Fate/idea by reflection (mu-san)
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第1話 日常を非日常へ

初投稿なので生暖かく見守ってください。


たくさんの人が周りで死んだ。焼かれ、潰され、切り裂かれ、崩れ行く建物の中でたくさん悲鳴がこだまする。その声は頭の中にまで入り込んでくる。脳が押し出されるようだ。だか拒めない。死を目に焼きつけろ。永遠に記憶しろ。そう言われてる気がした。

 

「そんな気がしたんだ。」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「、、、輩、起きて、、さい。どうしよう、あ、藤、先生、、!」

 

 

「コラーッ!!!シロー!!オキロー!!!」

 

怒号が響く

 

こんな感じで起こされては起きようにも体がだるく感じる。いや、こんな蔵の地べたで寝たからだろう、つまり文句は言えないのだが、、

 

「藤ねぇ、朝から大声でご近所に迷惑だろ。」

 

 

「あんたが起きないからでしょう!いつもより早めに来てみればっ、桜ちゃんを困らせるんじゃないわよ。」

 

そう言いながら幼馴染であり、担任でもあるショートカットの女性は家の中へ戻って行った。

 

 

「先輩、おはようございます」

 

そんな優しい声をかけてくれる黒髪の後輩に少し癒される、家から味噌汁の匂いがするのはきっと彼女の手作りだろう、それだけで起きなければいう気になるのだ。

 

 

「ああ、おはよう桜。マズイなまた途中で寝てたのか、集中が足りないってことだな、、、」

 

そんなことをブツブツ言う姿を後輩に笑われていることに彼は気付かず後輩の後をついて食卓に着いた。

 

 

 

いつも通りの朝

 

「いただきます!」

 

いつも通りの朝食

 

「もうっ、士郎は桜ちゃんいないとダメだなぁ。」

 

いつも通りの会話

 

「藤ねぇに言われたくないよ。いつもよりちょっと早く起きれたからって、、、」

 

いつも通りの人々

 

「まあまあ、先輩も先生も落ち着いて、、、」

 

 

このいつも通りの日常が、彼の非日常の始まりだった。

 

 

 

「やっぱりどこかぶつけたのかな?昨日は無かったし、蔵で寝ぼけてぶつけたかぁ」

 

手には痣と言うにはあまりに整えられた模様を不思議に思いながら彼、衛宮士郎は友人の間桐眞二に頼まれた、もとい、押し付けられた道場の清掃に没頭していた。

 

掃除は嫌いではない、周りが綺麗になれば自分も不思議と浄化される気がする。心の奥にある支えが少し緩む気がするのだ。だからと言って押し付けを断らないのは彼が超を超える、究極のお人好しだからだろう。

 

「今日も特に変わりない平和な日だったなぁ。朝起きてご飯食べて、授業を受けて、一成と昼を食べて、備品の修理。そして今に至るとっ」

 

最後の一言と同時に床を拭き上げ清掃が完了した。

 

「平和が一番だよなぁ〜」

 

そんなのんきなことを言いながらバケツの水をひっくり返そうとした時だった、彼の日常を壊す爆発音が響いた。

 

「なんだ!今のっ、、!」

 

耳の中にキィーンと嫌な音の耳鳴りがする。その中で彼は走り出していた、咄嗟のことだが彼の体は音の方向へ向かって、誰か怪我してないだろうか、学校に火の手が回っていないだろうか、彼の頭は他人の心配ばかりであったが、次の瞬間そのことすら忘れるほどの光景を目にし瞬時にここにいてはいけないと思った。

 

それは最早見慣れた学校の校庭では無かった。爆弾でも落とされたかのような破壊痕が所々にあり、その中心では目で捉えることのできない速さで火花が散っていた。それは紛れもない殺し合いの場であった。

 

「なんだよ、!あれ、、、とにかくここから逃げないと!明らかにヤバい!」

 

士郎は剣道を嗜んでいたがかじった程度、その彼にすらわかるほど戦う二つの気配が尋常じゃない殺気を放っていた。人間とは思えないようなその気に気圧されその場から逃げようとしたが足がうまく回らない。一歩ずつ歩を進めた。が、足元にあった段差につまずき無様に転倒してしまう。

 

それは刹那だった、気付けば血のような深紅の槍が胸を貫いていた、意識がなくなる中で士郎の目を一際引いたのはその槍の持ち主が中学生ほどの少年ということではなく、その少年のこちらに何か言っている口でもなく、その額に不気味に鈍く光る眼だった。

 

 

 

 

 

「こいつ人の顔を物珍しそうに見ながら死んでいきやがった。気分が悪いぜ」

 

たった今刺し殺した少年の胸から手にした槍を引き抜きながら額に眼のある学生服の少年は眉間にしわを寄せていた。槍に着いた血を払うと先ほどまで戦っていた赤い衣服を着た銀髪の男を向き直った。

 

「興が覚めた、また遊ぼうぜ。じゃあな」

 

そう言い残すと三つ目の少年は去って行った。

 

「ちょっとこれどうゆうことよ!!!こんなのっ、、、」

 

自分のマスターの絶叫により先ほどの少年に眼を向ける銀髪の男。

マスターが何かしているようだが興味はあまりない、そう思うと男はけむりのように消えていった。

 

 

 

 

この出来事が衛宮士郎の日常を非日常へ引き込むのだった。

 

 

 

 

 




初投稿なので短めです。
これから話を組み立てていくのでよろしかったらお付き合い頂きたいと思っております。


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第2話 彼女は非日常への準備をしていた

2話目です!

他の方々の作品を見てると自分の作品短い!と落胆してしまいます。


それではごゆっくり読んで行ってください。








お父様とお母様と離れてもう10年だ、とても長い10年だった。

 

今思えば年端のいかない少女が1人でここまで魔術を高めながら生きてきたなんて、我ながらよくやってこれたものだ。時に折れそうになったがそれでも歯を食いしばって生きてきた。だがその努力が実る時が来たのだ。今夜から私の人生が意味を持つ。

 

そう思いながら私、遠坂凛は準備を着々と進めていた。魔導書に宝石様々な魔術に関わるものが置いてあるこの部屋は私にとってお気に入りの場所だった、以前お父様が使っていた部屋を真似て作ったのだが、とても気に入っている。そんなことを考えているうちに部屋の中心にある目的の為の描かれた魔方陣が完成した。

 

「ついにこの日が来たんだ。」

 

そう改めて思うと胸にこみ上げてくるものがあった。

 

ようやく全ての工程が終了し、大きく深呼吸をする。私はこの日名門遠坂の代表として聖杯戦争に参加する。緊張、、なのだろうか少し体が浮くような妙な感覚が全身を覆う。だが、少しずつ感覚を研ぎ澄まし、集中を最大まで高めるとその感覚は和らいだ。そして、、

 

 

 

召喚の詠唱を始めた

 

 

素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。

祖には我が大師シュバインオーグ。

降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する

 

―Anfang(セット)。

――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝三大の言霊を纏う七天、

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

 

詠唱が終わると魔方陣は大きく光だし、その光は部屋全体を包み込んだ。

 

ただ、、、何も起きない。あまりことに少しめまいがした。失敗した。そう思った時上の階からとんでもない音がした。まさかもう敵襲なのかと疑い慎重に階段を登って行った。そして真上のリビングにしている部屋に行くと音の主がこちらを見ていた。

 

「やれやれ、こんな召喚のした方をされるとはな、多少不満ではあるが、マスターがこんな可愛いこちゃんなら許してやろう。それに、、ハードなプレイも嫌いじゃない。」

 

そうやって初対面からセクハラをかましてくるこの男、赤いロングコートに銀髪碧眼のこの男が、、私のサーヴァントらしい、、、

 

また、、めまいがした、、、

 

 

 

 

 

「おいおい落ち着けって、これから一緒にやって行くんだから仲良くしようぜ。なぁ?」

 

そう言ってにじり寄ってくる軽薄な男に、、と言うか認めたくはないが自分のサーヴァントに嫌悪感を感じて5分が経過していた。私は近づこうとするこいつにガンドを放つ体制をとったまま近寄らせまいとしていた。

 

「いい?それ以上近づいたら本当に打つから!」

 

「分かった!分かったから、手を降ろせよ、危ないだろう。」

 

「近づくなって言ってるでしょ!さっきより3センチ近いじゃない!気づいてんのよ!」

 

「全く、冗談だってのに、、だいたい俺はもっとグラマラスな、こう、、」

 

そこまで言ってもう怒りが爆発した。本気のガンドをお見舞いしてやったが耳元をかすめて外れた。

 

「ちょっと、壁に穴が開いたじゃない。避けないでよ。」

 

「OK、OK降参」

 

そう言ってサーバントは手をヒラヒラさせながらポロポロになったソファに腰を下ろした。いちいち神経を逆なでする。

 

「さあ、作戦会議をしようぜマイマスター」

 

私の聖杯戦争が、10年間の集大成が、最悪の形で始まった。

 

 

 

 

ここは高いビルの屋上、凛は冬木のすべてを見通すことのできるこの場所でサーヴァントのアーチャーとともに聖杯戦争の第一手を打とうとしていた。

 

「とにかく敵を知らないことには何も始まらないわ。偵察ついでに相手を誘き出してみるわよ。乗ってきたらできるだけ相手を見極めることに集中するわ。危なくなったら、」「すぐ離脱。」

 

アーチャーが凛の言葉を遮るように入ってくる。

 

「何度も確認しただろう、耳にタコが出来ちまう。それに離脱なんてしなくても俺がいればどんなサーヴァントも簡単に仕留めちまうぜ。」

 

そう言って人差し指と親指を立てて、BAN!、とおどけているアーチャーを見て呆れる凛。やはり気に入らない、こういうチャラチャラした類の男はこれまで避けていたがサーヴァントであるならしょうがないと半分諦めていた。だが何より気に入らないのは、、、

 

「あんたいい加減真名を教えなさいよ。マスターの私に教えないなんてどう言うつもりよ。」

 

「いいだろう別に、自分で考えた方が楽しいと思わないか?ん?」

 

「これは戦争なのよ遊びと違うの。そんな中で楽しいだなんて。」

 

本当に何を考えているのか、

 

見た目は正直凛の想像していたサーバントとは大きく異なった。伝説の英霊が呼ばれるのだからきっと伝統の衣服を着て、紳士で、料理もできて、そんなことを想像していた自分が恥ずかしくなるほど目の前の男は期待はずれだ。

アーチャーをもう一度しっかりと観察してみる、銀髪に碧眼、眼が覚めるような赤いロングコート、その姿は伝説の英霊、と言うにはあまりに現代的で、それがますます凛を混乱させたのだ。

 

「なんだ?そんなに俺を見て、まさか惚れたか?」

 

それにこの飄々とした態度、これが英霊なのだから聞いて呆れる。もはやつっこむ気も起きない。そう思いながら額に手を当ててうつむくのだった。その様子を見て流石にアーチャーも思うところあったのか。行動を始めようとしていた。

 

「それじゃあ始めようぜマスター。」

 

そう言うと凛を抱え上げ、夕陽が沈みかけた街へ、ビルの屋上から飛び出した。アーチャーは凛のが少し驚くんではないかと思ったがどうやら普通の女子高生ではないようだ。その姿は余裕がある。十代にして聖杯戦争に参加するのは伊達ではないようだ。それほどまでにこの少女を動かすものはなんなのだろう。少し当たりを軽くしてやろうと密かにアーチャーは思った。

 

「この調子で少しずつ魔力を放出しながら行って。」

 

「了解。」

 

「それにしても、こんな奴が初めてのお姫様だっこの相手なんて、最悪だわ。」

 

「口の減らないマスター様、、、」

 

とアーチャーが言いかけた時に彼の肩は焼かれていた。それは下からの攻撃でまるでSF映画のような光線だった。

 

「アーチャー!」

 

くるくると回りながら凛とともに落ちていくこのままではまずいと思った時アーチャーが立て直し、丁度真下にあった凛の通う高校の校庭へと降り立った。

 

「あんた傷は平気なの?!」

 

「この程度なんてことないだろ。あーあーお気に入りのコートが焼けちまった。」

 

「そんな、いくらサーヴァントでもあれほどの傷を一瞬で、、」

 

「よかったな俺の正体のヒントが一つ増えた。」

 

それもそうだこんなに傷が早く治癒するのは彼の逸話に何かあるのだろう。

 

「へー、俺特性のレーザー砲でも死なないか、魔術の類じゃないから感知されないように出来てるし。一撃で仕留めたかったんだけど、、まぁモルモットとしてもっと頑張ってもらうよ。」

 

そう言って校庭の端っこ、暗がりから現れたのは髪のない言わばスキンヘッド、そして学生服、いわゆる学ランと言うものを肩にかけている。そして異様な深紅の槍、それだけでサーヴァントとだと分かるのだが、何より異常なのはその額に鈍く光る瞳だった。

 

「記念すべき最初のサーヴァントがまさか子供とはな、まぁいい遊ぼうぜ。」

 

「気を付けて、槍を見るからに奴は恐らくランサー、子供と思って油断しないでよ。」

 

凛がそう言うとアーチャーはコートの中から2丁の銃を取り出した。これが彼のアーチャーたる理由なのだろうか。

 

「銃かしかもオートマティック、結構最近死んだのかいあんた。」

 

「さぁな、銃に見えるだけで違うものかも知れないぜ。」

 

「じゃあ、確かめてやる!」

 

その一言で2人のサーヴァントの戦いは始まった、アーチャーは銃を連射し、敵を近づけない、対してランサーも槍を上手く使い弾丸を避けていく。校庭に流れていく弾が当たった箇所は銃とは思えない破壊力を持っていた恐らく魔力を込めた弾なのだ。凛が冷静にこの場を分析していると、一瞬アーチャーの弾幕が薄くなった、ランサーはその隙を逃さず一気にアーチャーへ突進する。だが凛には見えていた、アーチャーの口元が緩むのを。アーチャーはどこからともなく取り出した大剣で突進してくるランサーの槍を受けたのだ。

 

「ほう今のをしっかり受けるか、本当にただの子供じゃないみたいだな」

 

「あんなに分かりやすく誘っておいて何を抜かす」

 

再びランサーは距離をとると槍を構えた、対してアーチャーは肩に大剣を担ぎ楽そうにしている。その大剣は持ち手にドクロの装飾が施してありなんとも不気味であった。

 

凛にはこの時点で彼の正体が分かった。2丁の銃、そしてドクロの大剣、彼は50年ほど前に悪魔が巣食う街に現れては悪魔を狩っていた伝説の悪魔狩人、『ダンテ』だ。突如姿を消したとは聞いていたがまさか死んでいたとは思いもしなかったようだ、少し唖然としている。

 

「どうした?続けようぜ」

 

ランサーを挑発するアーチャー。その時だった。

 

校庭の隅の方から物音が聞こえた、どうやら一般人が迷い込んでいたようだ。音に気を取られていたアーチャーの前から気づかぬうちにランサーが消えていた。そして物音の方へ全力で向かっていく。

 

それは一瞬だった、ランサーはこの戦いを見ていた赤みがかった茶髪の少年を容赦なく殺していた。

 

「こんなとこで見ているのが悪いんだぜ」

 

そのまま少年は動かなくなった。

 

凛はあまりに早すぎる出来事に頭がついていかなかったがすぐに悟った、私が周りの警戒を怠ったから一般人が1人死んだ。そう思うともう走り出していた。それを見たアーチャーはやれやれといった感じだ。

 

「こいつ人の顔を物珍しそうに見ながら死んでいきやがった。気分が悪いぜ」

 

そう言い残すとランサーはアーチャーに一言二言言葉をかけてから消えていった。

 

静まったかに思えたこの場にまた、次は凛の悲鳴が響いた。

 

「ちょっとこれどうゆうことよ!!!こんなのあの子になんて言えば!」

 

何か急いで用意しているようだ、赤い石を取り出すとプツプツと言葉を並べていく。アーチャーはすでにいなくなっていたが凛はそれに気づかないほど集中していた。

 

そして凛の呪いが終わる頃殺されたはずの少年の顔に生気が戻っていた。一命を取り留めたのだ。

 

こうして彼女、遠坂凛の待ち望んでいた非日常は始まった。

 

 

 

 




というわけで2話でした!

とりあえずアーチャーは【デビルメイクライ】よりダンテです!
前からなんとなくアーチャーとかぶるなーなんて髪の色と服の色だけで判断していました。

そしてランサーは明かされてはいませんがもうお分かりですよね?
こんな感じです!

では、また3話で、


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第3話 黒い剣士

第3話、いよいよセイバーを出そうと思います

わかりやすく描写をするのですぐ誰かわかるかと、ていうかタイトルで分かるかも。








瞬間、違和感がし、衛宮士郎は跳ね起きた。

 

「なんだっ、、俺は、刺されたんじゃ?!」

 

だが周りはよく見覚えのある部屋、いつもの畳の香りがし、いつとの夜風を感じた。

 

「夢だったのか、、、」

 

ふと右手を胸に当ててみる、、、違った、間違いなく刺されたのだ。何故なら制服に穴が開きその周りは血でべっとりと濡れていた。

 

「どうゆうことなんだっ、、なんで生きている」

 

我ながらこんな間抜け質問ないと思うがとにかく自分は死んだ感覚があったのだ。それに家にいることもどうゆうことかさっぱりだった。自分で歩いたのか、そんなはずない。

 

「だとしたらどうして、、、」

 

 

 

 

 

「何であいつを助けたんだ?そんな性格じゃないと思ったんだが、あのガキに惚れてるのか?」

 

士郎を家へ運んだ帰り道、アーチャーは凛へ質問した。

 

「違うわよ、あんたに関係ないわ。」

 

凛はそれ以上喋ろうとはしなかった。だが誰かを思うようなその顔にアーチャーはそれ以降何も聞く事は出来なかった。

 

「それで、あのランサーについて何か思ったことある?」

 

「何にも、第一あのガキが着てたアレは現代の学生服だろなんであんなもん着てる。」

 

「あら、学ランには以外と歴史あるのよ、あなたと同じようにかなり現代に近い英霊なのかもね。」

 

「俺はオンリーワンでいたんいんだかねぇ。それに、少し妙な感じもした、、、まぁいい!帰ってピザでも食おうぜ」

 

「あなた、英霊だから食べなくても私の魔力で存在を保てるでしょ。」

 

「確かにそうだが、それでも別腹ってやつだ。味を感じたいんだよ。」

 

「別腹の意味わかって使ってるのかしら。」

 

 

 

 

 

 

次の日士郎は昨日戦いを見た場所へ朝早くに来ていた、だがおかしい、そこにはいつもと変わらないだだっ広い校庭が朝霧の中広がっていた。

 

「一体なんだって言うんだ、、」

 

士郎は混乱したまま学校へ登校した。

 

 

「どうしたのだ衛宮、朝から考えごとか?」

 

親友である柳洞一成が教室の隅っこで上の空の士郎を心配して話しかけてきた。

 

「ああ、一成なんでもない、なんでもないんだが、、」

 

「なんでもないことないだろう、話せ聞いてやるぞ。お前にはいつも備品のことなどで助けられているからな。」

 

「ありがとう、でも大丈夫だ少し疲れてるだけだ。」

 

「そうか、、無理するなよ。」

 

そんな親友とのやりとりに現実に戻されたような気がして士郎は少し安心した。そこで教室が少しざわついているのを感じた、何だと思ったら廊下を遠坂凛が歩いていた。彼女はこの学校の言わばマドンナと言うか、、眉目秀麗、才色兼備、とにかく学校の憧れの的だった。そのような話に少しばかり疎い士郎も少し彼女に見惚れていた。その時、一瞬凛がこちらを見た気がした。その目はすべてを見透かすようで不思議な魅力を、持っている、気がした。

 

「おい彼女俺を見なかったか?」

 

「なんだ衛宮貴様まであの遠坂にゾッコンか?何がいいのやら、、」

 

「イヤ別にそうゆうことわけじゃなくて、変な感じがしたんだが」

 

「あの女俺は好かん、なにか腹に抱え込んでいるような、そんな目をしてる」

 

一成は案外人を見る目がある、きっと家が神社だからそのせいだろうか、とにかく一成がそう言うならそうなのだろうと士郎は遠坂凛への違和感を忘れることにした。

 

そこからはいつも通り何も変わらない1日だった。放課後同じ時間に昨日の場所へ足を運んだがやはり何もない、、やはり自分がおかしいのだろうか。そう思いながら家路に着いた。

 

家への道を歩いているとふと霧が深いことに気づいた。街灯に霧が照らされなんとも言えない神秘的な空間を産んでおり、士郎はふわふわとした気持ちになりながら歩いていた。そこへ前から一人の女の子が歩いてきた。白髪に灼眼、美しい顔立ち、紫の帽子とドレス。その姿はあまりに今の情景に映え、士郎は瞬間の出来事がとても長く感じた。その少女がすぐ横を通る時だった。

 

「そろそろ呼ばないと、何もできずに死んじゃうよ。」

 

その少女が鈴のような声で士郎へ投げかけてきた。咄嗟のことだったが、言われたことのわけがわからない。聞き返そうとすぐに振り返ったがそこに少女の姿はもうなかった。

 

 

 

一体何が起きてるのか。士郎は奇妙なことの連続にいよいよ自分の正気を疑い始めていた。こんな時は鍛錬に限る。いつものように土蔵に篭って鍛錬をすることにした。

 

なんの鍛錬か、それは魔術であった。士郎には小さくはあるが魔術の才能があったのだ。義父であり自分の命の恩人である衛宮切嗣にそのことを教えてもらったのだ。と言うのも切嗣もまた魔術であった。人の為に魔術を使う父に憧れ士郎は魔術を始めたのだ。

 

トレース、オン

「――――基本骨子、解明」

「――――構成材質、解明」

「――――、基本骨子、変更」

「――、――っ、構成材質、補強」

 

コレだけが士郎のできることだった、切嗣は一つを極めればいつか役に立つというが実感はよくわかなかった。終わるとすでに汗だく、なかなか疲れるようだ。

 

「もう一度、、、」

 

もう一度魔術を使おうとした時土蔵の天井が破壊された、士郎は咄嗟に飛び出しあたりを確認する、すると昨日の三つ目の少年が空からこちらを見ていた。

 

「よー、まさか生きてると思わなかったぜ。あの女の仕業かもしれないがまぁいい、お前の目が気に食わなかったんだ!」

 

そう言って槍で襲ってきた。すぐに傍に落ちていた箒を拾い魔術で補強し槍を受ける。

 

「なんだ、魔術師なのか。てことは参加者か?」

 

「参加者?なんのことを、言ってる、、!」

 

「違うのか、どちらにしろ殺すがな。」

 

先程よりもさらに強い圧力で槍を振り回し、士郎になす術はない。また土蔵のなかへ押し戻された。

 

「最後に言い残すことは?」

 

「そんなものないここでお前は俺が倒すからな。」

 

フラフラになりながらも士郎は立ち上がり相手を真っ直ぐと見る。

 

「お前みたいな奴はこれからも人を殺すだろう。そんな奴は俺がここで!」

 

強く意思の宿った目は少年の神経を逆なでした。

 

「お前みたいな奴は非論理的で不快だ。死ね。」

 

再び槍を構え士郎へ突進してくる。その瞬間だった。土蔵の床が光りだしたのだ。

 

「なんだ?!魔方陣?」

 

突然のことに三つ目の少年は回避行動を取る。一方士郎は何が起きているのかわからない。ただ左手の甲が熱い。昨日から気にっていたあの痣がより濃ゆく浮き出てきたのだ。

 

「なんなんだ!これ!」

 

そしてあたりは光に包まれた。

 

士郎は気付くと周りは暗くなっていた。いや自分にだけ月明かりが落ちていないことに気付いた。その理由が目の前にあった。男だ。とてもデカイ男が立っていたのだ。いや、そう感じるほどの威圧感を感じる。何よりその威圧感は背中に抱えた身の丈ほどの分厚い大剣によるものだ。黒いマントを着た男はこちらを見て、左手を一瞥しまたそっぷを向く。静かに外へ出ると三つ目の少年に目線を向けた。

 

「なるほど7人目のサーヴァントとか。見た目はバーサーカーって感じだが、違うらしいな。」

 

そう言われた男はゆっくりと剣を手に取り少年に向かう。

 

「知らなくていいだろ」

 

 

 

 

 

 

「まさか昨日のガキを助けたことにもう気づくとはな、しかもそれをすぐに殺しに行くなんて、未練たらしいやつ」

 

「無駄口叩いてないで急いで!手遅れになる!」

 

凛があらかじめ士郎に仕掛けておいた探知魔方に反応があったのだ、またランサーが現れる可能性を考えてのことだ。

 

「着いた!下ろして、アーチャー」

 

急ぎ衛宮邸に入るとそこには想像していたものとは違う光景が繰り広げられていた。

 

大剣を持つ男と、ランサーが激しくぶつかり合っていた。

 

「おいおいあのガキいつの間になんなに成長しやがった。ゴリラじゃねえか。」

 

「んなわけないでしょ。サーヴァントよ。しかも相当強い。」

 

凛の言う通りだった、若干ではあるが確実にランサーを押している。何よりあの剣、身の丈ほどあり、分厚い、なんな剣を自由自在に振り回すなどそうそう難しいことだ。よほどの鍛錬が必要なはず。

 

「あの剣切るというより、、叩き潰す、って感じね」

 

そしてあの黒いナリ凛には思い当たる節があった。

 

「どうするマスター、加勢するか?」

 

「いいえこのまま見ておくの、相手を掴むのよ」

 

そうこう言っていると、戦いの音が止んだ。勝敗が決した訳ではないようだ。

 

「あんたとの相性が悪いみたいだ体格が違いすぎる。疲れるぜ。悪いけど帰らせてもらうよ。その腰抜けがマスターだって言うならいつかは殺せるだろうしね。」

 

士郎を睨みながらしゃべり終わると、最初の日と同じように姿を消した。

 

「あいつ衛宮君がマスターだって言った?」

 

「どうやらそうらしい見ろ奴の手、令呪だ。」

 

アーチャーの言う通り士郎の左手には令呪が刻まれていた。

 

「ほんと、ややこしいことになってきたわね。」

 

凛は頭をかきながら士郎の元へ向かった。

 

 

 

 

 

「ちょっといきなり切り掛かってこないでよ!」

 

「いや、敵かと、」

 

凛は士郎に声をかけた途端に斬りかかってきた黒尽くめの大男に説教していた。

 

「確かに敵ではあるけど!、てかアーチャー!あんたはなんで助けないのよ!」

 

そして、自分の白状なサーヴァントにも、

 

「そいつ殺意はなかったぞ、威嚇だろ」

 

「それでもよ!」

 

士郎の制止で斬りかかるのはやめてくれたが怒りが収まらない様子だ。かく言う士郎にも意味がわからない。突然現れた学校のマドンナと、2人の屈強な男たち。なにがなにやらさっぱりだ。

 

「遠坂、どうゆうことだ?なにがなにやら、、」

 

「そうね、晴れて関係者になったことですし、いいわ、衛宮君、教えてあげるわ。」

 

そこからの事は士郎の想像を絶する話しだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく揃ったみたいだね、明日から本当の始まりって訳ね。しっかり仕事して、アインツベルンの為にも頑張らなきゃ私の存在が意味なくなってくるし、ね? ''アサシン''

 

 




てな訳で第3話です。

セイバーはみなさんお分かりでしょうか?

そして最後の意味深さ、、(意味深かどうかは微妙ですが、)

楽しんで書いているのでこの楽しさが、伝わればなぁと思ってます。

ではでは!


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第4話 聖杯戦争とは

第4話ですね。

なかなかこれからの展開に悩みますねー。

どうぞごゆっくりと。






「私と同盟を組みましょ衛宮君」

 

凛のこの一言、その理由は小一時間前に遡る。

 

ランサーを退け落ち着きを取り戻した士郎は、凛に聖杯戦争について詳しく教えられていた。サーヴァントの種類、聖杯戦争の目的、令呪、教会、難しい話ではあったが、凛の分かりやすい説明で理解することができた。さすがは学校トップの学力と言ったところか。

 

「つまり俺のサーヴァントの彼はセイバーで、遠坂のはアーチャー、ついでにさっき襲ってきたのはランサー。」

 

「そうよ後残りは4組、キャスター、ライダー、アサシン、そしてバーサーカーよ。私の見立てではキャスターが厄介じゃないかしら、既にもう陣地を持ってるとすればたとえサーヴァント2人でも難しいと思うわ。」

 

「なるほど分かりやすいな流石は遠坂だ。」

 

本気で感心する士郎に凛も満足そうだ。

 

大体のことが頭に入った所で、お互いのサーヴァントの話になった。

 

「私のサーヴァント、、このバカそうな男は悪魔狩りのダンテよ。日本ではすこし知名度は低いかも知れないけど、それなりの知名度よ。」

 

「おい坊主、コレが日本で言う、ツンデレってやつだな。」

 

「違うと思うぞ、アーチャー。」

 

このバカバカしいやりとりに慣れてしまった自分のことを凛は恨めしく思っていた。そんな中で一際静かな男が部屋の隅で座っていた。

 

「で、あなたのことよセイバー、あなた『黒の剣士 ガッツ』でしょ。」

 

アーチャーも知っていたようで少しだけ反応した。それは士郎もおなじでその禍々しい名前には聞き覚えがあった。

 

''黒の剣士 ガッツ'' その昔傭兵から成り上り一時は貴族にもなった、だがその地位には落ち着かず流浪の旅へ、更に腕を磨き世界中に散る

使徒と呼ばれる悪魔の上位種を狩る者になったそうだ。その強さは狂人とまで言われ、どちらかというと恐れられていたようだ。

 

「知ってるぜ、悪魔狩りの''先輩''だな。あんたはセイバーよりバーサーカーだと思うんだが。」

 

すかさずアーチャーが茶化しに入るがセイバーは冷静そのものだった。というか、無関心とも言える。

「とにかくセイバーのクラスは最良よ、それにうちの間抜けよりよっぽど真面目そうだしね。」

 

どんどん口が悪くなる凛に士郎の顔も引きつっている。

 

「そこで衛宮君に提案が、、、私と同盟を組みましょ衛宮君。」

 

「同盟?具体的にはなんだ?遠坂?」

 

「まぁ今までやってたことと同じよ、情報交換や連携を行うの、それでより確実に勝つことができるわ、それに衛宮君はまだ魔術に長けているわけじゃない。魔術師である私と組めば魔術を教えることができて、そちらとしては一石二鳥のはずよ。」

 

「そうか、それもそうだな、、「まてよ、」

 

そこで会話に横入りしてきたのは今まで重く口を閉ざしていたセイバーだった。

 

「この女を簡単に信じていいのか?そもそもここまで面倒を見てくれるのもおかしな話だ。それにこの聖杯戦争、最後に残るのは1組、同盟なんで組んでいていつ寝首をかかれるかわからない。誰も信用できないこの状況。同盟なんて組む必要あるのか。」

 

セイバーの言うことはもっともに聞こえた。凛もそのことに関しては何も言えないようだ。だがその反論したのは士郎だった。

 

「確かにそうかもな、だが遠坂は信用できると思うぞ。」

 

「ふ、その根拠は?」

 

「ない、だが俺が信じると言ったんだ、サーヴァントのあんたは俺に従うしかないだろ?」

 

「ふふ、いいだろう、だが信用できないと判断した時は俺の判断で斬る、いいな」

 

「私はそれで構わないわ」

 

ここに契約は成立したのだった。

 

 

 

 

 

 

「遠坂ここは?」

 

「教会よ、さっきも説明したけど、聖杯戦争には監督役がつくの。主にサポートなんかね。一応衛宮君のことを報告しておいたほうがいいし連れてきたのよ。」

 

「そうなのかじゃあここに遠坂の言う''似非神父''いるのか。」

 

「ふん、やはりどこの時代も神父ってのはクソみたいなもんか。」

 

悪態をつきながらセイバーが2人の後をついてくる。セイバーは士郎が魔術面ではまだまだなため霊体化することができない。士郎の服ではもちろん小さいため、昔切嗣が来ていた浴衣を着せた。またその姿も迫力があり、ヤクザのようだった。

 

そして教会に着くと監督役の神父、言峰綺礼から大まかな聖杯戦争のルールなど改めて聞かされた。凛の言うように確かにいい性格はしていないらしい。何より眼が恐ろしくくすんでいた。

 

その帰り道、やはり何事もなく進むということはないようだ。明らかに不自然な二人組が霧の中に佇んでいた。すぐに臨戦態勢に入るセイバー、アーチャー、凛、少し遅れて士郎、

 

「あなたサーヴァントを連れてるってことは参加者ね。言っておくけどこっちは同盟を組んでるわ」

 

凛の威嚇にピクリとも反応しない、その静寂を切り裂いたのは相手側から放たれた巨大な火炎であった。その火炎は全てを燃やさんと暴れまわるようだった。そして相手のマスターと思しき人物が叫んだ。

 

「行くよ!バーサーカー!」

 

火炎によって吹き飛ばされた霧の中にいたは炎に包まれたサーヴァントと、金髪の女だった。

 




少し短めな第4話でした!

4人目のサーヴァントとマスターを出しました。

これからも見守ってください。


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第5話 バーサーカーと鞭の女

第5話はバトルパートかなぁと、

バーサーカーとそのマスターを出したので、皆さんバーサーカーの正体を考えてみてください。簡単だと思うので。

とりあえず頑張っていきます!!


「なんて魔力っ、!、、あの炎自体が魔力の塊よ!」

とてつもない相手だと言うことは士郎にも分かった。目の前のサーヴァントから放たれる炎は瞬く間に辺りの森を焼いた。太陽が目の前に迫ってくるような感覚。

 

「ヤバイわ、衛宮君!下がって!アーチャーやるわよ!」

 

「待ってたぜ。」

 

士郎は何も言えなかった、自分がいるのは邪魔になるだけ、それが士郎はたまらなく悔しかった。

 

「マスター下がるぞ。」

 

相も変わらずセイバーが冷静に下がろうとする。

 

「いやお前は残ってアーチャーの加勢をしてくれ」

 

セイバーは静かに頷きアーチャーたちのところへ戻っていった。

 

「クソっ!」

 

士郎は自分の無力さを呪った。

 

 

 

 

「おいおいなんてパンチしてやがる、」

 

アーチャーはそう言いながら剣でバーサーカーの拳を受けている。剣で拳を受けるなど変な話ではあるが、バーサーカーの拳はそれを可能にしていた。拳が炎で覆われていたのだ。その炎は魔力の塊のようでアーチャーの剣とも同等に戦うことができていた。

 

「それにこの魔力量、こりゃ凛の方のマスターも結構やるかもな」

 

 

 

 

「あなたあのサーヴァントのマスターよね。」

 

「そうよ、私のサーヴァントはバーサーカー。」

 

「バーサーカーなんて、扱い辛いサーヴァントを引いた、、」

 

そう言い終わる前に金髪のマスターの攻撃が凛の足元の地面をえぐっていた。

 

「バーサーカーのこと、甘く見ないでよ。」

 

「そう、バーサーカーを悪く言われるのが嫌なのね、ゴメンなさい。ならウチのアーチャーを好きに罵っていいわ。」

 

女の戦いが始まった。どうやら金髪のマスターは鞭を使うようだ。魔力を束ねた鞭のようで伸縮自在、破壊力もある。厄介だ。凛もガンドで距離をとりながら応戦する。

 

「あなたなかなかやるわね私と年違わないのに。」

 

「あらそうだったのー?、てっきり歳下かと、その、ねぇ??」

 

凛の胸を見ながら言う相手マスター、確かに金髪のマスターはかなり豊満な胸をもっている、対して凛は言わずもがな、、

 

「あんた、、許さない!」

 

女の戦いは熾烈を極めた?

 

 

 

 

 

サーヴァント同士の戦いは激しいものだった、どちらも一歩も譲らず、いや若干アーチャーが押されている。バーサーカーの突進力は凄まじく、炎の威力は増している気さえする。このままではまずいとさすがのアーチャーも対策を練るようだ。

 

「いいだろう、テメェの土俵でやってやる、毒には毒を、炎脳筋には炎脳筋を!」

 

次の瞬間バーサーカーが吹き飛ばされた。アーチャーの手には燃える籠手が握られていた。イフリートと呼ばれる魔具だ。炎の力を宿しており破壊力が高い。つまりアーチャーは殴り合いの戦いをしようというのだ。

 

いくらなんでもムリじゃないかと見ていたセイバーが思っていると、案の定突進してきたバーサーカーに吹き飛ばされた。

 

「やっぱムリか。なら、、、こいつならどうだ、!」

 

そう言うアーチャーの籠手には炎がたまっていき巨大な火の玉になっていた。

 

「、、、メテオ!」

 

隕石のように膨らんだ魔力をバーサーカーに向かって放つ、だが想像とは違った結果になった。

 

「があぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

バーサーカーが雄叫びをあげ火に直撃したかと思うと火を食べだしたのだ。

 

「おいおい、、お前、」

 

何かに気づいようなアーチャーは最後まで言葉を言うことはできず、バーサーカーが口から放った巨大な火炎によって吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

「なに?!今の爆発?!」

 

「バーサーカーの咆哮よ、あなたのサーヴァントしんじゃったんじゃない?」

 

「どうかしら、あれではの男抜け目ないわよ」

 

凛は劣勢だった。予想以上にやる金髪のマスター。

 

「あなた名前は?無名の魔術師とは思えない。それにあのバーサーカーも只者じゃないわ。」

 

「そうねバーサーカーはともかく私の名前くらいなら教えてあげる。私はルーシィ・ハートフィリア。よろしくね。」

 

「ハートフィリア?聞かない名ね?」

 

「ゴメンなさいね遠坂凛、あなたみたいに有名じゃなくて。でもあなたより確実に強いわよ。」

 

どうやら言うことは本当らしい。強い、おそらく単純にこのままたたかっていては勝つことはムリだろう。

 

「どうしようかしら」

 

だがここで1人の男が現れた。

 

「大丈夫か?!遠坂!」

 

その声に驚く凛、だがさらに驚いた様子のルーシィだった。

 

「衛宮君?!なんで来た、、「なんで??」

 

心からの疑問の声に凛も士郎もルーシィを見る。

 

「なんで生きてるのよ!士郎君!!」

 

 

 

 

 

 

一方アーチャーは凛の言うとおり生きていた、満身創痍ではあるが、、

 

「参った、あいつはドラグニルだな。」

 

アーチャーの吹き飛ばされた位置にちょうどいたセイバーに話しかける。

 

「かつて魔法が栄えた国があって、そこには沢山の魔導士がいた。その中でも特別な魔法を持った者がいた、それがナツ・ドラグニル、滅龍魔導士【ドラゴンスレイヤー】。ある時その国にドラゴンが訪れ暴れたそうだが、それを奴はかえりうちにしたらしい。」

 

「龍の子、火龍【サラマンダー】か」

 

「なんだ知ってるのかよ、説明損だなおい」

 

アーチャーは再び立ち上がるとバーサーカーを向きなおる。

 

「もいっちょやるかね」

 

「いや次は俺にやらせろ。」

 

今まで手出しをしなかったセイバーが剣を抜きながら言う。

 

「俺のこの剣、いつの間にか斬魔刀言われるようになっちまったが、本当の名前は''ドラゴンころし''ちょうどいい相手だぜ」

 

「なるほど、ならお手並み拝見だ、」

 

2人の会話が終わりセイバーかはバーサーカーへ向かおうとしたした時、離れた林からバーサーカーのマスターが飛び出してきた。そうするとバーサーカーがすぐにそれを抱き上げ引き上げて行った。

 

「なんだ?」

 

「逃げられたわね、なんなのよたくっ」

 

悪態をつきながら林から凛と士郎が飛び出してくる。バーサーカーに追いつくことはできないと。全員が諦めたのだった。

 

 

 

 

 

 

「バーサーカーどうしてなの、どうして彼は生きているの?」

 

バーサーカーに抱き抱えられながらルーシィは子供のようにその言葉を繰り返すのだった。

 

 

 




てな訳で第5話、バーサーカーとそのマスターです。

フェアリーテイルからルーシィとナツですね。この組み合わせが一番最初に思いつきました。自分でもこれからどうなるか楽しみです。それでは次回第6話で。


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第6話 未知との遭遇

本当に久々の投稿です、、、








帰ってきた士郎たちは酷く疲れていた、ルーシィと名乗る女とそのサーヴァントのバーサーカーの襲撃はとても激しいものだったからだ。戦い慣れしていない士郎と凛はもちろんサーヴァントであるアーチャーもほんの少しダルそうにしている。

 

「ほんと、嵐のような奴らだったわね、、、」

 

凛のつぶやきに士郎も同意見のようだが返事をする元気もない様子。

 

「それで?あの子は衛宮君を知ってるみたいだしだったけどほんとに知らないの?」

 

「だから、、何度も言ってるだろ、知らないもん知らないんだ。そもそも外国人の知り合いなんて、、」

 

「分かったわよ。ならいったいなんなのよあの子は。」

 

士郎にはそこまできになる理由がよくわかっていなかったがその様子を見て凛が説明をしてくれた。

 

「あの子のサーヴァント覚えてる?」

 

「確かバーサーカーだろ?」

 

「そう、バーサーカーは見て分かったと思うけど、生前のように理性はないの。固有スキルである狂化のせいよ。そのせいでこれまでの聖杯戦争でバーサーカーを引いたマスターは御しきれずに自滅してるってのが当たり前だったのだけど。」

 

「そのバーサーカーを制御出来てるから、気がかりなわけか。」

 

「そ、あの子自体もかなりやり手だったから特殊な魔術を使っているのかも。兎に角要注意の陣営ね。」

 

そのような事を話していたらすでに朝日が見えていた。それでも疲れているのは間違いないので、凛にも部屋を提供し、それぞれ眠りについた。

 

 

 

「こ、これはどうゆう事だぁぁぁあ!!士郎ぉお!!」

 

そんな虎のような、というか虎そのもののような咆哮に士郎は飛び起きた。これはもしかしなくても藤村大河だ。そして、凛が泊まっていることを思い出しまずいと思った頃には時すでに遅く。

 

「これはなんだ!」

 

と大河に首根っこをつかまれた凛が眠そうにダルーンとなっていた。これではよからぬ誤解を招くも当然である。

 

「さあ!説明して!」

 

そう言う大河の後ろにはなんだか黒いおーらのようなもを纏っている桜がブツブツ言っていた。

 

 

 

「さて、じゃあこうゆうこと?偶然にも遠坂さんを訪ねてきた方を士郎が街で助けて、遠坂さんと一緒にお招きしたら、その方に泊まるとこがないって事でこの家に泊めて、どうせだから遠坂さんも一緒に泊まったってこと?」

 

なんとも無理のある設定ではあったが他に方法がなかったのだ。士郎が頭を振り絞って出した言い訳を説明する横では、凛がまだ眠そうにしていた。存外朝に弱いようだ。

 

「そうそう!そうゆうこと、今からその遠坂の知り合いも呼ぶから」

そこで呼ぶのはこいつしかいない。

そこに現れたのはとても一般人とは思えない傷だらけの男。流石の大河も桜も目を丸くしている。

 

「こ、この人が遠坂の知り合いの、、、」

 

「ジュドーだ。」

 

セイバーをその人に仕立てることにした。たが、片腕もなく目も潰れている男にその場は静まり返っている。

 

「そ、そっかーわかった。」

 

などと言って桜と話し合いをしなんとか大河たちの誤解を解くことに成功した。のちに彼女たちはその男との出会いを未知との遭遇と呼んでいる。

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じです。投稿めっちゃ開けてすいませんm(_ _)m


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