蜂蜜†物語 (乱A)
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その1《呉》「雪蓮の天元突破」

 

トンッ

 

大きくなったお腹を撫でていると手の平に感じる軽い衝撃を感じる。

 

トクン、トクン、トクン、トクン。

 

そして規則的に奏でる命の鼓動、命の証。

華陀が言うには後、ニ~三ヶ月で生まれるらしい。

 

じいちゃんが知ったらどんな顔をするかな?

きっと可愛い曾孫にデレデレの爺馬鹿になるに違いない。

 

…何でこんな事になったのかな?

 

 

 

 

あの日、仕事が終わった頃に雪蓮に呼び出された。

何やら面白い物を手に入れたから見に来てくれとの事だった。

 

そう、今思えば其処で気づくべきだったのだ、なぜ気付かなかったのだろう?

雪蓮の、「面白い物」というメッセージに……

 

 

 

―◇◆◇―

 

「何だよ雪蓮、面白そうな物って?」

「これよ、こ・れ」

 

雪蓮はポンポンと机の上に置いた壷を叩く。

 

「何だまた酒か?いい加減にしとかないとまた冥琳にどやされるぞ」

「ぶーぶー、違うわよ。これは蜂蜜よ蜂蜜。面白い効能があるらしくて手に入れるのに苦労したのよ」

 

キラリッ

 

ゾクウッ

 

そう語り掛けて来た雪蓮の瞳に宿っていた光に凍りつく様な悪寒が背筋を走った。

い、いかん…早く此処から逃げなければ…

 

(逃げなきゃ駄目だ、逃げなきゃ駄目だ、逃げなきゃ駄目だ、逃げなきゃ駄目だ)

 

頭の中で3番目の少年もそう呟いている。

 

「あっ!そう言えば今日中に片付けなきゃいけない懸案があったんだった。じゃっ、そう言う事で」

「ふ~ん、行っちゃうんだ。じゃあ代わりに亞莎を呼んで来てく・れ・る?」

 

ピタリと足が止まる。

つまりはここで俺が逃げると代わりに亞莎が生贄になるって事か。

 

「でも、やっぱりせっかく雪蓮が呼んでくれたのにここで帰ったら失礼だよね」

「うん!一刀ならそう言ってくれると信じていたわ♪」

「(く、くそう)それで、どんな効能があるんだ?」

「まずは味見をしてみて。大丈夫、ちゃんと毒見はすませてるから。甘くて美味しかったわよ」

「じゃ、じゃあちょっとだけ」

 

スプーンで掬い取り、ペロリと舐めてみると確かにこいつは美味い。

 

「うん、確かに美味いな」

「でしょでしょ。さっ、もっと舐めてみて」

 

蜂蜜を舐め続けていると何だか体が火照りだし、痺れて来た。

 

「ふふふ、美味しい?うふフフ腐腐」

「か、体が熱い。な、何なんだ、しぇ…雪蓮……これは一体?」

「どうやら始まった様ね。心配しなくても大丈夫よ。すぐに収まるから、腐腐腐腐腐腐腐」

       

雪蓮の怪しげな嗤い声を聞いていると漸く体の疼きは収まって来た。

「な、何とか落ち着いた。それより何なんだよ雪蓮、あの蜂蜜は!」

「いや~ん、こわ~い、怒っちゃ嫌よ一刀ちゃん!」

「怒るに決まってるだろ。それに何だよちゃんなんて、まるで女みたいな呼び方…ん?ん、ん、あ~」

 

な、何だこの声!?

まるで女みたいなアニメ声、俺の声なのか?それに何だか服がぶかぶかみたいだし。

そして部屋に備え付けられている姿見で自分の体を見て見ると……

自分で言うのも何だが、美少女が其処に居た。

 

慌てふためいて自分の体を触って見ると……、胸がある?アレが無い?何故?何で?何がどうなってこうなった?

 

「いや~、でもまさか此処まで可愛くなっちゃうなんて驚きだわ」

「ど、どう言う事?」

「だから最初に面白い効能があるって言ったでしょ。ほら、わたしがあの蜂蜜舐めたら生えて来ちゃったのよ」

 

雪蓮はそう言いながら服の裾を捲り上げる、其処にあったのは……

 

俺のアレより大きなソレだった。

 

 

「だから、一刀だったらどうなるかな~と思って、てへっ」

「てへっじゃな~~い!」

「それにしても、……一刀、本当に可愛いわね…ペロリッ」

「な、何だよ?その舌舐めずりは………」

 

雪蓮はその瞳に怪しげな光を宿したまま俺に近づいて来る。

俺は当然一歩下がるが雪蓮は二歩近づいて来る。

 

二歩・三歩

 

四歩・五歩

 

そして壁に行き着き逃げ場は無くなった。

 

「ねえ一刀、あたし疼いて来ちゃったの。いいわよね?」

「ダメダメダメダメダメダメダメダメーーーーー!!」

「何よ、あたし達の事、さんざん食べたくせに、ケチッ」

「や、やめてくれ、お願いだから……」

 

ウルウルウル、ジワァ、

 

雪蓮は段々と息が荒くなって行き、怯える俺の瞳には涙が滲みでて来て、そして……

 

ポロリ

 

一筋の涙となって零れ落ちた時、聞きたくなかった何かが切れた音が部屋に響いた。

 

……プッチィーーーーン!!

 

「もう駄目ーーーっ!天元突破ぁーーーーーっ!あたしの○○○が一刀を突くぅーーーーーーっ!」

「や、やめてぇ!雪蓮ーーーーーーっ!」

「ガルルルルルルルルルルッ!」

「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!」

(もうダメだ、おしまいだぁ……)

 

頭の中で何処かの王子様がそう嘆いていた。

 

 

―◇◆◇―

 

パキンッ

 

その頃、浅草の実家で一刀の茶碗が軽い音を立てて割れたのに気付く者は誰も居なかった。

 

 

―◇◆◇―

 

チュンチュン、チュンチュン

 

 

 

「れ、蓮華様。落ち着いて下さい」

「これが落ち着いていられる訳が無いでしょ!」

 

翌朝、いきり立つ蓮華は何とか宥め様とする思春を連れながら廊下を歩いている。

向かう先は雪蓮の部屋だ。

 

「まったく、お姉様ったら!」

「とにかくお待ち下さい、蓮華様」

「何を落ち着いているのよ思春、昨夜は私達の番だったのよ!貴女だってあんなに楽しみにしていたじゃない」

「そ、それは…そにょぉ…」

「一刀が忘れる訳ないし、きっとお姉様が無理やり自分の部屋に連れ込んだのよ!」

 

雪蓮の部屋に着いた蓮華は扉を蹴破る勢いで殴り込む。

「一刀は何処ですか!隠しても無駄ですよ、お姉さ…ま?」

 

其処には小蓮や冥琳達がそろっており、雪蓮は頭に大きなコブを作って冥琳の前に正座させられていた。

 

「どうしたの、皆そろって?」

「あっ、お姉ちゃん。一刀が……」

「一刀?一刀がどうしたの?」

 

小蓮が寄り添っていた寝台の上には誰かが毛布に包まって寝ており、すすり泣く声と共に震えており、何事かと毛布を捲って見ると其処には可愛い女の子が枕に顔を埋めて泣いていた。

 

「えっぐ、えっぐ、えっぐ。ふええぇ~~~ん」

「誰よ、この娘?」

「えっとね、一刀…なんだって」

「一刀ぉっ!?」

 

蓮華がその答えに絶句していると冥琳が額に指を当て、溜息を付きながら説明をしていく。

 

 

「なるほど。それで北郷がこんなに落ち込んでいるという事ですか」

「えへへへへへ」

「お姉様、貴女という人は…」

「お姉様ずるーーい!何でシャオも呼んでくれなかったの?」

「シャオッ!そういう問題じゃない!」

「ぶーぶー」

「しかし、雪蓮様は無事に元に戻れたのに何で一刀様は…」

「考えられる原因は一つしかありませんね~」

「…ま、まさかっ!?」

「はい~。一刀さんの体の中にはすでに命が宿っていて、そして男の体にはその命を育てる器官が無い為に元の姿には戻れないという事ですね~。さっすが雪蓮様、一発必中!」

 

その穏のあまりにも的を得た答えに雪蓮以外は全員絶句していた。

 

「北郷……」

「不憫な…」

 

そして、その現実に皆は一刀にかける言葉が無かった。

 

「ねえ冥琳。あたしの子供にはどんな真名が似合うと思う?」

「しぇ~れ~ん~」

「ご、ごめんなさい。ね、ねえ一刀」

「……何………?」

「元気な赤ちゃん産んでね♪」

「しぇれーーーーーーんーーーーっ!」

「……うう、うわあああーーーーーーーんっ!も、もう、もうおうちにかえるぅーーーーーっ!」

 

 

―◇◆◇―

 

 

 

それから時は流れ、新たな命は無事に生れ落ちた。

 

「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」

「うむ、よく頑張ったな一刀。元気な女の子じゃぞ」

 

大きな声で産声を上げる赤ん坊を取り上げた祭は無事出産を終えた一刀にそう伝えてやる。

 

「赤ちゃん…私の赤ちゃん」

「さあ、抱いてやれ」

 

祭から赤ん坊を受け取った一刀は愛おしむ様に抱き締め、笑顔を向ける。

まさにそれは誰から見ても一人の母親である。

 

「おお、めんこいな。一刀よ、ワシにも抱かせてくれい」

 

そう言い、一刀から赤ん坊を受け取ったのは北郷一心、一刀の祖父である。

ちなみに、どうやってこの外史にやって来たのかは貂蝉や卑弥呼ですら解らずじまいの永遠の謎である。

 

「こうやって曾孫を抱けるとは、ワシは幸せ者じゃ」

 

どうやらそれが目的だったらしい、爺馬鹿も此処まで来れば最強だ。

 

 

 

ともあれ天下泰平、世は全て事も無し。

今日も呉の国は日本晴れ。

 

 

(`・ω・)<ちゃんちゃん!

 

 

 




「……ちゃんちゃんですむと思っているのか?」

「げえーーーっ!一刀ぉーーーーっ!?」

「お、俺じゃない。脳に降りて来た電波が悪いんだ」

「うんうん、そうだな。それはそれとして」

「な、なんでせう?」

「とりあえず向うの暗い隅っこに逝こうか?」

「字が間違っていませんか?」

「ああ、ほんとだ、じゃあ修正して…」

「ほっ」

「向うの暗い隅っこで逝こうか?」

「そっちかあぁぁぁぁぁっ!」

「ルルルルルールールールゥルー」

「その曲はいやぁーーーーーっ!」

             



「じゃあ頼んだぞ、二人共。たっぷり可愛がってやってクレ」

「うむ、任された」

「ご主人様の頼みだからね。ぬっふうううん」

「ぎゃあああああああああっ!」

お死まい



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その2《魏》「暴走の曹魏」

 

ハッハッハッハッハッ!!

 

息も絶え絶えに、一人の少女が走っている。

そして目に付いた草むらに身を潜めると荒い息をゆっくりと整える。

そう、少女は今追われているのだ。

誰に?それは……

 

「居たか、秋蘭っ!」

「いや、此処には居ないぞ姉者」

「絶対見つけるのーーっ!」

「逃げてもムダやでーっ!」

「せや、さっさっと出て来んかい!」

「早く出て来てください」

「無駄な抵抗は止めたほうがいいですよ」

「どこに居るのー、出て来てよーーっ!」

「お願いですから出て来てください」

「大丈夫です、痛くしませんから早く捕まって下さい」

「この私から逃げられると思っているの?甘いわ、甘すぎるわ!」

 

ドドドドドドドドドドドッ

走り去っていく足音を聞きながら、見つからなかった事にほっと一息を吐く。

何で、何でこんな事になったのだろう?

ただ、流瑠が作ったホットケーキに「蜂蜜」をたっぷりかけて食べただけなのに……

少女の目から涙が一筋流れ落ちた。

「出て来なさーーーいっ!一刀ーーーーーーっ!!」

時は少し戻り……

城の厨房に皆は集まり、流琉が作った料理を見ていた。

それは一刀が流琉に作ってくれと頼んだホットケーキであった。

 

「へえ、これが”ほっとけえき”というの。いい匂いね、美味しそうだわ」

「はい、兄様に教わって作りました」

「いっぺん天に行って旨いもん食い倒してみたいわ!」

「ねえ、華琳様、まだ食べちゃダメ?」

「そうね、皆揃ったみたいだしいただきましょうか?」

「待って下さい、ほっとけえきには蜂蜜をかけて食べたほうが美味しいそうです」

 

そう言って流琉は瓶を取り出した。

 

「それは?」

「はい、街に来た行商人から買ったんです。店に置いてあるのよりずっと良いものだと」

「へえ、じゃあさっそくかけて食べましょう」

 

ホットケーキにかけられた蜂蜜は黄金色に妖しく光っていた……

そして……

―◇◆◇―

 

女性化してしまった一刀を華琳達は取り囲んで見つめていた。

そして彼女達?のアソコには、はち切れんばかりの”ソレ”があった事はもはや言うまでも無い。

「あ、あの……みなさん?……眼があぶないデスヨ?」

「ああ、一刀…貴女って…こんなに可愛かったのね…ペロリッ」

(だめだ、完全に目が逝っている……そうだ、桂花なら止めてくれる)

「桂花!華琳を止め……て…」

「い、いままでひどいこと言ったりしてごめんなさい、お詫びに、い、虐めてください!お、お姉様とお呼びしてもいいですか?」

(だ、だめだこいつら、な、何とかしないと……)

「なあ、一刀ぉ、ウチもうあかんねん、何とかしてえな~」

(何とかしてほしいのはこっちだ!)

「た、隊長……」

「助けてほしいの~」

「後生や~」

(そ、そんなこといったって……)

「北郷、た、頼む」

「ええいっおとなしく犯られろっ!」

「嫌に決まっているだろ!」

「兄ちゃ~ん」

「兄様ぁ~~」

「お兄さん~」

(ううっいつもなら抱きしめたくなるほど可愛いのに。)

 

ちなみに残りの一人はすでに血の海で溺れている。

 

「い、嫌だあ~~~~~~っ!」

「あ、逃げた!」

「逃がさ~ん!」

「何としても捕まえるのよ!」

「「「「「「「「「御意!」」」」」」」」」

そんな事があり、現在のこの状況という訳だ。

 

(何としても逃げ切ってやる、しかし天和達が巡業で居なかったのは不幸中の幸いだったな。ファンを探索に使われたらさすがに逃げられない)

 

逃げ始めてから一刻半、何とか街外れの空き家に逃げ込む事が出来た。

 

「はあはあ、さすがに喉が渇いた」

「はい、お水をどうぞ~」

「おお、ありがと。……はぁっ!?」

 

…かに思ったのだが……

 

「ふふっ、見つけましたよお兄さん」

 

ヒイッ

 

「もう、逃げられませんよ~」

「風っ!」

「へえ、ほお~」

(うまいこといってる場合じゃねえ~)

「た、頼むっ!見逃してくれーーーっ!」

「無理です、風ももう我慢の限界なんですよ~」

「そこを何とか!」

 

俺は土下座をして懸命に頼み込むが、風の言葉は俺に絶望しか与えてはくれなかった。

 

「残念ですがもうこの空き家はすでに囲まれてますよ~」

「……………マジ?…………」

「はい、本気と書きます」

「は、ははは、はははははははh………」

(………そこで俺の意識は薄れていった……)

 

 

場所は一刀が連行された城に戻り、一刀は寝台に寝かされており皆は部屋の前で順番待ちをしている。

 

「じゃあ、約束通りお兄さんを捕まえた風が一番と言う事で」

「…仕方ないわね。早くなさい、後がつかえてるんだから」

「なら華琳様も一緒にしますか?」

「いいの?」

「その代わり、お兄さんの初めては風のものですよ」

「ええ、私は後ろので我慢するわ」

「ではでは、ご一緒に~~」

ギイイイイ、バタン。

 

 





(`・ω・)…まあ、そういう訳で別の外史へ……

          スパーン
  一刀(`・ω・´)彡 逝って来い
  ∠二i=⊂彡                
       (`・/ /д・)ギャーー!

お死まい


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その3《魏》「ほああああああっ!」

 

『ほあああああああああっ!』

 

「みんなのあいどる!」

「てんほーちゃーーーーんっ!」

「みんなのあこがれ!」

「ちーほーちゃーーーーんっ!」

「みんなのいもうと!」

「れんほーちゃーーーーんっ!」

 

『ほああああああああああっ!』

「みんなーーーっ!愛してるーーーーーっ!」

『ほあっほあっほああああっ!ほあっほあっほあああああああっ!ほあっほあっほあああああああーーーーーーーーーっ!』

今日は決戦を前に控えて士気を高める為に「かぞえ役満☆しすたーず」による、洛陽での一大コンサートだ。

「これだけ士気を高めれば蜀呉同盟も怖くないかな?」

「いえ、もともと我ら曹魏の兵に闘いを恐れる者など一人としていません」

「そうなの~、クソ虫共に恐怖なんて感情一億年早いの~」

「そういうこっちゃ!さあ、隊長の出番や、この「蜂蜜」水飲んで最後にキチッと決めてんか」

「おうっ、サンキュー!ゴクゴク、よしっ行くか」

真桜が差し出した「蜂蜜」水を飲み干した一刀は警備隊、および北郷隊の総隊長として演説に赴く為にステージ上に上がった。

「曹魏の兵の諸君!いよいよ蜀呉同盟との決戦が近付いてきた、我らは何としてもこの闘いに勝たなければならない、そして、曹操様の下で天下統一を……はた…う、う…あれ、何だ、体が熱い、ううう…」

 

何が起きたのか、一刀は演説の途中に体を抱える様にしながら蹲る。

 

「隊長!」

「どうしたの隊長~」

「大丈夫か、しっかりしてえな~」

「何、一刀どうかしたの?」

「ちょっと~、コンサートはシメが大切なのよ」

「こらっ姉さん!!一刀さん、大丈夫ですか?」

三羽烏や三姉妹達は蹲ったままの一刀に駆け寄って行くが………

 

ザワザワザワ・・・・・

「とにかく、隊長は楽屋裏にさが・・・っ・・て・・・・・」

「た、たい・・ちょう・・・?」

「な、な、なんなんやこれは・・・・?」

 

一刀の変わり果てた姿に言葉を失って行く。

 

ザワザワザワザワザワザワ・・・・・・

「嘘、こんな事って・・・・・」

「ううう、負けたぁ~~~、orz」

「一刀、可愛い♪」

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ・・・・・・・

(みんな、何騒いでるんだ?体も落ち着いてきたし、演説の続きを……)

 

ムニッ

 

(何だ?今胸で変な感触が……)

 

モニュモニュッ

 

(!?ま、まさか……いや、そんなはずは………)

 

ポヨンポヨンッ

 

(!!!!!!!!!)

一刀は立ち上がり、自分の姿を確認すると何処かの刑事の様に雄叫びをあげた。

「な、何じゃこりゃーーーーーーーーっ!?」

「た、隊長が女性に…」

「しかも、ハンパやない可愛らしさやで!!」

「自信なくなっちゃうの~」

「ううう~、何でこんな事に~~」

 

そんな一刀の瞳は徐々に潤みだし…

 

ウルウルウルッ ジワァッ

 

「!!!!!!!!」

 

そして、一刀の瞳から一滴の涙が光った瞬間、

『ほああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーっ!!!』

「な、何や!何なんやこの歓声は!?」

「隊長が一滴の涙を見せただけで…すごい」

「ちい達よりずっと凄いよ」

「…こ、これよ、これだわ………」

「これって、何が?」

「まさかとは思うけど、隊長にも歌を歌わせようなんて言わへんやろな?」

「言うに決まってるでしょ!!」

「「「「「えええええええええーーーっ」」」」」

「一滴の涙でここまでみんなの心を魅了する一刀さんの魅力、使わない手はないわ」

「いやだーーーっ、俺は男だーーーーっ!」

「いいえ、貴女は既に女性です。ではさっそく、華琳様にご報告を」

「いやだ、いやだ、いやだーーーっ!」

「隊長、諦めて下さい。華琳様ならまちがいなく賛成します」

「せやな、大将の事やからこれまで以上に盛り上げるで」

「あきらめるの~」

「そ、そんなぁ~~~~」

 

「みんな~、これからは一刀…ううん、一姫も一緒よ~~」

『ほあああああああああああーーーーーっ』

「みんなーー、よろしくねーーーーっ」

『ほあああああああああああああああーーーーーーーっ!!』

「あたし達四人で今まで以上にがんばるからねーーーーーっ」

『ほああああああああああああああああああああああーーーーーーーっ!!』

「応援してねーーーーーーっ」

『ほあっ、ほあっ、ほあああああああああーーーーっ!ほあっ、ほあっ、ほああああああああああああーーーーーっ!ほあっほあっほああああああああああああああーーーーーっ!』

 

「いやだあぁぁぁぁぁぁっ…う、うええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっ」

「…だから、あきらめぇて……」

 

 

そして時は流れ………

 

『ほああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーっ!!』

「みんなーーー、元気ーーーーーっ」

「げんきーーーーーーーっ」

「それじゃ、おまちかねの」

「かぞえ♪」(天和)

「役満♪」(地和)

「しすたーず♪」(人和)

「ぷらす壱♪」(一姫)

「「「「大陸統一記念コンサート、始めるよーーーーーーっ」」」」

『ほああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーっ!!!』

 

世は全て事もなし

めでたしめでたし……

 

 

 

 




乱A「今回のネタは誰のだ?」

乱C「俺だ」

乱A「Cよ………」

乱B「………」

乱D「………」

乱C「…何だよ、まずかったのか?」

A、B、D「………グッジョブ∑b∑b∑b」

乱C「へへへっ、グッジョブ∑b」

一刀「飛んで逝けえーーーーーーーーーっ!!」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!

A、B、C、D「「「「ぶるういんぱるすっ!!!!」」」」


お死まい


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その4《魏》「恐るべき華琳様」

ピシャアアァァァァァァァンッ!!

ゴロゴロゴロゴロゴロ……

 

 

此処は洛陽にある曹魏の城、そして華琳の部屋。

夜も更けた空には暗雲が断ち込め、雷鳴が轟いていた。

 

「フフフフフフフフフフフ」

華琳は机の上にあるモノをみて微笑んだ。

「フフフフフ、ついに、ついに手に入れたわ」

 

ピシャアアァァァァァァァァンッ!!

ゴロゴロゴロゴロゴロ……

 

 

「待っていなさい一刀、あんな事や、こんな事を、ジュルッ…あまつさえ、あんな恰好をさせて、そんな事まで、フフフフフ」

 

 

(ゾクウッ、な、なんだ?今の悪寒はいったい。)

 

自分の部屋に居た一刀は突如襲って来た悪寒に驚いている。

 

 

 

 

「フフフフフ、楽しみね一刀…いえ、一姫」

虚ろな眼でそう呟いている華琳。

 

 

 

その頃、一刀の頭の中には何処からか声が聞こえて来た。

 

(逃げろ)

「ん?」

(逃げるんだ)

「何だ?頭の中に声が」

(逃げるのよ、早く!)

「何だ、何から逃げろと言ってるんだ?」

 

何処かで聞いた事のある様な声は一刀に逃げろと言っているが何からどうやって逃げるのか一刀には分からなかった。

 

 

 

 

そして華琳は誰かと乾杯でもするかのように盃を掲げるとその酒を一気に飲み干し、高らかに笑う。

 

「アハハハハハハ・・・アーハッハッハッハッ!!」

 

ピシャアアァァァァァァァァァァァッン!!

 

華琳の政務室の机の上には雷光に照らされた「蜂蜜」が妖しく光っていた。

ゴロゴロゴロゴロゴロ

 

 

翌日、

 

 

「おお、美味そうだな」

 

一刀の前には、焼きたてのホットケーキがあった。

 

「いいな~ボクもたべたいな~」

「こら、季衣、行儀が悪いよ」

「はいはい、また今度作ってあげるわよ、まず一刀に食べてもらって感想を聞かなけりゃ。」

「よし、さっそく」

「待ちなさい、その「蜂蜜」をかけるのを忘れちゃダメデショ」

「おっと、ゴメン」

そう言いながら一刀が蜂蜜に手を掛けようとすると、再びあの声が聞こえて来た。

 

(やめろ!)

(ダメだ!)

(かけちゃダメ!)

「ん?また声が」

「早くしなさい!」

「ああ、分かった。」

トロトロトロ・・・パクリ・・・モグモグ・・・

カチャン・・・・

 

その忠告の意味に気付かなかった一刀はホットケーキに蜂蜜をかけ食べてしまい、その手からナイフとフォークが落ちる。

 

 

 

「うう、何だ、か、体が熱い・・・」

 

そして一刀は突如苦しみ出した。

 

「兄ちゃん!?」

「兄様!?」

「お兄さん~!?」

「一刀っ!? 華琳、これはどういうこっちゃ!!」

「まあ、見ていなさい、ほら、変わるわよ。」

「何が変わるんですか?変態が何に変わったと・ころ・・・で・・・・き、綺麗♪」

「う、うわあ、ほんまに一刀か?」

「素敵ですよ~、お姉さん~♪」

(あ、あの声はこの事を警告してたのか。何で気が付かなかったんだ?)

ポロポロ、泣き崩れている一姫(これからこの呼び方)をみんなは恍惚の表情で見ている。

 

「さて、真桜、アレは出来ているかしら?」

「はい、出来てますけど・・・!!まさかっあ、アレを隊長に?」

「ええ、もちろん。さあ、一姫、閨に行きましょう。フフフフフ、ジュルッ。」

「ま、まっとくんなはれ。アレはあくまで女性用さかい、ウチも一緒に使うて微調整したいんやけど…?」

「華琳様、ぜ、ぜひ私も一緒にお願いします!!」

「か、一姫殿と、あ、あんな事・・・どぶはっ!!」

「はいはい、稟ちゃ~ん、とんとん、とんとん~。では、私もご一緒に~。」

「な、ならウチも!」

「ボクも~~!!」

「あ、あの、私も」

「待ちなさい、一姫は初めてなのよ、そんな大勢じゃ壊れちゃうわ。そうね、真桜、桂花、いらっしゃい」

「はい、華琳様!うふふ、大丈夫よ、優しくしてあげるから♪」

「悪いな、凪、沙和、お先に失礼するで~~♪」

「うう、し仕方ない」

「ぶーぶー、真桜ちゃんずるいのーー!!」

「ちぇっつまんな~い」

「まあまあ~、次の機会では風達三人でするということで~」

「そうですね、仲良く三人で」

 

そして華琳は未だ俯いたままの一姫の肩に手を置いて妖艶な笑みを浮かべて呟く。

 

「さあ、逃げられないのは分かってるでしょう、いくわよ、か・ず・き♪」

「・・・はい・・・・」

(だから言ったのに)

(忠告を聞いていれば)

(強く生きてね)

~これより先の展開はキングクリムゾン~

 

 

 

~時は流れて蜀呉同盟との決戦~

 

 

 

「劉備、孫策、あなた達に勝ち目はありません。大人しく降服しなさい!」

 

「いいえ、私達は決してあきらめません!!」

「そう言う事よ、今更そんな説得に応じると思う?」

 

華琳は劉備と孫策に降服を促すが二人はそれを良しとはしなかった。

 

「しかたないわね、なら」パチンッ

 

華琳が指を鳴らすと誰か布をかぶったまま華琳の横に出てきた。」

 

「これからあなた達は天の御遣いの真の恐ろしさを知ることになるわ、見なさい!!」

 

ガバッ

 

そう言って華琳は布をはぎ取った。

 

 

「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」

 

 

其処には呂布の格好をした一姫がいた。(しかも、照れて頬を赤くしている)

 

「ぐ、ぐはあっな、なんという、は、破壊力だ・・・」

 

関羽はそう言いながら膝から崩れ落ちる。

 

「あああああ、か、かわいいよ~~、ナ、ナデナデしたい~~!!」

 

劉備は混乱している。

 

「うにゃあ~~、鈴々にはその気はないはずなのに、力が入らないのだ~~」

 

張飛をまた、真っ赤な顔で一姫を見つめている。

 

「み、みんな、しっかりするのよ!い、いくら、いくら可愛いといったって・・・な、なによ、いくらなんでもあれは反則よ!!」

 

孫策もまた、混乱していた。

 

「ううう、だ、大丈夫なのです。ちゃんとねねの隣には本物の恋殿が・・」

「?????なんでアイツ恋と同じ格好してる??」

 

「あらあら、しぶといわね。じゃあこれならどう?」

 

そう言って華琳はあるモノを取り出した。

最終兵器「ネコミミ」を。

 

「「「「「「「!!!!!!!!!ッ」」」」」」」

 

同盟軍はそれを驚愕の表情で見つめる。

そして華琳はその最終兵器をゆっくりと一姫の頭に乗せて行く。

 

「装着♪一姫、とどめよ」

「に、にゃ~~~ん」

 

 

 

 

   蜀呉同盟軍、壊滅!!

 

 

 

「これにて、すべての闘いの終結を宣言する!!」

 

華琳の終結宣言を夢心地の中で聞きながら倒れ伏している同盟軍の面々は幸せそうな笑顔だったという・・・・

 

「?????????」

 

呂布だけは何が起きたのか分からないままだった。

 

 

続いたりする。(笑)

 

 




あとがき



刑事「な、何だこれは!? こんな凄惨な殺人現場は初めてだぞ。」



お死まい


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その5《魏》「恐るべき華琳様・その後」

ちなみに前回のネコ耳一姫のイラストは某所にあったりします。
さてと、逃走の準備は出来たっと。
早く逃げなきゃ奴が来る。

コンコンッ、コンコンッ

ん?誰か来た様だ。
はーーい、今開けまーす。
ガチャリ


戦いは終わり、同盟締結後の宴の中、一姫はネコミミを付けたまま皆に可愛がられていた。

(再オプションとして、しっぽも付けられている。さらに一姫(元一刀)は華琳達からのたび重なる調きょ……教育の賜物か、その精神は殆んど猫化していた)

 

 

「ほら、この肉まんはどうだ?」

「モグモグ、うん、美味しい♪」ニコッ

「はああ~~~♪」

 

一姫に肉まんを食べさせる愛紗は、その笑顔にすっかり陥落されていた。

 

「えへへ、ナデナデ♪」

「うん?……うにゃ♪」ニコリ

「はにゃ~~~~あ♪」

 

望みが叶い、一姫の頭を撫でる桃香もまたデレデレである。

 

「り、鈴々のお饅頭も食べていいのだ!」

「ありがと鈴々。じゃあ半分こ」

「うにゃ~~~~あ♪」

 

鈴々に至っては、自分の饅頭を一姫に分けるほどであった。

 

「ちょっと、蜀だけで一姫を一人占めしないでよ。ほ~ら一姫、このゴマ団子も美味しいわよ」

 

雪蓮がそう言ってゴマ団子を差し出すと一姫は、

 

「パクリッ」

 

雪蓮の手から直接口に銜えた。

 

「モグモグ。うん、美味しい♪」

「……ぐはあっ!!」

 

そんな一姫の仕草に雪蓮は何処かの軍師の如く、鼻血でアーチを描いて倒れ伏した。

 

「お姉様!!」

「雪蓮様!!…おのれ、雪蓮様に何をした!!」

 

思春は一姫に詰め寄ろうとしたが……

 

「…何でそんな怖い顔するの?…ぐすっ」

 

一姫はうるうると瞳を潤ませる。

 

「あーー!思春が一姫を泣かせた!!」

「何じゃと!!」

「思春、貴様恥ずかしくないのか!!」

「酷いです~~」

「思春様……」

「そ、そんな…私はただ、雪蓮様の為に……」

 

シャオや祭、穏に明命達に攻められた思春はそう言い、後ずさりながら一姫を見ると、

 

「ひっく…ひっく…ひっく」

 

一姫はぐずりながらその瞳からポロリと一粒の涙が零れる。

 

「ぐはっ!……わ、私は何という事を…うわあああーーーーー!!」

 

思春は叫びながら走り去っていった。

 

「思春…馬鹿な娘」

「大丈夫ですよ、怖いお姉さんは何処かに行っちゃいましたから」

 

何気に酷いセリフを言いながら明命は一姫の頭を撫でる。

 

「…………にゃんっ♪」

 

一姫はとたんに笑顔になり明命の膝にじゃれつく。

 

「にゃんにゃんにゃん♪」

「ふ、ふあ…ふああああ~~~」

 

明命は一姫の頭を撫でつつ顎も撫でる。

 

「ふにゃあぁ~~、ゴロゴロ」

 

すると一姫は本物の猫の如く喉を鳴らす。

 

「…お、お、お猫様ーーー!!う~~、モフモフです~~!!」

「うにゃ~、明命いい匂い。スリスリ、ペロリ」

 

一姫は明命に頬をすりよせ、そして明命の頬を一舐めする。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」パタリ……

 

明命は何も言わずに倒れ、時折ピクピクと痙攣している。

 

「どうしたの?明命、明命?」

 

倒れた明命を心配しながら揺する一姫を眺めながら華琳は自慢げに桃香や雪蓮に言い放つ。

 

「ふっ、どうよ。貴女達に勝ち目がないと言ったのは本当でしょ。これぞ正に『魏の最終兵器』よ!!」

「ひゃ、ひゃひかにおひょろひいわね」

「はああ~~、一姫ちゃん、可愛いよぉ~~。華琳さぁ~~ん、お持ち帰りしたいよぉ~~」

「駄目に決まってるでしょ!!」

「しょぼ~~ん」

 

そこに風がやって来て一姫に言う。

 

「お姉さ~ん。お姉さんの大好きな焼き魚がありますよ~」

「ふにゃっ!!」

 

その声を聞くと作り物の筈のネコミミとしっぽがまるで血が通ったかのようにピンッと立ち上がる。

 

「ふにゃ~~~ん♪」

 

一姫はほこほこと湯気を出している焼き魚に飛びかかる。

そんな一姫のあられもない姿を見て三王は固まる。

 

「!!」

「!!」

「!!」

「このあんぐる、計画通りです」

 

目の前の光景に驚いている華琳達を他所に、風はノートを取り戻した自称「神」の男の様な笑みを浮かべていた。

 

「にゃんにゃんにゃんっ♪はぐはぐ……ふにゃ?」

 

喜々として焼き魚を食べていた一姫だが視線を感じると魚を咥えたまま振り返る。

 

「「「ぐぼはぁっ!!」」」

 

三王が噴き出した鼻血は霧のように撒き散り夜空に幻想的な虹を作り出した。

 

三王が見た光景、それは……

 

 

 

 

 

 

焼き魚は皿にのせられ地面に置かれていた。

その為一姫は腰を高く上げ、魚の頭と尻尾を両手で押さえ、そのままかぶりつく。

当然、短いスカートからは眩しい限りの白い下着が丸見え。

ふりふり揺れるお尻にはしっぽが装着済。

四つん這いになって振り返るとその口には魚が咥えられたまま。

右手は頬の横で招き手。

そして「ふにゃっ?」と、小首を傾げる。

 

 

これで萌えられない奴は生命体じゃない!!(断言)

 

 

 

 

「うおおおおおおーーーーーーー!!」

「うにゃっ!?」

 

華琳は一姫を抱えると猛ダッシュで走り出した。

 

「桃香、閨は何処っ!!」

「此方ですっ!!」

「待ちなさいっ、二人占めは許さないわよ!!」

「ふにゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!」

 

三人+一匹は嵐のように去っていった。

 

「しまった。加わり損ねました……」

 

その夜、成都の夜空には猫の鳴き声が夜明け間近まで響いていたといふ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュンチュン……

 

窓から差し込んで来た朝日が一姫の目を照らす。

 

「う…うう~~ん」

 

目を覚ました一姫はゆっくりと起きあがる。

 

「ふあぁ~~~あ…むにゃ、何だか長い夢を見ていたような…」

 

どうやらようやく一姫は一刀としての正常な意識を取り戻したようである。

 

「ここは何処だ?…って何で裸なんだ!?それに何でネコミミが付いてるんだ?それに…しっぽまで!!」(どうやって素肌に付けた!?)

 

『う~~ん……』

 

声がする方に顔を向けると。

 

「華琳!!やっぱり華琳の仕業……か?」

 

顔を向けた方には全裸の華琳、そして同じく全裸の桃香と雪蓮が居た。

 

「な……何で劉備さんと孫策さんが?……」

 

動揺しながらも必死に記憶を探っていると徐々に猫化してた時の記憶が蘇って来た。

 

「…そ、そうだ……華琳達に散々調教されて……言葉使いも猫っぽく強要され……そして…劉備さん達との舌戦の時に呼び出され…ネコミミを付けられ……そして……そして…あ…ああ…ああああああ………」

 

恥ずかしい記憶が蘇って来るたび一刀の顔は青くなっていき、そして…

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

プチンッ

 

一刀の頭の中の、切れてはいけない『何か』が切れた。

そして……

 

 

「ふわあ~~~~あ」

「むにゃ…何よ、もう朝?」

「ふああ~~。あ、おはよう一姫♪」

 

 

 

「……ニャンッ♪」

 

 




あとがき


鑑識班「警部……これは…うぷっ!!」

警部「これ程までに酷い殺人現場は二度目だ……」

お死まい


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その6《蜀》「恐るべき野望」

( ;ω;)ストック切れた…


 

 

「さあさあさあ♪」

「ううう………」 

「ほらほらほら♪」

「うううう………」

「「早く早く早く♪」」

「ううううう………」

 

 

此処は成都、蜀の城。

 

一刀はたんぽぽと翠の二人に追い詰められ、其処にやって来た愛紗はそんな一刀達を見ながら小首を傾げていた。

 

「う~む?星、何をやってるんだ、ご主人様達は」 

「おお、愛紗か。罰げぇむだそうだ」

「罰げぇむ?」

 

星はいつものとおりメンマを肴に酒を飲みながら答えた。 

 

「うむ、以前主が天の遊戯で「とらんぷ」というものを教えて下さったであろう。

ようやく遊び方を覚えたのでな翠が真剣勝負がしたいと言ったら主が

『だったら負けた方が何でも一つだけ言う事を聞くことにしよう』

とおっしゃられてな、天ではそれを罰げぇむと言うのだそうだ」

 

「そうだよ。さあ、お姉さまが勝ったんだから約束通り「これ」を着てよね♪」

「そうだぜ、約束は守らなきゃな。私だって「これ」を着るのは恥ずかしかったんだからな。さあさあさあさあ♪」

 

そう言いながら二人は手にしていた服を高々と掲げる。

 

「なっ!! そ、それは…その服は…その意匠は……」 

「ふふふふふ、見たいのであろう?なあ、愛紗よ」

「あ、あ、愛紗、た、助けて……」

 

一刀は涙ぐみながら愛紗に助けを求めるが愛紗は愛紗で一刀と二人が手にしている服を交互に見ながらあたふたしている。

 

「ああ、あう、はああ、(お助けしたい、し、しかし、あ、「アレ」を着たご主人様、是非ともこの目で…)はあううっ!!」 

「なりませぬぞ主よ!! 君主ともあろうお方が約束を違えるおつもりか!!」

 

助けを求める一刀に向かって星はその態度を諫める様に言うが、実の所はあからさまに楽しんでいるのは誰の目から見ても明らかであった。

もっとも一刀自身はそれどころではなかったのだが……

 

「……わかったよ、約束だったよな。着替えて来るよ」 

「わかれば宜しいのです。月、それに詠よ!主の着替えを手伝ってやってくれ」

「何いーーー!?」  

「やっと諦めたの?さあ、さっさと着替えに行くわよ!」 

「へう~、ご、ご主人様、準備はできてます。」

「星~~!お、お前…」 

「主では着替えはともかく、化粧は出来ますまい」

「け、化粧だとーーー!!」 

「当然でしょう。何しろ罰げぇむなのですから」

「お、鬼~~~!!」 

「はははははははっ」

 

 

こうして抵抗も出来ないまま連行されていく一刀。

大丈夫、痛くない、怖くない、ドナドナド~ナ~。

 

(おのれ作者め、後(書き)で覚えてろよ)

 

 

「くそう、こんな事なら「ゴスロリ」なんて作るんじゃなかった」 

「さあ、さっさとしなさい!」 

「こっちですよ、ご主人様♪」

「なんで月はそんなにノリノリなんだ?」  

 

そして着替えの為に別室へと連行された一刀は、準備されていたゴスロリ服を見るとその完成度に目を見張った。

 

「さあ、さっそく着替えるわよ」

 

(くう~~。この服、桃香に着せたら似合いそうなのに、何で俺が着る羽目に)

 

服を見ながら冷や汗を掻く一刀に月は黄金色に怪しく輝く液体を差し出した。

 

「喉が渇いたんじゃないですかご主人様?コレをどうぞ」

 

何かと一杯一杯だった一刀は“ソレ”を何の疑いも無く飲み干した。

 

「ありがとう月。ゴクゴク……うっ、なんだか体が熱く……」 

「疲れてらっしゃるんですね。後は私達に任せて休んでらして下さい」

「そうさせてもらうよ、…あまりやり過ぎないでくれよ?」 

「はい、お任せを。クスクス」

 

そんな月の笑い声を聞きながら眠りに着いた一刀であったが、その体は自然の摂理の如く「変わっていく」のであった。(笑)

そして其処に小さな二つの影が近づいて来た。

 

 

「はわわ、どうですか?」

「あわわ、うまくいきました?」 

「はい、成功です」

「翠さんには感謝ですね。まさかこんなに早く機会が来るとは」

「でもこれで次の新刊も…。楽しみだね、朱里ちゃん、月ちゃん。クスクス」 

「「そうですね、クスクス」」 

 

そんな三人を横目で見ながら詠は申し訳なさそうに一刀に語りかける。

 

「……さすがに可哀想だと思うけど悪く思わないでよ、まあ元がアンタなんだしせいぜい笑い話のネタに……えっ?………ウソ!!」

その姿に愕然とする詠の傍で「蜂蜜」は怪しい光を放っていた。  

 

 

 

 

 

~その頃の魏~

 

玉座の間で軍議が行なわれている時、魏の国主である曹操は突如として立ち上がる。

 

 

「これから蜀に行くわよ!!」

「い、いきなりどうなされたんですか華琳様?」

「わからないけど、どうしても行かなけりゃならない気がするのよ!!」

「華琳様もですか~。風もです」

「しかし、今は呉との闘いが控えている大事な時、蜀に行っている場合ではありませんよ」

「でもでも~~、稟ちゃ~ん…」

「でもじゃありません」

「華琳様、何があるのかは解りませんが今は我慢してください」

「風、貴女もですよ」

「くうううう~~~~!!」

「ううううう~~~~!!」

「「ち、血の涙!! 一体蜀で何が……」」

 

 

 

 

そして再び成都~

 

ガヤガヤ

 

玉座の間では一刀の「ゴスロリ」姿のお披露目と言う事で全員が集まっていた。

 

「ご主人様の「ごすろり」か~、どんなだろうね~」

「楽しみなのだーー!」 

「コクコクッ」

「ふんっ!ち○この無様な女装を思いっきり笑ってやるのです」

「同感だな」

 

桃香、鈴々、恋が楽しそうにしていて、ねねと焔耶は何時も通りに悪態を付いている。

そんな中で朱里と雛里は何を言うでもなく、ただ其の時を待っていた。

 

「……」

「……」

 

ガチャリッ 

 

そして扉が開き、詠は何やら人生に疲れたサラリーマンの様に項垂れたまま扉から入って来る。

 

「……ただ逝ま…………」  

「おお、ようやく着替えが済んだか……どうした?」  

 

そんな詠を不思議そうに見ていると扉の向こう側から月達の声が聞こえて来た。

 

「さあさあ早く、みんなが待ってますよ♪」

「どうしても行かなきゃダメ?」 

「もちろんダメです♪」

「うう~~っ」 

「はうう~~も、もうこれは刀じゃありません、姫、姫です!一刀様ではなく一姫様です!!」

「うにゃ~~」  

 

「……な、何が、扉の向こうで何が起きているのだ?それに何やら主の声が変だぞ」 

 

「みなさ~~ん♪お待たせしました、私達のご主人様、一姫様で~す♪」

『一姫様?』

 

 

コツコツコツ………

 

もはや諦めたのか一刀(一姫)はゆっくりと玉座の間に入って来た。

 

『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

その姿を見て全員の顔に驚愕が走る。

 

「へ、変じゃない?」

 

桃園三姉妹は……

 

「うにゃ~~~~~~~~~~~あ!!」

「はにゃ~~~~~~~~~~~あ!!」

「ふにゃ~~~~~~~~~~~あ!!」  

 

 

 

恋とねねは……

 

「…ねね、恋なんだかヘン。胸がドキドキして体が熱い」

「そ、そそそそそそうですか?ねねも別にドキドキしてますが?」

 

 

たんぽぽと翠は……

 

「ど、どうしようお姉さま。ご主人様綺麗すぎるよ」 

「お、思いっきり笑ってやろうとしてたのにこんな事になるなんて」  

 

星は……

 

「な、なんと、美しい」

 

璃々に紫苑と桔梗は……

 

「ご主人様きれーーい♪」

「まあまあ、ご主人様ったら」

「ほほう、これはなかなか…むっ!い、いかん!焔耶は!?」

 

 

 

 

焔耶は…

 

「・・・・・・・・・」

「ほっ、落ち着いておるようじゃな。気の回し過ぎだったか」

 

一姫の姿を見ても何の行動を起こさない焔耶に桔梗は一安心するが……

 

プチンッ

 

「ぷちんっ?」

 

紫苑の耳に“ナニカ”が切れた音が聞こえた。

 

「ほああああああああああああああああああああああああーーーー!!」

 

「な、何だ!…焔耶?」

「いかん、やはり駄目であったか」

 

「お館ぁーーーーーーーっ!!」

 

目にも止まらぬ速さで焔耶は一姫に襲いかかる。

 

ガバアッ

 

「な、え、焔耶落ち着け、俺は一t、ムグゥッ、むぅ~~~…うう、ぷはあっ!おちつ…、ひゃあんっ」

 

一姫に抱き付いた焔耶はその唇を奪い、そして体中を撫で回す様に触りまくる。

 

「ガルルルルルルッ」

「ふああ、や、やだそこ…きゃうっ、ゆ、指がはいっ……て…」

「落ち着かぬかーーーー!!」

 

一姫を襲いまくる焔耶の頭上に桔梗の鉄拳が勢いよく襲い掛かる。

 

「ぐはあっ!!」

 

ようやく焔耶から解放された一姫に桃香か駆け寄る。

 

「ご主人様、ご無事?」

「う、うん、大丈夫だけど……あれっ?…何で指が入って来るなんて……」

 

そんな一姫を見ながら、青ざめたたんぽぽは頭に浮かんだ疑問を口にする。

 

「ご、ご主人様、ひょっとして本当に女の体に?」

「えっ?えっ?えっ?な、何で?」

「お、お兄ちゃんが……お姉ちゃんになっちゃったのだ……」 

「こ、これは面妖な……」

「ご、ご主人様~~」

 

 

 

 

「ふしぎですねえ~~」

「これはいったいどういうことでしょう」 

「なにがげんいんで」

 

朱里、雛里、月の三人はしれっとした感じで呟き、呆然としていた一姫はついに泣き出してしまった。

 

「な、何で、何でこんな事に…ふえ、ふええええ~~~ん!」

「大丈夫だよご主人様、私がついてるから。あっちでゆっくりお話ししよ?」

「う、うん。ひっく、ひっく、ありがと、桃香」

「どういたしまして」

 

そう言って一姫を連れて行く桃香、その後をこっそりとついて行く三人。

 

 

 

 

桃香達が部屋を出て行くと、愛紗は……

 

「ご、ご主人様が……無いのがあって、あるのが無くて…ふう」

 

バタン

 

と、気絶してしまった。

 

「愛紗ちゃん!しっかり」

「衛生兵ーー!衛生兵ーー!」  

 

倒れ伏した愛紗を紫苑が介抱し、桔梗が衛生兵を呼ぶ。

 

「…ブツブツ……(何であいつの方が大きく)…ブツブツ……」

 

詠は未だに一姫(一刀)との胸の差にショックを受けたまま、床にのの字を書きながらいじけていて。

 

「……きゅう~~~」

 

焔耶は桔梗に殴られたままのびている。

 

「お姉さま~、どうしよう?」 

「どうしようたって…どうすりゃいいんだ?」  

「ご主人様、きれいだった…ポッ」

「恋殿の方がすこs…いいえ、ず~~と綺麗ですぞ」

 

 

―◇◆◇―

 

「作戦通り上手く言ったね雛里ちゃん」

「これで次の新刊も万全だね朱里ちゃん」 

「八百一本もいいけどこっちもいいでしょ?」

「そうだね月ちゃん。ドキドキしましゅ」

「それにしても、まさか桃香様がタチだったとは……、それもあんなに激しく…。あわわ」 

「ご主人様はやっぱりネコだったね」

「さあ、雛里ちゃん、月ちゃん。さっそく執筆作業に入りましょう!」

「「おーーーー!!」」

 

 

後日、その本は即売会で伝説を作ったといふ。

 

 

 

~後日談~

 

 

「じゃあ、一姫ちゃん。今日もお仕事頑張ろうね♪」

「うん、ご主人様」

 

何時の間にやら主従が逆転している二人の姿が蜀の地で見られたという。

 

 

 





あとがき


ドガアアアン!(ドアを蹴破った)

一刀「ど~~こ~~だ~~」

「ムームームー」

一刀「ん~~~」

猿轡をされ、簀巻きになっている乱B.

傍らにメモが置いてある。

『今回の話はすべてBの独断であり我らは関与してません。Bは置いて行くのでご自由に持って逝って下さい。A、C、D」

一刀「だ、そうだ。じゃあ逝くぞ」

乱B「ム~~~~~!」(いや~~~~~!)

一刀「ドナドナド~ナド~ナ~」

乱B「ム~~~~~~~~~!」

ギイイイイイイイイ、バタン。


お死ま逝


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