ゴーレムとアンデッドの世界征服物語 (バステ)
しおりを挟む

設定と注意とこの先の展開を適当に

とりあえずこんな感じです。何回か確認しましたが、おかしな点があるかもしれません。その場合報告お願いします。


 

オリ主

パイスタ

ギリシア神話のへパイストスとへパイストスに作られた青銅の巨人であるタロースからもじった名前。

種族は子供のこと粘土で遊んだことがあり、その時とても楽しかったからという適当な理由。異形種狩りの集団を像になりきり、逆に急襲して全滅させたところをモモンガ、ヘロヘロ、ペロロンチーノに見られておりアインズ・ウール・ゴウンにスカウトされた。以後たっち・みーの次に高い総合力を持った戦士職となった。「硬そうという理由だけでギルドメンバーに砲弾代わりに飛ばされるのでいつの間にかアインズ・ウール・ゴウンの特攻隊長というあだ名が付いた。

重課金者でステータスなど結構上げている。

ガチャなどは記念に一回回す程度主な課金要素は課金合成装備。

だが、物欲センサーが機能しなく、超レアアイテムなどをよく当てる。しかも、強化を連続成功させる。

だがしかし、プロローグはリアルラックはマイナスである。

プレアデスの中ではシズが一番のお気に入りである。

種族ゴーレム

役職

至高の41人。

ナザリック地下大墳墓の特攻隊長。

住居

ナザリック9fの自室

属性

中立 カルマ値0

種族レベル

土人形(ゴーレム)lv15

上位土人形(ハイゴーレム)lv10

原初の土人形(オリジンゴーレム)lv5

終焉の土人形(エンドゴーレム)lv5

変幻自在の土人形(トリックゴーレム)lv10

職業レベル

ガーディアンlv10

シールドロードlv5

ナイトlv15

アースナイトlv10

大地の聖騎士(アースナイトをレベルマにしたらなれる)(この小説では聖騎士は攻撃特化職)lv5

アースガーディアンlv5

アースワーデン(ワーデンは番人という意味らしい)lv5

 

 

能力評価(最大値を100とした場合)

hp130

 

mp40

 

物理攻撃95

 

物理防御98

 

素早さ20

 

魔法攻撃10

 

魔法防御80

 

総合耐性90

 

特殊85

 

 

 

注意

この小説は作者がここいいなぁという要素を書籍とWebから引っ張ってきてごちゃ混ぜにしたものです。なので所々支離滅裂な部分や、矛盾しているとことがあるかもしれません。その場合報告していただけるとありがたいです。あと、作者は書籍とWeb両方読んでますが記憶力無振りなので所々おかしな点があるかもしれません。

 

先の展開ですが書籍を基盤にしていき、途中Web版の内容を混ぜていきます。あとオリジナル展開もあり。

 

以下文字稼ぎの文(ネタバレ?)嫌な人は見ない事推奨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、シャルティアはブレインを捕まえる。

そして、精神支配されない。

シャルティアがゲヘナでしっかり働く。

アルシェは生きる妹たちとも会える。

今のところこれだけです。

 

 

 

 

 

 

 

 




少し変更しました。この先変更する場合本編の前書きか後書きで報告します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

序章
プロローグ


書きたかったので書きました後悔はしていない。
駄文ですがよろしくお願いしますm(_ _)m
書籍とWeb両方読んでいます。
ある程度の人は幸せになってもらう予定です。
例えばワーカーの女の子とか


設定に関して指摘があったのでさくじょしました。



ユグドラシル

12年前に発売されたこのゲームは仮想世界のキャラクターを現実体のように動かしているかのように体感できるゲームである。

そしてこのゲームにはもう一つ大きな特徴がある。それは、尋常ではないほどの自由度である。

これは、開発会社にプレイヤーに未知を知る楽しさを知ってほしいという願いがあったからだ。

この自由度によりユグドラシルは爆発的人気を博した。

だが所詮はゲームだ、必ず飽きられる。どんなにこのゲームを愛している者がいても少数だ。それだけではゲームは運営できない。

そして、今日ユグドラシルはサービスを終了する。

アインズ・ウール・ゴウン

ユグドラシルで上位に入る最強格のギルドの名だ。人間種と亜人種プレイヤーは加入することができず、スライムなどのモンスターの外見の異形種プレイヤーであり、社会人しか加入できなかった。様々なメンバーがいた、メイド服を愛するやつ、エロゲーを愛するやつ、自然を愛するやつ、その他に個性的なメンバーが所属していた。

だが、そんなメンバーたちもずっとゲームをしているわけにはいかない、彼らにも生活があるのだ、そのため1人また1人とユグドラシルを引退していった。

そして、今現在何故俺はこんな思い出に浸っているのかというと

ルーターが壊れた!!

やばい、会社の残業で心身共に燃え尽きそうなのに! しかも、サービス終了まであと30分!?

……一つ言っておこう俺は不器用だ。

今の人なら普通のルーターを直すのに5分も時間はかからないだろう、だが俺は違う。

俺は過去に携帯電話の設定に2時間かかった男だ。

この悲劇に数十秒現実逃避していたところなんだ。

ってそんなことしている場合か!!

急げ急げ!少しでも早く!!

20分後

終わった!!よしログインだ!!!

ユグドラシルにログインすると必ずアインズ・ウール・ゴウンのみんなで作り上げたナザリック地下大墳墓の最下層「会合の間」に現れる。だけど、案の定誰もいないギルド長であるモモンガさんは絶対にログインしている、あの人はギルド内で最もアインズ・ウール・ゴウンとメンバーを愛していた。ならばモモンガさんは玉座の間で最期を迎えるはずだ。残り時間5分!? やばいやばいやばい。

そんなことを考えていると突然目の前にメッセージが現れた。

通信状況が不安定です再設定することをお勧めします。

ふざけんな!こっちは時間がないんだっての!! 俺は爆走する。現実の体なら出ないはずのスピードをこの体は出してくれる。ちなみに俺はゴーレムだ、名はパイスタ由来はとある神話の鍛冶神とその神に作られた青銅の巨人からもじったものだ。

あとついでに、俺がアインズ・ウール・ゴウンに加入した経緯を俺の暇つぶしにために読者諸君に聞いてもらいたい。メタ発言?知らない名前だな。

そんじゃいくぞ!

ユグドラシル最盛期に俺は周りに流されるように俺はこのゲームを始めた。ゴーレムを選んだ理由は子供のころ初めて粘土で物を作った時の楽しさが半端じゃなかったというだけの理由だ。そして、その頃ユグドラシルでは異形種プレイヤー狩りが流行っていた。もちろん俺もその対象だった。だけどうずくまってじっとしていると気づかれないのがほとんどだ。そして、逆に後ろから襲って経験値をもらっていたりした。

そしてユグドラシルを始めてしばらく経ったある日俺は今までで一番規模が大きい異形種狩りの集団に会ってしまった。しばらく追われた後いつもの方法で集団を返り討ちにしていると後ろから声が聞こえた

「すごいですね、あれだけの人数をたった一人で」

「ん?だれだあんたら?同じ異形種みたいだけど」

「あ、すみません自己紹介が遅れました。私モモンガと申します」

「私はヘロヘロと申します」

「エロゲーをこよなく愛する男ペロロンチーノ!」

全員が礼儀よく挨拶してくれた。だったら俺も礼儀よくいこう。

「どうも、私はパイスタと申します」

話を聞くと3人はアインズ・ウール・ゴウンというギルドに所属しているらしい、そして遠目から俺が集団に追われているのを見て助けに来てくれたそうだ。ペロロンチーノさんは遠距離攻撃が得意らしいが位置的な問題で俺も巻き添えを食らう可能性があったので攻撃できなかったらしい。

「それは、わざわざどうも、それにしてもアインズ・ウール・ゴウンって確かギルドランキング上位のギルドでしたよね?すごいなぁ

みなさん」

そういうとモモンガと名乗ったアインズ・ウール・ゴウンのギルマスである人物が反応した。

「いえ、パイスタさんもすごいですよ、30対1で勝っちゃうんですから」

「あれは後ろからの不意打ちでしかも超位魔法使ったからですよ」

「え?でも、超位魔法特有の円球型魔法陣は見えなかったけど」

ペロロンチーノと名乗ったバードマンのプレイヤーの疑問に答える。

「それは発動して速攻課金アイテム使っただけです」

「ああ、なるほど。けどパイスタさん、超位魔法使えるなら結構高レベルなんじゃないですか?」

「もう少しでカンストです。でも、やっぱ物理だけじゃ限界があるんですよ」

そう答えると今度はヘロヘロというプレイヤーが話しかけてくる。

「じゃあうちに来ませんか?丁度うち硬い人がもっと欲しいって話してたんですよ」

「お、いいじゃんそれ」

「あ、いいですね。俺も賛成なんですが、パイスタさんどうですか?」

この誘いを受けて俺はアインズ・ウール・ゴウンに加入した。ギルドの皆さんは俺を迎え入れてくれた。だが、誰かが言った「お、ほんとに見た目固そうだな、お前特攻隊長な」

このふざけた発言が満場一致で可決され、俺は特攻隊長という名の砲弾となり毎回敵めがけて発射された。

当時はイラッときていたが今では良い思い出だ。

そして、玉座の間に到着した。

よし! 残り3分、挨拶とお礼と今までログインできなかった謝罪をする時間はある!!

「遅くなりました!モモンガさん」

やけに軽い扉を開けて部屋にいるであろう人物に向かって話かけたが目の前には何もなかった。

玉座の間はそこにはなく、ただそこには大きな穴が広がっていた。

「うっそぉ」

そう言って俺はその穴に落ちた。最後に目にしたのは

重大なエラーが発生しました重大なエ縺ェ縺ゥ縺ァ豁」縺励¥譁・ュ励′陦ィ遉コ縺輔l縺ェ。

これが、俺が最後に見たユグドラシルの光景だった。




いかがでしたか?
あらかじめ言っておきます、主人公はカルネ村スタートです。
モモンガとは次回後半に会えます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

無機質の英雄1

投稿3日目で2000閲覧越えって初めてです!
それで、テンション上がって書いたらめっちゃ長くなってしまった(^^;;

なので、分けて投稿しますm(_ _)m
あと、今更ですが、この作品は素人が書いたものです読みにくい点が多々あります。



頭が痛い、俺はいったいどうしたんだ?

「おい!早く引っぺがせ!こんな立派な鎧売ったらきっと村の皆がしばらく腹いっぱい飯が食える金が手に入るんだぞ!」

「わかってるよ!でも全然この鎧外せないんだよ!それに兄ちゃんも全然外せてないじゃないか!」

「う、うるさい!それより早く他の奴に見つかる前に引っぺがすぞ」

「……何を引っぺがすって?」

ゆっくりと体を起こして人の上で何かをしている二人に尋ねる。

「「う、」」

「う?」

少年たちが何か言った。

「「うわぁぁぁぁああああ」」

「に、逃げるぞ!ほら早く立て!」

兄らしき少年が弟らしき少年の手を引っ張り本人にとっては早くこちらか見ると非常にゆっくり逃げていく。

「まっ」

ってと言おうと思い手を伸ばすとその手はゲームキャラのゴーレムの手をしていた。

つまり、ここはユグドラシルなのか?

いやでも確かユグドラシルではNPCはイベント以外では特定の条件をクリアしないと話さないはずなんだけど、今の二人は明らかに普通の会話をしていた。

そして、コンソールを開こうとすると何も出ない。GMコールも反応なし。あとは……たぶんないか。

別にあの二人を追いかけて話を聞いても構わないがそれは流石にあの二人を怖がらせてしまうだろう。起きて話しかけただけであんなに怖がっているんだし。

それよりも、今は現状を確認しよう。

というか、何故俺は今こんなに冷静なのだろうか?普段なら慌てふためくだろうに。

まぁいいか。

とりあえず、俺はユグドラシルサービス終了日にログインしているだろうモモンガさんにい今までログインできなかった謝罪と挨拶をしに行ったはずだ。

だが、うちの旧式ルーターの故障で何らかのエラーが発生、結局モモンガさんには会えなかった。

……はっ!そうか!これはそのことがショックすぎて俺が今見ているリアルな夢の可能性がある。

うん、おそらく夢落ちで確定だろう。いくら何でもゲームキャラで異世界転移なんてないだろう。

……なら、全力でロールプレイしますか。

そう思い立ち上がる

「そう言えばあの二人俺の装備剥ぐ気だったんだよな、夢でも一応装備が揃ってないといやだし確認しておくか」

そして一応装備を確認する。

「特に異常はないな」

装備も完璧、そんじゃあ行きますか!

そして、さっきのこともたちが走っていった方向に村があるのが見えた。

とりあえずその村に向かうことにした。

「出ていけ!この化け物!」

村に入ってしばらくして、俺は村人に囲まれた!

村に入っておそらく中央広場であろう場所まで誰も居なかったのに広場に入った瞬間周りから農具らしきものを持った男たちが一斉に出てきた。

すげぇ、こんなリアルな農具初めて見た。

農具なんてネットの画像でしか見たことないのに、よくここまで鮮明に見えるな、あの画像ぼやけていたのに。

「あのー」

「しゃ、喋ったぞ!このゴーレム話せるのか?」

「あ、はい俺は話せますよ。とりあえず離れませんか?そうすれば、皆さんも俺も安心しますし」

「安心?モンスターのお前が何で安心するんだよ?」

「えっと」

夢なんだからそれらしい理由が必要と思い会社で胡麻をする(・・・・・)ときに養われた嘘スキルを発動する。

「俺、実は元人間なんです。友人の……皆さん魔法はわかりますか?」

「一応皆知ってるぞ」

一番近くにいた男性が答える。後ろには彼の家族らしい奥さん娘さん二人がこっちを心配そうに見守っている。

「ならよかった。えっとそれで、その友人の強い魔法詠唱者(マジックキャスター)に死にかけのところを助けてもらってこの体になったんです」

うわー我ながらガバガバな嘘だなこれは。

モモンガさんごめんなさい。

「そ、そうなのかお前、そんなことがあったんだな」

えっ!?信じてくれた!?周りに人達も少し警戒心を解いてくれたみたいだ。

「それで、なんで空から降ってきたんだ?」

「へ?」

「へ?ってお前覚えてないのか?急にでかい音がして皆が怯えていたところにお前が泣かせた悪ガキどもが大泣きしながら帰ってきたんだ「空からゴーレムが降ってきて立派な鎧をしていた。取ろうとしたら起きてとても怖かった」と」

「すみません、ちょっと記憶があやふやなんです。あと、その子供たちが俺の鎧を剥ごうとした理由を聞いてみるといいですよ」

「?わかった。皆!とりあえずここまで話してみて俺はこのゴーレムは少しは信用してもいいと思う」

「大丈夫なんですか?ゲルテさん」

「言っただろ少しは、だ」

「あ、俺の名前パイスタっていいます。じゃあ俺が言うのもあれですけど、俺とゲルテさんの間の空間を不可侵領域にしませんか?俺はこれ以上皆さんに近づかないし、皆さんも俺に近づかない。これならいいと思うんですが」

「そうだな、お!村長」

ゲルテと呼ばれた男が村長と呼んだ男に視線を向ける。

「おぉゲルテよ、そのゴーレムか?」

「はい、一応しっかりと会話をすることができて、尚且つ温厚な性格です。今のところはですが」

「そうか、どうも初めまして……えっと名前はあるんですか?」

「はい、パイスタと言います」

「では、パイスタさんあなたは何故空から降ってきたのですか?」

 

もう一回かーい

「あ、すみませんちょっと記憶があやふやでして、この周辺の地理や常識などを教えていただけませんか?思い出す手掛かりになるかもしれません」

そうだよな、ロールプレイするにも最低限知っておなかいといけないもんな、地理と常識、あとは金の問題か……そういえば装備つけてるならアイテムボックスはどうなのかな?そう思い腕を組むぞぶりでアイテムボックスに手を突っ込むイメージで進めると何もない空間に手が入っていった。そこには手触りだけだが、ユグドラシルの俺の所有アイテムがあった。

なら、これ金貨もあるのかな?今度は金貨をイメージすると金貨に触れた感触があった。

これならしばらく暮らせるはずだろう。

なんせここは俺の夢、物価はおそらくユグドラシルと同等のはずだ。

「わかりました、すみませんがここで説明させてもらいます」

「はい、かまいませんよ」

村長から聞いた話はこうだ

1、まずこの村はカルネ村という名前であること

2、周辺国家は3つあり、リ・エスティーゼ王国、バハルス帝国、スレイン法国という名前らしい

3、3国の領土は丸の中に逆さのTを入れた感じで左が王国右が帝国下が法国である。さらに、逆Tの接点の位置に城塞都市であるエ・ランテルがあるらしい。

4、王国と帝国は仲が悪いらしく毎年のように城塞都市付近の平原で戦争をしているらしい。

以上だ。ついでにユグドラシルの硬貨を見せみたら村長含めて周りの人の雰囲気が変わった。聞くと重さ的にはコウキンカ2枚分あるらしい。これは結構な価値らしく、表面を削りたいと言われたので買い取ってくれるならどうぞと言ったらすぐにやめた。

流石に夢だろうに思い出のもう手に入らない硬貨を傷つけられるのは嫌なのである。

そんなことを考えていると何かを感じ取った。

「村長さん、今ここにいる人が村人全員ですか?」

「は、はいそうですが。どうかしましたか?」

「いえ、向こうから大勢の人が来るのでどうしたのかと思いまして」

おそらく索敵スキルが発動したのだろう。

俺の言葉を聞いて村人が一斉に俺が言った方向を向く、するとその集団から矢が俺に向かって、いや、正確には村人たちに向かって飛んできた。だが、矢が村人に当たる前にすべて切り落とした。力の証明にどうかな?と思ったのだが、村人は騎士たちに目を奪われていた、まるで信じられないものを見ているように。

これじゃドヤ顔した意味がないじゃないか。

そして、誰かが叫んだ

「バ、バハルス帝国だぁぁぁぁぁぁ」




どうでしたか?
他のオーバーロードの二次を書いている方たちのやつと比べるとクソみたいな文ですが頑張ったつもりです。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

無機質の英雄2

今回でようやく彼に会えます!
それと今回オリ要素を本文に自然に混ぜて書くことができなかったので申し訳ありませんがただの説明の文を入れました。本当にすみません。

注意
この作品はど素人が書いたものなので読みにくい点が多々あります。


っしゃあああ、ここでかっこよく守れば化け物から英雄になれるだろ俺!

そんなことを思い大きな声で逃げようとする村人に声をかける

「皆さん!逃げないで固まってください!

私が皆さんを守ります!!」

だがすぐに反論が飛んできた

「何言ってんだお前!たとえゴーレムでも帝国の騎士の集団には勝てっこないだろ!」

だが

「お前、勝算はあるのか?」

先ほど会話したゲルテという男が言った

「ある」

俺は断言する。ここは俺の夢だぞ、大丈夫だ。

「あなた……」

「父さん!逃げようよ!!」

「わたし皆と一緒に居る!」

「ミーナ、エンリ、ネム、それに皆、確かにこいつの言う通りかもしれないバラバラにに逃げるより固まって逃げよう!騎士たちはパイスタが何とかしてくれる!」

おっ!名前呼んでくれた

ゲルテの言葉に村人はまだ不安でいっぱいだ。

なら、力を証明すればいいじゃない♪

「よっこいしょっと」

「何をしてるんだ?」

「いやなに皆さん不安だろうから少し力の証明をしようと思ってね」

そう言って地面をえぐり、超硬い球体を作る。

「そうっりゃっ!!」

全力投球するとボールをここ最近全く投げてなかったせいかかなり端の方の騎士たちに当たる。だが、そこにいた騎士たちと馬がバラバラになって吹き飛んだ。

「「うっそぉ」」

これは村人と俺のコメントである。

まさかここまでとは思わなかったのだ、俺も村人も。

まさか、ここでは俺は最強の存在なのか?

そう思っていると

「た、頼む俺たちを助けてくれ!」

「子供がいるのお願い!!」

先ほどまで俺のことをあまり信じてなかった村人たちが一斉に俺の後ろに群がってきた。

まぁ、人間こんなものか・・・

すると、ゲルテが近寄ってきて

「俺も戦う、戦力は多いほうがいい」

「……え、いやここは俺一人でやらせてくれ。実は見ての通り俺、今力加減がよくわからないんだ、だからあんたは他の男どもと家族守ってな」

「しかし」

「大丈夫大丈夫。あ、そうだ!じゃあこいつらと一緒に村人の皆さん守ってくれや」

そういってゲーム時代と全く同じ方法でゴーレムのシモベを作る。

「あの程度ならこんぐらいでいいだろう

中位ゴーレム作成 アースウルフ」

それを3体!

「アースウルフたちよ村人を守れ!」

村人全員を指さし命令すると3匹は雄たけびを上げた

「よし、そんじゃあそっちは任せた」

「……わかった騎士たちは頼んだ」

「おう!頼まれた!」

そう言って騎士団に近づく

すると甲高い声が聞こえてきた

「ひぃい!お、お前らあの化け物を押さえろ俺が逃げる時間を稼ぐのだ!」

化け物は絶対に俺だな。あんなことしちゃったんだからまぁ仕方がないか。

だけど、あっちから仕掛けてきたから別にいいよね。

「こっちも試したいことたくさんあるから嫌でも付き合ってもらうよ!」

さっきスキルの使用はできた、次は、武術かな?

武術は魔法と違ってHP消費だから乱用は危険だけどここは俺の夢だし大丈夫でしょ。

「さて、そんじゃあ行きますか!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ」

そういうと騎士たちが一斉に逃げ出した。

「逃がすかよ!初段位武術山彦!」

武術は初段〜十段、奥義とランク分けされており、ランクによって消費HPが変わる。初段〜五段は定数、それ以降は◯割消費だ。だが、奥義は任意に消費HPを決められ、消費HPが多いほど威力と効果が上がる仕組みだ。

今使ったのは最低ランクの複数人をターゲットに出来る武術だ。

さすがに最低攻撃力なら全力でもいいだろうと思い、ターゲットに決めた1人に素早く近づき全力で斬りつける。

 

「ぴゃっ!?」

 

すると、そいつの上半身が消えた。

はて、なんでだろうと思い辺りを見渡すと前方に広がる挽き肉の絨毯があった。

 

「まじか、って事はこいつらクソ弱いって事か?」

 

山彦は1人に当てた攻撃を複数人に伝播させる事が出来る代わりに攻撃力が落ちる。俺が使用できる武術では最弱の技だ。なのにこの有様とは。

複数人?そう言えば他のターゲットは?

そう思い、ターゲットにした他4人を見てみると1人目と同じような状態だった。

 

「うーん、これだと恐らく魔法の発動も武術と同じように出来るだろうけど、こいつらに補助魔法かけて攻撃するのはもったいないなぁ」

 

「な、何!?魔法だと!?このゴーレムは魔法も使えるというのか!?」

 

うん、まぁ使えるけど……

今のはさっきの叫んでいたやつだ。

口に出すのがめんどいので、他の騎士たちに質問する。

 

「なぁお前ら、今ここに隊長副隊長みたいな役職のやつはいるか?」

 

2人を除き全員が首を縦に振る。

 

「なるほど、お前らか」

 

「や、やめてくれ、村人には何もしない!だから、命だけは!!」

 

「神よ、我をお護りください」

 

1人は命乞い、1人は神様か・・・

まぁ、とりあえず捕まえて事情でも聴きましょうかね。

 

「あぁ、命は取らないから安心しろ」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「あぁ、もちろん」

 

そう言って2人を掴み持ち上げる。

 

「な、何をする!?」

 

「殺さないとは言っても逃すとは一言も言ってないぞ?」

 

「い、いやだぁぁぁ」

 

「……」

 

もう1人のやつはもう諦めたか?

 

「クソが!!」

 

そう言って今まで静かだったやつが剣を俺に突き立てたが剣は折れてどこかに飛んで行った。

 

「まぁいいか、お前らはもうどうでもいいから逃げていいよ」

 

「ほ、本当ですか?」

 

「あぁ、いいとも。だが、もうここ周辺には手を出すなとお前らに指示した連中に伝えろ。

また攻めてきたらこの程度じゃ済まさないからな」

 

最後の方はタブラさんに教わった相手に恐怖心を与える喋り方にしてみた。

 

「た、退却!!」

 

全員一目散に走り去っていった。

 

「さて、行きますか」

 

そう言って2人の顔を見るともう生者のそれではなかった。

広場に戻ると他の3つの通路に大量の騎士の死体が転がっていた。

全員首か頭が何かに齧られた跡があった。

 

「お前らが殺ったのか?偉いな」

 

アースウルフたちはお座りをして次の指示を待っている。まるで、可愛い犬のように。

 

「しばらくそのまま辺りを警戒」

 

また3匹は雄叫びをあげた。

 

「誰かこの騎士2人を縛ってくれませんかね?」

 

そう言うと誰かが頑丈そうなロープを持ってきてくれた。それを使い騎士2人を拘束すると村から少し離れたところからさっきのやつらとは比べ物にならないほどの反応があった。

 

「おっと、主戦力到着かな?」

 

「どうした?」

 

ゲルテが不安そうに尋ねてくる。

 

「いやなに、ちょっと手応えのありそうな奴がきたから行ってくる」

 

一応アースウルフをさらに3匹増やしておく。

 

「そんじゃ!」

 

思いっきり踏み込む地面には結構大きなヒビが入ったがまぁ許してもらえるだろう。

 

 

 

反応があった場所に来るとそこには信じられない光景が写っていた。

 

「モ、モモンガさん?」

 

「はい、お久しぶりです!パイスタさん!」

 

非常に嬉しそうな声で俺の名を呼んだその声はまさしくモモンガさんのものだった。

 

「まさか、夢にまで出てくるとは……」

 

「え?」

 

「え?だってこれは俺が見ている夢なんだし、モモンガさんが出てくるって事は罪悪感を払拭するため?ならここで謝っておこう!」

 

そして俺はその場で土下座をする。

 

「え!?ちょっ!」

 

「モモンガさんすみませんでした!!」

 

そして今までの経緯を話す。

 

「ふぅ、スッキリしたこれで明日からの仕事に専念できる」

 

「あのー、言いにくいんですが、パイスタさん俺本物ですよ」

 

「えっ?」

 

「えっと俺も色々説明しますね。びっくりするだろうけど」

 

そこから俺は衝撃の事実を聞く。

0:00を過ぎてもサーバーダウンしなかったこと。

それからNPCたちが自我を持って行動していること。

ここは紛れもない異世界だということ。

R-18が解禁されていること

……どうやって分かっんたんだろう?まぁいいか、

 

「さ」

 

「さ?」

 

「最高じゃないですか!!モモンガさん!ここは異世界で、NPCたちは命を持った!?しかもここでは俺たち最強なんですよ!!」

 

「はい、そうみたいですね!遠隔視の鏡で見てました」

 

「え〜ならすぐに来ればよかったのに〜」

 

「いや、ここで会って話を合わせておきたかったので」

 

「あ、なるほど!俺が村人に話した内容と矛盾しない為ですね」

 

「はい、あと提案というかお願いなんですが、俺、今日からアインズ・ウール・ゴウンを名乗ろうと思うんです」

 

「ほうほう、なぜ?」

 

「この世界に名を轟かせてこっちに来ているかもしれないギルメンに集まってもらう為です」

 

「なるほど、分かりましたアインズさん」

 

「ありがとうございます」

 

「では俺が言った嘘をどうぞ」

 

そして、村での会話をアインズさんに教える。

 

「な、なんかすごいことしてるな俺」

 

「ま、ネクロマンサーなんだし多分できるんですよきっと」

 

「はぁー、分かりました、その設定でいきましょう」

 

「はい!じゃあ村に戻りますか、俺が捕まえた騎士たちはナザリックに連れて行きましょうか?」

 

「はい、色々試したいことがありますから」

 

「ほほう、なら俺も混ぜてくださいよ」

 

「いえ、その騎士たちは拷問官やデミウルゴスに任せようと思います」

 

「あぁ!なるほど確かに適任ですもんね」

 

「でもいいんですか?騎士たちと約束したんじゃ・・・」

 

「はい、命は取らない(・・・・・・)って言いました!」

 

「うわぁ、騎士たちかわいそう」

 

まるで、興味が無い声である。

 

「まぁとりあえず、村に行きますか」

 

「はい、そうしましょう」

 

そして俺たちはカルネ村に向かって歩いて行った。

 




なんと、ゲルテさんはエンリたちのお父さんでした!
お母さんはミーナさんです。
稚拙な文失礼しましたm(_ _)m
あと、このままニグン潰すとこまで行っちゃます。すみません。
あと、明日は投稿できるか怪しいので明後日投稿と考えておいてください(心待ちにしている人なんていないだろうに)
ナザリックにはあとニ、三話くらいかかるかもです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

実験と帰還

今日あげられないと更にナザリックに帰るのには2、3話かかると言ったなあれは嘘だ。
今回は検証などします。


モモン……アインズさんに俺が村で聞いた情報をすべて伝え終わった後に俺は気づいた。

「あ、今思ったんですがアインズさん、アインズさんは高位の魔法詠唱者(マジックキャスター)なんですからこんな歩いて登場ではなくて、転移門(ゲート)で登場したほうがかっこよくないですか?」

「あー!そうですね、そのほうがインパクトありそうですね!」

「じゃあ、どっちが使います?転移門」

「あれ?パイスタさんって転移門なんて使えましたっけ?」

「はい、自分の魔法ではなくて、この指輪で使えるようになるんですよ」

そう言って俺は虚空から一つの宝石が4つ付いている漆黒の指輪を取り出す。

「あ!それって何年か前にやったイベントガチャの特賞アイテムじゃないですか!!」

「はい、これは一日4回までMP消費なしで転移門を使うことができるんですよ。俺は基本課金は装備や合成、それにステ強化に使うんでガチャは記念に一回回すくらいなんですが、なんでか物欲センサーが機能しなくて良い奴が当たるんですよ~」

「ぐっ、ガチャにボーナスつっこんだ俺って……」

「ま、まぁ俺はそんなにガチャは回してないんでアインズさんの方がいいもの持ってますよ……たぶん」

「はぁ、それじゃあパイスタさんお願いします」

「了解です。あ!そうだアインズさん顔は隠したほうがいいですよ、この世界の人たちは多分人とそれ以外で判断してるので、アンデッドの顔を見せるのは危険だと思います」

「なるほど、ここはユグドラシルと感覚が違うんですね。ユグドラシルでは顔を隠していたほうが怪しまれていたのに」

「そうですね、なんかどっかでやらかしそうです」

「お互い気を付けましょう」

「はい」

そしてアインズさんは虚空からなんとみんな大っ嫌いなあの仮面、通称嫉妬マスクを取り出す

「なんでわざわざそれを選ぶんですか……」

「いや、なんとなくですけど……」

「考えるのはやめましょう、悲しくなります」

「そうですね」

「そんじゃあ、行きましょうか!」

「転移門!!」

そう叫ぶと指輪に付いている宝石の一つの光が消える。そして、すぐ目の前の空間に穴が開いた。

「それでは、アインズさんお先にどうぞ」

「はい」

そう言ってアインズさんは転移門の向こうに消えていった。

「そんじゃあ俺も行くか」

転移門をくぐると村長が慌てて俺のところに走ってきた。

「パイスタさんだれですか!?あの方は!?」

「あぁ、彼はアインズ・ウール・ゴウンという件の魔法詠唱者ですよ」

「パイスタさんを救ったという方ですか?」

「はいそうです。彼から聞いて思い出したのですが、俺は彼と暮らしてまして俺は武術の彼は魔法の研究をしてました。ですが、俺が空から落ちてくる直前に彼の魔法の研究で事故が発生しまして、その場にいた俺が転移してしまい、ここに落ちてきたというわけです」

「な、なるほどそんなことがあったんですね」

やっぱり、この世界の人は騙されやすいのかな?こんなガバガバな嘘を信じてくれるなんて、まぁアインズさんと一緒に考えたけどこれくらいしか思いつかなかったしなぁ。

仕方がないね。

それから、村人の皆さんに村長にした話をもう一回したらアインズさんのことを信用してくれたみたいだ。いや、信用っていうよりはさっきの俺の戦闘を見て俺と同じかそれ以上の強さを持つであろう人の機嫌を損ねないように必死なんだろう。

「村長!!」

そう思っているとアースウルフと村の周りを警戒していた村の青年が慌てて走ってきた。

「ど、どうした?」

「また、大勢の騎士たちがこの村に向かってきています!」

「なんだと!?」

「それは、あなた方の国の騎士ではないんですか?」

アインズさんが聞くと

「わ、わかりません。遠目から鎧を着た集団だったので騎士だと思っただけなんです」

「そうですか」

「そんじゃ、俺とアインズさんが相手しますよ、一応村人の皆さんはこの村で一番頑丈な建物の中に避難しておいてください。あと、村長は残って一緒にその騎士たちの相手をしてもらいます。この国の騎士だったら村長に話を聞きたいはずですし」

「わ、わかりました」

「では、待ちましょうか」

ここから先の展開は少し面倒な事になったのでまとめて説明させてもらう。

まず、カルネ村に来た騎士たちは王国戦士長とその直轄の騎士団だった。その王国戦士長であるガゼフは実に礼儀正しく正義感の溢れる人物だった。互いに自己紹介をし、カルネ村を救ったことを感謝してくれた。

ここまではよかったのだ。

なのに、また別の奴らがやってきたのだ。さっき捕まえた奴らに聞くとその集団は法国の先鋭部隊で(その2人も法国の人間だった)相当強いらしい。そして、ガゼフに共闘を持ち掛けられたが、俺たちは拒否して今に至る。

「そうか、それは残念だ」

「安心してください、この村の人々は我々が責任を持って守りますので戦士長殿は戦いに集中してください」

「そうか、あなた達が守ってくれるのならば安心だ」

そう言ってガゼフが出ていこうとするとアインズさんが

「戦士長殿これを」

そう言って俺も知らないアイテムを渡した。

「ご武運を」

そして、ガゼフたちは敵に突撃していった。

なんでも、敵をどこかに誘導する気らしい。

「まぁ、様子見ですね」

誰も聞いてないことを確認して会話を始める。

「そうですね、敵の強さを確認して戦士長がやばくなったら俺は行ってきます」

「了解です、俺は戻ってきた皆さんの傷を治すということを口実にリアルな傷を完治させるにはどのポーションが適正か調べますね」

「お願いします、でも、まさかこの世界でユグドラシルのモンスターを見ることになるとは」

「そうですね、そのことも後で調べないと」

そんなこんなで戦士長ピンチ!

「じゃあ、行ってきますね」

「行ってらっしゃいアインズさん」

言い終わった瞬間にアインズさんが消えて代わりに傷だらけの男どもが現れた。

全員が気を失っていることを確認すると俺は虚空から無限の背負い袋を取り出す。中には様々な回復ポーションが入っている。

その中から下級治癒薬を取り出す。

「下から順々にやっていこうか」

そう言ってそれを一番重症のガゼフに飲ませるとなんと、即座に完治してしまった。

これは予想外だ、本当はもっと苦労すると思いいこ役を買って出たのだがまさか、こんなに早く終わってしまうとは

「やばい、暇だ」

どうしよう、何か無いか今後に役に立ちそうなことは

「あ、そうだ」

あることを思いつき、村長を探す。そして見つけると俺は提案した。

「村長、ちょっと実験に付き合ってもらいたいんですが良いですか?」

「実験とは何ですか?あなたには村を救ってもらった恩があります。私にできることがあるなら手伝わせていただきます」

「あ、いえ、実は村長だけではなく村全体に手伝ってもらいたいんですが」

「……まず、話を聞かせてもらえますか?」

「ええ、簡単です。村の皆さんに後日ゴーレムを貸し出します。そのゴーレムを使って農作業や生活の手伝いをさせてほしいのです」

「それは、こちらにとって非常にありがたい話なのですが、なぜ?」

「簡単です、ゴーレムがどの程度の仕事ができず、どの程度までの仕事ができるのかを教えてほしいのです」

村長は少し考えるそぶりを見せて答えた。

「わかりました、先ほども言った通りその提案はこちらにとっても非常にありがたいものです。喜んで協力させていただきましょう」

「よかった、では、俺はあちらの部屋でアインズさんが戻るのを待たせていただきます」

そう言って先ほどの部屋に戻る。

さっき村長が言った通り、この話で損をする人はいないはずだ、この村は不休で働く労働力を手に入れてこっちはゴーレムの限界を知れる・・・完璧だ。

そんなことを考えているとアインズさんが戻ってきた。

「お!お帰りなさいアインズさん」

「ただいまですパイスタさん。

そっちはどうでした?」

俺とアインズさんは情報交換をした後に溜息をついた

「まさか、ここまでこの世界の戦力が低いとは」

「はい、正直心配して損しました」

「まぁ、これからも慎重に行きましょう」

「はい」

そして、村長に挨拶してまだ気絶している戦士長は起こさずに代わりに俺が捕まえた兵士を置いていき俺たちはナザリックに帰還することにした。

「いやー!楽しみだな!皆さんが丹精込めて生み出したNPC達が動いてる姿を見るのは」

「きっとのNPC達もパイスタさんに会ったら凄く嬉しがりますよ」

「まじっすか!そんじゃあ帰りも転移門は俺が使いますね」

「はい、お願いします」

「転移門!」

こうして、俺は俺の知らないナザリックへ帰還した。




どうでしたか?
次回から、ナザリックでのお話が書ける!!
さぁ、どうやってシズとパイスタを近づけるかな〜♪
誤字・脱字報告
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

宣誓とプレゼント

初めて評価の欄に色が付きました!
投票してくださった皆様ありがとうございますm(_ _)m
今回で初のシズとの絡みが入ります!


「パイスタさんこの後守護者達とそのシモベを玉座の間に集めて俺がアインズ・ウール・ゴウンに改名することを発表するんですが、最後にパイスタさんが帰ってきたことをサプライズで発表しようと思うんですがどうでしょう?」

「おっ!いいですね、でも皆喜んでくれるかな?数年間ナザリックをほっぽった俺が帰ってきても」

「あぁ、その点は問題ないと思います。守護者各員、そしてシモベ全てが喜んでくれるはずです」

「何でそんなことわかるんですか?」

「さっき移動中に話したじゃないですか、NPC達は俺たちを至高の存在と呼んで恐らくですが、なんかもう神として崇めているNPCもいると思います」

「うへー、なんか急にプレッシャーが」

「耐えてください、俺は支配者らしい振舞いをしないといけないんですからNPCと話すときは毎回ぼろが出ないように必死なんですから」

「は、はいわかりました。でもそっか俺偉いんだから部下に気軽に話す感じでいいんだよね?たぶん」

自分に問いかけて少し考える

「うん、大丈夫だよきっと、うん」

納得したのでアインズさんとの会話に戻る

「お待たせしました、アインズさん、行きましょう!」

「はい、それでは玉座の間に移動しましょう」

そして俺たちは、玉座の間に移動する。

たった今モモンガさんがアインズ・ウール・ゴウンに改名したことを発表した。

すげぇよ俺こんなに綺麗な整列初めて見たよ。シモベ達すっげぇ真剣に話聞いてるし。うちの会社の朝礼では皆死にそうな顔で社長の話聞いてたから。

……考えるのはやめよう。おっ!アインズさんが俺に話を振ってくるころだな。

「さて、ここで皆にもう一つ伝えることがある。さぁ入ってきてれ」

「あぁ、アインズさん」

俺が言葉を発するとシモベたちがどよめきだした。聴力や視力が上がった今だからわかるのだが、中には泣いているシモベもいるようだ。

ここまでとは思ってなかった……

ここまでくると本当にナザリック教かアインズ・ウール・ゴウン教みたいなのがあってもおかしくないぞこれは。

「さて、シモベの諸君お久しぶり、本当に久しぶり。お前らが至高の存在と呼ぶ者の一人、パイスタだ!」

言い終わった瞬間玉座の間に割れんばかりの歓声が鳴り響いた。普通だったらその歓声はうるさく感じるかもしれない、だが、俺にとってはとても心地いい声だった。

そして、俺が手を上げると一瞬で静かになる。

「まず、謝罪させてほしい、ナザリックを数年もの間留守にしていたこと、本当にすまなかった」

俺はしっかりと頭を下げる。今俺の背中にティーカップを置かれても絶対にこぼさない自信がある。

すると、シモベたちが先ほどより大きくどよめいた。

恐らく俺が俺が頭を下げたのが信じられなか

ったのだろう。

しかもこんなに綺麗に。

「理由は話さない、どんな理由があってもそれは言い訳にしか過ぎない。だから、俺は今ここで誓う、俺は今後ナザリックとアインズさんとお前たちと共に歩んでいく。もう決して居なくならないと」

そう、俺は決めたのだ。たとえ元の世界に戻る方法が見つかっても決して戻らないと。前の世界には俺にとって大事なものがなかった。だが、ここにはナザリックには皆との思い出が詰まっている。みんなが残していったNPC達がいる。俺にとってここがいるべき場所なのだ。

「おおおおおおおお!!!」

先ほどとは比べ物にならないほどの歓声が鳴り響いた。

「そして、共にアインズさんの(ギルメンを探すという)計画を実現しようじゃないか!」

「これで、俺はもう言うことはない。アインズさん締めをどうぞ」

「そうですね、パイスタさん」

アインズさんは立ち上がるとシモベたちの向かって命令した。

「さぁ!皆に命令する。アインズ・ウール・ゴウンを不偏の伝説にしろ!!」

「いやぁ、カッコよかったですね最後の「アインズ・ウール・ゴウンを不偏の伝説にしろ!!」決まってましたよ!」

「うぅー、やめてください、あの時は勢いだったんです、お願いですから勘弁してください……ふぅ、さてパイスタさんこの後どうしますか?」

「おぉ、これが精神安定化か」

「はい、おそらくパイスタさんもそのうち発動すると思いますよ」

「なんか楽しみです。えっと、俺は前と違うナザリックを見て回ろうと思います」

「そうですか、では楽しんできてくださいね」

「はい!! 行ってきます!!」

「だから別に跪かなくたって良いって!」

「し、しかし」

「やんなくていいの!俺はただ見学に来ただけだから」

「どうしました?……パイスタ様」

「ん?」

振り向くとそこには戦闘メイドの一人シズ・デルタがいた。

「おっ!シズ、久しぶり!」

「お久しぶり……です」

「あのさ、今暇?」

「はい……今は見回りを……しています

「あのさ、急で悪いんだけどちょっと付き合ってくれない?」

そう言ったらシズが少し笑った。

……かわいい

今ここで言っておこう俺はシズがとてもお気に入りだ。できれば四六時中眺めていたいのだが、それをゲーム時代の時にシズの製作者の前で言ったら半殺しにされたのでできない。このことに関しては変態と言われても構わない。

「よろこんで」

よっしゃああああああ!!

流石にここで叫ぶのは上司としてはおかしいので心の中で叫ぶ。

「そんじゃ、行こうか」

そして、シズと一緒にナザリックを回る。

シズはナザリックのギミックを全て知っている設定だから歩きながら今いる階層のギミックの説明をしてくれる。

俺はシズの声を聞きながらギミックに詳しくなり、俺個人の印象だが、シズもなんだか楽しそうだ。うん、きっと楽しいのだろう。そう思おう。……何だこれ完璧じゃ無いか!

最後にシズ達プレアデスが在中している部屋の見学も終わり俺は一旦自分の部屋に戻ることにする。

 

「シズ、俺は一旦自分の部屋に戻るよ。説明してくれてありがとう」

 

「私も……行きます」

 

「どこに?」

 

「パイスタ様の……部屋まで」

 

「えっ!?俺の部屋に来ても何にも無いけど」

 

「至高の御方……お一人で歩くのは……危険です」

 

「あー、なるほど……そうだね、じゃあ護衛よろしく」

 

「はい……この命に代えても……お守りします」

 

「シズには傷ついてほしくないんだけどなぁ」

 

「えっ?……えっ!?」

 

何故かシズの顔が真っ赤になりしかも少し煙が出ている気がする。珍しい。

 

「お、おい!シズ!ど、どうした!?」

 

「な、何でもありま……せん」

 

そう言ってシズは立ち上がるといつもの顔に戻っていた。

 

「そ、そうか?なんか異常があったら言うんだぞ」

 

「はい」

 

そしてシズと共に自室へ向かっている途中あることを思い出した。

実は、タブラさんにクリエイトツールの使い方を教えてもらい、シズにプレゼントを作ったのだ。

それも、個人的に入手できたとある超レアアイテムを全て使ったものだ。

部屋に着いたら丁度いいからシズにプレゼントしよう。

そして俺の部屋に着いた。

 

「では……失礼しま

 

「あっ!ちょい待ち。ここで少し待機していてくれ」

 

「了解……しました」

 

急いで部屋にしまったプレゼントを取りに行く。普通なら自分で持っておくはずなのだがそれでは盗まれる可能性があるので、このナザリックの自室に保管しているのだ。

 

「あった!」

 

それを見つけて急いで戻る

 

「お待たせ」

 

「56秒しか……経ってません。この程度待つには……入りません」

 

「そっか、それじゃあ今日付き合ってくれたシズにこれをあげよう」

 

そう言ってプレゼントを渡す。

 

「これは……」

 

「名前は終焉(エピローグ)。シズの為に作った銃だ」

 

「……」

 

「攻撃方法はレーザー、その他の事は説明書に書いてあるから、素材はだいたいが超希少金属で残り全てが熱素石で作った俺個人の最高傑作だ!」

 

(まぁ、実験で作ったおもちゃを除けば初作品なんだが)

 

「はい、これが説明書ね」

 

「……」

 

「シズ?」

 

説明書を差し出したが、シズは俯いたままで不思議に思い顔を覗き込むとシズの顔はビックリするほど赤くなっていた。

そしてボフンッ!という音と同時にシズはこちらに倒れこんできた。

 

「シ、シズ!?」

 

「フシュー」

 

シズの反応が無い。

ヤバいヤバいヤバいどうするどうするどうする!?

と、とりあえずさっき行ったプレアデス達の部屋に行こう!同僚のことなら分かるだろう……たぶん。

そう考えて俺はシズを抱きかかえて走り出した。

 

 

 




どうでしたか?
シズ可愛いよシズか((ry
なぜかパイスタは精神安定化が発動しない、何故だ?
誤字・脱字報告
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

自動人形の恋

恋愛パートを書くのは初めてなので変なところが多々あると思いますが、ご容赦ください。あと、シズとルプスレギナとエントマの話し方変かもです。すみません。
ユリさんに中二くさいこと言わせてます。各ファンの皆さんすみません。


「……ここは?」

 

「シズ、目が覚めたのね。よかった」

 

「私は……いったい?」

 

なぜ自分がベッドで寝ていたのかが分かっていないシズに姉であるユリ・アルファが説明する。

 

「あなた、パイスタ様からプレゼントを贈られて気絶してしまったのよ。そして、1時間ほど何をやっても起きなかった」

 

「!!」

 

シズは自分が犯した失態を思い出し、すぐさま立ち上がろうとしたところをユリに止められた。

 

「だめよ、あなたは今日一日安静にしなさい」

 

「……なぜ?私はもう……平気」

 

「それでもだめです。これはパイスタ様からの命令なのですから」

 

「!?」

 

衝撃を受けたシズにユリは説明する。

 

「パイスタ様はこう仰られました「もしものことがあったら大変だからシズは今日一日安静にさせておくように、いいか?絶対にだぞ!」

そう言ってあと、これをあなたが起きたら渡しておくようにと」

 

ユリから二枚の紙を受け取ったシズは急いでそれを読む。

 

 

シズへ

これを読んでいるということは目を覚ましたんだな、よかった。ユリからは今日中に起きるだろうと聞いているので日付が変わって無いうちに読んでいると仮定して書く。まず、ユリから聞いていると思うが今日は絶対安静にしておくこと。これは絶対厳守だ!日付が変わらないうちに俺のところに来ても俺はお前に会わない。明日のAM8:00以降に会いに来ること。それまで体を休めて万全の状態で会いに来ること!!もう寝れないというのならもう一枚の紙の終焉(エピローグ)の説明書でも読んで安静にしていること!これだけ書いたんだから絶対に安静にしてるんだぞ!あと、気絶したことを失態だとか思っているのならそれは大間違いだ。俺はまったく気にしていない。断言しよう、たとえシズに食べ物をぶちまけられようとも、シズに突き飛ばされても、他にどんなことをされても俺はお前を許す。だから気にするな!俺は今回シズの意外な一面を見ることができてとても嬉しかったんだから。

この手紙は絶対に他の誰かに読ませないように!内容も教えてはいけないからな!

                                     パイスタより

 

 

読み終わったシズの目から水が流れ始めた。

 

「……これは?」

 

「それは涙ですよシズ」

 

「でも……私は自動人形(オートマトン)……涙を流す機能は……組み込まれていない」

 

「さぁ?私は自動人形(オートマトン)の知識はそんなにないから何とも言えないけど、あなたは生きているのよ。涙を流すことだってできるんじゃないの?」

 

「分からない……でも、だとしたらこれは……どういう涙?」

 

「私はその紙にどんなことが書かれていたかは分からないけれど、あなたの表情を見るにそれはうれし涙よ。」

 

そう言ってユリはシズに手鏡を渡す。

シズはそれを受け取り自分の顔を見てみる。

そして、その鏡に映っていた顔は涙を流しながらも、頬を紅くして口は微かにだが笑っていた。

 

「私は……してはいけない失態を……犯してしまった。……でもパイスタ様は……私を許してくれると」

 

「よかったじゃない。だけどもう次は無いと考えなさい、パイスタ様が許してくれたとしても少なくても私は二度目は許しません」

 

「はい」

 

「それでは、私は仕事に戻ります。あなたは安静にしてるのよ。じゃないと私がお叱りを受けることになるのだから」

 

「了解」

 

そして、ユリが出ていくとシズはもう一枚の終焉(エピローグ)の説明書を読み始めた。

 

「あ、言い忘れてたけど」

 

そしてすぐに出て行ったはずのユリが戻ってきた。

 

「しばらくしたら他の皆も見舞いに来るわよ」

 

「了解」

 

そして今度こそユリは自分の仕事に戻った。

 

 

 

 

「ちーっす!シズちゃん大丈夫っすか?」

 

「でも、シズが気絶するって相当よね?」

 

「至高の御方が作られた武器がぁ、シズのために作られたなんてぇ、うらやましぃ」

 

丁度説明書を読み終えたシズのもとにルプスレギナ・ベータ、ソリュシャン・イプシロン、エントマ・ヴァシリッサ・ゼータがお見舞いに来た。

 

「……ナーベラルは?」

 

「誘ったときに丁度アインズ様に呼び出されていたから遅れてくるそうっす」

 

「そんなことよりシズ!あなただけパイスタ様手作りの武器をもらえるなんて羨ましすぎるわ!!」

 

「それにぃ、直筆のお手紙までもらったって聞いたわぁ」

 

「……貰った。ここにある」

 

そう言ってシズはアイテムボックスから小さな箱を一つ取り出し、その中から手紙を取り出した。

 

「おお!見せてほしいっす!!」

 

そう言ってルプスレギナが手紙に手を伸ばすが、すぐに手紙は箱に仕舞われる。

 

「だめ……パイスタ様からこの手紙は……絶対に他の誰にも見せるなと……指示を受けた」

 

「それじゃあ仕方がないっす」

 

「じゃあ、シズちゃん武器貰った時の感想を教えてほしいっす」

 

「えっ?」

 

「そう!それ気になってたのよ」

 

「私もぉ、気になるぅ」

 

「そ……それは……」

 

三人がズイズイと近づいてきて、正直に話すしかなくなったのでシズは正直に話す。

 

「分からない」

 

「「「はっ?」」」

 

「分からないの……こんな感覚は今まで……感じたことがない」

 

「どんな感覚なの?」

 

「ドキドキして……胸が張り裂けそうなのに……とても幸せな感覚」

 

その言葉を聞いた三人は

 

「……それって」

 

「まさか……」

 

「確定よぉ」

 

「皆は……この感覚を知ってる?」

 

「知ってるも何も」

 

「「「それは、恋よ/っす/よぉ」」」

 

「……鯉?」

 

「違うっす!恋愛の恋っす!!」

 

「シズがついに恋したんだ。これは早くナーベラルにも教えてあげないと」

 

「うらやましぃ、至高の御方と両想いなんてぇ」

 

「……えっ?」

 

「えっ?って何言ってるの?パイスタ様はシズのことが好きなのよ?」

 

「えっ?えっ?」

 

「そうっす、好きじゃなきゃシズちゃんのためにこんなことしないっす」

 

そう言ってルプスレギナは袋を前に突き出した。

 

「これ……は?」

 

「無限の背負い袋っす!中には回復ポーション、状態異常回復ポーション全種が各100個以上ずつ入ってるっす」

 

「全てぇ、パイスタ様がシズのためにここに置いて行ったのよぉ」

 

「……」

 

「だから、あなたとパイスタ様は両思い以外あり得ないのよ」

 

「……」

 

「シズ?」

 

「ぷしゅー」

 

シズは頭から蒸気を吹き出しバタンとベッドに倒れこんだ。

 

「シ、シズちゃん!?」

 

「ちょっ!ちょっと!!」

 

「あらぁ」

 

 

 

「はっ!」

 

「あ!シズちゃん起きったっす!」

 

「大丈夫?」

 

「びっくりしたんだよぉ」

 

「大丈夫…ルプー、手に持っているのは……何?」

 

「あ、これっすか?シズちゃん寝た後にテーブルの上に見たことがない箱があったから開けてみたら、なんかすごそうな銃が入っていたからこれがパイスタ様が作った銃かなって皆で見てたところっす」

 

「至高の御方が作った銃なんてこんな近くで見れないし」

 

「興味があったのぉ」

 

「……」

 

「シズちゃん?」

 

シズは瞬時に終焉(エピローグ)をルプスレギナから取り返すとそれを丁寧にアイテムボックスにしまい、別の銃を取り出す。

この銃は以前に使っていた銃だ。

 

「殲滅対象を登録完了……殲滅を開始する」

 

「えっ!?ちょっと待って!確かに勝手に見るのは悪いと思ったけど、なにもそこまでしなくても!」

 

そう言って3人はシズの顔を見ると今まで見たことがないほど怒りをあらわにしていた。

 

「ひっ!」

 

「ちゃんと言ってくれれば見せたかもしれない……でも」

 

「あの銃に勝手に触ったことは……絶対に許さない!!」

 

シズが普段なら絶対に出さないであろう怒りの叫びを放ち三人のメイドに襲い掛かる。

 

 

 

 

「お待たせ、遅くなってごめ……いったい何があったの?」

 

遅れてやって来たナーベラルが目にしたのは丸焦げになっているルプスレギナ、大きな瓶に詰められているソリュシャン、防御魔法であろう繭の中でガタガタと震えている恐らくエントマ、そして非常に丁寧に銃の掃除をしているシズ。

そんな異様すぎる光景に生じた疑問に答えたのはシズだった。

 

「聞かない方が……いい」

 

「ええそうする。シズ、お大事に」

 

シズは無言のまま頷く。

そして、ナーベラル部屋を後にした。

 

 




なんか、急展開が多々あった気がしますが、気にしないでくださいお願いします。
最後の展開はシズの終焉に対する愛着?みたいなのを書きたかったんです。あと、怒ると凄く怖いってところも
リアルの事情により更新ペース今日から落ちます。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

最終兵器シズ

お久しぶりです。
久しぶりに書いたのでいつもより駄文です。


「……よし」

 

シズはもう既に何十回もしたであろう終焉(エピローグ)の掃除をしていた。漆黒の銃身は鏡のようにシズの姿を映しており埃などの汚れは一切なかった。シズは満足して掃除道具一式をしまう。掃除と言っても分解するわけではない、至高の御方が作られたものなのだから不具合はあるはずがない、そう信じて疑わないシズは様々な道具を使い、銃の外装をきれいに掃除しているのだ。最後の一個をアイテムボックスにしまうと同時にメッセージによって頭に声が聞こえてきた。

 

「シズ、今からちょっと俺の部屋に来てくれないか? 他に用事があるならそっちを優先してくれて構わない」

 

「分かりました……今すぐそちらに向かいます」

 

「おう! ありがとな!」

 

そして、メッセージが切れる。シズは急いで身なりを確認してパイスタのもとへ急ぐ。

 

 

 

 

 

 

「急に呼び出して悪かったな」

 

「いえ……パイスタ様より優先する事などありません」

 

「それは嬉しいな、さてシズ、何で呼び出したか理由を教えよう」

 

「はい」

 

「それは……」

 

「それは?」

 

終焉(エピローグ)の試し撃ちだ!」

 

ドドン! と音が鳴った気がしたが気のせいだろうと思いシズは聞く。

 

「試し撃ちですか?」

 

「そう、試し撃ち。完成した時にシミュレーションソフト使って確認したんだけど、ガンナーってうちに居なかったから試射してないんだよ。だからシズに付き合ってもらってその威力を確かめたいということ」

 

「畏まりました……しかし、どこで試射するのですか?」

 

「とりあえずナザリックから適当に離れた位置にある山に撃ってもらう予定だ。っとその前にシズ、説明書はしっかり読んだか?」

 

「はい……5回読み返しました」

 

「お、おう。それはすごいな、あれ読みにくくなかったか?」

 

「いいえ、大丈夫です……とても読みやすかったです」

 

「それはよかった、あれ手書きだったから読めない文字あったらシズに悪いなぁって思ってたんだよ」

 

そう言いながら色々物が散乱しているテーブルからパイスタは転移の指輪を見つけようと探す。

その間シズは顔を真っ赤にして悶絶していた。

 

(あの字がパイスタ様の字!? ど、どうしようもっとしっかり見ておけばよかった! で、でも返せって言われてないから持ってていいんだよね。絶対誰にも渡さない。もし奪われそうになったらそいつを抹殺しよう)

 

そう心に誓うシズであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「試射する前にシズ、一応説明書の内容を要約して言ってみてくれ、間違いなんか書いてたら一大事だからな」

 

「はい……終焉(エピローグ)は内蔵されている熱素石から発生するエネルギーをチャージして攻撃します。チャージタイムは1溝分の1秒……さらに、攻撃方法は遠距離モード、中距離モード、近距離モードの3つを切り替えることで変化します。……チャージしたエネルギーは長距離モードでは射程と弾速、そして威力、中距離近距離では弾速、連射速度、威力それぞれに割り振りその場で最も適した戦闘をすることができます。……さらに、細かい設定で着弾時の爆発範囲の設定などがあります」

 

「はい! 完璧!」

 

「さて、そんじゃあ、あの山に向かって撃ってみてくれ」

 

そう言ってパイスタが指さしたのは数キロ離れているのにもかかわらずその存在感が全く衰えない巨大な山脈である。

 

「はい……設定はどうしますか?」

 

「そうだなぁ、じゃあぎりぎりで届くくらいにして後は全部威力にしてくれ、爆発範囲は制限なし」

 

「はい……距離5%弾速5%威力90%に設定……3秒後に発射します」

 

「3……2……1……ファイア」

 

ピュン! と小さな音がしたと同時に例えると割り箸くらいの長さの紅い光の棒が山に向かって飛んで行った。

そして、

目の前に巨大な球体が発生する。その球体はどんどん山を飲み込み辺り一帯の地面を焼きながら膨張していく。

非常に遅れてドォーーーン!!という音が聞こえてくる。

 

「ってここもやばくねぇか?」

 

よく見ると球体から離れている地面が溶けていくのが分かる。さらに爆風により木々がなぎ倒されその熱により炭化していく。すぐさまシズを抱き寄せてパイスタは数少ない自身の魔法を発動させる。

 

「防御吸壁!」

 

即座に2人を黄緑色の光が包み込む。この魔法は発動後最初にこの壁に当たった攻撃と同じ攻撃を吸収してこの魔法を発動した者のHPを回復させるものだ。

 

「パ、パイスタ様!」

 

「大丈夫かシズ、危なかったまさかここまでの威力とは」

 

「も、申し訳ありません……パイスタ様を危険な目に合わせた挙句守っていただくなんて」

 

「ん? 大丈夫だよこれは俺のミスだシズは何も悪くない」

 

「で、ですが!」

 

「悪くない、いいか?俺はこうなることを予想できるはずだった、でもできなかった、これは俺のミスでシズは悪くない、むしろ被害者なんだ。このことで俺に申し訳ないと思っているなら俺のミスと一緒に忘れてくれ」

 

「は、はい」

 

「よし、爆風も収まったみたいだし見てみるか」

 

魔法をの効果時間が切れて標的だった山を見てみると

 

「うっそぉ」

 

「標的の完全消滅を確認」

 

消えていた、正確に言うならその山があった場所に巨大なクレーターが発生していた。

 

「シズ」

 

「なんでしょうか」

 

「ガンナーはナザリックでシズだけだよな?」

 

「はい……わたしだけです」

 

「なら、今日からシズはナザリックの最終兵器みたいなポジションってことで」

 

「え!?」

 

「だって、単体でこんな威力の攻撃出せるのは俺が知っている中ではシズしかいないからな俺の中では最強の女の子だよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「さて、どうせならもう少し練習していくか?」

 

「はい……この銃の感覚を掴んでおきたいです」

 

「そんじゃあ、次は……」

 

そして、二人がナザリックに帰るころには山脈の半分が消滅していた。

 

 

 

 




本作ではではシズは心の中では普通にしゃべる設定です。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

熱素石

今回は熱素石の入手の経緯を書きました。
99%会話で終わります。



「っていうことがあったんですよ!」

 

アインズさんにさっきまで行っていた終焉(エピローグ)の試し撃ちについての報告を終えるとアインズさんは俺に問いかけてきた。

 

「ところで、パイスタさんその終焉に使った熱素石(カロリックストーン)はどこで手に入れたんですか?俺たちが所有していた熱素石(カロリックストーン)は1つだけのはずですが?

 

「……それでですね!」

 

「話をそらさないでください!」

 

「……ギルドのものは一切使ってません、これは信じてください」

 

「信じますよ、パイスタさんは仲間を裏切ることはしないって知ってますから」

 

「ありがとうございます。では、熱素石(カロリックストーン)の入手方法を話す前に手に入れようとした経緯をお話しします」

 

「アインズさんはたまに俺とタブラさんとペロロンチーノさんの3人でよく集まって話していたのはご存知ですか?」

 

「はい、本当によく話してましたからね」

 

「実はその話の内容は大体ギャップ萌えについてだったんです」

 

「……は?」

 

「俺は表情のギャップ、タブラさんは見た目と性格のギャップ、ペロロンチーノさんはツンデレこそ至高という主張のもと毎回誰かの部屋に集まりそれぞれギャップの良さを語っていたんです」

 

「はぁ、そしてなぜ?」

 

「結局それぞれの良さを聞いて「それぞれのギャップ萌えにはそれぞれの良さがあるんだねギャップ萌え最高」という結論に至ったわけなんですが」

 

「……」

 

「もうすぐですから!もうちょっと待ってください!お願いします!」

 

ガン! とテーブルに頭を叩きつけて懇願する

 

「わっ! 待ちますから! 頭を上げてください」

 

「はい、それでですね、そのあとは他にも色々語り合ったんですが関係ないので省きます。そしてある時俺がタブラさんに「シズのために

何かプレゼントを作りたいから手伝ってください」って言ったんです」

 

「それが終焉(エピローグ)

 

「はい、3人で終焉(エピローグ)について話してたらるし★ふぁーさんが話に混ざってきて色々助言してくれたんですよ」

 

「あの人ここにも噛んでやがったのか」

 

「それで、3人で熱素石(カロリックストーン)を手に入れようってなりまして」

 

「ま、待ってください! アインズ・ウール・ゴウンは隠し七鉱山を追い出されて熱素石(カロリックストーン)を作ることなんてほぼ不可能なんですよ?」

 

「はい、鉱山から手に入れるのは不可能です。ですが、掘り出された金属を管理しているギルドに俺が単身特攻して暴れて騒ぎを起こしている隙にタブラさん達に宝物庫から盗み出してもらうって計画を立てたんです」

 

「だけど、そんなの無謀ですよ。それに、どうやって宝物庫にはどうやって侵入するですか?」

 

「アインズさん、盗神の七万道具ってアイテムご存知ですか?」

 

「え?それってクソ長いクエスト七つクリアしてようやく手に入るどんな扉や宝箱も開けることができるってアイテムですよね?」

 

「はい、それ俺持ってたんですよ」

 

「へぇ、よくあんなのクリアする気になりましたね、たしかクリアには一か月かかるって聞きましたが」

 

「まぁ、それは置いといて、それで一応ぷにっと萌えさんに相談して一つ計画に追加点を加えてOKをもらったんです。それで決行当日に計画を聞きつけたウルベルトさんが「おもしろそうだから」って言って混ざったんです。それで、結果は成功で各ギルドから必要以上の金属をパクることができたんです」

 

「でも、それならなんでナザリックはそのギルド達から攻撃を受けてないんですか?」

 

「それはぷにっと萌えさんの追加点のおかげです。ぷにっと萌えさんは最後に盗み出したギルドに他のギルドから盗んだ金属をある程度置いていくことで容疑を擦り付けたんです」

 

「あぁ!なるほど」

 

「それで、あとはぷにっと萌えさんとウルベルトさんにお礼として余った金属をあげて俺は熱素石(カロリックストーン)を手に入れることができたんです。ちなみに、タブラさんとペロロンチーノさんには後日二人のクエ攻略に付き合うことで借りは返しました」

 

「よくわかりました、ゲーム時代だったら皆に報告してパイスタさんをボッコボコにしてましたが」

 

「なんで!?」

 

「ギルド皆を危険に晒したんですから当たり前です。ですが、それは過去の話、そしてここは異世界ですからその話は不問に処します」

 

「ありがたき幸せ」

 

大げさに感謝の意を示す。

 

「っていうか、俺はパイスタさんがクリエイトツールを使うことができることに驚きです。パイスタさんは自分で不器用って宣言してましたよね?」

 

「シズのためなら器用になってみせます」

 

「……今度何か作ってもらえますか?」

 

「いいですよ、この世界でもクリエイトツールは使えるみたいですし、時間をくれれば恐らく作れます」

 

「あ! そうだ、パイスタさん、ちょっと作ってもらいたい物思いつきました」

 

「ほほう? なんですか?」

 

「それは」

 

「それは?」

 

「電話です!」




とりあえず、パイスタはギルドのはネコババしてないことを知って欲しかったんです。
くだらなくてすみませんm(_ _)m
誤字・脱字報告
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

下等種会議(挿入投稿)

一応これ書かないとこの先本編での説明が多くなりそうだったし、各国の反応を書いておいた方がいいかな?と思ったので書きました。
挿入投稿ここで合ってるかな?
あと、この先原作とあまり違いがないところはカットしたりしなかったりします。申し訳ありません。

注意
各国の会議時間がとてつもなく短いですがこれは一部抜粋したものを書いたので本来はもっと長時間各国会議をしています。(そういうことにしてくださいお願いします)


「アゼルリシア山脈の半分が消失しただと!?」

 

大貴族の一人が叫ぶ。今は今回のスレイン法国の襲撃について王と国の有力貴族たちに報告していたところだ。アインズ・ウール・ゴウンという名の魔法詠唱者、パイスタという名の元人間のゴーレムの話を聞いた貴族たちは「そんなのはあり得ない」「戦士長は疲れてらっしゃるようだ」「そのアインズ・ウール・ゴウンという者もスレイン法国の者でしょう」「人間がゴーレムになって蘇るなどあり得ない」などと馬鹿にしており、真剣に話を聞いているのは主である王と蝙蝠のようなあの男である。

そんな中たった今大貴族が発した内容には全員が驚愕の表情をあらわにした。アゼルリシア山脈は王国と帝国を隔てている巨大な山脈である。その半分が消失など人間の仕業ではない。

 

「そ、それは本当なのですか?」

 

「はい、山脈付近の都市にいた私の部下が巨大な爆発音と閃光を見て報告に来ました」

 

「ですが、それはあなたの部下1人だけの話では信用できませんよ」

 

「いえ、一人ではありません。その都市にいた部下100名全員が証言しているそうです」

 

「なっ」

 

静寂が訪れ、先ほどまで私の話を聞いていた蝙蝠、レエブン候が口を開く。

 

「消失した部分はどのようのなっていたのか分かりますか?」

 

質問された貴族は慌てて答える。

 

「は、はい地面が半球型の盆地に変わっていたそうです」

 

そしてレエブン候は少し考えるそぶりを見せて返答する。

 

「ありがとうございます。これは少なくても個による行為ではないはずです。たとえドラゴンがやったにしても個がここまでのことをすることができるとは思えません」

 

「考えられる理由は2つ、1つ目は帝国又は法国の魔法による攻撃実験。2つ目は先ほど言ったようにドラゴンなどの巨大モンスターの群れが何らかの目的で山脈を何らかの方法で消し去った。これが最も現実的な考えだと思われます」

 

「あ、ありえない!帝国や法国がそんな強力な魔法を行使できるはずがない!」

 

自尊心の塊だった貴族たちが叫びながら目の前の現実を否定する。だが、王は冷静に現実を受け止め判断を下した。

 

「先ずは帝国と法国に対しての警戒を強めよ。ドラゴンに関しては我々では知識が足りなすぎる・・・レエブン候そなたに任せてもよいか?」

 

「はっ!」

 

「そして、ガゼフよ、そなたは今一度カルネ村に赴きアインズ・ウール・ゴウンという魔法詠唱者とパイスタというゴーレムを探してきてくれ。そして、出会うことができた場合この王都に連れてきてくれ」

 

「はっ!仰せのままに」

 

そして、この会議は終了した。

 

 

 

 

 

 

「陛下、ご報告があります」

 

「ん?どうしたんだ、じい」

 

この場には陛下と呼ばれた少年とじいと呼ばれた老人しかいない。故に二人は気軽な雰囲気で話している。

 

「アゼルリシア山脈の半分が消失しました」

 

「ほう?原因は」

 

「不明です。王国はそこまでの脅威としていませんでしてたので、山脈をあまり警戒していなかったの原因です。申し訳ありません」

 

「別にいい、どうせ王国の連中は〝黄金〟とガゼフ以外は警戒するだけ無駄だからな」

 

「それで、法国の連中はこの件に何か係わっているのか?」

 

「いえ、それはありません。法国から山脈に何かしらの攻撃魔法を放った場合私の探知結界が反応します。あれほど巨大な山脈を消失させるとなるとそれこそ第10位階魔法が必要になります。いくら法国といえどもそれは不可能です。もし第10位階魔法を何らかの方法で行使できたとしても私の結界を掻い潜るのはありえません」

 

 

「またずいぶんな自信だな」

 

「法国から放たれた魔法であった場合必ず私の結界を通過するようになっているからです」

 

「魔法以外の可能性は?」

 

「ドラゴンの群れが何らかの理由で山脈を破壊した。というのが有力株ですな」

 

 

「そうか、王国は?」

 

「あり得ません。内通者、潜入者のどちらからもそんな情報は上がってません。それに、王国は魔法の力を侮っているとてもこんな威力の魔法を行使できません」

 

「なるほど、では法国の魔法による攻撃、ドラゴンの群れによる何らかの攻撃その両方を警戒しておいてくれじい」

 

「畏まりました」

 

 

 

 

 

スレイン法国では最高神官長と六大神官長たちが慌てふためいていた。

先日ニグン率いる陽光聖典の監視を命じた土の巫女姫が監視を開始した途端に爆散、さらに昨日突如王国と帝国を隔てるアゼルリシア山脈の半分が消失したという知らせが入った。

これほどの出来事が連続して発生したことにより神官たちはついに〝破滅の竜王〟が復活するのではと大慌てであった。

 

「土の巫女姫の爆死、そしてあの巨大な山脈の消失、これはもう破滅の竜王の復活の予兆ですよ!なんとしても復活を阻止せねば!」

 

「何を言っている!そんなことよりどうやって人類を存続させるかでしょう!?」

 

「いや、そんなことはもう遅い!今こそスレイン法国の全戦力で不完全な状態である破滅の竜王を倒すべきだ!」

 

神官たちは自らの意見を押し通そうとする者、何も言わずただただその状況を見ているだけの者の二つの者たちに分かれていた。

 

「落ち着かんか!!」

 

混乱している神官たちに冷静さを取り戻させたのは最高神官長であった。

 

「今は皆混乱している、だからこそ情報が必要だ。そこで、アゼルリシア山脈に漆黒聖典と傾城傾国の使い手であるカイレを向かわせ情報が集まり次第対策を考えよう。皆はそれまでに現状を受け入れ冷静な考えができるようにしておいてくれ」

 

「はい」

 

神官たち返事をして会議は解散となった。

 

 

 

 

 

一方山脈を消失させた終焉(原因)を作った張本人は

 

「それでですね!この後が凄かったんですよ!!」

 

楽しそうに骸骨と談笑していた。




王様や貴族はどのように喋らせればいいかよくわかりません。
なので、色々おかしなところがあるかもしれませんがお許しください。
山脈名は作者が調べた限り明記されてなかったので勝手につけさせていただきました。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

王国戦士長からのお誘い

とてつもないタイトル詐欺。
誘われるのは最後です。
最近タイトルのネタがない!
今回も会話文が多いです。


「ほう?何で電話を?」

 

「まず、先に言っておくことがあります。パイスタさんがいなかった間に守護者達を集めて会議を開いたんです」

 

「え!? 何で呼んでくれなかったんですか!?」

 

「何度もメッセージでコールしましたよ、でも全く反応されませんでしたので始めまた」

 

「ぐ、それは何にも言い返せない」

 

「それで、守護者達には話しましたが俺、少しナザリックを空けようと思うんです」

 

「ファッ!?」

 

「驚くのは無理ないと思います守護者達も驚いてましたし反対もされました。ですが、これはどうしても自分でやっておきたいんです」

 

「な、なにを?」

 

「この世界の常識を学ぶことです。俺たちはこの世界についてまだ何にも知らない、これはとても危険なことだと思うんです。だから、俺が自ら見聞きしたことをナザリックに伝えてナザリックがこの世界に合った行動をできるように準備しておきたいんです。」

 

「なるほど、ですが、アインズさんはメッセージ使えますよね?なんで電話が必要なんですか?」

 

「それは、守護者の中にはメッセージが使えない者が居ますのでどうせなら通信アイテムなんかあればいいなぁって思ってたんです」

 

「そこで、俺がアイテム作れることを知っての依頼ですか」

 

「はい」

 

「分かりました、最善は尽くしますがあまり期待しないで下さいよ。俺は他の皆みたいにうまく作れませんから」

 

「でも、終焉作ったんですよね?」

 

「それは、タブラさんやるし★ふぁーさんが色々教えてくれたからです!」

 

「ははは、でも期待してます」

 

「うぐ、でもすぐには出来ませんからね」

 

「はい、そんなすぐに必要っていうわけではないので大丈夫ですよ」

 

「はい分かりました、できるだけクオリティの高いのを作りたいと思います」

 

「ありがとうございます。あと、デミウルゴスにはアインズ・ウール・ゴウンが将来倒すであろう魔王になってもらう事になりました。そのため、どこかの国一つを支配下に置き魔王として君臨してもらいながら今不足しかけているスクロールの素材である羊皮紙を集めてもらうことになりました」

 

「デミウルゴスに任せておけば安心ですもんね。で、他には?」

 

「アウラには近隣の森に非常時用の緊急避難場所の建造をシャルティアにはこの世界特有の武技を使うことができる消えても誰にも気づかれない人間、つまり犯罪者を捕まえてくるように指示しました。アルベドには俺がいないときのナザリックの管理、コキュートスとマーレには今はナザリックの防衛任務を与えてます」

 

「あれ?それじゃ俺は何すればいいんですか?」

 

「パイスタさんはナザリックに必要だと思うものを作っていただけるとありがたいです」

 

「了解でーす」

 

「あ、そうだ、言い忘れてました。セバスとソリュシャンには王国や帝国などの兵器や戦力の情報収集をしてもらうことになってます」

 

「了解です、でもそうなるとプレアデスたちは誰がまとめるんですか?」

 

「ユリとペストーニャに任せます。それと、プレアデスで思い出したんですが、シズにパイスタさんの専属メイドになってもらうことになりました」

 

「……は!?ななな、何を言ってんだあんたは!?」

 

「いや、だってパイスタさんシズのこと好きなんでしょ?だったらいいじゃないですか」

 

「いやいや、本人の了承なしは流石に……」

 

「シズを呼んで確認しましたが快諾されましたよ」

 

「え!?で、でも……」

 

「なんでそんなに嫌がるんですか?シズのこと好きなんでしょ?」

 

「嫌なのではなくて、もしあの人(シズの製作者)がこっちの世界に来ててナザリックに戻ってきた時のことを考えるとなんだか眩暈が」

 

「……一体あの人に何されたっていうんですか?」

 

「聞かないでください」

 

「はぁ、というわけで明日からシズはパイスタさんの専属メイドです」

 

「……もうあの人のことは後で考えよう。でも、アインズさんこれだけは言わせてくれ」

 

「はい、何でしょう?」

 

「マジありがとう」

 

「いえいえ」

 

そう言ってパイスタは退室していった。

 

 

 

 

 

はぁ、まさかシズが俺の専属メイドになるなんて・・・最高かよ!!

だが、まだシズが居ないうちにデミウルゴスを探し出さなければ。

そう思い必死に探すがやはりこの広いナザリックでは見つけることは困難だ。だがここでようやくあることを思い出す。

 

「そうだ、メッセージで呼び出せばいいんだ」

 

そうしてメッセージでデミウルゴスを自室に呼び出す。

何回かノックがあり入室を促すとデミウルゴスが入ってくる。

 

「失礼します。パイスタ様一体何の御用でしょうか?」

 

「デミウルゴス、アインズさんに聞いたんだがお前はどこかの国を支配するんだよな?」

 

「はい、その通りでございます。のちに現れるだろう救世主アインズ・ウール・ゴウンが倒す魔王として一国を支配してまります」

 

デミウルゴスは当たり前のように答える。

 

「なら、頼みがあるんだが」

 

「何なりとお申し付けください至高の御方からの命令は絶対に遂行して見せます」

 

「こいつで色々実験してくれないか?」

 

そう言って俺はアイテムボックスから薄汚れたフラスコを取り出す。

 

「パイスタ様それは一体何なのですか?」

 

「これはな……」

 

 

 

 

 

 

 

数日後俺はカルネ村に来ていた。以前村長に言ったゴーレムの実験を手伝ってもらうためだ。

実験のために作ったナイトゴーレム5体、スクワイアゴーレム20体、ガーディアンゴーレム5体の計30体を引き連れてやってきたわけだが、なんだか村が騒がしい。なぜだ?

そしてすぐに理由が分かった。皆俺を含めたゴーレム軍団ではなくシズを見て騒いでいるのだ。

 

「シズ」

 

「なんでしょう?パイスタ様」

 

「お前が人気者で俺は嬉しいよ」

 

「?」

 

俺が言った意味がよくわかってないシズは考える素振りを見せるがその後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「おぉ! パイスタ様!」

 

村長がこちらに駆け足で寄ってくる。

 

「村長お久しぶりですね。一月ぶり?」

 

「おそらくそのぐらいだと思います。しかし、これだけのゴーレム本当にお借りしてもよっろしいのですか?」

 

「はい、その代わりこちらの実験に協力してもらいますがね」

 

「もちろん! 皆には既に話はしております。各家お借りするゴーレムの記録はきちんとつけますのでご安心ください」

 

「それを聞いて安心しました。皆さんの農作業やその他の重労働をゴーレム達にさせる時に命令通りに動くか動かないかをその命令と一緒に書いていただければ結構です」

 

「分かりました。それと、パイスタ様にお客様が」

 

「ん? 俺に?」

 

「はい、王国戦士長殿が」

 

「ガセフさんが?」

 

すると、後ろから誰かが近づいてくるのが分かった。

 

「パイスタ殿あの時以来ですな」

 

振り向くとそこにはこの世界に来た日に(アインズさんが)助けた王国戦士長のガゼフさんがいた。

 

「お久しぶりですガゼフさん」

 

「あの時パイスタ殿とゴウン殿がいなかったら私は今ここにいなかったでしょう」

 

「俺は何もしてないですよ、あなたたちを助けたのはアインズさんです」

 

「だが、私たちの傷を癒やしてくれたのはパイスタ殿なのだろう?」

 

「さぁ? それはどうでしょう?」

 

「ははは! では私の勝手な思い込みということでいい。それよりパイスタ殿急で申し訳ないんだが・・・」

 

「なんでしょう?」

 

「これから王都に来ないか?」

 




急な展開で申し訳ありません。パイスタに外の世界をもっと知ってほしいんです。
次は最新話としての投稿ではなく、前の話と話の間に挿入投稿します申し訳ありません。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パイスタ王都へ行く 準備編

今回は説明回です。
主にパイスタ作成のアイテムの説明です。


「……流石に今からは厳しいですね。今いる拠点を勝手に空けるるのはできないのでアインズさんに許可をもらわないといけないんです。あと、アインズさんは無理ですからね」

 

「パイスタ殿は心が読めるのか?」

 

ガゼフが心底驚いて聞いてくるのでこっちも驚く。

 

「え、マジでアインズさんも誘う気だったの?」

 

「ああ、王からできれば二人を招待してくるように命を受けているのでそのつもりだったのだが」

 

ガゼフの言葉に少し思案し提案する。

 

「アインズさんは無理ですが俺はアインズさんから許可下りたら2、3日後に来ますがもしアインズさんから許可が下りなかったら明日の昼時に報告に来ます」

 

「そんなに時間がかかるのかお聞きしても?」

 

「アインズさんに頼まれた仕事を片付けるのに時間がかかるので一応です。早く終わったら早めに行きます」

 

「わかった、ではしばらくこのカルネ村の近くで野営して待たせていただきます」

 

そんなガゼフの発言に近くに居た村長が血相を変えて飛んできた。

 

「そんな! ガゼフ殿、野営なんて仰らずこの村でお過ごしください!」

 

「ははは、村長すまない、ありがたい申し出なのだが私だけではなく部下たちもいるのだ、流石に私だけお世話になるわけにはいかない」

 

「そ、そうですか」

 

「では、そんなわけでガゼフさん申し訳ありませんが待っていてください」

 

「何を言う、私はパイスタ殿を誘ったのだ返答を待つのは当然だ」

 

そこで、会話が終了し、パイスタはシズと一緒にナザリックに帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

ガゼフとの会話中にシズがアインズにパイスタの王都訪問の件について話していたため許可はすぐに下りた。

 

「ていうか、わざわざ俺に許可を求めなくてもいいですよ」

 

「いや、一応ね。それで、アインズさんどうですか?あのニグンってやつから情報は得られましたか?」」

 

「……実はあいつ国の人間に特定の状況下で質問に3回答えると即死する魔法をかけられていたらしく、結構有益な話は聞けましたがもったいないですね」

 

「で、有益な話とは?」

 

「1つ、スレイン法国にはニグン率いる陽光聖典合わせて6つの隠密部隊がいるそうです。そしてその中で最強なのが漆黒聖典と呼ばれる者たちだそうです。2つ、ニグンが知る中で人類最強の存在は漆黒聖典所属の〝番外席次〟と呼ばれる女性だそうです。3つ、王国、帝国、法国の三ヶ国のほかにドワーフの王国、ドラゴン達が治める国など様々な国があるそうです」

 

「なるほど……アインズさん」

 

「なんですか?」

 

「俺今凄い事に気が付いちゃったんですが」

 

「ど、どういったことに?」

 

「この世界ってユグドラシルの魔法やアイテムがありますよね?」

 

「はい、そうですね」

 

「だったら、ワールドアイテムもあるかもしれません」

 

「……」

 

「アインズさん?」

 

「あああああああああ!!」

 

アインズは叫びだすと立ち上がりメッセージで守護者全員とセバスを呼び出した。

 

 

 

 

「下らん前置きはせずに本題に入る」

 

アインズさんの言葉に守護者達に緊張が走る。

 

「パイスタさんの助言によりこの世界にもワールドアイテムが存在する可能性があることに気が付いた」

 

「ワ、ワールドアイテムですか!?」

 

アインズの発言にアルベドが守護者の代表としてなのか、又は自然になのかはわからないが恐らく守護者達が思っていることを口にした。

 

「も、申し訳ありません!」

 

「別に良い、それより今言ったようにワールドアイテムが存在する可能性が僅かにでも存在するこの状況でナザリックの主要人物であるお前たちがワールドアイテムを防ぐことができないのは非常にまずい。だから今から守護者にワールドアイテムを貸し出す。いいか?ワールドアイテムはお前たちの命より価値があると思え。そして、後にセバスには渡すとしよう」

 

そして、アインズは守護者達にワールドアイテムを渡していく(貸すワールドアイテムは原作準拠本作ではシャルティアには六道の鍵セバスにはギャラルホルンというワールドアイテムを渡している)

それに便乗してパイスタも自らが作成したアイテムを渡し、その説明に入る。

 

「はい皆さん!今渡したアイテムの説明に入りまーす!」

 

守護者達とアインズの手には透明で少し厚みのある板が一枚、そして漆塗りの箱が一つが握られている。

アインズもこのアイテムについては何も聞かされていなかったので真剣に聞いている。

 

「まず、この透明な板は以前にアインズさんに依頼された通信アイテムです!」

 

「え?この透明な板がですか?」

 

「はいアインズさん、その板を二連続で突いてみてくれませんか?」

 

「はい、わかりました」

 

アインズが言われたと通りにすると板の表面に文字が浮かび上がった。

 

      _______________

        

           ようこそ

 

       ユーザー登録をしてください。

 

       名前

 

           あ か さ 

             

           た な は

             

           ま や ら

 

           * わ #

 

      _______________

 

指示通りに名前の欄にアインズ・ウール・ゴウンと打つと

 

      _______________ 

 

           登録完了

 

        アインズ・ウール・ゴウン

        モバイルフォンサービス

        へようこそ

 

         現在通話可能なユーザー

         は以下の者です

 

         ・パイスタ

 

      _______________

 

 

 

「おぉ!これは本格的な」

 

「アイテム作成の大部分はこの電話の機能を付ける作業でしたよ。他のアイテムはこれと比べれば楽でした。さて、皆もユーザー登録を済ませてくれ。終わったら説明の続きをする」

 

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

全員が登録を終えるとパイスタが説明を再開する。

 

「今皆の電話にはここにいる全員の名前とその脇に低・中・高・超の四文字が書かれていると思うがこれは連絡する内容の重要度を表す。すでに相手が話している場合重要度が高いほうが優先されるということだ」

 

「重要度が高くさらに重要度が同じなら相手になるべく早く通話を終了してもらうようにメッセージが流れる仕組みだ」

 

「名前はなんて言うんですか?」

 

「名前は〝アインズ・ウール・ゴウンモバイルフォン〟略してアイフォンです」

 

「あれ?アイフォンってどっかで聞いたことがあるような」

 

「き、気のせいですよ気のせい!」

 

言えるはずがない大昔に流行っていたスマホであるiphoneと同じように呼びたかったからこの名前を付けたなんて口が裂けても言えない。

 

「それにしても本当にパイスタさん不器用なんですか?」

 

「まずこの単純な仕組みを思いつくのに丸3日かかり、さらに9台作るのに3週間かかる奴が器用だと思いますか?」

 

「……スッ」

 

「こら、顔をそらすな!」

 

「……まぁそれは置いといて」

 

「自分から言っといて話題変えんのか」

 

「うぉっほん!パイスタさん、この箱の中身は何なんですか?」

 

「ああ、えっとこれは、隠密行動をサポートする装備だな。まぁ、蓋を開けて中を見てみてくださいよ」

 

パイスタに促されたアインズと守護者達は箱の中を見てみる。すると中には線だけで笑った人の顔が描かれている仮面と指輪、イヤリング、さらに腕輪が入っていた。

 

「えっと、それらはまとめて嘲笑シリーズと言います。全て嘲笑の○○という名前です。ステUPの効果はありませんがニグレド協力のもと第九位階以下の魔法では姿を捉えられないようにしました」

 

するとそこでアウラが手をあげた。

 

「あの、すみませんパイスタ様お聞きしてもよろしいでしょうか?」

 

「どうぞ、質問があるならどんどん聞いてくれ」

 

「はい、あの、なんでこんなに種類があるのでしょうか?複数つけると効果が上がったりするのですか?」

 

アウラの質問に他の守護者達も確かにという態度を示している。

 

「いや、何個つけても効果は変わらない、1つで十分だ」

 

「ではなぜ?」

 

「いや、単純に顔を隠す必要があるときは仮面でその他の時は各自の自由でつけてもらえればと思っただけだが」

 

パイスタの答えを聞いた守護者達はパイスタに対する忠誠度が急上昇したがパイスタはそんなことは全く知らず話を続ける。

 

「もともと仮面だけにする予定だったんだがアルベドが完全武装すると顔が隠れるから仮面の意味がなくなるからどうせならほかにも作っちゃおうと思ったからなんだがな」

 

「そ、そんな!私のせいでパイスタ様の仕事を増やしてしまったなんて!申し訳ありません!」

 

勢いでアルベドが土下座しようとしたので慌てて止める。

 

「いいって!どうせ後で作ろうと思っていたんだから!」

 

「ありがとうございます」

 

アルベドが立ち上がると守護者達がパイスタのもとに歩いてきて

 

「パイスタ様、この度は我々にこれほどのものを授けてくださって誠にありがとうございます」

 

まずデミウルゴスが言い後から他の守護者達が続く

 

「パイスタ様!本当にありがとうございます!絶対に有効に使って見せます!」

 

「あ、あの絶対に大切にします。奪おうとするものが現れたら殺します!」

 

「コレカラモ至高ノ方々ニ忠誠ヲ誓イナザリックノ脅威ヲ徹底的ニ排除イタシマス」

 

「わっちは言葉ではなく結果で感謝の意を示させてもらうでありんす。ご命令とあらば何なりと」

 

「私も至高の御方々の計画を円滑に遂行できるように尽力させていただきます」

 

守護者達とセバスの言葉にパイスタは本気で泣くのを我慢していた。この体で泣けるのかは不明だが。

 

(やべぇ、リアルでこんなに感謝されたことなんてないぞ。あとでベッドで泣こう)

 

そう思っているとアインズがメッセージで誰かと話しているのが目に入った。

 

「どうかしたんですか?アインズさん」

 

「ええ、実は以前パイスタさんがシズと終焉の試し撃ちに行った場所に漆黒聖典らしき一団がやってきたそうです」

 

「へぇ、それはまたタイミングがよろしいことで」

 

「それでニグレドが魔法で強さを測ったところ平均90レベルの強さでうち二人が100レベル相当だそうです」

 

「じゃあアインズさん!今から皆で行きませんか?その漆黒聖典を倒しに」

 

「いやでも、100レべの奴らはパイスタさんと二人で相手するとして流石に平均90レべ十数人相手は厳しいですよ」

「あ、それなら何とかなります」

「そうですか?じゃあパイスタさんが何とかしてくれてから出撃ということで」

 

「っしゃ!皆戦闘準備!!一応嘲笑シリーズのどれかを付けていくように!」

 

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

こうして、人類最強の守り手と史上最恐ギルドの化け物たちが戦うことになったのであった。

 

 




電話の話は作者がこれを書く前に思いついて書きたかったやつなんですすみません。
誤字・脱字
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

VS漆黒聖典

先ず謝罪させていただきます。前回のパイスタ王都へ行く 準備編で作者の確認ミスがありました。
なので訂正させていただきました。今作は捏造やご都合主義ですが、漆黒聖典はなんとなく全滅させたかったので修正させていただきました。
確認ミス
漆黒聖典が13人構成だということを忘れていた

訂正前
「そうですね数はこちらが少し多いですし、100レべの奴らはパイスタさんと俺でどうにかしましょう。ニグレドによると二人とも戦士職だそうですし」

訂正後
「いやでも、100レべの奴らはパイスタさんと二人で相手するとして流石に平均90レべ十数人相手は厳しいですよ」

「あ、それなら何とかなります」

「そうですか?じゃあパイスタさんが何とかしてくれてから出撃ということで」

となります。
誠に申し訳ありませんでした。この先このようなことがまたあるかもしれませんが何卒よろしくお願いいたします。


謝罪も終わりましたのでこの回の注意点を

・視点がよく変わります
・地の文が安定してません(いつものこと)
・捏造多い(今更)
・言葉がおかしい(いつものこと)
・VS漆黒聖典と言いながらまたパイスタ関係の話が長い。
・漆黒聖典の二つ名がWEB版とごっちゃになっています
・戦闘描写の内容が薄い

以上の点にご注意してお読みください(作者が気づいてないだけで他にもおかしなところがあるかもしれません)
あと、グラン山脈の正式名称は判明したので修正しました。
あと、皆様から見ての矛盾点や分かりにくい部分がありましたら教えていただけると幸いです。


全員が嘲笑シリーズの装備が完了したところでパイスタがアインズに話しかける。

「あ!そうだ、アインズさんちょっといいですか?」

「なんですか?パイスタさん」

「あの、見たところ俺ら全員顔を隠して出撃するじゃないですか」

そう言われてアインズはパイスタと守護者達の姿を確認する。

パイスタは先日データクリスタルを装備に組み込み自身の最強装備を全て岩のデザインに変えたため見た目は体が一回り大きくなったくらいの違和感しか感じられない。しかし、顔につけている嘲笑の仮面のせいで何とも言えない感じになっている。

他の守護者達やセバスを見ると装備に最も大きな変化があるのはアルベドとシャルティアだ。アルベドは全身を漆黒の鎧で覆っている。嘲笑シリーズは恐らくアクセサリー類であろう。シャルティアも全身を紅い鎧で包んでいる。だが、アルベドと違い顔が晒されているため嘲笑の仮面と装備している。その他の者たちは各々嘲笑の仮面を装備し各自の主武器(メインウェポン)を装備していた。

「確かにそうですね」

「顔を隠すなら名前も隠していきましょうよ!」

「というと?」

「ほらだって、俺たち今からこの世界の人類の希望をを殺しに行くでしょ?だったら念には念を入れて名前も隠しておいた方がいいと思うんです」

「なるほど、そうですね。それでは顔を隠しているときはどのように呼び合いましょうか?」

「シンプルに守っている階層が浅い順から番号で呼んでいけばいいんじゃないですかね?アルベドは統括だから何番でもないって意味で0(ゼロ)シャルティアから順に1(ワン)2(ツー)3(スリー)という感じで」

「アウラとマーレはどうします?あと、セバスと俺とパイスタさんは?」

「アウラとマーレはアウラが姉だから若い番号で行きましょう。セバスはs俺は特攻アインズさんは王でいきましょう」

「ちょっ!なんで俺だけ!」

「文句言わない、それと先に言ってもらっているシズはcと呼んでくださいね。皆もわかったか?」

「畏まりました」

代表してアルベドが返事をした。

「さて、シズがうまく殺ってくれるのを待ちますか」

漆黒聖典とカイレは神官長たちの命令により何らかの力によって消失したアゼルリシア山脈を調べに来ていた。

「ねぇー、いつまでこんなこと続けるのー?」

絶死絶命の二つ名を持つ女が隊長である男に飽きた子供のように尋ねる。すると隊長は

「あともう少しです。あと山二つ分の盆地を調べたら法国に帰還します。なのでもう少し我慢してください。」

「もー!私は私よりも強い奴がここにいるかもしれないって聞いたから同行したんだよ?なのに、ただひたすら盆地の調査って」

「我が儘を言わないでください。最初は強敵を見つけようと必死だったのに」

「だってぇーここ数時間何にも現れる気配すらないんだもん」

そんな二人の会話を聞いていた他のメンバーからは笑い声が聞こえてきた。

だが、笑い声を上げていた幾人かが突如天から降り注いだ深紅の光の矢に貫かれた。

CZ2128・Δ略称シズ・デルタはパイスタからの命によりパイスタから貸し出されたアイテムを身に着け地上3キロメートル地点で終焉を構えていた。先ず説明しておくとシズは魔法職ではないため飛行などの魔法は一切使えない。なら何故今シズは空中で待機できているかというとそれはパイスタから貸し出されたアイテムのおかげである。貸し出されたアイテムは飛行を使うことができるネックレス、完全不可視化が使えるようになるイヤリング、アイテム消費HP・SPを4つまで無効化してくれる指輪そして、一日に一度だけどんな攻撃でも無効化してくれる髪飾り、それとパイスタからもらった嘲笑シリーズの仮面だ。

実を言うとパイスタはこのようなアイテムを他にも所持している。もちろんシズはその入手方法を聞いている。課金ガチャだそうだ。経緯を説明させてもらう。

昔のユグドラシルには賭け勝負のようなものがあり、パイスタはその勝負に参加して小遣いを稼いでいた。そして、ギルメンに煽られてその月に稼いだ金を全て課金ガチャにつぎ込んだのだが何故か出てくるのは良アイテムばかり。そしてパイスタはクエスト中に謎の死を遂げた。

そんなわけで、現実の運(リアルラック)は無いくせにガチャ運(リアルラック)はある男であるパイスタは皆がうらやましがるようなアイテムを大量に持っているのである。

(パイスタ様からの命令は漆黒聖典を最低でも5人殺すこと)

そう、シズはパイスタのアイテムを使い空中から狙撃をするように命じられている。

終焉の設定は威力50弾速射程ともに25である。もちろん爆発範囲は0である。これでも過剰なほどの威力なのだが一応オーバーキルでもしておいた方がいいそうだ。

(必ず5人は殺せと命じられた。確実に仕留める!)

そして、シズはパイスタから先ほどもらったカランコエの花のブレスレットを見る。保存魔法をかけたらしく花の美しさは健在だ。そして何故かパイスタにこの花について調べるのを禁じられたがそんなことはどうでもいい。シズはブレスレットをしばし眺め心を落ち着かせると今自分の下を歩いて行く者たちに狙いをつけて引き金を立て続けに引いた。

遠隔視の鏡で漆黒聖典のメンバーの6人がシズによって射殺されたのを確認すると

「よっしゃ!よくやったぞシズ」

聞こえていないのにもかかわらずパイスタはシズを褒め称え、アインズは

「これで数ではこちらが少し有利となった。行くぞ!」

そしてアインズとシャルティアは巨大な転移門を開き守護階層が浅い順にくぐっていった。

(どうなっている!?)

漆黒聖典の隊長を務める男は動揺していた。今光に貫かれた仲間は笑いながらも決して油断していなかった。むしろ普段より警戒していた。そんな仲間たちを殺した光の矢が飛んできたであろう方向に視線を向けるが姿どころか気配すら感じない。

「た、隊長!あ、あれを!」

そんな中一人師団の二つ名を持つ男が何かを指さしながら叫んだ。

そしたその先を見るとそこには穴のような扉があった。全員が警戒しているとそこから様々な者たちが出てきた。

始めは紅い鎧で身を包んでいる騎士。次はライトブルーの体の蟲人。その次は双子のダークエルフそこから更に赤いピシッとした服を着た悪魔。燕尾服を着た白髪の男。全身漆黒の鎧を身に纏った騎士。全身を豪華なローブで包む大柄な者。そして最後にゴーレムが現れた。

この漆黒の騎士以外の者は笑っている顔の仮面をつけていた。

すると、ゴーレムが声を発した。

「さて、王よ、どうしますかね?」

ゴーレムが王と言った大柄なものが答える。

「どうするも何も皆殺しに決まっているだろ?そのために来たのだから」

 

そして王と呼ばれた男は少し考えるそぶりを見せて

 

「いや、やはり一人は捕まえておこう。0お前に捕獲は任せる、他の者はそこの隊長殿と番外席次殿以外を狙え」

 

「はいぃ!」

 

0と呼ばれた黒騎士は女であったようでその声には歓喜が含まれていた。

その瞬間漆黒聖典全員が臨戦態勢に入る。一方で目の前の襲撃者達はまだ戦闘態勢に入っていない。

「そんじゃ、今王が言った通り俺と王はそこの隊長さんと番外席次殿の相手してるから各自一人必ず殺せ」

そんな余裕ぶっている襲撃者達は漆黒聖典と共に居たカイレがアイテムを発動させることなど気にしていなかった。恐らくどんな攻撃でも防ぐ自信でもあったのだろう。だがカイレが発動させたのはスレイン法国の秘宝中の秘宝〝傾城傾国〟である。

漆黒聖典の者たちは臨戦態勢を崩さないが安堵していた。番外席次はがっかりしていたが仲間が6人も殺された直後現れた襲撃者達を相手するのは流石にまずい。だが、傾城傾国で支配できない存在は居ない。そして、傾城傾国から現れた龍状の光が襲撃者達を包み込んだ。

「はっ!?」

 

「なんだと!?」

パイスタとアインズは突如感じた感覚に驚愕した。体内に何かが蠢く感覚。心臓を鷲掴みにされた感覚。それらが混ざった感覚に襲われた。守護者達も同じく感じたようだ。これはユグドラシルで何度か感じた感覚。そう、その感覚の原因は

「「ワールドアイテム!!!」」

2人は叫び自分たちにワールドアイテムを使った者に視線を向ける。その先には白い龍の刺繍がされたチャイナ服を着た老婆が立っていた。

そして、アインズが叫ぶ。

「1! 今すぐにあそこの老婆からあの服を奪って来い!!2は1の援護に回れ!」

すぐさまシャルティアとコキュートスが動く。

標的にされた老婆はその場から逃げ出しこちらに盾を構えながら老婆を追う男。どうやらあの老婆に戦闘能力はない様だ。

2人以外の守護者達はアルベド以外各自獲物を分断してある程度他の守護者達と距離を取り戦闘に入っていた。

「王よ、我々も始めますか」

「そうだな特攻、始めよう」

パイスタとアインズはようやく戦闘態勢に入り自分たちの敵である漆黒聖典の隊長と番外次席がいる方向を見た。すると目に飛び込んできたのは物凄い勢いでパイスタに突撃してくる女だった。

「あはっ♪」

「ちょっ!?」

慌ててパイスタは攻撃を防ぐ。すると女は

「すっごーい!私の不意打ち無傷で防がれたの初めて!あなた強いのね!?」

「ああ、少なくても今現在うちの組織で物理職最強だよ(たぶん)」

「そうなの!でもいいの?そんなこと話しちゃって」

「いいいのいいの、どうせお前はここで死ぬし、俺の声は魔法で盗み聞くことはできないし」

「へぇー、まぁいいやもっと殺しあおうよ」

「ああ、いいよ」

すると、漆黒聖典の隊長が番外席次に近づき

「私も共に戦います」

「余計な真似しないで!私はようやく対等に戦えそうな相手に会えたの邪魔するなら先ずあんたから殺すよ!」

「……なら、あの大男を警戒しておきます。もしあなたが負けそうになったら何が何でも助けに入らせていただきます」

「あぁもう!分かったわよ」

「ありがとうございます」

そして、女は改めて剣を構えてパイスタに突っ込む。パイスタはあらかじめ構えておいたので女に合わせて突撃する。

そして、二人の剣がぶつかり合う。

コキュートスはすでに老婆と盾を構えた男の分断に成功していた。老婆はシャルティアによって殺害済みであり。シャルティアは少し離れたところからこちらを見守っている。

コキュートスの性格を知っての行動だ。

「くそっ!なんなんだよお前らは!?」

「答エル義理ハナイ」

そう言ってコキュートスは剣を構える。それを見た男も盾か構えるがその足は震えている。カイレの傾城傾国が効かず、さらに圧倒的力でカイレと引き離された時点で自分の未来はわかっている。だが、漆黒聖典の巨盾万壁として最後まで逃げ出さない。その覚悟で盾を構えた。

「全力デ行カセテモラウ」

そして、男の視界からコキュートスが消えた。そして、男の視界は二つに割れた。それが巨盾万壁が見た最後の景色だった。

「おつかれでありんす。コキュートス」

 

「チガウ、今は2ダ」

 

「それは失礼しんした」

「……今一ツ分カラナイコトガアル」

「なんでありんすか?」

「コノ男……」

 

 

 

 

 

「行け!ギガントバジリスク共よ!」

 

一人師団が懐から出した3つの漆黒の玉を地面に叩きつけると彼の付近から3体のギガントバジリスクが現れアウラに襲いかかる。

 

「その子達どこから出てきたの?」

 

アウラは攻撃されているのにもかかわらず呑気に尋ねる。

 

「そんな口が利けるのも今のうちだ!」

 

一人師団はさらに命令をしその命令通りギガントバジリスクは攻撃する。

 

「はぁー、全然ダメだね」

 

「な、何!?」

 

「そんなに細かく指示したらその子達の思う通りに攻撃でいないじゃん。少なくても戦いに関してはその子達の方が経験豊富だと思うよ」

 

「何だと!私よりこいつらの方が上だと?」

 

「だってアンタ戦い方が単調すぎ。攻撃がパターン化されてるじゃん」

 

「なっ!?」

 

一人師団は今まで一度も見破られたことがない自身の戦術を見破られ動揺する。

 

「来ないの?じゃあこっちから行かせてもらうよ。『眷獣招来・フェンリル』おいで、フェン!」

 

ワオオオオン!と獣の遠吠えが聞こえる。

すると突如空間に穴が開きそこから体長約20メートルほどの漆黒の狼らしき獣1匹が現れる。

 

「ぷ、はははははは、何だその獣はその程度で私のギガントバジリスク達を倒せると?笑わせるな!」

 

「フェン!あいつら全員殺っちゃって!」

 

ワオオオオン!と答えるように鳴きギガントバジリスク達に突進するとフェン。

 

「踏み潰せ!」

 

そう叫んだがその命令は実行されなかった。何故ならギガントバジリスク達はその時点で死んでいたからだ。ギガントバジリスクが持つ全てのデバフはアウラが呼び出す事で発生するバフに無効化されていたため効かず、フェンは赤子の手を捻るように3匹のギガントバジリスクを噛み殺していた。

 

「ば、馬鹿な!有り得ないそんなに複雑な動きを事前に命令していたら必ず破綻するはずだ!」

 

「だ・か・らあたしはフェンには殺せとしか指示してないの!あとはフェンが自分で考えて行動した。それだけよ」

 

「あ、ありえな「バチャ」

 

最後まで言い切る前に一人師団はフェンの嚙みつきにより絶命した。

 

「ふぅ、ご苦労様フェンあとでご馳走持って行ってあげるね」

 

そうアウラが言うと先ほどまでと違いフェンは仔犬のようにアウラに飛びかかろうとしたが、

 

「今はダメ!あたしはいま仕事中なんだから!」

 

クゥゥンと鳴くがアウラは反応しない。仕方ないのでフェンはナザリックへと戻って行った。

 

「はぁ、殺しちゃった。暇だなー。でも、こいつ……」

 

「に、逃げないでください!」

 

「ふざけんな!逃げなかったら殺されるだろうが!」

 

そう言って神領縛鎖はマーレを拘束しようとマーレの周囲から金色の鎖を放つ。

 

「うわっ!」

 

驚きの声を上げながらもマーレは鎖を難なく躱す。

 

「い、痛くしませんから殺されて下さい!」

 

物騒なお願いをするマーレに対して神領縛鎖は笑顔を見せる。

 

「は、ははははは!引っかかったな!くらえ『神縛陣』!」

 

するとマーレの立っている地面から先ほどより早く鎖が現れマーレの手足を拘束する。

 

「きゃっ!」

 

マーレは可愛い声で驚きを見せるが鎖が緩むことはない。

 

「ひっ、ふぁっ、う、うち、や、やめ」

 

「誰が止めるか!さぁ!その鎖に捕らえられたら最期だ!体を引き千切られ臓物をまき「バキンッ!」……え?」

 

神領縛鎖は驚きながら目の前で起こったことに驚愕する。マーレは苦もなく鎖を引き千切ったのだ。

 

「やめてくださいよ、内腿凄くくすぐったかったんですよ」

 

「く、くすぐったい?俺の全力の拘束魔法がくすぐったいだと!?」

 

そう言いながら神領縛鎖は再びマーレに鎖を放つ。だが、

 

「うー、ていっ!」

 

マーレは持っていた杖でそれをはたき落とした。

 

「ば、馬鹿な!」

 

「拘束魔法はこういうのをですよ『大地の抱擁』」

 

ゴゴゴ、と地響きがする。

 

「な、何だ!?」

 

音が止むと神領縛鎖の周りの土が盛り上がり神領縛鎖を包み込んだ。

ブチャ!

そんな音が聞こえ自動的に『大地の抱擁』は解除される。

 

「あれ?おかしいな、この程度で死んじゃうなんて。この人……」

 

 

 

 

「ほう、私の攻撃を躱し続けるとは興味深い」

 

「当たり前だ!私達漆黒聖典がお前らごときにやれるわけにはいかないんだ!」

 

占星千里はきっと仲間が来てくれる事だろうと思い必死にギリギリのところで攻撃を躱す。彼女の身体能力だけではデミウルゴスの攻撃を躱すことはできない。だが、彼女は未来を占うことができる。それによりデミウルゴスの攻撃を先読みし躱し続けているのだ。

 

「ふむ、追尾攻撃でも当たらないな。ならば」

 

デミウルゴスは仮面の下で笑顔を作る。

そんな事はしらない占星千里は次の攻撃を予測する。

 

「なっ!そんな!」

 

絶望した女の顔に満足しながらデミウルゴスは言う。

 

「単体を狙って当たらないのなら範囲ごと狙えばいいじゃないか」

 

終焉の嵐(ジ・エンドオブストーム)

 

その瞬間デミウルゴスの背後から嵐が吹き荒れる。嵐はデミウルゴスの目の前の全てを削り、砕き、消滅させていく。

 

「ぎゃああああああああ!や゛めでえええええええ!じにだぐないいいいいいい!」

 

人間の悲鳴が終わるとデミウルゴスは魔法を解除する。そしてさっきまで人間で形をしていたであろう肉はグチャグチャの挽肉としてそこら中に飛び散っていた。勿論デミウルゴスには全く飛んできていない。

 

「はぁ、もう少し楽しませてくれると思っていたのだが、残念だよ。だが、この人間本当に……」

 

 

 

「「「「レベル90もあるのか(アルノカ)(あったのかなぁ)(なのかな)?」」」」

 

デミウルゴスは考える。

 

(ニグレドがアインズ様に虚偽の報告をするはずがない。それにニグレドが操られている可能性も考えられない。ならば残る可能性は……)

 

デミウルゴスが一つの可能性に辿り着くと同時に他の守護者達がこちらに歩いてきた。全員快勝したようだ。別の方向からセバスが歩いてくる。セバスとデミウルゴスの仲が悪いことは守護者全員が知っている。なので空気が悪くなる前にマーレがセバスに話を振る。

 

「セ……sさん!そちらはどうでしたか?」

 

「はい、私の相手が自分は人間最強だと名乗ったので先ず殺気を向け様子を見ようと思ったのですが、殺気で絶命してしまいました」

 

「やはり」

 

デミウルゴスが反応する。

 

「皆に私が立てた仮説を聞いて欲しいのだがいいかな?」

 

「カマワナイ」

 

「わっちも聞きたいでありんす」

 

「私もいいよー」

 

「ぼ、僕も聞きたいです」

 

「お願いします」

 

そしてデミウルゴスが自身の仮説を話すと聞いた守護者達は納得の表情をした。

 

 

「せいやっ!」

 

「きゃはっ!」

 

パイスタと番外席次は殺し合いの欠片の無い声を上げながら楽しそうに殺し合いのをしている。それは常識ある者が見たら狂人の域であり、否もはや狂人である。だが二人ともまだ本気では無い。番外席次はアインズに警戒パイスタは隊長に警戒しながら戦っている。

 

「ああもう!めんどくせぇ!0!」

 

「はい!」

 

アインズを守る為に至近距離にいる所為なのかアルベドは明るい声で返事をする。

 

「王はそっちに完全に任せる!絶対に二人とも無事でいろよ!」

 

「はいぃ!」

 

「特攻、俺の事も信用してくれよ」

 

「王は何でも他人にやらせるもんだと思うけど」

 

そんな呑気に会話してると隊長さんがアインズ達に単身で突撃していった。間接的にパイスタが本気を出すと言って焦ったのだろう。

 

「さて、こちらもやっと全力で戦えるな」

 

「そうね、礼を言うわ」

 

「いいさ、どうせ今から殺すんだし」

 

「それはどうかしら?」

 

会話が終わった瞬間二人は先程とは比べ物にならない程の速さで戦う。はたから見れば二人は瞬間移動して様々な場所で一瞬だけ姿を現しているようにしか見えないだろう。

だが、アンデッドになった事で五感が優れているアインズと周囲を警戒しながらその戦いを見ている守護者達はその戦いが見えていた。

 

「なんと!」

 

「パイスタさん凄いな」

 

デミウルゴスとアインズは誰にも聞こえないほど小さな声で驚きのの声を発した。デミウルゴスだけではなく他の守護者もだが。番外席次とパイスタは所々にフェイントを織り交ぜ戦っている。どちらにも差が無いように見えるが僅かにパイスタの方が押している。

 

「へぇ、やるね」

 

「ええ、いいわ、これ本当に凄い。こんなに苦戦するなんて初めてよ!」

 

番外席次は歓喜の声を上げる。少しばかり興奮してるようだ。

 

「お前なら多分耐えられるだろ」

 

「なんの事?」

 

「この世界で俺の技は何か強すぎるみたいでな、だがお前は強いから使ってみる。消し飛ぶなよ!」

 

『第二段位武術・離岸流!」

 

離岸流は前方への範囲攻撃なのでここまで戦ってきたこの女なら恐らく前回のように挽肉になる事は無いだろうと思ったが、一応少し力を抜く。そんなパイスタの気遣いを知らない番外席次は腕をクロスし武器を盾代わりにして攻撃を防ごうとする。だが

 

バジュッ!

 

という音と共に両腕が消し飛ぶ。体も飛ばされるが何とかバランスをとって立つ。

 

「……」

 

「ふぅ、どうする?まだやるのか?」

 

パイスタは番外席次に問いかける。もしここで「ええ、やるわ」と言われていたらパイスタは即座に彼女の首を刎ねていただろう。だが、ここで予想外の事が起こった。

 

「んふ」

 

「んふ?」

 

目の前の女性がいきなり「んふ」とか言い出せば誰でも不思議に思うだろう。だが、これで終わらなかった。

 

「あははははははは!」

 

「うわっ!」

 

女は大声で笑いながら股から下を濡らしていく。

人はあまりの恐怖にこうなる事があるとタブラさんに聞いたなぁと思い出してると信じられない言葉が聞こえる。

 

「好き」

 

「……は?」

 

パイスタは混乱する。今聞こえたのは何なんだ?できれば幻聴であって欲しいと願うがその願いは聞き届けられなかったみたいだ。

 

「好き、好きなの!あなたの事が」

 

「はいぃぃ!?何で!?今両腕が吹っ飛ばしたんだよ俺は」

 

「ええ!そうよ!私の腕を吹き飛ばした!こんなの初めてなの、今までどんな存在も私を倒す事が出来なかった。でも!あなたは私を戦闘不能にした。つまりこれは私の敗北!」

 

「そ、そうだな」

 

「私は私より強い相手と子供を作ろうと思ってた。でも、あなたとは物理的に作れない。だから、私はあなたの下僕になる!物になる!玩具になる!さぁ!自由にして!」

 

女の目には絶望などの感情は一切含まれていないむしろその目にあるのは歓喜、愉悦などの感情ばかりだった。

 

「うわぁ」

 

ドン引きである。はっきり言ってこんな事を言われて喜ぶのは一部の者だけだろう。

ちらっとアインズに助けを請う視線を向けるがアインズは見て見ぬふりをし、アルベドがたった今捕まえた隊長の元へ歩いていく。

 

(つまり、俺の自由にしていいって事だよな)

 

そう考えたパイスタは自分で思いつくだけの質問を番外席次にする。

 

「いいか?今から俺がする質問に簡潔に答えろ」

 

「はい!」

 

「一つ、お前並みに強い奴は他にいるのか?二つ、お前の強さは鍛錬で手にいてたのか?とりあえずこの二つに答えろ」

 

「はい、先ず私以上の強さを持つ者は法国にはいません。そしてこの強さは私の祖先の強さが発現したものです。鍛錬もしていますが大元の強さは鍛錬ではありません」

 

「なるほど、ならこの先お前並みの強さを持つ奴が立て続けに現れる事は?」

 

「ありえません、私は奇跡といえる確率で生まれたと聞いてます」

 

「そうか」

 

そう言ってパイスタは番外席次の頭を撫でる。

 

「ふぁ、ごしゅじ「グヂャ」

 

そしてその頭を握り潰した。

 

「あー、パイスタさん殺しちゃったんですか?」

 

「アインズさんから特に指示が無かったんで勝手にしていいと思ったんです。それにこんな狂ってるやつを俺たちの城に連れて行きたく無かったんですよいろんな意味で」

 

「まぁ、こいつの強いやつに従う理論だとパイスタさんがこの世界に来てるかもしれない別のプレイヤーに負けた瞬間寝返りそうですしね」

 

「そうですよ、危険なんですよ」

 

そしてパイスタはアインズに手に入れた情報を教えた。

 

「この情報をすんなり手に入れたからこの件はチャラって事で」

 

「どもどもー」

 

すると二人の元にデミウルゴスが近づいてくる。

 

「アインズ様パイスタ様一つお耳に入れたい事が」

 

「待てデミウルゴス、それはナザリックに帰還してからにしろ今は迅速に撤退だ」

 

「畏まりました。死体は既にナザリックに移動済みです」

 

「分かった」

 

こうして人類の守り手と最恐ギルドの化け物たちの戦いは幕を閉じた。




戦闘描写の内容が薄いなら数で補えばいいじゃない!という考えのもと書かせていただきました。
前半のパイスタのガチャ運を呪う会の話は一応書いておきたかったんですすみません。
あと私事なのですが、感想欄での返信でお答えした漆黒聖典の強さと今回の話の漆黒聖典の強さが違ってます申し訳ありません。
カランコエの花言葉は「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」「おおらかな心」です。
誤字・脱字報告
アドバイスや質問
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

説明と出発と到着

今回は説明要素99%出発要素1%です。



漆黒聖典を倒しナザリックへと帰還したパイスタとアインズは今後の話をするべくアインズの私室に来ていた。ここはアインズの執務室も兼ねているため結構広いし大人数で話すための机と椅子も設けられている。

 

「あれ?そういえばデミウルゴスは?」

 

「デミウルゴスは回収した漆黒聖典の死体の保存と確かめたいことがあるから少し時間を下さいってめちゃくちゃ丁寧に頼まれたのでもう少し掛かるはずです」

 

「そうですか、じゃあアインズさん始めましょうか」

 

「そうですね」

 

そういってアインズは魔法で作り出した漆黒の鎧を身に纏う。

 

「俺とナーベラルはモモンとナーベと言う冒険者としてエ・ランテルで活動する予定です。目標はとりあえずトップクラスの冒険者の仲間入りですかね」

 

「アインズさんが戦士職やるとか想像できないなぁ。大丈夫?」

 

「慎重に活動する予定なのでヘマはしないと思います」

 

「そうですか、まぁアインズさんなんで心配はしませんよ。俺は明日ガゼフさんに王都に連れて行ってもらう予定です」

 

「なら俺たちも明日出発します」

 

「お互い頑張りましょう!」

 

「はい!」

 

 

 

 

デミウルゴスが他の守護者達を引き連れてやって来てアインズ達に先ほど守護者達に話した内容を伝える。

 

「アインズ様からお聞きした敵の平均レベルは90。アインズ様とパイスタ様ならともかく我々だと普通なら時間がかかります」

 

(いや、俺達でも時間かかりますよね?)

 

(はい、しかも俺の場合即死耐性とかついてたら結構かかります)

 

メッセージを使いそんな話をしながらアインズとパイスタはデミウルゴスの話が見えなかった。

 

「ですが、今回我々守護者一同とセバスは難なく寧ろ余裕をもって敵を殲滅することができました。なので、勝手ながら先ほどニグレドに漆黒聖典の平均レベルを確認してきました」

 

「ニグレドが私に嘘を言ったと言いたいのか?デミウルゴス」

 

「その可能性があると考えていました。しかし、ニグレドには何の異常も見られず、やはり敵の平均レベルは90とのことでした」

 

「まぁ、ナザリック内にいるニグレドだけをピンポイントで洗脳とかすんのは不可能だろうしな」

 

パイスタの返事に他の者も賛同の態度を示している。

 

「はい、そこで一つの疑問が生じます。それは、何故我々守護者は難なく敵を殲滅できたかというものです」

 

「そうだな、何でだろうな」

 

「私の出した答えは漆黒聖典のレベルは平均90だったが能力値は30~40だったというものです」

 

ここでパイスタがアインズにとっての爆弾を投下した。

 

「あれ?アインズさんさっきそんなこと言ってなかったっけ?よく覚えてないけど」

 

(ちょおおお!何言ってやがるクソゴーレム!?)

 

(いやー、ここでこのまま話を聞いてたらアインズさん守護者に何もわかってないと思われそうだったからさ)

 

(余計なお世話だ!!)

 

メッセージでそんなやり取りをしていることを知らないデミウルゴスは

 

「やはりアインズ様は全て分かっておられたのですね。このようなくだらないことに至高の方々の貴重なお時間を割いていただいて申し訳ありません。私からはこれ以外特に報告するようなことがありませんのでこれにて失礼します」

 

「ちょ、ちょっと待てデミウルゴス」

 

この非常事態にアインズは焦りながらも支配者の演技をしながらデミウルゴスからさっきの話の続きを話させようとする。

 

「何のために他の守護者達を連れてきた?」

 

「確認のためです。先ほど守護者達には先に話していたので理解の相違があったらいけませんので」

 

「そうだ、そのようなことがあってはいけない。だからここで話しなさい。もし私とデミウルゴスの考えが僅かに違えばそこから大きなミスに繋がるかもしれないからな」

 

「おお!流石はアインズ様。畏まりました話させていただきます」

 

(あぶねええええ!アインズさんナイス!)

 

(しっかり、あとのこと考えてから発言して下さい!!)

 

そして、デミウルゴスは先ほどの話の続きを話す。

 

「レベル90なのに能力値が30~40っていうのはつまりユグドラシルで例えるとレベルアップしたのにステータスが途中から上がらなくなったって考え方でいいんだよな?」

 

「はい、私もそのように考えております。先ほどニグレドの確認のほかに拷問官にも確認しましたが漆黒聖典に所属している者の幾人かは神人と呼ばれる六大神、恐らくプレイヤーの子孫であるようです。このことから私はこの世界の少なくとも人間は通常の鍛錬だけでは限界があり、神人は過去のプレイヤーの影響を受け通常の人間と基礎能力や能力値の限界の差があるものと考えています」

 

「神人じゃなくてもある程度は強い奴はいるみたいだがこの世界の人間には鍛錬して器を大きくしていってもそこに入れる中身がないってことだな」

 

「だが、神人はプレイヤーの影響でその中身がある」

 

パイスタは自分の考えがデミウルゴスと同じか確かめるようにアインズは答えを知っていたように振る舞う。

 

「うむ、やはり私とデミウルゴスの考えは同じだったようだ。他の守護者達も理解したな」

 

「はい、全員理解しました」

 

代表してアルベドが返答する。

 

 

 

 

「やあ!ガゼフさん!」

 

シズを連れてガゼフのもとにやってきたパイスタは何故か周りから視線を集めている。一方ガゼフは乗ってきた馬の世話をしていたためパイスタに呼ばれて振り向く。

 

「おお!パイスタど…の……」

 

「ん?どうしたんですか?ハトが豆鉄砲喰らったような顔して」

 

「いや、パイスタ殿なのか?」

 

「はい、そうですよ。……ああ!まぁこんな姿じゃびっくりしますよね」

 

何故パイスタが村人から視線を集めており、ガゼフと驚愕させたのかと言うとそれは

 

「何故パイスタ殿が人間の姿を?」

 

ガゼフが言った。そう今パイスタはアイテムを使いこの世界基準の人間つまりイケメンの人間になっているのである。しかも、しっかりと礼装を着ている。

 

「何故って王都に行った時いきなり美女とゴーレムが出てきたら皆さんびっくりすると思って」

 

「王都?つまりパイスタ殿は来てくれるのだな?」

 

「はい、予定より早く用事が片付いたので」

 

「それはよかった。では馬車に乗ってくれないか?」

 

「それには及ばない。アインズさんからこれを使えって言われたんだ」

 

そう言ってパイスタは黒い水晶玉を懐から出す仕草でアイテムボックスから出す。

 

「それは?」

 

「ガゼフさん、部下の皆さんと連れてきた馬や物資をここに集めてください」

 

「わ、分かった」

 

そして、集まり終わるとパイスタは水晶玉を握りつぶす。すると水晶玉の残骸から黒い霧が発生しその場の全員を覆うように広がる。

 

「パ、パイスタ殿!これは一体…」

 

「ふふ、さぁ?なんでしょう?」

 

パイスタとシズ以外は不安な表情であったが霧が晴れた瞬間その表情は不安から圧倒的驚愕に変わっていった。何故なら

 

「さぁ皆さん!着きましたよ!」

 

霧が晴れるとそこはカルネ村ではなくパイスタを連れてくるはずだった王都の門の前だったからである。

 

 




デミウルゴスの話は捏造です。
パイスタ人間形態の容姿はエターナルドリーマーというゲームのアルティアと言うキャラをイメージしてます。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

パイスタ王都へ行く 王都編

前半は結構どうでもいいです。重要なのは後半です。やっとやっとここまで来ました!
次回も王都編です。


「パイスタ殿、一体何をしたんだ?」

 

「アインズさん曰くあの水晶玉は転移魔法を込めたアイテムなんですって。それでカルネ村からここまで一瞬でこれたというわけです」

 

パイスタの話を聞いたガゼフは更に驚く。

 

「転移魔法!?ではアインズ殿は少なくても第3位階魔法を使えるのですか!?」

 

「はい、その程度なら使えますよ」

 

即答したパイスタにガゼフは暫し絶句したが気を取り直して話す。

 

「では、パイスタ殿我々が逆に連れてきてもらって何なのだが、ようこそ王都へ」

 

「まぁ、まだ中には入ってないんですけどね。城までは馬車に乗らせてもらっていいですか?」

 

「もちろん構わない。いや、乗ってもらわなばならないな。客人を城まで歩かせては王の名に泥を塗ることになる」

 

「では、お願いします。シズ、先に乗ってくれ」

 

「はい」

 

シズとパイスタが馬車に乗ったことを確認したガゼフは部下を引き連れて城へと向かった。

 

 

 

 

城に到着したパイスタとシズは客人として様々なもてなしを受け、そしてついに王に謁見する時が来た。

他の扉より豪華な扉がゆっくりと開いていく。ガゼフから事前に話を聞いており目の前には王以外にこの国の基盤となる貴族たちがいた。

パイスタは人生の中で最もきれいな姿勢で歩きその後ろをシズが歩く。はっきり言ってパイスタの歩き方は少し硬くはたから見ると緊張しているようにも見える。しかし、シズは慣れた歩きでパイスタの後を追っていく。

その姿は誰が見ても美しく、大貴族の何人かはシズに汚い視線を送っていた。

 

「チッ!」

 

パイスタは誰にも聞こえない大きさで舌打ちをする。もちろん理由はシズに視線を送っている貴族たちだ。

 

「よく来てくれた、パイスタ殿」

 

「いえ、こちらこそ招待していただきありがとうございます」

 

パイスタは跪き返答する。それからパイスタは王に自分は時々無礼な発言をしてしまうかもしれないという旨を伝えると

 

「なんと!パイスタ殿にはその程度の素養もないというのか!」

 

大貴族の一人が堂々と言う。それに続き

 

「全く!この程度の礼儀作法を教えないとはアインズ・ウール・ゴウンという魔法詠唱者もたかが知れてますな!!」

 

これがまずかった。まず、ガゼフが発言した大貴族を糾弾。そして、その貴族はそれでも尚パイスタを煽っていく。恐らくパイスタを怒らせてパイスタは野蛮だなんだと言って城から追い出すはずだったのだろう。そして自分たちは何か言い訳をして罪から逃れるはずだった。だが

 

「おい、人間(・・)

 

その言葉にその場の全員が凍り付いた。その声は先ほどまでの穏やかな声ではなかった。聞くだけで心臓が止まりそうなほどの怒りが伝わってくる。

 

「別に俺のことは何と言おうとかまわない。だが、アインズ・ウール・ゴウンを侮辱する事は許さない。今すぐ謝罪しろ、アインズ・ウール・ゴウンに対する侮辱を今すぐにだ」

 

パイスタに命令された貴族は恐怖のあまり声すら出ない。

 

「パ、パイスタ殿!」

 

すぐにガゼフが間に入る。

 

「すまない、ゴウン殿に対する侮辱については私からも謝罪する。どうか、怒りを収めてくれないか?」

 

「ふざけないで下さい。俺はあそこの奴から聞かないといけないんですよ」

 

だが、当の貴族は既に気絶寸前だ。パイスタが後一言何か言えば直ぐに気絶するだろう。

そして、静寂の中国王が口を開いた。

 

「パイスタ殿、家臣の非礼私からも謝罪する。どうか怒りを鎮めてはくれないだろうか?」

 

「……わかりました」

 

パイスタはそう言って怒りを鎮める。周りの者は急に空気が軽くなったように感じただろう。

 

「ではまず、王よ今回は何故私のような者を城に招待していただけたのか教えていただいてもよろしいですか?」

 

「もちろん、先ず一つ目は先日ガゼフ・ストロノーフの命を救っていただいたからだ」

 

「それは、アインズさんがしたんですがね」

 

「二つ目は貴殿とアインズ・ウール・ゴウン殿に王国に所属してほしいと思っている」

 

「……すみませんそれは俺個人では判断できません。なので、決まり次第報告しにまいります」

 

「うむ、わかった」

 

そのあとは特に意味のない話をしばらくして王への謁見は終了した。

パイスタは部屋を出た瞬間シズに話しかける。

 

「さて!シズ、街を見て回るか!」

 

「はい…喜んで」

 

シズは微笑む。パイスタは内心悶える。そして二人は街へと向かった。

 

 

 

 

城を出る際にガゼフに町の案内を申し出られたがはっきり言ってパイスタにとって邪魔だったので丁重に断った。

 

「シズはどこを見たい?」

 

「…パイスタ様が見たいところを…見たいです」

 

はて、見たいところ?そう考えて出た答えは一つしか無かった。

 

「俺はシズと一緒に見られればどこでもいいんだけどなぁ」

 

パイスタはボソッと言ったのではなく堂々とシズに聞こえる大きさの声で言った。それを聞いたシズは

 

「2人で…観光…デート!?」

 

瞬時に顔が真っ赤になる。だが、気絶はしない。シズも馬鹿ではないのだ、これまでのパイスタから聞いた幸せすぎる言葉の数々で気絶耐性は会得している。

 

「ん?今なんか言ったか?」

 

パイスタがシズの方を向いた時にはシズの顔はいつもの顔に戻っていた。

 

「いえ…なんでもありません」

 

「そうか、何かあったら言ってくれて構わないぞ」

 

「畏まりました」

 

そして、パイスタは数歩歩くと自分の今の服装を見て

 

「なんか派手だな」

 

そう言ってパチンッと指を鳴らす。すると一瞬でパイスタの服装が豪華な礼装から控えめな礼装に変わる。しかし、控えめと言ってもそれは「服についていた宝石の量と大きさが」である。

 

「よし、シズ!」

 

「はい…何でしょう?」

 

「とりあえず、調べたいことがあるから大商人探すぞ」

 

「畏まりました」

 

パイスタはシズからの返事を聞いて少し考える。そしてシズはパイスタを見つめる。

 

「……シズよ」

 

「なんでしょうか?」

 

「頼みがある」

 

「はい…何なりとお申し付けください」

 

「俺と二人っきりの時だけでもいいからさもう少し気軽に話してくれないか?」

 

「え?」

 

「嫌か?」

 

最後の嫌か?を聞いてシズはもうNOと言う考えはなかった、何故なら最後の一言の声がとても寂しそうな声をしていたからだ。こんな声を聞いて拒否できるはずがない。

 

「み、皆の前ではできませんが、ふ、二人っきりの時なら」

 

「そうか!ありがとうシズ」

 

そう言ってパイスタは満面の笑みでシズの両手を握る。

 

(だめ!だめ!そんな顔で見られたらまた意識が!気絶なんてしちゃだめ!)

 

パイスタは気づかない、まさか自分が原因でシズが結構な頻度で気絶を我慢していることに

 

 

 

 

 

大商人と言うより大権力者と言われている商人を見つけた。バルド・ロフーレという商人だ。彼はエ・ランテルの食料の流通の大部分を牛耳っているらしい。何故それで大権力者になれるのかよく分からなかったが面倒なので理由は聞かなかった。

そして、教えられた建物に入る。中は人で賑わっており、購入カウンターと売却カウンターらしきスペースがあったので人を避けながら売却カウンターに向かった。

途中何人かがシズに見とれていた。おい、見てるんじゃねぇ。そう思いそいつを睨みつけるとそいつはどこかに逃げていった。

 

「いらっしゃいませ、売却テーブルへようこそ。私はバイ・ゲトと申します」

 

カウンターに到着すると店員はパイスタに挨拶をする。

 

(ほう、他の奴らとは違いこいつはシズを見ても変な視線を送らない。いい店員だ)

 

パイスタの中でこの店員は好感が持てる相手にランクアップした!

 

「早速なんだが、この二つの金貨を売りたい」

 

そう言ってパイスタは旧ユグドラシル硬貨と新ユグドラシル硬貨を見せる。すると

 

「っ!少々お待ちください」

 

店員はユグドラシル硬貨を持って店の奥に消えていった。

数分後店員が大きめの袋をもって戻ってきた。

 

「先ほどの硬貨を専門の鑑定士が鑑定したところ芸術的価値を考慮して1枚交金貨100枚で売っていただけませんか?」

 

「はぁ!?」

 

パイスタが声を上げたのはその破格の金額にだ、この世界で金貨が流通しているのは知っていたのでユグドラシル硬貨がいったいこの世界でいくら位になるのか知っておきたかったのだがまさか2枚で200枚になるとは予想していなかったのだ。

だが、店員はパイスタの声を全く逆の意味でとらえたらしく、間髪入れずに言う。

 

「ならば一枚150枚ならどうですか?」

 

「……へ?」

 

今度こそパイスタはみっともない声を出した。パイスタが放心している間も店員は真剣な目でパイスタの返答を待っている。

 

「…いいでしょう、売ります」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

そこから店員の動きは早かった。まず、袋と一緒に持ってきていた布でユグドラシル硬貨を丁寧に一枚一枚包み、店の奥に持って行った。そして、帰ってきたらその手にさっきのより少し小さい袋を持っていた。

 

「こちらの大きい袋に交金貨200枚小さい袋に交金貨100枚が入っていますご確認ください」

 

「…シズ、頼む」

 

「はい」

 

シズは二つの袋の中を見るとすぐに言う

 

「300枚確かにあります」

 

「ご苦労様」

 

店員はシズが何をしたのか全く興味がないらしく、ニコニコしながらこっちを見ている。

 

「あのさ、この金貨とりあえず50枚ずつに分けて袋に入れてくれないか?」

 

店員は予想していたのか身を屈めると6つ袋を取り出しすぐに分けていく。全部の袋を受け取るとパイスタはシズを引き連れて建物を後にした。

 

 

「…シズ」

 

「……な、何?パイスタ様」

 

「!?」

 

シズは恥ずかしそうに顔を赤らめながら聞く。パイスタはシズが先ほどの頼みを聞いてくれたことに心の底から感謝しながら言う。

 

「金も手に入ったし、買い物でもするか!」

 

「よ、喜んで!」

 

シズは自然に笑顔になる。その笑顔を見たパイスタは表情には出さないが滅茶苦茶悶えながらシズと共に買い物(デート)を始めるのであった。




前書きで書いた通り次回も王都編(デート)です。
前半は主に王様とパイスタが面識があるということとまた訪れることを明記しておきたかったから書いたようなものです。パイスタ王都へ行くの主な目的はシズと距離を縮めてもらうことです。頑張れ!パイスタ!
あと、私事なのですが、オーバーロードが関係している小説二つに合計20人の方に評価をつけてもらったのでアンケートを行いたいと思います。なので、活動報告でアンケートに答えていただけるとありがたいです。期限は11月最終日の23:59までです。
誤字・脱字報告
感想などお待ちしてます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。