神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新 (薬売り)
しおりを挟む

オリジナルスタンド紹介 +作者余談

ネタバレです。マジにネタバレです。
最新話を見た人しか見てはいけません。


スタンド名『ビートル』

 

本体『樹条浄夜』

 

能力―本体が記憶しているスタンドに自身が変身する(act1)

   体の一部を変身して、応用で複数のスタンドに変身できる(act2)

 

人型スタンドで自我がある。水色がベースで瞳は陰陽玉、髪は後ろに流れている。パワーもスピードも皆無だが、変身するとそのスタンドのステータスになる。

成長性は無論Aである。変身なしだったら浄夜自身が戦った方が強い。

 

これを名前にした理由は最終回で分かる。

 

 

 

スタンド名『ハウンド・ドッグ』

 

本体『水橋パルスィ』

 

能力―水素を常に出し、衝撃で熱を発生する

 

見た目は針のスタンドで刺さると爆破。針の後ろの穴から水素をシャボン玉として出し、シャボンが割れて爆破する。弱点として、水素のシャボン玉は密度が小さいので上に行く。天井があれば弱点じゃなくなる。

地味な見た目…と言うかほぼスタンドと言いがたい形だが、殺傷能力は高い。

 

これを名前にした理由は、ジェラシーっていう曲があったから(多分)

 

 

 

スタンド名『ライフ・ウィル・チェンジ』

 

本体『???』

 

能力―???

 

これについてはまだ秘密。

 

 

 

スタンド名『ワンオクロック』

 

本体『鈴仙・優曇華院・イナバ』

 

能力―硬いシャボン玉は発生させる

   波紋を扱う

 

人型のスタンドで、黄色がベース。頭にギザギザ模様の鉢巻きを巻いている。聖なる遺体がシーザーなだけあって、シャボン玉の出し方はシーザーそのもの。波紋カッターも出せるし、セックスピストルズの如く弾幕を跳ね返すことも出来る。

 

これを名前にした理由は、ワンオクロックというバンド名になる前、ピストンズという候補があったそう。セックスピストルズに似てる……

 

 

 

スタンド名『ピンク・レディー』

 

本体『封獣ぬえ』

 

能力―精密な幻覚を見させる

 

人型スタンドで、ピンクがベース。網目の模様が特徴的。

その幻覚は恐ろしく現実的で、相手を鬱にさせたり、怒らせたりと感情も間接的に操れるし、幻覚を見せることで相手が攻撃を回避することも防ぐことが出来る。

使い方によっては宗教的に人を操れる、末恐ろしい能力である。

 

これを名前にした理由は、お察しの通り。

 

 

 

スタンド名『ラッド・ウィンプス』

 

本体『霧雨魔理沙』

 

能力―液状、個体のマスタースパークを作る

 

黒い革手袋のような外見で、いや、もうそれだ。

液状のマスパに触れると皮膚が焼けるように痛い。固形のマスパは魔理沙が思うように形をつくれて、硬さも操れる。最大ゴムから金属までの硬さを操れる。個体のマスパは触れてもちょっと痛い程度で終わる。

 

これを名前にした理由は、RADWIMPSさんのカッコよさが、魔理沙のカッコよさに繋がるものがあったからです。(※個人の感想です)

 

 

 

スタンド名『LOSER』

 

本体『藻部政義』

 

能力~プライドが傷付けば傷付く程強くなる。

 

全身は青のベースで、網目状の模様が付いている。目がパープルヘイズぐらい血走っていて、犬歯が特徴的。

意思のあるスタンドで、自分のプライドが傷付けば、本体でさえも殺す。

 

これを名前にした理由は、プライドが傷付いて強くなる能力にぴったりな名前だからです。

 

~余談~

 

どうもこんにちは、薬売りです。

ジョジョの奇妙な冒険が大好きで、この作品を投稿させていただいています。特に好きな部は第七部『STEEL BALL RUN』です。なので、この作品に一番関わっているのは第七部です。序盤はオリジナルスタンドが少ないです、しかし後々ドンドンと増えていきます。そもそもこの小説を書き始めた時点で10体弱は考えてました。ただ、それを考えていただけで最終的にどう終わるか、ラスボスはどうするかなどなど、何も考えてませんでした。今は別ですよ?ちゃんと最終回は考えています。

当初設定がガバガバなので、書いているときに『ん?』ってなったことは多々あります。

高校生になってからは、部活が忙しくなり、投稿ペースが遅れてしまいましたが、よっぽどのことがない限り途中で止めるつもりはありません。

正直、このペースだと私が社会人になってやっと最終回になる可能性が大です。その時は、我が儘ですがずっと見ていてください。私自身の成長記録でもあるので、まだまだ未熟ではありますが、当初よりは書き方が上手になったのが分かると思います。そんな温かい目で見つつ、この物語を見るのも楽しみかたの一つ(ということにしてください。)

それでは皆さん、次回もお楽しみに~。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

本編
や…優しい?


……う~ん…ん?

何処だ?ここ…

真っ白で、俺はパジャマで、目の前にはようj…

 

俺「うおぅ!?」

幼女「ウィッス」

俺「ウィ…ウィッス…」

 

俺の頭のなかで『ガッ○ャマン』のOPが流れてるんだけど…

 

俺「お前…誰?」

神?「ん?私?私は神だよ」

俺「………」

 

あぁ、何だ中二病か…

 

神?「ちげぇよ」

俺「俺の心が読まれただと!?こいつ…人間じゃn「さっき言ったよねぇ?(圧力)」アッハイ」

神「信じたようだね」

俺「……」

 

なんで俺は神としゃべってんだ?

 

神「あぁ、それはn「もしかして俺死んだの!?」え?」

俺「まだペルソナ5買ってねぇよ…」

神「落ち着け。お前は死んでない」

俺「え?じゃあここはどこだよ?」

神「夢の中」

俺「何だ夢か…で神が俺に御用でも?」

神「うん…少しだけね、でもとても大事なこと」

俺「え~?何々?」←夢の中だと思って友達感覚で喋ってる

神「え、えぇっと…じゃあ言います。君は[優しすぎます]」

 

ん?優しい?イヤイヤ、ナイナイ。

 

俺「友達には俺迷惑かけてるよ?ないない」

神「友に迷惑をかけるのは当たり前。私が言ってるのは、君は友が助けを呼んでいたら自分を犠牲にしてまで助けるでしょ?」

 

そうかなぁ?

 

神「性格はいくら神でも変えれない。だから、君には力を与えるんだよ」

俺「力?」

神「そう、『スタンド能力』よ」

 

ス…スタンド…だと!?

 

俺「どんなだ!?」

神「おぉう…じゃあ…」

 

説明しよう!!

主人公のスタンド能力を!!

主人公のスタンドは、あらゆるスタンドの能力や姿をコピーし主人公自身がそのコピーしたスタンドになるという人型スタンドである。装備系のスタンドは、スタンド自身がなる。

コピーしなかったら、力のないスタンドなのである!!

 

俺「チートダナ」

神「名前は君自身が付けて」

俺「俺が?う~ん…」

 

なんかいい名前ないかなぁ…

あ!!これがいい!!

 

俺「ザ・ビートルズからとって『ビートル』ってのはどうだ?」

神「いいんじゃないかな…さぁ、名前も決まったことだし…君を起こすよ?」

俺「え?マジ?」

 

あ~あ、夢は終わりか…残念…

 

神「それじゃあ、頑張って!!樹条浄夜(きじょうじょうや)君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う~ん…ハッ!!

 

浄夜「夢か…ハァ…スタンド使いたいな…」

浄夜「……『ビートル』!!」

 

…………

 

浄夜「だよねぇ」

?「ドウシマシタ、主人」

 

…………

 

浄夜「正夢ってあるんだね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「行ってきまーす」

 

俺は誰もいない家に向かって挨拶をする。

 

早苗「ジョジョ~おはよう」

浄夜「ん?あ、早苗。おはよう」

 

俺の幼馴染みの東風谷早苗。諏訪大社の巫女をやっている。

 

早苗「ん?どうしたの?機嫌が良いね?何かあった?」

浄夜「yes!!」

早苗「なにがあったの?」

浄夜「聞きたいか?」

早苗「うん!!」

浄夜「だが断る」

早苗「え~なにそれ~」

 

いつも通りだが、いつも通りじゃない俺。最高だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

早苗「ジョジョ、一緒に帰ろ?」

浄夜「あぁ、すまない。用事があるんだ」

早苗「ふ~ん、そっか。じゃあね」

浄夜「あぁ、じゃあな」

 

スタンドの特訓だ!!

 

青年移動中…

 

ここならいいか。

 

浄夜「『ビートル』!!」

浄夜「よぉし、『スタープラチナ』!!」

 

ここはやっぱりスタープラチナだよねぇ。

 

浄夜「おぉ……出来た…」

 

完璧だな…

よし、練習開始!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じでいいか…

 

浄夜「早苗の家に帰るか」

 

俺は飯を作ることが出来ないため、いつも早苗の家に帰っている。

 

少年帰宅中…

 

浄夜「ふぅ、やっとついた」

幼女「あ、早苗~、ジョジョが帰ってきたよー」

浄夜「…………………………」

 

……誰!?

と…取り合えず早苗に聞こう。

 

早苗「お帰りなさい」

浄夜「ただいま…ところでさぁ」

早苗「うん?」

浄夜「あの人誰?」

早苗「………………」

浄夜「………………」

早苗「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええぇぇぇええ!?見えるのおおおぉぉぉおおぉぉ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「なるほど…神か…」

諏訪子「諏訪子だよ!!よろしく!!」

神奈子「神奈子だ、よろしく」

浄夜「よろしく…」

早苗「いやはや…まさかジョジョに見えるとは…」

 

俺もビックリだよ。

 

神奈子「普通はね、特殊な力を持ってる人にしか見えないんだよ、神は」

諏訪子「君には力はあるかい?」

浄夜「あぁ、ある」

早苗「どんな?」

浄夜「あぁ、それは…」

 

少年説明中…

 

皆「チートじゃん……」

諏訪子「でもこれで人数は揃ったね」

 

ん?なんの話かな?

 

早苗「いやでも、ジョジョのことも考えないと…」

神奈子「そうだね」

 

ん?ん?

 

神奈子「付いてきてくれるかい?(威圧)」

浄夜「なにが!?」

諏訪子「お願いだよ!!(土下座)」

浄夜「だからなにが!?」

早苗「お願いジョジョ(上目使い)」

浄夜「よし、行こう」

早苗「ありがとう!!ジョジョ!!」

ゲス神共(チョロいな)

綺麗な巫女(ジョジョはやっぱり器がデカイ!!そこに痺れる憧れるぅ!!)

 

よく分からず引き受けてしまった浄夜であった…




なぁにこれぇ
どうも、薬売りです
また掛け持ちかwwww更新遅くなるのを分かっててやるとはwwww
大馬鹿野郎だな!!
さて、次回もお楽しみに~

スタンド 『ビートル』

能力 あらゆるスタンドに成る能力

元ネタ…1960年に結成されたロックバンド『THE BEATLES』より。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

風神録
ダイナミック幻想入り


どうもどうも薬売りです
んじゃネタが無いんで始めたいと思います
それでは、どうぞ!!


どうも、浄夜です。

いやぁ、神様って居るんだね。

今、諏訪子に説明を受けてるんだ。幻想郷?に行きたいから、一緒に来いだって。

なんか、幻想郷に入るには儀式をしなきゃいけないらしい。

必要人数は4人(全員能力持ち)だから来てくれだとか

別に俺独り暮らしだから良いけど、儀式ってなに?そんなオカルトじみた……神様が居る時点でオカルトもなにも無いか。

 

諏訪子「君はじっとしてて良いから」

浄夜「OK」

諏訪子「ああ、でもこれは持ってて」

 

お札を渡された。

 

浄夜「あぁ…」

 

そうすると、地面に線を引き始めた。引き終わると、早苗が真ん中に立つ。

 

神奈子「いくよ…」

諏訪子「うん…」

早苗「はい…」

浄夜「え?」←なにするか分かってない

 

神奈子が大きく息を溜める。

そして…

 

神奈子「ニャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

浄夜「うわあああああああああ!!!???」

 

ビックリだ。

いきなり大声でニャアと叫んだのだ。

 

神奈子「………」

早苗「ふぅ…よし!!」

 

なにが!?なにが「よし!!」なの!?

なんにもおきてないよ!?

 

神奈子「早苗!!成長したね!!」

 

どこが!?

 

諏訪子「よく頑張った!!」

 

なにを!?

 

早苗「はい!!ありがとうございます!!」

 

……帰りたい。

 

浄夜「俺帰るわ…」

早苗「え?どうやって?」

浄夜「歩いて」

 

疲れた、突っ込みしすぎたか…

 

早苗「無理よ、そんなの」

浄夜「いや、そこまで疲れてない」

早苗「そう言う問題じゃ無いよ」

浄夜「え?じゃあどういう?」

早苗「じゃあ一回、鳥居を潜ってみて」

浄夜「おぉう…」

 

そう言われて鳥居をくぐった。

 

浄夜「なんだ、なんとm……」

 

……神社のすぐ近くには家があったはず。

なのに…

 

浄夜「ここどこの山だよ!?」

 

何故こんな所に…

 

浄夜「ハッ!!」

 

まさか、さっきの儀式は……場所移動の儀式!?

 

早苗「分かりましたか?ここが__________

                    

                    _____幻想郷です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「はぁ、いきなり過ぎて訳が分からなかったぞ?ちゃんと説明をしてから幻想入りしろ」

神共&巫女「サーセン」

 

う~ん…もしこれを知ってたら、家から色々もってきたのに…て言うか、ペルソナ5やりたかったなぁ。

 

浄夜「はぁ…詫びとしてここに住ませろ。住む家が無いんでな」

諏訪子「え?そんなんでいいのかい?それは元々決定事項だよ?」

浄夜「良いよ。兎に角、寝させろ」

早苗「あ、部屋は私の自室ね」

浄夜「おう、サンky……え?」

 

ん?自室?

同じ部屋?

 

早苗「私がベッドで、ジョジョが押し入れで寝て」

 

ですよねぇ……てか、ドラ○もんかよ。

まぁ同じ部屋ってだけでも良いか。

 

早苗「着替えてる時は外に出てね」

 

チクショウメェ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝~

 

ドンドン  ドンドン

 

う~ん……五月蝿いな……

 

浄夜「ふわぁーーー……」

 

ねみぃ。俺は音のする方へと向かう。

 

神奈子「良いじゃんか、家を建てるぐらい」

???「ダメだ。天魔様の許可が無い」

 

あ?なんだ?

 

浄夜「どしたん?」

神奈子「いやさ、ここに神社を建てるなら許可が必要なんだって」

浄夜「はぁ……当たり前だろ?バカかお前は…」

神奈子「バカだと!?おおそうかい、ならジョジョ。あんたが許可をもらってきな」

浄夜「なんで?」

神奈子「理由なんて無い!!はよ行ってこーい!!」

浄夜「はぁ…めんどいな。そこの…何だ、妖怪か?案内してくれ」

藻部「天狗の藻部政義だ。よかろう、案内しよう」

 

なんでかなぁ……はぁ、めんどい。




なぁにこれぇ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天狗が天狗になるだと!?

書いてる途中にデータが消えた…
やり直し…


天魔「お前のような力のない人間がこの幻想郷の、しかも妖怪の山に住むとは笑わせる」

 

ども、樹条浄夜です。

いやあ、天狗のテッペンはやっぱり威圧感が半端ないね

見た目可愛い女に威圧される俺は情けないよ。

 

浄夜「力が無いのが駄目なら、魅せれば良いですか?俺の力を」

天魔「ハッハッハ!!力を魅せるだと?笑わせるな、ハッハッハ」

 

イラッ☆

 

浄夜「魅せればいいんですよねと、聞いているんですが」

天魔「あぁ、すまない。フフ…オーイ、射命丸!!ちょっとこっちに来い!!」

 

そう、天魔が言った瞬間、奥から足音が聞こえてきた。

 

シャメイマル「呼びましたか?」

 

なんじゃこの可愛い子は!?

 

天魔「うむ、この者と一戦やってはくれぬかのう?」

シャメイマル「え?いや、この人、人間ですよね?そんなの時間の無駄なだけじゃないですか」

天魔「どうせ暇じゃろ、と言ってもすぐ終わるじゃろうから」

 

あぁ、すぐに終わらせてやるよ(^ω^#)ピキピキ

 

シャメイマル「はぁ、分かりました。貴方、死んでも知りませんからね?」

浄夜「死なねぇから安心しろ。『エンペラー』!!」

シャメイマル「銃?フフフ…アハハハハハ!!そんなもので戦うのですか?私も舐められたものです」

 

エンペラーが見えている?こいつもスタンド使いなのか?

 

浄夜「もしかして、お前もスタンド使いか?」

シャメイマル「すたんど?なんですかそれは?」

 

スタンドを知らないとなると、やはりエンペラーが…もしくは、『ビートル』自体、一般の奴等にも見えるのかもしれない。

 

シャメイマル「よく分からないですが…いきますよ!!先手はあげます」

 

完全に舐めきっている。まぁ、ここは先手を貰うとするか。

俺はエンペラーを撃つ、が…

 

シャメイマル「あや?なんですか?このアクビの出るようなスピードは」

浄夜「なッ!?」

 

軽々と避けたのであった。

 

浄夜「クソッ!!」

 

シャメイマルとか言う女に乱射するが一発も当たんない

かすりともしないのだ。

 

シャメイマル「あやややや…こんなハエが止まってしまうような速さじゃ私に当たりませんよ?」

浄夜「クソッ!!やっぱり人間が天狗に挑むなんて場違いだったんだ!!」

 

まわりの天狗達がにやけている。天魔も…シャメイマルも…

 

そして…『樹条條夜』は、笑いをこらえていた。

 

シャメイマル「フフ、当たり前です。私達に勝つことは一生無いでしょう。今なら謝るだけで許しますよ?」

浄夜「それだけでいいのか!?」

シャメイマル「良いですよ。だから、さっさと謝って、ここかr「だが断る」…は?」

 

今こそ言うべきだッ!!あの名言をッ!!

 

浄夜「この樹条條夜の好きなことの一つは、自分が強いと思っている奴に『NO』と言ってやることだ」

シャメイマル「なッ!!貴方が負けることは確実なんですよ!!」

浄夜「さぁ、どうかな?」

シャメイマル「もう良いです。許しません。貴方が後悔しても許しm『ドドドドドン』な、なに!?」

 

壁を破る音…

何事かとシャメイマルもまわりの天狗や天魔もその方を見た。そこには!!さっき、エンペラーが撃った弾丸がシャメイマルの目の前にあったのだ!!

エンペラーは弾丸もスタンド…その性質を使ったのである!!

 

シャメイマル「なぁッ!?」

 

シャメイマルは恐怖した。死への恐怖が生まれたのだ。

その生まれて初めての恐怖に思わず目を閉じてしまった…

その時!!

 

浄夜「ザ・ワールド!!時よ止まれ!!」

 

そんな声がした。

 

シャメイマル(死なない?どういうこと?いったいなにが……)

 

シャメイマルはゆっくりと目を開けた。

そこには…

 

シャメイマル「うわあ!?」ドテ

 

黄色い奇妙な姿をした男が目の前の弾丸を全部掴んでいたのだ。

 

黄色「戻れ」

 

黄色い男は呟くと、元の人間の姿へと戻った。

 

シャメイマル「な、なんなんですか貴方は!?」

浄夜「樹条浄夜。ジョジョって呼んでくれ」

シャメイマル「名前じゃない!!」

浄夜「お前の名前は?」

文「ッ!!…射命丸文よ」

浄夜「そうか…天魔!!この勝負、俺の勝ちだ」

 

天魔は大きく口を開け、こっちを見ている。

いわゆる、『開いた口が塞がらない』という状態だ。

 

浄夜「天魔?オーイ…オーイ!!」

天魔「ふぇ!?あ…は、はい!!こ、この勝負、樹条條夜の勝ち!!」

 

皆、ポカーンと言わんばかりに口を開けていた。

あと、天魔。「ふぇ!?」ってなんだよ。さっきのカリスマどこに捨てた?

 

浄夜「文、立てるか?」

文「だ、大丈夫ですよ!!立てます立てッ!!」

 

腰が抜けている。

 

文「あ、あやややや…腰が抜けてますね…」

浄夜「はぁ、しゃーないな。よっこいしょ」

文「キャア!?」

天魔「え!?」

天狗達「はぁあ!?」

 

意外ッ!!それは『お姫様抱っこ』!!

乙女が憧れるあの抱っこであるッ!!

 

文「なななななななな、なにやってんでぇすかぁあ!?」

浄夜「抱っこ」

文「知ってますよ!!」

浄夜「はぁ…天魔、どこか寝れる部屋は無いか?」

天魔「そ、そこの奥を左だ…」

浄夜「ん、センキュー」

 

そして、天魔が指した方へと消えてった…

この時、男天狗が彼に殺意を抱いたことは言うまでも無いだろう。おお、怖い怖い。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

信仰を奪うとかいい迷惑

もうちょいで冬休みだぜ!!
ども、薬売りです
ネタがないんで、前書き終わります。じゃあ書くなよって思った人、先生怒らないから手を挙げなさい



諏訪子「じゃあ、住んで良いんだね?いやぁ、ありがとう」

浄夜「あぁ、感謝しまくってくれ」

 

俺の名は、いつもニコニコ、貴女のそばに這い寄るスタンド使い、樹城浄夜です

あの後、天魔から許可書を貰った

帰って皆に見せたら驚いてたよ。信じて無かったのかよ

 

神奈子「マジか…」

浄夜「マジだ。で、これからどうするんだ?」

諏訪子「え?何が?」

浄夜「神社の信仰だよ。人里でPRするか?」

諏訪子「あ~、考えてなかったな~。神奈子、どうする?」

神奈子「何でかな…お金かな…それとも…」

 

神奈子はブツブツと何か言っている

どんだけ信じてなかったんだよ。泣きたくなるわ

 

諏訪子「神奈子はダメだね。早苗、どうする?」

早苗「お祝い~お祝い~」

 

早苗は許可書を無事に貰えたから、お祝いとして料理を作っている

 

諏訪子「邪魔しちゃ悪いよね。じゃあ…頼る人がいないな~」

浄夜「俺の存在どこに行ったよ!?」

 

なにちゃっかり忘れてんの!?許可書貰ってきたの俺だぞ!?泣くぞ!?良いのか!?

 

諏訪子「ハハハ、冗談だよ。で、ジョジョはどうすれば良いと思う?」

浄夜「さっき言った通り、人里でPRしたら良いんじゃないか?」

諏訪子「う~ん、でも行くとしたら誰が良いかな~。神である私達がここを離れるわけにはいかないし…」

浄夜「俺も天狗に用があるから」

諏訪子「え?なにさ?」

浄夜「実は俺、天狗と戦って許可書を貰ったんだよ。それで、お前強いな~的な感じになって、もう一回戦おうって話になったんだよ」

 

実際、もう戦いたくない。余裕ぶってたけど、結構ビビってた

なんであの時、岸辺露半の名言を言ったんだろう。バカなのかな

 

諏訪子「へ~、そうなんだ。じゃあ、早苗かな?」

 

早苗の方を見る

 

早苗「フフンフーン。あ、焦げちゃった。まあいっか!!」

 

浄夜と諏訪子は思った

『不安しかねぇ!!』と…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

諏訪子「早苗、ちゃんと神社をPRするんだよ?」

早苗「はい!!」

諏訪子「ちゃんと信仰を貰うだよ?良いかな?」

早苗「はい!!」

浄夜「じゃあ、行ってくる」

早苗「いってきまーす」

諏訪子「いってらっしゃーい」

神奈子「いってらっしゃい」

 

バタン

 

諏訪子「ねぇ、神奈子」

神奈子「ん?なに?」

諏訪子「早苗、大丈夫かな」

神奈子「駄目だろ、きっと…」

諏訪子「ダヨネー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジョジョと別れて私は今、人里にいます

PR中です

 

早苗「守矢神社を宜しくお願いしまーす!!」

 

全く人が寄らないな~

そう言えば諏訪子様が「ちゃんと信仰を貰うんだよ」って言ってたよね

信仰を貰うか…

あ!!元々幻想郷にある神社から信仰を貰うってことかな!!

よし、そうと決まれば出発進行!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数時間後~

 

早苗「ただ今戻りました~」

諏訪子「おかえり!!」

浄夜「おかえり!!」

神奈子「おかえり!!」

皆「どうだった!?」

早苗「諏訪子様が信仰を貰えと言っていたので、幻想郷に元々あった神社に交渉しました!!」

浄夜「そうかやっぱりダm…ん?コウショウ?」

 

コウショウ?こうしょう?交渉?

 

諏訪子「…何を交渉したの?」

早苗「信仰を貰えないかって」

 

………………

 

皆「え?」

早苗「え?」

浄夜「諏訪子、お前のせいだ」

諏訪子「なんで!?」

浄夜「変なことを早苗に言うからこんなのことになんるんだ」

諏訪子「いや、これは…さ、最初から神社から信仰を奪おうとして言ったんだよ」

浄夜「嘘つけ!!そんなこと思ってないだろう!?」

諏訪子「嘘じゃない!!大体ジョジョだって……

 

早苗「神奈子様、二人は何故喧嘩してるのですか?」

神奈子「気にするな…」

 

その後、結局神社から信仰を貰うという方針で話が終わってしまった




これはひどい
今回のはひどかった


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

なんか信仰奪われそう

ども、薬売りです
今回は霊夢視点です
いや、今回だけじゃないかも知れないですが…


射命丸「まじめに戦った事って殆ど無かったけど、予想以上の強さだったわ。これなら、あの人の事も倒せるかもね」

私「あの人とかその人とかどうでもいいから場所を教えてちょうだい!」

射命丸「はいはい、分かったわよ。その神様は神社と湖ごと引っ越して来たの。この先に新しい神社が出来てるのよ。そこに居るはずだわ」

私「山の上に神社?それ、人来るの?まぁ、良いわ」

 

早くしよう、あの巫女弱そうだから、ちゃちゃっと終わらせましょう。てか、魔理沙が付いてきてくれないから時間かかってんじゃない!!早く家に帰りたいわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男「ん?もう来たのか?早いな。流石、幻想郷の巫女だ」

さっきの女「巫女の貴女の方からこの山に入るとは……今すぐうちの神様に勧請したいのかしら」

私「山の上に引っ越してくるって、効率悪いわね~」

男「いや、俺だけは知らずに来たから効率悪いとか知らないんだけどな」

私「知らずに来たって、巻き込まれたの?散々ね」

男「早苗には世話になってるし、全くだぜなんて言えないのが辛いな」

早苗「え!?」

私「本人すごく驚いているわ」

早苗「ちょっとジョジョ!!」

ジョジョ「アーアーキコエナーイ」

私「倒していいかしら」

浄夜「おっとすまんな。俺は、樹城浄夜だ。負けても俺は恨まず、ウチの駄神を恨めよ?」

私「勝っても負けても両方恨むわ」

浄夜「何でだよ!?」

霊夢「私は博麗霊夢よ。負けても私わ恨まず、付き添わなかった友人を恨んでね」

浄夜「そいつ関係ねぇじゃん!?」

 

 

浄夜「んじゃ、いくか。えーっと霊力を溜めるイメージ…こんなんかな?」

霊夢「うわ、大量。めんどくさ」

早苗「めんどくさいのがもう一人」

 

うわー、二人同時にとかセコいわ~

まぁ、余裕なんだけどね

 

浄夜「二人でやってるのに、スルッと避けるなぁ~。えーと…スペルカード宣言、だっけ?『爆魔[キラークイーン]』こんなんで良いんかな?」

 

そう言うと、浄夜はネコ目のような白い者に変身した

 

霊夢「変身する程度の能力?」

浄夜「惜しい。もう少し具体的じゃないとダメだな。シアーハートアタック」

 

技らしき名前を叫ぶと、小さなドクロが出てきた

 

ドクロ「コッチヲミロー!!」

霊夢「見たくないわ」

 

そう言い避けると…

 

ドカーンッッ!!

 

霊夢「爆発すんのかよ……」

浄夜「フッフッフ……挨拶程度さ。普通なら、君が死ぬまで追跡をするがね」

霊夢「追跡ィ?死ぬまで?」

 

殺す気か!!

 

早苗「『秘術[グレイソーマタージ]』」

浄夜「おー、きれいな星」

 

どっちも、ここに来たばっかにしては強いわね

私ほどじゃないけど

 

早苗「結局避けられたわ…」

霊夢「『霊符[夢想封印]』」

浄夜「この程度か、貧弱貧弱ぅ!!『世界[ザ・ワールド]』!!時よ止まれッ!!」

 

ザ・ワールド?どっかで聞いたことが…

すると突然ッ!!目の前にナイフがッ!!

 

霊夢「うお!?咲夜かあんたは!!」

 

浄夜は黄色い男に変わっていた

 

浄夜「ふむ、強いな。だが、俺のスペルは終わってない」

霊夢「ああ、もうめんどくさい!!先にあんたを倒すわ!!『夢符[封魔陣]』」

浄夜「ザ・ワールドッ!!逃れることはできん!!」

 

二人の弾幕がぶつかり合う

 

霊夢「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」

浄夜「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」

早苗「ジョジョだ…完全にジョジョだ」

霊夢「オラァ!!」

浄夜「無駄ァ!!」

 

どちらも互角のように見える

 

?「早苗~」

早苗「あ、神奈子様に諏訪子様」

諏訪子「おー戦ってるねー。あれが博麗の巫女?」

早苗「そうなんですよー」

神奈子「浄夜が負けたら私ら勝てないんじゃ?」

諏訪子「…浄夜に賭けるか~」

 

何故かプレッシャーを感じた浄夜であった




冬休みだぜ!!
今回はは結構原作要素を入れましたよ
なんか、良いですね
では、次回もお楽しみに~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

なんでもかんでも

明けましておめでとうございます。お久しぶりですね
薬売りです
遅れてしまい、すみませんでした
それでは、どうぞ



浄夜「ハァ…ハァ…」

霊夢「ハァ…ハァ…」

 

あれから何時間経っているだろうか

進展がない、どっちも不利でも有利でもない

ただ、最初と変わっていることがあるなら、どちらも考えずに死にそうになりながら戦っている

がむしゃらに、戦ってる理由さえ考えてない

 

早苗「ジョジョッ!!」

 

聞こえていない

止めようにも格が違いすぎる

 

浄夜「スタープラチナ…」

霊夢「夢想天性…」

 

どうやら、これで決めるらしい

 

浄夜「オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」

霊夢「オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」

 

もう、やめてほしい

ジョジョが死んじゃう

霊夢が死んじゃう

スペルカードルール何かじゃない

もう、殺し合いだ

 

浄夜「オラァ!!」

霊夢「オラァ!!」

 

霊力を纏った拳と拳がぶつかり、どちらも吹き飛ぶ

こちらも風圧で飛んでしまいそうだ

そして…

 

浄夜「……」

霊夢「……」

 

どちらも再起不能(リタイヤ)である

 

早苗「ジョジョッ!!」

 

駆けつける、息はしているようだ

早く手当てをしなければ!!

 

浄夜「クッ…」

 

立ちはしないが体を引きずりながら霊夢さんの所へ行く

 

浄夜「…レイジー…ダ…ア…ンド…」

 

クレイジーダイアモンドの姿になる…まさか…

そのまさかであった

 

霊夢「ん……」

 

霊夢の傷が癒えてくる

そして…

 

霊夢「う…う~ん?」

 

霊夢が起き上がる

 

霊夢「ん…確か……!!」

 

霊夢は血だらけになったクレイジーダイヤモンド…否、ジョジョを見た

 

霊夢「浄夜ッ!!」

 

直ぐに浄夜と分かった

 

諏訪子「直ぐに手当てをするんだッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「ん…ん~…うん?」

 

布団?寝てたのか?

なんか俺のそばに居る?

 

早苗「スゥ…スゥ…」

霊夢「…お、お金が…消えて……」

 

早苗と霊夢が壁に背中を着け寝ている

と言うか、霊夢の寝言がひどい

 

浄夜「…二人とも、心配かけてすまないな」

諏訪子「私達には?」

浄夜「ん?あぁ、居たんだ。気付かなかった」

神奈子「ひでぇ」

 

そんなことを言われても、気付かないもんは気付かん

 

浄夜「心配かけてすまなかった。この手当ては?」

諏訪子「早苗とそこの霊夢って子」

浄夜「そうか。ってアンタらは?」

神奈子「寝てた」

浄夜「張り倒すぞ」

諏訪子「いや、信用されずに部屋から追い出されたから」

浄夜「信用されずって…本当に神か?」

諏訪子「だって私、祟り神だから治癒するどころか逆に祟っちゃうよ?」

浄夜「追い出したのは懸命な判断だ」

 

良かった、本当に良かった

 

浄夜「神奈子は?」

神奈子「一緒に追い出された」

浄夜「なんで?」

神奈子「霊夢曰くなんとなくらしい」

浄夜「追い出したのは懸命な判断だ」

神奈子「うおいッ!?なんでや!?」

浄夜「五月蝿い、二人が起きる」

諏訪子「全くだよ」

神奈子「諏訪子は殴る」

諏訪子「え、ちょま…

 

               ~お仕置き中~

 

浄夜「これはひどい」

神奈子「いやぁ、にしてもたまげたね。ボロボロになりながら敵の傷を治しちゃうんだから」

浄夜「だって、あのままじゃ死んでいたかもしれないからな」

神奈子「アンタにだって言えるじゃないか、自分を治せばいいのに」

浄夜「自分は治せないんだよ」

神奈子「よくわからないね~スタンドってのは」

浄夜「そんなもんさ」

 

外を見ればまだ暗かった

夜中だろうか

 

浄夜「俺が倒れて何時間たった?」

神奈子「四日間」

 

何時間なんてレベルじゃなかった

でも、それまでコイツらは看病してたのか

 

浄夜「本当にありがとう」

神奈子「じゃあ、私は諏訪子をそこら辺に置いてくるから、また寝な」

浄夜「分かった。おやすみ」

神奈子「おやすみ」

 

戸を閉める

 

浄夜「よいしょっと、起きたら寝れない体質なんだよなぁ」

 

そう言い、二人に毛布を掛ける

 

浄夜「俺はジョジョの奇妙な冒険でも読んでるか」

 

起こさないようにジョジョの奇妙な冒険第五部を日が上るまで読んでいた




いともたやすく行われる失踪みたいな行為をしてしまったことを反省したいと思います
これからも、この作品を見てくれると嬉しいです
それでは次回もお楽しみに~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

宴会の準備

おす、オラ薬売り

雪かきマジヤダ
毎年毎年軽く10cm越えるとか泣くぞwww

そんなこんなでやっていきたいと思います
それではどうぞ



浄夜「うおおおおおおお!!ジョルノかっけぇぇぇぇぇえ!!」

霊夢「五月蝿い」

浄夜「痛ッ!」

 

ジョジョの奇妙な冒険を読んでいる途中で、霊夢にチョップをくらう

 

浄夜「あぁ、霊夢と早苗、おはよう」

早苗「おはよう。怪我、大丈夫?」

浄夜「大丈夫だ、問題ない」

霊夢「本当かしら?」

浄夜「あぁ、二人とも本当にありがとう」

霊夢「借りを返しただけよ。私だって貴方に治して貰ったんだから」

早苗「幼馴染みの怪我を治すのは当たり前田のクラッカーだよ!」

 

古い、古いぞ。早苗よ

 

浄夜「霊夢は信仰を奪うって言われて、ここに来て大怪我して、ここの居候の手当てを手伝わされてなんて、理不尽だろう?やはり、お礼をしなければ。どうすればいい?」

霊夢「ふぅん…そうねぇ……。じゃあ、貴方達の幻想郷の歓迎も兼ねて、宴会でも頼もうかしら。どう?」

 

歓迎会なのに自分が用意するってのも変な感じだが、今この状況ならすごくいい案だろう

 

浄夜「そうか、分かった。そうする。駄神には言っておく。会場はここでいいな?」

霊夢「えぇ、幻想郷の人達も呼んでくるわ。4時位に来るわね」

浄夜「分かった。宜しく頼む」

霊夢「任されたわ」

 

そう言い、霊夢は空を飛んでいった

 

神奈子「ふぁぁぁあ……おはよう…ん?霊夢は?」

浄夜「あぁ、神奈子か。ちょうどいい」

 

~少年説明中~

 

神奈子「あぁ、そんなことか構わないよ。久しぶりに旨い酒が呑めるな」

浄夜「さぁ、宴会の準備の為に人里で買い物に行くか!」

早苗「そうですね!そうと決まれば朝御飯をさっさと食べて行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~人里~

 

浄夜「へぇ、宴会用のお酒ですか」

店の人「おう、この酒はいいぞ~。幻想郷トップ5に入る位旨い日本酒だ!しかも安いしな」

浄夜「これなら大量に買えるな。箱買いします」

店の人「あいよ~毎度ありィ!」

浄夜「うむ、いい買い物だ。次はツマミかな」

早苗「あの店とか有りそうじゃないですか?」

浄夜「そうだな、行くか」

 

そう言い、店の中に入る

 

浄夜「へぇ、結構あるな…」

 

じっくり見る

う~む、どれにしようか

すると突然、衝撃

人にぶつかってしまった

 

浄夜「あ、すまない…」

女の人「あぁ、すまない。宴会の準備をしていたものだから…」

浄夜「え?俺も宴会なんだが…」

女の人「え?妖怪の山の新しい神社の?」

浄夜「あぁ、そうだ。その神社の居候の樹条浄夜だ」

慧音「私は寺子屋の教師をしている上白沢慧音だ」

浄夜「そうか、慧音もツマミを?」

慧音「あぁ、そうだ」

浄夜「そうかそうか、ありがとう。感謝するよ」

慧音「いや、構わないさ」

浄夜「良かったら、一緒に買い物しないか?」

慧音「いいぞ」

浄夜「そうか、じゃあ…早苗!」

早苗「ん?なに?」

浄夜「この人も宴会に参加する人らしい」

早苗「そうなの!東風谷早苗です!宜しくお願いします!」

慧音「上白沢慧音だ、宜しく」

 

それから、色々と買い物をして帰ることとなった

その帰る途中…

 

浄夜「ん?なんか、騒がしいな。なんだ?」

住民「盗人だァ!!捕まえてくれ」

慧音「何だと?これは見逃してはおけん!!」

早苗「え、もしかして追いかけるんですか?」

慧音「当たり前だろう!」

浄夜「俺が行こう。一瞬で終わらせる」

慧音「なッ!?なに言ってるんだ!私任せておけ!」

浄夜「大丈夫だ。一瞬で終わる」

 

盗人がこっちに向かってきた

 

盗人「邪魔なやつだ!!」

 

そう言い、ナイフを出す

ふむ、幻想郷に人は誰もが能力を持っている訳じゃないのだろうか

 

浄夜「隠者の紫(ハーミットパープル)ッ!!」

 

浄夜は茨のような物を盗人の足に絡ませ、転ばせた

ついでに手首を固定

これで、ナイフを握れない

 

浄夜「な?一瞬で終わっただろ?」

慧音「これはすごいな。能力か?」

浄夜「あぁ、能力に関しては宴会の時に話すよ」

早苗「最近手に入れた能力なのにここまで巧みに操れるってスゴいね」

浄夜「まぁ、俺だからwww」

早苗「ウザいよ(ニッコリ)」

浄夜「ニッコリされながら言われたら傷つくんだけど…」

慧音「ウザいぞ(ニッコリ)」

浄夜「(´・ω・`)ショボン」

盗人「ウザいぞ(ニッコリ)」

全員「お前なんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「ただいま」

諏訪子「ウザいよ(ニッコリ)」

浄夜「何故知ってる!?」

早苗「ただいま戻りました!」

諏訪子「おかえり」

浄夜「泣くぞ」

神奈子「おお、結構買ってきたな」

浄夜「宴会まで1時間もある、会場を準備するか」

 

そう言い、準備に取りかかった




朝寝起きとかきついwww


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

宴会開始だZE☆

主人公のスタンドって実は、クラスメートとふざけあっている時に「俺のスタンドはあらゆるスタンドになれるからwww」って言ったときに「あ、この能力いいな」と思ったのが始まりです
でも、チート過ぎるので皆にスタンドは見えると言う設定にしました

それでは、どうぞ!!


皆「カンッッパーーーーーーーイッッ!!」

 

皆の乾杯の声で、宴会は始まった

 

金髪「おお、お前が霊夢と互角だった奴か!」

浄夜「ん?ああ、そうだが……樹条浄夜だ」

魔理沙「私は霧雨魔理沙だ!霊夢の親友さ!」

浄夜「あぁ、あの理不尽な言い掛かりを霊夢に付けられた……」

魔理沙「ん、言い掛かり?なんの話だ?」

浄夜「いいや、こっちの話だ」

魔理沙「そ、そうか」

浄夜「そんなことより飲もうぜ」

魔理沙「お!良いなお前!話が合いそうだ!」

 

魔理沙が浄夜に酒を酌もうとしたその時

 

早苗「ちょちょちょちょ!!なんで酒を飲んでんの!?」

浄夜「おう、早苗。お前も飲むか?」

早苗「お酒は二十歳から!!」

魔理沙「幻想郷は零歳からだぜ」

早苗「(;°д°)エェ…マジカ…」

 

そう言い、浄夜と魔理沙は酒を飲んだ

 

早苗「馴染むの早いよぉ」

 

この時、早苗が常識に囚われなさすぎなスーパーキ○ガイ巫女になるとは、まだ誰も知らない

 

金髪「あら魔理沙、すっかり意気投合したようね」

魔理沙「おう、アリス!!」

アリス「貴方が樹条浄夜ね。霊夢と互角だったみたいね」

浄夜「あぁ…あれだな、幻想郷の人達は皆綺麗だな」

アリス「え?え、あぁそう……その…ありがとう?」

魔理沙「お世辞でも嬉しいぜ!」

浄夜「ん?お世辞何て言ってないさ。と言うか、お世辞は嫌いさ」

魔理沙「そうか、照れるぜ……と言っても、お前も結構顔は整ってるけどな」

 

う~ん、お世辞が嫌いって言ったあとにお世辞を言う訳がないよな……

 

浄夜「素直に受け取っておくよ、ありがとう」

魔理沙「おう。そうだ、ちょっとお前の能力をみs「浄夜さーーーーーーん!!」ウオォオ!?」

 

射命丸が飛んできた

 

浄夜「文?今俺が気付かなかったら、骨折してた自信があるぞ」

 

ザ・ワールドの姿になっていた。射命丸はザ・ワールドになった浄夜に掴まれてた

 

魔理沙「うお!!それが能力か!?」

アリス「変身する程度の能力?」

浄夜「惜しいな」

射命丸「浄夜さん……痛いです……」

 

そう言われたので離してあげた

 

射命丸「掴むことないじゃないですか…痛いですよ」

浄夜「掴まなかったら俺が痛いんだよ」

魔理沙「文屋、お前浄夜と知り合いか?」

射命丸「まあね、浄夜さんにお姫様抱っこをされて『愛してる』と囁k「囁いてねぇよ」イテ!?チョップすることないじゃないですか!」

浄夜「チョップする必要性を感じたからチョップしたんだよ」

射命丸「うぅ、酷いです…」

 

などと、面白い話をしていると…

 

魔理沙「文屋は鬱陶しいだr………

浄夜「ん?どうした?」

 

動かない、まるで時が止まっているかのようだ

辺りを見渡す

すると…

 

メイド「ふう、これとこれはここね…」

浄夜「なぁ」

メイド「ひゃいッ!?」

浄夜「うお…あぁすまない、周りの奴等は何故止まっているんだ?」

メイド「なんで動いているのですか…」

浄夜「え?」

メイド「私が時を止めたんです」

浄夜「そうなのか、なるほど。俺は能力のおかげでここにいるからかな?」

 

そう言えば、ザ・ワールドになりっぱなしだった

 

浄夜「戻れ」

 

浄夜はもとの人間の姿に戻る

 

浄夜「おや?戻っても時が止まったまんまだ」

メイド「なんなんですか、貴方は……」

浄夜「俺は樹条浄夜だ」

メイド「貴方が!!霊夢と互角に戦ったと言う」

浄夜「まあ、最後らへん真剣勝負になってたが」

咲夜「スゴい……あ、私は十六夜咲夜と言います。紅魔館のメイド長をやっております」

浄夜「そうか…じゃあ、取り合えず後ろに隠しているナイフを仕舞おうか」

咲夜「……!!……流石」

 

霊夢の戦いで色んな気配に敏感になっていた

 

咲夜「私だけの時間に侵入されたもので、念のためのナイフを持っていました。無礼を働いたことを深くお詫び申しあげます」

浄夜「いや、いいさ。それより、その片付け手伝おうか?」

咲夜「そんな、迷惑をかけたくありません」

浄夜「そうか……勝手に手伝うね」

咲夜「えぇ!?」

 

浄夜は勝手に咲夜の手伝いをした

そんなことに戸惑いながらも、片付けをする咲夜であった




浄夜「お節介?知ってる知ってるwww次回も、お楽しみに~」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

宴会だけど張っちゃけすぎだ

風邪がぁ……
風邪がぁ……辛い……

それではどうぞ!


浄夜「どうしてこうなった」

魔理沙「知らぬ」

 

二人が…否、皆が見つめている先には……

 

早苗「み~なさ~ん!常識にィィッ囚われちゃァにゃらんのでしゅよぉ!!」

 

ベロベロに酔った早苗がいた

 

霊夢「あの子、あんなキャラだったけ…」

浄夜「ハハハ…初めてあんな姿見た」

魔理沙「まあ、楽しんでるのは明確だし、私らも楽しもうぜ!」

浄夜「そ、そうだな」

早苗「私もぉ入れてくりゃさいよぉ」

浄夜「ウオッ!?」

 

後ろから抱きついてきた

 

浄夜「おおおおおお、落ち着けぇ!!さ、早苗ぇえ!?」

魔理沙「お前が落ち着けよ」

アリス「浄夜さ……これどういう状況?(笑)」

霊夢「面白い状況」

アリス「見りゃ分かるわよ」

 

アリスがこっちを見ながら笑ってやがる

助けろ畜生め!!

 

魔理沙「浄夜が助けてほしそうにこちらを見ている。助けますか?」

アリス「いいえ」

浄夜「テメェら!!恨むからな!」

霊夢「私は恨まないでね☆」

浄夜「うわぁ!!やめろッ!!」

霊夢「無視かよ」

 

この状況をどうにかしなければッ!!

 

浄夜「うおおおおお!!『エコーズ』ッ!!」

 

浄夜はエコーズact1になり、早苗の頭に擬音を貼った。『キリリリリィィンン』という文字を

 

早苗「うぅッ!!う……」バタンッ

 

早苗はその場に倒れた

 

魔理沙「早苗!?」

浄夜「大丈夫、気絶しているだけだ。脳内に高音の音を鳴り響かせてね」

 

そう言い、元に戻った

 

魔理沙「お前の能力、一体なんなんだッ!?」

浄夜「そうだな、説明するために……ちょいお待ち、漫画を持ってくるから」

霊夢「マンガ?」

 

~少年説明中~

 

霊夢「つまり、その漫画と言う本に出てくる『スタンド』に貴方自身が化けることの出来るスタンドを貴方が持っていて、武器や装備するタイプのスタンドは貴方のスタンドが変身するのね?」

魔理沙「めんどくさいな」

浄夜「まあ、最強すぎるから、せめてものデメリットが普通の人にも見えるってのが弱点だなぁ」

魔理沙「あーでも、その『ジョジョの奇妙な冒険』って言う漫画。面白そうだな、ちょっと貸してくれよ」

霊夢「浄夜、止めときなさい。この子、借りるじゃなくて盗むから」

魔理沙「なにいってんだよ、私は死ぬまで借りるだけだぜ」

アリス「盗んでるじゃないの」

魔理沙「じゃあ死んでも借りる」

浄夜「どういう思考回路してんの?お前は…」

魔理沙「あぁ、もう。なんじゃいな、お前らは。五月に飛び回ってる蝿のようだ!」

霊夢「普通に五月蝿いって言った方がいいわよ」

魔理沙「ストレートに言ったら傷付くだろ」

霊夢「私達が蝿に例えられる方が、スゴく傷付くわよ」

魔理沙「なん…だとッ!?」

浄夜「いや、気付けよ」

 

物凄いボケをかましてくるなこやつら

 

早苗「うぅん…」

魔理沙「あれ、起きたのか。早いな」

浄夜「軽く気絶させただけだから、かな」

早苗「あれ…私、寝てたの?うぅ、なんか気持ち悪いわ…」

浄夜「早苗。宴会だからって、張っちゃけすぎだろ」

早苗「え?なんのこと?」

 

……………

 

魔理沙「お前が浄夜n「なんでも無いぞぉ!!気にするな」ちょw」

早苗「?」

 

そうして、時は過ぎ。無事宴会も終わった

ついでに、その宴会に出ていた人達みんなと知り合いになれた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常編 No.1
烏と狼


お久しぶりですますだ。
ども、薬売りです。

いやぁ、もうすぐ中三になっちゃうね。
時の流れは早いのう。
高校受験とか色々考えないとなぁ………

それではどうぞ!!


浄夜「取材か…別に構わんぞ」

犬「そうですか、文さんに伝えておきますね」

 

明日取材をする約束をされた。

取材か…だから文は常時カメラを持っているんだな。納得した。

新聞は天狗が書いてるなんて知らんかった。

 

浄夜「ところで犬さん」

椛「狼です!!あと、犬走椛です!!」

浄夜「犬走って、やっぱ犬じゃんか」

椛「なッ!?」

浄夜「まあ良いや。文はどうしたんだ?」

椛「あ、ああ…え~と…新聞つくりで忙しいんです」

椛「(文さんがデートの誘いが出来ないから私に頼んできたとは言えない…文さんのためにもこれは隠すべきことよ!)」

浄夜「椛」

椛「はい?なんです…かッ!?」

 

浄夜の顔が近い。

私のそばに近寄るなああーーーーーーーーー!!

顔がきっと赤いいいいーーーーー!!

あ、結構カッコいいな浄夜さんって……

 

浄夜「椛、君は嘘をつくと耳をピクピク動かす癖があるようだ」

椛「え!?嘘!?」

 

と言い、耳を隠す。

 

浄夜「ああ、嘘だ」

椛「ッ!!」

浄夜「だが、マヌケは見つかったようだな」

椛「え?」

浄夜「ただ言いたかっただけだ。別に本当にお前をマヌケと思った訳じゃない。気にするな」

椛「あ、そうですか。ちょっとビックリしました」

浄夜「で、明日にそっちに向かえばいいんだな」

椛「いえ、文さんがそっちへ向かうようです」

浄夜「そうか、分かった。それじゃあ、そろそろ帰るぜ。じゃあな」

椛「はい、さようなら」

浄夜「あ、そだ」

椛「どうしました?」

浄夜「耳を動かす癖は無いけど、嘘は普通に下手だぞ」

椛「エッ!?」

浄夜「じゃあな、ザ・ワールドッ!!」

 

浄夜は一瞬で消えた

あの人、謎過ぎる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~次の日~

 

射命丸「浄夜さーん!!私です!!」

 

そうすると、戸がガラガラっと開き

 

浄夜「やあ、おはよう、文」

射命丸「さあ、早速団子屋に向かいましょう!!」

浄夜「ああ、そうだな」

 

~少年少女移動中~

 

浄夜「ここか。ここの団子旨いよな」

射命丸「そうなんですよ。みたらしのあの甘さがたまらないんですよね」

 

そう言って、中に入っていった。

 

浄夜「さて、何を取材するんだ?あ、みたらし6つでお願いします」

射命丸「はい、じゃあ早速。今、一番仲が良いなと思う人物は?」

浄夜「早苗だな、元々幻想郷に居た人達だけと言われたらお前かな」

射命丸「やった」

浄夜「ん?何がだ?」

射命丸「あ、何でもないです。次の質問です。ええっと…その…今、気になっている子か居ますか?」

浄夜「あー、そうだな…」

 

椛の尻尾をもふりたいよな…これでいいか。

 

浄夜「椛かな」

射命丸「え!?」

浄夜「え?気にならないの?普通気になるでしょ。あの尻尾だぜ?」

射命丸「部下に負けた……」

浄夜「え?ああ、確かにお前尻尾無いもんな。まあ、仕方ない」

射命丸「しかも尻尾基準…」

浄夜「でもさ、あの尻尾もふりたいじゃん?」

射命丸「わ、わかりました。貴方が尻尾大好きッ子なのは。次、いきましょう」

浄夜「おう」

 

辛いな…部下に負けるって……

生まれてこの方初めて泣きそうになった。

 

射命丸「私のことどう思いますか?」

 

どうせダメだろう。

きっと「お前?烏のほかないじゃん」って答えるんだろうな…

 

浄夜「仲間兼友達」

射命丸「え?」

浄夜「え?って酷いな。友達だろ?お前を大切に思ってる」

射命丸「ッ!!」

浄夜「お前は俺の友達、知らなかったのか?」

射命丸「ふふ」

 

ああ、やっぱり

 

射命丸「知ってましたよ!!」

 

この人、好きだ

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

スキマから漂うBBA臭

お久しぶりでごじゃーます。
ども、薬売りです。

あぁ、春休みが終わっちまった。
ナンテコッタ・フーゴだぁ…うぅ…

まあ、気にせずやってきましょう(ヤケクソ)
それでは、どうぞ!


浄夜「あー暇だ。なんかすごい展開にならないかな」

 

この日、俺は特にすることが無かったので『人間っていいな』を歌っていたんだが、それも歌い終わってしまった。

 

浄夜「次は国歌を歌おうかな」

早苗「なんでよ。て言うかさっきからうるさいよ」

浄夜「良いじゃないか。今は国歌を歌いたい気分なんだ」

早苗「どんな気分よ」

 

早苗も暇すぎて少しイライラしているらしい。

 

浄夜「はぁ…何か面白いこと起きないかなー」

早苗「じゃあ神社行きましょう!!」

浄夜「ここ神社だよ」

早苗「博麗神社よ」

浄夜「まあ、暇だし行くか」

早苗「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらく歩き、博麗神社に着いた。

 

霊夢「何しに来やがった」

浄夜「出会って一言目がそれって酷くね」

霊夢「はあ、タイミング悪いわね。今から紫を呼ぶ所だったのに」

浄夜「紫?誰だ」

霊夢「え、前に宴会で居たじゃない」

浄夜「知らんな」

早苗「私も知りません」

 

紫か…誰だろうか?

紫っていったら、ふりかけしか思い出せん。

 

??「酷くないかしら?」

 

すると、いきなり声がした。

振り向くと、そこには上半身しかない…いや、空間からスキマができてそこから上半身だけが出ているのか。

 

浄夜「誰だ?」

早苗「誰です?」

霊夢「あ、こやつら本気で忘れとる」

紫「や、八雲紫よ!このスキマで思い出さない?」

 

上半身しかない状態で、スキマを指差す。

 

浄夜&早苗「うん?」

紫「じゃあ…この美しい金髪は!?」

浄夜&早苗「思い出せない」

霊夢「はぁ…胡散臭いBBAでは?」

浄夜&早苗「あ~!!思い出した」

紫「しばくわよ」

 

あ、うん。確かに胡散臭いBBAで自分のこと思い出されたら腹が立つよな。

だが、実際に思い出しちまったんだ。

 

紫「それはそうとして、さっき私を呼んでたわよね。何かしら?」

霊夢「いや、浄夜達が来たからまた今度にするわ」

紫「何よ~。恋バナ?」

霊夢「封印するわよ」

紫「サーセン」

 

賽銭入れたら許すわとか言ってるけど、全然入れる気配なし。

謝りながらこっちを見てるんだが…助けてーってことか?

 

浄夜「紫はさ、能力はなんなんだ?」

 

嬉しそうな顔をしながら、勢い良く振り向いた。

勢い良すぎて一回転。

 

紫「よくぞ聞いた!!全く、そんなに聞きたいなら聞かせてやらないことも「あ、やっぱいいわ。そういや、本読んで知ってたわ」お願い聞いて!!知ってても聞いて!!霊夢に謝りたくないの!!」

 

普通に言ってるよ。

霊夢は少しムッとした顔になった。

だが、今の紫の姿を見るのが楽しいのだろうか、言葉を飲んだ。

 

紫「こほん…よくぞ聞いたわ。私の能力は『境界を操る程度の能力』よ」

浄夜「だから、本で読んだっていってんじゃん」

紫「う、うるさいやい」

 

少し不機嫌そうに言った。

 

紫「ちなみに、私は幻想郷では超人的な頭脳を持っていると「立ち話もあれだし、中に入っていいわよ」話を聞いてよ!!」

浄夜「興味ない」

早苗「どうでもいいです」

霊夢「自分から超人的って言うのは、ちょっとねぇ」

紫「うう…涙が出てくるわ」

みんな「だからそれが胡散臭い」

 

息ぴったりでその言葉を放った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

天使と桐生さんとのコラボ企画ッ!!
もう一つの幻想郷から来たスタンド使い


コラボじゃぁぁぁぁぁぁッ!!
ども、薬売りです。

コラボだぜッ!!
天使と桐生さんとのコラボですよ!!
嬉しいッ!こんなに嬉しいことはないッ!

ああ、ワクワクして授業中も眠れませんでした!!
早速やっちゃいましょう!!
それではどうぞ!!


浄夜「あー暇じゃ。紫、ちょっと舌噛んで」

紫「なんで!?発想が怖い!!」

霊夢「確かにそれは良い案ね」

紫「ええ!?」

 

まあ、冗談はよしとして、暇だ。

元々暇を潰すためにこの博麗神社に来たのに、何にもないから面白くもなんともない。

 

浄夜「あー、じゃあ、いきなりスタンド使いが紫に襲いかかるなんて展開になんねぇかな」

紫「理不尽!?」

浄夜「なんか、見つけたぞ紫ぃぃぃぃぃぃぃ!!なんて言いながら」

霊夢「はは、あと数行でそんなことが起これば良いのにね」

 

全くだぜ。

次の次の行に来れば良いのに。

 

??「見つけたぞ紫ぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

え?

 

~謎の男~

 

??「あのスキマ野郎…。見つけた瞬間、顔面に『世界(ザ・ワールド)』を叩き込んでやる…!!」

 

「誰だ?」って聞きたそうな表情(かお)してんで自己紹介させてもらうがよ。

おれぁおせっかい焼きの雷風嵐!

スキマ野郎のイタズラによって、違う所に送られたんだ。

あのスキマBBA…許せぬ!!

怒り度数がヤバイもんで、あやつを捜してんだ。

ちなみに、スタンド使いさ!

学校帰りに幼児が横断歩道飛び出してたからそれを助けて、目ぇ覚めたらなんと幻想郷。そこには神様からのお手紙。

中をみれば、自分のミスで俺を死なせたらしい。

詫びとして、転生とスタンド能力を得られたんだ!!

 

嵐「…ん?いつの間にか博麗神社に来ていたようだな…、あれは……!!」

 

~現在~

 

浄夜「あれ?誰か紫の名前を叫びながら走ってくるぞ?」

早苗「本当だ、誰だろうあの子。ジョジョ知ってる?」

 

まさか、本当に現れるとは思わなかったよ。ビックリだね。

 

霊夢「紫、何かやったの?凄い形相で走ってくるけど…」

紫「知らないわよ‼」

嵐「『世界(ザ・ワールド)』‼死ねぇぇぇ紫ぃぃぃぃぃ‼」

浄夜「『世界』だと⁉スタンド使いだったのか‼」

 

スタンド使い!!まさかのそこまであってた!!なんか嬉しいよ!?

 

浄夜「『スタープラチナ』‼」

嵐「何⁉無駄ァァァァァ‼」

浄夜「オラァァァァァ‼」

 

『世界(ザ・ワールド)』…つえぇ…スタンドとの戦いは初めてだ…

 

浄夜「やれやれだぜ。早苗と霊夢とBBA…下がってろ」

早苗「ジョジョ、無茶しないでね…」

霊夢「分かったわ」

紫「どうして私だけ名前で呼ばないの⁉」

全員「「「「紫(BBA)は黙っとれぇぇ‼」」」」

紫「……グスン」

 

な、涙……(ジョナサン風)

まあ良いや。そんなことよりスタンドじゃ!!うれピーなぁ!!

まあ、カッコつけたいお年頃なんで、こんな言葉は心のなかにしまっておくぜ。

 

嵐「そこを退け、俺はあのスキマ野郎に天誅を与えなくてはならないんだ」ゴゴゴゴゴゴゴ

浄夜「断る。一応、あれでも紫は仲間なんでな…。さっきからだだ漏れの殺気を抑えて出直して来な」ドドドドドドドド

 

紫(な…なんて気迫‼この二人は本当に人間なの⁉)

 

嵐「ほほう、この俺に命令するとは面白い奴だ…。名前はなんだ?」

 

うお、台詞がDIOっぽい。かっけぇなこいつ。ならば、対抗心を抱いて、吉良吉影風にッ!

 

浄夜「他人に名前を聞く前に自分から名乗れって教わらなかったのか?」

嵐「悪かったな。俺は雷風嵐。喧嘩が強いだけのスタンド使いだよ」

 

喧嘩が強いだけじゃあそんな殺気は放てねぇよ…冷や汗をかいちまう

 

浄夜「俺は樹条浄夜。スタンド使いだ」

嵐「やはりお前もスタンド使いか…。スタンド使いは引かれあうというが…、お前のスタンド能力は恐らくだがあらゆるスタンドの能力と容姿をコピーしお前自身がコピーしたスタンドに変身できる能力…違うか?」

 

んなッ!?一発で当てやがった!

 

浄夜「こいつは驚いた。まさか、一回使っただけで見破られるとはな…」

嵐「さて、お話はここまでだ。どうしてもどかないと言うのなら…力づくで退かせる‼」

 

ふ、ふふ…スタンド対決、一回やってみたかったんだよなぁ…

夢が叶ったよ。

ああ、この緊張感。この殺気。全てが新鮮だッ!!こんな嬉しさ、人生で初めてだッ!!

 

浄夜「やってみろ‼この浄夜に対して‼」

嵐「『世界』‼無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァ‼」

浄夜「『スタープラチナ』‼オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァ‼」

嵐「無駄ァァァァァ‼」

 

こいつ!!腹にッ!?

 

浄夜「グハッ⁉」

早苗・霊夢・紫「ジョジョ(浄夜)‼」

 

これが、スタンド対決…楽しいじゃねぇか!!この心理を読む力。瞬発力。筋力。何もかもを使う…ああ、何て楽しんだ!!これが戦いか!!

 

浄夜「くそ…『スタープラチナ』‼オラァァァァァァ‼」

嵐「ウグゥ⁉」

 

入った!!奴に攻撃は効くんだ!!それだけでも嬉しい!!楽しい!!

 

嵐「まだまだ行くぞぉ‼無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァァァ!!」

浄夜「望むところだ‼オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァ‼」

霊夢「……ねぇ、あの2人楽しんでない?」

早苗「楽しんでますね」

紫「そっとしておきましょう」

霊夢「黙れBBA」

紫「霊夢が酷い…」グスッ

 

30分後

 

嵐「…休戦といこうぜ。もう、疲れた」

浄夜「奇遇だな。…俺もだよ」

 

30分間も頭や体、精神のビジョン、スタンドを使ったんだ。疲れて当たり前だな。

 

嵐「浄夜…だったけ?お前強いな…」

浄夜「嵐…だったよな?お前も強かったぜ?」

嵐「ありがとよ…。ほら、立てるか?」

浄夜「当たり前だろ?…よいしょっと」

霊夢「…いつからこれは、青春ドラマになったのよ」

 

あ、そういや…聞きたいことが…

 

浄夜「そういえばなんで嵐はいきなり紫に攻撃しようとしてきたんだ?」

嵐「それはだな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嵐「………ていうわけだ」

浄夜「そりゃ、殴られても仕方ねぇよ」

嵐「だろ?」

紫「待って、私はあなたの知る紫じゃないわ」

 

え?その言い方じゃあ紫は何人もいることに…え、こわ。

紫製造機でも開発されたのか?

 

嵐「何…だとッ⁉」

霊夢「紫、どういうこと?」

 

…スキマBBA説明中…

 

浄夜「もう一つの幻想郷…ねぇ」

嵐「ジョジョでいう平行世界か?」

 

大統領か何かかな?

 

紫「ちょっと違うけど…まぁ、そんな感じね。ところで嵐くん…だっけ?これからどうするの?」

嵐「嵐でいいよ。そうだなぁ〜、野宿でもするか」

浄夜「良かったら守矢神社に来るか?男友達欲しかったんだよ」

 

そう、最近女としか会っていないのだ。

幻想郷に来てばかりのときは、「あ、これハーレムじゃね」なーんてアホなこと考えてたんだけど、やはり男友達は必要だ。男ならではの話とか出来んからな。

 

嵐「メルシーボークー(どうもありがとう)、助かったよ浄夜」

浄夜「よし、決まりだな。早苗…いいか?」

早苗「分かった」

 

嵐(やっぱり幻想郷はどの幻想郷でも、優しい人が多いんだなぁ)

 

浄夜(スタンドの話しとかしてぇなぁ)

 

早苗(なんか、今回ジョジョネタ多かったなぁ)




ファァァァァァァァァ!!
コラボだぜッ!!(二回目)

いやぁ、嬉しいなぁ。
コラボって嬉しいなぁ…

コラボは初めだから嬉しいったらありゃしない。
それでは次回もお楽しみに~。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仲間の印に祝そうか

コラボ中で機嫌が良い。
ども、薬売りです。

コラボ中で機嫌は、自分の中ではいいなと思ってたんですが、元々目付きが悪いため怒ってるように見られます。
なんか、真顔だと不機嫌なのかな?なーんて思われちゃうんですよ。
まぁ、んなこたぁどうでも良いんだよ。

それではどうぞ!


浄夜「嵐の仲間入りを祝して!!」

みんな「「「「「カンパーーーーーイッ!!」」」」」

 

宴会をすることになったぜ!!

まぁ、前に宴会をしたばかりだったので早苗に「食材がないよ!!」なんて言われたんだが、『ハーヴェスト』になって幻想郷中のお金を集めて酒やら何やらを買ったんだ。

あ、会場は守矢神社だ。

 

嵐「俺のために宴会を開いてくれてありがとな」

浄夜「いや、どうってことなんだよ」

嵐「ディ・モールト・グラッツェ(どうもありがとう)」

霊夢「前から思ってたんだけど、その『でもーるとぐらっつ』っとか『めるしーぼーく』ってのはいったいなんなの?」

嵐「あれ、霊夢は日本語以外分からない感じ?」

霊夢「いや、英語は軽く知ってるんだけど、それは英語じゃないわよね?」

嵐「うん、そうだy…あ、Exactly(その通りです)」

浄夜「忘れたんならそのままで良かったろう…」

 

な…何故そこまでして『Exactly』を言いたかったんだ!!(シリアス風)

 

嵐「えっとだな、『ディ・モールト・グラッツェ』はイタリア語でどうもありがとうって意味で、『メルシーボーク』はフランス語で本当にありがとうって意味なのさ」

霊夢「外の世界ってどのぐらい言葉の種類があるの」

浄夜「分からぬ。嵐、知ってるか?」

嵐「確かn「浄夜さぁぁぁんッ!!」

浄夜「来たよ…『世界(ザ・ワールド)』」

 

ザ・ワールドになり、飛んでくる()()()を片手で鷲掴みした。

 

文「じょ、浄夜さん…痛いです…。なんかメリメリいってます…」

浄夜「気のせい」

嵐「いや、絶対痛いよ」

文「あ、あやややや…なんで毎回毎回掴まれるんでしょう?」

嵐「いや、自覚は持てよ」

霊夢「当たり前でしょ。お酒が溢れたらどうするのよ」

嵐「いや、心配そこ!?」

 

華麗な突っ込みやな!!

まぁ、文は毎回弓矢の如くに飛び込んでくるから、当たったら即死だな。

救急車に轢かれるみたいになっちまう。

 

嵐「あ、そういや俺さ、元の世界の方のこいつと仲が良いんだ。情報網がすんばらしいんだが、こっちの文もそうか?」

浄夜「うむ、すんばらしいと思うZE☆」

嵐「何故魔理沙風。でも、やっぱそうか。世界は違えど、幻想郷の住民は変わらないか」

浄夜「そうだな。そう言えばさ、あれどうする」

嵐「ああ、やっぱ?あれはDIOのあれで」

浄夜「OK」

 

そう言うと、二人は立ち上がり、ある方向を見て…一言。

 

浄夜&嵐「きさま!みているなッ!」

霊夢「……は?」

 

会場の皆、全員一様が「?」になった。

二人が指差してる向こうにはッ!!

 

??「あ、あや?なんか注目されてる?」

 

なんとッ!!

 

浄夜「は!?」

嵐「見つけた奴がビックリしてどうすんだよ」

霊夢「いや、だってあれは、驚かざるを得ないわよ!」

文「あ、あやややや…えぇぇぇ…」

 

なんとッ!!

 

文2「どうも!清く正しい射命丸です!」

 

射命丸文が居たのだッ!

 

みんな「「「「「エエエエエエエエ!?」」」」」

 

皆が驚いた。当たり前だ。

何故なら、文が二人居るのだから。

 

文2「嵐さん、付いてきちゃいました」

嵐「違うだろ、送り込まれたんだろ?」

文2「あやややや、にしてもこの人が浄夜さんですか…強いんですか?」

文「勿論!!」

嵐「何故お前が答える。まあだけど、強いな」

文「私に勝ったんですから、浄夜さんは」

嵐「あ、そうなのか」

浄夜「ソーナンス」

 

あまりにビックリしてポケモンの名前を言ってしまった。

どんなビックリのしかただよって思ったが、何故かそれが話にあっていた。

未だ霊夢や他のみんなもビックリしてる。

何故、『射命丸2号』は兎も角、あの二人はビックリしないんだろう。

あれ?どっちが『射命丸1号』だっけ?双子が産まれた親の気持ちが分かった気がした。

 

嵐「へぇ、どうやって勝ったん?」

文「銃が浄夜さんの手元にいきなり出てきて、その弾丸は避けたんですけど何故かその弾丸が帰ってきたんですよ」

嵐「な~る~ほ~ど~。そう言うことか」

文「なにか知ってるんですか?」

嵐「弾丸だってスタンドなんだぜーッ」

文「なるほどわからん」

浄夜「だろうな」

 

やっと落ち着いてきた。

ビックリするよ。

 

浄夜「文ちゃん2号」

文2「なんですか、その呼び方」

浄夜「文は紫に送られたのか」

文2「ええそうです」

嵐「本当、スキマに入れられた時は『何をするだァーッ!ゆるさん!』と思ったが文もか?」

文2「私は紫さんに「嵐に会いたい?」って聞かれたんで即答したらスキマ送りにされました。そして、スキマから出てきて「樹条浄夜と嵐の様子を写真で撮って」と言われたんで取り合えず嵐さんのあとを追っかけてました」

 

ふむ、あっちの紫の目的は俺と嵐を会わせることだったのか…一体何故?

 

嵐「俺に会いたいってことは、何か俺に用事か?」

文2「い、いえ、ただ会いたいなぁと思いまして…あ、あやややや…」

 

あーなるほど…

妬ましいね。よっ女たらし!!

 

文「取り合えず呑みましょう!!今日は嵐さんの為の宴会なんですから!」

浄夜「そうだな。オーイみんな、何時までビックリしてんだ?宴会の続きしようぜ」

霊夢「ま、まあ、取り合えずそうね。呑みましょう。」

 

少しビックリしたが宴会を再開することにした。

まさか、あっちの世界の文までもが来るとは思わなかった。

大統領仕事しろよってちょっと思った。




なんか、嵐のこれじゃない感がスゴいですね。すみません。
まぁ、なにもともあれ、コラボ二話目終わりました!!

文乱入の話は天使と桐生さんと話し合って出した結果です。
天使と桐生さんの発想力には驚かされますね。

それでは次回も、お楽しみに~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

嵐&浄夜VS鬼の勇儀と鬼の萃香

コラボ楽しいなぁ!!
ども、薬売りです。

鬼と戦わせます。
いやあ、心がピョンピョンするんじゃ~

それではどうぞ!!


勇儀「さぁ、来い!!」

萃香「鬼の力を味わうがいい!!」

嵐、浄夜「…………かかって来いやァァァ!!」

 

やあ、俺だよ。なんか、鬼と戦うことになってしまったよ。

何故だろう…確か……

 

〜1時間前〜

 

嵐「ほらよ、浄夜」トクトク

浄夜「サンキュー、嵐」グビグビ

 

この酒、結構おいしいなぁ…

一瞬で呑んじまったぜ!

 

嵐「……お前、よくそんなに酒飲めるな…」チビチビ

浄夜「お前こそ、何でそんなチビチビ飲んでるんだ?」

嵐「お酒は苦手なんだよ…」

??「 飲んでるかぁ〜〜!!」

嵐・浄夜「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」」

 

酒臭ぇ!?あ、俺もか。

しかし、いくら幻想郷でも子供に酒を呑ませるのは…あれ、角が生えてる?

 

嵐「な…なんだチミは!?」

浄夜「おい嵐、驚き過ぎて口調が志◯けんみたいになってるぞ?」

 

まさか、嵐がそのフレーズを言うとは…

嵐…恐ろしい子!!

 

萃香「なんか急に嵐のことを殴りたくなったけど…まぁ、いいや」

 

何故?いきなり?(詳しくは天使と桐生さんの小説を!!)

 

萃香「…早速で悪いけど……私達と戦ってくれないかい?」

みんな「「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」

 

え、嫌だよ。酒を呑みたいもん。

 

霊夢「萃香何言ってるのよ!?浄夜と嵐は特殊な能力を持ってるけど人間なのよ!?そんなn「いいぜ?」嵐!?正気!?」

浄夜「えっ?ちょっと待って?俺、酒が…「よしっ!!決まりだね!!」おい聞けよ!!勝手に話を進めるな!!」

文2「嵐さん!?萃香さんは鬼ですよ!?正気ですか!?」

 

流れがやる感じになってるじゃねぇか!!

 

嵐「大丈夫だ…、問題ない。……それに、売られた喧嘩は買う。それだけだ」

勇儀「おっ?面白そうな話をしているねぇ!!私も混ぜてよ!!」

 

〜現在〜

 

アイツのせいじゃねぇか!!

恨むぞ…、しかも戦いながらボーとしてるし!

 

浄夜「おい嵐!!いつまでボーとしているんだ!!…来るぞ!!」

嵐「悪い!!じゃあ、俺は勇儀とやる!!浄夜は萃香を頼む!!」

浄夜「分かった!!こっちは任せろ!!」

嵐「ベネ(良し)。そう言ってもらえると思ってたぜ」

 

さあて、このロ○ータ鬼娘をどいしようか。

 

浄夜「『スタープラチナ』!!」

嵐「『世界(ザ・ワールド)』!!」

萃香「それがあんた達の力か!!その力…見せてもらうよ!!」

 

ふむ、嵐は勇儀との間をしっかり取っている。

 

勇儀「来ないならこっちから行くよ!!」

嵐「なっ!?」

 

速いッ!!それはまるで韋駄天の如く、速かったッ!!

 

嵐「『世界』!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

勇儀「おりゃあああああああああ!!」

嵐「ぐぅぅぅぅ!?」

勇儀「ぬぅぅぅぅ!?」

 

『世界』と互角ッ!?

 

浄夜「馬鹿な!?嵐の『世界』とパワーもスピードも互角だと!?」

萃香「余所見している場合かい?くらえぇぇぇ!!」

霊夢「とてつもない数の弾幕が浄夜の上から降ってくる!!浄夜が危ない!!」

早苗「浄夜逃げてぇぇぇ!!」

 

あぁ、良い。良いぞッ!!

戦いはこうでなくては面白くない…

さっきは酒が呑めなくて腹が立ったが、今は楽しい!

 

嵐「浄夜…危なァーーーい!!上から無数の弾幕が襲ってくるッ!!」

 

なんか、スピードワゴンが言いそうな言葉だな。

 

浄夜「手加減はしねぇ!!『スタープラチナ』!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァ!!」

霊夢「萃香の無数の弾幕を弾き飛ばすパワーとスピード…そして、精密さ!!さすがだわ!!」

早苗「……あっ!!でも、まだ弾幕が!!」

浄夜「チッ!『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!」

 

ドォォーーーンz

 

嵐「どうする浄夜。こいつぁ、思ってたより厄介な状況だぜ?」

浄夜「確かにな。だが、俺らに勝機がないというわけではない。取り敢えず、今のうちにラッシュを叩き込むぞ」

 

とりあえず、今はラッシュを叩き込むのが一番だな。

 

嵐「だな。無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

浄夜「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァ!!」

浄夜「そろそろ限界だな。…時は動き出す」

 

静止していた時は再び動いていた。

 

勇儀「はっ!!…ぐおおおおおおお!?」

萃香「ん?…おわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

勇儀と萃香が後方へと飛んでゆく。

 

嵐「ちったぁ、効いただろ」

萃香「だぁぁぁ!!もう怒ったぞ!!私の最強のスペルカードを喰らえ!!『百万鬼夜行』!!」

浄夜「な…なんだこれは!?」

 

弾幕の動きはなんだ?

これはもしかして…

 

霊夢(『百万鬼夜行』、萃香の最強のスペルカード…。自身の周りから複数の弾幕を撃ち出すが、その弾幕はまるで生きた妖怪のように自由自在な軌道を描き相手を襲う!!あんなのあの二人が喰らったら無事では済まない!!)

 

嵐「……浄夜。今、俺が考えていること…分かるか?」

浄夜「勿論だ。……てゆうか、それしか方法はないからな」

文「ま…まさか!!萃香さんの弾幕を防ぐ術が!?」

文2「嵐さん達は一体何を!?」

嵐「俺たちが今から取る方法…」

浄夜「それは……」

嵐・浄夜「「逃げるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」

みんな「「「「……えぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」

 

俺は右に、嵐は左に逃げた。

おーおーみんな驚いてるな。

 

霊夢「…あっ!!嵐と浄夜の考えてることが分かった気がするわ!!」

早苗「えっ!?本当ですか霊夢さん!!」

霊夢「ええ、恐らくだけど…。あの二人は萃香の『百万鬼夜行』自動追尾型の弾幕だと気付いてそれを逆に利用しようとしているのよ!!」

 

正解。よくわかったな。

 

文2「嵐さんと浄夜さんが進路を変えて二人向き合うように走り出した!!」

早苗「そうか!!あの二人は自分たちを追いかけてくる弾幕同士をぶつけて相殺させる…それが狙いだったのね!!」

 

Yes Yes Yes。解説ありがとう。

みんなも頭がいいね。先生は花丸をあげたいよ。

 

勇儀「な…なんてこった………萃香の『百万鬼夜行』が消滅しちまった…」

萃香「どうしよう…このままじゃ!!」

勇儀「こうなったら私も弾幕を……!!」

嵐・浄夜「「遅ぇぇ!!」」

 

そう、遅いのだ。

 

嵐「射程距離内に……」

浄夜「……入ったぜ!!」

 

決まったぜ!!

 

嵐「『世界』!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

浄夜「『スタープラチナ』!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァ!!」

勇儀「ぐわァァァァァァァァ!!」

萃香「うわァァァァァァァァ!!」

 

煙が立ち込める中に二人、そこに立っていた。

 

霊夢「か…勝った!!鬼2人に嵐と浄夜が勝ったわ!!」

 

やっと終わったか…。フーー全く…

 

嵐・浄夜「「…やれやれだぜ。」」




にしても、もうコラボ三話目か…
早いな…

次回もお楽しみに~。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

説教って展開になると思ったのか?……マヌケがァァァァァァ!!

誠に申し訳ありませんでした。
コラボ中にも関わらず、このような長い間を空けてしまって。
深くお詫び申し上げます。

訳を話せば、この一週間は忙しかったからです。とは言え、私情を挟み人様に迷惑を掛けたことは反省しています。

それでは、どうぞ。


嵐「悪かった浄夜‼反省しているから『スタープラチナ』を引っ込ませてくれ‼」

浄夜「ダメだね。お前の所為で俺も鬼との戦いに巻き込まれたんだ‼気持ちよく酒を飲んでいたのに‼」

 

『スタープラチナ』でぶったいてやる!!

 

嵐「でも、お前楽しそうに戦っていたじゃねえか‼」

浄夜「うぐっ……」

 

俺の表情を見る暇あったのかよ…ああもう!!

 

浄夜「うるさい‼お前が全部悪いんだ‼」

嵐「遂に明確な理由も無くなって俺に責任を全て押し付けやがったこいつ‼」

浄夜「とにかくお前が悪いんだ‼『スタープラチナ』‼」

嵐「理不尽だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

…浄夜、嵐を折檻中…

 

嵐「……酷い目にあったぜ」

 

時を止めて『スタープラチナ』でのオラオララッシュを百万発ぐらいを喰らわせた…咲夜が「おぉ」って感じに興味を示していた。だが…

 

浄夜「…悪い、やり過ぎた…」

嵐「気にするな、勝手に勝負を受けた俺の方が悪いんだからさ」

 

すると、

 

?「……あなたが雷風嵐ですか?」

 

と、声が聞こえた。「誰だ?」と、その声がした方向を向いた。

 

嵐「ん?そうだけど……あんた誰?」

 

するとそこには幼女がいた。シャクを持っていて可笑しな帽子を被った緑色の髪をした女の子だ。

 

映姫「私は四季映姫・ヤマザナドゥと申します。今回はあなたに話があって来ました」

 

なぁ~んか、また変な奴が入ってきやがった。酒が呑めねぇじゃあねえか。

 

嵐「小町の上司の閻魔様か?」

 

なんと、嵐は知っていたらしい。

 

浄夜「知ってるのか?」

嵐「あぁ、俺の世界では俺は小町っていう死神と仲が良くてな、そいつがよくこの人に向けての愚痴を言ってるんだよ。」

 

死神と仲がいいって…デスノート?

 

浄夜「そうなのか。で?その閻魔様が嵐に何の用だ?」

映姫「雷風嵐。…私はあなたに話があります」

嵐「俺は無い。だから、子供は直ぐに家に帰って寝た方がいいぜ?」

 

なんじゃ、いきなり煽りか。んなことより酒じゃ酒。

 

映姫「……ほぉ、私を子供扱いですか?」

紫「……嵐、今すぐ謝りなさい。後悔するわよ…。」

 

紫がマジな顔になる。ふむ、意外と強いとかか?ほほう、後で手合わせ願いたい。

 

嵐「俺は今まで後悔したことが無いんでね…。実際、見た目が子供なんだから子供扱いしてもよくね?」

映姫「面白い人間ですね貴方は…私を怖がらないとは……」

 

怖がらない?

 

浄夜「怖いか?あの子」

早苗「いや、別に…」

 

だよなぁ。さあて、酒の準備でもするか。

 

嵐「なんであんたを恐れる必要がある?少女相手に怖がってるようじゃ男に生まれた意味がねぇだろ」

映姫「成る程。…本当に面白い人間ですね。」

嵐「そりゃどうも。さて、じゃあ飲み直すか」

霊夢「いや、なんでそうなるの⁉」

嵐「なんでって何が?」

霊夢「いや、ここは嵐が説教を受けるって展開じゃないの⁉」

早苗「そうですよ!浄夜も何か言って……」

 

PON!

紅魔館からの土産のシャンパンを開ける。

 

嵐「浄夜はもう、飲む気満々だぞ?」

浄夜「よっしゃあぁぁぁぁ‼宴会再開じゃあァァァァァ‼」

霊夢・早苗「「浄夜ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉」」

みんな「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」」」」

 

話がながぁぁぁぁぁぁい!!

 

霊夢「……こうなったら私もヤケ飲みよぉぉぉぉぉ‼」ガボガボ

早苗「私も!うぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」ガボガボ

嵐「やれやれ。全くうるさい奴らだな」

 

せやな。霊夢や早苗は特にやな。

 

映姫「全くですね。どうです?2人で飲みませんか?」

嵐「少ししか飲めないけどいいか?」

映姫「勿論です。」

嵐「んじゃ、飲むか。」

 

え?何さ。アイツ幼女と呑むのか。え、ロリコン?

 

映姫「ちなみに私は貴方より年上ですよ?」

嵐「知ってた。…でも、その見た目でそれは信じられない」

 

ゴメン、知らんかった(笑)

でも、死神の上司って言うもんだから歳上か…。

あれ、でもそれじゃ咲夜は普通メイド長じゃないんじゃ……そっとしておこう。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

捕まってたまるか

データが消えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ども、薬売りです。

久しぶりですね。
今日もやっていきまっす。

それでは、どうぞ。


嵐「おい浄夜、ここなんか寒くないか?」

浄夜「ああ、冷蔵庫に居るみたいだ…この寒さは異常すぎる」

 

やあ、俺だ。浄夜だ。

今日は散歩程度に魔法の森の出口の湖ら辺まで来ている。

だが、以上に寒い。

 

嵐「こいつぁ面白いことになりそうだ」

浄夜「面白いこと?」

嵐「あれを見てみろ」

 

嵐が指差した先にはなんとッ!凍った湖があったッ!

 

浄夜「湖が凍っているッ!?まさか…水が凍る0℃を越えたってのかッ!?」

嵐「いや、体感的にそこまで寒くはない。きっと、()()()湖を凍らせたんだ…そうに違いない」

浄夜「確かに…面白くなってきたぜ!きっと隠れているな、本人は」

 

冷気を操るか…物を凍らせるか…色んな能力の可能性がある。

どれにせよ、強い。

 

嵐「森に隠れてるか?」

浄夜「空に隠れてるか?」

二人「「イヤ…ここだッ!!」」

 

二人は『スタープラチナ』で湖を割った。

するとそこから…

 

少女「ぷはっ、バカな…私の完璧な隠れ身の術が…」

浄夜「子供ォ!?」

嵐「嘘だろォ!?」

 

少女が湖から現れたのだ。

 

チルノ「子供じゃない!チルノだ!…あれ、大ちゃんは?」

浄夜「大ちゃん?君の友達か?」

チルノ「うん!!親友、大親友~~!!」

嵐「な、なあ…この湖の凍りはチルノがやったのか?」

チルノ「うん!すごいしょ」

浄夜「ああ、スゲェよ」

嵐「グレートだぜ…」

 

この広範囲の湖を凍らせるのか…強いな…

 

少女「チルノちゃん!!なんでこんな所にいるの!?鬼ごっこ会場から3km離れてるよ!?」

チルノ「あ、大ちゃん。どこいってたの?捜したよ…全く」

少女「ええ!?……あれ、あなた達は?」

浄夜「浄夜って名前だ宜しく」

嵐「嵐…名乗らせていたd「君は大ちゃんかな?」オイコラ浄夜」

大妖精「え、あ、はい。大妖精です。宜しくお願いs「次、アタイ鬼ね」ちょっ」

チルノ「浄夜、嵐、大ちゃん早く逃げて」

大ちゃん「チルノちゃん、嵐さん達を巻き込んだら…」

嵐「よかろう…(ディオ風)」

浄夜「いいだろう(ワムウ風)」

大ちゃん「ええ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嵐「浄夜…石だ。石を投げろ」

浄夜「意思をッ!?」

嵐「石だよ!意思じゃねえよ!チルノがあそこにいるだろ。その向こう側に投げるんだ」

浄夜「医師を?」

嵐「医師じゃねぇよ!!!!!」

チルノ「見つけた」

浄夜「やべ、見つかった。逃げないと」

 

浄夜はふと、チルノの足元を見た。それに恐怖した。

地面が…凍っている。チルノの足跡が氷として残っている。

今、鬼ごっこでの基本『タッチ』をされたら、どうなるか…

 

体が凍る。

良くて凍傷、悪くて凍死。

 

浄夜「嵐…チルノの、足を見ろ…」

嵐「足…?……ッ!!」

浄夜「逃げるぞ!!」

嵐「ああ!!」

チルノ「させるか!!」

 

なんとッ!氷の弾幕を放ってきたのだッ!

 

嵐「おいおいおいおいおい!マジかよ!」

浄夜「危なッ!!」

嵐「あんな氷の弾幕どっから出してんだよ!?」

浄夜「マジなんなんだよ!?どうしたらあんな氷の弾幕が…待てよ…」

嵐「浄夜…?」

浄夜「そうか、分かったぞ。嵐、余り水蒸気のない場所を知らないか?」

嵐「なるほど…そう言うことか!!人里の入り口から南に1km離れた所じゃないか?」

 

遠いが、これがベスト。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チルノ「さあ、追い詰めたわよ」

浄夜「……」

嵐「……」

 

浄夜と嵐は、足元と氷の弾幕に集中してる。

 

チルノ「おりゃ!!」

 

氷の弾幕!!

嵐と浄夜はすべて避けている。

避け続けている。

チルノの足元が凍らなくなってきた!!いや、もう凍ってない!!

今だ!!

 

チルノ「タッチ!!」

浄夜「あ、あゴホッゴホッ!!そうだな…」

嵐「ゴホッ俺達そろそろ帰らないとゴホッ行けねえからじゃあな…」

チルノ「そうか!!じゃーねー」

 

すぐにその場を去った。

 

嵐「水…」

 

そして直ぐ様、水を飲んだ。

 

浄夜「はあ、喉が痛かった…」

嵐「だが、良い案だ」

 

説明しよう!!

まず、氷の弾幕はどこから創ってくるか。

それは、空気中の水蒸気から作っているのだッ!

そして、そこを利用した!!

出来るだけ水蒸気の少ない所を選び、更にチルノによって水蒸気を使わせたのだッ!

 

浄夜「だが、体内中の水分を忘れてた。『マジシャンズレッド』」

 

少し凍った部分を溶かした。嵐のも。

 

嵐「まあ、今のグレートなアイデアをしないよりかはマシだったな」

浄夜「ああ、喉がカラカラになったけどな」

嵐「そうだな」

浄夜「…帰るか」

嵐「そうだな」

 

もうちょっと水をの見たかった浄夜であった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雨天異変

雨の日の部活は嫌いだぜ…
ども、薬売りです。

コラボももうすぐ終わってしまいます…
悲しいな…
今回で終わりじゃあ無いけどね。
それでは、どうぞ。



人里の深夜…

雨が降り、人里も静か…そんな中…

 

かしゃ…かしゃ…

 

慧音「ん?なんの音だ?」

 

慧音は外を見る。

そこには…

 

??「ハァー……ハァー……」

慧音「あれはッ!?」

 

―――――――次の日――――――――

 

嵐「なぁ、浄夜」

浄夜「何だ?」

嵐「最近、晴れと雨が交互に降ってねぇか?」

浄夜「そうだな…」

嵐「今日は晴れ。昨日は雨。一昨日は晴れ。その前は雨…晴れ、雨、晴れ、雨、晴れ、雨…」

浄夜「異変だな…」

 

本当に、めんどうだぜ。

諏訪子は嬉しいかもしれないが、俺らにとっちゃあスゲー嫌だ。

 

早苗「どうしたの?」

浄夜「ん?ああ、早苗か。この天気、異変だよな」

早苗「う~ん、そうね」

浄夜「ちょっと、人里行ってくるわ。異変解決のためにな」

嵐「んじゃあ、俺もいくぜ」

早苗「行ってらっしゃい。私は家事とかあるし」

二人「「行ってきます」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男「最近、雨と晴れが交互になること、多くねえか?」

ざわざわ

女「また異変?最近多くないかい?」

ざわざわ

男2「変な異変だな」

 

嵐「里の人達も混乱しているようだな」

浄夜「まあ、当たり前だな」

 

予想通り、皆混乱している。

 

??「浄夜!!それと…嵐!!」

浄夜「ん?あ、慧音」

慧音「丁度良い、この異変について少し協力したい」

嵐「お、おう。そうか」

慧音「ちょっと、私の家まで来てくれ。こっちだ」

浄夜「…分かった」

 

そう言うと、慧音は回れ右で自分の家の方へと向かった。

 

嵐「…」

浄夜「ん?どうした、そんな顔して」

嵐「俺、結構こっちの世界に居るだろ。絶対俺の世界の慧音、俺が居なくて心配と怒りで無茶苦茶になってるよなってさ…」

浄夜「あーうん、ドンマイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慧音「うむ、すまないな。急に」

浄夜「いや、異変の協力はありがたいよ」

慧音「そうか、ありがとう。さて、本題なんだが…昨日、いや、一昨日もあった話なんだが、夜に私が子供達のテストの丸つけをしていたとき、外から『かしゃ』って音が聞こえたんだ」

 

『かしゃ』って言う音…

何なのだろうか。

 

嵐「その音の正体は分かるか?」

慧音「うむ、私も外に出てみて、何かいたのは確認した。だが暗くて何も見えなかった。音はまるで『骨と骨がぶつかり合っている』感じだったよ」

嵐「骨と…骨が?」

浄夜「それは、昨日も一昨日も夜に起きた事なのか?」

慧音「あぁ、不気味だったよ」

嵐「なら、今日も夜に来るかもな」

 

う~むむ…これはこれは…不気味な異変だな。

取り合えず、夜まで待つか。

 

浄夜「なあ、夜になるまでここに居て良いか?」

慧音「え…ああ、良いぞ。私のこと襲うなよ」

浄夜「え…」

嵐「え…」

慧音「え…?」

 

・・・・・・・・・

 

慧音「な、なんだ。その薄い反応は…」

二人「「慧音もジョークは言うんだな…」」

慧音「わ、私だって、冗談の一つや二つ言うよ…」

浄夜「いやあ、意外だなぁと…なあ?」

嵐「ああ、キャラじゃないよな」

慧音「……もう私、一生冗談言わない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――夜――――――

 

浄夜「慧音、霊夢達にも今回の異変について、話したか?」

慧音「ああ、話したぞ」

嵐「冗談じゃないよな?」

慧音「何だって?」

嵐「……いや、ゴメン」

 

かしゃ…かしゃ…

 

嵐「ッ!!この音は…」

浄夜「そうだな…」

慧音「見ろ!!あれだ!!」

 

そこには…

 

「ハァー……ハァー……」

 

巨大な骸骨が居たッ!!

 

慧音「あれは…ガシャドクロか?」

嵐「ガシャドクロって、妖怪の?」

浄夜「アイツが犯人か?まあ、取り合えずぶっ潰せばいいだろ」

慧音「いやちょっと待て」

嵐「いや、それがいいだろ。今の所アイツが一番怪しいしな」

 

二人は目を合わせ、またガシャドクロに視線を向け…そして…

 

嵐「『世界(ザ・ワールド)』ッ!!」

浄夜「『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!」

慧音「待て!落ち着け!!慎重に…」

 

嵐と浄夜は飛び出したッ!!

そして、ラッシュを叩き込むッ!!

 

嵐「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!」

浄夜「オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」

嵐「無駄ァ!!」

浄夜「オラァ!!」

 

シュー……殴ったとこから摩擦で煙が出た。

だがしかしッ!!

 

ドクロ「ハァー……ハァー……」

浄夜「ウソ…だろッ!?」

嵐「全く効かねぇ!?」

ドクロ「ハァーーーーーァアアアアアアッ!!」

 

ガシャドクロは嵐を酒がはいっている樽が積んである、酒屋に飛ばされたッ!!

 

浄夜「嵐ッ!!」

慧音「浄夜ッ!!危ないッ!!」

浄夜「ッ!!」

ドクロ「ラアアッガアアアジャァァァアッ!!」

 

『死』!!浄夜にその文字しか浮かばなかった!

時を止めるとか、時を飛ばすなんてことは考えられなかった!!

 

だが…攻撃は来なかった……

 

嵐「…おい、骸骨。こっちだよッ!!」

 

嵐はそこにあった酒の入った樽を投げていたッ!!

 

嵐「ああ、でも近付かねぇ方が良いなぁ」

ドクロ「ハァー……ハァー……」

嵐「あれ?近付くの?忠告したのに。お前負けるよ?」

ドクロ「ハァー……ハァー……」

嵐「足元注意だぜ。ああでも、注意する目は骨にゃあねえか。その『擬音の文字』が見えねえのか!?」

 

ガシャドクロの足にはッ!!

『ドジュウ』の文字があったッ!!

 

嵐「そして、さっきの酒によって、テメーは燃えるのさッ!!骨とはっても妖怪!!生きてるんだ!苦しくない筈がないッ!!」

ドクロ「ガアアアアアアッ!!」

 

ガシャドクロは苦しみの叫びを上げた!

 

浄夜「すげぇ!!考えたな嵐!!」

慧音「待て!様子が変だ…」

 

ガシャドクロは息を思う存分に吸ったッ!!

それは浄夜達も引っ張られるような勢い!

 

そしてッ!!

 

ドクロ「ぶううぅぅぅぅうううううッ!!」

 

息を吐いたッ!!

 

嵐「い、一体何をしたんだァァァァ!?」

慧音「分からない!なぜあんな奇行に!?」

 

すると…

 

ポツ…ポツ…

 

雨が…

 

ピタピタ…

 

雨が…!!

 

ザアアアアア

 

雨が降ったのだッ!!

 

浄夜「なんだとぉぉぉ!?まさか、今ので上昇気流を起こしたってのかァァァァ!?」

慧音「まさか、今までの異変はこれかッ!!」

嵐「な、なんだと…火が消えてやがる!!」

 

雨で火が消えたのだった…

 

ドクロ「ハァー……ハァー……」

浄夜「なんて…なんて妖怪だ…」

 

クソ…やるしかないか…

この妖怪をぶっ倒してやるぞ!!




ガシャドクロ、ツエェェェェェ!!
こんなのに勝てんの?コイツら。
俺なら無理だわ~~←当たり前

まあ、そんな感じで今回はおしまいです。
それでは次回も、お楽しみに~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

呪いの言葉

暗闇の雨の中、町の人達も流石の騒音に起きたようだった。

 

浄夜「慧音!!町の人の避難を!!」

慧音「分かった!!すぐに戻る!」

 

あちこち居る野次馬も慧音の指示に従い、避難していった。

 

嵐「どうする。アイツ、スタープラチナやザ・ワールドのラッシュじゃあ通じねぇ」

浄夜「霊夢が封印するのを待つしかない。霊力が有ったとしても俺は弾幕放つぐらいしか使いこなせてない」

嵐「霊夢が来るまで被害を少なくするしかねぇな」

 

どうすりゃいい。どうしたらやつの身動きを……

こっちに来るッ!!考える暇はねぇ!!

 

浄夜「『ゴールド・エクスペリエンス』ゥゥゥッ!!」

 

浄夜は地面を殴り、木を生やしたッ!!

そしてその木は、ガシャドクロに絡み付いたッ!!

そしてッ!!

 

嵐「『ザ・ハンド』ッ!!」

 

瞬間移動し、ガシャドクロを削り取る!!

しかし…

 

ドクロ「グゥゥロォォァァァッ!!」

 

ガシャドクロは木を折ったッ!!

そしてその木を持ち、嵐に振りかざした!!

 

嵐「ウオオオオオオオオ!!」

 

ドゴォォォオオン……

 

嵐は……

 

浄夜「おいドクロ……テメェ…()()()()()()()んじゃあねぇか?」

 

ガシャドクロは上を見る。

そこにはッ!!

 

嵐「削り取るぜッ!!」

 

ザ・ハンドを操る嵐が居た!

 

嵐「くたばりやがれッ!!」

 

ガシャドクロは右手でガードする。

普通はそうするだろう。『ザ・ハンド』の能力を知らないのなら!!

 

嵐はッ!大きくッ!手をッ!!

振りかざしたッ!!

 

ガシャドクロの右手は!!()()()()()のだ!!

 

ドクロ「ガアアアアアア!!」

 

浄夜「ナイスだ。木を削り取ったとはな…」

嵐「我ながらグレートだったぜ」

 

ガシャドクロが木を振りかざした時、嵐は『ザ・ハンド』で木を削っていたのだ。

その削った勢いで空間も削り、ガシャドクロの頭上まで瞬間移動したのだ。

 

浄夜「良し、アイツの右手は無くなった。これで有利になったぜ」

嵐「勝てる!!霊夢がいなくたって!!」

 

ガシャドクロは上を向いている。

何か、体内から出している?喉や口の動きがおかしい。

 

嵐「な…何だ?」

 

ガシャドクロは何かを地面に向かって吐き出した。

それは地面の下へと潜っていった。

 

浄夜と嵐は、警戒する。

すると下から何かが出てくる気配がッ!!

 

浄夜「ハッ!!」

嵐「おっと!!」

 

そこからは、骨が出てきたのだ!!

浄夜と嵐の着地地点の地面も盛り上がっている!!

 

二人「「『ザ・ハンド』ォォォォッ!!」」

 

浄夜と嵐は右手を…振りかざせなかった。

 

嵐「ウグッ!!」

浄夜「グハァッ!!」

 

打撃。その一発。

その衝撃は、視界を暗くさせた。




二人はどうなってしまうのかッ!!
次回もお楽しみに~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雨ニモマケズ

カシャ……カシャ……

 

ガシャドクロは浄夜と嵐に近付き…浄夜と嵐が気絶しているのを確認した。

 

ドクロ「ハーッ……ハーッ……」

 

ガシャドクロは大きく口を開き、浄夜と嵐を口のなかに…

 

霊夢「させるかッ!!」

 

霊夢の弾幕によって二人が食べられることを阻止した!

 

霊夢「危ないわね…二人は仲良く寝ているのね…貴方が寝かしつけてくれたのかしら?」

ドクロ「ハーッ……ハーッ……」

霊夢「そりゃどうもッ!!」

 

霊夢は追尾弾の弾幕を放ちガシャドクロを攻撃する。

しかし、『スタープラチナ』や『ザ・ワールド』のラッシュを耐えただけあり、弾幕の攻撃はあまり効いていない。

 

霊夢「硬いわね~。カルシウムの摂りすぎじゃあなくて?」

文「浄夜さんと嵐さんを丸飲みしようとしてましたから、たぶん原因はカルシウムですね~」

 

文、二人も参戦。

 

文2「私達の速さに着いてこれますかァァァッ!!」

 

目にも止まらぬ速さでガシャドクロの防御体勢を崩す。

そのスキに…

 

霊夢「『霊符「夢想封印」』ッ!!」

ドクロ「ガアアアアアッ!!」

 

スペルカードは通用するらしい。

ガシャドクロの弱点、どうやら『霊力』らしい。

 

早苗「ジョジョ!!」

 

早苗も参戦。

なのだが…

 

ガシャドクロは思い切り息を吸ったッ!!

 

霊夢「なッ!!」

文「「あやぁああああ!?」」

早苗「キャア!!」

 

四人はガシャドクロの方へ吸い込まれ、そしてッ!!

その勢いでガシャドクロは左手で三人を殴ったッ!!

 

霊夢「ウグッ!!」

文「「ウッ!」」

早苗「グッ…」

 

四人は、飛ばされた…

 

ガシャドクロは浄夜と嵐の方へと近付く。

 

霊夢「や…めなさ…い…」

早苗「お…きて…」

 

ガシャドクロは二人をつまむ。

 

霊夢「やめな…さい……!」

早苗「うぅ…」

 

ガシャドクロは…

 

霊夢「やめなさい…!!」

 

二人を…

 

早苗「起きて…!!」

 

飲み込んだ…

 

霊夢「あ…ああ…あああああああッ!!」

 

霊夢の怒りと憎しみは頂点にまで達したッ!!

 

 

『夢想天生』

 

 

霊夢はッ!!高く跳んだッ!!

そしてッ!!

 

霊夢「オオオオオオオオオッ!!」

 

霊夢は、弾幕を力尽きても放つ勢いで放っている。

ガシャドクロは霊夢を殴ろうと試みたが、殴れない。

 

そして…次の瞬間ッ!!

 

ドグォオオン!!

 

ガシャドクロは爆破した。

内臓はなく、骨だけ。動くことすらない。

浄夜と嵐の姿はない。

 

霊夢「え…」

 

見たところ、霊夢の攻撃で爆破した訳じゃないらしい。内側からの爆破。

 

早苗「イヤァァァァッ!!」

 

浄夜と嵐が死んだ。そう思うしかなかった。

認めたくない…『死』だ。

 

煙は、空高く昇っている。

 

早苗「うう…ジョジョ…嵐さん…」

文「……スゴいわね」

文2「ええ」

霊夢「グレートね…これは…」

早苗「なにいってるのよッ!!二人が死んじゃったのよッ!?」

霊夢「普通はね…フフッ」

 

霊夢は、思わず笑った。

 

霊夢「見てみなさいよ」

早苗「え…?」

 

煙が立ち込める中、その中から。

二人の男の影が見えた。

 

そう…

 

浄夜とッ!!嵐だッ!!

 

早苗「え、えぇぇぇッ!?」

浄夜「びびった~、死ぬかと思ったぜ」

嵐「俺死んだら慧音に天国で殺される」

霊夢「お帰り。大冒険だったわね」

嵐「ああ、新しいよな。内臓を冒険するなんてさ」

浄夜「そんな冒険お断りだ」

早苗「ま、待って!どう言うことなのッ!?」

 

早苗は疑問に思った。何故二人は生きているのかと。

二人に聞くと、早苗を見てニッコリ笑い、こう言った。

 

二人「「お前のおかげさ」」

早苗「へ?」

 

 

~時間は戻り~

 

浄夜「ん…」

 

ここは…どこだろう…

 

浄夜「あれ?嵐はどこだ?」

??「嵐くんは違う神様が助けにいってるよ」

浄夜「誰だッ!?」

神様「忘れたの?私よ、私」

浄夜「おまっ、ええ!?俺にスタンド能力をくれた幼女!!」

神様「誰が幼女だッ!!」

浄夜「おっと、口が滑った。神様だな」

神様「そうそう、神様よ。拝みなさい」

浄夜「やだ」

神様「だが断るさえも言わない!?」

 

そこまでビックリするか?寧ろ、俺がビックリしてるんだが。

 

神様「ああ、そうよね。何で私が居るか、よね」

浄夜「あぁ」

神様「貴方は今、気絶しているの」

浄夜「そうか」

神様「で、今君に何が起きているかと言うと…ハイッ」

 

すると、目の前に無音の映像が流れた。

そこにはガシャドクロに二人が丸飲みされ、霊夢が怒り夢想天生を放っている映像が流れた。

 

浄夜「これは…」

神様「もう、彼女に賭けるしかないわ。貴方達も気絶して起きないし」

浄夜「…」

神様「奇跡が起こる以外可能性はないね」

浄夜「奇跡か…」

 

「起きて」

 

神様「え…」

浄夜「なにか言ったか…」

神様「いや、なんにも…」

 

「起きて」

 

浄夜「これは…早苗の声?」

神様「映像に音声機能なんか付いてないよ!?」

 

「お願い…起きてッ!!」

 

すると、浄夜達がいる空間に扉が現れた。

 

浄夜「これは…?」

神様「…スゴいわ…これ。早苗ちゃんの能力が発動したのよ」

 

つまり…

 

神様「『奇跡』が起きたわ…」

浄夜「……」

神様「その扉を開けなさい。さぁ、早く!!」

 

浄夜は扉を開けた。

 

浄夜「ありがとう、早苗」

 

 

 

 

 

 

 

 

気付けば嵐と一緒にガシャドクロの中にいた。

 

嵐「ここから出るぞッ!!」

浄夜「ああッ!!」

嵐「『スティッキーフィンガーズ』ッ!!開けジッパー!!」

 

嵐はガシャドクロの中から脱出した。

 

浄夜「『キラークイーン』」

 

浄夜はガシャドクロの内部を触り、その後脱出。

そして…

 

浄夜「消し飛ばすッ!!」

 

ドグォオオン!!

 

 

~そして、今に至る~

 

 

早苗「そう…なの…う…うう…」

浄夜「すまなかったな」

嵐「本当な、心配かけてしまって」

早苗「ウェェェェェェェェン!!」

 

こうして、恐ろしい妖怪『ガシャドクロ』を倒した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

雨後晴れ

うう…コラボ最終回です…
もっとやりたい気持ちもあるのですが、お互い本編も進めなければいけないので。

それではどうぞ!!



~守矢神社~

 

嵐「フーッ…ガシャドクロは強かったな…」

浄夜「あぁ、思い返してみれば結構怖い体験をしてるよな」

 

息だけで天候を変えやがったりする敵に宣戦布告したり、体内の中で気絶したり,etc…

 

浄夜「背筋が凍るぜ…」

文2「まあまあ、勝ったからいいじゃあないですか」

早苗「激しく同意します。死ななくてよかったよ」

霊夢「そう言えばさ…嵐」

嵐「ン?なんだ?」

霊夢「貴方、結構こっちの世界に居るじゃない?向こうの世界の人達が心配しないかしら?」

嵐「アー、ウン。ソウダネー(棒)」

浄夜「何故棒読みなんだよ」

 

まぁ、分かるが。

 

嵐「だってよ!!俺さ、慧音の頭突きで死神と出会ったんだぜッ!?」

浄夜「その話は何回も聞いてるよ。それで、頭突きが怖いから帰らない何て言わねえよな?」

嵐「そ、そうだけどさー…うん、覚悟して帰ろう」

浄夜「あ、でもお前どうやって帰るのさ」

嵐「え?D4Cでいつでも帰れるぜ?」

浄夜「あ……」

 

そうだ、D4Cの存在忘れてた。

なんだよ、いつでも帰れたのか…うん?

いつでも…?

 

浄夜「なあ、それだったらD4Cで定期的に戻っておけば慧音にも怒られなかったんじゃね?」

嵐「あ……」

 

……………………

 

嵐「今から『バイツァ・ダスト』する」

浄夜「いや、もう無理だろ」

嵐「分からないだろ!?レクイエム化すればッ…!!」

浄夜「矢が無い」

嵐「どうすりゃ良いんだァーーッ!!」

浄夜「諦めろよ」

 

そう、俺が言うと嵐はガックリという擬音が似合うくらい落ち込んだ。

 

文「あの、D4Cとは…?」

浄夜「スタンドだよ。平行世界を行き来することが出来るスタンドだ。平行世界に運ばれた人間や物質は、平行世界の自分に出会うと消滅するんだ」

文達「「え…」」

 

自然に距離を取る二人。

そう言えば不思議だ…文達は平行世界の自分なわけだ。だが、消滅しないのは…?

 

紫「今の話、本当に?」

浄夜「うわあぁぁぁッ!?」

 

ビックリするだろうが!!スキマから出てくるなら出てくるって言っとけよ!

 

嵐「いきなり出てくるなよ」

紫「ごめんなさいね。話を戻すけど、私も平行世界に人を送ったりするけど消滅はしないわ」

浄夜「なんだって?」

紫「多分だけど、そのD4Cっていうのは平行世界に連れていくから世界に同じ物体が認識されて、世界が異物と見なして消滅するのよ。私のスキマの場合、境界を操っているわけだから、きっとこの世界に完全に入りきれてないのよ」

嵐「どう言うことだってばよ?」

紫「世界の境目を操っているのよ。私は無理矢理こじ開けているから世界に確認されないのよ。世界を植物の細胞で表すと、私が操ってるのは細胞壁。細胞膜は操れないのよ。そう、この幻想郷の結界よ。この世界の結界は初代博麗の巫女が創った『永遠に壊れない結界』と言われた『博麗大結界』なの。妖怪は勿論、創った本人でさえこの結界は開けないの。開けられるのは、忘れられた物だけ」

 

なるほど、そう言うことか。

 

紫「ただ、貴方達が使うD4Cは分からないわ」

嵐「何故?」

紫「もしかしたらの話だけど、そのD4Cは送り込んだ物を忘れさせる能力がついているかもしれない。境目を開いているのではなく唯一世界を繋ぐゲートをスタンドが持っているのかもしれない。可能性があるのは後者だけど」

 

納得した。多分前者はないが後者の仮定は納得できそうだ。

 

浄夜「まぁ、結局は文達が大丈夫なことがわかったんだから、良いだろ」

嵐「そうだな。紫、こっちの世界の文は紫が送ってくれないか?」

紫「勿論」

浄夜「さぁ、早く帰った方がいいんじゃあないか?」

嵐「そうだった!!今の話で忘れかけてた!!慧音に殺されるゥゥゥゥッ!!『D4C』!!」

 

嵐はどこから出したのか、アメリカの国旗を取りだし、帰り際にこう言った。

 

嵐「また会おう。俺のことを嫌いじゃあなければな。」

 

嵐は国旗ごと消えていた。

 

紫「さぁて、貴女も帰るのよ」

文2「あ、はい。お願いします」

 

文ちゃん2号の目の前にスキマが現れる。

 

文2「別の私」

文「はい?」

文2「浄夜さんのこと、頑張ってね~」

文「なッ!?////」

 

そう言って去っていった。

 

浄夜「なあ、文」

文「はい!?ななななな何でしょう!?」

浄夜「アイツ、最後なんのこと言ってたんだ?」

文「さ、さあ?」

 

納得のいかない浄夜だった。

嵐との奇妙な数週間は深く心の奥に残っただろう。

そして、別世界での奇妙な冒険は再開するッ!!




終わってしまったァァァァ!!

まぁ、仕方ないですよね。
気持ちを切り替えて、次回から本編に入りたいと思います。
今までありがとうございました!!そして、これからも『神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~』の応援、宜しくお願いします!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常編 No.2
回転は止まらない


コラボは前回で終わったんで、気持ちを切り替えてやっていきたいと思います!!
それでは、どうぞ!!


幻想入りして約一ヶ月。軽くこの世界にも慣れてきた。

ついでにスタンドの扱い方等も。

 

浄夜「フーッ…新生活にも慣れてきたな」

早苗「うん。そうね」

浄夜「なぁ、諏訪子と神奈子よ」

諏訪子「なんじゃらほい」

神奈子「なんだい?」

 

なんじゃらほいって何だよ…初めて聞いたわ。

 

浄夜「いやさ、近所に挨拶しに行こうぜ。一ヶ月経っても妖怪の山で顔見知りなの天狗だけだぜ?それはほかに住んでいる人達に失礼だろう」

諏訪子「堅いなー、全く堅い!!良いんだよ、宴会である程度の人とは知り合ったんだから」

浄夜「それは幻想郷全体だろ?そうじゃあなくて、妖怪の山の知り合いさ」

諏訪子「ブー、めんどくさーい。浄夜一人で行ってきて~」

浄夜「はぁ?なぁに馬鹿なこと言ってんだよ」

神奈子「浄夜、こんな神が他の人に会ったら、信仰が無くなってこの神社が崩壊するよ」

浄夜「…怖いこと言うなよ」

 

サラッと怖いこと言うなコイツ。まあ、確かに。

こんなヒキニートに毛が生えたような奴に会ったら最初のイメージは最悪だな。

丁寧な俺が会った方が1000倍良いだろうな。

 

諏訪子「なんか君を殴りたい」

浄夜「…り、理不尽だな」

 

コイツ心でも読めんのか?

 

浄夜「まぁ、いい。良いぜ、俺が行こう」

神奈子「うんうん。感謝するよ」

諏訪子「ガンバー」

浄夜「早苗、コイツの飯抜きにしてくれ」

諏訪子「いってらっしゃいませぇぇぇッ!!」

 

全く…調子のいいやつだ。やれやれだぜ。

 

~妖怪の山入り口付近~

 

浄夜「へぇ…結構綺麗な川が流れてんじゃあねぇか」

 

流石、幻想郷って感じだ。自然がたっぷりとある。

空気も、水も清い。

こりゃ相当大事にされてるな。大地を敬ってるって言うかァ、大空を尊敬してるって言うかァな。

 

女「あら、こんなところに人間?」

浄夜「ん?あぁ、これはどーもはじめまして。一ヶ月前に幻想郷に引っ越してきた者です」

女「あぁ…あのスタンドを扱うって言うので有名な」

 

有名なのか?俺。

多分、文の新聞のせいかな。あんま有名になりたかないんだが…。ま、いいか。

 

雛「鍵山雛よ。厄神って分かる?近くに居たら厄が移っちゃうの」

浄夜「へぇ」

雛「あらあら、逃げないのね。肝っ玉が座ってらっしゃるわ」

浄夜「いや、厄が移るとか言いながら、これぞと言うばかりの笑顔を見せてくるし…なにか、嬉しいことがあるのかなって言う興味の方が強いからあんまり気になんないな」

 

そう、彼女はディエゴ・ブランドーの恐竜になる前のテンションだから、あまり気にならない。無論、彼女が元々そう言う正確なのかも知れないと言うのも考えられるが…。

 

雛「へぇ、初めて会ったのによく気が付いたわね!そうね、最高に気分が良いわ」

浄夜「そうか、いったい何があったんだ?」

雛「私の回りに厄が無いのよ!!」

浄夜「は?いや、言っていることが矛盾してるぞ」

雛「今まで厄があったせいで、私に近づいた人に厄が降りかかったのよ。でもッ!!神様が()()をくれたお陰で忌々しい厄は取り除かれたの!!」

 

『神様』?『アレ』?

 

雛「きっと、貴方は分かるでしょう?スタンドを持っている貴方ならッ!!」

浄夜「な、なんのことだ?」

雛「惚けないでチョーダイ。貴方も神様から授かったのでしょう?」

浄夜「ッ!!そうか…テメーの『アレ』ってのはスタンドのことだなッ!!」

雛「ンー、半分正解ね。間接的にそれを授かったわ」

 

外れかーい!!思いきってジョジョ風に言ってみて損したぜ…

だが、半分ってことは…

 

雛「そう、スタンド扱えるわよ。そして、貴方が持っている『遺体』を奪ってやるわッ!!」

浄夜「い、遺体ィィィィ!?」

 

今ッ!!アイツは遺体と言ったのかッ!?

もしかすると…『聖なる遺体』のことなのかッ!?

 

浄夜「お、おい。俺は遺体なんか持ってねぇぜ!!」

雛「嘘をつくんじゃあないッ!!」

 

雛は人差し指をこちらに向け、何か『回転している物』を撃ってきた!!

 

浄夜「ウオッ!?」

 

回転した物…いや、『爪』が右の耳をかすめた。

 

浄夜「テ、テメー…この回転している爪は…」

雛「私のスタンドは……『(タスク)』ッ!!」

 

『牙』……スティール・ボール・ランの主人公、ジョニィ・ジョースターのスタンドだ…。

 

雛「この『牙』はチートなのよ…ジョニィ・ジョースターは扱えなかった全種類のACTを、私は…扱えるのよ。まぁ、その他も彼が扱っていない回転技術もね」

浄夜「なにィ!?」

雛「はぁ、全く。何を驚いているのよ。自分のスタンド、思い出してみなさい」

 

た、確かに…俺もチートだった…

どう言うことなんだ、神様は…雛に聖なる遺体を渡したってのか?え、俺は?知らぬ間に差別かよ。クー、ムカつくぜ!!

 

雛「さあ、貴方の遺体を貰うわよ。くれなきゃ…分かるわね?脅しじゃあないのは、さっき撃った爪が証拠よ」

 

本気…らしいな。

持ってない、なぁんて言ったら撃ってくるな…。仕方ねぇな。

 

浄夜「どうなっても知らねぇからな!!『THE WORLD(ザ・ワールド)』俺だけの時間だぜ」

 

時を止め、助走をつけ、走り…勢いで跳ぶッ!!雛に向かってパンチをッ!!

時は進む。

 

雛「ッ!!」

 

雛は直ぐ様気付き、回転しながら避ける。

俺は再び時を止める!!

 

浄夜「ふむ、パンチは届かない…か。だが、ナイフなら届くッ!!」

 

ナイフを雛に投げる。

再び時は進む。

 

雛「なに、かしら?」

浄夜「は!?」

 

投げたナイフは、届かなかった。()()()()()()()届いていたッ!!

雛は、指先だけを回転させている!!

その回転にナイフを巻き込みナイフを回転の勢いで浄夜の方向に飛ばした!!

 

雛「黄金の回転には敵わないわ」

浄夜「ウウッ!!」

 

浄夜にナイフが刺さる。

 

雛「私が避けるとき、回転してたわよね?もしかしたら、地面も回転してるかもなァー」

浄夜「ハッ!!」

 

地面が、回転しているッ!!

その回転に、浄夜が巻き込まれるッ!!

 

浄夜「ウオオオオオッ!!」

 

さっきのナイフのようにッ!!浄夜は、人々が尊敬している大空へと飛ばされたッ!!

この状態で落下したら、死ぬ!!

 

浄夜「『エコーズact2』!!」

 

エコーズに変身した浄夜は、地面に『ボヨヨーン』の文字を投げつけたッ!!

 

雛「ボ、『ボヨヨーン』?なにこれ?」

 

雛は『ボヨヨーン』の文字を触れた!!そして!!

 

雛「キャア!?と、飛んだァァ!?」

浄夜「クゥ!?」

 

偶然か。彼女は文字に触れた。

その偶然は最悪で、浄夜は危険な状態にあった!!

 

浄夜「『エコーズact3』!!」

 

浄夜は、act3に…()()()()()()

 

浄夜「えッ!?」

 

なれない?どう言うことなのだ?

急になれなくなった。頭は真っ白。考えられない。

 

負けた?

 

俺が負けたのか?スタンドに頼りすぎてたのが悪いのか?

そんなこと言っていたら、なにもできないじゃあないか…。

 

雛「あ、貴方…その後ろの奴はなによッ!?」

 

後ろ?

振り替えると…。

 

エコーズ「S・H・I・T…サア、指示ヲ」

 

エコーズact3がそこにいた。

もしかして、『意思のあるスタンド』は変身じゃあなく、スタンドとして出てくるのか?

って言うのを、頭真っ白な状態から瞬時に思考できる俺は超人だな。

 

浄夜「『3 FREEZU』!!」

雛「変身だけじゃあないのォォォォ!?」

 

エコーズは、雛を殴りまくった!!

そしてッ!!重力により、彼女は落ちる!!

 

ズドオォォン…

 

浄夜「フッー…やれやれだぜ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

籠の中の雛

浄夜「ハァ……ハァ……か、勝ったか…ン?なんだ、これ…」

 

浄夜の足元に何かがある。

 

浄夜「これは…『左腕』?まさか…聖なる遺体のッ!!」

雛「返…して…」

浄夜「…?」

雛「貴方なんかに…渡したくない…」

浄夜「……」

 

雛は、涙を流していた。

悲しみ…それだけ。それだけだが、とても大きい悲しみだった。

 

雛「うう……うっうっ…私に…人に近付いて、話していい…権利を貰ったの…厄が無くなったから…もう…人に移らないから…

浄夜「……」

雛「お願いよォォォォッ!!一人じゃ嫌なのォォォォッ!!」

浄夜「ほれよ」

雛「え…」

 

浄夜は雛に『左腕』を返した。

その行動に、さっきまで返してと悲しんでいた雛も動揺する。

 

雛「か…返すの!?私に…!?いらないの?つ、つまり…貴方が戦った理由は『この死体』を奪うことじゃあないの!?」

浄夜「興味はない………………いや…ちょっとはあるかなあ~~~~~~いや、やっぱりねェ~~~~~~」

雛「え、どういう…」

浄夜「最初に言ったじゃあねぇか。遺体なんか持ってねえってよ」

雛「そうだったの…?わ、私…勘違いを…ごめんなさい」

浄夜「うん、そうだ。笑え。泣き顔なんかより笑顔の方が可愛い」

雛「え!?いや…////」

 

さてと…『遺体』を持っているってことはきっと…

 

浄夜「なぁ、雛。『タスク』から、なにか言われなかったか?」

雛「い、言われたけど…覚えてないわ。日本語じゃあなかったし…あ、でも。私の左腕に文字を書かれたわ」

浄夜「どれどれ…見してみ」

 

そこには…

『bonne forte』

     と、書かれていた。

 

浄夜「ラテン語か…意味は『幸運を祈る』だな」

雛「幸運を…祈る?」

浄夜「あれ…?この文字どこかで……まぁ…言いか。ところで、雛」

雛「何かしら?」

浄夜「さっき、戦う前に『ジョニィ・ジョースター』の名を言っていたが、どこで知った?」

雛「神様から教えてもらったわ。()()()()()()()()らしいわ」

浄夜「…は?」

 

『この遺体がその人らしい』…だと!?

 

浄夜「おい!!それは本当かッ!?嘘じゃあねぇよな!?この遺体は『ジョニィ・ジョースター』なんだよな!?」

雛「え…そ、そうよ」

 

どういうことだ…!?

この世界に何故『ジョニィ・ジョースター』の遺体が?

俺は、ジョジョの奇妙な冒険を漫画として見ていた…わからない…

 

浄夜「ッ!?おい、雛!!首の後ろを見せろ!!」

雛「え!?なによ!?」

 

なにか見えたぞ!?まさか…!!

 

浄夜「おいおい…マジかよ…『星形のアザ』があるぞォォッ!?」

雛「そ、そうは言ってるけど…貴方にも…()()()()…『星形のアザ』が…!!」

浄夜「な、なにィィィィィッ!?」

 

自分からは見れない…鏡でやっと見えるこのアザ。今まで気が付かなかったのである。

 

浄夜「…なにかの運命か…?遺体も…関係している?」

雛「浄夜…?」

浄夜「なあ、雛。遺体探し……俺も手伝ってやるよ」

雛「え?」

浄夜「どうやら…もう回避の出来ない運命(さだめ)らしい」

雛「いいの…?」

浄夜「あぁ、いいさ。俺を信用しろ」

雛「う、うん」

 

神様は…この事を分かっていたのか?

まず、雛に遺体を渡したのは、俺にスタンド能力を渡した神様なのか?それとも違う神様なのか?

まだ…わかんねぇな。

俺は考えながら首の後ろのアザを擦っていた。




はい、と言うわけで、ドラクエ風に言うと「ヒナがなかまになった」って感じですね。
そういうわけなんで、タイトルの画像を変えました!!
みんな見てくんろー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

射命丸文は恋をする

あっちっちー。最近暑いですね。
本州の方はこれより暑いのか~、辛そう。

まぁ、そんなこんなで更新しました。
それでは、どうぞ!!


霊夢「暑いわねぇ」

文「そうですねぇ」

 

どうも!!清く正しい射命丸です!!

夏は、だらけてしまいがちですが『文々。新聞』は、だらけずに作ってます!!

それは置いといて、暑いです。今年は特に。

なぁにか涼めないかな~って考え中。

 

文「浄夜さんを誘ってかき氷屋に行こうかなぁ」

霊夢「ホント、アイツのこと好きね」

文「あやや?口に出てました?浄夜さんを愛してるって」

霊夢「それは出てない」

文「て言うか、霊夢さんも浄夜さんのこと、好きじゃあないんですか?」

霊夢「な、なぁにバカなこと言ってんのよ。友人よ、ゆ・う・じ・ん!!」

文「へぇ~そーですか~」

 

にやけてしまいますねぇ~。

 

霊夢「な、なによ…」

文「なんでもありません」

霊夢「でも実際なんでアイツのこと好きになったのよ」

文「素朴な疑問ですか?ライバルとしての疑問ですか?」

霊夢「そ、素朴な疑問よ!!」

文「へぇ~。ま、いいですよ」

霊夢「上からね。ムカつくわ」

 

不機嫌そうな顔ですねぇ。上からって、カラスは何時でも空を飛んで上から見てるんですよ。

……霊夢さんは飛べるか。

 

文「私が浄夜さんと戦ったことは知ってますよね?」

霊夢「えぇ、知ってるわ。腰抜かしたやつでしょ?」

文「いやぁ、お恥ずかしい。それで、動けないからお姫様だっこで…「え…それって本当だったの……?」ええ、本当ですよ?羨ましいですか?」

霊夢「いや、浄夜がそんなことやるなんて意外だな~って」

文「かっこいいですよね~」

霊夢「…それだけ?」

文「まさか!!そんなわけないじゃあないですか。それだけで恋したら非リア充なんて居ないですよ?謝ってください。じゃなくて、そのあとが本題ですよ」

 

~回想~

 

文「ちょちょ、もうすぐ放してくださいよ!!は、恥ずかしい…」

浄夜「む、そうか。すまん。だが、ここで放したら廊下で今日寝ることになるぞ」

文「そんなに腰抜かしてないですよ!!」

浄夜「じゃあ、もう立てるのか?」

文「そ、それは…」

浄夜「じゃあこのままだな」

文「……」

浄夜「部屋、ここであってるか?」

文「はい…」

 

てな感じで、完全に浄夜さんのペースでした。

まぁ、部屋にもついたので、浄夜さんは私を布団の中に入れてくれたわけですよ。

 

浄夜「じゃあ、俺はあっちで許可証貰うから。また今度な」

文「待って下さい」

浄夜「……なんだ?」

文「私に、この天狗である私に、勝った上にお姫様抱っこという恥ずかしいことをみんなの前で見せて、きっといい気分でしょうけど、いつか倍にして返しますから」

浄夜「……いい気分か…。レディの腰を抜かせた時点でそうでもない。お姫様抱っこって言いってるけど、赤子を安心させるおんぶじゃあ失礼だと思ってそうしたんだが、違ったか?」

文「嘘よ。心の底じゃあ笑ってる」

浄夜「……笑えねぇよ」

文「え?」

浄夜「笑えねぇっつてんの。むしろムカついてる。レディに(ハジキ)を向けて発砲した。初めての戦いで判断がおかしくなったんだろう。だが腹立たしいね」

文「……」

浄夜「嘘だと思ってる?まぁ、信じなくても良いよ。これから()()()()()()()()()、信じさせるからよ」

文「はあ!?と、友達ィィィィィ!?」

浄夜「ン?初めての友達が俺じゃあ嫌か?」

文「な、なんでわかんのよ!!」

浄夜「女天狗どもがお前の名前を聞いた瞬間、鼻をピクッと動かすか眉間にシワがよった。実は女は顔に出やすいんだよ。素直ってことかもだけど…嫉妬かな?強さと美しさの嫉妬だね」

文「……」

 

初めての戦いで判断がおかしいなら、他の人…妖怪の表情なんて見ないわよね。

才能かしら、羨ましい…って思いました。

 

浄夜「男どもはエロい目でお前を見てるしな。俺がお前を抱っこした瞬間、殺気を感じれたよ。まあ、それでお前が友達が居ないんだろうなぁって思ったわけ」

文「……本当に友達ですか…?」

浄夜「ああ!!勿論さ!!」

 

って言って、手を差し伸べたの。

そして…

 

浄夜「君は独りなんかじゃあない。挫けそうになっても、俺が支えよう。支え合おう。それが友達なんだ」

 

誰でも言える言葉だけど、誰からも感じない魅力を彼は…浄夜さんは持っている。

私はそこに惚れました。

誰からも優しくされなかった私に、手をさしのべてくれたのですよ。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

文「もう、あの人しか見れないな…って確信しました」

霊夢「全く、アイツもお人好しね」

文「次に貴方は『そこが良いんだけどね』っという!!」

霊夢「そこが良いn…って言わないわよ!!」

文「あやややや?違うんですかぁ?」

霊夢「クゥ~、もう知らないわ!!早く浄夜とかき氷屋にでも行ってきたら!?」

文「は~い。それでは!!」

 

文はそこから去っていった。

 

霊夢「まったく……変な烏天狗ね」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

神は…

UA数10000超えました!!ありがとうございますゥゥゥ!!
どうも、薬売りです。

『ジョジョ風の浄夜』を描きました。
とりあえず、これ↓

【挿絵表示】


久々に真剣に描きました。とは言っても、部活後に暇潰しに描いたやつが、いつのまにか真剣に描いていたっていうオチですが……。
途中でめんどくさくなって、手や影などを適当にごまかしてしまいました。

……あれ?それって、真剣って言わなくね?

そ、それではどうぞ!!


浄夜「ここは…」

 

見たことある光景だ…多分、これを合わせ三回目だろう。

 

神様「よっ!」

浄夜「やっぱりか…」

神様「やっぱりって…ヒドイなァ」

浄夜「用はなんだよ」

神様「用があるのはそっちでしょ?聞きたいことが、あるんでしょ?」

 

どうやら、もうアッチも分かってるらしい。俺が今、聞きたいことが。

分かってるなら、なぜ俺に聞かせるのかが謎だが。

 

神様「なァんか…君、変わったね。この一ヶ月で」

浄夜「そうか?」

神様「うん、まだテンション高いけど、前よりは落ち着いたね」

浄夜「それ、褒めてねぇだろ」

神様「バレた?」

 

可愛く舌を出し『バレちゃった』という仕草をする。

相手がこいつだから、なんかムカつく。

 

神様「Wow…理不尽」

浄夜「そうだった…お前、心が読めんだった…」

神様「そうだよ!カッコいいでしょ~ッ!!」

浄夜「それで、聞きたいことがあるんだが…」

神様「スルーですか…ハイ、ナンデショウ?」

 

俺はいつも、お前の話の八割は聞いてねぇよ。俺から質問したとき以外な。

 

浄夜「雛が持っていた『遺体』についてだ」

神様「ジョニィ・ジョースターの…左腕ね」

浄夜「なぜこの世界にある?ジョジョの奇妙な冒険は、漫画だ。主人公の遺体がこの世界にあるのはおかしいだろう?」

 

そこが、ずっと疑問だった。

漫画の世界の主人公が、現実の世界で現れたのだから。生憎、彼は遺体として現れたのだが…

 

神様「雛の『星形のアザ』は何であると思う?」

浄夜「……疑問文を疑問文で返すとテスト0点なの知ってるか?ちゃんと答えろッ!!」

神様「まぁまぁ、焦らない。それで、何故『アザ』があると思う?」

浄夜「……知らねぇよ」

神様「ジョニィ……いや、ジョースター家の遺体を持っているからよ」

 

ジョースター家の遺体を持っているから……?

それじゃあ……

 

浄夜「なら、遺体を持っていない俺は何故ある?」

神様「聞くと思ったァン」

浄夜「……」

神様「第六部で、世界は一巡したわよね?」

浄夜「あぁ…」

神様「その、一巡後の世界が()()()()なのよ」

浄夜「な……な…なんだとォォォォッ!?」

 

衝撃ッ!!その事実が、浄夜を驚かせたッ!!

 

浄夜「本当にかッ!?」

神様「えぇ本当よッ!!つまりッ!!この世界は『ジョジョの奇妙な冒険』の

 

            『延長の世界』なのよォォッ!!!!」

 

浄夜「なにィィィィィッ!?」

 

この地球はッ!!この宇宙はッ!!この世界はッ!!

延長の『世界(ワールド)』なのだッ!!

 

神様「ハァ……ハァ……す、少し興奮し過ぎたわ。話を戻すわよ…」

浄夜「………あ、あぁ」

神様「貴方は延長されたジョースター家っととこね」

浄夜「俺が…ジョースター家の人だってのか?」

神様「そう…だから、平行世界のジョニィの遺体があってもおかしくないでしょ?」

浄夜「そう言うことか……そして、遺体は…『ジョニィ・ジョースター』のモノだけじゃなく…他のジョースター家の遺体もある…ってことか?」

神様「貴方は、頭が良いわね」

浄夜「誰のものがあるんだ…」

神様「歴代ジョジョと歴代ツェペリの遺体よ」

浄夜「ツェ…ツェペリィィィ!?」

 

浄夜はスタンドを授かった時点で…いや、生まれた時から『運命』は動いていたッ!!




しょ、衝撃過ぎる!!←自分で言うなよ。

いやぁ、日常編のこの各話だけでこんなに話が進むとは…自分もビックリです。

次回もお楽しみに~


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

九つの頭のプライド

前回の続きも予定でしたが予定変更しました。
勝手なことをして申し訳ありません。

それではどうぞ!!


赤蛮奇「………」

 

私は…子供の人間達を屋根の上から見ている。

ふんッ、愚かしいわね。あんな幼稚な遊びでなにが楽しいのかしら?

全く、この私を見なさいよ。静かに、粋に、美しくこの幻想郷に生きて…

 

浄夜「こんなところでなにやってんの?」

赤蛮奇「ギニャアアアアアッ!?」

 

ガッシャァァァン……

 

盛大に転んでしまった。

 

浄夜「お、おいおい大丈夫か!?頭とれてるぞ!?」

赤蛮奇「ちょ、声デカイ!!妖怪ってばれる!!」

浄夜「あ、ごめん。なんだ轆轤首か…」

 

な、なによこいつ。全然怖がらないじゃない!!

頭とれてるぞ!?って、どういう反応よ!?「殺してしまったァァァ!!」とかじゃあないわけ!?

 

浄夜「殺してしまったァァァ!!」

赤蛮奇「おせぇよ!!てか、心を読むな!!」

浄夜「いやぁ、照れるなぁ」

赤蛮奇「誉めてねぇよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤蛮奇「貴方が、最近有名な悪霊使いね」

浄夜「スタンドな。樹条浄夜だ。宜しく」

赤蛮奇「赤蛮奇よ。見ての通り轆轤首よ」

浄夜「へぇ…でさ、あんな民家の屋根の上でなにやってたのさ?」

赤蛮奇「あそこの子供の人間達を見ていたわ。幼稚臭い遊びをしてなにが楽しいのか…」

浄夜「ふ~ん……」

赤蛮奇「な、なによ…文句ある?」

浄夜「いや、アイツとは違う種類の『ぼっち』だな~って思っただけ」

赤蛮奇「べ、別に友達なんて作りたくはないわよ!」

浄夜「へ~」

 

な、なんなのよ…ムカつくわね。

私は一人で十分だし…九つの頭も持ってるから話し相手入るもん………もん…

わ、私のプライドが許さないもの!!

 

浄夜「俺さ、さっきからこの『隠者の紫(ハーミットパープル)』で、君の心を見てるんだけどさ……」

赤蛮奇「へあっ!?」

 

浄夜は私に顔を近づけて…

 

浄夜「お前本当は友達欲しいだろ」

 

スゴくアホ臭いことを言った。

 

赤蛮奇「え~っと……うん…」

 

心を読まれてちゃ仕様がない。

素直に話そう。

 

浄夜「生きてた頃からそんな性格してたのか?」

赤蛮奇「えぇ…地位の高い身分だったから…親に愚民なんかと接するなって言われててさ」

浄夜「それはそれは…辛いな」

赤蛮奇「そんな環境だから、こんな変なプライドが出てきたのよ」

浄夜「ふむふむ……俺がそのプライドを治してあげよう」

赤蛮奇「ほ…本当に!?」

浄夜「ああ、ちょちょいのちょいでね」

赤蛮奇「嘘じゃあ無いわね?」

浄夜「そう怖い顔すんなって。俺を信じろよ」

 

信じろって言ったって…初対面の人を信じても意味がないわよ……

 

浄夜「じゃあいくぜ~」

赤蛮奇「え!?ちょまっ……」

浄夜「『ヘブンズ・ドアー』ッ!!」

 

ペラペラペラペラッ!!

 

浄夜「ふむふむ……早速、そのプライドが書いてあるページを破って……ン?これは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「さあ、早くあの子供達と遊ぼう」

赤蛮奇「で、でも……」

浄夜「お前の変なプライドはないんだ」

赤蛮奇「………うん……!」

 

 

私達は子供達の方へと歩み寄り…

 

赤蛮奇「ね、ねぇ。なにやってるの?良かったら私達も入れてくれないかしら?」

浄夜「ほら!!一緒に遊ぼう!!」

子供達「「「「いーーーーよーーーーー!!!!!」」」」

赤蛮奇「!!」

 

この瞬間に、私は思わず泣きそうになった…

でも、それを消し去る程の笑みが溢れてしまう。

嬉しい……

 

浄夜「良かったな」

赤蛮奇「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤蛮奇「ありがとうね…色々と」

浄夜「ン?なにがだ?」

赤蛮奇「惚けないでよ。プライドを治してくれて」

浄夜「え?俺、治してないよ」

 

…………………え?

 

赤蛮奇「ハァ!?治してないって……えぇ!?」

浄夜「最初は直そうと思ったよ。けど理由があるんだ」

赤蛮奇「り、理由?」

 

なによ理由って……

 

浄夜「お前の人生の記録から変なプライドについて書かれていたページを破ろうと思っていたんだが……そのページに唯一親に内緒で皆と遊んだことについて書かれていたページがあったんだよ。かくれんぼとか、お手玉とか、おはじきとか……」

赤蛮奇「……」

浄夜「そんな宝のような記憶……忘れたくないだろう?」

赤蛮奇「でも……貴方は嘘をついたわ。プライドを治すって言ったのに……」

浄夜「それについては、謝る。ゴメン。」

 

だから……人間は嫌なのよ……

 

浄夜「だが…」

赤蛮奇「え?」

浄夜「自分で治したじゃあないか。プライドを」

赤蛮奇「ッ!!」

浄夜「自分で、子供達に話したじゃあないか」

 

ああ、そうか……この人は、私の背中を押してくれた。

直接的じゃあないが、結局はプライドを治してくれた。

やばい…また涙が……

 

浄夜「はい、ハンカチ。泣くなよ。悪かったって、嘘をついてごめんよ」

赤蛮奇「違う…違うの……ありがとう……本当に…ありがとう!!」

浄夜「……ずっと辛かったんだな。自分を隠して生きてきたから……」

赤蛮奇「ううっ……」

浄夜「でももう独りじゃあない」

赤蛮奇「うん……」

浄夜「それじゃあな。俺はもう帰るぜ。今度また、どっかに遊びに行こうぜ」

赤蛮奇「うん!!待ってる」

 

そう言って浄夜はその場から去っていった。

……人間も嫌じゃあないなって思った。

また、会いたいな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

地霊殿
あの神はなにかを隠している


異変が始まりました!!
よぉし頑張ってこー!!

それではどうぞ!!


浄夜「あ~あ、暇だな」

早苗「そうね」

 

なんか、前にもこんなことがあったなぁ。

 

浄夜「暇だから出掛けてくる」

早苗「ん~」

 

~そして、なんとなく来た博麗神社~

 

浄夜「結局、此処に来てしまった」

 

おや?遠くで……霊夢と紫がなにかを話している…?

 

霊夢「良いじゃあないの、大人しいんだから」

紫「あの魔法使いは危険だって言ってるわ」

霊夢「あ~もう…めんどくさいわねぇ」

浄夜「どうしたんだ?そして、次にお前は『何しに来やがった』っと言う!!」

霊夢「何しに来やがった…ッハ!?」

 

決まったぜ!!前回博麗神社に来たときにもう学習したのさ。

 

浄夜「で、なんの話してんのさ」

紫「異変よ」

浄夜「異変!?」

霊夢「えぇ、ついこの間、あそこに温泉が出たのよ。それとセットに地霊もね」

浄夜「嬉しくねぇ、アンハッピーセットだな」

霊夢「ご注文はアンハッピーセットですか」

浄夜「違います。てか、なんでお前が知ってんだよ」

霊夢「え?なんでお前が失点だよ、だって?」

浄夜「張り倒すぞ」

紫「なに、夫婦漫才してるのよ」

 

ちげぇし。こいつが勝手にボケてくるんだし。

漫才なんかしてねぇよ。

 

紫「まあ、そう言うわけだから、霊夢と魔理沙に地底に行って、異変解決よ」

浄夜「お前は行かないのか?」

紫「郷には郷に従え、よ。地底の妖怪は地上の妖怪の干渉は好まないないわ」

浄夜「だから、人間である霊夢と魔理沙か」

紫「ご名答。あと、貴方もね」

浄夜「フッー、なるほど。良いぜ。受けてやるよ、その依頼」

紫「ありがとう。じゃあ準備があるから、三時間後にまた此処に来て」

浄夜「分かった」

 

そう言って、俺は帰った。

そして、アイツは何故ごちうさを知っていたのか考えてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「ただいま~」

早苗「貴様の頭をラーメンマンにしてやろうか!!」

浄夜「やめろ」

早苗「おかえり~」

浄夜「お前は裏の顔とかがあるのか」

諏訪子「おかえりんご」

神奈子「おかえリーインカーネイション」

浄夜「なげぇよ。あぁ、そうだ。今日異変解決に行ってくる」

諏訪子「え、どこ」

浄夜「地底」

神二人「「え"」」

 

ン?明らかに青ざめたぞ?

何かあったのか?

 

浄夜「何かあったのか?」

神奈子「い、いや?なにもないぞ」

諏訪子「うん、なんにも」

浄夜「へー」

 

怪しいな。

まぁいいや。三時間後に集合か……

ガムとか持ってこようかな。←遠足感覚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「よぅ、俺参上」

魔理沙「おう!!久しぶりだな」

浄夜「久しいか?」

魔理沙「今まで会えなくて……辛いかったの」

浄夜「ハイハイ嘘乙」

魔理沙「キュンときた?」

浄夜「来ねえよ」

魔理沙「なん…だと!?」

霊夢「なにバカやってんのよ」

 

霊夢よ、我はなにもやっておらぬ。

おや?なに持ってんだ?

なにか…機械か?

 

霊夢「これ、河童が作った通信機よ」

浄夜「でか!?本当に通信機か!?」

霊夢「まあ、外の世界から来た連中からはそうだろうけど、あいつを見てみ」

魔理沙「離れてても話せるのか!?スゲェ!!」

霊夢「こう言うことよ」

浄夜「なるほど」

 

そうか、外の世界は、科学に進歩した世界。

幻想郷は魔法や霊力等のオカルトに進歩した世界。

幻想郷での科学は、外の世界の占いや宗教のようなものだろう。

オカルトが科学を信じ始め、科学がオカルトを信じ始める。

いい関係だ。

 

??「スゴいだろう!!なんせ私が作ったのだからな!!」

浄夜「ン?君は……?」

にとり「河城にとりだ!!宜しく盟友」

浄夜「元気いいな。宜しく盟友」

魔理沙「盟友に疑問を持てよ」

 

すると、紫が皆の注目が集まるように手を叩いた。

 

紫「さ、みんな集まったし、地底にいってらっしゃい」

浄夜「ガム食う?」

魔理沙「あ、食う食う!!」

霊夢「私もちょうだい」

紫「はよ行けや」

 

そうしていくことになった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

桶で…転ぶな…

自機組は「」で、通信組は『』で会話しています。


浄夜「美味しいだろ?コーヒー味のガム」

魔理沙「ああ!!コーヒーがこんな美味しい思わなかった!!」

霊夢「実際のコーヒーとは違うでしょ。もっと苦いわよ」

魔理沙「え~そういうこと言うなよ。初めて飲もうと思ったのに…」

紫『異変中に話す会話じゃないわよ。作戦でも考えなさいよ』

浄夜「チェリーもあるよ」

パチュリー『おい』

 

通信でサポートしているのは、紫と文とにとりとアリス。それと、紅魔館…まぁ咲夜さんが働いている所に住んでいる魔女『パチュリー・ノーレッジ』さん。

博麗神社に住み着いた鬼『伊吹萃香』だ。

 

萃香『面白いね~。また今度一緒に酒の呑もうよ』

浄夜「良いぜ。今度な……ン?何か足に当たったぞ?」

 

そーっと、手に持っているライトの光を当ててみる…するとッ!!

 

浄夜「これはッ!?」

霊夢「どうかした?」

浄夜「こっちに来るなァ!!これを見るなッ!!」

魔理沙「すまない…も、もう見ちまったぜ…」

紫『何があるの……?』

霊夢「ず…『頭蓋骨』がッ!!人の頭がッ!!」

浄夜「生首で転がってやがるッ!!」

 

人の頭…白骨化しかけている頭が転がっていたのだッ!!

 

??「フフフ……」

霊夢「誰ッ!?」

魔理沙「だだだだだだだ誰だ~~~!!??」

浄夜「怖がりすぎだろ…」

 

だが、どこからか声が聞こえる。

少女の声がする。

 

少女「わーーーー!!」

 

・・・え、もうちょっと怖い流れにしようよ。例えば『薄暗く肌寒いこの空間が浄夜達を恐怖へ誘っている』とかさ、そういうのあったじゃん。小説的にどうなのさ メメタァ

 

浄夜「目潰し!!」

少女「ブッ…ギャアアアアア目がぁ!!」

浄夜「なんだこの桶幼女。わーーーって驚かす気でやったの?驚かねぇよ。なぁ、みん…」

魔理沙「………」チーン

霊夢「………」ゴーン

浄夜「うそやん」

少女「目潰ししたね…お父さんにも目潰しされたことないのにッ!!」

浄夜「そんなお父さん居ねぇよダボが。オメェ名前は?」

キスメ「キスメよ!!首を集めるのが趣味なの!!」

浄夜「いい趣味してんな」

キスメ「でしょ~」

 

褒めてねぇよ。吉良吉影みたいだな…手じゃなくて首か。

………あれ?俺って今、絶賛ピンチ中?

 

キスメ「気付いた?自分がピンチって」

浄夜「うん、気付いた」

キスメ「今から、君の首をかっ切るよ?」

浄夜「どうぞ、お好きに」

 

キスメは、浄夜の首元に鎌を近付けた。

 

キスメ「自殺願望者?まあ、いいや。じゃあね」

浄夜「嫌、自殺は望んでないなぁ?」

キスメ「え――――

 

キスメは、鎌で浄夜を斬った……そう、斬ったのだ。

 

キスメ「なに…これ」

 

斬ったはずだが、()()()()()()()()、緑色の首が転がっていたのだ。

 

キスメ「身代わりの術?忍者かなにかなの…?」

 

不気味だ……キスメは浄夜を探す。

しかし、そんなことをしなくても良かったのだ。何故なら、『浄夜は隠れていないから』。

 

浄夜「ラリホー」

キスメ「え…い、いつのまに…え!?」

 

キスメの首をつかんだ奴はッ!!キスメが斬った緑色の首…否ッ!!『法王の緑(ハイエロファント・グリーン)』に成った浄夜がいたのだッ!!

 

浄夜「君が斬る直前に『法王(ハイエロファント)』に成ったんだよ。さあ、お仕置きの時間だよ。キスメ」

キスメ「ッ!?耳から何かがッ!?」

浄夜「紐状になった俺だよ」

キスメ「ギャアアアア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

キスメ「………」チーーン

霊夢「こんなちっこい妖怪に…」

魔理沙「気絶させられたのか…」

アリス『映像で観てたけど面白かったわよ』

魔理沙「なッ!?んだと~~~ッ!?」

浄夜「チャン♪チャン♪」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハウンド・ドッグ その1

浄夜「結構飛んだなぁ…やっと旧都が見えた」

魔理沙「お?あの橋に人…じゃあなくて妖怪か?二人いるな」

浄夜「ナイスタイミングだな」

 

俺は飛ぶのをやめ、橋の上に居る女性二人に話しかけた。

 

浄夜「ゴメン、少しいいかな?」

女性「なにかしら?」

浄夜「最近さ、地底で異変とかなかった?」

女性2「異変?パルパルある?」

女性「いや…ないわ。残念ながら、力にはなれないわ」

浄夜「そうか…ありがとう。それじゃあ…」

 

俺は女性二人に背を向け、旧都へと向かった。が…

 

女性「ッ!!待って。そこの男性さん」

浄夜「俺?」

女性「そう…貴方に話があるの。無礼なのは承知で言うけど、他の人は聞かないでほしいから、違うところに行ってくれるかしら。ヤマメもね」

女性2「え?…う、うん…じゃあね」

霊夢「……まあいいわ。浄夜だし、貴女が敵でも倒せるでしょう」

魔理沙「謎の信頼だな。まあ、分からなくはないがな」

パルスィ「ありがとう」

 

ヤマメと呼ばれた女性。そして、霊夢と魔理沙は旧都の方へと進んでいった。

 

パルスィ「…水橋パルスィよ…宜しく」

浄夜「ン?あぁ、宜しく…樹条浄夜だ」

 

そう言い、握手する。

 

パルスィ「早速だけど、貴方。神様に会ったことあるかしら?」

浄夜「神社に居候させてもらってるからな…毎日会ってるぜ」

パルスィ「…能力は?」

浄夜「…変身する程度の能力」

 

なにか怪しい。能力はあやふやに言っておいた。

 

パルスィ「首の『星形のアザ』って…生まれつき?」

浄夜「何故、そんなことを聞く?」

パルスィ「あら?ダメだったかしら」

浄夜「……最近まで知らなかったが、生まれつきだ」

 

『ふ~ん』と、言いながらこちらを見ている。

何者なのだろう…

 

パルスィ「最後に…『遺体はどこの部位』かしら?」

浄夜「やっぱりな!!」

パルスィ「『やっぱり』?なにか知っているのね」

浄夜「こんなタチなんでな。遺体については知っているんのさ。もっとも、その遺体は俺の中にはないがね」

パルスィ「…なに?どういうこと!?」

浄夜「神様から遺体を通して授かった『スタンド能力』じゃあなく、神様直々にくれた能力なんだよ。テメェとは違うって訳だ」

パルスィ「へぇ…『死ね』」

浄夜「ッ!!」

 

なにかが飛んできた。虫食いのネズミみたいなスタンドだった時のことを考え、避けた。

その選択はどうやら正解らしい。

 

浄夜「こ、これはッ!?」

パルスィ「妬ましい…スピードが早いわね。貴方のスタンドかしら?」

 

避けたものが刺さった…針が刺さった壁は、変色していってるのだッ!!

その壁はどんどん変形していき、最後にはッ!!

 

ドグオォォン……

 

浄夜「爆破したッ!?」

パルスィ「『ハウンド・ドッグ』…私のスタンドよ」

浄夜「……なるほど…な。どうやら、遺体を持った物は強いらしい」

パルスィ「貴方…さっきから()()()()()()()()()の?」

浄夜「なんだって?」

パルスィ「私は…『遺体なんか持っていない』わよ?」

浄夜「…なん…だって?」




スタンド 『ハウンド・ドッグ』

能力針の刺さったものを爆破させる能力

元ネタ…1976年に結成された日本のロックバンド『HOUND DOG』より。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハウンド・ドッグ その2

浄夜「遺体を持っていない…?ならば…テメェはなんのために遺体をてに入れようとしている……?」

パルスィ「さぁ?強いて言うなら『集めなければならない使命』を感じたから…かしら?」

浄夜「遺体の存在はいつ知った?」

パルスィ「ゴチャゴチャ五月蝿いわねぇ!!その口、爆発させる?」

浄夜「嫌なこった」

 

パルスィはいつ、スタンド能力を手に入れたのか…

 

紫『どうしたの浄夜!?スタンド使い!?貴方の他にスタンド使いが…』

パルスィ「五月蝿い」

 

ドグオォォン…

 

浄夜「通信機がッ!!」

 

パルスィの『ハウンド・ドッグ』により、背中に背負った通信機は爆発された…

いや、待てよ…?

 

浄夜「どうやって…爆破した?」

 

まず、ここにいる人物の位置を確認しよう。

パルスィは橋の上。そして、パルスィの真っ正面に俺、浄夜が居る。

俺の後ろは壁。さっき爆破された壁だ。

 

ここで、問題が生じる。

パルスィは、針を放った素振りはしていない。勿論、俺も避けた記憶はない。さっきの針の一回だけしか避けていない。

パルスィは、どうやって俺が背中に背負っている通信機を爆破させたのか。

分からない…そう考えていたら、すぐに答えがわかった。

 

浄夜「……シャボン玉?」

 

そこに、シャボン玉が浮かんでいたのだ。

そのシャボン玉がそこの岩に触れた瞬間ッ!!その岩は変色したッ!!

 

浄夜「ま、まさかッ!?」

パルスィ「そう…そのシャボンは…『ハウンド・ドッグ』が放った()()()()()シャボンよ!」

 

ドグオォォン……

岩は爆破。

 

パルスィ「気づかなかったの?爆破していた時には、貴方のまわりはシャボンだらけよッ!!」

 

俺は、『ハウンド・ドッグ』の針がそこに転がっているのを見付けた。そして、分かったのだ。

 

浄夜「そう言うことか…こいつァめんどくさくなりそうだ」

 

つまり、こう言うことだ。

パルスィの『ハウンド・ドッグ』の能力は、どういう仕組みかは確信できないが、針はきっと水素と火を発生させることができる。

針の構造から見ると、針の裏には穴が空いている。ここから水素が吹き出ているのだろう。

火は、衝撃で発生するなんらかの小さな個体(細胞や細菌など)だろう。忌々しい『恋人』の暗示を持つダンとの戦いのときのように、エコーズact3を小さくして確認した。

それを利用し、針の裏の穴にシャボン液を定期的に送り込み、発生する水素によって、水素シャボンができる。勿論、シャボンは膨らむため、火を発生する何らかのものは付着する。

 

浄夜「意外と頭良いのな」

パルスィ「それを瞬時に分かるあんたもね。妬ましいわ」

浄夜「そうか?それは嬉しいね」

パルスィ「余裕ね。まわりにはシャボンがいっぱいあって動けないのに」

浄夜「う~ん、そうなんだよなぁ。動けなくて困る。()()()()()

パルスィ「…は?」

浄夜「おっと、そこまで頭が回らなかったか?水素は、密度が小さいこと、知ってるだろう?」

パルスィ「あ…で、でもッ!!」

浄夜「上にある岩に当たって爆破し、その岩が落ちる…だろう?」

パルスィ「うッ!?」

浄夜「ふぅ…『スパイスガール』ッ!!」

 

浄夜がスパイスガールにならず、浄夜のそばにスパイスガールが出てくる。

 

浄夜「そういや、『スパイスガール』って喋ったもんな…自分の意思があるってことか」

スパイスガール「柔ラカクシマシタ」

浄夜「俺の真下の床は柔らかい。上から岩が来ても大丈夫」

 

ドグオォォン…ズドドドドドドォォン…

 

岩は落ちてきて、普通なら助けてーって言うところだが、浄夜は仁王立ち。

 

浄夜「勿論、死ぬこともない。チョイ頭が痛いが」

パルスィ「あ、えーっと……負けかしら…これ…?」

浄夜「YES!YES!…君の負け」

 

WAAAAAAAAANNA BEEEEEEEEEE!!(ワーーーーーーナァビィーーーーーーー!!)

 

水橋パルスィ 再起不能(リタイヤ)!!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

漆黒の灰

浄夜「俺、理数科が得意でよかったなぁ…」

 

俺が吹っ飛ばしたパルスィは『クレイジー・D(ダイアモンド)』で治した。

流石にそのままは可哀想だからね。ただ問題…と言うより気になる点が一つ。

 

浄夜「『聖なる遺体』を持っていない……ねぇ…」

 

彼女は聖なる遺体を持っていないにも関わらず『スタンド』を使えた。

生まれつき…か?

 

ザー…ザザー…

 

浄夜「ン?なんだ?…今…壊れているはずの通信機が…『クレイジー・D』で、治した訳じゃあないしな…おかしいな」

 

『ザー…ザザー……あーあーマイクテスッマイクテスッ』

 

浄夜「……は?」

 

もしかして…この声は…

 

神様『ハァーイ!!浄夜君ッ!!聴こえるかな?』

浄夜「聴こえません」

神様『聴こえてるじゃん!!』

浄夜「何の用だ」

神様『彼女がスタンドを持っていた理由についてだよ』

浄夜「よかろう…言ってみろ」

神様『ブッ飛ばすよ?』

 

神がそれ言ったら洒落にならん。

怖ぇよ。

 

神様『これは…幻想郷の人々に『聖なる遺体を渡した理由』でもあるんだよね』

浄夜「…どういうことだ?」

神様『DIOは…知ってるよね?』

浄夜「あぁ…勿論だ」

神様『DIOの最期ってどんな感じか覚えてる?』

浄夜「…さっきからなにを…」

神様『いいから!!』

 

分からん奴だ。

DIOの最期なんて…ジョジョ好きなら誰でも知ってるだろうが。

 

浄夜「朝日を浴びせられて灰になった…だろ?」

神様『そう…そうだね。それで、一件落着…ではなかったんだ』

浄夜「は?なにを言っている?DIOはもうそれで消滅しただろ」

神様『いいや…してないよ』

浄夜「さっきからなにが言いてぇんだッ!!」

神様『DIOは灰になった…つまりッ!!DIOはッ!!灰として生きているんだッ!!』

 

灰として生きている?どういう意味だ?

 

神様『サンタナが石化しても生きていたように…DIOも、細胞一つ一つが石化して生きているんだよッ!!』

浄夜「な、なにィィィ!?」

神様『ハァ…ま、またテンションが上がっちゃった…。つまりね、何者かが灰を集めてこの『幻想郷にバラ撒いた』のよ』

浄夜「そんな…ありえねぇ…」

神様『DIOの灰…『漆黒の灰』は、人を選ぶの。闇を抱えた人に住み着く』

 

俺はパルスィを見た。

闇を抱えている…のか。この子が…。

 

神様『彼女が『ジョースターやツェペリの遺体』を使命と言って集めていたのは、DIOの灰が無意識の内にジョースター家やツェペリ家を滅ぼそうと思っていたからなの』

浄夜「そう言うことだったのか…彼女の中にある『漆黒の灰』はどうすりゃあ良い?」

神様『そ、それは……殺すしか…ない』

浄夜「…は?殺す…だと?」

神様『灰は脳を操るため、脳に存在する。脳を破壊するしかないのよ』

浄夜「……ふざけんなよ?」

神様『……』

浄夜「いや、テメェが悪くないのは分かる。だがッ!!心に闇を負った少女が、何故ッ!!何故こんな目に遭わなくちゃあならねぇんだッ!?」

神様『……そんなこと…言っても』

浄夜「諦めねえよ」

神様『え?』

浄夜「俺は今、『クレイジー・ダイアモンド』だぜ?」

神様『ま、待ってよ!!生きていられる確信はできないわよ!?』

浄夜「やらず後悔するよりも、やって後悔するべし。俺の哲学な」

 

分かってる。脳死するかもしれない。

見たところ、彼女は妖怪だ。そんなすぐには死なないはず。そう思うしかないだろう?

 

浄夜「クッ!!おい、脳のどの部分に灰があるんだ?」

神様『松果体って部分…』

 

結構内側じゃあねぇか……

指で松果体を触れてDIOの灰を『クレイジー・D』を集めて、脳を治せば良いか…

かける時間は全力で短く…だッ!!

 

浄夜「フゥ~…ドラァ!!」

 

『ドラァ』のドの部分で全ては完了していた。

浄夜の手には…

 

浄夜「これは…『目玉』か…」

 

DIOの右目があった。

だが、浄夜にはそんなことどうでもよく、すぐにパルスィの脈があるかを確かめる。

 

浄夜「…ッ!!」

神様『ど、どう?』

浄夜「……ヤッタァァァァッ!!」

 

どうやら、生きていたようだ。

 

神様『…フ…フフ…フハハハハハ!!素晴らしいよッ!!実に、素晴らしいッ!!』

浄夜「おいおい…どうしたよ?」

神様『いやね、君が想像以上にスゴい人間だったからさぁ…ちょっと興奮しちゃって』

浄夜「ハハ…なんだそれ?」

パルスィ「ン…」

浄夜「ッ!!パルスィッ!?」

パルスィ「なに…ああ、負けたんだっけ?ふぅ…悔しいけど…なんか頭がスッキリした感じがするわね。なにかした?」

浄夜「……いや、なんもしてねえよ。とりあえず無事でよかった…」

パルスィ「あれ…傷がない?あなたの能力?」

浄夜「まあな」

パルスィ「そう…とんだお人好しね。妬ましいわ」

浄夜「お前が生きてただけでも嬉しいよ。立てるか?手、貸すぞ?」

パルスィ「ありがと」

 

浄夜は、パルスィをおこした。

彼女の手は暖かく、生きていると改めて実感した。

 

パルスィ「なんか…すまなかったわね」

浄夜「いや良いよ。気を付けろよ?じゃあな!!」

パルスィ「ああ、ちょっと待ちなさい」

浄夜「ン?」

パルスィ「貴方のような人間は、ここの妖怪は大歓迎するわ。異変解決後にでも、また来なさい。その時に、この仮を返すわ」

浄夜「………楽しみにしてるぜ」

 

言い残し、通信機を直しながらその場を去った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

盃に映る月

霊夢「ハァ……ハァ……」

魔理沙「ま、まったく……バケモンだぜ……浄夜達はこんなのと闘ったのか」

??「そりゃあ、鬼だからな。強くて当たり前」

 

歯が立たない。片手に持った盃から、一滴も酒は溢れていない。

私達は二人がかりで闘っているのに。

この『星熊勇儀』という鬼は、どうやら萃香の古い友人らしい。

だが、俊敏性、パワーに関して萃香以上だ。闘っている途中で分かる。このままじゃあ敗ける。と…

 

勇儀「いや~強いね。久しぶりに強い人間と闘ったよ。ちゃんとズルもせずにね」

霊夢「こんな…状態で…思い付かないわよ…ズルなんて…」

勇儀「運動不足なんじゃあないのかい?巫女だから修行ぐらいはしてそうだけどねぇ」

霊夢「嫌いよ…修行なんて…」

勇儀「へえ!!それでそんなに強いんだ!!ちゃんと修行すればこの盃から2、3滴は溢れるのに」

霊夢「そいつは…どうも……」

勇儀「ちょいと休んだ方がいいんじゃない?そこの魔女擬きも辛そうだ」

魔理沙「ハァ……ハァ……余計な…お世話さ…」

勇儀「楽にしてあげよう。大丈夫、気絶するだけさ」

 

その言葉に、私達は構える。

 

勇儀「無駄だよ。無意味。『三歩必殺』」

霊夢「ッ!?」

魔理沙「ウッ!?」

 

雰囲気が変わった。その圧倒した妖力に怯んでしまった。

そして、勝敗が決まるッ!!

 

勇儀「一歩ッ!!」

霊夢「ウグゥッ!!」

魔理沙「ウゲェッ!?」

 

右ストレート。まわりの家がガタガタと揺れる。

 

勇儀「二歩ッ!!」

霊夢「クッ!!」

魔理沙「ガハァ!!」

 

瓦が飛び、そこの岩が崩れる。

 

勇儀「三歩ォッ!!」

霊夢「クァ!!」

魔理沙「ウゥッ!!」

 

地震が発生し、二人は300先まで飛ばされた。

辺りは、まるで嵐が過ぎ去った後の町のような、悲惨な光景であった。

 

勇儀「お前達を倒すのは、『散歩』のように簡単さ。おお、寒い」

 

勇儀は盃の酒を呑み、一息。

 

勇儀「さぁて、大工の奴等に起こられる前に帰るとす……」

浄夜「ゴージャスッ!デリシャスッ!!デカルチャーッ!!!」

 

すたこら帰ろうとしていたその時、男が三回バウンドしながら落ちてきた。

え、どうしよう。スゴい、ヤ○チャっぽいポーズで倒れてる。いやームチャしやがって(おい

 

勇儀「……大丈夫か?」

浄夜「NO」

勇儀「良かった…大丈夫なんだな」

浄夜「おい」

勇儀「多分、今の地震だろう?すまないね。私のせいだよ…ン?なんだ浄夜じゃあないか!!」

浄夜「やあ、勇儀。久しぶり。いきなり地震が起きたと思ったら後ろから岩がドーーンってぶつかってきやがった」

勇儀「そして、ここまで飛ばされたと」

浄夜「そう言うことだ」

 

浄夜は、取り合えず誰もが気になるであろう、勇儀の額に立派に尖ったツノを観る。

 

浄夜「お、今日も立派な角だな」

勇儀「ハッハッハ、まあね!!」

浄夜「萃香に最近会った?」

勇儀「会ってはないけど、久しぶりに話した」

浄夜「あぁ、霊夢と魔理沙が持ってた通信機?」

勇儀「そうそう、通信機って言うんだ。それで萃香の声が聴こえたからもうビックリさ」

浄夜「ホウホウ…ちょいお待ち。おーーーーーい、お茶…じゃなかった。萃香ァ?居るか?」

 

と、通信機に向かって話し掛ける。

 

萃香『よう、勇儀。さっきぶり!!』

勇儀「さっきぶり」

萃香『どうさ、久しぶりに見た浄夜は?』

勇儀「イケメンだねぇ」

浄夜「イケメンね…皮肉をありがとうっと…」

勇儀「え?」

浄夜「ん?」

勇儀「まあ、良いや。どんぐらい強くなった?」

萃香『霊夢位…若しくはもっと強いよ』

勇儀「おお、これは期待できそうだ」

浄夜「ン?話が見えねぇぜ?」

勇儀「んじゃあ、やるか。浄夜」

浄夜「いや、待て待て!?なにが!?なにをやるってのッ!?」

萃香『レディー……』

浄夜「おいこらッ!待てって言ってんだろうがァァァァ!!」

萃香『ファイトッ!!』



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

盃と逆月

お待たせしました!!
特にネタが無いんでそのままどうぞ!!


萃香『レディー…ファイト!!』

勇儀「ハッ!!」

浄夜「間一髪で回避ィィィ!!」

 

勇儀の繰り出すパンチを避ける。海老反りで。

地震を起こした奴のパンチなんて喰らいたかねぇよ!!

 

勇儀「まだまだァァァッ!!」

浄夜「ッ!!」

 

拳をそのまま降り下ろしてきやがった!!

まぁ、いい。相手を間違ったなッ!!俺はこの回避方法を知っているッ!!勝ったな…(これを俗にフラグと言う)

 

浄夜「『ストーンフリー』ィィィィ!!」

 

自分の体を糸にするッ!!そうすることで勇儀はそのまま拳を振るい、糸の結界に入るッ!!

勝ったぜぇぇぇ!!(だからフラグだって)

 

勇儀「危なッ!?」

浄夜「エェェェェェ!?」

 

あんな力一杯降り下ろした拳を止めやがった!?どんな体してんだッ!?(お前が言うな)さっきからうるせぇ!!(サーセン)

 

勇儀「やっぱ、久々に戦うと分かるねぇ。頭が良いようで、なによりだよ」

浄夜「ま、まあな」

勇儀「そんじゃあ…ほい」

浄夜「うわ!?」

 

海老反りをしている状態の俺の額を指で押しやがった!!そりゃあ倒れるぜ!?だって海老反りだもの!!だって重力あるんだもの!! だって人間だもの  みつを

 

浄夜「痛った~~……ハッ!?」

勇儀「オラァ!!」

浄夜「グフゥッ!!」

 

よ、容赦なしか……まぁいい。

あー腹痛てぇ…

どうすればよいか…考えろ…

力量的に…コイツだな。

 

浄夜「『スタープラチナ』ッ!!」

勇儀「ッ!!」

 

「オラァ」と、一発殴ってやったが、瞬間でガードだ。

強敵だ。ああ、言うまでもなくな…

燃えてきた。

 

浄夜「なぁ、久々にラッシュ比べといこうぜ」

勇儀「いいねぇ…」

 

二人は歩み寄り、3mの距離まで来た。

 

勇儀「………ふぅ」

浄夜「………ふぅ」

二人「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」」

 

クッ!!押されてるッ!!

 

勇儀「オラァ!!」

浄夜「グッ!?」

勇儀「いやぁ、短いけど今回も楽しかったよ」

 

勇儀はそう言い、構えた…

 

勇儀「『三歩必殺』」

浄夜「ッ!!」

勇儀「一歩ッ!!」

 

強風が襲う!!

 

勇儀「二歩ッ!!」

 

瓦礫が飛び交う!!

 

勇儀「三歩ォッ!!」

 

地面が捲れ上がる!!

 

勇儀「……ふぅ」

 

そこに、浄夜の姿はなかった。

 

勇儀「楽しかったよ。樹条浄夜…」

 

勇儀は、盃に酌まれた酒を呑む。

 

浄夜「俺、まだ戦えるぜ?」

勇儀「ウオォッ!?」

 

吃驚、仰天した。後ろに浄夜がいたのだッ!!

その衝撃に酒をこぼしてしまった!!

 

浄夜「戦うか?」

勇儀「………驚いた。まさか、また負けるなんてね…この私が」

浄夜「は?」

萃香『いやぁ、たまげた!!まさか鬼に二度も勝っちゃうなんて!!』

浄夜「待て待て、理解できない!!どう言うことだ?なんで勝ったことになった?」

萃香『あれ?説明しなかったっけ、ハンデのこと』

浄夜「ハ、ハンデだとッ!?どう言うことじゃい!?」

勇儀「私って鬼だろう?人間が勝てるわけないのさ。だから、本気を出さないのと盃から酒がこぼれたら敗けなのさ」

 

聞いてねえよ……てか!!本気じゃあなかったのかよッ!?

嵐と一緒に闘ったときも!?あれが本気じゃあなけりゃ、100%はどんなになるんだってばよッ!?

 

勇儀「ちょいと悔しいが…まあ、楽しかったよ」

浄夜「俺も勝ったのに、ちょっとした敗北感を感じるよ…」

勇儀「いつでも地底に来な。快く迎える。ついでに、あの奥の館に向かいな。多分、お前たちが目指している場所だよ」

浄夜「そりゃありがてぇ。じゃあな」

勇儀「じゃあね。ああ、そうそう。あの瓦礫の上で巫女と魔女が夢を満喫してるから」

 

………ハァ。なにやってんだか。

そう思い、クレイジーダイヤモンドの姿で瓦礫の方へと進んでいった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ゴールド・エクスペリエンス その1

二日連続で投稿しました。前回の話を見ていない方はそちらもどうぞ。


雛「ンッー!!分かんないわ!!」

 

妖怪の山。鍵山雛は悩む。

 

雛「全く…この左手の文字が、本当に場所を示すっての?」

 

浄夜に教えられた。この文字は次の遺体の場所を示すようだと。

でも…どう見たってただの文字。ちょっと形がおかしい文字じゃあないの?

 

雛「ハァ…結局、浄夜の家……あ、浄夜は居候だから自分の家ではないのか。取り合えず来てしまったわ……だって、分からないんだもの。すいませーん!!誰か居ますか!!」

 

「ハーイ」と、声がする。ンー女の人?この神社の巫女さんかしら?

 

早苗「こんにちは。どうかしました?」

雛「浄夜さん、いらっしゃる?」

早苗「あースミマセン。今、異変解決に行ってるんですよ」

雛「あらら…最近多いわね。分かったわ。ありがとう」

早苗「どういたしまして!!いつでも来てくださいね!!」

雛「時間空いていたらね~」

 

そう言い、鳥居を潜った。

 

雛「あーんな可愛い娘と一緒に住んでるのかぁ。う~ん、ちょっとなぁ…まぁいいか」

 

そう独り言を呟いて、上を向く…すると、見えたのだ。

あの『文字』が。

 

雛「ッ!?」

 

ここから見た景色……それがッ!!左手に書かれた『文字』なのだッ!!

 

雛「左手の文字が消えかかってる……ここに遺体がッ!!もしかすると、あの巫女さんがッ!?」

 

急いで神社に戻ろうとするが、足が動かない…

下を向き、足を見ると……そこにはッ!!

 

雛「木の枝がッ!!足に絡まっているゥゥ!?」

女の子「おねぇちゃん、どうしたの?」

雛「な、何でもないわ。気にしないで遊びに行きなさい」

女の子「やだよ」

雛「クッ…爪で木を削ろう」

 

そう思って触れた瞬間ッ!!

 

ガシィ!!

 

木が更に伸びたのだッ!!

 

雛「な…なにやってるの…!?」

女の子「木を伸ばしてるの。おねぇちゃんを逃がさないためにね」

雛「ッ!?き、君が遺体を持っているのかァァァッ!?」

女の子「大正解よ。おねぇちゃん♪」

 

この女の子がッ!!遺体を持っているッ!?

妖怪かッ!?

 

こいし「私の名前は古明地こいしね。こいしでいいわよ。おねぇちゃんは?」

雛「クッ!!」

こいし「早く言いなよ。私の『ゴールド・エクスペリエンス』で殴られたくないのならね」

雛「フフッ……面白いわね…貴女のような女の子にも遺体をあげる神様がねッ!!」

こいし「あ~あ、日本語が通じないなぁ。『ゴールド・E(エクスペリエンス)』!!」

雛「ウッ!!………ッ!?」

 

す、鋭い痛みが…ゆっくりと…ッ!!

細胞が…暴走しているッ!?い、痛い……ッ!!

 

雛「ガハッ!?」

こいし「フフフ……鋭い痛みをゆっくり味わってね」

雛「ハァ…ハァ……」

 

雛は左手を向け、指を中心に回転させるッ!!

だが、攻撃は出来ない。

 

こいし「おねぇちゃん?低脳なのかなぁ?木が伸ばせるの知ってるよねぇ?」

 

その回転している指は、木で止められた。

 

こいし「言っとくけど、木を削っても成長するよ?私が触れている限りねッ!!」

雛「攻撃すれば…良いって訳ね?」

こいし「…何をいってるの?」

 

前言撤回。どうやら攻撃が出来るようだ。

雛の指の回転は止まっている。

 

こいし「なにも起きてないわよ?指も元に戻っているようだし、惑わせるためだったのね?」

雛「どうかな?」

こいし「……!?」

 

こいしに激痛が走ったッ!!

穴が移動しているッ!!()()しながら移動しているのだッ!!

 

雛「確かに、指は回転してない…だけど、『指』の話だッ!!回転は、この指に絡まった木に伝わって貴女の方へと向かっていったッ!!回転は『穴』になっても死なないぞッ!!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ゴールド・エクスペリエンス その2

勇儀戦を大改造ビフォーアフターしました。
なんということでしょう!!(作者の頭が)

いや、人間誰しも物忘れはしますよ。時には大事なことだって忘れてしまう。
はい、言い訳ですスミマセン。天使と桐生さん、すみませんでした。コラボの時に勇儀と萃香が登場したのを忘れていました。本当に申し訳ありません。

もう、修正をしたので宜しければ修正版もどうぞ。

それでは、どうぞ!!


こいし「クッ!!」

 

こいしは痛みで後退りする。何が起こったのか、彼女には理解が出来なかった。

雛の能力が分からなかったからだ。

だが、それは雛も同じである。

 

雛「その、木を生成する力。そして、細胞を暴走させる力だけなんて考えてみればそんなじゃあないの?」

こいし「……」

 

木を生成するんじゃあない。命を吹き込むのだ。

勘違いをしている。

まだ勝てる道があるようだ。

 

こいし「『ゴールド・E(エクスペリエンス)』ッ!!」

雛「……」

 

雛は警戒して、指を向ける。

だが、こいしは何を思ったか、そこら辺にあった比較的大きい石を持ち……投げた。

 

雛「…?」

 

勿論、避けられるスピードなので避ける。

 

こいし「あちゃー避けられちゃった。残念、残念」

雛「……ふざけているの?」

こいし「そういやさ、ここってなんか毒々しい臭いがするんだけど…なんで?」

雛「……」

こいし「そのぐらい答えたって良いじゃあないの」

雛「土に有毒な物が入っているらしいわ。河童が検査して発見した」

こいし「へぇ……」

雛「一体何なのよ……何が言いたいのよ」

こいし「ただの雑談」

 

ふざけている。舐めているんじゃあないか?そう思えてくる。

 

こいし「もっと具体的に言えば…」

雛「……ッ!?」

 

左足に強烈な痛みを感じた。

後ろを見ると、蛇がいた。

 

こいし「毒蛇の為の時間稼ぎの雑談……だけどね♪」

 

毒蛇…その為の雑談。

私の後ろに毒蛇が居たことに気付いて雑談したのか?いや、一目で毒蛇と判断するのは難しいことだ。実際に、私はただの蛇だと思った。

そもそも、この山には毒蛇なんかいない。じゃあなんで……

まさか、さっき投げた石?でも、その石には何も付いてなかった。石に蛇をへばりつかせた訳じゃあないのか……もしかして……石を蛇に変えた?

彼女の能力は……ッ!!

 

雛「クッ!?」

 

視界がボヤける。

 

こいし「あ~あ、毒が結構回ってきてるね~」

雛「ハァ…ハァ…貴女の能力……物に命を吹き込むのね……」

こいし「え~今頃~?そうよ、そう言う能力。例えば、このを蝶に変えることだってできるのよ!!ほら!!」

 

そう言い、土を蝶にした。

 

雛「……」

 

雛は指を向ける。

 

こいし「………止めときなって。どうせ、意味ないからさ」

雛「黄金長方形のパワー……くらえッ!!」

 

こいし「………」

 

こいしは木を生やした。

これで、ガードをするつもりだ。

だが無意味。

 

こいし「なッ!?」

 

なんと貫通したのだッ!!とっさに避けるッ!!

 

こいし「ハァ……ハァ……危なかった…」

 

だが、安心はできない。回転は続いているッ!!

 

こいし「木に空いた穴が回転しているッ!!」

 

雛の能力は…回転。

さっきの言葉の意味がわかった。穴になっても、回転は死なない……こっちに来るッ!!

 

咄嗟に木の枝をつかみ、地面から離れる。

だがッ!!穴は追ってくるッ!!

 

こいし「登って来たッ!?」

 

そして、手を離す。

それと同時に、羽に穴が開いた蝶が肩に落ちてきた。さっき、生成した蝶だ。その羽の穴は…()()()()()()のだッ!!

穴は肩に移り、足に向かって、足を崩したッ!!

 

こいし「ウッ!!」

 

その場で膝をつく。だが、内心ホッとしていた。

穴が心臓や脳に向かわなくて…と。だが、その安心が恐怖へと変わる。

貫通し、木に開いた穴のことを忘れていた。

どうやら、回転は終わったらしい。が、大きく穴が開いた為、木が倒れてくるッ!!

 

こいし「うわァァァァッ!!」

 

ズドォォォン……

 

こいし「…………ッ!?」

雛「ハァ……ハァ……」

 

雛が、act1の爪で木を破壊したらしい。

倒れてきた木が木っ端微塵になっている。

 

雛「間に……あっ…た……」ドサッ

こいし「おねぇちゃんッ!?さっきの毒が…『ゴールド・E』ッ!!あの蛇からワクチンをッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛「ン…ここは…」

こいし「おねぇちゃんッ!?目が覚めたッ!?」

雛「貴女は…」

巫女「あら、目が覚めました?」

雛「……はい。私…なんでここに?」

巫女「こいしちゃんが運んできたんですよ」

 

そう言うと、こいしが嬉しそうな顔をした。

 

こいし「本当によかった…死ななくて……よかった…」

雛「私も安心してるわ。貴女が可愛い子供だってことがね」

こいし「エヘヘ」

 

どうやら、この先の奇妙な物語は過酷な物となるらしい。

彼女の遺体は諦めた。

同時に、彼女にもこの物語の仲間として…居てくれないものかと思うばかり。

考えても仕方がない。そう思いながら、こいしの頭を撫でた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

心の中は霧雨に

霊夢「イタタタタ」

浄夜「んなわけねぇだろ。クレイジー・ダイヤモンドで治したんだから」

魔理沙「脳が勘違いしてんじゃないのか?私は全然痛くないぜ」

浄夜「見た目は痛いがな」

魔理沙「お?殺るか?」

浄夜「遠慮しておく」

 

などとふざけているが、今は異変解決中。別に飲み会中じゃあない。

今、俺はいったい何をやっているんだろうと思ったりするが、霊夢達は慣れているからこそこう言う話をしているのだろう。俺は慣れてないから、すっかりこの人達のペースにのみこまれている。

 

浄夜「ン、ここだな。地霊殿ってのは」

魔理沙「へぇ、でかいじゃあねぇか。どっかの神社とは大違い」

浄&霊「「あ"?」」

魔理沙「あ、いや、浄夜には……」

浄夜「覚悟はいいか?オレはできてる」

魔理沙「いやぁ……その、なんていうか…………すまないZE☆」

浄夜「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!」

魔理沙「タコスッ!?」

 

そして彼女は帰らぬものに……「勝手に殺すな!!」

 

霊夢「なによ。生きてるんじゃあないの」

魔理沙「生きてちゃあダメかッ!?」

??「あの…」

浄夜「それを決めるのは…君さ」

魔理沙「オメーも痛いじゃあねぇか!!」

霊夢「ふ、深いッ!!」

魔理沙「嘘だろ!?」

??「いや、あの…」

魔理沙「こんなの深くもないぜ!?ただキザなことを言っているだけだ!!」

浄夜「そうかもしれないし……そうじゃあないかもしれない」

霊夢「もっと深いッ!!」

??「あのッ!!さっきから人の家の前で何やってんですかッ!?五月蝿いですよッ!!」

三人「…………誰?」

 

桃色の髪をした少女……と言うより幼女。体の回りに絡みつくように浮いている…目?みたいな何か。ほほう成る程、中二病か。

 

中二病「三人同時に同じことを思うの、止めてください。そして、名前のところに中二病って書くの止めてください。せめて『女』とかにしてください」

浄夜「じゃあ、女」

さとり「女じゃないです。古明地さとりです」

浄夜「ンだよ。女にしてくれって言ったり、古明地さとりって言ったり。お前の名前は何さ」

さとり「この人やだよ。スゴい屁理屈言ってくる」

浄夜「屁理屈も理屈だ」

さとり「もういいですよ。取り合えず何用ですか?」

霊夢「異変解決に来たの。あんた?地霊どもが湧いてくるんだけど」

さとり「本当は解決したくないなって思ってますね?」

霊夢「えッ!?」

 

それ、幻想郷の巫女としてどうなのさ。

 

さとり「温泉が沸いたから参拝客が増える、って思っていますね」

 

あぁ、成る程。なんと言う金の執着。前世はお金と恋人だったんじゃあないだろうか。

それにしても多分この子、心を読むのか。色々と大変そうだな。見たくもない物まで見てしまう。例えば、オレの家のベッドの下にある……

 

さとり「薄い本ですか」

浄夜「正解ィ!!」

霊夢「薄い本?何それ」

魔理沙「魔法書かなんかか?」

さとり「知らなくて結構です。というか、スゴいですね」

浄夜「内容?」

さとり「違う!!……コホン。貴方達ですよ」

浄夜「オレェ…?」

さとり「そう。貴方達。普通、心を読まれるのは抵抗がある筈です。貴方は自重した方がいいですが……まぁ、兎も角、私に嫌な印象を持つと思ったのですが…」

浄夜「まぁ、オレら普通じゃあ無いしな」

さとり「貴方は読めば分かります」

浄夜「心を読んで惚れるなよ?」

さとり「それで惚れる人なんて居るわけないじゃあないですか」

霊夢「か、カッコいい!!」

魔理沙「輝いて見えるッ!!」

さとり「漫才師かなんかですか?」

 

自然に口が動いちゃうんだ!

うむ、そろそろ聞こうか。

 

浄夜「さて、異変の主犯者は誰だい?」

さとり「私のペットです」

浄夜「そう言うご趣味で」

さとり「なぜそっちを連想するんですか。根っからのアレですね」

浄夜「いや、さとりならきっとそうかなと」

さとり「初対面でそう言う趣味と思われたのは初めてですよ」

浄夜「俺も初対面でそう言う趣味だと思ったのは初めてだよ」

さとり「ハァ……この地霊殿の中にある旧地獄に彼女は居ます。自由にまわっていいですよ」

浄夜「俺ってバレエやスケートの経験ないからさ」

さとり「まわるの意味違う」

霊夢「ねぇ、何時まで夫婦漫才してるの気?家主の許可もらったんだから行きましょうよ」

浄夜「おう、分かった。って言うか案内してくんね?」

さとり「私も付いていきますが、中にいる猫が案内しますよ」

浄夜「おや?まるでもう用意していたみたいに言うね?」

さとり「えぇ、内心焦ってます。何せペットが大暴れですから。私には手がつけれません」

浄夜「それで、異変解決者の俺たちに任せたと…そう言うわけか?」

さとり「はい、そう言うことです。ですが、やはり殺されちゃあ困るわけですよ」

浄夜「安心しろ、元より殺す気はねぇ」

さとり「知ってます。心、読めますから」

浄夜「便利、便利」

 

思ってもいない言葉を発し、地霊殿の中へと入っていった。

と言うか、心が読まれたってことは遺体や灰のことを知ったってことか。まぁ、隠すこともないだろうし、いいだろう。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

おりんりんランドじゃねぇから!!

タイトルが謎過ぎる。え、始まってる?知らんなぁ。

コホン……やあ、みんな。私だ。

絶賛地震中だ。さとりの話によるとペットが暴れているらしい。

そういうプレイでs「おい」…そうだ、コイツ心を読むんだった。

兎に角、ここが崩れりゃ上も大惨事。それは皆も分かるだろう?

だから劇的に焦っているわけなのさ。

親玉を倒すと何故か城が崩れるゲームとかアニメがあるが、最初から崩れてりゃしょうがないだろ?

にしても急に暴れだしたな。

 

霊夢「これ、崩れるんじゃあないの?」

さとり「知りません。元々日本は地震が多い国だったので、丈夫には造ってありますが…」

魔理沙「本当に大丈夫なのか?心配だぜ。まあ、もしもの時があったら霊夢を盾にするぜ!!」

 

それは本人の前で言うべきなのか?と言うかその本人が、今の言葉を聞いてもスルーしていることにも驚きだし。

 

浄夜「聞きたいのだが」

さとり「ダメです」

浄夜「ならいい」

霊夢「えぇ?」

 

この猫はなんなのだろうか。

さとりはさっき、案内してくれると言ったが……本当に猫だ。

いやぁ、動物は癒されますな!!猫草(ストレイ・キャット)もこんぐらいかわいいのかな?

 

さとり「火焔猫燐です」

浄夜「ん?」

さとり「この子の名前ですよ。火焔猫燐と言う名前なんです。お燐と呼んでやって下さい」

お燐「宜しくね!!お兄さん」

 

・・・・・・は?

 

浄夜「はあ!?」

霊夢「なによ?いきなり」

浄夜「いや、これ、はあ!?」

魔理沙「五月の蝿と書いて五月蝿い」

さとり「この人、お燐が妖怪だって知らなかったのよ」

浄夜「知るわけないだろ!?あの猫の姿からどうやってこの少女の姿を思い浮かべればいいんだよッ!?」

お燐「しっぽ」

浄夜「あぁ?」

 

言われて、お燐の尻尾を見てみた。するとビックリ!!尻尾が二つに別れてた。つまり……

 

浄夜「妖怪やんけ……」

 

霊夢や魔理沙はすぐに気づいたと言うわけか。流石、戦いのプロ。洞察力が高い。

 

お燐「どぉお?私の『ないすばでー』を見て」

浄夜「猫に戻ってくれ」

お燐「ニャ!?なんで!?」

浄夜「人間の姿のままじゃあ、さとりがそういう趣味があるヤツってことに「あ"あ"?」ならないからそのままでいい」

お燐「??」

 

さとり、恐ろしい子!!と、恐怖しながら前へ前へと進んで行く。

思いの外に広く、いつになったら到着するのか分からない。まるで、無限階段ならぬ、無限廊下かな。今まで幾つの部屋を通り過ぎただろう。こんな豪邸に住みたいなって思ったヤツは出てこい。迷子になるから。

 

お燐「着いたわよ!!おおー揺れる揺れる」

浄夜「うむむ……暑いな」

さとり「そりゃあ、灼熱地獄ですから」

三人「「「Oh my god!!」」」

 

息ピッタリ!!俺達は同時に口を開き、同時に思っただろう。

灼熱地獄だと?冗談じゃあない。しゃーない。暑さに耐えるため、ここは魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)になろう。

 

お燐「ニャニィィッ!?お兄さんが鳥になった!?」

さとり「三歩必殺したら記憶がとんだ」

浄夜「鶏じゃあねえから」

霊夢「ちょ、浄夜!!暑い!!」

浄夜「松岡○造じゃねぇから」

魔理沙「そう言うのじゃねぇから!!」

浄夜「おりんりんランドじゃねぇから!!」

皆「「「「タイトル回収しなくていいから!!」」」」

浄夜「メメタァ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

烏の瞳

浄夜「わお、地獄」

さとり「まぁ、元々灼熱地獄ですからね」

浄夜「今は使われてないんだ」

さとり「はい」

 

なるほど、旧地獄ってわけか。

 

霊夢「あっついわねぇ…溶けそう」

魔理沙「本当な」

浄夜「早く捜そうぜ。異変の犯人」

霊夢「せやな」

浄夜「何故関西弁?」

 

うおっと、地震が多いな。

これじゃあ、時間の問題か?別に数学の話じゃないぞ?

 

霊夢「とっとと見つけて終わらせましょう」

魔理沙「イエスマム」

 

と、霊夢達が言った瞬間、物凄い力を感じた。

上から?圧力がかかっている。この感覚は……なんだろうか。神奈子のような雰囲気。

上を見上げればそこには女性が一人いた。

 

女性「フッフッフ……かかってきんしゃい!!」

浄夜「………彼女は?」

さとり「『霊烏路空』です。お空って呼んであげてください」

浄夜「了解」

お空「私に会いに来たの?変わり者ね!!」

浄夜「よく言われるよ」

 

言われたくはないが。

 

お空「間欠泉を止めたいのね?」

浄夜「ああ、そうだ」

霊夢「私的には止めてほしくは…」

浄夜「はいはい黙っとけ」

お空「遥か遠くの地上からわざわざ来てくれたのにこんな事言うのも心苦しいんだけど……間欠泉は止まらないわよ。もう遅い、遅すぎたわ」

紫『なんですって?』

 

おっとそうだった。通信機を持っていたんだった。

いきなりで吃驚したぜ。

 

浄夜「間欠泉が止まらない?どういう事だ?」

お空「究極の力を手に入れた」

浄夜「RPGゲームかなにかか?」

お空「ナレーションじゃないわよ。私が、手に入れたってこと」

浄夜「あ~何となく分かった。帰ったら説教(物理)だな」

霊夢「あんたの所の神かよ」

浄夜「お空の圧が神奈子に似ていた。そういや、地底の異変解決に行くって言ったら動揺してたな。ホント、余計なことだけしてくれるよな」

霊夢「同感」

 

魔理沙も後ろでうんうんと頷いている。

あいつら、本当に神なんだろうな?紙の間違えか?

 

お空「さっきから何の話をしてるの?」

 

不機嫌そうにこちらを見つめる。

 

お空「私も入れてよッ!!」

浄夜「それで不機嫌なんかいッ!?」

お空「鳥トークしようよ!!」

浄夜「いや、俺人間」

お空「なに言ってるの?鳥じゃない」

 

あ、そういや俺今魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)だった。

まぁ、いいや。そんなことより…

 

浄夜「そんなことより、戦いだ」

お空「そうこなくっちゃ!!」

 

刹那、弾幕が俺の顔の横を走った。

熱い空気が肌を撫でる。

 

浄夜「はやッ!?」

お空「言ったでしょう?究極の力ってね!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

太陽の核融合

浄夜「『究極の力』ねぇ…」

お空「そう、私は手に入れたのよ」

浄夜「へぇ…」

 

あいつの能力は一体……?

高熱の弾幕が通り過ぎたのを感じる。

しかも……なにか俺に共通する何かを感じる。まるで…雛のような…

 

お空「スペルカードッ!!『核熱「核反応制御不能」』ッ!!」

浄夜「ッ!?なんだァァァ!?」

霊夢「普通じゃあないわッ!?」

 

『弾幕』と言えるだろうか?この大きい球体はなんだ?

ドでかい『弾幕』が襲ってきたッ!!

 

浄夜「ウオオオオオッ!!『世界(ザ・ワールド)』ッ!!時よ止まれッ!!」

 

静止した。飛び交う弾幕、不気味に笑うお空、焦る霊夢と魔理沙。

すべてが静止した『世界』。その中で彼は考えた。

 

浄夜「この大きい弾幕……まるで太陽のような…。そう言えば、『核反応』と言っていたか?もしかすると、彼女は……いや、ありえねぇ」

 

動かない弾幕を避け、お空のところまで来た。

 

浄夜「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!」

 

お空にラッシュをお見舞いし、そのまま時を動かす。

 

浄夜「そして時は……ッ!?」

 

そこで気付いた。手が火傷を負っている。

何故だ?弾幕にも触れてないし、灼熱地獄のマグマにも近づいてすらいない。

ただ、お空を殴っただけ。お空になにか強力な『エネルギー』がまとわりついている?

 

お空「ッ!?うぐェェッ!!」

魔理沙「見えなかった…どうやってあそこまで移動を?」

 

吹き飛ばされたお空は、壁にキャッチされ、吐血した。が、起き上がり、そのまま戦闘体制に入る。

 

お空「何者なのッ!?まさか…()()()ッ!?」

浄夜「何者か聞きてぇのは……待て。『貴方も』ってのはどういう意味だ?」

お空「……ッ」

浄夜「答えろッ!!答えるんだッ!!まさか…『遺体』じゃねぇだろうなッ!?」

お空「……ッ!!」

 

瞼がヒクついた。どうやら図星のようだ。

 

浄夜「そうか…テメェ…誰の『遺体』かも分かった」

お空「なッ!?」

 

目を瞑り、腕を組み、余裕の様子で話す。

 

浄夜「不思議だったんだよ。初めて会って、『私のことを捜してる』なんて。なんでそんなことが分かるのか。さとりやお燐はテメェが暴れるのを阻止してほしいから、地霊殿へ入れてくれた。そんなやつが阻止してほしい奴に『今からお前を倒す奴が来るから』なんて言わねぇだろ?だが知っていた。何故か。それは、『念写』をしていたからだッ!!」

 

またも瞼をヒクつかせるお空。

 

浄夜「つまり、テメェの持っている『遺体』は…『ジョセフ・ジョースター』だッ!!」

お空「うぐぅ!?」

 

全て当てはまる。彼女は波紋使いだ。

太陽のエネルギーを持つ、しかも強力な。究極生命体のカーズよりは劣るが強い波紋を持っている。だから、俺の拳は火傷を負った。

 

霊夢「『遺体』?あの二人はなんの話をしているの?」

魔理沙「分からない」

 

勿論、知るわけがない。

 

お空「くッ…なに勝ったつもりでいるの!?」

浄夜「そうだな…まだ、終わってない」

お空「『サブタレイニアンサン』ッ!!」

 

辺り一面、弾幕で覆われた。

 

浄夜「……」

 

いまだに腕を組んでる浄夜に、腹立たせた。

引力。弾幕と浄夜がお空の方へと引き寄せられる。これで決着をつける。

 

浄夜「フッ……」

 

否、もう決着はついている。

 

「ホワイトアルバム」

 

浄夜はッ!!自らッ!!お空の方へ近づいたッ!!

 

お空「何してるのォォォッ!?」

浄夜「血液の循環を鈍くするために近付いた」

お空「ッ!!」

浄夜「俺は、気化冷凍法ができる訳じゃあねぇからな。テメェを『ホワイトアルバム』で…」

 

お空の意識、そして浄夜の意識も薄れてきている。

そして…

 

お空「………」

浄夜「………」

 

二人とも、落下した。

 

霊夢「浄夜ッ!!」

さとり「お空ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「ン……ググ……」

 

デジャヴ。天井が見えた。

唯一、違うのも天井。

俺は起き上がり、状況を確認する。

 

浄夜「……ン?」

お空「スゥ……スゥ……」

 

包帯を巻かれたお空が、隣のベッドで寝ている。

 

浄夜「………ねみぃ…」

 

異常に部屋が暑いが、多分、お空の体が凍っていたからだろう。

仕方がない。

 

さとり「起きましたね」

浄夜「グゥ…」

さとり「グゥと言って寝るアホは居ません」

浄夜「俺はアホじゃないから寝てる」

さとり「寝言で会話する人間は居ません」

浄夜「俺は人間じゃ……ダメだ。俺人間」

 

そう言って起き上がる。

 

さとり「お空の件ですが、ありがとうございました。感謝します」

浄夜「異変解決のついでさ。感謝する必要はない」

さとり「凍傷する寸前で止めてくれたじゃあないですか」

浄夜「……」

さとり「心の中で『恥ずかしいから止めろ』だなんて。結構かわいいですね。見た目に反して」

浄夜「三枚におろすぞ」

さとり「魚じゃあないんですから、止めてください」

浄夜「お前が魚妖怪だったら良かったんだ?」

さとり「えぇ」

 

嘘つけ。さておき…

 

浄夜「俺が倒れて何日だ?」

さとり「よく日単位だって分かりましたね?」

浄夜「前にもあったんでね」

さとり「心読んだんで知ってるんですが」

浄夜「ドロップキックするぞ」

さとり「二日間です」

 

タイムが縮んだ。

 

浄夜「そうか、霊夢と魔理沙は?」

さとり「今、居間に居ます」

浄夜「駄洒落か」

さとり「目潰ししますよ」

浄夜「目潰しッ!!」

 

サードアイを目潰しした。

 

さとり「目がァ!!目がァァ!!」

浄夜「あ、痛いんだ」

さとり「いえ、全く」

 

腹立つな。

 

浄夜「さて、取り合えず霊夢達のところに行くとするか」

さとり「案内しますよ」

浄夜「ありがたい」

 

異変は無事解決。

だが、心残りはある……



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

怒り倍増中説教進行中

あの後、お空の言う通り温泉は止まらなかった。

霊夢はメッチャ喜んでいた。今度、営業として開くらしい。行ってみよう。

さておき、元凶の神もとい紙を説教するべく帰宅中。

 

浄夜「さて、どうメッタメタにしてやろうかな~?」

 

感覚的には五時間ぶりの帰宅だが、身体的には二日ぶり。

あいつらどんな反応をするだろうか。二日間空けてたんだ。心配ぐらいしてるだろう。

だとしたら、少しは許してやってもいい。そう思い、戸を開けた。

 

諏訪子「あーおかえりー」と、寝ながら煎餅を食う諏訪子。

神奈子「ハッハッハ!!おかえり!!」と、酒に酔った神奈子。

早苗「フフフ、全く危ないですよ。こいしちゃん」と、おねぇさんを発揮する早苗。

こいし「大丈夫よ!!」と無茶をするこいし。

雛「ヤッホー」なんだお前。

 

全く心配をしていなかった。

 

浄夜「神ども、こっち来い」

諏訪子「えー説教されたく……」

浄夜「来ないとアイアンクロー」

諏訪子「待たせたな!!」

 

似てねぇよ。某人気ゲームの蛇の真似するなよ。

神奈子はとっくのとうに覚悟をしていたようだ。いいセンスだ。←お前もやん

 

浄夜「早苗、こいしを別の部屋に連れてってくれ」

早苗「わかった」

こいし「えー浄夜君の説教みたい」

早苗「どゆことよ。隣で遊んでよ?」

こいし「はーい…」

 

早苗はこいしを連れていった。

 

浄夜「さて、説教を始める」

諏訪子「うう…」

雛「ねぇねぇ浄夜」

浄夜「そもそも、何故そんなことをしたんだ?場合によってはスタープラチナだぜ?」

神奈子「それは勘弁してくれ!!」

雛「じょーやー」

諏訪子「も、元々信仰を貰おうとして、神様的にいいことしようかなぁ何て思っただけよ」

浄夜「で、失敗したと」

雛「ねぇ浄夜!!」

諏訪子「仕方がないでしょ!?信仰なかったら死ぬよ!?」

浄夜「もっといい方法があっただろう!?」

雛「浄夜!!!」

二人「「うるせぇよさっきから!!」」

雛「ひっ」

 

おおっと、つい注意をしてしまった。意地でも無視する予定だったが…まあいいや。

 

雛「い、いや、こいしちゃんがまだ居るよ?」

浄夜「あ?」

 

不意に抱きつかれている感覚が来る。

下を見ればこいしがいた。

 

浄夜「ダメだろ?早苗と遊んでいなきゃ」

こいし「だって浄夜君の説教、見たかったんだもん」

浄夜「よしよし、今度見せてやるから」

雛「いや、どういうことよ」

 

こいしは納得して早苗がいる隣の部屋に行った。

いやぁ、こいしには癒され……ン?こいし…?

 

浄夜「ちょっと待て誰ッ!?」

こいし「え?」

 

いや、そんな純粋なポカーン顔で見られましても困るって言うか…

 

早苗「あ、そっか。浄夜知らないものね」

浄夜「バリバリ知りません。取り合えず自己紹介をプリーズ」

早苗「PK?」

浄夜「フリーズ」

早苗「強さは?」

浄夜「Ω(オメガ)

早苗「ギーグの倒し方は?」

浄夜「ただ祈るだけ」

二人「「イエーイ!!」」

 

はいタッチ。M○THERシリーズファンには分かる。

え?伏せ字が役割を果たしてない?寧ろ、原作に近い?知らんなぁ。

 

こいし「『古明地こいし』!!コンゴトモヨロシク」

浄夜「ヒーホー。古明地ってことはさとりの妹か何かか?」

こいし「よくわかったね。そんな私がここにいる理由はCMの後!!」

浄夜「ないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「つまり、こいしも遺体を持っていると言うわけか」

雛「YES!!YES!!」

浄夜「使い方が違う。それはビールの一気飲みをした時に言うのだよ」

こいし「ええっと『ジョルノ・ジョバァーナ』だったっけ…その人のスタンド」

浄夜「『ジョルノ』か……」

 

第五部の主人公『ジョルノ・ジョバァーナ』。DIOの息子にしてジョースターの血を受け継ぐ者。ギャングスターに憧れる少年。

 

浄夜「ふむ……こいし、遺体は神様から貰ったのか?」

こいし「うん。私ぐらいの身長のロリータ」

浄夜「おい」

こいし「それより、貴方の遺体は誰の?」

 

予想していた質問。

 

浄夜「遺体は持っていない」

こいし「え?でも首に星形のアザが……」

浄夜「俺は……ジョースター家の末裔なのさ」

早苗「え!?」

諏訪子「ぅえ!?」

神奈子「ン?」←ジョジョをあまり知らない

 

皆、驚いている。当たり前だ。ジョジョの子孫だなんて知ったら驚く…前に疑うか。

 

雛「彼の首には元々あったのよ。アザが」

早苗「え!?雛さん知ってるの!?」

雛「えぇ、殺り合った仲ですもの」

早苗「ヤリ合った仲!?」

浄夜「文字変換をするな」

 

と言うか脱線している。もとの話に戻そうとしたら、こいしが戻してくれた。

 

こいし「本当に持ってないの?」

浄夜「あぁ、持っていない」

こいし「そう……」

浄夜「そろそろ帰った方が良いんじゃねぇか?さとりおねぇちゃんが心配するぞ」

こいし「うん、分かった。じゃあね!!」

早苗「じゃあねー!!」

 

視界から外れたと思ったら、いつの間にか居なくなっていた。

元々の能力なのだろうか。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

烏が狙う浄土

さとり「にしても、こいしはいつになったら帰ってくるのかしら」

お燐「さぁ?分かりません」

さとり「うん…」

 

我が妹を待っているのだが、中々帰ってこない。

浄夜さんには、それっぽいのが居たら帰るように言ってくれと頼んだが……

 

さとり「…ハァ……あれ?」

お燐「どうかしました?」

さとり「なにか………いや、気のせいね」

お燐「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お空「う…んん……あれ…ここは……寝室?」

??「あ~あ、お目覚めかい?」

お空「え…?貴方は?」

??「烏天狗、とだけ言っておこうか」

 

私が寝ているベッドに腰を掛け、黒い髪を弄くっている男が居た。

さとり様が簡単に通すわけがない。きっと友人かなにかなのだろう。

 

??「しかし、君の寝顔は可愛いねぇ。今、ここで食べてやりたいが、生憎仕事中だからな」

お空「私に何の用……」

??「何の用?君にはないな~。あるのは『君の脊髄』さ」

お空「ッ!?」

 

どうして…遺体のことを知っている!?

困惑。何故なら、彼の首に『星形のアザ』がないからだ。

 

??「あ、もしかしてアザを探してる?じゃあ『漆黒の灰』の存在を知らないのかァ」

お空「漆黒の灰…?」

??「安心しな、命を取るつもりはない。盗るのは、『遺体』と君の心かな?なんちゃって」

お空「ふざけ…ないで…」

??「……自分で気付いてる?息苦しくなっているの」

 

言われてみれば、さっきより息苦しい。

なんだろう。この疲労感。

足になにか……ッ!?

 

そこにはッ!!烏に徐々に喰われている足があったッ!!

 

お空「う、うわ…ッ」

??「おいおい、叫ぶんじゃあねぇ。気付かれるだろうがよ」

 

口を塞がれ、注意するように人差し指を立て、顔を近付けた。

 

??「遺体をくれるだけでいい。そしたら、これ以上はしねぇ」

お空「んんッ!!」

??「しゃべるんじゃあねぇッ!!顔を縦に動かすか、横に動かすかでいいんだ」

お空「……」

 

お空は…横に動かした。

 

??「そうか……ま、いいや」

お空「え…」

 

アッサリと帰ろうとする烏天狗。

あまりにもアッサリとしていたため、逆に不気味だ。

 

お空「簡単に諦めるのね」

??「烏の俺が言うのもあれだが、お前鳥頭だなァ?」

お空「なにを……ッ!?」

 

彼は……彼の手には『ジョセフ・ジョースターの脊髄』があった。

何故、分かるか?無いからだ。私の背中にないのだ。『遺体』が。

 

お空「返せッ!!うッ…」

 

起き上がろうとするが、足に痛みが襲う。さっき、やられた足だ。

 

??「ふむ……やっぱ殺すか」

お空「ッ!?」

??「じゃあ死ぬ前に、俺のスタンドを教えてやるよ。『ライフ・ウィル・チェンジ』」

 

恐怖。それしかない。

誰か……助けて……ッ!!

 

??「じゃあな……八咫烏(ヤタガラス)

 

死んだ。そう思った。

 

さとり「なにをしているんですかッ!!」

??「…チッ。命拾いしたな。だが、これは貰っていくぜ」

さとり「待ちなさいッ!!」

??「じゃあな」

 

男は、なにか『ゲート』の様なものを開き、帰っていった。

 

さとり「何者なの……ッ!!お空ッ!!」

お空「さとり様ッ!!遺体が……遺体がァ!!」

さとり「それよりあなたの命よ!!無事でよかった……」

お空「うう……」

さとり「通信機で浄夜さんを呼んだわ。浄夜さんには悪いけど、多分すぐ来ると思うわ」

 

泣きじゃくるお空を抱き締め、そっと撫でる。

あのままでは危なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「よし、治ったぞ」

お空「ありがとう」

 

足の治療を終え、本題へと戻る。

 

浄夜「にしても、『漆黒の灰』か……」

さとり「知っているのね………そう、パルスィさんが」

浄夜「心を読んでくれて助かる。あの時は正直辛かったし」

 

ッと、思い出に浸っている場合じゃあないな。

 

浄夜「男の種族は分かるか?」

お空「烏天狗って言ってた」

浄夜「なんだとッ!?烏天狗だァ!?」

 

まさか…いや、文が関係しているとは思えねぇし、思いたくもねぇ。

烏天狗の中に遺体を狙っている者が居る……もしかしたら烏天狗だけじゃあなく……

…深く考えるのはよそう。あまり深く考えていたら、思い込みが発生してしまう。それは避けなければ。

 

浄夜「分かった。他に、何か情報は?」

お空「スタンドの名前は『ライフ・ウィル・チェンジ』だったはず。能力や姿は分からない」

浄夜「ふむ……なるほど。分かった。ありがとう」

 

『遺体』を狙う者か……

 

浄夜「あれ、そういやこいしは?」

さとり「貴方に抱きついてます。というか、もう会ってたんですね」

浄夜「神社に居た」

さとり「あぁ、そうだったんですか」

 

心を読んだのか否かは分からないが、何か納得した様子だった。

 

こいし「浄夜さん。今日はここで寝泊まりしようよ」

浄夜「いや、流石に慣れた家に帰るよ。ありがとうな」

こいし「ムゥー」

 

と、あどけない顔で口を膨らませ、怒っていると言う意思表示をしてきた。

 

さとり「こら、こいし。浄夜さんが小さい女の子しか愛せない人だったらどうするの?」

浄夜「お?殺るか?」

さとり「ヤりません」

浄夜「文字変換をするなって何故そのネタを知っている!?」

さとり「悟り妖怪ですから」

浄夜「なるほど」

 

最早、漫才になりかけているため、万能言葉「なるほど」で会話を終わらせた。

キリがないからな。そろそろ帰らねば。

 

浄夜「じゃあな。烏天狗のことについては、こっちで調べとく」

さとり「感謝しといてあげます」

浄夜「上からかよ」

 

ドアを閉め、そのまま地下の出入り口に向かった。

結局、地下を出る頃には朝になっており、神社に帰るや否や俺は寝静まった。




スタンド 『ライフ・ウィル・チェンジ』

能力 ?????

元ネタ…ゲーム、ペルソナ5のBGM『Life Will Change』より。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

妖怪の山

天魔「私達の中にそんな悪党がいるのか?」

浄夜「あぁ、そう言うことだ」

 

天狗の頂点である天魔にすべてを話し、警戒させておくように言っておいた。

天魔もなんとも言えない顔をして、座布団に座っていた。

その隣の射命丸も。

 

文「『聖なる遺体』……ですか…」

浄夜「『ジョースター家』と『ツェペリ家』の遺体が、この幻想郷に散らばっているんだ」

天魔「そして、『DIO』とか言う男の灰か……」

 

理解力のある天魔は、流石と言えるだろう。

 

浄夜「フーッ……なんとか、見付け出さなきゃ幻想郷が危ないかもだなァァ」

 

俺の言葉に眉間にシワを寄せ、悩む天魔と文。

そんな空気の中、「失礼します」との声が聞こえた。

 

天魔「入れ」

藻部「失礼します……あ…」

浄夜「あ、藻部さん!!お久しぶりです」

藻部「あぁ、そうだな畜生が」

浄夜「え、いきなりなにッ!?」

 

皆、忘れちゃあ居ないよな。俺は忘れてた。名前の通りのモブなんだろう。

幻想郷で初めて出会った天狗、藻部さんだ。名前は忘れたな。

確か……そう、『藻部政義』だ。

 

藻部「ハァ…男天狗の中では取り合えず、ぶっ殺したいランキングで一位だぞ」

浄夜「えぇ?理不尽やないかい」

文「女性天狗の中で、デートしたいランキングも一位ですよ」

浄夜「やったぜ」

藻部「浄夜の順位がさらに上昇」

浄夜「一位の限界を超えたッ!?」

 

ただ素直に喜んだだけなのにこの始末。

苦笑いしている天魔が、会話を句切らせた。

 

天魔「で、どうしたんだ?」

藻部「あ、そうでした。妖怪の山付近で何者からの脅しの手紙を手に入れたとのこと」

天魔「なに?」

藻部「手紙は持ってきました」

 

そう言い、藻部さんは手紙を天魔に渡した。

黒く暗い手紙。それを開けると汚れた色の白い紙が入っていた。

天魔が内容を読む。

 

天魔「内容は…『遺体ハ俺ガ貰ウ 貴様ハ動クナ サモナイト、大事ナ人ヲ殺ス』…だ」

浄夜「なるほど…きっと俺達への手紙だろう」

天魔「達?お前の他に居るのか?」

浄夜「『遺体を持ち、遺体を集める者』俺は例外だがそっちの味方をして居る。詳しくは言えないが、遺体を持っている人は三人見付けて一人は奪われた」

天魔「『遺体を持たず、遺体を集める者』も居るのか?」

浄夜「さっき言った『漆黒の灰』がある者さ。そいつらが集まってではなく、使命のようなものを感じ、遺体を集めるらしい」

 

『遺体』と『灰』……ジョースター家とDIOとの決闘がまだ有るとは…ジョジョファンもビックリだ。

つまり、俺もビックリって訳だ。

 

藻部「…何の話を……」

天魔「あぁー気にしなくていい。じゃあ、浄夜。私から伝えておくよ。わざわざ有難う」

浄夜「幻想郷のためさ。感謝は紫にさせるよ」

天魔「お、おぉ?」

 

紫も、一応妖怪の賢者と称された妖怪だから、少し微妙な反応。

 

浄夜「それじゃ、帰らさせていただくよ」

文「あ、浄夜さん!!」

浄夜「ん?」

文「今度、団子屋にでも行きましょう」

浄夜「良いぜ。今から行くか?」

文「いいんですかッ!?」

天魔「仕事はどうした」

 

と、チョップを食らう。

どうやら、仕事があるらしい。じゃあ仕方がないな。

 

浄夜「じゃあ基本的に暇だから、休みの日にでも声を掛けてくれ」

文「はい!!」

 

俺は戸を開け、屋敷を出た。

その帰り……

 

浄夜「ン?あれは……椛か…」

 

白い耳をピンと立てて、尻尾をフリフリ振っているのを見ると、明らかに俺を誘ってるだろう。モフッていいですよ、とな。

いやしかし待て、実際俺はそんな変態じゃあない。

犬…じゃなくて狼とは言え、人型の女の子だ。そんなの、あっちの世界じゃあセクハラだ。

いや、アッチが誘っているようにも見えるし、もしかしたらそうなのかもしれない。

モフッてやっても良いのだが、別にモフんなくても良いしな。

いや、アッチが期待してるなら、仕方なくやってあげるのが男の務めだよな。

仕方ないな、そう思いいつの間にか準備されてあるクラウチングスタートで地面を蹴った。

そして……

 

浄夜「もォォォみィィィじィィィッ!!」

椛「ン……?あ、浄…」

 

吉田沙○里もビックリの飛び込みタックルッ!!

 

椛「へぶしッ!?」

 

俺は全力で椛の尻尾をモフる。

 

浄夜「久しぶりだぜこのフワフワッ!!会いたかったぜ椛よッ!!」

椛「う、うぎゃああああああッ!?」

浄夜「最高だぜェェェェェッ!!」

椛「止めてェェェェェェッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

椛「反省してますか?」

浄夜「結構な反省具合です」

 

現在説教中。そんなこと言ったってしょうがないじゃないか。

 

椛「何故あんなことをしたんですか」

浄夜「理由はあるさ」

椛「なんですか」

浄夜「椛が尻尾を振ってたのが可愛かった」

 

普通に殴られた。

擦ってみるとボコボコした感じ。たんこぶだ。

 

浄夜「なんでや!?可愛いは正義やぞ!?」

 

もひとつ殴られた。

 

椛「良いですかッ!?許可もなしに私の尻尾を触ったらたんこぶと自分の顔の大きさが同じになると思ってくださいねッ!?」

浄夜「許可とったらいいんだ」

椛「拳が欲しいですか?」

浄夜「ノーサンキュー」

 

あれ?これって浪速のシュ○マッハでは……

 

椛「もう、帰ってくださいよ」

浄夜「ん、そうする。サラバ」

椛「さようなら」

 

手を振り、夕焼けを背景にしてかっこよく帰ってみた。

途中で転んだから台無しだが。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常編 No.3
霧雨魔理沙は驚く


アレは驚いた。

まさか浄夜が変態だったなんて…

昨日、妖怪の山で見たあの椛と浄夜のジャレ合い。浄夜は椛の尻尾をモフモフしていて…椛は止めてと言っていたが、心なしか嬉しそうだった。

これは……浄夜という生物を知らなくちゃならない。今日、尾行しよう。そして、知ろう。浄夜とはどんな生物かを……

 

~一日目~

 

魔理沙「お、目的が現れたぞ……一緒にいるのは…霊夢?」

 

人里に現れたのは楽しそうに会話して、パッと見ではただの恋人の浄夜と霊夢。

現れた二人は、店の中に入っていく。看板に書かれているのは……『ほてる』だとッ!?

霊夢ちゃんに手を出すなんて、親友である魔理ちゃんが許さないぜッ!!

 

魔理沙「入ってみるしかねぇ」

 

そして『ほてる』の中に入ってみた。

いらっしゃいませ!!の声。

ン?まるで居酒屋みたいな雰囲気。真ん中には炎が上がっている。それを囲み肉を食べている人達。

 

店員「何名様ですか?」

 

見りゃ分かるだろ。

 

魔理沙「一人」

 

店員にイラついていたら、右から私を呼ぶ声がきこえた。

 

浄夜「よっ!!魔理沙。久しぶり」

 

尾行…失敗。

目的に見つかっちゃ意味無い。

 

浄夜「お前もここの肉を食いに来たのか?高いぞ?」

魔理沙「あぁ~、昼飯を適当に食おうとしてたんだ」

 

高いなら言ってくれよ。そしたら入んなかったのに。

 

浄夜「ていうか、あの看板でよく飲食店ってわかったな」

魔理沙「『ほてる』だろ?アレ何なんだ」

浄夜「そのまんまの意味さ。『火照る』って意味」

 

紛らわしいわッ!?

店は高いし、ホテルじゃないし…一日目からダメダメじゃん。

 

浄夜「……奢ろうか?」

魔理沙「ありがとうございます。貴方は神様だ」

 

~二日目~

 

今日こそは大丈夫、人里の店を徹底的に調べあげた。

これなら、昨日みたいな事にはならない。ハッハッハッ!!勝ったな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二時間経過。

来ない。浄夜が来ない。

 

魔理沙「今日は出掛けないのだろうか」

浄夜「誰が?」

魔理沙「樹条浄夜ってやつ」

 

…………………ン?

 

魔理沙「ええぇぇぇぇえええええええッ!?

浄夜「よう!!昨日ぶり」

魔理沙「いや、あの、ええ!?」

浄夜「落ち着け」

 

そうだ、落ち着こう。

現状確認。尾行しようとしていたら後ろに目的が居た。よし、把握完了……いや出来ねぇよッ!?ビックリだぜッ!?三日連続同じ奴にビックリしているぜッ!?

 

浄夜「落ち着いたか?」

魔理沙「あ、あぁ。有り難う……」

 

まさか、目的の奴に心配されるとは……

 

浄夜「んで、何で俺を捜してたんだ?しかも路地裏に隠れてさ。(隠れきれてないけど)

魔理沙「い、いやぁ……そのですねぇ……」

 

汗がダラダラ出てくる。どう弁解すれば……

 

浄夜「ま、いいや。魔理沙と二人でってのも中々ないし、どこか食べに行こう」

 

お前は神かッ!!

 

魔理沙「あ、じゃあ今日は私が奢るよ」

浄夜「え、良いのか?」

魔理沙「良いぜ。昨日のお礼も兼ねてだ」

 

あと、今の弁解のしようもない事態を回避させてくれたお礼もな。

結局、今日も失敗。

 

~三日目~

 

今日もきっと無理だろう。

だから、尾行はやめた。絶対無理だもん。

だから、家に居ることにする。私の家は魔法の森って言うところにある。

 

コンコンッ

 

ノックの音。誰かが家に来たようだ。

戸を開けると……

 

浄夜「やあ、昨日ぶり」

魔理沙「ワタシ、魔理沙ジャナイ。魔理沙ノ友人ノ『マリー』デース」

浄夜「まだ、君のことを魔理沙と呼んでないんだけど」

魔理沙「ハァ……何の用だ」

 

まさか、浄夜が自分から来るとは思わなかった。

なんか、もう嫌なんだが。

よく見ると、顔色が悪い。

 

浄夜「ここの森ってさ、何か毒とか充満してる?俺、今にも倒れそう何だが……」

魔理沙「ッ!?早く家に入れッ!!」

 

魔法の森は、大丈夫な人は大丈夫だが、普通は入れない。

魔法の森に生える茸が胞子的な何かを飛ばしている。それは人間は耐えることのできない物だ。

 

魔理沙「大丈夫か!?今、水を持ってくるから」

浄夜「ありがとうな」

魔理沙「気にすんな」

 

しかし、何てことだ。これじゃあ、帰りをどうすりゃ良いのか……

まさか、魔法の森を飛んで帰る訳にもいかないし……

 

浄夜「帰りは気にすんな。能力をつかう」

魔理沙「そうか、分かった。辛かったら言えよ」

浄夜「辛い」

魔理沙「………すまん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「なあ、魔理沙」

魔理沙「ん~?」

 

浄夜は私のベッドで寝て、私は椅子に腰を掛けて本を読む。

 

浄夜「好きな人いる?」

魔理沙「……は?」

浄夜「……好きな」

魔理沙「いや、聞こえてるよ。別に聞こえなくて『は?』って言った訳じゃない」

 

何を言っているんだ?このバカ。

 

浄夜「いやさ、女子力高いなぁって思ったりしたからさ」

魔理沙「まぁ、女子だから」

浄夜「好きな人は居なくても、告白されたことはあるだろ」

 

その言葉、そっくりそのまま返してぇぜ。

 

魔理沙「無いな。異性として見れんだろ。私なんか」

浄夜「え、そうか?少なくとも俺は異性てしてみてるぜ」

魔理沙「その反応、受け取り方によって色々ややこしくなるから止めろ」

浄夜「?」

 

前言撤回。きっと告白された経験はないだろう。

私の言えた事じゃないが、絶対恋愛をしたことがない。人を愛すると言うことを知らないだろう。

疎いんだ、疎すぎる。恋愛に。

 

浄夜「でも実際惚れると思うよ。最近ではギャップ萌え……だっけ?そんなのが流行ってる」

魔理沙「何がギャップだよ」

浄夜「そうだな、魔理沙のギャップは…」

魔理沙「私のギャップを聞いている訳じゃない」

 

コイツと居ると調子が狂うぜ。

 

浄夜「ん~もういいかな。有り難う。お陰で助かったよ。気分は落ち着いた」

魔理沙「そうだ。何しに魔法の森に来たんだ?」

浄夜「茸狩り」

魔理沙「あぁ、なるほど」

 

つまり幻覚が見たいと言うわけか。

 

魔理沙「その時は私を呼べ。手伝うから」

浄夜「そうするよ。じゃあな。お礼は今度するよ」

 

浄夜は、何か変なものに変身して一瞬で消えた。

 

魔理沙「恋愛ねぇ……する気が出ねえな」

 

私は本を閉じ、ベッドに寝転び、そのまま眠りについた。

少し、浄夜の匂いがした気がした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

メイド長は見た!

どうも、皆様。私、十六夜咲夜と申します。

私、見たんです。それは、妖怪の山で秋の神様に、薩摩芋をお裾分けさせてもらいに行った時のことです。

 

~六日前~

 

咲夜「私、運がいいわね♪お裾分けだなんて。今日はスウィートポテトをデザートにしましょ」

 

と、鼻唄を歌って歩いていると、彼は居たのです。

そう、クラウチングスタートの構えをしている、樹条浄夜が。

 

咲夜「………え、なんでクラウチングスタート?」

 

不思議に思ったので様子を見ていたら、彼はスタートを切ったのです。

 

浄夜「もォォォみィィィじィィィッ!!」

 

紅葉?何故かその言葉を発しながら、犬の……いや、狼?の妖怪の元へ走っていく。

その速さは、とても人間とは思えない。

 

妖怪「ン……?あ、浄…ヘブシッ!?」

咲夜「あらいやだ」

 

浄夜さんが妖怪に飛び込み、まるでペットのように撫でている。

だが、人型の妖怪。ほぼセクハラのように思える。だが、生憎起訴する所もないのが、妖怪さんの悲しいところかも知れません。ならば、私がなんとかしてあげましょう。

そう思い…

 

~現在~

 

咲夜「尾行したわけです」

レミリア「面白いわね。その人間」

 

この人は、吸血鬼でカリスマ的存在(自称)でこの紅魔館の主人である『レミリア・スカーレット』である。

 

美鈴「でも、お強いんですよね?」

咲夜「さぁ?」

 

彼女は、ここの門番の『紅美鈴』です。

 

パチュリー「アイツはおかしいからね」

 

説明は要らないでしょ?

 

パチュリー「おい」

咲夜「それでですね。尾行一日目は霊夢と『ほてる』という建物に入って……」

一同「えぇ!?」

咲夜「二日目では魔利沙とデート」

一同「なんだとぅ!?」

咲夜「三日目は魔利沙の家に入っていきました」

一同「ナンダッテー」

 

皆、驚いている。当たり前。

 

咲夜「そして四日目は……」

 

~昨日~

 

咲夜「……今日はなにもしないのかしら……」

 

ただただ、歩いているだけ。散歩?でしょうか。

そう思っていたら、アメリカ国旗をもって体に纏った瞬間、消えた。

文字通り消えたのです。

 

咲夜「え!?消えた!?」

 

駆け寄る。やはりいない。

いや、後ろに気配を感じる。

 

浄夜「誰かと思えば……咲夜さんか」

咲夜「ッ!?」

浄夜「ダメだぜ?尾行なんてしたら」

 

気付かれていた。というか、尾行が完璧だったはず……

 

浄夜「あ、そうそう。聞きたいことがあるんだけど」

咲夜「な、なんですか……?」

浄夜「それはな……」

 

彼は私に近づきキリッとした顔で、こう、囁いた。

 

浄夜「ここどこ」

咲夜「……え?」

 

どうやら、道に迷ったらしい。

 

咲夜「は、はは……」

 

拍子抜け。ドッと疲れが出た。

 

浄夜「いやさ、君がもし、俺の敵だった時の為に人気の無い場所に来たんだ」

咲夜「……?」

 

彼は…何かに警戒しているのだろうか。何故?

 

咲夜「ここはですね……あ、あれ?ここって…」

 

自分も、尾行に集中していて、全然気付いていませんでした。

私達が居た場所とは……

 

咲夜「……迷いの竹林?」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ワンオクロック その1

あれから、二時間。

全く竹林を出れる気配がない。

 

浄夜「ハァ……せめて、人に会いたいな……」

咲夜「そうですね……」

 

そう、妖怪にすら会っていないのだ。

その点は少しおかしいが、今はそんなこと考えている暇がない。

 

浄夜「あ!!咲夜さん!!家を見つけたぜ!!」

咲夜「え!?」

 

振り替える。そこには……

 

咲夜「永遠亭……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『永遠亭』それは、月人の住まう場所。

幻想郷では薬売りとして、人里に薬を売りに来ていたりする。

 

浄夜「誰か居ませんかー!?」

 

戸を叩く音が響く。

それに連なって、誰かが戸を開ける音も聞こえた。

 

女性「どうかされまし……咲夜さんじゃないですか?どうかしました?」

咲夜「竹林で迷ってしまって……」

女性「ありゃ、それは大変ですね。そちらの方は?」

浄夜「樹条浄夜だ」

鈴仙「私は『鈴仙・優曇華院・イナバ』よ。よろしくね」

浄夜「よろしく」

 

握手を交わす。

 

鈴仙「さ、中に入って」

咲夜「ありが…」

鈴仙「と、言いたいところだけど…条件があるわ」

咲夜「え?」

浄夜「条件だと?」

 

鈴仙は、不気味な笑みを浮かべている。

 

鈴仙「『遺体』を、渡しなさい」

浄夜「なんだと?」

咲夜「え………」

 

『遺体』……そう言ったのだ。

鈴仙は、確かに『遺体』と言ったのだ。

 

~現在~

 

レミリア「『遺体』って……!?」

咲夜「はい、その『遺体』です」

パチュリー「……何の話?」

 

あの事を知っているのは、お嬢様と私。そして……

 

レミリア「あとで話すわ。樹条浄夜が『遺体』を持っている?」

咲夜「いいえ、持っていません。ですが、『遺体』を持っている人と何度も会っているそうです」

レミリア「……取り合えず、続きを話しなさい」

咲夜「分かりました」

 

~昨日~

 

鈴仙「先手必勝ッ!!『ワンオクロック』ッ!!」

浄夜「残念ながら、『遺体』は持ってねぇぜ」

鈴仙「じゃあ背中のアザは?」

浄夜「生まれつきさ」

鈴仙「嘘つけ」

 

その瞬間ッ!!鈴仙のスタンドから大量のシャボン玉が出てきたのだッ!!

 

浄夜「囲まれた……」

 

鈴仙は、人指し指を前に出し、弾幕を撃つ。

 

浄夜「……?流石に避けれるぞ?」

咲夜「…?」

 

シャボン玉に囲まれてはいたが、避けれない程ではなかった。

だから、難なく避けた。避けたのだ。が…

 

パァンッ!!

 

破裂音。シャボンの割れる音。

それと同時に……

 

浄夜「うッ!?」

咲夜「浄夜さん!?」

 

背中から弾幕が来たのだッ!!

無輪、後ろには誰も居ない。では何故?それは、鈴仙の撃った弾幕がシャボンに跳ね返り、浄夜に被弾したからである。そして、弾幕の勢いは止まらない。

 

パァン!!パァン!!

 

次々に押そう一つの弾幕。

私も危ない。これは、私も戦いざるを得ない。

 

咲夜「時よ止まれ」

 

懐中時計を出す。時が止まり、弾幕も動かない。

 

咲夜「あれ?」

 

浄夜さんが、動いていないのだ。

前は、止まったときの中でも動いていたなのに、動かないのだ。

取り合えず、浄夜さんを動かして、シャボンから遠ざける。

 

咲夜「そして、時は動き出す」

 

二人が急に動いた。それは、時が動いたから。

 

浄夜「ッ!?」

鈴仙「…ッチ」

浄夜「もしかして……時が止まった?」

 

浄夜さんは、ただただ驚いていた。

何故なら、自分で感知できなかったのだから。




スタンド 『ワンオクロック』

能力 波紋を帯びたシャボンを出す能力

元ネタ…2005年に結成されたロックバンド『ONE OK ROCK』より。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ワンオクロック その2

咲夜「浄夜さん……急所には当たってないですよね?」

浄夜「あ、あぁ…肩とか足とか、急所には当たってない…」

 

弾幕な為、血は出ていない。

どうやら、殺す気はないらしい。ただ、『遺体』が欲しいだけのよう。

今は、隠れて彼女の様子を見ている。

 

鈴仙「一体どこに……」

女性「一体何事!?」

 

永遠亭から出てきた女性。それは『八意永琳』だった。鈴仙・優曇華院・イナバ(以下うどんげ、台詞時鈴仙)の師匠であり、月人である。

 

鈴仙「え、わ、分かりません…誰かが永遠亭に来たと思ったら、誰もいなくて。でも、激しい戦闘音が響いているので、私が見に行きます」

永琳「気を付けてね。見つけ次第静めてちょうだい。『姫様』が起きたら大変よ」

 

そう言い残し、永琳は中へ入っていった。

 

浄夜「なぁ、咲夜さん。さっきの人が言っていた『姫様』って…?」

咲夜「え…う~ん、かぐや姫って分かります?」

浄夜「……まさか」

咲夜「そのまさかです」

 

それは、驚くのも無理はないです。

なにせ、お伽話かと思ったら、本当にあった話なんですから。

 

浄夜「フゥーッ……OK、落ち着こう。その…つまり、そいつはかぐや姫だと言いたいわけか?あの、お伽話の」

咲夜「えぇ」

浄夜「………ベネ。幻想郷は忘れられた者の行き着く場所だったな。忘れていたぜ」

 

意外にも、すんなりと受け入れていました。

普通じゃ考えられないのに。

 

浄夜「かぐや姫が幻想入りしたから、かぐや姫は幻想に……正確に言や、書物が残っていたからお伽話になったわけか」

咲夜「よく信じましたね?まぁ、そうなんですが…」

浄夜「幻想に概念なんて必要ない。必要なのはッ!!勇気ッ!!とだけ言っておこう」

 

なにやら、考えさせられる様なことを言いました。

勇気…それは何に対してか。恐怖?失敗?望み?それとも……過去?いや、全部か。

人によって変わるのだろう。浄夜さんの言う幻想は『喜び』にような意味だろう。

だが、ここからは私の単なる思いだが、『喜び』は『不安』を飛び越えてから掴めるモノだと思う。

『不安』…それに立ち向かう『勇気』。

 

咲夜「……勇気」

 

それが無くては、道は進めもしない。

ただただ後退りするだけ。

生き物は後退し過ぎると、目を隠して何も見ようとしない。だから……

 

浄夜「……フッ…さて、久しぶりにジョジョみたいなことを言ったところで、戦うか」

咲夜「え、でも…」

浄夜「まぁ、大丈夫さ」

 

足を引きずりながら、うどんげの方へと向かう。

あちらも気がついたようだ。

 

鈴仙「よくその状態で来れたわね」

浄夜「やらなきゃ、何も始まらない」

鈴仙「フフ、終わるわよ。始まりもしない。貴方に……勝算などないわッ!!」

 

周りにシャボンが飛んでる。

 

鈴仙「貴方の『遺体』は貰った」

 

ニヤリと笑いながら、弾幕を撃つ。

だが、笑っていたのは彼女だけじゃあない。浄夜さんもだった。

何故笑っているのか?答えは簡単だった。

 

パチンッ!!パチンバチンッ!!

 

シャボンが割れたときに気付いた。彼には…勝算があるッ!!

降ってきたナイフがシャボンを割った。

それは、私のナイフ。

 

咲夜「いつの間に…ッ!?」

 

私のナイフをパクったのだ。

浄夜さんは私に向かってウィンクをした。少し腹立たしい。

が、怒る気にはなれなかった。

 

鈴仙「…なッ!?……フフ、中々やるじゃないの」

浄夜「……」

 

浄夜さんはキョロキョロと周りを見ている。

誰か、若しくは何かを探している?

 

鈴仙「だけど、私には元々の能力が有るわ。あなたと違ってね」

咲夜「まさかッ!?」

 

刹那。彼女の瞳は紅かった。気が歪む。

彼女の『狂気を操る程度の能力』で、その場の気を狂わせたのだ。

 

浄夜「うッ!?」

 

思わず、膝を降ろした。

 

鈴仙「これで、ほとんど身動きはとれないはずよ。抵抗はできない」

咲夜「卑怯……よ…」

鈴仙「あら、そこにいたの?まぁ、いいわ。今は、『遺体』よッ!!貴方が割り損ねたそのシャボンを使ってね」

 

浄夜さんの周りにはシャボンがあった。

危ない。浄夜さんが危ない。

だが、次の瞬間。その思想はなかった。

 

鈴仙「終わりよッ!!」

 

鈴仙が撃った弾幕。

それは、シャボンに当たる……筈だった。

 

鈴仙「なッ!?どう言うことッ!?」

浄夜「フゥーッ…俺の勝ちだ」

 

その光景に私とうどんげは驚いたッ!!

それは、シャボンが勝手に空へと飛んでいってる光景だったのだッ!!

 

鈴仙「指示はしてないッ!!何故勝手にッ!?」

浄夜「いつから、あんたのシャボンと思い込んでんのさ?」

鈴仙「ッ!?」

浄夜「フッフッフ…『ハウンド・ドッグ』ッ!!」

 

よく見ると、浄夜さんの下から、シャボン玉が出てきている。

察するに、うどんげの狂気で目が眩んだときに、そっとその『ハウンド・ドッグ』というのを発動させたのだろう。

 

鈴仙「だ、だけど、それがどうしたってのッ!?」

浄夜「こう言うことさ」

 

浄夜さんが指をならした。

同時に……

 

ドグオォォン……!!

 

空へと飛んでいったシャボンが爆発したッ!!

その音は、爆音ッ!!

 

浄夜「あんた、さっき永琳って人に『姫様』ってのを起こさないように言われていたな」

鈴仙「ッ!!」

 

ガラガラッ

 

戸が開く音。

 

浄夜「どうやら、その姫様がお目覚めになったよ……う…」

鈴仙「ひ、姫様ッ!!こ、これは、その…ッ!!」

 

そこにいたのは、長い黒髪の美少女だった。

その姿に、浄夜さんは言葉を失っていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

月の美少女、地上の青年

どうも、薬売りです。
活動報告にも書きましたが、自分の知名度が低いがために、殆ど見られていないので投稿できなかった理由を話しますが、大晦日と正月は忙しかったので休みました。

それでは、どうぞ!!(最近前書き書けてなくてゴメンネー。ユルシテー)


永琳「うちの優曇華がご迷惑お掛けしました」

 

事は終わり、今は永遠亭の中で私、浄夜さん、永琳さん、うどんげ、輝夜さんで向かい合わせに座っている。

 

浄夜「いえいえ、ただ……彼女の『遺体』って…」

永琳「『シーザー・アントニオ・ツェペリ』の右足です」

鈴仙「師匠!?こんな人間に言って良いのですか!?」

永琳「黙りなさい。彼は信用できる人間です」

鈴仙「え?」

 

信用できる人間?どういうことだろう。

確かに、最近有名ではある。稗田阿求も会いたがっているとか。

ただ、それだけで信用できる人間とは判断しづらい。

 

永琳「八雲紫から聞きました。『樹条浄夜』の事を」

浄夜「俺のこと」

永琳「異変の解決者であり、ふざけた人間だが、悪を許さないと」

浄夜「……途中の言葉にイラッとしたが、否定はできないぜ」

 

浄夜さんは少しムスッとした顔をして、否定できないと言った。

自覚はあるらしいです。

 

永琳「それと、貴方の先祖について聞きましたが……色々とスゴいですね」

浄夜「そうなのか?」

永琳「貴方の父親、『ジョルガ・ジョースター』は樹条家に婿養子に行った」

浄夜「待て!!……『ジョルガ・ジョースター』?誰だ?」

永琳「……?貴方の父親よ?」

浄夜「父親は小さい頃に死んで覚えてねぇ」

 

『ジョルガ・ジョースター』……?どこかで聞いたことがあるような……

そう思っていたら答えは出てきました。

 

永琳「やっぱり死んでいたのね。ジョルガは一度だけ()()()()()()()()のよ」

浄夜「なにッ!?それは本当かッ!?」

咲夜「……思い出したッ!!『幻想郷史上最も強い外来人』と言われた男ッ!!」

優曇華「……彼の息子さんと戦っていたなんて…」

輝夜「その『ジョルガ・ジョースター』の父は『ジョセフ・ジョースター』よ」

浄夜「な…なにィィッ!?『ジョセフ・ジョースター』だとォォォッ!?」

 

浄夜さん曰く、『遺体』の一人だと言います。

今は何者かに奪われましたが、前の持ち主は地底の住民らしいです。

 

永琳「実は、スージーQとジョセフの間には二人の子供がいたの。姉と弟。けれど、弟が10歳の時、彼は行方不明になった」

浄夜「そ、それが…ジョルガなのか」

永琳「そう、行方不明になったのは幻想郷に来たから」

 

という、事は……浄夜さんは……

『遺体』の元の人物、ジョースター家の末裔と言うことになる。

これは運命なのか…?

 

永琳「それにしても、まさか彼に子供ができるとは……驚いたわよ。彼に似てイケメンだし」

浄夜「そんなお世辞が混じった世間話はいらねぇ。優曇華、遺体を手に入れた時に何か起こらなかったか?」

鈴仙「なにか?……あ!!幻想郷の地図が地面に浮き上がったわ」

浄夜「その地図に、なにか印がついてなあったか!?」

鈴仙「う~ん…あんまり覚えてないけど……確か…」

 

悩みに悩んで、やっと思い出したかのように、手のひらをパンッと叩いてスッキリした顔をした。

 

鈴仙「そう、『紅魔館』だわ!!」

浄夜「え?……それは本当か?」

鈴仙「えぇ、本当よ」

 

浄夜さんがこちらの方を向く。

もしかしたら…バレたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~現在~

 

レミリア「つまり、遺体が示す地図って言うのは『他の遺体を示す地図』だってこと?」

咲夜「多分、そうだと思います」

レミリア「……『樹条浄夜』を危険にする訳にはいかないわ。もし、彼が来たら、全力で帰すわよ。力ずくでも」

パチェリー「一体なんの話をしているの?」

レミリア「それは……」

 

口を開いた瞬間、響く門の音。美鈴はここに呼んだため門番は妖精メイドにやらせている。

やっぱりダメか。

もしかして、彼が来たのか?

 

浄夜「どうも~、樹条浄夜でーす。誰かいませんかー?」

レミリア「あら、人間のお客さんね。ジョースターの末裔さんかしら?咲夜から聞いたわよ」

浄夜「そうですか。あまり、他にはベラベラとしゃべってほしくないんですが」

レミリア「ないわよ、そんな気。とりあえず、何しに来たのかしら?」

 

まさか、本当に来るとは。だが、驚いた。敵意がない。殺気もない。

 

浄夜「ここに『遺体』がありますよね。誰が持っているんです?」

レミリア「……貴方を危険にさらすわけにはいかないのよ」

浄夜「いや、もうそれは承知です。危険承知で行くんです」

レミリア「……フッ、吸血鬼の私が…人間の心配をすることになるとは…」

浄夜「吸血鬼!?」

レミリア「美鈴、咲夜、彼を帰しなさい」

 

すると目の前には咲夜さんと……中国人?

 

咲夜「恨まないでくださいね」

美鈴「手加減なしで、お願いします」

 

なぜこうなった?戦う気はないのに。

仕方がない……

 

浄夜「『世界(ザ・ワールド)』ッ!!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

紅い月誘われて

さて、咲夜さんの時止めは厄介だ。

…昨日、咲夜さんが止めた時の中を認知出来なかった。

だが、この前は出来た。

 

何か条件がある。

 

仮説を立てよう。

一、『世界(ザ・ワールド)』を使っている途中に止まると、認知できる。その状態でスタンドを解いても時を認知できる。

 

二、『感情に左右される』。今の状態は警戒。この前は楽しさだった。

 

三、彼女を全く意識しない。

 

とりあえずの仮説だ。

ここから探り探りで、倒す。

 

美鈴「セイヤッ!!」

 

美鈴が回転蹴りを魅せる。

とっさに避けるが、そこには咲夜さんのトラップ。

天井からナイフの雨。

いつの間にか出来ていたトラップ。多分時を止めたのだろう。

まんまと引っ掛かった俺を見て、咲夜さんはニヤリと笑う。

 

浄夜「時よ止まれ!!」

 

すぐさま時を止める。

ナイフが落ちるであろう位置から避ける。

 

浄夜「ハァ……辛いぜ」

 

咲夜さんが動いている。俺の止めた時を、移動している。認知しているのだ。

何故、俺は動けなくて彼女は動けた?

 

咲夜「フフ、困っているようね。何故私が動けて貴方が動けないかが分からなくて」

浄夜「あぁ、困ってるよ。教えてくれ、何故咲夜さんが動けるかを」

咲夜「教えてほしいの?えぇ、どうしようかな~」

浄夜「………」

 

ニヤリと笑う彼女。

俺の方を見て、口パクで何かを言っている。

 

浄夜「……?」

咲夜「知らない☆」

浄夜「……ン?」

咲夜「知らないわよ。私も何で動けるか。ただ分かるのは、貴方が時を止められるのは、約九秒だってこと」

 

彼女の言葉で気付いた。すっかり話し込んでいて忘れていた。

時が動いている。

直ぐに後ろを振り向くッ!!

 

美鈴「遅いッ!!」

浄夜「うぐッ!?」

 

重い一撃を腹に食らった。

 

浄夜「時よ止まれッ!!」

 

時を止め、軽くラッシュを与える。

そして、咲夜さんは……動いていない。

真剣に戦闘に取り組む表情のまま止まっている。

 

どういうことだろう。

そうだ、仮説だ。

 

浄夜「まず、一つ」

 

一つ目の仮説は違った。咲夜さんが仕掛けたトラップに気付けなかった。

次は二つ目と三つ目か。検証しよう。

 

浄夜「時は動き出す」

 

ラッシュを加えた美鈴は後方へ飛んで行く。

楽しい気持ちになろう。そうだな……そう言えば、ペルソナ4の主人公ってサイボーグ004に似てるよなぁ。

 

浄夜「フフ……」

美鈴「何を…笑っているのですか」

浄夜「あぁ、いや、気にするな」

 

良し。楽しい気持ちになった。

 

浄夜「よおし、行くぜッ!!」

 

次の瞬間、いきなり目の前にナイフが現れた。

 

浄夜「あぶねぇぇぇぇぇぇッ!!??」

 

仮説その二は違った。

一瞬で違うと分かった。

次は、咲夜さんを意識しない。

 

美鈴「ハッ!!」

浄夜「ホッ!!」

美鈴「テイヤッ!!」

浄夜「オラァ!!」

 

美鈴の攻撃をガードする。

美鈴だけに集中。

と言うか、痛い。ガードはしているが、そのガードしている腕が痛い。いてててて、骨まで響いている。ん、今ポキッっと音が聞こえたような…き、気のせいだ!!

 

そう思ったら、いきなり美鈴が後退した。

不思議に思って、俺も後退した。

すると…

 

ズドドドドドドドドッ!!

 

ナイフが降ってきた。

時を止めた……のか?咲夜さんに集中してなかったから分かんねぇや。

 

咲夜「何回止めても貴方は動かないのね。今のもそう」

 

教えてくれてありがとうございます。

さて、すべての仮説が見事に間違った。違う条件があるはず……

ん?待てよ……?

 

すると浄夜は、ニヤリと笑った。

 

浄夜「フッフッフッフ……」

咲夜「何を笑っているの?」

浄夜「美鈴ってさ、メタルギア知ってる?」

美鈴「いや、メイ・リンじゃないですよ」

浄夜「ゴージャス☆」

美鈴「アイリンじゃないです」

浄夜「それで笑っただけ」

咲夜「………」

 

あ、多分怒った。

 

咲夜「時よ止まれ」

 

静止する時間。

ケラケラ笑っている浄夜も……

 

浄夜「止まってませ~んッ!!」

咲夜「えッ!?」

 

その衝撃に驚くッ!!

 

浄夜「共通点に気付いちゃったのさ!!」

咲夜「そんなッ!?」

浄夜「行くぜッ!!ずっと俺のターンッ!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

咲夜「ウッ!?」

 

後ろに吹っ飛び、壁にぶち当たる。

そして、美鈴にもッ!!

 

浄夜「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!!無駄ァァッ!!」

 

そして、時は動きだした。

レミリアが見た光景は、壁にめり込んだ二人と、ポケットに手を突っ込んだ男。

 

レミリア「何故、止まった時を動けた?」

浄夜「動くには、ある条件が必要だった。()()()()

レミリア「笑うこと?」

浄夜「宴会の時。止まった時間を確認できた。咲夜さんがニヤリと笑ったとき、動いてた」

レミリア「それだけの情報だけで?末恐ろしいわね。貴方」

浄夜「よく言われるよ」

 

浄夜は構えて、睨む。

 

浄夜「さぁ、来いッ!!」

レミリア「良いだろう。吸血鬼の恐怖を与えよう」

 

レミリアは翼を広げ、飛び立った。

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

永遠に紅い月

浄夜「行くぜ…『ソフト&ウェット』」

レミリア「『柔らかく、そして濡れている』…?弱そうね」

浄夜「いいや、弱くないさ。君は多少なりとも驚くよ」

レミリア「へぇ……そう…」

 

レミリアはそこまで強そうには思えなかったが、浄夜はニヤリと笑っている。

それも不気味に。

 

レミリア「まぁ、いいわ。[神槍「スペア・ザ・グングニル」]」

 

そう言うと、レミリアは紅い槍を取り出した。いや、創り出したの方が正しい。レミリアの妖力だけで創り上げたのだ。

素晴らしいね。そんなの真似できる人、ほぼ居ないよ。

 

浄夜「おぉ、怖い怖い」

レミリア「さぁ、かかってきなさい」

 

レミリアは待った。相手がどう出るか。

何事も慎重に、且つ大胆に。良く観るのだ、相手の行動を。

 

浄夜「もう、行動はしている……」

レミリア「……?」

 

気が付くと、自分の顔のすぐ近くにシャボン玉がある。しかも、そのシャボン。不思議で星のマークが付いている。

なんだこれは?

そのシャボンが、自身の肌に触れた。

瞬間ッ!!

 

レミリア「うッ!?」

浄夜「あんたの『視力』を奪った」

レミリア「………」

浄夜「フゥーッ………」

 

浄夜は溜め息をついた。

意外に呆気ない、と。

 

浄夜「オラァ!!」

 

思い切り、思い切り殴りかかった。

相手は目が見えなくなって、俺はスタンド使い。普通、この条件を見たら勝てると思うだろう。そうなんだ、勝てるはずなんだ。

だが……

 

浄夜「なッ!?」

レミリア「おい、若僧。こんな猫だましのようなもので、この私に勝てるとでも?」

浄夜「クッ!!」

 

力は強まって行く。潰れそうだ。

 

レミリア「笑止ッ!!

浄夜「ッ……」

レミリア「愚かしい……これから貴様に吸血鬼(ヴァンパイア)の恐ろしさを教えよう」

 

怒ったレミリアは俺の腕を引き、そのまま腹にパンチを食らわすッ!!

 

浄夜「ウグッ!!」

レミリア「死に絶えろ」

浄夜「……さっきまで、俺を死なせないみたいなことを言っていたが?」

レミリア「もういい」

浄夜「知ってた」

 

俺もやられるわけにはいかない。

サンドバッグになるつもりはないからな。

 

浄夜「『エコーズact3』」

エコーズ「S・H・I・T…イキナリヨバレタトオモッタラ……」

浄夜「エコーズ、やってくれ」

レミリア「貴方が、そのスタンドって言うのを変えてくれたお陰で目が治ったわ」

浄夜「だが直ぐに不利になる」

エコーズ「『3 FREEZE』ッ!!」

 

レミリアに向かって攻撃をする。

 

レミリア「本当に、私が不利になるのかしら?」

浄夜「…?」

 

言っている意味が分からなかった。

俺が不利になる?考えても分からない。

 

だが、それは結果で分かった。

 

浄夜「なにッ!?」

 

浄夜に掛かる重力が強くなった。

勿論、エコーズにも。

 

レミリア「あぁ、私はそうなる可能性があったのね。床に這いつくばって、私に合わないわ」

浄夜「ど、ういうこ、とだ……?」

レミリア「フフフ、教えてほしい?」

 

レミリアは俺の前でしゃがみ、「教えてほしい?」と、ニッコリと首を少し傾けて俺に問いかけた。

 

レミリア「私の能力はね……『運命を操る程度の能力』なのよ。私と貴方の運命を操ったの」

浄夜「なんだと……」

 

チーとじゃあねぇか……

 

レミリア「私ね、まだ晩御飯食べてないの」

浄夜「……『ソフト&ウェット』。」

 

俺はレミリアの『摩擦』を奪った。

 

レミリア「うわぁッ!?」

浄夜「ハァ…ハァ…ハァ……危なかった……」

レミリア「もう、貴方をご飯にしたかったのに。それに気付いてる?私の手に槍がないこと」

浄夜「ッ!?」

 

刹那、自分の目の前に、槍が刺さった。

 

レミリア「怖がらないで。ご飯と言っても私は少食だから、貧血になる程度よ」

浄夜「それが嫌なんだよ」

レミリア「あら?喜ぶと思ったのだけど。あぁ、死ななくてよかったってね」

浄夜「さっきは死に絶えろと言っていたが?」

レミリア「さぁ?なんのことでしょう」

 

浄夜は考える、やつに勝てる方法を。

浄夜は考える、やつに負けぬ方法を。

俺は、成長しているはずだ。詰まり、アイツに勝てる可能性はあるはずだ。

根拠が不安定でもそれでいい。絶対とは言わないが、自信があるやつほど勝つのだ。

俺が成長すれば、精神も成長する。

スタンドは成長する。そう、新しい技術を取り入れて。

 

浄夜「人ってのは成長する」

レミリア「……?」

浄夜「それが良い所だ、人間のな」

レミリア「…いきなり何を言っている?」

浄夜「それと比例して、精神も成長する」

レミリア「おい、だから何を……ッ!!」

浄夜「久々の強敵に俺は感動している。そして成長した。ありがとよ、レミリア」

レミリア「もういいわ。話を聞かないのは生物としてダメよ。死になさい」

 

レミリアは刺さった槍を取って、浄夜に投げかけた。

ピストルの如く飛ぶ槍が浄夜に向かう。

浄夜は、動かない。スタンドの姿もしていない。

ただ……ニヤリと笑っている。

 

ガシィィィィンッ!!

 

レミリア「ウソ……でしょ?」

浄夜「ふん、話しを聞かないだって?逆だよ。アンタが最後まで聞かなかったんじゃないか」

 

浄夜は槍を右手で掴んでいた。そして、折り曲げる。

見ると、右手は『世界(ザ・ワールド)』の形をしている。目の色も少し違う。元々は黒の瞳が、今は緑だ。

 

浄夜「『ビートルact2』……部分をスタンド化させる。今の場合、右手が『世界(ザ・ワールド)』で、目が『星の白金(スタープラチナ)』だ」

レミリア「なッ!?」

浄夜「言っただろ?成長したってな」

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人は学び続ける者

レミリア「act2?」

浄夜「要するにパワーアップしたって訳さ」

 

俺は手に持っている折れた槍を床に置いた。

 

レミリア「そう……だからって、攻撃はやめないわ」

浄夜「ま、そりゃそうさ。それで……『攻撃を止めないことでアンタの命の保証が出来なくなったぜ』」

レミリア「ほざけ、お前なんかの『スタンド』とやらに、このレミリアが負ける筈がない」

浄夜「それは、アンタが決めることではな……」

魔理沙「おッ邪魔ッしまァァす!!」

 

・・・・・・・・・・・・え?

 

魔理沙「………えーと、これは……?」

浄夜「魔理沙、ちょいとこっちに来て」

魔理沙「お、おう…」

 

魔理沙が俺に近付いた。

 

浄夜「…『ヘブンズドアー』ッ!!」

魔理沙「ッ!?」

浄夜「えぇっと、今の記憶があるページを破って……紅魔館から出て行く……っと」

 

魔理沙はムクッと起き上がり、操り人形のように何も喋らず帰っていった。

 

浄夜「…よし、かかってこい」

レミリア「え?あ、うん……切り替えがスゴいのね」

浄夜「まぁな」

 

レミリアは構えた。

 

レミリア「言っとくけど、その槍は100%私の妖力で出来ているの。だから、折れてもいつでも作れるわけ」

浄夜「なんだ、筋肉の無駄遣いか」

レミリア「なんだそれ」

浄夜「『クレイジーダイアモンド』&『ゴールドエクスペリエンス』」

 

右手が『クレイジーダイアモンド』で左手が『ゴールドエクスペリエンス』だ。

 

レミリア「行くぞ!!」

 

レミリアは思いっきり槍を投げた。

だから俺は思いっきり床を殴った。

 

浄夜「ドラァ!!」

 

その床は次第に壁になってゆき、完全に槍を止めることの出きる状態。

しかしッ!!その槍は壁を貫通したッ!!凄まじい破壊力ッ!!

 

浄夜「ッ!?『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!」

 

足の色が変わり、物凄く速いスピードで回避した。

その、回避した先にッ!!なんとッ!!レミリアが殴りかかってくる光景が見える。

 

レミリア「ハァッ!!」

浄夜「ッ!!ハッ!!」

 

ギリギリの回避。

その拳は俺の顔面をかすった。驚くことにそこから血が出ている。相当のスピードだ。

 

レミリア「チッ!!」

 

刹那ッ!!殺気を感じたッ!!

何かが起こるッ!!

 

浄夜「『ゴールドエクスペリエンス』ッ!!」

 

床から木が生え、その木の上に乗る。

 

浄夜「フゥーッ……危なかった」

レミリア「へぇ、良い勘してるじゃあない」

浄夜「まぁな」

 

俺がさっきまで立っていた場所。正確に言えば……木に槍が刺さっていた。

 

レミリア「ビリヤードはお好きかしら?」

浄夜「あんまり分からん」

 

つまりこうだ、さっきレミリアが投げた槍は壁を貫通した。そんな槍がビリヤードのように跳ね返ったのだ。

普通に考えてあり得ない。さっきまで壁をぶち破った槍が他の壁には跳ね返ると言う謎。そして、槍の形状からして跳ね返る筈がない。

じゃあ何故か?簡単だ。レミリアの妖力だからだ。

レミリアの妖力な為、遠隔操作が出来たのだッ!!

 

これは世界の常識に囚われている人には思い付かない攻撃方法だ。

 

浄夜「ホッ!!」

 

俺は木から降りた。

 

レミリア「ただ、貴方は敵の情報をあまり得ようとしないが為、足を掬われる」

浄夜「……何を言って…………ハッ!?」

レミリア「否、足が動かなくなる、だね」

パチュリー「人使いが……じゃなくて、魔女使いが荒いんだから」

浄夜「あぁ、そう言うことか……」

 

真下には、魔方陣があった。

パチュリーによるものらしい。一瞬で魔方陣を創るとは……流石だね。

 

パチュリー「お褒めの言葉をありがとうごじゃーます」

レミリア「さてさて……ハァッ!!」

浄夜「グフッ!!」

レミリア「フフ……」

 

物凄い激痛。吐血をしてしまった。

そのまま倒れる。

 

レミリア「分かった?貴方は少し相手の敵の人数や、能力を把握することね。尤も、私のような吸血鬼に勝てるはずもないのだがね」

浄夜「……そうだな」

レミリア「貴方はなんでもかんでも一人でやるからダメなのよ。もっと人に頼りなさい。自身を過信しているわ」

浄夜「……」

 

彼女はその通りのことを言っている。『一部を除いて』。

 

レミリア「今日はこれで許してあげ…」

浄夜「俺は、弱いのさ」

レミリア「え?」

 

彼女は首を傾けた。後ろにいるパチュリーも。

 

浄夜「弱いが為に、今こんな状態さ」

レミリア「……何を…」

浄夜「アンタの言い分、間違っている部分がある」

レミリア「何?」

浄夜「俺は、『人に頼るぜ?』」

??「『(タスク)』ッ!!」

 

何者かの声がした。その、同時にッ!!木が、何かに削られたのだッ!!

削られ、レミリアの方へと倒れる。避けようとするが何かに躓いた。木の根っこ……いや、浄夜がまた命を吹き込んだのだッ!!

木は、床とでレミリアの足をサンドウィッチにした。

 

レミリア「バ、バカなッ!?」

浄夜「何故、仲間がここに来るんだ?ってか?簡単さ。魔理沙だよ」

レミリア「…何?」

浄夜「『ヘブンズドアー』で、彼女を本にしたときに書いたのさ。『雛に、紅魔館に来るように言う』ってね」

レミリア「……なるほど。負けたよ」

 

案外アッサリと敗けを認めた。

 

レミリア「清々しいね。初めてこんな感情で負けた」

雛「私はあんまりだけど。いきなり呼ばれて、いきなり戦って、いきなり勝って。訳分かんない」

浄夜「まぁ、そうだよな。だが気にするな」

雛「気になるわよ。チャッカリact2になっちゃって」

 

そうだ、俺はその言葉で思い出させてくれた。

成長したんだ。つまり、まだまだ成長するってことだ。

 

レミリア「止めても、どうせ行くんでしょ?」

浄夜「あぁ、ある意味異変解決だからな」

レミリア「そう……。パチェ、この人達を妹の元へ」

パチュリー「はいはい」

雛「何の話?」

 

いまいち理解していない彼女であった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

クレイジー・ダイアモンド その1

浄夜「つまり……レミリアの妹が言うわけか」

パチュリー「そうよ」

雛「レミリアが頑なに会わせてくれなかったのは何故?」

パチュリー「まぁ、会えば分かるわ」

 

薄暗い階段を降りてゆく。螺旋階段は少し寒く、温かみがない。まるで死んでいるかのよう、雰囲気が死んでいるかのようだった。

階段に並べられた蝋燭はどれも溶けかけ、でもまだそこにあることは確かだ。火も灯っているという点では、誰かが定期的、若しくは最近降りていったのだろう。

そんな思想を読んでいるかのようにパチュリーは答えた。

 

パチュリー「レミリアの妹……『フランドール・スカーレット』に食事を届けるから、定期的にここへ来ているわ」

浄夜「……閉じ籠っているのか?」

パチュリー「……閉じ籠っているし、()()()()()()()()

浄夜「何?」

 

閉じ籠っているし、閉じ籠められている?

訳が分からない。双方が同意しているってことなのか?

 

パチュリー「皆は彼女のことをフランって呼んで育てていたわ。でも、フランにはある能力があるのよ」

浄夜「……?」

 

一瞬、哀しい表情になった気がした。

 

パチュリー「着いたわ。死なないでちょうだいね」

浄夜「あぁ、分かってる。せめて彼女ができるまで死ねない」

雛「私が…」

浄夜「だが断る」

雛「解せぬ」

 

俺は門を開いた。

錆びた扉なため、途中途中で引っ掛かる。なにより、開く音が五月蝿い。

その音に気が付いたのか、中にいる少女はこちらを見詰めている。

彼女がフランなんだろう。

 

フラン「だれ?」

浄夜「おまたせ」

フラン「ご飯はさっき食べたよ」

浄夜「食器を下げに来た」

フラン「人間を喰らうだけだから、お皿は要らないわ」

 

の割りには、口元がお綺麗。血があまりついていない。

つまり、食べ慣れている訳だ。

 

フラン「何者なの?」

浄夜「スタンド使い」

フラン「スタンド……」

雛「貴女、『遺体』を持っているわよね」

フラン「あぁ、そうそう、思い出した。『東方仗助』っていう人の『遺体』」

 

東方仗助。ジョセフ・ジョースターの隠し子であり、ジョセフの遺産についての調査で発覚。ジョセフ自身も仗助の存在を知らなかった。

 

雛「浄夜…仗助の能力は?」

浄夜「物を直す(治す)ことが出来る。自分は治せない」

フラン「え?でも、前に私が怪我したとき、その()()()()()わよ」

浄夜「何ィッ!?」

 

そんなはずはない!!

……待てよ、そう言えば雛も……『遺体』本人に出来なかったことをしていた。

そう考えると……いや、まだ納得はできない。

 

フラン「そろそろ良いかしら?」

雛「なにが?」

フラン「そろそろ帰ってちょうだい、私が貴方達を殺す前に」

浄夜「もしよかったら君の『遺体』をくれないか?」

フラン「嫌よ。これのお陰で、私の精神は落ち着いている。これがなかったら、家中を暴れまわっているわよ」

 

『聖なる遺体』には、精神安定剤と同じ役割があったとは……

意外ダナー。

 

フラン「直ぐ、物が壊れちゃうの。こんな風に」

浄夜「?」

 

フランは手を前に出して、ペルソナ4のペルソナ召喚の時のような動きをした。

つまり握りしめた、空気を。

 

たったそれだけで、たったそれだけで、たったそれだけで……

 

浄夜「ウグアァッ!?ガアアアアアァァァアアッ!!」

雛「浄夜!!」

 

俺の腕が潰れた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

クレイジー・ダイアモンド その2

浄夜「ハァ…ハァ…ハァ……」

フラン「言ったでしょう?私は危険よ。早く帰りなさい」

浄夜「ハァ…ハァ…そ、その『遺体』は、神様から貰ったのか?」

フラン「まだ言うの?」

 

フランはこちらをジッと睨んでいる。

彼女の中の狂気が、その瞳の中を渦巻いているのを感じた。ただ、その狂気はどこか冷静で、逆に不気味であった。

 

浄夜「答えろ…」

フラン「……フフ、気に入った。そこまで執着するってことは何かあるのね?」

浄夜「あんたの『遺体』は東方仗助、それをくれた人物は……神様か?」

フラン「えぇ、そうよ。身長は私より少し小さくて、じっとしてればまぁまぁ可愛い奴」

浄夜「そいつだ」

 

やはり、『遺体』を配っているのは、あの神様らしい。

こんな大事件を一人でか……神ってのは忙しいのか、面倒臭がりなのか……

 

フラン「さぁ、さっさと帰りなさい」

浄夜「あぁ、そうするさ」

 

俺は、つま先の目線を180度変え、出口へと向かった。

雛も小走りで俺に付いて行く。

 

フラン「いや……ちょっと待って」

浄夜「……何だ?」

フラン「私と戦いなさい」

浄夜「何?」

 

戦え?何故?

 

フラン「そうねぇ……スタンド使いって言うのに耐性を付けておくって言う理由を言っておく」

浄夜「……生憎だが、腕が無いもんでな。あんたとは戦えん」

フラン「これから腕なし人生よ?慣れておかないと……ね?」

 

彼女が「ね?」と言ったと同時に、彼女は歩み始めた。

 

雛「止まりなさいッ!!」

フラン「フフフ……」

 

雛は指先を彼女に向け、戦闘体制に入った。

 

雛「そこで止まりなさいッ!!」

浄夜「いや、いい…」

雛「!?」

 

俺は雛の指先に手のひらを被せた。

フランの歩みは止まらない。そして…目の前まで到達した。

 

浄夜「……射程距離内、か…」

フラン「実はさっきの戦い見てたんだけど…貴方、変身することができるのよねぇ」

浄夜「……」

 

妙な威圧感。その威圧に汗をかいてしまう。

恐怖ッ!!それが部屋に広がるッ!!

 

フラン「フフフ……見れば貴方、相当弱っているわねぇ。『クレイジー・ダイアモンド』」

 

彼女のスタンドが、ようやく出てきた。

やはり、今は彼女のスタンドで有るためか、また恐怖。

 

フラン「ドラァッ!!」

浄夜「『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!」

 

パンチを、残っている腕でガードをする。

 

フラン「フフフ……ハァッ!!」

浄夜「グッ!?」

フラン「これで、足も不自由ね」

 

足を踏まれている。これで、彼女には……

 

フラン「もう攻撃ができない…わね?」

浄夜「ハァ…ハァ…ハァ……」

 

息が詰まるこの緊張感、恐怖が込み上げてくる。

ダメだ。彼女の笑みが悪魔にしか見えなくなる。彼女の目が恐怖を作り上げている。

そして、俺は目を閉じた。

 

フラン「なに?死の覚悟でも決めたの?」

浄夜「…………」

 

違う。そうじゃあない。

腕の痛みをまた、感じるために目を閉じた。

 

フラン「負ける試合は諦める。別に悪い選択じゃあないわ。気にしない事ね」

 

俺は諦めたことは一度もない。過去も、今も。

そして、未来もッ!!

 

フラン「じゃあ、喰らいなさい」

 

彼女のスタンドの…『クレイジー・ダイアモンド』の拳がアッパーで来るのを感じる。

一瞬のことのはず。なのにゆっくりに感じる。比喩じゃあなく、意識的に。これは……『ゾーン』ってやつだ。あぁ、そうに違いない。決して死に際に起こる現象じゃあない。

これは……この事象は……俺のためにあるんだッ!!

 

そうして、血を吐いた。

 

浄夜「………」

フラン「…………うっ」

 

彼女が。

 

フラン「どう言うことなの?貴方は……もう腕がない筈…なのに…どうしてスタンドになれるの!?」

 

俺の()()は『星の白金(スタープラチナ)』と化していた。

一つは、スタンドのパンチをガードするため。もう一つは、カウンターのため。

 

浄夜「どうやら、本体に腕がなくても俺のスタンドは活動するらしい。吉良吉影とは違うようだ。やれやれだぜ」

フラン「ハァ…ハァ…ハァ……」

 

「やれやれだぜ」を少し強調していった。それは、威圧と感じ取れるだろう。

フランは今、俺に恐怖している。

 

浄夜「フン…『ゴールド・エクスペリエンス』」

 

俺は床をえぐり取り、命を吹き込んだ。

それは軈て腕の形になり、そして完璧に腕になった。それを俺の肩にくっつけ、動くかどうかを確認。

動いた。

 

浄夜「じゃあな。『遺体』を狙う輩が居るから気を付けろ。そして、居たら俺に声をかけろ」

フラン「………」

浄夜「あんたは、普段スタンドを使ったらダメだ。使っていいのはその輩が出現したらだ」

 

そうして、ドアを開いた。

 

雛「まだ痛まない?」

浄夜「大丈夫さ。有り難う」

雛「フフ、良かったわ」

 

そうして俺は無くなっていた方の手を握り締めた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常編 No.4
さぁ、釣りだ


赤蛮奇も草の根妖怪ネットワークに所属している設定にさせてください。


浄夜「………釣れねぇ」

 

やぁ、皆。俺だ、浄夜だ。

今、釣りをしている。湖でね。結構魚がいるらしいから、これは楽しみだ。

と、思っていたのだがな……全く釣れないのだよ。

 

浄夜「一度引き上げようかな……」

 

最早諦めていた。そんな時ッ!!手にかかる重い感覚ッ!!

Hooooo 来たぜッ!!

 

浄夜「キタキター!!……いや、おっもッ!?」

 

おかしい。いくらなんでも重すぎる。人間のような体重だ。

まさか、幻想郷の魚はこれ程にでかいのか!?

有頂天ッ!!天にも昇るような気分ッ!!

 

浄夜「逃がすかァァァァッ!!」

 

回す回す、そして……影が見える。

 

浄夜「パッと見た感じ、大きいぞ!!」

 

引く引く、そして……来たッ!!

水が宙へ舞う。同時に魚も舞う……魚?

 

人魚「痛い痛い痛い痛いッ!?」

浄夜「………天ぷら」

人魚「ひぃ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わかさぎ「食べないでくれてありがとうございます……」

浄夜「流石に人型は喰えないぜ」

わかさぎ「私、『わかさぎ姫』と言います」

浄夜「そのままかよ」

 

針を抜き、クレイジー・Dで治療した。

幻想郷には人魚もいるのか。

 

浄夜「俺は樹条浄夜だ。さぁ、帰りな。俺は釣りの続きをするのさ」

わかさぎ「………」

浄夜「……何だよ。何か俺の顔についてるか?」

わかさぎ「いや、別に」

浄夜「そ、そうか…」

 

彼女はこちらをまじまじと見ている。

そんなに見るなよ。なんか、恥ずかしいし。マジでこいつなんなんだ?

 

浄夜「おい」

わかさぎ「ん?どうしたの?」

 

首をかしげる。その動作が少し可愛くてドキッとした。

 

浄夜「あ、いや、だからさ、何故そんな俺を見つめるのさ」

わかさぎ「うん、ちょっとね。……あ、本当だったんだ~……」

 

何が!?何が本当なの!?

怖いぞここまで来ると。

 

浄夜「何がだよ」

わかさぎ「貴方、噂のすたんど使いってのでしょう?」

浄夜「噂?ドナルd……いや、なんでもない」

わかさぎ「星形のアザがあるとかも聞いてて、本当にあったからビックリしたの」

 

なるほど。俺も有名になってしまったか。

嬉しくはない。

 

わかさぎ「そこでね……お願いがあるの」

浄夜「ん?どうかしたのか?」

わかさぎ「ちょっと助けてくれないかしら!?」

浄夜「んあ?どうした急に」

 

急に助けを求められた。

何がどういう経路があって助けて欲しいのか。

ま、いっか。別に、危険そうじゃあないし。

 

浄夜「いいぜ」

わかさぎ「本当!?ありがとう……じゃあ、行きましょ!!」

浄夜「へ?」

 

俺は彼女に手を掴まれ、引っ張られた。

 

浄夜「うぬわぁ!?ゴボゴボゴボゴボ……」

 

そして俺は水の中へと入っていた。




今日、短いけど勘弁して。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

音楽が奏でられる

……?

なんだこれは……夢なのか?

中学生頃の俺が見える。

 

ねえ、浄夜くん

 

そして、金髪の女の子。この人は誰だ?知っている。知っているはずなのに、知らない。

そんな知らない女の子に、中学生の俺はなんですかと反応している。

 

私ね、貴方のことが好きなの

 

誰なんだ。大事なものが欠けている気がする。

中学生の俺が、自分もですと答えている。君は一体……誰なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わかさぎ「う~ん、起きないね。どうしよう、影狼」

影狼「どうしようじゃないわよ~。いきなり湖に引っ張っていったなんて、こうなるに決まっているわ」

赤蛮奇「浄夜………」

影狼「……フフ、白雪姫の逆verでも?」

赤蛮奇「や、やらないわよ!?」

 

照れて、赤蛮奇は体育座りをして膝で顔を隠す。

 

浄夜「ん……」

わかさぎ「あ、目が覚めた」

浄夜「ここは……どこだ」

わかさぎ「湖よ。さっき私と会った場所の逆側」

浄夜「ふーん…あ、蛮奇っきじゃん!!少し久しいね」

赤蛮奇「う、うん。久しぶり」

 

彼女はどこか戸惑った様子だった。少しモジモジしている。

 

わかさぎ「いやーにしてもすごい偶然だよね。有名なすたんど使いが蛮奇っきの知り合いで、しかも!!あの蛮奇っきの初こ……」

赤蛮奇「ワーワーワー!!ちょっとやめてよ!!」

わかさぎ「ごめんねぇ。ちょっとからかいたくなっちゃって」

 

と、女子っぽい会話をする。そのまま視線は俺の方へと向き、さっそく本題に入る。

 

影狼「それでね。貴方を読んだ理由だけど……貴方、音楽って出来る?」

浄夜「任せろ」

わかさぎ「男わしいわね。即答で任せろなんて」

影狼「そのね、今度音楽祭っていうお祭りがあって……それに出る予定なのよ」

浄夜「へぇ」

 

聞いたこともない。だが、楽しそうだ。

久しぶりにギターでも弾こうか。

 

影狼「貴方、楽器は何が出来るの?」

浄夜「あぁ、ちょっと待って……すぅ……」

 

皆がハテナになった。そして……

 

浄夜「紫ィィィィィィッ!!」

紫「ハイハイ」

三人「ヒェェェェェ!?」

 

一瞬にして固まる三人。神出鬼没の妖怪の賢者が目の前に、浄夜の一声で来たのだから驚いて当然である。

 

浄夜「神社からギターを取ってきてくれ」

紫「全く、妖怪使いが荒いんだから」

 

そう言って、スキマの中に入っていった。

 

影狼「や、やっぱ貴方ってすごい人なのね……」

浄夜「あ、そうだ。自己紹介をしていなかったな。俺の名前は『樹条浄夜』だ」

影狼「へぇ、『樹条浄夜』か。樹ジョージョー夜……ねぇ、ジョジョって呼んでいい?」

浄夜「勿論」

赤蛮奇「私はいつも通り『浄夜』って呼ばさせて貰うわ」

わかさぎ「私はジョジョって呼ぶ!」

 

なんてことを話していたらギターが落っこちてきた。

 

浄夜「落とすなよ……」

 

見事にキャッチをして、そのままチューニングをした。

音が合っていることを確認して、弾くことにした。

 

浄夜「Yesterday all troubles seemed so far away.Now it looks at though they're here to stay♪」

三人「おお!!スゴい!!」

浄夜「Oh,I believe in yesterday♪……こんな感じ?」

 

我ながら上出来だ。

 

影狼「カッコいい!!ジョジョがいれば優勝できるよ!!今の歌って何て言う歌なの!?」

浄夜「『ザ・ビートルズ』の『yesterday』さ」

わかさぎ「これなら、あの三姉妹にも勝てる!!」

浄夜「三姉妹?」

赤蛮奇「プリズムリバー三姉妹よ。騒霊(ポルターガイスト)よ。これまた良い音を奏でるのよ」

 

ふむ、騒霊が立場を利用して音楽家か……素晴らしいね。

 

浄夜「その人達が一番上手いんだ」

影狼「そうなの。う~ん、もっと練習、かなぁ」

浄夜「じゃあ、俺がコーチになるぜ。元より、助けて!!って言われたし」

影狼「お願いできる?」

浄夜「勿論」

影狼「フフ、ありがとう」

 

にっこりと笑う顔。その顔き少しドキッとした。

 

浄夜「よ、宜しくな」

 

面白いことになってきたぜ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

Let's 特訓!!

さあ、今週が入試です。合格できるといいなぁ。


浄夜「じゃあ、取り合えず……皆はどんな楽器をやっているんだい?」

わかさぎ「ベースかしら」

影狼「ドラムよ」

赤蛮奇「キーボード」

 

ふむ、バランスは良い。

逆になぜここまで揃えてギターを入れなかった。

 

浄夜「んじゃあ、曲はどうするんだ?」

影狼「フッフ~それはねぇ……赤蛮奇ちゃんが作曲しているのだ!!」

赤蛮奇「……ま、まだ未完成よ…」

浄夜「なるほど…見せてくれ。出来るならアドバイスをするよ」

 

すると赤蛮奇はポケットから紙を取りだし、浄夜に渡した。

紙を広げ、確認する。

 

浄夜「これ……アコギよりエレキの方がいいな。うむ、曲としては申し分ない」

赤蛮奇「ホントッ!?」

 

嬉しかったのか、一気に顔を近付ける。

それに戸惑いながらも肯定。

 

浄夜「お、おう。後は……技術だな。一人一人の演奏を聴かせてくれ。まず、わかさぎ姫」

わかさぎ「ほい!!」

 

~♪~♪~♪

 

手が綺麗だなぁ……ハッ!?

いかんいかん、弦を弾く綺麗な手に、つい見てれてしまった。

う~む。何か引っ掛かる。

それは本人も同じ反応だった。

 

わかさぎ「……どう?」

浄夜「いや、よく練習したと思う。ただ、ベースって言うのは音楽の中の『ベース』なんだ。まるで、血液が刻むビートのように、リズムを創ってくれる」

 

わかさぎ姫は真剣に聞いている。

 

浄夜「だから、少しのズレも許されない。君の場合は、そのズレは無いのだが、その代わり抑揚がない」

わかさぎ「べ、ベースに抑揚?」

浄夜「俺はな、『全ての楽器には感情を乗せれる』と思っている。君の場合、ズレを気にしすぎて感情がない。そのベースは、言ってしまえば、ただ音がなっているだけだ」

 

ストレートな言い方。きっと傷つくだろう。

だが、そんなことを気にしてちゃあ、優勝はない。その事は、きっと三人ともわかっているはず。

 

浄夜「一緒に頑張ろう。独学なんだろう?それでここまで上達したのなら俺より才能があるよ」

わかさぎ「うん!!頑張る!!」

浄夜「次は影狼」

影狼「ホイヤッサ!!」

 

~♪~♪~♪

 

靡く髪が綺麗だなぁ……ハッ!?

いかんいかん、ドラムを叩くたびに靡く髪の毛に、つい見てれてしまった。

楽しそうにドラムを叩いている。

わかさぎ姫とは違って逆にズレを気にしていない。たまに「ん?」ってなるときがある。

 

影狼「……ど、どうかな?」

浄夜「ズレているな。間の感覚が少し違う。この楽譜を見ると、コンマの単位で遅れてる」

影狼「うー……やっぱり?才能無いのかな…」

浄夜「ただ、楽しそうに叩いてた。それは良い。演奏者が楽しまないと、客は楽しめない」

 

感情は伝染する。

俺はそう思う。

 

浄夜「次は、赤蛮奇」

赤蛮奇「う、うん」

 

~♪~♪~♪

 

脚が綺麗だな……ハッ!?

いかんいかん、ピアノのペダルを踏む脚に、つい見とれてしまった。

うむ、音の質は問題ない。

ただし、ペダルがあまり踏めてない。

 

浄夜「……」

赤蛮奇「う……どう、ですか?」

浄夜「ズレもないし、抑揚もバッチリさ。しかしだ、長音がしっかりしていない」

赤蛮奇「……」

 

食い入るように聞く。

少し緊張しているようにも見える。

 

浄夜「少し、ペダルを離すのが早い。ただ、綺麗な音だったよ。つい見とれ……聞き入ってたよ」

赤蛮奇「うん、ありがとう」

 

あっぶね、見とれてたって言うとこだった。

さて、皆の演奏は聞いた。

うむ、一人一人違う課題を持っている。これはこれで面白い。

 

浄夜「んじゃあ練習だ。そうだ、蛮奇っき」

赤蛮奇「なに?」

浄夜「曲の名前って何?」

 

聞いていなかったなぁ。良い曲っぽいし。

 

赤蛮奇「曲名は『柳の下のデュラハン』よ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

柳の下のデュラハン

慧音「つまりだ。君はライブの為の衣装を作ってくれる店を探している訳だな?」

浄夜「せやで」

慧音「う~む……」

 

人里に詳しい慧音に、衣装を作ってくれる店はないか?と聞いている。

有ってほしいなぁ。

 

慧音「いや、和服しか売ってないぞ。ここらの店は」

浄夜「……そうか。ま、しゃーなしだな」

 

幻想亰の文化は明治の初期ら辺で止まっているらしいが、意外にも洋服はないようだ。

いや、仕方ない。どうすれば……

 

慧音「あ、そうだ。アリスはどうだ?」

浄夜「アリスって、人形の?」

慧音「そう。あの人なら手先は器用だし、服を作れるんじゃあないか?」

浄夜「なるほど……どこに住んでいるんだ?」

慧音「魔法の森だ」

浄夜「あー……」

 

軽くトラウマ。あの吐き気は、もうトラウマさ。

う~む、魔理沙が言うにはキノコの何かしらが空気中に飛んでるらしい……どうにかできないだろうか……そうだ!!

 

浄夜「ありがとう、慧音。今度お礼をするよ」

慧音「いらないよ。結局、魔法の森には行けないだろうし……」

浄夜「行けちゃうんだなーこれが」

慧音「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛「それで、私を呼んだわけね。人使いが荒いんだから」

浄夜「お前だけなんだよ。回転の技術を持ってんのはさ」

 

雛の回転で空気中を換気するという、素晴らしい発想だ。

 

雛「全く……」

浄夜「お、ここかな?」

 

たぶんここだ。魔法の森には魔理沙とアリスしか住んでいない。後、入り口に香霖堂という店があるらしい。

俺はドアを三回ノックし、中からの返事を待つ。はーいっと声が聞こえてきた。

ドアは開き、アリスは誰が来たのかを確認。

 

アリス「あ、あなた……」

浄夜「やあ、異変の時ぶり」

雛「初めまして」

アリス「…中に入って。外は危ないわ」

 

言われた通り、俺達はアリス宅に入っていった。

事情は説明して、何とか許可を得た。

 

アリス「まぁ、確かに人里には和服しか扱ってない店しか無いわよね。たまに八雲紫が外の世界から仕入れるんだけど……その、ライブの衣装には合わないわね。分かったわ」

浄夜「あざーす」

 

~暫く時は経ち~

 

アリス「………」

 

う~む、なにか気まずい。俺、何かしたっけ。

 

雛「ねぇ、ちょっと」

 

雛が小声で話しかけてきた。

 

雛「あんた、なにかアリスにしたの?」

浄夜「知らねーよ。二、三回会った程度だぜ?」

雛「じゃあないんでこんな気まずいのよ!?」

 

分からぬぅ。俺が一体何をしたってんだ。

相変わらずの悲しい顔。俺に初めて会った時も悲しい顔をしてたよな?

なんだ?生理的に受け付けないのか?

 

浄夜「な、なぁ?なにか手伝えることはないか?」

アリス「うーん、そうねぇ……青の布を取ってきて。棚の上よ」

浄夜「は、はーい……」

 

せっせと取りに行く。そして、せっせと戻ってくる。

そして、また気まずい空気。何この悪循環。

 

アリス「うん、出来たわ。こんなんでどうかしら」

浄夜「え、あ、うん……ン?おお!?スゲェッ!?」

 

明らかに売れる。高値で四万か?そのぐらい良くできてる。

 

アリス「お代は結構よ。浄夜君にはお世話になったし」

浄夜「え?俺なにかしましたっけ?」

アリス「え?あぁ……その、魔理沙のことよ。そう、魔理沙よ。先日世話になったようで」

浄夜「なんだ、そう言うこと。お互い様さ。俺も彼女には世話になったし」

 

それを回避するために雛を呼んだわけさ。

 

アリス「まぁ、兎も角お金は要らないわ。ライブ、頑張ってね」

浄夜「おうよ!!頑張るぜ!!」

 

その時だけ、彼女の顔は悲しみのない純粋な笑顔だった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

音楽は心を震わせる

急がなきゃいけない理由があるので、今日投稿しました。


浄夜「準備は良いか?」

皆「勿論!!」

浄夜「よし、行くぞ!!」

皆「オー!!」

 

俺はこの日を迎える。長年の夢であったものが、まさか幻想郷で叶うとは……

 

~前日~

 

浄夜「ここが、ライブ会場か……派手だなぁ」

赤蛮奇「まぁ、年に一度だしね」

 

今、俺達はライブ会場の下見に来ている。

数多くの妖怪、人間がいる。彼らも、音楽に憧れた者達なのだろう。

 

?「あなた?スタンド使いって人は」

浄夜「ん?そうだが、君は?」

リリカ「私は『リリカ・プリズムリバー』よ」

浄夜「あぁ、君が」

 

この娘が『プリズムリバー三姉妹』の……末っ子だっけ?

 

?「リリカ?どうしたのよ、いきなり走り出して」

リリカ「あ、お姉ちゃん。この人よ、噂の」

浄夜「ども」

メルラン「そう…ごめんなさいね?いきなり。私は『メルラン・プリズムリバー』よ」

浄夜「樹条浄夜です」

 

長女の姿が見えないが……

確か、長女が『ルナサ・プリズムリバー』だったはず。

彼女らの帽子を見るに、きっと長女も似たのを被ってるはず。あの黒いのなんてそうかもしれない。

 

浄夜「あの、黒い帽子を被った金髪ちゃんは君達のお姉さん?」

リリカ「よく分かったね?ファン?」

浄夜「ちゃう」

メルラン「恋した?」

浄夜「してない」

 

なんだ、結構社交的。

思ってたのと違う。とは言え、わかさぎ姫達はライバルと言っている。これは頑張らねば。

 

浄夜「じゃあ、また明日」

リリカ「最後に、1つ。明日勝つのは私達よ」

浄夜「あれ?意外だなぁ。俺らだと思ってたんだがね。それじゃあ」

 

ライバル意識はアッチにもある、か…

 

赤蛮奇「なによ…浄夜に馴れ馴れしく……」

浄夜「何をそんなに嫌っているんだ。何かあったのか?」

赤蛮奇「え?い、いや、何もないけど…」

浄夜「んじゃあ、そんなに嫌うこともないじゃあないか」

赤蛮奇「…むぅ」

 

なんだ?赤蛮奇の機嫌が悪い。明らかに怒っている。なにか、俺したか?最近多いような気がする。こう言うの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く時間が経ち、辺りは暗くなった。

赤蛮奇ももう帰ったが、俺は一人『yesterday』を弾いていた。

 

浄夜「んー、まあまあかな。明日には仕上げとこう」

?「素晴らしい歌声に、素晴らしいギターね」

浄夜「歌は別に明日は歌わないけど、君がそう思うならきっとそうなんだろうね」

?「あら?私を知っているの?」

浄夜「『ルナサ・プリズムリバー』だろ?さっき君の妹達に聞いたよ」

 

同じ弦楽器を弾くもの同士が話し合う。

ルナサはヴァイオリンを弾く。俺はエレキ。全く違うが、大きく囲えば同じもの。

 

ルナサ「明日、きっと晴れるわ。気圧的に」

浄夜「驚いた。まさか、弦によって気圧がわかるのか?」

ルナサ「まぁね」

 

この人は本物だ。俺なんか到底及ばない。

 

ルナサ「貴方、技術は相当ね。私達の組に入らない?祭りが終わってからでもいいから」

浄夜「それは……」

ルナサ「いいでしょ?」

 

目線が誘ってる。意外にもこんな性格か。ネクラだと思ってた。人を見た目で判断してはいけないってのを実感する。

というか、地味にエロい。何にもエロくないのに。

 

ルナサ「ね?悪い話じゃないと思うのだけど」

浄夜「顔が近い」

ルナサ「お願い」

浄夜「いや、だから顔が近い。あと、色仕掛けには乗らん」

ルナサ「なんだ。残念ね」

 

実際は乗りたいです。

 

浄夜「にしても、意外だな。もっとネクラと思っていた」

ルナサ「いや、ネクラよ」

浄夜「うん?」

 

こんなネクラいてたまるか。

 

ルナサ「あ~あ、結構勇気を振り絞ったのになぁ」

浄夜「まぁ、俺程の技術を持っている人は山ほどいるだろ」

ルナサ「それにルックスを加えれば丘ほどになる」

浄夜「いや、そこまでかっこよくはないぞ。彼女いない歴=年齢だし」

ルナサ「えぇ!?」

 

驚くなよ……

 

ルナサ「つまり、どうt…」

浄夜「それ以上言うな。俺の危機だし、この作品の危機になる」メメタァ

ルナサ「まぁ、良いわ。明日、お互い頑張りましょうね」

浄夜「おう。勿論だ」

 

そうして、その場から去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

司会「と言うわけで、『プリズムリバー三姉妹』で『幽霊楽団~Phantom Ensemble』でした~」

 

表から聞こえる司会者の声。

それが、彼女らの気持ちを緊張させた。

 

わかさぎ「あぁあぁああ緊張するぅ……」

赤蛮奇「うぅ……」

影狼「こわいこわいこわいこわいこわいこわい……」

浄夜「落ち着けよ」

 

なにをそんなに緊張する必要がある?

まぁ、いいや。

 

浄夜「次、俺らだぞ」

わかさぎ「ひえぇぇぇぇ」

 

大丈夫か?これ……

 

浄夜「ハァ…いいか?何のためにあんなに練習したと思っている。優勝するためだろ?優勝して何をする?」

影狼「賞金で美味しいもの食べる……」

浄夜「その為には?」

赤蛮奇「落ち着く……」

 

優勝したい理由は……まぁ、良しとしよう。

 

浄夜「なら…準備は良いか?」

皆「…勿論!!」

浄夜「よし、行くぞ!!」

皆「オー!!」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

音楽の中に

ペルソナ5のクリア後のロスが半端ない。


わかさぎ「やっと、終わったぁぁぁぁ!!」

影狼「き、緊張がぁぁぁ」

赤蛮奇「もう……無理……」

 

俺達はステージから降り、控え室でのびていた。

今は集計をしているらしい。どのチームが、一番かを。

 

浄夜「ふむ、久しぶりに緊張をしたよ」

影狼「どこがよ……」

 

そういや、観客に紫が居たな……だが、なにか違う気がした。『俺が知っている紫じゃない』そんな気がした。

 

浄夜「気のせい、だよな」

スタッフ「各チームの方はステージへ上がってください」

浄夜「もうか、よいしょ」

 

そうして、ステージへと上がった。

 

司会「さあ!!結果発表と参りましょう!!」

浄夜「全力は尽くした……」

 

後は勝つのみ。

ルナサは俺の方を見てニヤリと笑っている。それは『自信』から表れる笑み。

 

司会「なんと今回、一位と二位の差がたった一票だそうです!!」

ルナサ「え!?」

浄夜「マジ!?」

 

流石に驚いた。だが、それ以上にルナサが驚いている。その妹達も。

 

司会「祝福すべき、第一位は!!」

 

祈る。それしかできない。

 

司会「『草の根妖怪ネットワーク』の皆さんでーすッ!!」

浄夜「……マジか!?」

赤蛮奇「えぇ!?本当に!?」

 

驚きが隠せない。影狼とわかさぎ姫は放心状態。

そして、ルナサやその妹達も。

 

リリカ「クゥ、悔しい!!」

メルラン「確かに、良い曲だったしね~」

ルナサ「……フフ、結局こんなものか…」

 

スポットライトに当たる浄夜を、哀しさと祝福の気持ちで見つめた。

輝いている。存在が。

 

司会「それでは一言お願いします!!」

浄夜「あ、はい」

 

司会は浄夜にマイクを渡した。

 

浄夜「自分は、昔から音楽に憧れていてギターを練習していました。それが、ここで活躍できて嬉しいです。本当にありがとうございました」

 

浄夜は客席に向かって礼をした。

真面目か!!とも思ったが、あえて口にはしない。だって、スポットライトは彼にあるのだから。

 

浄夜「あ、それと。優勝できたのはライバルのお陰だったかもしれないです」

ルナサ「え?」

浄夜「彼女らがいなかったらここまで燃えていません。もしかしたら、途中で放棄していたかも」

 

驚きの言葉だった。

それは私達への憂いか。はたまた無意識か。

いや、どっちにしろ、それが私を苦に追い込ませた。ツラい気持ちで泣きそうだ。自分が、ダメな気がしてならない。

 

浄夜「ま、俺が勝ったんだけどね♪」

 

前言撤回。奴よりマシだ。

もしかしたら、今の言葉こそが憂いだったのかも知れない。だとしたら、末恐ろしいわ。

思わず笑ってしまう。

やっぱり、泣きそうだったのに、今は笑っている。彼は不思議な力を持っているのかも。能力や権力なんかじゃない何かを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫?「なるほどね……彼は良いわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「ん?」

 

なにか、感じた。嫌な感じ。

控え室の椅子に腰を掛け、東野圭吾の『悪意』を読んでいた。その時にだ。

悪意……なにかが起きる。考えると、一つの人名が浮かび上がってきた。

 

『DIO』

 

何故かは分からない。急に思考に出てきたのだ。

いきなり、目の前にスキマが開いた。

 

紫「浄夜!!」

浄夜「うぬおッ!?急に出てくるなといっただろうがッ!!このスカタン!!」

紫「スカ…!?…いいわ、そんなこと。それより、大変よ!!」

 

この焦り様、やはり何かが起こっている。

 

紫「紅魔館がッ!!」

浄夜「ッ!?行ってくる!!」

 

出たのか!?『漆黒の灰』を持つ者が!!

俺は急いでステージを飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「……これで、良いかしら?」

 

そいつは頷いた。

 

紫「まぁ、浄夜ならなんとかなるでしょう」

?「いいえ、分からないですよ。『彼』は浄夜君と同じなのですから」

紫「そうね……」




次回ッ!!コラボ企画!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鬼の半妖さんとのコラボ企画ッ!!
【鬼の半妖さんとのコラボ回】第1話 begin story


前回を見ていない方はそちらから見た方が、分かりやすいと思いますので、まずはそちらから。


浄夜「迷ったッ!!」

 

いつの間にか竹林にいた。紅魔館と反対の方向やん。

 

浄夜「………誰かーーーーー!!」

 

…………

 

浄夜「いるわけ……」

?「はーい!!」

浄夜「居たぁぁぁぁ!!」

 

ダッシュ!!メロスもビックリのスピードッ!!

そして、見えてきたのが……

 

鈴仙「なんだ浄夜か……」

浄夜「ハァ……ハァ……お前だったのか…」

 

うどんげは持参した水を浄夜に渡した。それを浄夜はイッキ飲みし、落ち着いた。

 

鈴仙「全部飲んじゃったの……まぁ、良いわ。それよりどうしたの?」

浄夜「紅魔館に行こうとしたら迷った」

鈴仙「逆にどうやって来たのよ……」

 

うどんげは面倒くさそうに頭を掻いた。

 

鈴仙「それで、なんで紅魔館に?」

浄夜「詳しいことは分かっていないのだが……多分、何者かに襲われた」

鈴仙「え!?もしかして……『漆黒の灰』を持つ……?」

浄夜「分からない。だが、行かなければッ!!」

 

うどんげは顎に手を置き、少し考える。

 

鈴仙「私も連れてって」

浄夜「…良いのか?」

鈴仙「人数は多い方がいい。あと一人ぐらい連れていきましょう」

浄夜「頼もしい。じゃあ、とっておきの戦力になる奴を連れていく。妖怪の山に行こう」

鈴仙「分かったわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛「紅魔館が…!?」

浄夜「一緒に来てくれッ!!俺は、戦力は多い方がいいと思っている!!」

鈴仙「考えたの私なんだけど!?」

雛「行くわ!!」

 

即答だった。

 

浄夜「本当か!?」

雛「これ以上幻想郷を荒らされて、たまるもんですか!!」

浄夜「ありがとう」

雛「いいえ、これは私自身の気持ちを抑えるため。気にしなくていいわ」

 

ニッコリと笑う。よし、これで行こう!!

 

紫「ちょっと待って!!」

浄夜「うげぇッ!?いきなり出てくんなって言ってんじゃろがぁぁぁぁッ!!なまらビックリしたどすえ!?」

紫「どこの人よ!?貴方出身何処よ!?」

浄夜「オラ東京産まれだっぺ」

紫「嘘つけぇ!!……コホン。浄夜、紅魔館を占領した男の名前が分かったわ」

浄夜「なに!?」

 

嬉しい情報だ。是非とも聞きたい。

 

紫「名前は『五十嵐 京谷』。スタンド使いよ」

浄夜「やはりかッ!!」

紫「ただ……貴方の思っている者とは違う」

浄夜「どういうことだ?」

紫「『漆黒の灰』は、()()()()()()

 

持っていない?どういうことだ。まさか、『聖なる遺体』か?

 

紫「言っておくけど『遺体』でもない」

浄夜「なッ!?どういうことだよ!?」

紫「正真正銘、純粋な『スタンド使い』よ」

浄夜「……それは…本当なのか?」

紫「えぇ、勿論」

 

浄夜は俯いた。紫はその行動に疑問を持った。これほどの広い器を持つ者が、なぜ俯いた?

 

浄夜「ッフ」

紫「……?」

浄夜「フッフッフ……面白い。良いだろう!!久しく味わえなかった闘いの感覚を味わおうじゃあないかッ!!」

 

やっぱり、彼だ。

彼らしいその反応を見て、思わず笑みが浮かんだ。出会ってまだ数ヵ月だが、彼のことを知り尽くしている気分だった。それを知ったらどんな顔をするだろうか?まぁ、それはいい。

浄夜は、ゆっくりと歩み始める。

 

浄夜「行こう。紅魔館にッ!!」

 

浄夜と他二人はいつの間にか小さく見えていた。もう、あんなに遠くへと。

 

?「頼もしいじゃない」

紫「でしょ?期待出来るわよ。もう一人の『私』」

紫2「……ややこしいわね」

紫「浄夜にとって京谷君は良い刺激になるわ」

紫2「そのまた逆もね」

 

二人の紫は笑う。その異様な景色は、誰も見ぬ、知らぬのだ。

奇妙な冒険が混ざり合う。波紋のように交じり、重なる。それが吉となるのか、凶となるのか。それは、神のみぞ知る。

 

神様「ん?」

 




と言うわけで、鬼の半妖さんとコラボです!!

二回目のコラボなんですが、ワクワクしますねぇ!!楽しみィ!!
さて、鬼の半妖さんの『悪と正義の波紋&幽波紋 (スタンド) 使い、変化する者の幻想入り』もご覧になってくださいね!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 invader & getekeeper

嫌な気配。それが俺らを襲った。

それは恐怖、不安、殺気……そして安らぎ。

この入り混じった気配が、俺らを徐々に蝕んでゆく。

 

雛「呑気なものね…里の人は」

 

そう、すれ違う人々はそれに気が付いていない。否、その気配に襲われていない。

俺らにだけ向けた殺気なのだ。つまり、目的の『五十嵐 京谷』も俺らの存在に気付いている。

悪の心か……はたまた、正義の心を持ってるか、どちらにせよ、この殺気の量は普通じゃあない。

 

浄夜「気を引き締めよう」

 

二人は静かに頷いた。

 

畦道を通り湖に出て、またその湖を越えた。

そして見える紅い建物。

 

浄夜「紅魔館……」

 

前回、フランのスタンドを確認する為に来たのだ。次来るときは客人としてだと思っていた。

俺は目を瞑り、俯いた。それは謝罪であり、感謝である。

何故か?紅魔館に対して「もう一度、暴れさせてください」という、意思を伝えるため。

 

浄夜「行こう」

 

俺は門の方を見た。しかし、『それ』を見て平常にはいられなかった。

 

浄夜「美鈴ッ!?」

 

門の一部にめり込んだ美鈴の姿。

彼女は気絶している。

 

浄夜「『クレイジーダイアモンド』」

 

俺は直ぐ様彼女の傷を治した。

酷だ。よくこんなことが出来る。だんだん、怒りが増してきた。

 

いや、待てよ?

何故、殺さなかった?もし、美鈴を敵として見ているなら、殺すのが一番だろう?

だが彼女は死んでいない。もし、目を覚ましたら助けを呼ぶかもしれない。なのに……

それで『良い』のか?俺らを誘き寄せる為の『罠』の役割だとしたら?

 

鈴仙「危ない!!」

 

うどんげが俺を抱えて、なにかを避けた。

その『なにか』は……人並みの大きさをしている氷。あれなら、人を殺せる。

 

浄夜「な、なんじゃこりゃあああ!?」

雛「五月蝿い!!」

 

あ、ゴメン……

いや、これはないだろ!?不意討ちにも程がある!!

 

?「アホー」

三人「!?」

 

それは奇妙な光景であった。

俺らは呆気にとられた。何故?簡単な理由さ。

 

烏「………貴様ラガ『スタンド使イ』カ?」

 

烏が喋っていたからである。

俺は、一時思考を停止していた。そして、口を開く。

 

浄夜「アイエエエエエエ!?烏!?何で!?」

二人&烏「黙れ(レ)」

 

そんなこと言ったってしょうがないじゃないか(えなり風)

烏が喋ったんだぜ?お燐が猫の姿から人間の姿に変化した時以上の驚きだぜ!!

声帯はどうなっている……

色々な驚きのせいで、さっきまでの怒りがどこかに消えた。

 

鈴仙「それで!?アンタは何者!?」

 

珍しく、うどんげが怒鳴っている。

なんだ、お前も五月蝿いじゃあないか!!ハッハッハ!!さぁ、誰かにツッコまれろ!!

 

烏「喧シイ、女ノ言ウコトヲ誰ガ聞クカ」

鈴仙「んなッ!?」

烏「俺ハナ、女ガコノ世デ一番嫌イナンダヨ!!失セロ!!」

二人「烏には言われたく無いわよ!!」

烏「餌ト巻キ髪ニ言ワレタクナイワ!!」

 

う~む、望んだ結果じゃないが喧嘩してるし、良いか。

このまま楽しんでいようかな~?(ゲス顔)

 

鈴仙「誰が餌ですって!?浄夜!!コイツは私がが引き受けるわ!!さっさと行っt「サセルトデモ?」!?」

 

烏は水色の色をした烏型のスタンドを出し、レーザーを放ち、門を氷付けにさせた。

 

雛「クッ!!爪弾で氷をッ!!」

烏「サセルカ!!」

 

なんとッ!!なんとッ!!先程とは違う『茶色』のスタンドが出たのだッ!!

そのスタンドはレーザーを雛に向け、放った。なんなく避けた雛だが、当たった場所に違和感。

妙に思ったが、直ぐに分かる。そこから『土柱』が出たのだッ!!

 

雛「なッ!?クソッ!!」

 

彼女は爪を発射し、それを破壊する。

 

烏「ホォ、中々ノスタンドパワーダナ」

雛「それはどうも。敵に言われても嬉しくないけどね」

烏「ダガ、アイツト『アノオ方』ニハ全テ無意味。ソノ力ハ通用センナ」

雛「…………何ですって?」

 

『あのお方』……まさかッ!?

 

浄夜「『五十嵐 京谷』のことか!?」

 

途端、烏から溢れる殺気。例えるなら、家族全員殺されたような憎しみの殺気。

俺らは戦闘態勢を強め、様子を観る。

 

烏「………貴様、今何ト言ッタ?」

浄夜「………何?」

 

「アノオ方ノ名前ヲ口ニ出スデナイ!!コノ無礼者!!」

 

浄夜「なッ!?」

 

意外だ。名を口にするのも図々しいと言うのか?『五十嵐 京谷』何者だ?

 

ブロウ「貴様ノ様ナ下濺ナ猿ガ!!アノオ方ノ名ヲ汚スデナイ!!貴様ハ、コノ『ブロウ』ガ直々ニ……!?」

 

気付く。辺りに浮かぶ『シャボン玉』の数々。ブロウと言う烏はまた色の違った『赤色』のスタンドを出し、シャボンを破裂させ、レーザーでうどんげを攻撃した。

炎。うどんげは回避したが、その場所には炎が立っていた。

 

鈴仙「炎、氷、土………一体幾つのスタンドを持ってるのよ?」

ブロウ「フンッ。先ズハソノ餌ソノモノカラ始末サレニ来タトハナ。良イダロウ、纏メテ始末シテヤル!!」

鈴仙「誰が餌よ!!」

 

そして始まるッ!!この、奇妙な戦いがッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「………シャーベット、この大図書館の通路の守護を頼めるか?」

シャ「御安い御用でございます」

?「………期待しているぞ、シャーベット」

シャ「貴方の期待に答えましょう………」

 

「 DIO様 」




シャーベットと呼ばれた人は、長いので『シャ』と表記させます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 VEROW is especially crow

ブロウはスタンドを引っ込め、上昇する。そして、新たに『白い』スタンドを出す。

来る……そう感じ取り、警戒をする。予想は的中し、レーザーを放ってきた。

 

雛「爪弾ッ!!」

 

雛は指を中心に回転させ、爪弾を撃った。レーザーと衝突して危機を免れた……ように思えたが、ブロウは何故かニヤリと笑っている。

その時ッ!!レーザーからは視界を遮断される程の光が放たれたッ!!

 

雛「なッ!?」

鈴仙「ひ、光!?これじゃ視界が!!」

浄夜「目が!!目がアアァァァァァ!!」

 

俺って目が弱いんだよね。テレビを少し長く観ただけで涙が出る。おかげで変な誤解をされて……嫌になるね。ゲームだったら絶対に弱点は光属性だね。

 

おや?やっと光が……ッ!?

上空には赤、青、水色、黄、茶の五色のスタンドを出していた。そして、一斉に放たれたと思われるレーザーの数々。

 

雛「フッ!!」

鈴仙「ッ!!」

浄夜「おわわッ!!」

 

雛は、水色のレーザーが右腕を掠るが回避。うどんげは、赤と茶色のレーザーをなんなく回避。俺は青と黄色のレーザーをギリギリで回避。見方によってはジョジョ立ちだな。

 

雛「!?し、しまった!!氷が!!」

 

雛に右腕には氷が纏わる。

 

鈴仙「チィッ!!」

 

うどんげは炎に囲まれた上に、土柱が迫る。しかし、ジャンプで素早く回避。

 

浄夜「アビャアアアァァァァァアダダダ!!」

 

青のレーザーで、水が噴射。それが掛かって黄色のレーザーの電気に感電。と思いきや、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』になって、受け流していた。ムーディー勝山状態だ。

ん?じゃあ何故叫んでいるか?間抜けに思われた方が後に楽になる。相手に余裕を持たせる、みたいな。通用するかは分からんが、やらんよりマシだ。

 

などという、どうでもいい説明をしている内に、白いスタンドを出しやがった。

 

雛「また!!」

 

回転で氷を削ったか、元々かは分からないが、手の部分は氷から出ていた。

 

雛「『act4』!!」

 

初めて見た。彼女の切り札であろう『(タスク) act4』。きっと切羽詰まったのだろう。

爪が発射される。同時に出てくる『タスク』。

 

ブロウ「ナッ!?」

タスク「チュミミーン!!」

 

爪弾はレーザーを貫通。そのままブロウにラッシュを食らわせる。

勿論、レーザーの光が発生するが、最早気にする必要はない。俺は気にするが。

 

浄夜「目が!!目がアアァァァァァ!!」

鈴仙「五月蝿いわよ浄夜!!」

 

仕方ねぇだろォォォォォッ!!光が弱点なんだからァァァッ!!

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

 

『タスク』のラッシュは続く。

 

ブロウ「ガガガガガギギググガアァァ!!」

 

その勢いにブロウは吹っ飛び、紅魔館の窓をそのまま破っていった。

 

浄夜「逃がすか!!雛、氷破壊してくれ!!」

雛「浄夜!?もう大丈夫なの!?」

浄夜「『レッド・ホット・チリ・ペッパー』になって動いたから電気が消費されたから平気。目はアウトだけど」

鈴仙「駄目じゃない」

 

ごもっともです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「この先って大図書館だったよな?」

雛「えぇ、確か」

浄夜「……ふぅ…」

 

この嫌な気配、殺気、その他諸々が、ブロウを倒した後に濃くなった。汗の量が半端じゃあない。ブロウを倒した後に…か……つまりは、仲間を大切にする奴である可能性が高い。

やれやれ、悪なのか善なのか………検討もつかねぇな。

 

雛「ねぇ、浄夜。あれ……」

浄夜「ん?ありゃ人か?殺気……敵だな」

 

堂々と構えてやがる。自信の表れがスゴい。

 

浄夜「おい、アンタ。『あのお方』って言う奴の手下?」

?「いかにも」

 

全く……男らしいね。清々しい程に堂々だ。

そのローブの男の近くにスタンドが現れた。あの男のスタンドだろうか。

いや、様子を見るに違うようだ。

 

?「何用でございますか?『DIO様』」

 

何ッ!?今、何と言ったッ!?『DIO』だとッ!?

いや、待て。スタンドが違う。『DIO』の名を借りた誰か。『五十嵐 京谷』か?

 

?「失礼ながら、現在ジョースターの末裔と思わしき人物と、その仲間と対峙している最中でございます」

DIO?『要件のみ伝える。変更で俺は屋上にて待つ。良いな?』

シャ「御意。そして必ずや、この『シャーベット』がDIO様の望む結果にしてみせましょう」

DIO?『期待しているぞ、シャーベット』

 

おかしい。今の会話には『矛盾』がある。シャーベットと呼ばれた男に『期待』すると言っていた。

しかし、DIOと呼ばれた謎の男は、屋上で『待つ』と言っていた。

『待つ』?何をだ?シャーベットを?俺達を?そもそも何故屋上?外は寒く、屋上だと陸より風が強い。なんなら中で待っといた方がいいだろう。もし、俺達と戦うのだとしたら、屋上は広くて有利だ。

つまり、『彼は俺達と戦う前提で待っているのではないか』?

ただの考えすぎか?それとも……

 

シャ「さて」

 

敵の声で我に戻る。

 

シャ「今話した通りだ。貴様らをここで潰す」

雛「やれるもんなら、やってみなさい!!act4!!」

 

雛はいきなりact4で爪弾を撃った。ほほう、一瞬で終わらす気か。

その爪弾はローブに当たり、ラッシュッ!!には、ならなかった。

 

シャーベットは爪弾を掴み、破壊したッ!!

 

浄夜「オウノー!!ベリーショック!!」

 

正にッ!!スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃ッ!!

そうだ、ただ言いたかっただけさ。悪いかい?

 

雛「ま、まさか………act4が………潰された………あ、有り得ない………」

シャ「ふん、他愛ない。こんな爪一つで殺せるならば、苦労はしなかっただろうに」

 

いや、苦労して殺した男がいるんですけどね?巷じゃ絶対殺すマンって言われてるからね?

シャーベットは持っている爪を投げ返した。その速度ッ!!なんと、時速160kmッ!!

 

浄夜「危ねッ!!」

シャ「避けるか。中々素早い奴よ」

 

あ、危ねー!!ギリギリだったー!!

俺、ボクシングでチャンピョンになれるかも。あの速度を避けるってマジで行ける。具志堅を越せる。今は越そうとしてるボクサーがいるが、更に上に行ける気がする。

 

シャ「だが、このシャーベットに勝てぬ相手ではない」

 

「貴様ら纏めて始末してやる!!」

 

さて、コングがなったぜ。第二ラウンドと行こう!!




遅れてすまぬ。データが月までブッ飛ぶあの衝撃のせいで遅れちゃったぜ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 Crazy STAND

シャーベットは此方を睨みながら、少しずつ踏み寄る。ソイツから感じ取れる『余裕』の気持ち。只者ではないことは確かであった。

 

鈴仙「シャボンカッター!!」

 

距離を取り、シャボンカッターを放つ。

しかしながら、ここは吸血鬼の館。太陽の光はほとんどないに等しい。シーザーがワムウに食らわせた攻撃は効かない。斬撃で戦う気か。

 

シャ「フンッ!!」

 

しかしッ!!シャーベットは一発で叩き落としたッ!!

 

鈴仙「んなッ!?」

シャ「遅い」

鈴仙「!?」

 

酷く冷たい声で呟いた。だが、そんなのを気にしている隙もないくらい、シャーベットは急接近した。鈴仙は反応が遅れ、ガードが出来ない。そして、そのまま……

 

シャ「ハアッ!!」

鈴仙「ぐほッ!!」

 

鳩尾に拳を入れられた。その威力、最早人間ではない。鈴仙を吹き飛ばし、風圧で瓦礫が出来た。

勇儀を少し思い出した。あの力量は、なんなのだ?スタンド能力か?それとも元々?

いや、それよりうどんげだ。

 

浄夜「うどんげ!!」

 

呼び掛ける。しかし反応はない。

 

雛「act3!!」

 

雛は地面に爪弾を撃つ。シャーベットの後ろから爪弾が発射される。が、予知していたかの如く、爪弾は掴まれた。回転している爪弾を掴むなど不可能なはずなのに、奴はさっきから何度も掴んでいる。

 

雛「こ、これも!?」

浄夜「『世界(ザ・ワールド)』!!時よ止まれ!!」

 

浄夜は『世界(ザ・ワールド)』に変身。片を付けるしかない。そう思っていた……

 

シャ「貴様『も』時を止めるのか」

浄夜「ッ!?何!?」

 

止まった世界を動く奴は一体何者なのだ。さっきからスタンドらしい姿も見てないし、この敗北感はなんだ?まだ、負けて……

 

瞬間ッ!!蹴る為に足を後ろに上げたッ!!

まずいッ!!防がねばッ!!

 

浄夜「くそッ!!無駄ァ!!」

 

振る足を殴り付けた。勿論、手は痛いさ。しかし、奴にも効いているはず。

効いているはずなのだ。

 

シャ「………何かしたか?」

浄夜「!?」

 

シャーベットは改めて蹴った。しかも、一瞬で。だが、威力はやはり並外れてる。

腹部に入った蹴りは、浄夜の口から血を吐かせた。

 

浄夜「ぐほッ!!」

 

三回のバウンド。

やっぱ、痛みには慣れねぇな……ま、当たり前だけど。

等と他の事を考えないと自然に痛みが増すような気がした。いや、それが最早出来なくなって行く。目の前が霞み始めた。

 

雛「浄夜!!」

 

意識が………持ってかれる………

そして、改めて思う。これは人間は持つ力じゃねぇ…と。まるで化け物だと。

 

シャーベットはため息をついた。

そして、雛を見る。

 

雛「!!!」

シャ「次は貴様の番だ。DIO様からは全力で行けと命令されている。………もし、ここで負けるとあらば、DIO様はさぞかし失望することになる。その様なことは有ってはならぬ!!」

 

言っていることがメチャクチャだ。しかし、詳細も言わずまた踏み寄る。

あの光景を見た後だ、雛は恐怖した。このままじゃあ、雛が……ッ!!

手が勝手に動くように、シャーベットに『エンペラー』を向け、放った。

 

雛「浄夜!!」

シャ「ふむ、あれを耐えるか」

 

いいや、耐えれてねえよ。限界を超えた。まだボス前ってのにな。

 

浄夜「おいテメェ。何で『あのお方』とやらに俺達が失望されなきゃならないんだ?」

シャ「………何?」

 

あの矛盾は、やはり気のせいじゃあない。

 

浄夜「俺達は………止める為に来てるんだよ。こんなバカな真似をしてる『五十嵐 京谷』を!!」

 

シャーベットは此方に向かってくる。よし、取り合えず、雛は大丈夫だ。

こっから、どうしようかね。

 

シャ「………あのお方は、DIO様は………あまりにも退屈になされてた」

浄夜「………何?」

シャ「DIO様は度重なる冒険を続けられた。そして、何時しか冒険が生き甲斐となっていたのだ」

 

つまりなんだ?その、冒険の延長線上に俺らは無理矢理立たされている訳か。

下らねぇ……

 

シャ「貴様には分かるまい。DIO様が、どの様にして生まれ、どの様な過酷な運命を歩き、どの様な力や希望を手に入れたのかを……」

 

『希望』……ねぇ?

悪党にしては、よくそんな言葉が出てくる。実は、悪党じゃなかったり。

DIOの名前を借りている辺り、悪に憧れているのは間違いない。察するに、悪に憧れた少年であるはずだ。

悪に希望を持つなど、少年の心を抱き続ける者に違いない。そうだな……高校生ぐらいだろうか。俺も、その気持ちは分かるからな。

……とは言え、ただの推理だ。戦うに越したことはない。

 

浄夜「………俺達は、そんなもの知らない………だが、今分かるのは………紅魔館を乗っ取った、バカでアホらしいことをしている『五十嵐 京谷』を………止める!!」

シャ「ならば止めて見せてみよ!!その覚悟、どの程度の物かハッキリさせてやる!!」

 

シャーベットは浄夜を踏みつけようとする。

 

雛「ッアァ!!」

 

雛が足払いを仕掛ける。が……

 

シャ「私には効かぬわ」

雛「!?」

シャ「フンッ!!」

 

シャーベットは雛を蹴り、吹っ飛ばす。壁にぶつかる。

 

雛「ガハァ!!」

浄夜「雛ッ!!」

 

シャーベットは浄夜の方を向き、足を踏む。

 

浄夜「ガフッ!!」

しゃ「さぁ、貴様の力とやらを見せてみよ!!まだこんな物では無いだろう!!」

浄夜「ッアアアアアアアアアアア!!『クレイジーダイアモンド』!!」

 

地面を抉った。自動追尾弾をしてやろう。そう思った。

しかし、奥に見える、ある人影で作戦を変更した。

取り合えず、俺は抉った石を投げた。当然、その石はシャーベットに効かない。

後ろに転がって行く石。

 

浄夜「ガハッ!!」

シャ「貴様!!この戦いを侮辱する気か!?」

 

どうやら、怒ったらしい。当たり前だ。攻撃に勢いがない。まるで諦めたように。

しかし、その怒った感情が、その感情が『俺達』にとって、隙なのだ!!

 

シャーベットはジャンプし、膝を曲げ、俺を攻撃する気らしい。

今だ。この一瞬だ。

ローブのフードから顔がチラッと見えたこの一瞬こそが、俺達の勝利の風。

 

浄夜「うどんげぇぇぇぇ!!顔面狙って撃てえぇぇぇぇ!!」

シャ「ッ!?何ッ!?」

鈴仙「シャボン………ランチャー!!」

 

彼女から放たれるシャボンは、風を斬ったッ!!

シャーベットも反応出来ない!!顔面に、当たったッ!!

 

シャ「し、しまった!!体勢が!!」

 

シャーベットは滞空し、体も仰け反り、ガードは出来ない。

 

浄夜「『スター………プラチナ』!!」

 

テメェの顔ッ!!この一発でッ!!ぶっ壊してやるッ!!

 

浄夜「オラァ!!

シャ「グ、グファッ!!」

 

殴った勢いで、地面に亀裂が入る。

 

浄夜「ッハァ!!ハァ………ハァ………ハァ………か、勝った………」

 

倒れそうになるが、鈴仙が支えてくれた。

 

鈴仙「平気!?」

浄夜「へ、平気………って言いたい」

 

ヤセ我慢はダメだな。

 

雛「コイツ………結局どんなスタンド能力だったのかしら?」

 

雛が無事であることにホッとした。

 

浄夜「待ってろ………今、二人とも治して………ぐッ!!」

鈴仙「ハイハイ、怪我人は安静にしてなさい。こちらが待っていたとしても気にも止めないでしょうし」

雛「ここは、一旦回復に専念しておきましょう。浄夜」

浄夜「………早くしなきゃな」

二人「ハァ……………」

 

呆れた。と、同時に思った二人であった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 Chenger

ある程度は回復し、精神的にも落ち着いた頃に俺達は出発した。

廊下を過ぎると広がる本棚の行列。ここは大図書館だ。そして、一番ここから殺気を感じる。

 

浄夜「嫌になるぜ……」

 

アイツが五十嵐京谷か?いや、まだ分からん。殺気が充満しているおかげで感覚が狂ってきている。正確な殺気の発生源が何処か、分からなくなってきた。

 

彼は俺達に気付き、こちらを見る。

 

?「………来たか」

浄夜「お前が………『五十嵐 京谷』か?」

京谷「………如何にも。私が五十嵐京谷だ。君は………樹条浄夜、と言ったかな」

 

俺の名前を知っている?いや、当たり前か……敵の名前を知ってて当然、だよな。

 

京谷「君が………鈴仙・優曇華院・イナバだったか?」

 

彼はうどんげを指差し、名前を当てた。これには少し驚いた。それと、うどんげ自身も。

それより、彼は本当に『五十嵐 京谷』なのか……ハッタリを言うことだって十分にあり得る。いや、ブロウが奴の名を言ったときに限りなく怒ったな。これを考えれば、ハッタリの線もないか?

等と考えていると、目の前にいる奴はスタンドを出した。

それは、シャーベットとの戦いの前にいたスタンドだった。

 

浄夜「ッ!?そのスタンドはッ!?」

京谷「そう、君達が見たスタンド。コイツは私のスタンドなのさ」

 

京谷は腰掛けていた椅子から立ち、手に持っていた本を机に置いた。

そして、俺達に近付く。ゆっくり、ゆっくりと近付く。一歩一歩の動きが、俺達を警戒させた。

すると彼は、何かを囁く。聞こえない程に、小さな声。

 

何を言っている?俺に読唇術の技術は持ち合わせていない。んだよ、勉強しとくべきだったか?

なんて、無用なことを何時ものように考えていた。

今思えば、こんなことをしないで彼女を守るべきだったと、自身に憤怒した。

 

雛がいきなり後方へ飛んでいったのだ。

 

浄夜「何ッ!?」

鈴仙「い、何時の間にッ!?」

 

そう言えば俺が時を止めた時、シャーベットは「貴様『も』時を止めるのか」と言っていた。

つまり、京谷も時を止めた?いや、分からない。実は、相手にも味方にも分からない程度に口角を上げていた。時止めの能力があるかもしれないから、能力防止にな。

しかし、認知が出来なかった。どういうことだろうか………

 

京谷「名前が分からなかったのでな。序でに戦力を潰しておいた」

鈴仙「ッ!!!アンタ!!!」

浄夜「テメェ、随分とイカれてやがるな。俺でも認識出来ない能力を使うなんてなぁ」

京谷「………ふむ。能力と考える辺り、まだ詳細は分からない様だな。まぁ、その方が都合が良い」

 

すると彼は、左腕を『スティッキーフィンガーズ』に変化させた。またしても驚く。俺の『ビートル』と同じ様な能力があるってのか?

京谷は地面にジッパーを取り付け、開く。すると、驚くべき物が出た。

『レッキングボール』だ。

 

浄夜「ッ!?レッキングボール!?何でテメェが!?」

京谷「………回転の技術をくれた者には感謝しなければな」

浄夜「ッ!?一体どういうこ……」

 

先手必勝の如く、奴は投げた。

仕方ねぇ……

 

浄夜「『世界(ザ・ワールド)』ッ!!!時よ止まれ!!!」

 

逃げるは恥だが役に立つゥゥゥゥッ!!俺は鈴仙を抱え、逃げる。

しかし時間も迫る。チッ、ここまでか。

 

浄夜「時は動き出す」

 

さて、ここからが問題だ。レッキングボールの表面上にある小さな球。それが放たれるであろう。

いや、もう放たれている。考えている暇なんて、ねぇなッ!!

 

浄夜「『20th センチュリー・ボーイ』!!」

 

俺はうどんげを抱き締める形で20thセンチュリー・ボーイを纏った。

下っ端のクズでも最強は最強。どの様な攻撃も通さない。

 

鈴仙「ちょ、ちょっと!?どういう……」

浄夜「我慢しろ…」

鈴仙「うぅ……」

 

そんなに嫌かよ。命が大事じゃあないのかってんだ。

さて、そろそろ良いだろう。俺は、スタンドを戻した。何やら俺を感心したような顔で俺を見ている。

 

京谷「見事だ、樹条浄夜。中々の判断力よ」

浄夜「敵に言われても嬉しくないね!!!」

京谷「その判断能力に賛美を称し、私からは1つ秘密を教えようじゃあないか」

 

なんじゃあ、その上から目線。と言うより、秘密?

 

京谷「私のスタンド『変化者(チェンジャー)』と言うのだがな、能力が『変化する』という単純な能力なのだよ。だが、Simple is the bestという様に、コイツは強いぞ。何せ『俺が知っているスタンドであれば何にでも変化出来る』のだからな。例え………」

 

『貴様の知らないスタンドにもな』

 

奴のスタンドが『変化』した。彼の言う通り、見たこともない。

フッ…俺だって、テメェの知らねぇスタンドを操れるさ。パルスィの『ハウンド・ドッグ』とかな。

 

奴は足を『スタープラチナ』に変え、一気に近付いた。

 

浄夜「『マジシャンズレッド』!!!」

 

炎で壁を作る。速度的に、止まることは出来ないだろう。

これで勝ちとは思わないが、大ダメージは与えられるはず。だがッ!!そうはいかなかったッ!!

奴のスタンドが持っているナイフが、炎の壁を切り裂いたのだッ!!いとも容易くッ!!

 

浄夜「何ィッ!?」

 

ナイフが俺を向く。このままじゃあ殺されるッ!!

 

浄夜「『スタープラチナ』!!!」

 

ナイフを避け、スタンドの腕を掴む。

 

京谷「実に素晴らしいな。やはり、君には期待できる」

浄夜「ふざけんな、テメェに期待されても嬉しかねぇよ」

 

ゲームでもやっているつもりか?

 

京谷「では、私の期待に答えられたから、また1つ能力を教えようか」

浄夜「ッ!?どういうことだ?」

京谷「今のスタンドには能力として『殺す能力』が存在するのだよ。この能力は、例え不死の者であろうと現象であろうと全て殺すことが出来るのだよ」

浄夜「ッ!?何だとッ!?」

 

京谷は俺と距離を取る。

 

京谷「折角だ。私の話を少し聞いていくといい良い」

 

何言ってんだ?いきなりおかしくなったか?俺を惑わす罠か?

何を考えている、五十嵐京谷?

 

京谷「そうだな………ある昔話でも聞いていくと良い」

 

そして、彼は語り始めた。

仕方ない。一応辺りに警戒をし、聞くとしよう。奴を倒すヒントが有るかもしれんからな。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 Reincarnation

京谷「なに、そんなに身構えるな。そう、唯の昔話のことだ」

浄夜「………は?」

 

何を言っている?桃太郎でも聞かせるのか?

 

京谷「………そうだな、昔の話だ。ある時、青年が居た。その青年は少々特殊であった」

 

京谷は棚の本を手に取り、そして捲った。

 

京谷「おぉ、これはネクロノミコンか。中々面白い本なのだが、普通の人間や耐性のない者では発狂するらしい代物なんだそうだ。面白いんだがな」

 

はい?おっかしいなぁ……昔話とやらを聞いてるんだよな?ん?

と思ったら、昔話を続けた。

 

京谷「その青年は己が内に光と闇を抱えていたそうだ。だが、それを狙う者も居た。その青年は狙う者と対峙し、勝利を遂げたそうだ」

 

全く、マイペースだな(ブーメラン)

んで、その青年が勝ってどうなったのか?京谷は本を閉じた。

 

京谷「………以上だ」

浄夜「………はぁ???」

京谷「『それだけ』と言ったのだよ。言葉の意味が分からなかったのか?樹条浄夜」

 

意味より意図が分からんわ。なんだ?笑うとこか?

渾身のジョーク?ちょい分かりづらいね。もうちょっと分かりやすく、且つ面白いジョークを披露しないと、アメリカで成功できないぜMr.京谷。

 

京谷「以上が、私の『過去』だ」

浄夜&鈴仙「!?」

 

What!?Your memory!?Are you kidding!?

おっとっと、ついつい流暢な英語を言ってしまった。←英語2

 

京谷「何だ?鳩が豆鉄砲をくらった様な顔をして?どうしたと言うのだ?」

 

京谷がニヤリと笑った気がした。

 

京谷「いや、『過去』ではなく『正体』と言ったところか」

鈴仙「正体?」

 

鈴仙が、京谷の言った言葉に突っかかった。

 

京谷「そうだな。あまり自分から言うのもなんだが、この私の正体を教えようかとな」

 

急に、彼からの殺気が増えた。

 

京谷「………私の名前は五十嵐京谷。『光』と『闇』の生まれ変わり、即ち『ジョナサン・ジョースター』と『DIO』の生まれ変わりだ」

鈴仙「なッ!?」

浄夜「何だとッ!?」

 

驚きを隠せない。多分、顔に滲み出てる、どれ程吃驚してるかが。

いつの間にか京谷からの殺気は無い。空間には残っているが。

 

京谷「さぁ。始めようか。『聖なる末裔』か『光と闇の生まれ変わり』との対決を!!!『スタープラチナ・ザ・ワールド』!!!」

 

奴は右手を変化させた。チッ、さっきから『ビートルact2』みたいに自身のスタンドを扱いやがって……俺がバカみたいじゃあないか。

 

京谷「『変化者(チェンジャー)』!!!」

浄夜「『スタープラチナ』!!!」

 

俺はスタプラに変身。拳と拳がぶつかり合う。

 

「無駄ァ!!!」

「オラァ!!!」

 

奴のチェンジャーと俺の響く声。つまり図書館は広い。

じゃあ、一部だけ壊れても問題ないよな。一暴れしようじゃあないか。

 

京谷「『スティッキーフィンガーズ』!!!『世界(ザ・ワールド)』!!!」

 

次は左腕をスティッキーフィンガーズに、下半身を世界(ザ・ワールド)に変化させた。

おや?どうやら、チェンジャーは足払いをする気らしい。ならば……

 

チェンジ「!!!」

 

後ろに退く。これで回避、と思いきや京谷自身が回転しながら右腕を振るう。

ハッピーセットで足払いも仕掛けてきた。

 

浄夜「ッ!!!」

 

右手は止めたが足払いは不回避。よって体勢が崩れる。さらにチェンジャーの追撃。やめたげて。チェンジャーは京谷を踏み台に、俺を踵落とし。

 

チェンジ「無ッ駄ァ!!!」

浄夜「チッ!!!オラァ!!!」

 

バランスを無理して直し、チェンジャーの踵落としをキャッチ。

京谷が蹴りを入れようとする。

 

京谷「無駄ァ!!」

浄夜「ぐおッ!!」

 

反応が遅れ、十分に入る。

更にチェンジャーの一撃ッ!!

 

チェンジ「無駄ァ!!」

浄夜「ゲハッ!!」

 

踏ん張って立ち続けた。

……『五秒間』だ。実は時を止めていた。彼はその中も動いていたのだ、最早どう対処すればいい。

すると、彼は耳元で囁いた。

 

京谷「私の時止めの時間。知りたいか?………この状態で13秒は止められる。世界(ザ・ワールド)は、その二倍程だな」

 

左手でピースしやがってる。喧しいわ。

……さて、どうしたものか。絶望と言えばそうかもしれないが、それが俺への糧になる。諦めが悪いのが、俺のダメな所。

 

京谷「私が思うに、樹条浄夜。貴様は原作通り、世界(ザ・ワールド)で9秒。スタープラチナ・ザ・ワールドで五秒程しか止められない訳か」

 

奴の言葉は耳に入っていない。と言うより、入れてない。余計な情報を入れないために。

 

チェンジ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!」

 

京谷は少し離れた。

 

京谷「時は動き出す」

 

瞬間吹っ飛んだ。壁にクレーターが出来る程。普通これで死は確定するが、流石に20thセンチュリーボーイで吹っ飛んでる最中に覆った。

 

鈴仙「浄夜ッ!?」

 

悟られるとヤバイんで反応はしない。と言うか動けん。イテテ……ゴメン、何とか耐えて。

 

京谷「さて、次は君の番だな」

 

ゆっくりと鈴仙に近付く京谷。それに、鈴仙は構えた。

 

鈴仙「シャボンカッター!!!」

京谷「『キングクリムゾン』」

 

時を飛ばした……のだろう。奴が鈴仙の後ろに回っている。

 

京谷「貴様は面白くないな。消えろ」

鈴仙「!?」

 

奴は言った。「貴様は面白くない」……と。

『面白くない』?テメェに付き合わされてるこっちの身にもなってみろよ?テメェの冒険だか、生まれ変わりだかなんだか知らねぇが、そんなのテメェの問題だろ?

勝手に巻き込んで、『面白くない』だぁ?

 

京谷は鈴仙に手刀をくらわせた。そして、上に放り投げた。

チェンジャーが、ラッシュを与える。

 

チェンジ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!」

 

鈴仙は天井にぶつかり、落下する。殺したのか?

俺は今まで、殺しは絶対に控えていた。そんなの、『最終手段』でやる。だがアイツ……いや、まだ死んだとは限らねぇ……ただ

 

その最終手段を使う覚悟で、アイツをやる

 

じゃねぇと、もう怒り足りねぇぜッ!!!!!!

 

浄夜「ッぁぁぁああああアアアアアア!!!」

 

気付けば、叫んでいた。

策も無しに、体力も無しに、叫んでいた。

 

初めての殺気。心の底からの殺気。

今までこんなにも人を殺したいと思ったことはあっただろうか。いや、ない。

世にも卑しい奴の顔面をぶん殴りたい。

 

それ一心だった。

 

浄夜「テメェ、よくもッ!!!」

京谷「ハッ!!憎いか!?」

 

違うッ!!!

 

京谷「悔しいか!?」

 

違うッ!!!!!!

 

京谷「仲間がやられて腹立たしいか!?」

 

俺は……許さねぇ…

 

京谷「ならば、、この俺を倒してみろ!!樹条浄夜ッ!!!」

浄夜「ッぁぁぁああああアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

テメェの言う通りにしてやるよ…

テメェを、ぶっ殺してやるッ!!!!!

 




初めてガチで怒ったよ浄夜君。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 Anotherone・the・world

浄夜「『星の白金(スタープラチナ)』!!『世界(ザ・ワールド)』!!」

 

 

俺は脚を世界(ザ・ワールド)、右腕をスタープラチナに変えた。自分だけが部分的に変化できると思ったら大間違いだぜ!!!

 

浄夜「オラァ!!!」

 

奴は両腕でガードするが、関係ない。殴り抜けた。奴が踏ん張ている為に地面が抉れた。まるで馬鹿力。って言うかもう馬鹿。後先考えずに本気で殴っちまった。冷静に……冷静に……

多分、奴は俺が怒りに我を任せたと思っているだろう。このまま我を忘れた演技をしようか……

 

京谷「チェンジャー アナザーワン・ザ・ワールド!!」

 

奴の能力は不明だ。油断はならない。

どんな能力が来るか……

 

京谷「【俺に攻撃は当たらない時間】!!!」

 

チェンジャーの右手の甲の時計のようなスイッチを押した。

【攻撃は当たらない】?本当なのだろうか……いや、弱点はあるはず。ならば、分かるまで攻撃するまでだ!!

俺は脚を振る。奴を蹴るために。しかし、奴はな避けようとも、防ごうともしなかった。

そして、俺の蹴りは当たらなかった。俺自身の膝が勝手に曲がったのだッ!!!

 

浄夜「なッ!?何がッ!?」

京谷「ハッハッハッハッ!!!貴様の攻撃は当たらない。我が『アナザーワン・ザ・ワールド』の【時間を決定する】能力には誰も敵うまい!!」

 

何故、能力を言った?まるで、『ハンデ』の様だ。舐めきっている。しかし、気にしない。奴はゲーム感覚だが、俺は勝つこと、そして勝つにはどうすればいいかしか考えていない。

 

奴は俺の脚を掴み、背負い投げの様に叩き付ける。

 

浄夜「ガフッ!!!」

京谷「『キラークイーン』!!」

 

奴は右腕を変化させた。そして、俺にに触れようとする。

ここで演技が役に立つ。

 

浄夜「ッ!!!オラァ!!!」

 

世界(ザ・ワールド)にしている脚で地面を蹴る。奴の右手に触れない様に気を付け、俺は右腕にしがみつく。その判断力に奴も驚いている。その顔に俺はニヤリと笑った。

 

浄夜「オラァ!!!」

京谷「チイッ!!!」

 

奴の顔面目掛けて殴りかける。だが、当たらない。今度は肘が曲がったのだ。

アナザーワン・ザ・ワールドが俺を攻撃する。

 

チェンジ「無駄ァ!!!」

 

俺は吹っ飛ばされるが、『20th センチュリーボーイ』を胴体に装備した。

ん?胴体?確か全身に装備する筈だったよな。あぁ、act2か。すっかり忘れてた。そう考えたら、俺って無敵だな!!!

 

さて、奴は先程【時間を決める】と言っていた。察するに、奴の能力は時間経過で能力が解除されるのだろう。問題はどれくらいの時間なのか。

 

浄夜「オラァ!!!」

チェンジ「ウラァ!!!」

 

奴は難なく俺の攻撃を受け止め、ザ・ワールドの脚を使い、カウンターで俺の胴に攻撃した。まぁ、痛くも痒くもないけどな!!!

ならば、カウンター返しで俺は左足で奴の脚を蹴る。攻撃ができた。つまり、俺の予想は見事的中したと言うわけだ。

 

蹴った勢いで奴は宙を舞う。追加でスタープラチナの一発パンチ。奴はガードするが、お構い無し。パンチの勢いで吹っ飛ぶ。

 

受け身でダメージを軽減し、再度能力を発動させる……事も予想済みである。だから、俺は奴に急接近した。そして拳を振るう。

 

浄「オラァ!!!」

京「クガッ!!!」

 

奴はガードが遅れ、腹にモロ入る。ざまぁみろってんだッ!!!

奴は吐血したが、不気味に笑う。まだゲーム感覚か?

 

京「くははははははっ!!!やはり!!!実に愉快な気分だ!!ジョジョォ!!!貴様のその精神力!!!スタンドパワー!!!この俺にも学ぶべき事が多い!!!最高の経験だ………」

 

……呆れた。やっぱ、DIOに憧れている訳だ。気持ちは分かるが、少し隙を見せすぎだ。

 

京谷「最高にハイッってやつだぁ!!!ふははははぁ!!!」

 

こめかみに指を突っ込み、脳を弄くりまわす。

まさか現実で見れるとは思わなかったが、さておき奴は油断をしている。それならば……

 

京谷「これ程までに絶好調として晴れ晴れとした気分は他に味わえなかった!!!礼を言うぞ!!!樹条浄夜ァ!!!」

 

お礼は形でお願いしまーす。

 

京谷「グガッ!!?」

 

キングクリムゾンに変身して時間を吹っ飛ばす。そして、背中を攻撃。

吃驚した様子だったが、すぐに口角をあげ笑った後、俺から離れた。

 

京谷「ふははははッ!!!少々悲しくなるが………最終ラウンドだ!!!」

 

俺は嬉しいがな。さぁ、コングが鳴ったぜッ!!!

 

浄夜「ッォォォオオオオオオオオ!!!『星の白金(スタープラチナ)』!!!」

 

京谷「『変化者(チェンジャー) 世界(ザ・ワールド)』!!!」

 

この一瞬で決めてやる。今ッ!!俺には『勝利の風』が吹いているッ!!!

俺の星形のアザが流れを感じている。河の流れのような、気の流れ。運命が決めた世界の流れを感じるッ!!!

この拳に溢れる力は、時間でも精神でもなく『運命(さだめ)』を決めたのだッ!!

 

迫り行くチェンジャーの拳がッ!!!俺の横を過ぎるッ!!!これで決めてやるッ!!!

 

浄夜「オラァ!!!!」

京谷「グブハァ!!!」

 

………フッ。

 

 

 

 

 

 

 

 

失せろ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!………オラァ!!!」

 

浄夜は拳を挙げ、血を流しながらニヤリと笑っていた。そしてそのまま……倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を開けると、見知らぬ天井。と言うわけではない。紅魔館の天井だ。

そして……

 

浄夜「やぁ、レミリア。警備会社に抗議した方がいいんじゃないか?」

レミリア「おや、起きたんだね。私には主に図書館で働いている自宅警備員がいるから契約してないの」

 

レミリアは紅茶を飲んだ。

 

浄夜「あー、何日過ぎた?」

レミリア「一日も経ってないわ」

浄夜「俺進化」

 

どんどん進化してってるね俺。怖いわー俺の才能が怖いわー。

……ハァ。

 

浄夜「それと、仲間は?」

レミリア「二人とも無事よ」

浄夜「マジ!?ヤッホウッ!!イテッ!?」

レミリア「……忙しいわね、貴方」

 

少々呆れた顔をしたレミリア。いやでもマジで良かった。特にうどんげは心配したからな。

フゥーッ…安心安心……

 

レミリア「あぁ、そうそう。明日宴会ね」

浄夜「最高かよ……」

レミリア「京谷達を含んでね」

浄夜「え……はい!?」

 

この人は何を言っている?

 

レミリア「まぁ、なに。前にも異世界からきた人が居たらしいじゃない?」

浄夜「あぁ、居たが……今回は訳が違……」

レミリア「めんどくさいわねぇ…賢者にでも聞きなさい」

 

賢者……紫のことか?

……もしや、俺を成長させるために京谷を送ったってのか!?許すまじ……

とすれば、戦わせるために京谷は悪者の演技をしてたとか?だとすりゃ、戦いの最中に演技して、やーい騙されてやんのーって騒いでた俺が恥ずかしい……テメェは最初から騙されてるくせにさ。ハァ……

 

レミリア「フフッ、察したようね」

浄夜「この上なく恥ずかしい」

レミリア「恥ずべきことじゃあないわ。貴方は成長したのよ」

浄夜「………ま、いっか」

レミリア「さぁ、もう一度寝なさい疲れているでしょう?」

 

疲れてるし、憑かれたように憂鬱な気分さ。

………そういえば、傷がない?

 

レミリア「そうそう、傷は京谷が治したわよ。そこは彼に感謝すべきね」

浄夜「………おやすみ」

レミリア「ウフフ、おやすみなさい」

 

もう、いいや。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 Dirty deeds done dirt cheap

入学したぜ高校。学校にいきたくない。


浄夜「寝れるわけがない」

霊夢「でしょうね」

 

霊夢が宴会ついでに見舞いに来てくれた。嬉しいが、生憎見舞いに来るほどの傷はない。京谷が治してくれたらしいし。

 

霊夢「ハァ、元気そうじゃない。心配して損したわ」

浄夜「霊夢に心配する心があったんだな」

霊夢「………」

浄夜「痛い!!痛い!!無言で殴んないで!!」

 

地味に強いし。そんなことをやっていると、ドアからノックの音が聞こえる。

 

浄夜「レミリアか?それとも霊夢みたいな心配性な奴か?」

霊夢「何ですって?」

浄夜「………どうぞ~」

霊夢「調子の良い奴…」

 

ドアが開く。そして、俺は驚いた。

 

?「君が浄夜君だね?」

浄夜「………!?」

霊夢「…どうしたの?」

 

驚かない訳がない。俺がジョースター家の末裔と言うことはこの人の存在があったことにはなるが、しかし、死んでいるはずだ。何故生きていて、そして、何故俺に会いに来た。

 

プッチ「『エンリコ・プッチ』。京谷の父親だ」

浄夜「なッ!?」

 

しかも、京谷の父親だと言う。

どういうことなのだ……

 

プッチ「いきなりだが、京谷に会わせたい。聞きたいことは山ほどあるだろうが……それは廊下で聞く」

浄夜「え、ちょっと!?」

 

プッチは俺の手を引いて部屋を去る。

部屋には霊夢一人だけが取り残されていた。

 

霊夢「……宴会に行こー」

 

~~~~~~~~

 

浄夜「へぇ、そんなことが」《気になるなら、鬼と半妖さんの作品を見よう!!》

プッチ「まあね。さて、ここが京谷の部屋だ」

 

そう言い、プッチはドアを開けた。

 

プッチ「京谷、浄夜君を連れてk………おっと」

浄夜「ん?何かあ…………」

京谷「…………あ。咲夜」

咲夜「ん~?♪………あっ///」

 

ワレ何処でイチャついとんじゃあああああああッ!!!!イジメか!?新種のイジメなのか!?ふざけるなぁぁぁあああ!!!!!

……ハァ、プラスチック爆弾どこにやったっけなぁ…

あ~あ!!パルスィとの酒が美味しそうだなぁ!!

京谷に挨拶ぐらいしようと思ったけど、もういいや!!宴会に行く!!

 

結局、彼らも付いてきました。

 

 

―宴会―

 

 

パルスィがいねぇぇぇぇ!?俺がなにしたってんだぁぁぁぁぁ!?

 

霊夢「浄夜」

浄夜「なんだい?」←裏表の激しい男

霊夢「プッチさんが呼んでるよ」

浄夜「なんだろう?」

 

プッチの方へと向かう。

 

浄夜「どうしました?」

プッチ「彼らを見てなさい」

浄夜「?」

 

俺はプッチが向いている方向を見た。

 

シャ「京谷様ッ!!」

京谷「いや、そう急いで来なくても良いのに。シャーベット」

ブロウ「京谷様ー!!」

京谷「やぁブロウ。どうだい?調子は」

ブロウ「オォ!!何トオ優シイオ言葉!!勿体無イデス!!」

 

京谷のギャップが半端ねぇな。

 

京谷「いや、勿体無いとか良いから。それより、他のスタンド使いは?」

シャ「現在、魂魄妖夢と東風谷早苗を含めた私たちしか居りません」

 

ん?早苗?

 

京谷「ありゃ?利久と安神は来なかったか。仕事か?」

シャ「その通りでございます」

京谷「それよりシャーベット、もうその体勢良いから立って。お願いだから」

シャ「御意」

 

おいおい、まさか……

 

プッチ「彼らは、やはり素晴らしいスタンド使いだよ。今まででね」

浄夜「あの、プッチさん?スタンド使いって………まさか………」

プッチ「ん、あぁ。その事か。勿論、私、京谷、シャーベット、ブロウ。そして咲夜と、さっき言ってた魂魄妖夢と東風谷早苗がそうだ。後他に2人居るんだが、仕事の都合で来れなくなったそうだ。」

 

やっぱりかぁぁぁぁ……早苗がスタンド使いかよぉぉ…心配でしかないよぉぉぉ…

ていうか!?そっちの世界には9人もスタンド使いがいるってのか!?ウソーン!!開いた口が塞がらない…

 

 

―時間は経過し―

 

 

今、俺と京谷と、アッチの世界の咲夜さんと早苗と魂魄妖夢さん、シャーベット、ブロウ、プッチさん、俺の世界の雛、鈴仙が円陣になり、酒を呑んでいる。

 

京谷「さて、浄夜君。改めてご挨拶だ」

 

京谷は手を差し出してきた。

 

京谷「俺は五十嵐京谷。知っての通り、『ジョナサン・ジョースター』と『DIO』の生まれ変わりだ。宜しく」

浄夜「俺は樹条浄夜。まぁジョースターの末裔だ。宜しく」

 

勿論、握手。

 

プッチ「浄夜君には先程教えたが、エンリコ・プッチ。京谷の父親だ。宜しく」

浄夜「よ、宜しくお願いします。」

 

慣れないなぁと、思いながらプッチさんと握手。

 

早苗「初めまして!!京谷さんの世界の東風谷早苗です!!スタンド名は………京谷さん、いい加減決めてくれません?」

京谷「じゃあ、『守護の奇跡(ガーディアン・ワンダー)』なんてどう?」

早苗「良いですね!!それ!!では改めてまして!!スタンド名『守護の奇跡(ガーディアン・ワンダー)』です!!以後お見知りおきください!!」

浄夜「よ、宜しく………」

 

あっちはあっちで違う感じに迷惑かけてるんだな。

 

妖夢「京谷さんの世界の魂魄妖夢です。スタンド名『サムライ・スピリット』です。以後お見知りおきを」

咲夜「京谷の世界の十六夜咲夜。そして、京谷の恋人で~す!!♪スタンド名は『J・T・R』よ♪」

 

彼女らを見て、こう思った。

 

浄夜「………ダメだ、ついてけねぇ」

 

口に出ちゃった。

 

京谷「お疲れ。日本酒でも飲む?」

浄夜「あ、サンキュ。」

 

京谷は俺の猪口に日本酒を注いだ。一気に飲み干し、まぁまぁ気分は良くなる。とは言え、混乱していることには変わりない。

 

シャ「シャーベット・マルズ。スタンド名『俺に構うな!!』だ」

京谷「因みにローブ型のスタンド。能力が【全ての影響を受けない】能力」

浄夜「マジもんのチートじゃねぇか!!」

 

そんなんに勝ったん!?奇跡だよ!!

 

ブロウ「ブロウ。スタンド名『レインボー・レイブン』。最大射程距離3キロダ」

京谷「確か、赤、青、水色、黄、茶色、白、黒の烏スタンドで7体のスタンドだな。」

 

射程距離なっが!?そして7体!?おかしいだろ…

 

早苗「それより!!どうでしたか!?同じスタンド使いとの対決は!?」

京谷「いやー負けた負けた。でも、途中で良い能力も手に入ったし良しとしますか」

早苗「それは一体なんですか!?」

京谷「黄金の回転。んまぁ共鳴の能力で得たから完全には馴染んでないけど」

浄夜「共鳴?」

 

共鳴とは?ソウルイーター?魂の共鳴?

 

京谷「俺のチェンジャーのもう1つの能力で【共鳴する】能力があってな。能力と共鳴して該当するスタンド能力を得られる特殊な能力さ。時間は懸かるけどね」

早苗「ってか!!黄金の回転ですか!?もうチートじゃないですか!!」

京「シャーベットの能力には劣るけどさ。ってかシャーベットが1番チートじゃね?」

シャ「何を仰いますか?京谷様の【真実を上書きする】能力の方が上でございます」

プッチ「それもそうだ。」

 

上書き?

 

浄夜「………おい、京谷。真実を上書きするって………どゆこと?」

京谷「そのままの意味だよ」

浄夜「いや意味が分からん」

京谷「それは後で教えるよ。と、言うわけで。次回に続くよ♪」

浄夜「メタイわ!!」

 

メメタァ




メメタァ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 true feiendship

京谷「さて【真実を上書きする】能力について、俺たちの方は改めて、浄夜君たちには知ってもらいますか。僕の能力を」

 

京谷は小さく息を吐いた。

 

京谷「先ず、僕の持つ【真実を上書きする】能力。これは別世界の『DIO』と戦っていた時に発動したのさ」

三人「!!?」

 

先ず初っぱなから驚いた。『DIO』と戦ったと言うのだ。

取り合えず、俺、雛、鈴仙は酒が噎せる程には驚いた。

 

京谷「驚くのも無理はないよ。僕でも驚いたし。んまぁ勝てたけど」

三人「勝てたあぁぁ!?」

京谷「戦闘の最中に共鳴が発動して、何とかオーバーヘブンとレクイエムの発動状態で勝てたのさ。いやーあの時は辛かった。戦いに出た咲夜や妖夢、利久に父さんが魂にされて取り込まれたんだもん」

咲夜「だって………あんな能力だと思わなかったもん………」

 

咲夜が京谷の腕に胸を当てながらしがみつく。〆ッぞ?

 

京谷「コホン………んまぁ、これが能力を手に入れた時の話。本題はここからだね。【真実を上書きする】能力。これは言葉通りの能力で【真実を上書き出来る】能力さ。例えば………」

 

そして、彼の姿はガラリと変わった。早着替えの天才って訳でもなさそうだ。

 

鈴仙「目の色が………変わった……!?」

雛「それに………何?………その額の星は………?」

 

そう、彼女らの言う通りで、目の色は変わり、額に星のアザがあり……挙げれば切りがない。

 

京谷「これが僕のオーバーヘブン。天国を越えた状態の姿さ。そして、『真実を上書きする』」

 

刹那、京谷の持つお猪口が消えた。別に文法的な比喩等ではなく、本当に消えたのだ。

 

浄夜「消えたッ!?」

京谷「『僕の持っているお猪口が存在しない』という真実に上書きしたのさ。だから消えた。この通り、この状態の僕。またはオーバーヘブン状態のスタンドが触れる、または殴る事によって使える。これがオーバーヘブン、【全てを越える能力】さ」

 

そして、また小さく息を吐いた。その話は驚愕過ぎた。気付けば、周りには沢山の人。

 

霊夢「質問良いかしら?」

京谷「どうぞ、この世界の博霊霊夢さん」

霊夢「それを使えば、貴方はどんな世界でも………」

 

恐ろしいことを聞こうとするな。しかし、俺もそれは思った。

 

京谷「勿論、手に入れられる。でもね、僕はこんな力無闇に使うものじゃないって知ってるのさ。ここには『悪役になる』為に来たけど、遊びの範囲さ」

雛「遊びで私たちをボロボロに追い詰めるのは遊びと言えるのかしら?」

 

全くだ。

 

京谷「それはごめん。だって悪役に成りきろうとするなら、これぐらいは徹底しなきゃなれないでしょ」

 

う~む、そう言われると一理あるが……釈然としない。

 

鈴仙「今の姿見てると、あの時のオーラなんて何処にも見当たらないわね。それが何時もの?」

京谷「んまぁそうだね。だって、いつもオーラ出してたらこっちが疲れるんだもん。それは皆嫌でしょ?」

霊夢「あのオーラって?」

京谷「それはだね……………」

 

 

 

 

 

 

~青年説明中~

 

 

 

 

 

京谷「………という訳さ」

霊夢「………こいつ本当に世界の1つや2つ手に入れてそうなんだけど………」

 

激しく同意しよう。何せ、あのオーラだ。人望を集めて、一つや二つの世界は滅んでもおかしくない。

 

京谷「酷いなぁ。ここが初めて来た別世界なんだよ?ついテンション上がって暴れたとしても世界の征服なんてしません」

浄夜「テンション上がって暴れるって………何よ?」

 

まるで暴走族だな。いや、暴走族になったことないから分からないけど。

 

京谷「そのまんまの意味。さて、ちょっと気分転換したいけど………久々に歌を歌いたいなぁ………紫さん」

紫2「はいはい、登場登場!!」

 

盗み聞きか?悪趣味BBAめ。

 

京谷「この世界のプリズムリバー三姉妹を呼び出す事って出来ます?」

紫2「許可が出ればいけるわよ~」

紫「大丈夫よ」

紫2「だってさ~」

 

プリズムリバーか、俺が勝ち越したライバル……あー楽しかったね。

 

京谷「それじゃあ、お願いします」

紫2「あいあいさ~」

 

そして、数十秒でスキマから訳も分からず来たプリズムリバー三姉妹。

 

ルナサ「こ………ここって………?」

浄夜「あ、ルナサ」

 

軽く手で挨拶。

 

ルナサ「あ、浄夜………じゃなくて!!私たち何で紅魔館に居るのよ!?」

京谷「僕が呼びました~」

ルナサ「アンタ誰よ!?」

 

珍しく大分混乱しているな。

 

【事情説明中】

 

 

 

ルナサ「つまり、私たちと演奏をしたいと」

京谷「君たちの腕は知っているし、何より今から歌う曲は君たちにしか頼めないんだ。やってくれるかな?」

ルナサ「………そこまで言うなら。リリカ!!メルラン!!今から演奏始めるわよ!!」

二人「あいあいさー!!」

 

三姉妹は楽器を用意し、音の確認をした。京谷にはマイクが投げられた。咲夜さんだ。え、どっちの世界の咲夜さんか?知らんな。どうやって見分けるん?

 

京谷「サンキュ。この世界の咲夜さん」

咲夜「………何か、貴方の世界の私が貴方にデレデレなんだけど?」

 

良く分かったな。

 

京谷「そりゃあ、恋人ですし。………さて、三人とも。頼むよ」 

リリカ「任せちゃってー!!」

京谷「それじゃあ………やろうか!!」

 

京谷が歌うのは何か?曲名は言わなかったが途中で何となく分かった。

 

 

 

ナノの『Rock on.』だろう。

酒でも呑みながら聴こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終わった。万雷の拍手は止まず、会場全部のテンションが上がってた。

対して京谷は………

 

京谷「つ、疲れた………」

咲夜2「お疲れー!!♪」

京谷「さ、咲夜!!汗臭くなるよ!?」

咲夜2「良いも~ん♪京谷の匂い~♪」

京谷「ちょ!!それに熱い!!ライトも当たって熱い!!」

 

そろそろ怒るぞ、俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

酷い目に遭った。あっちの世界の早苗が俺を殴ってガードした腕が腫れた、他にも色々やられて流石にキレた。そんなこんなもあって……その翌日、別れの日。

 

そして、京谷は帰り際の時に耳元で囁いた。

 

京谷「【君が得たのは、決定権だ】」

 

え?と、振り向くがそこにはもういない。

ただ、桜の花が散っていた。

 




コラボが終わってしまいました。鬼の半妖さん!!ありがとうございました!!

ここでですが、私は高校入学しまして、何時もよりも更新スピードが遅れる場合があります。申し訳ありません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

星蓮船
UFOは信じますか?


俺はある日、散歩をしていた。

 

X月22日の天気の良い日の事であった………

 

 

浄夜「にしても、平和だなぁ」

 

とかジジイっぽい事を言っている時、それは現れた。

 

浄夜「あー平和すぎてUFO現れちゃったもん。平和の時によく現れるよねー」

 

浄夜はその典型的な形のUFOを眺め、散歩を続け……イヤ待て待て待て待て待てッ!!!!!

見間違いかもしれない、もう一度よく見てみよう。

ゆっくり、顔をあげた。

 

浄夜「Oh,that is UFO!!存在すると思わなかったーッ!!」

 

オカルト大好き樹条浄夜の目の前に現れたUFO。それはどんどんこっちへ近付いてくる。

えーどうしよう。もしスターマンとか出てきたらどうしよう。フランクリンバッヂ持ってないぜ?

 

浄夜「あれ、意外と小さい……」

 

半径40cm程の小さなUFOだった。この中に宇宙人は入っているのか?

と思ったら急な方向転換をし、東へ向かった。

 

浄夜「……追いかける他無いな」

 

そして、俺はUFOの行く先に付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しして、開けた場所に来た。

ここならUFOも見つけ放題だろう。写真に撮って文に売ろう。

 

浄夜「って、なんだあれ。船?」

 

UFOは置いといて船が飛んでいた。結構豪華な船だ。一日泊まるだけで高額な金を要求される程の船ではないが、取り合えず豪華だ。デザイン性に気に入ったぜ。

それより……

 

浄夜「UFOが大量にある……」

 

赤いUFO、青いUFO、緑のUFO、色が一定時間で変わるUFOがそれぞれ大量にある。

なんじゃこりゃ。こんなに大量にあるんじゃあレア度が下がる。

 

浄夜「あの船、追うか」

??「ここらに反応が……人間?なんだ……」

浄夜「なんだとはなんだ」

 

出会っていきなりガッカリされるという不条理な……妖怪?ネズミの耳がある、尻尾がある。ハハッ

 

ナズ「あぁ、すまない。気を悪くしないでくれ。ここから宝の反応がね。私は『ナズーリン』宜しく」

浄夜「4649」

 

しっかりと握手したら、ナズーリンは話を続けた。

 

ナズ「それで、探していたら君に反応したんだ。私の小ネズミ達がね」

浄夜「俺の何処が宝だよ」

ナズ「人肉を好むからね、仕方がない」

浄夜「肉食ぅぅぅぅッ!!」

ナズ「雑食だよ」

 

せやな。雑食やな。

そんなことよりこのディズn……ナズーリンは俺に敵意を示しているのかどうか分からないな。聞いてみる?

 

浄夜「なぁ、俺に敵意があってそう言っているのか?」

ナズ「私だって暇じゃないんだ。そんなもの無いよ」

浄夜「ならいいや」

ナズ「そう思わせてしまったかい?それはそれは……あなかしこ」

 

あなかしことは?まぁ、いいや。

 

浄夜「そういや、さっき空飛ぶ船を見付けたんだが……」

ナズ「あぁ、あれか。気にするなってのも無理か……そうだな、西に向かうと良い。さすれば理解できるはずさ」

浄夜「オッケー牧場」

 

ナズーリンの助言通り、俺は西へと向かった。

 

ナズ「……よし、あっちには何もないから邪魔されないだろう。本当は東にあることも知らずに…」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

裏飯屋じゃなく恨めしや~

浄夜「さぁて、ここはどこかな~?全くわかんねぇな!!」

 

絶賛迷い中。どうやら西に進んでいたはずが、妖精達の所為でいつの間にか東に進んでいたらしい。それだけが分かる。

どの妖精かは分からないから霊夢に今度聞いて、ソイツをフルボッコにしたいと思う。

 

浄夜「ハァ……マジでここどこやねん…ん?」

 

すると、またまたUFOを見た。こんなに沢山あるとなんだか珍しくないな。う~ん、そうだ。それじゃあ集めよう。

 

浄夜「UFOゲットだぜ!!」

 

これ等を魔理沙辺りに売って儲かろう。しかし、一気には売らない。これは滅多にない物なんだと嘘八百を並べ、一個一個を価値のあるものにしよう。

 

浄夜「これで神社の食費が浮くな」

??「お兄さん」

浄夜「んあ?」

 

女の子の声がした気がする。俺はその方向に振り向いたが…

 

浄夜「居ない?……あ、雨が……」

 

にわかに雨が降り、気のせいだったかと俺はまた正面を向いた。

すると…また声が聞こえる。

 

??「う~ら~め~し~や~」

浄夜「なんだ……?」

 

するとッ!!なにかが落ちてくるのを感じ取ったッ!!

急いで浄夜は後ろに退いた……瞬間ッ!!その場所に傘が刺さったッ!!!

 

浄夜「………」

??「う~ら~め~し~や~」

浄夜「オススメのメニューは?」

??「いや、裏飯屋じゃなくて恨めしやって言ってんの!!そこんとこ分かってよお兄さん!!」

浄夜「いや分かるよ」

??「余計タチ悪いわ!!」

 

なんじゃこの娘。よく見ると眼がオッドアイで髪の毛が水色、紫色のから傘お化けのような物を持っている。

脅かし屋か?因みに俺の小学生の時のアダ名は『ころばし屋』だった。ドラ○もんの秘密道具だぜ。

 

浄夜「いやぁにしても助かったよ」

??「え?」

浄夜「にわか雨って本当に面倒臭いよな。ありがとうな、見知らぬ少女よ。去らば」

 

とは言え、傘を手に入れた。この雨に対抗出来る、UFO探しの続行だ!!

 

浄夜「………」

??「………」

浄夜「………」

??「………」

 

え、なんで付いて来てんの?この傘貰っちゃダメなん?

……取り合えず聞いてみよう。

 

浄夜「あの、なんで付いて来てるんだ?」

??「え?いや、だってそれ私なんだもん……あまり離れられないわ」

浄夜「あぁ、本当に化け傘だったのか。てっきり脅かし屋かと……」

??「脅かし屋って何よ」

 

じゃあ、ころばし屋って何だよ。転ばすロボットだろ?そう言うことだ。

誰かが十円を入れて俺を脅かしたいのかと思ったんだよ。

 

浄夜「樹条浄夜だ。君の名前は?」

??「そこは君の名は。って言おうよ」

浄夜「君の縄。」

小傘「多々良よ、『多々良小傘』。ヨロシクね」

 

宜しくと握手した。

なんか、あんまりお化けっぽくないよね。怖くないっていうか……水を被ったら怖くなんないかな。らん○1/2の男から女になるみたいに。

 

浄夜「それじゃあ、たらこ」

小傘「多々良よ」

浄夜「雨が止むまで君を借りて良いかい?」

小傘「いやいや、貸さないわ。あげるわよ」

浄夜「自分を安く売るもんじゃあない」

小傘「無料よ」

浄夜「見知らぬ人に付いていっちゃいけません!!」

小傘「さっき見知った」

 

屁理屈が強い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、付いてきた。

どうしようかな、この娘。あまり強いようには見えないし、もしもの事があったら心配だ。

どうか、なにも起きませんように。

 

小傘「最近さ、全然つまらないのよね。傘が勝手に動いても一様して驚きやしないし、貴方もね」

浄夜「あんなのでは驚かねぇよ。もっと雰囲気を大事にしな」

小傘「ふーん。昼にやったのが間違いだった?」

浄夜「せやな。尤も、俺は夜にやっても驚かないがな」

 

唯一驚くのはいきなり出てくる紫だけだ。

 

小傘「それじゃあ意味がないじゃない」

浄夜「なんで人を驚かせるんだ」

小傘「妖怪にとっての糧だからね。人の感情は」

浄夜「それだけか?」

小傘「……他にもあるわ。恨めしやってのはただただ言っているだけじゃあないわ」

 

本当に恨めしいから言っているって訳か。

 

浄夜「良かったら聞くぜ。飽くまで、良かったらだがな」

小傘「………私ね、好かれなかった傘だったの。売れ残った私を、店の男は邪魔だからって道端に放り投げたわ」

 

悪い奴も居たもんだ。

 

小傘「道端だから、誰かが拾ってくれるって……思ってた」

浄夜「………」

小傘「誰一人拾わなかったわ。ただただ道の隅に、雨風に吹かれた上に道の砂で薄汚れていっただけだったのよ。誰にも使われてないのに、汚れていった」

浄夜「………」

小傘「非情で非道だ。すれ違って行く人間達全員に対してそう思っていたわ」

 

憤りに手が震える。

 

小傘「……そう言うことよ」

浄夜「………」

小傘「あの、さっきから全然喋ってないけど、どうしたの?」

浄夜「取引をしよう」

小傘「え?」

 

別に同情をする訳じゃあない。飽くまで『取引』だ。

 

浄夜「なに、簡単な話さ。俺の神社に来い。その代わり、俺の傘になれ」

小傘「い、いやでも、私みたいな傘を持つなんて嫌でしょう?きっと笑われるわ」

浄夜「じゃあ笑い返してやろう。この傘の魅力を分からない凡人に対してな」

小傘「でも…」

浄夜「さっきまで自分を貰えって言ってきたくせに、受け入れたら口ごもるのな」

小傘「う、五月蝿い!!」

 

少し、子供っぽさを感じる。彼女を神社に引き取ったらアイツ等に何を言われるか、分かったもんじゃあないが………まぁ、ボチボチ考えよう。

俺は紫の傘を灰色の天に向けた。




誤字の御報告を頂きました。誠にありがとうございます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハイカラだろ?

あれから沢山のUFOを手に入れた。気付いたんだけど、同じ色のUFOを集めるとでっかくなるんだね。知らなかったー。UFOって不思議だな~。

 

小傘「ねぇ、お兄さん」

浄夜「樹条浄夜」

小傘「え?」

浄夜「俺の名前」

 

あぁ、と納得したように頷き、名前にお兄さんを付けて呼んだ。別に妹属性がある訳じゃあないんだが…

取り合えず、返事をしておいた。

 

小傘「UFOってこんなに溢れるほど有るものなの?」

浄夜「きっとギーグの逆襲だな」

小傘「え、誰?」

 

おや?雨が止んだか?

俺は傘を閉じ、小傘にお礼をいっておいた。

 

浄夜「ありがとう」

小傘「え……う、うん…」

浄夜「別に使い捨てをする訳じゃねぇし、悲しい顔するなよ。また使うよ」

小傘「ホント!?」

浄夜「YES」

 

再び笑顔になる。う~む、可愛いな。癒される……ハッ!?イカンイカン、ついうっかり撫でそうになった。世間じゃあこれをセクハラと……いやでも、中学生位の見た目だし…セクハラになら無いのか?いや、実年齢は俺より上だろうだとしたらセクハラになるのか?

 

小傘「浄夜お兄さん?」

浄夜「………」

小傘「……うわッ!!」

浄夜「………」

小傘「え~嘘やん」

 

呆れた小傘は前を見た。すると、大きな船が空を飛んでいた。

 

小傘「なにあれ……お兄さん!!お兄さん!!!!」

浄夜「んあ?どした?」

小傘「あれ!!」

浄夜「あれ?あぁ、あれね。やっと見付けた」

 

小傘が船を指差し、浄夜は薄い反応を見せる。

うむ、じゃあ乗り込もうか。あーしかし、小傘が心配だな……

 

浄夜「あの~小傘。これ今から…」

小傘「あの船に乗ろう!!」

浄夜「え?あ、うん」

 

心配だらけです。僕……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「よいしょ」

小傘「よいてーこしょ!!」

 

何故諏訪?

船に乗った。意外と広く、下手したら此処で一生を過ごせれる。飽きなさそう。

 

浄夜「んじゃあ行こうか」

小傘「うん!!」

??「うん!!じゃないわよ」

 

なんか、知らん少女が視界に入っただけで話しかけてきた。ポ○モンかよ。

 

??「なんなのよ。さっきから人間共が寄ってたかって……宝物庫狙いなの?」

浄夜「宝物庫?何処がだよ」

??「皆同じ反応ね」

浄夜「君、名前は?俺は樹条浄夜、こいつは多々良小傘」

一輪「『雲居一輪』よ。そして……」

 

なにか……雲が一輪の頭上に集まってきた。

やがてそれは入道の形となる。

 

一輪「この入道が『雲山』よ」

浄夜「ごっついな。オッサン」

 

あ、睨んできた。ごついのがコンプレックスなのか?←違う、そうじゃない

 

一輪「なんか、もういいや。やっちゃえ雲山!!」

浄夜「不条理ッ!?」

 

雲山が大きく拳を振るった。

 

浄夜「『クレイジーダイアモンド』ッ!!」

 

浄夜は床を殴り、破片を持った。

そして小傘を抱え、船から飛び降りたッ!!

 

一輪「えッ!?」

小傘「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁ(ああああ)……」

 

驚きを隠せなかった。飛び降りたことに?それもそうだ。小傘を道連れにしたから?それもそうだ。

だが……一番驚いたのは……先程浄夜が殴った床が修復してきていることだ。

 

一輪「こんなの……誰かが術をかけたの?」

 

一輪は恐る恐る寄った。そしてッ!!

 

浄夜「ドラァッ!!」

一輪「なッ!?うッ!!」

 

飛び降りたはずの浄夜が、目の前にいたのだッ!!

 

小傘「ハァ……ハァ……死ぬかと思った」

浄夜「この『クレイジーダイアモンド』は、あらゆるものを直す(治す)ことができる」

一輪「………」

 

なにものだこいつ。そう、一輪は思った。

 

浄夜「俺は飛び降りたことによって、雲山の拳から逃れ、そして戻ってきたのだ」

一輪「どうやって?」

浄夜「俺が床を殴ったのは壊すため。破片を持って飛び降りた。そして、空中の時に直す能力を使うと、どうなると思う?」

一輪「破片が壊れた部分に集まって来るのを利用して、船まで戻ってきた?」

浄夜「ベネッ!!正解だ」

 

そして、一輪と小傘は理解した。こいつは有名なスタンド使いだと。

浄夜はニヤリと笑い、一輪を見た。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

スタンド男とカラ傘少女

浄夜「にしても、お前もスタンド使いなのか?」

一輪「はぁ?そんなわけないじゃない。雲山は妖怪よ」

浄夜「ふッ……なるほど」

 

浄夜は鎌をかけた。浄夜は幻想郷では有名になったため、スタンドという言葉は知られるようになった。しかし、その性質はうやむやで、殆どの者が「スタンドとは変身することだ」と勘違いしている。

本来スタンドとは『そばに現れ立つ』というところからスタンドと呼ばれている。この意味を知っているのは、『自身がスタンド使い』或いは『身近にスタンド使いが居るか』だ。

雲山がスタンドじゃないのは何となく分かる。だからこそ聞いた。

 

お前もスタンド使いなのか?

 

普通なら「違う」とか「変身なんて出来ない」と言うだろう。しかし、彼女は「雲山は妖怪よ」と答えた。つまり彼女は浄夜が雲山をスタンドだと勘違いしていると認識している。この反応を示す答えは、彼女の身内にスタンド使いが居るということ。

 

何故そんな鎌をかけたかというと、今までの異変の経験上、必ずと言って良い程スタンド使いに出会ったのだ。

その為、今回も居ると睨んで鎌をかけたのだ。

 

一輪「何が可笑しいの?」

 

どうやらにやけていたらしい。しかし、にやけずにはいられない。これ程容易く聞き出せるとはね。

浄夜はそのまま目を瞑り、何でもないと答えた。

 

一輪「……いいわ。その余裕の態度、直ぐになくして見せるわ」

浄夜「余裕?別に余裕だから笑っていた訳ではないのだが……まぁ、別にピンチでもないし、どっちでもいっか」

小傘「ど、どうしよう……こんなクレイジーな人に拾われたなんて!!」

 

俺が持ち主じゃ不快か?

 

小傘「最高ね!!」

浄夜「お前も相当クレイジーだよ。あ~あ、嫌なもん拾ったな」

小傘「その割りには、嬉しそうね?」

一輪「冗談言い合えるほどには余裕があるのね」

 

まさか。冗談を言わないと余裕が出来ないんだよ。

……殺気?

 

浄夜「小傘、少し我慢しろよ」

小傘「え?」

 

浄夜は小傘を抱え、ジャンプした。そしてその場には大きな拳、雲山の拳があった。

それは床を貫き、破片が飛び散った。

 

小傘「キャア!?」

浄夜「『スタープラチナ』」

 

浄夜は飛び散った破片を掴み、ペヤリング弾のように雲山に飛ばした。

しかし、それは当たらなかった。否、当たりはしたが彼は雲だ。貫通し、全くダメージが入って居ないのだ。

 

浄夜「厄介なやつだ」

一輪「雲山は、その言葉をそっくりそのまま返すと言っているわ」

 

俺に直接言えよ。そう思いつつ、着地。

 

小傘「こ、怖いわ。心臓がバクバクいってる」

浄夜「お前は危険だから、安全なところに隠れてろ」

 

小傘は頷き、立ち上がった。浄夜は小傘が安心して隠れられるよう、『ジャスティス』になり霧を出現させた。

勿論、小傘が隠れる場所を見つけられるように、相手にバレない程度に彼女の周りを晴らした。

 

一輪「私には雲山が居るのよ?霧なんかに……」

浄夜「言うと思ったぜ?act2!!」

 

一輪と雲山の目の前に『スタープラチナ』が出現した。そして……

 

浄夜「思いっきり…息を吸うッ!!」

 

浄夜は自身の霧と雲山を両方吸いこみ、それらは浄夜の口の…いや、肺の中へと入っていった。

『ジャスティス』は自分自身なため、苦しむことはない。

 

晴れた霧から出てきたのは、一輪とスタープラチナの姿をした浄夜だ。

小傘の姿はない。

 

一輪「なッ!?……本当に厄介よ、貴方」

浄夜「………」

 

俺が最高で息を止められていた時間は二分。戦うために動くことを考慮すると、三十秒から一分間だけだろう。

その間に畳み掛ける。

 

浄夜「………」

一輪「クッ!!」

 

浄夜は息を止めたまま右腕を『ゴールドエクスペリエンス』、左腕を『ストーンフリー』、下半身を『ハイエロファントグリーン』にした。

スパイダーマンのように糸で一輪を追い、右手で攻撃。しかし、一輪は苦しくも避けて、その場からは慣れようとする。

しかし、避けたことにより右手は壁にぶつかり、そこから木が生えてきて、一輪を追うように急成長した。

それも避ける。それを三回ほど繰り返した。

 

埒があかない。そう思ったのか、彼は右腕を元の腕に戻し、『エンペラー』を出した。

 

一輪「ピストル!?」

 

しかも、ただのピストルではないだろう。きっとスタンドか何かだ。そう、彼女は認識した。

その読みは正解で、避けても避けても弾丸は空中でカーブし追ってくる。

しかし、彼の息は限界に到達しているはずだ。

 

浄夜「ウグッ………」

 

来た。漸く、雲山が解放され、私達のターンだ。

 

浄夜「ブハアァァァ………ハァ…ハァ…辛いな」

 

………え?いや、雲山が帰ってきたのは確かだ。しかし、霧がない。

雲山が居るから、どうせ意味がないと見越しての行動か?

 

一輪「……行きましょう、雲山。彼を倒して……どうしたの?雲山」

 

雲山は私を見て驚いている。……いや、違う?目線が私じゃあない。床?

私はゆっくりと床を見た。そして、私はそれに驚愕した。

 

浄夜「『ハイエロファントグリーン』で足を解れさせ、広げた。それは君に絡み付き、ほどけはしないだろう」

 

浄夜は上半身を『スタープラチナ』にし、こちらへ歩み寄る。

 

一輪「う、雲山!!私を守って!!」

 

雲山が浄夜に向かって拳を振るう。が…

 

浄夜「オラァ!!」

 

浄夜も拳を振るい、雲山の拳を止める。そんなことができる者は、今まで居なかった。

 

浄夜「成る程、拳は触れるのか。なら……」

 

浄夜は雲山にラッシュを与えた。

 

浄夜「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」

 

雲山は呆気なくも吹き飛び、私の後ろの壁に衝突した。

そして、浄夜は再び歩み寄る。

恐怖、それしかなかった。あのラッシュを見たら、その感情を押さえずにはいられない。

 

一輪「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

息が荒くなっている。そして、心臓が激しく動いているのを感じる。

そして……

 

浄夜「フゥーッ………オラァッ!!!!」

 

私は意識を手放した。

バシッという音を聞いて、目の前は暗くなった。

 

 

浄夜「………お前の目、言いたいことが伝わったぜ」

雲山「…そうか」

 

喋れるのかよ、と思った。

今の状況を説明しよう。俺は彼女に拳を振るったが、余力を絞って雲山が拳を受け止めた。

 

浄夜「分かった。彼女に拳は振るわない。アンタの彼女への忠誠心に敬意を表する」

雲山「……君が戦いへの誇りを持っていることに感謝するよ」

浄夜「まぁ、彼女も気絶したし、元より殴る予定は無かったよ。卑怯な真似はしない」

雲山「本当に、良かった」

 

ふむ、彼女は守られている。それを自覚はしているだろうが、きっと彼女が思っているそれ以上。

 

浄夜「小傘、もう出てきていいぞ」

小傘「もう、お人好しね」

浄夜「そうかな?」

 

そして、浄夜達はその場から去っていった。この船の真相を知るため。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

面舵いっぱい!!

一輪と雲山のコンビを倒し、今は船長を捜している。これはどこに進んでいるのか?それを聞き出す。

 

小傘「にしてもさ貴方、噂のスタンド使いなんでしょう?よく『文々。新聞』に載る」

浄夜「『文々。新聞』?あぁ、アイツのか。すまん、新聞は読まねぇんだ」

小傘「う~ん、読まない方が良いかもね」

浄夜「なんでだ?」

小傘「あの人の新聞、デマがほとんどって噂よ。今のところ、貴方の良いことしか書いてないけど、実は貴方に不利な情報かもしれない」

 

文がデマを?アイツに限ってそんなことないと思うんだが……

 

小傘「今やあの新聞は火を焚く道具に化しているわね」

浄夜「……あんまりだな」

 

友人として見過ごすことはできない。何かがあるはずだ。

しかし、今はこの異変に専念する。事はその後だ。

 

浄夜「ここが、船長室かな」

 

船長室らしき扉を開ける。……誰も居ない?

 

浄夜「おかしいな?」

小傘「隣の部屋は?」

 

小傘が指差した部屋。そこには『休憩室』のプレートが掛かれた扉。

成る程。俺はその扉のノブに手を掛けた…

 

??「寝過ごしたァァァァァァァッ!!!」

浄夜「あべし!?」

 

扉が突然開き、鼻に直撃。涙が出てきた。

 

小傘「うわぁ…」

??「へ?う、うわああゴメン!!許して!!大丈夫!?」

浄夜「だ、大丈夫だ。あ、鼻血が……」

??「ギャアアア大丈夫じゃないィィィィッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村紗「ゴメンね?」

浄夜「気にするな。ただの鼻血だ」

村紗「気にするよ!!もし血が固まって鼻で息が吸えなくなったら大変だよ!?」

浄夜「それはねーよ」

 

彼女は船長の『村紗水蜜』だそうだ。仮眠していたら本格的に寝てしまったらしい。だが、それでも二時間。いつもあまり寝れてないらしい。

そうだ。

 

浄夜「なぁ、水飲むか」

村紗「え?あぁ、確かに寝起きだし、飲みたいかも」

小傘「私はいらないわ」

 

浄夜は何処からかペットボトルを取りだし、そこにあったコップに水を注いだ。

 

浄夜「あ、そうそう。ちょいと手の平を見してくれ」

村紗「え?良いけど……」

 

浄夜は村紗の手を見た。いや、診た。

成る程。彼女は目の疲れがある。立ちながら舵をとっているからか、脹ら脛が浮腫んでいるし、全体的に筋肉が硬直している。

 

浄夜「ついでにお前も」

小傘「え、うん…」

 

フムフム。人を脅かすときにしゃがんで隠れているからか、足に痛みが響いている。

他に目立ったものはない。

 

浄夜「よし。調理室、借りるぜ」

村紗「え?あ、うん」

 

村紗は不思議そうな表情をしながら水を飲んだ。

すると、彼女は驚愕した。

 

村紗「ウ、ウマイ!?」

小傘「え、水でそんなに驚くの?」

村紗「こんなに美味しい水…初めて飲んだ……」

 

村紗はその美味しさに感動した。感動し、涙を流す。

 

小傘「え!?なんで泣くのよ!?」

村紗「お、おいしくて……かんどうして……うぅ…」

小傘「………」

村紗「涙が止まらないの……!!」

小傘「ちょ……!?」

 

その涙の量はどんどん増してゆき、不気味に思えてくる。しかも、目が萎んできてもいる。

これは浄夜の攻撃か!?そう思いこんだ小傘は浄夜の所へ駆け込む。

 

小傘「浄夜!!」

浄夜「ん?どうした?」

 

浄夜はすんなりした顔で料理をしている。

 

小傘「別に彼女は悪いことなんてしてないでしょ!?なんで攻撃なんか……」

浄夜「あぁ、気にするな。攻撃じゃあない。寧ろ逆だな」

小傘「逆?」

浄夜「まぁ、戻って村紗を見てみろよ」

 

腑に落ちないが言われるまま、戻った。

そして、小傘は舌を巻いた。

 

村紗「すごーい!!目の疲れがとれた!!」

 

そこには、目に輝きを持つ村紗の姿がいた。

どう言うことなんだろう?まさか、浄夜の能力?

 

浄夜「どうだ?あの水は」

村紗「貴方に会えて良かったと思ったわ!!怪我を負わせちゃったのに…ゴメンね」

浄夜「気にするなって。さぁ、寝起きだし、お腹が空いているだろう?召し上がれ」

 

机の上に出されたそれは、サラダとミートソースのパスタ。私の目の前にはペペロンチーノ。

そして、それぞれにフォーク。

 

村紗「良いの!?ありがとう!!」

浄夜「あーっと、すまない。先にサラダを食べてくれ」

村紗「え、あぁうん。分かった!!」

 

村紗は迷いもなくサラダを食べた。

 

村紗「ンまああ~~い!!」

小傘「サラダで大袈裟な……」

村紗「ううん!!大袈裟なんかじゃあないわよ!!美味しすぎて…力が抜けるぅ~……」

 

そう言った瞬間。彼女は目を瞑った。

……?なにかおかしい。私は恐る恐る、彼女の口元に手を当てた。

 

小傘「ッ!?」

 

息をしていない!?

 

小傘「浄夜……彼女……息をしていないわよ!?どう言うことなの!?」

浄夜「待て待て、落ち着けよ」

小傘「落ち着けるわけ…「ンーーーー!!あぁ、良い!!体の緊張が解けたァァァ」え?」

 

そこには揚々と声を上げる村紗がいた。

 

小傘「え?え!?」

浄夜「安心しろよ。さ、お前も食え食え」

 

小傘はゆっくりとペペロンチーノを口に運んだ。それに続き村紗もパスタを食べた。

そして……

 

二人「「ンッまあぁぁぁぁいッ!!!」」

 

二人同時に声を上げた。

 

小傘「ペペロンチーノはオリーブオイルの香りがよくて、更に唐辛子のピリッと辛いこの味!!」

村紗「ミートソースパスタは限りなく旨味があるのに何処かトマトの甘味がある!!」

二人「「美味しいィィィィィイイイッ!!」」

 

しかし、ここで足の裏に違和感を感じた。熱い液状の何か。

そして見た。見てしまった。床に広がる自分の血が……

 

小傘「う、うわぁぁぁ!?」

村紗「脹ら脛から血が…!?」

 

村紗は脹ら脛から血が溢れだしている。

私は浄夜を見た。ニコニコと笑っている。まさか……まさかこれはッ!!

 

小傘「足の裏の痛みがとれたぁぁぁ!!」

村紗「脹ら脛の浮腫みがとれたぁぁぁ!!」

浄夜「やったぜ」

 

そして、満足した村紗は船の操縦に快調に専念することが出来たとさ、めでたしめでたし(いやいや、続くよ?)



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

真実はディナーのあとで

村紗「いやぁ、満足満足!!」

浄夜「お粗末様でした」

小傘「お粗末だなんてとんでもないよ!!」

 

それほど、満足してくれたらしい。

さて、本題に入ろう。俺は舵をとっている村紗に声を掛けた。村紗は「なに?」と笑顔いっぱいな顔をこちらに向けた。前見て舵とれよ。にしても、たまに思うんだが、なんで幻想郷の人々は美女が多いんだ?

 

浄夜「あー、何て言うか…この船ってどこに向かっているんだ?」

村紗「え?どこに向かっているか分からずに乗ったの!?」

 

どうして、そんなに慌てているんだ?

 

村紗「だ、だとしたら直ぐにこの船に降りた方がいいよ!!」

浄夜「待て待て。何故、直ぐにでも降りなくちゃあならないんだ?」

村紗「危険なんだよ。てっきり自殺希望者なのかとばかり……」

浄夜「そこまで精神は参ってないさ」

 

いや、しかしコイツ、この慌て様、行く先は危険な場所なのだろう。

村紗が不穏な事を言ったお陰で小傘がガクガクブルブル震えているのが面白い。永久的に眺められるかも。

 

浄夜「その目的地はなんなんだ?」

村紗「それは……」

??「なにを、お話してなさっているのですか?村紗さん」

 

その、明るいようで冷たい声を放たれた方向に振り向いた。同時に村紗は真っ青な顔をし、錆びたボルトの様に徐々に首を回した。

 

??「そこの人、名前は?」

浄夜「人に名前を聞く前は、どうするんだっけ?」

星「失礼。私は毘沙門天の代理の『虎丸星』という者です」

浄夜「……樹条浄夜だ」

 

やっぱり、幻想郷ってのはすごいな。殺気を容易く感じ取れるようになった。

しかも大きな殺気で、それでもって鋭い。

赤子を包むような優しい表情の中に潜む、冷たく鋭利な眼差し。

そんな星の後ろにいる人は……

 

浄夜「ナズーリン……かな?」

ナズ「やあ、方向音痴くん」

浄夜「妖精に騙されたんだよ」

ナズ「どうかな……?」

 

ナズーリンの視線は俺を向いている。しかし、チラッと小傘の方を見たりする。

嫌な予感。

 

浄夜「小傘、俺の後ろでじっとしてろ」

小傘「え?………あッ!!もしかして……戦うの?なら私も……」

浄夜「良いから。お前は安心して見ていろ」

小傘「私だって………ッ!!」

 

殺気ッ!!それを今感じ取ったッ!!

瞬間、浄夜は『星条旗』を取り出し、小傘にそれを被せた。

それは小傘の形を型どらず、そのまま床にヒラリと落ちたのだ。

 

星「これは……もしや奇術師ですか?」

ナズ「いや、星。もしや彼は……」

星「いいえ、分かっていますよ。スタンド使いなのでしょう?ジョルガ・ジョースターの息子」

 

俺のことは調査済みってか?まぁ、あっちにもスタンド使いがいるんだ。知ってて当然だよな。

ならば……

 

浄夜「そっちのスタンド使いってどんなやつだ?」

星「な……!?」

ナズ「どこでそれを……!?」

村紗「え?スタンドって浄夜だけが使うんでしょ?そっちのってどういうこと?」

浄夜「まぁまぁ」

 

やれやれと頭を抱えた星。反応を見るに、居るんだな。

浄夜は確信を認め、ニヤリとにやけた。しかし、正体を知っているのもからすれば彼もまた笑われ者なのだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悲しき救えぬ過去

星「……じゃあいいわね」

浄夜「はい?」

 

何が?

 

星「浄夜さん。私達は貴方の強さを知っている。だから、別に試すようなことはしない」

浄夜「うん」

星「私は最初から貴方に敵対していたわけではありません」

浄夜「……うん?」

 

何で?

 

ナズ「君には戦ってもらいたい」

 

だから……何で!?

色々な謎が取り巻いて、もう頭の中が混沌としている。

大迷惑。いきなり戦えだと?アホかよ。

 

ナズ「お願いだ…いや、お願いします」

浄夜「………」

 

別に上から言っていたわけではないらしい。

頭を深々と下げられ、俺は考える。そして……

 

浄夜「この船の正体について聞きたい」

星「……良いでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達は、ある人に助けられたのです。

妖怪である、私達を助けたのです。妖怪は、人を喰らう者と恐れられているが…別に全員が全員、人を喰らうわけではない。

そんな事を理解しようとせずに人間共は私達の日常を蝕んだ。そんな中、その人は……『聖白蓮』は私達に手を伸べました。人間も妖怪も理解し合える世界を望んだ彼女は人間も妖怪も救い続けたのです。

 

ですが、私は悟りました。人間は、聖を退治しようとするだろうと。人間はやはり思い込む生き物。自身に不利な事を抹消する生き物なのです。

そんな人間共に、幾ら聖の善意を……善心を話しても、理解をしようとしない。理解しても「理想に過ぎない」と聞く耳も持たない。

奴等の眼は殺す眼だった。

だから……私は眠りに浸かなかった。奴等が襲いにかからぬよう。

 

それは半年続き、いつものように起きていました。そして、いつものように奴等はやって来た。

私は立ち上がり、直ぐに外へと出た。そして、驚愕した。

奴等は妖怪を連れてきたのです。最早、目的を忘れ、ただ聖を殺すためだけに毎日来ているのだ。その妖怪は人間たちの奴隷妖怪。そんな悲しい目で襲ってこられたら……私達は攻撃を出来なかった。

流石に聖もその騒動に起き、真っ先に奴隷妖怪を……抱き締めた。

自身がこれから殺されると言うのを知っていて尚、彼らを抱き締めた。

そんな中、人間共はうっすら笑いながら出てきて聖の首をとろうとした。が、奴隷妖怪が対に反抗した。彼らも、自身の死を覚悟して。

しかし、それを聖が止めた。

 

聖「私の為に死ぬ必要はありません。貴方達は私の意思を継いでください」

 

聖は、ゆっくりと人間の目の前に正座した。

そこに、地位の高い陰陽師が「殺しはせむ。汝を封印したり」と言った。きっと……これは私のただの推測ですが、奴隷妖怪の反抗を見て、聖を殺したら全妖怪と全人間の大戦争が起こるのではないかと思い、封印と言う形にしたのだと、私は思いました。しかし、その封印は強力で私達ではどうしようも無かった。

 

そして、その陰陽師の死が何百年と経った今、聖の封印が弱まっていたのを知った。その封印は魔界にある。この船は魔界に行く為の船。『聖蓮船』なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「分かりましたか?」

浄夜「あぁ…人間がどれ程愚かで胸くそ悪い害悪の塊かが分かったよ」

ナズ「まぁ、全ての人間がそうとは限らないからな。実際、聖を殺す、若しくは封印することに反抗した人間も居たよ」

 

罪悪感。それ以外は最早ない、同情なんて身の程知らずだ。

 

浄夜「分かった。あんた等のお願い、承る」

星「ありがとうございます」

浄夜「あーそれで……誰と戦えばいいんだ?」

 

まず、それが優先だ。

 

星「『鵺』です」

浄夜「鵺って……あの妖怪の?」

星「はい。私達の仲間である……彼女と」

浄夜「仲間?何でまた……」

 

星やナズーリン、村紗は揃って苦虫を噛むような表情を浮かべた。

 

星「彼女は……いきなり暴れ始めたのです」

浄夜「……暴れ始めた?その……スタンド名は?」

星「『ピンク・レディー』です。能力は…解りません」

浄夜「どういう事だ?」

星「彼女のスタンドは……正体不明なのです。姿が見えないので……確かにそこにいるのですが…見えないのです」

 

そうだった。俺のスタンドが特殊なだけで、本来スタンドは見えないものなのだ。

世間は勘違いしていると居ておきながら、スタンド使い自身がそれを忘れてちゃあ、勘違いするのも当たり前だ。

 

浄夜「分かった。ソイツはどこにいるんだ?」

星「ナズーリン、案内してあげてください」

ナズ「わかった」

 

浄夜はナズーリンに付いていく。多分…『漆黒の灰』に侵された者だ。救ってあげなければ。

そして、チャッカリ小傘も付いていってたり。




スタンド 『ピンク・レディー』

能力 ??? ※次回、能力を記載

1976年、活動開始した二人組のアイドル


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ピンク・レディー その1

休んだ期間が長すぎました。すみません。


私は何者か?疾うの昔に考えるのは飽きた。

私は生きてるか?そんなの閻魔にしか分かる筈がない。

私は存在するのか?胡蝶の夢でも見ているつもりか。

私は正体不明の存在、誰にも分からない……そう、例え……

 

私であろうと

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「なんで、居るんだ?」

小傘「え?良いでしょ?」

浄夜「よかねーよ」

 

何を思って良いと感じたか、理解不能だ。

さて、何故このような状況になったか、説明しよう。まず、ナズーリンに案内され、行き着いたのは、THE・封印された扉。それを解放し、とりあえず中に入る。その際、外から監視出来る霊力の塊も中に入れる。

さぁ、もう一度封印だと扉を閉めかけた瞬間、コイツが入ってきた。

 

浄夜「邪魔するなよ」

小傘「むぅ~‼邪魔じゃない~‼」

 

連れるべきではなかったな。癒されはするが、流石に守れるかが不安だ。

と言いつつ、小傘が膨らました頬をつつく。

案の定、怒った。

 

小傘「うがー‼」

 

もう、絶対かわいいを狙ってやってるよこの娘、超かわいいもん。

そんな、端から見れば微笑ましい光景に、ある声が遮る。

 

?「こんなところに用?私のエサかしら?」

浄夜「え?マジ?俺らエサなん?騙された~」

?「一体、どう騙されたの?」

浄夜「少女を救ってほしい、だってよ」

 

少しの間、なにもなかった。音も動く光りも、なにも。

そして、やっと彼女が口を開いた。

 

ぬえ「私の名前は『封獣ぬえ』。まあ、これがいつから私の名前になったのか、分からないけどね」

浄夜「あっそう。んで?君の『ピンク・レディー』はどんな能力なんだい?」

ぬえ「知らないわ」

浄夜「は?」

 

彼女が言っている、その意味が分からなかった。

自身の能力は知っているのが普通であるはずなのだ。考えられるのは……まだ、スタンドを持って日が浅いということ。

 

ぬえ「それより、貴方は『遺体』を持っているの?星のアザがあるけど」

浄夜「いいや、持ってないね。これはただの生まれつきさ」

ぬえ「じゃあ、貴方が樹条浄夜ね?巷で噂の」

 

俺の名前を聞いてスタンドを出す当たり、彼女は戦う気満々だな。

名前の通り、色はピンクで人型。特徴としては全身に網目の模様が付いている。

 

っと、いきなり彼女は向かってきた。

しかし、他の幻想郷のスタンド使い、嵐や京谷に比べればどうってことのない速さ……いや、今回は楽に倒せそうだ。パルスィの方が苦戦した。

楽にいこう。無駄な力を抜いて。

何故、こんなことを思ったか?『ゾーン』の如く時がゆっくり進んでいるように見えるからだ。

これは『勝てる』

 

……え?

 

浄夜は気付いた。この体の異変に。

震えが止まらないのだ。何だ?この感覚は。『ゾーン』に入っている割りには、その震え…否、振動が細かいのだ。

脳が揺れる、こう言うことなのだろうか。瞬間、ブラックアウトした。そして、また視界は元に戻る。

 

浄夜「う……ぐあ……」

ぬえ「ホント、分からないわ。『ピンク・レディー』の能力」

 

訳がわからない。俺は壁に背を預け、床に座っている。視界がグラグラ揺れていて、その上吐き気がする。

顎を殴られたのか?しかし、殴られた記憶はない。しかし、感覚はそれだ。

 

ぬえ「このスタンドを発動すると、みんな可笑しくなるわよね~。アンタみたいに殴りに行っても避けようとしなかったりね」

浄夜「………」

 

どうやら、殴られたらしい。自分が見ている景色と実際に起こっていることが違う。

幻覚?彼女のスタンドは幻覚を見せるものなのか?

 

浄夜「……ッ!!」

 

不意に何かに腕を掴まれた。自分の腕を見ると、地面から半身を出している我がスタンド『ビートル』が腕を掴んでいた。

そして、引っ張られる。ダイバーダウンの如く、地面に潜っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぬえ「……?確かに顎は殴ったけど…気絶するほどの威力じゃあないんだよ?」

 

浄夜は踞って、何も言葉も発せず、喋らない。

 

ぬえ「ま、いいか。きっと弱点だったんだね」

 

ぬえは浄夜にトドメをさそうと、スタンドを出す。そして、殴る……

 

小傘「待てッ!!」

 

と、思っていたが、小傘に標的を変更したらしい。

弄ぶ、それが一番楽しい。愉快だ。彼女を玩具として扱う。そう決めた。

 

一方小傘は、目の前の妖怪が恐ろしくて仕方がない。狂気に満ち、こちらに歩み寄る。

正直迷っている。何に?逃げるか、助けるか。今は、自己防衛の構えだ、決して浄夜を守るための構えではなかった。

しかし、彼女は『待てッ!!』と言った。この矛盾が、迷いだ。

 

小傘「………」

ぬえ「そんなに怯えて、どうしたの?」

 

あんなに強いと称された浄夜が簡単に負けたのだ。怯えないわけがない。

 

ぬえ「可哀想に…今、その感情を消してあげましょう!!」

小傘「うぅ…」

 

唐傘でなんとかスタンドをガードする。このピンクのスタンドをガードするために、唐傘でガードした。

その行動にぬえは驚いた。

 

ぬえ「貴女も、スタンド使いなのね?」

小傘「え?」

ぬえ「惚けんのも止しなさい。貴女、私のスタンドが見えているでしょう?」

 

スタンドと言うのは見えるものじゃあないのか?意味がわからない。

浄夜のスタンドははっきり見える。じゃあ、彼女のスタンドも………

 

迷ったらやめろ

 

え?不意にそんな声がした気がした。

 

もし迷っているなら、ガードも攻撃も止めろ

 

いや、気のせいじゃない!?迷っている?

逃げるか、助けるか?それを言っているのか?いやまず、この声は誰だ?

 

時間はある、たっぷり

 

『たっぷり』……ね。でも、そんな時間は要らない。だって、もう迷っていないから。この、輝くような力。

そして、視界が切り替わった。

 

神様「なら、君にこの『遺体』をあげるよ。『東方定助』の『ソフト&ウェット』。浄夜君を助けなさい。まだ、彼は必要だから」

 

また視界は切り替わり、ぬえが目の前に居るのを確認した。

この、一瞬にて様々な現象が起きた。多分、殆どの人が状況を理解できないはず。が、何故か、すべてが理解できた。

 

小傘「迷ったら『やめろ』……………だ!」

ぬえ「……?」

小傘「だがもう『迷い』はない」

ぬえ「何を言って……ッ!?」

 

ぬえはその場に転んだ。躓いても、足を挫いたわけでもない。しかし、転んだのだ。

今度はぬえが理解を出来ない。

 

小傘「『ソフト&ウェット(柔らかくてそして濡れている)』……私のスタンド。貴女の体から摩擦を奪った。つまり………貴女は私を殴れない」

ぬえ「ッ!?」

 

突然の、そして思いがけない攻撃に酷く困惑した。殴れないどころか立てない。ただただ、寝そべるしかないのだ。

 

小傘「浄夜に一体何したの~?答えて」

ぬえ「クッ……」

 

小傘は奇妙なものを見た。摩擦がない筈のぬえが立ったのだ。そして逃げる姿を。

しかし、彼女は追おうとしなかった。どうして?答えは簡単。『自信』があるから。自分のスタンドに。

 

ソフト&ウェット『madidum(マディドゥム) madidum(マディドゥム) madidum(マディドゥム) madidum...(マディドゥム…)

 

ずっと、そう呟いている。意味はわからない。でも、きっと何かの暗号だ。

水が滴る音……そうだ。

これは、幻覚だ。耳に入ってくる雫の落ちる音と視界の情報が一致しない。つまり……

小傘は先程ぬえが居た場所を蹴った。

 

ぬえ「うぐッ!?」

 

蹴った勢いでそのまま滑っていき、壁に衝突する。そして摩擦がないことにより跳ね返っても、滑るスピードは一定。そんな等速直線運動のよう動きをしているはず。視界の情報は便りにならない。すると、突然ブラックアウト。

そして視界は戻り、予想通りに滑っている。

 

小傘「madidum……ね。意味は分からないけど、どうでもいいね。『迷い』がなくなったら、そんなの気にしない」

 

小傘が指を鳴らすと、ぬえの動きが止まった。

摩擦が生じたのだ。

小傘は手を前に出し、クイッと挑発するように曲げた。

 

小傘「かかってきな」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ピンク・レディー その2

さぁ、どうするか。

あんなかっこよくキメたは良いが、どう倒すかは決めていない。

考える、どうすればあの幻覚少女を倒せるかを。

 

ぬえ「……ふぅ。その、貴女のスタンド……それこそ、遺体の力よね」

小傘「えぇ、そうよ」

ぬえ「なら、まず貴女から殺すことにしたわ」

小傘「わちきぃ?殺せるの?」

 

小傘はそんな信じられなーいと言っているかのような表情をし、ぬえを挑発した。そんな行動に彼女は簡単に引っ掛かる。

 

ぬえ「笑っていられるのも今の内よ。これから貴女は地獄を見るのだからね」

小傘「地獄?」

ぬえ「そう、地獄よ。予言しているのに笑っている貴女を見るのは、私は辛いわ。すぐに絶望に塗り潰してやるッ!!」

 

ぬえはスタンドを出し、小傘に指差して宣言した。

 

ぬえ「『ピンク・レディー』ッ!!彼女を困惑させなさいッ!!」

小傘「………」

 

小傘は、彼女のスタンドが幻覚を見せる能力だと知っている。つまり、彼女は幻覚で混乱させようとしているのが分かった。いや、彼女は自身のスタンドの能力を理解していない。

なのに、スタンドは幻覚を見せる。つまり、だ。彼女のスタンドは、『自我』があるということだ。

まぁ、そんなこと、どうでもいいのだが……

 

小傘「『ソフト&ウェット』……」

 

小傘は首元の星形のアザに人差し指と中指を当て、そこからシャボン玉が出てきた。

いつでも殴りかかっても良いように、指にそれを潜ませる。とは言え、彼女のスタンド能力は『幻覚』。幻覚に対応していたらキリがない。

 

ぬえ「……」

 

ぬえは小傘の周りを歩き始めた。どんどんと空間が歪んでゆき、どんどんと距離感が掴めなくなる。

なるほど、そう言う『幻覚』も見せるのか。

その歪んだ空間からぬえは向かってきた。

 

ぬえ「ウラァッ!!」

小傘「うッ」

 

小傘を殴って、また周りを歩く。それを三回、繰り返されていた。

……彼女に恐怖心を与えると、これは収まるだろうか。小傘はぬえに向けて傘を開いた。

傘は以外に大きく、小傘の足は見えるが顔が見えなかった。

 

ぬえ「え?」

 

ピタッと動きが止まり、何をしているのかと怪しく思った。その時、小傘の傘が地面についた。

普通、手を離したんだなと、そう思える。しかし、その理論だと小傘の顔を見ることができるが、そこに小傘は居なかった。

向こうの壁しか見えない。

 

ぬえ「なッ!?」

 

ぬえは、その傘に恐る恐る近付く。重心を低くしていつでも逃げれる体勢に。しかし、その体勢の所為でそのトリックを見破ることが出来なかったと言って良いだろう。

ぬえはその傘をどけた、瞬間ッ!!

 

小傘「オラァッ!!」

ぬえ「ぐッ!?」

 

小傘の『ソフト&ウェット』がぬえを殴り抜けた。

 

小傘「ふふ、私が小さいことをる利用したトリックよ。それなりに人を脅かす修行をしといてよかったわ」

 

そう、小傘が傘を離した瞬間、しゃがんだだけなのだ。たったそれだけの簡単なトリックでも、ぬえから見たら小傘が消えたように見えたのだ。

そして、ぬえは逃げの体勢として、しゃがんだ。もしその体勢をとっていなければ上から見えたかもしれなかった。しかし、誰でもこの状況でこんなことをされると、怪しく思って重心を低くするだろう。

そこも利用したトリック。

 

小傘「マジなめないでね。わちきは今、貴女を倒す勇気が湧いている。たっぷりとねッ!!」

ぬえ「クッソォォォォォ」

 

ぬえは小傘に殴りかかる………がッ!!

 

ぬえ「ッ!?」

小傘「『視力を奪える』……貴女の視力をッ!!」

 

先程、いつ攻撃されても良いようにとっておいたシャボン玉で視力を奪った。

この勝負、決まった。

 

小傘「オラァッ!!」

 

そう確信して、小傘は殴り抜け……

 

ぬえ「これで貴女が勝ったと思ったら大間違いよ」

小傘「ッ!?」

 

視力を奪った筈だが……彼女のスタンドに殴られた。

何故!?どうしてだ!?

 

小傘「……う…あぁ……」

 

腹にモロにくらって、呼吸がしづらい。ダメだ……

 

ぬえ「おぉ、視力が戻った。あのね、真っ正面に立っているのに、真っ正面から殴り抜けたら、そりゃ殴られるわよ」

小傘「………」

ぬえ「フゥーッ……単純バカ女ね。そう言うことも考えられないの?」

 

悔しい。小傘は考えて、こんなに苦労しながら戦っていたのに、彼女は何も考えず、ただ殴っただけ。

この差が悔しい……

 

ぬえ「とは言え、ここまで追い詰めたのは貴女が初めてよ。尊敬に値する」

小傘「………」

ぬえ「それじゃあ、死になさい」

 

そうして、彼女のスタンドは拳を握り、振りかざそうとする。

終わった。最後にわちきに持ち主ができて良かったなぁ……

……?なかなか来ない?ゆっくりと目を開く。

 

ぬえ「くッ!!浄夜ァァァァァッ!!」

浄夜「小傘、よく頑張ったな」

 

そこには、拳を止める樹条浄夜の姿があった。

 

浄夜「よくも、小傘を痛め付けてくれたな!!」

ぬえ「死ねッ!!」

 

幻覚。まるで白い空間にいるよう。小傘や浄夜はそれを見ていた。

だがッ!!浄夜はッ!!逆に目を瞑ったッ!!

 

ぬえ「ウラァァァァァァァッ!!」

 

エコーズッ!!3FREEZEッ!!

 

ぬえ「ッ!?」

 

浄夜は意思のあるスタンドにはなれない、そこを利用した。それと同時にある理由があった。

浄夜が、この行動をした理由が。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

真実は忘れよう

彼女は気絶した。それは、浄夜のスタンドによって。

しかし、彼は何故か憤りを隠していた。

 

浄夜「この、異変の真実が分かった」

小傘「真実?」

 

よく分からない。真実もなにも、この異変の真実は星が話した。

その疑問を感じ取ったかのように、浄夜は言った。

 

浄夜「遺体と灰の異変だよ」

小傘「ッ!?」

 

彼が気絶している間に何が?

 

小傘「教えて…」

浄夜「無理だ、少なくとも今は」

小傘「え!?」

 

何故だ?彼は目線を反らしたままだ。

少なくとも今は?

そんな新たな疑問が出てきたのに、彼の行動で更に疑問が増えた。

 

浄夜「『ヘブンズドア』ッ!!」

小傘「何を?」

 

彼は自分の腕を本にして、ページを捲った。そして、私の質問に答えた。

 

浄夜「真実がかかれたページを破る」

小傘「な、なんでッ!?」

浄夜「俺は成長しなければならない」

 

浄夜はどこからか鉛筆を取り出し、『すべての遺体に出会ったら破ったページを戻す』と、腕に書いた。

 

浄夜「今の俺は弱い。アイツがいるから俺は闘える」

 

アイツ……『ビートル』のことか?確かにそうだが、何故今それを?

 

浄夜「今、俺達が真実を知っていたら多分……死ぬ」

小傘「そ、そんな……」

浄夜「破るぞ…」

 

浄夜は勢いよく紙を引っ張り、そしてそれを忘れた。

 

浄夜「あー、完全に忘れた。その忘れたものがどの様な事か、なんで忘れないといけないのか、とかな。まあ、覚えてる部分もあるが」

小傘「………」

浄夜「さて、『クレイジーダイアモンド』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「ありがとうございました」

浄夜「いやいや、とんでもない」

 

無事にぬえを助けることが浄夜。しかし、この異変中そばにいた小傘は何か引っ掛かっていた。

『聖なる遺体』と『漆黒の灰』の真実。それが、ただただ気になっていた。

 

霊夢「まさか、浄夜もこの船に乗っていたとはねぇ」

魔理沙「驚きだぜ」

早苗「散歩じゃあなかったの?」

浄夜「してたぜ、船の上をな」

 

補足だが、霊夢達も船に乗っていたらしい。

 

浄夜「それで、その封印された恩人を救い出すことは出来たのか?」

星「えぇ、おかげさまで」

浄夜「そうか、それはよかった」

星「是非、貴方を聖に紹介したいです。多分、もうすぐ来るはずですが……」

 

と言った瞬間、後ろの扉が開いた。

反射的に音をした方向を見る。そこにいるのは一人の女性。

 

聖「初めまして、聖白蓮です。貴方のことは星から聞いています」

浄夜「そうか」

 

聖は自己紹介をした直後、浄夜の制服の内ポケットを見た。瞬間、眉間を寄せて聞いてきた。

 

聖「その懐に入った人間……じゃない、妖怪?の左耳はなんですか?」

浄夜「あぁ、これか」

 

浄夜は左耳を取り出した。アレは、DIOの左耳。

 

浄夜「別に妖怪と人間の差別をして、俺が残虐に殺したんじゃあない。まず、俺が今まで経験した事を聞け」

 

浄夜はDIOのこと、ジョースター家のこと、その子孫のこと……全てを話し、全ての奇妙な冒険を話した。

全ての人達は驚きを隠せなかった。

 

魔理沙「まさか、前に見せてもらった『漫画』は……お前の先祖の話だったのかッ!?」

浄夜「そっか…魔理沙や霊夢達には見せてたな」

 

初めての宴会の時に見せたのを思い出す。

 

早苗「えー!?知らなかったの!!ダッサーイ!!」

浄夜「うるせえ」

 

スタープラチナで早苗を殴り、気絶させた。

 

魔理沙「おいおい、余計なことするなよ」

浄夜「お前の場合、マスパで船ぶっ壊れる」

 

俺は、やれやれとため息を吐きながら頭を掻いた。

 

聖「その……DIOという人とは、話し合いでどうにかならなかったのですか?」

浄夜「奴には魅力がある。話し合いじゃあどうにもならない。それに近い魅力を持った奴に会ったから分かる」

聖「……」

 

彼女の言いたいことは分かる。しかし、奴は話し合いだとか諦めさせるだとか、そんな考えじゃあダメだったと思う。

まあ、俺はDIOとは闘ったことはないが。

 

浄夜「話を戻すが、これはそのDIOの左耳だ。これが、スタンド発現の原因だ」

ナズ「それが、スタンド発現の原因なら、浄夜も漆黒の灰が埋め込まれてたのか?」

浄夜「俺は……」

 

…………

 

浄夜「スタンド使いの能力開花は幾つかの原因がある。それだけが原因じゃあない」

ナズ「ならば、小傘がいきなりスタンド使いになったのも、なんらかの原因があってのことか?」

浄夜「そうだ」

ナズ「なるほど、理解した」

 

なんとか、みんな理解したらしい。

 

浄夜「さて、俺は帰る」

聖「え!?せ、せめてお礼を……」

浄夜「別に感謝されたくてやった訳じゃない。飽くまで、俺の目的を果たしただけだ」

 

そういって、俺と小傘は船を降りた。

本当はお礼が欲しいです、はい。

 

船がそら豆程の小ささになって俺は振りかえる。

 

浄夜「早苗、忘れてた」

小傘「おい」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常編 No.5
ラッド・ウィンプス その1


鈴仙「なんで森に来てまで薬売んなきゃなんないのよ」

 

魔理沙に『気分が悪いから薬をくれ』と言う手紙が、ポツンと永遠亭の玄関にあったのだ。はて、どうやって手紙を届けたのかは分からないが、字体からして緊急なのは確かだ。その為、師匠には「今ある全ての薬を持ってきなさい」と言われている。

 

鈴仙「だからってなんでこんな大荷物で、こんな森に……」

 

正直嫌だ。こんな胞子が飛び回った妖怪でも気分が悪くなる森を重い荷物背負って歩き回って、まさか魔法の森の空を飛ぶわけにもいかず何とも辛い仕事だ。

 

鈴仙「ええと?西だったわよね?」

 

魔理沙が手紙の付属としてあった地図を見ながら、足を出して歩む。

少し煙たくなってきた気がする。それが何故なのかは分からない。しかし、これを気にはしなかった。そんなことで気にしていたら、まず胞子を気にする。

が、流石にこの異臭は気になった。焦げた臭い、火薬のような臭い……いや、火薬より、魔法の臭いと言った方がいいか?

と言うことは、魔理沙の家が近い。早く家に入って、パッと終わらせて、さっさと帰ろう。

 

鈴仙「もうちょっとで……」

 

しかし、道中に奇妙なものがあった。

草……なのだが、決して緑とは言えない。かと言って、枯れ草な訳でもない。

異色の草。私は、師匠程ではないが、薬を作るためにこう言う草やキノコ等には詳しい方だ。

しかし、こんなものは見たことがない。黄色とオレンジが模様のようにして、痛んでヘナッとしている、トリカブト若しくはヨモギ。形がおかしく、あまり判断がつかない。

それが大量にあるのだ。

 

鈴仙「………」

 

気味が悪い。早く魔理沙の家に着きたい。

いや、奥に建物らしきなにかが見える。もしや、魔理沙の家なのでは?地図はここで終わっている。

異色の草を踏みつけながら、その家に近付く。

 

鈴仙「ここだ。意外と大きいわね」

 

ドアをノックし、自分が鈴仙であることを告げた。

暫時、静かであったが、家の中から微かに「入ってくれ」という声が聞こえた。

その言葉に従い、お邪魔しますと家に入った。

 

魔理沙「やあ、うどんげ。ワザワザ魔法の森まで来てくれてありがとう」

鈴仙「……えぇ、まぁ、これが薬売りの商売だし」

 

奇妙だ、何がと言われれば分からないが、スゴく奇妙だ。

この魔理沙、なんだ?

 

鈴仙「診察をするわ。どこか座りたいんだけど、良い?」

魔理沙「んじゃ、ここだな」

 

魔理沙は床に落ちている大量のマジックアイテムを蹴飛ばし、椅子を置いた。

 

鈴仙「じゃあ、始めるわよ。まず、症状を言って」

魔理沙「頭痛、鼻水、目眩」

鈴仙「ふむ」

 

風邪かもしれないけど、最後の目眩っているのが気掛かりね。

 

鈴仙「口、開けて」

魔理沙「あー」

鈴仙「声を出さないで、喉が震えるから」

魔理沙「あーい」

鈴仙「………」

 

喉は別に赤くない。つまり咳はしていないと言うことか。

そこから更に私は深く診察をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「はい、良いわよ」

魔理沙「なあ、うどんげ」

鈴仙「ん?何かしら?」

魔理沙「頭痛が酷いんだよ。脳の奥底がズキズキしてさァー、すっごく痛いんだ」

鈴仙「………」

魔理沙「頭に穴開けて、中の『灰』を取りたいぜ」

 

ハイ?何を言っている?

ハイ……はい……『灰』?

 

魔理沙「『漆黒の灰』を取り出したいぜッ!!」

鈴仙「ッ!?」

 

瞬間、座っていた椅子が傾いた。不意な現象に、私は床へ倒れ込んだ。

最中、椅子の脚を観ると、細く削られたあとと、中心部は焼けているのがわかった。

 

鈴仙「熱ッ!?」

 

床に触れた部分が、焼けるように熱い。

そこには奇妙に光る液体が満遍なく広がっていた。

塩酸や硫酸なんかじゃあないッ!!これは『魔法』だッ!!魔理沙の『魔法』だッ!!

 

鈴仙「『ワンオクロック』!!シャボンで液体を取り除けッ!!」

 

ワンオクロックは手を広げ、床に広がった液体を掬うようにシャボンを作る。

液体が入っているシャボンは重さで中を舞わない。

 

魔理沙「フフ、触れるだけで結構体力が消耗するだろう?これ、なにかに似てないかァ?」

鈴仙「……『マスタースパーク』でしょ」

 

魔理沙はニヤリと笑い、大きい声を出した。

 

魔理沙「ご名答ッ!!そう、これは『マスタースパーク』。それを液状にする……」

鈴仙「………」

魔理沙「アァ~ンドッ」

鈴仙「?」

 

魔理沙は左手で右手の人差し指を握った。今気づく、彼女は黒い革手袋をしている。

いつ着けた?診察していたときは無かった筈だ。

 

いや、まさか……あれが魔理沙のスタンド?

 

魔理沙は左手を勢い良く引っ張り、右手の人差し指からは、鋭利ななにかが出てきた。

 

魔理沙「固体のマスパも出てくる……」

鈴仙「………」

 

冷や汗が頬を伝わり首筋へと流れるのがわかる。

このスタンドはヤバイ。一発で死ぬ訳じゃあなく、徐々に殺して行くスタンドだ。

 

魔理沙「このスタンド、『ラッド・ウィンプス』は……お前の遺体を欲しているッ!!」

鈴仙「クッ!!」

 

揶揄すようにこちらを見つめ、洗脳されたように虚ろな眼。

 

魔理沙「死んじまえよ。お前とか是非とも」

 

浄夜のような仲間達が、今私の周りには居ない。初だ、一人で敵と戦うのは。

恐怖で歯をギシギシと噛む。

 

この戦いは、勝たねばッ!!




こちらのミスで途中の話を投稿しました。
申し訳ございません。

スタンド 『ラッド・ウィンプス』

能力~マスタースパークを液体又は固体に出来る

元ネタ~2001年に結成したロックバンド『RADWIMPS』


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ラッド・ウィンプス その2

魔理沙が作った固体はすぐに液体へと変化し、魔理沙はそのまま手をピストルの形にした。

 

鈴仙「?」

 

そのよく分からない行動に疑問を抱いた。しかし、警戒は怠らない。

 

魔理沙「バーンッ!!」

 

子供のような声で、幼稚臭いことをいきなりし始めた。

ふざけてるのか?私は憤りを感じた。が、その感情は一気に消える。

 

鈴仙「うッ!?」

 

理解が出来なかった。突然、肩が熱く感じた。

見ると黄色く輝く液体が、服に染みていた。

上着を脱ぎ、Yシャツ姿になる。

 

魔理沙「うどんげ~、余所見するなよ?あくまで、魔法なんだぜ?こうやって飛ばすことも出来れば、形を変えることだって出来るんだぜ~ッ!?」

 

魔理沙は両手を床につける。

 

鈴仙「ハッ!?ゆ、床に液体が……ッ!!」

 

すぐにその場を離れ、窓ガラスを突き破って外に出た。

窓から見えるのは、黄色い固体の面だけ。つまり、魔理沙は床一面に広がった液体を固体にさせ、形を変えて私を天上とマスタースパークで押し潰そうと思っていたそうだ。

ゾッとした。

 

魔理沙「惜しいな~、いや惜しい。超絶惜しい」

 

窓から見える固体が液体へと変わり、魔理沙の姿が見えた。魔理沙はゆっくりと窓を潜り、私に近寄る。

 

鈴仙「ハァ…ハァ…ハァ…」

魔理沙「どうした?息が荒いぜ?まさか、私が恐いのか?」

 

ニヤリと笑い、こちらに問う。

どうすれば、彼女に勝てるのか?こんなとき、浄夜ならどうやって魔理沙を倒すのか?

 

考えろ。

 

能力を如何に巧みに扱えるか。

考えろッ!!

 

魔理沙「そう慎重になるってことはな、相手に時間をやるってことなんだぜ。その時間のおかげで、攻撃準備が調ったッ!!」

 

魔理沙は手の平に液体を溜めていて、右手に溜めた液体を私の頭上へとばした。

咄嗟に私は周りに浮かばしていたシャボンで、傘のようにガードした。

それが、失敗である。

 

鈴仙「うぐッ!?」

 

打撃。私の腹に、固体が直撃した。

魔理沙は左手に溜まった液体を固体にして、形を変えて私に攻撃したようだ。

 

強い衝撃を食らい、私は後方へ倒れる。

 

魔理沙「ハッハッハッ!!うどんげ、お前が一番弱いと見ていたが、まんまその通りだな!?」

鈴仙「こ、こっちに……来いッ!!」

魔理沙「ん?殺されたいの?まぁ、良いや。もとよりそのつもりだし。顔面マスパだらけにしてやる」

 

魔理沙はものすごい勢いで私に近付き、両手で顔面を掴もうとした。

私はその両手を掴み、液体の痛みに耐えた。

 

魔理沙「早く私に遺体を渡せッ!!You are loserだぜッ!!」

鈴仙「…………フフ」

魔理沙「ッ!?」

 

やっと…

 

鈴仙「やっと貴女の手を掴んだわ。やっとね」

 

私は魔理沙の顔を見ながら、安堵の吐息を漏らした。

 

鈴仙「『ワンオクロック』……硬いシャボンを作る」

 

魔理沙の手を離し、代わりにワンオクロックが掴んでいる。

そして、魔理沙の手をシャボンで覆った。

 

鈴仙「貴女は必ず触ってから形を変形した。逆に言えば、触らないと変形出来ない」

魔理沙「う、うおおおおおお!!」

 

魔理沙は液体を大量に出した。内側から割る気だろう。

私はニヤリと笑った。

 

鈴仙「内側からは絶対に割れない。外側からしかね」

魔理沙「は、はは。外側から割れば良いんだなッ!?」

 

魔理沙は地面にぶつけて割ろうとする。

 

鈴仙「どうぞ、割りなさい。ただし貴女の手は消えるわよ」

魔理沙「ッ!?」

鈴仙「シャボンが大きければ大きい程、割れた衝撃は大きい」

 

魔理沙はたらりと汗をかいた。

 

鈴仙「I'm winner and you are loser.」

魔理沙「ハッ!?」

 

いつの間にか魔理沙の周りはシャボン玉だらけ。

鈴仙は、弾幕を撃った。

 

バチンバチンと、シャボンが割れて1つの弾幕が魔理沙を何回も襲う。

 

魔理沙「あ……がぁ…」

 

魔理沙はその場に倒れ、気絶する。

私は心踊る気持ちを抑え、浄夜のように決めた。

 

鈴仙「やれやれだわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴仙「ハァ…ハァ…」

 

魔理沙を背負いながら登山とは、こんなに大変なんだね。

太股が痛いわ。鎮痛剤が切れたか。

 

鈴仙「にしても、全種類の薬を持ってきて良かったわ」

 

魔理沙の家に持ってきた薬箱が、液体に浸っている状態で置いてあり。中は無事だった。

 

私は鎮痛剤を注射し、魔理沙には傷薬を塗った。

薬箱は邪魔なので魔理沙の家に置いてきて、今こうして登山だ。

 

??「待て」

鈴仙「ハイ?」

 

疲れ果てた声で、返事をした。

 

椛「おや?鈴仙さんではありませんか。魔理沙を抱えて、どうしました?」

鈴仙「…………あー、貴女『灰』って分かる?」

椛「んなッ!?何故貴女がッ!?」

鈴仙「良かったわぁ……魔理沙運ぶのちょっと手伝ってくれない?」

 

椛はよく分からないまま、魔理沙を背負う。

 

鈴仙「あーと。魔理沙の手に触れないでね。薄い膜があるから」

椛「まさか、浄夜さんの所へ?」

鈴仙「ンッンーッ!!あー…………ええ、そうよ。魔理沙は灰に侵されたの。私はそれを倒した」

椛「じゃあ、貴女は『聖なる遺体』を………?」

 

…………妖怪の山では、全体に知れ渡っていることなのか?

 

鈴仙「あの、『灰と遺体』の話は、天狗全員知ってるの?」

椛「いえ、上層部や部長しか知りません。私は警備部部長ですから、知っていました」

鈴仙「へぇ……あのさ、私が遺体持ってること、誰にも言わないでね」

椛「…?分かりました」

 

椛は首を傾げながらも了承した。

 

椛「あ、見えてきましたよ!!」

 

私はホッと息を吐いて、鳥居を潜る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浄夜「なるほど、魔理沙が……」

 

魔理沙の灰を抜いたあと、早苗が出したお茶を飲んだ。

美味しい。

 

鈴仙「初めて1人で戦ったわ………浄夜はいつもこんな重労働をしているの?」

浄夜「いやいや、うどんげが魔理沙を背負ってここまで来るほどの労働はないし」

小傘「それに、お兄さんもスタンド攻撃で気絶してる時だってあるんだよ」

 

フゥン、と相槌を打った。

 

浄夜「そういう時は仲間に助けてもらってる」

 

浄夜は小傘の頭を撫でながら、そう言った。

小傘は気持ち良さそうに笑い、えへへと声を出した。

 

魔理沙「ん……」

鈴仙「あ、起きた」

魔理沙「ここは……ハッ!?」

 

魔理沙は起きるや否や、私に土下座した。

 

魔理沙「すまないッ!!」

鈴仙「い、いや気にしてないわよ。灰の所為でしょ?」

魔理沙「お前が気にしなくても私が気にするッ!!」

 

めんどくさい。浄夜や小傘は大笑いしてるから、この状況を救ってはくれないだろうし、ハァ…じゃあ……

 

鈴仙「今度、御飯を奢りなさい。それでいいわ」

魔理沙「本当かッ!?ありがとうッ!!」

 

魔理沙は私の手を強く握り、大きく握手する。

肩が取れる。

 

魔理沙「あー、今日は帰るわ。すまなかったな」

浄夜「いや、今日は止まってけ。暗いからな」

魔理沙「いいのかッ!?ありがとう~」

浄夜「うどんげもな」

 

え?

 

鈴仙「私はいいわよ。師匠に怒られるわ」

浄夜「俺が言っとくさ」

鈴仙「そう?じゃあ……」

 

泊まることにしよう。

私はその瞬間、肩に入っていた力が抜けた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

参上!!バカルテット

浄夜「……ハァ」

ミスチー「お客さん、どうしたんですか?」

浄夜「ん、いやな?俺の友人がさ、新聞を作っているんだが、全然売れないんだ。内容だって面白いのに。すべて真実だし」

 

俺は今、屋台で一人寂しく呑んでいる。実は、色々と女将さんのミスチーに愚痴を聞いてもらっているのがここ最近の習慣である。週3のペースで来ている。

 

ミスチー「え~と、どの新聞です?」

浄夜「んー確か『文々。新聞』だったはず」

ミスチー「文々。新聞って文さんの?」

浄夜「そう、文の。見たことある?」

ミスチー「えぇ、何度か拝見しましたよ。でも、その新聞も町を歩けば、道端に……」

 

やはり、棄てられているのか。

なんでだ?どうして捨てられるのか。分からない……

 

??「まだやってる?」

ミスチー「えぇ、やってま…あぁ、なんだ」

??「なんだとはなんだ」

浄夜「ん、おや、チルノじゃあないか」

 

久しぶりに見た気がする。

が、また前を向いて八ツ目鰻を喰らう。そして、チルノが俺の隣に座る。

 

浄夜「大妖精は一緒じゃあないのか」

チルノ「うん、他の妖精を統べる者だからね、妖精の住処から離れるのは少ないの」

浄夜「大妖精ティターニア説」

チルノ「んー強ち間違いじゃあないけどね。ティターニアの娘だし」

 

へぇ、シェイクスピアは実話を書いていたのか、分からないが、とりあえずは納得した。

 

浄夜「あ、そうだ。なぁ、チルノ。文々。新聞って知ってるか?」

チルノ「知らん」

浄夜「アッハイ」

 

即答でございますか。

 

チルノ「う~ん、新聞についてはあの子が……」

??「大将やってる?」

ミスチー「誰が大将じゃ」

チルノ「撮れてる撮れてるどうも《自主規制》です」

浄夜「いや、それだと《自主規制》が名前みたいになるだろ」

 

今来た客がチルノの隣に座った。

 

チルノ「噂をすれば、だね」

ミスチー「ねぇ、リグル。文々。新聞って知ってる?」

リグル「知ってるよ。全部嘘で有名な」

浄夜「………」

 

女将さんがアタフタしている。まぁ、俺の前で全部嘘と言ったからだろう。

しかし、彼女を咎めるほど俺は小さくないよ女将さん。とか思ってたら、意外な言葉が続いた。

 

リグル「でも、実際にはそれが嘘。あの新聞は正しいよ。内容も面白いし」

浄夜「それはよかった」

リグル「え、貴方は……あの新聞に書かれていたスタンド使い?その、記者をお姫様抱っこして布団まで運んで口説いてそのまま……で、有名なスタンド使い?」

浄夜「ごめんやっぱ嘘かも。全部じゃないけど後半全部嘘だぞ」

リグル「ハッハッハ、冗談だよ。布団まで運んだことまでが真実だ」

 

女将さんからの冷たい視線がイタイ。止めてくれ女将さん、そんな冷たい目で見ないでくれ。

俺はグイッと日本酒を呑んで気持ちを誤魔化す。

 

浄夜「なんで、こんな噂がたったかわかるか?」

リグル「えーと、昔は結構人気な新聞だったんだけど、誰かがこの新聞はデマだ!!と偽造工作した証拠で、人々はその新聞から離れてった」

浄夜「……誰か、分かるか?」

リグル「いや、分からない。もしかしたらライバルかもしれないし、踏み込み過ぎて消されたか、だね」

 

……どっちもありそうだ。

偽の証拠を作るぐらいだし、そこそこの力が必要だ。

 

リグル「とは言ったものの、後者はないと思う」

浄夜「どうして?」

リグル「当時に販売されたのは事件とか犯罪とかマイナスなことは書かれてなかった」

浄夜「じゃあ、前者か。今人気な新聞はなんだ?」

 

もしかしたら、天狗同士で争っているわけか。

 

リグル「『藻部之新聞』っていう新聞。藻部政義って人が作っている新聞」

浄夜「あの藻部さんが?」

リグル「なんだ、知り合い?そっか、妖怪の山に住んでんだもんね」

 

リグルは納得したように頷き、生を注文した。

しかし、あの藻部さんがそんなことをするだろうか。いや、分かってるように言っているが、実は裏の顔だって、あるかもしれない。

 

??「Fu○k you大将」

ミスチー「出禁にするわよ、ルーミア」

ルーミア「そーなのかー……このフレーズ飽きたわ」

 

君の持ちネタだろう。気をしっかりと持て!!とか言いつつ初対面。

ルーミアはチルノとは反対側の俺の隣に座った。

 

ルーミア「ねぇミスティア、最近行方不明者が多数出てきているのよ」

ミスチー「へぇ」

ルーミア「しかもさ、『文々。新聞』が載せた名前の人が消えてるの」

浄夜「ッ!?」

 

ルーミアの話を聞いた者、全員が驚いた。

これはもう、確定だ。ライバルの仕業である。

 

浄夜「女将さん、今日はご馳走さま。お勘定は?」

ミスチー「え、あ。16文……」

浄夜「はい、置いとく。それじゃあ、また来るよ」

ミスチー「えぇ……」

 

浄夜は、妖怪の山へと向かった。鬼のような殺気を放ちながら。

 

ルーミア「何だろうね、すごく怖かったけど」

ミスチー「うん……えッ!?10銭……」

リグル「………呑もう。彼の幸運を祈って」

 

乾杯と、四人は日本酒を呑んだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

LOSER その1

ポッキーの日にもっしー(模試)


浄夜「ハッ…ハッ…ハッ…」

 

俺は今、走っている。山の中、木や大きな草を避けながら。

藻部政義、奴に聞くことにする。文の新聞の人気を奪ったのはお前か?と。

 

??「待ってください」

 

俺は、不意にかけられた言葉を聞き、止まる。

聞いたことのある声。この声は…

 

椛「どうなされたのですか?」

 

椛だ。犬走椛。

 

浄夜「どうもしてないさ……いや、聞きたいことがある。藻部さんは何処だ?」

椛「藻部さんですか?でしたら、あそこを右に曲がって……あー、急いでいるようでしたら案内しますよ?」

浄夜「助かる」

 

今、俺が急いでいる理由を知ったら、どのような反応をするだろう。

怒りで急いでいる。そして、一刻も早く文の新聞が人気になってほしい。

 

浄夜「なあ、藻部さんの地位ってどの程度だ?」

椛「えーと……すいません。あの人は分かりません」

浄夜「え?」

 

分からないとは、一体……?

 

椛「新聞部の部長なんですが、多分表向きです」

浄夜「表向き?」

椛「恥ずかしながら、天狗というのは自慢が大好きで、部長なんかの地位に就くと自慢しちゃうんです」

浄夜「椛もか?」

椛「あ、あはは…まぁ、えぇ」

 

意外だな、そんなイメージはなかった。

いや、こうやって自分の中だけでその人の性格や人格を決めちゃあいけないな。人の悪い癖だ。

 

椛「でも、藻部さんは自慢をしなかった。誰一人にも」

浄夜「……」

椛「皆は謙虚だとか、面白くないなとか、笑ってたんですけど」

浄夜「けど?」

椛「つい先日、偶然聞いちゃいまして……」

 

気になる。藻部には何がある。

その何かは分からないが。

 

椛「老いた天狗様方が『やはり、ここは藻部様に任せた方が良い』と話していたんです。」

浄夜「それは……」

椛「普通、老いて経験を積んだ者が、若い者に様を付けますかね?」

 

異様だ。

なるほど、だから『分からない』か。

 

椛「もしかしたら、新聞部の部長より良い地位に居るのかもしれない」

浄夜「だから、自慢しない…か」

椛「まぁ、全て私の憶測ですけど…」

浄夜「強ち、間違いじゃあないかもな」

 

そうだとすれば、偽の証拠を作る程の地位だとすれば、文々。新聞のことも、納得はできる。

 

浄夜「話が変わるが、文の新聞。どう思う?」

椛「面白いですよ。なんで人気がないのか分からない程」

浄夜「そうだよな」

 

よかった、椛は分かってくれる妖怪だ。

 

??「あら?どうしたの椛?そこの男性は?」

椛「え、あぁ。どうも、はたてさん。こちらは樹条浄夜さんです」

はたて「あぁ、噂の…」

 

噂…ねぇ。どんな風な噂なんだか。

 

はたて「良い身体してるじゃない。うわ、腕硬い!!」

浄夜「あの、なんですか?」

 

いきなり身体を触ってきた。しかもベタベタと。諸君、羨ましく思うか?勿論、いつもの俺は鼻の下を伸ばしていただろう。

が、今は状況が状況だ。先に進みたい。

 

浄夜「急いでいるんで、退けていただいても?」

はたて「けち」

 

なんでそうなるんでしょう。

 

はたて「『姫海棠はたて』よ。はたて、でいいわよ」

浄夜「じゃあはたて、離れてくれ」

はたて「いいわ。この筋肉の硬さに(まんじ)て離れてあげる」

浄夜「免じろよ、卍んなよ」

 

心底鬱陶しい奴だ。

少し呆れたが、ちゃんと離れてくれたのでよしとしよう。

 

はたて「ところで浄化された夜くん」

浄夜「やめろ、名前の中二病感が増す」

椛「増すというところに自虐を感じるッ!!」

 

こんなことしている暇はないのに、早く退けてほしい。

 

はたて「あら?その顔、私が邪魔くさいように感じているわね?」

浄夜「分かっててやってんのかちゃんと殺すぞ」

はたて「逆に中途半端に殺されるってなによ…まぁ、その感情も消えるわ」

浄夜「あ?」

 

どういう意味だ?

 

はたて「んで、さっきモブがどうとか言ってたわよね?」

浄夜「え、あぁ…せめて藻部と表示しろ」

はたて「ほれ、あそこ」

 

はたては、たくさんの木の中を指差した。

正直、木しか見えないのだが?

 

椛「あ、ほんとだ」

 

うそーん。俺が人間だから?格差社会は此処にも……

はやく妖怪になりたーい!!(人間妖怪ジョウヤ)

 

まあ、あの方向にいるわけだな。

 

浄夜「ありがとう、はたて、椛。あとは一人でいい」

椛「そうですか?分かりました。今度何か奢って下さいね」

浄夜「分かった分かった、それじゃ」

 

さて、藻部さんは白か?黒か?

それはまだ分からないが、確かめる必要がある。

 

浄夜「ん?」

 

ポケットにてを入れた瞬間、違和感を感じた。

これは、紙?

取りだし、広げてみた。

 

『藻部政義はスタンド使いである はたて』

 

浄夜「なッ!?」

 

どういうことだ!?はたては何者だ?

振り向くが誰もおらず、樹だけが視界に入っていた。

 

もしかして、身体を触って来たのはこの紙をポケットに入れる為?

じゃあ、最初から俺が藻部さんを訪ねると分かっていた?

 

??「おや?どうしたんだ?こんなところで……」

 

不意に声がした。振り向く。

そこにいたのは当たり前のあの人だ。

 

浄夜「藻部……」

藻部「お前の家はこっちじゃあないだろう?」

浄夜「質問があるんです、貴方に」

藻部「質問ねぇ、いいぜ。言いな」

 

遠回しにもせず、ストレートに聞く。

 

浄夜「文の新聞に、何故デマを流した?」

藻部「……っと?よく分からないなぁ。デマを?部下の?んなわけないだろう?」

 

しらを切るか。予想通りだ。

 

藻部「確かに、部下の新聞の評判が最低になったのは残念だが、正直、嘘の内容を書いたのなら自業自得だよ」

浄夜「……」

藻部「てかさ、俺の新聞がその後に有名になったから、疑ったんだろ?」

浄夜「質問を変えよう」

 

浄夜「お前は何者だ?」

藻部「俺は天狗だ。新聞部部長のな。それ以外に何が…」

浄夜「偽の証拠を作り上げる程の地位にいる天狗」

 

瞬間、藻部は沈黙した。こいつ、どこまで知っている?と、眉間にしわを寄せてある。

 

藻部「変に穿った見方をしているようだが、偽の証拠?何の話だ?」

浄夜「文々。新聞の話さ」

藻部「チッ……」

浄夜「舌打ちしたが、それは何故?」

藻部「めんどい、あぁ、そうだよ。俺が潰した」

 

何があったかは分からないが、認めた。

めんどいと言ったが、そんな理由で認めるとは、以外と弱い根性なのかもしれない。

 

浄夜「つまり、お前は敵だな?」

藻部「お前には冥土の土産はやらねぇ。手ぶらで行ってこい」

 

はたてによれば、こいつはスタンド使いだ。

どういう能力だ?

 

藻部「オラァァァァッ!!」

 

藻部が殴り掛かってきた。のだが……

え?違和感、それを感じる。

 

浄夜「……ほい」

藻部「ッ!?」

 

軽く殴ってみた。すると藻部は死ぬような痛みを感じているかのような表情をした。

正直に言うと、弱い。それも、凄く。

 

浄夜「え?えぇ……」

藻部「がぁ……ゴホッ!!」

 

弱すぎる。あんな強敵感出してこれ?拍子抜け、構えて損した。

 

浄夜「おい、話してもらうぜ」

藻部「負けた……」

浄夜「あぁ、負けだ。お前は……」

藻部「負けた負けた負けた負けた負けた負けた負けた負けたアアアアッ!!」

浄夜「んなッ!?」

 

何があった?急に壊れ始めた。

が、藻部はいきなり負けたの連発を止め、笑いだした。とうとう狂った。

 

藻部「ひひひひひひひひ、はははははっ!!」

浄夜「気味が悪い……」

 

俺はスタープラチナになり、藻部を殴ろうとした。がッ!!しかしッ!!

 

浄夜「……それが、お前のスタンドか」

 

人型の何かが、それを拒んだ。

 

藻部「『LOSER』、俺の敗けだ。負け犬さ」




スタンド名『LOSER』

能力は次回

元ネタ~米津玄師作詞作曲、2016年発表


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

LOSER その2

いやはや、待たせてしまいました。薬売り、だったものです。
気持ち改めて、また投稿させていただきます。改めついでに書き方も少し変えさせていただきました。名前表記がありません。見辛ければ感想の方に書いていただけると嬉しいです。

それではどうぞ。


すぐに戦闘の態勢をとる。

はたての言う通り、藻部はスタンド使いだった。

 

「負けることで強くなるスタンドか?」

 

「アハハハハ…あ………」

 

「だいぶ逝ってんな」

 

ロクに会話も出来やしねぇ。負けたても、普通こんなにはならない。

やるか。

 

「『シルバーチャリオッツ』」

 

変身した瞬間、すぐに奴の腹を目掛けて突く。

 

「そりゃ、避けるよな」

 

案の定、素早く剣を持つ手と逆手の方に避けた。

さてどうするか、と思ったその時、予想だにしないことが起きた。

藻部が剣を片手で掴み、折り曲げたのだ。そして折れた剣を引っ張り、俺を寄せる。殴るのか、拳を構えている。

これは、ヤバイ。俺は直ぐにスタンドを代え、回避。

 

「『ストーンフリー』!」

 

腹部だけをそれにし、糸状になる。ついでに糸を絡めてこいつの身動きを止める、つもりだった。

 

「オラァァァァアア!!」

 

「んなッ!?」

 

反射的に腕を引くのが普通だ。しかし!藻部は!逆に!体を腹部へとめり込ませたのだ!

確かにこれでは腕の固定は失敗した。しかも、この距離である以上、避けることもできない。腹部の糸を緩める間もなく奴は攻撃をしてくる!!

 

「『ラッド・ウィンプス』!!」

 

魔理沙のスタンド、ラッド・ウィンプスという手袋状のスタンドを手にはめ、液状のマスタースパークを出して奴の拳を止める。

 

「あづ!?」

 

「オッラァ!!」

 

そのまま顔面を殴り、奴は顔を痛みで抑える。その隙に腹部の糸を解き、藻部の抑えている手もろとも顔面を掴み、地面に投げ飛ばす。

 

「グガァ!?」

 

「はぁ、はぁ」

 

焦る。ここまで狂気じみた攻撃をしてくるのは初めてだった。まるで勝つことに必死なよう……

 

「『ストーンフリー』、奴を拘束しろ」

 

今度こそ行動不能だ。顔以外を全て糸で拘束、流石に奴の『負け』だ。

 

「負けたくない」

 

「まだ言うのか?」

 

「うるせぇ!!俺ほどの人材が!お前みてぇな能がない底辺の豚畜生に、負ける訳にはいかねぇんだよ!!」

 

こいつのスタンドを、少し理解した気がする。『プライド』だ。プライドそのものなのだ。『LOSER』は奴のプライドがスタンド化したものなんだ。

 

「負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない…」

 

「諦めて、灰を取られろ……ん?」

 

奴のスタンドが、奴を見下ろすように現れた。なるほど、その状態で闘うのか。悪あがきだな。

そう思った瞬間、また更に予測できないことが起こった。

 

「は、はは。戦えよ、俺のスタンドなんだからよ、ほら。早くしろやぁ!!」

 

「ウルサイ」

 

『LOSER』が奴の顔面を踏み潰したのだ。しかも、何度も何度も踏みつけ、憎しみを込めて、形も定かでないほど踏みつけた。

お前の所為で、俺の『プライド』が傷付いたと言うように、何度も何度も……自身の宿主を潰したのだ。当たり前だが、もう奴は動かない。

俺は、汗が流れるのを感じた。ヤバイ、こいつの狂気のプライドは、なんでもしでかす。

藻部政義の命は呆気なく、自身のプライドによって消え失せた。

 

「サテ……」

 

『LOSER』がこちらを睨む。次は俺のようだ。珍しく俺は恐怖を感じている。俺は汗を拭った。

 

「『スタープラチナ』『エンペラー』」

 

両腕を『スタープラチナ』にし、『エンペラー』を左手に持つ。そして構える。奴が動いた瞬間、これを撃ち込む!!

暫時、音がなかった。ただ、風にさざめく葉が静けさを際立たせた。

 

「シネ」

 

今だ。俺は奴にエンペラーを撃つ。

 

「……ッ」

 

勿論、弾丸は奴の腹部に貫通する。しかし、それでも全速力で向かってくる。予想通り、俺は『スタープラチナ』の拳をぶち込む……

 

「浄夜さん?……この死体って……?」

 

「な、文!?」

 

ハッ!?しま────

 

「グフゥ!?」

 

顔面に感じる衝撃。そこから10m程離れた木に体を打つ。

 

「フン、クソ女カ。オレノホウガ優レテルニモ関ワラズ、人気ヲヨコドリシタ、クズ」

 

「に、逃げろ……文」

 

「い、一体どうしたんですか!?」

 

文は一目散に俺の所へ駆け付ける。

スタンドはスタンド使いにしか見えない。文の、文の命が危うい。『LOSER』がこちらに歩み寄る。

 

「逃げろ!!」

 

「何馬鹿なこと言ってるんですか!?一体何から逃げれば良いってんですか!?」

 

「良いから逃げろっつってんだよ!!」

 

怒るような口調で逃げるように促した。普段、俺はここまで怒鳴ったりはしない。だから、効果があるかと思ったが、逆効果だった。

 

「逃げたら、貴方はどうなるんです?」

 

「ッ!!」

 

「ここに……何がいるのですね?私に見えない何かが」

 

自分を呪った。文はスタンドを見ることをできない。そんな文を闘わすハメになった。『LOSER』は、文の目の前にいる。

俺は文の足を蹴り、転ばせる。

 

「痛ッ!?何するんです……」

 

瞬間、俺のよし掛かっている木が折れ、ぶっ飛んだ。これで分かってくれたかと文の顔を見るが、そんなわけなかった。

 

「つまりここにいるのね?」

 

文は俺が先ほどしたように、『LOSER』に足を払う。奴も予想していなかったのか、避けることなく、情けなく転ぶ。

そう情けなく。プライドは十分傷付いた。

 

「ブッ殺ス!!」

 

文に拳を振るう。その拳は文の顔面を────

 

「文、良くやったよ」

 

当たらない。俺は文が殴られないように抱き寄せ、奴の拳を受け止める。

 

「じょ、浄夜さん?」

 

「『ワンオクロック』。固いシャボンを作り、大きくなればなるほど、割れたときの衝撃は大きくなる」

 

俺は『LOSER』の拳を離す。すると、奴の拳はシャボンに包まれていた。しかも、かなり大きい。

 

「同じ視線になってくれたお陰で、テメーの拳を掴むことができた、やれやれだぜ」

 

呆れたようにため息をつき、指をならす。

すると、シャボンは大きく音を立て、割れた。

 

「グギャァァァァアアア!!!」

 

奴の腕は消し飛んだ。痛みに耐えられず、地面を転がり、藻部さんの死体の元へと着いた。

 

「シャボン繋がりで『ハウンド・ドッグ』」

 

『ハウンド・ドッグ』を飛ばし、それが奴の体に付いた瞬間、奴は本体だった死体もろとも爆破し、形も残さずこの世から消え失せた。

 

「ハァ……疲れた」

 

「あ、あの……」

 

「ん?」

 

文は何やら申し訳なさそうにこちらを見詰める。大体予想はつくがな。

 

「ごめんなさい、私としたことが取り乱してしまいました」

 

「もういいよ。もう終わったことだし、なんにせよ、文がいたから勝った」

 

「……私の為に闘っているって、はたてから聞きまして、それでいてもたってもいられなくなって……」

 

はたて、か……彼女は何者なのか?俺が藻部と戦うことを知っていたようだった。どうにも、それが不思議でしかたがない。

あの娘は、一体何を、どこまで知っているのだろうか?

 

「ごめんなさい」

 

「文が無傷なだけ良かったよ」

 

「でも、浄夜が傷付いた」

 

「こんなん慣れたよ」

 

そう言い、立ち上がる。傷を『ゴールド・エクスペリエンス』である程度を治癒する。

 

「家に帰るか、寄ってくか?少し話したいことがある」

 

「え、えぇ。勿論です」

 

その焼け焦げた草や木を置いて、俺らは神社へと足を運ぶ。話はまだ、終われない。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

君の意見を聞こう

「そうだったんですか……あの藻部さんが、スタンド使い……つまり、灰の支配下に生きていたってことですか」

 

文は座布団の上で膝を折り、翼を畳んでいつになく真剣な表情を見せる。まぁ、それもそのはずだ。上司が自身の売っていた新聞の売り上げやこれからの人気を阻礙をしていたのだから。

 

「いや、断言はできない。顔が潰れて、本当に灰があったのかは分からないんだ」

 

「え、スタンドって灰か遺体がないと出てこないんじゃ?」

 

そう勘違いしても無理はないか。この際、文だけではなくて、この異変に関わっている、若しくは関わるであろう人達に話すか。

 

「文、頼み事だが……」

 

「なんですか?」

 

「俺がメモに書いた人達をここに呼んでほしい。俺は地底の人達を呼んでくるから」

 

 

「急に呼び出してどうしたの、浄夜?」

 

「あぁ、集まってもらってすまない。文もありがとう」

 

「いえいえ、それで……どういったお話しなんですか?」

 

文は謙虚に「これしきのことは」と、手を小さく横に振る。そして、俺が話すよう促した。

ここにいるのは、守矢組、天狗組、地霊組、永遠組、紅魔組、命蓮組、八雲組、霊夢、遺体を持っている者と灰を持っていた者。

こんなにも多く居たのかと、少し感心してしまった。いや、関係者が増えるのは良くないが……

 

「話というのはな、この異変についてだ」

 

「異変って……『灰』のこと?」

 

霊夢の質問に俺は頷く。

さて……俺はまず始めにスタンドの説明をした。その次に今の現状、そして、神様の存在。

 

「神様から授かった能力、ですか……」

 

さとりは神奈子をチラと見ると、見られた本人は気まずそうな顔をする。

お空は、訳もわからないと頓狂な顔だがな。

 

「俺は確か……この異変の真相に気付いていたんだ」

 

「なッ!?どういう、異変なの」

 

「それがだが……だな。何て言うかなァ……忘れたんだ」

 

ここにいる全員が「は?」と疑問を投げ掛けながら俺を睨んだ。

 

「俺がスタンドを使って、わざと記憶から除外したんだ」

 

「な、なんで!?どうしてそんな頭のおかしな行動をするんだァァァッ!?」

 

魔理沙が机を勢いよく叩きながら立ち、俺を指差して、責めるように、否、責めた。しかし……

 

「それも忘れた」

 

「ッ!?バ、バカじゃねえの……私らを揶揄してんのか?」

 

「魔理沙、落ち着きなさい。落ち着きがなければ、彼が話したい事が話せないし、私達が聞くべきものも聞けないわ。そもそも、意図なく彼がそんなのことするなんて、考えられないわ」

 

意外にも紫が俺のフォローに入る。珍しく真剣な顔でそれを言い放ち、魔理沙も少し深呼吸に似た呼吸をし、不貞腐れた顔をしつつも、その場に座り直した。

 

「ありがとう」

 

「えぇ、感謝してほしい限りですわ。今度アイス買って」

 

「お、おう」

 

それで良いのか。

 

「ただの推測になってしまうが……記憶してしまうと自分に不利、及び相手に有利になってしまう可能性があるから」

 

「そんな、どんな不利有利があれば記憶ごと消してしまうのよ……」

 

雛が呟いた言葉がやけに耳に残った。確かに、俺も前の自分が信じられない。あの時、俺が『ビートル』に引きずり込まれたとき、あの話以外に何を話したのか?

 

「まぁ、つまり手がかりがない。だから、何かそれらしい情報を、俺に欲しいんだ」

 

「手がかり、ねぇ……そういえば」

 

「ん、どした紫、心当たりがあるのか」

 

紫がそれっぽい反応をする。これでなにもなかったらスタプラ100連発だ。

 

「私の友人に『西行寺幽々子』っているんだけど、それを慕っている『魂魄妖夢』って娘が最近様子がおかしいらしいのよ」

 

「魂魄妖夢って確か………」

 

「そう、貴方も異世界の方の妖夢には会ってるでしょう?あの娘よ」

 

あの、白く靡く髪が特徴の人だろうか?もし今の話が本当であれば、言い情報だ。

 

「そーいや、最近見ねぇな。人里で会うからよく話すのに」

 

魔理沙の一言で更に信憑性を増す。これは、行くべきだろう。灰は考えにくい、もし持っているのなら自ら遺体の持っている者へと向かうか、自身の方へと来るように促すのだ。しかし、妖夢はそれをしない。

つまり、いや、断言までは流石にしないが、遺体を持っている可能性が高い。

 

今残っている遺体は、ジョナサン・ジョースター、空条承太郎、空条徐輪、ウィル・A・ツェペリ、ジャイロ・ツェペリだ。ジョセフ・ジョースターは『ライフ・ウィル・チェンジ』の奴に取られた為に、ノーカウント。

 

「そうだな……誰か同行してくれる人はいるか?」

 

「私が行くわ」

 

真っ先に手を挙げたのは、パルスィだった。

しかし、灰がなくなってもスタンドは扱えるのか?

 

「と思っているでしょ?」

 

「わおエスパー」

 

「使えたわ、貴方が地上に出た後に試みたらね」

 

こいつは良い、グレートだぜ。

 

「よし、じゃあ明日、その妖夢って奴のところにパルスィと行く。他は情報を集めてくれるとありがたい」

 

全員が頷き、決意が固く結ばれた。この決意は決してほどけはしない。緩みもしない。この中に裏切り者がいない限り……

俺はそれがないよう、深く祈った。

 

「ところで、どこに行けば会えるんだ?」

 

「冥界」

 

「……は?」

 

俺が死なないよう深く祈った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

日常編 No.6
ストーンフリー


「さ、着いたわ。私はスタンドがないからここまでね」

 

「ありがとう」

 

紫のスキマで一気に冥界までたどり着いた。夢るだけで物臭に感じる程に長い階段があり、頂点には小さく枯れ木が見える。

しかし、この距離でこの大きさならば、さぞ間近で見れば大きいのだろうなと、少しこれから闘うかもしれない者としては頼りない思考を巡らしていた。

 

「こんなに大きい屋敷……妬ましいわ」

 

「確かに羨ましい」

 

「いや、妬ましいわ」

 

…………

 

「羨ましい」

 

「妬ましい」

 

「いいや!羨ましいね!」

 

「いいや!妬ましいわ!」

 

「「お前のそれは違うだろォォォッ!!」」

 

もう頭に来たぜッ!!妬ましいくない、羨ましいんだァァァ!!

 

「早く行け」

 

「「イテ」」

 

 

「着いたな」

 

「そうね」

 

頭に、紫が作った瘤を二人で乗せて階段があと一歩登れば頂上というところまで来た。

なんというアホ面だろうか?二人揃ってアホだ。

 

「さて、早速出迎えが来たようだ」

 

こっちに歩み寄ってくる白い髪の毛をした少女が、腰に付いてる日本刀の柄に手を掛けて、今かと抜きような勢いの形相だ。

 

「何者でしょうか?」

 

「スタンド使い」

 

「……つまり、私の『聖なる遺体』を盗る気なわけですね?」

 

予想通り、彼女は遺体を持っている。あとは誰の遺体か。まぁ、それは、結局闘うのだろうから、その時だな。

 

「盗る気ではないが……取り合えず、君自身の現状を知ってほしいんだ」

 

「私の現状は私がはっきりとわかっています。なんせ、私なのですから。私は私、当然でしょう?」

 

俺は一段登ろうとして動いた瞬間、彼女は刀を抜いた。それに驚きつつ、動きを止める。

 

「一段、それは死への一歩。ここは冥界ですから、覚悟はありますよね?」

 

自身の持つ『遺体』の為に、人を殺すのを躊躇わない。そんな眼差しを向ける。これは、確かに死を覚悟しなければならない、重い重い一歩。しかし……それは疾うにできてる。

俺は足を、一段に乗せた。

 

「……?」

 

「では、攻撃を始めましょう」

 

すると、踏み入れた一段に違和感を感じる。重力に対する抵抗を、足の裏に感じる。

これは……『糸』?

 

「はッ!?『ハウンド・ドッグ』ッ!!」

 

パルスィは俺の2m程の右に向かってスタンドを放つ。すると、爆発が起こり、なにかが飛び散った。

 

「イテ……刃物?」

 

「斧ですよ、糸でトラップを作っていたんです」

 

「糸か……つまり君の遺体は『空条徐輪』だな?」

 

反応はない。それは『Yes』を意味する。俺は飛び散った刃物の破片によってできた切り傷等を『ゴールド・エクスペリエンス』になった腕で治し、そのまま刃物の破片を妖夢に投げつける。

 

「下らないですね、そんな攻撃」

 

妖夢は慣れた様に刀でそれを弾き、地面に落ちた。予想通りだ。

 

「なッ!?」

 

その破片が落ちた場所から木が生えてくるッ!!刺さると致命的だ!!

妖夢は即座に糸でできた網を作り、枝の成長を物理的に止めつつ、すぐにその場を離れた。

 

枝が糸を破り伸びきる。大体後ろの枯れ木と同じ位だろう。妖夢の指からは血が滴る。彼女はそれが流れ出る元の傷を、糸で止血する。

 

「オラァッ!!」

 

なんとッ!!妖夢はッ!!刀を投げたッ!!

戦いにおいて、自分の武器を投げて攻撃をするのは最終手段だ。それを彼女は、切羽詰まった訳でもなくッ!!容易くそれを投げたのだッ!!

 

「あっぶねぇ!!」

 

右手で刀の側面を殴り、左へと飛ばす。がしかし、妖夢の攻撃は終わっていない。

 

「フッ……」

 

妖夢が何故か回転をした。不思議に思うと次の瞬間ッ!!刀が妖夢の周りを、いや、先程浄夜が生み出した木の幹を軸に一周して、また刀が俺を攻撃するッ!!

 

「うおッ!?」

 

咄嗟にしゃがむが、回転が速く、すぐに襲い掛かるッ!!

ジャンプ、しゃがむ、ジャンプ、しゃがむ……しかも、そのスピードは元が速いのに、更に加速していくッ!!

 

しかし、次第に範囲は木を中心としているので、狭くなる。俺はやっと苦しい避けゲーを脱出した。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「もう一度ッ!!」

 

妖夢が糸を引っ張るッ!!今度は逆回転だッ!!

流石に体力が持たないッ!!

 

「うおおおおおッ!!『アヌビス神』ッ!!」

 

日本刀を『アヌビス神』で受け止めるが、衝撃が強く、果して手首を骨折した。

 

「うぐッ!?」

 

「おや?手首が折れましたか。まぁ、関係ありません。貴方のその行動を『待っていた』んですよッ!!」

 

驚く間もなく、俺は糸に拘束されたッ!!

その後にやっと理解した。刀に付いていた糸が俺を拘束したんだッ!!刀を受け止めることに気を取られ、糸の動きに気が付かなかったのだッ!!

 

「それにしても……貴女、一体何をしに来たのですか?」

 

「ッ!?」

 

「私に怖じ気ついて…フン、滑稽です。膝、笑ってますよ?」

 

パルスィは恐怖していた。彼女の言う通り、今までにない以上に、恐れていた。

妖夢は勝ちを確信して、パルスィを拘束するために歩み寄る。

しかし、彼女はここで気付くべきだったのだ。パルスィが『一歩も退かない』時点で。

 

「貴女…その、浄夜に使ってる糸が切れたら、腕一本消えるんじゃあないの?」

 

「まぁ、そんな事態は起きませんがね」

 

「そうかしらッ!!」

 

すると、パルスィは『ハウンド・ドッグ』を投げた。悪足掻きのように。当然、先程の斧の破壊を見てしまっては避けるのは当たり前だった。

 

「私が誤って弾こうとするとでも思いました?安直、滑稽、愚行ですよ?」

 

「いやぁ、貴女、丁度良い!ン~ッ!!妬ましいぐらい、丁度良いわ!!」

 

「は?」

 

気でも狂ったか、パルスィは奇妙に感じる程、恐怖が消えていた。それはパルスィ自身も、心の中で驚いていた。

 

「ホント、妬ましい。けど、羨ましくはないわね。そうでしょ?浄夜」

 

「あぁ、今回ばかりは、丁度良過ぎて妬ましいな、羨ましくはないがなァ!!」

 

妖夢は訳が分からなかった。取り合えず急いでパルスィを拘束しようと糸を出したその瞬間ッ!!後ろから爆発音。

 

「貴女は狙ってない。私が狙っていたのは『貴女の後ろの木』よッ!!」

 

妖夢は急いで刀を取りだし、木を斬る。パルスィや浄夜も、それには驚いた。しかし、驚いただけであった。

 

ブチッと、なにかが切れる音。

 

「ッアアアアア!!?」

 

「浄夜を取り巻いていた糸、切れちゃったの?貴女が私と木の対角線上に『丁度良く』いてくれたからよ」

 

妖夢の手首が離れ、多量の血が溢れる。

浄夜を拘束していた糸はほどけ、その瞬間、妖夢の手首も元に戻っている。

 

「あ、あれ?手がある?でもさっきなくなって……」

 

「俺が治したんだよ」

 

彼が……樹条浄夜が崩れ落ちた彼女の前に、既に立っていた。彼の表情は……ブチギレていた。

 

「過度な運動は嫌いなんだよ。それをお前、面白がってたなぁ?」

 

「あ、いや、その、ですね?なぁんていうか……わ、私も悪かったなぁて思ってます。ほ、本当に」

 

「で?」

 

「ゆ、許して、ください?」

 

浄夜は息を大きく吐いた。そして首を鳴らし、指を鳴らす。

 

「無理だね」

 

 

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ、オラァ!!

 

 

「ぶべらッ!?」

 

「女の子を殴るのは、心が痛むぜ……」

 

「絶対、思ってない」

 

最初の頃の浄夜は、女子が腰を抜かしただけで自身の行動を強く呪った。

しかし、いつしか幻想郷に慣れてしまい、その感情は薄れていったのだッ!!

 

「いやいや、ホントホント!ハッハッハッ!」

 

「ハァ~やれやれだわ」



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

魂魄妖夢は動けない(怪我的に)

やっばいな、投稿遅くなりました。申し訳ありません。


「妖夢が迷惑かけました」

 

「いえいえ、そんな」

 

俺は今、白玉楼の中、魂魄妖夢が仕える主人の『西行寺幽々子』の屋敷にて、その西行寺幽々子とパルスィと俺で鼎談している。

妖夢?彼女はミイラみたいに包帯巻いて、隣の部屋で寝ているよ。

 

「彼女…妖夢に『遺体』とやらを授かってから、とても被害妄想をするようになってたの。誰かが私を殺しに来る、とか」

 

「ふむ…」

 

妖夢は恐らく、俺や今まで遺体を持っていた人達に比べて、信頼できる人はこの人だけだった。しかし、彼女はこの人に仕える身として、相談などがてきなかったのだろう。

 

「その、突然遺体を手に入れましたか?」

 

「え?」

 

この質問は今まで持っている人達にはしていなかったのだが、大体は異変時に手に入れていた。いや、言い方に語弊がある。異変時には、絶対的に遺体を持っている人がいたのだ。

もしかしたら、遺体を手に入れるキッカケがあるのかもしれない。

 

「そうねぇ……特にないかしら。紫が遊びに来た程度よ」

 

「…なるほど」

 

紫はこっちサイドの者だからあまり関係はないだろう。友人の家に行くのも何ら不思議ではない。

やはり、ただの偶然か。

 

「ありがとうございます、俺らはこれで失礼させていただきます」

 

「えぇ、お気を付けて」

 

「あ、そうだ」

 

俺は妖夢が寝ている部屋へ入り、腕を『クレイジー・ダイヤモンド』にして、彼女に触れる。

するといつものように傷は直ぐに治っていき、目こそ覚ましはしないが、表情は憑き物が取れたかのような、清々しいものとなった。

 

「妖夢に言っておいてください。俺は君の敵ではない、とね」

 

 

「といった感じだった」

 

「なるほどなぁ…妖夢も遺体を持ってたのは驚いたぜ」

 

「本当、いつも慌ててるような、あの妖夢がね」

 

俺は博麗神社で霊夢と魔理沙に、白玉楼での出来事を話していた。

彼女と一緒に。

 

「あの妖夢ってなんですか!?私だって、少なくとも貴女達よりはちゃんとしてますよ!!」

 

魂魄妖夢と。

 

「ハイハイ、寝言は寝てから言ってね」

 

「んなッ!?」

 

「落ち着けって、怪我は治ってても貧血気味なんだから」

 

「誰の所為だと思ってるんですか!?貴方ですよ貴方!!」

 

誰だ?俺の方角を指差すので、俺は後ろを振り向く。

 

「樹条浄夜だってんですよォォォォォッ!!」

 

「オレェ?正当防衛だろ」

 

「傷を治してからまたぶん殴るのッ!!どこがッ!!正当防衛なんですかァァァァァッ!!」

 

見ての通り、すっかりと元気になったようだった。あれからずっと心配だったんだよ。チルノの遊びで凍らされる蛙の次に心配だった。

 

「落ち着けって、お前にも非がある。命を取られそうになったのに、お前は生きてる。全然責められないな」

 

「うぅぅぅぅ!!許しませんからね!?」

 

「結構だ」

 

さてと、無駄話は置いておき、本題に入るとしよう。

 

「妖夢、お前が遺体を手にしたとき、遺体はお前に何を囁いた?」

 

「えっと…地面に地図が浮かび上がった後に、ストーンフリーが『 Tu es gratis(トゥ アス グラティース)』って言ってました」

 

「とーあすぐらてえす?」

 

「またラテン語か…恐らく『君は自由だ』って意味だ。全く自由じゃなかったがな」

 

「へぇー、よくラテン語とやらを知ってるわね」

 

「あれ?そういやなんでだ?」

 

何故、俺はラテン語を知っているんだ?分からないな…

どうでも良いか。別に気にする程のものでもない。

 

「その、地図が浮かび上がったって言ってたな?どこを指していたか、分かるか?」

 

「確か…妖怪の山だったはず。守矢の西側」

 

「え、マジ?」

 

灯台もと暗しとはまさにこの事だ。住所のすぐ近くにあるじゃあないか。

 

「あの地図ってなんなんですか?」

 

「次の遺体の場所だよ」

 

「なるほど…」

 

「細かい位置とか分からんし、案内してくれないか?もしかしたら、闘うことになるかもしれないが…」

 

「構いませんよ、私に斬れないものなどあんまりありませんから」

 

あんまり、なんだ…

少し不安になったんだが、大丈夫だろうか?



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。