会話を切ったハルの背中を追う。

階段を降りて薄暗い教室に入る。

中にはすでに大勢のグリフィンドール生とスリザリン生がいた。

おそらく薬品のにおいだろう、日常生活ではまず遭遇しないであろう類の鼻をツンとつくにおいが室内を満たしていた。

近くの席に座り教科書に軽く目を通し、原作でハリーが何を聞かれていたかを思い出す。

確かアスフォデルの球根とニガヨモギから作る薬品、ベアゾール石のありか、モンクスフードとウルフスベンの違いだったか。

原作のスネイプも意地悪な真似をしたものだと思う。

授業前に教科書に軽く目を通しておかなかったハリーもどうかと思うがね。

あれやるだけかなり授業の内容はわかりやすくなるしひょっとしたら読んだところを聞かれたらある程度は答えられるからね。

あと深読みするならちやほやされやすいハリーを引き締める目的もあったのかな?

スネイプ先生が教室という名の地下牢に入ってきた。

さぁ、どうしたものか。

まずスネイプ先生は出席をとった。

そしてやはりハリーが冷やかされる。

有名人は大変だねぇ……。

これからも数々の苦難が待ち受けるわけだが、まぁ適度にサポートに回ってあげるとしよう。

 

「このクラスでは魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ。」

 

スネイプ先生が授業の説明を始める。

さて、この局面でこの後の展開からハリーを救出する方法を考えよう。

服従の呪文?これはダメだ、私が捕まる。

ではどうするか。

クトゥルフ版服従の呪文だ。

この世界に本来存在しない魔術なら魔法省は私を裁けない。

というわけでハリーに意識を向けて心の中で呪文を唱える。

 

「(肉体的従属)」

 

一瞬ハリーの体がビクッと震える。

ふむ、成功を確認。

そしてその瞬間が来る。

 

「ポッター!」

 

ほら来た。

さぁハリー、私の言葉をなぞるがいい。

 

「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」

「(生ける屍の水薬と呼ばれる強力な眠り薬となります。)」

「生ける屍の水薬と呼ばれる強力な眠り薬となります。」

 

ハリーは自分の口が勝手に動いたことに困惑している、まぁ無理もないね。

スネイプ先生は気に入らなさそうにハリーを一瞥した後、次の問いを投げる。

 

「ポッターもうひとつ聞こう。ベゾアール石を見つけてこいと言われたら、どこを探すかね?それとポッター何を困惑している?」

「(ヤギの胃を探します。あと、なんでもありません)」

「ヤギの胃を探します。あと、なんでもありません。」

 

さて、ハリーに念話で軽く注意しておこう。

いやしかし、こうもクトゥルフ系の魔術を使用すると正気がガリガリ削れるね。

寝れば治るけど若干残るからなー。

そのうち正気なくすかも。

 

「(はーい、生き残った男の子。声出しちゃダメだよ、周りに気付かれる。こういう先生もいるから次からちゃんと授業前は教科書読むことだ。今度は助けてあげないからね。)」

 

ふふ、やっぱり刺激強すぎたかな。

キョロキョロ周り見てスネイプ先生に注意されてる。

さぁ、授業に集中しようか。

 

その後は、生徒を二人一組にしておできを治す簡単な薬を作ることになった。

私と言えばとある球体の神様の知恵を借りて作業を完璧に終わらせた。

くはー、寮に帰ったらすぐ寝よう。

でないと私の精神が持たない。

スネイプが私の調合した薬品をガン無視したのには驚いた、そんなにグリフィンドールは嫌いか。

そんなこんなで今日の授業は終わりを迎えたとさ、ちゃんちゃん。

 

 




次回は12月までには投稿します
 
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戦闘〜少女の街歩き〜

今回ハリポタキャラは全く出てきません。
リアの街歩きはとても物騒です。

風邪ひいた……w


 私はここのところ毎日禁じられた森に潜っている。

その結果、私は幾つかの村や街に出入りすることに成功していた。

いずれも学校からかなり近い位置にあるのだが、マグルに見つかってないところを見ると結界などの探知妨害が働いているのだろうか。

私は今日ラーテンという街に来ている。

複数のマフィアの活動拠点があるため微妙な均衡の元で小競り合いが続いており、ぶっちゃけ治安はめちゃくちゃ悪い。

女の子が一人で歩こうものならあっという間に裏社会の人間に食い物にされるだろう、ひとりでならね。

この街に来る際にはショゴスを連れ立って行動するように心がけている。

なにせショゴスは重火器で攻撃されても全く気にならないほど凄まじい再生能力と防御力を兼ね備えている。

なんども守ってもらっており、とても頼りになる存在だ。

事前に調べておいた廃屋の地下室にたどり着き、壁のスイッチを探る。

室内照明がつき、散々たる室内を眼前に照らし出す。

電気は近くの発電所から盗んでいるらしい。

想像はしていたが足の折れた机や割れたガラス、壁には無数の弾痕があり床には多くの薬莢が転がっている。

 

「やはり酷いね、これは。換気も必要だし内装も変えていきたいな。」

「(マスター、埃やガラクタなどは私が捕食することにより対応可能です。)」

「おや、そうなの?じゃあお願いしようかな。」

「(ではマスター、お部屋をでてください。)」

「はーい。」

 

そうするとショーンの体は膨張を始め、ついには部屋と同じ大きさになった。

そうして3秒ほどプルプルと震えると元の大きさに戻っていく、と言っても普段の大きさですら元々の大きさの30分の1程度の大きさなのだとか。

床に転がっていたガラクタなどは全て消え去り、コンクリートの壁に囲まれた空間が現れる。

うん、ちょうどいい広さだ、ここを魔術工房としようかな。

部屋の真ん中にショーンに小さな穴を開けさせて小さな木箱を埋め込む。

以前話題にした転移の魔術だ、これでいつでもここに来れる。

さて、街の散策に出ようか。

 

薄暗い廃屋を抜け出して街に出ると急な明るさに目がくらむ。

目を慣らして大通りを歩いていると、爆音が響きわたる。

音の方向を見るとすぐそばのビルの2階が黒煙を上げて炎上しているところだった。

うわーと眺めているとビルから数人の男女が脱出してくる。

身なりから相当高い位置の人物ということがわかるが足に負傷をしているようであり足を引きずっていた。

 

「ええぃ、畜生!どこの奴らだ!」

「そんなこと喚いてるより早く安全なところへ!」

 

うん、まさに阿鼻叫喚だね。

さぁどうしよう、助けてあげた場合に何か利益出るかな?

そんなことを考えてると道の両側から武装車両がそれぞれ4台、合計8台こちらに来るのが見えた。

 

「くそ、あいつらか!」

「ボスを守れ!応戦するぞ』

 

助けかな?とも思ったが殺気立った様子を見る限りその線は薄そうだ。

彼らは少し離れた位置に停車すると中から突撃銃を持った人がわらわら出てくる。

挟撃を受けているため逃げることもできないし……。

まぁ、強行突破かな。

ついでに彼らも助けてあげよう、私の気まぐれに感謝するがいい。

なんだろう、ひどく独善的なキャラになりつつあるな私。

 

「(ショーン、脱出してきた人たちの保護お願い。壁を作って囲んでくれればいいよ。)」

「(了解、マスター。)」

 

ショーンが中空の円筒形に形を変え、青紫色の障壁が彼らを取り囲む。

 

「なんだこれは!?」

「ぶっ放せ!」

 

彼らが拳銃を使用するが少し表面が凹む程度でショーンは全く堪えた様子がない。

あと彼らはアホなのかな、もしショーンが硬質な物体だったら跳弾して自爆するよ

さて、彼らはショーン任せて私はどうするかな。

とりあえず右手の敵……突撃銃が3人軽機関銃が1人か。

まずは相手の動きを止めよう。

最初のターゲットは軽機関銃の人だ。

前世の記憶をたどるにあれはM60かな?

さて、始めよう。

 

「恐怖の植え付け!」

 

まずは相手の動きを止める。

標的はM60を取り落とし、恐怖に顔を引きつらせながらガクガク震えている。

まるで生まれたての子鹿だね。

何だろう、すごく嗜虐心がくすぐられるよ。

使用した呪文は「恐怖の植え付け」というもので精神力を少し消費して発動する。

今回は発声制御により威力を調整したが調整せずに放つと対象者は恐怖のあまり発狂してしまう。

現にさっきターゲットとなった彼は腰を抜かして失禁したまま動けないでいる。

なんか仲間に怒鳴られてるね、かわいそうに。

あ、そこの君、私のせいだとか言わないように。

私は呪文を行使し、他の突撃銃持ちの人たちも恐怖の波に捉えていく。

恐怖に見開かれた目が私を捉えると、彼らは恐怖の根元が私だと本能的に察知し一斉に悲鳴を上げ始める。

 

「ヒ、ヒィィィィィィィ!!」

「来るな来るな来るな来るなぁぁぁぁ!」

「ぎぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

 

フフフ……いいね、ゾクゾクする。

大の大人がこんな年端もいかない少女に好き勝手に翻弄されるのはどんな気分だい?

一人に歩み寄って満面の笑みで問いかける。

 

「ねぇねぇ……今どんな気持ち?」

「ヒィッ……ケヒッ……。」

 

あら、気絶しちゃった。

じゃあ残りの人にも止めをさしてしまおう。

両手を握りこぶしの形にし、それぞれの標的に向ける。

さぁおやすみ、死なない程度に加減してあげるよ。

 

「ヨグ=ソトースの拳」

 

拳から放たれた衝撃波が標的の体を捉えるといともたやすく意識を刈り取る。

それぞれ見るも無残な姿で無様に横たわる大人たちに背を向け、新たな獲物に意識を向ける。

さぁ、後ろの標的も片付けてしまおう。

 

 

 

……ふぅ、これで良しかな。

さすがに調子に乗りすぎたね、頭がガンガンする。

あたりに目を向けると目標の全員が地面をなめている。

ショーンに守られた彼らも私に対して奇異の視線を向けてくる。

まぁ仕方ないね、これだけのことをやったんだ。

それもこんな小さな女の子がね。

 

「(ショーン、もういいよ。)」

「(了解、マスター。マスターの護衛に移ります。)」

「(ありがとう、よろしくね。)」

 

ショーンの体積がグッと減り私の肌着と洋服の間に薄く張り付く。

これにより銃弾を体に撃ちこまれてもショーンが守ってくれるのだ、いわば即席の防弾タイツである。

彼らに歩み寄り声をかける。

 

「やぁ、無事だったかい?」

 

ボスらしき人が返事をしようとするが、護衛に遮られる。

実に優秀な護衛だね。

 

「何もんだテメェ!」

「そう凄まないでくれないかな、こっちはか弱い女の子だよ?」

「か弱い女の子がギャングを相手にできるわけねぇだろ!」

 

実にごもっともである。

 

「まぁとりあえず、もう安全だよ。」

「おい待てよ、こっちの質問に答えろや!」

「私のこと?そうだね……敢えて言うなら魔法使いだよ。」

 

そう言うと同時に私はクトゥルフ版転移の魔術を使う、行き先は私のベッドの上。

多分あそこにいても質問攻め似合うだけだしね。

こちら側から強制的に終わらせてもらったよ。

それにしても疲れたよ、これから箒の授業があるなんて……。

めちゃくちゃサボりたい。

そんなことを思いながらベッドの上に横たわる私であった。

 

 

 

 




もうすぐテストやレポートに追われる時期になります。

ちまちま進めますのでごゆっくりお待ち下さい。

目標としては12月の初〜中旬には投稿できるようにしたいと持っています

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箒と入部

展開のあまりの遅さに気づいて絶句した今日この頃、8話目にしてようやく箒の授業ってどういうことなの……。

そしてUAが10000超えました!
いつもありがとうございます。
ハリポタは有名といえどクトゥルフという非常にマニアックな題材を取り上げてるもので読者もそんなにいないだろうなぁと思っていたのでびっくりしております。
 
13名の方、評価ありがとうございます!
これからも狂気に飲まれないようにしながら頑張ります!


さてさてみなさんこんにちは。どうもリア・シャトレーヌです。

私はただいま箒の授業を受けに青々とした芝生の広がる校庭に来ております。

えー……今日もいい天気ですねー……風めっちゃ強いけど(白目

はい、スリザリンとグリフィンドールの合同授業なので空気はピリピリしております。

そんなに互いに嫌いかね、君ら。

それにしても風強いなぁ……せっかく整えた髪がボサボサになっちゃうじゃないか。

天候弄くろうかな。

 

「リア?何か不穏なこと考えなかったか?」

 

ハルにそんなことを言われるが不穏なことではなかった……よね?

「授業が始まる、行くぞ。」

「そのようだね。さてさて楽しい授業だといいのだが。」

 

なんか嫌な予感もしてるんだよなぁ……。

胸がざわざわして落ち着かないよ。

少し遠くの方から白髪を短く切った女性が歩いてくる。

あれがフーチ先生かな。

そうこうしているうちに授業が始まった。

全員が地面に置いてある箒の横に立たされる。

 

「なにをボヤボヤしてるんですか。」

 

あっこの人あれだ、常にキビキビ動いてないと気にくわないタイプの人だ。

こういうタイプ苦手なんだよなぁ。

ちらりと箒を見ると結構ボロい箒だった。

本当に飛べるのか?

ふとハルの方を見るとバッチリ目があう。

 

「(そんな箒で大丈夫か?)」

 

大丈夫だ、問題ない……多分。

あ、キョロキョロしてたらフーチ先生に睨まれた。

 

「右手を箒の上に突き出して上がれと言う!」

『上がれ!!!』

 

するとなんということでしょう。

私の箒は私の手を弾いて上空25メートルくらいの高さまで浮き上がるとそのまま落下してきた。

うん、そこまで求めてないね。

次はしっかりと手のひらに収まる箒をイメージしながら上がれと言うとしっかり手のひらに収まってくれた。

 

「さぁ、私が笛を吹いたら、地面を強く蹴ってください。箒がぐらつかないように押さえながら前かがみになり、すぐに降りてきてください。では行きますよ、1、2の……。」

「ウワァァァァァァァァァ!」

 

何事かと思って見てみるとネビルが急上昇しているのが見えた。

まぁわかっていたことだが手は出せない。

ここで助けちゃうと後のイベントが発生しないからハリーがクィディッチチームに入ることもなくなるし、そうなると歴史改変が大きすぎて私の知識が通用しなくなる。

すでに私というイレギュラーが居る時点である程度の改変による知識の無効化は想定済みなのだが、極力規模は抑えたいというのが私の心情だ。

まぁ、お気に入りの人は何が何でも助けちゃうんだろうけどね。

そんなことを思いながら見ているとネビルが箒から振り落とされる。

うーわ……痛そう、てか絶対痛い。

フーチ先生がネビルの様子を見に駆けつける。

全員がフーチ先生に動くなと言われネビルが医務室に運び込まれる。

するとまぁ、当然のようにスリザリン生にはそれが愉快なわけで囃し立てる。

 

「みたか、あいつの顔?あの大間抜けの!」

 

思った以上に不快だね、どうやら自分でも自覚しないうちにグリフィンドールを気に入っていたらしい。

まぁいい人ばかりだし仕方ないか。

グリフィンドール生もやめさせようと声を上げるがさらにスリザリン生は勢い付く。

はぁ……仕方ない。

 

「お前たち……黙れ。(恐怖の植え付け)」

 

できる限り威力を抑えた魔術を声に乗せて使う。

すると場はシーン……と静まりかえるわけだが……ミスったね。

グリフィンドール生にも効いてしまった。

標的を絞れるように練習しないとなぁ。

すると私に気圧されたのを認めきれなかったのか少し引きつった顔のマルフォイが草むらから何かを拾い上げる。

どうやら球体のアーティファクトのようだけど…なんだろう?

 

「ごらんよ、ロングボトムのばあさんが送ってきたバカ玉だ。」

 

そしてハリーが反応する。

二人とも箒にまたがり宙に浮かぶ

 

「マルフォイ、こっちへ渡してもらおう。」

「それじゃ、ロングボトムが後で取りにこられるところに置いておくよ。そうだな、木の上なんてどうだい?」

 

ふむ、なんというかあれよな。

あの子達方向性を間違えなければいいライバルになれるんじゃね?

まぁ当人たちは認めないだろうけど。

ハリーの突進をマルフォイがかわし、マルフォイが苦し紛れに放り投げた球をハリーが急降下で取りに行く。

地面スレスレで球をキャッチしたハリーはゴロゴロ転がりながらの軟着陸を決めた。

そこはどこかの蛇さんみたいに三点着陸を決めてもらいたかったがまだハリーには早かったか。

 

「ハリー・ポッター・・・!」

 

おう、マクゴナガル先生の登場だ。

ものすごい怒声をあげてるが私は知っている。

他の生徒がいる以上教師として振舞っているが彼女個人の感情ではこれ以上なく喜んでいることを。

あれよあれよという間にハリーは連れて行かれてしまった。

チラッとハリーの沈んだ顔が見えたが、なに心配することはないさ。

君はこの物語の主人公なのだから。

私はそうハリーに内心で告げる。

しかしこの件でハリーがシーカーになるわけだがそれは当然特例としてのこと。

私自身はこの特例というものにあまりいい印象を抱いていない。

一回でも許せばそれを理由にまた特例が作れてしまうからだ。

ハリーのこの件の特例が将来のホグワーツ一年生にどんな影響を与えることやら……。

 

「あはははは!とうとうやりやがった!!ポッターの退学は確定だな!」

「いやー、それはないと思うねぇ。」

 

……あ、しまった。

口が無意識に動いてた。

 

「おい、ミス・シャトレーヌ。どういうことだ?」

 

うーん……適当なこと言っておくか。

 

「おや、あんたたち気づいてなかったのか?去り際のマクゴナガル先生表情は喜びの感情を押し殺したものだった。まぁ口角は上がってたから見る人が見ればすぐにわかるよ。」

「ハリーは退学にならないってこと?」

「まぁ、そうなるな。」

 

つい某航空戦艦のセリフが出てしまう。

ロンがホッとした様子でこちらを見ていた。

この後ハリーは箒を入手するわけだが……。

まぁ、あの性格じゃ浮かれるだろうからある程度は釘さしとかないとね。

おねえさんは大変なのだ。

そんなこんなで授業は終わりを迎えた。

 

 

 

 

さて時は流れて私は今とある部屋の前にいる。

目的はとある部活に入部するためだ。

部活名は「マグル部」。

なにをする部活なのか上級生に聞いたところマグル関連のものであればなにをしても良い部活だそうだ。

そしてマグルの文化の研究のためにこの部屋だけはホグワーツの機械類を狂わせる魔法が除去してあるとのこと。

ここに所属する目的はさまざまあるがそれはまた後日話すとしよう。

私は勢い良くドアを開けて……。

 

「たのもーー!!!」

 

そう叫んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 




忙しい時期が続きます。
合間合間にちまちま書き進めておりますのでしばらくかかりますがどうぞゆるりとお待ちください。

それではイアイアー!


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ハロウィーン

今年もあとわずかとなりました。
冬休みはバイト三昧です。

皆様はいかがお過ごしでしょうか?


へいへい皆様こんにちは、リア・シャトレーヌです。

今日はなんとなんとハロウィーン!

テンション上がるねヒャッホウ!!

とまぁ若干キャラ崩壊気味な私である。

なんてことを考えながら今私がいるのはマグル部の部室である。

室内にはたくさんの本と機械類が並んでいる。

私は今魔法を用いた精密機器の研究に取り組んでいる。

なぜ私がこんなことに取り組んでいるのか。それは一週間ほど前の夢の中までさかのぼる。

 

+++++

 

 

夢の中

 

私が目覚めるとまたあのわけのわからない空間で憎くきあの男と相対していた。

私が男に気がついた瞬間こちらに喋らせる隙を与えない怒涛のマシンガントークが炸裂する。

 

「やぁやぁ久しぶり!どうだい新世界での生活は?楽しいだろう?うんうん楽しくないはずがない!なんて言ったってこの私が楽しいのだから!しかし私は気がついたんだ!人間が持つ考えの一つに平行世界というものがあるんだろう?そこからもう一つ私が気に入った作品をこの世界に混ぜ込むことにしたんだ!さらにこの世界の君に敵対しそうな人を強化することにしたよ!さしあたってはヴォルデモート君かな?どうもお辞儀君なんてよびかたもあるみたいだけどね!ふふふ、君にはこれから多くの苦難が降りかかるよ!なぜなら私がけしかけるからね!君の顔が恐怖や絶望に歪むのを想像するとゾクゾクしてたまらないよ!さぁさぁ私が絶頂を迎えるまで楽しませておくれ!」

 

……うざい。どのくらいうざいかというと朝遅刻しそうになってるときに信号に引っかかったり着替えのときに布が引っかかってなかなかパンツがはけなかったときぐらいうざい。

忘れた頃にタンスの角に小指をぶつける呪いでもかけてやろうかしら。

 

「やめろ、私は平穏に暮らしたいんだ。余計なことはしないでくれ。」

「あんなスラム街で大人を圧倒するのが平穏かい?」

「グッ……。」

 

あれは自分でもやりすぎた感があった。でも人が助かったんだからいいよね?よくないか。

 

「今日はこんなところだよ!でもでもぉ!これからも何かあったら嫌がらせも兼ねて連絡に来るからね!しかしアザトースの旦那やヨグ=ソトース兄さん、バースト姉さんにハスターやアトラック=ナチャ、アブホースまでが君に興味を持つとは意外だったな。なにはともあれ私、ニャルラトテップは君のことを応援するよ!頑張って甘美な悲鳴をあげてくれたまえ!」

 

そんなことをいうと男はパッとその場から消えてしまった。

もう一つの作品ねぇ……ろくなのが選ばれる気がしない。

ってか向こうからけしかけてくるのか、こりゃ魔法戦争は避けられんな。

今のうちに修行しておかねばね、強化するとも言ってたしいつかは私の魔術が通じない敵も出てくるかもしれない。

……と考えていると夢の中にもかかわらず強い睡魔に襲われて私は意識を失った。

 

++

 

というのが一週間まえの夢の出来事である。

ほんと面倒なことしてくれたよね、スタンド使いじゃないがやれやれだぜ。

さしあたってはヴォルデモート陣営に対する対策といったところかな。

死の呪文に対してはとある魔術で対策ができてしまっている。

ただしこの呪文のせいで私の体は極端に成長が遅くなり、寿命に至ってはもう数百年単位で伸びてしまった。

この事実に気付いたとき私は衝撃を受けた。

成長が遅いということは胸が成長しないのである。

成長しても胸が育つとは限らない?そこのチミィ……口にしてはならんことを言ったな?ぶち殺してやる。

そんな我が胸部の確定された未来に絶望しながら研究を進めていく。

ヴォルデモートを筆頭に魔術や魔法を特別視するものは往々にして魔術魔法以外を見下す傾向にある。

慢心もいいところだ、つまり付け込む隙はそこにあるということだ。

今の私ではできないが対物ライフルであるバレットで2キロ先から狙撃すれば死ぬんじゃないかな。

ハーグ陸戦条約?あれ別に対物ライフルの対人使用を禁止するとは書いてないから別にいいよね。

ダブルオーのオートマトンみたいな感じのやつが目下の目標だな。

……ふぅ、疲れた。

今日の研究はここまでにするか。

 

 

 

 

 

談話室に向かうと男子の威勢のいい気合と風切り音が聞こえる。

うん、談話室っていつから道場になったのかな。

中心人物はまさかのハル。

部屋に綺麗に学年別等間隔で並んだ男子達に格闘技を教えている。

指導している様子はまさに鬼教官、教えてもらっている男子達もキレのある動きで蹴りや突きを繰り出す。

……ここって魔法学校だよな?どうしてこうなった。

さすがに全員はスペースが足りないためか曜日で教わる人が決まっているようで残りは部屋の隅で筋トレしている。

リ◯ーンの暗殺部隊の赤ん坊に「格闘のできる術師なんて邪道だぞ!」とか言われそう。

 

「よし!今日はここまでだ!」

「「「押忍!ありがとうございました〜!」」」

 

ふむ、終わったかな。

 

「やぁ、ハル。お疲れ様。」

「ん、リアか。ありがとう。」

「どうしてこうなったんだい?』

「あぁ、談話室でいつものように格闘技の鍛錬をしていたら弟子にしてくれって人が現れてなんやかんやでこうなった。」

「なんやかんやって……。」

 

やっぱり男の子はこういうの好きなのかな。

さて、もうそろそろ授業だ。

教室移動しようかね。

 

 

 

時は流れてもうすぐ夕食の始まる時間帯、今夜はパーティーが開かれとてもおいしい料理にありつける……ありつけるはずだったのに……。

私は現在トイレに立てこもっている。

少し前にフレッドにもらった飴に下剤効果があったらしく、めちゃくちゃお腹が痛い。

ちくしょう、あのいたずら小僧め……。

用を足してトイレから出ようと鍵を開けると床が揺れたことに気づく。

あれ?地震でもあっ……「キャ-----------------------------!」

あっ……これあれだわ、トロールのやつか。

なんか臭うなと思ったがトロールがいたんじゃそりゃ臭いわ。

急いでドアを開け放ち外に出るとハーマイオニーとバッチリ目があう。

うん、ニャルが言ってたことがよくわかったわ。

泣き顔の女の子って可愛いね!そそるね!

とまぁ、バカな思考は置いといて振り向きざまにヨグソトパーンチ!

はい、もはやおなじみのヨグソトースの拳です。

ノーモーションで発動できるから便利なんだよね、私はイメージを強固にするために実際に突きを放ってるけど。

手加減なしで放たれたエネルギーの塊はトロールの腹部に直撃し虚空に血と臓物による大輪の花を咲かせる。

抹殺完了!トロールごときにハーマイオニーはやらせん!やらせはせんぞぉ!

やはり脆いな。拳を振り抜いた勢いで半回転しトロールに背を向けハーマイオニーに正対するように立ち瞑目してお気に入りのセリフを言い放つ。

 

「見た目と本質は別物。世間の人はそれに騙されやすい。」

 

byシェイクスピア。いやー、トロールって皮膚固そうだけどそんなに硬くないね。

知恵を働かせれば一年生でもそれなりに戦えるかも。

飛び散った皮膚片を足でつついたらぐにゃぐにゃしてるし。

目を開くとハッとした様子のハーマイオニーが尻餅ついてこちらを見上げていた。

ふむ、そんなぽかんとしてどうしたんだい。

廊下の方から足音が聞こえてきた、恐らくはハリーとロンだろう。

 

「「ハーマイオー…………うげぇ、なにこれ。」」

 

うんわかるよ、私でもそうなる。だが少年たちよ。

世界にはもっと恐ろしいことがあるの。このくらいで驚いてちゃ話にならんぜ!

その後やってきた先生方にお説教をいただき、事後処理などを丸投げしておゆはんを食べに大広間に向かうのだった。

 

 

そして翌日のこと。

重たい瞼をこすりながら談話室に向かう階段を降りていく。

 

「あっ……シャトレーヌさん!」

 

背後から呼び止められ、振り向くとハーマイオニーがいた。

 

「あの……友達になってください!!」

 

……なぜに敬語?

 

 

++

 

ハーマイオニーside

 

 私はトイレで一人泣いていた。ハリーやロンは全然言うことを聞いてくれないどころか私をトラブルに巻き込んでくる。授業はそれなりに努力してるのもあってとてもいい評価をいただいている。

あのスリザリンの薬学教師は例外だが。

そんな私には友達がいない。向こうから話しかけてくることがほとんどないのでこちらから話しかけるのだが、みんな煙たがるようなあまり友好的でない反応が返ってくる。

なんでも私が授業でなんでもできて目立つからなんとなくかかわりにくいのだそうだ。

今日はとうとう私の陰口を言われているのを聞いてしまった。

彼らは私には才能があるからできると言っていた。さらに私が彼らを見下しているということも言っていた。

私は見下してなどいないし、むしろ仲良くなりたいと思っている。

授業で活躍できるのだってしっかりと予習復習の努力をしているからだ、その努力を才能という言葉で簡単に処理されとても悲しくなった。

堪え切れなくなった私はトイレに駆け込み一人すすり泣いていた。

そして気持ちが治まってきて、トイレを出ようとした時、私はそれと鉢合わせた。

悪臭を放ちながら低いうなり声をあげこちらに近づいてくる巨体の化け物、トロールだ。

私は頭が真っ白になり悲鳴を上げてしまう。

すると私が使っていたトイレの隣のトイレからくすんだ金髪の背の低い女子が飛び出てきた。

彼女は私と視線が合うとまるで安心させるかのように不敵にニヤリと笑い振り向きざまにトロールに殴りかかる。

するとなんということだろうか。

トロールは上半身が消し飛びあたりには肉片が散乱することになった。

同じ女子とは信じられない怪力に呆然としつつ私は彼女がこちらを向いているのに気付いた。

 

「見た目と本質は別物。世間の人はそれに騙されやすい。」

 

そのセリフを聞いた時私は本当に救われた思いがした。

必死の努力を才能という言葉で片付けられ傷ついた心にまっすぐ染みた。

そしてこの人はきちんと私をわかってくれる人だと思った。

呆然とする私に少し不思議そうな顔をした彼女はトイレに駆け込んできたハリーとロンに応対していた。

その背中をみながら私は思う。

初めての友達はこの人がいいな。

そんな憧れにも似た思いを抱きながら私は彼女の背中を見つめた。

その後先生に説教をくらい大広間に戻ってお夕食が再開された。

 

そして翌日、談話室に向かう階段を降りていると、昨日憧れた背中を見つけた。

 

「あっ……シャトレーヌさん!」

 

気がつくと声をかけていた。

何を言おうと呼び止めたのかわからず混乱する。

彼女はかなり眠たそうな表情でこちらを振り返る。

あっ……寝癖ついてる。

彼女の寝癖で少し緩んだ心で自分でも思いがけない言葉を発していた。

 

「あの……友達になってください!」

 

少しぽかんとした様子の彼女は少し微笑んで言ってくれた。

 

「私でよければ友達になろう。これからよろしく。」

 

今日はいい日になりそうです。




この作品書いてる途中に他の作品も書いてみたいと思う今日この頃。
どうしようかなぁ。


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平穏な日々(白目)

気がつけば一ヶ月も投稿してないことに気づき真っ青になりながらキーボードを叩きました銀狐です。

書いたものを読んで思ったが内容薄ッ!?
クトゥルフ、勘違いその他諸々の要素が希薄すぎる。

評価、お気に入りなどありがとうございます!
日間ランキングに入ってるのを見た時は「あれ私明日イタクァに連れてかれて死んじゃうの?」なんて血迷ったことを考える程度にはびっくりしました、てか正気が削れました。

それではリアのホグワーツライフをお楽しみください。




はいはいみなさまこんにちは。

今日も部室に篭って研究中。

いやぁ……肩が凝るねぇ。

今は魔力で動くドローンを作成中だ。

魔力で動くといっても浮くことに魔力が使われてるのではなく電気の代わりに魔力を使っているので航空力学などの知識も必要となってくるが、それはそれで面白い。

魔法だけではなく科学の知識を得ることにより魔法を使うときのイメージがより強固なものになり、ここのところ授業でも好成績を保てている。

次は透明マントを解析して光学迷彩でも作ろうかな?

でも透明マントどうやって調達しようか……。

そのうち自分と寸分違わぬ人形を作れたりして……べつにクローンじゃないからあれこれ言われないよね、多分。

この間はその辺の土に衝撃で爆発する特性を与えて簡易的な拳銃を作成した。

まぁ爆発の威力が強すぎて拳銃ごと吹き飛んだのは想定外だったけどね。

ふぅ、肉体の保護の呪文がなければ即死だった。

あ〜今日もいい天気だなぁ……と思ってると部室のドアが開かれる。

ドアを開けて現れたのは金髪の青年だった。

 

「ミスシャトレーヌ、研究の調子はどうだね?」

 

この人はマグル部の顧問でチャールズ・デクスター・ウォード教授だ。

とても気難しい性格なのでできれば関わりたくなかった……が、自分の部活の顧問であれば仕方ない。

 

「順調ですよ、やはり科学と魔法は混ぜ合わせることでより革新的な技術を生み出すことができるようですね。」

「そうか、それは良かった。ところであの引きこもりはどこへ行った?」

「多分いつも通りオンラインゲームやってるんじゃないでしょうか。」

 

彼の言う引きこもりとは同じ部活の一つ上先輩でケザイア・メーソンという女性だ。

魔法に関しては天才的で同時に複数の呪文を発動させたり、杖を使わずに発動する魔法を独自に編み出している……が極度の人嫌いであり、同じ部活の人間でないと口をきかないという始末。

どうも他人が怖いらしく常にビクビクしている。

そして私がこの世界で初めて出会った「クトゥルフ神話」の存在を知る者でもある。

というか元々クトゥルフ神話世界の住人だったらしい。

なんでも魔女裁判の時代を生き延び、あの忌々しい男(ニャルラトテップ)の力を借り次元の壁を打ち破り追ってきたティンダロスの猟犬を飼いならして今はホグワーツで悠々自適なヒッキーライフを過ごしているのだとか。

……あれ?先輩の外見思いっきり幼女なんだけど……あれがロリババァというやつか。

そんなことを思いながら談話室に向かう。

 

 

 

 

 

 

談話室に入るとハルと数人の男子が鬼気迫る雰囲気で正拳突きをしていた。

前に聞いた話だと日々武術の鍛錬を行えることを感謝し1日10,000回の正拳突きをなんていう神だったか仏だったかに捧げるのだそうな。

ハルはこれを四年ほど前から日々の日課としている。

クリスマス休暇に入ったこともあり談話室に人は少ない。

ハーマイオニーは家に帰っている。

あのトロールの一件以来ハーマイオニーが百合っ子の気配を見せつつあるが気にしてはいけない。

ちなみにクリスマスのご馳走は最高だった。

この学校どこから食材調達しているのだろうか。

ちなみにお母さんからは無色の血清を、ハルのお父さんからは五本の奇妙な棒をもらった。

ハーマイオニーからは手作りのクマさん人形だった、可愛いね。

無色の血清は蛇のような外見をした人間が使っていたものをお母さんが色仕掛けで奪い取り改造したもので、奇妙な棒はハルのお父さんが外宇宙から飛来したまるで節足動物のような外見をした菌類を殴り殺した時にうばったものらしい。

クリスマス休暇はホグワーツでは魔科学の産物を作り出し、うっかり溝の鏡を覗いてしまったため思い出したくない記憶となり、ラーテンの街ではマフィア間の小競り合いに巻き込まれたり、危害を加えてきた魔術師の根城のビルを一階分爆破したり、2丁拳銃の女ガンマンとどうやっても死にそうにないメイド服に殺されそうになったり、少年兵と何人かの護衛を付けた武器商人に出会ったりしながら過ぎていき、やはり思い出したくない記憶となった。

……あの女ガンマンとメイド服の二人、見えないはずのヨグソトースの拳を普通に避けるわ、肉体の保護の魔術をかけなおさなきゃならないくらいぼろぼろにしてくるわ、途中で軍人崩れの集団が介入し砲撃してくるわでトラウマになりつつある……。

ショーンもどことなくぐったりしていたし。

どうもラーテンの街ではくすんだ金髪と、クトゥルフ神話魔術の影響と、どれだけ銃弾を浴びても死なずに反撃してくることから人外扱いされつつあるようだ。

そんなこんなでついた二つ名が「金色の悪魔」だった。

……厨二全開の二つ名をありがとう!全然嬉しくないよ!!!

あ、そうそう。

武器商人のお姉さんは結構綺麗な人だったよ。

 

 

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに休暇は終わりハーマイオニーをはじめとした休暇中家に帰っていた生徒が帰ってくる日になった。

談話室でのんびりしてると談話室の扉が開き生徒たちが入ってくる。

ん、ハーマイオニーかな?あの子。

と思っているとやはりハーマイオニーだったようで一直線にこちらに駆け寄ってくる。

 

「リア!久しぶりね!!」

「おー、久しぶり。元気してたかい?」

「もちろんよ!」

「つもる話もあるだろうけどあっちにハリーとロンいるからあいさつしておいで。」

 

そう言って会話を切り上げると談話室をでて寝室に向かう。

徹夜で研究をしていたからとても眠いのだ。

今のうちに仮眠を取っておこう。

 

 

起きると足元にハーマイオニーが立っているのが見えた。

「ん…おはようさん。」

「リア!ちょうどよかったわ、聞きたいことがあるの!ニコラス・フラメルって知ってる?」

 

無論知っている……がここで教えるといけない気がするのでヒントになりそうなことをいってみる。

 

「ニコラス…?なんかパラケルススとセットで覚えてた気がするなぁ……。多分錬金術関連の人じゃない?」

「錬金術ね!ありがとう、調べてみるわ!」

 

そう言うと慌ただしく出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくは平穏な日々が続いた。

まぁハリー、ロン、ハーマイオニーの三人組が夜中に出歩いて150点の減点を食らったのはびっくりしたけれど。

ドラゴンなんて素敵なものを隠すなんて水臭いじゃないか、話してくれれば協力したのに。

もうそんな時期なんだね、原作だと正確な日にちが書かれてないから事件が起こるのかあんまり掴めないんだよなぁ。

あー、今日は何作ろうかなぁと思案しながらカンニング防止魔法がかけられた羽ペンを走らせる。

そう、今は試験中なのだ。

ん……?あれ、試験中ってことはこの後ハリーが賢者の石をガードしに行くんだよな?

あの邪神がこんなおいしい事件見逃すとは思えないが……。

 

 

 

私は知らなかったのである。この時の思考が原因でのちのちあんな苦労をすることになるなんて。

 

 

 

試験が終わり廊下を歩いていると窓からハリーがハグリッドの小屋を飛び出すのが見えた。

あぁ、この後だな。

こっそり付いて行ってサポートしてあげよう。

お姉さんは優しいのだ。

そう思って一歩足を踏み出した時。

視界が歪み世界が暗転した。

 




ちなみにマグル部の新キャラ二人はクトゥルフ神話出典です。
興味があれば調べてみるのも面白いかもしれませんよ?



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翼を持つ蛇

今回は勘違いといってもリアの方が勘違いというか早とちりをしております。
そして前回とは打って変わって申し訳程度のハリポタ要素……。
相変わらず稚拙な文章しか書けぬ……。

いつも感想、評価、お気に入りありがとうございます!
感想に関しては気付き次第返信させていただきます。
気づくのが遅れたら申し訳ありません。




はいはい皆様こんにちはー。

絶賛混乱中のリア・シャトレーヌです。

えーと……確かハリーのサポートをしようとしたら目の前が暗くなって気絶したんだっけ?

しかし周りの風景は遺跡のような感じだしなぁ……。

目の前にはどういう原理なのかエジプトのピラミッドの上にさらにピラミッドが逆さまになって乗っかかっており、そのピラミッドに続く道の両脇には篝火が点々とかけられている。

なにかの祭壇かね?

背後をみればあたり一面の砂の海、いわゆる砂漠というやつだ。

ついでに言えばさっきまでは昼だったのに今は夜となっている。

さてここはどこなんだろうか……。

と思ってると空から甲高い笑い声と共にあの忌々しい男がおりてくる。

今の光景を写真に撮ったら「フライング・ヒューマノイド」としてUMA特集系の番組に投稿できないかなぁ。

 

「やぁやぁ、リアちゃん!私の愛しい道化姫ちゃんっ!!どうだいこの光景は!?いい眺めだろう、かのアラビアの狂える詩人ことアブドゥル・アルハザードがかつて見た光景だよ!!ふふ……彼もまたいい道化だった……。さてさてリアちゃん!可愛い可愛い道化姫!!今宵の月は満月だ!あぁ、なんて美しいんだろう!こんな美しい月夜にはあとひとつ足りないものがある!なんだかわかるかい?あぁ答えなくてもいい!君ほどの娘がわからないはずがない!血だよ!あの朱々として美しい血だ!できれば処女の血が望ましい……!この月夜の下、君の鮮血が飛び散る様を私は見たくてたまらない!あぁ!想像しただけで私の息子は反り返る!というわけだ!今宵の月は最高だ!楽しい楽しいパーティーと洒落込もうじゃないか!!!」

 

そう言うと男の体が一気に膨張し不定形になり徐々に細長くなっていく。

相変わらずのマシンガントークである。

てか何よ私のって……、私は貴方のものになった覚えはないのだがね。

しかも血が飛び散るのが見たくてさらに処女がお好みとは……。

さらにナルシっぽくなってるし……。

ナルシストでリョナラーで処女厨でメンヘラまたはヤンデレか。

やれやれ……救いようがないな、全く。

まぁ、救おうとも思わんが。

 

「ふふふ……君を嬲って殺したら心臓をえぐり出しながら犯してあげるよ!!あぁもうひとつ!君の足元にロウソクがあるだろう!君にはそのロウソクを守りながら戦ってもらう!ちなみに火が消えればかの選ばれし男の子!ハリー・ポッターは死に至る!!!」

 

さらにネクロフィリアときたか……。

てか、ハリーの命運が私の足元にポツンと立っている件について。

ちらっと見れば30センチほどのロウソクが立っておりチロチロと火がついている。

つか今ぐちゃぐちゃの肉塊みたいな見た目してるくせにどこで喋ってるんだろう?

まぁせっかく月夜のパーティーに誘われたのだから淑女らしく返事でもしておくか。

まぁ途中まで私の好きな歌の歌詞のパクリではあるのだけどね。

さっきまで肉塊でしかなかったそれはすでに全長30メートルほどの翼を持つ蛇となってこちらを見下ろしている。

そんな蛇となった男を、私は上目遣いで見上げながら口には獰猛な笑みを浮かべ

 

「あぁ、嬉しいわ。今宵の私のお相手は貴方?ねぇ、過ごしましょう。蠱惑的で幻想的(ロマンティック)な一夜を。ふふ……今の私は冷え切っているわ。貴方は私をその気に、熱くさせてくれるのかしらね?」

 

そう言って片手でスカートの端をちょんとつまんでお辞儀をしながら、空いた手で蛇にヨグ=ソトースの拳を撃ち放つ。

 

 

「ははははは!いいねいいね!あぁ美しいよお嬢さん!」

 

そう言うと蛇はぐるりと体をひねって拳を受け流すとこちらに急降下で突っ込んでくる。

私は足元のロウソクを拾いながら、さっきとは違う手のひらを広げて蛇に向け、握り潰すように手を握りしめながら魔術を使う。

 

「クトゥルフの鷲掴み!」

 

蛇は体の一部を握りつぶされ苦しげな呻き声をあげるが強力な力で振りほどかれる。

くっ……やっぱり力負けするか。

ドラゴンとどっちが強いのかな。

今はショーンもいないから身を守るものは肉体の保護の呪文のみ。

 

「ははははははは!いいねいいね!君から与えられた痛み!あぁ、なんて甘美なんだろう!」

 

まさかマゾ属性も持ち合わせているとは!?

うわぁ、関わりたくない……。

 

「知らなかったのか……大魔王からは……にげられない!」

 

いや、あんた邪神でしょう。

さて、どう攻略するか……。

やっぱあれだな!

一撃で心臓か脳を消し飛ばす!

しかし蛇の心臓がどこにあるかわからないので脳に攻撃することにしよう。

まずは足を止める!

 

「恐怖の注入!」

「ふはははは!効かないぬるい通じないッ!!恐怖の注入!」

 

ぐっ……!?まずいな……恐怖で体が動かない。

てか恐怖のあまり失禁しそうなんですが……。

 

「ぜぇぇぇぇぇりゃぁぁぁぁっ!!!」

 

なんとか気合いで押し返す。

てかド根性精神論が普通に通じる魔術って……。

こういうときに取り寄せることができる魔術ってないのかぁ……。

空間転移はどうせ通じないだろうし……。

っと蛇が突っ込んでくるのが見えたのでロウソクを消さないようにしながらそばにあった遺跡の中に駆け込む。

 

「おやおやー?お嬢さん隠れちゃったなー?ふふふ……かくれんぼか!いいねぇいいねぇ!そそるよぉ!!!」

 

あぁー……すごい悪寒がする……。

さてさて現在遺跡をあちらこちらに駆け回っているわけだが……。

罠多いな!?

さっきから落とし穴だったり毒矢だったり落石だったりと散々なんだが!

まぁロウソクは無事なんだけどね!

さすがは、私だよ。

てかあったよ、呼び寄せ呪文!

 

「アクシオ!ショーン!」

 

まずは私のペットであり優秀なボディーガードのショーンを呼び出す。

 

『およびかな?マスター。』

『私の姿に変異しろ、今あの忌々しい男と交戦中だ!今は翼のある蛇の姿をしている!』

『翼のある蛇?あぁ、忌まわしき狩人ですね。太陽光さえあればイチコロですよ。』

『しかし今は夜だ!よって頭部を潰す!』

『頭部?私にかかれば狩人なんて雑魚ですよ?』

 

余裕がなくて口調が変わってしまってる。

てか雑魚って……。

 

『雑魚?勝てるのか?』

『ええ、楽勝です。私めにお任せを。』

 

そういうとショーンは液体化して地面に解けるように吸い込まれていった。

ふう……少し落ち着くとしようか。

余裕とは不可欠なものだ。

はぁー……どうしようか、ショーンだけに任せて良かったのかね?

呼吸を整えようと深呼吸をしながら走る速度を緩めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は油断していた。

心に余裕を作ろうと深呼吸しながら歩いていた。

突如床が消失する。

床という抵抗を失った私の足は何も踏まず虚空に体は投げ出されていく。

そして投げ出された私の体は十数メートルほど落下し強い衝撃ののちに体が水に包まれるのを感じた。

そして視界の端で。

手に持ったロウソクの火が。

消えるのを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アブドゥル・アルハザードはネクロノミコンの作者です。ネクラロリコンじゃないですよ?
あとアラビア表記だとアブドゥル・アルハズラットが正しい表記らしいですね?
詳しいことは知りませんが。



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賢者の石

私が躁鬱気質のために長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。

誤字などございましたら教えていただけると幸いです。


はいはいみなさん、こんにちは。

リア・シャトレーヌです。

ただいま水中にドボン中。

えーとですね……ロウソクの火……消えちゃいました……。

なんてこったぁぁぁぁぁぁぁぁ!

え、ちょっと待ってなにこれ。

こんなあっさりハリー死んじゃうの?

え、私が殺したの?

でもあんなところに落とし穴があるなんて知らなかったんだもん、私は悪くない!

………わけないですよねー、はい。

とりあえず穴から脱出しないと……。

壁をよじ登ろうとすると壁から琥珀色の液体が滲み出てくる。

というかショーンだった。

 

「マスター、無事ですか?」

「私は無事……ロウソクは無事じゃない……。」

「おやおやそうですか、まぁ私はマスターさえ無事なら誰が死のうが構いやしませんが。それにマスターの魔術ならどうせ生き返らせることも可能でしょう?」

「いやまぁ、そうなんだけど。」

 

さらっとひどいこと言ってるよこの子。

ショーンの力を借りて穴から脱出する。

 

「あれ?あの蛇は?」

「丸呑みにしました、あとあの蛇はニャルラトテップの分身のようです。狩人にしては強すぎましたし本物のニャルラトテップであれば奉仕種族の私が時間稼ぎはできても倒せるわけがない。」

「ぐっ……また遊ばれたか……!」

 

あの忌々しい邪神はことあるごとにちょっかいかけてくるからな。

 

「マスター、あと数秒でこの空間が崩壊、そして元の世界に転移します。」

「え?あと数秒って早くな……。」

 

言いかけて突如視界が歪み立っていられずに体勢を崩して倒れ込んでしまう。

そのまま意識は遠のくのだった。

 

 

 

 

そして舞台は変わり冷たい床の上で私は目を覚ました。

んー……?あれ人の気配。

 

「………ッター、君はいろんなところに首を突っ込みすぎる。生かしてはおけ……。」

「……トロールを……ですか!?」

 

話し声がするな。

ここからは板が邪魔して見えない……あれ、これ溝の鏡じゃないか!?

こっそり溝の鏡の陰から会話してる二人を伺う。

えーと、クィレル先生とハリーか。

え、ハリー!?

生きてたのか、じゃああのロウソクは何だったんだ!?

その時あの男の声が頭に響く。

 

『一体いつからハリーが死んだと錯覚していた?まああれだよ、私は火が消えたらハリーが死ぬとは言ったよ。しかしね、ロウソクの火が消えたら死ぬとは言っていない。消えたら死ぬのは篝火の火さ。まぁあの話の流れからしたらロウソクの火と勘違いするのも致し方ないな。というかあの私はそれが目的だったろうね。あえて事前にろうそくを守るように指示し、その後関連性の強い「火」という単語をつかってプレッシャーをかける。ここで「ろうそくの火」と言わないのがポイントだ。』

お、おぅ……。

なんかいつもと違って理知的な喋り方だな。

 

『私は千の姿を持つ邪神さ、であれば千のペルソナを持つことぐらい容易いに決まっているだろう。今の私は私が持つペルソナのうちの一人さ。』

 

できればずっとその性格でいてもらいたいものだ。

 

『それは無理だし、できたとしても何も変わらないよ。私の本質は愉悦、快楽の探求だ、やることは変わらないさ。君にちょっかいをかけて君が喘ぎもがく様子を見て愉しむよ。』

 

ええぃ!なんということだ!!

っと鏡にクィレル先生が近づいてきたな。

コツコツと足音がこちらに近づいてくる。

となるとやることは一つだ。

鏡の裏側に先生が回り込もうとした瞬間に……。

 

「はっ倒すッ!!!」

 

先生の視線はハリーに向いているので隙だらけ。

無防備な顎をめがけてスローイングパンチを放つ。

ふふふ……避けれまい!

 

「グフォア!?」

 

え?あまりに考えなしすぎるだろって?

だってこの距離じゃ魔法よりも拳の方が早いんだもん。

クィレル先生は3メートルほど後方に吹っ飛んでちょうど後頭部を強く床に打ち付けた。

うん、ハリーも呆然としてるね。仕方ない。

 

 

「ハーイ、ハリーちょっとこっち来てねー。」

「え……リア……だよね……?どうしてここに?」

「細かいことは後々!さて、この鏡に何が見える?」

「何が見えるって……え!?」

 

ハリーの視線がポケットに向く。

ふむ、今の反応から察するにちゃんと賢者の石は手に入れたようだね。

さて、あとはクィレル先生をどうにかするだけだ。

視線を向けるとふらつきながらも立ち上がってきたところだった。

 

「ぐぬぅ……貴様らぁっ!!」

 

あー口から泡飛ばしながら憤怒の形相でこちらを見ていらっしゃる。

まぁ、ここはハリーに戦ってもらおうかな?

 

「さて、ハリー。前方に敵一人だ、任せた。」

「え!?手伝ってくれないの?」

「君は立派な男の子だ、あれぐらいの敵一人でも余裕だろう?それに私はか弱い女の子なんだ。」

「男の子であることと余裕であることに関係性はないし、そもそもか弱くないよね!?先生のことさっきぶん殴ってたよね!?」

「ぶん殴る……そんなことがあったようななかったようなあの頃の思い出は……。」

「何年前にする気なのさ!?」

「私を無視するなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

あら、先生がお怒りのご様子。

そして私はハリーの後ろに回りこみ……。

 

「ハリー、いってらっしゃい!」

 

ハリーを先生の方に蹴り飛ばす。

 

「ちょ……!?」 

 

うむ、出だしは順調。

 

「ハリー!男なら拳で勝負だ!!」

 

といったもの唐突に蹴られて驚いたせいだろう。

足がもつれクィレル先生に覆いかぶさるように転倒してしまう。

ハリーの右手のひらがクィレル先生の頭部をがっちり鷲掴みにし守護の呪文の影響を受けたクィレル先生の口から苦悶の絶叫が迸る。

 

「ッア”ア”ア”ア”ァ”ァ”ーー!!!!」

 

うわ、なんて酷い声だ。

生前見た映画でハリーに触られたら火傷したみたいになって死んだからこれでも行けるとは思うが……。

 

「ボッダーァ”……貴様ァ……!!」

 

そう言ってハリーに掴みかかろうとするがその手のひらが目標を捉える直前でその体は砂となり崩壊を始めた。

さて……潮時かな。

目の前で砂となってその形を崩していくクィレル先生に頭痛に苛まれながらも呆然とするハリーの背中に向けて短剣を向ける。

ごめんね、まだ私が表舞台に立つ時ではないんだ。

私がここにいた事実は忘れてもらおう。

 

「Obliviate-忘れよ-」

 

剣先から放たれた光線は狙い過たずハリーの背中に直撃し、ハリーは体から力が抜けたようにその場に崩れ落ちる。

あとはダンブルドア先生がハリーを回収してくれるだろう。

 

「さて……ショーン、そろそろ帰ろうか。」

『はい、マスター。』

 

転移魔法を発動させホグワーツ寮のベッドの上に移動する。

はぁ……。疲れたなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へーい、リアさんだよ。

前世の記憶で言う所の修了式が終わり家に帰るために列車に揺られています。

私が介入したことで最終順位に変化はあるかな?と不安にもなったけどグリフィンドールが一位でした、やったぜ。

やっぱり出された料理は美味しかったし、みんなでワイワイやるのもまぁ私のキャラじゃないと思いつつ楽しかった。

目の前には眠そうに瞼をこするハルが座っている。

どうも昨日最後の夜だからと大騒ぎしたらしい。

生真面目堅物のハルがはっちゃけるなんて珍しいな。

でもそんなとこもおねーさんは好きだよ、まぁ……同い年なのだけれど。

さてさて次の一年はどんな一年になるのかなぁ……。

原作から逃げようとしてもあの忌々しい邪神がどうせちょっかいかけてくるのでどのみち厄介ごとに巻き込まれるのは必然といっていいだろう。

こんなことを思いつつ

 

「やれやれ……まぁ、あの男の遊びに付き合ってあげるのも悪くはないかな……。」

 

などとつぶやいてしまう程度には図太くなったメンタルに気づき少々愕然する。

やはり私は頭のネジを215本ほどどこかに落っことしてしまったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




リアちゃんはツンデレ……かもしれない。


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