七大罪魔王の赤龍帝 (フェる)
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七大罪魔王としての覚醒?

前作では大変ご迷惑をおかけしてしまいまして申し訳ありませんでした!!

今回の作品は完結にまで持っていきたいと思います!!


とある国のとある場所の廃工場にて人身売買が行われていた。その廃工場では毎日のように多額の金と人間が取引されている。

 

なんとも反吐の出る行為だろうか、それが人間のする所業だというのか。

 

今宵の夜も肥えた豚どもの欲情を満たす狂宴が始まろうとしていた。

 

そんな場所に1人の男が来店してきた。

 

その男は青いレンズのサングラス、黒いコートを身に纏って、闇色の革手袋を嵌めていた。

 

男は高校生くらいの体格であるが、裏に生きる者が纏う雰囲気を醸し出していた。

 

すると、来店するなり、男は煙草に手を伸ばす。

 

煙草を咥えこみ、火をつけて煙を吸い込んで一気に吐き出す

 

たったそれだけの行為だというのに、どこか哀愁を漂わせている男の姿にその場に居た全員が視線を男に向けるのだった。

 

すると、煙草を吹かしている男に1人の男が近づいていき、下卑た笑いをしながらこう言った。

 

「お客様、今回はどんなモノをお探しでしょうか?言っちゃなんですが、ここは人身売買の会場としては商品の質はピカイチですよ!!お望みの品がいないならご注文いただければ翌日には仕入れておきますよ!!」

 

男の言葉を聞いていた男は煙草の煙を吐き出すと、こう言った。

 

「じゃあ、てめぇらカス共の命全部だ」

 

男はそう言った瞬間、火のついたままの煙草を男の目に押し付けて消火した。

 

「ぎゃああああああっ!?」

 

いきなりの男による凶行に周囲の者達は呆然としてしまっていた。

 

「燃え散れ」

 

男は凶悪な笑みを浮かべながらそう言って黒手袋を取り外し、手に青い炎を宿らせる。

 

そうした後は分かりやすかった、それは人身売買の者達を燃え散らせたのだ。

 

その後、商品とされていた人達の記憶を改竄した後眠らせる。

 

後の事は警察に任せるとして、男は速足でこの場を離れる。

 

そして、男は人気のない海辺に来ると、男の背後に大口を開けて舌と涎を垂れさせながらでいる黒い蛇の化け物が現れる。

 

「リヴァイアサン、海を凍らせろ。日本までだ」

 

男がそう言うと、リヴァイアサンと呼ばれた化け物はこう言って来る。

 

『ハイヨ、主ハ悪魔使イガ荒イナ…」

 

リヴァイアサンという悪魔の言葉を聞いて、男はこう言った。

 

「テメェ等の食事にこんな所まで来なきゃなんねぇ事に比べればマシだろうが」

 

それを聞いたリヴァイアサンは言い返す事が出来ないのか、面倒くさくなったのか無言で海を凍らせる。

 

男はリヴァイアサンの上にへと乗り、こう言った。

 

「行け」

 

リヴァイアサンはその言葉に従って、凍った海を進んで行くのだった。

 

「日本に戻ったらコンビニに寄ってから帰るか」

 

男は煙草を吹かしながらそう呟き、夜の街にへと消えていくのだった。

 

 

男の名前は兵藤一誠、七大罪魔王と大罪を司る炎を肉体に宿し、使役するもの。

 

だが、兵藤一誠の身体にはもう1つ強力な力を宿している。

 

それは二天龍の1体・赤き龍の帝王ドライグの魂を宿した籠手型の神器「赤龍帝の籠手」を宿している。

 

これは兵藤一誠の過ごす物語である。

 

 

 

 

 

 

日本に帰って来た俺は町を歩きながら自分の両腕に目を向ける。

 

そして、俺は昔の事を思い出す。

 

俺がこの七大罪を司る悪魔と炎に目覚めたのは5歳の頃だった。

 

その時、覚醒したばかりの俺には炎をコントロールすることが出来ず、いきなり発現した青い炎が俺の両親を燃え散らせてしまった。

 

俺は自分の力が両親に向いてしまい、殺してしまった事を俺の心は深く傷つき、正気ではいられなかった。

 

「うっ、ううっ、お父さん、お母さん…!!」

 

そうやって涙を流しながら悲しみに暮れている俺の前に七対の化け物が姿を現れ、俺に向かってこう言って来る。

 

『『『『『『『オ前ハ何ヲ望ム?』』』』』』』

 

7体の化け物は俺に何を望んでいるかという事を問い掛けて来る。

 

だが、俺にそんな事を今は堪えられる訳が無く、7体の化け物にこう言った。

 

「何なんだよ、お前らは⁉」

 

俺の言葉に対して、7体の化け物はこう言って来る。

 

『我ラハ七ツノ大罪ノ悪魔ナリ。我ハ七ツノ大罪「傲慢」ヲ司ル悪魔・ルシファーデアル』

 

『俺様ハ七ツノ大罪「憤怒」ヲ司ル悪魔・サタンナリ』

 

『ギャハハハハハッ、俺ハ七ツノ大罪「嫉妬」ヲ司ル悪魔・リヴァイアサンダ』

 

『僕ハ七ツノ大罪「強欲」ヲ司ル悪魔・マモンダヨ』

 

『シシシ、俺ッチハ七ツノ大罪「怠惰」ヲ司ル悪魔・ベルフェゴールダゼ』

 

『アハハ、私ハ七ツノ大罪「暴食」ヲ司ル悪魔・ベルゼブブデス』

 

『ウフフ、私ハ七ツノ大罪「色欲」ヲ司ル悪魔・アスモデウスヨ』

 

俺の問いに答える七つの大罪の悪魔達。

 

だが、突拍子のない話に俺は混乱をしてしまう。

 

「ち、ちょっと待てよ!いきなりそんな事を言われて信じられると思ってるの‼それに、悪魔って空想上の生物じゃないの!?お父さんからはそう教えられたよ‼」

 

そう、俺は父親に聞いてそう言われた。

 

悪魔なんて架空の生物であるという事を。

 

だが、それは目の前に存在する悪魔達の1体「憤怒」の悪魔サタンによって否定された。

 

『ソレハ違ウゾ、我ガ主。我ラハ人間ノ欲ト罪ガ存在スル限リ、消エル事ハナイ。不死身ノ存在ナリ。居ナイトイウノハ人間達ガ勝手ニ思イ込ンデイルダケダ』

 

ルシファーが俺に向かってそう言って、父親の言葉を否定しにかかって来る。

 

普通であるならばそれを否定するだろうが、俺はそれを聞き入れ受け入れた。

 

「…そうか、悪魔は実在したんだ。あの時、お父さんが言った事は間違ってたんだ。俺が正しいって事だ‼」

 

昔、俺は父親に悪魔は居るのかと聞いたことがあった。

 

その時、父親は悪魔なんて居ないと言っていた。

 

それがどうだ、俺の目の前には七つの大罪と呼ばれている7体の悪魔が居るじゃねぇか‼

 

俺は年端もいかない子供とは思えない狂気に満ちた笑みを浮かべる。

 

すると、悪魔共は俺の前で傅き、「傲慢」の悪魔ルシファーが腕を広げながらこう言って来る。

 

『ソウ、我ガ主ハ正シイ。ダカラコソ、貴方様ハ選バレタノデス。我ラ七ツノ大罪ノ悪魔ト我ラヲ象徴スル大罪ヲ司ル炎ヲ従エ、平伏サセル者トシテ。七大罪ヲ統べる魔王トシテ‼』

 

「傲慢」の悪魔の言った事に他の七大罪の悪魔達が声を上げる。

 

『早クコノ世ノ私ノ大罪ヲ食ベサセテェ‼』

 

そう空腹を露わにしてくるのは、ベルゼブブ。

 

その罪は暴食、大罪を司るだけの食欲はあるようだな。

 

『私モ自分ノ大罪ヲ食べタイワ‼』

 

色っぽい声でそう言って来るのはアスモデウス。

 

こいつも自分を抑えられないのか、舌舐めずっている。

 

『怒リダ、怒リガ足リネェゾォ‼』

 

そう叫んでいるのはサタン、お前の怒りは如何ほどだ?

 

『俺ハノンビリシテタイナ~』

 

ベルフェゴールはやる気がないな、怠惰の悪魔だからか?

 

「僕ハ金が欲シイナ、主ニハ金ガ必要不可欠ダカラネ』

 

マモンは何か現実的だった。

 

『ギャハハハハハッ、俺ハ腹ガ減ッタゾ。嫉妬ヲ喰ワセロ‼』

 

リヴァイアサンも空腹で騒ぎ出す。

 

『コノ世ハ欲ト罪デ溢レカエッテイル。コレガ悪魔ノ源ナリ』

 

ルシファーもそう言っている。

 

俺は悪魔共にこう言った。

 

「黙れ」

 

俺の言葉を聞いて、7体は黙る。

 

「誰の許可を得て遊び騒いでやがる、馬鹿共が」

 

俺はそう言うと、悪魔共を鎖で縛り上げてしまう。

 

すると、俺は自分の身体の変化に気付く。

 

「これは俺の腕なのか?」

 

俺の腕は爪が鋭くなっており、呪いのような文様が浮かび上がっていて悪魔と言うに相応しい腕となっていた。

 

俺が腕をまじまじと見ていると、ルシファーがこう言って来る。

 

『我ラヲ宿シテイルトイウ事、マタハ炎ヲ使役スルトイウ事ハ主ノ身体ガ悪魔二近ヅクトイウ事ダ』

 

それを聞いた俺は悪い気分ではなく、すがすがしい気分になっていた。

 

「そうか、俺は悪魔になるのか」

 

そう言いながら俺は顔をニヤけさせている。

 

この時点で俺は裏の世界にへと身を投じて行く事となっていった。

 

 

 

 

 

 

「それが始まりだったな…」

 

そう、あの日から俺の世界観と人生は変わってしまった。

 

俺は裏の世界に身を投じて、バウンティハンターになった頃から七つの大罪以外の悪魔・堕天使・天使などの存在が居ることを知っていく。

 

そして、俺はある日から黒猫を飼うことになった。

 

まぁ、こいつの事はまた今度でいいか。

 

俺はこう思った、世界は俺を楽しませてくれる、と。




話数を重ねるごとにタグを追加することがあるかもしれません。

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暴食と黒猫との会話

投稿が遅れてしまいまして申し訳ありません‼


俺が駒王町に帰って来ると、妙な魔力の流れを感じた。

 

魔力の感じから言ってどす黒い魔力、バウンティハンターとしてははぐれ悪魔だと推測する。

 

そして、魔力の流れを感じた場所に向かうと、強い血の匂いが俺の鼻が感じ取った。

 

これだけの強い血の匂いがするという事は相当な数の人間を喰らったという事だ。

 

それに中には腐敗した匂いも混じっている、喰われてから相当な時間が経っている者もあるのだろう。

 

俺はそう思いながらその場にあった建物の中にへと入って行く。

 

そこには死体が山のように積み上げられていたり、周囲に喰い散らばっていたりしていた。

 

「胸糞ワリィな」

 

俺はこの町でこんな事をしでかしたはぐれ悪魔に対して激しい嫌悪を抱いた。

 

すると、俺はこそこそと後ろから近づいて来るゴミに向かってこう言った。

 

「俺の町を喰い物にしてんじゃねぇよ、カスが‼」

 

俺は革手袋を外して無色の炎を放つ。

 

"無色の地獄浄火(ベルゼブブ)"

 

無色の炎は真っすぐはぐれ悪魔に向かって行き、声を上げさせる事無く一瞬にして燃え散らせてしまった。

 

「カスは黙って死んでろ」

 

俺はそう吐き捨ててからその場を去って行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がコンビニに寄ってから家に帰って来ると、1匹の黒猫が俺の傍にやって来る。

 

「ただいま、黒歌」

 

俺は黒猫の名前を言いながら頭を撫でてやる。

 

「ニャー!」

 

黒歌は頭を撫でられて気持ちいいのか、甘えた声で鳴いてすり寄って来る。

 

俺は黒歌を抱きかかえてリビングに向かい、俺は着ていた黒コートをハンガーにかけて夕食の準備に取り掛かる。

 

今日の夕食はコンビニで買ってきたおでんと冷酒である、黒歌には身を解して骨を取り除いたアジの開き。

 

俺達が食事を始めると、暴食の悪魔ベルゼブブが話しかけてくる。

 

『アノ、御主人様。』

 

「何の用だ、ベルゼブブ。飯の時と寝てる時は話し掛けてくんなと言ったはずだが?」

 

俺は食事の手を止める事無く、ベルゼブブと会話をする。

 

『ソウ言ワナイデ下サイヨ、ソレヨリモ御主人様ノ通ッテイル駒王学園ッテイウ所二私達トハ違ウ悪魔ガ居ルジャナイデスカ。ドンナ味ガスルンデスカネェ、食ベチャッテイイデスカ?』

 

ベルゼブブの言葉に、俺はこう言った。

 

「うるせぇぞ、てめぇが喰われてぇのか?」

 

俺は魔力を静かながら高め、重いプレッシャーを感じさせる。

 

『御主人様、ソンナニ魔力ヲ高メナイデ下サイヨ。ソレジャア、ソノ悪魔共二気付カレチャイマスヨ?』

 

ベルゼブブの言葉に俺は魔力を抑え、こう言った。

 

「高めさせた原因が良く言うな」

 

俺がそう言うと、ベルゼブブは身体の中にへと引っ込んでいった。

 

その後は、何の反応も出さずに1日の終わりを迎えるのだが、俺にはやる事があった。

 

「黒歌、こっちにおいで」

 

俺がそう言って黒歌を呼ぶ。

 

「ニャー」

 

そう鳴きながら俺の膝に乗って来る。

 

俺は膝に乗っている黒歌にこう言った。

 

「元の姿に戻れ」

 

それを聞いた猫の黒歌が変化していく。

 

その姿はダイナマイトボディの女性が着物を着た姿であると同時に猫であった事を感じさせるかのように猫耳と2本の尻尾が露わになっている。

 

しかも、着物ははだけさせているため、北半球が見えてしまっている。

 

黒歌は完全に人の姿になると、俺の首に腕を絡ませて来て、胸を顔に押し付けてくる。

 

「うふふ、ご主人様~♪」

 

黒歌は甘えた声を発しながら思い切り抱き着いて来る。

 

それと一緒に俺の顔には黒歌の胸が迫って来る。

 

「黒歌、離れろ」

 

俺がそう言うと、黒歌は素直に俺の顔から胸を離す。

 

「それで何の用かにゃ?」

 

黒歌はそう言いながら首をかしげてくる。

 

「お前は俺に付いて来て後悔はないのか?」

 

俺がそう言うと、黒歌はこう言って来る。

 

「後悔なんてないにゃ、私は自分の意思でご主人様についていく事にしたのにゃ」

 

その言葉に、俺はこう言った。

 

「そうか」

 

その一言は安心を示すかのような一言に聞こえた。

 

そうした会話の後、俺達は眠りについた。

 

PS.黒歌が俺のベッドに侵入してきたが、自分の部屋にへと押し込んで置いた。




今回はベルゼブブと黒歌の登場です。

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オカ研の邂逅?

翌朝、俺は目を覚ますといつものように黒歌を起こす。

 

「黒歌、起きろ」

 

そう声を掛けながら黒歌の体を揺する。

 

「…ううん」

 

黒歌はそう言いながら体を起こし、こう言って来る。

 

「おはようにゃ、御主人様ぁ」

 

黒歌のあいさつに俺はこう言った。

 

「おはよう。だが、お前は服を着てから降りて来い」

 

そう、今の黒歌の格好は着物がはだけまくって色々見え隠れしてしまっている。

 

「御主人様が私を求めてくれるにゃらこのままでいいにゃ?」

 

朝からバカなことを言って来る黒歌に対して、俺はこう言った。

 

「お前、しばらくは安い猫缶でいいな」

 

俺がそう言うと、黒歌は顔を青くさせながらしがみついて来る。

 

「ごめんにゃさい、猫缶は嫌にゃ~!!」

 

黒歌曰くマズイらしい、猫缶は猫に合わされて作られたものなのに不思議だ。

 

「まぁ、猫缶は無しでいいから服着て来い」

 

俺はそう言ってから朝食の支度を始める。

 

まずは、鮭と胡麻と葱を火を通してから混ぜ合わせるふりかけを作った。

 

出汁巻き卵を焼き上げる。

 

豆腐と大根と人参の味噌汁を作る。

 

その頃になって黒歌がリビングにやって来る。

 

「相変わらずおいしそうにゃ、御主人様のご飯!」

 

そう言いながら黒歌は椅子に座る。

 

俺は炊いてあった白米を茶碗に盛りつけて黒歌に渡してから自分の茶碗を盛った。

 

「「頂きます」」

 

朝食を早々に完食し、俺は制服に着替えてからイヤホンを付けて有名ロックバンドの音楽を聴きながら学校にへと登校する。

 

「御主人様、行ってらっしゃい!」

 

俺は黒歌の見送りを受けながら学校に向かって行った。

 

そうして校門前まで行くと、俺に話し掛けて来るバカが2人居た。

 

「おう、イッセー!冬休み中はどこに行ってたんだよ、俺達はお前を遊びに誘いに行ってもいつも居ねぇんだよ?」

 

そう言って来るのは松田、変態二人組の1人である。

 

「あぁ、俺は休み中親戚の家に身を寄せていたんだ」

 

俺がそう言うと、それに反応するもう1人のバカが居た。

 

「という事は、イッセーは親戚の女の子とイチャイチャしていたという事か!?」

 

元浜、変態二人組の1人で変態ロリメガネである。

 

元浜の言葉を聞いた俺は容赦無く拳を顔面に叩き込んだ。

 

「ぐぼらっ!?」

 

元浜は拳を受けた瞬間、松田に向かって頭突きをかました。

 

俺は馬鹿2人を置いて、教室に向かって行く事にした。

 

その途中、他の生徒の黄色い声が響いて来る。

 

その方向を見ると、そこには駒王学園二大お姉さまの2人が歩いていた。

 

リアス・グレモリー、駒王学園の3年生で二大お姉さまの1人。オカルト研究部の部長であり、その正体は悪魔だ。

 

姫島朱乃、同じく駒王学園の3年生で二大お姉さまの1人。オカルト研究部の副部長で同じく悪魔だ。

 

「あら、イッセーおはよう」

 

「うふふ、イッセー君おはようございます」

 

2人は俺の姿を視界に入れると朝の挨拶をして来る。

 

「おはようございます、グレモリー先輩、姫島先輩」

 

俺も挨拶すると、グレモリー先輩はこう言って来る。

 

「イッセー、私の事はリアスで呼んでって言ったじゃない」

 

「うふふ、私もですわ。朱乃って呼んでくださいまし」

 

そう言って来る先輩たちに俺はこう言った。

 

「じゃあ、リアス先輩と朱乃先輩と呼びますね」

 

俺の言葉に、リアス先輩はこう言って来る。

 

「まぁ、それでいいわ。そうだわ、イッセー今度ウチの部室に遊びに来ないかしら?おいしい紅茶が手に入ったの」

 

リアス先輩の誘いに、俺はこう言った。

 

「そうですね、今日は何も用事が無いので行ってもいいですか?」

 

それを聞いたリアス先輩と朱乃先輩はこう言った。

 

「えぇ、いいわよ。貴方が来るのを楽しみにしているわ」

 

「それではおいしいお茶菓子も用意しておきますね」

 

そう言って、2人は自分の教室にへと歩いて行った。

 

俺も自分の教室に行こうとしたら、さっきの馬鹿共が絡んで来る。

 

「「おい、イッセー‼さっきの会話はどういう事、ブンババ⁉」」

 

超絶鬱陶しかったから鉄拳制裁にて早々に退場してもらった。

 

 

 

 

 

 

 

放課後、授業を終えた俺は早々に帰り支度を済ませてオカルト研究部のある旧校舎に向かった。

 

その途中、俺はオカルト研究部の1人である塔城小猫と鉢合わせた。

 

塔城小猫、駒王学園の1年生で学園のマスコットと呼ばれている。オカルト研究部の部員で悪魔だ。

 

俺が小猫呼びなのはアイスクリーム屋で会ってから意気投合してそれからそう呼ぶようになった、

 

「どうも、イッセー先輩」

 

「おう、小猫」

 

お互いに簡単に挨拶を済ませ、一緒に旧校舎に向かう。

 

「イッセー先輩、今日はウチの部室に来るんですね」

 

すると、小猫がそう言って来る。

 

「おう、うまい紅茶が手に入ったから飲みに来ないかって誘われたからな」

 

その問いに対して、俺が答えると小猫はこう言って来る。

 

「何だかイッセー先輩は誘惑に弱い気がします。先輩の将来が心配です」

 

「小猫、喧嘩売ってんのか?」

 

後輩に俺の将来を心配される必要はねぇよ‼

 

「いえ、たんにそう思っただけです」

 

「思っただけなら心の中に仕舞っておけ。」

 

俺と小猫はそう話しながら旧校舎にへと向かうのだった。

 

そうして、着いた旧校舎の中に入ってオカルト研究部に向かった。

 

オカルト研究部の前まで着くと、扉を開けて中に入る。

 

「お邪魔します」

 

「ただいま来ました」

 

しかし、中には誰も居なかった。

 

すると、どこからか水の流れる音が聞こえて来た。

 

俺が見ずの音が聞こえて来た方向を見ると、そこにはシャワー室があった。

 

俺はこう思った、何でシャワー室があんだよ。

 

俺はもうツッコミ入れる気力が無いので黙っている事にした。

 

※何故、ツッコミの気力が無いのかというと変態二人組が原因。

 

こうして、俺は駒王学園の2つの悪魔の集まりの場所に入った。




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悪魔との会合と拒否

俺は今、オカルト研究部部室にいる。

 

俺はリアス先輩においしい紅茶が手に入ったと言われ、お呼ばれになった。

 

今はシャワー室から出てきた朱乃先輩とリアス先輩と小猫で会話をしている。

 

「イッセーは一人暮らししているの?」

 

話の話題は俺だ。

 

「えぇ、親は海外で仕事をしているので。」

 

俺の親はもうとっくに俺の炎で死んだが、それを言うと詮索をされそうで嘘をついた。

 

俺がそう言うと、朱乃先輩がこう言って来る。

 

「でも、イッセー君一人だと生活感覚が偏ったりしませんか?」

 

俺の事を心配しての言発言に、こう言った。

 

「大丈夫です、日頃近所のおばちゃん達が俺の事を見に来るんで。」

 

近所のおばちゃんが見に来るというのは嘘だ、ここで俺の家を見に行くという事になったら黒歌を見られる可能性が高い。

 

黒歌は冥界・天界に狙われているSSS級はぐれ悪魔の一体だからだ。

 

俺の言葉を聞いて、朱乃先輩は安心したのかこう言って来る。

 

「そうですの、ご近所の方々が見に来てくださっているのなら安心ですわ。」

 

うふふと笑いながらそう言う朱乃先輩に、俺も笑う。

 

リアス先輩も俺と朱乃先輩の会話を聞いていて納得をしてくれたようだ。

 

「イッセー、ご両親がいなくて心細くないかしら?」

 

リアス先輩がそう言ってくるが、俺はこう言った。

 

「はい。最初はそうでしたが、今はもうへっちゃらです。」

 

リアス先輩の言葉に対して、俺はそう言った。

 

「そう、もし心細かったら何時でも言って頂戴。私が励ましてあげるわ。」

 

その言葉に、俺はこう言った。

 

「そういうのは好きな男にでもしてください。」

 

俺はリアス先輩の言葉にそう言った。

 

そんな感じで会話をしていると、最後の部員がやってくる。

 

「あれ、イッセー君いらっしゃい。」

 

「おう、木場。」

 

木場祐斗、俺と同じ駒王学園の王子様と呼ばれている二年の男子だ。悪魔である。

 

「じゃあ、全員がそろったということで紅茶を入れて頂戴、朱乃。」

 

リアス先輩が全員揃うとそう言って朱乃先輩に指示を出す。

 

「はい、部長。」

 

朱乃先輩はそう言って紅茶を入れに行った。

 

「はい、イッセー君どうぞ。」

 

朱乃先輩が入れたての紅茶を俺に差し出してくれる。

 

「ありがとうございます。」

 

俺はそう言って朱乃先輩から紅茶を受け取って、一口飲む。

 

「美味い。」

 

紅茶の良さが引き出されていて、美味い。

 

「あらあら、うふふ。ありがとうございます。」

 

朱乃先輩は笑みを浮かべながらそう言ってくる。

 

すると、そこにリアス先輩がこういってくる。

 

「イッセー、貴方私の眷属になる気は無いかしら?」

 

リアス先輩は俺の事を悪魔にならないかと勧誘してきた。

 

俺はリアス先輩の言葉を聞いて、紅茶を飲む手を止める。

 

「眷属ってどういうことなんですか?」

 

俺は裏の世界で生きていく中で悪魔が他種族から自分の眷属を造っているということは知っている。

 

俺はその事をあたかも知らないかのように装ってリアス先輩に聞いた。

 

俺の言葉を聞いて、それに対してリアス先輩はこう言ってくる。

 

「私達は人間じゃなくて悪魔なの。」

 

リアス先輩は自分たちの正体を速攻で明かした。

 

それでいいのか、悪魔ってのは…。

 

っていうか、俺はあんたらの正体知ってから。

 

すると、リアス先輩が昔話を始めた。

 

「大昔に悪魔・天使・堕天使の三大勢力同士によって冥界の覇権を巡っての戦争が起こっていたの。」

 

へぇ、眷属にするって事は知ってたが俺もそこまでは知らなかったな。

 

俺はそう思いながら話に耳を傾ける。

 

「それでその戦争で三大勢力の多くは失われてしまったの。それで私たち悪魔がとった行動は悪魔の駒による眷属化なの。」

 

そう言いながらリアス先輩は赤いチェスの駒を取り出した。

 

俺はその駒に視線を向ける。

 

あんな駒で悪魔になれるのか…。

 

俺の身体の悪魔化は侵蝕に近いな。

 

まぁ、俺は後悔にない。

 

七大罪の悪魔を従える王として君臨する事を…。

 

「ここまでの話を聞いて、どうかしら?私の眷属にならないかしら?」

 

リアス先輩が俺に向かってそう言って来る。

 

それに対して、俺ははっきりとこう言った。

 

「すみませんが、この話はお断りします。」

 

俺の言葉を聞いて、リアス先輩はこう言って来る。

 

「どうしてかしら?」

 

俺はリアス先輩の問いにこう答える。

 

「理由は二つ。一つ目は俺の事を他人に決められたくないから、二つ目は俺は束縛をされたくないから。以上です。」

 

それを聞いたリアス先輩はこう言った。

 

「それもそうね、ごめんなさい。貴方の気持ちを考えていなかったわ、勝手な勝手な真似をしてしまったわ。」

 

リアス先輩はさっきの自分の言動について俺に謝罪をしてくる。

 

「いえ、気にしないでください。俺も先輩に向かって偉そうなことを言っちゃいましたし。」

 

俺も自分の上から目線の発言について謝罪をする。

 

すると、リアス先輩がこう言った。

 

「それじゃあ、改めてイッセーに自己紹介をするわ!私の名前はリアス・グレモリー、七十二柱の悪魔グレモリー侯爵家の次期当主よ。」

 

リアス先輩が最初に名乗り、その後から他の部員たちも名乗った。

 

「僕は二年の木場祐斗、悪魔だよ。」

 

「一年の塔城小猫、悪魔です。」

 

「三年の姫島朱乃ですわ、悪魔ですの。」

 

自己紹介をすべて聞いた俺も自分の事を紹介した。

 

「俺は二年の兵藤一誠、人間だ(8割方悪魔だがな。)。」

 

こうして、自己紹介が終わると俺とオカルト研究部でお茶会が開かれたのだった。




次回は一誠のプロフィール紹介です。

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三体の堕天使焼死、シスターとの邂逅

お久しぶりにございます。

リアルがつらいです。

そんな事も言ってられないので、頑張っていきたいと思います。

自己紹介を予定していたのですが、製作途中なのでもうしばらくお待ちください。


オカ研メンバーとのお茶会の後、俺が家に帰る途中に聖なる感じと邪な感じを察した。

 

すると、上の方から殺気を感じて前に飛びのいた。

 

俺は攻撃を放ってきた奴を確認するために上を見上げる。

 

そこには堕天使が三人いた。

 

一人目は金髪ゴスロリの女、二人目は青髪ボディコンスーツの女、三人目は紳士服の男だった。

 

「テメェ等、俺に喧嘩を売ってんのか?」

 

さっきまで機嫌のよかった俺は一気に不機嫌になった。

 

すると、青髪ボディコンスーツの女がこう言って来る。

 

「人間、貴様はここで死ね。」

 

俺はふざけた事を言ってくる堕天使に対して、行動で示すことにした。

 

「燃え散れ」

 

青色の煉獄業火が堕天使達の方にへと向かっていき、三人全員が燃え散った。

 

「俺を侮辱した罰だ、地獄で詫びれ。」

 

そう言った後、俺は家にへと帰っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休日、俺が公園でのんびりしていると声が聞こえてきた。

 

「きゃっ!」

 

その声の主は女の子でシスター服を着ていた。

 

そんな女の子が倒れた時にウィンプルが風によって俺の所まで飛んできたので、女の子に渡しに行く。

 

「これ、君のだろ。」

 

俺はそう言いながら女の子にウィンプルを渡そうと近づく。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

その女の子は金髪碧眼の美少女だった。

 

俺はその女の子に見とれてしまったが、すぐにこう言った。

 

「君はここでは見かけたことはないけど、観光?」

 

俺の言葉を聞いて、女の子はこう言って来る。

 

「あ、私は今日からこの町にある教会に赴任してきましたアーシア・アルジェントと申します。」

 

「俺は兵藤一誠、イッセーって呼んでくれ。よろしくな、アーシア。」

 

「はい、よろしくお願いします!イッセーさん!!」

 

アーシアの言葉と一緒に見せる笑顔を見て、ほほを緩ませる。

 

アーシアの言葉を聞いて、俺の頭の中で疑問が浮かんだ。

 

確かにここには昔教会があった。

 

だけど、今では廃墟と化してしまっている。

 

そこに何で今更赴任してくる必要があるんだ?

 

それに、アーシアはそのことを知らない様子だ。

 

「アーシア、この町には確かに協会はあったけどもう廃墟になってるぞ。」

 

俺がそういうと、アーシアはそれを知って顔を驚きに染める。

 

「そんな、私ここに来るようにと言われてきたのに…。」

 

アーシアは事実を知って顔を俯かせてしまう。

 

俺はそんなアーシアにこう言った。

 

「まぁ、明日俺の知り合いに頼んでアーシアの行く所を探してもらおうぜ。」

 

俺の言葉を聞いて、アーシアは顔を上げる。

 

「い、いいんですか!?」

 

そう言って来るアーシアに対して、俺はこう言った。

 

「あぁ、困ったときはお互い様だしな。」

 

俺がそう言うと、アーシアはこう言って来る。

 

「本当にありがとうございます、イッセーさん!!」

 

「気にすんなって言っただろ。それに俺達はもう友達だ。」

 

俺がそう言った瞬間、アーシアの目尻に涙がたまった。

 

「ど、どうしたんだ、アーシア!?俺、なんか変な事言ったか?」

 

俺が慌てながらそう言うと、アーシアは涙を拭いながら首を横に振る。

 

そして、アーシアはこう言ってきた。

 

「私、向こうでは友達なんて出来なかったので、つい…。」

 

それを聞いた俺は納得をした後に、アーシアにこう言った。

 

「じゃあ、俺の家に行こうか。」

 

「はい!!」

 

今日は俺の家に同居人が出来ました。




今回で堕天使残り一体となってしまいました。

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完全な悪魔化と皇帝

今、俺は七魔と話をしている。

 

内容はアーシアについてだ。

 

『主、何故アノヨウナ小娘ヲ家ニ取リ込ンダ?』

 

そう言って来るのは、七魔を束ねる悪魔であり地獄王の名を持つルシファーだ。

 

俺はルシファーだけでなく、他の七魔たちにもこう言った。

 

「俺の決めたことに文句でもあんのか?」

 

その俺の言葉に対して、憤怒の大罪の悪魔サタンがこう言って来る。

 

『主ノ決定ニ我々ハ従ウノミデアルガ、小娘ヲ取リ込ンダ理由を聞イテオキタイダケダ。』

 

サタンの言葉に対して、他の七魔共もそう言いたげな顔をしている。

 

「俺がアーシアを取り込んだ理由は昔の俺に少し似ているからだ。」

 

そう言った瞬間、七魔たちは黙りこくってしまう。

 

「話は終わりか?なら、俺はアーシアの所に行くぞ。」

 

そう言って俺が七魔を戻そうとしたとき、ルシファーがこう言ってきた。

 

『主、二ツ報告シテオク事ガアル。』

 

ルシファーの言葉に耳を傾ける俺。

 

「話せ。」

 

俺がそう言うと、ルシファーは報告をしてくる。

 

『一ツ目ハ主ノ身体ガ完全ニ悪魔ト化シタ。』

 

俺はそれを聞いて驚きはしなかった、いずれはそうなっていたからだ。

 

「で、完全な悪魔と化した俺はどうなるんだ?」

 

俺がそう言うと、ルシファーはこう言って来る。

 

『主ガ悪魔ニナッタ事ニヨッテ変ワルノハ主ニ皇帝二ナルトイウ事ダ。』

 

ルシファーの言葉に対して、俺はこう言った。

 

「皇帝?どういう意味だ、説明しろ。」

 

俺がそう言うと、横からサタンがこう言って来る。

 

「皇帝、ソレハ嘗テ七魔デアル我ラヲ従エサセタ男。』「ではなく『では?

 

俺はそれを聞いて、その皇帝とやらに興味がわいた。

 

「教えろ、皇帝とは誰なのかを。」

 

俺がそう言うと、ルシファーがこう言って来る。

 

『イイダロウ、皇帝ノ話ハ主ニトッテ聞イテオイテ損ノ無イ話ダ。』

 

そう言ってルシファーは語り始めた、七魔の炎を操った皇帝という者の話を。

 

皇帝、四傑の一人でそれは七魔の炎を操る「豪傑」の字を持つ男。

 

その男の話を聞いた俺はこう思った。

 

先代の七魔の炎を統べる者としての印象が強い。

 

だが、他にも何かある気がした。

 

しかし、確証が無い為に頭の淵に入れておくことにした。

 

「で、俺が皇帝になるという事は具体的にどうなるんだ?」

 

俺がそう言うと、リヴァイアサンがこう言ってきた。

 

『ソレハナァ、姿ガ皇帝ノ様ニナッチマウッテ事ダ。』

 

リヴァイアサンの言葉を聞いても、具体的な答えにはなっていなかった。

 

すると、マモンがこう言って来る。

 

『『基本的ニハ今ト変ワラナイヨ。デモ、僕達ヘノ拘束力ガ上ガッタリ皇帝ノ持ッテイタ力ヲ使ウ事ガ出来ルンダ。』』

 

マモンの説明を聞いてようやく理解出来た俺は自分の力の奥底にへと潜った。

 

そこには今までに七魔共は燃え散らせてきた者どもの苦しむ声や怨嗟の声が充満していた。

 

だが、俺はそんなモノに興味など無い。

 

それらを無視してさらに奥底にへと潜る。

 

すると、そこで俺が見たものは人間の骨と髑髏で設計された椅子に座る水色の子供がいた。

 

「よォ、初めましてダナ!俺様の異能の後継者ヨ。」

 

そう言って来る子供に、俺はこの考えが頭にへと浮かんだ。

 

「お前が皇帝か?」

 

俺の言葉を聞いて、子供は笑いながらこう言って来る。

 

「マジか、俺様の事を一瞬で見破るとはなァ‼だが、俺様は<本体>じゃなくて<左腕>だ。」

 

どうやら本物の皇帝の左腕らしいな。

 

「お前に聞きたい事がたくさんある、皇帝。」

 

俺はそんなことをお構いなしにそう言うと、皇帝はこう言って来る。

 

「俺様が悪魔化した後何を得て何を失ったかを聞きてェんだろ。」

 

俺は皇帝の言葉に無言で頷く。

 

「じゃあ、教えてやるよ。俺様の全てを!!」




タグにCODE:BREAKERのキャラ登場(一部)を追加しました。

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皇帝と一誠の過去と殲滅

今回は速めの投稿が出来で良かったです。

簡単な過去を書いてみました。


俺は七魔の炎を使い続けていくうちに自分の身体が変わっていくことに気付いた。

 

俺の身体は七魔のように王冠を被ってマントを翻している髑髏の悪魔となっていた。

 

俺はこの事実を他の四傑にも話はしなかった。

 

あいつらがこの事を漏洩する事は無いとは思ったのだが、それ以外の奴らがこの事を知って何もしないことはあり得ないため、話はしなかった。

 

だが、12月32日の終焉を迎えた時に、俺はあるガキを見つけた。

 

そのガキの名は兵藤一誠。

 

一誠は左腕を失っていた、俺様は自分の左腕を一誠に移植をした。

 

至高の七魔の炎までもが一誠の身体にへと宿った。

 

こいつが地獄の皇帝の系譜の後継者として認められたかのように…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は皇帝の記憶全てをこの目にへと焼き付けた。

 

そして、七魔の炎が俺の身体に何故宿っていたかという真実を知る事が出来た。

 

俺は皇帝に向かってこう言った。

 

「お前は俺の命の恩人であり、人生を狂わせた張本人だ。そんな事はもうどうでもいい。俺の身体を宿代わりにしているその代わり…、俺の力となって俺に従え‼」

 

そう言った俺に対して、皇帝はこう言った。

 

「いいゼ、力にはなってやるよ。」

 

そう言いながら皇帝は嗤う。

 

「当然だろうが。」

 

俺もそう言いながら嗤った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺と皇帝が話を終えると、アーシアの元にへと向かった。

 

「アーシア、待たせて済まない。」

 

俺がそう言いながらリビングに入ると、目に入ってきた光景は何者かに荒らされた後のリビングだった。

 

リビングにはアーシアの姿も無くなっていた。

 

「こいつは一体…。」

 

俺がそう呟くと、ある事を思い出す。

 

俺がオカ研とのお茶会の後に出てきた三人の堕天使。

 

それと関係をしているのではないかと、俺は考えた。

 

そう考えていく内に俺の頭の中が冷え切っていく。

 

「いい度胸じゃねぇか、堕天使。」

 

俺はすぐさま自らの身体を悪魔化させる。

 

その姿は漆黒の骨の身体に側頭部に二本の角を生やした髑髏、髑髏の留め具のついたマント、装飾が凝らされた王冠を身に纏った悪魔の姿だった。

 

『アーシア、今助けに行くぞ。』

 

俺はそう言った後に、最初にアーシアに会った時に言っていた元教会の廃墟にへと向かった。

 

教会前まで来ると、何故か木場と小猫が戦っている気配がした。

 

相手は剣と銃を使っているようだ。

 

だったら…。

 

俺は考えを実行する為に教会の中にへと侵入する。

 

「あーひゃひゃひゃひゃ、どうしたどうした!!くそ悪魔君、くそ悪魔ちゃん、動きが鈍くなって来ちゃってるッスヨ!!」

 

イカレ神父のフリード・セルゼンと木場と小猫が戦っている。

 

「まだだ!!」

 

木場がそう言いながら剣を構えて突っ込んでいく。

 

「負けない。」

 

小猫も教会の椅子を持ち上げ、フリードに向って投げていく。

 

「無駄なんだヨ、チビ!!」

 

フリードは椅子を踏み台にしながら伝っていき、小猫のそばに駆け寄る。

 

「しまった!?」

 

木場がすぐに向かうが、距離が空きすぎていて間に合わない。

 

「はい、一匹目!!」

 

フリードが剣を小猫に振り下ろす。

 

小猫は反射的に目を瞑ってしまう。

 

だが、待てども剣による痛みが来ない。

 

恐る恐る目を開くと、目の前には"黒″だった。

 

その黒は小猫を守るように立っていて、フリードの件を受け止めていた。

 

すると、黒から声が発せられる。

 

『るせぇんだよ、ドカス共。』

 

その声は恐ろしく低く威圧的で恐怖を一気に抱かせるものだった。

 

「あぁん、てめぇは誰ですか?あぁ、ぶっ殺し対象ッスね!!いますぐ殺してやるよ!!」

 

だが、中途半端に力を持っているフリードは勝手なことを言いながらに斬りかかる。

 

だが、その行動は間違いだということをフリードは知らない。

 

『もういい、燃え散れ。』

 

黒はそう言った後、怒りを露わにした。

 

『お前らは俺の平和を乱したその罰を、罪を受け止めろ!!』

 

"青色の煉獄業火"

 

それを真っ向から受けたフリードは声を上げることが出来ずに燃えカスとなり、己の命を散らせたのだった。

 

それを見ていた一誠はこう言った。

 

『ゴミにしては良い燃え散り方だったぞ、さて…。』

 

黒はそう言いながら視線を木場と小猫に向ける。

 

「くっ!」

 

悔しそうな声を出しながら剣を構える木場と拳を構える小猫。

 

黒は二人を無視して、教会の地下にへとは入っていく。

 

木場と小猫も警戒心を解く事無く後ろをついてくる。

 

すると、地下には一つの部屋が設置されていた。

 

その中にはさっきの神父と同じ恰好をした者たちが山ほどいた。

 

黒はそれを見て、神父たちの前に姿をさらした。

 

「何だ貴様は!?」

 

「殺せ!!」

  

急に現れた男驚きながら攻撃を仕掛ける神父達だが、相手が悪い。

 

何故なら、現在進行形で怒りを爆発させている黒の正体は今代の赤龍帝であり地獄の皇帝の系譜の後継者であり七魔の炎を支配している兵藤一誠なのだから…。

 

『燃え散れ』

 

そう言ってイッセーは青い炎を放つ。

 

"青色の煉獄業火"

 

その青い炎は部屋にいた神父たちを焼き尽くした。

 

その部屋の中には何も残っていなかった。

 

一誠は残った堕天使の所に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うそよ、この町にあんな化け物がいるなんて聞いてない‼」

 

堕天使の中心人物だったレイナーレ、アーシアの神器を抜き取って己の物にしようと考えていた。

 

だが、その計画の最中に仲間の堕天使が行方をくらませてしまう。

 

更に、計画の重要人物アーシア・ジェントの行方不明。

 

この事に関しては解決をしたのだが、神器の搾取の最中に乗り込んできた悪魔共も恐るるに足りない。

 

だが、問題はその後に起こった。

 

突如として現れた髑髏の化け物。

 

その化け物は自分が集めたはぐれ神父全員を纏めて焼き殺してしまった。

 

その瞬間、私は悟った。

 

この化け物にはどうやっても勝てないのだと。

 

「逃げるしかないわ、でも、せめてアーシアの神器を抜き取ってから。」

 

私はそう言いながらアーシアの神器を抜き取る魔法陣が敷かれている場所にへと向かう。

 

私がその場所につくと、そこにはあの髑髏の化け物がアーシアを抱きかかえていた。

 

『お前がこの一連の出来事の首謀者か、燃え散れ。』

 

髑髏の化け物は私に向かって手を翳してきて、私の目は青一色となった。

 

わ、私は至高の…。

 

堕天使レイナーレは青色の煉獄業火によって跡形も無く燃え散った。

 

 

 

 

こうして、俺はアーシアの救出に成功した。

 

そうして俺が帰ろうとした時、後ろから声が発せられた。

 

「ちょっと待ちなさい‼」

 

俺が声の聞こえてきた方向を見ると、そこにはリアス・グレモリーとその眷属がいた。

 




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帰還

お久しぶりです、フェるでございます。

作品の投稿を長らく休んでしまいまして、申し訳ありません。

これからも応援なにとぞよろしくお願いします。


「ちょっと待ちなさい‼」

 

俺を呼び止めてくるのは、リアス・グレモリーとその眷属だった。

 

腕を組みながらリアス・グレモリーは俺にこう言って来る。

 

「貴方は一体何者なのかしら?その姿から死神かしら、その子に何の用なの?」

 

どうしようか、木場達の時は呆気に取られていたから誤魔化しが効いたが、今は違うからな。

 

俺が考えていると、サタンがこう言ってきた。

 

『主、俺ガ言葉ヲ代弁シヨウ。』

 

そうか、ならお前に任せる。

 

俺は言葉をサタンに代弁させる。

 

『何だ、悪魔共。我に何か用か?』

 

それを聞いたリアス・グレモリーがこう言って来る。

 

「私達はここを拠点にしている堕天使の殲滅をしに来たのよ。でも、その堕天使とはぐれエクソシスト達は貴方によって消されていた。そのきっかけを作ったのはその少女だというのかしら?」

 

そう言って来るリアス・グレモリーに、俺もといサタンがこう言った。

 

『貴様等になぜそのような事を話す必要が何処にあるというのだ?無いのではないか?』

 

「くっ。」

 

サタンに正論を言われて、悔しそうにするリアス・グレモリー。

 

サタンはそう言った後、魔法陣を展開させる。

 

『ではな、紅髪の悪魔とその眷属どもよ。』

 

そう言って魔法陣で俺は転移していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレモリーSIDE

 

今、私達はこの状況に対して冷静に受け入れて来る。

 

「部長、あの死神は一体何が目的だったのでしょうか?それに、連れていったあの女の子の事も気になりますし。」

 

そう私に言ってくるのは女王の朱乃。

 

「そうね、この事は魔王様に報告をする必要があるわね。この件は私達では処理しきれないわ。」

 

私は今の自分の考えを朱乃に言ってから他の眷属にも指示を出す。

 

「皆、ここでの用事は終わったわ。部室に戻りましょう。」

 

「「「はい、部長。」」」

 

私の言葉に、皆はそう答えてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が悪魔化を解いてから家に帰ると、黒歌が帰っていた。

 

「御主人様、家の惨状は一体どういう事にゃ?」

 

黒歌は開口一番にそう言ってきた。

 

「ちょっと、堕天使どもがな。」

 

俺がそう言うと、黒歌が反応を示す。

 

「堕天使⁉ご主人様、身体は無事かにゃ⁇」

 

そんな黒歌に対して、俺はこう言った。

 

「落ち着け、俺が下級堕天使如きに遅れなどとるものか。」

 

俺はそう言いながら黒歌の頭を撫でる。

 

黒歌は気持ちよさそうに撫でられている。

 

すると、気を失っていたアーシアが目を覚ます。

 

「ん、ここは…何処でしょうか?」

 

俺は目を覚ましたアーシアを椅子に座らせてから声をかける。

 

「アーシア、大丈夫か?」

 

俺が声をかけると、アーシアはぼやけていた意識をハッキリとさせる。

 

「イッセーさん!!」

 

アーシアは俺だと気づくと抱き着いて来る。

 

俺はそんアーシアを受け止めて安心させるために頭を撫でながら話しかける。

 

「もう大丈夫だぜ、アーシア。」

 

俺の言葉を聞いて、アーシアはこう言った。

 

「はい、イッセーさん。」

 

俺はアーシアの頭を撫でる事で落ち着かせる。

 

そして、俺は家の中に入ると散らかっている物を片付ける。

 

それが終わったのは、朝方になってしまった。




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騒動後の一日

読者の皆様、本当に大変長らくお待たせいたしました。この作品の作者フェるです。

言いわけをさせていただけるのであれば、リアルが忙しすぎました。

これからは出来るだけ早い投稿を心がけたいと思っています。

これからもこの作品を楽しんでいただければ幸いです。


家の内装を戻し終えた俺は学校に行くのも面倒になっていた。

 

「クソッ、堕天使(バカ)共のせいで余計な体力を使っちまった。」

 

悪態をついてそう言いながらソファに寝転んでいると、黒歌が俺に体を預けて来てこう言って来る。

 

「ご主人様、それじゃあ今日は学校をサボるのかにゃ?」

 

問いかけて来る黒歌に対して俺はこう言った。

 

「あぁ、そうなるな。だが、アーシアの服や生活必需品を買いに行かないわけには行かないから買い物には行くがな。」

 

そう答える俺に対して黒歌がこう言って来る。

 

「それじゃあ、私も行くにゃ!!」

 

「バカか、お前は悪魔に警戒されているはぐれ悪魔だろうが。そんな事したら悪魔の討伐隊が来るだろうが。」

 

「うぅっ・・・。」

 

黒歌の言葉に俺がそう返答すると何も言い返してこない。

 

そうやって話していると、アーシアが俺の元へとやってくる。

 

「イッセーさん、その女性は誰なのでしょうか?」

 

そうやって問いかけて来るアーシアに対して俺が答えるよりも早く黒歌がこう言った。

 

「私は黒歌、ご主人様の伴侶にゃん!」

 

「えぇっ、そうだったんですか!?」

 

「違うだろうが。」

 

胸を張りながらそう言う黒歌の言葉を聞いてアーシアが驚きの声を上げる。

 

が、その瞬間俺がそれを否定する。

 

「アーシア、こいつは俺の使い魔だ。さっき言っていた事は気にするな。」

 

「えっ、!?あっ、はい。」

 

「ガーン!!」

 

俺の言葉を聞いてアーシアはそれに同意し、黒歌はショックを受けていじけ始めるが、黒歌を一旦そっとしておくことにした。

 

「今日はアーシアの服や生活必需品を買いに行こうと思っているが、それでいいか?」

 

「い、いえ、これ以上イッセーさんにご迷惑をお掛けするというのは・・・。」

 

俺がそう聞くと、アーシアはおずおずとした感じでそう言って来るが、俺はさらにこう言った。

 

「気にするな、アーシアはこれからこの町で住む事になるんだからな。これくらいどうという事は無い。」

 

俺はそう言いながら玄関へと歩いて行きながら最後にこう言った。

 

「行こうか、アーシア。」

 

「は、はい!」

 

そうして、俺とアーシアは買い物をするために外にへと出るのだった。

 

 

 

数時間後、一通り買い物を終えた俺達は休憩としてファミレスに入った。

 

俺は昨日消費してしまった力の回復を促すためにステーキ五人前を平らげ、アーシアはサンドイッチセットを食べた。

 

食事が済むと、食後の一杯として俺はコーヒーを、アーシアは紅茶を飲んでいた。

 

すると、アーシアが話しかけて来る。

 

「あの、イッセーさん。」

 

「なんだ、アーシア。」

 

俺がそう尋ねると、アーシアはこう言って来る。

 

「私、こんなにも楽しいこと初めてなんです。私、イッセーさんと出会えて本当によかったです。」

 

「俺もだよ。」

 

そう言いあいながら楽しい時間を過ごした俺達が家に戻ると、そこには不機嫌な顔をした黒歌がいた。

 

「・・・おかえり。」

 

不機嫌にしながらもそう言って来る黒歌に対して俺は頭をなでる。

 

「にゃっ、にゃっ、にゃによ!?」

 

俺の行動が意外なのか黒歌は驚きの声を上げる。

 

「ただいま。」

 

そう言って撫でるのをやめると、俺は二階の一室を片付け始める。

 

その部屋は簡易の物置として使っていたが、そこをアーシアの部屋にするつもりだ。

 

物置とは言ってもこの部屋には古着とかしか置いていなかったが・・・。

 

それらを余裕のある部屋へ移し替えると、アーシアを呼んだ。

 

「アーシア、ここがお前の部屋だ。一応、ベッドとかも用意はしてあるが使いにくかったら言ってくれ。」

 

「いえ、ここまでしていただいてもらってこれ以上何も言えませんよ。」

 

「そんな事は気にするな、俺がしたい事をしているだけだ。」

 

そう言いながらアーシアの頭をなでると、アーシアは顔を赤くさせて俯いてしまう。

 

「それじゃあ、飯でも作るか。」

 

「じゃあ、私お手伝いしますね!!」

 

俺の言葉にそう言って来るアーシアにこう言った。

 

「あぁ、頼む。」

 

こうして、今日の俺の一日は幕を閉じたのだった。と、俺は思っていた。

 

だが、まだ終わっていなかった。

 

最後にまさかあんな事が起きるとは思いもしていなかった。




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夜這いと焼き鳥

お久しぶりです、フェるです。

長らく投稿を休んでいましたが、これからはちょくちょく出せていければと思っております。

これからもよろしくお願いいたします。

今回の話は前に投稿していた話の内容を一部修正したものです。


夕食を食べ終わって部屋でのんびりとベッドで横になっていると、部屋の床に突然転移魔法陣が出現した。

 

「この転移魔法陣は確かグレモリーの・・・。」

 

ベッドから飛び起きながらそう言いかけると魔法陣からリアス先輩が現れた。

 

「イッセー・・・。」

 

何か思いつめた表情をしながらそう言って俺の方まで歩いて来て押し倒してくる。

 

「ちょっ、リアス先輩!?」

 

いきなりの事に俺は動揺を隠せなかった。

 

すると、リアス先輩はこう言って来る。

 

「イッセー、私を抱いてちょうだい。」

 

「へっ」

 

リアス先輩の言葉に俺は唖然としてしまう。

 

続けて、リアス先輩がこう言って来る。

 

「私の処女を貰ってちょうだい、大至急頼むわ。」

 

そう言って着ている服を脱ぎ捨てていくリアス先輩、どこか無理をしているような気がする。

 

そんな風に見えた俺はハッキリとこう言った。

 

「お断りします、こんなことをしても後で後悔をするのは自分自身だってリアス先輩だって解ってますよね。」

 

俺がそう言うと、リアス先輩は肯定を示すかのように俺から視線を逸らした。

 

すると、またも部屋の床に転移魔法陣が現れる。

 

その魔法陣を見ながらリアス先輩は嘆息する。

 

「・・・・・一足遅かったわね・・・・。」

 

そう言いながら魔法陣の方を見るリアス先輩をよそに俺は魔法陣の文様を確認すると、それはグレモリーだった。

 

誰だ、可能性としては朱乃先輩、小猫、木場の三人の内の誰かか全員だな。

 

いや、この現状は誰に見られても不味いだろう!!

 

そう考えていた俺の考えは大きく外れて魔法陣から現れたのは銀髪のメイドだった。

 

俺はそのメイドを見て密かに警戒レベルを最大にまで引き上げた。

 

メイドの名前はグレイフィア・ルキフグス、現魔王サーゼクス・ルシファー眷属の女王(クイーン)にして最強の女性悪魔。そして【最強の女王】と称され【銀髪の殲滅女王(クイーン・オブ・ディバウア)】の異名を持つ。

 

今の俺でも苦戦はするだろうなと、そんな事を考えているとグレイフィアが口を開いた。

 

「こんな事をして破談に持ち込もうというお考えですか、リアスお嬢様。」

 

なんとも呆れたという感じの口調で淡々として言って来るグレイフィアに、リアス先輩は顔を顰めながらこう言った。

 

「こんな事をでもしなければ、お父様とお兄様も私の意見なんて聞いてはくれないでしょう?」

 

「このような下賤な輩に操を捧げると知れば旦那様とサーゼクス様が悲しまれますよ。」

 

下賤な輩、その一言が発せられた瞬間七魔達が暴れ出そうとしたため俺は必死に抑えるハメになった。

 

すると、リアス先輩がいかにも不機嫌といった感じでこう言った。

 

「私の貞操は私の物よ、私の認めた相手に捧げてないが悪いのかしら?それに、私の後輩を下賤呼ばわりしないでちょうだい。たとえ、あなたでも怒るわよ、グレイフィア。」

 

グレイフィアはリアス先輩の言葉を聞いて嘆息しながらも床に脱ぎっぱなしのリアス先輩の上着を拾う。

 

「何はともあれ、あなたはグレモリ一家の次期当主なのですから無闇に殿方へ肌を晒すのはお止めください。ただでさえ事の前なのですから。」

 

そう言ってリアス先輩に拾った上着をかけると、グレイフィアの視線が俺に移る。

 

すると、途端頭を下げて来る。

 

「はじめまして、私はグレモリ一家に仕える者で、グレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」

 

「こちらこそはじめまして、俺は兵藤一誠と言います。」

 

俺もグレイフィアと同じように頭を下げてそう言った。

 

すると、リアス先輩がこう言って来る。

 

「それで、ここに来たのはあなたの意志なのかしら?それとも、家の総意?・・・お兄様の意志なのかしら?」

 

そう言っているリアス先輩は普段と違って年相応に見える。

 

「全部です。」

 

グレイフィアの即答を聞いて先輩は諦めたように溜息を吐く。

 

「そう、お兄様の【女王】であるあなたが直々人間界に来るのだから、そう言うことなのね。」

 

そう言うと、リアス先輩は脱ぎっぱなしの服を着始める。

 

服を着終えると、リアス先輩は俺にこう言って来る。

 

「イッセー、ごめんなさい。さっきまでの事は忘れて頂戴。私も冷静じゃなかったわ。」

 

「えぇ、そうしましょう。この事は互いに忘れましょう。」

 

リアス先輩の言葉に俺が同意すると、先輩が近づいてきて・・・。

 

チュッ。

 

えっ、俺は今キスされた?

 

「これで許してちょうだい。また明日会いましょう。」

 

そう言ってリアス先輩はグレイフィアと共に転移して帰っていくのだった。

 

俺はしばらくの間放心状態になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺は黒歌にアーシアの事を任せて学校にへと向かっている途中、忘れるとは言ったものの俺の頭の中では昨日の出来事ばかりが巡っている。

 

だが、無関係の俺が出しゃばる訳にはいかないからな、そう思いながら帰宅していると突然駒王学園の旧校舎の方から魔力の昂りを感じ取った俺は即座に魔法陣を展開させて駒王学園の屋上に転移をする。

 

屋上に転移した俺はそのまま屋上を飛び降りて旧校舎の方へと向かう。

 

旧校舎に着くと、俺はオカルト研究部の部室に行き、その扉を開いた。

 

部室の中にいたのはグレモリー眷属はもちろんとして、グレイフィアともう一人。

 

そのもう一人はホストみたいなチャラそうな金髪イケメンがいた。

 

「おい、リアス。何でここに人間がいるんだ?」

 

「別に、あなたには関係無いわ。」

 

男の問いかけにリアス先輩は冷たくそう言った。

 

「おい、人間ここは貴様の様な奴が来るべきところじゃない。今すぐ帰れ。」

 

尊大にそう言って来る男に対して俺はこう言った。

 

「うるせぇ、お前に言われる筋合いはない。」

 

「貴様、この俺様が優しく言ってやっているというのに・・・。」

 

そう言いながら怒りに身体を震わせるチャラ男。

 

「ハァ?優しいって言葉を辞書で調べてから使えよ、トリ頭。」

 

物怖じしない俺の言葉を聞いてオカ研全員は驚きの表情を浮かべている中、グレイフィアが俺にこう言って来る。

 

「兵藤一誠様、この方はライザー・フェニックス。純血の上級悪魔でありフェニックス家のご三男であらせられます。」

 

フェニックス、確か「フェニックスの涙」とか言う回復アイテムで財政はかなり潤ってるとか・・・。

 

「ふーん、で?」

 

だが、俺はそんなことに興味無さげに声を出す。正直に言うと、マジで興味が無い。

 

すると、そこでグレイフィアが昨日のリアス先輩があんな事をした理由がわかる。

 

「そして、リアスお嬢様、グレモリー家の次期当主の婚約者であらせられます。」

 

婚約者・・・、これで昨日のアレは婚約を破棄するために・・・。

 

なるほど、これで納得がいった。

 

「だから?」

 

そう言っているとライザーがこう言って来る。

 

「ふん、貴様のような頭の弱い人間にいくら話しても無駄だ。分かったらとっとこの場から立ち去れ。」

 

いちいち癪に障る言い方をしてくる奴だなと、そう思っているとリアス先輩がライザーにこう言った。

 

「いい加減にして頂戴、ライザー。以前も言ったはずだけど、私はあなたと結婚なんてしないわ!!」

 

「あぁ、それは聞いたよ。だがな、リアスこの婚約は悪魔の未来にとって大切な事なんだぞ。君は家を潰す気なのか。」

 

リアス先輩の言い分にライザーは正論を口にする。

 

それを聞いたリアス先輩はこう言った。

 

「家は潰さないわ、婿養子だって迎え入れるつもりよ。」

 

その言葉を受けてライザーがこう言って来る。

 

「じゃあ、さっそく俺と・・・。」

 

「でも、あなたとは結婚しないわ。家柄が古い悪魔にだって相手を決める権利だってあるもの!!」

 

そうハッキリと言いきるリアス先輩に対してライザーは顔を顰めながら舌打ちする。

 

すると、ライザーはこう言って来る。

 

「リアス、俺もフェニックス家の看板を背負っているんだ。泥をかけられる訳にはいかないんだよ!!」

 

その言葉の直後、ライザーの周囲に炎が舞う。

 

「俺は君の眷属とそこの人間を燃やし尽くしてでも冥界に連れ帰るぞ。」

 

そう言いながらライザーは俺を含むオカ研メンバーに殺意と敵意を向けてくるが、俺にとってはこんなものどうということは無い。

 

木場と小猫と朱乃先輩は構えてはいないが、臨戦態勢に入っている。

 

リアス先輩もライザーに対抗して紅い魔力をを纏い、オーラ同士がぶつかり合う。

 

すると、そこへグレイフィアがこう言った。

 

「お二人とも、落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私は遠慮などしないつもりです。」

 

静かではあるが迫力の籠った言葉だ、それを聞いたリアス先輩とライザーは表情を強張らせる。

 

最強の女王に言われればそうなってしまうのも無理はないな。

 

ライザーは身体に纏わせていた炎を消してこう言って来る。

 

「最強の【女王(クイーン)】と称されるあなたにそう言われてしまっては怖いですよ。」

 

リアス先輩も紅い魔力を消して臨戦態勢を解いた。

 

二人の戦意が無くなったのを確認したグレイフィアはこう言って来る。

 

「こうなってしまう事は両家の方々も重々承知しておりましたので、最終手段を取り入れることとなりました。」

 

「グレイフィア、最終手段っていったい何なの?」

 

「お嬢様、ライザー様との【レーティングゲーム】にて決着をつけるというのはどうでしょうか?」

 

「なっ!?」

 

グレイフィアの意見にリアス先輩は驚愕の表情を浮かべる。

 

「爵位持ちの悪魔達が行う下僕同士を戦わせて競い合うゲームの事だよ。」

 

「なるほど、教えてくれてサンキュー。」

 

「どういたしまして」

 

俺にそうやって耳打ちして説明をしてくれた木場に俺は礼を言った後再度聞く態勢に入る。

 

「ご存じの通り、レーティングゲームは成熟した悪魔しか参加できません。ですが、非公式であれば未成熟の悪魔でも参加は可能です。その多くがーーー。」

 

「身内同士もしくは御家同士のいがみ合いね。」

 

嘆息しながらグレイフィアの言葉を続けるリアス先輩。

 

「私が拒否をした時の場合を見越してゲームで婚約を決めようとしているという事ね、どこまで私の生き方をいじれば気が済むのかしらっ!!」

 

イラついた様子のリアス先輩は殺気が漲っている。

 

そこへグレイフィアがこう言って来る。

 

「では、ゲームも拒否すると?」

 

「いいえ、こんな好機はないわ。ゲームで決着を付けましょう、ライザー!!」

 

グレイフィアの言葉にリアス先輩はそう言いきった。

 

というか、そんな言い方をすればリアス先輩は必ず受ける、それを解っていてそう言ったな。

 

そんなリアス先輩の言葉に対してライザーは余裕綽々と言った感じでこう言って来る。

 

「そんな簡単に受けてもいいのか、俺は既に成熟しているうえにゲームに参加して既に勝ち星を多く挙げている。それでもやるというのか、リアス?」

 

そう言って来るライザーに対してリアス先輩はこう言った。

 

「えぇ、もちろんやるわ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!!」

 

「いいだろう、そっちが勝てば好きにすればいい。だが、負ければ俺と即結婚してもらうぞ!!」

 

そう睨み合いながら言いあう二人にグレイフィアがこう言って来る。

 

「お二人の御意思はこのグレイフィアが確認させていただきました。ご両家の立会人としてこのゲームの指揮を執らせていただきます、それでよろしいね?」

 

「ええ」

 

「ああ」

 

グレイフィアの問いにリアス先輩もライザーも了承をする。

 

「分かりました、両家の皆様には私からお伝えします。」

 

確認をしたグレイフィアは頭を下げる。

 

すると、ライザーが俺に向かって視線を向けてくると思った瞬間、思わず燃え散らしたくなるくらいの嘲笑をしてくる。

 

「なぁ、リアスまさかあそこの人間を除いてここにいる面子が君の下僕なのか?」

 

「だったら、なんだというのかしらライザー?」

 

ライザーの言葉に対してリアス先輩は眉を吊り上げる。

 

それに対してライザーは何がおかしいのか笑いだした。

 

「これでは話にもならんな、君の女王(クイーン)である「(いかずち)巫女(みこ)」しか俺の可愛い下僕に対抗出来そうにないな。」

 

そう言いながらライザーが指を鳴らすと魔法陣が光りだす。

 

紋様はライザーと同じフェニックスで、その魔法陣から人影が出現してくる。

 

「まぁ、俺の可愛い下僕達だ。」

 

堂々とそう言って来るライザーの周囲に十五人の眷属悪魔らしい奴等が集まった。

 

だが、眷属が全員女ってのはどうなんだ。まぁ、正直に言えば心底どうでもいいけどさ。

 

そう思っていると、ライザーがこう言って来る。

 

「人間、貴様の様な下賤な存在では実現する事は出来ないだろう!!」

 

そう言いながらライザーが眷属全員とイチャつき始めた。

 

それを嫌悪感を纏わせながらリアス先輩は呆れながら見ている。

 

「お前では一生こんな事は出来まい、人間。」

 

そう言って来るライザーに俺はこう言った。

 

「お前、リアス先輩と結婚した後も他の女と関係を持つつもりか。」

 

「英雄、色を好むって言うだろう。人間界の(ことわざ)だったよな。」

 

そうやって自信たっぷりに言って来るライザーに俺はこう言った。

 

「ハッ、笑わせるな。お前程度の奴は英雄とは言わない、英雄の意味を履き違えるなよ焼き鳥。」

 

俺の挑発に対してライザーは怒りの表情を浮かべる。

 

「焼き鳥だと!?この人間風情がぁぁぁぁ!!調子こきやがって!!自分の立場と言うのを解らせてやる!!ミラ、やれ!!」

 

「はい、ライザー様」

 

ライザーに命令されて俺の前に出てきたのは棍棒を持った身長が小猫と同じくらいの女の子だった。

 

「イッセー!!」

 

リアス先輩達オカ研メンバーが慌てているのをよそに女の子が俺に向かって得物である棍棒で突きを放ってくるが、俺は突き出してきた棍棒を簡単に掴んだ。

 

「なにっ!?」

 

それを見たライザーは声を上げ、俺以外の全員も驚愕の表情を浮かべるのを無視して俺はこう言った。

 

「この程度かよ、遅い上に弱いな。」

 

そう言って棍棒を握り潰し、腹に蹴りを叩き込む俺。

 

その蹴りをまともに喰らい、ライザーへと飛んでいった女の子は片方だけ仮面をつけた女に受け止められる。

 

「貴様、俺の眷属によくも・・・!!」

 

怒りを露わにしながらそう言って来るライザーに対して俺はこう言った。

 

「何言ってやがる、お前の自業自得だろ。」

 

そう言って睨み合う俺とライザーの間にグレイフィアが割り込んでくる。

 

「お二人とも、そこまでです。」

 

グレイフィアが入ってきたことで俺とライザーは睨み合うのをやめると、ライザーがこう言って来る。

 

「おい、人間!貴様もレーティングゲームに参加しろ!!受けた屈辱はゲームで返さなければ気が済まん!!」

 

「丁度いいな、グレイフィアさん俺が参加しても問題ないよな。どうせ、非公式なんだからな。」

 

「はい、問題はありません。」

 

ライザーの言葉に俺は同意しグレイフィアに問いかけると、そう言って来る。

 

すると、リアス先輩が俺に何かを言おうとした時にライザーがこう言って来る。

 

「ゲームは十日後でどうだ?今からでもいいが、それでは面白くもない。」

 

その言葉に不機嫌であることを隠そうともせずにリアス先輩はこう言った。

 

「・・・私にハンデを与えるつもり?」

 

その言葉に対してライザーはこう言って来る。

 

「感情だけで勝てるほど【レーティングゲーム】は甘くはないぞ。」

 

そう言った後、ライザーの足元の魔法陣が光を放つ。

 

「せいぜい、その人間を鍛えてやるんだな。」

 

そう言い残してライザーとその眷属は帰って行った。

 

「では、お嬢様私もこれにて失礼させていただきます。」

 

そう言ってグレイフィアも帰って行った。

 

オカ研メンバーと俺だけになると、リアス先輩がこう言って来る。

 

「イッセー、あなたいったい何を考えているの!?レーティングゲームはただのゲームじゃないのよ!!」

 

一歩間違えば人間である俺は死んでしまうと言いたいんだろうけど、俺はもう人間じゃないけどとそう思いながら気にせずこう言った。

 

「大丈夫ですよ、リアス先輩。俺は死んだりしませんから。それじゃあ俺はこれで帰りますね。」

 

俺はそう言い残してオカルト研究部の部室を後にするのだった。




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