オーバーロード 両剣の担い手 (忌味)
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過去の約束を果たさんがために
どうぞ!
DMMO RPG
完全フルダイブ型のMMORPGであり、多くのネトゲ廃人を生みだして止まない100年以上前の人間が夢見たゲームの究極形態の1つである。
そんなDMMO RPGの中で大きな注目を浴びたゲーム《
ユグドラシルが大きな注目を浴びたのは自由度が行き過ぎているといっても過言ではないくらい高かったのだ。
数多のアバター、職業、スキル、アイテム
どれをとっても他のゲームと比べて何倍も…いや何十倍も差があった。
いや本当に…本当に…
「ここがそうか…」
廃れた神殿のような建物の前には鎧を着た165㎝程度の男と少女二人がいた。
神妙な面持ちで息を整え、時間を確認…時刻は20:39:23…
今日が終わりを迎える00:00:00にこの世界《
その前にどうしてもこの男にはしたいことがあったのだ。
いまだ誰も攻略できていないダンジョン…
まぁこの場所は正確にはギルドハウスであるのだが、構成員がすべて異形種であり、NPCですら純粋な人間が1人としていないのだからダンジョンといってもいいであろう。(人間種であるエルフは複数いる)
つまり彼のやりたいことというのはギルドランキング最高9位であり、
「本当はみんなと来たかったんだけどなぁ…」
そんな言ってもどうしようもないことを男はつぶやく。
ギルドには所属していなかった彼でもフレンドは多くいた。
だがいずれも引退してしまい残ったのは彼1人である。
隣にいる二人の少女はNPC…プレイヤーではなくAIといわれる人工知能で動くいわばただのプログラムだ。
だが多くの時間、フレンドが引退する前も引退した後も、本当に長い時間一緒にいたのだ。
………たとえフレンドが居なくたって、話すことはできなくてたって、最後を共にするには十分すぎるじゃあないか!
そう自分に言い聞かせ彼はついに一歩を踏み入れる決心をした。
ここナザリック大墳墓には《階層守護者》と呼ばれるレベル100NPCが何体かいる。
自身や自身の作り出したNPCもレベル100であるがなにしろ時間は限られており、1対1体に時間をかけている余裕はなかった。
そのため課金アイテムではあるが《虚像の羽織》を使い奥まで行く作戦を立てたのだ。
《虚像の羽織》は20分間、プレイヤー以外、つまりモンスターやNPCから発見されないというダンジョン攻略には必須なアイテムである。
ただ、もちろんデメリットはありパーティーを組んでいるプレイヤー以外が見るとたちまち効果がなくなり、さらには近くにいるモンスター、NPCのヘイト値が最高位まで高まってしまうというものである。
「最終日だから何人かプレイヤーがいてもおかしくはない…だけどそこまで多くのプレイヤーがいるとは思えないし、大丈夫なはず…だよな…?」
思わず少女二人に話しかけてみる。
当たり前だが返答なんてものは来なかった。
ため息を1つそのあとには大きく息を吸い込み全速力で地面をかけだした。
そして20分後彼らは第6層にいた。
早すぎる進軍のようだが敵キャラがおらずただダッシュするだけなのだから考えてみればこの程度が妥当なのかもしれない。
先のアイテムはリキャストタイムが3時間と長くもう発動することは不可能だ
だがそれでも最強の一角を担う1~3層の階層守護者である吸血鬼をスルーできたのは大きかった。
近距離の圧倒的な戦闘力に加えてHPの吸収能力を持つ《スポイトランス》を所持しているのだ。
負けることはないと思うが長期戦になるのは必須であった。
「ここまで順調だとなんだかんだで簡単に攻略できるんじゃあないか…?」
半分以上を課金アイテムを使用したといっても20分という時間で攻略したのだから男から楽観的な言葉が出てくる。
しかしこういう言葉を発してしまった時に限って試練というものは降り注ぐのだ。
「「……… 」」
二人のエルフが木の陰から現れてきた。
第6層《階層守護者》エルフの双子である《アウラ・ベラ・フィオーラ》と《マーレ・ベロ・フィオーレ》だ。
「ヤイバ、マナ!」
小さく、それでいて鋭くそう発音する。
先ほどの発言がシステムによってフラグと判断されたのだろう。
そんな機能このゲームにはないわけなのだが、やはりこのタイミングで現れるのは何かしらが働いたと考えるのが妥当である。
そうくだらないことを頭の中で思い浮かべて自身の子供たちが前に出るのを見送る男。
ここからは別行動だ。
残る階層守護者はこの双子を残して二人。
本当のダンジョン攻略はいまから始まるのだ。
「これはひどい…」
ナザリック地下大墳墓第十層《玉座》
そこには豪奢な装飾を身に着けた骸骨がいた。
最高位職である《
幾人かのメイドと純白の悪魔という思わず聞き返してしまうような美女もいた。
モモンガはなにをひどいと称したか。
それはこの純白の悪魔《アルべド》のキャラ設定である。
最後の瞬間を玉座で迎えようと思ったモモンガは何の気もなしにたまたまアルべドの設定を見て、最後の1文をたまたま目にしてしまったのだ。
その一文とは…
…ちなみにビッチである…
まさしく開いた口が塞がらないとはこのことだろう。
「……さすがにこれはひどい…最後だしいいよな…?」
そう言って豪奢な杖を使用しウィンドウを開き最後の1文だけを書き直した。
「うわっ恥ずかし!」
そう言い顔を覆う骸骨、見た目と行動と声のトーンがあっておらずいっそ怖さ倍増な映像である。
そしてふと彼はあることに気付いた。
この場にいるメイドたちが棒立ちであったことだ。
「ひれ伏せ!」
そう言い部屋にいた全てのNPCを跪かせた。
一息ついたモモンガはとある旗に骨の指を向ける。
そして小さく…俺…とこぼす。
そのまま指を横にスライド…タッチ・ミー…と、
…死獣天朱雀…と、…餡ころもっちもち…と、…ヘロヘロ…と、…ペロロンチーノ…と
呼ばれた名前は旗の数と同数、それによって思い起こされた記憶は数え切れないほどであった。
そうして気づいたのだ。
最も当たり前で、ゲームの最終で最高目的を果たしていたのだと…
「そうだ、楽しかったんだ…」
楽しい。
RPGゲームで忘れてしまいがちな感情。
義務感にかられ、作業に走り、ただ効率だけを重視する。
だが彼らはちゃんと楽しんでいたのだ。
心の底から笑いながらダンジョンに潜り、協力してモンスターを狩り、時にはくだらないことで1日潰し…
「あぁ、この世界を俺は愛していた。たとえ一人になっても愛していたんだ…」
しみじみと声を漏らす骸骨。
その姿には恐怖はなく哀愁が漂っていた。
このまま1人でこのゲームの終焉を迎えるのも悪くないと彼は思い始めた。
「過去形で語るのはまだ少し早いんじゃあないか?」
そう、彼が玉座の間の門を叩くまでは…
「おっす、久しぶりだね、モモンガ!」
明るく声を掛け右手を上げる男。
「ぁ、…あぁ…」
「どうしたんだ?そんな変な声を出して…約束通り来てやったんだぞ?」
エッヘンといった様子で胸を張る男に歓喜によって言語を失いかけるモモンガ。
昔、2年以上前の話だろう。
確かにモモンガはこの男と約束した。
…お前の城は必ず俺が壊す、だから絶対ほかのやつに壊させんなよ!
と。
「約束を果たしに来た!って言ってももうそんな時間がないんだけどね…」
モモンガは流れない涙を必死にとどめ何とか声を出す。
この男の名前を呼ぶために。
約束を果たしに来てくれた友を祝福するために…
「サイさん!!」
「おう!」
男もそれに反応していい笑顔を浮かべた。
何を話そうかわからないモモンガは口を開きかけ、閉じて、という行動を3度ほど繰り返す。
それを見た《サイさん》と呼ばれた男は武器を構えた。
両剣、ツインセイバーを呼ばれる棍の両端に両刃の刀が付いたような武器だ。
「誰かが…いや、俺がここに来たら、ギルドのトップとしてやるべきことは決まってるでしょ?」
おどけたように言う男に対し、はっとなった表情のモモンガ。
そうして彼は雰囲気を変え、わざわざ来てくれた
「ようこそ我がギルドの最奥、《玉座》へ哀れな人間、
こここそが我がアインズ・ウール・ゴウンの本拠、そしてお前の墓場だ!
帰るなら今のうちだぞ、矮小な種族よ」
そして男、、、細波もRPで応じる
「あいにく帰る場所もないんでね、ここが俺の墓場だっていうならせめてモモンガ、あんただけでも一緒に連れていくよ!」
時刻にして23:57:34
残り時間は3分を切った。
「ふん!虫が何か言ってるな…よい、私は私の持てる最高威力の技にすべての魔力を乗せよう」
「あぁなら俺も次の1撃にすべてをかける!」
時間制限が設けられたこの現状で最高の戦いを演じるにはこれしかない。
二人はそう感じ取っていた。
「行くぞ、死の準備はできたか?」
「そっちこそ、2度目の死がすぐ近くまで近づいてるぞ?」
もう何も話すことはない。
否、
「超位魔法ー《
何かしらのアイテムを使用したのであろう詠唱時間は皆無といってよかった。
それに対し細波のほうは持っていた両剣が金色の輝きを宿す
「《
まさに空がそのまま落ちてくるような巨大な魔力の塊と、そしてその光によって大きさが10メートルはあろうかという大きさまで成長した両剣の無数の剣劇、乱舞が衝突を起こした。
これくらいの文字数でやってきます~
感想意見、誤字脱字報告お待ちしてます~
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そして伝説は始まる
2つの奔流に世界が白く染まった。
強すぎる力がぶつかり合い、爆発をしたのだ。
その爆発は二人のプレイヤーを巻き込み、部屋全体を覆う。
PVPで発生した攻撃は周りのプレイヤー、NPC、モンスターにはダメージを及ぼすことがないのでメイドやアルべドといったものにダメージを与えることはない。
まぁ仮にダメージが通るのであったらレベル100のアルべドはともかくとして、メイドたちは一瞬にしてそのHPを全損させていたことだろう。
超位魔法に真正面から切り込み、爆発の中心地に一番近いところにいた細波は大きくふっ飛ばされ入口近くの地面に体を強打する。
一方、後衛職であり、ある程度爆発からの距離もあったモモンガであったが、やはりこちらも爆発によって壁にたたきつけられる格好となった。
「………ははっ!たのしいなぁ…」
モモンガがたたきつけられた壁からそのまま地面に落ち、思わず言った一言。
それを聞いた瞬間に、細波はここまで来た甲斐があったのだと満たされた気持ちになった。
時刻は23:59:02
残り時間は約60秒。
先の1撃をもってこの戦いは終焉を迎えた。
理由は単純だ。
二人とも満足したからだ。
話すべき話題はもう尽きた。
だから残るのは別れの挨拶のみ。
「モモンガ、今までありがと、結局時間内にこのギルド攻め落とせなかったけど…約束破っちゃったかな?」
「何言ってるんですか、約束した時に自分はこういったはずですよ『そもそも誰にも落とさせるわけないですよ』と、俺とサイさんの約束はあくまでも後者の『誰にもこの城を落とさせない!』ってことだけのはずです」
「そっか…」
「そうです……」
残り30秒ほどしかない貴重な時間だが3秒ほど空白の時間が生まれた。
二人にとっては何もない、空白の時間すら掛け買いのないものであったのだ。
「サイさん、ありがとうございました。異形種である自分と初めてptを組んでくれた人があなたでよかったです」
「こっちこそ、pkとかいろいろある中で信用してptを組んでくれたんだからお互いでしょ?」
当たり前だといった風に笑いながら言い返す細波。
それもそうですねといった風に脱力するモモンガ。
ゲームのつながりなんてものはとても希薄なものだ。
片方がゲームにINしなければもう切れてしまうし、ゲームのハードが壊れてしまえば引退したと勘違いされてしまう。
だが、いや、だからこそそんな希薄な関係性を維持し、ゲーム終了までつなげてきたのだ。
間違いなく彼らは『本物』であると言えるだろう。
「じゃあね、モモンガ」
「はい、これでお別れです、サイさん」
また会おう、とは言わなかった。
リアルでの連絡先はもちろん知らず、会えないことは目に見えているだろうし、何よりこの世界でのつながりであり、絆だったのだから、この世界に残していくべきだ。
二人とも心の中でそう感じていたのかもしれない。
残り20秒となり、モモンガは彼のすべてといっても過言ではないギルド武器《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を掲げた。
意図を察して細波も己の相棒である両剣《ツイン・ゲイヴァルガ》をアインズの杖に合わせる。
残り時間は15秒と無い、すぐに現実に引き戻されると分かっていながらも、この二人は最後までこの世界に酔っていたいと感じていたに違いない。
「サイさん…いや細波よ、我、アインズ・ウール・ゴウン41名が統括、モモンガが認めよう。貴様はこの私が信用にたる、素晴らしき人間であると」
「じゃあモモンガ、俺が、1度だけど人間種最強を関した俺がお前を認めてやる、お前は俺が全力を出して戦うに値する最高の敵であり、背中を任せられる最高の友であったと」
きっと現実世界の互いの目には涙がとめどなくあふれていることだろう。
だが、そこにいる骸骨と人間の姿にはまったく悲しみはない。
あるのはただの感動だけである。
好きだった物語が終わりを迎える。
そんな時誰でも感じるだろう。
終わって欲しくない、という気持ちが結末の感動に押しつぶされるのを…
そうしてたどり着いた終わりには、満足感さえあれど悲しみは生まれえないのだ。
そうして時刻は23:59:58
23:59:59と時を刻み…
00:00:00へとなり、すべては終わりを迎えた。
はずだった。
一番最初に異変に気が付いたのはモモンガだ。
あれほど感じていた感動が一瞬の違和感を持って10分の1程度にまで減少してしまった。
時間が感動を薄めることは往々にしてあるがさすがにこれは異様だと思う。
現実に引き戻されるという意識が最後の最後に戻ってきて水を差しているのだろうか?
モモンガは首をひねる。
「ねぇ、モモンガ…」
そんな彼に細波は問いかける。
「ん?どうしたんですかサイさん?」
「時間すぎてるんだけど…………ってうをぉ”!?」
モモンガに話しかけた言葉は突然襲い掛かってきたアルべドによって中断された。
「ちょ、急になにすんだよ、モモンガさん!」
NPCは命令されたりしない限り、もともとプログラムに記された行動しかしないのはこの世界の常識である。
だから細波がモモンガに叱責するのは当たり前のことであった。
「あれ!?俺は何もコマンド出してないですよ!?」
再び武器を構える純白の悪魔。
「先ほどまでは『ひれ伏して見よ』、と言っておりましたがさすがに我慢の限界です…」
どこからか声がする、モモンガが発したのでなければもちろん細波が発したわけではない。
ではこの言葉の発生源はどこなのだろうか?
それに同時に気が付いた二人は声をそろえて言った。
「「NPCがしゃべったぁぁぁぁl?」」
「耐え難い、えぇ耐え難い、モモンガ様に認められるのがうらやましいわけでは決してありませんよ?我が主が人間ごときに同格に見られるのが実に気に食いませんね」
嫉妬心前開である。
モモンガはふと先ほどアルベドの嫉妬をしているような言動から彼女の設定を『実はビッチである』からあるものに書き直したことを思い出したが、結局のところ正確な現状判断はできなかった。
「あ、アルべド落ち着け!」
そんな状況でも静止の声をかけるのだからさすがはトップギルドの長というものだろう。
命令が素直に受け入れられるかどうかは置いといて…
「えぇ私は落ち着いております。落ち着いて、冷静沈着に、この下等生物を処理いたしますので少々お待ちください」
落ち着くとは何なのだろうか?
つい問いたくなるモモンガなのであった。
だが、モモンガは大事な事実を忘れていた。
そう、アルベドの持っている武器は《
「あ、えっと…アルベドだっけ…?その武器はちょっとまずいんじゃあないのかな…?っておま、マジやばいって!?《
アルベドが持っていた武器に異様な光が宿ったため細波は急いでスキルを発動させる。
「すべてはモモンガさまのためにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!」
「怖い、あと怖いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!どうにかしてくれモモンガぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
顔面崩壊という言葉がこれほどしっくりくる場面は生まれてから1度もなかったであろう細波は涙目になりながら悲鳴を轟かせていたのであった…。
数時間後…
ナザリック地下大墳墓、6層《円形闘技場》
普段あまり使われておらず、閑散とした状態が長らく続いたであろうその地には10人ほどの人影…半分以上は人ではないのだが…が集まっていた。
全てとはいかないが各階層守護者、ナザリックの支配者モモンガ、そして人間である細波と彼のNPCヤイバとマナである。
だが会話は1つとしてない、いや、正確に言えば音を使った会話は1つとしてない。
『モモンガ、、、なにこの空気は!俺こういう空気耐えられないんだけど』
<
これならばこの異様な空気の中でも周りの目を気にせずに意思疎通をすることは可能なのだ。
『いや、俺だっていやですよ!それにまさかこんな事態になるなんて想像できなかったから何がなんやら…』
『それにしては堂々たる演技だったよね?さっきの…』
『やめてください…ゲーム時代ならともかく、こんな状況になった今あんなことをするとなったら結構精神的にくるものがあるんですから』
先ほど、公式サービス終了時間である00:00:00になってもゲームからログアウトさせられなかった件、NPCであるアルベドが言葉を発し細波に襲い掛かってきた件、そしてその後に発覚したコンソール呼び出し不可能&ログアウト不能…
彼らは正確に情報を認識できないまでも1つの結論だけは導き出した。
それは100年以上前に1部の若者たちに大人気であった小説のジャンルと同じ。
………つまり異世界転生だと。
『だね、俺だったら恥ずかしすぎてあんなこと大真面目にできないもん…』
先ほど、荒れ狂うアルべドをとめ、この後の方針を立てるため闘技場にみなを集めようとした際、ガチの支配者…いや、魔王RPをしたモモンガに向かって言う細波。
『遠回しに馬鹿にしてません?」
『いやいや、尊敬してますとも…』
状況が変化したときその状況に合わせて使い分けができる人間はそう多くない。
魔王RPをしっかり演じたモモンガに本気で尊敬していたりするのだが、もちろんのごとくモモンガには伝わらなかった。
「発言よろしいでしょうか?」
そろそろ静寂の時間が10分になろうとしていたときにその声は円形闘技場にて響いた。
声の主は7階層守護者デミウルゴスだ。
「よい、申せ」
モモンガはRPであろう、言葉を短く、それでいて的確に絞り出す。
余計なことを言ってRPが無駄になってしまうのは絶対に避けなければいけないためこのような回答はベストであった。
「いまだ私には、なぜこのような下等生物が3匹もいるのか疑問であるところですが…」
もちろん下等生物とはNPCも含めてこの場にいる人間3人のことだ。
面と向かって下等生物といわれたところで細波は彼らは人間をそういう認識しているという事実を知っているため別段心を乱したりはしない。
しかし、彼の連れである二人は違う。
ヤイバとマナ。
それぞれが名前のままであるが近距離職と魔法職のNPCであり、ダンジョン攻略をメインに遊んでいた細波の相棒である。
ヤイバのほうは面白くないなぁといった顔をし、マナのほうは逆に「お前らのほうが下等生物だろ」といったような目で見ていた。
そんな二人の様子に気が付いていないのか、気が付いたうえでなのか、それとも興味すらないのか、デミウルゴスは言葉を続けた。
デミウルゴスは7階層階層守護者。
10階層の《玉座》にまで行った細波はもちろん7層も通っていてそこで何も話すことのないデミウルゴスと戦った。
しかし、細波が《玉座》にまで行ってることから分かるようにその結果はデミウルゴスにとって芳しいものではなかった。
だからなのだろう、デミウルゴスがこのようなことを言うのは。
「取り合えずそこの人間ともう1度戦闘の機会を与えてはくれませんか?」
疲れた~
最後なんか変な終わり方になってしまった…
ちなみにこの作品はプロットとか何も書かずに書こうと思ったことを書いてるときに変えたりなんかいろいろしてます。
だから自分でも「何でこうなった…」的なことがあったりしますがまぁ気にしないで呼んでくれると幸いです。
それではみなさんおやすみなさい
忌味の戯言
00:00:00となり、全ては終わりを迎えた。
~Fin~
↑をちょっとやってみたいと思いましたまる
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