IS~紅き破壊者~ (在原昴)
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空白の二年間
紅き破壊者、指導


うん、アンチがね…書きたかったんじゃよ…ね?わかるじゃろ?


IS、正式名称インフィニット・ストラトス、元々は宇宙進出用で開発されたパワードスーツなのだが、白騎士事件と呼ばれる事件をきっかけに兵器としての実用性が見られ、アラスカ条約が設立、だが、ISは女性にしか扱えない

これにより、女尊男卑の風潮が広まった

 

さて、前振りはここまでにして、物語を進めよう

織斑一夏は絶望の節に立っていた

優秀すぎる姉と優秀な兄と比べられ、ISの登場でより一層ひどくなった

姉である千冬も一夏を家族として見ていなかった

彼と親しい友人は二人だけで、唯一のよりどころだった

そして今、第二回モンドグロッソ決勝戦の日、何者かに誘拐された

 

一夏は諦めていた

誘拐犯の一人がテレビを確認し、千冬が出ているのを確認すると、一夏を殴る、蹴るなどの暴力をふるい、憂さ晴らしをしていた

そして、気が済んだのか、拳銃で殺そうとしたとき、一夏は笑い、誘拐犯にある提案をした

 

一夏「その拳銃、俺によこせ」

誘拐犯「はぁ!?何言ってんだ!!」

一夏「いいから、縄解いて俺に寄越せ」

 

誘拐犯は警戒しつつも、縄を解き、一夏に拳銃を渡した

一夏は狂ったかのような笑みを浮かべ、自分の頭に拳銃の銃口を向けた

 

誘拐犯「て、てめぇ、いったい何を!?」

一夏「お前らの手を煩わせずに死ぬんだ、よかったな、殺人罪に問われなくて、じゃあな」

 

一夏はそう言って引き金を引き、息を引き取った

その時だった、一夏に向けて赤い何かが入り込み、一夏の体に赤いアーマーが形成され、立ち上がった

 

そして、近くにいた誘拐犯の一人をいつの間にか握っていた青く光るエネルギーブレードで首をはねた後、壁を切り裂き、どこかに消えた

 

あれから数日が立ち、一夏だった人物は当てもなく、ただ彷徨っていた

だが、限界が来たのか、倒れこんでしまった

その時、銀髪で眼帯を付けた少女が彼を発見した

彼女は彼を何とか担ぎ、軍の駐屯地と思われる場所に向かって歩き出した

 

一夏だった人物の目が覚めると、そこは真っ白な壁があり、彼は拘束されて椅子に座っていた

そして、尋問を担当する人物が入ってきた

 

女性「尋問を開始する、まずは名乗れ」

???「わからない…」

女性「ふざけているの?」

???「俺は誰だ? そして、ここはどこだ?」

 

女性はその言葉が気になり、彼に家族、出身、生年月日などを聞いたが、彼は何も覚えていない

 

???「俺が覚えているのは…戦いと…破壊…そして、これだけだ…」

 

彼はそういうと、拳銃だった

女性は警戒こそしたが、敵意がない事処を見ると、彼を開放した

 

彼はそのあと、精密検査を受けた

その結果はその場にいた人物たちにとっては衝撃的だった

それも知らずに、彼は駐屯地を歩いていると、銀髪の少女が一人、訓練をしているのを見かけた

彼はその少女に駆け寄った

その少女は警戒し、おびえていたが、彼は頭を撫でた

 

???「…お前は?」

ラウラ「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

???「俺は……名無し…名前などない…」

ラウラ「名無し?」

???「ああ、どう生まれ、なぜ生き、なぜここに存在するのかがわからない…」

 

彼は何の感情も込めず、淡々と言った

ラウラはそんな彼を見て何かを思いついた

 

ラウラ「ゼロ、と言うのはどうだろうか?」

???「ゼロ…?」

ラウラ「お前の名前だ、何もない、それ故、ゼロだ、異論は認めん」

ゼロ「…異論はない、名無しも不便だからな…」

 

ゼロは感情こそ籠ってはいなかったが嬉しそうなのは確かだった

そして、ゼロはラウラの眼帯をしている左目にそっと触れた

 

ゼロ「…ラウラ、俺がお前を強くしてやる…本当の意味での強さだが…」

ラウラ「本当か!?」

ゼロ「…ああ、だが、これだけは覚えておけ…力に飲まれるな、過信するな、いつか自分を滅ぼす

崇拝するな、視野が狭くなる

自惚れるな、停滞する」

 

ゼロはそれだけ言うと、ラウラと共に訓練場に向かった

 

ラウラは最初はお世辞にも強いとは言えなかったが、ゼロの指導の下、鍛え、自信もついたが、慢心せず、常に上を目指すようになっていった

それを見ていた軍の上層部が目をつけ、ゼロを黒兎隊(シュバルツェア・ハーゼ)の特別教官兼熊炎隊隊長の座につけた

ゼロの指導は個人戦はもちろん、団体戦でのコンビネーションを重点に置いたものだった

何日か経ち、ラウラはゼロに気になったことを尋ねた

 

ラウラ「貴様はなぜ、戦闘に詳しい?」

ゼロ「わからん…だが、よくはわからないが、武器を使ってでの戦闘、武器の特徴、相手の癖が全てこの頭の中に入っているんだ…」

 

それはまさに神ともいえた

だが、もしもゼロが裏切れば脅威になりかねない

 

ゼロは一人、どこかに向かおうとしていた

 

ラウラ「どこに行く!?ゼロ!!」

ゼロ「…整備室だ…お前の機体も貸してもらうが…いいか?」

ラウラ「良いだろう…」

 

ラウラはそう言ってISの待機状態をゼロに渡し、ゼロはそのまま整備室に向かった

 

それから二日が立ち、臨時教官として、織斑千冬が一週間だけ転属された

最初こそはみんな喜んだが、全部個人戦のものばかり、軍隊を否定していた

そして、千冬に向けられるのは失望の眼差しだった

 

そんなある日、ゼロが戻ってきた

ラウラのIS黒き雨(シュバルツェア・レーゲン)をラウラに戻し、軍の上層部にとある連絡を入れた

この時、黒兎隊はゼロの元に集まり、千冬の訓練を受けなくなった、そして、千冬は教官としての仕事を負われ、日本に帰国した



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脅し

ゼロの指示の元、駐屯地には何かの機材が設置された

ラウラは不思議そうに眺めていた

 

ラウラ「ゼロ、これは何なのだ?」

ゼロ「…お前の機体に積まれていたVT(ヴァルキリートレース)システムを参考にして作った疑似体験装置だ…」

ラウラ「な!?」

 

ラウラは自分の機体に積まれていたものを聞いて驚愕していた

VT(ヴァルキリートレース)システム

プリュンヒルデの称号を獲得した人間の動きをコピーすると言う物、だが、使用者に負担がかかり、最悪死に至るため、開発、実験、使用を全て禁じられている

それが知らないうちに自分の機体に積まれていたのだ

準備が終わると、ゼロはその場を去った

 

ラウラ「…兄みたいな人だな…そうだ」

 

ラウラはクスリと笑い、彼の後を追っていった

 

 

軍の上層部と政府の上層部では、いろいろと揉めていた

ゼロの扱いについてだ

処分するべきだという声とこのまま軍に入れるべきだという声の討論が続いていた

素性も知れない人間だが、その脅威は計り知れない

極秘裏に開発をしていたVT(ヴァルキリートレース)をあっさり見抜き、それを進化させたものを持ってきた

万が一、このことが世間に知られればドイツにとっても大打撃だが、逆を言えばゼロを手に入れれば世界最高クラスの軍事力を手に入れられる

 

その時だった、ゼロが軍事用に開発されていたIS、シュバルツェアを纏い、乱入してきた

これには軍の上層部も驚愕していた

何せ、男がISを動かしていたのだからだ

 

政治家1「な!?なぜ、君が動かせる!? なぜ、ここにいる!?」

ゼロ「…質問が多いな…では、一つ目から答える、どうやら、ISコアはとある人物の細胞を素材として使われている…言ってみれば、一種のクローンだ…」

 

その発言にその場にいた人間は騒然としていた

さらに、ゼロは言葉をつづけた

 

ゼロ「二つ目の質問だな…恐らく、俺の細胞がそいつのそれと似ていたからだ…こいつの発動条件はそいつと同じ細胞を持っているかどうかだ…同じ細胞は二つとないらしいが…仮に俺がそいつと何らかのかかわりがある場合、あり得る話だ…」

 

ゼロが淡々と告げると、ゼロはいきなり武装であるマシンガンを向けた

 

ゼロ「それで、この情報と引き換えに要求することがある…一つは俺の国籍と所属だ…ドイツ国籍とドイツ軍所属…それを要求する…」

政治家2「それくらいなら承諾しよう…」

ゼロ「もう一つは俺の身の自由だ…国籍と所属はここだが、お前らに協力する気などない…俺は俺がしたいようにして記憶を探す…それが最大の要求だ…」

 

それを聞いたもの達は考え始めた

だが、すぐに承諾せざるを得なくなった

 

ゼロ「言っておくが、あと三分以内に決定しなかった場合、ここは戦火の火の海になる…この意味が分かるか?」

 

その場にいた人間たちに悪寒が走った

恐らく、ゼロはあと三分以内に承諾せねばこの場にいるもの全てを皆殺しにする

彼にはそれだけの武力がある

政府達はそれを止む無く承諾した

 

ゼロ「…俺は三日後、ドイツを発つ…」

 

ゼロはそう言って出て行った

 

 

その日の夜、ゼロはラウラに訓練場に呼び出されていた

訓練場にはを黒い雨(シュヴァルツェ・ハーゼ)を纏ったラウラが待っていた

 

ラウラ「待っていたぞ、ゼロ」

ゼロ「…何の用だ…」

ラウラ「決まっている…貴様に決闘を申し込む」

ゼロ「…軍人…とは違うな…まるで騎士だな…」

 

ゼロは冷静にゼットセイバーを取り出した

 

ラウラ「ISはどうした?」

ゼロ「問題ない…俺自体がそれだからな…」

 

ゼロの姿が一瞬で変わった

その姿は紅いフレームアーマーに青い宝石のついた赤い兜を装着した姿だった

 

ゼロ「さあ、行くぞ…」

ラウラ「…貴様の実力!!見せてもらう!!」

 

そこからは激戦と言えた

ゼロは剣と銃の二つだけだったが、それでもラウラと互角以上の戦いを繰り広げていた

レールキャノンを撃とうとすれば、ゼロの銃で防がれ、接近もゼロの方が一枚上手だった

AICで動きを封じようにもゼロの流れるような動きには通用しなかったらしい

そして、ラウラのSEが無くなり、戦いはゼロの勝利に終わった

 

ラウラ「…さすがだな…ゼロ…」

ゼロ「…貴様もな…ラウラ…お前に追い抜かれるまで、俺はさらに高みに上ろう…」

 

ゼロはそう言って普段の軍服姿に戻り、ラウラに手を差し出した

 

ゼロ「立てるか?」

ラウラ「愚問だ…だが、少し頼みがある…」

 

ラウラは少し恥ずかしそうにしていた

ゼロは無表情でラウラを見ていた

 

ラウラ「私の…兄上になってはくれないか…?」

ゼロ「・・・?」

ラウラ「私には家族がいないのだ…だから…」

ゼロ「良いだろう…俺には何もない…あるのは…破壊と知識…だけだったが…最初に手に入れたのが家族とはな…」

 

ゼロはこの時、初めて笑顔を見せた

ラウラはその笑顔に心を奪われていた

 

ゼロ「なら、俺の名は…ゼロ・ボーデヴィッヒだな…」

 

ゼロは優しい声音で言い、訓練場を後にした




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