論理的!火力は正義ですぞwww (シンクロン)
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設定(苦手な方は全力で見逃せ!)

10/24
最近、お気に入り件数の増加数の比率に恐怖を覚え始めているシンクロンです。
5話までの内容を反映しましたぞwww

こんな小説ですが今後もお付き合いよろしくお願いします。

あ、設定内に出てくるポケモンのLvはあくまで目安程度です。
アクア団やマグマ団の手持ちも若干の強化がなされています。


主人公サイド

 

 

ロンリ 男 13歳

 

平均的な13歳男子の背、見た目。

元々は25歳の会社員。

自宅でポケモンをプレイしようとした瞬間に気絶、目が覚めたらえんとつ山の火口付近に。

世界を移動した原因を探る為に伝説のポケモンを探す。という建前の下、ポケモンにおいて使用していた役割論理の素晴らしさを広める為に色々と行動する。

 

 

手持ちポケモン

 

 

カイリュー ♂ Lv.70

 

ドラゴン / ひこう

 

性格:控えめ

特性:マルチスケイル

 

技1:りゅうせいぐん

技2:ぼうふう

技3:かみなり

技4:きあいだま

 

詳細

んんwww

役割論理のカイリューなのでフルアタ・特殊型になっていますぞwww

元々は”こだわりメガネ”での運用でしたが世界を移動した折に持ち物が無くなってしまったみたいですなwwww

ちなみにA抜けの5V、HC極振りですぞwwww

 

_____________________

ロトム(水) Lv.50

 

でんき / みず

 

性格:控えめ

特性:ふゆう

 

技1:ハイドロポンプ

技2:かみなり

技3:ボルトチェンジ

技4:めざめるパワー(ほのお)

 

詳細

みんな大好き水ロトムですなwww

壁張り、耐久、火力、なんでもイケる良ポケですぞwww

面倒なボリルリ、ボッコウガ、ボァイアロー、辺りを処理してくれるナイスガイですなwww

元々は達人の帯で使用していましたぞwww

 

___________________

他4体

 

 

 

レイ 女 25歳

 

ポケモンセンターえんとつ山支部の警備員をしているジュンサー。

生まれも育ちもフエンタウンであり、フエンジムのリーダーであるアスナとは友人関係。

ジュンサー歴は3年だが、相棒のウインディの強さと本人の能力の高さからある程度高い地位にいる模様。

ウインディ以外のポケモンも他のジュンサーの手持ちと比べると強力なポケモンが揃っている。

ちなみに貧乳、たまにフエンタウンに訪れてはアスナにバストアップの秘訣を問いただしている。

 

 

手持ちポケモン

 

 

ウインディ ♀ Lv.65

 

ほのお

 

性格:せっかち

特性:いかく

 

技1:フレイドライブ

技2:オーバーヒート

技3:こうそくいどう

技4:インファイト

 

詳細

レイがまだ少女の頃に旅で訪れた”おくりび山”にて野生で捕まえたガーディを育てつづけているポケモン。

捕まえた時から習得している普通では覚えない『インファイト』、アスナから貰った技マシンで『オーバーヒート』を覚えている珍しい個体。

余談だが『こうそくいどう』は進化前のガーディーしか覚えない。

 

___________________

ブーピッグ ♂ Lv.55

 

性格:おとなしい

特性:あついしぼう

 

技1:サイコキネシス

技2:

技3:

技4:

 

詳細

えんとつ山をパトロール中に見つけて捕まえたポケモン。

特に語ることはない。

 

___________________

他2体

 

 

 

アスナ 女

 

フエンジムのジムリーダー。

ジムリーダーになったばかりでキャラがブレる事がしばしば。

素は熱血系の男らしい性格の女性。

火山にある町という事もあり、気候からか開放的な服装の事が多い。

温泉が好き。

感情的になりやすく、レイが抑え役となっている。

巨乳な事からしばしなレイから嫌味を言われる事も、本人は気にしていない。

 

 

手持ちポケモン

 

コータス ♂ Lv.45

 

性格:れいせい

特性:しろいけむり

持ち物:もくたん

 

技1:オーバーヒート

技2:ソーラービーム

技3:いわおとし

技4:おにび

 

詳細

アスナがほのおタイプジムに就任したに当たって捕まえたポケモン。何体かの個体がおり、この個体は手加減無用の時に使う。持ち物のもくたんは、捕まえた時から背中の空洞に入っているのだが、他の石炭に埋もれているため発見されていない。

対みずタイプ用にソーラービームを習得しており、おにびで動きを鈍らせてからのいわおとしで盾を生み出し、それと同時にソーラービームのチャージを開始、相手が強引な手段に打って出たら放射して大ダメージを与える戦術を取る。

___________________

他2体

 

 

 

 

マグマ団

 

 

マツブサ 男 40代

 

マグマ団のリーダー。

性格は非常に神経質で、冷酷なもの。

自分が理想とする世界において「人間とポケモンが共存することはバカげている」と切り捨てている。

部下からもその冷徹ぶりを畏れた上で「マツブサ様」と呼ばれており、部下からも慕われるアクア団のアオギリとは対照的である。

 

カガリを我が子同然に可愛がっていたり、良からぬ噂のあるホムラを、それを知った上で絶対的に信頼していたりしている。

しかも、ゲーム内では手持ちの一体は”クロバット”、なつき度が最大でないと進化しないポケモンを所持している。

このことから、プレイヤーからは唯の不器用かツンデレだと思われている。

 

 

手持ちポケモン

 

___________________

他4体

 

 

 

ホムラ 男 27歳

 

 

マグマ団のサブリーダー。

目が糸目で、マクノシタのような体型。(体型については本人はあまり気にしていない)

”ウヒョヒョ”が口癖で、主人公のことを「チャイルド」と、自分を「ホムラさん」と呼ぶ。

普段は穏やかな表情と丁寧な言葉遣いで部下からも慕われているが、感情が高ぶると開眼し目つきも鋭くなる。

 

元デボンコーポレーションの研究員で、そのときの呼び名は”ホムホム”。

マグマに潜っても耐えるとこのできるスーツの開発、マツブサの目的がブレ始めた時は敵対しても止めようとするなど、見た目に反して超有能である。

 

 

手持ちポケモン

 

マタドガス ♂ Lv.55

 

性格:おだやか

特性:ふゆう

 

技1:ヘドロばくだん

技2:

技3:

技4:

 

詳細

特に無し

___________________

他2体

 

 

 

カガリ 女 10代?

 

不思議な雰囲気のボクっ娘電波不安定少女。

リーダーのマツブサを心酔しており、アジトないのPCにはマツブサの画像が容量ギリギリまで詰め込まれている。

独特なセリフが特徴で、捉え方によってはR18な感じになることもしばしば。

 

 

手持ちポケモン

 

バクーダ ♂ Lv.65

 

性格:れいせい

特性:ハードロック

 

技1:ふんか

技2:にほんばれ

技3:

技4:

 

詳細

リーダーマツブサのエースポケモンと同じ種類のポケモン。

特性”ハードロック”は弱点技の威力を3/4に出来る。

かつて、マグマ団の目的の為に伝説のほのおポケモンである”ヒードラン”を捕獲する為に訪れた”日照りの岩戸”で拾った技マシンによって”にほんばれ”を習得している。

___________________

他0体

 

 

マグマ団のしたっぱ 男/女

 

マグマ団の基本構成員。

幹部クラスや団長が動くまでもない雑用や事務、作戦の準備をする。

ほのお、いわ、じめんタイプのポケモンを使用する。

 

 

 

アクア団

 

 

アクア団のしたっぱ 男/女

 

アクア団の基本構成員。

幹部クラスや団長が動くまでもない雑用や事務、作戦の準備をする。

みずタイプのポケモンを使用する。




登場人物が増えたり、新たな情報を解禁したら随時更新していく予定です。


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オマケ 役割論理について

今回はオマケとして役割論理についての説明を行っていきたいと思いますぞwww
飽くまでも我の主観なので参考程度におねがいしますなwww

注:あくまでも迷える子羊へ向けた物なのでロジカル語法は使いませんぞwww



まず、役割論理が有効な時はサイクル戦と呼ばれる戦法を取っている時に限定されます。

 

 

・ではサイクル戦とは何か?

 

簡単に言ってしまえば、ポケモンをどんどん交代させながら戦うことです。

 

例として、

 

1.まず初手で自分が"くさ"相手が"ほのお"を出してきたとしましょう。

 

例:自:メガニウム 相:バクフーン

 

 

2.自分は"みず"等の"ほのお"に強いポケモンに交代します。

 

自:メガニウム→オーダイル 相:バクフーン

 

 

3.次に相手が取る行動は、こちらの"みず"に強い"くさ"のポケモンに交代します。

 

自:オーダイル 相:バクフーン→メガニウム

 

 

4.相手が"くさ"に交代してきたのでこちらは"ほのお"に交代します。

 

自:オーダイル→バクフーン 相:メガニウム

 

 

5.相手が"ほのお"に強い"みず"に交代。

 

自:バクフーン 相:メガニウム→オーダイル

 

 

6.自分が"みず"に強い"くさ"に交代。

 

自:バクフーン→メガニウム 相:オーダイル

 

 

7.相手が"くさ"に強い"ほのお"に交代。

 

自:メガニウム 相:オーダイル→バクフーン

 

 

この7の時点で、対面が1に戻っています。

余談になりますが、最初の対面に戻る事をサイクルが一回回ったと言います。

 

 

 

 

・次に"ダメージレース"についてです。

 

これは読んで字のごとく、自分の全ポケモンの被ダメージが相手の全ポケモンの被ダメージより上か下かです。

自分より相手のポケモンの方が総ダメージが大きい場合は勝っている。という事になります。

 

役割論理では、このダメージレースで勝つ事が非常に重要になってきます。

 

では、どうすればダメージレースに勝てるのか?

 

その方法は二つ。

 

1.相手へのダメージを増やす。

 

2.自分の被ダメージを減らす。

 

この二つです。

つまり、高耐久・高火力のポケモンが"役割論理"に組み込めるポケモンになります。

 

では、それぞれについてもっと詳しく見ていきましょう。

 

 

まず、相手へのダメージを増やす方法です。

 

必要な物は4つ。

"とくせい"・"努力値"・"持ち物"・"技の威力"です。

 

まずは性格を火力に補正の掛かる"いじっぱり"・"ひかえめ"・"ゆうかん"・"れいせい"この4つを使いましょう。

 

"れいせい"や"ゆうかん"は物理・特殊、両方使う両刀と呼ばれるポケモンやナットレイ等の素早さに下降補正を掛ける事が必要なポケモンに使用します。

 

両刀に使用する場合、素早さが下がってしまう事を嫌い、防御・特防に下降補正が掛かる性格を使用するのが通常ですが、、交代を多用する事を前提とした戦術においては素早さは防御と特防よりも重要度の低いステータスです。

 

次に努力値、"こうげき"か"とくこう"に252振りします。

まれに10程度、耐久に割いて調整をしたりしますが、基本的には252振り切って大丈夫です。

 

そして持ち物、"いのちの珠"・"こだわりハチマキ"・"こだわりメガネ"・"たつじんの帯"・"プレート"代表的な火力アップアイテムはこれらです。

特に最初の3つは3種の神器と言われる火力が特に上がる持ち物ですので積極的に活用していきたいですね。

メガ進化で耐久と火力が上がるポケモンにはメガ石を持たせましょう。(バンギラス、ヘラクロス、ボーマンダ、メタグロス等ですね。)

 

最後に技の威力についてお話ししましょう。

 

役割論理では、命中を気にせずにより高い威力の技を採用します。

理由は下記のとおりです。

 

例えば十万ボルトとかみなりを比べてみましょう、

 

十万ボルト 威力90(135) 命中100

かみなり  威力110(165) 命中70

 

威力が20も違うんですね。

タイプ一致技だとその差は30になります。

威力の差は約1.2倍です。

 

プレートを持っているかいないかのと同じ威力の差が出ています。

 

アイテム一つ分も強いダメージを出せる"かみなり"を選択するのは当然ですね。

 

命中が不安定な点はご安心ください。

あなたが役割論理を信じていれば命中70以上の技は必中と変わりません。

外れてもあなたの信仰心が足りなかっただけなのです。

 

注:あくまでヤーティ神(役割論理の神)のご加護は命中70以上の技にのみ適用されます。いちげきひっさつは対応外です。

 

 

次に、"被ダメージを減らす"です。

 

皆さんの役割論理のイメージは、"火力があればいい"みたいなイメージなのではないでしょうか?

しかし上記の通り、役割論理においては耐久面も最重要ファクターの一つです。

せっかくの超火力も"一撃だけ出して倒される。"といった事になると活かせませんからね。

 

ではダメージを減らすためには何をすれば良いか?

 

努力値をHP・防御・特防に振り分ける。

そしてタイプ相性を理解することです。

 

まず前提として、役割論理に火力は必須です。

 

ですので火力に252振った残りの258の努力値で耐久を伸ばします。

 

防御が必要なポケモンには防御を("いかく"持ちのポケモンやヤドラン等)、特防が必要なポケモンには特防を(バンギラス等)、それ以外にはHPを252振ります。

残りの6は振っていない耐久に振ってしまいましょう。

どれに252振るか悩んだらあって困らないHPに振っておくのもありです。

 

その上で、相手の技を"半減以下"で受ける。

相手の技構成・行動を読む必要があり、シンプルながらも一番難しい事ですが、対戦を重ねるうちにうまくいくようになる事でしょう。

 

 

 

・以上をご理解いただいた上で

 

役割論理の戦術とは、サイクル戦において、相手が交換で出してきたポケモンに対して大ダメージを与え、相手の攻撃に強いポケモンを出してダメージを最小限に食いとどめる戦術です。

 

常に交代を意識するので、通常ではデメリットとなる"りゅうせいぐん"等による能力ダウンや、"こだわり"系アイテムによる技の固定をあまり気にせずに戦えるのもメリットですね。

 

 

 

・役割論理のパーティー、通称ヤーティを作る時に便利なポケモンたちを少しご紹介させていただきます。

 

まず最初は"ギャラドス"です。

ヤーティを作る際に非常にお世話になる事が多いポケモンです。

 

攻撃面では、"こうげき"種族値125という驚異の高さを誇り、タイプ一致技である水技だけでなく"じしん"、"ストーンエッジ"、"アイアンテール"、"こおりのキバ"等の豊富なサブウェポンで多くの敵に対してこうかばつぐんの技を繰り出せます。

 

防御面では特性である"いかく"によって物理耐久を補いながらも、100という平均以上の特防種族値を持っているので物理にも特殊にも強いポケモンです。

HPも95とこれまた平均以上の数値を誇ります。

ひこう・みずというタイプも"でんき"と"いわ"しか弱点を持ちません。

 

ポケモン作成の難易度も遺伝技無し、入手容易と全てにおいて非常に高評価を得ているポケモンです。

 

 

次にご紹介するのは"ナットレイ"です。

 

こちらはORASでは入手不可のポケモンですので少々難易度が上がりますが、役割論理においては必要な遺伝技も無いので、親が手に入れば簡単に作成出来るポケモンです。

 

攻撃面においては、種族値94と多少見劣りするものの、最大威力150(タイプ一致で225)の"ジャイロボール"を覚える事によって種族値以上の火力を出す事ができます。

パワーウィップも威力120と魅力的ですね。

他にも"はたきおとす"、"じならし"、"つばめがえし"等の技を覚える事が出来ます。

ただしタイプ一致技以外は威力があまり出ないので、基本的にはジャイロボールとパワーウィップで攻めましょう。

 

防御面では、HPこそ74と少し低めなものの、防御131、特防116と驚異的な数値を誇りますね。

さらに特性の"てつのトゲ"で追加ダメージを与える事が出来ます。

弱点タイプも"ほのお"と"かくとう"の二つのみです。

 

上で紹介したギャラドスとタイプ補完が抜群なので是非とも手に入れたいポケモンですね。

 

 

以上2匹は同時に運用しても、パーティーの相性補完に使うにも便利なポケモンなので手に入れておきたいですね。

 

 

 

 

最後に一つ。

 

はっきり言って、役割論理は"勝てる"構築ではありません。

 

通常のグッドスタッフで構築されたパーティーと違って、"相手の行動を読み切る"事が必要とされるためです。

 

通常のパーティなら存在するであろう回復技を持っていませんし、リカバリーが効かない事も多々あります。

 

初手の選出で負けた時点で相当苦しくなりますし、ガルーラが特殊か物理か、リザードンはXなのかYなのか。

それを読めなかった時点で8割負けが確定すると言っても過言ではありません。

 

ですが、まずは負ける事に耐えて10戦戦ってみてください。

途中で降参せずに、常に考えながら勝ち筋を探しつづけてください。

 

試合に負けても幾つかの相手の行動に読み勝った時、相手の選出を読み切った時、それらは確実にヤーティだけでなく他の構築を運用する為の力となります。

 

役割論理は、"ポケモン対戦の勉強をする為の教科書"だと思ってください。

 

どうすれば相手の行動を読めるのか?どうすれば相性補完の良いパーティーを構築できるのか?

 

ですが教科書という事は、"それが出来れば完璧である"という事に他なりません。

極めれば何処までも行ける可能性を秘めています。

 

敢えて言いましょう。

役割論理は"最優"ではないが"最強"であると。

 

 

お付き合い頂き、ありがとうございました。




多分に主観が混じった物なのでこれで反感を買ったり、お気に入りを外されても文句はありません。

コレでプラス方向にでもマイナス方向にでも役割論理へ興味を持っていただけるのでしたら幸いです。

もしプラス方向に興味が出てきたのであれば、まずは専用wikiの"サンプルヤーティ"を運用してみてください。


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1話 ポケモンの世界へと来てしまいましたぞwwww

どうも、シンクロンです。

大学の事情で長期間空いてしまった事をお詫びします。
そしてPCを変えた為にいままでの小説についても展開を思い出す事が出来ない為削除いたします。

なぜ新しい題材がポケモンかというと、半年間ほどやっていなかったORASを最近再開し始めたからです。
ポケモンはゲーム自体はリーフグリーンから初めて対戦はBW2から始めました。


___役割論理、それはポケモンというゲームにおいて最も有名な戦術の一つであろう。

簡単に言えば相手のポケモンに対して有利なタイプのポケモンを出し相手の交換を誘って、交換で出てきたポケモンに高火力技をぶちこんでいく戦術だ。

 

この役割論理で使用されるポケモン達……いわゆるヤケモンは努力値の振り方が非常に簡単なので手抜きだと思われる事もある。

 

だがこの役割論理、実行しようとすると意外と難しいのだ。

相手のパーティーから選出を予想し、的確に弱点となるポケモンを選出しなければならないし、ポケモンの相性や技、持ち物にいたるまで読み切る経験と勘が必要とされる。

 

俺もBW2時代に役割論理でポケモン対戦を始め、ORASという新世代に突入してもなお、役割論理を使用しつづけていた。

 

最初の頃は、ハッキリ言って勝てなかった。

だが、負けが続くと、おのずと対戦のパターンが見えてくるのだ。

 

 

☆☆☆☆

 

 

さて、そんな俺だがいまは山で遭難中だ。

しかも火山の火口付近である。

 

遠くにはマグマも流れ出ており、肌を焼きつくすような熱風が俺を襲っている。

いままでに感じた事のない、肌が溶けるのではないかと思うような熱気で呼吸が困難で、先ほどから吐き気や頭痛が止まらない。

気を紛らわす為に回想していたのだが、これって走馬燈って奴ではないか?

助けを求めようにも、気づかぬうちに口で呼吸をしてしまったせいか、喉にまで酷い風邪を引いたときのような痛みがある。

 

そもそも、なぜ俺はこんな所にいるのだろうか?

 

俺の記憶の中に旅行にでかけたりだとか誘拐されたりだとかされた記憶は無い。

最後に覚えているのは、やる事もなく部屋でゲームをしようとしていたはずだ。

それが、気づいた時には火山にいて、持ち物も気がついたときに近くにあったバッグの中に入っていた見慣れた3DSとサイフ、そして謎のケースのみ。

せめてライトとか電話とか入ってても良かったのではないだろうか。

しかもバッグを拾ったときに気がついたのだが、俺の背が明らかに縮んでしまっている。

 

現実味の無い状況を理解することもなく歩き続けること1分程度、前方から機械音が近ずいてきているのに気がついた。

 

 

「ちょっと君大丈夫!?」

 

 

朦朧としてきた意識の中でもハッキリと分かるような音量でこちらに語りかけてきた婦警のような格好の女性は白バイに乗っており、一目で警察だと分かる。

山の、それも中で思ったよりも簡単に他の人間に会えたことに安堵しながらその女性に質問をする。

 

 

「すいません。ここは一体どこなのでしょうか?」

 

「質問はあと、取り敢えず早くココに乗りなさい!すぐ近くにセンターがあるから連れてってあげるわ!」

 

 

熱気に晒されつずけて意識が朦朧としてきていた俺は、婦警さんに無理やり サイドカーへと乗せられる。

サドル部分に収納スペースが設置されているのか、サドル下からを水を投げ渡してきてから 女性はバイクを走らせる。

渡された水を飲んで落ち着いて自分を見てみると、肌は赤く腫れてしまっているし、シューズもボロボロだ。

地面の大粒な砂利や石のせいで、真っ直ぐ歩く事すらできていなかっただろう。

 

そんな人を見たら焦るのも仕方ない話だ。

そして、すぐに無事にたどり着いた先はどこか見覚えのある形をしている大きな建物だった。

 

いまだに汗が止まらない程に暑いが、それでも先ほどまでの火口付近に比べればまだマシだ。

 

 

「さぁ、ついたわよ」

 

「ありがとうございます。もうダメかと思いましたよ」

 

「丁度見回りのルートにいるなんてよっぽど運が良い様ね。さ、早く入りましょう」

 

 

辛うじて話せるくらいになった喉の痛みに耐えながらお礼を言うと、何でもない事のように女性がそう返してきた。

 

促されて自動ドアを潜ると、沢山の人がいるラウンジだった。

大半の人は山登りをするための装備やバックパックを持っていて、マッチョな人たちばかりだ。

細身で、しかも小さなショルダーバッグしか持っていない俺はかなり浮いてしまっている。

 

婦警さんはカウンターの向こうのナースの格好をした女性になにやら話しかけている。

俺は襲い来る頭痛なんかの症状で立っていられずに近くにあったソファーに寝転んで待つ。

 

数十秒もしないうちに婦警さんが帰ってくる。

 

 

「大丈夫?もう少しで治療が始められるから我慢してね」

 

 

と、いつのまにやら戻ってきていた婦警さんがそう言いながら膝枕をしてくれる。

恥ずかしさはあるものの、硬いソファーの感触は今の俺の肌には酷だったので素直に好意を受け取る。

ついでに額に冷えたタオルを乗っけてくれた。

多少の申し訳なさを感じながらも婦警さんに礼を言おうとすると、山男どうしの話が耳に入ってきた。

 

 

____いやぁ、落石で遠回りとは運が無いですな

 

____まったくだ。相棒がいなかったら暑さで死んじまってたぜ

 

 

そんなありふれた会話が、なんとなくふと耳についたのだ。

いまからあの男たちの間ではその相棒とやらの活躍が語られるのだろうなぁ。

そんな事を思っていた所だった。

 

 

____おたくの相棒というとトドグラーでしたかな?たしかにひんやりしてそうだ。

 

____いや、トドグラーじゃなくてマリルの方だ。この暑さだと逆にトドグラーの方が参っちまう。

 

 

そんな会話が、続いてしまった。

 

トドグラーにマリル、この二人…いや二匹はポケモンの中に登場するモンスターだ。

それに先ほど、あの婦警さんはこの建物の事をセンターと言ったはずだ…何の?

 

まさかとは思う。

しかし同時にそれ以上にありえないとも思う。

 

 

「どうしたの?」

 

 

心配そうにこちらを覗き込んでくる婦警さんに頷いて見せると、安堵したようにこう続けた。

 

 

「早く旅に戻りたいのもわかるけど、その体じゃ無理だから素直に治療を受けるのよ?今来るはずだから」

 

 

手首を抑えて俺の脈を測っている婦警さんの向こう側から先ほどカウンターにいたナースさんがこちらに歩いてくる。

 

 

「準備出来ましたよ。意識はどう?」

 

「意識はしっかりしてるわ。脈も安定してるし大丈夫そう」

 

「そう……、だけどマグマ地帯にこんな格好でいたんでしょう?肌も真っ赤に腫れちゃってるし、一応検査は受けてもらいますからね」

 

「えぇ、この子も嫌がったりはしてないから大丈夫のはず」

 

 

婦警さんが俺から離れてナースさんと話をしている。

なにやら検査を受けるようだが、どんな検査なのだろうか?

 

 

「じゃあラッキー、その子を奥まで運んで頂戴」

 

____ラッキー!

 

 

そんな鳴き声とともに現れた巨大な丸いピンクの生物を見て、俺は驚く。

ラッキー、そうよばれるポケモンを目の当たりにしたのだから。

 

俺は、ポケモンの世界へと来てしまったのだろうか?

 

おれは めのまえが まっくらになった。




一話という事であまり展開の無い話になってしまいましたね。
次話は所持ポケモン等に関して触れたいと思います。
バトルは…多分入れれるかな?

各話2000~4000文字程度でいこうと考えてます。

では、1話を見ていただきありがとうございました。

追記:読者様から頂いた助言に従って少し描写を付け足しました。
追記2:初期設定の雪山の描写が少し混じってしまっていたので修正


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2話 目覚めの時ですぞwww

まずは、前回の一話を読んでいただいた皆様、ありがとうございます!
感想や、お気に入り登録もしていただき、嬉しい限りです。
評価も1ですがつけて頂きました。
少し悲しい気持ちもありますが、それだけ改善点があると思い、精進いたします。

では本編です。


目覚めると、ベッドの上で横になっていた。

どうやらショックのあまり気絶してしまったようだ。

 

空調のよく効いた、病室のような質素な部屋だ。

 

いまだに赤さの残る肌を見つめながら、改めてこの状況が現実であると認識する。

目が覚めたら現実に戻ってたました。なんて事にならなくて嬉しいような悲しいような。

 

さて、窓の外の暗さからしてまだ日が昇るまで時間があるようだし、少し現状の整理でもしておこうと思う。

 

まず大前提として、俺はポケモンの世界へと来てしまったようだ。

しかも10歳くらい若返った状態で。

 

今の俺は外見で判断すると10歳。

そんな年齢の子が火山で遭難してフラフラ……そりゃあ婦警さんも焦るわ。

 

そして昨日、肌で熱気を感じたということは間違えてもコレが夢というわけではないだろう。

 

あ、ちなみにだが元の世界へと戻りたいとは思わない。

元々二次創作とか読んで現実逃避をしていた性分な為、この現象はむしろ凄く嬉しくすらある。

 

まぁ、自分がこんな状況に巻き込まれた原因くらいは知りたいと思うが。

再度言うが、俺にはこんな状況になる原因に心当たりは全くない。

旅行に出た記憶も、そもそも家から出た記憶もだ。

 

さて、原因が自分に無いのならば、残る可能性は第三者……あるいはポケモンか。

ポケモンにそんなことが出来るのかと言われれば、可能であるように思える。

 

空間を司る"パルキア"なんかが最も有力候補だろうか。

 

 

まぁ、そんな事で旅に出ようと思う。

原因がなんであれ、自分に原因が無いのなら行動しなければ始まらないだろう。

現実でバックパッカーの友人の日本横断の話とか聞いてから興味があったのだ。

 

旅の目標は…どうしようか。

パルキアに会うでもいいし、折角ゲームの世界に来たのだから、俺tueee!とかテンプレで良いかもしれない。

 

 

「あら、気がついたのね」

 

 

と、突然声をかけてきたのは婦警さんであった。

外はまだまだ闇に包まれているというのに、まだ寝ていなかったのだろうか。

自分を気にかけてくれているのなら嬉しい。

 

 

「夜更かしして明日大丈夫なんですか?」

 

「一応、このセンターの警備員も兼ねてるからね。この見回りが終わったら寝るわよ」

 

 

前言撤回だ。

どうやら仕事だったらしい。

 

 

「まぁまだ夜だから君も寝直すと良いわ。といってもいままで寝てたのだから寝れないかしら」

 

「えぇ、なんだか頭の中が混乱しちゃってて」

 

「じゃあちょっとお話しましょうか」

 

「見回りは良いんですか?」

 

「えぇ、この話もしなきゃならない物だし。書類取ってくるわね」

 

 

しなきゃならない事…なんの話だろうか。

思いつくのは事情聴取くらいだ。

 

名前はゲーム時代の物を使えば良いとして、出身地とか聞かれたらどうしようか…。

トウキョウシティとか言っておけば誤魔化せるかな?

現実でいうアメリカにあたるイッシュ地方の街でも良いのだが、万が一通信環境があった場合に不味い事になる。

 

 

「お待たせ。預かってた荷物も持ってきてあげたわよ」

 

「ありがとうございます婦警さん」

 

 

荷物を婦警さんから受け取ってから気づく。

これ3DSの中身見られてたらヤバイ事態にならないか?

ORASがささっているのに加えて、DL販売で買ったXYとポケムーバーも見られている可能性がある。

 

 

「婦警さんって…そういえば自己紹介がまだだったわね」

 

「そうですね」

 

「私の名前はレイよ。このえんとつ山ポケモンセンターのジュンサーよ」

 

「俺の名前はロンリです。ずっと遠くのトウキョウシティから来ました」

 

「トウキョウシティ…?聞いた事ないわね」

 

「イッシュ地方の向こう側…らしいです」

 

「らしいってねぇ」

 

 

凄く怪しい物を見る顔でこちらを見てくるレイさんに対してポーカーフェイスをしながらどうにか切り抜ける方法を探す。

 

 

「旅は一人?」

 

「えぇ、実はまだ旅に慣れていなくて…この地方についても良く分かりませんし誰か旅仲間を作りたいとは思っているんですけどね」

 

「へぇ」

 

 

紙に色々書き込んでいくレイさんを尻目に、バッグの中を確認してみる。

すると、身に覚えのないボールの付いたベルトが出てきた。

 

 

「あぁ、君の服は洗濯してるだけだから安心してね。ベルトなんかの所有物はバッグの中に入れてあるわ」

 

 

ベルトについて考えていると、レイさんがそんな事を言ってきた。

言い方から察するに、このベルトは元々俺がつけていたものらしい。

ボールの数が6個ある事から、ゲームでいう手持ちのポケモン達なのだろう。

 

 

「持ち物といえば、君のポケナビって誰から貰ったの?」

 

「ポケナビですか?」

 

「そう、その赤い箱よ」

 

 

赤い箱というと3DSの事だろうか?

たしかに一見、ORASではない方のルビーサファイアで出てきたポケナビに見えない事も無いが…。

 

 

「旧式のっぽいけど機能的にはいまのマルチナビにも劣らない良い物ね」

 

「父からもらったんです。他のポケナビを知らないので詳しくは分かりませんけど、たしかに便利ですよ」

 

 

そう言いながら3DSを起動する。

もちろんレイさんに見えないようにしながらだ。

 

起動すると、いつものホーム画面ではなく、ORASの下画面が出てきた。

ただし右側のタブに『ボックス』が加わっていたが。

 

試しにボックスをタッチしてみると、ORASのボックスが出てきた。

ただしバトルボックスが消えていたが。

ORASの物しかなさそうな為、XYとポケムーバーの物は消えてしまったのだろうか?

XYの方にはたいしてポケモンが残っていなかったが、ポケムーバーの方には全国図鑑埋めに使ったポケモンや普段は使わない禁伝系のポケモンを入れていたので凄く悔しい。

……まぁ残っていたらそれはそれで旅をする口実がなくなってしまうのだけれども。

 

 

「大丈夫だった?」

 

「えぇ、機能に支障はないようです」

 

 

色々とタッチしてみながらそう言う。

レイさんも書類をファイルに戻しているし、以外と簡単に事情聴取は終わったようだ。

 

そもそも考えてみればアニメの主人公であるサトシは10歳で世界を旅して回っているのだ。

この世界ではその位の歳で旅をするのは以外と普通の事なのかもしれない。

 

 

「朝になったら服を返してあげるから今夜はここで寝なさい」

 

「わかりました」

 

「あと、君のポケナビに私の連絡先を登録しておいたからいつでもかけてきてくれて構わないわよ」

 

 

マップの機能のえんとつ山にカーソルを合わせると再戦トレーナーの代わりにレイさんの名前、顔写真、そしてトレーナーIDが表示された。

 

 

「じゃあ私は見回りに戻るけど、できる限り寝ておくのよ?」

 

「えぇ、そうする事にします。おやすみなさい」

 

 

ファイルを抱えて部屋から出ていくレイさんを見送って、俺は改めてベルトと眺める。

はたしてこの中に入っているのはどんなポケモンなのだろうか?

 

現状で可能性のあるポケモンは、バトルボックスに入っていたポケモンか元々手持ちにいたポケモン。

 

前者ならまだ良いが、後者ならばウルガモス一匹&卵5個だ。

ちなみに卵の中身はコイキングのはず。

 

後者出会った場合、ボックスから別のポケモンを取り出せば良いだけだ。

ボックスの操作方法と転送の仕方がわかれば…だが。

 

 

「出してみるか…?」

 

 

そんな事を思うが、室内でバトルボックスの方を出してしまった時のリスクが高すぎるのでやめた。

まずは寝て、朝になったら外で試すとしよう。

 

 

 

 

……朝である。

 

またいつのまにか眠ってしまったようだ。

窓から外を覗くと、日がだいぶ高い位置にある。

 

 

「よく眠ってたわね」

 

 

声をかけてきたのはレイさんではなく、ナースさんの方であった。

 

 

「今朝、レイから話は聞きました。検査でも異常はないみたいだから好きな時に旅を再開してもらって構いません」

 

そう言ってナースさんは俺の服を差し出してくる。

 

「お世話になりました」

 

「本当ですよ。手持ちのポケモンが全て瀕死になったまま山を越えようとするなんて…」

 

 

新事実、俺の手持ちは俺がこの世界に来た段階では全員瀕死であったらしい。

 

 

「もうしませんよ」

 

「当たり前です。今度からは手持ちが全滅したらちゃんとポケナビで最寄りのポケモンセンターに連絡するんですよ!」

 

 

その後、30分程度もお叱りを受け続けた。

途中で着替えをするからと言って中断させようか迷ったが、今後のために重要な情報があるかもと思って聴き続けたのだ。

それに、好意からの説教って断りづらいし。

 

 

「じゃあ着替えたら早速旅を再開します」

 

「私は仕事があるのでお送りできませんけど、途中まではレイが送っていてくれるそうです」

 

「レイさんが?」

 

「えぇ、巡回のついでだと言っていましたよ」

 

 

思わぬ幸運にガッツポーズをしそうになるが、辛うじて心の中に止める。

いくらマップがあるといっても一人で歩くのは不安だったからなぁ。

それに巡回って事はバイクで送ってくれるようだし、思ったよりも早く目的地であるフエンタウンへと辿り着けそうだ。

 

 

「では、気をつけて旅を続けてくださいね?」

 

「えぇ、またあんな状況になるのは嫌ですからね」

 

 

ナースさん…結局名前は教えてもらえなかった。は部屋の外で待機していたラッキーからモンスターボールの置かれたトレイを受け取って何処かへ行ってしまった。

昨日、自分がラッキーを見て倒れたので部屋の外に待機させておいてくれた……というのは考えすぎだろうか。

 

一人になった俺は自分の服へと着替え、ベルトを腰に巻いてからポケモンセンターの外へと出る。

 

レイさんの姿が見えないため、時間を潰すついでにモンスターボールの中身を確認するためにポケモンセンターの裏手に回ってボールを全てベルトから外す。

 

 

「たしかアニメではボールの正面を押して大きくして放り投げてたっけ?」

 

 

試しにボールの一つを手にとって、投げてみる。

そのボールは地面に落ちても何も起こらずに転がっていく。

 

 

「やっぱ大きくしないとダメなのか…」

 

「何がダメなの?」

 

 

後ろからいきなり声をかけられて驚いた俺は足元に転がっていたボールを踏んでしまい、派手に倒れた。

腰を強く打ち付けたせいで凄く痛い。

 

 

「大丈夫?」

 

「いや、いきなり後ろから声をかけないでくださいよ」

 

「ごめんね。何やらボールを投げてたみたいだから気になっちゃって」

 

 

レイさんがこちらに手を差し出してきたので、素直にそれを掴んで立ち上がる。

 

 

「そういえば君ってどんなポケモンを使ってるの?」

 

「え?そうですね…」

 

「あぁ、別に言わなくてもいいのよ?手持ちのポケモンがバレるのを嫌がるトレーナーもいるって聞くし」

 

「へぇ…そうなんですね。あ、そうだ。じゃあレイさんのポケモンを見せてくれたら俺のポケモンも見せますよ」

 

 

レイさんは別に良いわよ、とだけ言って太腿に巻かれたベルトに付いているボールを一つ手に取る。

そして正面の白い丸い部分の中央のスイッチを押して放り投げた。

 

____ドンダン!

 

そんな風に聞こえる鳴き声と共に飛び出してきたのはウインディだ。

 

ウインディは全てのステータスにおいて優秀な数値を持つ炎タイプポケモンである。

”しんそく”という必ず先に攻撃できる技や、炎はもちろんのこと、電気、ドラゴンといった多くのタイプの高火力物理技を覚える。

特性も”いかく”と有用であり、現実でも割とよく見たポケモンの一匹だ。

 

 

「良いポケモンを使っていますね」

 

「えぇ、ガーディから育てた大切なパートナーよ」

 

「じゃあ次は僕の番ですね」

 

 

先ほど投げてそのままだったモンスターボールを、今度はちゃんとスイッチを押した後に投げる。

 

____ブィンユー

 

なんだか文字に出来ないような声をあげて飛び出したポケモンは、カイリュー。

 

いわずと知れた最強の一角である。

ちなみにだがこのカイリュー、特殊攻撃技を主に使う所謂『特殊型』である。

 

ステータス的に言うならば、カイリューは『こうげき(物理攻撃力)』の方が『とくこう(特殊攻撃力)』よりも高い。

倍率でいうなら大体『とくこう』の1.3倍だ。

では火力を重視する役割論理においてカイリューは物理攻撃で育成されるのか?

 

それがそうでもない。

その理由が、覚える技の威力とバリエーションである。

 

威力においては、物理型のメインウェポンが『ドラゴンダイブ(威力100)』に対して、特殊型のメインウェポンは『りゅうせいぐん(威力130)』、『ぼうふう(威力110)』と、結構な違いがあるのである。

 

ポケモンをやった事がない者はたったの30の差と感じるだろうが、威力においては例え10でもとても大きな差になってくる。

さらに、ポケモンが繰り出す技がそのポケモンのタイプと一致しているときにはさらに威力は1.5倍になってしまう。

 

カイリューのドラゴンダイブとりゅうせいぐんがもし1.5倍になると、ドラゴンダイブ(150)、りゅうせいぐん(195)と、差はさらに広がる。

その差、実に1.3倍。

それだけだと特殊型と物理型に差は無いように思えるだろう。

 

しかし、ここで大きな差になってくるのが『ぼうふう(威力110)』の存在だ。

『ぼうふう』は飛行タイプの特殊攻撃技である。

一方で物理の飛行技の最高威力は『そらをとぶ(威力90)』である。(しかもこちらは技を出すのに2ターンかかる。)

この『打てる技のバリエーションと威力の差』によって、役割論理ではカイリューは特殊型で育成される事が多いのだ。

 

 

 

さて、飛び出してきたのが卵でもウルガモスでもなかったという事は、この6匹のポケモンは元々バトルボックスにいた連中で間違い無いだろう。

とすると、残りのポケモンもわかったのだが、どのボールに入っているのかまだわからない。

 

 

「カイリュー…すごいポケモンを持っているのね」

 

「えぇ、父がくれたミニリューをずっと育てたんです」

 

 

便利だな俺の父さん(仮)

俺のカイリューを見たレイさんは、俺に向かってこう言ってきた。

 

 

「そうだ!バトルしてみようよ」

 

「え?」

 

「ダメ?カイリューと戦える機会なんて滅多に無いんだもの」

 

 

それに、と言ってレイさんは付け加える。

 

 

「昨日、こんな立派なカイリューが瀕死になってたから、君のプレイングが心配になっちゃって」

 

 

確かに、思ってみればそうだ。

いま、レイさんにしてみれば、俺はカイリューを使っといてその辺のトレーナーにパーティーを全滅させられるような下手としか思え無い。

ここは、バトルの練習だと思ってレイさんに付き合うしかないだろう。

 

 

「そこまで言われたらやらないわけには行きませんよ」

 

「じゃあ決まりね。お互い使うのはこの一匹だけってことで」

 

「わかりました」

 

 

そこまで言ったあとに気づく、俺はポケモンにおいて役割論理を使用している。

ならば対戦中はあの語法を使ったほうがいいのかな?と。

バカな事を考えているとは自分でも思うが、折角だし、一回くらいはやってみようかと思った。

 

それが後に悲劇になるとは知らずに…

 

 

「じゃあいくわよ!ロンリ君!」

 

「んんwwwよろしくおねがいしますぞwwww」




すみませんが戦闘シーンは二話に回させていただきます。
連日の投稿ですが、週末に私用ができてしまいまして、早めに書いて投稿しているからです。

次は今週の日曜か、来週の月曜になると思います!

感想や改善点がございましたら、是非教えていただけると幸いです。


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3話 一撃以外ありえないwww

まずは感想を投稿して頂いてありがとうございます。
お気に入り登録も現在25と、増えておりありがたい限りです。
前回の後書きで募集した改善点についても、態々メッセージにかいて送っていただきました。

こんな作者ですが、これからもよろしくお願いします。


ポケモンセンター裏にていきなりバトルを申し込まれた俺は、ポケモンセンターの近くでは迷惑になるという事で、レイさんに連れられて近くの森の中に入った。

森に入って歩く事5分、木々が刈り取られた円形の空間にたどり着いた。

いまはお互い30mほど離れて立っている。

 

 

「ここなら気にせずに戦えるわ」

 

「そうですね」

 

 

余談だが、先ほど勇気を出して使ったロジカル語法だが、レイさんはまさかのノータッチである。

移動すると言われた時に何か言われると思って羞恥心を抑えきれなかったのだが、なぜだろうか。

 

さて、俺のやや右前方にいるカイリューは先ほどまでと変わらずに佇んでいる。

ポケットモンスター、モンスターと呼ばれているのでもっと威圧感のような物を放っていると思っていたのだが、違うらしい。

性格が”ひかえめ”なのも関係しているのだろうか?

 

対してレイさんの前にいるウインディは待ちきれ無いとでも言うかのように体を震わせている。

性格も”せっかち”とかその辺だろうか?あくまでゲーム内の性格のみで考えるなら、だが。

 

そもそもの話、これがゲームであったのならウインディに勝ち目は無いと断言できる。

ドラゴン・飛行タイプを持つカイリューはウインディの最高火力技である”フレアドライブ”を威力半分で受ける事ができる。

そのダメージ、およそカイリューのHPの25%程度である。

 

唯一カイリューを倒せるとしたら、『教え技』と呼ばれる特殊な方法でドラゴンタイプ技である『げきりん』を覚えさせている場合だろう。

こちらの場合はカイリューのHPの75%程度を削る事が出来る。

 

 

「じゃあこのコインを投げるから地面に落ちたらスタートよ」

 

「わかりましたぞwww」

 

 

試しにロジカル語法で話してみるが、今度もレイさんはガンスルー。

以外と普通の話し方だったり……ないな。

 

レイさんがコインを上へと放り投げる。

 

思ったより高く投げたので、落ちるのにもそこそこ時間がかかるだろうとカイリューを見ると、相変わらずカイリューは姿勢を変えずにそこにいた。

そこに不思議な安心感を感じた俺は、コインの落ちる音で我に返る。

 

 

「ウインディ、”こうそくいどう”!」

 

 

一瞬出遅れてレイさんに行動する隙を与えてしまった。

ウインディはその場からの急加速でカイリューに接近する。

一歩遅れる形で俺もカイリューに指示を飛ばす。

 

「カイリュー……”りゅうせいぐん”でいきますぞwww!」

 

少し迷ってしまったが、俺はカイリューの持つ技の中で最大の威力を持つ”りゅうせいぐん”を選択した。

 

役割論理にはある名言がある。

『一撃以外ありえないwww』

 

別に一撃必殺技とかではなく、高火力技で相手を一撃で仕留める事だ。

極端な話、どんなポケモンも、何もさせなければ怖くないのである。

 

カイリューは力を溜めるようにその場にうずくまる。

ウインディはこうそくいどうの効果によってか、この1秒に満たない時間で30m近くあった距離を10mほどにまで縮めている。

 

カイリューは未だにその場から動かない。

力をその手に集めているようだ。

 

 

「ウインディ、チャンスよ!そのままフレアドライブで突っ込みなさい!」

 

 

ウインディは大きく吠えながら一瞬でその身に炎を纏う。

 

怖い。

ただそう思った。

 

考えてもみてほしい。

目の前のウインディのフレアドライブは秒速20m以上という驚異的なスピードだ。

ちなみに時速だと72km程度、高速の車が炎を纏って突っ込んできているような物である。

 

いくらドラゴンタイプがほのおタイプ技を威力半分で受けれるからといってこの技を食らっては無事では済まないのではないか?

そんな事を想像してしまった。

 

だがその想像は次の瞬間に打ち消される。

 

さらに速度の上がったウインディをギリギリで避けるようにカイリューが空へと飛び上がったのである。

 

自分でも制御できないのか、ウインディはカイリューの足元を潜るように俺の真横を抜けて進み続ける。

 

風圧で俺は数メートルも飛ばされる。

服の背中部分に穴が開いていないか心配だ。

と、急に上空から寒気を感じた。

 

急いで見上げると、空中に浮かび上がったカイリューが圧倒的な威圧感を撒き散らしている。

 

レイさんの方を伺うと、レイさんもウインディに指示を与える事もなく、カイリューの威圧感に飲まれているようだ。

 

 

___オォォォォォォ!

 

 

まるで怒りを解き放つように吠えたカイリューは天に向かって吠える。

 

すると、足元から不思議な光を纏った1mはある巨大な岩が次々とせり上がって行き、カイリューの周りに浮かび始める。

 

先ほどまで俺の後ろの方にいたウインディは、すでにレイさんの前まで戻って岩を警戒している。

 

カイリューは、岩が集まり終えるのを確認すると、さらに高くへ舞い上がり、その手をウインディに向かって振り下ろした。

 

次の瞬間には、大きな揺れとともに岩の一つがウインディのいた場所に突き刺る。

衝撃によって発生した土煙で、何も見えなくなる。

 

 

「ウインディ!」

 

 

姿は見えないが、レイさんは悲痛な声をあげていた。

 

俺も声には出さないが、ウインディの安全を心配していた。

カイリューが手を振り下ろしてから岩が突き刺さるまで、その過程が目で追えないほどに早い攻撃だった。

いくらポケモンといえどアレが直撃していれば、万が一の可能性も出てくるかもしれない。

 

そんな俺たちの心配をよそに、ウインディは何事もなかったかのように土煙から飛び出してきた。

 

カイリューはそれを確認すると、残りの岩を次々に射出しはじめる。

といっても、俺はいくら目を凝らしてもいきなり岩が生えてくるようにしか見えないのだが。

ウインディはこうそくいどうの効果のおかげか、予知しているかのようにカイリューのりゅうせいぐんを避けている。

 

やがて、りゅうせいぐんを撃ち終わると、地上へと戻って来るカイリュー。

ウインディもレイさんの前へと戻っていた。

 

バトルが始まる前は、カイリューの姿に安心感すら覚えていた俺だが、いざバトルが始まってみると、俺はその姿を見て恐怖を持つようになっていた。

 

ポケモンバトル、舐めていたとしか言えない。

ゲームのNPCのようなトレーナーしかいないだろうし無双できる、と心のどこかで思ってた。

 

だが、実際は一歩間違えればトレーナーかポケモン、どちらかが重症を負いかねない程の激しい技の応酬、殺伐とした雰囲気。

どれをとっても、想像以上であった。

 

だが、だからこそ、恐怖するからこそ、このバトルに勝った時に得るものというのは大きいはずだ。

そう信じて俺は勇気を出して、カイリューに次の指示を出す。

 

 

「カイリュー、かみなりでいきますぞwww!」

 

「ウインディ、そのままフレアドライブで攻め切りなさい!」

 

 

 

……結果から言おう、俺は負けた。

なぜか?その理由は”りゅうせいぐん”の追加効果にある。

”りゅうせいぐん”は一度使うと、使ったポケモンのとくこうを半分にしてしまうデメリットを持つ。

 

俺のカイリューは特殊型、つまりとくこうが下がってしまうと、一気に戦闘力が下がってしまうのだ。

なので最初の”りゅうせいぐん”を外した時から、負けは決まっていたのだ。

 

だが、あのバトルで得たものは負けたことが気にならないくらいに大きい。

俺の実力、ゲームとの違い、バトルの仕方、そして自分のポケモンとの付き合い方だ。

 

あのバトルからすでに一時間以上経っている。

 

いまはお互いにナースさんにウインディとカイリューを預けている。

 

 

「君がどうしてあんなところで倒れたか、わかった気がするわ」

 

「え?」

 

「君は、ポケモンのことを知らなすぎる」

 

「そう……ですね」

 

「あのカイリューを見れば、君になついている事はわかるわ。ミニリューから育てたっていうのも嘘じゃないんでしょうね」

 

「そこまでわかるんですか?」

 

「ウインディが君を転がした時に、カイリューがすごい目をしてたからね」

 

 

カイリュー……あいつは俺を信頼してくれていた。

なのに俺は、彼奴に恐怖してしまった。

もし、次にバトルする時、まだ俺を信頼してくれているだろうか?

 

 

「ポケモンとの友情はそんなに簡単に消えるモノじゃないわ」

 

 

まるで心が読めているかのようにレイさんがそう言ってくる。

 

 

「レイ、ロンリ君、回復終わりましたよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ありがと、じゃあ私は暫く留守にするわ」

 

「えぇ、いってらっしゃい。ロンリ君も気をつけるのよ」

 

「はい」

 

 

ナースさんはそれだけ言うと、さっさと奥へ引っ込んでしまった。

また名前を聞きそびれた。

 

 

「じゃあ改めてフエンタウンまで送って行くわ」

 

「お願いします」

 

 

俺は心なしか重くなったベルトを撫でてから、レイさんの元へ駆けて行った。




うわぁぁぁっぁぁぁあjv;lsdjv
予約投稿出来てなかったぁぁぁぁぁぁぁ!
すいません!設定したと思って油断してました。

次は土曜日の予定です!


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4話 本格始動ですなwwww

どうも、更新が大幅に遅れてしまいました。
申し訳ございません。

どれだけ遅れても更新は続けようと思っているのでご容赦ください。

まぁそれはそれとして、投稿直前に小説情報を確認しました。
お気に入りも感想もして頂いて嬉しい限りです。

一番驚いたのは評価です。
新たに9と8にそれぞれ入れていただけました。
評価って5個つくと平均が表示されるんですねw初めて知りました。

皆様の期待に応えられるように頑張りたいと思います。




さて、いま俺とレイさんはフエンタウンへの道をバイクで駆け抜けている。

ゲーム内ではデコボコ道…だったか?があって、面倒くさい道となっていたが、きちんと通行用の整備された道もあったらしい。

 

 

「そういえばロンリ君はなんの為に旅をしているの?」

 

「伝説にあるポケモンに出会ってみたいんです」

 

「へぇ、私も小さいころは伝説に憧れて旅をしてたわ」

 

「そうなんですか?」

 

「えぇ、懐かしいわね」

 

「俺は空間を操るパルキアってポケモンと時空を操るディアルガが目的なんですけど、レイさんはどんなポケモンを探してたんですか?」

 

「私はカイオーガとグラードンね。どっちもこの地方に伝わる伝説のポケモンよ」

 

 

前の時と違い、そんな話で盛り上がりながら道を進んでいると、レイさんが唐突にこう切り出してきた。

 

 

「そういえば、ロンリ君はジムには挑戦するの?」

 

「ジムですか?」

 

 

ジムとは、ポケモンバトルの地方大会のような物であるポケモンリーグに挑戦するために必要なバッジを取得するための施設である。

それぞれのジムにはジムリーダーと呼ばれる代表がおり、そのリーダーに認められればバッジが貰える仕組みだ。

ちなみに各地方にジムは8個ある。

 

 

「うーん……どうでしょうかね?」

 

「悩んでるならとりあえず行っときなさい」

 

「そんな気軽に行っていいんですか?」

 

「えぇ、それにバッジ集めしてるとポケモンリーグから旅の支援をしてもらえるわよ」

 

「支援なんてあるんですか!?」

 

「えぇ、といっても非常食とか地図とかだからあんまり期待しない方がいいけどね」

 

 

これはいい事を聞いた。

非常食はともかく、地図はありがたい。

マップ機能はポケナビにあるだろ。と思うかもしれないが、俺のポケナビは3DS、つまりバッテリーが切れると充電が出来ない可能性もあるわけだ。

充電の方法が見つかるまでは出来るだけ使用頻度を抑えたいと思っていた。

 

 

「他には何かありますか?」

 

「そうねぇ……全てのバッジを持ってると利用出来る施設とかもあるみたいよ」

 

「ポケモンリーグですか?」

 

「いえ、確かバトルハウスって名前だったわ」

 

「バトルハウス……」

 

「あ、フエンシティが見えたわよ」

 

「あれが?」

 

「えぇ、ポケモンセンターに降ろしてあげるから、あとの事はそこのジョーイさんに聞きなさい」

 

 

ナースさんに聞いたところによると徒歩だと2時間くらいかかるとのことだったが、レイさんのお陰で30分程度で辿り着けたようだ。

 

 

「いろいろとお世話になりました」

 

「良いのよ、それが仕事だもの」

 

 

あれから直ぐにポケモンセンターにたどり着いた俺は、レイさんと別れの挨拶をしていた。

レイさん曰く、俺のように山で倒れる登山者は少ないながら存在するらしく、慣れたものだと言っていた。

まぁ、俺のようにポケモンも全滅、荷物も碌なものを持っていない。というケースは初めてとの事だったが。

 

 

「気をつけるのよ?」

 

「えぇ、分かっています」

 

「旅の途中に困ったら?」

 

「ポケモンセンターかレイさんに電話、ですよね?」

 

 

そう言うと、満足げに頷いてレイさんはバイクを走らせていった。

さて、一人になってしまった。

まずはレイさんの助言通りにポケモンセンターでナース……ジョーイさんに会うとしよう。

 

____ウィーン

 

自動ドアをくぐり抜けようとすると、ポケモンセンターから慌ただしく一人の男性が出てきた。

危うく衝突してしまうのを避けたところで、その男性は俺に掴みかかってきてこう言った。

 

 

「き、君!私の荷物を知らないか!?」

 

「に、荷物ですか?」

 

「あぁ、大きめの黒いアタッシュケースなのだが」

 

「すいません、見てないです」

 

「クッ、どこにあるんだ!」

 

 

男性はそう言って山道の方に走って行ってしまった。

一体なんだったのだろうか?

……一応、レイさんに連絡だけ入れておこう。

 

 

『はい、レイです』

 

「レイさん、さっきぶりです」

 

『ロンリ君?どうしたの?』

 

「実は、ポケモンセンター前で怪しい男とすれ違いまして」

 

『……?良くわからないけど一旦戻るからそれから話しましょう』

 

「わかりました。ポケモンセンターの中で待ってます」

 

 

改めてポケモンセンターの中に入ってレイさんを待つ。

10分程で現れたレイさんは、隣に赤い髪の女性を連れていた。

 

 

「レイさん」

 

「さっきぶりね、ロンリ君どうしたの?」

 

「えっと、その女性は?」

 

「あぁ、ロンリ君に紹介しようと思ってね。フエンジムのジムリーダーのアスナよ」

 

「はじめまして!私はここのジムリーダーを務めているアスナよ!よろしくね!」

 

 

声がデカイ。

ポケモンセンターの中にいた旅行者たちは何事かとこっちを見ている。

地元の人々は『またか……』みたいな雰囲気を出しているのでいつもの事なのだろう。

 

 

「じゃあ改めて、その男について教えて頂戴?」

 

「はい、と言ってもすれ違っただけなのですが……」

 

 

俺は男についてできる限り詳細にレイさんに伝えた。

と言っても、白衣を着ていてメガネを掛けた研究者風の男としか分からないのだが。

 

 

「あ、それデポンコーポレーションの人だと思うわ」

 

「アスナ、心当たりがあるの?」

 

「えぇ、なんでも火山で発見された石をカナズミの本社に運んでるんだって」

 

「へぇ、珍しい石なんですかね?」

 

「どうだろ?でも護衛に人を貸して欲しいって言ってたくらいだし凄い発見なんだろうね」

 

 

アスナさんが自分の知っている限りの情報を俺とレイさんに渡してくれるが、どうやらあの男もこの街に着いたばかりだったらしく、護衛を要請に来た一回しか会っていないらしい。

 

 

「追いかけた方が良いんですかね?」

 

「うーん、そのアタッシュケースに入ってるのはその石だろうし、確かに追いかけて話を聞いた方が良いかも?」

 

 

何やらやる気の無さそうな声でアスナさんが言う。

普通は直ぐに助けに行くと思うのだが、男と何かあったのだろうか?

 

「運が悪いとあなたの責任にもなりかねないしね、アスナ」

 

「えぇ!?」

 

「街が安全じゃないのはジムリーダーの責任だー!とか、言い出さないとも限らないわよ?」

 

「直ぐに追いかけよう!レイ、バイク出して!」

 

 

先ほどとは一転した態度でレイさんを急かしてポケモンセンターの外へと出て行く。

と、出て行ったばかりのレイさんが直ぐに戻ってくる。

 

 

「ロンリ君も一緒に来てくれる?」

 

「え?良いんですか?」

 

「えぇ、ロンリ君もその男の顔を見たんでしょ?アスナだけじゃ頼りなくてね……あの子、感情で動くタイプだから」

 

 

成る程、とだけ返してポケモンセンターの外にでる。

アスナさんは既にサイドカーへと乗り込んでおり、俺たちを急かしている。

と、そこで気づく。

 

 

「レイさん、俺どこに乗れば良いんですか?」

 

「あー、アスナと一緒にサイドカーに乗るしかないわね」

 

「……えぇー?」

 

「我慢して頂戴、山道で私の後ろは危ないの」

 

「ですよねー」

 

 

レイさんはヘルメットを着けてバイクに跨る。

俺はサイドカーの横で乗り込むのを躊躇っていた。

 

 

「もう、仕方ない!」

 

 

アスナさんはそう言って躊躇っている俺を持ち上げると、サイドカーに座らせて抱え込んだ。

 

 

「レイ、良いわよ」

 

「はぁ、アスナあなたねぇ……まぁ良いわ」

 

 

レイさんが呆れたようにため息を出してバイクを走らせる。

感の良い人なら分かるだろう、サイドカーでアスナさんに抱えられている俺の状況を。

まぁ、つまり首辺りに胸が当たるのだ。

彼女が小さめの部類であれば何も問題は……あるけど少なかったのだが、彼女、デカイ。

首が埋まるくらいには、デカイ。

 

当然俺は顔を真っ赤にしながら乗っているのだが、アスナさんは全く気にしていない。

 

まぁそれはともかく

レイさんが、ちょくちょく通りすがる人々に白衣の男性が通らなかったか聞き込みを行っているのだが、目ぼしい情報は無いようだ。

 

と、暫く聞き込みを続けていたのだが、いつの間にか山頂付近まで来てしまった。

 

 

「うーん、有力情報は無かったわね」

 

「まだ山頂の火口付近にいるかもしれない!」

 

「じゃあ火口まで行ったら戻ってみましょう?すれ違いで戻ってるかもしれないし」

 

「早く早くー!」

 

 

火口付近に近づいて行くと何やらたくさんのポケモンの鳴き声が聞こえてきた。

ポケモンバトルでもやっているのかとも思ったが、聞こえてくる人間の怒鳴り声やポケモンの鳴き声の数からして10人以上はいるだろう。

そんな人数で一斉にポケモンバトルなんてするだろうか?

 

レイさんは無言で今までよりも早くバイクを走らせる。

アスナさんも緊張しているのか俺を抱える手に力を込めている。

 

 

「レイ」

 

「えぇ、間違いなくアクア団とマグマ団の小競り合いね」

 

「それはわかってる。ロンリ君を下ろさなくていいの?」

 

「ロンリ君は大丈夫よ。そうみえてロンリ君は強いから」

 

 

何やら本人抜きで話が進んでいるが、俺もここまで来て蚊帳の外に出されるのは嫌なので黙っておく。

と、バイクが火口付近へとたどり着いた。

 

目の前には階段があり、その上からはポケモンが吐いたと思われる水や炎がチラチラと見える。

怒鳴り声も一層大きくなっており、思わず顔を顰めてしまった。

 

 

「ロンリ君、絶対に私かアスナと一緒に行動すること」

 

「分かってます」

 

 

俺のしかめっ面を見て不安になったのか、レイさんは俺にそう忠告してくる。

その忠告を素直に受け取ってアスナさんを確認しようとしたのだが、既に階段を登り終える寸前まで走って行ってしまっている。

 

 

「もう!追いかけるわよ!」

 

「はい!」

 

 

俺とレイさんはアスナさんを追いかけて階段を登り始めた。




まずはここまで読んでいただいてありがとうございます。

4話でした。
あまり物語が進んでいない気もするのですが、スローペースで行こうと思っていますのでご理解のほど、宜しくお願いします。

あらすじの部分が何故か”火山”ではなく”雪山”になっていたので変更しました。
どうでも良いですね


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5話 ロジックすれば勝てる。2秒でわかることだwww

んん!?www
お気に入りも評価も3倍近く伸びているのですが何かあったのですかな?www

ランキングに載ってたのだとしたら見逃して残念だったなー、と思ったり思わなかったり。

ランキング29位だぁぁぁぁ!?(10/24)
ありがとうございます!

新しく登録してくれた方、不定期にはなると想いますがこれからよろしくお願いします。


階段を登りきると、そこでは沢山の人々、赤いコスチュームと海賊の様な青いコスチュームを身につけた人々がポケモンバトルを繰り広げていた。

 

目に入るだけでもポチエナやズバット、キバニアにドンメルと色々なポケモンが見える。

 

 

「レイ、あそこ!」

 

 

アスナさんが指を刺した方向には、他とは若干違うコスチュームを纏う7人の男女がいた。

6人が一人の少年を囲う様に立っている。

 

 

「ッ!アクア団とマグマ団の幹部に団長勢揃いじゃない!」

 

「それに男の子が一人、ピンチみたいですね」

 

「レイはロンリ君と一緒にマグマ団の方に、私は男の子の援護に入るわ!」

 

「頼んだわ」

 

 

言うが早いかアスナさんは少年の元へ駆けていく。

俺とレイさんも囲んでいる6人のうち、赤い方へ走り寄っていく。

 

途中にいたマグマ団とアクア団のしたっぱ達はバトルに集中していて俺たちに気づいていないようだ。

 

 

「今日こそ逮捕させてもらうわよ、マツブサ!」

 

「また君か」

 

「面識があるんですか?」

 

「えぇ、大きな問題が発生すると他の町に応援に行くのだけれど、大きな問題には大抵マグマ団が絡んでいるから何回か戦った事があるわ」

 

「結果は私の全勝だがね」

 

「逃げてるだけでしょ!」

 

「ジュンサーが犯人を逃している時点で君の負けだと思うがね……さて、あとはまかせたぞホムラ、カガリ」

 

「おまかせください!あんなチャイルドには負けません ウヒョヒョヒョッ!」

 

「…………消えて」

 

「行くわよロンリ君!」

 

「はい、幹部はさっさと倒してリーダーを追いましょう……ですぞwwww」

 

 

今回もロジカル語法で行こうか一瞬迷ったが、使う事にした。

だって敵の二人も、自分の事を『ホムラさん』って呼ぶ上に笑い声が『ウヒョヒョヒョッ!』な27歳。

もう一人もヤンデレ(っぽい)電波ミステリアスなボクっ娘である。

ロジカル語法でも使わないと敵のキャラの濃すぎて空気になってしまう……!

 

さて、そんな冗談はさておき、マグマ団の幹部のホムラとカガリが繰り出してきたのは、マタドガスとバクーダ。

 

ホムラの出したマタドガスは高い物理防御力を持つ毒タイプのポケモン。

その特性である”ふゆう”で弱点の一つである地面を無効にでき、弱点がエスパーのみになるポケモンだ。

 

カガリの出したバクーダは地面・炎タイプ、素早さが遅い代わりに、物理攻撃力と特殊攻撃力が水準以上のポケモンだ。

また、メガ進化する可能性もあり、メガ進化した場合は特性『ちからずく』で超火力を出せるポケモンでもある。

 

 

「……キミのポケモン………エクスペリエント済み」

 

「レイ、あなたの相棒であるウインディではこの2匹は辛いでしょうね!ウヒョヒョヒョッ!」

 

「チッ、(こす)いわね。ならこっちよ!」

 

 

レイさんが投げたボールから出てきたのは、ブーピッグ。

二足歩行の豚のような見た目のエスパータイプのポケモンだ。

”とくこう”と”とくぼう”が高く、”ミラーコート”や”ふらふらダンス”でトリッキーな戦いも出来る。

特性も”あついしぼう”なのでほのおタイプとこおりタイプの技のダメージを半分に出来る。

 

今の状況ならマタドガスに対してタイプで、バクーダに対して特性で有利に立てるだろう。

 

俺もレイさんに続いてボールを投げる。

ボールから出てくるのはカイリュー……ではなく、洗濯機の体を持つ小さいポケモン、ウォッシュロトムである。

 

手持ちの確認はレイさんが聞き込みをしている間にトイレと言って一人になって行っておいた。

 

本来ならば水・電気タイプのウォッシュロトムは地面タイプが弱点だが、マタドガスと同じく特性の”ふゆう”で無効化できる。

 

ちなみにだが、カイリューでない理由はこうだ。

ブーピッグを出したという事は、レイさんはマタドガスの方を相手するという事だろう。

となると俺の相手は自然とカガリのバクーダになる。

バクーダは水タイプがダメージ4倍弱点なのでウォッシュロトムという事だ。

 

それと、バクーダは岩タイプである”いわなだれ”をレベルアップで覚えるので、持っていると弱点であるカイリューだと厄介な事になる。

 

 

「ブーピッグに……あっちは知らないポケモンですね」

 

「……見たことないポケモン……エクスペリメント……ァハハ♪」

 

 

おいカガリの方が上むいて恍惚のヤンデレポーズしながら震えてるけど大丈夫なのか?

 

 

「見た目的に水タイプでしょうからホムラさんがあのポケモンと戦いますのでカガリ、あなたはブーピッグの方を」

 

「させないわよ!ブーピッグ、マタドガスにサイコキネシス!」

 

「………にほんばれ」

 

「ハイドロポンプ以外ありえないwww!」

 

 

それぞれのトレーナー以外の指示に従ってポケモンたちが動きだす。

ブーピッグが念じるとマタドガスは紫の光に包まれて宙に持ち上げられ、叩き落される。

バクーダが空に吠えると、日差しが強くなり、火口という事もあって死ぬほど暑くなる。

ウォッシュロトムは洗濯機の排水口から水を吐き出す。

 

バクーダが使用した『にほんばれ』は天気を『ひざしがつよい』に変える効果を持つ。

この天候にはいくつか効果があるが、最も重要な効果は、”ほのおタイプ”技の威力2倍と”みずタイプ”技の威力半減である。

 

だが、いかに”日差しが強い”の影響下だろうと、元の威力が110と高い上に4倍弱点の攻撃、耐えれるわけがない。

ハイドロポンプはバクーダへと直撃し、バクーダは倒れた。

 

と、バクーダから視線を外してマタドガスの方を見ると、先ほどから変わらず、マタドガスが振り回されたり叩きつけられたりしている。

 

マタドガスも二つある口からそれぞれ何か……”ヘドロばくだん”だろうか?を吐き出しているが、振り回されている影響で全く当たる気配がない。

 

これはもう勝ったな、と安心していると、正面から声が聞こえた。

 

 

「……ふんか」

 

 

ハッとしてバクーダに視線を戻すと、ハイドロポンプを受けたにもかかわらず無傷の姿で力を溜める

 

慌ててロトムに指示を出す。

 

 

「ハイドロポンプ!」

 

 

焦りすぎてロジカル語法を使い忘れたが、それどころではない。

相手のバクーダのふんかの効果で、背中のコブから火が溢れ出る。

上空へと打ち上げられ、こちらに降り注ぐそれをロトムは必死にハイドロポンプで撃ち落していく。

 

仮にバクーダのHPが満タンだとしたら、ふんかの威力は150にもなる。

それに加えて『にほんばれ』の効果で今の天気は『ひざしがつよい』で威力300、タイプ一致で威力450の技だ

 

いかにロトムがみずタイプであると言ってもハイドロポンプの今の威力はタイプ一致の補正込みで80程度、徐々に撃ち漏らしが出てきて、ついには直撃を受けて吹き飛ばされていった。

 

 

「ロトム!」

 

「……デリート…………完了」

 

 

おかしい。

4倍弱点は、いかに耐久が高かろうと瀕死になる程の威力になる。

しかもロトムは火力特化、仮に瀕死一歩手前でこらえたとしても、無傷でいられるわけがない。

 

と、カガリが空のスプレーの容器のような物を投げ捨てたのが見えた。

その容器を見てようやく悟る。

 

____バクーダに”すごいきずぐすり”を使った。

 

俺はバトルとなると、無意識に”フラットトルール”だと想定してしまう。

だが、このバトルに限らずこの世界のバトルは、レベルは50に揃えられないし、当然バトル中に道具も使える。

それを失念していた。

 

 

「あぶない!」

 

 

いつの間にか俺の前まで来ていたブーピッグが、降ってきた石をサイコキネシスで弾き返す。

 

 

「しっかりしなさい!バトル中よ!」

 

 

マタドガスはどうしたのだろうかと思い、ホムラの方を見ると悔しそうに目を細く開けてレイさんを凝視している。

本人の赤い目と相まって見た目からは想像出来ない威圧感を出している。

 

 

「謝罪する以外……ありえないwwww!」

 

 

俺は改めてボールを構えると、それを投げる。

 

繰り出したのは、カイリュー。

 

 

「カイリューとは、そっちのチャイルドの手持ちは珍しいポケモンが多いみたいですね。ウヒョヒョヒョッ!」

 

「そのポケモンも……エクスペリメント………する」

 

「一気に決めますぞ!りゅうせいぐん!」

 

 

バクーダの噴火を真正面から受けながら力を溜める。

致命傷になりそうな石や岩だけ弾き飛ばしたり叩き割ったりし、カイリューの後ろに、あの時と同じように岩が大量に浮かび始めた。

 

それを見たカガリが、また”すごいきずぐすり”を取り出して構える。

 

それと同時に、カイリューが手をバクーダに向けて突き出して岩を射出する。

相変わらずの神速で岩がバクーダに飛んでいくが、バクーダもふんかの岩で防せごうとする。

だが、りゅうせいぐんの岩がバクーダのふんかの岩に当たった瞬間、ふんかで発生した岩は砕け散り、りゅうせいぐんがバクーダに直撃した。

 

 

「一撃以外……ありえないwwww」

 

 

バクーダは次々と飛来する岩に埋もれて、動かなくなった。

 

カガリは、バクーダに”すごいきずぐすり”を掛けても動かないのを確認した後、ボールに戻した。

 

 

「……予想外………ターゲットロック………したから………エクスペリメント………するから………キミを………ずっと…」

 

「ヒィッ!?」

 

 

恨みと期待と好意と興味がごちゃまぜになったような濁った目で恍惚としながら言われて思わず悲鳴をあげてしまう。

さっきのホムラと違う意味で恐ろしい。

 

マグマ団……恐ろしいやつらだ。

 

そういえばロトムを回収しなければ。

カガリを意識しないように、そう思っているとロトムは一人でフラフラと帰ってきた。

撫でようとしたが電気でピリピリするので痛い、諦めてボールに戻す。

 

 

「そっちも終わったのね」

 

「あら?待たせちゃった?」

 

「そんなに待ってないよ。それにカイリューを観れたんだから満足だよ!」

 

 

とっくにバトルを終わらせていたらしいアスナさんと少年がこちらに近づいてくる。

 

 

「そんな事より、マツブサとアオギリは何処に!?」

 

 

少年がそう言いだしたのを切っ掛けに、俺たちは団長の存在を思い出して周囲を見渡す。

 

 

「ふん、手こずらせおって。そこで見ていると良い、この”いんせき”が生まれ変わる様をな」

 

「なに!?」

 

 

どうやら団長は団長同士で”いんせき”を奪い合っていたらしい。

マツブサは”いんせき”を大掛かりな装置へはめ込む。

 

 

「少し、ためになる話をしてやろう」

 

 

____星のコアに眠る爆発的なエネルギーと

この『いんせき』をマージさせれば……いんせきの特性は変化する。

たとえばメガストーンへと……たとえばキーストーンへと……

……そしてここ えんとつやま ならば……

 

Pipipi

 

 

「……なんだ?……ほう、おくりび山か」

 

「……ならば?」

 

「すまないが急用が出来た。無礼の詫びにそのいんせきはどうにでもしろ。カガリ、ホムラ、行くぞ」

 

「……キミとは……また絶対に……エンゲイジする」

 

「命拾いしましたねぇ、ウヒョヒョヒョッ!」

 

 

マグマ団の3人は、歩いて火口から出て行こうとするが

 

 

「見逃すと思ってるの?」

 

「マツブサ、タダで返すと思ってんのか?」

 

 

レイさんとアクア団の団長、アオギリが立ちふさがる。

 

 

「ホムラ」

 

「わかっておりますとも!」

 

 

ホムラが再びボールから出したマタドガスは、周囲にえんまくを張り巡らせる。

 

 

「カイリュー!」

 

 

名前を呼んだだけなのだが、カイリューは俺に応えるように翼を羽ばたかせ、えんまくを吹き飛ばした。

 

だがすでに3人は逃げた後らしく、誰もいなかった。

 

 

「相変わらずの逃げ足ね」

 

「チッ、仕方ねぇ俺たちも帰るぞ」

 

「待ちなさい、あなたたちには聞きたい事があるの」

 

「こっちには無ぇよ」

 

 

それだけ言ってアクア団も撤収を始める。

 

なおも引き止めようとしたレイさんだが、幹部と団長を含めた20人近いアクア団をアスナさん含めて3人で相手するのは無理だと判断したのか、特に追いかける事もしなかった。

 

 

「ふぅ、終わったわね」

 

「結局、なにも分かりませんでしたけどね」

 

「そうでもないわよ?」

 

 

そう言って、一人残っていた少年へと近づいて話しかける。

 

 

「君は受けてくれるわよね?事情聴取」

 

「勿論です」

 

 

少年が素直に言う事を聞いてくれそうなので、レイさんは安心したようにため息を吐いた。

そして、少年を通り過ぎて装置から”いんせき”を引き抜いた。

 

 

「じゃあ一旦戻りましょうか。結構時間も経ってるし、研究員風の男も探すの止めてセンターに戻ってるでしょう」

 

「……帰る時ってバイクどうします?」

 

「あー、安全運転するからロンリ君は私の後ろね」

 

 

と、行きとは違って4人になったので更に窮屈になったバイクで俺たちはフエンタウンに帰った。

……道中、少年がアスナさんに抱えられて真っ赤だったのを見て楽しみながら。




関係ない話になりますが、League of Legendsが日本鯖ようやく実装しそうですね。
声優を見てテンション上がりまくりです。
Ziggs使いとしては夏樹さんにやっていただいて大満足でした。

読んでいて見にくい所や誤字脱字その他改善点ございましたら、気軽にメッセージ飛ばして下さると有難いです。

次回もお付き合いお願いします。


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6話 ふぇ…おっと昔の癖が……

エタったと思ったか?
残念だったなトリックだよ……。

<ウワァァァァァァ……

ご迷惑おかけしてすいません。
ちょっとレポートの山に追われてました。


フエンタウンに戻ってきた俺、レイさん、アスナさん、謎の少年は、とりあえずポケモンセンターにてポケモンを回復させていた。

 

 

「いやー、最後の技凄かったね!さすが最強のドラゴンとまで言われてるカイリューだったよ!」

 

「いや、それほどでも」

 

「いやいや謙遜することないよ!ジム戦の時に戦うのが楽しみだなぁ!」

 

 

あれ?何故かジム戦でカイリューを使う流れに?

というかさっきからレイさんの姿が見当たらないのだが、どこに行ったのだろうか?

 

 

「ん?あぁレイなら少年に事情聴取しに奥の方に行ったよ」

 

 

あぁ、アクア団とマグマ団と俺たちが着く前から戦っていたから一応という事か?

というか、あの少年……状況から考えて原作主人公だよな?

マツブサが"いんせき"を持っていた事から考えてもこの世界はオメガルビーを主軸にしているようだ。

 

時系列がわかったのは非常にありがたい。

旅をしていたらグラードンが復活してて巻き込まれましたなんて事になったら嫌だからな。

 

 

「うーん、そうだ!ロンリ君温泉入りに行かない?」

 

「温泉ですか?」

 

「うん!ずっと火山に居たから汗流さないと!」

 

 

そこの暖簾の奥から行けるからね!と言って女湯の方に去っていったアスナさんを見送って男湯の方へ歩いて行くと、ポケセンの奥の方から男が近づいてきた。

 

 

「君がロンリ君……だよね?」

 

「えぇ、確かに俺はロンリですけど、あなたは?」

 

「あぁ、自己紹介が先だったね。僕はデボンコーポレーションの一研究員のリョウだ」

 

 

あぁ、なんか覚えがあると思ったらポケセン前でウロウロしてたりしてた白衣の人か。

 

 

「"いんせき"をマグマ団の連中から取り返すのを手伝ってくれたんだろう?感謝してもしたりないよ」

 

「良いんですよ、俺は何もしてませんから」

 

「いやいや謙遜することは無い。君のカイリューが相手のポケモンを吹き飛ばしたって聞いたよ」

 

 

なんか微妙に盛られている気がするが、強く思われる事にデメリットは無いので取り敢えず黙っておく。

 

 

「そうだ!君にはお礼にこれを上げよう」

 

「これは?」

 

 

男……リョウさんが手渡してきたのは、少し大きめの丸い石だ。

 

 

「さっきマグマ団を探し回ってる時に拾った石でね?ちゃんと鑑定してないからわからないけれど、凄いエネルギーを秘めていそうなんだ」

 

「へー」

 

 

お礼にとそこら辺で拾った石を渡してくるとは、中々に失礼な人だな。

まぁ折角なので貰っておくが。

 

 

「あぁ、邪魔をしてしまったね。ここの温泉は本当に良い場所だから疲れなんてすぐ吹き飛ぶよ」

 

「そんなにですか」

 

「あぁ、温泉自体は他の町にもあるけれどここのは一味違うんだよね。やっぱり火山が関係しているのかな?」

 

「他の町にもあるんですか?」

 

「あるよ?ここから近い場所だと……ってもうこんな時間か!じゃあまた会おう!」

 

 

言うが早いか声をかける暇も無く走り去ってしまった。

リョウさん、なんか忙しい人だったな。

 

改めて温泉に向かうと、アスナさんが言った通り結構広い作りのようだ。

脱衣所でも余裕で30人近く入れるのではないかという程の大きさだ。

ゲームではイベントも特に無いし狭いしで結構寂しい場所だったような記憶があるが、空いているロッカーを探すのに少し時間がかかるくらいには人が入っているようだ。

 

改めてロッカーに服を入れてふと気づく。

タオル持ってねぇ……。

 

仕方ないのでもう一度服を着て外に向かうと、丁度レイさんも奥から出てきた。

 

 

「あ、ロンリ君。温泉はどうだった?」

 

「あぁ、タオルが無くて入れませんでした」

 

「あら、それは残念ね」

 

「えぇとても、ところであの子はどうしたんですか?」

 

「ユウキ君なら早速ジムに行ったわよ」

 

「え?アスナさん入浴中ですけど」

 

「えぇ?タイミング悪いわね。仕方ないからちょっとアスナ連れてくるから待っててくれる?」

 

「分かりました。どっちにしろ俺だけじゃジムの場所分かりませんし」

 

 

もし入浴していたらアスナさん達がジムに行ったのわから無いままここに置き去りだったし、運が良かった。

 

___えぇ!?まだシャワー浴び始めたばっかりなんだけど!?

___いいから来なさい!私的な理由でジムの挑戦者待たせるなんてリーダー失格よ!

 

そんなやり取りが奥の方から聞こえること5分、ようやく出てきたアスナさんはドライヤーで髪を乾かす時間すら貰えなかったらしく湿って重くなった髪を鬱陶しそうにかき上げながら現れた。

 

 

「せっかちなんだから……」

 

「あなたがマイペースすぎるのよ」

 

 

ポケモンセンターの外へ出て行く二人を急いで追いかける。

外は相変わらずサウナの様に蒸し暑い。

昨日赤くなった部分の肌がピリピリと痛みを発する。

 

 

「あぁ、声かけ忘れてたわロンリ君ごめんね」

 

「いえ、気にしないでください」

 

 

と、1分もしないうちにジムへとたどり着いた。

幸運なことにユウキはまだジム前に立っていた。

アスナさんがユウキに走り寄って共にジムへと入っていく。

 

 

「うん、間に合った様でよかったわ」

 

「そうですね」

 

「ロンリ君の番はユウキ君の後でしょうね」

 

 

と、成り行きでジム戦をさせられそうだが、アスナさんやレイさんもじけん解決直後で疲れているだろうし、二人が明日に向けて休む為に俺もこの後直ぐにジム戦をしたほうがよさそうだ。

 

自動ドアを潜りジムに入ると、丁度ユウキとアスナさんがフィールドに立ったところだった。

 

ゲームだとリーダーの前に何人か戦わなければならなかったのだが、ここでは違うのだろうか?

 

 

「レイさん、このジムのトレーナーってアスナさんだけなんですか?」

 

「いえ、いつもは弟子達が挑戦者の実力を測ってからリーダーが相手をするんだけど、今回の場合ロンリ君もユウキ君も実力は分かってるから。最初からアスナが相手するみたいね」

 

「それは手間が省けてラッキーでした」

 

「アスナも疲れてるからさっさと終わらせたいんじゃないかしら?」

 

 

と、弟子の一人と思われる男性が旗を持ってフィールド脇に立った。

 

___では挑戦者ユウキとジムリーダー アスナの試合を始めます!使用ポケモンは一匹。また、道具の使用は禁止とします。では、始め!

___行きなさい!マグマッグ!

___頼んだ!ヌマクロー!

 

あ、水・地面タイプのヌマクローだされてアスナさんが凄い面倒くさそうな顔してる。

まぁ、ユウキのお手並み拝見と行こうかな。

 

 

 

ユウキ視点

 

「頼んだ!ヌマクロー!」

 

 

事前にここは炎タイプのジムであることは分かっている。

オダマキ博士から貰ったミズゴロウ、その進化体であるヌマクローは水・地面タイプなので相性的には完全に勝っている。

 

あ、アスナさんが凄い顔してる。

なんとなく罪悪感が襲ってくるが、これは真剣勝負なのだ。

 

 

「ええい!先手必勝!いわおとしよ!」

 

「マッドショットで撃ち落とせ!」

 

 

相性的に不利なので先手を取って奇襲してきたが、落ちてくる岩を冷静にヌマクローが泥で撃ち落していく。

 

あたりには弾かれた岩がまばらに散らばった。

 

 

「お返しだ!ヌマクロー、みずでっぽう!」

 

「岩を使って隠れて!」

 

 

ヌマクローが口から水を打ち出してマグマッグを狙うがあたりに散らばった岩に隠れることでマグマッグは姿を隠して回避していく。

 

しまった、その為の岩だったのか。

こちらからマグマッグの姿は見えない。

だが、攻撃する瞬間は姿を表すはずだ。

 

と、右の岩の裏から岩が飛んでくる。

 

 

「そこか!追えヌマクロー!」

 

 

ヌマクローが岩の向こうへ飛んで行くが、すぐにこちら側に帰ってくる。

どうしたのだろうか……まさかマグマッグは別の場所にいるのか?

と、今度は左の岩の裏からマグマッグが飛び出してくる。

 

 

「スモッグ!」

 

 

直ぐにヌマクローに対して口から黒い息を吐きかけるとまた岩の後ろへと戻っていく。

 

 

「こっちも隠れろ!」

 

 

このままでは一方的に攻撃されてしまうと判断し、こちらも岩を利用することにする。

 

しばらく偶に岩が飛んでくる睨み合いが続くが、マグマッグは一向に姿を現さない。

ただ、ヌマクローの様子が先ほどからおかしい。

何もしていないのにまるで体力を奪われているかのように大量の汗をかいている。

理由はわからないがこのままだとマズイ。

 

 

「短期決戦で行くぞ!高く飛んでマグマッグを見つけてマッドショット!」

 

 

指示に従ってヌマクローは全力で空へ跳躍する。

右から岩が飛んでくるが、それを無視してヌマクローは左へ走り出す。

 

岩が右から来たので右に行けと指示しそうになるが、走り出したということはヌマクローはマグマッグを右側で発見したということだ。

ここはヌマクローを信じよう。

 

数瞬の後、ヌマクローのマッドショットで飛ばされたであろうマグマッグが場外に押し出された。

 

 

「この勝負、挑戦者の勝利!」

 

 

そう審判が言い切った後でヌマクローは地面に倒れた。

 

 

「ヌマクロー!」

 

 

走り寄ってヌマクローをボールに戻し、勝てた事に安心していると、観客席の方から拍手が飛んできた。

 

 

 

ロンリ視点

 

「上手い」

 

 

思わずそう呟いてしまった。

最初に"いわおとし"を相手にも聞こえるように大声で叫んで指示。

有利なフィールドを作り出すと同時に相手に、その後も"いわおとし"を使っていると思い込ませた。

 

だが、実際は自身とは別の位置から"げんしのちから"によって岩を飛ばしていた。

 

ユウキはそうと気付かずに隙を見せてまんまと"スモッグ"を受けてしまった。

運悪く"どく"状態になってしまっていたのが遠目に分かった。

多分、アスナさんの作戦は最初から"どく"で倒す事だったのだろう

だからこそ"道具の使用不可"を条件として付けた。

 

ユウキが最後にどくが更に回るデメリットを抱えた博打に出なければ負けていたのはユウキだろう。

 

と、ユウキのヌマクローが倒れてボールで回収した所で、ユウキに向けて拍手を送る。

 

次は俺の番なので下に降りてユウキと対面する。

 

 

「君は?」

 

「俺の名前はロンリ。いいバトルだった。最後の博打はすごかったよ」

 

「いや、結局は運だった。もっと強くならなきゃな。あ、俺はユウキだ」

 

 

ユウキはそれだけ告げるとジムの外に走って行ってしまった。

ヌマクローが心配なのだろう。

 

 

「さぁ次はロンリ君ね!隣のフィールドでやるわよ!」

 

「対戦よろしくお願いする以外ありえないwww!」

 

 

できるだけ余裕を見せる様に、少しおちゃらけたように笑いながらボールを投げた。




久しぶりの更新だぜ。
そのまま主人公のバトルも書こうと思ってましたけど長くなりそうなので次回にします!

感想・誤字脱字報告その他ぜひよろしくお願いします。


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7話 いいタイトル思いつかないからそのうち変えます。

7話にしてタイトルがネタ切れしました。
っていうか期間空きすぎて若干口調とか変わっちゃってるかも……




「行くのですぞ!wwwロトム!」

 

「行きなさいコータス!」

 

なんか俺の喋りかた聞いてアスナさんが微妙な顔をしてるが知らん。

俺の手持ちはもちろん水タイプであり、ほのおタイプに有利であるロトム。

 

一方、アスナさんが繰り出してきたのはコータス。

ほのお単タイプのポケモンであり、特徴的なのはその防御力である。

防御の種族値が140という規格外の高さを誇るのだ。

HPも70とそこそこの数値があり、耐久に一切降らずとも性格補正ありA極降りメガガルーラのじしんを確定耐えするほどである。

 

「やっぱりその子ね」

 

「まぁほのおタイプのジムと聞いていましたからなwww」

 

「ふふふ、その通りここはほのおタイプのジム。だからみずタイプポケモンに対しては何も出来ない……と思う?」

 

「いえ、ジムリーダーの肩書は一種の最強の証ですからなwww。そんなに簡単に勝たせてくれるとは思ってないませんぞwww」

 

「ご期待道理にやってみせるわ!おにび!」

 

「ハイドロポンプで一気にいきますぞwwww」

 

さて、ロトムが放ったハイドロポンプは真っすぐにコータスへと飛んでいき、そしてその足元に当たった。

クッ、命中80を外すとは俺の信仰心もまだまだだな。

というかハイドロポンプの威力に直径1mはあろう岩が粉砕されたのだが、あれ一体どんな威力してるんすかねぇ?

 

さて、一方コータスが放ったおにびはロトムへと命中し、ロトムをやけど状態にする。

 

「よしっ!あとは……いわおとし!」

 

「短期決戦でいけば問題ありませんぞ!wwwwハイドロポンプ!」

 

コータスは、飛んでいくハイドロポンプを、前の戦闘の影響で生えている岩をいわおとしで持ち上げ、そしてコータス自身の目の前に落とし盾にする事で防ぐ。

 

俺の前にユウキ君と戦闘をしたのはこの為か!と内心関心していると、アスナさんが声を掛けてくる。

 

「悪いけどユウキ君の時と同じく隠れ続けさせて貰うわよ」

 

「……」

 

さて、どうしようか。

 

 

 

アスナ視点

 

「いきなさいコータス!」

 

コータスがモンスターボールからユウキ君との戦闘の跡の岩の上に降り立つ。

 

さて、私がみずタイプを使われたときに取る戦術はいくつかある。

ユウキ君の時のように"どく"や"やけど"にしてあとは逃げ切る作戦もその一つだし、格下の相手ならばオーバーヒートの火力で押し切る事もある。

だが、今回の相手……ロンリ君は間違いなく同格、いいえ格上の相手。

ならば一度使った戦法は通じないだろうし、火力ゴリ押しなんてもっての他。

……ならば。

 

「おにび!」

 

「ハイドロポンプで一気にいきますぞwwww」

 

なにやらロンリ君が変な語尾で話しているが、前にレイに聞いていたのでそれほどショックを受けずに済んだ。

 

私のコータスへ放たれたハイドロポンプはその足元の岩へ直撃し、そして派手な音と共に粉砕した。

その威力を見て、コータスが食らったら弱点なのもあいまって今の岩のように砕け散るのではないか?などと思ってしまう。

 

さて、いまのハイドロポンプが外れたのは実は偶然ではない。

コータスは戦闘にはいると、背中の中に溜め込んだ石炭を燃やして周りの温度を一気に上げる。

その結果発生するのが、蜃気楼である。

さすがに大幅に自分の位置を誤認識させる事は出来ないが、それでも狙いを数センチずらす事は可能なのである。

ハイドロポンプはその威力の大きさゆえに、反動もすさまじい。

狙いを数センチずらしてやっただけでも命中率に多大な影響を与えているといっても過言ではないだろう。

 

その後、こちらのおにびが命中したのを確認した後、作戦の第二段階を発動する。

 

「よしっ!あとは……いわおとし!」

 

「短期決戦でいけば問題ありませんぞ!wwwwハイドロポンプ!」

 

ロンリ君のロトムから放たれたハイドロポンプを、そこらに生えている岩をいわおとしで自分の目の前に落として盾にすることで防ぐ。

さぁ、あとは機を見るだけである。

 

 

 

ロンリ視点

 

さて、どうしたものか。

 

やけど状態になったばかりでまだ余裕のありそうな雰囲気のロトムではあるが、PPが残り3のハイドロポンプをやみくもに打つわけにはいかない。

かといって、俺のロトムの残りの技は、かみなり・ボルトチェンジ・めざめるパワー(ほのお)とあまり役に立たなそうだ。

ならば……

 

「ロトム、空からハイドロポンプでいきますぞ!wwww」

 

取りあえずは過去の例を模倣することにする。

状況は少し違うが、それでも空中からなら盾を気にせずに一直線で狙えるからだ。

 

「かかったわね!解き放ちなさい!」

 

「!?」

 

飛び上がったロトムに対して飛んでくる光の光線……あれは!

ロトムが弾き飛ばされて俺の目の前まで

 

「ソーラービームよ」

 

「くっ……」

 

レベル差があったおかげで致命傷にはならずに済んだが、それでも大ダメージには変わりないのかふらつくロトム。

 

「これでやけどのダメージで倒れるまであと1分ちょっとってところかしらね」

 

流石はジムリーダー、前の戦いの戦術すら布石に使ってくるとは。

だが、俺もただでは終われない!

 

「……ロトムやるぞ」

 

ロトムが体を震わせて応答してくる。

……さて、俺も自分の仕事をしなければ。

 

「アスナさん」

 

「なに?卑怯とかそういう話は言われなれてるから聞かないわよ」

 

「違います。俺は感動してるんです」

 

「え?」

 

「だってそうでしょう?絶対的に不利な相手に対してここまで一方的に戦えるんです。ジムリーダーが取る策としては確かに姑息なのかもしれません。でも、それでもジム用の限定された手持ちにジムという限定された環境でそこまでの戦術を組み立てられるアスナさんを俺は尊敬します」

 

「……」

 

「アスナさん?」

 

「フフッ、そんな事言われたのは初めてよ。ありがとう」

 

「そうですか」

 

「でもそれと勝負は別よ。この状況、もう私の勝ちは揺るがないし、このままあなたのポケモンが弱るまで待たせてもらうわ」

 

「えぇ、ご自由に……ただし」

 

「?」

 

「もう勝負はついていますぞ!wwwwロトム、かみなりでフィニッシュですな!wwww」

 

俺が指示を出した瞬間、かみなりが発生し、岩陰に右半身を隠したコータスへと()()から命中する。

そのかみなりを受けたコータスは反対側へと勢いよく体を引きずられる。

 

「なんで!?ロトムはしっかり正面に……」

 

「よく見てください。これはただの()()()ですぞwwww」

 

「洗……濯機?」

 

「ロトムは、電化製品に取りつき、そしてその電化製品の種類によって力を変えるモンスターなのですぞwwww」

 

「つまり……」

 

アスナさんが顔を横に向ける。

岩陰で見えないが多分そこにロトムがいるのだろう。

 

「この子がロトムの本体って訳ね」

 

「視覚が制限されてたのはこちらだけではないという事ですなwwww」

 

「……つまりあの会話も気を引いて時間稼ぎするための罠だったって訳ね」

 

「えぇ……あ、でも」

 

「?」

 

「尊敬してるっていうのは本当ですよ。そこは分かっておいてください」

 

「……えぇ、楽しいバトルだったわ!」

 

どうやらかみなりの一撃でコータスの体力は瀕死になっていたらしい。

 

「こちらこそ。対戦ありがとうございました以外ありえない!wwww」




書き終わって気づいた。

……アスナさん性格まるっきり違ってるよねコレ。
こんな女性らしいしゃべり方しないと思うし……でもここから書き直すのは手間が……

どうか二次創作という事でご容赦ください!すいません!

あと設定にアスナさんの手持ちのコータスを書き足しておくので良かったら見てください。(見なくてもなんら問題無い)


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