一色いろはは本物を追い求める【完結】 (あんじ)
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再会
3月。別れと終わりの季節。私、一色いろはは3年生となり、せんぱい達は卒業して大学や就職につく。様々な物や事が終わる中、私の恋も終わろうとしていた。本物を見つけて追いかけた。手を出せば届いた。でも出せなかった。後から来た私が手を出しては卑怯だと感じたのだ。せんぱいは選ばなかった。誰ひとりとして傷つけず、全て解が出ていたのに言わなかった。私の恋はそこで終わった。
それから2年後。せんぱいとは別の大学に行った。同じ大学に行ったら卑怯な気がして、私の気持ちもバレてしまいそうで怖かったから行かなかった。
「い~ろ~は~、起きて~」
ハッ!いけない、私としたことが講義中に寝てしまった。理由は簡単だ。完璧を保ちたいので夜遅くまで勉強をしていたのだ、それも入学からずっと。そのツケが今来たのだ。
季節は春と梅雨の境い目の5月。やっと緊張も溶け講義にも慣れて楽しいキャンパスライフをエンジョイし始めたこの頃。陽射しが暖かくつい寝てしまったのだ。
「いろはが寝ちゃうなんて珍しいね。遅くまで勉強でもしてたの?」
「まぁ、そんなとこかな」
今話しているのは友達の
「勉強もいいけど、今日の合コン忘れてないよね?」
合コン…そんな約束したっけ?あれれ?記憶に無いんだけどな~
「もう、わすれちゃったの?先週飲んでた時に約束したでしょ」
「うん、思い出した。それで、今日はどこの誰が何人来るの?」
「いいとこの私立文系の先輩方が5人でこっちも5人。メンバーは前回と一緒だよ」
「了解」
正直、合コンには行きたくない。いやらしい気持ちで寄ってくる人達ばかりで嫌になるからだ。
でも仕方ない。今回は自分から言ったぽいしやるしかない。ほんとお酒って怖い!
「待ち合わせは後でメールしとくね!」
変な人来ないといいな。
※ ※ ※
午後7時。メールに送られてきた場所に行くとほとんどのメンバーは揃っていた。1人遅れて来るらしいが、急遽行けなくなった人の代わりに呼んだらしい。先に店には入っていいとの事なのでみんな入っていく。
「どうも~、一色いろはです!」
簡単な自己紹介を済ませていく。代わりの人は30分後くらいには来るらしい。それまでに簡単な自己紹介を済ませて、ある程度飲む。その人はあまりお酒を飲まないらしいので先に飲んじゃおうかと男の人から言ってくれたのでみんな飲む。
「いろはちゃんて彼氏いるの?」
「いないんですよ~」
適当にあしらう。そこそこのイケメンだが、視線が胸やお尻に行っている時点でアウトだし、この変態はお持ち帰りしたいだけだと思うのであまり関わらないようにする。
ちょびちょびとお酒を飲み始めて30分。代わりの人が来たのか合コンの幹事話役の男の人が迎えに行く。片方は酔っているので喋りながら来る。
「やっと来たかよ、遅ぇよ」
「急に呼ばれたのに来てやったんだ感謝しろよ、それに酒臭い」
「そんな事言うなよ~」
聞こえてきた声は聞き覚えのある、めんどくさがりの声だった。
「かわいい子いっぱいいるんだから楽しめよ?」
「そもそも俺は人が嫌いなんだよ」
歩いてきたのは見覚えのある。いや、忘れもしない目の腐ったようなやる気のない顔をした、せんぱいだった。
「あっ…せんぱい」
「げっ…一色」
「あ~、こんなに可愛い後輩に久しぶりに会ったのに「げっ」とかひどいですよ~せんぱい」
「お、おう。か、変わんないな一色。」
「あっ、もしかしていま、「変わんないな」とか言って前から可愛いのは変わんないねって口説こうとしてます?久しぶりに会って嬉しいですけど無理です、ごめんなさい」
「何回目だよ、フラれたの。そろそろ八幡泣くよ?」
私は胸の鼓動が聞こえてないか心配になるほど高鳴っていた。止まっていた、恋の時計が動き始めたのを感じた。
今回はいろは視点でしたが、次回はこの続きから八幡してんで行こうと思います。
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一色を追い求めて
正直言おう、2年ぶりに会った一色いろははあの時よりも可愛くなっていた。高校を卒業した今、あいつを縛る枷は無くなり、あざとい大学生へと究極進化していた。そろそろスキルレベルもMAXになってそうだよ、あの感じだと。
「つーか未成年がなんで酒飲んでんだよ」
「ダメですよ~せんぱい、そんなこと言っちゃ」
何この子、なんで涙を目に浮かべてるの?止めて、八幡そういうの弱いから。ほんとに妹キャラとかマジで天使!ってなっちゃうから。
「あれ?いろは先輩と友達なの?」
「え?あぁ、うん。高校の時にお世話になった先輩だよ」
「ど、どーも、比企谷八幡でしゅ。」
うぉぉぉ、噛んじゃった~!人前とこマジ勘弁、ほんと無理っしょ。戸部口調になるほど緊張してるよ、助けて一色!と視線を向けると何か慌ててるようだった。
「どうした、一色。まさかもう酒飲みすぎたか?」
「…あっ、いえ、何でもないです。」
というか他のやつらの視線が辛いほど痛い。何なのこいつ、普段ぼっちのくせにこんなかわいい後輩がいるとか聞いてないんですけど。って目で見ないで。
「それよりもせんぱーい、今日は沢山飲みましょうね?酔いつぶれるまで飲みますよね?」
「は?やだよ、なんでだよ。明日も講義があるし俺はそんなに飲まねぇよ」
なに?怖いよいろはす。超怖い。すごい勢いで迫るし、「今日は最後まで一緒にいてくれますよね?変な虫つかないようにしてくれますよね?」みたいなの言葉の裏に隠れてるし。
「あー、す、すいません、ビール1つ」
「はーい」
「比企谷、お前こんなかわいい後輩いたなら早めに紹介してくれよ」
「卒業してから今まで一切連絡してねぇんだよ、無理言うな」
こんなにラフに話せてる理由は2年間も同じ講義の隣の席にいるからだ。まあ、ぼっちには変わりないんですけどね?
「そういえばせんぱい、雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩はどうしてます?」
「ん?雪ノ下は国立の理数系大学に言ってアホガハマさんはどこ行ったんだろうな」
「なんで雪ノ下先輩の事だけ知ってるんですか?まさかストーカー?」
あの、やめてもらえませんかね、携帯で110番しようとするの。いや、だからって公衆電話とか家の電話なら良いってわけではないんだけど
「とりあえず、その2桁まで押してある携帯をしまって、最後まで話を聞け。なんでかって言うとだな、来ないだ戸塚に会ってな、近状報告をした時に聞いたんだよ。」
「そうなんですか~、それにしてもせんぱいは何にも変わってませんね、その腐ったような目も捻くれてそうな顔も」
「悪かったな」
一色さん、ちょっと前かがみになって胸を寄せるのやめてもらえませんかね?そういう事すると誘ってるようにしか見えないから
「くっつくなよ一色。暑苦しい」
「えぇ~いいじゃないですか~。久しぶりにかわいい後輩がくっついてあげてるんですから」
「そうねー、あざと可愛いよー」
くそ、胸を押し付けるなよ。世の中の男はそれされると理性が保てなくなるんだから。
3年前の奉仕部を思い出す。雪ノ下はどうしてるだろうか。由比ヶ浜は相変わらずアホしてるんだろうか。時々そういう事を考える。だがすぐに止める。俺は解を出さずに逃げたのだ、そんなやつが気にしちゃいけないと。
「せーんぱい!今日は沢山飲みましょう!」
一色と俺の時間は止まったままだった。本物を追い求めてる途中で消えたけど、俺はまだ諦めてない。本物を見つけるまで今回は追い続ける、せっかく一色にまた会えたのだ。2年前、卒業の時に言えなかった好きだの言葉を言えるように頑張ろう、努力は嫌いじゃない。面倒だけどな
ヘタクソな文だけどお気に入り登録や評価を付けて頂くと俺が喜びますのでお願いします。
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桜並木の下で
現在時刻は11時。午後11時だ。たしかコイツらが飲み始めたのは7時だから4時間も同じ店で飲んでることになる。一色にいたっては俺が来た時は中ジョッキの半分以上残っていたのに、今は大ジョッキ7杯。
「一色、そんなに飲んで大丈夫か?」
「ふぇ?だいじょうぶれすよしぇんぱい」
「呂律回ってねぇじゃんかよ」
他の奴らはって?2次会に行きましたよ、一色がちょっと前まで寝てたのに起きたらこの通りまだ酒を飲む。これ以上は先輩として見てられないし、今日は木曜日でまだ明日も講義があるだろうから二日酔い確定だろうけどマズイから勘定を済まして送ることにする。
「おい、一色送ってってやるから起きろ」
「ましゃかしぇんぱいしょうやっておもちかえりしようとしてませぇんかぁ~?」
「そんなことするかよ、ほら行くぞ」
俺は一色を背負って家まで歩く。幸い家は近いので今の俺でも送っていける。
「しぇんぱいはこんなに可愛い後輩をおぶっても何にもかんじないんでしゅか?」
「そんなん感じるかよ」
嘘だ。ホントは一杯一杯だ。女子の免疫が無い俺には辛いが襲うわけにはいかない。一色へ気持ちは俺の本物だ。だけど一色の気持ちは多分俺には向いてない。そんなのただの犯罪だ。そしたら小町の評判にも関わる。
「しぇんぱい、気持ち悪い」
「悪かったな気持ち悪くて」
「うっぷ…」
ん?気持ち悪いって言ってたけどもしかしてのもしかして、吐いちゃう?
人通りは少ないけど人の上で吐いちゃう?今日白いシャツなんだけど、これ高いよ?これ汚しちゃマズイから早くトイレ探さなきゃ。
「ちょっと待てよ一色。今吐くのは勘弁な」
「早く…うっぷ」
まずいぞ、早くしないと。やばいよ、やばいよ!なんて思ったら隣公園じゃん。公衆トイレでいいからそこで吐かせなきゃな。
「ほら、トイレ行って吐いてこい。」
「はい…うっ」
その間に俺は水を買ってこようかな。スポドリとかグレープフルーツ系統の飲み物はダメだからな、余計に酔を回す。
「あーあ、わざとだろうけどあんなに胸を押し付けられたらなぁ、みんな勘違いしちまうよなぁ~」
独り言を口に出すなんて珍しいなぁ、俺。酔ってるのか、いくら遅れたとはいえそれなりに飲んでるからな。
「可愛かったな…一色」
「どうしましたせんぱい」
「うぉっ!驚かせるなよ」
えっ?聞かれちゃった?もしかして今の聞かれちゃった?八幡そんなことされたら殻にこもるよ?トイレという名の殻に。
「大丈夫…じゃないだろうからな、ほら水だ」
「ぁ、ありがとうございます…」
「どういたしまして。ほら、飲んだらおぶってやるから帰るぞ」
振り返り一色を見るとその目には後ろに咲いている、遅咲きの桜が写っていた。
「どうした?遅咲きの桜がそんなに珍しいか?」
「いえ、ただキレイだなって」
「そうだな」
俺にはこの続きに、お前みたいになってカッコイイことは言えない。そんなの言えるのは葉山ぐらいだ。主人公補正は俺には掛かってないからね!期待しちゃダメだよ!
「んじゃ歩いてくか」
「せんぱいのクセに気が利きますね」
「ほら、しっかり前向いて歩かないと転ぶぞ」
「私がそんなことするわけないじゃないですか~」
フラグだよそれ。絶対転ぶぞアレ。注意しなきゃな、全く。
「それに前ならちゃんと向いてますから、大丈、あっ…」
「おっと、ほれみろ転んだじゃないかよ」
「せ、せせせせせせせせんぱい?」
「なんだよ」
「そ、そそそのぉ~離してもらえません?」
なんか俺の手の平にふにふにした柔らかいものが…
「せんぱい、は、早く離し…んっ!」
おっとまずいぞ。後ろから抱きついた状態で、女性の表側にあるふにふにした物なんて1つ、いや正確には2つか。静かにゆっくりと離して距離を取ろう。
「わ、わりぃ」
「せーんぱい!覚悟は出来てますよね?」
「ごめんなさい、できてないです」
距離とかの問題じゃなかったよ、詰んだよコレ。NEETが社会的に殺される瞬間だよ。
「それじゃあ、せんぱいは私の言うことを何でも1つ聞くというので許してあげます」
「え?それだけでいいの?」
「せんぱいだけが悪いわけじゃありませんから」
え?ちょっと怖い、なに命令されるのかな?死ぬかな俺。
「それじゃあ、行きましょうよせんぱい!」
「おい、ちょっ、走るなよ」
この時は気づいてなかったが一色と俺は手を握っていた。桜並木を俺達は過ぎ、一色の家に向かって2人で歩いた。こういうのも悪くわないな。
微エロ入れようとしたらちょっと雑になっちゃった。初めてだから勘弁して下さいぃぃぃぃ。駄文でも楽しんで読んで頂けるように書いてるのでよろしく評価とお気に入り登録よろしくお願いしますね♡(書いてる本人が1番気持ち悪るがってるので何も言わないで)
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非日常の朝
「起…ろ…色」
「ふぇ~?あと5分…」
「何があと5分だよ、起きろ」
「…何でせんぱいがいるんですか?」
えっ?何でせんぱいが私の家にいるんですか?まさか不法侵入?私、せんぱいに今の住所教えたちゃいましたっけ?
「何でって、お前昨日の出来事覚えてないのか?」
「まさかせんぱい…私のはじめてを奪ったんですか?」
「俺がそんな事する人に見える?」
せんぱいだからこそ見えます。とは言えない。昨日はたしか合コンに行ってせんぱいが来て…その後の記憶がないです。
「お前が飲みすぎて半分寝てたから俺が連れ帰ったやったんだよ」
「ありがとう…ございます」
「おう、朝飯出来てるから来いよ」
せんぱいの朝ごはん…なんか恋人みたいです。でも今日は講義は午前中だけなので早く帰っくればまだ寝れる。頑張りますか!
「今何時だっけ?…あっ」
時計に記してある時間は11時。午前中の講義は今から行ってもほとんど間に合いません。
「せんぱい!何で起こしてくれないんですか!ていうかせんぱいは講義行かなくていいんですか!」
「うるさいなぁ、起こしたけど一切起きなかったのはお前だし、俺は今日1日ぐらいなら大丈夫だから休んだよ」
せんぱいが人のために自分の講義を休んだ!?なんか驚きが大きすぎる…
「俺は卒業さえ出来ればいいんだよ、就職先=婿に行くだからな」
「相変わらずですね」
「相変わらずで悪かったな」
私的にはせんぱいを婿に貰ってもいいんですけど?そんなのは言えない。恥ずかしすぎる!
「もうほとんど昼だけど、そんなに食べれないだろうから、パンと目玉焼きとベーコンだ。」
「気が利きますね、せんぱいのクセに」
「一言余分だ。ほら、冷めると美味くないから早く食べろよ」
ちゃんとテーブルにパンと目玉焼きとベーコンが乗ったお皿が置いてあった。
「それじゃあ、俺は帰るからな」
「待ってください!」
私にも分からなかった。でも咄嗟にせんぱいの服の袖を掴んでいた。
「1人にしないで下さい、今出ていったら寂しくなっちゃうから…」
わざとではなく素でいつもの様に上目遣いの涙目になっていた。私もやれば出来るんだな。これなら 近いうちせんぱいも落とすことが出来るんじゃないかな?
* * *
やばいやばいやばいやばい。俺は今追い詰められていた。一色は魅力的な女の子だ。そんなのが自分の袖を掴んで、涙目の上目遣い。さらに追い討ちで「寂しくなっちゃうから」と来た。俺にはもうこれに抗う余裕は存在しない。故に俺は向かい側の椅子を引いて座る。
「はいはい、あざと可愛いよ、だから早く食べろ」
「せんぱいは~、こんな可愛い後輩が引き止めたのにそんな事しか言えないんですか~!」
頬を膨らませ、いかにも怒ってますよアピールをしてくる。そんな娘にはお仕置きだな。
「ちょっ!?せんぱい…」
髪をくしゃくしゃにするかのように撫でている。
「嫌だったか?なら、やめるけど」
「嫌じゃ…ないです」
あ〜あ、照れてる顔可愛いな、くそっ。コイツに愛されてるやつが羨ましな。
* * *
「嫌だったか?なら、やめるけど」
「嫌じゃ…ないです」
なんかせんぱいに頭をくしゃくしゃされるの気持ちいいです。なんというか…落ち着く。それに朝?昼?ご飯を作ってもらってお家デートしてるみたいで意識するとドキドキします。
「せーんぱい!あーんして下さいよあーん」
「何でだよ、恥ずかしいじゃんかよ」
「誰も見てませんよ?別に嫌ならいいんですよ?ただ後輩の家に無理やりあがって無理やり犯しちゃったって言っちゃうかも知れませんけど」
こうでもしないとせんぱいは動かせません。他の人達をりy…動かすのはもっと簡単なのに、めんどくさいです。
「俺の何とかなってるキャンパスライフをめちゃくちゃにするのはやめて!」
「じゃあ、あーんして下さい」
「くっ…仕方ないからな、ほ、ほらあ、あ、あーん」
「ん~!美味しいですね、せんぱいの作ってくれた朝ごはん」
「そ、そうかなら良かったよ」
せんぱい照れてるなぁ~。この状態がいつまでも永遠に続けばいいんだけどなぁ。でもダメだ、せんぱいは私の本物になってもらわないといけないから!
いろはすと迎える朝ってなんかいいですよね。八幡、俺とその場所変わって!ちょっと次回は短くなるor明日じゃなくなるかもしれないです。なるべく毎日更新心がけます。
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お泊まりの約束
短めだけど楽しんで下さいね!
午後の2時ごろになり、特にやることも無く暇をしていた。
「なぁ、一色。俺もう帰っていい?」
「えっ!?せんぱい、帰っちゃうんですか?」
「はぁ、分かったよ。まだいるよ」
甘い声で言われたら俺は反抗も出来ない。
「あの、せんぱい」
「なんだよ」
「今日、泊まっていきませんか?」
「は?」
あれ?俺の耳がおかしくなっちゃったかな?難聴系主人公になった覚えは無いんだけどな。
「やっぱり、ダメですよね。ごめんなさい、変なこと言って」
「いや、いいんだけどさ。どうしてそうなったの?」
「だって今日二日酔いで頭痛くて、何にも出来ないからせんぱいが色んなことやってくれたらって」
まぁ、その方が一色は楽だろうけど。着替えとか色々無いし、俺が理性のバケモノと化すことが無いとは言いきれないし…
「いや、俺着替えとか無いしさ」
「なら取りに行って下さいよ」
そこまでして俺にしろと!?マジでアリエッティ違った、マジでありえねぇ。さすが一色だよ、ホントに。
「今日は金曜日で明日はせんぱい講義休みですよね?」
「くっ、そこまで知ってるのかよ。仕方ないねぇな。着替えとか充電器持とか持ってくるし、冷蔵庫にほとんど入ってないから買い物もしないと行けないから、少し遅くなるぞ」
「買い物は一緒に行きましょうよ!」
「そんな元気あるのか?」
「振り絞ります。色々と買わなきゃいけないし」
まぁ、色々と買わなきゃいけないなら仕方ないか。俺は一色が何を使ってるとか分かんないし、一々覚えたり、メモするのもめんどくさい。
「分かったよ、ほら行くぞ。帰りはそのまんま買い物していきたいからさ」
「着替えるんでちょっと待ってて下さい」
それに2人きりで外に出るのはデートみたいだしな
* * *
服は別にそこまでちゃんとしたのは着てかなくていいかな?外には出るけどデ、デートじゃないし!
「一色、早くしろー」
「女の子は着替えに時間がかかるんです!」
全く、せんぱいはデリカシーが無いです!ホントに困っちゃいます。
こんな可愛い後輩を急かすなんて。
「これでOK」
いつもと特に変わらない、格好。でも見えないとこのオシャレは大事。お気に入りの下着を付けている。それに髪型を少し変えた。少し伸びた髪をポニーテールにした。
「お待たせしました、せんぱい」
「お、おう」
動揺してるせんぱいが可愛く見てきた。
「そ、その…ポニーテール似合ってるぞ」
「ありがとうございます!」
せんぱいに褒められるが嬉しい半面、恥ずかしので顔が少し赤くなる。
「行きましょう!」
慌てて外に出て、鍵をかける。そして何気ないようにせんぱいの手を握る。
「…っ!」
「どうかしました?」
「な、なんでねぇよ」
これなら恋人に見えるかな?今はまだ本物になれなくていいから、せめて見た目だけでも本物に見えてたらいいな。
ごめんなさい、今回は他のもののイベントなどで忙しくて更新も遅めです。10/15過ぎるまでは短め+更新も遅めです。
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お約束。そう、お約束
正直言おう。今夜、俺は理性を保てる自信を無くした。買い物から帰ってきて、飯を食べ終わり、風呂に入ることになったのだが、どちらが先に入るかをジャンケンで決めたところ、俺がが先になったのだが…
「何で女子はこんなに甘い匂いがするんだよ。勘弁してくださいよ、マジで」
風呂の中はthe女という匂いがしてきて頭がクラクラしはじめた。まだ一色が入っても無いのにだ。
─ガチャ
何か聞こえたけど出しはじめたシャワーの音でかき消された。けどまぁ大丈夫だろう。体を洗って〜っと
「せんぱいはそこに座って下さいね」
「おう」
「背中流しますね〜」
「ん、ありがと」
…あれれ?オカシイナ、ナンカヘンナコエガキコエテキタヨウナ
「あれれ〜?せんぱい、もしかして可愛い後輩が背中を流してて興奮しちゃってます〜?」
「お、おおおおおおおい、一色。お前何してんだよ!」
「せんぱいの背中を流してるんですけど?」
え?なにこれ、
「出てけよ一色」
「もう、水に濡れちゃって〜。今出たら風邪引いちゃうな〜」
「あぁ、もう。わかったよ、俺はシャワー終わったら出るから」
「ダメで〜す。一緒にお風呂に入りましょう!」
「はぁ?」
エロゲプレイしてないけど、エロゲの影響による、夢か!なら仕方ないから一緒に入ってすぐにでも出よう。
「よいしょっと」
「失礼しま〜す」
普通は対面に入るんじゃないんですかね?なんで俺の上に乗ってるんですか?まぁもういいや、疲れたから早く休みたい。
あれから10分ほど耐えて先に出る。あんなところにいたら、俺の愚息が反応しちゃうよ。
着替え終わり出ていく時に声をかける。
「もう出てもいいぞ、一色」
「はーい」
誰もいないリビングに行き、テレビをつけてぼーっとしていた。余りにも疲れすぎて。
* * *
内心、結構ドキドキしてました。もしかしたら私の心臓の音が漏れているんじゃないかというレベルでドキドキしてました。
「ちょっとやりすぎたかな?」
せんぱいへの加減が分からない。どこまでがOKなのかがはっきりしていないせんぱいは、他の人と違って利よ…扱いにくい。
「でも、私の気持ちの1割でいいから察してくれないかな〜」
せんぱいには少しどころかめちゃくちゃ難しいかもしれないけど、それでもこの再び近くに来たのに手が届かない感じがもどかしくて嫌だ。
バスローブを羽織り、わざわざせんぱいがちょっと反応しちゃいそうなぐらいのセクシーな感じに胸元を少し開く。
リビングにいるせんぱいのところに向かいながら独り言を呟いた。
「せんぱい…」
自分で聞いててもエロティックな声が出ていて、驚いた。せんぱいがこっちを見てくれるようになるまでに練習しとこうかな〜。他の人達にも使えるしね!
今回は眠い中作ったので文章がめちゃくちゃだったり誤字があるかもしれないので、あったら感想で指摘してくれると嬉しいぴょん!
お気に入りとか評価とか感想書いてね!特にいい評価とかくれちゃったりすると俺の様々な創作意欲が倍増するよ!
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道筋
地獄であり、天国でもあった風呂から出てからしばらくぼーっとして、その後早く寝ることになった。理由は、理不尽なものであった。明日は俺も一色も講義は休み。でも、お店は開いてる。言わなくても分かるな?荷物持ちとして、強制連行される事になりました。
「なぁ、休日ぐらい家でゆっくりしないか?」
「なに言ってるんですか?休日だからこそ行くんですよ」
「ぼっちには分かんねぇ考えだ」
ぼっち舐めんなよ?休日なんか頑張って一人カラオケ行くのが限界なんだぞ?行ったら行ったで1人なのに気づいて心がいたむんだけどね!それに人が多すぎると怖気づいて動けなくなるんだからな!自慢出来ないけど!
「私は寝ますね。明日はどんなんでも早く起こしますからね」
「分かったよ、俺はソファー借りて寝るかな」
「お休みなさい、せんぱい」
「お休み」
明日は荷物持ちか…どんだけ持たされるんだろうなぁ〜
* * *
朝は2人で一緒に家を出て、一緒に電車に乗り、自然にせんぱいの手をとり、歩き出す。これならカンペキ!これならはたから見たらカップルに見えるはず!何で手をつなぐのかって聞かれたら…まぁナンパ防止とでも答えとけばいいでしょう。
「せんぱい、行きましょう!」
「なにこの腕は」
「え〜、せんぱいはこんな可愛い後輩と腕組むの嫌なんですか〜?」
「そ、そんなんじゃねぇけどよ…」
「そんなんじゃないけど?」
「恥ずかしいじゃんかよ」
…赤面するせんぱい可愛い過ぎるっ!なんだろう、今の自分じゃないものに目覚めちゃいそうです。そんなせんぱいには、このままついてきてもっちゃいます!
「ほら、行きましょう!じゃないとせんぱいのこと…」
「なんだよ?」
「もっと嫌いになっちゃいますよ?」
「今でも嫌いなのかよ。もういいや。勝手にしてろ。ほら、行くぞ」
またせんぱいが赤面してる〜!なんかこの顔みてるだけでご飯がたべれそうです。
「それで、せんぱい。今日はどこに行くんですか?」
「え?それは一色が決めてたんじゃないの?言われた通りについてきただけなんですけど」
「仕方ないですね…次からは考えて来てくださいね!今日はいつものところに行きましょう」
「分かったよ、一色についてくよ。まぁ次があったらな考えてやらない事も無い」
次があったらですか…絶対に次をつくってみせます。次があったらなんて言葉を発した事を後悔させてやります。
「そういえば、せんぱいの大学ってどんな感じなんですか?」
ほんとは知ってる。キャンパスの見学も行ったし、他の先輩をりy…に聞いているのである程度は知ってます。
「どんな感じかって言われても、難しいな」
「まぁ、ぼっちのせんぱいには期待してませんけどね」
「くっ、なんも言えねぇ」
でも、せんぱいはぼっちだから安心できるんですけどね。せんぱいに関してはどう頑張っても女の子と片言の日本語で話すぐらいだから、大丈夫。いや全然大丈夫じゃないんですけどね?やっぱりそれでこそ、私のせんぱいだなって思います。
「なにニヤニヤしてんだよ、早くしないと電車が出ちまうぞ」
「まって下さ〜い、置いていったら…」
「なんだよ、嫌いになっちゃうのか?ん?」
「高級レストランで奢ってもらいますよ?」
「あっ、はい。絶対に置いてきません」
「当たり前です」
にっこり笑うとせんぱいは困った後、少し照れて顔が赤くなってました!早くせんぱいを落とせる日が来るといいな。
今回はデートの前書き見たいなもんです。ちゃんとしたデートは次回から。
お気に入り登録とか、評価、感想を沢山くれると嬉しいぴょん!(何言ってんだこいつ)
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過去の自分よ・・・
全てをアイツに託した!そこに途中までだけど置いてきた!沢山の人見てってね!
go!本編へgo!
〇月◎日
デートは最悪だった。別にせんぱいが悪いわけでもないし、私が失敗したわけでじゃあない。それじゃぁ何が最悪かって?戸部先輩に会いました。これはまだいい。そのあと瑞穂と会ってしまったのだ。
特に用がある訳でもなかったけどカフェに入ったのが失敗だった。そこには瑞穂とこの間の合コンと言うなの飲み会で会ったなんちゃらさんに出くわしてしまったのだ。
よりにもよって一番見られたくない人に見られたのだ。瑞穂には、せんぱいの目が腐ってることや感覚がひねくれてることを抜いて話をしていたのだ。だから彼女の中ではせんぱいは素晴らしい人だったのだ。それが瓦解した。あの合コンの時は良かった。せんぱいが急に呼び出されたから嫌な顔をしてると思われてただけだろう。しかし普段何もないのにあの顔だ…なんて弁明しようかなぁ。気が遠くなる
〇月△日
休日が終わり、講義へ行ってきた。疲れました、はい。とりあえず瑞穂の質問責めが怖かったとしか講義の内容は分かりません。ただ全ての返答に対して「せんぱいだから仕方がない」と心の中で返していました。心の中で!←ここ重要です。ここを抜かすとせんぱい使用免許の試験に落ちますよ。
〇月◇日
週が始まってあと2日で休日です。せんぱいが恋しくなります。高校の時は殆ど毎日会っていたのに…あの頃がどれだけ恵まれていたかが分かります。まぁ、ここ最近はLINEでちゃんと会話してるから関係ないけどね!でも返信の殆ど全てが"うん"と"それで?"なのはどうかとも思います。
〇月*日
風邪引いた。頭痛い。せんぱい…
〇月☆日
朝起きると目の前になせんぱいがいました。(現実逃避中)熱が出てきて辛くなり始めました。それにせんぱいが体温計が無いからっておでことおでこでくっつけるから体温も、心拍数も150をマークしました。
そろそろ水着も用意しなきゃなぁ。せんぱいも誘ってプールに行こう!
それを考えてたら元気になってきた気がします!
〇月∇日
プールに行くのに泊まりがけにしよう。そこでせんぱいに告白しようと思う。逃げられないように旅先でかつロマンチックな場所で…
それにしても毎日ちゃん日記をとらないと、やばいな
□月⊥日
せんぱいが女の人と歩いてるのを遠くから見かけてしまった。後をつけたがラーメン屋に入っていきました。まるで教え子と生徒見たいでした。
せんぱいは私の者(予定)なので誰にも渡しません!ばっち来いです!
それと水着を買ってきました。純白のパレオ付きのやつにしてきました。生足魅惑のマーメイドになりたいです!
■月#日
来月の初めにせんぱいと旅行に行きます。なんととあるパンまつりに応募したらペアチケットがうまく当たったので、せんぱいと旅行♡
* * *
俺は一年前の
とりま、今言える事は、過去の俺よ、頑張れ!そうすれば未来は楽しいぞ。専業主婦最高!とまではいかないけどな。
久しぶりの更新です。急に書き方が変わっただろう?今回だけだ。
デートの内容をうまく書けそうになかったので日記に全てを託しました。まぁ次回からは日記に書いてある通りに進みます。
ではまた次回
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心は輝いている
忙しかったんだよ、漢検とかあってさ…
本編は短いけど楽しく呼んでいただけると嬉しいちゅん(・8・)
講義に出て、集中しようとしていても隣の瑞穂が質問ばっかりしてきて頭に何も入ってきません。なんの質問かって?この間せんぱいとデートしてるところを瑞穂に見られてしまったのです。
「せんぱいだから仕方がない」
こう答えるしかありません。しかも声に出すのが怖いのでずっと心の中で返していました。あー、なんにも聞こえないー。「あのせんぱいのことが好きなんでしょ?」とか言ってるけど聞こませーん。顔なんか赤くしてませんよー。
「ほら、もうすぐで夏じゃん?そのなんとかせんぱい誘ってさ、海行こうよ!いろはのスタイルは良い方だからさ、メロメロにしちゃいなよ」
せんぱいはドキドキしてもメロメロになんかなってくれないんだよぅ、勘違いで済ましちゃうんだよね…ほんとニブチンは嫌です。でもニブチンなせんぱいは好きです。だって基本的に取られることはありませんから。
「いろは〜、デートの邪魔したなら謝るしなんか奢るから許してよ〜」
「お昼奢って。それと質問も禁止」
「やったー!いろは大好き〜!」
「私は普通かな」
「釣れないなぁ」
別に怒ってはないけど、奢ってくれるなら奢ってもらいます。貰えるものはもらっとけってせんぱいも言ってましたし。
「関係ない質問なんだけどさ、いろはさ高校の時の友達と連絡とかしてるとこ見たことないんだけど、どうしたの?」
「あ、あぁ。私ね、高校の時さ見ての通りあんなキャラだったからさ、異性は寄ってきても同性からは嫌悪されてたみたいでさ…」
「ふーん、酷い奴らばっかりだね。こんなに可愛いいろはを嫌悪してるなんて」
「頬っぺたスリスリしない!」
別に誰も彼も嫌悪してる訳ではなかった。でも、男遊びが激しいと勘違いされてる感じがあった。だから私からはなるべく近寄らなかった。でも、釈然としない。私はせんぱいに一途なのに。
「それでも、先輩の中には優しくしてくれる同性の人も何人かいたし」
「ほう、その先輩見る目があるな」
「そうだねー。うん、そうだねー」
「なんでそんな棒読みなんだよ〜」
そんなことをしてたら講義はおわってしまった。なんにも理解出来なかった…何もしてないのにお腹は減ってしまったので食堂に歩いていく。
「お昼、何にしようかな〜。いろはは何にする?」
「一番高いやつかな」
「うっ!奢ると言ってしまったからな。仕方なかろう」
「何その変な喋り方」
「昔の人とかこんな喋り方してそうじゃない?」
食券を買い、列に並ぶと、せんぱいから連絡が来た。『例の子は大丈夫だったか?』随分と簡潔だった。せんぱいらしいな〜
「大丈夫ですよっと」
「ナニナニ、例の子は大丈夫だったか?ふむ、例の子とは私か」
「なんで人の見てるの?」
「そんな怖い顔しないでよ、いろは」
「大丈夫、ダイジョウブ。コワクナンカナイカラ」
「片言だよ、日本語が!」
この後の講義の間ずっと無視したら、瑞穂から晩御飯も奢ってくれるそうなので、焼肉に行こうかな?太るって?大丈夫、多分栄養は全部胸に来ると信じてるから。そう言えば瑞穂が海行こうなんて言ってたっけ…水着を着るならダイエットしよう。今年はパレオもマイクロビキニとどっちにしようかな?
活動報告に書くほどでもないんで感想に、この後に来る、海への旅行の時マイクロビキニとパレオどっちがいいか書いてくれれば、多数決ですけど決めたいと思います。他のがよければ名前を書いてくれれば、それも選択肢に入れたいと思います!
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現る
水着売り場、そこは夏の為にいや、夏に待っているイベントの為に男女が本気を出す場所。私は今、近くのショッピングモールの水着売り場にいる。なにしてるかって?もちろん、せんぱいに見せる為の水着選びにきまってるじゃないですか〜!
「マイクロビキニに、パレオとハイレグか…」
「そんなに際どいとこ攻めてくの?」
「鈍さに関しては世界でもトップレベルだからね。それとうるさいよ、瑞穂」
「ごめんって、だっていろはの水着姿、気になるじゃん?」
「巨乳の瑞穂に水着姿とか言われるとイラッてくるね」
正直、決めかねている。ビキニはオーソドックスだが故にせんぱいは反応が薄そうだし、パレオはなんか大人の雰囲気を醸し出しているがセクシーには遠のくし、パレオはセクシーの1点のみを追い求めてる感がたっぷりだし…
「ねぇ、いろは」
「なに?」
「今決まらないならさ、今度せんぱいとやらに一緒に選んで貰えば?」
「来てくれなさそう…」
「写真で選ばせるとか、まあ方法は後で考えればいいし」
「それも…そうだね」
そう決めて店内をぶらぶらしていると、ショッピングモールに備え付きの映画館のほうに向かっていく、せんぱいと銀髪の女の子らしき人が見えた。
「ねぇ、いろは。いまのって」
「せんぱいだと思う。」
「ぼけぇ〜ってしてる間に取られちゃったんじゃないの?」
「ちょっと確かめようか」
地図を覚え、先回りして見られないように顔を見るとそれは
「戸塚先輩じゃん」
「誰ですかい、それ?」
「女の子よりも女の子してる、男の先輩だよ。」
「おか…ま?」
「違、い、ま、す!ただ女子力が高かったりするだけの先輩だよ」
ちなみに戸塚先輩はせんぱいの天使らしく、あぁ俺の天使が…!ってなっていました。あと、せんぱいに関してバカにすると、拗ねたり、怒ったりして可愛いです。
「あれ?いろはすじゃね?」
聞きたくない、声が。いや、聞いてはいけない声がきこえてきた。
「あっ、戸部先輩〜、お久しぶりです〜」
「誰?」
「高校の時の部活の先輩」
「そっちの娘は?」
「初めまして、神薙瑞穂です!」
「よろしくっしょ!」
相変わらず、テンション高いなぁ〜。そこれしか取り柄がないから仕方ないけど…
「いろはすはこんな所でなにやってんの?」
「夏に海に行く予定で〜、その時の水着を選びに来てたんです〜」
あぁ、せんぱいが〜!どんどん遠くなってくぅぅぅぅぅぅ!この後、戸部先輩が瑞穂と喋りまくってたせいでせんぱいを見失い、尾行することも出来ず、戸部先を全力で言葉の暴力で殴り飛ばしたいきぶんでした。
短め。初の2人以外の原作キャラが登場したけど、それがまさかの戸部。いいだろ、戸部のあの感じが好きなんだよ!
水着回まであと多分4話!まずはそこを目指して頑張ります。
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選択
仕方なく、見失ったせんぱいを放って置いて瑞穂とス〇バの新作コーヒーを飲み、家に帰りました。
「さてと、やりますか」
ずっと気になっていたことを聞くことにした。
『せんぱい、今日たまたま見ちゃったんですけど〜戸塚先輩と何してたんですか?』
「こんなんだったら、差し当たりないかな?」
せんぱいは、いきなり深く聞くと"そんなことどうでもいいだろ"と言って誤魔化すから、差し当たりないように聞かないといけません。あっ、これ試験にでますよ!
5分もせずに帰ってきました。
『myエンジェルに誘われたからだよ』
…驚きです。今どきせんぱいと会話してあげるのなんて私とあの合コンに来てた人ぐらいしかいないと思っていました。まさか戸塚先輩も会話してたあげてたなんて。とゆうことはあの材なんとか先輩もなのかな?
『それで、今度海に行くんですけど、せんぱい目線でどっちが私に似合うと思います?』
今日撮った写真を添付して返信っと。今頃写真を見たせんぱいのズボンの真ん中辺りが膨らんでいるだろうなぁ〜なんて想像しちゃう私は変態さんですね。
また5分もせずに返ってきた。暇なのかな?いや、暇なんだなと思いながら内容を読むと
『2番目のパレオで』
文系なのに随分と端的ですね。ほんとに文系ですか?でも分かりやすくていいです。次は…
『色が、薄いピンク、赤、茶、青、黄、黄緑と6種類あるんですけど、どれがいいと思います?』
と送ると本当に暇なのか30秒で返ってきた。
『ピンク』
またこれも端的なことで。でも決まったのでOKです。早速、明日にでも買いに行ってきます。せんぱいが選んでくれたものなので。
会話を切るのも何故か嫌だったのでこんなことを聞いてみた。
『せんぱい、もしかして私の水着姿想像しちゃってズボンの真ん中辺りが膨らんでいませんか〜?』
こんなのを聞こうとするなんて変態さんもいいところですね。
消そうとしてボタンを押そうとしてら間違えて送信ボタンを押しちゃいました、てへ♡
5分程で返信が来た。
『なんですか、誘ってるんですか?ごめんなさい八幡にはあざとすぎて無理ですぅ〜』
多分、今私の顔にはありえない程にくっきりとした血管が浮かび上がっていると思います。せんぱいでも流石にこれは許せません。
絶対に許すつもりはありません、多分。
『せんぱい、何を言ってるんですか♡冗談に決まってるじゃありませんか』
今までの最速記録を更新して5秒で返ってきました。
『あっ、はい。ごめんなさい』
こんなせんぱいにはお仕置きですね。でも、海に連れてくいい口実ができました。ちょっと横暴だけどまぁせんぱいだから…ね?
『悪いせんぱいにはお仕置きとして、海に行くのに付いてきてください!』
じっくり考えたのか、今度は少し遅くなりました。
『いつだよ、日付による』
決まっていた日付を送ると
『誰が来るかも教えてくれよ』
メンバーは瑞穂と同じ講義に出ている子と、合コンでせんぱいを読んだ、あの、名前覚えてないです。ごめんなさい。後はせんぱいを入れても1人足りませんね。
行くメンバーと、メンバーが1人足りないのを加えて送る。あと、戸塚先輩ならOKと言うことも付け加えて。
返ってきた内容は予想通り少し興奮気味でした。
『分かった。myエンジェル呼ぶよ、絶対。必ず。』
そういえば何故、私で行くメンバーを決められるか不思議じゃありません?お教えしましょう。答えは簡単、瑞穂主催で、呼ぶメンバーは私の好きにしていいとのことなので。
せんぱいと会話していたら、時間もいい時間になっていたので寝ますねと一言返信をして布団に潜りました。楽しみで眠れそうにないけど!
結局はいろはすならどれかと考えた結果パレオかなって。
文句あるか?俺はビキニとかハイレグの方が好きだよ!
あと、下ネタに関しては謝るよ…そういう気分だったんだよ、許してくれよ!頼む…ね?お願い(人-ω・o)
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看病
あのやり取りから3週間ほど経っていた。来週の休みに海に行く予定だ。
「せんぱい、なにしてるかな〜」
私は今、風邪を引いて、家で寝込んでいます。微熱が2日続いており、死にかけています。講義の時間だから電話も出来ないし…
「さすがになぁ…半日寝てるからこれ以上は」
暇だな〜、暇。来週の海の妄想でもしていますか。でも、難しいな、難しい!急に妄想ってのも…せんぱいがブーメランパンツを履いてくるとか?
「あっ…それはマズイ」
何がマズイかと言うと本当になってしまいそうで怖いからです。
「ん〜、せんぱい〜」
「なんだよ」
あれれ〜?変な声が聞こえてきたような…
「せんぱい、なんで家にいるんですか?」
「お前が昨日の夜に辛いから助けて〜ってあざとく言ってくるから来てやったのに」
「えっ?そんな事…あっ、ゴメンナサイ」
「いいよ、それで?昼はまだなんだろ?お粥か、雑炊か、うどんとかあるけど、どれがいい?」
「お粥で」
「ん、分かった」
せんぱいは台所に向かって歩いて行ったのだが
「どうやって部屋に入ったんだろう…」
凄い気になるなぁ〜。合鍵渡して無いしなぁ。瑞穂にはある場所を教えてあるが…まさか。
急いでスマホを取って瑞穂に合鍵の事を聞くと
『ごめんね!教えちゃった(´>ω∂`)』
あの娘、どうしちゃおうかな?社会的に生きていけなくしゃう?おっと、いろはちゃんはそんなに黒くないよ〜っと。
「出来たぞ」
さすが専業主婦希望のせんぱいですね。お粥が今までより美味しく見えます。料理が上手いから?それとも好きな人が作ってくれたから?多分両方ともだと思います。
「せんぱい…あの、その、えっとですね」
「なんだよ、ハッキリしないな」
恥ずかしくて言えない!あ〜んして下さいなんて…あれ?でも前にやってもらったような気がする。気のせいかな?
「あの…あ〜んしてもらえません?」
「あん?そんな事かよ、いいよ。ほら」
「あ〜ん、美味しいですね」
やばい、やばい、やばい。なにがやばいってせんぱいがふーってしてくれた!凄いにやけちゃいそう。でも顔に出せない!
「せんぱい慣れてますね?沢山の女の子にもやったんですか?」
照れ隠し!こうでもしないと…私の方が恥ずかしくて死んじゃう!
「ぼっちにそんな事出来ると思う?」
「えっ?私にならできるんですか?他人には出来ないしけど私になら出来るよって口説いてます?ごめんなさい、無理です。」
「お前、ホントは元気だろ?」
ホントに元気じゃありません!だって多分熱はまた上がってますし、心拍数なんて凄いことになってると思いますよ?
「せんぱい!今日は最後まで看病して下さいね?」
「安心しろ、そのつもりで来てるからよ」
その後はせんぱいに薬を飲ませてもらって寝てしまったので残念ながら覚えてないんですよね…
あと2話?ぐらいで水着回だと思います。更新遅くてごめんなさい。テストも近いし、勉強という名のお絵かきとかしてて遅れちゃったよ(´>ω∂`)
明日、もう1話出せたら出します。無理だったら明後日には必ず。
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旅行
風邪はあの後直ぐに治り、あれから一週間が経ちました。ついに土曜日になり、午前9時、駅の前に集まった。メンバーは、瑞穂、せんぱい、戸塚先輩、えーっとあのナントカさん。ごめんなさい、名前を覚えてないです。
「それじゃあ、行くか」
ナントカさんが色々と進めてくれたのだが、せんぱいは戸塚先輩とずっと喋ってるし…まぁ、私も瑞穂と喋ってるんですけどね?
そもそも、なんでこのナントカさんがいるのかと言うと、瑞穂が気になっているからだ。まぁ見た目は葉山先輩みたいな感じなのでモテるだろう。しかもまだ彼女いない歴=年齢らしい。
「私はせんぱいはせんぱいの隣!」
「やめろよ、重いなぁ〜」
「八幡、女の子にそんな事言っちゃいけないよ」
「お、おう。」
戸塚先輩にデレデレしちゃって…
「いいの、いろは?愛しのせんぱいを取られちゃってるけど」
「大丈夫だよ、うん。だって男だから…多分」
怖いなぁ〜、今どき男が男を好きになる事もあるからね。
瑞穂は「なぁ〜んだ」と言ってナントカさんと話始めるし。暇だなぁ
* * *
「起きろ、一色」
「うん〜なんですかぁ〜」
「もう着くぞって言うか着いた」
いつの間にか寝ていたらしく、目的の駅に着いていた。
荷物を持とうと立ち上がると既にせんぱいが荷物を持って出ようとしてた。
「荷物持ってくれてるなら、言ってくださよ」
「ん?あぁ、忘れてたわ」
おそるべしせんぱい。さりげなく女の子の荷物を持ってるなんて…
多分、小町ちゃんにやってるからだろうけどせんぱいが先輩してるなんてなんか、こう、変な感じです。
「置いてかれるから早く行くぞ」
「ひゃん!」
せんぱいは見向きもしないが、さりげなく手を握るなんて怖いです。
今、私は下を向いているけど多分前を向いたらすごい色をしてそうです。
「八幡〜こっちだよ〜!」
手を繋いだままみんなのところに走っていく。その場に着くとさりげなく手を離すし…
すると瑞穂が近づき小声で話しかけてきた。
「良かったね、せんぱいと手を繋げて。顔真っ赤だかは気をつけてね」
「うるさいっ」
肩に肩をぶつける。「もう、痛いなぁ」なんて言いながら普通にナントカさんの隣に歩いていった。私はせんぱいから荷物を貰おうとしたのだが、せんぱいは「俺が持っとくよ」なんてカッコイイこと言い始めるし…今日は恥ずかしくて悶死しちゃいそうです。でも、海でぎゃふんと言わせてやります。その為の水着ですから。せんぱいはどんな水着なんだろう、夢に出てきたブーメランじゃない事を祈るのみです。
「ほら、ぼーっとしてんな、置いてくぞ」
私は何故かカッコイイせんぱいの腕を絡め、密着して歩く。暑いと言われてもそのまま歩く。だって、今日のせんぱいはちょっとカッコイイから。
八幡が八幡してなくてビックリしてます。読んでビックリしてるだろうけど書いた本人が一番ビックリしてます。なので言及はしないで。
という事で次回は水着回かな?うん、楽しみにしてて下さいな
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海だ![1]
「海だ〜!」
1面に広がる海、キレイな砂浜、そしてベタなセリフ。やっぱりこれを言ってからが海って感じですよね。
「はぁ、日差し暑い。蒸し暑くてこのままだと角煮になりそう」
「せんぱいはそんなに脂たっぷりなんですか?」
「ち、違うし!材木座ぐらいだし角煮に出来るの」
角煮にこだわるんですね。ってそんな事より早く私のナイスバディの水着でせんぱいを落とさなきゃ。
「せんぱいたちは荷物番お願いしますね。行こ、瑞穂」
う〜ん、簡易更衣室でもいいんだけど混み始めてるからトイレでいいかな。そんなに困らないし。
「瑞穂、トイレで着替えよっか」
「うん、あの感じだと出るのにも時間掛かっちゃいそうな勢いだもんね」
2人でトイレに向かい、着替える。
せんぱいに選んでもらったパレオ。可愛いって言ってくれるといいんだけどな。じゃなきゃさりげなくせんぱいの精神へダメージを与えよっと。
「いろは、着替えれた?」
「うん、出来たよ〜」
外に出ると既に着替えてた瑞穂がいた。
何か目が怖いんだけどせんぱいより先に奪われたりしないよね?
「うふふふ、いろはちゃ〜ん、こっち来ようか」
「や、やだよ。瑞穂、目が怖い」
「そのいい感じに育ってる胸を触れせておくれよ」
「瑞穂の方がおっきいんだから自分の触れ!」
「大き過ぎて重いんだよ!」
痛い。胸で殴ってきた。
「あっ、ごめんねいろはちゃん。だからその拳を収めて、ね?」
「はぁ、もういいや。戻ろうよ」
「ありがとう、いろは!」
* * *
はぁついてませんよね。どこにでもせんぱいより腐った人達っているんですかね?
「なぁ、俺らと一緒に遊ぼうぜ?いいだろ?」
「いやです♡」
「つれねぇな、こっち来て遊ぼうぜ」
正直、せんぱいとかナントカさん頼ればどうにかなりそうなんだけど、離れてるから呼べないし。どうしよっかなぁ〜
「一色、何やってんだ?」
「ほえ?」
「瑞穂さんだっけ?君もなにしてるんですか?」
せんぱいが、来ただなんて…なんという奇跡。しかも絡まれてるのに声かけるなんて、雪降るのかな?
「あっ、取り込み中だったのか…すいません、呼んで来いって言われてるんで。行くぞ」
「おい、ちょっと待や兄ちゃん。声かけたのはうちらが先やんか。横取りすんなや」
「あぁん?」
せんぱいが「あぁん?」とか言ってる。怖い。B級ホラーより怖い。革命起こり過ぎて…
「あっ、悪ぃ悪ぃ、兄ちゃん悪かったな邪魔して。それじゃぁ!」
帰っていったんですけど…なんでせんぱいがせんぱいより腐った人達撃退できたんだろう。
「せんぱい、よくあの人達追っ払えましたね」
「いや、ただ気づいてなかっただけだしし。それに戸塚が待ってるんだぞ?早く帰らなきゃいけないだろ」
「はぁ、そうでしてたね。瑞穂、行こっか」
「あっ、なに、俺は置いてぼりですか…」
海ってもっとうふふふきゃははしてた場所じゃなかったけ?ここに来てから疲れた事しかしてない気がします。まぁ、可愛い罪な私のせいでもあるんですけど?
水着回…かな?まだまだ続くんで。大体、後3話は、最低でも海にはいます。
更新が遅れてたのは定期試験があってちょっとね…おバカさんなもんで勉強しなきゃなまずかったんで。まぁ、とりあえずテストもないんで更新のペースは上がります。多分。
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海だ![2]
「せんぱい、もっともっと前へ!」
「はぁ…はいよ」
海っていいですね!まさかせんぱいが私を浮き輪に乗せて押してくれるなんて!なんか夢を見てるみたいです。
「はぁ…天使の水着姿が」
「え?もしかして口説いてます?ごめんなさい、いきなり天使とか言われても無理ですし、水着姿とかエッチな発言する人はもっと無理です」
「誰がお前を天使なんて言うか。この小悪魔が」
「天使なのに悪魔なんて…罪ですね、私」
「はいはい、Guiltyでござんすね」
ぶぅ〜。せんぱいのバカ。そこはせめて「はいはい天使ですね」的な発言してくれればもしかしたらキュンってしてたかもしれないのに。まぁ確率は1%未満ですけどね?
「いやぁ、ずいぶんと遠くに来ましたね。まるで人間がゴミのようだ!」
「いや、そんなに人様バカにすんなよ。そんな事言ってると後で痛い目に会うぞ?」
「でも、そしたらせんぱいが助けに来てくれるんですよね?」
「─ッ。はぁ、俺の視界にいたらな」
「せんぱいって優しいんですね」
「えっ?なんて?」
聞かれてないよね?最後の言葉を聞かれてたら危うく舌を噛んで死ぬところでした。ほんと急に優しくなるせんぱいはずるいです。
「ふぅ、そろそろ向こうに戻りましょうよ」
「はぁ?いや、ちょっと待て、さすがに疲れたからもう少し休ませろ」
「えぇ〜せんぱいのヘタレ」
「クッ…事実だからなんも言えねぇ」
「でも今日の私は天使なので許しちゃいます!」
「はいはい、天使様ありがとうございます」
あっ…キュンってしませんでしたね。残念99%の方が働きました。
それにしても海って綺麗ですよね、ほらちょっと向こうになんか出っ張ったヒレ見たいのが泳いでますし。…出っ張ったヒレ見たいの?
「せ、せんぱい。あれ…なんですか?」
「あぁん?」
「あの出っ張ったヒレ見たいのってなんですか?」
「…よし、ちゃんと掴まっとけよ」
「えっ?だからあれなんですか?」
「ハァハァ…俺に足りない物は!それは!速さが足りない!!」
「ちょっ、せんぱい、聞いてます?」
わけが分からないがせんぱいは物凄い速さで浜へ向かっていく。あのヒレみたいな角みたいなのが泳いでるのは何なんだろう?
浜に着くなりライフセーバーの人の所へ出向くなり海に入るのを禁止され、かつ浜から離れるようにとも言われた。
「せんぱい、あれなんですか?」
「あれか…はぁ、サメだよ、サメ。しかしよく見つけたな、危うく下半身無くなっちゃうところだったからな」
サメ…私ナイス。さすが天使ですね、人々の危機を救いました。まぁ、せんぱいはさしずめムハンマドってところですかね。さて、こんな時に役立つのがオネダリですね。
「せんぱい…あの、ですね。なんか、その、ご褒美くれたらなって」
「えっ?」
「ダメですか?」
「えっ…いや、その、うん、俺が出来る範囲なら」
「じゃあ、頭ぽんぽんして貰えますか?」
「ふぇ?…それで一色が良いって言うんならいいけど」
あっ、せんぱい確実に私が高価な物を頼むって思っていましたね?残念、今日は天使なのでそんな事はしません。明日なら確実にそっち頼んでます。
「じゃあ、せんぱいどうぞ」
「今かよ。はぁ、はいよ」
く、くすぐったい。でも気持ちいいですね、さすがはお兄ちゃんですね。なんか手つきが慣れてます。…まさかね?女慣れしてるとは思いませんし。
「じゃあ、みんなのところに戻りましょう!」
「お、おう」
いやぁ〜、せんぱい絶対にドキドキしてますね?こんな天使な私が腕を絡ませてくるんですから。胸、意識的に当てるようにするとせんぱいの反応が面白過ぎます。だってチラチラと私の胸を見てくるんですもん。顔を真っ赤にしながら。これで女慣れしてないのは分かりました。
さて、今の時間は12時。ちょうどお昼時ですね、今日は海の家で何かを食べる事にしますか。
「せんぱい、この後どうします?海には入れなさそうですし」
「えーっと、その、どうせ1泊するだから早めにホテルに行きゃあいいんじゃないんですか?」
「なんで敬語なんですか?まぁ、それは置いておいて、ホテルにチェックインしてボーっとしてるんですか?」
「温泉って言うものがあると思うんですが?」
「あぁ、温泉入ってご飯食べて寝ると」
「いや、年寄りじゃねぇからそんなに早くは寝ないけどね?」
「チッ、ですよね〜」
「ねぇ、なんで今舌打ちしたの?ねぇなんで?」
「さて、みんなは見る限り片付け始めてますけど、私達はどうします?」
「一色は別に片付けなくてもいいんだぞ?」
なんかせんぱいが優しすぎる気が…
「ただ、俺は片付けないからそのまま一色のだけ残るだろうけど」
しませんでした。ただのイジが悪い人でした。目も腐ってて性格も悪いし容姿も普通と…さすがせんぱい!クオリティ低すぎです。
「はぁ、せんぱい急ぎますよ!」
「いや、ちょっと待てよ。手を離してくれない?じゃないとコケるし、そのまま一色もみちずれにするかもしれないから」
「あっ、じゃあ」
って、せんぱい…手を離してって言っておいていざ離したらコケるってどういう事ですか?まぁ、そこがせんぱいらしくて良いと思いますけど。人を巻き込まないようにするのにも回りくど過ぎですけどね!
なんか、ごめんなさい。テスト終わったら風邪引いちゃって書き上がってる物しか投稿出来なかったんだけど、治ってきたから新しいのも出せるようになりました!
今回は嘘は付かないぞ!更新速度を上げます。今回の八幡逃走劇並に。
あと2話…多分、第1章のクライマックスがそこで待っているでしょう。
クリスマスまでにクリスマスまで持っていきたいんで週末は2話連投とかありえるんで。
では次回をお楽しみに!
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とある海の浜辺の夜
はっきり言います。あの後は特に何もありませんでした!せんぱいは本当にホテルに着いたら温泉入って、夕食を済ませたら部屋に篭って出てこないし…
「あ〜あ、つまんないの。せっかくの旅行だってのに」
「なんなら夜這いでも仕掛ければ?いろは、そういうの好きでしょ?」
「好きじゃありません!おっぱい揉んじゃうよ?瑞穂」
「いろはになら抱かれても良いわ!」
「ごめん、私が嫌だから」
う〜ん…せんぱいが外に出てきたら強引にでも外に誘うかな?ここは都会と違って空が綺麗だからな〜。星を見ながら海辺を歩くなんてロマンチックですよね。
「そこで、告白と…」
「そうなんだよ。そして2人だけの時間を…ってもしかして声に出てた?」
「うん、ちゃんと聞こえてたよ。せんぱいが外に出てきたらってところから」
「全部じゃない!こうなったら瑞穂のおっぱいを揉むしか手が…」
「ホントに?私の事を抱いてくれるの?ってそんな事よりいいの?そのせんぱいは今自販機に向かってこっちを見ながら歩いていったけど」
私は瑞穂のみぞおちにパンチを決めて、せんぱいの元に小走りで向かう。なんだか足は羽が付いたかのように軽かった。
「せ〜んぱい!」
「何でしょうか?どちら様で?」
「何言ってるんですか…あんなに愛し合って私の隅々まで触ったくせに」
「ごめんなさい、そんな記憶は無いですし、捏造するのはやめて。八幡の精神が軽く本気でダメージ喰らう」
「それはどのくらいなんですか?軽く?それとも本気なんですか?」
この人は確実に起きてましたね。寝起きの人はこんなに口達者じゃありませんから。
「さて、せんぱい。1つお願いがあります」
「ごめんなさい、無理です…ぐふっ、腹が」
せんぱいのお腹?今は私の手がめり込んでます♪私はそんなに強く無いんですが。おかしい、貧弱ですね、せんぱい。
「そ、それでお願いとは、な、何かな?」
「外、行きましょうよ!多分、星が綺麗ですよ」
「あっ、俺は星に興味無いんで。それじゃあ」
「せ〜んぱい♪どこ行くんですか?」
これぞ、蛇に睨まれた蛙ですね。メデューサの石化能力とかでも良いですね。
「は、はい。今から一色と外に星を見に行くところです」
「ですよね、じゃあ行きましょう!」
いやぁ、せんぱいって優しい!えっ?ただの脅しじゃないかって?こんな可愛い天使ですよ?ただの天使の囁きですよ♪
外は暑くもなく、涼しくもない、半端な気温だった。ただ海の小波の音や、浜風が心地よく気分は最高になっていた。
「星、綺麗ですね」
「あぁ、綺麗だな。これなら、まぁ、出てきても良かったんじゃないか?」
「そうですね、浜風も気持ちいいですし」
暫く歩き、今日サメの出た海の釣りスポットに着く。そこはテトラポットが沢山ある。私はそこに座り海を眺める。せんぱいは私の隣に座ってくれる。
「ねぇ、せんぱい」
「ん、なんだ?」
「月、綺麗ですね」
「あぁ、俺もそう思ってた所だ」
せんぱい、もしかしてそう言う返信の仕方ですか?ロマンチックですけど…
気になりせんぱいの顔を覗くと夜でも分かるくらい赤くなっていた。
「せんぱい、顔が真っ赤ですよ?どうしました〜?」
「な、な、何言ってんの?お、お前の方が真っ赤だし」
「へっ?」
私の顔が真っ赤?そ、そんな馬鹿な…
「な、なぁ一色」
「な、なんですか、せんぱい」
「そう言う事だと思って良いのか?」
「そういことってこう言う事ですか?」
接吻、キス、他はなんて言うか知らないけど、そう。私はせんぱいの唇に自分の唇を当てていた。せんぱいの顔がすごく近かった。1分?2分?3分?どのくらいか分からないほど長い間キスをしていた。もしくは長く感じている間キスをしていた。
「い、一色」
「せんぱい、もう『一色』じゃダメですよ?」
「いろは」
「なに?八幡」
「俺も、お前の事、好きだよ。だから今の告白は受け取れない」
「へっ?」
せんぱいは私の後ろから座り抱きしめる。
「俺はお前が、一色いろはが好きだ。だから付き合ってくれ」
「は、はい。よろしくお願いします?」
何故か雨も降っていないのに、頭に水滴が落ちてきた。それはせんぱいの目から落ちてきていた涙だった。
「せんぱい?」
「あぁ、ごめん。嬉しくってな。ホントはフラれる覚悟の元で今日しようと思ってたんだよ。でもな、怖くて怖くて。また、高校の時みたいになるんじゃないかって怖くて、部屋に閉じこもってたんだよ。そしたらさ、これだ。なんか涙が止まんなくてな」
「せんぱいのお馬鹿さんですね。私がせんぱいの事を?そんな事は絶対にしませんよ」
私は体を捻ってせんぱいの方へ向ける。泣きじゃくってるせんぱいを抱きしめて、頭を撫でる。
「せんぱい、泣かないでください。泣くなんてせんぱいらしく無いです」
「ごめん、ごめん、ごめん、ごめん」
「もう、今度は謝ってばっかり。大丈夫です、今日の私は天使ですから。さぁ、私の胸で泣いて良いんですよ?」
「あっ、それは大丈夫だ」
酷い…こんな天使のお誘いを断るなんて!天罰を与えるしか無いですね。私は抱き締めたまま、せんぱいの顔をわざと胸に押さえつける。
「せんぱい、そろそろいい時間なんですけど帰ります?」
「ん、帰れない。今帰ったら俺の天使に心配される」
「私は心配しませんけど?」
「お前じゃない」
くっ…告白して彼女にもなったのに男の人の戸塚先輩に勝てないなんて。悔しすぎます!
「なぁ、いっし…いろは。ティッシュか何かあるか?」
「ふふん、私は女子力が高めなのでティッシュぐらい完備してますよ」
ポケットからティッシュを取り出し、せんぱいの顔の涙の跡を撫でる。
今日からこと人が私の彼氏。そう、念願のせんぱいをゲットできた。なんだか達成感と感動と喜びが入り混じって涙が出そうだった。
「なんだ?いろはも泣くのか?」
「な、泣きません!ほら、跡も消えたし帰りましょ?蚊に刺されますよ?」
「はいよ、ちょっと待てや」
私は先に立ち、せんぱいに手を差し出す。せんぱいは今まで見たことの無い顔。笑顔で私の手を取り立ち上がる。私は自然にせんぱいの手を握り、せんぱいは私の手を自然に握る。ホテルへの帰り道の足は羽どころか既に飛んでいるかの様な足取りだった。
最初からクライマックスだぜ!まぁ、あらかた予定通りに進んだんでオールOKかな?次回はエピローグ的なので終了です。次は2章です。2章は最初からクライマックスだぜ!
では次回をお楽しみに!
評価、感想、お気に入り登録してもらえると幸いです。
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遊園地にて
「よ〜っし、遊び尽くすぞ!」
いや〜、恥ずかしです。テンション空回りしてます。なにせ、昨夜、告白したばっかりですから。彼氏彼女になって初めての日兼初めてのデートですよ。テンション空回りしますよ、そりゃあ。
「なんでそんなにテンションが高いんだよ…」
「だって遊園地ですよ?しかも、その、好きな人との。テンション上がるに決まってるじゃないですか!」
「いや、決まってないから」
そう、今日は遊園地に来ているんです!本当は海の予定だったのですが、なんとなんとの私がサメを発見したために、遊泳禁止になってしまったのです!それじゃあと言う事なんですが、戸塚先輩はテニスのサークルがあるとの事で今朝帰られて、なぜか瑞穂となんとかさんは戸塚先輩と一緒に帰っていったので、今日は2人だけです。
「まずはジェットコースターですね、行きましょう」
「はいはい。行くから引っ張るな」
ぎこちないですね。今までは誘惑としてやってきたので普通に腕を絡ませられたのですが、今は恋人。恥ずかしくて、爆発しそうです。
「ちっ、人が多いな。休みに遊園地とか普通に死んじゃうぜ」
「せんぱいは人が多いと死んじゃうんですか?凄いですね。じゃあ入場料無駄にして、そこには座ってて下さいね」
「あん?俺、舐めんな。こんぐらいで死んでたまるか」
くっ、普段のせんぱいならそうするって言ってそうなのに…今日のせんぱいは、強い!それに普段の私なら人が多いからと理由を付けて手を握る事だって出来るのに体が、動かない!
「はぁ、人が多いからはぐれるといけないからな、手、繋ぐぞ」
「…は?」
「えっ、ちょ、その顔は止めて。俺が悲しくなくるから」
「せんぱい、本物ですよね?」
「もしかしてバカにしてる?確実にしてるよね」
せんぱい自ら、手を握ろうとしてくるだって…今日、雪が降るかも知れませんね。やばい事態ですよ、これは!
「いえ、バカにはしてません。バカには」
「バカにはしてないんだな。でも、他の事、確実に思ってるってことだよね、それ」
「ま、まさか。そ、それよりジェットコースター、行きますよ!」
せんぱいが差し出した手を握りジェットコースターの列に向かう。
* * *
「さぁ、次はバイキングにフリーフォールです!」
「あの、いろはさん?これで3回目ですよ、バイキング」
「いや、あと2回は行きますよ?ここのバイキング楽し過ぎますよ!」
「お、おう。それよりもさ、昼にしようぜ。八幡、空腹、餓死しそう」
「仕方がありませんね、お昼のあとはバイキングでフリーフォール、バイキングって準備ですからね」
「1アトラクション毎にバイキング乗るのかよ」
いや〜、本当にバイキング楽しいですね!他のところよりもバイキング楽し過ぎます!さて、話が変わってお昼ですか。そんなことよりバイキング!って気分なので、どこでもいいんですよね、美味しければ。
「空いてるし、ここでいいか」
せんぱいが選んだのは洋食屋でした。いや、詳しくはハンバーグ専門店みたいなところでした。バイキング乗るのに重いもの食べて大丈夫なんですかね?
「バイキングは乗らないから、ここでいいか」
「えっ?バイキング乗らないんですか!?」
「飯食った後すぐバイキングとか吐くだろ、ふつう」
まぁ、いいでしょう。食べた後すぐじゃなければ問題ないみたいですし。
「いらっしゃいませ〜!何名様でしょうか?」
「2人」
「2名様ご案内〜」
2人用の席へ案内され、メニューを渡される。種類は余り多くないがどれも美味しそうでした。
「俺はデミグラスのハンバーグにするけど、いろはは?」
「う〜ん、私もデミグラスのハンバーグでいいです」
「じゃあ、デ、デミグラスのハンバーグを、ふ、2つ」
「かしこまりました」
ハンバーグは10分ほどで出てきました。いやぁ、美味しそう!
「せんぱい、ほら、あ〜んしましょうよ!」
「は?えっ、やだよ。そもそも同じ味で同じハンバーグでなんであ〜んする必要性があるんだよ!」
「違います!ハンバーグに意味があるわけじゃなくて、あ〜んする事に意味があるんです!」
ありがたいですね。お客さんもたくさんいませんし、店員も肉の焼き音で余り聞こえないと思うし。今の聞かれてたら悶死しちゃいそうです。
「ほら、いきますよ。あ〜ん」
「あ、あ〜ん」
「さぁ、次はせんぱいの番です!ほら、あ〜ん!」
「えっ、ちょ、くそ。我慢だ、我慢。耐えてくれよ、理性!あ、あ、あ、あ〜ん」
「ん、ん〜!せんぱいとの関節キス、美味しですね!」
「いや、まだ1口も食べてないけどね?」
2人で早々とお昼を食べ終えると、せんぱいは外で、日陰のベンチに座り休憩していました。夜までいる予定なので、それまでの体力の自然回復を促すらしいです。
* * *
さて、現在時刻午後の6時59分です。場所は
「観覧車からの景色、綺麗ですね」
「ん、そうだな。」
そう、観覧車です!いやぁ、苦労しました。観覧車のライトアップの時間ちょうどに真上にいけるように乗ったのんですから。
「あの、せんぱい。今日、楽しかったですか?」
「俺は楽しかったよ。久しぶりだしな、遊園地」
「そうですか…」
正直、私は今現在、そんなに楽しくない。だって、緊張の方が増してるからだ。夜に観覧車で2人きりとか、ベタ過ぎて逆に緊張してます。告白の時以上に緊張してます。
「どうした?もしかして高いところ怖いのか?」
「い、いえ。そうじゃなくて」
「そうじゃなくて?」
せんぱいが発した瞬間ライトアップされました。私はそのタイミングを見逃さず、すかさずせんぱいの真正面に行き、強引に顔をこちらに持ってきて顔を近づけます。
「ちょい、一色じゃなかったいろは、近い近い近い」
「静かにして下さい」
キスをする。せんぱいの唇を奪ったのは2回目でしょうか。前は緊張のし過ぎで味は覚えてませんが、今回ので覚えましたよ。せんぱいの味。私はせんぱい曰く小悪魔らしいですからね。小悪魔は小悪魔らしく何回でもせんぱいの唇を奪っちゃいますよ!
「一色じゃなかった、いろは」
「なんでしょうか、せんぱい」
「帰ったらお仕置きだからな、覚えてろよ」
「せんぱいのエッチ」
「強引にキスをするキス魔には言われたくねぇ」
「さ、さぁ〜て、な、なんの事ですかね〜」
初デート、正確にはもう何回目か分からない程したデート。でも、これほど嬉しかったデートは2回目です。まぁ、1回目はせんぱいとのデートじゃなかってですけどね。
ぎゃあぎゃあ言い争っている間に下に着き、外に向かいます。
「はぁ、今日はこれで帰るか」
「そうですね」
さて、来てすぐには出来なかった事、やりますか!
「せ〜んぱい!夜道は危険なので、可愛い私を守って下さいね♪」
「ちょ、お、おい、腕を絡めるな」
「いやです」
初デート、これにて終了です!
さて、続きですが感覚的に第2章なんですよね、このお話から。2章は連続したお話はやりません!各イベントに合わせた内容とか、その後の日常を描いたもの、未来を描いたお話を投稿していく予定です!
次はクリスマス・イヴかな?もしかしたらその前に投稿するかもしれません。まぁ、クリスマス・イヴとクリスマス両日共にお話を投稿します!実はもう完成してます。2日とも同じ日の話ですが時系列が違うという事だけ言っておきますね。投稿予定時間はPM 9:00ですのでよろしくお願いします!
評価、感想、お気に入り登録してもらえると幸いです。
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あの日の場所で別の人と[前編]
Side 八幡
とある休日。あの海の日から余り経っていないのだが、朝、唐突にいっし……いろはから連絡があった。
『せんぱい!今日はなんと花火大会ですよ!駅の前で待ってますからね!時間は18時ですから!』
そう、これが朝の7時に来たのだ。まだ寝てるんですよ?昨日は夜遅くまで休みのレポートやってて寝不足ですよ、こちとら。しかも、朝からハイテンション…可愛いから許すけど!
「う〜んと、服は…そもそも、大量に持ってねぇから悩む必要ないか」
服は決まったし、身だしなみは行く前にするとして、飯は…いいや。夜食も結構遅い時間に食べたし。昼は抜いてそのまま花火大会の屋台でなんか食えばいいし。
「アラームは16時にセットしてと」
もう一度布団に入る。寝るぞ、絶対。じゃないと花火大会どころの話ではない!
* * *
現在時刻は17時30分。30分前です。いやぁ〜楽しみです、せんぱいとの花火大会!この手のイベントにせんぱいと参加するのは2回目でしょうか?1回目は高校の時の生徒会で他校との合同クリスマスですので、実質初めてですね。
「そわそわしてきた」
ダメダメ、今はせんぱいの事は隅に置いておきましょう。考え始めたらそわそわしてきちゃいます。あっ、ダメだ。考えてなくてもそわそわしてます。
「後20分もあるなぁ〜」
それにしても浴衣の人が多いですね〜。まぁ、今日は私も浴衣なんで人の事は言えませんけどね。えっ?何色かですか…そうですね、主色は─。
「そこの水色の浴衣の姉ちゃん、暇なら俺と遊ぼうぜ」
「せんぱい、その不自然な喋り方と声、キモチワルイですよ」
「こないだのチンピラさんの真似をしてみたんだけどな…なかなか上手くいかないな」
「えっ?真似してたんですか?」
やばい、一切似てなくてビックリしました。せんぱい、絶対にワルとか出来ないタイプの人ですね。悪い事はしそうですけど。
「そ、それと、い、い、いろはの浴衣似合ってるぞ…」
「せんぱい」
「は、はい」
「今日は全力でオシャレしてきました」
「?はい、それが何か」
「なのでせんぱいは全力で私を可愛がって下さい」
今の顔は見られてはいけません。こんなに真っ赤になった顔は見せてはいけないものです。だってせんぱいが似合ってるなんて、不意打ちで言ってくるから…
「…頑張ってみる」
「はい!それでは行きますよ!」
さて、腕を絡めますよ!なにせ今日は下着、付けてませんし。その代わりサラシを巻いてますよ。残念、下着無しの裸に浴衣は着てません。
「お、おい。当たってる、当たってる」
「せんぱい…わざと当ててるんですよ?」
「当てるんじゃねぇよ」
このげっそりした顔は嘘ですね。げっそりした振りです。それぐらいは私の手に掛かれば見抜けます。本当はこんな美女に腕を絡められ、胸を意図的に当てられるなんて最高!ってなってるはずです。
「せんぱい、まずは何にします?」
「ん、俺は昼食ってないし沢山食べたい」
「はぁ…そんなに私に会うのが楽しみだったんですか?」
「違う、寝てた」
即否定…私のガラスハートはバラバラですよ。でもまた集めて溶かせば復活するので大丈夫です。でも、なんか2人だけなのに沢山買ってたら大食いに見られちゃいそうで、なんか不愉快です。
さて、どうだったでしょうか。前編、後編を使うのは初めてだったけど問題ないかな、うん。今回もシリアスは皆無ですし、これからも皆無です。その代わり甘々過ぎる話は余り多く無いです。
パフェ配れさん、くーたんさん、彩羽さん、☆9ありがとうございます!
怪盗マサヤッチさん、☆10ありがとうございます!
これからも評価、感想、お気に入り登録をバンバンお待ちしてますので、よろしくおねがいします!
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あの日の場所で別の人と[後編]
おぉ、いつもと同じ花火なはずなのに違う花火をしてる気がします。
「キレイですね、花火。あっ、『お前の方がキレイだよ』いりませんからね、せんぱい」
「言わねぇし…」
仮にも彼氏なんですよね?せんぱいは、その自覚が無いように見えるのは私だけでしょうか?なにせ私の事をさっきはキレイと言ってくれたのに、今回は言ってくれないなんて。全く、こんなせんぱいには奢ってもらうしかないですよね、はい。
「せんぱ〜い、私、かき氷食べないなぁ〜」
「へぇ〜、それじゃあ待ってるから買ってこいよ」
「はぁ…せんぱい、素直になりますね。私にかき氷を買って下さい」
「いろは、俺も素直になるな。嫌だ」
「せんぱいのぉ、ケチ」
「俺は元々ケチだ」
ちぇっ、せんぱいのケチ。ここは彼氏の財力を見せるところですよね?普通は可愛い可愛い彼女がおねだりしたんだから、彼氏はそれに応えなきゃダメですよね〜
「ぶぅ〜、分かりましたよ。買いたいので、一緒についてきて下さい」
「腕、離せば?」
「嫌です」
もう一度言います。せんぱいのケチ!
* * *
「花火、綺麗でしたね」
「あぁ、そうだな。お前並にキレイだったよ」
「せんぱい…やっと分かってくれたんですね!」
「あ〜、はいはい。暑いから腕を話してくれ〜」
いやぁ、せんぱいがやっと分かってくれました。この可愛い可愛いいろはちゃんの良さってものを!でも、なんでですかね?なんかせんぱい、先ほどなら凄くそわそわしているんですが。
「せんぱい、トイレならそこにありますけど」
「は?なんで、トイレ?」
「そわそわしているので」
「─ッ!?…そうか、俺、そわそわしてたか。悪い」
「なんでそわそわしているか教えて貰ってもいいですか?」
「ここな、由比ヶ浜と来たんだよ。同じような道で」
あぁ、だから気まずいんですね。仕方ありませんね。この一色いろはがどうにかして見せましょうぞ!
「せんぱい!いいですか?今の彼女は私です。他の女の事なんて考えないで下さい!」
「ん?今の?」
「いえ、せんぱい。間違えました、これからの彼女はです」
「いや、その訂正意味がない気が」
「い、い、で、す、か!」
「は、はい」
これで他の女の事を考えてたら、私、せんぱいの彼女やめます。何になるかって?それは…せんぱいのお嫁さんです。そうすれば浮気としてせんぱいに合法的に色々な事が出来るので。
「お、おい、いろは。なんでそんなにヤバイ顔してるんだよ」
「へ?あぁ、せんぱいを合法的に色々する方法考えてました」
「さらっと危ない事を言うな」
「嘘です♪」
さぁ、夏も終わりに差し掛かってますよ!次は秋のハロウィン。まぁ、この可愛いいろはちゃんにはコスプレとか必要ではないですが、せんぱいがどうしてもと言ってきてくれたら着替えてもいいかななんて考えますよ!せんぱい、なんて言ってくるかな?
夏祭り回でしたが…終わらせ方が雑だったかな?ま、まぁ偶にはそういう事もあるよね!今日はあと2つ連投するんで、よろしくです!
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約束の取り付け
Side 八幡
「せんぱいはコスプレしなくても大丈夫ですね、目が腐ってるんで、ゾンビです」
「そしたらお前は小悪魔だな。よし、コスプレは無し!」
「え〜、せんぱい!そういうの無しですよ」
絶賛、討論中ですが、こうなった理由は─
ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。
うるせぇな。まだ時間じゃねぇし寝てていいか。
ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。
うるせぇよ!何回鳴らすんだよ!新手のイジメか、おい!
ピンポーン。ピンポーン。ピンポーン。
はいはい、今出るからちょっと待ってろや!
─ガチャリ。
ドアを開けるとそこにいたのはいろはだった。しかもなにやら荷物が持っていた。
「やっと開けてくれましたね!せんぱい、朝ごはんまだですよね。今作りますね」
「いま、朝の何時だと思ってるんだよ」
「10時ですけど」
「で、その荷物は?」
「コスプレ用です」
「なんで?」
「今日はハロウィンですよ!変装ですよ、変装!」
と言うのが理由だ。
「そもそも、俺は午後から講義だし」
「大丈夫ですよ、時間は夜の…」
「行かねぇぞ。リア充イベントなんて、誰が」
「せんぱい、私達、どこからどう見てもリア充ですよ」
あっ、そうでした。てへぺろ♪じゃなくて!
「嫌だぞ。俺はあんな人の海には行かないからな」
「せんぱい…」
くっ、女の涙かよ!ずるいぞ、あれはずるい。なにせ、あれをやるとこちらも悪い気になるし、傍から見てもこっちが悪い感じになってしまう。
「分かったよ、仕方ないから外食だけで勘弁してくれ」
「わーい!せんぱい優しい!大好き!」
「お前の大好きは随分と軽いな、おい」
まぁ、でも今回は可愛いから許す!
「じゃあ講義が終わったら連絡して下さいね!」
「えっ?お前、講義は?」
「ふははは、今日は休みなの忘れたんですか?」
「そうか…って嘘つけ。お前の休みは明日だろ」
「チッ」
「なに!今の何への舌打ち?怖いわ〜」
「それじゃあ連絡して下さいね〜」
* * *
「せ〜んぱい〜!」
「恥ずかしい…」
「さあ!行きましょうよ」
「…飯のためだけに来たな?」
「い、いえ。そんなはずないじゃないですか!」
「はいはい、うん。分かったよ、それじゃあ行こうかね〜」
「うわぁ〜。それだからせんぱいはモテないんですよ」
「大きなお世話だ。それにモテる必要ないしな。もう彼女いるし」
「さらっとせんぱい良いこと言いましたね。そういうの尊敬しますよ」
せんぱいはそう言いながらイタリアンレストランに連れてきてくれた。
─ 5時間後
せんぱいが連れてきてくれたのはイタリアンレストランだったのは覚えいるんですが、その後の記憶がほとんどありません。ワインを沢山飲んだ気がするんですが…
「ここは…」
ハッ!?私の部屋のベッド?どうしてここに?えーっと…
「たしか酔った私をここまで運んでくれて、それで」
それで、どうしたんだっけ?
「うーんと、たしか…あっ」
思い出しました。ただ、恥ずかしすぎます。顔から火を噴きますよあれ。
何をしたかと言うと、別れ際にせんぱいの袖を掴んで「クリスマス、一緒に過ごしてくれますか?」なんて上目遣いで聞いてたんですよ!意識的にやったのなら兎も角、素でやっちゃいました。
「はぁ、でもよくやっよ私。これでクリスマスまでは頑張れそうだよ」
恥ずかしさ半分、嬉しさ半分ですがそれを全て、眠気が持っていってしまったのはなんとなく覚えています。
ゴメンなさぁぁぁい!クリスマスのやつ明日になりまぁぁぁす!書き終えてはいるものの確認、微調整が終わってないので、明日2話連投しますので、どうかお許しを。
さて、どうでしょうか。今回はクリスマス用の前置きに作ったのですが、まさかのイヴに投稿です。僕の中ではいろはすはお酒、弱そうだなって感じなのでいつもよく飲むけど弱いのですぐ記憶が吹っ飛びます。しかも酒癖が悪いので飲むと止まりません。
では、うん。明日の夜9時以降10時未満までに投稿しますのでよろしくお願いします!
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Natale
せんぱい、起きていると信じています。
今、私はせんぱいの家の前にいます。時間は午前10時。日付は12月25日です。そう、私はせんぱいとお家デートとかいうよく分からないものをする事になったので来ています。合鍵を既に持っているので勝手に入れるんですよね。
「おじゃまします」
「邪魔するなら帰ってください」
ひどいですよ。たまたま玄関前を通り過ぎようとしたら私が入ってきただけでこんな事を言うなんて。
「私は必要ない女なんですね」
「別にそんなミュージカルみたいに悲しまなくていいから」
「は〜い。それじゃあまずは朝ごはん作りますね」
今回、お家デートとかいうよく分からないものをやろうと言ったのはせんぱいです。理由として、家から出たくない。他のリア充を見たくない。
「冷蔵庫には何があるかな〜」
覗き込むと中には沢山の具材が入っていました。しかもそれは1ヶ月分ぐらいもです。
「こんなに沢山、どうしたんですか?私、そんな人の彼氏はいやなんですけど」
「何を悪い方の考えしてるんだよ。昨日、小町が来てクリスマスプレゼントとして置いてってくれたんだよ」
「まっ、仕方ありませんよね。せんぱいには仕送りとか無いですもんね。それにしても
* * *
「せんぱい、お家デートって何するんですか?」
「は?知るか。俺はただこんな日に家から出るのが嫌だったから」
「あー、せんぱいのバカ」
「重いから膝の上に乗らないでくれる?」
「女の子に重いとか失礼ですよ」
もう、せんぱいのバカ。私、そんなに重くないですし。重みがあるとすれば、その…多少胸が発達しちゃったせいですし。
「はぁ、片付けとかしちゃいますね」
「え?あぁ、お任せします」
「はい、任されました」
もういいです。夕方まで家事全般で時間を潰すしかないですよ、ここ。
* * *
夕食は豪勢でした。。まぁ、クリスマスってのもあるんでしょうけど、
「沢山作ったのに殆ど無くなっちゃいましたね」
「まぁ、お、美味かったしいいじゃんかよ」
「恰好つけなくても大丈夫ですよ〜っと」
いやぁ、せんぱいの膝の上、気持ちいいですね。なんというか落ち着く?って言うんですかね、この状態は。
「重いから膝の上に乗らないでくれるかな?」
「嫌です。せんぱいさっきも言いましたけど、女の子に重いは禁句です」
「はいはい。いろは以外には気を付けますね」
「まず私に気を付けて下さい」
はぁ、せんぱい大バカさん。さて、そろそろ明日の講義もあるんで帰らなきゃいけないんですよね。
「せんぱい、そろそろ明日の講義あるんで私、帰りますね」
「ん、分かった。駅まで送る」
「は〜い。準備すぐに終わらせますね〜」
せんぱいは立つと自分の部屋に向かいコートと財布だけを持って玄関前で待ってました。
「さて、準備OKなので、行きましょうか」
「はいよ、忘れ物とかするなよ」
「多分、大丈夫ですよ」
「多分かよ」
あっ…確か今日は12月25日ですよね?クリスマスプレゼント貰ってないな〜。もしかして、せんぱいこそ家にクリスマスプレゼントをあげるという事を忘れてませんかね?
「どうした?行くぞ」
「はい、今行きますよ」
2人で駅まで歩いて行きます。半年前まではこんな所を通る予定も無かったのに今はもう完全に覚えています。怖いですね、たった少しの時間一緒にいただけなのに、ずっと一緒に居たように思えるんですから。
「おい、いろは」
「はい?なんですか」
「……」
「せんぱい?」
あまり明るくなく、街灯が数本しか立っていない所にいるのですが…まさか!ここで私を襲うとかですか?どうやって防御しましょうか。まだ渡せませんよ、私の
「これは?」
「その…指輪付きのネックレスって言うのか?これ、その、クリスマスプレゼントだ」
「……」
「どうした、いろは?」
「いえ…ただ、ちょっと嬉しくて、涙が出ちゃい、ました」
私から出てくる涙は止まらず、地面に薄いスケートリンク作れちゃうぐらいの勢いで泣いていました。だって、だって、指輪ですよ?嬉しすぎて、涙くらい出ちゃいますよ。
「そっか、嬉しすぎて出た涙ならいい」
「はい。これ、付けてもらっていいですか?」
「なんだと…付けられるか?」
せんぱいは四苦八苦しながらもネックレスを手に取り、私の後ろに回り込んで付けてくれました。
「これ、大事にしますね」
「当たり前だ、って言いたいけど、そうしてやってくれ」
「せんぱい、珍しく男前ですね」
「ちょっと限界」
そう言うとせんぱいは「早く駅まで行くぞ、時間無いぞ」と言って1人で歩いていきました。はぁ、こういう所があるからせんぱいはせんぱいなんでしょうね。でもこのギャップにもしかしたら1%ぐらいキュンと来ちゃったのかもしれませんね。
さて、どうだったでしょうか。自分的には八幡を今すぐにでもパンチしちゃいたいですね。でも、今回で確信を得たものがあります。俺の八幡、八幡してねぇのな、うん。執筆力が足りないのもあるんでしょうが、何かな?原作を読んでから書いてるはずなんだが…まっ、いいや!気にしない事にします。
では元旦の0時ピッタリに元旦話を投稿予定なので、よろしくです!
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二年参り
「んふふ♪せ〜んぱい!」
「はーい、なんでしょうか」
「私はせんぱいと年越しがしたいです。せんぱいはどう思いますか?」
「まずは俺から降りてくれると助かる」
「嫌です♪」
私は見ての通り、絶賛せんぱいに馬乗り中です。なんでかって?年末にせんぱいのお家にお邪魔したら、ベッドの上でふて寝していたので乗らせていただいたのです!それにしても、せんぱい、なんで運動なんかしてないのにこんなに身体が引き締まってるんでしょうか…
「それでせんぱい、私と一緒に年越ししてくれません?」
「俺から降りてくれたら考えてやる」
「せんぱい、私達、あと何回このやり取りすればいいですかね?」
「今ので12回目だけど」
うへぇ、そんなにやってたんですか…それにしても、せんぱいは往生際が悪い!さっさと決めてくれればいいのに。えっ?私が降りればって?嫌ですよ、そんなの。だってせんぱいのお腹の上なんていうセレブリティーな所ですよ?こんな一人限定で代金は自分の人生をその人に預ける覚悟という所は降りたくありません。
「…分かったよ、俺の負けだ。し、仕方が無いから一緒にいてあげてもいいぞ」
「せんぱい…その変なツンデレのデレ、気持ち悪いです」
「ゴメンなさい」
「許しましょう。えっへん!」
* * *
「せんぱい、寒いです」
「出てくる前に寒いからちゃんと着ろって言っただろ」
「せんぱいの嘘つき」
「嘘、ついてませんよね」
さ、さ〜て、除夜の鐘を突きにでも行きますかね。あっ、せんぱい、ちょっと首根っこ引っ張らないで〜。
「ほら、寒いんだろ。俺のコート着とけ」
「えっ…さっき作った晩御飯に毒が入っちゃってたのかな?」
「俺の優しさだよ!」
「せんぱいの優しさ…私の愛の蜜を!」
「ねぇ、どうするの?どうするの?」
何にもしないですけどね!さて、せんぱいの優しさを羽織っていざ出発!
* * *
「3、2、1、あけましておめでとうございます!せんぱい」
「おめでとうございます」
「元気ないですね、せんぱい」
「眠いだけです、こうはいちゃん」
せんぱいはお子ちゃまですね、まだ0時ですよ?下手したら小学生でも起きてますよ?見た目は大人中身は子供、その名は比企谷八幡!って感じですよ。
「なんだよ、その俺を馬鹿にしてるような目は」
「そんなまさか!私がせんぱいを馬鹿にするなんて」
「ありえるよな?」
「えぇ、ありえます」
だってせんぱい時々天才なんだか馬鹿なんだか分からない事しますからね。特に私を生徒会長に立候補させる時とか。
「あ〜、俺は眠い」
「はい、それで?」
「寝ていい?」
「外でですか?死にたければ構いませんが」
「家でだよ、アホか。それで眠いんで、寝かせて下さい。その代わりに初詣に行くんで」
「それで許して貰えるとでも?」
「他に何を…」
「年始のバーゲンですよ、特に家電製品を買いたいですね」
うわぁ、面白いですね、せんぱい。あの死んだ目が生き生きと動いてますよ。
「俺にはそんな財力は…無いぞ」
「え〜じゃあどうします?」
「どうするの?」
凄いですね。まるで水の中のマグロみたいに目が動いてますよ。
「じゃあせんぱい、一緒に暮らします?」
「……はっ?」
「だ!か!ら!一緒に暮らしますかって聞いてるんです!」
「……はっ?」
「3度目は無いですよ」
「……はっ?」
「…せんぱい♪」
「はい、ごめんなさい。すいませんでした」
「よろしい。それで、どうします?一緒に暮らしちゃいます?」
せんぱいって目が死んでるのに喜怒哀楽が激しいですよ。今はちょうど驚きと喜びの間ぐらいですかね。えっ?驚きは無いって?そんなの気にしちゃいけませんよ。
「いや、そのお前の親御さんはどうなんだよ。急にそんな事したら怒られるだろ」
「お母さんはOKって言ってました。お父さんはお母さんが全力で説得するって言ってくれたので」
「まず、前提としてなんで同棲する話しを親にしてるの?俺、まだそんなの一言も発してないよね?」
「いずれの話しをしてたら、つい…てへ♪」
「てへ♪って…はぁ。俺の部屋はそんなに広く無いだろ?どうすんだよ」
「新しいの買いましょうか」
「そうだな、長い時間掛けて考えるよ。とりあえず今すぐはムリ」
「ぶぅ。でも考えてやるって事で仕方がないので寝ることを許可します」
「何様だよ。ったく、お前のお陰で眠気が消えたよ」
気のせいでしょうか。せんぱいがルンルンしてるような…気のせい、気のせい。なんかそうしないとダメな気がしてきました。
遅れてごめんなさいm(__)m色んな機器の調子が悪くて更新が遅れました。でも、まだ年始だからOKだよね?ね?
って事で次回は初詣のお話やります。同棲する話しはこれからの布石なんでちょくちょく出してきますよ。
では次回も読んで頂けると嬉しいです。
※次回の更新は13日の予定です。
評価、感想、お気に入り登録していただけると幸いです。
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初詣
「雪、ですね」
「ねぇ、俺、お家に帰っちゃだめ?」
新年早々雪など、運が無いな~。睡眠も数時間取り、いざ、初詣となったら雪が降り始めたのだ。今年も俺は不運な1年なのかな…
「ほ~ら、せんぱい。早く行かないと余計に混みますよ?」
「ん、悪い。今行く」
すれ違いざまにさり気なくいろはの手を引く。握った瞬間はビクッとなったが、その後はギュッと握りしめてきた。
神社に行くのだが、余り遠くは無い。最寄り駅から2つ程先にある。
「せんぱい、見事に大混雑ですけど、大丈夫ですか?」
「ほんとに大丈夫じゃない奴はそんな受け答え出来ねぇよ」
「大丈夫なんですね。もう、素直じゃないな~」
「お前に言われたらお終いだよ」
全く、いつに無くテンションが高い。理由は、あれだ。2年参りの時に同棲について考えてやると言ったからだ。そこからずっと顔がゆるんでいるのである。当の本人は気づいてないんだろうけどな。
「あ~せんぱいおみくじやりましょうよ、おみくじ!」
「えっ、嫌だよ。どうせ今年も凶だろうから」
「それは逆に凄くないですか?」
凄いも何もそれが俺の当たり前だしな。逆に大吉とか大凶とか出せる人の方が凄い気がする。大凶とかは当てられる気がしないでも無いが…
「あっ、私、大吉でした!」
「俺は……末吉か」
「凶からほんの少しだけレベルアップしましたね。これも私のお陰ですね!」
「はいはい、そうだな」
にしても、ここ数年の凶地獄から抜け出せたか。去年よりはほんの少しだけいい年って事が。そうすると、結構いい年じゃね?
「せんぱい、お守りですよ!」
「うん、そうだね。そんな目で見ても買わないよ?」
「せんぱいの、ケチ」
「節約家と言ってくれ」
全く、人をなんだと思ってるんだ。金づるとでも思ってるのか?えっ?人の事言えないだって?俺は俺。いろははいろはなんだよ。
「安産のお守りでも買っておこうかな」
「お前子供いるの?そういう行為したことないなに?」
「せんぱい、お腹の中にせんぱいの子がいるんですよ。私はまだ処女なのに!」
「はいはい、そうだね」
「…そんな目で見ないでください。孕んじゃいますよ?」
「何を言ってるんだか。ほら、お参りに行くぞ」
2人で並んで鐘の元に行って鳴らす。何を願うか。それは、必然的に決まっていた。俺が楽をして生きていけるようにってのと、いろはが幸せでいられますようにだ。
去年は一切そんな事は考えなかったんだけどな~。人はほんの数ヶ月で成長するんですね。成長期って凄い!
「せんぱ~い。寝てから反応が薄いですよ?何かエッチな夢でも見て目が合わせられないとかですか?」
「お前なぁ…」
眠気が俺を苛立たせたのか、壁と俺でいろはを挟んだ状態になっていまた。いわゆる壁ドンだ。それに対していろはは─
「せんぱい、人前で処女を奪うんですか?酷い事するんですか?エロ同人みたいに。エロ同人みたいに!」
「変な事を言うな。帰りになんか買ってやるから」
「…仕方ありませんね」
間はなんだ。怖いな。自分で言ったけど怖いな。本当に顔が青ざめそうだよ。目も腐っちゃいそう。元々腐ってるとかは言わないで。八幡の精神に"いてつくはどう"が来そうだから。
「今年も頑張りますか!」
「せんぱいにしてはいい事を言いますね!」
「色々余計だ」
今年はどうなるんだかな。俺には分かんないよ。
更新が2週間ほど遅れました。ごめんなさい。ただ、書く気力が出なかったのと、初詣のアイデアが浮かばなかったのです。
一応予定としてあと3話でこのSS終了の予定です。その事などについて活動報告に載せておきたいと思うので読んで貰えると嬉しいです。
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2/14 お菓子業界の策略
バレンタイン、それは女の子にとって想いを伝える日です。最近では男の子から男の子への感謝の気持ちを伝えるものだったり、女の子同士で渡す友チョコなんて物がありますね。私、一色いろは、いえ、比企谷いろは(仮)は1番最初の想いを伝えるチョコを絶賛生成中です。
「いや~高校の時も作ったけどあれ以来かな、作るの。せんぱい喜んでくれるかな?」
せんぱいはあの時も普通に食べてくれたので心配はしてません。それに今はあの時と違って"恋人"です。そう、ここが重要。恋人であるかないかによってチョコの意味がだいぶ変わります。どれくらい変わるかというとストレートの紅茶かミルクティーかぐらいです。同じ道で結果が違ってくるんですよ。
「後は型に流し込んで、冷やすだけっと」
さて、準備は整いました!明日はせんぱいの家に突撃です!
* * *
どうも、比企谷八幡でございます。さぁ、みなさん、今日は
バレンタインはまぁある意味では素晴らしい日だな。なにせお菓子業界の策略によりチョコを渡すという謎の習慣が出来てからは2月14日はチョコが安くなるんですからね。なんと経済に優しい。今年はバレンタインのチョコは1個が最大だろう。いろはからの分だけ。いいんだよ、別に!高2の最大数が人生の中で最高だって分かってるからいいんだよ!
「あ~早く来てくれないかな。無性にチョコが食べたい」
─ガチャ
素晴らしいね、噂をすればなんとやら。ほんとに来たよ。まぁ、これでチョコ持っなかったら泣くけどね。うん、わりと本気で。
「せんぱ~い、もうかれこれ一週間ぶりですね!せんぱいは寂しがってるだろうなと思ってチョコ作ってきました!どうです?食べたいですか?」
「あぁ、食べたい。早く食べたいからくれ。めちゃくちゃ食べたい」
「…せんぱい、何かキメちゃいました?ダメですよ、いくら目と心が腐ってるとはいえ、脳まで腐らせちゃ」
「バカにしてんだろ。俺は今、無性にチョコが食べたいの。だから早く、頼む」
まぁ、でも分かってるよ。こういう時、コイツは確実に焦らしてくるって。
「えぇ~そんなに楽しみにしてもらえたなら、特別に私が食べさせてあげましょうか?」
「えっ、いいや。うん、普通にちょうだい。食べれればオールOKだから」
「そんな事言うとせんぱいの分無しにしますよ?」
「…ごめんなさい。この私めが悪ぅございました。どうかこの比企谷八幡にお許しを。そして早くチョコを」
いろははごそごそと手持ちのカバンから箱を取り出してチョコをつまみ出す。
「はい、あ~ん」
「…あ、あ、あ、あ~ん」
「どうですか?美味しいですか?」
「…ん、文句ナシだ。美味いよ」
ヤバイ、これは凄いぞ。外は蕩けるように甘く、中はほろ苦い。これが絶妙にマッチしてて美味しい。
「そうですか!やはり私は天才ですね」
「はいはい、そうですね」
「そんな私のチョコレートを食べれたせんぱいは幸せ者ですね」
「あぁ、俺は幸せ者だな」
初めて、リア充爆発しろと思わないバレンタインだったな。なんでかって?テレビはつけず、外に出ず、家でゴロゴロ。外の情報をカットしてたためだ。まぁ、これから毎年バレンタインあっても問題ないかななんて思ったりしてたのは秘密だ。
バレンタイン過ぎちゃったよ!
はてさてバレンタインですね。みなさんは何個貰えましたか?ちなみに私は義理チョコ2つでした。八幡より多いから俺は勝ち組。
そんなこんなで今回はバレンタイン回です。いや~月日が流れるのが早いですね。新年からあっという間にバレンタインですよ。早い早い。
ここで朗報です。afterstory的なのをやって欲しいと要望がありましたので、まぁ、4月頃から始めようかと。3月いっぱいで本編を終わらせ、afterstoryでは彼らの結婚後を描こうかと。なのでオリキャラとして子供だす予定です。
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桜並木での最終回
春、別れと出会いの季節。なんてのが定番な始まりだろう。実際は別れってのはすぐ忘れてしますものだ。思い出として残るのは出会い。それの上書きが青春ってやつだ。
「で、だよ。いろはさん、あなた今何杯目?」
「いち、に、さん…5杯目?」
「7杯目な。飲みすぎるとまた吐くぞ」
そんな季節に、新歓コンパなどには参加せず2人だけで飲んでる俺達なのだ。ちなみに場所は"あの"居酒屋だ。そう、俺といろはが再会した酒場だ。
「ペース早すぎだ。後は水でも飲んどけ」
「え~嫌ですよ~。すいませ~ん、生1つ」
「は~い、生1つですね。生1つ入りました~!」
俺は元々酒に強くはないため飲まない。3杯弱がいつもの感じだ。お付き合いで飲めるくらいあれば大丈夫だとどこかで教えられたから、それだけは必要だ。
「お待ちどうさまです!」
「いろは、それ最後な」
「ちぇ~仕方ないですね」
唇を尖らせてるのに少しドキッとしたのは内緒だ。
それにしても懐かしいな。もう1年も前に来たのか。あれから1度も来てないんだよな。
「はぁ、また吐くのは勘弁だ」
「吐きませんよ~そ・れ・と・も・せんぱいが介抱してくれます?」
「嫌だよめんどくさい…なんて言えないんだろ」
「あはは~よく分かってるじゃないですかせんぱい」
「というかいい加減せんぱいっての直せよ」
お互いに名前で呼ぶって言ったはずなのだが、人前ではするくせに2人きりだとせんぱいだ。わざとやってると分かってるんだが、あれはズルイな。しっくりとし過ぎるしな、せんぱいっての。
「よ~し飲み終わったな。勘定済ませて行くぞ」
「えぇ~早いですよ」
「店で吐かれるのは嫌なんだよ」
そう言うと渋々と立ち上がり着いてきた。こうして見てるとドラクエの勇者気分だな。見た目は別として気分だけ。
***
「ほら、吐きませんでしたよ!」
「あ~はいはい偉いでちゅね~」
「後でアイス奢って下さいね」
「ひでぇな」
今、俺達は公園に来ている。"あの"公園だ。吐きかけのいろはを連れ込んだ救世主の公園だ。
「にしても懐かしいですねぇ~」
「そうだな。この公園も1年ぶりか」
「出会いの場所ですね」
「再会な。それなら居酒屋だろ」
不意にいろはが止まり、袖を引っ張ってくる。後ろを向くとそこには満開の夜桜があった。今年は季節通りに咲いたのか地面も花びらの絨毯状態だった。
「ちょうどこの場所ですね。せんぱいが私の胸を揉んだの」
「そこ?そこなのかよ。いや、その節は悪かったと思ってるよ」
悪かったとは思ってるさ。ただ悪かったって思いよりふにふにしたのはすごく気持ち良かったなと。その思いの方が強かったのだ。許して下さい。
「せんぱい、手」
「手がなんだよ」
「手を繋いで下さい!」
分かりにくいな。手だけで伝わるか?彼女いない歴=年齢だった俺には分かんないに決まってるだろ。そんな事あったら
「せんぱい、ここ来年も来ましょうね。再来年も、その後も」
「そんなに気に入ったか?確かに桜は綺麗だけど」
「だってここですよ?私達が始まったの」
始まったか…確かに俺は本物から逃げていたから時が止まったままだったし止めておくつもりだった。でも、ここから再び動き始めた、いや、ちゃんと動き始めたのは確かだ。
「そうだな。来れるなら来てもいいのかもな」
「せんぱい…せんぱいしてないですけどいいんですか?」
「バカにしてる?バカにしてるよな」
「だってせんぱいからそこを引いたら何も…」
「残るし!残るって信じてるし!」
公園をぐるっと1周した俺達は駅へと向かって歩き始める。明日から大事な用事があるのだ。早急にかつ静かに進めなきゃならない用件。それは、とある提案から始まったことだ。
「いい所あるかな~」
「何がですか?」
「なんでもない」
そう、1度は断った提案。それは同棲だ。そのための家を探さないといけない。2人とも住んでる部屋はあまり大きくは無い。それに一緒に暮らすなら少し大きめの方が良いだろ。って事だから不動産屋に朝から行かなきゃならんのだ。ちゃんと喋れるか不安だけどね。
どうも。このお話はですね、元々春に出す為にタイミングを調整してたりしたので遅れました。本当にすいませんでした。
桜並木、隅田川のやつが綺麗でここがいいなって安易な考えと、俺ガイルの八色書きたいという私欲で書き始めたこの小説も一旦は最終回です。日間ランキング17位になった時は1人ではしゃいだりしてました。
ですが、活動報告で聞いてみたところ少しですが続きが読みたいという方がおられたので書いてみようかと。時系列的にはここから5年ほど先だと思ってください。
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