バトルスピリッツ 輝きのゼクス (三龍神)
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登場人物 紹介

登場人物の紹介です。まだ未登場のキャラもいますのでネタバレが嫌な方は戻るステップで。
今後追加されるかもしれません。


赤宮 光輝 あかみや こうき

 

性別 男

 

年齢 16歳

 

好きなもの バトスピ 料理

 

使用属性 赤

 

 

 

この物語の主人公。数あるバトラーの中でもトップクラスの実力を持つS級バトラー。

3Dバトルシステムの生みの親、赤宮夫婦の息子。忙しい両親に変わって9歳の頃から家の家事をしていたため、料理は得意。

バトスピと出会ったのは8歳の時、慎吾とクラスメイトがやっているところを見て興味を抱き、慎吾と行った先のショップでなんとなくタワーを回したところ、Xレアの龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードを偶然当てる。その後ジーク・ヤマト・フリードを切り札にしたデッキで始めて参加した小さな大会で優勝し、もっと強いバトラーと戦いたいと思うようになる。その後も着々と実力をつけ、13歳の時にチャンピオンシップで優勝を収めた。日本一になったことで一時期バトスピに対する熱意が薄れていたが、両親が開発した3Dバトルシステムがきっかけとなり全国に強いバトラーが出現することとなり、再びバトスピの頂点を目指すことを決める。ただ相手に勝つだけではなく、相手のキースピリットを倒してこそが本当の勝利という考えを持っている。

赤属性中心のデッキを使用し、一番のキースピリットは自身がバトスピを始めるきっかけとなった、龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード。

 

 

 

 

火野 恭賀 ひの きょうが

 

性別 男

 

年齢 17歳

 

好きなもの バトスピ 辛い食べ物 動物

 

使用属性 赤

 

 

赤デッキを使用するS級バトラー。ワイルドな性格で、バトスピでは赤属性が一番強いと思っており、赤属性以外のカードは一切使用しないことを信条としている。強いバトラーとのバトルを求めており、同じく赤属性を使う光輝の前に立ち塞がる。不良のような外見をしているが、動物好きという以外な一面をもっており、一度認めた相手には友好的な態度を見せる。赤属性のことを馬鹿にされると激しい怒りを見せる。皇獣中心の赤デッキを使用し、相手のライフを徹底的に狙う攻撃的な戦術を使う。

キースピリットは戦国覇王ギュウモンジ、凶龍爆神ガンディノス。

 

 

 

緑山 大地 みどりやま だいち

 

性別 男

 

年齢16歳

 

好きなもの バトスピ 植物

 

使用属性 緑

 

植物の世話が好きな、緑属性のカードを使うバトラー。温厚な性格だが、植物などを意図的に傷つけるものには怒りを見せる。バトルでは緑属性が得意なコアブーストと疲労効果、神速を駆使しながらの速攻を得意とする。

キースピリットは甲蛾頭首クワガスレイヤー、風魔頭首シノビオウ。

 

 

大原 水穂 おおはら みずほ

 

性格 女

 

年齢 16歳

 

好きなもの バトスピ 海 甘いもの

 

使用属性 青

 

光輝と同じ学校に通っている同級生。青く綺麗な長髪をしており、誰に対しても優しく接する。その美貌から男子だけでなく女子からも人気がある。中学の頃、不良に絡まれていたところを当時同じ学校の同級生だった光輝に偶然助けてもらったことがあり、その時から密かに光輝に好意を抱いている。高校進学の時に当初は女子高に行く予定だったが、途中で光輝と同じ高校に進学することを決めた。バトスピでは相手のデッキを0にして勝利するデッキ破壊を得意とする青属性のデッキを使用する。

キースピリットは英雄巨人タイタス、蒼海明王など。ちなみにバトスピを始めた理由も、光輝に振り向いて欲しいという理由で始めた。

 

 

紫村 陣 しむら じん

 

性格 男

 

好きなもの バトスピ 強者とのバトル

 

年齢 12歳

 

使用属性 紫

 

 

紫属性のデッキを使うS級バトラー。強いバトラーと戦い自分の名を全国に広めようとしている。破壊されたスピリットを何度も復活させる戦法を使う。

キースピリットは邪法師オグマ、神霊王アメホシノミコト。

 

 

白夜 龍牙 びゃくや りゅうが

 

性別 男

 

年齢 17歳

 

好きなこと バトスピ 読書

 

使用属性 白

 

バトスピ界において最強クラスの実力を持つS級バトラー。チャンピオンシップを始め数々の大会で優勝しており、バトルでは守りを固め相手が隙を見せた瞬間に一気に攻め込む。かつては負けたことがない無敵のバトラーだったが、3年前のチャンピオンシップの決勝で光輝と戦い敗れている。そのため光輝を自分を初めて負かした最強のライバルとして見ており、光輝を倒して再び最強の座を手にすることを目標にしている。光輝に負けた後2年の間バトスピの特訓をし、光輝にリベンジするべく再びチャンピオンシップに出場するが、光輝が途中で棄権してしまいそのまま優勝する。再び頂点に輝いたことでバトラー達の憧れの存在になっているが、光輝を倒さない限り真の最強バトラーではないと思っており、再び光輝との戦いを望んでいる。圧倒的な強さからついた名は「鉄壁の軍神」。

主なキースピリットは黒天狐ネガ・ナインテイル、月光神龍ルナテック・ストライクヴルムなど。

 

 

黄原 明里 きはら あかり

 

性格 女

 

年齢 15歳

 

好きなもの バトスピ カシャネコ

 

使用属性 黄

 

明るい性格で、カシャネコをこよなく愛する黄属性使い。バトルになるとスピリットに話しかける変わった一面がある。妖戒を中心にしたデッキを使用しており、特にカシャネコに対して深い愛着があるらしく、カシャネコを破壊されると悲しさのあまり泣いてしまう。公式大会に参加した記録がなく、不明な点が多い。

キースピリットはカシャネコ、妖戒大将カシャネコ・イクサ。

 

 

青山 慎吾 あおやま しんご

 

性別 男

 

年齢 17歳

 

好きなもの バトスピ 美人 かわい娘ちゃんのスピリット

 

光輝の小学生からの幼馴染で、光輝をバトスピの世界に引き込んだ張本人でもある。S級バトラーではないが、高い実力を持っている。しかし美人に目がなく、バトスピのデッキも可愛いイラストのスピリットばかりを入れたデッキをよく使っている。光輝とは親友であり、学校帰りによく近所のショップによる。

お気に入りのカードはトリックスター、導化姫トリックスター、アルバイト姫ケンタッキースター、渚のトリックスター、歌姫トリックスター、アルティメット・トリックスター、[トップアイドル]トリックスター、戦国姫トリックスターなど。

 

 

坂上 太陽 さかがみ たいよう

 

性別 男

 

年齢 10歳

 

好きなもの バトスピ

 

使用属性 赤

 

バトスピ初心者の少年。四島に挑んでデッキを奪われるが、四島を倒してデッキを取り返してくれた光輝に憧れを抱き、弟子入りを申し込む。最初はバランスがメチャクチャのデッキを使っていたが、光輝のアドバイスを受けてからは赤属性中心の武竜デッキを使用している。

 

 

翔太 しょうた

 

性別 男

 

年齢 10歳

 

太陽のバトスピ仲間の1人。頭に赤いハチマキをつけている。

 

 

大介 だいすけ

 

性別 男

 

年齢 9歳

 

太陽のバトスピ仲間の1人。食いしん坊で少し小太り。

 

 

梨花 りか

 

性別 女

 

年齢 9歳

 

太陽のバトスピ仲間の1人。かわいいスピリットを好む。

 

 

高梨 祐作 たかなし ゆうさく

 

性別 男

 

年齢 39歳

 

光輝と慎吾が通うショップの店長。ちょびヒゲが特徴。面倒見が良く、バトスピ初心者の子供などにバトルを教えたりしている。常連の光輝と慎吾にはよくサービスしてくれる太っ腹で優しい人。最近髪が薄くなり始めているのが悩みらしい。

 

赤宮 剛 あかみや たける

 

性別 男

 

年齢40歳

 

好きなもの 家族

 

光輝と裕香の父親で、3Dバトルシステムを妻の愛華と助手達と共に作り上げた。元々優秀な研究員だったが、何を研究するか迷っていた時に、光輝のスピリットを見たいという声を聞き、5年の歳月をかけて息子の願いを叶えた。親バカで光輝と裕香のことは大切に思っており、妻である愛華とは時と場所を選ばずにイチャつくほどのラブラブ夫婦である。現在は妻の愛華と共に、3Dバトルシステムをさらに広めるための研究、開発に取り組んでおり忙しい日々を送っているが、時々電話をするなど父親らしく子供を心配する一面もある。

 

 

赤宮 愛華 あかみや あいか

 

性別 女

 

年齢 38歳

 

好きなもの 家族

 

 

光輝と裕香の母親で、剛の妻。剛と並ぶ優秀な研究員であり、光輝の願いを叶えるために3Dバトルシステム開発の手助けをする。子供を溺愛しており、時々帰ってくるとスキンシップと称して子供を抱きしめる。30代後半とはおもえないほどの美貌を保っており、初見の人なら大半は20代前後と間違える。剛とは常にラブラブで、彼の妻であることを幸せに思っている。

 

 

赤宮 裕香 あかみや ゆうか

 

性別 女

 

年齢 11歳

 

好きなもの 家族 (特に光輝)

 

赤宮家の長女で光輝の妹。学校での成績はかなり良く可愛らしい見た目をしているため、皆から憧れの的になっている。幼い頃から両親が家を空けることが多かったため、両親の代わりに光輝に育てられてきた。そのためか両親も好きだがそれ以上に兄の光輝のことが好きであり、家では後ろから抱きついたり光輝の部屋に来て一緒に寝たがったりと甘えん坊。光輝に構ってもらうために最近バトスピを覚え始め、詩姫を中心とした黄属性デッキを好んでいるが、兄も使用している赤属性も気になっている。光輝以外とはまだバトルしたことがない。




登場人物にこんなカードを使って欲しい。という方は活動報告欄にてお願いいたします。送ってくれる方は大歓迎です。


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第1話 その名は赤宮 光輝

初めまして!初投稿のバトスピ大好き三龍神です。
楽しんで頂けると嬉しいです。


「ふぁ・・・朝か・・・」

 

少年が目を開けると窓から光が差し込んでいた。

それは1日の始まりを告げる日の光だ。

その少年、赤宮 光輝(あかみや こうき)は大きな欠伸をしながらベッドから出ると、二階の部屋を出て階段を降り洗面所へと向かう。そこで顔を洗い眠気を完全に取るとキッチンの冷蔵庫を見て材料を確認する。

 

「うん、目玉焼きとサラダでいいか」

 

作るものを決めて卵と野菜を出し、慣れた手つきで野菜を切っていく。これが光輝の朝の仕事である。そうして調理をしているとドアが開き、向こうから大きな寝癖をつけた少女が入ってきた。

 

「うぅん・・・・」

 

如何にもたった今起きたばかりというように目を擦りながらその少女、光輝の妹の赤宮裕香(あかみや ゆうか)は光輝に近づいて来る。

 

「おはよう裕香、今日は随分大きな寝癖だな」

「おはよう・・・お兄ちゃん・・・」

 

光輝の挨拶に、眠そうにしながらも裕香は可愛らしい声で返事をする。

 

「もうちょっとで朝ご飯できるから、その間に顔洗って寝癖直して来な」

「うん・・・」

 

裕香にそう促して洗面所に向かったことを確認して調理を再開する。これが赤宮家の朝の光景である。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから光輝は裕香と共に朝食を取り、学校へ向かった。短縮授業だった今日はいつもより早く授業が終わり、教科書類を鞄に入れ帰宅の準備を進めていた。帰る者やほかの生徒と雑談する者がいる中、そこに一人の少年が光輝に話しかけてきた。

 

「光輝!早く終わったからショップいこうぜ!」

 

早く授業が終わったのが嬉しいのかその少年、青山 慎吾(あおやま しんご)は機嫌良く光輝を誘う。

 

「なんだ慎吾、新しいカードでも買うのか?」

「う〜んそれもあるけどちょっとお前にデッキ調整付き合ってもらいたくてな」

「ふ〜ん、まぁ少しくらいなら付き合うぞ?」

「おお!サンキュー光輝!んじゃ早速行くぞ!どうせデッキもってきたんだろ?」

「まぁな、ほれ」

 

そう言うと光輝は鞄からプラスチック製のカードケースを慎吾に見せる。それは二人が遊んでいる今大人気のカードゲーム、バトルスピリッツ通称バトスピのカードである。

 

 

 

 

 

 

学校を出て、光輝は幼馴染である青山慎吾と共にショップへと向かっていた。

 

「いや〜みんなやってるねぇ、バトスピ」

「そうだな」

 

慎吾の言う通り、あちこちのベンチなどで子供たちがバトスピをしている。少し耳を傾けてみると・・・

 

「雷皇龍ジークヴルムでアタック!激突だぁ!」

「森林のセッコーキジでブロック!」

「導化姫トリックスターを召喚!召喚時効果!」

「よし!ブレイドラを召喚!さらに、太陽神龍ライジング・アポロドラゴンをLV2で召喚!不足コストはブレイドラから確保!」

 

様々な声が聞こえてくる。みんなバトルに夢中である。

 

「元々人気はあったけどバトルフィールドのおかげでさらに人気になったよな。やっぱお前の両親はすごいよなぁ」

「まぁな・・・。俺の何気ない一言をまさか実現させるなんて思いもしないからなぁ・・・」

 

光輝と慎吾が雑談をしている間に、目的地のバトルスピリッツ専門のカードショップ、バトスピショップに到着した。中に入ると光輝達は何か違和感を感じた。普段なら皆バトスピで盛り上がっている筈なのに、今日はやけに静かなのだ。それに気のせいか皆少し落ち込んでるようにも見えた。すると、

 

「おお!光輝君に慎吾君!いいところに来てくれた!」

 

そう言って光輝達に近づいてきたのは、ちょびヒゲが特徴のこのショップの店長だ。

 

「店長さん、どうしたんですか?今日はやけに静かですね?」

「あぁ。実は・・・」

 

 

 

 

 

店長の話はこうだった。四島 豪太(しじま ごうた)というカードバトラーが突然やってきて、バトスピを行う為のバトルスタジアムを独占すると言ったのだ。嫌ならバトスピで勝ってみろと言っているらしいのだが、どうやら中々の実力者らしく、連勝をしているようなのである。ついさっきも一人の子供が立ち向かったらしいが返り討ちにあい、しかもデッキを奪われたと言う。スタジアムに向かってみると、赤黒いかみの小太りの男が取り巻きであろう少年を4人連れて立っていた。彼が四島豪太なのだろう。少し離れたところに少年が俯いていた。一目見て、先程言っていた返り討ちにあった子供であろう。

 

「あ〜あ、弱え弱え。見ろよ、こんなザコカードばっかのデッキで俺にバトル挑むとかバカだよなぁ」

 

四島は奪ったデッキを取り巻き達に見せて笑いながらバカにしていた。デッキを奪われた子は悔しさのあまり、涙を流していた。それを見た光輝はその顔に少しばかり怒りを浮かべ、鞄の中から自分のデッキケースを取り出した。

 

「悪い慎吾、ちょっと待っててくれ」

 

慎吾にそう言いながら鞄を預け、光輝は四島に近づく。

 

「おいお前」

「あん?」

「そんなことして人として恥ずかしくないのか?子供相手に粋がってデッキを奪って。自分より弱い相手をいたぶるのがそんなに楽しいか?」

「んだとぉ?なんだテメェは?」

 

光輝は泣いている子供の前に立つと、四島に向かって話しかける。

 

「ヒーローごっこかぁ?あ〜あヤダヤダ。痛い目見たことねぇのかなぁ?」

 

四島はバカにするように言うが、光輝は気にせずにデッキをかざす。

 

「おい」

「あん?」

「バトスピしろよ。強い奴とやりたいんだろ?」

「はぁ?この俺様とバトルだと?お前なんかで勝てる訳ねぇだろ。」

「そうか分かった、負ける姿を晒したくないんだな」

 

光輝が煽りを入れると四島は睨んでくる。

 

「まぁ強制はしないさ。それに子供からデッキを取り上げて粋がるようなやつの実力なんて、たかが知れてるしな」

 

光輝が挑発すると四島は額に青筋をたて、

 

「分かった!そこまで言うならバトルしてやらぁ!!ただし俺が勝ったらお前のデッキはもらうからな!!」

「あぁ。ただし俺が勝ったらこの子から奪ったデッキを返してもらう。そして二度とこのスタジアムには来ないでもらおう」

「あぁいいぜ!勝てるもんならなぁ!」

 

そう言うと光輝と四島は、スタジアムの地面にある光るパネルの上に立ち、バトル開始のコールを宣言する。

 

「ゲートオープン、界放!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その掛け声と共に2人は光に包まれ姿が消える。そして2人が降り立ったのは辺り一面が荒野となった、バトルスピリッツを行う為のバトルフィールドであった。

 

 

〜ターン1〜

 

 

「いくぜ!スタートステップ!ドローステップ!メインステップ!まずはダーク・ディノニクソーをLV2で召喚だ!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→2)

 

ダーク・ディノニクソー

スピリット

2(2)/赤/地竜

<1>Lv1 2000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 6000

Lv2・Lv3

このスピリットは緑のスピリットとしても扱う。

シンボル:赤

 

 

四島の場に、黒い模様の小さな恐竜のようなスピリット、ダーク・ディノニクソーが召喚された。

 

「ターンエンドだ」

 

コアを全て使い果たし、攻撃しようにも先行1ターン目は攻撃出来ないので、やることがなくなった四島はターンエンドを宣言した。

 

四島 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

ダーク・ディノニクソー LV2 (コア1 Sコア)

 

 

〜ターン2〜

 

 

「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!メインステップ!いくぞ、ブレイドラをLV2、ワン・ケンゴーをLV1で召喚!」

(手札5→3)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→2)

 

 

ブレイドラ

スピリット

0(0)/赤/翼竜

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000 <3>Lv3 3000

シンボル:赤

 

 

ワン・ケンゴー

スピリット

3(2)/赤/皇獣

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 4000 <5>Lv3 6000

Lv1・Lv2・Lv3

自分のバーストをセットしている間、このスピリットをLv3として扱う。

Lv2・Lv3【激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。

シンボル:赤

 

 

光輝の場には小さな可愛らしいスピリット、ブレイドラと、赤と白の毛に頭部に刀をつけた犬のようなスピリット、ワン・ケンゴーが召喚された。

 

「更に、バーストセット!(手札3→2)この瞬間ワン・ケンゴーの効果発揮!バーストをセットしている間、このスピリットはLV3として扱う!」

ワン・ケンゴー LV1→LV3 BP2000→6000 (Sコア)

 

ワン・ケンゴーの体が光る。レベルアップによりパワーアップしたのだ。

 

「アタックステップ!ワン・ケンゴーでアタック!ワン・ケンゴーのLV3アタック時効果、【激突】!相手スピリットは可能なら必ずブロックする!」

「なに!?チィ!ダーク・ディノニクソーでブロックだ!」

 

ダーク・ディノニクソーがワン・ケンゴーに向かっていくが、BPはワン・ケンゴーが勝っている。ワン・ケンゴーの頭部の刀に貫かれ、ダーク・ディノニクソーは破壊されてしまう。

 

「ブレイドラ、続け!」

 

ワン・ケンゴーによってスピリットがいなくなり、ブロッカーがいない四島にブレイドラが向かう。

 

「ライフで受ける!」

四島 ライフ5→4

 

ブレイドラが四島に向かって炎を吐く。すると四島を守るように赤いシールドが発生し四島を守る。攻撃ぐ終了すると同時にシールドが消失し、四島のライフのコアがリザーブへと移る。スピリットにはシンボルというものがあり、続けて召喚するスピリットのコスト軽減に役立ったり、シンボルの数だけ相手のライフを破壊できる。ブレイドラのシンボルは赤シンボルが一つなので、ライフを一つ破壊することができたのだ。

 

「ターンエンドだ」

 

全てのスピリットでアタックした光輝は、ターンエンドを宣言した。

 

光輝 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラ LV1(コア1)

 

ワン・ケンゴー LV3(Sコア)

 

 

〜ターン3〜

 

 

「やってくれるじゃねぇか!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!オードラン、ピナコチャ・ザウルスをLV1、ダーク・ディノニクソーをLV3で召喚!」

(手札5→2)

(リザーブ6→0)

 

 

オードラン

スピリット

0(0)/赤/翼竜

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000

シンボル:赤

 

 

ピナコチャ・ザウルス

スピリット

1(1)/赤/地竜

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000 <5>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットの色とシンボルは緑としても扱う。

シンボル:赤

 

 

「アタックステップ!オードランでアタック!」

「ライフで受ける!」

光輝 ライフ 5→4

 

「まだだ!ピナコチャ・ザウルス行け!」

「ライフで受ける!」

光輝 ライフ 4→3

 

オードラン、そしてピナコチャ・ザウルスがアタックし、光輝のライフを2つ砕いた。

 

「へっどうだ!ターンエンドだ!」

 

ライフが逆転したからか、少し余裕を見せながらターンエンドを宣言した四島。

 

四島 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

オードラン LV1(コア1) 疲労状態

 

ピナコチャ・ザウルス LV1(コア1) 疲労状態

 

ダーク・ディノニクソー LV3(コア3 Sコア)

 

 

〜ターン4〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!炎楯の守護者コロナ・ドラゴンをLV3で召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ6→1)

(トラッシュ0→1)

 

 

炎楯の守護者コロナ・ドラゴン

スピリット

3(2)/赤/星竜

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000 <4>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3

コスト3以下の自分のスピリットすべては、相手の効果で破壊されたとき、疲労状態でフィールドに残ることができる。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:「星竜」を持つ自分のスピリットすべてをBP+2000する。

シンボル:赤

 

 

「ブレイドラをLV2にアップ!(BP1000→2000)アタックステップ!コロナ・ドラゴンLV3の効果!アタックステップ中、系統:星竜を持つスピリット全てをBP+2000!コロナ・ドラゴンでアタック!」

コロナ・ドラゴン BP4000→6000

 

コロナ・ドラゴンが相手に向かって行く。四島の場にはBP6000のダーク・ディノニクソーがいる。ブロックされれば相打ちとなり両方が破壊される。四島が選んだ選択は・・・

 

「ライフで受ける!」

四島 ライフ 4→3

 

四島はブロックせずライフで受けた。光輝の場にはBP6000、【激突】を持つワン・ケンゴーがおりアタックすれば相打ちにでき、ブロッカーを0に出来るが、

 

「ターンエンド」

 

光輝はターンエンドを宣言した。

 

光輝 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラ LV2(コア2)

 

ワン・ケンゴー LV3(Sコア)

 

炎循の守護者コロナ・ドラゴン LV3(コア4) 疲労状態

 

 

〜ターン5〜

 

 

「俺のターン!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!そろそろ遊びは終わりにしてやるぜ!ダーク・ディノニクソーをLV1にダウン!」

(リザーブ2→5)

「そして来い!俺のキースピリット!」

「!」

「漆黒の大地に眠りし黒き龍!すべてを焼き払え!闇龍ダーク・ティラノザウラーをLV2で召喚!!不足コストはオードランから確保!」

(手札3→2)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→3)

オードラン (コア1→0) 消滅

 

フィールドに大きな亀裂が入り、中から赤黒い炎と共に黒い体に金色の鎧を身にまとった巨大なスピリット、闇龍ダーク・ティラノザウラーが雄叫びをあげ登場する。

 

 

闇龍ダーク・ティラノザウラー

スピリット(闇)

6(3)/赤/地竜

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 7000 <4>Lv3 10000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

このスピリットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【連鎖:条件《緑シンボル》】

(自分の緑シンボルがあるとき、下の効果を続けて発揮する)

[緑]:BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:「地竜」を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。

シンボル:赤

 

 

「さぁ行くぜアタックステップ!ダーク・ティラノザウラーのLV2の効果発揮!アタックステップ中、系統:地竜を持つスピリット全てをBP+3000!!」

 

ピナコチャ・ザウルス BP1000→4000

 

ダーク・ディノニクソー BP2000→5000

 

ダーク・ティラノザウラー BP8000→11000

 

 

「行けダーク・ティラノザウラー!アタックだ!ダーク・ティラノザウラーのアタック時効果発揮!このスピリットのBP以下の相手スピリット一体を破壊する!消えろ、ワン・ケンゴー!」

 

ダーク・ティラノザウラーがワン・ケンゴーに向かって、口から巨大な火の玉を吐き出す。ワン・ケンゴーは火の玉にあたり爆発するが、爆炎が晴れるとワン・ケンゴーはぐったりしながらフィールドに残っていた。

 

「何!?」

「炎楯の守護者コロナ・ドラゴンの効果、コスト3以下の自分のスピリット全ては相手の効果で破壊された時、疲労状態で残ることが出来る!」

 

ワン・ケンゴーのコストは3。よってダーク・ティラノザウラーの効果によって破壊されたワン・ケンゴーは、コロナ・ドラゴンのおかげで疲労状態で残ることができたのだ。

 

「チッ!だがアタックは続いているぞ!行け、ダーク・ティラノザウラー!!」

 

光輝へと近づいていくダーク・ティラノザウラー。ブレイドラでブロックするかライフで受けるか選択を迫られる光輝だが、その顔には・・・笑みが浮かんでいた。

 

「ライフで受ける!!」

光輝 ライフ 3→2

 

ダーク・ティラノザウラーの火の玉が光輝のライフを砕いた。だがそれを光輝は狙っていた。

 

「ライフ減少により、バースト発動!!」

「何!?」

 

光輝の伏せていたバーストが表向きになり、フィールドに火柱が立った。

 

「自分のライフが3以下の時、BP15000以下の相手スピリットを一体破壊する!ダーク・ディノニクソーを破壊!!」

 

その火柱はダーク・ディノニクソーへと向かって行き、火柱に包まれたダーク・ディノニクソーは破壊される。

 

「この効果発揮後、このスピリットをコストを支払わずに召喚する!!」

 

光輝はそのカードを掲げ、フィールドに召喚する。

 

「赤き龍の王!その剣はすべてのものを薙ぎはらう!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード召喚!!」

天空から赤いドラゴンが舞い降り、翼を広げ腕の中から

剣を出現させそのスピリット、龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードは王者の如き雄叫びをあげフィールドに降臨する。

 

 

龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード

スピリット

8(3)/赤/覇皇・古竜

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 13000 <8>Lv4 20000

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のライフが3以下のとき、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

この効果発揮後、このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。

Lv2・Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』

相手のスピリット1体を指定してアタックできる。

Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』

自分のバーストをセットしているとき、このスピリットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。

シンボル:赤

 

 

「なっ・・・クソ!ターンエンドだ!」

 

強力なスピリットの召喚を許してしまい、苛立ちながらターンエンドを宣言した四島。

 

四島 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

ピナコチャ・ザウルス LV1(コア1)

 

ダーク・ティラノザウラー LV2(コア2 Sコア)

 

 

〜ターン6〜

 

 

「一つ聞いてもいいか?」

「あぁん?」

「なんでスタジアムを独占しようとした?スタジアムは皆で使うものだろ?」

 

ステップを進める前に、四島に問いかける光輝。スタジアムの3Dバトルは人気だが、マシンが2つしかないため、ちゃんと順番やマナーを守るのは当たり前のことだ。しかし四島の答えは、

 

「皆で仲良く使おうってか?ハッ!笑わせんな!弱え奴らが3Dバトルだなんて勿体ねぇ。3Dバトルは俺みてぇな強いバトラーが使うべきなんだよ。弱え奴は大人しく普通にバトルしてればいいんだよ!」

 

と悪気もなく返してきた。そんな四島に光輝は・・・、

 

「・・・ああそうか、分かった。お前がバトラーを名乗る資格もないような奴だということがハッキリ分かった!!このターンで終わらせてやる!!」

 

光輝は許すことができなかった。自分の両親が一生懸命作ってくれた3Dバトルを、自分のためだけに独占しようとする四島を。

光輝はその目に怒りを宿し、バトルフィールドに目を向ける。

 

「行くぞ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!バーストセット!(手札4→3)コロナ・ドラゴンをLV1にダウン!ジーク・ヤマト・フリードをLV3にアップ!」

 

コロナ・ドラゴン LV3→LV1(コア4→1)

 

ジーク・ヤマト・フリード LV1→LV3(コア1→4 Sコア)

 

コロナ・ドラゴンがレベルダウンしぐったりするのに対し、レベルアップしたジーク・ヤマト・フリードは力強い咆哮をあげる。

 

「手札から刃狼ベオ・ウルフを召喚!ジーク・ヤマト・フリードに直接合体(ブレイヴ)!」

(手札4→3)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ0→3)

「ブレイヴだと!?」

 

 

刃狼ベオ・ウルフ

ブレイヴ

5(緑2赤2)/緑/剣獣・星魂

<1>Lv1 3000 <0>合体+3000

合体条件:コスト5以上

【合体時】『このスピリットのアタック時』

BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のライフのコア2個を相手のリザーブに置く。

シンボル:緑

 

 

フィールドに二つの刃をもった狼のような姿をした刃狼ベオ・ウルフが召喚され、ジーク・ヤマト・フリードに向かって走り出すと、その姿が消え残った二つの刃が合わさり一つの剣となり、ジーク・ヤマト・フリードの手に収まった。

 

ブレイヴスピリット 赤緑

コスト13 BP16000 シンボル 赤緑

 

「アタックステップ!ブレイヴスピリットでアタック!!ジーク・ヤマト・フリードのLV3アタック時効果!バーストをセットしている時、このスピリットのBP以下の相手スピリットを一体破壊する!ピナコチャ・ザウルスを破壊!更にLV2からのアタック時効果!相手スピリット一体に指定アタックする。ダーク・ティラノザウラーを指定!」

「チッ!ふざけんな!フラッシュタイミング!マジック、炎刃ストライク!コアはダーク・ティラノザウラーから確保!(LV2→LV1 コア3→1)BP3000以下のスピリット二体破壊だ!!」

(手札2→1)

(トラッシュ3→5)

 

 

炎刃ストライク

マジック

4(2)/赤

 

フラッシュ:BP3000以下の相手のスピリット2体を破壊する。

コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、さらに、相手のネクサス1つを破壊する。

 

 

炎刃ストライクによってブレイドラとコロナ・ドラゴンが破壊されるが、コロナ・ドラゴンの効果で二体とも疲労状態で残る。しかし・・・、

 

「これでお前のアタック出来るスピリットはワン・ケンゴーだけだ!このターン俺のライフを削りきることはできねぇ!次のターンで逆転してやるぜ!」

 

アタッカーが減り、ライフを削りきれないと思った四島は笑みを浮かべる。しかし、

 

「このターンで終わらせてやるといったはずだ!フラッシュタイミング!マジック、サンブレイカー!不足コストはブレイドラとコロナ・ドラゴンから確保!」

 

ブレイドラ (コア0→1)消滅

コロナ・ドラゴン (コア1→0)消滅

(トラッシュ5→7)

 

「行け!ブレイヴスピリット!!」

 

ブレイヴスピリットはティラノザウラーに向かって飛翔する。ティラノザウラーはブレイヴスピリットを迎え撃とうとし巨大な火球をブレイヴスピリット目掛けて放つが、ブレイヴスピリットはその火球を剣で切り裂き分散させると目の前に降り立ち、二つの剣でティラノザウラーを切り裂く。ティラノザウラーはその場で倒れ爆発した。

 

「刃狼ベオ・ウルフのアタック時効果!BPを比べ相手のスピリットだけを破壊した時、相手のライフを2つリザーブに置く!!」

「何だと!?」

 

四島 ライフ 3→1

 

「クソ!(まだだ!まだ手札にフラッシュタイミングで召喚できる神速をもつマッハジーがある!ワン・ケンゴーのアタックをこいつでブロックすれば「マジック、サンブレイカーの効果発揮!」!?」

 

四島がフィールドに目をやると、ブレイヴスピリットが剣に炎を纏って佇んでいた。

 

「このターンの間、ブレイヴスピリット、またはブレイヴアルティメットがBPを比べ相手のスピリットだけを破壊した時、相手のライフを1つ、リザーブに置く!!」

「なっ!!?」

 

 

サンブレイカー

マジック

5(赤3極1)/赤

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

自分はデッキから2枚ドローする。さらに、ヒットしたカードが赤のカードならガードとする。

フラッシュ このターンの間、自分の合体スピリット/合体アルティメットがBPを比べ

相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

 

「行け!ブレイヴスピリット‼︎」

 

光輝の声に応えるように、ブレイヴスピリットは炎の剣を四島に向かって振り下ろす。

 

「そんなバカなあぁぁぁぁ!!!」

 

四島 ライフ 1→0

 

 

 

 

光輝SIDE

 

俺が勝利した瞬間、スタジアムは歓声に包まれた。俺はカードを片付け、心の中でデッキに感謝する。

 

「俺の勝ちだ、四島。約束通り、奪ったデッキを返してスタジアムから出て行って貰うぞ」

「ふざけんな!今のはマグレだ!A級バトラーのこの俺がお前なんかに負けるわけねぇ!!」

 

俺が勝ったにもかかわらずに、四島は自分が負けると思っていなかったのか、往生際悪く負けを認めようとしない。すると、

 

「やめとけよ。いくらやったところであんたじゃ光輝には勝てねぇよ」

 

いつの間に降りてきたのか、慎吾がこちらに近づいてきてそう言う。

 

「何言ってやがる!俺はA級バトラーだ!俺が本気だせばそんな奴「光輝はS級バトラーなんだが?」なっ!?S級バトラーだとぉ!?」

 

反発する四島に慎吾は、俺がS級バトラーであることを教えると、四島は声をあげて驚いていた。

 

「そ、そんな訳あるか!そいつが本当にS級バトラーだったら証拠をみせてみろよ!」

「だとさ光輝、証拠見せてやれよ」

「はぁ・・・分かったよ」

 

証拠を見せろと言う四島に、俺はS級バトラーである証拠を見せるために龍の模様が描かれたデッキケースを取り出し、天にかざす。

 

「来い!覇龍翼(はりゅうよく)!」

 

デッキケースから一筋の光が空に向かって放たれ、しばらくすると空から赤いドラゴンの顔を模したバトルマシーンが降りてきた。これこそS級バトラーのみに与えられる専用のバトルマシーンである。

 

「なっ、S級バトラー専用マシーン!?じゃあ本当に、S級バトラーなのか!?」

「だからそうだって。ほらこれ、ちゃんとS級バトラーって書いてあるだろ?」

 

次に四島に見せたのはバトラーパスというカードバトラーは皆持っているものだ。そこには名前とともにちゃんとS級バトラーと書かれていた。

 

「ほ、本当に・・・!・・・ん?赤宮光輝?赤宮・・・・・!赤宮ってまさかお前!!」

 

パスに書かれている名前を見た四島は、本日何度目だろうか、驚いた顔をしていた

 

「あぁ名乗ってなかったな。俺の名前は赤宮 光輝。3Dバトルの生みの親、赤宮博士の息子だ」

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!??」

「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??」」」」」

 

俺が父さんと母さんの息子だと教えると、四島だけでなく、スタジアムにいた観客も大声をあげて驚いていた。

 

「S級バトラーだけでなく、赤宮博士の息子だと!?」

「だからそうだと言ってるだろ?」

「マジかよ・・・。はっ、そうだ!今のバトルのことで聞きたいことがある!!」

 

すると今度は四島は俺にさっきのバトルについて聞いてきた。

 

「S級バトラーだったらなんで専用マシーンを俺とのバトルで呼ばなかった!それにあのバトル、お前は第2ターンからバーストを、ジーク・ヤマト・フリードをセットしていただろ!俺の第3ターンのアタックでライフが3以下になったんだから、もっと早く召喚できただろ!?なんであそこで召喚しなかった!」

 

四島は何故専用マシーンを出さなかったのか、何故ジーク・ヤマト・フリードを早く召喚しなかったのかを聞いてきた。答えは簡単だ。

 

「別に3Dバトル専用のスタジアムなんだから呼ばなくてもバトルはできるだろ?それにあそこでヤマトを召喚して勝ってもつまらない。だから俺はお前がキースピリットを、ダーク・ティラノザウラーを召喚するのを待ってたんだよ。キースピリットを倒して勝った方が気持ちいいからな」

 

俺は当然のように答えた。キースピリットを倒し、ライフを全て奪ってこそが、俺にとって本当の勝利だ。俺の答えが予想外だったのか、四島はポカンとしている。

 

「さぁ。質問には答えたぞ。デッキを返してくれ」

「ク、クソ!おらよ!覚えてやがれ〜!」

「「「ま、待って下さい四島さ〜ん!」」」

 

四島は俺にデッキを押し付けると、捨台詞をはいて取り巻きと一緒に走り去っていった。俺はデッキの持ち主の子の側に行き奪い返したデッキを差し出す。

 

「ほら、君のデッキ取り返したよ」

「あ、ありがとう!!」

 

デッキを返すとその子は笑顔で俺に感謝した。

 

「いやぁ〜カッコイイねぇ光輝。悪いやつを簡単に追っ払ってさ」

「はいはいありがとう」

 

慎吾は俺の肩に手を置き、ニヤつきながらそう言う。

 

「・・・・・・・」

「ん?」

 

ふと視線を感じスタジアムの客席に目を向ける。

 

「ん?どうした光輝」

「・・・いや。何でもない」

 

多分気のせいだろう。

その後店長さんから感謝としてショップの割引券をもらい、約束通り慎吾のデッキ調整に付き合った。いろいろ試行錯誤の結果、とりあえず納得のデッキができたようだ。明日は休みなのでまたショップで会う約束をし、家に帰ったのだが・・・

 

「お兄ちゃん!!今日は早く帰ってくるって言ったのに、普段より遅いじゃん!!心配したんだよ!メールも返してこないし!!」

「・・・ごめん裕香」

 

家の裕香のことを忘れてしまい、叱られてしまった。

 

 

 

 

SIDEOUT

 

時は少し遡り、光輝が四島を追い払いスタジアムのバトラーが喜んでいる中、スタジアムの入り口の影に一人の人物がおり、光輝を見つめていた。

 

「ふ〜ん。赤宮光輝、赤宮博士の息子でS級バトラーか・・・面白そうだな」

 

その人物は笑みを浮かべると、そのまま立ち去った。

 

 

 




このお話で消滅したブレイドラ 5体
感想をくださるとモチベがあがって嬉しいです。
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第2話 弟子入り?

第2話です!今回は説明回なのでバトルはありません。詳しい理由は後書きで。楽しんでいただけると嬉しいです!ではどうぞ。


「・・・う・・ん・・・」

 

目を開けると部屋のカーテンの隙間から光が漏れていて、時計を見ると針は5:40を指していた。少し早いが俺が起床する時間帯だ。布団に目をやると、俺の腕の中で裕香が気持ちよさそうに寝息を立てていた。昨日遅く帰って来たことに怒っていた裕香は、許してくれる条件に「一緒に寝よう」と要求してきたのだ。昨日のことは俺が悪いので断ろうにも断れず、仕方がなく要求どおり一緒に寝てやった。

 

「こんな甘えん坊で将来独り立ちできるのかね、この子は」

 

そう言いつつ、腕の中で気持ちよさそうに寝ている裕香の頭を撫でてやる。

 

「ぅん・・・えへへ・・・」

 

頭を撫でると裕香は嬉しそうに頬を緩ませる。そんな様子に俺も頬を緩ませると、裕香を起こさないように静かにベッドから出た。机に置いてあるスマホをとり、部屋を出て階段を降り一階へと降りる。洗面所で顔を洗うとキッチンへ向かい朝食を作る準備をするのだが・・・・・・。

 

「お、いろいろ増えてるな」

 

昨日裕香が買い出しに行ってくれていたようだ。

 

「よし、今日は焼き鮭と卵焼きと味噌汁にするか」

 

作る料理を決め、調理に取り掛かる。作り始めてしばらくするとキッチンに美味しそうな匂いが漂ってきた。調理を続けていると、テーブルに置いたスマホにメールの着信音が鳴ったので、調理の手を一旦止めメール見てみる。

 

「おっはよ〜! 光輝、裕香♡ 2人とも元気? ママとパパは元気いっぱいだよ☆彡 今日と明日は学校休みよね? まだ忙しいけど、近いうちに家に帰れると思うからちゃんとした日付が決まったら教えるね!! 帰ってくる時にはお土産持ってくるから、もう少し家のこと頼むわね(・ω<)★ 愛するママより♡」

 

親として俺と裕香を心配しているようで、1週間に一度の割合で母さんか父さんからメールか電話が来る。

文面はちょっとアレだが、とりあえず返事をうつことにした。

 

「おはよう母さん。俺も裕香も元気だよ。いま朝食を作ってる。帰ってきたら母さんと父さんの食べたいもの作るから、楽しみにしててくれ。俺も裕香も待ってるから。」

 

そう文字をうつとメールを送信し、調理を再開した。完成まで後少しのところで裕香が起きてきた。

 

「おはようお兄ちゃん」

「おはよう裕香、さっき母さんからメールが来たぞ。近いうちに家に帰るってさ」

「ほんと!?久しぶりだね、いつ?」

「まだ詳しい日付は決まってない。ちゃんと決まったら連絡するみたいだ」

「そっか。あ、お兄ちゃん何か手伝う事ある?」

「じゃあお皿とか出してくれるか?もうすぐできるから」

「うん分かった」

 

その後裕香にも手伝ってもらい、今日の朝食が完成した。

 

「よし、食べようか。いただきます」

「いただきます」

 

自分が作った朝食を口に運ぶ。我ながら今日も美味しくできたものだ。裕香も美味しそうに食べてる。

 

「裕香、俺今日も慎吾とショップ行くけど俺に何か用事あるか?」

「そうなの?私も友達の家に遊びに行くから家空いちゃうね」

「そっか、じゃあ鍵はお前が持っててくれ。昨日みたいに遅くなるかもしれないから」

「分かった」

 

しばらくしてお互いに食べ終わり、食器を洗いキッチンの回りを片付ける。その後二階の自分の部屋で着替えを済ませ、鞄にデッキケースとコアケースを入れて再び1階へ降りてリビングでくつろいでる裕香に出ることを伝える。

 

「じゃあ裕香、俺先に出るから鍵お願いな」

「うん分かった。行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 

そう言って家から出る。家からショップまでは徒歩で10分くらいの距離にあるため、そこまで苦労はしない。目的地のショップに着くと、入り口ではすでに慎吾が待っていた。

 

「おう光輝!随分早く来たな。そんなに早く俺に会いたかったのか?かわいい奴だな」

「随分と下らねぇ冗談だなオイ」

慎吾の冗談にそう返してショップの中に入る。土曜日だからかまだ午前中だというのに中はたくさんの人で賑わっていた。

 

「おぉ!光輝君に慎吾君、いらっしゃい」

「どうも店長さん」

「今日も来ましたよ〜」

「昨日は助かったよ。あのままスタジアムが独り占めされていたらお客が一気に減っていただろうからね」

 

店長さんの言う通りあのまま四島にスタジアムを独占されていたら、客足はかなり減っていただろう。いつも世話になっている店がそんな事になるのは俺も嫌だ。そう考えると四島を追い払うことが出来て本当に良かったと思う。

 

「さてと光輝!早速バトルしようぜ。昨日のデッキをもっと試したいからな」

「よし、やるか」

「あっ、太陽!いたぞ!」

「ホントだ!」

「ん?」

 

デッキを出してバトルの準備をしていると突然大きな声が聞こえた。振り向いてみると、4人の子供がこちらに近づいてきた。そのうちの一人は見覚えがある。

 

「やっと見つけた!赤宮光輝!」

「君は確か・・・昨日の・・・」

 

俺に話しかけてきたのは、昨日四島に挑みデッキを奪われていたあの子だった。

 

「俺に何か用か?」

「あぁ、もちろん!」

 

その子はそう言うと、いきなり俺に頭を下げこう言った。

 

「お願いします!俺を弟子にしてください!!」

「・・・・・・・はい?」

 

突然の事に、俺は唖然とするしかなかった。

 

 

 

 

 

 

その後俺はいきなり弟子入りを申し込んできたその子、坂上 太陽 (さかがみ たいよう)君と3人の友達、頭に赤いハチマキを巻いた翔太(しょうた)君、少しぽっちゃりした体型の大助(だいすけ)君、明るそうな女の子の梨花(りか)ちゃんの話を聞く。

 

「・・・それで太陽君、俺に弟子入りしたいってなんでいきなり?」

「昨日四島を倒して俺のデッキを取り返してくれただろ?俺も光輝みたいに強くなりたいんだ!」

「太陽の奴、昨日の光輝さんのバトルを見てすっかり光輝さんに憧れちゃったみたいなんだ」

 

俺の質問に太陽君はそう答え、翔太君が昨日のバトルの影響だと説明してくれる。どうやら太陽君は本気らしく、真剣な表情で俺を見つめてる。しかし太陽君には申し訳ないが、

 

「気持ちは嬉しいけど俺は弟子を取る気は「そこをなんとか!!」う・・・」

 

断ろうとしたが太陽君は諦める気はないらしい。多分このまま断り続けても彼は引き下がらないだろう。

 

「はぁ・・・・・。しょうがないなぁ、分かった」

「弟子にしてくれるのか!?」

「弟子には出来ないけど、強くなるためのアドバイスくらいならしてあげられるかな」

 

俺がそう言うと太陽君はパァッと笑顔を浮かべた。

 

「ホント!?やったぁ!!」

「やったね太陽君!」

「よかったな太陽!」

 

太陽君はアドバイスだけでも嬉しいのか、凄く喜んでる。梨花ちゃんと大助君、翔太君も一緒に喜んでくれている。

 

「あらら、随分嬉しそうだな。いいのか?」

「まぁあんなに真剣なんだ。アドバイスくらいならしてやらないとな」

喜んでいる太陽君達を見ながら、慎吾にそう返す。それに俺も、四島の時のようにデッキを奪われて悔しがる彼は見たくないからな。

 

 

 

 

 

 

その後手始めに太陽君のデッキを見せてもらったのだが、彼には失礼だがおもわず「なぁにこれぇ」と言いたくなるような内容だった。まずスピリットカードのバランスが悪くコスト0〜3の軽スピリットが8枚しかなく、あとは中型スピリットばかり。しかも切り札になるようなスピリットが見当たらないのだ。そのうえマジックカードがスピリットのBPを上げるものしか入ってなく、防御カードが一枚も入ってない。おまけにデッキは赤属性が一番多く入っているのだが、ほかの5色のカードもバラバラに入っており、デッキの枚数も51枚と中途半端な枚数だった。

 

「・・・なぁ太陽君。このデッキはどういう考えで作ったのかな?」

「俺の持っている強そうなカードをとにかく入れてみたんだ」

 

成る程。どうやら基本的なことから教えたほうがいいようだ。

 

「太陽君、正直な話このデッキは色もバランスもメチャクチャだ。このままじゃ多分どんな相手にも勝てないだろう。だからバトスピの基本的なことを教えるから、一からデッキを組み直そう」

「でも俺、カードあんまり持ってないから・・・」

「じゃあ俺のカードを分けてあげるよ。結構前からバトスピやってるからそれなりにあるからさ」

「ホントに!?ありがとう!」

「どういたしまして。じゃあまず、カードの種類から説明するよ」

 

バトルスピリッツのカードは大きく分けて5種類ある。

スピリットカード、ブレイヴカード、マジックカード、ネクサスカード、そしてアルティメットカードの5種類だ。

 

「スピリットはバトルの主役、これがなきゃバトスピは始まらない。コアを使ってスピリットを召喚し、相手スピリットとバトルしたりライフを削ったりするのが基本だ。これは分かるよね?」

「うん」

「次にブレイヴカード。これは簡単に例えるなら合体、スピリットと合体することで真の力を発揮するカードだ。例えばこれ」

 

俺は太陽君に一枚のブレイヴカードを見せる。

 

砲竜バル・ガンナー

ブレイヴ

4(2)/赤/地竜・星竜

<1>Lv1 2000 <0>合体+2000

合体条件:コスト4以上

【合体時】『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローし、BP4000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

シンボル:赤

 

「この砲竜バル・ガンナーは合体(ブレイヴ)するとBPが2000上がってアタック時効果が得られる。シンボルもある場合は追加されるから削れるライフも増える。ただブレイヴには合体条件があってカードによってそれぞれ条件が違う。バル・ガンナーの場合はコスト4以上のスピリットじゃないと合体出来ない。それとブレイヴカードに合体(ブレイヴ)することは出来ないから覚えておこう」

「分かった。光輝も昨日のバトルで使ってたよな?」

「あぁベオ・ウルフのことか。あのカードの合体条件はコスト5以上だからバル・ガンナーより厳しいけど、その分効果は強力だ。太陽君達も見てただろ?」

 

俺の言葉に太陽君は頷く。俺も初めてベオ・ウルフのカードを見たとき、「インチキ効果もいい加減にしろ!」と言いたくなった。あの効果でシンボルも持っているのだから、ほぼ確実に2点ダメージを通すことができる。昨日のようにヤマトのような指定アタック効果を持つカードと組み合わせるとさらに強力だ。あの性能でアンコモンなのもおかしいと思うのは俺だけだろうか。

 

「じゃあ次はマジックカードの説明だ。マジックは使い捨てで、カード1枚につき一回しか効果を使えないがどれも強力な効果を持っている。一応太陽君のデッキにも入ってたけどあれだけじゃあ厳しいな」

「なんで?」

「マジックは主に相手のアタックに対してのカウンターやバトルを有利にするためのサポートとして使うことがほとんどだ。BPアップのカードだけじゃなくて、相手のカードを破壊したり自分のサポートのためのカードも入れないとな。とりあえず便利なマジックというとこんな感じかな」

 

太陽君に数枚のマジックカードを見せる。

 

サジッタフレイム

 

マジック

5(赤2青1)/赤

フラッシュ:

BP合計5000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

または、相手のネクサス1つを破壊する。

 

 

双翼乱舞

マジック

4(2)/赤

【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】

自分はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのメイン効果を発揮する。

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

双光気弾

マジック(制限1カード)

3(1)/赤

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

自分はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する。

または、相手のネクサス1つを破壊する。

 

 

絶甲氷盾

マジック

4(1)/白

【バースト:自分のライフ減少後】

ボイドからコア1個を自分のライフに置く。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

 

 

マーク・オブ・ゾロ

マジック

5(2)/紫

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

自分はデッキから1枚ドローし、相手のスピリットのコア2個を相手のトラッシュに置く。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト5以下の相手のスピリットすべてのコア1個ずつを相手のリザーブに置く。

 

 

「これらは赤デッキなら大体入る。絶甲氷盾とマーク・オブ・ゾロは赤じゃないけどバーストのおかげで使いやすいし、特に絶甲氷盾は防御カードに困ったら3枚入れとけって言うくらい便利なカードだからな」

「そうなんだ・・・」

「次はネクサスだ。ネクサスはフィールドに配置することで自分の有利な状況を作ったり相手の展開を妨害することができる。マジックと違って使い捨てじゃなく配置したら破壊されるまで留まるのと、ネクサスはスピリットと同じようにコアを置いてLVアップするものがほとんどだ。ただほとんどのネクサスはLV1の維持コアは0だから、スピリットと違ってコアを置いてなくても基本大丈夫だ。シンボルもあるからコストの軽減にも使えるしな。ちなみにこれがネクサスのカードだ」

 

俺は一枚のネクサスカードを出す。

 

灼熱の谷

ネクサス(制限1カード)

3(1)/赤

<0>Lv1 <1>Lv2

Lv1・Lv2『自分のドローステップ』

ドローの枚数を+1枚する。ドロー後、手札1枚を破棄する。

Lv2『自分のアタックステップ』

自分のスピリットすべてをBP+1000する。

シンボル:赤

 

 

このカードは3コストと軽いが、LV1から手札のサポートをしてくれる。その使い良さから今では一枚しか入れられない制限カードになっている。

 

「ネクサスにはお互いの場に効果を及ぼすものもある。それを何も考えないで配置したら自分の足を引っ張ることもある。ネクサスはスピリットと違って自分で消滅させることが出来ないから気をつけよう」

「うん、分かった!デッキによって入れるか入れないかちゃんと考えなきゃいけないのか」

「そういうこと。じゃあ最後にアルティメットカードについて説明だ。アルティメットっていうのはこんな感じのカードだ」

「うわぁ、スゲェ!」

 

カードの端が金色に輝いているカード、アルティメットを見せる。

 

アルティメット・ジークフリード

アルティメット

6(3)/赤/新生・古竜

<1>Lv3 10000 <3>Lv4 14000 <5>Lv5 20000

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

【Uトリガー】 Lv3・Lv4・Lv5 『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手は可能ならブロックする。ただし、アルティメットはブロックしなくてもよい。

相手のスピリットにブロックされたら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

(Uトリガー:相手のデッキの1枚目をトラッシュに置く。そのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

Lv4・Lv5:フラッシュ【真・覚醒】『このアルティメットのアタック時』

自分のスピリットのコア1個をこのアルティメットに置くことで、このアルティメットをBP+3000する。

シンボル:極

 

「アルティメットはスピリットと同じようにフィールドに召喚、バトルを行うカードだ。大体の動きはスピリットと同じだけどスピリットとは大きな違いがいくつかあるんだ」

「違い?」

「まずアルティメットはスピリットと違ってLV1からじゃなくLV3からスタートする。そのためスピリットとは比べ物にならないほどのBP効率を持っているんだ。アルティメット・ジークフリードはコア1個LV3BP10000からスタートする。だからスピリット相手だと有利にバトルが出来るんだ。それを聞くとカードの効果で破壊しようと思うけど、例えば「相手スピリット一体を破壊する」効果とかで破壊しようと思うけど、それだとアルティメットは破壊出来ないんだ」

「どうしてなんだ?」

「簡単さ、アルティメットはスピリットじゃないからさ」

「えっ?スピリットじゃない?どういうこと?」

「アルティメットはスピリットとは違う別の種類カードだから、スピリットを対象にした効果は受けないんだ。だからカード効果の記述にアルティメットと書いていない効果は受けない。一部例外はあるけどね」

「そうなのか!だったらアルティメットをいっぱい出せるデッキを作ったら最強だ!」

「そうでもないさ。アルティメットは確かに強いけど、弱点も存在する。まずは召喚条件があること。アルティメットには召喚条件があって条件を満たさないとフィールドに召喚出来ないんだ。アルティメット・ジークフリードの場合はフィールドに赤のスピリットが一体以上いないと召喚できない。召喚条件はアルティメットによって違うから、ちゃんと条件を満たせるデッキにしないといけない。それと今説明したように、アルティメットはスピリットじゃない。相手と同じように自分もアルティメットを対象にしたカードじゃないと、アルティメットをパワーアップしたりできないんだ。ブレイヴも同じように、スピリットと合体するブレイヴカードをアルティメットにブレイヴさせることはできない。一応アルティメットにもブレイヴできるカードは何枚かあるけどね」

 

これでバトルスピリッツのカードの種類についての説明を終えた。次は色について説明だな。

 

「じゃあ次は色について説明だ。今までの説明では赤属性のカードを中心に見せてきたけどバトスピには6つの色、属性がある。赤、紫、緑、白、黄、青の6色のカードにそれぞれの属性によってできることが違うんだ」

「というと?」

「それぞれ得意なことをあげると、赤は攻撃的に攻めることや手札を増やすこと、紫はスピリットの命といえるコアを外して消滅させること、緑はコアを増やしたり相手スピリットを疲労させる、白は防御を得意として長期戦に持ち込みこと、黄は使い捨てのマジックをサポートしたりライフを回復させること、青は相手のデッキを破壊してデッキアウトによる勝利を狙うこと、他にも色々とあるけど基本はこんな感じだ」

 

それでも分からないという人のために歌にして例えると、

「アタックするぞ赤属性 コアを外すぞ紫属性 コアを増やすぞ緑属性 鉄壁ブロック白属性 マジック使用の黄属性 デッキ破壊だ青属性」とこんな感じだ。

「行くぜ!ギャラクシーステップ!」と聞こえるような気がしたが気のせいだろう。

 

「太陽君はどの属性を使いたいんだ?」

「もちろん赤さ!バトスピは赤でガンガン攻めてやるんだ!」

「よし。じゃあ赤属性を中心にデッキを組もう」

 

そういって一からデッキを組み直す。コストのバランス、カウンターのためのカード、そして枚数を40枚に近づくように、太陽君がどのようなデッキにしたいのかを聞きながらカードを選ぶ。そして完成まであと一枚のところまでくると、

 

「あと一枚だな。じゃあ太陽君、最後は君のキースピリットだ」

「キースピリット!」

「俺のヤマトみたいに、君の切り札になるカードだ。特別にこの中のXレアから一枚をあげるよ。それが君のキースピリットになるから、慎重に選ぶんだ」

 

そういって俺は太陽君に、赤のXレアカードを5枚見せる。この中から太陽君のキースピリットが決まるのだ。太陽君はしばらく真剣な表情で悩んでいたが、その中の一枚を手に取った。

 

「よし!これにする!こいつが俺のキースピリットだ!」

 

キースピリットとなるカードを選ぶと、カードの束に入れる。これで彼の新しいデッキが完成した。

 

「よっしゃあ!!完成したぜ俺のニューデッキ!!」

「やったな太陽!」

「よかったじゃないか!」

「早速バトルしようよ!」

 

デッキが完成して喜ぶ太陽君。彼と一緒に翔太君、大助君、梨花ちゃんも完成を喜んでいた。

 

「ありがとう光輝!なんかカードもらってばっかだったけど・・・いいのか?」

「あぁ、気にしなくていいさ。あとは太陽君がバトルをして何か物足りないと思ったらまた調整すればいいさ。ただ赤中心のデッキだからむやみに他の色を入れたりしないように気をつけないとな」

「分かった!じゃあ光輝、バトルしてくれよ!早速このデッキを試したいんだ」

「あぁいいよ。じゃあ「ちょっといいか?」ん?」

 

太陽君とバトルしようとしていたところに、一人の男が話しかけてきた。

 

「お前が赤宮光輝だな?」

「・・・あぁそうだが?」

「昨日の四島とのバトル、見事だったぜ。俺も見てたんだよ」

「そうか、ありがとう」

「あんなバトル見せられると、俺もバトルしたくてウズウズするんだよ」

「それは!」

 

そう言いながら男が取り出したのはデッキケース。だがただのデッキケースではない。見てみると真ん中に獣の模様が描かれている。模様が描かれたデッキケースは、S級バトラーしか持つことができない。つまりこの男は、

 

「S級バトラーか。名前は?」

「おっと失礼、俺の名は火野恭賀(ひの きょうが)だ」

「火野恭賀だって!?」

 

慎吾が名前を聞いて驚く。俺もその名は聞いたことがある。

 

「知ってるの?」

「あっという間にライフを奪いさるほどの超攻撃的な赤デッキを使うS級バトラーだ」

「赤属性のS級バトラー!?じゃあ、光輝と同じ?」

「そうなるな」

 

慎吾と太陽君が言う。まさかこんなところで俺と同じ赤属性使いのS級と出会うとはな・・・。

 

「なるほど。つまり同じ赤属性のS級バトラー同士、俺とバトルがしたいと?」

「そういうことだ」

 

恭賀は笑みを浮かべながら言った。どうやら俺と戦う気満々のようだ。俺も同じ赤属性のS級バトラーとして、どちらが強いのか確かめたい。なら返事は決まっている。

 

「悪い太陽君。ちょっとだけ待っててくれ」

「光輝!それじゃあ・・・」

「火野恭賀!お前のバトル、受けてやるぜ!」

 

俺はデッキをかざし、挑戦を受けた。




第2話は烈火魂でいう佐助ポジションの太陽の登場と、光輝と同じ赤属性のS級バトラー、火野恭賀の登場です。
では、申し訳ありません。当初は恭賀と光輝のバトルも書くつもりだったのですが、途中まで書いたのを保存してなかったせいで二度も書き直すハメになってしまい、説明回とバトル回で分けることにしました。
すみません皆さん。作者が馬鹿だったせいで力及ばずバトルまで書けませんでした。非力な私を許して下さい。




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第3話 激闘! 火野 恭賀

前回書けなかった恭賀とのバトルです。楽しんでいただければ幸いです。
ではどうぞ


ショップから少し離れた場所にある公園の広場。そこで光輝はバトルを挑んで来た男、火野恭賀と向かいあっていた。周りには慎吾や太陽達の他にも、光輝達の会話を聞いていたのであろうショップにいた人達が大勢集まっていた。

 

「さぁて、ギャラリーも集まってきたんだ。そろそろ始めようか」

「あぁそうだな。俺もはやくお前とバトルしたいしな」

 

互いにデッキケースを出し、バトルの準備をする。

 

「なんだよ。折角のS級バトラー同士のバトル、どうせなら3Dバトルで見たかったのになぁ」

「あれ、お前知らないのか?S級バトラー同士のバトルにはスタジアムはいらないんだぜ」

「えっ?どういうことだよ」

「まぁ見てなって」

 

ギャラリーからそんな会話が聞こえてくる。光輝と恭賀、S級バトラー同士のバトルにはスタジアムは必要ない。なぜなら…

 

「行くぞ!来い、覇竜翼(はりゅうよく)!」

「来な!獅子王牙(ししおうが)!」

 

光輝と恭賀がデッキケースを掲げると光が空へ向かい、しばらくするとS級バトラーだけが持つことができる専用バトルマシーンが降り立った。光輝のマシーンは赤と青の色をベースとした、中心に龍の頭のようなものがついているものだった。対する恭賀のマシーンは赤と黒をベースとし、中心には獣の頭部をモチーフにしたものがついていた。二人はマシーンに乗ると、バトル開始のコールを宣言した。

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

コールとともにスタジアムでないにもかかわらず、バトルフィールドが現れた。

 

「なっ、バトルフィールドだ!」

「言っただろ?S級バトラー同士がバトルするのに、スタジアムはいらないんだ」

 

彼らの言う通りS級バトラー専用マシーンはただのマシーンではなく、スタジアムに設置されているマシーンと同じものをどこでも呼び出すことができる。つまりS級バトラー同士がバトルするのに、場所は関係ないのだ。

 

 

 

光輝SIDE

 

バトルフィールドが現れると周りのギャラリーから歓声があがる。

 

「頑張れ〜!光輝〜!」

「相手もS級だ!油断するなよ!」

 

太陽君や慎吾が俺を応援してくれている。みんなの期待を裏切るようなことはしたくない。

先行は俺からだ。

 

 

〜ターン1〜

 

 

「行くぞ!スタートステップ!ドローステップ!メインステップ!」

(手札4→5)

 

ターンシークエンスをメインまで進め、いまドローしたカードを含めた5枚の手札を見る。うん、悪くない手札だ。

 

「ブレイドラをLV3、ライト・ブレイドラをLV1で召喚!」

(リザーブ4→0)

俺の場に可愛らしい2体のスピリットが召喚された。

 

 

ブレイドラ

スピリット

0(0)/赤/翼竜

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000 <3>Lv3 3000

シンボル:赤

 

 

ライト・ブレイドラ

スピリット(光)

0(0)/赤/星竜

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 2000 <5>Lv3 3000

Lv1・Lv2・Lv3【強化】

アルティメット以外の自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。

シンボル:赤

 

 

「ターンエンドだ」

 

2体のスピリットを召喚し、ターンエンドを宣言する。

 

光輝 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラ LV3(コア3)

 

ライト・ブレイドラ LV1(コア1)

 

 

〜ターン2〜

 

 

「見せてやるぜ、俺のバトルをな!スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!メインステップ!カキューソをlv2で召喚!さらに、ヤイバードをLV1で召喚!こいつにはソウルコアを置くぜ!」

(手札5→3)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→2)

 

恭賀の場に赤い模様をしたネズミのような姿をしたスピリットと、尻尾に刀が付いている鳥の姿をしたスピリットが現れる。

 

 

カキューソ

スピリット

1(1)/赤/皇獣

<1>Lv1 2000 <2>Lv2 4000

シンボル:赤

 

 

ヤイバード

スピリット

2(1)/赤/皇獣

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000 <4>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの破壊時』

このスピリットに[ソウルコア]が置かれているとき、BP6000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

シンボル:赤

 

 

「(カキューソにヤイバード・・・。多分皇獣中心のデッキだな)」

 

あの2体のスピリットの系統は皇獣。皇獣のスピリットは相手スピリットを破壊する効果が多い・・・。速めに決着をつけたほうがいいな。

 

「行くぜアタックステップ!ヤイバードでアタックだ!」

 

恭賀はアタックステップに入り、ヤイバードでアタックしてきた。

 

「えっ?ヤイバードでアタック?カキューソのほうがBPが上なのに」

「でもあれならブレイドラで倒せるよ!」

 

太陽君と梨花ちゃんがそう言う。おい聞いたかブレイドラ!やったな!お前小学生の女の子に期待されてるぞ!

と言いたいがヤイバードにはソウルコアがあるため、無闇に破壊はし辛い、だが放っておくわけにもいかない。

俺の選択は・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブロックだブレイドラ!逝け!」(誤字に在らず)

 

ブロックを選択した。ブレイドラはヤイバードに立ち向かい炎をヤイバードへと放つ。炎を浴びたヤイバードは破壊されるが・・・

 

「ヤイバードの破壊時効果!ブレイドラを道連れだ!」

 

突然火の玉が出現すると、それはブレイドラへと向かう。突然のことに驚いていたブレイドラはそのまま火の玉に当たり、破壊されてしまう。すまないブレイドラ、だがいいだろ?シンボル持ちリザーブと言われるお前がBP勝負で勝てたんだから・・・。結局破壊されたけど。

 

「ヤイバードはソウルコアが置かれた状態で破壊された時、BP6000以下の相手スピリットを1体破壊するのさ!」

「ヤイバードの破壊時効果は分かっていたさ。だが放っておいてもいられないからな」

「なるほどね、だから速めに始末したって訳か。だがまだだ!続けてカキューソでアタックだ!」

 

恭賀はもう一体のスピリット、カキューソでもアタックして来た。残ったライト・ブレイドラではBP勝負には勝てない。そうなると俺の選択は・・・

 

「ライフで受ける!」

光輝 ライフ 5→4

 

カキューソの攻撃が、俺のライフを砕く。

 

「これでターンエンドだ」

 

恭賀はフルアタックをしてターンエンドを宣言した。

 

恭賀 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

カキューソ LV2(コア2)

 

 

〜ターン3〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!バーストセット(手札4→3)!」

「!」

「続けてアシガルラプター、鬼武者ライザンをLV1で召喚!アシガルラプターにはソウルコアを置く!」

(手札3→1)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→3)

 

 

アシガルラプター

スピリット

2(2)/赤/地竜

<1>Lv1 2000 <2>Lv2 3000

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

このスピリットに[ソウルコア]が置かれているとき、自分はデッキから1枚ドローする。

シンボル:赤

 

 

鬼武者ライザン

スピリット

4(2)/赤/家臣・武竜

<1>Lv1 4000 <2>Lv2 5000 <5>Lv3 7000

Lv1・Lv2・Lv3【真・激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならスピリット/アルティメットでブロックする。

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:「武竜」を持つ自分のスピリットが相手のアルティメットにブロックされたとき、そのスピリットをBP+10000する。

シンボル:赤

 

 

「アタックステップ!アシガルラプターでアタック!アタック時効果発揮!ソウルコアが乗っているので、デッキから1枚ドローする!」

(手札1→2)

 

「ライフで受けるぜ!」

恭賀 ライフ 5→4

 

「まだだ!ライザンでアタック!アタック時効果で1枚ドロー!」

(手札2→3)

「これもライフだ!」

恭賀 ライフ 4→3

 

「まだまだ!ライト・ブレイドラ、お前も行け!」

「ライフだ!」

恭賀 ライフ 3→2

 

「ターンエンドだ」

 

3体のスピリット全てでアタックし、俺はターンエンドを宣言した。

 

光輝 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

ライト・ブレイドラLV1(コア1)

 

アシガルラプターLV1(Sコア)

 

鬼武者ライザンLV1(コア1)

 

 

〜ターン4〜

 

 

「いいねぇ!攻められたら攻め返す!バトルはこうでなくなきゃ面白くねぇ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!カキューソをLV1で召喚!更にもう一体!」

「!」

「凶々しくも猛々しきその牙で、歯向かう敵を食らいつくせ!凶龍爆神ガンディノスを召喚!」

(手札4→2)

(リザーブ7→0)

(トラッシュ0→5)

 

フィールドの地面に亀裂が入り中から恭賀が召喚したスピリット、凶龍爆神ガンディノスが姿を現す。

 

 

凶龍爆神ガンディノス

スピリット

7(赤2青2)/赤/地竜・皇獣

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 12000

Lv1・Lv2・Lv3【強襲:2】『このスピリットのアタック時』

このスピリットは、ターンに2回まで、自分のネクサス1つを疲労させることで回復できる。

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

この効果で相手のスピリットを破壊したとき、自分はデッキから1枚ドローする。

シンボル:赤

 

 

「ウオォ!裏Xレアだ!!」

「すげぇ!」

 

強力なスピリットが召喚されたことで周りのギャラリーも湧く。

 

「デケェ・・・!」

「ガンディノスか、厄介だな。」

 

太陽君と慎吾がガンディノスを見て言う。ガンディノスは大会優勝者だけが手にすることができるレアカード、裏Xレアに該当するスピリットだ。大会優勝のカードだけあってその効果は強力だ。

 

「ガンディノスは俺のキースピリットの1体だ!こいつでお前をぶっ倒す!アタックステップ!ガンディノス行け!」

 

ガンディノスは雄叫びを上げ、俺に向かって走り出す。

 

「ガンディノスのアタック時効果発揮!相手のBP5000以下のスピリット一体を破壊する!消えな、鬼武者ライザン!更にこの効果でスピリットを破壊した時、デッキから1枚ドローする!」(手札2→3)

 

ガンディノスの口から炎が放たれ、炎を浴びたライザンは破壊される。だが、俺にとってこのアタックはチャンスだった。

 

「ライフで受ける!」

光輝 ライフ4→3

 

ガンディノスの爪が俺のライフを砕く。これで条件は整った。

 

「今度は俺の番だ!ライフ減少によりバースト発動!」

 

フィールドに巨大な火柱がたつ。

 

「自分のライフが3以下の時、BP15000以下の相手スピリット一体を破壊する!ガンディノスを破壊だ!」

 

火柱はガンディノスへと向かい、炎に包まれたガンディノスは破壊された。

 

「効果発揮後、このスピリットを召喚する!赤き龍の王!その剣はすべてを薙ぎはらう!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード召喚!!」

 

天空から雲を裂き俺の一番の相棒、ジーク・ヤマト・フリードが姿を現した。

 

「「「「ジーク・ヤマト・フリード

キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!」」」」

 

ジーク・ヤマト・フリードが召喚され、太陽君達も嬉しそうに叫んでいる。

 

「ガンディノス・・・!チッ、ターンエンドだ!」

 

キースピリットが破壊され、逆に俺のキースピリットの召喚を許してしまったことに苛立ちながら、恭賀はターンエンドを宣言する。

 

恭賀 ライフ2

 

フィールド

 

スピリット

カキューソLV1(コア1)

 

カキューソLV2(コア2)

 

 

〜ターン5〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!一気に決めるぜ!アシガルラプターをLV2に、ジーク・ヤマト・フリードをLV3にアップ!」

アシガルラプター LV1→LV2(コア1 Sコア)

 

ジーク・ヤマト・フリードLV1→LV3(コア5)

 

 

「続けてバーストをセット(手札4→3)!アタックステップ!ジーク・ヤマト・フリード行け!LV3のアタック時効果発揮!バーストをセットしている時、このスピリットのBP以下の相手スピリット一体を破壊する!カキューソを破壊!更にLV2からのアタック時効果!相手スピリット一体を指定しアタックする!残り一体のカキューソにアタックだ!」

 

ヤマトの炎がカキューソを破壊すると、もう一体のカキューソに剣を突き立てる。

 

「よし!これで恭賀のブロッカーは0だ!」

「光輝さんにはまだスピリットが2体残ってる!」

「相手のライフは2!このターンで決められる!」

「いけぇ〜!光輝さ〜ん!」

 

太陽君達の言う通り、このままいけばこのターンで勝負を決められる。そう思っていると、恭賀が口を開く。

 

「このターンで決めるつもりだろうが、そうはいかねぇよ!フラッシュタイミング!マジック、ドラゴニックウォール!」(リザーブ3→0)

「何!?」

 

 

ドラゴニックウォール

マジック

4(赤2極1)/赤

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

このターンの間、自分のスピリット/アルティメット1体をBP+5000する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

自分の赤のスピリット1体を破壊することで、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

この効果は、『相手のアタックステップ』でしか使えない。

 

 

「ブロック中のカキューソを破壊!これでお前のアタックステップは終了だ!」

 

ジーク・ヤマト・フリードがカキューソに剣を振るうが、カキューソが消えジーク・ヤマト・フリードを阻むかのように炎の壁が出現する。

 

「・・・ターンエンドだ」

「止められた!」

「チャンスだったのに!」

「でも相手のスピリットはいなくなった。ヤマトもいるから光輝のほうが有利だ!」

 

光輝 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

 

ジーク・ヤマト・フリード LV3(コア5)

 

アシガルラプター LV2(コア1 Sコア)

 

ライト・ブレイドラ LV1(コア1)

 

 

〜ターン6〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!やるじゃねえか、俺をここまで追い込むとはな。特別だ、お前にとっておきを見せてやるぜ!バーストセットだ!」

(手札4→3)

「!」

「ヤイバードを召喚!更に、小さき体に秘めたるは勇敢な心、虎の子タイガをLV3で召喚!」

(手札3→1)

(リザーブ11→1)

(トラッシュ0→5)

 

恭賀の場に召喚されたのは、小さな体をした獣のようなスピリットだった。

 

 

虎の子タイガ

スピリット

4(2)/赤/起導者・家臣・皇獣

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 6000 <4>Lv3 7000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2・Lv3【起導:赤】『このスピリットのアタック時』

このスピリットの[ソウルコア]を自分のトラッシュに置くことで、自分の赤のSバースト1つをただちに発動させる。

シンボル:赤

 

 

「可愛い〜」

「あれがとっておき?」

「いや、多分違うな。気になるのはあのバーストだ」

 

慎吾の言う通り、あのバーストが気になる。いったい何をするつもりだ・・・。

 

「アタックステップ!行けタイガ、アタックだ!」

 

タイガでアタックして来た。どんな効果をもっているんだ・・・?

 

「タイガのLV1からのアタック時効果、デッキから1枚ドローする。(手札2→3)そして、見せてやるぜ!ガンディノスに続く俺のキースピリットをなぁ!タイガのLV2、3のアタック時効果!【起導:赤】を発揮!」

「何!?起動だと!」

「熱き獣よ!荒々しきその力、今解き放て!S(ソウル)バースト発動!!」

 

恭賀がタイガのソウルコアをトラッシュへと置く。Sバースト、それは【起動】と言う効果を持つスピリットのアタック時、そのスピリットのソウルコアをトラッシュへと置くことで発動するカード。恭賀のセットしたバーストが開かれ、フィールドに炎があがる。

 

「Sバーストの効果、相手スピリットを合計BP20000まで好きなだけ破壊する!」

「何だと!?」

 

炎が俺のスピリット全てを包み込む。俺の場のスピリット全ての合計BPは17000。よってライト・ブレイドラ、アシガルラプター、そしてジーク・ヤマト・フリードが破壊されてしまう。

 

「あぁ!光輝のスピリットが全滅した!!」

「この効果発揮後、コイツをコストを支払わずに召喚する!荒々しき猛牛よ!立ちはだかる壁を突き破り、勝利の道を突き進め!戦国覇王ギュウモンジをLV1で召喚!!不足コストはタイガをLV1にして確保する!」

 

タイガ LV2→LV1(コア3→2)

 

フィールドから炎が吹き出し、その中から武将の鎧をまとった闘牛のような姿をしたスピリット、戦国覇王ギュウモンジが召喚された。

 

 

戦国覇王ギュウモンジ

スピリット

8(4)/赤/主君・皇獣

<1>Lv1 7000 <3>Lv2 12000 <4>Lv3 15000

【Sバースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】

BP合計20000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

この効果発揮後、このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

このスピリットに[ソウルコア]が置かれているとき、この効果でスピリットを破壊したら、さらに、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:赤

 

 

「な、何だよあれ!」

「Sバースト・・・!【起動】と呼ばれる効果を持つスピリットによって即座に発揮が可能なバーストだ。だがSバーストは数あるバトスピのカードの中でも数少ない枚数しかない。しかもあのギュウモンジはXレア・・・、あんなものを隠し持ってやがったのか!」

「それにまずいよ、光輝さんのブロッカーは0!恭賀さんはギュウモンジに加えて3体のアタッカーがいる!」

「光輝さんのライフは残り3!このままじゃ負けちゃう!」

「タイガのアタックはまだ続いているぞ!さぁどうする!」

「くっ!ライフだ!」

 

光輝 ライフ 3→2

 

「まだ負ける訳にはいかない!ライフ減少によりバースト発動!絶甲氷盾だ!」

「白のカード!」

 

 

絶甲氷盾

マジック

4(1)/白

【バースト:自分のライフ減少後】

ボイドからコア1個を自分のライフに置く。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

 

 

「バースト効果によりライフを1つ回復(ライフ2→3)!さらにコストを支払いフラッシュ効果発揮!アタックステップはここまでだ!」

「今度はそっちが防いだか。ターンエンドだ」

「な、何とか凌いだ・・・」

「だが、光輝のスピリットは0。このままじゃマズイぞ」

 

恭賀 ライフ2

 

フィールド

 

スピリット

戦国覇王ギュウモンジ LV1(コア1)

 

虎の子タイガ LV1 (コア2)

 

ヤイバード LV1(コア1)

 

 

〜ターン7〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

手札を見るが、この手札では恭賀を倒せない。

 

「ブレイドラとライト・ブレイドラをLV1で召喚。マジック、双翼乱舞を使用!デッキから2枚ドローする!」

(手札4→3)

(リザーブ11→7)

(トラッシュ0→2)

 

双翼乱舞

マジック

4(2)/赤

【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】

自分はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのメイン効果を発揮する。

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

新たに引いたカードを見るがダメだ。これではこのターンはブロッカーを出すしかない。

 

「カグツチ・ドラグーンをLV2で召喚。バーストをセットしてターンエンドだ」

(手札3→1)

(リザーブ7→2)

(トラッシュ2→4)

 

 

カグツチ・ドラグーン

スピリット

4(2)/赤/古竜

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 6000

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2【激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならばスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。

シンボル:赤

 

 

「アタックしないでターンエンド?」

「相手のブロッカーは2体、スピリット3体じゃライフを削りきれないからな」

 

光輝 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラ LV1 (コア1)

 

ライト・ブレイドラ LV1(コア1)

 

カグツチ・ドラグーン LV2(コア3)

 

 

〜ターン8〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。さぁて、仕上げにかかるとするかね!タイガとギュウモンジをLV3にアップしてヤイバードを召喚」

 

ギュウモンジ LV1→LV3(コア3 Sコア)

 

タイガ LV1→LV3(コア4)

 

(手札4→3)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→1)

 

 

「アタックステップ!行けギュウモンジ!アタック時効果発揮!相手のBP15000以下のスピリット1体を破壊する!消えろ、カグツチ・ドラグーン!」

 

ギュウモンジの頭部から、カグツチ・ドラグーンめがけて炎が放たれる。カグツチ・ドラグーンはそのまま炎に焼かれて破壊されてしまう。

 

「どうだギュウモンジの力は!だがこれで終わりじゃないぜ?さらにこの効果で相手スピリットを破壊した時、ギュウモンジにソウルコアが置かれていればライフを1つ破壊するのさ!」

「何!?」

 

ギュウモンジが今度は俺めがけて炎を放ち、ライフを砕く。

 

光輝 ライフ 3→2

 

「くっ!ホントに強いな恭賀、もう俺の手札には打つ手がない。だが俺は諦めない!スピリット破壊によりバースト発動!双光気弾!」

 

双光気弾

マジック(制限1カード)

3(1)/赤

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

自分はデッキから2枚ドローする。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手の合体スピリットのブレイヴ1つを破壊する。

または、相手のネクサス1つを破壊する。

 

「バースト効果により、デッキから2枚のカードをドローする!!」

 

俺はデッキの上に手を置く。これが俺の最後のチャンスだ。

「(俺にはもう後がない。このドローで恭賀のアタックを止めるカードが来なければ、フルアタックで俺の負けだ。だが、諦める訳にはいかない!俺のカード達、頼む!力を貸してくれ!!)ドロー!!」

(手札1→3)

 

俺は2枚のカードをドローし、恐る恐る引いたカードを見る。

 

「・・・・・・・・!!」

 

引いたカードの中に、勝利の1枚があった。

 

「お前が来てくれたか!行くぞ恭賀!!フラッシュタイミング!マジック、救世神撃覇!!」

(手札3→2)

(リザーブ6→4)

 

 

救世神撃覇

マジック

4(3)/赤

【バースト:自分のライフ減少後】

BP合計6000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

自分はデッキから1枚ドローする。

その後、自分の手札にあるバースト効果を持つカード1枚をセットできる。

 

 

「救世神撃覇の効果で1枚ドロー!そして、バーストセットだ!!」

「バースト!」

「いったい何をセットしたんだ?」

「最後の悪足掻きか、嫌いじゃねぇぜ!だがこのターンで終わりだ!行けギュウモンジ!」

「ライフで受ける!!」

光輝 ライフ 2→1

 

ギュウモンジが俺に突進し、ライフを砕く。だが、これで条件は満たした!!

 

「行くぞ恭賀!ライフ減少によりバースト発動だ!!」

 

バーストを開くと、タイガとヤイバードの上空に蒼い炎に包まれた剣が現れる。

 

「自分のライフが3以下の時、自分フィールドの赤のスピリット1体につき相手のBP6000以下のスピリット1体を破壊する!!俺の場には2体の赤のスピリットがいる!更にライト・ブレイドラの【強化】によりBP破壊上限を1000プラス!7000以下のスピリットを破壊する!!ヤイバードと虎の子タイガを破壊!!」

「何だと!?」

 

ヤイバードと虎の子タイガが剣に貫かれ、破壊される。

 

「効果発揮後、このスピリットをコストを支払わず召喚する!天空を切り裂く蒼炎の剣!黒き覇王よ!王者の力を示す時だ!天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード!!LV3で召喚!!」

 

天空から8つの剣がフィールドに円を描くように降り注ぎ、中心から炎とともに黒い体に巨大な剣を構えたスピリット、ジーク・スサノ・フリードが出現する。

 

 

天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード

スピリット

9(3)/赤/覇皇・古竜

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 15000 <7>Lv4 20000

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のライフが3以下のとき、自分の赤のスピリット1体につき、BP6000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

この効果発揮後、このスピリットカードを召喚する。

Lv2・Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』

このスピリットをBP+10000する。

Lv3・Lv4

自分のバーストをセットしている間、

このスピリットに赤のシンボル1つを追加する。

シンボル:赤

 

 

「あれは!?」

「天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード!?」

「光輝の奴、土壇場でヤマトに続くキースピリットを引きやがった!!」

 

慎吾の言う通り、ジーク・スサノ・フリードはヤマトに続く俺の第2のキースピリットとも言える存在だ。

 

「チィ!ターンエンドだ!」

 

恭賀は苛立ちながらターンエンドを宣言した。

 

恭賀 ライフ2

 

フィールド

 

スピリット

 

戦国覇王ギュウモンジ LV3(コア3 Sコア)

 

ヤイバード LV(コア1)

 

 

〜ターン9〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!バーストをセット(手札3→2)!さらにカグツチ・ドラグーンをLV2召喚!アタックステップ、カグツチ・ドラグーンでアタック!アタック時効果で1枚ドロー!(手札2→3)更にLV2からの効果【激突】発揮!相手は可能ならスピリットで必ずブロックする!」

「まだだぁ!フラッシュタイミング!サジッタフレイム!BP5000まで相手スピリットを好きな数破壊する!!ブレイドラとライト・ブレイドラを破壊だ!!」

(手札3→2)

(リザーブ7→4)

 

 

サジッタフレイム

マジック

5(赤2青1)/赤

フラッシュ:

BP合計5000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

または、相手のネクサス1つを破壊する。

 

 

空から炎の矢が降り注ぎ、ブレイドラとライト・ブレイドラを破壊する。

 

「あぁ!また破壊された!」

「これじゃあライフを削りきれない!」

「心配いらないさ、ジーク・スサノ・フリードがいればな!」

 

カグツチ・ドラグーンがヤイバードと激突し、口から炎を出しヤイバードを破壊する。

 

「これでお前のアタッカーはスサノ・フリードだけ。俺のライフは2つ、このターンは凌いだぜ「それはどうかな?」何!?」

「ジーク・スサノ・フリードのLV3、4の効果!自分のバーストがセットされている時、このスピリットに赤のシンボル1つを追加する!よってダブルシンボルだ!!」

「なっ、ダブルシンボルだとぉ!!?」

 

ダブルシンボルであることは、一度のアタックで相手のライフを2つ破壊できるということだ。

 

「これで決まりだ!天剣の覇王ジーク・スサノ・フリードでアタックだ!!」

 

ジーク・スサノ・フリードが剣に蒼い炎を纏わせ、恭賀の残り2つのライフを切り裂く。

 

恭賀 ライフ 2→0

 

「うおおぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

「「「「ワアァァァァァ!!」」」」

 

バトルの決着がつき、周りから歓声が沸き上がる。

 

「光輝が勝ったぁ〜!」

「やったぜ!」

「今回のバトルは本当にギリギリだったな・・・。大したやつだ」

 

太陽君達も俺の勝利を喜んでくれている。俺は勝負を決めてくれたジーク・スサノ・フリードのカードを手に取る。

 

「あの時双光気弾の効果でコイツを引けなかったら、俺が負けていた。恭賀!お前本当に強かったよ!」

「チッ、まさかギュウモンジまで出したってのに負けちまうとはな。お前の勝ちだ赤宮光輝、完敗だ」

「いや、俺はまだお前のギュウモンジを倒せていない。だから次戦うときは必ずギュウモンジを倒して勝利を掴むからな!」

「次か、俺に勝ったってのに随分と強欲じゃねぇか。まぁいいぜ!俺も負けっぱなしはゴメンだ。次に戦う時は俺が勝つ!」

「あぁ!望むところだ!」

 

俺と恭賀はそう誓い、拳を合わせる。その後恭賀は何処かへと立ち去っていった。

 

「やったな光輝!」

「すごいバトルだったよ!」

「S級バトラー同士のバトルってあんなに凄いのね!」

「僕も手に汗握ったよ!」

 

太陽君達が俺に寄ってくる。彼等もずっと俺を応援してくれていたんだ、感謝しないとな。

 

「俺もあんなスゲェバトル見たの久しぶりだぜ。お前がチャンピオンシップに出場してた時以来だな」

 

慎吾が俺に言う。俺もあのバトルはよく勝てたと思っている。

 

「えっ!?光輝ってチャンピオンシップに出たことがあるのか!?」

「あぁあるよ、何回かね」

「何言ってんだよ。3年前のチャンピオンシップでは優勝した癖に」

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!??」」」」

 

慎吾がそう言うと、知らなかったようで太陽君達が驚いている。

 

「チャンピオンシップで優勝!?だからあんなに強いのか!」

「アハハ、まぁね。あの時は本当に嬉しかったな」

「3年前ってことは、もしかして去年と2年前も?」

「いや、2年前の時は優勝したからいいかなって思って参加しなかったんだ。それにその時は、一度頂点に立ったからバトスピに対する熱意が少し薄れてたんだ。でも父さん達が発明した3Dバトルシステムの影響で全国に強豪バトラーが沢山現れて、俺も父さん達が作ってくれた3Dバトルによって行われるバトルでもう一度頂点に立ちたいと思ったんだ」

「そうなんだ。じゃあ去年のチャンピオンシップには出場したのか?」

「あぁ。去年は参加して、決勝大会まで行ったんだ」

「決勝大会まで?そこで負けちゃったの?」

「いや・・・、去年はそこで棄権しちゃったんだ」

「えっ、棄権!?どうして?」

「それは・・・「あっ、もう昼だ!早くしないと店が混んじゃうな。太陽君達も後から光輝とバトルすんだろ?一緒に来いよ、おごってやるからさ」

「ホントに!?やった!」

「ありがとう慎吾さん!」

「早く行こう、僕腹ペコだよぉ!」

「私アイスも食べたいな!」

 

慎吾の言葉を聞き、太陽君達は公園の出口へ歩き出す。

 

「慎吾、お前・・・」

「気にすんな。あの時のことはあまり言いたくないだろ?」

「すまない・・・」

「だから気にすんなって。ほら、太陽君達が先に行っちまうから俺達も行こうぜ」

「あぁ」

 

慎吾にそう促され、俺達も歩き出す。

 

「あっ、太陽君達の分お前も出せよ」

「・・・分かってるよ」

 

そういうところはしっかりしてるよなお前は。

 

 

 

 

 

 

あれから夕方になるまで太陽君と何度もバトルし、明日もショップで会う約束をして家に帰った。裕香と一緒に調理をし夕食を済ませた俺は、リビングでデッキを広げ恭賀とのバトルを思い出す。

 

「恭賀は強敵だったな。特にSバーストを持つギュウモンジは厄介だったし、まだギュウモンジを倒せていない。少しデッキ調整しようかな」

 

しばらくデッキを眺めていると、可愛らしいパジャマを着た裕香が俺の隣に座ってきた。

 

「あれ?どうしたのデッキ広げて」

「あぁ、今日すごく強いバトラーと戦ってな。俺と同じ赤属性使いのS級バトラーだったよ」

「ホントに?勝ったの?負けたの?」

「ギリギリだったけど、なんとか勝ったよ」

「そうなんだ、やっぱりお兄ちゃんは強いんだね!」

 

そう言って裕香は俺に可愛らしい笑顔を見せる。兄の俺から見ても、この笑顔は純粋に可愛いと思う。

 

「ただ完全には勝っていないけどな」

「どういうこと?」

「キースピリットを倒せなかったんだ。俺にとってはキースピリットを倒して勝利することが、本当の勝利だからな」

「変わらないね、それ」

「まあな。チャンピオンシップでも充分決勝大会までいける強さだったよ。俺ももっと強くならないとな」

 

俺がそう言うと、裕香は悲しそうな顔をして俯いてしまう。

 

「裕香?どうしたんだ?」

「・・・ゴメンお兄ちゃん。去年のチャンピオンシップ、私のせいで・・・」

「・・・何度も言っただろ?あれはお前のせいじゃない。気にすることないさ」

「でも・・・」

 

俺は今にも泣きそうな顔をする裕香の頭を優しく撫でてやる。

 

「大丈夫だ、俺はお前を責めてなんていない。だからそんな顔するな」

「うん・・・」

 

そうだ。去年のあの出来事は裕香のせいなんかじゃない。もしそれが裕香のせいだと言うのなら、俺にも責任がある。この子が責任を負う必要なんてないんだ。

 

「・・・ねぇお兄ちゃん」

「ん?」

「今日も一緒に寝てもいい?」

「はい?」

 

いきなり何言い出すんだこの妹は。しかも昨日一緒に寝たばかりじゃないか。

 

「いや・・・裕香、いい加減それは・・・。それに昨日一緒に寝ただろ?」

「・・・ダメ?」

「うっ!」

 

俺が拒否しようとすると、裕香は上目遣いで俺を見上げる。甘やかしてはいけないと思いつつも、この表情に俺は弱いのだ。

 

「はぁ・・・分かったよ。でもそろそろ兄からは卒業しないとダメだぞ?」

「うん」

 

俺が許可すると、裕香は嬉しそうに返事をした。この調子じゃ兄離れは程遠いな。

 

 

 

 

 

 

「ほら、おいで」

 

俺は先にベッドに入り、布団をあげて裕香に来るよう促す。裕香が俺の隣に入り込むと布団を掛け俺も横になる。するとすぐに裕香は俺に甘えるように擦り寄って来たので、俺は裕香の背に両手を回して抱き寄せ、背中を優しくポン、ポンと叩く。裕香が小さかった頃から俺はよくこうして寝かしつけてきた。始めてものの数分で、裕香はゆっくりと目を閉じて意識を手放していく。

 

「おやすみ、裕香」

「おやすみ・・・お兄ちゃん・・・」

 

その後すぐに寝息が聞こえ、裕香が眠りについたことを確認する。俺の腕の中で気持ちよさそうに眠っている妹は、さっきまで泣きそうなくらい悲しい顔をしていたとは思えない。

 

「チャンピオンシップか・・・」

 

俺はそう呟くと、瞼を閉じて眠りについた。

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?最後がちょっと妹とのイチャイチャになってしまいましたが・・・。
次回はヒロインを登場させたいと思います!


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第4話 襲い来るデッキ破壊!

遅くなってしまって申し訳ありません!第5話です。
相変わらずの低クオリティですが(汗)
それではどうぞ!



「ふぅ、今日は一段と暑いな」

 

俺はショップへの道を歩きながらそう言う。今はまだ6月だが灼熱の太陽が照りつけ、周りの温度を上げている。あと1ヶ月したら更に暑くなるのだから、勘弁してほしい。洗濯物が早く乾くのは嬉しいが。

 

「さぁて、太陽君はどんな風にデッキを強化させたのか楽しみだな」

 

昨日の俺とのバトルで連敗してしまった太陽君は、デッキを強化してくるからもう一度バトルしようと言った。昨日バトルして分かったが、太陽君は物分かりが良く俺のアドバイスをちゃんと覚えながらバトルしており、着実に実力をつけ始めている。あれなら四島くらいのバトラーと互角に渡り合えるだろう。彼を見ているとバトスピを始めたばかりの頃を思い出す。あの頃はとにかく自分の作り上げたデッキでバトルをするのがとても楽しく、見たことないカードやコンボを見る度に心躍らせた。太陽君にバトスピを教えているとあの頃のようにワクワクを思い出すような感じがした。

 

「お願いだから退いてください!」

「だったら金貸してくれって言ってんじゃ〜ん」

「ん?」

 

声が聞こえてきた方に目を向けてみると不良であろうガラの悪い男3人組が1人の女性を取り囲んでいる。会話からすると金を脅し取ろうとしているのだろう。周りの人達は厄介ごとに巻き込まれるのが嫌なのか、見て見ぬふりをしている。女性の方は抵抗しているが不安な表情をしている。よく見てみるとその女性に俺は見覚えがあった。

 

「ん?あれ大原じゃないか」

 

男達に絡まれている女性は、俺の同級生の大原水穂(おおはら みずほ)だった。同級生が絡まれているのを黙って見ている訳にもいかないので、俺は不良に囲まれている大原に近づいていく。

 

「どうしたんだ?大原」

「あ、赤宮君!?」

 

俺に気づいた大原は不良達を押し退け、俺の後ろに隠れた。

 

「あぁん?なんだテメーは?」

不良達が俺の前にやってくる。普通ガラの悪い連中に睨まれたりしたら恐怖心があるかもしれないが、俺はこの程度では怯まない。

 

「彼女の同級生だ。どうしたんだ?彼女がそっちになにか失礼なことでもしたのか?」

「あぁそうなんだよ。その嬢ちゃんが金貸してくれなくてさぁ、困ってんだよ」

「こ、困ってるって!あなた達に貸す必要ないじゃない!」

 

大原の言う通り、貸す必要がないのだから貸す訳がない。

 

「丁度いいや、お前ソイツの知り合いなんだろ?ちょっとでいいから貸してくれよ」

「貸す義務も義理もないのに貸すわけないだろ」

「俺達の挨拶が足りないのかねぇ?じゃあ気合の入った挨拶をしてやらないとなぁ!」

 

そういうと男は俺に向かって拳を振り上げて来た。だが、

 

「よっ!」

「がぁ!?」

 

俺はそれよりも早く男の腹にボディーブローを決めてやった。

 

「この野郎!」

「やりやがったな!」

 

仲間がやられたのを見て残りの2人もやってきた。俺は1人を背負い投げの要領で投げ飛ばすと、残りの1人のパンチを受け流し顔を掴んでアイアンクローをお見舞いしてやる。

 

「痛え痛え!!」

「とっととどっかに行け」

 

そう言って手を離すと男は情けない声をあげながら一目散に逃げていく。残りの2人もそれを見て走り去っていった。

 

「大丈夫か?大原」

「あ、ありがとう赤宮君」

 

不良達がいなくなり、大原は安心した表情でそう言った。

 

「まさかこんなところで会うなんてな」

「うん、私も驚いたよ。歩いていたらいきなりさっきの人達に声を掛けられて金貸してくれなんて言われて・・・、赤宮君がいなかったらどうなっていたか・・・」

「まぁ怪我がなくてよかったよ。じゃあ俺行くから、気をつけるんだぞ」

「あっ、ちょっと待って」

 

立ち去ろうとすると、大原が俺の服の裾を掴んで引き止める。

 

「助けてくれたお礼がしたいんだけど・・・」

「お礼なんていいよ。俺はたまたま通りかかっただけだし」

「でも助けてくれたことに変わりはないでしょ?ちゃんとお礼をしないと私の気がすまないの」

「いや、でも俺これからショップ行くからさ」

「ショップってバトスピショップのこと?だったら私も行くよ。そこなら何かお礼できるかもしれないし」

 

そこまでしてお礼がしたいのか、大原はショップまでついてくるとまで言い出した。

 

「気にしなくていいのになぁ・・・。分かった、じゃあ行こうか」

 

 

 

 

 

 

「・・・と言う訳だ。」

「なるほどねぇ〜。不良に絡まれてる女の子を助けるなんてカッコイイねぇ〜」

 

あれからショップに着き大原と出会った経緯を話すと、慎吾はジト目でそう言ってきた。その大原はと言うと、シングルカードが売られているショーケースの前に釘付けになっている。そんな大原を見ていると太陽君が声を掛けてきた。

 

「光輝、誰なんだあの人」

「大原水穂、俺の中学からの同級生だ」

「あの人もバトスピやってるのか?」

「いや・・・俺の知ってる限りじゃやってないと思うけど・・・」

 

俺は大原がバトスピをやっているという話は聞いたことがない。しかし彼女は未だバトスピのカードが並べられているショーケースの前にいる。いつまでも放っておく訳にもいかないので、彼女に近づいて話しかける。

 

「大原?」

「ひゃい!?」

 

俺が名前を呼ぶと彼女はいきなり声を掛けられて驚いたのか、普段では聞かない可愛らしい声をあげてこっちを向く。

 

「な、なんだ赤宮君かぁ。脅かさないでよ」

「俺はただ声を掛けただけだぞ・・・ん?」

 

ふと彼女が見ていたショーケースに目を向けると、そこは青属性のカードが売られているスペースだった。

 

「大原ってバトスピやってるのか?」

「えっ?なんでそう思ったの?」

「いや、熱心にバトスピのカード眺めてたからやってるのかなって思ったんだ」

「そっか・・・うん。ちょっとだけね」

 

大原はそう言いながら、鞄から青いデッキケースを出す。だが、

 

「!?」

 

それを見た俺は驚いた。何故なら彼女のデッキケースの真ん中には水の雫のような模様が浮かんでいた。模様が描かれたデッキケースはS級バトラーと認められたものだけが所持することができる。それを持っているということはつまり彼女は・・・、

 

「お前・・・S級バトラーだったのか!?」

 

俺がそういうと店内がざわつき、慎吾や太陽君達も俺の声を聞いてこっちへ来る。

 

「うん。何回か大会で優勝してね、気付いたら認定されたんだ。」

「気付いたらって・・・」

 

大原がバトスピをやってることも知らなかった俺は驚くしかなかった。

 

「お姉さんもS級だったんだ、じゃあ光輝や恭賀と一緒なんだ!」

「恭賀って?」

「昨日光輝さんとバトルした人だよ。光輝さんと同じ赤デッキ使いのS級バトラーなんだ。」

「そうなの?それで結果は?」

「俺が勝ったよ。かなりギリギリの勝利だったけどな」

 

俺の言うことに嘘はない。恭賀は本当に強かったし、あのバトルはたまたまいいタイミングでスサノ・フリードを出せたから勝てたが、もしあそこでスサノ・フリードが来なかったら、俺は確実に負けていただろう。

 

「同じ赤のS級バトラーに勝つなんてすごいのね!」

「あぁ、ありがとう・・・あっ!」

「どうしたの?」

「大原、さっき助けてくれたお礼がしたいって言ってたよな?」

「えっ?うん」

「だったらさ、俺とバトルしてくれよ」

「えっ!?」

 

俺はデッキケースを取り出し、大原にバトルを申し込んだ。

 

「お礼にバトルしてってこと?でもなんか私は納得行かないし、バトルの相手なら慎吾君達とか他にもいっぱいいるでしょ?」

「俺はこれでいい。どうしてもお前とバトルしたいんだ。」

「わ、私と!?どうしても!?い、いきなりそんなこと言われると・・・」

 

俺の言葉を聞くと大原は何故か顔を赤らめ俯く。もしかしたら恥ずかしいのかもしれない。

 

「どうした?大丈夫か?」

「う、うん大丈夫!私でよければ相手になるよ。」

「そうか、ありがとう!じゃあ早速やろうか」

「となるとまた外でやるようかな?」

 

慎吾の言う通りスタジアムはいっぱいだろうから外でやることになる。そう思っていたのだが、

 

「光輝!スタジアムが空いたってさ!」

「2人のためにみんながスタジアムの順番を譲ったんだって!」

 

俺達のバトルが見たいのか、順番待ちのバトラーが俺達に譲ってくれたようだ。

 

「そうか、感謝しないとな。よし!やろうか、大原」

「うん」

 

 

 

SIDE OUT

 

 

「2人ともいいバトル見せてくれよ〜!」

「またS級同士のバトルが見られるなんてツイてるぜ!」

 

スタジアムは既にバトラー達でいっぱいで、早くバトルが始まらないかと待っている。

 

「まさかこんなに人が集まるなんて・・・、バトスピってすごいのね」

「そうだな。さて、そろそろ始めようか。みんなも待ってるみたいだしな」

 

お互いデッキケースを掲げ、バトルマシーンを呼び出す。

 

「来い!覇龍翼!」

「来て!水分神(みくまりのかみ)!」

 

スタジアムの上空からバトルマシーンがやってくる。水穂のバトルマシーンは水をイメージした青い機体に先頭には水の雫の模様が描かれている。両者のバトルマシーンが到着し搭乗すると、バトル開始のコールを宣言する。

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

コールの宣言とともにバトルフィールドが出現し、バトルが開始された。

 

〜ターン1〜

 

「私の先行!ドローステップ、メインステップ、私は水拳童子をLV1で召喚!」

 

水拳童子(すいけんどうじ)

スピリット

3(2)/青/闘神

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 6000

Lv1・Lv2・Lv3【粉砕】『このスピリットのアタック時』

相手のデッキを上から、このスピリットのLvと同じ枚数破棄する。

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットに[ソウルコア]が置かれている間、系統:「闘神」を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。

シンボル:青

 

水穂の場に最初に召喚されたのは金髪に青い肌をした人型のスピリット、水拳童子である。

 

「水拳童子・・・やっぱり青属性か」

「水拳童子はソウルコアが置かれている間、系統 闘神 を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000!水拳童子も闘神なのでBPがアップ!」

 

水拳童子の体が青く光り、BPがアップする。

 

「これでターンエンド」

 

〜ターン2〜

 

「俺のターン!スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ!リューマン・クロウとカグツチ・ドラグーンをそれぞれLV1で召喚!」

 

リューマン・クロウ

スピリット

0(0)/赤/竜人

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000 <5>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3【スピリットソウル:赤】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[赤](赤のシンボル1つ)を追加する。

シンボル:赤

 

カグツチ・ドラグーン

スピリット

4(2)/赤/古竜

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 6000

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2【激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならばスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。

シンボル:赤

 

光輝の場に青い体に両手足に黄色の爪を持つリューマン・クロウと、赤い体に炎の翼を持つカグツチ・ドラグーンの2体のスピリットが召喚された。

 

「ターンエンドだ」

 

2体のスピリットを召喚し、光輝はターンを終了した。

 

「えっ?アタックしないのか?」

「大原の水拳童子はBP6000、BPで勝てるスピリットがいないからな。妥当な判断だろう」

 

観客席の太陽の疑問の声に、慎吾が解説を入れる。

 

〜ターン3〜

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。光の戦士ガイウスをLV1で召喚!」

 

光の戦士ガイウス

スピリット(光)

2(2)/青/闘神

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 5000

Lv1・Lv2・Lv3【強化】

自分の「相手へのデッキ破棄効果」の枚数を+1枚する。

シンボル:青

 

フィールドに青の盾と槍を持った戦士、ガイウスが現れた。

 

「さらにネクサス、千間観音堂(せんげんかんのんどう)を配置!」

 

千間観音堂

ネクサス

4(2)/青

<0>Lv1 <1>Lv2

Lv1・Lv2『お互いのアタックステップ』

系統:「闘神」を持つ自分のスピリットすべてをBP+2000する。

Lv2『自分のアタックステップ』

ソウルコアが置かれている自分のスピリットの『このスピリットのアタック時』効果で相手のデッキを破棄したとき、

相手のデッキを上から5枚破棄する。

シンボル:青

 

水穂の後ろに金色の仏像がいくつも並ぶ、千間観音堂が配置される。

 

「千間観音堂!やっぱりデッキ破壊か!」

「気が付いたのね。ターンエンド」

 

アタックはせず、ターンエンドを宣言した。

 

「大原の戦法はデッキ破壊か。厄介だな」

「慎吾さん、デッキ破壊って?」

 

観客席の慎吾の言葉に梨花がデッキ破壊について訪ねる。

 

「バトルスピリッツには勝利方法が2つあるんだ。1つはみんなも知ってる通り相手のライフをゼロにすること。そしてもう1つが相手のデッキをゼロにすることだ。相手のスタートステップ開始時に相手のデッキがゼロ、つまりドローできるカードがなくなったらそのプレイヤーは負けになるんだ」

「えっ!それじゃあ大原さんはそのデッキ破壊を狙ってるってこと!?」

「あぁ。青属性はそのデッキ破壊を得意としている。太陽君も光輝に少し教えてもらっただろ?」

「うん」

 

太陽は慎吾の言葉に頷く。デッキ破壊の恐ろしい所は相手のライフではなくデッキを狙うため、ライフを削ってコアを増やすことが少ないこと。さらに相手のデッキを破棄してしまえば、相手のデッキの強力なスピリットも召喚される前にトラッシュに送られてしまうこともあるため、相手の戦術を狂わすこともできるのだ。

 

〜ターン4〜

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!よし、砲凰竜フェニック・キャノンを召喚!」

「ブレイヴ!」

 

砲凰竜フェニック・キャノン

ブレイヴ

5(赤2白2)/赤/機竜・星魂

<1>Lv1 3000 <0>合体+3000

Lv1『このブレイヴの召喚時』

BP4000以下の相手のスピリット2体を破壊する。

または、BP4000以下の相手のスピリット1体と相手のネクサス1つを破壊する。

合体条件:コスト3以上

【合体時】【激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。

シンボル:なし

 

「召喚時効果!相手のBP4000以下のスピリットとネクサス1つを破壊する!BP4000以下のスピリットはいないが、千間観音堂は破壊させて貰う!」

 

フェニック・キャノンのキャノン砲から火の玉が発射され、千間観音堂に命中し破壊する。

 

「さらにフェニック・キャノンをカグツチ・ドラグーンに合体(ブレイヴ)!」

 

フェニック・キャノンの機体が赤く光り、頭部が折りたたまれ2つのキャノン砲がついた翼がカグツチ・ドラグーンへと装着される。

 

「ブレイヴスピリットをLV2にアップ!不足コアはリューマン・クロウから確保!アタックステップ、ブレイヴスピリットでアタック!カグツチ・ドラグーンの効果で一枚ドロー、さらにフェニック・キャノンの合体時効果!【激突】だ!」

「ガイウスでブロック!」

 

猛スピードで向かってくるブレイヴスピリットにガイウスは盾で防御しようとするが、盾は猛スピードの激突に耐えられずガイウスは破壊される。

 

「ターンエンド」

 

〜ターン5〜

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!巨人小隊を召喚!

 

巨人小隊

スピリット

1(1)/青/闘神

<1>Lv1 1000 <4>Lv2 4000

Lv1・Lv2

系統:「闘神」を持つ自分のスピリットが相手によって破壊されたとき、相手のデッキを上から2枚破棄する。

シンボル:青

 

「さぁ赤宮君!そろそろいくよ!」

「来るか!」

「蒼き海を統べる王!命を穢す者を深淵に誘え!蒼海明王(そうかいみょうおう)をLV1で召喚!巨人小隊から不足コアを確保!」

フィールドに巨大な水柱が出現し、フィールドが水に浸かる。そして水柱の中から青い体に3つの顔を持った巨人、蒼海明王が現れた。

 

蒼海明王

スピリット

6(3)/青/闘神

<1>Lv1 5000 <4>Lv2 10000

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

相手のデッキを上から7枚破棄する。

Lv2『このスピリットのアタック時』

このスピリットの効果で相手のデッキを破棄したとき、このスピリットの[ソウルコア]を自分のトラッシュに置くことで、

相手のデッキを上から7枚破棄する。

シンボル:青

 

「蒼海明王・・・!」

「蒼海明王は私のキースピリット!ここから一気にいくよ!水拳童子の効果によってBP+3000、8000にアップ!アタックステップ、蒼海明王でアタック!」

 

蒼海明王は腰の鞘から二本の剣を両手に持ち、雄叫びをあげながら光輝に向かって行く。

 

「蒼海明王のアタック時効果発揮!相手のデッキを上から7枚破棄する!」

 

蒼海明王の剣から青白い電撃が放たれ光輝のデッキに命中すると、光輝のデッキから7枚のカードが破棄される。

 

破棄されたカード

リューマン・クロウ

鬼武者ライザン

絶甲氷盾

双翼乱舞

ルクバード・ドラゴン

ライト・ブレイドラ

カグツチ・ドラグーン

 

デッキ残り枚数 26枚

 

「ついに始まったかデッキ破壊!アタックはライフで受ける!」

 

蒼海明王の剣が光輝のライフを砕く。

 

光輝 ライフ 5→4

 

「ターンエンド」

 

水穂は水拳童子を残しターンエンドした。

 

「光輝のデッキが一気に7枚も!」

「デッキ破壊は一度始まると止めるのは難しいからな。速攻でいかないとマズイぞ」

 

〜ターン6〜

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

光輝は手札を見ながら水穂の場に目を向ける。

 

「(今の俺の手札じゃ蒼海明王は倒せない。だったらライフを削りにいくしかない!)ブレイドラをLV3、リューマン・クロウをLV2で召喚!」

 

光輝の場に新たに2体のスピリットが召喚され、これで3体のスピリットが並んだ。

 

「バーストセット!アタックステップ、ブレイヴスピリットでアタック!アタック時効果で一枚ドロー、【激突】だ!」

「水拳童子でブロック!」

 

水拳童子は両腕で防御の体制をとるが、ブレイヴスピリットの突進を受け止めきれず破壊される。

 

「ブレイドラ、リューマン・クロウ!行け!」

「どちらもライフで受ける!」

 

ブレイドラの炎とリューマン・クロウのキックがライフを2つ削る。

 

水穂 ライフ 5→3

 

「ターンエンドだ」

「やった!ライフが逆転した!」

「だが蒼海明王は倒せなかった。そろそろデッキ破壊が本格化するぞ」

 

〜ターン7〜

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!蒼海明王にソウルコアを置いてLV2にアップ!さらに光の衛士アドリアンを2体召喚!」

 

光の衛士アドリアン

スピリット(光)

1(1)/青/闘神

<1>Lv1 2000 <4>Lv2 3000

Lv1・Lv2【強化】

アルティメット以外の自分の「相手へのデッキ破棄効果」の枚数を+1枚する。

シンボル:青

 

「アタックステップ!蒼海明王でアタック!アタック時効果発揮!さらにアドリアンの2【強化】(チャージ)によって破棄枚数+2、よって9枚を破棄!」

 

光輝のデッキから9枚のカードが破棄された。

 

破棄されたカード

絶甲氷盾

ブレイドラ

焔竜魔皇マ・グー

炎極天リューマン・バースト

炎楯の守護者コロナ・ドラゴン

刃狼ベオ・ウルフ

聖龍皇アルティメット・セイバー

双翼乱舞

ルクバード・ドラゴン

 

デッキ残り枚数 15枚

 

「くっ!」

「更に蒼海明王LV2の効果!このスピリットの効果でデッキを破棄したとき、このスピリットのソウルコアをトラッシュに置くことで、相手のデッキを更に7枚破棄する!」

「なに!?」

 

蒼海明王の肩から、折りたたまれていたもう二本の腕が出現し腰の剣を抜く。計四本の剣から電撃が放たれ、光輝のデッキを破棄する。

 

破棄されたカード

 

英雄皇の神剣

爆裂十文刃

天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード

ライト・ブレイドラ

サンブレイカー

フレイムスパーク

龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード

 

デッキ残り枚数 8枚

 

「!!」

「あぁ!ヤマト・フリードとスサノ・フリードがぁ!!」

「そんな!キースピリットが2枚とも!!」

 

観客席の太陽達が悲鳴を上げる。

 

「ライフで受ける!」

 

光輝 ライフ 4→3

 

「キースピリットはトラッシュにいったわね。ターンエンド」

 

水穂はターンエンドを宣言する。

 

〜ターン8〜

 

「もうダメだぁ、ヤマトもスサノもトラッシュにあるんじゃ勝ち目がないよ」

「確かに、いくら光輝さんでもキースピリットがないんじゃあ・・・」

「光輝さん・・・負けちゃうのかな?」

 

翔太、大介、梨花の3人はもう勝ち目がないと諦めムードになっていた。しかし、

 

「まだだ!きっとまだ手はあるはずだ!頑張れ光輝〜!!」

 

太陽はまだ光輝を信じており、応援する。

 

「太陽君の言う通りだ。あいつはそう簡単には負けねぇ。それにまだあいつのデッキにはヤマトやスサノと同じ切り札がある。」

「「「「えっ!?」」」」

 

慎吾の言葉に太陽達は驚きの声を出す。

 

「破棄されたカードを見てきたが、まだあいつのデッキには強力な切り札がある。それを引ければ・・・」

 

慎吾はそう言い、バトルフィールドの光輝を見つめる。

 

「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!」

 

光輝はデッキの上に手を置く。

 

「(ヤマトもスサノも今はトラッシュ。このドローで俺のデッキは残り7枚、たぶんこれがラストドローだ!このバトル、このドローに賭ける!!)」

 

光輝は最後の望みを託しカードをドローする。スタジアムが緊迫に包まれる中光輝はドローしたカードを確認すると、笑みを浮かべながら水穂を見る。

 

「(笑ってる!?)」

「行くぞ大原。残り少ないデッキから引き当てたこのカードで、お前を倒す!!」

 

光輝はそのドローしたカードを掲げ、フィールドに召喚する。

 

「赤のスピリットがいることにより召喚条件クリア!宇宙を駆けるドラゴン!赤き紅蓮の矢で敵を撃ち抜け!

究極三龍神、アルティメット・サジット・アポロドラゴン召喚!!LV4だ!!」

 

天空から赤い矢がフィールドに降り注ぎ、炎が広がる。そして炎の中から赤と黄色の体に馬のような下半身をし、右手に巨大な銃のような物を持ったスピリットを超えた究極の存在、アルティメット・サジット・アポロドラゴンがその姿を見せる。

 

「アルティメット・サジット・アポロドラゴン!?」

「こいつは俺のとっておき、三龍神アルティメットの一体だ!」

 

アルティメット・サジット・アポロドラゴン

アルティメット

7(3)/赤/三龍神・光導

<1>Lv3 12000 <3>Lv4 20000 <5>Lv5 23000

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

【WUトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

ヒットしたUトリガー1回につき、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【ダブルヒット】:Uトリガーが2回ヒットしたら、さらに、このアルティメットに究極シンボル1つを追加する。

(WUトリガー:相手デッキの上から2枚をトラッシュに置く。それらのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

Uトリガーがヒットしていたとき、指定したスピリットを破壊したら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:極

 

「アタックステップ!アルティメット・サジット・アポロドラゴンでアタック!アタック時効果、WUトリガー、ロックオン!!」

 

光輝が水穂の方に指を指すと、水穂のデッキの上から2枚のカードが飛び出す。

 

「その2枚のカードのコストはいくつだ!」

「コスト!?水拳童子とストロングドロー、コストはどちらも3!」

「Wヒットだ!!」

 

2枚のカードがトラッシュに送られると、アルティメット・サジット・アポロドラゴンは右手の銃から2発の矢を放ち、水穂のアドリアンを2体とも破壊する。

 

「なっ!?アドリアンが!」

「WUトリガーは相手のデッキを上から2枚トラッシュへ送り、そのカードがアルティメット・サジット・アポロドラゴンのコスト、つまり7より低ければヒット!ヒットしたカード1枚につき相手のBP15000のスピリットを一体破壊するのさ!更にLV4からの効果発揮!相手のスピリット一体を指定して、アタックすることができる!!蒼海明王を指定してアタックだ!!」

「指定アタック!?」

 

蒼海明王は剣から電撃を放つが、アルティメット・サジット・アポロドラゴンは上空へ飛び回避すると、銃から矢を放つ。その矢を蒼海明王は回避できずに体を貫かれ破壊される。

 

「更に!指定した相手スピリットを破壊した時Uトリガーがヒットしていた場合、相手のライフを1つリザーブに置く!!」

「なっ、ライフ貫通まで!?」

 

水穂 ライフ 3→2

 

「いけブレイドラ!アタックだ!」

「ライフで受ける!!」

 

水穂 ライフ 2→1

 

「これで決まりだ!ブレイヴスピリットでアタック!!」

「・・・私の負けね、ライフで受ける!!」

 

ブレイヴスピリットの炎が、水穂の最後のライフを破壊する。

 

水穂 ライフ 1→0

 

「きゃあぁぁぁ!」

 

 

 

 

 

 

「「「「ワアァァァァァ!!」」」」

 

光輝が勝利し、スタジアムが歓声に包まれた。

 

「やったー!光輝が勝ったぁ!!」

「凄いよ!アルティメット!!」

「8分の1の確率を引き当てるとはな、やっぱりあいつは凄いぜ」

 

太陽達も喜びの声をあげ、慎吾は光輝に目をやりそう述べる。

 

「もしあそこでこのカードが引けなかったら、あのまま負けていた。ありがとな、アルティメット・サジット・アポロドラゴン」

「赤宮君、私の負けだね。やっぱり私まだまだ未熟だね」

「そんなことないさ。俺もあのドローでこいつを引けなかったら負けていた、今回はドローに救われただけさ」

 

光輝はカードをデッキにしまい、水穂に手を差し出す。

 

「ありがとう大原。いいバトルだったよ」

「えっ!?・・・あ、ありがとう」

 

水穂は顔を赤らめながら、自分も手を差し出し握手を交わす。

 

「あ、赤宮君!」

「ん?」

「わ、私・・・赤宮君に言いたいことがあるの・・・」

「なんだ?」

「あ・・・あのね!そ・・・その・・・・・」

 

水穂はそこまで言うと顔を真っ赤にしながら、

 

「ま、またバトルしようね!それじゃあ!!」

「えっ!?お、おい大原!?」

 

そう言いながら水穂はスタジアムの出口へ猛スピードで走り去っていった。

 

「・・・なんだったんだ?」

 

光輝は走り去った水穂を見ながらそう呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

「ハァ・・・」

 

その日の夜、水穂は自宅にある自分の部屋でため息をついていた。

 

「折角赤宮君とバトル出来たのに、私ったら結局言えなかったな」

 

水穂はベッドで横になりながら今日の出来事を振り返っていた。

 

「・・・でも嬉しかったな。まさかあの時と全く同じ状況で助けてくれて」

 

光輝と水穂の出会いは3年前、中学生の時だった。実は過去にも今日と同じように水穂は外出中に不良に絡まれたことがあり、そこを助けたのが光輝だったのだ。2人は同じ中学に通っていたが、言葉を交わしたのはこの時が初めてだった。それ以来水穂は光輝に好意を寄せているのだが、未だ告白はできていない。

 

「普通に考えたら言えないよね。バトスピ始めたのも振り向いてもらいたかったことや、離れたくないから同じ高校に通うことを決めたことも」

 

水穂はそう言いながら鞄から、今日のバトルで使用したデッキを取り出した。

 

「赤宮君に追いつきたくて一生懸命バトスピ覚えて、腕を磨くために何度も大会に出てたらいつの間にかS級になっちゃったし。・・・でも今日のバトルはやっぱり悔しかったな、あと一歩で勝てたんだけどなぁ」

 

光輝に振り向いて欲しいという理由でバトスピを始めた彼女だが、ルールを覚え遊んでいるうちにいつの間にか楽しんでいたのだ。窓から空を見上げ、夜空に輝く星を見つめる。

 

「いつか、絶対赤宮君に伝えるんだ。この思いを・・・」

 

光輝のことを浮かべ、新たにそう誓う水穂であった。

 

 




いつもより時間かかったにも関わらずこの出来(汗)、文才が欲しいです。
次回に続きます!


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第5話 最強のライバル

遅れてしまい申し訳ありません。モンハンXにハマったり仕事で疲れたり東北のガンスリのデッキを組んだりでこんなに遅くなってしまいました。もっと早く投稿できた筈ですが・・・。

クッソォォォ!!絶対に許さねえぞ!紅蓮の悪魔!!ドン・サウザンドォォォォォォォォォ!!(オイ



それではどうぞ!


「よし!ジンライ・ドラゴンでアタック!」

「うぅ、ライフで受ける」

「よし!これで5連勝だ!」

 

バトスピショップにて、フリーバトルスペースで太陽はバトルを行っており、たったいま相手のライフをすべて破壊し勝利を収めたところである。

 

「スゴイな太陽、もう5人抜きだ!」

「光輝さんに教えてもらって随分強くなったな」

「この調子なら光輝さんにも追いつけるかも」

「いや、これじゃまだまだ光輝には届かないよ。もっとバトルして腕を磨かないと」

 

光輝にアドバイスしてもらって以来太陽は着実に実力をつけており、ショップに来るバトラー達の中では上位の方にいた。

 

「それにこのデッキだって光輝にアドバイスして貰いながら作ったデッキだ。いつか俺も自分1人で作ったデッキで光輝に勝ってみせるさ。」

「なぁ君、ちょっといいかな?」

「ん?」

 

そんな中太陽に1人の人物が話しかけて来た。黒い髪に白いパーカーを着た少年だった。

 

「今5人抜きなんだって?なかなか強いんだな」

「あぁ、ありがとう。でももっと強くならなきゃ光輝には勝てないんだ。だからもっと強くならなきゃダメなんだ」

「・・・その光輝っていうのは、もしかして赤宮光輝のことかい?」

「えっ、そうだけど。お兄さん光輝のこと知ってるのか?」

「まぁ・・・顔見知りではあるね。ちょっと会いたいんだけど何処にいるか知ってるかい?」

「光輝ならここで待ち合わせしてるぜ。もうすぐ来るはずだけど・・・」

 

太陽がそう言っているとショップの入り口に光輝と慎吾がみえた。

 

「あっ、来た!お〜い光輝〜!」

「よう太陽君、待たせたかな?」

「まぁな。俺光輝が来るまでバトルで5連勝したぜ!」

「へぇ、やるじゃないか。じゃあ俺とも一戦やるか?」

「あっ!その前に光輝に会いたいって人がいるんだ。顔見知りだって言ってたけど」

「顔見知り?一体誰が「久しぶりだな」!!」

 

声のした方に目を向けた光輝は、その人物を見て目を見開いた。

 

「お前は・・・!」

「久しぶりだな、光輝」

「白夜・・・龍牙」

 

光輝を待っていたその人物、白夜龍牙(びゃくやりゅうが)は光輝を見つめながら笑みを浮かべていた。

 

「白夜龍牙?」

「なんか何処かで聞いた名前だな」

 

その名に疑問を浮かべている太陽と翔太に、慎吾が説明する。

 

「白夜龍牙。チャンピオンシップで連覇を続けた最強と呼ばれているS級バトラーだ」

「さ、最強のS級バトラー!?」

「あぁ。白属性のデッキの使い手で、あまりの強さに故ついた名は[鉄壁の軍神]だ」

 

慎吾の説明に太陽は驚きを隠せなかった。その説明を聞いた龍牙は眼を閉じて言った。

 

「最強か・・・。そうだな、確かに当時の俺は最強と言われるバトラーだった。光輝、3年前のチャンピオンシップの決勝で君に敗れるまではな」

「「「「えっ!?」」」」

 

龍牙の言葉に太陽達4人が驚きの声をあげる。

 

「そういえばこの前光輝、3年前のチャンピオンシップで優勝したって・・・」

「じゃあ、その時に決勝で戦った相手が・・・」

「そう、俺だ」

 

龍牙は太陽達の疑問にそう答えた。

 

「・・・龍牙。どうしてお前がここに?」

「フッ、どうして?それは君が一番よく知っているんじゃないか?」

 

龍牙はそう答えると、腰から氷の模様がある白のデッキケースを出す。

 

「去年のチャンピオンシップで果たせなかった決着をつけに来たんだ」

 

龍牙はそう言い、鋭い眼差しで光輝を見つめる。

 

「龍牙、お前・・・」

「俺がここに来た理由はただ1つ、去年のチャンピオンシップで果たすはずだった君へのリベンジのためだ!」

「リベンジ!?」

「3年前のチャンピオンシップの決勝、当時負けた事がなかった俺は君とのバトルに負け、初めて敗北を味わった。俺はあれ以来君を、たった一人のライバルとして見てきた。君にリベンジを果たすために俺はバトスピの修行に打ち込み、そして去年のチャンピオンシップで俺と君は決勝大会まできた。俺は嬉しかったよ、 また君と戦えるのが、2年前のリベンジを果たせる、そう思っていた」

 

龍牙はそこまで言うと、「だが!」と口にし歯を食いしばった。

 

「君は決勝大会まで進出しておきながら、俺どころか誰とも対戦せずに棄権した!」

「「「「!?」」」」

 

龍牙の言葉に太陽達が驚く。

 

「俺は君のいない決勝大会でそのまま優勝し、他のバトラー達は俺を再び最強のバトラーと呼ぶようになった。だがその時の俺には喜びというものはなかった。」

「・・・・・」

「だから、俺はどうしても君と戦いたかった。去年に果たせなかったリベンジをするために!」

 

龍牙はデッキを突き出し、光輝に挑戦を挑む。

 

「光輝・・・」

「・・・いいぜ龍牙!そのバトル受けて「待ちやがれ!」!?」

 

光輝がバトルを受けようとしたその時、背後から声がした。振り向いてみると、そこには赤いジャケットを着た目つきの悪い男が立っていた。

 

「見つけたぜ白夜龍牙!ここであったが100年目!俺と勝負しやがれ!」

 

その男はいきなりそう言うと赤いデッキケースを龍牙に突き出す。その男に光輝は見覚えがあった。

 

「あいつは確か・・・村井 縁(むらい えにし)!」

「光輝、知ってるのか?」

「あぁ。去年のチャンピオンシップの決勝大会進出者の1人だ。」

 

光輝が太陽に説明する。その男、村井 縁は龍牙にデッキケースを突き出しながら彼を睨みつけている。対する龍牙はそれに怯むこともなく口を開く。

 

「勝負しろと言ったな?理由を聞こうか」

「んなもん決まってんだろ!去年のチャンピオンシップで俺はテメェと1回戦でバトルし、この俺を負かしやがった!あの時の屈辱をここで晴らしてやる!さぁ俺とバトルしろ!!」

「・・・悪いが後にしてくれるか?俺は今彼と、赤宮光輝とバトルするところなんだ」

「あぁ?」

 

縁は光輝の方に顔を向ける。彼の顔を見てしばらくすると縁は笑い声をあげ始めた。

 

「ハッハッハ!おいおい誰かと思えば去年のチャンピオンシップで負けるのが怖くて逃げた臆病者じゃねぇか!」

「・・・・・!」

「なっ!光輝が臆病者だと!!」

 

縁の発言が許せなかったのか、太陽は怒りの声をあげる。

 

「知らないのか坊主、こいつは決勝大会で棄権したんだぜ?どうせ負けるのが怖かったんだろ?そんな奴臆病者の雑魚で充分だよ!」

「何だとぉ!お前「待て」!?」

 

太陽が負けじと反論しようとしたところに、龍牙が割って入ってきた。

 

「バトルしたいと言ったな。いいぞ、受けてやる」

「えっ!?」

「へっ、そうこなくちゃな!お前もこんな奴より俺と戦ったほうがいいってことだろ?」

「戯言ならバトルで聞いてやる。さっさとはじめようか」

「言ってな!今度こそテメェを叩き潰してやる!」

 

2人はそう言ってスタジアムの方へ向かう。

 

「光輝!俺達も行こうぜ!」

「あぁ」

 

太陽に促され、光輝達もスタジアムへ歩いていく。

 

 

 

 

 

 

「さぁ、はじめようか」

「おうよ!」

 

スタジアムのフィールドで向かい合う2人は、デッキケースからバトルマシーンを呼び出すためのカードを取り出す。

 

「来い!紫炎城(しえんじょう)!」

「来たれ!白天竜(はくてんりゅう)」!」

 

上空から龍牙の方には中心に白い竜の頭があり、左右には翼をモチーフにしたファンが取り付けられたマシーンが着いた。

対する縁の場には赤と紫をベースとしたマシーンが着き、城のような形へと変形した。2人がそれぞれのマシーンに乗り込み、バトルのコールを宣言する。

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

バトルフィールドが展開され、2人のバトルが始まった。先行は龍牙からだ。

 

 

〜ターン1〜

 

 

「スタートステップ、ドローステップ、メインステップ。ネクサス、超時空重力炉を配置してターンエンドだ」

手札 5→4

リザーブ 4→1

トラッシュ0→3

 

龍牙の後ろに巨大な白いコアが出現した。

 

 

超時空重力炉

ネクサス

3(2)/白

<0>Lv1 <1>Lv2

Lv1・Lv2

お互い、コスト3以下のスピリットカードを召喚するとき、軽減シンボルによるコストの軽減はできなくなる。

Lv2『自分のメインステップ』

自分がスピリットカードを召喚するとき、このネクサスのシンボルを白のシンボル3つにする。

シンボル:白

 

 

「超時空重力炉か、いきなり強力なネクサスを出してきたな。」

「光輝、あのカードってどんな効果なんだ?」

「見ていればすぐに分かるさ。」

 

 

〜ターン2〜

 

 

「次は俺のターンだぜ。スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ!マガツ・ドラグーンをLV1で召喚!」

手札5→4

リザーブ5→0

トラッシュ0→4

 

縁の場に紫色の体と翼を持つその名の通り禍々しい姿をしたスピリットが召喚された。

 

 

マガツ・ドラグーン

スピリット

4(赤2紫1)/赤/古竜

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 5000 <5>Lv3 7000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットの色とシンボルは紫としても扱う。

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv3『自分のバースト発動後』

このスピリットは回復する。

シンボル:赤

 

 

「アタックステップ!マガツ・ドラグーンでアタック!アタック時効果でデッキから一枚ドロー!」

手札 4→5枚

 

「ライフで受ける」

 

マガツ・ドラグーンの口から放たれた炎が龍牙のライフを削る。

 

龍牙 ライフ 5→4

リザーブ 0→2

 

「ターンエンドだ」

 

 

〜ターン3〜

 

 

「俺のターン、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。超時空重力炉をLV2にアップ。そして超時空重力炉LV2の効果!自分がメインステップでスピリットカードを召喚する時、このネクサスを白のシンボル3つにする!」

 

超時空重力炉のコアが輝き、カードにシンボルが追加される。そして龍牙は一枚のカードを掲げる。

 

「暗き夜を照らす月の光よ!龍の姿となりて、光来せよ!月光神龍ルナテック・ストライクヴルム、LV1で召喚!」

手札5→4

リザーブ5→0

トラッシュ0→4

 

フィールドが暗闇に包まれたかと思うと、空に月が出現した。そしてその月から紫色の頭部に白く輝く体を持つXレア、月光神龍ルナテック・ストライクヴルムが現れ、フィールドに降り立ち咆哮をあげる。

 

 

月光神龍ルナテック・ストライクヴルム

スピリット

7(4)/白/神星・武装

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 8000 <5>Lv3 11000

Lv1・Lv2・Lv3【重装甲:可変】

このスピリットは、このスピリットの色の相手のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。

Lv1・Lv2・Lv3『相手のアタックステップ』

相手のスピリットがアタックしたとき、このスピリットは回復する。

【合体時】Lv2・Lv3『このスピリットのバトル時』

このスピリットのBP以下の相手のスピリット1体を手札に戻す。

シンボル:白

 

 

「おぉ!Xレアだ!」

「カッコイイ!」

「第3ターンでもう大型スピリットを呼び出したか」

「あぁ、超時空重力炉はコア1つでシンボルが追加されるから、すぐに大型の白スピリットを呼び出せる」

「光輝はこれのことを言っていたのか!」

 

太陽の言葉に光輝は頷く。超時空重力炉はコア1つで白のシンボルを3つ稼ぐことが可能である。シンボルがあればそれだけスピリットのコストを軽減することが可能だ。たった1つのコアで軽減シンボルを3つにするあのネクサスは、スピリットの展開を早めることができるのだ。

 

「アタックステップ!ルナテック・ストライクヴルムでアタック!」

「ライフで受ける!」

 

飛翔した月光神龍から放たれた白い電撃がライフを砕く。

 

縁 ライフ 5→4

リザーブ 0→1

 

「ターンエンドだ」

 

 

〜ターン4〜

 

 

「俺のターン、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!マガツ・ドラグーンをLV2にアップ!更にボーン・トプスをLV1で召喚!」

手札5→4

リザーブ6→1

トラッシュ0→2

 

フィールドにトリケラトプスに似たような外見を持つ全身骨のみの、まるで恐竜の化石のようなスピリットが出現した。

 

 

ボーン・トプス

スピリット(闇)

3(1)/紫/無魔

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分はデッキから1枚ドローする。

【連鎖:条件《赤シンボル》】

(自分の赤シンボルがあるとき、下の効果を続けて発揮する)

[赤]:相手のネクサス1つを破壊する。

シンボル:紫

 

 

「召喚時効果発揮!デッキから一枚ドロー!(手札5→6)更に赤のシンボルがあるので連鎖発揮!相手のネクサス1つを破壊する!」

 

龍牙の場ある超時空重力炉が炎に包まれ破壊される。

 

「ターンエンドだ」

「えっ?アタックしないのか?龍牙の場にはブロッカーがいないのに」

「いや、ルナテック・ストライクヴルムは相手のアタックステップ中に相手のスピリットがアタックした時回復する効果があるんだ。縁の場にはルナテック・ストライクヴルムに敵うスピリットはいないからな」

 

 

〜ターン5〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。ネクサス、要塞都市ナウマンシティーを配置!」

手札5→4

リザーブ6→2

トラッシュ0→4

 

超時空重力がなくなった龍牙の場に新たに未来的な造形物が並んだ都市が現れた。

 

 

要塞都市ナウマンシティー

ネクサス

5(3)/白

<0>Lv1 <2>Lv2

Lv1・Lv2『このネクサスの配置時』

自分の手札にある白のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

ただし、『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。

Lv2『相手のターン』

相手のフィールドのスピリット/ネクサスの色が2色以上の間、色1色につき、相手の手札にあるマジックカードすべてをコスト+1する。

シンボル:白

 

 

「ナウマンシティーの配置時効果発揮!手札の白のスピリットカードをノーコストで召喚できる!鉄壁の要塞よ!大いなる存在となりて、立ちはだかる敵を滅せよ!機獣要塞ナウマンガルド召喚!」

手札4→3

リザーブ2→1

 

ナウマンシティーの地面が2つに割れ、中から巨大なゾウのような姿に体中に兵器を搭載した巨獣が現れた。

 

 

機獣要塞ナウマンガルド

スピリット

8(3)/白/機獣

<1>Lv1 7000 <4>Lv2 12000

Lv1・Lv2

相手によってこのスピリットが破壊されたとき、自分はデッキから3枚ドローし、ボイドからコア3個を自分のリザーブに置く。

Lv2

自分のアタックステップ終了後、ドローステップ/リフレッシュステップ/メインステップの内、どれか1つを行う。

この効果はターンに1回しか使えない。

シンボル:白白

 

 

「またXレアだ!」

「わぁ、すごく・・・大きい」

 

再びXレアが召喚されたことで太陽と梨花は声をあげる。

 

「チッ!またXレアかよ」

「アタックステップ!ルナテック・ストライクヴルム行け!」

「ライフで受けるぜ!」

 

縁 ライフ 4→3

リザーブ1→2

 

「ターンエンド」

 

ナウマンガルドをブロッカーに残し、龍牙はターンを終えた。

 

 

〜ターン6〜

 

 

「このままやられっぱなしでいられるかよ!コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!マガツ・ドラグーンをLV1にダウン!」

リザーブ5→7

 

レベルダウンによりマガツドラグーンがぐったりとする。

 

「覚悟しやがれ龍牙!闇を這いずる亡者よ、死の星より降臨しろ!骸塵将(がいじんしょう)ムクロ召喚!LV2だ!」

手札7→6

リザーブ7→0

トラッシュ0→4

 

上空に黒く怪しく光る星が現れ、そこから光がフィールドに降り注ぐと、フィールドの地面から紫の炎が吹き上がりそこから全身に骨が浮き出ている亡霊とも思えるスピリット、骸塵将ムクロが現れ右手に持つ剣を構える。

 

 

骸塵将ムクロ

スピリット

6(3)/紫/星将・無魔

<1>Lv1 4000 <3>Lv2 7000 <5>Lv3 9000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分の手札にある系統:「光導」/「星魂」を持つブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

この効果で系統:「光導」を持つブレイヴが召喚されたとき、相手のアルティメットのコア1個をトラッシュに置くことができる。

【合体時】Lv2・Lv3『このスピリットの合体アタック時』

相手は、相手の手札にあるマジックカード1枚を破棄しなければ、このスピリットをブロックできない。

シンボル:紫

 

 

「骸塵将ムクロの召喚時効果発揮!手札にある系統:「光導」/「星魂」を持つブレイヴカード1枚をコストを支払わずに召喚できる!来い!山羊座の裏12宮ブレイヴ、磨羯星鎧(まかつせいがい)ブレイヴカプリコーン!ムクロに直接合体だ!」

手札6→5

 

空が暗雲に包まれると、反対に描かれた山羊座の模様が出現するとそこからブレイヴカプリコーンが現れその体を変形させると、骸塵将ムクロの全身に鎧の如く装備され、合体スピリットとなる。

 

 

磨羯星鎧ブレイヴカプリコーン

ブレイヴ

6(3)/紫/魔影・光導

<1>Lv1 4000 <0>合体+5000

合体条件:コスト4以上

【合体時】

相手のスピリット/アルティメットが消滅したとき、自分はデッキから1枚ドローする。

【合体時】『このスピリットの合体アタック時』

相手のアルティメット1体のコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:紫

 

 

「うおぉ、スゲェ!」

「裏12宮合体スピリットか。相手も本気を出してきたな」

 

強力なスピリットが召喚されたが、対する龍牙は表情を変えずに合体スピリットを見据える。

 

「アタックステップだ!行け、裏12宮合体スピリット!!」

 

合体スピリットが紫炎を纏った剣を構え、龍牙へ攻撃を仕掛けた。

 

「ムクロのLV2、3の合体時効果!このスピリットのアタック時、相手は手札のマジックカード1枚を破棄しなければブロックできない!さぁどうする?」

「・・・ライフで受ける」

 

合体スピリットの剣の一振りが龍牙へと襲い、2つのライフを砕いた。

 

龍牙 ライフ 4→2

リザーブ 1→3

 

「これでお前のライフは残り2!次のターンで俺の勝利は確定だぜ!ターンエンドだ」

 

勝利を確信したのか、縁は自信満々でターンを終えた。

 

「・・・・・」

「おいどうしたんだ龍牙、お前のターンだぜ?まさか降参するんじゃねぇよなぁ?」

 

沈黙を続ける龍牙に縁は挑発の言葉を浴びせる。すると沈黙を続けていた龍牙が口を開く。

 

「・・・つまらん」

「あぁ?」

「つまらないと言ったんだ。このバトルがな」

「なんだと?ハッ、まぁ勝てないバトルを続けてもつまらないのは仕方ない「違う」あ?」

「お前とのバトルは全く燃えない。バトルも終わっていないのにライフを逆転した程度で勝利を確信したような言葉を並べ、単調な戦術しか使ってこない。実に退屈なバトルだ」

 

龍牙が吐き捨てるようにそう言うと、縁は額に青筋をたてる。

 

「だったらかかってきやがれ!勝てるもんなら勝ってみやがれ!!」

 

苛立ったように縁は声を張り上げる。

 

 

〜ターン7〜

 

 

「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

ターンシークエンスをメインまで進めると、龍牙は縁に話しかける。

 

「お前はさっき光輝に、臆病者の雑魚と言ったな?あれはどういう意味だ?」

「ハァ?そのままだよ!あいつは決勝大会まで勝ち進んでおきながら途中で棄権した臆病者だ。負けるのが怖くて逃げた奴なんか雑魚でいいじゃねぇか」

 

龍牙の問いに縁は嘲笑うように述べる。光輝はその言葉を聞き、拳を握り締める。

 

「・・・俺は彼が何故棄権したのかは分からない。だが、一つだけ言えることがある。彼は決して雑魚などではない!!」

 

龍牙は声を大きく張り上げそう言った。

 

「光輝と戦った俺は分かる。彼のバトルは俺が今まで戦ってきたバトラー達の誰よりも凄かった。カード同士のコンボ、先を読んだ戦術、そして最後まで諦めることのない闘志、俺は3年前のチャンピオンシップの決勝でそれに敗れたんだ。それが雑魚だと?俺からしてみればお前の方がはるかに雑魚だ。お前が光輝と戦った所で、無様に敗北するのが目に見えている!!」

「なっ・・・、テメェ黙ってりゃ好き勝手言いやがって!!絶対にぶっ潰してやる!!」

「無駄だ、お前に次のターンは来ない!バーストをセット!続けてマネキキャットを召喚!」

手札4→2

リザーブ8→4

トラッシュ0→3

 

フィールドに大きな小判を持った名前の通り、招き猫のような姿をしたブレイヴが召喚された。

 

 

マネキキャット

ブレイヴ

5(緑2白2)/緑/剣獣・機獣

<1>Lv1 3000 <0>合体+3000

Lv1『このブレイヴの召喚時』

自分の手札にある緑/白のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

ただし、『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。

合体条件:神星/光導/星魂

【合体時】『このスピリットのバトル時』

相手は、相手のスピリット1体を疲労させる。

シンボル:なし

 

 

「マネキキャットの召喚時効果!自分の手札にある緑/白のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる!マネキキャットを転召!」

「転召だと!?」

 

【転召】。それはカードに書かれている指定されたコストを持つスピリットのコアを定められた場所に置くことで、その転召を持つスピリットを召喚できるのだ。

 

「転召によりコスト5のマネキキャットのコアをボイドヘ!穢れを払う純潔の翼を広げ、白き天空に舞え!翼神機グラン・ウォーデン、LV3で召喚!!」

手札2→1

リザーブ4→0

 

マネキキャットが白い光に包まれ、その光は空へと上がる。その光はだんだんと形を変え、純白の翼と体をもつ翼神機グラン・ウォーデンへとなり、フィールドに静かに降り立った。

 

 

翼神機グラン・ウォーデン

スピリット

8(5)/白/武装・戦騎

<1>Lv1 8000 <3>Lv2 9000 <4>Lv3 10000

【転召:コスト5以上/ボイド】

召喚コスト支払い後、自分のコスト5以上のスピリット1体の上のコアすべてをボイドに置かなければならない。

Lv1・Lv2・Lv3【氷壁:赤/紫/緑/白/黄/青】『相手のターン』

相手が赤/紫/緑/白/黄/青のマジックの効果を使用したとき、このスピリットを疲労させることで、その効果を無効にする。

Lv2・Lv3

[翼神機グラン・ウォーデン]以外の、系統:「武装」を持つ自分のスピリットが疲労したとき、このスピリットは回復する。

シンボル:白白

 

 

「ま、またXレア・・・!」

「かっこいい・・・!」

「アタックステップ!翼神機グラン・ウォーデンでアタック!」

「マガツ・ドラグーンでブロックだ!」

 

マガツ・ドラグーンがグラン・ウォーデンに立ち向かうが、力の差は歴然でグラン・ウォーデンの剣がマガツ・ドラグーンを簡単に切り裂く。

リザーブ0→1

 

「続けてルナテック・ストライクヴルムでアタック!この瞬間グラン・ウォーデンの効果発揮!このスピリットはLV2、3の時にこのスピリット以外の系統:「武装」を持つ自分のスピリットが疲労したとき、このスピリットは回復する!」

「ライフで受ける!」

 

縁 ライフ 3→2

リザーブ1→2

 

「グラン・ウォーデンで再アタック!」

「ボーン・トプスでブロック!!」

 

向かってくる翼神機に今度はボーン・トプスが迎え撃つがソウルホース同様、剣に切り裂かれ返り討ちにされてしまう。

リザーブ2→3

 

「機獣要塞ナウマンガルド、アタックだ!」

 

ナウマンガルドがその巨体を揺らしながら縁へ近づく。

 

「縁の場にはもうブロッカーはいない!」

「しかもナウマンガルドはダブルシンボル!縁のライフは残り2、このアタックが決まれば龍牙の勝ちだ!」

 

太陽と慎吾が言う通り、縁はまさに絶体絶命。だがそんな状況でも縁は、笑みを浮かべていた。

 

「かかったな!フラッシュタイミング!マジック、封臨禍斬(ふうりんかざん)!!」

「!」

 

 

封臨禍斬

マジック

5(3)/紫

【Sバースト:自分のライフ減少後】

このターンの間、相手は、アタック/ブロックする相手のスピリット/アルティメットのコア1個をボイドに置かなければ、アタック/ブロックできない。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、疲労状態の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

 

 

「あれは紫のSバーストカード!?」

「封臨禍斬のフラッシュ効果!ソウルコアをコストに支払うことで、相手の疲労状態のスピリット、アルティメット1体を破壊する!合体スピリットから不足コアを確保しレベルダウン(LV2→LV1 コア3→2 リザーブ3→1)ナウマンガルドを破壊だぁ!!」

 

ナウマンガルドの足元に黒い渦が出現し、ナウマンガルドはそのまま渦に巻き込まれてしまう。

リザーブ0→1

 

「ナウマンガルドが!」

「ハーッハッハッハ!どうだ龍牙!トドメの一撃をカウンターされ、打つ手がなくなった気分は!俺が雑魚だと言ったなぁ?このバトルが終わったら土下座して謝ってもらうからなぁ?さぁ、もうテメェのフィールドにはアタックできるスピリットはいねぇ!諦めて敗北のターンエンドを宣言しやがれ!!」

 

勝ち誇った様に龍牙にターンエンドを促す縁。スタジアムのバトラー達も龍牙の敗北を確信していたが、光輝は違った。

 

「光輝、龍牙はもう・・・」

「いや、まだだ太陽君。アイツがこのまま終わるわけがない」

 

そう言いながら龍牙を見据える光輝。アタックできるスピリットがいなくなったこの状況でも、彼の目は死んでいなかった。

 

「コスト6以上のスピリットが破壊された時、このスピリットはコストを支払わずに召喚できる!」

 

龍牙は1枚のカードを掲げ、フィールドに召喚する。

 

「影に生きる漆黒の獣よ、現れ出でよ!黒天孤ネガ・ナインテイル召喚!コアをグラン・ウォーデンから確保し、(LV3→LV1 コア 4→1)LV3で召喚!」

手札1→0

リザーブ0→1

 

フィールドに9の氷柱が現れ、その中から漆黒の体を持つ禍々しさを漂わせる獣、黒天孤ネガ・ナインテイルが現れ、遠吠えをあげた。

 

 

黒天孤ネガ・ナインテイル

スピリット(闇)

7(3)/白/機獣

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 8000 <4>Lv3 12000

手札にあるこのスピリットカードは、コスト6以上の自分の白のスピリットが相手によって破壊されたとき、コストを支払わずに召喚できる。

Lv2・Lv3『このスピリットのバトル時』

BP合計(このスピリットのBP)まで相手のスピリットを、好きなだけ手札に戻す。

【連鎖:条件《緑/黄シンボル》】

(自分の緑/黄のシンボルがあるとき、下の同じ色の効果を続けて発揮する)

[緑]:相手はバーストを発動できない。

[黄]:このスピリットは相手のスピリットからブロックされない。

シンボル:白

 

 

「4枚目のXレア!」

「だが、一体だけじゃ・・・」

 

新たに現れたネガ・ナインテイルだが、シンボルは1つ。対する縁のライフは残り2なのでトドメをさせない。

 

「へっ、最後の悪あがきか。だが俺の勝利は「まだだ」なっ!?」

「ナウマンガルドが相手によって破壊された時、ボイドからコアを3個リザーブに置き、デッキから3枚ドローする。

(手札0→3 リザーブ 0→3)更にスピリット破壊により、バースト発動!バースト発動時に白のスピリットが破壊されていた場合、このスピリットを召喚する!不屈の勇気を持って、負の連鎖を断ち切れ!魁の覇王(さきがけのはおう)ミブロック・ブレイヴァーをLV2で召喚!」

 

フィールドに桜が舞い散り、白い閃光が走る。光が晴れるとフィールドには両手で白の刀を構えたスピリットが佇んでいた。

 

 

魁の覇王ミブロック・ブレイヴァー

スピリット

10(3)/白/覇皇・機人

<1>Lv1 5000 <2>Lv2 9000 <5>Lv3 13000

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

このバースト発動時に白のスピリットが破壊されていたら、このスピリットカードを召喚する。

Lv1・Lv2・Lv3『相手のアタックステップ』

ステップ終了時、このターン相手が1回もアタックしていなかったら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

この効果によって相手のライフは0にはならない。この効果はターンに1回しか使えない。

【合体時】Lv2・Lv3『相手のアタックステップ』

相手の手札が増えたとき、相手のバースト1つを破棄する。

シンボル:白

 

 

「なっ、また増えた!」

「5枚目のXレアか!」

「これで龍牙のアタッカーは2体、勝負あったな」

 

縁のフィールドにいるのは疲労状態の合体スピリットのみ。彼を守るものはない。

 

「バカな!2体のXレアをノーコスト召喚だと!?こんな、こんなはずは!!」

「これが現実だ。ネガ・ナインテイルでアタック!アタック時効果発揮!このスピリットのBPに至るまで、相手スピリットを好きなだけ手札に戻す!」

 

ネガ・ナインテイルについている砲から紫の光弾が発車され合体スピリットに命中すると、ムクロは手札へ戻りブレイヴカプリコーンのみが残った。

 

「メインアタックだ」

「ら、ライフだ!」

 

ネガ・ナインテイルの光弾と牙がライフを砕いた。

 

縁 ライフ 2→1

リザーブ 1→2

 

「これで終わりだ。ミブロック・ブレイヴァーでアタックだ!」

 

ミブロック・ブレイヴァーの刀の一振りが、最後のライフを切り裂いた。

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

縁 ライフ 1→0

 

 

 

 

 

 

「龍牙が勝った!」

「すごい、あそこから逆転するなんて・・・」

「しかもアイツ、Xレアのスピリットしか出してなかったぞ」

 

勝負を終えた龍牙は、縁へと近づく。

 

「勝負あったな。その程度の実力でよく光輝を雑魚呼ばわりできたものだな」

「ふざけんな!今のバトルはお前の運がよかっただけだ!ネガ・ナインテイルとミブロック・ブレイヴァーが引けなかったら勝っていたのは俺だ!」

 

今のバトルは運がよかっただけだと食ってかかる縁だが、龍牙は呆れたように言う。

 

「運がよかったとしても、それにお前が口を挟む資格はない。運も実力の内だ。自分のデッキを信じ、引いたカードやコアをうまく使いこなしてこそのバトスピだ。バトルの勝敗を運がよかっただけだのまぐれで勝っただのとほざくやつの実力などたかが知れている。相手の勝利を、自身の敗北を運の一言で片付けるやつなど、カードバトラーを名乗る資格などない!!」

「!・・・クソ!!」

 

縁は龍牙の言葉が身に染みたのか、悔しがるようにスタジアムを去っていった。龍牙も階段をスタジアムの出口へ向かう。そこに光輝が現れる。龍牙は光輝をしばらく見据えると、吐き捨てるように口を開いた。

 

「最初は君とバトルするつもりでここまで来たが、あんなヤツとバトルしたせいで興が冷めた」

「龍牙・・・」

「だがいいさ。今ここで決着をつけるよりも、もっとふさわしい舞台があるからな」

「舞台?」

「知らないのか?今年もチャンピオンシップ全国大会の開催が決定した」

「!」

 

龍牙の言葉に光輝は目を見開いた。

 

「2ヶ月後に予選大会が開催される。その予選大会で優秀な成績を収めたバトラーが3ヶ月後に開かれるエリア代表決定戦に参加でき、更にそこで上位3名を決定しその3名が4ヶ月後、10月に開催される決勝大会へ進出できる」

「2ヶ月後・・・」

「俺は別のエリアで勝ち進むつもりだ。別に君が出ることを強制はしないが、決着をつけるにはふさわしいだろ?」

 

龍牙はそう言い残し、立ち去っていった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

光輝はフリーバトルのスペースに座り、沈黙したまま自身のデッキを見ていた。そんな空気に耐えかねたのか、太陽が話しかける。

 

「・・・なぁ光輝」

「ん?どうした」

「ちょっと聞いてもいいかな?」

「なにをだい?」

「龍牙や縁が言ってた、去年のチャンピオンシップで棄権した理由ってなんなんだ?」

「!」

「た、太陽君それは「いいよ慎吾」光輝」

「俺が3年前のチャンピオンシップの決勝で龍牙に勝って優勝したのは知ってるよな?」

「うん」

「龍牙は本当に強かったよ。俺が今まで戦ってきたどのバトラーよりも。俺もあそこで勝ったのは本当に奇跡って思えたよ。それで優勝した俺は次の年のチャンピオンシップには出場しなかったけど、父さん達が作った3Dバトルでもう一度頂点に立ちたいって思って、去年のチャンピオンシップに出場して決勝大会まで勝ち進んだ。そこには龍牙もいたよ。龍牙も2年前のチャンピオンシップには出場してなくてさ、何でって思ったけどさっき会った時2年間バトスピの特訓をしてたって言ってたからそれじゃないかな?」

「確かにそう言ってたな」

「それで去年のチャンピオンシップで、龍牙に言われたんだ。「俺は君に勝つために強くなった。2年前のリベンジを必ず果たす!」ってね。俺も龍牙とバトルできるのを楽しみにしていたんだ。だけど・・・俺は誰とも戦わずに棄権した」

「・・・どうしてなんだ?」

「俺の5つ下の妹に裕香って子がいるんだけど、俺のバトルを観にチャンピオンシップの会場に向かってる途中に、事故に遭ったんだ」

「「「「えっ!?」」」」

「歩道を歩いていたところに居眠り運転の車が突っ込んできたらしくてね。会場にいた俺に父さんから電話が来て、居ても立っても居られなくてさ、すぐに棄権して搬送された病院まで行ったんだ」

「そ・・・それで妹さんは?」

「右手足を折る大怪我を負ったけど、幸い無事だったよ」

「そっか・・・よかったな」

「まぁね。ただ正直あの時は色々辛かったよ。決勝大会まで勝ち進んだのに誰とも戦わずに棄権したせいで縁みたいに負けるのが怖くて逃げた臆病者っていう奴が何人か出てきてね。それに裕香も自分が事故に遭ったせいで俺がチャンピオンシップを棄権するハメになったって思って、自分は悪くないのに何度も何度も俺に泣きながら謝ってきたりしてさ」

「そっか・・・そんなことがあったのか」

「僕達、光輝さんのこと全然知らなかったから・・・」

 

 

光輝の話を聞き、太陽達は申し訳なさそうに俯いていた。

 

「でも、龍牙は言った。去年の決着をつけるには、チャンピオンシップがふさわしいと。だったらやってやるさ、今年のチャンピオンシップに出場して、龍牙と決着を着ける!」

「光輝・・・、頑張れ!光輝なら絶対優勝できるぜ!」

「太陽君・・・ありがとな」

 

光輝は今ここに、チャンピオンシップの出場を決めた。

 

「(待っていろ龍牙!必ず勝ち上がってくるからな!)」

 

 

 

 

 

 

「う〜ん」

 

あれから光輝は自宅に帰り夕食を済ませた後、デッキを改造していた。

 

「どんな構築にするかな・・・。ヤマトは外すつもりはないし、バーストも少なくしたくないな。三龍神の他にもアルティメットを入れて、パワーで押す方向にするかな。防御やカウンターはどうするか・・・」

「あれ?またデッキ調整?」

 

光輝がデッキ調整に悩んでいると、裕香が近づいてきた。

 

「あぁ。今の俺が作れる最強のデッキを作らなきゃいけないんだ」

「なんかいつになく真剣だね。どうしたの?」

「今日ショップで龍牙に会ったんだ」

「龍牙さんに!?」

「バトルはしなかったんだけど、チャンピオンシップの開催が決定したことを俺に伝えていった」

「お兄ちゃん、それじゃ・・・」

「うん、今年のチャンピオンシップに出場する。2ヶ月後に予選大会があるから、まずはそれに向けたデッキを作る」

「そっか・・・頑張って!私も応援するから!」

「あぁ、ありがとう。なぁ裕香、もし決勝大会まで勝ち進んだら、応援に来てくれるか?」

「えっ?でも・・・去年みたいに」

「父さんと母さんにも頼むからさ。お前に来て欲しいんだ」

「お兄ちゃん・・・うん!絶対応援に行く!だからお兄ちゃんも絶対優勝してね!」

「あぁ!任せとけ!」

 

チャンピオンシップまで後2ヶ月。光輝は裕香に優勝することを約束した。

 

 




皆さんはガンスリで最大何勝したことがありますか?
作者は青緑と覚醒で10勝でしたw
素顔のアンタークは確保できたのでよかったです。できれば東宝怪獣のスリーブも欲しかった・・・


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第6話 光輝VS陣

遅くなってしまい申し訳ありません!リアルが忙しくてなかなか時間が取れませんでした。
これからも遅くなることが多くなりそうですが、応援して下さると感謝感激です!


それでは6話です。


「「じゃあね〜裕香ちゃん」」

「うん、また明日ね」

 

場所は裕香の通う小学校。いつもより遅い時間に校門を出た裕香は、クラスメイトの女子2人と別れて帰路についていた。

 

「先生の手伝いしてたらいつもより遅くなっちゃったな。この時間帯ならお兄ちゃんも学校終わってショップにいる頃かな?」

 

そういいながら歩いていると、あることを思いついた。

 

「そうだ!折角だしちょっとショップ行ってみよ」

 

そう決めた裕香はいつもの帰り道から少しはずれ、ショップがある方へ歩く。途中にある公園から声がしたので目を向けると、たくさんの人が集まっており、そのほとんどがバトスピをしているものやそれを見学していた。

 

「リザドエッジでアタック!」

「ライフで受ける!」

 

「フラッシュタイミング!マジック、ソーンプリズン!」

「ゲッ!マジかよ」

 

「やった!アルティメット・デスペラードが当たった!」

「えぇ!?いいな〜」

 

「メインステップ!アルカナビースト・ハルトを召喚」

「ついに会えたなハルトォォォォォォォォォォォ!!」

「別のカードゲームでも叫ぶ兄さんは嫌いだ・・・」

 

「戦国姫 瑠璃をLV1で召喚」

「瑠璃!?なぜ瑠璃がここに?逃げたのか?自力でバトスピ次元に(ドゴッ)ぐぅ!?」

「彼女は瑠璃だが瑠璃ではない(無言の腹パン)」

 

バトルをしている者やカードの見せ合いをしていたりブースターパックを開封している者、さらには何故か大声で叫んでいるものや腹パンされて担がれて行く者など、様々な光景が並んでいた。

 

「(色んな人がいるなぁ。やっぱりお父さんとお母さんが3Dバトルを作ったからこんなに人気になったのかな)」

 

ドンッ!

 

「うわっ!?」

「キャッ!」

 

そう思いながら歩いていた裕香は前から来た人とぶつかってしまう。その人物は裕香よりも少し身長が高く紫色の髪に首に赤いスカーフをつけた少年だった。幸い両者共転びはしなかったが、ぶつかった少年が怒りの声をあげる。

 

「いってぇ〜、危ねぇじゃねぇ・・・か?」

「ご、ごめんなさい!」

 

裕香は少年にすぐに謝罪したが、少年は裕香を見ながら固まっていた。

 

「・・・?あ、あの怪我はないですか?」

「・・・・・・天使がいた」

「へっ?」

 

少年の口にした言葉が理解出来ず裕香はつい変な声を出してしまった。

 

「あ、あの!俺と付き合って下さい!!」

「ふえぇ!?」

 

会って1分も経っていない人物に唐突に告白の言葉をぶつけられ、裕香は驚きの声をあげた。混乱してしまっていた彼女だったが、頭に浮かんだ選択肢を瞬時に選び、行動に移した。

 

「えっとぉ・・・、ごめんなさい!!」

「あっ!ちょっと!?」

 

裕香はそう言いながら全速力でその場から走り去るのだった。

 

 

 

 

 

〜ショップにて〜

 

「よし!完成だ!」

 

ショップに設けられているフリーバトルスペースで、光輝は目の前に置いてあるデッキを見つめながら言った。

 

「できたのか光輝!新デッキが!」

「あぁ。ただ完成しただけだから、実際にバトルしてみないとどれぐらい強いかどうかはわからないな。実際にバトルしてみて、使い心地を確かめてみないと」

 

昨日龍牙と再会した光輝は、チャンピオンシップの出場権を獲得するためにデッキを新たに組み直すことを決め、その新デッキがたった今完成したのだ。

 

「でも光輝は3年前のチャンピオンシップで龍牙を倒して優勝したんだろ?だったらその時に使ったデッキと同じだったらまた優勝できるんじゃないのか?」

 

太陽はそういうが、

 

「いや、そんなに甘くはないさ。それにチャンピオンシップで優秀な成績を残したバトラーのデッキはバトルスピリッツの公式HPで掲載されるんだ。だから出場するバトラーもそれを見ながら対策を練ってくるだろうし、それに優勝したのは3年前だ。その3年の間に新しいカードやデッキがたくさん増えた。だから環境に合わせたデッキを作らないとチャンピオンシップは勝ち進めない。まぁデッキは変わっても、俺のキースピリットは変わらないけどな」

 

光輝はそういいながらデッキからジーク・ヤマト・フリードのカードを取り出す。

 

「俺は必ずチャンピオンシップを勝ち抜く!コイツと一緒にな!」

「頑張れよ光輝!光輝なら絶対龍牙にも勝って優勝できるさ!」

「あぁ、ありがとう太陽君。でも戦う相手は龍牙だけじゃない。全国の強豪達が集まるからな、油断はできないな」

「そっか・・・、そうだよな。なぁ光輝、完成した新デッキで最初は誰とバトルするんだ?」

「う〜ん、誰にするかな?S級バトラーとできるなら嬉しいんだけど、恭賀はあれ以来会ってないし、大原は今日は用事があるって帰ったからなぁ「あっ!やっぱりいた!」ん?」

 

光輝がそう考えていると、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。振り向くと、声の主である裕香が嬉しそうな顔をしながら近づいてきた。

 

「裕香!?なんでここにいるんだ?」

「えへへ・・・来ちゃった」

「来ちゃったって・・・」

 

指で頬を掻きながら裕香は言った。

 

「光輝、その人は?」

「あぁ、この娘は裕香、俺の妹だ。この前に話しただろ?」

「お兄ちゃん、その男の子は?」

「あぁ、裕香も初対面だったな。この子は坂上太陽君。俺のまぁ、バトスピ仲間ってところかな?」

「そうなんだ。初めまして私は赤宮裕香」

「あ、どうも。俺は坂上太陽、光輝は俺のバトスピの師匠だ」

「そうなの?」

「俺はそのつもりはなかったんだが、まぁもういいか」

 

太陽が言っていた弟子入りを断ったものの、デッキの構築やバトルのアドバイスを手伝っている光輝は太陽にとって師匠と言われてもおかしくないと思った光輝はそう言うと、何かを購入したのであろう袋を持った慎吾が翔太、大助、梨花と一緒に戻ってきた。

 

「あれ?裕香ちゃんじゃないか」

「あっ!どうも慎吾さん」

「あれ?この人慎吾さんの知り合い?」

「あぁ、光輝の妹さんだよ」

「「「妹!?」」」

 

慎吾の言葉に驚く3人に裕香は先程のように自己紹介をする。

 

「なぁ裕香、どうしてここに来たんだ?ランドセルを背負ってるってことは学校から直接来たってことだろ?」

「先生の手伝いをしてたら少し遅くなって、この時間ならショップにいるんじゃないかなって」

「成る程。つまり光輝に早く会いたかったってことか」

「慎吾さん!?べ、別にそう言う訳じゃ・・・」

 

そう言いつつも、顔を赤らめながら兄をみる裕香。

 

「そっか、ゴメンな。俺いつもここに寄ってるせいで帰るの遅いからな」

「ううん、大丈夫だよ。お兄ちゃんがバトスピが大好きなのはよく知ってるから」

 

その言葉に嘘はないが、内心では早く帰ってきて欲しいと思っている裕香。だが兄が好きなバトスピを楽しむのを邪魔するのはよくないと思い、我儘を言うまいと我慢しているのだ。

 

「それで、今日はもうバトルしたの?」

「いや、いま新しいデッキを作っていたからこれからなんだ。S級バトラーとかが相手ならいいんだけど」

 

強い対戦相手を探していることを話していると、ショップの入り口の方から大きな声が聞こえたきた。

 

「このショップで一番強い奴は誰だ!」

「ん?なんだ?」

 

見てみると、そこには1人の少年がデッキケースを持ちながら辺りを見渡していた。よく見るとそのデッキケースはS級バトラー専用のデッキケースだった。

 

「さぁ出てこい一番強い奴!俺とバトルだ!」

「!あの子S級バトラーか」

「あんな大声で、随分と元気だな」

「あ!あの人!」

「裕香知ってるのか?」

 

裕香が声をあげる。その少年は裕香がショップに来る途中にぶつかった少年だったのだ。すると向こうも裕香を見つけ、驚いた顔をして固まる。

 

「き、君はさっきの・・・」

 

その少年はそう言いながら嬉しそうな顔をして裕香の近づいて来る。近づいて来る少年を見て、さっきの言葉を思い出し裕香はつい光輝の後ろに隠れてしまう。

 

「お、おい!なんで隠れてるんだ!」

「裕香、誰なんだこの子は」

「さっきショップに来る途中にぶつかっちゃった人なんだけどその時にいきなり告白されて、私もよく分からないよぉ」

「告白!?」

 

困った顔で光輝の後ろに隠れてながら言う裕香。その様子を見ていた少年が口を開く。

 

 

「まさか・・・さてはお前その子の彼氏だな!!」

「は?」

「えぇ!?」

 

彼氏と言いがかりをつけられた光輝は言葉の意味が分からず、変な声をあげてしまう。

 

「いや、俺たちはそういうのじゃなくて「問答無用だぁ!!」いや聞けよ!?」

 

思わず反論するが相手は聞く耳をもたない。

 

「俺の名は紫村 陣(しむら じん)!お前の名は!」

「赤宮 光輝だけど・・・」

「赤宮 光輝!俺とバトルだ!!もし俺が勝ったら天使はもらう!!」

「天使って・・・。ていうかこの娘は俺の」

「無駄話はいい!さっさと来やがれ!」

「お、おい引っ張るなって!」

 

光輝は陣に無理やりスタジアムの方へ引っ張られていった。

 

「ど、どうしよう・・・お兄ちゃんが・・・」

「まぁ、とりあえず俺たちも行こうか」

 

 

 

 

 

 

「よっしゃあ!始めるぜ!」

「どうしてこうなった」

 

陣に無理やりスタジアムに連れてこられた光輝はそう呟く。

 

「まぁでも相手はS級バトラーだ。新デッキがどれほどか確かめるには持ってこいだ!来い!覇龍翼!」

「お前もS級バトラーか、おもしれぇ!来い!鬼神剣(きしんけん)!」

 

スタジアムに光輝の覇龍翼と、紫の機体に先頭に鬼の顔が浮かぶ紫幽鬼が飛来し、2人はそれぞれの専用マシーンに飛び乗る。

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

バトル開始のコールとともにバトルフィールドが現れる。

 

「は、始まっちゃった・・・」

「まぁこうなっちまった以上見守るしかないな」

 

心配そうに光輝を見つめる裕香に慎吾はそう言う。

 

 

 

〜ターン1〜

 

 

「行くぜ、スタートステップ!ドローステップ!メインステップ!」(手札4→5)

 

陣はメインステップまでいくと手札を見て、その中の一枚を手に取る。

 

「まずはお前だ!冥騎獅(リオンナイト)アロケインをLV2で召喚!」

(手札 5→4)

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→1)

 

陣のフィールドに獅子の頭に盾と剣を持つスピリットが召喚された。

 

 

冥騎獅(リオンナイト)アロケイン

スピリット

1(1)/紫/冥主

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000

Lv1・Lv2【スピリットソウル:紫】

自分がアルティメットカードを召喚するとき、このスピリットに[紫](紫のシンボル1つ)を追加する。

Lv2『相手によるこのスピリットの破壊時』

自分の手札にある紫のスピリットカード1枚を破棄することで、このスピリットは疲労状態でフィールドに残る。

シンボル:紫

 

 

「紫のスピリット!」

「相手は紫デッキだね」

 

太陽と大介がアロケインを見て言う。陣はこれでターンエンドを宣言した。

 

 

陣 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

冥騎獅アロケイン LV2(コア2)

 

 

 

〜ターン2〜

 

 

「俺のターン!コアステップ、ドローステップ、メインステップ!カグツチ・ドラグーンをLV1で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

光輝のフィールドに赤い体と翼を持つドラゴンに似たスピリットが召喚される。

 

 

カグツチ・ドラグーン

スピリット

4(2)/赤/古竜

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 6000

Lv1・Lv2『このスピリットのアタック時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2【激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならばスピリットでブロックする。ただし、アルティメットでブロックしてもよい。

シンボル:赤

 

 

 

「アタックステップ!行け!カグツチ・ドラグーン!アタック時の効果でカードを1枚ドロー!」

(手札4→5)

「アロケインでブロックだ!」

 

カグツチ・ドラグーンの攻撃を防ごうとアロケインが盾を構えるが、カグツチ・ドラグーンから放たれた炎によって容易く焼かれてしまう。

 

「アロケインのLV2の破壊時効果発揮!手札の紫のスピリットカードを1枚破棄することで疲労状態で残る!」

(手札4→3)

 

 

破棄されたカード

 

紫煙龍

 

 

突如フィールドに紫の霧が出現し、霧が晴れるとアロケインの姿があった。

 

「復活した!?」

「破壊されてもトラッシュから蘇る。紫属性の得意な戦法だ」

 

アロケインの復活に驚く太陽に慎吾が説明する。

 

「ターンエンド」

 

光輝 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

カグツチ・ドラグーン LV1 (Sコア)

 

 

〜ターン3〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!冥騎獅アロケインをLV1にダウン!鎧闘鬼(がいとうき)ラショウをLV1で召喚だ!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→3)

 

冥騎獅アロケイン LV2→LV1 (コア2→1)

 

フィールドに武者の鎧を身に纏った紫の体をした如何にも鬼のような姿のスピリットが現れた。

 

 

鎧闘鬼ラショウ

スピリット

4(2)/紫/家臣・呪鬼

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 4000 <6>Lv3 8000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から4枚破棄することで、自分はデッキから2枚ドローする。

Lv2・Lv3

自分のトラッシュにソウルコアがある間、相手のネクサスすべてのLvコストを+2する。

シンボル:紫

 

 

「ラショウの召喚時効果発揮!自分のデッキを上から4枚破棄することでデッキから2枚ドローする!」

(手札 3→5)

「自分のデッキを破壊した!?」

 

 

破棄されたカード

 

金狐角

ボーン・バード

銀狼角

ソウルシュート

 

 

「あれはスピリットをトラッシュに送るのが狙いだな」

「どういうこと?」

「さっき言ったように紫属性はトラッシュからスピリットを呼び出すことが得意なんだ。だからああいう風にデッキから直接カードをトラッシュに送ってるんだ」

「でもそれだと復活するスピリットが必ずトラッシュに送られるかどうか分からないんじゃ・・・」

「確かにそうだけど送ることが出来たら後から厄介だ。手札も増やしたしな」

 

太陽と梨花に慎吾が説明する。

 

「さらにバーストセットだ!」

(手札 4→3)

「バーストか!」

「ここでアタック!と、言いたいところだがターンエンドだ」

「!」

 

陣 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

冥騎獅アロケイン LV1 (コア 1)

 

鎧闘鬼ラショウ LV1 (Sコア)

 

バースト

 

 

 

〜ターン4〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

 

ターンシークエンスをメインまで進めた光輝は、陣のフィールドを見据える。

 

「(ブロッカーは2体、アロケインはLV1だから破壊しても復活はしない。だがバーストが気になるな)」

 

相手のフィールドに伏せてあるバーストを警戒しながら手札のカードを手に取る。

 

「よし!バーストをセット!六分儀剣(セクスタント)のルリ・オーサをLV2で召喚!」

(手札 6→4)

(リザーブ 5→0)

 

フィールドに青緑色の殻を纏った昆虫のような外見をしたスピリットが呼び出される。4本の腕の内の一つには剣が握られている。

 

 

六分儀剣(セクスタント)のルリ・オーサ

スピリット

4(緑2赤1)/緑/殻人・星魂

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 5000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア1個ずつを、自分の赤のスピリット2体に置く。

Lv2

このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。

Lv2

自分の手札は相手の効果を受けない。

シンボル:緑

 

 

「光輝が緑のスピリットを!?」

「召喚時効果発揮!ボイドからコアを1個ずつ、自分の赤のスピリット2体に置く!ルリ・オーサはLV2の効果で赤のスピリットとして扱う!よってコアをルリ・オーサとカグツチ・ドラグーンに1個ずつ置く!更にルリ・オーサのコア一つをカグツチ・ドラグーンに置いてLV2にアップだ!」

 

カグツチ・ドラグーン LV2 (コア 2 Sコア)

 

「アタックステップ!カグツチ・ドラグーンでアタック!アタック時効果でカードを1枚ドローし、更にLV2効果発揮!激突だ!」

(手札 4→5)

「アロケインでブロック!」

 

アロケインとカグツチ・ドラグーンが再び激突するが、先程と同じようにアロケインは炎に焼かれて破壊される。破壊時効果はLV2からなので復活はしない。だが、

 

「タダではやられないぜ!スピリット破壊によりバースト発動!マーク・オブ・ゾロ!」

 

 

マーク・オブ・ゾロ

マジック

5(2)/紫

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

自分はデッキから1枚ドローし、相手のスピリットのコア2個を相手のトラッシュに置く。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

コスト5以下の相手のスピリットすべてのコア1個ずつを相手のリザーブに置く。

 

 

「バースト効果でカードを1枚ドロー!(手札4→5)更にルリ・オーサのコア2つをトラッシュに!」

 

フィールドにZの文字が出現し、そこから紫の波動がルリ・オーサへ襲いかかり、消滅させてしまう。

 

六分儀剣のルリ・オーサ コア2→0 消滅 (トラッシュ 3→5)

 

「そうきたか、ターンエンドだ」

 

光輝 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

カグツチ・ドラグーン LV2(コア2 Sコア)

 

バースト

 

 

 

〜ターン5〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!さぁて、そろそろ攻めるぜ!銀狼角(ぎんろうかく)をLV1で召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→1)

 

フィールドに銀色の毛に背中に刀を背負っている狼の姿をしたスピリットが現れた。

 

 

銀狼角(ぎんろうかく)

スピリット

2(2)/紫/雄将・霊獣

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000 <4>Lv3 5000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のトラッシュにある[金狐角]1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

シンボル:紫

 

 

「銀狼角の召喚時発揮!トラッシュにある金狐角(きんこかく)をコストを支払わずに召喚できる!来い、金狐角をLV1で召喚!」

(リザーブ3→2)

 

銀狼角が遠吠えをあげると地面から紫の霧が発生し、中から金狐角が遠吠えをあげながら登場した。

 

 

金狐角(きんこかく)

スピリット

3(2)/紫/雄将・霊獣

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 4000 <6>Lv3 6000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のトラッシュにある[銀狼角]1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

スピリットすべては、フィールドから手札に戻らない。

シンボル:紫

 

 

「まだだぜ!金狐角の召喚時効果でトラッシュの銀狼角をコストを支払わずに召喚するぜ!来い!」

(リザーブ2→1)

 

先程と同じように金狐角が遠吠えをあげる。紫の霧が発生し晴れると銀狼角が現れた。

 

「えぇ!?なにあれ!」

「スピリットを一気に2体も復活させたぞ!」

「でも、なんでトラッシュに?光輝はあんなスピリット倒していないぞ!」

「ううん、違う」

 

太陽の疑問に裕香が言う。

 

「さっき陣君の召喚したラショウの効果で、2枚ともトラッシュに送られてたんだよ!」

「そう!その通り!それが分かるとはさすが俺の天使!いや、俺のミカファール!」

「いや、それ禁止カードだよね!?」

 

陣の例えに裕香は思わずツッコミを入れてしまう。

 

「さぁて、お前のブロッカーは0。一気に追い込んでやる!アタックステップ!銀狼角でアタックだ!」

「ライフで受ける!」(ライフ5→4 リザーブ0→1)

 

銀狼角の牙が光輝へと飛びかかり、ライフを噛み砕く。

 

「次だ!2体目の銀狼角でアタック!」

「ライフで受ける!」(ライフ4→3 リザーブ1→2)

 

再び銀狼角がライフを砕き残りライフは3。だが光輝にとってこれはチャンスだった。

 

「ライフ減少によってバースト発動!自分フィールドの赤のスピリット1体につき相手のBP6000以下のスピリット1体を破壊する!」

 

光輝のフィールドには赤のスピリットのカグツチ・ドラグーン1体が存在するため、破壊できるスピリットは1体。ラショウの頭上に蒼い炎を纏った剣が出現し、そのままラショウの体を貫き破壊する。

 

「天空を切り裂く蒼炎の剣!黒き覇王よ!王者の力を示す時だ!天剣の覇王ジーク・スサノ・フリードをLV1で召喚!!」

(リザーブ2→1)

 

天空から8本の剣が円を作るように降り注ぎ、中心から炎が巻き上がる。その中から黒い体に巨大な剣を持った龍が佇んでおり、手に持った剣で炎をなぎ払い、フィールドに響く程の咆哮をあげながら剣を陣へと向ける。

 

 

天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード

スピリット

9(3)/赤/覇皇・古竜

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 15000 <7>Lv4 20000

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のライフが3以下のとき、自分の赤のスピリット1体につき、BP6000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

この効果発揮後、このスピリットカードを召喚する。

Lv2・Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』

このスピリットをBP+10000する。

Lv3・Lv4

自分のバーストをセットしている間、

このスピリットに赤のシンボル1つを追加する。

シンボル:赤

 

 

「チッ!ターンエンドだ!」

 

陣 ライフ 5

 

フィールド

 

スピリット

銀狼角 LV1 (コア1)×2

 

金狐角LV1 (コア1)

 

 

〜ターン6〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。カグツチ・ドラグーンをLV1にダウン。ジーク・スサノ・フリードをLV3にアップ!」

(カグツチ・ドラグーン LV2→LV1 コア2 Sコア→コア1)

(ジーク・スサノ・フリード LV1→LV3 コア1→コア4 Sコア)

 

「更にバーストをセット!ジーク・スサノ・フリードのLV3効果!バーストをセットしている時、このスピリットに赤のシンボルを1つ追加する!」

(6→5)

 

ジーク・スサノ・フリードにシンボルを追加すると、光輝は手札の一枚を手に取る。

 

「よし!お前の出番だ!煉獄より現われし古の皇!焔竜魔皇(えんりゅうまおう)マ・グーをLV1で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→4)

 

バトルフィールドの地面に亀裂が入るとそこから黒い炎とともに4本の腕に巨大な剣と大鎌を構えた黒き竜の皇現われ、鋭き眼光を陣へと向ける。

 

 

焔竜魔皇(えんりゅうまおう)マ・グー

スピリット

7(3)/赤/竜人・古竜

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000 <5>Lv3 10000

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

ステップ開始時、自分のトラッシュのコアを、好きなだけこのスピリットに置くことができる。

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:「竜人」/「古竜」を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000する。

Lv2・Lv3

系統:「古竜」を持つ自分のスピリットすべてに赤のシンボル1つを追加する。

シンボル:赤

 

 

「おお!スゲェ!」

「カッコイイ!」

 

マ・グーの姿を見て太陽と翔太は興奮しながら叫ぶ。

 

「アタックステップ!この瞬間マ・グーの効果発揮!アタックステップ開始時にトラッシュのコア全てをこのスピリットに乗せる!」

(トラッシュ4→0)

マ・グー LV1→LV3 コア1→5

「更にマ・グーの効果発揮!アタックステップ中、系統:「竜人」/「古竜」を持つ自分のスピリットすべてをBP+3000!更にLV2からの効果!系統:「古竜」を持つ自分のスピリットすべてに赤のシンボル1つを追加する!」

 

光輝の場に存在するカグツチ・ドラグーン、ジーク・スサノ・フリード、焔竜魔皇マ・グーの3体は全て系統:「古竜」を持つスピリット。よってマ・グーの効果を受けることができる。

 

カグツチ・ドラグーン (BP3000→6000 シンボル 赤→赤赤)

ジーク・スサノ・フリード(BP15000→18000 シンボル 赤赤→赤赤赤)

マ・グー(BP10000→13000 シンボル 赤→赤赤)

 

「な!?ダブルシンボルが2体の上にトリプルシンボルだとぉ!?」

「スゲェよ!光輝!」

「一気にやっつけちゃえ!」

「行け!カグツチ・ドラグーンでアタック!アタック時効果で1枚ドロー!」

(手札4→5)

「ライフで受けるぜ!」

(ライフ5→3 リザーブ 2→4)

「行け!ジーク・スサノ・フリード!」

 

天剣の覇王が咆哮をあげ、陣へと飛びかかる。それと同時に光輝は手札の1枚を取る。

 

「フラッシュタイミング!マジック、炎刃ストライク!コストはマ・グーから確保!」

(手札5→4)

(マ・グー LV3→LV2 コア5→3)

 

 

炎刃ストライク

マジック

4(2)/赤

フラッシュ:

BP3000以下の相手のスピリット2体を破壊する。

コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、さらに、相手のネクサス1つを破壊する。

 

 

「炎刃ストライクの効果でBP3000以下のスピリットを2体破壊する!金狐角と銀狼角を破壊だ!」

 

光輝の後ろから2つの火球が出現し、目にも止まらぬ速さで金狐角と銀狼角へ向かい、破壊する。

(リザーブ 4→6)

 

「やった!これでブロッカーがいなくなった!」

「相手のライフは3!ジーク・スサノ・フリードはトリプルシンボルだ!いけるぞ光輝!」

 

ジーク・スサノ・フリードがとどめを刺すべく手に持つ剣を振りかざそうとする。

 

「そう簡単にやられると思ったら大間違いだ!フラッシュタイミング!マジック、ネクロブライト!」

(手札5→4)

(リザーブ 6→4)

 

 

ネクロブライト

マジック

3(紫1極1)/紫

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■相手のアルティメットのコア1個を相手のリザーブに置く。さらに、ヒットしたカードが紫のカードならガードとする。

フラッシュ:

自分のトラッシュにあるコスト3以下の紫のスピリットカード/アルティメットカード/ブレイヴカード1枚を、

コストを支払わずに召喚できる。

 

 

フィールドの地面に紫の魔方陣のような物が浮かび上がり、そこから金狐角が現れる。

 

「ネクロブライトは自分のトラッシュにあるコスト3以下の紫のスピリット、アルティメット、ブレイヴを1枚コストを支払わずに召喚できる!更に金狐角の召喚時効果でトラッシュの銀弧角をコストを支払わずに召喚だ!」

(リザーブ4→2)

 

復活した金狐角が遠吠えをあげ、それに答えるように銀弧角が復活する。

 

「ブロッカーが2体復活した!」

「これじゃあこのターンにとどめを刺せない!」

「銀狼角でスサノ・フリードをブロック!」

 

銀狼角がスサノ・フリードへ飛びかかるが、剣による一閃で切り裂かれてしまう。

(リザーブ 2→3)

 

「・・・ターンエンド」

光輝 ライフ 3

 

フィールド

 

スピリット

カグツチ・ドラグーン LV1 (コア1)

 

天剣の覇王ジーク・スサノ・フリード LV3 (コア4 Sコア)

 

焔竜魔皇マ・グー LV2 (コア3)

 

バースト

 

 

〜ターン7〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!金狐角をLV1で召喚!召喚時効果でトラッシュから銀狼角をノーコストで召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ7→4)

(トラッシュ0→1)

 

金狐角が召喚され、その効果で先程倒した銀狼角が復活する。

 

「さぁ!そろそろ俺のキースピリットを見せてやるぜ!」

「来るか!」

「黄泉の世界の支配者!神々しき姿を現世へと現せ!神霊王アメホシノミコト!LV2で召喚!不足コストは金狐角と銀狼角1体ずつから確保!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ1→5)

金狐角 (コア 1→0) 消滅

銀狼角 (コア 1→0) 消滅

 

地面に紫の渦が出現し、そこから紫の体に右手に金色に輝く剣を、左手には同じく金色に輝く鏡を持つ禍々しくも神々しい神の名を持つ王が君臨する。

 

 

神霊王アメホシノミコト

スピリット

8(4)/紫/主君・霊獣

<1>Lv1 7000 <2>Lv2 10000 <4>Lv3 12000 <10>Lv4 30000

トラッシュにあるこのスピリットカードはコスト4として扱う。

Lv1・Lv2・Lv3・Lv4

このスピリットに[ソウルコア]が置かれている間、コスト0/2/4/7の相手のスピリットすべてのLvコストを+3する。

Lv2・Lv3・Lv4『このスピリットのアタック時』

自分のトラッシュにある紫のカード1枚を手札に戻す。

系統:「主君」/「家臣」を持つスピリットカードを戻したとき、相手は、相手のスピリット1体を破壊する。

シンボル:紫

 

 

「な、なんだよあのスピリット・・・」

「アメホシノミコトの効果!このスピリットにSコアが置かれている間、コスト0/2/4/7の相手のスピリットすべてのLvコストを+3する!」

「何!?」

 

スピリットは本来LV1になるのに必要なコアを置いていなければLV0となり消滅してしまう。アメホシノミコトはそのコストをあげる力があるのだ。光輝のフィールドに存在するカグツチ・ドラグーンと焔竜魔皇マ・グーのコストは4と7。アメホシノミコトの効果によりLV1のコストが1から4へと上がる。だがこの2体の上に乗っているコアはどちらも4個以下。よってLV0となり2体は消滅してしまう。

 

「あぁ!光輝さんのスピリットが!」

「まずい!これで光輝のブロッカーは0だ!」

「相手のフィールドにはアタッカーが3体、光輝のライフも残り3、このままじゃマズイぞ」

「お兄ちゃん・・・」

 

光輝のフィールドに残っているのは疲労状態のジーク・スサノ・フリードのみ。光輝を守るものはいない。

 

「アタックステップ!行け!アメホシノミコト!LV2のアタック時効果発揮!トラッシュにある紫のカードを1枚手札に戻す!俺が選ぶのは鎧闘鬼ラショウだ!(手札3→4)更に追加効果!この効果で系統:「主君」/「家臣」を持つスピリットカードを戻したとき、相手は、相手のスピリット1体を破壊しなければならない!」

 

ラショウの系統は「呪鬼」と「家臣」。よって光輝は自分のスピリットを破壊しなければならないが、フィールドにいるスピリットがスサノ・フリードしかいない光輝に選択肢はない。

 

「・・・ジーク・スサノ・フリードを破壊する」

 

光輝が宣言するとジーク・スサノ・フリードは黒い瘴気に包まれ消えてしまう。

 

「あぁ!ジーク・スサノ・フリードまで!」

「もうダメだぁ〜!」

 

太陽と大介は勝ち目がないと思ったのかそう叫ぶ。だが光輝のフィールドには1枚のカードがまだ残っていた。そう、バーストが。

 

「ライフで受ける!」

ライフ 3→2 (リザーブ11→12)

 

アメホシノミコトの剣が光輝のライフを切り裂く。だが光輝はこれを待っていたのだ。

 

「ライフ減少によりバースト発動!」

「何!?」

 

光輝の言葉とともに地面から巨大な火柱が立ち上がる。

 

「自分のライフが3以下の時、BP15000以下の相手スピリットを1体破壊する!金狐角を破壊だ!」

 

その火柱は金弧角へと向かっていき、金狐角は逃げる間もなく炎に包まれ破壊される。

(リザーブ0→1)

 

「現われろ!赤き龍の王!その剣はすべてのものを薙ぎはらう!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードをLV4で召喚!!」

(リザーブ 12→4)

 

天空から雲を切り裂き、そこから赤き龍の覇王がフィールドに降り立つと、自身の腕から炎を纏った剣を取り出すと、その剣を天にかざして王者の如き雄叫びをあげた。

 

 

龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード

スピリット

8(3)/赤/覇皇・古竜

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <5>Lv3 13000 <8>Lv4 20000

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のライフが3以下のとき、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

この効果発揮後、このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。

Lv2・Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』

相手のスピリット1体を指定してアタックできる。

Lv3・Lv4 『このスピリットのアタック時』

自分のバーストをセットしているとき、このスピリットのBP以下の相手のスピリット1体を破壊する。

シンボル:赤

 

 

「なっ!?ジーク・ヤマト・フリードだと!?」

 

フィールドに召喚された龍の覇王を見て、陣は驚愕する。スピリットを破壊されジーク・ヤマト・フリードを召喚された陣は、このターンでとどめを刺せなくなってしまった。

 

「クッ!ターンエンドだ!」

 

陣 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

神霊王アメホシノミコト LV2 (コア1 Sコア1)疲労状態

 

銀狼角 LV1 (コア1)

 

 

「よし!ジーク・ヤマト・フリードだ!」

「反撃だ光輝!」

 

 

〜ターン8〜

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!ジーク・ヤマト・フリードをLV3にダウン!」

ジーク・ヤマト・フリード LV4→LV3 (コア8→5)

 

「武槍鳥(ぶそうちょう)スピニード・ハヤトを召喚!ジーク・ヤマト・フリードに直接合体(ブレイヴ)だ!」

(手札5→4)

(リザーブ 8→4)

(トラッシュ 0→4)

 

 

武槍鳥(ぶそうちょう)スピニード・ハヤト

ブレイヴ

5(緑2赤2)/緑/爪鳥

<1>Lv1 5000 <0>合体+5000

合体条件:コスト5以上

【合体時】『自分のアタックステップ』

ステップ開始時、色1色を指定する。

このターンの間、このスピリットは、指定した色のスピリットにブロックされたとき回復する。

シンボル:緑

 

 

スピニード・ハヤトがジーク・ヤマト・フリードの頭上に召喚され、その体を緑の槍と鎧に変形させる。そして無数の槍がジーク・ヤマト・フリードの背に収められ、鎧は体、翼、腕へと装着され合体スピリットへと変貌する。

 

 

合体(ブレイヴ)スピリット

コスト 8+5→13

BP 13000+5000→18000

シンボル 赤緑

 

 

「アタックステップ!この瞬間武槍鳥スピニード・ハヤトの合体時効果発揮!色を1色指定する!俺は紫を指定し、合体アタック!」

 

右手に剣を、左手に槍を装備した合体スピリットが羽ばたき、銀狼角へと向かう。

 

「ジーク・ヤマト・フリードの効果!相手のスピリット1体を指定してアタックする!銀狼角を指定!更にこの瞬間スピニード・ハヤトの効果発揮!このターン紫のスピリットにブロックされた時、このスピリットは回復する!!」

「何だと!?」

 

合体スピリットが銀狼角に槍を突き刺して身動きを封じ、口から炎を吐き出し銀狼角を焼き払う。

(リザーブ1→2)

その光景を見た陣は目線を自分の手札へ向ける。

 

「(ダメだ!式鬼神(しきがみ)オブザデッドを使って銀狼角達を呼んでもBPで勝てないんじゃ合体スピリットを止められない!)」

 

 

式鬼神(しきがみ)オブザデッド

マジック

3(2)/紫

フラッシュ:

自分のトラッシュにある系統:「呪鬼」/「霊獣」を持つスピリットカードかブレイヴカード1枚を召喚する。

 

 

「回復した合体スピリットで再アタック!今度はアメホシノミコトに指定アタックだ!そしてスピニード・ハヤトの効果で回復!」

「くっ!だがアメホシノミコトを破壊しても合体スピリットはダブルシンボル!俺のライフは3!このターンじゃ俺は倒せないぜ!」

「君に次のターンはない!フラッシュタイミング!マジック、サンブレイカー!」

(手札4→3)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ4→8)

 

 

サンブレイカー

マジック

5(赤3極1)/赤

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■自分はデッキから2枚ドローする。さらに、ヒットしたカードが赤のカードならガードとする。

フラッシュ:

このターンの間、自分の合体スピリット/合体アルティメットがBPを比べ

相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

 

 

「サンブレイカーはこのターンの間、自分の合体スピリット/合体アルティメットがBPを比べ相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く!」

「なんだと!?」

 

合体スピリットが炎をアメホシノミコトに向かって放つがアメホシノミコトは左手の鏡を盾にしてそれを跳ね返す。

しかし合体スピリットはそれを飛翔して容易く避けると、背に収められている無数の槍を発射する。アメホシノミコトはそれを全て剣で弾くが、その隙に合体スピリットが勢いよく向かっていき、炎を纏った剣でアメホシノミコトの体を貫く。そこから炎が広がっていき、アメホシノミコトの体は炎に包まれ爆散する。(リザーブ 2→4)

 

「アメホシノミコト!」

「サンブレイカーの効果により、ライフを1つリザーブに置く!」

(陣 ライフ3→2 リザーブ4→5)

 

「これで決める!行け!合体スピリット!!」

 

再び合体スピリットが、ブロッカーのいない陣へと迫る。

 

「・・・ライフで受ける!!」

 

合体スピリットの剣と槍が陣の残った2つのライフを破壊する。

 

「クソオォォォォォォ!!」

(陣 ライフ 2→0)

 

 

 

 

 

 

「やったぁ!!光輝の逆転勝利だ〜!!」

「すごいぜ合体スピリット!」

 

光輝の勝利に太陽達は嬉しそうにはしゃぐ。

 

「ふぅ、勝てたか。いい初陣になったな」

 

初陣にして勝利を収めたデッキを見ながら呟く光輝。

 

「お兄ちゃん!」

「ん?うわ!?」

 

いつの間にか客席から降りて来た裕香が、光輝に抱きついてきた。

 

「絶対に勝つって信じてたよ!」

「あぁ、ありがとな」

 

可愛らしい笑顔を向けている裕香の頭を光輝は優しく撫でてやる。するとそれを陣が恨めしそうに見ていることに気づく。

 

「う〜、クソォ!俺の天使と仲良くくっつきやがって〜」

 

まだ勘違いをしている陣に、光輝は近づく。

 

「なぁ君、陣君だったよな?勘違いしてるみたいだけど、裕香は俺の彼女じゃなくて妹だぞ?」

「・・・・・へっ?」

 

光輝の発言に陣は豆鉄砲を食らったような顔をした。

 

「何!?そんなに仲良くくっついているのなら、カップルではないのか!?」

「いや、だから違うから」

「・・・そうなの?」

「う、うん。私達は兄妹だよ」

 

カップルではなく兄妹だという衝撃の真実を告げられた陣はしばらく固まっていたが、ハッと何か気づいたような顔をすると光輝に近づいてきた。

 

「お、お兄さん!」

「えっ?」

「今のバトル凄かったです!俺のキースピリットを倒してあんなにカッコよく決めるなんて!俺興奮しましたよ!」

「えっ・・・あ、ありがとう」

 

いきなり態度を変えてきた陣に光輝は戸惑いながらも礼を言う。その様子を見ていた太陽達は、

 

「なんだありゃ・・・」

「変わり身早すぎ・・・」

「ハハハ・・・」

 

陣の変わり身の速さに誰もが呆れていた。

 

 

 

 

 

 

あれから太陽達と別れた光輝と裕香は夕陽に照らされた道を歩いて帰路についていた。

 

「陣君には参ったなぁ。いきなり付き合ってなんて言われて・・・」

「ハハ、まぁでも少し面白いじゃないか」

「もう!他人事みたいに言って」

「悪い悪い。でも裕香は可愛いから仕方がないんじゃないか?」

「なっ!?」

 

光輝に可愛いと言われて顔を赤らめる裕香。歩きながらそんな会話をしていたら、いつの間にか家に着いていた。家の中に入ろうとした光輝だったが何か違和感を感じ、ドアを開けようとするとあることに気づく。

 

「!鍵が空いてる?」

「えっ!?ちゃんと鍵は閉めたよ?」

 

そう言いながらドアを開ける。中を見ると玄関に靴が置いてあった。

 

「靴?見たことないやつだ」

「も、もしかして泥棒!?」

 

裕香が少し怯えながら言う。すると光輝は、リビングに人の気配がすることに気づく。

 

「リビングに誰かいるな」

「お、お兄ちゃん・・・」

 

裕香は震えながら光輝にしがみつく。光輝は裕香の頭に手を乗せて安心させながらリビングのドアに手をかける。そして勢いよくドアを開けると、

 

「お!帰ってきたな!」

「光輝!裕香!お帰りなさい」

「「・・・へ?」」

 

リビングにいた2人の人物を見て、光輝と裕香は固まってしまう。何故ならそこにいたのは、

 

「と、父さん!?」

「お母さん!?」

 

光輝と裕香の両親、そして3Dバトルシステムの生みの親である赤宮 剛(あかみや たける)と赤宮 愛華(あかみや あいか)であった。

 

 

 

 

 




最近の烈火魂

44話 早雲ちゃんまさかあそこまでズタボロにされてしまうとは・・・。てかゴッドゼクスー破ノ型ーはライフを削るだけでバトルマシーンを破壊してしまうのか・・・(汗)
45話 サスケェ・・・お前いつの間に烈刀斬なんてガチレアカードを手に入れてたのか。
46話 まさか幸村があんな戦法をするとは予想外でしたね。前話からしてソウルドライブ発動後にひたすらドローして勝つと思ってました。竜魂乱舞と一発必中ドロー3積みしようかな。

ところで皆さん、三龍神って未だに活躍できると思いますでしょうか。サジットだけではなくて他の2枚も入れてのデッキを組みたいのですが今の環境で何を入れたらいいのかがよく分からないです(汗)



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第7話 両親の想い VSドラゴン軍団

やっと出来たよハルトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

やっとどうにか完成しました。相変わらず遅くて申し訳ないです。色々ひどいですが・・・。


「と、父さん!?」

「お母さん!?」

 

自宅に帰ってきた光輝と裕香。そこには2人の両親である剛と愛華がリビングでくつろいでいた。

 

「その様子だと2人共元気そうだな、よかった」

「そんなことよりなんで2人が家にいるんだ!?前に母さんが帰って来る日が決まったら連絡するってメールしてくれたじゃないか!」

 

光輝の言う通り少し前に愛華は光輝に帰る日が決まったら教えるというメールを送っていた。

 

「ん?そうだったのか愛華?」

「あ!そうだった、忘れちゃってた!てへっ」

「てへっじゃねぇよ!!そんな重要な事は忘れないでくれよ!泥棒かと思ったじゃないか」

 

連絡を忘れていた愛華に光輝は突っ込みを入れる。

 

「ゴメンゴメン、それにしてもしばらくみないうちに光輝も裕香もまた成長したんじゃないかしら?光輝ったらまたカッコよくなっちゃって!」

 

愛華はそう言いながら光輝を思いきり抱きしめる。ちなみに愛華の胸は二児の母とは思えないほど豊満である。

 

「ちょっ!母さん苦しい!」

「いいじゃない、せっかく可愛い子供達に会えたんだから」

 

光輝が離れようとするが、愛華は光輝を離すまいと力強く抱きしめている。

 

「お母さん!お兄ちゃんが苦しんでるってば!」

 

裕香はそう言いながら光輝を愛華から引き剥がす。

 

「あらあら、裕香ったら相変わらず光輝の事が大好きなのね」

「そ、それは・・・その・・・」

 

愛華の言葉に裕香は顔を赤らめる。

 

「ハハハッ!光輝も裕香も相変わらず仲良しで安心したぜ!」

 

その光景を見ながら剛は嬉しそうに笑う。

 

「それで?光輝と裕香は学校から帰って来たばかりか?」

「いや。学校帰りに近所のバトスピショップに寄ってて、裕香もそこに来たから一緒に帰って来たんだ」

「ショップってことはバトルして来たのか?3Dバトルはやって来たか?」

「あぁ。紫村 陣っていう裕香と同じくらいの年頃の男の子が来てさぁ、裕香に一目惚れしてたみたいなんだ」

「ナニィ!?一目惚れだと!?」

「う、うん。俺を裕香の彼氏だと勘違いしててさ、バトルを挑んできたんだ。相手も紫使いのS級バトラーでなかなか手強かったけど、バトルには勝ったよ」

「おお!さすが俺の息子だ!」

 

剛はそう言いつつ、光輝の頭を少し乱暴に撫でる。

 

「イタタタ!ちょ痛いって!」

 

光輝は剛から離れ乱れた髪を直す。

 

「フフ、もう貴方ったら。光輝、裕香、学校から帰って来たばっかでしょ?部屋で着替えて来なさい」

「あぁ、分かった」

 

 

 

 

 

 

あれから着替えた光輝は裕香と愛華とともに夕食を作った。ちなみに愛華は主婦らしく料理は得意だが、剛は料理に関しては壊滅的だということを記しておこう。

 

「「「「いただきます」」」」

 

そう言って久しぶりに家族4人全員での食事をする。光輝も久しぶりの両親ととる夕食は内心嬉しかったが、その感情はすぐに消え去った。なぜなら、

 

「はいあなた、あ〜ん♡」

「あ〜ん、ん〜うまいなぁ〜」

 

2人はそう言いながら食べさせあいっこをしていた。この2人は常にラブラブで自分の子供の前でも御構い無しにこうしてイチャつくのだ。

 

「・・・なぁ、父さんも母さんも仲良しなのは分かるけどさ、いい歳してしかも子供の前でそう言うのはやめにしないか?」

「何言ってるんだ光輝!愛し合うのに歳なんて関係ないぞ!」

「そうよ。光輝や裕香も本当に愛する人が出来れば分かるわよ」

 

光輝の言葉にそう返しイチャつくのをやめない2人に、光輝は深いため息を吐く。ふと横を向くと裕香が光輝に料理を箸につまんで差し出していた。

 

「・・・どうしたんだ裕香?」

「え、え〜とお父さん達がやってるから私達もいいかなって思って・・・」

 

少し照れながら裕香は言う。2人のイチャつきに流され、光輝にこういった行為をするようになってしまったのだ。

 

「 ハァ・・・」

 

なかなかのカオスっぷりにため息を吐いた光輝は何も言わずに裕香の差し出している料理を食べ、その後は逆に裕香に食べされてほしいと強請られた。

 

 

 

 

「光輝、どうだ?バトスピ楽しんでるか?」

「あぁ、楽しんでるよ」

 

夕食を終えた光輝は今リビングで剛とくつろいでいた。愛華と裕香は2人で入浴中だ。

 

「そういえば知ってるか?今年のチャンピオンシップの開催が決定したの」

「あぁ、この前龍牙から聞いたよ」

「何?龍牙君に会ったのか?」

「ちょっと前にね、去年のチャンピオンシップで果たせなかったリベンジをしに来たと言っていた」

「バトルしたのか?」

「いや。村井縁って言う去年の出場者の1人で龍牙に敗れたバトラーが来てさ、そいつと龍牙がバトルしたんだ」

「結果は?」

「龍牙が勝ちだったよ。それでその後俺にチャンピオンシップの開催が決定したことを伝えて帰って行ったよ。決着をつけるならそこがふさわしいってさ」

 

光輝は龍牙の言葉を思い出しながら剛に教える。

 

「そうか。だったら光輝!やる事はただ一つ!俺達の作りあげた3Dバトルを舞台に、龍牙君と力の限り戦えばいいさ!そして優勝しろ!」

「あぁ、分かってる。最高のデッキを作って、最高の舞台でバトルするさ」

 

剛の言葉に光輝は力強く頷く。

 

「おう!それでこそ俺の息子だ!思い出すぜ、お前と初めて3Dバトルで戦った時のこと」

「そうか、あれからもう2年になるのか・・・」

 

光輝は2年前、初めて3Dバトルを体感した日の事を思い出す。

 

 

 

 

 

 

〜2年前〜

 

 

『そこの貴方!本を買うならブックス ムノーがオススメ!なんと7日間限定で中古本が全て102円!さぁ、皆今すぐブックス ムノーへ!!』

「・・・」

 

光輝がチャンピオンシップで優勝してから1年がたったある日、光輝はリビングでテレビを観ながらくつろいでいた。

 

「お兄ちゃん、風呂上がったよ」

「ん?あぁ」

 

暫くすると風呂から上がった裕香が髪をタオルで拭きながらやってきた。

 

「ねぇ」

「ん?どうした?」

「お兄ちゃんなんだか最近元気ないよ。チャンピオンシップで優勝してから前ほどバトスピやらなくなったよね」

「あぁ、やっぱりそうかな。やめるつもりはないんだけど、優勝してからなんか熱が冷めたような感じがしてな。結局今年のチャンピオンシップは出場しなかったしな」

「そういえば龍牙さんも出てなかったよね」

「そういえばそうだな」

 

去年のチャンピオンシップの決勝で戦ったバトラー、龍牙のことを思い出す。

 

「強かったな龍牙は。またバトルしたいな」

「でもチャンピオンシップで戦うなら来年にお預けだね。今年はもう終わっちゃったし。あ、ところでお兄ちゃん」

「なんだ?」

「明日誕生日だよね!お祝い何がいい?」

「あぁそうだな。でもいいぞ無理しなくて。気持ちだけで充分だからさ」

「ダメだよ!お兄ちゃんは私の誕生日にはちゃんとお祝いしてくれるじゃん。だから私も『やっと僕は知った 君を知った 戦いでdangerous player』!電話だよ」

 

光輝のスマホの着メロが流れる。手にとって確認すると、父親である剛からだった。

 

「父さんからだ。もしもし?」

『おう光輝!俺だ!元気か?』

「あぁ、元気に過ごしてるよ」

『そうかよかった!光輝、明日は何の日か分かるよな?』

「分かってるよ。俺の誕生日だろ?」

『分かってたか、なら話は早い!光輝、明日の10時に家に迎えを寄越すから俺の研究所に来い!最高の誕生日プレゼントを用意してるからな!』

「明日の10時?プレゼントって『それは明日のお楽しみだ!裕香も一緒にな!じゃあな、早く寝ろよ〜』ちょっ、ちょっと!」

 

剛は光輝にそう伝えると一方的に電話を切ってしまった。

 

「お父さんなんだって?」

「明日の10時に家に迎えを寄越すから研究所に来てくれってさ。裕香も連れてこいって言われたぞ?最高の誕生日プレゼントを用意したって言ってたけど・・・」

「最高のプレゼント?何だろうね」

「さぁな。明日にならないと分からないな」

 

剛の言っていたプレゼントというものが気になっていたが、その後光輝と裕香は明日に備え眠りに就いた。

 

 

 

〜翌日の10時〜

 

 

 

「おっ!あれじゃないか?」

 

約束の時間に家の前で待っていた2人の前に、一台の車が止まった。運転席には見知った女性が乗っていた。

 

「おはよう。光輝、裕香」

「母さん!」

 

そこに乗っていたのは母親の愛華だった。

 

「さあさあ、2人共乗った乗った。お父さんが待ってるわよ」

 

愛華に促され車に乗る2人。家から約30分後に、剛と愛華の研究所に到着する。入り口の前にはすでに剛と後ろに助手であろう数人の人達がが待っていた。

 

「光輝、裕香、よく来てくれたな!ようこそ!俺達の研究所へ!」

 

その後研究所に案内された2人。中に入ると、バトスピのカードの原画やショーケースに入った数百はあるだろうカードが展示されていた。

 

「すごい・・・。父さんいつの間にこんなにバトスピのカードを集めてたのか」

「あぁ、助手の皆にも協力してもらってな。スゲェだろ?」

 

展示されているカードを嬉しそうに眺める光輝。向こうでは裕香と愛華が別のカードを眺めていた。

 

「あっ!このノア・フルールってカード可愛い!こんなカードもあるんだ」

「ええそうよ。バトスピはいろんなカードがあるのよ」

「へぇ〜。あっ、これも可愛い!宝石の獣カーバルク・・・」

「それは最初の頃に出たカードね。カーバンクルがモチーフよ」

「カーバンクル?」

「伝説上の生き物の名前よ」

「伝説って?」

「ああ!」

 

カードを見ながら仲良く会話している様子がうかがえる。

 

「ところで父さん、最高の誕生日プレゼントって言ってたけど一体何なんだ?」

「おう、今から見せてやる!ついてこい!」

 

剛はそう言って光輝達を別の場所へ案内する。暫くついてくると、とある場所に出た。

 

「なんだここは?」

 

そこは体育館とほぼ同じ程度の広さをした場所だった。周りには観客席のようなものがあり、よく見ると何かの乗り物のようなものが向かい合うように二つ設置されていた。

 

「受け取れ光輝!俺と母さんから、お前への最高の誕生日プレゼントだ!」

「いや、受け取れって言われても・・・何なんだここ?」

「光輝、お前が5年前に言った事を覚えてるか?」

「それって・・・スピリットが見たいって言ってたこと?」

「そうだ!光輝、俺や母さん、それに俺の助手達はお前のその願いを叶えるために5年間頑張ってきた。その結果、俺達は完成させたのさ!このスピリットを実体化されてバトスピを行う3Dバトルシステムをな!」

「3Dバトルシステム!?」

「そうだ。これを使えばお前の言った通りスピリットを実際に登場させてバトスピが出来るのさ!」

「スピリットを!?」

 

光輝は驚愕した。5年前に自分が言った事を本当に実現させたと言う父親が信じられなかったのだ。

 

「だがまだちゃんとしたバトルをしていなくてな、そこで光輝!この3Dバトルで俺とお前でこの3Dバトルの初陣を飾ろうじゃないか!」

 

剛はそう言って懐からデッキケースを取り出し光輝に突き出す。

 

「・・・分かった!やろうぜ父さん!」

 

それに対し光輝も腰のデッキケースを取り出し同じように剛に突き出す。

 

「よし!早速始めるか!まずはそこのバトルマシーンに乗るんだ」

「バトルマシーン?」

 

光輝は剛の言うバトルマシーンに乗り出す。そしてマシーンを見てあることに気づく。

 

「これは、バトスピのプレイシート?」

 

そこにはバトスピをやる際に使用するカードを置く場所が書かれたプレイシートがあった。

 

「その通りだ。次はプレイシートの左下にあるスイッチを押すんだ」

「スイッチ?これか」

 

光輝は言われた通りにスイッチを押した。すると光輝が乗っていたマシーンの左右についてあるファンが回転を始め、マシーンが上昇する。

 

「うおっ!?浮いた!」

「ハハッ、まだ驚くのは早いぞ?」

 

光輝がマシーンに乗ると対する剛ももう一つのマシーンを起動させる。

 

「さあ裕香、私達は観客席で観戦しましょ」

「うん」

 

愛華と裕香は観客席の方へ移動する。

 

「父さん、コアは?」

「大丈夫だ。デッキをシートに置いてみろ」

 

剛の言う通りにデッキを置くと、ライフとリザーブにコアが現れた。

 

「コアが勝手に出てきた!」

「そのシステムは結構苦労したんだよな。だが本番はこれからだぜ?」

 

剛にデッキを置き、光輝を見据える」

 

「行くぞ光輝!準備が出来たらバトル開始のコールだ!」

「コール・・・よし、行くぞ!」

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

2人がコールを言った瞬間辺りが光に包まれ、地面が黒と白を基調としたマットに変わった。

 

「これは・・・」

「光輝、俺のマシーンの真ん中のランプが光ってるだろ?これは自分のターンという事だ。だから俺の先行で行くぞ」

「分かった」

 

 

 

〜ターン1〜

 

 

 

「スタートステップ。ドローステップ、メインステップだ。まずはこいつだ!アルマジトカゲをLV3で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ4→0)

(トラッシュ0→1)

 

剛がカードをマットに置き召喚するとフィールドに白い体をしたアルマジロのようなスピリットが実体となって現れた。

 

 

 

アルマジトカゲ

スピリット

1(赤1白1)/白/甲竜

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 3000 <3>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットを赤のスピリットとしても扱う。

シンボル:白

 

 

 

「スピリットが、実体化した!」

「そうだ!これが俺達が開発した実体化したスピリットでバトルが出来る3Dバトルシステムだ!!」

「これが・・・」

 

光輝は驚きを隠す事が出来なかった。自分が何気なく言った一言が両親を突き動かし、5年の歳月を費やし実現された両親そして、今目の前に実際に生きてるかのように存在しているスピリットに。

 

「俺はこれでターンエンドだ。次はお前のターンだぜ」

 

 

 

剛 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

アルマジトカゲ LV3(コア3)

 

 

 

〜ターン2〜

 

 

 

「次は光輝のターンね」

「お兄ちゃん頑張れ〜!」

「よし!スタートステップ!コアステップ、ドローステップ、メインステップ!」

 

光輝は自身の手札を見て2枚のカードを手に取る。

 

「よし!まずはこいつらだ!ブレイドラをLV2とワン・ケンゴーをLV1で召喚!」

(手札5→3)

(リザーブ5→0)

(トラッシュ0→2)

 

2枚のカードをマットに置く。すると小さなドラゴンの姿をしたブレイドラと、頭部に角の如く刀を持つ犬のスピリットワン・ケンゴーが現れた。

 

「うおぉ!スゲェ!ブレイドラとワン・ケンゴーが俺の目の前に!」

「そうだろう?さあ遠慮はいらねぇ、掛かってこい!」

「よし!バーストをセット!」

(手札3→2)

 

左上のバーストカードを置くスペースにバーストセットすると、フィールドに裏向きのカードが現れる。

 

「バーストはこんな風になるのか・・・。よし、アタックステップ!ワン・ケンゴーでアタックだ!バーストをセットしていることでワン・ケンゴーはLV3(BP6000)になっている!アタック時効果で激突だ!」

「強制ブロックか!仕方ねぇ、アルマジトカゲでブロック!」

 

アルマジトカゲは体を丸めてワン・ケンゴーに向かって回転しながら向かって行く。ワン・ケンゴーはアルマジトカゲの攻撃を飛んでかわすと、頭部の刀でアルマジトカゲの体を貫く。するとアルマジトカゲは光となって消滅した。

 

「これでブロッカーはいない!ブレイドラ、アタックだ!」

「ライフで受ける!」

 

ブレイドラが口から炎を剛に向かって吐き出す。すると剛のマシーンの周りに赤いバリアが張られ、ブレイドラの炎を防ぐ。

 

(ライフ5→4 リザーブ3→4)

 

「ライフで受けるとあんな感じなのか・・・俺はこれでターンエンド」

 

 

 

光輝 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

 

ブレイドラ LV2(コア2)

ワン・ケンゴー LV3(コア1)

 

バースト有り

 

 

 

〜ターン3〜

 

 

 

「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ、次はこっちの番だ!ガーネットドラゴンをLV2で召喚!」

(手札5→4)

(リザーブ6→0)

(トラッシュ0→4)

 

 

 

ガーネットドラゴン

スピリット

4(白2赤2)/白/甲竜

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 4000 <4>Lv3 6000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。

Lv1・Lv2・Lv3『相手のアタックステップ』

系統:「甲竜」/「竜人」を持つ自分のスピリットすべては疲労状態でブロックできる。

Lv2・Lv3【重装甲:赤/紫/白/青】

このスピリットは、相手の赤/紫/白/青のスピリット/ブレイヴ/ネクサス/マジックの効果を受けない。

シンボル:白

 

 

 

フィールドに白の体に赤の翼と黄色の角を持ち、背中から尻尾にかけて赤い水晶を生やしたガーネットドラゴンが召喚された。

 

「アタックステップ!ガーネットドラゴンでアタックだ!」

「ブロッカーはいない・・・ライフで受ける!」

(ライフ5→4 リザーブ0→1)

 

ガーネットドラゴンの口から放たれた青白い光線が光輝へと向かい、命中する前に先程の剛と同じようにバリアが張られ、光輝を守る。ライフが減ると同時に光輝は体に衝撃が走るのを感じた。

 

「くっ!ライフで受けると本当に痛みが走るんだな」

「心地いい痛みだろ?」

「・・・バトルを続けてくれ」

「ターンエンドだ」

 

 

 

剛 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

 

ガーネットドラゴン LV2(コア2)

 

 

 

〜ターン4〜

 

 

 

「俺のターン。コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。マジック、三札之術(みふだのじゅつ)を使用する!」

(リザーブ4→1)

(トラッシュ0→3)

 

 

 

三札之術

マジック

5(3)/赤

【バースト:自分のライフ減少後】

BP4000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

その後コストを支払うことで、このカードのメイン効果を発揮する。

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

その後、自分のデッキを上から1枚オープンし、そのカードが赤のスピリットカードのとき手札に加える。

他のカードのときはデッキの上に戻す。

 

 

 

三札之術の効果で2枚ドローした後、デッキの上をオープンする。オープンしたカードは赤のスピリットのリューマン・クロウだったので手札に加える。

(手札2→5)

 

「ブレイドラをLV3にアップ!アタックステップ!ワン・ケンゴーでアタック!」

「ガーネットドラゴンは相手のアタックステップ中に系統:「甲竜」/「竜人」を持つ自分のスピリットを疲労状態でのブロックを可能にする効果がある。本来なら激突によって必ずブロックしなければならないが、LV2のガーネットドラゴンは重装甲:赤によって激突の効果は受けない。ライフで受けるぜ」

(ライフ4→3 リザーブ0→1)

「ターンエンド」

 

 

 

光輝 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

 

ブレイドラ LV3(コア3)

ワン・ケンゴー LV3(コア1)

 

バースト有り

 

 

 

〜ターン5〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。イグア・バギーをLV1で2体召喚だ」

(手札5→3)

(リザーブ6→4)

 

 

イグア・バギー

スピリット

1(白1赤1)/白/機獣・星魂

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 3000 

Lv1・Lv2

このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。

シンボル:白

 

 

 

 

フィールドに現れたのはイグアナの体にホイールとキャノンを搭載したスピリットだった。

 

「こっちも行くぜ!マジック、三札之術!デッキから2体ドローだ」

「そっちも持っていたのか」

 

その後デッキトップをめくり、それは赤のスピリットである太陽神龍ライジング・アポロドラゴンだったので手札に加えた。

(手札2→5)

(リザーブ4→2)

(トラッシュ0→3)

 

「更にネクサス、永久凍土の王都を配置」

(手札5→4)

(リザーブ2→0)

(トラッシュ3→5)

 

剛の後ろに白い建物に中央に大きな城がそびえる城下町のような外見をしたネクサスが出現した。

 

 

 

永久凍土の王都

ネクサス

5(4)/白

<0>Lv1

トラッシュにあるこのネクサスカードは、一切の効果を受けない。

Lv1

自分のライフが0になるとき、このネクサスを自分のトラッシュに置くことで、自分のライフは0にならない。

その後、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く。

シンボル:白白

 

 

 

 

「これでターンエンドだ」

 

 

 

剛 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

ガーネットドラゴンLV2(コア3)

イグア・バギー LV1(コア1)

イグア・バギー LV1(コア1)

 

 

 

〜ターン6〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。」

 

メインステップまで進めると、光輝は自分の手札を見ながら前のターンの事を考えていた。

 

「(三札之術で手札に加えたライジング・アポロドラゴン・・・あのカードがあるということはブレイヴデッキか、星竜中心のデッキの可能性が高いな・・・よし!父さんが動く前に一気に決める!)」

 

光輝はそう決めると手札からカードを取り出す。

 

「2体目のブレイドラをLV1で召喚!赤のスピリットがいることにより召喚条件クリア!宇宙を駆けるドラゴン!赤き紅蓮の矢で敵を撃ち抜け!究極三龍神、アルティメット・サジット・アポロドラゴンをLV3で召喚!不足コアは先に召喚していたブレイドラをLV1にダウンして確保!」

(手札6→4)

(リザーブ3→0)

(トラッシュ0→4)

(ブレイドラLV3→LV1 コア3→1)

 

フィールドの上空から赤い矢が降り注ぎ、辺り一面が炎に包まれる。その炎の中から黄色のボディをしたアルティメットが駆け上がり、フィールドに降り立つ。

 

 

 

アルティメット・サジット・アポロドラゴン

アルティメット

7(3)/赤/三龍神・光導

<1>Lv3 12000 <3>Lv4 20000 <5>Lv5 23000

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

【WUトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

ヒットしたUトリガー1回につき、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

【ダブルヒット】:Uトリガーが2回ヒットしたら、さらに、このアルティメットに究極シンボル1つを追加する。

(WUトリガー:相手デッキの上から2枚をトラッシュに置く。それらのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

Uトリガーがヒットしていたとき、指定したスピリットを破壊したら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:極

 

 

 

「あら〜、すごいのが出てきたわね」

「わぁ!カッコイイ!」

「Xレアはこんな風に召喚されるのか・・・」

「まぁな!強力なカードなら召喚のされ方も凄くしてるからな!さぁ来い!」

 

剛はかかってこいと言わんばかりに両手を広げる。

 

「やってやるさ!アタックステップ!行け、アルティメット・サジット・アポロドラゴン!」

 

光輝の声に応えるようにアルティメット・サジット・アポロドラゴンは雄叫びを上げ、相手のフィールドへ疾る。

 

「WUトリガー!ロックオン!」

 

すると剛のデッキの上から2枚がめくり上がる。

 

「双翼乱舞と双光気弾、コスト4と3だ!」

「Wヒット!!ヒットしたカード1枚につきBP15000以下のスピリットを一体破壊する!ガーネットドラゴンとイグア・バギーだ!」

 

アルティメット・サジットの右手に握られている巨大な銃から赤い矢が放たれイグア・バギーとガーネットドラゴンを撃ち抜く。

(リザーブ0→3)

 

「更にWヒットの効果でシンボルを1つ追加だ!」

「Wシンボルか!残ったイグア・バギーでブロック!」

 

イグア・バギーがアルティメット・サジットを止めようと向かうが、アルティメット・サジットの前脚で蹴飛ばされ破壊される。

(リザーブ3→4)

 

「これでブロッカーはいない!ブレイドラでアタックだ!」

「ライフで受ける!」

(ライフ3→2 リザーブ4→5)

 

「もう一体のブレイドラでアタック!」

「ライフだ!」

(ライフ2→1 リザーブ5→6)

 

「止めだ!ワン・ケンゴーでアタック!」

 

ワン・ケンゴーが最後のライフを砕くため、走り出す。

 

「お父さんのライフは後1つ、お兄ちゃんの勝ちだね!」

「いえ裕香、パパを甘く見ちゃいけないわよ」

 

光輝の勝ちを確信する裕香に、愛華は剛を見ながら言う。

 

「行け、ワン・ケンゴー!」

「うおお!このままでは・・・!」

 

ワン・ケンゴーが剛に飛びかかりバリアに頭部の角を突き刺すと、剛の周りが白煙に包まれた。

 

「よし!」

「あらあら・・・」

「やったね!お兄ちゃん!」

「ああ!」

 

最後のライフを奪い、光輝は勝利に喜ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、見事だなぁ」

「!?」

 

突然聞こえた声に振り向くと、白煙が晴れていき剛の姿が見えた。

 

「素晴らしいアタックだ。でも俺のライフは0になっていないぞ?」

「なっ!?どうして・・・ハッ!ネクサスが!」

 

光輝は剛のフィールドに存在していたネクサス、永久凍土の王都がなくなっていることに気づく。

 

「残念だが今のアタックで俺はネクサス、永久凍土の王都の効果を発揮していた。自分のライフが0になる時、このカードをトラッシュに置くことで自分のライフは0にならない。そしてその後ボイドからコアを1個リザーブに置く」

(リザーブ6→7)

「くっ!防いだか・・・ターンエンド」

 

 

 

 

光輝 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラ LV1(コア1)

ブレイドラ LV1(コア1)

ワン・ケンゴー LV3(コア1)

 

アルティメット

アルティメット・サジット・アポロドラゴン LV3(Sコア)

 

 

 

〜ターン7〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ」

「(だが父さんのフィールドにスピリットはいない。ライフも残り1つ。父さんには悪いが「光輝」!)」

 

自分の勝利がほぼ確実だと思っていた光輝に剛が名を呼ぶ。

 

「なんだ?」

「お前はもう、『勝った!』と思っているな?」

「えっ」

「『絶対に勝つ!』ではなく『勝った!』そういう顔をしているぞ?」

「!」

「勝とうと必死な顔より、勝ったと確信した顔をぶっ潰す・・・最高に美しい・・・!」

「へっ?」

「耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、耐えた甲斐あったぁ!耐えた!耐えた!耐えた!耐えた!耐えた!耐えたぞおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

剛は突然恍惚な表情を浮かべながら叫んだ。

 

「お、お母さん・・・お父さんどうしちゃったの?」

「リミッターが飛んでしまったようね。ライフダメージの衝撃、もう一度手を加える必要があるわね」

「リミッターって何!?」

 

愛華の言葉の意味が分からず、突っ込む裕香。

 

「光輝!お前のバトルは素晴らしかった!カード同士のコンビネーションも、アルティメットを取り入れた戦術も!だが、しかし!まるで全然、この俺を倒すには程遠いんだよねぇ!」

「いや、いきなりどうしたんだよ父さん!まるで意味が分からんぞ!」

「行くぞぉ!マジック、ビッグバンエナジーを使用だ!」

(手札5→4)

(リザーブ12→8)

(トラッシュ0→4)

 

 

 

ビッグバンエナジー

マジック

4(2)/赤

メイン:

このターンの間、自分の手札にある系統:「星竜」を持つ

スピリットカードすべてのコストを、自分のライフと同じ数にする。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+2000する。

 

 

 

「このターンの間、自分の手札にある系統:「星竜」を持つスピリットカードすべてのコストを自分のライフと同じ、即ち1にする!」

「ビッグバンエナジー!という事は・・・!」

「来い!太陽の炎を纏いし紅きドラゴン!太陽神龍ライジング・アポロドラゴンをLV1で召喚!」

(手札4→3)

(リザーブ8→6)

(トラッシュ4→5)

 

フィールドに赤い炎が広がり、その中から神の名を持つ紅き龍が姿を現し、翼を広げフィールドに降り立つ。

 

 

 

太陽神龍ライジング・アポロドラゴン

スピリット

7(3)/赤/神星・星竜

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 9000 <5>Lv3 11000

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:「星竜」を持つ自分のスピリットすべては、アタックするとき相手のスピリット1体を指定し、そのスピリットにアタックできる。

【合体時】Lv3『このスピリットの合体アタック時』

BPを比べ相手のスピリットだけを破壊したとき、相手のスピリット/ブレイヴ/ネクサス、どれか1つを破壊する。

シンボル:赤

 

 

 

「次はこいつだ!奇跡の炎を纏いし光のドラゴン!光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アークをLV1で召喚!」

(手札3→2)

(リザーブ6→5)

 

剛の後ろに虹色の炎がリング状となって現れ、その中心から白を基調とした鎧を纏った赤い龍が姿を現し、フィールドに降り立つと猛々しく咆哮を放つ。

 

 

 

光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アーク

スピリット(光)

7(4)/赤/星竜

<1>Lv1 6000 <3>Lv2 10000 <4>Lv3 13000

Lv1・Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

【強化】を持つ自分の赤のスピリットすべてに赤のシンボル1つを追加する。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

BP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

Lv3【強化】

自分の「BP破壊効果」の上限を+1000する。

シンボル

 

 

 

「そして、戦乱の世に降り立て!天を裂く雷!戦国ジークヴルムLV1で召喚!」

(手札2→1)

(リザーブ5→4)

 

フィールド上空に暗雲が漂い、雷鳴が轟く。そして暗雲が切り裂かれそこから武将の鎧を身に纏った赤い龍が緑の眼を輝かせフィールドを滑り地面を抉る。

 

 

 

戦国ジークヴルム

スピリット

6(3)/赤/武竜・星竜

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 7000 <5>Lv3 10000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のデッキを上から6枚オープンできる。その中の系統:「武竜」/「星竜」を持つコスト8のスピリットカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

召喚しない、または、残ったカードは好きな順番でデッキの下に戻す。

Lv2・Lv3

系統:「武竜」/「星竜」を持つ自分のスピリットすべてに

“【真・激突】『このスピリットのアタック時』相手は可能ならスピリット/アルティメットでブロックする”を与える。

シンボル:赤

 

 

 

「新たなジークヴルム!?」

「戦国ジークヴルムの召喚時効果発揮!自分のデッキを上から6枚オープンし、その中の系統:「武竜」/「星竜」を持つコスト8のスピリットカード1枚をコストを支払わずに召喚できる!」

 

戦国ジークヴルムが咆哮を上げると剛のデッキの上から6枚がめくられる。

 

 

めくったカード

 

デルタバリア

スターリー・リューマン

雷皇龍ジークヴルム

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃

ガイミムス

スターリードロー

 

 

 

「来たか!コスト8の星竜だ!戦乱に出でし救世の龍!すべてを守りし勇者となれ!降臨しろ!戦国超龍 磁威駆武流・乃刃(せんごくちょうりゅう ジークヴルム・ノヴァ)!!LV2だ!」

(リザーブ4→1)

 

剛がカードを置くと、フィールドの中心から巨大な火柱が天空へと向かって立ち上がる。暫くすると天から巨大な隕石がフィールドに落下し、辺りに大爆発が起こる。そして爆炎の中から赤い翼と虹色の翼を背中に持ち、戦国ジークヴルムと同じく武将の鎧を身に纏い両手には2刀の刀を持った戦国超龍が大気を震わすほどの咆哮を上げながら刀を構え光輝を見据える。

 

 

 

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃(せんごくちょうりゅう ジークヴルム・ノヴァ)

スピリット

8(3)/赤/主君・武竜・星竜

<1>Lv1 8000 <3>Lv2 13000 <5>Lv3 17000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

カード名に「ジークヴルム」と入っている自分のスピリット1体か、

このスピリット以外の系統:「主君」を持つ自分のスピリット1体のコアすべてを自分のトラッシュに置くことで、自分のライフが5になるように、ボイドからコアを置く。

Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

BP合計10000まで相手のスピリット/アルティメットを好きなだけ破壊する。

その後、相手は可能ならスピリット/アルティメットでブロックする。

シンボル:赤赤

 

 

 

「なっ!スゲェ・・・」

「驚くのは早いぞ!乃刃の召喚時効果発揮!カード名に「ジークヴルム」と入っている自分のスピリット1体かこのスピリット以外の系統:「主君」を持つ自分のスピリット1体のコアすべてを自分のトラッシュに置くことで、自分のライフが5になるようにボイドからコアを置くことが出来る!戦国ジークヴルムのコアをトラッシュへ送り、俺のライフは全回復だぁ!!」

 

戦国ジークヴルムが炎に包み込まれ赤い光となり、その光は剛へと降り注ぎライフを回復させる。

(トラッシュ5→6)

(ライフ1→5)

 

「ドラゴンを3体召喚した上にライフを全回復だと!」

「ふぅん、ここからが本当の勝負!お楽しみはこれからだ!」

 

剛の3体のドラゴンが、光輝を威圧するかの如く咆哮を上げた。

 

 




中途半端ですハイ。

今回は初めての2話構成でのバトルなので決着は次回です。

やっぱりノヴァはかっこいいですね。ヤマトに次いで好きなスピリットです。

さて、私がしばらく書けなかった間にダブルドライブが始まり新ブースターも発売されましたね。
ダブルドライブは今のところバトルがちょっと中途半端ですがまだ序盤なのでまだまだ期待できますね!エトちゃんとメイ君可愛いし。皆さんは新弾どれぐらい買いましたか?自分は最初は3箱買ってその後もなんだかんだ買い続けた結果は

XX
ゴッド・ゼクス 終ノ型 2枚
ヴィリジオラス 5枚

X
ブゲイシャー 4枚
ディエス・レイス 5枚
ゲイル・フェニックス 2枚
グロリアス・シープ 3枚
ドリアン 3枚
ダイモス 3枚

ヴィリジオラスがやたら当たりましたね(汗)実はガチャでフラゲしていてその後パックが売ってなかったのでガチャを続けていたのですが・・・

ふざけるなダイテイオウ!!お前何枚当たるんだよ(怒)!!




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第8話 決着!光輝対剛

またバトスピにゴジラが来るよハルトオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

前よりはなんとか早く投稿できました。少し短めです。

ではどうぞ!


〜ターン7〜

 

光輝 ライフ4

手札4

リザーブ0

トラッシュ4

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラ LV1(コア1)

ブレイドラ LV1(コア1)

ワン・ケンゴー LV3(コア1)

 

アルティメット

アルティメット・サジット・アポロドラゴン LV3(Sコア)

 

バースト有り

 

 

 

剛 ライフ5

手札1

リザーブ1

トラッシュ6

 

フィールド

 

スピリット

太陽神龍ライジング・アポロドラゴンLV1(コア1)

光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アークLV1(コア1)

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃LV2(コア2 Sコア)

 

 

 

「行くぞ光輝!アタックステップ!磁威駆武流無・乃刃でアタック!LV2のアタック時効果、BP合計10000まで相手のスピリット/アルティメットを好きなだけ破壊する!」

 

磁威駆武流無・乃刃の二振りの刀の刀身が赤く染まり、刀を振るうと炎の斬撃が2体のブレイドラとワン・ケンゴーを切り裂き爆散させてしまう。

(リザーブ0→3)

 

「くっ!ライフで受ける!」

「乃刃はダブルシンボルだ!ライフを2つ貰うぜ!」

 

乃刃の持つ二刀の刀が光輝へと振り下ろされライフを砕く。

 

光輝 ライフ4→2 リザーブ3→5

 

「ライフ減少によりバースト発動!絶甲氷盾!ボイドからコア1個をライフに置く!(ライフ2→3)更にコストを支払い(リザーブ5→1)フラッシュ効果発揮!アタックステップは終了だ!」

 

フィールドが吹雪に見舞われ地面から氷の壁が光輝を守るようにそびえ立つ。

 

「ターンエンド」

 

 

剛 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

 

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃 LV2(コア2 S)

太陽神龍ライジング・アポロドラゴンLV1(コア1)

光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アークLV1(コア1)

 

 

 

〜ターン8〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。バーストをセットしてリューマン・ドシャットをLV1で2体召喚!」

手札5→2

リザーブ10→7

トラッシュ0→1

 

光輝のフィールドに召喚されたのは赤い鎧のような物を纏った小さな人型のスピリットだった。

 

 

 

リューマン・ドシャット

スピリット

1(1)/赤/護将・竜人

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000 <5>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットは、相手の効果で破壊されない。

シンボル:赤

 

 

 

「更にマジック、双翼乱舞!デッキから2枚ドロー!」

手札1→3

リザーブ7→5

トラッシュ1→3

 

「手札を増やしたか」

「アルティメット・サジットをLV5にアップ!(リザーブ5→1)アタックステップ!行け、アルティメット・サジット・アポロドラゴン!WUトリガー、ロックオン!」

 

剛のデッキの上から2枚、アルマジトカゲとビッグバン・エナジー、コスト1と4のカードがトラッシュに送られた。これによりダブルヒットとなり効果が発揮されるのだが・・・。

 

「掛かったな!トリガーカウンター!マジック、キャノンボール!不足コアは乃刃をLV1にして確保!」

(リザーブ1→0)

(トラッシュ6→9)

磁威駆武流無・乃刃 LV2→LV1 (コア2 Sコア→Sコア)

 

「トリガーカウンターだと!?」

 

 

 

キャノンボール

マジック

4(1)/赤

【トリガーカウンター】

手札にあるこのマジックカードは、相手のUトリガーがヒットしたとき、

ヒット効果発揮前に次の効果を使用できる。

■バトルしているBP20000以上の相手のアルティメット1体を破壊する。

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

 

 

 

上空から巨大な火の玉がサジット・アポロドラゴンへと降りかかり、その体を炎に包み破壊する。

(リザーブ1→6)

 

「俺のスピリットを一掃するつもりだったんだろうが残念だったな。LVを上げてBPを20000以上にしたことが仇になったな」

「・・・ターンエンド」

 

光輝 ライフ3

 

フィールド

 

スピリット

リューマン・ドシャットLV1(コア1)

リューマン・ドシャットLV1(コア1)

 

バースト有り

 

 

 

〜ターン9〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。乃刃とアークLV3に、ライジング・アポロをLV2にアップだ!」

(リザーブ9→0)

 

「アタックステップ!乃刃でアタック!アタック時効果でリューマン・ドシャットを2体破壊だ!」

 

乃刃の刀から斬撃が放たれリューマン・ドシャットへ命中するが、リューマン・ドシャットは破壊されず佇んでいた。

 

「リューマン・ドシャットは相手の効果では破壊されない!」

「破壊耐性効果か。だが無駄だ!ライジング・アポロドラゴンの効果により星竜を持つ乃刃は相手スピリットに指定アタックできる!」

「指定アタックか。だが相手のスピリットのアタックによりバースト発動!聖龍皇アルティメット・セイバー!自分のライフが3以下の時、リザーブのコア1個をライフに置く!」

(リザーブ6→5)

(ライフ3→4)

 

「この効果発揮後、自分の場に赤のスピリットがいるのでこのアルティメットを召喚する!聖なる炎!命を照らす龍の光!聖龍皇アルティメット・セイバーLV5で召喚!!」

(リザーブ5→0)

 

地面から天に向かって炎が吹き上がり、赤い光を放ち爆炎が空に漂う。その爆炎の中から天女を彷彿とさせる衣を身に纏い光輝く巨大な翼を広げ、アルティメット・サジット・アポロドラゴンと並ぶ三龍神アルティメットの一体、アルティメット・セイバーがフィールドに降り立つ。

 

 

 

聖龍皇アルティメット・セイバー

アルティメット

7(3)/赤/三龍神・戦竜

<1>Lv3 10000 <3>Lv4 13000 <5>Lv5 20000

【召喚条件:自分の赤スピリット1体以上】

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

自分のライフが3以下のとき、自分のリザーブのコア1個を自分のライフに置く。

この効果発揮後、このアルティメットカードを召喚する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのバトル時』

Uトリガーがヒットしたとき、自分の手札にあるバースト効果を持つカード1枚をセットすることで、

このアルティメットは回復する。

(Uトリガー:相手のデッキの1枚目をトラッシュに置く。そのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

シンボル:極

 

 

 

「2体目の三龍神か!だが乃刃のアタックは続いている!」

 

乃刃の持つ刀によって防御の体制をとっていたリューマン・ドシャットがいとも簡単に切り裂かれ破壊される。

 

「続けてシャイニング・ドラゴン・アークでアタック!ライジング・アポロドラゴンの効果でもう1体のリューマン・ドシャットに指定アタックだ!」

 

光輝龍皇の口から放たれた炎がリューマン・ドシャットを焼き尽くしてしまう。

 

「これでターンエンドだ」

 

剛 ライフ5

 

フィールド

 

スピリット

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃 LV3(コア4 S)

太陽神龍ライジング・アポロドラゴンLV2(コア3)

光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アークLV3(コア4)

 

 

 

〜ターン10〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。ブレイドラをLV1で召喚!マジック、ネオ・ダブルドロー!アルティメットがいることでデッキから3枚ドローする!」

(手札2→5)

(リザーブ7→3)

(トラッシュ0→3)

 

 

 

ネオ・ダブルドロー

マジック

4(2)/赤

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

自分のアルティメットがいるとき、さらに、自分はデッキから1枚ドローする。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット/アルティメット1体をBP+1000する。

 

 

 

デッキから3枚のカードを手札に加えた光輝はその中の1枚を手に取る。

 

「マジック!コールオブロスト!トラッシュのアルティメット・サジット・アポロドラゴンを手札に戻す!」

(リザーブ3→0)

(トラッシュ3→6)

 

 

 

コールオブロスト(REVIVAL)

マジック

4(2)/赤

メイン:

自分のトラッシュにあるスピリットカード/アルティメットカード1枚を手札に戻す。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+2000する。

 

 

 

 

「アタックステップ!聖龍皇アルティメット・セイバーでアタック!Uトリガー、ロックオン!」

 

アルティメット・セイバーから放たれた炎が剛のデッキトップへ命中し一番上のカード、コスト0のブレイドラがトラッシュへ送られヒットてなる。

 

「ヒット!手札のバーストカード1枚をセットしてアルティメット・セイバーを回復させる!」

(手札5→4)

 

「フラッシュタイミング!マジック、サイレントウォール!コストは乃刃をLV1にダウンして確保!」

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃 LV3→LV1(コア4 S→Sコア)

(手札1→0)

(トラッシュ0→4)

 

 

 

 

サイレントウォール(REVIVAL)

マジック

4(2)/白

フラッシュ:

このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

自分のライフが2以下のとき、さらに、バトルしていない相手のスピリット1体を手札に戻すことができる。

 

 

 

「このバトル終了後にアタックステップを終了させる!セイバーのアタックはライフで受ける!」

(ライフ5→4)

(リザーブ0→1)

 

アルティメット・セイバーの放った炎が剛のライフを削ると同時に、剛の周りに巨大な白い壁が立ちはだかり攻撃を阻む。

 

「ターンエンド」

 

光輝 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

ブレイドラLV1(コア1)

 

アルティメット

聖龍皇アルティメット・セイバー(コア4 S)

 

バースト有り

 

 

 

〜ターン11〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。マジック、双翼乱舞。デッキから2枚ドローする。」

(手札0→2)

(リザーブ5→3)

(トラッシュ0→2)

 

手札を増やした剛は新たに引いたカードを見て笑みを浮かべた。

 

「乃刃のSコアをリザーブのコアとチェンジし、ライジング・アポロドラゴンをLV1にダウン」

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃 (コア4 Sコア→コア5)

ライジング・アポロドラゴンLV2→LV1(コア3→1)

(リザーブ3→4 S)

 

「Sコアをコストに支払いマジック、ドリームバブル!アルティメット・セイバーを相手の手札に戻す!」

(手札2→1)

(リザーブ4 S→1)

(トラッシュ2→6)

 

 

 

ドリームバブル

マジック

4(3)/白

フラッシュ:

相手のスピリット1体を手札に戻す。

コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、かわりに、

相手のスピリット/アルティメット1体を手札に戻す。

 

 

 

アルティメット・セイバーの体が泡のようなものに包まれ、弾けると同時にその姿が泡と共に消える。

(手札4→5)

(リザーブ0→5)

 

 

「アタックステップ!磁威駆武流無・乃刃でアタック!アタック時効果によりブレイドラを破壊!」

(リザーブ5→6)

 

乃刃の斬撃によってブレイドラが破壊され、光輝のフィールドにスピリットがいなくなってしまう。

 

「ライフで受ける!」

(ライフ4→2)

(リザーブ6→8)

 

乃刃の攻撃でライフを2つ削られた光輝だが、それに対しバーストが開かれた。

 

「ライフ減少によりバースト発動!ライフが3以下なのでBP15000以下のスピリット1体を破壊する!」

 

フィールドの地面に亀裂が入りそこから天高く火柱が上がる。その火柱はライジング・アポロドラゴンへと向かっていき、火柱に包まれたライジング・アポロドラゴンはその炎によってその身を焼かれた。

 

「効果発揮後このスピリットを召喚する!赤き龍の王!その剣は全てを薙ぎ払う!来い、俺のキースピリット!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードをLV4で召喚!!」

(リザーブ8→0)

 

空に暗雲が漂い始め、火柱が暗雲の中へと消える。すると雲が切り裂かれそこから赤い体に肩から背中にかけて蒼い角を思わすようなものをつけた龍の覇王がフィールドに降り立ち、左手から炎とともに白く輝く剣を取り出すとその剣を掲げ相手を威圧するかの如く雄叫びをあげた。

 

「ジーク・ヤマト・フリード!会えて嬉しいぜ!」

 

キースピリットを実際に召喚し感激の声をあげる光輝に、ジーク・ヤマト・フリードはそれに応えるように光輝に振り向き唸り声を出す。

 

「ジーク・ヤマト・フリードか!ここはターンエンドだ」

 

剛 ライフ4

 

フィールド

 

スピリット

戦国超龍 磁威駆武流無・乃刃 LV3(コア5)

光輝龍皇シャイニング・ドラゴン・アークLV3(コア4)

 

 

 

〜ターン12〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!ジーク・ヤマト・フリードをLV3にダウン。リューマン・クロウをで召喚!」

(手札6→5)

(リザーブ12→11)

 

 

フィールドに新たに足に鋭い爪を持った小さな竜と人の交わったような姿をしたスピリットが現れた。

 

「そしてネクサス、超新星の輝きをLV2で配置!」

(手札5→4)

(リザーブ11→8)

(トラッシュ0→2)

 

 

 

超新星の輝き

ネクサス

4(赤2極1)/赤

<0>Lv1 <1>Lv2

Lv1・Lv2『このネクサスの配置時』

このターンの間、自分の手札にある系統:「三龍神」を持つアルティメットカードすべてのコストを、自分のライフと同じ数にする。

Lv2『自分のメインステップ』

系統:「三龍神」を持つ自分のアルティメットを召喚するとき、自分のアルティメットをスピリットとしても扱うことができる。

シンボル:赤

 

 

 

光輝の頭上が暗く染まり、そこから赤白い輝きが放たれる。

 

「超新星の輝きの配置時効果!このターンの間、自分の手札にある系統:「三龍神」を持つアルティメットカードすべてのコストを、自分のライフと同じ数、つまり2にする!」

「前のターンに戻したアルティメット・サジットは三龍神・・・来るか!」

「再び降臨しろ!アルティメット・サジット・アポロドラゴン、聖龍皇アルティメット・セイバーをどちらもLV3でノーコスト召喚!」

(手札4→2)

(リザーブ9→7)

光輝の場に再び2体の三龍神、アルティメット・サジット・アポロドラゴンとアルティメット・セイバーが召喚された。

 

「そして超新星の輝きLV2の効果により三龍神を召喚する時アルティメットをスピリットとしても扱う!こいつが最後だ!宇宙を創りだす超新星!全てを救い出す奇跡の龍!アルティメット・ジークヴルム・ノヴァをLV5で召喚!!」

(手札2→1)

(リザーブ9→4)

 

光輝がカードを置くと同時に上空から巨大な隕石がフィールドへ降下していき、地面につく直前に大爆発を起こす。その中から赤い体を黄金の鎧で纏い背中に4枚の羽を生やし右手には身の丈程の大剣を持った、剛の場に存在する磁威駆武流無・乃刃と瓜二つの姿をした最後の三龍神、アルティメット・ジークヴルム・ノヴァがその姿を現した。

 

 

 

アルティメット・ジークヴルム・ノヴァ

アルティメット

8(4)/赤/三龍神・星竜

<1>Lv3 15000 <3>Lv4 20000 <5>Lv5 30000

【召喚条件:自分の赤スピリット3体以上】

【Uトリガー】Lv3・Lv4・Lv5『このアルティメットの召喚時』

Uトリガーがヒットしたとき、トラッシュに置いたカードのコスト1につき、

ボイドからコア1個を自分のライフに置く。(ライフは最大5まで)

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、相手は可能ならスピリット/アルティメットでブロックする。

【クリティカルヒット】:ヒットしたカードがコスト4以下なら、

さらに、BP12000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

(Uトリガー:相手のデッキの1枚目をトラッシュに置く。そのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

シンボル:極

 

 

 

「三龍神を揃えたか!」

「召喚時Uトリガー、ロックオン!」

「コスト3のスターリー・リューマンだ!」

「ヒット!トラッシュに置いたカードのコスト1につきライフを回復させる!よってライフ全回復だ!」

(ライフ2→5)

「おいおい、マジかよ・・・」

「更にマジックネオ・ダブルドロー!デッキから3枚ドロー!アルティメット・セイバーをLV4にアップ!」

(手札0→3)

(リザーブ4→0)

「あらあら、これは勝負あっちゃったかしら?」

「いけ〜お兄ちゃん!」

「アタックステップ!アルティメット・サジット・アポロドラゴンでアタック!WUトリガー、ロックオン!」

「ガーネット・ドラゴンと輝きの聖剣シャイニング・ソード、コストは4と7!」

「ヒット!シャイニング・ドラゴン・アークを破壊する!」

 

アルティメット・サジットの銃から放たれた矢がシャイニング・ドラゴン・アークの体を貫き破壊する。

(リザーブ2→5)

 

「フラッシュタイミング!マジック光翼之太刀!乃刃をBP+3000し、疲労状態でのブロックを可能にする!」

 

 

 

光翼之太刀

マジック

3(2)/白

フラッシュ:

このターンの間、自分のスピリット/アルティメット1体をBP+3000する。

その後、そのスピリット/アルティメットは疲労状態でブロックできる。

 

 

 

「乃刃でサジットをブロックだ!」

 

アルティメット・サジット・アポロドラゴンが磁威駆武流無・乃刃へ矢を放つがそれは全て二刀の刀で斬り落とされ、それと同時に乃刃に一気に接近され二刀の刀をその身に突き刺されてしまい爆散する。

 

「まだまだ!アルティメット・ジークヴルム・ノヴァでアタック!Uトリガー、ロックオン!」

「コスト6の輝龍シャイニング・ドラゴン!」

「ヒット!相手は可能なら必ずノヴァのアタックをブロックする!」

「磁威駆武流無・乃刃でブロックだ!」

 

磁威駆武流無・乃刃がアルティメット・ジークヴルム・ノヴァへ二刀の刀を振るうが大剣で防がれる。その後両者は後退し2体とも口から炎のブレスを吐く。しばらく均衡しぶつかり合っていたブレスは真ん中で爆発を起こし、再び2体は刀と剣による鍔迫り合いを始めた。最初は乃刃が押していたがノヴァが雄叫びをあげると両手持ちの大剣が赤く染まり乃刃の刀を力ずくで折り、そのまま大剣は乃刃の体を斬り裂き、体を切り裂かれた乃刃はその場に倒れ爆発する。

 

「アルティメット・セイバーでアタック!Uトリガー、ロックオン!」

「コスト4、リバイヴドロー!」

「ヒット!手札のバーストをセットし、回復!」

(手札3→2)

 

「ライフで受ける!」

(ライフ4→3)

 

「もう一度セイバーでアタック!」

 

再びトリガーが発揮されトラッシュに置かれたのはコスト8のサプレッションによりガードとなるが、セイバーのアタックは止まらない。

 

「ライフで受ける!」

(ライフ3→2)

 

「リューマン・クロウでアタック!」

「ライフだ!」

(ライフ2→1)

 

「最後はお前が決めろ!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードでアタック!」

「へっ、見事だ光輝!」

 

ジーク・ヤマト・フリードが剣を剛に振り下ろし、最後のライフを砕く。

 

(ライフ1→0)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ〜負けた負けた。流石に強いな光輝」

「そう言う父さんも強かったよ」

 

バトルを終えマシーンから降りた2人は互いの健闘を称えあった。すると観客席から降りてきた愛華と裕香が近づいてきた。

 

「2人共お疲れ様。いいバトルだったわ」

「お兄ちゃんもお父さんもカッコ良かったよ!」

 

愛華は2人のバトルを称え、裕香は初めて見た3Dバトルに興奮しているようだった。

 

「光輝、どうだった?3Dバトルは」

「あぁ、凄かったよ!スピリット達があんな風に実際に現れて戦うなんて、感動したよ!」

「そうか!そいつは良かった!なぁ光輝、一つお前に伝えることがあるんだ」

「伝えること?」

 

剛は先程まで乗っていたバトルマシーンを見据えながら言う。

 

「俺達は最初、お前のスピリットを実際に見たいって言う夢を叶えてやりたいと思って3Dバトルを作り始めたんだ。でもな、作ってる途中に思ったんだ。もしこれが完成してバトスピをしている皆にこれを味わって貰ったら、皆がもっとバトスピを好きになってくれる、バトスピがもっと広がって、皆が笑顔になるんじゃないかって思った。だから光輝、一つ覚えておいて欲しい。この3Dバトルシステムはお前のだけじゃない、バトスピが好きな皆のものなんだ。だから光輝、お前は皆にバトスピの楽しさを3Dバトルを通して伝えて欲しいんだ。そしてバトスピで日本に、皆に笑顔を・・・」

「父さん・・・分かってる。これが日本中に広がったらバトスピが更に楽しくなるからな。俺も皆にバトスピをもっと好きになって欲しい!」

「そうか!ありがとう光輝!お前はやっぱり俺の自慢の息子だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう2年か」

「そうだな。父さんの作った3Dバトルが全国のショップに設置された時は凄かったな。ショップに行列が出来て徹夜で並ぶ人もいたからな」

「貴方、光輝。お風呂あがったわよ」

 

2年前の話をしているうちに入浴していた愛華と裕香がリビングへ入ってきた。

 

「あら、2人で何話してたの?」

「2年前に3Dバトルで初めてバトルしたこととかだよ。今となっては懐かしいぜ」

「そうね。そういえば光輝、今年のチャンピオンシップに出場するんですって?」

「あぁ、龍牙も出るんだ。今度こそ決着をつけるさ」

「頑張ってねお兄ちゃん!」

「応援は任せなさい」

「俺も応援してるぜ。そうだ!光輝、お前にプレゼントだ」

「えっ?これは・・・」

 

剛から渡されたのは、数枚の赤属性のカードだった。

 

「お前のデッキに合いそうなやつを数枚選んだんだ。うまく使いこなしてくれ」

「あぁ、ありがとう父さん」

 

父から授かったカードを見て、光輝はチャンピオンシップで龍牙と再び戦い、優勝することを誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、ここはとある場所にあるバトルスタジアム。観客席には数人程のバトラーが、今現在行われているバトルを見物していた。バトルしているのは黒いジャケットに金髪の髪をした男で、チャンピオンシップでも上位に入る程の腕を持っている。彼のフィールドには魔界七将デスペラード、幻龍シェイロンに加えアルティメット・デスペラードが存在していた。全て疲労状態だがライフはまだ4つ残っていた。対するもう1人は赤と黒を基調としたフード付きのパーカーを着た青年で、フードを頭に深く被っているので表情は伺えない。いまは青年のターンだが彼のライフは1、更にフィールドにはスピリットもバーストもない状態、一目でかなり不利な状況だというのは明白だ。

 

「へっ、大したことねぇな。降参したらどうよ?」

 

自身の圧倒的有利な状況で、もはや勝ちを確信している男は青年にそう言うが、青年はつまらなそうにため息を吐く。

 

「少しは期待したが所詮この程度か。やはり雑魚では相手にならん」

「あ?なんだと?」

 

青年の言葉に苛つきを見せる男だが、青年は自分のターンを進める。

 

「さまよう甲冑をLV1、イチバンスピアーをLV2で召喚」

 

青年のフィールドに現れたのは紫色の鎧に身を包み赤い一つ目をもつ落ち武者のようなスピリットに、右手に槍を構えた白い機械人のような姿をしたスピリットだった。

 

「何だ?見たことのないスピリットだ」

「さまよう甲冑の召喚時効果によりカードを1枚ドロー。そしてイチバンスピアーの効果により手札のこのスピリットのコストを6にする」

 

青年は手札の1枚を手に取り天に掲げる。

 

「魔界の門より顕現せよ!六天を統べる全知全能の魔王!天魔王ゴッド・ゼクス降臨!!」

 

突如フィールドに暗雲が立ち込むと、一筋の光が地面へ降り注ぎ辺りに強い衝撃波が発生する。暫くするとその光とともに腕を組みながら一体のスピリットが体に金色の光を纏いながらフィールドに降り立つ。同時にそのスピリットに纏まっていた金色の光が辺りに散り、隠されていた姿が晒される。銀を基調とした神々しい体に、背中には天輪のようなものを身につけており人型の姿をした圧倒的な存在感を放つスピリット、天魔王ゴッド・ゼクスが佇んでいる。

 

「な、なんだよ!?そのスピリット!?」

 

男はゴッド・ゼクスが放つ圧倒的なプレッシャーを前に恐怖を感じていた。

 

「アタックステップ、ゴッド・ゼクスでアタック!」

 

背中のバーニアから青い炎が噴出し、相手へと一気に近づいていく。

 

「ラ、ライフだ!」

 

するとゴッド・ゼクスの背部にある天輪が分かれゴッド・ゼクスの両手に収まる。ゴッド・ゼクスはそれを双剣のように振るいライフを破壊する。

 

(ライフ4→3)

 

「ターンエンド」

「はっ?」

 

青年のターンエンドの宣言に男は素っ頓狂な声をあげた。あれ程圧倒的な存在感を放っていたゴッド・ゼクスだがアタックでライフを一つ削ってお終いというのが意外だったようだ。男は正気を取り戻し笑いだす。

 

「ハハハ!なんだよ脅かしやがって。それで終わりかよ?だったらこのターンで終わりだ!コアステップ、ドローステップ、リフレッシュ「六天連鎖発揮!」!?」

 

青年がいきなり声をあげると、ゴッド・ゼクスの背部の天輪から鎖のようなものが発射され、男のフィールドに存在するスピリット達を縛り付ける。

 

「なっ!?なんでだ!なんで回復しないんだ!?」

「ゴッド・ゼクスの効果、六天連鎖。自分フィールド上に3色以上のシンボルがある間、相手のスピリット、アルティメット全ては回復出来ない」

「なんだと!?」

 

男のフィールドに存在する3体のスピリット、アルティメットは回復出来ない。それはアタックすることは勿論、次のターンアタックをブロック出来ないということだ。

 

「なんだよその効果・・・お前一体なんなんだよ!?」

「お前如きに話す事はない。さぁ、どうする?」

「タ、ターンエンド・・・」

「俺のターン、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップはこのままにアタックステップ。さまよう甲冑、イチバンスピアー、ゴッド・ゼクスでアタック!!」

「うわあぁぁぁぁ!!」

 

3体のスピリットのアタックによって男は残りライフを全てを奪われ敗北した。

 

「つまらん・・・やはりこの程度の相手では話にならん。赤宮 光輝、そして白夜 龍牙、お前達なら俺を満足させてくれそうだ」

 

その後その青年は姿を消した。そこのスタジアムのスタッフによると対戦した男はスタジアムの中で気絶していたらしく、ひどく怯えていたらしい。

 




バトルが少しグダグダになってしまった・・・非力な私を許してくれ・・・

最初はヤマトと乃刃を戦わせる予定だったんですがダブルドライブでノヴァが久しぶりに出てきたのでノヴァ対決にしました。
久しぶりにノヴァやルナテック、カタストロフが出てきて嬉しかったです。異界デッキバトルは私は一回もやったことがないんですがあれ観てやりたいと思いましたね。


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第9話 燃え上がる魂

いつも通り遅くなりました。(オイ

待たせてしまって申し訳有りませんでした!

それではどうぞ!


「見ろ!ブリザ・ライガにアルティメット・オーディンを筆頭に俺の場に揃う6体ものスピリット、アルティメットを!」

「機巧犬キシュー・ドッグを召喚してターンエンド。さぁ、ライフが減ってないから機巧城の効果で2枚ドローしろ!そしてそいつらと一緒に地獄(デッキボトム)へ逝け!」

「なんという卑劣な!」

 

「ヤンオーガLV3にライフチャージを使用!合計コア6個を追加!」

「貴様が行っているコアブーストこそ、緑属性の進化の象徴!だがコアブーストをし続けた緑属性が結局何をした!【タヌグリンの悲劇】を忘れたか!!」

 

「ガウシルヴィアを召喚!」

「ガウシルヴィア?そんなカードお前のデッキに入ってたのか?」

「カードは拾った。俺はどんなカードも大切にする!ガウシルヴィアでアタック!」

「フラッシュタイミング、デスマサカー!ガウシルヴィアを破壊!」

「くっ、やっぱ拾ったカードは弱い!」

 

此処はとあるバトスピショップ。店内がバトスピをやっているバトラー達で賑わっている中、1人の男がシングルカードが販売されているショーケースの前に立っていた。

 

「此処にも対して珍しいカードはねぇか」

 

その男は前に光輝と戦い惜しくも敗れてしまった赤バトラー、火野 恭賀である。

 

「もうちょっとデッキを強化できるカードが欲しかったが・・・仕方ねぇ次行くか」

 

恭賀はそう言うと踵を返しショップから出て行き、次のバトスピショップへと向かおうとした。

 

「うぅ・・・ひっく・・・」

「あん?」

 

声がした方に首を振ると、2人の少年が手にバトスピのカードを持ちながら歩いていた。見ると片方の少年は涙を流し、もう片方の少年がそれを慰めていた。

 

「よぉボウズ。どうしたんだ泣いたりして」

「えっ?」

「あっ!もしかして、火野恭賀!?」

「あぁ、よく知ってるな」

 

2人の少年は互いを見ると頷き合った。

 

「恭賀さん!お願いだ助けてくれ!」

「俺たちのカードを取り返してください!」

 

少年達の言葉に只事ではないと思った恭賀は真剣な眼差しで少年達を見つめる。

 

「・・・何があった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん・・・」

「どうした?太陽君のターンだぜ」

 

同じ頃、別のバトスピショップでは太陽と青山がバトルをしていた。

 

「ここはこのカードを出すべきか・・・いや次のターンのことも考えると・・・」

「なんでもいいから何か召喚したら?」

「嫌だよ。召喚するならなんでもいいなんてないよな光輝」

「まぁそうだな。ちゃんと考えるのはいいことだ」

 

光輝の言葉を聞き再び手札を見る太陽。

 

「あっ、いた!」

「光輝さん!」

「ん?」

 

光輝が振り向くと、4人組の少年達が息を切らしながら近づいてきた。

 

「赤宮 光輝さんだよね」

「あぁ、そうだけど・・・」

「お願いします!俺達を助けてくれ!」

「?」

 

光輝は少年達から事情を聞いた。

 

「カードハンター?」

「隣の町のバトスピショップで三河 零(みかわ れい)っていうバトラーが現れて、片っ端から他のバトラーに勝負を持ちかけてきて負けたバトラーのデッキを奪っているんだ」

「だからカードハンターって呼ばれているのか」

 

少年達から事情を聞いた光輝達。彼らからすればデッキはバトラーの命。三河 大地のやっていることを許すわけにはいかなかった。

 

「ひどいぜ!大切なデッキを奪うなんて!」

「同感だ。つまり君達はその三河って奴を倒せるほどの強いバトラーを探していたってことか?」

 

光輝の言葉に少年達は頷く。

 

「分かった、俺もカードを奪うような奴は許せない。そいつの所へ連れてってくれ」

「本当に!?ありがとう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが三河がいるカードショップか」

 

少年達に案内され、光輝達は隣町のカードショップの前に立っていた。中に入るとフリースペースにはあまり人がいなく、皆おちこんでいるようだった。奥のスタジアムスペースに足を踏み入れると、中央のバトルフィールドにS級バトラーの専用マシーンに乗った少年がいた。

 

「キヒャハハ!どうしたぁ?次に俺に挑む奴はいねぇのか!」

「あいつが三河 零か」

 

その少年、三河 零は両手にバトルで奪ったものであろう何枚ものカードを持っていた。

 

「あいつを倒せばいいんだな?」

「うん、でも気をつけて。あいつもS級バトラーだから強いんだ」

「あぁ、分かってる」

 

光輝がデッキケースからデッキを取り出し、三河の元へ行こうとした時だった。

 

「テメェか?他の連中からカードを奪っているってのは?」

「恭賀!?」

「あん?なんだオメェ?」

 

恭賀はバトルフィールドに降り立ち、三河に自分のデッキを突き出す。

 

「強い奴をお望みなんだろ?だったらこの俺様が相手をしてやるぜ!」

「おやおや、どっかで見たことあると思ったら恭賀君じゃ〜ん?俺とやろうってのか?」

「あぁ。別に負けるのが嫌なら奪ったカード全部置いて逃げたっていいんだぜ」

「へっ、上等だ!ただし俺が勝ったらお前のもつ一番大事なカードを貰うけど?」

「出来るもんならな!」

 

互いに挑発しながら火花を散らす両者。

 

「おい、恭賀!」

「あ?なんだ光輝じゃねぇか。なんでこんなとこにいやがる」

「俺はそいつにカードを奪われた子から頼まれて・・・まさかお前も?」

「まっ、そんな感じだ。悪いがこいつは俺がやらせてもらうぜ。お前も見てやがれ、特別に俺のとっておきを見せてやるからよ」

「とっておき?」

 

そう言い残しフィールドの奥へ歩いて行く恭賀。その会話を聞いていた三河は、

 

「(光輝・・・あいつが真也様が言っていた赤宮 光輝か・・・。よーし、恭賀を倒したら次はあいつだ!)」

 

胸中でそう決め、専用マシーンを呼び出しバトルの準備を整えた恭賀を見据える。

 

「行くぜ三河!」

「キヒャ!来な!」

「「ゲートオープン、界放!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「始まったな」

「・・・・・」

「どうしたんだ?光輝」

「さっき恭賀が言ってたとっておきってのが気になってな」

「新しいカードを入れたのか?」

 

 

 

〜ターン1〜

 

 

 

「まずは俺のターン。スタートステップ、ドローステップ、メインステップ。天使パティエルをLV1(コア1)で召喚!」

手札5→4

リザーブ4→1

トラッシュ0→2

 

三河のフィールドに召喚されたのは背中に羽を生やした白と黄色の衣装を身につけた可愛らしい天使のスピリットだった。

 

 

 

天使パティエル

スピリット(光)

2(1)/黄/天霊

<1>Lv1 3000 <3>Lv2 4000

Lv1・Lv2【強化】

自分の「BP-効果」を-1000する。

シンボル:黄

 

 

 

「これでターンエンド」

 

 

 

〜ターン2〜

 

 

 

「俺のターン!スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ!角タヌをLV2(コア3)、ヤイバードをソウルコアを乗せてLV1(コア S)で召喚!」

手札5→3

リザーブ5→0

トラッシュ0→1

 

恭賀のフィールドに召喚されたのは、額に鋭い角を生やした獣のスピリットに、尾に刀をつけた鳥のスピリットの2体だった。

 

 

 

 

角タヌ

スピリット

0(0)/赤/皇獣

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 5000

シンボル:赤

 

ヤイバード

スピリット

2(1)/赤/皇獣

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000 <4>Lv3 4000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの破壊時』

このスピリットに[ソウルコア]が置かれているとき、BP6000以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

シンボル:赤

 

 

 

 

「アタックステップ!ヤイバードでアタックだ!」

「ライフで受ける!」

 

三河

ライフ5→4

リザーブ1→2

 

「ターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン3〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!さぁ行くぜ?オリンピアの天使ハギトを召喚(コア1)!」

手札5→4

リザーブ5→0

トラッシュ0→4

 

三河のフィールドに頭にウサ耳をつけ両手にトランプのカードを持ったバニーガールのようなスピリットが現れた。

 

 

 

オリンピアの天使ハギト

スピリット

5(3)/黄/天霊・四道

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 5000 

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分のバースト1つをオープンできる。

そのカードがマジックカードのとき自分の手札に戻す。

他のカードのときは破棄する。

Lv2『相手のアタックステップ』

コスト2/4/6/8の相手のスピリットはアタックできない。

シンボル:黄

 

 

 

「バーストをセット(手札4→3)!アタックステップ!行けハギト!アタックだ!」

「ライフで受けるぜ!」

 

恭賀

ライフ5→4

リザーブ0→1

 

「これで同点、ターンエンドだ」

 

三河がターンを終える。バトルは互いにライフを1つずつ削り、互いに2体のスピリットが並んでいる。

 

「なぁ光輝。三河の使ってるスピリットって強いのか?」

「今の状況では強いという訳じゃないな。BPが低いと赤属性相手には少し厳しいからな」

「じゃあ恭賀の方が有利なんだ!」

「!」

 

今の会話を聞いていた三河が目を鋭くする。

 

「あぁ〜あ、これだからなんも知らねぇど素人は困るんだよなぁ〜」

「ど素人だと!」

「お前ら気づいていねぇようだなぁ?このオリンピアの天使ハギトの能力が」

「えっ!?あのスピリットそんなに凄いのか?」

「まぁLV2になればロック効果を発揮するけど・・・」

「いいだろう。このハギトの能力を教えてやる。それは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キュートなウサ耳!!!バリボーな胸!!!プリティーなお尻!!!そしてビューティフルな太もも!!!俺様の疲労しきった魂を癒すうう〜!!!最ッ強ォの効果があああっ!!!!!」

 

三河は目を見開いてスタジアム全体に響くほどの大声でアギトの能力(?)を解説した。

 

「・・・えっ?そこ?」

「効果じゃなくて見た目で選んだってことか?」

「サイテー・・・」

「・・・分かる気がするな」

「おい慎吾」

 

慎吾の言葉に光輝はツッコむ。

 

 

 

〜ターン4〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!角タヌをLV1にダウン(コア3→1)。ヤイバードのソウルコアをリザーブのコアとチェンジ!(コアS→コア1)ソウルコアをコストにサンゾック・ベアを召喚(コア1)!」

手札4→3

リザーブ5→1

トラッシュ0→3

 

フィールドに召喚されたのは赤色の体を持ち右手に斧を、左手には鍵爪を装備した熊のスピリットだ。

 

 

 

サンゾック・ベア

スピリット

5(3)/赤/皇獣

<1>Lv1 4000 <3>Lv2 6000 <4>Lv3 8000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

召喚コストに[ソウルコア]を使用していたら、さらに、BP5000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

シンボル:赤

 

 

 

「召喚時効果発揮!ソウルコアをコストに支払ったことで、BP5000以下の相手スピリット2体を破壊する!」

 

サンゾック・ベアの両手から炎が放たれ、パティエルとアギトを焼き尽くす。

 

「ぴぎゃぁぁぁぁぁあああ〜っ!!!パティエルゥ〜!!アギトオォォォォォォォ!!」

 

2体のスピリットを破壊された三河は声をかけて発狂した。

 

「アタックステップ!サンゾック・ベアでアタック!」

「ライフだ!」

 

サンゾック・ベアの斧の一振りが三河のライフを削る。

 

三河

ライフ4→3

リザーブ2→3

 

「ちくしょう!ライフ減少によりバースト発動!アルティメット・カグヤ!」

 

三河のフィールドにかぐや姫を思わせる姿をしたアルティメットが半透明の姿で現れた。

 

 

 

 

アルティメット・カグヤ

アルティメット

6(3)/黄/新生・想獣

<1>Lv3 8000 <2>Lv4 12000 <5>Lv5 20000

【召喚条件:自分の黄スピリット/アルティメット1体以上】

【バースト:自分のライフ減少後】

ボイドからコア1個を自分のライフに置く。

このターンの間、相手のスピリットすべてはアタックできない。

この効果発揮後、このアルティメットカードを召喚する。

【Uトリガー】Lv4・Lv5『このアルティメットのアタック時』

Uトリガーがヒットしたとき、Lv2の相手のスピリットすべてを手札に戻す。

この効果でスピリットを手札に戻したら、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

(Uトリガー:相手のデッキの1枚目をトラッシュに置く。そのカードのコストが、このアルティメットより低ければヒットとする)

シンボル:極

 

 

 

「バースト効果でボイドからコア1個をライフに置く(ライフ3→4)!更にこのターンお前のスピリットはアタック出来ない!」

「本来なら召喚できるはずだったが黄のスピリットがいねぇから召喚条件は満たしてねぇな。ま、これでターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン5〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!ネクサス、華黄の城門を配置!」

手札4→3

リザーブ8→5

トラッシュ0→3

 

三河の場に屋根の上に巨大な向日葵の花がついた小さな城が出現した。

 

 

 

華黄の城門

ネクサス

3(2)/黄

<0>Lv1 <2>Lv2

Lv1・Lv2『自分のスタートステップ』

自分の手札にあるスピリットカード/マジックカード1枚をオープンして手元に置くことで、自分はデッキから1枚ドローする。

オープンしたスピリットカード/マジックカードは、ゲーム終了時まで、手札にあるときと同様に使用できる。

Lv2『相手のターン』

スピリット/アルティメット/マジックの効果で回復した赤/緑/青のスピリット/アルティメットすべてを破壊する。

シンボル:黄

 

 

 

「マジック、双翼乱舞を使用!デッキから2枚ドロー!」

手札2→4

リザーブ5→1

トラッシュ3→7

 

「んだよ、赤のカードも入れてんのか?」

「まぁね。更にバーストをセット!(手札4→3)これでターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン6〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!サンゾック・ベアをLV3にアップ(コア1→4)。ソウルコアをコストにマジック、ソウルドローを使用!デッキから3枚ドローする!」

手札3→6

リザーブ5→0

トラッシュ0→2

 

 

 

ソウルドロー

マジック

5(3)/赤

メイン:

自分はデッキから2枚ドローする。

コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、さらに、自分はデッキから1枚ドローする。

フラッシュ:

このターンの間、スピリット1体をBP+4000する。

 

 

 

「アタックステップ!ヤイバードでアタックだ!」

「ライフで受ける!」

三河

ライフ4→3

リザーブ1→2

 

ヤイバードによってライフを削られた三河はその顔を不敵な笑みを浮かべる。

 

「ライフ減少によりバースト発動!自分のライフが3以下の時、相手のスピリット全てをBP−10000!そしてBPが0になったスピリットを全て破壊する!」

 

オープンされたバーストから黄色の閃光が恭賀のスピリット全てを包み込み、光に包まれたスピリット達の体は全て爆散してしまう。

 

「なんだと!?」

「効果発揮後、このスピリット召喚する!全力全開!魔砲の力をここに!砲天使カノンをLV2で召喚(コア2)!!」

 

フィールドの上空に黄色のシンボルが出現し、砕ける。その砕けたシンボルから体の左右に巨大なビーム砲を装着した少女が三河のフィールドに降り立った。

 

 

 

砲天使カノン

スピリット

8(4)/黄/星将・天霊

<1>Lv1 6000 <2>Lv2 7000 <3>Lv3 10000

【バースト:自分のライフ減少後】

自分のライフが3以下のとき、このターンの間、相手のスピリット/アルティメットすべてをBP-10000する。

この効果でBP0になったスピリット/アルティメットすべてを破壊する。

この効果発揮後、このスピリットカードを召喚する。

Lv2・Lv3

相手のスピリット/アルティメットがBP0になったとき、そのスピリット/アルティメットすべてを破壊する。

シンボル:黄

 

 

 

「恭賀のスピリットが全滅だ・・・!」

「マズイぞ、これで恭賀を守るスピリットはいなくなった」

「ちぃっ!ターンエンドだ!」

 

 

 

〜ターン7〜

 

 

 

「スタートステップ!ここでネクサス、華黄の城門のLV1の効果発揮!自分の手札にあるスピリットカード/マジックカード1枚をオープンして手元に置くことで、デッキから1枚ドローする。手札の天使スピエルをオープンして1枚ドロー!コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!砲天使カノンをLV1にダウン(コア2→1)、オープンした天使スピエルをLV1で召喚(コア1)!更に、導化姫トリックスターをLV2で召喚(コア3)!」

手札4→2

リザーブ9→0

トラッシュ0→5

 

純白の翼を持ち黒い神官の服を着た天使と、左手に魔法杖を持った可愛らしい容姿のスピリットが新たに召喚された。

 

 

 

天使スピエル

スピリット(光)

0(0)/黄/天霊

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 2000

Lv1・Lv2【強化】

自分の「BP-効果」を-1000する。

シンボル:黄

 

 

 

導化姫トリックスター

スピリット(制限1カード)

7(5)/黄/道化・導魔

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分はデッキから1枚ドローし、自分のトラッシュにあるカード1枚を手札に戻す。

Lv2『このスピリットのブロック時』

バトルしている回復状態の相手のスピリット1体を破壊する。

シンボル:黄

 

 

 

「おぉっ!トリックスターも入れてるのか!あいつとは気が合いそうだな」

「慎吾・・・邪魔だよ」

「導化姫トリックスターの召喚時効果発揮!1枚ドローし、トラッシュのカード1枚を手札に戻す!アルティメット・カグヤを手札に戻す!」

手札2→4

 

「アルティメットが手札に!」

「バーストをセット(手札4→3)!アタックステップ!トリックスターちゃん、ど〜んとやっちゃって〜!」

 

三河の宣言と共にトリックスターは杖を片手持ちから両手持ちに変え恭賀に迫る。

 

「へっ!この程度で俺が怯むとおもってやがるのか!フラッシュタイミング!マジック、焔大傾奇(ほむらおおかぶき)!合計BP7000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する!」

手札6→5

リザーブ6→1

トラッシュ2→7

 

 

焔大傾奇

マジック

5(2)/赤

フラッシュ:

BP合計7000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する。

コストの支払いに[ソウルコア]を使用していたら、この効果で破壊した相手のスピリット1体につき、

系統:「皇獣」を持つ自分のスピリット/アルティメット1体を回復させる。

 

 

 

フィールドに炎が噴き上がりその炎は獣の姿へと変化し三河のフィールドの砲天使カノンと天使スピエル、BP7000分のスピリットを破壊した。

 

「あああああぁぁぁ!!!スピエルちゃああああん!!カノンちゃああああん!!ハルトォォォォォォォォォォォ!!」

「トリックスターのアタックはライフで受ける!」

恭賀

ライフ4→3

リザーブ1→2

 

「アンチキショウ!ターンエンドだ!」

 

 

 

〜ターン8〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!角タヌとヤイバードをLV1(コア1)で召喚!更にもう1体!炎を司りし、紅蓮の皇!炎皇帝アグニフォンをLV1(コア1)で召喚!!」

手札6→3

リザーブ10→1

トラッシュ0→6

 

突如地響きがなり、中央に炎に包まれた祭壇が地面を突き破って現れる。炎のなかから赤い翼を広げ発生した風が炎を消し去り、アグニフォンが祭壇から恭賀の場に降り立った。

 

 

 

炎皇帝アグニフォン

スピリット

7(赤3青3)/赤/皇獣

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000 <5>Lv3 9000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

自分のトラッシュにあるコア2個を自分のスピリット1体の上に置く。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

系統:「皇獣」を持つ自分のスピリットすべてのシンボルを、そのスピリットが持つシンボルと同じ色のシンボル2つにする。

シンボル:赤

 

 

 

「アタックステップ!行けアグニフォン!アタック時効果発揮!トラッシュのコア2個を自分のスピリット1体に置く!アグニフォンに置いてLV2(コア1→3)(トラッシュ6→4)にアップ!更にアグニフォンのLV2効果!アタックステップ中に系統:「皇獣」を持つ自分のスピリット全てのシンボルをそのスピリットが持つ同じ色のシンボル2つ、つまりダブルシンボルにする!!」

 

角タヌ 赤→赤赤

ヤイバード 赤→赤赤

炎皇帝アグニフォン 赤→赤赤

 

「ライフで受ける!」

三河

ライフ3→1

リザーブ2→4

 

「ライフ減少によりバースト発動!アルティメット・カグヤ!バースト効果でライフを1つ回復(ライフ1→2)!そして今回は黄のスピリットである導化姫トリックスターがいるので、コストを支払わずに召喚する!月夜の化身ここに降臨!アルティメット・カグヤLV4(コア2)で召喚!」

 

フィールドが暗闇に包まれ上空の満月から人間の女性の顔に桃色の羽に鳥を思わせる脚部を持ったアルティメット・カグヤが降臨する。

 

「アルティメット・カグヤの効果でお前のスピリットはこのターンもうアタックできないぜ!」

「ターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン9〜

 

 

 

「スタートステップ、華黄の城門の効果で手札のオリンピアの天使長オフィエルをオープンして1枚ドロー!コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!バーストをセット(手札4→3)!天使スピエルをLV1で召喚(コア1)!更に、手元のオリンピアの天使長オフィエルをLV1で召喚!」

手札3→2

リザーブ8→0

トラッシュ0→6

 

天使スピエルと共に、まるで水のような衣装を身につけた天使の長が召喚された。

 

 

 

オリンピアの天使長オフィエル

スピリット

8(4)/黄/天霊

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 7000 <5>Lv3 8000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分のバースト1つを破棄することで、自分のライフが5になるように、ボイドからコアを置く。

Lv3

カード名に「オリンピア」と入っている自分のスピリットすべてに

“『このスピリットのバトル時』相手のスピリットすべてをLv1として扱う”を与える。

シンボル:黄

 

 

 

「オフィエルの召喚時効果発揮!自分のバーストを破棄することで自分のライフが5になるようにボイドからコアを置く!」

「何!?」

 

三河の伏せたバースト、シンフォニックバーストが破棄されライフが完全に回復する。

 

三河

ライフ2→5

 

「さぁ〜て、そろそろ終わりにしてやるか。アタックステップ!アルティメット・カグヤでアタック!Uトリガー、ロックオン!」

「コスト4、ドス・モンキだ!」

「ヒット!これにより、相手のLV2のスピリットを全て手札に戻す!」

手札3→4

 

アルティメット・カグヤが恭賀のスピリットに向かって閃光を放つ。恭賀のフィールドにいるLV2のスピリットはアグニフォン1体。よってアグニフォンは手札に戻ってしまった。

 

「更に更に〜!この効果でスピリットを手札に戻した時、豪華特典として相手のライフを1つリザーブに置く!」

「ぐっ!」

恭賀

ライフ3→2

リザーブ4→5

 

「まだだ!フラッシュタイミング!マジック、ドラゴニックウォール!角タヌを破壊し、このバトル終了時にアタックステップを終了させる!」

手札4→3

リザーブ5→4

トラッシュ4→6

 

 

 

ドラゴニックウォール

マジック

4(赤2極1)/赤

【バースト:相手のスピリット/アルティメットのアタック後】

このターンの間、自分のスピリット/アルティメット1体をBP+5000する。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

自分の赤のスピリット1体を破壊することで、このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。

この効果は、『相手のアタックステップ』でしか使えない。

 

 

 

「アルティメット・カグヤのアタックはライフで受ける!」

恭賀

ライフ2→1

リザーブ4→5

 

アルティメット・カグヤのアタックが終了すると同時に炎が恭賀を守るかのように周りに発生する。

 

「チッ、ターンエンド」

 

 

 

〜ターン10〜

 

 

 

「・・・・・」

「あれ?どうしたの?お前のターンだけど?あ、そっか。もう勝てないから諦めたんだね」

「光輝、恭賀かなりヤバいんじゃ・・・」

「確かに恭賀の場にいるのはヤイバード1体、ライフも1つだ」

「三河はオフィエルの効果でライフは5、それに3体のスピリットにアルティメットまでいる。さすがにこの状況じゃあな・・・」

 

光輝と慎吾、それに太陽達も今の状況を見て恭賀の勝利は絶望的だと思っている。

 

「ほらほら、どうせ何やってもムダなんだからさっさとステップ進めてターンエンドしてくんない?時間が勿体無いじゃん」

「・・・ざけんな」

「はっ?」

「テメェがどんだけ有利だろうが、どんだけくだらねぇ事言おうが、俺は最後まで戦うだけだ!!」

「ハァ?お前今の状況わかってんの?」

「それがどうしたぁ!ライフが0になってねぇなら、俺のやる事は変わらねぇ!!スタートステップ!コアステップ!」

 

恭賀はコアステップまで進め、自分のデッキの上に手を置く。

 

「このドローは激しく重いぜ・・・だが俺は引く!たとえこの指が、ペッキリ折れようと!!見せてやるぜ!俺の烈火の如く燃え上がるバトスピ魂!!ドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロトロドロドロドロドロトトロドロドロドロドロドロドロ・・・ドロォオーーーーーッ!!」

 

恭賀はドローしたカードを見据えると、笑みを浮かべた。

 

「来やがったぜ、俺の新たな切り札がなぁ!まずはコレオンをLV1(コア1)で召喚!」

手札4→3

リザーブ12→11

 

恭賀のフィールドに召喚されたのは白い体毛をした猫のようなスピリットだった。

 

 

 

コレオン

スピリット

0(0)/赤/皇獣

<1>Lv1 1000 <2>Lv2 3000 <5>Lv3 6000

Lv1・Lv2・Lv3『自分のメインステップ』

自分の手札にある系統:「神皇」を持つスピリットカードを召喚するとき、そのコストを-1する。

シンボル:赤

 

 

 

「わぁ!可愛い〜」

「あれが切り札?」

「いや、違うと思うけど・・・」

 

光輝達がそう話しているうちに、恭賀は手札の3枚の内1枚を手に取る。

 

「コレオンの効果で、手札のこのスピリットのコストを1つ下げる!見てやがれ光輝!こいつが俺の新しい相棒だ!赤き神皇よ!灼熱の炎と共に大地を、天を駆け上がれ!午の十二神皇エグゼシードをLV1(コア S)で召喚!!」

手札3→2

リザーブ11→5

トラッシュ0→5

 

突如フィールドの中心に午の文字が浮かび上がり、そこから炎が螺旋状となって天空にあがる。そしてその螺旋状の炎の中を炎を纏いながら1体のスピリットが地面へと駆け抜け恭賀の元へ降り立つと纏っていた炎が散り、その姿が露わになった。

 

 

 

午の十二神皇エグゼシード

スピリット

8(4)/赤/神皇・皇獣

<1>Lv1 15000 <3>Lv2 20000 <4>Lv3 25000 <12>Lv4 35000

Lv1・Lv2・Lv3・Lv4《封印》『このスピリットのアタック時』

このスピリットの[ソウルコア]を自分のライフに置ける。

《封印時》Lv1・Lv2・Lv3・Lv4

系統:「神皇」/「十冠」を持つ自分のスピリットすべてに

“【走破】『このスピリットのアタック時』相手のスピリット/アルティメット1体を指定してアタックできる。

ブロックされたバトルの終了時、このスピリットのシンボル1つにつき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く”を与える。

Lv2・Lv3・Lv4『このスピリットのアタック時』

BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊できる。

シンボル:赤赤

 

 

 

「何ィ!?」

「午の十二神皇エグゼシード!?」

「スゲェ・・・!」

 

エグゼシードを初めて目にした光輝達はその姿に目を奪われていた。

 

「まだだ!これが最後の1枚だ!宇宙の力を秘めし赤き鎧!裏12宮ブレイヴ、金牛星鎧ブレイヴタウラスを召喚(コア1)!」

手札2→1

リザーブ5→1

トラッシュ5→8

 

上空から炎の玉がフィールドに落下し、そこから牛の姿をした裏12宮ブレイヴ姿を現した。

 

 

 

金牛星鎧ブレイヴタウラス

ブレイヴ

6(3)/赤/皇獣・光導

<1>Lv1 5000 <0>合体+3000

合体条件:星将/コスト8

【合体時】【真・激突】『このスピリットのアタック時』

相手は可能ならスピリット/アルティメットでブロックする。

【合体時】『このスピリットのアタック時』

ブロックした相手のスピリット/アルティメットとシンボルの数を比べ、

多かった自分のシンボル1つにつき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:赤

 

 

 

「金牛星鎧ブレイヴタウラスを、牛の十二神皇エグゼシードに合体だ!」

 

ブレイヴタウラスの体が分離し、エグゼシードの周りを浮遊する。浮遊した赤の鎧はエグゼシードの顔、体、脚に装着された。裏12宮ブレイヴの力を身につけた十二神皇は、真紅の鎧に包まれたその体を震わせ、気高き声を上げた。

 

合体スピリット(コア1+S)

コスト8+6=14

BP15000+3000=18000

赤赤→赤赤赤

 

「アタックステップ!行け!エグゼシード!」

 

恭賀の声と共にエグゼシードが三河に向かって走り出す。それと同時にエグゼシードの上のソウルコアが光り出す。

 

「見せてやるぜ十二神皇の力!エグゼシードのアタック時効果【封印】!!エグゼシードのソウルコアを俺のライフに!!」

「「「「「「!?」」」」」」

「何!?ソウルコアはライフに置くことは出来ないのではないのか!?」

 

恭賀

ライフ1→2(封)

 

「封印したことで、エグゼシードの封印時の効果発揮!【走破】!!」

「【走破】!?」

「相手のスピリット、アルティメット1体に指定アタックする!テメェだアルティメット・カグヤ!!」

 

エグゼシードがアルティメット・カグヤへと駆け出す。それと同時にエグゼシードの背後に赤のシンボルが3つ出現した。

 

「ブレイヴタウラスの合体時効果!相手のスピリット、アルティメットにブロックされた時、シンボルの数を比べ多かったシンボル1つにつき相手のライフをリザーブに置く!アルティメット・カグヤのシンボルは1つ!エグゼシードはダブルシンボルに加えブレイヴタウラスのシンボルも追加されていることでトリプルシンボルだ!その差は2!よってライフを2つ破壊する!」

 

エグゼシードのシンボルの1つがアルティメット・カグヤのシンボルと一緒に掻き消され、残り2つのシンボルが三河のライフを破壊する。

 

「ぶべらぁ!」

三河

ライフ5→3

リザーブ0→2

 

アルティメット・カグヤは無数の光の矢をエグゼシードに放つがエグゼシードはそれを目にも留まらぬ速さで躱す。そしてそのまま炎を纏い頭部の角をアルティメット・カグヤの体に突き刺し、アルティメット・カグヤは爆発四散する。だがそれに留まらずエグゼシードは爆炎の中から姿を現わすと今度は三河へと駆け出す。

 

「【走破】の効果!バトル終了時にエグゼシードのシンボルの数だけ相手のライフをリザーブに置く!!」

「ハァッ!?・・・て、事は・・・?」

「エグゼシードはトリプルシンボル!テメェの残りライフ3つも頂きだぁ!!」

 

エグゼシードは炎を纏った角を三河へと突き出し、残り3つのライフ全てを破壊する。

 

「ギエピー!!」

三河

ライフ3→0

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょー!!覚えてやがれ!!」

 

三河はバトラー達から奪ったカード全てを置いていき逃げ去っていった。

 

「勝っちまった・・・」

「まさか一度のアタックでライフ5つ全部奪うとは・・・」

「午の十二神皇エグゼシード・・・」

 

三河に勝利した恭賀は、観客席の光輝へと目をやった。

 

「見たか光輝。こいつが俺の新しい相棒の力だ。俺もチャンピオンシップに出場する。そこでもう一度戦おうじゃねぇか。俺のエグゼシードはお前にだって負けねぇ!」

「あぁ、望むところだ!俺も負けない!お前にも、エグゼシードにもな!」

 

光輝と恭賀。2人の赤バトラーは再び戦うことを誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「真也様」

「聖奈か。どうした?」

 

場所は変わって、ここはとある建物の部屋。そこには白い髪をした女性、霧島 聖奈(きりしま せいな)。そして聖奈が話しかけている黒髪の青年、黒宮 真也(くろみや しんや)の2人の姿があった。

 

「報告したいことが・・・」

「あぁ、分かっている。零が負けたのだろう?火野 恭賀に」

 

真也の言葉に聖奈は頷く。

 

「零がやられたようだな・・・」

「クックック、だが奴は所詮我々の中では最弱・・・」

「無様にやられるとは我らの面汚し・・・」

「零・・・やられちゃった」

 

聖奈の後ろでは暗闇に顔を隠した3人の男と1人の少女がたたずんでいた。

 

「いや、零もよくやった。それに恭賀もそれ程の力を持っていたという事だ」

「さすがは真也様・・・寛大なお方だ」

「面白いじゃないか。光輝や龍牙だけでなく他のバトラーも強さを増している。それでこそ俺も本気で楽しむ事ができる」

 

真也は懐から1枚のカードを取り出し、笑みを浮かべる。

 

「お前もそう思うだろう?ゴッド・ゼクス」

 

 

 

天魔王ゴッド・ゼクス

スピリット

8(白2紫2赤2)/赤紫緑白黄青/天魔王

<1>Lv1 10000 <2>Lv2 12000 <5>Lv3 18000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットは、相手のスピリット/マジックの効果を受けない。

【六天連鎖:条件《シンボル3色》】

自分のシンボルが3色以上ある間、相手のスピリットとアルティメットすべては回復できない。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

このスピリットに[ソウルコア]が置かれている間、色を2色以上持つ自分のスピリットがアタックしたとき、

相手のスピリット/アルティメットのコア2個を相手のトラッシュに置く。

シンボル:白

 

 




ブレイヴタウラス「俺は悪くねえぞ!だって師匠(エグゼシード)がやれって言ったんだ!こんなこと(1キル)になるなんて知らなかった!誰も教えてくんなかっただろっ!俺は悪くねえっ!俺は悪くねえっ!」

と言うわけでエグゼシード無双回でした。エグゼシードに限らず十二神皇ってみんなおかしいですよねw

第2章も4box買ってとりあえずウロヴォリアスを3枚いれた死竜デッキも作りました。あと増殖デッキがすごい楽しいですw

シロナガス「ウロヴォリアスがコアを外すなら、皆死ぬしかないじゃない!(自分以外)」


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第10話 圧倒的な力!魔王と魔神

ホンッッッッッッッッッットに申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁ!!

書く暇がなくて気づけば早4ヶ月・・・待っていた皆様本当に申し訳ありません!


こんな亀更新小説ですがどうかこれからもよろしくお願い致します!


では10話です!


バッキィィィン

「ぐうぅ!」

「フン・・・」

 

光輝達が通っているカードショップのスタジアム。そこでは1人の男と黒い服装に身を包んだ青年がバトルをしていた。だが男のライフはすでに1つ。ブロッカーも存在せず、対する青年の場にはまだアタック出来るスピリットが3体おり、勝負はみえていた。

 

「大口叩いておいてこの程度とは話にならんな。イチバンスピアー、やれ!」

 

青年の場のスピリット、イチバンスピアー青年の声に応えるように突撃していき、男の最後のライフを砕いた。

 

「ウワァァァァァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ〜、終わった終わった。明日行けば夏休みだな」

「あぁ、そうだな」

 

場所は変わって光輝達が通う学校。既に放課後になり光輝と慎吾はショップに向かおうとしていた。

 

「でもこの夏休み中にチャンピオンシップの予選が始まる。龍牙と戦うためにも、ちゃんとデッキ調整しないとな」

「気合い入ってるじゃねぇか。ん?おいアレ太陽君じゃないか?」

「えっ?」

 

光輝が校門に目をやるとそこには太陽がいた。

 

「お〜い、どうしたんだ?」

「あっ!光輝!慎吾!」

「俺達のこと待ってたのか?」

「あぁ!今すぐショップに来てくれ!」

「「?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでどうしたんだ?学校まで来て、何があったんだ?」

「大変なんだよ!俺達がショップにいたらいきなり黒宮 真也ってバトラーが来たんだ」

「黒宮 真也?」

「あぁ、ソイツ物凄く強い奴なんだよ!しかも光輝と同じS級バトラーで、ショップにいた腕利きのバトラーを片っ端から倒して、1番強いバトラーを出せって言ってるんだ」

「成る程ね。黒宮 真也か・・・光輝知ってるか?」

「いや、俺の知ってる限りじゃ聞いた事ないな」

 

走りながら話している間に、光輝達は目的地のショップにたどり着いた。中に入ると翔太、大介、梨花の3人が待っていた。

 

「あっ!来た!」

「やぁ3人共。お待たせ」

「ハァ、ハァ、黒宮真也は?」

「スタジアムにいるよ。さっきもバトルを挑んだバトラーがいたけど、あっけなくやられちゃったよ」

 

大介の言葉を聞き、光輝はスタジアムへと足を運ぶ。中を見ると客席に負けたのであろう数人のバトラーが落ち込んだように座り込んでいた。バトルフィールドに目をやると、フード付きの黒いパーカーを着込んだ青年が腕を組み佇んでいた。

 

「あれが黒宮 真也か?」

「うん」

 

頷く太陽を見て、光輝は真也を見据える。すると視線に気づいたのか真也も光輝の方へと目を向けると、一度目を見開くと笑みを浮かべた。

 

「待っていたぞ。赤宮 光輝」

「!俺の事知っているのか」

「あぁ、お前を待っていた。さっきまで雑魚共と遊んでいたが、もう飽きた。俺の名は黒宮 真也。お前にバトルを挑む」

 

光輝は鞄からデッキケースを取り出すと、真也の待っているバトルフィールドに降り立つ。

 

「俺はお前が誰かは分からないが、バトルなら受けて立つ」

「そうこなくてはな」

 

真也は笑みを浮かべ、腕に装着している黒いデッキケースを手に取った。

 

「我がもとに来い!魔王剣!」

「来い!覇龍翼!」

 

上空から降り立った覇龍翼に、黒い機体に後部に赤黒い天輪が備わった魔王剣がフィールドに降り立ち、両者はそれぞれのマシーンに飛び乗る。

 

「「ゲートオープン、界放!」」

 

 

 

 

 

 

 

〜ターン1〜

 

 

 

「スタートステップ!ドローステップ、メインステップ!ブレイドラをLV3(3)で召喚してターンエンドだ」

手札5→4

リザーブ4→1

 

フィールドにドラゴンの幼体を思わせるスピリットが召喚され、可愛らしい声をあげた。

 

「ひとつ聞かせてもらう。お前は火野恭賀がどこにいるか知っているか?」

「恭賀?いや、悪いがどこにいるかまでは知らないな」

「そうか、残念だ。零を倒すほどのやつだから是非とも顔を合わせたかったが」

「零だと?お前三河零の知り合いなのか?」

「そう受け取ってもらって構わん。カードハンターなどと下らんことをしていた事は奴に代わって詫びよう。まぁ恭賀がいなくても、俺のやることは変わらん」

 

 

 

〜ターン2〜

 

 

 

「スタートステップ。コアステップ、ドローステップ、メインステップ。召喚、イチバンスピアーをLV2(2)だ」

手札5→4

リザーブ5→1

トラッシュ0→2

 

真也のフィールドに白と青を基調とした体に自身の身の丈ほどあるスピアーを持ったスピリットが現れる。

 

 

 

イチバンスピアー

スピリット

2(白1赤1紫1)/白/機巧・武装

<1>Lv1 3000 <2>Lv2 4000

Lv1・Lv2

このスピリットの色とシンボルは赤としても扱う。

Lv1・Lv2

自分の手札にある[天魔王ゴッド・ゼクス]すべてをコスト6にする。

Lv2【超装甲:赤/白/青】

このスピリットは、相手の赤/白/青のスピリット/アルティメット/ネクサス/マジックの効果を受けない。

シンボル:白

 

 

 

「白のスピリットか」

「ターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン3〜

 

 

 

「俺のターン。コアステップ、ドローステップ、メインステップ。ブレイドラをLV2にダウン(3→2)して、ワン・ケンゴーを召喚(S)!」

手札5→4

リザーブ2→0

トラッシュ0→2

 

次に現れたのは頭部に刀を備えた赤い体毛を持つ犬のスピリット、ワン・ケンゴーである。

「バーストセット(手札4→3)!ワン・ケンゴーの効果によりバーストをセットしている間このスピリットをLV3として扱う。アタックステップ!ワン・ケンゴーでアタック!LV3効果により【激突】だ!」

「LV2のイチバンスピアーは【超装甲:赤/白/青】を持っている。よって【激突】は効かん」

 

イチバンスピアーが槍を掲げると周りに自身を守るように赤いバリアが張られた。

 

「ライフで受ける」

ライフ5→4

リザーブ1→2

 

「ターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン4〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。さまよう甲冑をLV1(S)で召喚」

手札5→4

リザーブ5→2

トラッシュ0→2

 

続いて真也のフィールドには紫の鎧を身にまとった赤いひとつ目を不気味に輝かせる落ち武者のようなスピリットだった。

 

 

 

さまよう甲冑

スピリット

3(紫1白1)/紫/魔影

<1>Lv1 2000 <3>Lv2 3000

Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv1・Lv2

このスピリットの色とシンボルは白としても扱う。

シンボル:紫

 

 

 

「紫のスピリットだ!」

「彼奴、白と紫の混色デッキか!?」

「まぁ相性がいい色同士だからな。それにしてもさまよう甲冑ねぇ・・・なんかドラ○エを思い出す名前だな」

 

慎吾の言葉にはあえて突っ込まないでおこう。

 

「さまよう甲冑の召喚時効果発揮。デッキからカードを1枚ドローする(手札4→5)。更にネクサス、旅団の摩天楼をLV1で配置する」

手札5→4

リザーブ2→0

トラッシュ2→4

 

真也の後ろに不気味な雰囲気を漂わせた巨大な建造物が出現した。

 

 

 

旅団の摩天楼

ネクサス

3(2)/紫

<0>Lv1 <2>Lv2

Lv1・Lv2『このネクサスの配置時』

自分はデッキから1枚ドローする。

Lv2『自分のアタックステップ』

系統:「無魔」を持つ自分のスピリットがアタックしたとき、相手のスピリットのコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:紫

 

 

 

「旅団の摩天楼の配置時効果発揮。カードを1枚ドローする(手札4→5)。更にバーストをセット(手札5→4)し、アタックステップに入る。さまよう甲冑でアタック」

「ライフで受ける!」

ライフ5→4

リザーブ0→1

 

さまよう甲冑の持つ刀が光輝のライフを砕いた。

 

「ターンエンド」

 

 

 

〜ターン5〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!六分儀剣のルリ・オーサをLV1(1)で召喚!召喚時効果発揮!ボイドからコア1個ずつを自分の赤のスピリット2体に置く」

手札5→4

リザーブ4→0

トラッシュ0→3

 

ブレイドラ(2→3)LV2→LV3

ワン・ケンゴー(S→S+1)

 

「ワン・ケンゴーのSコア(1+S→1)をルリ・オーサに移動してLV2(1→S+1)にアップ!アタックステップ!ルリ・オーサでアタック!」

「イチバンスピアーでブロックだ」

 

イチバンスピアーは槍を突き出してルリ・オーサへ向かうが、ルリ・オーサは体を捻らせ槍を紙一重で躱し、イチバンスピアーの背後を取ってその体を切り裂いた。

 

「相手によるスピリット破壊により、バースト発動!大龍城・本丸!バースト効果によりBP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する!」

 

表向きになったバーストカードから火球が飛び出し、その火球はワン・ケンゴーへと向かって行き、そのままワン・ケンゴーを焼き尽くす。

 

「効果発揮後、このネクサスをLV2(2)で配置する」

 

旅団の摩天楼と並ぶように現れたのは、四足歩行で歩く龍であった。しかしその体は正に城そのものであり、それは意志を持っているかの如く動いており、まるでハ○ルの城のようである。

 

 

 

大龍城・本丸

ネクサス

6(3)/赤

<0>Lv1 <2>Lv2

【Sバースト:相手による自分のスピリット消滅/破壊後】

BP10000以下の相手のスピリット1体を破壊する。

この効果発揮後、このネクサスカードをコストを支払わずに配置する。

Lv1・Lv2『自分のアタックステップ』

自分のスピリットすべてをBP+3000する。

Lv2『自分のドローステップ』

ドローの枚数を+1枚する。

シンボル:赤赤

 

 

 

 

「今度は赤のカードだ!」

「彼奴・・・ただの白紫のデッキじゃないな」

「・・・ターンエンド」

 

 

 

〜ターン6〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、ここで大龍城・本丸LV2の効果によりドローするカードを1枚増やす。リフレッシュステップ、メインステップ。イチバンスピアーをLV2(2)で召喚。さまよう甲冑をLV2(2+S)にアップ」

手札6→5

リザーブ5→1

 

「バーストをセット(手札5→4)してターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン7〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!マジック、双翼乱舞!デッキから2枚ドロー(手札4→6)!更にバーストセット(手札6→5)!アタックステップ!ルリ・オーサでアタック!」

「ライフで受ける」

ライフ4→3

リザーブ1→2

 

「・・・・・」

「バーストは動かないか。ターンエンド」

 

 

 

〜ターン8〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。もう一体さまよう甲冑をLV1(1)で召喚。召喚時効果で1枚ドロー(手札5→6)する。アタックステップ、イチバンスピアーでアタック!」

「ライフで受ける!」

ライフ4→3

リザーブ3→4

 

「ライフ減少によりバースト発動!」

 

光輝のバーストカードが表向きになり、そのカードから火柱が上がる。

 

「自分のライフが3以下の時、BP15000以下の相手のスピリット1体を破壊する!」

 

炎がさまよう甲冑へ降り注ぎ、その身を焼き尽くした。

 

「出でよ!赤き龍の王!紅蓮の刃で天を裂け!!龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードをLV2(3)で召喚!!」

 

天空が裂かれそこから赤い体の龍の覇王がフィールドに降り立ち、剣を掲げ咆哮をあげた。

 

「来たぁ〜!ジーク・ヤマト・フリードだ!」

「こっから逆転だ!」

 

ジーク・ヤマト・フリードの登場に歓喜の声をあげる太陽達。一方真也は、

 

「・・・ターンエンド」

「!」

 

キースピリットを召喚されたというのに、一瞬不敵な笑みを浮かべた真也を光輝は見逃さなかった。

 

 

 

〜ターン9〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ!ジーク・ヤマト・フリードをLV3(4+S)にアップ!さらに、刃狼ベオ・ウルフをジーク・ヤマト・フリードマンに直接合体(コスト8+5=13 BP13000+3000 シンボル赤+緑)だ!」

手札6→5

リザーブ5→1

トラッシュ0→2

 

フィールドに獣人の姿をしたベオ・ウルフが現れると、ジーク・ヤマト・フリードの元へ走り出すとその姿が消え去り、両手に持っていた刃がジーク・ヤマト・フリードの両手に収まる。するとジーク・ヤマト・フリードの肩についてある水色の装飾が緑に染まり、合体スピリットへと変貌を遂げた。

 

「バーストセット(手札5→4)!アタックステップ!合体スピリットでアタック!LV3のアタック時効果でさまよう甲冑を破壊!」

「甘いな!フラッシュタイミング!マジック、エメロードバリアを使用!」

手札6→5

リザーブ4→1

トラッシュ1→4

 

「緑マジックだと!?」

 

 

 

 

エメロードバリア

マジック

4(緑1白1)/緑

フラッシュ:

相手のスピリット2体を疲労させる。

【連鎖:条件《白シンボル》】

(自分の白シンボルがあるとき、下の効果を続けて発揮する)

[白]:このターンの間、コスト4以上の相手のスピリット/アルティメットのアタックでは、自分のライフは減らない。

 

 

 

 

緑の風が光輝のフィールドにいるブレイドラとルリ・オーサを包み込み、2体は疲労してしまう。

 

「さらに白のシンボルがあることにより【連鎖】が発揮。このターンコスト4以上のスピリット/アルティメットのアタックでは自分のライフは減らない。」

 

合体スピリットの刃が真也へ降りかかるが、真也の周りに出現した緑色のバリアによって刃は弾かれて、合体スピリットは後退する。

 

「ターンエンド」

 

 

 

〜ターン10〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。大龍城・本丸をLV1にダウン(2→0)し、ソードールをLV1(1)、さまよう甲冑をLV1(1)で召喚。召喚時効果で1枚ドロー(手札5→6)する」

リザーブ9→6

トラッシュ0→1

 

真也のフィールドに刃状の両手を持ったスピリットと3体目のさまよう甲冑が召喚された。

 

 

 

ソードール

スピリット

1(紫1白1)/紫/無魔

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000 

Lv1・Lv2

このスピリットの色とシンボルは白としても扱う。

シンボル:紫

 

 

 

「赤宮光輝、噂どおり中々の実力だ。少なくともさっきまでの雑魚共よりよほど楽しめるバトルだ。だが、ここで終わりだ」

「!?」

「イチバンスピアーの効果!手札のこのスピリットのコストを6にする!」

 

真也は手札の1枚を手に取り天に掲げる。

 

「魔界の門より顕現せよ!六天を統べる全知全能の魔王!天魔王ゴッド・ゼクス、LV3(4+S)で召喚!!」

手札6→5

リザーブ6→0

トラッシュ1→2

 

突如フィールドが暗雲に包まれそこから光が大地に降り注ぎ、あたりに大きな衝撃波が発生する。しばらくすると天空から光と共に巨大なスピリットが腕を組みながらフィールド降り立ち、神々しい姿を持ちながら圧倒的な存在感を放つスピリット、天魔王ゴッド・ゼクスがその姿を露わにする。

 

 

 

天魔王ゴッド・ゼクス

スピリット

8(白2紫2赤2)/赤紫緑白黄青/天魔王

<1>Lv1 10000 <2>Lv2 12000 <5>Lv3 18000

Lv1・Lv2・Lv3

このスピリットは、相手のスピリット/マジックの効果を受けない。

【六天連鎖:条件《シンボル3色》】

自分のシンボルが3色以上ある間、相手のスピリットとアルティメットすべては回復できない。

Lv2・Lv3『自分のアタックステップ』

このスピリットに[ソウルコア]が置かれている間、色を2色以上持つ自分のスピリットがアタックしたとき、

相手のスピリット/アルティメットのコア2個を相手のトラッシュに置く。

シンボル:白

 

 

 

「天魔王・・・ゴッド・ゼクスだと!?」

「な、何だよあれ・・・」

「あんなスピリット、見たことない・・・」

「行くぞ!アタックステップ!ゴッド・ゼクスでアタック!LV2、3のアタック時効果発揮!このスピリットにソウルコアが乗っている時、2色以上の色を持つスピリットがアタックした時、相手のスピリット、アルティメットのコア2個をトラッシュに置く!ルリ・オーサのコア2個をトラッシュに!」

 

ゴッド・ゼクスの手のひらから光線が放たれ、それを受けたルリ・オーサは消滅してしまった。

 

「ライフで受ける!」

 

ゴッド・ゼクスの背部の天輪が分かれゴッド・ゼクスの両手に収まる。ゴッド・ゼクスはそれを双剣の如く振るう。

 

ライフ3→2

リザーブ1→2

 

「簡単にはやられない!ライフ減少によりバースト発動!自分の赤のスピリット1体につき、BP6000以下の相手のスピリット1体を破壊する!おれの場には赤のスピリットが2体、よってソードールとさまよう甲冑を破壊する!」

 

天空から剣がソードールとさまよう甲冑に降りかかり破壊する。

 

「来たれ!蒼き炎を纏いし黒き龍王!天剣の覇王ジーク・スサノ・フリードをLV2(3)で召喚!!コストはヤマトをLV2(4+S→3+S)にダウンして確保!」

 

天から8本の剣が円を描くように大地に降り注ぎ、そこから炎と共に黒き龍が剣を振るい現れる。

 

「ターンエンドだ」

 

 

 

〜ターン11〜

 

 

 

「よし!今度は光輝の番だ!」

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ「跪け!【六天連鎖】発揮!!」!?」

 

ゴッド・ゼクスの背部の天輪から鎖が放たれ、光輝の場の疲労状態のスピリット2体を縛り付ける。

 

「スピリットが、回復しない!?」

「これがゴッド・ゼクス唯一無二の力、【六天連鎖】だ!俺のフィールドに3色以上のシンボルがある限り、お前のスピリットとアルティメットは回復出来ない!!」

「何だと!?」

 

真也のフィールドには赤のスピリットとして扱うイチバンスピアーと赤のネクサス大龍城・本丸、紫のネクサス旅団の摩天楼、白のシンボルを持つゴッド・ゼクスが存在している。赤、紫、白のシンボルにより、【六天連鎖】の発揮条件を満たしているのだ。

 

「スピリットの回復を封じるだと!?」

「これじゃあブレイドラとヤマトがアタック出来ない!」

 

疲労状態のブレイドラとジーク・ヤマト・フリードは回復することが出来ず、地面に跪いている。

 

「くっ!まだだ!まだ勝機はある!合体スピリットとブレイドラをLV1(3+S→1)(2→1)にダウンし、スサノ・フリードをLV3(4+S)にアップ!更にカグツチ・ドラグーンと森林のセッコーキジをLV1で召喚!」

手札5→3

リザーブ7→3

トラッシュ0→2

 

「バーストセット(手札3→2)!ジーク・スサノ・フリードLV3効果!バーストをセットしている間このスピリットに赤シンボルを1つ追加(赤→赤赤)!アタックステップ、ジーク・スサノ・フリードでアタック!!」

 

ジーク・スサノ・フリードが攻撃を仕掛けると同時に、光輝は手札の1枚を手に取る。

 

「フラッシュタイミング!マジック、ストームアタック!イチバンスピアーを疲労させ、スサノ・フリードを回復させる!!」

手札2→1

リザーブ3→0

トラッシュ2→5

 

 

 

ストームアタック

マジック

4(2)/緑

フラッシュ:

相手のスピリット1体を疲労させる。その後、自分のスピリット1体を回復させる。

 

 

 

「そう来たか。だがゴッド・ゼクスの【六天連鎖】によってスサノ・フリードは回復できない。更にフラッシュタイミング!マジック、エメロードバリア!コストはゴッド・ゼクスをLV2にダウン(4+S→1+S)して確保」

手札5→4

トラッシュ2→5

 

「もう1枚握ってたのか!?」

「カグツチ・ドラグーンとセッコーキジを疲労させ、更に【連鎖】発揮!このターンの間、コスト4以上のスピリット/アルティメットのアタックでは自分のライフは減らない!ライフで受ける!」

 

スサノ・フリードのコストは9。よってスサノ・フリードのアタックはエメロードバリアに阻まれ真也へ届かなかった。

 

「くっ!ターンエンド!」

 

 

 

〜ターン12〜

 

 

 

「コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。さすがにやるな、わざわざ出向いた甲斐があった。楽しませてくれた礼にもう一ついいものを見せてやろう」

「いいものだと?」

「召喚!水晶龍アメジスト・ドラゴン!LV2(3)だ」

手札5→4

リザーブ8→0

トラッシュ0→5

 

真也のフィールドに現れたのはその名の通り紫色のアメジストのような体を持つ龍だった。

 

 

 

水晶龍アメジスト・ドラゴン

スピリット

6(3)/紫/死竜

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 8000 <6>Lv3 13000

Lv1・Lv2・Lv3『このスピリットの召喚時』

自分の手札かトラッシュにある系統:「異魔神」を持つブレイヴカード1枚を、コストを支払わずに召喚できる。

この効果でブレイヴが召喚されたとき、自分はデッキから2枚ドローする。

【合体時】Lv2・Lv3『このスピリットのアタック時』

このスピリットが合体しているブレイヴの【合体時】効果で、相手のスピリットを消滅/破壊したとき、相手のライフのコア1個を相手のリザーブに置く。

シンボル:紫

 

 

 

「アメジスト・ドラゴンの召喚時効果発揮!手札又はトラッシュの系統:「異魔神」を持つブレイヴカード1枚をコストを支払わず召喚する!」

「異魔神!?」

「その眼に焼き付けろ!全てを破壊せし紅蓮の王の力!異魔神ブレイヴ、炎魔神召喚!!」

 

真也の背後に赤い魔法陣が現れそこから炎と共にロボットを思わせる姿をした赤いブレイヴが出現し、轟音を立てながらフィールドに降り立った。

 

 

 

炎魔神

ブレイヴ

5(赤2白2)/赤/異魔神・機竜

<0>Lv1 5000 <0>合体+5000

このブレイヴは、疲労せず、スピリット状態のとき、アタックとブロックができない。

右合体条件:コスト4以上

左合体条件:コスト4以上

【右合体時】『このスピリットのアタック時』

このスピリットのBP以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。

【左合体時】『このスピリットのアタック時』

相手のバースト1つを破棄することで、このターンの間、自分のスピリットすべてをBP+5000する。

シンボル:赤

 

 

 

「アメジスト・ドラゴンの効果で2枚ドロー(手札 3→5)。そして炎魔神!右側にゴッド・ゼクス!左側にアメジスト・ドラゴンと合体だ!

 

炎魔神の両手から赤い光がゴッド・ゼクスとアメジスト・ドラゴンへと放たれ、2体のスピリットは赤い光に包まれた。

 

「2体のスピリットと合体するだと!?」

「これが異魔神ブレイヴだ!アタックステップ!アメジスト・ドラゴンでアタック!ゴッド・ゼクスの効果発揮!消えろ!カグツチ・ドラグーン!ヤマト・フリード!」

 

ゴッド・ゼクスから放たれた光がカグツチ・ドラグーンとヤマト・フリードに命中し、消滅する。

 

「追撃だ炎魔神!左合体時効果発揮!相手のバーストを破棄することで、このターン俺のスピリット全てをBP+5000!」

「バーストを破棄だと!?」

 

炎魔神の肘に装着されていた拳型のカバーが下ろされ、炎を出しながら回転したそれは光輝のバーストへと向かいセットされていた絶甲氷楯が破棄される。

 

「まだだ!フラッシュタイミング!マジック幻影氷結晶!コストはスサノ・フリードをLV2にダウンして確保(4+S→2+S)!アメジスト・ドラゴンを指定!このターンアメジスト・ドラゴンのアタックではライフは減らない!」

手札1→0

トラッシュ5→7

 

 

 

幻影氷結晶

マジック

2(1)/白

【バースト:相手による自分のスピリット破壊後】

このバースト発動時に破壊された、自分のトラッシュにあるスピリットカード1枚を手札に戻す。

その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

フラッシュ:

相手のスピリット1体を指定する。このターンの間、

ブロックされなかったそのスピリットのアタックでは、自分のライフは減らない。

 

 

 

「ライフで受ける!」

 

アメジスト・ドラゴンのアタックは氷の壁によって阻まれた。

 

「最後まで諦めないのは見事だが、これで終わりだ。ゴッド・ゼクスでアタック!追撃だ炎魔神!右合体時効果発揮!このスピリットのBP以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する!」

「!?左右で効果が違うのか・・・!」

 

再び炎魔神から炎の拳が発射され、ジーク・スサノ・フリードを破壊した。

 

「ジーク・スサノ・フリード!」

「これでお前を守るものはいない!やれ、ゴッド・ゼクス!!」

「!!」

 

ゴッド・ゼクスの背部の天輪が宙に浮き天輪の中心に光と共に炎魔神の炎が収束していく。ゴッド・ゼクスが拳を振るうと同時に天輪から光と炎が巨大なレーザーとなって光輝へと放たれた。

 

「ぐっ!うあぁぁぁぁ!!」

ライフ2→0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光輝!」

「そんな・・・」

「光輝が・・・負けるなんて・・・」

 

慎吾を除き、光輝の敗北する姿を初めて見た太陽達はフィールドに跪いた光輝を唖然としながらみていた。

 

「残念だったな」

「ぐっ・・・」

 

光輝は俯いていた顔をあげ、真也を見据える。

 

「だが中々楽しめるバトルだった。さすがに白夜龍牙に勝利しチャンピオンシップで頂点に立っただけのことはあるな」

 

真也はそう言うと踵を返し出口へと歩を進める。

 

「今年のチャンピオンシップにはお前も出るのだろう?ならばまた戦うことになるかもな。その時は今より強いお前と戦うことを望んでいる。だが覚えておけ、天を取るのはお前でも龍牙でも誰でもない。この俺だ!」

 

真也はそう言うと出口へと向かいそのままショップから出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

真也がショップを出てからしばらく。光輝はショップのテーブルの上で自分のデッキを広げていた。

 

「・・・なぁ、光輝」

「ん?」

 

デッキを見ていた光輝に太陽は少し遠慮気味に話しかけた。

 

「その・・・残念だったよな」

「あぁ、そうだな」

「そ、そうだなって!悔しくないのかよ?」

「そりゃ悔しいさ。彼奴のゴッド・ゼクスと炎魔神には手も足も出なかった」

 

けど、と続けながら光輝はジーク・ヤマト・フリードのカードを手に取る。

 

「一度負けたからって、いつまでも立ち止まっていたらそれこそダメだ。負けたらどうして負けたか、次に戦うときはどうすればいいか考えるんだ。少しの失敗や敗北で諦めたら先へは進めない。父さんがよく言ってたよ」

「赤宮博士が?」

「あぁ。父さんが3Dバトルを作るって決めた時、周りの人は無理だとかやるだけ無駄だとか言ってたらしいんだ。俺だって最初、俺のせいでそこまでやる必要ないって思ったよ。でも父さんたちは失敗しても諦めないで少しずつ前に進んでいった。そしたら周りの人達も俺も次第に応援してたんだ。その結果父さん達は3Dバトルを完成された。ずっと進んで、ゴールまでたどり着いたんだ」

「・・・・・」

「それにまだチャンピオンシップに出るって決めたばっかりだ。いつまでもへこたれてたら応援してくれる父さんや母さんに優香、もう一度戦うって決めた龍牙の事も裏切る事になる。だから俺は立ち止まったままでいるわけにはいかない。今より強くなってチャンピオンシップで恭賀や龍牙、そして真也と戦う。そして勝ってみせるさ!」

 

太陽が見た光輝の顔には、落ち込んでいるような雰囲気は全くなく、次に進むもうとしている強い意志がある。そう感じた。

 

「変わらないなお前は。まぁそれでこそお前って感じだけどな」

「そりゃどうも」

 

慎吾の言葉に光輝そう返した。お互いの顔には心から信頼している証拠であろう笑みが浮かんでいた。

 

「よ〜し!」

「!」

「俺、先に帰る!家に帰ってもう一回デッキを組み直す!光輝!俺だって光輝や恭賀にだって負けないバトラーになってチャンピオンシップで光輝と戦う!光輝は俺の師匠だけど、チャンピオンシップではライバルだからな!」

「あぁ!望むところだ!チャンピオンシップで戦おうぜ!」

 

光輝は拳を突き出すと、太陽も拳を突き出す。それは師匠と弟子ではなく、ライバルとしての2人がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。光輝はリビングでデッキを組み直していた。

 

「(ゴッド・ゼクスに炎魔神、あの2枚のカードはあまりにも強力だ。回復を封じられたら、いくら強いスピリットでも意味がない。ネクサスを破壊するカードを少し増やすか・・・それとも・・・)」

「あ、またやってる」

 

顔を上げると風呂から上がり可愛らしいパジャマを着た優香が髪を拭きながら近づいてきた。

 

「またデッキ調整?」

「あぁ、どうやら今年のチャンピオンシップの強敵は龍牙達だけじゃないみたいだ」

「どういう事?」

「俺、今日バトルで負けちゃったんだ」

「えっ!?」

「黒宮真也っていう奴とバトルしたんだけど、完敗だったよ。そいつもチャンピオンシップに出るっていってたから、デッキを見直そうと思ってな」

「・・・・・」

「・・・ゴメンな、優香」

「えっ?」

「この前応援に来てくれって言ったばかりなのに、こんなすぐに負けてさ」

「そんな・・・お兄ちゃんが謝る事ないよ!私凄く嬉しかったんだよ!応援に来てくれって言ってくれた時!」

「うん、ありがとな。俺だって負けたままでいるのは御免だ。必ず勝ち上がって、リベンジするさ」

「うん!・・・あっ!」

 

優香は何か思いついたように声をあげ、少しイタズラな笑みを浮かべる。

「どうした?」

「お兄ちゃん負けちゃったんだよね?だったらさ、負けちゃった罰受けてもらおうかな?」

「へ?罰ってなんだよ」

「今日一緒に寝よ?」

「なんだよそれ?」

「いいじゃん!お兄ちゃん最近一緒に寝てくれないじゃん」

「意味が分からない。それにもう来年中学生だろ?そろそろ兄離れしたほうがいいぞ」

「いーの!ねぇ、いいでしょ?」

「はいはい、分かったよ」

 

一緒に寝る権利を得て喜ぶ優香を見て、光輝にため息をつきながらも優しい笑みを浮かべた。

 

「あっ、そういえばお兄ちゃん宛にお届け物が届いてたよ」

「俺宛に?誰からだ?」

「それが、書いてなくて」

「差出人不明ってことか?」

「うん。持ってくるからちょっと待ってて」

 

優香はリビングを出て行き、しばらくして小さな小包を持って来た。

 

「これだよ」

「確かに俺宛だな。何が入ってるんだ?」

「開けるの?」

「まぁ、開けない訳にもいかないからな」

 

光輝はハサミを使いながらその小包を開けていき、中身を確認する。

 

「これって、バトスピのカード?」

「みたいだな」

 

中にはバトスピのカードが入っていた。それも1枚ではなくデッキごとのようだった。光輝はそのカードの束を手に取り確認する。

 

「お兄ちゃん、このカード知ってる?」

「いや・・・どっちも見たことないカードだ」

 

光輝は1番手前にあったカードとその後ろにあったカードの2枚を手に取る。その2枚のカードは優香はおろか光輝も見たことがないカードだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「獄炎の四魔卿ブラム・ザンド、獄風の四魔卿ヴァンディール・・・」

 

それは、いずれ光輝の大きな力となるカードだった。

 




最近、スサノがオニマル・真打の下位互換だと気づいてショックを受けました。


さて最新話。ゴッド・ゼクスが登場した直後にまた新しいメガデッキの使者達が・・・。

ブラム・ザンドは2つ買いました。新イラストの三龍神がかっこよすぎてヤバイ!とりあえず三龍神もいれたデッキを作って大会に行って優勝しました。邪神域がノヴァの召喚にかなり役立ちました。でもMVPは間違いなくメタリフェルです(汗)

もうすぐ4章が発売します!ちなみに作者はヴァンディールとサッポロが一番の狙いです。てゆうかリバイバル12宮Xレアが最早別物になっててワロタw


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第11話 思いを胸に

「四魔卿アルティメットのカード、ブラム・ザンドとヴァンディールが無事光輝様の手へと渡りました」

「そう、ご苦労だったわね」

 

此処はとある場所の薄暗い部屋。そこには2人の女性が会話をしている。

 

「すぐにもう2枚、マグナマイザーとイル・イマージョもあの子の手に渡して」

「了解しました」

 

女性の一人は頷き部屋から出て行くと、1人残った女性は正面のモニターに振り返る。そのモニターには1人の少年、赤宮 光輝が写っていた。

 

「究極のアルティメット、四魔卿全てがあの子に渡る・・・。苦労したわ、4枚全てを探し出すのは・・・・・。でもこれで私の望みがもうすぐ叶うのね」

 

女性はモニターに映っている光輝を、まるで壊れ物を扱うような優しい手つきで触れる。そしてその顔には、少しばかりの狂気を纏った笑顔が浮かんでいた。

 

「もうすぐよ・・・もうすぐだわ・・・。私とあの子達だけの世界が完成するわ・・・」

 

その女性は一筋の涙を浮かべ、2枚のカードを手に取る。薄暗い部屋の為あまり見えないその2枚のカードにはどちらも金色の加工が施されており、暗闇の中でうっすらと見えるカード名には、邪神皇という名が書かれていた。

 

「もうすぐに会いに行くわ・・・・・私の愛しい光輝」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・はっ!?」

 

場所は変わって光輝の家。眠りについていた光輝の目が開くが、その顔には少しばかり汗が滲んでいた。時計に目をやると。まだ朝の4時前、いつもより早く目が覚めてしまった。

 

「なんだったんだ・・・?今の夢は・・・」

 

光輝は夢で目が覚めたのだ。だが、その夢は光輝が今まで見たことのない夢だった。

 

「暗い場所で・・・女の人が泣いていた。母さんじゃなかったよな・・・」

 

見たことのない妙な夢に思考を巡らせていると、光輝の腕の中で動きがあった。

 

「ぅ・・・ん、・・・どうしたのお兄ちゃん・・・・・」

 

光輝の腕の中で寝ていた妹の裕香が目を覚ました。だがまだ眠いらしく目が半開きになっている。

 

「あ・・・あぁ、なんでもない。起こしちゃってゴメンな」

 

光輝は右手で裕香の髪を優しく撫でる。

 

「まだ早いからもう少し寝てていいぞ」

「ぅん・・・・・」

 

裕香は小さく呟くと再び目を閉じ眠りについた。光輝は妹を起こさないようにそっとベッドから出ると、机の上にある自身のデッキを手に取る。そのデッキには昨日の小包に入っていたカード達も投入されていた。

 

「ブラム・ザンドにヴァンディール・・・みたことのないカードだけど、強力な効果を持っている。多分三龍神よりも強力だ。でも、誰が何の為に俺にこのカード達を・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってとある屋敷にて

 

「真也様!赤宮光輝を叩き潰したんですって?さすが!あんなやつ真也様の足下にも及ばないですね!」

「黙れ零」

 

そこにいたのは光輝を破ったバトラー黒宮 真也と、恭賀に敗れた三河 零であった。

 

「俺に断りもなしにカードバトラーからカードを奪い取り挙げ句の果てに恭賀に敗北しておきながらよくそんな口がきけるな」

「ヒィッ!?す、すみません」

 

真也が呆れたように言うと、零は返す言葉もなく謝罪する。

 

「奴もこのまま黙ってはいない。チャンピオンシップでは更に強さを増して勝ち進んでくるだろうが、俺はその上で再び叩き潰すまでだ。玲奈!」

「はっ!真也様」

 

真也はそばに控えている女性、霧島 聖奈の名を呼ぶ。

 

「準備を進めろ。戦いの火蓋が切られる時がきた。今こそ俺の力をすべてのカードバトラーの瞳に刻み込んでやる!そして・・・」

 

真也は部屋の端に目をやる。そこには小さな机に写真が飾られており、そこには幼い少年とその少年のそばで微笑む女性の姿があった。

 

「見ててください、母様」

 

真也はそう呟く。その顔には少しばかり哀しさが表れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カードバトラー達は様々な思いを抱き、戦いに赴く。

 

 

「待ってやがれよ光輝。俺のエグゼシードで今度こそお前に勝つ!」

 

 

 

「俺が見据えるのは光輝、君との戦いだけだ。その為に俺は強くなった。今度こそ決着をつける!」

 

 

 

「よし!出来た!これが俺の今の全部、俺の全てを詰め込んだデッキだ。光輝、俺絶対に負けないからな」

 

 

 

「チャンピオンシップか・・・出てみようかな。せっかく作った私のデッキ、どこまでいけるか試して見なきゃ。それにもしかしたら赤宮君とまた・・・・・って何言ってるのよ私!!」

 

 

「遂に機は熟した、私が動く時!行くぞ、クワガスレイヤー!」

 

 

「ふふふ〜ん、チャンピオンシップ開幕だね〜。楽しみだねカシャネコ」

 

バトラー達はそれぞれの思いを胸に抱き、今頂点を決める戦いへと赴く。

 

その裏で、何者かが動いているかも知らずに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトスピチャンピオンシップ、開幕。

 

 

 

 

 

 




皆さん、お久しぶりです。三龍神です。

あれから職場を変え、環境がだいぶ楽になったので、少しずつこの小説の投稿を再開することにしました。
更新停止の間に沢山の新カードが登場しましたが、この小説では基本は神皇編までのカードを登場させる予定です。今回は復帰の報せのつもりなので、物凄く短くて申し訳ありません。最低でも月2のペースで投稿を目指すつもりです。長らく放ったらかしにして申し訳ありませんでした!

次回はちゃんとバトルまで書きます!


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