ポケットモンスター 神々を繋ぐ者 (紅蓮)
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0-0 Over The "Period"

リメイクしちまった(

よろしくお願いします。ポケモン変わるかも。


「あ、サイ。ポケモン調整してきた?」

 

「ん、おはようアスカ。抜かりはないけどそっちは?」

 

「もちろん終わってるわよ。前日まで厳選すらしてないあいつにはなりたくないわよ」

 

俺(作者)ディスんのはやめたげてよぉ。

 

と、地の文でツッコむのはここまでにして……ある朝のバス内、大学生2人が会話をしている。彼らはポケモン同好会に入っており、どうやら今日部内戦なようだ。2人は2年生だが、なかなかの実力者であり部内での立場はポケモンでいうジムリーダーである。

 

「そういえばテニスの方はどうなってんだ?」

 

「昨日家でバトルしながらウォーキングマシンで走ってた位だけど大丈夫でしょ。それよりそっちはどうなのよ」

 

「音ゲー? EJ(イージェー)さんに負けそう……」

 

「そりゃ負けるわよ……高校の段階で大体のゲームで全国1桁から2桁らしいし」

 

そして2人とも兼部している。お前ら勉強しろ……と言いたいところだが、2人とも単位落としは無い。というか余裕で高い判定を取っている。作者としては微妙な気持ちである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーガタンッ!ーー

 

突然揺れるバス内。小さな揺れならともかくあまりに大きかったためバス内が騒つく。

 

そして、次の瞬間大きな衝撃を受け、乗客は一人残らず意識を失った。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「はぁっ、はぁっ……」

 

1人の少女が丸っこいドラゴンを抱え、道無き道を走る。少し遠くには、見るからにガラの悪そうな男女や研究者が少女を探しているのが見える……

 

「……! いたぞ! こっちだ!!」

 

「あっ……」

 

少女は見つかり、ドラゴンごと気絶させられ研究者達に連れ去られる……抵抗した時にアクセサリーの様なものが落ちたが、研究者達は気づかなかった様だ。そして誰も居なくなって暫くすると、アクセサリーが光り、収まると1人の少年が倒れていた。

 

 

 

 

 

「あ、ありがとう……けど、入り口塞がれてるしいつまでここに居れば……」

 

先ほどとは全く別な、しかし景色のみ似通っている場所。1人の少年がキノコの様な生物と会話しながら隠れていた。周りにはガラの悪そうな奴らが少年を探している様だ……

 

「途中でお守りも落としちゃったしどうしよう……」

 

はぁ……と少年が呟く頃、彼の言うお守りが遠くで光り、1人の少女が現れていたのだが彼は知らない。

 

 

 

 

 

「……何かが動こうとしているな」

 

更に別の場所、胴に金色のリングをはめた白い生物は呟いた。

 

「探さねばならん……この世界に何が起きようとしているか」

 

そう呟くと、空間の歪みの様なものに消えていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして始まる物語。

 

この世界で、このポケモンの世界で、

 

多数の動き、ストーリー、思惑が交錯し過ぎたこの世界で。

 

何が起こるのか、それはまだ誰も知らない。




題名の意味は察してください。


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1-1 The Beginning@PSI

@の後ろは主人公を表します。


「……ここ、どこだ」

 

目を覚ますと、深い森の中に倒れていた。身長が縮んでる気がする……体を見ると小学四年生位になっていた。どういう事だ。

 

で、周りを見渡してみるが、見えるのは木、木、木、ミツハニー、木、木……ってちょっと待て。『ミツハニー』?

 

「って、ポケモン!?」

 

ポケモンに関しての説明はこの際放っておこう。問題は何故目の前にいるのか、だ。現実にいないはずのポケモンを前に、俺は後ろにずる……と、背中に何かが当たった。何かと思って見ると、ベルトの巻き付いたバッグだった……もしかして俺のか?

 

中身を見ると、どう見てもバッグの容量以上に詰め込まれた道具の類があった……確かに4世代(DP)以降はほぼ無限大に入ってたけど……ミツハニーもどっか行ってたし、落ち着いて中身を見る……メガストーン以外のアイテムが99個ずつ位入っているな。ゲームにはないカンパンとかも入ってるんだがどういう事だ……

 

おいしい水とカンパンを一個ずつ取り出し、背負おうとすると、ベルトにひっついてた何かが背中に当たる。見れば、ボールが4つ引っ付いてる……あれ、ハイパーボールっぽいけど黄色が直線じゃなくて雷っぽい形してるな……どういう事だ? っと、それはさておき一つをぶん投げてみると、ボールから光が溢れ……

 

 

 

 

 

『主よ、どうされましたか?』

 

俺の(ゲームにおける)エース、エルレイドが現れた……ん?

 

『……? どうされましたか?』

 

 

 

 

 

「うわああああああ喋ったああああああああ!?」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

俺が落ち着くまで5分、情報交換が5分……他のボールにいたのはエアームド、ライボルト、ラティオス。伝説が混じってる件はとりあえず置いておく。

 

まずラティオス以外だが、ゲームで使ってたのと同じポケモンらしい。今ボールから出されて、自我とかが芽生えたとか。で、俺の事を話すとなるほど……的な顔をされた。今までの記憶としてはゲームの内容そのままらしいが、記憶と反応とか動きとかが違うから気になってたらしい。で、さっきの喋った件だが、今は本当に喋ってるのか、それとも俺が理解してるのかは不明……誰かに確認して貰おうかな。

 

で、ラティオスだが……

 

 

 

 

 

「へ……2つの記憶がある?」

 

『ああ、サイのポケモンとして、とこの世界のポケモンとして、だな』

 

サイというのは俺の名前。本名は黒木(クロギ) 祭(マツリ)なんだが、名前を音読みしてサイ。っと、それはともかくラティオスの件だが……さっきまで南の孤島に居たはず、らしい。そこで妹と居たら変なメンバーが現れて、抵抗したが妹が捕まったらしい……で、ラティオスも捕まりかけた時、記憶と共にこっちのボールの中に来てたとのこと。御都合主義か、ってツッコんだら叩かれた……ラティアス大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

これからどうするか。バッグを漁ると俺のトレーナーカードが出てきたから戸籍はあるのだろう。とりあえずはポケモンセンターに行かねば……エアームドに飛んで貰えば早いのだが、バッジは無いし地理に疎いので歩くことにした。バッグの下に丸い宝石の付いたストラップがあったが、一緒にポケセンに届ければ良いかと思ってポケットにつっこんだ。

 

 

 

 

 

そしてみんなをボールに戻し、歩くこと10分。立派な寂れたお屋敷の前に来た……って、これあれだ、シンオウ地方の森の洋館じゃねーか!? あのトラウマスポットじゃねーか!! って事はここハクタイの森か……そういえばコケの生えた岩っぽいの見かけた気がする。

 

ゲームとは違って近くに出口は見えない。これは……入れって事なのか?

 

「びー」

 

うーん、流石に公式にオバケが出るところだしな……夜中に知らずにやってて、突然出てきて心臓が止まるかと感じた時があったな。これとXYのあれはダメだった。

 

「びー!」

 

「……なぁライボルト、ここ電化製品でも動いてるのか?」

 

『いや兄ちゃん、ポケモンの気配しかしないよー』

 

……ならさっきから聞こえるこのモーター音っぽい奴はなんだ? なんか周りに居るのか……?

 

「びー……」

 

何だろう、心無しか落胆したような音が聞こえて来た。それにしてもここ寂れてるよなぁ………天井に穴空いてるのか光は入って……

 

 

 

 

 

天井を見ようと顔を上げた時、音の主と目が合った。

 

 

 

 

 

「……び?」

 

「……ロトム!?」

 

音の原因こいつかよ!! ずっと頭の上に居たのかよ!?

 

『……ライボルト、お前気付いてただろ』

 

『いーじゃん、害は与えないって分かったから』

 

そういう問題じゃねぇ。

 

 

 

 

 

俺はロトムの声は分からない。だからみんなに翻訳して貰ったのだが……なんかこの奥に沢山の人が入っていったらしい。それはもううるさく。で、追い出そうとしたのだが何処かで消えてしまったとの事。で、俺もその同類じゃないのかって思われたらしく、言わば監視してたらしい。監視してるなら声出すなよって思ったが、安全って感じたから気付いてもらおうとしたらしい。じゃあ普通に前に出てこいよ。

 

っと、ロトムに対してのツッコミはここら辺にして、消えたという食堂に入ってみる。基本ゴーストポケモンの出るこの屋敷はあまり立ち入る人がいないらしく、大体の場所には埃がたまってるのだが、ものの見事に通路の様に埃のない地帯が存在していた。そこを進むと壁にぶち当たったのだが、そこだけ周りと壁紙が区切られている。壁を押してみると、回転扉の様に回り、先の通路、そして階段が見えた。

 

「……降りてみるか?」

 

「びー……」

 

……降りるか。

 

 

 

 

 

奥には研究所の様なものがあった。こっそり隠れながら進むが、何故か人気が無い。だが、ポケモン達の耳は良いらしく、人の足音や声を拾い、俺に教えてくれる……途中置き去りのパソコンを見たが、どうやらここがバレたがために脱出するというメール画面が見えた。

 

最深部まで行くと、水場が見えた。岸にはリーダーらしき男と、4人くらいの研究員っぽい奴ら、そして一艘の潜水艦があった……あれで逃げる気か。メールの内容を考えるとロクな研究じゃなかった筈だし、今いる奴だけでも捕まえるか?

 

「おい、あとはお前らだけか?」

 

「はい! 私らとこの実験体のみです」

 

彼らの言葉が聞こえる。実験体ってなんだと思ったが、近くに大きな箱がある……何のポケモンだ?

 

「よし、では乗り込め」

 

乗り込もうとするが……実験体、こういう時は何かやばい奴が入ってるしな、あれだけでも取らせてもらうか。

 

「エアームド、《ステルスロック》!」

 

『あいよ!』

 

散るステロ、それに相手が戸惑っているうちに、エルレイドに箱を取らせる。

 

「なっ……!?」

 

「敵か!? って子供じゃねーか、こんな所で何してんだ?」

 

「通りすがりの人助けですよ、ロトム、《でんじは》お願い」

 

向こうがポケモンを出してきたので、ロトムに《でんじは》を撃ってもらう。で、退路を防ごうとしたのだが……突然地面が揺れる。

 

「爆弾が作動したか。坊主、そいつはやる」

 

爆弾!? と行動が止まった瞬間に相手はポケモンをボールに戻し、クロバットか何かが《ふきとばし》をして、俺ごとステロが消される。で、相手を追おうとしたが、壁が崩れ始めているのを見て、自分も脱出するために来た道を帰る……箱をエルレイドに運んでもらいながら、途中の資料や金目のものを取ってたけどちゃっかりしてるとか言わない。

 

で、研究所が潰れる前に洋館に戻ってくることが出来た……後ろを振り返ると、研究所は入り口から埋まっている。これは掘るのもきついだろうな……

 

 

 

 

 

洋館のロビーにて。箱を開けると、中にはフカマルらしきポケモンと1人の女の子が入ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、人攫い!?」

 

女の子って、あいつら人攫いやってたのか!? 流石に予想の斜め上だったよこれは!!

 

 

 

 

 

『サイ、落ち着いたらどうや!? いくら驚いたからって箱の蓋で自分の頭殴るのはどうかと思うんやけど!?』

 

「……はっ、つい頭がおかしくなったのかと思って頭を殴ってしまった」




次回はホウエン側の予定です。

一応多重クロスも地味に考えておりますので、オリキャラなり別作品のキャラなりコラボなりなんでもこいや的な感じで募集します。感想にでもどうぞ。作者にバトル申し込むのもどうぞ。出て欲しいポケモンもどうぞ。





フーディン育成せねば……w


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1-2 The Beginning@ASK

題名被り許して下しあ


「で、ここは何処よ……」

 

『恐らくホウエン地方のトウカの森かと……』

 

バスの中で気を失って、ここで目覚めてから20分。ポケモンを見て腰を抜かしてから15分。自分のポケモン達……サーナイト、ルカリオ、エンペルト、アグノムに状況を教えて貰ってから5分。私、白飛(シラトビ) 飛鳥(アスカ)は森の中を彷徨っていた。どうやら道のないところにいたらしく、いくら歩いても人の姿がどこにも見えない。そのうち未開の森にでも行き着きそうね……

 

……えっ、アグノム伝説だって? うん、何者かに襲われ、気付いたら転移してたんだとか。ギンガ団では無かったらしいけど……

 

『……アスカ、どうやら近くに誰かいるようだ』

 

っと、ルカリオが誰か見つけたらしい。波動の力って便利ね……ってそうじゃない。こんな所まで来るなら森の外に出る道を知ってるはず。聞いてみよう。

 

 

 

 

 

で、ルカリオに言われるまま歩くこと2分。

 

『……通り過ぎたぞ?』

 

「えっ」

 

おかしい、誰も居なかった筈なのに……後ろを向いても誰もいない。

 

「……誰かいるの?」

 

声をかけてみるが……あ、キノココが出てきた。で胞子のようなものをこっちに飛ばして……

 

「って、《キノコのほうし》!?」

 

なんとか避ける事に成功したけど、向こうはもう一発打とうとしている……やばっ!

 

「さ、サーナイト、《ハイパーボイス》!!」

 

サーナイトを出し、すぐさま技を撃ってもらう……あ、キノココと一緒に、隠れてた男の子が技で吹っ飛んでいった。

 

すぐに追いかけるが……あー気絶してる。今気付いたけど、私、人に向けて技撃つとか何処の何タルさんかな……いや正当防衛だけどね?

 

 

 

 

 

数分後。彼が起きたので話を聞いてみたんだけど……彼、ミズキ君は何者かに追われてこんな奥まで入り込んでしまったらしい。何者かは分からず、キノココと遊んでたら突然襲われた、らしい……見てはいけない物でも見ちゃったのかな? そんで私も敵だと思って隠れてて、見つかったから寝かせて逃げようとしたらしい。

 

道は彼が知ってるということで、ルカリオに他人の気配を感じて貰いながら(言葉が話せる件はルカリオだから、で信じてもらえた)森の中を進む……彼、キノココと話してるように見えるけど、気のせいかな?

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

で、避けながら進んでいたら、見事にフラグを回収してしまった。

 

「……アスカさん、これは何ですか?」

 

「……ごめん、予想は付くんだけど自信がない……」

 

目の前には不思議な輪っかが浮いている。どうやら未開の森に着いてしまったらしい……なんでマボロシの土地に地上ルートで来れたんだろう……私が原因かな……?

 

輪っかの中には妙な渦が巻いている。別に奥を覗いてもポケモンの姿は見えないが……手を突っ込んでみるけど反応無し。誰かがもう捕まえてるのかな?

 

 

 

 

 

『……! お前らしゃがめ!』

 

突然ルカリオが叫んだ。すぐにミズキ君を引っ捕まえ伏せると、先程私達が居た場所に蜘蛛の糸みたいなのが飛んできた。あれは……《いとをはく》? って誰かいる!?

 

「と、とりあえずルカリオ出てきて!」

 

『承知した!』

 

ルカリオを出すと、そのまま私とミズキ(+キノココ)を抱え走り出す。後ろから柄の悪い奴らが追っかけてるのが見える……ってバイク!? あれは追いつかれる……!

 

『2人とも、動くな! 舌噛むぞ』

 

ルカリオはそのまま木の上に飛び上がり、枝をうまく使って相手を巻いていく。何回かキノココがほうし巻いてたけど……どうでもいいけどこのキノココのレベル幾つ? それはさておきほうしのお陰で追ってくる人もポケモンも少なくなっていく。そのままの勢いでトウカ側の出口へ出る事ができた。

 

「……あっ、あの建物……もしかして出口?」

 

「あれ、ハギさんとこじゃないですか! 良かった……」

 

こういう時はラストで追手が待ってるのがお約束だが、そういう事もなく降り立ち……近くのトレーナーにびっくりされた。で、とりあえずトウカまで運んで貰うと……あ、なんか人が騒がしい。

 

「あ、父さん!」

 

「ミズキ! 探したん……ってそのポケモンと女の子は誰だ!?」

 

ミズキ君の父親らしき男の声がする。もしかして騒がしいのはミズキ君が居なくなったから? と思いながらそっちを振り向くと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トウカシティジムリーダー、センリと目が合った。

 

 

 

 

 

えっ、ミズキ君ってセンリの息子? って事は主人公!?




タイプ統一戦でノーマル引き当てて8戦5勝したポケモン初心者です。ムクホーク強いお(-ω-)
感想等待ってます。


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1-3 Water Horizon@PSI

超遅延投稿野郎ですねごめんなさい

12/19、箱崎で俺と握手!((


ハクタイシティ。

 

ゲーム中では2番目のジムのある町として、そしてギンガ団との戦いの場として存在した町。

 

夜頃に俺は、少女とフカマルを抱え、何故か付いてきたロトムと共にこの町に来ていた。道? ロトムが知ってた。

 

「ポケセンに行けばなんとかなるか……?」

 

「び? びーっ」

 

ロトム、この町の地図も覚えてるらしく、案内された先にはゲームでお馴染みなポケモンセンターが存在した。

 

……えっ、ゲームで知ってるんじゃないかって? ばっかお前、ゲームと現実が同じな訳ないだろ。

 

「すみませーん……」

 

「こんばん……ソラちゃん!?」

 

カウンターにお手伝いらしきおばちゃんが居たが、少女を見て叫んだ。んで裏に引っ込んだかと思うとジョーイさんやら医者やら出てきてあれよこれよと言う間に病棟らしき所に連れて行かれた……って実況してる場合じゃねぇよ。

 

その横で俺は、休憩室で森の洋館であったことをおばちゃんに話していた。

 

「……ということなんです」

 

「信じがたいけど、ソラちゃんだからね……『イーエックス』か……?」

 

「ソラってあの子……って、イーエックス? それって何ですか?」

 

「えっ」

 

「えっ」

 

「……そういえば貴方のこと、聞いてなかったわね」

 

「あっ……」

 

どうやら誰でも知ってる事らしい。イーエックスと聞いてもポケモンカードのex位しか思いつかないんだが……ってそうじゃない。どうするか……記憶喪失って言っても矛盾起こすだろうし、本当の事言ってもな……

 

「もしかして、訳有り?」

 

「……はい、言っても信じられないと思うので……」

 

「話してみなさい。私、こう見えて裏には詳しいから」

 

それはそれで怖いけど、話すしかないよな……うーん、もうゲームとなっている事から話すか。仕方がない、じゃないと色々と説明つかないし、どっかでボロ出た時が怖いしな……偽りたくもないし。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「……簡単に纏めると、貴方にとって『気付いたら空想の世界にいて、流れでソラちゃんを助けた』って事でいいかしら?」

 

「簡潔にまとめ過ぎじゃないですか!? 三行にすらなってませんよ!?」

 

ついツッコんでしまった。確かにそうだけど。

 

このおばちゃん、少女……ソラのおばさんに当たるらしく、ハクタイシティで孤児院を経営してるらしい。ソラの両親はここだがソラ自身はイッシュ出身で、ある事件を機にこっちで暮らすようになった、との事……ソラの両親の話をしなかった辺り、嫌な予感しかしない。で、そういう事から裏の情報というのは集めてるとの事。

 

で、『イーエックス』だが、全6地方……カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウ、イッシュ、カロスで見られるロケット団みたいな存在らしい。有名すぎるほど有名で、数年前は大規模な人狩りとか行ってたとか……今は1人見つけるのも難しいが、たまに活動の痕跡が見られるためにその恐怖は残っているらしい。

 

そして、人狩りの被害者は大半は帰ってきたが、未だ帰ってこない人もいる。そして、その人々とソラには共通点がある。それが……

 

 

 

 

 

「超能力?」

 

「ええ。少し先の未来が見通せたり、物体を浮遊させたり、ポケモンと普通に会話したり……ホウエン地方のトクサネジム知ってるかしら?」

 

「ええ、フウさんとランさんですよね?」

 

「そう、彼らも実は帰ってきてないのよ……それ以外にも特別な血を引いてるとか、特別な何かを持ってると言われてるような人は大体狙われたらしいわよ」

 

「……えっ?」

 

超能力。確かにORASではフウランはその能力で研究の手伝いとかしてたが……ジムリーダー等で唯一の被害者であり、未だに行方不明者だとのこと……サイキッカーとかやばそうだな。そして異世界人に当たる俺も恐らく対象じゃないですか、やだー……

 

で、ソラの超能力は『水を操る』こと。触れた水を水鉄砲のように飛ばす位しか出来ないらしいが……それ、血液とか操れるようになったらやばいよな……で、イッシュにいた頃も数回襲われているらしい。こっち来た理由ってそれも関わり有るんだろうな。

 

「今でもポツポツと行方不明者は現れてるのよ……この前は、なんでしたっけ。あーそうだ、エイチ湖で爆発が起きて、近くにいたキッサキ神殿の神官が1人居なくなった……ってあったわね」

 

「なるほど……」

 

エイチ湖の爆発と言えば、ゲームでユクシーが拉致されたアレを思い出すな。多分同じのなんだろうけど……

 

 

 

 

 

その後の色々な話は省略するとして、俺はソラのおばさんとこの孤児院にお世話になる事となった。戸籍は無かったけど、トレーナーカードのデータがあったから新たに戸籍を作るらしい……良いのかそれ。あと、個人的には旅に出てみたかったんだが、イーエックスの関係で襲われるといけないから、と年齢制限が上がってしまったらしい……イーエックス許すまじ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

そんなこんなで孤児院暮らし。別にこじいんくらし! ではない。

 

ポケモン達はどうすんだろ……と思ってたが、孤児院の他の子供の世話をしてくれる事になった。ラティオスは隠れて見守ってる事が多いけど。そりゃ表に見せたら危ないし。孤児院の様子を見に来たハクタイジムのナタネさんが戦いたそうにこっちを見てたけど、見なかった事にする。

 

で、そんな俺は……過去の影響か大人びていたソラ以外と話が合わず大体1人である。そして来るであろう旅立ちのために……

 

 

 

 

 

「きちょうなホネキタコレ」

 

「……お前さんここ以外に遊ぶ場所ないのか?」

 

「気にしないでくださおっしゃーみずのいしゲットだぜ!!」

 

会話で分かる人は多分分かる。そう、ちかつうろである。

 

シンオウ地方の地下に広がる巨大な通路のようなもの。秘密基地を作ったりタマと呼ばれる宝石を集めて埋めて大きくしたり、そして壁を掘って色んなお宝を回収したり。

 

偶然ちかおじさんと呼ばれる方と会話できた時に、駄目元で探検セットを売ってくれないか頼んだところ、ちょっとしたテストをこなしただけで無償でくれたとかいう驚き……はともかくとして、潜っては掘り、潜っては掘りで旅時の資金源を集めていた。

 

……プラチナ仕様なのかこんごうだまもしらたまもでる。ずがいのカセキもたてのカセキもその他のカセキも出る。出ないとすればプレートシリーズだけだな。やっぱりあれは特別か……

 

 

 

……あ、プレートと言えば、こんな事もあったな。

 

ここ、ハクタイシティにはディアルガとパルキアの像がある。ゲームでは像の後ろにプレートが落ちていたが、見てみたが落ちてる気配はない。まさか像に張り付いてるんじゃ……と思って触ってみると、見えない何かが引っ付いていた。両方の像から見えない何かを引っぺがすと、それは割れた黒い石板のようになり、引っ付けてみるとしっかり張り付いた上に藍色になった……とかいう不思議な事があったんだ。おそらくりゅうのプレートだろうけど……うーん、確か森の洋館にプレート2枚あっただろうしいつか確認しに行きたいな。

 

 

 

 

 

「サイくーん、もうすぐ夜ご飯だよ」

 

「えっまじか」

 

ちなみに、ソラも探検セットを持っていて、たまに俺を呼びに降りてくる……フカマルとロトムと共に。フカマルはソラの両親からの贈り物だそうで付いてくるのは分かるが、ロトムはなんで居るんだ、お前野生じゃなかったのか。あの日からずっとソラに引っ付いてるけど。

 

「……びー」

 

『……だからソラが心配だから、と言っているようです』

 

「心を読むな! ……本音は?」

 

「びー!」

 

『面白そうだから、だそうです……』

 

「デスヨネー」

 

こいつ、地味にあの日の俺とおばさんの会話聞いてたらしいからな。ソラですら(何時か言うつもりではあるが)俺の秘密知らんというのに。




曲名縛りしたらタイトルで詰むようになっちまった……


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1-4 Freaky Freak@ASK

お久しぶりです。

ルカリオとフーディン全く育成しておりませぬ。
ついでにキノガッサやガブリアスもまだです。

真実皇帝杯九州大会出てみましたが死にました。


「なるほど、信じ難いが……嘘では無さそうだな」

 

この世界に来て? 数時間後。今、私はセンリさんに今までの出来事を話していた。

 

最初は隠そうかなと思って、記憶喪失っぽいって言ったんだけど見事に嘘ついてる事がバレた。他に何か言おうとは思ったけど、なんか有無を言わさない感じだったので正直に話したんだけど……普通に信じて貰えた。

 

何でも、この世界にも「異能者」は存在するらしく、私みたいな存在もおかしくは無いそうで。んで、それを狙う『イーエックス』という組織が居て、恐らくトウカの森で襲ってきたのもその組織なそうで……ちょっと待って?

 

 

 

 

 

「待ってください、確かミズキ君襲われたって言ってましたけど……?」

 

「ああ、話は聞いてる。君と話す前にちょっと話したんだが……どうやら、ポケモンの言葉が分かるらしい」

 

えっ……そういえば、森でキノココと話してる様に見えたけど、あれ本当に話してたの!? どこの黄色の人なんですかそれ。だけど、それならキノココと遊んでたら追われたっていう説明に納得行く。多分会話が出来てるところを見られたんだろう……

 

 

 

 

 

その後幾つか会話してたんだけど、気付いたらセンリさん宅に居候する事になってた。狙われる危険性と、いくら中身が成人してるとはいえ、女の子をほっぽり出す訳にはいかないとか……お人好しというべきなのかな……?

 

ちなみに、ミズキ君には歳の離れた兄が居るらしいんだけど、今行方不明なんだとか。名前を聞いたらユウキだったから、恐らくRSEかORASの主人公だろうね。他に2人同時期に行方不明になったらしく、ハルカとミツル……? って呟いたら驚かれた。当たってたらしい。イーエックスが原因じゃないかと思って聞いてみたけど、彼らが現れる前に姿を消してしまったから違うんだとか。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

時間は飛んで2年後。

 

イーエックスのせいで旅に出られる年齢が上がってしまったがために動けないでいた。1回はシンオウ行ってリッシ湖見て行きたいんだけど……だからネットで情報収集していた。ネットの発達は絶対この世界の方が進んでいる……というのはさておき、覗いてて気になるニュースは沢山あった。あまりに多くてまとめるのに忙しかったけど。

 

「アグノム、エムリットとは連絡取れるのよね?」

 

『一応取れるよ。ユクシーとは全然繋がらないけど」

 

リッシ湖とエイチ湖の爆破ニュースはあるけどシンジ湖のニュースがないため、アグノムにテレパシー飛ばせないか聞いたらエムリットに対しては成功、無事も確認できたみたい。今はシンジ湖じゃなくて別の場所に身を潜めてるっぽいけど。一方でユクシーに対しては出来ず、エムリットの方からも試したけどダメだったらしい……

 

湖の爆発から伝説系が何かしら……恐らくイーエックスに狙われてるんじゃないかと予想立ててみたけど、調べる限りそれらしきニュースは幾つかあった。気になるのとしては、特別な物を持たないと見つからないとされてたみなみのことうが、中が荒らされた状態で見つかったというもの。空からだと何故か見つけられず、海からだと誰も近付けない潮の流れがあったらしいけど、それらが全部無くなってたらしい。

 

「あーもうこれ訳分からないわよ……」

 

『アスカ、そんなに詰めなくてもまだ時間はあるだろ? これでも読め、我からのお勧めだ』

 

「エンペルト、あんたその手で良く漫画を持ってられるわね……」

 

まずポケモンが何故漫画を読んでいるか、そんなのは考えたら負けよ。

 

 

 

 

 

この時読んだ漫画が後にある出来事を巻き起こすんだけど、それは遠い未来のお話。

 

この頃はこの漫画を読むか、調べるか、訓練するか、後は木の実栽培しかしてなかった。だってやれる事少ないんだもん。




言うことなし。
強いて言えばタイトルェ……

誤字脱字報告など待ってます。


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外伝? 1 蟲の棲む処

外伝というか、二部ですな(
本当はポケモンが終わってから書こうかなと思ってたんですが、こっちのネタの方が思い浮かんでしまって(´・_・`)
本気で音ゲーネタが飛び出します、というか音ゲー知らんと戸惑います。
それでもよければ読んで、どうぞ。

えっ、読むのが怖い? ばっかお前、俺が(ry


「飛鳥、冬休みって暇か?」

 

「何よ藪から棒に。確かに今年は帰省する予定は無いけど」

 

「あー実はな、EJから宴会誘われてんのよ。なんでも知り合いのじいちゃんが年末年始に宴会するらしいんだけど、料理多すぎて持ち帰っても全部食べれないって。昨年は俺も行ったんだけどよ……うん、あれはやばい」

 

「なるほど日立君とこの……待って、それってただの残飯係じゃ……それに私、そんなに食べないわよ?」

 

「いや良いって、持ち帰りの方を期待してるし」

 

「あの」

 

これが、フラグだという事に気付かなかった。

 

まさか、"また"問題事に巻き込まれるなんて……しかもサイ、黒木 祭と一緒に。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

Fate/zeroという漫画を、私、白飛 飛鳥はあの世界で読んでいた。

 

どうやらあるゲームに繋げるための前日談、だったらしいけど、そのゲームがR-18だったのもありゲームに関してはあまり知らない。名前は……Fate/stay nightだったかしら。主人公の名字が衛宮なのも知ってるけど……

 

それはさておき、なんであの漫画の事を思い返して居るのかというと……

 

 

 

 

 

『次はー冬木ー冬木でございます』

 

日立君……本名日立(ヒタチ) 遊(ユウ)、ハンドルネームEJ(エンジョイ)の家が冬木だったから。

 

調べてみたら、地主の名前に逢坂があり、ペットショップマキリが検索で引っかかり、あの舞台である事がすぐ推定できた。

 

ペットショップ……ゲームじゃそうなってるのかな? 店長の名前が間桐臓現だし。ちなみにこれまた驚いたのが、行き先のじいちゃん宅がその間桐だった事。ただ、サイの話だと雁夜さん普通に(虫にやられてない状態で)生きてるらしいし、娘さんは養子で黒髪だったと。だけど10年前に大規模な火災は起きてる事から聖杯戦争はあったらしいし……私の知る漫画の話じゃなさそう。

 

改札を出ると、手袋をした男が待ってた。あの手袋、水ロトムっぽい音ゲーする時のかな?

 

「あ、サイさんアスカさんようこそー」

 

「よーすEJ、遊びに来たぜ」

 

「お久しぶり」

 

「あーそうだ、じいちゃん今日から宴会するらしいしそれまでゲーセン遊んどこー」

 

「そーだな。アスカはどうする?」

 

「クレーンゲームがあるなら行く」

 

「そうと決まったら、ゲーセンに行こうかー」

 

 

 

 

 

この後、私は別行動(クレーンゲーム)し、2人は音ゲーをやってた。もし私も音ゲーを一緒しに行ってれば気付いただろう、2人の会話に。

 

 

 

 

 

「……あれ、EJさんその手の模様は?」

 

「これねー……朝起きたらあった。しかも消えないんだよー……」

 

「それマ?」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

もしstay nightの内容を知っていれば、まだ先のはずだと言っただろう。

 

 

 

 

 

間桐宅に向かう途中、行き倒れの女性を発見した。

 

「「「……えっ?」」」

 

「……えっ、ちょっ、大丈夫ですか!?」

 

先に我に返った私は女性に駆け寄り、女性を抱えた……男に任せるのはあれだしね。女性は気を失ってる様なので、そのままおんぶし、間桐宅へ急いだ。

 

 

 

 

 

「じいちゃん行き倒れ発見した! なんかない!?」

 

「おうおう遊君よ、一体どうs……そ奴は!?」

 

間桐宅。虫の気配は全くなく、清潔だし様々なじいさんばあさんが一緒に宴会をしている。端っこにスペースを作って貰い、女性を寝かせる。臓現さんらしきじいさんはすごく驚いてるが……

 

「なあお前さん、何処で拾って……ちょっと待て、遊君よ、その手……!?」

 

「えっ? これねー朝起きたらあったんだけdちょっと待ってじいちゃんもアスカさんもどうしたの!?」

 

日立君の手を見て震えていた。気になって私も覗いたんだけど……

 

 

 

 

 

手袋を外した日立君の手には、令呪らしきものが浮かんでいた。

 

 

 

 

 

「っつ……あれ、なんだこの模様……?」

 

彼女に布団をかけていたサイの手にも現れてたが、気付くのは少し後である。




次回、チートキャラ参戦


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外伝? 2 Black MInD

えっ、題名詐欺? ばっかお前、ラストにとっておくものだろ(


間桐家の一室。

 

そこで、私達3人と臓硯さん、倒れてた女性(現在も気を失ったまま)、それと他のお客さん方に酒を運んでいたはずの青年……間桐雁夜さんが集まっていた。

 

それから語られるは、この地で行われる魔術師の争い……『聖杯戦争』について。

 

まぁ難しい話は置いておくとして、簡単に言えば7人の魔術師が英霊……過去、現在、未来で偉業を成し遂げ、死後英霊の座と呼ばれる所に祀られた者……を使い魔、サーヴァントとして召喚し、最後の1人になるまでバトルロワイアルを繰り広げるというもの。サーヴァントにはクラスが与えられるんだけどそれについてはとりま省略。景品は名前にもある『聖杯』。一言で言えば、願いを叶える物、でいいのかしら。

 

ここら辺も例の漫画で知ってたんだけど、あの漫画と違う点があった。

 

 

 

 

 

警戒してたのが臓硯さんにモロバレだった私は、聖杯戦争に関しての話を聞く代わりに知ってる事を話せと言われていた。正直話したくないんだけど……と思いながら、例の世界、そしてFate/zeroの話をしたんだけど……

 

 

 

 

 

「……ああ、そりゃぁ儂を警戒するのも分かるが……第二次聖杯戦争で、優勝してないのに気付いたら儂の願いが叶っててな、それ以降一応不老不死じゃ。教会に目を付けられるといかんからと、間桐家の者しか知らんしのぅ……それに、蟲の体ではあったし、もし叶ってなければ今も蟲の体で今まで生きとるじゃろうな」

 

「……それ、部外者に言っちゃって良いんですか」

 

「……あっ、お主や遊君は良いとしてもそこの祭君は完全な部外者だったの……まぁいい、話したら殺すとだけ言っておこうか」

 

「お、おう」

 

……で、Fate/zeroの舞台でもある第四次聖杯戦争では海外にいたはずの雁夜さんに令呪が宿り、それから帰国して召喚してみたら何故かバーサーカーですぐ魔力持ってかれて脱落したとか。で、今は戻ったけど一時期白髪だったとか……蛇足だけど。

 

そして、日立君が『良いとしても』と言われた原因は……間桐枠が彼だった、というもの。聖杯戦争の元を(正確には聖杯を、なんだけど意味は同じだしこれでいい)作り上げた間桐と逢坂、アインツベルンの三家は優先して令呪が配られるらしいが、天然の魔術回路があり、よく遊びに来ていた日立君……遊君でいいか、が今朝の夢でちょっと願いを持ってしまったがためにそちらに令呪が行ってしまったとか。

 

ちなみにサイのに関しては、恐らくあの女性……はぐれサーヴァントが無意識に再契約してしまったんじゃないか、と。魔術師のクラス、キャスターとかなら可能らしい。良いのかそれで。

 

「ふむ、恐らく第五次……今回の聖杯戦争が、お主の言うR-18ゲームに当たるのじゃろう。個人的には遊君には令呪を破棄して貰いたいが……遊君よ、どうせやるんじゃろ?」

 

「そりゃやりますよー。話からして教会も怪しいらしいですし、サイを放って置けませんし」

 

「すまんな……そうじゃ、前回も使った召喚陣が地下にある。宴会が終わったら行こうぞ」

 

「ち、地下、ですか……あっちじゃないですよね?」

 

「いやいや、蟲を飼ってる方ではないぞ……」

 

ちなみに今でも蟲は飼ってて、本来の次期当主、間桐慎二君が使役してるとか。見た目が見た目だから表に出す事は殆どないみたいだけど。

 

 

 

 

 

宴会も終わり午前1時。この間にキャスターさん(クラス合ってたけど本名教えてくれなかったからキャスターさんって呼んでる)と一悶着あったけどそれはさておき。目の前では遊君が魔法陣を前に突っ立ってる。本当ならここに触媒……狙ったサーヴァントを呼び寄せるために使う遺物とかがあるんだけど、そんな物は無かった。そのため、召喚者である遊君自身が触媒扱いらしい。

 

「えっと……満たせ、満たせ、満たせ、満たせ、満たせ……繰り返される時を5度棄却する……中略!」

 

「俺嫁リミかよ!?」

 

「どっちにしろ初っ端から言い始める所間違えておるが!?」

 

「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!」

 

「続けた!?」

 

……魔法陣が光っていく。臓硯さんの顔を見るに成功らしい。

 

あれで成功するのは彼が音ゲーマーだからなのか。いや関係無いわよね……!?

 

 

 

 

 

「……お主、大丈夫か?」

 

「……手をちょっと擦りむいた……」

 

突然の爆発。吹き飛ばされる私。サイはキャスターに守られたみたいだけど、少し離れてた私は間に合わず普通に壁まで吹き飛ばされた。

 

目の前には雷と風を纏う真っ黒い何か。どっかで見たことあるんだけど……多分、あれが遊君のサーヴァントよね?

 

『……サーヴァント、ライダー。召喚に応じた。貴様が我のマスターか?』

 

「そうみたい。僕は日立 遊。よろしくー」

 

「……ドラゴン、か……遊君よ、君の先祖にドラゴンでもおったのか?」

 

「いや、じいちゃん。この方はただのドラゴンじゃないよー」

 

 

 

 

 

「EJテメェFUJIN Rumbleとか召喚すんじゃねぇ!! そいつ暴れた時の被害を考えろ被害を!!」

 

「いやーまさかねー、多機種音ゲーマーなのが触媒になるとは僕も思ってなかったよー」

 

思い出した。あれ2人がいろんな機種で練習しまくってた楽曲のジャケットのドラゴンだ。ってか風神だ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「あのー、マスター、あのサーヴァントをご存知なんですか?」

 

「……知ってる。EJ、こうなったら……」

 

「……そうだねー。そうと決まったら、明日はゲーセンに行こうか。キャスターさん連れて」

 

「えっ」

 

という会話があり、現在また冬木のゲーセンにいる。

 

『テケテケドン………テーレーレーテーレー………テテテテテテテテ……………テケテケドン!』

 

「………なんですのこれ」

 

『これが我だ。思い知ったか初心者』

 

あー、風神の本拠地のゲームやらせて……しかも最高難易度。サイはクリア(二回切った……って言ってた)、遊君に至ってはフルチェインの文字が出てるけど、キャスターさんクリア失敗、ゲージほぼ空……ちなみに風神は霊体化という実体を無くし、見えなくするという能力を使ってて、私達とはテレパシーで会話している。ここら辺はzeroにもあったわね。

 

『後輩もやらせてみよ』

 

「えっ」

 

……風神、貴方かなりの鬼畜よね。

 

 

 

 

 

※風神のステータス

 

クラス:ライダー

真名:FUJIN Rumble(以下風神)

マスター:日立 遊

属性:中立・中庸

ステータス

筋力:C(元がデータ上の存在のため、ただ某2機種のせいで少し上がっている)

耐久:B(クリア難度高し)

敏捷:A(速い)

魔力:B(ノーツの多さより)

幸運:B(遊の恩恵、音ゲーマーは運も必要)

宝具:A(後述)

 

クラス別スキル、保有スキル

騎乗:E

本来ライダークラスとして持ってるはずだが、風神の場合乗られる側なため最低値である。人間態を取れるようになればCまで上がるようだが……?

 

情報抹消:D

当時ある機種ではネット上でプレイデータが見れなかった事、それとその機種で見えないノーツがある事から。戦闘後の相手は風神が何を仕掛けてきたのか全て覚えておけない。数人居れば解析されてしまうが……

 

神性:E

名前より。風神自身がイレギュラーであるためほぼ召喚される事自体が有り得ないが、天下一音ゲ祭楽曲のキャラクターでは他にGot more raves?、Scars of FAUNA辺りが持つであろう。実は当人にメリット効果がないため、風神の弱点。

 

戦闘続行:C

2回の孔明の罠(曲が終わったと思ったらまだ続いてて最後の操作を忘れる現象)のため。瀕死でも最低2発は攻撃可能。

 

連撃:B

全機種でサビ部分の休みが無い事から。休まずに次の行動に移る事が可能である。

 

宝具

『四大元素大将(フウジンランブル)』

ランク:A 種別:対軍宝具

レンジ:1〜4 最大捕捉:???

固有空間。空間内は電子で作られた神殿(グルコスの風神の背景のようなもの)。とらわれた敵は、周りに浮かぶヘッドフォンをつけたインベーダー、GCインベーダーからノーツを模した砲撃を放たれる。砲撃の形にあった反撃を行えば傷を負わずに居られるが、どこかしこでボス曲と化している事が関わり、ゲーマーのサーヴァントでも無い限り全て受けきる事は不可。ちなみに作者の予想だと遊以外の登場キャラは全員避けられないと思われ。ここに住む風神の宝具が居るようだが、今は風神本人ふくめ誰も居ることしかわからない。

 

『決勝戦課題曲(ディサイドザトッププレイヤー)』

ランク:A 種別:対人

レンジ:2〜4 最大捕捉:???

固有空間。空間自体は上のと似てるが、違うのは攻撃するGCインベーダーが居ないこと、対象とそれ以外で入れる場所が違うこと。戦いを見守ることに特化しており、対象になった者の戦いの決着が着くまで誰も、風神本人も消すことが出来ない。また、対象者は決着が着くまで神殿内から出られない。対象以外も"観客"として自由に空間内を出入りできるが、神殿の外から中にいる対象の戦いを見守ることしかできない。なお、観客は全員耐久EXがつく。なお、邪魔しようとした"観客"は空間から追い出され、風神が許可するまで入れなくなる。ちなみに、電子空間の風の神殿以外に、『借りてきた』と生命溢れる土の神殿、炎が吹き出る火の神殿、水中バトルになる水の神殿、無重力の光の神殿、トラップが出現する闇の神殿も出せるのだとか。ただし、風以外は召喚者の魔力が膨大に必要。

 

『GROOVE COASTER』

ランク:不明 種別:対人

レンジ:不明 最大捕捉:不明

通称『グルコス』。風神が召喚できる武器。見た目は2つの光球。グルコスのボタンの様に操作する事でノーツを発射したり、スライドの剣にしたり、スクラッチビームを発射したり出来る……が、当人は生身で使えるため必要無し。基本召喚者が使うもの。グルコスプレイヤーが使うともれなく最強と化する。具体的には攻撃に関しては某髑髏1/108を倒せるほど。

 

備考とか

第一回天下一音ゲ祭、後半戦のグルコス代表曲であり後半戦1の問題児、FUJIN Rumbleの龍。対魔力と神殺しへの耐性が無い事を除くと対人戦を筆頭にとんでもないチートである。基本的には体格と速さを利用した攻撃と、音ゲーのノーツ砲撃が攻撃手段。四大元素大将も条件が揃うと簡単に使えたりする。性格は温厚だが、とんでもない事をやらかす事のあるお茶目さん。音ゲーの難題を押し付けるのが趣味。願いは『音ゲーマー増やし』だが、聖杯には人間化と受肉を願う予定、それからゲーセンに来た人を音ゲーに誘い込んで増やすんだとか。とりあえずはキャスターを音ゲーマーにしようと画作中。知名度補正が国内にいる間は高い。逆にアジア、アメリカ以外では無いに等しい。




正直Fateのデータ表とか書くの初めてなので、間違い等あれば教えて頂きたいです。

ちなみに、臓硯は今は人の体です。第二次位だったらまだ元々の願い(不死の願いの理由)で生きてるかなと思いまして。


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外伝? 3 Under The Moon

接触。そして過剰戦力に。

フラグは初っ端から回収、巻いていく人。やりたいことは先にやっておかないとFateでは死ねます。


冬木にある協会、そこで、1人の男が不思議な機械を見つめていた。

 

「……残るはライダー、セイバー、アーチャー、アサシンだな」

 

男は、ある場所へ電話をかけ、先ほどの言葉を伝える。早く召喚しないと枠が埋まるぞという言葉と共に。

 

 

 

 

 

その後、電話先の人物は時期こそズレてはいるものの『正史通り』アーチャーを召喚する。ほぼ同時刻にライダーも召喚される。そして、その次の日にはセイバーが召喚される。

 

だが、そこから物語はイレギュラーにより崩れ始める……

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「ま、マスタァァァァ!?!?」

 

「ぐふっ……キャスター、俺はもうダメなようだ……」

 

「僕もー……もうだめ……」

 

「私も……もう無理……」

 

大学生3人組がぶっ倒れている。一応言っておくけど私、飛鳥とサイ、遊君である……自己紹介してる余裕は無いんだけどね……目の前に敵が居るというのに。

 

「そこの蟲使い、許しませんわよ……?」

 

「カカッ……

 

 

 

 

 

いや本当に申し訳ない、まさかこんなに料理が余るとは……」

 

そう、宴会の余り物という巨大な敵に……どうも遊君が友達来ると伝えたらそれで増やしちゃってたらしく、日持ちしないものだけでも私達がぶっ倒れる量があった。どうして増やしたし。

 

「エ、EJ……風神に頼めねぇ?」

 

「……風神様ねー……食物受け付けないらしいよー……」

 

「マ……?」

 

近所の人や間桐一家を総動員させてなんとか片付いたけど、その後元気なのがサーヴァントの2人だけだった。

 

 

 

 

 

「やっと落ち着いた……」

 

その次の日、正確にはライダーが召喚された次の日(午前1時を前の日と考えるなら2日後だけど)。協会には参加者が誰かを隠し、臓硯さんが参加を伝えていた。その時、どうも昨日アーチャーも召喚されたそうで……残りは2枠だから、と。

 

「セイバーとアサシン、ね……」

 

そういえばキャスターさんは間桐家の門辺りに結びつけてアサシンを召喚しようとしてたらしいが、私達が大学に行くことを考えて断念。これが後々に響くんだけど、もちろん私達は気付かなかった。

 

この日、セイバーが召喚された事を伝えられる。アサシンが出る気配が無いので聖杯戦争の開始だ、という事も伝えられる。運営がそれで良いのかと思う私を余所に、男共はゲーセンに行った……なにやってんだろうかと思ったけど、簡単に言えば『有名であれば強くなる』という知名度補正を利用しに行ったんだろう、うん。ただ音ゲーしたかったからとかそんな理由じゃ無いはず。

 

 

 

 

 

「……遅い! なにやってんのよあの2人は!?」

 

現在午後11時。ゲーセンはこの時間も空いてるんだろうけど、幾ら何でも遅すぎる気がする。まさか……? と思った私は書置きをしてゲーセンに向かう……と、途中見覚えのある顔を見つけてしまった。ここには居ないはずの顔を。

 

 

 

 

 

「……? あれ……?」

 

途中見かけた3人組、その中で雨降ってないのにカッパを着ていた女性がどう見てもzeroのセイバーだった。いや居るわけ無いでしょと思ったけど……

 

「……? あの、どうされましたか?」

 

「あ、いえいえ、ちょっと知り合いに似てたもので……」

 

声までそっくり。ただそれどころでは無いので駆け出そうとすると、3人組の中の1人、桜ちゃんと似た黒髪をしている女性に阻まれた。

 

「あの、友人を探したいんですが、どいてくれませんか……?」

 

「待ちなさい、貴方、魔術師よね?」

 

「……えっ、いや違いますけど」

 

「嘘つかないで、試してみたけど認識阻害を破ってるなんて魔術師の証拠よ」

 

「ええっ!? ……イヤイヤ確かに裏には関わってますけど本当に魔術師では無いんですってば」

 

「裏に関わってて魔術師じゃないとかどういう……」

 

「リン、彼女の言う事は本当の様です。サーヴァントと一緒にいたような雰囲気はありますが」

 

……リン? あれ、待てよ……

 

「もしかして、逢坂 凛さん?」

 

「あら、私をご存知?」

 

「ええ、ちょっと調べ物をした時に……ってそうじゃない、事情は話しますから一緒に来ても良いですから行かせてください!」

 

逢坂さんとセイバーさん(仮)、それと赤髪の男の人と一緒にゲーセンに向かう……ゲーセンがあるはずの場所から煙が上がっている。更に入り口まで向かうと、座り込むサイと遊君、それにキャスターさんと何者かと龍が見えた。

 

「サイ! 遊君! キャスターさん! ライダー! 大丈夫だった!?」

 

 

 

 

 

「あ、アスカ……聖地が潰れてしまったぁぁぁ……」

 

「それで今まで放心してたんかーい!!」

 

そしてサイをぶっ飛ばした。一緒にいた青タイツの男が妙な顔をしていた。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

午前零時付近。警察が来る前にと男の子……衛宮 士郎君の家へ突撃。ライダーのみ霊体化しているけど。

 

あの時あった事を纏めると……

 

3人と1体、ゲーセンで遊ぶ。青タイツの男、ランサー襲撃。キャスターが魔力切れで倒そうとルールブレイカーという宝具をランサーに当てる。けどまぁそこからも戦いがあって音ゲーが壊される。ブチ切れたライダーがキャスターにランサーを契約するよう言い、契約、それからの戦闘でゲーセン破壊。ちなみにゲーセンに被害を与えたのはランサーだけだったとの事。いやライダーも悪いでしょこれ。契約させた理由は『魔力不足で逃げるなんてやらせねぇ』という事だったらしい。

 

聞いてた3人とさっきは霊体化してたのであろう男、アーチャーさんがとても微妙な顔をしていた。かくいう私もしていた。

 

で、その後の会話で衛宮 切継の息子という話から士郎君が主人公である事が分かったり、またセイバーさんが(仮)ではなくzeroと同じという事を知ったりして今度は私達大学生陣営が微妙な顔をする羽目に……私してばっかじゃないの……とりあえず、今の聖杯の状況だけ伝える。夜も遅いから明日に詳しく話そうという事で。

 

……アーチャーさんがずっと私達、正確には大学生組とライダーを見て唸ってたけどどうしたんだろう。そんでセイバーさんが何か納得してた顔をしたけど、あれかな、前回何故破壊を命じられたのか分かったからかな。

 

……あ、そうだ。それと私にとてつもない対魔力という能力が備わっている事が分かったんだった。私だけじゃなくてサイと遊君も。ランクで言うとAらしくて、そこんじょらの催眠とか効かないらしい。だから認識阻害を受けなかったのか……むしろその違和感で逆に気づいたのかも。アーチャーが『キャスターなら破れるかもしれんが』という話をしてたけどキャスターは一応味方だからなんとかなりそう。

 

 

 

 

 

余談だけど、私が大学生というのを知って凛さんがDOGEZAしてた。タメ口で良いとは言っといたけど。

 

 

 

 

 

現在の勢力

 

士郎君、凛さん、セイバーさん(真名知ってるけど言わない様に言われた)、アーチャーさんの陣営

 

私……はマスターじゃないから除いて、サイ、遊君、ライダーの風神さん、キャスターさん、ついでにランサーさんの陣営。結局味方にしようって話になってた。

 

バーサーカー枠とアインツベルンの陣営(後で凛さんから聖杯の情報の代わりにと頂いたけど、バーサーカーの真名はヘラクレスらしい)

 

おそらく出るであろうアサシンの陣営

 

……あれ、私達過剰戦力じゃない? というか終わった後願いどうなるのよこれ。キャスターさん曰く『聖杯の浄化は出来るだろうし、聖杯からの知識的に私とライダーの願い位なら叶えても多分余るわよ』とは言ってたけど、私達としては士郎君達とも組みたいから……うーん、嫌な予感がする。アサシンを私が召喚できれば良いけど、令呪が宿る気配無し。宿った人からいただくしかないかな。

 

 

 

 

 

「なぁアスカ、思ったけど第一次と三次、四次の時の魔力って余ってないのか……?」

 

「……あれ?」

 

そういえば、一次はよく分からないし四次は冬木焼いたからあまり残って無さそうだけど、三次の時の魔力って残ってるはずよね……?




さて、アサシンはどうなるでしょう。

なお、この世界線では衛宮君はバーサーカーの攻撃をかばってやられる前に向こうが帰っております。


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外伝? 4 Break Your World

タグ急増はこいつのせい
キャラ崩壊してます、しすぎてます。

※ちょっと話数バラバラになってるかも


「……過剰戦力よね、この部屋」

 

「……そりゃ、サーヴァントが五騎も集まればそうなるわよ」

 

正確には一人は外で守護してるけど。

 

 

 

 

 

次の日の午後。衛宮宅に集まるサーヴァントとマスター五組(ランサーさんのマスターはキャスターさんだから9人)と私。正確にはアーチャーさんは外で守護(頑なに中に入りたくない雰囲気出してた)、ライダーさんは霊体化してるから見た目的には8人だけど。

 

とりあえず、情報交換。聖杯が柳洞寺近くにあることは知ってたので、私達の方で探し見つけ出してはいた。中をライダーさん、キャスターさんに見てもらったけど、形容しようのない何かに汚染されてたとか。確か、アンリマユ、だっけ。この世の全ての悪って書いてそう読むはず。

 

ついでに、前回の聖杯戦争に関して、臓硯さんと話を擦り合わせてどうなってたか伝えた。凛さんが『あの野郎……後でブッ血KILL』って物騒な事言ってたけどそれはさておき。ランサーさんの本来のマスター吹っ飛ばして令呪奪ってたという話をランサーさんからされて更にオーラ見えるほど怒り溜まってたけどさておき。聖杯の浄化はキャスターさんが出来るとはいえ、何が起こるか分からないのでとりあえずは休戦協定を結んだ。

 

「……あの、アスカ。休戦を結びましたが、正直すぐ終わってしまうのでは……」

 

「……そうだね、よく考えれば。休戦終わりまでのサーヴァントはバーサーカーと出る可能性のあるアサシンだけだしね。それにセイバーさんの願いはあれだからね……」

 

「あ、そっか。白飛先輩はセイバーの正体知ってんのか。って事はセイバーってすごい願い抱えてんのか?」

 

「そうです。出来れば真名にも関わりますし詮索しないでほしいですが……」

 

「……あっ、ちょっと気になる事あるからセイバーさん借りていい?」

 

 

 

 

 

道場。誰も来るなとは伝えておいた。

 

「どうしたのですか?」

 

「いやー、ね……セイバーさんの願いの件なんだけど、正直まともな聖杯でも思ってる通りには叶えられないと思うよ」

 

「えっ、選定のやり直しが、ですか?」

 

セイバーさん、真名はアルトリア・ペンドラゴンさん。願いは『祖国の救済』……だと思ってたら『選定のやり直し』。剣を抜いた事でブリテンの王になったセイバーさんだけど、その祖国が滅んでしまった事を悔やみ、四次では救済を願ってた。けど、どうも今は自分が居なければって思ってるみたい。ただ……どっちにしても、ね……

 

「そうそう。つまりは過去改変、セイバーさんが居ないという事になる。それはわかるわよね?」

 

「ええ、というかそれが願いです」

 

「なんだけど……そうするとセイバーさんが今の聖杯戦争に居なくなって、その願いを願う人がいなくなるよね」

 

「……あっ、私の存在が消える事で、逆に選定のやり直しが無かった事になる。だけど、それだとやはり私が生まれてしまう。つまり、パラドックスが起きてしまう……?」

 

「そうそう。恐らく、平行世界が生まれてしまって、セイバーさん自身の祖国はそのまま……の可能性が高いわ……」

 

正直、ここはやり直しなんておかしいとか言う以前に気になってた。どう考えてもパラドックスが起きてしまう。

 

それに、改変してしまった場合、本来生きる人が死に、死ぬ人が生きる。もしかすると聖杯の製作に関わった人が消えて、聖杯戦争自体がなくなる可能性だってある。後、私達が消える可能性だってある。ってかそれ一番止めたい、という事も伝えた。

 

「それでは……私の願いは叶えられない、と……?」

 

「予想だけど、これは合ってると思う。今のうちに伝えておかないと何かとんでもない事に発展しそうで……」

 

「それなら……私がここにいる意味、とは……?」

 

……うーん……

 

 

 

 

 

「もしかして、この世界で自由に生きてみて、って事じゃないかしら……って流石にそれは無いか」

 

 

 

 

 

「……なるほど……!?」

 

 

 

 

 

えっ?

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「おかえ……あれ、セイバーなんか吹っ切れた顔してないか?」

 

「そう見えますか? ちょっと願いが変わっただけなんですが」

 

……まさかぽっと口に出た言葉を間に受けてしまうとは……

 

『いやいや、自分で言っておいてこれはないと思ったんだけど!?』

 

『うーん……ですが、前回はともかく今回はそんな気がしますね。勘ですが。実際、シロウといい今回のマスターは魔術師でない人が多いですし』

 

『そ、そういえば……?』

 

直感スキルがこんな所で誤発動しなくても。というか間違った方向な気もするんだけど。

 

……目の前で士郎君が作ったお茶請けを幸せそうに摘んでる所を見ると、なんだか妙な気分になってきた。まるであれが楽しみと言わんがごとく。イギリスの料理はやばかったとは聞いてるけど、まさかね……?

 

あ、そういえば……本来セイバーさんは四次でバーサーカーのランスロットさんに『王は人の心が分からない』って言われるんだけど、そのイベントは無かったので私から理由付きで伝えておいた。

 

『……という事でランスロットさんも英霊の座にいるみたいよ』

 

『……それは王でなくても分からない気がします』

 

『!?』

 

『いや許された方が悩むってどういう事ですか!?』

 

『いや、悩むってレベルではない気も……』

 

……なんだろう、私の知ってるセイバーさんじゃない気がする。もしかしなくても壊しちゃったかも……よく考えれば絶望させてから希望っぽいものを見せるっていう悪人やってるじゃないですかあああぁぁぁ!?

 

 

 

 

 

「なぁ、あそこの嬢ちゃん隅っこでどうしたんだ?」

 

「アスカ、今度は何をやらかした……!?」

 

「……セイバーさんを壊しちゃったかも……」

 

「……お前どこのオリ主だ」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

気付くと、ここにいるサーヴァント4/5が願いを受肉にしてた。ランサーさんは『受肉したらもっと戦えない?』の一言で受肉を決定してしまった。キャスターさんの話だと泥を浄化できれば、一般サーヴァントなら七騎位受肉出来るとは言ってたけど……

 

「と言うわけで、アーチャーさんの願いカミングアウトお願いします」

 

「なんでさ!? と言うか私はまだ記憶が混乱してて思い出せないのだが」

 

「……?」

 

今の言葉を聞いて士郎君が何かに気づいた様な顔をした。聞いてみたら『よくわからないけどなんか親近感湧いた』と。アーチャーさんはその言葉にこぶし固めてたけど。まぁ記憶が思い出せないなら受肉の方向でいいかな、で一応決定。これで5/5。ついでに同盟完成。

 

「そういえば、先輩方の願いってあるんですか?」

 

「俺は無いな。強いて言えば誰も死なずに終わる事か」

 

「僕も無いよー。ライダーの願いとほぼ同じだしねー……あっ、ただ令呪はできるだけ使いたく無いかな」

 

「どうしてですか?」

 

「それはちょっと言えないけどねー……」

 

……あ、この紅茶美味しい。アーチャーさんが淹れてくれたみたいだけど。

 

「そういうそっちは?」

 

「俺は無いです。ってか先輩と一緒です」

 

「私はあるけど、叶える気は無いわね。別の方法で行けそうだし」

 

「なんだそれ」

 

「第二魔法……平行世界への到達、って言えば良いんだけど、逢坂家はずっとこれ目指してて……」

 

なんかマスター問答中なので菓子を摘む。うん、美味しい。

 

「なぁ、ここからどうするんだ?」

 

「まずはバーサーカーよ。あれをどうにかしないと聖杯の調整も出来ないわよ」

 

『む、そうだな。話によれば弓兵が必殺技を持ってるようだが』

 

「突然振るな……そうだな。私の能力であればなんとかなるかもしれん」

 

 

 

 

 

「……セイバーさん、暇ですね」

 

「そうですね。こうのんびりするのも良いものですね」

 

「……それなら良いけど……」

 

「アスカ、気にしないでください。私が決めた事ですし……座の本体がどう言うかは知りませんが」

 

「それはそれで問題では」

 

「まあまあ、そんな事よりこれ美味しいですよ」

 

「あ、ありがとう」

 

 

 

 

 

そんな日常とも言える一時は、訪問者によって一旦消える。




ぶっちゃけ、Fate編のガチ戦闘は二回しかする予定無いです。今の所。

この曲ACなかった気がするけどまぁ良いか((





グルコスのVERTeXクリアできないんじゃぁ(


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