機動戦士ガンダムSEED~三人が行く転生物語~ (武御雷参型)
しおりを挟む

プロローグ

最新作です。駄作になるかも知れませんが、よろしくお願いします。

因みに、今日は自分の誕生日です。23歳になってしまった………orz


「なぁ、一平。お前、将来何するつもりだ?」

 

「ん? 俺か……そうだな高校に行かずにそのまま就職かな?」

 

「そうか……だけどお前それしたら親が煩いんじゃないのか?」

 

「まぁな。でも、俺ってさ学力無いじゃん? だったら無駄な金を払うよりは就職して金を稼いだ方が得策だろ?」

 

「それもそうだな」

 

とある中学の廊下で二人の生徒が歩きながら将来の話をしていた。天然パーマの少年近藤一平とストレートヘアーの桜井俊輔。この二人は幼稚園の時からずっと一緒に過ごしてきた仲である。

 

「でもよ、一平。お前、彼女とどうするんだ?」

 

「智香の事か・ まぁ、あいつが俺と一緒にいてくれるなら嬉しいけど、あいつの親が煩いのかもな。『中卒の奴にうちの娘はやらん』ってな」

 

「それはあり得るな」

 

「何の話かにゃ?」

 

「「うおぉっ⁉」」

 

一平と俊輔の話の間に一人の少女が割り込む。

 

「オイ、智香‼ 急に現れるんじゃねよ、驚くじゃねぇか‼」

 

「ごめんね~」

 

一平に智香と呼ばれた少女は笑いながら謝る。

 

「それで? さっきの話はなに?」

 

「良いだろう、なんでも……帰るぞ」

 

一平はそう言うと足を速める。

 

「待ってよ~」

 

「やれやれだな」

 

智香と俊輔も一平の後に続いて行く。

 

 

 

 

「それでさぁ~」

 

「なんだよ」

 

「一平君は卒業後どうするのかなって」

 

「「ッ⁉」」

 

智香の言葉に一平と俊輔は息をのむ。それは、智香がいない間に話をしていた内容であったからだ。もし、一平が卒業後、就職をするなど言った場合、智香は一平と別れる可能性がある。一平としてもそれはしたくはなかった。だが、今の学力では高校に行けるまでにはいかず、親からは何としてでも高校は行ってほしいと懇願されているが、それでも一平としては就職して親孝行をしたいと思っている。

 

「俺は………」

 

「………どうせ、学力が無いからって就職するつもりでしょ?」

 

「ッ⁉ どうしてそれを……」

 

「何年、付き合っていると思ってるの? 私はこれでも一平君の事に関しては鋭い方だと思っているよ。それに実は、私からお母さんやお父さんに話したの」

 

「学力が無い事をか?」

 

「うん……そうしたら『智香が決めた事だ。それを親がどうこう言っても仕方がない。だから智香が幸せになれる様に私達は手伝う』って言ってくれたの」」

 

智香の言葉に一平は驚きを隠せなかった。なぜなら、智香の両親は大手企業のご令嬢である。だが、智香の両親はご令嬢と言って甘やかした暮らしはさせなかった。一般家庭と同じ小遣いを与え、学校も一般家庭が通う学校に通わせていた。その結果、一平と出会う事が出来たのだ。

だが、一平としては申し訳無さでしかなかった。学力が無い自分と結婚してもまともな生活はおろか、もしかして智香も共働きをする羽目になってしまうのではないかと。だが、智香はそれでも良いと思っていた。一平と一緒の生活が出来るのであればそれで良いと。

 

「そうか………なんだ俺が考えすぎなんだな……はぁ、さっきの悩みは何だったんだ? 俊輔」

 

「知るか‼ だけど良かったじゃないか。これで晴れてお前と智香の付き合いが認められたような感じだぞ」

 

「そうだな……さぁもう少しで分かれ道だぞ。俊輔はここでだな」

 

「ああ、じゃあな‼」

 

「おう‼」

 

「俊輔君。また明日ね」

 

そう言って三人は分かれた。だが、三人は知らない。明日が来ない事を。

 

 

「一平君。明日こそ一緒に登校しようね」

 

「そうだな。まぁ、俺が先にお前の家に行くからな」

 

「じゃぁ、待ってるね」

 

そう言って一平と智香は分かれた。

 

 

 

 

 

「良かったじゃねぇか、一平の奴。まぁ、明日は二人ならんで登校するんだろうな。うらやましいで‼」

 

俊輔はそう言って地団駄を踏む。

 

「まぁ、そういっても仕方が無いか。早く俺も出会いが欲しいぜ……って、オイ‼ 危ねぇぞ‼」

 

俊輔は交差点で一人の少女がダンプカーに引かれそうになっているのを見つけると走り出した。

 

「間に合えぇぇぇぇぇぇ‼」

 

俊輔は何とか少女を交差点から押し出した。しかし、その反動で俊輔だけが交差点に取り残された。

 

「はぁ、俺はここでおさらばか……元気でな一平、智香。幸せにな」

 

そう言って俊輔はダンプカーに引かれたのだった。

 

 

 

「はぁ、なんでかなこう締まらない気持ちはさ……さて、ここは交通量が少ないからって暴走車がいるからな。気を付けよう……オイオイ、まさか本当に暴走車がいるのかよ。まぁ、通り過ぎるのを待つか………さて行ったな。行くか」

 

一平はそう言うと先を進んだ。しかし、ここで最悪な事が起きた。パトカーが暴走車を追いかけていたのだ。しかも暴走車と同じ速度でだ。

 

「は?」

 

一平が気付く頃には既にパトカーが目近であった。

 

「智香、スマン」

 

一平はパトカーに引かれるのであった。

 

 

 

 

智香は家に着く。だが、家の灯りが付いていなかった。

 

「あれ? お父さんもお母さんもまだ帰ってないのかな? 良いや。ただいま」

 

智香は鍵をかけ家に入った。だが、いつもの家では無かった。玄関には至る所に血が飛び散っていた。

 

「えっ?」

 

智香は目を疑った。だが、それは一瞬の事だ。すぐに血が付くのも忘れリビングに駆け寄った。そして、リビングの扉を開けるとそこには何も言わぬ父と母の姿があった。

 

「お……父さん………お母さん? ねぇ、ただいま……ドッキリでしょ? いつもの私を驚かす為の。ねぇ、何か言ってよ‼」

 

「お嬢ちゃん、そいつらに何を言っても意味が無いぜ?」

 

智香の後ろから聞こえる声に驚き、振り向くと見覚えがある顔であった。

 

「えっ? 漣さん?」

 

「おう。久しぶりだな智香。元気だったか?」

 

漣と呼ばれた男は、全身に返り血を浴びたのか真っ赤であった。

 

「その血って……もしかして………」

 

「そうだ。俺がそいつらを殺した」

 

漣は普通に智香の両親を殺したことを自白する。

 

「どうして‼ ねぇどうしてお父さんやお母さんを殺したの‼」

 

「決まってるじゃないか。俺の結婚相手は智香だけだ。それが何だ? 智香は貧乏人の家の人間と恋人ごっこか? それに、本来の結婚相手は俺だぞ? それを白紙にしやがって‼ だから殺した。さぁ、智香。俺と一緒に行こうぜ?」

 

「嫌よ‼」

 

「ッ⁉」

 

漣は血の付いた手を智香に差し出すが、智香はそれを叩き拒んだ。

 

「そうか……なら仕方がないな。俺を見たんだ。死ね」

 

漣はそう言うと後ろで隠していた包丁を智香に向ける。

 

「アンタなんて私は認めないわ。親の七光りで私に近付いた男なんてね。それにアンタより一平君の方がもっと素敵よ‼」

 

「黙れ‼ 誰があんな貧乏人と一緒にされるか‼ さぁ、最後だ。一緒に俺と来い‼」

 

「嫌よ‼ 絶対に嫌よ‼」

 

智香はそう言うと父と母を一度見ると走り出す。智香が向かう先は誰も知られていない通路があった。あそこにたどり着けば、外に出れる構造になっていた。

 

「おっと、そっち行っても無駄だぞ? なんせ俺が通路を壊したからな‼」

 

漣が言う通り、通路は斧で壊された形跡があり、扉自体が開かなくなっていた。

 

「と言う事で、俺を見たんだ。誰かにしゃべられては俺の人生が丸つぶれだ。だからここで死ね‼」

 

漣がそう言うと包丁を智香に投げる。智香はそれを避けようとした。だが、運が無かった。足元にあった木材に足を取られ包丁は智香の左胸に刺さった。

 

「ああ、一平君。さようなら」

 

智香はそう言うと、意識を手放すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは酷い……そうだ。あの世界に送るか。だが、先に此処に呼ばなくてわな」

 

一人の青年が呟いた。青年の手には三枚の用紙が握られていた。

 

「おい、誰かいるか?」

 

「はい、此処に」

 

「この者達を此処に呼べ」

 

「畏まりました」

 

青年の声に一人の従者が現れる。そして、青年の指示を受けると影の様に消える。

 

「さて、ここのレイアウトを変えるかの」

 

そう言うと青年は指を鳴らす。すると、真っ白な空間が某女優の部屋に変わる。

 

「お待たせしました」

 

すると従者が三人を連れてくる。

 

「下がってくれ」

 

「畏まりました」

 

青年に言われ従者は下がる。

 

「目を覚ませ」

 

「「「ハッ⁉」」」

 

青年の声に三人は目を覚ました。

 

「俺は確か……少女を押し出してダンプに引かれた」

 

「俺はパトカーに引かれた」

 

「私は、知り合いに殺された」

 

「「「って、なんでいんの⁉」」」

 

三人はお互いの顔をみて驚いた。

 

「話をしても良いかな?」

 

「「「誰?」」」

 

青年の声に三人はハモって答える。

 

「それも今から説明する。さて、まず初めに謝らなければならない。すまなかった」

 

「どういう事ですか?」

 

「君は……俊輔君だね」

 

「ええ、そうですけど。その前にあなたが誰なのか、なぜ謝るのかを説明してください」

 

俊輔の言葉に青年は頷く。

 

「そうだな。私の名前は天照だ。こう見えても日本神話の神の一人だ。そして、謝る理由としては、君達は本来は死ぬ筈では無かった」

 

「えっ? つまり、俺達は死ぬ筈では無かったと言う事ですね」

 

「ああ、一平君はパトカーに引かれたが、本来はパトカーは君の目の前で止まり君は腕の骨折だけで良かった。智香さんは漣とか言う奴の投げた包丁を避けた瞬間に警備員が駆け込み、漣を捕まえる筈だった。そして俊輔君は少女を助けるとダンプは道を逸れて壁に衝突するはずだった。だが、何かの拍子に君達の運命が変わってしまった。そして、君たちは死ぬ筈では無かったのに死んでしまった。説明はこれ位しか出来ない」

 

「「「………」」」

 

三人は天照の説明を聞くと泣き崩れた。智香はある意味で一人身になってしまうが、一平と一緒に生活する筈だった。俊輔は、もっと親に反抗せずに従っていれば良かったと。一平は、親不孝になってしまった事を悔やんだ。

 

「そこでだ。君たちは輪廻の輪に入る事が出来ない。だから、君達にはある世界に行ってもらう」

 

「………拒否権は無いんだろ?」

 

「……………すまない」

 

俊輔の言葉に天照は謝る。

 

「頼みがある」

 

「可能な限りなら叶えられる」

 

「最後に親に合わせてくれ。挨拶しておきたい」

 

「……良いだろう。智香さんはどうする?」

 

一平の言葉に頷くと天照は智香に質問する。

 

「私は……お父さんとお母さんがもう一度出会ってほしいです。それに、私は一平君のご両親に挨拶したい」

 

「良いだろう」

 

天照はそう言うと二つの扉を用意した。

 

「ここを潜ればそれぞれの親に会える。時間は一時間しかないからな。忘れるな」

 

「「「判った」」」

 

そう言って三人は扉を潜り、それぞれの親に最後の挨拶をし、死んだ理由も話した。そして、三人が帰って来る頃には笑顔になっていたのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等受け付けております。

もし、要望がありましたら直接メッセージでお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一話

一平達は笑顔で天照の所に戻ってくる。

 

「その顔では、良い別れ方をしたんだな」

 

「はい。親達にもちゃんと謝りましたし、これからの事も話しました」

 

「そうか……」

 

一平の言葉に天照は少し悲しそうな顔になる。だが、それも一瞬の事で、すぐに顔の表情を戻した。

 

「では、君達に行ってもらう世界について説明をする。君達三人には、『ガンダムSEED』の世界に行ってもらいたい」

 

「「「は?」」」

 

天照の言葉に三人は目を点にする。それもその筈。『ガンダムSEED』はアニメの世界であり、現実世界に無い事だからである。

 

「待って下さい‼ それってアニメの話ですよね?」

 

「君達から見れば、アニメの中の話でしかない…だが、世界は沢山ある。ISやマクロス、艦これ、色々な世界が生み出されている。だが、それは君たちの世界では想像の中であるが、我々からすれば、すべてが現実世界になるんだ」

 

「「「………」」」

 

三人は規模の大きい話に付いて来れずにいた。

 

「まぁ、君達がそのまま行っても、すぐに戦死してしまうのは目に見えている。だから、特典を一人四つまでにする。何が良い?」

 

天照の言葉に三人は悩む。だが、先に口を開いたのは一平であった。

 

「では、俺達に原作の内容を教えてください」

 

「判った」

 

天照はそう言うと、指を鳴らす。すると、あたりが暗くなる。

そして、モニターが下りてくるとガンダムSEEDのアニメが上映された。

 

 

 

 

 

「「「………」」」

 

三人は涙を流していた。特に最終回でキラがフレイを助けれなかった場面である。

 

「では、皆の特典を与えねばならない。誰から言うんだ?」

 

「なら俺から行きます。俺が望む特典はガンダムUCから専用機としてシナンジュ、デルタプラス、デルタガンダム、ガンダムデルタカイを下さい。これが一つです。二つ目は、戦艦が欲しいです。三つ目は、俺達三人が一緒に行動出来るようにして下さい。四つ目は、名前を変えさせてください‼」

 

一平が自分の特典を言うと、天照は用紙を懐から取り出し、内容を書き記していく。

 

「なら、次は俺だな。俺は基地を下さい。中でMSが量産が出来る様に。二つ目は戦艦のクルーを自動ロボットにしてください。三つ目は俺の専用機としてリゼル、デルタプラスを下さい。四つ目は、架空で良いので会社を経営している事にしてください。民間企業として、何でも屋な感じです」

 

「良いだろう。さぁ、最後は智香さんですよ」

 

「私は…………私は一平君のお嫁にして下さい。二つ目は、専用機としてクシャトリヤを下さい。三つ目はフレイの幼馴染と言う設定で。四つ目は、原作開始から二年前にして下さい。図々しいかも知れませんが、私をニュータイプにしてください。私はこれで」

 

智香も考えていた事を天照に伝える。

 

「良いだろう。だが、一平は特典内容として、専用機の数が多いが、何か考えがあっての事か? それと名前の変更は可能だが、必要か?」

 

天照は、一平の特典内容に疑問があったので質問をする。

 

「専用機については、デスティニーでの内容で使うかも知れないからです。それと、名前に関しては向こうでは、言い方が嫌なんで、親には申し訳ないですが、変えます」

 

天照の質問に答える一平。天照は頷くともう一枚の用紙を一平に渡す。

 

「なら、そこに新しい名前を書いてくれ」

 

「なら………これで」

 

「これって……」

 

一平が書いた内容を見て智香は悲しい顔になる。

 

「どうかしたのですか、智香さん?」

 

「はい。この名前は私が子供に付けようと思っていた名前です。でも、どうしてその名前を知ってるの? 私言ってないよね?」

 

「ああ、言ってないな。でもな、俺もお前と付き合って長いんだ。大体の事は判るよ。だから、もしかしたらと思ってな。これにしたんだ。だから、俺と智香との子供には俺の名前を使ってほしい」

 

「………判った」

 

智香はそう言って頷いた。

 

「では、これで決まったな。これより三人を原作開始の二年前に送るぞ? それと、基地に関しては月の裏側に造った。既に内装も終わっている筈だ。さて、扉を出すからそこを潜ればSEEDの世界に行ける。元気でな」

 

「「「はいっ‼」」」

 

天照の言葉に三人は頷くと扉を潜って行ったのだった。

 

「さて、三人に幸があらん事を………そうだ。オペレーターとして『ラプター』を送るか。さて、戦艦は……二隻で良いか。機関は……」

 

天照は生き生きとした表情で戦艦の設計を行うのであった。

 

 

 

 

 

三人はそれぞれの場所に送られた。一平改めリュウジ・コンドウは日本に。シュンスケ・サクライはザフトに。そしてトモカ・ヤマモトはオーブに分かれた。

赤ん坊から始めた三人は、18歳になると独立し、シュンスケはザフトを退役し民間企業を立ち上げた。中立として、ザフトと連合の何でも屋をしていた。だが、それぞれの情報は絶対に流していない。流石にシュンスケもそれをすれば、信用問題になってしまうので、それぞれの機密情報は、依頼遂行後に依頼主の前で情報をすべて消去していた。

リュウジは、日本が加盟している東アジア連合軍に入隊し、士官学校に通い卒業後、連合軍から抜けシュンスケが経営している民間企業に就職する事にした。

そしてトモカも同様に、オーブからシュンスケが経営している民間企業に就職しリュウジと再会しそのまま結婚に漕ぎついたのであった。

 

因みに、シュンスケが経営している民間企業の名前は『海の明星』である。拠点は天照が建造した月の裏側にある基地である。移動手段は『海の明星』がデブリから回収した連合軍の宇宙戦艦『ドレイク級護衛艦』とザフトの主力戦艦『ナスカ級』の混合型輸送艦『アマテラス型』を使用している。

船体はドレイク級を使い、スラスター関係はナスカ級を使用している。また、ドレイク級のカタパルトと格納庫は破棄されており、スマートな輸送艦となっている。また、速力もナスカ級を超える物になっている。ただし、旋回力は小さく、速力だけの輸送艦である。

 

 

 

それから二年の月日が経ち、ヘリオポリス壊滅の年になった。

 

「あれから二年か……月日が経つのは早いな」

 

「そうだな。だが、俺達もうかうかしていられないな」

 

「そうね。でも、どうするの? 天照が建造してくれた戦艦二隻あるけど……」

 

「そうだな。だけど俺達が使う機体はこの世界では有り得ない機体だ。今後の世界にどんな影響を与えるか判らない。だけど、俺達は早期終戦を望む。だから、行くしかないだろう?」

 

シュンスケの言葉に二人は頷いた。

 

「二隻の内、現状で出せるのはドゴスギアのみね」

 

「そうなるな。まだ船体が完成しきれていないからな。仕方がない。リュウジとトモカは自分達の機体を搬入しといてくれ」

 

「「了解‼」」

 

トモカとリュウジはそう言うと自分たちの機体を搬入する為に格納庫に向かった。

 

「さて、ヘリオポリスの壊滅は何とか抑え込みたいな。ただでさえ、俺たちはイレギュラーな存在だ。もしかしたら、原作と同じようには行かないだろうな………ここの工廠で武装の製造をしておくか」

 

シュンスケはそう言うと工廠に電話を行い、武装の製造を指示するのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等受け付けています。

少し内容を追加しました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話

少しチート染みていますが、ご了承を。


シュンスケ達はドゴスギアに専用機を搬入し終わった後、すぐに出航する。

ドゴスギアの艦橋にはシュンスケ達とは別に天照がオペレーターとして送られてきた「ラプター」がそれぞれに配置されていた。

 

「艦長。まもなくヘリオポリスの領海内です」

 

「判った。では、これより作戦内容を伝える。俺、リュウジ、トモカは先行してヘリオポリスに侵入する。その後、ヘリオポリスの崩壊を阻止し、俺たちはこの艦に帰還する。その後、一度月に戻りドゴスギアからもう一隻の戦艦に乗り換えて連合軍と接触を行う。ここまでの内容で質問はあるか?」

 

シュンスケはモニターを使いながら作戦内容を伝える。

 

「無い様なので、これより作戦を開始する。各自、持ち場に就け‼」

 

『了解‼』

 

シュンスケの指示でラプター達はそれぞれの場所に着いて行く。そして、シュンスケ達三人は格納庫に行き、それぞれの機体に乗り込む。

シュンスケはRGZ-95リゼル。リュウジはMSN-001デルタガンダム。トモカはNZ-666クシャトリアに乗り込んだ。

それと同時に、艦橋から通信が入る。

 

『こちら艦橋です。リニアボルテージ95%を超えた事を確認しました。RGZ-95リゼル出撃どうぞ‼』

 

「了解した。シュンスケ・ヤマモト、リゼル出るぞ‼」

 

シュンスケはそう言うと、ペダルを強く踏み込み、機体を出撃する。

 

『リニアボルテージ95%超過を確認。MSN-001デルタガンダム出撃どうぞ‼』

 

「オーライ‼ リュウジ・コンドウ、デルタガンダム出るぜ‼」

 

リュウジもペダルを強く踏み込み、機体を出撃をさせる。

 

『リニアボルテージ95%超過を確認。NZ-666クシャトリア出撃どうぞ‼』

 

「判ったわ‼ トモカ・サクライ、クシャトリア出るわ‼」

 

トモカも機体を出撃をさせる。

 

その後、シュンスケ達はヘリオポリスの近くまで来ると、機体をバルーンで隠しヘリオポリスに侵入するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、シュンスケ達はヘリオポリスで生活をして、原作開始まで色々と調べていつでも対応できる体制を整えていた。

また、ドゴスギアについても、ヘリオポリスの領海ギリギリの所で待機していた。

そして、原作開始の日になった。

 

「とうとう、この日がやって来たな」

 

「ああ、だが、俺達がする事は一つ」

 

「このヘリオポリスの崩壊を阻止する事」

 

三人はヘリオポリスにあるカフェの一角で話をしていた。

 

「俺たちの機体の調整に関しても問題は無い。後は、ドゴスギアからの報告を待つだけだな」

 

シュンスケがそう言うと、端末が震えだす。

 

「来たか……俺だ。ザフトが動き出したか?」

 

シュンスケが端末を操作してドゴスギアのオペレーターに通信を取る。

 

『はいあ、ヘリオポリス領海ギリギリの所で待機している処です。そろそろ………五機のシャトルの発進を確認。まっすぐヘリオポリスに向かっています』

 

「そうか………行くぞ。ドゴスギアは俺達が戻ってくるまで待機。良いな?」

 

『了解しました』

 

そう言うとオペレーターは通信を切る。

 

「さて、行くぞ。リュウジ、トモカ。俺達は機体を取りに行く。その後、リュウジとトモカはヘリオポリスの周辺にいるザフト機の殲滅。俺は、再度ヘリオポリスに突入しストライクのアグニがヘリオポリスに当たるところを阻止する。そして最後に侵入してきた機体の破壊だ。良いな?」

 

「「判った」」

 

三人はすぐに行動をする。機体を自動操縦でヘリオポリスの近くまで持ってくると、機体に搭乗した。そして、起動すると同時にヘリオポリス内での戦闘が開始された。

 

「戦闘開始だ‼ 各自の兵器使用自由、出来るだけ敵さんを怒らせてやれ‼」

 

「「了解」」

 

シュンスケがそう言うとリュウジとトモカは一気にスピードを上げた。特にリュウジのデルタガンダムは可変機である為、戦闘機状になるとジンに向けて、機体横にマウントされているビームライフルを放って行く。

不意を突かれたジンは、ビームによってコックピット部を貫かれそのまま爆散した。僚機のジンは直ぐにデルタガンダムに突撃砲を放つが、機動に特化したデルタガンダムは速度を上げ、ジンの上空でMS形態に変形する。

 

「なっ⁉ MAがMSに変形した⁉」

 

「何なんだ、あの機体は‼」

 

ザフトは見た事もない機体に戸惑いを隠せず、攻撃が疎かになってしまう。それを見たリュウジはすぐにバルカンとビームライフルの混合攻撃を行い、ジンを破壊していく。

 

一方のトモカは、クシャトリアのファンネルを展開しジンをオールレンジ攻撃する。その結果、ジンはコックピット部や色々な部分を破壊され宇宙の藻屑と変貌する。

だが、敵も攻撃の手を強めた。ジンは包囲陣を展開しクシャトリアに各個攻撃を行う。しかし、クシャトリアの装甲により、攻撃ははじき返されてしまう。ジンからの攻撃は弾の無駄使いにしかならなかった。

そして、クシャトリアはバインダー部メガ粒子砲で一気にジンを瞬殺する。

 

そして、シュンスケはリゼルをMA形態に変形するとヘリオポリスに向かった。その際に、ジンが攻撃を仕掛けてくるが、ビームライフルで応戦していく。

中には近接攻撃を仕掛けてくるジンが居たが、ビームサーベルで擦れ違い狭間にジンを真っ二つにする。そして、ヘリオポリスの内部に侵入すると、そこには一機の機体と民間人が多数いるのを発見する。

 

「いた、あれがストライクか………良い機体だな。俺達の中にもあの機体が作れたら最高に良いんだが……まぁ、無い物強請りは止めるか」

 

シュンスケはそう言うとMA形態からMS形態に変形しストライクの横にゆっくりと着地する。そして、ラダーを使い、地面に降りた。

 

「君たち、民間人がその機体に触れては「そこの者達‼ その機体から離れなさいっ‼」言わんこっちゃ無い」

 

ベンチで横になっていた地球軍の女性兵士が銃を片手にシュンスケと民間人の子供に向けた。

 

「おいおい、手荒い歓迎だな?」

 

「黙りなさい‼ そして、あなたは誰ですか‼」

 

シュンスケの呟きに反応した女性兵士は銃をシュンスケに向ける。

 

「おっと、自己紹介が遅れましたな。俺の名は『海の明星』社長のシュンスケ・ヤマモトだ」

 

シュンスケがそう言うと民間人の子供たちは驚きを露わにする。女性兵士も驚きを隠せなかった。なぜならば、『海の明星』は連合軍、ザフト軍の両面からの何でも屋として名が通っていた。また、機密情報等に関しては、依頼主の目の前で削除する事が、受け信用性に高い何でも屋なのである。

そして、独自開発したMSと戦艦、輸送艦を所有する事でも有名であった。

 

「なんで、海の明星の社長がこんな所に………」

 

「少しね、耳寄りな情報をザフトから得たからそれの介入かな?」

 

シュンスケが言う事は、強ち嘘ではない。転生前に得た情報を元に行動しているがそれよりもハッキングでザフトから確かな情報を得ていた。

 

「ですが、この機体を渡す訳には「要りませんが?」はっ?」

 

女性兵士の言葉に重ねる様に言うと、逆に女性兵士が疑問視する。

 

「再度言いますが、この機体は……いや、連合軍が製造した機体には興味がありません。今後もそうですが」

 

シュンスケの言葉にその場にいた全員が目を点にするのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等、随時受け付けております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話

書き上げたぞ‼ 時間が欲しいです。


シュンスケの言葉でその場にいた全員が目を点にする。

 

「我々『海の明星』は既に独自で開発したMSを使っています。俺の機体もそうですが、今回連れて来ている者達にも同様に独自開発した機体を渡しています」(正確には、専用機だがな)

 

「まさか、今回のMSの開発には……」

 

「関わっていませんよ。俺達はザフト連合のどちらにも付かないという主義で運用していますから。それに、どちらについても得は無いですからね」

 

女性兵士の言葉にシュンスケは答える。海の明星自体が正式にどちらにも言っている事である。それを証明する為にも、連合のドレイク級とザフトのナスカ級を合体させた輸送艦を運用しているのだ。また、武装は絶対に搭載していない事も、両軍共に認識されているのだった。

 

「そ、それでは。なぜ、貴方達が今回の戦闘に介入しているのですか‼」

 

「まぁ、簡単に言えばこのヘリオポリスを崩壊させない為ですかね。俺達は、ヘリオポリスが崩壊すると言う事は戦争を悪化させるだけの起爆剤としか考えていませんから」

 

シュンスケは既に考えていた答えを女性兵士に伝える。

 

「それと、すみませんが。名前をおs」

 

シュンスケが言い終わらない内にヘリオポリスの外壁が爆発する。そこから一機のMSとMSが入ってくる。

 

「チッ‼ あれはザフトが正式に配備し始めた機体か‼ どうして………まさか⁉」

 

シュンスケは判っていたが、連合側から情報を流していると思われてしまう事を恐れ一応、言っておく事にした。

 

「狙いは……コイツか‼」

 

ストライクを見てシュンスケは言う。

 

「どうするの⁉ 我々にはストライクと貴方の機体しかないのよ」

 

「判っている。だが………ストライクのスペックを教えてくれ‼」

 

「ダメよ………でも、今はそんな事を言っていられる状況では無いわね。ストライクはバックパックを使う機体なの‼ でお、今バックパックはトレーラーに積んであるからそれを持って来るしか………」

 

「仕方が無い。何か武器を持って来てくれ。その間に俺はあの機体と戦闘して時間を稼ぐから‼」

 

シュンスケはそう言うとリゼルに乗り込み、機体を発進させる。

 

「(頼むからアグニ以外を持って来てくれよ‼)」

 

シュンスケはビームライフルでシグーを攻撃する。しかし、シグーは攻撃を予期していたのか攻撃を回避されてしまう。

 

「チッ、判っていたが反応が早いぜ、クルーゼ‼」

 

『君が誰であろうと、私には関係ない。だが、私の行く手を阻む者は誰でも許しはしない‼』

 

クルーゼはシグーをシュンスケのリゼルに向け攻撃をする。だが、シュンスケはリゼルの機動性を使い攻撃を回避すると、機体をMA形態に変形させる。

 

『なんと⁉ MSがMAに変形したと‼ ハハ……アハハハハハハハハハ‼ 私は運が良い‼ まさか未知の機体と対峙出来るとはね‼』

 

クルーゼはそう言うと機体の速度を上げる。だが、それでもリゼルには追い付けなかった。

 

『忌々しい機体だ………だが、これで良い。私は君に関わっていられるほど暇では無いのだよ。ムウ。君との対決もここまでだ』

 

クルーゼはそう言うと機体と翻して元来た場所に戻って行く。しかし、シュンスケはそれを許さないとばかりに機体の速度を上げ、クルーゼに向かって行く。だが、クルーゼと入れ替えにD装備をしたジンが突入してくる。

 

「クソッ‼ クルーゼめ、ヘリオポリスを破壊するつもりかよ‼ そんなことはさせねぇよ‼」

 

シュンスケはクルーゼ追跡を諦め、ジンの対処に移る。それと同時にヘリオポリスの地上が爆発しそこから白亜の戦艦が飛び出してくるのだった。

 

「アークエンジェルの存在を忘れてたっ‼ クソ……リュウジ、トモカ‼ 急いでヘリオポリスに入って来てくれ‼ 俺だけの力では対処しきれねぇ‼」

 

『『了解』』

 

シュンスケはリュウジとトモカに連絡を行いヘリオポリス内部攻防戦に参戦する様に伝える。すると、瞬く間に二機の機体が突入する。一機はリゼル同様にMSからMA形態に変形させると、ジンを葬って行く。一方の機体はバインダーから小型のビットを出すとジンを翻弄させながら、葬って行く。粗方ジンを葬った三人であったが、もう一つの問題が浮上する。それは、海の明星が連合に組したと思われてしまう問題である。

シュンスケ達が使う機体は連合製に見えてしまうのである。だが、それはまだ対処しきれるが、最大の問題がアークエンジェルの事である。

シュンスケ達は一度、機体を地上に降ろす。アークエンジェルもゆっくりと地上に降りてくる。

 

「どうするんだよ、シュンスケ」

 

「どうしようかね………俺達はこのままトンズラしても良いけど、もしかしたらザフトの再攻撃があるかも知れないしな、油断が出来ねぇよな………」

 

「まぁ、シュンスケ君もあまり考えなくて良いんじゃない? それに、私達の目的は達成したんだし一度、離れると言う選択肢もあるけど………」

 

トモカの言葉にシュンスケは考えた。いっその事、一度ドゴスギアに戻ってヘリオポリス周辺で待機するという選択肢もあった。しかし、それをするとザフトに発見されるリスクの方が高いのだ。それをするつもりが無いシュンスケは一つの選択肢を取るのだった。

 

 

 

 

 

 

一方、ヘリオポリス周辺には二隻の戦艦が待機していた。一隻はザフト軍の主力戦艦であるナスカ級高速戦闘艦ヴェザリウス。もう一隻はローラシア級MS搭載艦ガモフである。

ヴェザリウスの艦橋では慌ただしく、乗員が動いていた。また、両艦の格納庫も慌ただしくなっていた。それは、先の攻撃で主力であるジンが破壊されてしまい、現状で出せる戦力としては奪取したG四機とシグーと中破状態のジンが数機であった。

 

「仕方が無いな………一度、本国に戻って戦力を整えて再度出撃するほか無いな」

 

「そうですな……それにこの機体は………」

 

モニターには三機のMSが映し出されていた。それはシュンスケ達の機体であった。

 

「摩訶不思議な機体ですな。MSがMAに変形するなんて……連合の新鋭機でしょうか?」

 

「さぁな……だが」

 

クルーゼは先の大戦で対峙した機体の事を考えていた。

すると、格納庫から通信が入る。

 

『クルーゼ隊長。再度我々に突入させて下さい』

 

「アスラン。折角奪取したGを投入するつもりか? だが、護衛に出せる機体は無いんだぞ?」

 

『判っています。ですが、少し気になる事がありまして……』

 

アスランの言葉にクルーゼは考える。そして、一つの賭けに出る事にした。

 

「良いだろう。アスラン、イザーク、ディアッカ、ニコルは再度出撃だ。そして、一つの命令を出す。それは未確認機の部品を一部でも良いから持って帰ってこい。良いな?」

 

『ハッ‼』

 

そう言うとアスランは通信を切り、ヴェザリウスから再度出撃していくのであった。

 

「クルーゼ隊長。良かったのですか?」

 

「良いも悪いも、賭けに出る事にしたんだ。まぁ、結果がどうなるかは判らんがね」

 

「はぁ~」

 

クルーゼの言葉にヴェザリウスの艦長であるアデスは溜息に近い回答をするのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら随時受け付けております‼


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。