Ib~少女を救いし者~ (ama0036)
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迷走

大学生からなのか妙に落ち着いてやがるこいつ…って感じに仕上げよう(提案
「なんだそりゃ。まぁ何でもいいけどよ」
ん?いま何でもいいって(殴
「はいはい…本編入りまーす」


「へー美術館って割と色々あるんだな」

一人呟いた男-ソウ(大学生)は美術館に初めて来ていた。この美術館はワイズ・ゲルテナという人の作品展に来ている。変な物もあるけど個性があってそれなりに楽しい。小さな作品展だが、客も意外と来ている。子供や無個性をじっと眺めて呟き続けている客や藍色っぽいボロボロのコートを着た客もいたな。あ、今3人家族の方もやってきた。

それなりに楽しんで歩いていると

「これは…?」

一枚のとても大きな絵。絵空事の世界と書いてある。絵の世界のイメージってとこかな?

ソウは気になりじっと見つめていたら突然

「!?停電…か?」

一瞬だけ暗くなったがすぐに戻った。しかし様子がおかしい。周りを見回しても誰もいないし気味が悪い。さっさと俺も出よう。

ダッシュで入り口に戻り扉を開ける。

ガチャガチャ

「あれ?開かない?」

扉は固く閉ざされていた。閉じ込められたのか?

「窓からの脱出を試みるか…うわっ!」

窓を開けようとすると赤い液体が流れてくる。これは怖い。

「畜生閉じ込められた!探すしか無いのか…?」

というわけで探索開始。下の階から見ていこう。

この展覧会メインの深海の世に結構いた客も全員居なくなっている。俺逃げ遅れたの?と疑いたくなってくる。そして歩いていると

ゲホッゲホッ

突然作品がせきをした。もう何なんだよこれ。

「奇妙だな…下は特に何も無いし2階に行くか」

2階にはさっき見ていた絵空事の世界がある。

「ん!?額縁の裏から青い絵の具が…」

調べてみようと近づく。すると

 

お        よ   

   い   

      で

 

と地面に出てきてさらに青い絵の具は少しずつ形を変え

[したにおいでよ ひみつのばしょ おしえてあげる]

と書かれていた。

「これ以上出口の手がかり無いし下に行くしかないのか…」

俯いたまま下の方に向かう。

すると深海の世に誰かが入った跡が残っている。

「フェンスも一部無いし…厄介な事に巻き込まれてしまったな…」

ここまで引き返すこともできない。飛び込む準備をする。

「もし何かあったら逃げることも多いと思うからな。手荷物を軽くしよう。」

そういって今手持ちにライター、500ml水、あとネックウォーマーもって行こう。もし何かあったら敵にこれを付けたら襲えないだろう。

結構適当に準備を済ませた。

「はぁー…せめて外に返してくれよっと!」

そういって絵の中に飛び込んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人の少女は外に出たい。

しかし出れない。

出るには外の人の命を自分に取り込まなければならない。

少し悲しいが仕方が無い。

そう思いつつ歩き続けてた…



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迷走2、青い部屋

イヴ視点も入れることにしました。

ちなみにギミックはしばらくすると元の状態に戻り 他の人も同じ謎を解く仕様にしました。


忘れ物ないわよね? イヴ

 

うん

 

そうだ ハンカチも持ってきた?ほら、誕生日にあげたやつ

 

もっているよ

 

ちゃんとポケットに入れておくのよ?なくさないようにね

 

 

そういってある3人の家族は美術館に向かっていた…

 

「さぁ着いたわよ……イヴは美術館始初めてよね?」

「うん」

おかあさんが連れて来てくれた場所はゲルテナっていう人の展覧会。

絵だけじゃなく彫刻とかも色々あるらしい。

 

「お母さん。先に見に行ってていい?」

「もーイヴったら…仕方ないわね。いい?美術館の中では静かにしてなきゃダメよ?」

「わかった」

イヴは頷き奥の方に向かう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヴは読めない字などに苦戦しつつ、色々あったけど最後に???の世界という作品を眺めていた

しかし突然…

ピカッピカッ

「……?」

突然明かりがおかしくなり始める

そこにいた人たちも誰も居なくなっている

「お母さん…?お父さん…?」

イヴは怖くなり外の扉へ行き開けようとしたが

「!…開かない……」

扉が開かない。窓からも脱出も試みるも開かない。さらに窓から赤い液体が染まる。

「ひっ!怖いよぉ…」

誰も居ない所で1人迷い続け、さっきの???の絵を見ると額縁に青い液体が垂れている。

「なに…これ」

青い液体を調べると

お い で よ イ ヴ

と後ろに現れる。そして青い液体は

[おいでよイヴ したにおいで ひみつのばしょ おしえてあげる]

と書かれる。

「助けて…」

助けを求めるも誰も居ないので意味が無い。

怯えながらも下に進む。すると深海の世に変化があった。

「誰かの…足跡」

足跡があり、フェンスが無くなっている。

「外に出れるなら…頑張らないと…!」

自分を励まし、絵の中に飛び込む。

 

「ここは…?」

今まで見たような美術館のような感じではなかった。壁は青く、不気味な感じだった。

「うぅ…」

イヴは当然耐えられるはずも無く蹲る。

泣きたくなるが、それをずっとしているだけでは何も起きない。1人寂しいが行動をする事に・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヴが来た後の頃は…

「いきなり分かれ道か…青い絵の方から行くか」

何の迷いも無く青い絵の方の道を進む。壁にはおいでおいでと書いてある。

「歓迎されてるのかされてないのだか…ん?このテーブル動かねぇ…」

扉の前に一輪の白いバラがテーブルの花瓶に活けられて、とうせんぼしていた。

「取らないと動かないのか…?」

バラを手に取るとテーブルが普通に動くようになった。部屋の中には鍵と女の人の絵がある。そしてそこの張り紙に

[その花 ?ちる時 あなたも?ち果てる]

「字が掠れてみえねぇ…まぁ言いたい事は少しだけ解るが」

といいつつ鍵を取ると女の人の絵がこちらを見て笑っている

「!?割と精神的にくるな…さっさとここから出よう」

部屋から出るとかえせかえせの文字と1枚の貼り紙が

[バラとあなたは一心同体 命の重さ 知るがいい]

「バラは命…枯れたり千切れたりしたら俺は死ぬのか…」

といい、赤い絵の方に進み、鍵をかかったいたが持っていたので開けて次の部屋への道が繋がった。そしてソウは

「はぁ…何時帰れるのかな…」

と最後に言い、次の緑の間へと進んでいくのだった…



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遭遇 緑の間 猫の間1

原作主人公登場編
そしてあの男も…


青の次は緑の間。外に出るにはまだまだ長そうだ…

少しため息をつく。まぁこの美術館簡単に返してくれなさそうにないからな。

「まず一番最初に見えたこの通路から…うわっ何か黒い手出てる」

壁に黒い手が張り付いていた。気持ち悪いな…

真ん中を通ればぎりぎり届かなそうだ。真ん中を通っていった先には

一人の少女が蟻の絵を外していた。

 

(俺の他に人がいたのか…喜ぶべきなのか悲しむべきなのか)

小柄な少女をここに閉じ込めるなんてな…どっちかっていうと巻き込まれて欲しくなかったな…

少し俯いて考えていると

「あの…美術館にいた人…ですか?」と声が聞こえた

「あ、あぁ。君も此処に閉じ込められたのか?」

少女は頷く。彼女の手には赤いバラを持っていた。しかし年の差なのか、花びらが自分の白いバラより少なかった。

「えっと名前は?俺はソウ。普通に呼び捨てでいいよ」

「私はイヴ…」

「イヴ…イヴか。よろしくな」

心なしか少女は嬉しそうだった。まぁ少しでも人いないと怖いからな。

「ところで…その蟻の絵はどうしたの?」

「蟻さんが自分の絵を見たいって言ってたから…」

「蟻喋るのか…」

まぁこの美術館ではありえなくもない。なんせ色んな物が動いているからな。

「とりあえずここも鍵いるみたいだし戻ろうか」

「うん」

さっき来た道を戻ると本当に喋る蟻がいた。最初ゴミかと思ってごめん。

「あ それぼくのえ やっぱりかっこいい」

蟻はうっとりしている。まぁこの絵は持っていこう。

右の奥の道には穴が開いて通れない。

(どうするか…?ん?イヴ?)

イヴは蟻の絵を置いて道にしていた

「おぉ。そんな発想があったのか…流石だな」

イヴは少し照れる。しかし2人が通ると

ビリィ!

「…後戻りできないな」

「そうだね…」

蟻の絵は破けて通れなくなってしまった。

先に進むと赤いマネキンと絵が飾られていた。

(嫌な位置にあるな…)

1人考えているとイヴは鍵を拾った。結果赤いマネキンが動き出した!

「っ!逃げるぞ!」

ソウはイヴを抱え逃げ出す。しかしこの奥は道が無い。

「ちっ!イヴ!少し痛いが我慢してくれ!」

ソウはイヴをあっち側の逃げ道に向かって投げる。

「ソウはどうするの…?居なくなるの…?」

イヴは涙を流しながらこっちを見る。

「大丈夫だ、信じてくれ」

その一言でイヴの震えは徐々に収まっていく。信じてくれたようだ

(さっきエピローグっていう絵があったな。それを使えば!)

俺は部屋を抜けて絵を無理矢理外す。しかしもうマネキンがこっちに来ていた。そして俺のバラを毟り取る。

(!?)

急に体に痛みが出てくる。バラが散ると痛みもこっちに返ってくるのか!?

痛みを抑え、花がボロボロになりながらも絵を担いで持っていく。

「ソウ!」

イヴの声が聞こえる。さっさと抜けないとな。

「これを此処に置いて…っ!?もう帰ってきたのか!?っ間に合え!」

俺は絵を踏みつけイヴの居る方向に走る。それに合わせマネキンがこっちに向かってくるが絵を踏みつけた直後破れ、下に落ちていった。

「ふぅ…何とか間に合った…死ぬかと思っ(ドサッ)…すまない」

イヴはソウに倒れこんでいた

「無茶しないで…また1人になるのは嫌…」

「…できる限り無茶はしないよ。でも早く出ないと精神が可笑しくなりそうなんだ」

「…分かってる。でもそれ以上に死んでは意味が無いんだよ?」

イヴはソウの胸に顔を埋め、抱きしめる。

「そうだな…少し休憩してから行くか。」

イヴは頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なによここ!入り口が開かないなんて!」

男は美術館に来ていたが閉じ込められてしまった。

「どこか出口は…あら?こんな道あったかしら?」

突如出現した謎の道。

「行くしかないわね…無事でいてよ!」

そういい、階段を走って降りていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、休憩したしそろそろ行くか!」

「そのバラ大丈夫なの…?」

「う…大丈夫だよ。こんな所で死にたくないし…ね。それにまだ迷いこんでる人いるかもしれないし…」

こうして10分程休憩して行動を開始した

「ここを開けてっと。よし!次に行こうか。」

次の部屋は色の間ではなく猫みたいな形をした部屋だった

「魚の形のくぼみ…か」

真ん中に魚を形とった穴があった

「イヴ、どっちからいく?」

「左…」

「わかった」

左の部屋には黒い棒人間がいて、拒否権無しにかくれんぼをしだした。面倒だ。

「手分けして探そうか。イヴはここを探して。俺は下の方探すから」

「…無茶しないでね?」

「分かっているよ」

そう言い黒い棒人間を探すことになった。

 

 

ソウ視点

「さて、探すとするか。まずは…ここから」

ボタンを押すとカーテンが開く。そこには音符のマークがあった。

(…特に害は無かったのか?)

次のボタンを押す。すると俺の倒れた絵が出てきた

(…不吉な絵を見てしまった……)

さっさと次のボタン押そう。もうあんなの見たくない。

ボタンを押した時イヴの声がした。鍵見つかったのか。

安心してほっとしていた。が突然切り裂かれたような感覚が襲う。

「え…何が………!!」

俺は押していたボタンの方向を見ると赤い牙のような物が出ていた。イヴは倒れる俺に気づき、走って駆け寄るがもう遅かった。

「ソウ!?」

イヴが俺を抱きかかえ泣いていたがそこで俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヴ視点

「ここ…かな?」

ボタンを押すと赤い手形の様な物が出てきたが特に何も無かった

「次…ここ」

ボタンを押すと棒人間が出てきた

[みつかった けいひん あげる]

そういうと上のほうから魚の頭の鍵があった

「やった…!」

あの人の役にたてた…イヴは鍵を見つけたことをソウに言う。

「見つけたよ!」

しかし返事も返ってこない。何か良くないことが…

イヴは青ざめてすぐにソウの所へ向かう。しかしもう遅かった。

ソウは倒れていた。

「ソウ!?」

イヴは抱きかかえてソウを呼ぶがぐったりと倒れてしまった。

どうしようどうしようどうしよう

イヴは中央の部屋までソウを運び寝かせた。イヴはかなり心配していた時

「……?」

ソウの持っていた小さいバッグから水の入ったペットボトルが出てきた

「!…これならバラを…!」

ソウには申し訳ないがペットボトルのふたを開け、そこに白いバラを入れる

水は半分位減ったがボロボロだったバラは元気を取り戻した。それと同時に

「う……ん?俺は何…を?」

倒れていたソウが起き上がった。イヴは嬉しくてソウを抱く。

「うぉっと…また心配かけたな…俺…迷惑だよな…」

「そんなことない…貴方がいないと私はこのまま死んでいたかもしれないから…」

「そうか…」

この感情は何だろう。胸からこみ上げているこの気持ちは…

イヴはこのよく分からない感情を胸にしまい、この大切な人を守っていきたいと思った

 



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猫の間2 黄の間

Ibのメインテーマの記憶とてもいいですよね。
作業用BGMとして最高の働きをしてくれています(
Ibはバージョン1.02辺りからしていたので結構やってます
間違ってデータ消した時もあったので今でも作品埋めに没頭しています
自分は他のED目指してやってるつもりなんですがギャリー必ず生還ENDになるんですよねー 本能がここぞとばかりに発揮しているんでしょうかw


イヴ達は少し体を休め、右の部屋に行動することにした。

「ここ少し電気悪いな…気をつけようイヴ」

「うん」

奥の方を探すが特に何も無い。あるとしたら天井から黄色のペンキが流れた位だ。

「ん~…?」

「ソウ、後ろ何か動いてる…」

「ん?本当だ… いや待てよ。あいつこの割れてる床に引っかかるんじゃない?」

ソウの推理通り、顔の像は割れている床に引っかかり倒れていった。

「流石ソウだね。鍵も見つかったよ」

「イヴに比べたらそんなこと無いって」

少しソウは遠慮しつつ魚の鍵(頭と尾)を合わせる。これで魚の鍵完成だ。

「よし。はめるぞ…」

魚の鍵をはめる。すると猫の鳴き声が連呼しイヴは少しビクってしていたが特に害は無かったので先に進むことにした。

「うわ…いきなり嫌そうな奴が居るな…うわっ!」

舌が動いている絵は唾を吐いてきた。しかもこの唾酸がとてつもなく強い。

「大丈夫?」「お、おう…」

イヴはこんな些細な事でも心配してくれる。優しいなと思いつつ返事をする。

「この絵何か小さい字で赤く9って書いてあるな」

舌動いている奴の奥に真っ白な絵を見つけたが真ん中が赤かった。そしてその赤文字に9とかいてあった。

この道は?

猛 唇 注 意

奥に唇が壁に張り付いている

「あれは近づかない方がいいな…」

「うん」

「さて次は…ん?忘れたころに…?」

「ソウ。まっすぐ歩いて」

「え?うん。わかった」

ソウは意味も分からずイヴの言われたとおりにまっすぐ進む。するとあの時の黒い手が飛び出してきた

「うぉ!?イヴはこの事を予測していたのか…」

すごく頭がいいな。と思いつつイヴを連れてうそつきたちの部屋に入った。

「この中に正直物を探せ…か」

「私に任せて。こういうの得意」

「お、おう。任せた」

イヴは30秒考えた後

「本当の事言っているのは茶色だね」

「は、早!?」

イヴの証言に寄ると 緑 茶 黄 青 白 赤の内黄が白に賛成し、青が緑を賛成、そして赤が黄を賛成している。そうなれば唯一茶が仲間はずれになっている。それが正解だと言う。 本当に子供なのかと思う。

「すごいな…こんなに早く解くなんてな」

「ふふ」

イヴは少しドヤ顔をする。かわいいなこの子。

「よし、この石像に立って東に4歩北に2歩っと…」

そこの地面にあるタイルを剥がす。そこに青い4の文字が

「よし!次行こう」

といった瞬間

ザシュ グシャ グチャ パリーン…

「…イヴはここで待ってて。」

「私も行く。1人行動は駄目」

「…わかった。せめてこれだけはさせてくれ」

「え…?わっ」

俺はもっていたネックウォーマーをイヴの顔に被せ、見えなくしておいた

「よし、行こう」

イヴの手を引っ張り、先導した。予想通り、茶色の服の人は赤い絵の具が滴っていた。

(…やっぱりイヴの目を隠したの正解だったな…)

少し震えながらもここの部屋を抜ける。ネックウォーマーを外し、イヴを開放する

「何があったの…?」

「いや…特に何もなかったさ…大丈夫」

「本…当?」

「あぁ」

正直気が可笑しくなりそうだ。しかしこうなっていてはイヴを狂わせてしまうかもしれない。

「さぁ、次に行こうか」

俺はできる限りの笑顔を作りイヴに見せた

しかしイヴは俯きながらも頷いた

「この奥は人形が垂れ下がっているな…(ボトン)うわっ落ちてきた」

「落ちてきた人形に番号あったよ」

「お、緑で18か」

思わぬところで番号が手に入り、奥のドアに行く

緑×赤+青=?

「ここで番号を使うのか…よし!166っと」

鍵が解除されたので中に入る。中には木とリンゴがあった

「これ…さっきの唇に…」

「お、そうだな。これを渡せば…」

先ほどの道を戻り、唇の所までたどりつく。

「はらへった くいもの よこせ」

「ほらよ」

唇はリンゴを頬張り

「これ うまい おまえ きにいった こことおす おれの くちのなか くぐっていけ」

と言い口を広げる。

「うわぁ…嫌だなぁここ通るの…」

「けどここしか道無いんだよね?」

「仕方ない…行ってやろうじゃないか!」

 

口の中を通った先にはギロチンの絵があったが何も起こらなそうだ。

「…行こう?」

イヴの声がする。イヴが先に進んでいく。

(ギロチンが上がっていく…まさか!?)

俺は顔を青ざめた。早くイヴを助けないと!

イヴは先に進んでいく。そして予想していたギロチンがイヴの上を落ちる。イヴは唖然としていた。

「イヴウウウゥゥゥゥ!!」

俺は自分の今出せる脚力で全力で走り、イヴを抱える。そして奥の壁にぶつかりギロチンが地面と衝突する

ドカアァァァァァン!!!!

危なかった。もう少しで死なせるところだった。

ソウは震えていた。恐怖が押し上げてきていた。イヴは泣きながら

「ごめんね…」と言った。

ソウはイヴを抱き

「怖かった…もう少しで……もう少しで死なせてしまう所だった…」と言い抱きを強める。

「ソウが助けてくれたから私は今ここにいる…ありがとう…」

お互い抱きしめ合った。震え、涙が止まるまで…




もう爆発してもいいんですけどね
やはり現実の方で告白とかさせてみたいですね


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赤の間 青き薔薇

やっとイケメンと遭遇です
やっぱり先は長いですね…早く現実編書きたい妄想が止まらないですw


「…落ち着いてきた」

「私も涙が止まったみたい」

10分程抱き合っていたのだろうか。それでも自分達ではとても短い時間だった。

「…そろそろ行こう。何時までもここに居ても気が可笑しくなるだけだ。」

「うん…」

2人は抱擁を解き、赤い間へと向かった。

「今すごい高速で動いていた何かいたよね?」

「…?」

イヴには早すぎたのか見えていなかったらしい。

「まぁなんでもいいさ。先に行こう、イヴ」

「うん…」

奥の扉には普通に広い部屋だった

「んー?あとうん…」

「阿吽の呼吸…?」

「あー…なるほどそういうことか」

作品を見て周り特に変化は無かったが…

「赤い服の女…か」

「何も無かったね」

「そうだな…」(パリーン!)「!?逃げろ!」

慌てて逃げるがイヴが遅れて倒れる。

「あ…」 「っ!食らえ!」

俺は赤い服の女に向かって脚で渾身の一撃を食らわせる。よし!倒れた!

イヴを持ち上げ、鍵を拾って扉に逃げる。

「…ふぅ。大丈夫か?」

「迷惑かけてごめんなさい…」

「なーにいってんだ。俺だってあの時迷惑かけてただろ?これでおあいこだよ」

「そうだね…」

イヴに笑顔が戻っていく。少し休ませておこうか

「少し休んでいいよ。ここは誰も襲われる心配もないし」

「うん」

イヴは本棚に背をかけ、休んだ。

 

「…さてと。いい情報探しますか」

俺はイヴは休んでいる間に本を読み情報を探すことにした。

「まずこれから…」

この本には赤い服の女のような相手には扉を開けれないこと、そしてこっちを見つけると執拗に追いかけてくることを知った。

「これはこの美術館を抜けるにはいい情報だな」

他にもこういう奴あればなと思っていたが

「本になにか紙切れが…?」

た の し い ?

「楽しくないよ…むしろ返して欲しいな…」

次の本は

「ゲルテナの絵か…なんでこんな奇妙な物なんだろうな?」

そして次の本には

「他の美術館の作品集…こんなところに置いていていいのか…?」

特に何も情報を得られなかったが1つだけ奇妙な本が…

「ん?動く絵本…?うっかりさんとガレッド・デ・ロア…か」

奥の方の扉を開かないし何かヒント書いてあるかな…と本をめくった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボトッ

俺は油断していた。まさか絵本まで酷いなんて…

絶望とした表情をしていると

「ソウ…?」イヴがこっちにきて見ていた。

「あ、いや、大丈夫…じゃない…」

「この本を見ていたの…?」

「あぁ、中身が酷い内容でな。でも鍵は開いたよ」

「大丈夫。私が守るから」

俺はドキッとした。まさかこんな事を言われるなんて思わなかった。

(なんだろうな…安心できる…)

精神が安らぐような…そんな感じがする

「あぁ。ありがとうな」

この感情はきっと--

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

好きっていう感情なのかもな…

 

 

 

 

 

 

 

「さて、探せるものは探したし…行けるか?」

「うん」

「よしっそれじゃあ行こうか!」

そう言い次の部屋に向かった

まず目に入るのは水色の花瓶。何だあれ?

「永遠の恵み…何回も活けられるってことか?」

これならダメージ受けても余り心配ないな。即死しないといいけれど…

「右から行こう。何か人の気配が…」

右の方へ向かう。すると男の人が倒れていた。

「ちょ、大丈夫か?」

「うぅ…痛い」

「ソウ…この人鍵を…」

男の手には小さな鍵を持っていた

「すまねぇが持って行くぜ。助けれるかもしれないしな」

鍵をもらい、行っていなかった右の通路を行く。

「青い服の女…嫌な予感しかしないな…イヴ、待っててくれないか?」

「うん…気をつけてね?」

「おう、任せろ!」

鍵を開け、中の部屋には青い服の女が入っていた。

(うわ…何かいるな…ってあれは青いバラ!?)

女は青いバラを毟っていた。

「こっちだ!こっちにいいバラあるぞ!」

こっちを誘い、簡単に釣れる。よし!青いバラをとるぞ!

上手く振り切りバラを回収して扉を閉める。

「大丈夫だった?」

「あぁ…でもまだ油断できない…(パリーン)っ!?逃げろ!」

青い服の女は窓から飛び出てきた。まさかそこまでするとはな…

幸い近かったので部屋に逃げ込めた。

「毎回こんなの起きると本当に持たなくなるな…」

「青いバラ元気ない…活けてみる?」

「お、そうだな活けるか」

青いバラを活け、元気になった青いバラはとても美しかった。

(綺麗なバラだ…)

ソウは感嘆しながら男の人にバラを渡す

「おーい、起きれるか?」

「うーん… あら?苦しくなくなった……ん?」

起き上がってくれたか。よかった。

「うわっ! な……今度はなによ!もう何も持っていないわよ!」

「落ち着け!俺はあの絵みたいな奴じゃねぇ!」

「あ……あれ?アンタ達もしかして美術館にいた……人!?」

イヴとソウは頷く

「あぁ良かった!アタシの他にも人がいた!」

オネェ何だろうか?まぁ人に出会える以上誰でもいいよな。

 

 

 

 

 

 

「そっか…じゃあアンタ達も何でこんな事になってるのかは分からないワケね」

「そうだな。こんな狂った場所に閉じ込められて…な?イヴ」

「うん」

「おまけにこの薔薇…花びらちぎられると自分の身体に痛みが出てきてさー さっきは死ぬかと思ったわ…取り返してくれてありがとね」

「お互い様だよ、そういや名前は?俺はソウ。こっちの子はイヴって言うんだ」

「アタシはギャリーって言うの。ソウ…イヴね。覚えたわ」

「2人だけじゃ危ないからね…アタシも一緒に付いてってあげるわ!行くわよ!」

ギャリーは先に進んだが舌の奴に驚かされる

「ぎゃーっ!」

(まぁ当然といったら当然の反応か…)(頼りになるのかな…?)

それぞれ見た目の感想を思う。

「…い……今のはちょっと驚いただけよ!本当よ! とにかく!こういう変なのがいるから気をつけて進むわよ!」

「お、おう…」

先が思いやられるなぁと思いつつ先に進む3人だった…

 

 

 

 




うっかりさんとガレッド・デ・ロアはカットさせていただきました。
ちょっと長いからね…御自分で御読みくだしあー
前の投稿で(今回も)2千字をいつの間にか超えていて やったぜ。 と思ってましたw


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灰の間(前半) 気持ち

一度消えてしまったのでやる気がっつり持っていかれました…
マウスのスキップボタンを相当恨みたい


ギャリーが倒れていた奥の部屋には扉があった。しかし無個性が入り口を封鎖している

「何これ邪魔ね…イヴ、ソウちょっと離れてくれるかしら?」

「「うん」」

ギャリーは無個性を押して道を開けた。

「流石大人の力ってとこか…」

「アンタも大学生で十分大人でしょ」

「ふふ、俺は力あんまり無いけどな」

少し前に年とかの簡単な情報交換をしておいた。イヴの9歳に驚いたな。かわいそうにな…

「さて、さっさとここを出ましょ。こんな所にずっといると可笑しくなるわ」

「そうだな。行こう、イヴ」

「うん」

赤の間の次には灰の間。入り口に嘆きの花嫁と花婿がいたが

「今は探しても何かはもらえないだろう。先に行こう」

ソウが先導し広い場所に辿り着いた。

目玉がたくさんあるところやラビリンス、椅子がたくさん置いてある所とか青い顔の絵などがあった。目玉があるところではギャリーが悲鳴を上げていた。面白いなこいつ。

「椅子をどかせて何か置くにある奴を取るのか…?」

俺はパズルが苦手だから唸っていると

「私に任せて」とイヴが言う

「おぉ、任せた」「ちょ、大丈夫なの?」

イヴは20秒後に

「目薬があったよ」と胸を張る。

「流石だな、イヴ。ありがとう」「この子本当に9歳なの?」

それぞれ感想を言いソウはイヴを撫でる。嬉しそうだな。

「目薬はあの目玉のところか…行くか」

目玉の集団の1つが充血していたので目薬投下。目はキラキラとしている。そしてその目はどこか移動し、じっと壁を見つめている。

「ん…?お!ここ隠し通路なのか」

「なかなか良い奴もいるわね」

隠し通路の所には赤い玉があった。

「何処に…あっ白蛇のところか!」

俺は白蛇の所へ行き目の部分に赤い玉をはめ込んだ。すると横の絵が倒れる。

「大きな木の後ろに…か」

「何処にあるんでしょうね」

「ラビリンスの所に何かあるのかも…」

「あそこか…狭いから3人は無理だな。よし、俺に任せな」

「挟み撃ちになって死ぬんじゃないわよ」

「不吉な事言うなよ…」

俺はそう言いラビリンスの中に入って行った…

 

 

 

 

 

 

 

ギャリー視点

「イヴ」

「…?」

「ソウはこのことに巻き込まれる前、知り合いだったの?」

イヴは首を横に振る。違うみたいね。

「そっか…皆お互い知らない顔なのね…」

少しギャリーは残念な顔をしたが

「ソウは私を守ってくれた。上からギロチンが落ちてくるとき、私はもう駄目だと思った。でもソウはこっちに気づいて走って助けてくれた。」

「そっか…あの子は人想いな子なのね…」

ギャリーはソウの人柄を改めて知った。でもソウは虚ろな目をしていることが多い。元の世界で何か嫌なことが…

「ギャリー…?」

「え?あぁごめんね。少し考え事してたの」

今はそういう詮索はしないでおく。この世界から帰ればいつでも聞けるのだから。

そんな話をしていると

「ふぅ…死ぬかと思った…」と手に少し花びらが少なくなったバラを持ったソウが扉から出てきた。それと同時に違う所から扉が出現した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラビリンス攻略時

ソウ視点

「まずゴールかギミックの情報とか探さないとな」

この迷路には無個性が3体いる。挟み撃ちになれば振り切るのはかなり厳しいだろう。「お、何か文字が…」

迷 路 は 好 き で す か ?

「こんな事迷路に書くなよ…こういうのは勘弁だ」

どうでもいい事を書いてある壁文字にうなだれながら次のを探す

「お、キャンパスに書いてある」

[赤い絵の具から真っ直ぐ南へ]

「所々赤い絵の具が地面にあったな…探すか」

有力?な情報を得て赤い絵の具の落ちている所を探す。しかしその途中

「うわっ無個性だ!逃げろ…ってあっちからも来てやがる…!」

挟み撃ちになってしまった。ギャリーに注意されていたのに…怒られるなこれは

どうするか。挟み撃ちになった以上、バラの損傷は不回避だ。痛みに耐えるしかない。

「ちっ…もうすぐ赤い絵の具の所ってのにな…隙間を狙うか…」

作戦は無個性は真っ先にバラを狙ってくる。それを利用して手を右に伸ばしバラで引き付けて左側の隙間からくぐり抜ける。もうこれしかない!

「今だっ!」

右手でバラを引き付ける。当然バラは無防備なのでちぎられ、全身にかなりの痛みが走るが左の隙間が開いた。それを逃さずくぐり抜け、何とか逃走成功。失敗してたら死んでいたな…

「よし…振り切ったか… さてと、この赤い絵の具から南へ…お?このボタンか」

小さなスイッチがあった。それを押す。何もここに変化は無いがどこかの場所に何かあるのだろう。さっさと外に出よう。まだ痛覚が残っているし。

白いバラが少しボロボロになりつつも、何とか戻ってくることはできた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから挟み撃ちには気をつけろっていったじゃない!」

「いや…まぁ現に帰ってこれてるんだs「イヴが泣いている事には?」…すみませんでした」

そして修羅場をくぐり抜けた先にはギャリーの説教時間である。

「あんたがいなくなったらどうするの!イヴも心配してくれてるのよ!?」

「う…」

イヴは泣いていた。帰ってきたらバラボロボロで死にかけだもんな。9歳にはかなりきついだろう。

「イヴ…ごめんな。心配してくれて」

「死んでは意味無いのだよ…?ちゃんと…皆でお家に帰るまで死なないでよ…」

「…皆で帰ろうな。この場所を抜け出したら色々心配かけたお詫びしてやるよギャリーにもな」

「ふふっお詫び、期待してるわよ」

「約束だよ?」

「あぁ」

3人はそれぞれの約束を交え、行動を再度開始した。

 

「横に新しく扉が出ているな…」

俺がスイッチを押したからか、新しく扉が出現していた。

部屋の中は4つの彫刻(オブジェ)があった。

「憂鬱…かぁ」

「こんな所にいれば憂鬱にもなるわよね」

その中に感情という名のオブジェがあった

(大きな木の後ろに…だったよな)

ソウは無言でオブジェの後ろを調べる。すると

「銀の指輪…婚約指輪か」

「あら、なんでこんなところに…」

「入り口の所に花嫁とかの絵があったな…そこで使うのか?」

「そうね、行きましょ」

入り口に戻り、花嫁達のいる所に戻る。

「左手の薬指だっけ?」

「ええ」

ソウは指輪を薬指にはめる。すると花嫁の名前が嘆きから幸福に変わり、ブーケトスをし始めた。イヴがブーケをキャッチする。

「ブーケをキャッチできると幸せ…例えば好きな人と付き合えるらしいわよ」とギャリーが少しからかう。イヴは顔を赤らめて恥ずかしそうにしていた。

「まぁそれは良いとして…このブーケどうすんだ?」

「あたしに聞かれても分からないわよ…」

「青い絵の所に行っていなかったな、いって見るか」

 

 

 

 

「えへへへへ おはなちょうだぁい?」

「ここでブーケか…イヴ。ブーケをこいつに…ってイヴ?」

イヴはすごく距離をとっていた。まぁ顔といい口調といい何か変態っぽいからな

「イヴーブーケを「嫌だ」…どうしたもんか」

イヴはブーケの花束を大切そうに持っていた。欲しいなら仕方ないのか?

「ふぅ…じゃあ俺のバラをやるよ」「え!?アンタ正気なの!?」

ギャリーはすごく否定しているが

「嫌そうな奴こそいい奴かもってk「駄目!」…じゃあブーケをくれよ…」

イヴも言葉を遮るように否定する。じゃあどうするんだよ…

「ギャリー…」「ん?なぁにイヴ?」「ちょっとあっちいっててくれる…?」「…分かったわ」

イヴはギャリーを離れたところに移動させる。俺のそばを過ぎるとき

「あの子も優しい子ね…」

と言っていた。よく分からないままイヴがこっちに来る。

「これ…」

渡してきたのはブーケの花束。意味が分かった瞬間俺は顔を赤らめる。

「イ、イヴ…それはもう少し大人になってから考えろ。まだイヴには早い。けど…」

俺は花束を受け取り一輪の花を手にもつ。

「気持ちは嬉しいな。ありがとう、こんな俺に気遣ってくれて」

「その花…必ず持っていてね…」

「あぁ、大切なものだ。無くしはしないよ」

互いの今の気持ちを伝え合い、ギャリーを呼びブーケを青い絵に渡す。

「えへへへへ…綺麗だなぁ… じゃあいただきます」

予想外の言葉で言葉を失う3人。バラを渡していたら死んでるな。予想はしたけど。

「ありがとう、ありがとう お礼にここを通してあげるよ」

といい、青い絵は扉に変化し進めるようになった。しかしギャリーは

「嫌あぁぁぁぁ!!通りたくないわよおぉぉ!」

「はいはい行きますよ…俺達だって一度口の中通ってんだよ。なぁイヴ?」

「うん…!」

ソウはギャリーを引きずって無理矢理扉を通らせた

 

 




おのれスキップボタン…でも無事3千字超えることができました!
しかし私のバラは精神攻撃でもう1~2くらいしかありません


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灰の間(後半) 悪夢

遅れました…やっと投稿します。
あと余談ですが外国のファンの方が作成したsacrificeというエンディング(非公式)を見ましたが、すごく切なくなりますね…
このエンディングで私の小説にも変動(取り入れようと)していますw
それまで…待ってね
※これからの謎解きは(大イベント以外)ほぼ無視する形になります。
茶と紫はイヴ視点とギャリー視点と繋げないと謎解けないからね…あの娘を駆使するのもいいかも…?
では、どうぞ!


青い絵画の絵の扉を通った先には大量の頭だけのマネキンと壁には不気味な絵画があった。

「何ここ不気味ね…何か起こる前にさっさと次に行きましょ」

イヴとソウはその言葉に同意し、まっすぐ通っていく。その途中ソウは何か見られてるような感じがした。

「!?……?」

「ソウ…どうかしたの?」

「いや…特に何も無かったよ」

「本当に?」

「おう」

ソウはそういい、さっさと抜ける事を優先した。

 

 

マネキンだらけのところから抜けた先には広い間があった。

「赤い服の女や無個性もいるな…嫌な予感しかしないな」

「そういうこと言わないでよ!ここもさっさと調べて抜け出すわよ!」

ギャリーがそういった瞬間赤い服の女が飛び出してきた。

「うわぁ!またこいつ…イヴ、ソウ逃げるわよ!」

「分かってるよ!」「うん!」

次々と飛び出してくる女達を避けながら一枚の鏡のある部屋まで逃げた。

「鏡…?」

3人は鏡を見る。するとギャリーの背中にあのときのマネキンがいた。

「………え?ぎゃああああぁぁぁ!! こっ、この…!」

ギャリーはマネキンを蹴ろうと足を振り上げる。

「おい、やめろ!」「駄目!ギャリー!」

ソウとイヴが咄嗟に止めるが止めるが遅かった。ギャリーはもうマネキンを蹴っていた。

(くっ…!間に合え!)

ソウはマネキンの当たる壁の方に飛び込み、飛んでくるマネキンを抱え壁に激突する。

「ソウ!?あんた…何で!?」

ギャリーは予想外のことに焦りイヴと一緒にソウの方に駆け寄る。

「うっ…美術品は壊すな…この美術館の事だから何をしてくるかわからねぇ…」

ソウは腹を抑え、ギャリーに向かって言った。

「…そうだったわね。このマネキンみたいに何処から襲ってくるか分からないからね…ごめんなさい。ソウ」

「わかってくれたらいいんだよ…次行くぞ」

「え、体大丈夫なの!?」

「大丈夫だ。バラ千切られるより10倍ましだ」

「…」

ソウは強引に言葉で黙らせて3人は立ち上がり次の部屋に向かった。

 

 

「あれ、開いてるわ…」

2つあった扉の両方開いていた。

「…美術品に関しての事か」

そこの張り紙には所々破けていたが、察するに作品を壊したら大変まずくなることが書いてあった

「あのマネキン壊してたらまずかったわね…ホントソウには感謝するわ…」

ギャリーはため息をついていた。今後から気をつけるようだ。

「さてと、隣の部屋に行こう」

隣の部屋には椅子とイーゼル(絵を描くときに立てかけるやつ)とその前に水の無い花瓶が置かれてあった。

「…?どうするんだ?これ」

「…この人の見えやすい位置にすればいいのかな」

「あー、流石イヴだな。頭の回転速いな」

イヴは少し照れる、イヴの言うとおり描きやすい位置に移動させるとあっていたのか、そこにくぼみが出現し、どこか扉の鍵が解除される音がした。

「どこか音がしたようだな…確認しに行こう」

すぐ下の扉の所が開いていた。

部屋の中はソファや本棚など割と普通な部屋だった。

「…?イヴ?」

イヴが少し変だ。顔色が悪くなっているような…

「お父さん…お母さん…?」

「えっこの二人イヴのパパとママなの!?」

イヴは頷く。ソウとギャリーは驚いていた。

「へぇ…確かに……似てるかも でもなんでこんなところにそんな絵があるのかしら?」

「お父さんとお母さんは何処にいるの…?」

「え、何処にいるって言われてもアタシは分からないわ…」

ギャリーは困惑している。しかしソウは確信して言えることが1つあった。

「イヴ、俺達は何処にいるんだっけ?」

「えっと…美術館?」

「そうじゃない、この変わった所にまで来るのにどうやって来た?」

「絵…の中に飛び込んだ…」

「そう、俺達は今絵の中にいる。だからこの絵は元の世界の絵だ」

「!!…じゃあお父さんとお母さんは…!」

「あぁ、無事だ。この事件には少なくとも巻き込まれていない」

「へぇ…なるほどね。流石大学生って事はあるわね」

ギャリーは関心する。イヴは両親が無事で嬉しい様だ。

(さっさとここをでないとな)

ソウはそう思い、ドアノブをひねる。が開かない。

「え…?開かない!?」

「「!?」」

予想外のことでパニックになる3人。するとバンバンと扉の前に音が鳴る

「気をつけなさい…そこにいるわ」

すると部屋中から音が響きだす。あいつらが出てくる場所となれば…!

「ギャリー!そこの本棚で窓を隠せ!あの女はそこからも入ってくる可能性もある!」

「わ、分かったわ!」

ギャリーは急いで本棚を動かす。動かし終わった直後窓から音が鳴り出す。

「ぎりぎりセーフだったわね…」

「まだ警戒しろよ…何処から来るかわからねぇ」

まだ叩いている音が止まない。

「怖いよ…」

「大丈夫だ。俺が守る」

イヴを宥め、立ち上がった時、壁を突き破って黄色の服の女が飛び出してきた。

「そんなのありかよ!?くそっどうすれば…!」

「あそこ開いてる…!」

「イヴ、ナイス!あいつが開けた穴を通るぞ!」

上手く回り込み、部屋から抜け出したら広間は辺りの女の絵や無個性が全て動いていた

「開いている扉を探すわよ!」

「いや、左に開いていなかった扉がある!そこだ!」

3人は襲い掛かる作品達を上手く回避し扉を閉める。それからも少し走ったところで止まる。

「はぁ…はぁ…ここまで…これば…もう来ないでしょ…ザマァみなさい!」

「流石に疲れた…イヴ、大丈夫だったか?…イヴ?」

イヴは膝をついて苦しそうにしている。

「どうしたの?大丈夫?」

ギャリーが聞いたとたんイヴは倒れた

「ちょ、イヴ!?返事して!」

「多分もう限界だったのだろう、寝かせてあげよう」

「…そうね、そこに小部屋があるからそこで休憩しましょ」

小部屋まで移動し、イヴにギャリーのコートを、枕代わりにソウのネックウォーマーを使った。

(…無事だといいんだが…)

「俺は廊下にいるよ。何時奴等がここに来るか分からないからな」

「…わかったわ。あいつ達が来たらすぐに言うのよ?」

「あぁ」

そう言ってソウは廊下の壁に腰を掛け、まっすぐさっきの道を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヴ視点

「ここは…?」

イヴが目覚めた場所は知らない場所。さらにその場には誰も居なかった

「ギャリー…?ソウ…?」

目が覚める前には2人はいた筈なのにここにはいない。

バンバンッ

「ひっ!…誰か追ってきてる…」

後ろの扉から音がする。逃げないと! イヴは正面の扉を開けて逃げ込んだがまた同じような場所に来た。

「お父さん…お母さん…!助けて!」

イヴはできる限りの大きい声を出すが何も起こらない。

バンバンバンッ

「来てる…!」

後ろから叩いている音がする。イヴは正面の扉が開けようとする…が

「あれ…!?開かない…!お願い!開いて…!」

必死に扉を開けようとしているとカチャと音がした。開いたみたいだ。

イヴは後ろから迫る何かから逃げるように先にすすんだ。しかし

「ひっ!…何でここに…」

そこの部屋にはマネキンと無個性と赤い服の女がいた。イヴに迫ってくる。

「逃げないと…!え…!開かない!?」

さっきまで開いていた扉が固く閉ざされている。赤い服の女はイヴをつついて…

 

 

 

 

 

 

 

「!! あれ…?」

夢だったのだろうか。イヴは体を起こしていると

「あ」

ギャリーの声がした。

「おはようイヴ。気分はどう?」

「怖い夢を…見た」

「そう…かわいそうに……まぁ無理もないわね。こんなところに閉じ込められちゃったら…ね…起こせばよかったかしら。ごめんね」

イヴは元気がなく俯いていた。するとギャリーが

「イヴ。そこのコートのポケットの中探ってごらん?」

イヴは言われたとおりにした。ポケットの中にはレモンキャンディーが入っていた。

「それあげるわ。食べてもいいわよ」

「ありがとう…!」

「まだ動かなくていいからね。ゆっくりしていきましょ」

イヴはギャリーの優しさに感謝し、少し休憩することにした。

 

 

 

~3分後~

「ギャリー。コートありがとう」

「あら…わざわざコート持ってきてくれてありがとう。イヴ」

ギャリーは渡されたコートを着て持っていた本の続きを読み始める。

「ソウはどこにいるの?」

「ソウならそこの扉のすぐそこにいるわよ。あの作品達がもう来ないか見てくれていたの。しっかりしてるわよね…あの子」

ソウは監視をしてくれていたようだ。感謝しないと。

「でもね…何か様子がおかしかった気がするわ。…まぁアタシが勘違いしているだけかもしれないけど」

「…」

イヴは扉を開けた。ギャリーの言うとおりにソウがいた。

「ん…?イヴか。気分はどうだ?」

「怖い夢を見たけどもう大丈夫」

「怖い夢か…こんな場所だと見てもおかしくはないか」

ソウは考え事をしている。さっきギャリーが言っていたことを聞こうとしたときに

「ん?それキャンディーか?ギャリーからもらったのか?」

「うん」

「俺も何か持っているかな…いや、あるにはあるけど名刺しかねぇ…」

「それ…ちょうだい…?」

「え、これ名刺だぞ?何も使わないだろ」

「それを持っていれば安心できると…思う」

ソウは困惑するも別に名刺は大量にあるので渡すことにした

「…わかった。ほら、あげる」

ソウはかがんでイヴに名刺を渡す。

「ありがとう…」

「別に感謝されるもんでもないよ。そもそも食い物でもないからな」

ソウは笑う。イヴも元気が戻ってきているようだ

「そろそろ…行く」

「ん?もう行くのか?もう少し休憩してもいいよ別に」

「大丈夫だよ」

「わかった。ギャリーを呼ぼうか」

「うん…!」

 

 




終わったー
というわけでイヴがソウの名刺をもらいました。これがどう左右するか…


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紫の間(前半) 闇と茶番とあしあとと

半失踪でしたね。すみませんでした。

ここおかしいじゃない?って所は最終話のあとがきとかに書こうとおもいます。


…最終話いつになるやら


休憩した部屋を後にし、階段を下りた先には部屋の色が灰の色から紫に変わった。

 

「毒々しい色ね…」

「青、緑、黄、赤、灰、紫…もうここまで来たのだからそろそろゴールがあってもいいんじゃないか…?」

「そうね…もう一踏ん張りよ!がんばりましょ!」

 

ギャリーが励ましの言葉を出し、イヴとソウは元気が出る。

 

「そうだな、じゃあ行きますか!」

 

先に進むと特に関係なさそうなフェンスの迷路があった。

 

「一応調べたほうがいいのかしら…」

「入ってみるか?」

 

ソウが入り口を一歩踏み入れた瞬間後ろにフェンスがでてきた。さらに飛び越え禁止を忠告するかのごとくフェンスの棒から無数の棘が出てくる。

 

「マジかよ…」

「ソウ!?大丈夫!?」

「あぁ、でも閉じ込められたな…」

「ソウ…!あそこ何か動いてる…!」

 

イヴが指差した先には黄色の無個性が動き出していた。

 

「あの絵…ボタンか?何か出っ張っているぞ」

「よく見るとボタンらしいわね…気をつけなさいよ!」

「あぁ!」

 

ソウはイヴとギャリーに見守られながら迷路をすすんでいく。

 

「赤いボタンと青いボタン…それに緑のボタンか…」

 

ここには赤い無個性と青い無個性、黄色の無個性がいる。明らかに緑が怪しいだろう

 

「緑を押すか…」

 

一番奥にある緑のボタンを押す。すると

 

「ソウ!後ろ!!」

「え…?うわっ外れかよ!?」

 

どうやら外したようだ。青色の無個性が動き出していた。

 

(っ…!どうする!?挟み撃ちにあう前に考えを出さないと!)

「ソウ!青のボタン押して…!」

「え…わ、分かった!」

 

イヴの言うとおりに真ん中にある青のボタンを押す。すると1つだけフェンスが開いた。

 

「よし!あとは出るだけだ!」

 

ソウは無個性を上手く避け、出口に向かった。

ガタン!

 

「やっと抜けれた…」

「怪我は無いわね?」

「あぁ、問題ない。イヴ、ありがとうな。助けてくれて」

「ふふ、どういたしまして」

 

イヴは上手く抜け出せれた事を喜んでいる。

 

「にしてもアンタ巻き込まれ体質なのかしら?」

「…ここに居る時点でもう皆巻き込まれ体質だろ」

「そ、それもそうね…」

 

ギャリーはソウの言葉の圧力に負け黙った。

 

奥に進むと〔ミルクパズル〕、〔月夜に散る儚き想い〕と言う絵画があった。

 

「イヴ、ソウ、ミルクパズルって知ってる?」

 

「知らない…」「あー…俺は聞いたことはあるな」

 

どうやらイヴは知らないようだ。知ってても何も得もないのだけど

 

「まぁ その名の通り、ミルクのように真っ白なパズルのことよ。絵がついてないから普通のパズルより難しいんですって」

 

「パズルとか買ったら大体、箱に写ってる絵を参考にするからなー」

 

「そうね。正直、面白くないわよ。だって絵がついてないんだもん。好きな絵がパズルになってこそやりがいがあるってもんよね」

 

「そうだね」「だな」

 

「なぜゲルテナはミルクパズルなんて作品作ったのかしら?」

 

「知的なところみせたかったんじゃない?」

 

「こんないろいろ作っていて、知的なところなんて見せる必要なんてないでしょ」

 

「まだ絵が慣れていないころ…?」

 

「…その考えは無かったわ」

 

3人は先に進み、次に絵に向かった。〔月夜に散る儚き想い〕のところには桜の花のようなものが絵から出ていた。

 

「綺麗…」

 

「こんな作品をたくさん作って欲しいわホント…」

 

「…そうだな」

 

その美しい絵に見とれて、少しの時間は平穏な一時ではなかっただろうか。

 

「さて…そろそろ行きましょうか」

 

奥には鏡と扉があった。鏡のほうは何も無かったので、無視することにして奥の扉には鍵がかかっていた。

 

「この絵って美術館にあった絵よね。これの名前をあてないといけないみたいよ」

 

「えーと…確か深海の…」

 

「…絵?」

 

「そんな感じだったっけ?」

 

「世じゃないかしら」

 

「それだ!しんかいのよだな!」

 

イヴは少し頬を膨らませた。自分が入った絵のことを分からなかったからだ。

 

「さぁ、入ろう」

 

部屋の中は1枚の不吉な絵とその両サイドには本棚があった。

 

「なんか、嫌な絵ね…」

 

ギャリーがそう呟いた時、部屋の灯りが消えて、真っ暗になった!

 

「わっなに!?停電!?」「何も見えねぇ…」「…!!」

 

「イ、イヴ!ソウ!いる!?」

 

「いるよ」「ここにいるぞ」

 

「そう、なら良いわ… ちゃんとそこにいてよ?」

 

何も見えないので安易に動けません。ギャリーさん

 

「何か明るくなるやつ…あっライターがあったわ」

 

「あ、あたしもライター持ってるわ」

 

2人してライターを点ける。火が点いた瞬間、部屋が突如明るくなる。

 

「………え?」「うわ…」

 

部屋の中は悲鳴の落書きで埋め尽くされていた。

 

「ひっ!…」

 

イヴはソウにしがみつく。怖がるのも無理が無い。

 

「ホントキッツイわ…精神的に」

 

「…そうだな。大丈夫だよ、イヴ」

 

「さっさとここから出ましょ。こんなところ調べるのも嫌だわ…」

 

3人は落書きの部屋を抜け出した。しかしそれだけではなかったのだ。

 

お客様に申し上げます。

当館内は火気厳禁となっております。

マッチ、ライターなどの持ち込みは

ご遠慮くださいますよう

お願いいたします。

万が一、館内でそれらの使用を

スタッフが発見した場合、

 

「何よこれ…」

 

「ライターは使ってはいけないみたいだな…酷い目にあった…」

 

「そうね…ん?イヴ、どうしたの?」

 

イヴが恐る恐る指差したその先は鏡だった。

 

「…?俺に何か付いているか?」

 

「いや何も無いけど…イヴは何か気がついたの?」

 

「…な、何でもない」

 

「……ならいいのだけれど」

 

イヴの目には見えていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の顔が塗りつぶされていたのを…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し落ち着いた後、さっき来た道を戻る。

 

「何かしら…あれ」

 

「あしあとか…?」

 

その廊下の先に赤い足跡があったのだ。



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