残念な俺が【仮面】になったらチートみたいに強くてアプレンティスちゃんをクンカしていたらいつの間にかラブラブになっていた (テオ_ドラ)
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俺が【仮面】になってしまったのはどう考えても主人公が悪い

「寄生乙www」

 

「見かけたら即BL、覚えていくといい」

 

「視界に映ると吐き気がする」

 

俺のことは巷ではこう言われているらしい。

別に俺は寄生をしていたつもりは断じてない。

ただちょっとお腹の調子がいつも悪いから

みんなの後ろをついて歩いていくことが多いだけで

そしたら気付いたらレベルが上がっていた。

難易度もエクストラハードに行けるようになったが……

 

「そう、みんなが強すぎるだけなんだ」

 

俺が戦わなくてもクリアできるから

ラッキーライズついた防具の+0でいいじゃん?

攻撃する前にみんなの攻撃で敵が勝手に蒸発するから

愛用のアンブラロッド+3を

ずっと装備しててもいいじゃん?

まあ俺ハンターだけど。

サブ?

ファイターだけど何か文句ある?

 

しかし、それの何が行けないのか。

 

最近は俺が緊急クエストに行ったら

全員がクエスト破棄していなくなるし、

ロビーで話しかけてもブラックリストに入れられているのか

誰もピクリとも反応もしない。

 

「……世界が悪いんだ」

 

そんな俺のもう話し相手になってくれるのは

ドゥドゥくらいしかいない。

モニカなんて俺の顔を見たら唾棄しやがった。

クーナちゃんはステージの上から、

クーナグッズで身を固めている俺を

ゴミ虫のように見下す始末。

 

正直、俺はそんな毎日に疲れていた。

 

「死のう」

 

俺が今いる場所は惑星ハルコタンの

白の領域に立ち並ぶ建物の上。

一応、2階建ての建物だし、

頭から落ちたら多分死ねるんじゃないだろうか。

 

※実際にはその程度でアークスは死ねません。

 

そんな時に下から声が聞こえてきた。

 

「……これ以上、彼女を苦しめるな」

 

「どういうことなんだ、答えろ!」

 

片方の声は知らないが、叫んでいる男なら知っている。

今や知らぬ人がいないほどの有名アークスだ。

ダークファルスを次々と葬り去る実力、

そしてまるでアイドルのような端正で甘いマスク。

優しいわ強いわでもう色んな女性アークスから

チヤホヤされている癖に特定の相手もいない。

恐らく、男性アークスにとって、

ダークファルス以上の敵だと認識している。

 

「貴様がどう動こうと、無駄だ。

 結末は、彼女にとって

 最悪のものしかにならない」

 

「……俺は絶対に諦めない!

 マトイも、このオラクルも救ってみせる!」

 

「彼女のことを想うのであれば

 ……ためらわず、彼女を殺せ」

 

「ふさげるな、お前に何がわかる!」

 

なんだか熱くなっておられる。

 

「あー、ヒーロー様は言うことが違うなぁ」

 

死ぬ前に聞いたのが、

あのいけ好かないアークスの声というのは最悪だ。

 

話し合いは終わったらしい。

「待て!」という叫び声と

共に足音は遠くなっていった。

 

「あのイケメン様が、俺の死体を見たらどう思うか」

 

まあどうせ、俺の顔も知らないだろうけどさ。

なんかそう考えると死ぬのが惜しくなってきた。

俺が自殺なんてやっぱやめて帰ろうとしたところで、

 

ビュオオオオオオ……

 

ハルコタンの巫女様も俺のことが嫌いなのか、

突然に激しい突風が吹いた。

そんな天候変化はないのに何故か突風が吹いた。

 

「あっ」

 

俺は高く巻き上げられ飛ばされ、

ひゅーんと頭から落下する。

 

そして……

 

ガコンッ!

 

何かに激突した。

 

「いてて……くっそ……

 死ぬほど痛いぞ」

 

俺は残念ながら死ねなかったらしい。

頭を抑えながら立ち上がると

 

「あれ?」

 

目の前に自分が死んでいた。

情けないくらいアホ面で明らかに死んでいた。

 

「じゃあ俺は幽体離脱したのか?」

 

そこでふと思い出す。

落下した時に何かにぶつかったと。

そういえばやけに視界が狭い。

まるで何かをかぶっているかのようだ。

 

その視界のなかで体を見下ろす。

 

「あれ?」

 

遠目にしか見たことがないが、これは知っている。

謎のピシっとした黒いスーツに、

悪趣味な赤いネクタイ。

 

「俺、【仮面】になってんじゃん?」

 

ダークファルスの仲間と噂される、

【仮面】になっていた。

どうやら下を歩いていたところに、

俺は頭からぶつかったらしい。

さすが仮面、堅くて何ともない。

 

「やっべ、もしかして体乗り移ったのか?」

 

ありえないことだが、

実際に今起きているのだから仕方ない。

でも本当の体よりなんか動きやすい。

これはこれで悪くない気がする。

さようなら肥満体系、

ようこそ筋肉体質。

 

「そういえばこいつの顔って結局どんなのだろ」

 

いつ拍子で元の体に戻るか、

いやもう死んでるから

この乗り移った状態みたいなのが

戻るかわからないので

とりあえず気になったことを試す。

 

どういう構造かよくわからないが、

触るとすぐに仮面は外れた。

 

「え?」

 

自分の死体から鏡を取り出して覗くと、

そこに映っていた顔は……

 

「あいつの顔じゃん」

 

みんなのヒーロー様の顔だった。

オラクルの英雄と【仮面】が同じ顔?

どういうことだ、と思う以上に

湧き上がる衝動があった。

 

「俺、もしかしてイケメンになった!?」

 

これはいい。

だって考えてもみてほしい。

 

あいつに成りすませば、

センパイにぞっこんのイオにあんなこともできる。

アイドルクーナとも仲が良いらしいから

こっそり部屋に連れ込んで押し倒せるかもしれない。

パティちゃんの胸揉んでも

「いやん、エッチ!」で済まされるに違いない。

 

「やっべ俺のハーレム生活始まったじゃん!」

 

夢と股間が膨らんできた。

人生の最後から一転、

輝かしい人生の始まりが来たのである。

アザナミとベットで

朝を迎えることも現実にできる。

 

「待てよ?

 あいつに成りすますには衣装がいるよな?」

 

生憎とあいつの持っているような

お洒落で格好の良い衣装はないし、

勿論買えるようなメセタもない。

さすがにこの格好では仮面を外しても疑われるだろう。

冷静になったせいか勃っていた相棒も治まってしまった。

 

「そうだ、採掘場跡に行こう」

 

今日のデイリーは採掘場跡探索だから、

メセタを稼ぎにきているアークスもいるだろう。

そいつらの隙をついて財布を奪おう。

 

とはいえしかし困った。

オケイハンは言うまでもなく

キャンプシップもさすがに

【仮面】は乗せてもらえないだろう。

目を閉じて採掘所を思い浮かべる。

さてどうすべきか。

 

けれど、俺は今は【仮面】なのである。

惑星間の移動なんて

へそで茶を沸かすよりちょろかったのだ。

 

「ゲートトンネルを抜けるとそこは採掘場跡でした」

 

しゅわわーんという軽い音ともに、

俺は採掘場跡のある惑星リリーパに来ていた。

 

「【仮面】だと!?」

 

「どこから出てきたんだ!?」

 

そしてタイミング悪く、

アークスのパーティと遭遇してしまった。

相手は3人、いずれもレベルは高そうだ。

さすがに俺も勝ち目がないと思い、

 

「ま、まあ待て。

 戦わずに俺、帰るからよ。

 そういうのも、たまにはいいよな?」

 

手を前に出して戦う意思がないことを伝える。

けれど野蛮なアークスどもは

 

「コートダブリスDよこせ!」

 

「金よこせ!」

 

雄叫びを上げて襲ってきた。

これがレア狂いのアークスどもか。

 

「お、おいよせよ!

 話せばわかる!」

 

俺は慌てて腰に下げていた

コートダブリスDを投げ捨てる。

こいつを囮に逃げるしかない。

けれどなんだかよくわからない力を発揮したそれは

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「なんて威力だ!」

 

ダブルセイバーが俺を護るように

勝手に軌道で飛ぶ。

円を描くように薙いでいく……

そう、デッドリーサークルだ。

 

どれほどの威力だったのだろうか。

全身サイキ防具や

イデアル防具をつけているはずのアークスたちが、

紙屑のように吹き飛ばされた。

やばい、これは怒らせてしまったか?

 

「あれ?」

 

しかし彼らはぴくりとも動かない。

さすがに死んではいないが、

全員気を失っているらしい。

 

「俺つぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

俺は【仮面】の力を完全に手にしていた。

やばい、2回目だけど俺の人生始まった。

キタコレ。

 

「しかし、勢いでアークスは倒したものの……」

 

よく考えなくてもメセタがあっても、

今の俺がビジフォン端末とか使えるとは思わない。

服を剥ごうにもこいつら、

ティンクルロビンとか

ワンダーシーカーとか……

つーか一人、ブーメランパンツだし。

強面の連中なのに可愛い系衣装とか、

こいつらアークス稼業馬鹿にしすぎだろ。

 

さすがにこんなの着て

あのイケメン様に成りすますのは難しい。

 

「くそ、俺は最強だけど、

 どうやってティアの腋をペロペロすればいいんだ」

 

そこで思い立つ。

 

「いや、別に和姦じゃなくていいんじゃね?」

 

今の俺は【仮面】なのである。

あと最悪、顔はあいつそのものだから、

色々と誤魔化しが聞くのではなかろうか。

つまりひょっとしてひょっとしてレイプ上等?

俺の犯る気と股間がむくむく上昇する。

 

「よっし!

 さっそく仕事しますか!」

 

今、契約はなされた。

ダークファルスと契約して魔法戦士になったのだ。

さっそく手当たり次第探そうと思った矢先、

 

「くそ、私に近づくな!」

 

遠くから切羽詰った声が聞こえてきた。

若い女性の声だ。

 

「キリッ」

 

今の俺は念じればすぐに飛べる。

さすが【仮面】

凄いぜ【仮面】

俺様は【仮面】

 

ワープした俺が飛んだ先にいたのは……

 

「私はダークファルス……

 いや……ダークファルスじゃないんだ……」

 

機甲種の犬たちに襲われている女性。

 

「ダークファルス【若人】?」

 

アークス本部から、

「ひょっとしたらただの被害者かもしれない」という

そういう情報は聞いていた。

だがまあ、自分には縁のない話だと思っていた。

しかし彼女は既にボロボロの有様で、

機甲種相手にも満足に戦えていない状態だった。

 

(このまま放置していたら、

 犬たちに犯される薄い本みたいな展開になるのだろうか)

 

それはそれで見てみたい気もする。

だが、

 

「ゴクリ」

 

彼女は事前に戦っていたのか、

服は破れて何故かもう半裸のような状態だ。

よくよく見ると顔立ちも綺麗なニューマンだし、

なにより半分ポロリしてる果実が美しい。

なにより半分ポロリしてる果実が美しい。

 

大事なことである。

 

大切な果実は全人類の財産だ。

それが穢されることは

ドゥドゥが強化に失敗するよりも許されない。

というか穢すのはこの【仮面】でなければならない。

 

「ふん!」

 

今の俺からすれば機甲種などラヴナッピーよりたやすい。

 

「ハリケーンセンダー!」

 

ハリケーン一発で全ての敵を吸い込み破壊する。

 

ガシャンガシャン!

 

バラバラになって機甲種は動かなくなった。

たかだか雑魚共、PA一発で十分。

 

「ふふ、俺つえー」

 

キリッ。

仮面の下で俺はニヒルに笑う。

 

「【仮面】……どうして、私を助けた」

 

そんな俺を床に腰を抜かしたような体勢の

【若人】は呆然と見上げる。

もう少し足を広げてくれたら花園が見える。

俺は視認されない動きで

微妙にズレていきながら口を開く。

 

「ふ、俺がお前を助けるのは当然だ」

 

「何故だ! 私は……ダークファルスじゃない!」

 

見当違いなことを言う彼女が

なんだか猛烈に愛おしくなってきた。

 

「馬鹿野郎!

 そんな些細なことはどうでもいい!」

 

そして俺は仮面を外して、

イケメンな素顔を晒して決め台詞を告げた。

 

「お前は俺の嫁にするのだからな!」

 

キリッ。

最高にカッコよく決まったはずだ。

あまりの興奮ぶりに、

俺の下半身も雄姿を奮い立たせ完全戦闘態勢である。

 

けれど何が気に食わなかったのか、

彼女はこの世の絶望のような顔をしていた。

視線は俺の下半身の隆起火山に向けられている。

 

もしや俺の視線が露骨に破れた箇所に

向いていたのに気付いてしまったのか?

 

「来るな、お願いだからこっちに来るな!」

 

後ずさりしながら彼女は手に持っていたツインダガー、

アブレンティスグラッジを投げつけてくる。

顔面に飛んできたのを慌てて掴むと、

 

シュンッ

 

【若人】はその隙にワープして逃げてしまった。

 

「ちっ……問答無用で押し倒せばよかった」

 

俺は失態に舌打ちをしてしまう。

すぐに追いかけようとして

 

「そういえばこれは、【若人】が装備していた

 ツインダガーか……」

 

クンカクンカすると、微かに【若人】の汗の香り。

 

「おお……」

 

俺は思わず

 

……

 

……

 

……

 

「ふう」

 

荒ぶっていた心も随分と落ち着いた。

先ほどまで何を生き急いでいたのか。

賢者の心を手にした俺は頷く。

 

「ダークファルスの嫁にはダークファルスが相応しい」

 

結論付けた。

あの肢体……目に焼き付けるだけでは満足できない。

 

「ふふ……待ってろよ、俺の嫁」

 

【仮面】として新たに人生を歩み出した俺は、

強い決意と共に

空想と妄想の加速する冒険へと繰り出した。

 

 



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やはり【仮面】の性春ラブコメはまちがっている

勢いで更新してしまった……
深く反省しております、はい。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「た、助けてくれーーー!」

 

俺は襲い掛かってきた男アークスたちを

左手で尻を掻きながら、

右手でコートダブリスDを振り回して蹴散らす。

なにせ投げれば範囲攻撃も楽々、

更にはテクニックも使えるので遠距離もばっちりだ。

 

「……くそ、なんて強さだ!」

 

殺しはしない。

あまり残忍なことをして、

英雄様がくると面倒だからだ。

あくまで襲い掛かる火の粉を払う程度。

 

「しかし、納得できん」

 

不満なのは採掘場跡に来るのが全員が男ということだ。

何故だ。

ロビーにはあんなにロリアークスがいたじゃないか。

セクスィなけしからん服装の女はどこへ行った。

裸エプロン……じゃない、

エドマチクララの幼妻風のアークスはいないのか!

 

「採掘場跡に出会いを求めるのは間違っているだろうか?」

 

俺は空を見上げてしみじみと呟く。

 

「ひぃ……命だけは!」

 

そう情けない声をあげたのは

スライトリトルを来たマッチョだ。

見ているだけで吐き気がする組み合わせである。

 

「おい、お前……助かりたいか?」

 

「は、はい!

 なんでもしますから!」

 

こいつは蹴散らしたうちの一人。

仲間を盾にして逃げようとしていた奴なので

俺は散々いたぶった挙句に這いつくばらせていた。

 

「ん?

 今、なんでもって言ったよな?」

 

「え?」

 

「なら、俺のをしゃぶれ」

 

「……」

 

「よし、殺そう」

 

「まっ、待ってくれしゃぶる! しゃぶるから!」

 

「馬鹿、男にしゃぶらせるわけねーじゃん」

 

ドスッ!

 

黙らせた。

冗談で言ったのに、目がマジだったのでかなり退いた。

 

「ああ……愛しの嫁はいまどこに」

 

虚しい気持ちで空を見上げる。

そう【仮面】の力を手に入れて超絶強くなった俺ではあるが、

これは万能ではないと気付いてしまったのだ。

 

「【若人】がどこにいるか、全く感じれん」

 

この力で探れるのは、

同族かあるいは『英雄』だけのよう。

何故あいつが探れるかは気にしない。

むしろ出会わないように避けれるから便利だ。

 

その力で彼女を探れないということは……

 

「やはり【若人】はダークファルスではないのか」

 

だがこの惑星リリーパから離れてはいない、

そんな予感だけはある。

 

「うほっ!?」

 

その時、突然に俺の股間が直立スタンドアップした。

元気すぎて圧迫が凄く、

俺は前のめりになってしまった。

 

「……女の匂いがするぞ」

 

ニヤリと嗤う。

 

「キリッ」

 

今の俺は念じればすぐに飛べる。

イクぜ【仮面】

犯すぜ【仮面】

俺様は【仮面】

 

「【仮面】……どうして?」

 

ビンゴ。

【若人】がそこにはいた。

地面に這いつくばり、

息も絶え絶えだった。

おかしい、前はここまで辛そうではなかった。

一体何が愛しのマイハニーを痛めつけたというのか。

 

「大成功ですよ大成功ですよ!」

 

そう、彼女はアークスに襲われていたのだ。

若い女性の声に俺は期待しつつも、

台詞に何か一株の不安を覚える。

 

「貴様、俺の嫁になんてことしやがる!」

 

コートダブリスDを構えて向き直る。

 

「が…が…がんばりますっ!」

 

そこにはモニカがいた。

いや、正確にはモニカを模した「何か」。

赤いロングヘアーに幼い顔立ち。

どこか自信がなさそうな保護欲そそる表情。

が、その実、わざと武器の強化を失敗しては

平然とほくそ笑み

フェイスブックには「撃墜数」とか書いてるのだ。

 

「今日は今まで最高の撃墜数ですよ!

 はあー、(アークスが失敗して)良かった」

 

いわゆる、悪魔である。

 

が、まあ一応性別は女ではあるし、

きちんとその姿だったらむしろ俺は燃えていた。

薄い本のような行為で徹底的に犯す。

潜在ならぬ性癖解放でフル強化した後、

上から下まで全部スロット拡張をしてやっていただろう。

 

「が…が…がんばりますっ!」

 

モニカのなりきりなのか

なんと乏しい台詞のバリエーション。

そして俺がそいつが許せないのは、

ボディビルダーも真っ青のムキムキだということだ。

あのファイターのハゲ(ジョーゼフ)よりも逞しい。

身長は2メートル超えているだろう。

 

そんな奴がスクールスイムウェア、

通称スク水を着ている。

想像してくれただろうか?

 

 

「うぐっ」

 

息子がクールダウンしただけで済まない。

俺は吐き気を堪えるのに必死だった。

 

「こんな奴に……嫁を穢されたのか!」

 

よくよく見ると、

なんか【若人】は全身に

オレンジ色の液体がかかっていた。

これが白濁とした液だったら、

俺はその場でキャストオフしていた。

 

俺は猛然とモニカもどきに襲い掛かる。

モニカ死すべし、慈悲はない。

 

「あわわ……なんてお詫びをしたらいいのか!」

 

奴が背中から取り出したのは……

 

「マドゥラードヴァリス!?」

 

それは惑星ウォパルに存在する、

なんか気持ち悪くて

口からオレンジ色のゲロを吐いて

スプ○トゥーンするという

サンショウウオみたいな生き物。

それの頭をそのまま武器にしたという

猟奇的なツインマシンガンだ。

 

それを奴は胸に当てて

 

「チクビームゥゥゥゥゥ!」

 

ゲロゲロゲロゲロゲロ!

 

よくない物質が噴き出してきた。

 

「ぐおぉ!」

 

弾は当たらない。

しかし俺の精神にはクリティカルだった。

 

キモい。

キモすぎる。

吐き気が抑えられないが……

 

(駄目だ、吐けば窒息する)

 

そう、俺は【仮面】なのである。

胃からの濁流を逃す術はないのだ。

とはいえ素顔を晒すわけにはいけない。

まさに俺の弱点を的確についた脅威の攻撃。

 

奴の攻撃は続く。

 

「セイントシャワー!」

 

Tマシを股に挟んで

なんか仰け反りながら噴射してくる。

繰り返すが出てくるのは、

もんじゃ焼きのようなゲロだ。

 

ホラーと言わざる得ない。

というかモニカ設定どうしたこいつ。

既にキャラ崩壊してるぞ。

 

「くそ……」

 

苦しい。

こんなにも生きてて苦しいのは初めてだ。

いや、一回死んでるけど。

一度も攻撃を食らっていないのに、

俺はもう倒れそうになっていた。

 

「俺は……またモニカに負けるのか」

 

本当のモニカに散々いたぶられてきた記憶が蘇る。

4スロ合成を0スロに落された記憶。

強化を10回連続で失敗された記憶。

貧乏な俺の顔を見て唾棄された記憶。

 

「ふむ、大成功じゃないかな」

 

ニヤリ。

既にモニカを取り繕うことすらしないそいつは

ゲスい笑みを浮かべていた。

 

俺は弱気になって

その悪意の視線から目をそらしてしまう。

するとそこには

 

「……」

 

疲れ切って何もかも諦めた【若人】がいた。

 

「そうだ、俺にはまだマグナムがある」

 

思い立つ。

俺は何のために戦っているのかと。

そうだ、嫁を手に入れるためだっただろうが!

 

「【若人】!」

 

俺は駆けより

 

「【仮面】……?」

 

惚けた表情をしている俺を見上げる彼女の

 

「俺に元気を分けてくれ!」

 

もみもみもみもみもみもみもみもみ

 

はだけている胸を揉みしだいた。

激しく、情熱的に、それでいて

スタンビートを刻むように鋭く。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

彼女は断末魔のような悲鳴を上げて気絶した。

けれど彼女の尊い献身により、

俺は戦う意志を取り戻していた。

 

「ふふっ、ビンビンだぜ!」

 

俺は狂気の表情を浮かべるモニカもどきに向き直る。

今までの怒りをぶつける相手に、

これほど相応しい相手もいないだろう。

 

「さあ、【若人】に代わってお仕置きだ!」

 

俺はズボンを下ろした。

開放された約束された勝利の剣は

雄々しく、かつ悠然とそこにあった。

突然のことに、さすがの奴も戸惑う。

いや、俺のブラッティマグナムの

堂々たる威風に恐れをなしているのか。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

俺は全てを解放する。

 

「解は『股間』に収束しているぞ!」

 

愚かなアークス風情よ、

これが【仮面】の力だ。

 

「フォメルギオォォォォォォォォォォォン!」

 

勇ましき砲台から力の奔流が溢れる。

星をも貫くその力は真っ直ぐに奴へ向かう。

 

「滅びろ消えろ宇宙のゴミが!」

 

力の濁流の前には

 

「あわわ……なん、て……おわ、びすれば……」

 

塵すら残さず消滅させた。

アークスは極力殺したくないが

あいつはアークスではないカッコ断言カッコ閉じる。

 

「ふっ……性技は勝つ」

 

戦いの終わった後は

ヒロインとのラブシーンと決まっている。

俺は意気揚々と振り返って【若人】のところへ行くが。

 

「……」

 

彼女は気を失ったままだった。

余程あのモニカスに怖い目にあわされたのか

涙が流れてた痕がキラリと光っていた。

 

「ふむ……」

 

役割を終えた聖剣は、

温かい鞘へ治まるのを望んではいるが。

 

砂にまみれ、そして煤に薄汚れた彼女。

意識がない彼女をモノにしても、

果たしてそれは嫁にしたと言えるだろうか。

 

「仕方ないな、ナ・バータ」

 

俺は手から弱めの水流を出して

彼女の体を洗ってやる。

綺麗になるように丁寧に丹念に。

 

特に汚れていると俺が判断した

胸部は念入りに綺麗にしておいた。

 

特に汚れていると俺が判断した

胸部は念入りに綺麗にしておいた。

 

特に汚れていると俺が判断した

胸部は以下略。

 

先ほど倒したアークスたちから衣装を剥いで

【若人】が濡れないように下に敷く。

 

目につき辛い洞窟の中だ、

機甲種もアークスもここは見つけれないだろう。

ついでに何故か男が持っていた

「フロルヴィクトリア」を横に畳んで置いておく。

あわせてモノメイトなど薬系も全部置いておいた。

優美な貴族風の衣装で、

きっと彼女が着たら似合うだろう。

というかアークスがこんなの着て戦えるわけないのに、

何故オラクルでは流通しているのか。

 

「早く、元気になり俺の嫁となるのだぞ」

 

俺は洞窟を後にした。

 

何故、そうしたのかは、

俺もよくはわからないが……

 

泣いていた彼女をそっとしておいてやりたかったのだ。

 

「そうだろう、相棒」

 

俺は下半身に問いかけると、

マグナムはニヒルに笑った気がした。

 

そこで俺は破れた彼女の元々の衣装を

手に持ったままなのを思い出した。

彼女がずっと着ていたので、

濃厚な【若人】の汗のカヲリ……

 

「おお……」

 

俺は思わず

 

……

 

……

 

……

 

「ふう」

 

荒ぶっていた心も随分と落ち着いた。

賢者の心を手にした俺は頷く。

 

「とりあえず、採掘場跡を活動拠点とし、

 彼女を見守るとするか」

 

しゅんっと消える。

ワープできるって超便利。

今後の活動方針は決まった。

後は征くのみ。

とりあえず適当な女アークスを見つけて

薄い本みたいに犯ってやろうではないか。

 

 

 

そんな俺は気付いていなかった。

俺を見下ろしているアークスたちがいたことに。

小高い丘に立つのは5人の戦士。

 

そのリーダー格の男が、

ブーメランパンツをくいっと履き直し呟く。

 

 

「やはり【仮面の】性春ラブコメはまちがっている」

 

 



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問題アークスたちがオラクルから来るそうですよ?

今回は特にネタもなく、
なんとなく更新したので、
前回に比べて下ネタも少なくなっております はい。
なら何故更新した、私。


「ちっぱい」とはいかなることか?

それを考えたことがあるだろうか。

 

俺は常日頃からそのことをついて思いを馳せている。

 

まだ見ぬ大いなる可能性を秘めた「将来性」か。

あるいは魅力が凝縮し完成された「究極形」か。

 

恐らくその問いは、股間の数だけあり、

そしてまだ誰もが答えを

見つけれていないのではないかと思う。

 

「そうは思わないか?」

 

俺は重々しく口を開き、尋ねる。

しかし、この崇高なる命題を

彼女は全く理解をしてくれなかったようだ。

 

「こっちに近づくな、ヘンタイ!」

 

俺の前にいるデューマンの女は

エーデルゼリン陽を着た青い髪のアークス。

まだまだ駆け出しで初々しさが残るモノの、

諦めない意志とそっと包んで揉んであげたい胸。

そう、あの憎いアークスをセンパイと慕う

イオというブレイバーの少女だった。

 

「マスターシュート!」

 

エーデルイーオーから放たれる

5本のフォトンの矢を俺は

 

「ふん……脆弱……脆弱!」

 

腰を前に突出し下半身で受け止める。

イオ程度の攻撃でダメージを受ける【仮面】ではない。

むしろ刺激を受けて

複合テクのパワーが溜まるかのように

 

ビクンビクンビクン!

 

痙攣するかのように高揚していく。

硬度はアダマンタイトレベル。

完全ではないが、

イオならばこれで十分。

 

「良きたぎる闘争よ!」

 

初めて出会った女らしいアークスに

俺は凄まじく漲っていた。

※モニカもどきは女ではない。

 

「面白い、面白いぞ貧乳!」

 

すぐに押し倒してもいいのだが、

やはり様式美というがある。

そう、例えるなら痴漢をする際、

いきなりクリティカルを狙うのではなく、

徐々に相手を追い詰めていく。

その過程で己の伝家の宝刀を温める同時に、

相手の羞恥心を煽っていくのだ。

そしてもう引き返せなくなった時に

美味しく食べるのが美学であり、

それこそが獲物に対する礼儀。

 

「……センパイ、ゴメン。

 ここまで……なのか……」

 

散々に追い回したので、

彼女は力なく膝をつく。

その服は既にボロボロで、

ギリギリ見えそうでみえないラインを保っていた。

【仮面】の力を持ってすればこのくらい容易い。

 

涙目で傷つき座り込む、

半裸のちっぱい……

そう、これは「アート」である。

俺はニヒルに笑いながら戦いの終わりを告げた。

 

「さて、そろそろ報酬期間に入ろうか!」

 

胸は熟してないが、機は熟した。

敗北したヒロインの末路は、昔から決まっている。

 

「【仮面】だけれど、愛があれば問題ないよね!」

 

例え距離が空いていても関係ない。

 

「キリッ」

 

今の俺は念じればすぐに飛べる。

貧乳掴むぜ【仮面】

貧乳揉むぜ【仮面】

貧乳好きは【仮面】

 

いきなり彼女の目の前に出て

ゾウさんパンチをしてやるのだ。

イオが絶望に目をきゅっと閉じるが……

 

「ふはははっ!」

 

何者かが間に割って入った。

凄まじい衝撃で突撃してきたそれは、

地面にぶつかり砂煙をあげる。

俺はすかさず、距離を開けなおす。

 

「困ったフォトンを感じ取り!

 オレ、参上!」

 

「その前口上は、まさか!?」

 

雑魚だけだと思っていたが、そんな、奴が……!?

 

煙の中から出てきたのは

黒い髪をライオンのように逆立て、

隆々とした体は逞しさを感じさせる。

高笑いと共に立つそいつは

 

「六芒亀甲が六、

 ピューイ、華麗に登場!」

 

本家とは似ても似つかない

ブサイクな顔の中年の男だった。

というか誰だこいつは。

六芒亀甲とか言ってたぞ。

 

「大丈夫か、少女よ!

 オレが来たからにはもう安心だ!

 オレはいつでも、そばにいるぞ!」

 

「や、やめろ!

 オレに関わるな!」

 

「オレはいつでも、そばにいるぞ!

 オレはいつでも、そばにいるぞ!」

 

股間を見せつけながら迫るゴリラに

イオが怯えるのも無理はない。

なにせどう見ても変態で、

格好がブーメランパンツに

何故か荒縄で亀甲縛りをしているのだ。

 

これは全裸にコートの【仮面】の方がマシだろう。

 

身の危険を感じた彼女は

脱兎のごとき逃げて行った。

 

「ふはははっ!

 少女には少し、刺激が強すぎたようだな!」

 

イオに逃げられたことに苛立つ俺ではあったが、

昂ぶりも収まってしまったので冷静になる。

 

「で、お前は何者だ」

 

「困ったフォトンを感じ取り!

 オレ、参上!

 六芒亀甲が六、

 ピューイ、華麗に登場!」

 

「いや、もうそれいいから」

 

いちいちよくわからない

雌豹のポーズとりながら言うのはやめてほしい。

 

「聞いたことがあります。

 六芒亀甲は六芒均衡にも匹敵する力を持ちながらも、

 あまりにも危険すぎるため、滅多に姿を見せないと。

 彼らはそれぞれに『創性器』を持つという……」

 

その解説に仮面は頷く。

 

「解説してくれるのはいいが、

 お前も誰だ」

 

隣を向くと、

そこにはよくわからない緑で丸い帽子を被った、

グラサンのニューマンの男。

こちらはやたらと充実に本家に似せられており、

もしかしたら本人ではないかと思ってしまう。

が、フンドシに亀甲縛りとか、訳が分からないよ。

 

「失礼、自己紹介が遅れましたね」

 

そいつは両手を正面にあわせてお辞儀をした。

 

「ドウモ、【仮面】=サン。

 六芒亀甲の三……ks=ラです」

 

「あ、うん。

 俺は返さないからな?」

 

残念ながらアークス同士にアイサツが必要だとは

古事記にも公式資料集にも書かれていない。

 

それだけ言って満足したのか

ksラはどこかへ帰って行った。

解説だけに来たらしい。

後姿はフンドシのケツが丸見えなんだが。

 

改めてピューイに向き直る。

 

「それで……俺の敵ということか」

 

問いかけると奴は頷き、

 

「待て、何故脱ぐ」

 

「きまった!

 これが最終段階だ!」

 

意味不明なことを叫びだした。

脱いだブーメランパンツと、

もう一つ取り出したブーメランパンツ。

両手に持ってそれを

 

「ホールディングカレント!」

 

いきなり投げてきた!

 

「ちょっ、おまっ、信じられないことするな!」

 

辛うじて避けるが、ブーメランパンツは

華麗に軌道を描いて本人の手元に戻った。

 

「よし、さらに続けるぞ!」

 

どうやらあれはパンツでありながら、

ワイヤードランスであるらしい。

つまりはワイヤードパンツ。

自分でももはや何を言ってるかわからない。

 

「おっ、いいものじゃないか!

 もってけもってけ!」

 

俺は華麗に避ける。

あんなモノをぶつけられたらたまらない。

美少女のパンツなら喜んでかぶるが、

男の古着など産業廃棄物以下だ。

男の古着など産業廃棄物以下だ。

大事なことなので

 

「ふん、その程度で【仮面】を倒せると思っているのか!」

 

俺はパンツの射程範囲外からテクニックで攻撃しようとして

 

「なん……だと……!」

 

奴の本当の武器を目にしてしまった。

 

「むっ、フォトンがうるさい!

 これはPSEバーストの予感だ!」

 

パンツで攻撃してるということは、

奴は今、全裸だ。

しかし、全裸といえども一つだけ武器を持っている。

そう、それは男であれば誰しもが持っている角飾り……

 

ヴォァァァァァァァァァァァァァァ!

 

ヴォルドラゴンの声が唸り声が聞こえた気がした。

 

「くっ……」

 

俺は膝をつく。

 

「なんて……デカさだ……」

 

例えるならば、

俺のモノが鋭く貫くことに特化したパルチザン。

だがそれに対して奴の『ソレ』は……

長さは負けず劣らず、そして凶悪な太さ。

黒光りし、抜き身の刃はまるでラストサバイバー……

ただ蹂躙することを目的とした最悪のソードだ。

 

「俺が……負ける……?」

 

街中の女子高生に聞いてみるまでもなく、

どちらが雄々しいかは言うまでもないだろう。

奴のソードに比べれば、

俺のパルチザンなど……。

アサルトバスターの貫通力であったとしても、

あれのライドスラッシャーには敵わないだろう。

あんなもので攻撃されたら、

全ては奴専用にされてしまうのは間違いない……。

 

「オレ、絶好調!」

 

奴は俺はを見下したような目で嗤う。

既に勝敗は決したといえよう。

 

「これが俺の創性器『チンブラ―ン』。

 全ての善と悪を孕ませる武器だ!」

 

あんなモノに、どうやって勝てばいいのか。

俺はあまりの絶望にコートダブリスDを手放す。

 

「すまない……【若人】」

 

すると

 

「あっ」

 

手を離れたダブルセイバーは

意志を持ったかのようにブンブン回転しながら飛んでいく。

 

「――!」

 

下半身にサプライズダンクしたダブセに、

白目を向いてピューイは力尽きた。

 

「……」

 

俺は立ち上がる。

 

「良き闘争であった」

 

奴は死んだだろう。

そう、その【巨躯】ゆえに当たり判定が大きく、

ダメージがそこに吸われたのだ。

猛き剣は絶大な威力を誇ると同時に、

それは最大の弱点でもある……

俺は最近降ろしてばっかりのズボンのベルトを

きちんとしめなおした。

 

「奴の敗北を肝に銘じねば」

 

明日は我が身かもしれない。

俺はコートを翻して立ち去ろうとしたが

 

「【仮面】!」

 

それは、愛しい嫁の声だった。

彼女は置いていった

フロルヴィクトリアを着てくれたらしい。

まだどこか幼さの残る顔立ちに、

けれど上品なドレスは中々どうして似合うじゃないか。

【若人】は声をかけてきたはいいが、

なんといえばいいのかわからない表情をしている。

 

「お前は……何者なの。

 どうして、私を助けるの……?」

 

俺は首を振る。

今の俺……【敗者】である俺に

彼女に応える言葉はなかった。

 

【仮面】になったことで俺は

最強無敵チートになったと思っていた。

だが、それは所詮、井の中の蛙だったのだ。

俺よりも大きい男がいることを知ってしまった。

 

俺は本当に、彼女に相応しいのだろうか。

 

「すまない……今は、そっとしておいてくれ」

 

俺は【若人】に近づいていき、

そしてキスができる距離まで近づく。

突然のことに彼女は思わず

目を閉じて身を縮ませた。

 

けれど俺は

 

パカッ。

 

「え……」

 

彼女の頭についてる今いち用途のわからない

二つの髪飾りを取っただけだった。

 

俺は振り向かずにそのまま消える。

 

「待って、【仮面】!」

 

その声を俺は離れた高台で聞いていた。

 

「俺が相応しい【仮面】になったら、

 必ず迎えに行く……」

 

俺は強敵に出会い、

勝たねばならないと意志を硬めた

下半身にいる相棒に告げる。

 

「強くなろうぜ」

 

応えるように、

相棒も天を仰いでいた。

 

とりあえず俺はズボンを脱ぎ、

持ってきた二つの髪飾りを両手に持つ

 

そして俺は

 

……

 

……

 

……

 

「ふう」

 

荒ぶっていた心も随分と落ち着いた。

賢者の心を手にした俺は頷く。

 

「問題アークスたちがオラクルから来たということか」

 

そう、この俺、【仮面】を倒すために……



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あの日見た痛クーナの正体を【仮面】はまだ知らない

今回は色々マズいネタが満載ですし、
最後のオチがつきません。
許してください、はい。
だってもうネタがないんですもん。
今回も微妙な終わり方しました。
あとクーナファンの方々ごめんなさい


「はー、しかし俺というか

 【仮面】は何が目的だったのか」

 

すっかり【仮面】での生活に

慣れてしまった今日この頃である。

最近したことといえば、

嫁の臭いをクンカクンカしてスッキリしたり、

ド変態なアークスどもを倒しただけだ。

この【仮面】にも

何か重大な使命があったのではなかろうか。

 

「さいくつじょうあとぐらし!」

 

まあそんなことは今の俺には関係ない。

さすがに採掘場跡だけに留まるのも飽きてきた。

【若人】はどうせここにいるのだから、

他の惑星にガールハントに

行っても良いのではなかろうか。

浮気は美学、

英雄色を好む、

NTRは紳士の嗜み。

嫁もきっと理解してくれるに違いない。

 

「うむ、俺のような優秀な遺伝子は

 オラクルに残さねばならないのだ」

 

まあ今は【仮面】なわけだが。

たくさん孕ませて生ませて、

絶対【仮面】チルドレンとか言ってみたいモノだ。

 

「とりあえず、しょんぺんでもするか」

 

意味もなく大きな岩の上に立ち、

晴天の採掘場跡の空に虹をかける。

 

「はー、飲まず食わずなのに

 排泄物が出るとはこれいかに」

 

キラキラ輝く黄金の水。

ロッティにかけてみたいものである。

 

「ん?」

 

その時、怪現象を見てしまった。

天からの恵みと降り注ぐ黄金水が、

地面に当たらず、

まるで見えない何かに

当たったかのように飛び散っているのだ。

 

「不思議なこともあるもんだ」

 

すっきりした俺はチャックを閉じて

さあ惑星ウォパルへ行って

水着のアークスと

きゃっきゃうふふでもするかと

 

「動かないでください」

 

突然ごっつい大きな刃物が

首筋にピタリと当てられた。

後ろに誰かいる。

この中に誰か一人だけ妹(ティア)がいる、

とかそんな冗談すら言えない雰囲気だ。

 

「よくも私に汚らしい尿を掛けてくれましたね」

 

静かなキタエリの声。

淡々とした口調でありつつも

怒気が明らかに隠せていない。

美人に後ろから抱きつかれるのは嫌いではないが、

さすがに刃物はノーセンキューである。

 

「お、おう……

 とりあえず落ち着こう、な?

 喧嘩はよくない、アークスみな友達」

 

「アークス?

 ダークファルスのあなたがアークスを騙ると?」

 

今の俺は【仮面】だったぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「むごたらしく死ぬか、

 もがき苦しんで死ぬか

 好きな方を選ばせてあげましょう」

 

「できればコフィーの股に挟まれて窒息死が

 やめろやめろやめろやめろ

 刃が刺さってる刺さってる」

 

この女、本気だ。

あ、でも背中に当たる胸の感触が気持ちいい。

何の衣装かわからないけど、

これブラつけてないんじゃない?

思わず内股になりそうなところを

「動くなと言ったでしょう」と、

ピシャリと言われて我慢した。

 

「……しかし殺す前に、

 あなたの素顔には少しだけ興味があります」

 

「げっ」

 

まずい。

【仮面】の素顔は

あの英雄と同じ顔なのだ。

見せるのは色んな意味でまずい!

 

「ふっ、俺はダークファルス【仮面】だぞ。

 仮面がそうそう簡単に外れるはずが……」

 

「あ、取れました」

 

「おぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

もう終わりだ。

仮面がぽろっと軽い音を立てて地面に落ちた。

 

後ろの女が俺の顔を覗き込む。

すると

 

「なっ!」

 

激しく驚いた声を上げ、

その隙に俺は脱出した。

 

「お前、何者だ!

 また六芒亀甲とかいう奴なのか!?」

 

距離を開けて退治する。

そこにいたのは……

 

「そんな……【仮面】があの人と同じ顔?」

 

呆然とした青いツインテールのアークスがいた。

その青い服装は

まるでストリッパーかというくらい

ボディラインがしっかりと浮き出た

異様なタイツのようなモノ。

ザムローダーだったろうか?

 

「……クーナに良く似ている顔だな。

 いや、しかし俺の知ってる

 クーナたんはこんな冷たい表情をしてない!」

 

前分けツインテールの整った顔立ちの

キタエリボイスのナイスバディ、

我らがアイドルクーナとは

顔が似ているだけで別人だ!

俺のクーナがこんなにこわいわけがない。

あと髪から水が滴ってるのは

俺から出た液体だろうか。

 

「モニカの次は、クーナのなりきりか!

 俺のクーナたんを真似るたぁいい度胸だ!」

 

そう叫ぶが

女はハッと鼻で笑い飛ばす。

 

「貴方こそ、『あの人』と

 同じ顔じゃないですか。

 分不相応なは貴方でしょう」

 

クソ、痛いところをついてきやがる。

クーナもどき……

いや、こいつのことは痛クーナと呼ぼう。

痛クーナは手に持った

鋭利なツインダガーを降ろす。

 

「貴方に提案があります」

 

突然そんなことを言い出した。

 

「提案だと?

 どうせロクでもない内容なんだろう」

 

「いいえ、貴方にとっては良い話ですよ」

 

まるで何を考えているかわからない。

痛クーナはゾッとするような

嗤いを浮かべてこう言った。

 

 

「――私のペットか性奴隷になりませんか」

 

 

耳を疑った。

こいつは今何を言った?

 

「お前、頭おかしいだろ」

 

「ダークファルスに言われたくありません」

 

そして何かを思い出したのか、

わなわなと手を震わせる。

 

「表はアイドル、裏は暗殺稼業……

 時代の流行りの『ギャップ萌え』は完備して、

 更にはライブイベントも盛りだくさん。

 際どい全身タイツから

 思わず汚したくなるであろアイドル衣装まで実装。

 だと言うのに……だと言うのに……」

 

くわっと目を見開いた。

 

「どうして私がヒロインじゃないんですか!

 マトイ、マトイって、EP1で空気だった

 あんなあざといカマトトぶった女が

 突然ヒロインだなんておかしいでしょう!?

 後付け設定ばっかりでシナリオライター

 馬鹿ですか頭悪いんじゃないですか!

 そんなに佐藤聡美が好きなんですか!

 りっちゃんの中の人が好きなんですか!」

 

「お、おう……せやな」

 

正直、何を言っているか意味不明だが

あまりの剣幕に頷くしかない。

 

「マトイマトイマトイマトイ……

 重いマトイ……忌々しいんですよ!

 『あの人』はもうマトイしか見ていないんです!

 私はksのカスラに上から目線で諭される日々……」

 

そしてユラリと揺れながら迫ってくる。

 

「だから私は、『あの人』の代わりに

 同じ顔をした貴方をイジメたいんですよ」

 

完全にレイプ目をしていた。

本能的な恐怖に俺は後ずさる。

 

「はぁはぁ……

 貴方を鳴かせたいんです。

 全裸に縛って、そしていぢめたいです」

 

クーナと同じ顔と体型なのは確かにソソる。

が、しかし、

この痛クーナはただのヤンデレだ。

俺はマゾじゃないから、

ペットになって悦んだりは絶対にしない!

俺は征服するのが好きなんだ。

嫌がりながらもけれど感じてしまい、

そんな女性の恥じらう表情が大好物なのであり、

決して虚ろな目の女に

欲情したりはしないのである。

 

(だが戦って勝てる相手か?)

 

しかし、気付けば

裏に回り込まれていたことから、

相手は気配を絶つ能力に長けている。

 

正直、次に回り込まれたら負ける。

 

「どこへ行くつもりですか」

 

「なっ」

 

とか言ってる隙に既に回り込まれていた。

俺は独り言が多すぎるんだと思う、うん。

 

無慈悲にも痛クーナは

ガシッと鞘に納めたままの俺の剣を鷲掴みにする。

 

「おぅっ」

 

そこは男にとっての急所だ。

ダークファルスといえどもそれは変わらない。

実はあまり知られていない、

【巨躯】も急所にバックハンドスマッシュをすると、

即死するということを。

 

「さあ、楽しみましょう」

 

口元で囁いてくる。

しかしすぐに不機嫌そうな声なる。

 

「何故あなたの原生種は

 まだガロンゴみたいになっていないのですか」

 

(これはマズいぞ……)

 

当たり前だが、

命の危機でいくら生存本能が全開になって

子孫を残したくなっても

この場面ではさすがに

スタンドアップするはずがない。

ラッピーの鳴き声みたいに

「きゅきゅっ」とされるだけで、

【仮面】の人生は終わるのだ。

 

「そういえば、前立腺を刺激すると

 強制的にギアが溜まると聞いたことがありますね」

 

恐ろしいことを言い出した。

時間はない。

俺は覚悟を決めた。

 

「……クーナ」

 

できるだけ情けないか細い声を出す。

ピタリと痛クーナの動きが止まる。

 

「……いや、クーナお嬢様、

 足の指を舐めさせてください……」

 

こうかはばつぐんだ!

 

「……ふふふふふ。

 そういうプレイも、

 私は嫌いじゃないですよ」

 

堪えきれないように溢れる暗い笑い声。

手が緩んだ隙に俺は

 

「今だ!」

 

今の俺は念じればすぐに飛べる。

平然と逃げる【仮面】

穴を守るんだ【仮面】

だって俺様は【仮面】

 

 

強制脱出をした。

さすがにワープまではついてこれないだろう。

 

念のため惑星リリーパを離れて、

惑星ウォパルへ転移していた。

 

「危なかったぜ……」

 

俺は汗をぬぐう。

 

「よもや六芒亀甲だけではなく、

 クーナのなりきりまで現れるとは」

 

なんと恐ろしいことであろうか。

今までは能天気にいられたが、

今後は本気でならざる得まい。

 

「くそ……

 このもやもやした気持ちをどうすればいいんだ……」

 

いつもは嫁の臭いでファンタスティックに

気持ちを落ちつかせていた。

今日は何もないことに憤りを覚えている。

 

「全てはあの痛クーナのせいだ……」

 

とりあえずウォパルの海底エリアにある、

よくわからない捕縛生物に女アークスを入れて、

触手プレイを楽しもうと俺は歩き出したのだった。

 

「しかし、あの痛クーナ……何者だったのか」

 

 

――あの日見た痛クーナの正体を【仮面】はまだ知らない

 

 



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【仮面】の妄想選択肢が、 採掘場跡エロコメを全力で肯定している

もうね、言わせてください。

ネ タ が な い 

なんかお気に入りに入れてくれる人がいますけど
毎回手抜きでホントすいません、はい。

完全に企画倒れだと思うんですよ、これ
【若人】が不在のまま進む物語。


「えー、今日はお便りを発表します」

 

俺は懐から紙を取り出し読み上げる。

 

「タイトルが

 『残念な俺が【仮面】になったらチートみたいに強くてアプレンティスちゃんをクンカしていたらいつの間にかラブラブになっていた』

 なのに【若人】が出ない話が

 あるのは詐欺だと思います」

 

はい、次どうぞー。

 

「エロい話を期待してお気に入り登録したのに

 全然もっこりできません」

 

お次の方ー。

 

「いつになったら【若人】と

 ラブラブになれるんですか。

 その兆しが全く見られません」

 

はい。

 

「死ねよハゲ」

 

 

……

 

 

………

 

 

………

 

 

 

「そんなの俺だってわかってるんだよ!」

 

燦々と輝く太陽、

青く澄んだ波打ち際……

爽やかな光景に

俺の魂の叫びが木霊す。

 

惑星ウォパルに来た時の俺は

それはもう股間モッコリ夢気分だった。

覚えているだろうか

期間限定の緊急クエストのビーチウォーズで

色んな水着のアークスが

きゃっきゃっうふふしていたのを。

一人だけエアリーサマードレスという

明らかに水着じゃない

カトリさんが混じっていたが、

アークス本部が

「水着じゃない奴はKYだからレアあげない」

と強制的に水着着用を義務付けたのは

まさにグッジョブの一言であった。

カトリさん次はナナフンスタイルでお願いします。

 

しかし当時の俺は残念ながら

ブラックリストに入れられすぎて緊急には行けず

悲しい思いをしたが……

 

「今の俺は【仮面】だ!

 エマージェンシートライアル

 あるところに俺がいる!」

 

合法的にアークスを

襲える素晴らしいシチュエーション!

水着回最高!

泳いだ後は温泉で楽しい乳比べがあるよ!

落ち込むイオちゃんprpr

 

……になるはずだったが、

 

「もうすぐ冬なのに

 泳ぎにくる奴なんかおらんよな」

 

世間様はハロウィンで

盛り上がってるところだった。

張り切ってブーメランパンツまで用意したのに、

肌寒い秋の海、

一人寂しく△座りをして海を眺める。

まさに【仮面】視線上のホライゾン。

 

「俺だって【若人】と

 ちゅっちゅっうふふがしたいんだよ……。

 なんか変態ばっかり相手してるけど、

 普通のシチュエーションがいいんだよ………

 あとハゲじゃねーし!」

 

前回からご無沙汰だし、

このやり場のないエネルギーは

どこへ放出すればいいのだろうか。

このままでは俺の聖杯から

よくないモノがあふれ出てしまう。

 

 

あー【ブルマ仮面】になりてー。

 

 

「まあまあ、ニイちゃん元気だしーなー。

 露骨なエロばっか求めてたらあかんで。

 チラリズムっていうてな、

 そういうのもまた嗜みやで」

 

ぽんぽんと謎の原生生物が俺の肩を叩く。

 

「お前、誰よ」

 

「カブリ●ンゆうモノや。

 こうして海で黄昏ている若者を

 励ますっちゅう……

 まあ可愛い妖精みたいなもんと思ってーや」

 

描写も嫌なくらい

卑猥な頭の形をした気持ち悪い生物だった。

手足の触手が激しく

バイブレーションしているのがシュールである。

放送しようとしても間違いなく

モザイクがかけられるだろう。

 

「まあ、ええキャバクラあるから紹介したるわ。

 ウォパルにいる海王種の綺麗どころ集めた店でな

 ピッチピチの子ばっかり――」

 

「とんでけー」

 

ワープの要領で

卑猥な生き物を

ダーカーの巣へと直接転送した。

 

「最後まで言わせてぇなあーーーーーーー」

 

例え性別は♀でも

海王種はどう考えても

ゲテモノしかいないだろう。

わかりきった地雷に飛び込む俺ではない。

 

「くっそ……

 どうして俺には変な奴しか寄ってこないんだ」

 

忌々しげに呟く。

これまで相対してきたのは

クソモニや六芒亀甲とか痛クーナとか、

マトモな奴が一人もいない。

 

『それはアンタがダークファルスだからさ』

 

そんな俺を嘲笑うかのような女の声。

この電子ボイスはキャスト特有のモノ、

そしてCV小山茉美とくれば……

 

「いや、いくらキャスト♀でも、

 古株六芒均衡はさすがに……」

 

それにどうせまた六芒亀甲とかそんな類なんだろう。

……フラグじゃないぞ、

これは回避を切に願う俺の想いだ。

 

「ま、まあ姿くらいは……」

 

もしかしたら意外なことに、

凄いロリロリなマリアかもしれないじゃないか。

 

ちらっと振り返った俺は

 

「【仮面】絶叫シンフォニックドライブ!」

 

ドォォォォォォォォォォン!

 

激しいビームを間一髪で避けた。

 

『いいねぇ、その動き!』

 

「ちょっ、おまっ、殺す気か!」

 

穏やかなビーチが一転、

激しく抉れた一筋のビームの跡。

海水もポコポコ沸騰しており、

破裂した魚と海王種の死骸が大量に浮かんでくる。

 

……まあさ、どうせマトモじゃないとは思っていたよ?

けど、これはないと思うのよ、俺。

 

『フォトンがざわついてるねえ。

 まだまだ続くよ、これはね』

 

「どう見てもAISです、本当にありがとうございました」

 

まるでアーマード○アを思わす、

7メートルはあるだろう、

2足歩行型の決戦兵器。

 

――Arks Interception Silhouette

 

略してアイボだ。

カラーリングは黄色を基調として、

青のラインが走ったモノ。

一応はマリアを意識したのだろう。

顔だけはちょこんとローズヘッドであるのが、

マリアと言いたいらしい。

成りきりキャラは数多くいれど、

ここまで清々しく原型留めていないのは

さすがの俺も初めてだった。

似せる努力が欠片も見当たらない。

 

「聞いたことがあります。

 彼女は六芒機甲の二、マリア。

 武装神姫とコラボして出演しようとしましたが、

 あまりの空気読めなさで即行で却下された

 悲しい成れの果て(笑)だと」

 

隣に立つフンドシ亀甲縛りのグラサン男。

六芒亀甲の三……ks=裸だ。

 

「え、アレ、お前ら六芒亀甲と別枠なの?」

 

「どうして一緒だと思ったかはなはだ疑問ですね。

 共通点がないでしょう」

 

何を言ってるか訳が分からないよ。

 

「……私はね、直々にこいつを

 ぶっ殺したかったんですよ」

 

「お前、その台詞が言いたかっだけだろ」

 

そいつは満足したのか

そのまま帰って行った。

相変らず後姿のケツが眩しい。

 

「さて、俺も採掘場跡に帰ろ――」

 

ドォン!

 

ミサイルの嵐がつい一秒前まで

俺がいた場所を爆砕した。

 

『おや、これだけやられても

 こりないようだね』

 

ふ ざ け る な

生身でMSと戦える

東西南北中央不敗みたいなことできるか。

 

「まさかまだ誰も見たことがない、

 【仮面】vs AISのカードが

 こんなところで繰り広げられるとは」

 

ぶっちゃけ

勝機もクソもない。

防衛線【終焉】に挑むアークスも、

今の俺のような心境なのだろうか。

AISに勝てるビジョンが

まるで思い浮かばない。

サムライフラメンコみたいに

巨大化するしかないのか?

 

葛藤する俺に無慈悲にも

フォトンキャノンを向けられる。

これはマズい。

 

『雑魚に用はないよ』

 

考えろ、

ピタゴラスイッチばりの画期的なアイディアを。

 

「【仮面】のアルデバラン!」

 

俺はたった一つの希望に賭けた。

 

「おいお前、

 良いことを教えてやる」

 

『……なんだい、命乞いかい?』

 

「お前が、人気が出ない理由は……こうだ!」

 

俺はブーメランパンツの中から、

クリップボードを取り出して見せつけた。

 

≪マリアが人気出ないNAVERまとめ≫

 

''嫁にしたくない女の条件を全て兼ね備えている

・五メートルを超える

・年齢不詳(明らかにばあちゃん)

・実は全然強くないのに周囲から「強すぎる」と畏怖される

・創世器をすぐ壊す

・いざという時 助けてくれない

・キシリアやバラライカをつい思い出してしまい恐怖する

 

''思わせぶりな台詞が多くてウザい

 

''頭悪そう

 

''黄色

 

 

『ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

激しくAISは内部から爆砕して砕け散った。

負のフォトンの力に耐えきれなくなったのである。

所詮は人気投票15位、投票率1.61%……

辛い現実に耐えきれなかったんだろう。

 

「こういう催しも必要なのはわかるけど

 アタシを巻き込む意味はあるのかい?」

 

余裕しゃくしゃくでエントリーしていたのに

蓋を開けてみれば、まさにインガオーホー。

アキが仲間にしてほしそうにこちらを見ている。

 

「ふう、苦しい戦いだった」

 

ちなみに【仮面】は男にも女にも

エネミーにも含まれていなかったが、

それは主役級の扱いだから当然なのだろう。

決してハブられたわけではない。

 

「やはり、ウォパルはダメだな……」

 

水着の女をペロペロできないのなら、

こんな場所には用などない。

 

「俺には帰れる場所があるんだ……

 こんなに嬉しいことはない」

 

嫁のいる場所へ帰ろう。

嫁をホワイト木馬に乗せてあんあん言わせよう。

 

今の俺は念じればすぐに飛べる。

嫁に会うぜ【仮面】

嫁を抱くぜ【仮面】

嫁を犯すぜ【仮面】

 

一瞬で惑星リリーパへと帰還する。

 

そして俺はニヒルに嗤った。

 

 

「【仮面】の妄想選択肢が、

 採掘場跡エロコメを全力で肯定している」

 

 

――さあ、妄想と欲望の加速するRPGを始めよう



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