ハイスクールD×G 【GHOST】 (レティス)
しおりを挟む

act0 ~Human from ghost~
突然の死、転生の時


どーも、レティスです。今回はハイスクールD×Dと仮面ライダーゴーストをクロスさせた小説を書いてみました。
では、どうぞ!


幽一side

 

 

 

 

 

 

 

「お、これはいい都市伝説だな。」

 

俺は学校の帰り道、スマホでオカルトな記事を見ながら歩いていた。そう、俺はオカルトマニアだ。オカルトにも様々な分野があるが、その中でも俺が一番興味があるのは…“幽霊”だ。

俺が見たオカルトの記事には、幽霊に関する記事が書かれていた。やっぱり日本のオカルトと言ったら妖怪よりも幽霊だな。

記事を見て歩いているうちに俺は交差点前のところまでやって来た。このスクランブル交差点は大勢の人が横断するが、そんな光景は通勤・通学する人ならほぼ毎日見るだろう。俺はふと横を見ると、向こうの人物に向けて手を振っている女子中学生がいた。俺は向こう側にいる人物の方を向いた。

えーと…確かあいつの名前は【炎斗群進也】だっけな。某レースチームのエースで、数々の大会で優勝しているやつだったな。数ヵ月前に何らかのトラブルがあって姿を消してたそうだけど、復帰したようだな。

 

 

 

ブオオオオオオオオオオオン!!!

 

 

「何だ……!?」

 

その時、突然左側の道路の方から一台の暴走車が迫ってきた。その矛先は、俺たちの方だ。

俺はもちろん、群衆は一斉に逃げ始める。向こうの側の群衆も安全のためにその場から逃げる中、進也は俺たちに避難しろと伝えようとした。しかし……

 

 

 

何だ?…さっきの赤いオーラ…!?か、体が動かない!?

俺は逃げようとした時、赤いオーラと共に身体が思うよう動かなくなった。その影響は俺だけでなく、他の人達もその影響を受けていた。それはまるで、世界が凍り付いたかのような感覚だ。逃げなきゃ轢かれると心で思っていても、身体は言うことを聞いてくれない。

で、でも大丈夫だ…俺たちがこんな状態なら、あの暴走車もきっと影響を受けているはずだ…。

俺はこの絶望的な状況の中、そういう考えを思い付く。赤いオーラで普通の車もゆっくりとしか動けていない。それならただ時間の流れが鈍くなっただけだ。俺は最後の望みを賭けて、迫ってくる暴走車の方を見る。暴走車は…

 

 

 

影響を受けていなかった。

最悪な状況に追い打ちがかかった。まるで神様が俺達を見捨てたように……そして

 

 

 

グシャ!

 

 

暴走車は猛スピードで迫り、俺の身体を弾き飛ばした。大砲の弾が直撃したかような衝撃が身体全体に走り、血が噴き出し、骨が砕ける。弾かれた身体が宙を舞う。もちろん飛んでいるのではない、吹き飛ばされているのだ。

そして身体がコンクリート製の硬いアスファルトに叩きつけられた。

 

 

 

 

 

「………あ…。」

 

俺は少し経ってから再び目を覚ますが、頭から強打したためか、意識が途切れかかっている。分かることはただ一つ…もうすぐ死ぬことだ。

俺は意識が朦朧とする中、その後の光景を見た。

そこには大量の死体が転がっていた。普通の交通事故では考えられないだろう。これは確実にテロ…いや、もはやテロどころでは済まない惨劇だ。

 

ああ………まだやりたいことが沢山あったのにな………

 

そして俺の視界はそのまま真っ赤に染まった。

 

 

 

 

五十嵐 幽一 死亡

享年、14歳

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

神様side

 

 

 

 

私は次なる転生の準備を行っている。転生とは、死者を別の世界に送って新たな人生を与えることです。

「今回の転生者は………この人ね。」

 

私は転生させる人を選ぶと、彼の以前の肉体から霊力を引き出すと、それを集めて目玉状に結晶化させた。そして一瞬光ると同時に、それは黒い目玉へと変化した。それはすなわち、英雄の眼魂【ゴーストアイコン】へと変化した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

幽一side ~2年後~

 

 

 

 

「ん?」

 

俺が再び目を覚ますと、そこは何もない真っ白な空間だった。俺……一体どうなったんだ?確かあの夜、車が猛スピードで迫ってきて……体が動かなくなって……。

 

「目が覚めたのですね、五十嵐幽一。」

 

俺が声が聞こえた方向へ振り向くと、そこには白い衣装を纏った少女がいた。

 

「あの…誰ですか?」

「私は神様です。」

 

え?……何で神様がこんなところにいるの?

 

「突然ですが、貴方はあの夜

 

 

 

死んだのです。」

 

………やっぱりか。あの事件は夢じゃなくて現実だったのか。

 

「それもただの事故ではありません。別次元から用いられた超常現象を利用したテロによって死亡したのです。」

 

どうやら体が動かなくなる現象も現実だったようだ。通りで逃げられなかった訳だ。

 

「そうですか…。ちなみに、俺が死んでからどのぐらい経っているんですか?」

「約二年ほど経っています。」

「それで、俺はどうなるんですか?」

「今から貴方を別世界に転生させます。」

 

転生だって!?そんなことができるのかよ…。すると神様は、5枚のカードを出現させると、シャッフルしてから空中に浮遊させる。

 

「では、この5枚のカードの内、どれか一枚を選んでください。」

「あ、はい…。」

 

俺は神様に言われ、とりあえず左から2つ目のカードを選んだ。

 

「これで。」

「………ふむふむ、分かりました。貴方の転生先は、【ハイスクールD×D】の世界になりました。」

 

どうやら、俺の行き先は【ハイスクールD×D】の世界になったらしい。けど、俺自身はあの作品を全く知らない。

 

「あの世界について説明しておきます。D×Dの世界は、一見普通の現代に見えますが、この世界には天使、悪魔、堕天使などの種族が人間に擬態して住んでいます。ですから、戦わなければならない可能性があります。」

 

そうなのか……でもどうやって戦えばいいんだろう。

 

「そのために、貴方にこれを渡します。」

 

神様はそう言うと、一つの光を俺の腰に向けて放ってきた。その光は俺の腰に当たると、ベルトとなって俺の腰に装着された。オレンジ色のベルトに一つ目のお化けを模した色のバックル、そしてその右側にはオレンジ色のハンドルという変わったデザインをしたベルトだった。

 

「それは幽霊の神帯【ゴーストドライバー】という、あちらの世界では神器【セイクリッド・ギア】と呼ばれるアイテムです。」

 

神器か…。にしても、このベルトはどう見ても仮面ライダーの変身ベルトみたいなやつだな。ハイスクールD×Dは知らないとはいえ、仮面ライダーは知ってるんだよな…まぁオカルトマニアの俺にとって、お化けモチーフはちょっと有難いな。

 

「それから、これも。」

 

すると神様はもう一つ、俺にあるものを渡してきた…………これって、目玉?

 

「それは英雄の眼魂【ゴーストアイコン】と呼ばれるものです。そのアイコンは貴方の以前の肉体から生み出されたものです。」

俺の肉体から…?アイコンってものは疑問が多いな…。

 

「さて、これから転生を始めます。それから、貴方に伝えておきます。英雄の眼魂【ゴーストアイコン】は一つだけじゃありません。」

「え?…それってどういう……。」

 

俺は神様が言った言葉に対して質問しようとする前に、視界がブラックアウトした。

俺は…あの世界でやっていけるのだろうか……?

 




携帯版で予約投稿できないのが辛い。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

act1 ~Old school building of diabolus~
駒王学園


ゴーストはかっこいいですよね。


 

 

 

「…………ん?」

 

 

俺が目を覚ますと、そこはアパートの一室だった。つまりこれから俺の自宅となる場所だった…にしても、部屋の家具とかがしっかりとしてるな。テレビや冷蔵庫などは最新型のものだ。

俺がベッドから起き上がったその時、布団から何かが落ちた。俺はすぐに落ちたものを拾う。

 

「これは確か、英雄の眼魂【ゴーストアイコン】って名称だったな。」

 

それは、転生前に神様からもらった目玉状のアイテム・ゴーストアイコンの一つ、俺の以前の肉体でつくられたオレゴーストアイコンだった。これがこの世界に転生した際の特典だな。大切に扱わないとな…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「英雄の眼魂【ゴーストアイコン】は一つだけじゃありません。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はっ、まさか…!」

 

俺は神様から言われた言葉を思い出し、すぐに布団をどかした。もしかして、これ以外にも数個用意されてるんじゃないのか?俺はそんな考えでベッドの上を確認した。

 

 

 

 

 

 

「やっぱりな…。」

 

俺の予想通りだ。そこには3つのアイコンが置いてあり、それぞれ色は赤、黄、青のアイコンだった……あれ?そういえば、転生する際に装着されたベルトはどうしたんだろう?腰を見ても無いし………まぁいっか。

俺はとりあえずテーブルに置いてある時計を見て、時間を確認する。

 

「6時20分か。さて、準備するか。」

 

俺はとりあえず学校へ行くために支度をする。ちなみにテーブルに置いてある手紙には、学園の転入手続きはもう済ませてあるということが書かれていた。恐らく神様がやってくれたんだろう。更に手紙の横にはとんでもない金額が書かれた通帳も置いてあった。これも神様だろうが、俺が最初に見た時は思わず目が飛び出しそうになった。

俺は学園の制服を着ると、鞄の中に教科書類、筆記用具、スマホ、財布、そしてゴーストアイコン4つを入れる。これで出発の準備は整った。

 

「さて、行くか。」

俺は自宅の外へ出ると、玄関に鍵をかけてから学園に向けて出発した。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ここか。」

 

俺は転入する学園である[私立駒王学園]に到着した。見た感じかなりでかい学校だな。

俺は校門を潜り、校舎までの道を歩く。周りを見てみると、女子たちがガールズトークしていた。どうやらこの学校は比較的女子生徒の方が多めらしい。女子達が俺の方を見て何か会話している中、俺はグラウンドの方に視線を向ける。そこには部活している男子達がいた。野球部の他にサッカー部もあるようだ。俺は少しだけ部活の風景を見た後、校舎の中に入った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は校舎に入った後、職員室に行って自分の担任となる先生のところまで行って確認をした後、俺は担任についていき、自分のクラスの前までやってきた。ここで俺は呼ばれるまで待機しててくれと先生に言われた。俺はその時を待つ間、鞄から赤いゴーストアイコンを取りだし、ボタンを押してみた。このアイコンのナンバリングは[01]のようだ。俺はもう一回ボタンを押すと、今度は二本の刀がクロスした絵が描かれた表示に切り替わった。オレゴーストと違い、これは特殊なアイコンのようだ。じゃあ黄と青のアイコンもそうなのかな?

 

「皆、今日は転校生が来ている!」

「先生、女ですか!?」

「美人ですか!?」

「男子生徒だ。」

「「「「「「「「「チッ」」」」」」」」

 

……今、男子達の怨念と怒りのこもった舌打ちが聴こえたような…。冗談抜きで入りにくい…。

 

「五十嵐、入ってこい。」

 

あ、呼ばれたな……仕方ない、黄と青のアイコンは放課後に確認してみるか。

俺はゴーストアイコンを鞄の中にしまうと、扉を開けて教室の中に入り、皆の前に立つ。

 

「皆さん初めまして。五十嵐幽一です。一年間よろしく。」

 

俺はとりあえず簡素な挨拶を言った。まあ、これはこれで特に問題はないだろう…と思った次の瞬間

 

 

「「「「「「「キャアアアア!!!」」」」」」」

「うおっ!?」

 

突然、俺の容姿を見て女子達が一斉に大興奮。俺は突然の大声に圧倒されて思わず耳を塞ぐ。こんな大音声をまともに聴いたら耳鼻科行く羽目になってしまいそうだ。

 

「和風系のイケメンよ!」

「ピュアな顔つきかっこいい!」

「木場キュン×五十嵐キュンよ!」

 

いやいやいやいや、いくら何でもはしゃぎ過ぎじゃないの!?確かに俺はどちらかというと和風好みだよ?けどそんなピュアじゃないからな!?あと変なカップリングをつくらないでくれないか!?

 

「それじゃあ五十嵐の席は、兵藤の隣だ。」

「あ、はい。」

 

俺の席は兵藤というやつの隣らしい。男子達が俺に向かって怨念のこもった視線を向けているが、こいつが一番怨念を放っていた。

俺はとりあえず席につく。

 

「おい転校生…。」

「な、何だよ?」

 

 

 

「なんでお前はそんなにモテるんだよ?」

 

いや、知らないって!そんなもん無意識にとしか言い様がないだろ!?そういえば兵藤の声、どことなく何かを駆逐する男子の声に似てたな。

ちなみに一限目は俺への質問タイムとなり、その後は普通の授業となった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はぁ~~、疲れた…。」

 

俺は休み時間に屋上で寝そべり、購買で買ったカレーパンを食べながらそう呟く。本当に疲れたな…何せ女子達からは質問の嵐、男子達からは怨念の嵐のダブルパンチだしな…。 この世界で第二の生涯を生き抜けるかどうか不安になってきたよ…。そういえば兵藤、フルネームで兵藤一誠って奴は学園で“変態三人組”の一人にして筆頭らしく、同じくそのメンバーである元浜と松田と共に、女子の更衣を覗くなどの変態行為を繰り返しているらしく、大半の女子から嫌われているとのことだ。まぁ、そんなこと繰り返してたらそりゃ嫌われるに決まってる。女子達によると、兵藤は大のおっぱいフェチらしい。あいつ完全に“おっぱいを駆逐するイェーガー”じゃないか…。けど俺としてはあいつの顔つきはかなりイケメンな方だとは思ってる。多分、あのエロ思考をどうにかすればある程度モテるんじゃないかとは思うけどな……まぁ、無理だな。

「…あ、そうだ。」

 

俺はある事を思い出すと、鞄からこっこりポケットに移していた黄と青のアイコンを取り出す。これも特殊なアイコンかどうなのかを調べないとな。まず始めに黄のアイコンのボタンを押した。ナンバーは[02]だ。そしてもう一回ボタンを押すと、点灯した電球の絵が描かれた表示に切り替わった。続いて青のアイコンのボタンを押した。ナンバーは[04]らしい。あれ?これが[03]じゃないのか?

それはさておき、もう一回ボタンを押すと、今度は重力に沿って落下するリンゴの絵が描かれた表示に切り替わった。

 

「この絵…何かを示してるのか?」

 

俺はアイコンを見て呟く。とりあえず、日常だとあんまり使い道は必要ないかな。俺はそう思うと、アイコンをポケットに入れた。そろそろ五限目の授業が始まる頃だし、教室に戻るか。俺は屋上から教室に移動した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

俺は授業を一通り終えた後、すぐに下校して自宅の前まで着いた。ちなみに校門のところであのハゲ(松田)とメガネ(元浜)とイェーガー(兵藤)に襲われたが、すぐに撃退した。え?どんな方法で迎撃したかって?決まってるじゃないか、“カラテ”だよ。

 

「そういえば、冷蔵庫の中に何か入ってたっけ?」

 

俺はまた思い出すとそう呟いた。まぁいいや、着替えたらスーパー行けばいいか。俺はそう思いながら玄関のドアを開けようとした。あ、そういや鍵かけてt………

 

 

 

 

ガチャ!

 

 

 

 

 

「え?」

 

すると、何故かドアが開いた。学園行く際に鍵をかけたにも関わらず…。そして奥から何やらいい匂いがしてきた。誰か調理してるのか?俺は恐る恐るリビングに入ると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、帰ってきたか。」

 

そこには、何故か料理をしていた一人のお坊さんらしき男性がいた。あれ?どうやって鍵開けたんだ!?

 

「あ、あんた誰だ…?」

「ふむ、私の名は御成。見ての通り僧だ。」

 

お坊さんの名前は御成と言うらしい。どうやら和食を作っていたようだ。

 

「どうして俺の自宅に?」

「神から頼まれたのだ。君を見守るように。」

 

そうだったんだ。つまりこの人は神から命令されて俺の自宅にやってきたって訳か……あれ、そういえばこの人どうやって鍵を開けたんだ?

 

「それにしても、どうやってここに入ったんですか?」

「ああ、それは私が合鍵を所持しているからだよ。」

 

ああ、合鍵か。窓割って侵入したら即通報してたけど、合鍵あるなら合法だ…………って、そんな訳あるかぁあああああ!!

俺は心の中で御成さんに突っ込んだ。

 

『あ、こいつが転生者なのか。』

「うおっ、何だ!?」

 

すると、俺のもとにてるてる坊主のような一つ眼のお化けがやってきた。この声…どこぞの魔法少女に似てるな。

 

『にしても、ずいぶん間抜けだな。』

「な、何だよいきなり…!?」

 

そのお化けはかなりの毒舌だ…間抜けとか、あいつはかなりひねくれてるな…。

 

「彼はひねくれた性格だが、あれでも仙人だ。」

 

えええええええええ!?あのてるてる坊主みたいなのが“仙人”なの!?

 

「さて、話をしたいことはまだまだあるけど、その前に食事としようか。」

「はい…。」

 

気になることは山ほどあるが、とりあえず御成さんが作ってくれた夕食を食べることにした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

夕食を食べ終えた俺は、テーブルで御成さんと向き合っていた。話をするためだ。ちなみに俺の隣にあのお化けが浮遊していた。

 

「さて、本題に入るとしようか。」

 

ここでようやく話が始まるようだ。

 

「君の持つ英雄の眼魂【ゴーストアイコン】についてだ。」

「これですか?」

 

俺はそういうと、テーブルの上に4つのアイコンを置いた。

 

「君の所持しているオレゴーストアイコン以外のアイコンには、英雄や偉人の魂が宿っているのだ。」

 

英雄や偉人…?じゃあ、この三色のアイコンには英雄や偉人の魂が宿っているのか?…ということは、アイコンに描かれた絵はその英雄や偉人が成し遂げた功績を意味してるのか。赤いアイコンには二本の刀…二天一流の宮本武蔵、黄色いアイコンには電球…発明王のトーマス・エジソン、青いアイコンには落下するリンゴ…万有引力のアイザック・ニュートン……そういうことか。

「なあ、神様は“アイコンは一つだけじゃない”と言ってた。この世界に散らばってるのか?」

『そんなもん当たり前じゃないか!アイコンというのは、英雄や偉人の想いが結晶化したようなものなんだから!』

 

そんなに言わなくてもいいじゃないか…。想いが結晶化…?じゃあこのアイコンも英雄や偉人の“想い”が原料ってことなのか。

 

「ちなみに、アイコンの収集方法ってあるんですか?」

「君は、父から教わった言葉を覚えているか?」

「父さん…から?」

 

突然、御成さんは話題を父から教わった言葉に移した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いいか幽一。“英雄の心を学び、心の目の開け”。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「“英雄の心を学び、心の目を開け”って。」

「そう、アイコンは君の腰に装着されているベルト・幽霊の神帯【ゴーストドライバー】にセットすることによって発揮される。だがそのためには英雄や偉人の心とシンクロしなければならない。そして英雄たちが“残したもの”と“強い想い”から生み出されるのが、英雄の眼魂【ゴーストアイコン】なのだ。君ならば、英雄や偉人と心をシンクロできるかもしれない。」

「何故俺なんですか?」

「君は霊能者の一族である五十嵐家の一人だからだ。その身に霊力を宿す君なら、できるさ。」

 

御成さんは、俺の家系が霊能者の一族であることを見抜いていた。五十嵐家と言うのは代々から霊術を操る霊能者の一族であり、その霊力の高さから霊能者一族の中でも頂点に立つ家系だった。

 

「君は五十嵐家の中でも一番特別な素質を持っている。だから己を信じるのだ。父もそう望んだはずだ。」

「御成さん…。」

 

俺は御成に激励の言葉を受けた。

 

「分かりました。」

「うむ、その心構えはとても大事だ。」

『まあ、こいつがどこまで保つかだけどね。』

「そんな言い方無いだろ!?」

 

このお化けは相変わらず毒舌だな…。

 

「そういえば御成さん、このお化けの名前って何でしたか?」

「え?うーむ……実は特にないんだ。」

『ちょっ…そんなことないでしょ!?』

 

けど名前がないとな……じゃあ、俺が適当に付けとくか。

 

「じゃあお前の名前は“ユルセン”な。」

『えええええ!?なんでそんな名前なの!?もっといい名前なかったの!?』

 

毒舌を言い続けるのならせめて変なあだ名をつけてやる。

 

「そうだ、君にこれを渡しておこう。」

 

御成さんはそういうと、ある古本を渡してきた………!?これって…。

 

「これ…もしかしてうちの秘伝書!?なんでこれを?」

「神に復元してもらったのだ。その秘伝書を利用して、霊術を身に付けるのだ。では、私はひとまず帰るとする。また会おう。そしてユルセン、幽一を頼むぞ。」

『結局その名前で呼ばれるのかよ…。』

 

御成さんはそう言うと、俺の自宅から去っていった。ユルセンが愚痴を呟く中、俺はタンスの上にいつの間にか置かれていた写真に目を向ける。それは、俺が10歳の頃に撮った家族写真だ。写真には10歳の頃の俺、父、母、祖父、祖母、それからそこに住む弟子達が写っていた。ちなみに俺の家族は

 

 

 

 

 

俺が転生する数年前に死んじゃったけどな…。

 

「父さん。母さん。じいちゃん。ばあちゃん。皆。俺、がんばるからな。」

 

俺は写真を見て、決意を固めた。

 




テスト勉強はやってられないと思う。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開眼、俺!

ムサシ魂はカッコイイ


幽一side

 

 

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。俺は今日もごく普通に学園へ登校している。ちなみにユルセンはドライバーの中に宿っている。幽霊なんだから別に出てきてもいいじゃないかと俺は思ったけど、ユルセンは「普通に周りの人達から目視されるから。」と言ったらしい。まぁ、それなら仕方ないけどな。俺は御成さんから渡された秘伝書を読みながら校舎に向かっている。

まったく霊術を学ばなかったからな、これで覚えないといけないけど…なんか不安だな。

 

『出たよ、いつもの弱音。』

『うっせぇ。』

 

ユルセンは相変わらずの毒舌である。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ふぃ~、やっぱり屋上は落ち着く。」

 

俺は昼休み、また屋上で昼寝をしていた。やっぱり空を見ると、何となく落ち着くんだよな。

 

「幽一!」

「ん?ああ、イッセーか…。」

 

すると、俺のもとに例のおっぱいイェーガー・イッセーがやってきた。今日は何かとハイテンションだな。俺は起き上がって後ろに振り返る………………え?

 

 

 

 

「…イッセー、その子は誰?」

 

俺が振り返ると、そこにはイッセーがいた……が、その隣には黒髪の少女がいた。え?マジで誰?

 

「初めまして、天野夕麻と申します。」

 

夕麻と名乗った少女は、礼儀正しく挨拶した。かなりの美人だな…けどなんか制服が違うな。他校なのに昼にこんなところ来ていいのか?

 

「俺の彼女なんだぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なん…だと…?あの変態中の変態と言われているイッセーに彼女だと…?夕麻ちゃん、よくこんな変態のことを好きになったな。

 

「あ、ああ…俺は五十嵐幽一。昨日この学園に引っ越してきたばかりだけど、よろしく。」

 

とりあえず俺も夕麻ちゃんに挨拶した。

 

「ところでイッセー、あの二人(松田と元浜)はどうした?」

「ああ、夕麻ちゃんのことを紹介したら、すごく凹んだぜ。」

 

そりゃそうだな、あいつらも同じく変態だからイッセーに彼女ができたことを聞いたら凹むわな。

 

「俺たちは教室に戻るけど、幽一はどうする?」

「まだ五限目まで時間あるし、俺はもう少ししたら教室に戻る。」

「おう、分かった。」

 

俺がそう言うと、イッセーは夕麻ちゃんと一緒に屋上から下へ降りていった。

にしても、あいつに彼女か………なんか羨ましいな…。

 

『おい幽一!』

『なんだよユルセン…。』

『あの夕麻というやつの魂、何か変な反応だったぞ。』

『魂の反応?気のせいじゃないの?』

『それはお前がまだ霊術を使えない状態だからだよ!オイラには見えたんだよ、魂の反応が。』

魂の反応…?そういえば、秘伝書にもそんな霊術が書かれていたな。けど、そんなに変な気はないと思うけどな…。

とりあえず俺は教室に戻ることにした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『うーむ、どっちかというと微妙だな。』

「失礼だなオイ。」

 

夜、俺たちは夕食を済ませたが、ユルセンは俺の作った料理に厳しい判定をした。本当にイライラが溜まりそうだ…。

 

『とりあえず、明日は霊術の修行をするからな。』

「へいへーい。」

 

ユルセンはそう言った。まぁ、俺も早く霊術の基本を身に付けないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日

 

 

 

 

『喝!』

「イデッ!?」

 

俺は自宅で座禅をさせられ、ユルセンから警策で肩を叩かれている。あの警策どこから持ってきたのだろうか…。

 

「ユルセン…ちょっと叩く力強すぎない?」

『これぐらい普通だ!…ったく、さっさと座禅しろってんだ。』

 

ユルセンは愚痴を言いながらもう一度座禅しろと言った。こいつ………いつかシバく…!

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『はぁ……お前のせいで肩砕けるかと思ったよ。』

『幽一が集中しないからだろう。』

 

夜、俺はユルセンと会話しながらコンビニに向かってる。あの鬼修行からか、肩が崩壊寸前だ。けど、そのおかげで霊力が増したような気がした。

 

 

「ん?…あれって…。」

 

俺は左の方を振り向くと、その先にある公園にイッセーと夕麻ちゃんがいた。デート終わりだから、もしかして例のアレをするのか………………!?

 

『なあ、ユルセン。夕麻ちゃんの魂…何か妙だったような…。』

『ようやくお前も霊術の基本を心得たか。霊術には、魂の識別ができる技があるんだ。』

 

そうだったのか……やっぱり俺には特別な素質があったという訳なのか。けど…そんなはずは、まさかそんなはずは…………何だろう…ものすごい嫌な予感が

 

 

 

 

 

 

グサッ!

 

 

 

 

「!」

 

その嫌な予感は当たってしまった。夕麻ちゃんが光の槍を形成してイッセーの体を貫いたのだ。

 

「くっ………!」

『お、おい幽一!?』

 

俺はその一部始終を見ると、ユルセンを置いてそのまま公園まで走り出す。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

レイナーレside

 

 

 

 

「少しは楽しめたわよ。ちょっとしたおままごとみたで、うふふ…しかし災難だったわね~。まあ、ここまでのは私、堕天使レイナーレの悪いとでも思ってくれていいわ。でも遊びは終わり、だって今から貴方はここで死ぬんだもの。」

 

私は重傷のイッセーに本来の名を明かすと、黒いボンテージ姿になり、背中から黒い翼を生やす。そしてイッセーにとどめを刺そうと光の槍を形成する。

 

「さようなら、哀れなイッセーk「おい。」…ん?」

 

私はイッセーに光の槍を突き刺そうとした時、横から別の男の声がした。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

幽一side

 

 

 

「おい。」

 

俺はイッセーにとどめを刺そうとする夕麻…いや、レイナーレに静かな怒りをこめた声を出す。

 

「あら?人払いの結界を張ったはずなのに…こんなところに人間が…。」

「それは普通の人間ならの話だろ?」

 

俺はレイナーレに正論を返した。

 

「何故イッセーに手をかけた?お前はイッセーの彼女じゃなかったのかよ…!?」

「ええそうよ。ホントに面白かったわ、何の捻りもない王道のデートに付き合うのは…。それに私が彼を殺した目的は、彼が神器【セイクリッド・ギア】を宿しているからよ。」

レイナーレはそう言うと、クスクスと笑う。あいつが神器を宿していたから殺した…?捻りもない……?

俺はだんだんと頭に怒りが募るに募ってきた。

 

「それだけか…?」

「?」

 

 

 

「それだけの理由でイッセーを殺したのか!?」

 

とうとう俺は怒りが有頂天に達し、レイナーレに向けて激昂した。

 

「人の命を容易く扱いやがって……許さねぇぞ…!」

「許さなくて結構。それに……貴方も殺すけどね。」

 

レイナーレは俺たちを見下したような言い方をすると、俺に向けて光の槍を構えた。

 

「貴方もここで死になさい。」

 

そして光の槍を俺に向けて放った。

 

『幽一!』

 

ユルセンが公園に到着した。それは槍が俺に刺さる直前だった。このままだとイッセーの二の舞だ……一か八か!

 

 

 

 

「はっ!」

「!?」

 

俺は咄嗟にジャンプすると、突然体が浮遊した。それと同時にレイナーレが放った光の槍を避けた。

 

「なっ!?…人間が、浮遊した!?」

『幽一、浮遊術を使えるようになったのか。』

 

レイナーレやユルセンが驚いているが、正直俺も驚いている。だがこれで分かった、俺の中に特別な素質が潜在していることをな!

俺は再び地面を着地すると、懐からオレアイコンを取り出す。

 

「何よそれ?」

「イッセーの仇を取ってやる!」

 

レイナーレがアイコンを見て首をかしげる中、俺はアイコンのボタンを押してナンバリング状態にする。その時、俺の腰に幽霊の神帯【ゴーストドライバー】が出現し、装着された。俺はドライバーの上部を押してカバーを展開すると、そこにオレアイコンを装填してから再びカバーを閉じると、ハンドルを引いてドライバーの目蓋を閉じる。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

すると、ドライバーから黒いをベースにオレンジ色のラインがかかったパーカー状の幽霊・オレゴーストが出現した。御成さんに操作方法を教えてもらってよかったな…さあ、命燃やして行くぜ!

 

「変身!」

 

そして俺はハンドルを押し込んでドライバーの目蓋を展開した。

 

 

 

 

 

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

すると、俺の体に頭部はのっぺらぼうになっている黒いスーツが装着された。俺はオレゴーストを纏うと、複眼がオレアイコンの絵柄と同じようになり、額に一本の角が生えた。黒をベースにした体には骸骨を模したラインがかかっており、胸には青く発光する目のマーク、そしてアイコンと同じくオレンジ色の顔面に黒いパーカー…そう、俺は仮面ライダーゴーストへと変身した。

 

「何なの…その神器【セイクリッド・ギア】は?……あんたは何者なの?」

「俺は、仮面ライダーゴースト。」

 

俺は仮面ライダーとしての名称を言うと、被っていたフードを脱ぐ。

 

「その目ん玉に、焼き付けとけ!」

 

俺はそう言うと、レイナーレに向かって突撃する。

 

「はあっ!おりゃ!」

「ぐっ!?」

 

俺はレイナーレに向けて二発パンチを喰らわせる。

 

「これも喰らえ!」

 

俺はドライバーからメカニックなデザインの剣・ガンガンセイバーを召喚すると、大きく振るった。

 

「きゃああああ!?」

 

レイナーレはこれを受けてそのまま数メートル退いた。

 

「すげぇ…これがゴーストの力か…!」

「くっ…たかが人間ごときに…!私は堕天使!薄汚い人間なんかとは格が違うのよ!」

 

いつまで見下した目をしてるんだよ!?すると、レイナーレは先程よりも圧倒的に多い光の槍を形成した。

 

『幽一!ムサシのアイコンを使うんだよ!』

「ムサシ?…これか!」

 

俺はユルセンに言われ、懐から赤いムサシアイコンを取り出してナンバリング状態にする。俺はドライバーのカバーを開いてオレアイコンを外すと、今度はムサシアイコンをセットしてカバーを閉じる。その際、俺が纏っていたオレゴーストが消え、再びのっぺらぼうのトランジェント状態になった。

 

「死になさい!」

そうしている内に、レイナーレが光の槍を放ってきた。その時、ドライバーから武蔵を模した赤い陣羽織の幽霊・ムサシゴーストが現れ、光の槍を全て斬り落とした。俺はそれを確認すると、ドライバーのハンドルを操作した。

 

 

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺がムサシゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく二本の刀をクロスさせた絵柄になった。

 

『ガンガンセイバーを二本に分割しろ!』

「二本…なるほどな!」

 

俺はユルセンからガンガンセイバーを二本に分割しろと聞くと、俺はガンガンセイバーの上部の刃を外すと、グリップ部を90度回転させて一本の刀に変形させた。

 

「二刀流か…100+100=200って言うしな。」

『どこのおバカだよ、子供ねぇ~。』

 

さりげなくそれ中の人ネタだからな?気分の問題だよ。

 

「この二天一流に、斬れぬものなど、あんまりない!」

「くっ……人間ごときが!調子に乗るんじゃないわよ!」

 

…正直言ってさっきの台詞は確かに調子に乗ってた…。さて、気を取り直していくぜ!俺は二本の刀を構えて突撃しようとしたその時、突然地面に魔方陣が出現した。

 

『幽一、魔方陣だ!』

「え?」

「あの紋章…グレモリー家の者か。」

 

グレモリー?…確か、ソロモンの悪魔のだったよな…?

 

「なぁ、ユルセン。魔方陣ってなんだ?」

『悪魔が召喚されるとき、転移するときに現れるものだ。』

 

じゃあ、あそこから悪魔が転移してくるのか。すると、魔方陣が光輝き、そこから悪魔が転移してきた……………え!?

 

「あれ、リアス先輩!?」

『あの女は悪魔だったんだな。』

 

ユルセン、なんか知ってそうだな。

 

「ごきげんよう、堕ちた天使さん。」

「リアス・グレモリー…上級悪魔が何の用だ?」

「あら、私達悪魔の領地に土足で足を踏み入れたのは何処の誰かしら?」

「くっ…今日は大人しく引いといてあげるわ。そこのお前!」

「何だよ?」

「お前は必ず私が殺してやる!」

 

レイナーレは捨て台詞を吐くと、そのまま飛び去っていった。そういや、結局ムサシ魂の出る幕なかったな。俺はそう思うと、ガンカンセイバーを二刀流モードから再びブレードモードに戻し、ドライバーのカバーを開いてムサシアイコンを外し、カバーを閉じた。すると変身が解除され、ムサシゴーストがムサシアイコンに取り込まれた。

 

『オヤスミー』

 

俺が変身を解除すると、リアス先輩がイッセーの遺体に何かをし始めた。

 

「リアス先輩…。」

「あら、貴方は確か…五十嵐幽一君だったわね。」

「はい…。リアス先輩、俺が駆けつけたんですけど、イッセーは……もう手遅れでした。」

 

俺は悲しげな表情で、リアス先輩にイッセーが死んだことを伝える。

 

「大丈夫よ、彼には悪魔の駒【イーヴィルピース】を使用したわ。」

「悪魔の駒【イーヴィルピース】?」

『それを使用すると、その者を悪魔として転生させる効果があるんだよ。』

「そこの幽霊、詳しいのね。」

『粗方知ってるさ。』

 

ユルセンは悪魔の駒の詳細を簡素に説明した。

 

「!…ってことはイッセーは?」

「生きているわ。」

「よかった…!」

 

俺はイッセーが生き返ったことを言われると、ほっと一安心した。

 

「リアス先輩……あれ、幽一君?」

「え、木場?」

 

すると、魔方陣からさらに青年が転移してきた。その正体は何故か木場祐斗だった。

 

「どうしてここに?」

「いや、虫の知らせみたいなのを感じたから、ここにいるんだ。」

 

俺は木場にここにいる理由を言った。

 

「ちなみに、この後どうするんですか?」

「彼を自宅まで送るわ。それと五十嵐幽一君、それから…そこのてるてる坊主君。」

『だ、誰がてるてる坊主だ!』

 

リアス先輩、こいつはユルセンって名前なんですけど…。

 

「明後日に祐斗を使いに送るから、一誠君と一緒に旧校舎の[オカルト研究部]に来て頂戴。」

 

オカルト研究部だって!?俺はリアス先輩の言葉に大きく反応した。

 

「分かりました。」

 

俺が了承すると、リアス先輩と木場はイッセーを抱えて魔方陣で消えた。

 

「さて…明後日から忙しくなるな。」

『ま、せいぜい頑張るんだね。』

「うるさいな!」

 

俺たちはコンビニに向かう予定だったが、諦めて自宅に戻ることにした。この先、どうなるんだろうな。

 




ユルセンの声がどう考えても妖夢の声に聞こえる。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オカ研、ズバット、即入部!

うたわれるものってアニメが面白そうって思ってます。(テス勉期間なのに)



OP:[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。俺とイッセーは、木場に呼ばれてオカルト研究部のある旧校舎へ向かっている。ちなみに昨日、イッセーがレイナーレの件を皆に質問していたか、皆は覚えていないと言った。どうやらあいつ、記憶抹消を行ったようだな。

 

『あのリアスってやつ、どことなく妖しげなやつなんだよな。』

『まぁでも、人気が高い美人さんだから、結構頼れる人だと思うよ。それに、悪魔について学べると思うからさ。』

 

俺はユルセンと心の中で会話する。そうしている内に、旧校舎のオカルト研究部に到着した。旧校舎と言うからか、かなり年季が入っている。俺たちは早速その部室の中へ入る。

 

 

 

「うわぁ…。」

「おお、オカルト物が多いな。」

 

その部室には、魔方陣などのオカルト関連の物が多数置かれていた。女子が多い学校とはいえ、本当に女子が多い部活なのかと言いたくなる。まぁ、俺はオカルトマニアだし、別にいいか。イッセーは呆然としてるがな…。

ふと見ると、そこには黙々と羊羮を食べている少女がいた。

 

「小猫ちゃん、彼が兵藤一誠君と五十嵐幽一君だよ。」

「あ、どうも。」

「こんにちは。」

「…はい、どうも。」

 

木場は小猫という少女に俺たちのことを紹介した。俺とイッセー、そして小猫は互いに挨拶を交わす。

すると、向こうからシャワーの音が聞こえてきた。そしてイッセーは鼻の下を伸ばしていた。おい“おっぱいイェーガー”、思考が顔に現れてるっつーの。

 

「…下品な顔。」

 

小猫、正にその通りだ。今のイッセーの顔は確実にエロ思考の顔だ。いや、いつもか。そうしていると、リアス先輩がシャワー室から出てきたようだ。

 

「ごめんなさい、昨日はイッセーの家にお泊まりだったものだから。」

 

イッセーが…リアス先輩と?

 

「……イッセー、お前はついに罪を犯してしまったか…。」

「誤解だ幽一!昨日朝起きたら隣でリアス先輩が寝てたんだよ!しかも全裸で!」

うーむ…よく考えたら確かにイッセーの言葉も嘘じゃないな。イッセーはあの時転生されたばっかでリアス先輩が一泊したことは知らなかったようだしな。

 

「あらあら、あなた方が兵藤一誠君と五十嵐幽一君?」

「はい。」

「は、はい~。」

 

すると今度は、姫島先輩がやってきた。姫島先輩はリアス先輩とともに[駒王学園の二大お姉さま]と称されてるほどの評判だ……ってだからイッセー、鼻の下伸ばすなって!

 

「さて、これで全員……あら?一体忘れてたわね。五十嵐幽一君、あの幽霊は?」

「今から呼びます。おいユルセン、出てこい。」

『はぁー、偉そうな呼び方するな幽一は。』

 

俺がユルセンを呼ぶと、ユルセンは愚痴を吐きながら出てきた。

 

「うおっ、幽霊が出てきた!?」

「その幽霊、ユルセンって名前だったのね。」

『幽一が勝手に付けたんだけどね。』

 

イッセーがユルセンを見て驚いてる中、リアス先輩はユルセンの名前を知った。その後リアス先輩はソファに座るように促したため、俺とイッセーはソファに座る。

 

 

 

「さて、イッセーに幽一。私達オカルト研究部は貴方達を歓迎するわ……

 

 

 

 

 

 

 

“悪魔”としてね。」

「……え?」

 

リアス先輩は、自らが悪魔であることを俺とイッセー、ユルセンに言った。俺とユルセンは一昨日に知ったから特に驚いていないが、イッセーは開いた口が塞がっていない。まぁ、知らなかったから当然か。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「やっぱりあいつは神器【セイクリッド・ギア】所持者を潰すのが目的だったのか…!」

 

そこから話は進み、イッセーは自身の身に神器【セイクリッド・ギア】が宿っていることを知った。ちなみにあの時リアス先輩がやってきた理由は、イッセーに“呼ばれた”からとのこと。

 

「ドラゴン波!」

 

するとイッセーが早速何かの真似をした。その左手に少し暗めの赤い色をした籠手が装着された。その籠手はどこかのロボットアニメの右腕みたいなデザインをしていた。

 

「それがイッセーの神器【セイクリッド・ギア】なのか?」

「え、このコスプレみたいな籠手が?」

「そのようね。それは龍の手【トゥワイス・クリティカル】、ありふれた神器ね。持ち主の力を倍加させる能力があるの。」

 

力を倍加か…確かにどことなくありふれてるな。

 

「さて、次は幽一の神器を見せて頂戴。」

「分かりました。」

「幽一も持ってるのか?」

「そうじゃなかったらここに来てないって。」

 

リアス先輩にお願いされた俺は、霊術の構えを取ってイメージを集中させる。すると、俺の腰に幽霊の神帯【ゴーストドライバー】が出現し、装着された。

 

「これが俺の神器・幽霊の神帯【ゴーストドライバー】です。」

「へぇ~、それが幽一君の神帯かい?」

「ああ、そうだよ。」

「格好いい…けどちょっと怖いな。」

「…どこか禍々しい。」

 

イッセーと小猫がそれぞれ、怖いとか禍々しいとかの感想を述べているが、その気持ちは理解できる。何故ならこのドライバー、カバーからうっすら“裂けた口のようなもの”が透けて見えるからだ。

 

『おい幽一、もう一つを忘れてるぞ。』

「ああ、そうだったな…それからこれも。」

 

ユルセンから言われてふと思い出した俺は、懐からオレ、ムサシ、エジソン、ニュートンのアイコンをテーブルに置いた。

 

「それは何かしら?」

「これは英雄の眼魂【ゴーストアイコン】と言って、英雄や偉人の想いが結晶化したようなものです。」

「英雄達の想いが?……それで、そのアイコンというものはどのように用いるのかしら?」

『アイコンはドライバーにセットすることで効果が発揮される。つまり幽一の神器はアイコンがあってこそ成り立つのさ。』

 

ユルセンが皆に説明してくれた。まぁ、俺よりもユルセンの方が詳しいから別にいいか。

 

「さて、話を変えるけど、イッセーは既に悪魔になったけど、貴方も私の眷属悪魔になってみる気はない?」

 

リアス先輩から悪魔に転生してみないかという勧誘を受けた。

 

「なぁユルセン、どう思う?」

『それはオイラじゃなくてお前が決めることだ。ほら、さっさと決断しろってんだ。』

 

ユルセンに尋ねたところ、この愚痴である。んー……けど、なってみるのも悪くないかもな。俺は以前の人生を振り返ってみたら、霊術すら覚えずに家族を失い、ただ趣味に没頭する…ただそれだけの人生だった。だけど、今からそれが変わる。俺は新たな道へと進める。もうそんなちっぽけな人生は嫌だ。なってやろうじゃないか、悪魔に!

 

「…お願いします!」

「分かったわ。」

 

リアス先輩は俺の返事を聞くと笑みの表情になり、そして懐から悪魔の駒【イーヴィルピース】を取り出した。形状からして僧侶【ビショップ】の駒だろうか。

 

「我リアス・グレモリーの名に於いて命ずる!五十嵐幽一よ、悪魔となりて我と共に生きよ!!」

 

リアス先輩は俺に向けて僧侶【ビショップ】の駒をかざすと、俺を悪魔へと転生させるための詠唱を唱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

「……あれ?」

「「「『……え?』」」」

「……。」

 

しかし、俺の体には何も起こらなかった。ただリアス先輩の詠唱が部室内に虚しく響いた“だけ”だった。

 

「え……これどゆこと?」

「嘘…!?反応がない!?」

 

ええええええええええ!?転生失敗かよ!?

 

「転生失敗とかあるのかよ…。」

『そりゃ、一昨日に神器を使用したばっかだから実力差が紙一重なんだよ。まぁ、悪魔になろうがならまいが、やられたら死ぬほど痛~い。ウヒヒヒヒ!』

 

こいつ……家帰ったらどうしてやろうか…(怒)。

 

「でも、オカルト研究部には入ってもらうわよ。」

「それは勿論いいですよ。」

 

悪魔にはなれなかったが、オカルト研究部に入ることならできる。俺は喜んで入部することにした。

 

「それじゃあ改めて、イッセー、幽一、オカルト研究部へようこそ!今後、私のことは部長と呼びなさい。」

「「はい、部長!!」」

 

俺とイッセーは、オカルト研究部に所属することになった。人生はいつでも一寸先は闇。何が起こるか分からないが、オカ研の皆とならやっていけそうだ。

 




ED:[STUDY×STUDY]


テス勉したくないでござる!




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

討伐、特性、発明王!

はぁ………



数学(のテスト)氏んだ


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

オカ研に入部してから3日経った。オカ研の主な活動は、悪魔としての契約を取ることだったらしい。イッセーはチラシ配りを経て契約を取っているが、俺は人間のままだから雑用や前述のチラシ配りなどをやっていた。

正直言って、ただのバイトと変わりないよこれは…。

それはさておき、俺は今何してるかというと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『渇っ!!』

「痛ったぁ!?」

 

またユルセンによる鬼畜修行を受けていた。しかも警策の角で肩を叩いてくるから余計肩が外れそうだ…。

 

『ほら、もっと精神集中させろ!』

「無理があるわボケ!」

 

俺とユルセンは揉め合いとなり、そんなこんなで今日の修行は結局肩を痛めただけで終わった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「二度と教会には近づいちゃダメよ!!」

「すみません…。」

 

俺たちが鬼畜修行を終えて部室に戻ってきたら、何故かイッセーがリアス部長に怒られていた。

 

「なぁ、木場。」

「なんだい?」

「俺たちが修行してる間に何があった?」

「イッセー君が教会へシスターを送り届けたらしくてね、それで注意されているらしいよ。」

 

どうやらイッセーは自分が悪魔であるとも知らずにシスターを教会まで送ったらしい。

 

「幽一君は悪魔にとって危険なものって何か覚えてる?」

「ああ、確か…光や聖水、それから銀とかだったっけ?」

「まぁ、そうだね。教会は天使側の勢力だから、悪魔が近づいただけで滅される事があるんだ。」

「まあ、そうだよな。」

『あいつは相当のバカだし、仕方ないね。』

 

そう言ってやるなユルセン。

 

「ごめんなさい…熱くなり過ぎたみたいね…。」

「はい…。」

 

俺と木場が会話している間に説教が終わったようだ。イッセーは見た通り凹んでいた。

 

「あらあら、説教は終わりですか?」

 

すると、知らぬ間に姫島先輩が来ていた。いつの間にやってきたんだ?

 

「朱乃、どうかしたの?」

「大公より、“はぐれ悪魔”の討伐依頼が来ました。」

 

姫島先輩がリアス部長にそう伝えた。はぐれ悪魔討伐って何だ?

 

「あの、すみません…はぐれ悪魔って何ですか?」

「はぐれ悪魔と言うのは、主のもとを離れた、または主が死んで野良化した悪魔のことよ。殆どのはぐれ悪魔は自我を失い、欲望のためだけに動いては人に危害を加えるのよ。まぁ、自我を保った者もいるけどね。」

 

リアス部長ははぐれ悪魔の詳細を説明してくれた。なるほど、自我を失って暴走した悪魔のことなのか。そりゃ確かに厄介だな。

 

「うーん、イッセーと幽一は魔方陣で転移出来ないのよね…幽一はともかく、イッセーは悪魔なのだから悪魔の戦いに慣れる必要があるのだけれど…。」

 

リアス部長はそう呟きながら考えている。前に聞いたが、魔方陣は悪魔専用らしいから俺は転移ができない。まぁ、今の俺には霊術すらあまり習得してないから仕方ないか。けどイッセーは悪魔なのに転移できないのは不憫だな………ん?

 

「あれ、ユルセンは?」

 

そういや、説明受けてる際にいなかったな。あいつ何処へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォンブォン!

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「?」」」」」」

 

すると、外からバイクの音が聞こえた。そしてユルセンが壁をすり抜けてきた。

 

『お待たせ。』

「お前、どこ行ってたんだよ?」

『何って、転移できないお前のためにバイクを持ってきてやったんだ。』

 

どうやらユルセンは転移できないことを聞いて移動用のバイクを調達してきたらしい。転生の際に財布確認したらバイクの免許あったのは知ってるけど…。

 

「ってか、そのバイクはどこに?」

『ああ、校舎の裏側に停めたのさ。』

 

俺はユルセンに言われて部室を出てみると、フェンス越しのところに一台のオレンジ色のバイクが停めてあるのが見えた。

 

「ナビとかは大丈夫なのか?」

『大丈夫さ、そのバイクには探知機能があるからナビはバッチリさ!』

「なら、イッセーと幽一はそのバイクで現場に来て頂戴。私たちは先に現場に行ってるわ。」

「「分かりました、部長。」」

 

 

俺とイッセーはフェンスを飛び越える。俺たちはヘルメットを被ると、俺はバイクの前方に乗ってハンドルを握り、イッセーは後部に乗った。

 

「よし、行くぞ!」

 

俺はバイクを発進させ、ナビに従って目的地まで向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

数分後、俺たちは目的地まで到着した。目的地は廃屋らしい…どちらかというと廃工場って言った方が伝わりやすいか。俺たちはバイクから降りると、ヘルメットを外す。俺たちが廃屋に入ると、そこにはリアス部長、姫島先輩、木場、小猫が既に到着していた。これで全員集合ってか。

 

「あら、意外に早かったわね。」

「それはどうも。」

「さてイッセー、貴方には悪魔の戦いをしてもらうわ。」

「えぇ!?俺全く戦力になりませんよ!?」

 

リアスの発言にイッセーはオーバーリアクションじみた驚きをした。いやいや、そりゃ悪魔になったばかりのイッセーには戦うことすらままならないからな。リアス部長の言いたいことはそっちじゃないと俺は思うぞ。

 

「でも、悪魔の戦いを見ることは出来るわ。今日イッセーには悪魔の駒【イーヴィルピース】の特性について知ってもらうわ。」

「駒の特性?」

「そう、チェスと同じように悪魔の駒にも役割と特性があるのよ。」

 

リアス部長はそう言った。確かにチェスを模してるなら分かりやすいな。

 

『おい、何か来るぞ、』

 

ユルセンが何かの気配を感じ取ったらしい。俺達は一斉にその方向を向くと、そこには上半身は女、下半身は化物のような四足のでかい悪魔がいた。

 

『醜い姿だな。』

 

ユルセンはそう呟いた。俺のみならず、皆そう思ってるだろうな。

 

「己の欲望のために主を殺したはぐれ悪魔、“バイザー”…悪魔の風上にも置けない貴女を消し飛ばしてあげる!」

 

リアス部長はバイザーに対してそう言った。

 

「グオオオアアアアアアア!!」

 

バイザーは獣のような雄叫びをあげると、俺達に向かって突撃してきた。

すると、木場が剣を右手にもの凄いスピードでバイザーに接近し、バイザーの片腕を切断した。

 

「祐斗の駒は騎士【ナイト】。あのように騎士となった悪魔は速度が増すわ。そして彼の武器は剣。その神速を利用して素早い斬撃を行うのよ。」

 

リアス部長が説明する通り、木場のスピードは普通の人だと目視できないくらいのものだった。

「グオアアアアアア!」

 

するとバイザーは標的を替え、小猫に向かって体当たりしてきた。こんなのを普通に喰らえばひとたまりもないだろう。“普通の人”ならばの話だが。

 

「……えい。」

「グワアアッ!?」

 

しかし小猫はバイザーの体当たりをそのまま受け止めると、その巨体をパンチ一発で吹き飛ばした。おいおい、小猫ってそんな怪力だったっけ?

 

「小猫の駒は戦車【ルーク】。その特性はとてつもない怪力と防御力。並の攻撃じゃ小猫は怯まないわ。」

 

戦車【ルーク】か…小柄な体型には似合わない程の怪力だな。けど、その力はかなり凄いものだ。

バイザーは片腕を切断され、地面に叩きつけられながらも立ち上がった。

 

「雷よ!」

「グワアアアアアア!?」

 

そこへ、姫島先輩がバイザーに向けて雷を落とした。

 

「朱乃の駒は女王【クイーン】。王【キング】以外の全ての特性を持つ、最強の駒にして最強の副部長よ。」

 

王以外の全ての特性を合わせ持つか。これはもう万能としか言い様が……ん?

 

「グオオッ……グオオオオ…。」

「あらあら、うふふふふ…まだ元気みたいですね。どこまで耐えられるかしら?」

 

ちょっと待って、姫島先輩の様子がおかしい。もしかして興奮してるのか?なんか…姫島先輩の意外な一面を見て背筋凍ってきた。

 

「そして何より、彼女は究極のSよ。」

 

見れば分かる。バイザー以上に壊れてるのは明らかに姫島先輩の方だよ。もうドSを遥かに越えてるって…。姫島先輩は興奮しながらさらに雷撃をバイザーに放ち続けている。

 

「ふふふふ…まだで「朱乃、もういいわ。」あらあら、残念ですわ。」

 

姫島先輩はリアス部長に止められると、残念そうに言った。顔が少々赤くなってるし、表情が全く残念そうに思えない。戦闘になった途端、敵に容赦なく雷を落とす…完全に羅殺の塊じゃないか。

 

『これは下手に刺激したらこっちにも被害が…。』

 

ユルセンの言う通りだ。この人を敵に回したら俺達が消し炭になってしまう…。

 

「さあ、幽一、あとは貴方が止めを刺しなさい。」

「あ、はい。」

 

リアス部長に言われた俺は、ドライバーを出現させてカバーを開くと、懐から取り出したオレアイコンをナンバリング状態にしてドライバーに装填すると、カバーを閉じてハンドルを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

すると、待機音声と共にドライバーからオレゴーストが出現した。

 

「変身!」

 

俺はドライバーのハンドルを押し込んだ。

 

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏ってフードを脱いだ。

 

「おお、その姿はあれだ!」

 

ん?イッセーが何かを言いたいようだ。何だ?

 

 

 

 

「変○仮面だ!」

「お前後で覚えとけよ?(怒)」

 

くそ…イッセーからの第一印象がこれだよ…。そんなことはさておき、俺はガンガンセイバーを装備してバイザーに突っ込む。

 

「はあっ!」

「グワッ!?」

 

俺はガンガンセイバーでバイザーを斬っていく。

 

「グオァ!」

「よっと!」

 

バイザーは俺に向かってパンチを繰り出してきたが、俺は体を浮遊させて避ける。

 

「おらぁ!」

 

俺は浮遊能力を利用して斬撃を繰り出す。俺はある程度斬撃をした後、バイザーの後ろ側に着地する。

 

『もう一度ハンドル操作でオメガドライブ!』

「よし…!」

 

俺はユルセンのアドバイスを聞き、ドライバーのハンドルを引く。そして俺はセイバーを地面に突き刺すと、霊術のような構えをとる。すると、俺の背後に霊力で形成された眼が出現した。

 

「あの眼はなんだ?」

「私にも分からないわ。」

「あの眼からかなりの魔力が感じられるね。」

「……強い魔力。」

「あらあら、うふふ。」

 

皆がそう言ってる中、俺はハンドルを押し込む。

 

『ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!』

 

すると、俺の右足に霊力が溜まる。バイザーは俺に向かって突進してきた。

 

「はあああああ!」

「グワアアアア!?」

 

俺はジャンプしてバイザーにキックを叩き込む。バイザーはこれを受けてふっ飛んだ。

 

『幽一、エジソンの力を使え!』

「分かった!」

 

俺は懐からエジソンアイコンを取り出すと、ドライバーのカバーを展開してオレアイコンを外し、そこにエジソンアイコンを装填してカバーを閉じる。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

オレゴーストが消えると同時にドライバーから黄色と銀色がベースの白衣型の幽霊・エジソンゴーストが出現した。俺はハンドルを操作する。

『カイガン!エジソン!エレキ、閃き、発明王!』

 

俺がエジソンゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく電球の絵柄になった。

 

「姿が変わった!?」

「あの時の赤い姿とは違うようね。」

 

俺はガンガンセイバーを持つと、グリップを倒し、上部の刃を反対向きにしてから挿し込んでガンモードに変形させる。俺はバイザーに向けて銃を構えると、銃の上部にダットサイトが展開された。

 

「グオァァ!」

 

するとバイザーは溶解液を放ってきた。俺は溶解液に向けて電撃を纏った弾丸を発射し、溶解液を電気分解させた。

 

「はぁっ!」

「グワワアアアア!?」

 

俺はさらに雷撃弾を撃ってバイザーにダメージを与えていく。

 

「さて、そろそろ決めるぜ!」

『銃をドライバーにかざしてアイコンタクト!』

 

俺はユルセンに言われて銃のグリップ部のマークをドライバーにかざす。すると、そのマークからビームのようなものがドライバーの目の部分に向けて照射された。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』

 

すると、キックの時と同じく俺の背後に霊力で形成された眼が出現した。霊力が電気エネルギーに変換されて銃口に収束された。そして俺はバイザーに向けて照準を合わせ、トリガーを引いた。

 

『オメガシュート!』

 

すると、銃から電気の塊が発射され、バイザーに命中した。

 

「グオオオアアアア!?」

 

バイザーはこれを喰らい、電気で痙攣した後に横に倒れて爆発した。

 

「終わりっと。」

 

俺はドライバーのカバーを閉じると、エジソンアイコンを外し、カバーを閉じて変身を解除した。

 

『オヤスミー』

 

俺が変身を解除すると、リアス部長が近づいてきた。

 

「それが貴方の力なのね。」

「はい。」

「眷属にできないのが残念ね。」

「仕方ないですよ、俺も前に変身したばかりですし。」

 

リアス部長は俺を悪魔に出来ないからか、残念そうな表情をしていた。それにしても、チェスと同じ領域とは考えたものだな。女王の姫島先輩、騎士の木場、戦車の小猫………ん、なんか忘れてるような…その後に兵士があるのは知ってるけど…あ!

 

「あの、リアス部長。」

「何かしら?」

「僧侶【ビショップ】はいないんですか?」

「うーん、確かに僧侶は一人いたけど…。」

「いたけど?」

「その件はまたの機会で話すわ。」

「は、はい…。」

 

どうやら僧侶は一人いるようだが、訳あって実質いないことになっているらしい。一体誰だろうな……?

 

「いやー、さすが幽一だ…。」

 

 

 

ガシッ!

 

 

 

「イデデデデデデデ!」

「この野郎、さっきはよくも変○仮面って言ってくれたな?」

 

俺は近づいてきたイッセーの頭を掴む。

 

「ところで部長、俺の駒は結局何ですか?」

 

イッセーは俺に頭を掴まれたまま、リアス部長に質問した。

 

「イッセー、貴方の駒は兵士【ポーン】よ。」

「一番下っ端じゃねぇかぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

イッセーの叫びが廃工場に響き渡った。まぁ、そりゃそうだな。だってチェス自体、兵士の駒が多い訳だしな。

 




ED[STUDY×STUDY]



そういえば、仮面ライダーゴースト第二話で例のイグアナ出るんですよね。こっちはどこのタイミングで出そうかなと思ってます。







目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

外道な神父、怒りの引力

ロビン魂……黄忠魂や与一魂はないのかと思ってます。



OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。はぐれ悪魔討伐から翌日、俺は放課後に部室で都市伝説の雑誌を読んでいた。

 

「幽一、何読んでるんだ?」

「ん?これだよ。」

 

俺はイッセーに都市伝説の雑誌を見せる。ちなみに一番注目されている記事のところをだ。

 

「うわっ!?な、何だよそれ!?」

「都市伝説の雑誌だよ。前に言ったじゃん、俺はオカルトマニアだって。」

「…何かと悪趣味だよな、幽一は。」

「お前よりはマシだ。」

 

俺はイッセーの発言に対してそう言った。変態のイッセーに悪趣味とか言われたくないよ。

 

「幽一、アイコンの集め方はあるのかしら?」

 

リアス部長は英雄の眼魂【ゴーストアイコン】の収集方法を尋ねてきた。そういえば、鬼修行のせいですっかり忘れてたな。

 

「えーと、英雄や偉人の心とシンクロすれば入手できるらしいです。」

「心とシンクロ?」

『前にも言った通り、アイコンは英雄の極意や偉人の想いが結晶化したものだ。』

「うーん、よく分からないわね。」

「……分かりにくいです。」

 

リアス部長や小猫はそう言った。まぁ、アイコンについて分かってないから仕方ないけど。

 

『要するに、英雄や偉人に関連する物から生成されるって考えてくれ。』

「関連する物って、例えばどんなものかな?」

 

ここで木場もユルセンに対して質問した。あれ、俺は空気か?

 

『ムサシなら刀、エジソンなら電球とかだね。』

 

ユルセンは質問にそう答えた。確かに、どちらも関連してる物にあてはまるな。

 

「そういえば幽一君って、歴史が得意って聞きましたけど?」

「あ、はい。」

「そうなると、アイコン収集は必然的に幽一君に限られますね。」

『確かにそうなるな。』

 

姫島先輩の質問の通り、俺は歴史が得意分野だ。ユルセンはアイコン収集が俺にしかできないことを言ってるけど、どういうことだ?

 

『何故なら、英雄に関連する物に霊力で[目の紋章]を描く必要があるからだ。』

「ユルセン、それがアイコンの収集方法なのか?」

『その通りだよ。』

「それは魔力じゃだめなの?」

『不可能だね。アイコンは元々は魂だから、[目の紋章]は霊力じゃないと描けないよ。それに霊力を魔力と言うのは間違いだ。同じものだと感じるけど、2つのエネルギーは発生理由が違うからな。』

 

ユルセンはリアス部長に対してそう答えた。確かに霊力と魔力には僅かに違いがある。魔力は周りの物から生成されるエネルギー、霊力は魂から生成されるエネルギーだから何かと異なっている。

 

「まぁ、活動の間に入手していけばいいことだし、気長にやることですよ。別に焦ってなんかいないですから。」

「それもそうね。」

 

俺はそう言った。そんなこんなで、今日はすぐに帰宅した。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

次の日の夜、俺はバイクでチラシ配りをやっていた。ちなみにイッセーは契約先の家へ行っている。

 

「ふぅ~…さてと、次の一軒へ『幽一!』…どうした?」

『イッセーが襲われてる!ナビを見てみろ!』

 

俺はユルセンに言われて、バイクに搭載されたナビを見てみる。するとそこには、イッセーの現在地が表示されており、[CONTACT(敵と交戦中)]という表示まであった。

 

「もしかして…堕天使か!?」

『とにかく、現場まで急ぐぞ!』

「分かった!」

 

俺はナビに従って現場までバイクを運転する。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

オッス、俺は兵藤一誠だ………ってそんな場合じゃなかった。俺は契約を結ぶ人の家までやってきたが、いざ家に入ったらそこにはフリードというイカレ神父がいて、そいつがここにいた人を殺しやがったんだ。

 

「テメェの頭を吹き飛ばしてやるぜぇえええ!」

 

フリードは光線剣と銃を取り出すと、俺に向かって斬りかかってきた。俺はそれを避ける。しかし

 

「バキュン!」

「うわっ!?」

 

フリードが放った銃弾が足に命中してしまった。俺は思わずその場で怯んでしまう。

 

「どうだどうだ?悪魔払いの銃弾の味はどうだぁ!?」

「こんのぉおおおおお!」

 

俺は神器を起動させ、フリードに向かって突撃する。

 

「はあっ!」

「甘ぇんだよクソ下級悪魔!」

「うわあああ!?」

 

いともたやすく避けられ、背中を斬られてしまった。くそ…神器を使いこなせねぇ…!

 

 

 

 

「キャアアアアアア!」

 

俺は悲鳴が聞こえた方向へ目を向けると、そこにはアーシアがいた。何でこんなところにいるんだ!?

 

「おやおや?助手君のアーシアじゃあーりませんか~?結界は張り終わったのかな~?なら邪魔しないでね~、今からこの悪魔をブッ殺すところだからね~。」

「え…?」

 

動揺しているアーシアは、俺と目が合った。

 

「イッセー…さん?」

「アーシア…。」

「ん?なになに?もしかして君達知り合い~?すご~~~く見られたらマズい場面に出くわしちゃった訳~?ハハハハハハハハハ!最っ高にウケル~!!」

 

そんな中、フリードは腹を抑えながら笑っていた。

 

「ど…どうして…?」

「…ごめんアーシア、俺………悪魔なんだ。」

「そ、そんな…!」

 

俺が真実を言った瞬間、アーシアはショックを受けてしまった。

 

「残念だけどアーシアちゃん、人間と悪魔は相いれることは全くもってノンノン!それに俺たちは神の加護から見放されたはぐれ者だ。だから堕天使様の加護無しで生きていける訳ナッシングなんですぜ?」

 

堕天使の加護…?まさか、アーシアは堕天使と繋がりがあるのか…!?

 

「さぁ~てそこの下級悪魔、覚悟はOK?なくてもやっちゃうけどね!」

 

フリードはそういうと、光の剣を構えて俺に近づいてきた。その時、突然アーシアが俺を庇うようフリードの前に立った。

 

「あれれ~?アーシアちゃん、何してんだよぉぉ!?」

「フリード神父様…お願いします。どうかこの方を……イッセーさんをお見逃し下さい!」

「はぁああああ!?何いってんだよ低脳シスターが!!これで一旦脳ミソ冷やせ糞野郎がぁ!!」

 

フリードは怒り狂いながら腐りきった暴言を吐き、そして右手に持った光の剣をアーシアに振り下ろそうとした……その時だった。

 

 

 

 

「はあっ!」

「ぐぉわぁ!?」

 

何者かが壁をすり抜けると同時にフリドを吹き飛ばした。

 

「幽一!」

「待たせたな。」

 

幽一がここへ駆けつけてくれたようだ。

 

 

 

 

 

 

幽一side 数分前

 

 

 

 

俺はバイクで移動し、ようやく現場まで到着した。

 

「ここだな。」

 

俺の視界には、魂の反応が三つほどあった。だがイッセーの魂は既に分かっている。問題なのはもう2つ魂の反応があることだ。

 

『幽一、イッセーの他にもう2つ反応があるぞ。一つは堕天使に近い反応。もう一つは…。』

「人間の反応だよな。分かってるさ…行くぞ!」

 

俺は堕天使の反応がある方に向かって走り、ジャンプして壁をすり抜ける。

 

「はあっ!」

「ぐぉわぁ!?」

 

そして俺はそいつを蹴り飛ばした後、地面に着地する。

 

「幽一!」

「待たせたな。」

 

俺はイッセーのいる方向に向かってそう言った……ん?

 

「なぁイッセー、その子は誰?」

「ああ、アーシアって言うんだ。」

「ど、どうも。」

 

その少女はアーシアというらしい。どうやらイッセーが言ってたシスターのことか…。

 

『幽一、ボサッとするな!まだ来るぞ!』

「ああ。」

 

ユルセンに言われた俺は、幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を出現させる。

 

「おいおいおいおい!人間が壁すり抜けて俺様を蹴飛ばすなんて人間離れな技しやがってよぉ!」

 

その男は起き上がると、両手に持った光線剣と銃を構えてそう言った。すると俺は、ここに住んでたと思われる男性の遺体に目を向けた。

 

「…おい。」

「あ?」

「お前がその人を殺ったのか?」

「そう!俺っちが殺ったんですよ、はい!悪魔に頼る糞野郎なんかジ・エンド!死んで当然!むしろこの俺様、フリード・セルゼンという至高な神父に殺されたんですからねぇ……感謝感激ぃぃ!!」

 

悪魔に頼る人をそんな簡単に殺すのか…?許さねぇ…!!

 

「人の命をそんな軽く扱うのかよ!」

「黙れよぉ!お前も糞みてぇな人間と同レベルだ!」

「よく分かったよ、お前は神父じゃねぇ…神父の名を語る快楽殺人鬼だ!!」

 

怒りに燃えた俺は、懐からニュートンアイコンを取りだし、ナンバリング状態にする。続いてドライバーのカバーを開いてそこにニュートンアイコンを装填し、カバーを閉じてハンドルを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

すると、ドライバーから青いダウンジャケット状の幽霊・ニュートンゴーストが出現した。

 

「変身!」

 

そして俺はドライバーのハンドルを押し込んだ。

 

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

 

俺はゴーストに変身し、ニュートンゴーストを纏い、両手に球体状のグローブを装備すると、複眼がアイコンと同じく落下するリンゴの絵柄になった。

 

「その目ん玉に焼き付けとけ!」

「黙れよ糞人間!成仏させてやるぜぇぇ!!」

 

フリードが俺に向かって突撃し、光線剣を振りかざそうとしてきた。

 

「ふっ!」

「っ!?」

 

俺は拳を突き出すと、フリードが重力によって弾き飛ばされた。体に命中していないにも関わらず。

 

「やったな?この至高の俺を吹き飛ばしやがりましたねぇぇ!?」

「殺人鬼のお前が言うな!」

 

俺はフリードに言い返すと、フリードに向かって突撃する。フリードば銃を撃って迎撃してくるが、俺は重力を操って披弾する直前で銃弾を停止させた。

 

「なぁぁぁにぃぃぃ!?」

「はあっ!」

「ぐぉ!?」

 

フリードが驚いてるのを無視して俺はパンチを連発する。

 

「オラオラオラオラオラオラオラ、オラァァ!!」

「ぶぼぁぁ!?」

 

俺はフリードを殴りまくった。フリードは脳震盪を起こしながらも銃を構えるが、照準が安定していないようだ。

 

「この…クソ野郎が…!」

「いや、クソ野郎はお前の方だ!」

 

俺は右手のグローブを展開すると、ドライバーのハンドルを操作する。

 

『ダイカイガン!ニュートン!オメガドライブ!』

「はぁぁぁぁぁぁ…。」

 

俺は霊力を右手に集中させて、エネルギーを溜める。

 

「喰らえぇぇえ!!」

「ぐわあああああああ!」

 

俺は渾身の右ストレートを繰り出し、フリードを吹き飛ばした。フリードはそのまま壁に激突した。

 

「……はぁ…。」

『オヤスミー』

 

俺が変身を解除すると、アーシアが俺のもとにやってきた。

 

「あ、あの…助けてくれてありがとうごさいます。」

「いいっていいって。ピンチだったようだから助けただけさ。」

「幽一、助かったぜ。もしお前が駆けつけなかったら、今頃やられてたよ。」

「そんなこと言うなって、イッセー。」

 

俺はアーシアとイッセーにそう言い返した。俺が駆けつけたおかげて二人は無事だったようだけど、あの男性は既にフリードによって殺されてしまったのは残念だな。

俺がそんなことを思ってると、魔方陣が展開され、そこからリアス部長、姫島先輩、木場、小猫が転移してきた。

 

「助けに来た…けどもう終わったのかい?」

「ああ、イッセーたちを襲ってたやつはあそこで死んでるさ。」

『あれだけパンチを頭に叩き込んだんだ。脳をやられて息絶えてるさ。』

 

俺は木場の質問に答えた。

 

「…ん?あれは…。」

 

俺はふと目を向けると、その壁に弓矢が飾ってあった……あれは……!

 

「……幽一先輩、弓矢なんかを見てどうしたんですか?」

「あれって…“ロビン・フッド”の弓矢じゃないか?」

 

小猫が尋ねる中、俺はそう呟く。なんでロビン・フッドの弓矢がこんなところに………?

俺はさらに視線をある場所に向けると、そこにはロビン・フッドに関連するアイテムが飾ってあった。

 

「…そうか、この人は契約を結んでロビン・フッドみたいになりたかったんだろうな。」

「ロビン・フッド?」

『イングランドの伝説上の人物で、シャーウッドの森に住む義賊のことだ。幽一の言う通り、この男はロビン・フッドになりたいと思っていたんだろう。』

 

イッセーが謎めく中、ユルセンが説明してくれた。その時、突然弓矢が緑色に発光し始めた。

 

「「「「「「!?」」」」」」

「うわっ、何だ!?」

『キター!幽一、早く[目の紋章]を描け!』

「あ、ああ…。」

 

俺はユルセンに言われて右手に霊力を溜めると、弓矢に向けて目の紋章を描いた。

すると、弓矢から緑色の煙が発生し、煙が上に昇ると、その煙から緑衣状の幽霊・ロビンゴーストが出現した。その際、ロビン・フッドの絵が映った。

 

「あれが、ロビン・フッドの幽霊…。」

 

俺が呟いていると、ドライバーが再び出現した。そこへロビンゴーストがドライバーに取り込まれ、ドライバーから緑色のアイコンが生成された。

 

『ロビン・フッドになりたいと願った男の想いが、ロビンを出現させたようだな。』

 

ユルセンはそう言った。俺は男の亡骸をもう一度見た。誰かは知らないけど…その想い、大切に扱うからな!

 

「っ!…部長、この近くに堕天使のような気配がここに近づいていますわ。」

 

姫島先輩が堕天使の気配を探知したようだ。それを聞いたリアス部長は再び魔方陣を出現させた。

 

「イッセー、話は後で聞くわ。今は部室に帰るわよ!」

「なら、アーシアや幽一も!」

「イッセー、前にも言ったでしょ?この魔方陣は私と眷属しか転移できないのよ。」

「そんな…!」

 

イッセーは魔方陣が悪魔専用であることをすっかり忘れていたらしい。だが、俺に退路がない訳ではない。

 

「イッセー、俺とアーシアはバイクに乗ってここから脱出する!」

「けど!」

「イッセー、今は幽一を信じなさい。」

「…分かりました。幽一、頼む!」

 

俺がイッセーに頼まれると、イッセー達は転移していった。

 

「さて、俺たちもここから脱出しよう。ついてきてくれ!」

「は、はい!」

 

俺とアーシアは外へ出ると、近くに停めておいたバイクに乗る。

 

『幽一、そのバイクにはステルス機能が搭載されている。真ん中のボタンを押せ!』

「真ん中…これか!」

 

俺はすかさず、真ん中のボタンを押すと、ナビに[STEALTH MODE]が表示される。すると、バイクからステルス迷彩が展開された。

 

「…あれ、何も変わんないぞ?」

『周りからは見えないだけだ。けど油断したら探知されるぞ!早く発進しろ!』

「OK。アーシア、しっかりつかまってろよ!」

「は、はい!」

 

俺はアーシアにそう言うと、アクセル全開でその場から離脱した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

数分後、俺たちは堕天使達に探知されることなく逃げ切ることができた。しかも幸いなことに、俺の自宅まで近かった。

 

「アーシア、ここまで来れば安全だ。今日は…ん?」

「…きゅぅぅぅ…。」

 

俺が後ろへ振り替えると、アーシアが気絶していた。そういえば、結構スピード出して逃げてたからな…あまりのスピードで目が回ったか。

 

『普通なら検挙されてただろうね。』

 

まぁ、ユルセンの言ったことは正論だな。ステルスモードが無かったら、今頃スピード違反で検挙されてただろうな…まぁ、堕天使達にアーシアを誘拐されるよりはマシだけどな。

俺は駐車場にバイクを停めると、アーシアを背負って自宅に入る。そして、アーシアを自分のベッドに寝かせると、俺は床に布団を敷いて簡易ベッドを作り、そこで寝た。

明日のことも考える必要があるが、今は考えるのは止めだ。ゆっくり休むか…。

 




ED[STUDY×STUDY]




先週、USJに行ってました。とても楽しかったです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

放て、友情の弓矢!

ロビンゴーストの登場シーン、どう考えてもウサイn(キンッキンッキンッキンッ!)



OP[我ら思う、故に我ら在り]



 

 

 

「ん?……朝か……。」

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。俺は朝日の光で目を覚ます。俺は起き上がると、壁にかけてあるカレンダーを確認した。今日は土曜日か。ふと振り返ると、アーシアが俺のベッドで寝ていた。そういや昨日、気絶しちゃったから俺のベッドまで運んだっけな。

 

『幽一、そろそろ飯でも作ったらどうなんだ?』

「そうだな。」

 

ユルセンが姿を現してそう言うと、俺はキッチンに移動して朝食を作り始める。とりあえず、お粥を作るか。昨日の惨劇を見たら一日で直るはずがないからな。

俺は作ったお粥をテーブルに置く………ん?

 

「ユルセン。」

『ん?』

「あの黒電話は何だ?」

 

俺はふとタンスの上を見てみると、そこには一台の黒電話らしきものが置いてあった。黒電話にしては、受話器が鳥の頭部みたい形状になっていた。

 

『あれはコンドルデンワー。黒電話とコンドルに変形できるんだ。恐らく、ロビンが呼び寄せたんだろうな。』

 

ユルセンがそう言った。確かにロビンアイコンが共鳴していた。コンドルにも変形するらしい…けどコンドルってそんなに首長かったっけ?

 

「ん……あれ、ここは?」

 

すると、アーシアが目を覚ましたようだ。俺はアーシアに近寄る。

 

「おはよう、アーシア。」

「おはようございます……え、えっと…。」

「……あ、そういやまだ、ちゃんとした自己紹介してなかったな。俺は五十嵐幽一だ。そしてこいつがユルセンだ。」

『ちゃおっす。』

 

ユルセン、お前は仙人だけどカ○キョーじゃないだろ…。

 

「わ、私はアーシア・アルジェントと言います。」

 

俺たちは互いに自己紹介をした。

 

「とりあえず、朝食を食べよう。」

 

俺はアーシアにそう言うと、さっき作ったお粥を食べることにした。アーシアは最初、これが何なのかが分からなかったようらしく、俺が説明するとアーシアがお粥を食べ始めた。どうやら口に合っていたらしい。それはそれでよかった。

 

俺は朝食を食べ終えると、スマホでイッセーにメールを送った。昨日はメール送れなかったからな…。

食器を洗い終えた時に返信が来た。イッセーは昨日の戦闘で足を負傷したらしく、今日は行けないから明日の昼にアーシアを連れてきてくれという内容だった。俺が駆けつける前にあの神父に撃たれたのか…。とりあえず俺は了解のメールを返信しておいた。

 

「…ところで、アーシアはいつイッセーと知り合ったんだ?」

「イッセーさんとはこの駒王町に来たばかりの時に出会いました。色々ご迷惑をおかけしたのに助けてくれたんです。」

 

アーシアは丁寧に答えてくれた。イッセーはあの性格にも関わらず、優しいんだな。

 

「それと、私からも一ついいですか?」

「何だ?」

「貴方もイッセーさんと同じ悪魔ですか?」

 

アーシアは俺が悪魔なのか尋ねてきた。

 

「いや、俺は人間だ。」

「そうですか。」

 

俺はそう言い返した。ちなみに、あの家族写真はタンスの中にしまってある。何せ、今は見せる時じゃないからな……。

 

「なぁ、もし良かったら明日、イッセーに会わせてあげるよ。」

「ほ、本当ですか!?」

「もちろんさ。」

「あ、ありがとうございます!」

 

俺はアーシアに明日のことを伝えると、アーシアは喜んだ。イッセーも心配してるだろうしな。

『おいおい、そんなことしていいのかよ?』

「イッセーも心配してるから別にいいだろ?」

 

ユルセンが何やら反対しているが、俺はイッセーやアーシアのことも考えてそう言い返した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

~次の日~

 

 

 

 

 

俺はアーシアを後ろに乗せてバイクを運転している。今日は約束通り、イッセーと会う日だ。

俺は駐車場にバイクを停めた後、イッセーが来るまで駐車場前で待機する。

 

「アーシア!」

 

数分してようやくイッセーが到着した。

「イッセーさん!」

 

アーシアがイッセーに駆け寄った。俺もイッセーに歩み寄る。

 

「無事だったんだな。」

「もちろん、完全ステルスで逃げ切ったさ。」

 

俺はイッセーにそう言い返した。バイクに搭載されたステルス機能のおかげなんだけどな。

 

『オイラのおかげだけどね。』

『まぁ、そうだな。ユルセンもよくあんな高性能のバイクを調達できたな。』

 

俺はユルセンと心の中で会話していた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

俺たちは駒王町で有名なハンバーガーショップで昼食をとることになった。

「あの、これは何ですか!?」

「これはハンバーガーって食べ物なんだよ。」

 

イッセーはアーシアにハンバーガーの食べ方などを自分なりに教えていた。アーシアは教会出身だったからハンバーガーを知らないのは当然か。

 

「そういえば、幽一ってフィッシュバーガーなんて食べるっけ?」

「いや、俺は普通に食べるけど。」

 

俺はイッセーの疑問にそう答えた。俺も元々は寺に住んでたから、肉より魚派だ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

腹ごしらえを済ませた後、ゲームセンターに行き、まずはバスケゲームをやった。ちなみに得点はというと、イッセーは46点、俺が71点、アーシアは…………可哀想だから察してあげてくれ。得点見た途端すごく落ち込んでたからさ…。

 

『たったの4点だってさ(笑)。』

『シバくぞ?』

『サーセン…。』

 

毒舌のユルセンは置いておき、俺たちはUFOキャッチャーが多数設置してあるところを歩く。するとアーシアが立ち止まり、一台のUFOキャッチャーの景品を見つめる。どうやらアーシアはあのウサギのぬいぐるみが欲しいようだ。

まず俺から挑戦してみたが、何らかの仕様なのか、クレーンは俺が予想していた地点をオーバーしてしまい、結局失敗。

 

『下手だなぁ~。』

 

UFOキャッチャーはあまりやらないから仕方ないんだよ…。続いて、イッセーか挑戦した。

 

 

 

 

ゴトンッ!

 

 

 

 

なんと、横四方獲りで見事ぬいぐるみをゲットした。イッセーは獲得したぬいぐるみをアーシアにあげた。

 

「ありがとうごさいます、イッセーさん!」

「いいってことさ。」

 

イッセーって意外とセンスあるかもな。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……うっ!?」

「イッセーさん!?」

「お、おいイッセー!?」

 

夕方になった時、突然イッセーが足の痛みで立て膝を突いた。まだ足治ってなかったのか…。俺はイッセーに肩を貸し、近くの公園のベンチに座らせた……この公園は確か…。

 

『そう、イッセーが一度殺された場所さ。』

 

やっぱりそうだったか…そうなると、“アイツ”がいつ襲いかかってきてもおかしくないな…。

 

「イッセー、大丈夫か?」

「ああ、ちょっと痛み出しただけだ…。」

 

イッセーはそう言うが、対悪魔用の銃弾で撃たれたためか、また苦しみ出した。

 

「少し見せて下さい。」

 

アーシアはそう言ってしゃがむと、イッセーの撃たれた太腿部に両手を添えた。すると、両手から淡い光が発生した。

 

『この光は、聖母の微笑【トワイライト・ヒーリング】か。』

『それってもしかして、アーシアの神器のことか?』

『その通りだ。』

 

ユルセンは神器の詳細まで知ってるのか…。

 

「………はい、これで大丈夫ですよ。」

 

アーシアが神器による治療を終えると、イッセーは立ってみた。

 

「すげぇ、痛みがなくなってる!」

 

イッセーからさっきの痛みが消えていた。あの神器、すごい力を持ってるな。

 

「それがお前の神器なのか?」

「…はい。」

 

俺の質問にアーシアは悲しげな表情で答えた……何か、辛く重い過去を背負ってるようだな…。

 

「アーシア、一ついいか?」

「何ですか?」

 

 

 

 

「どうしてあのクソ神父と一緒にいたんだ?」

 

イッセーはアーシアにそんな質問をした。するとアーシアは怯えるような表情になってしまった。確かに俺も気になるな…。あの現場にアーシアがいたのも…。だけどん今聞くのは流石にまずいか…?

 

「……分かりました、全て話します。」

 

アーシアは了承すると、過去を含めてあの神父と一緒にいた件を話し始めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アーシアは昔、己の身に宿る神器の力が発覚した際に教会から、癒しの力を持つことから聖女として祀られていたらしい。しかしある日、教会の前で重傷を負っていた一人の悪魔を助けたことをきっかけで教会から追放されてしまったらしい。その際、教会から魔女の烙印を押されたらしい。居場所が無くなった彼女は、しばらく各地を放浪していたが、日本にやってきた際に堕天使に拾われたとのこと。

そしてアーシアが求めていたもの……それは“友達”だった。アーシアは“友達”をつくるため、そのために神器を使って傷を負った者を癒していったらしい。アーシアは地位や名誉なんかじゃなく、友達を求めていた。孤独感から抜け出すために…。

しかし、彼女の神器は人知を越えた力、その力故に世間の人々から白目で見られていた。アーシアは友達をつくることが出来なかった。力持つ者に付く大きな[代償]、彼女にとっての[代償]は“孤独感”だった。恩を仇で返すような無慈悲な現実を、彼女はずっと味わってきた。これがアーシアの過去だった。

 

「「……。」」

 

俺とイッセーは、アーシアの過去を聞いて終始絶句していた。いや、しない方がおかしい。それに…俺も似たようなものだ。家族を失い、世間から悪口や暴力を受ける始末。そして孤独感を趣味で紛らわすことに明け暮れていた日常。そして、いつか話すことになるだろう…………俺が“この世界の人間じゃない”ことを…。今なら分かる、アーシアの孤独感が…。

 

「これは修行なんですよ……神様が私に与えてくれた修行……これを乗り越えさえすれば、きっと友達だって…。」

 

 

 

「そんなの間違ってる!」

「!?」

「たとえそれで友達が出来たとしても、その先にあるのは幸せとは限らない。友達というのは、お互いが楽しさを分かち合ってこそ出来るものなんだ。概念に囚われることは、心を閉ざしてることと同じだ。だから、[心の目]を開くんだ!」

 

修行すれば何とかなると自嘲気味に話していたアーシアに、俺は首に着けた龍の首飾りを左手で掴みながらそう告げた。父さんだったら、絶対にそう言ってただろうしな。

 

「幽一の言う通りだ。楽しさを分かち合えば友達はできるさ。アーシア、俺たちが友達になってやる!それに、もう俺たちは今日一日楽しんだんだ!それだけで友達だ!」

 

イッセー、お前たまには良いこと言うじゃないか。

 

「私のなんかの友達に、なって下さるのですか?」

「ああ!」

「当ったり前だろ!」

『オイラのことも忘れるなよ?』

 

俺とイッセーはアーシアの質問に答えた。その際、ユルセンも出てきた。グッドタイミングだぜ、ユルセン。

それを聞いたアーシアは、涙を浮かべながらも晴れやかな笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

「友達?そんなのは無理よ。」

 

そんな中、突然一人の女の声が平穏を引き裂いた。俺たちはある方向を向くと、そこにはレイナーレの姿があった。

 

「ゆ、夕麻ちゃん!?」

「なんだ生きてたんだ。しかも悪魔に転生?そしてあの幽霊モドキもいるし。最悪ぅー……。」

 

そうか、イッセーはまだこいつの本来の名前を知らなかったな。

 

「「レイナーレ(様)…。」」

「レイナーレ…。」

「さぁ、アーシア帰りましょう。私の計画には貴女が必要なのよ。」

 

イッセーはようやくレイナーレの正体を知った。アーシアはレイナーレの発言を聞くと、酷く怯えていた。計画…?あいつ、アーシアを何に使う気だ!?

 

「今度はその子と恋人ごっこかしら?イッセー君。思い出すわあの日のデート……楽しかったわよ?」

「ふざけんな!お前のせいで俺は死にかけたんだぞ!?」

「死ねばいいのに悪魔に転生しちゃってさ。」

 

死ねばいいのに…?こいつ、あの神父と一緒の考えだ…。自分以外の種族を見下すやつは…許さない!

 

「……今なんて言った?」

「え?」

「今イッセーに対して“死ねばいいのに”って言ったな?」

「ええ、確かに言ったわ。幽霊モドキが何…」

「俺はそういう言葉を扱う奴が嫌いだ。俺の友達を馬鹿にするな!」

 

俺は怒りを爆発させると同時にドライバーを出現させる。そしてカバーを展開し、オレアイコンをナンバリング状態にしてドライバーに装填し、カバーを閉じてハンドルを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身し、オレゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを装備する。

 

「俺も戦うぞ!」

 

イッセーはそう言うと、自らの神器・龍の手を展開した。

 

「イッセー、お前はアーシアを守ってくれ。あいつは俺がやる。」

「な、何でだよ!?」

『戦闘経験がないお前が戦っても、あいつに勝てるはずがない。それに龍の手は力を倍加させるといっても、持ち主の力に依存するものだ。だから幽一に任せろ!』

「…分かった、頼むぞ!」

「任せろ!」

 

俺はイッセーにそう言うと、レイナーレに向かって突撃する。

 

「さぁ、命燃やして行くぜ!」

「ふん、この前とは違うわ。ここで成仏しなさい!」

 

レイナーレはそういうと、俺に向けて光の槍を投擲してきた。俺はガンガンセイバーで弾きながらレイナーレに接近する。

 

「うおおおおおお!」

 

そして俺はレイナーレに向けてガンガンセイバーを振りかざす…………しかし

 

「ふふっ、無駄よ。」

「何!?」

 

レイナーレがバリアを展開して俺の斬撃を防いだ。こいつ、バリアを展開できるようにしたのか…!?

「吹き飛びなさい!」

「うわああああ!?」

 

俺はレイナーレの光の槍を受けて吹き飛ばされ、ガンガンセイバーを手放してしまった。

 

「幽一!」

「幽一さん!」

「うっ…くっ…!」

「たかが幽霊はそんな程度よ。さて、死んでもらうわ。」

 

レイナーレはそう言うと、光の槍を形成する。

 

「嫌だね。」

「?」

「俺は友情に対して敏感でな…。お前に分かるか?アーシアが孤独に苦しんできたことを…。俺とイッセーはな、アーシアにとって今日初めて出来た大切な友達なんだよ。」

「だったら何よ?」

「俺は自分の立場よりも、友情を大事にする。だから、お前なんかにアーシアを奪われてたまるか!」

 

俺はそういうと、ロビンアイコンを取り出し、ナンバリング状態にする。続いてカバーを展開し、オレアイコンを外してからそこにロビンアイコンを装填してからカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

すると、ドライバーからロビンゴーストが出現した。

 

『ピィィィィ!』

 

さらに、アニマルモードとなったコンドルデンワーが飛来し、先程俺が手放してしまったガンガンセイバーを足で運んできてくれた。

 

「今こそ、友情の弓矢を放つ時だ!」

 

俺はそういうと、ドライバーのハンドルを操作した。

 

 

 

『カイガン!ロビンフッド!ハロー、アロー、森で会おう!』

 

俺はロビンゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく弓矢の絵柄になった。さらに、ガンガンセイバーが弓矢状に変形したコンドルデンワーと合体し、アローモードへと変形した。

 

「喰らえ!」

 

俺はレイナーレに向けて光の矢を放つ。

 

「ふんっ、姿が変わったところでこのバリアは破れないわ。」

 

しかし、レイナーレのバリアは貫通することが出来なかった。どうにかして貫通できないか…。そんなことを考えてるうちに、レイナーレは次々と槍を放ってきた。

 

『幽一、あいつの行動をよく見ろ!』

「行動…?」

 

俺はユルセンからアドバイスを聞くと、レイナーレの槍を避けながら弱点はないか見てみる。すると、レイナーレが槍を放つ際、その時だけバリアに穴が生じるのが確認できた。

 

「あれだ!」

 

俺は弱点を見つけると、弓矢をドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』

 

俺はエネルギーを溜めると同時にエネルギーで形成された弦を限界まで引き絞る。そしてレイナーレが槍を放つタイミングを見て、俺はトリガーを引くと同時に弦を離した。

 

『オメガストライク!』

「いっけぇぇぇぇぇぇ!!」

 

コンドルのくちばし部から強力な光矢を放つ。その光矢はレイナーレが槍を放つ際の穴を通過した。

 

「キャアアアアア!?」

 

光矢は見事レイナーレに命中し、レイナーレは木に激突した。

 

「やった…!」

 

俺は弓矢を構えながらレイナーレに近づく。

 

「どうだ、幽霊なめんなよ?」

「…勝負は私の負けね……けど、作戦は私の勝ちよ。」

「何だと?」

 

レイナーレの意味深な発言をした次の瞬間

 

 

「うわああああああ!」

 

突然、後ろからイッセーの声が響き、俺は振り返ると、そこにはスーツ姿の堕天使がイッセーを吹き飛ばしている光景が映っていた。

 

「イッセー!」

『もう一人、いつの間に!?』

 

俺はすぐにイッセーたちのもとへ駆けつけ、弓矢を放とうとしたが

 

「!?」

「ふふふ…甘いわ。」

 

隙を突かれてレイナーレに拘束され、槍を首元に突きつけられてしまった。

 

「よくやったわ、ドーナシーク。」

「感謝の極み。」

 

あいつ、ドーナシークって言うのかよ…。それよりも、この状態を何とかしないと…!

 

「アーシア、私たちと共に戻りなさい。応じないならその悪魔とこの幽霊モドキを殺す。」

 

レイナーレがアーシアに向けて恐喝を言った。アーシア…だめだ、こんなやつに従っちゃだめだ…!

 

「くそ、卑怯だぞ…!」

「馬鹿ね、これはライアーゲーム、騙して何が悪いのよ?」

 

イッセーに対してレイナーレはそう言った。こいつら、どこまで根性腐敗してるんだよ…!?

 

「何度言わせるんだよ…お前らなんかに…アーシアを渡「分かりました。」…アーシア!?」

 

俺が言い切る前に、アーシアはレイナーレの言葉に従ってしまった。

 

「いい子ね。こっちへいらっしゃい。」

 

レイナーレは俺を投げ飛ばすと、アーシアにこちらへ来るように言った。

 

「ま、待てアーシア!俺たちとアーシアはもう友達なんだ!友達なら見捨てる訳にはいかない!アーシアは俺たちが守ってやる!だから頼む、行っちゃダメだ!」

 

イッセーは必死にアーシアを呼びかけるが、アーシアはレイナーレのもとへ一歩一歩近づいていく。

 

「ダメだ、アーシア!」

 

俺も必死に呼びかけた。するとアーシアは立ち止まると、こちらに振り返った。

 

「イッセーさん、幽一さん、ユルセンさん……こんな私と友達になってくれて、ありがとうございます。………

 

 

 

さようなら。」

 

アーシアは涙を流しながらそう言った。そしてレイナーレのもとへ歩み寄った。

 

「命拾いしたわね。もし次邪魔をしたら本当に殺すわ。じゃあね、イッセー君。それから、幽霊モドキ。」

 

レイナーレはそう言ってドーナシークと共にアーシアを連れ去ってしまった。俺たちは結局アーシアをあいつらに奪われてしまった。何が心を開けだよ…自分ができないくせに……!

俺たちは嘆くことしかできなかった。守り切れなかった自分たちの無力さに…。

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」



「ダメよ、許可できないわ!」

アーシアを奪われてしまった幽一とイッセーは、リアスの制止を振りきってアーシア救出へ向かう。

「アーシア、絶対に助けてやるからな!」

イッセーと幽一は二手に別れて教会へ向かう。

「全てはレイナーレ様の目的のために!」

幽一はそこでドーナシークと戦闘になった。

「……。」

ドーナシークが幽一に、レイナーレの目的を言ったその時、幽一の瞳の中で、“何か”が弾けた。

次回[迷い無き種子【S.E.E.D】]

その目に焼き付けろ!



試験用に次回予告を作ってみました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

迷いなき種子【S.E.E.D】

次回予告とは結構異なる内容になってしまった……やっぱり次回予告はない方がいいや…と思いました。
今回は、幽一がある能力に目覚めます。




OP[我ら思う、故に我ら在り]



 

 

 

 

俺はあの後、アーシアが連れていかれた場所を探していた。バイクに搭載されたステルス機能、探知機能をフルに活用しながら、レイナーレ達の拠点となっている場所がないか探索している。

 

「どこだ……アーシアが連れていかれた場所はどこだ?」

 

俺は辺りを見渡しながら呟く。そういえばレイナーレのやつ、何らかの計画をしていたな…。最悪な事態になる前に早く見つけ出さないと…。これは俺だけじゃない、イッセーのためでもあるんだ…!

すると、バイクに多数の堕天使の反応があった。俺は反応がある方向に目を向けると、そこには廃墟となった教会があった。

 

「ここだ!」

 

ようやく見つけた。ここにアーシアが捕まっているんだな…。よし、イッセーのもとまで戻るか。

 

『幽一、イッセーは今部室にいるらしい。』

 

ユルセンがそう言った。イッセーは俺が探索している間に部室に転移されたらしい。恐らくイッセーは今頃、リアス部長に説教されてるだろうな。

俺は堕天使達がいる教会を見つけると、イッセーを連れていくために部室へ向かう。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は部室前まで到着すると、バイクから降りて階段を登り、部室の扉を開けて中へ入った。そこには案の定、イッセーを含んで全員いた。

 

「幽一!」

 

イッセーは俺がやってきたのを見て叫んだ。

 

「幽一、貴方今まで何処へ行ってたの!?」

「ちょっと情報収集してました。」

 

リアス部長が俺に対して質問してきた。俺は適当に返答すると、イッセーに近づく。

 

「イッセー、場所を突き止めたぞ。」

「本当なのか、幽一!?」

「ああ、けど時間がない。早くしないとアーシアの命が危ない!」

「分かってるさ、行くぞ!」

 

俺はイッセーにそう言うと、イッセーと共に現場へ向かおうとする。

 

「待ちなさい!」

 

しかし、リアス部長に止められてしまった。

 

「何ですか部長、事態は一刻も争うんですよ!?」

「幽一、何故貴方もあのシスターのことを優先するの?イッセーにも言ったけど、これは貴方たちだけの問題じゃないわ。下手をしたら私や他の部員に被害が及ぶ可能性があるのよ!?」

「俺は部員であって貴女の眷属じゃない。だからある程度は自由に行動させてもらいますよ。それに、アーシアは大切な友達なんです。たとえそれが敵同士だとしても!」

 

行かせてくれないリアス部長に俺はそう論した。

 

「幽一の言うと通りですよ部長。アーシアはかけがけのない友達なんです。一刻も早く助けに行かないと!」

「ダメよ、許可できないわ!イッセー、幽一、諦めなさい。貴方たちはあのシスターよりも大切な存在なのよ!」

「それは大間違いだ!!!」

 

頑固に俺たちを行かせてくれないリアス部長に、俺はリアス部長に対して怒号を浴びせた。その際、リアス部長を含めて他の皆が一瞬怯んだ。

 

「俺はイッセーが一度死ぬ光景だけじゃない…それ以前にも、他の人達が死ぬ光景を見てきたんだ。もう見たくないんだ…あんな悲惨な光景は…大切な人が死ぬ光景は……だから頼みます部長。行かせて下さい!」

 

俺は悲しみの表情で自身の体験してきた事を言った。それはもちろん、俺が一度死んだ時の事も含めている。だが、リアス部長はそれでも首を縦に振らない。

 

「……それでも許可しないなら、俺はオカ研を抜ける。イッセーも同じようなことを考えてるはずです。」

「幽一、お前…。」

「!?…貴方まで何を「部長。」…何かしら?朱乃。」

 

姫島先輩はリアス部長に耳元で何やら話している。何だろうか…?

 

「…分かったわ……。イッセー、幽一、私は朱乃と一緒に用事が出来たから出掛けるわ。」

「部長!」

 

リアス部長は俺とイッセーにそう言うと、朱乃と共に何処かへ行こうとする。イッセーが呼び止めようとすると、リアス部長はイッセーの方に振り向く。

 

「イッセー、貴方は兵士が弱い駒って思ってるわよね?」

「はい…。」

「兵士には【プロモーション】という能力があって、敵陣に入ると王以外の全ての駒の能力が使えるのよ。例えば“教会”とか…ね。」

 

リアス部長はイッセーに【プロモーション】の詳細を説明すると、姫島先輩と共に部室から出ていった。俺はリアス部長が言った言葉を理解した。そう、部長は今その瞬間、俺たちが向かう教会を敵陣と認めたのだ。

 

「…イッセー、行くぞ。」

「え?でも部長が…。」

「このままだとアーシアの命が危ない。」

「…分かった!」

 

俺たちもアーシアを助けるために部室から出ようとする。

 

「イッセー君、幽一君。」

「悪いけど木場、止めても無駄だぜ。」

 

イッセーは木場の制止を振りきろうとした。すると

 

「いや、止めるつもりはない。僕も行くよ。」

「……本当か?」

「君達の言うアーシアさんを知らないけど、君達は僕らの仲間だからね。それに、個人的に教会とかが好きじゃないんだ…“憎いほど”にね。」

 

木場が協力してくれるらしい。教会が憎いって…何らか理由があるのか…?

 

「…私も行きます。3人だけじゃ心配です。」

「…小猫。」

 

小猫も協力してくれるようだ。

 

「よし、行くぞ!」

 

俺はそう言うと、皆と部室から出た。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺は出発する前にあらかじめゴーストに変身する。すると、停車してあったバイクが姿を変えた。その形状はまるで黒い一角獣のようだった。

 

「え、幽一のバイクが変わってる!?」

「あれ、俺のバイクが…?」

『マシンゴーストライカー。それがこのバイクの本来の姿さ。』

 

ということは今までのは擬態した姿ってことか…。

 

「とりあえず、急ごう。」

「ああ。」

 

そして俺たちは出発した。

 

「アーシア、絶対に助けてやるからな!」

 

後ろでイッセーが呟いていた。確かにそうだな…絶対にアーシアを助け出すんだ!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

俺たちは教会からもうすぐの地点まで近づいていた。と、その時

 

「!?…危ねぇ!?」

 

突然、上空から光の槍が降り注いだ。俺はそれぞれ光の槍を避けた。俺とイッセーはすかさずバイクから降りる。

 

 

 

「来たか、悪魔共が。」

 

俺たちが見上げると、そこにはドーナシークがいた。

 

「あいつ…!」

 

イッセーが龍の手を展開すると、ドーナシークを睨み付けた。

 

「レイナーレ様の邪魔はさせん。ここで消えろ!」

 

ドーナシークはそう言うと、俺たちに襲いかかってきた。

 

「ふっ!」

「…!?」

 

俺はガンガンセイバーを装備すると、ドーナシークの一撃をガードする。

 

「イッセー、木場、小猫、先に行け!」

「幽一!?でも「イッセー君、ここは幽一君に任せよう。」木場、だけど…。」

「イッセー、俺はこいつを倒した後に行く。だから、行け!そして必ず…アーシアを救い出せ!」

 

俺はイッセーにそう言った。

 

「……先輩、行きましょう。」

「…すまない、幽一!」

 

イッセー達はそのまま教会へと向かっていった。

 

「行ったか…。」

「ふん、貴様のことはレイナーレ様から聞いている。幽霊モドキということをな。」

「何を言われようと、俺は一歩も退かない!」

「ならばここで死ぬがいい!」

 

ドーナシークは再び攻撃を再開してきた。俺は浮遊すると、ガンガンセイバーをガンモードに変形させて銃撃する。

 

「答えろ、レイナーレはアーシアを利用して何をする気なんだ!?」

「所詮貴様はここで死ぬんだ。教えてやろう、レイナーレ様はあのシスターから神器を摘出する儀式を行っているのだ。」

『神器を摘出!?』

 

アーシアから神器を摘出…!?どういうことだ?

 

『幽一、神器を摘出された者がどうなるか分かるか?』

「どうなるんだ?」

『簡単だ、神器を摘出された者は…………死ぬ!』

「!」

 

ユルセンはそう説明してくれた。神器を摘出された者が死ぬ……つまり、急がないとアーシアは死ぬことになる!

 

「レイナーレ様はあのシスターの持つ神器を求めているのだ。あのシスターはレイナーレ様の目的のための道具に過ぎん。それに、あの悪魔共が向かったところでレイナーレ様に敵うはずがない。」

「……ふざけんなよ?」

「ん?」

「命はそんなに軽くないんだよ!」

 

そんな目的のために、アーシアの命を奪われてたまるか!俺は早くこいつを仕留めようとロビンアイコンを取り出した。

 

「ふんっ!」

「うわっ!?」

 

しかし、ドーナシークの放った槍がロビンアイコンを弾いてしまった。

 

『ロビンのアイコンが…!』

「ほぅ…これが貴様の持つアイコンというものか…。レイナーレ様の目的のためだ。これは使わせてもらう!」

 

ドーナシークはそう言うと、ロビンアイコンのボタンを押した。すると、ドーナシークの身体が緑色の光に包まれた。

 

「しまった!?」

 

光がおさまると、そこには黒と緑色の翼を生やし、両手に弓矢を模した槍を装備したドーナシークの姿があった。

 

「これがアイコンの力か………ふんっ!」

「うわああああ!」

 

俺はドーナシークの放った緑色のレーザーを受けて吹き飛ばされてしまう。

 

『嘘だろ…堕天使がアイコンの力を使うなんて…!』

「この力は素晴らしい…!全てはレイナーレ様の目的のためだ、貴様を殺してアイコンを全て頂く!」

 

ドーナシークはそう言うと、槍を構えて突撃してきた。アーシアを殺して神器を奪う?俺からアイコンを奪う…?

 

「安心しろ、今頃あの悪魔共は地獄に墜ちてるはずだ……貴様の力で地獄に墜ちるがいい!」

 

俺の思考が複雑になっている間に、ドーナシークが槍を突きつけてきた。

 

『幽一!!』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「いいか幽一…英雄の心を学び、心の目を開くんだ…!」

 

 

 

「もう俺たちは今日一日楽しんだ!それだけで友達だ!」

 

 

 

「……こんな私と友達になってくれて、ありがとうございます……。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

カキンッ!

 

 

 

「何!?」

 

俺はドーナシークの攻撃を弾いた。

 

「はあっ!」

「っ!?」

 

そして蹴りつけてドーナシークを遠ざける。あいつらにアーシアを殺されてたまるか…!あいつらにアイコンを渡されてたまるか…!あいつらに仲間を……友達を殺されてたまるか!

俺が…俺が皆の命を守るんだ!!

 

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

 

俺が決意を固めたその時、俺の瞳の中で何かの種が弾けた。それは何の迷いもない思いが詰まった種子。それが今、俺の中で弾けて広がった。命を守ることに、迷いなんて……ない!!

 

「……。」

『…幽一?』

「ふん、所詮一撃が防がれただけだ。これで串刺しになるがいい!」

 

ドーナシークが再び槍で突き刺してきた。しかし、その槍は俺の肉体を貫くことはなかった。何故なら、俺の身体を“すり抜けた”からだ。

 

「…何だと!?」

「……ふっ!」

「ぐわっ!?」

 

俺は霊力の波動でドーナシークを吹き飛ばす。俺はその間にムサシアイコンを取り出すと、ドライバーに装填してカバーを閉じ、ハンドルを操作した。

 

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを二刀流モードにする。

 

「くっ…幽霊モドキが…!」

「…。」

 

俺は無言のままドーナシークの前に瞬間移動する。

 

「なっ…!」

「…。」

 

ドーナシークが突然の出来事に驚く中、俺はドーナシークに向けて刀を振るう。ドーナシークは槍で防御した…が、刀は槍をすり抜けてドーナシークの肉体を切り裂いた。

 

「うわあああっ!?」

「……。」

 

俺はドーナシークに対して何回も斬撃を繰り出していく。

 

「貴様、何故先程から何も喋らない!?」

「…黙れ。」

「!?…うぐっ!」

 

俺はドーナシークに怒りのこもった言葉を吐くと、そのまま地面へ蹴り落とした。俺は右手に持った刀をドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』

 

俺は地面に叩きつけられたドーナシークのもとに着地する。そして二本の刀にエネルギーを溜める。

 

「その力…貴様、本当に人間か…?」

「違う……俺は、半人半霊だ!」

『オメガスラッシュ!』

「はああああああ!」

「うわあああああああ!!」

 

俺はドーナシークにそういうと、二本の刀でドーナシークの肉体をクロス状に切断した。直後にドーナシークの身体は爆発し、ロビンアイコンも俺の手元に戻った。

 

『幽一、その力…。』

「………は、こんな事してる場合じゃない!急がないと!」

『ああ、急ぐんだ!』

 

俺はすぐにマシンゴーストライカーに乗ると、教会へと急ぐ。頼む………どうか、間に合ってくれ!

 




ED[STUDY×STUDY]
挿入曲[INVOKE-インヴォーク-]




そういえば、修学旅行がもうすぐだな…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

レイナーレの最期

今回で一章完結です。




OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

 

 

俺は教会に到着すると、そこでマシンゴーストライカーから降りる。教会はもう使われてないのか、経年劣化で所々がボロボロになっていた。

俺の視界には、何かの残骸があちこちに散らばっていた。恐らくレイナーレの手下達だろうな。俺がドーナシークと戦ってる間にイッセー達が片付けてくれたんだろう。ちなみに俺の手元には、ドーナシークが遺した一枚の羽根がある。ドーナシークを倒した後に教会へ急ぐ前、地面に落ちてたから念のために拾った。

 

『幽一、イッセーはあの聖堂の中にいるぞ。』

「分かった。」

 

俺は目の前にある聖堂の中に入った。そこにはイッセーがいた。さらにその奥にはレイナーレが叩きのめされて倒れていた。イッセーが勝ったんだな。

俺はイッセーの左腕をよく見ると、イッセーの神器・龍の手【トゥワイス・クリティカル】の形状が変化していた。今まで左手の拳だけ覆っていたのが、左手の肘まで覆っており、手というよりは籠手の形状になっていた。

 

「イッセー。」

「遅かったじゃねぇかよ、幽一…。」

 

イッセーは半ば愚痴に近い形で返事をした……………泣いてる…?

イッセーは目から涙を流していた。

 

「お、おい…お前何泣いてるんだ………!?」

 

俺は何故か泣いているイッセーに近づく。その際、俺はふとある方向に目を向けてしまった……。

 

 

「アーシア…?」

 

そこには長椅子に横たわっているアーシアがいたのだ。俺はすぐにアーシアに歩み寄った。そう、最悪な予想が的中してしまったのだ。

 

『幽一、アーシアから……魂が無くなってる…!』

「魂が…ない?」

 

ユルセンの言う通り、アーシアから魂の反応が見られなかった。聖堂に入る前、イッセー以外の魂が見られなかったのはそのためなのか…!?

 

「イッセー………アーシアは、まさか……!?」

「すまない幽一……………

 

 

 

助けられなかった…!」

「!」

 

イッセーは悲痛な声で言った瞬間、俺は心を痛めたあまり、急な脱力感に見舞われた。どうやらアーシアは、レイナーレに神器を摘出されてしまい、命を落としてしまったようだ……………あれだけ守りたいと願ったのに……結局守りきれなかった…!今回だけじゃない……俺の家族の時も…イッセーの時もそうだ……守る守ると言って今まで一度も守りきれたことなんて無いじゃないか!!

 

「俺が…俺がもっと早くあいつをぶちのめしていれば…!」

「…いや、イッセーは悪くない。悪いのは…あそこにいる堕天使だ……。」

 

同じくアーシアを助けられなかったことに嘆くイッセー。俺は仮面の中で涙を流す。

 

「やぁイッセー君、幽一君。お疲れ。」

「お前も遅いじゃねぇかよ、木場。」

 

そこへ木場と小猫が到着した。俺たちより後に入ってきたってことは、何かと戦ってたんだな…。

 

「貴方ならやれると信じてたわ。」

「ぶ、部長!?」

「部長…。」

 

リアス部長と姫島先輩もやってきた。

 

「あらイッセー、その神器…。」

「え?俺の神器、変なところありますか?」

『形状が変化してるんだよ。見て分かるだろ?』

 

リアス部長がイッセーの神器を見た。未だに自分の神器がどうなってるのか知らないイッセーに、ユルセンが教えた。

 

「そう……そう言うことなのね…。」

 

リアス部長は何やらイッセーの神器の詳細を知ってるようだ。あの形状は明らかに龍の手じゃない。だとしたらあれは何だろう…?

 

「……部長、“持って”きました。」

 

すると小猫が奥で倒れていたレイナーレを掴んでリアス部長のところまで引きずってきた。あれを“持ってきた”って表現するのはどうかと思うけど…。

 

「朱乃。」

「はい、部長。」

 

姫島先輩は指先から魔力で水を形成し、それをレイナーレの顔面にぶっかけた。

 

「ぷはっ……!」

 

すると、レイナーレが蘇生した。

 

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ。私はリアス・グレモリー、グレモリー家の次期当主よ。」

「…グレモリー一族の娘か。」

「短い間だけど、以後お見知りおきを。」

 

リアス部長はレイナーレに自らの名前を名乗った。

 

「……ふふふふ。」

「何が可笑しいのかしら?」

「私には仲間がいる。アイツらが来れば貴様らなど「これのことか?」…!?」

俺はそう言うと、ドーナシークの羽根を取り出す。

 

「これはドーナシークの羽根だぜ。」

「!?」

 

俺がそう言うと、レイナーレは驚きの表情を浮かべた。リアス部長も続いて二枚の羽根を取り出した。あの羽根……やっぱりレイナーレにはドーナシーク以外に仲間がいたらしい。

 

「堕天使カラワーナ、ミッテルトは私が消し飛ばしたわ。」

「ば…馬鹿な…!」

 

リアス部長がレイナーレにそう言った。

 

「そして貴女の敗因は、イッセーを甘く見過ぎたことよ。」

「くっ……たかが…下級悪魔に……龍の手なんかに「いいえ。」…何!?」

「イッセーの神器は龍の手【トゥワイス・クリティカル】なんかじゃないわ。」

「何!?…じゃあその神器は…!?」

「この神器は自分の力を10秒ごとに倍加させていき、一時的ながら神や魔王を越える力を得られる神滅具【ロンギヌス】の一つ、赤龍帝の籠手【ブーステッド・ギア】。」

 

せ、赤龍帝!?しかも10秒ごとにどんどん倍加していくって……イッセーってそんなすごい神器持ってたのかよ!?

 

『ただ、どの神器もそうだけど、持ち主の能力に依存するから、修行しない限りは神器本来の力は発揮できない。』

「ふーん……なあユルセン、赤龍帝って何だ?」

『赤龍帝【ウェルシュドラゴン】・ドライグ。赤龍帝の籠手にはドライグが封じ込まれてるんだ。』

 

ウェルシュドラゴン……ウェールズ伝説の赤い龍のことか…。

 

「さて、そろそろ消えてもらうわ。」

 

リアス部長はレイナーレにそう言うと、右手に赤黒い魔力の塊を形成する。これでレイナーレを滅するのだろう。と、その時

 

「助けて!イッセー君!!」

 

レイナーレは最後の手段と来たか、夕麻の姿になってイッセーに助けを求めた。

 

「私、任務のためにこんな酷いことをしてしまったけど、本当は貴方のことが好きなの!!」

 

こいつ…イッセーやアーシアを殺しておいて命乞いか…!俺はふとある方向に目を向けると、そこには何故か一本の櫂が立ててあった。そういえば、ムサシって二刀流だけじゃなく、櫂で戦ったって説もあるな………よし…!

俺はその櫂を両手で持つと、未だにイッセーに助けを求めているレイナーレに近づいた。それと同時に、再び俺の中でSEEDが発現した。

 

「お前、イッセーの何を分かってるんだ…?」

「…!?」

「お前が本当にイッセーを愛しているなら、何故殺したんだ…!?」

「……そ、それは…!」

「それだけじゃない…お前はアーシアを殺した……俺たちの親友を!!」

「……!?」

 

俺は威圧のこもった口調でレイナーレに言った。そして両手に持った櫂を構えて……

 

 

 

「歯を食いしばれぇ!!」

 

 

 

 

ベキィッ!!

 

 

 

 

そしてレイナーレの頭に思いっきり降り下ろした。その際、櫂がへし折れた。レイナーレは頭部を打撃されて気絶した。

 

「許しを乞うなら、閻魔大王にでも乞うんだな。」

 

俺は気絶したレイナーレに向けて愚痴を吐くと、折れた櫂を投げ捨てた。

 

「すまない幽一………部長、お願いします。」

 

イッセーは俺に礼を言うと、リアス部長にそう言った。レイナーレを始末するゴーサインだ。

 

「分かったわ……幽一に感謝しなさい、レイナーレ。私の下僕に言い寄るな…!」

 

そしてリアス部長は魔力の塊をレイナーレに放ち、跡形もなく消し飛ばした。その時、イッセーは未練のある表情になっていた。だがこれでよかった。あいつはイッセーを一度殺し、さらにアーシアの命まで奪ったのだから…。

 

「グッバイ、俺の恋…。」

 

イッセーは何か呟いた。俺はアーシアのもとに歩み寄る。救ってあげられなくてごめんな、アーシア………眠れ、安らかに…。

 

「……先輩、これ。」

「ん?…それって…。」

 

すると、俺とイッセーのもとへ小猫が何かを持ってやってきた………それって…?

 

『聖母の微笑【トワイライト・ヒーリング】……まだ残ってたんだな。』

 

それはアーシアの神器だった。これはまだ消滅していなかったらしい。

 

「!」

 

リアス部長はそれを見ると、何かを思い出したかのように悪魔の駒を取り出した。それは、前に俺に使おうとした僧侶【ビショップ】の駒……!

 

「そうか!」

「え…どういうことなんだ?」

「神器と肉体があれば、悪魔に転生させることができるわ。ちょっと規格外だけどね。」

 

リアス部長の言う通り、たとえ死んでも神器と肉体、そして駒があれば蘇生できる。つまり、これでアーシアを生き返らせることができるってことだ!

 

「そ、そんなことができるのか…?」

『お前はまだ分からないのか?じゃあお前はどうやって生き返ったと思ってるんだ?』

「はっ…!」

 

状況がつかめないイッセーに、ユルセンはそう言った。

 

「我、リアス・グレモリーの何に於いて命ず!アーシア・アルジェントよ、悪魔となりて我のもとに舞い戻れ!」

 

リアス部長が転生の呪文を詠唱した。すると、光と共に聖母の微笑と僧侶の駒がアーシアの中に取り込まれた。

 

「………ん?あれ、私……。」

 

すると、アーシアが再び目を覚ました。

 

「アーシア!」

「ひゃっ!?イッセーさん、どうしたんですか!?」

 

イッセーがアーシアに抱きついた。

 

「それに、幽一さんにユルセンさんも……これは一体?」

「なんだろうな、俺も分かんないや。」

『オイラも。』

 

俺とユルセンはアーシアの質問にそう答えた。

 

 

 

 

ユルセンside

 

 

 

にしても……幽一がドーナシークと戦ってた際、“ドラゴンの幻影”がうっすらと見えたような…。

もしかして、幽一に力を貸したんですか?………霊核の幻龍神【ディターレントドラゴン】・バハムート様…。

オイラは心の中でバハムート様に質問した…けど返答が帰ってくることはなかった。

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


あの戦いから翌日、アーシアが駒王学園に転校してきた。一方、幽一は3年生の男子生徒である石井鹸斗が率いる同好会・TF141【タスクフォース石井】に招待される。

次回 [TF141【タスクフォース石井】?]

その目に焼き付けろ!



次回話の元ネタは……完全にコール○ブデューティです。

※11/1 鹸斗を同級生から先輩に変更します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

TF141【タスクフォース石井】?

修学旅行から帰ってきてから久々に投稿です…………これ読んでる読者の中でCoD:MWを知ってる方がいることを願います。(100%それはない)


OP[我ら思う、故に我ら在り]




幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。今日、俺は一つ恥ずかしい姿をさらすことになってしまった。それは

 

 

「ブハハハッ!幽一、なんだよその髪型は!」

「ハハハハ!これは傑作だ!」

 

そう、寝癖で髪型がものすごいことになっているのだ。今日の朝目覚めたらこうなってて、ユルセンに手伝って髪を解かしてみたが、余計髪の毛がはね上がってしまった……最悪だ。案の定、俺の髪型を見て元浜と松田が爆笑していた……そして二人は女子達に粛清された。

 

「おいおい幽一、どうしたんだその寝癖は?」

「…察してくれ。」

 

イッセーが寝癖の件を尋ねてきた。朝起きたらこうなったなんて言いたくない…。

 

『お前もしかして、昨日のような事件を終えたらこんなに寝癖がつく体質なのか?』

『……多分そうかもしれない。』

 

ユルセンがそう察した。

この後、先生が教室に入ってきて、転校生がやってきたことを言った。俺はもちろん、イッセーは誰が転校してきたのかは分かっていた。

すると、教室の扉から一人の女子生徒が入ってきた。

 

「初めまして、アーシア・アルジェントと申します。日本に来て日が浅いですが、皆さんと仲良くなりたいです!よろしくお願いします!」

 

そう、転校生とはアーシアのことだった。昨日の事件の後、リアス部長がアーシアを学校に通わせるようにしたらしい。

 

「「「「「「「うおおおおお!!!」」」」」」」

「金髪美少女キターー!!」

「イェアアア!」

 

俺やイッセーを除いた男子生徒たちは大盛り上がり。

 

「なぁ幽一、ちょっとあいつら狂乱し過ぎと思わないか?アーシアがビビってるし…。」

「太陽のせいじゃないか?今日は活動が激しいからな。」

『太陽は関係ないだろ…。』

 

俺とイッセーは小声で会話した。ユルセンが何かツッコんでたが、気にしないでおこう。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「オラァ!喰らえ!」

「くたばれイッセー!」

「ちょっ、やめr…グハッ!」

 

放課後、イッセーが松田と元浜にフルボッコにされていた。

 

「そういえば幽一さん、その寝癖は…?」

「朝起きたらこうなってたんだよ…。」

 

アーシアまでも俺の寝癖の件を尋ねてきた……ってか俺、イッセーには言わなかったのにアーシアにはちゃっかりと言っちゃった…。

イッセーがフルボッコにされている光景を見ていたその時

 

「五十嵐幽一はいるか?」

 

突然、教室の扉から一人の男子生徒が入ってきた。どうやら3年生らしく、モヒカン頭に男前な顔つきが特徴な人だった。

 

「あれ、どうしたんですか石井先輩?」

 

俺は先輩である石井鹸斗に近づく。

 

「…って、おいおい。ずいぶんと派手なパーマだな。」

「さっきから散々言われてます。」

 

石井先輩までも寝癖を尋ねてきた………石井先輩、お前もか。

 

「とりあえず、お前に用があるんだ。ついてきてくれ。」

「あ…はい。アーシア、部長に遅れるって伝えてくれ。」

「分かりました。」

 

俺はアーシアにそう言うと、石井先輩についていく。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

しばらくついていくと、一室の前までやってきた。その看板にはドクロマークに剣が交差したエンブレムが書かれた。

「ここですか?」

「そうだ。とりあえず中に入ってくれ。」

 

俺は石井先輩に言われて中へ入った。そこには

 

「あ、五十嵐先輩じゃないですか。」

「硬哉?お前、この同好会の一員だったのか?」

「はい!」

 

そこには、俺の後輩である鯉宮硬哉がいた。茶髪でさわやかな顔つきだが、こいつの特徴は“よく落ちる”ことだ。階段や坂から転がり落ち、マンホールの穴にも落ち、さらには溝にも落ちるという何とも不幸な体質をしているらしい。けど名前の通り丈夫な身体をしているためか、周りの奴等からは“ローチ(ゴキブリの意)”と呼ばれている……あれ?ローチってコイ科の淡水魚の意味もあったような……?

「お客さんか…。」

 

さらに向こうからもう一人男子生徒がやってきた。俺とは別のクラスのやつだ。名前は確か、鴉簿案山士だったっけな。名前に鴉とつくように、黒髪のツンツンヘアーだ。

 

「ああ、石井先輩に呼ばれてな……そういえば石井先輩、他にメンバーはいないんですか?」

「ん?……ああ、いるけど今は外出しちゃっていないんだ。またいた時に紹介するさ。」

「分かりました。」

 

どうやら他にもメンバーはいるらしい。

 

「とりあえずそれは置いといて、五十嵐幽一…。」

 

石井先輩たちが何かを言いたいそうだ。何だろう…?

 

「「「ようこそ、TF141【タスクフォース石井】へ!!」」」

 

 

 

 

「………はい?」

 

え…タスクフォース?なんで同好会の名前にタスクフォースが…?それよりも141って“石井”先輩のことだったのか…。

 

「この同好会はミリタリー好きが集まるんだ。もちろん、メンバーを集めてはサバゲーもやってるんだぜ。」

 

石井先輩が同好会の説明をしてくれた。どうやらTF141はミリタリーマニアの集まりだったらしい。通りで室内には訓練用ターゲット、数々のエアガンが飾られたハンガーラック、BB弾の入った容器などが置かれていた。まぁ俺はFPSゲームはやったことはあるけどな。

 

「どうだ、お前も試しにエアガンを撃ってみないか?」

「え、いいんですか?」

「構わないぜ。硬哉、幽一にエアガンを貸してやれ。」

「分かりました。」

 

俺は射撃位置まで案内された。硬哉は石井先輩に頼まれると、ハンガーから一丁のエアガンを持ってきて俺に渡した。

このエアガンのモデルは確かACRだっけ…そういやFPSでもACRを使ってたな。

そして案山士が訓練用ターゲットにターゲットシートを取り付けた。

 

「とりあえず、的を撃ってみろ。」

「あ、はい。」

 

俺はACRのアイアンサイトでターゲットを狙い、トリガーを引いてBB弾を発射する。フルオートで発射し続け、75発目で弾切れになった。俺はターゲットのもとまで近づく。

 

「お見事だな、かなり真ん中に弾が集中してるな。」

「ありがとうごさいます。」

 

俺って意外とエアガンのセンスあるのかな?

その後、しばらくエアガンを撃ち続けていた。すると

 

『おいおい、のんきにエアガン撃ってる場合か?時間を見ろ!』

 

俺はユルセンに言われて時計を見てみる………あっ!

時計の針は既に5時40分を指していた。

 

「やべっ、部活…!すみません石井先輩、また来ます!」

「おう、いつでも来てくれ。」

 

俺は石井先輩にあいさつすると、硬哉にエアガンを返却してその場から立ち去った。

その後、部室に行ったら案の定リアス部長が鬼のような形相で待っており、説教された挙げ句、お尻にタイキックを受けてしまった。

 

『自業自得だっつーの。』

 

……もう、言い返す気力がない(泣)。

 

 

 

 

 

リアスside

 

 

 

遅れてきた幽一に説教し、お尻にタイキックを放った後、私は一人で校舎の屋上にいた。

 

「リアスじゃないか。」

 

そこへ、一人の男が屋上へやってきた。

 

「…ソープ。」

 

それは、石井鹸斗ことソープ・マクタビッシュだった。彼は番外の悪魔【エキストラ・デーモン】のマクタビッシュ家の次期当主である。

 

「幽一の件はすまない。俺がTF141に誘ったんだ。」

「いいえ、別に貴方は悪くないわ。」

 

ソープは幽一を勧誘したことを謝罪した。彼はTF141を同好会と命名しているが、実際にはマクタビッシュ眷属の別名よ。

 

「それにしても、幽一はすごい力を秘めていたな。何でも幽霊の力を扱えるらしいからな。」

「ええ。」

「リアス、確かお前は幽一を眷属にできなかったらしいな。なら幽一は俺の眷属にしていいか?」

 

ソープは幽一を彼の眷属にしていいかと言ってきた。

 

「貴方にできるのかしら?私にも彼を眷属にすることができなかったのよ?それに幽一は眷属じゃなくても私の部員よ。」

「ああ、そうか…。」

 

ソープは残念そうに言った。

 




ED[STUDY×STUDY]

ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


「この世に生を受けたこと、それが最大のチャンスじゃないか。」

幽一の家に、ユルセンの分身元である仙人が現れ、次の英雄が現れることを予知させる言葉を言った。幽一はその英雄がF1レーサー・アイルトンであることに気づく。

「僕はなってみせる。たとえその道が四苦八苦だとしても!」

幽一はF1レーサーを目指す少年・疾風に出会う。彼はなんと、実物であるアイルトンのヘルメットを持っていた。

「俺が知ってる人の中に、同じくレーサーを目指してるやつがいたんだ。」

幽一は、転生前の世界で活躍していた男・炎斗群進也のことを話す。

「命をエンジンに、走り抜ける!」
『駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

はぐれ悪魔と戦闘になった幽一。戦闘の最中、幽一はアイルトン魂へチェンジした!

次回[受け継がれる、F1の軌跡]

その目に焼き付けろ!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

受け継がれる、F1の軌跡

テストが近い………畜生めぇ!


OP[我ら思う、故に我ら在り]

3/20 アイルトン魂の変身音声を変更



幽一side

 

 

 

 

ピピピピッ!ピピピピッ!

 

 

 

「ん…朝か。」

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。俺は目覚まし時計のタイマーの音で目が覚めた。そういや、昨日何があったっけ?えーと、アーシアが俺とイッセーのクラスに編入してきて、石井先輩が率いるTF141に招待されて、遅れてオカ研へ行ったら鬼の形相をしたリアス部長にタイキックをお尻に叩き込まれたんだったな……うっ、思い出しただけでお尻が痛い…!

 

『自業自得だっての。』

 

また言われた……。さて、今日も学校だし、ささっと支度するか。とりあえず俺はベッドから起き上がる。そして朝食を作ろうとキッチンへ向かう。するとそこには

 

 

「やぁ、五十嵐幽一。」

「え、誰?」

 

そこには和服に身を包んだおじさんがいた。俺が寝ている間に入ってきたのか…?

 

「あんた誰だ?」

「誰とは失礼だな。とりあえず“仙人”と呼んでくれ。」

 

仙人はそう言った。

 

「なぁユルセン。この人誰なんだ?」

『この人はオイラの分身元さ。」

 

ユルセンは知ってそうに言っt…………え?

 

「ユルセン、もう一回言ってくれ。」

「この人はオイラの分身元さ。」

「Pardon?(もう一回言ってくれ。)」

「オイラはこの人の分身さ。」

「ええええええええええええええ!!?」

 

嘘だろ!?ユルセンの分身元がこのおつちゃんなの!?俺は思わず驚きの表情を浮かべた。

 

「お前はゴーストの力を使って敵と戦ってるようだが、もう一つの目的も忘れてはないよな?」

「霊術の習得?」

「そうだ。お前の家族は代々渡って霊術を習得してきたが、お前は習得する前に家族を失い、お前自信も命を落とした。だがお前には今までにない素質がある。お前ならば初代以外に成し遂げられなかったことができるかもしれない。」

 

おっちゃんは俺に2つの目的を思い出させた。初代以外に成し遂げられなかったこと…?

 

「なぁ、前に堕天使と戦った際、種が割れるような感覚と共に力が沸き上がったことがあったけど、知ってるのか?」

「【五十嵐の龍】が力を貸したんだろうな。」

「【五十嵐の龍】が…?」

 

俺はおっちゃんにそう言われると、龍の首飾りを見つめる。【五十嵐の龍】…それは五十嵐家が信仰している龍のことだ。俺が父さんから渡された龍の首飾りも、【五十嵐の龍】をもとにつくられたらしい。

 

「この世に生を受けたこと、それが最大のチャンスじゃないか。」

 

おっちゃんは何かヒントになることを言った。その言葉は確か…!?

 

「それって、アイルトン・セナ!?」

 

俺は思い出したことを言ったが…

 

「あれ、いない!?」

 

その時には既におっちゃんの姿はなかった。消えたのか…。

『まあ、分身元はふといなくなるからな…。』

「そうか…。けどおっちゃんがアイルトンの名言言ったなら、アイルトンのゴーストが現れるかもしれないな。」

 

俺はそう呟くと、早速学園にいく支度を済ませて学園へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

アーシアside

 

 

 

に、にっこにっこにー。皆さんこんにちは、アーシア・アルジェントです。

私達は授業を終えて、今はオカルト研究部にいます。幽一さんは何やら本を真剣な目で読んでいました。

 

「あの、幽一さんは何を読んでるんですか?」

「これ?F1関係の本だけど?」

 

どうやら幽一さんはF1の本を読んでいました。幽一さんってF1に興味なんてありましたっけ?

 

「ん?…アイルトン・セナ?」

 

イッセーさんが幽一さんの読んでいる本の題名を呟きました。

 

「お前ってF1に興味を持ってたんだな。」

「いや違うよイッセー。今日の朝、俺の家に知らないおっちゃんがやってきてな、そのおっちゃんがアイルトンの名言を言ったんだ。それでこの本を読んでるんだ。」

「え…どういうこと?」

「…つまり、アイルトンのゴーストが現れるってことです。」

「察しがいいね、その通りだよ。」

 

ここで、小猫さんが幽一さんの言いたいことを解釈しました。そういえばあの時、幽一さんが弓矢に目を描いた際、ロビンフッドのゴーストが現れましたね。

 

「幽一君、そのおじさんは誰だったんだい?」

「うーん、ただ言えることは…あのおっちゃんは仙人で、ユルセンの分身元ってことらしい。」

「「「「「「……え?」」」」」」

 

幽一さんのカミングアウトで私達は思わず思考が凍ってしまいました。

 

『……幽一、なんだか心に穴が空いた気がするんだけど…。(涙)』

 

ユルセンさんも心を痛めてしまったようです。

 

「とにかく、その英雄のゴーストが現れるってことには変わりないわね。」

 

リアス部長が気を取り直して言いました。

 

「あらあら…茶葉が無くなってしまいましたわ。」

「あ、私が買ってきます。」

「あらあら…頼みますわ。」

 

私は朱乃さんからのおつかいを受けると、紅茶の茶葉を買いに行こうと部室から出た。

 

「さて……ん?」

 

すると、私の視線に一人の青年がフェンス越しに立っていました。青と黒をベースとした服装をしたその青年の手には、メカメカしいデザインをした蛇が乗っており、さらに肩には同じく小型のライオンが乗っていました。青年は私と目が合ったためか、すぐに去ってしまいました。あの人は一体誰だったんでしょうか…?

それはさておき、私は紅茶の茶葉を買いに街へ向かいました。

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

夜、俺はアイルトンのゴーストが出現する手がかりを掴むため、一番関連性が強いレーシングカートのサーキットへバイクで向かっていた。俺の中では、F1と聞くと一つ思い出すことがあった………そう、炎斗群進也のことだ。俺が死んだあの事件の日、あいつも現場にいた。あいつは今頃どうしているかな……別の道を歩んでるか、もしくは死んだか……まぁ、無事を祈るか。

そんなことはともあれ、俺はサーキットへ到着した。

 

 

 

ブォォォォォオオン!

 

 

 

すると案の定、一人の少年がレーシングカートに乗ってサーキットを駆け抜けていた。俺はバイクから降りると、サーキットに近づく。ちょうどその際、少年はゴールした。

 

「ん?…あんた誰だ?」

「あ、いや…ちょっと気になって来てみたんだ。」

「なるほど、僕の練習光景を観に来たんだね。」

 

少年はカートから降りると、ヘルメットを外して俺に近づいてきた。見た目からして中1か……ん?

 

「あれ、そのヘルメットって…?」

「ああ、これ?これはアイルトン・セナのヘルメットさ。」

 

アイルトンのヘルメットだって!?あいつ、すごいのを持ってるんだな…。

 

「ちなみに、君の名前は?」

「僕は疾風って言うんだ。」

「俺は五十嵐幽一だ。」

 

俺たちは互いに名前を名乗った。

 

「君はここで練習してるのか?」

「うん、僕は毎日ここで練習してるんだ。アイルトン・セナみたいなレーサーになれるようにね。」

 

疾風はアイルトンのようなレーサーを目指しているらしい。ヘルメットを持ってるのも納得できるな。

 

「僕はなってみせる。たとえその道が四苦八苦だとしても!」

 

疾風の決意はかなり固いようだ。疾風はあいつに何処となく似ているな…。

 

「やっぱり、似ているな。」

「…え?」

「いや、俺が知っているやつに似ているなってな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺たちはとりあえずベンチに座った。

 

「で、話の続きをしてくれないか?誰かに似ているって話。」

「ああ…。俺が知ってる人の中に、同じくレーサーを目指してるやつがいたんだ。そいつが君に似ていたんだ。」

「へぇ~…その人の腕前はどうだったの?」

「君と同じくすごかったさ。」

 

俺は疾風に、炎斗群進也のことを話した。俺は小5のころ、父さんと一緒にレーシングカートの大会を観戦しに行ったことがある。その大会には進也も出場していた。進也には【クラウソラス】という二つ名があり、その名の通り相手のレーサーの背後をどこまでも追尾し、最終的には追い抜くというものだった。その姿はまさに【クラウソラス】、アイルランド神話に登場した輝く剣だった。

 

「それはすごい人だね。」

「ああ。だけどそいつは、2年前に姿を消してしまったんだ。何でもチームとの間でトラブルが発生したらしくてな…。」

「そうなんだ…。」

「だけど、君にはまだチャンスがある。希望に向かってとにかく前へ進むんだ。」

「うん!」

 

俺がそういうと、疾風は頷いた。俺が言った言葉、それは進也がモットーにしていた言葉だ。

するとその時、疾風の身体とアイルトンのヘルメットが光り輝き始めた。あれは……とうとう来たか!

 

「疾風、ちょっとヘルメットを借りるぞ。」

「あ、うん…。」

 

俺は疾風にお願いすると、アイルトンのヘルメットに近づく。そして霊術の構えを取り、目の紋章を描いた。

すると、ヘルメットから煙が発生し、上昇していく煙の中からF1ドライバージャケット型のアイルトンゴーストが出現した。フード部分はアイルトンが被っていたヘルメットのようなデザインをしており、パーカー部分はマクラーレン時代を意識させるかのような赤と白のカラーリングだった。

俺がドライバーを出現させると、アイルトンゴーストはドライバーの中に取り込まれ、ドライバーからブラジルカラーのアイコンが生成された。

 

「それは?」

「アイルトンの想いが結晶化したものっていっておこうかな。」

『それなんか言葉になってない…。』

 

疾風の質問に俺はそう答えた。ユルセンのツッコミを無視して。

 

 

 

ピピピピピッ!

 

 

俺は着信音を聴くと、スマホを取り出して着信相手を見る。

 

「ん?……部長から?」

 

どうやらリアス部長かららしい。俺はすぐに電話を繋ぎ、スマホを耳にあてる。

 

「もしもし、部長?」

「幽一、はぐれ悪魔が現れたわ。すぐに合流して頂戴!」

「分かりました!」

 

どうやらリアス部長達ははぐれ悪魔を見つけたようだ。

 

「すまない。俺、用事ができた。じゃあな!」

「うん、じゃあね。」

 

俺は疾風に別れを告げると、急いでバイクに乗る。そしてナビをもとに現場まで急いだ。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺が現場に到着すると、そこにはイッセー達がはぐれ悪魔と戦っていた。今度の相手は人型の悪魔だったが、上半身が裸でやや赤い皮膚をしており、その上顔に仮面をつけていた。その悪魔は何やら高速で動いており、イッセーたちは苦戦を強いられていた。俺はバイクから降りる。

 

「あ、幽一さん!」

「来たようね、幽一。」

「部長、あの悪魔は?」

「はぐれ悪魔ジュアヴォ、高速移動を用いて敵を翻弄させる厄介な相手よ。」

 

どうやらあのはぐれ悪魔はジュアヴォというらしい。高速移動か、通りでイッセー達がジュアヴォになかなか攻撃を当てられないようだ……あれ、ジュアヴォってどっかで聞いた覚えが…。

 

『とにかく、変身だ!』

「ああ! 変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏ってガンガンセイバーを装備する。

 

「いくぞ!」

 

俺はガンガンセイバーを構えてジュアヴォに突撃する。

 

「ムダダッ!」

「速っ!?…うわっ!」

 

しかし、ジュアヴォには残像ができるくらいの速さで避けられ、俺は返り討ちにあってしまう。

 

「くっ、速いな。」

「僕のスピードを軽く越せるくらいだからね…なかなかの強敵だよ。」

「…なかなか当たりません。」

「早くぶっ飛ばすまでだ!」

 

俺たちはそれぞれそんなことを言った。俺はガンガンセイバーの上部の刃を外すと、グリップの底部に連結させてナギナタモードに変形させる。

 

「はあっ!」

「フッ、ホアタァ!」

「ぐっ!?」

 

俺は再び攻撃するが、やはり反撃を喰らってしまった。

 

『BOOST!』

「くらえええ!」

 

ここで、イッセーが倍加してジュアヴォに殴りかかる。

 

「アタァッ!」

「うおわっ!?」

 

ジュアヴォはカンフーじみた声をしながらイッセーを吹き飛ばした。くっ……これはまずいぞ…!

 

『おいおい幽一、何のためにさっきアイルトンのアイコンを入手したんだよ!?』

 

ユルセンがそう言った。そうだ…!さっき手に入れたアイルトンのアイコン…あれならあいつのスピードに追い付ける!

俺は懐からアイルトンアイコンを取り出し、ナンバリング状態にする。

 

「ムダァ!」

 

ジュアヴォがこれを阻止しようとしたその時

 

 

 

「グワッ!?」

 

突然、機械的なデザインをしたカブトムシが飛来し、ジュアヴォを攻撃した。そのカブトムシは、アイルトンゴーストと同じく赤と白のカラーリングだった。

 

「何だか知らないけど、チャンスだ!」

俺はガンガンセイバー・ナギナタモードを地面に突き刺すと、ドライバーのカバーを開き、そこにアイルトンアイコンを装填してカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

すると、ドライバーからアイルトンゴーストが出現し、俺の周囲を高速で飛び回る。

 

「命をエンジンに、走り抜ける!」

 

そして俺はドライバーのハンドルを操作した。

 

 

 

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

 

俺はアイルトンゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じくF1カーの絵柄になった。さらに、ジュアヴォを攻撃していたカブトムシがこちらにやってくると、変形してガンガンセイバー・ナギナタモードの片方の刃と合体し、もう片方の刃が収納されてグリップになった。これがガンガンセイバー・ランスモードだ。

 

「グオァッ!」

 

ジュアヴォは再び高速で襲いかかってきた。だがさっきとは違い、アイルトン魂の力で相手の動きが把握できる。

 

「そこだ!」

「グオッ!?」

 

俺はランスを突き出してジュアヴォを攻撃した。ジュアヴォは突然受けた攻撃で怯んだ。なるほど、俊敏な代わりに守りは堅くないんだな。

 

「ヴヴ……ナメルナガキガァ!!」

「おいおい…それはこっちの台詞だ!」

 

俺は再びハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!アイルトン!オメガドライブ!』

「命、燃やすぜ!」

 

すると、俺の身体に霊力によるダウンフォースがかかった。俺はその勢いのまま超音速で走り出す。そしてすれ違い様にジュアヴォをランスで何回も攻撃していく。

 

「は、速ぇ!?」

「僕よりも速いスピードで動けるなんて…。」

「…速すぎて見えません。」

「あらあら…これは目で見えるレベルじゃありませんね。」

「は、速すぎます…!」

「幽一、新たにアイコンを手に入れてたのね。」

 

皆はそれぞれそう言っていた。さて、そろそろ決めるか!俺はランスをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』

 

ランスにエネルギーを充填させると、ジュアヴォに向けて一直線に急接近する。

 

『オメガソニック!』

「なんとぉおおおおおおお!!」

「グワアアアアアアア!!」

 

俺はランスでジュアヴォの身体をすれ違い様に貫いた。ジュアヴォはこれを喰らって爆発した。

 

「ふぅ……終わった。」

『オヤスミー』

 

俺は変身を解除した。

 

 

 

 

 

?side

 

 

 

俺は携帯電話型のコブラケータイ、デジタルカメラ型のライオンカメラを手と肩に乗せながらその戦闘を見ていた。そして戦闘が終わったのを確認すると、そのまま立ち去る。

五十嵐幽一……何故あいつがまだ生きている?

 

 

 

幽一side

 

 

「大丈夫ですか、幽一さん?」

「いててて…まだ痛みが…。」

 

オカ研に戻った後、俺は全身が筋肉痛になってしまった…で、今はアーシアにある程度痛みを和らげてもらっているが、まだ痛む。原因はアイルトン魂での超音速移動だ。あまりのGに身体が耐えきれなかったようだ。まぁ、俺は進也のようにレーサー目指してた訳じゃないから当然か。

 

「ぐぬぬぬぬぬ、羨ましいぞ幽一…!」

『まあ、無理もないか。アイルトンの超音速移動能力はとてつもないGがかかるからな。あれで筋肉痛にならなきゃありえない。』

 

嫉妬しているイッセーにユルセンがそう言った。

 

「そういや、さっき飛来してきたカブトムシは何なんだ?今はラジオに変形してるけど。」

『これはビートルラジオだ。コンドルデンワーと同じくアイルトンが呼び寄せたんだろうな。』

 

またそれか…。というより、そのガジェットはどこからやってきたんだろうか…?俺はアイルトン魂を見つめながらそんなことを考えていた………炎斗群進也は、今頃何をしているのだろうか?

 




ED[STUDY×STUDY]


幽一は炎斗群進也の無事を祈りながら、その過程でアイルトンのアイコンを手に入れた。その頃進也は、“幻想郷”の地で仮面ライダードライブとして生きていた。そして遠くない時期、再び出会うことになるのを、この時幽一はまだ知らなかった…。


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


蒼那「初めまして。」
鹸斗「よっ、幽一!」

オカ研へ、駒王学園の生徒会とTF141の人達がやってきた。幽一はここで生徒会のメンバーが蒼那ことソーナが率いるシトリー眷属、TF141のメンバーが鹸斗ことソープが率いるマクタビッシュ眷属であることを知った。

イッセー「スポーツ対決…?」

ソーナの用件は互いの新人眷属の紹介と、どちらが使い魔獲得しに行くかというものだった。そこで、眷属三つ巴のスポーツ対決で決めることにした。

次回[3つの眷属、スポーツ対決! ~前編~]

その眼に焼き付けろ!



カウント・ザ・アイコン

幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【02】エジソン、【03】ロビン、【04】ニュートン、【EX.01】アイルトン


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三つの眷属、スポーツ対決! ~前編~

遅くなりました………って明日テストだぁぁぁぁぁぁ!?


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。今日はリアス部長から何らかの収集がかかったため、俺たちは授業が終わるとすぐにオカ研にやってきた。そこには既にリアス部長、姫島先輩、小猫、木場がいた。とりあえず俺とイッセー、アーシアは適当な場所に鞄を置く。

 

「これで全員揃ったわね。」

 

リアス部長がそう呟いた。

 

「あの部長、今日は何かあるんですか?」

「ええ、今日は私たちとは別の眷属が来るのよ。それも二組。」

 

イッセーの質問にリアス部長が答えた

。リアス部長とは違う2つの眷属がお客さんとしてやってくるのか。そういや、リアス部長の苗字がグレモリーだったな…ということはソロモン72柱に関係した眷属なのかな?

 

 

 

 

 

ガラッ

 

 

 

 

 

 

俺がそう考えていたその時、部室の扉が開いてそこから男子1名除き他が女子生徒で構成された面々がやってきた。そう、駒王学園の生徒会だ。

 

「リアス部長、生徒会のメンバーは…。」

「ええ、皆悪魔よ。」

 

やっぱりか。魂の反応を見たらほとんど悪魔の反応だった。

 

『この学園は悪魔が多くいることぐらい知ってるだろ?頭にもっかいぶちこんどけ腰抜け。』

「うるせぇ!」

 

ユルセンの毒舌聞くのは久しぶりだな…。

 

「リアス、そこの3人…とてるてる坊主は…?」

「えぇ…最近、私の眷属の【兵士】になった兵藤一誠、イッセーの後ろに隠れているのが【僧侶】で元シスターのアーシア・アルジェント、そして私の眷属じゃないけれども部員になった五十嵐幽一とその相棒のユルセンよ。」

「リアス部長の下僕で【兵士】の兵藤一誠です。」

「そ、【僧侶】のアーシア・アルジェントです!」

「どうも、オカ研部員の五十嵐幽一です。」

『ちゃおっす!オイラはユルセン様だぁ!』

 

俺たちは会長に向けて挨拶した……っておいユルセン、お前会長になんて挨拶してんだよ!?

 

「初めまして。学園では支取蒼那を名乗っていますが、本当の名はソーナ・シトリー。上級悪魔でシトリー家の次期当主です。」

 

ソーナ会長は少しお辞儀すると、微笑みながら自分の名前を偽名と本名共に名乗った。

 

「問題児兵藤!まさかお前が悪魔になっているとはな!」

 

ここで、生徒会の黒一点である男子生徒の匙元士郎が割り込んできた。そしてアーシアはまたイッセーの背後に隠れた。人見知りが激しいんだな…。

ちなみに匙元士郎は生徒会書記にして黒一点らしい。どんな理由なのか知らないけど、こうやってイッセーに対してライバル心を抱いてるらしい。

匙の言葉にイッセーが反論。口論に発展しかけたその時

 

 

 

 

 

ガラッ

 

 

 

 

 

部室に二組目の眷属がやってきた。シトリー眷属とは逆に、今度は女子1名に他は男子で構成されていた………え!?

 

「あれ、石井先輩!?それに硬哉!?」

「よぉ、幽一!」

「どうも、五十嵐先輩!」

 

それはTF141のメンバー達だった。そういえばTF141の部屋に入った時、石井先輩や硬哉から悪魔の反応があったような…。

 

「…ローチも来たんですか。」

「その呼び方はやめてくれ…。」

 

硬哉が小猫にローチ呼ばわりされていた。小猫、やめたげてよぉ…。

 

「幽一君、知ってるのかい?」

「ああ、前に招待されたんだ。」

木場の質問に俺はそう答えた。

 

「あら、ソープじゃない。」

「ようやくソープ達も来たのね。」

 

え、ソープ(石鹸)?リアス部長とソーナ会長がそう言った。

 

「やぁ皆、俺もこの学園では石井鹸斗と名乗っているが、本名はソープ・マクタビッシュだ。そしてマクタビッシュ家の次期当主だ。よろしくな!」

 

石井ことソープ先輩はそう名乗った。

 

「あれ、マクタビッシュ家って眷属なんてあったっけ?」

「あらあら…マクタビッシュ家は番外の悪魔【エキストラ・デーモン】の一つなんですよ。」

 

俺の質問に姫島先輩が答えた。番外の悪魔【エキストラ・デーモン】…つまりソロモン72柱の中に含まれない悪魔のことか…。まぁ、実際にいるから別に気にしなくていいか。

「ソープが言ってた噂のゴーストって、お前のことか?」

 

すると、ソープ先輩の隣にいた男子生徒が俺のもとに近づいてきた。ソープ先輩を呼び捨てしている辺り、3年生の男子だ。茶髪のツンツンにヘッドホンを首にぶら下げている。

 

「はい、そうですけど。」

「俺はニコル・ライバックス。マクタビッシュ眷属の【僧侶】だ。気軽にニコライと呼んでくれ。」

「あ、はい…。」

 

高いテンションのままニコライ先輩は俺に自己紹介をした。俺はニコライ先輩のテンションに押されてしまった。

 

『かなりハイテンションなやつだな。』

「まぁ、人それぞれだろうな。」

ユルセンの呟きに俺はそう察した。

 

「そういえばソープ先輩、あの時は硬哉と案山士以外はいませんでしたよね?」

「おっと、そうだったな…皆、自己紹介頼むぞ!」

 

ソープ先輩は自分の眷属達に自己紹介を頼んだ。

 

「どうも、女王【クイーン】の彩里佳菜よ。よろしくね。」

 

まず一人目はTF141の紅一点である彩里先輩だ。茶髪のショートヘアにヘアピンを付けている。駒は女王らしい。

 

「ちなみに俺の“彼女”だ。」

 

ソープ先輩がここでとんでもないカミングアウトを言い放った。当然言われた彩里先輩は赤面した。

それよりもイッセーは……またとある部分に視線を向けて鼻の下伸ばしてる…。おいアーシアが引っ付いてるんだぞ?

『渇っ!!』

「イデッ!?」

 

ナイスタイミングでユルセンがイッセーの頭に警策をぶつけた。

 

「ちょ…何すんだよユルセン!?」

『お前また鼻の下伸ばしてたろ。アーシアが背後にいるのに少しは考えろよ!』

「…ユルちゃんの言う通りです。」

 

ユルセンの正論にイッセーは言い返せなかったようだ。まあ、アーシアが背後にいるのにも関わらず相変わらずの変態思考だ…本当にイッセーは学習しないな。それより小猫、何故ユルセンのことをユルちゃんって呼んだ?

 

「どうも、戦車【ルーク】の鯉宮硬哉です!皆からは“ローチ”と呼ばれていますが、何卒よろしくお願いします!」

続いて二人目、硬哉は張り切った調子で律儀に挨拶した。いいね、かなり爽やかだ。

 

「ローチには鋼鉄の甲冑【フルメタル・ジャケット】という神器があってな、その耐久力故に俺の眷属としては最高の戦車だ。」

「え、硬哉は神器を宿していたのか!?」

「はい、そうなんですよ!」

 

鋼鉄の甲冑【フルメタル・ジャケット】…何だろう、俺も一回そのDVD見たけど、あの鬼教官を思い浮かべるな。

 

「…だからよく落ちるんですね。」

「いや、神器は関係無いから!」

 

小猫と硬哉によるコントの中、三人目は…

 

「騎士【ナイト】の鴉簿案山士だ。コールサインは“スケアクロウ”だ。」

案山士はいかにもエリート隊員みたいな自己紹介をした。スケアクロウって案山子の意味があるけど、それコールサインなんだ…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数分後、他のメンバー達の自己紹介も終わった。残りのメンバーは殆ど兵士【ポーン】だった。

それにしても部室にこんなに人いるけど、明らかに用件はこれだけじゃない気がするな。

 

「リアス、ソープ、私達は来週使い魔を捕まえに行くんですが。」

「あら、実は私達も来週行く予定だったのよ。」

「俺たちの方もだ。」

 

何やら三人は使い魔獲得についての話し合いを始めた。

 

「なあ幽一、そこのてるてる坊主はお前の使い魔か?」

『てるてる坊主とは失礼だな!ユルセンって名前があるんだよ!』

「ああ、そうだよ。」

 

匙の質問でユルセンが怒る中、俺はそう答えた。

 

「…ってか幽一、お前やたらと湿布貼ってないか?」

「……その通りだ。」

 

匙は俺がほぼ全身に湿布を貼っていることに気がついた。そう、昨日のアイルトン魂による反動がまだ癒え切ってないのだ。

 

「ソーナ、ソープ、ここは公平に実力勝負はどうかしら?」

「そう来ましたか。」

「けど、レーティングゲームは許可してもらえないだろうな。使い魔獲得の問題をわざわざ武力で解決するなんて真似はできないからな。」

 

リアスはここで実力勝負を提案したが、ソープの正論で“レーティングゲーム”は無理らしい。

 

「それもそうですね……それに今のリアスは“大事な身体”ですからね。」

「っ!?……か、関係無いわ…。」

 

?…ソーナの一言でリアス部長が一瞬顔を強張らせたような……。“大事な身体”…一体どういうことだ?

 

「じゃあこれならどうだ?眷属三つ巴のスポーツ対決で決めようぜ!」

 

ここでソープ先輩が一つの提案を出した。

 

「スポーツ対決…?」

 

イッセーが呟いているが、確かにスポーツで対決して決める方がいいかもしれない。

 

「確かにその提案はいいかもね。」

「では明日、三本勝負で決着をつけましょう。」

「決まりだな。」

 

という訳で、明日の放課後に三本勝負のスポーツ対決をすることになった。

その後は解散となり、俺は鞄を持って部室を後にした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は学園を出て、バイクを停めてある駐車場まで歩いていた。

 

『まさかスポーツ対決になるなんてな。ところで幽一ってスポーツできたっけ?』

「そりゃできるさ、ユルセンにあれだけシゴかれたら…な。」

 

俺はユルセンと単純な会話を交わしながら歩いていた。すると

 

「ん?…あれって、ソーナ先輩?」

 

そこにはソーナ先輩がいた。

 

「ソーナ先輩。」

「ん?どうしたんですか五十嵐君?」

「いや、貴女がここにいたので一声……ん、その書状って…?」

 

ソーナ先輩の手には何かの書状があった。

 

「これは信長って人の書状です。」

「織田信長!?」

 

ソーナ先輩が持っていた書状、それは安土桃山時代の武将・織田信長の書状だった。

 

「ソーナ先輩は信長に憧れてるんですね。」

「信長って人はカリスマ性が高い人間と聞きましてね。私は厳しい性格ですが、信長のようでありたいんです。」

ソーナ先輩は信長に憧れてることを言った。信長は怖い武将と思われてるが、本来は身分に関係無く仲間思いな武将だ。ソーナ先輩も厳しくて厳しいようだが、自分に眷属を大切にしている。ソーナ先輩も十分に信長のようにカリスマ溢れる悪魔だ。

すると、信長の書状が光り輝き始めた。

 

「ソーナ先輩、ちょっと書状をかざして下さい。」

「ええ、分かったわ。」

 

俺はソーナ先輩にお願いして書状をかざしてもらうと、俺は霊術の構えを取り、目の紋章を描いた。

すると、書状から煙が発生し、上昇していく煙の中から南蛮合羽型のノブナガゴーストが出現した。

 

「あれが、織田信長…。」

「正確にはゴーストですけどね。」

 

俺はそう言うと、ドライバーを出現させる。

 

「それが貴方の神器ですか?」

「はい。」

「ちなみにそれでどうするんですか?」

「この神器は英雄や偉人のゴーストを取り込むことで、アイコンと呼ばれるアイテムを生成するんですよ。そのアイコンを使うことでこの神器の力を発揮させることが出来るんですよ。」

「そうなのね。」

 

俺はソーナ先輩に幽霊の神帯【ゴーストドライバー】の説明をすると、ノブナガゴーストに近づく。

 

「よし、ノブナガ…」

 

俺はノブナガゴーストをドライバーに取り込もうとしたその時

 

 

 

 

「はあっ!」

「「!?」」

 

突然、俺たちに向かって何者かが飛び蹴りを放ってきた。俺とソーナ先輩は間一髪これを避けた。

 

「誰だ!?」

「貴方、誰なの…?」

 

その男は一度俺たちの方に振り返った。その正体はもう一人の仮面ライダーだった。黒をベースに青いラインをしたパーカーを纏っており、身体のラインはゴーストのような骸骨とは違い、心電図をモチーフで、複眼は青く悪者のようなデザインをしており、角は小さめの二本の角が生えていた。そしてもう一つは

 

「俺と同じドライバー…!?」

 

俺と同じくドライバーを装着していたことだ。

 

「俺と共に戦え!」

 

男はノブナガゴーストにそう言うと、ノブナガゴーストは頷いてドライバーに取り込まれた。そして男のドライバーから紫色のアイコンが生成された。

 

「…お前は甘い。」

 

男はノブナガアイコンを握ると、俺にそう言ってその場から去った。

あいつは……何者なんだ?

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


リアス「皆、かんばるのよ!」
6人&ユルセン「おおー!」

翌日、三つの眷属のスポーツ対決が開催された。

ソープ「手は抜かないぜ。」

シューティングマッチでソープもかなりの射撃技術を発揮する。



幽一「お前!?」
ソーナ「貴方、昨日の…!」
?「邪魔をする奴は許さない!」
『レディゴー、覚悟、ドキドキ、ゴースト!』

そこへ突如、二人目の仮面ライダー・スペクターが乱入。スペクターはその驚異的な力で幽一達を圧倒する!

次回[三つの眷属、スポーツ対決! ~後編~ 強襲の亡霊【スペクター】]

その目に焼き付けろ!



カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【02】エジソン、【03】ロビン、【04】ニュートン、【EX.01】アイルトン

?:【S】スペクター、【12】ノブナガ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

三つの眷属、スポーツ対決! ~後編~ 強襲の亡霊【スペクター】

テスト期間中なのにモンハンXをやってますorz
それにしても、次回のゴーストにまさかの“五十嵐”が出てくるなんて…。


OP[Red Fraction]



幽一side

 

 

 

 

「なぁユルセン、あいつは一体誰なんだ?」

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。俺は帰宅後、ユルセンに突如現れたもう一人の仮面ライダーのことを尋ねていたが、ユルセンは口を開かない。

 

「あいつ、俺と同じ幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を装備してた。あいつは俺と同じく転生者なのか?」

 

俺はさらに尋ねた。それにあいつは妨害してきた上にノブナガアイコンを横取りしていった。もしかしたらまた横取りされるかもしれない。だから念のために聞いておかないとな…。

 

『オイラが何でも知ってると思ったら大間違いだよ。』

「…あっそ。」

 

ユルセンにも分からないらしい……けどあのふりは絶対何か隠してるな…。まぁそんなことはいいや。明日はスポーツ対決があるし、寝るか。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

?side

 

 

 

俺は今、幽一が通っている駒王学園から少し離れた高台にいる。俺は昨日、幽一よりも先にノブナガのアイコンを獲得した。俺はしばらく観察していると、テニスコートに幽一を含んだ団体共が現れた。

 

「……そろそろ動くか。」

 

俺はそう呟くと、腰に幽霊の神帯を出現させ、さらに懐からスペクターアイコンを取りだし、ナンバリング状態にする。続いてドライバーのカバーを開き、そこへスペクターアイコンを放り込んでからカバーを閉じる。

 

『アーイ! バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

すると、ドライバーからスペクターゴーストが出現した。

 

「変身。」

 

そしてドライバーのハンドルを操作した。

 

 

 

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

俺は仮面ライダースペクターに変身すると、スペクターゴーストを纏った。俺は変身を完了させると、停めていたバイク・マシンフーディーに乗り、駒王学園に向かった。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

翌日の放課後、俺たちはテニスコートに集合した。もちろんスポーツ対決だからこの場にいる全員が体操服に着替えている。昨日のことも気になるが、今は今のことをやろう。

最初はテニス対決らしい。方式はダブルスの1ゲーム制だ。

まずはリアス部長と姫島先輩のチーム対ソーナ先輩と椿先輩のチームだ。

俺たちオカ研は試合前、気合い入れのために円陣を組んでいた。要はファ○ト一発だ。

 

「いい?今回の対決は使い魔獲得へ行くための対決よ。皆、頑張るわよ!!」

「「「「「「おおーー!!!」」」」」」

『ypaaaaaa!!!』

 

俺たちはかけ声を出して士気を高めた……ってユルセンだけ何故か違う。それ突撃する時のかけ声だからな?

士気を上げたところで、いよいよ試合が始まった。俺たちは応援だ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

試合の結果は、こちらの勝利だった。両方とも魔球(魔力込めた方の)をこれでもかという程打っていたが、最終的にリアス部長がスマッシュを決めて勝利した。

 

『魔力を使ってやってたけど、これいいのか?』

 

仕方ないよユルセン。だって悪魔だもん。

 

『お前は半人半霊だけどな。』

 

そうでした…。まあ、俺もその気になれば霊力を使うけどな。

俺はユルセンと心の中で会話しながらリアス部長と姫島先輩にタオルとスポーツドリンクを渡す。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

小猫とユルセンがラケットのガットを付け替えている間、俺たちはシトリー眷属対マクタビッシュ眷属の試合を見ていた。マクタビッシュ眷属側のチームは、彩里先輩と“スケアクロウ”こと案山士だ。やはり両方とも魔力を利用してボールを打っていた。

「…そういえばイッセー君。」

「ん?」

「どうしてそんなに顔が傷だらけなんだい?」

「……察してくれよ。」

 

木場の質問にイッセーはどんよりしながら答えた。実は数分前、イッセーは松田と元浜と共に剣道部へ覗きに行ったらしい。当然見つかって剣道部の女子たちに竹刀でフルボッコにされたらしい。その結果がこの顔である。ちなみに俺はイッセーがこうなったのを知ってる。

そうこうしてる内に、あちらの試合はシトリー眷属が勝利し、続くグレモリー眷属対マクタビッシュ眷属の試合は、マクタビッシュ眷属の勝利に終わった。という訳で、テニス対決はドローという結果に終わった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

続いて2つ目の競技を行うために移動中だが、移動した先は何と旧校舎のとある場所。そこには数々のターゲットや障害物、くりぬかれた板、そして赤いボタンが配置されており、テーブルには数々のエアガンとBB弾が…。これはまさか!

 

「2つ目の対決はシューティングマッチです。」

 

ソーナ先輩は言った。やっぱりだ…この配置は明らかにシューティングマッチしかない。

 

「ソープ、これは貴方達の方が有利じゃないの?」

「ああ、確かに俺の眷属はこれは得意分野だな。」

 

これにはリアス部長も汗を流さずにはいられない。いや、さっきテニスしたから当然か。

まずは誰がやるかの話し合いから始まるのだが、こちらの方では

 

「で、誰がやりますか?」

「「「「「「『幽一(君)(さん)(先輩)

』」」」」」」

「ええっ!?」

 

何故か俺が行けというアトモスフィアが広まっていた。

 

「な、何で俺なんですか!?」

「こっちが質問いいかしら?この前部活サボってエアガン撃ってたのは“どこのどいつ”かしら?」

 

あ………そうだ、あの時ソープ先輩に誘われてエアガン撃ってたな…。

 

「…分かりました。」

 

俺は渋々了解した。またリアス部長にタイキックされるのは嫌だからな。

「あの、エアガンは大丈夫なんですか?」

「問題ないぜ。今日のためにしっかりと調整しておいたからな。」

 

ソープ先輩はそう答えた。途中で故障しなければいいけど…。

 

「とりあえず、まずは俺だ。手は抜かないぜ。」

 

まずはソープ先輩がM4A1とファイブセブン型のエアガンを持ってスタート地点につく。

 

「よーい、スタート!」

 

硬哉がスタートの合図を出しながらスタートボタンを押した。ソープ先輩は素早い立ち回りでターゲットに向けてエアガンを撃っていく。

 

「は、速い!」

「そりゃそうだ。リーダーや俺たちは伊達にサバゲーをやってる訳じゃないんだ。」

 

案山士はソープ先輩のプレイを見ながら言った。確かに射撃技術がものすごい。

そしてソープ先輩がボタンを押したところでタイムアタックは終了した。

 

「記録は…1分24秒!」

 

おお、すごいな。経験や技術があるからこそ出せる記録だな。流石ソープ先輩だ。

 

「さて、次は幽一ね。」

 

リアス部長が言った……何だろう、これ失敗したら尻がお空の遠いところに逝ってしまう気が…。

俺は渋々テーブルからACRとグロック17を取り、リロードを済ませてからスタート地点につく。

 

「がんばれ幽一!」

「がんばってくださーい!」

「幽一君ならできるよ!」

「…ファイトです幽一先輩。」

『きばれよ幽一!』

「あらあら、がんばって下さいね。」

「幽一、ソープの記録を越せなかったら、タイキックね。」

 

ユルセン達が俺に激励を送ってくれた。ただ、リアス部長だけはやっぱり根に持ってたか、もしミスしたらタイキックをかますという宣告をした。俺は開始前から顔が真っ青になった。

 

「それでは、よーい…スタート!」

 

俺はスタート早々ダッシュし、ターゲットに狙いをつけて素早く撃っていく。続いてくり貫かれた穴からターゲットを素早く狙い撃つ。

 

「あいつ、意外に速い立ち回りをしてるな。」

 

ソープ先輩が何かを呟いている中、俺はすぐにACRのマガジンをタクティカルリロードし、今度は一列に並んだ3つの的に狙いをつけて走りながら撃っていく。そしてテーブル越しに遠く設置されたターゲットに素早く慎重に狙いをつける。何故なら、ここで当てたら-10秒、外すと+10秒になるからだ。俺は狙いを定め、ACRのトリガーを引いた。

 

 

 

 

カンッ!

 

 

「よし…!」

 

当たった!俺は命中したのを確認すると、テーブルにACRを置き、グロックを抜いて最後の3つのターゲットのところまで走る。そして3つのターゲットを撃った後、ボタンを押した。

 

「終了!」

「はぁ…はぁ…。」

 

俺は息を切らしながらACRを回収し、皆がいるところに戻る。さて、記録はどうだ?もし越せなかったら、それこそ俺の尻が死ぬことになる。

 

「五十嵐先輩、記録はなんと……

 

 

 

1分24秒!」

「まじか、俺と記録が同じじゃないか。」

「はぁ…どうも。」

 

俺はソープ先輩にそう言い返した。

 

「お疲れ、幽一。」

「すごいですね、幽一さん!」

「ありがとな。イッセー、アーシア。」

「とりあえずはタイキックは回避できたんだし、上出来じゃないかしら?」

「どうも…。」

 

皆がそう言った。ふぅ…なんとかお尻は無事だ。

その後、シトリー眷属側からは匙が挑戦したが、なんとあいつも記録が1分24秒だった。匙ってエアガン使えたんだ…。とりあえず、またドローという結果に終わった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

最後はドッヂボール対決だ。辺りはすっかり夜になったためか、周りには俺たちしかいなかった。まずは俺たちとシトリー眷属側の試合になった。俺たちはフィールドに付こうとした、その時

 

 

 

 

 

 

 

ブォォォォォン!

 

 

 

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

突然、何者かがバイクに乗ってグラウンドへ飛んできた。そのバイクは、青を中心に鎖のような装飾が施されていた。そして謎の人物は着地してバイクから降りた…!?

 

「お前!?」

 

そう、その正体は昨日の仮面ライダーだった。

 

「貴方、昨日の…!」

 

皆が誰なのか知らないが、俺とソーナはそいつと昨日遭遇している。そう、あいつは昨日ノブナガアイコンを横取りしていった奴だ。

 

「お前は誰なんだ?」

「仮面ライダースペクターだ。」

 

スペクター…ゴーストと同じく幽霊や亡霊を意味する。

 

「お前、何しにここに来たんだ?」

「そんなもの決まっている。お前から英雄の眼魂【ゴーストアイコン】を奪う。」

 

スペクターは俺からアイコンを略奪する気だ。そしてスペクターはドライバーから、マジックハンドのようなロッド・ガンガンハンドを装備した。

 

「戦うしかないか…!」

 

俺は幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を出現させると、オレアイコンを取り出してナンバリング状態にする。続いてカバーを開き、そこにオレアイコンをセットしてからカバーを閉じる。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏ってガンガンセイバーを装備する。

 

「はあああ!」

「ふっ!」

 

俺はスペクターに向かって突撃し、ガンガンセイバーで攻撃する。だがスペクターは俺の攻撃を見切ってるかのように攻撃をかわす。

 

「はっ!」

「ぐっ!?」

 

俺はスペクターのガンガンハンドで反撃を喰らってしまった。俺はすぐに態勢を立て直すが

 

「はぁ!ふっ!おらぁ!」

「ぐはぁっ!?」

 

容赦ないスペクターのラッシュで俺は防戦一方に追い込まれていた。その際、ガンガンセイバーを手放してしまう。さらに俺もふっ飛ばされた。

 

「お前は甘い。戦い方も、考えも、何もかもだ。」

「くっ……まだだ、まだ戦えるぜ?」

 

俺はそう言うと、ニュートンのアイコンを取り出すと、ナンバリング状態にしてドライバーにセットする。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

オレゴーストが消え、ドライバーからニュートンゴーストが出現した。俺はドライバーのハンドルを操作した。

 

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

俺はニュートンゴーストを纏うと、ボクシングの構えをする。

 

「下らん…。」

 

スペクターは愚痴を吐くと、懐から山吹色のアイコンを取り出し、ナンバリング状態にする。ナンバーは【EX.02】だ。続いてドライバーのカバーを開き、そこに新たなアイコンをセットした。

 

『アーイ! バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

ドライバーから出現したのは、山吹色の王様衣装型のリチャードゴーストだった。そしてスペクターはドライバーのハンドルを操作した。

 

『カイガン!リチャード!騎士道、勇猛、ライオンハート!』

 

スペクターはリチャードゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じくライオンの絵柄になった。そしてどこからともなくカメラ型のライオン・ライオンカメラがスペクターのもとへやってきた。ライオンカメラは変形し、ガンガンハンドの手の平部分に合体した。これがガンガンハンド・メイスモードだ。

 

「はあああああ!」

 

俺は構わずスペクターに突撃し、ジャブをかました。

 

「な、効かない!?」

「ふんっ!」

「ぐふっ!?」

 

俺は攻撃が効かないことで驚き、そのままメイスによる一撃を喰らった。何だ…?何だこの圧倒的な強さは…!?

スペクターはメイスをドライバーにかざした。

 

『ダイカイガン!ガンガンミロー!ガンガンミロー!』

 

スペクターはメイスをハンマー投げのように振り回しながらエネルギーを溜める。

 

『オメガパニッシュ!』

「はあっ!」

「うわああああああ!」

 

そしてスペクターはエネルギーの塊を俺にぶつけた。俺はそのままふっとばされ、オレ魂に戻されてしまう。そしてニュートンアイコンも、俺から離れたところに落ちてしまった。

 

「ふん…口ほどにもないな。」

 

スペクターはそう言ってニュートンアイコンを拾おうとした時

 

 

 

『Boost!』

「うおおおおっ!」

「?」

 

イッセーが赤龍帝の籠手を展開し、倍加してスペクターに殴りかかる。スペクターはこれを避けた。

 

「何のつもりだ?」

「決まってるだろ、幽一を傷つけたお前をぶっ飛ばす!」

『Boost!』

 

イッセーは俺がやられたことで怒り、さらに倍加する。よせイッセー、今のお前じゃスペクターに勝てない!

 

「喰らえ!」

「無駄だ、はあっ!」

「うわっ!?」

イッセーはスペクターにふっ飛ばされてしまった。

 

「「「イッセー(君)(さん)!」」」

「くっ、僕たちも戦うよ!」

「…はい!」

 

ここで、木場と小猫も参戦した。

 

「ふん、人外共が…邪魔をする奴は誰であろうと許さない!」

 

スペクターはそういうと、エメラルドグリーンのアイコンを取り出した。ナンバーは【11】だ。続いてドライバーにアイコンをセットし、カバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

ドライバーから、ツタンカーメンゴーストが出現した。そしてドライバーのハンドルを操作した。

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

スペクターはツタンカーメンゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく向き合った二本の鎌の絵柄になった。そして今度は地中から携帯電話型の蛇・コブラケータイが出現し、ライオンカメラの代わりにガンガンハンドの合体し、尻尾を鎌のように変形させた。

 

「ふっ!」

「…っ!?」

 

スペクターは小猫に斬りかかった。小猫は真剣白刃取りで何とか受け止めたが

 

「うっ…!?」

 

突然、小猫が苦しみ出した。まさかあいつ……コブラの毒を小猫に流しやがったのか!?

 

「小猫ちゃん!…貴様っ!」

 

これを見た木場は魔剣創造で大量の魔剣を空中に召喚する。

 

「ふん、分かってないな。」

 

スペクターはそう言うと、鎌をドライバーをかざした。

 

『ダイカイガン!ガンガンミロー!ガンガンミロー!』

 

スペクターが鎌にエネルギーを溜めると、鎌にピラミッド状のエネルギーの塊が生成された。

 

『オメガファング!』

「ふっ!」

 

スペクターが鎌を振り払った瞬間、木場が召喚した魔剣がエネルギー波で全て消滅した。

 

「何!?」

「くたばれ!」

「うわああああ!」

 

そして木場も油断し、スペクターの斬撃で吹き飛ばされてしまった。

するとスペクターは、別のアイコンをセットしてドライバーを操作した。

 

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

スペクターは通常形態に戻ると、ニュートンアイコンを拾った。そして俺の方を向いた。

 

「くっ…この野郎…それは俺のアイコンだ。返せ!」

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

俺はSEEDを発現させると、立ち上がって霊術の構えを取り、ドライバーのハンドルを操作した。

 

「お前は邪魔だ。あの世へ送ってやる。」

 

スペクターもドライバーを操作した。

 

『『ダイカイガン!オレ(スペクター)!オメガドライブ!』』

「はあああああああ!!」

「はあっ!」

 

俺とスペクターのキックがぶつかり合った。そして勝ったのは

 

 

 

 

 

 

「ぐはっ…!」

「ふっ…終わったな。」

 

スペクターだった。俺はダメージの過負荷で変身が解除されてしまった。スペクターとの勝負は負けてしまった。だが

 

 

「…何!?」

「はは…取り返したぜ。」

 

俺の右手にはニュートンアイコンが握られていた。勝負には負けたが試合には勝った。

 

「貴様…!」

 

これにスペクターは怒り、俺のもとに近づくが、そこへリアス部長や姫島先輩、生徒会やTF141の皆がスペクターを包囲した。

 

「さて、貴方が何をしたかは分かるわね?」

「知ったことか。俺は俺の目的を成し遂げる。」

「私の眷属を傷つけておいて…!」

 

リアス部長は怒りの表情を浮かべた。そう、リアス部長は何よりも仲間思いな悪魔だ。俺たちを傷つけることは彼女の逆鱗に触れることになる。リアス部長は消滅の波動を放つ構えを取った。

 

 

 

 

 

スペクターside

 

 

 

俺はあと一歩のところでニュートンアイコンを奪還され、さらに包囲された。あいつは仲間思いなことを言っていたが、俺は気に入らなかった。他人のために自己犠牲を止まない…そんな甘過ぎる考えは嫌いだ。だがこの状況、あの波動を喰らえばおしまいだ……仕方ない、あの術を放つか。

 

「はぁーー……はあっ!!!」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

俺は霊力を集中させると、強力な波動を放ち、包囲している奴らを吹き飛ばした。俺はその隙にマシンフーディーを呼び、それに乗ってその場から撤退した。幽一……今度は叩きのめす…!

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

「…何なの…今の…。」

「私にも分かりません。」

「さっきの波動…ものすごい強力だったな…。」

 

三人はそんな会話をしていた。

……あの波動、五十嵐流霊術に含まれている術だ…。何でだ……?何であいつが習得しているんだ?

今の俺は、心身共にボロボロで考えることすらままならなかった。

 




ED[0 GAME]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


ザトゥージ「ゲットだぜぃ!」

ソーナ達から使い魔獲得の権を譲られた幽一達は、使い魔マスター・ザトゥージのガイドのもと、使い魔の森へ向かう。

幽一「これはひどい。」

その道中はもはや気色の悪さと色気が目立つような道のりと、もはや珍道中だった。

ユルセン『これはキャプテンゴースト、お前のものだ!』
幽一「行くぞ!」

その道中、巨大な魔物と遭遇。ユルセンは何と幽一のために使い魔を用意していた!

次回[使い魔の森、船からイグアナへ!?]

その目に焼き付けろ!



カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【02】エジソン、【03】ロビン、【04】ニュートン、【EX.01】アイルトン

スペクター:【S】スペクター、【11】ツタンカーメン、【12】ノブナガ、【EX.02】リチャード


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

使い魔の森、船からイグアナへ!?

モンハンクロスのやり過ぎで執筆が全く進んでませんでした。しかも予告と矛盾してます…。
そして妄想故か、他作品からあのモンスターも出てきます。


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

「いいの、ソーナ?」

「はい。本来なら最後の勝負で決めるつもりでしたけど、あの乱入者のせいで中止。なので、貴女達の方に譲ります。」

「ありがとう、ソーナ。」

 

翌日の放課後、リアス部長とソーナ先輩が部室で会話していた。結局スポーツ対決はスペクターの乱入で中止になってしまった。そして話し合いの結果、使い魔獲得の権は俺達に譲られた。

 

「くそっ、あのスペクターって野郎、マジでムカつくぜ。」

 

イッセーがスペクターに対する怒りの思いを浮かべている中、俺は霊術の秘伝書を読んでいた。今のところ、スペクターの正体が誰なのかは俺にも分からない。だが一つだけ手かがりはあった………そう、あいつが五十嵐流霊術を使っていたことだ。つまりスペクターの変身者は俺が知っている人物ということになる。

「幽一君、ユルセンちゃんは来てないんですか?」

「あ、はい。朝起きたら[用事があるから出掛ける]って書き置きがあったので…。」

 

姫島先輩は俺にユルセンがいないことを質問してきた。ユルセン…あいつどこへ行ったんだ…?

 

「とりあえず皆、夜に使い魔の森へ行くわよ。」

 

リアス部長は俺たちに向けてそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夜、俺たちは使い魔の森へとやってきた。時間的に夜だが、何だかここは一日中暗そうだ。リアス部長達は魔方陣で転移してきたが、俺は霊術【霊身転移】でここまでやってきた。これもユルセンによる鬼畜修行のおかげだ。

ちなみに木場は別の仕事があるため来ていない。

 

「ゲットだぜぃ!」

 

すると、突然某ポ○モントレーナーの台詞みたいな声が聞こえ、俺たちはその方向へ向いた。そこには何やら胡散臭いおっさんがいた。

 

「俺は使い魔マスターのザトゥージだぜぃ!」

 

ザトュージさんは名乗った。おい、名前からして完全にポ○モンじゃないか。

 

「彼が案内してくれる使い魔マスターよ。」

 

あの胡散臭い人が案内人なのかよ。ちょっと心配だな…。まぁ、この森は何だか迷いやすそうだから、案内してもらわないといけないな。ちなみに今回の目的はイッセーとアーシアの使い魔を獲得することだ……え、俺?俺はユルセンがいるから別にいい。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺たちはザトゥージさんの案内のもと、使い魔の森を歩いていた。悪魔の領域故か少々不気味な植物が生えており、その辺りには様々な魔物がいた。どれも使い魔に出来そうな小さな個体が多くいるが、どれもイッセーとアーシアには不似合いなものが多かった。けど二人に合う使い魔とエンカウントするのはそんなに早くは…

 

「待て!」

 

すると突然、ザトゥージが声を上げて止まった。何故ならその視線の先には、小さな青いドラゴンがいたからだ。全体的に蒼い鱗であり、その口からは小さな電流を発生させている。

 

「あれは蒼雷龍【スプライト・ドラゴン】…青い電撃を放つドラゴンの子供だぜぃ。」

「わぁ、可愛いです。」

 

ザトゥージが説明する中、アーシアはスプライト・ドラゴンを見てそう言った。確かに電撃を放つという特徴とは裏腹に、幼体だからか愛らしい姿をしているな。

 

「ゲットするなら今のうちだぜぃ。成熟したらゲットは無理だぜぃ。」

 

まぁ、この森はかなり広大だから再び会うのは容易じゃないし、成長した個体は流石にスカウトできないだろうな。

 

「イッセー君は赤龍帝の力がありますから、相性がいいのでは?」

「そうですね。よし、こいつを使い魔にしよう!」

 

姫島先輩はイッセーがスプライト・ドラゴンと相性が良さそうなことを言った。イッセーもスプライト・ドラゴンをゲットする決意をした。

 

「…!?」

 

その時、俺は空から“何か”が降ってくるのを察知した。俺はドライバーを出現させ、エジソンアイコンを取り出してナンバリング状態にし、いつでも変身できる準備をした。

 

「よし!蒼雷龍【スプライト・ドラゴン】、君に決め…!?」

 

ザトゥージがサ○シみたいな台詞を言おうとした時、ザトゥージも何かが降ってくるのを察知した。俺の予感が的中したのだ。

次の瞬間、空からスライムが降ってきた。俺はドライバーにエジソンアイコンをセットし、カバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

ドライバーからエジソンゴーストが現れ、俺に降ってくるスライムを電撃で蒸発させた。

 

「変身!」

『カイガン!エジソン!エレキ、閃き、発明王!』

 

俺はゴーストに変身し、エジソンゴーストを纏い、ガンガンセイバー・ガンモードを装備すると、電撃を放って次々とスライムを蒸発させていく。

 

「こ、こら!」

「あらあら、はしたないですね。」

「服が…!」

「ヌルヌル…気持ち悪いです…。」

 

俺は振り向くと、リアス部長、姫島先輩、アーシア、小猫にスライムが引っ付いているのが見えた。すると、部長達の服が徐々に溶け…おっと、これ以上はいけない。

 

「うっほぉー!幽一、カメラはあるか!?」

「ねぇよ!というか、貸さねぇよ!」

 

イッセーはこの光景を見て大興奮。全くイッセーは…。

 

「ザトゥージさん、このスライムは何だ!?」

「このスライムは女性の布地を主食としているんだぜぃ。」

 

女性の服が主食……どうやら人体そのものを溶解することはないらしい…が、あれを放っておく訳にはいかないな。俺は銃をドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン!ガンガンミナー!』

 

俺はさらにドライバーのハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!エジソン!オメガドライブ!』

 

オメガドライブしたことにより、頭部のアンテナから強力な電気が発生。俺はそこに銃を近づけ、エネルギーをチャージした後、真上へ照準を向けてトリガーを引いた。

 

『オメガシュート!』

 

すると、強力な電気の塊が真上へ発射され、降ってくるスライム達は一瞬にして蒸発した。

ちなみにリアス部長と姫島先輩、小猫はそれぞれ引っ付いたスライムを振り落としては消滅させていた。

 

「後はアーシアだけだな。」

 

まずは斥力でアーシアに引っ付いているスライムを引き剥がそうと、俺はニュートンアイコンを取り出した。

 

「待て!」

「ちょっ…イッセー!?」

 

イッセーは俺からニュートンアイコンを取り上げると、突然アーシアに引っ付いているスライムを庇い始めた。

 

「おい、何やってんだよ!?」

「このスライムは俺が使い魔にするんだ!」

「お前はバカか!ニュートンのアイコンを返せ!」

「だが断る!」

 

イッセーはあのスライムを使い魔にすると言い出した。くそ、エジソンの電撃だとアーシアまで巻き込みかねない…!

 

「アババババババッ!」

 

すると突然、イッセーが電撃を喰らった。電撃を放ったのは、スプライト・ドラゴンだ。イッセーはその場で倒れると、ニュートンアイコンを手放した。俺はニュートン魂にチェンジすると、斥力でスライムを引き剥がした。その後、スプライト・ドラゴンが電撃でスライムを消滅させた。

 

「…これは一体…。」

「こいつは敵と認識した奴にしか攻撃しないんだぜぃ。」

 

ザトゥージさんは説明してくれた。なるほど、こいつはイッセーとスライムを敵と認識したから攻撃したってことか。スプライト・ドラゴンはアーシアに近づくと、頬擦りをし始めた。もしかして、アーシアになついたのか?

 

「決まりだな。美少女!使い魔ゲットだぜぃ!」

 

ザトゥージさんが言った。アーシアは使い魔の契約をすると、スプライト・ドラゴンは再びアーシアに頬擦りをした。

 

「くすぐったいです、ラッセーくん。」

 

アーシアはスプライト・ドラゴンに“ラッセー”という名前をつけた。ラッセー…電撃にイッセーを混ぜたのか…。

 

「まぁ、これからよろしくなラッセー……ギャアアアア!」

 

イッセーがラッセーに近づいた瞬間、また電撃を喰らった。

 

「あ!言い忘れたが、ドラゴンは他の雄の生物が嫌いなんだ。」

 

まぁ、イッセーの場合はあの行為をしたから攻撃されるのは当然か…。

 

「…ん、あれって…?」

 

俺はある方向へ向くと、向こうにある広場で何かが座っているのが見えた。俺たちはその広場に行き、その正体を見た。全体的に水色の羽根で覆われたドラゴンだ。俺はその姿を見てすぐにそのドラゴンの名前が浮かび上がった。

 

「…あれ、“フェザーリドラ”じゃないか…?」

「お、ご名答だぜぃ!コイツは風羽龍【フェザーリドラ】、滅多にお目にかかれないレアモンスターだぜぃ!俺でもなかなかその姿を目にしたことはないぜぃ!」

 

やっぱりあれは【SAO】のフェザーリドラだった。レアなのはここでも変わりないか。というより、なんでフェザーリドラがこんなところに生息しているのかが謎なんだけど…。

 

「しかもあの個体は雌だぜぃ!これはかなりのレアものだぜぃ!」

 

あれ…原作だと雄の方だったよな…?まさか雌が出てくるなんてな…。

 

「それにしても幽一、よくあのドラゴンの名前が分かったわね。」

「なんか、前に読んでいたラノベから連想したんですよ。」

 

リアス部長の質問に俺はそう答えた。俺は再びフェザーリドラの方を見ると、フェザーリドラの両翼に2つの帽子があった。一つは婦人帽子で、もう一つはテンガロンハットだった。

 

「あれって、ココ・シャネルとビリー・ザ・キッドの帽子じゃないか?」

 

俺はフェザーリドラが持っている帽子がシャネルとビリーの帽子であることに気がついた。俺はフェザーリドラに近づこうとしたその時

 

 

 

 

グオオオオオオオオオン!

 

 

 

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

突然、巨大な魔物が広場に現れた。鳥の頭と翼にライオンの体を持ったモンスター…グリフォンだ!

 

「あれはグリフォンだぜぃ!気をつけろ、襲ってくるぞ!」

 

俺たちはすぐさま戦闘態勢に入った。俺はロビンアイコンをドライバーにセットし、ハンドルを操作した。

 

『カイガン!ロビンフッド!ハロー、アロー、森で会おう!』

 

俺はロビンゴーストを纏うと、ガンガンセイバー・アローモードを構える。そしてグリフォンに向けて矢を3発放つ。

 

「グオオオオオッ!」

 

グリフォンは空を飛んで避けると、俺に向かって突進してきた。

 

「うわっ!?」

 

俺はこれを喰らってふき飛ばされた。姫島先輩やリアス部長も雷や波動を放って応戦するが、グリフォンは巧みに飛行して避けた。なんて飛行能力だ…。

 

「グオオオオッ!」

 

グリフォンは小猫に向かって高速で突進してきた。

 

「…っ!」

 

小猫はこの突進を受け止めたが、徐々に押されていく。

 

『Boost!』

「喰らえ!」

 

小猫が受け止めている間にイッセーが倍加しながらグリフォンの頭に左ストレートをかました…が

 

「堅っ!?」

「グオオオオオオオッ!」

「うわっ!?」

「っ!」

 

グリフォンはイッセーのパンチを物ともせずに二人まとめて吹き飛ばした。

 

 

 

「ギュルルッ!」

 

すると、フェザーリドラがグリフォンに向けて泡のブレスを吐いた。その瞬間、グリフォンがフェザーリドラに標的を変えた。

 

「まずい!」

 

グリフォンが口から炎を放とうとするのを阻止すべく、俺は弓矢を放つが、グリフォンは怯まなかった。フェザーリドラは2つの帽子を守ろうとして動かない。もうダメかと思った…………その時だった。

 

 

 

『ゴォ!』

「グオッ!?」

 

突然、目の紋章が出現し、そこから緑色の足が生えた大型の幽霊船が現れ、グリフォンを吹き飛ばした。

 

『ふぅ…間に合った。』

「ユルセン!?」

 

その幽霊船にはユルセンも乗っていた。

 

「ユルセン、これは…?」

『これは幽霊の帆船【キャプテンゴースト】、お前の使い魔だ!』

「え…俺の!?」

 

ユルセンはこのキャプテンゴーストが俺の使い魔だと言った。もしかして出掛けたのはアレを連れてくるためだったのか!?

 

「で、でけぇ!」

「…かなり規格外です。」

 

イッセーと小猫がそれぞれそんなことを言っていた。

 

『幽一、マシンゴーストライカーを呼べ!』

「あ、ああ…。」

 

俺はオレ魂にチェンジすると、マシンゴーストライカーを召喚して乗った。

すると、キャプテンゴーストの帆が折り畳まれ、デッキ部が尻尾状に展開された。そしてイグアナの頭部と四肢が展開された。俺はキャプテンゴーストの上部へジャンプすると、マシンゴーストライカーのカウル部が展開され、その状態でキャプテンゴーストと合体した。

 

『これが本来の姿・幽霊の鬣蜥蜴【イグアナゴーストライカー】だ!』

「よし…行くぞ、“ケンウェイ”!」

 

俺はこのイグアナにケンウェイと名付けると、グリフォンに向かって突撃する。

 

「ギャアオ!ギャアオ!」

「グオオオオッ!?」

 

ケンウェイはグリフォンを圧倒するかのように突進を受け止め、どんどん押していく。

 

「ギャオオッ!」

「グオッ!?」

 

ケンウェイはグリフォンの首に噛みつくと、そのまま真上に投げ飛ばした。

 

『オオメダマを喰らわしてやれ!』

「分かった! 命、燃やして行くぜ!」

 

俺はハンドルを四回操作した。

 

『ダイカイガン!オレ!オオメダマ!』

 

すると、ドライバーから巨大アイコン型エネルギーが出現した。

 

「ギャオオ!」

 

俺はケンウェイに飛ばしてもらい、上までジャンプする。

 

「はああああああああ!」

 

俺はオーバーヘッドキックでエネルギー球をグリフォンに向けて飛ばした。

 

「グオオオオオオッ!?」

 

グリフォンはこれを受けて爆散した。するとケンウェイは幽霊船状態になると、そのまま姿を消した。俺は地面に着地し、変身を解除した。

 

『オヤスミー』

「ふぅ…。」

「少年、流石だな。まさかあのグリフォンを倒してしまうとはな!」

「ユルセンが間に合わなかったら負けてたさ。」

 

俺はザトゥージにそう言い返した。

 

「ギュルル…。」

 

俺は振り向くと、フェザーリドラの元気がないことに気づき、すぐに近づく。

 

「なあ、こいつ元気がないぞ?」

「どうしちゃったんでしょう…?」

「もしかして、グリフォンの威圧で怖じ気づいたのかしら…?」

「あらあら…。」

「いや、ちょっと待って…!」

 

皆がそれぞれ何かを言ってる中、俺は皆を静かにさせた。

 

 

 

 

 

グゥゥゥ……

 

 

 

 

 

「「「「「「…え?」」」」」」

『どうやら腹を空かせていたらしいな。』

 

皆が思わず唖然としている中、ユルセンはそう言った。

 

「ほら、これを食べるんだ。」

 

俺はそう言ってポケットからナッツを取り出し、フェザーリドラに食べさせた。

 

「ギュルルゥ!」

 

すると、フェザーリドラはすぐに元気になった。

 

「…決めた、こいつを使い魔にする!」

「よし、少年!使い魔ゲットだぜぃ!」

 

俺はフェザーリドラの足下に目の紋章を出現させる。本来なら魔方陣を出現させるのだが、俺は魔力がないから代わりに目の紋章を出した。

 

「我、五十嵐幽一の名において命ず。汝、我の使い魔として契約に応じよ!」

 

詠唱を一通り読み終えると、紋章も消えた。これで契約完了だ。

 

「よろしくな、ピナ。」

「ギュルル!」

 

俺は原作通りに“ピナ”と名付けた。すると、シャネルとビリーの帽子が光り始めた。

 

『幽一、アイコンも忘れるなよ?』

「分かってるって。」

 

ユルセンに言われて2つの帽子に近づくと、目の紋章を描いた。すると、2つの帽子は消滅して煙になると、そこから婦人服型のシャネルゴーストとカウボーイジャケット型のビリー・ザ・キッドゴーストが現れた。俺はドライバーを出現させる。

 

「シャネル、ビリー・ザ・キッド、来い!」

 

俺はそう言うと、シャネルゴーストとビリーゴーストがドライバーに取り込まれ、アイコンへ変化した。フランスカラーのシャネルアイコンは【EX.03】、茶色のビリーアイコンは【05】だ。

 

『一石二鳥、大収穫だな!』

「そうだな。」

 

俺はユルセンとそんな会話をする。ピナとケンウェイを使い魔にして、さらにシャネルとビリー・ザ・キッドのアイコンも手に入った。確かに大収穫だな。

 

「あれ、どうしたんですかラッセーくん?」

 

すると、アーシアの使い魔・ラッセーが何故かピナの方へ向かって飛んできた。

 

「ラッセーはピナに一目惚れしたそうだぜぃ。」

 

ザトゥージさんが答えた。なるほど、ラッセーはピナに一目惚れしたのか。

 

「ちょっと待てよ!何でラッセーは幽一に攻撃しないんだ!?」

『そりゃ、ピナの主を攻撃したらまずいとラッセーだって考えるさ。』

「くそぉおおおお!羨ましいぞ幽一ぃいいい!!」

「“あんなもの”を使い魔にしようとしたお前が言うなっ!」

「……。」

 

イッセーは何も言い返せなかったようだ。

 




ED[STUDY×STUDY]



ユルセン「ハイスクールD×G【GHOST】、新章突入!」


グレイフィア「グレモリー家に仕えているメイドのグレイフィアと申します。」

幽一達はリアス部長の様子がおかしいことに気付く。いつものように部室へ入ると、そこにはグレモリー家のメイド・グレイフィアがいた。

ライザー「久しぶりだな、人間界は…。」

さらに、フェニックス家のライザーもやってきた。なんと、ライザーはリアスと婚約していた。

幽一「あんたは英雄の何を分かってるんだよ!?」

ライザーの一言で、幽一は激怒する。

グレイフィア「“レーティングゲーム”で決着をつけましょう。」

ここで、グレイフィアがレーティングゲームを提案した。

次回 act2
[見参、慢心の不死鳥!]

その眼に焼き付けろ!



カウント・ザ・アイコン

幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【02】エジソン、【03】ロビン、【04】ニュートン、【05】ビリーザキッド、【EX.01】アイルトン、【EX.03】シャネル

スペクター:【S】スペクター、【11】ツタンカーメン、【12】ノブナガ、【EX.02】リチャード


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

act2 ~Battle school building of phoenix~
見参、慢心の不死鳥


モンハンクロス、ようやくHR解放しました。
それと今回から原作のようなあらすじをやっていこうと思います。



俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。使い魔の森で、ユルセンが連れてきた幽霊船・ケンウェイと、何故か森に生息していたフェザーリドラ・ピナを使い魔にした。そしてピナが守っていた帽子から、ビリーザキッドとココ・シャネルのアイコンを入手した。
現在所有しているアイコンは…8つだ。


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

あれから数日経ち、俺はいつも通りの生活を送っていた。この前は使い魔の森で、ピナとケンウェイを使い魔にして、アイコンを2つ手に入れたんだっけな。

そして俺の部屋にはコンドルデンワーとビートルラジオ、そして置き時計型の蝙蝠・バットクロックが置かれていた。色合いからして、ビリーザキッドが呼んだのかもしれない。

さて、ここ数日だが一つだけ気になったことがある。それは、リアス部長の様子がおかしいことだ。最近リアス部長は部活中やトレーニング中にも関わらず何やら上の空らしい。何か考え事でもあるのかな…?そういえば登校時にイッセーは俺にこんなことを語ってきた。リアス部長に“夜這い”されたことだ。俺は最初はそれを聞いてイッセーを精神病院に送りつけようかと考えたが、よく考えるとリアス部長の悩み事がそれほど深いものだと思えてきた。これは今日、聞いてみるしかないな…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おいイケメン野郎、昨日から部長の様子がおかしいけど、何か知ってるか?」

「部長さんに何かあったのでしょうか?」

「うーん、僕も分からないんだよね…。副部長なら何か知ってるかもしれない。」

 

放課後、俺たちはいつものようにオカ研の部室へ向かっている。三人はやっぱりリアス部長の件について会話している。確かに姫島先輩なら何か知ってるかもしれない。

 

『あのリアスが悩み事か…しかもイッセーと夜這いだなんて、一体何があったんだろうな?』

『全ては部室に行かないと始まらないさ。』

 

俺とユルセンが心の中で会話している間に部室の前に到着した。木場がドアを開けると、俺たちは部室の中に入った。

 

『…随分と雰囲気がどんよりしてるな…。』

「ああ…。」

 

ユルセンが出てきて呟いた。部室にはリアス部長、姫島先輩、小猫、そしてもう一人誰かがいた。格好からしてメイドさんだろう。それにしても、部室内の雰囲気は悪かった。リアス部長はご機嫌斜め、姫島先輩はいつものようにニコニコな表情だが、あれは確実に造った表情だろう。小猫はここから逃げたいと言わんばかりか、部室の隅っこに立っていた。

 

「ところで、貴女は…?」

「私はグレモリー家に仕えているメイドのグレイフィアと申します。」

「あ、どうも。俺は五十嵐幽一と言います。」

『幽一を修行させています、ユルセンです。』

 

俺とユルセン、そしてグレイフィアさんはそれぞれ自分の名前を名乗った。この空気からか、ユルセンも丁寧に挨拶していた。

 

「全員揃ったわね…でも部活を始める前に、少し話があるの…。」

 

リアス部長は席を立つと、重苦しげに口を開いた。恐らく、悩んでいることを俺たちに話すのだろう。

 

「実は…。」

 

リアス部長が言おうとしたその時、突然部室の床の一面に橙色の魔方陣が出現した。その紋章には不死鳥が描かれていた。広がる熱い炎と共に何者かが転移してきた。そして転移してきたそいつは片手で炎を振り払った。

 

「ふぅ…久々だな、人間界は…。」

 

現れたのは金髪の男性だった。服装はホスト風のスーツで、容姿は整っているがちょい悪な感じが全面に出ていた。

 

「やぁ、愛しのリアス。」

 

その男はリアス部長に軽い口調で言った。誰だよあいつは…。

 

「あの、グレイフィアさん。彼奴は誰なんですか…?」

 

俺はあの男が誰なのかをグレイフィアさんに尋ねる。

 

「この方は古い家柄であるフェニックス家の三男坊にして将来が有望視されている上級悪魔の一人…ライザー・フェニックス様。」

 

あの男はライザーと言うらしい。そういえばフェニックスはソロモン72柱に含まれていたな。貴族なのも当然か…けどどう見てもホストだよな?

 

『あれだ、人間やめた吸k』

『おい、やめろ。』

 

ユルセン、それはライザーの“中の人”ネタだ。

グレイフィアさんはさらに続けた。

 

「そして、この方はグレモリー家の次期当主…………すなわち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスお嬢様の婚約者であらせられています。」

 

 

 

「ええええええええええええ!!?」

 

グレイフィアの一言で、イッセーは驚きの叫びを部室内に響かせた。もちろん俺とユルセン、アーシア、木場、小猫も驚きのあまり空いた口が塞がらない。あんな男がリアス部長の婿なのかよ!?

 

「…っ!おいおい、リアス。下僕の教育がなってないんじゃないか?俺を知らないとは…。」

「教える必要がないもの。」

 

リアス部長はライザーに対して辛口な発言をした。まぁ、そうだよな。あんなチャラ男を知っても…ねぇ。するとライザーは俺の方を見た。

 

「…何で人間がこんなところにいるんだ?」

「彼は私の協力者よ。」

「下等な人間を協力者にするとは…なかなかユーモアが利いているじゃないか?リアス。」

 

分かっていたが、やっぱり俺を見下しているな…。

俺は今にも怒りが爆発しそうだが、ここでやったら周りに被害が及んでしまう。ここは怒りを抑え、溜め息をつきながら秘伝書を読む。“鳴かぬなら、鳴くまで待とう、ホトトギス”だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にして頂戴、ライザー!私は前にも言ったはずよ。私は貴方とは結婚しない!私は私の旦那様を自分の意思で決めるって!」

「しかしリアス…先の戦争で純粋な悪魔の72柱の大半は消えた。この縁談はそんな純粋な悪魔を減らさぬよう、俺の父やリアスの父、そしてサーゼクス様の考えの総意なんだよ。それに君のお家事情はそんなことを言える程、切羽詰まっていないものでもないだろう?」

 

時間は進み、話はだんだんとヒートアップしてきている。リアス部長は真剣な瞳で結婚を拒否することを言うと、ライザーも悪魔の事情みたいなことをリアス部長に言ってきた。ソロモン72柱の大半が戦争で消失…確かにこれは甚大な問題だな。けど、無理矢理感が半端ないからか、リアス部長が否定するのも理解できる。

 

「家は潰さないし、婿養子は迎え入れるわ…。でもそれは私が本気で好きになった人とよ。だからもう一度言うわ。ライザー、私は貴方とは絶対に結婚しない!!」

 

リアス部長の意思はかなり頑固なものだった。するとライザーはリアス部長の目の前に立つと、睨み付けながら舌打ちした。その際、あいつの周りからおびただしい程の殺気が溢れ出てきた。

 

「リアス…俺もフェニックスの看板を背負っているんだよ。こっちも名前に泥を塗られる訳にはいかないんだ。俺はお前の眷属全員を“焼き殺して”でもお前を冥界に連れて帰るぞ。」

 

するとライザーの意思に反応するかの如く、周りに業火が燃え盛った。あいつ…悪魔が存続の危機とか言いながら命をなんだと思ってるんだ…!?

俺はポケットからオレアイコンを取り出そうとした時

 

「お止め下さい、ライザー様。」

 

グレイフィアさんが止めにかかった。グレイフィアさんから漏れ出す魔力は、この燃え盛る業火を一気に凍らすことができる程のものだった。

 

「私はサーゼクス様の命によりここにいます。これ以上続けるようでしたら私も黙っている心算はありません。」

「…最強の女王【クイーン】候補と称された貴女に言われたら、俺も止めざるを得ないな。」

 

これには流石のライザーもやばいと判断したか、業火を消した。すごいなグレイフィアさん…というより、メイドなのに女王なの…?

 

「…まぁいい、俺も眷属を紹介しよう。」

 

ここでライザーは自分の眷属を紹介するらしい。すると、ライザーの背後から炎と共に眷属達がやってきた………ん?

 

「全員…女?」

 

ライザーの眷属は全員女だった。こいつやっぱりホストクラブで働いてればいいのに…と思えてきた。

 

『これ、イッセーが目指したハーレム計画の成功例じゃ…?』

 

うん、あいつマジでハーレムを完成させているよ。その証拠にイッセーが涙流しながら羨ましそうな顔をしているし…。

 

「…リアス?お前の下僕君が涙流しながらこっちを見てるんだが…?」

「…あの子の夢はハーレム王だから…。」

 

イッセーの性癖は一生治らないのは知ってる。ライザーもこれを見て引いていた。

 

「まぁ、下級悪魔の君や人間の君にはこんなことは出来ないだろうがな。」

 

するとライザーは眷属の一人を呼ぶと、その場でディープキスをし始めた。その際、俺は秘伝書でアーシアの目を、ユルセンは自身のマントて小猫の目を隠した。

 

「幽一さん、見えないです。」

「…ユルちゃん、何も見えないです。」

「これは教育に悪すぎる。」

『見たら絶対気分悪くするから駄目だ。』

 

ライザー…あんたはリアス部長と結婚するとか言いながら自分の眷属とディープキスって…何考えてるんだ?

 

「てめぇぇぇ!なんて羨まし…ゲフンゲフン…なんてけしからん事をぉおお!」

 

これを見たイッセーは当然、激怒した。私怨に満ちているが…。俺はイッセーの変態思考に呆れて再び秘伝書を読む……ライザーの“次の一言”までは。

 

「人間界の諺にもあるだろう?英雄、“色を好む”。」

 

 

 

 

 

 

 

バァァァン!!

 

 

 

 

 

 

ライザーの一言で俺の頭で何かが切れた。俺は秘伝書を散弾銃の発砲音のような音を立てて閉じる。そして秘伝書を鞄にしまうと、ライザーに向けて睨んだ。

 

「我慢してたけど、もう限界だ…。」

「何だ、人間の分際で…?」

「あんたは英雄の何を分かってるんだよ!?」

 

俺はその怒号を部室内に響かせた。英雄、色を好むだって…?こいつ、ふざけたことを言いやがって…!

 

「英雄っていうのはな…命を燃やし、快挙を成して生ききった者のことを言うんだ。」

「それがどうした?下等な人間が口出しするな。」

「じゃあこっちから言わせてもらうぜ。あんたは英雄にも部長の婿さんにも相応しくない!」

「何だと…!?」

 

俺はメンチを切りながらライザーに言った。

 

「幽一の言う通りだ!お前みたいな女ったらしと部長は不釣り合いだ!!」

 

イッセーも続いてライザーにそう言った。そしてイッセーは赤龍帝の籠手を装備すると、倍加して突撃した。

 

「この下級悪魔が…!ミラ、やれ!」

「はい。」

 

すると、ミラと呼ばれた少女が棍棒を装備してイッセーに攻撃した。

 

「ぐふっ…!」

 

案の定、イッセーはこれをまともに受けてダウンした。

 

「ミラ、ついでにあいつもやれ!」

「はっ!」

 

今度は俺に矛先を向けてきた。ミラは俺に突撃してきた。

 

「ふっ!」

「!?」

 

俺はミラの攻撃を受け止めると、左手で棍棒を受け止め、右手に霊力を集中させる。

 

「五十嵐流霊術…霊波掌!」

「きゃっ!?」

 

俺は右手を突き出して霊力の波動をミラに打ち込んだ。ミラはこれを受けてライザーのところまで吹っ飛ばされた。

 

「うおっ!?」

 

そしてミラはライザーとぶつかった。するとライザーは火の粉を撒き散らしながら俺を睨み付けた。

 

「人間の分際で!!このフェニックスの顔に泥を塗ったなぁァァァ!!」

「仕掛けたのはそっちだろ!」

 

ライザーは逆ギレし、俺に向けて炎を放とうとした。俺はそれに備えて腰に幽霊の神帯を出現させ、オレアイコンを取り出す。

 

「そこまでです、お二方。」

 

グレイフィアさんがまた止めに入った。

 

「意見が噛み合わないのは当初から予想しておりました。そこで、この件はレーティングゲームで決着をつけましょう。」

 

グレイフィアさんはレーティングゲームを提案した。リアス部長とライザーはこの提案に乗った。ちなみに10日間の特訓期間が設けられた。

 

「おい人間、お前も参加しろ!侮辱したことを後悔させてやる!」

 

ライザーは俺にそう言い残すと、魔方陣で転移していった。

 

「そういえばグレイフィアさん、俺は悪魔じゃないんですけど、参加できるんですか?」

「大丈夫です。今回は非公式の試合なので、傭兵【マーシナリー】として参加させていただきます。それでは、私はこれで失礼します。」

 

そう言うと、グレイフィアさんは転移して言った。傭兵か…何か前にやったステルスゲームを思い出すな…。とりあえず俺たちは明日、特訓をすることになった。

 

 

 

 

?side

 

 

 

俺の名前は神薙駘悟…仮面ライダースペクターだ…。

俺はマシンフーディーから降りると、高台の上から街を見下ろす。そして懐から一つのアイコンを取り出した。それは、俺の妹・神薙沙耶の魂が入ったアイコンだ。

 

『お兄ちゃん、何を考えてるの?』

 

沙耶は俺に語りかけてきた。

 

「いや、一日でも早くアイコンを集まればな…と考えてただけさ。」

 

俺は沙耶にそう答えた。沙耶を蘇らせるために、15個のアイコンを集めないとな……そのために、幽一からアイコンを奪わないとな。いや、幽一はもう…………二年前に死んでいるか。

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


リアス「今日から10日間、ここで特訓するのよ!」

幽一たちはレーティングゲームのために合宿することにした。その合宿先は、なんとリアス部長の別荘だった!

ソープ「俺たちも手伝うぜ。」

さらに、特訓にソープや硬哉達も加わった。

幽一「必勝方が思いついた。」

夜、幽一は眼魂を使った必勝方を考えた。果たして、その必勝方とは?

次回[強化、10日間の特訓」




カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【02】エジソン、【03】ロビン、【04】ニュートン、【05】ビリーザキッド、【EX.01】アイルトン、【EX.03】シャネル

駘悟:【S】スペクター、【11】ツタンカーメン、【12】ノブナガ、【EX.02】リチャード


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

強化、10日間の特訓

かなり忙しくなってきた…。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。ある日、オカ研にメイドのグレイフィアさんとライザーという男が現れた。ライザーとリアス部長が婚約問題で揉め合う中、グレイフィアさんは10日後にレーティングゲームで決めることを言った。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

 

あの日から翌日、俺たちは10日後に行われるレーティングゲームに向けて、リアス部長の提案で合宿することをなった。もちろん、先生に休むことは伝えてある。合宿先はリアス部長の家・グレモリー家が所有している山の別荘らしく、俺たちは別荘がある頂上まで登っている。

 

「ヒー…ヒー…。」

「おいおい、もう限界なのかよ?」

「仕方ないだろ!?この荷物すげぇ重てぇんだぞ!?」

「今の俺はそれに加えてバイクを引いてるんだが…?」

 

ここへ来てイッセーはもう息を切らしていた。俺はイッセーと同じ量の荷物に加えてバイクを引きながら山を登っている。正直言ってこっちの方が辛い…にも関わらず、なんで先にイッセーがこうも早くスタミナ切れ起こすんだ?

 

「さては幽一、アイコンを使って楽してるな!?」

「してない。アイコンは全部ユルセンに預けたよ。」

『英雄は運び屋じゃないんだぞ?』

 

ユルセンが横からやってきた。よく見ると、ユルセンが自分用の荷物とアイコンの入った袋を背負っていた。

 

『じゃ、オイラは先に行くからな~。』

「二人供、お先に。」

 

すると、後ろから追いついてきた木場がユルセンと共に俺たちを抜かして山道をスタスタと歩いていった……山菜を採取しながら。あの山菜、本当に食べれるのかな?

 

「ちっ、イケメン野郎め。」

 

イッセー、嫉妬してないで歩けよ…。

 

「…お先です。」

 

小猫も俺たちに追いつくと、そのまま抜かして先へ行った。しかも俺たちよりも明らかに倍の量の荷物を背負って……すげぇな。

 

「負けた…。」

 

イッセーが無念そうに呟いた。

 

「幽一、こうなったらバイク乗って…。」

「バイク潰れるから駄目だ!」

「……。」

 

イッセーは何も答えられなかった。そりゃ、ただでさえ俺の分の荷物で限界だったのに、今の状態で乗ったら確実にバイクが壊れるからな。

ちなみにリアス部長、姫島先輩、アーシアの三人はもう結構上まで登って行っていた。何故なら、手ぶらで登っていたからな…。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数分後…

 

 

「ぜぇ、はぁ……。」

「ほら、しっかりしろ…着いたぞ。」

 

俺たちはようやく別荘の前に到着した。目の前には、本当にかなり大きな建物があった。

 

「今日から10日間、ここで合宿するのよ!」

「おお、でかい別荘だな…。」

「大きいです~!」

『流石貴族ってこともあるな。』

 

俺とユルセン、アーシアはリアス部長の別荘を見て驚いていたが、イッセーは疲労でそれどころじゃないらしい……はぁ、仕方ないやつだ。

 

「リアス部長、バイクはどこに停めればいいですか?」

「あそこでいいわ。」

「分かりました……ほらイッセー、しっかりしろって。」

「はぁ……はぁ……。」

 

もうイッセーは喋れる状態じゃないらしい。俺はリアズ部長に言われた所にバイクを停めると、イッセーに肩を貸しながら別荘の中に入った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「イッセー、無事か?」

「な、なんとかな…。」

 

数分後、イッセーは息を調えながら答えた。リアス部長達は先に着替えに行っており、今この場にいるのは、俺、ユルセン、イッセー、木場の4人だった。

 

「幽一、部長達は?」

『お前が疲れている間に、着替えに行ったよ。』

「じゃあ、僕も着替えてくるね。」

 

木場はそういうと、着替え用のジャージを持って更衣室に行こうとした。

 

「覗かないでね。」

「『…は?』」

「マジでぶっ飛ばすぞ、木場ァーーッ!!」

 

イッセーが木場の発言に対してマジギレした。俺とユルセンも木場のホモ発言に頭が混乱した。

 

「…ん?」

 

俺はふと、ピアノがある部屋に視線を向けた。そのピアノに置いてある楽譜は、かなり古そうなものだった。俺は近づいてその楽譜の曲名が何なのか確認してみる……!

 

「【交響曲第5番 ハ短調 作品67】…これって、ベートーベンの曲じゃ…?」

 

リアス部長の家系も、やっぱり音楽には興味あるんだな…。

俺が考えていたその時、楽譜が光り出した。俺はドライバーを出現させると、すかさず目の紋章を描いた。すると楽譜から煙が登り、そこからタキシード型のベートーベンゴーストが現れた。ベートーベンゴーストがドライバーに取り込まれると、ドライバーから銀色のベートーベンアイコンが生成された。

 

『おお、特訓前にアイコンが手に入るなんてな~。悪魔って意外と英雄に関するものを持ってるんだな。』

「それは偶然だと思う。」

 

俺は簡素に言うと、ユルセンにベートーベンアイコンを預けた。

その後、俺とイッセーもジャージに着替え、しばらくしてようやく全員が揃った。

 

「皆!ライザーとのレーティングゲームまでに、しっかりと特訓するわよ!」

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

俺たちはリアス部長の一言に返事を返した。さあ、きっちりと強化するか……あのライザーってやつに勝つために!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

特訓その一 ~剣術~

 

バシッ! バシッ!

 

 

「闇雲に振っちゃだめだ。視野を広げて相手の動きをよく見るんだ。」

「だぁぁっ!イケメン野郎のくせに生意気だぁあああ!!」

 

現在、イッセーと木場は木刀を用いて剣術の稽古をしていた。木場は剣術に慣れていないイッセーにアドバイスを送るが、イッセーは全く話を聞こうとせず、ただ闇雲に木刀を振り回していた。そうしている間に、木場はイッセーの持っている木刀を弾き飛ばした。

 

「さて、次は幽一君だね。」

「オーケー…いざ、参る!」

 

俺は木刀を構えると、木場との剣術特訓を始める。

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

「なかなかやるね。」

「まぁな…。」

 

木場の剣術はなかなかのものだったが、イッセーとは違い、今までの戦闘を思い出して何とかしのいだ。俺は木刀の入った箱に近づくと、そこから脇差しサイズの木刀を左手に持った。

 

「木場、今度は二刀流でいこうぜ。」

「いいのかい?二刀流はかなり難しいよ?」

『ムサシアイコンの力を十分に発揮するためにはちょうどいいんじゃないか?』

ユルセンも二刀流の特訓に賛成した。すると木場も左手に脇差しサイズの木刀を装備した。

 

「分かった。二刀流の特訓をしようか。準備はいいかい?」

「天下無双、何時でもかかってこい!」

『あんまり調子に乗るなよ~。』

「俺は蚊帳の外かよ…。」

 

イッセーが何か言っていたが、俺たちは気にせず特訓を再開した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

特訓その二 ~魔力~

 

 

現在俺とイッセーとアーシアは、姫島先輩の指導のもと、魔力の扱い方の特訓を行っていた。俺は霊力だけどな。

 

「出来ました!」

 

するとアーシアが、バレーボール程の大きさの魔力の塊をつくりだしていた。

 

「あらあら、アーシアちゃんには魔力の才能があるかもしれませんわ。」

「ありがとうございます!」

『幽一、先越されてるぞ?」

「分かってるよ。」

 

俺はユルセンに言われると、霊術の構えを取って霊力を両手に集中させる。すると、バランスボール程の大きな人魂が出来上がった。

 

「あらあら、幽一君も見事ですわ。」

「ありがとうございます。」

 

姫島先輩に褒められた。さて、残るはイッセーだけだな。イッセーはいくら集中させても未だに魔力が集められないようだ。

「ふぬぬぬぬ!……おお、できた!」

 

イッセーもようやく出来たようだ……が

 

『…米粒じゃん(笑)』

「なるほど、それか原因で魔方陣による転移ができないのか。」

「ホワァァァァァァァァア!!」

 

お前はキーボードを粉々にする少年か。イッセーの手のひらには、ユルセンの言う通り米粒程度の魔力しかなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

特訓その三 ~組み手~

 

 

「うおおおおおお!」

 

続いては組み手の特訓だ。今イッセーと小猫が組み手を行っている。イッセーが小猫に向かって突撃した。だが、剣術でも魔力でもダメだったイッセーが突撃するということ…そこから出される結果はもちろん

「…えい。」

「タコスッ!!」

 

小猫から反撃を受けて木に衝突というオチだった。

 

「…弱っ。」

『これで20回目だぞ、イッセー。』

 

そう、ユルセンの言う通り、イッセーがぶっ飛ばされた回数はこれで20回。いくら何でも突撃し過ぎだ。

 

「…次は幽一先輩です。」

「分かった。」

 

さて、今度は俺が組み手をすることになった。俺は構える。

 

「よし、行くぜ。」

 

まずは小猫に接近して右ストレートを繰り出す。当然先制攻撃は受け止められ、小猫の反撃が来た。

 

「ふっ!はあっ!」

 

俺は首を右に反らしてパンチを避けると、左足で蹴りを叩き込む。

 

「…えい。」

 

またも小猫のパンチを繰り出してきた。だが、それと同時に俺の中で一つあることを思い出した。相手が攻撃するとき、相手に必ず隙が生じる。そう、レイナーレにロビンの弓矢を撃ち込んだときのように、小猫が攻撃してきたら俺も攻撃を繰り出せばいいということだ。

 

「そこだ!」

「にゃっ!?」

 

俺は素早く双手突きを繰り出し、小猫の身体を吹き飛ばした。

 

「うぐっ…!」

 

だが、相手が攻撃している最中に攻撃したために俺も小猫のパンチを喰らっており、ダメージのあまりその場でうずくまる。

「…攻撃されている状況で攻撃するとは…ある意味流石です。」

「はは…相手によるかな…。」

 

俺はダメージを受けた部位を押さえながら言った。この後、イッセーがまた小猫に挑んでは木に叩きつけられたのは、言うまでもない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

特訓その四 ~部長と特訓~

 

 

俺とイッセーは、大岩を背負いながら坂を登り降りしていた。ちなみに、イッセーの岩の上にはリアス部長、俺には姫島先輩が乗っていた。

 

「ほらイッセー!気張りなさい!」

「はい!部長!!」

「あらあら…幽一君、大丈夫ですか?」

「一応問題ないです。」

 

俺とイッセーは互角のスピードで登っていた。ちなみに、ユルセンによる鬼畜修行でもこれをやらされていたため、正直言って慣れている。え?じゃあ何故イッセーと互角なのかって…?それは

 

「おいユルセン。」

『何?』

「何で俺に重圧かけてるの?」

 

そう、何故かユルセンがニュートンアイコンを使って俺に斥力をかけていたのだ。

 

「この斥力、俺だけじゃなくて姫島先輩にも影響を受けてないか?」

「あらあら、私は心配ないですわ。」

 

問題ないらしい。流石は副部長だ。

 

『もっとハードにすればさらに強くなるかもしれないじゃん?』

「ユルセン、俺はスーパーサ○ヤ人じゃないんだぜ?」

 

そんなやり取りをしながら坂を登り降りした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ…。」

 

休憩時間、俺は木に背もたれしながら休憩していた。

 

「よぉ、幽一!」

「あれ…ソープ先輩?」

 

すると、何故かソープ先輩がやってきた。それに硬哉と案山士まで。

 

「どうしたんですか?ここへやってきて…?」

「お前がレーティングゲームに参加することを聞いてな、俺たちも手伝うことにしたんだ。」

「そうなんですか。」

「五十嵐先輩、そういえばアイコンにロビンのアイコンもありましたよね?」

「ああ、それとビリーザキッドも。」

「ビリーザキッドか…それなら、射撃特訓もした方がいいな。」

 

硬哉と案山士がそれぞれ言った。確かに、ロビンもビリーも遠距離戦闘に向いていた。

 

「ソープ先輩、エアガンはどこにあります?」

「やる気になったか!分かった、ついてこい!」

 

ソープは気合いを入れてそう言った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

特訓その五 ~射撃~

 

 

「幽一、いくら攻撃力が強くても、当たらなければ意味がないのは知ってるよな?」

「はい。」

 

俺はソープ先輩の指導のもと、訓練用ターゲットから離れた所に立ち、ピストル型のエアガンを構えている。

「よし、射撃…始め!」

 

俺はソープの合図でターゲットに向かってエアガンを撃つ。そしてエアガンのマガジンに入っている弾を撃ち尽くした。俺とソープ先輩はターゲットに近づく。結果はどうだ…?

 

「うーん、あんまり真ん中に当たってないな…。」

 

前の時はかなり真ん中に当たっていたが、今回はあまり当たってないようだ。

 

「よし、俺が直々に射撃能力を鍛えてやるぜ。」

「はい!」

 

俺は射撃能力を更に向上させるため、ソープ先輩に鍛えてもらうことにした。ビリーザキッドのアイコンを最大限に扱うには必要不可欠だからな。

しばらく特訓し、ソープ先輩達は帰宅していった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

辺りはすっかり暗くなり、俺たちは別荘に戻って夕食を済ませた。そして現在俺たちはリビングにいた。

 

「まさかソープ達が来ていたなんてね。」

「けど、あの特訓は必ず活かすことができるはずです。」

『そうだな、ビリーザキッドの特徴は射撃能力だから、射撃特訓もいいかもしれない。』

 

俺はビリーアイコンを見つめながら言った。

 

「さて、食事と会話も済ませたことだし、お風呂に入りましょうか。」

 

リアスは座っていたソファから立ち上がると、そう言った。

 

「イッセー、俺は覗かないからな。」

『オイラもだ。』

「僕も覗かないよ。」

「ば、お前ら!」

 

俺、ユルセン、木場は一斉にイッセーの考えてることを否定した。だってイッセーが考えてることは言う前か粗方ら把握できるからな。

 

「あら、イッセー。私達と一緒に入りたいの?」

 

ちょっ!?リアス部長、そんな変態イェーガーを風呂に入れちゃ駄目でしょ!?

 

「朱乃はどう?」

「殿方のお背中を流してみたいですわ。」

 

姫島先輩!?

 

『マジかよ…アーシアはどうなんだ?』

「わ、私も…イッセーさんとなら…。」

 

おいおい、アーシアまで…。

 

「最後に小猫は?」

「イヤです。」

「…」orz

 

よかった…いい判断だ小猫。イッセーはかなり落ち込んでいた。さぁ、男は男で入るか。俺は木場と落ち込んでいるイッセーを連れて男風呂に入った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

真夜中、皆が寝ている中、俺は別荘の外で流れ星を見ていた。ポケットには全てのアイコンが入っている。懐かしいな……幼い頃、駘悟と沙耶ちゃんと一緒に流れ星を見てたのを思い出すな。けど、あの兄妹はある日、神隠しにあったんだよな…。今頃どうしているか…。

 

 

 

 

チャリン

 

 

 

 

すると、俺のポケットから何かが落ちた。それは、五十嵐の龍を模した首飾りだった。俺はそれを拾うと、首飾りを見つめる。その瞬間、俺の過去がフラッシュバックしてきた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

12歳の誕生日を迎えたその日、五十嵐寺は襲撃された。俺が慌てて寺に向かった時には、寺は大火事になっていた。

 

「父さん!母さん!皆どこにいるんだ!?」

 

俺は燃え盛る寺の中、家族を探すがなかなか見当たらない。すると

 

「…幽…一…。」

「!?…父さん!」

 

俺は父さんを見つけた。父さんは身体中傷だらけであり、大量に出血していた。

 

「父さん、他の皆は!?」

「すまない幽一…母さんも…皆殺された…。」

 

俺はそれを聞いて絶望してしまうも、せめて父さんだけでも助けようとは考えていた。

 

「父さん、ここから逃げよう。せめて、父さんだけは…!」

「無理だ…たとえここから出ても、この傷だ…失血死は免れない…。」

 

…父さんも駄目なのかよ…!俺は絶望で頭が一杯になってしまった。

 

「いいか幽一…英雄の心を学び、心の目を開くんだ…!」

 

父さんはそう言うと、五十嵐の龍の首飾りを俺に渡した。そして父さんは、その瞳をゆっくりと閉じた。

 

「父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

これが、父さんとの……俺の家族との死別だった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「父さん…。」

 

そして転生した現在、俺は今は亡き父親・五十嵐竜彦のことを呟いた。けど、俺はいつまでもそんな弱気ではいられない。父さんとの約束を守る…英雄とシンクロして心の目を開く…!

俺は自分の決意を再び固めると、首飾りをポケットにしまい、代わりにエジソンアイコンを取り出した。すると、俺の頭の中でさらにアイデアが閃いた。そう、ドーナシークとの戦いの際、あいつは俺からロビンアイコンを奪い、その力を一時的に使っていたのを思い出した。

 

「あらあら…幽一、ここにいたんですね。」

 

そこへ、姫島先輩が俺のもとにやってきた。

 

「姫島先輩。」

「どうしたんですか?」

「今回のレーティングゲーム、俺たちは数で負けてるんですよね?」

「ええ。」

「俺、必勝方が思いついたんです。」

「あらあら、必勝方とは?」

 

姫島先輩が質問すると、俺はエジソンアイコンを見せながらこう言った。

 

「実に簡単です。質を上げればいいんです。」

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


リアス「絶対に勝つわよ!」

レーティングゲーム当日、ついにフェニックス眷属とのレーティングゲームが開始された。

幽一「負けはしない…絶対に!」

幽一も新たなアイコンを使用し、さらに覚えた霊術を活用する。

イッセー「受けとれ木場!」

イッセーも新技を発動する。

幽一「正気なのかよ!?」

そして終盤、衝撃的な結末が…。

次回[勝負、悪魔のプライド]

その目に焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【02】エジソン、【03】ロビン、【04】ニュートン、【05】ビリーザキッド、【06】ベートーベン、【EX.01】アイルトン、【EX.03】シャネル

駘悟:【S】スペクター、【11】ツタンカーメン、【12】ノブナガ、【EX.02】リチャード


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

勝負、悪魔のプライド

今年最後の投稿になります。正月の特別編を投稿しようとは考えております。皆さん、よいお年を!


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。
俺たちは10日間特訓し、能力を高めた。そして俺はベートーベンのアイコンも入手し、霊術もいくつか学んだ。
現在所有しているアイコンは…9つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

とうとうレーティングゲームの日がやってきた。俺たちはあの10日間、必死に鍛練してきた。その成果を見せる時だ。

俺たちはその日の深夜、オカ研に集合していた。夜の方が悪魔の力が増すからだ。

 

『それにしても、皆もそうだけど幽一の成長も凄まじかったな。』

「そうか?」

 

ユルセンの言う通り、俺は皆との10日間の特訓で身体能力が飛躍的に上昇していた。さらに霊術も幾つか習得していた。皆の服装についてだが、俺は着物風パーカーに黒いジーンズ、アーシアは修道服、他は皆制服を着ている。俺のパーカーは紺色をベースに桜吹雪のペイントが施されている。ちなみにこのパーカーとジーンズはユニ○ロ行ったら売ってた。

ゲーム開始を待つ間、俺はもう一度秘伝書を読み直していた。特訓したとはいえ、ド忘れしたら大変だ。

そうしている内にゲーム開始10分前になり、銀色の魔方陣と共にグレイフィアさんがやってきた。

 

「お嬢様、そろそろ時間です。」

「分かったわ。皆行くわよ!」

 

リアスは俺たちにそう言った。

 

「あ、俺は悪魔じゃないから…。」

「この魔方陣は幽一様も転移が出来る魔方陣なので、ご安心下さい。」

「ありがとうございます。」

 

そうか、なら霊身転移を使わなくても安心だ。俺はグレイフィアさんにお礼を言った。

 

「今回のゲームは両家の皆様と“魔王サーゼクス・ルシファー”様も拝見しています。」

「そう、お兄様が直接見られるのね…。」

 

サーゼクス…つまり今回のゲームを魔王が見てるんだな。というよりリアス部長、さっき魔王のことをお兄様と呼ばなかったのか?

 

「な、何だって…?」

「ぶ、部長…今なんて…?」

 

俺とイッセーは恐る恐る部長に尋ねる。

 

「それに関しては僕が答えるよ。部長のお兄様は“魔王”様なんだよ。」

「「ええええええええ!!?」」

 

木場が代わりに教えてくれた。俺とイッセーは突然のカミングアウトに驚愕してしまった。

それはさておき、そろそろ転移するか。俺たちは魔方陣の上に立った。

 

『幽一、この先はオイラは同行出来ない。けどしっかり観戦してるから、気張れよ!』

「ああ。」

 

ユルセンからの激励を受けた直後、俺たちはレーティングゲームの会場に転移した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あれ?ここって…さっきの部室じゃ…?」

「いや、空を見ろ。」

「え?……うぉ!?」

 

俺たちが転移した会場、そこは先程の部室…つまり駒王学園だった。だが空には明らかに歪みが生じていた。恐らく、学園を模して形成したんだろう。

 

「開始時刻まで、ここで待機して下さい。」

 

グレイフィアさんは俺たちにそう伝えると、再び転移していった。

 

「皆、耳に通信機をつけなさい。」

 

リアス部長は俺たちに指示した。この浮遊している光の球のことだろう。俺たちは言われた通りに通信機を耳につけた。

そしてリアス部長から作戦の指示を伝えられた。言うなれば短期決戦だ。あちらはフルメンバーに対し、こちらは俺も含めてたったの7人しかいない。長期戦になったら負けてしまう。

 

「あの、幽一さん。」

「ん?どうしたアーシア?」

「副部長さんならまだしも、どうして私にこのアイコンを渡したんですか?」

 

アーシアは俺が渡したロビンアイコンを取り出すと、俺に理由を尋ねてきた。

 

「それは、アーシアには自衛方法がないからだ。」

「自衛方法ですか?」

「ああ。“フェニックスの涙”の使用が限られてるこのゲームだと、俺たちにとってアーシアは重要な回復役だ。だから自衛用としてロビンアイコンを渡したんだ。」

 

俺はアーシアに説明した。ちなみにロビンゴーストを纏うと、神器の効果が向上するほか、光矢を放つことができる。

 

「分かりました。大事に使います!」

「頼むぜ。」

 

俺はアーシアを激励した。さて、そろそろか?

 

『時間となりました。レーティングゲームを始めて下さい。』

 

グレイフィアさんの通信と共に校内のチャイムが鳴り響いた。ついに始まった。

 

「始まったわ…皆、絶対に勝つわよ!!」

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

リアス部長がそう言うと、俺たちは返事を返した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

俺とイッセー、小猫はリアス部長の指示通り、体育館の舞台裏に潜んでいた。俺は既に変身しており、透明化して背景と同化している。

 

「本当にこんな場所に相手が来るのか?」

「部長が言うには体育館は重要な拠点らしい。俺たちが行かなくてもあちらから来るさ。」

「…来ました。」

 

すると、体育館の入り口から4人のライザー眷属がやってきた。一人はチャイナドレスを着ており、一人は前にイッセーを気絶させた奴…名前は確かミラだったな。後の二人はお揃いで体操服を着ていた。双子だろうか?

 

「リアス・グレモリー眷属の皆さん!そこにいるのは分かっているわ!」

 

四人の内、チャイナドレスを着た方が叫んだ。イッセーと小猫はその場から出てきて、俺は透明化を解いた。

 

「戦車の雪蘭よ。」

「兵士のミラです。」

「同じく兵士のイルで~す♪」

「ネルで~す♪」

 

ミラ、戦車の雪蘭、双子兵士のイル&ネル…あのライザーは確実に道を脱線してるな。

 

「小猫は戦車、イッセーはリベンジしてこい。俺は残った双子をやる。」

 

俺は二人に指示すると、ドライバーにムサシアイコンを装填してハンドルを操作した。

 

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はムサシゴーストを纏った。

 

「分かった!赤龍帝の籠手【ブーステッド・ギア】!」

『Boost!』

「…分かりました。」

 

小猫は雪蘭、イッセーはミラに向かっていき、俺は双子と対峙した。俺はガンガンセイバーを装備すると、分割して二刀流にした。

 

「天下無双!かかってこい!!」

 

俺は二本の刀を構えて言った。すると

 

「解体しま~す♪」

「バラバラにしま~す♪」

「…え?」

 

なんと二人はチェーンソーを装備した。ドルルルという駆動音が鳴り響く。

あれ?…デジャヴ?

 

「「バラバラバラバラバラ!!」」

「あぶねぇ!?」

 

俺は危なげながらも刀でチェーンソーの一撃をパリングしていく。

 

「「バ~ラバラ!!」」

「うおっ!?」

 

俺は双子の一撃で刀が両手から離れてしまった。なんてこった……そうだ!体育館ならあれだ!俺はステージに立つと、ベートーベンアイコンを取り出す。

 

「行くぞ、ベートーベン!」

 

俺はドライバーのカバーを開くと、ベートーベンアイコンを装填してからカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「「ひゃっ!?」」

 

ドライバーからベートーベンゴーストが現れ、イルとネルを吹き飛ばした。そして俺はハンドルを操作した。

『カイガン!ベートーベン!』

 

俺がベートーベンゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく音符と旋律の絵柄になった。そして次の瞬間

 

『『『『曲名、運命、ジャジャジャジャーン!』』』』

 

体育館のスピーカーと連動して変身音が響いた。ちなみに俺も何げにポーズを取った。

 

「姿が変わっても!」

「バラバラにすることには!」

「「変わりない!」」

 

イルとネルはチェーンソーを構えて再び突撃してきた。

 

「さあ、コンサートの始まりだ!」

 

俺がそう言って指揮を振ると、光の旋律が形成された。そしてさらにパーカーに備えられたピアノの鍵盤を操作して音符を増やす。

 

「ふっ!」

「「っ!?」」

 

俺はその旋律と音符を飛ばしてイルとネルを攻撃する。

 

「フォルテッシモ!」

「「痛い!」」

 

さらに強力な音符を飛ばして追撃する。そしてハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!ベートーベン!オメガドライブ!』

「クレッシェンド!」

 

俺はより強力な旋律を放った。するとイルとネルのチェーンソーが共振現象で機能不全を起こした。

 

「「あー!?」」

「これが最高の音楽だ。Do you understand?(分かるかい?)」

 

俺は指揮をしながら英語でそう言った。その際、いつの間にかイッセーが双子の体に触れたが何する気だ…?と思っていたそのとき

 

 

 

ビリビリッ!!

 

 

 

「うおっ!?」

「「「「キャアアアア!!///」」」」

 

突然、イルとネルを含め、ライザー眷属四人の服が一瞬で破壊された。俺は突然の出来事に驚き、腕で目を隠す。イッセー……まさか!

 

「ダーハッハッハッハ!!どうだ!これが俺が特訓の末に生み出した技!その名も洋服破壊【ドレスブレイク】だ!!」

 

イッセーは何をしてんだよ全く…!こんな大事な戦いの最中に…!!

 

「変態!」

「ケダモノ!」

「「女の敵~!!」」

「…イッセー先輩、最低です。」

 

イッセーはバッシングを受けた。そりゃあんなことしたらバッシング受けて当然だ。小猫もドン引きしてるし。どうすんだよこれ……あ、そうだ!

「これを使ってみるか。」

 

俺はそう呟いてシャネルアイコンを取り出すとナンバリング状態にする。続いてドライバーのカバーを開き、そこにシャネルアイコンを装填してカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

ドライバーからシャネルゴーストが現れた。そして俺はハンドルを操作した。

 

『カイガン!シャネル!流行、エレガント、革命のファッション!』

 

俺がシャネルゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく服の絵柄になった。俺はさらにハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!シャネル!オメガドライブ!』

 

俺は両手から光を形成し、それをライザー眷属四人に向けて放った。すると、イッセーに破壊された服が元に戻った。

「何ぃぃぃぃぃい!?」

 

イッセーが絶叫しているが、俺は気にしない。

 

「す、すまない。」

「あ…ありがとう…。」

「「ありがとう。お兄ちゃん♪」」

 

俺は四人から感謝の言葉を受けた。

 

「…幽一先輩、見直しました。」

 

小猫からも褒め言葉を受けた。ちなみに、今の俺の状態は…

 

「…。」

 

かなりどんよりしていた。

 

「…幽一先輩?」

「…女性のアイコン使うと、かなりメンタルを持ってかれるんだよな…。」

「それでも、幽一先輩は良心を持っています。イッセー先輩と違って。」

「酷い!?」

 

まあ確かに、イッセーの洋服破壊は酷いな……ああ、いつまでもこんなの纏ってられない!

 

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

 

俺はすかさずニュートン魂にチェンジした。さて、再開するか…。

 

『幽一、イッセー、小猫、聞こえる?私よ。』

「部長?」

『朱乃の準備が整ったわ!例の作戦通りお願いね!』

「了解…イッセー、小猫、行くぞ!」

「OK!」

「…分かりました。」

 

姫島先輩の準備が完了したらしい。俺たちはリアス部長の通信を聞くと、すぐに体育館の出口に向かって走る。

 

「逃げるの!?ここは重要拠点なのに…!」

 

後ろから何か聞こえたが、そんなことには構わず体育館を出た。

 

 

 

 

朱乃side ~1分前~

 

 

 

 

私は体育館上空を浮遊していた。そこで私は幽一君から渡されたエジソンアイコンを取り出した。ちなみに現在私は巫女服を纏っている。

 

「幽一君、エジソンの力を借りますわ。」

 

そう呟いて私はアイコンのボタンを二回押した。

 

『Put on』

 

するとエジソンゴーストが現れ、私はそれを上半身に纏った。これが発明王・エジソンの力…電気が身体中からほと走りますわ!

「リアス、準備が整いました。」

 

私はリアスに通信を入れた。リアスは今、これを幽一君達に伝えているのでしょう。数秒後、幽一君達が体育館から出てきた。

 

「雷よ!!」

 

私は高威力の雷を落とし、敵がいる体育館を破壊した。

 

「撃破。」

『ライザー様の[戦車]1名、[兵士]3名、リタイア。』

 

ここでグレイフィアさんのアナウンスが響いた。

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

俺たちが外へ出ると同時に体育館に雷が落ちた。俺たちは上空を見ると、そこには巫女服にエジソンゴーストを纏った朱乃先輩がいた。

 

「やったぜ!流石朱乃さん…ってあれ、何でエジソンゴーストを…?」

「俺が渡したんだ。姫島先輩には発電能力をもつエジソンが相性いいと思ってな。」

「おお、流石幽一!太っ腹だな!」

 

俺は幽一にハイタッチしようと近づいたら

 

「渇っ!」

「うおっ!?」

 

斥力で吹っ飛ばされた。

 

「な、何すんだよ幽一!」

「お前、さっきの技は何なんだよ。」

「…イッセー先輩、最低です。」

 

幽一と小猫からまたバッシングを受けてしまった。

 

「いや、あれは男なら誰だっt「それで得するのはお前だけだ。」……。」

 

正論過ぎて何も言い返せなかった。俺が落ち込んでたその時

 

「!?…小猫、危ない!」

「にゃ!?」

 

幽一が何かを感知すると、突然小猫を斥力で吹き飛ばした。次の瞬間

 

 

 

 

 

ドカァァァアアン!!

 

 

 

 

 

「「幽一(先輩)!」」

 

幽一が立っている場所が大爆発した。俺たちは上空を見るとライザーの女王【クイーン】がいた。

 

「てめぇ!よくも幽一を…!降りてきやがれ!!」

「ふふふ…煩い兵士の坊やね…次は貴方を爆破させましょう……!?」

 

ライザーの女王…ユーベルーナが俺たちを爆破しようとしたその時、一筋の稲妻がユーベルーナに向かって放たれた。ユーベルーナはこれを回避した。稲妻を放ったのは、朱乃先輩だった。

 

「イッセー君、小猫ちゃんは祐斗君のもとへ向かいなさい。」

「で、でも…!」

「…イッセー先輩、行きましょう。」

「小猫ちゃん!?」

 

小猫ちゃんはそう言った。俺は一旦冷静になる。

 

「分かりました。朱乃先輩、頼みます!」

「…朱乃先輩、頑張って下さい!」

 

俺たちは朱乃先輩に後を任せて木場のもとに向かった。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

「ふぅ……霊体化がなかったら負けてた…。」

 

俺は倒壊した体育館の壁にもたれながら息を調えていた。俺は斥力で小猫を爆発範囲外まで吹き飛ばした後、すぐさま霊体化してギリギリ爆発から逃れたのだ。

 

『ライザー様の[兵士]3名、リタイア。』

 

お、木場がやったようだ。あいつもお手柄だな。

 

 

 

バチィィイ! ドカァァアン!

 

 

 

すると、すぐ近くでスパーク音と爆発音が同時に響いた。恐らく、姫島先輩が戦っているんだろう。俺は戦いの様子を見てみると、そこには上空でライザー眷属の女王・ユーベルーナと戦っている姫島先輩の姿があった。やはり姫島先輩は巫女服の上にエジソンゴーストを纏っていた。だが様子が可笑しい…エジソンゴーストで能力を飛躍的に向上させているにも関わらず、何故苦戦しているんだ?俺は姫島先輩が苦戦している証拠がないか辺りを見渡す……!?

「まさか……フェニックスの涙…!」

 

俺はすぐ近くに、使用済みのフェニックスの涙のビンが捨てられていたのを見つけた。そうだった、フェニックスの涙は2回まで使用できるんだった!いくら能力を強化しても、涙を使われたら苦戦を強いられる訳だ!

 

「…っ!」

「これで終わりよ。貴女を爆破してあげるわ。」

 

そうしている間にも、ユーベルーナは姫島先輩を爆破しようとしていた。どうすれば…どうすれば間に合う…?

 

「…そうだ! アイルトン!」

 

俺はすぐにアイルトンアイコンをドライバーに装填し、ハンドルを操作した。

 

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

 

俺はアイルトンゴーストを纏うと、さらにハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!アイルトン!オメガドライブ!』

 

俺は超音速飛行を行い、姫島先輩のもとへ急接近した。くっ、Gがキツいが構わない!頼む、間に合え!

 

「朱乃先輩!!」

「え?…幽一君!?」

 

俺はその速度を維持したまま姫島先輩を抱いて爆発範囲外まで飛んだ。すると、さっきいた場所で爆発が起こった。俺は地面に着地した。

 

「はぁ、間に合った…。」

「幽一君、大丈夫ですの…?」

「はい。あの時、霊体化して爆発から何とか逃れたんです。」

「…幽一君。」

「何ですか?」

 

 

 

 

「そろそろ、降ろしてくれませんか?///」

「あ…。」

 

着地する時、姫島先輩を降ろすの忘れてた…。俺はすぐに姫島先輩を降ろした。ああ…かなり顔が真っ赤だ。

 

「ふん、まだ爆破してなかったのね。ならもう一度爆破するまでよ。」

「いや、俺はそう簡単にはやられない。部長のためにも…皆のためにも…自分自身のためにも…命、燃やして行くぜ!」

 

俺はそう言うと、両手に霊力を収束させる。すると、両手の拳に橙色の光球が生成された。

 

「五十嵐流霊術・剛龍波弾!」

「っ!? きゃあああああ!!」

 

俺は両手を突き出して霊力による光線を放った。ユーベルーナはこれを受けて校舎に叩きつけられた。そしてユーベルーナの身体は光になり、そして消えた。

 

『ライザー様の[女王]、リタイア。』

 

それと同時にアナウンスが響いた。

 

「姫島先輩…かなり傷だらけですね。」

「大丈夫ですわ。フェニックスの涙を使えば「いや、その必要はないです。」…え?」

 

俺は姫島先輩にそう言うと、再び霊術の構えを取る。

 

「五十嵐流霊術・霊癒波。」

 

俺は姫島先輩に向けて霊力によるアロマセラピーをかけた。すると、姫島先輩の傷がみるみるうちに治っていく。

 

「傷が…消えていく…?」

「はぁ…はぁ…流石に自分には使えないけど、涙の節約にはなります…。」

 

俺は息を切らしながら言った。はぁ…流石に霊術の連続使用はキツいか…。

 

「幽一君、これを。」

 

姫島先輩はそう言って、フェニックスの涙を俺に渡した。

 

「有り難く、使わせて頂きます。」

 

俺は姫島先輩に感謝して涙を使用した。すごい、体力と霊力が全快した!

 

「よし…朱乃先輩、俺はイッセー達のもとへ向かいます。」

「分かりましたわ。」

 

俺はそう言ってイッセー達のもとへ向かった。

 

 

 

 

朱乃side

 

 

 

 

私は幽一君がイッセー君たちのもとへ向かうのを見送った。命を燃やして突き進む覚悟……あらやだ、私はもしかして…幽一君に惚れてる?//………は、いけないいけない!とりあえずリアスとアーシアちゃんがいるところに戻りましょう。

私は一旦拠点に戻ろうとした…その時

 

「待て。」

 

突然、横から男の声が聞こえた。私は声のする方向へ振り向いた。

 

「スペクター…!?」

 

その正体は、前に強襲してきた男・仮面ライダースペクターだった。スペクターの手には、新たなフランボワーズ色のアイコンが握られていた。

「アイコンを寄越せ。」

 

スペクターはそう言うと、アイコンをナンバリング状態にする。ナンバーは【EX.05】だ。続いてドライバーのカバーを開き、そこにアイコンを放り込んでからカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

ドライバーから、医師用の白衣型のゴーストが現れた。そしてスペクターはハンドルを操作した。

 

『カイガン!パラケルスス!医学の化学、錬金術!』

 

スペクターはパラケルススゴーストを纏うと、ガンガンハンドを装備して突撃してきた。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺がイッセー達のもとへ辿り着くと、イッセーはライザー眷属の戦車、木場は騎士二人、小猫は兵士2人と戦っていた。だがよく見ると、僧侶が2人残っていた。

 

「幽一、無事だったのか!」

「勝手に殺すなっての。」

 

イッセーにそう言い返すと、ライザーの僧侶の一人が俺に向けて魔法を放ってきた。

 

「ビリーザキッド、頼むぞ!」

 

俺はビリーアイコンを取り出すと、ナンバリング状態にする。続いてドライバーのカバーを開き、ビリーアイコンを装填してからカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

ドライバーからビリーザキッドゴーストが現れ、魔法を弾いた。そして俺はハンドルを操作した。

『カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発百中、ズキューン、バキューン!』

 

俺がビリーゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じくリボルバーの絵柄になった。すると、どこからともなくバットクロックがガンガンセイバーを掴みながら飛来した。ちなみにガンガンセイバーは既にガンモードになっていた。俺はガンガンセイバー・ガンモードを右手に持つと、同じくガンモードに変形したバットクロックを左手に持った。

 

「二丁拳銃か…いいねぇ。弾幕はパワーだぜ!」

 

俺は二丁拳銃を構え、僧侶の一人に向けて連射した。

 

「…っ!」

 

僧侶はその弾幕に耐えきれず、その場に倒れると同時に光になって消えた。

 

「くらぇぇぇぇえ!!」

「うわあっ!?」

 

イッセーもライザーの戦車を吹き飛ばしていた。

 

『ライザー様の[僧侶]1名、[戦車]1名、リタイア。』

 

グレイフィアさんによるアナウンスが鳴り響いた。

 

「幽一、木場、受け取れ!赤龍帝からの贈り物【ブーステッド・ギア・ギフト】だ!!」

『Transfer!』

 

俺と木場はイッセーから倍加の力を受け取った。

 

「サンキュー、イッセー!」

「いくよ!」

 

俺はガンガンセイバーをドライバーにかざしながらバットクロックの銃身を2回スライドさせ、木場は魔剣を地面に突き刺した。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』

「小猫、下がってろ!」

「…分かりました。」

 

俺は小猫に指示すると、小猫は射程圏内から離れた。

 

『オメガシュート!』

「喰らえ!」

「魔剣創造【ソード・バース】!」

 

俺の弾幕に加え、地面からは木場が生成した魔剣が襲いかかり、カーラマインと二人の兵士は倒れた。

 

『ライザー様の[騎士]2名、[兵士]2名、リタイア。』

 

これで後は、そこにいる僧侶一人だけか…。正直言ってリンチにしか見えないが、仕方ないか。

 

「お前も戦うのか?」

 

俺はそいつに近づくと、バットクロックの銃口を突きつける。

 

「あら、私は戦いませんわ。」

「え?」

 

俺は突然のカミングアウトに思わず銃を下ろした。

 

「えーと、名前を聞こうか。俺は今回傭兵【マーシナリー】として参加している五十嵐幽一だ。」

「私はレイヴェル・フェニックスですわ。」

 

……え?フェニックス…?

 

「まさか、ライザーの妹さん?」

「ええ。」

「「えええええええええええええ!!?」」

 

俺とイッセー、本日二度目の絶叫である。

 

「あいつ、マジで変態だったのかよ!?」

「いや、お前もだろ!」

 

俺とイッセーはそんなコントをしていた。

 

「ところで、戦わないなら何故お前は『イッセーさん!聞こえますか!?』…アーシア!?」

 

俺がレイヴェルに話そうとすると、突然アーシアから通信が入った。声からして慌てているようだが…?

 

「アーシア、どうしたんだ!?」

『大変なんです!部長さんが、相手のライザーさんに一騎打ちの申し出をいただきまして、単騎で相手の本陣に向かいました!』

「なんだって!?」

「アーシアちゃん、それは本当かい!?」

『はい…。』

「…部長が…。」

 

なんと、リアス部長がライザーの申し出を受けて単身で敵拠点へ向かってしまったらしい。その証拠に、新校舎の屋上から爆発音が聞こえてくる。

 

「アーシア、今はどこにいるんだ?」

『私は今、部長さんを追いかけて新校舎へ向かっているところです!』

「分かった…イッセー、木場、小猫、先に行くんだ。」

「幽一は!?」

「俺は情報を聞き出してから行く。それと木場、小猫、これを使え!」

 

俺はそう言ってムサシアイコンを木場に、ニュートンアイコンを小猫に渡した。

 

「…ありがとうごさいます。」

「恩に着るよ。」

「幽一、俺は!?」

「ごめん、本当はビリーザキッドを渡したいけど、今は使用中だ…。」

「…分かった。よし皆、行くぞ!」

 

イッセー達は了承すると、リアス部長を援護するべく新校舎の屋上へと向かった。

 

「…さて、話を続けるか。何故お前は戦闘に参加しないんだ?」

「私は見学ですわ。それに、この勝負の結果は見えていますから。」

 

レイヴェルは自信満々な表情で言った。勝負の結果が見えてる?……どういうことだ?

 

「フェニックスの力は絶対ですわ。」

「なるほどな…けど、そっちの女王はさっき倒した。勝ち目がないのはそっちの方じゃ…。」

 

 

 

 

ドガァァァァァアン!!

 

 

 

 

突然、爆発音が響いた。しかしそれは屋上からではなかった。

 

『リアス様の[女王]、リタイア。』

「なっ…!?」

 

アナウンスで、姫島先輩がやられてしまったことを放送した。

 

「嘘だろ?…確かに女王は倒したはず…!?」

「恐らく、ユーベルーナが仕掛けたトラップに引っ掛かったのでしょうね。」

 

ユーベルーナ、いつの間にそんな罠を…!

 

「くそっ!」

 

俺はガンガンセイバーとバットクロックを合体させ、ライフルにすると、新校舎の屋上めがけて浮遊する。

 

『リアス様の[騎士]、[僧侶]、[戦車]、リタイア。』

 

そうしている内に、木場と小猫とアーシアがやられてしまった。俺はライフルをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

 

ライフルの銃口にエネルギーが溜まり、ライフル上部にダットサイトが展開された。屋上についたところでライザーにむけて撃つ!

そして屋上まで上昇したところで、ライザーに照準を合わせてトリガーを引いた。

 

「今だ!」

『オメガインパクト!』

 

ライフルからエネルギー弾を放った。ライザーにエネルギー弾が命中すると、そこで砂煙が巻き起こった。俺はその間に皆に近づく。

 

「大丈夫か?」

「あ、ああ…。」

「…。」

 

二人共ボロボロで、リアス部長に至っては仲間がやられたショックで心壊寸前だった。その証拠にムサシ、ロビン、ニュートンのアイコンが転がっていた。俺は忘れないうちに回収した。その後、リアス部長に近づいた。

 

「…幽一…。」

「まだ三人残ってます。まだ勝ち目はあります。だから「幽一、危ない!」!?…うわっ!」

 

俺が励まそうとしている間に、突然俺に火炎弾が放たれた。俺は避けれずに喰らってしまった。

 

「貴様ぁぁぁぁあ!またしてもライザー様に泥を塗ったなぁぁぁあ!?」

「はぁ…聞き飽きたっての!」

 

俺は立ち上がると、ライフルを構える。

 

「フェニックスの業火を受けてみろ!」

 

ライザーは巨大な火球を投げつけてきた。俺はライフルを連射して相殺しようとするが、できない。

 

「うわああああ!…ぐはっ!」

「「幽一!」」

 

俺はまたしても炎を受け、壁に叩きつけられた。その際、オレ魂に戻ってしまった。

 

「ふん、人間と悪魔じゃ力の差は紙一重だ。リアス、お前に勝ち目はないぞ!降参しろ!」

 

ライザーは勝ち誇りながらリアス部長に宣告した。リアスの顔色はかなり真っ青になっていた。

 

「…ああ、このままだと負けるだろうな…。」

 

俺はボロボロの状態でライザーに言った。

 

「ふん、下等な人間が…そんな状態で何当たり前なことを言っている?」

「……“火事場力”って言葉は知ってるか…?窮地に陥った時にみなぎる力のことだ…。」

 

俺はライザーに説明しながら霊術の構えを取る。あいつに勝つには…あの奥義を使うしかない!

 

「確かに俺は悪魔じゃない…。でも、人というのは…火事場力を引き出したとき…悪魔を越える力を得る…!」

「幽一…お前…!」

 

俺は両手に霊力を集中させる。すると、俺の背後に巨大な目の紋章が出現した。

 

「うっ!……ガハッ…!」

「幽一、無茶だ!」

「止めなさい…幽一!」

「貴様…自己犠牲を問わないのか…!?」

 

俺は身体のダメージの影響で嘔血してしまうが、それでも霊術の発動を止めない。イッセーやリアス部長はおろか、ライザーまでも驚愕の表情を隠せなかった。

 

「けど、これが俺だから…。」

「幽一…。」

「……。」

「イッセー、部長、俺を信じてくれ。俺は……俺を信じる!」

 

身体が痛む中、俺は自分自身を信じると言い聞かせた。すると、霊力の収束が完了し、俺の背後にあった目の紋章は曼荼羅に変化した。ライザーは驚きを隠せずにいるも、奥義に耐えようと構えた。これで放てる…これで逆転できる!

 

「命、燃や「もういいわ、幽一!!」…!?」

 

しかし、奥義の発動はリアス部長の言葉で制止させられた。俺は突然の出来事に霊術をキャンセルしてしまった。そして次の瞬間、リアス部長の口から衝撃の言葉が発せられた。

 

「…“降参[リザイン]”するわ。」

「部長!?」

「正気なのかよ!?」

 

なんと、リアス部長は自ら降参を発言してしまった。

 

『リアス様の降参[リザイン]を確認。今回のゲームはライザー様の勝利です。』

 

グレイフィアさんのアナウンスが無慈悲に響いた。俺はショックでその場で膝をついた。

 




ED[ガラスのくつ]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


グレイフィア「お嬢様は、約束通りにライザー様との結婚です。」

勝負に負けて2日経った翌日、グレイフィアから今日の夜にリアスがライザーと結婚することを告げられた。

幽一「イッセーに渡してくれ。“逆転のチャンス”に繋がるはずだ。」

幽一はグレイフィアにビリーザキッドのアイコンをイッセーに渡すように言った。これが後に最良の結果をもたらす。

駘悟「無様だな。」
幽一「お前、もしかして…!」

幽一は傷心中に散歩していると、そこでかつての親友・神薙駘悟と再開する。

幽一「俺だよ、幽一だ!」
駘悟「俺は認めない。幽一が生きてるなんてな!」
『我の生き様、桶狭間!』

幽一はそこで、駘悟がスペクターであったことを知ることになった。

次回[再開、亡霊【スペクター】の正体]

その眼に焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン

幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリーザキッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

【特別編】元旦、新年のご挨拶!

明けましておめでとうございます!
初投稿です!ここで注意事項があります。

・東方加速戦士のキャラも登場
・本編と関係ありません
・ぐだぐだ

それでもいい方は

ひとっ走り命燃やして、ゆっくりしていってね!



2016年 元旦 ~某とある会場~

 

 

 

 

紙鳥「新年、明けまして…………

 

 

 

 

おめでたい奴r…アババババババババッ!!?」(電撃と泡ブレスを受けた)

幽一「お前はまともな挨拶できないのか紙鳥!」

 

※紙鳥とは、作者の呼び名のことです。

 

紙鳥「いや、新年だからこそふざけた方がいいかと…。」

進也「いやダメだろ!なんで新年の挨拶にバ○バトスとセ○を混ぜてんだよ!?」

走佑「バル○トスと○ルって、どっちもアナゴさんの声じゃないか?」

リアス「このネタ、どこかの動画で見たことあるような…。」

霊夢「そうね。完全に某実況動画のネタよ。」

紙鳥「まぁ…とりあえずこの話は置いとこう。はい、やめやめ!」

幽一「ゾ○ィーの真似しても無駄だぞ紙鳥…。」

 

 

魔理沙「なぁ、周りよく見たら意外と金髪多くないか?」

アリス「そうね。私達以外に誰がいる?」

アーシア「私もです。」

木場「僕もだね。」

紫「あら、私も金髪よ。」

藍「私もですよ。それにしても魔理沙さんが言った通り、本当に金髪キャラが多いですね。」

ミハエル『まあ、賑やかでいいじゃないか。金髪が多いのもたまたまだし。』

ユルセン『まぁ、その通りだ。』

妖夢「あ、私と声が同じですね。」

ユルセン『そうだったな。あるFLASHアニメだと、中の人繋がりになるな。』

小猫「…妖夢さんがユルちゃんの擬人化っぽく見えます。」

妖夢「え、そうですか?」

ユルセン『オイラは男だけどな。』

幽々子「男でも女でもどちらでもいいじゃないの。」

ユルセン『いや、だから……。』

 

 

早苗「D×Dには巫女キャラはいないと思ってましたけど、まさかいたんですね。」

朱乃「あらあら、貴女も巫女をやってたんですね。」

霊夢「私も忘れないでよ?とにかく、お賽銭を払ってもらうわ。」

朱乃「あらあら、お賽銭催促はよくないですわ。」

早苗「そうですよ。そんなんだからいつまで経っても繁盛しないんですよ?」

霊夢「うるさいわね!」

 

 

イッセー「お前が炎斗群進也か…。」

進也「ああ。お前の方も紫さんから聞いたことがある。今代赤龍帝ってことをな。」

イッセー「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ…!」

進也「な、何だよ…?」

イッセー「羨ましいぃぃぃぃ!美少女溢れる幻想郷に住みやがってぇぇええ!!」

進也「は!?」

イッセー「しかもちゃっかりアリスと同棲だって!?羨ましいぞ進也ぁあああああ!!」

進也「いやいやいやいや、何で逆ギレ!?」

リアス「イッセーの夢はハーレム王なのよ。」

進也「あ…そうなんですか。」

ミハエル『嫉妬心が異常だな。』

進也「ああ、そうだな……それよりイッセー、何でアリスの胸を見てるんだよ?(怒)」

アリス「…」

イッセー「あ、やべっ…。」

進也「馬に蹴られて[ピー]!!」

イッセー「ちょっ!?落ち着…ぐべっ!がはっ!あべしっ!」

魔理沙「どこで習ったんだそれ?」

木場「紙鳥がシャ○ロッ党らしいようだよ。」

紙鳥「ちがう!ネタだよ!」

 

 

 

 

紙鳥「と、まぁこんな感じで楽しくのんびり投稿していきます。もうすぐ将来を考えない時期ではございますが、今年も何卒…。」

進也「“東方加速戦士”」

幽一「“ハイスクールD×G【GHOST】”」

 

全員「『よろしくお願いします!!』」

 

 




今年もよろしくお願い致します。

by レティス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

再開、亡霊【スペクター】の正体

もうすぐ冬休みが終わる…。


幽一「俺は五十嵐幽一、15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めてくる。
俺たちはライザー達とのレーティングゲームに挑んだ。だけど、ライザーの圧倒的な強さに仲間たちがやられ、俺を含めて三人になってしまった。俺は命を燃やして五十嵐流霊術の奥義を放とうとしたけど、リアス部長に止められてしまい、結局負けてしまった。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side ~二日後~

 

 

 

「……ん?」

 

俺が再び目覚めた時には、自宅のベットに寝かされていた。日差しが俺の顔に当たっているということは、今は朝なのか…。

 

『幽一、目覚めたか!』

 

ユルセンが俺の顔を見て言った。

 

「ユルセン、あれから何日経った?」

『2日は寝ていたな。』

「そうか…。」

 

俺は無気力な口調で言った。

 

『…無理もないか。何せ勝負に負けちゃったもんな…よりによって五十嵐流霊術の奥義を放つ直前で…。』

「……。」

 

俺はベッドから起き上がると、タンスの上に飾ってある家族写真に近づく。

「…父さん…俺、また守れなかった…。」

 

俺は写真を見ながら呟いた。ねぇ、父さん…俺には何が足りないんだ?俺は写真を見ながら天国にいる父さんへ心で問おうとすると、突然俺の部屋に銀色の魔方陣が出現した。

 

「お目覚めでしたか、幽一様。」

「…グレイフィアさん。」

 

案の定、そこから現れたのはグレイフィアさんだった。

 

「あの、イッセー達は?」

「イッセー様はまだお目覚めではありませんが、他の眷属の皆様は無事に治療を終えています。」

「そうですか…。」

 

イッセーはまだ目覚めてないか…。あのレーティングゲームでかなり消耗していたのか。

 

「リアスお嬢様の眷属ではないとはいえ、貴方の武勇は見事なものでした。」

 

グレイフィアさんは俺を褒めるようなことを言った。けど、今の俺にはそんなことは耳に入らなかった。何故なら、俺たちは“負けてしまった”からだ。

 

「…じゃあ、部長は…。」

 

俺はもう既に答えを知っていた。知っていたが、その重い口を開いてグレイフィアさんに質問した。

 

「…リアスお嬢様は今夜、約束通りにライザー様との結婚です。」

 

グレイフィアさんはそう答えた。俺はそのどんよりとした表情で写真とその横に並べてあるアイコンを見る…あれ?エジソンがない………そうだ、姫島先輩に貸したんだ。後で返してもらうか…。

 

「ところで幽一様、その写真は…?」

「俺の家族写真です。」

 

グレイフィアさんが俺の家族写真に目をつけた。

 

「俺は父さんと約束したんです…英雄とシンクロして心の目を開き、皆を救ってみせると………けど、いつもそうだ…結局あと一歩で救い出せなかった…!」

 

俺は涙を流しながら自分を悔やむ。

 

「俺は部長のために…一人の部員として…仮面ライダーとして戦ったのに……。」

 

俺が嘆いていると、グレイフィアさんが俺の側に寄ってきた。

 

「…幽一様、今更嘆いても結果は何も変わりません。ですが、貴方はリアスお嬢様のために努力を尽くしました。一人の部員として、一人の“人間”として…。」

 

 

 

 

「俺はもう“人間”じゃないんだ!!」

「!?」

 

俺は感情を爆発させ、思わずグレイフィアさんを払い除けてしまった。

 

「…はっ!?…すみません…!」

「いえ…お気になさらず…。」

 

俺は思わずグレイフィアさんに謝罪した。

 

「……俺の命は本来なら、“2年前に終わっていた”んです…。」

 

俺はグレイフィアさんに真実を言った。

 

「それはどういうことですか?」

「…近い内に皆に話す予定です。」

 

俺はグレイフィアさんにそう言った。そして俺は時計を見る。今は午前9時か……。俺は時間を確認すると、ビリーザキッドのアイコンを手に取る。

 

「グレイフィアさん、結婚式は今夜って言いましたよね?」

「おっしゃりましたが…それが…?」

「これをイッセーに渡してくれ。“逆転のチャンス”に繋がるはずだ。」

 

俺はグレイフィアさんにビリーザキッドアイコンを渡し、それをイッセーに渡すようお願いする。

 

「ですが。」

「…頼みます…これを、イッセーに届けてください…。」

「……分かりました。」

 

グレイフィアさんは了承すると、イッセーの家へ転移していった。

 

『幽一はいいのか?』

「部長のことを諦めた訳じゃない…けど、まだ時間はある。散歩してくる。」

 

俺はユルセンにそう言うと、外へ出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「…はぁ…。」

 

俺は溜め息をつきながら散歩していた。まだ結婚式まで時間があるから、俺はこうして心の傷を癒している。イッセーがリアス部長を奪い返しにいくのは分かりきっている。あいつはそのスケベ根性故に、勇敢な熱さがある。俺に熱さはあるけど、今の俺には熱さはない。あるのはただ…熱さとは正反対の切なさだけだ。

俺は正直言って大馬鹿だ……何が命燃やすだ……何が皆を守るだ……また守り抜けなかったじゃないか…!

 

 

 

 

 

 

気がついたら、俺はあの時の公園にたどり着いた。そう、イッセーが悪魔に転生するきっかけとなった公園だ…。俺はベンチに座ると、首にぶら下げている龍の首飾りを見つめる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お前は甘い。戦い方も、考えも、何もかもだ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺はあの日、スペクターに言われた言葉を思い出した。

 

「…父さん……俺、甘いのかな?」

 

俺は首飾りを見つめながら父さんに質問を呟いた。もちろん、答えなど帰ってくるわけがなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「無様だな。」

「!?」

 

その時、突然誰かの声が聞こえてきた。俺は声が聞こえた方向へ視線を向けた。

 

「お前、もしかして…!」

 

俺の視界には、青と黒をベースとした服に身を包んだ青年がいた。俺にはその青年に見覚えがあった。何故なら、俺はそいつのことを知っていたからだ。

 

「駘悟!」

 

そう、その青年は俺の親友・神薙駘悟だった。俺は久しぶりに会った駘悟に近づく。

 

「お前何処行ってたんだよ。あの日から行方不明になってたらしいから心配したぜ!」

「…。」

 

駘悟は黙っていた。俺と駘悟は12歳になって以来会っていなかった。何故なら俺が家族を亡くしたあの日、駘悟は妹の沙耶ちゃんと共に行方不明になっていたからだ。ニュースでは“神隠し”となっていたが……まさかこんな偶然にも再開できるなんてな。だが今の俺は気づいていなかった。何故駘悟がこの世界にいるのかを…。

 

「そうだ、お前の妹…沙耶ちゃんは元気にしてるかい?」

 

俺は沙耶ちゃんのことを尋ねようとした時

 

「はあっ!」

「っ!?」

 

突然、駘悟は俺に殴りかかってきた。

 

「いきなり何するんだ!?」

「お前が妹のことを口にするな!」

「ぐっ…!」

 

俺は駘悟のパンチを一発喰らってしまった。

 

「俺は成すべきことを成す…そのために生きてきた!」

 

駘悟はそう言うと、腰に“あるもの”を出現させた。

 

「幽霊の神帯【ゴーストドライバー】…!?駘悟、お前まさか…!?」

 

駘悟は無言で懐からアイコンを取り出すと、ナンバリング状態にした。その番号は【S】だった。駘悟はドライバーのカバーを開くと、そこにアイコンを放りこんでからカバーを閉じた。

 

『アーイ! バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

ドライバーからスペクターゴーストが出現した。

 

「変身。」

 

そして駘悟はハンドルを操作した。

 

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

駘悟はスペクターに変身すると、スペクターゴーストを纏った。

 

「嘘だろ…?駘悟がスペクターだったなんて…!?」

「…はあああああっ!」

 

駘悟はガンガンハンドを装備すると、俺に向かって振り回してきた。くっ…やらなきゃ、やられる!

 

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、ガンガンセイバーを装備して駘悟の攻撃を防ぐ。

 

「駘悟、お前は何故スペクターになったんだ!?5年前に何があったんだ!?」

「黙れ!」

 

俺は駘悟に理由を尋ねるが、駘悟は執拗に攻撃を仕掛けてくる。くそ、武器のリーチが長いな…だったらこっちも槍で…!俺は一旦バックステップで下がると、アイルトンアイコンを取り出してドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

 

ドライバーからアイルトンゴーストが出現した。俺はハンドルを操作した。

 

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

 

俺はアイルトンゴーストを纏うと、ガンガンセイバーをナギナタモードにする。そして飛来してきたビートルラジオと合体し、ランスモードへと派生した。

「おらぁ!」

「くっ…!」

 

俺はランスでガンガンハンドによる攻撃を受け止める。そういえば、さっきから駘悟は俺の名前を言わない。

 

「駘悟、思い出せよ…!俺だよ、幽一だ!」

「違う!幽一は…五十嵐幽一は二年前に死んだはずだ!!」

 

!?…“あの事件”を知ってるのか…!?

 

「お前は、幽一を名乗ったクソ野郎だ!!」

「っ!?」

 

俺は駘悟の押しに負けて吹っ飛ばされる。駄目だ、俺が幽一ってことを根っから否定している…!

 

「俺は認めない!幽一が生きてるなんてな!!」

 

駘悟はそう言うと、別のアイコンを取り出してドライバーに装填し、ハンドルを操作した。

 

『カイガン!エジソン!エレキ、閃き、発明王!』

 

駘悟は何とエジソンゴーストを纏った。しかもその証拠に角が二本になっていた。

 

「何でお前がエジソンアイコンを!?それは確か姫島先輩に渡したはず…!?」

「簡単だ。お前らのレーティングゲームに侵入し、その姫島というやつから奪ったんだよ。」

「!?」

 

 

 

 

駘悟side ~2日前~

 

 

 

 

俺はスペクターに変身した状態で霊身転移でレーティングゲームのフィールドに侵入する。

 

『Invisible』

 

そして俺はドライバーの【不可視】の能力を発動させる。これでアイコンを持っている者以外は俺の姿が見えなくなる。そして俺は巫女服とエジソンゴーストを身に纏った女…姫島朱乃を発見した。

「待て。」

 

俺は朱乃を呼び止めながら懐からパラケルススアイコンを取り出す。

 

「スペクター…!?」

 

朱乃は俺の存在に気がついた。エジソンゴーストを纏っているということは、俺の存在にも気づけるのは当然か…。

 

「アイコンを寄越せ。」

 

俺はそう言うと、パラケルススアイコンをドライバーに装填し、ハンドルを操作した。

 

『カイガン!パラケルスス!医学の化学、錬金術!』

 

俺がパラケルススゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じくビーカーの絵柄になった。俺はガンガンハンドを装備する。

 

「はあっ!」

「っ!」

 

俺はガンガンハンドを振り回して攻撃する。朱乃は空を飛んでこれを避けた。

 

「貴方、この前幽一君を攻撃した者ですわね?」

「それがどうした?俺は自分の成すべき事を成すためにアイコンを集める。ただそれだけだ。」

 

俺はそう言って朱乃に向けてガンガンハンドを投げつける。朱乃はこれを避けた。

 

「雷よ!」

 

朱乃は雷撃を放ってきた。俺は両手の平を合わせると、そのまま地面につけて錬金術を発動させ、鉄の壁を造って雷撃を防いだ。桁違いの威力だったか、鉄の壁はボロボロになっていた。

 

「確かに凄い実力だ。流石は[女王]ってこともある。だがな、“それだけ”だ。」

「!?」

 

俺は上空に浮遊すると、朱乃を地面に叩き落とす。

 

「はあっ!」

 

俺は再び地面に着地すると、錬金術で生み出した金属でカッターを形成し、朱乃に飛ばす。朱乃は結界を張って防御する。

 

「ふん、お前もあいつと一緒だ。終わらせてやる。」

 

俺はハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!パラケルスス!オメガドライブ!』

 

俺は右足にエネルギーを溜め、飛び蹴りを放つ。

 

「はああああああっ!」

「そんなっ…!キャアアアアアアア!」

 

朱乃は吹っ飛ばされて気を失うと同時にアイコンを手離した。俺はアイコンを回収すると、その場から去った。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

「お前が、姫島先輩を…!?」

 

俺は駘悟の話を聞いてショックを受けていた。あいつがレーティングゲームに侵入していたこと、姫島先輩を倒してエジソンアイコンを奪っていたことを…。

 

「なんてこった…!」

「次はお前だ!!」

 

駘悟は無慈悲に攻撃してきた。

 

「はあっ!」

「うわあああああああ!」

 

俺は電気を流した攻撃を受けてしまった。

 

「駘悟、止めるんだ!」

「黙れ!!」

 

俺は駘悟の攻撃を喰らい続けながらも説得するが、駘悟は聞く耳を持たない。

「理由も分からずに、親友と戦えない!」

「お前を親友と認めたことはない!!」

 

駘悟は罵倒すると、懐からノブナガアイコンを取り出してドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミロー!バッチリミロー!』

 

ドライバーからノブナガゴーストが現れた。そして駘悟はドライバーを操作した。

 

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

 

駘悟がノブナガゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく二丁の火縄銃をクロスさせた絵柄になった。駘悟はガンガンハンドをポンプアクションで変形させ、銃モードにした。

 

「ふっ!」

「うわあっ!」

 

俺は駘悟の銃撃を受けてしまう。そして駘悟は俺との間合いを詰めてガンガンハンドを振り下ろしてきた。

 

「くっ……!」

「…。」

 

俺はランスでその一撃を防ぐが、駘悟は力押しでガンガンハンドをドライバーの前まで持っていき、その状態のままアイコンタクトした。

 

『ダイカイガン! ガンガンミロー!ガンガンミロー!』

 

ガンガンハンドの銃口にエネルギーが溜まる。駘悟は俺に向けて銃口を向けた。さらに駘悟の周りにガンガンハンドが複製された。

 

「駘悟…!」

 

駘悟は無言でトリガーを引いた。

 

『オメガスパーク!』

「うわああああああああ!」

 

俺はガンガンハンドによる一斉射撃を受けてふっ飛ばされ、オレ魂に戻されてしまった。

 

「うっ…!」

「お前が幸せに暮らしている間、俺と妹は地獄を生きてきた!」

「いや、俺も地獄を味わったんだ。」

「ほざけ!」

 

駘悟はツタンカーメンアイコンをドライバーに装填すると、ハンドルを操作した。

 

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

駘悟はツタンカーメンゴーストを纏うと、ガンガンハンドにコブラケータイを合体させて鎌モードにした。そしてそのままドライバーにかざした。俺はニュートンアイコンを取り出し、ドライバーに装填してからハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

 

駘悟が鎌にピラミッド状のエネルギーを溜める中、俺はニュートンアイコンを纏った。

 

『オメガファング!』

「はああっ!!」

「…くっ!」

 

俺は引力でそこら辺に落ちていたタイヤで駘悟の放ったエネルギーを防御すると、俺はそのまま自宅まで逃げた。駘悟、一体何があったんだよ…?

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

俺は必殺技を放ったが、あいつには逃げられてしまった。

 

「……ああああ!卑怯者めぇ!!」

 

俺はやけになり、ベンチを蹴り壊した。俺は絶対にあいつから全てのアイコンを奪ってやる…!

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺は駘悟との戦闘から逃げ、何とか自宅に辿り着いた。

 

『幽一、どうしたんだ?』

「…散歩中にスペクターに遭遇した…。」

『まじか…。』

「スペクターは…駘悟だった。」

 

俺はユルセンにスペクターの正体が駘悟であったことを話す。

 

『まぁ、そんなことは置いといて…幽一、さっきグレイフィアから招待状を受け取ったんだ。結婚式のだ。』

「グレイフィアさんから…?」

 

俺はユルセンからその招待状を受け取ると、招待状を開く。

 

「!…これはもしかして、冥界への行き方!?」

 

そこに書いてあったのは、冥界への行き方だった。

 

「…ユルセン、冥界に行くぞ!」

『OK!』

 

俺はユルセンにそう言った。駘悟のことも気になるが、今はリアス部長のことが最優先だ!

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


イッセー「リアス・グレモリー様の処女は俺のもんだぁぁぁぁぁあ!!」

イッセーはリアス部長を奪い返すためにパーティー会場に殴り込みする。そこへ幽一姿を現す。イッセーはライザーと再び決闘することにした。

ライザー「不死鳥の業火を受けるがいい!!」

イッセーの禁手化も実力不足ですぐに解除され、ライザーに追い詰められていく。

イッセー「俺は絶対に勝つ。このアイコンの力で!」

イッセーはビリーザキッドのアイコンを使用した。果たして、その力とは…!?

次回[爆誕、西部の赤龍帝!]

その眼に焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル

一誠:【05】ビリーザキッド

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

爆誕、西部の赤龍帝!

wot:bを最近始めたレティスです。けど、勝てん…orz


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。
俺は散歩中、かつての親友・神薙駘悟と再開した。だけど、駘悟こそがスペクターの正体だった。
何とかその場から逃げ切った俺は、駘悟のことが気になりながらも、冥界へと向かった。
現在所有しているアイコンは…7つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

俺はグレイフィアさんからもらった招待状をもとに、霊身転移で冥界の婚約会場に着いた。ユルセンは別行動をとっている。もちろん俺はゴーストに変身しており、ドライバーの【不可視】能力を使用して周りには見えないようになっている。俺は今まで半人半霊としての特性を活かして透明化していた。そして駘悟から説明されるまでは【不可視】の能力を知らなかった。あいつが言うには、英雄の眼魂を所持している者以外は姿を見ることができないんだっけな。確かに便利だ。この会場にはサーゼクスさんなどの上級悪魔がやってきているから、これは意外と重宝するかもな。並みの透明化だとすぐバレるからな…神様はよくこんな凄いドライバーを俺に渡したものだ。

俺は今回はあくまでイッセーの手助けをするだけで、ライザーとの決闘に挑むつもりはない。イッセーにビリーザキッドアイコンを渡したのもそのためだ。だが、いざという時は俺も戦闘する構えでいる。今度は英雄の力には頼らず、己の力で戦う。そう、五十嵐流霊術で…!

 

 

 

それにしても、すごい人達だな。やっぱり悪魔達にとって、この結婚式は悪魔の未来を繋ぐには良い出来事だろうな…。だけど…リアス部長にとって、これは幸せと言えるのか?いや、言えるはずがない。

 

「…イッセー、まだなのか?」

 

俺はバットクロックで時間を確認しながらイッセーの到着を待つ。あと2分…もうすぐ始まってしまうぞ?

 

「ん?あれって…?」

 

俺はふと目を向けると、そこには和服に身を包んだ姫島先輩がいた。それだけじゃない。木場に小猫…ソーナ先輩とソープ先輩…それにライザーの妹であるレイヴェルまでもいた。何か会話しているようだが、距離が離れているためか聞き取れなかった。

その時、炎による派手は演出と共にライザーが会場に登場した。始まったか…!

 

「くそ、まだかよイッセー…!」

 

俺がイッセーの到着を待つ間にも、続いてウェディングドレスに身を包んだリアス部長が登場した。そこからライザーの演説が続く……このままだと手遅れになる…。

と、その時だった。

 

 

 

 

「ちょっと待ったぁぁあ!」

 

突然、謎の叫び声と共に扉が開いた。そこからやってきたのは、イッセーだった。イッセー…遅いっての!

 

「警備兵!そいつを追い出せ!」

 

ライザーは乱入してきたイッセーを見ると、警備兵を呼び出した。警備兵達は警棒を装備すると、イッセーを取り押さえるべく突撃していく。さて、俺も動くか…!

 

「はあっ!」

「!?」

 

俺は不可視効果を解くと、浮遊して警備兵を蹴り飛ばす。

 

「貴様、一体どこから…!?」

「ずっと紛れ込んでた…さっ!」

「ぐふっ…!」

 

警備兵の一人が驚きの表情で質問してくるが、俺は簡素に答えてから頭突きで気絶させた。角には当たってないから安心しろ。

 

「幽一、お前どうやってここに!?」

「招待状もらったんだけど、そこに冥界への行き方が書いてあったんだ。」

 

俺とイッセーは警備兵を気絶させながら会話する。それよりも、イッセーはどうやって冥界までやってきたんだろう…?

そして俺は最後の警備兵を気絶させると、変身を解除した。

 

「イッセー、あいつに一言言ってやれ。」

「分かった!」

 

俺がそう言ってやると、イッセーはリアス部長を指差してこう叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「リアス・グレモリー様の処女は俺のもんだぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

イッセーの一言が会場中に響きわたった。変態発言だが、やっぱりイッセーらしいぜ。

 

「やぁ、イッセー君。それに幽一君。」

 

木場達が俺達のもとにやってきた。すると姫島先輩が俺に近づいてきた。

 

「幽一君、ごめんなさい。エジソンアイコンをスペクターに…。」

「分かってます…。ここに来る前、スペクターに会ったんです。それに正体も分かった。」

「スペクターだって…!?」

「…スペクターに会ったんですか?幽一先輩。」

「ああ。」

「その正体は誰だったんだい?」

 

姫島先輩から駘悟にエジソンアイコンを奪われたことを聞くが、俺は既に分かっていた。皆がスペクターの名前を聞いて多少驚いてる中、木場はスペクターの正体が誰なのかを尋ねてきた。

 

「今はまだ言えない。後で話す。」

 

俺は木場にそう言った。ちなみにその間、悪魔達が何やらざわついていた。恐らく、何故ここに俺とイッセーがやってきたのかだと思うけどな。

 

「その二人は私が呼んだ。」

 

すると、一人の男性が悪魔達の疑問に答えた。リアス部長と同じく紅髪である男性だ。もしかして…

 

「サーゼクス・ルシファー様、これは一体…!?」

「私が用意した余興だよ。」

その正体は、リアス部長の兄・サーゼクスさんだった。

 

「サーゼクス様!そのような勝手な事は…!」

「いいではないか、ライザー君。しかし、レーティングゲームの経験が無い妹がフェニックス家の才児であるライザー君と戦うには、少々分が悪いと思ってね。」

 

ライザーは慌てた表情隠せなかった。そりゃあ話してる相手が現魔王だからな…。

 

「ではサーゼクス、お前はどうしたんだ?」

 

ここでもう一人、ダンディーな男性がサーゼクスさんに尋ねた。サーゼクスさんを呼び捨てしている辺り、もしかしてリアス部長とサーゼクスさんの父親なのかな?

 

「そこの少年は今代の赤龍帝の力を、そしてもう一人は数々の英霊達の力を有しているそうではないですか。ドラゴンとゴースト、そしてフェニックス。私はその戦いがみたいのですよ。それにドラゴンの力もそうですが、ゴーストの力も見たくはありませんか?」

サーゼクスさんはそう答えた。あの人はドラゴンの力だけでなく、ゴーストの力も見たいと言っていたが、サーゼクスさんが一番注目しているポイントは、やはり五十嵐流霊術のことだろう。会場の皆はサーゼクスさんの言葉を聞いて静まった。

 

「…満場一致のようだね。ライザー君、もう一度対決するという形で構わないかい?」

「…分かりました。このライザー、最後の武勇をご披露いたしましょう!」

 

ライザーはサーゼクスさんの意見に賛成したようだ。どうやら再戦は決まったようだ。

 

「成立したようだね…。兵藤一誠君、五十嵐幽一君、君たちが勝った場合の代価は何がいい?爵位か?財産か?それとも絶世の美女かい?」

 

ここでサーゼクスさんが俺たちが勝った場合の代価は何がいいかと尋ねてきた。

 

「サーゼクス様!たかが下級悪魔、それと人間に代価などを!?」

「お考え直し下さい!あんなものたちなどに…!」

「黙れ。」

 

何名かの悪魔達がその意見に反対したが、サーゼクスさんの低く、威圧的な声でまた静まりかえった。

 

「…幽一。」

「ああ、もちろん理解してるさ。」

 

俺とイッセーは小声で会話した。

 

「「俺達が望むのは、リアス・グレモリー様を自由にしてほしい。それだけです!」」

 

俺とイッセーの声が重なった。流石イッセー、やっぱり俺と意見は合っているな。確かに爵位も財産も美女も悪くはない。だけど、俺たちが本当に求めるもの…それは友情だ。それこそが、俺達が求める代価だ!

「さて、行くぞイッセー!」

 

俺はそう言いながら幽霊の神帯を展開すると、懐からオレアイコンを取り出す。その時だった。

 

「待て幽一!」

「何だ?」

「ここは、俺とあいつの一対一をさせてくれ!」

「え!?」

 

突然、イッセーが単独でライザーに挑むと言い出したのだ。

 

「お前、どうして…!?」

「俺はレーティングゲームの際、あいつにコテンパンにやられたからな。それに、幽一ばっかりに良いところを持ってかれちゃ困るからな!」

「イッセー…。」

 

イッセーはそうお願いしてきた。俺は少々どうしようか悩んだが、すぐに判断した。

 

「分かった…だけどもし危険だと思ったらすぐに俺と交代だからな。」

「分かってるさ。」

 

俺は危なくなったら交代するという条件でイッセーにタイマン勝負の許可をした。グレイフィアさんを通してあいつに“切り札”を渡しているとはいえ、ライザーは一筋縄ではいかない相手だからな…。

 

「それとイッセー、一つだけアドバイスだぜ。」

「何だ?」

「命を、燃やしていけ!」

「…ああ!」

 

俺はイッセーに気合い入れとして一言言った。

そしてイッセーとライザーはサーゼクスさんが形成したバトルフィールドに転移していった。頼むぜイッセー!

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

 

俺は幽一にアドバイスをもらった後、ライザーと共にバトルフィールドに転移された。俺は部長を取り返すために決闘の準備をしたんだ。俺が勝てば部長は帰ってくるんだ。勝っても負けてもこれがラストチャンスだ…。絶対に勝つ!!

 

「小僧、前にも言ったはずだ。俺はフェニックス家の看板を背負っている。敗北など許されんのだ!」

「それはこっちも同じだ!お前との決闘に勝って部長を連れて帰る!」

 

俺はそう言った。一度はあいつに一方的にやられたけど、今度こそはあいつをぶっ倒す!

『それでは、始めて下さい』

グレイフィアさんの声で決闘が開始された。俺は開始と同時に走り出す。

 

「部長、プロモーションの許可を!」

「プロモーション、許可するわ!」

「よし…!プロモーション・女王【クイーン】!」

 

俺は部長からプロモーションの許可をもらうと、一気に最強の駒である女王に昇格した。俺は上空へジャンプすると、赤龍帝の籠手【ブーステッド・ギア】を頭上に掲げた。

 

「部長ぉぉぉぉぉ!!俺は貴女のためなら、最強の兵士になってやります!!輝きやがれ!オーバーブースト!!」

『Welsh dragon over booster!』

 

すると、籠手にはめ込まれた宝石が赤く輝くと同時に身体中に赤いオーラに包まれた。すると俺の身体に赤い鎧が装着されていく。それは、赤龍帝の籠手に宿るドラゴン、赤龍帝ドライグを模したものだった。

 

「これが龍帝の力、赤龍帝の鎧【ブーステッド・ギア・スケイルメイル】だ!」

 

そして俺は赤龍帝の鎧を装着し終えた。初めて発動したが、これが赤龍帝の籠手の禁手化【バランス・ブレイカー】か…。

 

『X』

 

そして、装着時間のカウントダウンが始まった。俺はあの時、ドライグと取引して禁手化を発動できるようにしてもらったが、今の俺のスペックだと10秒しか装着できないと言われた………いや、10秒で十分だ!

 

「いくぞ!こいつを喰らいやがれぇぇぇぇえ!!」

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!』

俺は両手に赤い魔力の塊を形成すると、そのままライザーに向かって投げつけた。

 

「くっ!なめるなクソガキィ!!」

 

ライザーはキレると、俺に向かって殴りかかってきた。上等だ、あっちが拳ならこっちも拳だ!

 

『IX』

 

俺はブースターを噴かして飛行し、向かってくるライザーに急接近する。

 

「オラァァァァア!!」

「無駄ぁぁ!!」

 

俺のライザーの拳が衝突した。

 

 

『VIII』

 

 

「…ぐはっ!」

 

俺は拳の衝突の際の痛みと桁違いの熱量によってダメージを負い、吐血した。

 

「ふん、所詮貴様の力はこんなもの………ごはっ!?」

 

ライザーは言っている途中で吐血した。

 

 

『VII』

 

 

「くっ…何故不死鳥の俺にダメージが…!?それは!」

 

ライザーは俺の左手を見て驚いた。そう、俺の左手にはアーシアから借りた十字架が握られていたからだ。

 

「馬鹿な!?いくらドラゴンの鎧を装着しているとはいえ、悪魔にはダメージが……!?」

 

ライザーは驚きを隠せないまま言った。確かに、“悪魔の腕”だと俺にもタメージがくる。“悪魔の腕”だったらな。だが今の俺の左腕は悪魔のものじゃない。

 

「なっ、まさか…!?」

「そうだぜ。禁手化の時に左腕を代償にしたんだ!」

 

そう、禁手化を発動する際、左腕がドラゴンの腕になった。そのお陰で俺は左手で十字架を持ってもダメージを受けなくなったんだ。

 

 

『VI』

 

 

「正気か貴様!?そんなことをすれば、二度と元に戻らなくなるぞ!?」

「知るかよ!左腕をやって部長が戻ってくるなら、安い等価交換だ!!」

 

装着時間のタイムリミットが迫る中、俺はライザーにそう言った。

 

 

『V』

 

 

「さぁ、もう一発いくぜ!!」

 

俺はブースターで加速してライザーに殴りかかる……その時だった。

 

「終わらせてや……!?」

 

突然、赤龍帝の鎧が解除された。しかも、ライザーに殴りかかる直前で…。

 

「はあっ!!」

「うっ…!」

 

そしてそのままライザーの反撃を受けて吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

 

「おい、まだ10秒経ってないないだろ!?何で解除されちまったんだ!?」

『小僧、残念ながら時間切れだ。確かに10秒と言ったが、今のお前の基礎体力では5秒程度が限界だ。』

「嘘だろ…?こんな時に…!」

 

ドライグから無慈悲な言葉が発せられた。今の俺じゃあいつに勝つことはできないのかよ…!?

 

「フェニックスの業火を受けよ、赤龍帝!!」

「うわああああああ!!」

 

俺はライザーの火球を受けてしまった。俺はダメージの蓄積で満身創痍になっている中、ライザーに掴まれた。

 

「うぐっ…!」

「ふん、このライザーに戦いを挑んだことを後悔するんだな。所詮転生した下級悪魔ではこのライザーを倒すことなどできん。」

「…っ!」

 

俺はライザーに掴まれながらそう言われた。くそっ……ダメージで身体が…!

 

「まぁ、人間のあいつにも挑むがな。あの人間には散々侮辱されたからな。あのクズにはな。」

 

 

 

ブチッ!

 

 

 

ライザーの一言で、俺の中で何かが切れた。一番切れてはいけないところが…。

 

「ふざけんなテメェ!!」

「っ!?」

 

俺は力を振り絞ってライザーの腹を蹴り、何とか脱出した。

 

「幽一を侮辱すんじゃねぇ!」

「悪魔同士の問題に介入してきた人間が悪い!あいつ如きで何故ムキになる?」

「幽一は何よりも友情を大切にしていた。それを侮辱するお前が許せねぇんだよ!」

 

俺は幽一を侮辱したライザーに怒りのこもった言葉を言った。

 

「諦めろ、お前にはもう手はない。」

「いや、まだあるぜ!」

 

そう言って俺は懐からある物を取り出す。それは、グレイフィアさんを通して幽一から渡されたビリーザキッドアイコンだった。

 

「それは…!?」

「幽一から渡された“切り札”だ。俺は絶対に勝つ。このアイコンの力で!」

 

俺はビリーザキッドアイコンのボタンを一回押し、アイコンを籠手にはめてからもう一度ボタンを押した。

 

『Put on!』

 

すると、アイコンからビリーザキッドゴーストが現れた。俺はビリーザキッドゴーストを上半身に纏った次の瞬間

 

『Connection Billy the kid!Balance breaker resumption!』

 

なんと、装着限界だったはずの赤龍帝の鎧がもう一度展開された……いや、厳密には違う。ビリーゴーストを纏ったままだし、しかも右手にはリボルバー拳銃を模した籠手まで装備されている。

「何だ…その姿は!?」

「俺も分からないさ。今ここで名付けるなら

 

 

 

 

 

赤龍帝の西部鎧【ブーステッド・ギア・ウエスタンメイル】だ!!」

 

俺はここで赤龍帝の鎧の派生形態を命名した。すげぇ、ビリーザキッドの力が俺の神器とシンクロしたのか。これがアイコンの力なのか…!

 

『ほぅ、禁手化をもう一度発動させるとはな。あの小僧が持っていたアイコンというのは、なかなか奇妙なものだ。しかし、この力…どこかで見た気が…。』

 

ドライグは何やらアイコンの力に見覚えがあるようだ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺はモニターで、イッセーがビリーザキッドのアイコンでもう一度禁手化したのを見ていた。赤龍帝の鎧の上にビリーゴーストを纏い、右手にはリボルバー拳銃を模した籠手を装備している。リアス部長や木場、姫島先輩、小猫たちも驚きを隠せないでいた。

 

『驚いたな。まさかアイツがビリーザキッドとシンクロするなんてな。』

 

ユルセンが俺のもとにやってきて、そう呟いた。

父さんが教えてくれた言葉、“英雄の心を学び、心の目を開け”…今のイッセーはまさにそれを禁手化で具現化した姿だ。

 

 

 

イッセーside

 

 

 

「さぁ、逆転の始まりだ!」

 

 

『V』

 

 

俺がライザーに突撃すると同時に、装着時間のカウントダウンが始まった。あと5秒…それまでに決着をつける。

 

「姿を変えたところで何も変わらん!もう一度この業火に焼かれるがいい!!」

「それはどうかな!?」

 

ライザーはまた業火を放ってきた。だが

 

「効かねぇよ!」

「何っ!?」

 

俺は左手で業火を弾いた。そしてライザーに接近したところで右ストレートをかます。

 

『Revolver!』

「喰らえぇぇぇえ!!」

「ぐっ!……がはぁっ!?」

 

俺はライザーの腹に右ストレートを叩き込んだ。その際、右手の籠手に込められた弾丸が炸裂した。すると、ライザーが十字架の時と同じく吐血した。

 

「こ…今度は、銀弾だと…!?」

 

ライザーは苦しみながら言った。十字架に銀の弾丸…そうだ!

 

 

『IV』

 

 

「火を消すには水だよな?」

 

俺は何かを思いつくと、今度は懐から水が入ったビンを取り出す。俺はビンの蓋を開ける。

 

「赤龍帝からの贈り物【ブーステッド・ギア・ギフト】!!」

『Transfer!』

 

俺はその水に倍加の力を譲渡してからライザーにかけた。

 

「!?……ぐわあああああああああああ!!」

 

水をかけられたライザーがさらに苦しみ出した。そう、俺があいつにかけたのは、聖水だ。

 

 

『III』

 

 

「うぐっ!……ぐっ…!」

「これで終わらせてやるぜ!!」

『Full boost!』

『Last bullet!』

 

俺は左手に倍加の力を最大限まで溜めながらライザーに近づく。

 

「や、止めろ…!貴様、分かっているのか!?この婚約は悪魔の未来のためのものだ!お前のような何も知らないやつがどうこう出来る事じゃないんだぞ!?」

「難しい事は分からねぇよ。けどお前に負けて気絶した時、うっすらと覚えている事がある………部長が“泣いたんだ”よ!!」

 

俺は怒りが有頂天になる中、左手を構える。

 

 

『II』

 

 

「てめぇを殴る理由は

 

 

 

 

 

それだけじゃねぇ!!」

「っ!?」

 

俺は左手でライザーにアッパーカットを繰り出して打ち上げると、続いて右手を構える。

 

 

『I』

 

 

「理由はもう一つ。俺の……俺の友達を侮辱したことだぁぁぁぁぁぁあ!!」

『Full revolver!』

「ーーーーーッ!?」

 

俺は渾身の右ストレートをライザーに叩き込み、弾丸を全て炸裂させて吹き飛ばした。

 

『Time out』

『Bullet empty』

 

そして時間切れになって禁手化が解除され、ビリーザキッドゴーストもアイコンに吸収された。

 

「はぁ…はぁ…………勝った…!」

 

俺は、あいつに……決闘に勝ったんだ!俺はダメージでその場で膝をつくが、勝利の笑みを浮かべた。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺はイッセーが勝ったことに喜びの笑みを浮かべていた。

すると、サーゼクスさんが形成したフィールドが解除され、そこからリアス部長に掴まってイッセーが降りてきた。ちなみに倒れたライザーはあいつの眷属達が降ろしていた。俺たちはイッセーのもとに近づく。

 

「イッセー君、よく頑張ったね。」

「あらあら、うふふ。見事でしたわ。」

「…少しは見直しました。」

「皆…ありがとう!」

 

褒め言葉をもらったイッセーは、お礼を言った。

 

「イッセー、よくやったな。」

「へへ、俺が勝てたのは幽一のおかげでもあるぜ。サンキューな。」

「ああ。」

 

イッセーはお礼を言うと、俺にビリーザキッドアイコンを返した。何がともあれ、イッセーが勝ったからこれでリアス部長は俺たちのもとに戻ってくる。これで一見落着かと思った…………その時だった。

 

「…!?」

 

俺は少し視線をずらして見ると、気絶したはずのライザーが目を覚ましており、右手に“炎を溜めている”のが見えた。

 

「イッセー、危ない!!」

「!?」

 

俺は危険を察知してイッセーを突き飛ばした次の瞬間

 

 

ドォォォォォン!

 

 

「うわっ!?」

 

ライザーから放たれた火球に当たり、吹き飛ばされた。

 

「「「「「『幽一(君)(先輩)!?』」」」」」

「うっ……!」

 

俺は突然の不意打ちを受けながらも立ち上がり、ライザーの方を見た。

 

「まだ…終わってないぞ、ガキがぁぁぁぁぁあ!!」

 

ライザーは負けた怒りで激昂していた。

 




ED[STUDY×STUDY]
挿入曲[Trip -innocent of D-]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


ライザー「焼き尽くしてくれる!」

勝負に負けて激昂したライザーは、幽一に勝負を挑む。

ユルセン『英雄の力に頼るな!自分の力で戦え!』

英雄の力を使って戦う幽一だが、激昂したライザーには通用しなかった。そこでユルセンが幽一を激励した。

幽一「これが五十嵐流…!」

激励を受けた幽一は、代々伝わる五十嵐流霊術を使うことにした。

次回[継承、受け継がれし霊術!]


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリーザキッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

継承、受け継がれし霊術!

色々と、設定に苦戦中です…。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。会場に侵入した俺とイッセーは、再びライザーに挑もうとした。するとイッセーが一騎打ちを要求し、イッセーはライザーとのタイマン勝負に挑んだ。イッセーは禁手化するも、すぐに時間切れで追い込まれてしまうも、俺が渡したビリーザキッドアイコンで逆転し、ついに戦いに勝利した。だけど、ライザーとの勝負はまだ終わっていなかった。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」

OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

俺はライザーから攻撃を受けた後、すぐにドライバーを展開した。あいつ…決着ついたのにまだやる気か!

 

「てめぇ、幽一に何しやがる!?」

「こいつは俺を侮辱したんだ!それなりの罰だ!」

 

ライザーは怒りながら言った。完全に逆ギレだ…リアス部長に向かって眷属を虐殺とか…“英雄色を好む”と言ったやつが何を言ってるんだよ…!

 

「おい…もう勝負ついただろ?…諦めろ!」

「黙れ人間風情がぁぁあ!」

 

ライザーは怒りに任せて再び火球を放ってきた。

 

「幽一、避けろぉ!!」

 

イッセーが叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「五十嵐流霊術・霊圧結界!」

「!?」

 

俺は両手に霊力を集め、その力を前へ突き出して結界を張り、ライザーの火球を防いだ。怒りに任せて放たれた火球だったためか、俺は息切れを起こした。

 

「はぁ…はぁ……なんでそこまでして戦おうとするんだよ!?」

「黙れ黙れ黙れ!!貴様らが余計なことをしなければ…リアスは俺のものだったんだのに…!生かして帰さん!!」

「何度言っても無駄かよ…。」

 

もはや説得は意味を成さないか…。俺はライザーの激昂ぶりを見て、多少呆れながらムサシアイコンを取り出し、ナンバリング状態にする。続いてドライバーのカバーを開き、そこにムサシアイコンを装填してからカバーを閉じる。

 

『アーイ! バッチリミナー!バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はゴーストに変身してムサシゴーストを纏うと、右手に霊力を溜める。

 

「はぁぁぁぁぁ…はあっ!!」

 

そして右手に溜めた霊力を頭上に向けて放った。すると、放たれた霊力がドーム状に広がり、やがて俺とライザーを包み込んだ。そしてドーム状の霊力が消えると、そこには異空間が広がっていた。そう、俺は周りへの被害を無くそうと異空間を形成した。

 

「貴様…何をした!?」

「周りへの被害を無くそうと自分でフィールドをつくった。」

 

突然形成された異空間にライザーは少々驚いていた。この異空間形成は俺が特訓期間での間に習得した霊術だ。このフィールドは周りへの被害を無くす他、自分のステータスを一時的に上昇させる効果がある。だが、このフィールドは3分間しか維持できない。イッセーが挑んだ時と同じだな…時間制限がある中で戦う…3分以内に、今度こそ白黒はっきりつける!

俺はガンガンセイバーを装備すると、二本の刀に分けて構える。

 

「いくぜ…!」

 

そして俺はライザーに突撃し、二本の刀で攻撃を仕掛ける。

 

「なっ…!?」

 

しかし、ライザーに与えたはずのダメージが一瞬で回復してしまった。

 

「ひれ伏せろ人間がぁ!!」

「ぐふっ!?」

 

俺はライザーの反撃を受けて吹っ飛ばされた。くそ…一撃が重い…。ここは、英雄達の力を借りないと殺られる…!俺は次にニュートンアイコンを取り出す。

 

「させるかぁぁ!!」

 

ライザーが炎を纏って突撃してきた。俺は急いでアイコンをドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからニュートンゴーストが現れ、斥力でライザーを弾き飛ばした。俺はハンドルを操作した。

 

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

 

俺はニュートンゴーストを纏うと、ライザーに突撃する。

 

「うおおおおおおっ!」

「人間風情が、調子に乗るな!」

 

俺はライザーとの格闘に挑む。左ストレート、右フックなど、着実にパンチを叩き込んでいく。だが、ライザーの怒り狂った猛攻を受けて徐々に押され…

 

「くたばれ人間!!」

「ぐはっ…!」

 

そしてアッパーカットを受けて打ち上げられた。

 

「焼き尽くしてやる!!」

 

ライザーは巨大な火球を形成すると、俺に投げつけてきた。俺は斥力で火球を弾き飛ばそうとした。しかし、その魔力を弾き返すことができない。

 

「ぐっ……!」

「砕け散れ!!」

 

そしてライザーからもう一発火球が放たれた。その火球は俺が弾き返そうとしている火球に命中し、大爆発を引き起こした。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

俺はその爆発に巻き込まれた。その際、オレ魂に戻された。

 

「ぐっ…!」

 

俺は意識が朦朧とする中、再び立ち上がろうとしたが、なかなか力が入らない。

 

「人間がぁ…あの時は大口を叩いてくれたな…!」

「…っ!」

 

ライザーが一歩ずつ近づいてきた。

 

「ここで…殺してやる!」

 

ライザーがとどめを刺そう火球を形成し始めた。だが、先程の火球を放ったからか、形成に時間がかかっている。この隙に何かできれば……けど、この状態でフォームチェンジは間に合わない…!どうすれば…!?

 

 

 

 

 

 

 

『おい、幽一!!』

『ユルセン…!?』

 

突然、俺の心の中でユルセンが声をかけてきた。

 

『何グズグズしてんだ!?英雄の力に頼るな!自分の力で戦え!』

 

自分の…力…五十嵐流霊術!そうか、そうだったな…。俺は今まで英雄達の力に頼っていた。だけど、それだけじゃだめなんだ。俺自身の力を信じないとな……父さんやお爺さんから受け継いできた力…【五十嵐の龍】の力を!

 

 

 

 

バシューン!

 

 

俺が決意したその瞬間、再びSEEDが発現した。俺はすぐに立ち上がる。

 

「これで終わりだ!」

 

ライザーが火球を形成し終え、俺に向かって放ってきた。その火球は………

 

 

俺の身体をすり抜けていった。

 

「なっ!?」

 

ライザーが驚いている隙に縮地して一気に間合いを詰めた。

 

「五十嵐流霊術・霊波掌!」

「ぐわっ!?」

 

俺はライザーに霊力の波動を叩き込んで吹き飛ばした。

 

「ぐっ…!貴様…何故立ち上がる!?」

「俺はようやく気づいた。英雄達に頼りっぱなしじゃダメだって…俺には俺自身の力がある。俺は…俺を信じる!負けたと思わない限り、俺は負けてない!!」

「この下等な人間がぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

ライザーがまた逆ギレしたが、そんなことはどうでもいいさ。俺は両手に霊力を集中させ、俺の周りにエネルギー弾を形成していく。

 

「五十嵐流霊術・霊追牙!」

 

俺は周りに浮遊している追尾弾をライザーに向けて飛ばした。

 

「ふん、虚仮威しだ!」

 

ライザーは空に飛ぶと、火炎弾を撒き散らして追尾弾をかき消した。俺も空へ浮遊する。

 

「喰らえ下等な人間がぁぁぁぁぁあああ!!」

 

ライザーが俺に急接近し、右ストレートを叩き込もうとしている。普通の者なら防御の構えをするだろう。だが、俺は逆に、ライザーの右ストレートが繰り出されるタイミングを待つ……ここだ!

 

「はあっ!」

「ぐわあああああっ!?」

 

俺が左手を振り払った次の瞬間、ライザーの右手が切断された。何故なら、俺の左手には“霊力で形成された橙色の刃”があったからだ。

 

「五十嵐流霊術・幻霊滑刀だ。」

「おのれ…よくも、このライザー様の右手を…!!」

 

ライザーは怒りながらも、切断された右手を瞬時に修復した。やっぱりフェニックスの肉体は不死身か…。なら、精神にダメージを与える!

 

「くだばれぇぇぇぇぇぇええ!!」

「…!」

 

ライザーが再び殴りかかってくるが、俺は右手にも幻霊滑刀を発動し、ライザーの肉体を斬り裂く。

「…っ!こんなの……グハッ!?」

 

ライザーはその連撃を受けて吐血した。

 

「何だ…?この力は……貴様、本当に人間か!?」

「違うな、俺は半人半霊だ!五十嵐流霊術・剛龍波弾!」

「ぐわぁぁぁあああ!?」

 

俺はライザーに自分が半人半霊であることを言うと、剛龍波弾を零距離で撃ち込み、地面に叩きつけた。

 

 

 

 

リアスside

 

 

 

 

「幽一、すげぇ!」

「窮地に陥ってたのに、逆転したね。」

「…幽一先輩、流石です。」

「あらあら、うふふ。」

『幽一…ようやく修行の成果が出てきたな。』

 

私達は幽一の戦いを見ていた。あの霊術…幽一は私達が知らない力を持っているわね。そして………幽一は何者なの?

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

「貴様…その力は一体なんだ!?」

「“全ての力、全て原に始まり、原は力を造りたり”。これが五十嵐流霊術…【五十嵐の龍】から授かりし力だ!」

 

俺はライザーに五十嵐流霊術の詳細を言った。この霊術は受け継がれる。たとえ一度滅んでも、この力は…生き続ける!

 

「人間風情がぁぁ!骨も残らず…!?」

 

ライザーは火球を形成しようとしたが、その両手は霊力の鎖によって拘束された。

「五十嵐流霊術・魂鎖呪縛陣。」

「くっ…!この俺が…人間ごときに…!!」

 

ライザーは鎖を自力で引きちぎろうとするも、外れることはなかった。

 

「はぁぁぁぁぁぁ…!」

 

俺は霊術の構えを取ると、両手に霊力を集中させる。俺の背後には巨大な目の紋章が出現していた。そう、前に放てなかった奥義だ。ライザーはこれを見て、急いで鎖をちぎろうとする。

 

「人間ごときに…下等な人間にぃぃぃいい!!」

「いつまでも、人間を見下すな!確かに人間は悪魔に比べて弱いさ。けど、時には悪魔を越える程の火事場力を持つ。ライザー、人間の火事場力を

 

 

 

 

 

 

 

 

その眼に、焼き付けておけ!」

 

いつまでも人間を見下すライザーに、俺がそう言い返している間に霊力の収束は完了し、紋章も曼荼羅へと変化して俺の前方に展開された。

 

『ギャオオオオオオオオオン!!!』

「!?」

 

そして俺の背後には、霊力で形成された【五十嵐の龍】の幻影が現れた。

 

「俺は、俺自身を信じる。仲間達と共に…皆のために…そして俺自身のために………命、燃やして行くぜ!!」

 

俺が霊力を溜めた両手を構えると、【五十嵐の龍】の幻影も口に霊力を収束させ、ブレスを吐く構えを取っていた。これで、終わらせる!

 

「五十嵐流霊術奥義・幻龍爆裂衝!!」

 

そして俺は曼荼羅を通して両手を突き出す。その際、【五十嵐の龍】の幻影のブレスを吐く動作と重なった。すると、曼荼羅から極太の光線が放たれた。その光線は身動きの取れないライザーを飲み込んだ。

やがて光線は消え、地面には気絶したライザーの姿があった。

 

「はぁ…はぁ…。」

 

俺も息を切らしながら地面に着地すると、変身を解除した。

 

『オヤスミー』

 

変身解除と同時に、展開していた異空間が解除され、元の会場に戻ってきた。

 

「幽一!」

 

イッセーが俺のもとに駆けつけてきた。

 

「やったな、流石だぜ!」

「ああ…ちょっと無茶したけど、何とか止めれたぜ。」

 

俺はイッセーに肩を貸してもらいながら、皆のもとまで歩く。はぁ…疲れたぜ。

 

『幽一、よく頑張ったぞ!』

 

ユルセンから褒め言葉をもらった。すると、リアス部長が俺のもとにやってきた。

 

「幽一、ありがとう。」

「いいって事ですよ。」

「後で話してもらいたいことはあるけどね…。」

 

ああ、そうか…ライザーとの戦いの最中に“半人半霊”ってことを発言してしまったからな……………そろそろ、皆に話すべきだな。

俺は皆にどう話そうか考えながら歩いた。

 




ED[STUDY×STUDY]
挿入曲[色は匂えど 散りぬるを]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


サーゼクス「“バハムート”だって…?」

戦いが終わり、一旦場所を移動した幽一達。幽一は【五十嵐の龍】について、そしてスペクターの正体について話す。

幽一「俺は…。」

そしてついに、幽一は自分の正体について話す。


次回[真実、幽一の過去]

その眼に焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリーザキッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

真実、幽一の過去

今回でACT2は最後です。それにしても、未だに寒い…。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落としれハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。激昂したライザーとの勝負に挑み、俺は五十嵐流霊術を用いて勝利した。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

リアス部長の婚約問題を解決した後、俺たちはひとまずオカ研の部室に戻ってきた。ちなみにイッセーは電話でアーシアに部室へ来るように伝えている。今の俺の表情は、正直言って悲しげな表情だ。

 

 

 

 

ガラッ!

 

 

 

 

「はぁ…はぁ……こんばんは…。」

 

アーシアが到着した。急いでやってきたのか、息を切らしていた。

 

「イッセーさん、部長さんは…?」

「ああ、取り返したぜ!」

「よかったです…それよりも、幽一さんはどうしたんです?」

「……。」

 

イッセーがアーシアの質問に答えた。そしてアーシアが俺の表情を見て尋ねた。俺はずっと黙っている。

 

『…幽一、気張った方がいいと思うぞ…。』

「……。」

『…幽一?』

「…怖いんだよ…真実を話すのが…。」

 

ユルセンが耳元で話してきた。今から話すことを…俺の正体を知ったら…皆はどんな反応をするんだ…?クソッ…話したくない…!

俺が悩んでいると魔方陣が出現し、そこからグレイフィアさんとサーゼクスさんが転移してきた。

 

「待たせたね。」

「サーゼクスさん…グレイフィアさん…。」

「さて、五十嵐幽一君。話してもらおうか、真実というものを。」

「…。」

 

サーゼクスさんがそう言った…ついに話す時が来たか……。

 

「…分かりました、話します…。」

 

俺は了承した。そして、その重い口を開く。

 

「まず一つは…五十嵐流霊術についてです…。この霊術は【五十嵐の龍】から与えられた霊力を用いて編み出された霊術です…。」

 

俺は五十嵐流霊術についての詳細を話す。

 

「確かに私にも見えたわ。あの光線が放たれる時に、その幻影が見えたわ。」

 

リアス部長が言った。

 

「その【五十嵐の龍】というのは?」

「それは『それはオイラが言うよ。』…ユルセン?」

 

木場が質問してくると、ユルセンが声を出した。どうやら代わりに答えてくれるらしい。

 

『【五十嵐の龍】の正体…それは霊核の幻龍神【ディターレント・ドラゴン】バハムートだ。』

「バハムートだって…!?」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 

ユルセンが【五十嵐の龍】の本当の名前を言った。すると皆が驚きの表情を浮かべた。

 

「バハムート…ドラゴンの中でも“英雄”と謡われた伝説の龍神…。」

『その通り。幽一含めた五十嵐一族は、皆バハムート様から力を授かってるのさ。』

 

ユルセンが説明した。そう、五十嵐一族は【五十嵐の龍】…もといバハムートから力を授かってる。

「ってことは、幽一にもドラゴンが宿っているのか!?」

「いや、バハムート様の魂は宿っていない。」

 

イッセーの質問に俺はそう答えた。流石にドラゴンの魂は宿していないが、もしそうだったら大騒ぎだろうし、あらゆる組織に目をつけられるのは確実だな…。

 

「バハムートは確か、伝説によると大昔の大戦で死んだと言われているらしいけど、どうしてその霊術は生まれたんだ?」

「これを。」

 

俺はサーゼクスさんに霊術の秘伝書を渡す。サーゼクスさんは秘伝書のあるページを読んだ。リアス部長やイッセーたちも気になってそのページを見る。

 

「…これは…!」

『その通り、バハムート様はまだ生きてるのさ。隠居という形で。』

「初代五十嵐の人が、バハムートを助けた時に力を授かったんです。その力は俺や父さん達にも受け継がれてきたんです。」

「なるほど…。」

「あらあら、古くから継承されてたんですわね。」

「幽一君はすごい人物だったんだ…。」

 

サーゼクスさん、姫島先輩、木場はそれぞれ呟いた。そう、俺たち五十嵐一族が力を授かったのはこうだ。大昔の大戦で傷つき、魚の姿になって海岸に打ち上げられていたバハムート様を、偶然修行の旅をしていた初代五十嵐の男が駆けつけ、助けたことがきっかけだ。数十日に渡る手当てで傷を癒してもらったバハムート様は、初代五十嵐の男にドラゴンとしての本来の姿を見せた。バハムート様はここから飛び去る際、恩として初代五十嵐の男に霊力を授けてから去っていった。これが五十嵐流霊術誕生のきっかけでもあり、代々その霊力が受け継がれていくきっかけでもあった。

 

「……次の件を言ってもらっていいかな?」

「はい。」

 

俺はサーゼクスさんに言われて次の真実を言うことにした。

 

「二つ目は…スペクターの正体が分かった。」

「スペクターの正体!?」

「あいつか!幽一、そいつは誰が変身してたんだ?」

 

俺は二つ目に、スペクターの正体についてだ。イッセーはそいつが誰なのかを聞きたがっている。もちろん皆もだろうけど…。

 

「その変身者は…俺の親友、神薙駘悟だった。」

 

俺はスペクター…いや、駘悟の名前を言った。

 

「…幽一を傷つけたあの男が親友ですって…!?」

「…幽一先輩、いつからその正体に気づいたんですか?」

「今日の昼に会ったんだ。」

 

小猫の質問に俺はそう答えた。

 

「幽一と接触してなんて…!」

「あいつ、また会ったら必ずぶっ飛ばしてやる!」

 

リアス部長とイッセーは駘悟に対する怒りを浮かべていた。

 

「リアス、それに一誠君、落ち着くんだ。ところで幽一君、その駘悟君とはどんな関係だったんだ?」

「はい、駘悟とは親しかったです。幼い頃、寺の中でチャンバラごっこしていつも遊んでました。それと、駘悟には沙耶という一つ下の妹がいて、沙耶ちゃんとも仲が良かったですよ。。」

 

俺は昔、駘悟とその妹である沙耶ちゃんと親しかったことを話した。チャンバラや、炎斗群進也が出場するレースの観戦も見に行くほど、仲が良かった。あの頃は本当に良かった…。

 

「…けどある日、駘悟と沙耶ちゃんは突如として、“神隠し”にあったらしいんです。」

「そして今、スペクターとして君とは敵対する者としてこの町にやってきたと?」

「多分…。沙耶ちゃんの姿は見てないですけど。」

 

俺は切なげに答えた。駘悟の姿は目撃できたとはいえ、沙耶ちゃんは何処にいるのか…?沙耶ちゃん、元気にしてるかな?

 

「彼の目的は?」

「駘悟は英雄の眼魂【ゴーストアイコン】を集めることが目的らしいです。何のために集めているかは分かりませんけど…。」

「そうですか…。」

 

俺はグレイフィアさんの質問にそう答えた。駘悟は何のためにアイコンを集めているんだ?アイコンを一定数集めた時、何か起きるのか?

 

「じゃあ幽一君、3つ目を言ってもらおうか。」

「……。」

 

サーゼクスさんに3つ目の真実を話せと言われた。俺はそれを言われてすぐに口を閉ざしてしまった。そう、3つ目は俺に関することだ…。当然話しにくい。

 

「幽一、話してくれ。」

「イッセー…。」

 

イッセーがそう言った。

 

「お前、聞きたいのかよ…?俺の真実を…!?」

「ああ。友達としての願いだ!」

 

だけど…いくら友達だとしても…!これを聞くということは、俺がどんな存在なのか知ってしまう…それはつまり、俺がここにいられなくなることに繋がる…!

 

「…でも…。」

「幽一。」

「「幽一君。」」

「幽一さん。」

「…幽一先輩。」

 

皆が俺の名前を呼んだ。リアス部長…姫島先輩…木場…アーシア…小猫…。

 

「幽一様、重く苦しいのは分かります。ですが、言わなければ何も伝わりません。ここにいる皆様は、聞く覚悟を持っています。貴方を信じていますから。」

「!」

 

グレイフィアさんの激励の言葉に、俺は心を動かされた。

 

「…分かりました。話します、3つ目の真実を…。」

 

俺は再び重く苦しい口を開く。

 

「3つ目の真実…それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が、“この世界の人間じゃない”ことです。」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

『ついに…打ち明けたか…。』

 

俺はとうとう、自分の正体を明かした。ユルセンが呟いている中、皆は驚きの表情を浮かべた。

 

「ど、どういうことかしら?」

「俺や神薙兄妹、五十嵐一族や五十嵐流霊術の存在…全て、本来この世界のものじゃないということです。」

「つまり君は、異世界からやってきたものなのか?」

「はい…。」

 

サーゼクスの質問に俺はそう答えた。

 

「…やはりですか…。」

「どういうことたグレイフィア?」

「数時間前に幽一様にお伺いしましたが、彼は既に人間ではないとおっしゃっていました。」

「幽一君が…!?」

 

グレイフィアさんの言葉を聞いてサーゼクスさんはさらに驚いた。

 

「グレイフィアさんの言う通り、俺は既に死人…いや、五十嵐一族は

 

 

 

 

 

 

既に滅亡した存在なんです。」

 

俺は皆に、五十嵐一族が既に滅亡していることを話す。当然、皆はその事実に呆然としていた。

 

「幽一君が…故人…?」

「幽一さん、それは嘘ですよね?」

『残念ながら、これは本当だ。』

「そんな…!」

 

ユルセンから五十嵐一族滅亡が本当ということを聞き、アーシアが泣きそうな表情になった。

 

「こんなの…惨すぎるよ…!」

 

木場も悲痛な表情を浮かべていた。

 

「…幽一、君の身に何があったのか、話してくれるか?」

 

サーゼクスのお願いに、俺は無言で首を縦に振った。そして俺は思い出したくもない過去を話すことにした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それは、12歳の誕生日を迎えた日のことだった。俺はいつものように家に帰ってくると、家である五十嵐寺が放火を受けていた。俺は燃え盛る寺の中を必死に探し、父である竜彦を見つけるが、その身体は傷まみれであり、父さんから母さんや、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、寺で修行している弟子さん達は皆殺されてしまったことを聞かされた。つまり襲撃されたんだ。父さんは俺にバハムート様を模した龍の首飾りを託して息絶えた。俺は何とか辛うじて脱出するも、そこからは酷い現実だった。

俺は家族を殺したのが俺じゃないかと疑われ、同級生や先生達から虐めや差別を喰らっていた。これは中学からも続く。さらに俺を引き取ってくれた養家の者たちからの暴力も受けていた。始めは殴る、蹴ると単純なものだったが、次第に木の板、バット、鉄パイプなどの得物で殴られることが多くなった。しかも食事の時に俺のだけに毒薬を混ぜられたことも日常茶飯事だった。そうやって心身を砕かれた俺は、喧嘩に明け暮れた。何の目的もなく、四面楚歌な状況で…。

ある日、俺はまた喧嘩していると、一人の男子にピストルで撃たれた。俺はこれで意識が朦朧とし、多数の者に踏みつけられていた時、銃声を聞き付けて一人の警官に助けられた。数々の暴行や毒薬を俺に対して使用していたのが露呈されると、その養家の者たちや中学の生徒、先生は一斉検挙された。

その後、病院で治療を受けて退院した俺は、別の中学に転校し、支援金を受けてアパートで一人暮らしすることになったが、俺の心は跡形も残っていなかった。全てにおいて脱力した俺だったが、ある一人の少女との出会いで変わっていった。俺はその少女、日下部理恵から付き合いを受けたんだ。始めは辛い経験から何度も拒絶していたが、次第に彼女との付き合いで心を通わせていき、相思相愛の状態になった。それで俺の心が少しずつ修復していった。

それからしばらく経った日、彼女は自身の正体を明かした。理恵は精霊だったのだ。だが、それでも俺は受け入れた。俺は理恵と、いつか再開することを約束すると、理恵は空へ飛び立っていった。俺はまた別れを体験したが、今度は精神的に成長を遂げた。俺は理恵や駘悟、沙耶ちゃんと再開することを願って生きていくことを決意した……けどそんな矢先、9月26日

 

 

 

俺は突如発生した動きが鈍くなる現象に巻き込まれ、そのまま暴走車に轢かれて死んだ。そしてこの世界に再び転生してきたのだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…これが俺の過去だ…。」

「「「「「「「「……。」」」」」」」」

 

俺は自分の過去を話し終えた。皆は終始無言のままだ。

 

「…できれば…話したくなかったんだ…。」

 

俺はそう呟く。

 

『幽一…。』

「…やっぱり俺、もうここには「幽一。」…?」

「お前はここにいていいんだ。だって俺たちは、友達だろ!?」

「…けど…。」

 

イッセーがここにいていいと主張した。だけど、俺は半人半霊だぞ?いいのかよ?

 

「幽一、貴方は大切な部員よ。それは皆もそう思っているわ。貴方がいなくなったら皆悲しむわ。だから、ここにいて頂戴。たとえ半人半霊だとしても、貴方を受け入れるわ。」

 

リアス部長もそう言った。皆は俺の顔を見て頷いている。そうか、俺には仲間が…友達がいるんだ。

 

「はい!」

 

俺は笑顔のまま返事を返した。これからまた、皆で……歩み続けるんだ!

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

 

 

「「ブハハハハハハハッ!」」

「……。」

 

また寝癖が暴走したようだ。畜生めぇ!

 




ED[Trip -innocent of D-]


次回、[ガイム&パンツァー]とのコラボ編…!


一真「ゆ、幽霊を…纏った!?」
幽一「オ、オレンジが…頭に…?」
二人「「お前誰だぁぁ!?」」

ある日、インベスという生物が現れるという事件が発生し、幽一達は討伐に向かうが、そこにいたのはなんと、別世界の者だった。

麻子「お化け怖い…(涙)」
小猫「…よしよし…。」
木場「部長…こんなに人入れて大丈夫なんですか…?」
リアス「…てへぺろ☆」

オカ研とあんこうチーム&ライダーチームのギャグトークも

幽一「…やっぱり、似てるな…。」
みほ「え…?」

幽一の過去に、さらなる事実が…?

駘悟「お前は他人のために自分の命を犠牲に出来るのか?」
一真「俺は…!」

スペクターこと駘悟との遭遇。一真の答えは…?

そして…



インベス『グギャアアアアア!!』
一真「な、何だこのインベスは!?」
天子「今までこんな見たやつ見たことないわ!」

見たことないインベスが襲来!

?「全てを喰らってやる!!」

そして、一体のはぐれ悪魔が多数のインベスと融合!幽一達に襲いかかる!

イッセー「俺たちが何とかするしかないんだ!」
幽一「力を貸してくれ!」
一真「もちろん、そのつもりだぜ!」

『ソイヤッ!ゴーストアームズ!…』
『カイガン!ガイム!…』

一真と幽一達は力を合わせて戦う。その過程で、ついにゴーストアームズとガイム魂が誕生!

幽一「ここからは…」
一真「皆の…」
二人「「ステージだ!!」」


合体コラボ編[あんこう、果物、悪魔に幽霊、イグアナ、戦車にムササビ!?]前編 ~鎧武者と幽霊~




?「脳細胞が、トップギアだぜ。」




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

再開、優しき精霊!

桜って結構早く散ってしまうんですね…。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。
俺は襲来してきたインベスを一真達や再開した進也と共に退治した。そこで異世界にも仮面ライダーがいることを知った。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です………ってこれ久しぶりにやるな。

俺は再びいつもの如く起床し、朝食を作るためにキッチンに移動しようと扉を開ける。

 

 

 

 

 

 

バァン!

 

 

 

 

「うおおっ!?」

 

すると突然、俺の足下にBB弾が着弾した。俺はBB弾が飛んできた方向を向くと、そこには何故か白いギリースーツに身を包んだおっちゃんがいた。

 

「朝っぱらから何すんだよオイ!?」

「気をつけろよ。そいつは真冬の戦場の中、大いに活躍した狙撃兵だ。しかもそいつは、狙撃に必要不可欠なスコープを一切使わなかった。」

おっちゃんはボルトアクション式のエアガンを背負いながら言った。真冬の戦場…スコープ不使用……!

 

「それって…!」

 

俺は思い出しながらタンスの上に置かれた偉人録を手に取り、あるページを開いた。

 

「極寒のスナイパー…“シモ・ヘイヘ” !」

 

俺はそう言いながら再びおっちゃんの方を向いたが、またすぐに消えた。なんだよ…結局おっちゃん、エアガン撃ちたかっただけじゃねぇか……とりあえず準備するか。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は登校時、スマホでシモ・ヘイヘに関する情報を見ながら歩いていた。おっちゃんが言ってる事が本当なら、シモ・ヘイヘのアイコンが手に入るかもな。けどまた駘悟に横取りされるかも……あ、そうだ!ソープ先輩のところならシモ・ヘイヘに関する遺品を持ってるかもしれない。放課後に行ってみるか…。

 

ドンッ!

 

 

 

「うわっ!?」

「きゃっ!?」

 

突然、俺の横から出てきた少女とぶつかってしまい、転倒した。

 

「いてて…。」

「あ、ごめん…!大丈夫だった?」

 

俺はすぐに立ち上がり、倒れていた少女に近づいた………!?

 

「うん…大丈…!?」

「なぁ、もしかしてお前…理恵なのか?」

「…幽一…君?」

 

その少女は、なんと理恵だった。あの時、自暴自棄になっていた俺を再起させてくれた恩人にして恋人だ。まさかこんな場所で再開するなんて…。

 

「久しぶりだね、幽一君…。」

「理恵…。」

 

理恵との2年ぶりの再開…だが、正直言って理恵とは会いづらかった。何故なら俺は一度死んだ存在だからだ。理恵がこの世界にいるのも意外だったけどな…。

 

「ねぇ幽一君…どうしてここに…!?」

「俺が聞きたいさ…。お前がどうしてこの世界に「ハアッ!」…!?」

 

俺が理恵に話しかけようとした時、横から何者かが俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。俺はすぐにバク転して回避した。

攻撃してきた者の正体は、真っ黒なボディの上に陣羽織を羽織り、右手に槍を装備したやつだった。俺はそいつに少しだけ見覚えがあった。

 

「避けられたか…。」

「お前、まさか…“眼魔”なのか…!?」

「眼魔について知っているやつがいたとはな。」

 

眼魔…それは父さんが研究していた幽霊の一種。霊能者である俺はある程度は眼魔についての知識を持っている。

槍眼魔は右手の槍を構えながら俺に近づく。俺はすぐにドライバーを出現させてオレアイコンを取り出す。

 

「貴様、もしや五十嵐一族か…?」

「だったら何だよ?」

「ならばもう一度消すまでだ!」

 

槍眼魔はそう言って襲いかかってきた。俺はそれを見てすぐにドライバーにオレアイコンを装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからオレゴーストが出現し、槍眼魔を弾き飛ばした。

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身し、オレゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを装備して突撃する。

 

「はあっ!」

「フッ! デヤッ!」

 

俺と槍眼魔は互いの武器で攻撃し合う。俺は確実に攻撃を当てていき、槍眼魔の槍を弾く。

 

「そこだ!」

「っ!?」

 

俺は突きを放って槍眼魔を吹き飛ばす。槍眼魔はすぐに槍を拾った。

 

「なかなかやるな…だが!」

「はあああああ!」

 

槍眼魔は何か言っているが、俺は気にせず攻撃を仕掛け、鍔迫り合いをする。しかし

「うっ!?」

「隙あり!」

「うわっ!」

 

突然、後ろから何者かに狙撃され、怯んでいる隙に槍眼魔に吹き飛ばされてしまった。

 

「敵が一人だけと思ったか?」

 

すると槍眼魔の隣に、迷彩服を纏った狙撃眼魔が姿を現した。二体もいたのか…なら、速攻で決める。

 

「ビリー・ザ・キッド!」

『カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発百中、ズキューン、バキューン!』

 

俺はビリーゴーストを纏うと、ガンガンセイバーをガンモードにし、左手にバットクロックを装備する。そしてライフルに合体させてドライバーにかざし、さらにドライバーのハンドルを操作する。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

『ダイカイガン!ビリー・ザ・キッド!オメガドライブ!』

 

ライフルの銃口にエネルギーが溜まり、さらにビリーゴーストに備えられた弾丸ベルトがライフルに接続された。

 

「弾幕はパワーだぜ!はあっ!」

『オメガインパクト!』

 

俺は無数の銃弾を二体の眼魔に浴びせた。

 

「ぐあああああっ!」

 

槍眼魔はこれを受けて爆散した。その際、槍のアクセサリーの妙なアイコンが地面に落ち、アイコンの方はすぐに砕け散った。あれ?もう一体は…?

 

「ふん…ここは一旦引くか…。」

 

なんと狙撃眼魔は既に別のところにいた。

 

「なっ…いつの間に!?」

「覚えておけ、次は必ずお前を倒す。」

 

狙撃眼魔はそう言い残してどこかへ去っていった。

 

『オヤスミー』

 

俺は変身を解除すると、理恵がいる方向を向くが、既に理恵もその場からいなくなっていた…話すのはまたの機会か…。

 

「…あ、学校!」

 

俺はスマホで時間を確認して思い出した。戦闘ですっかり忘れてた…。俺はすぐに霊身転移で学園まで転移した。

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

その日、アッシュに用件があるために呼んだ。もちろん、雷堂寺という男や5年前についてだ。俺はアッシュが待っている橋の上までやってきた。

 

「君が私を呼ぶとは珍しいな。」

「アッシュ、雷堂寺という男は誰なんだ?」

「私に協力している人間だが、奴が何か?」

「5年前、あっちの世界で何が起こったか知ってるか?」

「いや、知らないな。」

 

アッシュはエジソンアイコンを右手に握りながら言った。アッシュも知らないのか…。

 

「そんな事より、君が貸してくれたエジソンアイコンのおかげで研究の方は順調だよ。これは返しておくよ。」

 

アッシュはそう言って、俺にエジソンアイコンを返した。研究…アッシュは何を研究しているんだ…?まぁいいか…俺は沙耶を蘇らせるためにあいつからアイコンを奪うだけだ。

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

「すみませーん。」

 

俺は放課後、TF141の部室にやってきた。シモ・ヘイヘに関することと言ったら、やっぱりソープ先輩達だからだ。え?部活はどうしたって?安心して下さい。(リアス部長に遅れるって)伝えましたよ。

 

「…ん?幽一か。」

 

中に入ると、そこには案山士だけしかいなかった。

 

「案山士、ソープ先輩達は?」

「ああ、皆ならサバゲー場へ直行したぞ。」

「案山士は行かないのか?」

「俺はここで整理をしているさ。」

 

どうやらソープ先輩達はサバゲーをしに行ってしまったらしい。案山士は残って部室の整理をしていたようだ。

 

「…あれ、案山士。その銃って…?」

「ん?ああ…これはモシン・ナガン。あのシモ・ヘイヘも使っていた銃だ。」

 

案山士が手に持っていた小銃はモシン・ナガンだった。やっぱり来てよかった。

 

「…といっても、これはエアガンだけどな。」

 

案山士はそう言った。まぁ、あの主砲で部費が蒸発しているなら、実物は買えないだろうな…というかソープ先輩は何処であの主砲を購入したんだろう?

 

「なぁ、案山士ってシモ・ヘイヘに憧れているのか?」

「そうだ。俺の実家は猟師なんだ。シモ・ヘイヘもそうだった。」

 

そうか、案山士って猟師の家系で生まれたのか…確かにシモ・ヘイヘも猟師に生まれ、短い間で狙撃兵をやっていたな。

 

「それにしても、シモ・ヘイヘってすごいよな。本来スナイパーには、スコープが必要不可欠だった。だけどシモ・ヘイヘは、スコープを使わずに300メートルから離れた敵を狙撃していたからな。」

「敵に居場所を知られないためだったよな?」

「ああ。スコープのレンズは当然光を反射する。それですぐ敵に居場所がバレてしまう。シモ・ヘイヘはアイアンサイトのみで狙撃していたから、敵に気づかれなかった。本当に大した人だ。」

 

俺と案山士はシモ・ヘイヘに関する話題を喋った。

 

「ところでさ、案山士って何でソープ先輩の眷族に?」

「山で狩猟している時に巨大な熊に襲われていた時、リーダーが助けてくれたんだ。そこで俺は悪魔の駒を与えられて、リーダーの眷族になった。」

 

そうだったんだ…。

 

「だから俺はリーダーや皆のために、最高の騎士【ナイト】…いや、最高の狙撃兵【スナイパー】になると決めたんだ。」

 

案山士はモシン・ナガンのエアガンを握りしめながら決意を語った。するとその時、案山士が持っているエアガンが突然光り出した。

 

「これは…?」

「!…案山士、ちょっとそれを持ってて。」

「あ、ああ…。」

 

俺はすぐに幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を展開すると、エアガンに向けて目の紋章を描いた。するとエアガンから煙が昇り、そこからギリースーツ型のシモ・ヘイヘゴーストが現れた。

 

「あれが…シモ・ヘイヘ…!」

 

案山士が呟く中、俺はシモ・ヘイヘゴーストをドライバーに取り込んだ。するとドライバーから藍白色のアイコンが生成された。ナンバーは【EX.04】だ。

 

「なぁ幽一、部活はいいのか?」

「…あ、そうだった!じゃあまたな、案山士。」

「ああ。」

 

俺は案山士に言われて部活を思い出した。俺はTF141の部室から出ると、すぐにオカ研部室へ向かう。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

俺はオカ研部室に来ると、テーブルの上に今持っているアイコンを並べた。オレアイコンを筆頭にムサシ、ロビン、ニュートン、ビリー・ザ・キッド、ベートーベン、アイルトン、シャネル、そしてシモ・ヘイヘだ。

 

「幽一の手元にも、だいぶアイコンが集まってきたわね。」

「はい。」

 

リアス部長はそう言った。

 

「シモ・ヘイヘって何ですか?」

「冬戦争で活躍した狙撃兵だ。おっちゃんが朝に言ってたから、TF141の部室に向かったんだ。」

 

俺はアーシアにシモ・ヘイヘについて言った。

 

「そういえば幽一君、あのスペクターもアイコンを集めてるんだよね。」

「ああ。まだ目的が分からないけどな…。」

 

駘悟は何でアイコンを集めているんだろう…。何を目的で…?

それもだけど、理恵は何処にいるんだろう?理恵がどうしてここにいるのかも聞いておきたい。

俺はそんな事を考えながら龍の首飾りを見つめる。

 

 

 

 

 

バァン!

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

その時、突然部室の窓ガラスの一部が割れた。その証拠に床に一発の銃弾が落ちていた。

俺達はすぐに外へ出ると、そこには先程の狙撃眼魔がいた。

 

「眼魔!?」

「ふっ…やはりここにいたか。」

 

狙撃眼魔はライフルのボルトを操作しながら言った。ちなみに外はもう夜だった。

 

「何だよあいつ!?」

「眼魔という敵だ。」

「ふん、何かと思ったら…まさかここに悪魔どもがいるとはな。」

「何しに来たのかしら?」

「無論、貴様達を倒しに来た。」

「そうはさせるか!」

 

俺はすぐにドライバーを展開し、ムサシアイコンをドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!』

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はゴーストに変身すると、ムサシゴーストを纏う。そしてガンガンセイバーを装備して二刀流にした。

 

「はあっ!」

「ぬっ!」

 

俺が刀を振るうと、狙撃眼魔はライフルでこれを受け止める。

 

「「はあああああああ!!」」

 

俺と狙撃眼魔は鍔迫り合いをしたまま移動し、公園まで移動したところで狙撃眼魔を押し飛ばす。

 

「何で眼魔までこの世界にいるんだ…!?」

「答える必要はない。数の暴力を思い知るがいい。」

 

狙撃眼魔はそう言うと、大量の眼魔アイコンをばら撒いた。

 

『『『『『『ウゥゥゥゥ……。』』』』』』

 

すると、眼魔アイコンは眼魔コマンドへと変化した。眼魔コマンド達は呻き声を呻きながら俺にゆっくりと近づいてきた。まさか、俺があいつらを相手している隙に俺を狙撃する気か!?

すると、イッセー達が俺のもとへ転移してきた。

 

「幽一!ベートーベンのアイコンを貸しなさい!」

「分かりました!」

 

俺はリアス部長にベートーベンアイコンを投げ渡した。リアス部長がベートーベンアイコンのボタンを押すと、そこからベートーベンゴーストが現れた。

『Put on!』

 

リアス部長はベートーベンゴーストを纏った。

 

「さぁ、この音色で貴方達を消し飛ばしてあげるわ!」

 

リアス部長はそう言うと、演奏を行った。すると紅色の音色が形成された。リアス部長はその音色を眼魔コマンド達に飛ばすと、眼魔コマンド達は一瞬で全滅した。

 

「何…!?」

「悪魔の力を舐めないでほしいわ。」

「よし…今度は俺の番だ。 シモ・ヘイヘ!」

 

俺はシモ・ヘイヘアイコンを取り出すと、ドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

すると、ドライバーからシモ・ヘイヘゴーストが出現し、狙撃眼魔の銃弾を弾いた。

 

『ワォン!』

「!?」

 

さらにどこからともなく狼型のガジェットが狙撃眼魔に噛みついた。

俺はその隙にドライバーのハンドルを操作した。

 

『カイガン!シモ・ヘイヘ!極寒の狙撃、俺の距離!』

 

俺がシモ・ヘイヘゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じくターゲットスコープの絵柄になった。そして先程の狼がガンガンセイバーと合体した。その形状はまるで狙撃銃のようだ…スコープは付いてないけど。

 

「おお、スナイパーライフルか。」

「スコープもないライフルでどう狙撃する気だ?」

「シモ・ヘイヘにスコープは必要ない!」

 

俺はそう言って狙撃銃を構える。すると俺の複眼に狙撃眼魔の弱点が高精度に分析された。

 

「そこだ!」

「っ!?」

 

俺は狙ったところに狙撃銃を撃つと、狙撃眼魔は大きく怯んだ。

 

「くっ…何だと…!?」

 

俺はもう一度射撃しようとした…が

 

 

 

カチッ…カチッ…

 

 

「…あ、あれ?」

 

何故か弾丸が発射されなかった。な、何で…?

 

「ふんっ!」

「うわっ!?」

 

当然、俺はその間に狙撃眼魔に攻撃された。

 

「いてて…な、何で?」

『おいおい!ちゃんと狙撃銃の特性分かってんのか!?それはボルトアクション式だっつーの!』

「あ、そうか…。」

 

俺はユルセンに言われて狙撃銃のボルトレバーを引いた。すると、弾が装填された。ああ、威力は高いけど弓矢よりも手間がかかるんだなこれ…。

 

「よし、今度こそ「はあっ!」…!?」

 

俺が再び狙撃眼魔を攻撃しようとした時、突然何者かが割り込んできた。駘悟だ。

 

「駘悟…!」

「うおおおおお!」

 

駘悟は俺に向かって執拗に攻撃を仕掛けてきた。

 

「スペクターか。狙撃には好都合だ。」

 

狙撃眼魔はそう言って俺に再び狙撃してきた。

 

「ぐあっ…!」

「アイコンと首飾りを渡せ!」

「駘悟!アイコンならまだしも、何でいきなり首飾りまで求めるんだ!?」

「お前から、幽一の形見を奪い返すためだ!」

「ぐふっ…!駘悟、俺が幽一だ…!」

「お前は幽一じゃない!」

 

俺は駘悟からの攻撃や、狙撃眼魔からの狙撃を受けながらも駘悟を説得するもやっぱり駄目だ…。

 

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

 

駘悟はノブナガゴーストを纏うと、ガンガンハンドを銃モードにした。

 

「頼む、止めてくれ駘悟!」

「黙れ!」

 

駘悟は銃弾を連射してきた。俺は説得に集中していたためにこれをまともに喰らってしまった。

 

「オーバーブースト!」

『Welsh dragon over booster!』

 

するとイッセーが禁手化して、駘悟に突撃した。

 

「っ!…邪魔をするなら貴様も容赦しないぞ!」

「やってみやがれ!幽一、ここは俺に任せろ!お前はその眼魔を倒せ!」

「分かった!」

 

イッセー…ここは頼んだ!俺は再び狙撃眼魔に向かって撃つ。すると狙撃眼魔の持っていた狙撃銃が真っ二つになった。

 

「くっ…俺の狙撃銃が…なら!」

 

すると狙撃眼魔はナイフを取り出して突撃してきた。これは装填が間に合わない。

 

『銃身にあるボタンを押してみろ!』

「え、ボタン?」

『ほれほれ!』

 

俺はユルセンに言われるまま銃身部にあるボタンを押した。すると銃剣が展開された。

 

「銃剣…これなら。」

 

俺は狙撃眼魔との格闘に挑む。

 

「はあっ!」

「ふっ!はっ!」

 

俺は銃剣でナイフを弾き、グリップ部で狙撃眼魔の腹部を殴る。

 

「っ!?」

「五十嵐流霊術・霊波掌!」

「ぐっ…!?」

 

俺は霊術を使って狙撃眼魔を吹き飛ばした。

俺は狙撃銃をドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

 

俺は銃口にエネルギーを溜め、複眼のターゲットスコープで狙いを定める。

 

「命、燃やすぜ!」

『オメガバレット!』

 

俺はトリガーを引き、高威力の弾丸を放った。

 

「ぐっ…ぐわあああああああ!」

 

狙撃眼魔はこれを受けて爆散した。地面に狙撃銃のエアガンと眼魔アイコンが落ち、アイコンは砕け散った。

 

「よし…。」

 

俺は眼魔を撃破して狙撃銃を下ろした。しかし

 

「はあっ!」

「!?」

 

駘悟が俺に再び攻撃を仕掛けてきた。

 

「なっ、イッセーは…!?」

 

俺はイッセーがいる方を見ると、そこには倒れているイッセーがいた。その証拠にアーシアが駆けつけていた。

「駘悟、もう止めてくれよ!アイコンを集める理由を教えてくれ!」

「答える気はないと言っただろうが!!」

 

駘悟は逆ギレすると、今度はワインレッド色のアイコンをドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミロー!』

 

ドライバーから出てきたのは、なんとパラケルススゴーストだった。駘悟はドライバーのハンドルを操作した。

 

『カイガン!パラケルスス!医学の科学、錬金術!』

 

駘悟はパラケルススゴーストを纏った。駘悟はガンガンハンドを再びロッドモードにすると、錬金術でロッドを鞭のように変形させた。

 

「はあっ!」

「ぐっ!?…うわっ!」

 

リーチの長い鞭に俺は回避を専念するしかなかったが、変則的な鞭攻撃を避けきれることなんて出来ず、俺は数発喰らってしまった。

 

「どうした、何故攻撃しようとしない?」

「くっ…!駘悟、俺は…親友とは戦えない!」

「今の俺に友などいない!」

 

駘悟はそう言うとガンガンハンドをドライバーにかざした。

 

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

 

駘悟はガンガンハンドを地面に突き立てると、さらにドライバーのハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!パラケルスス!オメガドライブ!』

 

すると駘悟はオメガドライブを発動し、錬金術でガンガンハンドの手先を硬質の金属で覆った。

 

「くたばれ!」

『オメガスマッシュ!』

 

そして駘悟はガンガンハンドを俺に向かって振り下ろしてきた。くそ…ダメージを負い過ぎて身体が動かない…!

 

 

 

 

『キュルル!』

 

 

カキンッ!

 

 

 

 

「…え?」

「何!?」

「「「「「「!?」」」」」」

 

その時、謎の生物が俺と駘悟の間に割り込み、障壁を張って駘悟の攻撃を弾いた。その生物は額に赤い宝石をつけたリスのような生き物だった。そう、俺はその生物を知っていた。

 

「あれは…カーバンクル!?」

 

それは紛れもなくカーバンクルだった。駘悟は障壁に防がれて弾き飛ばされた。そして俺の後ろから歩いてくる人物がいた。

 

「…。」

「理恵…!?」

 

それはなんと理恵だった。だが先程とは違い、ピンク色の鎧とドレスを足して2で割った衣装を身に付けていた。

 

「…貴様、誰だ!?」

「…これ以上の戦闘は止めて。もしこれ以上やるなら…。」

 

理恵はそう言うと、謎の大剣を召喚した。

 

「…ちっ!…次の時はお前も叩き潰してやる…!」

 

駘悟はそう言うと、呼び出したマシンフーディーに乗ってそのままどこかへ行ってしまった。

 

『オヤスミー』

 

俺は変身を解除すると、理恵に近づく。ちょうど理恵も私服の状態に戻っていた。

 

「理恵、ありがとう。」

「幽一君…。」

 

俺と理恵が話していると、リアス部長達が駆け寄ってきた。

 

「幽一を助けてくれて感謝するわ。ちなみにそのカーバンクルは貴女の?」

「はい。カーくんは私の使い魔です。」

『キュル!』

 

どうやらカーバンクルもといカーくんは理恵の使い魔らしい。

 

「”理恵”…ってことはお前は幽一の恋人なのか!?」

「…うん。」

「…何故ここに?」

「それは今から聞こうと思ってる。理恵、どうしてここに…?」

「実は、前にカーくんが行方不明になってて、それでこの町にやって来たの。」

「カーバンクルが?」

「うん。」

 

どうやらこの町に来た理由は、カーバンクルが迷子になったことらしく、それでこの駒王町にやってきたらしい。

 

「それよりも、幽一君こそどうしてここに…?」

 

理恵は俺が何故この町にいるのかを尋ねてきた。当然俺は悲しげな表情になった。リアス部長達もこの件を知っているために悲しげな表情になっている。

 

「…なぁ理恵、この件は二人だけで話そう。部長、いいですか?」

「分かったわ。」

「理恵、一旦移動しよう。」

「うん。」

 

俺はリアス部長に許可を取ると、理恵と共にバイクで別の場所へ移動する。理恵に俺が一度死んでいることを話すために…。

 




ED[STUDY×STUDY]


ユルセン「次回、ハイスクールD×G【GHOST】!」


理恵「ごめんなさい、もう貴方とはいられない…。」
幽一「理恵…。」

幽一は理恵に自分が転生した事を伝えると、理恵は涙ながらに幽一と別れることを決意した。

眼魔「お前には人質になってもらう!」

そんな中、理恵は眼魔に捕まり、人質になってしまう。

駘悟「お前には何も守れはしない!」

幽一は理恵を救おうとするも、またも駘悟の妨害を受けてしまう。

幽一「恩を、仇で返せるかぁぁあ!」

幽一は捨て身の覚悟で理恵を助ける。その勇姿に理恵は…。


次回[落涙、精霊の決意!]


その眼に、焼き付けろ!



カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ、【01】ムサシ、【03】ロビン、【04】ニュートン、【05】ビリー・ザ・キッド、【06】ベートーベン、【EX.01】アイルトン、【EX.03】シャネル、【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター、【02】エジソン、【11】ツタンカーメン、【12】ノブナガ、【?】?、【EX.02】リチャード、【EX.05】パラケルスス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

落涙、精霊の決意!

スランプで遅れた割りにグダグダで本当にすみません。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。俺はかつての恋人・理恵と再開し、さらにシモ・ヘイヘのアイコンも手に入れた。現在所有しているアイコンは…9つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り]



幽一side

 

 

 

 

俺と理恵はバイクで誰もいない高台までやって来た。俺達はバイクから降りると、近くにあるベンチに座る。

 

「…。」

「…。」

 

座ってから少しの間は沈黙が続いた。自分が一度死んだなんて軽く言えるはずがないからだ。それもよりによって、この真実を今から理恵に話すんだ。イッセー達に言った時よりもその口は重かった。

 

「幽一君…話して。どうしてここにいるのかを…。」

 

だけど、ここまで来たらもう話すしかないか…。

 

「…理恵。」

「何?」

「俺………

 

 

 

一度死んだんだ。」

「…!?」

 

俺はついに理恵にも真実を話してしまった。理恵はこれを聞いて信じられさそうな表情をしていた。

 

「俺はある日の帰り道、突然起きた【重加速】という現象に巻き込まれて…そのまま暴走車に轢かれて死んだんだ。」

「…テロに巻き込まれたってこと…?」

「ああ。そして2年間の眠りの末、この世界に転生したんだ。」

 

そして俺は続けて転生した経緯を話した。【重加速】…あんなのはテロじゃない、超常現象だ。

 

「そんなこと…!」

 

理恵は当然、さらに悲しそうな表情になった。

 

「…けど、俺はこの世界に転生してから仲間達と出会った。そして、五十嵐一族の遺志を継ぐと決めたんだ。失うばかりじゃない、得るものだってあるんだと知ったんだ。」

俺は立ち上がると、明るい表情になりながら語る。

 

「もし理恵と出会っていなかったら、俺は二度と立ち上がれなかったかもしれない。ありがとな。」

 

俺は心から理恵に感謝の言葉を送った。あの日、周りからの差別や暴力を受け、“喧嘩”に明け暮れて堕落していた俺に救いの手を差し伸べてくれたからだ。

だが、それでも理恵はその悲しげな表情を変えないまま立ち上がった。

 

「…どうしたんだ?」

「…ごめんなさい、もう貴方とはいられない…。」

 

理恵は涙を流しながら重い口で俺にこう告げた。俺はそれを聞いた途端、一瞬立ちくらみしそうになった。

 

「私には…こんな重い事実は信じられないの…。」

「……理恵…。」

「…幽一君…さようなら。」

 

理恵はそう言ってここから去ろうとする。

 

「なぁ、理恵!」

「…?」

「俺はお前の行動は無理に止めないさ。だけど、俺達が過ごしたあの頃の思い出…そして俺の存在…それだけは忘れないでくれ。」

 

俺は理恵にそう言うと、そのまま理恵は涙を流しながらここから去っていった。理恵…今までありがとうな…。

俺もバイクに乗り、一旦オカ研部室に戻ることにした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺はオカ研部室に戻ってくると、そこには皆がいた。

 

「戻ってきたわね、幽一……あの子は?」

「理恵なら…もう別れました。」

 

俺はリアス部長にそう答えながらソファに座った。そして俺はポケットから理恵との思い出写真を取り出し、それを見つめる。これも本来ならあっちの世界にあるのだが、何故かタンスの中に入っていた。

 

「なんだこの写真…ってこれ、さっきの子と幽一のツーショット!?」

 

イッセーは俺の持っている写真を見ると、驚きのあまり声をあげた。

 

「あ、本当だ。」

「あ、あらあら…。」

「幽一さん、この人はもしかして前に言ってた理恵という人ですか?」

「…ああ。」

 

木場と朱乃先輩が写真を見ている中、俺はアーシアの質問に答えた。何だろう…朱乃先輩からドス黒いオーラが…。

 

「…なんか、前にやってきた人に似てますね。」

「言われてみれば確かに…。」

 

小猫とリアスは、理恵の容姿を見て何かを思い出した。みほのことか…確かに似てたな…。

 

「…あ、あれ…?」

 

俺は何故か自然に涙が溢れてきた。失恋…心が痛む…。一粒一粒の涙が写真にポサポタと落ちる。

 

「幽一…?」

「…。」

 

いつもなら嫉妬の声をあげるイッセーは、今の俺の状態を見て冷静になった。皆も悲しげな表情になった。俺は無言で立ち上がると、そのまま透明化して部室から出ていく。その際、後ろから何か聞こえたが、俺は構わずバイクに乗って自宅へ帰る。

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

私は夜の町を見渡していた。

 

「五十嵐竜彦、私は必ず成し遂げてみせます。指をくわえて見ていなさい。」

 

私は天国にいる竜彦に心の中でそう言うと、その場から去る。するとその道中、泣きながら歩いている少女を見つけた。あの少女…いや、あの“精霊”は確か…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

 

私は幽一君と別れた後、独りで誰もいない道を歩いていた。一歩一歩進むたびに落ちる涙…。

私には受け止めきれなかった。幽一君がまさか事故で一度死んでいたなんて…。こんな残酷な真実…私には重すぎる。

 

 

 

「何かお困りですか、お嬢さん?」

 

すると突然、黒い衣装を身に纏った男が私に話しかけた。

 

「…誰なの?」

「それはとりあえず、貴女に用件があるのですよ。」

「用件…?」

 

用件…?私にどんな用件があるの…?私はそう考えていたその時

 

「はっ!」

「っ!?」

 

突然、何者かが背後から私を拘束した。その正体はローブを纏い、右手に鞭を持った眼魔・拷問眼魔だった。

 

「お前には人質になってもらう!」

「うっ…離して!!」

「五十嵐幽一から眼魂を奪うのに役立ってもらいましょう。後は頼みましたよ、拘束眼魔。」

「ふん、容易い事だ。」

 

その男は不気味な笑みをしながら言った。幽一君から…アイコンを奪う…!?私は必死に抵抗したが、眼魔は私を離さない。

 

「大人しくしろ!」

「うっ…!」

 

そしてそのまま腹部を殴られて気絶してしまった。私は意識が遠くなっていく中、草むらに隠れている小さい“昆虫”と“狼”を見た。それを最後に完全に気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

「…。」

 

俺は翌日の放課後、部室の外で霊術の修行をしている。皆はそれを見て悲しげな表情をしていた。

 

「幽一…。」

「な、何とかして幽一さんを励ましましょう!」

『止めといた方がいいよ。今の幽一に話しかけても余計落ち込むだけだぞ…。』

 

後ろからイッセー、アーシア、そしていつの間にか帰ってきたユルセンの会話が聞こえてきた。俺の耳には聞こえていない。

 

「…心配になってきました。」

「相当辛かったらしいね…。」

 

小猫に木場も俺のことを心配しているらしい。もちろん、朱乃先輩やリアス部長も…。

 

「…なぁ、皆。」

 

俺は立ち上がると、イッセー達の方に目を向ける。

 

「皆が言いたい事は分かってる。昨日の事を心配してくれるんだよな…。でも、俺は大丈夫だから。」

 

俺は笑顔で言った。すると皆も少しは笑顔になったが、十分とは言えなかった。俺、説得力無いな…。

 

『ワンッ!ワンッ!』

『ギシギシッ!』

 

するとその時、ビートルラジオと単眼鏡型のウルフスコープが俺のもとにやって来た。そういえば、この二体は昨日の夜何をしてたんだろう…?家にもいなかったし。

 

「ウルフ、ビートル、どうしたんだ?」

『ワンッ!ワンッ!』

 

ウルフとビートルは俺に何かを伝えているらしいが、何を言ってるか分からない。

 

『ギシギシッ!』

『もしかしたら何かの会話を録音したのかもしれない。』

「…とりあえず、部室で聴いてみよう。」

 

そういえばビートルラジオにはラジオとしての機能だけじゃなく、録音する機能まであったんだよな。俺たちは一旦部室に入る。ウルフとビートルは一体何を見たんだ…?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺達はソファに座ると、ビートルラジオの再生ボタンを押した。するとまず始めに聞こえたのは、理恵の泣き声だった。

 

「この声って…?」

「理恵…。」

 

理恵…やっぱり俺と別れた事が悲しかったんだな…。

 

『「何かお困りですか、お嬢さん?」』

 

すると次に聞こえたのは、男性の声だった。たまたま道中を歩いていた人なのか?

 

『「…誰なの?」』

『「それはとりあえず、貴女に用件があるのですよ。」』

『「用件…?」』

 

用件…?何だか嫌な予感がする…。するとその時、理恵が何者かに拘束された音が聞こえた。

 

『「お前には人質になってもらう!」』

『「うっ…離して!!」』

『「五十嵐幽一から眼魂を奪うのに役立ってもらいましょう。後は頼みましたよ、拘束眼魔。」』

『「ふん、容易い事だ。」』

 

眼魔…!?俺から英雄の眼魂【ゴーストアイコン】を奪うために…理恵を拘束だと…!?

そして抵抗し続ける理恵に拘束眼魔が殴って気絶させたところで再生が終わった。

 

「…。」

 

俺はこれを聞いた途端、頭に全ての血が昇った感覚がした。理恵が眼魔にさらわれた…俺からアイコンを奪うための人質として…。

 

「幽一…まさか…!?」

「もちろん…今すぐ理恵を助けに行かないと!」

 

今すぐ助けないと理恵が危ない!俺は部室から出ようとする。

 

「待ちなさい幽一!」

 

リアス部長に呼び止められた。これは…前にイッセーがアーシアを救いにいく時と同じだな…。

 

「幽一、これは罠よ。」

「だとしても…理恵は一度闇に堕ちた俺を救ってくれた人だ。せめて、恩返しをしないと…。」

「気持ちは分かるわ。でも私達にとって幽一は大切な存在なのよ。」

「あいつには…理恵には生きてほしいんですよ…!」

「私達は貴方に生きてほしいのよ!」

 

俺はリアス部長と口論をしていた。俺は他の皆の顔を見るが、木場、小猫、朱乃先輩、果てにはユルセンまでその顔を下に向ける、もしくは首を横に振っていた。

 

「イッセー、アーシア、二人は分かるよな?今の俺の気持ちが…。」

「…ごめんなさい…。」

「すまん幽一、今回ばかりは部長に同情するよ…。」

「!?」

 

イッセーにアーシアまで…!?俺は皆が理恵を助けることに反対していることに心を打ちのめされた。

 

「お願いですリアス部長…理恵を助けに行かせてください。俺は…理恵を信じる…!」

「貴方はあの子を信じているかもしれない。でも、私達にはまだ信用できないのよ。」

「!!」

 

俺はリアス部長の一言で怒りの表情を浮かべる。

 

「…もういい。そんなに反対するのなら、俺一人で行く!!」

『Invisible!』

「幽一!?」

 

俺はドライバーを出現させると、不可視の能力を発動して透明化する。そして壁をすり抜けて外に出ると、不可視を解除して目の紋章を展開する。

 

「来い、ピナ!」

『ギュルル!』

 

俺はピナを呼ぶと、バイクに入っていた発信機を体に付ける。そしつさらに霊術の構えを取る。

 

「五十嵐流霊術・透身付与!」

 

俺は霊術でピナを透明化の効果を付与する。これで普通の人にバレずに空からの探索が可能になる。

 

「理恵が捕まっている場所を探してくれ!」

『ギュル!』

 

ピナは了承すると、空を飛んで探索しに行った。すると部室のドアが開き、そこから皆が出てくる。

 

「幽一!」

 

俺はリアス部長の呼び掛けを無視してバイクを発進させた。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

俺は部長が幽一を呼び止めようとしているのを見た。だが幽一は部長の声を無視してそのまま発進してしまった。

 

「これ…あの時と同じ…。」

 

アーシアはそう呟いた。そう、俺がアーシアを救いに行った時と同じだ…。いや、少し違う…今回は本当に幽一だけが救いに向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「俺は自分の立場よりも、友情を大事にする。」

 

 

「俺はイッセーが一度死ぬ光景だけじゃない…それ以前にも他の人が死ぬ光景を見てきたんだ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は幽一が前に言った言葉を思い出す。あの理恵って奴は…余程幽一にとって大切な人なんだな…。

 

「部長、俺達も行きましょう!」

「…分かったわ。でも転移するのは幽一が目指す場所を特定してからよ。」

『それはオイラに任せな!ゴーストガジェット、出撃!』

 

ここでユルセンがそう叫ぶと、コンドルデンワー、バットクロック、クモランタン、ビートルラジオ、そしてウルフスコープが出発した。理恵が捕まっている場所を特定しに行ったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

俺は理恵がどこに捕まってるのかをモニターで確認しながらバイクを走らせる。ピナも空から探索してくれている。

 

「何処だ…?何処にいるんだ…?」

 

俺はそう呟きながら探索していると、モニターに反応があった。どうやらピナが見つけてくれたらしい。俺は一旦何処かにバイクを停車すると、モニターを確認する。場所は…廃工場か!ナイスだ、ピナ!

俺はモニターで廃工場に目的地を設定すると、再びバイクを発進させようとした…。

 

 

 

ブォォォォォォン!

 

 

 

しかし、何者かが俺の前に立ち塞がった。そう、駘悟だ。駘悟はマシンフーディーから降りると、ドライバーを展開した。俺もバイクから降りていつでも変身できる準備をした。

 

「駘悟、今はお前に構ってる場合じゃないんだ!」

「行かせると思うのか?」

「急がないと、理恵が…!」

「人のためか…だからお前は甘いんだ!」

 

駘悟はそう言うと、スペクターアイコンを取り出してドライバーに装填した。俺もオレアイコンをドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

『アーイ! バッチリミロー!』

「「変身!」」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、スペクターに変身した駘悟に突撃する。

 

「お前は何故あいつを助けに行こうとするんだ?」

「理恵はな、一度は堕落した俺を救ってくれたんだ!」

 

俺は駘悟と鍔迫り合いをしながら会話する。俺のガンガンセイバーと駘悟のガンガンハンドがぶつかり合って火花を散らしている。

 

「駘悟、俺は5年前父さん達を殺されて、それで周りから酷い差別を受けてきた。俺も駘悟と同じく、一時は地獄を生きてきたんだ!」

 

俺は駘悟に自分も地獄を生きてきたことを主張する。

 

「お前は幽一じゃない。お前が竜彦さん達のことを喋る資格はない!」

「うっ…!」

 

駘悟はそう切り捨てて俺を吹き飛ばした。

 

「くっ…けど、ここで退く訳にはいかないんだ!俺は絶対に…理恵を救いに行く!」

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを分割して二刀流にする。

 

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

駘悟はツタンカーメンゴーストを纏うと、コブラケータイをガンガンハンドと合体させて鎌にした。

俺は二本の刀を振り下ろすが、ガードされてしまう。

 

「時間がないんだ、駘悟!そこをどいてくれ!」

「黙れ!」

 

俺は駘悟にそう言うが、駘悟は容赦なく鎌を振り回して攻撃してきた。

「おらぁ!」

「うわっ!?」

 

俺は駘悟からのダメージを受け、怯んでしまう。くそ、こんな事してる場合じゃない…早く助けに行かないと…!

駘悟は鎌をドライバーにかざした。

 

『ダイカイガン! オメガファング!』

「はああっ!」

「うわあああああああ!!」

 

俺は駘悟の攻撃をまともに喰らってしまい、吹き飛ばされる。俺はすぐに立ち上がろうとするが

 

「おらぁっ!!」

「ぐふっ…! がはっ…!」

 

駘悟の容赦ない攻撃を受け続けてしまう。くそ…こんな事…駘悟と戦ってる場合じゃないのに…!

 

「お前はクズだ。お前には何も守れはしない!」

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

 

 

俺はその駘悟の一言でSEEDが発現した。

 

「どけよ…。」

「何だと?」

「どけって言ってるだろうが!!」

「っ!?」

 

ぶち切れた俺は駘悟に零距離で剛龍波弾を撃ち込んで吹き飛ばす。

 

「五十嵐流霊術・魂鎖呪縛陣【包】!」

 

俺は霊術を発動すると、霊力で作られた鎖で駘悟の全身を包んで拘束した。

 

「貴様…!」

「ごめん駘悟…時間が無いんだ…!」

 

俺はすぐにマシンゴーストライカーに乗り、理恵が捕まっている場所まで急ぐ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

理恵side

 

 

 

「………。」

 

私は昨日の夜、謎の男と拘束眼魔によって人質になってしまった。私は廃工場の一本の柱に縛り付けられていた。

 

「ははは…いいザマだな。」

「…。」

 

拘束眼魔は私の姿を見て嘲笑っていた。幽一君…。私は別れたはずの恋人の名前を心の中で呼んだ。

 

 

「理恵!!」

 

その時、私の名前を呼びながら一人の青年がやってきた…それは、紛れもなく幽一君だった。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は廃工場の前でバイクを停車させてから降りる。

 

「ぐっ…!」

 

俺は先程の駘悟との戦闘で大ダメージが蓄積したのか、少しよろめいてしまったが、そんな事はどうでもいい。あの中に理恵が捕まってることは確かだ。

俺はその傷ついた体のまま、廃工場の中へ入った。

 

「理恵!!」

 

俺の視界には、一本の柱に縄で縛り付けられている理恵。そして隣で嘲笑っている拘束眼魔がいた。

 

「幽一君…!」

 

理恵が俺の名前を呼んだ。見た感じ、縛り付けられているだけで何もされてはいないらしい。

「ようやく来たか…!」

「お前…命を何だと思ってるんだ!?」

 

俺は理恵を拘束した拘束眼魔に怒りの表情を露にしながら幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を展開し、オレアイコンを取り出す。

 

「…うっ…!?」

 

しかし、大ダメージの影響で身体が痙攣してしまい、オレアイコンを落としてしまう。

 

「ははは…まともに戦えない身体で来たのか。何とも無謀な奴だ。」

「幽一君!」

「うっ…くそ…!」

 

くっ…身体が…言うことを聞かない…!俺はダメージのあまり動けない。

 

「ははは…さて、そんな状態で動けるか?まぁ動いたらこいつが…ふんっ!」

「きゃっ!?」

「!?」

 

すると拘束眼魔は手に持っている鞭で理恵の隣にある柱を粉砕した。くそ、未だに身体が痙攣してやがる…!だけど今動いたら理恵が…!

 

「まぁ、貴様が持っている英雄アイコンを全て寄越せば、こいつを解放してやってもいいさ。」

 

拘束眼魔は嘲笑いながら俺の持つ全ての英雄アイコンを要求してきた…何て嘘だらけの要求だ。俺が渡したところで理恵を解放してもらえる保障はない…。

俺は全ての英雄アイコンが入った袋を取り出す。

 

「さぁ、どうする…?アイコンを取るか、それともこの女を取るか?」

「…」

 

拘束眼魔はそう言いながら理恵に鞭を突きつける…もう、考えてる時間はない…!

 

「…分かった。」

 

俺はそう言ってアイコンの入った袋を拘束眼魔に投げ渡した。

 

「ふふ…!」

 

拘束眼魔はアイコンの入った袋を掴んだその時

 

『ギュルルル!』

「!?」

 

別の入り口から飛んできたピナが拘束眼魔に飛びかかる。俺はその隙に痙攣した身体に鞭を打ち、オレアイコンを拾ってドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はその傷ついた身体でゴーストに変身する。

 

「はああああっ!」

「ぬぉっ!?」

 

俺は拘束眼魔に向かって突進して突き飛ばす。その際、拘束眼魔が持っていた袋が手元から離れた。

それをピナがキャッチして、俺に渡してくれた。

 

「ありがとうピナ。」

『ギュル!』

 

俺はアイコンの入った袋をポケットに入れると、理恵のもとへ駆け寄る。

 

「助けに来たぜ。」

「幽一君…私…。」

「気にするなよ、お前が無事なだけよかったよ。」

 

理恵はその瞳に涙が溢れていた。俺はそう言って理恵を宥める。

 

「じっとしてて。すぐにその縄を切るから。

 

俺はそう言うと、ガンガンセイバーを装備して縄を切る。

「…あ、あれ…?」

「どうしたの?」

「この縄、切れないぞ…!?」

 

しかし、その縄はなかなか切れなかった。何だよこの縄、切れ目一つ付かないぞ?特殊な防刃繊維で出来てるのか…!?

俺はなかなか切れない縄を何とかして切ろうとする。もしかして、ガンガンセイバーの刃じゃ切れないのか…?だったら幻霊滑刀で…。

俺は右手に霊力を集中させて幻霊滑刀を生成しようとしたその時

 

「!?…幽一君後ろ!」

「っ!?」

 

俺は理恵に言われてすぐさま後ろへ振り替える。

 

「ふんっ!」

「うわっ!?」

 

既に態勢を立て直した拘束眼魔が鞭を振り下ろしてきた。俺は縄を切ることに必死だったため、これを喰らってしまった。

「よくもやってくれたな、生かして帰さん!」

「ぐっ…うっ…!」

 

拘束眼魔の攻撃を受けて吹っ飛ばされ、ガンガンセイバーを手放してしまった俺は立ち上がり、幻霊滑刀を生成しようとするが、身体が痙攣した影響か霊力を集中させることが出来ない。やっぱり駘悟との戦いが原因か…!

そうしている間にも、拘束眼魔はこちらに向かって走ってきた。

 

『ギュル!』

「ええぃ!邪魔だ!」

『ギュルッ!?』

「ピナ!」

 

ここでピナが拘束眼魔を足止めしようとするが、鞭で叩き落とされてしまった。

 

「でえぃ! どりゃあ!」

「っ…!」

 

そして俺は身体が動かない中、拘束眼魔の鞭攻撃を喰らい続ける。

 

「幽一君…もういいよ!私に構わず逃げて!!このままじゃ…幽一君が…!」

「逃げれるかよ…!このまま引き下がれるかよ…恩を、仇で返せるかぁぁぁああああ!!」

「ぬっ!?」

 

たとえ身体が傷だらけでも、恩は恩で返したい!俺は力を振り絞って拘束眼魔に右拳を叩きつける。だが、満身創痍の俺にはこれが限界だった。

俺はそのまま立て膝をついてしまう。

 

「でぇぃ!」

「ぐふっ…!」

 

そしてそのまま蹴飛ばされてしまった。

 

「終わりだな。だが貴様を殺すのは後だ。まずは…。」

「…っ!」

 

拘束眼魔はそう言うと、理恵に目を向けた。あいつ…理恵を先に殺す気だ…!拘束眼魔は鞭を構えると、理恵に向かって走り出した。ぐっ…動け…俺の身体…!俺はアイルトンアイコンをドライバーに装填すると、すぐにハンドルを操作する。

 

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

 

俺はアイルトンゴーストを纏うと、すぐに走り出す。

 

「あの世へ逝け!!」

「…っ!」

 

拘束眼魔は今にも理恵に向かって鞭を振り下ろそうとしていた。

 

「うおおおおおおお!!!」

 

俺は考えるの放棄して走る。そして拘束眼魔と理恵の間に入り込もうとする。今まで俺は誰かを守り切ることが出来なかった…だけど、理恵だけは…絶対に…俺が守り切ってやる!!

 

 

 

 

 

「ふんっ!!」

「ぐはっ……!」

「!」

 

その瞬間、俺の身体に衝撃が走った。強力な鞭で打たれた感覚だ。だけどこれでいい。間に合ったのだ。俺は力を振り絞って霊力を右手に集中させる。

「五十嵐流霊術・幻霊滑刀!」

「ぐわっ!?」

 

俺は幻霊滑刀を作り出し、それで拘束眼魔を斬り上げて吹き飛ばす。そして俺はそのまま理恵を拘束している縄を切断した。

 

「あ…。」

 

その瞬間、俺は糸が切れたかの如く力が抜けてその場に倒れ、変身も解除された。そこへ自由の身になった理恵が俺の身体を支える。

 

「幽一君…どうして…?」

「いいんだよ。お前が無事でよかったよ…。」

 

俺は全身ボロボロで満身創痍な中、微笑みながら言った。理恵は思わず涙を何粒も流し、その涙が俺の顔に落ちていく。

するとその時、紅い魔方陣が展開され、そこからリアス部長達が転移されてきた。

 

「幽一!」

「おい、大丈夫か!?」

「…皆…。」

 

俺のもとへイッセー、リアス部長、アーシアが駆け寄ってきた。アーシアは聖母の微笑【トワイライト・ヒーリング】ですぐに俺の傷の回復を行う。

 

『…ギュルル…。』

「…ピナ…!?」

『どうやら、そこにいる眼魔の攻撃を受けたみたいだな…。』

すると、小猫が傷ついたピナを発見。俺たちのもとへ運んだ。ユルセンは拘束眼魔の方を見て言った。

 

「悪魔共が来たか…。ならまとめて始末するのみ!」

 

拘束眼魔はそう言って鞭を構える。木場と朱乃先輩も迎撃の構えを取った。その時だった。

 

「…。」

「…理恵…?」

『「「「「「「?」」」」」」』

「何だ?まずは貴様からか?」

 

突然、理恵は立ち上がると朱乃先輩と木場に代わって拘束眼魔の前に立った。

 

「幽一君は身を挺して私を守ってくれた…だったら今度は私が…幽一君は…私が守る!」

 

理恵がそう言った次の瞬間、理恵の周りに魔力で出来た球体が複数出現し、それらが理恵の体に纏わり付いた。すると理恵はあの時と同じくドレスと鎧を合わせたピンク色の防具を装着した。そして理恵は右手を頭上へ掲げた。すると理恵の頭上の空間が裂け、そこから一本の大剣が鞘に納められた状態で出現した。あの時のものと同じだ。

「来たれ、“回答者”の御名受けし光の魔剣よ。我が意思に応え、眼前なる敵に報復を……フラガラッハ!」

 

理恵がその大剣の名を叫ぶと、理恵の意思に応えるかのように大剣が鞘から抜け、理恵の右手に装備された。ケルト神話に登場する剣・フラガラッハ…確か、伝説だと太陽神ルーが持つ剣だったよな?理恵、いつの間にあんな代物を…!?

 

「フラガラッハだと…?はっ、そんな贋作でこの俺を倒せるとでも?」

「だったら、試してみる?」

 

理恵はそう言ってフラガラッハを構え、拘束眼魔に接近した。

 

「やぁっ!」

「うがっ!?」

 

理恵が放った一撃は拘束眼魔の腹部に命中した。直後、拘束眼魔は苦しみ出す。理恵は続けざまに攻撃を繰り出していく。

「くっ…調子に乗るなよ!」

「…っ!」

 

拘束眼魔は肩に備えられていた手錠を放ち、理恵の両手を拘束した。その際、フラガラッハが弾かれて地面に落ちた。

 

「手を封じてしまえばどうという事はない!死ねぇぇぇぇえ!!」

 

拘束眼魔はそう言って理恵に鞭を振り下ろそうとした。しかし拘束眼魔は気づいていなかった。地面に落ちたフラガラッハが自律で浮遊して拘束眼魔に向かってきてるのを…。

 

「ぐはっ…!?な、何…!?」

 

拘束眼魔はこれを受けて転倒した。フラガラッハは理恵を拘束している手錠を破壊すると、再び理恵の右手に装備された。

 

「精霊を甘く見たからよ!」

「ぐっ…!おのれぇ!」

 

拘束眼魔はその傷付いた身体のまま鞭を構えて捨て身の特攻を行う。

 

『キュル!』

「っ!?」

 

だが、そこへ再びカーバンクルが突然現れ、すぐさま障壁を展開して拘束眼魔を弾き飛ばした。

理恵はフラガラッハに魔力を込める。するとフラガラッハの刀身にとてつもないオーラが纏われた。

 

「これで終わりよ! はああああああっ!」

 

そして理恵はフラガラッハを振り、強力なオーラによる剣圧を飛ばした。

 

「ぐっ…!? うわあああああああ!!」

 

剣圧を受けた拘束眼魔は倒れ、そのまま爆散した。そして地面に鞭と眼魔アイコンが落ち、アイコンが砕け散った。

俺は理恵の戦いを見た後、激痛で気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ん?」

 

俺が再び意識を覚ますと、そこは俺の自宅だった。そうか…確か俺は眼魔の攻撃を受けて負傷して…。

俺は傷がまだ痛む中、身体を起こす。裸の上半身には包帯か巻かれていた。どうやら俺が気絶している間にアーシアが治療してくれたんだろう。

俺が目覚めた時には既に夜になっていたらしく、俺はとくに理由もなく夜空を見上げようとリビングへ移動する。ちなみにベッドの周りにはイッセー達はいなかった。帰ったんだろう。理恵も…おそらく自分の居場所に戻ったんだろうな…。そんな事を考えている間に、リビングへ着いた。

 

「……え?」

 

そこには、俺よりも先に夜空を見上げている理恵の姿があった。月の光に照らされた理恵の姿は、何とも凛としていた。

 

「目覚めたんだね、幽一君…。」

「なぁ、理恵が俺の自宅まで運んでくれたのか?」

「うん。」

 

どうやら理恵は俺を自宅まで運んでくれたらしい。どうして俺の自宅を知ってるのかは分からないが。

 

「幽一君…ごめんなさい…。私が油断しちゃったせいで、貴方が傷ついちゃった…。」

 

理恵は悲しげな表情になりながら言った。その瞳からは涙が溢れていた。

 

「いいんだ。お前が無事なら、これでいいんだ。」

「え?」

 

俺は理恵に歩み寄りながら言う。そしてその涙を右手で拭き取った。

 

「それに、お前には俺を堕落から救ってくれた恩があるからな。」

「幽一君…。」

「なぁ、もし良かったら…俺と一緒に住まないか?別に、無理にとは言わないけど「いいよ。」…?」

「私には…やっぱり貴方が必要だから!」

「!」

 

理恵は俺の質問に答えてくれた。理恵…。

 

「理恵、これからもよろしく頼むぜ。」

「はい!」

 




ED[方程式は答えない]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


理恵「初めまして!」

翌日、理恵が駒王学園へ転入してきた。

幽一「(なんだこのカオス…?)」

多少真剣な場面はあるものの、いつも通りなドタバタな学校生活を送る幽一達。

リアス「二人のデートを偵察するわよ!」

そんなある日、リアス達は幽一と理恵のデートに潜入することに。その際のリアス達の格好が…。そんなことに気にせず幽一と理恵はデートを楽しむ。

駘悟「殺してでも奪い取ってやる!」
幽一「駘悟ぉぉぉおお!!」

しかし、そこへアイコンと首飾りを奪い取らんと駘悟が強襲。理恵を巻き込んで猛攻を仕掛ける。これに対してとうとう幽一は…。

『ピラミッドは三角、王家の資格!』


次回[決別、哀しみの大鎌!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

決別、哀しみの大鎌!

テストが近いのが萎えて仕方がない。というのも、僕も受験生なので仕方ないのですが…。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとしてオカ部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。俺はかつての恋人・理恵を救った。そして理恵と同居することになった。
現在所有しているアイコンは…9つだ。」


OP[我ら思う、故に我ら在り](氣志團より)



幽一side

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして。私は日下部理恵と言います。」

 

ドーモ、読者=サン。五十嵐幽一です。眼魔から理恵を救ってから翌日、理恵がこの駒王学園に転入してきた。理恵から聞いたところ、どうやらリアス部長との話し合いでこの学園に転入することが決まったとのことらしい。

当然、男子達は大盛り上がり。中には

 

「ヒャッホォォォォオ!最高だぜぇぇぇえ!!」

 

と発言した者もいたらしい…あれ、それどっかで聞いた覚えが…?

ちなみに理恵の席は俺の隣らしい。その際、元浜と松田の視線が俺に集中したのは気にしないでおこう………。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一限目が終わり、俺は机からオカルト関連の雑誌を読んでいる。

 

「幽一君ってオカルト雑誌好きなんだね。」

「まぁな。」

 

そこへ理恵が後ろから雑誌を覗き込む。そういや、最近この雑誌読んでなかったな…。

ちなみにイッセーはというと、いつもの如く元浜と松田にボッコボコにされていた。あれ…こっちに視線を向けた…?

 

「あ、幽一てめぇ!!」

「何で理恵ちゃんと一緒に雑誌読んでるんだぁぁぁ!!」

 

やっぱりか…。元浜と松田はその場にイッセーを捨てると、こっちにやってきた。

 

「え?駄目なの?」

「ダメに決まってんだろうが!!」

「くそぉ…!何故オカルト&歴史マニアの幽一が…!!」

 

元浜と松田はそう言いながら悔しがっていた。ものすげぇ私怨に満ちてるけどな…。

 

「幽一君、これは…?」

「俺やイッセーにとってはほぼ普通だから気にするな。」

 

俺は理恵にそう言った。すると元浜と松田は理恵に近づく。

 

「なぁ理恵ちゃん、実は幽一には皆が大爆笑する程の恥ずかしい姿を晒す事があるんだよ。」

「その姿って?」

「もの凄いねg…」

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

 

「「うぐっ!?」」

 

俺は元浜と松田の首を強く掴む。

 

「よし、お前ら…ちょっと廊下逝こうか?」

「「うわー!暴力反対ー!!」」

 

元浜と松田は抵抗するが、俺は気にせずに廊下に引きずり込み

 

 

 

「ひでぶっ!」

「あべしっ!」

 

 

ピチューン!×2

 

 

 

 

そして二人のツボを突いてノックアウトさせた。全くこいつらは…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

放課後、俺達はオカ研の部室にやってきた。もちろん理恵も部室に来ている。理恵はリアス部長と向き合うようにソファに座っている。真剣故にその場の空気は重い。

 

「さて、貴女には色々聞きたいことがあるのよ。まず、貴女は何処から来たのかしら?」

「私は“精霊界”っていう、こことは違う世界から来たんです。」

 

理恵は自分が何処から来たのかを言った。これを聞いた皆は疑問を抱いた。ちなみに俺はそんなに疑問は抱かなかった。“精霊界”…理恵との別れの際に俺に言った世界だ。どんな世界かは分からないが、理恵の使い魔であるカーバンクルもあっちの世界の住民ということは分かっている。

 

「えっと、その“精霊界”ってどんな世界なんですか?」

「精霊や妖精、そして幻獣が住んでいる自然豊かな世界だよ。」

 

アーシアの質問に理恵が答えてくれた。なるほど…確かに精霊や幻獣と聞くと、自然のイメージが強いな。

「ねぇ、そこって理恵ちゃん以外にも可愛い精霊とk…イデデデデデデッ!?」

「…言うのは分かってました。」

 

小猫は呆れた表情をしながらイッセーの足を思いっきり踏みつけた。はぁ…イッセーは毎回それしか頭にないのかよ…。

 

「全く、お前も懲りないなぁ…。」

「だって理恵ちゃんがあんなにスタイル良いなら、その精霊界にも可愛い子がいる可能性が高いかもしれないじゃん!?」

『イッセー、それは理恵の“胸”を見て言っただろ?』

「ギクッ…!?」

 

ユルセンにあっさり考えを見抜かれたイッセーは額に汗を浮かべた。当然の如く、アーシアは頬を膨らませて拗ねていた。

 

「気を取り直して…もう一つ聞くわ。貴女が持つ魔剣・フラガラッハは何処で手に入れたのかしら?」

 

リアス部長が質問すると、理恵はフラガラッハを取り出した。

 

「これですか?私が散歩していた時に、道端に偶然落ちていたんです。」

「その魔剣が落ちていたのかい?」

「うん。いつ精霊界に落ちてきたかは分からないですけど…。」

 

理恵はフラガラッハの入手経緯を答えた。偶然落ちてた…?

 

「まぁとにかく、オカ研部員としてこれからよろしく頼むわ。」

「はい!」

 

リアス部長の一言に理恵は返事をした。そして理恵は俺に向けてにこやかなスマイルを送った。

 

「なっ!?羨ましいぞ幽一ぃぃぃぃぃぃい!!」

 

イッセーはまた俺に向けて嫉妬の感情を露にした。まぁ、これもいつもだから気にしない気にしない。何げに最近ドス黒いオーラを出してる朱乃先輩を除いてはな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

アッシュ様は右手で目の紋章を描き、そこから大量の眼魔アイコンをばら撒いた。

 

「雷堂寺、最近上手くいってないようだが?」

「少ししくじっただけですよ。」

「そうか…まあいい…。」

 

アッシュ様はそう言うと、そのまま何処かへ去っていった。私も英雄アイコンを集めるために歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

 

俺は正直言ってイライラが募っていた。あいつが幽一に似たことを言っているんだからな。許せない…一つ残らず奪ってやる…アイコンと首飾りを…!

俺は不機嫌な状態のまま歩き出す。すると、階段を降りてくる一人の男が見えた。

 

「またお前か。」

 

その男はこの前会った雷堂寺という男だった。

 

『お兄ちゃん。やっぱり、この人信用できない!』

 

沙耶も当然警戒を強めていた。

 

「まぁ、話を聞いて下さい。スペクターさん。」

 

雷堂寺は階段を降りながら言う。

 

「5年前、我々は眼魔世界へ行くための術符を研究してましてね…。あの頃、リーダーであった五十嵐竜彦は人間が眼魔世界へ行けるかどうか人体実験をしたがっていました。」

「竜彦さんが?」

「はい。でも、人体実験など許されるはずがありません。私達が反対したので、諦めたはずだと思ったんですがね…。」

 

竜彦さんが人体実験を…?そんな事はないはずだ…!

 

「あれは事故じゃないというのか?」

「それは分かりません。でも、術符を発動しない限りゲートは起動しないはずなんですがね…。」

 

雷堂寺はそう言った。そんな…竜彦さんが…。

 

「もしかして、五十嵐竜彦を尊敬してましたか?」

「…もう過ぎたことだ。」

 

俺はそう言って口だけは否定した。そしてその場から去ろうとする。

 

「アイコン集めは順調ですか?」

「貴様には関係ないことだ。」

「“妹さん”を生き返らせるんでしょう?」

 

頭に血が昇った俺は付いてきた雷堂寺を掴む。

 

「前に言った事を忘れたのか?今度妹のことを言ったら“お前を消す”と!!」

「五十嵐幽一は英雄アイコンを既に8つも所持していますよ。このままだと彼の方に願いを叶える権利が来てしまいますよ?」

「そんな事は絶対にさせない!」

 

俺は雷堂寺を突き放すと、そう怒鳴った。あいつが願いを叶えるだと…?幽一の偽者なんかに願いを叶えさせてたまるか!!

 

「もしかして、竜彦の息子だから手心を加えてるんじゃありませんよね?」

「何だと…!?」

「貴方も甘いですね。」

「俺が甘いだと…?幽一はあの事件で死んだんだ。あんな偽者に手心なんて加える訳ないだろ?俺は、俺の成すべき事をする!たとえこの町を滅ぼしてもな…!」

 

俺はそう言うと、その場から去る。俺は沙耶を蘇らせるために戦う…!

 

 

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

スペクターは残虐非道な事を言って去っていった。願いを叶えるためには、15個の英雄アイコンが必要…ですが、番外の眼魂【エクストラアイコン】に願いを叶える力などありません。ゴーストとスペクターのもつアイコンの一部は不要です。そうすると…。

 

「スペクターが4つ。ゴーストが5つ。そして…。」

 

私は呟きながら持っていたアタッシュケースを開ける。そこには黄緑、群青、桃、深緑、薄灰色の英雄アイコンが入っている。

 

「私が5個。ついにあと1つで15個が出揃いますよ

 

 

 

 

五十嵐竜彦。」

 

私は天国にいる竜彦に向けて言った。

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺達は自宅に帰宅し、夕食を取った。ちなみに理恵が料理を作ってくれた。彼女の料理はすごくうまかった。3年以来だな…理恵の手料理を食べたのは。

理恵は何しているかというと、タンスの上に並べられたアイコンを見つめていた。そういえば…理恵はアイコンについて何か知ってるかな?

 

「なぁ、理恵。」

「どうしたの幽一君?」

「アイコンについて、何か知ってる事はあるかな?」

「知ってる事…?」

 

俺が尋ねると、理恵はうーんと呟きながら考え始めた。

 

「…確か、英雄の魂が入ったアイコンを15個集めると、“何でも願いが叶う”って聞いたことがあるよ。」

 

理恵はアイコンについての情報を俺に言った。15個の英雄アイコン…ってことは、駘悟は自分の願いを叶えるためにアイコンを集めているのか。でも、駘悟の願いって何なんだろう…?

 

「でも、どうしていきなり…?」

「知りたかったんだ。駘悟が何のためにアイコンを集めているのかを。」

「そうだったんだ…。」

 

理恵は悲しげな表情で呟いた。

 

「俺はいつか駘悟と和解してみせる。」

 

俺は笑顔になりながらそう言う。すると、理恵も微笑みを見せてくれた。

 

「あの、幽一君…。」

「ん?どうしたんだ?」

「今度の休み、久しぶりにデートに行かない?」

 

理恵は俺に提案してきた。デートか…確かに久しぶりに行きたかったな。

 

「いいぜ。」

「ありがとう幽一君。」

 

理恵は笑顔でお礼を言った。そういや、服装はどうしよう…?とりあえず、明日ぐらいに買いにいくか。

そんなこんなで、俺はデートプランを考えてながらも駘悟と和解する方法も考える。

だが、この時の俺はまだ知らなかった。駘悟と“敵対する日”がもうそこまで近づいている事を…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そしてデート当日。俺と理恵は自宅を出ると、駐車場へ向かう。俺の服装はオレンジ色のシャツの上に黒色のパーカー、紺色のジーンズという組み合わせだ。そして首には父さんの形見である龍の首飾りを着けている。一方、理恵の方はピンクのTシャツに白いミニスカートという組み合わせだ。

「ようやく来たね、デートの日が。」

「そうだな。」

「今日は、存分に甘えてもいいかな?」

「いいよ。久しぶりのテートだし、存分に楽しみに行こうぜ。」

「うん♪」

 

久しぶりのデートなのか、理恵の視線がいつになく色っぽかった。まぁ、いいか!

駐車場に着き、俺と理恵はヘルメットを被ってからバイクに乗る。理恵はバイクから落ちないように両手で俺の体に掴まる。

俺はバイクを発進させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

 

 

「…まだ来ないわね。」

 

俺達は現在、町の駐車場付近の電柱で幽一達が来るのを待っていた。どうやら部長が幽一と理恵ちゃんのデートを偵察するという提案をしたらしい。だけどよ…。

 

「部長、なんでこの衣装をチョイスしたんですか?」

 

そう、俺達は何故か○○松さんみたいな格好をしていたのだ。ちなみにこれ、部長が通販サイト[NAMAZUN]で発注したものらしい…。俺と部長はもちろん、姫島先輩、アーシア、木場、そして小猫ちゃんもそんな格好をしていた。部長は赤、姫島先輩は黄、木場はピンク、アーシアは緑、小猫ちゃんは紫、そして俺は青色の服を着ている。そして全員カツラを被っている。もちろん○○松さん仕様の。

「私達が偵察していると悟られないためよ。」

「無理あり過ぎですよ!?」

 

こんな怪しい格好したら幽一達にすぐバレますって!しかも何げに姫島先輩からもの凄い殺気が出てるし!?

 

「…姫島先輩、その殺気を押さえて下さい…。」

「あらあら、うふふ…。小猫ちゃん、私は至って普通ですわよ。」ゴゴゴゴゴゴ…

 

小猫ちゃんも額に汗を浮かべながら言うが、姫島先輩は普通だと言った。怖ぇぇぇぇぇぇぇぇ!?全然普通じゃないですよ姫島先輩!めっちゃオーラがゴゴゴゴって言ってるし…。

 

「こ、これは不安になってきました…。」

「…!幽一君達が来ました。」

 

アーシアが不安になっている中、木場がそう言った。すると幽一と理恵ちゃんがバイクに乗って現れ、そのまま駐車場でバイクを停めた。そして幽一と理恵ちゃんはお互いの手を繋いで歩いていった。

 

「行くわよ!二人のデートを偵察するわよ!」

 

俺達は部長の一言で行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と理恵はファッション店が多く並ぶ通りを歩いている……リアス部長…そっちの存在もうバレバレですからね。だってカツラからちょこっと紅髪はみ出てますし、第一その抜群なスタイルに○○松さんの服は絶対合わないですよ…。まぁ、それはリアス部長に限ったことじゃなく、アーシアも金髪はみ出ちゃってるよ。そして一番目立つ点は…。

「ふふふふ……!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

朱乃先輩、貴女ですよ…(汗)。今日の日に限ってもの凄いドス黒いオーラ出してるし…。通りでイッセーの嫉妬が影に潜めている訳だよ…もういいや、無視しよう。

 

「ん?どうしたの?」

「いや、何でもないよ。」

 

理恵は気になったのか声をかけてきたが、俺は問題ないと返した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どう?似合うかな?」

「うん、似合ってるよ。」

 

俺と理恵は今、ファッション店をまわっている。そこで理恵がワンピースを試着していた。結構似合ってるな。

そして次は和風の衣装が売っている店。俺はそこで黒い和服を試着する。

 

「どうかな?」

「うん!すごく似合ってる!」

 

理恵は俺の和服姿を見て絶賛した。まぁ、寺生まれだからという理由もあるけど、俺って和風系男子で確定なんだな。

それから俺達はある程度ファッション店をまわり、イタリアンのレストランに寄って昼食を取った。その後、ゲームセンターでシューティングゲームやUFOキャッチャーをプレイしたり、プリクラで写真を撮ったりした。うん、二人でプリクラを撮るのも本当に久しぶりだ。

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

 

 

俺達は幽一と理恵ちゃんの二人を尾行し、現在ゲーセンにいる。それにしても、やっぱりこの格好(○○松さんコス)は周りの視線が痛い…。

 

「もう幽一さん達にも感づかれていると思います…。」

 

アーシアはそう言った。まぁ、この格好から既に気づいてるけども…。

 

「あれ?リアス達じゃないか。」

「!?…ソ、ソープ!?」

 

すると、何故かソープ先輩と佳菜先輩が俺達のもとへやって来た。ちょっ…これは幽一達に気づかれる…!

 

「あ、朱乃?どうしたの…?」

「何でもないですわ。」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「…リアス、今日の朱乃は何時になく病んでるな。(汗)」

「ええ…。(汗)」

 

姫島先輩が病んでる事を指摘するソープ先輩、それに答える部長も汗を流していた。まぁ、そうなるよね…。

 

「ところで、お前らは何してんだ?そんな何処かの6つ子みたいな格好して…。」

「幽一達のデートを偵察してるのよ。」

「え?…あ、本当だ。幽一と…前に転入してきた理恵ってやつか?」

「ええ。」

 

部長はソープ先輩の質問に答えた。すると、幽一達が移動を始めた。

 

「移動し始めたわ…追うわよ。」

 

俺達も部長の指示に合わせて移動する。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

幽一side

 

 

 

ゲーセンで一通り遊んだ後、俺と理恵は再びバイクに乗り、河川沿いの公園までやってきた。そして【駒だこ】の屋台の前で停車した。屋台ではおばあさんがたこ焼きを焼いていた。ちなみにこのおばあさんの名前は“駒井文香”さん。駒王町の人々からは“フミ婆”と呼ばれて親しまれているらしい。

 

「おお、幽一君じゃないか。後ろにいるのは、彼女かい?」

「はい。」

「理恵っていいます。」

「へえ~、理恵ちゃんと言うのかい。幽一君、いつの間に彼女をつくったんだい?」

「だいぶ前に。色々あったんですけどね。」

 

俺達はフミ婆との会話を楽しむ。フミ婆は楽しそうな表情でたこ焼きを箱に入れていく。

 

「はい、たこ焼き二人分だよ。」

 

俺と理恵はフミ婆からたこ焼きを受け取ると、たこ焼きを一つ頬張る。

 

「美味しい~!」

「喜んでくれて何よりだよ。」

 

理恵もフミ婆が焼いてくれたたこ焼きを絶賛した。やっぱりたこ焼きはうまいな。そういえば、小さい頃に俺も駘悟と沙耶ちゃんと一緒に近所のたこ焼き屋行ってたな…。もし駘悟と和解できたら、沙耶ちゃんと一緒に【駒だこ】へ行けるかな?

俺はそんな事を考えながら、たこ焼きを食べた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「楽しかったね。」

「ああ。」

 

【駒だこ】でたこ焼きを食べた後、俺と理恵は夕日が差し掛かる高台にいた。俺と理恵はそこにある一台のベンチに座って夕日を眺めていた。

 

「ねぇ、幽一君。」

「何だ?」

「あの日のとき、私達まだ…“キス”をしてなかったよね?」

 

理恵はそう言った。あの日…俺と理恵が一時別れた時の話か…にしても、いきなりストレートに来たな。まぁ、周りに人はいないからいいけど…。

 

「た、確かにしてなかったけど…。」

「じゃあ…今しちゃお…?//」

 

理恵は頬を赤らめながら言ってきた。俺は正直言って動揺していた。もしこのキスしているところをリアス部長達に見られたらやばいと思っているからだ。特に朱乃先輩に見られたら…それはそれは恐ろしい事になるだろうな…(汗)。けど、リアス部長達はまだ来ていない。そして理恵の目は…その瞳は俺を純粋に愛している目だ。しかもデートでこの場面は、キスしないといけない場面だ。だったら………キスするなら…………今しかないだろ。

 

「…リアス部長達が来る前に済ませちゃおうぜ///」

「…うん///」

 

俺と理恵はお互い目を閉じ、ゆっくりと顔を近づけていく。少しずつ、少しずつ……お互いの唇の間隔が縮まっていく…。そして、俺と理恵の唇が重なー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォォオオオオオオン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

…らなかった。何故なら、バイクに乗った一人の青年が騒音を響かせながらこちらにやってきたからだ。俺と理恵はその騒音に反応し、すぐさま警戒する。そのバイク・マシンフーディーの持ち主と言ったら、もうあいつしかいない。

 

「…駘悟。」

 

そう、駘悟だった。駘悟はマシンフーディーから降りると、ヘルメットを外した。

 

「そんな所にいたのか。」

「なぁ駘悟、話を聞いてくれ。」

「お前に話すことはない。お前から全てのアイコンと幽一の首飾りを奪うだけだ。」

 

駘悟はそう言ってリチャードアイコンを取り出した。

 

「待ってくれ、駘悟!お前は何か問題を抱えているんじゃないのか?何か急いで成さなければならない深刻な事が…。」

「そんなもの、知ってどうするんだ?」

「俺も何か協力したいんだ。親友として!」

「幽一君…。」

 

俺は駘悟に協力を申し込んだ。理恵は俺が駘悟に説得する姿を後ろから見ていた。

 

「黙れ!お前を友と認めた事はない!お前からアイコンと首飾りを殺してでも奪い取ってやる!残る思いはそれだけだ!」

 

駘悟は容赦なく切り捨てると、ドライバーにリチャードアイコンを装填した。

 

『アーイ! バッチリミロー!』

「変身!」

『カイガン!リチャード!騎士道、勇猛、ライオンハート!』

 

駘悟はスペクターに変身すると、リチャードゴーストを纏う。そしてガンガンハンドを装備すると、それにライオンカメラを合体させた。くっ…やるしかないのか!?

 

「理恵、下がってて!」

「うん…。」

 

俺は理恵に下がるよう言うと、すぐにドライバーを出現させる。そしてニュートンアイコンを取りだし、ドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

 

俺はゴーストに変身すると、ニュートンゴーストを纏う。

 

「はあああっ!」

「ふっ!はっ!てやっ!」

 

駘悟は接近してくると、力任せにメイスを振りかざしてきた。俺は両手のグローブで一撃を受け止めると、そのままジャブを繰り出す。

 

「はっ! オラァ!」

「ぐっ…!?」

 

しかしこれを避けられ、駘悟に蹴りを入れられて怯んでしまった後、再びメイスによる攻撃を受けて吹き飛ばされる。駘悟はこちらに向かってくる。

 

「はあっ!」

「っ!」

 

俺は斥力で駘悟を弾き飛ばす。斥力で弾かれた駘悟はすぐに立ち上がると、ノブナガアイコンを装填した。

 

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

 

駘悟はノブナガゴーストを纏うと、ガンガンハンドからライオンカメラを外し、ポンプアクションで銃へ変形させた。

 

「シモ・ヘイヘ!」

『カイガン!シモ・ヘイヘ!極寒の狙撃、俺の距離!』

 

俺もシモ・ヘイヘゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを装備し、ウルフスコープを合体させて狙撃銃にする。

俺は駘悟との銃を撃ち合う。連射速度で言えば、こっちが不利だ。だけど威力ならこっちが上だ。駘悟が放つ銃弾を避けつつ、俺は精密にかつ素早くボルトアクションをして狙い撃つ。だが駘悟はその銃弾を容易く避けていた。それに対し

 

「ぐっ!…うわぁ!」

 

俺は駘悟の放つ弾幕を避けきれず、いくつか被弾してしまう。

すると駘悟は理恵がいる方向を向いた。

 

「…!」

「…次は貴様だ!」

 

駘悟は次に理恵に向けて照準を合わせた。

 

「まずい!」

 

俺はすぐに浮遊能力を利用して駘悟と理恵の間に割り込む。次の瞬間、駘悟が放った銃弾が全て俺に命中した。

 

「うわあああっ!!」

 

俺はその場で怯んでしまう。

 

「!?…幽一君、大丈夫!?」

「ああ…何とか…。」

 

理恵に怪我の心配をされながらも、俺は立ち上がる。

 

「駘悟、理恵を巻き込むな!」

「周りの奴は全て俺の敵だ。もちろんそいつもな!」

 

駘悟…いつの間に冷酷で残虐な性格にになったんだよ!?

 

「幽一君、私も戦う。」

「ダメだ。理恵は隠れるんだ。」

「フラガラッハを使えば、あの人を止められるわ!」

「確かに止めれそうだけど、フラガラッハは駘悟を殺しかねない!」

 

理恵はフラガラッハの使用を提案したが、俺はそれを止めた。フラガラッハの凄まじい力は、駘悟を止めるどころか本当に殺してしまう可能性があるからだ。

 

「でやぁあああ!!」

 

こうしている間にも駘悟は接近してきた。

 

「っ! 理恵、早く隠れろ!」

「はあっ!」

「ぐふっ…!」

 

俺は理恵に隠れるように言うが、駘悟に攻撃されて吹き飛ばされてしまう。その際、強制的にオレ魂になってしまう。俺は立ち上がろうとするが、駘悟に踏みつけられて動きを封じられてしまう。そして駘悟は引っ張ってきたマシンフーディーの後輪を俺の体に当て、そのままアクセルを捻った。

 

「くたばれ!」

「うわああああああああああっ!!」

 

マシンフーディーの後輪が高速回転し、俺の体を攻撃した。まるで電動ノコギリで削り取るかの如く。

 

「幽一君!!」

「がっ…ぐはっ…!」

 

俺は大ダメージの影響や、マシンフーディーが邪魔で動けなかった。理恵は隠れていた木から飛び出し、俺のもとへ行こうとした。

 

 

 

バキュン!

 

 

 

「きゃっ!?」

「…。」

 

それを駘悟は容赦なく銃弾を放った。幸いにも放たれた銃弾は後ろの木に当たった。駘悟は無言でガンガンハンドの照準を向ける。理恵に傷を負わせる訳にはいかない…理恵は俺が守る…!

 

「駘悟…理恵に手を出すんじゃない…!」

「何故お前はこんな奴を守ろうとする?」

「決まってるだろ…理恵は、堕落した俺を救ってくれたからだ…!」

 

俺は駘悟にそう言った。それでも駘悟は理恵に照準を向け続ける。

 

「駘悟…アイコンと首飾りはやるよ。だから……理恵に…手を出すな!」

 

俺は最終手段としてアイコンと首飾りをあげる条件に理恵に手を出さないよう駘悟に交渉する。すると駘悟はガンガンハンドを下ろし、こちらに視線を向けた。

 

「お前はアイコンと首飾りのために戦ってるんじゃないのか?」

「違う。理恵は俺の大切な人だ。それはアイコンや首飾りよりも大切な…かけがえのない宝物なんだ!」

「幽一君…。」

 

俺は駘悟にそう言った。理恵は俺の大切な恋人だからな…。

 

「…そうか。」

 

駘悟はそう呟くと、ノブナガアイコンを取り出した。そして

 

 

 

 

 

 

 

「だったら俺が砕いてやる!」

 

そう言ってパラケルススアイコンを取り出し、ドライバーに装填してハンドルを操作した。

 

『カイガン!パラケルスス!医学の科学、錬金術!』

 

駘悟はパラケルススゴーストを纏うと、再びガンガンハンドをロッドにした。

 

「でやっ!」

「うっ…!」

 

そして駘悟は理恵に攻撃を仕掛ける。

 

「何故だ…何故だよ駘悟!?」

「俺は成すべき事をする。そのためにお前とお前の“宝物”をぶっ殺す!」

「そこまでして欲しいのか?理恵を巻き込んでまでアイコンと首飾りが欲しいのか!?」

「言ったはずだ!俺はこの町を滅ぼしてでも願いを叶えるとな!」

 

駘悟は理恵を攻撃しながら外道かつ残虐な事を言った。駘悟…この下衆野郎…!!

 

「はっ!」

「きゃっ!?」

 

駘悟はガンガンハンドの手先から理恵に電流を流した。

 

「か、体が…動かない…!?」

「理恵!?…やめろ駘悟!」

 

どうやら駘悟は理恵に麻痺毒を流したらしい。俺は駘悟を呼び止めるが、駘悟は耳を貸さずにガンガンハンドをドライバーにかざした。

 

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

 

駘悟はガンガンハンドにエネルギーを溜める。

 

『オメガスマッシュ!』

「はあっ!」

「キャアアアアアア!!」

 

駘悟の容赦ない一撃は理恵を吹き飛ばした。理恵はそのまま近くの木に衝突して気絶した。

 

「ぐっ…ううっ…!理恵は…俺が守る…!」

 

こんなところで死んでたまるか…!理恵を死なせてたまるか…!俺は力を振り絞ってマシンフーディーをどかそうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

俺は理恵というやつを吹き飛ばした後、マシンフーディーの下敷きになっているあいつに向かって歩く。あんなやつを守るだと…?はっ、幽一の偽者の分際で…。

俺は錬金術でガンガンハンドの手先に猛毒を錬成する。そしてあいつの頭部にガンガンハンドの手先を置き、トリガーを引いて毒を流し込む。

 

「ぐっ!?うわああああああああああああ!?」

「これは致死量の毒だが即効性じゃない。ゆっくりと地獄を味わって死ね。」

 

俺は毒に苦しむあいつにそう言うと、理恵にとどめを刺そうを理恵のもとへ歩く。その時だった。

 

 

 

 

 

 

ガンッ!

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

突然、変な音が聞こえた。俺は振り向くと、そこには

 

 

 

 

 

 

 

「……。」

 

既に立ち上がっていたあいつの姿があった。その証拠にマシンフーディーが倒れていた。あいつの黒い複眼には紫色の禍々しい目が光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

俺は駘悟から受けた毒の影響でフラッシュバックした。そう、周りの者達から苛められ、虐げられ、果てには食物に毒を混ぜられた記憶を…。

そして今思い知った…もう、駘悟は親友じゃない事を…!

 

「…そうかそうか、つまりお前は“そういう奴”だったのか…!」

 

俺の頭の中は怒りと憎悪で一杯だ。そして駘悟に対する思いは…殺意と哀しみだけだ。

 

「駘悟ぉぉぉおおおおお!!」

 

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

俺は叫ぶと、SEEDを発現させる。そして駘悟のもとへ瞬間移動し、強力なジャブを繰り出す。

 

「ぐっ!?」

 

駘悟はこれを受けて数メートル退くが、俺はさらに追撃する。

 

「うおあああああああああ!!」

「ぐっ!うわっ!?」

 

俺は怒りの連撃をお見舞いして駘悟を吹き飛ばした。その際、駘悟は強制的にスペクター魂になる。

 

「くっ…調子に乗るな!」

 

逆ギレする駘悟はツタンカーメンアイコンを取り出してアイコンをナンバリング状態にしようとした。

 

「なっ…!?」

 

しかし、ツタンカーメンアイコンは意思を持ったかのように駘悟の手元から離れ、俺のもとへやってきた。俺は構わずツタンカーメンアイコンをドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからツタンカーメンゴーストが現れた。駘悟のとは違い、一本角になっていた。俺はドライバーを操作した。

 

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

俺はツタンカーメンゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを装備して薙刀モードにする。そして駘悟からコブラケータイが勝手に飛び出し、ガンガンセイバーと合体。鎌の形状になった。

「貴様!」

「調子に乗ってるのは…お前だ!」

 

俺は駘悟にそう言うと、鎌で執拗に斬りつける。

 

「でやぁああああああ!!」

「ぐあっ!?」

 

俺は鎌をドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

「うおおおおおお!!!」

 

俺は鎌にエネルギーを溜めて構える。

 

『オメガクラッシュ!』

「はああああああっ!」

「うっ! ぐわっ!?」

 

俺は鎌から衝撃波を飛ばして駘悟を打ち上げる。そして鎌を投げ捨てると、ドライバーのハンドルを4回操作した。

 

『ダイカイガン!ツタンカーメン!オオメダマ!』

「はああああああああ!」

 

俺は高くジャンプして駘悟に飛び蹴りを放った。

 

「ぐわああああああああ!」

 

駘悟はこれを受けて落下し、変身が解除された。俺も着地して変身を解除した。

 

『オヤスミー』

 

すると、コブラケータイが俺のもとにやってきた。俺はツタンカーメンアイコンを背中に乗せると、コブラケータイはそのまま駘悟のもとへ戻った。

 

「くっ…!」

「駘悟…お前に何があったかは分からない。けどな、一つだけ言いたいことがある。」

 

俺はその荒い口調のまま言う。

 

「もうお前は“親友”じゃない!れっきとした“敵”だ!」

 

俺は駘悟との決別を言い放った。すると、駘悟は立ち上がると、マシンフーディーを起こした。

 

「ふん、元々お前を親友と思ったことはない。」

 

そう言うと、駘悟はヘルメットを被り、そのままマシンフーディーに乗って去っていった。俺は理恵のもとへ近づく。

 

「…幽一君。」

「理恵、大丈夫か…?」

「…ごめんなさい、また私のせいで…。」

「…。」

 

俺は理恵の悲しげな口調に心を痛めてしまう。

 

「幽一!」

「おーい、幽一!」

 

すると、リアス部長達がやってきた。そして何故かソープ先輩と佳菜先輩までいた。

 

「どうしたんですか、その傷は!?」

 

アーシアは俺達の傷を見て、すぐさま神器で治療を行う。

 

「…また駘悟の強襲だ。」

「スペクター!?」

「またあいつか!」

 

リアス部長とイッセーは駘悟に対する怒りを露にしていた。正直言って俺もだ。

 

「…大丈夫だって!とことん向き合えば「いや、もういいです。」…!?」

「あいつは…もう親友じゃない。

 

 

 

 

 

“敵”だ…!」

 

俺はそう呟く。もう、駘悟に対して手心なんて加えない…!あいつなんかに、アイコンと首飾りを渡すものか…!

 

 

 

かつて、あんなに良かった俺と駘悟の関係は…もう無い。

 




ED[0 GAME](SPYAIRより)


ユルセン『ハイスクールD×G【GHOST】、新章突入!』


木場「これは…聖剣だよ…!」

オカ研メンバー全員はイッセーの家へ。その際、木場はある写真を見て…。

案山士「狙いは外すなよ…?」

幽一はソープ達と共にはぐれ悪魔討伐へ。

次回 act3
[憎悪、伝説の聖剣!]

その眼に、焼き付けろ!



カウント・ザ・アイコン

幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

雷堂寺:【?】?【?】?【?】?【?】?【?】?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

コラボ編 あんこう、果物、悪魔に幽霊、イグアナ、戦車にムササビ!?
前編 ~鎧武者と幽霊~


フルーツ大将軍さんのガイム&パンツァーとのコラボです。



テストが近い…。
そして俺の文力の無さに泣けてきた…。



 

 

一真side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、ヘルヘイムの森と呼ばれた異界の森。ここにはインベスと呼ばれる異形の怪物達が生息している幻想的な場所。所々に生えている実がその森の不気味さを掻き立てる。

その森に、俺たちはさまよっていた。

 

「また迷っちまったな…。」

 

俺はぼそっと呟く。俺たちは突然現れたクラックに吸い込まれ、再びヘルヘイムの森に迷い込んでしまったのだ。

 

「一真君、気にすることはないよ。だって今回は吸い込まれたからね…。」

 

一度、ヘルヘイムの森に入ったことがある沙織はそう言った。クラックは何回も見てきたが、吸い込まれるという事態はこれが初だからな…。

 

「それにしても、ここがヘルヘイムの森ですか…。すごく不気味ですね。」

「天子さん達もいれば心強かったんですけどね…。」

 

優花里と華がそんなことを言っていた。そう、今回は天子達は同行していない。だからまともに戦えるのは俺一人だけになる。

 

「早くここから抜け出さないとね。」

「でもみぽりん、クラックはそう簡単に見つからないんだよ?」

 

みほの発言に、沙織は弱気な発言をした。確かにクラックはいつ開くか、そしていつ閉じるかは分からない。見つけ出すのは困難だ。俺はロックビークルを持ってるからそれで脱出できるけど、皆を置いていけるはずがない。

また俺のせいで……いや、とにかく早くクラックを見つけないとな。

 

「皆、あれ。」

「「「「「!!」」」」」

 

麻子が向こうを指差して言った。俺達がその方向へ目を向けると、そこにはクラックがあった。

 

「クラックです!」

「これで帰れますね!」

「よし、閉まる前に行こう!」

 

俺達は閉まる前に、クラックを通過した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

「インベス?」

「ええ、最近町のあちこちで出現している怪物よ。クラックという隙間から出てくるらしいのよ。」

 

俺たちはオカ研の部室でリアス部長からインベスという怪物について話を聞いている。

 

「だったら、俺たちが直接行ってぶっ倒せば…。」

「イッセー、あの怪物ははぐれ悪魔と違って昼夜問わず現れるのよ。昼にインベスと戦ったら、私達の正体がバレるわ。」

 

リアス部長はイッセーの発言にそう答えた。確かにオカ研のメンバーは“ほとんど”が悪魔だ。夜ならまだしも、昼という時間帯は悪魔の力が弱い。それに、昼に戦ったら悪魔の正体がバレてしまう可能性があった。

 

「だけど…。」

「だったら昼間は俺が戦いに行きます。」

 

俺はソファから立ち上がって言った。俺はメンバーの中で唯一悪魔ではないため、昼夜でも問題なくインベスと戦える。

「一人では危険ですよ!」

「けど、インベスという怪物が町で暴れたら、大勢の怪我人が出る。それだけは阻止したいんだ。人の命を見捨てる訳にはいかないんだ。これが俺だから…。」

 

アーシアが一人でインベスと戦うのは危険だと主張する中、俺はそう言った。人の命はどんなものよりも価値がある。それを見捨てるなんて出来ない。

 

「気持ちは分かるわ。でも単独で行かせる訳には…」

 

 

 

 

 

 

 

『ギシギシッ!』

 

すると突然、ランタン型のガジェット・クモランタンが部室にやってきた。昨日目覚めたらまた部屋に置かれていたやつだ。

 

「どうしたんだ?」

 

俺はどうしたか尋ねると、クモランタンは壁に映像を映した。その映像は、町の広場にクラックが出現し、そこから怪物が出てくる映像だった。姿はダンゴムシのような姿をしており、それぞれ赤、青、緑と色が分かれていた。

 

「もしかして、インベスか!?」

「もう現れたのか…!」

「…気持ち悪い。」

 

木場、小猫がそれぞれそんなことを言っていた。

 

「とにかく、今から行かないとまずいな…。部長、勝手ですけど行ってきます!」

「ちょっと、待ちなさい幽一!」

 

俺はリアス部長の制止を振りきって部室の壁をすり抜ける。そこから一気にフェンスを飛び越え、その近くに停めてある自分のバイクに乗る。そしてナビゲートを起動し、それに従って現場まで急ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

一真side ~3分前~

 

 

 

 

 

俺達は再び現れたクラックを通過し、ようやくヘルヘイムから抜け出せた。

 

「ねぇ、本当に学園艦に戻ってきたんだよね?」

「多分、そうだと思うけど…。」

 

戻ってきたにしては、なんか俺達が見た学園艦の町並みとは違うな…。本当に戻ってきたのか…?

 

「うーむ、もしかして陸に戻ってしまったってことは…。」

「ゆかりん、そんなことある訳「…いや、これはマジだ。」…えっ!?」

 

麻子が何かを見て言った。俺達はその看板を見る。

 

「く…駒王町…?」

「え、じゃあ私達…。」

「別の場所にやってきてしまいましたね…。」

 

俺達はショックのあまり驚きを隠せない。どうやら俺達は駒王町という場所にやってきてしまったらしい。けど、駒王町って町なんてあったか…?

 

「ど、どうしましょう?」

「とりあえずもう一回クラックを探して、それで別のクラックで学園艦に戻るしかなさそうだな…。」

「またあの森を辿るのかぁ…。」

 

優花里は慌てており、沙織も溜め息をついていた。くそ…クラックって言っても、いつまた現れるか分からない。たとえ探せたとしても、それが艦に繋がっているのかすらも分からない。どうすれば…?

 

 

ギュイーン!ギュイーン!

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

すると、俺のケータイのアラームが鳴り響いた。このアラーム音は、[クラック・インベス探知システム]だ。まさか、近くにインベスが…!?

俺はケータイを取ってクラックがどこに発生したかを確認する。すぐ近くだ!

 

「行くぞ!」

「あ、ちょっと一真君!」

「待って下さい西住殿~!一真殿~!」

「私達もいきましょう。」

「そうだね!」

「うん。」

 

俺達は一斉にインベスが現れた場所まで向かう。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

俺達が現場である広場に着くと、そこには大量の初級インベスがいた。

 

『グギャアア!』

『グギッア!』

「やっぱり、この町にもインベスが…!」

 

俺は戦極ドライバーを腰に装着し、オレンジロックシードを取り出す。

 

「皆、下がってて!」

「「「「「うん(分かりました)(分かったよ)(分かった)。」」」」」

 

俺はみほ達に下がるように言った。

 

「変身!」

 

俺はそう叫ぶと、オレンジLSを開錠した。

 

『オレンジ!』

 

続いてドライバーにオレンジLSを装填し、閉錠した。

 

『ロックオン!』

『アーイ! バッチリミナー!』

 

この時まで俺は知らなかった。俺の隣で誰かが変身の動作をしていたのを…。

俺はカッティングブレードを倒す。

 

『ソイヤッ!』

「変身!」

 

 

 

「…え?」

「え?」

 

俺はようやくその声に気付き、左に視線を向けた。そこには俺達とは違う高校の制服を着た青年がおり、その腰にはハンドルがついたお化けを模したベルトが装着されていた。ポーズからして変身する直後だった。そして俺の視界がオレンジアームズによって阻まれた。

 

『オレンジアームズ! 花道、オンステージ!』

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺は鎧武に変身した。そしてオレンジアームズが展開されて再び見えるようになると、その青年は黒いのっぺらぼうの姿になっており、その上に黒とオレンジのパーカーを模したお化けを纏うと、のっぺらぼうの顔が変○仮面に角が生えたような顔が展開された。

 

 

 

 

 

「「「「「「「えええええええええええええ!!?」」」」」」」

 

俺達は当然驚きのあまり叫んでしまった。

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

あ、ありのまま起こった事を話すぜ!俺がゴーストに変身していると、隣にいた青年にオレンジが降りてきて、青年がそのオレンジを被ったら、なんと仮面ライダーに変身しちゃったんだ。な、何を言ってるか分からないと思うが、俺も何が起きたかさっぱり分からない…!

 

「ゆ、幽霊を…纏った!?」

「オ、オレンジが…頭に…?」

俺は互いに指差し合いながら恐る恐る近づく。

 

「「お前誰だぁぁぁぁ!?」」

 

俺とそいつの言葉がハモッた。本当にこいつは誰なんだ?

 

『グギャア!』

「!?…はぁ!」

 

そんなやり取りしているか否や、一体のインベスがこちらに向けて光弾を放ってきた。俺はすかさずガンガンセイバーを装備し、光弾を弾いた。

 

「話は、後だな。」

「そうだな。今はこいつらを!」

「ああ!」

 

俺達はインベスに向けて突撃する。俺はガンガンセイバーでインベス達を斬りつけていく。

 

「はあっ!おりゃっ!」

 

一方、もう一人の仮面ライダー・ガイムは試製拳銃付軍刀を模した刀・無双セイバーと蜜柑を模した刀・大橙丸の二刀流でインベスを攻撃していた。

 

「二刀流か。だったら俺も…ムサシ!」

 

俺はその戦闘スタイルを見て、懐からムサシアイコンを取り出すと、ドライバーに装填してからハンドルを操作する。

 

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はドライバーから出現したムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを二つに分割して二刀流にした。

 

「ふっ!はあっ!」

「おらぁっ!」

『『『『グギャアアア!』』』』

 

俺とガイムはインベスを次々と倒していく。すると、クラックから新たに一体のインベスが出てきた。

 

『グオオオッ!』

 

それは先程と違い、青い体に枝角が生えたインベス・シカインベスだった。現れるインベスはこれで最後なのか、クラックは閉じた。

 

「なんだあれ?」

「気を付けろ、さっきのとは違うぞ!」

『グオオアッ!』

 

俺はガイムからの注意を聞いていると、シカインベスが俺に向けて突進してきた。

 

「ぐっ…!」

 

俺は防御するも、徐々に押されていた。だったら…!

 

「はあっ!」

『グオッ…!?』

 

俺は浮遊してシカインベスの突進を受け流した。シカインベスは勢いのあまり壁に角が突き刺さり、動けなくなった。

 

「はあああっ!」

『グオァッ!?』

 

俺はそのままシカインベスを吹き飛ばす。

 

「とどめだ、いくぞ!」

「OK!」

 

『ソイヤッ!イチゴアームズ!シュシュッと、スパーク!』

『カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発百中、ズキューン、バキューン!』

 

ガイムは今度はイチゴを模した鎧を装着した。俺はビリーザキッドゴーストを纏い、バットクロックを左手に持つ。そしてガンガンセイバーと合体させてライフルモードにすると、ドライバーにかざす。ガイムはイチゴLSをドライバーから外し、無双セイバーに装填した。

 

『ロックオン!イチ、ジュウ、ヒャク!』

『ダイカイガン! ガンガンミナー!ガンガンミナー!』

「これでとどめだ!」

「命、燃やすぜ!」

 

ガイムは無双セイバーにエネルギーを溜め、俺は照準をシカインベスに向ける。

 

『イチゴチャージ!』

『オメガインパクト!』

「「はあっ!!」」

 

ガイムは上に向けてイチゴ型のエネルギーを放った。そこから大量の苦無がインベスに降り注いだ。俺はライフルによる銃撃を放った。

 

『グオオッ…!』

 

シカインベスはこれを受けてついに爆散した。ようやく終わった。

 

「ふぅ…。」

「…。」

『ロックオフ』

『オヤスミー』

 

俺とガイムは互いに変身を解除した。それにしても、何でインベスがここに現れるようになったんだろう?

 

「なぁ、お前もライダーなのか?」

「ん?…ああ、そうだけど。」

 

先程、ガイムに変身していた青年が俺のもとに近づいてきた。

 

「そんな、ロックシードも使わずにどうやって…?」

「ロックシード…?俺はこれを使って変身したけど?」

 

俺はそう言ってオレアイコンを青年に見せた。

 

「…目玉?」

「まぁ、普通に見たらそうだろうな…。」

「ところで、お前の名前は何なんだ?」

「俺は幽一。五十嵐幽一だ。」

「俺は破神一真だ。」

 

俺と一真は互いに名前を名乗った。どうやらこの青年は一真というらしい。

「一真君!」

 

すると、向こうから5人の少女達がやってきた。そういえば一真と一緒にいたな……ん?

俺はやって来た少女の内、一真に声をかけた方の顔を見た。あの顔立ち……あいつに似て…

 

 

 

 

ピピピピピ

 

 

 

 

すると、俺のスマホの電話が鳴った。俺はスマホを取り出す。やっぱり相手はリアス部長だ。

 

「もしもし。」

『幽一!どこにいるの!?いきなり部室から飛び出して…!』

「あ、すみません…けど、インベスは倒しましたよ。」

『そう…。とりあえず幽一、今すぐ部室に戻ってきて頂戴。それと帰ってきたら……“分かってる”わよね?』

「ちょっ…部長…!?」

 

 

 

プツン!

 

 

 

通話が切れた。そうだった、無断で飛び出したからな………これは間違い無くタイキック喰らうな…。

 

「……。」

「ど、どうしたんだ?」

 

一真が俺の顔を見て尋ねてきた。俺の顔は現在、蒼白になっていた。

 

「…部長から今すぐ戻れと言われたんだ…。今から部室に戻らないと…。」

 

俺は一真に事情を話した。

 

「部室…?」

「この先に“駒王学園”って高校があって、そこの旧校舎に【オカルト研究部】って部室があるんだ。もし良かったらそこに向かってくれ。俺は先に行くよ。じゃあ、また後で。」

 

俺は一真達に駒王学園に向かうように伝えた後、再びバイクに乗って部室まで戻る。はぁ…お仕置きは勘弁だけど、仕方ないか…。

 

 

 

 

一真side

 

 

 

 

 

俺は幽一というやつから駒王学園に向かってくれと言われた。この町にもライダーがいるのか…くそ、これ以上ライダーを増やしたくないのに…!

 

「それにしても、あのライダーは見たことありませんね。ドライバーも違ってましたし。」

 

優花里の言う通り、あいつが装着していたのは戦極ドライバーじゃなかった。あの時見せてもらった目玉のようなアイテムがその証拠だ。

 

「そうだったね。なんか形が“お化け”に似ていたよね。」

「…ッ!」

 

すると、沙織の発言に麻子がまたビビリ出した。そうだった、麻子はお化け苦手だったな…。

 

「沙織、麻子がお化け苦手なの知ってるだろ…。」

「あ!ご、ごめん麻子!」

「あぁ……昼間にお化けが出るとは……世も末だ…。」

 

麻子のテンションが一気に下がってしまった。

 

「それよりも、先程言われた“駒王学園”というところに行ってみませんか?何か詳細が掴めるはずですから。」

「それもそうだな。」

 

華がそう言った。確かに行ってみれば帰れる方法が見つかるかもしれない。

 

「とりあえず、行ってみましょう。駒王学園へ。」

「ああ、行くぞ。」

 

俺たちは駒王学園に向けて歩き出す。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「…言われた場所は…ここだよね?」

「そのはずですけど…。」

 

みほと優花里は不安そうに会話していた。俺たちは幽一の言う通り、駒王学園という場所にやってきた。そして学園内を探している内に、古い旧校舎を見つけた。その一校舎の二階に【オカルト研究部】と書かれた看板が置かれていた。看板やフェンス越しに停めてあるバイクからしてここらしいが、本当なのかと俺達は不安に思った。

 

「……。」ブルブルブルブル

 

…特に麻子はもう顔が蒼白だ。しかも震えていた。

 

「それじゃあ、私が開けるね。」

「頼むぜ、みほ。」

 

俺が頼むと、みほがその部室のドアを開けた。すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えいっ!!!」

 

 

ベシィィッ!!

 

 

「いっだぁああああああああああ!!!?」

「「「「「「!?」」」」」」

 

俺達が目にした光景、それは先程会った幽一が紅髪の女性にタイキックされていたところだった……完全にガ○使じゃねぇか!?

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺はリアス部長からのタイキックを受け、その場で倒れて悶絶する。ああ……尻が死んだ…。

俺がタイキックを受けると同時に、部室の扉が開く音が聞こえた。俺は扉の方に視線を向ける。

 

「ん?……一真達か…。」

「幽一…何だその有り様は?」

「…見れば分かる…お仕置きされたんだ…。」

 

部室に入ってきたのは、先程会った一真達だった。こんな見苦しい光景を見せてしまった…(涙)。

 

「あら、幽一の知り合いなのかしら?」

「ああ、はい。インベスと戦っている時に会ったんです。そこにいる一真ってやつも仮面ライダーになって戦ってました。」

「仮面ライダー…?貴方が?」

「あ、はい。どうも…。」

 

一真はリアス部長の方を向くと、お辞儀しながら挨拶した。後ろにいる少女達もお辞儀をした。

 

 

 

 

 

一真side

 

 

 

 

 

俺達は幽一が言っていた部長さんらソファに座るよう促されると、ソファに座った。それにしても、部室にしては広すぎないか?どこか薄暗いし、オカルト関連のものが多く置かれている…。こりゃ麻子が怖がるのも当然だな。

ちなみに黒髪ロングのお姉さんが粗茶を差し出してくれた。

 

「じゃあ早速だけど、貴方達の名前を聞かせてもらっていいかしら?」

 

部長さんが俺達の名前を尋ねてきた。

 

「破神一真です。」

「西住みほです。」

「五十鈴華です。」

「武部沙織です。」

「秋山優花里です!」

「…れ、冷泉麻子だ…。」ガタガタガタガタ

 

俺達は自分の名前を名乗った。麻子は震えながら言っている。

 

「あらあら、その子はどうしたんです?」

「あ、麻子は怖い物が苦手で…。」

「…お化けは…早起き以上に…無理……怖い…。」

 

黒髪のお姉さんの質問に沙織がそう答えた。まぁ、部室内が…ねぇ…。

 

「私はリアス・グレモリー。この【オカルト研究部の部長よ。」

「私は姫島朱乃ですわ。」

「僕は木場祐斗。よろしくね。」

「…塔城小猫です。」

「私はアーシア・アルジェントと言います。」

「俺は兵藤一誠だ。」

「さっき会ったけど、改めて…俺は五十嵐幽一だ。」

 

リアスさんに朱乃さん、木場、小猫、アーシア、一誠、そして幽一か…。

 

「まず聞きたいことだけど、貴方達はどこから来たの?少なくともこの学園の者じゃなさそうだけど?」

「はい…。俺達は“大洗女子学園”という場所にいまして…。」

 

俺は自分達が所属している高校名を言った。

 

「“女子学園”?…もしかして男子は一真だけか?」

「はい、確かに一真君だけです。」

 

幽一の質問にみほが答えた。

 

「なにぃぃぃぃぃぃぃ!?畜生、羨まs…ぐべっ!?」

「黙ってろマジで…。」

「…はい…。」

 

それを聞いたイッセーが驚くが、すぐさま幽一が制裁した。まぁ、女子校に男子である俺が紛れているからそりゃおかしいと思うだろうな…。けど、イッセーは確実に“羨ましい”と言いかけたな…。

 

「ちなみにどうしてここに?」

「“クラック”に吸い込まれて、その後に別のクラックをくぐり抜けたらここに…。」

「“クラック”ですって!?…もしかして貴方、インベスやクラックについて何か知ってるの?」

「はい。」

 

リアスさんがクラックやインベスについて知ってるのかと尋ねてきた。

 

「もしかして、この町にも?」

「ええ。最近町に現れるようになったわ。」

 

やっぱり、この町にもヘルヘイムの侵食が…!くそ…!

 

「…」ガタガタガタガタガタ

「?」

 

すると小猫が、さっきから怯えっぱなしの麻子に近づく。

 

「…よしよし…。」

 

そして麻子の頭を撫で始めた。麻子は小猫の顔を見て赤面した……なんだろう、これ見るとなんかすごい癒されるような感覚が…。

 

「女子が5人もここに………ふへへへへ…。」

「!?」

「あ、あの…さっきから兵藤殿がこちらをガン見してるですけど…!?」

 

さっきからみほ達をガン見している一誠を見て、優花里がそう言った。

 

「おいイッセー、何ガン見をしてるんだお前は?」

「本当に申し訳ない。」

「謝る気無しだろこのバカたれ!」

「タコスッ!」

 

幽一が即座に動き、また一誠をシバいた。

 

「すまない、イッセーはどうしようもないくらいの変態でな…。」

「ちょっ!?それは酷いだろ幽一!?」

 

一誠はやっぱり変態だったのか…。しかも何げにみほ達の胸元を見てたし…。

 

「ねぇ、アーシア。」

「何ですか、沙織さん?」

 

沙織とアーシアが何やら会話していた。

 

「“彼氏”とかいる?」

「か、“彼氏”ですか!?」

 

沙織がそう言った途端、アーシアが酷く赤面した。沙織は恋話に興味があるからな…。

 

「あ、あの…わ、私…。」

「ん?」

 

 

 

 

 

「イッセーさんと住んでますから…。」

「…え?」

 

ええええええええええええ!?アーシアが、あの変態と同居!?これを聞いた俺達は驚きの表情を隠せなかった。

 

「そういえばつい最近、部長もイッセーの家に居候するようになったな。」

「ええ、幽一の言う通りよ。」

 

さらに幽一の口から驚きの一言がカミングアウトされた。まじかよ、リアスさんも一誠の家に!?羨ましいとか言ってるくせに、アイツの方がよっぽど羨ましいじゃねぇか!?

 

 

「朱乃さんは生け花の経験はあるんですか?」

「あらあら、うふふ。私は生け花の経験はないですわね。」

 

ちなみに華と朱乃さんは生け花についての会話をしていた。華もそうだが、朱乃さんも大和撫子のような容姿だな。

 

「部長、こんなに人入れて大丈夫なんですか…?」

 

木場が苦笑いをしながらリアスさんに質問した。確かに狭い感じがするな…。すると次の瞬間、リアスさんはこんな発言をした。

 

 

 

 

 

 

「てへぺろ☆」

 

 

 

 

ガッシャーン!

 

 

俺達は一斉にずっこけた。いや、てへぺろじゃないだろ!?

 

「!?…げふんげふん…えっと、次の質問いいかしら?」

 

リアスさんは咳払いすると、気を取り直して質問してきた。

 

「あ、はい。」

「続いてだけど、貴方はライダーに変身するようね。どうやって?」

「えっと、これを使いました。」

 

俺はそう言って戦極ドライバーとロックシードを取りだし、机に置いた。

 

「それは?神器【セイクリッド・ギア】かしら?」

「神器?これは戦極ドライバーといって、これにロックシードという錠前を使って変身するんです。」

 

俺は戦極ドライバーとロックシードの説明をした。

 

「うーん、神器とは違うようね…。」

「神器って何ですか?」

「そうね…説明するよりも見てもらった方が早いわね。幽一!」

「あ、はい。」

 

幽一は返事をすると、その“神器”を腰に出現させた。それは先程見たドライバーだった。

 

「これが俺の神器・幽霊の神帯【ゴーストドライバー】だ。それと…」

 

すると幽一はさらにポケットから例の目玉状のアイテムを取りだし、机に置いた。

 

「これは眼魂【アイコン】といって、英雄の力がこもったものなんだ。これを用いて変身するんだ。」

 

アイコン…英雄の力…。ロックシードよりも奇妙なものだな…。

置かれたアイコンは8つあり、その上部には武蔵やニュートンなどの英雄や偉人の名前が書かれていた…じゃあ、【GHOST】と書かれた黒いアイコンは何なんだ?

 

「次の質問だけど、今度はそこの貴女達に答えてもらうわ。」

「あ、はい。分かりました。」

「貴女達はどの部に所属しているのかしら?」

「“戦車道”に…。」

「「「「「戦車ぁ!?」」」」」

「あ、あらあら…(汗)。」

「…?」

 

みほが答えた瞬間、リアスさん、一誠、アーシア、祐斗、幽一が声を揃えて驚愕した。ちなみに朱乃さんは汗を流しながら苦笑いしている。小猫はリアクションが低い。

 

「貴女達、戦車を操縦してるの…?」

「はい!ちなみに私は装填手を担っております!」

「えっ!?」

 

優花里の発言にリアスさんはさらに驚いた。

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

俺達は半ば放心状態に近い。何せみほ達は戦車を操縦しているらしいからだ。一真が仮面ライダーってことよりも気になるわ。どこのガ○ダム乗りだよ…。

 

「おい幽一…この異様なミリタリー要素は…。」

「ああ、ソープ先輩達が聞いたら驚くだろうな。女子高生が戦車を操縦だぞ?」

 

俺はイッセーとひそひそ話をしていた。DVDでラ○ボーとかプラ○ベ○○ラ○アンとか見たけど、これはギャップを通り越してるんじゃないか…?

 

「…話を戻すけど、一真以外にライダーはいるのかしら?」

「はい…。今ここにはいませんけど…。」

 

一真は何処か悲しげな表情でそう答えた。何かあるのか?

 

「…ちなみに、リアスさん達はライダーなんですか…?」

「いいえ。」

「そうですか…。」

 

リアス部長がそう答えると、一真はほっと一安心したかのような表情をした。

 

「だったら、俺がこの町のインベスを倒します。」

「貴方まで一人で戦う気なの!?」

「だけど、俺がやらないと…!」

 

一真は悲痛な表情で言った。俺は一真の気持ちが分かってきた。誰かがやらないと…そんな顔をしていた。

 

「あの、部長。」

「何かしら幽一?」

「この町にもインベスが出現しているんですよね?だから俺は一真と協力してインベス騒動を早く終わらせて、一真達を元の場所に帰してあげたいと思います。」

 

俺はリアス部長にそう提案した。確かに単独て戦うのは危険だ。ならば俺を入れて二人で戦えばいいんだ。

 

「幽一…いいのか…?」

「何言ってるんだよ一真。初めて会ったといえども、俺達は仲間なんだ。」

「…でも。」

「心配するなよ。困った時はお互い様だろ?」

 

判断を渋る一真に俺は励ましの言葉を贈る。

 

「…ありがとう。」

「いいってことさ。部長、いいですよね?」

「…分かったわ。」

 

部長も了承してくれた。

 

「あの、一ついいですか?」

「何かしら?」

「私達はどこで泊まればいいんですか?」

 

ここで沙織がそう質問してきた。確かにそうだな、インベス騒動の解決や一真達を帰す方法を見つけない限りは一真達を宿泊させないとな…よし!

 

「よし、じゃあ俺の「俺のところに泊まっていってくれ。」…え、ちょっ…幽一!?」

 

俺はイッセーが言い切る前に言った。

 

「色々とすまないな、幽一。」

「ありがとうございます。」

「いいっていいって。」

 

一真とみほの言葉に、俺はそう言い返した。

 

「幽一!何でいきなり割り込むんだよ!?」

「お前の家に泊めたら一真達が色んな意味で大変な目に遭うからだよ。」

「…一理あります。」

「酷くね!?」

 

俺と小猫の発言にイッセーは涙目になった。あいつの考えは実に分かりやすいからな…。

 

「じゃあ部長、俺は一真達を自宅まで連れて行きますので…。」

「ええ、また後で。」

 

俺は部長にそう言うと、一真達を連れて部室を後にした。

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

俺は例の高台で町を見渡していた。数分前、俺は広場で一組の男女を見た。その中で一人の青年はアイツと共にインベスという怪物と戦っているのを見た。だが奴はアイコンではなく、果物が描かれた錠前のようなもので変身していた。あいつらは何者だ?

 

『お兄ちゃん。』

「どうした、沙耶?」

『あの人達、この町の人じゃなかった。』

「どういうことなんだ?」

『つまり、あの人達は別の世界から迷い込んだってことなの。』

 

沙耶はそう答えた。別の世界から…?なのに何故ライダーに変身したんだ?もしや、別の世界にもライダーがいるのか…?

 

 

 

 

 

 

「やぁ、スペクター。」

 

すると、俺のもとに一人の青年が現れた。茶色をベースとしたラフな衣装をしている。

 

「アッシュか…。」

「スペクター、こんなものを見つけた。何かに使えるだろう。」

 

そう言ってアッシュは俺に謎のUSBメモリを渡してきた。そのメモリは全体的に黒く、【J】というマークがついていた。俺はそのメモリを受け取ると、エジソンアイコンを取り出してアッシュに投げ渡した。

 

「これは…?」

「それは貸してやる。必要なんだろ?」

「ありがとう。だが君の目的がますます分からなくなってきたよ。」

 

俺はアッシュの言葉を聞かずにマシンフーディーに乗ると、ヘルメットを被り、エンジンを起動して発進した。

 





中編へ続きます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

中編 ~仲間~

コラボ中編です。テストで頭がパンクしています。こんなに長く書いたのは初めてです…。orz


幽一side

 

 

 

 

 

俺は一真達と一緒にアパートまでの歩いている。一真達を俺の自宅へ泊まらせるためだ。ちなみに俺はバイクを引きながら歩いている。あそこに置いておくと没収される可能性があるし、だからと言って一人で乗ってく訳にはいかないからだ。

 

「それにしても、俺と共に戦うライダーが増えて助かるよ。インベスとなると、さっきのように大量に出てくるんだろ?一人じゃ何かと厳しい戦いを強いられるんだよな…。」

 

俺はのんきにそう呟く。一人と言ってるが、これは嘘だ。夜間の場合はイッセーやリアス部長達と共に戦っている。だがイッセー達は悪魔だから一真達にバラす訳にはいかない。

 

「……。」

「一真…?」

 

 

 

「また…関係ない人がライダーに…!」

 

一真は悲痛な言葉で小さく呟いていた。そういえば、他にもライダーがいることについて会話してた時もこんな顔だったな…。なんだろう…みほ達もいるのにこのまま不穏な空気にするのは不味いな……。そういえば、もうすぐ昼だな…よし!

 

「…ねぇ皆、俺が知ってるたこ焼き屋の中で一番おすすめなところを知ってるんだ!俺の自宅行く前に寄って行こうよ!」

「え、いいんですか?」

「ああ、俺が全員分おごるからさ!」」

「おお、感謝します五十嵐殿!」

「そういえばもうすぐお昼でしたね。」

「ちょうどお腹空く頃だったからね~。」

「うん。」

「なぁ一真、お前もいいよな?」

「あ、あぁ…。」

「よし、行こう!」

 

俺がそう提案すると、みほ達は賛成してくれた。いつまでも暗いムードを続けると心を痛めるから、一旦気持ちを切り替える事は大切だ。そう、何としても明るいムードへ持っていきたいからな。

という事で俺達は一旦たこ焼き屋へ寄り道することにした。

 

 

 

 

一真side

 

 

 

 

 

俺は部室を後にしてからずっと自分を責めていた。また俺のせいで…幽一がライダーに…。

鈴仙や早苗、蓮子さんにメリーさんまでもライダーになってしまっているのに…もうこれ以上ライダーを増やしたくないのに……またライダーが一人増えてしまった…くそ!

俺の表情を見た幽一がムードを変えようとたこ焼き屋へ行こうと提案してきた。

俺は未だに自戒しながらも了承し、俺達はたこ焼き屋へ向けて歩き出す。

 

「…ん?」

 

その時、俺は立ち止まってある方向を向いた。そこには青と黒をベースとした服を着た青年が俺の方を見ていた。

あいつ…誰なんだ…?

 

「おーい、一真!」

「あ、悪い…!」

 

俺は幽一の声で気付き、皆のもとへ駆け出す。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

幽一に案内されて着いた場所は、河川沿いの公園にある【駒だこ】というたこ焼きの屋台だった。

「ここか?」

「ああ。俺も最近ここに寄ったばかりだけど、ここのたこ焼きはかなり旨いんだ。」

 

幽一はそう語りながら近くにバイクを停めた。幽一もここに寄るのは最近なのか…。

 

「いらっしゃい…おお、幽一君じゃないか。今日も来たのかい?」

「うん。今日はそこにいる人達と一緒に。」

 

幽一は屋台でたこ焼きを焼いているおばあさんと会話していた。

 

「おお、君達は他の高校の子達かい?」

「あ、はい。」

 

おばあさんの質問にみほが答えた。

 

「まぁ、皆若いことだねぇ。さて、たこ焼きは7人分かな。」

「はい。」

おばあさんは焼き上がった俺達の分のたこ焼きを箱に入れてくれた。

 

「はい、お待ちどう。出来立てだよ。」

 

俺達はおばあさんからたこ焼きを受け取る。そして俺達はたこ焼きを一つ口に入れた。

 

「うまい…!」

「「「おいしい!」」」

「なかなかいい味ですね。」

「…すごくおいしい。」

「だろ?寄った甲斐があったぜ。」

 

たこ焼きはかなりうまかった。この味は何処か懐かしく感じた。昔ながらの味ってやつか。

 

「それにしても、皆が仲良くしている所を見ると、とても心が和むねぇ。」

「え?」

「私は長い間たこ焼きを焼き続けているけども、やっぱり皆が楽しんでいる風景を見るのが一番の一時だと思うんだよ。」

 

おばあさんはにこやかな笑顔でそう言った。皆が楽しんでいるところか…。確かにいいもんだな。俺は皆のために戦ってるんだからな…!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

たこ焼きを食べ終えた俺達は、おばあさんにお礼を言ってからその場を後にし、再び幽一の自宅に向かう。みほ達は先程のたこ焼きの話題を話していた。さっきよりも空気が良くなってきたな。

 

「なぁ、幽一。」

「何だ?」

「お前は普段こんな感じなのか?」

「ああ。普段の日常はオカ研の皆と楽しく過ごしたり、辛い時はさっきのたこ焼き屋とかへ行って気持ちを切り替えてるのさ。中学の頃は荒れてたけど、ある事をきっかけに再び再起して、この町に来てから友達も増やすことが出来た。ライダーとして戦う事も背負わされてるけど、こうして心身を休めるのも、悪くはないと思うんだ。」

 

幽一は笑顔でそう答えた。あいつもライダーとして戦う役目を背負わされてる中、心身を休める術を見つけるってか……俺には、到底無理だな…。俺だけは…皆を守るために犠牲にならなければならない…たとえ皆に論されようとも…。

俺は表面上は微笑みを見せながらも、心では自責していた。

 

 

 

 

 

「一真!」

 

すると突然、前方から4人の少女達が走ってきた。幽一は誰なのかと首をかしげていたが、俺達はその4人が誰なのかがすぐに分かった。

 

「天子!衣玖!幽香!夜罪!」

「よかった…。一真達がいつまでも戻ってこないから探してたんだ。」

「比那名居さん達もあのクラックに?」

「ああ、クラックに吸い寄せられるなんて初めてだ。」

 

天子と夜罪はそう言った。天子達もあのクラックに吸い寄せられたんだ…。

 

「えーと…その四人は一真達の知り合いか?」

「そうだよ。あの四人も一真君と同じくライダーなんだよ。」

「え、そうなの?」

 

幽一の質問に沙織が答えた。

 

「お前は誰だ?」

「俺は五十嵐幽一だ。よろしくな。」

「この町に現れたインベスと戦おうとした時に偶然会って、一緒に戦ってくれたんだ。」

「一真と一緒に…?」

 

天子は俺の言葉を聞くと、今度は幽一の方を向いた。

 

「すまない、幽一。一真は単独で戦う事が多くてな…。」

「ああ、気にしなくていいよ。ところで名前は…。」

「あたしは比那名居天子だ。」

「私は永江衣玖よ。」

「風見幽香よ。」

「俺は五翠夜罪だ。」

 

天子達は幽一に名前を名乗った。

 

「なぁ、もしよかったら俺の自宅に来ないか?一真達と同じなら、泊まる所を確保した方がいいからさ。」

「いいんですか?」

 

幽一の発言に衣玖が尋ねた。

 

「もちろんだよ。念のために布団とかをストックしてあるんだ。」

「色々とすまないな、幽一。」

 

夜罪が礼を言った。本当に幽一は優しいんだな。

 

「よし、行こう!」

 

俺達は再び幽一の自宅まで歩き出した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

幽一side

 

 

 

俺は一真達を連れてアパートに到着し、俺の自宅の前までやってきた。ちなみにバイクはちゃんと駐車場に停めてきた。

 

「ここなんですか?」

「うん。」

 

優花里の質問に俺は簡素に答えた。俺は鍵を開け、ドアを開いて自室の中に入る。するとそこには

 

 

 

 

 

 

「ん?帰ってきたか。」

「何でまたおっちゃんがここにいるんだよ!!?…ってかユルセンまで何してんだよ!?」

『おろ?』

「“おろ?”じゃねぇよ!」

 

そこには何故かピンク色の変な全身タイツを着た仙人が踊っていた。しかも何げにユルセンまで…。“おろ?”ってどこの流浪人だよオイ。

 

「「「「「「「「「「お邪魔しm…………!?」」」」」」」」」」

 

後からやってきた一真達も仙人とユルセンの格好を見てドン引きしていた。しかも麻子に至っては涙目で震えていた。まぁ、ユルセンも幽霊だからな…。家の中に突然変な格好した人が入ってたらドン引きだろうな。

 

「幽霊は無理…!」

「ああ、麻子!落ち着いて…!」

「とりあえず、警察に通報した方が…。」

「五十鈴殿の言う通りです。今すぐ110番通報を…!」

沙織は逃げようとする麻子を止めたり、優花里と華は110番通報をしようとしていた。

 

「ちょっ!?…落ち着いてお嬢さん方!」

「その格好…もしかしてあんこう踊り用の衣装ですか?」

「お、知ってるのかい?そうなんだよ。今日これを買いに行ってね…。」

 

みほは仙人とユルセンが着ている衣装が“あんこう踊り”用のものだと発言した。なるほど、確かにタイツの一部にあんこうを模した装飾があるもんな。

 

「ちなみに“あんこう踊り”ってどんな内容?」

「あの全身タイツを着て踊るんですよ。」

 

優花里が俺の疑問に答えた。うわっ…もはや罰ゲームじゃんそんなの…。

 

「うわぁ……イッセーに続く変態が現れたな…。」

「な、何を言うんだ!?これが似合わないと言うのか!?」

「「「「「「「「「「『似合わない(似合いません)(似合わねぇよ)』」」」」」」」」」」

「…。」

 

満場一致で似合わないと言われた仙人はその場でorzの態勢になった。しかもユルセンはあのタイツを着といて仙人を裏切った。

 

「ところで仙人、何の用で俺の家に?」

「うん。その事なんじゃが、この町に別のライダーが現れるんじゃよ。」

 

仙人は立ち上がると、俺達にそう告げた。

 

「え…?それって一真達のこと?それならもうここに「いや、そこにいる者とは違う奴だ。」…え?」

「そいつはかつて、プロレーサーという夢を抱き、自分の夢に向かって頑張っていた。だがある日、一つの事件をきっかけに恋人を失い、精神的に打ちのめされてその道を閉ざした。そしてある日、異世界に吸い込まれて目覚めた場所は、一台の改造車。彼はその異世界でミニカーとブレス、喋るベルトを用いて変身した。戦いの中でそいつはこう言った。“脳細胞がトップギアだぜ”と。」

 

仙人は一真達とは違う別のライダーの話を語った。あいつは異世界に吸い込まれて、そこでライダーになったのか……ん、待てよ?そいつは“かつてプロレーサー”を目指していた”…?そして“ある事件で恋人を失った”……………?

まさか………仙人が言っているライダーっていうのは、“炎斗群進也”のことなのか…?

 

「…いや…そんなまさかな…。」

 

俺は仙人の言葉に頭の中で色々と考えていたが、そこから結論を絞り出した。いくら何でも、進也が本当にライダーになったとは限らないからな…。けど、進也の恋人の恋人って誰だったんだろろう?………もしや、“あの事件”の時に俺の隣で手を振っていた少女のことか…?もしそうだとしたら、あいつは……。

 

「なぁ、おっちゃん………あれ?」

 

俺達が気づくと、いつの間にか仙人はいなくなっていた。また勝手に消えたよ……全く。

 

「結局、あのおじさんは何だったんですか?」

「俺にも分からない。ただ、すごくユニークなのが理解できた。」

『まぁ、仙人は元々ユニークだけどな。』

 

仙人の分身であるユルセンが言っても説得力がなぁ……。

 

「…っ!」

「一真君…。」

「…。」

 

一真はこの話を聞いてまた苦悩の表情を浮かべていた。ライダーが増えるのに疑問を抱いているんだろうな。

 

「…お茶を組むよ。どこかに座っててくれ。」

 

俺はそう言ってお茶を沸かし始める。

 

「えーっと…五十嵐君、この写真は?」

 

沙織が俺の家族写真を見て言った。あそこに置いたらやっぱり気になるか。

 

「それは俺の家族写真だよ。」

「大家族だったんだね。」

「いや、俺と両親、祖父母以外の皆は弟子さん達だよ。」

 

俺はみほにそう答えながら沸かしたお茶を湯呑みに淹れていく。

 

「俺は元々寺生まれの人間で、霊能者の一族でもあったんだよ。だけどある日、俺の家族と弟子さん達は何者かに殺されてしまったんだ。家族写真と、そこにある秘伝書と首飾りは家族の形見なんだよ。」

 

俺は悲しげに語った。本当は違うけどな、本来なら家族写真も秘伝書もとっくに焼失してるけどな…。一真達も悲しげな表情になってしまった。そうしている内に、俺は全員分のお茶を淹れ終え、お盆に乗せてテーブルに全員分のお茶を置いた。

 

「だけど、俺は家族から受け継いだ思いを胸に、“仮面ライダーゴースト”としてこの町を守ると決めたんだ。」

 

そんなどんよりとした空気の中、俺は再び明るい表情で自分の決意を皆に言った。

 

「幽一、お前の決意は固いんだな。」

「…うん。」

 

夜罪は感心した表情で言った。

 

「本当に良い奴なんだな…。」

 

麻子も多少は震えながらも、微笑んだ。他の皆も俺の決意を聞いて明るい表情を取り戻していたが、一真だけはその苦悩の表情を解けずにいた。俺はその様子を見て、一真の側に歩み寄る。

 

「一真、俺達は今日初めて出会ったからまだ理解できないかもしれない。けど、皆のために戦う…その気持ちはお前と一緒だ。」

 

俺は一真の事を考慮して、そう説得しようとした。しかし

 

「何でだよ…。」

「…え?」

「何でお前までそこまでして戦おうとするんだよ!?」

 

一真は否定するかのように俺に怒鳴りつけてきた。

 

「俺はこれ以上ライダーを増やしたくないんだ…。なのに…どうして…!?」

「ライダーになりたくてなったんじゃない。だけど俺は…。」

「だったら、もうそのドライバーやアイコンっていうものを捨てて、ライダーを止めるんだ。これ以上「止めれるなら、とっくに止めてるさ。」…!?」

「けど、これに限らず神器【セイクリッド・ギア】は捨てることができない。もし出来たとすれば…俺は…。」

 

一真はライダーを止めるように言ったが、俺は神器を外すことなどできないと反論した。神器を捨てる…俺はそう考えるとアーシアが一度死んだ記憶を思い出してしまう。

 

 

 

ピロロロロロッ!

 

 

その時、俺の携帯が鳴った。俺はすかさず俺はスマホを取り出す。相手はニコライ先輩からだ。

 

「もしもし。」

『幽一、大変だ!例のインベスが町に現れた!』

「何だって!?」

 

どうやら町にインベスが現れたらしい。すると一真の携帯からアラームが鳴り出した。恐らく、インベスを探知するシステムか何かか…。

 

「それで、インベスの数はどれくらいなんですか?」

『今はまだ少ないが、徐々に増えてきてる。今ソープ達が迎撃しに出動した。クラックがいつ閉まるか分からない。そうなると数が足りない!』

「分かりました。俺も今から向かいます!」

『頼むぞ!俺は今からリアスに連絡する。』

「はい!」

 

俺は電話を切ると、すぐに出発の準備にかかる。

 

「あたし達も行くわ。」

 

天子は立ち上がってそう言った。衣玖、幽香、夜罪も立ち上がった。一真は少々悩んでいたが、少しして立ち上がった。

 

「皆、ありがとう。」

 

俺は5人にお礼を言う。俺達はみほ達を家に待機させるように言うと、インベスを倒しに向かう。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

俺達はバイクに乗って現場まで向かっている。ちなみに一真、幽香、夜罪は桜を模したバイク・サクラハリケーン。天子、衣玖は薔薇を模したバイク・ローズアタッカーに乗っていた。

そして数分走らせ、現場に到着した。

そこには大量のインベスと、それを迎撃しているソープ先輩、彩里先輩、硬哉、案山士の4人がいた。インベスは大半が初級インベスだが、その半分は青いゴリラや赤いフクロウ、緑色のコマイヌを模したインベスがいた。

 

「なんだあのインベス!?」

「あんなインベスもいるのか?」

「いや、一部はあたし達でも見たことない。」

「まじかよ…。」

 

どうやらゴリラインベス、フクロウインベス、コマイヌインベスは一真達でも見たことないらしい。俺達はソープ先輩達のもとに行く。

 

「ソープ先輩!」

「来たか、幽一!…ってその5人は誰だ?」

「話は後で!今はインベスを…!」

 

俺はソープ先輩にそう言いながらドライバーを出現させ、オレアイコンを取り出す。一真達は戦極ドライバーを装着し、それぞれのロックシードを取り出した。

 

『オレンジ!』

『バナナ!』

『ブドウ!』

『メロン!』

『ブラッドオレンジ!』

 

『『『『『ロックオン!』』』』』

『アーイ! バッチリミナー!』

「「「「「「変身!」」」」」」

 

『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道 オンステージ!』

『カモンッ!バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!』

『ハイーッ!ブドウアームズ!龍・砲 ハッハッハッ!』

『ソイヤッ!メロンアームズ!天・下・御・免!』

『ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道 オンステージ!』

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴースト、一真は鎧武、天子はバロン、衣玖は龍玄、幽香は斬月、夜罪は武神鎧武に変身した。

 

「「「「「「はぁああああああ!!」」」」」」

 

俺達はそれぞれの武器を手に突撃し、インベスの群れに攻撃を仕掛けた。

俺はガンガンセイバーを振るい、初級インベスを倒していく。

 

『グギャア!』

「っ!?」

 

周りを見ていなかったせいか、俺は初級インベスの飛びかかりを受けて身動きが取れない状態になった。初級インベスが一方的に攻撃しようとした時

 

 

ババババババッ!

 

 

 

『グギャ!?』

 

初級インベスが無数の銃弾を受けてノックバックした。ソープ先輩が助けてくれたのだ。

 

「おい、油断は禁物だぞ。」

「すみません。」

 

俺は立ち上がると、ロビンアイコンを取り出し、ドライバーに装填してハンドルを操作する。

 

『カイガン!ロビンフッド!ハロー、アロー、森で会おう!』

 

俺はロビンゴーストを纏うと、飛来したコンドルデンワーとガンガンセイバーを合体させてアローモードにして、光矢を放つ。

その時、紅い魔方陣と共にリアス部長達が転移してきた。ようやく来たか!

 

「幽一、ニコルから連絡を受けたわ。」

「待たせたな!」

「…イッセー先輩、作品が違います。」

 

イッセーのボケに小猫が突っ込んだ。それス○ークだよ。

 

「あれ、何でオカ研の皆がここに…!?」

 

一真がリアス部長達の方を向いて驚きの表情を浮かべていた……話せば長くなりそうだけど、仕方ないか…。

 

「あれがインベスなのか…。」

「あらあら、気味が悪いですわ。」

 

木場は召喚した魔剣を構えてインベスの様子を伺っていた。そして朱乃先輩はもうドSモードに入っている。その証拠に軽く毒舌である。

 

「一真、あの人達を知ってるの?」

「ああ、リアスさん達はさっき会ったんだ。何でこんなところに…。」

 

幽香が一真にリアス部長達のことを訪ねていた。

 

「あの、幽一さん。一真さん以外のライダーは誰なんですか?バナナや「バロンだっ!」…はうぁっ!?…す、すみません!」

「…。」

 

天子が怒鳴ったためか、アーシアはすぐに謝罪した。とりあえず、インベスを倒すのが先だな。

 

「イッセー、小猫、木場、これを受け取れ!」

 

俺はイッセーにビリーザキッド、小猫にニュートン、木場にムサシアイコンを投げ渡した。

 

「サンキュー、幽一!」

「…有り難く貸してもらいます。」

「行くよ!」

『『『Put on!』』』

 

イッセー、小猫、木場がそれぞれ英雄ゴーストを纏った。

 

「よぉし、行くぜ! 赤龍帝の籠手【ブーステッド・ギア】!」

『Boost!』

 

イッセーが神器を展開すると、倍加して初級インベスに殴りかかった。

 

「喰らえっ!」

『グギャアア!?』

 

初級インベスはこれを喰らって爆散した。

 

「嘘だろ…?インベスを生身で…!?」

「初めて会ったにも関わらず、なんて奴だ…。」

 

一真達はイッセーがインベスを倒したことに驚いていた。まぁ、イッセーの神器が元々すごい代物だからということもあるけどな…。

 

「はああっ!」

「えいっ。」

 

木場はそのスピードを生かしてインベス達を一刀両断していく。小猫は斥力と引力を巧みに使い、インベスを吹き飛ばしていた。

 

『ウホッ!ウホッ!』

「っ!うわっ!?」

 

ソープ先輩がゴリラインベスに捕まった。

 

「ぐ、くそ…離せ…!」

 

ソープ先輩は両手に持ったアサルトライフルを連射して抵抗するが、ゴリラインベスは怯まない。

 

『ウホッ!!』

「うおあっ!?」

 

ソープ先輩はゴリラインベスのバックブリーカーを受けた。インベスってプロレスできんのか…?

 

「ソープ!」

「くっ…俺が行きます!」

 

ここで硬哉がソープ先輩を助けに向かう。

 

「鋼鉄の甲冑【フルメタル・ジャケット】!」

 

硬哉は鋼鉄で出来た鎧を纏い、手に持ったライトマシンガンを撃ちながらゴリラインベスに接近する。

 

「おらぁああ!!」

『ウホッ!?』

 

そして硬哉はパンチ一発でゴリラインベスを退けた。

 

「隊長、大丈夫ですか!?」

「ああ、すまないなローチ…。」

 

ソープ先輩は立ち上がりながら硬哉に礼を言った。

俺達は着実にインベスの数を減らしているが、それでもクラックから次々とインベスが出てきている。

 

「この数はキリがない…。一気に減らさないと…!」

 

一真は新たなロックシードを取り出すと、ドライバーに装填してカッティングした。

 

『ソイヤッ!パインアームズ!粉砕 デストロイ!』

 

一真は新たなアームズを装着すると、フレイル状の武器・パインアイアンを装備した。

 

「確かにこの数はやばいな…だったら!」

 

俺は弓矢をドライバーにかざす。そしてさらにドライバーのハンドルを操作する。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

『ダイカイガン!ロビンフッド!オメガドライブ!』

 

俺は5人に分身した。

 

「えーと…そこのバナナ「だからバロンだ!」…受け取れ!赤龍帝からの贈り物【ブーステッド・ギア・ギフト】だぁ!!」

『Transfer!』

 

イッセーは怒鳴られながらも天子に倍加の力を譲渡した。

 

「何だこれ…?力がみなぎる…!」

「…頼みます、“完○王さん”。」

「だからバロンだって…(怒)。」

「バナナだけどね。」

 

小猫までボケてきた。そして衣玖にまで裏切られる天子…哀れ。○熟王、懐かしいな…。

 

『カモンッ!バナナ・スカッシュ!』

『ソイヤッ!パイン・スカッシュ!』

『『『『『オメガストライク!』』』』』

 

「「「はあっ!!」」」

「雷よ!!」

「魔剣創造【ソード・バース】!!」

 

俺は一斉に光矢を放ち、一真は巨大化したパインアイアンを蹴り飛ばし、天子と木場はそれぞれ地面からバナナ型エネルギーと魔剣を出現させ、朱乃先輩は雷を放った。

 

『『『『『グギャアアアアア!』』』』』

 

俺達の攻撃でインベス達は殆どが消し飛んだ。

 

『ホロッロー!』

「っ!?」

「くっ…!?」

 

フクロウインベスが目から光線を放ってきた。これを受けた衣玖と夜罪が怯んだ。

 

「大丈夫ですか!?」

「っ…あのレーザー、かなり威力が高いですね…。」

「ああ…次喰らったらまずい…。」

「あ、待って下さい!」

 

アーシアは二人を呼び止めると、自らの神器・聖母の微笑【トワイライト・ヒーリング】で二人を回復させた。

 

「傷が…治った?」

「これは?」

「私は幽一さん達のような戦う力はありませんけど、こうやって自分にできることで皆さんを助けたいんです。」

「なるほどな…。」

「ありがとうね。」

 

衣玖と夜罪はアーシアにお礼を言った。

 

「衣玖、夜罪、アーシア、危ない!」

「「「!?」」」

『ホロッホー!』

 

一真は一体のフクロウインベスが三人を狙っていた。くそ、この距離は間に合わない!

 

「ふっ!」

『ホッ!?』

 

その時、光線の射線上にメロンディフェンダーを構えた幽香が割り込んできた。幽香はその光線を防いだ。

 

「そこよ!」

「もらった…!」

『ホロォォオ!?』

 

その隙に彩里先輩と案山士がフクロウインベスを倒した。

数も大分少なくなってきたな。今なら一気に畳みかけれる。

 

「後は私に任せなさい!」

 

リアス部長はそう言うと、消滅の波動を放って、インベス達を一気に消し飛ばした。これで終わり……と思った次の瞬間

 

 

 

『グオオオオオオン!』

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

クラックから巨大なイノシシインベスが現れた。

 

「で、でかっ!?」

「おい、まじかよ…!?」

 

一真とイッセーはそう言いながら驚いていた。他の皆も驚愕していた。

 

「これはまずいな……。ユルセーン、ユルセーン!!」

『何だよ、声でかいな!』

「ユルセン、ケンウェイを呼んでくれ!」

『あいよ。キャプテンゴースト~!』

 

俺はユルセンに頼むと、ユルセンはケンウェイを召喚した。

 

『カイガン!オレ!』

 

俺は再びオレゴーストになると、ゴーストライカーに乗り、バイクをケンウェイと合体させてイグアナモードにする。

 

「イグアナ!?」

「幽一、お前とんでもない使い魔を手にしたな。」

『ギャアオ!』

「行くぞ、ケンウェイ!」

 

俺はケンウェイと共にイノシシインベスに立ち向かおうとしたその時

 

 

 

ドドドドドドッ!

 

 

 

「うわっ!?」

『ギャアオ!?』

「「「「「!?」」」」」

 

突然、A-10攻撃機に似たマシンが飛来し、俺達に向けて機銃を放ってきた。俺はある方向を向くと、そこには一人の青年が歩いてきた…駘悟だ。

 

「駘悟…!?」

「アイコンを全て奪ってやる。 変身!」

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

駘悟はスペクターに変身すると、呼び出したマシンフーディーに乗り、戦闘機型のマシン・亡霊の戦闘機【エーススペクター】と合体した。

 

『グオアッ!』

「なっ…ムササビ…?」

「蹴散らしてやる。この奇術師の飛膜鼠【ムササビフーディー】で!」

 

ムササビフーディーに乗った駘悟は、俺達に向かって襲いかかる。くそ、このままだとあのインベスが…………そうだ!

 

「一真、これを受け取れ!」

 

俺はそう言って一真に一つのロックシードを投げ渡す。それは、昨日の夜に偶然拾ったスイカのロックシードだった。

 

「お前、これをどうやって…!?」

「いいからあのインベスを、早く!」

「よそ見している場合か!」

 

俺は駘悟からの攻撃を受けながらも立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

一真side

 

 

 

 

 

 

「すまない、幽一!」

『スイカ!』

『ロックオン! ソイヤッ!スイカアームズ!大玉 ビッグバン!』

 

俺は幽一からもらったスイカロックシードを使い、スイカアームズに換装した。

 

『ヨロイモード!』

 

スイカアームズは大玉から変形し、巨大な人型ロボットに変形した。

 

「す、すげぇ!」

「一真、頼むぞ!」

 

イッセーが歓喜する中、天子がそう叫んだ。ああ、すぐに終わらせる!

 

「はあっ!おりゃ!」

『グオオオッ!?』

 

俺はスイカ双刃刀でイノシシインベスの甲殻を削ぎ落とした。

 

「喰らえ!」

『グオオッ!?』

 

俺はそのままイノシシインベスを打ち上げ、その体をひっくり返した。そして俺はドライバーのブレードを操作する。

 

『ソイヤッ!スイカ・スカッシュ!』

「はああああああああ!おりゃあああ!!」

『グオッ…!』

 

俺はスイカ双刃刀を振り回して斬りつけた後、最後はイノシシインベスを一刀両断した。

俺はスイカアームズから再びオレンジアームズになると、幽一の方を見る。

 

「うわああああああ!」

 

状況は圧倒的に不利だった。幽一とケンウェイは、駘悟とムササビフーディーの猛攻に押されていた。

 

「くっ…駘悟、教えてくれ!何のためにアイコンを集めてるのかを!」

「お前に話すことは無い!」

 

駘悟は無慈悲に、かつ執拗に幽一を攻撃していた。あいつもアイコンを集めているのか?何のために…?駘悟はガンガンハンドを銃モードにすると、銃をドライバーにかざし、さらにドライバーのハンドルを4回操作した。

 

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

『ダイカイガン!スペクター!オオメダマ!』

「くたばれ!」

『オメガスパーク!』

 

駘悟は銃から巨大な光弾を、ムササビフーディーはミサイルを連射した。

 

「うわああああああああ!!」

『ギャアオォォオ…!』

 

幽一はこれを喰らって変身が解除され、ケンウェイも倒れた後、出現した紋章の中に消えた。

 

「幽一!!」

「うっ……ぐっ……!」

 

俺は幽一に近づこうとしたが、駘悟が俺の足下に向けて射撃してきた。

 

「!?」

「俺の邪魔をするな。」

 

駘悟がそう言うと、再び幽一のもとに近づくが、そこへリアスさん達が立ち塞がった。

 

「貴方、駘悟って言ったわね?」

「そいつから聞いたのか…。」

「二度は言わないわ。今すぐここから去りなさい。」

「幽一はな、俺達やリアス達にとっても大切な仲間だ。これ以上攻撃する気なら、容赦はしない。」

「……ちっ…!」

 

リアスさんとソープさんは静かな怒りのこもった言葉で駘悟に警告した。駘悟は舌打ちすると、ムササビフーディーに乗ってその場を飛び去っていった。

 

「……。」

 

俺は無言で変身を解除した。俺の頭の中は苦悩で溢れていた。何故幽一が…リアスさん達が、戦うんだよ…!?

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は駘悟との戦いに再び負け、またアイコンを奪われるのかと思ったが、リアス部長達の警告で駘悟を退けてくれた。

 

「駘悟…。」

 

俺はまた駘悟を説得することが出来なかった事に苦悩していた。どうしてなんだ……昔の駘悟はあんな攻撃的じゃなかったはずだ…!

 

「幽一さん…。」

「…。」

 

アーシアは悲しげな表情で俺の傷を治癒している。

 

「…幽一、心配すんな。あの駘悟って奴といつまで対立するか分からないが、いつかは進展するさ。あいつが本当にお前の親友ならな。」

「ソープ先輩…。」

 

俺はソープ先輩の言葉に感銘を受けた。そうだよな、たとえ何度も対立しようとも、いつかは和解できる日が来る。その日まで俺も頑張らないとな…!

 

「幽一、お前の仲間達はいい奴ばかりなんだな。」

 

夜罪は俺のもとに近づくと、そう言った。

 

「うん、イッセーのように癖が強いのもいるけどね。」

「お、おい!それどういうことだよ!?」

「そういうことだって。」

「「「「「「「「ははははは!」」」」」」」」

 

俺とイッセーとのやり取りでツボにはまったのか、皆は笑った。

だがそれは、一人の苦悩な声でそれは止まった。

 

「…どうしてなんだよ…。」

「…え?」

 

 

 

 

 

 

「どうしてリアスさん達が戦いに介入したんだよ!?」

 

そう、一真だった。一真は怒りと悲しみが混ざった表情で怒鳴ったんだ。

 

「あ…ごめん、一真達には教えてなかったな……。実は…。」

「私達は悪魔よ。幽一とユルセンは違うけど。」

 

リアス部長が俺とユルセン以外は悪魔であることを一真達に告げた

 

「悪魔…?」

「私達は元々、表向きの生活以外は干渉しないことになってたんです。だからあの時、一真君達に自分達の正体を言わなかったのはこのためなんですわ。」

 

夜罪が謎めく中、朱乃先輩が説明した。

 

「私達が戦うのも幽一が一人だと危険という理由じゃないわ。この町を守りたいから。そして大切な部員を失いたくないからなのよ。」

「失いたくないなら…最初から戦わなければいいのに…!」

 

リアス部長が説得するも、一真はそれでも認めなかった。

 

「俺は…もう誰も戦わせないために…誰もライダーにさせないために戦ってるのに…!」

「それは多分無理ね。戦う者の中には、それぞれ自分の思想があるのよ。別の世界となると、それは尚更よ。」

 

リアス部長がそう答えた。

 

「けど、だからって…ライダーじゃない者まで戦うなんて…俺には理解できない!」

 

一真はさらに苦悩してしまった。やっぱり戦う思想は違うんだな…。

 

「…決めた。俺がこの町を守る。天子達にも…幽一達にも戦わせない!」

「「「「「「!?」」」」」」

「おい一真、何いってるんだ!?」

 

一真はとんでもないことを発言した。一真がたった一人で駒王町を守ると言い出したのだ。

 

「一真、前に言った事をもう忘れたのか!?」

「そうよ!またみほ達に迷惑をかけるつもりなの!?」

「だけど、この町にもインベスの脅威がある以上、何が起こるか分からない!」

「この町を守るって…どうするつもりなの!?」

「簡単だ。俺だけがこの町に留まる。皆は学園に戻るんだ。」

「聞けない相談だな。お前だけを置いておく訳には行かない。お前も含めて皆で帰るんだ!この町には幽一達がいるんだ。この世界の者達のことを信用しろ!」

 

天子、衣玖、幽香、夜罪は当然反論した。だが一真は頑固に意見を変えない。

 

「いや、俺は何と言われようとこの町も守る!もう誰も戦わせない…戦うのは俺一人だけでいい…犠牲になるのも俺一人だけでいい!“命なんて惜しくない”!」

 

 

 

ベキィッ!

 

 

 

 

「っ!?」

「…。」

 

俺はとうとう一真の頑固な態度に我慢できなくなり、一真を殴り倒した。

 

「“命が惜しくない”?………命は軽くないんだ!!」

「…。」

「幽一、お前…。」

 

俺の行動に皆が唖然としていた。俺は前に一度死んだことをきっかけに、命に関して敏感だ。

 

「お前が守りたいという意思は強く感じたさ。だけどな、お前は周りに耳を傾けていない。」

「…。」

「守り切るって言ってもな、限度があるんだ。それにお前が死んだら守りたいものも守れなくなる…それは分かるだろ?」

「…。」

「…一真、お前にも仲間が、友達がいるんだろ?だったら少しでも頼るべきだ。」

 

俺は無言の一真にそう言った。出会った時から気づいていたが、一真は“仲間が増えるのを恐れている”な…。

 

「…部長、とりあえず今日はもう帰ります。」

「ええ、分かったわ。」

俺はリアス部長にそう言うと、一真達と共に俺の自宅に帰る。

家に帰ってきてからも、その空気は時が止まったかの如くどんよりしていた。

 

 

 

 

一真side

 

 

 

 

深夜、俺は眠れずにベランダで夜空を見上げていた。何故この町ではライダーじゃない者が戦っているのかを…。

 

「一真君…。」

「…みほか…。」

 

そこへ、みほが俺のもとにやってきた。

 

「やっぱり眠れないんだな…。」

「うん…。あの夜、何かあったの?」

「ああ…リアスさん達がインベスと戦ってたんだよ。」

「え…!?」

 

俺がそう言うと、みほは驚きの表情を見せた。俺は話をさらに続けようとした時

 

 

 

「なんだ、二人も寝れないのか。」

 

幽一が缶コーヒーを持ってやってきた。

 

「飲むか?」

「…ああ。」

「ありがとう。」

 

俺とみほは幽一から缶コーヒーをもらう。

 

「いや~、それにしても今日は星空が綺麗だな。」

 

幽一はそう呟きながら星空を見上げていた。俺とみほは夜空を見上げてはいなかった。

 

「…なぁ一真、俺が思うにライダーは三つに分けられると思うんだ。」

「…え?」

「先天的であるもの、自らなったもの、意図せずなってしまったもの…この三つだ。」

 

幽一はライダーに関しての事を語った。

 

「じゃあ、幽一はどれに?」

「俺は…もちろん後者だ。」

 

幽一は三つのうち後者だと言った。

 

「俺は2年前、ある事をきっかけにライダーになるために神器…そしてアイコンを手に入れたんだ…。」

「…なぁ、どうしてもそれを捨てることは出来ないのか?やっぱり、俺にはライダーのみに限らず、戦う者が増えてほしくないんだ…。」

 

俺は悲壮な表情で幽一に神器やアイコンを捨てるように懇願した。

 

「俺やリアス部長達が戦わなくなったら、一体誰が脅威に立ち向かうんだ?」

「それは俺が…。」

「違う、誰もいなくなる。この世界でまともに立ち向かえるのは俺達しかいない。お前らはあくまで別の世界から来た者に過ぎない。この世界を守れるのは、この世界の者達だけだ。」

「……。」

「それと、神器を捨てるということは、命を投げ捨てることと同じだ。」

「…どういうことなんだ?」

「言うなれば、命と神器は単一化されているんだ。もしそんなことをしたら…死ぬ。」

「「……。」」

 

神器が命と単一化…?そんなことがあるのかよ…?

 

「大きな力には大きな代償を伴う。しかも神器はいつ誰に宿るか分からない。だけど俺には神器以外に別の力もある。」

「それって何なの?」

 

みほは質問してきた。

 

「霊術だ。」

「霊…術?」

「ああ…。俺の家系は霊能者って言ったよな。俺は先祖から受け継いだ霊力で、代々伝わる霊術を身に付けている。五十嵐一族は元々戦う事を運命付けられていたんだ。」

「「…。」」

「…だけど、父さんは最期に俺にこう教えてくれた。“英雄の心を学び、心の目を開け”ってな。」

 

幽一からの言葉を聞くと、俺はアイコンが並べられた棚を見た。あの時幽一はアイコンに英雄の魂が入ってるっていってたな…。

 

「イッセーやリアス部長達も、ライダーではないけど、戦う力は持っている。でも、俺は仲間達を信じてる。俺の過去を皆は受け入れてくれたから…。」

「幽一…。」

「幽一さん…。」

「一真、天子達がライダーになったのは、お前を無理させないためだと俺は思ってる。」

「…。」

「俺もお前も、仲間に支えられて生きている。一真、お前の仲間達を信じてみろよ。皆を守るっていうのは一人だけでは到底できない。誰かからの支援を受けて初めて出来るんだ。」

 

俺は幽一からの助言を受けた。みほ達を…そして天子達を信用してなかったのは………俺の方だったか…。

 

「俺は…俺を…仲間達を信じる。そして、父さんの遺志を受け継ぐ。」

 

幽一は自分自身の決意を言うと、缶コーヒーを飲み干した。

 

「幽一さんって、仲間思いなんですね。」

「ああ。だけど、俺にも一つだけ問題を抱えているんだ。」

「それは?」

「駘悟っていう俺の親友のことなんだ…。」

「!」

「一真君、何か知ってるの?」

「そいつは幽一を襲った仮面ライダーだ。」

「え…!?」

 

俺はさっきの戦いで駘悟が仮面ライダーということを知っている。

 

「ああ…あいつは何らかの目的でアイコンを集めているんだ。でも俺は必ず説得して駘悟と和解する。皆がいるから、俺は頑張れる。」

 

幽一の決意の固さに、俺とみほは感銘を受けた。仲間がいるから頑張れる…か…。

 

「必ず説得できると思いますよ。だって幽一さんの親友なんですよね?」

「うん。みほ、それにしてもお前は……やっぱり、“あいつと似てるな”…。」

「え?」

 

すると幽一は突然、みほを見て呟いた。似てる…?何の事なんだ?

 

「…いや、昔付き合っていた恋人の容姿が、みほに似ていたなって思っただけだよ。」

「恋人…?」

「まだ荒れてた頃、俺はあいつのおかげで再起できたんだ。都合で別れることになったけど、いつかまた会おうと約束したのさ。」

 

幽一に恋人がいたんだな…。

 

「…さぁ、もう遅いから寝よう。」

 

幽一に言われたように、俺たちは再び就寝した。

 

 

 

 

 

 

?side

 

 

 

 

 

「この町に【066】が潜伏してるんだな?」

『ああ、シフトカー達がこの町で重加速粒子反応が検出したなら間違いない。』

 

俺は腰に着けたベルト・ミハエルと会話していた。俺達は外の世界に逃げ出したロイミュードを倒すためにやってきた。昨日、魔法の森で妙な遺体が発見されたのが証拠だ。藍が調べた結果、そいつは悪魔だったらしい。

 

『ところで進也、前の異変の時のことだが…もういいのか?』

「ああ、今更気にしちゃいけない気がするからな。さて、行くか。」

『OK!』

 

俺は自分の愛車・トライドロンを再び発進させた。

 




後編に続く…。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

後編 ~灼熱~

リアルでのスランプ&編集難航でかなり遅れて申し訳ありませんでした!
今回でコラボ最終回となります。オリジナルのフォームやあのフォームが登場します。では、どうぞ!

OP[明日への咆哮]



?side

 

 

 

 

 

 

 

「グハハハハ!コレダコレガ俺ノ求メテタ力ダ!!」

 

俺はヘルヘイムの果実を食したら、一時体が植物に覆われたが、すぐに収まった。すると、果実の力によって強靭な体になった。この力があれば、魔王にも…!どんな種族にも…!

 

「…!?」

 

その時、突然体が動かなくなった。いや、動きが鈍くなったのだ。なんだこれは…!?体が…重い…!?

 

「ふふふ……ははは…!」

 

すると、俺のもとに一体の怪物が現れたその胸部には、【066】というナンバーが付けられていた。

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

「…ふわぁぁぁぁ…。」

 

朝、俺はあくびをしながら起床した。バットクロックを確認する辺り、まだ朝の5時だ。昨日の夜に缶コーヒー飲んだからか、早く起きることが出来た。日曜日だから別にこのまま寝ててもいいが、それはちょっとな…。

天子や優花里達はまだ寝ているな……あれ、一真とみほの姿がない?あの二人、一体何処に行ったんだ…?

 

「おーい、ユルセ~ン…。」

『んん…?何だよ?』

 

俺はまだ寝ている天子達を起こさないように、静かな声でユルセンを呼ぶ。

 

「一真とみほは何処に行ったか知らないか?」

『寝てたから知らな~い…。もう少し寝かせてくれ…まだ5時だろ…?』

 

ユルセンは眠そうに言うと、再び再び消した。ユルセンまで2人の姿を見てないなんて…一体何処へ…?

俺は静かに素早く着替えると、外へ出る。すると、それと同時に俺のもとへクモランタンがやって来た。

 

「なぁ、一真とみほを見てないか?」

 

俺は尋ねると、クモランタンは目からスクリーンを映した。その映像はなんと、一真が駘悟と戦っている映像だった。

 

「まずい…!」

 

俺はすぐさまドライバーを出現させると、【不可視】の能力を発動する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、一真達がいるところへ向かった。

 

 

 

 

 

 

一真side ~5分前~

 

 

 

 

 

俺は幽一達よりも早く起きて散歩していた。それで今は公園のベンチに座っている。

 

「一真君。」

 

するとそこへ、俺の後を追ってみほがやって来た。そして俺の隣に座った。少しの間無言が続いたが、俺はその口を開く。

 

「みほ、昨日の夜に幽一に言われた言葉を知ってるか?」

「え?えーと…“英雄の心を学び、心の目を開け”だったよね?」

「ああ。俺はあいつと出会ってようやく気づいたんだ。仲間を、友達を信じることが大切だってな。今思えば、仲間達を信じてなかったのは俺の方だったようだ。」

「ううん、そんな事はないよ。一真君は私達の事を守ってくれている…私達は一真君がいるから頑張れるの。だって私達は一真君を信じてるから。」

「みほ…。」

 

俺はみほの言葉に感銘を受けた。そうか、自分を破滅に追い込む俺をみほ達は信じてくれるのか…。

 

「…さて、幽一達が起きる頃だと思うし、そろそろ戻るか。」

「うん!」

 

俺はそう言うと、みほは笑顔で返事をしてくれた。考える事はあるが、それはまた後だ。俺達が幽一達のもとへ戻ろうと歩き出したその時、横から何者が現れた。

 

「…。」

 

駘悟だった。あいつは既にドライバーを展開していた。戦う気だ…!

 

「お前、いつの間に…!?」

「そんな事はどうでもいい。お前は何のために戦うんだ?」

「俺は皆のために戦う!皆を守るんだ!」

 

俺はそう言って戦極ドライバーを装着した。

 

「だったら、お前は他人のために自分の命を犠牲に出来るのか?」

「確かに俺は今まで皆を守るために自己犠牲をしてきた。だけど、幽一の言葉を聞いて目が覚めた。皆も、俺の命も諦めない!」

「はぁ…お前もあいつと一緒だ!」

 

俺は駘悟に自分の決意を言ったが、駘悟は溜め息をつくと、それを一蹴した。

 

「一真、お前は2年前、幽一の身に何が遭ったか知ってるか?」

「2年前…?」

「幽一さんに、何が遭ったんですか?」

「あいつはな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死んだんだよ。」

「「!?」」

 

俺達は駘悟から幽一の衝撃の事実を聞かされた。俺とみほは驚きの表情を隠せない。幽一がライダーの力を手に入れたのは…“一度死んだ”から…!?

 

「どういう事なんだ…?」

「そのままだ。幽一は2年前、交通事故で死んだ。今この町にいるのは、幽一と名乗った偽者だ。」

 

偽者…?あの幽一が偽者…?

 

「そんな…幽一さんが…!?」

「偽者なんて…そう簡単に決めつけるなよ!」

「黙れ!」

 

駘悟はノブナガアイコンを取り出すと、ドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミロー!』

「変身!」

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

 

駘悟はスペクターに変身すると、ノブナガゴーストを纏い、ガンガンハンドを装備した。

 

「みほ、下がってろ!」

 

俺はみほに下がるよう言うと、駘悟の攻撃をかわしながらオレンジロックシードを取り出す。

 

『オレンジ!』

「変身!」

『ロックオン! ソイヤッ!オレンジアームズ!花道 オンステージ!』

俺は鎧武に変身すると、大橙丸を装備して駘悟の一撃をガードする。くっ…こいつ……力が強い…!

 

「はあっ!おらぁ!」

「ぐっ…っ…!」

 

俺は駘悟の荒々しい猛攻に押されていた。

 

「はあっ!」

「うわっ!?」

 

そして猛攻を防ぎきれずに攻撃を喰らってしまった。駘悟はさらにその勢いを止めず、光弾を連射してきた。

 

「うわああああああ!」

 

この光弾を受けて、俺は吹っ飛ばされた。くそ、このままじゃやられる…!俺はすかさずパインロックシードを取り出した。しかし

 

『ガオッ!』

「うわっ!?」

 

突然、ライオンカメラが俺の左手に噛みついた。その影響でパインLSを手放してしまった。その間にも駘悟はリチャードアイコンをドライバーに装填していた。

 

『カイガン!リチャード!騎士道、勇猛、ライオンハート!』

 

駘悟はリチャードゴーストを纏うと、ガンガンハンドにライオンカメラを合体させてメイスモードにした。

 

「はあっ!」

「うわっ…がはっ…!」

 

俺は駘悟の重い一撃を喰らい、木に激突した。そして一歩一歩迫る駘悟。俺は立ち上がろうとするも、体が痙攣して動かない。畜生、俺はまだ死ぬわけには、いかないのに…!

 

「ふん、所詮こんなものか。これで……?」

「!?」

 

するとその時、俺と駘悟の間にみほが割り込むと、俺を庇うように立ち塞がった。

 

「どけ。」

「どきません!一真君をこれ以上傷つけないで!」

「みほ….。」

 

みほは駘悟からの罵声を受けてもその場を退かなかった。もし駘悟からの攻撃を喰らったら…!

 

「なら、そいつごとあの世へ逝け!」

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

 

駘悟はガンガンハンドをドライバーにかざし、エネルギーを溜める。

 

『オメガパニッシュ!』

「はあああっ!!」

 

そして駘悟から放たれたエネルギーの塊が容赦なくみほに向かって飛んできた。

 

「みほ!」

「…!」

 

 

 

 

 

 

『ダイカイガン! オメガブレイク!』

「でやあっ!」

 

その時、幽一がガンガンセイバーを振るって駘悟の一撃をかき消した。間一髪だった。

 

「はあ…危なかった。朝起きていないと思ったらまさかこんな事になってたなんてな…。」

「幽一…。」

 

幽一が駆けつけてくれたおかげで、みほが駘悟の攻撃を受けずに済んだ。みほはこれで緊張がほぐれたのか、その場で座り込んだ。

 

「来たか。今度こそお前から全てのアイコンを奪う!」

「駘悟、そこまでしてアイコンが欲しいのか?アイコンと何の関連性もない一真達を巻き込んでもか!?」

「言ったはずだ。俺は成すべきことを成すってな。そのためなら町一つ潰そうが何の躊躇いもない!」

「いくら親友でも、それは黙っていられない!」

「親友と決めつけるな!!」

 

二人が口論している中、駘悟が新たな緑色のアイコンを取り出すと、ドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミロー!』

 

ドライバーから緑と黒の左右非対称のゴーストが現れた。あれは…仮面ライダーW!?

駘悟はハンドルを操作した。

 

『カイガン!ダブル!二人で一人、ガイアメモリ!』

 

駘悟はダブルゴーストを纏うと、ガンガンハンドの代わりメタルシャフトを装備した。

 

「さぁ、お前らの罪を数えろ!」

 

駘悟は仮面ライダーWの台詞を言うと、俺たちに向かって突撃してきた。

 

「一真!」

「ああ!」

 

幽一は駘悟の攻撃を受け止め、鍔迫り合いをしたまま移動する。幽一と駘悟はお互いの武器で攻撃しているが、幽一の方が押されていき、ふっ飛ばされた。

 

「うおおおおお!」

「無駄だ。おらぁっ!」

「ぐっ…!」

 

続いて俺も攻撃を仕掛けるが、無双セイバーを軽く弾かれた挙げ句、攻撃を受けた。

 

「ふっ…はあっ!」

 

ここで幽一はガンガンセイバーをガンモードにすると、浮遊しながら駘悟に射撃しようとした。しかし

 

「喰らえ!」

「っ!?…ぐはっ!」

 

駘悟はメタルシャフトを幽一に向かって投げつけると、ジャンプしてそのまま幽一を蹴り落とした。

 

「今度こそ終わりだ!」

 

駘悟はそう言うと、ドライバーから出現したメタルメモリをメタルシャフトに挿入した。そしてさらにドライバーのハンドルを操作した。

 

『メタル!マキシマムドライブ!』

『ダイカイガン!ダブル!オメガドライブ!』

 

駘悟はメタルシャフトに炎のエネルギーを溜める。

 

「はあああああ!」

「「うわあああああ!!」」

 

俺と幽一はその攻撃を喰らって吹き飛ばされた。まだ変身解除にはなっていないが、このままだとまずい。

 

「くっ…まだだ…まだ終わってない…!」

「幽一、お前から教わった言葉をよく理解できたぜ。俺は…俺自身を…仲間達を信じるってな!」

「ああ、たとえどんなに強敵でも…仲間達がいる限り、俺達は負けない!一真、力を貸してくれ!」

「もちろん、そのつもりだ!」

 

俺は幽一の言葉に答えたその時、俺のもとへ一筋の光が現れた。俺がそれを掴んだ瞬間、その光はロックシードへと変化した。それは幽一…仮面ライダーゴーストのロックシードだった。すると、俺のドライバーに装着されたオレンジLSが光り出した。

 

「もしかして…!」

 

幽一は目の紋章を描くと、オレンジLSから煙が昇り、そこからガイムゴーストが現れた。ガイムゴーストは幽一のドライバーに吸収されると、紺と銀色のアイコンへ変化した。

 

「いくぜ、幽一!」

「ああ!」

 

俺はゴーストLSを開錠、幽一はガイムアイコンをナンバリング状態にした。

 

『ゴースト!』

 

俺はゴーストLSをドライバーに装填、幽一はガイムアイコンを装填してカバーを閉じた。

 

『ロックオン!』

『アーイ! バッチリミナー!』

 

俺の頭上にゴーストアームズが現れ、幽一のドライバーからガイムゴーストが出現した。俺はカッティングを行い、幽一はハンドルを操作した。

 

『ソイヤッ!ゴーストアームズ!開眼 ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

『カイガン!ガイム!オレンジ、バナナ、そんなバカな!』

俺はゴーストアームズに換装してガンガンセイバーを装備した。幽一はガイムゴーストを纏うと、大橙丸を装備した。

 

「いくぜ一真、ここからは俺達のステージだ!」

「OK!」

 

俺達は駘悟に向かって突撃した。

 

「はあっ!」

「っ!」

「おりゃ!」

 

俺と幽一は連携して駘悟を攻撃する。駘悟は再び俺に向かってメタルシャフトを振り下ろしてきたが、幽一がすかさずパリングしてくれた。

 

「何っ!?」

「そこだ!」

「ぐあっ!」

 

そこへ俺はガンガンセイバーで強烈な突きを放って駘悟を吹き飛ばした。

 

「命、燃やすぜ!」

 

俺はそう言いながらカッティングを二回行う。幽一はハンドルを操作した。

 

『ソイヤッ!ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!』

『ダイカイガン!ガイム!オメガドライブ!』

「「はああああああああ!!」」

「ぐっ…うわあああああ!?」

 

俺と幽一は高くジャンプし、ダブルライダーキックを駘悟に叩き込んだ。駘悟はこれを受けて変身が解除された。

すると、駘悟の手元から離れたダブルアイコンが突如消滅した。

 

「…。」

 

駘悟は無言のままその場を立ち去っていった。

 

「はぁ…。」

「駘悟…。」

 

俺達は変身を解除した。幽一はまた悲しげな表情をしていた。幽一…。

 

「一真君!幽一さん!」

 

みほが駆け寄ってきた。

 

「大丈夫?」

「ああ…なぁ幽一。」

「どうしたんだ?」

「お前、2年前に死んだってどういうことなんだ?お前の神器と何か関係があるのか!?」

「…駘悟から聞いたのか…?」

「はい…。」

 

俺は駘悟から聞いた衝撃の事実を幽一に尋ねた。当然幽一はさらに暗い表情になってしまった。

 

「…ああ、駘悟の言う通り…俺は二年前に死んだんだ。本来なら、墓の中で永眠しているさ。」

「じゃあ、何でお前は生きてるんだ?」

「転生したんだ。死んでから2年の月日を経て、俺はこの世界に転生したんだ。仮面ライダーとしての力を手に入れたのも、そのためだ。」

 

幽一は暗い表情のまま話した。じゃあ、幽一がライダーになれたのも、一度死んだからなのか…?

 

「それは…リアスさん達には?」

「数日前に話したよ。本当は話したくなかったけどな…。だけど、皆はそんな俺を受け入れてくれた。だから俺はここにいるんだ。」

 

みほの質問に幽一は答えたが、その表情は徐々に明るくなっていった。

 

「いいもんだよな、友達っていうのは。俺は、絶対に駘悟とも和解してみせるさ。」

 

幽一の前向きな決意に、俺とみほも明るい表情になった。

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

俺はあいつらとの戦いに敗れ、手に入れたばかりのダブルアイコンを失った。俺はいつもの高台にいた。そこで俺は左手に沙耶のアイコン、右手にそれぞれエメラルドグリーン、紫、山吹、ワインレッド、紺色の5つの英雄アイコンを持っていた。現在アッシュに貸しているエジソンアイコンも含めると、あと9個…すぐにあいつから一つ残らずアイコンを奪わないとな…いや、アイコンだけじゃない。あいつが持っていた首飾りも奪い返さないとな。あれは、幽一の形見だからな…。

 

「沙耶、待ってろよ。」

『無理はしないでね。お兄ちゃんに何かあったら、私…。』

「何も心配しなくていいさ。」

『うん…。』

 

俺は不安そうに話しかけてくる沙耶を励ました。俺はマシンフーディーに戻ろうとしたその時、俺のもとに一人の男がやってきた。黒コートを纏い、黒い帽子を被り、右手には謎のアタッシュケースを握っていた。

 

「誰だ?」

「お初にお目にかかります。私は、アッシュ様のお手伝いをしている雷堂寺と申します。」

「…そうか。」

 

男は雷堂寺と名乗った。アッシュに協力している奴がいるなんてな…。

 

「貴方達は5年前に、眼魔の世界に飛ばされたんじゃありませんか?」

「何?」

「5年前、私は竜彦と一緒に眼魔の研究をしていました。私も竜彦と同じく霊能者の仲間でした。」

「竜彦さんの仲間?」

「やはり貴方達は、あの実験が生み出した犠牲者だったんですね。」

「実験…?あれは事故だ。」

「そうですね…あれは事故だったんでしょうね…。」

「お前は何が言いたいんだ?」

 

雷堂寺…さっきから怪しすぎる発言をしているな…。何か隠しているのか?

 

『お兄ちゃん…この人、信用できない…!』

「沙耶?」

「…お可哀想に…その眼魔アイコンに入っているのは、妹さんですか?」

「貴様!…今度沙耶のことを話したら、この世から消すぞ?」

 

俺は沙耶のことについて話す雷堂寺を、スペクターアイコンを出して脅した。

 

「怖いですね…分かりました、退散いたします。では失礼…。」

 

これに怖じ気づいたか、雷堂寺は帽子を深く被ってその場から去っていった。5年前…実験だと…?

 

『お兄ちゃん?』

「大丈夫だ。必ず15個集めるさ。」

 

俺は沙耶にそう言った。すると今度は謎の赤いスポーツカーがやって来て、近くの自販機の近くで停車した。そしてスポーツカーから一人の青年が出てきた。サングラスをかけており、腰には謎のベルトが装着されていた。青年は自販機に寄った。

 

「嘘ぉ…コーラ売り切れてるよ…。」

 

青年は落ち込むと、そのサングラスを外しながら言った……?あの素顔…確か…?

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

駘悟との戦いを終えた俺達は自宅に戻ってきた。そういえばもうすぐ6時だな…朝食作らないとな。

 

「俺は朝食を作ってるよ。」

「分かった。」

 

俺は一真達にそう告げると、キッチンに向かい、朝食を作り始める。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

朝食を取り終えた俺達は、TF141の部室へやってきた。

 

「おお、幽一。俺達の同好会を見学しに来たのか?」

「はい。町の商店街まわっても仕方ないから、案内するならここかなって。」

「おおお!ミリタリー物がたくさんあるじゃないですか!?」

 

ソープ先輩と俺が話している中、優花里が目をキラキラさせていた。まあ、ほとんどがエアガン系ばかりだけどね。

 

「みぽりん、一真君、あれを見て!」

「?…あれって、“A7V”の主砲?」

「え!?」

「おお…。」

「あれがドイツ最初の戦車の主砲…。」

 

一真達は部室に飾られていたA7Vの主砲を見て驚いていた。あれは確かドイツの最初の戦車の主砲だったな。正直言って俺も驚いている。

 

「すごい…!あんな代物は初めて見ました!」

「そうだろ?」

「そのせいで部費が蒸発したけどね。」

「ギクッ…!?」

 

彩里先輩の言葉にソープ先輩が冷や汗を掻いた。部費を蒸発させてまで主砲を購入したのか…90年も前の代物だからさぞかし値段高かっただろうな…。

 

「ま、まぁ…エアガン撃ってくか?」

「あ、私が最初に撃ちたいです!」

「そ、そうか…ローチ、的を用意してくれ!」

「あ、はい!」

 

ソープ先輩は硬哉にターゲットの用意を頼む。優花里は案山士がもってきたエアガンを受け取り、構える。

 

「?…ソープ先輩、これは…?」

「ん?」

 

俺はある方向を見てソープ先輩に尋ねた。それは写真だった。ソープ先輩ともう一人、歳上の男性が写っていた。そこへ一真も写真に近づいた。

 

「ああ…それは俺と師匠の写真だ。」

「師匠?」

「プライス・バルバトス…それがソープの師匠の名前だ。」

 

そこへニコライ先輩がやってきて、写真に写っているソープ先輩の師匠の名前を言った。バルバトス…確か72柱の中に含まれる悪魔で、ロビン・フッドの化身だったな。

 

「それがソープ先輩の師匠の名前…?」

「ああ…けど、今でも行方不明だけどな。」

 

ソープ先輩の師匠か…いつか会える日が来るのか…?

その頃優花里は硬哉から借りたP90のようなエアガンでターゲットを撃ちまくっていた…あれ、何げに結構真ん中に当たってるじゃん。

 

「すごいです優花里さん。」

「いやいや、今まで装填手でしたからね。」

「ちなみにどうですか優花里さん?撃ってみた感想は?」

「…快感…!」

「それは作品が違うぞ優花里…。」

「というかそれ古くないかしら?」

 

優花里はどっかで聞いたことのある台詞を発言した。もちろん天子と幽香が突っ込んだ。あれ?…セーラー服は合ってるけどなんか違う…P90じゃなくてMP40じゃ……?まぁ、楽しければそれでいいか。

 

 

 

ビービービー!

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

その時、一真達の携帯から例のアラームが鳴り響いた。

 

「皆、テレビを見ろ!」

 

俺達は案山士に言われて一斉にテレビの方に目を向けた。するとテレビに写っていたのは、一体の悪魔だった。

 

「はぐれ悪魔・ウォースラ…!?」

 

それは指名手配書に書かれていたはぐれ悪魔・ウォースラだった。だが体のあちこちに植物のような装甲が生えていた。

 

「ヘルヘイムの植物…あいつもしや果実を食べたのか!?」

「…ってことはこいつが元凶だな。」

 

一真と夜罪がそう言った。どうやらインベス騒動の元凶はこいつらしい。だけど妙だ…悪魔は本来なら夜間行動が基本だ。何故白昼堂々動けるんだ?

 

「とにかく、こいつを倒せば全て解決する。行こう!」

「ああ!」

 

俺がそう言うと、一真達も頷いた。

 

「よし、俺はリアス達に連絡を「その必要はないわ!」…だと思ったさ。」

 

ニコライ先輩がリアス部長達に連絡しようとすると、リアス部長達が部室にやって来た。

 

「あいつが元凶なら全てが解決するわ。一緒にあいつを倒すのよ!」

「分かってます。」

「みほ達はここで「いや、私達も行くよ!」…みほ…!?」

 

どうやらみほ達も危険を承知で同行するらしい。確かにいくら何でもみほ達を連れていくのは流石にまずい気が…。

 

「私は…私を信じてるから。」

「!」

 

みほは俺と似たような台詞を言った。優花里達も頷いた。やっぱり、みほ達も一真や俺達を信じているんだな。

 

「よし皆…行こう!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

リアス部長達やソープ先輩達は先に転移していった。俺達はバイクで現場まで移動していた。ちなみに一真のバイクにはみほ、天子には優花里、衣玖には沙織、幽香には華、夜罪には麻子が後ろに乗っていた。

数分後、俺達は現場である町の中央広場に到着した。そこにはリアス部長達が既に到着していた。俺達はバイクから降りると、俺達の目の前にいるはぐれ悪魔・ウォースラの方を見る。既に結界は張られている。

 

「ハハハハ…悪魔に人間まで現れるとはな。」

「はぐれ悪魔・ウォースラ、得体の知れない果実に手を出してそんな姿になるなんて…哀れね。」

「ハッ!そんな事はどうでもいい。貴様らを殺すだけだ。それに、俺の体はもうすぐ“超進化”する!そうすればもう誰にも止められない。」

「だったら、その前に俺をぶっ倒すだけだ!」

 

イッセーがそう叫んで赤龍帝の籠手を展開した。

 

「ほう…貴様が赤龍帝か…。だが今の俺にそんなものが通用するはずがない。そんな赤いだけの手袋ではな!」

 

ウォースラはイッセーどころか、神器に宿っているドラゴンまで侮辱しやがった。なんて奴だ…。

 

「どの道、貴様らやこの町は俺が滅ぼすからな。」

「そんな事はさせない!俺達は、お前の陰謀を阻止する!」

「俺達はこの町の住民じゃない。けど、この町をやらせはしない!」

俺と一真はそう言った。するとウォースラは、全身から植物のツタを伸ばした。

 

「ならば、死ぬがいい!」

 

そしてそのツタで俺達に攻撃を仕掛けてきた。そこへ朱乃先輩が障壁を張って防いでくれた。

 

「幽一君、早く変身を!」

「ありがとうございます!」

「いくぜ!」

 

一真達は戦極ドライバーを装着し、俺は幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を出現させた。一真達はロックシード、俺はアイコンを取り出した。しかし

 

「無駄だ。 はあっ!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

ウォースラが赤い波動を放った。その瞬間俺達の動きが極端に鈍くなった………この感覚……まさか…あ、あの時…俺が一度死んだ時の…!?

 

「ははははは!どうだ、体が動かないという絶望を味わうのは?」

 

俺達は必死に体を動かそうとするも、思うように体が動かない。くそ…あの時の…感覚が…!?このままじゃ…皆が…!

 

「全員まとめてあの世に逝くがいい!」

 

ウォースラが右手にエネルギーを溜め始めた。くそ……もうここまでか…!

もう成す術がないと思った…その時

 

 

 

 

 

 

ギュイーン!

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

突然、俺達の後ろから色々なミニカー達がやってきて、ウォースラを攻撃し始めた。さらに

 

 

 

 

バキュンバキュン!

 

 

 

 

「ぐはっ…!?」

 

何処からともなく放たれた光弾がウォースラに命中。ウォースラはこれを受けて吹き飛ばされた。それと同時に俺達の動きが元に戻った。すると後ろから改造されたと思われる赤いスポーツカーがやってきて、その場で停車した。そしてそのスポーツカーから謎の青年が出てくると、かけていたサングラスを外してスポーツカーの中に放り込んだ……あ、あいつはまさか……炎斗群進也!?

 

「見つけたぞ、はぐれ悪魔・ウォースラ…いや、“ロイミュード【066】”。」

「貴様…何故ここに…!?」

進也はウォースラの正体を分かりきっているかのように喋った。ロイミュード…?

 

「数日前、魔法の森付近に妙な遺体が棄てられていた。調べたらそいつは悪魔だった。しかも体のあちこちに植物が生えていた。」

「ちっ…ばれたか…!」

『いくら完璧に擬態しようと、【重加速】を使用した時点でお前はロイミュードだ!』

 

進也に続き、進也の腰に装着されたベルトが喋った。え?ベルトが喋った!?

 

「お前、本当に進也なのか?」

「ああ…!?…お前、まさか…!?」

『進也、彼について何か知ってるのか?』

「五十嵐幽一……“あの事件”の時に、千津瑠の隣にいた奴だ…。」

 

どうやら進也は俺について知っていたらしい。何故なら当時、“あの事件”の現場にいたからな…それにしても、千津瑠って誰だ……?まさか、おっちゃんが言っていた仮面ライダーって進也の事だったのか?

 

「お前が、あのおっちゃんが言っていたライダーなのか?」

「…ああ。」

 

一真の質問に進也が答えてくれた。じゃあ、進也のかつての恋人っていうのは、千津瑠って人だったのか…。

 

『進也、話は後のようだ。』

「悪い、ミハエル。」

 

どうやらそのベルトはミハエルというらしい。俺達はミハエルの言葉で再び【066】の方を見る。

 

「さて、久しぶりに

 

 

 

脳細胞が、トップギアだぜ!」

 

進也はそう言うと、ジャケットをきちんと着直した。

 

「よし、皆…いくぞ!」

『OK! スタート・アワー・エンジン!』

 

俺はオレアイコンをドライバーに装填、一真達はドライバーにロックシードを装填、そして進也はミハエルのキーを捻ると、取り出した赤いシフトカー・シフトスピードをレバーにして左腕のブレスに装填した。

 

『『『『『ロックオン!』』』』』

『アーイ! バッチリミナー!』

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

俺はハンドルを操作、一真達はカッティングブレードを倒し、進也はレバーを倒した。

 

 

『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道、オンステージ!』

『カモンッ!バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!』

『ハイーッ!ブドウアームズ!龍・砲、ハッハッハッ!』

『ソイヤッ!メロンアームズ!天・下・御・免!』

『ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道、オンステージ!』

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

『ドライブ!タイプスピード!』

 

俺達は変身し、俺はオレゴーストを纏い、一真達はそれぞれのアームズを装着、進也は赤いスポーツカー・トライドロンから射出されたスピードタイヤを装備した。今ここに、7人のライダー達が集結した。

 

「来い、インベス達よ!」

『『『『『『グギャアアア!!』』』』』』

 

066はクラックを開くと、そこから大量のインベス達を召喚した。それもかなりの量だ!

 

「インベスは私達にまかせなさい!」

「一真、お前はあいつを倒せ!ここは俺たちが。」

「分かりました!」

「頼む、夜罪!」

 

リアス部長達がインベスの相手をしてくれるらしい。俺達は本丸であるロイミュード066を倒すことにした。ちなみにアーシアと硬哉はみほ達の護衛にあたった。

 

「一真、幽一、ひとっ走り付き合えよ!」

「もちろんだ!」

「ああ!」

「ははは、たかが三人でこの俺を倒せると思うのか?」

「そうだ、倒してみせる!」

 

俺はそう言ってガンガンセイバーを装備した。一真と進也もそれぞれ大橙丸と無双セイバー、ハンドル剣を構えた。

 

「「「はあああああああ!!」」」

 

俺達は066に突撃する。

 

「はあっ!」

 

まずは俺がガンガンセイバーを振るい、066を攻撃するがまるで手応えがない。

 

「はっ!おりゃ!」

「はっ!」

 

続いて一真と進也が連携して攻撃を仕掛けたが、やはりあまり効果はない。

 

「ははは、そんなもの痛くも痒くもない。」

「なら…!」

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを分割して二刀流にした。

 

「じゃあ俺も二刀流にするか。 光剣【クラウソラス】!」

 

そして進也はなんと、左手にクラウソラスを召喚した。クラウソラス…アイルランドに伝わる光の魔剣…そして、進也の二つ名でもある。

 

「「「はあっ!たあっ!」」」

 

俺たちは再び攻撃を仕掛けるが、やっぱりあまり効いていない。

 

「今度はこちらからいくぞ。 でえぃっ!」

「うわっ!」

「ぐっ…!」

 

今度は066が攻撃を仕掛けてきた。066の連続パンチで俺と一真は怯んだ上に吹っ飛ばされた。

 

『進也、来るぞ!』

「分かってる。はっ! はあっ!」

「ふっ! でいやっ!」

 

066は進也と格闘を始めた。進也は二刀流で066と格闘しているが、徐々に押されていっている。

 

「無駄だ!」

「ぐはっ!」

 

そして066の波動を至近距離で喰らって吹き飛ばされた。

 

「くっ…これならどうだ! 輪符【ストライクホイール】!」

 

進也はタイヤを模した追尾弾を放った。

 

「ふっ…そんなもの…。」

 

066はツタを伸ばして弾幕をかき消した。

俺と一真は互いに武器をナギナタに変形させる。一真は無双セイバーにオレンジLSを装填。俺はガンガンセイバーをドライバーにかざした。

 

『ロックオン! イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン!』

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

 

俺達はエネルギーを溜めると、066に向かって走り出す。

 

『オレンジチャージ!』

『オメガストリーム!』

「「はああああああ!!」」

 

俺達は066に斬りかかろうとした。

 

「無駄だと言っている!」

「うわああっ!」

「うわっ!」

 

066は俺達の攻撃を受け止めると、そのままツタで俺達を吹き飛ばした。

 

「大丈夫か!?」

「ああ…。」

「このままだとやられる…。打開策はないのか…?」

 

進也が俺達にかけ寄ってきた。一真は打開策がないか呟く。確かにあいつは強い。けどどこかに必ず弱点があるはずだ………どこかに……………ん?

 

「あれは…?」

 

俺は066の頭部に角が生えていた。その角は特にエネルギーが集中していた。あれだ!

 

「あの角だ。あれを壊せば…!」

「でもどうやって!?さっき攻撃を当てたけど硬かったぞ!?」

『方法はある。戦車並の砲撃を角に命中させればいい。』

「ミハエル、テクニックならまだしも、コマンドには照準補正がない。当てるのは容易じゃないぞ?」

 

攻撃方法は見つけることが出来たが、問題は命中は困難とのことらしい。どすれば…。

 

 

 

「華さん!?」

「あ、五十鈴殿!?」

「ま、待って下さい華さん!」

 

すると、俺達のもとへ何故か華が近づいてきた。俺達の話を聞いていたのか?

 

「ここは危険だぞ!?」

「私があの角に砲撃を命中させます。」

「出来るのか?」

「はい。」

「華、いくら砲撃手だと言っても、もしあいつの攻撃が当たったら…!」

「私を信じて下さい。必ず命中させます…!」

 

華さんは真剣な目でお願いした。どうやら華さんは砲撃手を務めているらしい。その腕が本物なら…!

 

「分かった。頼むよ。」

「その腕が本物なら、頼むぜ!」

「…華、危なくなったらすぐ逃げろよ?」

「…はい!」

 

俺達は華に砲撃を委ねた。進也はすぐにシフトコマンドをブレスに装填し、レバーを倒した。

 

「ドライブ!タイプコマンド!』

 

すると、進也はタイプコマンドになると、右肩部に装備された主砲からトリガーとアイアンサイトを展開した。そして右手にドア銃を装備した。

 

「幽一、一真、あいつの動きを封じてくれ。」

「分かった。」

「OK!」

 

俺と一真は砲撃を命中させるために066の動きを封じることにした。足止めならこいつだな。

 

「アイルトン!」

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

『ソイヤッ!パインアームズ!粉砕、デストロイ!』

 

一真はパインアームズに換装、俺はアイルトンゴーストを纏い、ガンガンセイバーをランスモードにする。

 

「作戦を立てたところで、俺には勝てぬ!」

「それはやってみなくちゃ分からない!」

 

066の言葉に反論すると、俺は高速で接近し、ランスで攻撃する。

 

「おらぁ!」

 

一真もパインアイアンを振り回して066を攻撃する。

 

「それで足止めのつもりか?」

 

066は俺と一真を無視し、進也と華に向けてを放った。

 

「っ!」

 

進也はドア銃のエネルギーシールドで何とか防御した。

 

「てめぇ!」

「なっ…!?」

 

すると一真がブチギレ、パインアイアンによる怒涛のラッシュを繰り出す。これには066も防御せざるを得なくなった。

 

「「はあっ!」」

「っ!?」

 

俺と一真は066を怯ませる。そして俺は霊術の構えを取る。

 

「くっ…やるな…。だがまだ「五十嵐流霊術・魂鎖呪縛陣!」…何!?」

 

俺は霊術を発動し、066を霊力で出来た鎖で拘束した。

 

「今だ!」

 

進也はこれを見てキーを回すと、ブレスの赤いボタンを押してからレバーを倒した。

 

『ヒッサーツ!フルスロットル!コマンド!』

 

右肩部の主砲にエネルギーがチャージされた。華は066の角に照準を向け、そのトリガーを引いた。

 

 

 

 

 

 

「ぐわああああああ!?」

 

その砲撃は見事に066の角に命中し、066はそのエネルギーを制御できなくなった。

 

「やった!」

「よし…後は…!」

「俺達が決める!」

 

『ソイヤッ!ゴーストアームズ!開眼、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

『カイガン!ガイム!オレンジ、バナナ、そんなバカな!』

 

俺達はフォームチェンジすると、一真は二回カッティング、俺はハンドルを再び操作した。

 

『ソイヤッ!ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!』

『ダイカイガン!ガイム!オメガドライブ!』

「「はああああああああ!!」」

 

俺と一真はダブルライダーキックを放つ。しかし

 

「グアアアッ!?」

「「!?」」

 

だが、それが命中することはなかった。何故なら066から溢れる莫大なエネルギーに阻まれたからだ。

 

「ぐっ…力が…制御できない…!」

 

066はそのエネルギーに耐えきれず苦しんでいる。そうか、あの角を破壊したからエネルギーが暴走しているのか!

 

「ぐっ……アアアアアアアアアアアアア!!!」

 

すると、066の体が禍々しく光りだした。

 

『『『『グギャアアア!?』』』』

「「「「「「!?」」」」」」

 

066は召喚したインベス達を全て吸い寄せて取り込んだ。そして066の体格はまるでドラゴンのように変貌を遂げた。

 

 

 

 

 

 

一真side

 

 

 

 

 

 

『グオアアアアアアアア!!』

 

ドラゴンの姿へ変貌した066は咆哮を轟かせた。

 

「どうなってるんだよ!?」

『恐らく、角を破壊されたことによるエネルギーの暴走だろう。066はヘルヘイムの力を手にして超進化を目論んだだろうな…。』

「制御が効かなくなったのか…。」

 

イッセー、ミハエル、そして木場はそれぞれそんな事を言っていた。力の制御が効かなくなった…いや、ヘルヘイムの力を制御なんて始めから出来るはずがなかったんだ。

 

「おい、考えてる場合か!?」

「このままだと町に大きな被害が及びますわ!」

 

ソープさんと朱乃さんが言った。そうだった、このままだと駒王町が崩壊してしまう!

 

「幽一、ビリーのアイコンを!」

「分かった!」

 

幽一はイッセーにビリーアイコンを渡すと、イッセーはビリーアイコンをナンバリング状態にすると、赤龍帝の籠手にセットしてからもう一度ボタンを押した。

 

『Connection Belly the kid!』

『Welsh dragon over booster!』

 

イッセーは赤龍帝の鎧を装着すると、ビリーゴーストを纏った。そして右腕にリボルバーを模したガントレットが装備された。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』

『Revolver!』

「うおおおおおおおおお!!」

 

イッセーは一気に倍加し、その力で066に殴りかかった。これならあいつを倒せるかもしれない…!

 

 

 

「なっ!?」

 

しかし、066はイッセーの繰り出したパンチを喰らってもピンピンしていた。

 

『グオオアアア!!』

「うわああああああ!?」

 

066はその鋭い爪を振り下ろしてイッセーを吹き飛ばした。

 

「ぐふっ…!」

「イッセー!」

「よくもイッセーを…!」

 

イッセーはその予想外のダメージに鎧が解除されてしまった。アーシアはイッセーのもとへ駆け寄ると、回復を行う。

リアスさん達は暴走した066に向けて一斉に攻撃を始めた。しかし、その攻撃はあいつには効かなかった。

 

『グオオオオオオ…!』

 

すると066は口にエネルギーを溜め始めた。何か嫌な予感がする…!

 

「まずい!皆、下がれ!あいつから離れるんだ!」

 

俺は皆にそう叫んだが、その時はもう遅かった。

 

『ガアアアアアアアアアア!!』

 

066の口から巨大な光球が放たれ、それが着弾した瞬間、大爆発を起こした。

 

「「「「「「「「うわああああああ!!」」」」」」」」

「「「「「「「キャアアアアア!!」」」」」」」

「「…っ!」」

 

俺達は爆発に巻き込まれた。その際、俺と進也、幽一の変身が解除された。そして幽一の手元から離れたガイムアイコンが消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ…。皆、無事か…?」

「ああ…。だけど、皆気絶してる…。」

「どうやら俺達だけだな…。」

 

俺達は再び立ち上がるが、どうやら幽一と進也以外に戦える者はいない。皆気絶している。

 

「一真君!」

「みほ…!?」

「そっちこそ大丈夫なのか?」

「はい。あの方に助けてもらいました。」

 

俺達のもとにみほと優花里が駆け寄ってきた。みほ達は無傷らしい。その理由は華、沙織、麻子の前で倒れて気絶している人物で分かった。

 

「硬哉…無茶しやがって…。」

 

どうやら硬哉が鋼鉄の甲冑を発動してみほ達を庇ってたらしい。おかげでみほ達は爆発を受けずに済んだのか。

 

『グオアアアアアアア!!』

 

066は俺達に向かって前進している。

 

「俺達だけで、あいつを倒せるのか…?」

「やるしかないんだ。俺達3人で…何とかするしかないんだ!」

「ああ、あいつに…この町を滅ぼされてたまるか!」

「…そうだな、もうひとっ走り行くか!」

『その意気だ3人共!』

 

俺達3人は再び立ち上がった。絶対に諦めない。何故なら俺達は仮面ライダーだからだ!

 

「…!?」

 

その時、俺の目の前にヘルヘイムの植物が生え、そこから一つの果実が実った。俺はそれを取った。

 

「ぐっ…ううっ…受け取れ、一真…赤龍帝からの贈り物【ブーステッド・ギア・ギフト】だ!」

『Transfer!』

 

すると、気絶していたはずのイッセーが目を覚ました。イッセーは赤龍帝の籠手から倍加のオーラを放つと、再び気絶した。そのオーラは果実に譲渡された次の瞬間、果実が光り出した。

 

「こ…これは!?」

 

果実はなんとエナジーロックシードに変化した。そのエナジーロックシードには赤龍帝の鎧の頭部が描かれており、全体的に赤かった。ナンバーは【ELS-D×D】だ。イッセーの力が、エナジーロックシードへ変化させたのか…?

 

「みほ、優花里、下がっててくれ。」

「うん!」

「分かりました!」

 

俺はみほと優花里を下がらせると、ドライバーにゲネシスコアを取り付けた。

 

『進也、植物には火だ!』

「デッドヒートだな。分かった!」

 

進也は懐からシフトデッドヒートを取り出すと、バイク部を収納してオープンカー状態した。俺達は再び変身しようとした。

 

『グオオオオオオ…!』

 

しかし、066はそれを許さない。066は既に光球を放つチャージを終了していた。くそ、ここまでか…!?

今にも光球が放たれようとした、その時

 

 

 

 

 

『ゴアッ!?』

「「「!?」」」

 

突然、何者かが066に突進し、光球の発射を阻止した。

 

「あ…あれは…!?」

 

その男は俺達のもとへ飛来してきた。幽一はその男を見て驚いた。何故なら、幽一が一番よく知る人物だったからだ。

 

「父さん!」

「えっ、この人が!?」

「まじかよ…?」

 

それは、幽一の父・竜彦さんだった。

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

俺達は驚きを隠せなかった。何故なら死んだはずの父さんが066から守ってくれたからだ。その体からは赤い粒子が溢れ出ていた。

 

「幽一。今のお前なら、一度だけこの力を使えるはずだ。」

 

父さんはそう言って俺に赤黒いアイコン・トウサンアイコンを渡した。

 

「幽一、五十嵐一族の遺志を継げ。お前なら出来る。」

「うん!」

 

父さんは俺にそう言うと、トウサンアイコンの中に吸収された。

 

「幽一。」

「ああ、今やる事は一つ。俺達の炎を以て、悪しき闇を薙ぎ払う!」

「そうだな、俺も手伝うぜ!」

「やるぞ!」

『今度こそ倒すぞ! リブート・アワー・エンジン!』

 

ミハエルのかけ声を聞き、俺はドライバーのカバーを開くと、そこにトウサンアイコンを装填してカバーを閉じる。一真はゴーストLSとドライグELSを開錠すると、それぞれドライバーとゲネシスコアに装填、進也はミハエルのキーを回した。

 

『一発! アーイ!バッチリミナー!』

『ゴースト!』『ドライグエナジー!』

 

俺のドライバーからトウサンゴーストが出現した。一真の頭上にゴーストアームズとドライグエナジーアームズが出現し、その2つが融合して紅色のジンバーアームズが誕生した。

 

「「「変身!!」」」

 

俺はハンドルを操作、一真はカッティング、進也はデッドヒートをブレスに装填した。

 

『カイガン!トウサン!俺がブースト!ゴー!奮い立つゴースト!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!』

『ソイヤッ!ミックス!ゴーストアームズ!開眼、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!ジンバードライグ!ハハーッ!』

『ドライブ!タイプデッドヒート!』

 

俺達は再び変身した。俺はトウサンゴーストを纏い、一真はジンバードライグアームズを装着、進也はデッドヒートタイヤを装備した。

 

『グオアアアアアア!』

「今度はこっちの番だ!」

 

一真はそう言うと、赤龍帝の弓矢【ブーステッドアロー】を装備し、倍加で強化した光矢を放った。

 

『グオアッ!?』

 

066はこれを受けて怯んだ。

 

「来い、ハンドル剣!クラウソラス!」

 

進也は再び二刀流になると、066に向かって突撃した。

 

「うおおおおおお!」

 

俺もドライバーから召喚した武器・サングラスラッシャーを装備して走り出す。

 

「はあっ!たあっ!」

「はっ!おりゃ!」

『グオッ…!』

 

俺と進也は息の合った連携で066を斬りつけていく。これには066も手が出せない。

 

「幽一、これを使え! ミハエル!」

『OK!カモン、トライドロン!』

 

進也の指示でミハエルはトライドロンを呼び寄せた。

 

「はっ!」

 

俺がトライドロンの上に乗ると、トライドロンはホバーモードになり、自動運転で066の周りを旋回しながら上昇する。

 

「決めるぞ!」

 

一真は赤龍帝の弓矢にドライグエナジーロックシードを装填すると、カッティングを行った。

 

『ソイヤッ!ゴースト・スカッシュ!』

 

一真が弓矢を構えて弦を引き絞ると、斜線上に目の紋章が現れた。

 

『ドライグエナジー!』

「はあっ!」

『グオッ!?』

 

一真の放った強力な光矢が066を貫いた。だがまだ倒れない。

 

「ミハエル、あれでいくぞ!」

『分かった!』

「黄金蝶【バタフライフォース】!」

 

進也は背中に黄金の蝶の羽を生やすと、ミハエルのキーを回してブレスのボタンを押した。

 

『デッドヒート!』

「『陰陽【ジ・イクリプス】!』」

 

進也は両手の剣で目にも留まらぬ速さで攻撃した。

 

『グオアアアア!?』

 

066はこの猛攻に耐えきれずバランスを崩した。

 

「今だ!」

「決めろ、幽一!」

「ああ!」

 

俺はサングラスラッシャーのサングラス部を開き、そこにオレアイコンとムサシアイコンを装填した。

 

『マブシー!マブシー!』

 

そしてサングラス部を閉じた。

 

『ダイカイガン!』

 

サングラスラッシャーの刀身に灼熱の炎が集まり、それが炎の刃を形成した。俺はトライドロンから飛び降りると、さらにハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!トウサン!オメガドライブ!』

 

炎の刃はさらに巨大になった。俺は自由落下に身を任せて066の頭上へ急降下する。

 

『オメガシャイン!』

「はああああああああ!!!」

『グオアアアア…!!』

 

俺は巨大な炎の刃で066を一刀両断した。真っ二つになった066は爆発し、【066】のコアも砕け散った。

 

「幽一、やったな。」

「ああ。」

「ふぅ…。」

 

俺達はそう会話しながら変身を解除する。

 

『ロックオフ』

『ナイスドライブ』

『オヤスミー』

 

変身を解除した俺達は、俺達の戦いを見ていたみほ達に視線を向けた。みほ達は手を振っていた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

066との戦いが終わり、俺達は一旦公園へやって来た。その際、俺は霊療波で皆を回復させた。後はアーシアが治療してくれるだろう。ちなみにあの戦いの後、トウサンアイコンは空へ飛び去っていった。きっと天国へ戻ったんだろう。

 

「協力に感謝するわ。」

「いえいえ。」

『まさかロイミュードがここに逃亡していたとは思わなかったからな…。』

「それにしても、皆はベルトが喋ってることにはノーリアクションなんだな…。これの前は“ベルトシャベッタナンデ!?”とか言われたんだけどな。」

『進也、そんな話題を掘り起こすな!(汗)』

 

ミハエルが進也の発言にそう言った。それなんて忍○語?

 

「あ、そうだ。お前らも別の世界から迷い混んだんだろ?」

「あ、ああ…。」

「俺が元の世界に帰してあげるよ。」

 

進也は一真達にそう言いながら一枚の札を取り出した。

 

「それは何ですか?」

『次元符だ。お前達が自分達の世界を念じれば、その世界へ続くスキマが開く。』

 

みほの質問にミハエルが答えた。どうやらその札で一真達が元の世界に帰れるらしい。

 

「でも何故俺達に協力するんだ?」

「協力に理由なんていらないさ。」

 

進也は夜罪の質問に答えた。すると幽香が一真の札を見て、何かを思い出した。

 

「これ、紫の…!?」

「何だって…!?」

 

幽香の呟きに一真達が反応した。紫って誰?

 

「進也、何でこれを持ってるんだ?」

「紫さんが用意してくれたんだ。」

「進也、お前はもしかして幻想郷の住民なのか?」

「ああ、今はな。」

 

進也の発言に俺と一真達は驚いた。進也が幻想郷の住民?どういうことだ?

 

「どういうことなんだ、進也?」

 

俺は進也にその事について尋ねた。

 

「俺は“あの事件”の後、レーサーの道を止めたんだ。それから翌年に俺はスキマに吸い込まれて幻想入りして、ミハエルと紫さんの頼みで仮面ライダードライブとして生きていくことを決めたんだ。」

『俺も進也の過去を聞いた時は空いた口が塞がらなかったさ。だが進也はそれを了承してくれた。その時は俺も紫もとても嬉しかったさ。』

 

進也の説明にミハエルも続いた。“あの事件”…やっぱり、あれのショックで進也はレーサーをやめて仮面ライダーとして生きていくことを決めたのか。

 

「進也、ありがとな。」

「ああ。お前も命燃やしていけよ。」

 

俺と進也はハンドシェイクをした。すると、一真が俺のもとに近づいた。

 

「幽一、お前に礼を言いたい。俺は今まで世界を守るためなら自己犠牲もすると考えてたけど、お前のおかげで目が覚めた。自分の命も大切にして、命を燃やすってな。」

 

一真は笑顔でそう言った。

 

「じゃあ、そろそろ帰らなくちゃ。俺達には、やるべき事があるからな。」

 

一真は札を持って念じれると、一真達の元のいた世界へと繋がるスキマが開いた。

 

「ありがとう、幽一。」

「こちらこそ。」

 

一真は俺に礼を言うと、みほ達と共に元の世界に帰っていった。一真達が通過した後に、スキマは閉じた。

 

「さて、俺達も帰るか。」

『ああ、アリス達が待ってるだろうしな。』

 

進也とミハエルはそんな事を言っていた。

 

「じゃあな、また会おう。」

 

進也は俺達にそう言い残すとトライドロンに乗り、エンジンを起動させて発進させた。そして現れたスキマを通過して帰っていった。

またな…一真…進也…。

 

「よぅし!たこ焼き食べに行くか!」

「お、それいいな!」

「いい提案ね。じゃあ幽一、皆の分の勘定を頼むわね。」

「えっ!?ちょっ…リアス部長、それはいくら何でも…(汗)」

「ましですか幽一先輩!」

「…ありがとうごさいます幽一先輩。」

 

リアス部長に皆の分を奢れと言われた。何その罰ゲーム!?…ってか硬哉と小猫の目がめっちゃ光ってるよ…。

 

「あらあら、うふふ。」

「とんだ災難だね、幽一君。」

 

朱乃先輩はいつも通り、木場は苦笑いで俺に言ってきた。おいおい…いくら桁違いの貯金があるとはいえ、これはちょっとな………………まぁ、いいか!

 

 

 

 

 

 

 

?side

 

 

 

 

私は夜空を見上げてある人物の事を想った。そう、五十嵐幽一…私が精霊であるにも関わらず私を受け入れてくれた愛人…。

 

「幽一君…今頃どうしてるかな…?」

 

私は夜空を見上げたまま呟いた。いつかもう一度、幽一君と再開したい。その思いを胸に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユルセンside

 

 

 

 

 

 

 

 

『あれ、御成じゃん?』

 

オイラは偶然、御成を見かけた。

 

「ユルセンか。幽一の調子はどうだい?」

『ああ、霊術も順調に習得してるし、アイコンもある程度集まってるさ。』

「そうか…。」

『それにしても、幽一は転生してからかなり強くなったな。なんで転生に二年かかったか知らないけど、それでも幽一は前を向いて突き進んでる。』

「…。」

 

突然、御成が悲しげな表情で黙った。

 

『…どうしたの?』

「…実は…。」

 

 




ED[Enter Enter Misson (あんこうチーム&ライダー部ガールズ&オカルト研究部ガールズ&ユルセン Cover.ver)]
[我ら思う、故に我ら在り (五十嵐幽一 Cover.ver)]

挿入曲[Heats(五十嵐幽一&破神一真&炎斗群進也 Cover.ver)]



ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』

?「久しぶりだね、幽一君…。」

幽一はある日、偶然にもかつての恋人である理恵と再開する。

幽一「こいつ、まさか…!?」

幽一達は異世界の敵・眼魔と遭遇。幽一は眼魔と戦うも、やはり駘悟の妨害を受けてしまう。

『極寒の狙撃、俺の距離!』


次回[再開、優しき精霊!]

その目に焼き付けろ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

act3 ~Moonlight schoolyard of excalibur~
憎悪、伝説の聖剣!


テスト明けの投稿です。それよりも、ゴースト本編でタケルが3回も死ぬんですね…。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら英雄の眼魂を集めている。俺は理恵とのデート中、駘悟の強襲を受けた。外道になった駘悟の行動に俺はついに決別を言い渡した。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[Sympathy](larval stage planningより)



幽一side

 

 

 

 

 

 

既に深夜、現在俺は廃工場にいる。その目的はもちろんはぐれ悪魔討伐だ。だが今回はリアス部長達とではなく、ソープ先輩達ことTF141の皆と来ている。今回のメンバーは俺とソープ先輩、佳菜先輩、硬哉、案山士、騎士【ナイト】の佐久間疾風、兵士【ポーン】の中嶋智だ。そしてニコライ先輩が通信手を務めてくれる。

俺は既に変身しており、シモ・ヘイヘゴーストを纏い、狙撃銃を携行している。

 

『こちらニコライだ。聞こえるか?』

「ああ、聞こえている。続けてくれ。」

「確認するぞ。今回のターゲットは、はぐれ悪魔ジェクトだ。気を引き締めてかかれよ。」

「任せて下さい!」

「こんなもの余裕だ…。」

 

ニコライ先輩の通信に硬哉は元気に、案山士は静かに答えた。

 

『それとそこの廃工場についてなんだが、実は数人の一般人達が“ある物”を建造しているという噂があったんだ。それもついでに調べてくれ。』

「それもはぐれ悪魔の仕業か?」

『分からない。』

 

“ある物”…?しかも一般人が?

そんなことはともかく、俺達は廃工場の中に入る。中は結構広いし、当然灰暗い。

 

「案山士、幽一。お前らは階段から上に上がってくれ。」

「了解。行くぞ幽一。」

「ああ。」

 

俺と案山士はソープ先輩の指示を受けると、すぐ側にあった階段から上に上がる。ここから援護射撃するためらしい。

 

「幽一、狙いは外すなよ?」

「外さないさ。」

 

そんな会話をしながら案山士と俺はソープ先輩達に合わせて上の通路を移動する。するとそこには醜悪な姿となった巨大なトカゲがいた。

 

「いたぞ。はぐれ悪魔ジェクトだ。」

 

はぐれ悪魔を見つけた俺達は、一斉に銃を構える。

 

『ゴアアアアアアアッ!!』

 

ジェクトは俺達を見つけるや否や、こちらに向けて雄叫びを挙げた。

 

「撃て!」

 

俺達はソープ先輩の指示を受けて一斉射撃を行う。ソープ先輩達はジェクトの胴体辺り、俺と案山士は頭部に向かって狙い撃つ。だが悪魔だからか、そう簡単には死なない。

『グオァアアアア!!』

 

ここでジェクトがソープ先輩達に向かって突進してきた。ソープ先輩達はすぐに左右に回避するが、装備の重量の関係で硬哉だけが回避できずにいた。だが、問題はない。

 

「鋼鉄の甲冑【フルメタル・ジャケット】!」

 

硬哉はすぐさま己の神器を起動してアーマーを装着。ジェクトの突進を真っ正面から受け止める。多少後ろへ押されてはいるものの、ほんの数秒でジェクトのスピードを完全に殺した。

 

「オラァ!」

『ゴブァアア!?』

 

そして硬哉はジェクトの腹部に強烈な右ストレートを叩き込んだ。戦車【ルーク】としての身体能力も合わせたその威力はかなりのもの。ジェクトは吹き飛ばされると、そのまま壁に激突した。

俺達は再びジェクトに向けて射撃する。するとジェクトは俺達の方に視線を向けた。

 

「…っ!何か来るぞ!」

「分かってるさ!」

『グオアアッ!』

 

ジェクトは俺達に向けて火の玉を吐いてきた。案山士は騎士【ナイト】のスピードを活かして通路を駆け抜け、俺は浮遊して火の玉を回避した。放たれた火の玉はさっき俺達がいた場所に着弾すると、その通路を破壊した。それだけじゃない。破壊された端部から通路が溶け始めた。酸まで含んでるのか、あの火の玉…。

 

「はあっ!」

『ヴォワッ!?』

 

俺は浮遊した状態でジェクトの頭部に掴まる。ジェクトは俺を振り落とそうとする。

 

「そこだ…!」

『ギャアオッ!?』

 

そこへ案山士がジェクトの右目を狙撃して、目を潰した。片方の目を失ったジェクトは暴れだした。

 

「っ!大人しくしろっ!」

 

俺は狙撃銃の銃剣を展開すると、ジェクトの左目に突き刺す。そしておまけに銃弾をお見舞いした。

 

『グオオオオアアアアアアアア!?』

 

両目を失い、周りの物を目視できなくなったジェクトはパニックになって暴れる。俺はすぐに浮遊してジェクトから離れる。

 

「これでも喰らえ!」

 

ソープ先輩は右手に魔力を集めると、そのまま地面を叩きつけた。

 

『グオアッ!?』

 

刹那、ジェクトの足下の地面が隆起。その巨体を打ち上げられたジェクトは落下した。

俺は狙撃銃を離すと、霊術の構えを取りながらドライバーのハンドルを操作した。

 

『ダイカイガン!シモ・ヘイヘ!オメガドライブ!』

 

俺の背後に藍白色の目の紋章が現れると、その霊力と凄まじい冷気が右足に込められた。

 

「ハラワタをぶちまけろ! はあああああああ!!」

 

俺は重力に身を任せて急降下すると、ジェクトの腹部に踵落としをお見舞いして、地面に着地した。

 

『グォォォ…!』

 

これを喰らったジェクトは全身が氷漬けとなり、そのまま粉々になった。砕かれた氷の結晶はすぐに消滅した。

「…ふぅ。」

 

俺は変身を解除すると、皆のもとへ歩み寄る。

 

「やったな、幽一。」

「はい…。」

「これで討伐は完了ね。」

「…それにしても、“ハラワタをぶちまけろ”か…いつものお前の決め台詞じゃないな。」

「そうですよね、いつもなら“命燃やすぜ!”…ですけどね。」

 

案山士と硬哉は俺の決め台詞について指摘してきた。もちろん原因はある。あの日、駘悟との友情を断った影響からか戦闘スタイルが若干荒々しくなっており、口調も悪くなっていた。

 

「…俺は最近機嫌が悪いんだ…。」

 

俺はぶっきらぼうな表情をしながらそう答えた。皆が謎めく中、ソープ先輩と佳菜先輩は少し悲しげな表情になっていた。

 

『…皆、取り込み中いいか?先程数十人の人達が東側の廃工場に入っていった。もしかしたら何かあるかもしれない。調べてくれ。』

「了解だニコライ。聞いたか?東側の廃工場へ移動するぞ。」

 

ニコライ先輩からの通信を聞いた俺達は、ソープ先輩の指示で西側から東側の廃工場へ移動する。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺達が東側の廃工場に到着すると、そこには数人の人達が何かを建造していた。

俺達は物陰に隠れている。ウルフスコープとクモランタンはその狭い隙間からこの光景を撮影していた。ちなみにクモランタンが撮影している映像はニコライ先輩のPCに転送されるように設定してある。あのモノリス…どこかで見た気が…。

 

「何だありゃ?」

『見た感じ、モノリスだな。にしても何であんなもんを建造してるんだろうな?』

「分からないわ。でもモノリスなんて一般人が作る代物じゃないわよ。しかもこんな廃工場に…。」

 

どうやらあの人達はモノリスを建造していたらしい。佳菜先輩の言う通り、モノリスはこんな廃工場に建てるものじゃない。けど、あの目の紋章…まさか…?

 

「作業が遅れてるぞ、急げ!」

 

ここで、モノリス建造の現場監督と思われる男性が作業している人達に怒鳴った。

 

『とにかく、そのモノリスを調べる必要があるな。』

「それは任せてくれ。皆、武器を仕舞え。」

 

ソープ先輩の指示で、武装していない俺を除いた皆が魔方陣で武器を収納した。

 

「よし、行くぞ。」

 

俺達は隠れていた場所から離れ、作業している人達のもとへ歩く。

 

「あの~すみません。ちょっと調べたい事が…。」

「!?…何だ貴様らは!?」

 

すると、現場監督の男性が険しい顔をしてこちらを睨んできた。俺は霊視をすると、その人達の魂に眼魔アイコンが寄生しているのが見えた。やっぱり…何か可笑しいと思った!

 

「眼魔、その体から出ていけ!!」

「ちょっ、幽一!?」

 

ソープ先輩を無視するや否や、俺は目の紋章を描き、眼魔に寄生された人達に向けて紋章を飛ばした。すると、その人達から眼魔アイコンが離れ、そのアイコンは眼魔コマンドへと変化した。

 

『『『『ウゥゥゥゥ…!』』』』

『何だあいつは!?』

「まさか、噂になってる眼魔って奴等なのか!?」

「そうです。どうやら眼魔はその人達に憑依してモノリスを建造させていたらしいです。」

「何のために?」

「それは分からないですけど、眼魔にとって何か必要なものらしいです。」

『『『『ウゥゥゥ…!』』』』

「来るぞ!」

 

眼魔コマンド達は剣や銃を構えてこちらに向かってきた。ソープ先輩達は制服に隠し持っていたピストルを取り出した。俺はドライバーを出現させると、そこからガンガンセイバーを取り出す。こいつら程度なら、変身は必要ない。

 

「はあああああ! たあっ! おりゃ!」

 

俺はガンガンセイバーを振るって眼魔コマンド達を倒していく。後ろからはソープ先輩達が援護射撃していた。

 

『『ヴヴッ…!』』

 

すると、二体の眼魔コマンドがソープ先輩達の方へ向かっていった。

 

「はあっ!おりゃあ!」

『『ヴヴッ…!?』』

 

すると、ソープ先輩がククリナイフを取りだし、二体の眼魔コマンドを瞬殺した。

さて、さっさと終わらせるか。

 

「五十嵐流霊術・霊破弾雨!」

 

俺は霊力を集めると、それを眼魔コマンド達の頭上に放つ。するとそこから大量の光弾が降り注いだ。

これを受けた眼魔コマンド達はあっさりと全滅した。

 

「よし、片付いたな。」

 

ソープ先輩が呟いたその時

 

 

 

 

 

 

ドカァァァァァァァン!!

 

 

 

 

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

突然、モノリスがあった場所が大爆発を起こした。

 

「くそ、証拠隠滅か!」

「これじゃ何も分からないわ…。」

『…仕方ない。ソープ、帰還してくれ。またの機会があるさ。』

「分かった…。」

 

俺達は廃工場から撤退した。結局、眼魔がモノリスを建造して何をしようとしていたのかは分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッシュside

 

 

 

 

 

 

 

 

私は廃工場にあるクレーンの上から遠隔でモノリスを自爆させた。証拠隠滅のためだ。

 

「あそこまで作ったものを爆破するのは残念だが、調べられては厄介だ。」

 

私はそう言いながら廃工場に目の紋章を展開した。

 

「だが…まぁいいだろう…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は翌日の朝、理恵と一緒に登校していた。その途中でイッセー、アーシア、リアス部長と合流した。

 

「なるほどね、眼魔が人間達に憑依してモノリスを建造していたなんてね…。」

「モノリスは何のために?」

「それは分からない。」

「ちなみに、どうやって憑依を解いたんですか?」

「目の紋章を使って、人から眼魔アイコンを摘出するんだ。そうすれば元に戻る。」

 

俺はイッセーとアーシアの質問に答えた。理恵は歩きながら霊術の秘伝書を読んでいた。

 

「それにしても、かなり古い文字で書かれてるね。どうやってこんなの解読できたの?」

「どうだろう…俺は特に古文の勉強をせずに普通に読めたからな…。」

「ねぇ、もし努力すれば私達も霊術を使えるかな?」

「“基本的”にバハムート様から霊力を貰った者、もしくはその子孫しか使えないんだ。」

 

俺は理恵に五十嵐流霊術の説明をした。五十嵐流霊術はその特性状、バハムート様から霊力を授かった者、もしくはその子孫達に限られる。通常は努力などでは使用なんて不可能だ。だけど、駘悟はあの時リアス部長達に向けて、五十嵐流霊術である地衝波を放っていた。どうしてだろう…?

 

「それにしても、幽一と理恵ちゃんは残念だったろうな。折角のデートをスペクターのせいで台無しにされたんだろ?」

「…言うなよイッセー…思い出しただけでイライラする…!」

 

俺はイッセーに言われて険しい表情になる。駘悟の事はもう思い出したくもない。何せ、あんな外道になったんだからな…!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「言ったはずだ!俺はこの町を滅ぼしてでも願いを叶えるとな!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺はもう駘悟とは親友じゃない。あんな残虐で残忍な外道が親友とも思いたくもない。次は…必ず…殺す!

 

「幽一君…。」

 

理恵が心配そうな表情をしてきた。

 

「ゆ、幽一さん!元気出してください!」

 

ここで、アーシアが話しかけてきた。元気出せ…か。確かにそうだな。

 

「それに、こう言うじゃないですか!“人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて○ね”ってことわざが。」

「「「「えっ…?(汗)」」」」

 

アーシアのその一言で俺達の思考がフリーズした。どこのシャ○ロットさんだアンタ…ってか、それ何処で習った…?

 

「ど、どうしたんですか?」

「いや…意外と毒舌なんだな。(汗)」

 

俺達はそんなカオスな雰囲気のまま学園に到着した。びっくりしたわ…アーシアが意外な暴言吐いたから…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

放課後、俺達は部室へ…と言いたいところだが、この時期は定期的な旧校舎のメンテがあるから部室が使えないらしい…という事情から俺達は何故かイッセーの自宅へお邪魔している。もちろんその家の中にはオカ研部員が全員集合している。今回は会議があるのだが、それはイッセーのお母さんが持ってきたアルバムによってものの見事に崩壊した。

 

「で、こっちが小学生の時のイッセーなのよ。」

「あらあら、全裸で海に。」

「朱乃さん!?ちょっと母さん、そんな変なもん見せんなよ!思い出した今でも恥ずかしいんだからこれ!!」

 

イッセーは自分の恥ずかしい写真を見られて顔が真っ赤である。なんて言うか、ここでのイッセーは苦労が絶えないな…。

 

「あ、こっちはイッセーが布団にくるまりながら芋虫になり切ってる。」

「…イッセー先輩の黒歴史。」

「ちょおおおおお!?理恵ちゃんも小猫ちゃんも見ないでくれぇぇぇえええ!!」

 

理恵と小猫はイッセーが布団に丸まりながら芋虫みたい動きをしている写真を見ていた。

 

『王蟲か何かかな?』

『ナウ○カじゃねぇよ。』

 

ユルセンまでボケた。ちなみにリアス部長はと言うと…

 

「…幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー幼い頃のイッセー…」

 

うん、別の意味で“絶好調”である!

めっちゃ連呼しながらイッセーの写真見てるし、表情もなんか不気味な笑顔だ。

アーシアも何げにリアス部長と仲良く写真見ながら談笑しているし…。

 

「ハハハ、僕にも見せてくれよ。」

「おい木場!お前はぜってぇ見んじゃねぇよ!!」

「いいじゃないか。減るものじゃあるまいし…。」

 

木場も笑いながらイッセーのアルバムを見始める。

 

「…っ!」

 

しかし、ある写真を見て木場の表情が突然険しくなった。ど、どうしたんだろう?何の写真を見て木場が目を鋭くなったんだ?

俺は覗いてみると、イッセーともう一人の少年(?)が写っている写真だった。だがよく見ると、写真中央に一本の剣が立てられていた。木場はこの写真に写っている剣の方に注目していた。

 

「イッセー君、この写真は…?」

「…これ?ガキの時だったから全然覚えてないけど?」

「なぁ木場、この写真がどうかしたんだ?」

 

俺は恐る恐る木場に尋ねる。すると木場は次の瞬間、こう答えた。

 

「これは

 

 

 

聖剣だよ…!」

 




ED[Survival](Eminem)


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


木場「…。」
幽一「木場?」

聖剣の写真を見て以来、木場の様子が可笑しくなる。

リアス「少しは目が覚めたかしら?」

その木場の態度にリアス部長も激怒。幽一と理恵は木場を心配して後を追う。

フリード「ひゃはははは!」
木場「それは…!!」

再び現れたフリード。その手に持っていたのは…。

幽一「さぁ…駆け抜けるぜ。」

雨天の中、幽一はアイルトンアイコンを使用した。

次回[天閃、雨天のレーサー!]

その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

雷堂寺:【?】?【?】?【?】?【?】?【?】?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天閃、雨天のレーサー!

英検の勉強で執筆が進まなくて申し訳ありません!


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら英雄の眼魂を集めている。
イッセーの家へお邪魔した俺達はイッセーのアルバムを見ていた。その時、祐斗が…。」

祐斗「これは…聖剣だよ…!」

幽一「現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[Sympathy]



幽一side

 

 

 

 

 

イッセーの家で例の写真を見てから、祐斗の様子がおかしくなった。授業の時も、部活の時も、果ては依頼の時も何かを思い出しているかのように上の空だった。ただはっきりと感じとれたのは、祐斗はあの剣に対して“憎悪”を抱いていたことだ。祐斗の過去に何が…?

まあそんな事はさておき、俺達は球技大会の真っ最中だ。俺達オカルト研究部がやる種目はドッヂボールになった。ちなみに会場は体育館だ。部対抗の形式になっており、現在俺達は野球部と試合をしているのだが…

 

 

「兵藤を殺れぇぇえ!!」

「狙え!兵藤を狙えぇぇ!!」

「ふざけんなテメェらぁぁぁああああ!!」

 

標的がイッセーに絞られていた。野球部員達はボールをキャッチするや否や、イッセーに向かって投げている。野球部員のためかコントロールが良い球が飛んでくるが、イッセーはこれを死に物狂いで避けている。

ちなみに何故かイッセー以外にはボールが向かって来ない。理由として…

 

 

リアス部長と朱乃先輩=【学園二大お姉様】だから当然当てられない。

 

アーシア=二年生ナンバー1の癒し系天然美少女だから当てられない。

 

理恵=二年生の中でもダントツに可愛い美少女だから当てられない。

 

小猫=学園のマスコットだから当てたら可哀想とのこと。

 

俺と祐斗=当てたら全女子生徒の恨みを買ってしまう。

 

…とのことらしい。俺の場合だったら、稀に俺に飛んでくるかと思ったけど、まさかの祐斗と同じ扱いになっていた。

 

「…これ、試合なのかな?」

「分からない。」

 

理恵が苦笑いしながら尋ねてきた。まぁイッセーの場合は日頃の行い(覗き)が祟ったんだろうな。

 

『あれだ。オヤ○ロ様の祟りry』

『それもっとアカンやつだ!』

 

ユルセン…もしそれだったらこの場にいる全員呪われとるわッ!バーロー!

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

 

 

 

開始早々、俺は野球部員達からの集中砲火を受けていた。

 

「なんで俺だけなんだよぉぉぉぉおお!?」

 

俺はそんな事を叫びながらボールを避ける。相手が野球部だからか、コントロールが良すぎて辛い。しかもそれが俺だけに集中して向かってくるのである。

 

「イッセー死ねぇぇぇぇえ!!」

「お願い!兵藤を倒して!!」

「汚物(イッセー)を消毒しろぉぉぉおお!!」

「野郎、ぶっ殺してやる!」

「誰がジープを持ってこい!!」

 

野球部員達からだけでなく、ギャラリー達からも暴言を言われていた。ジープ持ってこいとか絶対無理だろ!?もし持ってこられたらマジで死ぬわ!

俺は必死に飛んでくるボールを避け続ける。

 

「ええぃ!恨まれても構わん!くたばれイケメン!!」

 

ここで、野球部員の一人が木場に向けてボールを投げた。しかもあいつは未だにボーッとしていた。

 

「っ!何やってんだよイケメン野郎!」

 

俺は愚痴を言いながらも木場の前に立ち、ボールをキャッチする構えを取る…あのボール、下へフォークしてるような…?

 

 

 

 

 

 

ゴォォォォォォォォォン!

 

 

 

 

「ゴフッ…!?」

 

そのボールは、俺の股間に命中した。

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、体育館内で鐘の音が鳴り響いた。何故なら、イッセーの股間にボールが命中したからだ。イッセーはそのまま倒れた。

 

「た、タイム!タイムだ!」

 

俺は審判に試合中断を頼むと、イッセーのもとへ駆け寄る。リアス部長達もイッセーのもとへ駆け寄った。

 

「イッセー!しっかりして!」

「…あ…ああ…。」

 

リアス部長が呼び掛ける。イッセーはあまりの激痛に悶絶していた。

 

「ぶ、部長………お、俺の…玉が…。」

「ボールならここにあるわ!」

「いや、そっちじゃないですよ!?」

 

リアス部長の発言に理恵が突っ込んだ。そりゃそうだな。今はイッセーの“玉”が大変なことになっているからな…。

 

「と、とりあえず…イッセーを治療しないと…!」

「そうだった!…小猫!イッセーを人目のない所に運んで!アーシアはイッセーを治療して!」

「は、はい!」

「…分かりました。」

 

リアス部長の指示を聞いたアーシアと小猫は、イッセーを人目の無い所へ運んでいった。

 

「さぁ皆、イッセーの弔い合戦よ!」

 

リアス部長…勝手にイッセーを殺さないで下さい…まだ生きてますよ。

この後、俺達は野球部との試合に勝利した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

大会が終わったところで、ちょうど雨が降ってきた。今日は夕方に降ると予報されてたからな。

大会が終わった後、俺達は部室にいるのだが、その場の空気はかなり悪かった。

 

 

 

 

パシンッ!

 

 

 

 

リアス部長が祐斗に平手打ちをしたのだ。本来なら有り得ない光景だ。

 

「どう?少しは目が覚めたかしら?」

 

リアス部長の機嫌はかなり悪かった。それもそのはず、祐斗は球技大会中も終始ボーッとしていたからだ。

 

「もういいですか?球技大会も終わりました。昼間はどうにも調子が悪かったみたいです。申し訳ありませんでした。それと少し疲れてしまったので普段の部活は休ませていただきます。」

祐斗は突然、造った笑顔を見せてリアス部長にそう言った。あの喋り方…さっさとこの場から去りたいという感じだな…。

 

「木場、お前マジで変だぞ?」

「君には関係無いことだよ。」

 

イッセーの質問を冷たく返した祐斗。

 

「流石の俺でも心配しちまうよ。」

「心配?誰をだい?基本利己的なのが悪魔だと思うけど…。まぁ今回は主に従わなかった僕が悪かったと思っているよ。」

 

祐斗はまた冷たい口調で答えた。なんだろうな…今回はまるで立場が逆だ。

 

『いつもの木場じゃないな。』

 

ユルセンが呟いた。確かにそうだな…もはや別人だな。

 

「チーム一丸でまとまっていこうとしていた矢先でこんな調子じゃ困るぜ。ライザーとのレーティングゲームの時だってどんなに痛い目に遭ったか、感じ取っただろ?お互い不足してる部分を補っていかなきゃダメなんじゃないか?“仲間”なんだからさ。」

「“仲間”か…。イッセー君、僕は基本的な事を思い出していたんだよ。」

「基本的な事?」

「ああ、そうさ。僕が何のために戦っているかを。」

「部長のためじゃないのか?」

「違う。僕は“復讐”のために生きている。聖剣“エクスカリバー”…それを破壊するのが僕の戦う意味だ…!」

 

祐斗は自分の決意を言った。その瞳からは強い決意に憎悪が溢れていた。そして祐斗はそのまま部室から出ていった。雨天にも関わらず、傘も差さずに…。

「祐斗…。」

 

俺は復讐に走る祐斗のことを心配した。大丈夫なのだろうか……やっぱり不安だ。追いかけた方がいいな。

 

「…リアス部長、俺達も用事があるので帰ります。」

「…分かったわ。」

 

俺はリアス部長にそう言うと、理恵と共に部室を後にした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺と理恵は帰路を歩いている………というのは嘘で、実際は祐斗の後を追っている。俺と理恵は既に使い魔やゴーストガジェット達に捜索をお願いしている。ちなみに現在、俺と理恵は何故か相合傘状態である。

 

「ねぇ、幽一君。」

「どうした?」

「祐斗君は大丈夫かな?あの感じは危なさそうだけど…。」

「……。」

 

俺は理恵の質問に沈黙する。祐斗が憎んでいた聖剣エクスカリバー…なんでイッセーの写真に写ってたんだろうか…?

 

「どうだろう…今のあいつなら、正直言ってやりかねないかもしれない。」

「そうだよね。でもまずは祐斗君を探して理由を聞かないとね。」

「確かにそうだな。」

 

俺と理恵はそう会話しながら祐斗を探す。

 

 

 

 

 

 

 

キンッ!キンッ!キンッ!キンッ!

 

 

 

 

 

その時、俺達が歩いている道の先で剣戟音が響いてきた。この音…祐斗が誰かと戦ってるのか…!?

 

「…理恵。」

「うん、分かってるよ…!」

 

俺と理恵は剣戟音が聞こえてきた方向へ走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗side ~3分前~

 

 

 

 

 

 

雨が降りしきる中、僕は当てもなくさまよっていた。聖剣エクスカリバー…そうだった………“あの日”を忘れるはずがない…!絶対に許さない…あの聖剣は……僕が破壊してやる…!!

僕は歩きながらエクスカリバーに対する憎悪を浮かべる。

 

 

「おやおやぁ?誰かと思ったらあの時の美青年の悪魔君じゃないですかぁ~!おっひさですねぇ~。」

すると、僕のもとへ一人の男がやって来た。そう、あのはぐれエクソシスト…フリード・セルゼンだった。

アーシアさんを救出しに行った日の時、僕は一度あいつと戦ったことがある。

 

「いや~、それにしても君のような悪魔君を見るとあの“幽霊モドキ”を思い出すねぇ~!あいつにぶん殴られた時はそれはそれは~怒り心頭だった!」

 

幽霊モドキ…幽一君のことか…。

 

「…何の用だい?今の僕は非常に機嫌が悪いんだよ…。」

 

僕はフリードに対してそう言いながら魔剣創造【ソードバース】で魔剣を生成した。

 

「はっははは!!こりゃ怖いですわ!まぁ正直な話、悪魔殺しはどうでもいいですけどぉ?でも“こいつ”の試し斬りにひとっ走り付き合ってくれるんだったら是非ご協力を~!あ、拒否権は最初っからないんで!」

 

そう言ってフリードは一本の剣を取り出した。あの剣からは、凄まじいオーラが感じとれた。このオーラ…まさか、それは…!

 

「…“その剣”の名称、一応聞こうか。」

 

僕はもう既に分かっていた。あの剣が一体何なのかを…。

 

「お察しのとぉぉり!これは強靭、無敵、最強の聖剣・“エクスカリバー”~~~っす!!」

「!」

 

エクスカリバー…やっぱりそうだ……!憎き聖剣……!!

 

「お前さんの魔剣モドキと俺っちのエクスカリバーの力、どっちが上なのか試させてもらいますぜ?怪我しても文句は無しでっせ!」

「…望むところだ…!」

 

僕は先手必勝と言わんばかりにフリードのもとへ急接近し、剣による連撃を叩き込む。突き、袈裟斬り、薙払いとフリードに対して容赦のない攻撃を繰り出す。

 

「その程度でっか?今度はこちらから!」

「っ!」

 

ここで、フリードがエクスカリバーを振り下ろしてきた。僕は悪魔であるため、あの聖剣で斬られたら消滅してしまう。僕は咄嗟の判断でガードする。聖剣による攻撃を受けたために僕がもつ魔剣に亀裂が入り始めた。

僕はフリードから一旦下がると、新しく魔剣を生成する。しかし

 

「なっ…!?」

 

僕が新たに魔剣を装備した時には、既にフリードは“僕の間近”にいた。

 

「そりゃああ!」

「っ…!!」

 

フリードからの蹴りを受け、僕の身体は吹き飛ばされた。くっ…いつの間に僕と互角のスピードを…!?

 

「さぁ~て、ぶった斬りますか!ハハハ!」

 

フリードが再び高速で接近してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「五十嵐流霊術・霊追牙【拡】!」

「!?」

 

突然、フリードに向かって複数の光弾が飛んでいき、フリードの近くに着弾すると、小規模の爆発が起こった。フリードはそのスピードで避けた。

 

「祐斗!」

 

僕のもとへ、幽一君と理恵さんが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は祐斗のもとへ駆け寄る。見た感じ、怪我はなさそうだ。強いて言うなら蹴られた跡が制服についているだけだ。

 

「おーっ!?誰かと思ったらあの時の幽霊モドキじゃありませんかぁ!」

「フリード…あの時倒したはずじゃ…!?」

「残~念でした!トリックだよ!!」

 

そこにはあの時倒したはずのフリードがいた。フリードの右手には一本の剣が握られていた。あれって…?

 

「祐斗君、あれは…?」

「あれはエクスカリバーだ!」

「何だって!?」

 

理恵の質問に祐斗がすぐに答えた。エクスカリバーだって!?…フリード…いつの間にそんな代物を入手したんだ!?

 

「さぁーて、再開して悪いけど速攻で殺っちまうぜ!ハハハハハハハ!!」

「そんなことはさせるか!」

 

俺はそう言うと、ドライバーを出現させる。そして懐からオレアイコンを……

 

 

 

 

 

 

 

『クククククッ…!ハハハハハハハ…!!』

「!?」

 

取り出した時、オレアイコンが何故か“禍々しいカラーリング”になっており、不気味な笑い声を挙げていた。その紫色の瞳から禍々しいオーラを発していた。

俺は疑ってオレアイコンをもう一度見てみる。するといつものオレアイコンに戻っていた。何だったんだ今のは…!?

 

「隙ありぃ!!」

「!?…幽一君!」

「危ない!」

「!?」

 

すると、フリードがこの隙を突いて突撃してきた。

 

「はああっ!!」

「うおっ!?」

 

その時、戦闘用の衣装に換装し終えた理恵が、フラガラッハでフリードの攻撃をガードした。

 

「幽一君、早く変身して!」

「あ、ああ。 変身!」

 

俺はオレアイコンをナンバリング状態にすると、ドライバーに装填してカバーを閉じ、ハンドルを操作する。

 

『アーイ! カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身してオレゴーストを纏い、ガンガンセイバーを装備してフリードに突撃する。

 

「おりゃ!」

「はあっ!」

 

俺は理恵と連携してフリードに攻撃を仕掛ける。剣と剣がぶつかり、火花が散る。

 

「なかなかやるねぇ!しかもそちらのお嬢さんもまさか“本物の魔剣”を持ってたなんてねぇ!俺っち感動!」

「褒められても何にも嬉しくないわよ!」

「さて、こちらも本気出しまっせ!」

 

するとここで、フリードが高速移動を始めた。フリードは高速で移動しながら俺達に攻撃を繰り出してくる。俺と理恵はこれをガードする。

 

「速い!?」

「くっ…これじゃガードしか出来ない…!」

「俺っちのスピードについて行けるかなぁ?ハハハ!」

 

フリードは笑いながらそう言った。あの速度にエクスカリバーの威力はやばそうだ…。ここはあれだ!

 

「頼むぞ、アイルトン!」

 

俺はアイルトンアイコンを取り出すと、ドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからアイルトンゴーストが現れ、フリードの攻撃をガードする。俺はドライバーを操作する。

 

『カイガン!アイルトン!駆ける天才、ぶっちぎりレーサー!』

 

俺はアイルトンゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを薙刀モードにする。そしてビートルラジオを合体させてランスにした。

雨に打たれるや否や、アイルトンゴーストからものすごいオーラが溢れ出てきた。そうだったな…アイルトンは雨天のレースに強かったな。

 

「さぁ…駆け抜けるぜ!」

 

俺はランスを構えると、ドライバーを操作する。

 

『ダイカイガン!アイルトン!オメガドライブ!』

「はぁぁぁぁぁ…!」

 

俺は超高速移動を行い、すれ違い様にフリードを攻撃する。

 

「うおおっ!?俺っちより速いですとぉ!?」

「…遅いな。」

「なめてんじゃねぇよクソが!」

 

フリードは俺の一言で頭に血が昇ったのか、さっきよりも速いスピードでこちらに向かってきた。まぁ、動きはもう掌握したけどな。

 

「ふんっ!」

「ぐふっ…!?」

「はああっ!!」

「ぐわあああ!」

 

俺は足払いをしてフリードを転倒させると、そのままその身体を掴んで投げ飛ばした。

俺はランスをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

 

俺がランスにエネルギーを溜めていると、フリードが再び急接近してきた。だが、もうチャージは終わった。

 

『オメガソニック!』

「ハラワタをぶちまけろ!!」

「っ…!」

 

俺はこちらに向かってくるフリードに向けてランスを突き出す。その一撃は見事に命中し、フリードは吹き飛ばされた。だがよく見てみると、フリードの左肩をかすめただけだった。

「うぐっ…まぁ今回は妥当なところっすかね!じゃあまたお会いしましょう!ハハハハハ!」

 

フリードはさっきの痛みを感じないかの如くそのまま退散していった。あの快楽殺人鬼め…。

 

『オヤスミー』

 

俺は変身を解除した。理恵も既に制服姿に戻っていた。祐斗は立ち上がると、再び何処かへ行こうとする。

 

「祐斗、何処へ行くんだ?」

「君には関係ないよ。」

「関係あるって!“エクスカリバーを破壊”しに行くんだろ?でもそんな状態じゃ破壊すらままならないぞ!」

「君に何が分かるんだい!?」

 

俺は呼び止めるが、祐斗は怒鳴った。

 

「聖剣を扱えるための非道な実験を強いられた挙げ句、“不良品”の烙印を押されて処分された僕の…いや、僕達の事を君に何が理解できるんだ!」

 

祐斗はそう言った……“僕達”?…実験…?

 

「な、なぁ…“僕達”って事は、祐斗以外にも実験を強いられた人達が?」

「そうだよ。当時、教会にいた僕と僕の同士達はあのエクスカリバーを扱えるための実験を受けてたんだ。でも失敗だった。不良品と見なされた僕達は、“毒ガス”による処分を受けたんだ。」

「「!?」」

 

俺と理恵は“毒”という単語を聞いて驚愕の表情を浮かべた。ど、毒だって…!?

 

「同士達は自らを犠牲にして僕を逃がしてくれた。でも僕も身体中を毒に蝕まれ、その逃げる道中でとうとう力尽きたんだ。その僕を悪魔として転生させたのが部長なんだ…。」

「そうだったんだ…。」

「だから僕は今度こそ、自らの手でエクスカリバーを壊す…!」

 

祐斗は自分の決意を言うと、そのまま去っていった。祐斗の同士達の無念のためにエクスカリバーを破壊する…か。そして祐斗も、俺と同じく毒に苦しめられた過去があるのか…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

自宅に戻り、夕食を済ませた俺達は、祐斗の過去について考え事をしていた。

 

「祐斗も、毒に苦しめられたんだ…。俺と同じく…。」

「ねぇ、幽一君。」

「ん?」

「あの時、どうして変身を戸惑ったの?」

 

理恵はあの時の出来事について尋ねてきた。俺はオレアイコンを手に取る。

 

「あの時、俺のアイコンが何故か黒く変化してたんだ。不気味な笑い声を挙げながら…。」

「幽一君…それってまさか…?」

「ああ。駘悟から毒を受けた時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“かつての俺”が目覚めたかもしれない。」

 

俺は暗い表情で言った。“かつての俺”…それは理恵と会う前の頃の俺だ。その頃の俺は残虐な思考の持ち主で、ひたすら喧嘩に明け暮れていた…思い出したくもない黒歴史だ。

 

「嫌なんだ…あの頃の俺に戻るのは…。」

 

俺は頭を抱えながら弱音を吐いた。もし俺が再び“邪神”になったら、大変な事になる…。

すると、理恵が俺のもとに歩み寄り、俺の身体を抱き締めた。

 

「大丈夫。幽一君には私がついているから。」

「理恵…ありがとな。」

 

俺は理恵の微笑みに安心を取り戻した。祐斗の事は……今は進展を待つしかないな。

 




ED[Survival]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


理恵「この男、幽一君から“アイコンを奪う”って言ってたよ!」

翌日、幽一達の自宅に一通の封筒が届いた。その中に入っていた写真には幽一の父・竜彦を含めた3人が写っていた。それには雷堂寺の姿も…。

芦原「関わりたくないんだ!」

幽一は父・竜彦の事を知る人物である芦原と出会う。その正体とは…

幽一「俺は最後の時が来るまで諦めません!」

幽一はこれから起こる出来事に屈しない決意をする。そこへ再び眼魔の襲撃が迫る!

『アニキ、ムキムキ、仁王立ち!』

次回[堂々、忠義の友!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン!


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

雷堂寺:【?】?【?】?【?】?【?】?【?】?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

堂々、忠義の友!

ムゲン魂、来ましたね…ってかゴースト本編でもユウイチが出ちゃいましたね。これはまぐれかな?


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら英雄の眼魂を集めている。前に倒したはずのフリードがエクスカリバーを持っていた。俺は祐斗の過去を知った。そして、“かつての俺”も目覚めようとしていた…。
現在所有しているアイコンは…8つだ。」


OP[Symphaty]



幽一side

 

 

 

 

 

俺は気づくと、昔全焼したはずの家・五十嵐寺の中だった。そしてそこには

 

「……。」

「父さん!?」

 

死んだはずの父さんがいた。俺は父さんのもとへ駆け寄る。

 

「ねぇ父さん。昔、駘悟達に何があったんだ?何が駘悟をあんな残忍な性格にしてしまったんだ!?」

 

俺は父さんに駘悟が外道になってしまった原因を尋ねる。だが父さんは何も答えず、そのまま消えてしまった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「…ん…夢か…。」

 

いつもの朝、俺は窓から差し込んできた日の光で目を覚ます。昨日の雨雲はもうなく、青空が広がっていた。俺と理恵は昨日、祐斗の過去を知ったな。それにしても…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『クククククッ…!ハハハハハハハ…!!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの時、オレアイコンが禍々しく変化したのが気になるな。今後もあれが続きそうだな…そういえば駘悟から毒を喰らった時、致死量にも関わらず、何故俺の身体は毒に蝕まれなかったのだろうか?今度おっちゃん来たら聞いてみるか…。

さて今日も学校だし、朝食作るか…。俺は朝食を作ろうと身体を起こそうとするが、何故か身体が起き上がらない。どうやら理恵が俺の身体を抱き締めているようだ。俺は理恵の方を向く……え?

 

「すぅ~…すぅ~…。」

 

な、なんちゅう格好だよ!?何で下着姿で寝てるんだよ!?というか、床にパジャマが堂々と脱ぎ捨てられてるし!

 

「おーい…。」

「…ん?…ふ、ふぇ!?」

 

理恵は目を覚ますと、こちらを見るや否や可愛いらしい声を挙げながら驚いた。

 

「お前、何で脱いだんだ…?」

「えっと…その…ね、眠れなかったから…//」

 

理恵は赤面でもじもじしながら答えた。眠れなかったから脱いだのをぉぉぉぉ!?早いよ!いくら何でも早過ぎるって!…あれだな、今のイッセーのベッドはあんな感じになってるだろうな…リアス部長とアーシアがいるしな。

理恵はベッドから立ち上がると、脱ぎ捨てられてるパジャマを再び着た。俺もベッドから立ち上がる……ん、何か聞こえてくる?

俺はドアを開けてリビングへ行くと、そこには半袖半ズボン姿のおっちゃんがいた。しかもあの格好は南国行ったようだな。土産袋も置いてあるし。おっちゃんはレゲエを口ずさんでいた。

 

「あれ、おっちゃん?」

「ん?おー、幽一…ってあれ?そこにいるのはこの前の子?」

「え?いや、違います。」

 

おっちゃんは理恵を見ると、この前に来た子と勘違いした。

 

「まぁいいや。南国のイッサカイトウに行ってきたよ。これは幽一にプレゼント。」

「ああ、どうも…。」

 

俺はおっちゃんから妙な土産を貰った。なんだこのモアイみたいな菩薩は…?

 

「名前はシークイシンダカ…。」

「じゃなくて!…俺は前に、駘悟から毒を喰らった。けど俺は何故か毒に蝕まれなかったんだ。」

「何だよ、藪から棒に?」

「俺の状態がどうなっているのか教えてくれ!」

「…いいだろう。」

 

おっちゃんは真剣な表情になって言った。

 

「そいつは、“千本の武器を集めることに誓いを立てていた”。そして、999本目を手にした時…。」

「牛若丸が現れた……ってそれは武蔵坊弁慶だよ。またそうやってはぐらかす…。」

 

おっちゃんは弁慶について語った。俺もつい乗ってしまった…。

「あ、あそこに小さな光がピカーって。」

「「え?」」

 

俺と理恵は振り返る。まさか…俺はおっちゃんの方へ再び振り返る。くそ、逃げられた…!

 

「それにしても何だよこれ…?」

「こんな菩薩売ってるのかな…?」

『クビガクルシイヨー』

「ひゃっ!?」

「うおっ!?しゃ、喋った!?」

 

俺が謎の菩薩を持っていると、菩薩が喋った。俺と理恵は思わず驚いてしまった。どうなってんのこれ!?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

支度をし、制服に着替えた俺達は自宅から外に出る。

 

「ん?何だこれ?」

 

俺はポストに何かの茶封筒が入っているのに気づく。俺はポストから茶封筒を取り出す。

 

「うーん…封筒には何にも書かれてないね。」

「何が入っているんだろう?」

 

俺は中身が気になり、封筒を開ける。中に入っていたのは、二枚の写真だった。一枚目は一人の人物が写っている写真だった。

 

「この人…どっかで…?」

 

俺はそう呟きながら二枚目の写真を見る。それは先程の写真の男性を含めた3人が写っていた……!

 

「やっぱりだ…この人、父さんと知り合いだったんだ…!」

「どれどれ?……!?」

 

理恵も写真を見た瞬間、理恵は驚きの表情をした。

「どうした?」

「幽一君、この男を見て!」

 

俺は理恵に言われて左側の眼鏡をかけた男性の方を注目する。

 

「この男がどうしたんだ?」

「この男、幽一君から“アイコンを奪う”って言ってたよ!」

 

俺からアイコンを奪う…?

 

「もしかして、前に理恵を拉致した男か…!?」

「うん…!」

 

どうやら3人目の男は、前に理恵を拉致したやつらしい。俺はその写真を裏返す。そこには父さんの苗字の他、もう2人の苗字が表に写っている人物のところに書かれていた。どうやら左側に写っている男は“雷堂寺”というらしい。そして右側の男は一枚目の写真に写った男…苗字は“芦原”らしい。

気になる事はあるが、とりあえず俺達は学校へ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はビルの屋上で一枚の写真を取り出す。それは5年前、霊術の研究をしていた3人の霊能者が写っていた。そこには私も含め、竜彦と芦原もいた。

 

「五十嵐竜彦。貴方は優秀なリーダーでした。でも私はそんな貴方のことが大嫌いでした。」

 

私は写真の竜彦が写っている部分を注目しながら呟く。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「私はこの世界を幽一や駘悟、次の世代へ繋げたいと思っている。それが出来るのは我々しかいない!私を…いや、“人間の可能性”を信じて力を貸してくれないか?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「五十嵐幽一をちゃんと“導いて”下さいね。」

 

私は一段下にいる青龍刀眼魔に言った。

 

「ふんっ!」

 

青龍刀眼魔は余裕な表情で鼻笑いをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が一通り終わり、俺達はオカ研部室へ向かっている。昨日のあの件からか、今日は祐斗は学校に来てないらしい。それよりも、芦原って男性の事も気になる。でもこの世界にいるのかも分からないな…。

俺はそんな事を考えながらイッセー達と共に歩く。

 

「…ん?」

 

俺は何かの気配を感じ取た。振り向くと、電柱に隠れている男を見つけた。

他の三人も俺に釣られて一斉に電柱に隠れている男の方を向いた。

 

「っ!」

「あの顔、まさか…!」

「…!」

「「?」」

 

俺と理恵はその男性の正体が分かった。イッセーとアーシアはポカンとしているが…。間違い無い…芦原さんだ!

芦原さんは気づかれると、すぐにその場から逃げていった。

 

「イッセー、鞄預けるぞ!」

「ちょっ!?おい、幽一!」

「幽一さん!?」

 

俺はイッセーに鞄を預けると、すぐに芦原さんの後を追う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は魂の反応を探知して、芦原さんの後を追う。俺は芦原さんを追い続け、桜街道を走る。

 

「待って下さい!」

「知らない!私は何も知らないんだ!」

「俺は“五十嵐幽一”と言います!」

「!?…“五十嵐”…?」

 

俺は走りながら自分の名前を言う。すると、芦原さんは何かを思い出したかのように足を止めた。

 

「父さんのこと…5年前、何があったか知りたいんです!」

「…五十嵐竜彦…。」

 

芦原さんは父さんの名前を呟いた。五十嵐という苗字に反応した辺り、やっぱり何か知ってそうだな…。

「昔、一組の兄妹が何かに巻き込まれ…。」

「関わりなくないんだ!もう誰も信用できない……“未来は失われてしまった”……もうどうにもならない!」

 

俺は5年前のことを尋ねようとするが、芦原さんはそう言って拒絶した。“未来は失われた”…?一体どういうことなんだ…?

 

「デヤァァ!!」

「っ!?」

 

その時、何者かが俺に向かって青龍偃月刀を振り下ろしてきた。どうやら眼魔だ。俺はすぐに反応してその攻撃を避ける。その間に芦原さんは逃げてしまう。

 

「芦原さん、待ってくれ!」

 

俺は芦原さんを追いかけようとするが、俺の前に青龍刀眼魔が立ち塞がった。

 

「警告だ。奴には手を出すな。」

「そういう訳にはいかない!」

 

俺は幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を出現させると、オレアイコンを取り出す。

 

「デヤァァ!!」

 

ここで、変身を妨害しようと青龍刀眼魔が襲いかかってきた。俺は攻撃を避けながらドライバーにオレアイコンを装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからオレゴーストが出現し、青龍刀眼魔を弾き飛ばした。

 

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏ってガンガンセイバーを装備する。

 

「いくぜ。 ハアッ!」

 

俺は青龍刀眼魔に向かって突撃し、ガンガンセイバーで攻撃していく。青龍刀眼魔はこれを弾いて半撃してきた。

 

「ハアッ!デヤッ!」

「くっ…!」

 

俺はそれを何とかガードし続けるも、一撃一撃を防ぐ度に両腕が痺れる。

くっ…なんてパワーだ…!

 

『全く、頭使えよ!頭を!』

 

ユルセンが俺の頭を叩きながらそう言ってきた。

 

「ドリャアア!!」

「うわっ!?」

 

俺は青龍刀眼魔の強力な一撃をかわした。次の瞬間、俺がさっきいた場所には小さなクレーターが出来ていた。あれを喰らったらひとたまりもないな…。近接じゃ不利だ。

 

「だったら…! ロビンフッド!」

『カイガン!ロビンフッド!ハロー、アロー、森で会おう!』

 

俺はロビンゴーストを纏うと、飛来してきたコンドルデンワーをガンガンセイバーと合体させてアローモードにする。

俺は青龍刀眼魔に照準を向けると、光矢を放つ。だが、青龍刀眼魔はこれを次々と叩き落としていく。なんて反応速度だ…これじゃあいつは倒せないか…。

 

「なら、これならどうだ!」

 

俺は弓矢をドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

「はあああああああ…!」

 

俺はエネルギーを溜めながら弓矢の弦を引き絞る。

 

「臨機応変とは大した武人だ。」

『オメガストライク!』

「はああっ!」

「ふんっ!」

 

俺はそんな言葉に耳を貸さず、強力な光矢を放った。青龍刀眼魔は龍の頭部を模した口から火炎放射して相殺した。

爆発が収まると、そこに青龍刀眼魔はいなかった。逃げられたな………?

 

「あれは…?」

 

俺は地面に一冊の手帳が落ちているのに気づく。あれ、もしかして芦原さんが落としたのかな?俺は近づいてその手帳を回収する。

 

「とりあえず、オカ研に戻るか…。」

 

俺はそう呟きながら変身を解除しようとした。

 

「はあっ!」

「!?」

 

刹那、何者かが俺に飛び掛かってきた。駘悟だった。俺はその姿を見ると、血相を変える。

 

「…またお前か…!」

「うおおおおっ!」

 

駘悟は容赦なく突撃してきた。俺はその攻撃をかわしながら反撃する。

 

「正直お前に構ってる暇はないんだよ…!」

「黙れ!俺にはあるんだ!」

 

俺は冷たく話すと、駘悟はそう切り捨てて執拗に攻撃してくる。駘悟の相手をしている場合じゃない。芦原さんを探さないと…!

俺は駘悟の攻撃を避けながら両手に霊力を集中させていく……ここだ!

 

「五十嵐流霊術・剛龍波弾【砕】!」

「ぐわあっ!?」

 

俺は両手から強力な光線を放ち、駘悟を吹き飛ばした。よし、今だ!

 

「五十嵐流霊術・霊身転移!」

 

俺は霊術を発動し、オカ研部室まで転移した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ…。」

『オヤスミー』

 

オカ研の部室の入口に転移した俺は、そこで変身を解除した。そしてそのままオカ研部室へ入る。

 

「あ、幽一君!芦原さんは?」

「ごめん、眼魔に邪魔されて見失った…。」

 

俺は理恵の問いにそう答えた。俺はソファに座る。テーブルには封筒に入っていた二枚の写真がある。

 

「これが幽一の父さんか…。」

「写真でも初めて見ましたけど、幽一さんのお父さんはどんな方だったんですか?」

「ああ、すごく優しかったよ。まだ幼かった俺に霊視を行う方法を教えてくれるほどだったからな。」

 

俺は父さんの事について話した。何だろう…?今、“父さん”という単語を聞いて朱乃先輩の表情が少し険しくなったのは気のせいか…?

 

「さてと、その話は置いて……幽一、この男の人なんだけど…。」

 

気を取り直し、俺はリアス部長からの話を聞くことにした。

 

「この人の名前は芦原じゃないわ。」

「え?…じゃあ、芦原っていうのは偽名ってことですか?」

「そうよ。この人の本当の名前は“デズモンド・ナベリウス”。5年前に失踪したナベリウス家の悪魔よ。」

 

リアス部長は芦原さんの本当の名前を言った。ナベリウス…ソロモン72柱の序列24番だったよな。でも芦原さん…いや、デズモンドさんはどうやって俺が生前にいた世界へやって来たんだ?

 

「お兄様に聞いてみたけど、デズモンドさんは元々周りとの関係は持たない人だったらしいわ。」

「なるほど…。」

 

デズモンドさんは元々人嫌いだったのか…。

 

「あ、そうだ。あの時これが道に落ちてたんですけど…。」

 

俺は思い出すと、懐から手帳を取り出す。あの時デズモンドさんが落としていった手帳だ。

 

「手帳?」

「何が書かれているんでしょうか?」

「とりあえず、開いてみよう。」

 

俺はそう言って手帳のページを開く。そこには古文がずっしりと書かれていた。

 

「うわぁ…俺には絶対読めないな…。」

「私もです…。」

「これは、何かの詠唱文ですわね。」

「そのようですね。」

 

イッセーとアーシアが呟く中、俺と朱乃先輩は手帳に書かれた古文の内容を知る。どうやら霊術の詠唱らしい。その文はかなり長く続いているらしい。俺はページを進めていくと、今度は別のことが書かれていた。

 

「えーと…[許せ、お前の代わりに死ねなかった私を。裏切り者に復讐するためでもなく、お前の意思を継ぐ事が出来ない私を。“全てはお前の死と共に終わった”。]…?」

「裏切り者は雷堂寺のことね。」

「何が“終わった”んだろう…?」

 

リアス部長の言う通り、裏切り者とは雷堂寺のことだ。でも何が終わったのかは分からない…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「“未来は失われてしまった”…もうどうにもならない!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

もしかして、“終わった”のは未来のことなのか?デズモンドさん…父さん…駘悟…そして沙耶ちゃん…5年前に一体何が…?

 

「…。」

「幽一、どうしたんだ?」

「…デズモンドさんが失踪したは、俺の父さんがしたことが原因じゃないかって思って…。」

「デズモンドさんに会えば分かると思うよ。」

「でも、居場所が特定できないんじゃ…。」

 

 

 

 

ガラッ!

 

 

 

すると、部室のドアが開き、そこからニコライ先輩が入ってきた。

 

「リアス、デズモンドさんが昔使っていた研究所の場所を特定できたぜ。」

「ニコライ先輩、それは本当ですか!?」

「ああ。リアスから連絡あって、研究所がどこにあるのかを特定してくれって頼まれたんだ。」

 

そう言いながら、ニコライ先輩は一枚の紙をテーブルに置いた。それはデスモンドさんが昔使っていた研究所の場所が記された地図だった。どうやら駒王町の森林付近にあるらしい。

 

「よし、早速向かうわよ!」

 

リアス部長は俺達にそう言った。俺たちは早速現場へ向かう。俺と理恵はバイクで研究所へ向かうことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

道中、運良く駘悟とは遭遇せずに研究所まで辿り着いた。そこには既にリアス部長達が到着していた。そしてそこには何故か硬哉までいた。

 

「あれ、何で硬哉まで?」

「ニコル先輩にリアス先輩達と同行しろって指示されて来たんです。」

「まぁ確かに、眼魔と遭遇するかもしれないから、その時は援護を頼むぜ。」

「はい!」

 

硬哉は良い勢いで返事をした。先輩にはかなり敬意を払ってるんだな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「こ、古文ばっかだ…。全然詠めねぇ…。」

 

研究所に入った俺達は、その部屋の中を調べる。霊術に使う術符や詠唱文が書かれたノート、呪具なども多く置かれていた。イッセーはノートに書かれた大量の古文に頭がパンク寸前である。

 

「…幽一先輩、あれを。」

「?」

 

小猫が指差しながら言った。何か見つけたのか?俺は近づくと、そこには一つの扇子が飾られていた。かなり年季が経っている。そしてその扇子には短歌が書かれていた…なるほど…。

朱乃先輩が俺のもとに近づく。そして扇子を見ると、書かれている短歌を読み始める。

 

「“後の世も また後の世も 廻り会へ 染む紫の雲の上まで”…これは短歌ですわね。」

「この扇子は弁慶の遺品です。」

 

俺はこの扇子が弁慶の遺品であることを気づいた。この扇子に書かれている短歌は、弁慶が忠義を尽くした主人・源義経が詠んだ短歌だ。弁慶は命を賭けて義経を逃がす。永遠の別れになることを悟った義経は来世もまた会おうという思いを込めて、この短歌を詠んだ。

 

「弁慶の遺品があるってことは、弁慶のアイコンが…?」

 

アーシアは弁慶の扇子を見て呟いた。確かに弁慶の遺品があるから、ベンケイのアイコンが誕生するかもしれない………。

俺は再び何かの気配を感じとった。

 

 

 

「…そこにいるんですよね、デズモンドさん。」

「…っ!」

 

俺は芦原…いや、デズモンドさんがデスクの下に隠れているのを見抜いた。皆もデズモンドさんが隠れているデスクの方に注目する。

 

「デズモンドさん。5年前のこと、教えて下さい。」

「…もう終わったことだ…どうにもならん…。」

「5年前のことを知れば、何か解決する方法が見つかるかもしれません。俺は今いる親友達を守りたいんです。」

 

扇子を近くのベッドに置くと、俺は落胆しているデズモンドさんに、真剣で…そして優しい瞳で尋ねる。デズモンドさんは俺の言葉を聞くと、ベッドに置かれた弁慶の扇子を見つめる。

 

「親友か……。私にも唯一、友と呼べる男がいた。」

「それは、父さん?」

「ああ。だが彼は家族と共に逝ってしまった。そして彼と共に全てを失われてしまった……どうせ誰も助からん…!」

 

デズモンドさんはそう言って再び絶望した。父さんを…五十嵐一族を失ったショックは相当なものだろうな…。

 

「何があったか…これから何が起こるか分からないけど…俺は最後の時が来るまで諦めません!俺は父さんと約束したんです。そして、命を燃やし切ると決めたんです!俺は…俺を信じています!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

デズモンドside ~5年前~

 

 

 

 

 

 

私は当時、竜彦と共に霊術の研究をしていた。だがその力はとても強力かつ危険なものだった。

 

「力が強すぎる…誰にも止められない…!」

 

私はデスクに置かれた詠唱文と術符を見つめながら絶望する。

 

「人の思いが…不可能を可能にし、未来を作ってきた。我々も諦めず、英雄に倣って、最後のその時まで命を燃やし切ろう。たとえ種族が違えど、その思いは変わらない。“人間の可能性”を信じようじゃないか!」

 

竜彦は熱い気持ちで絶望している私を励ましてくれた。それが、私が初めて信じることが出来る者が出来た瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は自分の決意をデズモンドさんに言った。これで少しは考えを改めてくれるはずだ。

 

「また来ます。俺は絶対に諦めません!」

 

俺はそう言って、研究所から去ろうとする。すると、後ろでデズモンドさんが立ち上がった。

 

「君の父親に似ている…。」

「…え?」

「竜彦が死に、五十嵐一族が滅び、全てが失われたかと思っていたが、もう一度信じてみる価値はありそうだ……全てを教えてやろう。」

 

デズモンドさんはそう言った。俺の決意に再び希望を抱いたようだ。イッセー達も思わず笑みを浮かべた。これで5年前のことが聞けるな。俺はデズモンドさんに近づく。

 

「父さんやデズモンドさんは、何をして「ハアアアアッ!!」…!?」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

その時、俺の横からあの時の青龍刀眼魔が奇襲を仕掛けてきた。くそ、こんな時にかよ!俺はその攻撃を避けながらドライバーを展開し、オレアイコンを取り出す。

 

「フンッ!」

「あっ!?しまった!」

 

しかし、俺は青龍刀眼魔の口から伸びた龍の頭部によってオレアイコンを弾き飛ばされてしまった。

 

「もらったぁ!」

「っ!」

 

青龍刀眼魔はこれをチャンスに手にもった青龍刀を振り下ろしてきた。

 

 

 

 

 

 

「うわあああっ…!」

「!?」

「「あっ…!」」

「「「「!!」」」」

 

刹那、デズモンドさんが俺を庇って背中に青龍刀による一撃を喰らった。デズモンドさんはその場で倒れた。そしてデズモンドさんの身体が光り始めた。

 

「デズモンドさん!?」

「…自分を信じる道を進むことが、竜彦の意思を…そしてババムート様の意思を継ぐことになる…君に会えてよかっ………。」

「デズモンドさん!!」

 

デズモンドさんはそのまま目を閉じた。魂の反応を見る限り、負傷して気絶しただけだ…。

すると、ベッドに置かれた扇子が光り始めた。

 

「さぁ、早くアイコンを生み出せ。」

 

青龍刀眼魔はアイコンを生み出すことを催促してきた。まさか…!

 

「お前…まさかベンケイアイコンを生み出すためにデズモンドさんを…!?」

「その通りだ。全てはこの私が導いてやったのだ!」

「命を…何だと思ってるんだ!!」

 

俺は青龍刀眼魔の外道な行動に怒りを露にした。

 

「幽一君!」

 

ここで、理恵がオレアイコンを拾い、俺に投げ渡した。俺はオレアイコンを受け取ると、ドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、すぐに扇子に近づき、目の紋章を描いた。すると扇子から煙が昇り、そこから袈裟型のベンケイゴーストが現れた。

 

「来い、ベンケイ!」

 

俺はベンケイゴーストをドライバーに取り込んだ。そしてドライバーから白いベンケイアイコンが生成された。ナンバーは【07】だ。よし…。

 

「そいつを寄越せ。ハアアッ!」

 

青龍刀眼魔はベンケイアイコンを奪おうと襲いかかってきた。俺は奪われないように攻撃を避ける。

 

「デスモンドさんを頼みます!」

「分かったわ、幽一!」

 

俺はデズモンドさんをリアス部長達に運んでもらうよう頼んだ。

 

「フンッ!」

「うおっ!?」

 

俺は青龍刀眼魔の攻撃を受けて壁に叩きつけられた。

 

『コラー!さっさとベンケイアイコン使えよ!ほれほれ!』

「分かってるって! ベンケイ!」

 

俺はユルセンに言われるままベンケイアイコンをドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからベンケイゴーストが現れた。俺はハンドルを操作した。

 

『カイガン!ベンケイ!アニキ、ムキムキ、仁王立ち!』

俺がベンケイゴーストを纏うと、複眼がアイコンと同じく弁慶の七つ道具の絵柄になった。そしてガンガンセイバーを薙刀モードの状態で装備した。

 

『ギシッ!ギシッ!』

 

そして何処からともなくやってきたクモランタンをガンガンセイバーと合体させた。なるほど、ハンマーか。

 

「望み通り弁慶の力で、お前を倒してやる!その眼に焼き付けておけ!」

「ハアアアアアッ!」

「ふんっ!うおおおおおおお!」

 

俺はハンマーで青龍刀眼魔の攻撃を受け止めると、鍔迫り合いをしたまま近くの広場まで移動する。

 

「デヤッ!」

「はあっ! はぁぁぁああ…!」

 

俺は青龍刀眼魔の攻撃を物ともせずに歩み寄り、そして攻撃を仕掛ける。すげぇ、痛みをあまり感じないどころか、むしろ力がみなぎってくる…!

 

「たあっ!」

「ぐっ…!」

 

俺はハンマーによる重い一撃を与えていく。

 

「っ!?」

 

そしてさらに、青龍刀眼魔に銃弾による追い打ちがかかった。この銃弾は…

 

「幽一先輩!」

 

硬哉だ。硬哉は既に鋼鉄の甲冑【フルメタル・ジャケット】を装着していた。

 

「一気に決めるぞ!」

「はい!」

 

硬哉は答えると、空間からロケットランチャーを取り出した。俺はハンマーをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

「はぁあああああ…!」

 

硬哉はロケットランチャーを構え、俺はエネルギーをハンマーに溜めると同時に、そのエネルギーから弁慶の七つ道具である薙鎌、大鋸、鉄の熊手、刺又、突棒、袖搦を模したエネルギー弾を形成する。ちなみに今持ってるハンマーが大鎚の代わりだ。

『オメガボンバー!』

「はあっ!」

「喰らえ!」

 

俺はエネルギー弾を飛ばし、硬哉はロケットランチャーを発射した。

 

「ぐっ…!うおおおあああああっ!!」

 

この攻撃が青龍刀眼魔に命中し、爆発四散した。その場に青龍刀と眼魔アイコンが落ち、アイコンは砕け散った。

 

「やりましたね。」

「ああ。」

 

俺と硬哉は拳と拳を合わせた。俺と硬哉は変身を解くと、皆のところに戻る。そういえば、デズモンドさんは大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はいつもの高台で沙耶のアイコンを取り出す。

 

「…待ってろよ、沙耶。すぐにあいつから首飾りの全てのアイコンを奪ってやるからな。」

 

俺は沙耶にそう言った。沙耶を生き返らせるためには、15個のアイコンが必要だ…!そして幽一の形見は俺が取り返す…!

 

『…。』

「どうした?」

『…あのね、お兄ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、いいの。』

「沙耶…?」

 

突然、沙耶が悲しげな声で俺に話した。もういいって…何を言ってるんだ…!?

 

『お兄ちゃん、変わっちゃった…私のせいだよね?』

「お前は何も悪くないさ。だから心配するな。」

『…うん。』

 

俺は沙耶を励ました。

 




ED[Survival]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


ゼノヴィア「エクスカリバーが奪われた。」

ある日、オカ研部室に教会からの使者がやってきた。ゼノヴィアとイリナはエクスカリバー使いてあることを知る。

アーシア「捨てきれないんです…!」

ここで、ゼノヴィアとイリナがアーシアを見るや否や、断罪しようとした。

イッセー「この野郎…!」
幽一「おい、表へ出ろ…!」
祐斗「教会は一度滅ぶべきだ。」

二人の態度にイッセーと幽一は大激怒。さらに祐斗の言葉によって手合わせという名の決闘をすることに…。

駘悟「首飾りと全てのアイコンを寄越せ!」

そこへまたもや駘悟が乱入。幽一は駘悟と互いの憎悪をぶつける殺し合いを繰り広げる。そんな幽一の憎悪にストップをかけたのは…

次回[訪問、教会からの使者!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【07】ベンケイ【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

雷堂寺:【?】?【?】?【?】?【?】?【?】?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

訪問、教会からの使者!

もうすぐ期末考査です…。そういえば、ゴースト劇場版の予告が公開されましたね……というか、マコトとカノンの父(?)の名前がまさかのダイゴだとは…(驚)


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら英雄の眼魂を集めている。俺はデズモンドさんが父さんと関わっていることを知った。話は聞けなかったけど、ベンケイアイコンを入手できた。
現在所有しているアイコンは…9つだ。」


OP[Sympathy]



アッシュside

 

 

 

 

 

 

 

 

私はビルの屋上で町を見下ろしていた。そういえば最近、スペクターは相手に対して外道な方法で攻めているな。スペクターがあんなに感情的になるとは…。

私が考えていると、私の近くで紋章が展開され、そこから一つの眼魔アイコンが出てきた。そのアイコンはやがて黒い煙と共に人の形になった。その男は眼魔世界の黒い軍服を纏っていた。

 

「ついに、私もこちらの世界に来ることが出来ました。ここが、我々が求める世界…ということですか。」

「わざわざ何をしに来た?ジュドー。」

 

私はジュドーにここへやってきた理由を問う。

 

「大帝陛下は計画が進まない事に不満を感じてらっしゃいます。可及的速やかに計画を実行せよとのこと。」

「父上が…?」

 

ジュドーは父上が計画が進んでいないことに不満を抱いていることを私に伝えた。

 

「父上に伝えておいてくれ。全ては順調であると。」

「大帝陛下より、“アッシュ様の補佐をせよ”との命を受けております。」

 

どうやらジュドーはお目付け役としてここへ来たらしい。

 

「お目付け役か…好きにしろ。」

 

私はそう言うと、スペクターがいる場所へと向かおうとする。

 

「どちらへ?」

「そろそろ、彼(スペクター)にも本気になってもらう。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

私はスペクターがよくいる高台へやってきた。そこにはちょうどよく、スペクターがいた。

 

「スペクター、私の仕事を手伝ってくれないか?少し急がないといけなくなった。」

 

私はスペクターに仕事の手伝いを頼んだ。その目つきはいつもよりも険しく、禍々しかった。

 

「そんなことに構ってる程、俺は暇じゃない!」

 

スペクターはそう言って私の頼みを断った。そこへ

 

「貴様……それがアッシュ様に対する口の利き方か?」

 

ジュドーが怒りながらスペクターに近づく。

 

「“教育”してやる。 ふっ!」

「っ!」

 

そしてジュドーはスペクターに殴りかかった。スペクターはこれを受けて怯むも、すぐさま反撃する。そしてスペクターがジュドーの蹴りをガードしたところで

 

「そこまでだ。」

 

私は“教育”にストップの合図をかけた。

 

「…もういい。君は変わった。 行くぞジュドー。」

「はっ!」

 

私はスペクターが変わってしまったことに不満を感じながらも、ジュドーとともにその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

あれから翌日、俺を庇って眼魔の攻撃を受けたデズモンドさんは無事だったらしい。けどしばらくは病院で安静にした方がいいらしい。5年前のことはお預けだな。

時刻は夜、俺達は現在オカ研部室にいた。何でも、教会から二人の使者が訪問してきたらしい。ちなみに祐斗も来ていた。いつになく憎悪に満ちているが…。

 

「それで、今まで悪魔を敬遠してきた教会側が一体、私達に何の用かしら?」

 

リアス部長は、向かい側に座っている二人の女性に向かって問う。ちなみに、青髪に緑色のメッシュをした方はゼノヴィア、ツインテールをした方は紫藤イリナという名前らしい。そうそう、実はイリナのことなんだけど…なんとイッセーの幼馴染みだったらしい。

『“あの写真”じゃ、どう見てもわんぱく少年にしか見えなかったぞ…。』

「うーむ…。」

 

ユルセンが呟いた。確かに、あの写真でのイリナは少年にしか見えなかった。これが時の流れってやつか。

 

「先日、カトリック教会本部、及びプロテスタント側、正教会側に保管、管理されていた聖剣・エクスカリバーが奪われました。」

 

イリナがエクスカリバーが奪われたことを俺達に言った。確か、エクスカリバーは一本のはずだろ?どうにも複数あるみたいな言い方だな…。イッセーも頭に?マークを浮かべているし…。

 

「イッセー君、エクスカリバーは昔、大戦中に折られたの。」

「今ではこのような姿さ。」

 

イッセーの疑問にイリナが答えた。そしてゼノヴィアが布に包まれたものを取り出した。それは紛れもなく、聖剣・エクスカリバーだった。祐斗はさらに憎しみの表情を険しくさせた…いや、祐斗だけじゃない。リアス部長、朱乃先輩、小猫、アーシア、理恵、ユルセン、もちろん俺もその聖剣を警戒していた。ただ一人、聖剣の知識をあまり知らないイッセーは特に警戒していなかった。

 

「大昔の大戦で折られ、砕けた破片となったエクスカリバーは錬金術によって新たな姿となり、7本になった。これはその内の1本…破壊の聖剣【エクスカリバー・デストラクション】だ。」

 

ゼノヴィアはエクスカリバーが現在の姿になった経緯を説明すると、自身が持っているエクスカリバーの名称を言った。続いて、イリナが一本の紐を取り出す。するとその紐は形状を変え、日本刀になった。

 

「私の方は擬態の聖剣【エクスカリバー・ミミック】。このように形状をあらゆるものに変形させることが出来るの。」

 

イリナは自身が持っている聖剣の能力を説明した。なるほど…【破壊】は名前からして破壊力を増幅させる、【擬態】はあらゆる形状に変形させる…か。そういや、あの時フリードが持っていた聖剣は高速移動を可能にする能力があったな…。

 

「イリナ、わざわざ能力まで言う必要はないだろう。」

「あらゼノヴィア、いくら悪魔と言っても信頼関係を築かなければならないこの場では仕方無いでしょう?それに、能力が知られたからといって悪魔の方々に遅れを取る事はないわ。」

 

イリナはゼノヴィアとそういった会話をした。おい、俺と理恵とユルセンは悪魔じゃねぇぞ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大分話は進み、聖剣を盗んだのは堕天使・コカビエルというらしい。何でもそいつは神の子見張る者【グレゴリ】の幹部らしい。そのコカビエルって奴が計3本のエクスカリバーを盗んで、ここに逃亡してきたらしい。

幹部クラスの強敵だからか、俺達に協力を申し出たのか…というのは違った。ゼノヴィア達はこの件に関して首を突っ込むなと言った。堕天使と組んでる可能性があるからというらしい。なんて勝手な判断だ。リアス部長がそんな事するはずがない。

 

「正教会からの派遣は?」

「奴らは今回の話を保留にした。」

「…まさかたった二人で…無謀ね。死ぬつもり?」

「そうよ。」

「私もイリナと同意見だが、できるだけ死にたくはないな。」

 

お前ら…自分の命を何だと思ってるんだ…?俺は左手拳を握りしめる。

 

「…っ。死ぬ覚悟でいるっていうの?貴女達の信仰は常軌を逸しているわね…。」

「私達の信仰心を馬鹿にしないで頂戴、リアス・グレモリー。ね、ゼノヴィア。」

「まあね。それに教会は、エクスカリバーを堕天使に利用されるくらいなら破壊しても構わないと決定した。私達の役目は最低でも堕天使の手からエクスカリバーを無くす事だ。エクスカリバーの悪用を未然に防ぐためなら死んだって構わないのさ。エクスカリバーに対抗できるのは、エクスカリバーだけだ。」

 

ゼノヴィアはそう言った。確かに堕天使がエクスカリバーを悪用する事を阻止するのは大事だな…でも、だからと言ってそのために命投げ捨てるのは納得がいかない…!

 

「それでは、そろそろおいとまさせてもらう。」

「あら、お茶は飲んでいかないのかしら?お茶菓子ぐらいなら振る舞わせてもらうわ。」

「いや、結構だ。行くぞイリナ。」

「分かったわ。 じゃあね、イッセー君。」

 

ゼノヴィアはリアス部長の誘いを断ると、イリナと共に部室から出ようとする。しかし、アーシアの姿を見るや否や、足を止めた。

 

「…おや、もしやと思ったのだが【魔女】アーシア・アルジェントか?まさかこんな地で再び会う事になるとはな。」

「あ、あの…私は…。」

 

ゼノヴィアはアーシアを魔女呼ばわりした。あの二人とは面識があるアーシアは震えていた。

 

「しかし悪魔か…【聖女】として祀られていた者が【魔女】に成り下がるとは…堕ちるところまで堕ちたものだな。まだ我らの神を信じているのか?」

「ゼノヴィア、魔女になった彼女が神を信仰する訳がないでしょう?」

「いや、彼女から信仰心が感じ取れる。私はこういうのには敏感なんでね。」

 

ゼノヴィアはアーシアから信仰心を感じ取った。どうやらアーシアが悪魔となった今でも神を信じているのを見抜いているようだ。俺もイッセーもそれに関しては理解している。

 

「…捨てきれないだけです…。今までずっと、神様を信じてきたのですから…。」

 

アーシアは悲しげな声で答えた。そうだろうな…俺達に出会うまで、信じれる者は神しかいなかったからだ。

アーシアの言葉を聞いた二人。次の瞬間

 

「っ!?」

 

なんと、ゼノヴィアは再び破壊の聖剣を取り出し、アーシアに刃先を向けた。

 

「そうか、なら今すぐ私達に斬られるといい。我らの主なら、たとえ罪深き君にも救いの手を差しのべてくれるはずだ。神の名の下に君を断罪しよう。」

『まずい! 幽一!』

「分かってるって!」

 

俺はすぐにドライバーを展開し、ガンガンセイバーを装備すると、ゼノヴィアの持っている破壊の聖剣を払い除ける。そしてイッセーもアーシアを庇うように立った。

 

「…何のつもりだ?」

「そのままそっくり返してやる。何で聖剣をアーシアに向けた…!?話が聞けたなら別にそれでいいじゃないか!」

「彼女は主に仕える【聖女】でありながら、敵である悪魔の傷を癒やして【魔女】に成り下がったのだ。見逃すよりもここで断罪した方が彼女のためにもなる。」

「ふざけるなこの野郎ッ!アーシアは救いを求めていたのに誰一人助けなかったんだろ!?アーシアの優しさを、慈愛の心を理解出来ない連中なんかただの馬鹿野郎だ!アーシアはただ、友達を求めていただけだ!」

 

ゼノヴィアの行動に俺は怒り心頭だった。それは当然イッセーも同じだ。アーシアは孤独に苦しめられていたんだよ…!

 

「【聖女】は神から愛されていた。友人など必要ない。大切なのは分け隔てない慈悲と慈愛だ。他人に友情と愛情を求めていたアーシア・アルジェントは最初から【聖女】の資格などなかったのだろう。」

「よく言うよ…勝手に【聖女】としてアーシアを祀り上げ、挙げ句の果てには【魔女】として切り捨てたくせに…!」

「神は愛してくれていた。彼女に救いがなかったのは、彼女の信仰が不足していたか、もしくは偽りだったからだ。」

「偽りじゃない!!」

 

俺はゼノヴィアの言葉に思わず怒号を挙げた。その瞬間、周りの皆が沈黙した。

 

「こう言うさ。“大きな力には、大きな代償を伴う”ってな…だけど、その力がいつ誰に宿るか分からないんだぞ!?…お前ら聖職者なら尚更分かることだろ…?」

「…。」

「それに…アーシアは【聖女】と呼ばれていた頃も、自身が持つ神器を危険視されて周りから白い目で見られていたんだぞ!?」

「それは悪魔をも癒やしてしまう力を持っているからだ。だからある程度は警戒していたさ。まぁ、その結果が“こうなって”いるんだがな。」

「それは神器を造った神様が設定したことだ!神様はアーシアに、“どんな種族でも関係無く傷を癒やしてほしい”という思いを込めて神器を与えたんじゃないのか!?アーシアは神様の思いを信じて神器を使い、皆を癒やしてきた!それこそ、“真の聖女”じゃないのか!?」

「【聖女】が悪魔の傷を癒やすだと…?馬鹿馬鹿しい。」

 

ゼノヴィアは俺の言葉を切り捨てた。こいつ…何にも分かってないな…!

 

「アーシアはずっと孤独に苦しめられながらも、神様から与えられた神器で皆を癒やしてきた!お前らに分かるか…?アーシアがどんな気持ちで苦しんできたかお前らに分かるか!?」

「…幽一さん…。」

 

俺は再び怒号を挙げた。アーシアはただ、純粋に友人が欲しかったんだ。そのために神器を使ったんだ…。これであの二人も大体は…

 

 

 

「【魔女】の気持ちなど理解したくもないな。彼女にとっては当然の報いだろう。」

 

 

 

 

 

ブチッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼノヴィアの無情な発言についに俺の中で切れてはいけないものが切れた。そう、俺のドス黒い部分を解き放ってしまった。

 

「…!」

「うぐっ!?」

 

俺はゼノヴィアを殴り飛ばして壁に叩きつけると、そのままガンガンセイバーを首元に突きつける。

 

「…おい、表へ出ろ…!アーシアを侮辱しては、命を投げ捨てようとしては……もう我慢できるか…!」

「君はアーシアの何なんだ…?」

「親友だ…!……おいイッセー、お前も答えろよ。」

「ああ…。アーシアは俺の家族だ!そして親友だ!アーシアに手を出すなら、お前ら全員敵に回してでも戦うぜ!」

 

俺とイッセーはそう答えた。

 

「イリナ、お前の幼馴染みは可笑しな事を言う男だな。」

「うーん…まぁ、そうだけど…。」

 

こいつら、とうとうイッセーまで侮辱したな…!

 

「このクソ野郎共…!歯ぁ食いしばれ…!そんな聖職者はぶっ飛ばしてやる!」

「幽一!イッセー!止め「いや、幽一君の言う通りだ。」…祐斗!?」

 

リアス部長が静止させようとしたとき、リアス部長の声を遮って祐斗が言った。それと同時に部室の周りに大量の魔剣が生成された。

 

「教会は間違いしか犯さない。だから一度滅ぶべきだ。この機会だし、ちょうどいい。僕が相手になろう。」

「誰だ君は?」

「君達の先輩だよ。失敗作だったようだけどね。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺達は場所を移し、球技大会の練習をしていた場所へやって来た。ゼノヴィア曰く、“手合わせ”とのことらしい。そこで祐斗はゼノヴィア、イッセーはイリナと戦っていた。本来なら俺がイリナと戦うところなのだが、イッセーが強くお願いしてきたため、まずはイッセーがイリナと戦う事にした。俺は当然、二人の苦戦を悟ったため、祐斗にムサシアイコン、イッセーにビリー・ザ・キッドアイコンを渡しておいた。ちなみに、朱乃先輩が結界を張っているため、周りに気づかれることはない。

 

「…。」

「幽一君?」

「…ああ、大丈夫だ…。」

 

俺はその怒りを押さえることが出来ず、それを理恵に心配された。

 

「はあああああああ!」

 

祐斗はゼノヴィアの周りに魔剣を出現させると、それらを一斉に突撃させる。だが、ゼノヴィアが破壊の聖剣を振るった瞬間、魔剣は全て破壊された。なんて力だ…“破壊”の名は伊達じゃないな…。

ちなみに俺は現在、祐斗とゼノヴィアの手合わせ“だけ”を見ていた。理由は簡単だ。

 

「ぐへへへ。」

「な、なんてイヤらしい顔かしら…!?」

 

イッセーはビリーゴーストを纏い、そのスケベ根性でイリナに突撃していたからだ………さっきのあれは飾りだったのか……?

 

『何してんだか、あのバカは…。』

 

ユルセンが愚痴を漏らした。俺は引き続き祐斗の戦いを見る。祐斗はゼノヴィアの一撃をジャンプで避ける。すると、先程祐斗がいた場所にクレーターが出来た。地面に着地すると、祐斗は再びゼノヴィアと鍔迫り合いをする。あれ、そういえば祐斗…

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリビリビリッ!!

 

 

 

 

 

「『!?』」

 

刹那、俺とユルセンの横で妙な炸裂音がした。まさか……!?

 

「はぅ~!//」

「…イッセー先輩、最低です…。(怒)」

「ゆ、幽一君…み、見ないで…。///」

 

振り向くとアーシア、小猫、理恵の三人が裸になっていた。どうやらイッセーは洋服破壊【ドレスブレイク】を間違えて三人に向けて放ったらしい。

 

「うっひょおおおおおお!!」

 

やらかした本人(イッセー)は反省の色を見せず、三人の胸に夢中になっていた。しかもイッセーは理恵の胸を特に見ていた。

 

「…イッセー?」ペキペキッ…

「ギクッ…!?」

 

俺は指を鳴らしながらイッセーに近づく。それを聞いたイッセーは硬直した。

 

「お前、どうなるか分かってるよな?」

「ゆ、幽一…これは…その…。」

 

イッセーは冷や汗をかきながら怯えていた。横でユルセンとイリナが「ああ、これは終わったな。」と悟っていた。

 

「よし、くたばれ。」

「ちょっ…まっt」

 

 

 

 

グキィ!グキィ!ベキャッ!! ピチューン!

 

 

 

 

 

俺は気が済むまでイッセーにプロレス技を繰り出した。イッセーは激痛のあまり、完全に放心状態になった。俺は落ちているビリーアイコンを回収した。

 

「ふぅ…。」

『パイルドライバーだの、バックブリーカーだの、チョークスリーパーだの…エグいな。(汗)』

「大丈夫だ。脱臼や骨折をさせない程度で済ませたから。」

「これ…治るの?」

「お湯に浸して3分待てば…。」

「カップ麺!?」

 

イリナは俺の発言に突っ込んだ。まぁ冗談だ。ちゃんとアーシアに治療させるさ。それよりも、三人の破れた服どうにかしないと…。

 

「…はあ、戦う前にメンタル削るのはよろしくないけど…仕方ない。」

 

俺はドライバーを出現させると、シャネルアイコンを装填してハンドル操作をした。

 

『カイガン!シャネル!流行、エレガント、革命のファッション!』

 

俺はゴーストに変身すると、シャネルゴーストを纏う。そしてすぐにハンドル操作をする。

 

『ダイカイガン!シャネル!オメガドライブ!』

 

俺は両手の光を三人に向けて放ち、破壊された洋服を瞬時に修復した。

『オヤスミー』

「……。」

 

俺は変身を解除した。そしてどんよりとなった。

 

「ゆ、幽一君…?どうしたの?」

『ああ、シャネルの力使って、心がどんよりしてるんだよ。』

 

ユルセンは理恵に俺の状態を説明した。全くイッセーは…。

 

「くっ…!」

「どうした、木場祐斗。“先輩”としての力はそんなものか?」

「まだだ…僕にはまだ…ムサシの力が残っている!」

『Put on!』

 

その頃、苦戦している祐斗はムサシアイコンを起動すると、出現したムサシゴーストを纏う。そして身の丈程の巨大な魔剣を生成すると、再び剣を振るった。

俺は現在どんよりとしている中でも気がついた。そう、祐斗は騎士【ナイト】の長所であるスピードを完全に殺している。ムサシの力でハンドパワーを上昇させているとはいえ、あんな戦法は無理がある!

 

「英雄の力を借りるときたか…だが、今の君ではこの破壊の聖剣を食い止めることはできない。」

「黙れぇえええええええ!!!」

 

祐斗は復讐に囚われたままに巨大な魔剣を振るった。その魔剣は。ゼノヴィアの持つ破壊の聖剣と衝突した。そして

 

 

 

 

 

 

バキンッ!

 

 

 

 

 

「なっ…!?」

 

祐斗の魔剣が真っ二つに折れた。

 

「残念だよ、木場祐斗…。」

「ガハッ…!」

 

ゼノヴィアはそう言って聖剣の柄で祐斗の腹部を殴り、気絶させた。祐斗が倒れた事でリンクが解除されたのか、ムサシゴーストが再びアイコンになった。俺は祐斗に近づくと、忘れずにムサシアイコンを回収する。

 

「大丈夫か?」

「うぐっ…僕はまだ…戦え…うっ…!」

 

祐斗はそう言って再び立ち上がろうとするも、身体が痙攣して上手く立ち上がれない。

 

「無理するなよ。それにまだ動けたとしても、さっきのような力任せの戦法じゃ絶対に勝てない。」

「だけど…僕は…。」

 

祐斗は無念の表情をしながら悔しがる。俺はふと前を向くと、ゼノヴィアが俺に向けて聖剣を向けていた。そしてゼノヴィアの隣にはイリナもいた。

 

「次は貴様だ。」

「…ああ…理恵、祐斗を頼む。」

「うん…。」

 

俺は祐斗のことを理恵に任せると、立ち上がる。

 

「そういえば、まだ君の名前を聞いてなかったな。」

「…五十嵐幽一だ。」

「そうか…五十嵐幽一、貴様も神の名の元に断罪してやる。」

「二対一で悪いけど、覚悟してね?」

 

ゼノヴィアとイリナは聖剣を構える。俺は再びドライバーを展開すると、オレアイコンを取り出す。

 

「もう、考えるのはやめた!親友を侮辱したことを後悔させてやる!」

 

俺はそう言ってドライバーにオレアイコンを装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身し、オレゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを装備する………っ!?

 

「な、何だこれ…?」

 

俺は自分の右腕をよく見ると、右腕が禍々しく変化しているのに気づく。俺は瞬きしてもう一度見ると、通常の状態に戻っていた。くそ、幻覚か…!

 

「余所見している場合か!」

 

ゼノヴィアが俺に向かって突撃し、破壊の聖剣を振り下ろしてきた。

 

「っ!」

 

俺はすぐさま浮遊してその一撃を避け、ゼノヴィアの背後で着地する。

 

「はああああ!」

「…。」

 

イリナは聖剣を鞭に変形させて俺に攻撃してきた。鞭はガンガンセイバーの刀身に巻き付いた。俺はゼノヴィアの攻撃が悟ると、そのままイリナに向かって急接近する。

 

「えっ!?」

「五十嵐流霊術・霊波掌!」

「キャッ!?」

 

俺はイリナに向かって霊波掌を放って吹き飛ばした。それと同時にガンガンセイバーに巻き付いていた鞭が解けた。すると後ろからゼノヴィアが斬りかかってきた。確かにあの一撃は重いけど、隙はでかい。避けるのはある程度容易だ…けど、ここは

 

「ふんっ!」

「何!?」

 

俺はゼノヴィアの攻撃を避けると同時に受け流した。

 

「寺生まれ…舐めんなよ?」

「調子に乗るな!」

 

ゼノヴィアは怒ると、力任せに聖剣を振るって俺のガンガンセイバーを手元から弾き飛ばした。

 

「隙ありだ!」

「お前がな。」

「っ!? うぐっ…!」

 

俺は幻霊滑刀でゼノヴィアの攻撃を弾くと、そのまま腹部に蹴りを入れる。

俺はその間に落ちたガンガンセイバーを拾う。

俺はゼノヴィアとイリナの攻撃を巧みに受け流し、打撃を叩き込んでいく。

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

私は幽一君が戦っているのを見ている。幽一君は素早い反応速度で二人の攻撃を受け流していく。でも幽一君は決して満足していない。何故なら、アーシアを侮辱されたために戦っているからだ。

そんな手合わせという名の決闘の最中、乱入者は現れた。

 

「……。」

「!?…あれは…!」

 

そう、駘悟だった。駘悟は結界を破って現れた。

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

俺はゼノヴィアとイリナとの鍔迫り合いをしていた。すると

 

「ん?…あれは誰だ…?」

「?」

 

ゼノヴィアがある人物を見て呟いた。俺も後ろに顔を向ける。そこには、駘悟がいた。

 

「首飾りと全てのアイコンを寄越せ!」

「…駘悟…!」

「変身!」

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

駘悟は走りながらスペクターに変身した。

 

「はあっ!」

「っ!」

 

駘悟は俺に掴みかかると、そのまま殴りかかってきた。俺はガンガンセイバーでこれをガードするも、数メートルノックバックされた。

 

「ちょっ…ちょっと!貴方何者なのよ!?」

「これは私達の手合わせだぞ!?」

 

ゼノヴィアとイリナは乱入してきた駘悟に対して反発した。駘悟はガンガンハンドを装備すると、二人に向けて銃口を向けた。

 

「俺の邪魔はさせない。」

「っ!…やめろ!」

 

俺はすぐに駘悟に向かって突撃し、ガンガンセイバーを振るう。ガードされるも、皆を巻き込まないように鍔迫り合いをしたまま移動する。十分離れたところで駘悟を押し退ける。

 

「五十嵐流霊術・剛龍波弾!」

 

俺はガンガンセイバーを逆手に持つと、霊力を両手に集中させて光線を放つ。駘悟はガンガンハンドでガードしながら近づいてきた。

 

「はあっ!オラァ!」

「っ!?」

 

俺は駘悟の強撃でガンガンセイバーを手放してしまう。俺は一旦浮遊してその場から離れる。

 

「逃がすかっ!」

「うわっ!?」

 

しかし、駘悟が追撃と言わんばかり射撃してきた。俺は見事に撃ち落とされて地面に落ちる。

 

「くっ…!」

「はあああっ!」

 

俺はすぐに立ち上がると、駘悟の追撃をローリングで回避する。そしてベンケイアイコンを取り出すと、ドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーからベンケイアイコンが現れ、駘悟の執拗な追撃を食い止めた。俺はその間にハンドルを操作した。

 

『カイガン!ベンケイ!アニキ、ムキムキ、仁王立ち!』

 

俺はベンケイゴーストを纏うと、クモランタンが拾ってきてくれたガンガンセイバーを再び装備して薙刀にし、さらにクモランタンを合体させてハンマーにした。

 

「はあっ!」

「ふんっ! でやっ!」

「ぐっ…!」

 

俺は駘悟からの攻撃を受け止めると、そのままハンマーでの一撃を繰り出して駘悟を吹き飛ばす。

 

「くっ…殺してやる…!そして全て奪ってやる…!」

 

駘悟は立ち上がると、紺色のアイコンを取り、ナンバリングにしようとする。

 

「っ!?…くそっ!」

 

しかし、そのアイコンは一切反応しなかった。まるで駘悟の意思に反するように…。

 

「だったら…!」

 

駘悟は仕方なく紺色のアイコンを仕舞うと、ツタンカーメンアイコンを取り出した。

 

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

駘悟はツタンカーメンゴーストを纏うと、偶然駘悟の足下に落ちていたガンガンハンドを拾った。そしてコブラケータイを取り出し、ガンガンハンドと合体させて鎌にした。

 

「はあああああああ!」

「うおおおおおおお!」

 

俺と駘悟は武器による殴り合いを繰り広げる。俺は駘悟の攻撃をガードしながらハンマーによる一撃を与えていく。多少は攻撃を喰らうも、ベンケイのおかげでダメージは少ない。

 

「くっ…偽者のくせに…!」

「俺は偽者なんかじゃない…俺は俺だ!俺自身なんだ!」

「違う!お前はただのクソッタレだ!」

 

駘悟は俺を幽一と認めず、過激な暴言を吐いた。

 

「俺は自分が成すべきことを成す!幽一の偽者が口出しするな!偽者が、俺に楯突くな!」

「俺はあの時、お前を信じてアイコンと首飾りをあげようとしたんだ!素直に持っていけば済む話だったろ!?理恵を傷付け、かつ俺に猛毒を放ったのはお前だ!」

 

俺は駘悟の攻撃をガードすると、駘悟の言葉に反論しながら鎌を払い除ける。

 

「オラァッ!」

「うっ!?」

 

直後、駘悟の蹴りを受けて転倒する。

 

「昔のお前はもっと正々堂々だった!」

「黙れ…!」

「うぐっ…!」

 

俺は歩み寄ってきた駘悟に掴み上げられる。

 

「俺はこの町で新しい仲間、親友達と出会った…。仲間達がいる限り、俺は絶対に負けない!俺は…俺を信じて、フルスロットルで突っ走る!」

「黙れ!お前が、沙耶や進也と同じ事を言うな!」

「っ!」

 

俺はそのまま鎌による一撃を喰らった。そしてさらに駘悟から執拗に踏みつけられる。

 

「俺はこの町が“嫌い”だ…所詮お前は偽者だ…そんな根性…そんな命…そしてお前の大切なもの…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全部まとめて滅んでしまえ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

 

 

 

 

俺は駘悟の過激な発言でSEEDを発現させた。俺はよろよろと立ち上がると、右手に禍々しい量の霊力を溜める。

 

「このクソ野郎がぁああああああ!!」

「ぐわっ!?」

 

そしてその拳を駘悟に叩きつけて吹き飛ばす。俺は怒りが有頂天に達した影響で、全身から禍々しい黒い霊力が溢れ出ていた。

 

「この町を滅ぼすだって…?お前、何を言ったか分かってるのか…!?」

「当然だ。成すべき事を成すためだったらこの町を滅ぼすことも躊躇わない!」

「!…許さねぇぞ、駘悟ぉおおおおおおおおおお!!!」

 

俺は激昂すると、ハンマーをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

 

俺はハンマーにエネルギーを溜めると同時に、薙鎌、大鋸、鉄の熊手、刺又、突棒、袖搦を召喚する。

 

「それはこっちの台詞だぁああ!!」

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

 

駘悟も逆ギレすると、鎌をドライバーにかざし、エネルギーを溜める。そしてそのまま俺に向かって突撃してきた。

 

『オメガファング!』

「はあああああ!」

 

駘悟はその鎌を俺に振り下ろしてきた。だが、既にその対策はしてある。

 

「何っ…!?」

 

俺は召喚した6つの武器をシールド代わりにして駘悟の攻撃をガードする。攻撃を弾かれた駘悟の身体が大きくよろめいた。

 

「ハラワタをぶちまけやがれ! ハアアアアアッ!」

『オメガボンバー!』

「ぐっ!?…うわあああああああああ!」

 

俺はハンマーによる一撃を叩き込んで駘悟を吹き飛ばす。そして6つの武器が一本ずつ、直線状に駘悟に突撃した。

 

「ぐっ…うっ…!」

 

ハンマーによる一撃に加え、6つの武器による攻撃をまともに受けた駘悟は変身を解除された。その際、一つの眼魔アイコンが駘悟のポケットからこぼれ落ちた。あいつ…眼魔と手を組んでたのか…?まぁいいか…。

俺はとどめを刺そうと駘悟に近づこうとする。駘悟に対する憎悪をたぎらせながら………その時だった

 

『お兄ちゃん!』

「!?…沙耶!」

 

突如、その眼魔アイコンが喋り出した。

 

『オヤスミー』

 

俺は突然の出来事に、つい変身を解除してしまう。俺は眼魔アイコンの方に目を向ける。

 

「今、何か声が…?」

 

理恵達もこの声に反応して落ちている眼魔アイコンの方に目を向けた。

 

『お兄ちゃん、大丈夫!?』

「ぐっ…ごほっ、ごほっ…!」

 

駘悟は大ダメージを受けた影響で咳き込んでいた。その状態で回収しようと眼魔アイコンに手を伸ばしていた。

 

「アイコンが…喋った?」

『おもしろいな。あのアイコン、女の子の魂が入っているぞ…かわいいかな?』

 

ユルセン、お前は何を言ってるんだ…?そういや、あのアイコン…駘悟のことを“お兄ちゃん”って……それに、駘悟もあのアイコンに“沙耶”って…!?

 

「…じゃあ、あのアイコンの中に沙耶ちゃんの魂が…!?」

 

俺はあのアイコンが沙耶ちゃんだと理解すると、俺は沙耶ちゃんを回収…

 

「触るなぁ!!」

 

…する前に駘悟が力を振り絞って立ち上がり、先に沙耶ちゃんを拾った。

 

「なぁ駘悟、それって…!?」

「…俺は、一体何があろうとも英雄アイコンを15個集める!必ず、沙耶を生き返らしてみせる!」

 

駘悟はそう言うと、よろめきながらもそのまま去っていった。駘悟がアイコンが集める理由…そういうことだったのか…。

俺は駘悟の目的を理解した途端、その憎悪が薄れていく感覚がした。

 

「イリナ、私達も行くぞ。」

「う、うん…。」

 

俺と駘悟の戦いを見ていたゼノヴィアとイリナは、これを目切りに立ち去ろうとする。その前に気絶している一誠のもとへやってきた。

 

「…そうだ。赤龍帝……白い龍【バニシングドラゴン】は目覚めているぞ。」

 

ゼノヴィアはそう伝言を残すと、イリナと共に去っていった。白い龍【バニシングドラゴン】…?

 

『“アルビオン”のことだな…。』

 

ユルセンが呟いた。俺的にはグウィバーしか思いつかなかったけど…ってか、アルビオンとか何処のナ○トメアフレームだよ?

 

「待ちなさい、祐斗!」

 

俺は声のする方向へ振り向くと、そこには同じく去ろうとする祐斗を呼び止めるリアス部長の姿があった。

 

「私のもとを離れるなんてことは許さないわ!貴方はグレモリー眷属の騎士【ナイト】なのよ!“はぐれ悪魔”になんかには絶対にさせないわ!」

「僕は犠牲になった同士達のおかげであそこから逃げれたんです…だから、散っていった同士達の無念を魔剣に込めて…あのエクスカリバーに復讐しないといけないんです…!」

 

祐斗はリアス部長の言葉に反論した。そのためか、リアス部長の目からはボロボロと涙がこぼれていた……祐斗、やっぱり復讐の方が大事なのか…?

俺は祐斗のもとへ歩み寄る。

 

「……。」

「幽一君も僕を止め「止める気はないさ。」…!?」

「復讐果たしたいなら、果たせばいい…。でもな、それで命を落とすことだけは絶対に許さない!」

「!?」

 

俺は真剣な目で祐斗を見ながら言った。

 

「お前が死んだら、悲しむのは俺達だけじゃない…お前を救うために散っていったその同士達も嘆き悲しむさ…。祐斗、お前は決して“独り”じゃない…何時だって“皆がいる”さ。それだけは忘れるな。」

 

俺はそう言うと、祐斗はそのまま無言で去っていった…。

理恵が俺のもとへ近づく。

 

「幽一君…これからどうするの…?」

「どうだろう…一つ言えるなら、やる事が一つ増えたな…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッシュside

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、私はビルの屋上で、線路辺りに目の紋章を展開する。

 

「こうして見ると、壮観でございますな。」

「さっさと次へ行くぞ。」

 

私はジュドーにそう言うと、次の場所へ移動する。もうすぐ、異界の門は開かれる…!

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

 

「 “15の眼魂”の内、最後のアイコンが出揃いました。全ては私の計画通りです。ハハハハハハハハハ!」

 

私はその場で高笑いをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仙人side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

儂はとある場所…駒王学園の旧校舎の地下室にあるモノリスを見つめていた。もうすぐ…始まるな……。

 

 

 

 

 

 

 

御成side

 

 

 

 

 

 

 

 

私は旧校舎から、透明化した状態で幽一の姿を見つめていた。それにしても、幽一を転生させるには難航しました………“あの龍”がいなかったら、幽一はそのまま永眠していたでしょう…。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2年前…

 

 

 

「転生できない…!?」

「はい…彼を転生させるには、膨大な力が必要になります…ですが、我々だけの力では、彼を転生させることは不可能です…。」

 

転生師はそう言った。なんてことだ…選ばれた死者を転生させるのが我々の仕事なのに…転生できないとは…。

その時だった。我々のもとへ一人の老人が現れた。その老人は漆黒のローブに身を包んでいた。

 

「ん?…そなたは…?」

「…これを使うのじゃ…。」

 

老人…いや、この龍は一つのアイコンを取り出した。その凄まじい力を持ったアイコンは全体的に濡羽色をしているが、瞳は煌めく虹色だった。

 




ED[Survival]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


アーシア「私は貴方に協力したいんです…!」
幽一「命を選べるはずがない。」

沙耶の状態を知った幽一は、反対されながらも沙耶を生き返らせようと、意見に賛成したアーシアと共に駘悟とコンタクトを取ろうとする。

駘悟「偽者は黙ってろぉおお!!」

しかし、駘悟は幽一達の交渉を完全否定する。

ジュドー「お前達をまとめて殺し、アイコンを頂くとしよう。」

ジュドーが眼魔スペリオルに変身。幽一と駘悟に襲いかかる!

雷堂寺「ついに、“15の眼魂”が私のものに!」

そこへ、雷堂寺が隙を突き、ついに15個のアイコンが雷堂寺のもとに…


次回[集結、15のアイコン!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン!


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【07】ベンケイ【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【02】エジソン【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

雷堂寺:【?】?【?】?【?】?【】?【?】?



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

集結、15のアイコン!

テストは辛いよ…(泣)

幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。ある日、ゼノヴィアとイリナが訪問してきた。その際、二人はアーシアを侮辱した。俺達は手合わせも兼ねて対決している途中、駘悟が乱入。そこで俺は、現在の沙耶ちゃんの状態を知った。
現在所有しているアイコンは…9つだ。」

駘悟「俺は…一体何があろうともアイコンを15個集める! 沙耶を生き返らしてみせる!」


OP[Sympathy]



幽一side

 

 

 

 

 

 

 

翌日、休日だが俺達はいつものようにオカ研部室にいる。祐斗はもちろんだが、何故かイッセーと小猫も不在だ。

 

「英雄アイコンを15個集めたら、どんな願いでも叶うのね…。」

「はい。」

 

理恵はリアス部長と会話していた。英雄アイコンを15個集めた者はどんな願いでも叶う…やっぱり、駘悟はそのために…。

 

「…。」

「どうしたの?」

 

俺が考えている中、理恵が話しかけてきた。

 

「駘悟がアイコンを集めているのは、沙耶ちゃんのためだった…やっぱり、アイコンになった沙耶ちゃんを救おうと駘悟も焦っていたんだ…。」

 

俺はそう呟いた。駘悟はアイコンだけじゃなく、俺の首飾りも要求していた。駘悟は今まで俺を幽一と呼ばなかった。でも幽一そのものを嫌ってる訳じゃなく、あくまで俺を幽一と認めていなかっただけ…。父さんの形見を狙ってたのも、そのためか…。

 

「…幽一、貴方まさか…!?」

「俺、決めました………沙耶ちゃんを生き返らせようと思います。」

 

俺は沙耶ちゃんを生き返らせることを主張した。しかし、皆は当然俺の意見を聞いて沈黙した。

 

「「「「…。」」」」

「…?」

「幽一、あのアイコンは駘悟って男ごと消し飛ばす覚悟でいなさい。」

「何故ですか…!?」

「あの男は願いを叶えるためなら町を滅ぼすことも躊躇わないと言ってたのよ?」

「多少駘悟への不信感は抱いてはいます。だけど沙耶ちゃんに罪はありません!」

 

俺は悲しげな表情でリアス部長の言葉に反論した。確かに俺はこの世界に転生してから、駘悟と幾度となく対立してきた。だけど、今になって分かる…駘悟を殺したら沙耶ちゃんが悲しむ…。

 

「でも幽一君、駘悟が幽一君のことを幽一君と認めていない以上、接触するのは危険だよ?」

「分かってる…だけど…。」

「気持ちは分かりますわ…ですが、私達にとって幽一君は大切な存在ですわ。」

 

理恵と朱乃先輩も俺のことを心配してきた。

「もちろん、ある程度は覚悟は出来ています!…だけど…もう一度、駘悟を信じてやりたいんです…!」

 

俺は自分の決意を皆に言った。駘悟が沙耶を復活させることが目的なら、まだ分かり合えるチャンスはあるはずだ…!

 

「あ、あの…私も幽一さんに協力したいと思います!」

 

すると、アーシアが俺の決意に賛成した。

 

「アーシアまで…!?」

「いいのか?」

「はい。幽一さんのことを思ってるなら、まだ分かり合えるかもしれないですから。」

「ありがとう、アーシア。」

「いえ、あの時のお礼がありますから。」

 

俺は協力してくれるアーシアに前もって礼を言う。

 

「…仕方ないわね…分かったわ。許可するわ。」

「!…部長、ありがとうございます!」

 

リアス部長は渋々ながらも許可を出した。俺はアーシアと共に部室を出ると、近くに停車してあるバイクに乗って駘悟を探しに出発する。

 

 

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は幽一君とアーシアが出発したのを見届けた。

 

「リアス、本当にいいんですか?」

「幽一もイッセーと同じく毎回無茶するわ。でも幽一なら必ず出来るわ。」

 

リアス部長は朱乃先輩にそう答えた。確かに幽一君は無茶してばっかり…だけど、どんな苦境にも負けない人だ。幽一君なら、絶対に駘悟と和解できると思っている。

 

「私達も出来ることをしましょう!雷堂寺の手がかりを探しに!」

 

私はあの写真に写っている男・雷堂寺の手がかりを探しにいこうとリアス部長と朱乃先輩に提案する。

 

「そうね。その男の謎を掴むわよ!」

「「はい!」」

 

私達も雷堂寺の手がかりを掴みに出発する。

 

 

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

「15の眼魂は誕生しました。後はこの手に収めるだけです。」

 

私はビルの屋上で呟く。

 

「貴方は神薙駘悟を。彼の“弱点”を突けば、簡単に手に入るはずです。」

「ふんっ!」

 

私は復活させた青龍刀眼魔に命令した。青龍刀眼魔は鼻笑いをすると、そのまま移動していった。私は…五十嵐の息子を狙うとしましょう。

 

 

 

 

 

 

アーシアside

 

 

 

 

 

 

私は幽一さんと別行動で駘悟さんを探すことにしました。私は川沿い辺りの道を歩き、駘悟さんを探していました。

 

「…何処にいるんでしょうか…?」

 

私は正直言って、駘悟さんが何処にいるのかが分かりません…。あの時「二手に別れた方が早いです!」って言いましたけど、やっぱり分かりません…はぅぅぅぅ…思いきって言ってしまった自分が恥ずかしいですぅ…。

私がおろおろと迷っていると、足音が聞こえ始めました。私は足音が聞こえる方向に目を向けると

 

「…。」

「駘悟さん…?」

 

駘悟さんが一歩一歩、私に近づいてきました。駘悟さんは既に幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を装着していました。

 

「探してるのは駘悟さんも同じなんですね…。」

「お前が俺を探しているとは意外だな。なら、話は早い。」

 

駘悟さんはそう言って、リチャードアイコンを取り出しました。もう何時でも変身できるように…。

 

「待ってください!私、貴方に話があるんです!」

 

私は駘悟さんに話しかけました。

 

「何…?」

「駘悟さんが過去に何があったかは分かりません。でも、幽一さんと争うのは…もう止めて下さい…!」

「じゃあ、“沙耶は消えてもいい”って言う気か?」

 

駘悟さんは私のお願いを拒否しました。

 

『お兄ちゃん、もういいの…。』

「沙耶は口を出すな。」

 

沙耶さんも駘悟さんを説得しようとしましたが、無理でした。

 

「あんな奴は幽一じゃない!あんなクソ野郎を幽一だと思いたくもない!」

「幽一さんは優しい人です!確かに、貴方が幽一さんを幽一さんだと認めない理由も分かります…私達も過去を知ったので………でも、あの幽一さんは本物だと私達は信じています!」

 

私は幽一さんが本物であることを主張しました。

 

「駘悟さん、幽一さんが貴方のことを探しています。貴方の妹さんを救うために…!」

「貴様…!事情も知らないくせに割り込むな!!」

 

駘悟さんは逆ギレすると、すぐにリチャードアイコンをドライバーに装填しました。

 

『アーイ! バッチリミロー!』

「変身!」

『カイガン!リチャード!騎士道、勇猛、ライオンハート!』

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

 

俺はスペクターに変身すると、リチャードゴーストを纏い、ガンガンハンドを装備する。そしてライオンカメラを合体させてメイスにする。

 

「駘悟さん、私も貴方に協力したいんです!」

「ああ、そうか。なら一つ頼むぞ…ここで死ね!」

 

俺はアーシアに暴言を吐くと同時に突撃する。俺はメイスを振り下ろすが、大振りだったためにアーシアに避けられた。

 

「っ!駘悟さん、止めてください!」

「気安く俺の名を、呼ぶな!」

「きゃっ!?」

 

俺はメイスを振り回してアーシアに打撃を叩き込む。アーシアは悶絶しながらも、悲しげな表情でこちらを見ているだけで一切反撃してこない………関係ない、ぶっ潰すまでだ!

 

「おらぁぁぁあああああああ!!」

 

俺は容赦なく、冷酷に、そして残虐にメイスをアーシアに叩きつける。アーシアは吹っ飛ばされると、そのまま壁に叩きつけられた。重い一撃を喰らい続けたためにアーシアは低く呻き声を挙げていた。

「まだ終わりじゃねぇぞ!!」

 

俺はガンガンハンドからライオンカメラを外し、ポンプアクションで銃にすると、パラケルススアイコンを取り出し、ドライバーに装填する。

 

『カイガン!パラケルスス!医学の科学、錬金術!』

 

俺はパラケルススゴーストを纏うと、錬金術でカタールを生成し、それを左手に装備する。

 

「はああっ!」

「きゃあああああああ!!!」

 

俺はそのままアーシアの胴体を斬りつける。着ている制服が破れ、一瞬だけ血が噴き出た。俺はアーシアを蹴り飛ばして転倒させた。

 

「うおおおおおおおおっ!!」

 

俺は左手のカタールを構え、ガンガンハンドでアーシアが動けないように牽制射撃をしながら、アーシアに近づく。

「死ねぇええええええ!!!」

 

そして俺はカタールでアーシアを貫こうとしたその時

 

 

 

 

 

 

 

 

バキュン!

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

突然、カタールに銃弾が当たり、攻撃をキャンセルされた。俺は振り向くと、そこにはゴーストに変身し、ムサシゴーストを纏い、銃を構えているあいつがいた。

 

「止めろ駘悟!アーシアを殺す気か!?」

「そうだ!邪魔をするなら貴様から!!」

 

俺はあいつに向かって突撃し、怒りに任せてガンガンハンドとカタールを叩きつける。あいつはガンガンセイバーを二本の刀に分割すると、防御を始めた。

 

「ぐっ…!はあっ!」

「はっ!おらぁ!」

 

俺はあいつと互いの武器をぶつけ合う。だが前回と違い、あいつは本気を出していない。

 

「駘悟、今回はお前と戦いたい訳じゃない!話があるんだ!」

「黙れ!偽者は黙ってろぉおおおおおお!!!」

 

俺はあいつの言葉に反論するように怒号を挙げると、ガンガンハンドを持った手でハンドルを操作する。

 

『ダイカイガン!パラケルスス!オメガドライブ!』

「でやあああ!!」

「うわぁあああああああ!!」

 

俺は左手のカタールを錬金術でドリル状にすると、そのままあいつに突きつける。ドリルによる攻撃を喰らったあいつは吹っ飛ばされた。俺はドリルを手放すと、ノブナガアイコンをドライバーに装填する。一方あいつはビリー・ザ・キッドアイコンを装填した。

 

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

『カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発百中、ズキューン、バキューン!』

 

俺はノブナガゴーストを纏うと、ガンガンハンドで射撃を行う。あいつもビリー・ザ・キッドゴーストを纏うと、二丁拳銃で連射してきた。あいつは浮遊で俺の背後に回ってきた。俺は素早く振り向き、あいつに銃を向ける。あいつも拳銃を合体させ、ライフルにして俺に照準を向けていた。

 

「「…。」」

 

お互い真剣な目で、かつ沈黙の中、撃つ機会を伺っている。

 

 

 

 

 

 

「…。」

 

すると突然、あいつはライフルを下ろした。

 

「何故銃を下ろす?」

「頼む、話を聞いてくれ。」

 

あいつはそう言って変身を解除した。

 

「俺は沙耶ちゃんを助けたい!だから、俺のアイコンと首飾りをやるよ。俺と駘悟のアイコンを合わせれば、ちょうど15個だ。これで沙耶ちゃんは生き返る!」

 

あいつはそう言ってきた。何を言うと思ったら…!

 

「相変わらず、そんな覚悟か。甘い奴だ!」

 

俺はあいつに向けて射撃するが、その直前に銃身を傾けられ、外れた。

 

「俺は沙耶を生き返らせるために全てを捧げてきた。何も選べないお前が、偽者のお前が首を突っ込むな!」

 

俺はそう言いながらあいつの襟を掴み、そして突き離した。どうせあいつなら本物の幽一になるとお願いするだろうからな…。

 

「放っておける訳ないだろ!…俺にはどっちの命が大事かを選べるはずがない…。でもな、目の前で命が消えようとしてるなら、見過ごす訳にはいかない!」

「何だと…!?」

「駘悟、俺を幽一だと認めなくてもいい!だけど、沙耶ちゃんを生き返らせる手伝いだけはさせてくれ!俺は、沙耶ちゃんの命を繋げたい!」

 

あいつは自分の決意を言った。あいつ…認めなくても構わないって……そういえば…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~5年前~

 

 

「駘悟、“英雄の心を学び、心の目を開くんだ”。」

 

俺は竜彦さんにそう教えられた。

 

「竜彦さんは英雄になりたいんですか?」

「私は英雄になりたい訳じゃない。ただ、私は自分の出来る事をやるだけだ。そして未来へ命を繋ぎたい。」

 

竜彦さんは自分の決意を言った。自分に…出来ること…。

 

「だから、駘悟にもそうなってほしい。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…竜彦さん…。」

 

俺は竜彦さんのことを小さく呟いた…“自分に出来ることをする”…そして未来へ命を繋ぐ……か………。

 

「だから、駘悟を信じてこれを渡すよ。受け取ってくれ。」

 

あいつはそう言ってアイコンが入った袋を取りだし、その中に首飾りを入れると、俺に差し出そうとした。

 

「ああ、もらっていくぜ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前の命ごとな!!」

 

俺は暴言を吐きながらガンガンハンドを投げ捨てると、ハンドルを4回操作する。

 

『ダイカイガン!ノブナガ!オオメダマ!』

「うおおおおっ!はああああああ!!!」

 

俺は高く飛び上がると、莫大なエネルギーを纏いながら飛び蹴りを繰り出す。

 

「幽一さん!」

「!?…アーシア!?」

 

するとこれを見ていたのか、アーシアがあいつの前に立った。これに反応したあいつは袋を仕舞うと、すぐにアーシアの前に回り込み、庇う態勢を取った。関係ない、二人まとめて殺してやる!俺は自分ができることをする…だから、そのために幽一の偽者を葬ってやる!

飛び蹴りが二人に命中しようとする…その時、二人の前に黄金の粒子が出現。それは人の形になって現れた……あれは、まさか…!?

 

『お兄ちゃん、止めて!』

「沙耶!?」

 

なんと、沙耶まで制止してきた。くそ、曲がれっ…!!

俺はすぐに右に傾けた。俺の飛び蹴りが二人の横の足下に命中すると、砂煙が巻き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

俺とアーシアは吹き飛ばされるも、飛び蹴りは命中せずに済んだ。俺はその場で座り込む。

 

「…何故だよ、駘悟…。」

 

俺は小さく嘆いた。俺は幽一と認められなくてもいい覚悟で、駘悟を信じてアイコンと首飾りを渡そうとしたのに……何でだよ…? 俺は辛さのあまり静かに涙を流す。

 

「…幽一さん…。」

 

アーシアは俺のことを心配してきた。

 

「…とりあえず、アーシアの傷の治療と服の修繕をするか。」

 

俺は霊癒波でアーシアの傷を治した後、シャネル魂の力で破れた制服を修復した。

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして邪魔をした!?」

 

俺は別の場所に移動すると、そこで沙耶を取りだし、制止にかかった理由を問い詰める。

 

『お兄ちゃん、私…もう生き返りたくない!』

「沙耶、自分が何を言ってるのか分かってるのか!?」

『お兄ちゃん、戦いたいの!?あんなに仲良しだった幽一君と…!』

「幽一は死んだんだ!」

 

俺は沙耶に現実を言い放ってしまった。沙耶はその怒号を聞いて沈黙してしまった。

 

「…俺だって信じたくないさ…幽一が死んだなんて……けど、幽一が死んだのは事実なんだよ…!」

『今のお兄ちゃんは私が知ってるお兄ちゃんじゃない!』

「俺はお前のためを思って…!」

『私はお兄ちゃんにも幸せになってほしいの!』

 

沙耶はそう言った。幸せか……けど、沙耶を生き返らせない限り、幸せなんてある訳がない…。

その時だった

 

『きゃっ!?』

「!?」

 

突然、龍の頭部を模した口が沙耶を拘束した。俺は振り向くと、そこには沙耶を掴んだ青龍刀眼魔がいた。

 

「ふっふっふっ…!」

「貴様…!」

「こいつがお前の“大切なもの”だという事は知っているぞ。」

「沙耶を返せ。」

 

俺はそう言いながらスペクターアイコンを取り出す。

 

「こいつがどうなっても知らんぞ?」

 

すると青龍刀眼魔は沙耶を強く握り始めた。その証拠にアイコンから電流が走る。

 

『お兄ちゃん…!』

「止めろ!!」

「英雄アイコンを全て渡せば返してやる。」

「分かった…。」

 

俺は青龍刀眼魔の要求を飲み、現在所持している全ての英雄アイコンを取り出し、青龍刀眼魔の方に向かって投げた。今は英雄アイコンよりも沙耶の方が大事だ…!

 

「早く沙耶を返せ!」

「いいだろう。 ほれ。」

 

青龍刀眼魔は英雄アイコンを全て回収すると、沙耶を俺に投げ渡した。

 

「大丈夫か、沙耶?」

『うん…。』

 

どうやら無事のようだ。俺は再び振り向くと、そこにはもう青龍刀眼魔の姿はなかった。逃げたか…!

 

「一体誰の差し金だ!?あいつか…アッシュか!」

『…お兄ちゃん…。』

「…必ず取り返してやるからな。」

 

俺は心配する沙耶を励ました。絶対に沙耶を生き返らせる………俺はもう、誰も信じない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュドーside

 

 

 

 

 

 

 

 

「スペクターは極めて個人的な理由でアイコンを集めているようです。これは重大な反逆行為にあたります。すぐに報告を。」

 

私はスペクターの戦闘を観察した後、野球場で目の紋章を展開しているアッシュ様のところへ行き、スペクターの行為を報告した。

 

「その件は私が預かる。スペクターが変わってしまったのは、五十嵐幽一のせいだ。奴は目障りだ。」

 

アッシュは五十嵐幽一が原因だと仰った。

 

「かしこまりました。私が排除いたします。」

 

私は排除依頼を承ると、アッシュ様はその場所から移動した。アッシュ様、アイコンの秘密をお伝えしないことをお許し下さい。全ては、アッシュ様のお兄様のご命令なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

朱乃side

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は雷堂寺の手がかりを掴むために、町中を探索して聞き込みをしていました。

 

「どうだったの?」

「あっちで目撃情報が出たって話ですわ。」

「行ってみましょう!」

 

私達は一旦合流すると、情報を交換しました。リアスと理恵ちゃんは先に向かい、私はメモを取っていました。すると、後ろから肩を軽く叩かれた。私は振り返ると、そこには雷堂寺の姿が。

 

「私をお探しですか?」

 

雷堂寺はそう言うと、手に持った眼魔アイコンを私に近づけ……

 

 

 

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

 

私達は向かう途中、朱乃先輩がついて来てないことに気付き、先程合流した場所に引き返してきた。そこには朱乃先輩がいた。

 

「あ、いました。」

「朱乃、どうしたのよ?」

「…あ、いえ…何でもありませんわ。」

 

どうやら朱乃先輩は問題ないらしい。

 

「ほう、急ぐわよ!」

「あ、待って下さい!」

 

私達はリアス部長の言葉を聞いて再び出発した………今、何か気配を感じたような…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

「結局、何も情報を手に入れることはできなかったわね…。」

 

俺達は部室に戻ってきた。どうやらリアス部長達の方も成果は無かったらしい。もちろん、俺達の方もだけど…。

 

「幽一君達の方は?」

「「…。」」

 

理恵は成果を尋ねてきたが、俺とアーシアは沈黙したまま首を横に振った。

 

「…幽一君…。」

「…やっぱり、駘悟は倒さないといけないらしいわね…。」

 

リアス部長は辛い現実を言い放った。やっぱり、駘悟とはもう分かり合えないのか…!

俺は心を痛めた状態で、テーブルに並べられたアイコンを見つめる。

「私、ちょっと調べ物をしてくる。」

「え?」

「デズモンドさんが残した手帳に書いてあることを調べれば、5年前の事について何か分かると思うの。今からニコライ先輩のところへ行ってくるね。」

「ああ…頼むぜ。」

 

理恵はデズモンドさんの手帳を手に取ると、TF141の部室へ向かった。

 

「俺も…何か出来ることをしないとな…。」

 

俺が呟いたその時

 

 

 

 

 

バタッ!

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

突然、リアス部長が無言で机に突っ伏した。俺とアーシアはリアス部長を起こそうとすると

 

「はぅっ…!」

「ちょっ…アーシア!?」

 

なんと、アーシアまで机に突っ伏した。おいおい、どうなってるんだ!?

 

「幽一君、今すぐ治療を!」

「あ、はい!」

 

朱乃先輩に言われて、俺は二人をソファに体を横にさせる。

 

「五十嵐流霊術・霊癒波!」

 

俺は霊術で二人の治療を行う。これでよしっ………と。俺は朱乃先輩がいる方へ振り向くと、そこに朱乃先輩はいなかった。

 

「あれ、朱乃先輩…?」

 

朱乃先輩がいない証拠に、何故か部室のドアが開いていた。何処か行ったのかな………………!?

 

「アイコンが無い!?」

 

俺はテーブルに並べられた全ての英雄アイコンが無くなっていることに気づく。もしや、朱乃先輩が持ってったのか!?……………まさか、眼魔の仕業か!?

 

「リアス部長!アーシア!」

「「はっ…!」」

 

俺が呼び掛けると、二人は同時に起き上がった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺達は部室から出ると、そこにはアイコンを持った朱乃先輩と倒したはずの青龍刀眼魔がいた。やっぱり、眼魔が朱乃先輩に憑依していたのか!

 

「いた!皆、頼むぞ!」

 

俺はピナやゴーストガジェット達を呼び出すと、青龍刀眼魔に一斉攻撃させる。その間に俺達は朱乃先輩に近づく。

 

「朱乃先輩!」

「っ!…あああっ!」

 

すると、朱乃先輩は俺達に攻撃を仕掛けてきた。リアス部長とアーシアが朱乃先輩を押さえる。

 

「邪魔者め…。」

 

青龍刀眼魔がそう呟いて青龍刀を構えた。

 

「朱乃は私達が押さえるわ!幽一は眼魔を!」

「分かりました!」

 

朱乃先輩のことをリアス部長とアーシアに任せると、俺はドライバーを出現させ、オレアイコンをドライバーに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏う。

 

「デズモンドさんを利用して、今度は朱乃先輩まで……許さねぇ!」

 

俺は青龍刀眼魔に突撃し、殴りかかる。

 

「はあああっ!」

「でやぁっ!」

 

俺は避けながら的確に青龍刀眼魔を殴りつけるが、やっぱい硬い!ベンケイじゃないとまともに攻撃が通らないな…!

 

「でやああっ!」

「うわっ!?」

 

俺は青龍刀による攻撃を受け、転倒する。くそ…今はアイコンがないから霊術でカバーするしかないか…。

 

「さっきまでの威勢はどうした!?」

「すぐに出してやるさ! 五十嵐流霊術・幻霊滑刀!」

 

俺は両手に幻霊滑刀を生成すると、青龍刀眼魔を斬りつける。だが、青龍刀眼魔は青龍刀でパリングしてきた。パワーが足りないから弾かれる…!

 

 

 

 

 

 

 

 

アーシアside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はリアス部長と共に朱乃を押さえていました。その頃、幽一は青龍刀眼魔に苦戦してました。

 

「ん…?あれは…!」

 

リアス部長が何かを見つけたようです。私もその方向を向くと、そこにベンケイアイコンが落ちていました。

 

「アーシア、ここは私に任せてアイコンを!」

「は、はい!」

 

私は朱乃先輩のことをリアス部長に任せてベンケイアイコンを拾う。

 

「幽一さ~ん!!」

 

そして私は青龍刀眼魔と戦っている幽一さんへ目がけてベンケイアイコンを投げ渡しました。

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

俺は青龍刀眼魔との戦闘中、アーシアが俺にベンケイアイコンを投げ渡してきた………ってあらぬ方向飛んでってる!?

 

「うおっ!?危ねぇっ!!」

 

俺は青龍刀眼魔の攻撃を避けると同時にベンケイアイコンをキャッチする。

 

「何処投げてんだよ全く…!」

 

俺は多少愚痴を漏らしながらも、ベンケイアイコンをドライバーに装填した。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

 

俺はハンドルを操作する。

 

『カイガン!ベンケイ!アニキ、ムキムキ、仁王立ち!』

 

俺はベンケイゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを薙刀モードの状態で装備する。そして薙刀の刃にクモランタンが吐き出した蜘蛛の糸が巻き付き、その糸を利用してクモランタンがガンガンセイバーと合体した。

 

「姿を変えても同じだ!」

「それはどうかな?」

 

俺は青龍刀眼魔の攻撃を受け止めると、すぐさまハンマーで殴り付ける。

 

「でやっ!」

「はっ!」

 

俺と青龍刀眼魔はそれぞれハンマーと青龍刀での鍔迫り合いをしたまま駒王学園の木々があるエリアまで移動する。

 

「でああっ!」

「ふっ!はあっ!」

「ぐおっ!?」

 

俺は青龍刀眼魔の攻撃を弾くと、ハンマーを振り回して重い一撃を繰り出す。

 

「はあああっ!」

「ぐおおおおっ!」

 

俺はそのままハンマーで青龍刀眼魔をふっ飛ばす。

 

「おのれぇぇぇぇぇえ!!」

 

青龍刀眼魔は怒ると、口から炎を吐き出してきた。俺はハンマーをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミナー!』

 

俺はハンマーを振り回しながらエネルギーを溜めていく。その際、俺は青龍刀眼魔に向かって炎をはね返した。俺は左手でハンマーを振り回しながら浮遊すると、さらにハンドルを操作する。

 

『ダイカイガン!ベンケイ!オメガドライブ!』

「はあああああああっ!!」

「まさか…この私がっ…!?」

 

俺は急降下すると同時にエネルギーの鉄槌で青龍刀眼魔を叩き潰した。地面に眼魔アイコンと青龍刀が落ち、眼魔アイコンは砕け散った。

 

「よし!」

『おい幽一、先輩を助けなくていいのか?』

 

俺はユルセンに言われて振り向くと、リアス部長が朱乃先輩を押さえているのを確認する。

 

「忘れてた…行ってくる。」

『お前も難儀だな…頑張れよ~。』

 

俺はオレ魂にチェンジすると、リアス部長と朱乃先輩のもとへ向かう。その際、後ろからユルセンの叫び声が聞こえたが、無視する。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺は到着すると、朱乃先輩に目の紋章を放つ。そして朱乃先輩から出てきた眼魔アイコンをガンガンセイバーで砕いた。

 

「…あらら?私は何を…?」

「はぁ…心配かけないで頂戴。貴女は眼魔に憑依されていたのよ。」

 

元に戻った朱乃先輩に、リアス部長が説明した。ふぅ…良かった。そういえば、アーシアは…?

 

「幽一さん!アイコンを拾ってきました!」

「ああ、サンキュー!」

 

アーシアが全ての英雄アイコンを拾ってきてくれた。俺はアーシアからアイコンを受け取る。

 

『おーい、こっちもー!さっきの眼魔が落としてったぞ!オイラを褒めていいんだぞ?』

 

すると、ユルセンも英雄アイコンを抱えてやって来た。さっきの叫び声はそれか………ん?ノブナガにツタンカーメン…?

 

「これって、駘悟の…!?」

 

俺はユルセンが持っている英雄アイコンが全て駘悟が所有していたものに気づく。あの眼魔、駘悟から奪ったのか…?

俺はふと振り向くと、そこにはドライバーを装着した駘悟の姿が。

 

「決着を付ける時だ。」

「駘悟…!」

「変身。」

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

駘悟はスペクターに変身すると、そのまま俺に殴りかかってきた。俺はそれをガードしたその時

 

「うわっ!?」

「っ!?」

「「「!?」」」

 

突然、俺と駘悟に光弾が降り注いだ。俺と駘悟は光弾が飛んできた方向を向くと、そこには黒い軍服を身に纏った男がいた。

 

「貴様は…!」

 

どうやら駘悟はあの男を知っているらしい。

 

「二人共いるとは丁度良い。お前達二人をまとめて殺し、アイコンも頂くとしよう。」

「何!?」

 

男はそう言うと、眼魔アイコンを取り出してスイッチを押すと、そのままアイコンを手離す。すると眼魔アイコンが男に吸収され、男は眼魔スペリオルに変身した。通常の眼魔とは違い、緑色をベースとした体に、銀色の頭部に緑色の角、そしてパルプアイが特徴だ。

 

「誰なんだお前!?」

「死に行く者が、知る必要はない。」

『気を付けろ、いつもの眼魔とは違う!』

 

ユルセンの言う通り、あの男からすごい力を感じ取れた。

 

「さぁ、始めよう。」

 

男は俺達にゆっくりと近づくと、俺達を殴り飛ばした。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そのまま俺達はグラウンドまで吹き飛ばされた。

 

「はあああっ!」

「ふっ!」

「ぐふっ…!」

 

俺は男に殴りかかるが、すぐに受け流されて反撃を喰らう。

 

「だああっ!」

「はああっ!」

「ぐわっ!」

 

駘悟も攻撃するが、すぐに受け止められ蹴り飛ばされた。くそ、なんて強さだ…!

 

「何故貴様がアイコンを狙う!?」

「お前が知らなくてもいいことだ。」

 

駘悟がアイコンを狙う理由を問うが、男は答えなかった。

 

「五十嵐流霊術・剛龍波弾!」

 

俺は両手から光線を放つが、男はそれを素手で受け止めた。霊術も効かないのか!?

 

「はああああっ! ほっ!たあっ!」

「うわっ!?」

「ぐっ…!」

 

俺と駘悟は押し飛ばされ、男はさらにダッシュで急接近し、俺と駘悟をそれぞれ左右に蹴り飛ばした。

 

「軟弱な…。子供が戦場に出たらどうなるか……教えてやる。」

 

男はそう言うと、両手にエネルギーを溜める。

 

「はあああああっ!!」

「うわあああああああああ!」

「ぐわあああああああああ!」

 

そしてそのエネルギーを地面に叩きつけた瞬間、俺と駘悟の足元で大爆発が起こった。俺と駘は避けきれず、吹き飛ばされた。その際俺はムサシ、ロビン、ニュートン、ビリー・ザ・キッド、ベートーベン、ベンケイのアイコンを落としてしまった。

 

『何やってるんだ!アイコンが…!』

「うっ…くっ…。」

「うぐっ……!」

「終わりだ。」

 

俺は落ちたアイコンを回収しようとするが、身体中が痙攣して動かない。それは駘悟も同じだ。そこへ男が一歩一歩俺に近づいてくる。

 

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

私は校舎の屋上からその光景を見ていた。

 

「少し計画が狂ってしまいましたが、ツキは私にあるようです。」

 

私はそう呟くと、アタッシュケースを開く。

 

「ご協力、ありがとうございます。」

 

私が呟いた瞬間、アタッシュケースが光り出した。すると、10個のアイコンが私のもとへ飛んできて、アタッシュケースに収まった。

 

「これで“15の眼魂”が私のものに!」

 

私は15個のアイコンが収まったアタッシュケースを閉じる。私はスペクターが近づいてくるのを確認すると、結界発生装置を取り出すと、装置を起動させて結界を張る。さぁ、後は儀式を行うだけです。

 

 

 

 

 

 

幽一side ~同時刻~

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!?」

『あ、待って!置いてかないで~!!』

 

突然、俺が落とした6つのアイコンとユルセンが回収した内、リチャードとパラケルスス以外の4つのアイコンが新校舎の屋上に向かって飛んでいった。俺達は振り向くと、そこには雷堂寺の姿があった。

 

「雷堂寺!?」

『幽一!!アイコンが、15個揃ってるぞ!!』

 

雷堂寺が持っているアタッシュケースには、俺と駘悟が所持していたアイコンの他、黄緑、群青、桃、深緑、薄灰色のアイコンが収まっていた。

 

「そいつを、渡せぇぇぇぇえ!!」

 

駘悟は雷堂寺からアイコンを奪おうと走っていく。その時だった。

 

「っ!?…うわあっ!」

「っ!?」

「『うわああああああ!!』」

 

雷堂寺が結界を張り、その場にいた俺達は弾き飛ばされてしまった。俺と駘悟、そして男は変身を解除された。雷堂寺はアタッシュケースを持ってその場を去っていった。

「うっ…!」

『アイコン…アイコン…!』

「…!」

「貴様ぁあああああああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

 

私とニコライ先輩は学園に結界が張られたことに反応して外に出る。

 

「何が起きてるんだ…?」

「誰が張ったんだろう…?」

 

私とニコライ先輩は探索する。

 

「ん?…あれは…!」

 

私はふと見ると、雷堂寺が旧校舎近くにところにやってきて、そこから蓋を退かして階段を降りていくのを見た。

 

「雷堂寺…!」

「隠し通路があるのか…!?」

「行ってみましょう!」

「ああ。」

 

私達は雷堂寺の後を追って隠し通路を降りていく。

 

 

 

 

 

 

 

雷堂寺side

 

 

 

 

 

 

私は隠し通路を通り、その先にある石板・モノリスに近づく。

 

「ついにこの時が来ました。儀式を始めましょう。」

 




ED[傷だらけのツバサ]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


雷堂寺「どうぞ私に、全てのものを支配する力を!!」

アイコンを15個集めた雷堂寺は、自分の願いを叶えようとする。しかし…

ジュドー「アイコンを奪え!」
幽一「お前に渡すか!」
理恵「何が起こってるの…!?」

幽一達はジュドーとアイコンの争奪をする。

次回[尊厳、神秘たる眼【グレートアイ】!]


?『望みを述べよ。』


カウント・ザ・アイコン!


幽一:【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

雷堂寺:【01】ムサシ【02】エジソン【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【07】ベンケイ【?】?【?】?【?】?【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【?】?【?】?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

尊厳、神秘たる眼【グレートアイ】!

テス勉でフラストレーションが溜まったのですぐに完成させました。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。俺は駘悟と和解しようする最中、謎の男・ジュドーが襲いかかってきた。さらに雷堂寺によって俺達が集めたアイコンの大半を奪われてしまった。
現在所有しているアイコンは…3つだ。」


OP[sympathy]



幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は立ち上がると、学園の外に張られた結界を見つめる。

 

『おい、ボサッとするな!行くぞぉ~! アタッ!?』

 

ユルセンが突撃した時、結界に阻まれて弾き飛ばされた。その際、ダメージを受けてマントが焦げた。

 

「ユルセン、大丈夫か!?」

『ううっ…焦げた…。』

「直接通るのは無理そうだ…なら! 五十嵐流霊術・霊身転移!」

 

俺は霊術で部室へ転移しようとするが、結界の影響で目の紋章をかき消されてしまった。くそ…!

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

「ぐっ…………ちきしょおおおおおおお!!」

 

俺は雷堂寺にアイコンを横取りされてしまった。俺は地面を叩くことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュドーside

 

 

 

 

 

 

 

私は結界越しに学園を見つめる。

 

「あの男、何をするつもりだ…?」

 

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

 

 

私とニコライ先輩は地下へ続く通路を歩く。そして辿り着いたのは、モノリスがある広間だった。そこには雷堂寺の姿もあった。

 

「あいつ…何する気だ…?」

 

ニコライ先輩は小声で呟くいた。

 

「さぁ、英雄アイコンは15個揃いましたよ。その力、見せてもらいましょうか。」

 

雷堂寺はそう呟きながらアタッシュケースからアイコンを次々と取り出し、床に敷かれた目の紋章が描かれた紙に円状に並べていく。あのアイコン…幽一君や駘悟のものだ……残りの5つは、雷堂寺が自力で手に入れたものなのかな?

雷堂寺は15個のアイコンを並べ終えると、スポイトに入れた謎の薬品を目の紋章の部分に一滴垂らした。すると、青い炎が上がり、紙が焼失する。そして15個のアイコンはモノリスの目の紋章部分を中心に円状に並んだまま浮遊を始めた。

 

「おぉ…!これが人知を超えた力か!…どうぞ私に、全てのものを支配する力をお与え下さい!!」

 

雷堂寺はモノリスに向かって願いを叫んだ。全てのものを支配する力!?…そんなことしたら、皆が雷堂寺の手の内に!……………あれ?

 

「「「…?」」」

 

雷堂寺の願いは叶わなかった。ただ雷堂寺の声が虚しく響いただけだった。

 

「全てのものを支配する力を!」

 

雷堂寺はもう一度願いを叫んだ……その時

 

「うわあああああっ!うっ、あああっ!あああああぁぁぁぁぁぁ……!!!!」

「「!?」」

 

突然、雷堂寺の身体が粒子化し、雷堂寺はそのままモノリスへ吸い込まれていった。まさに因果応報の結末だった。15個のアイコンは光になって曼荼羅を形成して、そのまま天井をすり抜けて上へ昇っていく。

「何なの…?何が起こってるの…!?」

「とりあえず、地上に上がろう!」

 

私はどうなっているかを理解できず、ニコライ先輩と共に地上へ戻る。

 

 

 

 

仙人side ~同時刻~

 

 

 

 

儂は透明化した状態で、雷堂寺がモノリスに吸い込まれていくのを確認した。

 

「迂闊だった…あいつが5個持ってたなんてな…。だが、幽霊の神帯【ゴーストドライバー】と幻龍神【バハムート】の首飾りを持っていない奴は、いくらやっても無駄だ。」

 

儂が呟いていると、アイコン達が曼荼羅になって浮上していくのを見届ける。始まったか…。

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は学園から巨大な曼荼羅が浮上し、結界をかき消すのを見た。位置的に旧校舎あたりから出現したのか…?何がともあれ、これで進める!

 

「よし、行くぞ!」

『ああ…待ってよ~…。』

 

俺はすぐに旧校舎に向かって走る。ユルセンは精神的にもダメージを受けた影響か、すごく弱気になっていた。

 

「私達も行くわよ!」

「分かりましたわ。」

「は、はい!」

 

後ろからは、リアス部長達もついて来るのを確認した。

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

 

俺はあいつらが旧校舎へ向かっていくのを確認した。まだだ……今行けばまだ間に合う…!沙耶を生き返らせることが出来る…!

俺は偶然地面に落ちていたリチャードアイコンとパラケルススアイコンを回収すると、俺もあいつらの後を追う。

 

 

 

 

 

ジュドーside

 

 

 

 

 

私は学園から浮上した曼荼羅を見つめる。

 

「あの曼荼羅…アイコンで出来ているのか…?ならば私が頂く!」

 

私はそう呟くと、空間にウィンドウを開く。無断だが、アッシュ様の計画をお借りしよう…。

 

 

 

 

 

理恵side

 

 

 

 

 

私とニコライ先輩は学園上空に浮遊している曼荼羅を見つめている。すると、私達のもとへ幽一君が駆け付けた。

 

「理恵!ニコライ先輩!」

「あ、幽一君!」

「なぁ理恵、これはどういう……!?」

 

幽一が話そうとしたその時、幽一君が身に付けているドライバーと龍の首飾りが光り出した。そして、幽一君の身体が勝手に浮遊し始めた。

 

「うわっ!?」

「幽一君!?」

「お、おい幽一!」

 

私とニコライ先輩は幽一君を掴もうとしたが、浮遊するスピードが速くて掴めなかった。いや、浮遊しているんじゃない…あの曼荼羅に吸い込まれているんだ…!

 

「理恵、ニコル!どうしたの!?」

「!?…ぶ、部長さん!…上!上!!」

「えっ!?…幽一が空に!?」

「あれはもしかして、願いが叶う前兆では!?」

 

リアス部長達も駆け付け、幽一君が曼荼羅に吸い込まれていくのを見る。幽一君…願いを叶えてきてね…幽一君が望む願いを…!

 

「うっ!?…うわっ!?うわああぁぁぁぁ…!」

 

幽一君が吸い込まれたと同時に曼荼羅の目が閉ざされた。

 

『オイラも、オイラも~!…アイタッ!』

 

その際、ユルセンも曼荼羅に向かうが、当然の如く弾かれ、火だるまになって落下した。

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

俺はようやく旧校舎の手前まで辿り着いたが、その時にはもう曼荼羅の目は閉じていた。

 

「遅かった…。」

 

俺は願いを叶える最後のチャンスを失い、その場で崩れ落ちる。

 

「俺は一体…これまで何のために…?あいつを殺してまで……やろうとしたのに…!!」

 

俺はこれまでやってきた事を後悔した。俺の目から大量の涙が溢れ出てきた。あいつに先を越されたこと…そして何よりも、沙耶を救うことが出来なかった屈辱を…。

俺は沙耶を取り出す。

 

「沙耶…すまない…!」

『私は、いいの…。これで幽一君の願いが叶うんだもの…。』

 

俺はそのまま後悔という脱力感に見舞われた。

 

 

 

 

 

ジュドーside

 

 

 

 

 

私はウィンドウを操作して、何処がこの学園から一番近いか調べる。このウィンドウには、目の紋章を展開した地点がマークされている。

 

「一番近い場所は、ここか?」

 

私はその地点をタッチして、その怪物の名を呼んだ。

 

「グンダリ!!」

『『『『グワァ!!グワァ!!』』』』

 

すると、その地点から蛇型の怪物・グンダリが四体出現し、一斉に学園に向かって飛行を開始する。

 

 

 

 

 

アッシュside

 

 

 

 

 

「何が起きている…!?」

 

私は学園から近い場所であの曼荼羅を見つめている。それにしても、この強い力は何だ…!?

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

俺は曼荼羅に吸い込まれて、何もない白い空間にやってきた。ただ一つ、目の紋章を除いては…。

 

「ここは一体…?」

 

俺は呟きながら目の紋章がある床まで歩く。

 

『何のようだ?』

 

すると、何処からともなく少年のような声が聞こえてきた。

 

「願いが叶うのか?」

『ならば、望みを述べよ。』

 

どうやら、願いを叶える時が来たようだ。今振り返れば、この世界に転生してきた俺は今まで駘悟と対立してきた。理恵とデートしている最中、それが駘悟と決別した日だ。けど、昨日の夜に沙耶ちゃんの状態を知ってから、再び駘悟に対する情が甦った。俺は、駘悟との縁を直したい!

 

『望みを述べよ。』

「俺の望みは決まっている。俺の望みは……神薙沙耶ちゃんを、生き返らせてほしいことだ。」

『承知した。』

 

 

 

 

 

 

 

アッシュside

 

 

 

 

私はふと見ると、学園に向かって飛行する四体のグンダリを見つけた。

 

「あれはグンダリ!?…ジュドーの奴、勝手なことをしてくれたな…!」

 

私はジュドーの無断な行動に腹を立てると、ジュドーを連れ戻すべく行動を開始する。

 

 

 

 

ジュドーside

 

 

 

 

グンダリ達が学園に到着した。

 

「アイコンを奪え!」

 

私はグンダリ達に指示すると、一斉に曼荼羅に向かって突撃した。

 

『『『『ギュアアアアア!?』』』』

「何!?」

 

しかし、曼荼羅の強い力に弾かれ、グンダリ達は墜落した。

 

 

 

 

 

 

理恵side ~同時刻~

 

 

 

 

 

「「「「っ!?」」」」

「なんなのよあれ!?」

 

私達は上空に現れた謎の怪物・グンダリを見つめる。四体のグンダリは一斉に突撃した。だが、四体のグンダリは曼荼羅の力に阻まれて墜落した。すると、曼荼羅の目が再び開いた。

 

「目が開いたわ!」

 

私達は一斉に曼荼羅の方に注目すると、そこから幽一君……だけじゃなく、白いワンピースを纏った一人の少女が幽一君に抱えられて降りてきた。その時の幽一君は微笑ましい表情だった。

 

 

 

 

 

駘悟side ~同時刻~

 

 

 

 

 

俺は曼荼羅からあいつが一人の少女を抱えて降りてくるのを見た。俺は沙耶のアイコンに目を向けると、沙耶のアイコンは消滅した。

 

「あいつ……まさか…!」

 

俺は最後の希望を信じ、急いで旧校舎へ向かう。

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は地面に着地すると、その場で沙耶ちゃんをゆっくりと下ろす。5年間会っていなかったが、沙耶ちゃんの身体はずいぶんと成長していた。

 

「幽一君、その子が…沙耶ちゃんなの…?」

「ああ。」

 

俺は理恵の質問に答える。

 

「幽一、何故なの?何故あの男の願いを…!?」

「ごめんなさい…でも俺はこうしたかったんです…駘悟と和解するために…。」

「だけど…。」

 

リアス部長と朱乃先輩が若干不満そうだが、俺は沙耶ちゃんを復活させること…それが駘悟との和解に繋がると分かっている。

 

「沙耶!」

 

すると、駘悟がここへ到着した。

 

「駘悟、沙耶ちゃんは大丈夫だよ。さぁ。」

 

俺は駘悟と場所を交代する。駘悟は沙耶ちゃんの身体を支える。すると、沙耶ちゃんが目を覚ました。

 

「お兄ちゃん…。」

「沙耶…。」

「私…生きてる…?」

「ああ…生きてる…生きてる…!」

 

駘悟は沙耶ちゃんを抱き締めると、思わず嬉し涙を溢した。妹が生き返った喜び、その感情が一気に表に出てきたのだ。

 

「幽一君…ありがとう。」

 

沙耶ちゃんは俺に感謝の言葉を言った。俺はどういたしましてという思いを込めて頷く。その時俺も思わず笑顔で涙を流していた。

 

「駘悟、良かったね。」

「本当に、良かったですね。」

 

理恵とアーシアも駘悟にそう言った。リアス部長、朱乃先輩、ニコライ先輩も笑みを浮かべていた。

 

「なぁ、どういうつもりなんだ?」

「言ったはずだよ。俺は沙耶ちゃんの命を繋ぎたいって…。それに、駘悟達との縁は切っても切れないさ。だって俺達、親友じゃないか!」

「…幽一、お前は…本当に甘い…!」

 

駘悟は前に言った言葉を発したが、今までのような威圧感はなく、むしろ感謝の言葉だった。そしてこの時が、駘悟が俺を幽一と認めてくれた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

仙人side

 

 

 

 

 

儂は透明化した状態で幽一達を見ていた。

 

「甘過ぎて甘過ぎて、おじさんがおじいちゃんになっちゃうよ。あえ~?なんだって?つって……ん?」

 

儂はついおじいちゃんのモノマネをしているとき、ふと曼荼羅の方を見る。よく見ると、曼荼羅にノイズが生じているのに気づく。

 

「何かが可笑しい…もしや、あやつらが感づいて…!?」

 

儂が呟いていたその時、曼荼羅が消滅し、そこから15個のアイコンがあちこちに降り注いだ。

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

「!?…アイコンが…!?」

 

喜びも束の間、突然曼荼羅が崩壊し、15個のアイコンが散らばるように降り注いだ。そのうち3個は俺達の近くの草むらに落ち、他のアイコンの多くは近くの森に降り注いだ。

 

「ここは私達に任せなさい!」

 

リアス部長と朱乃先輩、そしてニコライ先輩はアイコンを回収するべく森へ転移していった。俺と理恵はその近くにある草むらを調べる。俺が見つけたのはビリーのアイコンだった。

「ビリー・ザ・キッド。」

「幽一君、ムサシよ。」

 

理恵はムサシアイコンを見つけたらしい。俺は理恵からムサシアイコンを受け取る。

 

『『グワァ!グワァ!』』

「!?…まずい…!」

 

俺は二体のグンダリが森へ向かったのを見ると、俺も霊身転移で森へ転移する。

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

俺は草むらに落ちた紺色のアイコンを回収する。

 

「お兄ちゃん。」

「ああ、分かってる。 沙耶を頼む。」

「分かったわ。」

「分かりました!」

 

俺は沙耶のことを理恵とアーシアに任せると、俺も森へ向かう。

 

 

 

 

 

リアスside

 

 

 

私達は森に散らばったアイコンを集めている。私は既にニュートンアイコンを見つけている。

 

「よし、また一個見つけたわ。」

「あらあら、早いですわね…。」

 

私はさらにツタンカーメンアイコンも見つける。さらに

 

「ん?…あそこにも…!」

「おいおい、そんな小さいのどうしたらすぐ見つけられるんだよ…!?」

 

さらに、深緑色のアイコンも見つけた。番号は【14】で“グリム”と書かれていた。朱乃もニコライもその見つけるスピードに脱帽していた。

 

「あら、意外と容易いわね。」

 

私はさらに薄灰色のアイコンも見つけた。こっちは【15】で“サンゾウ”と書かれていた。

 

「あ、リアス部長!」

 

そこへ、幽一が駆けつけた。

 

「幽一、アイコンを見つけたわ「後ろ!!」…え?」

 

私は幽一に言われて振り返ると、一体のグンダリが突進してきた。

 

『グワァ!グワァ!』

「キャアアアアア!!」

 

私は避けきれずに吹き飛ばされ、倒れた拍子にアイコンを手放してしまった。

 

「大丈夫ですか!?」

「ええ、大丈夫よ。これを…。」

 

私は起き上がると、落ちているニュートンアイコンとツタンカーメンアイコンを幽一に渡す。あと2つは?……あ!

 

「あそこよ!」

 

私は向こうにグリムアイコンとサンゾウアイコンが落ちているのを見つける。私と幽一はそれを回収しようとしたが、その前に何者かが先に回収した。

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

俺は2つのアイコンを回収しようとしたが、あの時の男に先に回収された。

 

「他のアイコンも寄越せ。」

「お前に渡すか!」

 

俺はそう言ってドライバーを展開する。

 

「ならば、力ずくで奪うまでだ。」

 

男はそう言いながらグリムアイコンとサンゾウアイコンを回収した。すると後ろから駘悟がやって来て、俺の横に並ぶ。駘悟もドライバーを展開していた。

 

「部長はアイコンの方を…。」

「分かったわ。」

 

俺はそう言うと、リアス部長はアイコンを回収しに行った。

 

「二人で来ても、無駄だ。」

 

男はそう言った。

 

「奴は強いぞ。覚悟はいいか?」

「俺は、俺を信じる!」

「ならば、お前を信じよう。」

 

俺と駘悟はドライバーにそれぞれオレアイコンとスペクターアイコンを装填する。

 

『『アーイ! バッチリミナー(バッチリミロー)!』』

「「変身!」」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

俺と駘悟は変身すると、それぞれパーカーゴーストを纏う。そして男も眼魔アイコンを起動して眼魔スペリオルに変身した。

 

「行くぞ幽一!」

「OK!」

 

俺と駘悟は男に突撃すると、肉弾戦を行う。

 

「はっ!」

「ふっ! はっ!」

「でやっ!」

 

格闘している中、俺は男に蹴飛ばされた。駘悟は男との格闘したまま移動する。俺は浮遊して男の背後に回る。

 

「はあっ!」

「ぐっ…!」

「たあっ!」

 

俺は駘悟と格闘している男に突撃してバランスを崩させる。

 

「はあっ!」

「うわっ!?」

 

俺も着地して格闘しようとしたが、また男に蹴飛ばされた。

 

「頼むぞ!」

『カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発百中、ズキューン、バキューン!』

 

俺はビリーゴーストを纏うと、ガンガンセイバー・ガンモードとバットクロックを装備し、男に向かって弾幕を放つ。

 

「ふっ!」

「ぐわああっ!」

「あ、ごめん!」

 

しかし、男が駘悟を盾に利用した。当然銃弾は駘悟に命中してしまった。

 

「うおおおっ! てやっ!」

「ぐっ…!」

 

俺は男に攻撃され、駘悟のもとへ転倒した。

 

「あ、そうだ…これを。」

「ああ。」

 

俺は駘悟にツタンカーメンアイコンを返す。

 

「幽一君!2個見つけましたわ!」

「ありがとうございます。」

 

すると、朱乃先輩がエジソンアイコンとベートーベンアイコンを見つけてきてくれた。俺は2つのアイコンを受け取ると、ベートーベンアイコンを装填する。駘悟もツタンカーメンアイコンを装填した。

 

『カイガン!ベートーベン!曲名、運命、ジャジャジャジャーン!』

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

俺はベートーベンゴーストを纏うと、光の旋律を放って牽制する。そしてツタンカーメンゴーストを纏い、鎌を装備した駘悟が男に斬りかかる。

 

「はあっ!」

「ふっ!」

「おりゃ!」

 

駘悟は男に攻撃を仕掛けている。俺も援護するが、男にまた吹き飛ばされた。やっぱりあの男、強いな…!

 

「シモ・ヘイヘ!」

『カイガン!シモ・ヘイヘ!極寒の狙撃、俺の距離!』

 

俺はシモ・ヘイヘゴーストを纏うと、ガンガンセイバーにウルフスコープを合体させて狙撃銃にし、駘悟の援護に向かう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

駘悟side

 

 

 

「はあっ!」

「うわっ!?」

 

俺はジュドーに攻撃されて落下し、その下にある地面に落ちた。俺はジュドーの追い打ちをローリングで回避する。

 

「裏切りは死をもって償え。スペクター!」

 

ジュドーはそう言うとさらに執拗な攻撃を仕掛けてくる。俺はガードしながら攻撃していると

 

「喰らえ!」

「ぐっ…!?」

 

幽一が狙撃銃でジュドーの脚部を狙撃した。すると、ジュドーの足下が氷漬けになった。よし、今のうちだ!

 

『カイガン!リチャード!騎士道、勇猛、ライオンハート!』

『カイガン!エジソン!エレキ、閃き、発明王!』

 

俺はリチャードゴーストを纏うと、ガンガンハンドにライオンカメラを合体させてメイスにし、ジュドーを吹き飛ばす。そして幽一もジュドーに電撃を放つ。

「うおおおっ!」

「うわっ!?」

 

ジュドーは幽一に向かって光弾を放った。幽一はすぐに一旦離れる。俺はその隙を突いてジュドーに攻撃する。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

幽一side

 

 

 

 

俺は一旦離れると、ムサシアイコンを装填する。

 

『カイガン!ムサシ!決闘、ズバット、超剣豪!』

 

俺はムサシゴーストを纏うと、ガンガンセイバーを二本の刀に分割して、その場から飛び降りる。途中、男がまた光弾を放ってきたが、俺は刀でかき消す。

 

「はあっ! とりゃ!」

「でやっ! うおおっ!」

「ふっ!」

 

俺と駘悟は巧みな連携で確実に男にダメージを与えていく。しかし

 

『グワァ!グワァ!』

「「うわああっ!」」

 

突然、一体のグンダリが壁を壊して現れ、尻尾で俺達を薙ぎ払ってきた。ふっ飛ばされた俺達はすぐに体勢を立て直す。俺はすかさずシャネルアイコンを装填する。

 

『カイガン!シャネル!流行、エレガント、革命のファッション!』

 

俺はシャネルゴーストを纏うと、再びガンガンセイバーを一本の剣に戻す。

 

「はあああっ!」

「おりゃああっ!」

「はっ!たあっ!」

 

俺はガンガンセイバーを振るう。シャネルには服を直す能力だけじゃなく、こうやって刃物による切れ味を増す能力がある。裁縫の時に布を裁つような感覚だ。

 

「うわぁっ!」

 

駘悟が男によるパンチを喰らってふき飛ばされた。そこへ

 

「駘悟、ノブナガよ!」

「ああ。」

 

リアス部長が拾ってきたノブナガアイコンを駘悟に渡した。

 

「幽一、一つ見つけたぞ!」

「ありがとうごさいます!」

 

そしてニコライ先輩もロビンアイコンを見つけてきてくれた。俺はニコライ先輩からロビンアイコンを受け取ると、男の攻撃を受けないように避ける。

 

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

 

駘悟はノブナガゴーストを纏うと、ガンガンハンドによる銃撃を行い、男を攻撃する。

 

『カイガン!ロビンフッド!ハロー、アロー、森で会おう!』

 

駘悟が注意を引いている内に、俺もロビンゴーストを纏い、ガンガンセイバーにコンドルデンワーを合体させて弓矢にする。

 

「「はあっ!」」

「っ!」

 

俺と駘悟は男と弾幕を撃ち合う。駘悟は男にガンガンハンドを突きつけると、その状態のまま移動する。

 

「幽一、ベンケイよ!」

 

すると、リアス部長が今度はベンケイアイコンを見つけてくれた。ナイスだ、リアス部長!俺はリアス部長からベンケイアイコンを受け取ると、駘悟の後を追う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

駘悟side

 

 

 

森の跡地があるところまで移動した俺は、ジュドーの攻撃を受け流しながら的確に銃弾を撃ち込んでいく。

 

「はあっ!」

「ぐっ…!うおおおお!」

 

俺はジュドーの攻撃をガードする。

 

『カイガン!ベンケイ!アニキ、ムキムキ、仁王立ち!』

「はあああっ!」

「ぐわっ!?」

 

ベンケイゴーストを纏った幽一が後ろからハンマーでジュドーを攻撃した。

 

「大丈夫か、駘悟?」

「当たり前だ。」

「っ……はああああああっ!」

「ふっ!」

「はあっ!」

「ぐわああああああっ!」

 

ジュドーは再び突撃してきたが、幽一がハンマーで食い止め、その隙に俺が銃弾を放って吹き飛ばす。

 

「おりゃっ!」

「はあっ!」

「ぐっ…うおぁあああああ!」

 

幽一がジュドーを吹き飛ばすと、俺はさらに銃弾による追い打ちを仕掛ける。ジュドーが怯んだところで、俺はパラケルススアイコンを、幽一はニュートンアイコン装填する。

 

『カイガン!ニュートン!リンゴが落下、引き寄せまっか!』

『カイガン!パラケルスス!医学の科学、錬金術!』

 

俺はパラケルススゴーストを纏うと、錬金術で巨大な鉄槌を錬成する。

 

「はあっ!」

「うわっ!?…ぐはっ…!」

 

幽一は引力でジュドーを引き寄せ、斥力で壁に叩きつけると、これらをもう一度繰り返した。

 

「でやぁああ!」

「ぐっ…!」

 

そして俺は落下したジュドーに鉄槌を叩きつけた。

 

「行くぜ、駘悟!」

「ああ!」

『『カイガン!オレ(スペクター)!』』

 

俺と幽一は基本形態に戻ると、もう一度ハンドルを操作する。

 

『『ダイカイガン!オレ(スペクター)!オメガドライブ!』』

「「はああああああああっ!!」」

 

俺と幽一は高くジャンプすると、ジュドーに向けて飛び蹴りを放つ。

 

『グワァ!グワァ!グワァ!』

 

しかし、一体のグンダリが俺達とジュドーの間に割り込んで身代わりとなり、ジュドーを庇った。当然これをまともに受けたグンダリは爆散したが、ジュドーは撃破できなかった。

 

「何…!?」

 

俺達は着地して振り返ると、そこには攻撃を避けたジュドーがいた。

 

「調子に乗るな!」

 

ジュドーが怒ったその時だった。

 

「ジュドー!戻れ…!」

「アッシュ様!?」

「誰だ!?」

 

そこへアッシュが現れ、ジュドーに戻れと命令した。幽一はアッシュが誰なのかを知らなかったようだ。無理もないか…。アッシュは俺達の方を少し見ると、ジュドーに向けてまた命令する。

 

「ジュドー!」

「しかし…!」

「私に無断で行動するな!今すぐ戻れ!!」

 

アッシュはそう言うと、すぐにその場から去っていった。ジュドーも俺達の方を少し見ると、すぐにアッシュの後を追った。

 

「あ、待て!」

 

幽一は追撃しようと追いかける。まだ考えることはあるが、それは後だ。俺も幽一の後を追う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

幽一side

 

 

 

 

俺達は森も抜けて岩場へやって来たが、ジュドーには逃げられた。あいつ…どこへ…?

 

『『『グワァ!グワァ!』』』

「「っ!」」

 

俺はグンダリ三体の攻撃を避ける。あいつを野放しにすると町にも被害が及ぶ!何とかしないと…!

 

「ユルセーン!」

『ゴーストライカー…。』

 

俺はユルセンを呼ぶと、ユルセンがゴーストライカーを持ってきてくれた。さっきの影響か、かなり弱気だ………ってかすげぇ包帯巻いてるなおい…。

 

『俺の屍を越えて行けぇ~…。』

「サンキュー、休んでてくれ。」

 

重傷しているユルセンを休ませると、俺はゴーストライカーに乗ってグンダリ達を追跡する。すると、駘悟がマシンフーディーに乗って現れ、俺の横で並走する。

 

「幽一、ビビるなよ?」

「駘悟こそ。」

 

俺達はグンダリが放つ火球を避けていく。

 

「ユルセン、ケンウェイを頼む!」

『とっくにスタンバイしてるよ~…オイラ、偉い…。』

 

ユルセンがケンウェイを召喚すると、俺はバイクに乗ったままジャンプし、バイクをケンウェイと合体させる。

 

『ギャアオ!』

 

イグアナ形態になったケンウェイはグンダリに飛びかかると、グンダリの頭部に掴まる。

 

『グオアッ!』

「はあっ!」

 

一方、駘悟もエーススペクターを呼ぶと、マシンフーディーを合体させてムササビフーディーに変形させた。そしてムササビフーディーは駘悟を乗せたままグンダリの尻尾に掴まり、そこから頭部を目指す。

 

『グワァ!グワァ!』

「うわっ!?…ああっ!」

 

俺はもう一体のグンダリから攻撃を喰らい、ケンウェイから降ろされて地面に落下する。

 

「ぐっ…ケンウェイ、頼む!」

 

もう一体の方をケンウェイに任せると、俺は今相手しているグンダリと戦うが、どうしようか…。俺はグンダリの火球を避けていく…が

 

『グワァ!』

「うわっ!?しまった…!」

 

俺はグンダリの尻尾に捕まった。

 

『グオアッ!』

『グワッ!?』

 

一方、ムササビフーディーはグンダリの頭部に到達すると、そこへガトリング砲をお見舞いして怯ませる。

 

『ダイカイガン! オメガファング!』

「はあっ!」

 

そして駘悟が鎌で一刀両断した。

 

『グワァ!グワァ!』

『ギャアオ!』

 

そしてケンウェイも尻尾で数回グンダリの頭部を叩くと、すぐさま放して尻尾の主砲でグンダリを撃破した。これであと一体…。

 

『グワァ!グワァ!』

「うわっ!?…がはっ…!」

 

俺はグンダリに捕まったまま地面に叩きつけられた。俺がその場で倒れたその時、ドライバーからムサシゴーストが現れた。

 

『いざ参るぞ、幽一!』

「ムサシ!?」

 

なんと、ムサシが初めて喋ったのだ。俺はムサシの方を見る。いや、ムサシだけじゃない。エジソン、ロビン、ニュートン、ビリー・ザ・キッド、ベートーベン、ベンケイ、アイルトン、シャネル、シモ・ヘイヘと、俺が所持している全ての英雄アイコンに宿る英雄達が現れた。

 

「力を貸してくれるのか?」

『応っ!』

 

ムサシは答えると、ムサシ達は空中で一列に並んだ。

 

「いいねぇ!…俺も行くぜ!」

 

俺は一旦オレゴーストを外すと、浮遊しながら次々と英雄ゴーストを重ね着していき、最後にもう一度オレゴーストを纏う。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ…!」

 

俺は霊術の構えを取ると、俺の動きに合わせてムサシ達の手も動く。それはさながら、千手観音を意識させる。そして俺の背後には目の紋章の他、10人の英雄達のシンボルが出現した。

 

「その眼に、焼き付けておけ! はあああああああっ!」

 

俺は10人の英雄達の力を纏ったままグンダリに飛び蹴りを放つ。これを受けたグンダリはそのまま爆散した。

 

「皆、ありがとな!」

 

俺は着地して振り返ると、10人の英雄達に感謝の言葉を送った。

 

「幽一。」

 

俺のもとへ駘悟がやって来た。

 

「イェイ!」

「ふっ…!」

 

俺は左手を開いて駘悟に向けて構えると、そこへ駘悟の左拳が合わさった。これが友情の証ってやつだ!

 

 

 

 

 

 

アッシュside

 

 

 

「何故勝手なことをした?」

 

私はビルの屋上でジュドーに問い詰めている。

 

「お前はアイコンについて何か知っているのか?」

「いえ…。」

「…ふっ、私に何か隠し事か?…まぁ何がともあれ、グンダリを無駄にしたことは重罪だぞ?」

 

私はそう言いながらジュドーの肩に触れる。全く…計画に必要なグンダリを無駄にするなんてな…。しかも隠し事と来たか…。

 

「失礼します…。」

 

ジュドーはお辞儀をすると、そのまま何処かへ去っていった。それにしても、アイコンにあんな力があるとは…?

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になり、駘悟は沙耶ちゃんを病院へ送ることにしたらしい。生き返らせたとはいえ、復活したばかりで衰弱しているからだ。俺は駘悟を通帳を渡しておいた。あんな莫大な量の大金は絶対使い切れないし、それに沙耶ちゃんに一日でも早く元気になってほしいからな。

 

「幽一、ありがとう。」

「ああ。」

 

駘悟は改めて俺にお礼を言った。

 

「行くか?」

「うん。」

 

そして駘悟は沙耶ちゃんを連れて帰っていった。俺達はそれを見送った。

 

「幽一君、これで駘悟と和解できたわね。」

「うん…!」

 

俺は理恵の言葉に頷く。俺は沙耶ちゃんを生き返らせ、ついに駘悟と和解することができた。さて……残るは祐斗の問題を解決することだな…。

 

「それにしても、イッセーと小猫は何処行ったのかしら…?」

「同感だ。こっちもローチが来てないんだよ。」

 

リアス部長とニコライ先輩がそんな会話をしていた。イッセーと小猫、そして硬哉は何してるんだろうか…?

 

 

 

 

 

 

ゼノヴィアside

 

 

 

 

 

 

私達はファミレスでイッセー達に食事を奢らせてもらった後、イリナと共に移動していた。

 

「ん?…あれは…?」

 

私はふと見ると、道端に黄緑色の物体を見つけた。私はそれに歩み寄り、それを拾う。

 

「ゼノヴィア、それって確か…アイコンだったよね?」

「ああ…何故こんなところに…?」

 

私は何故こんなところに落ちているのかを疑いながらも黄緑色のアイコンを拾う。アイコンには【08】という番号がついており、“ゴエモン”と書かれていた。

 




ED[survival]
挿入曲[Believe]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


仙人「そのアイコンは使うんじゃないぞ。」

幽一は仙人から自分の中に宿るアイコンのことを聞いた。仙人曰く、“不完全”とのことだが…

ジュドー「お前には消えてもらう。」

幽一達はジュドーの強襲を受ける。

コカビエル「戦争を始めるぞ!」

その頃、イッセー達はフリードの他、堕天使コカビエルと対峙した。

幽一「止むを得ない…!」

そして、ジュドーに苦戦していた幽一は、仙人の警告を無視して自らに秘めたアイコンを使う!

次回[出現、強者の堕天使!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【02】エジソン【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【07】ベンケイ【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

ジュドー:【14】グリム【15】サンゾウ

ゼノヴィア:【08】ゴエモン


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出現、強者の堕天使!

かなり遅れましたorz
D×Dnewを視聴した際に、コカビエルに向かって「ヘルシ○グにでも出てろ!」と念じたのは僕だけじゃないはずです…。

幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。アイコンが15個揃い、俺に願いを叶える権利が来た。俺は沙耶ちゃんを復活させ、そして駘悟と和解することができた。
現在所有しているアイコンは…10個だ。」

OP[symphaty]



幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

沙耶ちゃんを生き返らせ、駘悟と和解した翌日の朝、俺はタンスの上に置かれた写真を見つめていた。父さん、これでいいんだよな?

 

 

 

 

 

ニコライside

 

 

 

 

 

 

 

 

俺とソープ、リアス、ソーナは雷堂寺が見つけた旧校舎の地下室へ行き、そこでモノリスを見ている。

 

「モノリス…?」

「学園にこんなものが隠されていたんですか…。」

 

リアスとソーナは初めて見るから仕方ないか……だが、俺とソープは一度見たことがある。

「これ、ジェクト討伐後の探索の際にあったよな?」

「ああ。何者かに爆破処理されたけどな。」

 

俺とソープはあの起きた事を呟く。

 

「雷堂寺はこのモノリスと15個のアイコンを使って、“全てのものを支配する力”を手に入れようとしたらしい。そして俺と理恵は見たんだ。あの男がモノリスに引きずり込まれたのを…。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「うっ、あああっ!あああああぁぁぁぁぁぁ……!!!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は雷堂寺がモノリスに引きずり込まれたのを思い出す。

 

「全く自業自得な結末ね。」

 

リアスは雷堂寺の末路に対してそう言った。まぁ、確かに自業自得だな。

 

「じゃあ何故幽一の願いが…?」

「どうだろうな…あの曼荼羅が空中に浮かんだ時、幽一が身に付けていた“首飾り”と“神器”が光ったんだ。もしかしたら、あの二つは願いを叶えるための資格みたいなものだろうな。」

 

俺は幽一の願いが叶った理由に関して推測する。

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

「しばらくは安静にしてなきゃダメだそうだ。」

 

沙耶がいる病室に着いた俺は、医者から言われたことを沙耶に言う。俺はベッドの横にあるテーブルに買い物袋を置く。

 

「食べるか?」

「うん。」

 

俺は袋からみかんを取り出すと、皮を剥いていく。

 

「ねぇ、お兄ちゃん。」

「どうした?」

「幽一君のために出来る事は無いの?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺はいつもの高台で、沙耶に言われた言葉を思い出す。出来る事…か…。沙耶が生き返った今、あと俺がやるべき事は“けじめ”をつける事だけだ…。俺も出来る限りなら幽一の手助けはしてやりたい。けど、幽一達には多大な迷惑をかけてしまった…今は、無理に接触するのは止めた方がよさそうだな…。すると、俺の横からアッシュがやって来た。

「スペクター、君は妹を生き返らせたかったのか。」

「黙っていてすまなかった。」

 

俺は自分の目的を黙っていていた事をアッシュに謝罪する。

 

「妹を死なせたくないなら、私が“何とかして”やったのに…。」

「“それ”じゃだめなんだ。君らにもその内分かる。」

 

俺はアッシュにそう言う。沙耶には“眼魔”としてじゃなく、“人間”として生きてほしいからだ。

 

「裏切りがどういう事なのか、自分の立場を分かってるんだろうな?」

「ああ。」

「……ならば仕方ない。次に会う時は、敵だ。」

 

俺はアッシュの言葉を聞きながらヘルメットを被ると、そのままマシンフーディーに乗って発進する。

 

 

 

 

 

 

アッシュside

 

 

 

 

 

 

私はスペクターが去るのを見届けた。スペクターは私の親友だった…だが、五十嵐幽一が彼を変えてしまった…………絶対に許さない……!

私は五十嵐幽一に対する憎悪を浮かべながら歩く。

 

「見逃すのですか?」

 

すると、先程の会話を聞いていたジュドーが声をかけてきた。

 

「裏切り者には制裁を…。」

「グンダリを無断使用して無駄にしたお前が言うな。」

 

私はジュドーの言葉に対してそう言う。グンダリは計画のために必要なものだ。それをジュドーが勝手に使用して、4匹も無駄にしたからな。

 

「英雄アイコンを寄越せ。」

「しかし「これは命令だ。」…。」

 

私は命令すると、ジュドーから二つの英雄アイコンを受け取る。アイコンにあんな力が秘められていたんだ。これに関しては、“兄上”に直接聞くしかないな…。

 

「私はこれから兄上に会ってくる。絶対に勝手なことはするな。またミスをされては困るからな。」

 

私はジュドーにそう言うと、空間に目の紋章を描いてゲートを開く。そして眼魔アイコンの状態になると、一旦眼魔世界へ帰還する。

 

 

 

 

 

 

ジュドーside

 

 

 

 

 

 

「私がミスをしただと…?私は決して汚点は残さない。全て消し去るのみ!」

 

私はそう呟くと、そのまま移動する。汚点は全て消す…!

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ! はっ!」

 

俺は自宅から少し離れた森の広場で修行をしている。身体を鍛えるのもそうだけど、霊術を新たに習得するのも目的だ。俺は現在、ガンガンセイバーを振るうスピードを早めるために棒を振っている。

 

「ん?あれは…おっちゃん?」

 

俺は修行途中、仙人の姿を見かける。

 

「おーい、おっちゃん!」

「ん?…幽一か。」

 

俺が声をかけると、仙人がそれに反応した。

 

「なぁおっちゃん。この前のことなんだけど、俺の状態がどうなっているか教えてほしいんだ。」

「……。」

 

俺がそう頼むが、仙人は腕を組んでまた黙り込んだ。はぁ…またそのまま誤魔化して消える気なのか………と俺が思い込んだ時、突然仙人が表情を険しくした。

 

「…聞く覚悟はあるか?」

「…ああ。」

 

俺は額に汗を流しながら答えた。一気に空気が重くなったけど、どうやら教えてくれそうだな…。

 

「…いいだろう。ついて来い。」

 

俺は荷物をまとめると、仙人について行く。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

仙人について行き、滝が流れているところへ辿り着いた。まぁ、あっちは多少人目がつくしな…。

 

「幽一、お前のその身体の中には“アイコン”が宿っている。」

「アイコン?…それって…?」

「念じてみろ。“お前の中に宿る物”を…。」

 

俺は仙人に言われるまま念じる。俺の中にある物………。

すると、俺の胸から淡い光の物体が出てきた。俺はその物体を手に取った。その光はだんだん弱まっていき、そしてアイコンへと変化した。アイコンの形状は今までのと変わりない。カラーリングは全体的に濡羽色だが、その瞳の部分は今までのとは違い、虹色だった。そしてアイコン上部にはあるはずの表記が無い。

 

「これは…?」

「それがお前の中に宿っているアイコンだ。」

 

これが俺の中に宿るアイコン…。一言で言えるなら、闇だな。でもその闇の中に光を感じる…。

 

「そのアイコンの力は不安定じゃ。絶対に使うな。」

「何で…?」

「そのアイコンは、お前の心臓みたいなものだからだ。」

 

仙人はそう言った。このアイコンが…俺の心臓みたいなもの…!?

 

「このアイコンが俺の心臓のようなものってどういうことだよ…!?」

「実は……お前の転生は“不完全”だったんじゃ。」

「!?」

 

仙人は重い口調でそう告げた。俺の転生が……不完全…!?

 

「二年前、お前をこの世界に転生させようとしたが、難航したんじゃ。死んだ人間を転生させるには、その世界の転生神の莫大な力が必要だった。だが…。」

「だが…?」

「この世界の聖書の神々は既に死んでいたのじゃ。それがお前を転生させるのに二年もかかった理由じゃ。」

 

この世界の…聖書の神が……死んでる…!?それってアーシアとゼノヴィア、そしてイリナが知ったら…!

 

「じゃあ、通常だったら俺はそのまま墓で永眠していたって訳か…?」

「その通りだ。」

「じゃあどうして転生できたんだ?」

「ある日、一体の龍がお前の持っているアイコンを渡してきたのじゃ。そのアイコンの力は不安定ながらも強力で、それによってお前を転生させることが出来たのじゃ。」

「そうか…。」

 

仙人が言っている龍のおかげで俺は転生出来たって訳か……けど、どんな龍なんだろ…?

 

「いいか、そのアイコンは絶対に死守しろ。もしそのアイコンが破壊されたら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前は“完全に消滅する”ことになる。」

「!?」

 

おっちゃんからそう告げられた。俺が持っているアイコンを壊されたら死ぬのは分かっている。だけど、完全消滅って…。

 

「それって、英雄アイコンの力でも…?」

「ああ。もしそのアイコンが破壊されたら、たとえ15の英雄アイコンの力でも、二度と蘇ることは出来ん。そうならないための唯一の方法は…そのアイコンを死守することじゃ。」

 

このアイコンを死守する……これは俺にとっての心臓みたいなものか…。俺は何時でも命を燃やして戦ってきた。だけど、今は理恵やイッセー達…そして駘悟に沙耶ちゃんがいる。俺が死んだら皆が悲しむ。だったら、自分の命は大切にしないとな…。だからこのことは皆に黙っておくか…。

 

「分かった。それと、もう一つ聞きたい事があるんだ。」

「何じゃ?」

「俺の身体に毒が……。」

 

 

 

 

 

ピピピピピッ!

 

 

 

 

 

俺がおっちゃんに尋ねようとした時、スマホが鳴った。俺はスマホを取り出す。どうやら理恵からだ。

 

「もしもし?」

『あ、幽一君。実はリアス部長がすぐに来てほしいって言ってるの。』

「リアス部長が?」

『うん。私達は公園にいるから、そこまで来てね。』

 

理恵達はどうやら公園にいるらしいな………ん、あれ?さっきから叩く音と断末魔が聞こえるぞ?

 

「さっきから何か聞こえてるけど、何?」

『え、えっと……と、とりあえず話は来てからするよ…。』

 

そう言って理恵は電話を切った。あの断末魔…声からして確実に匙だ。何かやらかしたのか?まあ、ソーナ先輩は匙曰く“厳しくて恐ろしい”というからな…。

 

「ごめんおっちゃん、用事が出来たからまた今度。」

「うむ。」

 

俺はおっちゃんにそう言うと、荷物をまとめる。

 

「五十嵐流霊術・霊身転移!」

 

そして俺は霊術で理恵達がいる場所へ転移する。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……え?」

 

いざ公園へ転移して来たら、それはそれはカオスなことになっていた。

 

「ギャアアアッ!ごめんなさい会長ぉぉぉぉぉぉ!」

「反省しなさい!」

 

匙がソーナ先輩にお尻を叩かれていた。

 

「さて、用件を聞こうか…。」ガチャ

「……。」ガタガタガタガタガタ…

 

さらに硬哉がソープ先輩に尋問されていた。そして極めつけにはイッセーと小猫が正座させられていた。マジで何これ…?

 

「あっ、幽一君。」

「あっじゃないよ。修行中に呼ばれて来たらどうなってんの?」

「実は…。」

「イッセー達は聖剣を破壊しようと計画していたらしいわ。」

「えっ?」

 

どうやら俺達が駘悟と和解している間にイッセー達は聖剣破壊を計画していたらしい。そうか…イッセー達は祐斗のために行動してたんだ…。

 

「全く…こっちはこっちで大変だったのよ?散らばったアイコンを集めたりしたのよ?」

「いや、リアスが一番見つけてたけどな…。」

 

ニコライ先輩が突っ込んだ。そういえばリアス部長、何げに6個も見つけてたな…内2つはジュドーってやつに奪われたけど…。

「……祐斗先輩がいなくなるのが嫌です…。」

 

ここで小猫がリアス部長に言った。そうだよな、リアス部長にとっても…いや、俺達にとって祐斗は大切な仲間だからな。

 

「とにかく、さっき使い魔を祐斗の探索に出させたから、発見次第部員全員で迎えに行くわよ………さて、イッセー。」

「はい…。」

「お尻を突き出しなさい。貴方もお尻叩き千回よ♪」

「えっ!?」

 

リアス部長はにこやかなスマイルでそう言いながら右手に魔力を溜める。ああ、これはアカンやつだ…。

リアス部長は強引にイッセーにお尻を突き出させると、そのまま勢いよくお尻を叩き始める。

 

「ぎゃああああああああああ!!」

 

その日、イッセーと匙の尻が死んだという………二人ともドンマイ。

その後、俺達は一旦帰宅することになったが、その際、リアス部長に言われてエジソン、ロビン、ニュートン、ビリー・ザ・キッド、ベートーベンのアイコンを渡した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一旦帰宅してきた俺と理恵は、夕食を済ませた。俺はタンスの内に並べられたアイコンの内、ムサシアイコンを手に取り、それを見つめている。

 

「幽一君、ムサシのアイコンを見つめてどうしたの?」

「あの時聞こえたんだ。ムサシの声が…。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『いざ参るぞ、幽一!』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺はグンダリと戦っていた際に現れたムサシ達のことを思い出す。あの時、確かにムサシが喋った。そして俺に力を貸してくれた。

 

「ムサシ達は、俺達に何を伝えようとしているんだ…。」

 

俺はムサシアイコンを見つめながら言った。父さんが英雄達と関わっていたなら、俺にもいつか英雄の心が分かるかもしれない。

 

「……ねぇ、そろそろ寝ない?」

「そうだな。」

 

俺も修行で疲れてるし、祐斗のことや英雄達のことは明日また考えればいいか…。

俺と理恵は順番に風呂に入り、そして就寝することにした……………のだが

 

 

 

「……なんでお前、また下着姿なんだ?(汗)」

「別にいいじゃない///」

 

何故か理恵がまた下着姿になっていた。赤面しながら言われてもなぁ…説得力がないな…。

俺と理恵はベッドで横になる。

 

「…ねぇ、幽一君。」

「何だ…?」

「幽霊って、元々肉体が無いから触れる事が出来ないんだよね?」

「ああ…。」

「…でも、幽一君は半分幽霊で、半分人間なんだよね?」

「ああ…それがどうしたんだ…?」

 

 

 

 

「…暖かい。」

「え…?」

 

理恵は小さく呟いた。

 

「半人半霊でも、幽一君の体はこんなに暖かいんだね…。」

「理恵…。」

「…私、何時までも幽一君の温もりを感じていたい…。」

「ああ、俺も同じ気持ちだよ。理恵。」

 

俺がそう言うと、理恵は微笑ましい表情を浮かべ、俺の身体を優しく抱き締めた。俺も理恵の温もりを感じていた。理恵は精霊だ。だけどその温もりは人間と変わらない。そして、その温もりは、かつて【邪神】と言われた俺の心の闇に光を灯してくれる。俺も理恵の温もりを何時までも感じていたい。何故なら、俺を初めて好きになってくれた人だからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

?side

 

 

 

 

 

 

私は透明の状態ながら幽一の寝室にやってきた。私は既に死んでいる。だが幽霊になった今も、私は息子である幽一を見守り続けている。幽一は2年前、事故で死んだ。だが2年の歳月を得てこの世界に転生してきた。

幽一は現在、理恵という少女と共に寝ている。私達が死んでから、幽一は虐げられてきた。幽霊という立場のために、私は虐げられ、やがて心滅を起こした幽一を助けることが出来なかった。理恵という精霊は私の代わりに心を痛めた幽一を助けてくれた。本当に感謝している。

私は寝ている幽一を見守る。

 

『!?』

 

私は何かの存在を感知し、一旦姿を消す。

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

「「!?」」

 

俺と理恵は何者かの存在を感知し、すぐに起きる。

 

「幽一君…!」

「ああ…!」

 

俺達は制服に着替えると、外へ出る。するとそこには、ジュドーがいた。

 

「ようやく来たか。」

「目的は何だ?」

「汚点は全て消す。だからお前には消えてもらう。」

 

ジュドーはそう言うと、眼魔アイコンのスイッチを押して手から離すと、眼魔アイコンが吸収され、眼魔スペリオルへ変身した。

俺は幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を出現させると、オレアイコンを装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー!』

「変身!」

『カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏い、ガンガンセイバーを装備する。理恵も戦闘用の衣装に換装し、フラガラッハを構える。

 

「っ…!?」

 

すると、再び幻覚が起こった。今度は右手どころか、左手も禍ヶしく変化していた。だがすぐに幻覚は治まった。

 

「幽一君!?」

「っ……大丈夫だ。」

 

俺は理恵に大丈夫と言い聞かせる。その間にジュドーが接近してきた。

 

「はあああっ!」

「っ!…はあっ!」

 

俺達はジュドーの蹴りを避けると、俺はガンガンセイバーを振るう。だが、いとも容易く受け止められた。俺とジュドーはその状態のまま誰もいない広場まで移動する。

 

「ふっ! はっ!」

「ぐっ…!」

 

俺はジュドーの攻撃に防戦一方だった。くそ…一発一発が重い…!

 

「はああああっ!」

 

追い付いてきた理恵がフラガラッハを振るう。だがジュドーはこれを次々と避けていく。

 

「そんなものか? でやっ!」

「きゃっ!」

 

ジュドーはフラガラッハを受け止めると、そのまま殴り倒した。

 

「五十嵐流霊術・霊戟波!」

 

俺は霊力を両手に集中させると、地面に両手を叩きつける。すると、ジュドーの足元から霊力で出来た光柱が出現し、ジュドーを飲み込んだ。

 

「ふんっ!」

「なっ…!?」

 

ジュドーは霊戟波を右手を払ってかき消した。なんて強さだ…………!?

 

「何だあれ…?」

 

俺は何かを感知して学園がある方向へ向くと、学園に眩い光が出ているのが見えた。何だろう…嫌な予感がする…!

 

「理恵、学園に向かってくれ!」

「でも、幽一君…!」

「俺は大丈夫だ。」

「……分かったわ!」

「あと理恵、これも!」

 

俺はムサシアイコンとベンケイアイコンを取り出すと、理恵に投げ渡す。

 

「でやあっ!」

「くっ…!」

 

ジュドーが再び俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。俺はガンガンセイバーでガードする。

 

「頼むぜ、理恵!」

「うん!」

 

理恵は二つのアイコンを受け取ると、そのまま学園まで飛んでいった。

 

「でやあっ! はあっ!」

「ぐっ…うわっ!」

 

俺はジュドーの執拗な攻撃を喰らい続けてしまう。

 

「私に勝てるとでも、思っているのか?」

「っ…!」

「はっ!」

「うわあああああああ!!」

 

俺はジュドーの光弾を数発喰らい、その場で倒れてしまう。くっ……なんて強さだ…!

俺はなんとか立ち上がろうとする。その間にもジュドーが迫る。くそ、あいつに勝つにはどうすれば……!?

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そのアイコンの力は不安定じゃ。絶対に使うな。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺はおっちゃんから聞かされた“俺の中に秘めたアイコン”の存在を思い出す。だけどおっちゃんからは不安定と言われたから使えない……けど、こんな状態だ。このままだとやられる…!

 

「…止むを得ない…!」

 

俺は決意すると、右手を胸に当てる。すると、淡い光と共に濡羽色のアイコンは姿を現した。俺は右手に濡羽色のアイコンを持ちながら、左手でオレアイコンをドライバーから外す。そして濡羽色のアイコンのスイッチを押すと、ドライバーに装填してカバーを閉じる。

 

『アーイ! バッチリミナ~!バッチリミナ~!』

 

ドライバーから黒い装束を模したパーカーゴーストが現れる。パーカーゴーストの各部分にクリスタルのような装飾が施されているが、どれも黒く褐色している。ドライバーから流れる音声はいつものポップ調ではなく、神々しいコーラスのようなものだった。俺はドライバーを操作した。

 

『カイガン!■■■』

 

すると、トランジェント状態が濡羽色を基調としたものに変化した。俺が黒装束のパーカーゴーストを纏うと、複眼と角が展開した。顔面と複眼は色が逆転しており、複眼の色は紅色。角は濡羽色だった。それにしても、凄まじい力を感じる………だけど、長く持ちそうにないな…。

俺はフードを脱ぐと、ガンガンセイバーを薙刀へ変形させる。

 

「はあっ!」

 

ジュドーが光弾を放ってきたが、俺に当たることはなく、直前で“何か”に阻まれて消えた。

 

「何…!?」

「一撃だけなら…!」

 

俺はそう呟くと、ハンドルを操作すると、薙刀の刀身に黄色いエネルギーを溜めていく。

 

「はあああああっ! おりゃあああああ!!」

「ぐわああああああ!!」

 

俺は薙刀から剣圧を放ち、その凄まじい一撃でジュドーを吹き飛ばした。

 

「はぁ………はぁ…………。」

 

俺は変身解除すると、猛烈な脱力感に見舞われた。俺は濡羽色のアイコンを戻す。なんだろう……霊力が一気に持っていかれた感覚が……。

 

 

 

 

 

 

イッセーside ~数分前~

 

 

 

 

 

 

俺達はかつてないプレッシャーと殺気で飛び起き、外に出てみると、そこには例のクソ神父がいた。

 

「やぁやぁ、クソ悪魔共の皆さぁ~ん!」

 

クソ悪魔ことフリードは悪いニヤケ顔をしながら挨拶してきた。

 

「何の用かしら?」

 

部長は殺気のこもった声で尋ねた。だがフリードは何も言い返さない。だがその時、フリードの返事の代わりにとてつもないプレッシャーが返ってきた。

俺達が上を向くと、そこには10枚の黒い翼を生やした堕天使がいた。それもかなり極悪な面構えの奴だった。なんだ…この体でも伝わる強大な力は…?

 

「堕天使・コカビエル…!」

 

部長は険しい表情で呟いた。コカビエル…確か、聖書にも記された堕天使だよな…?

 

「初めましてだな、グレモリー家の娘よ。その美しい紅髪を見ると、忌々しい兄を思い出して反吐が出る。」

 

コカビエルは部長やサーゼクスさんを侮辱するかのような暴言を吐いた。あいつ……すぐにでもぶん殴ってやる…!!………いやちょっと待てよ、コカビエルの腕に“抱えられたもの”は何だ…?

 

「こいつは貴様らへの手土産だ。」

 

そう言ってコカビエルは“抱えていたもの”を落とす………イリナ!?

 

「おっと…!」

 

俺は咄嗟に反応し、コカビエルが落としたイリナをキャッチした。イリナは全身に刺傷や切り傷を負っており、おびただしい量の出血をしていた。

 

「俺達の根城へと足を踏み入れたのでな、殺害寸前まで血祭りに上げてやったのだ。まぁ、二匹のこそ泥は逃してしまったがな。」

 

コカビエルは嘲笑いながら言った。くそったれが……!それよりもこのままじゃイリナが失血死する…!

 

「アーシア、イリナの治療を頼む!」

「わ、分かりました!」

『Put on!』

 

アーシアはロビンゴーストを纏うと、急いでイリナを治療する。部長が幽一からアイコンを数個借りたらしい。アーシアの神器にロビンの自然治癒能力が加わり、イリナの傷は素早く消えていく。そしてあっという間に完治した。ふぅ…よかった…。

 

「ついでにそのクソ女が持っていた聖剣も俺っちがいただいちゃいましたぁー!!」

 

フリードはそう言いながら着ているコートを広げる。そのコートの内側にはイリナが持っていた“擬態の聖剣”含めて計4本のエクスカリバーが納められていた。

 

「コカビエル、私との接触は何が目的は何かしら?」

「お前の根城である駒王学園を中心としたこの駒王町でテロを引き起こす。破壊と殺戮を行えば、激昂したサーゼクスの顔が見れるだろう…!もっとも、ミカエルが仕掛けてくるのが目的でエクスカリバーを略奪したが、派遣されたのがそいつを含めたロクデナジ共だったからな…。」

 

コカビエルは悪人顔全開で言った。イリナを侮辱しやがって…!!

 

「悪魔、そして天使の怒りを買って、貴方は何をするつもりなのかしら?」

「単純だ。この世界は少し平和になり過ぎた。戦争が終わった後、他の幹部達は戦争に消極的になった。そしてアザゼルは神器の研究に没頭だ。戦争を起こす気など皆無だ……どいつもこいつもよぉ!!!!」

 

部長が尋ねると、コカビエルが突然キレた。だが、それは俺達ではなく、コカビエルと同じ堕天使達に向かってのものだった。おいおい、あれじゃ完全に下剋上じゃねぇか…!?

 

「…戦争が目的なの?」

「そうだとも!俺は戦争が好きだ。俺は戦争が大好きだ!殲滅戦、電撃戦、打撃戦、突破戦、包囲戦、掃討戦、ありとあらゆる戦争行為が大好きだ!そうやって殺し、殺し、そして殺しが正当化された世界を築き上げるのだ!こんな平和ボケした世界など俺にとって屈辱の極みだ!!神器なぞガラクタはミジンコに食わせろ!!」

 

コカビエルは狂ったように戦争について語った。

 

「…戦争狂が…!」

「戦争屋である俺が他に何をすればいいのだ?」

 

部長は怒りの表情を浮かべながら言ったが、コカビエルにそう返された。確かに部長の言う通りあいつは戦争狂だな……!!

 

「フリード、お前は闘争と平和を選ぶとしたら、何を望む?」

「そうっすね………俺っちは断然闘争ですな!」

 

フリードは易々と闘争を選んだ。

 

「よろしい………

 

 

 

 

 

 

 

 

ならば戦争だ!!魔王サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリー!俺達の目的のためにお前の根城で戦いをさせてもらうぞ!さぁ、戦争を始めるぞ!!一心不乱の大戦争をな!!」

コカビエルは部長に向けて宣戦布告すると、そのまま駒王学園へ向かっていった。フリードも閃光弾で目くらましをした後、コカビエルの後を追った。

 

「あんな戦争狂の好きにはさせないわ!学園に向かうわよ!」

「「はい!」」

 

俺達は学園に向かう準備をする。戦争を起こさせてたまるか…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

「?……何だ、あの光は…?」

 

俺はいつもの高台で町の景色を眺めていると、学園に妙に眩い光が発生しているのが見えた。俺はライオンカメラで学園を見る。するとそこには、神父が2人、そして黒い翼の堕天使がいた。

 

「…嫌な予感がする…!」

 

俺は何かの危険を察すると、すぐにマシンフーディーに乗り、学園へ向かう。

 




ED[方程式は答えない]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


バルパー「エクスカリバーが一つになる!」

バルパーはエクスカリバーを一つにしようと企んでいた。そしてコカビエルの強さも尋常ではなかった!

理恵「私達が止めなきゃ…!」
駘悟「この町には沙耶がいるんだ…!滅ぼされてたまるか!」

次々と集結する仲間達。木場、ゼノヴィア、TF141、理恵、そして駘悟も加わる。

木場「皆…!」

木場は同士達が因子をバルパーに摘出されたことを知り、涙を流す。すると、その同士達の因子が奇跡を起こす!

『『『『僕達(私達)は一つだ。』』』』


次回[融合、聖と魔の剣!]


その眼に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

アッシュ:【14】グリム【15】サンゾウ

理恵:【01】ムサシ【07】ベンケイ

イッセー:【05】ビリー・ザ・キッド

アーシア【03】ロビン

リアス:【02】エジソン【04】ニュートン【06】ベートーベン

ゼノヴィア【08】ゴエモン


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

融合、聖と魔の剣!

光と闇が両方備わり最強に見える ーブロント=サンー


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとさて、オカ研部員として活動しながら、英雄の眼魂を集めている。俺はおっちゃんから自らに宿るアイコンが俺の心臓や魂に代わるものということを聞かされた。ジュドーの襲撃に止むを得ず、秘められたアイコンを使った。
現在所有しているアイコンは…3つだ。」

OP[Symphaty]



幽一side

 

 

 

 

 

 

「はぁ………はぁ……。」

 

俺は自分の中に宿るアイコンを使って何とかジュドーを退けたが、その反動で体力と霊力をごっそり持っていかれた。霊身転移も試してみたが、霊力が切れたために学園へ転移できない。やっぱりおっちゃんが言ってた通り、あのアイコンは俺の命と深く関わってるな…。

学園の方では光がますます輝きを増していく。あれは確実に破滅をもたらす光だ。理恵やイッセー達が向かってるけど、早く俺も学園へ向かわないと…!

俺は体力限界の身体に鞭を打ちながら学園へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

仙人side

 

 

 

 

 

 

 

儂は遠くから幽一の戦いを見ていた。あの馬鹿…!勝手にあのアイコンを使ったな…!?

あれは不完全じゃ……その強力な力は確かじゃ。だが、それを使用した後は体力と霊力を一気に持っていかれるため、リスクが高すぎるのじゃ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達が転移すると、そこには既に朱乃先輩や小猫ちゃんがいた。さらにソーナ会長と匙もいた。どうやらソーナ会長やその眷属達は結界を張って学園外への被害を可能な限り抑えているらしい。それにしても、まだ木場達は来てないのか…?それに幽一や理恵ちゃんも来てないし…。

 

「私達はそれぞれの位置について結界を張っています。だから加勢はできません…。」

「分かったわ…。私達だけでコカビエル達と戦うわ。」

 

ソーナ先輩と部長は話し合っていた。確かに、コカビエル達と対決するのもそうだけど、町の被害を抑える必要もあるな…仕方ない、俺達だけで…!

 

「俺達もいるぞ。」

 

突然、誰かが声をかけてきた。俺達が声のした方向へ振り向くと

 

「よぉ、待たせたな。」

「ソープ!」

 

そこには装備を施したソープ先輩達がいた。ソープ先輩はアサルトライフルにマガジンを挿入する。

 

「リアス達だけじゃコカビエルに挑むのは困難だ。だから俺達も加勢するぞ。」

「正直言って火力に乏しいけれど、少なくとも少人数で挑むよりはずっといいわ。」

 

ソープ先輩に続いて佳菜先輩が言った。確かに少人数で挑むよりはいい方だな。

 

「なぁ、幽一達はどうした?」

「いえ、まだ来てないわ…。」

 

案山士の質問に部長が答えた。既に学園に到着したコカビエル達はグラウンドで何かをしている。あれは確実にヤバいやつだ!!

 

「リアス、もうこれは私達だけで済む問題ではないわ。サーゼクス様を呼ぶしかないわ。」

「何言ってるの?そんな事できるはずがないわ。コカビエルの狙いは、お兄様を表に出して戦争を引き起こすことなのよ?」

 

部長はサーゼクス様を呼ぶのを拒んだ。前の騒動のためにこれ以上迷惑を掛けられないという思想を部長は抱いていた。

 

「既にサーゼクス様には打診しましたわ。」

 

すると、朱乃先輩がそう言った。

 

「朱乃!?勝手に何を…!?」

「リアス。貴女がサーゼクス様に迷惑を掛けたくないのは分かるわ。けれども、コカビエルという堕天使の幹部が来た以上、私達で止められるか定かではないわ。魔王様のお力を借りましょう。」

「…だけど…!」

 

朱乃先輩は部長の説得を始める。確かにこれは俺達で解決できるレベルを遥かに越えている。だけど部長はそれでも縦に振らない。すると、ソープ先輩が部長に近づく。

 

「リアス。さっきも聞いた通り、これは俺達どころか悪魔全体に関わる事なんだ。はっきり言って魔王様無しじゃ解決するのは困難だ。」

「…。」

「魔王様が来るまで、俺達でコカビエル達の足止めをするんだ。」

「…。」

「シトリーやマクタビッシュがこの町にいるのも、ただ居るだけじゃない。この町を守るために居るんだ!皆で、この町を守るんだ!」

 

ソープ先輩は部長にそう言った。すると部長は再び目を見開いた。

 

「…ありがとうソープ、おかげで目が覚めたわ。」

「気にするな。」

 

ソープ先輩は部長の説得に成功した。その男気に痺れました、ソープ先輩!

 

「朱乃、サーゼクス様は何時到着するんだ?」

「あと一時間程で冥界から軍勢が到着しますわ。」

 

どうやらあと一時間でサーゼクス様が来るらしい。

 

「皆、これはレーティングゲームとは違い、正真正銘の死闘よ!それでも絶対に死ぬことは許さないわ!全員生きて帰って…今まで通りの学園生活を送るわよ!」

「「「「はい!!」」」」

 

俺達は部長の言葉に返事をした。

 

「いいか?絶対にこの町を守るぞ!そして全員、生きて帰るぞ!いいな!?」

「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」

 

そしてソープ先輩の方も同じく全員で生きて帰ることを決意していた。

「ソーナ、貴女達は結界の方を頼むわ。」

「分かりました。リアス、ソープ、気をつけて…。」

 

こうして3つの眷属は団結してコカビエルの野望を阻止することになった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺達は学園に足を踏み入れた。そして校庭の方で妙な光景を目にした。そこにはコカビエル、フリード、そしてバルパー・ガリレイの姿があった。バルパーは魔方陣を展開しており、さらにその中央には四本の聖剣があった。

 

「何だ、これ…?」

「見て分かる通りだ。四本のエクスカリバーを一つに統合するのだよ。」

 

俺の疑問にバルパーが答えた。四本のエクスカリバーからは、神々しくも禍ヶしい光のオーラを発していた。

 

「バルパー、エクスカリバーの統合にどれぐらいかかる?」

「5分もいらんよ、コカビエル。」

「そうか…。」

 

コカビエルはバルパーにエクスカリバー統合までの時間を聞くと、再び俺達の方に視線を向けた。

 

「さて、この騒動を嗅ぎ付けて誰が来るんだ?サーゼクスか、セラフォルーか、それとも…。」

「お兄様達の代わりに私達が相手よ!」

 

部長はコカビエルの問いに答えた。その時

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」

突然、体育館があった場所で大爆発が起こった。その跡形もなく粉砕された体育館に光の槍が突き刺さっていた。おいおいマジかよ…!?これが堕天使幹部の力なのか…!?

俺達は突然の出来事に驚愕してしまった。

 

「つまらん。この程度で怖じ気づくとは…。余興になるか知らないが、統合までの時間だ。俺の“ペット”と遊んでもらおうか。」

 

コカビエルはそう言うと、魔方陣を展開した。そこから出てきたのは、3つの首を持ち、犬や狼よりもでかい化け物だった。

 

「ケルベロス…!?」

 

部長が化け物の名前を言った。幽一から借りた神話の本を読んだけど、確かケルベロスは“地獄の番犬”だったよな…。

ケルベロスは俺達を睨み付けるや否や『ガルルルルルル…!』と唸り声を挙げる。

 

『グルルルルル…!』

 

しかも、後ろにもう一体ケルベロスがいた…なんてこった…!

 

「ケルベロスを人間界に持ち込むなんて…!」

「考えるのは後だ!後ろのやつは俺達に任せろ! ローチ!」

「はい! 鋼鉄の甲冑【フルメタル・ジャケット】!」

 

ソープ先輩に言われたローチは対爆スーツめいたアーマーを装着すると、ライトマシンガンを構えた。ソープ先輩達も銃を構えると、後ろにいるケルベロスに向かって突撃した。俺達は前にいる一体か…。

 

「朱乃、小猫、これを!」

 

部長は朱乃先輩にエジソンアイコン、小猫ちゃんにニュートンアイコンを投げ渡した。

 

「エジソンの力を借りるのは久しぶりですわ。」

「…行きます…!」

『『Put on!』』

 

朱乃先輩と小猫ちゃんは英雄ゴーストを纏った。

 

「イッセー、今回はサポートをお願いするわ!ある程度倍加したら力を譲渡して頂戴!」

「了解です!!」

『Boost!』

 

部長の指示を受け、俺は赤龍帝の籠手【ブーステッド・ギア】を展開する。そして倍加を始め、力を増幅させていく。

 

『ガアアアアアッ!』

 

ケルベロスは俺達に向かって炎を吐いてきた。

 

「朱乃!」

「甘いですわ!」

 

部長の指示を受けた朱乃先輩がケルベロスの放った炎を凍らせた。

 

「えいっ。」

『ガウアッ!?』

 

そして小猫ちゃんがケルベロスを横から右ストレートで殴り飛ばした。戦車【ルーク】の怪力にニュートンの斥力を混ぜた一撃はかなりのものだ。

 

「うおおおおおおおおっ!」

『ガウアッ! ガウッ!』

 

一方、ソープ先輩の方も、アーマーを纏ったローチがケルベロスを食い止めるのを隙にケルベロスに向かって一斉射撃を行っていた。

 

「キャアアアアアア!!」

「!?…アーシア!」

 

俺はアーシアの悲鳴で振り向くと、そこには三体目のケルベロスが…!くそ、この距離は間に合わない!

ケルベロスがアーシアに襲いかかろうとしたその時

 

『ガウウッ!?』

 

突然、上空から放たれた四発の火球がケルベロスに命中し、その巨体を吹き飛ばした。続けて飛んできた真空波がケルベロスの首の一つを切断した。俺達は空を見上げる。

 

「はぁ、間に合った…!」

 

そこには戦闘用の衣装を纏い、フラガラッハを握った理恵ちゃんの姿があった。

 

「加勢に来たぞ、グレモリー眷属!」

『ガウッ!?』

 

さらにゼノヴィアも現れ、ケルベロスを破壊の聖剣で一刀両断した。ゼノヴィア、無事だったんだな!

 

『ガァッ!』

「うわっ!?」

「ローチ!…くそっ…!」

 

一方、ケルベロスの攻撃でローチが吹き飛ばされてしまった。

 

「くっ…どこまでタフなのよ…!?」

「まるでキリがないな…!」

「…来るぞ…!」

『ガアアアアアアアッ!!』

 

そしてケルベロスはソープ先輩達に向かって襲いかかってきた。

 

「これでも喰らえ!」

 

ソープ先輩は周囲に大量の魔力の球を生成すると、それらを一気にケルベロスに向かって放った。だが、ケルベロスはそれを軽快なステップで避けていく。

 

「っ!?」

「「ソープ!」」

「「「「「「リーダー!」」」」」」

 

そしてソープ先輩に噛みつこうとした時

 

 

 

 

 

ブォォォオオオオオオン!

 

 

 

 

 

 

 

「はあっ!」

『ガウッ!?』

 

鎖のような装飾を施した青いバイク・マシンフーディーに乗った男がケルベロスに向かって突進した。ケルベロスはこれを受けて吹き飛ばされた。

そう、マシンフーディーに乗った男は駘悟だった。駘悟はマシンフーディーから降りた。

 

「間に合ったな…。」

「貴様…!?」

「…!」

「お前、今更何しにここに来やがったんだ!?」

俺とゼノヴィア、そして小猫ちゃんは警戒する。当然だろうな、あいつは幽一を散々傷つけては暴言を吐いてきたんだからな…!

 

「待って!駘悟はもう敵じゃないよ!」

 

すると、理恵ちゃんが俺達に向かってそう言った。

 

「理恵ちゃん…!?」

「どういうことだ?」

「理恵の言う通りよ。駘悟は幽一と和解したわ。」

 

俺達が疑問を抱いている中、部長が答えてくれた。マジでどういうことなんだ…?

 

「幽一は俺の妹を…沙耶を生き返らせてくれた。幽一、そしてお前らにも…本当に迷惑をかけた…。」

 

駘悟はそう言うと、俺達に向けて謝罪した。あれ、幽一のことを名前で呼んでる…?

 

「そういえば、幽一は何処だ?」

「それが……ジュドーって奴が幽一君に宣戦布告して来て…。」

「何だって!?」

 

駘悟は理恵ちゃんから言われたことに驚いていた。それはもちろん俺達もだ。幽一が眼魔と戦ってるだって…!?

 

「…でも、今はこの状況を打破しよう。幽一君は絶対来る!それまで私達が何とかしなくちゃ!」

「……そうだな。」

 

理恵ちゃんの言葉を聞いて駘悟は納得した。確かに…今はコカビエル達を食い止めるのが優先だな。幽一や、サーゼクス様が来るまで…!他の皆も多少は納得してくれた。

 

『グルルルルルッ…!』

 

そうしている内に四体目のケルベロスが現れた。

 

「ここは俺に任せろ。」

 

駘悟はドライバーを展開すると、スペクターアイコンを装填した。

 

『アーイ! バッチリミロー!』

「変身!」

『カイガン!スペクター!レディゴー、覚悟、ド・キ・ド・キ・ゴースト!』

 

駘悟はスペクターに変身すると、ガンガンハンドを装備した。

 

『ガオオオオッ!』

「ふっ!」

 

駘悟はケルベロスの攻撃を避けると、ガンガンハンドをポンプアクションで銃モードにすると、すかさず射撃する。ケルベロスは数発喰らうも、まだピンピンしていた。

 

『ガアアアアアッ!』

「っ!?」

 

ケルベロスが駘悟に向かって炎を吐いてきた。それを喰らって吹き飛ばされてしまう駘悟。態勢を立て直したケルベロスは駘悟に再び襲いかかる。

 

「はああっ!」

『ガオッ!?』

 

そこへローチが駘悟の前に立ち、ケルベロスの攻撃を食い止める。

 

「大丈夫ですか!?」

「ああ…!」

『ガオッ!ガオッ!』

「くっ…!大人しくしろ!」

『ガウッ!?』

 

ローチは暴れるケルベロスを殴り倒す。だがケルベロスはすぐに立ち上がった。やっぱりタフだな…。

 

「硬哉、これを!」

「!…ありがとうございます!」

 

理恵は懐からベンケイアイコンを取り出すと、ローチに投げ渡した。多分あれも幽一から借りたんだろうな。

 

『Put on!』

 

ローチはベンケイゴーストを纏った。アーマーを装着したまま纏ったためか、かなりゴツく見える。

 

『カイガン!ノブナガ!我の生き様、桶狭間!』

 

一方、駘悟もノブナガゴーストを纏うと、ガンガンハンドをドライバーにかざす。

 

『ダイカイガン! ガンガンミロー!』

 

駘悟はガンガンハンドを構え、銃口にエネルギーを溜める。それと同時に周りにガンガンハンドが複製されていく。

 

『ガアアアアアアッ!』

「ふんっ!」

 

ケルベロスは再びローチに襲いかかるが、ローチはそれを物ともせずに食い止める。

 

「どりゃああああああ!!」

『ガオオッ!?』

 

ローチは強化された腕力でケルベロスの巨体を持ち上げ、上空へ投げる。

 

『オメガスパーク!』

「はあっ!!」

 

そして駘悟がケルベロスに向けて銃弾を一斉射撃した。弾幕を受けたケルベロスはそのまま消滅した。

そうしている内に、俺の赤龍帝の籠手にはめられている宝玉が点滅し始めた。ある程度倍加できたな…よし!

 

「部長!朱乃先輩!ケルベロスを屠れるだけの力を得ました!」

「分かったわ!私と朱乃、二人同時に譲渡して頂戴!」

『Put on!』

 

部長は俺にそう言うと、ベートーベンゴーストを纏った。

 

「分かりました!行くぜ、赤龍帝からの贈り物【ブーステッド・ギア・ギフト】!」

『Transfer!』

 

俺は部長と朱乃先輩に倍加した力を譲渡した。その瞬間、部長と朱乃先輩から凄まじい魔力が漂った。二人共相性の良い英雄ゴーストを纏っているためか、その魔力は更に凄まじさを増す。

 

「…いけるわ。」

 

部長は呟きながら不適な笑みを浮かべた。朱乃先輩もそれに頷いた。そんな中、先程小猫ちゃんが殴り飛ばしたケルベロスが戻ってきた。だが、二人から漂う凄まじい魔力に恐れを成しているのか、突撃しようとしない。

 

「朱乃!」

「はい! 天雷よ!鳴り響け!」

 

朱乃先輩は指を天に向けてかざす。天に集められた魔力は雷へと変化した。ケルベロスは雷から逃れようとするが

 

 

 

ザシュ! ザシュ!

 

 

 

突然地面から生えた無数の魔剣が四肢を貫いた。ケルベロスはこれで身動きが取れなくなった。

 

「逃がさないよ。」

 

現れたのは、木場だった。木場は魔剣創造【ソード・バース】でケルベロスの行動を封じたのだ。全く何処行ってたんだよ!?

木場に動きを封じられたケルベロスに、朱乃先輩が放った強力な雷が落ちた。譲渡した力にエジソンの電気の力が加わった一発は、ケルベロスを完全に消滅させた。

 

「喰らいなさい、コカビエル!」

 

そして部長もコカビエルの方へ手を向けると、巨大な滅びの魔力の塊を放った。これも元々強力な魔力に譲渡した力、そしてベートーベンの旋律による超振動能力が加わったことで破壊力が増している。いいぞ、これならコカビエルなんかも一発で………と思っていた俺の思想は完全に打ち砕かれた。

 

「ふんっ!」

 

なんと、コカビエルは“片手”で滅びの魔力を受け止め、そのまま天高く受け流したのだ。嘘だろ…?部長の滅びの力を受け流すなんて……!?

 

「なるほど…赤龍帝の力と英雄の力があれば、ここまで力が引き上がるのか……面白いぞ。これは酷く面白いぞ。」

 

コカビエルは不気味な笑みを浮かべながら言った。あの野郎、ふざけた事言いやがって…!

俺がそう思っていたその時

 

「完成だ。四本のエクスカリバーが一つになる!」

 

バルパーの声が聞こえた。俺達は振り向くと、魔方陣にある四本の聖剣が光と共に融合し、やがて青白い光を放つ一本の聖剣になった。さらにバルパーは衝撃の言葉を発した。

 

「エクスカリバーが一つになった光で、下の術式も同時に完成した。あと20分もしないうちにこの町は“塵も残らず崩壊”するだろう。止める方法はただ一つ。コカビエルを倒すことだけだ。」

 

町が、崩壊だって…!?あの野郎、なんてことをしやがるんだ!20分って…サーゼクス様が来る頃にはこの町は消し炭になってるじゃねぇか!

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はバルパーからあと20分でこの町が崩壊すると聞かされた。20以内にコカビエルを倒し、そしてエクスカリバーを破壊しないと…!

 

「フリード、陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。そのエクスカリバーで戦ってみせろ。」

「ヘイヘーイ。全く、俺っちのボスは人使い荒いなぁ。でも!マジサイコーな状態になったエクスカリバーを使えるなんて感謝の極み!なんてなぁ?ひゃははははは!じゃあちょっくらあそこのクソ悪魔とクソ幽霊をツキジにしてきますかねぇ!」

 

フリードはエクスカリバーを持つと、腹立たしく感じる程のニヤけ顔でこちらを向いてきた。僕はバルパーの方に顔を向ける。

 

「バルパー・ガリレイ。僕は【聖剣計画】の生き残りだ。いや、正確に言うと貴方に殺された身だ。今は悪魔に転生した事で生き永らえている。」

「ほう、あの計画の生き残りか…これは数奇なものだ。こんな極東の国で会うことになるとは。何かと縁を感じるな。ふふふ…。」

 

バルパーは僕を小馬鹿にするように笑う。僕の目には憎悪の炎が燃えていた。エクスカリバーや、バルパー達に対する復讐の炎だ。

 

「私は聖剣が好きなのだよ。夢まで見るほどにな。だが自分には適性が無かった。その時の絶望は測り知れなかった。自分で使えないからこそ、他者が聖剣を使えるよう私は研究に没頭したのだ。そして今、君達のおかげで私の研究は完成した。」

「完成…?僕達を失敗作だと判断して殺処分したじゃないか!!」

 

僕はバルパーの言葉に怒号を発した。

 

「聖剣を使うには必要な因子があることに気づいたのだよ。被験者となった少年少女達の因子の数値を調べてみたが、どれもエクスカリバーを使える数値では無かったからな…。」

 

バルパーはそう言った。確かにエクスカリバーを使うには一定数値以上の因子が必要だ。どれも適性しないはずなのに…………まさか!?

 

「まさか……同士達を殺して因子を摘出したのか!?」

「ご名答だ。私は被験者達から因子を摘出し、集めて結晶化させたのだ。そうすればたとえ才能が無かろうが誰でも聖剣を扱えるのだ!…にも関わらず、教会は私を異端と見なして追放し、かつ私の研究成果を奪った…!」

バルパーは異端と見なされて追放された挙げ句、その成果を奪われたことに憤慨していた。そんなもの自業自得だ……聖剣を使えるようにするために他人を犠牲にしていいはずがない!命は軽くないんだ!!

バルパーは青い塊を取り出すと、僕の方に放り投げた。これは…同士達の因子が集まったものだ…!

 

「この因子の結晶は研究の末に残ったものだ。それは貴様にくれてやろう。そんな残り屑などもう必要ない。私の計画は既に量産できるまで進歩している。計画が完成するのも時間の問題だ!フフフフ、ハハハハハハハハ!!」

「貴方という人は!人の命を容易く弄ぶなんてっ!」

「…酷い…!」

「貴様…!ふざけた事を!!」

バルパーはそう言うと、高笑いを始めた。部長、理恵さん、そして駘悟はこれに対して怒りを露にした。それは皆も同じだ。

そんな中、僕は転がってきた因子の結晶を拾い上げる。僕を逃がしてくれた同士達が、今はこんな無惨な姿になるなんて…。

 

「…皆…。」

 

僕の目から自然と涙が溢れ、やがて涙が結晶の上に落ちた。

 

「僕は、ずっと思っていた……あの時、何で僕だけが生き残っていたんだろうって……僕だけが生き残って、それで部長の眷属になって、学校に通えて、友達が出来て………同士達があんなに苦しい思いをして散っていった中で、僕だけ幸せになっていいのかとずっと考えてた…。」

 

僕はこれまで考えていた事を呟く。振り返ってみれば、部長の眷属になってから、ずっと本来の目的や同士達の苦しみを忘れていた僕が情けない…!エクスカリバーへの復讐…ただそれだけのために生きていこうとした………それなのに……僕だけが、こんな幸せの場に留まっていいはずがないっ!!

 

「僕は復讐者だ…。ただ復讐のために生きてきたんだ………僕はずっと独りだ!!」

 

エクスカリバーに対する憎悪、散っていった同士達の苦しみで僕は自暴自棄になっていた。その時

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方は一人じゃないよ。』

 

突然、何処からか優しい声が聞こえた。僕は振り向くと、そこには散っていった同士達の一人が青く透明な人影となって現れたのだ。

『泣かないで。どうして独りなんて寂しいことを言うの?』

『死ぬなんて、悲しいよ…。』

『君は生きてていいんだよ。だって、君は僕達の希望なんだから…。』

 

声がさらに聞こえてくると同時に、同士達の人影は増えてくる。

 

「どうして、なんだ………!僕は何も出来なかったんだ…!皆を見捨てて、平和に暮らすなんて……そんな事が許されるはずがない!!」

『見捨ててなんかないよ。』

『君はずっと、僕達のことを想ってくれていた。』

『たとえそれが復讐のためだとしても、君が私達を忘れた日は無かった。』

『それに…今も流してくれている。』

 

同士達は優しい声で言った。僕の目からは涙が止まらなかった。

 

『私達も貴方を大切に想う。』

『貴方は決して独りじゃない。』

『一人の力が弱くても、皆と一緒なら大丈夫だ。』

『だから、受け入れよう…。』

 

同士達の人影が僕の手を添えた。すると、同士達は既に死んでいる。なのに、こんなにも温かく感じる。

すると、結晶が青白く光り出した。

 

『歌おう。皆で歌った歌を…。』

 

同士達はそう言うと、一斉に歌い出した…………聖歌だ。これは数々の非道な実験に苦しんだ僕達が、お互いを励まし合うために歌った聖歌だ。本来なら悪魔が聖歌を聴くと苦しむ。だが、この聖歌を聴いても苦しみは感じず、むしろ悪魔になった今でもあの温かさを感じる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「祐斗、お前は決して“独り”じゃない…何時だって“皆がいる”さ。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

僕はあの時、幽一君に言われた言葉を思い出した。そうだ……僕は、もう独りじゃない…!今の僕には…皆がいるんだ!

 

『聖剣を受け入れよう…。』

『神がいなくても…。』

『君には私達がいる。』

『たとえ神が僕達を見ていなくても…。』

 

 

 

 

 

 

 

『『『『僕達(私達)は一つだ。』』』』

 

同士達の人影が僕の体に取り込まれた。そして次の瞬間、僕の目の前に魔剣創造【ソード・バース】の際の一筋の禍ヶしい魔力が出現した。だが禍ヶしさだけじゃない。聖なるオーラが溢れていた。僕は気づいた。同士達の想いが僕を至らせてくれたのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

禁手【バランス・ブレイカー】に!

 

 

その魔力はやがて一本の剣を生成した。光と闇、その両方が備わった狭間の剣。僕の神器と同士達の魂が文字通り融合した一本。僕はその剣を掴んだ。

 

「木場ぁぁぁぁ!!フリードの野郎とエクスカリバーをぶっ叩けぇぇぇ!!」

 

「祐斗!やりなさい!貴方は私の、グレモリー眷属の騎士【ナイト】なのよ!エクスカリバーごときに負けはしないわ!!」

 

「負けないで下さい!祐斗さん!!」

 

「祐斗君!信じてますわよ!」

 

「やっちゃって下さい……祐斗先輩…!!」

 

「いけぇぇぇぇ!お前なら絶対にやれる!!」

 

「祐斗君なら絶対勝てるよ!!」

 

「お前の生き様、見せてやれ!!」

 

イッセー君、部長、アーシアさん、副部長、小猫ちゃん、ソープ先輩、理恵さん、駘悟、そしてTF141の皆が応援してくれた。

 

「ハッハハハハ!何泣いてんだよ?のんきにこんな戦場で幽霊と歌っちゃってよぉ!あの幽霊モドキと一緒にいたから頭の中がおかしくなっちゃったのかなぁ?あ、それはあそこにいる皆か!ハハハ!あの歌嫌いなんだよね、ゲロ出るんだよね!肌荒れるんだよね!!てめぇを斬り刻まないと気が済まねぇ!!この統合されたエクスカリバーでおめぇをネギトロにしてやんよ!!」

 

フリードは僕に向かって暴言を吐くと、こちらに向かって急接近してきた。これ以上同士達の魂を悪用させない!

 

「僕は剣になる…。双覇の聖魔剣【ソード・オブ・ビトレイヤー】。その身で受け止めるといい!」

 

僕はそう言うと、騎士【ナイト】の特性のスピードでフリードに接近し、先に聖魔剣を振るう。フリードも同じくエクスカリバーを振るい、僕の聖魔剣と衝突した。するとエクスカリバーの聖のオーラが完全に相殺された。

 

「なっ!その駄剣は本家を凌駕すんのかよ!?」

 

フリードは驚きながら一旦僕から退く。そしてエクスカリバーの刀身を“擬態”の能力で鞭へ変形させると同時に“透明”の能力で刀身を透明化させた。

 

「見えない一撃でバラバラになりやがれ!」

 

フリードは透明の能力を利用して鞭で僕の死角から攻撃しようとした。その時だった。

 

「あっ!」

 

突然、理恵さんからムサシアイコンが飛び出し、アイコンはそのままムサシゴーストへと変化した。

 

『デヤァッ!』

「!」

「なっ!?」

 

ムサシゴーストは手の刀を振るうと、その空間に火花が散った。見えない一撃を弾いたのだ。それにしても、さっきムサシゴーストが喋ったような…?

 

『祐斗よ、わしも力を貸そう!』

「え…しゃ、喋った…!?」

「目玉が飛び出したと思ったら幽霊になってそして喋ったぁあああああ!?チョー気味悪いんけどぉおおおおお!?」

 

フリードが驚愕した声を挙げた。いや、それよりもムサシさんが言葉を発したことに僕は驚いた。そしてムサシさんの声を聞いた皆も驚きの表情を浮かべた。

 

『Put on!』

 

僕はムサシゴーストを纏った。いきましょう。共に戦って下さい、ムサシさん!

 

「くそが!くそが!そんなボロ着着ただけで強がってんじゃねぇ!てめぇなんか微塵も怖くねぇ!!野郎ぶっ殺してやる!!!!」

 

フリードは怒り狂いながら鞭に変形させたエクスカリバーを滅茶苦茶に振り回した。

 

「そんな一度折れた剣で、僕達の想いが詰まった聖魔剣を折れると思うな!」

『剣は想いによって折れぬ刃ともなる。そんな闇雲に振った剣に強さなど無い!』

「ぐわっ!?」

 

僕はそう言いながら聖魔剣で一閃した。ムサシさんもパーカー部を赤く発光させながら言った。

僕は一旦バックステップで後方に下がる。

 

 

 

 

 

 

 

「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ。」

 

その時、ゼノヴィアさんが何かの呪文を詠唱している声が聞こえた。僕はゼノヴィアさんの方を向く。そしてフリードも。

すると、彼女の手元の空間に亀裂が入り、そこから鎖で包まれている大剣が姿を現した。あのオーラは…聖剣だ。それもエクスカリバーよりも強力な…!

 

「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する……デュランダル!」

 

ゼノヴィアさんはその大剣の柄を掴み、そのまま振り抜いた。すると、剣を拘束していた鎖が脱出マジックの如くバラバラに砕け散った。そしてその剣先を僕達…いや、フリードの方へと向けた。

 

「デュランダルだと!?馬鹿な…!貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!?私の研究ではデュランダルを扱うまでの所までは到達していないはずだ!」

「私はイリナやそこの男とは違って天然ものの聖剣使いでね。そして、私の本来の使い手はエクスカリバーではなく、このデュランダルだ。」

 

驚愕を隠せないバルパーにゼノヴィアさんは言った。そうだったのか…それにしても驚いたよ…デュランダルはエクスカリバーと並ぶ聖剣の一つだ。まさか所持していたなんて…。

 

「……何すか?何なんすか?ここに来ての大どんでん返しはぁ!?駄剣といい、喋るボロ着といい、胸糞悪っすぎるぞオイ!!この糞アマがぁあああああ!!!」

 

激昂したフリードはゼノヴィアさんに向かってエクスカリバーを振るう。ゼノヴィアさんもデュランダルを振るった。

 

 

 

 

 

 

ピシィッ!!

 

 

 

 

 

 

 

「なっ……!?」

 

お互いの刃が衝突した瞬間、フリードが持っているエクスカリバーに亀裂が入った。凄い…たった一閃で亀裂を入れるなんて……。

 

「…何だ、この程度か。」

「お、おれっちのエクスカリバーがぁ!?」

 

フリードはエクスカリバーに亀裂が入ったことに驚愕していた。

 

「はああああああっ!」

「っ!?」

 

そこへ理恵さんがフラガラッハを構えてフリードに突撃した。そのフラガラッハの刀身には炎が纏われていた。フリードはこれを防御した。

 

「今度はあのクソ幽霊モドキといた糞アマか!!そんなもんで俺っちのエクスカリバーには…。」

 

 

 

 

ピキピキピキッ!

 

 

 

 

 

 

「え…!?」

 

エクスカリバーの亀裂はさらに大きくなった。それもそのはず、フラガラッハも伝説級の魔剣の一つだ。フリードは魔剣を完全に舐めてかかっていた。

 

「幽一君を侮辱したらどうなるか……思い知らせてあげるわ!」

 

理恵さんは一旦下がると、フラガラッハに纏わせた炎を冷気に変換した。

 

「せやぁぁぁああっ!!」

 

そしてそのままフラガラッハを振り抜き、フリードに向けて冷気を纏った剣圧を飛ばした。

 

「うおっ!?」

 

フリードは剣圧を何とか防御するも、少しのけぞった。

 

 

 

 

 

ピキピキピキピキピキィッ!!

 

 

 

 

 

「ひ、ヒビがぁ!?さ、更に大きくなって…!?」

 

エクスカリバーの亀裂は更に大きくなり、やがてそれは柄にまで達した。そうか、高温なものを急激に冷却すると体積が縮んで、やがて亀裂が入る。最初に刀身に炎を纏わせたのはこのためだったのか!

 

「後は頼んだよ。」

「木場祐斗、後は君が決めろ。」

「ああ、言われるまでも無いさ!」

 

理恵さんとゼノヴィアさんにそう言った後、僕はフリードに向かって一直線に走り出す。

 

「クソが!クソが!このど畜生がっ!!」

 

やけになったか、フリードは銃を取り出してこちらに乱射してきた。僕は聖魔剣で弾きながらこう察した……“「勝った…!」”と。

 

「うおおおおおおお!!」

『フリード・セルゼン、敗れたり!』

 

僕は亀裂の走ったエクスカリバーを盾代わりに構えるフリードを一閃した。

 

 

 

 

 

 

 

パキィィィィン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がはっ!……ば、かなっ……!?」

 

僕が一閃した後、後ろから鮮血と共に破片が飛び散った。僕は振り返ると、そこには血を流して倒れているフリードと、砕け散ったエクスカリバーの破片があった。

 

「皆、僕達の想いが…勝ったよ。」

 

僕は聖魔剣を夜空に掲げると、同士達へに伝えた。これでようやく終わったんだ………エクスカリバーへの復讐劇に、ようやく終止符が打たれたんだ。

 

『想いが強ければ、剣はきっと答えてくれるのだ。』

「ムサシさん、ありがとうございます。」

『礼には及ばんよ。さて、残すは…。』

 

ムサシさんの言葉に頷き、僕はバルパーの方を向く。

 

「ば、馬鹿な…!?そんなことが有り得る訳がない!聖と魔、相反する2つの力が融合するなどと!」

 

バルパーは今起こったことが信じられないようだ。強い想いがあれば、不可能を可能に出来るんだ。

だが次の瞬間、バルパーは意味深な言葉を呟いた。

 

「…そ、そうか、分かったぞ!聖と魔、相反する2つの力が融合するということは、“神が創ったシステムが消失している”ということ!つまり魔王だけでなく神も…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がはっ……!?」

 

バルパーの言葉は最後まで続かなかった。何故なら、コカビエルが後ろからバルパーの腹部に光の槍を突き刺したからだ。そしてバルパーは光となって消滅した。

 




ED[方程式は答えない]


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


コカビエル「神や魔王は既に死んだのだよ。」

コカビエルから神や魔王は死んだことを聞かされた。それを聞いたアーシアとゼノヴィアは崩れ落ちた。

ジュドー「貴様らから消してやる。」

そこへ幽一に吹き飛ばされたジュドーが到着。駘悟に襲いかかる!そして幽一もようやく到着する。しかし…

幽一「霊力が…尽きた…!?」

秘められたアイコンの副作用で霊力が切れ、戦闘不能に陥ってしまう。絶体絶命………その時




竜彦「命を、想いを未来へと繋げ。」


次回[禁手、燃え盛る闘魂!]


その魂に、闘志を燃やせ!


カウント・ザ・アイコン!


幽一:【G】オレ【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

アッシュ:【14】グリム【15】サンゾウ

イッセー:【05】ビリー・ザ・キッド

アーシア【03】ロビン

リアス【06】ベートーベン

木場【01】ムサシ

小猫【04】ニュートン

朱乃【02】エジソン

硬哉:【07】ベンケイ

ゼノヴィア:【08】ゴエモン


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

禁手、燃え盛る闘魂!

また投稿がおくれてしまいましたorz



*今回はあらすじはお休みです。

OP『Symphaty』



イッセーside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は目に映った光景を見て唖然としていた。何故なら、コカビエルがバルパーを背後から光の槍で貫いたからだ。

 

「バルパー、貴様は実に優秀だった。貴様がその真理に辿り着いたのは、貴様が優秀だったからだろう………だが貴様がいなくとも、俺一人で十分だったのだ。クククク……ハハハハハハ!!」

 

コカビエルに刺されたバルパーはそのまま光となって消滅した。あいつ……仲間を平気な顔で殺しやがった…!!コカビエルは高笑いしながら地面に降りてきた。

 

「兵士【ポーン】の小僧、赤龍帝の力を限界まで上げて誰かに譲渡しろ。」

 

コカビエルは不気味な笑みを浮かべながら言った。あいつはかなり余裕な表情だ……。

 

「私達にチャンスを与えるっていうの!?ふざけないで!!」

「ふざけるなと…?それはこっちの台詞だ!!貴様らごときに堕天使の幹部である俺を倒せるとでも思っているのか!?」

 

部長はそれを聞いて思わず激怒したが、コカビエルは逆ギレした。なんだあの殺気とプレッシャーは…!?

俺達はその殺気とプレッシャーに汗を浮かべる。

 

「イッセー、私に譲渡して!」

「……はい!」

 

部長に言われた俺は再び倍化を始める。そして宝玉が点滅した。

「赤龍帝からの贈り物【ブーステッド・ギア・ギフト】!」

『Transfer!』

 

俺は限界まで溜めた魔力を部長に譲渡した。その瞬間、部長から再び絶大な魔力が漂う。部長は右手に魔力を集中させ、巨大な滅びの魔力を生成する。さらにそこにベートーベンの旋律が加わり、破壊力はさらに増幅した。

 

「コカビエル!!消し飛べぇぇぇぇぇ!!」

 

部長はそのまま滅びの魔力をコカビエルに放った。その凄まじい魔力が凝縮された一撃は、コカビエルに向かっていく。しかし、コカビエルは両手を突き出すと、その一撃を受け止めた。

 

「流石はグレモリー家の娘…確かに魔王級の一撃だ。だがまだだ!」

コカビエルは余裕の表情で言った。嘘だろ……部長のあの一撃を受けて無傷……………いや、無傷じゃない。よく見ると掌から血が流れている。

 

「雷よ!」

 

ここで朱乃先輩が空を飛ぶと、コカビエルに向かって雷を放った。コカビエルは自分の翼でこれを弾いた。

 

「俺の邪魔をするな!“バラキエルの娘”が!!」

「っ!!…私の前で、あの男の名前を呼ぶなぁあああああ!!!」

 

コカビエルが“バラキエル”という名前を出した瞬間、朱乃先輩は激昂した。あそこまで怒った朱乃先輩は見たことがない…。朱乃先輩は怒りに任せて雷を連発する。エジソンの力で電撃を強化しているとはいえ、それはあまりにも危険だ!

当然コカビエルには全て翼で弾かれてしまう。

 

「そんなもの……効かぬ!!」

「キャッ!」

 

そのまま朱乃先輩はコカビエルの翼で叩き落とされた。

 

「!…朱乃先輩!」

 

俺は急いで落下する所まで走り、ギリギリのところで朱乃先輩をキャッチした。その際、リンクが解除されてエジソンアイコンが地面に落ちた。

 

「大丈夫ですか!?」

「ええ…。」

 

俺は朱乃先輩を下ろす。朱乃先輩はエジソンアイコンを拾った。

 

 

 

 

 

 

 

 

駘悟side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コカビエルって奴はかなりの強敵だ…。リアスのあの一撃を受け止めたんだ…どうすれば……?

 

「はああああっ!」

「せやぁああああ!!」

 

ここで、ゼノヴィアと理恵がコカビエルに向かって突撃する。デュランダルとフラガラッハという2つの伝説の剣が揃っているとはいえ、油断はできない。

コカビエルは光の剣を出すと、2つの剣を防いだ。

 

「ふんっ、そんな未熟な腕でデュランダルとフラガラッハを振るうなど、ただの愚か者だ!」

「ぐぁっ!?」

「っ…!」

 

コカビエルは二人に鋭い蹴りを放った。ゼノヴィアが吹き飛ばされ、理恵は吹き飛ばされはしなかったものの、フラガラッハが手元から離れてしまった。

「はぁぁぁぁぁぁ! てやっ!!」

 

理恵は右手で火球を作ると、風の魔力を溜めた左手を突き出し、その風を推進力にして火球を放った。

 

「そんな速いだけの火球で………!?」

 

コカビエルが火球を受け止めようとした時、理恵の手元から離れたはずのフラガラッハが自力でコカビエルに向かって突撃してきた。さらに理恵が放った火球と重なり、炎を纏った。

 

「ぐっ…!?」

 

炎を纏ったフラガラッハの一撃は、コカビエルの肩と翼の一部を斬り裂いた。フラガラッハはそのまま理恵の手元に戻った。

 

「ほう……あのデュランダルの使い手よりも扱いに慣れてるという訳か…。くくく、これは面白くなってきた…!」

コカビエルはダメージを受けたにも関わらず、逆にそれを楽しむかのように言った。かなりの戦闘狂のようだ…。

 

「コカビエル!僕の聖魔剣で貴方を滅ぼす!」

 

ここで、木場が聖魔剣を構えてコカビエルに向かって突撃する。コカビエルは再び光の剣でこれをガードする。

 

「はあああああ!!」

 

理恵はフラガラッハを前に構えると、魔力で氷を生成し、その氷をドリル状に構築させてからコカビエルに突撃した。だがこれもコカビエルの光の剣に阻まれてしまう。

 

「よし、行くぜビリー!力を貸してくれ!」

『Put on!』

 

ここでイッセーがビリー・ザ・キッドゴーストを纏うと、小猫と共に両手の塞がったコカビエルに攻撃を仕掛ける。その時

 

 

 

 

バキュン!バキュン!

 

 

 

 

 

「うわっ!?」

「…っ!?」

 

突然、イッセーと小猫が光弾で叩き落とされた。だがそれはコカビエルから放たれたものではなかった。俺は光弾が放たれた方を見る。

 

「…。」

 

そこには幽一と戦っていたはずのジュドーがいた。ジュドーは俺達の方へゆっくりと歩み寄る。まさか……幽一がジュドーにやられたのか!?

 

「あいつは俺がやる!」

『カイガン!ツタンカーメン!ピラミッドは三角、王家の資格!』

 

俺はツタンカーメンゴーストを纏うと、ガンガンハンドにコブラケータイを合体させて鎌にする。

「はああああああっ!」

「ふっ!」

 

俺はジュドーに接近して鎌を振りかざす。ジュドーはこれを片手で受け止めた。

 

「貴様、幽一をどうした!!」

「私はあいつを先に消そうとしたが、油断して吹き飛ばされた。」

 

ジュドーはそう言った。どうやら幽一はジュドーに勝ったらしい………よりによって吹き飛ばす場所がまずかったが…。

 

「だから、貴様らから消してやる。」

「させるか!」

 

俺は鎌を振り、ジュドーを攻撃していく。だがあの時もそうだったが、全て見切られてしまう。

 

「はあっ!」

「ぐっ…!?」

 

ここでジュドーから蹴りを喰らって吹き飛ばされてしまう……くっ、やはり強いな……それにこのままだとこの町が吹き飛んでしまう…!

 

「うわっ!」

「きゃっ!」

 

俺は横へ視界を向けると、木場と理恵がコカビエルに吹き飛ばされているのが見えた。それと同時に木場が纏っているムサシゴーストがアイコン状態に戻った。

 

「何処を見ている!?」

「ぐっ…がはっ…!」

 

よそ見していたためか、俺もジュドーに殴られて怯んでしまう。すると、コカビエルはジュドーの方に目を向けた。

 

「ほぅ…近頃噂されている眼魔の一体か…貴様の腕前もなかなかだな。」

「ふん、私は自らの汚点を消すだけだ。それ以外何の目的もない。」

 

コカビエルが不気味な笑みで言ったが、ジュドーはその厳格な態度を崩さない。ジュドーも好戦的だが、あの態度からコカビエルとの手合わせよりも俺達の殲滅を優先している。コカビエルを倒さなければこの町が吹き飛ぶ魔方陣が配置されている。そこに俺達を殲滅しようとするジュドー……かなりまずい状況だ…!

 

「くっ……敵が一人増えようと関係ない…!貴様らを神の名の下に断罪する!」

 

ここで、態勢を立て直したゼノヴィアがデュランダルを構えて言った。

 

「“神の名の下に”………か。“主を亡くして”までお前達はよく戦うな。」

 

突然、コカビエルはそう呟いた。俺達は疑問に思った。“主を亡くして”まで……?どういうことだ…?

 

「どういうことかしら?」

 

俺リアスがコカビエルに問う。すると次の瞬間、コカビエルは衝撃の事実を言い放った。

 

「フハハハハハハハ!!そうか、お前達は知らなかったな。なら教えてやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの大戦で神や魔王は既に死んだのだよ!」

 

神や魔王が死んでいる…!?コカビエルの言葉を聞いて俺達は目を見開いたが、アーシア、ゼノヴィアの二人が絶望した表情になった。そうか、二人は神に関して深く関わっていたな…。

 

「嘘だ………神が、死んだなどと…!」

「主がいない…?もう死んでいる…?では、私に与えられる愛は……。」

「!?…アーシア、しっかりしろ!!」

 

ゼノヴィアは未だこの事実を否定していた。アーシアはこれを聞いたショックで倒れてしまう。それをイッセーが受け止めた。

 

「ハハハハハハッ!さぁ、戦争を始めるぞ!我ら堕天使こそが最強の種族であることを思い知らせるためにな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけるなっ!!!」

 

俺はコカビエルの言葉を聞いて怒号を発した。

 

「神が居ようが居まいが、そんなもの関係無い!それだったら、俺達が未来を築き上げていけばいいだけだ!!」

 

俺はコカビエルにそう反論した。

 

「ふんっ!」

「ぐはっ…!」

「ふん、貴様も自分の私欲のためだけに戦っていただろう。」

 

そうしている内にまたジュドーに殴られ、おまけにコカビエルに正論を言われた。

 

「ぐっ……!確かに、俺は今まで沙耶を生き返らせるためだけに戦ってきた…。だが今は違う!俺は、皆のために…この世界のために……そして、想いを未来へ繋げるために戦う!!」

 

俺は立ち上がりながら言った。今の俺には沙耶がいる。幽一がいる。そして皆がいるんだ!

俺はドライバーを操作する。

 

『ダイカイガン!ツタンカーメン!オメガドライブ!』

「はああああああああっ!!」

 

俺は鎌にエネルギーを溜め、それをジュドーとコカビエルに向けて放った。

 

「ふんっ!」

「はっ!」

「何…!?」

 

しかし、二人はいとも容易くこれを受け止めてしまった。

 

「こんな攻撃でよく大口を叩けたな!今度はこちらからだ…!」

 

コカビエルはそう言いながら光の槍を生成する。くそ、俺じゃ無理なのか…!?コカビエルが槍を放とうとした時

 

 

 

 

 

 

「五十嵐流霊術・霊追牙!」

「っ!?」

 

コカビエルに向かって追尾弾が放たれ、コカビエルの持っていた光の槍をかき消した。俺達は弾が飛んできた方へ振り向く。そこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ………待たせたな…!」

 

息を切らし、そして左手で何故か櫂を引きずっている幽一の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は秘められたアイコンの副作用で体力と霊力が限界の中、ようやく学園に到着した。その道中、俺は道端に落ちていた櫂を引きずってきた。俺が到着すると、そこには疲労困憊の皆、倒したはずのジュドー、謎の堕天使がいた。俺は駘悟のピンチを見て力を振り絞って霊追牙を放って堕天使が持っていた光の槍をかき消す。

「「「「「「「幽一!(君)(先輩)」」」」」」」

「はぁ………待たせたな…!」

 

俺は櫂を引きずりながら皆のもとへ歩く。くそ…さっきの戦闘のせいで意識が朦朧としてやがる…それに体が安定しない…。

 

「幽一君、大丈夫!?」

「……ちょっと、きつい…。」

 

俺は櫂を杖代わりにしながら答える。俺は皆の方を見ると、戦いの中でボロボロになっているのが伺える。そしてイッセーの手には気絶したアーシアが抱えられていた。

 

「この状況、どうなってるんだ?」

 

俺はこの状況について尋ねる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

状況は俺が予想した通り最悪だった。グラウンドに設置されている魔方陣はあと数分で駒王町を消し飛ばすもので、あそこにいるコカビエルという堕天使を倒さないと解除できない。また、コカビエルは神や魔王が死んだことを告げたらしく、それでアーシアやゼノヴィアがショックを受けてしまったとのこと。やっぱり、おっちゃんが言った通りだ…。それにしても

 

「ようやく来たか。」

 

何でジュドーがここにいるんだ…!?さっき吹き飛ばしたはずなのに…!?

 

「あいつは私の獲物だ。一切手を出すな。」

「いいだろう。」

 

ジュドーはコカビエルにそう言うと、俺達の方に向かって歩いていく。

 

「やらせるか「お前の相手は俺だ!」くっ…!」

 

駘悟はジュドーを追いかけようとするが、コカビエルに妨害されてしまう。くっ、身体中がきついけど…俺がやらなくちゃ…!

 

「先程はしくじったが、今度は確実に仕留める。」

「それはこっちの台詞だ…!」

 

俺はドライバーを展開すると、オレアイコンをナンバリング状態にする。

 

「くっ…!」

 

しかし、あまりの疲労にその場で膝をついてしまう。

 

「幽一、その体じゃ無理よ!」

「くっ…だけど…!」

 

俺は力を振り絞って立ち上がる。

 

「ここは僕達が…!」

「ああ、そうだ!俺達もまだ戦えるんだ!幽一には指一本触れさせるか!」

「そうです!俺もまだ…!」

「私もよ!」

「俺もまだやれるぜ…。」

「…私も。」

 

祐斗、ソープ先輩、硬哉、佳菜先輩、案山士、小猫が言った。体力と霊力を消費して疲労している俺の代わりに戦ってくれるそうだ。

 

「ここは私達に任せなさい。」

「リアス部長…。」

 

リアス部長はそう言うと、俺の前に立つ。

 

「貴様らが束になろうとも、無駄だ。」

「私の大切な部員を傷つけたことは絶対に許さないわ!」

 

リアス部長は右手に破壊の魔力を溜める。ソープ先輩達もジュドーに向けて戦闘態勢を取った。

 

「いいだろう、まとめて葬ってやる。」

 

ジュドーはそう言うと、両手にエネルギーを収束する。俺は嫌な予感を感じ取ったが、もう遅かった。

 

「うおおおおお、はあああああっ!!」

「うわあっ!!」

「ぐわあああああ!!」

「うわあああああああああ!!」

「ぐっ…!」

「っ…!」

「「キャアアアア!!」」

 

ジュドーの放った光線はリアス部長達を吹き飛ばした。リアス部長達は吹き飛ばされて地面に倒れた。

 

「皆!!」

「部長!皆!!」

「…そんなっ…!」

「!」

「なんてことを…!」

「!…貴様ぁああああああ!!」

 

俺達は呆然とした。眼魔の力が強大であることを…。駘悟はジュドーに対しての怒号を言い放った。

 

「ぐっ…ごほっ、ごほっ!」

「なんて…強さなんだ…!」

「…。」

 

吹き飛ばされたリアス部長達はかなりのダメージを負っていた。

 

「…!」

 

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

 

 

 

 

俺はその怒りでSEEDを発現させる。身体が何だ……!あいつは絶対に倒す!

俺は再び櫂を引きずりながらジュドーの方へ歩いていく。

 

「変身…!」

 

俺はドライバーにオレアイコンを装填すると、ハンドルを操作する。

 

『アーイ! カイガン!オレ!レッツゴー、覚悟、ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

俺はゴーストに変身すると、オレゴーストを纏う。

 

「…またか。」

 

今度は両手だけでなく、胴体までも幻覚で禍々しく変化していたが、すぐに元にもどった。俺は櫂を両手に持つ。

 

「次は貴様だ。」

「……。」

 

俺は無言のままジュドーに歩み寄る。

 

「……!」

「ぐっ…!?」

 

そして両手で持った櫂をジュドーに叩きつける。木製とはいえ、ジュドーを怯ませるには十分だ。俺は何回もジュドーに櫂を叩きつけていく。

 

「ふっ! でやっ!」

「…!」

 

ここでジュドーが櫂を受け止めると、俺が持っていた櫂を奪って投げ捨てた。俺は構わずガンガンセイバーを装備してジュドーを攻撃する。

 

「先程よりはマシになったか。だがお前に私は倒せない。」

「黙れ。」

「…っ!?」

 

俺はジュドーの言葉に威圧感のこもった言葉を浴びせると、ガンガンセイバーによる一撃をジュドーに与える。よし、このままいけばジュドーを倒せる…!と思っていたその時だった。

 

「幽一、危ない!!」

「!?」

 

突然、駘悟の叫び声が聞こえた。俺が振り向いた次の瞬間

 

「うわあああああ!!」

 

突然、俺に向かって光の槍が飛んできた。反応が遅れたために俺は喰らって吹き飛ばされてしまい、SEEDも解除されてしまった。

 

「貴様、何のつもりだ…?」

「ククク、ちょっとした手助けのようなものだ。」

 

険しい表情になるジュドーにコカビエルが答えた。そこへ

 

「はああああああああああ!!!」

 

理恵が怒りの表情でコカビエルに突撃した。理恵はフラガラッハをコカビエルに振るう。

 

「くっ…!」

「……まぁいい。これで手間が省けた。はあっ!」

「ぐっ…!うわあっ…!ああ…!」

 

ジュドーは俺に向けて光弾を連射してきた。既に満身創痍の俺に避けれるはずもなく、俺は光弾を喰らって倒れてしまう。

 

「!?…理恵、ここは頼む!」

「ええ…!」

「うおおおおおおっ!」

 

ここで駘悟がジュドーに向かって接近し、鎌を振り回す。ジュドーはこれを避けた。

 

「スペクターか。貴様も消し去るのみ。」

 

ジュドーは駘悟と交戦を始めた。やっぱり駘悟が苦戦している…!

 

「幽一!お前はここでくたばるような男じゃないだろ!?」

「ああ…もちろんだ…!」

 

俺は駘悟からの激励を受けて立ち上がろうとする。その際、身体から粒子が散らばっていく。

そうだ……俺は皆を守るんだ…!駘悟や理恵、そして皆のために…こんなところでくたばってたまるか…!!!

 

「はぁ…はぁ……五十嵐流…霊術…!」

 

俺は満身創痍の中、剛龍波弾を放つために霊力を振り絞る。

 

「剛龍…波……………っ!?」

 

突然、俺の体で何かが途絶えた感覚がた。それと同時に変身が解除された。俺はこの感覚で絶望を感じた。

 

「霊力が…尽きた…!?」

 

そう、霊力が尽きてしまったのだ。そして俺は急な脱力感に見舞われる。

 

「幽一!! ぐっ…!」

「ふっ…おもしろい…。」

 

ジュドーは駘悟を怯ませると、満身創痍の俺に向かって歩き出す。

 

「させるか!」

 

駘悟が鎌を突き出してジュドーを足止める。くそ、体が…動かない…!皆がピンチなのに、これじゃあ…!

 

「幽一君に手出しはさせない!」

「ほざけ!」

「きゃああああああ!!」

 

理恵がコカビエルの翼で叩かれて地面に落下した。それと同時に衣装が元の制服に戻った。理恵がやられた…!

 

「ぐっ…俺が皆を守る…!想いを、未来へ繋いでみせる!」

「笑わせるな。 はあっ!」

「ぐわああああああ!!」

 

駘悟もジュドーの光弾を受けて吹き飛ばされ、変身を解除された。駘悟まで…!くそ、動け…俺の体…!!

 

「汚点は全て消す。まずは…お前からだ。」

「くっ…!」

 

ジュドーはそう言うと、俺に向かって歩み寄り、右手にエネルギーを溜める。

 

「「「「「「「「「「「幽一(君)(先輩)!!」」」」」」」」」」」

「逃げて、幽一君!」

「やめろぉおおおおおおお!!」

 

皆が叫ぶ中、ジュドーがエネルギーを溜め終えた。くそ…!このままじゃ……………!!頼む………俺に、立ち向かえるだけの力を…!俺にもう一度、この消えかかっている魂の火に……闘志の炎を!!

 

 

 

 

 

「ん?…ぐあっ!?」

「何だ…? ぐっ!?」

 

俺が願ったその時、謎の赤い粒子の塊がコカビエルとジュドーを弾き飛ばした。そしてその粒子は俺に近づくと、人の形になった…………あれは…

 

「…父さん?」

 

それは間違いなく父さんだった。あの時、俺をピンチから救ってくれた父さんが再び現れたのだ。俺は立ち上がる。

 

「竜彦さん…!?」

「あれが幽一君のお父さん…?」

「嘘だろ?確か死んだはずじゃ…?」

 

駘悟達にも父さんの姿ははっきり見えている。それはもちろん、コカビエルやジュドーにも。

 

「…本当に、巻き込んですまなかったな…。」

「ううん…。」

 

俺は自然と涙が溢れてきた。父さんは俺の両肩に手を置いた。

 

「幽一、お前が15人の英雄の心を繋ぐんだ。そして未来へと導くんだ。」

「え…?」

 

父さんは俺に意味深な言葉を告げた。英雄達の心を繋ぐ…?

 

「命を、想いを未来へと繋げ。母さん達やバハムート様も、そして私もお前のことを見守っている。頼んだぞ。」

 

父さんはそう言い残すと、俺の身体を厚く介抱した。すると父さんが赤い粒子となり、俺の身体に取り込まれた。そして次の瞬間、俺の身体から魂の炎が太陽のプロミネンスの如く噴き出した。

 

「分かったよ、父さん……………俺は、絶対に想いを未来へと繋ぐ!」

 

俺は固いを決意をすると、コカビエルとジュドーの方を向く。

 

「バハムートだと…?大戦で死んだはずのあの龍神だと?ならばここでお前を殺す!」

 

コカビエルはバハムートの怒りを買って戦争を引き起こそうとする考えらしい。そしてジュドーも俺を殺そうと構える。

 

 

 

 

 

 

仙人side

 

 

 

 

 

 

 

儂は竜彦が幽一に力を与えるのを見た。あの力、幽一を“至らせた”のか!

 

「息子も息子ならば、親も親じゃ!竜彦のやつ、勝手な真似をしおって…!」

『ちょっ!? ギブギブギブギブ!』

 

儂はユルセンの首根っこを掴む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦争を起こさせてたまるか!」

 

父さんに力を貰った俺は再びドライバーを展開する。想いが繋がるなら、神器もそれに応えてくれる。そう、父さんは俺を至らせてくれた。

 

「禁手【バランス・ブレイカー】!」

 

俺は叫ぶと、俺の右手に炎が集まり、それらがアイコン状に結晶化した。それはあの時のトウサンアイコン……いや、闘志の炎が詰まった想いのアイコン………闘魂ブーストアイコンだ!

俺は闘魂ブーストアイコンのボタンを押すと、再び俺の身体から炎が噴き出した。そして俺の隣に父さんの幻影が現れた。

 

「いくぜ、父さん…!」

 

俺はドライバーに闘魂ブーストアイコンを装填してカバーを閉じる。

 

『一発闘魂! アーイ! バッチリミナー!』

 

ドライバーから闘魂ブーストゴーストが現れた。そのパーカー部には炎の装飾が施されていた。

「変身!」

 

俺はドライバーのハンドルを操作した。

 

『闘魂カイガン!ブースト!』

 

俺の身体に眼の紋章と骸骨のラインが浮かび上がると同時に父さんの幻影が俺と重なった。俺は炎と共にゴーストに変身した。トランジェント状態の体は炎の如く紅かった。

 

『俺がブースト!ゴー!奮い立つゴースト!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!』

 

俺が闘魂ブーストゴーストを纏うと、アイコンの絵柄と同じの複眼が展開された。俺は被っているフードを脱ぐ。これが俺と父さんの…親子の絆の力………闘魂ブースト魂!!

 

 

(BGM:AMAZING BREAK)

 

「その姿は!」

 

俺の新たな姿を見て、まずジュドーが殴りかかってきた。

 

「ふっ! はあっ!」

「うっ…!?」

 

俺はすぐに回避すると、拳に炎を纏わせてジュドーを殴り付ける。ジュドーはこれを受けて怯む。

 

「姿を変えたところで何も変わらん!このまま死ね!」

 

続いてコカビエルが俺に向かって光の槍を放ってきた。俺はドライバーからガンガンセイバーに続く第二の武器・サングラスラッシャーを取り出す。

 

「はあっ!」

「何っ…!?」

 

そして俺は飛んできた光の槍をサングラスラッシャーで叩き落とす。今度はこっちだ!

 

「五十嵐流霊術【紅蓮ノ型】・爆炎戟!」

「ぐあっ!?」

 

俺は霊術を唱え、コカビエルが浮遊している地点に灼熱の火柱を立てる。コカビエルはこれを喰らって翼が一枚焼失した。

 

「はっ! はっ!」

 

ジュドーが光弾を連射してきた。俺は一発ずつ光弾を左右に弾きながらジュドーに近づく。

 

「はあっ! せいやっ!」

「ぐわあっ!」

 

俺はサングラスラッシャーによる斬撃を繰り出してジュドーを吹き飛ばす。ジュドーはすぐさま態勢を立て直すと、俺に向かって接近する。

 

「命、燃やすぜ!」

 

俺は一旦サングラスラッシャーを地面に突き刺すと、霊術の構えを取る。そして右手でドライバーを操作する。

 

『闘魂ダイカイガン!ブースト!オメガドライブ!』

 

俺の背後に現れた目の紋章のエネルギーが俺の右足に集まった。それはさながら紅蓮の炎だ。

 

「はあああああああっ! はあっ!!」

「ぐっ…!うっ………!ぐわあああああああ!!」

 

俺もジュドーに向かって走ると、飛び蹴りを繰り出す。ジュドーはパンチを放つことも出来ずにこれを喰らい、爆散した。

 

「隙ありだ!死ねぇええええええ!!」

「…!」

 

ジュドーを倒した直後、コカビエルが俺の背後から奇襲を仕掛けてきた。

俺はすぐさま浮遊してコカビエルの攻撃回避する。俺は地面に刺したサングラスラッシャーのところまで行き、すぐさま引き抜く。

「はあっ!」

「何…!? ぐはっ…!」

 

そしてコカビエルの追撃をパリングし、続けて強力な一撃をコカビエルに繰り出した。

 

「ぐっ…なめるなよ、ただの人間がぁ!!」

 

コカビエルは逆上すると、再び突撃してきた。

 

「違うな……俺は半人半霊だ!!」

 

俺はそう言い返しながらコカビエルの攻撃をサングラスラッシャーで受け止める。光の刃と炎の刃が交差し、そこから火花が散る。俺は左手に霊力を溜めて炎を纏わせる。

 

「五十嵐流霊術【紅蓮の型】・爆焔掌!」

「ぐはっ…!?」

 

俺は紅蓮の炎を纏わせた左手をコカビエルの腹部に突き出す。瞬間、コカビエルは数メートル吹き飛ばされ、吐血した。

 

「くっ…貴様ごときに俺は負けん…!俺はお前を殺す…!当然お前の仲間達も殺す…!そして、戦争を引き起こすのだ!!」

 

コカビエルは傷だらけの黒い翼を広げて空へ飛び立つと、高らかに宣言した。

 

 

 

 

 

バシューン!

 

 

 

 

 

 

「ああ、そうか…。」

 

俺は再びSEEDを発現させると、サングラスラッシャーを地面に突き刺す。

 

「はぁぁぁぁぁぁ………!!」

 

俺は霊術の構えを取ると、自身の霊力を放出する。その霊力は目の紋章を構築すると、やがて曼荼羅へと変化した。

 

『ギャオオオオオオオオオン!!』

「!?…あれは、まさか…!?」

「【五十嵐の龍】…!」

「あの時のドラゴン!?」

「バハムート…。」

 

曼荼羅から再びバハムート様の幻影が出現した。皆もそうだが、特にコカビエルはこれを見て驚愕の表情を隠せない。

 

「バハムート…馬鹿な…!?…滅びたはず…!?」

 

コカビエルがそう言っている間に俺はサングラスラッシャーを手に取ると、ドライバーのハンドルを四回操作する。

 

『闘魂ダイカイガン!ブースト!オオメダマ!』

 

ドライバーから巨大なアイコン型のエネルギーが出てきた。

 

「そんなに戦争がしたいなら、地獄でやってろ!」

 

俺はサングラスラッシャーの刀身を左手で柄のところから剣先へとかざす。すると刀身に炎が纏われた。

 

「闘魂が、燃え盛るぜ!!」

 

俺はそのままアイコン型のエネルギーめがけてサングラスラッシャーをかざす。するとアイコン型のエネルギーは紅蓮の炎となり、巨大な炎の刃を形成した。俺はサングラスラッシャーを構える。俺の動きに連動してバハムート様の幻影も右手を動かす。

 

「五十嵐流霊術【紅蓮の型】奥義・天焦爆焔爪!」

『ギャオオオオオン!!』

 

俺はバハムート様の動きと連動して巨大な炎の刃をコカビエル目がけて振り下ろす。

 

「ぐっ……ううう…!ぐわああああああああ!!!」

 

コカビエルは受け止めるも、防ぎ切れずにこれを喰らい、炎の刃に飲み込まれた。そして翼を全て焼失し、そのまま地面に墜落した。

 

「はぁ…はぁ…。」

 

俺も疲労でサングラスラッシャーを杖代わりにする。体力と霊力の消耗が激しい…けど、勝てた……町の崩壊を阻止できたんだ…。ありがとう、父さん。

 

「幽一君~!」

「おーい、幽一!」

 

理恵達が俺のもとへ駆けつけた。アーシアも気絶から目を覚ましたらしく、リアス部長達の傷がある程度癒えていた。

 

「あのコカビエルに勝てたのね。」

「はい。父さんが、力を貸してくれたんです。」

「幽一、いつの間にか俺を超えたな。」

「…そうかもな。」

 

駘悟の言葉に俺はそう返事した。俺だけじゃなく、父さんの力もあってこそ勝てたんだけどな…。

俺がそうしていると

 

「うおっ!?」

「よかった…無事で…!」

 

理恵が俺に抱きついてきた。理恵の目には涙が溢れていた。ああ、そうか……ジュドーとの戦いで負けたと思わせちゃったか…。

 

「お前を置いて死ねるかよ。」

 

俺は理恵に優しく言葉を発した。何がともあれ、これで一見落着……

 

 

 

 

 

 

「ぐうっ…うう…!」

 

……する訳もなく、後ろで呻き声が聞こえた。俺達は振り向くと、そこには全身に火傷を負ったコカビエルがいた。

 

「嘘だろ…!?あれでまだ生きてるのか…!?」

「まだだ…!まだ終わってない…!!」

 

コカビエルは満身創痍の状態ながらもまだ立ち上がっていた。これが幹部の火事場力か…!?

コカビエルは右手に光の槍を生成しようとした。その時

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ、コカビエル。」

 

突然、その言葉と共に結界の一部が破壊された。そこから現れたのは、ドラゴンの鎧を纏った男だった。それはイッセーの赤とは違い、白だった。それはまさしく、イッセーが宿す赤い龍【ウェルシュ・ドラゴン】と対を成す存在、白い龍【バニシング・ドラゴン】だった。

 




ED『方程式は答えない』
BGM『仮面ライダーゴースト 戦闘BGD各種』
『パシフィック・リム テーマ曲』
『AMAZING BREAK』


ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


ヴァーリ「お前の目論みは全て筒抜けだ。」

ヴァーリはコカビエルを連れ戻すためにやってきた。

ドライグ『無視か、白いの。』

ドライグとアルビオン、二天龍同士の会話が展開。


次回[解決、事件の終わりに…]


その目に、焼き付けろ!


カウント・ザ・アイコン


幽一:【G】オレ【01】ムサシ【02】エジソン【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【07】ベンケイ【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

アッシュ:【14】グリム【15】サンゾウ

ゼノヴィア:【08】ゴエモン



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

解決、事件の終わりに…

明日でゴーストが終わり、そしてエグゼイドが始まる……。そして今回でACT3は終わりです。


幽一「俺は五十嵐幽一。15歳の時、謎の事件に巻き込まれて命を落とし、ハイスクールD×Dの世界に転生。仮面ライダーゴーストとして、オカ研部員として活動しながら英雄の眼魂を集めている。霊力が尽きた影響でピンチになったけど、父さんの力でジュドーとコカビエルに勝つ事が出来た。
現在所有しているアイコンは…10個だ。」

OP[Symphaty]



幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

結界を破って現れたのは白いドラゴンを模した鎧を纏った男だった。その背中には、青白い光の翼が展開されていた。

 

「ヴァーリ…!?何故お前がここに…!?」

「アザゼルからの命令だ。お前を連れ戻して来いだとさ。お前がやろうとした目論みは全て筒抜けだ。」

 

コカビエルが鎧の男の名前を言った。どうやらあいつはヴァーリと言うらしい。それにしても、すごい魔力だ…。

 

「それにしても、翼がないと思ったら焼失したのか…。まぁ、お前の翼は薄汚いカラスと同類だから別にいいか。さて…」

「っ…!?」

ヴァーリはそう言うと次の瞬間、コカビエルのもとに瞬間的に移動し、コカビエルを殴り飛ばした。

 

「ぐっ…貴様…!ふざけるなぁぁぁ!!」

 

見下され、さらに殴られてキレたコカビエルはすぐに右手に巨大な光の槍を生成してヴァーリに投げつけようとした。

 

『Divide!』

「なっ…!?」

 

すると鎧から音声が聞こえた瞬間、光の槍はだんだん小さくなり、やがて消滅した。あれが白い龍の能力か?

 

「我が名は白龍皇【バニシング・ドラゴン】・アルビオン。我が神器、白龍皇の光翼【ディバイン・ディバイディング】は触れた者の力を10秒ごとに半減させ、その力を我が糧にする能力だ。」

10秒ごとに半減…イッセーの神器は10秒ごとに倍加…二天龍故に能力は対を成してるな。半減の効果で力を奪われたコカビエルはその場で立て膝をつく。

 

「もはや中級堕天使以下だな…抵抗したところでお前に勝ち目はない。そしてコキュートス行きはもう確定している。」

「ぐっ……おのれぇ……アザゼルーーーーっ!!」

「もういい黙れ。」

 

 

 

 

 

ベキャッ!

 

 

 

 

満身創痍のコカビエルはヴァーリに顔面を殴られてそのまま気絶した。ヴァーリはそのままグラウンドの周りを見渡す。

 

「あの神父は…………逃げたか。」

 

ヴァーリはそう呟いた。俺がある方向に目を向けると、そこには鮮血とエクスカリバーの破片が散らばっていた。どうやら俺が学園に向かっている間に祐斗がエクスカリバーを砕いたらしい。けど、知らないうちに逃げたようだ。フリードはどんだけタフなんだ…?

ヴァーリは気絶したコカビエルを担いだ。

 

 

 

 

 

 

 

『無視か、白いの。』

「!?…ひ、左手が…熱い…!」

 

その時、イッセーの赤龍帝の籠手の宝玉が輝くと同時にそこからマダオめいた声が響いた。この声の主は、赤龍帝【ウェルシュ・ドラゴン】・ドライグか。イッセーが苦悶の表情を浮かべている辺り、どうやらイッセーとヴァーリの神器が共鳴しているようだ。

 

『起きていたか、赤いの。』

 

続いてヴァーリが纏っている白い鎧の宝玉が輝き、そこからアルビオンの声が響いた。その声なのか、「そんな装備で大丈夫か?」とでも言ってきそうだ。

 

「これは…。」

「ああ、間違いない。二天龍同士の会話だ。」

 

理恵の呟きに俺はそう言った。

 

『せっかく再開したのにこの状況ではな…。』

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういう事も有り得る。』

『しかし妙だな、白いの。以前のような敵意が伝わってこないが?』

『赤いの。それはお前も同じだろう?』

『…お互い、戦い以外の興味が湧いたようだな。』

『そのようだな…。たまには悪くないだろう。また会おう、ドライグ。』

『ああ、じゃあなアルビオン。』

 

二天龍との会話は比較的穏便に終わったようだ。てっきり敵意剥き出しで怒号を飛ばすのかと思ってたけど、穏やかに済んでよかった…

 

「お、おい待てよ!勝手に話を終わらせるんじゃねぇ!」

 

…と思っていたらイッセーが怒りの表情で…しかも何故か涙目でヴァーリを睨み付けながら言った。

 

「お前のせいで…………………部長のお乳が吸えなくなったじゃねぇか!?どうしてくれるんだ!」

 

 

 

 

ペシィッ!

 

 

 

 

 

 

「いでっ!?」

「この雰囲気で何言ってんだお前は!?」

 

俺はイッセーに近づいて頭部を叩いた。こんな雰囲気でよく問題発言ができるな、このおっぱいイェーガー…。

 

「はぁ…全く…。」

『オヤスミー』

 

俺はため息をつきながら変身を解除した。

 

『!……その首飾り…もしや、バハムート様の…!?』

 

その時、突然アルビオンが俺の首飾りを見て驚くように声を発した。

 

『白いの、お前も気づいたか。』

『ああ、バハムート様は昔の大戦で死んだはずだが……まさか力を授かった者がいるとは…。』

再びドライグとアルビオンが会話をした。二天龍にとっても、バハムート様はドラゴンの象徴たる存在なんだな。

 

「まぁ、全てを理解するには力が必要だ。強くなれよ、俺の宿敵君。そして仮面ライダーゴースト、君と戦える日も楽しみにしてるよ。」

 

ヴァーリは俺とイッセーにそう言い残すと、そのまま何処かへ飛び去っていった。ふぅ…これで今度こそ一件落着だな…。

俺はそう思いながら空を見上げていると、駘悟が何処かへ去ろうとしているのに気づく。

 

「あ、駘期!これからも俺達と一緒に戦わないか?」

「…俺にはまだ、“けじめ”をつけなきゃならないことがあるんだ。」

 

俺は駘悟にこれからも共闘していこうと誘うが、駘悟はそう答えてマシンフーディーに乗り、そのまま走り去っていった。“けじめ”ってなんだろう…?

 

 

 

 

 

 

 

御成side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は遠くで幽一が堕天使を倒したのを見ていた。それにしても、無断であのアイコンを使ってしまうとは……。竜彦が幽一の禁手化を促してくれなかったら、まずかったでしょう…。まぁ何がともあれ、本当によかったです。

 

「……ん?」

 

私は何者かの気配を感じ取り、ある方向へと振り向いた。奥の建物の屋上にいたのは、幽一や駘悟と同じ仮面ライダーだった。その腰には二人と同じ幽霊の神帯【ゴーストドライバー】を装着しているものの、“胸部、パーカーの両肩、両腕、両腰、両脚に装甲が装備されて”おり、その右手には“アイコンを模した長剣”が握られていた。そのライダーはしばらくすると、霊体化して消えていった。

「今のは、もしや…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

幽一side

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と理恵はバイクに乗って帰路を走っている。ちなみにあの後、祐斗がリアス部長に尻を叩かれ、ゼノヴィアもエクスカリバーの欠片を拾って帰っていったので、俺達も帰ることにした。

 

「バイクで走っていると感じるんだけど、風当たりが心地いいな。」

 

俺はバイクを運転しながらそう呟く。

 

「…ねぇ、幽一君。」

「どうした?」

「私、幽一君を置いて皆のところへ向かった時、怖かったの。幽一君が、眼魔にやられちゃうんじゃないかって…。」

「…。」

 

理恵は悲しげな表情で言った。ああ、ジュドーと戦っている時の出来事か…。でもあの時はかなりまずい状況だったからな…。

 

「心配しないで。俺は皆がいる限り、絶対にやられたりしない。それに…。」

「?」

「お前を置いて死ねるはずがないさ。」

「幽一君…!」

 

俺の言葉に理恵は微笑ましい笑みを浮かべた。そして俺の身体を厚く、そして優しく抱き締めた。温かいな………とても、心が安らぐ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

数分後、アパートに到着し、俺はバイクを駐車場に停車すると、理恵と共に自室まで歩く。俺はオレアイコンを取り出すと、その場で立ち止まってアイコンを見つめる。この世界に転生してから数ヵ月は経った。俺はこれからも仲間達のために、命を燃やしていくぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ククク、それはどうかなぁ…?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

突然、オレアイコンが禍ヶしく変色し、俺の脳内に不気味な声が響いてきた。まただ…!しかも俺の心を読み取って返してきた…!?

 

「幽一君~!」

「!?…あ、ごめん。」

 

俺は理恵に呼ばれてようやく気がついた。俺はオレアイコンを仕舞うと、再び歩き出す。あの幻覚、だんだんと酷くなってきた………やばい事態にならないといいけど…。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

翌日、俺の予想したやばい事態はものの見事に発生した……………………“別の意味”で。

 

「ぶっはっはっはっはっはっはっは!!」

「やべぇ!いつ見ても幽一の暴発した寝癖は面白れぇや!はははは!!」

「………。」

 

また寝癖が暴発しました。くそったれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!朝必死にくしやらリンスやらで髪を整えようとしたら余計跳ね上がったし、しかもその暴発した寝癖を理恵にも見られて笑われたし最悪だぁ!!現在も未だにクスクスと笑ってるよもう!

 

「ぷっ!くくく…!また寝癖が暴発してるわね(笑)」

「ちょっとグーパンチで殴っていいかな?」

 

ここで、クラスメートの桐生藍華が俺の寝癖を見て笑いながら言ってきた。俺は額に青筋を浮き立たせながら右手拳を握りしめた。畜生…なんで事件を解決した翌日に寝癖がつくんだよ!?皆爆笑してるよ…イッセーとアーシアは必死に笑い堪えてるけど…!

 

「ゆ、幽一君……私は気にしてないから安心して…ね?」

「ううううっ……(泣)」

 

俺は理恵の優しさに思わず男泣きしてしまった。うう、理恵が俺の彼女で本当によかったと思う…。

 

「「ぶっはっはっはっは!!」」

 

松田と元浜はこれを見てさらに大爆笑していた。あいつら後で屋上へ引っ張り出すか。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

昼休みが経過し、残りの授業も終わった放課後、俺達はオカ研部室へ向かう。俺が部室の扉を開くと、そこには

 

「やあ、赤龍帝。それに仮面ライダー。」

 

部室のソファに座っているゼノヴィアがいた。しかも駒王学園の制服を着てるし、背中に悪魔の翼まで生えていた。

 

「あれ、ゼノヴィア?どうしてここに?」

「…ってか、お前悪魔になったのかぁ!?」

「ああ、神の不在を知ったんでね、破れかぶれで悪魔に転生してもらったんだ。リアス・グレモリーからは騎士【ナイト】の駒を頂いた。デュランダルが凄いだけで私はそこまで凄くなかったらしいから、駒一つで済んだらしい。」

どうやらゼノヴィアはリアス部長に頼んで悪魔に転生してもらったらしい。それよりも転生した理由…そんなんでいいのか…?

 

「いいんですか部長?貴重な駒を…。」

「デュランダル使いが眷属にいるのは頼もしいわ。祐斗にゼノヴィア、そして眷属じゃないけれど理恵の三人の剣士が誕生したわね。」

 

イッセーの質問にリアス部長は笑顔で答えた。聖魔剣、デュランダル、フラガラッハの三本が揃ってるなら、確かに頼もしいな。

 

「そういえばイリナは?」

「イリナなら私のエクスカリバーを合わせた五本を持って本部へ帰った。」

 

イリナは五本分のエクスカリバーを持って本部へ帰ったらしい。その内四本は欠片だけど、錬金術で修復されるから問題はないか。

 

「いいのか?教会を裏切って…。」

「一応“あれ”は返しておかないとマズい。デュランダルと違い、使い手は他に見繕えるからね。私にはデュランダルがあれば事足りる。あちらへ神の不在を知った事に関して述べたら、何も言わなくたったよ。私は神の不在を知った事で異分子になった訳だ。アーシア・アルジェントと同じさ…。」

 

まぁ確かにエクスカリバーは返却しないと後々大変な事になるからな。イリナも神が死んだことを知らなくてよかったと思う。もし知ってたらどうなっていることやら……それにしても、教会は本当にクズだな…都合の悪い事は全て異端と見なすなんてよ…!

俺がそう思っていると、ゼノヴィアはアーシアのもとへ近づく。そして突然、頭を下げ始めた。

 

「えっ…ゼノヴィアさん…?」

「すまなかった。私は君の事を全否定した上に魔女と罵ってしまった。許してくれとはいわないさ。だが、今までの事を謝らせてくれ!」

 

ゼノヴィアがアーシアに対して心から謝罪した。するとアーシアはゼノヴィアの手を取った。

 

「か、顔を上げて下さいゼノヴィアさん!私はもう気にしていませんから…。」

「アーシア・アルジェント……いや、“親友”としてアーシアと呼ばせてくれ!」

「…はい!」

 

こうしてゼノヴィアとアーシアは親友となった。うん、俺が駘悟と和解すると同じく、見てると気持ちが楽になるな。

 

「幽一、君にも感謝しておきたい。ありがとう。」

「いいっていいって。」

 

俺はゼノヴィアからお礼を言われた。すると突然

 

「それよりも幽一…ぷっ、くくく…!なんだその寝癖は?」

 

ゼノヴィアが俺の寝癖を見て笑い始めた。同時にリアス部長、朱乃先輩、小猫、祐斗もクスクスと笑い出した。

 

「…。」

 

俺は無言かつ大仏顔で右手拳を握り締めた。やばい…寝癖をネタにする輩は先輩だろうが後輩だろうがあのメガネ(松田)とハゲ(元浜)の二の舞に遭わせたくなってきた…(怒)

 

「ゆ、幽一君っ!?」

「はわわわわ!こ、堪えて下さい幽一さん!」

「ゼノヴィア!い、今は幽一の寝癖について触れてやるな!あと部長や朱乃さん達も!」

「え…?」

「な、何かあったのか…?」

 

俺のご機嫌斜めの様子を見て理恵とアーシアが落ち着かせようとする。そしてイッセーは俺の寝癖について口を慎むようリアス部長達に言った。

 

『ああ…イッセーの言ってる事はマジだぞ…。』

 

ここでユルセンが現れた。額に尋常じゃない程の汗を浮かべているが…。

 

『朝、幽一の寝癖を馬鹿にした男子二名が昼休みに屋上へ引っ張り出されたからな…。』

「そ、それからその二名を幽一はどうしたのだ…?」

『幽一はその二名を……屋上に置いてあったドラム缶を両手に一個ずつ持って、“スクワットしながらそれで二人を叩き潰してた”んだ!』

「「「「「えっ…!?」」」」」

 

ユルセンは昼休みの間に起きた事を皆に話した。その瞬間、皆が固まった。これを読んでいる読書=サン。安心してくれ、ちゃんと加減はしたぜ☆

 

「そ、そんな事があったのかい…?」

「ああ…あの時の幽一の形相は恐ろしかったぜ…。」

「……。」ガタガタガタガタガタガタ

「しかも幽一君はあの時、“顔面にブルーベリージャムを塗り付けてた”よ…。」

「ゆ、夢に出てきそうで怖かったです…。」

「それ、やばくないかしら…?(汗)」

「もし私達も何かしたらそうなるのか…?」

 

全員額に汗を浮かべていた。特に小猫はガタガタと震えてしまっている。俺あの時松田と元浜をシバくのに夢中だったから気づいてないけど、イッセー達見てたんだ…。

「そ、そういえばリアス…。」

「…何かしら?」

「昼休みの時、ソーナを見かけましたけれど、すごく顔色が悪かったですわ…。しかも小声で「ブルーベリー色のお化け」を連呼していました…。」

「そ、ソーナが…?(汗)」

 

リアス部長と朱乃先輩は汗を浮かべながら会話していた。そういえばお仕置きの途中で後ろ振り向いたら誰かが悲鳴上げてたけど、あれソーナ先輩だったんだ……どうやらソーナ先輩にもトラウマを植え付けてしまったようだ…(汗)。今度会ったら謝っておこう…。

 

「あ、そういえば幽一、君にこれを渡しておこうと思ったんだ。」

 

ここでゼノヴィアが思い出したかのようにスカートのポケットからあるものを取り出した。

「これって…ゴエモンのアイコン!?」

 

それは黄緑色のゴエモンアイコンだった。俺はゼノヴィアからゴエモンアイコンを受け取る。

 

「これを何処で…!?」

「数日前、帰路の道中に落ちてたんだ。」

 

ゼノヴィアはゴエモンアイコンを拾った経緯を話した。なるほど、あの時あちこちにアイコンが散らばったから、偶然拾ったのも納得いくか。

 

「そういえば、何故幽一はこれを集めているんだ?」

「父さんが言ってたんだ。「15人の英雄の心を繋げ」って。そのヒントがこのアイコンにあると思うんだ。」

 

俺はあの時父さんに言われた事を思い出す。15人の英雄の力…それが皆を守ることへと繋がるかもしれない。

 

「これからよろしくな、ゼノヴィア。」

「ああ。」

 

俺はゼノヴィアと握手を交わした。雰囲気によるギャップが激しいが…。

こうしてオカ研部員が一人増え、また新しい生活が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時俺は気づいていなかった……オレアイコンの瞳が“紫色の充血”を起こしているのに…。

 




ED[方程式は答えない]


幽一:【G】オレ【B】闘魂ブースト【01】ムサシ【02】エジソン【03】ロビン【04】ニュートン【05】ビリー・ザ・キッド【06】ベートーベン【07】ベンケイ【08】ゴエモン【EX.01】アイルトン【EX.03】シャネル【EX.04】シモ・ヘイヘ

駘悟:【S】スペクター【11】ツタンカーメン【12】ノブナガ【?】?【EX.02】リチャード【EX.05】パラケルスス

アッシュ:【14】グリム【15】サンゾウ




ユルセン『次回、ハイスクールD×G【GHOST】!』


龍馬「ちっと体を借りるぜよ!」
仙人「日本の革命児が動き出すぜよ!」

仙人の言葉からリョウマアイコンが現れる事を知った幽一。一方リョウマアイコンは青年の体に憑依していた。

イッセー「お前、その腕…!?」
幽一「っ!?」

眼魔との戦闘で幽一はゴーストへ変身!しかし幽一の身体に異変が…!

?『侵食はもう、始まっている…。』

幽一の精神に現れる邪神。幽一を蝕む侵食とは一体…!?

『歌舞伎、ウキウキ、乱れ咲き!』

次回[宿痾、目覚め遠き邪神!]


その魂に、闘志を燃やせ!


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。