機動戦士ガンダム 戦士たちの鎮魂歌(レクイエム) (ヒロアキ141)
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第一章 開戦の狼煙-ブリテッシュ作戦ー
宇宙世紀0079、1月3日
俺は生涯この日を絶対忘れないだろう。
否、忘れようがない、あの時……あの一年戦争が始まったあの日の事を……
私、フレベレス・ファインドルは願う、宇宙の民と母なる地球の恒久平和を永遠なれと。
「……尉……大……フレベレス大尉!」
不意に機体の通信機から通信が入り、微睡んでいた意識が覚醒する。
「どうした?ブラス曹長」
通信をしてきたのはブラスフィールド・レイマン曹長。母艦のファイメルの通信員をしている女性兵士である。
「そろそろ作戦開始時刻ですよ」
「ありがとう曹長。フレベレス小隊出るぞ!」
ムサイ級ファイメルから出撃した
駐留していた地球連邦軍艦隊の大半はミノフスキー粒子の電波障害の影響か混乱の中にいたが、少数の艦艇と戦闘機が迎撃せんと出撃してきた。
「来た来た……二番機は直掩の戦闘機を狙え!三番機は俺と共に戦艦を落す!いいな!」
「三番機了解!」
「り、了解!」
二番機のクラナス・マッケンジー中尉の駆る
「三番機、一気に行くぞ!」
「了解!牽制は任せてください、隊長」
三番機のフェイラン・ランドール少尉の
「隊長、今です!トドメを!」
「沈めええええええええええええええええええええ」
280㎜バズーカでサラミス級の機関部とブリッジを攻撃し沈めた。
機体のセンサーを確認すると友軍のコロニー攻撃部隊が地球連邦軍艦隊やコロニーを核で攻撃している光景が確認された。
不意に三番機のフェイラン・ランドール少尉から通信が入る。
「隊長……我々はスペースノイドの独立をかけて戦っているんですよね?………なのに、無抵抗の同胞を手に掛けるなんて、間違ってますよ!」
「少尉………気持ちは分からないまでもないが、まだ作戦は続行中だ。行くぞ」
「………了解」
私は、フェイラン・ランドール少尉の
「次ッ!」
最後の巡洋艦を280㎜バズーカで撃墜したのを確認し、一息着いたとき、二番機のクラナス・マッケンジー中尉から通信が入った。
「さすがは隊長。巡洋艦6隻撃墜ですか。一躍隊長もエースの仲間入りですね」
「よせよ、今回の戦績は私だけの手柄ではない。クラナス中尉やフェイラン少尉のお陰だ。フレベレス小隊帰還するぞ」
宇宙世紀0079 01/03
この日ジオン軍は宣戦布告のわずか3秒後に衛星軌道上の連邦軍艦隊に奇襲攻撃を行った。同時刻、別働隊が
後に「3秒の宣戦布告」と呼ばれる一年戦争の始まりの瞬間である。この時点で3つのコロニー住民28億人が犠牲となった。
しかし、この宇宙での無差別殺戮はほんの序章にしかすぎなかった。
「フレベレス小隊全機帰還しました」
「うむ、ブラス曹長初めての実戦だったが、すごくよかったぞ。これからも期待しているぞ」
「ありがとうございます。艦長」
ムサイ級ファイメルに部隊が着艦したのを確認したブランフィールド・ハイマン中佐は大きく息を吐いた。
「艦長、艦隊司令部より電文が入っています」
「何?読んでくれ」
「はい、『発艦隊司令部
「(とうとうブリティッシュ作戦が発動してしまうのか……何人罪無き人々が死んでいくのだろうか………)全クルーに通達!本艦は
と告げた。
ムサイ級ファイメルモビルスーツ格納庫横パイロット詰所
「…………(戦争とはいえ、人を殺してしまった……本当にこの戦争は我々スペースノイドの為になるのだろうか………)」
「初めての実戦だったが、大丈夫だったか、フェイラン少尉」
「隊長……先程は申し訳ございませんでした」
「少尉の気持ちもわかる。わかるが、割り切ることも大事だ。でないと………死ぬぞ、それも自分だけではない、仲間がな」
「隊長…、分かりました」
「何、気にするな」
翌日01/04、「アイランドイフィッシュ」とよばれた
翌01/05 コロニーの落下先が連邦軍本部ジャブローと判断した連邦軍はティアンム提督指揮下の艦隊がルナツーを発進。
2日後の01/10 ティアンム艦隊落下するコロニーに到着、ジオン軍護衛艦隊と本格的な艦隊戦が発生した。
「スッゲェ、コイツを地球に落すのか」
「(本当にこれで戦争は終わるのだろうか………)」
「ボケっとしている暇は無いぞクラナス中尉、フェイラン少尉。敵部隊が接近中だ!フレベレス小隊行くぞ!」
地球に向けて移動しているコロニーを眺め惚けているクラナス中尉とフェイラン少尉を叱責し、コロニーを破壊せんと攻撃を開始した連邦軍艦隊に攻撃を始めた。
「沈めええええええッ!!」
核弾頭を装填した280㎜バズーカ砲でサラミス級巡洋艦を撃沈し次の艦艇を沈めんと獲物を探した。
「それにしても数だけは相変わらず多いですね!」
「自分達の本部がなくなるかどうかの瀬戸際でもあるからな………奴さんも必死にもなるさ(今は悩んでなんかいられない………生き残ることを考えなくては!)」
パブリク級突撃艇がコロニーに向けて放ったミサイルを105㎜マシンガンで撃ち落としながらクラナス中尉がぼやき、離脱しようとしたパブリク級突撃艇を105㎜マシンガンで撃墜したフェイラン少尉がすかさず返答した。
その時だった。
「コロニーが地球に落ちる……」
「(これで本当に独立が出来るのだろうか)」
「コロニー護衛任務の終了を確認。これより帰投する」
01/10 しかし、迎撃に出たティアンム提督指揮下の連邦軍艦隊の必死の抵抗によりコロニーは大気圏突入後、アラビア上空で四散、崩壊。
その破片はオーストラリア大陸と北米大陸、そして太平洋上に落下。
なかでも、落下点のオーストラリアシドニーは壊滅直径500キロメートルのクレーターとなり、地球の自転も早くなってしまった。
コロニーの落着による一次被害の他、津波などの二次災害が発生、地球規模で気象異状が頻発した。
ジオン軍側も、作業中のモビルスーツが狙い撃ちされ、多くのベテランパイロットが命を落としていった。
フレベレス・ファインドル大尉は
それと同時に機体をパーソナルカラーに塗装することが許可され、これ以降フレベレス・ファインドル中佐は「
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