轟沈寸前の潜水艦を拾ったのでオリョールに行かせてみる (libra)
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轟沈寸前の潜水艦を拾ったのでオリョールに行かせてみる

 リアルの用事で書いている小説の筆が捗らないので息抜きに。
 あくまで息抜きなのできっと粗しかない。


 オリョール海に出撃していた艦隊が轟沈寸前の潜水艦を見つけたらしい。とりあえず他の鎮守府の艦隊に見られると面倒なので迅速に、風よりも光よりも早く帰投せよと命じた。特に深い意味はない。

 

 帰投した艦隊から暴れる潜水艦を受け取り、無理やり破壊された艤装を外し、それを明石に預け、そのまま本体をなみなみと緑色の「なんかヌメヌメするぅ!!」液体で満たした湯船に押し沈めた。当然暴れるものの、それを無視して沈め続ける。

 傷とセーラー服が治ったのを(理屈を深く考えてはいけない)確認し、食堂へと連れていく。現金な物で引きずっている間暴れていたというのに、連れてこられたのが食堂だと気づくと大人しくなった。腹の虫は元気だったが。

 潜水艦は顔を赤らめる。それをニヤニヤと見ていると彼女はまなじりをつり上げた。

 

 「何笑ってるでち、碌に食べれてないんだから仕方ないでち」

 その後、彼女は先ほどまでより機嫌が悪そうだったが、あらかじめ準備させていた自分はとてもじゃないが食べれない程『甘ったるくて冷たい塊』を見て、初めて目に光を宿らせた。

 その変化に思わず吹き出すとやはりと言うべきかジロリと睨まれる。くわばら、くわばら。

 

 『甘ったるくて冷たい塊』を食べた彼女はとことなくキラキラとした光を放っているように見えた。

 「流石に気分が高揚します」

 ......加賀さんの分を用意したつもりはなかったのですが。

 「......やりました」(ドヤァ)

 とりあえず、今日の夕飯は無しということで。

 

 正規空母の悲鳴を聞き流しつつ、潜水艦を引きずっていく。先ほどまでと違い、彼女は暴れることなくついて来た。

 「で、これはどうにかならないんでちか?」

 どっかしら掴んでないと逃げそうだし。

 「艤装がないから海には出れないでち」

 柵くらい飛び越えられるでしょ?

 「無茶言うなでち、そもそもどこに逃げるでち」

 ......。

 「何か言うでち」

 でちでちうるさいでち。

 

 脛を蹴られた。(最も力が篭っていなかったが)

 とりあえず、それ以来黙って引きずっていく。目的地である工房に辿り着き、そこのボスとも言える明石から新品同然の姿となった彼女の艤装を受け取る。

 「......ゴーヤに帰れって事でちか?」

 他の鎮守府の艦娘を引き取るのは面倒なんだよ。

 「ゴーヤは弾除けにされたんでち......きっとゴーヤは沈んだものとして処理されてるでち」

 ......。

 「だから帰る場所なんてないでち」

 

 

 結局、潜水艦は深海棲艦を倒したら出現したという風に偽装し引き取る事にした。肉体的な疲れは取れても、精神的な疲れは取れていなかったのか、問答の途中で眠ってしまったのには驚かされた。

 潜水艦の部屋は我が鎮守府にはないため、とりあえず駆逐艦用の空き室を使わせることにする。 

 

 

 

 

 

 

 

 「でっち~~~」

 「でっちじゃないでち! ゴーヤでち!!」

 「えー? アドミラール......じゃなかった、提督がこう呼ぶと喜ぶって」

 「でまかせでち! というか、くっつくなでちーっ!!」

 「うぁー、ごめんなさいです。でっちにくっついていいのは提督だけでしたって」



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