やはり俺の青春ラブコメは退屈だ (柊 俊哉)
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新しい風

初めまして柊 俊哉 と申します。今回初めての作品となっております。批判などはできるだけオブラートに包んでもらえれば頑張れる気がします。




〜高校生活を振り返って〜

 

2年F組 早見 裕太

 

 私の高校生活はとても充実したものになっています。

勉学では素晴らしい先生方のご指導のおかげで学年2位と言う成績を維持することもでき。

 また学校生活においては素晴らしいクラスの仲間と何気ない会話や放課後に遊びに行ったりと楽しい生活を送っており、日々学校に行くのが楽しみで有意義な時間を過ごせております。

 

 

 

 

 

 

「すいません、平塚先生なぜ自分が呼ばれているのかわからないのですが…」

 

 俺は現国の授業で出された作文を職員室で読まされていた。

 

「はぁ、確かに君の書いた作文はテーマの内容に沿って書いた模範解答のような答えだ」

 

 ため息混じりに髪をかき分け呆れ顔な彼女は平塚教諭 生活指導担当であり現国の先生だ。

 

「ではなぜ俺が…」

 

 

 俺が問いかけると平塚先生は

 

「君は確かに成績も優秀だし素行不良でもなく模範となる生徒だ。仲間だっている。これは事実だ。」

 

 

「では…」

 

 

「しかし内容がありきたりすぎる。君の本当の考えがわからん。それに君がたまに見せる何事にも興味のないような目だ。それに君のは仲間というのには程遠いんだろ?」

 

平塚先生は真剣な眼差しで俺を見つめてくる。

 

「わかりました。では作文を書きなおして明日の朝までには出します。」

 

 俺は内心めんどくさく顔に出さずにいつもの営業スマイルでやり過ごそうとする。しかし

 

「それだその作り笑いだ、私を騙せると思うなよ?小僧」

 

 

 この先生なに、作り笑い発見器か何か?それに小僧って…

 

「作文はもういい、君は確か部活には入ってなかったな」

 

 少し考える仕草をしてなにか閃いたようだ。そしてなにやら不気味なオーラを出しながら聞いてくる

 

「確かに入ってないですけどそれがどうかしたんですか??」

 

 嫌な雰囲気がしたがそれを振り払い聞いてみる。

 

 

「君には部活に入ってもらう」

 

はっ???何言ってるの??

 

「ちょ、どういうことですか!それになんの部活!?」

 

 

「君がなにやら本当の自分を出さないようだし、周りに興味がないというか信用してないみたいだしな」

 

 

「大した問題でもないのになぜそんなに俺に固執するのですか?ほっといても先生に外を与えるとは思えないですし、先生には見返りも何もないじゃないですか」

 

 

 気づいたら俺は図星をつかれたからか自分でも言うはずのない言葉を言ってしまっていた。

 

 

「そりゃ、私の大事な教え子だからな、それに全べての人間が打算的な考えの人間ではないんだぞ?」

 

 そう言われるとなんだか心臓のあたりがズキッとくる。

 

「先生の言うことはわかりましたが。それでも俺は」

 

 そう言いかけると遮るように

 

「なに、君はまだ若いんだ高校生なんだ今はわかんなくてもいずれわかる時が来る」

 

 

 そう言い平塚先生は煙草の煙をすーっと吐いた。

 

 

 

「それで?部活に入るのは決定事項なのですよね?いつからですか??」

 

 俺は汗が流れてくるような張り付いたこの嫌な雰囲気から逃れたくて話を戻した

 

 

「あー、そうだったな。部活は今からだ。まぁ、内容入ってからのお楽しみだ」

 

 そういい平塚先生は立ち上がりさっきとは違うすごい楽しそうな笑顔でこちらを向いてきた。

 

 

「では、付いてきたまえ」

 

 

 そういい職員室を出て行く平塚先生の後を追いかける。そして、とある教室の前にたどり着く。

 

「では、入るぞ準備はいいか?早見」

 そういい俺の返答を待たずにノックをせずに教室に入っていく

 

 

そこには本を読んでいて開いた窓から吹いてくる風に綺麗な黒い髪が揺れていて俺のよく知ってる女の子がいた。

 

 

「平塚先生、入るときはノックをお願いしたはずですが」

 

 

「ノックをして君が返事をした試しがないじゃないか」

 

 

「返事をする間もなく先生が入ってくるんですよ」

 

 

 平塚先生に反論する女の子を俺は知っている。小、中が一緒で親の仕事の関係でいわゆる幼馴染みたいなものだ。

 

 

 そして国際教養科J組、9割が女性で偏差値の高いエリート組みたいなものだ。その中でも天才っぷりを発揮し学年一位という立場にいて。なおかつこの美貌だ雪ノ下 雪乃 名前はこの学校で知らないほうがおかしいくらいだ。

 

 

 

「で、そこで立っている男がどうかしたのですか?」

 

 

「いやー部活入部希望者でねー。そして依頼を頼みたい」

 

 といい、こちらに目線を向けてくる。はいはい、わかりましたよ

 

「やぁ、雪乃とはこうやってちゃんと話すのは今年の新年の挨拶ぶりだね」

 

 俺はいつもどおりの営業スマイルで言う

 

 

「そうねあいかわらず変わらないのねああなたもその皮をかぶった態度」

 

 

「べ、別に皮をかぶってるつもりはないんだけどな、ハハ」

 

 やっぱこいつにはお見通しかよぉぉぉと俺は心の中で思い苦笑いを浮かべる

 

 

「まぁいいわ、で、平塚先生以来の内容というのは」

 

「あぁ、そうだったな。依頼というのははこの男に本当の自分というものを見つけさせてほしい」

 

 

「なるほど、ですがこの男は“私の次”に成績がよくそれなりに容姿も良くクラスの人気者で不自由なことなんてないと思いますが?」

 

 

「まぁ、言ってることはわかるが本当の自分というものを外に出せないといつか壁にぶつかった時に本当に頼れる人がいなくて手詰まりになる可能性もあるからな。」

 

 

 

「わかりました。先生の依頼ですし、引き受けましょう」

 

え、俺の目の前でなんか話し凄い進んでるんだけど、話しに参加できてない…

 

「では、よろしく頼んだぞ」

 

楽しそうに手を振りながら教室を出ていく

 

と、その前に聞いとかなきゃならないことあるな

 

「あ、雪乃一つ質問いいかな?ここってボランティア部でいいのか?」

 

 

「そうね、あながち間違ってはいないわね、この部は困っている人に救いの手を差し伸べるそれがこの部の活動、ようこそ奉仕部へ歓迎するわ、早見くん」

 

 

 

窓から吹く暖かい風が彼女の長い髪を靡かせる。

 

 

 

ここから俺の青春という風が吹いてきた。




文字数が少ないなどあると思いますが、大変ですね小説を書くのは…早く慣れていきたいと思います。では次回もよろしくお願いします。


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新入部員

 

俺が奉仕部に入って数日が立ったがまだ何も進展はなく、いつもどおりの日常が続いてた。

 

 俺は、毎朝隼人と学校に登校している、別に一緒に行こうとかそういう打ち合わせはないのだか入学してから同じ時間に出ると隼人に会うから一緒に行っているだけだ。

 

 

「おはよう隼人、裕太」

 

は学校に到着し教室に入り挨拶をしてきた主は見た目派手なギャル風で金髪縦ロールの三浦 優美子という女王様の雰囲気を持つ女子だ

 

 

「おはよう優美子」

 

「おはよう優美子今日は朝早いな」

 

 

上から隼人 俺の順番で返す。

 

「今日はあーし、たまたま朝早く起きたし―、たまには早く来るのもありかなーって」

 

 

ドンっと座ってる女王様は携帯をいじりながら返事をしてくる

 

「へー明日は雨かもな!」

 

 

「ちょ、それひどくなーいあーしだって朝早く起きれるしー」

 

 

「グェへへへ、ハチ×ユウか…攻めと受けはどっちがどっちだろ…」

 

 

「朝から何言ってんだやめてくれ海老名…」

 

 

そんなふうに他愛のない話してるうちにぞろぞろと教室に生徒が入ってくる。

 

「やっはろー!」

 

 

「おう、おはよう結衣」

 

 

 朝から高いテンションで独特な挨拶をしてくる女子の名前は由比ヶ浜 結衣 緩くウェーブのかかった肩までの明るい茶髪が特徴でこの子も今風なギャルな感じな女子だがその見た目とは裏腹に天然な部分もあり、ピュアな一面もある

 

 

 

 まぁ、そんなこんなしてるうちにチャイムがなったわけでもうすぐ担任が来てHR始まるわけで自分の席に戻ろうとしたらある男子と目が合うがすぐ視線を逸らされる

 

 

あれは比企谷だっけか、入学式に交通事故で入院してたっていう、いっつもこっちを見てくるような気がするんだけど何か用があるのか?まぁ、さすがに意識し過ぎかな?いいや先生も来るしとりあえず席につくか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後になり皆が部活だったり、講習だったり友達と話しているうちに優美子が

 

 

 

「ねぇ、あーし今日暇なんだけど、どっかよってかない??」

 

 

「悪い俺と戸部は部活だまた今度な」

 

 

「そゆことわりっ優美子!はぁー、つーかーマジ部活ツライわー」

 

 

「えーそうなん?じゃあ裕太と結衣と海老名は??」

 

 

「あいにく俺も部活だ悪いな」

 

 

「あれ?裕太部活なんかやってたっけ?」

 

 

優美子が驚いた表情を浮かべ問いかけてくる

 

 

「あぁ、最近入部したんだ」

 

 

「あたしも平塚先生に呼ばれてるからごめんね?優美子」

 

 

「私も今日はパスかなー」

 

 

 

「えー3人共ダメなのーつまんなーい」

 

 

「優美子また今度な?皆の都合のいい時にまた」

 

 

駄々をこねる女王様に隼人がすかさずフォローをする。

 

 

「じゃ、俺は部活行くわ」

 

そう言い俺は教室を出て部室へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちわ早見くん」

 

 

「おう、今日も相変わらず暇してるな、本当に依頼者来るのか?」

 

本を読んでる雪乃と挨拶を交わす

 

 

「一番いいのは依頼者がこないっていうのが一番いい状況ではないかしら?」

 

 

「まぁ、困ってる人がいないってのは理想的だけどなこうにも人が来ないとなんかしっくりこないよな」

 

 

そう話してるといきなりドアが開く。ノックしないってことは…

 

 

「平塚先生毎回言ってますがノックをしてから…」

 

 

 

この人、人の話聞いてないよな…

 

 

「すまないすまない早速だがまた依頼を頼みたい?」

 

 

「またですか?それは構わないのですがどんな要件ですか?」

 

 

 

なんかこの状況すごいデジャブ感じるんですけど…

 

 

「うむ、とりあえず入ってこい入部希望者だ」

 

 

そう入ってきたのはアホ毛が生えてて目が真っ黒少し猫背な男は恐る恐る警戒しながら入ってきた。

 

「ほら自己紹介をしろ比企谷」

 

 

「は、はぁ。2年F組比企谷 八幡です、えーっと、おい入部ってなんだよ…」

 

 

最後の方はボソッと喋ってて何を言ったかは定かではないけどコイツ、

 

 

「あー、比企谷くんってあれだよね?よく目が合うとすぐ目を逸らす」

 

 

「早見くん知り合いなの?」

 

 

「ああ、一応クラスメイトだよ話したことはないけどよくこっちを見てくるんだ」

 

 

あぁ、ご愁傷さま俺と同じ状況か…

 

 

「比企谷、君には舐め腐ったレポートの罰としてここでの部活動を命じる。異論反論抗議質問口答え一切認めない」

 

 

 

前言撤回!俺よりひでぇよこれ…可哀想にどんな内容のレポートを書いたかはわからないが相当ひどいんだろうな…

 

 

「ということで大変だとは思うが彼は腐った目も同様根性までもが腐っている、そのせいでいつも彼は孤独な哀れむべきやつだ、でだこの部で彼の捻くれた孤独体質を更生する。これが私の依頼だ頼めるかね?」

 

 

「お断りします。」

 

 

早いよ断るの!あと被害妄想だよ…多分。

 

「その男の下心丸出しの下卑た目を見ていると見の危険を感じます」

 

 

「まぁまぁ、先生の頼みだし?俺が言うのもあれだけど引き取ってあげたら?」

 

 

「引き取るってなんだよ…人を有害みたいに…」

 

 

比企谷は目線をそらしながらボソッと小さい声でひとりごとを言う

 

 

「それに関しては大丈夫だ心配しなくていいこの男のリスクリターンの計算と自己保身に関してはなかなかのものだ刑事罰にとらわれるようなことはしない、彼の小悪党ぶりは信用できる。」

 

 

 まるでそのセリフ待ってましたくらいの勢いで笑顔で平塚先生は返していく。それに、小悪党って…

 

「小悪党…なるほど…それなら納得です」

 

 

「あ、そこは信用できるのね…」

 

 

可哀想に比企谷くん!!どんまい!!

 

 

 

「そうですね先生からの依頼は無碍にできませんし、承りました。」

 

 

「そうか、なら頼んだぞよろしくな雪ノ下」

 

そういい平塚先生はヒラリと教室を出ていく。

 

 

 

「さて、比企谷くん、自己紹介をしようか僕は君と同じクラスでF組の早見 裕太よろしくね。で、隣で本を読んでいる女の子は…」

 

「雪ノ下 雪乃」

 

 

素っ気ないなー自己紹介…というか何想像してんだろすんごいこっち睨んで来るんですけど…って!?雪乃も睨んでるし

 

 

「まぁ、まぁ、二人共それぐらいにして比企谷くんも立ってないで座ったら?」

 

 

「あ、あぁはい。す、すいません」

 

といい、焦ったように周りをうろキョロして椅子を探してようやく腰を掛けたがまだうろキョロしている

 

「なにか?」

 

雪乃が比企谷にひどく冷たい声で威嚇するように問いかける

 

 

「あ、いや、まだ色々と把握できてなくて、奉仕部?だっけ何する部活なんだ?」

 

 

「奉仕部ってのはまぁ、お助け部みたいな感じかなただ、助けるんじゃなくて例に例えると餌を上げるのじゃなくて餌のとり方を教えるって感じかな」

 

 

「比企谷くんあなた、女子と話したのは何年ぶりかしら?」

 

 

比企谷くんが両手を組みしばらく考えこんだ

 

「そうだな3年ぶりぐらいかな?」

 

「良かったわね私くらいの可愛い女の子と喋れるとたいていの人間とも会話ができると思うわ少しは更生できたのではないかしら?」

 

 

うわ、この人すごいこと言ったぞ…

 

「ちなみに俺は会話ができないんじゃない無駄な話をしないだけ更生など断じて必要ない」

 

 

この人もこの人で捻くれてるし…

 

「あなたは変わらないと社会的にまずいと思うのだけれども」

 

 

 

「邪魔するぞー雪ノ下」

 

 

言い争ってたところにまたまた平塚先生登場この人も暇だな…

 

 

「だから、平塚先生ノックを…」

 

 

「悪い悪い!どうやら比企谷の更生に手間取ってるみたいでな」

 

 

 

「本人が問題を自覚してないせいです」

 

 

 

「そうじゃねぇよ、その、変われだの変わるだの他人に俺の自分を語られたくないんだっつの」

 

 

 

「あなたのそれは逃げでしょ」

 

 

「変わるってのも現状の逃げだろ?」

 

 

「どうして今の自分や過去の自分を受け入れてやらない」

 

 

「それじゃあ悩みは解決しないし誰も救われないじゃない」

 

 

二人は意見が食い違いぶち当たる…今までの俺にはほとんどない光景だった

 

 

「ほら二人共落ち着いて…」

 

 

「そうだ早見の言うとおりだ落ち着くんだ。古来より互いの正義がぶつかった時勝負で勝敗を決めるものだ、つまりだこの部で誰が一番奉仕できたか競いあおうじゃないか。勝ったほうが負けた方に何でも言うことを聞いてもらえる」

 

 

なんて無茶で強引な意見だ…傲慢にもほどがある。

 

 

「というか俺も!?」

 

 

「そうだ君も勝負した前君にも君なりの正義というものを見つけて欲しいからな」

 

 

 

「私はお断りいたします。そこの目が腐った男だと見の危険を感じます」

 

 

「そうか、あの雪ノ下でさえ恐れるものがあったから…」

 

 

煽り方下手かよ!そんなのに、のるやついないだろ…いた〜。

 

 

「いいです、その見え見えの挑発に乗ってあげましょう受けて立ちます」

 

 

「決まりだな」

 

 

俺の意志はないのね…




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初めての依頼者

すいません遅くなりました。

学校など日常のことが忙しくこちらまで手が回ってませんでした。

次こそは早く仕上げたいと思います。


 放課後すぐに隼人や優美子たちと別れて部室へと向かった。

 

「あれ、雪乃早いね俺も結構早めに来たつもりなんだけど」

 

 俺が来た時にはもう雪乃は椅子に座り本を読んでいた。

 

「ええ、あなたこそお仲間たちとはいいのかしら?それに比企谷くんは?」

 

 

「あぁ、今日はみんな部活やら用事やらで帰ったよ…お、噂をすればってやつだな」

 

 

 

「あら比企谷くんこんにちは、もうこないかと思ったわ、あれだけ言われたのに来たってことはマゾヒスト?」

 

 

 この人ひどい事言った自覚はあるんだ

 

 

「ちげーよそんなんじゃねーよ」

 

 

「違うよ雪乃、彼はストーカーなんだ」

 

 

 

「待てお前ら俺がいつから好きみたいになってるのさすがの俺もその妄想には引くぞ」

 

「あら、違うのかしら?」

 

 

「ちげぇよ、なんだよその自信過剰は…お前さ友達いるの?」

 

 

 

 雪乃は、読んでいた本をパタリと閉じ考える仕草をする

 

 

「そうね、まずどこからどこまでが友達かを定義してもらっていいかしら…」

 

 

 

「雪乃残念ながらそれは友達がいない人のセリフだ…」

 

 

 

「お前、人に好かれそうなのに友達いないってどういうことだよ、一方その点に関しては早見は人に好かれてるみたいだし、容姿よし、頭もよし、スポーツもできる、愛想がいい、完璧すぎるだろ世の中不平等だらけだ…」

 

 

 

 

「俺は、まぁそんなんでもないさ隼人のほうが人気者だよ」

 

 

 

「あぁ、あのいけすかないやつか…」

 

 

「まぁ、そこの男は特別よ。まぁ、あなたにはわからないわよ」

 

 

 え、俺のことどういうふうに思ってるわけ?

 

 

「私って昔から可愛かったから近づいてくる男子は大抵私に行為を寄せてきたわ」

 

 

 や、間違ってないんですけどもね?この子随分と言い切るなホント…

 

 

「本当に誰からも好かれてるならそれでも良かったのかもしれないのけれど」

 

雪乃は淡々と話を続ける

 

 

「雪乃…」

 

 

「どういうことだよ?」

 

 

「小学校の時私は上履きを60回ほど隠されたわ、そのうち50回は女子にやられたわ、おかげで毎日上履きとリコーダーを持って帰ってくる羽目になったわ」

 

 

「大変だったんだな…」

 

 

「ええ、大変よ私、可愛いから。でも、仕方のないことなのよ人は皆完璧ではないから弱くて醜くてすぐに嫉妬し蹴落とそうとする不思議なことに優秀な人間ほど生きづらい世の中よ、誰だって抱えてる悩みや後悔、恨み妬みなどあるわそこの完璧そうに見える男も例外なくね。そんなのおかしいじゃない。だから変えるのよ人ごとこの世界」

 

 

 雪乃の言葉がとても痛い。過去のことが、胸に刺さってくる。比企谷の方を見ると何か決心をしたかのように雪ノ下の方を向く

 

 

「なぁ雪ノ下。俺と友だ…」

 

 

「ごめんなさいそれは無理。」

 

 

 

 まぁ、そうだろうなこの二人は反対のようで似てるところあるからな…似てるがゆえに反発するのだろう、こればっかりは仕方がない

 

 

 

 と、話しているとノックがした、ということは平塚先生ではないな…

 

 

「どうぞ」

 

 

 

「し、失礼しまーす。平塚先生に言われて来たんですけど…」

 

 

 制服を着くずし汰ゆるふわな感じの女の子の姿がそこにはあった

 

「おう、結衣じゃん」

 

 

「え!?なんでゆうくんここにいんの!?ゆうくんの言ってた部活ってここなの!?しかもヒッキーもいる!」

 

 

「そこまでビックリしなくてもいいだろ…しかもヒッキーって…」

 

 

 俺は、比企谷の方に視線を向ける。

 

 

「な、何だよ、そのヒッキーって、しかも誰…」

 

 

「2年F組由比ヶ浜結衣さんよね?とにかく座って」

 

 

「わぁ!あたしのこと知ってるんだ!」

 

 

「多分そこの女全校生徒の名前知ってるんじゃねぇの?」

 

 

「いいえ、あなたのことなんて全く知らなかったもの」

 

 

「まぁまぁ、雪乃俺も最近知ったんだし仕方がないよ」

 

 

 実際この前目があって初めて意識して彼のことを思い出したんだからな。

 

 

「フォローになってないし…なんで二人共俺に批判的なの」

 

 

 

 結衣がぼけーっとこちらを向いている。しかし、こうも見つめられると照れるな…

 

 

「どうした?結衣、俺の顔になんかついてる?」

 

 

 慌てて結衣は顔を横に振って答える

 

 

「あ、いや、そうじゃなくて!なんか、仲いいね!楽しそうな部活だし!ヒッキーもよく喋ってるし!ゆうくんもなんかいつもより楽しそう!」

 

 

傍から見ると楽しそうに見えるのか俺…

 

 

「俺は、いつも楽しそうに見えないのか結衣にそんなふうに見られてたなんて…」

 

 

 

「あ、いや!そういうことじゃないんだよ!ごめんね?ゆうくん?」

 

 

 

「お前ら夫婦漫才するなよ」

 

 

 

「はぁ!ヒッキーまじキモい!」

 

 

 

「俺は、そんなに言われなきゃいけないのか…」

 

 

 

「そろそろいいかしら?」

 

 

 雪乃は咳払いをして話を一区切りさせて依頼の方へと移ろうとした。

 

 

「そうだな、結衣の依頼を聞かなきゃな、内容は何なんだ?」

 

 

「クッキーを…クッキーを作りたいの!」

 

 

 恥ずかしそうにもじもじしながら小さい声で言う。

 

 

「料理本通り作ればすむもんじゃねーの?」

 

 

 

「あーそれは無理だ。結衣は料理が絶望的に作れないんだよレシピ通りってのがまず無理なんだ」

 

 

 

「そんな漫画みたいな話あるのかよ…」

 

 

 

「では一度、作ってみせたほうがいいわね家庭科室に急ぎましょう」

 

 

 

「まぁ、覚えるより感じろっていう方向性は悪くない。」

 

 

「というか、平塚先生先生から聞いたんだけどこの部って願い事を叶えてくれるんだよね?」

 

 早口で切羽詰まったように結衣は問いかけてくる

 

 

 

「いいえ奉仕部はあくまで手伝いをするだけよ」

 

 

「どういうこと??」

 

 

 指を顎に当てて考えた仕草をしポカンとする結衣に説明をする。

 

 

「つまりだ、餌を上げるのじゃなくて釣りの仕方を教えるってことだ」

 

 

「へー!そういうことだったんだ!なんかすごいね!」

 

 

ほんと、うちの学校って偏差値そこそこ高いはずなんだけどな…結衣がどうやって入ったか気になるな。

 

 

「ほらエプロンも曲がってるし…よしっと」

 

 

「あ、ありがとゆうくん」

 

 

「さっさと作ってそいつに渡して喜んでもらおうぜ」

 

 

「うん!」

 

 

結衣は笑顔で頷きやる気を見せてくる

 

 

「では役割分担をしよう雪ノ下と早見が教えて俺が味見な」

 

 

「どんだけ楽な仕事したいんだよ…まぁそれだと一人で教えるほうが効率的にはいいと思うから俺は皿洗いでもしてるさ」

 

 

「そうね二人だと帰って邪魔になるわね」

 

 

「じゃ、始めようぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで…こうなった?」

 

 雪乃が教えて結衣はその基本通りに作る。いくら下手でも見たものを真似すればいいはずなんだが、何故か失敗して黒い木炭みたいになっている。

 

 

「仕方がないわ、どうすればいいかを考えましょう」

 

 

「由比ヶ浜が二度と料理を作らないで市販のものをあたかも作ったかのように見せるとか」

 

「比企谷くん、あくまでそれは最終手段だよ」

 

 

「それで解決しちゃうの!?てか!二人共酷くなーい!?…やっぱりあたし料理とか向いてないのかな?才能っていうの?そういうのもないし…」

 

「解決方法は努力のみよ由比ヶ浜さん、あなたさっき才能がないって言ったわね?」

 

 

「う、うん…」

 

 

「その認識を改めなさい最低限の努力をしない人には才能がある人を羨む資格はないわ、成功しない人間は成功者の積み上げた努力を想像できないから成功しないのよ」

 

 

「結衣、確かに努力は大切だけどな?嫌なことを無理して努力しなくてもいいんだぞ?成功した人を羨むのもわかるし仕方がないことだしな、どういう意図があって作りたいかわからないけど、気持ちが伝わればいいと俺は思うぞ。努力して変わることが全てじゃないしな。」

 

 

 そうだ、変わらないことが悪いことではないんだ…

 

「そう、あなたはやっぱり昔から何も変わってないのねその考え嫌いだし、間違ってるとしか思えないわ」

 

「やっぱり一番雪乃とは意見が食い違うな…こればっかりはしょうがないな」

 

「な、なんか二人共かっこいい!」

 

「「「は!?」」」

 

 

 俺達三人は自然に声が揃ってしまう。

 

 

「由比ヶ浜さん?あなたにはキツイことを言ったつもりなのだけれども?」

 

 

「結衣それに、俺と雪乃は今結構喧嘩っぽい公論になってたんだが?」

 

「マゾかよ…」

 

 

 おいおい、最後のは悪口だろ…

 

「違うの!なんか言いたいことをあたしに伝えてくれるし、二人共、素直に自分の気持ち伝えれてて!なんか!そういうのあたしにはできないから…」

 

 

 結衣はだんだん声が小さくなり下を向いて行く

 

「はぁ…もう1度お手本を見せるから最初から作りましょ」

 

 それを見かねた雪乃が痺れを切らして折れた

 

「う、うん!」

 

 

 ぱぁっと笑顔になり明るくなっていく

 

 

「じゃあ、次は俺のターンだな」

 

 

「比企谷くん、料理できるの?」

 

「10分だけ時間をくれその間、家庭科室から出てってくれ俺が本当の手作りクッキーを見せてやろう」

 

「わかったわ、彼に任せましょう」

 

 そう言い俺達は家庭科室から出て行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もういいぞ」

 

家庭科室のドアが開く音がしてドアから比企谷くんの顔が出てくる。

 

 

「これが手作りクッキーだ」

 

 

そう言い見せてくるが…

 

 

「これさっきの結衣の作ったやつとかわんなくない?」

 

 

「まぁ、いいから食ってみろ」

 

 そういい皿を前に進めてきたので食べるしかなくなった

 

 

「…これのどこが本当の手作りクッキーなのかしら?」

 

 

「あんま、美味しくなーい」

 

「この味…」

 

「そっか…わり、捨てるわ」

 

しょぼんとした顔を作って比企谷くんが落ち込む

 

 

「ま、待って!!べ、別に捨てなくても!言うほどまずくないし!」

 

 

結衣さっき、美味しくないって言ってたよね?

 

 

「ま、お前が作ったクッキーなんだけどな」

 

 

「やっぱりこの味結衣のか」

 

 

「どういうことかしら?」

 

「男なんて話しかけらただけで勘違いするし、手作りクッキーってだけで喜ぶんだよ、よーするに美味しくなくてもよいいんだよ。早見も言ってたろ気持ちが伝わればいいんだ」

 

「美味しくないって…うっさい!」

 

そう言いながら照れ隠しのためか物を比企谷くんに投げていく

 

 

「そういうものかしら…」

 

 

「まぁ、男って単純だしね、俺が言うのもあれだけど…さすが比企谷くん」

 

 

 

「ヒッキーも揺れるの?」

 

 

「俺なんて超揺れるね、揺れまくって好きになりそうだわ」

 

 

「で、結衣はどうしたい?」

 

 

「うん、自分のやり方でやってみるよ!ありがとね!ゆうくん!雪ノ下さん!」

 

 

「ちょ、俺は…」

 

 

「さー!家に帰って頑張るぞー!」

 

 

比企谷くんがこっちを向くが俺は笑いをこらえるのに必死でそれどころじゃない

 

「じゃ、帰りますか」

 

「そうね早見くんが片付けもしてくれてたし帰りましょうか」

 

そう言い俺達はそれぞれの家に帰っていく…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結衣の依頼を受けて数日、俺は部室に行くといつものように雪乃が座って本を読んでいて隣で比企谷も本を読んでいた!

「こんにちは早見くん」

 

「おう、比企谷くん今日は早いな」

 

 

 そう言い部室にはいろうとすると後ろから廊下を走る音がしていきなり後ろから衝撃が来た

 

 

「どーん!やっはろー!ゆうくん!」

 

「結衣かよ、押すならもう少し優しく押してくれ」

 

 

「あ、あぁ!ごめん!あ!やっはろー!」

 

 

少し間があり雪乃が口を開く

 

「なにか?」

 

 

すんげー冷たく返すな…背筋が凍りそうだよ

 

 

「え?あまり歓迎されてない??雪ノ下さんあたしの事嫌い??」

 

 

「いえ、嫌いではないわ。どちらかというと苦手かしら」

 

 

「それ女子言葉じゃ、嫌いって意味だからね!」

 

 

「で、何か用かしら?」

 

 

淡々と返す雪乃と鋭く突っ込んでく結衣…仲いいな

 

 

「この間のお礼って言うの?クッキー作ってきたから!」

 

 

そういいかばんからゴソゴソと出した。

 

「これ!ゆうくんの分ね!」

 

 

「お、おお、サンキュー…俺は後で食べるよ」

 

 

ラッピングはちゃんとしてるけど…食べれるのか??これ。

 

 

「私も今は食欲がなくて…」

 

 

こいつも不安なんだろうな…そんな思いも知らずに結衣は話を続ける

 

 

「やー!やってみるとさ!なんか楽しいっていうかさ!そうだ!今度お弁当作ってみようかな!あ、でさーゆきのん!今度部室でお弁当食べない??」

 

 

すんげーマシンガントーク雪乃が立ちいるすきもなくしゃべり続けてる…てか、ゆきのんって

 

 

「いえ、私は一人で食べるのが好きだから、そういうのはちょっと…それに、ゆきのんって気持ち悪いか…」

 

 

結衣のプレッシャーに推され気味で必死で話を返そうとする。

 

 

「あ!でさーゆきのん、あたしも放課後とか暇だし部活手伝うね!」

 

 

何この娘まったく話し聞いてないよ?!

 

 

 小さいため息をつき比企谷くんと目が合った、おそらく考えていることは一緒。コーヒー買いに行こ…その光景を名残惜しくも雪乃が嫌そうにしてても心の底では嫌ではないってことがわかったので俺は嬉しかった。そう俺は思い比企谷くんと一緒に静かに部室を出た。




誤字脱字などありましたら感想よろしくお願いします。Twitterの方もフォローおねがいします。


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衝突

昼休みに入りみんな売店に行ったり今日はたまたま雨のため外で食べる人はいないが外で食べたり、他のクラスに行ったりとしている。そのクラスで女王の位置にいる優美子がケータイをいじりながら口を開く

 

 

「今日、41のアイス安いんだよね〜あーしチョコとショコラ食べたい」

 

「いや、優美子それどっちもチョコだぞ」

 

「そうだぞ優美子それにあんまり食べ過ぎると後悔するぞ?」

 

 

 上から優美子 俺 隼人の順で会話をしていく。

 

「いいの、あーし、いくら食べても太んないしー」

 

 

「そ、そうだよね!優美子マジ神スタイルだよねー足とか超キレイ!それであたしちょっと…」

 

 結衣は少しもじもじしながら何かを言おうとするが

 

「そうかなー、でもー雪ノ下さんとか言う人のほうがやばくない?」

 

 

 雪乃の話になったからか少し明るくなりすで話してるような感じになる

 

「あー確かにゆきのんはヤバイ…」

 

 そこまで言うと女王様が睨みをかけて冷たい声で威圧する。

 

「ゆきのん??」

 

「あ、いや、でも!優美子の方が華やかというか…」

 

 結衣はショボンとした雰囲気を出し言葉を辞める

 

 そこで隼人が助け舟を出す

 

 

「まぁ、いいんじゃない?行こうよ部活終わった後ならいけるし」

 

「おっけ、隼人! 裕太もくる??」

 

「そうだな…まぁ、俺も部活終わった後なら行けるから行こうかな?」

 

「おっけー、じゃあメールしてー」

 

「あ、あの!」

 

 話が一区切りついたところで結衣がもう一度何かを言おうとする

 

「どうした?結衣」

 

 俺が問いかけてみると

 

「あ、あたしねお昼ちょっと行くところあるから…」

 

「あぁ、そうなん?じゃあさあーしレモンティー飲みたいから買ってきてよ、あーし今日飲みもん持ってくるの忘れてさー」

 

 おいおい、さり気なくパシるなよ結衣だったら断れなさそうだからなおさらやめてやれ…

 

「あ、あたし戻ってくるの5限になるから、お昼まるまるいないからそれはちょっと…どうだろうみたいな…?」

 

 

 あー雪乃となんかお昼食べるって約束してたっけ仕方がない俺も飲み物ほしいしパシられるか…

 

「はぁ?ちょ、結衣、最近付き合い悪くない?」

 

「はぁ、それは、やむにやまれぬというか…何というか、私事で恐縮ですっていうか…」

 

 おいおい、何言ってるのしかも恐縮ですって…かしこまりすぎだろ

 

「それじゃあわかんないからちゃんと説明してよあーしら、友達でしょ?」

 

「まぁ、落ち着けって優美子、結衣もたまには違う人と食べたりすることもあるだろ、結衣も結衣でちゃんと言わなきゃ友達でも伝わらないこともあるんだぞ。」

 

 俺は諭すように言うが…

 

「うん、ごめんね」

 

「だから、ごめんじゃ、わかんないっての!」

 

「辞めろって優美子他の人にも迷惑だ」

 

「そうだ、一回落ち着こう?優美子、裕太の言うとおりだ」

 

 そうして言い合いになっていくとクラスのほとんどが教室から出ていく。

 

「あのさ、結衣のためにいってるんだけどさ結衣のはっきりしないとこイラッとくんだよね」

 

「ごめん…」

 

「ほら、まただ」

 

これじゃいたちごっこだ結衣は謝るしかできないそれに苛つく優美子

 

「謝る相手が違うわよ由比ヶ浜さん」

 

 教室のドアが開くのと同時に声が聞こえてきた

 

「雪乃…」

 

「由比ヶ浜さん、あなた自分からお昼を誘っておいて来ないのは人としてどうかと思うのだけれども、遅れるのなら連絡の一本くらいするのが普通じゃないかしら」

 

こっちもこっちでストレス溜まってんのかよ

 

「うん、ごめん…でもあたし、ゆきのんの連絡先知らないよ?」

 

「そう?なら、あなたが一概に悪いとは言えないわね、」

 

無視されてた優美子が勢い良く立ち上がる

 

「ちょ、あーしらまだ話し終わってないんだけど」

 

「話す?あなた、あれが会話のつもりだったの?一方的に意見を押し付けてるだけに見えたのだけれども、ごめんなさい?あなた達の生態系に詳しくないのでね、つい、類人猿の威嚇かと思ったわ、お山の大将気取りなことで」

 

 やばい怒ってる…てか、よくそんな言葉を出していけるな

 

「雪乃…ちょっと落ち着こうぜ…」

 

そういい俺は雪乃の腕を引っ張り隼人に優美子は任せたとアイコンタクトを送り、教室を出ようとする

 

 

「優美子レモンティーな待ってて」

 

「ほら、雪乃先に行くぞ」

 

 雪乃は帰りたがらないから無理やり腕を引っ張って教室の外に出る。

 

 

 

「ごめんね?優美子??でも、あたし、ヒッキーとか、ゆきのんとか、ゆうくん、見てて思ったんだ本気で言い合えるお互い無理してないで接してなんかあっててさ…私」 

 

「もう、好きにすれば…」

 

「また、仲良くできるよね?」

 

「ふーん。まぁ、いいんじゃない?」

 

 やり取りだけを聞けば仲が悪くなった風に聞こえるが実際は結衣は照れ隠しのように下を向き優美子は腕を組み、違う方を向き二人とも照れてるのを隠している。

 

 お互いこれをきっかけにまた仲良くなったんならいいことだ

 

「なんだ、ちゃんと言えるじゃない」

 

そういい雪乃はどこかに行こうとする

 

「そうだな、ちゃんと言えたみたいだし俺も飲み物買ってくるか」

 

 そういい俺は女王様のレモンティーを買いに自販へと向かう。

 

 

「よし、これでオッケ、一応隼人にも買っていくか優美子のこと任せたし」

 

 

「センパーイ!」

 

 飲み物を買い教室へ帰ろうとすると後ろからふんわりとした可愛らしい声が聞こえてきて背中にドスッと何かがぶつかる

 

「痛っ、って、いろはか見たらその抱きつくの辞めろよ」

 

 と言いいろはを、背中からはがす

 

「先輩が見えたので声かけちゃいました!相変わらず先輩いい匂いですね!」

 

 そういい少し顔をこちらに近づけてくるなにこれ可愛いんですけど

 

「相変わらず、その男子を手玉に取るような感じなんだな」

 

 この子は一色いろは俺の後輩で 総武高校サッカー部のマネージャー、亜麻色のセミロングと、くりっとした大きな瞳が特徴の女の子 よく口調や所作で、あからさまに可愛らしさをアピ-ルしてくる小悪魔的で、以前隼人と二人で話しているときに話したことがあってそこから今の関係に至るというわけである。

 

「はぁ、先輩私に冷たくないですか〜?」

 

「いろはは可愛いんだから普通にしてるのがいいと思うし、隼人もそっちのほうが好きだと思うぞ、まぁそっちのいろはも魅力的だとは思うけど」

 

「ちょ、先輩何言ってるんですか!口説いてるんですか?ごめんなさいちょっとかっこ良いと思いましたけど、まだ心の準備が、でも先輩がいいなら…」

 

「はいはい、すぐ調子に乗るんだからほら、これやるからさっさと戻れ」

 

「先輩酷いです!私!これ好きなやつです!仕方ないですね〜今日はこれで我慢してあげます!」

 

「前、私が好きなやつなんですってアピールされまくったし俺も好きだしそれ」

 

「そんなこともありましたっけ?まぁいいです!先輩ありがとうございます!ではまた!」

 

 そういい、手を振り満面の笑顔でこちらを向いて帰っていく。

 

「さ、俺も早く行こう。」

 

 そうして、教室へと向かう。

 




いろはすと早く絡ませてあげたかったので、いろはす登場させていただきました。

感想待ってます Twitterのフォローも良かったらよろしくお願いしますでは次回また。


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病の持ち主

 昼休みになり天気もいいことだし昼を食べたあとに飲み物を買うついでに外でひなたぼっこしようと外へと向かっているとそこには雪乃が歩いてた

 

「おう、雪乃」

 

「あら、こんにちは早見くん」

 

「そんな他人みたいな感じじゃなくて昔みたいに下の名前で呼んでもいいのに」

 

 俺は笑いながら雪乃の様子をうかがう

 

「遠慮するわ、それに人の様子をうかがって行動する人とは知り合いじゃないもの」

 

 そんなにはっきり言わなくてもいいのに…ていうかこの世の中大体は顔色うかがって行動してると思うぞ?それじゃなきゃ社会でやっていけないからな、うん。

 

「そう?うかがってるつもりはないんだけど…あ、俺今日、部活遅れていくわ講習あるからそれに出なきゃいけないからさ」

 

「そう、わかったわ。ではまた。」

 

 そんなあからさまに避けなくても…

 

「おう放課後な」

 

 そう言い俺もまた外のベンチへと向かおうとしたが。

 

「あ、次移動だった…戻るか。」

 

 

 

 

 

 放課後講習が終わり夕日が出てきていて部活終わってるかもしれないが一応部室へと向かう

 

「どうしたんだ二人して部室に入んないのか?」

 

部室を覗くようにして部室の前にいた雪乃と由衣に声をかける。

 

「入りたいんだけど、部室に不審人物がいるんだよね」

 

「はぁ?不審人物?学校の中でか?」

 

「ちょっと早見くん。声をかけてきてもらえるかしら?」

 

「いやいや仮に不審人物が本当だとしたらそっちのほうが危ないだろ。ここはどうだろう比企谷に任せないか?」

 

俺が魅力的な案を雪乃に提示したところで背後から声がした。

 

「おい、人をなんだと思ってんだ扱いが雑すぎるだろ」

 

「あ、聞こえてたのか、というかそこにいたのか」

 

ホントに気が付かなかったさすがステルスヒッキー

 

「さて仕方がないから俺が行くよ比企谷も行きたくないみたいだし」

 

「当たり前だろ、なんか俺がわがままみたいなの辞めろよ」

 

そうして俺はドアを開けて不審人物なるものを発見した。

 

「おーい、ここで何か用?一応ここ部室なんだよね」

 

その不審人物なるものがこちらを向いた

 

「ひ、ひぃー!」

 

何故かこちらを向き悲鳴を上げる。そこまでビビらなくたっていいのに

 

「早見くん初対面の人にそんな威圧はしなくても」

 

「それ誰でもこういう反応になるぞ早見」

 

「助けて八幡!」

 

そういい比企谷の方に向かって飛んでいく

 

「比企谷君あなたの知り合いなの?」

 

そう問われると比企谷は嫌そうな顔でそっぽを向ける

 

「こんなやつ知らない。知ってても知らない」

 

「ふっはっはっは、まさかこの相棒の顔を忘れたというのか!見下げ果てたぞ!八幡!」

 

「やっぱり知り合いじゃん。しかも相棒って比企谷も友達いたみたいだな。」

 

「そうだ相棒貴様も…「うるさい」はい…すいません」

 

比企谷がうるさいって一言言うと急にだまり始める。

 

「で?比企谷誰なのこの人」

 

「あー知らないけどしいて言うなら体育でペア組まされたかもな?」

 

「それよーするに知り合いじゃんそういう仲ってことでしょ?」

 

「ふんっ!あの悪しき風習、好きやつと組めだと?…我友達いない一人も…」

 

え、なに自虐ネタなの?本当に友達いないの?わかりづらいボケしてくるな…

 

「で?何のようだ?材木座」

 

すると反応するように

 

「やっぱり知り合いじゃんヒッキー」

 

「我は剣豪将軍、材木座義輝だ」

 

「そのお友達あなたに用があるんじゃないの?」

 

なかなか粋な自己紹介だったのに…少し触れてやれよ…冷静すぎるよ…

 

「友達じゃねぇし」

 

「さよう、われに友などおらぬ…ケプコンケプコン、時に八幡よここが奉仕部でいいのだな?」

 

すると比企谷のかわりに雪乃が答える

 

「ええここが奉仕部よ」

 

じっと雪乃の方を見ている材木座くんだがすぐに八幡の方へと目線を向ける。

 

「そうかそうか平塚教諭に助言を頂いた通りならば話が早い、八幡お前は我の願いを叶えてくれるのだな」

 

え、なに雪乃を完全スルーなの?こいつ中々凄いメンタルしてるな

 

「別にあなたの願いを叶える義務はないのだけれど奉仕部はただお手伝いをするだけ」

 

材木座くんは雪乃の方を見ていたがやはり八幡の方に目線を再び向ける

 

「ふむ八幡よ我に手を貸せ!我とお前の関係…」

 

言いかけると雪野の方からの視線がすごくそちらを向いてしまった材木座くんが何かを感じ取ったのか再び八幡の方に目線を向ける

 

「いや、こっちみんなよ」

 

すると雪乃が横から俺の袖を引っ張って小声で耳打ちをしてくる

 

「ちょっと早見くんあの剣豪将軍ってなんなの」

 

「恐らくだけどあれは中2病だ」

 

「中2病…?」

 

分けらなさそうに首を傾げる

 

くそー悔しいけどドキッとした普通にしてたら可愛い女の子なのに…そう思いながら顔には出さずに続ける

 

「たぶん昔の剣豪とかを自分に重ね合わせてるんだよ多分…んーつまり自分の作った設定でお芝居をしてるのを普段の生活でしてるみたいなもんかな」

 

「ちょっと怖いかも〜」

 

この娘本当に素でディスるよな…

 

そう思っていると雪乃が材木座くんの方へと向かって行く

 

っていうか材木座くん雪乃に凄い怯えてるじゃん…

 

「だいたいわかったわあなたの依頼はその心の病を治すことなのね?」

 

「あ、あぁ、別に病気じゃないですけど…」

 

「てかささっきから気になってたけどその下に落ちてるノートってなんなの?」

 

「じ、じつは…我は小説を書いているのだがとある新人賞に応募しようと思っていたのだが友達がいないからな…感想が聞けぬのだ読んではくれないか?」

 

今すんごい悲しいことをサラリと言ったよね?やっぱりメンタルすごいな

 

「投稿サイトとかあるからそこに晒せばいいんじゃねぇの??」

 

「それは無理だ八幡…あいつらは容赦がないからな、酷評されたら多分死ぬ」

 

おいメンタル弱いじゃねぇかよ

 

「材木座くんには残念なお知らせだけど雪乃のほうが多分ひどいと思うよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえずその場は解散となり、家で各々読んできて感想を書くという事になった。

 

 

「ただいま」

 

リビングのソファに寝っ転がってファッション雑誌を読んでいる少女がいる

 

「…」

 

この黙ってる少女は俺の妹、名前は早見紗奈。身長は女子にしては高めの161㎝で中学三年生。肩甲骨あたりまで伸びた暗い茶髪が特徴で毛先がパーマで軽く巻かれている。

 

相変わらず俺のこと嫌いなんだな…悲しいよお兄ちゃんは…さて気を取り直して今日は母さんも父さんも帰ってくるの遅いしご飯作るしかないか…といっても料理しないしレパートリー少ないんですけど

 

 

 

 

「とりあえず晩御飯作ったらここにラップかけて置いとくから皿洗ってしまっとけよ」

 

返答がないということはYESということだ。

 

とりあえずシャワー浴びてから小説読もう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

や、多すぎだろほんと朝までかかるって何無駄な設定とか意味不明なルビとかあったし…とりあえず眠たい

 

「よう裕太眠たそうだな」

 

いつもどおりの時間に出たので当然隼人といつもの場所で出会う

 

「おはよ隼人。まぁな、部活の要件でちょっとな」

 

「そういや部活はいったんだっけ?まさか高校で裕太が部活はいるとはな…やってていけてるのか?」

 

そういい隼人が笑顔をこちらに向ける

 

その笑顔が朝からは眩しすぎるよ…

 

「今思えば強制だった気がするけど…まぁ雪乃もいるし知り合いがいた分なんとかやっていけそうだよ」

 

「そうか雪ノ下さんも…ま、裕太ならどんなところでもやってけるだろ?」

 

それを君が言うかね?君が!

 

そんな話をしてるうちに学校につき教室へと向かっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

終礼のチャイムがなりに小説の感想を言うために部室へと向かう

 

 

「って雪乃寝てるし、まぁあれを読んだらさすがにな…」

 

結衣も比企谷も掃除してるし終わってここに来るまで時間もあるし寝かせといてやるか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっはろー」

 

そういい豪快にドアを開けていつもの挨拶をする

 

てかなんで朝からずっとそんな元気なんだよ…絶対読んでないだろ

 

「あー静かにしてくれ、見ての通りだから」

 

そういい雪乃の方へと視線を誘導する

 

「んっんー…あらみんな集まってたのね」

 

「起こしちゃった?ごめんね?ゆきのん」

 

「いえ、比企谷くんの顔をみたらすぐ目が覚めたから」

 

寝起きから凄い毒を吐くな調子良すぎだろ

 

「みな集まってるな!我に感想を聞かせてもらおうか!!」

 

突然ドアから勢い良く声が聞こえてきた

 

「やっと来たなお前街だったんだよ」

 

「八幡…そんなに強く言わなくても…」

 

メンタル弱いんだなやっぱり…

 

「ケプコンケプコンでは聞かせてもらおうか!」

 

「そう…」

 

すっと息を吐いた。

 

「つまらなかった。読むのが苦痛でしかなかったわ。想像を絶するつまらなさ。」

 

最初だからもうちょっと抑えてあげようよ…

 

「あぎゃぁぁぁ」

 

「変な声だすなよ」

 

「ばぢぶぁんんん」

 

彼は比企谷くんに助けを求めに抱きつきに行く。

 

「ま、まぁどこが悪かったか聞こうぜ」

 

「そうね、まず文法がめちゃくちゃなぜいつも倒置法なの?てにをはの使い方知ってるかしら?小学校で習ったはずなのだけれども?それにルビなのだけれど誤用が多すぎるわ。能力に力なんて読み方ないのだけれど?ちなみに聞くけれどこの、幻紅刃閃(ブラッディナイトメアスラッシャー)はどこから来たの?」

 

こ、こいつよく見たら付箋とかめっちゃ貼ってるじゃん…やめてあげようよ…彼のライフはもう0よ!

 

「とりあえず雪乃の感想はそれくらいにして次は結衣にお願いするよ」

 

「あ、え、私!?うーん…難しい感じ知ってるね!」

 

「ぐぁはぁぁ」 

 

それはダメだよ結衣…もうここの女性陣は殺す気なのか?

 

「つ、次は比企谷な?」

 

もう見ててこっちが悲しくなるしなんか震えてくる

 

「八幡お前なら理解できるよなっ…?」 

 

二人とも見つめ合い笑顔が溢れる

 

「あんまお前ら見つめ合うなよ勘違いする人もいるし…」

 

主に海老名とか海老名とか!

 

「で、あれなんのパクリ?」

 

だめだこりゃ、もうそうとうメンタルきてるな俺が慰めなきゃ…

 

「材木座くん」

 

「早見…」

 

「大事なのはイラストだから中身なんて気にしないほうがいいよ?る」

 

「ほわぁぁぁ」

 

え!?魂抜けてるよ!?

 

「あなたフォロー入れたつもりだろうけどエグッてるわよ?」

 

「また見てくれるか?」

 

答えは無論

 

「もちろんだまた持ってきな」

 

こうして材木座の相談は解決したのであった



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男の娘

優美子と姫菜と話をしてから部室へと向かっていた。

 

「結衣は先生に呼ばれてたし比企谷と雪乃はきてるよな。比企谷のメンタルが雪乃に削りきられる前につかなきゃな」

 

そう一人で呟き足を早める。

 

「おっす…なにしてんの?」

 

俺はいつもどおりドアを開けて挨拶をするがそこには言い争っている二人がいた

 

「無理よ」

 

「無理ってお前な」

 

「無理なものは無理よ」

 

「いや、ようは俺がテニス部のカンフル剤になればいいわけで」

 

なんか比企谷必死だな

 

「どうしたんだ?二人共」

 

「この男がテニス部に入るから抜けると言っているのよ。はぁ…あなたに集団活動なんてできるわけないでしょ?あなたみたいな生き物受け入れてもらえるはずがないでしょう」

 

うわ、さらっとひどいこと言ったよ

 

「まぁ、もっとも…あなたと言う共通の敵を得て部員のやる気を促し一致団結することはあるかもしれないわね。けれど排除するための努力をするだけで自身の向上のために向けられることはないのよ、従って根本的な解決にはならないわ。」

 

「そうはいっても…戸塚のためになんとかならないか?」

 

「そうね、私なら全員死ぬまで走らせてからあとは素振り死ぬまで練習…かしら」

 

なんで最後の方嬉しそうに微笑んで言うんだよ

 

「まぁ、とりあえずさ話があんまり見えてこないからあれだけど戸塚が自分から助けを望んできたらそん時助けてやればいいんじゃない?」

 

「いや、誰かに相談とかされたの初めて出しさ…」

 

「何でもかんでも聞いて力を貸すばかりがいいとは限らないわ」

 

比企谷が言葉に詰まってきたその時ドアが開いた

 

「やっはろー!」

 

「おー結衣、先生からの呼ばれたの終わったのか?」

 

「うん!そのことなんだけど!依頼人を連れてきたよ!」

 

そう言い後ろからぴょこんと顔を出すとそこには戸塚の姿が

 

「あれ!比企谷くん!」

 

「戸塚…」

 

驚いたように戸塚の名前を出す

 

「比企谷くんどうしてここに?」

 

「や、その、俺は部活だけど…お前はなんで?」

 

や、最初キョドりすぎだろ!何惚れてるの?そう思ってるうちに結衣が口を開く

 

「いやー私も奉仕部の一員じゃん?だからちょっと働こうと思ってさ!そしたらさ?彩ちゃんが困ってる風だったからさ?連れてきたの!あ、お礼とかは良いよ?当然のことをしただけだし!」

 

なんか自慢気に話してるけど結衣って確か…

 

「由比ヶ浜さん…別にあなたは部員ではないのだけれども」

 

「ちがうんだっ!?」

 

だ、だよねー…確か入部届とか出してないし…

 

「ええ、入部届出してないし顧問からの承認もないから部員ではないわね」

 

「書くよー!入部届くらい何枚でも書くよー!」

 

あれ?なんかルーズリーフ出したけど入部届って先生からもらえるんだよね?1から書くつもりなの?

 

「それで戸塚くんは何のようかしら?」

 

この人完全に結衣のこと放置だよ…

 

「そのことなんだけど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいわ依頼を受けるわ」

 

「依頼内容は部が強くなるために戸塚の技術向上でいいんだよね?」

 

「うん!僕がうまくなればみんなついてきてくれると思うし」

 

「で、どうやんだよそんな短期間でうまい話なんてないだろ?」

 

比企谷それは…

 

「あら?さっき言ったじゃない覚えてないの?」

 

「あれ本気でやろうとしてたのか…?」

 

「当たり前じゃない近道なんてことは無いわ」

 

「じゃあ決まったから明日の昼休みとりあえず着替えたら急いでコート集合で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言ったけど…なんで雪乃は着替えてないの?」

 

「私は監督だもの動く必要はないわ」

 

あ、そうですか…

 

「では、とりあえず腕立て 素振り コート走って頂戴」

 

なんて鬼コーチだ…

 

「は、はい!わかりました!コーチ!」

 

戸塚は戸塚で楽しそうにしてるし…本人がいいならいいか…とりあえずベンチに座ろ…暑いし…

 

「終わったら呼んでくれ~」

 

「少しはあなたも手伝ったらどうかしら」

 

「いやいや、テニスとかよくわかんないし。」

 

「はぁ…あなたのやる気のなさにはあきれたものね」

 

そう言い雪乃は俺から離れて行く

 

さてベンチも暑いし日陰でもさがしに行こうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?裕太じゃんなにしてんの??」

 

「ん??あー優美子か昼寝だよ昼寝」

 

そこにいたのはお決まりの隼人グループだった。

 

「優美子こそこっちの方まで来てなにしてんの」

 

「やー、あーし暇だしーテニスでもしよーかなーみたいな?」

 

「あーテニスコート戸塚くんが練習で使ってたから使えないし第一、許可とってないだろ絶対」

 

「そうなの?ならあーしが練習に付き合ってあげるってことでいいよね??」

 

「はぁ…本人に聞いてよければ良いんじゃないのか??」

 

もうこうなった女王様は止められない隼人が止めれば良いんだけど隼人は止めないしな…めんどくさそうだからこのまま寝てよ…と思ったけど雪乃呼んでこよ

 

 

あいつどこ行ったんだよ見捨てるわけないから保健室かそれとも着替えに行っただけなのか

 

後者だけはバッタリでくわしたみたいな主人公みたいなのは嫌だから保健室に行ったんだようんそうあってほしい。

 

「失礼しまーす、おばちゃん雪乃いますか?」

 

「あらここで何をしてるのかしらサボり魔さん」

 

「や、お前だってサボってんじゃん 」

 

「いえ、残念だけれどあいにく私は救急箱を取りに来ただけなのだけれど」

 

「とりあえず来てくれ。なんかめんどくさいことになりそうなんだよ」

 

「あら、あなたがめんどくさいってなるとあのお山の大将のことかしら?」

 

「もしそれが例えば優美子のことをいってるなら本人のまえでは言わないでくれよ…」

 

ほんとに場が凍りついて死んじゃうよ!!

 

「まぁいいわ。着替えるから待っててちょうだい」

 

「わかったよ。急いでな」

 

早くしなきゃ絶対強奪されてるよ…

 

「ゆきのーん!」

 

「結衣どうしたその足」

 

足を引きずって息をきらしていた。恐らく痛みを我慢して急いできたんだろう。

 

「えへへちょっとくじいちゃった」

 

「えへへじゃないほらテーピングしてやるから足だして」

 

恥ずかしそうにしながら足を出してくる。そんな恥ずかしそうにしなくても良いのに…こっちが恥ずかしくなるっての

 

「あ、ありがとう…心配してくれて嬉かった」

 

「イチャイチャするのはあとにしてもらって良いかしら?」

 

あなた待ちだったんですけど…

 

「準備できたみたいだし行くか、ほら結衣」

 

そういい俺は結衣に背中を向ける

 

「ほ、ほらってどゆこと!?」

 

「そのままじゃ、歩きづらいだろ?おぶってやるよ」

 

「い、いいよ!私重いし!しかもあれだし!!」

 

「もうなにいってるかわからないし…時間ないから早くしてくれ」

 

「じ、じゃあお言葉に甘えて…」

 

だんだん声が小さくなりながらも返事をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結衣をおぶってテニスコートまで着くとそこには比企谷と対立してる隼人と優美子がいた。

 

「これどういう状況なの??」

 

「んーとテニスコートをかけてミックスで試合してたけど私怪我しちゃって…だから雪乃んに出てもらおうと」

 

「なんで私が…」

 

「こんなの頼める友達ゆきのんしかいないんだもん」

 

結衣はうまいなー雪乃を扱うのが…

 

「はぁ、仕方がないわならそこの男も入るなら良いわよ」

 

はぁ!?

 

「まてよ俺テニスしたことなんてないしそんな隼人とかみたいになんでもできる人間じゃないんだぞ」

 

「裕太くんしてくれないの??」

 

結衣…この上目遣いずるすぎる

 

「わかったやるよ負けても知らないからな」

 

「雪ノ下さんだっけ??あーし手加減とかできないから」

 

やめろ優美子挑発するな!!たのむ!

 

「私は手加減してあげるから安心してもらって良いわ安いプライドを粉々にしてあげる」

 

だからし返すなよ…

 

「雪乃…息巻いといてなんだけどさ優美子って選抜選ばれてるらしいぜ」

 

「それがどうしたの?私がテニスできないと思ったのかしら?」

 

優美子がサーブを繰り出すそれを雪乃が難なくコートへと返しそれをフェイントで雪乃の逆をつくがそれを読んでいた雪乃はダウンザラインをきめる。

 

えーとっテニスについてわからなさすぎてついてけないんですけど

 

ようするに凄いってことですねはい。これからもほんと互角の勝負…てか勝つんじゃないのこれ?

 

「よくあれ返せたね凄いじゃん」

 

ましてや中学のとき選抜に選ばれてるような優美子のボールを

 

「だって彼女、私に嫌がらせしてくるときの同級生と同じ顔してるもの。あの程度のゲスな人間の考えることなんてお見通しよ」

 

普通そんなんで返せないと思うんですけど…ってか考えたら負けか

 

「ならこっからも頼むわ」

 

「そうしたいのは山々なのだけれど少し無理な相談ね」

 

「は??」

 

「知ってるでしょ?私体力だけには自信がないの…」

 

は!?おいおいあと一本とったら勝ちだぞ?なんでこんなタイミング悪く…そうしてるうちに優美子がサーブを放ちそのボールが入ってしまう…デュースになったし…しゃあねぇここはカッコ悪いが…

 

「なぁ?隼人、お互い頑張ったってことでドローにしない??」

 

ここは隼人が一番望む終わりかたを提案して隼人をこちらに誘い込む

 

「そうだなここはドローってことで良いんじゃないか?優美子」

 

さすが隼人!あとは…優美子だけど

 

「ちょ、隼人試合なんだから決着つけなきゃまずいっしょ!」

 

ですよねー…

 

「裕太もそんな、甘いこと言ってていいの??」

 

「決着ならそこの男が決めるから安心しなさい」

 

ちょっと!まって?いつの間にか俺が決めるみたいな雰囲気になってるし

 

「わかったよやれば良いんだろやれば」

 

とりあえずラリーに持ち込んだら負けだろこれ…ならラリーに持ち込まなきゃ良い

 

俺はサーブを放つとそのボールはシュート回転してボールがかなり跳ねるとそのボールは隼人がとれずにポイントを奪う。そして俺はもう一度そのサーブを放つ

 

「悪い隼人、優美子この埋め合わせは今度するから」

 

そういい俺は手を合わせてこの通りと言いチラッと優美子を見る

 

「ふんっ、アイスね」

 

うわー理不尽…けど

 

「あぁ!今度奢る!!だから今回は勘弁!」

 

「うぉーー!なんだ今のサーブすげーぞ!!」

 

いつの間にかギャラリーも増えていてギャラリーが興奮していた

 

「あなたそんなことできるなら最初からしてもらえるかしら?」

 

「いや、俺だって見よう見まねだったしサーブしかできないし」

 

「すっごーーい裕太くん凄いね!!ゆきのんも凄かったよ!」

 

目をキラキラさせてこちらに向かってくる結衣

 

「おう、ありがと結衣、てか今回は比企谷は空気だったな」

 

俺はそう冗談で笑いながら言った

 

「うっせ俺はそんなたいそうなことできる人間じゃねーよ」

 

「いやいや、比企谷は実際自分が思ってる以上な人間だよ例えば誰もやりたがらないことをやるし」

 

「別に押し付けられてるだけだよ」

 

「それでもなんだかんだやってるじゃないかそういうところホント羨ましいよ。」

 

昼休みの終わりのチャイムが鳴ったから教室へと向かう。



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職場見学

お久しぶりです。投稿遅くなっていてすいませんこれから頑張りたいと思うので応援、コメント、感想よろしくお願いします!


「おはよー」

 

欠伸をしながら俺は母さんに挨拶をする

 

「あら、おはようご飯できてるから早く食べちゃって」

 

「はーい。あれ?この書類机の上においてあるけど母さんが昨日書いてた紗奈の書類じゃない?」

 

「あら、あの子忘れていったみたいね。悪いんだけれど今日までの書類だから届けてくれない?」

 

や、いいんだけどさ?俺が中学校にいっても大丈夫なのか?そう疑問に思いながらも承諾をする。

 

「りょーかい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は中学校へと向かう。

 

「着いて入ったのはいいけど職員玄関どこだ?」

 

しかも視線すんごい感じるし誰か助けてくれ…

 

「あれ??小町ちゃんあれって紗奈のお兄さんじゃない??」

 

「あれ、ホントだどうしたんだろちょっと小町行ってくるね!!」

 

「誰か友達とかいれば良いんだけど…紗奈の友達数えるくらいしか知らないからな」

 

すると後ろからちょんちょんっと背中をつつかれた

 

「裕太さんここで何してるんですか??」

 

「おー小町ちゃん良いところに、悪いんだけどさこの紙を紗奈に渡してくれないかな?あいつ忘れちゃってさ届けに来たのはいいけど職員玄関がどこかわかんなくてさ」

 

「なるほどそういうことでしたか!!小町にお任せください!!」

 

「それじゃ!紗奈によろしく言っといてありがと!」

 

そう言い学校に向かうために校門まで走り自転車で学校へと向かう。

 

「紗奈ちゃん」

 

「ん?なーに?小町ちゃん」

 

「これ紗奈ちゃんのお兄さんから」

 

「あいつと会ったの??」

 

「うん!校舎の前で困ってたから話しかけたらこの紙を渡してって!優しいね!お兄さん!」

 

「紗奈のお兄ちゃんってイケメンだよねいいなぁーあんな優しいお兄ちゃんほしかったな~」

 

「別に優しくないし…」

 

 

 

 

 

俺は紗奈にプリントを渡した後、全速力で学校へと向かう。

 

 

「はぁー。朝から疲れた…」

 

「お疲れ裕太そういえば今日はいつものとこで会わなかったけど何かあったのか?」

 

「朝から妹の忘れ物を届けに行ったんだよ…」

 

「へー紗奈ちゃんが忘れ物か珍しいな」

 

「ほんと、お陰さまで朝から過酷労働をしいられましたよ」

 

「お疲れ、それより裕太は職場見学の班は決まったか?」

 

「いや、決まってないまだ」

 

「ならちょうどよかった一緒の班にならないか??」

 

「おう、いいよ決まってなかったしどこに行きたいとかないし」

 

「じゃあ決まりなあと一人はどうする?」

 

「優美子とかで良いんじゃない?」

 

「そうだな裕太から誘っといてくれ俺は平塚先生に呼ばれてるから」

 

「りょーかい」

 

こういうのは隼人から優美子に直接の方が喜ぶと思うんだけどな… そう思いながらも優美子の元へと向かう

 

「優美子、職場見学俺と隼人と班組むんだけど入らない?」

 

「隼人と!?入る!」

 

すんごい勢いだな…さて班も決まったことだし次の授業まで寝るか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

さて部活にいきますか

 

 

「よう相変わらず早いなって夏服か相変わらずちゃんと指定のものを着てるんだな…」

 

この学校は指定の夏服とかあるが基本的には自由で緩いなので指定のものにしてる人の方が珍しい

 

「ええ、別に校則をわざわざ違反する理由もないもの」

 

相変わらず真面目だな…

 

「やっはろーー!!」

 

はいでましたよくわからない挨拶そして元気!!

 

「おう結衣」

 

軽く挨拶をして比企谷のとなりに座ると携帯が鳴ったので携帯を見るとメールが来ていた。

 

「あー。」

 

隣で結衣がケータイを見て声をだす。

 

「どうかしたのかしら由比ヶ浜さん?」

 

「あ、ううん、なんでもないんだけどね…ちょっと変なメールが来たからうわぁー。って思っただけ…」

 

あ、俺の方にも来てる

 

「比企谷くん、裁判沙汰になりたくなかったら今後そういう卑猥なメールを送るのはやめなさい。」

 

「内容がセクハラ前提でしかも犯人扱い、証拠をだせ証拠を」

 

「比企谷…その言葉がもう犯人の言うセリフだぞ」

 

「た、たしかに…どこぞやのからだが小さく頭脳は大人な漫画の犯人と同じだが…俺は断じて犯人ではない」

 

「ヒッキーは犯人じゃないよ」

 

「証拠は?」

 

雪乃がそう結衣に問うと結衣は人差し指を顎の下に指し上を向き考える素振りを見せる

 

「んー、内容がうちのクラスのことなんだよね、だからヒッキー無関係と言うか」

 

「俺も一応同じクラスなんだが…」

 

「なるほどでは、比企谷くんは犯人ではないわね」

 

雪乃は嬉しそうに笑顔で答える。

 

「それ認められると結構悲しいんだが…」

 

「まぁ、こういうの時々あるしさあんまり気にしないことにする!」

 

「それさ俺にも来てるみたいだしクラス全員に多分届いてるぞそのチェーンメール」

 

俺たちがその話をしているとノックの音が聞こえた。

 

「ちょっと良いかな?お願いがあって」

 

そこには葉山隼人の姿があった

 

 

「奉仕部ってここで良いんだよね?」

 

「あぁ、てかどうしたん?隼人が相談って」

 

「なんだよこれイケメン二人とか本能的に負け悟っちゃったよ…」

 

「比企谷、声に出てるよ…」

 

「平塚先生に悩み相談するならここって聞いてきたんだけど…いやー中々部活が抜けさせてもらえなくて」

 

「用があるから来たんでしよ?葉山隼人くん?用件をどうぞ」

 

そう言い冷たい視線を隼人にお送る

 

うわーマジで久しぶりにあの目を見たよ

 

「あ、あぁその事なんだけど」

 

そう言いケータイを差し出す

 

「あ、そのメール」

 

「戸部は稲毛のヤンキー、ゲーセンで西高狩り、大和は3股最低のクズ野郎、大岡はラフプレーで相手校のエース潰し。チェーンメールね?」

 

「このチェーンメールか出回ってからクラスの雰囲気が悪くてさ、それに友達の悪く書かれてると腹が立つし…でも犯人探しをしたいわけじゃないんだ丸くおさめる方法を知りたい、頼めるかな?」

 

笑顔で雪乃に言うが雪乃は冷たい視線を送り続ける

 

「では事態の収集をすれば良いのね?」

 

「うんそうだね」

 

「では犯人を探すしかないわね」

 

あれ?得意気に立ち上がっていってるけど話聞いてた??

 

「え…??あれ?なんでそうなるの?」

 

罰が悪そうに隼人は雪乃に質問をする

 

「チェーンメールあれは人の存在を踏みにじる最低の行為よ自分の名前も顔も出さずただ傷つけるためだけに誹謗中傷の限りを尽くす止めるならその大元を根絶やしにしないと効果が無いわ、ソースは私」

 

「実体件かよ…」

 

「根絶やしにしたんだ…」

 

おい比企谷と結衣が引いてるぞ…

 

「とにかくそんな人間は滅ぼすべきだわそれが私の流儀私は犯人を探すわ、一言言うだけでパッタリ辞めると思うわ、そのあとどうするかはあなたに任せるそれで構わないかしら?」

 

「あ、あぁそれで良いよ…」

 

隼人が顔をひきつりながら言う

 

この教室の全員がちょっと引きぎみで空気が悪い

 

「ではメールが送られ始めたのはいつかしら?」

 

「先週末からだよな?」

 

「う、うん」

 

隼人が結衣に尋ね結衣は小さく頷く

 

「クラスで何かあった?由比ヶ浜さん早見くん葉山くん」

 

「特になかったと思うけど…」

 

「うんいつも通りだったと思うよ」

 

「んーさっぱりだわ」

 

雪乃は困った顔をして比企谷の方に顔を向ける

 

「一応聞くけれども比企谷くんは?」

 

「一応ってなんだよ…先週末か、つまり最近のことだよな…」

 

そう言い目をつぶり考えたている

 

「職場見学とか?」

 

「あーそういうことか」

 

「グループわけのやつだよ…」

 

「でもそれでなんでチェーンメールになるんだ?」

 

「犯人わかっちゃったかも」

 

結衣が続けて言う

 

「説明してもらえるかしら?」

 

「こういうイベント事のグループ分けはそのあとの関係性に拘わるからねー。ナイーブになる人もいるんだよ」

 

「職場見学は三人一組だから葉山と早見はセットだからあと一人の枠を競い会うってことそのために誰か二人を蹴落としたいよな」

 

「一応班は決まっちまったんだけどな俺と隼人と優美子の3人で」

 

「多分そいつらは知らないんだろ決まったって」

 

「じゃあその三人の中に犯人がいると見て間違いないわね」

 

「ちょっと待ってくれ、俺はあいつらの中に犯人がいるなんて思いたくない、3人を悪く言うメールなんだぜあいつらは違うんじゃないかな?」

 

「隼人それは違うよ、自分に疑いがかからないようにするためだよ多分」

 

そう言うと比企谷が口を開く

 

「ま、俺ならあえて誰か1人だけ悪く言わないでそいつに罪を擦り付けるけどな」

 

「ヒッキーすこぶる最低だ」

 

「知能犯と呼んでくれ」

 

なんでそんな誇らしげに言ってるんだよ…

 

「とりあえずその三人のことを教えてもらえるかしら?」

 

「戸部は見た目悪そうに見えるけど一番ノリの良いムードメーカーだなイベント事になると積極的に動いてくれる良いやつだよ」

 

よくそんなすぐに人の良いとこを言えるなさすがみんなの隼人くん

 

「騒ぐだけしか脳のないお調子者と言うことね」

 

え、どうやったらそれがイコールになるの?

 

「どうしたの?続けて?」

 

「大和は冷静で人の話を聞いてくれるゆっくりマイペースで人を安心させるって言うのかな良いやつだよ」

 

「反応が鈍い上に優柔不断っと」

 

よくも、反対のことをそんなに言えるな…逆に凄いよ

 

「大岡は人懐っこくていつも誰かの味方をしてくれる気の良い性格だよ」

 

「人の顔を伺う風見鶏ね」

 

「え…」

 

みんなドン引きだよ…

 

「どの人が犯人でもおかしくないわね

葉山くんの話だとあまり参考にならないわね、あなたたちは彼らのことどう思ってるの?」

 

「え、どう思うって言われても…」

 

「俺はそいつらのこと知らねーし」

 

「俺は隼人と同じ意見」

 

結衣 比企谷 俺 の順番で答える

 

「じゃあ調べてもらって良いかしら?」

 

「う、うん」

 

結衣は言葉に詰まりながら返事をする

 

「ごめんなさいあまり気持ちの良いものではないわよね」

 

「俺がやるよ、別にクラスでどう思われても平気だし人のあら探しは俺の十八番なんでね」

 

「あまり期待せずにしとくわ」

 

「私もやる!!ヒッキーに任せてられないし!」

 

「じゃあ俺は本人たちの会話の様子で探るよ」

 

「ではとりあえずあえず解散明日から作戦決行よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒッキーと裕太くんはなにもしないで良いからね!」

 

「そりゃたすかるけど具体的にはどうするんだ」

 

「実際本人に聞けるわけじゃないしな」

 

「女子の話聞いてみるねクラスの人間関係なら女子の方が詳しいし共通の嫌なやつの話をすると結構盛り上がって色々話してくれるし」

 

「なんか女子のいけない部分を聞いた気がする」

 

「ガールズトークこわっ」

 

「と、とにかく!あたしやるから二人とも気にしないで!!」

 

「まぁ俺が聞き取り調査しても誰って聞かれるしな任せる」

 

「そうだな俺もできることないし任せるかな」

 

「そっか!まかせといて!」

 

そう言い嬉しそうに女子のグループに行く。

 

「なぁ見送ったの良いけど結衣のことだしうまく行くと思えないんだけど…女子でもそういう悪口ってあんま良くない気がするし…」

 

「まぁあんまし期待してない。ここは俺に任せろ」

 

「まぁ結衣の方を見てからでも良いんじゃない?」

 

「その頼みの由比ヶ浜もダメみたいだぞ」

 

 

早いな。。

 

「ごめん!全然わかんなかった!!」

 

「ま、まぁなんか違ってた気がしたしね…」

 

「さてここは俺に任せてもらおうか。とりあえず散った散った邪魔をするな」

 

「結衣ここは比企谷の言うとおりにしようか」

 

「う、うん!!頑張って!ヒッキー!」

 

「では俺の108の特技の1つ人間観察を披露しよう。元来、人間のコミュニケーションは三割程度残りの七割は…散れとは言ったがせめて聞いていけよ…八幡悲しくなっちゃうだろ」

 

俺たちは比企谷の言ってることは聞かないことにしてグループに戻った。のは良いけどあいつ、戸塚と話していてホントに大丈夫なのか??

 

「裕太くん聞いてる~?」

 

俺が比企谷の方を向いていると戸部に話しかけられる。

 

「悪い、職場見学だっけ?俺は別に見たいところとかないからなー隼人と同じ外資系企業とかになるかなー」

 

「マジ隼人くん、将来見据えてるわ~でも、俺らもそういう歳だし?最近親とかガチリスペクトだわ~」

 

「戸部が将来のこと考えるってキャラじゃないな」

 

「や、裕太くんそれ、ひどいっしょ~どう思う隼人くん~」

 

「まぁまぁ、でも戸部も真面目キャラになる時あるんだな」

 

「隼人くんまで~、でも少年の心は忘れずにみたいな~」

 

「お前はいつも少年だからもう少し大人になれ」

 

「ちょ、裕太くん~それないっしょ~」

 

そんなくだらない話をしているうちにチャイムがなったので俺たちは各々の席につく。

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後に部室に集まり会議をするため隼人と結衣と一緒に部室へと向かった。

 

 

「で、比企谷昼休み任せたが犯人わかったのか?」

 

「犯人はわからなかったが1つだけわかったことがある。あのグループは葉山と早見のグループだ」

 

「はぁー?ヒッキー今さら何言ってるの?」

 

「言い方が悪かった、あのグループは葉山と早見のためのグループだ。」

 

「そういうわけじゃないと思うけど。」

 

比企谷の意見に葉山は少し自信無さそうに反論する。

 

「葉山、早見、お前らがいないときの3人を見たことあるか?」

 

「いや、ないけど…」

 

「そーだな基本的に隼人と一緒にいることの方が多いからな俺もないな」

 

「あいつら3人の時は全然仲良くないんだよ、つまりあいつらにとって二人は友達でそれ以外は友達の友達なんだよ」

 

「仮にあなたの意見が正しくてもそれが解決とはイコールにならないわよね??犯人を見つけ出さなきゃ解決とはならないわよ?」

 

「葉山、お前が望むなら犯人探しもしなくてすみ、あいつら3人が仲良くなれる方法がある可能性がある方法があるんだが…聞きたいか?」

 

比企谷は悪い顔をしながら隼人に聞く。

 

こいつ、よくそんな悪そうな顔できるな…

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁよくこんな方法が思い付くな。普通の考えじゃないぞ」

 

その方法とは3人で職場見学をさせるというものだ

 

「まぁ、普通じゃないと自負はしてるからな」

 

「ここいいか?」

 

隼人が比企谷の席の前に座る

 

「おかげで丸く収まった、さんきゅーな!」

 

「別に、俺はなんもしちゃいねーよ」

 

まぁ原因が俺と隼人と一緒にいたいってことだから俺ら二人を除外すれば簡単な話だが。普通ならそこくじ引きで文句なしとかになるんだろうけどその発想がすごいな。

 

「俺と裕太があいつら3人と組まないっていったら驚いてたけどな。まぁ、これをきっかけにあいつらが本当の友達になってくれたら良いってそう思うよ。」



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兄妹 前編

更新が遅れてすいません。

次回は今月中に更新予定です。


中間テストが2週間前という事でそろそろ計画的に勉強をし始めようと思っていたのだが…

 

「勉強していたのになんで俺は…」

 

テストが近いからスタバで勉強していた時にいろはにばったり遭遇して勉強を教えてほしいとねだられ、今現在俺は後輩の一色いろはに勉強を教えるためにいろはの家にいるという状況なのである。

 

「良いじゃないですか~どーせ先輩テストなんて余裕じゃないですか~」

 

「ちがうちがう、教えるのはいいんだけどさ、なんでいろはの家にいるってことだよ」

 

「そりゃ、スタバだとゆっくりできないしあまり勉強を教えてもらう環境ではないじゃないですか~、かといって図書館だとうるさいですし~、だったら私の家で教えてもらった方がよくないですか?しかもちょうど両親いないんですよ~」

 

「なんかうまく乗せられてる気がしなくもないけど気にしないでおくよ」

 

「はい!そうしてもらうと私も助かります!あ、飲み物持ってきますね!」

 

そう言い、そそくさといろはは部屋を出ていく。

 

でもちゃんとみるとやっぱり部屋も女子って感じだな、整理整頓されてて、写真とか色々あるし可愛らしいぬいぐるみもあるし

 

「ダメダメ、女の子のましてや後輩の部屋をじまじまとみるのはよくない。」

 

そんな感じで自分に言い聞かせているといろはが紅茶とクッキーをもってきた。

 

「先輩、なにしてるんですか??もしかして後輩の部屋に一人なのをいいことに良からぬことを考えてますね?」

 

「んなわけあるかあほ、ただちゃんと綺麗にしてるんだなーって思っただけだよ」

 

俺は内心ドキッとしたが顔に出さないように努めた。

 

「冗談です先輩、そんなに焦らなくても大丈夫ですよ!先輩のこと信用しているつもりですから!」

 

「いろは、そういうあざといのは男の子は勘違いしちゃうからしないようにする、わかった?」

 

一瞬この小悪魔な笑顔とあざとい発言に騙されるところした…危ない危ない、普段いろはと接してない男子なら確実に好きになっちゃうレベルだよ。

 

「はーい、わかりましたー。じゃあ先輩の女性の好みを教えてください!」

 

「はいはい、いろはみたいな子がタイプだよー。」

 

「先輩!そんな棒読みで言われても説得力ないです~教えてください~」

 

「また今度な、今日は勉強するんだろ?」

 

「わかりました~絶対今度教えてくださいよ!」

 

駄々をこねてたいろはを俺は流したのだが、それに気づいたのかそれ以上は何も聞いてこなかった。

 

「あぁ、また今度時間あるときにね」

 

そう言い勉強会を開始するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意外といろはがちゃんと勉強していて驚いた。基礎的なことを教えれば応用問題解けている。

 

「はぁ~疲れました~」

 

よくよく時計を見たらもう10時になっている。

 

「お疲れ、今日やったポイントを押さえておけば数学はそこそこいい点数はとれるよ」

 

「はい~がんばります~。あ!そうだ先輩、ご飯食べていってくださいよ」

 

「や、こんな時間だし悪いよ」

 

「遠慮しないでくださいよ~お礼だと思ってください!」

 

終電には間に合うけどこの時間だしさすがにな…

 

「じゃあ今度お礼してよ、いろはのご飯楽しみにしとくね」

 

「わかりました!!その時は愛情込めて作りますね!」

 

 

「はいはい、ありがと、じゃまたな」

 

そう言い俺はいろはを流し、いろはの家を出て帰路につくのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

平塚先生の現国の授業が終わりチャイムが鳴り俺は次の授業の準備をする。

 

「隼人、先にいっててくれ」

 

「わかった遅れるなよ」

 

いつも隼人や優美子たちと一緒に移動しているが飲み物を買いたいため先に行ってもらう。

 

「え、えーと違うんですよ。」

 

財布を鞄から取り出して教室を出ようとすると聞き覚えのある声が聞こえる。

 

「重役出勤って言葉があるじゃないですかエリート志向の強い俺は今から重役出勤を…」

 

「君の志望は専業主夫だろうが、働いたら負けとまでいっていたな」

 

「うっ…あれですよ、そもそも遅刻=悪という認識が間違っているんですよ。」

 

比企谷か何してるんだ…平塚先生に逆らうと…

 

「ほう?一発殴る前に聞いてやろう」

 

あー。殴る前提なのね…

 

「警察は事件が起きてから動くしヒーローは遅れてやってくるのが定石です。だからといって彼らを責めるものはいますか?」

 

「ハァ…」

 

平塚先生が呆れて大きなため息をつく。

 

「これはもう逆説的に遅刻=正義といっても…あ、ちょ殴るのはノー…」

 

比企谷が平塚先生の一発に沈み倒れる。

 

「あほらしい…飲み物買いにいこう」

 

「ったくこのクラスは問題児が多くてたまらん、君も重役出勤かね?川崎紗希」

 

すると伸びていた比企谷が

 

「黒のレース…」

 

「バカじゃないの」

 

見られてその態度…かっこいいな。。

 

川崎さんはそのまま自分の席に座り次の授業の授業をする。

 

思わぬところで時間くったな。このまま次の授業に向かうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6限のチャイムがなり放課後になったのでいつも通り部室へと向かおうとすると後ろからトントンと肩をつつかれる

 

「ゆうくん!今日部活無い代わりに勉強会するんだけどゆうくんも来ない?ゆきのんとさいちゃんもくるんだけど!」

 

比企谷…お前誘われてないのか…

 

「いいよ、俺も最近自分の勉強する時間もなかったし」

 

時間はあったんだけど最近はいろはに勉強教えたり家に帰ったら他のことしてたから、勉強したくてもできない状況だったしな…

 

「じゃあ駅前のファミレスにいこ!」

 

そう言い教室を後にして戸塚と雪乃と合流してファミレスへと向かう。

 

 

 

 

 

 

もう夏に近づいてきて衣替えでテスト期間もいうこともありファミレスには夏服の制服を着ている多くの高校生が目についた。

それぞれの注文が終わり、まず最初は各自で勉強をする。

一時間したくらいから結衣が飽きたようでいつのまにか問題の出し合いをしていた。

 

「じゃあ次、ゆきのんが問題を出す番ね!」

 

「国語からの出題、次の慣用句の続きを述べよ。風が吹けば…」

 

「んー京葉線が止まる?」

 

「なんで千葉限定なんだよ…正しくは桶屋が儲かる。だな」

 

「あら、さすが私の次に頭いいだけあるわね。私の次に、ね?」

 

「2回言わなくていいから…それに2位は隼人と入れ違うからね」

 

まぁ、一位は不動のあなたなんですけどね…

俺は高校に入ってから一度も学年一位を取ったことがなく毎回二位を隼人と取り合いをしていて、たまたま一年の学年末で二位をとれたというわけである。

 

「では次は地理より出題。千葉の名産を二つ答えよ。」

 

「んー。味噌ピーと茹でピー?」

 

結衣それどっちもおんなじものだぞ…

 

「千葉は落花生しかないのかよ」

 

問題の出し合いをしているといつのまにか比企谷が近くに来ていた。

 

確か比企谷のこと誘ってないんだよね?凄く気まずい…

 

「うおっ、ビックリしたなんだヒッキーか、行きなり変なひとに話しかけられたかと思った」

 

「八幡も勉強会に呼ばれたんだね!」

 

そう嬉しそうな眼差しで戸塚は比企谷に視線を向ける。

 

結衣の方をちらっと見るといかにも誘ってない人が来ちゃったーという微妙な顔をしている。

 

「比企谷くんは勉強会に呼んでいないのだけれど何か用かしら?」

 

うわ、それを口に出しちゃうのかよ…とどめさしに来てるよこの子…

 

「ま、まぁまぁ比企谷も一緒に勉強しようよ」

 

「おいフォローしてくれるのはありがたいがもう少しうまくフォローしてくれよ。そこまで来ると逆に悲しくなる。」

 

すると結衣が比企谷の持ってるものに気がついた。

 

「ヒッキーそれ何持ってるの?」

 

「ん、あーこれ、夏期講習の資料だ」

 

そうえいえば紗奈も塾に通いたいって言ってたけど進路どうするんだろうな…

 

「いがーい、もう受験勉強してるのー?」

 

「進学希望なら他の連中も、もうこの時期から初めてんじゃねーの?それに俺は予備校のスカラシップ狙ってるからな」

 

「スクラップ?って何?」

 

「違う違うスカラシップな?最近は予備校とかも成績がいい生徒の学費を免除しているんだよ」

 

「それでスカラシップとってさらに親から学費をを貰えば俺のところに丸々金が入ってくる。」

 

「詐欺じゃん」

 

「たちが悪いわね」

 

「なかなかの悪知恵だな。」

 

「八幡…」

 

おい、あの戸塚まで若干引いてるぞ…

 

「あ、お兄ちゃん…と裕太さんも」

 

そこには見覚えのある女の子二人と顔馴染みの無い男の子が一人がいた

 

「ん?小町なんでここにいんの?」

 

「あれ小町ちゃん、しかもなんで紗奈もなんでここに」

 

「別にお兄ちゃんには関係無いじゃん」

 

「裕太さん、お兄ちゃんの知り合いだったんですね!兄のことだろうから裕太さんみたいな人とは絶対関わらないと思ってたのに!申し遅れました私、比企谷八幡の妹比企谷小町です」

 

「ビックリした、比企谷の妹が小町ちゃんだなんて。」

 

「うっせ、悪かったな似てなくて…。で、なんでここにいるんだ?」

 

「友達の相談を受けててね!あ、そうだ!お兄ちゃんにも相談してみたら?」

 

男の子が小町ちゃんに言われると少し考えてから申し訳なさそうに口を開く

 

「そうっすね…総武高の人たちだし。」

 

「じゃあそういうわけでお兄ちゃんいい?」

 

「なんで俺が…」

 

「まぁまぁ総武高って言ってて気にもなったしいいんじゃない?座りなよ3人とも。それにどういう関係か聞きたいし…」

 

「でた、ゆうくんのシスコン…」

 

「まぁ座りなよそこで相談聞くよ」

 

俺はそう言い3人を席に促す

 

「いやぁ~どーもー改めて、比企谷小町です!兄がお世話になっています!」

 

「早見紗奈です、いつも兄がお世話になっています」

 

二人が自己紹介をすると釣られて3人も自己紹介をする。

 

「初めまして戸塚彩加です!二人とはクラスメイトです!」

 

「可愛い人ですね~、ね?お兄ちゃん」

 

あ、小町ちゃんやっぱり勘違いしてる

 

「ん、あー男だけどな」

 

「またまた~ご冗談を…え?ほんとに?」

 

「え、ほんとに男の子なんですか?」

 

「うん、僕男の子…です」

 

若干二人が信じられないって顔をしてる。

まぁ、実際俺も最初は信じてなかったし。というか今でも信じれていない

 

「初めまして!クラスメイトの由比ヶ浜結衣です!」

 

すると小町ちゃんが結衣の方をまじまじとみつめ、何かを考えている。すると雪乃が痺れを切らして自己紹介をする。

 

「そろそろいいかしら?雪ノ下 雪乃です。紗奈さんとは久しぶりね」

 

「はい!雪乃さんにとっても会いたかったです!」

 

そういえば紗奈はえらく雪乃のこと慕ってたもんな。雪乃も雪乃で紗奈のこと気にしててあげたみたいだし

 

「あの俺、川崎大志っす、比企谷さんと早見さんとは塾が同じで、姉さんが皆さんと同じで相武台下高の2年で、川崎紗希っていうんですけど…」

 

「あ!川崎さんでしょ!ちょっと怖い系というか」

 

「お前、友達じゃないの?」

 

「話したことくらいはあるけど…っていうか女の子にそういうこと聞かないでよ!答えづらいし!」

 

「でも川崎さんが誰かと仲良くしてるの見たことないよね」

 

確かに川崎さんと話したことあんまりないな…しかし、顎に手を当てて考える戸塚は画になるな。

 

「それでね、大志くんのお姉さんが、最近不良になってきたというか、 夜とか帰りが遅くて、どうしたら前のお姉さんに戻るのかって相談を受けてたんだけど…」

 

「そうなったのはいつ頃かしら?」

 

「総武高行くくらいすから中学のときはすげー真面目だったし優しかったっす。」

 

「でもさ?帰りが遅いって何時くらい?結構私も遅いし」

 

「それが五時過ぎとかなんですよ」

 

「もうそれ朝じゃん…」

 

「ご両親はなにも言わないのかな?」

 

「それが両親は共働きだし、したに弟と妹がいるんであんまりうるさく言わないんですよ。」

 

「家庭の事情ね…わかったわ川崎紗希さんは本校の生徒、奉仕部の仕事の範疇だと私は思うのだけれど、どうかしら?」

 

「そうだな俺はいいと思うよ雪乃の意見に賛成だ」

 

「うん!私もゆきのんに賛成!ヒッキーは?」

 

渋っている比企谷だが恐らくひとの家の事情に首を突っ込むなって言いたいのだろうが隣の小町ちゃんに肩をつつかれ満面の笑顔を向けられた比企谷は即決だった。

 

「小町の頼みならしかたないか。で、明日から行動に移すとして、どういう作戦でいく?」

 

そう問題はそこなのだ不良になった川崎さんをどうやって改心させるかなのだ

 

それなんすけど最近変なお店から電話がかかってくるんっす」

 

そのお店とはエンジェルなんとかというお店の店長から電話が来るということらしいので、千葉市にあるエンジェルなんとかという店を調べたところ、エンジェルとつくお店で朝方まで営業しているお店は2つしかなかった。1つはメイドカフェもう1つはバーである。まぁ、今回に限っては川崎さんがメイドカフェで働いている確率の方が低く、バーで働いているであろうというところからバーの方に行くことになったので、お洒落なバーということもあり各々、明日の夜にその場にみあった物に着替えて夜に集合するということに決まった。




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兄妹 後編

海浜幕張にある川崎さんが働いているであろう、ホテルロイヤルオークラの最上階にある、エンジェルラダー天使の階というバーに到着した。

 

「よう比企谷、中々似合ってるじゃないか」

 

このエンジェルラダーというお店はドレスコードが必要なため比企谷も紫のYシャツにベージュのジャケットを着て髪もアップバンクにして大人の雰囲気を醸し出していた。

 

「なんかお前に言われると嫌みにしか聞こえないな」

 

そんな俺の服装はダブルブレステッドの紺のジャケットにワインレッドのネクというタイそしてグレーのスラックスにチーフちょっと高級なバーに行っても恥ずかしくない格好である。なぜそんなのを持っているかというと親父の仕事柄パーティーとかに毎年連れていかれるので持っているのだ。

 

「お待たせ~まった~?」

 

そんな言い合いをしていると後ろから声が聞こえたので振り向くと胸を強調した赤いドレスを着た結衣とかたや胸の露出度は低いがスタイルを強調したきれい目の黒のドレスの雪乃がいた。

 

「今来たところだよ、結衣と雪乃すごい似合ってるよ」

 

「ありがと!ゆきのん独り暮らしだしこんな服いっぱい持ってるんだよ!まじ何者!?」

 

「大袈裟ね、着る機会があるからたまたま持っているだけなのよ」

 

「早見といい雪ノ下といい普通はそんな服着る機会なんて無いんだけどな」

 

「じゃあそろそろ行こうか」

 

そう言いエレベーターに乗り込み最上階にあるバーに到着してカウンターの方へと向かうと川崎さんらしき人物がいた。

 

「あそこにいるのがそうじゃないか?」

 

「そうね声をかけてみてちょーだい。比企谷くん」

 

「川崎…」

 

「申し訳ございませんどちら様でしたでしょうか」

 

川崎は白のYシャツに黒のベストワインレッドが少し入っていて首に黒の蝶ネクタイと大人っぽいこのバーに合った服を着ていた

 

「同じクラスなのに顔も覚えられてないなんてさすが比企谷くんね」

 

「雪ノ下、それに由比ヶ浜に早見…じゃあ彼も総武高の人ってことか…で?何しに来たの?まさかダブルデートってわけでもないんでしょ?」

 

川崎はグラスを拭きながら嫌みっぽく言う

 

「まさかね、冗談にしても趣味が悪いわ」

 

なんで俺たち二人が傷つけられてんだ…

 

「夜帰るのが遅いって弟が川崎さんのこと心配してたよ」

 

「大志が何をいったのか知らないけど気にしないでいいから、もう関わらないで」

 

「シンデレラの魔法が解けるのは午前0時だけど貴方の魔法はもうすぐ解けてしまうわね」

 

そういうことか…俺は腕時計に目をすると今の時間は21時50分、労働基準法により18歳以下のアルバイトは5時から22時までとなっている。つまり深夜働けないのである、しかし川崎は朝帰りをしているということもあり、恐らく深夜に働いているので、歳を誤魔化しているので無いかということであろう。

 

「あのさ~川崎さん、私もお金無いときバイトするけど、歳を誤魔化してまで働かないし…」

 

結衣がそこまで言いかけると

 

「別に、お金が必要なだけ」

 

「あーそれはわかるんだけどよ…」

 

「働いたら負けとかいってるやつにわかるわけ無いじゃん人生なめすぎ、こっちは遊ぶかねほしさに働いているわけじゃないから、そこらの馬鹿と一緒にしないで」

 

「じゃあ、なんのために働いているのかな?弟も心配してるみたいだしさ弟には事情話したほうがいいんじゃないか?」

 

「それをあんたに言う必要はないじゃん、それにさあんたらもさ、偉そうにしてるけど私のためにお金用意できる?うちの親が用意できないものを肩代わりしてくれるんだ」

 

人のの家の事情に踏み込むのはあまり良い事じゃないし遊ぶお金欲しさじゃないと言うことは歳を誤魔化している意外は恐らくちゃんとした理由なのでこちらとしては中々言い返すことが難しい。

 

「そのあたりでやめなさい、それ以上吠えるなら…」

 

「ねぇ雪ノ下、あんたの父親県議会議員なんでしょ?それに早見、あんたのところの父親は医者で病院経営してんでしょ?そんな余裕あるやつが私のことわかるわけ無いじゃん」

 

雪乃が動揺しグラスを倒したこともあり結衣が立ち上がる

 

「ちょっと!ゆきのんとゆうくんのことは今関係ないでしょ!!」

 

「ならわたしの家のことも関係ないでしょ」

 

「今日はもう帰ろうこのままだと仕事の邪魔にもなるし話が平行線のままだ。」

 

俺はそう立ち上がり全員分のお金を払ってエレベーターの方へと向かう。

 

「それにしてもお前ボンボンだったんだな正直驚いた」

 

「やめてくれ…そんなたいしたことじゃないさ、それより比企谷、最後川崎さんと話してたけど何を話してたんだ?」

 

「あぁ、明日の五時半マックに集合でそこで川崎がなぜ働いているかそして解決策を話す。だからお前らも五時半にマック集合だ」

 

「りょーかい、じゃあとりあえず今日は解散ってことでいいな。」

 

 

そう言い俺達はそれぞれに帰路につき俺は家に帰りそのままシャワーを浴びて目覚ましをセットしそのままベッドに潜り込む。

一応紗奈にも伝えたようとしたのだが母さんからの許可が降りずに五時半に行くことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五時半と言うことで当然まだ陽も上っているわけもないのでまだ薄暗くマックの中には入るともうみんな集まっていて注文を頼み席につくと同時に制服姿の川崎もやって来た。

 

「大志、あんたこんな時間に何してるの…」

 

「それ、こっちの台詞だよ姉ちゃんこんな時間まで何してるんだよ」

 

「あんたには関係ないでしょ」

 

「なぁ川崎なんでお前が働いていたか当ててやる」

 

「うちは進学校だから高2のこの時期になると進学を意識するやつが少なくないし、夏期講習とか真剣に考え始める。だが弟も受験生ということもあり塾に通っているため進学志望の川崎はバイトをし学費やら夏期講習のお金を稼ぐためにバイトしているってわけだ」

 

「姉ちゃん…」

 

「だからあんたは知らなくていいっていったじゃん、親にもあんたにも迷惑かけるつもり無いし」

 

「あのーちょっと良いですかー」

 

すると小町ちゃんがなにかを言いたそうに手を上げる

 

「紗希さんが迷惑かけたくないのといっしょで大志くんだって紗希さんに迷惑かけたくないと思っているんですよ~その辺をわかってもらえると下の子的には嬉しいかなって…」

 

「そこで解決策なんだが、川崎スカラシップって知ってるか?」

 

比企谷は川崎さんにスカラシップの説明をしていた。川崎さんも頭はいい方なのでスカラシップをとるのも難しくはないということもあり納得した川崎は弟と帰っていった。

 

「姉弟ってああいうものなのかしら?」

 

「人によりけりじゃねーの?一番近い他人って言い方もできるしな」

 

「そうね、それはとてもよくわかるわ」

 

そう言い雪乃と結衣は帰宅していく、雪乃が何かを思ったのだろう少し不自然だったのが気になったが。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は職場見学当日だった、隼人と優美子と一通り見学し終わったのだが今日の比企谷が少しおかしかった、班のメンバーである戸塚と由比ヶ浜と距離を置いて見学をしていて終始どこかを一点に見つめてボーッとしていたように見えた。

 

「以上で職場見学を終了。解散。」

 

職場見学が終了しみんなはどこかでご飯を食べようという話になっている。

 

俺は比企谷のことも気になったので隼人たちの方を断り比企谷に理由を聞くためにとご飯を誘おうとする。

 

「比企谷少し今日おかしかったぞ、ご飯奢るから理由聞かせてみな」

 

そう言い比企谷を誘うと後ろから結衣が来た。

 

「ヒッキー!ゆうくん!遅い!みんなファミレス行っちゃったよ!」

 

「お前は行かねーの?」

 

「あ、や、ヒッキーを待ってたというかおいてけぼりは可哀想だし」

 

「由比ヶ浜は優しいよな俺のことならきにする必要なし、早見と一緒にファミレスに行きな」

 

「え、ヒッキーは?」

 

比企谷は少し間を置きふぅーっと息を吐き言葉を続ける

 

「お前んちの犬を助けたのは偶然だし、あの事故がなくても俺、たぶんボッチだったしお前がきにやむ必要全くなし。悪いな逆に変な気を使わせたみたいで、でもこれからは気にしなくていい、気にして優しくしてんならそんなのは辞めろ…」

 

比企谷がそういうと結衣は申し訳なさそうに、片手を頭にのせる

 

「やーなんていうんだろ、別にそんなんじゃなかったんだけどな~」

 

そう言うと結衣は涙目になりながらこの場から去っていく。

 

「その現場を見たから俺からはどっちが正しいとか判断はできない、前にも言ったかもしれないけど比企谷はもう少し自分に自身を持った方がいい君は自分が思っているほど悪い人間じゃない、少なくとも俺よりはいい人間だ」

 

そう言い俺は結衣の跡を追いかけた。



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