蛇は蛇に 毒蛇は毒蛇に (宇垣秀康)
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1話

始めまして宇垣秀康と申します。
私はピースウォーカーが大好きです。ファントムペインの重厚さも好きですが、やはりネイキッド・スネークが最高です。


その男は英雄であった。

祖国の為に自身の能力を高め、言われる仕事を全てこなしてきた。

しかし、祖国は…彼に非情な決断を強いる…

自身の師匠である「THE BOSS」を殺すこと。

傷つき、苦しみ、悩み…結果として彼は「THE BOSS」を倒し、国に忠を尽くした…そして「BIG BOSS」となったのだ…それだけだった…

そして…蛇は一人になった。祖国を捨て、それでも戦い続けた。着実に仲間を増やしていた蛇は、ある戦場で自身の右腕たる男を戦友とした。蛇をビジネスパートナーという彼は瞬く間に蛇の巣になりたる基地(ベース)を用意したのだ。しかしそれも数カ月で消えた…依頼者で有ったが本当は敵であった少女と、その少女を救いに向かい捕虜とされた小さな仲間を救う為に向かった帰り、世界が彼らを敵とみなし蛇の巣を焼き、残るものはない状態となってしまったのだ。

 

 

そして数年後、ある孤島で目を醒ました蛇は自身のファントムになりたる「VENOM(毒蛇)」と共に襲ってきた軍隊より逃げたのだ。そして嘗て敵対したが、その腕を認めていた山猫(オセロット)と合流したのだ。

 

 

しかし、ここから本筋と離れてしまう。本来で有れば自身のファントムに仲間たちを任し、蛇は別行動を取る予定であったが…思い出してしまった…蛇は仲間たちと共に過ごした巣がどれだけ良かったかを…「天国の外側」だと言っていたが馬鹿騒ぎが絶えないあの場所を…

 

そして本来進むべき道とは違う道を選んだのだ

そうそれは

蛇たる自身が巣に戻ること

であった。

 

そしてファントムになりつつあるVENOMに情報収集を依頼し、戻ったのだ。

そう

その日

蛇は…

いや、「BIG BOSS」は

天国の外側(アウターヘヴン)へ戻ったのだ。

 

そうこれは本来あったであろう話…

過去の仲間たちが…いや戦場にいる者全てが望んだ話…

本当に…過去の英雄が復活した世界の話である。

 

 

 

 

 

戦場に戻った彼は「英雄」たる名に恥じぬ活躍を見せ始めるのだった。

自身の感覚を取り戻すためオセロットから出された依頼は

「過去の右腕であったカズヒラ・ミラーの救出」であった。

それがミラーの…戦士たちの望みであると、ミラーのサングラスを渡されながら伝えられた。

蛇の行動は早かった。戦場で何をすれば任務を遂行出来るかなど骨身に染み付いている彼は道中フルトン回収により兵士を確保しながらオセロットの指示の元カズヒラの元にも辿り着いたのであった。

 

「…そろそろか?」

目の前にいる袋を被せられ右腕と左足の無くなった金髪の男は弱々しいがはっきりとした意思を持った声で笑いながら蛇に話しかけてきた。どうやら拷問をかけに来たもの達と思っているようだ…

蛇は少し考えた後、

「ああ、そうだ。」

と、声色を少し変えて答えた。

「や…るなら人思いにやってくれ」

拷問により重傷であるからなのだろう辛そうな声を出して此方を見ないミラーに

「そうだな…」と重々しく答えた。

 

「…ああ、俺もこれで終わりか」

ミラーの自嘲した笑い声にに蛇は重々しく、

「そろそろ観念してアルマジロ達に謝れ。」

と、一言伝えた。

ミラーは一瞬何を言ってるのかわからなかった…しかしすぐに考えが浮かんでくる

…いや、しかし、彼は…もしや?!

「だいたいあの時も言ったろうカズ?人の恋人に手を出す奴が副司令じゃどうしようもないと。謝れと言ってもお前結局謝らなかったらしいな。あの日の前日酒を飲んだアルマジロから聞いたぞ? …だいたいお前マンホールもこき使ってた癖に時々補給を頭目掛けて落としたとか色々言って給料上げてやらなかっただろう? まだあるぞ!あれは…」

長々と説教を始めた男を霞む目で見たミラーは歓喜した。帰ってきたのだ!

英雄

伝説の蛇

BIG BOSS

様々な呼び名で呼ばれていた彼が!

 

そして自身を仲間として認めてくれる

ネイキッド・スネークが!




基本明るい感じにします。テープだと「ハンバーガー」の話や「マウンテンデュー」等のノリが多くなると思います。


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2話

更新は不安定になります
すいません
努力します


「だいたいお前は…」

30分を過ぎた説教はまだ続いていた。

しかし、スネークも、ミラーも笑っているのだ。

そうお互いに分かっている。

目の前の男が命を賭けて失ったものを取り戻そうと自分がいない間奮闘していてくれたことを…

目の前の男が数年というブランクがあるのも関わらず自分を救いに来てくれたことも…

そう理解しているのだ。

 

「大体なんだその体たらくは?俺との喧嘩で見せたガッツは無くしたのか?サムライ?」

「待ってくれ!」

ミラーはもうこれ以上聞いてられなかった。何よりこの親友たるこの男にこんなところで涙を流すなど意地でも出来ない。

「そうはいうがな?俺は相棒が寝ている間一人でなんとか仲間たちを食わせてきたんだ。少なくともあんたよりガッツを出していたと思うんだが?元司令?」

ニヤついながら答えた。

「確かにそれを言われたら何も言いようがないが…お前を助けに来ただろう?ありがとうと感謝の言葉があってもいいんじゃないか?」

「いや!俺は死ぬ寸前でも相手の喉元に食らいつくだけの力は残してたさ。」

「…あの時のようにか?」

「…そうさ、あの時のあんたを殺そうとしたくらいの気概はまだあるさ」

ミラーとスネークが出会った時、ミラーは自爆してでもスネークを殺そうとした。それを思い出したのだ。

 

「ふ…ふふふ……」

「ふふふ…ふふふふふ」

「「ふはぁーはっははっはははは!」

 

一瞬の静寂の後、二人はどちらからともなく笑い出したのだ。戦場で大丈夫なのかとも思うが、スネークは全ての敵を方法は様々だが排除済みである。ミラーも彼の性格を知っている為笑えているのである。

 

「ははは!はぁはぁはぁ…まぁ無事で何よりだ。…久振りだなカズ?」

「くくく…これが無事に見えるのか?あんたの目も数年で悪くなってるなスネーク?…無事で良かった。」

スネークはカズヒラの拘束具を外し右腕を取り、肩を貸した。

「まぁそう言うな。今の義肢技術は凄いぞ?俺と一緒に診療所を逃げ出したヴェノムも義手でな?ほらガルベスが付けてたようなやつだ!凄いぞ!オセロットが言うには今は技術者がいないが増えれば、ロケットパンチや放電と言ったことも出来る様になるらしいぞ⁈」

「…あんた、それ羨ましいか?全く…」

ミラーは数年ぶりにスネークの少しズレた意見を聞きながら懐かしんでいた。

「さて、お前といえばこれだよな?…ミラー?」

スネークは胸のポケットから大切そうにしまっていたティアドロップ型のサングラスをミラーにかける。

 

「…くく……ああ…そうだな」

サングラスを直しながらミラーは本当に戻ってきたことを実感した。

 

「久振りだ…そしておかえりボス…」

「…ああ、戻ったぞ!……いや違うな」

そうだ、あんたに似合うのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

待たせたな

 

 

 




PW勢も出します。
しかし、彼は許しません。


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霧の中で

談笑もひと段落し、スネークはカズヒラを肩に担いで外に出た。

未だ敵達は昏倒、睡眠、そして恐怖に怯え動かない。

「全く…あんたは本当にやりすぎだ…」

その光景にミラーは苦笑いを浮かべる。

「そうか?」

「あぁ!全く…全くもって最高だよボス!」

どうやら喜んでいるようなので頷いておく。

そして仲間にヘリの合流地点を指定し、パートナーである馬を呼び寄せ、カズヒラを後ろに乗せ、傷に響かないようにゆっくりと、しかしながら周りに注意しながら月夜の中を移動し始めた。

馬の歩行音が響く中、カズヒラは先ほどとは懺悔するような…それでいて怒りに満ち溢れた声で話すのであった。

「ボス…あんたを失ってから俺たちは…いや、俺は戦場の泥という泥の中に埋れながら、あんたが残したかったものを…あんたの帰ってくるあのマザーべースを!他の奴らとともに守ってきたつもりだった…

しかし、あんたがいなくなったことから少なからず兵士に不安があったんだ。このままあんたは戻ってこないんじゃないかってね。

俺たちは必死で説明した。俺たちのボスが戻ってこないわけがない!また俺たちを待たせて楽しんでるんだ!とな…しかし俺にはあんたのようなカリスマはなかった…

最初は数人だった脱隊する奴らは、気づけばマザーベースの運営がままならない状態にまでなっていた。脱隊したやつらの中には、敵として戦場で死体になって再開した奴らもいる。

勿論味方の捕虜として捕まった奴らにはもう一度戻ってこないかと誘いもかけたさ!

しかし、奴らは奴らでマザーベースと同じようなPMC業を始めたのさ…あんたがふらっと現れるかもしれないとな…

スネーク……あのマザーベースは俺たちの中で大きいものになりすぎたのかもしれない…

俺たちは…9年前…あそこで基地を…仲間を……

いや!そうじゃない‼︎

基地なんてもんじゃない!疲れた身体を休めるだけじゃなく、心を癒せる家を‼︎

味方なんでもんじゃない!互いの思いの違いから衝突もしたが、くだらないことで笑い合うことさえ出来た家族を‼︎

全て失ったんだ!

だからこそ俺は、俺たちは!戦場の犬になった!」

ミラーは興奮を抑えられず息も絶え絶えになりながらそう言い切った…

スネークが少し落ち着かせようとしたとき…それは起こった。

急に辺りが暗く白くなって行く…

「なんだこれは…?霧?」

スネークが呟いたその時、ヘリからの無線が入る。

「こちらピークォード。霧が濃くてあなたたちを確認できない。一度態勢を立て直す!暫くお待ちくださいボス!」

そう言うと近くに聞こえてきていたヘリの機動音が遠のいていった。

…どうするか、ミラーに確認しようと振り返ってみるとミラーは顔面蒼白になりながら呟いていた…

「急に霧が出て来た?そしてこの状況…出来過ぎている…」

「どうした、カズ?」

そう言いながらミラーに手をかけようとした時、スネークは見た。

何もいないはずのところに高速移動しながら現れたものたちを…

そしてその手には何も握られていなかったはずなのにまるでそこにあったかのように現れた銃を…

少し遅れたが振り返ったミラーは大声で言う!

「まずい!捕捉されてる!ボス逃げるんだ!この霧の中から!どこでもいい!奴らから!

スカルズから!」




遅くなりすみませんでした。

ところで1話のネタってわかりますよね?
アルマジロ:ドラマCDで出て来た人。重厚な人
マンホール:カズラジで補給を担当してた兵士。カズヒラにこき使われてましたね…

カズラジネタとかって大丈夫ですか?


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