Unite~ボッチと絆の物語~ (あっき1995)
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第0話 始まりの日
Prologue


ウルトラマンXと俺ガイルのクロスです。

温かい目で見守ってください。


 〈15年前〉

 宇宙空間で激しくぶつかり合う2つの光があった。

 1つは不気味な笑い声ともいえる音を発している青い光、もう1つは青い光の進行を阻止するかのように追随する赤い光。

 果てしない宇宙を縦横無尽に駆け巡る様はさながら警察が犯人を追いかける追走劇にも似たものだった。

 だが、いつまでも続くかに思えた追走劇もついに終わりを迎える。

 赤い光が渾身の力を振り絞り、青い光を燃え盛る太陽の炎の海に叩きつけたのだった。

 

 赤い光が青い光を太陽に叩きつけた数分の後、地球では謎のオーロラが全世界で観測された。

 人々が不安や恐怖心に駆られるなか、ありえない現象が起こった。

 怪獣の形をした人形(スパークドールズ)が突如巨大化して暴れだしたのだ。

 スパークドールズの実体化は全世界で確認され、突然の怪獣の出現に人々は混乱に陥った。

 

 これが15年前に起きた太陽の異常爆発『ウルトラフレア』による超災害である。

 

 

 

 あれから15年の月日が経った。人類は怪獣の脅威や異星人の侵略から地球を守るため防衛組織『UNVER』を設立した。その中で怪獣や異星人に対抗するため世界各地に設立された特殊防衛部隊、それが『Xio』である。

 

 

 この俺比企谷八幡もそんなXioのメンバーの1人である。年齢は17歳で所属はコンタクトチーム兼ラボチームである。

 コンタクトチームというのは地球に来る異星人に交信を求めて目的を確かめたり、友好的な惑星との情報共有を行う部署である。

 

 何故俺が17歳という年齢でXioに所属しているのか、それは俺が慕う大地兄こと大空大地さんが、他人を信じられなくなり学校へ通わなくなった俺に人とのつながりを感じてほしいということで特別にXioへの入隊を隊長へ進言したらしい。

 それにXioでも他の惑星との繋がりを強くしたいということもあってか、コンタクトチームというものを日本支部で試験的に運用して実績次第では世界各国の支部に配備するという話になっている。そこで俺に白羽の矢が立ったわけだ。

 入隊の話を聞いた当初の俺は人間不信のボッチにまともなコミュニケーションがとれるわけないと反対していたが、コンタクトチームに配属されるもう1人の名前を聞いて不覚にもやってみようと思った。

 配属されるもう1人の名前は山瀬葉月

 昔行われた大地兄の入隊パーティーに参加したとき知り合った友人であり、数少ない俺の理解者でもある。俺の知る限り彼女は俺以上に対人恐怖症であったはずだ。その彼女が入るというのに自分の殻に閉じこもっていた自分が恥ずかしくなり、これ以上情けないところを彼女に知られたくなかった俺はXioへの入隊を決めたのだった。

 




地の文しかないですね。はい

次回から本編の内容に入っていきます。

ちなみにユナイトするのは大地です。八幡は変身するか未定です。


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第1話 星空の声
chapter.1 ゴモラからの警告


やっと本編開始です。

始まる前に一言、やる気って大事


とある山中、ここではXioのラボチームがこれから実験を行おうとしていた。

実験の準備に取り掛かる人たちの中でも飛びぬけて若い少年がいた。

 

「ここはこれで準備完了っと」

 

彼の名は比企谷八幡。本来ならラボチームではない彼はここにいるはずはないのだが、兄貴分である大空大地に見せたいものがあるといわれて連れてこられたのである。

準備を終えて一息ついている八幡のもとに人が近づいてくる気配があった。八幡がそちらを向くとラボチームのルイとマモルがいた。

 

「ハチ君お疲れ~」

「もう準備は完了したからテントに戻るっすよ」

「うっす」

 

呼びに来たルイとマモルに返事をして共にテントに戻る。戻っている途中八幡が今回の実験に関して2人に質問する。

 

「そういえば今回の実験って何をするんですか?」

 

八幡の質問に2人は驚いた表情をする。

 

「大地から何も聞いてないんすか!?」

「えっ?はい」

 

マモルが聞くと八幡はポカンとしながら返事をする。

マモルが今回の実験について八幡に説明をする。

 

「今日やるのはサイバーゴモラの起動実験っす。そういえば八幡は起動実験に参加するのは初めてっすね」

 

「まぁ、部署も違いますし今まで忙しかったですからね」

 

八幡は明後日の方向に視線を向けながら忙しかった日々を思い返す。その表情は顔は笑っているが目が笑っていなかった。

だがそんな八幡を気にせずマモルは今回の実験について熱弁する。

 

「今回は前回までの問題点を改善したうえでさらなる改良が施されてるので成功するはずなんす!だから今回は大地も八幡を連れてきたんすよ」

 

「そうなんですか。まぁがんばってください」

 

大地に連れてこられた理由を理解した八幡はついつい照れてしまう。

そうこうしているうちに三人はテントに到着した。テントの中では大地がヘッドフォンを耳に当てて座っていた。

 

「あー、ダイ君サボってるー!」

「おい!なに一人だけくつろいでるんだよ!」

 

先ほどまでの感動を吹き飛ばすような兄の行動に八幡は憤慨する。

 

「まぁまぁ、八幡落ち着いて。大地、こっちはスタンバイOK!」

 

マモルが八幡をなだめると大地はヘッドフォンを外して八幡の頭をなでて目を輝かせながら話しを始める。

 

「ここ、山の中だからよく聞こえるんだよね、星の声。地球には宇宙から大量の電子が降り注いでて、それを音に変換すれば…」

「宇宙誕生の謎が解き明かせる。でしょ?」

「それは耳にタコができるほど聞かされたぞ」

 

何回繰り返されたかわからない大地の説明にマモルと八幡が割って入る。

 

「ほんと飽きないよね。ママの電波受信器もうボロボロじゃん」

 

大地のヘッドフォンを手に持ったルイが半ば感心したように言う。

 

「さぁ、実験実験!!」

「はーい!」

 

マモルの掛け声にルイが元気よく返事をするとラボチームの面々は所定の位置に向かう。移動する途中大地は握っているゴモラのスパークドールズに語りかける。

 

「今日こそ頼むぞゴモラ」

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

それぞれが所定の位置につき実験が開始された。

大地は持っていたサイバーカードをデバイザーに読み込ませる。

 

―サイバーゴモラ ロードします―

 

デバイザーがカードを読み込むと周囲に設置された巨大な機材から粒子が照射され、みるみるうちに怪獣の姿が再現された。これがサイバー怪獣である。

 

サイバー怪獣とはスパークドールズをXioのラボチームが解析し、エレクトロ粒子で怪獣の姿に再現した新たな戦力のことだ。

 

「粒子定着率40%…50パーセント…」

 

テントではマモルが実験の測定値を記録している。

 

ギシャァ!

 

体がおおかた再現されたサイバーゴモラが鳴き声をあげる。

 

「いいぞ!いけゴモラ!」

「すげぇ…、ほんとにゴモラだ」

 

再現されていくサイバーゴモラを大地の隣から見上げる八幡の口からは感動があふれてくる。

 

「65%!!」

 

マモルが驚きと喜びの混じった声で数値を読み上げる。

だが次の瞬間サイバーゴモラの体が崩壊をはじめた。

 

「あっ、あぁ…」

 

急なことに大地がついていけないままサイバーゴモラの体はあっという間に消滅してしまった。

大地の期待もむなしく実験は失敗に終わった。

今回こそ上手くいくと思って八幡を連れてきた大地は実験の結果に落胆してしまう。

―――――――――――

――――――――

――――――

 

 

「あーあ、だめだったね」

 

テントに戻ってきた大地にルイが声をかける。

 

「粒子定着率67%…もう少し改良が必要だね」

 

今回の実験結果を見てマモルが苦い顔をする。

 

「ねぇ次はもっとかわいい子でためそうよ!」

 

そういってルイはタブレットを操作してサイバーエレキングのデータを表示する。

 

「この子なんかかわいい!絶対かわいいよ~!」

「推してきますね、エレキング」

 

八幡がルイのエレキングに対する熱意に若干引いていると大地はゴモラのスパークドールズを握り前に突き出す。

 

「ゴモラなら絶対成功する!」

 

そういって大地はテントの外へ出ていく。マモルたちもデータ整理のためにパソコンにむかう。やることがなくなった八幡は大地を追ってテントの外へ行く。テントの外では大地がゴモラに話しかけていた。

 

「だよな...」

 

そういって大地は遠くを見上げる。

 

「大地兄…」

 

物思いにふけっている大地に八幡は声をかけられないでいた。

物思いにふけっているとゴモラのスパークドールズが震えだし大地は現実に引き戻される。

 

「ゴモラどうした?何が言いたい?」

 

大地はデバイザーを取り出しガオディクションを使ってゴモラの感情を読み取ろうとする。

 

―ガオディクションを起動します ゴモラ解析中―

 

「大地兄、いったい…」

 

不安そうに八幡が大地に話しかけたところでデバイザーから音声が聞こえてきた。

 

―解析完了しました 脅威・不安・警戒―

 

「脅威? 警戒? なんなんだいったい?」

 

八幡がそうつぶやいていると大地はまだ音声がデバイザーから流れていることに気付いた。

ほとんどがノイズで聞き取るのが精一杯の音に耳を傾けると、ある単語が聞こえてきた。

 

「Pi..Pi…Pi……ユナイト…….」

 

「え?」

 

ノイズの中からわずかに聞こえてくる謎の声を大地だけは聞き取っていた。

 




やっと物語がスタートしたわけですが前書きにも書いた通りやる気って大事ですね。(笑)
やりたいことと内容は頭の中でできているんですが細かい描写や心情があまり得意じゃないんですよね。
これからも駄文や意味ワカラン内容で投稿するかもしれませんが広い心で見てください。

というわけで次回予告。
ゴモラの警告は怪獣の出現を知らせるものだった!
突如現れた怪獣に対抗するためXioが出動する!
次回、「現れる脅威」
お楽しみに!!


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chapter.2 現れる脅威

今回は大地メインです。
ぶっちゃけ八幡は名前しか出てきません。



大地達がゴモラからの警告を受けた同時刻、実験場からそう遠くない山中で異変は起きた。

 

「俺いっちばんのり~」

「きゃぁ、ちょっとつめたい~」

「ほれ、え~い」

 

山中のキャンプ場では若者たちが川で水遊びをしていた。そのうちの1人がある異変に気付く。

 

「ねぇねぇねぇねぇ、なんか熱くない?」

 

一同が顔を見合わせると次の瞬間、川から湯気が上がり一瞬のうちに川の水はお湯になってしまった。

 

『あっつ!!』

「あつっ!、あつっ!」

「っつ~!」

 

堪らず若者たちは蜘蛛の子を散らすように川岸にあがる。

 

「ど~なってんだよ…」

 

1人が川に手を入れて温度を確認する。だが、

 

「熱っっっ!!あっちぃ!!」

 

すでに川の温度は100℃近くの熱湯と化していた。

若者たちの注意が川に集まっていると謎の鳴き声が山中に響き渡る。

何事かと音が聞こえてきた方角を見ると衝撃の光景が広がっていた。

岩山から閃光が走り、白い煙が上空に上がっていたのである。

 

「えっ!?」

 

若者たちはその光景に驚愕するしかなかった。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

Xio日本支部では多くの人々が非常事態に備えてさまざまなことをしていた。

訓練に励む者、整備・点検の手伝いをする者、データの整理をする者。

 

そんな中基地内に警報が鳴り響く。

―フェイズ2 フェイズ2 エリアS2-5で異常を確認。アスナ隊員、ハヤト隊員、ワタル隊員、葉月隊員はただちにオペレーション本部まで―

招集がかかった隊員たちは急いでオペレーション本部に向かう。

 

「状況は?」

 

招集されたメンバーがそろったことを確認すると隊長が状況の確認をする。

 

「現在エリアS2-4です」

「地底を巨大な熱源が移動中」

 

オペレーターのタケルとチアキが状況を報告する。

 

「ハヤト、ワタルはただちに出動。上空から熱源を追跡せよ」

『了解!』

 

隊長の指示にハヤトとワタルが返事をする。

 

「アスナ、あなたは地上でラボチームと調査に向かって。葉月はタケルたちのサポートを」

『了解!』

 

続く副隊長の指示にアスナと葉月が返事をし、Xioが出動する。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

Xioアラミスで現場に急行しているアスナは大地に通信を入れる。

 

「大地隊員応答して。大地隊員…大地!この非常時に何やってんの!!」

 

通信に出ない大地に苛立ちをみせるアスナ。そこへ大地から通信が入る。

 

「アスナ!ブレーキ!」

 

いきなり大地から入ってきた通信に驚きつつ急ブレーキをかけると眼前に巨大な火球が落ちてきた。

アラミスから降りて確認しようとするアスナのもとに大地が合流する。

 

「アスナ無事か?」

「アスナ隊員と呼びなさい!なに今の?」

 

混乱しつつも状況の説明を求めるアスナに大地が答える。

 

「ゴモラが教えてくれたんだ、ここに何かいるって!」

 

そのとき大地達のいるところを大きな地震が襲う。

 

「熱源が接近中!50メートル、40、30…」

「どっち!?」

「上だ!!」

 

その直後上の岩場から熱線が放たれ、怪獣が出現した。

 

『うわぁ!!』

 

大地とアスナは降ってきた岩の衝撃で吹き飛ばされてしまう。

だが大地はすぐに起き上がると本部に通信を入れる。

 

「怪獣出現、タイプG!体長約50メートル!」

 

オペレーション本部では出現した怪獣とその進路がモニターに映し出されていた。

 

「南南西2.7キロに梅沢市市街地」

「住民に緊急避難指示を!」

「警戒レベルフェイズ3 都市防衛指令発令。進行を食い止めろ!」

 

隊長と副隊長の指示が隊員全員に伝えられる。

 

「了解!Xioブラスター出力最大!」

 

―ブラスターモード ターゲットロックオン―

 

アスナが放ったブラスターが怪獣に命中する。

 

―ターゲットに命中しました―

 

だが怪獣は何事もなかったかのように進行を続ける。

 

「全然効かない」

 

驚くアスナと大地の上空をスカイマスケッティが飛んでいく。

 

「お待たせ~」

「お熱いねぇおふたりさん」

 

ハヤトとワタルが大地達をからかう。

 

「全然熱くないんですけど!」

「いや熱いっす!めちゃくちゃ熱いっす!」

 

アスナは大地に文句を言おうとしたが大地の言っていった意味は別のものだった。

 

「あいつの体組成は79パーセントが溶けた鉄です!」

「解説どうも!対抗策は?」

「神経と熱源が集中してる頭部のツノ!そこに攻撃を集中してください!」

「ツノね!」

 

大地からの指示で地上と上空の両方からの攻撃が開始される。

 

「ファントン光子砲発射!」

 

激しい弾幕の嵐が怪獣を襲う。

 

「よし!!」

 

だが怪獣は尚も進行を止めない。

 

「これもダメ?」

「なんて奴だ…」

「大地どうすればいい!?」

 

ワタルから次の指示が仰がれる。大地は思考をフル回転させるがいい作戦が思い浮かばない。

 

「怪獣をスパークドールズにする技術さえあれば…」

 

だが現在のXioの技術ではそれは不可能である。大地もそれはわかりきっているが怪獣を殺さずに捕獲するのは困難であるため言わずにはいられなかった。

 

「今そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」

 

アスナの言う通り現在の状況では大地が言ったことは無いものねだりでしかない。現状を打開する策を再び考えていると隊長から次の指示が飛んできた。

 

「大地とアスナは梅沢市に先回りして八幡たちとともに避難誘導にまわれ!」

 

隊長からの指示で大地達はアラミスに戻り梅沢市に急ぐ。

梅沢市では先に八幡が避難誘導を行っていた。

 




八幡出せなくてすいません。
やっぱり第一話は大地とエックスの出会いがメインになっちゃうんでどうしても出せなくなっちゃう場面があるんですが今回がその回だったというわけです。

でもでも見えないところでも八幡はちゃんと活躍してますから!(必死)

というわけで次回予告。
梅沢市に上陸した怪獣はその圧倒的な破壊力で街を蹂躙し始める。
炎に包まれながら退避する大地達はゴモラのスパークドールズを落としてしまう。
拾いに行く大地に怪獣の熱線が放たれる。
そのときまばゆい光が大地を包んで...
次回、「ユナイト」
お楽しみに!!


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chapter.3 ユナイト

久しぶりの投稿!、俺の体は超疲労!、でもかまわずやっちゃおう!(ラップ風)


ガチで体が重いです。冷え性も合わさってキーボードが上手く叩けない。何かいい疲労回復の方法無いですかね?


怪獣の出現によって梅沢市では住民の避難が行われていた。

 

「うわぁーーーーーーー!」

「逃げろーーーー!」

「きゃーーーーー!」

 

「落ち着いて!誘導に従って避難してください!」

 

一足先に避難誘導にあたっていた八幡も大声で誘導を行っている。

そこへ大地達が到着する。

 

「遅れてすまん!避難状況は?」

「向こうはもう避難が完了してる。あとはここだけだ!」

 

だが怪獣は八幡たちのすぐ近くまで迫ってきていた。

ワタルたちに隊長からの指示が入る。

 

「まだ避難が完了していない。なんとしても怪獣を足止めしろ!」

『了解!』

 

スカイマスケッティの攻撃で怪獣の注意は人々からそれたが進行を食い止めるまでには至らない。

避難誘導を行いながら大地はあの怪獣について調べていた。

 

「こいつかも!」

「なにかわかった?」

「あいつはデマ―ガです!」

「デマ―ガ…」

「日本太平風土記にも記述のある鉄の魔獣です。天が妖光をまといし時、地を燃やす荒ぶる神“天魔亜牙”現れ太平の世を焔とともに滅ぼさん」

「神話でしょ?そんな相手とどうやって戦えって?」

「光の巨人が封印したとありますね!」

「そんな情報役にたたない!」

 

そのときデマ―ガの吐いた熱線がスカイマスケッティをかすめ、機体から火花が上がる。

 

「エマージェンシー!冷却ファン停止!」

「いったん引きなさい!」

「大地、アスナ、八幡!退避しろ!」

 

隊長の指示で3人はその場から退避を始める。

三人は足場の悪い中を必死に走る。だが大地に異変が起こる。

 

「はぁはぁはぁ、っ!?ゴモラが無い!」

 

走っている中で落としたのか、全身をくまなく探してもゴモラのスパークドールズが見当たらない。

 

「ゴモラ、ゴモラどこだ!?どこだ?どこだ?」

「大地!大地!」

 

アスナの呼びかけにも応じずに大地は辺りを見回す。すると瓦礫の下にあるゴモラを見つける。

 

「あっ!ゴモラ!」

 

アスナの制止も聞かず大地は瓦礫の下のゴモラに駆けよる。

ゴモラを拾い上げたところまではよかったが…

 

「大地!」

「大地兄!」

 

二人の呼びかけで顔をあげるとデマ―ガがこちらをにらみつけていた。

 

「はっ!」

 

絶対絶命の状況の中、大地のデバイザーに通信が入る。

「ユナイト…ユナイト…」

「えっ?なんだよこんな時に!」

 

通信の主は質問に応えないが徐々に声が大きくなっていく。

 

「ユナイト…ユナイト!」

 

直後、大地めがけてデマ―ガの熱線が吐き出される。

 

「だいちーーーーー!」

「だいち兄ぃーーーーーーー!」

「うわああああああああ!」

 

デマ―ガの吐いた熱線が大地を焼き尽くそうとした瞬間、上空からまばゆい光が降り注ぎ大地を熱線から守った。そしてそのまま光は大地を包み込む。

急に現れた光から顔を覆っていたアスナと八幡が目を開くと目の前には光り輝く巨人がそびえたっていた。

 

「新たな怪獣…いえ!巨人が出現!」

 

その様子はオペレーション本部でも確認された。

 




今回は比較的文字数少なめ。多分次回あたり結構書くはめになるのかも。
第一話が書き終わったら別の物語も書く予定なのにタイトルが思いつかない。いったいどうすればいいんだあぁ!

というわけで次回予告
突如現れた巨人はデマ―ガに攻撃...されてばかり!?
いきなりのことで混乱する大地は謎の声に導かれてたたかうことを決意する!
次回、「その名はウルトラマンエックス」
お楽しみに!!


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chapter.4 その名はウルトラマンエックス

これで第1話は終了!書き終えるまでかなりかかってしまった(泣)

でも細かいことは気にせず行こう!



「んん、えっ?なにここ?どうなったの?」

 

大地が目を開けると先ほどの市街地ではなく見たことのない空間に立っていた。

 

「説明は後だ。行くぞ大地!」

 

急なことに頭が混乱している大地に謎の声が話しかける。

 

「誰!?ってかなんで俺の名前…」

 

謎の声に質問をしようとしたところで大地が視線を下に向けると眼下に倒壊したビル群がミニチュアのように広がっていた。

 

「うぇっ!?なんだこれ!うおおお高っ!俺高いとこダメなんだよ!」

 

大地がしゃがもうとすると巨人もそのようにしゃがもうとする。巨人を見ていた八幡たちはその光景にポカンとするしかなかった。

 

「ムリムリムリムリ!高いよ!」

「高くない!巨大化したんだ。だから落ちない!」

 

またしても聞こえてくる謎の声に反論をしようとして今度は視線を上げると目の前にデマ―ガが迫っていた。

 

「うおおお!?」

 

キシャアアとうなり声をあげながら近づいてくるデマ―ガにしり込みする大地。その動きにリンクして巨人もその場にしり込みしてしまう。

 

「来るなーーーー!」

 

だがそんな大地の叫びもむなしくデマ―ガは巨人に攻撃を始める。

腕へ噛みつき地面へ巨人を組み伏せる。巨人もやられまいとデマ―ガを蹴り上げ何とか拘束から逃れるが立ち上がったところへ強烈なタックルをお見舞いされてしまった。

されるがままの状況を見かねて謎の声は大地を叱責する。

 

「コラッしっかりしろ!そんなんじゃたたかえないぞ!」

「はあ!?たたかう?おれが?なんで!」

「他にすることがあったら言ってみろ!」

 

その直後デマ―ガの吐いた熱線を正面から喰らい背後のビルを倒しながら巨人は吹き飛ばされる。

 

「あちちち!熱いよ!」

「落ち着け!あの熱線を喰らっても平気だろ」

「ほんとだ」

 

謎の声のいう通りそれほどダメージが無いことを実感する。

 

「君と私はユナイトした。心を一つにすればあの怪獣とたたかえるんだ!」

「心を一つにったって…」

「できる!まずは深呼吸を」

 

そのとき聞きなれた声が大地の耳に入ってきた。

 

「だいちーーー!」

「だいち兄ぃーーー!」

 

視線を向けるとアスナと八幡が自分を探していた。デマ―ガもその声に気づいたようで八幡たちに体を向ける。

 

「だいちーーーー!っは!」

 

アスナがデマ―ガの視線に気づき逃げようとするがデマ―ガはすでに熱線を吐こうとしている。

 

「アスナ!八幡!」

 

いうが早いか大地は無我夢中でデマ―ガと八幡たちの間に滑り込む。そして身を挺して八幡たちをデマ―ガの熱線から守る。

 

「デュア!グアアア!デュッ」

 

巨人が助けてくれたことによりアスナと八幡は衝撃で飛ばされるだけの軽症で済んだ。そんな巨人を見ながらアスナの口から疑問が出てくる。

 

「私たちを…守った?」

「みたいですね。わざわざ自分から飛び込んでくるなんて…」

 

こちらを見つめる巨人の表情は変わることはないが八幡は巨人から安堵の感情を読み取った。

大地は自分のとった行動に驚きを隠せなかった。

 

「俺がやったのか?」

「ああ!ファインプレーだったな!おっと、来るぞー」

 

再び顔を上げるとデマ―ガがこちらを威嚇している。

 

「なんだかよくわかんないけど、やれるだけやってみるか!」

「よし!行くぞ大地!」

 

大地が決意を固めると全身にチカラがみなぎってくる。それは大地とシンクロしている巨人も同様である。立ち上がると勢いよくデマ―ガに向かっていく。

 

「セイッ!イーッサア!」

 

そのまま勢いを乗せた蹴りをデマ―ガに喰らわせる。ひるんだところへ頭部と腹部へ連続でパンチをし、顎へ膝蹴りをお見舞いする。

次の攻撃をしようとしたところでデマ―ガの突進を喰らい吹き飛ばされるがすぐに持ち直し、再びデマ―ガに向かっていく。

明らかに先ほどとは変わった巨人の様子にオペレーション本部はモニターに釘付けとなる。

 

「怪獣と…たたかってる」

 

神木隊長の口からそんな言葉が漏れる。

 

巨人はデマ―ガの背中から放たれた火球と口から放たれる熱線を避けながら接近し攻撃を続ける。

だがデマ―ガもやられっぱなしではない。一瞬のスキをついて巨人めがけて尻尾を叩きつける。それを受けて巨人は地面に倒れてしまう。

 

ピコーン ピコーン ピコーン

突如巨人の胸の部分が赤く点滅をはじめる。

 

「タイムアップか!」

「なんだよタイムアップって?」

「これが我々のユナイトの限界のようだ」

 

立ち上がろうとする巨人をデマ―ガが踏みつける。その巨躯から繰り出される一撃一撃が着実に巨人と大地にダメージを与える。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

「冷却ファン復旧!」

 

デマ―ガの攻撃によって一時退避していたスカイマスケッティから通信が入る。

 

「ファントン光子砲は使えるか?」

「可能です」

 

攻撃再開の指示が出されるだろうと思っていたワタルたちだが実際に出された指示は驚くものだった。

 

「あの巨人を援護しろ」

「えっ?」

 

隊長の指示に全員が驚きを隠せなかった。だが隊長は巨人が敵ではないことを確信したうえでもう一度指示を出す。

 

「援護だ!!」

「「了解!」」

 

巨人を踏みつけていたデマ―ガの後ろからスカイマスケッティの攻撃が直撃する。それを受けてデマ―ガは巨人の上から離れる。

 

「頼もしい仲間だな!」

「ああ、俺たちもいくぞ!」

 

大地が声に応えると大地の体が巨人の姿と一瞬重なる。

 

「ようし今だ、いくぞ大地!」

 

巨人は立ち上がると力を溜めるように腕を胸の前にもってくる。すると点滅していた胸部の発光部分が黄色く輝いた。デマ―ガはひるんで攻撃できなかった。

巨人が右腕を胸にもってきて横に振り上げると周囲に閃光が走った。そして右足を軸にして両腕と左足を腰を捻りながら後ろへ持っていく。そして両腕を胸の前でXにクロスさせると腕から光線が発射された。

 

「「ザナディウム光線!!」」

 

すさまじいエネルギーの奔流がデマ―ガに直撃する。正面から光線を喰らったデマ―ガは爆発を起こし粉砕される。

しかしデマ―ガのいたところに光が集まりゆっくりと地上に降りて行った。

 

「「「「わあーーーーー!!」」」」

 

たたかいを見ていた一般人から巨人の勝利に歓声が上がる。

 

「なんだ今の?」

「君と私が完全にユナイトした証だ。初めてにしては上出来だな!」

 

謎の声に褒められて大地はつい照れてしまう。

 

「シュワッチ!」

 

そして巨人は目的を果たしたことを確認し空へと帰っていった。

 

「監視衛星の映像を!巨人の行方を捕捉しろ!」

「捕捉できません!消失しました」

 

オペレーション本部は驚きと勝利の喜びが混じったような微妙な空気に包まれていた。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

巨人の姿から元の姿に戻った大地は光が降りて行った場所へ向かった。そこにはデマ―ガの亡骸ではなくスパークドールズが落ちていた。

 

「あの光線でデマ―ガをスパークドールズにしたのか。お前ほんとすごいチカラを持ってるな!」

「正確には君と私のチカラだ」

 

大地のデバイザーの中に入った巨人は大地の質問に冷静に答える。

大地が元の姿に戻るのと同時に体をデータ化しデバイザーの中に入ることによってユナイトを解除したのだ。

 

「お前となら怪獣を殺さずに捕獲できるのか」

 

だが巨人は大地の話よりもデバイザーに興味を持っている。

 

「このデバイス気に入った!ここにいればまた君とユナイトできる。よろしくな大地!」

 

そう言い残すと巨人は画面から消える。

 

「えっ!?ずっとここにいるの?おいっ!おいっ!」

 

残された大地は黒い画面に向かって話しかけるが巨人が返事をすることはなかった。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

大地がデマ―ガのスパークドールズを回収したころ八幡たちは必死に大地の捜索を行っていた。

 

「だいちー!だいちー!」

「だいち兄ぃー! おーい!」

 

瓦礫の山と化した付近一帯で声を張り上げながら大地の捜索を行う八幡とアスナ。

 

「返事しなさいよー!お願いだからぁ」

 

だがアスナの心は限界であった。

そこへワタルとハヤトが駆けつける。

 

「アスナ!八幡!」

「おまえら無事か?」

「それより大地が…」

 

アスナと八幡が暗い表情で状況を報告しようとしたとき、遠くから声が聞こえてきた。

 

「おーい!おーい!」

 

煙の向こうから大地がピンピンした様子でかけてきた

 

「大地!お前無事だったのか!」

「このバカ!!」

「なにやってたんだ!!」

 

大地が無事であると確認するとアスナと八幡が大地に詰め寄る。

 

「死んだかと思ったじゃん!」

「助けてくれたんだ、あの巨人が」

 

そういう大地の手にはデマ―ガのスパークドールズが握られていた。

 

「お前、それどうやって?」

「あの巨人のチカラです」

 

そこへ隊長から通信が入った。

 

「大地なんなんだあれは?」

「カテゴライズ不能です。Xioのデータベースにも前例のない未知の超人ですから」

「未知の超人…」

 

隊長がそうつぶやくと大地はあの巨人の名前がなんなのか知らないことに気付いた。大地は少し逡巡すると巨人の名を口にする。

 

「つまり、彼の名は…エックス。ウルトラマンエックス」

 

 

この日、一人のウルトラマンが地球に降り立った。

そして新たな物語が起動した。

 




やっと第1話を書き終えたわけですが、ここまで時間がかかるなんて思いませんでした。
まぁ、そのほとんどがやる気の問題なんですけど...

今回の話にはある伏線を組み込んだんですけどどうでしょうか?
すぐに次の話あたりで伏線回収するかもしれないので問題ないんですけど。

というわけで次回予告
Xioに職業見学でとある高校がやってきた!
でもその中には八幡と因縁がある人物達がいて...
次回、「望まぬ再開」


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第2話 可能性のかたまり
chapter.1 望まぬ再開


お待たせしました。やっと第2話の開始です。

今回はちょっとシリアスです。


通路の壁と空中に文字や映像が映し出され、学生たちは進みながら興奮していた。

映し出された文字には「Xioへようこそ」と書かれていた。

本日Xio日本支部では全国の高校から抽選で選ばれた学校が見学に来ていた。

来ていたのは千葉県にある総武高校。八幡と因縁がある者たちが多く通う学校である。

 

「ご存知のように今から15年前、太陽の異常爆発『ウルトラフレア』によって地球各地に存在していたオーパーツ、『スパークドールズ』の多くが怪獣化してしまうという大災害が起きました。この非常事態に対し人類は『UNVER』を組織したのです。」

 

生徒たちはガイド役の女性の説明を聞きながら進んでいた。

UNVERの正式名称はUltimate Noxious event Versus Earth Rangerで、その意味は究極の有害事象に対抗する地球レンジャーのことである。

 

「UNVERの目的は未だ不安定な状態で各地に散在するスパークドールズを発見、回収し厳重に管理、研究することです」

 

説明に対して生徒たちからは「おぉ~」や「なるほどー」などといった声が上がる。

そうこうしているうちに基地内見学は終盤へと差し掛かる。最後の見学先は整備ルームである。

 

「そして人類に害をなす怪獣や異星人に対抗する防衛部隊としてUNVERはXeno(未知なる) invasion(外敵からの) outcutters(防衛戦闘部隊)、通称『Xio』を設立しました」

 

説明が終わると学生たちは整備ルームにあるXioの車両に近づいていく。

 

「うおぉー、すげぇ!!」

「きゃー、かっこいい!」

 

普段はよく見れない車両を前にして学生たちのテンションは上がりっぱなしである。

車両を見ていた学生たちは次に壁に垂直にぶら下がっている機体に目を移す。

銀色を主体に赤、青、黄の3色が所々に配色された流線型の機体。

これこそがXioのほこる主力メカ、Xioマスケッティである。

1人の少女が近くで見ようと前に進んだとき運悪くヒトとぶつかってしまった。

 

「キャッ!」

「ちょっと結衣、ダイジョウ…」

 

結衣と呼ばれた女子は起こそうとしてくれた友達がかけてきた言葉が途中で途切れたのを不思議に思い顔を上げてみた。

すると目の前に宇宙人がいた。

 

「「キャーーーーーー!!!」」

 

「フン」

 

一息鼻を鳴らすと宇宙人は驚く生徒たちに目もくれず何事もなかったかのように立ち去っていく。

立ち去る宇宙人の後から白衣を着た2人組がやってきて宇宙人とごく当たり前に話を始める。

 

「博士ってば、あたしの新発明飲んじゃったんだよね?」

「知らん」

「透明リキッドですよ!机の上に置いておいたのに」

「わしが飲んだのなら透明になってるはずだ。つまり飲んでないか、お前の発明が失敗したかだ」

 

博士と呼ばれた宇宙人はかけられた疑惑を否定し得意げになる。だが次の一言で状況は一変する。

 

「効いてくるのは7時間後だもーん」

「えぇっ!?」

「あっ!やっぱり」

「やっぱりー!」

「しまった!」

 

結局新発明を飲んだことがばれて博士は白衣の2人に連れ去られてしまう。

あっけにとられている生徒たちにガイドの女性からようやく説明が入る。

 

「Xioでは人間に友好的な宇宙人に研究活動を手伝ってもらっています。Xioのスーパーテクノロジーの多くはあのファントン星人グルマン博士のご協力の賜物です」

 

説明が聞こえていたのか先ほどの白衣の女性が振り返り、学生たちに聞こえるように反論する。

 

「博士だけで開発したんじゃないもん」

 

そういってまた去っていった。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

見学を終えた学生たちは会議室に集められ椅子に座っていた。

そこへXioの隊長を務める神木隊長がやってきて学生たちに話を始める。

 

「基地内見学を終えた君たちの感想を聞かせてもらえるかな」

 

隊長がそういうと茶髪でやんちゃそうな男子学生が手を上げる。

 

「はいっ!マジやばかったっす!俺も怪獣ぶっ倒したいっす!」

「どうして怪獣をぶっ倒したいのかな?」

「だって正義の味方ってワルモンをぶっ倒すもんっしょー!」

 

隊長は苦笑いをすると鋭い質問を投げ掛ける。

 

「なら、完全に宇宙人や怪獣が悪で我々人間が正義であると言い切れるかな?」

「いや、えぇっと」

 

そういわれ男子生徒は返答に困ってしまう。

 

「確かに宇宙人や怪獣が私たちの生活を脅かす脅威であることは皆さんも知っていることでしょう。しかし、彼らにも彼らなりの事情があり、敵意が無い者たちもいます。最初から理解しあう心が無くては我々も侵略者と変わりないものになってしまいます」

 

隊長の話に聞き入るように生徒たちは静かになった。

 

「現在Xio日本支部では他惑星との相互理解を深めるためにコンタクトチームという部署が実験段階ですが創設されました。そこでは君たちと同じくらいの年齢のメンバーが地球と惑星を繋ぐ架け橋となるため日々奮闘しています。彼らの努力によって今では様々な星の人達と手と手を繋ぐことが可能になりました。皆さんには今日の見学から少しでも他者と手をつなぐことの大切さを学んでほしいと思います」

 

生徒たちから拍手が上がり神木隊長の話が終了した。

ガイドから次のスケジュールが生徒たちに連絡される。

 

「それではこれより自由時間となります。先ほど見られなかった一般開放部分などをぜひこの機会に見て行ってください」

 

生徒たちは待ってましたと言わんばかりに基地の中をそれぞれで見学しに行った。

 

「私たちも行こう!ゆきのん!」

「ええ、わかったわ」

 

先ほどグルマン博士とぶつかった少女はゆきのんと呼ばれた少女とともに基地の中を見学しに行った。

 

―――――――――――

―――――――――

―――――――

 

「おかしいわね、こっちで合ってるはずなのだけど…」

 

先ほど基地内を見学に行った少女2人は絶賛迷子中である。

なぜこうなったかというと理由は2つある。1つは片方の少女が計画も立てずにどんどん進んでいったこと。もう1つはゆきのんと呼ばれた少女が方向音痴であったことである。

こうしている間もどんどん地図から現在地が分からなくなっている。

 

「ねえゆきのん、こっちって入っちゃいけない場所なんじゃないの?」

「そんなことはないわ。だって案内図にはちゃんと…」

 

そこまで言ってもう1人の少女があることに気付く。

 

「ゆきのん…それ地図逆になってるよ…」

 

そういわれて地図を逆にしてみると見事に先ほどまでの道のりと一致した。そして現在地を見つけるとある注意書きがされていた。

“立ち入り禁止区域”と。

そのとき少女たちは後ろから声をかけられた。

 

「おい、ここは関係者以外立ち入り禁止だ」

「あっ、すいません。私たち道に迷っちゃって…」

 

そういって振り向くと同い年くらいの男女2人組が立っていた。女子の方は見覚えがないが男子の方は少女たちにとってよく知っている人物であった。

 

「えっ?ヒッキー?」

 

ヒッキーと呼ばれた少年は髪の毛にアホ毛があり、なにより目が濁っている特徴を持っていた。

彼こそ2年前に彼女たちの前から姿を消し、現在Xioの隊員となった比企谷八幡その人であった。

 

「由比ヶ浜…雪ノ下…」

 

この瞬間時間が止まったような静けさが辺りを包み込んだ。

そして2年前に止まった八幡の時間が再び動きだした。

 




なかなか投稿できずすいませんでした。
これからも遅い投稿になってしまいそうですが楽しんでいっていただければなによりです。

あと劇場版ウルトラマンX面白かったです。細かいミニチュアやウルトラマン対怪獣軍団など見どころがいっぱい!
ブルーレイでたら絶対予約したいです!

というわけで次回予告
Xioに見学に来た雪ノ下と由比ヶ浜に再開してしまった八幡。
その過去は彼にとって苦しいものであった。
過去を乗り越え止まったままの時間を進めることはできるのか!
次回、「決別する過去」
信じあえるパートナーが八幡の隣にいる。


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