六花でパン焼いてます (ハナガネ)
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1話 学戦都市でパンを焼きたいんだ
「ハムサンドとコーヒー1つお願いしまーす!」
「はいはい、ハムサンドとコーヒーね。はい、少し待っていてくれ」
ここは関東多重クレーター湖上に水上学園都市゙六花゙その形から通称゙アスタリスグとも呼ばれている学園だ。
十数年前に起こった隕石災害の隕石に含有されていた、マナダイトと呼ばれる鉱物の主成分の
しかし、
「はい、ハムサンドとコーヒーお待ち。320円ね」
「ありがとうございます」
そして、そのアスタリスクでパン屋を経営しているのが俺、
ちなみに女子寮に近い為女子生徒がよく来る。旬のピッチピチの引き締まったお肌と太股が眩しいでござる。
さらにレベルも高いので眼福である。言うことなし。異論は認めんよ。
「すまない」
「はーい、いらっしゃい」
おっと、誰かが来たようだ。朝でまだ少し眠たい目を擦りながらレジへと向かう。この場所は周りの木などで日陰となっているためハッキリと顔を見る事が出来ないが、ツンデレな声のトーン、風になびいた美しい桜色の髪、平均サイズ程の胸。あ、この微妙にコレジャナイ感がする服装をしたこの女の子は…
「おはよう、ユリスちゃん」
「今、失礼な事を考えてはいなかったか?」
「気のせいだ。そうカッカするか何時までもボッチなんだぞ」
「う、うるさい!私のレベルについてこれないから行けないのだ!」
「あ、はい。で、ご注文はミックスサンドですか?」
「…そういうところはよく分かっているじゃないか」
この女の子はユリス=アレクシア・フォン・リースフェルトだ。確か、リーゼルタニアとかいう王国の第一王女だった気がする。フルネームはもっともっと長いらしいが今の名前だけでも長いのにこれ以上覚えれるか。
「早く作ってはくれないだろうか?私も忙しい」
「はいはい、分かってますよー。
「貴様に言われると皮肉しか聞こえないのだがな」
この通り俺に対しての礼儀がなっていない。というか上から目線。毒舌を除いても、もう少し敬おうよ、年上やぞ?お?なんていう人間の反抗意識が沸き立ったが生憎いおうと思ったがその頃には常連であり、言おうにも言えなかった。仮に言えたとしてもキッツイ言葉が帰ってくるのは明白であるのでその手の趣味の方ならともかく、俺はそんな趣味はないのでただ堪えるだけだ。せめて毒舌でもいいからもう少し優しくして欲しいなぁ、とか甘い事年下に願望する年上がここにいますよーっと。あ、さっきから同じ事しか喋ってねぇやん。何だよ。と、変な事を考えながらご注文を受けたミックスサンドの2つめのマヨネーズ控えめのエッグサンドを作っていく。中が少しだけとろける程度まで茹でた玉子をナイフで押しつぶすような具合でかき混ぜつつ、そこにマヨネーズと粒マスタードを加えていき、全体的にマヨネーズが混ざりきった物を耳を切った食パン全体にはみ出すスレスレまで挟み、斜めにカットすれば、冷えても美味しいエッグサンドの完成だ。そして三つ目のサンドイッチ、ハムサンドは…さっき作ってあったので、それを詰める。確か、ユリスは大体コーヒーを飲んでいた気がするのでカップに淹れテイクアウト用の紙袋に詰めておく。
「はい、440円ね。今日はおまけで小さいアンパン入れとくよ」
「すまないな。代金だ」
「はい、どうも行ってらっしゃい」
ユリスは言葉が終わるか終わらないかのうちに去っていった。あーあこれだから友達居ないんだよ。全く。
グッと一度背伸びをする。背骨て腰骨がパキパキと音を立てて伸びていく。きっと同じ姿勢をし過ぎただけだろう。
まだこの歳でギックリ腰にはなりたくない。本当に切実にそう思う。
「さて、俺も朝食にするか…」
人も居なくなってきたので手頃に朝食を作る。
本日は新しく仕入れた玉子があるため、半熟の目玉焼きをパンにでも乗せて食べようか。あ、おかずねぇ。おかずのない朝食なんか食べられるかよ。朝はキッチリと取りたい派なんだよ。
「冷蔵庫には…あー、ウインナーと玉子位しかないじゃないかよ…後で買い出しだな」
ぶつくさと自分の冷蔵庫の中の内容を見て文句を言いつつも茶色いウインナーを取り出す。赤いウインナーも美味しいけどあれは自分の中ではお弁当のタコさんウインナー専用って位置付けてるから朝食では食べないな。まぁ関係ないか。
「ソーセージってボイルよりも焼く方が美味い気がする。自論かもしれないけど茹でてる時の音よりも肉汁がパチパチ焼ける音を聞く方がお腹空くんだよなー」
レジとキッチンと石窯が一体になっているスペースはとっても使いやすく特注で作ってもらったものだ。少し狭いが、自分にはこの位のスペースが1番合っていると思う。常々そう感じる。キッチンの下の収納スペースから小さめのフライパンを取り出し、コンロの上にフライパンを置いて火を最大にして点火する。直に温まるだろうからそれまでは放置だ。その間にトースターに16枚切りのパン二枚をセットして4分間の設定で焼く。そろそろフライパンが温まる頃だろうか。フライパンの上に手を翳す。十分に熱が感じられたのでサラダ油を垂らし、すぐにフライパンを回して全体に油が行き渡らせる。火を調節した後はいつも同じところによる掛けてある円形の型を取り出しフライパンの中心あたりにセット。そこへ産地直送の新鮮な玉子を一つ静かに割り入れる。温めらたフライパンによりプルプルとした白身が透明から白い色へと変わる。型の周りににソーセージを3本入れておく。こうすることによって無駄なガス代が浮く、節約術である。
「後は待つだけっと…」
先程入れたパンが焼けてきたようであの食欲を刺激するこんがりとした事が分かる匂いで鼻腔を擽ってくる。しかしトースターとガスコンロの朝の
この初夏の朝の涼しさはきっと後数時間で蒸し蒸しとした暑さへと変わっていくのだろう。その前に生徒が来てくれると大変嬉しい。人は何かを食べなければ生きていけない動物なのだからな。食べて、動いて、寝て、起きて、また食べる。こんなサイクルに時たまイベントがあるから人生は楽しいと自分は思う。そうだよな、これがやっぱり…
チンッ!
「おわあ!?びっくりしたぁ!」
いつの間にか4分経っていたようだ。変な悟りっぽい事を考えているとこんなにも時間が過ぎるのが早く感じるのか。学生時代に知っておきたかったもんだ。
トースターから焦げ目の少しついたパンを取り出すと皿に盛り付けていく、フライパンの玉子よ焼けていたのでフライ返しで掬いパンの上に乗せる。もう一個のパンはバターで頂きます。ソーセージも待とうと考えたが空腹の限界だ。早くしなければ俺がゲシュタルト崩壊してしまう。脳が早く食べろと叫んでいる。折角熱々なんだ(主に玉子が)食べるか。キッチンスペースから出て本来はお客が使うテーブルを誰もいない事をいい事に座る。まだ目玉焼きからは白い湯気が立ち上っており熱い事をひしひしと伝えてくる。玉子だけだと物足りないのでテーブルに備え付けてある粗挽き胡椒をパッパッと振り掛ける。目玉焼きにはにはやっぱり粗挽き胡椒だね。醤油とかソースと塩はその後ろだ。異論がある奴は言ってみろ。俺は譲らんぞ。
と、そんな事を考えているとまた時間が無くなるので手を合わせる。
「頂きます」
まず、目玉焼きが乗ったパンから頂く。一口目はパンのザクッ!という気持ちの良い食感と白身のプルッとした独特の食感が舌の上で踊り出す。かけられた胡椒は後ろからピリッと味を引き締めさながら舞台の監督のようだ。
咀嚼すると焼かれたパンの香ばしさと中の柔らかさ、そして白身の食感がさらに強く感じさせてくれる。美味い、美味い、やっぱり朝はトーストだ。そして二口目へ。ガブリと大口でいく。先程の白身とパンの感触、そして今までになかったトロリとした黄身が白身とパンを自然に調和し、その美味さを引き上げる。胡椒が監督とするのならばパンは土台、白身は脇役、そして黄身は全てを纏め上げる主役と言ったところだろうか。うん、申し分無い。そのまま3口目も、4口目も、夢中で食べ続ける。
「あ、ソーセージソーセージ。忘れてた」
パンの耳の一欠片を口へ押し込むとまだ一枚パンの入った皿を手に持ちキッチンへと戻る。フライパンでずっと焼かれていたソーセージはパンパンに膨れ上がっており肉汁を飛び散らせんばかりにフライパンの上で転がっていた。すかさず菜箸で少し焦げのついたソーセージを掴み上げ皿へと載せていく。その後コンロの火を落とし、もといた席に座る。
「ではでは気を取り直して」
膨れ上がったソーセージを1本手で摘み口の中へと放り込む。噛むと溜め込んでいた熱々の肉汁がその皮を破られ口内へ広がる。すかさずバターを塗ったパンを一口。
バターと肉汁がパンに吸われ中で合わさり旨味の相乗効果を生み出していく。朝の定番はこのセットだ、と改めて認識する。ソーセージの肉厚感は男の子なら朝欲しいものだと思う。無意識のうちに手はソーセージに手を伸ばしており続け様に口へと放り込む。二本目もいい具合に焼けており、ちょっとついた焦げ目がパンの香ばしさとは違う、新たなアクセントを作り出す。二本目が口に入っている状態でもう1本ソーセージを口へ運ぶ。見るといつの間にかパンも食べていたようでもう残り4分の1も残っていない。なかなか良い出来であった残り少しパンをいつかしむように眺めた後パクリと一欠片を食べてしまう。そして思う。
「自分が作ったから言うのも何だけど美味いなぁ」
美味い。それは生きていく中で大事な感情である。それが欠落したのならば人として何かを失った時だろう。昔、自分もその感情が失せかけていた時の事を思い出し、自分の言えた事じゃないなと、心の中でクスリと笑う。
種を撒いたら芽が出るように、食べたら美味しいって思いたい。こんな学園でも誰もが美味しいものを食べたいという気持ちは誰もが同じだろう。食後のコーヒーを飲みながら天を仰ぎパン屋から見える青空を見上げた。
青春吹き荒れるアスタリスクにそのパン屋は今日も経営しているだろう。嵐のような編入生が来ようとも。
「…風にでも飛ばされたのかな?」
超新星は学園都市に来るべくして招かれた。
アニメを見て書きたくなっただけだ。
後悔はしてない。反省はしている。
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2話 決闘中にカメラで撮影したいんだ
ここのパン屋は朝を過ぎるとだんだんと客足が遠のいていく。それはここのパン屋を朝食と昼飯、あと僅かだが明日の朝飯の食パンを買っていく人しかいないので朝と昼以外は人が本当に居ないのだ。その間はゆっくりとできるはずなのだが、忌々しい事に食材が尽きてしまったので買い出しに向かわなければならない。否、買出しにかりだされるのだ。
「はぁぁぁ~しまったなぁ...こんな事なら前に買い溜めしとくんだった」
朝チュンの時間はとっくに過ぎてはいるが、まだまだ正午前であり、故に学業に励むうら若き学生諸君がいない間はゆっくりとコーヒーやらドンミルクなど楽しみ、昼のための準備をする。仕事を一時の間忘れ、朝のリフレッシュタイムである。一つ書き加えるなら、人気とは言っても=人が大量に来るわけではないよ。設備こそ良く整ったこの水上都市は東京だが、銀座等の都市のように人がごった返している訳ではなく、許可された人間、所謂学生や教師などの学園関連の者や、このアスタリスクの主体である、企業団体の社員、幹部位しか入れない為人口密度はさほど高くはない。稀に俺のような働き手を
受け入れる時もある。というか俺は半強制的にここに突っ込まれたんだけどねー。でも交通費、保険は自腹だってさ。それと学園の緊急時には何かしら手伝わなきゃならい。もちろんかどうかは知らんが報酬なんてでーへんぞ。ブラック企業かな?でも、JKの太股と千差万別の胸が見れるだけ最高と思わんかね?あ、でも俺胸平たい族は見て見ぬ振りするよ。理由?可哀想と思わない?何なら揉んで大きくして差し上げ...すいません何でもないです。揉みたいけどスカりますね。空気を鷲掴み。エアーモミモミってありそうでないタグだよな。誰得って話だが。
「アスタリスクってDVDレンタル少ないよなぁ...性欲を持て余す」
茶番も|板骨(第ニ成長期を殺した何か)のトークはここまでにして。さて、今自分はもうせかせかとお店の裏戸からギンギラギンに日をこれでもかと照り付ける外に出てきたわけだが。みんながみんなして猛ダッシュで一方向にランしているのは何故だろうか?怪しい宗教にでもハマっちゃったのかな?あれかな?一昔前に日本に電撃を走らせたポアする宗教?それともマダムが飛び付きそうな何かしらのバーゲンセール?俺、すっごく気になっちゃったので行ってみようと思う。パン作れよ自分...とか思っちゃうのは妥協。好奇心が傾いた時は思いっきりやるのが正しいと思うんだ。そう思うわないか、そこの君。今、見ている君だよ。デップーさんの第四の壁の破壊能力習得したら絶対世界は変わるけど、ずっと見られてる感があるんだよね?やだ、わたくしめのプリチーなお肌と俺のグングニルが世界に公開されちゃうじゃん!そんな醜態をみられるなんて...くっ...殺せ...!(誰も期待してないし、期待もしない)
「と、考えてみたはいいが、そんな野次馬してると昼に間に合わなくなるのは明白だと思うのでこれから初めてでもないおつかいでもない買い物に行きたいと思います!拍手!」
育ち盛りの男の子(26)がお店のためにてくてくと町へお買い物!無事に買う事は出来るのでしょうか?
...自分の勝手なナレーションだァっとれ、伝統テーマなんてかけさせてやるもんか。自分の想像周り右してクソして寝てろ。こっちはおつかい初めてでも何でもないんですよ。ほらこんな適当なクッサイこと考えてる内に準備完了...あれ?財布どこ行った?いや、アスタリスクって電子マネー主流だけどカード位はいるよ?そーいやカードってなくしやすいよね?遊戯王とかのデッキでばらすと次に使おうとした時そのカードに限って見つからないよな。昔私もよくやりました。えぇ、ほんとに。ようやく見つかった時傷だらけで見つかって叫んだのは遠い小学生のバーロー時代のいい思い出...良くねぇな。おおっと財布見つかった。予想外奇想天外まさかのポケットからチェーンで繋がった状態で露出ゥ!盗まれても言い訳できないね。
「はいはーい。では中心街向けてレッツラゴー」
ドォーン。行こうとしたら大爆音。テロでも起こりました?そんなことしたら警備団体御一行様がご立派な武器引っ下げて、蜂の巣にしに来ますよ。でもってドンパチやるんでしょ。ドンドンワーワーキンキン音立ててさ。他所でやってください。朝からやったら首領パッチもお怒りよ。でも白昼堂々テロする奴なんてそうそうイカレてる奴じゃないとやらないと思うので脳ミソ候補から除外。後は代わりに代行者さんが勝手にどっかに復活させといてくれるでしょう。考えた事が
...違う違う、そうじゃなくて。ちょっと探知したら万能素の流れが急速に変わってるんだよね。 こんなに一気に万能素の流れが変わるって事は
「あ...」
頭の中でバラバラになっていたピースが当てはまっていく。爆音を起こせて魔女と言えばあの人。そう、ボッチぃ...違う。
早速聞いちゃおうと思います!
「あ、おいそこのキミィ。決闘してる場所どこ?あ、すぐそこなのね。ありがと。サービス券上げるよ。コーヒー一杯定価で買える券。嬉しいだろ?」
話がハイスピードすぎて半分呆けてぽっかり口を開けたまんまのヤローはさておいてほおり投げて。どうやら道を真っ直ぐ行ったところで決闘をやってるようだ。つく前に終わってなきゃいいけど。
小走りで道を行くとその話題の現場が見えてきた。
見えてきたとは言ったが、決闘現場ではなく観衆がワーワーと叫んでいるのが視界に入っただけである。そして中心から上がる仄かな一筋の紅焔。少なく見積もっても10mはあるだろう。再び煌めく紅焔。ありゃりゃ、こりゃあ本気ではないけどキレてんなー...何があったのかしら。私気になります!そんでもって人混みをちょいちょいと掻き分けて、無理矢理前へ。
「咲き誇れー
あらまぁリリスちゃんガチ切れ...oh...怖いねぇ。
でっかい火球がそのままドーン...あり?なんかこっち来てなぁい?ちゃうわ、前見たらお相手さん...男だなそっち狙ってたよ。直撃しそうな決闘相手の方ご愁傷さま。君の姿は後世にお笑いだったよとでも伝えとくよ。
骨も拾って砕いて肥料にしとくからさ、ゆっくりお休みなさい。...ん?待てよ今俺の立ってる位置は決闘相手の真後ろ...心無しかさっきから圧迫感がないような...人いねぇ!?チョッ、待てい!俺にも正真正銘飛び火するぅ!
「あぁもう!くそ!」
ドカーン...とどめることを知らない業火は相手と部外者一人を巻き込んで大きく爆ぜた...その光景を見たギャラリーからは悲鳴と諦めの声が刹那うちに飛び交う。いくら
「天霧辰明流剣術初伝ー
「はい!危なぁい!」
だが2人は無傷で生きていた。決闘相手は炎の花弁を十字に切り裂き、後ろの部会者Aは素手で出処不明の何かしらの技を使い見事に躱していた。ユリスちゃんはそんな部会者なぞ目に入らなかったかのように決闘相手が使った技に注目しているようだ。あのー...流れ弾とはいえ防いだ僕ちんも少しは注目しても...駄目だね。20代後半の方なんて誰も見てくれないよね!うん!
...あの決闘相手の男...よくあれを防いだね。見たところフツーの
「こ、このっ!」
ユリスちゃんもあまりの速さに対処し切れないよう...ん?武器構えてなくね?
「伏せて!」
は?伏せて?...!なぁるほど!
男の狙いが分かったぜ!どさくさに紛れて胸揉む気だな!やるじゃないか!色男!て...違う...ユリスちゃんの立っていた位置に何か刺さっている...あの光の矢は...まさか!
「パルテナの...光の弓矢...!?」
大いに検討外れ。全く違うね。あれは真剣に考えてユリスちゃんをぶっ殺す
「全く...こんな決着ありかよ...まだ撮れてねぇのによぉ...!あれは!」
押し倒されたユリスちゃん、これだけでも絵になりそうだが、今は断腸の思いで無視してその前を見る。そこにはもう1本先程の矢が飛んできているのが嫌が応にも確認出来てしまった。躱そうにしてもユリスちゃんと決闘相手君は今倒れた状態で動けるわけがない。ましてや周りの生徒なんて遠すぎて間に合うわけがない。今、動けるのは自分だけしかいない。誰が助けるのかはイヤでも分かってしまう。
「SIT!」
抑えておいた全身の
「粉砕!」
掛け声と共に握力で粉砕する。いきなり現れた、カッコイイ、ニーサンにユリスと決闘相手君は目をパチクリさせている。そういやユリスちゃん、少年君に押し倒されて...なんてラッキーハプニングだ。カメラを取り出して記念にカシャリとな。
「少年、今君が手にしているものはなんだ?」
「...え?何って...うわあああぁぁぁあ!」
少年君...まさか私が考えていた事を見事にやってくれるとは。ダイビング胸モミモミ。カメラに一枚収めさせてくれたし最高だな!今度サービスしてあげるよ。
ヤローだけど。っと、やっと思考が戻ったのか野次馬が凄いアプローチだの何だの騒ぎ出した。おい、矢を止めた俺の話はなしか。かっこよかっただろう?おい!そこ!反応しなさい!
「お、お、お、おまえ...!」
ようやく胸揉みされたユリスちゃん再起動。怒りで
「はいはい、そこまでにして下さいね」
声と共に乾いた拍手の音が辺りに鳴り響く。ふと、鬼さんじゃないけど手のなる方へ向けると金髪で、美貌を兼ね備え...
「胸が...インフレを起こしてやがる...!」
そう、胸が大きかった。鷹斗はその者を知っていた。何故ならその現れたのは星導館学院の生徒会長、クローディア・エンフィールドその人だったのだから。チラッとユリスちゃんを見ると可哀想な気持ちになったのは僕の慈愛だと思う。
更新を大変送れさせたことをお詫び致します。
次回が何時になるかは分かりませんが、アスタリスク2期を喜んで執筆に励む所存であります。
拙い文章ですが応援よろしくお願いたします。
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