僕の周りは普通と違う (セイハラン星人)
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プロローグ
ブリテンだって頑張ってんのさ⋯
見た目がすごいもん。
食べようとは思わないけど⋯⋯
生きている実感というのはどの様な時に感じるものなのだろうか⋯
食事をするとき、喉を潤したとき、朝目が覚めたとき、深呼吸したとき、
命の暖かさにふれたとき、血を流したとき、誰かを好きになったときなど
いろいろなものがあるのだろう⋯
このように実感できたことがあるのなら、それはとても幸福なことなのだろう。
だが、僕はそれを実感したことがない。僕以外にも実感したことがない人は
いるのだろうが、それでもいつかは実感できるだろう。
ならば僕はいつになったら実感できるのだろうか⋯
僕は生きている⋯それは確かな事だが実感したことがないのだ⋯
目を開けて外の景色を見ようとしても瞼に力が入らない、
何かに触ろうと手を伸ばそうにも腕に力が入らない、立とうとして脚に力が
入らない、料理の匂いを嗅ごうとしても感じられず、鳥のさえずりを聞こうと
しても何も耳に入ってこない⋯僕は何も感じれない⋯⋯
そんな日々が何年も過ぎ去っていった⋯
とある日、何時ものように何かをすることもなくただ息をしていた時のこと⋯
『やあ!⋯⋯えと、聞こえているかな?うん、聞こえているね』
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯!?」
初めての事だった、自分以外の者によるコンタクト⋯今思えば凄いことだと思う。
耳から聞こえたというより頭に直接語りかけてきたと言うべき事だったからだ。
今でこそ彼の事を知っているから納得できるけどこの時の僕は初めての他者に
混乱していたのを覚えている。
『う~ん⋯突然の事で混乱しちゃったかな?』
「⋯⋯⋯?」
『どうしたの?』
「⋯⋯⋯」
『言葉が分からない?そうだった⋯君は耳が聞こえないだったね』
「⋯⋯⋯?」
『よし⋯これから私が君に言葉と知識を教えよう。』
「⋯⋯⋯??」
『さて、まずは君の国の言語から教えようか!じゃあまず⋯⋯⋯⋯』
それから僕は彼から言葉というのを学んだ。それは日本語といい、僕の生まれた
国が日本というらしく、その国が使っている言葉を日本語というらしい。
そして言葉を覚えると『外の世界』の知識を彼は僕に教えてくれた。
いろいろな国の歴史や偉人達など、童話や逸話に出てくる人物達の事も教えて
くれた。言葉を覚えるまでは彼が教えてくれたけど、それ以外の事は『他の人
達』と一緒に教えてくれた。
その人達は彼曰く、教えてもらった歴史に出てくる偉人や英雄、それ以外にも
伝説や逸話に出てくる神様や反英雄という悪を似て善とする人達らしい。
彼らは一人一人個性的な人達だった⋯
ローマという国の事を教えられていると『ユリウス』という人が立ち上がり、
いきなり何を言うかと思うと自分の妻や息子の事を喋り始めた。
『ローマの事を語るなら私の妻子の話は語らねばならぬだろう⋯我妻クレオパトラ
はそれはもう美しい女であった⋯初めて彼女を見た時の衝撃といえばそれは
それは⋯(以下略』
そのまま2時間程ユリウスさんは惚気話を喋り続けた⋯おかげで横で聞いていた
『ネロ』さんが眠ってしまった⋯そしてその話を聞いてユリウスさんに向けて
父親の様な暖かい目を向けている『ローマ(ロムルス)』さん⋯そしていつの間
にか僕を後ろから抱きしめてくる『アルテラ』さん⋯「どうしたの?」と聞いても
「特に理由はない⋯」と言ってまた抱きしめてくる。
こういうときはどんな言葉を使えばいいんでしたっけ?⋯⋯⋯!!!
そうです!確か⋯⋯カオスです!なにこのカオスでした!
ブリテンの歴史についても教えていただきました。
蛮族との戦いや円卓についてなど、他にも騎士道なるものも教えてもらいました
ただ⋯円卓の皆さん⋯⋯そろそろ落ち着いてはいかがですか?
僕が食文化について質問した瞬間円卓の方々が顔を歪ませ始めた⋯
『アルトリア』さんが怒気を混ぜた口調で語り始め、それに呼応するように
『ガウェイン・ランスロット・モードレット』さん達、そしてそれを抑えようと
必死に説得している『ベディヴィエール』さん⋯
「ブリテンの料理⋯ですか?⋯⋯⋯あんなもの!!!」←アルトリア
「料理⋯アレは料理なのですか⋯⋯?」←ランスロット
「今思えばアレを料理と言っていた私は⋯」←ガウェイン
「アレを食べて美味いと言う奴がいるなら「他国の飯を食ってみな」って
言ってやるよ⋯」←モードレット
「お、落ち着いてください皆さん!ブリテンにも美味しい料理の1つや2つ
あったじゃないですか!」←べディヴィエール
どうしたのだろう⋯ブリテンの事をあんなにも嬉しそうに語っていた人達がこうも
変わってしまうなんて⋯そんなにも自国の料理を認めようとしないとは⋯⋯
『私(俺)達が食べていたブリテンの料理に美味い物?』
「そうですよ!例えば⋯そう⋯⋯あれですよ⋯⋯パイ生地に魚を⋯⋯」
「パイ生地に魚を突っ込んだアレか⋯」
「べディヴィエール⋯あなたは疲れているのです⋯⋯」
「そうですよ、アレよりかはジャガイモをすりつぶした物のほうがマシです!」
「べディヴィエール卿⋯もう一度思い出してください⋯⋯アレは美味しかった
ですか?」
「⋯⋯⋯ノーコメントで許してください」
べディヴィエールさんでも認めたくないんですか⋯
さてと、次はウルクとアイルランドについてでしたね。
それでは移動するとしましょう⋯
主人公達が会話している場所は主人公の内にある精神世界です。
広さに限りはありません。
風景は⋯皆様のご想像にお任せします⋯
それにしてもGOのエミヤの宝具⋯あれ不具合だったんですね
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普段温厚な奴が怒るとギャップで余計に恐ろしい
あと性格改変のタグ付けたほうがいいかな?
「フンッ⋯遅いぞ雑種、この我(われ)が直々に教授をしようと言うのに
待たせるとは不敬だぞ」
「いやいや彼は遅れてないでしょ?むしろ時間ピッタリじゃないか」
「なにをいうか、こういう事は5~10分程早く着いておくのが基本と
言うではないか?違うか?」
「うん、そうなんだけどさ、『ギル』はその時の気分で「早くしろ!」とか
「後にしろ!」って言うから正直分からないよ⋯⋯」
「当たり前だ、我がルールだからな!!」ドヤッ!
「うん⋯ギルならそう言うだろうなとは思ったよ⋯⋯」
先程から『ギル』と言われている人⋯⋯なんというか面倒な人っていうのが当ては
まりそうですね。もう1人の方は苦労されてますね⋯声に疲れが感じます。
「まあいい⋯そら雑種、そろそろ始めるとするぞ」
「そうだね。まずは僕達の事から話そうか⋯⋯⋯」
彼らが最初に教えてくれたのは彼らの名前でした。ギルさんの名前は
『ギルガメッシュ』というそうで、シュメール初期王朝時代のウルク第1王朝の王
という過去があり、圧倒的神性を持つ半神半人で、最古にして世界の全てを手中
に収めた英雄王だそうです⋯先程の会話だけ聞いているとそうは思えませんが
かなり凄い王様なんですね。そのことを本人言うと『フンッ、当たり前だ』と
言われてしまったが、少し嬉しそうにしていたのはなんとなく分かった。
もう1人の名前は『エルキドゥ』といい、神様に造られた泥人形が知性と理性を
得て『人』となったそうです。元々はギルガメッシュさんを討伐する存在らし
かったのですが、ギルガメッシュさんとの戦いの後に互いを認め合い親友と
なったそうです⋯なんか壮絶ですね⋯⋯1つ質問してみましょうか。
「質問?いいよ、なんでも聞いてあげるよ」
2人が戦ったのはその時だけだったのですか?
「そのような訳なかろう、あの後も何度と戦ったものよ」
そうなんですか?
「そうだね~、でも僕らが戦うたんびに宮殿やら外壁とかいろいろと壊し
ちゃったからね、今思うと迷惑かけたなって反省してるよ」
戦うたびに⋯エルキドゥさん( ̄∇ ̄)ハハハじゃないですよ⋯
「だがなにも我らだけとしか戦ったわけではないぞ」
というと?
「そうさな⋯グガランナとの戦いは⋯⋯ある意味印象的だったぞ」
「イシュタルがよこしたあの聖牛の事?そんなに印象的だったかな?」
グガランナ?イシュタル?
「ああ、イシュタルっていうのがギルに求婚してきた女神なんだけど、ギルが
求婚を断ったらその女神が逆ギレしてね、その時によこしたのがグガランナ
という聖牛なんだよ」
なるほど⋯
「で、ギルはどこが印象的だったのさ?教えてよ」
あ、僕も気になります
「⋯⋯まあよい⋯あの時の事は忘れもしない⋯イシュタルが何時も以上にしつこく
求婚を迫ったときだった⋯⋯⋯」
『さあ!ギル様、この私イシュタルとの結婚⋯⋯今日こそは認めて下さい
ますよね!!!』
『たわけ⋯誰がキサマのような売女と結婚なぞするか!』
『な!?売女⋯この私が!!?いくらギル様といっても許せません!!!
私の怒りを思い知りなさい!!!!』
『チッ!売女め⋯面倒な物をよこしてくれたな⋯』
『ギル⋯⋯』
『どうしたエルキッ⋯⋯どうした⋯顔が怖いというか⋯』
『大丈夫だよギル⋯別に怒ってないから⋯僕の睡眠という至福の時間を邪魔され
たからといって怒ってはいないよ⋯うん、ただ少し運動したくなっただけ
だから、他意はないよ⋯決して⋯ね?』
『いや怒っt『怒ってないよ』⋯⋯』
『取り敢えず僕がOHANASHIしてくるからギルは休んでて⋯大丈夫だよ⋯
どうせすぐ終わる⋯⋯』
「そう言ってグガランナに突撃していってな⋯一瞬で体内まで入ると内臓を
引きずり出し、怯える売女の前まで行くと⋯⋯」
『アハハ⋯そう怯えなくてもいいじゃないですか⋯⋯いまからこの牛のように
貴女もビフォーアフターしてあげます。何故泣くのですか?これで貴女は
リセットされて売女じゃなくなるんですよ⋯ほら⋯⋯これでギルに求婚できる
じゃないですか⋯⋯アハハ⋯( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \』
⋯⋯⋯⋯⋯
「あの時程恐ろしいと思った事はない⋯笑いながらというのと普段が温厚な分
余計に恐怖を増幅させていたのは忘れられん⋯⋯」
ギルガメッシュさん⋯⋯
「すまん⋯思い出したら気分が悪くなってきた⋯休ませてもらうぞ⋯⋯」
分かりました⋯お大事に⋯⋯ギルガメッシュさん
「⋯⋯⋯いちいち「ギルガメッシュさん」などと長く呼ばずともよい⋯」
では⋯王様って呼んでもいいでしょうか?
「かまわん⋯ではな⋯⋯」
それだけ言うと王様は消えていってしまった⋯その後も何度か王様とあって
話をしたりしているとだんだん優しくなっていき、口調こそ変わらないけど
よく話あったりするようななかになった⋯⋯⋯あ、王様何してるんですか?
「あれ?なんか僕の事忘れられてる??」
アイルランド書いてねえ⋯次回まで待っていてください!すんません!!!
ここのギル様は姫ギルです。
エルキドゥの性別を本編どうりにするか⋯それとも女か男にするか⋯⋯そこが重要だ
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英雄の恋愛談は面倒くさい
キャラ崩壊注意
「お、やっときたな待たせやがって」
すみません
「別に怒っちゃいねーよ、まあ師匠はソワソワしてたが」
「まて!私はソワソワなどしてはいない、余計な事を言うな」
そんなに待たせちゃいましたか⋯
「大丈夫だからそう何度も謝るな、ここに来たのは謝るためではないはずだ」
そうでした⋯
「そうでしたって⋯お前なあ⋯」
「まあまあ御子殿」
いきなり出てきましたね
「私は初めからいたはずですが!?」
「黙れ、煩い」
「耳元でデカい声だすんじゃねー!」
うるさいです⋯
「皆さん私のこと嫌いなんですか!?」
~数分後~
「まずは私の事から教えよう」
わかりました
「その前にアイツはいいのかよ?」
何がです?
「いや⋯流石に弄り過ぎたのか向こうで拗ねちまったぞ」
「知ったことではない、じきになおる」
「そんな扱いでいいのかよ⋯」
いいんですよ
「話が脱線したな⋯あらためて説明しよう⋯私は⋯⋯⋯」
まず最初に教えてくれたのは師匠と呼ばれていた女性の方だった、名前は『スカサハ』
またの名を『スカアハ』というそうで、その意味は『影の者』、影の国を統べていた
女王という過去がある。武芸や魔術の達人でもあったそうで、数多くの弟子をとり、
暮らしていたらしい。
あ、なんとなく流してましたけどスカサハさん女王様なんですね
「そうだが⋯それがどうした?」
いえ、最近は『王』という部類の人に会うのが増えたなと思いまして
「そういうことか⋯」
はい
「因みにその王達は誰なんだ?」
ギルさん、腹ペコ王、ローマさんとか他にもいますよ
「こ、個性豊かな王達だな」
それに関しては全面的に同意します
次に教えてくれたのはスカハサさんを師匠と呼んでいた男性だ。
彼の名前は『クー・フーリン』、アイルランドの光の御子、「クランの猛犬」と謳われた赤枝の騎士で、スカサハさんに弟子入り。その後は彼女の元で様々な魔術と体術を学び、魔槍ゲイボルクを授かったそうだ。
「因みに言うとコイツは惚れ込んだ姫君を射止めるために私に弟子入りをしにきたん
だぞ」
クーさん⋯意外
「意外ってなんだ意外ってよ!」
いやだって⋯そんなキャラなのかなって思うと⋯⋯
「なんだよ⋯」
正直⋯似合わないですよね
「余計なお世話だ!!」
最後に⋯まだ拗ねてるんですか⋯⋯
彼の名前は『ディルムッド・オディナ』、フィアナ騎士団の一員であり二本の槍と二本の剣を武器としているらしい。右目下の泣き黒子は女性を恋に墜とす魅了(チャーム)の力を宿し出会った女性を虜にしてしまう。彼自身制御ができないず、 その風貌から『輝く貌』『魔貌』の異名を持っている。ついでに女はあまり好きではない。
なんで女性が嫌いなんですか?
「嫌いというか⋯苦手と言った方が正しいです⋯⋯」
「そういやおめー⋯」
「な、なんでしょうか」
「確か上司の嫁さん候補をかすめ取っt「わああああああ!!!」うるせーよ!」
クーさんが何かを言おうとすると、ディルさんが奇声をあげた。
「いきなりなにを口走っちゃってんですか!!」
「ああ?そんなの決まってんだろ」
「お前がNTR騎士だってな」
「な、なんていうことを⋯⋯」
ディルさん⋯
「ち、違いますよ?私は」
ちょっと貴方のこと信用できなくなりました⋯
「それは酷くないですか!!?」
さて⋯次はインドでしたね、待たせるのはしのびないのでとっとといきましょうか。
それにしても此処は何時見ても不思議な場所ですね⋯私の精神世界と言っていましたが
僕はこういった建築物の内装などは見たことがないのですがね。
『彼』が教えてくれた知識を自分なりに想像したのが私の精神世界に反映されて、このような景色になったのでしょうか?
ふむ⋯そういえば私は『彼』の事をよく知りませんね⋯本来なら僕は誰とも意思の疎通が
出来ない体のはずです。でも、『彼』はそんな僕とコンタクトができた⋯ならば『彼』は
いったい何者なんだ⋯ただの人間ではないはずだ⋯⋯
いや、よそう⋯これ以上は考えても答えは出ないだろう。
例え『彼』が人間でなかろうとそんなことはどうでもいい⋯何も知らない僕に知識を授けてくれたのは『彼』だ⋯自分の事を教えてくれないのにも理由があるのだろう。
まあ今はとりあえず移動することから始めましょう。
なんだかんだ待たせちゃってますねこれは⋯⋯怒られなければいいのですが⋯⋯⋯
次回はインドです!
ランチャーさん達がついに出てきますよ!性格は⋯うん
セイヴァーさんは⋯⋯お楽しみですね
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妻子を置いて出ていくなんて⋯それが仏のやることですか!?
このSSのセイヴァーさんは聖☆おにいさん仕様でございます。
カルナさんがオリキャラ化してる⋯
主人公=彼
主人公の初コンタクトの相手=『彼』
紛らはしくてすみません
ふう、それにしてもディルさんがNTR騎士だったとは思いませんでした⋯
そういえばこの話を円卓の皆さんに話したとき皆の目がランスロットさんに向いたのは
何故なのでしょうか?こんど聞いてみましょう。
それにしても次はインドですか⋯正直ワクワクしますね、仏教のルーツはインドからと
『彼』は言っていましたしどんな人がいるのか気になります。
もう着いてしまいました⋯
さて、いったいどんな方達g「「荒ぶる鷹のポーズ!」」⋯⋯⋯
side:インド
この場には今現在2人の男がいる⋯1人はやたらと耳たぶが長いパンチパーマの男、
見た目は修行僧の様な恰好をしている。
もう1人は白銀の髪に服とは言い難い黄金の鎧を装備⋯いや一体化していると言ったほうが正しいのかもしれない⋯その恰好や雰囲気からいうとヴィジュアル系な男だ。
「あの⋯これ本当にやるのかい?」
「嘘を言ってどうします『仏陀』⋯私は本気です」
「で、でも流石にこれは⋯」
「なにをおっしゃいますか!何事も始めが肝心なのです!」
「それでもこのポーズはおかしくないかい『カルナ』君!?」
2人にとっていまから来る者は初対面である。それ故に「第一印象は大事!」という
カルナのキャラを忘れたかのような発言によりいまの状況になってしまった。
その状況をつくった原因の1つが彼らがとっているポーズである。
右足を上げ、手は開いたまま手首を曲げる。その名も『荒ぶる鷹のポーズ』⋯
何故このポーズをカルナが知っているのかは隅へ置いておこう⋯
それよりも仏陀がいま一番気になっているのは⋯
「それにしてもカルナ君、何故君はそんなにも気合が入っているんだい?」
「フフッ、ここに呼ばれてかれこれ10日⋯やる事といえば貴方とのしりとりや茶壺、
寿限無など⋯他にも色々としましたね⋯⋯」
「そうだね、私は君が茶壺を知っていたのが不思議だったよ」
「そっくりそのまま貴方に返そう仏陀よ⋯話がずれてしまったな」
「で、結局理由はなんなのさ?」
「単純なこと⋯暇だからですよ。しりとりや茶壺はやりすぎて飽きてしまいました」
「本当に単純な理由だね⋯」
「仕方ないでしょう⋯暇なんですから。そんな時にこのイベント⋯
フフフッ、気合が入るのも頷けるでしょう」
「イベントって⋯」
「さあ仏陀よ!先程教えたポーズは覚えていますね、では練習を始めます!!」
「え、ちょ、カルナ君!?」
「足の上げが甘い!もっと高く!」
「はいっ⋯てそうじゃn「何時姿勢を崩していいといったのですか?やり直し!」
これもう断れない感じなのかな?」
そうしてカルナによる荒ぶる鷹のポーズのレッスンは行われていった。
文句を言っていた仏陀でさえ途中からは本気でやり始め、それが終わったのは
彼がこの場に来るまで行われた⋯
side out
あ⋯ありのまま今起きたことを話そう⋯⋯
僕はインドについて教授をしてくれる方達に会いに来たのだが、僕がそこに着くと同時に訳の分からないことを言いながら謎のポーズをとった⋯
「な⋯なにを言っているんだ?」と思うかもしれないが僕も彼らがなにをしているのか
分からない⋯戦隊ものの決めポーズだとか謎の儀式だとかそんなチャチなものじゃ断じてない⋯もっと恐ろしいものの片鱗を味わってしまった⋯⋯
「ねえ、カルナ君⋯なんか彼ちょっと引いてないかい?」
「そうですね⋯今の私たちは「高校デビューに失敗した」という状態に近いと思います」
「それってかなり印象悪くない!?てかなに高校デビューって!?
君なんかキャラおかしくなってない!?」
「仏陀よ⋯⋯人は変わる生き物なのです⋯⋯⋯」
「⋯うん、私はもう疲れたよ⋯⋯」
「さて、何時までもこの状態はよくはありませんね⋯ほら、何時までも引いていないで
こっちに来い」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
「僕からも頼んでいいかな?何かを教えるのには距離が離れすぎていると思うし⋯」
一応分かりました⋯先程のポーズについては聞かないでおきます。
「ああ、うん⋯そうしてくれると助かるよ⋯⋯」
「なっ!?ツッコんでくれないだと⋯?それではあのポーズをした意味がまるで
無いじゃないか!!」
「ツッコみのためだけにアレをやらせたのかいカルナ君!?」
~数分後~
「ふう⋯さっ!気を取り直していくよ」
あ、はい⋯⋯
「どうかしたのかい?」
いえ⋯彼はあのまま放置でいいのですか?
「ああ、大丈夫だよ。彼頑丈だからね、それに⋯」
そう言う仏陀の後ろには、体中に痣ができ顔は腫れて膨らみ、もはや原型を留めては
いない無残な姿のカルナが横たわっている⋯
「あれぐらいしないと彼は止まらないからね⋯」
彼は元々あんな性格なんですか?
「いや、そんなことはなかったよ⋯どうしてあんな性格になったのか僕にも
分からないよ⋯」
そうですか⋯じゃあ彼の代わりにあなたが教えてくれませんか?
「いいですよ。私についてと彼について⋯この仏陀が教えましょう」
今回僕に教授をしてくれた人は『仏陀』という名前の方だった、本名を『ゴータマ・シッダールタ』または『ガウダマ・シッダールタ』、仏教の始祖であるそうです。
なんと母親の脇から生まれ、、7歩あるいて、右手で天を指し、左手で大地を指して「天上天下 唯我独尊 三界皆苦 我当安之」と唱えたらしいです。それを唱えると同時に頭から水をぶっかけられたそうで、「どうしてですか?」と聞いたら「頭を冷やせって言われたんだ」と遠くを見つめはじめました。
ブッダさんは結婚しているんですよね?
「うん、子供もいるよ」
ブッダさんが出家した時には結婚していたんですか?
「え⋯」
してたんですね⋯
「⋯はい」
もしかして⋯妻子を置いt「この話は勘弁してください」⋯⋯⋯
次はまだ後ろで気絶している男の方、名前を『カルナ』、不死身の英雄とも称された
大英雄である。母クンティーがアルジュナの父パーンドゥの妃となる前にマントラによって太陽神スーリヤとの間に産んだ子であるため、不死身となる黄金の鎧を着て生まれたが川に流して捨てられてしまったそうだ。『施しの英雄』と呼ばれ、何かを乞われたり頼まれた時に断らない事を信条とした聖人でもあるが、様々な呪いを受け、最後には
血の繋がった兄弟と敵対する悲劇を迎えた悲劇の英雄でもある。
話だけ聞くとこの人が本当にカルナという英雄なのか怪しく思えてきます
「まあ、先程の彼の様子からは想像できないでしょうね⋯でも事実ですよ⋯⋯」
母には捨てられ、兄弟とは敵対⋯彼はそんな人生に満足できたのでしょうか⋯⋯
「それは私に聞かれても分かりません⋯」
そう⋯ですよね⋯⋯「ただ⋯」ただ?
「そんな悲劇だらけの人生でも、彼を認め、彼を慕い、ともについていった人がいる
のもまた事実⋯それを思えば、何も悲劇だけの人生ではなかったのではと私は思いま
すね⋯」
ブッダさん⋯
「さあ、私はカルナ君を起こさねばなりませんのでここで教授はお終いです」
ありがとうございました
「ふふ、人に教えるのは久々でしたから私も楽しかったですよ」
そうですか⋯では
「はい、また会いましょう」
2人は短く別れの挨拶をし、仏陀はカルナを起こそうと体を揺すり声をかける。
一方はというと⋯
ブッダさんにカルナさんと⋯今回はいいことが聞けましたね。
カルナさんは何故あんな性格なのでしょうか?ブッダさん曰く元はあんな性格ではなかったようですし⋯まあ、そこは個人の個性という事にしておきましょう。
にしても私も随分といろんな人にあいましたね⋯日本から始まりローマ・イギリス・
ウルク・アイルランド・インド⋯あとはフランスもでしたね⋯⋯皆さん個性的過ぎてなかなか記憶からはなれません。
そういえば最近日本の方達に会っていませんね⋯そうと決まれば⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
⋯⋯ん、ん”ん⋯⋯⋯あれ、僕は何を⋯⋯⋯⋯日本の方達に会いに行こうとして⋯それで⋯⋯⋯
駄目だ、思い出せない⋯いや⋯というより動いていない?
ならば僕は意識を失っていたのか⋯⋯⋯⋯少し休みますか⋯⋯
side:???
『⋯⋯⋯⋯⋯』
「彼⋯⋯⋯もう時間かな⋯」
『ブッダ⋯』
「本当ならもっと長く⋯」
『そうだね⋯でも⋯』
「分かってる⋯彼は僕達の不手際のせいでこうなってしまった」
『⋯本当に、何をしているんだろうね⋯私達は⋯』
「もう準備はできてるの?」
『うん、これぐらいしか私達にはできないからね』
「そう⋯じゃあ僕は戻るね、彼らに伝えてくるから」
『分かったよブッダ』
「それじゃあね⋯⋯⋯
『イエス』
どうも私が書くとキャラ達が崩壊していくらしい⋯
神話や逸話がもしかしたら間違っているかもしれません。
日本とフランスについては気が向いたら番外編として書こうと思います。
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生きている実感
ノッブ登場です。(少しですが⋯)
主人公とノッブは既に面識はあります。
あ、今回はギャグじゃないですよ~
あれから今日で何日目だろうか⋯
突然意識を失うなんてことは今まで一度もなかったのに、最近では意識がない時のほうが多くなったと感じる⋯なにより不思議なのは意識を失う時、初めは失う感覚があったのに、今ではその感覚がなく、気付いた時には既に意識を失った後だということだ。
その事自体に恐怖や不安は感じない、ただ⋯意識を失った後に残る違和感⋯
まるで自分のとってとても大切な何かが消えていくあの感覚は⋯どうしても気になってしまい、不安が心に残ってしまう⋯⋯
『ほれ、おきておるか?』
⋯⋯⋯⋯⋯ん⋯
『なんじゃおきておったのか。ならば早く返事をせい』
⋯⋯『信長』さん⋯⋯⋯
「カッカッカッ!そうかしこまらず気軽にノッブとでも呼ぶがいい」
初めて会った時も同じこと言ってましたね⋯信長さん
「む~⋯主も強情よな、なかなかノッブと呼んでくれん」
そう簡単には呼びませんよ⋯ははは⋯⋯
「そういうものなのかの?まあよいか⋯」
それで信長さん、今日はなんの用できたのですか?
「ん?いやなに、主のことが心配でな、見まいじゃ見まい」
そうですか⋯ありがとうございます
「カッカッ!ま、主の様子も見れたのでそろそろ戻るとするかの」
分かりました⋯では、また
「おう、またなのじゃ」
『また眠っていますね⋯』
『そのようですね』
『叩いたら起きるんじゃないか?』
『叩いてよいのですか?』
『駄目に決まっているでしょう⋯ハア⋯⋯』
聞こえていますよ⋯
『『『『『!?』』』』』
僕の周りで騒いでいた人達におきていることを伝えるととても驚いたようで、それぞれ
面白い反応をしてくれた。
因みにその人達は、円卓のメンバーさん達でした。
「まったく、おきているならそうと言いなさい!」
「その通りですよ」
ふふ⋯すみません
「別に怒っているのではありません」
「そのわりには顔が怖いですよ」
「本当だぞ父上、顔怖いって」
「そ、そんなにですか」
そのまま四人だけで謎の話し合いに発展し、見事に僕とべディヴィエールさんだけが
残されてしまった。
べディヴィエールさん⋯
「どうかしましたか?」
いえ⋯1つ質問よいでしょうか?
「いいですよ」
今日は私になんの用事できたのですか?
「調子が悪いと聞きましたので⋯私も含め皆さん心配なのですよ⋯⋯」
心配⋯ですか
「そうです。貴方はもう私達にとって大切な存在なのです。ならば、
心配して当たり前でしょう?」
大切⋯僕が⋯⋯
「どうしたのです?」
いえ、ただ⋯
「ただ?」
⋯⋯⋯なんでもありません⋯⋯⋯⋯
「⋯そうですか」
この時の僕は奇妙な感覚に戸惑っていた。だが不思議と嫌な気分じゃない⋯
心がとても温かい気持ちになった⋯大切に思われる⋯思ってもらえた⋯⋯これは⋯⋯⋯
心地よい感覚だ⋯⋯
⋯⋯またか⋯⋯⋯
円卓の皆さんはもういませんか⋯失礼なことをしてしまいましたね⋯
それにしてもいったいなんなんでしょうねこれは?⋯まあ、なんとなく分かるんです
けどね。
『彼』からこういうのもならいましたし、今までに会った円卓の皆さんやローマさん
も信長さん達も経験した事ですからね。
正直、僕にはまだ早い事だと思っていましたが⋯いやはや、分からないものですね⋯
僕は彼らとで会ってとても有意義な時間をすごしましたが⋯それとどうじに、彼らと
で会うことで、ますます感じた事がありました⋯僕は、彼らとで会った事で僕は既に⋯
『死んでいる』のではと⋯仕方ないじゃないですか、『彼』から知識を与えられていな
かったときはこんな事を考える事などできなかったし⋯する必要などなかったのです
から⋯⋯でも今は知識がある⋯持ってしまった⋯故に、考えてしまう⋯僕の事を⋯⋯⋯
歩くことも⋯ 話すことも⋯ 聞くことも⋯ 嗅ぐことも⋯
腕を動かすことも⋯ 見ることさえ叶わない⋯
生きているのか疑問に思っても⋯死んでいるのではと疑うのだって⋯
仕方ないじゃないですか⋯
でも⋯最近僕は、自分が『生きている』と実感できました⋯
意識を初めて失った時⋯僕の何かが消えていくのを感じました⋯⋯
不安、恐怖⋯初めに感じたた2つの感覚⋯ですが、その後私はもう1つ感じたものが
あります⋯
『安心』
初めに感じた2つとは真逆の感覚⋯戸惑い考えました⋯何故僕は『安心』したのかと⋯⋯
意外と簡単その疑問の答えはでました。
実感できたからです⋯僕が『生きている』という実感が⋯
意識を失った時に感じたもの⋯消えていったもの⋯あれは僕の『命』でした。
答えがでると自然と笑ってしまいました、自分を⋯
皮肉だとは思いませんか?
『生きている実感』が分からず、既に死んでいると思っていた者がその実感を得た⋯
しかもそれが自分が『死んでいく』という時に感じるとは⋯
ははは⋯なんとも皮肉なものですね⋯⋯
無理やり感あるかも⋯
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約束と別れ
間違えて文章全部消しちまった⋯
シリアスを書くのは難しいですね⋯
あの後僕は意識を失った⋯
自分の予想では16時間といったところだろうと予想をしてみたが、王様曰く3日後
だそうだ。
耳を疑った⋯
自分がたてた予想の倍以上の時間意識を失っていたからだ、そのまま王様に
今まで僕が意識を失っていた間の時間を聞いた⋯
初めて意識を失ったときは3時間程で回復したらしいが、だんだんと回復するまでの時間
が長くなっていき2週間前からは1日たっても回復しなくなっていたそうだ⋯⋯
この話を聞いた僕は改めて自分の命はもう長くはないと再認識した。
このペースでいけば僕は後1か月ももたない内に死んでしまうだろう⋯いや、もっと
早く死ぬかもしれない⋯
僕の命はもうもたない⋯ならば、この僅かな時間を使い僕には何をすればいいのだろう⋯⋯
考える⋯
ただひたすらに考える⋯⋯
それでも答えが出ることはなく、再び意識を失った⋯
意識が回復した僕の思考は意識を失う前の苦悩がなくなり、とてもスッキリした気分で
先程の答えが出なかったのがまるで嘘のように思えるほど簡単にその答えが出た⋯
難しく考えすぎていた⋯別に何かをしなくてもいいんだ⋯
ただ何時ものように彼等と話そう⋯彼等と笑おう⋯彼等とすごそう⋯⋯
それが僕の出した答えだ⋯⋯
僕は、その後直ぐに彼等のもとへと向かった。
最初にローマさん達のもとに行き、ユリウスさんの惚気話を聞かされたり⋯
ネロさんと芸術について話し合ったり⋯アルテラさんに抱きしめられたりもした。
ローマさんは僕との話が終わると⋯「お前もローマよ⋯」と言われた⋯いったい
どういうことなのでしょうか?
円卓の皆さんとは料理について話し合った⋯僕が料理を食べたことがないからを知っている彼等は、ジェスチャーなどで僕に分かりやすく教えようとしてくれて⋯それが僕には
たまらなく嬉しかった⋯
王様達のもとに行くと、毎度のごとく娯楽について教えられた。
この話をしている時の王様はとても楽しそうで、その話を聞いている僕と
エルキドゥさんは自然と笑顔になってしまう⋯⋯余談だが、エルキドゥさんが過去の話を
し始めていくと、その時の怒りを思い出したのか顔が怖くなっていく⋯だが、そういう
ときに限って王様が僕の前に立ってくれる⋯「ありがとうございます」と言うと、
「フン⋯」と言って顔を背けてしまった⋯
何か悪いことでもしたのでしょうか?
スカサハさんのもとに行くと、クーさんとNT「もういいでしょう!」⋯ディルさんが
集まっていた。ディルさんを弄ったり、クーさんを弄ったり、スカサハさんに撫でられたりした⋯何故なにも言わず撫でるのでしょうか?
ブッダさんとカルナさんの場合は⋯また驚かそうと、カルナさんがブッダさんと協力して
謎の踊りを披露している⋯ブッダさんを見るに、半ば強引にやらされているらしい⋯⋯
カルナさんはというと僕の方をジッと見つめ、何かを期待しているかのようだ⋯
取り合えずツッコみをいれてみる⋯⋯「お、おお⋯!!」⋯どうやら正解らしい。
感極まったかのようにガッツポーズをし喜びの声をあげるカルナさん、それを見て僕と
ブッダさんはともに笑いあった。
嗚呼⋯
本当に⋯
楽しいな⋯
もっと⋯
彼等と⋯
もっと⋯ずっと⋯
彼等と話がしたかったな⋯
彼等と笑いあっていたかったな⋯
彼等と⋯すごしていたかったな⋯
まだ⋯死にたくないな⋯⋯まだ⋯生きたかったな⋯
だから最後に⋯
叶わない願いかもしらないけど⋯
ねえ、みんな⋯
もしも⋯もしも、ぼくがうまれかわって⋯
またみんなと⋯あうことができたら⋯
そのときは⋯
ぼくといっしょに⋯みんなでそとのせかいをみにいきたいな⋯⋯⋯
僕がそう言うと彼等は揃って返事をくれた⋯
僕はその言葉を聞くと、意識を失った⋯
意識が消えていくさなか⋯僕が見たのは⋯⋯
彼等が涙を流す姿だった⋯⋯
さてプロローグは終わった⋯やっとメインが書けます。
感想や要望などあれば教えてください。
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転生編
イエスの誓い
皆さんうちのカルナ君大丈夫なんですね⋯
そして今回も独自設定が入ります。
そういえばfate/goのガチャがまた改善されましたね。
ダビデさんがめっちゃドロップしましたよw
ドレイクさん出ませんでしたけど⋯
僕は死んだ⋯その筈だ⋯
ならば⋯
この景色はなんなんだ⋯
辺りには白い靄の様なものが充満しており、天を見上げれば黄金の光が差し込み、その
光が靄に反射して周囲を輝き照らす
それはとても神秘的な光景で、呼吸をするのを忘れる程に美しい⋯
どのくらいの時間がたったのだろう⋯此処が何所なのか、自分は何故此処にいるのか⋯
そんな疑問も忘れて、静かに目の前の光景に浸っていると⋯⋯⋯
『やあ、久しぶり』
突然後ろから声をかけられた
『とはいっても顔を見せるのは初めてだから⋯』
聞いていると心が安らぐ⋯
『じゃあ、はじめまして⋯かな?』
紛れもない⋯
『私の名前は⋯』
この声は⋯
『イエス⋯イエス・キリスト⋯よろしくね』
『彼』の声だ
side:イエス
彼は『被害者』であり、『犠牲者』⋯
私達が初めて生み出してしまった『犠牲者』だ⋯⋯
この世に生きる生き物には皆それぞれに決められた『運命』という名の道がある。
生まれる前に定められたその道を歩むことにより成長していく、だが決して、死ぬ最後の瞬間までその道を歩むわけではない⋯
他者との関わり、何かの選択や決断⋯そういうものにより、決められた道ではない新たな
道を進むことができるのだ。
その運命を決めているのは『生と死の神々達』だ。彼等により創られ、定められる⋯
彼等がこの仕事をやり始め既に数得られないほどの時がたっている、彼等がミスをするなどありえない、考えられない⋯私達はそう思っていたし、彼等だってそう思っていた⋯
でも⋯いや、だからこそ起こってしまったミス⋯そのミスはすぐに天界全域に伝わり、誰もが耳を疑った⋯
すぐさま神・天使・聖人・仏が集まり緊急会議が行われた。
何故このような事態が起きてしまったのか、このミスにより起きた変化の修正など、
色々な議題が挙げられたが、主神による一言で煩かった声が止んだ⋯
『そのようなことはどうでもよい⋯その者の現状はどうなっておるのだ』
誰も喋らず、時が止まっているのかと錯覚するほどに静かな空気⋯そんななか、
1人の天使が絞り出すような声で語り始めた
『彼⋯の現状は、とても⋯酷いものです⋯』
『酷い⋯?』
『はい⋯まず体を動かすことができません⋯⋯』
『-⋯⋯⋯』
『次に視覚⋯聴覚⋯嗅覚⋯触覚⋯五感が⋯機能していません⋯⋯それに⋯』
『それに⋯どうした?』
『これを見てください⋯』
天使はそういうと現在の彼の映像を見せた。『だからどうした?』と思うかもしれないが、私達は例え間接的であろうと相手を視認すればそれだけで外面だけでなく、内面も確認することができる。
だが⋯確認できたからこそ、私達は息をのんだ⋯
何もなかったのだ⋯
彼には⋯『心』がなかった⋯
考えてみれば当然のことだった⋯だって彼は何も知らないのだから⋯⋯
五感が機能しないということは、他者や世界を認識出来ないということであり、言葉を理解出来ないということでもあり、痛みを理解出来ないということだ⋯
さらに、体を動かすことが出来ないということは、生まれながらにして『自由』を剥奪されているということである⋯
つまり彼には自分しかなく、それが当たり前であり、そういうことだと完結してしまっているのだ⋯
私達はしばらくの間、その事実に驚き、嘆いた⋯
私達は一体なにをしているのだ⋯
教え導くのが私達の役割だというのに⋯
私は会議が終わると主神である父に頼み、彼と会うことにした。
彼の精神世界に入ってまず気付いたことは周囲が真白の空間になっていたことだ、普通
なら生きているうちに経験したことや覚えた知識によって精神内の風景は創られるが
彼の場合はそれがないためか、何色にも染まっていない真白になっていた。
中心に向かい進んでいくと彼を見つけた。
私は彼に声をかけた、すると彼は心底驚いた様子で私を凝視する。
その様子が可笑しくて少し笑ってしまう。とりあえず挨拶をしようかと思ったが彼には
知識がないことに気が付いた、だから私は彼に知識を与えることにした。
精神世界の中なら声が聞こえないなどということはないので、彼は私の言葉を聞くことができる。
言葉を教えるのに時間がかかったが覚えてからはスポンジのように知識を吸収していった。彼のほうから教えてと頼まれたときは耳を疑った⋯
彼が自分から欲したということは、少なからず彼の中には欲が芽生えたということだ、つまり、彼の中に心が生まれたということだ。
私は歓喜した⋯彼の中に心が生まれたことを天界にいる皆に知らせると私と同じように喜んでいた。特に会議の席にいた者達の喜びは大きく涙を流している者もいた。
でも、何時までも話し相手が私だけでは彼のためにならない⋯
そう思った私は神や聖人に英雄など色々とこえをかけてまわった。聖人は苦労しなかったが、神や英雄は苦労をしたものだ⋯正直彼女が来てくれるとは思っていなかったから
来てくれると言ってくれたときはとても嬉しかったのを覚えている。
それからというもの彼等は度々彼のもとに行っては他愛無い話をしたり知識を与えたりと、彼の面倒をみてくれた。次第に彼の真白な精神世界は色を付け始め、表情のなかった彼の顔も豊かになっていった⋯
そんな日々が続いて2ヵ月ほど経ったとき⋯ついに恐れていたことが起きてしまった⋯
彼の命が目に見えて消えていったのだ⋯彼の精神にも影響が出てしまった⋯彼はそのことに気付いていない様だったが、それも時間の問題だろう⋯
私達は最後まで彼のもとにいた⋯彼を1人にさせないために⋯
彼は自分が死ぬと分かっていたのに⋯笑顔だった⋯
まるで今が楽しくて仕方ないというほどに⋯
そして彼は最後に言った⋯また会おうと⋯
だから私は誓った⋯彼の願いを叶えようと⋯
彼をこのような目にあわせてしまったのは私達の責任なのだから⋯
だから⋯彼の最後の願いは私達で叶えさせてあげなければならないのだ
sideout
どうしたのだろうか⋯
彼⋯イエスさんが私に挨拶をしてくれてから黙ったままでいっこうに喋らない⋯
私が何かしたのだろうか?
イエスさん?
「⋯⋯⋯ん?」
どうしたのですか?先程から黙ったままですが⋯
「ああ、すまなかったね。少し考え事をしていたよ」
いえ、大丈夫です。それよりも聞きたいことが沢山あって⋯
「待って、ちゃんと質問には答えるから」
では「その前に⋯」?
「まず⋯私達から君に言わなくちゃいけないことがあるんだ」
はい?え?私⋯達?どういうことですか?
イエスさんは大きく息を吸い、真剣な眼差しでこちらを見ると、若干震えた口調で
語り始めた
「最後まで⋯しっかりと聞いてね」
⋯⋯はい
「君は何故死んでしまったと思う?」
なにを突然言うんですか⋯?
「寿命⋯それとも病気かい?」
違うんですか?
「違う⋯君が死んだのは寿命でも病気のせいでもない」
じゃあ何だって言うんですか?
「君が死んだ理由はね⋯私達のせいなんだ⋯」
⋯⋯⋯え?
「君は⋯君はね⋯⋯」
「私達⋯神々のせいで死んでしまったんだよ⋯」
主神は聖おにいさんのイエスの父です。
全知全能の父の方ですからね?ヨセフじゃないですよ~
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流す涙の暖かさ
お気に入り登録が100を超えた⋯だと⋯?
一体どうしたというのだ⋯いきなり50以上増えてビビっちまったよ⋯
そして転生はまだしない!!
いやマジですまない⋯次回こそ!!⋯⋯⋯まだかも⋯
イエスさんが語った内容は衝撃的なものだった⋯
正直なんで自分はこんなにも冷静でいられるのか疑問でしかたない。
いったん内容を整理しよう⋯先ず生き物全てに『運命』があり、それを決めているのが『生と死の神々』で、僕はこの神様達のミスで体の自由がなく五感が機能していない体になってしまったと⋯一体どんなミスをしたらこうなるのでしょうか?
それにしても⋯はぁ⋯
「君は⋯」
ん?
「君は⋯怒らないのかい?」
⋯⋯⋯はい?
突然何を言うかと思えば「怒らないのか?」とは⋯別に怒っていないわけではない、怒ってだっているし僅かながら恨みにもにた気持ちもある。
だがまあ⋯それだけしかないわけでもない⋯
イエスさん
「なんだい?」
僕は怒っていない⋯ということはないですよ
「⋯⋯⋯」
怒ってだっているし、僅かですけど恨みにた感情もあります
「⋯⋯っ!」
僕は何をされても怒らないような人ではないですからね。正直言うとかなり怒って
いるんですよ?
「そう⋯だよね⋯「でも」⋯?」
そういった感情もあくまで3割程のものです⋯じゃあ残りの7割は?ってことになりま
すよね⋯⋯なんだと思いますか?
「失望⋯とかかな⋯君の運命を狂わせた私達への⋯⋯」
随分と悲観的ですね
「ははは⋯そうかもね。でも私達が君に与えた苦痛を考えれば当然のことだよ⋯それだけ
のことをしたんだから⋯」
そうですか⋯でも僕は別にイエスさんや神様達に失望なんてしてませんよ
「じゃあ、何だっていうんだい?」
決まっています⋯『感謝』ですよ
「⋯⋯⋯か、感謝⋯?」
確かにイエスさん達がミスなんておかさなければ僕も普通に生きていけたでしょう⋯
学校に行き勉学をし、友を作って遊んだり⋯食事をしたり家族との会話を楽しんだりと
色々なことを経験できたでしょうね⋯ですがね、もしもそうなっていたら僕は彼等と出
会うことはなかったんです⋯
例えやり直せたとしても僕はそれを選びはしません⋯そう思えるほどに彼等との日々は
楽しくて幸せだったんです。
何も無かった僕にとって彼等との日々が僕の全てで、僕の唯一の宝なんです⋯
だから感謝をするんです⋯彼等と出会わせてくれたことに⋯
side:イエス
罵倒の1つや2つ、10や100は覚悟していた、それだけのことをしたのだから⋯
だが、私の話を聞いた彼はずっと黙ったままだ⋯怒りのせいで沈黙しているのかと思い
彼の表情を確認した。彼の表情は決して怒っているものではなかった、怒りというよりは考え事をして悩んでいる人のものだ。
表情が変わり考えていることがまとまったのかと思えば、次は「はぁ⋯」と呆れたかの
ようなため息を吐いた。
私の予想とは違い、いっこうに罵倒がこない⋯彼は私達に対して怒りを覚えないのだろうか⋯?
だから私は彼に質問をしてみた、私達に対し怒りを覚えないのか?と⋯
彼の回答は⋯『怒っているし僅かな恨みもある』
正直その回答を聞いた私はほんの少しだが気が楽になった⋯
罪悪感がないわけではないが、そう思ってもらえたほうが私にとっては楽なのだ-
そんなことを考えていると彼は続けて答えた⋯呆気にとられるとはこういう時に使うんだなと思った⋯だって彼は怒りや恨みは3割しかないと言ったのだから⋯
たったの3割?ありえない⋯私達の犯した過ちはその程度のものではないはずだ⋯⋯
ならば残りの7割はなんだ⋯考えても失望ぐらいしか浮かばない⋯それ以外に何があるというのだ⋯
私が君に知識を与えたのだって罪悪感に駆られたからだ⋯導く筈の私達が狂わせてしまったという事実に⋯
だが⋯彼のから返ってきた答えでまたしても呆気にとられてしまった⋯
なんで⋯何故⋯⋯
感謝するのだ⋯
彼は語った⋯例え普通に暮らすことの出来る道を選べたとしても、自分はその道は選ばないと⋯彼等との日々こそが自分にとっての宝だと⋯だから感謝すると⋯出会いのきっかけを作った私達に⋯
言葉が出ない⋯
なんて言えばいいのか分からない⋯
頭の中の思考が乱れてしまう⋯
自分がいまどんな顔をしているのかさえ分からない⋯
視界がぼやける⋯
すると彼は慌てはじめた⋯
私は何故彼がそんなにも慌てているのか分からない⋯
ふと頬に何かが流れるのを感じ、それを指で払う⋯
嗚呼⋯私は⋯
泣いているのか⋯
それから私は泣き続けた⋯何度も何度も『ありがとう』と『すまない』を繰り返した⋯
最初慌てていた彼は苦笑を浮かべながら『分かりました』と言ってくれた⋯
上手く言葉で言い表せないが、少なくとも⋯
この涙は暖かった⋯
今回は駄文過ぎた⋯
次回は少し時間が飛びます。
うちの主人公の名前考えなくちゃ⋯
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天使は天使だったよ⋯
天界=天国
冥界=地獄
天界も天国もこのSSではさほど違いはありません。
冥界と地獄もです。
天国の別名が天界で、地獄の別名が冥界とでも思ってください。
それと今回長い文があるので誤字があるかもしれません⋯あったら言ってください。
イエスさんが泣き止み落ち着きを取り戻すと、僕に『転生する気はないかな?』と話を持ち掛けてきた⋯何故転生?と思ってしまった僕は悪くないと思う。
イエスさん曰く、僕が彼等と交わした約束を叶えるために僕を転生させようということだ。
1人の人間に対してそこまでする必要はないのでは?と思い彼に伝えると⋯
「確かにそうかもしれないね⋯⋯でもこういうのは理屈じゃない、気持ちの問題なんだよ⋯
だから私達は君のために何かをしてあげたいんだよ⋯駄目かな?」
別に駄目ではないですよ、寧ろ嬉しいです
嬉しい⋯かなり嬉しいのだが⋯転生と聞くと不安がある。何が不安というと、転生することによって全く別の存在になるのではと⋯話を聞く限りそんなことはないのだろうが⋯
あの⋯転生した後ってどうなるんですか?
「転生後?⋯ああ、心配しなくても記憶はそのままだよ。もっと詳しくいうと本来の転生
とは少し違うんだけどね」
それはどういうことですか?
「長くなるけどいいかい?」
はい、大丈夫です
「分かったよ、先ずは『死』というのがどういうことなのかを説明しよう」
「君も知っているように生き物の死とは生と死の神々によって決められる。だけどそれ
はあくまで肉体の死であり、精神の死はまた別なんだ。肉体の死は腐敗し消えていく
が、精神は肉体が死んだ後天界へと向かうんだ。まあ、一部は未練などでそのまま
下界に留まってしまうのもいるんだけど、それが幽霊と言われてるんだ⋯話を戻そう⋯
天界に向かった精神はそこで審判を受けるんだ、それで天国に行くか地獄に行くか、
輪廻の輪に行くかが決まるんだ。天国に行くには徳を積むか聖人として認められるか
ブッダの様に悟りを開くなどがある。地獄は悪徳を積みすぎたりしたら堕とされてし
まうんだけど、少しの悪徳なら堕とされはしないんだ。生きていれば多少の殺生は
してしまうからね、でも殺人や大量虐殺は容赦なく堕とされるけどね。輪廻の輪は
一番行くのが多いいかな、徳を積んだのが少なかったり徳を多く積んだが悪徳を少な
からず積んでしまった者達が行くところなんだ。その輪に入ったらそれ以前の記憶は
消えてしまうんだけど、輪廻に入りもう一度死んで天界に戻るとその時に記憶は返さ
れるんだ。因みに輪廻転生はどの生き物に転生するかは決められないからね。」
なんとなく理解はしました⋯それで、イエスさん達が私に提案した転生とは一体どの
ような内容なんですか?
「いまの君は精神だけがある状態だ、だから私が器を創り、それに君を宿す⋯ただ⋯⋯」
ただ⋯なんです?
「器となる肉体はもう用意してあるんだけど⋯1つ問題があってね⋯⋯」
⋯え?
「肉体に精神を宿らせるのは難しくないんだけど⋯精神が肉体に定着するまでの時間が
3年程掛かってしまうんだけど⋯⋯それでもいいかい?」
それはいいんですけど⋯その間僕はどうするんですか?
別に3年とかはハッキリ言ってどうでもいい、ただその3年間の間僕は何所で衣食住をすればいいのか⋯それが問題なんだ⋯まあ何も知らないから結局何所だろうと問題はあるのだろうけど⋯
「そのことなら大丈夫だよ、ブッダが君の面倒を見てくれるからね」
ブッダさんが⋯また会えるんですね
「それより先ずは君に肉体を与えないとね!」
いきなりテンション高くなんないでくださいイエスさん⋯
テンションの高いイエスさんが僕に向け手を突き出す⋯すると僕の周りに小さな粒子の様なものが集まりだし、僕の中に入ってきた⋯
それはとても暖かなもので、とても心が安らいでいく⋯
その心地よさに心を委ねていると自分に変化が起きたことに気付いた⋯浮遊感と欠けていたものが埋まる様な感覚⋯ふと下を見ると手足が見えた⋯驚いているとほんの一瞬だけ視界が暗転した⋯一度だけじゃなく何度も小刻みに暗転する⋯確かめるように手をかざし、そして触れる⋯
そこには瞼があり、瞳があり、顔があった⋯髪も頬も⋯何度も手で確かめた⋯
何故だろう⋯何だか目元が熱くなってくる⋯
そして粒子が全て僕の中に入り終わると⋯
おもいっきり顔を下にぶつけた
ッツ!⋯ツ!?⋯⋯⋯ん”ん”!?!?!?
ナニコレ超痛い⋯痛いってこうゆう感覚なんだ⋯ぶつけた場所が熱くなってくる⋯
肉体得たことで痛覚が戻ってくることを考えてなかった⋯視覚はなくても『視える』からいいけどさ⋯
「だ、大丈夫かい!?」
顔痛いです⋯特に鼻が⋯⋯
「ごめん⋯!いきなり肉体を与えたからだね、君は立つときの力の入れ方を知らない
ことを忘れてたよ⋯」
いえ⋯別にいいんです⋯
「とりあえず教えるから⋯少しそのままにして聞いてくれるかい?」
⋯はい
~数分後~
「凄いね、数分で立つだけじゃなく歩くこともできるようになるなんてさ」
そうなんですか?でも歩くっていいですね。踏み出した足に感触が伝わってきて
気持ちがいいです
「そうかい⋯ところで1つ気になったことがあるんだけどさ」
なんですか?
「いやね、なんで気付かなかったのかなって?不思議なんだけどさ⋯」
「君⋯肉体与えたからちゃんと口があるのに⋯というかなんで『念話』できるの?」
念話ってなんですか?何時もみたいにしてただけなんですけど⋯
「だって念話って聖人⋯」
成人?まあ、なんでもいいじゃないですか
「え、あ、うん、君がいいならそれでいいよ⋯」
そうですよ
「⋯ブッダのとこ、行こうか⋯」
そうしましょうか
僕達はブッダさんのもとに行くために歩き始めた。歩きながらイエスさんが僕に口での
喋り方を教えてくれた、一度声の出し方が分かると案外簡単にできるようになった。
でもこっち喋るよりイエスさんの言っていた念話の方が楽で簡単だ、それをイエスさんに言ったら⋯
『いやなるべく口で⋯というより基本口で喋るようにしてね?じゃないと転生した後が
大変だからね⋯?』
なんだか言葉に重みがある⋯そこまで切実に言わなくてもいいですから⋯
それから約2時間程歩くとブッダさんのもとに着いた⋯久しぶりって言うには早いけど、なんだかとても長い間会えなかったように感じる⋯なんて言えばいいのか迷っていると⋯
『久しぶり⋯というには早いですが⋯⋯久しぶりです、待っていましたよ』
本当に⋯なんで彼はこちらが言いたいことを理解できるのだろう⋯ただ、こういうやり取りをすると、また会えたと心の奥から実感できる⋯
それから数十分2人で会話を楽しんでいるとブッダさんが急に話を止めて後ろを凝視しはじめた、なんなのだろうと振り返ると⋯
『⋯⋯⋯⋯』ドクドクドク⋯
そこには茨の冠から血を流し、下を見て俯いてしまっているイエスさんがいた⋯
『え!?なんで血を流しているんですか!?』
『イエスは負の感情が一定を超えると聖痕から血が流れてしまうんだ⋯恐らく私達が喋る
のに夢中でイエスのことを忘れてしまったからを超えてしまったんだ⋯』
突然のブッダさんの説明口調に戸惑ったが、それよりもイエスさんを早く慰めるのが先だと判断した僕はブッダさんとともに、何度もイエスさんを慰めた⋯
機嫌が直るのに時間は掛からなかったがものすごく疲れた⋯その後は3人で他愛無い会話を楽しんだ⋯最後に僕の話題になったのだが⋯⋯
『そういえば君は⋯⋯』
『どうしました?』
『いきなり黙ってどうしたのイエス?』
『何か違和感があるなと思っていたんだけどね、やっと今その正体が分かったよ』
『『?』』
『名前だよ君の』
『は?名前?』
『確かにずっと「君」って呼んでたからねー』
『うん、だからさ』
『だから⋯なんです?』
『今から考えようよ、君の名前をさ!』
というイエスさんの提案で僕の名前を決める会議になってしまった⋯最初はイエスさんとブッダさんの2人だけだったのに一体どこから嗅ぎ付けたのか数十人に増えてしまった⋯
僧侶の様な人や羽の生えた天使の様な方⋯老人の見た目の割に放つオーラがやたらデカいおじいちゃん⋯30代で天パのお兄さんなどとにかく皆キャラが濃い⋯でも問題そこじゃないんだ⋯皆のネーミングセンスが問題なんだ⋯
『タマなんてどうだ!』
猫じゃないんだよ
『ポチだろ』
犬でもないよ
『わさお』
そういう問題じゃないんだよ
『⋯ラーフラ』
小声でなに言ってんすかブッダさん
『チ○ッ○ーとか?』
なんだか呪われそうな予感しかしないよ
なんか悪乗りしたような名前もあるが一生懸命考えている人もいるからツッコミは心の中ですることにした⋯それにしても何時まで続くんだこの会議は⋯
トントンッ
ふと肩を突かれたのを感じた⋯突かれた方を向くと⋯
『あの⋯私も貴方の名前を考えたのですが⋯』
金色の髪を伸ばした天使がいた⋯いやちゃんと白の羽があるから天使なのだろう⋯
『⋯⋯⋯』
『えと⋯その⋯⋯聞いてくれますか?』
『え?⋯あ、ああ⋯はい』
なんか思わず敬語になってしまった⋯
『⋯!じゃあ言いますね?』
『⋯⋯⋯⋯』
なんでこんな緊張するんだ⋯さっきまでは平気だったというのに⋯
『⋯アガルペ、アガルペ⋯なんてどうですか?』
『⋯⋯⋯』
『やっぱり⋯ダメですか?』
『そんなことないですよ⋯』
『⋯え』
『今までの中で一番ですよ、スッとなんの違和感もなく入ってきましたから』
『そ、そうですか⋯』
『その名前もらってもいいですか?』
『私のでいいんですか?』
『貴女のがいいんです』
僕がそう言うと彼女は慌てはじめてしまった⋯言葉まちがえたか?
『そ、それでは私は戻りますね?』
『あの⋯最後に名前を聞かせてください⋯貴女の名前を⋯』
『⋯ラファエル、です⋯』
『ラファエル⋯』
『あ、あの⋯それでは⋯⋯「アガルぺ」さん⋯』
『はい、「ラファエル」さん⋯』
なんでだろう⋯
肉体を得たことよりも数段嬉しい⋯
side:イエス達
『なんか私達⋯』
『完璧に⋯』
『忘れられて⋯』
『おりますね⋯』
『若いってよいの⋯』
『『『『『⋯⋯⋯⋯』』』』』
『『『『『ブッラクコーヒー飲みてえ⋯』』』』』
長々とすまない⋯何回か書き直したけど駄目だったんだ⋯すまない⋯⋯
なんかイエスの語尾に「ね」が多い気がしてならない⋯
そして転生はまだなんだ⋯転生詐欺ばかりですまない⋯
「聖☆お兄さん」からラファエルが登場!しかもTS!そしてヒロイン!
途中主人公の台詞に「」がついたのは口で喋るのを覚えたためです。
前の方が読みやすいようなら戻します。
主人公の名前はアガペーをもじってみました。
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天界生活開始です
なにこのチート連合⋯?
ブッダとの修行で彼等はどんだけレベルアップしているんでしょうか?
どこぞの魔王や勇者が涙目になっちまうぞ⋯
ブッダの家の大きさは⋯そうですね⋯東京ドームと同じくらいと考えてください。
全体の4割が修行場になっており、残りの6割が仕事場になっています。
そして今回も無理矢理な展開や独自設定があります注意してください。
それでも構わないというのならば是非読んでください!
天界生活 1日目
ラファエルさんから『アガルぺ』という名前をもらった。
自分でも不思議だと思う、まるでもとから自分の名前のように思えるほどすんなりと
入ってきて、それが自然だと思えた。
それだけ僕は『アガルぺ』という名前を気に入ったとういうことなんだろう。
その後はブッダさんの家に向かったのだがその大きさに驚いてしまった、普通の家も
これぐらいなのだろうかと質問したが、ブッダさんが言うには修行場やお弟子さん達の部屋が大きいだけで普通の家はもっと小さいらしい。
家の中に入るとお弟子さん達の1人が僕がこれからお世話になる部屋に案内してくれた。部屋の中には色々な物があり、使い方を案内してくれたお弟子さんに教わった。その際に名前を聞いたら「モッガラーナです」と答えてくれた、ありがとうモッガラーナさん。
暫く部屋の中でゆったりしていたらモッガラーナさん⋯長いからモッガさんにしよう⋯モッガさんが部屋に入ってきた。どうしたのだろうかと思ったが食事の時間らしい⋯
『食事』⋯円卓の皆さんがよく教えてくれたが実際に食事をとるのは初めてなのでワクワクが止まりませんでした。
食事は素晴らしいですね⋯なんていったって楽しみ方が1つだけじゃないとこが素晴らしいです!初めに目で料理楽しみ、次に鼻で料理の香りを楽しむ、そして舌で味を楽しみ、噛んで感触を楽しむ⋯アルトリアさんが絶賛するのがよく分かりました⋯
天界生活 2日目
ブッダさんに連れらてお弟子さん達が使っている修行場に行くことになった、家の中に修行場があるので移動に時間は掛かりませんでした。
修行場にはブッダさんと僕しかおらずお弟子さん達の姿がない、彼等はどうしているのかと聞いてみた、どうやら既に今日の分は終えており今は仕事の最中らしい⋯
ブッダさんにここで何をするのかと質問してみた、ブッダさんは優しく微笑み「私の真似をしてください」と言うと坐禅をしはじめた、前に坐禅については教えられたことがあるのでなんとなく何をするのかは理解できました。
まぁ教えられただけで初めて実践するので緊張します⋯
結跏趺坐(けっかふざ)が難しいですブッダさん⋯
なんとか緊張を抑え、法界定印(ほっかいじょういん)を組み、調身、調息、調心をする⋯丹田(たんでん)や内丹術(ないたんじゅつ)も教えられたがいまいちよく分からないので呼吸は何も考えず体に任せることにする。
目を閉じているから今の僕の視界は真っ暗だ、だが暫くすると変化が起きた⋯
真っ暗な闇の中に小さな光が現れた、しかも1つではなく数えられないほど多くの⋯
決して眩しいわけではないが、その光にはなにか魅せられるものがある⋯
やがて光は1つにまとまり、生き物⋯というにはあまりにも巨大で幻想的な姿になっていく⋯
蒼、エメラルド、白銀⋯生き物の肌にしては異質過ぎる、だが違和感などはない⋯
所々に揺らめく炎ような何か⋯本物の炎は赤いと教わった、だがこの炎のような何かは『蒼い』のだ⋯
美しいと思った⋯ネロさんが言っていたことは本当だ⋯
『真に美しいものを見たとき、人は何を思うか分かるか?』
『答えは音を出すことを止める、だ』
『そのとき人はたとえ呼吸だろうと、ほんの僅かな音でさえ雑音としか思えなくなる』
『まぁ余もそれほどまでに美しいと思ったものは数回しかないが⋯いつか奏者にもそう
思えるほどのものを見てほしものだ⋯』
ネロさん⋯僕は今日、初めて呼吸の音が雑音と思えるほど美しいものに出会えました⋯
その姿、美しさ⋯まさに幻想の体現者⋯
《そこまでか⋯ふむ、そう思われたのは初めてだ⋯少し照れるな》
⋯誰の声?
《む、目の前におるだろう⋯失礼ではないか》
え⋯生き物だったんですか?
《⋯⋯⋯》
あ、すみません⋯
《いや⋯この姿だ、お世辞にも生き物とは思えまい⋯⋯少し待て》
⋯⋯⋯
『お前が馴染みやすいよう人の形にしてみたが⋯どうだ?』
女性⋯だったんですか?
『私に性別はない、女体にしたのはこちらのほうが男はやりやすいという知識を持って
いるからだ』
そうなんですか?
『違うのか?』
分かりません
『そうか⋯』
あの、貴女は一体誰なのですか?
『私か?私の名前は⋯』
どうしました?
『いや⋯私には「ORT」という名があるのだが⋯その、あまり好きではないのでな』
そうなんですか
『呼びたいのなら構わないが⋯できれば他の名で呼んでほしい』
僕が決めていいのですか?
『どのみち呼ぶのはお前だけだからな』
分かりました⋯それと僕は「お前」ではありません。僕の名前はアガルぺです
『⋯フフ、それは失礼した、すまないなアガルぺ許してほしい』
冗談ですよ⋯「水晶さん」
『水晶⋯私の名か?』
はい、それとも違うのがいいですか?
『水晶⋯水晶⋯⋯ふふ』
気に入りませんでしたか?
『そんなことはない、気に入ったぞアガルぺ』
それならよかったです。それで水晶さんは僕になんの用があるのですか?
『用か⋯不思議な人間がいるなと思ったから会いにきたのだ』
不思議⋯僕が?
『数百年前から暇を持て余していてな、時折人の精神に入っては話し相手にでもなって
もらおうとしていたのだがな⋯私の姿を見るなり発狂する者が多くてな、喋りやすいよ
うに人の形をとるようにしたのだ。おかげで発狂は消えやっと話し合いができるよう
になってな、それからは何度も精神に入り色々な者と語り合ったものだ⋯それから暫く
してアガルぺ⋯お前を見つけたのだ』
僕を?
『そうだ、お前を初めて見つけた時は本当に驚いたぞ、なにせお前の精神には既に私
以外の他の者が入っていたのだからな。しかも入っている者達が異常だった、英雄に
反英雄⋯何より神秘の塊である神そのものがお前の精神内にいたのだからな。不思議
だと思ってもしかたあるまい、だから私はお前達を観察することにした。変に介入
したところで面倒になるだけだからな』
じゃあずっと前から僕のことは知っていたんですか⋯別に来てくれても良かったの
ですが⋯
『面倒なことになると言ったばかりではないか⋯それに私が入る前にお前死んでしまった
ではないか』
そうでした⋯
『お前が死んでしまったから諦めていたが直ぐにお前が生き返ってまた驚かされて
しまった⋯生き返ったことでお前は不自由な体から不自由の無い体になり、いちいちと
精神に入らなくてもコミュニケーションがとれるようになった⋯おかげで安心して精神
内に入ることができた』
新しい肉体を得たことで精神内で会話せずとも口頭で会話できるようになりました
からね⋯
『いつか精神内でなく現実で話がしたいものだ』
そんなによかったですか僕との会話?
『ああ、とてもよかったぞ⋯それに面白い発見もあったからな』
面白い発見ですか⋯?
『私のアノ姿を見ても発狂しない程の精神力⋯』
え、発狂する姿って⋯なんで初めから人の姿で現れなかったんですか!?
『こうみえて私はドジなのでな、時々こういうときもあるのだ、許せ』
ドジって⋯
『スケジュールを間違えてドジを踏んだこともある⋯約五千年くらい』
ドジの領域を超えていませんか?
『さてな、そんなことよりもっと重要なことがあるのだ⋯』
なんでしょうか
『私を初めて見たとき⋯私のことを美しいと思ってくれただろう』
思いましたけど⋯それがなにか?
『初めてだったのだよ、そう思われたのは⋯いままで話してきた人間は私のことをどこ
か恐れていた、仕方ないとは思っている⋯自分の知らない見たことのない者からいきな
語りかけられるようなものだからな』
⋯⋯⋯
『だがお前⋯アガルぺは違った⋯私を美しいと、幻想の体現者と私のことをそう思って
くれた⋯⋯それを感じた瞬間、私は暖かな気持ちになった⋯初めてだったのだこんな
気持ちは⋯⋯』
暖かな気持ち⋯
『アガルぺ⋯私はな、この暖かな気持ちが何なのか知りたいのだ⋯生きてきたなかで初め
ての体験なのだ⋯こうやってアガルぺと話している今でさえこの気持ちは止まらない
のだ⋯⋯だからアガルぺ、許可してほしい⋯⋯』
許可⋯?
『そう許可だ⋯私はこの気持ちが何なのか理解するためにまたここに入ってくる⋯だか
ら入ってもいい許可が欲しい⋯』
もう許可なしで入ってるじゃないですか⋯
『うぐっ⋯』
別にいいですよ、その代わり入ってくるのは寝ているときだけにしてくださいね
『感謝する⋯』
それではそろそろ戻してください、こうみえて坐禅の最中だったんですよ?
『分かった⋯またね、アガルぺ』
またです、水晶さん
天界生活 7日目
水晶さん⋯これは聞いてないですよ?なんでもう5日も進んでるんですか?
目を開けたらブッダさんやお弟子さん達にイエスさんもラファエルさんも⋯その他にも沢山の方達がいてビビッてしまいましたよ⋯
だって皆泣いてるんですよ?ラファエルさんが泣きながら僕をポカポカ叩いて「心配しだんですからね~!!」て言ってくるんですよ?なんでか知りませんが罪悪感MAXですよこっちは⋯ブッダさんは「この子も私のような三日坊主なんでしょうか⋯?」とか訳の分からないこと言ってるし、イエスさんも「何日も微動だにしないのはやめて!ブッダだけでも心配なのに!!」なんて言ってるし⋯
水晶さん、次会うときは説教ですからね?
坐禅は暑すぎず寒すぎない場所でやるそうです。
ネロさんセリフだけの登場⋯次の出番はいつになることか⋯
後半はORTのターンでしたね⋯ORTヒロイン作品て珍しいよね?
ブッダの言っている三日坊主は原作みた人なら分かると思います。
分からなければ今度書きます。
この小説でのORTの容姿ですが、ガンダムOOのマリナをイメージしてください。
髪の色は浅葱(あさぎ)色
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天界生活60日目
データが2度消えてしまったため書き直し⋯というか初めに書いてたのと
だいぶ内容を変えてしまったので時間がかかりました、待たせてすみません⋯
そして相も変わらず駄文でございます⋯文才ほしぃ⋯
天界生活 60日目
最近色々なことがいっぺんにおき心身ともに疲れているアガルぺです。
もう本当に色々おき過ぎなんですよ、寝ている時に愚痴を聞いてくれる水晶さんには感謝しなければなりませんね。
『感謝なんてしなくていい、私が好きで聞いているのだからな』
そうですか?
『そうだ、何よりもお前が愚痴を言っている時は普段と違い面白いからな』
面白いって⋯
『ふふ、そんなことよりもそろそろ起きたほうが⋯来たぞ』
――アガルぺさん朝ですよー、起きてください
もう朝ですか
『ああ、それではなアガルぺ。また夜に会おう』
はい、またです水晶さん
side:???
私がここに来て3週間ですか、早いものですね。
それにしてもイエス様はもっと早く私に『彼』がこちらに居るということを教えてほしかったです。そしたら有休でもなんでもとって直ぐに向かったのですが⋯
まぁ今は彼を起こしに行くとしましょう、こればかり私だけの特権ですからね。
無論、他の方達が来たとしてもそれは変わりませんし譲る気もありませんが⋯
さて、まだ寝てますよね?⋯おっし寝てる!!⋯⋯⋯コホンッ
いいですか?貴方達は何も見ていない、というより何もなかった⋯イイデスネ?
それにしても可愛い寝顔です⋯この寝顔だけでご飯10杯は軽いですね。
だけど寝顔だけじゃないんですよ、彼の可愛いところは⋯彼が眠っている時に手に触れるとそのまま握ってくれるんです。弱弱しい力なんですが、一生懸命離すまいと握ってくれるんです⋯それがもう可愛い過ぎるんです!!
ハアハア⋯いけませんね、また意識が飛びかけてしまいました⋯
いい加減彼を起こさなければなりませんね、名残惜しいですがしかたありません。
「アガルぺさん朝ですよー、起きてください」
「ん、ふぁぁ⋯⋯おはようございます⋯⋯
『ジャンヌさん』」
「おはようございます、今日も1日頑張りましょう!」
あぁ、寝起きの潤んだ瞳でそんな笑顔⋯反則過ぎますよ!
side out
「おはようございます、今日も1日頑張りましょう!」
相変わら眩しい笑顔だ⋯
「朝食はもうできてありますので着替えたら行きましょう」
「分かりました、じゃあ着替えるので少し待っていてください」
「はい!」
「あの⋯」
「はい!」
「外で待っていてくれませんか?」
「はい⋯(やはり無理ですか)」
「(なんで残念そうにしてるんですか⋯)」
着替えを終えてジャンヌさんとリビングへ向かう、着くまでの時間は約6分ほどだが、いざ向かうと時間が長く感じてしまう。
そんなことを思っていると手に温もりを感じた、視線を向けるとジャンヌさんが僕の手を握っていた、顔を見ると少し恥ずかしいのだろうか頬が薄く赤くなっている⋯
取り敢えず握り返してみると一瞬体をビクンッとなりこちらを見てきたので、取り敢えず笑顔で答える。
「⋯⋯⋯//」
どうやら正解らしい、それからジャンヌさんは気分がよくなったのか鼻歌を歌い始めた⋯
それと若干歩くスピードが上がった気がする。
リビングに着き食事を始める、周りにいるのは僕とジャンヌさんの2人だけ、お弟子さん達は2週間前から断食シーズンに入っているため最近はジャンヌさんと2人だけで食事をとっている。
食事を終え、ふとジャンヌさんがここに住み始めたころのことを思い返してみる⋯
3週間前にジャンヌさんはここに来た、あの時はジャンヌさんが来たのにも驚きましたけど『今日からここに住みます!!』と言った時は私も含め全員が驚きました。
ブッダさんが『仕事はどうするの!?』と驚愕しているのに対し『私の仕事はPC1台あればなんとかなりますので』と返されてしまい、ブッダさんは『え、あ、そう⋯』と歯切れの悪い返事をし、どこか遠い目をしていました。
因みにブッダさん達はジャンヌさんが来ることを知っていたそうで、黙っていたのは僕を驚かせようとしたからだそうです。まぁここに住むというのは聞いていなかったそうで、僕以上に驚いてましたけど⋯
その後はほぼ⋯かなりのごり押しでジャンヌさんがここに住むことになりました。
「どうかしましたか?」
「ジャンヌさんがここに来た時のことを思い出しまして」
「何か気になることでもありましたか」
「ええ⋯聞いてもいいですか?」
「かまいませんよ」
「ジャンヌさんは天界では何をしているのですか?」
「そうですね⋯最近はマルタと一緒に天界のPVを作ってますね」
「⋯はい?」
え、なんですかPVって⋯天界ってそんなこともしているんですか⋯
イメージと全然違うんですけど⋯それにマルタさんて誰なんですか?
「審判の結果天界に行くことが決まった方達に天界とはどのような場所で何がある
のか、それを口頭で説明するあまりにも効率が悪いんですよ」
「効率が悪い?」
「数万程度ならできないこともないですが⋯流石に億は無理です」
「数万程度ならできるってことも凄い気がします⋯」
「そうでしょうか?」
「そうですよ⋯それとマルタさんとは誰ですか?」
「マルタは私の友人兼、同僚兼、聖女⋯聖女です」
「なんで言い直したんですか⋯」
「な、なんでもないですよ~(聖女なんですけど口調のせいで⋯)」
「いやでm「さあ早く食器を洗っちゃいましょう!」は、はい」
半ば強引にジャンヌさんから話をを話を切られてしまった。
マルタさんが聖女だと教えてくれまけど⋯言い直していたので何か普通の聖女とは違うのでしょうか?
食器を洗い終わると、ジャンヌさんと僕はそれぞれ別れた。
ジャンヌさんは仕事のために自室へ向かい、僕は日課である坐禅をするために修行場に向かい坐禅を行う。
最初の頃は難しかった結跏趺坐もいまでは慣れたものだ、とはいっても無心になるのはまだ難しい⋯調身、調息、調心をするのに30秒⋯ブッダさん達と比べる天と地ほどの差がある。ブッダさん達は自然と全てが出来ているから2秒もあればできてしまう⋯無心になるだけなら坐禅をせずともできてしまう⋯まったくもって規格外だ。
坐禅する時間は大体3~5時間ほどで、それぐらい時間が経つと自然と意識が冴え始める⋯まだ体が覚えていないときは無心のまま1日が過ぎていたことがあり、自分でも驚いてしまった。
どうやら時間になったらしい、だんだんと意識が戻ってくるのを感じる⋯
重たくなった瞼を開き、立ち上がり軽く体を動かし周囲を確認する。
ふと、視界に人影が写った気がした⋯
視線を下げ、もう一度確認する⋯
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
そこには自分より少し小柄な銀髪の少女がおり、ジッとこちらに視線を向けている⋯
自分も顔をそちらに向けたせいでお互い見詰め合う形になってしまった⋯
まだ混乱してはいるが取り敢えずこれだけは聞いておこう
「どうしてここにいるんですか⋯⋯⋯『カナデ』?」
新ヒロイン登場です
1人は性格が恐ろしく改変されてしまっているジャンヌ!
反省はしない!!
2人目は他作品の『Angel Beats! 』より『立華 かなで』です!
因みにSSでの扱いはラファエルの部下の見習い天使といったところです。
名前はカナデになります。
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開かぬなら、壊してしまおう、扉ごと
「どうしてここにいるんですか⋯⋯⋯カナデ?」
何時ものカナデならラファエルさんと一緒にここに来る、なのに今日は1人とは珍し
いですね⋯というか坐禅中ずっと待っていたのでしょうか?
「ラファエルに頼まれたから」
「頼まれた?」
「アガルぺを呼んできてって頼まれた、だから呼びに来たのよ」
「因みにどのくらい前から待っていたのですか?」
「⋯⋯2時間前くらいだと思う」
「⋯⋯⋯」
「どうしたの?」
「⋯待たせてすみません」
「私のほうから来たのだから謝る必要はないと思うのだけど⋯」
「気持ちの問題なんです⋯」
2時間も待たせたとなると申し訳ないんですよ⋯
「そういうものなの?」
「そういうものです⋯」
無心になっていたからといって気が付かないとは⋯これじゃあ眠っているのと大差ない じゃないですか、まだまだ未熟ということですね
「取り敢えずラファエルのところに行こ?」
「分かりました。では出かけると伝えてきますので少し待っていて下さい」
「ん、分かった」
というわけでお弟子さん達とジャンヌさんに伝えてきました。
まあ伝えるだけですからね、そこまで時間は掛かりませんんでしたよ。
ジャンヌさんには少々手こずりましたが⋯というかジャンヌさんは仕事があるでしょうになんであんなにも付いて行きたがったのでしょうか?
と、あんまりカナデを待たせてはいけませんね、直ぐに戻るとしましょうか。
「お待たせしました⋯⋯なんで『カンタカ』がいるんです?」
どういう状況ですかコレ?
「?⋯借りた」
「借りたって⋯⋯カンタカはいいんですか?」
カンタカ的にそれはいいんですか?大丈夫なのですか?
≪たまにはおもいっきり走りたいので⋯⋯数世紀程前からブッダは私をあまり利用しないの
で走りたいという欲求が溜まっているのです≫
「⋯⋯ブッダさんに伝えておきしょうか?」
≪頼みます⋯≫
なんというか、走りたいといのも本当なのだろうが、どちらかというと『ブッダさんと走りたい』っていう感じですね⋯⋯たまにはかまいましょうよブッダさん⋯
「それでは乗りましょうか」
「なら私が前ね、アガルぺは後ろ」
「いいですよ、女の子と一緒に乗るのに手綱を任せるのは男として良くないですから
ね。ですがいいのですか?」
「⋯⋯?」
「自分で言うのは少々気恥ずかしいですが⋯抱きしめる形になりますよ」
「平気⋯寧ろ役得」
女の子がそう簡単に言うことではないでしょう⋯少しからかってみますか
「役得って⋯⋯余りそういことを言っては誤解されますよ?」
「私はアガルぺのこと好きだよ?」
「真顔で言わないでください⋯⋯」
「?」
からかってもこんな返しをされたら負けた気分です⋯⋯嬉しくない訳ではないですが⋯⋯
「なんでもないです。それよりも行きますよ」
≪私の上でラブコメとか⋯⋯別にいいですけどイラッときました。
本気出しますので落とされないようしっかり捕まってくださいね?≫
「はい?⋯え、ぎゃあああああああああああ!?」
~20分後~
カンタカの馬とは思えない、というかもう馬じゃないんじゃないかな?と思える速度に驚愕しながらしばらくすると、巨大な宮殿に着いた。
≪久しぶりに全力で走りました、感謝します。それと先ほどの約束のこと頼みます≫
「あ、はい⋯大丈夫ですよ、ちゃんと覚えてますから」
それにしてもよく耐えれましたね僕の体、流石神様プロデュースの体は伊達では
ないってことですかね
「というかカナデはどこですか?目の前にいたはずなんですが」
「何を突っ立っているの?速く行くわよ」
「⋯⋯何時の間に降りたんですか?ああもう⋯待ってくださいよ!」
カナデ、せめて何か言ってから行動してください⋯⋯
カナデと移動し体感時間で約4分、目の前には巨大な扉、中からは数人の話し声、多分ではなく確実にここが目的地なのだろう。
あとはこの扉の中に入るだけなのだが⋯⋯
「カナデ」
「なに?」
「押しても引いても横にスライドさせようとしてもまったく開かないのですが⋯⋯」
「そうね」
「そうねって⋯」
「だって鍵がないと開かないもの」
「じゃあ早く開け「忘れた」もうどうしろと⋯⋯」
忘れたんじゃ入れないじゃないですか⋯⋯ん?
「だから壊す」キュイイイィ⋯⋯
「ハイ?」
「離れて」バチッ!バチバチッ!!
「カナデさん?その手のひらの上にある光球はなんでしょうか?どんどん大きく
なってるのに加えて謎のスパークが発生しているのですが⋯⋯」
なんか⋯⋯イエスさんに見せられたドラゴン○ールのベジー○を連想させるんですが
まさか⋯
「ビッグバンアタック⋯⋯!!」
「いやそれはアウトでしょおおお!?!?」
カナデが例の技をぶっぱなしたおかげで宮殿は全壊し見る影もない⋯
それをした張本人は上司であるラファエルさんに叱られてはいるが⋯⋯
「鍵がないからといって何故壊したんですか!」
「反省はしているわ、でもスッキリした」
「答えになってませーん!!」
全然反省してないじゃないか⋯ほら、イエスさんとブッダさんの目から生気が感じられませんよ。それに『またあの子か⋯』またってこれが初めてではないんですね⋯⋯
「本気で反省してくだ「アガルぺ」⋯さ、い?」
聞き覚えのある声がした。その声がしたほうに顔を向けると⋯
「2か月と21時間、体感時間にして2兆年⋯⋯会いたかったぞ」
色々と聞きたいことや言いたいことがあるが
「ええ、僕もです⋯」
先ずは⋯⋯
「お久しぶりです⋯スカサハさん!」
再会の挨拶から始めよう
「仕事が忙しくお主に会いに行くのが遅くなってしまった、いまは有休を使って
いるから心配するな」
「じゃあ暫くは一緒にいれるんですね!」
「その通り、なんだが先ずはお主に問わねばならん事がある」
スカサハさんが口を濁すって⋯それに表情がどこか険しいような⋯⋯
「なんですか?」
「因みにこの問こそがお主を呼んだ理由だ。重要なことだ、だが断ってくれても構わん」
「断ってもいい⋯?」
「そうだ⋯⋯お主が転生する場所は一般的にみて危険はない場所だ」
「それが⋯なんなんです?」
「危険はないといっても『一般的にみては』だ、実際は危険なものがある」
「⋯⋯!」
「死徒・真祖・魔術師・、他にもまだまだ多く存在するがお主の場合まず魔術師に確実
に狙われるだろう」
「⋯⋯理由を教えてください」
「お主の体だ、それとここの環境⋯だな」
「体と環境ですか⋯」
「そうだ、お主の体は神自らが創作したものだ⋯故に神性が付いてしまった、そして
天界という全てが神秘である環境にいたことにより神性が高くなってしまった⋯⋯
だが問題はそこではない」
「ではなにが問題なんですか?」
「タイミングだ、地上の神秘が薄れ始めたこの時代⋯そんななかに高位の神性を持った
人間が生まれる⋯あいつらにとっては格好の研究材料だ」
「研究材料?」
「あー⋯つまりはだ、もし捕まったら体を○○されたり□□されたり脳を◆◇されて
洗脳や≪バキューン!≫されたり⋯それから×××が×○×で(以下省略)」
「」
「という感じだ⋯⋯大丈夫か?」
「ダイジョウブデス」
「とてもそうは思えないが⋯⋯」
「ダイジョウブデスカラ⋯ツヅキヲ」
「そうか⋯まあ当然ながら私達はそんな事をさせるつもりないのだが、万が一という
こともある⋯⋯そこでだアガルぺ、お主には私と共に地獄、冥界に来てもらいたい」
「メイカイ?」
「冥界」
「ジゴク?」
「地獄」
「⋯⋯⋯マジですか」
「大マジだ。天界は修行にはむかん、それに比べ冥界ほど肉体を鍛えるのに適している
場所はない」
「精神面はどうするんですか?」
「心配ない、冥界にいけば嫌でも強化される」
「嫌でもですか」
「ああ⋯で、どうだ?答えは決まったか?」
「行きます」
「いいのか、辛いぞ?苦しいぞ?」
「僕はもうそれ以上の辛くて苦しいことを知っているし体験しています」
「それは⋯」
「それにこれは僕のためなんですよね?だったらやりますよ」
「アガルぺ⋯」
「それに守られてばかりじゃ立つ瀬がないですよ、だからスカサハさん⋯」
「なんだ?」
「僕を貴女の手で強くしてください、お願いします」
「フフッ⋯了解した、このスカサハに任せておけ」
「『貴女の手で強く』、か⋯⋯反則だな、これは//」
スカサハさんオリジナル設定
神話以降は各国を転々とし、現在はドイツの劇団「 Atziluth(アティルト)」に劇団員
として働いており、時折冥界に行っては悪魔達相手に修行をしている。
性格
・意外と純情
趣味
・修行 ・読書(結婚雑誌や恋愛小説)・アガルぺ(どゆこと?)
悪魔からのコメント
・「悪魔より悪魔らしい」
・「もう姉御だけでいいんじゃないか?」
・「最近よく人間の話を嬉しそうにしてる」
・「人間の話をしてる時の顔が可愛くて死にそう」
・「結婚しよ」
・「踏まれたい」
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冥界修行奮闘編
修行(前編)
あとアガルぺが着ているタイツは兄貴のをイメージしてください
それと今回会話ないっす
地獄生活 163日目
スカサハさんと地獄へ修行に来て今日ではや6か月、ここでの生活も慣れたものです。
目覚めは朝一番の「竜の咆哮」で目覚める⋯相も変わらずやかましいとも思うが、最近は
これがないとしっくりきません。
採取しておいた木の実や野菜で朝食をとります。
最初の頃は何に毒があるか解らず四苦八苦しましたが、スカサハさんの『食べれるかどうかはその場所に生息する生物を観察して判断しろ⋯⋯外れもあるがな』という教えのおかげでいくつか食べることが可能な植物を発見することができました。
外れもありましたけど⋯⋯
食事を終えたら修行開始の時にスカサハさんから渡された全身タイツに着替え柔軟体操をしてランニングを始める。
『日が経つごとに1キロずつ増やしていけ』というスカサハさんの指導があるため今日走る距離は163キロだ!
無理だと思いますよね?出来ないと思いますよね?
そうじゃないんです⋯⋯無理とか出来ないじゃないんです⋯⋯
やらなきゃいけないんです!!
じゃないと死んじゃいますから。
何で死んじゃうかですか?後ろを見ればわかります。
『ゴギャアアアアア!!』『ガァルルルルル!!』『バルバルバルバル!!』
『ぶるぁぁぁぁ!!』『アイエエエエエエエ!?』『ユクゾ!ユクゾ!』
『アイタカッタゾ⋯ガ○ダムウウウ!!』『オンドゥルルラギッタンディスカー!!』
『やらないか』『┌(┌^o^)┐ホモォ…』
正直他の修行より朝一のランニングが一番辛い。
最初の頃はスカサハさんが槍をもって追いかけてくるだけでしたけど(それでも怖かったですが)続けていくうちに増えていきましてね、悪魔の方々はスカサハさんの知人らしいので良かったのですが⋯⋯2か月ぐらい経った頃ですかね、悪魔さん達だけじゃなく「幻想種」が追加されたのは⋯⋯もう自分でも何言ってるか分かんないですよ
事の発端は悪魔のルシファーさんが『俺達だけじゃ物足りないだろ?』と謎の迷言を言い放った時だ、その時は真剣に『何言ってんのこの悪魔?』って思いましたね。
僕としてはスカサハさんと悪魔さん達のタッグでさえ厳しいというのにそこに幻想種を加えるなんて正気の沙汰とは思えませんでした、まあスカサハさんは『ならば最初はワイバーンでいいな』とかノリノリで答えており、その結果⋯⋯
後日追いかけてくるメンバーにワイバーンが追加されました。
それからというもの、以上に巨大でなんか体からオーラを放っている猪や大きくても10メートルそこらのワイバーンを軽く凌駕するドラゴン、普通の悪魔かと思いきや謎のバルバル!!という奇声をあげて変身する超生物、カソックを着ているのに両手に剣を携える神父様(何で地獄にいるんですか!?)、アイエエエ!?と叫びながらも走ってくる悪魔、謎のステップで確実に距離を詰めてくる白髪の拳法家、軍人の様な服を着て僕をガ○ダムと呼び突撃してくる金髪、知り合いでもないのに裏切ったのか!と問い詰めてくる超生物(こいつも変身する)⋯⋯
特に最後の2人は色々な意味でヤバいです⋯⋯一度捕まりかけたから分かります⋯⋯あの時の恐怖は今でも悪夢として思い出すことがありますからね⋯⋯
そして純粋な意味で一番ヤバいのは⋯⋯
『Kuka⋯⋯kakakakakakka!!!■■■■■■■■■⋯⋯!!!!』
このドラゴン⋯1か月前から増えたメンバーなのですがこの時ばかりは他と違いました⋯
誰も呼んではおらず、飛び入りで参加してきたからです。
最初見た時は『うわー⋯また増えたなー三つ首だなー⋯(白目)』程度にしか認識していなかったのですが、他の皆さんの顔を見ると冷や汗をだらだらと流しており、反射的にスカサハさんから説明をもらおうかと思ったら小さく『⋯⋯詰んだ』と呟いているのが確認でき、僕は『あ、これマジなヤツだ』とはっきり認識しました。
まあコミニケーションはとれるようで、そのおかげでどうにかなったので良かったのですがもしコミニケーションが取れなかったらと思うとゾッとします⋯⋯
その理由はこのドラゴン名前です⋯⋯その名も『アジ・ダハーカ』
頭を潰されても心臓を突かれても首を斬られても死なず、しかもその傷口からは血の代わりに毒虫や毒蛇が溢れ落ち、口からは千の魔法を放つとうたわれた伝説の邪龍様です⋯⋯
ご本人の説明によると、とある英雄に封印されたのち地獄に移され、現在は地獄の刑罰執行人⋯⋯執行龍?として働いているとのこと。
因みに参加した理由は暇つぶしだそうですよ⋯⋯ハハッ!
色々ぶっ飛んでて処理に追い付かないんですけど⋯⋯
最近は今言ったメンバーで安定してます。ランニング以外だと基本皆さん優しいので助かります、特にダハさん(フルネームでさん付けだと違和感あるでしょ?)の魔術は凄いですよ、ランニングの疲労が一瞬で回復するから次の修行に支障がなく挑めるので本当にありがたいです。
ランニング後はスカサハさんに渡された木刀で素振りを始める。
修行のメニュー
・素振りを1000回
・木に打ち込み
・架空の相手をイメージし刀を振るうイメージトレーニング
・体力を全て使い切るまで終わらない実戦形式の模擬戦
大きく分けてこの4つが基本となる。
素振りも初めの頃に比べれば大分ましになったと思う、毎日やっていると体力の消費を抑え、より速く、より鋭くなっていくのが分かる。
ただ、打ち込みの最中に今まで感じたことない違和感がありました⋯⋯
打ち込みとイメージトレーニングを終え、スカサハさんとの模擬戦も終わり地に伏して荒い息を整えていると、『今日の修行で普段と違うところはあったか?』と聞かれ僕は今日の違和感について説明しました。
その時のスカサハさんは少しだけ驚いた表情をしていたのを覚えています⋯⋯
その後は特に何もなく、何時ものように夜を迎え就寝しました。
寝ている最中、精神世界で水晶さんと話していると、『言い忘れていた、地獄にいるならアイツに会っていけ』と言われた、アイツと言われても分からないと伝えても『なに、そう心配するな悪い奴ではない』と返され結局名前を教えてくれません⋯⋯
唯一教えてくれたのは、その人が「月の姫様」だということ⋯⋯
え、地獄にかぐや姫がいるんですか?
変身=超生物、これがアガルぺの認識
地獄(冥界)
・生息する生物
・神代から生きる悪魔達
・魔物
・その他(ヤバい)
・朝と夜の違い
・朝は空が赤色で夜は紫色になる
アガルぺ
・修行の成果
・朝のランニングの効果か逃走の際の俊敏がEXになった(通常はB)
・違和感の正体
・次回まで待って
・何故槍じゃなく刀?
・単純に槍より刀の方が相性がよかっただけ
アジ・ダハーカ
・千の魔法の現状
・今の時代だと魔術になっているものがほとんど
・魔術と言っても魔法クラス
・残りの幾つかはいまだに魔法
・つまりはチート
・こいつ封印した英雄ヤバい
・残りの魔法
・平行世界の監視(第二魔法)
・あくまでも視るだけ
・時間の回帰(第三魔法?)
・10秒程
・■■元■間への干■
・不明
・なんで皆冷や汗かいてんの?
・いきなり邪龍が出たら冷や汗ぐらいかく、これ常識
・スカサハさん『⋯⋯詰んだ』の理由
・ムシ⋯キライ⋯⋯
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修行(後編)
地獄生活 365日目
竜の咆哮で目を覚まし、近くの川で顔を洗い朦朧とした意識をはっきりさせる。
顔を洗ったことで頭がクールになると精神世界で水晶さんが言っていたことを思い出した。
『喜べアガルぺ、月の姫がそろそろ来るぞ』
『かぐや姫(仮)がですか?』
『私が会いに行けと言ってもお前は常に修行をしていて全く会いに向かわない、なら
ば私が彼女に頼み会いに向かわせるほかあるまい』
『どんだけ会わせたいんですか⋯⋯』
『そういうな、実際会いに行く気なかっただろ』
『それはまあ⋯⋯』
実を言うと、かぐや姫(仮)のことは半年前から今日までの間かなりの頻度で僕と水晶さんの話題の中心となっていた。寒気の理由は話題に出てきた内容の幾つかが余りにもぶっ飛んでいて規格外なものが多かったからである。
その中でも『月を落とした』というのは最も印象的だ。さらにそのかぐや姫は真祖のオリジナルでもあるらしいとも聞かされた。いやまあ、流石にそれは嘘だと思うが、もし本当なら月の神様達が発狂してしまう。
会いに行かなかったのは自分が修行中というのもあるが、一番の理由は水晶さんの規格外過ぎて嘘としか思えない話のせいである。
「あまりのんびりしていてはいけませんね」
取り敢えず食事をとったら直ぐにランニング行きますか、皆もう集まっているようですし。
▼▼▼▼▼
今日のランニングは365キロ、改めて思うと結構な距離だよね?途中にある山脈とか入れたら365キロ以上はあるだろうし、今まであまり気にしたことがないけど普通の人もこれくらいできるものなのだろうか⋯⋯ないな。
それにしても皆さん⋯⋯
『野郎オブクラッシャアアアア!!』『エフッエフッエフッ!!』
『貴方⋯⋯食べちゃだめ?』『アイエエエ!?イリス!?イリスナンデエエ!?』
『クス⋯⋯赤い雨(ブラッディ・レイン) 』『アシクビヲクジキマシター!!』
『バルバトス!ベルゼブブ!アガルぺにジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!』
『ジェット⋯⋯え、なに?』『アニメの見過ぎだぞアザゼル』
相変わらず元気ですねー(レイプ目)
というか地獄ってどうなってるんですかね?悪魔や幻想種、魔物がいるのは理解できるんですよ。ただですね、軍人と格闘家はアウトでしょう。あと飛んでいるのに足首を挫いている悪魔とかもう訳が分からないよ。
そして喜々とした顔で攻撃を仕掛けてくる運び屋とイリスと呼ばれる幻想種、これがまた規格外なんですよ。
それはもうダハさんクラスの⋯⋯
この方達の簡単な解説をしましょう。
イリスの姿は幻想種の中でも異質で、なにより美しいのだが、それだけで終わるほど幻想種というのは優しい存在ではありません。
イリスの特徴は両肩から2本ずつ、そして両腕の様な2本の触手、計4本の伸縮自在な触手で、両腕の様な触手は槍状の鋭利な手甲となっています。
そしてこの触手、やはりというか当然チートとなっております。
伸縮自在の触手、恐ろしいのは伸びる距離であり、本人曰く『2キロ余裕(・ω・)b』
ぶっ壊れ性能も大概にしろと言わせてもらおう。
更に⋯⋯む、これだけだと思っていたのですか?
フフッ甘いですよ。
実はこの触手、触手の先端から超音波メス⋯⋯ビーム?
もうビームでいいや、どうみてもメスには見えないし、それにメスは自称運び屋のほうですし。
と、それは後にしてビームの話に戻りましょう。
このビーム、実は避けるだけならそこまで苦はないんです。ただ地面などに着弾すると話は別で、着弾時に起こる爆発の範囲は約30m、しかもインターバルが4秒とかなり速い、触手は6本あるので実質インターバルなどないといっても過言ではない。
一発放ったらまた一発、その繰り返し、おかげで一周する頃にはインターバルが終わり連射してくるから地形が崩壊しまくって後始末をしている悪魔の皆さんには頭が上がりませんよ。
しかもこのビームに僕だけじゃなく追いかけてくるメンバーも何名か巻き込まれてるんですよね、それでも追いかけてくるメンバーの1人が先ほど言った運び屋なんですが⋯⋯
『クス、アガルぺ君♡』
変態です(確信)
紛うことなき変態です(断言)
彼の名前は『赤屍蔵人(あかばねくろうど)』
初対面の時は『また新しいメンバーかな?』程度の認識しかなく、見た感じ初めてランニングに参加する方達のように『暇だから参加する』といった様子でした。本人曰く『仕事の途中でしたが面白そうでしたので』という理由で参加したらしい。
仕事をしなさい仕事を⋯⋯
だが実力は本物で、体内に隠し持っている108もの無数のメスを使い多彩な攻撃を仕掛けてくる。相手の上空からメスを降らしたり、大量のメスで相手を囲んだり、相手の影から突然出現したり、オリジナルと完全同体の分身を幾つも創ったり、自分の死をイメージできないから死なない等々⋯⋯
『この人なんで運び屋やっているのだろう?』と疑問でしょうがない。
▼▼▼▼▼
大体3時間程でランニングを終え、参加していたメンバーの方々と別れ、スカサハさんから渡された木刀で素振りを始める。木刀を上段に構え、振り下ろす。この動作を1000回繰り返し行う、今では慣れたもので1000回振り終えるのに掛かる時間は2分と30秒程度。前まではこの後に木への打ち込みがあったが、4か月からカットされその分はイメージトレーニングと模擬戦に使われるようになっている。
半年前に木刀を振っていると感じた違和感は今では確信に変わり、それが何なのかスカサハさんに聞いたことがある。
スカサハさん曰く、その違和感は僕の『起源』とやらに関係しているらしいが、いまだにはっきりとした答えは教えてもらえていないでいる、でもスカサハさんは僕の起源を気に入っているらしく『このような縁があったとはな』と言い、不敵に笑い始めて少々不気味だった。
話を修行に戻すとしよう。
イメージトレーニングの相手は主にスカサハさんや悪魔の方達、時々ダハさんやイリスや変態を相手としてやっている。因みに一勝もしていない⋯⋯悔しい。
スカサハさんとの模擬戦では通算敗北数が365回という快挙を達成してしまった。
最初の頃は素手だけであしらわれていたが、数をこなしていくうちに剣や弓、刀に棍棒などと使用してくる武器が増えていき、本命の槍を使い始めてからスカサハさんの実力というもの改めて感じましたよ。
4か月前の模擬戦で初めてスカサハさん槍を使い始めた。
その時の模擬戦は一方的なもので、僕はろくに反応ができず惨敗⋯⋯
1か月経ってようやく攻撃を防御出来るようになった。
スカサハさんの口元が少し緩んだ気がする。
2か月経ってなんとかこちらも攻撃出来るようになった。
スカサハさんの眼が鋭くなった⋯⋯怖いんですけど。
3か月経つとまともな打ち合いが出来るようになった。
スカサハさんの口が弧を描き眼が爛々と輝いて頬が赤くなり、若干鼻息が荒い気がする⋯⋯何故だろう、身の危険を感じる。
そして現在4か月目、今回は模擬戦ではなく実戦らしい。いつもなら木槍を使っているスカサハさんだが今日は朱い槍を装備している。
なんか、槍からオーラが溢れ出ているのですがそれは⋯⋯
流石に木刀では耐えられないとのことで真刀を渡された、刀身は朱く何故かこちらも
オーラが溢れ出ている⋯⋯どゆこと?
スカサハさんに聞いたらどうやら自分で作ったらしく、気合が入り過ぎ気付いたらこうなっていたらしい⋯⋯どういうことだ、まるで意味が分からんぞ!?
気合入り過ぎてこうなるとか、スカサハさん気合入り過ぎでしょうに⋯⋯
スカサハさんの準備はもういいようなのでこちらも構えを取る。
「もう構えて、素振りはよいのか?」
「ええ、この刀はよく馴染みますので⋯⋯流石スカサハさんですね」
「⋯⋯⋯っ!」
「ちょっ!いきなりですか!?」
「まったく!お主は!本当に!」
今日はいつもより激しいのですが、てか激しすぎるのですが、あと槍のオーラがさらに増したのですがそれは⋯⋯あれ、なんか槍増えてません?なんで脚で放った槍が雨のように降り注でいるのですか?放った槍一本だけですよね?
⋯⋯わけがわからないよ。
▼▼▼▼▼
やっとスカサハさんとの実戦が終わった⋯⋯死ぬ、マジで死んじゃいますって⋯⋯
槍二本も使っているのに動きが早く手数の多さで押され始め、距離を置くと何本もの槍がスカサハさんの周囲に展開し射出される。しかもその全てが意思を持っているかのように追尾してくるからこれの相手もしなきゃいけないし⋯⋯
だからといってスカサハさんから目を離すと今度は上から槍の雨が降ってくるもんだからもう⋯⋯
「随分とぐったりしているな」
「当たり前じゃないですか⋯⋯」
あれだけ激しい戦闘したんですよ?疲れますって⋯⋯
「なんで、スカサハさんはそんな余裕そうなんですか⋯⋯」
「あの程度戦闘で音を上げる私ではない」
あの程度で片付けられるスカサハさん凄すぎません?
「さて、これで肉体の強化と武器による戦闘の修行は終わり。次は魔術を教えるのだ
が、これから教えるのは私ではなくなる」
「⋯⋯はい?」
「明日で私の有休も終わりでな、今日のうちにはドイツに戻らねばならん」
「え、あの」
「心配するな。明日からお主に魔術を教える者は私の友人だ、多少の癖はあるが
悪い奴ではない」
「あのー⋯」
「こと魔術においては私より彼女のほうが上だ、まあルーン魔術は私が教えたかった
が仕方ない」
「⋯⋯」
「急ですまないがお主はそれでよいか?お主に伝えていないことを忘れてしまってい
てな」
「大丈夫ですけど、その彼女はなんという人か教えてもらえないでしょうか?」
「構わんぞ、彼女の名は⋯⋯」
▼▼▼▼▼
「これでお別れだ、寂しくなるな⋯⋯」
「いやそんな深刻そうに言わないでくださいよ」
「分かっている。しばしの別れだ、偶には来るさ⋯⋯あと寂しいのは本当だ」
スカサハさんて急に可愛いくなりますよね
「いま、何か随分と失礼なことを考えなかったか?」
「いやいや!そんなことはっ⋯⋯んむ!?」
「ん、ちゅ⋯⋯ふう」
「い、いきなりなにを!」
「1年も修行を付けてやったんだ、褒美の1つ貰っても文句はあるまい」
文句はあるまいってスカサハさん⋯⋯
「それとも、私のような女からのキスはその⋯⋯いや、だったか?」
⋯⋯ああもう、いちいちこの人は可愛いな!
「文句というかいきなりはやめてください、あとキスは正直かなり嬉しかったので
嫌だなんてことはありません」
「そ、そうか!」
「それと最後にもう一つ、『私のような』なんて自分を卑下するようなことはしない
でください。貴女は美しく、なによりこんなにも可愛いのですから」
「か、かわっ可愛いだと!?やはり私をからかっているのではないだろうな!」
「からかうだなんて失礼な、僕は本気でスカサハさんは美しいと思いますし可愛い
とも思ってます」
「ああもう!!⋯⋯お主はっ!お主はっ!」
▼▼▼▼▼
スカサハさんは人の話を聞くべきです。いきなりはやめてくださいって言ったばかりじゃないですかまったく⋯⋯嬉しくはあるのですけどね。
取りあえず今日のところはやることも終えたので寝るとしましょう。
明日からスカサハさんはいないし、新しい方が来るそうですし、なにより魔術を習うことになるのだからしっかり休まなくてはね。
それにしても何故その方は私のことを知っているのでしょうか?
スカサハさんが僕のことを話す以前から知っていたらしいのですが⋯⋯
『朱い月』と言われても全く心当たりがないんですよね⋯⋯ん?月?⋯⋯⋯!?
もしかして水晶さんの言っていたかぐや姫(仮)なんじゃ⋯⋯
ないな⋯⋯ないよね?
年上としての余裕を持ちながら攻めてきた師匠が、やり終えてから自分とマスターの年齢差とかいろいろ考えちゃって弱気になったところ思いっきり褒めちぎっておどおどさせて赤面にさせたい。
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雨にしては少し大きいか?
今回超短いです
あと主人公のキャラ崩壊がひどいです
スカサハさんがドイツに戻った夜、水晶さんに明日からくる人について聞いてみることにしましたた。どんなに考えても自分の知人に朱い月という人はいないし、月と言われて思い浮かぶのはかぐや姫(仮)のみでしたし、それになんとなくですが水晶さんが話の中で朱い月と言っていた気がするような気がするんですよね⋯⋯
『というわけで水晶さん、明日来る朱い月という人について知っていますか?』
『知らぬもなにも、お前の言うかぐや姫(仮)がそうではないか。何度か話したと思う
のだが⋯⋯忘れたのか?』
『⋯⋯おっふ』
どうやら気のせいではなかったようです。マジかぁ⋯⋯
『フフッ、なんだそんなに嫌なのか?』
『ナチュラルに思考読まないでください、少し怖いだけです』
『あれだけの化け物達と修行しておいて怖いとはいったい⋯⋯』
『怖いものは怖いのです!月なんて落とされたら死んじゃいますよ!?』
『そう心配せずともしやせんよ⋯⋯多分、おそらく、きっと、maybe⋯⋯』
『ウゾダドンドコドーン!!』
『というかそろそろ会いに来ると言っておいたではないか』
『こんなに早く来るなんて聞いてませんよ⋯⋯』
▼▼▼▼▼
目を覚まし当日を迎えてもまだ少し不安が晴れず、ランニングに参加したメンバーにそれを相談してみることにした。
みんな僕のことを心配してくれて色々な言葉で勇気づけてくれた⋯⋯何時の間にか僕の不安はなくなっていた、そのことに気づきお礼を言おうとしたら⋯⋯
『で、その今日来る奴の名前はなんていうだよ』
そう言われて初めて僕は名前を言っていないことに気づいた、だから僕は素直にその名前を言った
『朱い月というらしいです』
その瞬間⋯⋯
『な、なんだってー!』『噓だと言ってよバーニィ!?』
『死ぬしかないじゃない!!』『もうだめだぁ・・・おしまいだぁ』
『あばよダチ公⋯⋯』『逃げるんだよォォォ~!!』
『くぁwせdrftgyふじこlp 』『\(^o^)/オワタ』
おう、僕の感動返せや(#^ω^)ピキピキ
▼▼▼▼▼
相談しても不安は晴れなかったよ、こりゃ相談相手間違ったかね?
まあでもしょうがないよね、1人で考えなくちゃいけない時だってある、一人で解決しなくちゃいけない時だってある⋯⋯うんもう色々吹っ切れたぜ!!
え、そのテンションはどうした?
実は昨日スカサハさんに教えられたかぐや姫(仮)もとい朱い月⋯⋯は言いにくいので朱月さんが待っているという場所に来ているのですが⋯⋯
『ほれほれ、どうした⋯⋯』
まったく
『もっと速く逃げろ』
こんなにも
『でないと』
ド派手な歓迎が待っているとは
『貴様⋯⋯』
アルマゲ〇ンも真っ青ですよ⋯⋯
『死ぬぞ』
隕石の流星群とか⋯⋯
いや本当マジで助けてください
急いで書いたため荒削りですが、修行編第二部のプロローグみたいなものですし、この程度のボリュームでもいいかなと思い投稿しました。
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