トランスフォーマー目が覚めたらデストロンガー!? (オカタヌキ)
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目覚め

「…………あれ?俺なんでこんなところに?」

 

目が覚めたら見知らぬ森の中で寝転がっていた。自分でも何言ってるんだろうと思うけど事実なんだからしょうがない。

 

「………とりあえず起きようか」

 

俺は体を起こそうと両手を地面につくのだが…

 

「あれ?俺の腕ってこんなにメカメカしかったっけ?」

俺の目に映った俺の両手はメカになっていたのである。藍色と白のツートンカラーでなにやらヒレのような突起物がついている。左手にいたっては4つの鍵づめが四方から生えたロボットアームになっている。そしていざ起き上がって見ると…

 

「……なんか視界が高くなってる。」

 

そうなのだ、俺の身長は178㎝とわりと高めなのだが、今の俺はその3、4倍はあろうかという高さなのだ。それに、今気付いたのだが、どうやらメカなのは腕だけではないっぽい。首から下を見たのだが、全身がメカになっているのだ。恐らく顔もそうなのだろう。藍色と白、所々黄色の入ったカラーリング。背中にはなにやら大きな4枚の突起物。胸の装甲はサメの頭を思わせる。ロボット、特徴的な左手、カラーリング、そしてサメ……思い当たる節が一つある

俺は駆け出した。俺自身かなりテンパっていたのだ。そして水溜まりに映る自分の姿を見た。

 

「……ゲルシャーク…」

 

そう、俺はトランスフォーマーカーロボットに登場する『牙提督ゲルシャーク』になっていたのだ。

 

ゲルシャーク、トランスフォーマーカーロボットに登場するギガトロン率いるデストロンガーの副官。最初は知的な参謀格だったのが、回が進むに連れて段々ドジが目立つようになり、あとから入ってきたコンバットロンに立場を奪われ、作中の扱いは散々だったが他のデストロンガーが捕まった中で唯一地球に残り、アニメとしての扱いは優遇されてたキャラである。俺はそんなゲルシャークに生まれ変わっていたのだ。……死んだ記憶はないが

 

「ということはここはカーロボットの世界なのか?いや、ゲルシャークはデストロンガーの副官だったはず、そんなやつがこんなところに一人でいる訳がないな…アニメの終わった後の世界なのか?それとも他の時間軸の世界か?…」

 

何にせよじっとしていても仕方ない。俺はとりあえず周辺を散策してみることにした。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

あれからしばらく経ったが、未だに森の中である。すると、遠くの茂みの中に、なにやら機械的なものが見えた。近づいて見るとそれは薄青色のちょうどトランスフォーマーが一人入りそうなポッドだった。というかこのポッド、何処かで見たような……あっ!

 

「アドベンチャーか?」

 

俺が思い当たったのはトランスフォーマーアドベンチャー。海外ではプライムの続編に当たり、主人公のバンブルビーの率いるチームが地球に墜落した監獄船から脱走したディセプティコンを力を合わせて捕獲するというストーリーだったはず。てことは俺も脱走した囚人だったのか?やだなぁ何やらかしたんだよ俺。

 

「 ……待てよ、確かこの世界でのディセプティコンのエンブレムには囚人用の追跡装置がついていたはず。ということはまさか!!!?」

 

俺は急いで胸のマークを確認するが、あったのはデストロンガーのエンブレムだった。よかった、とりあえず囚人ではないようだ。まだ何もしてないのに捕まったら冗談じゃない。

俺はひと安心して目の前のポッドを調べる。まだ開いた様子はない。ということはこの中にはディセプティコンの囚人の一人が入っているという事だ。さ~てどうするか?

オートボットに引き渡す?そもそも何処にいるのかわからない。というか、いきなり出てきたやつをおいそれと信用する訳がない。俺みたいな悪人面じゃあなおさらだ。

解放して味方につける?大人しく協力してくれるかどうか怪しい。というか囚人という時点でろくな奴ではなさそうだ。それに追跡装置が作動してオートボットがやってくるかも。スチールジョーはエンブレムを引き裂いて追跡装置を破壊していたが……

 

俺は悩んだ末開けることにした。協力してくれるならスチールジョーみたいにエンブレムを引き裂いてやればいい。襲ってくるならやって来たオートボットに協力してこれを口実にチームに入れて貰おう。詳しく聞かれたら最悪記憶喪失ということにしておこう。

そして俺はポッドの開閉スイッチを押した。




どうも、オカタヌキです。この前、トランスフォーマーアドベンチャーを見たら、動物型のキャラが多数出ていたので、ゲルシャークも行けるんではないかと思いつき書きました。恐らく不定期になると思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。


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遭遇

 

プシュッ!と空気の抜けた音が鳴り、ポットのハッチが開く。

 

「クアァァァ…ウゥンここは?」

 

中に入っていたのは、赤と黒のカラーリングをした細身のトランスフォーマーだった。両足には鳥のような鋭い爪があり、頭にはトサカがある。

 

「おう、おはようさん。俺は ブン!! ドワァ!!!?」

 

「カアァァァァァァァ!!!!!」

 

言い終わるのを待たずにそのトランスフォーマーはゲルシャークに襲いかかった。手には何処からか取り出したマグマのような色をした炎を噴き出す鉄球のついた鎖が握られている。

 

「カアァァァァァ!!!!!」

 

「ちょっ!!?おまっ!!!?落ち着けって!!!!」

 

聞く耳持たず、トランスフォーマーは鉄球をゲルシャークへと降り下ろす。

 

「だから話を聞けっての!!!テールバンカー!!!!」

 

ゲルシャークは仕方なく左手のアームで応戦する。

 

「クアァァァァァ!!!!!」

 

トランスフォーマーは鉄球をぐるぐると振り回し、すると炎の渦が発生し、ゲルシャークへと放たれる。

 

「やられてたまるか!メーザーストーム!!!!」

 

ゲルシャークの胸の水晶から青白い光線が放たれ、相手の炎を押し返す。

 

「カァ!!?クアァァァァァ!!!!!??」

 

これを反されるとは思ってもみなかったのか、トランスフォーマーはとっさに反応できず、光線に当たり吹き飛ばされる。

 

「やっやべぇ、力を入れすぎたか?おい、大丈夫か?」

 

ゲルシャークは申し訳なさそうに駆け寄るが

 

「クックアァァァァァ!!!!!トランスフォーム!!!!!」

 

トランスフォーマーは追撃されると思ったのか、トランスフォームする。一見鳥のように見えるが頭にはトサカがあり、翼は皮膜のように見える。

 

「プテラノドン?ダイノボットか!?」

 

「クアァァァァァ!!!!!」

 

こいつには勝てないと覚ったのか、トランスフォーマーは空へ飛び去る。

 

「待てっての!!!ビーストモード!!!」

 

ゲルシャークはビーストモードのサイボーグザメとなり、トランスフォーマーを追いかける。

 

「カアァァァ!!!?」

 

まさか空まで追いかけてくるとは思わなかったらしく、トランスフォーマーは酷く慌てる。

 

「話を聞けってば」

 

そういうとゲルシャークはトランスフォーマーの前に回り込む。

 

「カアァァァァァ!!!?」

 

「うるせぇ」ベシッ

 

ゲルシャークは尾びれでトランスフォーマーの頭をひっぱたく。

 

「落ち着けっての。とりあえず言葉は通じるか?話せるのか?」

 

「クアァァ…話せるぞ…」

「そうか、良かった。俺はゲルシャークだ。お前の名前は?」

 

「……スワープ、ダイノボットだ」

 

「そうか、よろしくな。んで?お前はどうして捕まったんだ?」

 

「他のダイノボットとケンカしてそれで……」

 

(なるほど、どうやら罪状は軽い器物破損といったところだな。さっきのは気が動転してのことだろうし、こいつは大丈夫そうだな。)

 

「なあスワープ、話が有るんだが、とりあえず地面に降りないか?」

 

「?わかった」

 

そうして二人は地面に降り立つ。

 

「「トランスフォーム!!!!」」

 

「それで話なんだか…」

 

ロボットモードになりスワープに話かけようとするゲルシャークだが、

 

「そこのディセプティコン!!!おとなしく手を上げて投降しなさい!!!!」

 

その言葉を白いマッシブな女性トランスフォーマーが遮った

 





どうもオカタヌキです。というわけて登場したのはオモチャシリーズからダイノボットのスワープでした。そして現れたトランスフォーマーの正体は?(確信犯)次回もお楽しみに


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誤解

「もう一度いうわよ!大人しく手を上げて投降しなさいディセプティコン!!」

 

俺たちは今非常に困った状況下にある。なんとかスワープを落ち着かせて話し合いに持ち込もうとしたのだが、この白いトランスフォーマー、ストロングアームに銃を突き付けられている。

 

「トランスフォーム!!!ストロングアーム勝手に行くなと言ってるだろう!!!」

 

「トランスフォーム!!!おお、何だかいかにも悪そうなやつがいるな」

 

そう言って登場したのは、黄色いスポーツカーから変形したバンブルビーと「瞬速」とペイントされた赤いランボルギーニから変形したサイドスワイプだ。…てか悪人面で悪かったな。

 

「クァァ敵か」

スワープはそう言って武器を展開する

 

「待て待て落ち着けスワープ。お前らも武器を下ろしてくれ。俺たちは戦うつもりはない。そもそも俺はディセプティコンじゃない。」

 

「なんだって?」

 

「隊長、この前のスチールジョーのように嘘をついてるのかもしれません。」

 

「そもそもフィクシットがディセプティコン信号が2つ出てるって言ってたしな。」

 

嘘だろう!一つはスワープとしてもう一つってまさか俺!?でも俺のエンブレムはデストロンガーのもののハズだぞ?

 

「待て待て本当なんだって!見ろよこのマーク、ディセプティコンのじゃないだろう!?」

 

そう言って俺はエンブレムを見せる

 

「…本当だ。ディセプティコンのじゃない。」

 

「だけどフィクシットは信号は2つだって言ってたぜ?」

 

「確認してみる。フィクシット、ディセプティコンの信号は本当に2つなのか?」

 

『はい、確かにそこから2つ出てます。』

 

「そうか……」

 

「じゃあディセプティコンの囚人名簿から、プテラノドンに変形するやつと空飛ぶサメに変形するやつがいるか調べてくれる?」

 

『はいな!情報から検索………出ました!プテラノドンに変形する方はスワープゆうて、捕まった理由は他のダイノボットとの抗争による器物破損のようです!』

 

あっやっぱりそうなのか。ダイノボットはどこの世界も戦い好きなんだな

 

『あとはサメに変形する方何ですが……データベースにはそんなディセプティコンは囚人にはおりませんね?』

 

「……てことは本当にディセプティコンじゃないのか?」

 

「でもそれじゃあ信号が2つ出てるのは何故だ?」

 

「センサーが壊れてるんじゃないか?」

 

『いえいえそんなはずは……確かに隊長らがおるところから信号は出てるんですけど……』

 

どういうことだ?すると向こうからズンズンと足音が聞こえてきた。

 

「へえ、へえ、トランスフォーム!!!あ~やっと追い付いたぜぇ」

現れたのは緑色のティラノサウルスから変形したガタイのいいダイノボット、グリムロックだった。

 

「クァァグリムロック久しい」

 

「おお!?スワープじゃねぇか!!久しぶりだなぁ!!!」

 

「あれ?お前ら知り合いなわけ?」

 

サイドスワイプが尋ねる。

 

「ああ、俺たちダイノボット、よくいっしょにケンカした。」

 

「懐かしいなぁ。また今度ケンカしようぜ!ところでその隣の悪そうなやつは誰だ?」

 

また悪そうって……どうせ俺は悪人面だよチクショー!!!

 

「こいつゲルシャーク、俺をボットから出してくれた。こいつ強い、俺勝てなかった。」

 

「へえ、そんなに強いのか?」

 

「ああ、強い。お前でも多分勝てない。」

 

ちょっ!?やめてよ、誉めてもなんもでないから!!!

 

『へぇ~~そいつは使えそうだなぁ』

 

すると突然声が聞こえた

 

「!!!?何処にいる!?出てこい!!!」

 

『カハハハハさぁ~てどこでしょう?』

 

声はすれども姿は見えない。何処にいるんだ?

待てよ、そう言えばさっきフィクシットはなんて言った?たしかバンブルビーたちがいるところから反応が2つすると………待てよ、ひょっとしたら…そうか!

 

「ここかぁ!!ビーストモード!!!」

 

俺はビーストモードになり、地面に潜る。

 

「そこだ!!ジョーズティース!!!」

俺は気配のした方におもいっきり噛みついた。

 

「グギャアアアア!!!!!」

 

手応えありだ。俺はそれを口に加えたまま地面から飛び出した。それは黒と紫色をしたカブトムシのロボットだった。俺はそいつを地面に叩きつける。

 

「グオオてめえよくもやりやがったな!!!トランスフォーム!!!」

 

そいつはすかさずロボットモードに変形する。

 

「フィクシット、カブトムシに変形するディセプティコンはいるか!?」

 

バンブルビーがフィクシットに尋ねる。

 

『はい、検索します…出ました!ボンブシェル、インセクティコンです!!!』

 

 

 




というわけで、玩具シリーズから二人目、インセクティコンのボンブシェルでした。なかなか厄介な能力をもっています。次回「乱闘」お楽しみに。


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乱闘

「グオォォ…てめえゆるさねぇ!ボッコボコのスクラップにしてやる!!!」

 

ボンブシェルはそう言って俺を睨み付けるが、胸から腰にかけてついた俺の歯形が痛々しい。わりと本気で噛んだからなぁ。

 

「ボッコボコにするのはかまわないが、この人数を相手にその傷ではいささか部が悪いんじゃないか?」

 

俺はそう言って左手のアームをボンブシェルに向ける。見ると他の面々も(グリムロックを除いて)武器を展開して構えている。

 

「カハハハ、心配には及ばねぇよ。この通りなぁ!」

 

そう言うとボンブシェルは近くに生えていた木を根っこから引き抜きバリバリとむさぼり食う。すると体にあった傷がみるみるふさがって行く。

 

「カハハハハどうだ!これぞ俺たちインセクティコンの超生命力!有機物やエネルギーを食らうことで例え体がバラバラになっていても再生できるのさ!!!」

 

「だが、未だに不利なことには変わらないだろう?」

 

「確かに俺一人ではいささかキツイなぁ。…俺一人ならな?」

 

「なに?どういうことだ?」

 

「こういうことだよ!!くらえセレブドシェル!!!」

 

するとボンブシェルは指先からネジのようなものをグリムロックの眉間に打ち込む

 

「カハハハハ!!!さあやれ!!オートボットをぶっ飛ばせ!!!」

 

「グオオオオオ!!!!!」

 

するとグリムロックはバンブルビーたちに襲い掛かる

 

「うわっ!!!止めろって!!!」

 

「どうしたんだグリムロック!!!?」

 

「カハハハハ!これが俺の能力セレブドシェル!!相手の眉間にこの情報端末を打ち込んでコントロールできるのさ!!!」

 

「ウオオオオオオ!!!」

 

「くそっ!!グリムロック、しっかりしろ!!!」

 

「お前たちはグリムロックを抑えていてくれ!スワープ、やるぞ!!!」

「クァァ了解、バーニングボール!!!」

 

「テールショット!!!」

 

スワープはボンブシェルに燃える鉄球を投げつけ、俺は左手のアームからエネルギー弾を放つ

それはボンブシェルに命中し、ボンブシェルは盛大に吹き飛ぶ

 

「グアァァァァ!!!?ちっ、ちくしょう…ここは一旦引き上げるぜ。トランスフォーム!!!あ~ばよ!」

 

 

そう言うとボンブシェルはカブトムシに変形し、羽を広げ逃げていく。

 

「逃がすと思うか ドカン どわぁぁぁぁ!!!?」

俺はボンブシェルを追いかけようとしたが、グリムロックに吹き飛ばされたサイドスワイプに押し潰されてしまう。

 

「いってぇ、ああわりぃ!」

「早く退いてくれ重い!!!」

 

 

 

 

 

Saidディセプティコン

 

「畜生…あいつらよくもやりやがったな…とりあえずどこかで傷を治さねえと…どこかにいい場所はっと」

 

そう言ってしばらく飛んでいると、ボンブシェルの目の前に水力発電所のダムが見える

 

「カハハハハ!こいつはついてるぜぇ!!!」

 

 

Saidオートボット

 

 

「スワープ、グリムロックを鎖で縛ってくれ!」

 

「クァァ了解」

 

スワープは鎖をグリムロックの足に巻き付け転倒させる。その隙に俺は左手のアームでグリムロックの眉間の端末を引っこ抜く

 

「ウオオオオ!!!……ありゃ?俺はなにを……」

 

「ありがとう、助かったよ。えぇっと…」

 

「ゲルシャークだ。よろしくなバンブルビー。色々と聞きたいことはあるだろうが、まずはあいつを捕まえることを考えないか?」

「ああ、そうだな!フィクシット、やつが何処に向かったかわかるか?」

 

『はい、ボンブシェルはどうやら水力発電所に向かったようです。』

 

「よし、みんな行くぞ!!」

 

「「「「トランスフォーム!!!」」」」

 

「俺たちも行くぞ!!ビーストモード!!!」

 

「わかった、トランスフォーム!!!」

 

 

俺たちは水力発電所に向かった。そして水力発電所の手間まできた時、

 

「カアッ!!!」

 

「うぉ!!?」

 

ボンブシェルがいきなり俺に飛び乗ってきた。俺はなんとか振りほどく。

 

「このぉ、テールアンカー!!!」

 

俺はアームでボンブシェルを突き刺す。するとボンブシェルは火花を散らして爆発した…

 

「呆気なっ!!!…て言うか俺殺っちゃった!!!?」

 

『カハハハハ!心配には及ばねぇぜぇ。』

 

声のした方を見ると、ボンブシェルが空からこちらを見ていた。だが、一人だけではない。周りには何十人ものボンブシェルがいる。よく見ると、若干色が薄い気がする。

 

「カハハハハ!これも俺たちインセクティコンの能力だ。高純度のエネルギーを摂取することで自分のクローンを作り出せるのさ!!!さあ、やっちまえお前たち!!!」

 

「「「「「「「「カアァァァァァァァア!!!!!!」」」」」」」」

 

本体のボンブシェルが指令を出すと、クローンボンブシェルたちが一斉に襲い掛かってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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仲間入り

「オラァァァァァ!!!!!」

グリムロックはその剛腕でボンブシェルたちをなぎ倒し

 

「ハァァァァァ!!!」

サイドスワイプはその俊敏な動きで次々とボンブシェルたちを斬り倒していく。

 

「クアァァァァ!!!」

スワープはビーストモードになり、空中から火炎放射を放ち、ボンブシェルたちを焼き払い

 

「ハァ!!やぁ!!」

ストロングアームはブラスターガンで次々ボンブシェルたちを打ち落とし

 

「ストロングアーム!グリムロックをカバーしろ!!サイドスワイプは取りこぼしに気を付けろ!!スワープ、味方に炎が来ないようにしてくれ!!」

バンブルビーはその豊富な戦闘経験から全員に指示を出しながらボンブシェルたちを蹴散らして行った。そして俺はと言うと…

 

「くそ、何度も何度も邪魔しやがって!」

 

「あいにく、あんまり好き放題やらせる訳にはいかないからな!!」

 

本体であるボンブシェルの相手をしていた。

 

「くそっ!!倒しても倒しても切りがないぜ!!」

 

「いくら何でもこの増殖スピードは異常だぞ!?」

 

見ると、みんな疲れが出ている。不味いな、早く本体を倒さないと…するとフィクシットから通信が入る

 

『みなはん!どうやら発電所の発電装置にボンブシェルのクローンの何体かが張り付いてクローンを精製し続けてるようです!!』

 

なるほど、通りで…ならば

 

「バンブルビー、ここは俺とスワープに任せてお前たちは発電所のクローンを潰せ!!!」

 

「!!?しかし!!」

 

「早くしろ!!時間が惜しい!!」

 

「わかった!みんな行くぞ!」

 

バンブルビーたちは発電所に向かう

 

「行かせるか!!クローンどもやれ!!!」

 

ボンブシェルはクローンたちをバンブルビーたちにけしかけるが

 

「スワープ!!!」

「クアァァァァァァ!!!」

スワープの火炎放射によって情け容赦なく焼き付くされる。

 

「くそ、あのダイノボットは厄介だ」

 

そう言うとボンブシェルはスワープに飛んで行く

 

「くらえセレブドシェル!!!」

 

「クアァァァァ!!?」

 

ボンブシェルによって額に端末を打ち込まれ、スワープはコントロールされてしまう。

 

「カハハハ、形勢逆転だなぁ?」

 

俺はボンブシェルとそのクローン軍団、さらにコントロールされたスワープによって囲まれてしまう。…かなり不味いな

 

「カハハハ、心配するな、殺しはしねぇ、お前もコントロールして他のオートボットどもをやっつけた後そいつらもコントロールして、やがてはこの星を俺だけのものにしてやる。」

 

「それは大きく出たものだ、だがそう簡単に行くかな?」

「ハッ、負け惜しみを!!!」

 

「どうかな!?ビーストモード!!!くらえシャークトーピード!!!」

 

俺はビーストモードとなり、口から魚雷を発射する。

 

「あらよっと、ばかめそんなもん食らうか!!!」

 

ボンブシェルはかわして得意げに言うが

 

「さぁそれはどうかな?」

 

「なに?うおぉぉぉぉぉぉ!!?」

 

そう、俺のシャークトーピードは追尾製なのだ!ボンブシェルは追いかける魚雷から必死に逃げまわり、クローンたちとスワープは沈黙する。

 

「今だ!!!テールショットストーム!!!!」

 

俺はアームからエネルギー弾を雨のように撃ちまくる。エネルギー弾に撃ち抜かれ、クローンたちは次々と爆破していく。

 

「ついでに…よっと、」

 

俺はスワープの額の端末を外し彼を解放する

 

「すまないゲルシャーク、油断した」

 

「別に気にしてないよ」

 

「ゲルシャーク、スワープ、発電所のクローンは倒したぞ!!!」

 

そこへバンブルビーたちが帰ってくる、これで残りは本体だけだ

 

「うおぉぉぉ!!?来るなぁぁぁぁ!!!」

 

その本体は未だに魚雷とおいかけっこしていた。

 

「ならすぐに終わらせてやる!!!メーザーストーム!!!!」

「グギャアァァァァァァ!!!」

俺は胸の水晶から光線を放ち、ボンブシェルは盛大に吹き飛ぶ。そしてストロングアームがボンブシェルに駆け寄り手錠をかける。

「よし、捕獲完了だな。二人ともありがとう。本当に助かった。」

 

「いや、当然のことをしたまでさ。」

 

「そういうことだ」

 

「隊長、スワープのことはどうしましょう?」

 

ストロングアームがボンブシェルを担いで戻ってくる

 

「その事なんだかバンブルビー、俺たちをこのまま君たちのチームに入れてくれないか?」

 

「なに?」

 

「なに、これから先多くの戦いを経験するだろう、戦力は多いに越したことはないだろう?」

 

「………わかった!君たちのチーム入りを認めよう。」

 

「ありがとう。なら改めて、俺の名はゲルシャーク、デストロンガーの牙提督だ。これからよろしくな。」

 

「デストロンガー?」

 

「詳しいことは後で話す。まずはボンブシェルを運ばないか?」

 

「あっああ、そうだな」

 

こうして俺は協力者、スワープは仮釈放という形でチームバンブルビーの一員となった。



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ここは地球のとある洞窟、その中に数体の巨大な影があった。

 

「……ああ、こっちは順調に進んでいる。そちらはそちらで自由にやってくれてかまわない。なぁに、裏方は慣れたものさ。」

 

『すまないなあ、いつもお前には助かっている。』

 

「クフフ、硬いことを言うな、同じスパークを分けた兄弟だろう?」

 

『ああ、そうだな。頼んだぞ兄弟』

 

「任せろ兄貴。」

 

そう言ってその影は通信を切る。

 

「定期通信は終わったようですね?」

 

するとそこに2つの影が現れる。一つはやや小柄(トランスフォーマーにしてはだが)なダークレッドのボディのトランスフォーマー。もう1つは、背中の羽や足の爪などどことなく鳥を思わせる風貌をした青いトランスフォーマーだ。

「クフフ、どうだった先生、久しぶりの地球は?」

 

「ええ、相変わらず楽しいところですよ。映画、アート、そしてカーレース、ふふふ、久しぶりに熱くなってしまいましたよ。」

 

「それは何より、やがてこの星そのものが我々ディセプティコンのものとなるのだから。」

 

「ふふふ、それは素晴らしい。私も協力させていただきますよ。」

 

「しかし、本当にこれで良かったのか?捕虜という立場とはいえなかなかの待遇だったのだろう?」

 

「捕虜というのも退屈なものでね、私は面倒なのも嫌いですが退屈なのも嫌いなのですよ。…それに彼には少なからずの因縁がありましてね……」

 

「グゥゥ…オートボット、はかい!破壊!!ハカイ!!!」

 

「落ち着きなさいドレッドウィング、そういうわけで、私たちも微力ではありますが協力させていただきますよ。ファントムジョー?」

 

「ああ、よろしく頼むよ。かつてのディセプティコンの破壊大帝メガトロン直属部隊の闇医者メディックノックアウト殿?」

 

「それはもはや昔の名、より美しくそして力強くなった今の私の名はブラッディノックアウトです。」

 

「しかし、あんたもとんでもねぇ人だなぁ?同じ捕虜のディセプティコンのボディを解体して自分のスペアパーツにしちまうんだから。」

 

「美しき私の糧となり、

彼らも本望でしょう?」

 

「イカれてるぜ」

 

「誉め言葉と解釈します。」

 

するとそこに一台の黒い改造車が走って来た。

 

「トランスフォーム!!!っと、遅くなって悪いねボス」

 

その車は右手がフックになっている細身のトランスフォーマーに姿を変える。

 

「おや?あなたは?」

 

「俺かい?ロックダウンだヨロシク!!!そう言うあんたはメガトロンのところにいたメディックノックアウトじゃないのかい?」

 

「今の私はブラッディノックアウトです。あなたも彼によってここにやって来たのですか?」

 

「まあな。つっても、俺はディセプティコンじゃないがな。しがない宇宙の賞金稼ぎさ。まあディセプティコンの方が金払いがいいからどっちかというとこちら側だがな?」

 

「ところでロックダウン、お前につけたインセクティコンの二人はどうした?」

 

「あん?あいつらならここを出てすぐにどっか行っちまったぜ?」

 

「…チッあいつら…何のために自由にしてやったと思ってやがる」

 

『ボス!ボス!!』

 

するとそこに通信が入る。さっき言ったインセクティコンの片割れ、クワガタに変形するシャープネルだ。

 

「おいシャープネル、お前勝手にいなくなってどういうつもりだ?ボンブシェルはどうした?」

 

『それ何だかよボス!ボンブシェルのやつがオートボットに捕まっちまった!!』

 

「何?どういうことだ?」

 

『それがよう、俺は遠くから見てたんだがよ、あいつどうやらオートボットにちょっかいかけたみたいでよ、オートボットどもをクローンどもで圧倒してたんだが、結局クローンを全部潰されて捕まっちまったんだ。』

 

「チッあのバカ油断しやがって…それで、メンバーは何人でどいつがいた?」

 

『ボスが前言ってた黄色と赤と白の車に変形する奴らとティラノサウルスに変形するダイノボット、それにプテラノドンに変形するダイノボットにサメに変形するやつがいた。』

 

「黄色いオートボットは間違いなく彼ですね?」

 

「グゥゥゥゥ

オートボットォォォォォ!!!!!!!」

 

「……それで?その二人の名前は?」

 

『へぇ、プテラノドンがスワープ、サメに変形する方がゲルシャークとか。』

 

「ッ!!!?……そうか…」

 

『ボス?』

 

「……いや、何でもない。とりあえずこちらに戻ってこい、話はそれからだ。」

 

『へ、へぇ』

 

「ゲルシャーク…聞かない名前ですね」

 

「俺も長いこと賞金首を追って宇宙をまわっているが、そんな奴は知らねぇなぁ。」

 

「まあいいさ、とりあえず今はシャープネルの帰りを待とう。」

 

そう言ってファントムジョーは奥に歩いて行く

 

(楽しみだぜ、なぁもう一人のイレギュラー?)

 

その顔は狂喜に染まっていた




人物紹介
『ファントムジョー』スチールジョーの双子の弟。実は転生者。兄同様地球を征服しようと目論んでいる。
『ブラッディノックアウト』プライムのディセプティコンの生き残り。オートボットの捕虜となっていたが、退屈を嫌い脱走。その際他の捕虜を分解し自身をパワーアップする。
『ドレッドウィング』プライムでメガトロンに粛清されたがブラッディノックアウトによってサイボーグとして甦った。しかし、生前の潔さは失われ、オートボットに対する破壊衝動だけが強く残る。
『 ロックダウン』宇宙を股に駆ける賞金稼ぎ。ファントムジョーに雇われる。
『シャープネル』ファントムジョーにボンブシェルとともに解放されロックダウンに引き連れられる。


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ならず者

今回は人気の彼が登場


「デニー、これはどこに置いたらいいんだ?」

 

「ああ、それは三番通路に同じやつがあるからその隣に置いてくれ。」

 

「了解」

 

どうも、ゲルシャークです。俺は今バンブルビーたちが拠点としているデニーのスクラップ置き場に住まわせてもらっている。ただおいてもらうのも申し訳ないので、こうしてデニーの手伝いをしているのだ。

「しかしゲルシャークは律儀だね。おかげで僕も助かるよ。」

 

「いや、俺みたいなよそ者をおいてもらっているんだからせめて何かしないと気が済まないんだ。」

 

「ねえ、ゲルシャークって本当に異世界からきたの!?」

 

ラッセルが俺に尋ねる。心なしか目が輝いている気がする。

 

「まあ、そう言うことになるな。自分でも信じられないけど。」

 

俺のことはみんなには異世界から来たと話している。別に間違ってはいないし、元は人間でしたなんてそれこそ信じられないだろう。

 

「ッ!?誰か来た。みんな隠れて!!!」

 

ラッセルがそう言うとみんなはビークルモードになり、車置き場に走る。俺とスワープ、グリムロックはビーストモードになり装飾のフリをする。

すると、なにやら頭に鹿の角のようなものを着けた人たちが来た。そのリーダーと思われるアーノルドという人がなにやら森の精霊シカピョンとやらが材料を集めてくるよう命令されたらしいが、バンブルビー曰くそれはスペースブリッジの材料だという。そしてフィクシットに鹿に似た姿のディセプティコンを調べてもらったところ、そいつは「サンダーフーフ」というサイバトロン星の指折りのマフィアのボスらしい。そして材料の中の巨大発電機が手に入らなかったらしく、アーノルドは残念そうに帰って行った。

 

「この近くで発電機の手に入りそうな場所はこの先にある発電所だな。」

 

デニーの情報から、俺たちは二人一組で発電所の警備にあたることになった。俺とスワープはビーストモードで空から見張っていた。すると、しばらくしてバンブルビーから通信が入った。なんでもグリムロックと警備に当たっていたサイドスワイプが勝手に警備から外れてしまったらしく、その隙をつかれてグリムロックがやられてしまい、発電機も奪われたようだ。

バンブルビーは彼を咎めたが、名誉挽回のチャンスを与えることにしたようだ。心配なので俺もついて行くことにした。

バンブルビーとサイドスワイプはスペースブリッジを作らせている現場に向かい、彼らを追い払った。……しかしバンブルピョンにサイドスワピョンて………するとそこに木々を押し倒しながら1台のトラクターがやって来た。

 

「トランスフォーム!!!どういうことなんでいええ!作業をしてたちっこい奴らはどうしたんでい!!!」

 

どうやらこいつがサンダーフーフらしい。

 

「サンダーフーフお前を逮捕する!!!」

 

「法律がどうのとか下らねぇ説教垂れんなよお巡りさんよぉ。俺様はサンダーフーフ様だぜぇ?かつてはサイバトロン星で1番のシマを仕切ったマフィアのボスだったんでい!!!お前らに仕事があるのは俺のおかげでい!!!」

 

どうやら反省する気はないらしい。サンダーフーフは見逃すならスペースブリッジを使わせてやると持ちかけたがバンブルビーはそれを断り戦闘となる。サンダーフーフは見かけに寄らずパワーファイターで二人を圧倒する。そろそろ出るとしよう。

 

「交代だバンブルビー!」

 

「ッ!?ゲルシャーク、来てたのか。」

 

「二人が心配でね。こっそりつけて来た。」

 

「あぁん?なんでいてめえはぁ!!!」

 

「ただの協力者だよ!テールアンカー!!!」

 

俺は左手のアームで殴りかかるが、サンダーフーフの角に受け止められ、そのまま押し合いになる。

 

「ほう、てめえはなかなか骨がありそうじゃねぇか、ええおい!!!」

 

「そりゃどうも!ビーストモード!ジョーズティース!!!」

 

俺はビーストモードになり、サンダーフーフの角に噛みつく。

 

「うおぉぉぉぉ!!!?負けてたまるかぁぁぁ!!!」

 

サンダーフーフも負けじと踏ん張り、お互いに一歩も引けない接戦となる。するとそこに…

 

「うおぉぉぉぉらあ!!!!!」

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

フレイルに変化したディセプティコンハンターを持ったサイドスワイプがサンダーフーフを吹っ飛ばした。

 

「余計なお世話だったか?」

「いや、最高のタイミングだ。ありがとう。」

 

「いてて、畜生よくも……」

 

サンダーフーフはスペースブリッジの操作パネルに手をかけ立ち上がる。すると、スペースブリッジの入り口に渦が発生する。どうやら誤って起動させてしまったらしい。しかしどうも様子がおかしい。

 

「なっ何だこりゃあ!!!?」

 

「不味い、あれはブラックホールだ!!!」

 

ブッブラックホール!!!?どうやらスペースブリッジの配線が間違っていたらしく、ブラックホールが発生したらしい。俺たちは急いで逃げる。

 

「ぬおぉぉぉぉ!!!吸い込まれてたまるかぁぁ!!!」

 

サンダーフーフは蹄を地面に食い込ませ踏ん張るが、いかんせん近くにいたせいでだんだん吸い込まれて行く。

 

「畜生!!!こうなったらてめえだけでも道ずれにしてやらぁ!!!」

 

そう言ってやつは俺につかみかかる。俺はある決心をする。

 

「そうかい!!!ならお望み通りに!!!!!」

 

俺は手を離しサンダーフーフに蹴りを食らわす。サンダーフーフはたじろぎ、そのまま渦に吸い込まれて行く。

 

「てやんでぇチクショー!!!覚えてやがれぇぇぇぇ!!!!!!!」

サンダーフーフはそう言い残し、渦に消えて行く。俺はすぐさまビーストモードになりパネルまで全力で飛びロボットモードになりスイッチを切る。そしてブラックホールは消滅する。

 

「ありがとうゲルシャーク、だけど最後のは少しいただけないな」

 

「済まない、とっさの判断だったんだ。」

 

するとサイドスワイプが前に出て、謝罪した。

 

「済まないみんな、俺の勝手な行動で…」

 

「いいんだ、サイドスワイプ。間違いに気付くことができれば、もう二度と同じ間違いは犯すなよ。」

 

「はい!隊長!!!」

 

どうやら丸く収まったようだ。よかったよかった。その後、体中に枝を巻き付けたアーノルドたちを見かけたが……ほっとくことにした。




ゲルシャークのパートナーマイクロンを作ろうかと考えているのですが、何に変形するかアイデアが浮かびません。


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カラス

今回は衝撃の展開が?


「カァーーーー!!!」

 

「逃がすかぁぁぁぁ!!!」

 

どうも、毎度お馴染みゲルシャークです。俺は現在カラスに似た姿のディセプティコンを追っている。

 

「バンブルビー!こちらゲルシャーク、ディセプティコンを発見!現在絶賛追跡中だ!!!」

 

『了解、すぐそちらに向かう!』

 

「なるべく早く頼む。おい!いい加減捕まれ!!」

 

「イヤーー!!!あんたしつこい!しつこい男は嫌われるわよーー!!!」

 

「大きなお世話だバカヤローーー!!!!」

 

どうせ今まで彼女なんかいたことありませんよ。泣いてないぞチクショウめ!!!

 

「お待たせゲルシャーク…って何で泣いてるの?」

 

「サイドスワイプ、今は放っておいてくれ。」

 

「あ、うん、ごめん。」

 

「キラキラーー!!!」

 

「どわぁ!!!?」

ディセプティコンはいきなり金切り声をあげてサイドスワイプに飛びかかった。

 

「いってぇ!!!背中がガリガリになるだろうが!!」

 

「うるっさい!!ってアタッ!?イタイ!!」

 

「大人しく翼を上げなさい!!」

 

ストロングアームがショットガンを構えていい放つ。…何で体をかいてるんだ?

 

「お断りよーー!!!」

 

するとディセプティコンは見かけによらず俊敏な動きでストロングアームをも抑えつける。

 

「俺を忘れてくれるなよ!」

 

俺はテールアンカーをやつの顔に突きつける。

 

「どうする?両足は塞がってるぜ?」

 

「んもーー本当しつこい!!あんた彼女いないでしょーー!!!」

 

「うっせーー!!!生まれてこのかた出来たことないわバッキャローーー!!!」

 

俺はテールショットを打ちまくる。

 

「ちょっと!?私たちにも当たるじゃない!!!」

 

「落ち着けって!!」

 

「っせーー!!!チクショウどいつも俺を差し置いて……顔か!?やっぱ顔なのかコンチクショー!!!!」

 

思い出すのはあの夏の終わり、俺の友達はみんな彼女作って独り身は俺だけ……みんな卒業してないのに色々卒業しやがって、俺だけ留年かチクショー!!!

「トランスフォーム!!!ディセプティコン大人しく手を上げて…って何やってるんだゲルシャーク!!!?」

 

「隊長ゲルシャークを止めてくれ!!!」

 

「落ち着けってゲルシャーク!!」

 

そう言ってグリムロックは俺を羽交い締めにする。

 

「離せ!離せグリムロック!!!!!」

 

「落ち着けゲルシャーク!!一体何があったんだ!?」

「隙ありーー!!!」

 

「「「「「うわぁぁ!!!!」」」」」

 

するとやつはサイドスワイプとストロングアームを俺たちに投げつけ、俺たちはもみくちゃになった。

 

「カーー!!!バイバーイ♪」

 

そう言ってやつは飛び立つ。するとそこに赤い影が体当たりする。

 

「ニャアァァァァ!!!?」

 

突然の衝撃にディセプティコンは地面に落ちる。

 

「クァァ遅くなってすまない。」

 

赤い翼をはためかせ、スワープは言う。

 

「イタイ……もうっ!!一体だレッ!?…………」

 

地面に墜落したディセプティコンはそう言いかけてフリーズする。……心なしか頬が赤いのは気のせいだろうか……

 

「トランスフォーム!!!大人しくしてもらおうか。」

 

スワープはロボットモードになり武器のサーマルメイスを展開する。

 

「………か」

 

「か?」

 

「カッコいーーー!!!」

 

するとやつはロボットモードになる。てかあいつ女!!!?

 

「好き!!!結婚して!!!!」

 

「へ?」

 

「「「「「えぇ!!!!??」」」」」

 

いきなりそんなことを言うディセプティコンの女。流石のスワープも戸惑っている。

 

「あ、えぇ、その、あの……とりあえずお付き合いから始める……てことで……」

 

「うん♪」

 

「「「「「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!??」」」」」

 

「俺スワープ。とりあえず盗んだものはちゃんと返すこと。」

 

「アタシフィルチ!!わかった!ちゃんと返すねダーリン♪」

 

こうして、ディセプティコンのフィルチはあっさり確保?され、盗んだものも無事デニーが持ち主に返した(一部持ち主の見つからないものは貰うことになりかなり喜んでいた)。

 

「………てな訳で今日から仮釈放という形でチームに協力して貰う……」

 

「フィルチでーす!!ダーリンとは結婚を前提にお付き合いしてまーす!」

 

「クァァ/////」

 

「……それと隊長、いい加減あれなんとかしてくれよ。」

 

「元気出しなってゲルシャーク!!」

 

「きっと君にもいつか好い人が見つかるさ。だから僕の宝の山から早く出てきてくれ!!!」

 

「うるせーー!!!ほっといてくれ!!!」

 

この後、俺は半日ほど骨董品の山に引きこもった。

 

 

 




まさかのカップル爆誕!!!?感想等お待ちしています。次回お楽しみに


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裏切り?

遅くなりました。週一ぐらいで連載すればいいやと思ってたけど気づいたら二週間経ってました。


鳥と翼竜のカップル爆誕事件とゲルシャークの引きこもり事件からしばらくたったある日、スワープと新たに仲間に加わったフィルチはポットの反応を追い基地からしばらく離れた森に調査に向かっていた。

 

「フィルチ、何か見えるか?」

 

「待っててダーリン、あっ!キラキラ発見!」

 

そう言ってフィルチは降下して行きスワープもそれに続く。そこには無理矢理こじ開けられたポットがあった。

 

「少し遅かったか……こちらスワープ、ポットを発見したがすでに囚人は脱走したあとだった。」

 

『了解、まだ周囲にいるかもしれない。警戒を怠るな。』

 

「了解、……さて、どうするか…」

 

すると向こうから大きな足音が近づいてくる。

 

「ダーリン…」

 

「わかっている。」

 

二人は戦闘体勢に入る。木々をなぎ倒し、現れたのは緑の恐竜、自分たちのよく知るグリムロックだった。

 

「なんだ、脅かさないでくれグリムロック。」

 

スワープはそう言って彼に近づくが……

「グオォォォォォォ!!!」

 

「なっ!?うわぁ!!?」

 

グリムロックは突然唸り声を上げ、その巨大な尾でスワープを凪ぎ払った。

 

「ダーリン!?あなた何を」

「グガァァァァ!!!」

 

「きゃあ!?」

 

グリムロックの突然の暴挙に怒るフィルチだが、グリムロックの突進を喰らい吹き飛ばされ意識を失う。

 

「フィルチ!?グリムロックお前……」

 

スワープはグリムロックを睨むが体が言うことを聞かない。グリムロックはずんずんと彼に近づき……

 

「グオアッ!!」

 

「ガハッ!?」

 

そこでスワープです意識は途絶えた。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

皆さんお久しぶり、ゲルシャークだ。現在俺はビーストモードで空から周囲の巡回をしている。

 

『ゲルシャーク、こちらバンブルビーだ。先ほどポットの調査に向かったスワープとフィルチの通信が途絶えた。至急そちらに向かってくれ!』

 

「了解!さて、では行こうか。」

 

俺は早速二人の通信が途絶えた座標に向かおうとするが、どこからともなく俺にミサイルが向かって来た。

 

「うおっ!?なんだ!?」

 

俺はなんとかミサイルをかわすが、追尾性だったらしくミサイルは方向転換して俺に向かってくる。

 

「やられてたまるか!シャークトーピード!!!」

 

俺は口から魚雷を放ちミサイルを相殺する。すると向こうから藍色の戦闘機が飛んで来てミサイルを放つ。俺はそれを魚雷で相殺しながらかわす。すると戦闘機は俺に向かって突進してきた。なんて無茶な!自爆特攻!?ってか俺軍の恨み買うようなことしたっけ!?

 

「トランスフォーム!!!」

 

「何!?うわあ!?」

 

すると俺にギリギリまで接近した戦闘機はロボットに変形して俺にのし掛かる。俺はキリモミしながら地面に落下して行く。こいつディセプティコンだったのか!?

「落ちてたまるか!トランスフォーム!!!」

 

「グガッ!?」

 

俺はトランスフォームしてやつを振りほどく。

 

「一人で落ちな!」

 

「グガァ!?」

 

俺はやつを蹴りつけ地面に叩きつけなんとか着地する。

 

「こちらゲルシャーク、急行中ディセプティコンに襲われた。増援を要請する!」

 

『こっこちらバンブルビー、ゲルシャークすまない!先ほどグリムロックが急に暴れ出してみんなをうわあっ!?すまない!そちらでなんとかしてくれ!』ブツッ

 

「はっ?グリムロックが!?えっおいバンブルビー!!?」

 

くそっ、どういうことだ次から次へと

 

「なんだお前は!?何が目的で俺に襲いかかった!?」

 

「グガァ!オートボット、破壊!破壊!破壊!」

 

あっ、駄目だこいつ、理性が飛んでらっしゃる。するとやつは背中に背負ったカノン砲を展開して俺に向けて乱射してきた。

 

「破壊!」

 

「うわっ!?ちょっ!?シャレにならないっての!」

 

俺はなんとかかわしながらテールショットを打つがカンカンと弾かれやつのボディに傷一つつかない。嘘だろ!?どんだけ頑丈なんだあいつ!!?メーザーストームならなんとかなるかもしれないけどチャージする暇もない。

 

「ガアッ!」

 

するとやつは腰から何かをこちらに向けて投げた。なんかピッピッっていって赤く点滅してる……ってまさかこれ手榴だ《ドカァァァァン!!!》

 

「グハハハハハハ!!!破壊!破壊!!破壊ぃ!!!」

 

「メーザーストーム!!!」

 

「グオォォォォォォォ!!?」

 

爆煙を吹き飛ばし、メーザーストームがやつに直撃しやつを吹き飛ばす。はぁ、なんとか後ろに飛び退いてやり過ごせた。

 

「グオ……ガァ………」

 

「すごいな、まだ意識があるのか……しかしこいつ何ものっ!?」

急に俺の背中から電流が走った。俺は体に力が入らずその場に倒れ伏す。

 

「こっ……こいつは囮だったのか………」

 

「フフフ、ご明察、あなたを連れてくるようにあるお方から申し使ったものでね?」

 

「だっ……誰…だ…そいつは……」

 

「それはすぐにわかることです。では、アデュー。」

 

俺に二度目の電流が走る。完全に意識が消え行く中、俺の目に写ったのはダークレッドのボディをしたトランスフォーマーだった。

 




感想等お待ちしております。次回、「対面」、お楽しみに。


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対面

 

「うぐっ……ここは……」

 

目が覚めると、俺は洞窟の中で鎖で縛られていた。

 

「お目覚めかな、ゲルシャーク?」

 

声のした方を見ると、白と紫のカラーリングをした狼男のような姿をしたトランスフォーマーがいた。

 

「お前は誰だ、なんのために俺を連れてきた!?」

 

「そう興奮するな、俺の名前はファントムジョー。一応こいつらのボスをやっている。」

 

すると洞窟の奥から四体のトランスフォーマーがやってきた。俺を攻撃した青いやつ、恐らく俺を気絶させた赤いやつ、左手がフックになっている細身のトランスフォーマー、やや小さい紫のやつだ。

 

「先ほどぶりですね、私闇医者のブラッディノックアウトと申します。こちらはドレッドウィングです。」

 

「グゥゥ…」

 

「ロックダウンだヨロシク!しがない宇宙の賞金稼ぎさ。」

 

「クハハハ、シャープネル様だぜ。相方のボンブシェルが世話になったな。」

 

それはどれもこれまでのトランスフォーマーの作品で聞いたことのある名前だ。ノックアウトとドレッドウィングはこの世界における前作のプライムのディセプティコンだったはず。

 

「………俺を捕まえて何をするつもりだ?」

 

俺はファントムジョーに尋ねる。

 

「フフフ、まぁ簡単に言えば人質だよ、俺たちとは別に俺の兄貴が同じディセプティコンの仲間を引き連れて動いている。俺たちの目的はこの星を侵略して俺たちディセプティコンの新たな故郷にすることだ。それには奴らオートボットが邪魔でね、だがいかんせん戦力が心もとない。それでお前の身柄を交換条件に収容されてるディセプティコンを解放しようって魂胆さ。」

 

やつはつらつらと語る。もしこいつらに仲間のディセプティコンが加わったらバンブルビーたちは数の差で圧倒されてしまうだろう。

 

「くっ、そんなことはさせない!」

 

「フフフ、まぁ待て、話はまだ終わっていない……お前、俺たちの仲間にならないか?」

 

突然やつはそんなことを言い出した。

 

「!?……何を言っているんだ?」

 

「聞いた話ではお前は正確にはオートボットの仲間ではないんだろう?身の置き場がないから仕方なく協力しているんじゃないのか?ならばいっそ俺たちといた方がいいんじゃないか?」

 

やつはそんなことを言い俺の目の前まで迫る。

 

「なぁ俺たちと地球を支配しようぜ、イレギュラー(・・・・・・・・・・・)?」

 

「………確かに俺は最初身の拠り所がほしくてあいつらと共にいた。…………だがな、」

 

切な俺の胸の水晶が輝きを放つ。

 

「あいつらはもう俺の大切な仲間だ!俺は絶対に仲間を裏切らない!!!メーザーストームフルパワー!!!」

 

「何ぃ!?グアァァァァァァ!!!」

 

俺は目が覚めてからずっとチャージしていたメーザーストームを放つ。俺の正面にいたファントムジョーは他の奴らを巻き込んで盛大に吹き飛んだ。

 

「トランスフォーム!!!でぇい!」

 

俺はトランスフォームして洞窟の出口に飛ぶ。

 

「くそっ!逃がすな追えぇ!トランスフォーム!!!」

 

「「「「トランスフォーム!!!」」」」

 

奴らはビークルモードになって俺を追いかけてくる。俺は出口の手前で止まりトランスフォームする。

 

「トランスフォーム!!!フフフ、とうとう観念したか?」

 

「いや、違うね!テールショット!!!」

 

俺は洞窟の天井に向けてテールショットを連射する。すると洞窟はゴゴゴゴゴとゆれて天井の岩が崩れ落ちてくる。

 

「何ぃ!?」

 

「うそん!?」

 

「マジィ!?」

 

「トランスフォーム!!!じゃあな!」

 

俺はトランスフォームして洞窟から脱出する。

 

「おのれぇぇぇぇぇぇゲルシャークぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」

 

ファントムジョーの言葉を最後に洞窟は完全に崩れた。速くバンブルビーたちのところに向かわないと、俺は急いで飛んで行った。それとあいつの言っていたイレギュラーという言葉、やつは一体………

 




感想等お待ちしております。


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相棒!?

長らく更新してなくてすみませんでした


 

あの後、ファントムジョーたちを命からがら退けて基地に戻った時にはすっかり夜になっていて、すでに向こうの事件は終わっていた。

 

何でも、スチールジョーの手下のダニ型ディセプティコンのミニトロンがグリムロックに取りついて、グリムロックの体を操作していたらしい。何とかミニトロンを捕獲することはできたが、代わりにアンダーバイトの収容されたポットが奪われてしまったそうだ。

 

だが、悪いことばかりじゃない。今回の件で活躍したグリムロックは正式にオートボットのエンブレムを入れてもらい、それに伴いスワープとフィルチの二人もオートボットのエンブレムを入れて貰ったようだ。ちなみに俺はデストロンガーのエンブレムのままでいる。何だかんだでこのマークが気に入っているのだ。

 

「さーて、この辺だな」

 

そんな俺は現在、ディセプティコン信号を追いかけてパトロール中である。ビーストモードで飛んでいると、下に収容ポットを発見した。

 

「あれだな、トランスフォーム!」

 

トランスフォームして地面に降り立ち、ポットに向かう。案の定、ポットは開いており、中にディセプティコンはいなかった。

 

「ポットの大きさが小さいな……マイクロンか?取り敢えずフィクシットに連絡を…ってうぉ!?」

 

ポットを調べていたその時、突然何かが飛んできた。俺はとっさにそれをかわし、それを見る。

 

「なっ!?手裏剣!?」

 

それは盾ほどの大きさもある巨大な手裏剣だった。手裏剣ははるか後方に飛んでいったと思ったら、なんと途中で方向転換してこちらに戻ってきた。

 

「いやブーメランかよ!テールショット!!!」

 

俺は飛んできた手裏剣にレーザーを放ち、手裏剣を打ち落とす。すると手裏剣は変形し、牛型のロボットになった。

 

「トランスフォーマー?やはりマイクロンか!」

 

「ブルルルル!バロッ!」

 

マイクロンはうなり声を上げた後逃走した。

 

「逃がすか!」

 

俺はマイクロンを追いかける。少しずつ距離を縮めて行き、うしろから飛びかかった。

 

「そら捕まえた!」

 

「ブロロ!バロッ!バロッ!」

 

マイクロンは逃れようとめちゃくちゃに暴れ、取り押さえようと力を込めるのだが、思いの外力が強く、そこら中を転げ回ってしまい、ついには段差になった場所から落ちてしまった。

 

「~~いってぇ………あれ?あいつは何処に……って、うぉ!?」

 

落ちた拍子にマイクロンを見失ってしまい、逃げられたのかと辺りを見渡そうとすると右腕に違和感を感じる。ふと見てみると、マイクロンが手裏剣の状態で俺の右腕に装着されていた。すると、何やらマイクロンの意思のようなものが頭に流れてきた。

 

「……へぇ、そうか。バロっていうのか、お前。」

 

『ブルルルル』

 

「なるほど、ディセプティコンとパートナーを組んでいたけど相手に不満があって離反した所を捕まったのね」

 

装着した影響か、さっきまで唸り声にしか聞こえなかったマイクロン、バロの言葉がなんとなくではあるが理解できた。

 

『バロッバロバロ!』

 

「俺なら主人にふさわしいって?何を根拠に」

 

『バロロロロ』

 

「なんとなく……ねぇ。ま、いいさ。ここであったのもなんかの縁だ。よろしく頼むぜ、バロ。」

 

『バロ!』

 

こうして俺は、パートナーマイクロンのバロを手に入れたのだった。

 

 

 

 



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硝煙

 

どうも、毎度お馴染みゲルシャークです。現在俺はスワープとフィルチの二人と共にバンブルビーたちと別行動でディセプティコン信号のあった遺跡に訪れていた。試しに壁に触れると、触れた部分がぼろぼろと崩れる。

 

「この遺跡は酷く風化している。崩れないように注意しないと」

 

「クアア、了解」

 

「あーい」

 

そう言って俺たちは廃墟に入ろうとする。

 

ブロロロロロロ!!!

 

すると、後方からエンジン音が聞こえてくる。振り向くと、黒いスポーツカーがこちらに向かって走って来た。ボンネットにはでかでかとディセプティコンマークが刻まれている。

 

「トランスフォーム!!!」

 

案の定そいつはトランスフォーマーで、ロボットモードへと変形する。アルケモア号の囚人では珍しいヒューマンタイプだ。

 

「ダイノボットとカラスとサメが三匹、このラナバウト様の根城になんの用だ?」

 

黒いトランスフォーマー、ラナバウトが訪ねる。

 

「悪いが、お前を捕まえに来た。おとなしく投降してくれると、助かるんだが?」

 

俺はそう言ってアンカーアームを構える。二人も臨戦体勢に入った。

 

「投降しろだぁ?バカ言っちゃいけねぇ。お前らに捕まる俺様じゃねぇってことよ!喰らえ!」

 

そう言ってラナバウトはバックパックから何かを取りだし投げつける。それは爆音とともに強烈な光を放つ。

 

「うわっ!スタングレネードか!」

 

光が止むと、ラナバウトの姿は既になかった。

「くそっ!外に走り去った形跡はない、奴は廃墟の中だ!追うぞ!」

「「了解!」」

 

俺たちは遺跡の中へと入って行った。

 

 

~~~エンブレムターン~~~

 

中に入ると、そこはまるで迷路のようになっていた。暫く進んでいると、大きく開けた空間があり、そこでなにやら話し声のようなものが聞こえる。

 

「近づいてみよう」

 

みると、そこには緑色のカエルのロボットが、なにやら柱のレリーフに向かって話しかけていた。おいおい、またディセプティコンかよ。

 

「ドラドスはこの近くケェ?答えるケロよ!正直にいうケロよ。アッシは招待されたんだケロよ~~」

 

カエルはなにやらそんな事を喋っている。ドラドス?

 

「スプリングロード!あなたを逮捕するわ!」

 

するとそこにストロングアームが現れ、そのカエルのロボットをつかむ。しかしストロングアームは「キャッ!?」と悲鳴を上げて手を話した。

 

「ゲロ!宝探しをジャマし続けるなら、また火傷させてやる!とっとと失せるゲロォ!」

 

そう言ってカエルは後ろ足でストロングアームを蹴り飛ばし、壁に叩きつける。

 

「大丈夫か!?」

 

すると柱の影からバンブルビーがストロングアームに駆け寄る。

 

「溶けてる…やつの身体は強い酸で被われているようです……」

 

「バンブルビー、加勢するぞ!」

 

俺はそう言ってカエルの前に飛び出す。

 

「ゲルシャーク!?どうしてここに!?」

 

「別のディセプティコンを追っててな、偶然立ち寄ったのさ。さて、どうするよカエルさん?」

 

俺はアンカーアームをカエルに向けて言う。

 

「ゲロゲロォ!誰だろうとアッシのジャマをするやつは、みんなやっつけるケロよ!グェェェ」

 

カエル…もとい、スプリングロードは喉を膨らませ牙を剥き出しにしてうなる。

 

「………やれやれ、恐竜、カラス、サメと来て今度はカエルかよ。ったくどいつもこいつも俺の縄張りで好き勝手しやがって」

 

すると奥の暗がりから声がする。徐々に足音が近づいて来て、ラナバウトが姿を表した。

 

「ま、いいや。お前ら全員、ここで死ね。」

 

そう言ってラナバウトは何かのスイッチを押す。するとドカァン!!!と爆音が鳴り響き、壁や天井にひびが入り、グラグラと地鳴りが響く。

 

「ククク…ここの広間の四方の柱の根本には俺の小型爆弾が設置してある。このスイッチですべての爆弾が起動し、広間は倒壊。中の奴等は皆生き埋めだ!

じゃあな。トランスフォーム!!!ハーハッハッハー!!」

 

ラナバウトは笑い声を上げて走り去った。

 

「ゲロゲロォ!アッシはドラドスを探すため、どんなピンチも乗り越えてきたケロ!お前ら見たいなぼんくらは助からないケロ!ハッハーいいきみだケロー!」

 

そう言い残してスプリングロードは跳び跳ねて行った。

 

「不味い、このままじゃ!」

 

「みんな!柱を支えるんだ!」

 

「駄目だ!根本から破壊されている!」

 

バンブルビーの指示に柱を確認したスワープがNGを出す。不味い不味い不味い!このままだと全員生き埋めだ!

 

「隊長!スプリングロードは壁に空いた穴から逃げました!」

 

ストロングアームが叫ぶ。壁に穴…そうか!

 

「それだ!ビーストモード!」

 

俺はビーストモードに変形する。

 

「ゲルシャーク、どうするつもりだ!?」

 

「こうするんだ!シャークトーピード!!!」

 

俺は口から魚雷を放ち、壁に穴を開ける。

「逃げるぞ!穴に飛び込め!」

 

俺の声に反応し、近くにいたスワープたちが穴に飛び込む。バンブルビーたちも飛び込んだところで、俺も穴に向かうが、天井から落ちた岩に阻まれ、そのまま広間は安全に倒壊した。

 

「そんなっ!?ゲルシャァァァァァァァァク!!!」

 

 

 

 



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候補生の心

 

ガガガガガガッドーーン!!!

 

瓦礫の中から何かが削れるような音がしたと思うと、大きな音を立てて瓦礫が吹き飛んだ。土煙が晴れると、そこにゲルシャークの姿があった。

 

「ゲルシャーク!無事だったのか!」

 

バンブルビーがゲルシャークに駆け寄る。

 

「どうやって助かったんだ?!」

 

「ああ、こいつのおかげだよ」

 

そう言ってゲルシャークは左手を挙げる。そこには、アンカーアームの上にドリルモードになったパートナーマイクロンのバロが装着されていた。

 

「まず、手裏剣モードのバロを盾代わりにして瓦礫の直撃を防ぎ、次にドリルモードに変形したバロをアンカーアームと連動させて瓦礫を吹っ飛ばしたって訳だ。ありがとな、バロ。」

 

「バロッ!」

 

バロは一鳴きするとドリルから手裏剣に変形しゲルシャークの右腕に装着する。

「ゲルシャーク、無事で何より……」

 

「ム!」

 

「あぅ……」

 

ストロングアームがゲルシャークに声を掛けようとするが、バンブルビーに睨まれて言いとどまる。

 

「君が勝手に突っ走ったせいで待ち伏せ作戦はもう使えない!ゲルシャークたちの追っていたディセプティコンも含めて短期決戦しかない。仲間を待ってる余裕もないぞ!」

 

「……どのみち彼らは来ません。あの後、フィクシットに応援は要らなくなったと言ってしまったんです。スプリングロードを逃がしたくなかったので……」

 

「何だって!?」

 

バンブルビーは声を上げて振り替える。

「君は軽はずみな行動をした上に、上官である俺に嘘をついていたのか!?後一歩間違えばゲルシャークが、仲間が生き埋めになる所だったんだぞ!?」

 

「ストップ、ストップ!!」

 

ヒートアップするバンブルビーにゲルシャーク割って入る。

 

「バンブルビー、俺のために怒ってくれるのは嬉しいが、今はそれどころじゃないだろ?」

 

「クアア、一刻も早くスプリングロードとラナバウトを捕まえないといけない。」

 

ゲルシャークに続いてスワープも彼を説得する。

 

「それに、少しはストロングアームの気持ちを酌んでやったらどうだ?こいつはな、早く見習いを卒業して一人前になりたいんだよ。お前にだって解るだろ?上官に認めて貰いたい気持ちが」

 

「ム…」

 

ゲルシャークに指摘され、バンブルビーは唸る。かつてオプティマスプライムとともにいた時のことを思い出したからだ。

 

「お願いです隊長!もう一度だけチャンスを下さい。必ずかたをつけるので見守っていて欲しいんです!もう無謀な真似はしませんから!」

 

ストロングアームの真剣な申し出を聞いて、バンブルビーはじっと彼女の目を見る。

 

「……一度だけだぞ」

 

バンブルビーはそう言って遺跡の奥へ進んで行った。

 

「ッ!…ありがたいございます!」

 

「クアア、急ぐぞ」

 

「は~い、ダーリン♥」

 

スワープとフィルチも遺跡を進んで行き、ゲルシャークもそれに続く。

 

「……ありがとう、ゲルシャーク」

 

ストロングアームが呟いた一言が届いたのかはわからないが、ゲルシャークはニヤリと微笑んだ。

 

 

◆エンブレムターン◆

 

「教えてケロ、ドラドスの守護神たちよ!一生のお願いケロ!失われた都市は何処にあるんだケロ!」

 

遺跡の奥の広間で、スプリングロードは石像に必死にドラドスの有りかを問いかけていた。

 

「うるっせーなさっきから!なんだてめえは!?人のアジトでワケわからんこと喚きやがって!」

 

するとそこスプリングロードの声を聞き付けたラナバウトが表れた。

 

「ゲロ!?何者ケロ!?」

 

スプリングロードは飛び上がって話しかけて来た方へ振り向く。

 

「あぁ?俺はラナバ…」「ゲロ!さては遺跡荒らしケロ!?あっしからドラドスへ行き方を横取りするつもりゲロね!」ってテメェ人の話を聞きやがれ!ってかドラドス?何言ってんだおめぇ?ドラドスなんてただの伝説だろ?そもそもここはサイバトロン星じゃ……」

 

「問答無用ゲロ!アチョー!!」

 

「ぐおぉ!!?」

 

スプリングロードは喋りかけのラナバウトに飛び蹴りを食らわせ、それをまともに受けたラナバウトは吹き飛び壁にぶつかる。

 

「てってめぇ……もう許さねぇ!ディセプティコンのテロリストにして爆発物取り扱いスペシャリストのラナバウト様をなめんなよ!!」

 

ラナバウトは拳銃を取り出しスプリングロードに乱射する。

 

「ゲロッ!ゲロッ!そんなもん当たらないケロ!ベロりンチョ!」

 

スプリングロードは壁や天井を飛び回り弾丸をかわし、長い舌を伸ばしラナバウトの拳銃を弾き飛ばす。

 

「ゲーロゲロゲロゲロリンチョ!お前みたいなボンクラに負けるあっしじゃないケロ!」

 

スプリングロードはあかんべーをしてラナバウトを馬鹿にする。

 

「て、テんメぇ……!!調子にのんじゃねえええぇ!!!」

 

ラナバウトは怒号を上げると背中のバックパックから巨大なロケットランチャーを取り出した。

 

「ゲロ!?どうやって出したケロ!?お前ネコ型ロボットだったのケ!?」

 

「んな訳あるか!!俺のどこをどー見たらネコじゃ!?俺のバックパックはトランスワープチャンネルで俺専用の武器庫に繋がってんだよ!」

 

ラナバウトはロケットランチャーをスプリングロードへ向ける。

 

「ッ!!?ゲロやばっ!トランスフォーム!!!」

 

スプリングロードはピックアップトラックに変形して慌てて走り去る。

 

「待てやこのカエル野郎!!ケツに爆竹捩じ込んで唐揚げにしたらあああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

◆エンブレムターン◆

 

 

「やつはこっちに向かったはずだ」

 

バンブルビーたちは逃げ去ったスプリングロードの後を追っていた。

 

ブロロロロロ!!!

 

すると前方から車のエンジン音が聞こえてくる。一同が奥に目を向けると、緑色のピックアップトラックがこちらに走って来た。

 

「ケロッ、ドラドスよ!何であっしを苦しめるんだケロ!?」

 

「悪いけど、ドラドスは今出掛けてるの。伝言があれば聞くけど?」

 

ストロングアームが皮肉を効かせてスプリングロードに話しかける。

 

「ケロケロ!?まさかそんな、あり得ないケロ!生き埋めになったはずケロ!?」

 

スプリングロードはストロングアームたちを見て驚愕する。全員瓦礫の下敷きになってお陀仏になっていると思っていたからだ。

 

「もしかして……お化け?そうケ?ボンクラどもは死んでもあっしの邪魔をするつもりケロ!?ハハハハハ!!そうはさせるケッ!!」

 

おかしな勘違いをしたスプリングロードは大きくジャンプしてゲルシャークたちを飛び越し壁に張り付く。

 

「トランスフォーム!!!バイバイケロー!」

 

スプリングロードは再びビークルモードに変形して走り去る。

 

「逃がさないわよ!トランスフォーム!!!」

 

ストロングアームとバンブルビーはビークルモードに変形してスプリングロードを追いかける。

 

「まぁぁぁてぇぇぇやあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

すると今度は、目を血走らせ全身に重火器を担いだラナバウトが銃を乱射しながら走って来た。

 

「なっなんだぁ!?」

 

「カエルゥゥゥゥゥ!!!ぜぇったいに逃がさねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「ッ!?やっべぇみんな逃げろ!!」

 

面食らったゲルシャークたちだが、すぐに我に帰り全力で逃亡する。おかしなおいかけっこが始まった。

 



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