【魔法少女リリカルなのは】 魔法にゃんこリリカルなのは (猫ワールド)
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第一話 よし、これから星座占いは信じる!

やってみたかったヒロイン猫化シリーズ第一弾。

魔法少女リリカルなのはのヒロインを猫にしてみた作品です。
原作は進みませんし、空白期のお話です。


     

 

 

 

 

 

 我、工藤 蓮(くどう れん)。そこらへんにたくさん居ると思う、ごく平凡な男子中学生である。今年から中学二年になり、中学校生活を一番楽しめる時代が来たのだ。

 

 我の家は海鳴市にある。無駄に三階建てで、一人暮らしには正直に言うけど広すぎて鬱陶しいくらいだ。

 

 え?なんで一人暮らしかって?

 そりゃあ、俺、あれだよあれ。

 何、判らないの?あれだよ。それじゃない、あれだってば。

 

 ほら、よく言うでしょ。テンプレ。

 つまり、転生してきますた。

 

 前世では、まぁ普通の人生過してました。やりたかった職業に就けたし、出世もしたんだけどね。

 どうやら、神様のミスとかで死んじゃってさ、転生しろとか言われてそのまま。

 

 特典とか貰ってないっす。

 何故か知らないけど、その神様が低レベルの神様で特典を授ける程のMPを持っていなかったらしい。

 MPは別に良いとして、特典無しだと損だなぁーとか想いつつも、現在の暮らしは順調に楽しめているのだったよ。

 

 特典なしだけど、家と高校生になるまでの必要なお金は頂けたのが幸いした。

 

 転生初期は5歳くらいからスタートして、結構友達たくさん作って遊んで暮らして、小学校は私立聖祥大附属小学校で勉強して、首席で卒業してエスカレート式で同じ名の中学校に入学した。

 

 現在13歳。

 今日までの9年間は振り返ってみるとあまり楽しい出来事が無かったな。

 

 もうちょっと、こう、何て言うか……。

 悪者を退治したりとか、一狩り行こうぜ!とかしてみたかったり。

 

 まぁ、現実はそんなアニメやゲームの様な出来事が起こるなんてまず無いな。

 あっても、何かの事故だったりとかいうオチだろ。

 

 

「休日なのに……やる事ないなぁ」

 

 

 はぁ、今の俺ってダメ人間なのか?

 最近、自分の事が良く分からなくなってきた。

 

 我が家のリビングのソファに腰を下ろし、テレビのリモコンを取り、テレビの電源を入れてから適当な番組を回しながら見て行く。

 

 ふと、星座占いがやってあった。

 まぁ、俺はこういうのは信じないタイプなんだが、何もやる事ないし、この占いで言われた事を実行してみるのも良いかもしれない。

 暇つぶしっていう事で見るか。

 

 

『はい、みずがめ座のあなた!今日は一日頭上注意です!あっ、空から少女じゃないですよ?親方も居ませんから!』

 

 

 占いのお姉さんが笑顔で言う。

 

 てか、一日頭上注意って一体何が降ってくるのさ。

 花瓶とか、瓦とか、盥?

 

 まぁ、何でも良いんだけどね。

 

 取りあえず、外に出てどっか歩きまわっていようかな。

 

 

 

 

 

 と言う事で、喫茶店にやってきた。

 

 正直、歩きまわるとかそんな面倒な事はできれば避けたい。

 別に面倒事が嫌だって事はないんだが、単に何処を歩けば良いのか悩んだ結果、腹が減って軽食でもするかと思いついたのだ。

 

 駅前の喫茶店に雑誌にも大きく評価されていた名店が在るらしく行ってみた。

 

 喫茶「翠屋」という名の店に入り、テーブルへと案内された。

 

 シュークリームとコーヒーをおいしく頂きました。

 

 家族が居れば、お土産に何個か持って帰っても良かったのだが、生憎、自分は転生者で、この世界に急に現れたイレギュラー。

 そんな存在が居る筈がない。

 

 ちょっと寂しい。

 

 前世では産まれた環境も良かったのか、不自由はあまりなかった。

 今でも何の問題もないが、一人で暮らして行くのは結構キツイ。

 

 大人になって嫁さんができるまでの辛抱だなって思った事もありました。

 

 だが、今になってはそんな事を考えなくなった。

 なんか、自信がないよ。

 前世でも嫁さんと子供3人くらいなら養えるほどの給料とか貰っていたのに、子供はもちろん嫁さんもいなかったからだ。

 

 子孫残す前に死ぬって、悲しいよな。

 

 まぁ、こんなシリアスな話をしても、誰も聞いちゃいないんだからさっさと帰りますか。

 

 テーブル席から立ち上がり、レジで会計を済ますと同時にお土産にシュークリームを3つ買ってから店を後にした。

 

 喫茶店からの帰り道、あまり人気のない道を知らないうちに歩いていた。

 

 

「あれ?此処ってこんなに人少なかった?……てか、人いないし」

 

 

 最寄りの駅からすぐの道。

 仕事帰りや学校帰りの人や、商店街に買い物に来ていた人達の姿もない。

 

 何これ?

 

 今日見たテレビの占いではこんな事になるなんて一言も言ってなかったぞ。

 頭上注意だけなのでは?

 どうして、ホラー映画みたいな感じになってるの?

 

 

「ほらほら、空とか灰色じゃん。思いっきりホラー系じゃん」

 

 

 ふっ、気の所為だ。

 何も問題なんてなかった。そう、何も怖くなかった。

 

 俺ってこんなに臆病チキン野郎だったなんて。

 自分の事を少し理解した一日であった。

 

 

「にゃああああああああああああああああ!!!!」

 

 

 ――ビクゥッ!!

 と、身体が反応した。

 何かの叫び声が聞こえてきたからだ。

 

 その叫びはだんだんと自分の方へと近づいてきている気がする。

 

 

「そういえば、背後に気配を感じた時って、自分の頭上に幽霊が居たりするんだよねぇ」

 

 

 冷や汗全開で顔を上に向け、空を凝視しすr――

 

 

「――ぐぎぃ!?」

 

 

 する暇もなく、何か柔らかくて暖かい物が頭に落ちてきた。

 それと同時に首が変な方向に曲がり、俺の意識が全部吹き飛んだ。

 

 え、第二の人生の幕引き?

 

 それと、星座占いは的中してました。

 

 次からはあの占いだけは信じる事にします。

 




続くかな?
続くと良いな!

では、次回お楽しみに!!


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第二話 ロストロギアは危険すぎる。いろんな意味で!!

第二話投下です。


 

 

 

 

 

 

 

 私が時空管理局の仕事をする中、ある任務が私に託された。

 

 突如、現れた謎のロストロギアを封印回収をする任務。

 一応、そんなに危険なロストロギアじゃないから私は引き受ける事にした。

 

 現場に向かった私を待っていたのは、人の握り拳くらいの大きさの宝石だった。

 その宝石から放たれるビームか砲撃かわからないけど、攻撃を避けたり得意のバリアで防いだりして隙を狙っていた。

 

 

「よし、これなら大丈夫。すぐに終わるね、レイジングハート」

 

『はい、マスター。しかし、あのロストロギアから放たれる砲撃は特殊な魔力で構成されてます。油断はできません』

 

「うん、わかった。じゃあ、全力全開で行こう!」

 

 

 レイジングハートを構え直し、再び目標を捉える。

 

 目標との距離は100メートルちょっと、これくらいならディバインバスターで行動不能にしてから封印魔法を。

 

 目標が魔力を集束した時を狙う。

 一撃で仕留めたいけど早く撃たないと先に砲撃を撃たれてしまう。

 

 目標が動きを止め、魔力を収束し始めた。

 

 

「今だ、レイジングハート!!お願い!!」

 

『イエス、マイマスター。魔力収束開始』

 

 

 出来るだけ早く、雑にならず質のある魔力を収束する。

 制御がちょっと難しいけど、これなら大丈夫。

 

 よし、これなら!

 

 

「ディバイン………」

 

『バスター』

 

 

 私とレイジングハートの声と同時に放たれた砲撃は迷うことなく真っ直ぐと目標へと向かっていく。

 そして直撃した――と思った。

 

 さっきまでそこにいた目標が姿を突然消した。

 私の視界からも、レイジングハートでも捕捉できない。

 

 放たれたディバインバスターは空を切り、彼方へと飛んでいく。

 

 

「そんな、いったい何処に?」

 

『おそらく、転移魔法だと思われます。……マスター!背後から転移魔法および魔力を探知しました』

 

「えっ、うしろ!?」

 

 

 慌てて振り向いた。

 そこにいたのは私が封印しようとしていたロストロギア。

 距離は手を伸ばせば届く距離。

 

 だけど、その前に目標が集束している魔力が気になった。

 まさか、魔力を収束しながら転移するなんて。

 

 ―――やられる。

 

 そう思った。

 今すぐプロテクションを展開してもうまく集中出来ていない状態で撃ちこまれれば簡単に破られてしまう。

 

 それに、直撃したらその後が危険。

 

 今は上空。

 気を失って地面に真っ逆さまに落ちたら命の保証もできない。

 

 その時はレイジングハートが何かしてくれるだろうけど……。

 

―――また、撃墜されちゃうんだね、私。

 

 ―――みんなに心配かけないって決めたのに。

 

 ―――バカだな私。

 

 ―――もう、魔法使いなんて………。

 

 

 目標から砲撃が放たれたのがわかった。

 レイジングハートがバリアを展開するけど、呆気なく破られるのもわかった。

 それまでの一連がゆっくりと見える。

 

 私に向かってくる砲撃は青く眩しい光を放ちながら一直線にやってくる。

 まるで壁とぶつかる様な感じだ。

 

 目を瞑った。

 これじゃ、ただでは済まないと身体全体で感じたから。

 

 青い砲撃が私を包み込む。

 少々、熱い感じがするが、不思議と痛みは無かった。

 もう、私の身体は神経ごと吹き飛んでるんじゃないのかな?

 

 

「あぐぅ!?」

 

 

 突如、身体全体から強烈な痛みを感じた。

 無理やり押し潰されて、形を変えられてしまえるんじゃないのかって思うほど。

 

 身体中の感覚が痺れて、手足さえ動かす事ができない。

 

 だんだん痛みが取れて、次に身体全体が痺れ始める。

 ビリビリと伝わってくる電気。

 

 それなのに、どうしてこんなに意識がはっきりしてるのだろう。

 それに、さっきから感じる温い毛皮の毛布を被っている時と同じ感触。

 

 え?なんでお尻がムズムズするの?

 

 く、くすぐったい!!

 う、うふふふ、きゃははははははは。

 

 や、やめて!くすぐったいよ!

 

 お、お尻がくすぐったいの、何なのいったい!?

 

 次は頭がくすぐったくなってきた。

 いったい私の身体はどうなってるの?

 

 目を開けても大丈夫だよね?

 あけるよ、もう我慢の限界だから。

 

 

 

 

「え?なに、これ……?」

 

 

 私が真っ先に見たのは猫の手。恐らく、前足の方だろう。

 あれ、でも私の身体は何処にあるの?

 

 顔を動かして周りを探すけど、青い光に包まれたまま。

 

 次に下を向いて自分の身体を見る。

 

 白茶色の可愛らしい猫のお腹が見えました!!

 アラヤダカワイイ。

 

 それに、さっき見た手も私の身体?猫の身体から生えてる。

 っていうことは、もしかして変身魔法を掛けられた!?

 

 どどどど、どうやって解除するの!?

 レイジングハート!!

 

 

「っていなーい!!こんな大事な時にいなーい!!」

 

 

 手にあったのは可愛いピンクの肉球だけだった。

 

 もうね、涙が止まらないの。

 何が起きてるのか意味不明なの。

 大事なパートナーは無くしちゃうし、可愛い猫になってるし。

 

 なに?ドッキリですか?

 はやてちゃん辺りかな、こんな凝ったドッキリ作戦を考えたのは。

 

 

 

 

 

 

「現実逃避も諦めようかああああああああああああああああ!!」

 

 

 猫になっても喋れるって不思議だね!!

 一度なってみたかったんだよね、猫に。

 こうさ、頭撫でられたり、暖かい太陽の下でお昼寝してみたり。

 

 一度は憧れてたんだよね!!

 

 

「言ってる事と思考が一致しなーーい!!」

 

 

 すると、現実から目を背けてた私を中心に魔法陣が展開される。

 ちょっと、これってまさか。

 

 

「転移魔法!?」

 

 

 そう言った途端に、視界が変わった。

 青い光が消え、綺麗な青空が見える。

 

 どこかの世界の上空にいる事が判る。

 

 重力に従って真っ直ぐに落ちる時の風の抵抗が心地良い。

 

 

「って、魔法が使えない!!空飛べない!!」

 

 

 魔力を感じない。私の身体から魔力が失っているように思える。

 

 

「お、おちるううううううううううう」

 

 

 下には建物いっぱい!

 って此処って地球!?それに、海鳴だ!!

 

 ちょっぴり嬉しいけど、

 

 

「この状況だから嬉しさが消し飛んだよ!!」

 

 

 え?

 今度は結界!?

 

 周りに結界が張られたのが判った。

 犯人は私をこの姿にしたと思う、あのロストロギア。

 

 私ごと転移してきたんだ、地球に。

 レイジングハートはさっきの世界に置き去りになってる。

 

 人に見られる事が無くなったけど、これはこれで危険だ。

 

 あのロストロギアが考えてる事が判らない。

 いったい私をこんな姿にしてどうするつもりなんだろう。

 

 地面との距離はスグそこ。

 良く見てみると、誰かが歩いてる。

 

 このままじゃぶつかってしまう。

 何とか軌道を変えようとするけど、猫の身体のしくみがわからない。

 じたばたするだけで何も変化が起こらなかった。

 

 それに、歩いてる人は動きを止めた。

 周りの変化に気付いて、顔をキョロキョロしている。

 

 男の子だ。

 私と同い年くらいの。

 

 それより、よりによって私の落下予測地点で立ち止まらないで欲しかったなぁ。

 

 

「にゃああああああああああああああああああああああああ」

 

 

 逃げて!!超逃げてええ!!

 

 頭上注意だよおお!!

 

 

 すると、男の子は私の声に気付いたのか上を向き、私の事を視認したと思う。

 

 男の子は口が開きっ放しで唖然とし、動こうとはしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 直撃。

 男の子の顔面に私のお腹が直撃したのだ。

 

 私はあまりの衝撃に気を失ってしまった。

 

 

 私、高町なのは。

 

 

 今日から、猫始めました。

 

 泣いてもいいですか?

 




次回、お楽しみに!!


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