引退した博麗の巫女と問題児たちが異世界から来るそうですよ? (hakusai)
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第1話 異世界へと招かれたようですよ?

ここは人里から少し離れた場所にあるボロ屋。

 

「暇ねぇ…」

 

そう言って女性は縁側で白い息をはいた

 

「霊香の修行も終わったし、掃除もさっきしたし、やることないわねぇ…」

 

女性は赤いTシャツにパーカー、下はジーンズという、一見普通の格好であったが、とても特徴的な紅白の大きなリボンで髪をとめていた。

 

彼女の名前は博麗霊夢。二代前の博麗の巫女だ。

 

二代前といっても、その姿は若々しいままで、初対面では大学生と間違えられてしまうくらいだ。

 

なぜこんなに見た目が若いのかというと、彼女はいつの間にか仙人になっていたようで、現在は不老となっているからだ。残念ながら不死ではないので、あまりにも大きな怪我をすると死んでしまうが。

 

余談だが、親友の魔理沙も不老になったらしい。

 

「魔理沙のところにでも遊びに行こうかしら……ん?」

 

暇を持て余している霊夢の目の前に、突然どこからか手紙が降ってきた。

 

(・・・空間転移の類の術がかけられているわね)

 

手紙にかけられた術をひと目で見破った霊夢は、おもむろに立ち上がると、

 

「ちょっと遊びに行ってこようかしら。」

 

という呟きを残して、何処かへと消えた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「紫ー入るわよー」

 

霊夢は幻想郷の賢者である八雲紫の元へと来ていた

 

「珍しいわね。そっちから来るなんて。」

 

「ちょっとお願いがあってね。」

 

「ふぅん。で?お願いってなに?」

 

「幻想郷の外に遊びに行きたいのよ。」

 

そう言って霊夢は、さっき空から降ってきた手紙を紫に見せた。

 

「霊夢宛の手紙ねぇ…しかも、幻想郷の外からの。」

 

「だめ…かな?」

 

霊夢がお願いすると、紫は少しの間考えるようにして、

 

「仕方ないわね。手紙の差出人のところに行くことを許可するわ。但し、何かあったら戻ってくること。これを守れるなら行っていいわ。」

 

「わかったわ。でも、幻想郷の外なんでしょう?戻ってこられるかしら。」

 

「それなら心配ないわ。これを持っていってもらうから。」

 

そういって紫は、霊夢に紅白の陰陽玉を渡した。

 

「これは…?」

 

「この陰陽玉に霊力を込めれば、私と通話できるわ。連絡手段兼座標捜索道具よ。」

 

「なるほどね。これなら心配ないわね。」

 

「たとえ繋がらなかったとしても、私が全力で探しだすから、心配しなくていいわ。」

 

「至れり尽くせりね。とてもありがたいわ。」

 

「それだけあなたが大切ってことよ。本当は外に出したくないもの。でも、あなたには是非外を経験してもらいたかったからね。それに面白い土産話も聞けそうだし。」

 

「ありがとう…紫。たくさんお土産持ってきてやるから、期待しときなさい。」

 

「それは楽しみね。期待しておくわよ。」

 

紫が続ける。

 

「それと、幻想郷のことをあまり外では話さないでね。色々と都合が悪いから。能力もあまり使いすぎないように。郷に入れば郷に従えというし、目立つことはしすぎないようにしてね。」

 

「わかってるわよ。」

 

「あと、一番大事なのは、全力を極力出さないこと。あなたの全力は、私たちでは敵わないくらいだからね。危険視されることも考えられるからね。」

 

「全力を出さなきゃ死ぬときは?」

 

「おもいっきりやりなさい。」

 

「さすが紫。わかってるじゃない。」

 

「何年一緒にいると思ってんのよ。まぁ、あなたより強い人なんているわけがないんだけどね。」

 

「分からないわよ?たくさんいるかもしれない。」

 

「少なくともたくさんはいないと思うわ。」

 

 

そんなこんなで少々雑談をして…

 

 

「じゃあ、行ってきます。」

 

「行ってらっしゃい。霊夢。」

 

霊夢は手紙の封を切った。手紙には、こう書いてあった。

 

 

――『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能を試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 我らの“箱庭”に来られたし』―――

 

(少年少女って年でもないけどね…それに、捨てるつもりもないし。)

 

その手紙を読んだ霊夢はそう思い苦笑いした。

 

その直後、霊夢の視界が急変した。

 

さっきまでいた場所とはうって変わり、上空4000mからの景色と、自分同様に自由落下する少年たちの姿が見えた。

 

「「「「ど……何処だここ!?」」」」

 

―――それが問題児3人との出会いであった。




はじめて書いた文ですので、おかしなところもあるかと思います。
マナー違反などしていたら、教えてくださると幸いです。


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第2話 問題児たちと出会うようですよ?

「「「「ど……何処だここ!?」」」」

 

上空4000mから絶賛落下中の四人は、口を揃えてそういった。

 

霊夢がまわりを見ると、

 

金髪で学ランを着ている問題児感が溢れている少年。

 

頭に大きな真っ赤なリボンを着けているお嬢様感が溢れている少女。

 

薄着で猫を連れている友達少ない感が溢れている少女。

 

その三人と一緒に落ちていた。

 

遠くを見れば世界の果てまで見えていた。

 

(この高さから落ちたら普通の人は死ぬかなぁ。助けた方がいいのかなぁ。)

 

と霊夢は考え、落ちても問題ないか下を確認すると、水の膜が張られていることに気がついた。

 

(あれなら死にはしないわね。濡れるけど。私は濡れたくないなぁ……飛ぶか。)

 

どうしても濡れたくない霊夢は、水のベールに包まれないように、【空を飛ぶ程度の能力】で、近くの地面に着地した。

 

他の人たちはというと、ベールの下にあった湖に落ちていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

全員が湖から脱出して、それぞれ服を絞ったりして落ち着いたあと、それぞれが文句を言い出した。

 

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

 

「全くだわ。」

 

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ。」

 

「……いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

 

「俺は問題ない。」

 

「そう。身勝手ね。」

 

(たぶん私も大丈夫だろうなぁ。)

 

「此処……どこだろう?」

 

「さぁな。まぁ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」

 

「よくそんなとこまで見る余裕があったわね。」

 

「余裕はあんまり無かったけどな。」

 

なんにせよ、この四人と一匹が知っている場所ではないようだった。

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

 

「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。―――私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱えている貴女は?」

 

「……春日部耀。以下同文。」

 

「そう。よろしく春日部さん。で、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様。」

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君。」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様。」

 

「そして最後に、そこのお目出度い色のリボンをした、一人だけ空を飛んで濡れなかった貴女は?」

 

「私は博麗霊夢。気楽に霊夢って読んでくれて構わないわ。」

 

「そう。よろしく霊夢さん。」

 

「こちらこそよろしく。久遠さん。」

 

「私のことは飛鳥でいいわ。」

 

「うん。そう呼ぶことにするわ。」

 

 

心からケラケラと笑う逆廻十六夜。

 

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

 

我関せず無関心を装う春日部耀。

 

この中でも少し浮いている博麗霊夢。

 

 

そんな彼女らを草の陰から見ていた者は思う。

 

(うわぁ……なんか問題児ばっかりみたいですねぇ……)

 

彼女には、どうやっても、彼らが協力する姿が思い浮かばないのであった。




深夜のテンションだけで書いたので、おかしいところもあると思います。
本当は滝まで行かせたかったけど、気力がもたなかったです…


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第3話 箱庭のお話を聞くようですよ?

十六夜は苛立たしげに言う。

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねぇんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねぇのか?」

 

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの。」

 

「………。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど。」

 

(全くです。)

 

「慌て過ぎるよりましじゃない。」

 

影に隠れている人――いや、ウサギは、もん問題児が落ち着き過ぎていて、出るタイミングを失っていた。

 

ふと、十六夜がため息交じりに呟く。

 

「―――仕方がねぇな。こうなったら、そこに隠れている奴にでも話を聞くか?」

 

隠れていた黒ウサギは心臓を掴まれたように跳び跳ねた。

 

四人の視線が黒ウサギに集まる。

 

「なんだ、貴方も気づいてたの?」

 

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちのお前らも気づいてたんだろ?」

 

「風上に立たれたら嫌でもわかる。」

 

「あれを隠れていると言うのかしら?」

 

「……へぇ。面白いなお前ら」

 

軽薄そうに笑う十六夜の目は笑っていない。

四人は理不尽な召集を受けた腹いせに(霊夢はわかっていたが)殺気の籠もった冷ややかな視線を黒うさぎにむける。

黒ウサギもやや怯んだ。

 

「や、やだなぁ御四人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いて頂けたら嬉しいで御座いますよ?」

 

「断る」

 

「却下」

 

「お断りします」

 

「聞いたらウサギ鍋にしてもいい?」

 

「あっは、取りつくシマもないですね♪って最後の方はなにを言ってくれちゃってるのですか!?ダメです!断固拒否です!」

 

そういってバンザーイ、と降参のポーズをとる黒ウサギ。

 

(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買いです。まぁ、扱いにくいのは難点ですけども。)

 

黒ウサギがそういって四人を値踏みしていると、

 

「えい」

 

「フギャ!」

 

耀が黒ウサギの耳を力いっぱい引っ張った。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

 

「好奇心の為せる業」

 

「自由にも程があります!」

 

「へぇ?このウサ耳って本物なのか?」

 

今度は十六夜が掴んで引っ張る。

 

「………。じゃあ私も」

 

「面白そうだから私も」

 

「ちょ、ちょっと待――――――!」

 

更に二人に耳を引っ張られ、黒ウサギは言葉にならない悲鳴を上げた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはきっとこのような状況を言うに違いないのデス」

 

「いいからさっさと進めろ」

 

黒ウサギは半ば本気の涙を浮かべながら話を始めた。

 

話が長いので要約すると

・ここは箱庭という所である。

・ここでは、ギフトゲームというものをする。

・ギフトゲームとは、修羅神仏などから与えられた恩恵で競うゲームである。

・ここにいる者はコミュニティに属さなければならない。

・ギフトゲームの勝者は主催者から賞品を貰える。

・ギフトゲームに負けると参加のためのチップは主催者にわたる。

・チップは様々である。

・ギフトゲームはなんでもありである。

 

………と、まぁ、要約出来ていない気もするが、こんな感じである。

 

では、霊夢たちの方に視点を戻そう。

 

 

「―――待てよ。まだ俺が質問してないだろ。」

 

いままで静聴していた十六夜が威圧的な声を上げる。

その顔にさっきまでの軽薄な笑みはない。

 

「………どういった質問です?ルールですか?ゲームそのものですか?」

 

「そんなものはどうでもいい。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。ここでオマエに向かってルールを問いただしたところで何かが変わるわけじゃねぇんだ。世界のルールを変えようとするのは革命家の仕事であって、プレイヤーの仕事じゃねぇ。俺が聞きたいのは………たった一つ、手紙に書いてあったことだけだ」

 

 

「この世界は………面白いか?」

 

 

他の三人も無言で返答を待つ。全員にとってこれは一番重要な事だろう。

 

「―――YES。ギフトゲームは人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保障いたします♪」

 




霊夢さんは幻想郷から来てるので外界と違う気もしますが、面白くなければ帰るだけなので構わないのです。
やっぱり計画的に文は書くべきなのですかね?思い付きだけなので、矛盾とか発生しそうで怖いです。
次回から霊夢さんが暴れだすと思います。


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第4話 黒ウサギに連れられるようですよ?

前回暴れるといったな。
あれは嘘だ
暴れさせたいけど気力が持たないんですよ…


説明を終えた黒ウサギが言う。

 

「ここで立ち話もなんですから、わたしのコミュニティの所まで行きましょう。ついてきてください。」

 

特に反論する理由も無いので、四人は従うことにした。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

~移動中~

 

「なぁ、霊夢。一緒に世界の果てまで行かないか?」

 

十六夜が霊夢に言う。

 

「いいけど、なんで私なのかしら?」

 

「お前が一番面白そうだからだよ。この中じゃ一番俺に近い感じがするからな」

 

「ふーん。まぁいいわ。でも、リーダーの顔を見ておきたいから、後から追いかけるわ。それでいい?」

 

「お前が来る頃には面白いことは終わってるかもだけどな」

 

「それならそれで仕方ないわ。じゃあ、これ持っておいて」

 

そういって霊夢はポケットからお札をだして、十六夜に渡した。

 

「これは?お札か?」

 

「その通り。こう見えて巫女なのよ。それを持っててくれれば私が楽にそっちに行けるから、持っといてね」

 

「よくわからんが了解した。と言うわけで先に世界の果てまで行ってくるわ。黒ウサギにはなんか言っといてくれ」

 

「わかったわ」

 

「把握した」

 

「じゃ、またあとでな」

 

そう言い残して、十六夜は音速をゆうに超える速度で走り去っていった。

 

ちなみに黒ウサギは、新しい仲間との生活に胸を踊らせて、四人の会話など聞いていないのであった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ジン坊っちゃーン!新しい方を連れてきましたよー!」

 

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性御三人が?」

 

「はいな、こちらの御四人さまが――――」

 

クルリ、と振り替える黒ウサギ。

 

カチン、と固まる黒ウサギ。

 

「………え、あれ?もう一人いませんでしたっけ?ちょっと目つきが悪くて、かなり口が悪くて、全身から“俺問題児!”ってオーラを放っている殿方が」

 

「ああ、十六夜君のこと?彼なら『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』と言って駆け出していったわ。あっちの方に」

 

そういって飛鳥は上空4000mから見えた断崖絶壁を指差した。

 

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

 

「『止めてくれるなよ』と言われたもの」

 

「ならどうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

 

「『黒ウサギにはいうなよ』と言われたから」

 

「嘘です、絶対嘘です!実は面倒くさかっただけでしょう御二人さん!」

 

「「うん」」

 

「ていうか気づくでしょ…」

 

ガクリ、と前のめりに倒れる黒ウサギ。

 

それとは対照的に、ジンは蒼白になって叫んだ。

 

「た、大変です!“世界の果て”にはギフトゲームのために野放しにしている幻獣が」

 

「幻獣?」

 

「は、はい。ギフトを持った獣を指す言葉で、特に“世界の果て”付近には強力なギフトを持ったものがいます。出くわせば最後、とても人間では太刀打ち出来ません!」

 

「あら、それは残念。もう彼はゲームオーバー?」

 

「ゲーム参加前にゲームオーバー?……斬新?」

 

「十六夜なら大丈夫なんじゃない?」

 

「冗談をいっている場合じゃありません!」

 

ジンは必死に訴えた。

 

それを聞いてから、黒ウサギはため息をつきつつ立ち上がった。

 

「はぁ………ジン坊っちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

「わかった。黒ウサギはどうする?」

 

「問題児を捕まえに参ります。事のついでに―――“箱庭の貴族”と謳われるこのウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります」

 

悲しみから立ち直った黒ウサギは怒りのオーラを全身から噴出させ、艶のある黒い髪を緋色に染めていく。

外門めがけて空中高く飛び上がった黒ウサギは外門の脇にあった彫像を次々と駆け上がり、外門の柱に垂直に張り付くと、

 

「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくりと箱庭ライフを御堪能ございませ!」

 

全力で跳躍した黒ウサギは弾丸のように飛び去り、あっという間に四人の視界から消え去った。

 

「………箱庭のウサギは随分速く跳べるのね。素直に感心するわ」

 

「ウサギたちは箱庭の創始者の眷属。力もそうですが、様々なギフトの他に特殊な権限も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣に出くわさない限り大丈夫だと思うのですが………」

 

心配そうにするジン。それに飛鳥は向き直り、

 

「黒ウサギも堪能くださいと言っていたし、御言葉に甘えて先に箱庭に入るとしましょう。エスコートは貴方がしてくれるのかしら?」

 

「え?あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。三人の名前は?」

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱えているのが」

 

「春日部耀」

 

「で、そっちの紅白のリボンのが……あら?さっきまでいなかったかしら?」

 

「霊夢は『ちょっといろいろ見てから十六夜の所にいってくるわ』っていって消えた」

 

「な……まぁ、黒ウサギが行っていますし大丈夫でしょう。その方も走って行ったのですか?」

 

「いや、“消えた”」

 

「……え?瞬間移動みたいに?」

 

「うん」

 

「………まぁいいわ。先に箱庭を堪能しましょう。」

 

「もう僕は知らないです…」

 

そういって三人は箱庭へと入っていった。




文字数が増えてく気がする今日この頃


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第5話 水神と戯れるようですよ?

霊夢さんに無双させるか自重させるか…
どちらにしてもチートですけどね。

今回はかなり駄文なので気を付けてください。


十六夜は森を駆けていた。

 

しばらく走ると、眼前が開け、大河の岸辺に出た。

 

「おぉ…!」

 

目の前を流れる川、“トリトニス大河”の美しさに、思わず感嘆の声をあげた。

 

目的の場所まではあと少しのようだ。

 

「世界の果てはどんなんなんだろうな……ん?」

 

そう呟いて、大河を渡ろうとしたとき、何処からか声が聞こえてきた。

 

『こんなところに人間とは珍しい。人間、我の試練をうけよ』

 

そういって大河の中から現れたのは、身の丈30尺強はある巨躯の大蛇だった。

 

「ハッ、蛇ごときが俺を試そうってのか?」

 

『舐めおって、人間風情が!』

 

そういって大蛇は大河の水を操り、十六夜を襲ってきた。

 

「おいおい、その程度か?お話にもなんねぇぞ?」

 

そういった余裕の十六夜は、襲いかかる水をものともせず、瞬く間に大蛇のもとへと近づき、

 

殴り飛ばした。

 

『グハッ』

 

殴られた大蛇は派手に吹き飛び、数十メートル先の壁にめり込んだ。

 

『ぐ、ぐぅ。人間如きがぁ!』

 

幸か不幸か、大蛇にはまだ意識があり、戦意も喪失していないようだった。

 

「少しは面白そうだな。………ん?」

 

十六夜は先程霊夢に貰って、ポケットにいれておいたお札が、妙に熱くなっていることに気がついた。

 

「どうしたんだ?」

 

そういってポケットからお札を取り出すと、一瞬目の前の空間がブレた。

 

そしてそこには、急に霊夢が現れた。

 

「渡しといて正解だったわ。面白い瞬間には間に合ったみたいね」

 

「まさかワープしてくるとは思わなかったぜ。本当に人間か?お前」

 

「えぇ。人間よ?ちょっと妖術とかが出来るだけのね。そういうあなたこそ人間なの?こんなところまで短時間で移動するなんて、普通じゃ出来ないわよ?」

 

「俺も生物学上は人間だぜ。ちょっと人間離れしてるけどな」

 

そうやって話している二人の元に、何かが弾丸のような速さで飛んできた。

 

「この辺りのはず………」

 

「あれ、お前黒ウサギか?どうしたんだその髪の色」

 

黒ウサギは怒髪天を衝くような怒りを込めて勢いよく十六夜の方を向いた。

 

「もう、一体何処まで来ているんですか!?」

 

「“世界の果て”まで来ているんですよ、っと。まぁそんなに怒るなよ」

 

十六夜に怪我が無いことをみて、黒ウサギは心配が不要だったと、安心して胸をなで下ろした。

 

「しかしいい脚だな。遊んでいたとはいえこんな短時間で俺に追い付けるとは思わなかった」

 

「むっ、当然です。黒ウサギは“箱庭の貴族”と謳われる優秀な貴種です。その黒ウサギが」

 

アレ?と黒ウサギは首を傾げる。

 

(黒ウサギが……半刻以上もの時間、追いつけなかった…………?)

 

「まぁ速さを言うなら、霊夢も大概だけどな」

 

「私はお札の所に飛んできただけよ?」

 

「その時点でおかしいと思うぞ?」

 

さっきまで霊夢の存在に気づいていなかったのか、黒ウサギは霊夢を見て、固まる。

 

「あ、あれ?霊夢さん?さっきまであっちにいませんでしたっけ?」

 

「えぇ。いたわよ。ちょっと此方の方が面白そうだから、此方に来たわ」

 

(゜ロ゜)←唖然として固まる黒ウサギの図。

 

「ま、まぁ、その話は後にして!十六夜さんが無事で良かったデス。水神のゲームに挑んだと聞いて肝を冷やしましたよ」

 

「水神?――――あぁ、アレのことか?」

 

そういって十六夜は壁にめり込んだ大蛇を指差す。

 

そして、黒ウサギが状況を理解する前に大蛇が壁から抜け出し、

 

『まだ…………まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ!!』

 

「蛇神………!って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」

 

「あら、あんなのがいたのね」

 

ケラケラと笑いながら十六夜は二人に事の顚末を話す。

 

「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか、上から目線で素敵なこと言ってくれたからよ。俺を試せるかどうか試させてもらったのさ。結果はまぁ、残念な奴だったが」

 

『貴様………付け上がるなよ人間!我がこの程度の事で倒れるか!!』

 

蛇神の甲高い咆哮が響き、巻き上がる風が水柱を上げて立ち昇る。

 

「十六夜さん、下がって!」

 

黒ウサギが水流から庇おうとするが、十六夜の鋭い視線がそれを阻む。

 

「なにを言ってやがる。下がるのはテメェだろうが黒ウサギ。これは俺が売って、奴が買った喧嘩だ。手を出せばお前から潰すぞ」

 

本気の殺気が籠った声音だった。その言葉に蛇神は息を荒くして応える。

 

『心意気は買ってやる。それに免じ、この一撃を凌げば貴様の勝利を認めてやる』

 

「寝言は寝て言え。決闘は勝者が決まって終わるんじゃない。敗者を決めて終わるんだよ」

 

『フン―――その戯言が貴様の最期だ!』

 

蛇神の雄叫びに応じて嵐のように川の水が巻き上がる。竜巻のように渦を巻いた三柱の災害とも言える水柱が十六夜に襲いかかる!

 

この力こそ時に嵐を呼び、時に生態系さえ崩す、“神格”のギフトを持つ者の力だった。

 

「十六夜さん!」

 

黒ウサギが叫ぶ。しかし、時すでに遅し。

 

竜巻く水柱は川辺を抉り、十六夜の体を激流に呑み込む―――!

 

 

「―――ハッ――――しゃらくせぇ!!」

 

 

三柱の暴力の渦のうち、二柱を、ただの腕の一振りでなぎ払ったのだ。

 

「嘘!?」

 

『馬鹿な!?』

 

「やるじゃん」

 

驚愕する二つの声と感嘆する声があがる。神格の全霊の一撃を、虫でも払うかのようになぎ払ったのだ。驚きもする。

 

しかし、なぎ払ったのは三柱の内二柱。残りの一柱は霊夢に襲いかかってきていた。

 

十六夜の神業に放心状態だった黒ウサギも、我にかえって叫んだ。

 

「霊夢さん!危ない!」

 

焦る黒ウサギに対して、霊夢はいたって冷静であった。

 

「大丈夫よ。そこで見てなさい。」

 

自分に迫ってくる水柱に動じることもなく、ポケットから一枚のお札を取り出し、

 

 

「夢符―――【封魔陣】」

 

 

地面に叩きつけた。

 

すると霊夢の目の前に、幅100メートルくらい、高さ数百メートルにもなる巨大な結界が張られた。

 

水柱は結界に当たった瞬間、勢いよく弾けとんだ。

もちろん、霊夢には被害は全くない。

 

「「『な……』」」

 

蛇神や黒ウサギ、十六夜までもが、霊夢の放った技の規模の大きさ、強さに驚愕した。

 

「あら、ちょっとやり過ぎたかしら?」

 

霊夢は疲れている様子すらない。

 

「…ヤハハ、やっぱり面白いな。お前を誘って正解だったわ」

 

「そんなことより十六夜、あの蛇はどうするの?」

 

「もう興味もなくなったな。お前が思った以上に凄すぎてな」

 

「それはどうも」

 

「まぁ、決闘の決着くらいはつけとくか」

 

そういって十六夜は蛇神の懐に潜り込み、

 

「ま、中々だったぜオマエ」

 

大地を踏み砕くような爆音とともに、蛇神は空中高く打ち上げられて川に落下した。

 

その衝撃で川が氾濫し、水が十六夜たちを巻き込む。

 

また全身を濡らした十六夜はバツが悪そうにして、

 

「今日はよく濡れる日だ。クリーニング代くらいは出るんだよな黒ウサギ」

 

冗談めかした十六夜の声は黒ウサギには届かない。

 

彼女の頭はパニックでそれどころではなかったのだ。

 

“人類最高クラスのギフト所持者”とは聞いていたものの、ここまでとは想像もしていなかったのだ。

 

(この人たちなら……本当に、コミュニティ再建も、夢じゃないかもしれない!)

 

そう思い、黒ウサギは心を踊らせるのであった。




長いので一旦終了です。
まだMUGEN要素が出てませんけども、後から出ますから。安心してください。

封魔陣はやり過ぎたとは思っています。

霊夢さんの封魔陣がショボいと思った人は、数百メートルの高さの建造物を思い浮かべると、幸せになれるかも知れません。


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第6話 コミュニティに入るようですよ…?

さっきから頭に
「キュー○ー3分ファッ○ング」
とか
「キュー○ー3分ファイティング」
とか

くだらないことばかり浮かぶ。




…あした受験なのに



~追記~

たくさんのUA、お気に入り、ありがとうございます!
作者はまじで驚いてます。
UA5000突破とか、受験受かりそうです!
皆様、本当にありがとうございます!


あまりに人間離れしている二人の姿をみて、黒ウサギは興奮を抑えられなかった。

 

(本当にこの二人が最高クラスのギフトを所持しているのなら………………私たちのコミュニティ再建も、夢じゃないかもしれない!)

 

ぼーっとしている黒ウサギ。

 

そんな無防備とも言える黒ウサギの背後に十六夜は忍び寄り、

 

「おい、どうした? ボーっとしてると胸とか脚とか揉むぞ?」

 

と、脇下から豊満な胸に、ミニスカートとガーターの間から脚の内股に絡むように手を伸ばしていた。

 

黒ウサギは自身の貞操の危機を感じ、素早く跳び退いて感動も忘れて叫ぶ。

 

「な、ば、おば、貴方はお馬鹿です!? 二百年守ってきた黒ウサギの貞操に傷をつけるつもりですか!?」

 

「二百年守ってきた貞操? うわ、超傷つけたい。」

 

「お馬鹿!? いいえ、お馬鹿!!!」

 

「まぁまぁ、十六夜。その辺にしといたら?」

 

そこに霊夢が黒ウサギに助け船を出す。

 

「ま、霊夢にも止められちまったし、今はいいや。後々の楽しみにとっとこう。」

 

「さ、左様デスか。」

 

「ところで十六夜、あの蛇どうする? 食べる?」

 

「お、それはいい考えかもな。」

 

「やめてください!」

 

「ヤハハ、冗談だ。七割冗談だ。」

 

(三割は本気だったんですね…)

 

「というか、蛇神様生きてます?」

 

「命まで取ってはいねーよ。殺すのは別段楽しくないしな。」

 

「なら、ギフトだけでもいただいていきましょう。ゲームの内容はともかく、十六夜さんは勝者です。蛇神様も文句はないでしょうから。」

 

「あん?」

 

十六夜が怪訝な顔で黒ウサギを見つめ返す。黒ウサギは思い出したように捕捉しようとした。

 

「神仏とギフトゲームを競い合うときは「要するにあれでしょ?あっちが主催者だから勝者として報酬を貰えるって事でしょ?」…まぁそんなところです。十六夜さんは蛇神様本人を倒されたので、すごいものが頂けますよー♪ これで黒ウサギ達のコミュニティももっと力をつけることが出来ます♪」

 

黒ウサギが小躍りでもしそうな足取りで蛇神に近づく。

 

その姿をみて、霊夢は不自然さを覚えた。

 

「ねぇ、十六夜。」

 

「どうした? 黒ウサギのコミュニティのことなら今から聞くぞ。」

 

「そう。それならいいわ。」

 

そう言うと、霊夢と十六夜は黒ウサギの前に立った。

 

「「────」」

 

「な、なんですか御二人とも。怖い顔をされていますが、何か気に障りましたか?」

 

「……別にィ。オマエの言うことは正しいぜ。勝者が敗者から得るのはギフトゲームとしては間違いなく真っ当なんだろうよ。だからそこに不服はねえ───けどな、黒ウサギ。

 

 

オマエ、なにか決定的な事をずっと隠しているよな?」

 

 

「具体的には、貴女達のコミュニティのことでしょ? 貴女達のコミュニティは強大なナニかに滅ぼされかけて、ギフトゲームに参加できる人材もなく、子供たちを多く抱えていて、なおかつ周りからの信頼も薄く、ギフトゲームの開催もできない。そんな状態でしょ?」

 

 

「なっ─────」

 

黒ウサギは絶句した。

 

十六夜にコミュニティの事が気づかれたのにも驚きを隠せないが、それ以上に、霊夢のあまりにも的確な指摘に、恐怖すら感じている。

 

「沈黙は是也─だぜ?黙ってねぇで話せ。じゃないと、他のコミュニティにいっちまうぞ?いいのか?」

 

「…ハッ、ダメなのです!十六夜さんにはうちに来てもらわないと困るのですよ!」

 

「じゃあさっさと話せ。」

 

「話したら……十六夜さん達は、私たちのコミュニティに入ってくださるのですか…?」

 

「あぁ。面白ければな。」

 

「私も同じようなもんよ。」

 

「そうですか……では、せいぜい面白オカシく話させていただきますヨ…といっても、ほとんど霊夢さんのいった通りですけどね……」

 

そういって、黒ウサギはコミュニティについて話始めた。

 

まとめると、

 

・『名』がない

・『旗印』がない

・122人中、ギフトゲームに参加できるのは二人

・他はすべて子供

 

といった感じだ…

 

「崖っぷちね…」

 

「崖っぷちだな!」

 

「崖っぷちですね♪」

 

コミュニティの事を話した黒ウサギは項垂れている。

 

「で? オマエらのコミュニティはどうしてそうなった?」

 

「それは……箱庭を襲う最大の天災───魔王によって、すべてを奪われたからです。」

 

「ま…………マオウ!?」

 

魔王という言葉を聞いたとたん、十六夜はおもちゃを得た子供のように、目を輝かせた。

 

「魔王!なんだよそれ、魔王って超かっこいいじゃねえか!箱庭には魔王なんて素敵ネーミングで呼ばれる奴がいるのか!?」

 

「え、ええまあ。けど十六夜さんが思い描いている魔王とは差異があると………」

 

「そうなのか? けど魔王何て名乗るんだから強大で凶悪で、全力で叩き潰しても誰からも咎められることのないような素敵に不敵にゲスい奴なんだろ?」

 

「ま、まぁ………倒したら多方面から感謝される可能性はございます。倒せば条件次第で隷属させることも可能ですし。」

 

「へぇ?」

 

「魔王は“主催者権限”という箱庭における特権階級を持つ修羅神仏で、彼らにギフトゲームを挑まれたが最後、誰も断ることはできません。私達は“主催者権限”を持つゲームに強制参加させられ、コミュニティは………コミュニティとして活動していく為に必要な全てを奪われてしまいました。」

 

これは比喩などではない。

 

「まぁ事情はわかったわ。でも、名前も旗印もないなら、新しく作ればいいじゃない。どう?」

 

「それはそうですが…………改名はコミュニティの完全解散を意味しています。それではダメなのです!私達は何よりも………仲間達が帰ってくる場所を守りたいのですから…」

 

《仲間達が帰ってくる場所を守る》それは黒ウサギが初めて口にした、掛け値のない本心だった。

 

「茨の道ではあります。けど私達は仲間が帰る場所を守りつつ、コミュニティを再建し……………何時の日か、コミュニティの名と旗印を取り戻して掲げたいのです。そのためには十六夜さん達のような、強力な力を持つプレイヤーに頼る他ありません!どうかその強力な力、我々のコミュニティに貸していただけないでしょうか…………?」

 

「………ふぅん?魔王から誇りと仲間をねぇ」

 

黒ウサギは頭を下げて二人に懇願する。

 

(ここで断られたら………………私達のコミュニティはもう………………!)

 

しかし、返ってきた答えはあっさりしたものだった。

 

 

「いいな。それ。」

 

 

「…………………は?」

 

「HA?じゃねえよ。協力するって言ったんだ。もっと喜べ黒ウサギ。」

 

「え………あ、あれれ?いまの流れってそんな流れでございました?」

 

「そんな流れだったぜ。それとも俺がいらねぇのか?失礼なこと言うと本気で余所行くぞ?」

 

「だ、駄目です駄目です、絶対に駄目です!十六夜さんは私達に必要です!」

 

「素直でよろしい。」

 

そんな風にいつもの調子に戻りかけた黒ウサギ。

 

「で?霊夢はどうするんだ?」

 

「…そうね。いいわ。入ってあげる。」

 

その答えを聞き、黒ウサギは思わず笑みがこぼれた。

 

「でも、条件があるわ。」

 

霊夢が付け加えた。

 

「…条件ですか? 私達に出来ることならなんでもいたしますよ? 衣食住は保証いたしますし…」

 

「そんなことじゃないわ。もっと単純なことよ。」

 

この時、黒ウサギに嫌な予感が走った。

 

「単純…というと?」

 

 

 

 

 

「────私に勝てたら、コミュニティに入ってあげるわ。」

 

 

 

すると、黒ウサギと十六夜の頭上から、白い羊皮紙────────

 

 

 

 

 

─────────ではなく、 黒い羊皮紙────────

 

 

 

 

 

───でもなく、赤く輝く和紙が降ってきた。

 

 

 

「───さぁ。遊びましょう?」




霊夢に常識は通用しません。

羊皮紙ですら無いです。


まぁそれはそれとして、あした私立入試です。
死にます。死んでます。死にました。

気合いで乗りきります。


次回は受験が終わってお気に入りが111越えたら書くと思います。


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第7話 霊夢からの試練なのですよ?

おま、おま、
評価もらえるわ、日刊ランキング載るわ、
UA6000超えるわ、

そして一日でお気に入り111超えるわ、

色々感謝しかありません!
本当にありがとうございます!


受験は無事死亡しました!



『ギフトゲーム名 “十六夜の兎と紅白の巫女 easy ”

 

・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

黒ウサギ

 

・ゲームマスター 博麗 霊夢

 

 

・クリア条件 ゲームマスターに一撃攻撃を当てる

・敗北条件 プレイヤー全員の失格

プレイヤー側の降参

プレイヤー側が勝利条件を満たせなくなった場合

 

・ルール 攻撃が一度でも当たると失格

失格者は攻撃することは出来ない

相手を殺した場合は敗北となる

 

 

宣誓 上記を尊重し、誇りとやる気とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

“博麗霊夢”印』

 

 

「なっ─────」

 

黒ウサギは混乱していた。

 

(なぜ霊夢さんがギフトゲームを開催できるのですか!?赤い契約書類なんて聞いたことないのですよ!?しかも和紙なんて見たことないですよ!?それに私はまだプレイヤーとして参加できないはずなのですよ!?しかもここ箱庭の外ですし霊夢さんはまともかと思ったのにふしゅぅぅ…)

 

黒ウサギは頭から煙を出して倒れた。

 

そんな黒ウサギをみて、一言。

 

 

 

「ごめん、黒ウサギ。私に常識とか通用しないんだよね。」

 

と、黒ウサギにとどめをさした。

 

「ヤハハ……オマエほんと何者だよ!しかも俺までプレイヤーにしてくれやがって嬉しいじゃねぇかくそ♪」

 

十六夜はノリノリである。

 

と、その時、黒ウサギがガバッと起き上がった。

 

「れ、霊夢さん!ちょっといろいろだいぶ状況がよくわからないんですけど!説明してください!」

 

「オーケー黒ウサギ落ち着いて。要するに、私を仲間にしたかったら私と戦えってことよ。簡単でしょ?」

 

「そこじゃなくて!なんで強制的にギフトゲームを開催したり、私を参加させたり出来るんですか!」

 

「だーかーらー、私に常識とか通用しないの。ある人によれば私の前では常識は塵に還るらしいわよ。まぁ流石に殺し合いとかは嫌だから、一撃でオッケーってこと。」

 

「なんかもう訳がわからないデスよ…」

 

頭の処理速度が追い付かず、説明を諦める黒ウサギ。

 

次に十六夜から質問がとぶ。

 

「で? ギフトゲームするのはわかるが、ここでやるのか?」

 

「んー、どうしようかしら。どんなとこがいい?」

 

「そうだなぁ……思いっきり暴れても問題ないところがいいな。」

 

「そう。じゃあここでいいわ。箱庭からは離れてるし大丈夫でしょう。ちょっと待ってね。」

 

そう言うと、霊夢はどこからか紅白の陰陽玉を取り出して、

 

「紫ー、結界はるの手伝ってー」

 

と、陰陽玉に話しかけ始めた。

 

「霊夢…そういう系の人なのか…」

 

「ん?あぁ。これは携帯みたいなものよ。すぐ私の知り合いが来るわ。」

 

『ごめんなさい霊夢。冬眠直前よ。無理。』

 

「そんなぁ、じゃあいいわ。自分で何とかするわ。」

 

『そうしてちょうだい。』

 

そして陰陽玉はまた何処かへ消えた。

 

「じゃあ十六夜。五秒待ってね。」

 

「おう。って五秒か」

 

霊夢はそう言うと、地面に手をつけた。

 

そのまま五秒経つと、手を離した。

 

「これでオッケーだわ。ちょっと地面思いっきり蹴ってみて。」

 

十六夜は頭に?を浮かべながら、霊夢に言われた通り地面をわりと本気で蹴った。

 

すると、十六夜の強烈な脚力により地面にクレーターが

 

 

 

 

出来なかった。

 

 

 

「簡易的な結界を張ったわ。三分はもつでしょう。」

 

「こりゃすげぇや。今度やり方教えてくれ。」

 

「ごめんなさいね。これはうちの跡継ぎにしか教えないのよ。」

 

「そりゃ残念だ。オマエん家は陰陽師でもしてんのか?」

 

「惜しいわね。巫女よ。主に暴れる馬鹿どもを叩き潰してるわ。」

 

「そりゃ楽しそうだ。」

 

そこで、十六夜は言葉を切った。

 

 

「じゃあ……そろそろ始めるか?」

 

 

「そうね。結界も時間制限あるし、始めましょう。」

 

二人は構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシンッ

 

 

 

 

 

と、ハリセンの乾いた音が響いた。

 

 

「お馬鹿ですか御二人とも!」

 

 

黒ウサギの渾身のつっこみがキレイに決まった。

 

「まぁ落ち着きなさい黒ウサギ。契約書類はもう作ったし、殺るしかないのよ?しかも出来るだけ早くやれば、被害はゼロよ?」

 

「そ、それはそうですが…やっぱり仲間同士で争うのはよくありません!」

 

 

「「…………」」

 

 

「あのな黒ウサギ。霊夢はまだ仲間になってないからな?これやらないと仲間にならないからな?」

 

「あ………」

 

三人の間に沈黙が降りてきた。

 

「さ、さぁ仕切り直して始めましょう!ワークロウサギガンバルゾー」

 

「都合のいいやつだよ全く…殺すのは無しな?」

 

「もちろんよ。死にたくないでしょう?」

 

「その言葉、そっくりそのまま返してやるぜ。」

 

一触即発のムード。

 

誰も動かない状態。

 

“動いたら負ける”そんなふいんき(←何故か変換できない)が辺りをつつむ。

 

 

 

その静寂を破ったのは十六夜だった。

 

「一瞬で終わらせてやるよ!」

 

そういいながら、第三宇宙速度で霊夢へと突っ込んでいく。

 

そして、

 

 

 

ドォォォォォン!という音と共に煙が巻き起こり

 

 

 

 

 

 

 

十六夜が吹き飛ばされた。




中途半端ですって?

受験疲れたんじゃ!

眠いんじゃ!




追記

ふいんきはわざとやってるので、気にしないでください。
ネタを入れないと死んじゃう病なんです。
決して誤字ではございませんので。


お気に入り111越えたから書かなきゃという使命感に駈られた結果がこれですよ。


誤字、脱字などありましたら報告してくださるとありがたいです。


~追記~
煙が晴れたら~のやつをやりたかったので煙を出しました。
結界張ったのに煙が出てるって突っ込みは無しですよ?


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第8話 霊夢からの試練なのですよ?其の弐

正直原作から反れると大変ですね。
でも、原作うつすより格段に楽しいですね。

それはそれとして、


お気に入り200突発ありがとうございます!
現在狂喜乱舞してます!
もう嬉しすぎて受験受かりそうです。
本当にありがとうございます!


十六夜は吹き飛びながら考えた。

 

(受け止められるならまぁあり得なくはないと思ったが、どうやって跳ね返しやがったんだ!くそっ、めっちゃ楽しいじゃねえか!)

 

木々をなぎ倒しながら十六夜は綺麗に着地した。

 

そして、煙が上がっているところを睨み付けた。

 

 

煙が晴れると──

 

 

霊夢がニヤリと笑って立っていた。

 

霊夢の正面には、水神の攻撃を受け止めたときと同じような半透明の壁があった。

 

「封魔陣《弾》────もちろん、私は攻撃なんてしてないから、十六夜は失格じゃないわよ?」

 

「ヤハハ────まさか跳ね返されると思わなかったぜ。しかも攻撃をしないなんて────親切なこったな!」

 

そういいながらまた突撃する十六夜。

 

 

を黒ウサギが止める。

 

「落ち着いてください十六夜さん!少し作戦をたてましょう!」

 

「俺はこれ以上ないほど落ち着いてるぜ───まぁ言ってることは一理ある。よし。じゃあ俺が突撃するから、お前も突撃しろ。」

 

「やってることは同じなのですよ!?私は後方から援護いたします!十六夜さんは霊夢さんの攻撃を避けながら攻撃してください!」

 

「まぁそうしとくか。いくぞ!」

 

そういって突撃していく十六夜。

 

「何度やっても同じよ!」

 

と言い構える霊夢。

 

そして、十六夜と霊夢が衝突する。

 

 

 

パリンッ!

 

 

「え?」

 

また十六夜が跳ね返されると思いきや、今度は結界を破った。

 

しかし十六夜の勢いは殺されていたようで、その場に止まってしまった。

 

すかさず霊夢が突きを入れる

 

「ふんっ!」

 

しかし十六夜はそれを難なくかわし、お返しと言わんばかりに霊夢に蹴りを放った。

 

「よっと!」

 

それを紙一重でかわした霊夢は、後ろに跳び距離をとった。

 

「全く……この結界を破ったのはあなたが三人目よ。本当にどうなってるのかしら。破れるはずないんだけど。」

 

「ヤハハ。俺にも常識は通じないってこった。てか、それをいったら俺の蹴りを避けたのは、お前が初めてだぜ?」

 

「なぜだか私は勘がよくきくのよ。音速を避けれる程度にはね。」

 

「そうみたいだな……じゃあこんなのはどうだ!」

 

そういって霊夢へと向かう十六夜。

 

そして怒濤のラッシュを繰り出した。

 

「んなっ…殺す気なの!?」

 

そう言いつつもギリギリですべてかわす霊夢。

 

 

右から回し蹴りがとんでくる。

 

体を捻り避ける。

 

左から突きがくる。

 

体を傾けて避ける。

 

そんな攻防を続ける二人。

 

「ヤハハ!なんで避けれんだよ!」

 

「勘に従って体を動かしてるだけよ!」

 

埒が開かないと思ったか、十六夜は攻撃を止めて後ろへとんだ。

 

「ん?どうしたのかしら?まさか敗けを認める?」

 

そういって十六夜を煽る霊夢。

 

「まさか。そんなわけねえだろ。───────そうだな。この喧嘩を買ったやつは誰か、考えてみな?」

 

「え?それはどういう………まさか!」

 

咄嗟に黒ウサギの方を見る霊夢。

 

するとそこには、

 

 

 

 

雷鳴を轟かせ青いハート稲妻を迸らせる三叉の金剛杵を振りかぶっている黒ウサギがいた。

 

 

 

「『疑似神格・金剛杵』………これで終わりなのですよ!」

 

そう言って、黒ウサギは天雷を纏う槍を投げつけた。

 

 

一直線に霊夢へと向かう槍。

 

 

霊夢は動かない。

 

 

どんどん近づいて来る槍。

 

 

霊夢は動かない。

 

 

もうすでに、黒ウサギは勝利を確信している。

 

笑みまで浮かべているほどだ。

 

しかし十六夜はこの状況を不自然に感じた。

 

(なぜ動かねぇ……霊夢なら避けてもおかしくねえはずだ……何かあるのか………?)

 

そんな十六夜の疑問など気にせず、槍は一直線に霊夢を穿たんと向かっている。

 

そして、とうとう槍が霊夢にあたるところで、何かぶつかった。

 

「結界デスか………しかし、その槍を止められますかね?」

 

黒ウサギは笑みを浮かべたままそういった。

 

槍は結界に触れて止まっている。普通なら勢いを失って落ちる。

 

しかし、この槍は勢いを失うどころか、どんどん勢いを増していっている。

 

そして、とうとう槍は、結界を突き破った。

 

黒ウサギは勝利を完全に確信した。

 

十六夜も、杞憂だったかと、緊張を解いた。

 

 

 

──その瞬間、霊夢が笑ったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『疑似神格・梵釈槍』は霊夢を────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────すり抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!」

 

 

 

 

直後、黒ウサギの後頭部に痛みが走り、黒ウサギの意識は闇へと沈んだ。




はい。

戦闘描写下手すぎワロタ。

これがやりたくて書きました。
疲れました。
友達のH君は亡きものにしたいと思います。

黒ウィズたのしいです。


誤字、脱字などありましたらお教えくださるとありがたいです。

~一部変更~

流石に箱庭の貴族(笑)さんでもいきなり必勝の槍は放たないですよね。
奥の手はとっとくものですよね。


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第⑨話 霊夢からの試練なのですよ? ~終結~

もう一個新しく作品を書き始めたりしました。

こっちがメインですよん。

無性に私が飼っている犬がかわいく感じました。


あらすじ

霊夢が透けた。


「まさかここまで追い詰められるとはね………奥義を使うことになるとは。驚きだわ。」

 

驚いたと言っても顔は笑っている。

 

そんな霊夢よりも、さらに驚いている人間が近くにいた。

 

そう。十六夜だ。

 

「おいおい霊夢………本当にお前は人間なのか?俺の目がおかしくなければ、お前が半透明になって、槍がすり抜けたように見えたんだが?」

 

「何も間違っていないわよ?私は人間だし、半透明になったし、槍がすり抜けた。何もおかしくないわ。」

 

「いや、おかしいだろ。槍をかわすならまだわかるが、すり抜けるなんて、物理学的にあり得ない。いや、あり得なくは無いが、それは机上の空論ってもんだ。本当にお前は面白いやつだな!どうやったんだそれ!」

 

「これは私が物心ついたときから使える技よ。原理はわからないけどね。私の親友が名前をつけてくれたのよ。名前は───

 

 

 

 

──『夢想天生』って言うのよ。余りにも強すぎるからね。使用回数と時間に制限をつけてあるわ。このゲームなら一回で数秒ね。」

 

「一回だけの緊急回避って訳か。じゃあもうお前は今のは使えないわけだな。」

 

「そういうことになるわね。」

 

「じゃあ────さっさと終わらせてやるぜ!」

 

十六夜は霊夢へと突っ込んだ。

 

「そうね────終わらせましょうか。」

 

第三宇宙速度で突っ込んでくる十六夜に、霊夢はお札を投げつけた。

 

「ヤハハ!そうこねぇとな!」

 

十六夜は、物凄い速度で移動しながらも急旋回し、お札を回避していく。

 

「あなたも大概だと私は思うわよ…」

 

「まぁな!人間離れはしてると思うぜ!」

 

話ながらも攻防を続ける二人。

 

そんな中でも、十六夜は徐々に霊夢との距離を詰めていた。

 

そして、飛んでくるお札の1つを掴み、

 

「これで終わりだ!」

 

と、霊夢に向かって投げつけようとして──────

 

 

 

 

 

 

 

 

─────お札が爆発した。

 

 

 

「終わりなのはそっちだったわね。威力はそんなに無いから安心してね。」

 

 

 

 

そして、ギフトゲーム“十六夜の兎と紅白の巫女”は霊夢の勝利で幕を閉じた。

 

 

───────────────────────────

 

ギフトゲーム終了後、霊夢は黒ウサギを叩き起こした。

 

「ん、んぅ…はっ!私は何を!ギフトゲームはどうなりましたか!?」

 

「落ち着け黒ウサギ。お前は気絶してたんだよ。怪我は無いみたいだから安心しろ。そしてギフトゲームは俺たちの敗けだ。」

 

「そうですか…敗けですか…」

 

敗北の知らせを聞き、一人お通夜ムードの黒ウサギ。

 

そんな黒ウサギに霊夢が明るい声で話しかける。

 

「まぁまぁ。そんな落ち込まないでよ。良い勝負だったわよ?」

 

黒ウサギを慰めているようだ。効果は無いようだが。

 

「そういえばさ。」

 

霊夢が続ける。

 

「私が勝ったときに何をするか決めてなかったわね♪じゃあ~」

 

「ま、待ってください!そう言うものはゲームの前に決めることです!」

 

「まぁ待て黒ウサギ。聞いてみようぜ。」

 

「流石十六夜、わかってるわね。そうね~じゃあ、

 

 

私の言うことをひとつだけ聞きなさい。って言うのはどう?」

 

「は、はぁ、良いんじゃないですか?」

 

黒ウサギは投げやりだ。やり投げだ。もうどうでもいいといった感じだ。

 

「じゃあ黒ウサギ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私を貴女のコミュニティに入れてくれない?」

 

 

「ハァ!?」

 

「え?駄目なの?」

 

「いやいやいや!ダメでは無いのでございますが、なんと言うかさっきまでのお話が意味がないような…?」

 

「何を言ってるのよ。さっきのは、このコミュニティに入る価値があるのか試しただけよ?意味はそれだけだわ。」

 

「そ、そうだったのですか…まぁもういいでしょう!本当に入ってくださるのですね?」

 

「もちろんよ。こんな面白そうなコミュニティは他にないと私の直感が言ってるわ。入るしかないわね!というわけで、よろしく。二人とも。」

 

「よろしくお願いするのです!」

 

「おう!よろしくな!」

 

そういって固く握手する3人。

 

十六夜が切り出す。

 

「じゃあ、ちょっと世界の果てを見て、コミュニティのリーダー様のところに行くか。」

 

「そうね。ところで十六夜。」

 

「なんだ?」

 

「さっきの命令は、あなたにも効いてるから、後でひとつだけ言うことを聞いてもらうからね?」

 

「………………………え?」

 

「まぁ後でだから、今は気にしなくて良いからね。私は楽しみは取っておきたいタイプなの。」

 

「………………………………よし!忘れよう!さぁ世界の果てを見に行くぞ!」

 

「お、おー!」

 

「都合のいい人だこと。本当に面白いわ。本当に。」

 

 

そういって3人は世界の果てへと向かっていった。




途中で話がわからなくなりました。

辛いですよぉ。眠いですよぉ。

黒ウィズ楽しいですよぉ。

皆さんも黒ウィズやりましょうね!


ではまた今度。


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第10話 サウザンドアイズに行くらしいですよ?

こんばんは。

もう先週は素晴らしかったです。

先週だけでUA5000以上増えましたからね。
お気に入りも100以上増えましたからね。

もう感謝しかありません!ありがとうございます!


ところで、黒猫と白猫のガチャの確率って酷いですね。

黒猫では30連で限定0。
白猫は11連で10人☆2、残りは☆3という。
友達にめちゃくちゃ嘲笑われました。

もう限定沢山だして、嘲笑わらってきたH君は許さない。



今回は原作を読んでいないとおいてけぼりの可能性があります。飛鳥たちの活躍が見たい方は、ぜひ原作を買って読みましょう!


日が暮れた頃、霊夢たちと飛鳥たちは噴水広場で合流し、さっきあったことを話あった。

 

そして、飛鳥たちの話を聞いた黒ウサギは、ウサ耳を逆立たせて怒った。

 

「な、なんであの短時間に“フォレス・ガロ”のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」「準備している時間もお金もありません!」「一体どういう心算があってのことです!」「聞いているのですか3人とも!!」

 

 

 

「「「むしゃくしゃしてやった。今は反省しています。」」」

 

 

「黙らっしゃい!!!」

 

「まぁまぁ黒ウサギ。 見境なく喧嘩を売ったわけじゃないんだからさ。許してあげなよ。」

 

「そーだそーだ。面白いから別に良いじゃねぇか。」

 

「お、御二人は面白ければいいと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるのは自己満足だけなんですよ?」

 

「いいじゃない黒ウサギ。べつにギフトとかを賭けるわけじゃないし、負けてもプライドしか傷つかないわよ?」

 

「それにね黒ウサギ。私は道徳云々よりも、あの外道が私の活動範囲で野放しにされることも許せないの。ここで逃がせば、いつかまた狙ってくるに決まってるもの。」

 

「はぁ~………仕方ないひとですね。まぁいいデス。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし、“フォレス・ガロ”程度なら十六夜さんか霊夢さんがいれば楽勝でしょう。」

 

「「何言ってんだよ(のよ)。俺(私)は参加しねぇよ(しないわよ)?」」

 

「当たり前よ。貴方たちは参加させないわ。」

 

「だ、駄目ですよ!御三人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと。」

 

「そういうことじゃねぇよ黒ウサギ。いいか?この喧嘩はコイツらが売って、ヤツらが買った。なのに俺らが手を出すのは無粋って言ってんだよ。」

 

「あら、分かってるじゃない。」

 

「よっ十六夜。いいこというねぇ。」

 

「………………ああもう、好きにしてください。」

 

黒ウサギは投げた。

 

 

~霊夢side in~

 

やぁ霊夢よ。

 

このクソ作者は打つのがめんどいから、私に語らせたいらしいわ。

 

まぁそれはどうでもいいわね。

 

 

ちなみに世界の果てはすごく綺麗だったわ。

 

トリトニスの滝も夕日に彩られて数多の虹を作り出していて、幻想的だったわ。

 

 

さて、私たちは、これから“サウザンドアイズ”に向かうことになったわ。

 

“サウザンドアイズ”は、主にギフト鑑定をしている商業コミュニティで、特殊な瞳を持つ者が集まっているらしいわ。

 

それと、道には桜が咲いていたわ。幻想郷はチルノが喜ぶ季節だったから、流石に驚いたわ。

 

黒ウサギ曰く、「立体交差平行世界論」とか言うのらしいけど、1日や2日じゃ説明できないくらい難しいらしい。よくわからんです。

 

そんなこんなで“サウザンドアイズ”についたから、ここで戻るわね。

 

~霊夢side out~

 

店の前には、蒼い生地に互いが向かい合う二人の女神像が記されている。あれが、“サウザンドアイズ”の旗なのだろう。

 

日が暮れて看板を下げる割烹着の女性店員に、黒ウサギは滑り込みでストップを、

 

「まっ」

 

「待った無しです御客様。うちは時間外営業はやっておりません。」

 

ストップをかけることもできなかった。

 

「なんて商売っ気の無い店なのかしら。」

 

「ま、全くです!閉店時間の五分前に客を閉め出すなんて!」

 

「文句があるならどうぞ他所へ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です。」

 

「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」

 

喚く黒ウサギを、店員は冷めた眼と侮蔑を込めた声で対応する。流石巨大コミュニティ。と霊夢は思った。

 

「なるほど、“箱庭の貴族”であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」

 

「…………う」

 

一転して言葉につまる黒ウサギ。

 

「私たちは“ノーネーム”っていうコミュニティなんだが。」

 

「ほほう、ではどこの“ノーネーム”様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

 

(ま、まずいです。“サウザンドアイズ”は“ノーネーム”お断りでした。このままでは本当に出禁になるかも。)

 

「その…………あの…………………私達に、旗はありま」

 

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギィィィィィ!!」

 

黒ウサギは店内から爆走してくる真っ白い髪の少女(幼女)にフライングボディーアタックを食らい、少女と共に空中四回転半ひねりをして、街道の向こうの浅い水路まで吹き飛んだ。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ………」

 

そんな光景の前に、十六夜は目を丸くし、店員は痛そうなあたまを抱えていた。

 

「……おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも。」

 

「やりません」

 

「私が全力でやってあげようか?」

 

「冗談きついぞ霊夢。それは死ぬわ。」

 

その頃黒ウサギ側は(も)、カオスだった。

 

白い髪の幼女は、黒ウサギの胸に顔を埋めてなすりつけていた。

 

「し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに! フフ、フホホフホホ! やっぱりウサギはさわり心地が違うのう! ほれ、ここが良いかここが良いか!」

 

「し、白夜叉様! ちょ、ちょっと離れてください!」

 

と、十六夜にロリを投げつけた。

 

「てい」

 

「ゴバァ!」

 

それを十六夜は足で受け止め、霊夢に受け流した。

 

「ほいっとな。」

 

それを霊夢は受け止め、ロリを地面に立たせた。

 

「おお、ありがとうな。ところでそこの小僧!飛んできた初対面の美少女を足で蹴り飛ばすとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ。」

 

呆気にとられていた飛鳥は、思い出したように白夜叉に問いかける。

 

「貴女はこの店の人?」

 

「おお、そうだとも。この“サウザンドアイズ”の幹部様で白夜叉様だよご令嬢。仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育のいい胸をワンタッチ生揉みで引き受けるぞ。」

 

「オーナー。それでは売り上げが伸びません。ボスが怒ります。」

 

そこに黒ウサギがスカートを絞りながらやってくる。

 

「うぅ…………まさか私まで濡れることになるなんて…」

 

「因果応報…かな。」

 

そんなものを全く気にしない白夜叉は、霊夢たちを見回してニヤリと笑った。

 

「ふふん。お前たちが黒ウサギの新しい同士か。異世界の人間が私の元に来たということは……………遂に黒ウサギが私のペットに」

 

「なりません!どういう起承転結があってそんなことになるのですか!」

 

「まあいい。話があるなら店内で聞こう。」

 

「よろしいのですか?彼らは旗も持たない“ノーネーム”のはず。規定では」

 

「“ノーネーム”だと分かっていながら名を尋ねる、性悪店員に対する詫びだ。身元は私が保証するし、ボスに睨まれても私が責任をとる。いいから入れてやれ。」

 

ムッと拗ねるような顔をする店員。彼女にしてみれば規則を守っただけなのだから気を悪くするのは仕方の無いことだろう。

 

「…………あなたも大変なのね。よかったらこのお札をあげるわ。上司に投げると静かになるお札よ。」

 

「…………ありがとうございます。貰っておきます。」

 

そして中に入る5人と一匹。

 

「生憎と店は閉めてしまってな。私の私室で我慢してくれ。」

 

そういって、中へと入っていった。




今回はあまり原作と変わらなかったですかね?

まぁ次回が楽しみです。次回のためにこれを書き出したようなものなので。

気が向いたら書くと思いますお(^ω^)


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第11話 箱庭のお勉強ですよ?

おひさしぶらじりあん。

例大祭にいく予定の私です。


なにもかもやる気がでないです。



黒猫やってるひとはフォローしてね!
名前は hakusai315 ですのでよろしくです!


入り口ののれんを潜り店内へ入る個性派軍団。

 

中は和風の中庭になっており、縁側にそって歩いていると、ふと足を止め、目の前の障子を開けて部屋へと入っていく。

 

部屋の中は個室と言うにはやや広く、和室のようになっており、ここちよいお香の香りが皆の鼻孔を燻る。

 

そこに各々が腰掛け、上座に座したロリ(白夜叉)は、大きく背伸びをしてから霊夢たちに向き直る。

 

彼女の着物はいつの間にか乾ききっていたようだ。

 

「さて、もう一度自己紹介しておこうかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えている“サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。この黒ウサギとは少々縁があってな。コミュニティが崩壊してからもちょくちょく手を貸してやった器の大きな美少女と認識しておいてくれ。」

 

「はいはい、お世話になっております本当に。」

 

若干投げやりで受け流す黒ウサギ。

 

そこに耀が質問を入れる。

 

「その外門、ってなに?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強大な力を持つ者達が住んでいるのです。」

 

といって図を見せてくれた。

 

それを見た四人は口を揃えて、

 

「…………超巨大タマネギ?」

 

「いえ、超巨大バームクーヘンではないかしら?」

 

「そうだな。どちらかといえばバームクーヘンだ。」

 

「バームクーヘン食べたいわぁ。」

 

…約1名違うことをいっていたが。

 

「ふふ、うまいこと例える。その例えなら今いる七桁の外門はバームクーヘンの一番薄い皮の部分に当たるな。さらに説明するなら、東西南北の四つの区切りの東側にあたり、外門のすぐ外は“世界の果て”と向かい合う場所になる。あそこにはコミュニティに所属していないものの、強力なギフトを持ったものも棲んでおるぞ───────その水樹の持ち主などな。」

 

白夜叉は薄く笑って黒ウサギの持つ水樹の苗に視線を向けた。

 

「して、いったい誰が、どのようなゲームで勝ったのだ?知恵比べか?勇気を試したのか?」

 

「いえいえ。この水樹は十六夜さんと霊夢さんがここに来る前に、蛇神様を素手で叩きのめしてきたのですよ。ついでに叩きのめされましたが…」

 

「なんと!?クリアではなく直接的に倒したとな!?さらに黒ウサギをも倒したと!?ではその二人は神格持ちの神童か?」

 

「いえ、黒ウサギはそうは思えません。神格なら一目見れば分かるはずですし。」

 

「む、それもそうか。しかし神格を倒すには同じ神格を持つか、互いの種族に余程崩れたパワーバランスがある時だけのはず。種族の力で言うのなら蛇と人ではドングリの背比べだぞ。」

 

と言いながら十六夜をじっくり見て、続いて霊夢に視線を移すと、

 

「む?そこのおんしは神格は“持っていない”が、少々おもしろい種族だの。」

 

「あら、見破られちゃったか。」

 

それを聞いて二人以外は首をかしげる。

 

「どういうことですか?霊夢さん。」

 

「実は私はね……………仙人なの。」

 

「あー仙人ですか。通りで強いですし色々な術がつかえて……………って、え!?仙人でございますか!?その現代風な身なりでフランクな言葉遣いなのにですか!?」

 

「なんか少し失礼な気もするけど…そうね。まぁ仙人っていってもちょっと見た目と中身が詐欺なだけだから。」

 

「へぇ。ってことは、霊夢はババa「十六夜クゥン?痛い目みたいかなぁ?」ナンデモナイデス。」

 

霊夢が満面の笑み(目は凍るような冷たさ)で十六夜に脅しをかけると、流石の十六夜も肝を冷やして引き下がったようだ。

 

「なんにせよ、仙人ならば神格を打ち倒すこともあり得なくはないが、それでも苦しいはずなのだがな。」

 

「ていうか、私はあんまり手を出して無いわよ?殺ったのはほとんど十六夜よ。」

 

「ヤハハ、その後俺らを倒しておいてよく言うぜ…」

 

「黒ウサギも蛇神以上に強いはずなのだがな。」

 

「あ、あはは、ところで白夜叉様。白夜叉様はあの蛇神様とお知り合いだったのですか?」

 

「知り合いも何も、アレに神格を与えたのはこの私だぞ。もっとも、もう何百年も前の話だがの。」

 

といってない胸を張って、豪快に笑う白夜叉。

 

それを聞いた問題児たち(霊夢を除く)は、物騒に瞳を輝かせた。

 

「へぇ?じゃあオマエはあのヘビより強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の“階層支配者《フロアマスター》”だぞ。この東側の四桁以下にあるコミュニティでは並ぶ者がいない、最強の主催者なのだからの。」

 

それを聞いて、いっそう目を輝かせる問題児3人。

 

「そう………………………ふふ。ではつまり、貴女のゲームをクリアできれば、私達のコミュニティは東側で最強のコミュニティになると言うことかしら?」

 

「無論、そうなるのぉ。」

 

「そりゃ景気のいい話だ。探す手間が省けた。」

 

そして闘争心を込めた眼差しを白夜叉に送る3人。

 

それに気づいた白夜叉は

 

「抜け目ない童達だ。依頼しておきながら、私にギフトゲームで挑むと?」

 

「え?ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

「あんたらねぇ……好戦的なのもいかがなものかと思うわよ?」

 

「よいよ黒ウサギ。私も遊び相手には常に飢えている。そして霊夢よ。おんしはいいのか?楽しい楽しいギフトゲームだぞ?」

 

「残念ながら、私は最強とかそういった称号に興味が無いのよねぇ。狙われるだけだし。」

 

「ほぉ。そういいながら、負けるのが怖いんじゃろ?恐ろしいんじゃろ?そんな意地を張らずに素直になってもいいのだぞ?」

 

「そんな安い挑発には乗らないわよ。」

 

「そうか……さて三人とも。あの腰抜けは置いておいて、ギフトゲームをやろうかの。」

 

「そ、そうね。そしてやけにノリがいいわね。そういうの好きよ。」

 

「ふふ、そうか──────しかし、ゲームの前に一つ確認しておく事がある。」

 

「なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おんしらが望むのは────

 

 

 

 

 

 

 

───── “挑戦”か─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────それとも──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────“決闘”か?」

 

 

 

 

刹那、四人の視界が白き輝きにに覆われた。




白猫って名前でフォロー出来るんですかね?

出来るなら、 わけぎちゃん って名前なので、是非ともフォローして頂けると私が喜びます。


では、また今度とかっ!


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第12話 白夜叉の世界ですよ?

部活中にこんにちは私です。

えぇ。例大祭は素晴らしかったです。

資金はつきましたが…


とにかく、パチュリーさんたくさんでもうなんか、
「我が生涯にたくさん悔いあり!」
って感じです。幸せですが。




眩い光に視界が包まれ、使い物にならなくなり、さまざまな情景が脳裏で回転し始める。

 

脳裏を掠めたのは、

 

 

 

 

──黄金色の穂波が揺れる草原。

 

 

──白い地平線を覗く丘。

 

 

──森林の湖畔。

 

 

記憶にない場所が流転を繰り返し、足元から四人を呑み込んでいく。

 

 

 

──それがしばらく続いたあと、四人が投げ出されたのは、

 

 

 

 

 

 

白い雪原と凍る湖畔──

 

 

 

 

 

 

 

 

────そして、“水平に太陽が廻る世界”だった。

 

 

 

「……………なっ…………!?」

 

余りの異常さに、十六夜、飛鳥、耀は同時に息を飲んだ。

 

さすがの霊夢も、少し目を見開いたようだった。

 

箱庭に招待された時とはまるで違うその感覚は、もはや言葉で表せるものではない。

 

遠く薄明の空にある星はただひとつ。緩やかに世界を水平に廻る、白き太陽のみ。

 

 

まるで、星をひとつ、否、世界をひとつ創り出したかのような、奇跡の顕現。

 

 

唖然として立ちすくむ三人に、白夜叉は問う。

 

「今一度名乗り直し、問おうかの。私は“白き夜の魔王”────────太陽と白夜の星霊・白夜叉。おんしらが望むのは、試練への“挑戦”か?それとも対等な“決闘”か?」

 

魔王・白夜叉。少女の笑みとは思えぬような凄みに、再度息を飲む三人。(霊夢はもう驚いておらず、何かを考えるようにしている。)

 

“星霊”とは惑星以上の星に存在する主精霊を指し、とにかくヤバイ。それと同時に、ギフトを“与える側”の存在でもある。

 

 

十六夜は背中に心地よい冷や汗を流しながら、白夜叉を睨んで笑う。

 

「水平に廻る太陽と……………そうか、【白夜】と【夜叉】。あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現してるってことか」

 

「如何にも。この白夜の湖畔と雪原。永遠に世界を照らす太陽こそ、私がもつゲーム盤の1つだ。」

 

「ん? ゲーム盤? 神界とは違うの?」

 

ゲーム盤という言葉に霊夢は反応した。

 

「神界などよく知っておるな。似ているところもあるが、ここは所詮ただのゲーム盤だ。」

 

「これだけ莫大な土地が、ただのゲーム盤………!?」

 

「如何にも、して、おんしらの返答は?“挑戦”であるならば、手慰み程度に遊んでやる。───だがしかし、“決闘”を望むなら話は別。魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか。」

 

「……………………っ」

 

飛鳥と耀、そして自信家の十六夜でさえも即答できずに、返事を躊躇った。

 

白夜叉と一戦まじえても、勝ち目がないことは火を見るよりも明らかだ。

しかし、自分たちが売った喧嘩をこのような形で取り下げるにはプライドが邪魔した。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この中に一人だけ、目を輝かせているものがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ白夜叉。決闘、しましょうよ。」

 

 

 

 

 

そう。霊夢だ。




なかなかどうして進まないですねぇ。

私の文才力にかかれば楽勝かと思いましたが、そんなことはありませんでした。

今後はこのくらいのペースで投稿する予定です。

あくまで予定です。


それじゃあ、さよならいおねる!


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第13話 白夜叉の試練のようですよ?

お久しぶりです皆様。

ひさびさすぎて文が安定しなかったり何をいってるのかわからない作者です。

いやぁ何か月ぶりですかね。


大変ご迷惑をお掛け致しました。誠に申し訳ありません。


まぁ、今後もこんなペースであることもあり得ますが、できるだけ更新をしていきたいと思います。


「しょ、正気ございますか霊夢さん!?」

 

霊夢の発言を聞いて真っ先に声を荒げたのは黒ウサギだった。

 

それもそうだろう。この中で唯一白夜叉の実力を知る者なのだから。

 

そんな無謀とも言えることをみすみす見逃す黒ウサギではなかった。

 

 

だが、

 

 

「ええ、もちろんよ。だって、最強とかいってる人を倒すのって楽しいじゃない?」

 

 

と、問題の発言をした霊夢はその発言を取り下げるつもりは更々なかった。

 

やはり霊夢もこの世界に呼ばれただけのことはあるようだ。

 

 

「そ、それはそうかもしれませんが、それは倒せればでございます!それに、決闘ともなると霊夢さんの命までも危ういですし…」

 

それでも黒ウサギは引き留める。いくら霊夢が強くて、自分に勝っていたとしても、白夜叉は別格なのだ。

 

霊夢でも勝てるわけがない。むしろ命が危ない。というのが黒ウサギの考えだった。

 

 

と、蚊帳の外だった十六夜が会話に入り込む。

 

「そうだぜ霊夢。確かにオマエは俺に勝つくらい強いが、このロリはヤバイ。」

 

「そんなのわかってるわよ。でも私にはギフトゲームがゲームである限り、()()()()()()()()()。それに、負けるつもりも死ぬつもりもないしね。」

 

その霊夢の発言に白夜叉は眉を潜めた。

 

「必勝法なんてものがあるなら教えてもらいたいぞ、全く。それに、お主は人間よりはかなり霊格が高いが、所詮は仙人。()()()()()に儂に勝とうなど…戯けが。」

 

「……そう。まぁ、必勝法といっても試していないから使えないかもだけどね。それに私しか使えないし。」

 

霊夢は白夜叉の発言を聞いて少し驚いてからそう言った。

 

 

「それで、結局どうするんだ?」

 

「私は決闘するわ。」

 

霊夢は即答した。

 

「「「………………」」」

 

他の問題児たちは居心地が悪そうに俯いている。

 

 

その中の一人、十六夜が呟いた。

 

 

「……今回は試されてやる。()()あんたには敵わなそうだからな…」

 

「…同じく」

 

「…同様で」

 

それに飛鳥、耀も続ける。

 

「…ふむ。承知した。それでは、まずは十六夜たちからで良いか?霊夢よ」

 

「ええ。構わないわ。待ってる間にどんなゲームをするか考えていても構わないわね?」

 

「あぁ。構わん。あまりに不平等でなければ大体は呑もう。お主が挑戦者なのだからな」

 

「ありがたくその権利を使わせてもらうわね」

 

 

「それでは、試練を始めよう」

 

そして、問題児たちの試練が始まった。

 

「試練っつっても、何をやるんだ?」

 

そう十六夜が聞いた瞬間、

 

 

彼方の山脈から甲高い雄叫びが響き渡った。

 

「何、今の鳴き声。初めて聞いた」

 

「ふむ…………あやつか。おんしらを試すのに打ってつけかもしれんの」

 

そう呟いて白夜叉は、鳴き声のあった山脈の方に手招きをした。

 

 

すると、体長5メートルはあろうかと言う巨大な獣が翼を広げて上空より風の如く現れた。

 

その獣は、鷲の翼に獅子の四肢という外見をしており、所謂、

 

「グリフォン……………嘘、本物!?」

 

と、呼ばれているものだった。

 

「フフン、如何にも。あやつこそ鳥の王にして獣の王。“力” “知恵” “勇気”の全てを備えた、ギフトゲームを代表する獣だ」

 

そういってもう一度軽くグリフォンに手招きすると、グリフォンは白夜叉の横に降り立ち、深く頭を下げて礼を示した。

 

「さて、肝心の試練だがの。おんしら三人とこのグリフォンで“力” “知恵” “勇気”の何れかを比べ合い、背にまたがって湖畔を舞うことができればクリア、ということにしようかの」

 

そういって白夜叉は双女神の紋章が刻まれたカードを取り出す。すると、虚空から一枚の輝く羊皮紙が現れた。

 

それに何か指で書くと、紙を十六夜たちに放った。

 

『ギフトゲーム名 “鷲獅子の手綱”

 

 ・プレイヤー一覧 逆廻 十六夜

          久遠 飛鳥

          春日部 耀

 

 ・クリア条件 グリフォンの背に跨がり、湖畔を舞う

 ・クリア方法 “力”“知恵”“勇気”の何れかでグリフォンに認められる

 

 ・敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

            “サウザンドアイズ”印』

 

「私がやる」

 

それを見た瞬間、ビシ!と指先まできれいに挙手をしたのは耀だった。

 

比較的おとなしい彼女だが、今は燃えるような目をしている。

 

 

『お、お嬢……大丈夫か?なんや獅子の旦那より「大丈夫、問題ない」』

 

 

「ふむ。自信があるようだが、コレは結構な難物だぞ?失敗すれば「大丈夫、問題ない」そ、そうか」

 

耀はまっすぐにグリフォンを見つめながら、二人(?)の言葉を途中で遮って返事する。

 

グリフォンへの羨望もそうだが、霊夢に先を越されたことによる焦りなどもあるのだろう。

 

 

その熱に呆れたように苦笑いしながら、十六夜と飛鳥は耀に声をかける。

 

「OK、先手は譲ってやる。失敗するなよ」

 

「気を付けてね、春日部さん」

 

「うん。頑張る」

 

そして霊夢は、

 

「これ、上寒いだろうからよかったらもってって。耐寒の御守り」

 

といって、赤色の、表に“耐寒”と書かれた御守りを耀に渡した。

 

耀はそれを受け取って少し眺めたあと、

 

「………ありがとう」

 

と言った。

 

そして耀はポケットに御守りをいれて、振り向いて。

 

「みんなありがとう。頑張ってくる」

 

と言って、グリフォンのもとにかけていった。




『投稿遅いけど、何かあったの?』
といった旨のコメントをいただきました。


えーあったと言えばありました。

慣れない学校生活やらテストやら文化祭やら模試やら宿題やら…

まぁつまりちょっと気力が起きなかっただけです本当に申し訳ありませんでした。


こんな気まぐれ投稿ですが、よろしければ今後とも読んでいただけると幸いです。


そして君の名は。が見たいです。



『それじゃあ、また今度とか!』


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第14話 試練の決着のようですよ?

さて、更新が早いと思った方はいませんか?

なぜかわかりますか?



じつは、お気に入りが500を突破していたんです!

いやぁ嬉しい。もう本当に嬉しい。

こんな自己満足な文をお気に入りにしてくれた方が500人もいることに驚きを隠せません。


これからも頑張ろうと思いました。まる。


───結果は耀の勝利だった。

 

まず、この試練はグリフォンに跨がることから難しいのだ。

 

だが、彼女は『誇りを賭けろ』と言い挑発して、自分の命を懸けると言って跨がることを許された。

 

なお、そのときに黒ウサギが騒いだのは言うまでもないだろう。

 

そして彼女はグリフォンに振り落とされることなく、ゴールまで乗りこなした。

 

しかし───

 

 

「春日部さん!」

 

ゴールした直後、耀はグリフォンの背中から降りた。

 

もちろん上空でだ。

 

それを見た瞬間、黒ウサギは大慌てで助けにいこうとするが、

 

 

霊夢と十六夜に腕を掴まれて、その動きを止めた。

 

「は、離し────」

 

「待て!まだ終わってない!」

 

「まだゲームの最中よ!」

 

そうやって止める二人を振り払おうと黒ウサギも抵抗する。

 

しかしそうしている間にも耀は湖畔目掛けて重力のままに落下していき────

 

 

 

 

 

 

───徐々にその勢いを弱め、ついには落下することなく()()()()()()()

 

 

「………………なっ」

 

そこにいた全員がその光景に絶句した。

 

それもそうだろう。先ほどまで空を翔る素振りなど見せていなかった耀が、湖畔の上で風を纏って浮いているのだ。

 

そんな彼女に呆れたように笑いながら十六夜が近寄る。

 

「やっぱりな。お前のギフトって、他の生き物の特性を手にいれる類いのだったんだな」

 

その軽薄な笑みに、耀はむすっとした用に返す。

 

「………違う。これは友達になった証。けど、いつから知ってたの?」

 

「ただの推測。お前、黒ウサギと出会ったときに、“風上に立たれたら分かる”とか言ってたろ。そんな芸当はただの人間には出来ない。だから春日部のギフトは多種とのコミュニケーションをとる訳じゃなく、多種のギフトを何らかの形で手にいれたんじゃないか…………と推察したんだが、それだけじゃなさそうだな。あの速度で耐えられる生物は地球上にいないだろうし?霊夢が渡したなにかが働いたのかもしれないがな」

 

と自分の推測を文にすると長々と語った。

 

耀は、そんな十六夜の興味津々な眼差しをプイッと避ける。

 

そこに三毛猫が寄ってくる。

 

『お嬢!怪我はないか!?』

 

「うん、大丈夫。服がパキパキになったけど、この御守りのお陰で寒くもなかったし」

 

そういって取り出したのは霊夢が渡した赤い御守りだ。

 

どうやら本当に耐寒の効果があったらしい。服には効果がなかったようだが。

 

それを見て、霊夢はほっと胸を撫で下ろす。

 

(効果があってよかった。結構()()()()()()()だったから効果があるかわからなかったのよねー…………にしても、十六夜はなかなか鋭いわね。怖いわぁ)

 

と、本人たちには言えないことを考えていた。

 

 

三毛猫を撫でる耀に、向こうの方でパチパチと拍手を送る白夜叉と、感嘆の眼差しで見つめるグリフォン。

 

『見事。お前が得たギフトは、私に勝利した証として使ってほしい』

 

「うん。大事にする」

 

「いやはや大したものだ。このゲームはおんしの勝利だの。……………ところで、おんしの持つギフトだが、それは先天性か?」

 

「違う。父さんに貰った木彫りのお陰で話せるようになった。」

 

「木彫り?」

 

首をかしげる白夜叉に三毛猫が解説する。

 

『お嬢の親父さんは彫刻家やっとります。親父さんの作品でワシらとお嬢は話せるんや』

 

「ほほう…………彫刻家の父か。よかったらその木彫りというのを見せてくれんか?」

 

頷いた耀は、皆に見えるように木彫り細工を取り出す。

 

 

それを見た白夜叉は、急に顔をしかめる。霊夢は少し驚いたようにして、十六夜と黒ウサギは神妙な顔つきをしている。飛鳥はよくわからないといった感じだ。

 

「複雑な模様ね。何か意味があるの?」

 

「意味はあるけど知らない。昔教えて貰ったけど忘れた」

 

飛鳥の質問に耀が答える。

 

「…………これは、」

 

白夜叉、黒ウサギ、十六夜は木彫りをみて考えるようにしている。

 

「材質は楠の神木…………?神格は残っていないようですが………この中心を目指す幾何学線………そして中心に円上の空白………もしかして、お父様の知り合いには生物学者がおられるのでは?」

 

「うん。私の母さんがそうだった」

 

「ってことは、やっぱりこれは系統樹を表してるのか白夜叉?」

 

 

しばらく木彫りを見つめていた白夜叉は、興奮して、如何にこの作品が素晴らしいか力説した。(カット)

 

彼女はこの作品、いやギフトを“生命の目録”と表した。

 

 

なお、白夜叉は耀に作品を譲るように頼んだが即答で断られ、凹んだ。

 

───────────

 

十六夜が問う。

 

「で、これはいったいどんな力を持ったギフトなんだ?」

 

「それは分からん。今分かっとるのは異種族と会話ができるのと、友になった種から特有のギフトを貰えるというぐらいだの」

 

「そして、うまく使えば神格を得ることができる」

 

横槍を入れたのは霊夢だ。

 

「なんだと?神格を得るとはどういうことだ?」

 

「私の予想だと、得たギフトを混ぜるなりなんなりして昇格することができるんだと思うわ」

 

「へぇ、どうしてそう思ったんだ?」

 

その問いに霊夢は自信満々に答える。

 

 

 

「勘よ」

 

 

その答えに、その場の皆が固まった。




そして、いつのまにかUAが30000を突破していたんですよね。

もう本当に嬉しくて死にそうです。

まぁ彼女ができるまで死にませんが。


こら、そこ、不死身になるとか言わないで。


それじゃあ皆様、読んでいただきありがとうございました。


また今度とか!


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第15話 霊夢と白夜叉の決闘の準備ですよ?

ふ、ふふふ

この間ふとこの小説の情報見たらお気に入りが急激に増えてたんですよ。

それで調べてみたら…日刊ランキングに載ってたんですよ!ひゃっほー!

読者の皆様には感謝しかありません。お読みいただきありがとうございます皆様!


こんな拙い文に最後まで矛盾たっぷりの作品ですが、今後ともよろしくお願い致します!


今回は短いですがどうぞ


皆の沈黙を見て霊夢が小首をかしげる。

 

「ん?何かおかしなこと言ったかしら?」

 

「あー。まぁうん。霊夢って実は天然だろ」

 

「?? まぁいいわ。それで、私との決闘は?」

 

唐突に話題を変える霊夢。やっぱり天然かもしれない。

 

「………本当に決闘で構わないのか?今ならやめてもいいぞい?」

 

 

「愚問ね。今さらやめるなら元から提案なんてしないし、ここでやめたら逃げた風になるもの」

 

そう言う霊夢の態度は至って普通に見えるが、その瞳からは闘志が見え隠れしていた。

 

「わかった。それじゃあ、ルールなどに要望があるか聞こうかの。何かあるか?」

 

そう聞かれて少し考える霊夢。

 

「そうねぇ…まずは、“力”比べであることね。知恵じゃあ勘しか当てにならないし、勇気は何やるかわからないしね」

 

「ほほう、儂に力比べを挑むか……面白い。あとはあるかの?」

 

「あとは、出来れば初撃決着がいいわね。どちらかが降参するまでだと、死ぬまでやる可能性があるから嫌だしね」

 

「初撃、とはどういうことを指すものとするか?」

 

「細かいのね…それじゃあ、明確な傷をつけるものを攻撃としましょう。触れたり受けたりするのは決着には直接的には繋がらないってことで」

 

「ふむふむ。他にあるかの?」

 

「あとは特にはないわね。それに、何かあれば《《自分で何とかする》》し、平気よ」

 

「そうか。ふむ、それではこんな感じでよいかの」

 

そういって白夜叉は先程も使ったカードから1枚の羊皮紙を取り出し、何やら書き込んで霊夢に渡す。

 

 

『ギフトゲーム名 “太陽への挑戦”

 

 ・プレイヤー名 博麗 霊夢

 

 ・ホスト側ゲームマスター 白夜叉

 

 ・プレイヤー勝利条件 ゲームマスターに攻撃を一度でも加える

 ・プレイヤー敗北条件 ゲームマスターに攻撃を一度でも加えられた場合、もしくは降参、または上記の勝利条件が満たせなくなった場合

 

 宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

             “サウザンドアイズ”印』

 

 

しばらく羊皮紙に目をおとしていた霊夢は、顔をあげて、

 

「たぶん大丈夫ね。楽しそうなゲームだわ」

 

「それはよかった。それでは、もう始めるかの?」

 

「いいわよ」

 

「ふむ、では黒ウサギよ。審判を頼む」

 

「むむむ…まぁ初撃のみなら平気でしょうし…わかりました!承ります!」

 

「そういえば黒ウサギは“審判権限”なんてもの持ってたわね…忘れてたわ」

 

「なっ、結構大切なことなんですから忘れないでください!」

 

「はいはい。じゃあ攻撃かどうかの判断は黒ウサギに任せるわよ?」

 

「そうだの。任せたぞ、黒ウサギ」

 

「はい!それではギフトゲームを開始いたしましょう!」




今回は短くなってしまいました…最後もくどいですしね。

ちょっと色々考えるとこうなってしまうんですよ…

あとは黒ウサギさんのジャッジがざるでも突っ込むだけにとどめてあげてください。


それでは、また次回とか!


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第16話 白夜叉と霊夢の決闘ですよ?

このあたりは完全オリジナルなので更新さらに遅くなるかもですぅ。
そこのところご理解ください。


あ、完全オリジナルっていっても有情破顔拳はしません。



そして総合評価1000突破してました!皆様ありがとうございます!





ちなみに今回は、投稿する前に納得がいかずにすべて書き直すというあふぉなことしましたので疲れましたです。


それではどうぞ。


黒ウサギの号令を聞いて、少し距離を取って構える二人。

 

その二人の間には、ピリピリとした緊張感が漂っている。

 

一触即発の気配だ。

 

 

そんな二人を少し離れたところから、十六夜たち問題児も固唾を飲んで見守る。

 

まるで自分が対峙しているような、威圧感のような、圧迫感のようなものが伝わってくるようだった。

 

 

 

そして、今────

 

 

 

「──それでは、始め!」

 

 

 

 

戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

「先手は譲ろう。どこからでもかかってくるがよい」

 

「ずいぶん余裕なのね」

 

「それはもちろん、おんしが“挑戦者”なのだからな。挑戦を受ける者として堂々と受け止めるのが筋と言うものだ」

 

「なるほどね……それじゃあ、遠慮なくいかせてもらうわ!」

 

 

そう言うと霊夢はポケットからお札を取り出した。

 

そして、それを高々と掲げて、高らかに(スペルカード)の宣言をした。

 

「霊符【夢想封印】!」

 

 

すると霊夢から、無数の虹色に輝く、直径1メートル程度の霊力の弾丸が、白夜叉にむかって一目散に飛んでいった。

 

それも結構なスピードで、高速道路で一番右レーンを走る程度の速さだ。

 

 

白夜叉までの距離はそこまで離れてもいないので、文字どおり瞬く間に白夜叉に襲い掛かっていった。

 

それを白夜叉は、両手に炎を纏わせ、

 

 

向かい来る光弾をグーパンチで弾き飛ばした。

 

「なかなか強力なようだが……儂を傷物にするにはちと弱いのぉ」

 

光弾を殴りながらそう評する白夜叉。

 

それに対して霊夢は、

 

「ええ。そんなのわかってるわ。だからそれは()()よ。殴られても光弾が消えないなんておかしいでしょ?」

 

そう言われて、白夜叉は未だに襲いかかる光弾の相手をしながら回りを見ると、光弾は弾かれた方向から動いて規則正しく自分を囲っていた。

 

 

「これは…」

 

 

 

「──結界【二重結界・囲】」

 

 

瞬間、白夜叉を囲う光弾同士を霊力の線が伝い、白夜叉を取り囲む。

 

それはまるで白夜叉を捕らえる籠のようであった。

 

「なるほど……これは一本とられた。なかなかの結界だの。並の者を捕らえるには十分すぎるほどに」

 

「悪いけど、それは捕獲が目的じゃなくて──

 

 

──攻撃が目的よ」

 

そういって霊夢は指をパチンッとならす。

 

 

すると結界の内側から、白夜叉を目指して細かい、それでいて傷がつく程度の威力の霊力の弾丸が放たれた。

 

「ふむ……ここまで追い詰められたのは久方ぶりだの…だが、結界を出てしまえば四方八方から弾幕が来ることもなくなる!」

 

結界を脱するという結論に至った白夜叉は、霊夢の方向に結界目掛けて音を置き去りにした速度で突っ込んだ。

 

 

両手に焔を灯して結界に右の拳を振り抜くと、それはいとも容易く割れた。

 

 

 

しかし、目の前に()()()()()()が現れた。

 

 

(二重結界とはそういうことか!)

 

だが白夜叉は、それを見てもスピードを緩めることなく、今度は左の拳を突き出した。

 

 

すると、今度は先程よりも結界が強いのか、少しの間だけ拮抗した。

 

だがそれも少しの間だけで、すぐに破られた。

 

 

が、その少しの間に、白夜叉の背後に弾幕が殺到していた。

 

 

「小賢しいわ!」

 

しかし、それに気がつかない白夜叉ではない。

 

背後の弾幕に一瞥も与えることなく、爆炎を背中から放って全て燃やしつくした。

 

 

 

そして霊夢に再び突撃する。

 

それは小細工や策略などない単純なスピードだけの攻撃だった。

 

だが、単純だからこそ強く、砕けない。

 

 

白夜叉は白き矢のように一直線に霊夢に突き進む。

 

 

対する霊夢は、

 

 

「っ!流石星霊ね!ちょっと洒落にならないわよ!?

 

くっ、【封魔陣・集】!」

 

ポケットからお札を取り出して、白夜叉に向かって放り投げながら、(スペルカード)の宣言をした。

 

 

すると、白夜叉と霊夢の間に、1メートル四方程度の大きさの透明な壁が現れた。

 

厚さはそれほどでもないが、白夜叉は一目見て、先程の結界とは固さがまるで違うことがわかった。

 

(これは並の神格では歯がたたんの…だが!)

 

 

しかしそれでも、白夜叉は勢いを緩めず、それどころかさらにスピードをあげて、右手に灼熱を宿して振りかぶって、

 

 

 

真っ正面から右ストレートでぶっ飛ばした。

 

 

 

先程結界を破ったときの威力の数倍のパワーだ。

 

だが、今度の結界は破れることなく、白夜叉の攻撃に対抗している。

 

 

それを見て、白夜叉は右手から迸る炎の出力を上げた。

 

すると先程まで拮抗していたものが、白夜叉優勢に傾いていき、

 

 

ついには結界は割れてしまった。

 

 

「それが破られるとか想定外なんだけど!?」

 

「それは儂を軽く見すぎだの」

 

 

だが、結界もただで割れた訳ではなかった。

 

音速を越えた白夜叉の勢いを止めたのだ。隙を作るのには十分すぎる働きをしたと言える。

 

 

そして、その隙を見逃すほど霊夢は優しくはない。

 

 

「まぁいいわ!宝具【陰陽鬼神玉】!」

 

 

止まった白夜叉に向けて、巨大な青白く輝く陰陽玉を投げつけた。

 

 

「何度も思い通りにいくと思うな小娘が!」

 

そう言い返して、陰陽玉と同じくらいの大きさの火炎球を作り出し、陰陽玉に投げつけた。

 

 

二つの巨大な玉がぶつかり、その余波で辺りの空気が揺れる。

 

そして二つの玉はお互いの威力を相殺して消滅した。

 

 

 

そしてその影に紛れて、霊夢が白夜叉目掛けて突撃していた。

 

 

その手には鋭利なお札が握られている。

 

霊夢は陰陽玉と火炎球が消えると同時に白夜叉に突っ込んだ。

 

 

「もらった!」

 

「甘い!」

 

しかし白夜叉はそれを予見して、右手を振りかぶっていた。

 

 

 

拳は目の前まで迫っており、回避はできない。

 

ワープする猶予もない。

 

防御も間に合わない。

 

 

白夜叉の拳は、完膚なきまでに霊夢の鳩尾に突き刺さったように思えた。

 

 

 

 

 

 

だが、白夜叉に手応えはなかった。

 

 

それどころか───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───霊夢は白夜叉をすり抜け、背後に回っていた。

 

 

「【夢想天生】……ってね!」

 

「透過のギフトか!」

 

 

霊夢は白夜叉の背後に回ると夢想天生を解除して、鋭利なお札を振るった。

 

 

しかしそれは白夜叉に距離をとられて虚空を切るに終わった。

 

 

 

「流石、星霊であり神霊でもある存在だわ。これは一筋縄ではいかないわ」

 

「そういうおんしも人間とは思えぬ強さだの」

 

「貴女ほどの人に誉められると照れちゃうわね」

 

「全くもって人間離れした強さだぞい。()()()()()()()()()()()()()()()()だぞ」

 

 

それを聞いた霊夢は複雑そうな顔をする。

 

「………そういえば、少し意外だったのよ。貴女ともあろう人が、()()()()()()()()()って私のことを言ったことがね」

 

「それは……どういう意味かの?」

 

 

 

「こういう意味よ」

 

 

 

そう言うと、霊夢は宙に浮かび静止して、目を閉じた。

 

 

すると、霊夢の胸の前に、赤白く煌めくお札が現れた。

 

 

それを手に取ると、札を持った手を大きく横に振るって、こう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神格解放───モード“本気”」




前書きにも書いたんですが、今回全部書き直したんですよー疲れました。

前のやつは何かいてるのか自分でもわからなかったですね。

見るに耐えない感じでした。


まぁ、今のが見られる文かといえば答えはノーですが。



そういえば、君の名は。見に行ったんですよ!

面白かったですねぇ。でも連れの人が号泣してたイメージが強すぎてなんも言えなかったです。

また見に行きたいと思いました。




それでは、また次回とか!






追記
スペルカードについて
・夢想天生…格ゲー仕様じゃなくて弾幕仕様(今さら)

・二重結界・囲…オリジナルスペルカード。相手を囲む二重結界のようなもの。内側に弾幕が放たれる。

・封魔陣・集…オリジナルスペルカード。封魔陣を一ヶ所に集めて固めた感じ

・神格解放…名前の通り。


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第17話 決着がつくようですよ?

たいへん遅くなってしまい、本当に申し訳ございません!


そして、あけましておめでとうございます!(遅い)

ちょっと機種変更やらなんやらしてたらかなり遅くなってしまいました。いつの間にかこの小説も書き始めて一年たってたし…

これもひとえに読んでくださってる皆様のおかげです!ありがとうございます!


久々の執筆で何もかもわかりませんが、生暖かい目で見守ってくださると幸いです。


「神格開放―――モード“本気”」

 

 

霊夢が呟くと、手元のお札から目が眩むほどの赤白い光が溢れ出した。

 

その光は瞬く間に霊夢を覆い尽くし、まるで太陽のように、白夜の世界を照らした。

 

 

「なっ!」

 

「ヤハハ!やっぱ霊夢はこうじゃねぇとな!」

 

 

しばらくして、光がひときわ強くなったと思うと、太陽(光の玉)はキラキラとダイヤモンドダストのように霧散した。

 

そして、その煌めきの中からは、先程とはまるで違う雰囲気の霊夢が目を閉じて現れた。

 

 

服装は先程までのラフな感じとは打って変わって、赤と白を基調とした、大胆にも腋が開いた、巫女服に下はスカートのようなものになり、お札を持っていた手には、お祓い棒のような、木の棒の先に四角が連なった形の紙がくくられている棒を持っていた。

 

そして何よりも、先程までの軽薄な雰囲気とはまるで違う、神々しく、誰もが目を離せないような雰囲気(プレッシャー)を放っていた。

 

 

さらに、白夜叉は更に驚くべきことに気がついていた。

 

 

「先程までは全く神格など感じなかったんだがの…ここまでの神格を儂が気づけんほど隠せるなどとは驚きだの」

 

「別に隠していたわけじゃないわ。ただ、使う意味がないから普段は封印しているだけよ」

 

「儂ですらわからぬ程に厳重な封印をかける理由が見つからないんだがな?」

 

「そんな厳重でもないわよ。それに、封印してた理由も簡単なことよ」

 

そこで霊夢は一拍開けてから、

 

 

「だって、実力差が空きすぎてるとつまらないでしょう?」

 

 

と、すました顔で言い切った。

 

 

 

「くっ、はははははは!この儂に向かって『実力差が空きすぎている』と申すか!この白夜と夜叉の星霊に向かって!」

 

「今の状態ならね」

 

 

 

その一言で、白夜叉の雰囲気も一変する。

 

「嘗めるなよ小娘が。いいだろう。儂も魔王の端くれとして、全力でおんしと闘ってやろう」

 

 

 

 

 

 

 

「いや、もう終わりよ」

 

霊夢はきっぱりと言い切った。

 

「は?何を言っておるのだ。闘いはまだまだこれからであろう?」

 

「もう決着はついたってことよ。私がこの状態になった時点でね」

 

霊夢は気だるそうに、お祓い棒で肩を叩きながら地面に降りてきてそう言った。

 

 

 

 

「【キングクリムゾン】」

 

 

 

 

 

「一体何を言って…ぐはっ!」

 

霊夢の呟きを聞いた途端、白夜叉がその場に倒れた。

 

 

 

 

 

 

腹の刀傷から血を流しながら。

 

 

 

 

 

 

 

その光景に、霊夢以外は驚きを隠せないでいた。

 

「なっ…いつの間に攻撃したんだ!?」

 

「全く見えなかったわよ…」

 

「……それに、霊夢は刃物を持ってない」

 

 

 

そう。霊夢の手にはお祓い棒しかなく、刃物も取り出した様子もないのだ。

 

 

 

そして中でも、白夜叉と黒ウサギは特に驚いていた。

 

「白夜叉様が反応すらできないなんて…どうなってるんです!?」

 

「切られた感覚すらなかったぞ…切られたというよりもむしろ、()()()()()()()()()()()()()()()ような…」

 

 

 

「そうね。この技は私の技ではないんだけど…本来の持ち主風に言うなれば、『切るという過程をすっとばして、切ったという結果だけを現実に反映させた』っていう感じね」

 

 

「そんな…それじゃあ霊夢さんは、このゲームのルールでは負けることがないってことじゃないですか!」

 

 

「そうね。神格を開放したら――いえ、もっと言うなら、私がルールを決めれるって時点で私の勝ちは確定していたわ。と言っても、神格がなかったらこの技は使えないんだけどね」

 

「そんなゲームは無効です!天が許しても、この黒ウサギが許しませ「よい、黒ウサギ」…え?」

 

「このゲームは儂の負けだ。ルールをおんしに決めさせた時点で、の」

 

「潔いわね。流石だわ」

 

 

 

「…わかりました。では、このギフトゲーム、霊夢さんの勝ちでございます!」

 

「いえーい!」

 

霊夢が全身で喜びを表すと、巫女服は光の粒子になって消え、もとの服に戻った。

 

 

十六夜たちも霊夢に駆け寄ってくる。

 

「すげぇな!霊夢」

 

「神様に勝つなんて信じられないわ!いや、貴女も神なんだっけ?」

 

「……おめでとう。霊夢が東側最強」

 

「ふふふ。ありがとう、三人とも」

 

 

そんな四人に白夜叉が近づいてくる。

 

「して、霊夢よ。色々聞きたいことはあるが…とりあえずは賞品かの。おんしはいったい何を望む?東側の階層支配者を打ち倒したのだ、隷属でもなんでもするぞ?」

 

「そうねぇ…じゃあ、白夜叉に一回なんでも言う事聞かせる券が欲しいわ」

 

 

「「「「え?」」」」

 

「霊夢…そういう趣味だったのか…まぁうん。いいと思うぞ」

 

「違うわよ!保留ってことよ」

 

「あぁ、そういうことか。てっきり霊夢はそっちの人かと…」

 

「次言ったら殴るわよ」

 

「冗談だ。茶化しといて何だが、そんなことでいいのか?」

 

「それは儂も同感だの。おんしは儂に勝って東側最強となったのだ。本当にそんなことで良いのか?」

 

 

「ええ。だってあなた、全力じゃなかったでしょう?」

 

 

「……ふふふ。さて、それはどうじゃろうな?まぁおんしが良いなら了解だ。契約書でも書いておくとしよう。」

 

そこで、白夜叉はふと思いついたような顔をして、

 

「そういえば、まだ鷲獅子とのギフトゲームの報酬を渡していなかったの。ふむ。何かしてほしいことはあるか?」

 

その問いに黒ウサギが反応する。

 

「実は今日は、ギフト鑑定をしていただきたくこちらに来たのですが…」

 

その言葉に白夜叉はゲッ、といった顔になる。

 

「よ、よりにもよってギフト鑑定か…専門外どころか無関係もいいとこなんだがの」

 

そう言いながらも白夜叉は四人の顔を見つめて、

 

「どれどれ……ふむ……霊夢はもちろんだが、ほかの三人もともに素養が高いのは分かる。しかしこれでは何とも言えんな。おんしらは自分のギフトの力をどの程度把握している?」

 

「企業秘密」

「右に同じ」

「以下同文」

「と言うか対戦相手に言うわけなくない?」

 

「うぉぉぉい!?まぁ霊夢のいッタ通りなんだがの…それじゃあ話が進まんだろうに」

 

「別に鑑定なんていらねぇよ。人に値札貼られるのは趣味じゃない」

 

十六夜の言葉に同意するように頷く三人。

 

そんな四人に困ったようにする白夜叉だが、ふと、ピンときたような顔になる。

 

「ふむ。何にせよ、主催者(ホスト)として、星霊の端くれとして、試練をクリアしたものに何もやらぬのは筋違いってものだしの。ちょいと贅沢なものだが、コミュニティ復興の前祝いとしては丁度良かろう」

 

そう言って白夜叉が、パンッと手を一度叩くと、四人の前に光り輝く4枚のカードが現れる。

 

 

そのカードには、それぞれの名前と、体に宿るギフトを表すネームが記されていた。

 

 

コバルトブルーのカードには、

逆廻十六夜・ギフトネーム“正体不明(コードアンノウン)

 

 

ワインレッドのカードには、

久遠飛鳥・コードネーム“威光(いこう)

 

 

パールエメラルドのカードには、

春日部耀・コードネーム“生命の目録(ゲノム・ツリー)”“ノーフォーマー”

 

 

 

そして、紅白のおめでたいカードには、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

博麗霊夢、とだけ書かれていた。




本当に久しぶりで何を書こうとしていたか忘れかけてる私です。

皆様本当にお久しぶりでございます。


以前乾燥にて、前の内容を忘れないうちに投稿してほしいと言われたのにもかかわらず、この体たらく…

誠に申し訳なく思っております。


ですが次回が早く来るとは言ってない。



というわけで、反省も何もないような感じになってしまいましたが、大変申し訳なく思っているのは本心ですので、今後早く書き上げる所存でございます。


このような作者ですが、次回も読んでいただけると幸いです。



それじゃあ、また今度とか!


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第18話 『ギフトカード』なのですよ!

連投ですね!

でもやっぱり深夜に描くもんじゃないですね。誤字が多い。

これ書いてるのも2時くらいですもん。投稿時刻はわかりませんけど。




そして、UA50000ありがとうございます!皆様のおかげです!
今後とも失踪することなく書いていきたいと思います。


カードを見て、黒ウサギは驚いたような、それでいて興奮したような顔で四人を見る。

 

「ギフトカード!」

 

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

「スペルカード?」

 

「ち、違います!と言うかなんでそんな皆さん息があってるのです!?このカードは顕現しているギフトを収納できる超高価なカードなんですよ!耀さんの“生命の目録”だって収納可能で、それもいつでも顕現できるのですよ!」

 

「つまり素敵アイテムってことでオッケーか?」

 

「だからなんで適当に聞き流すんですか!もうそれでいいです!超素敵アイテムなんです!」

 

黒ウサギの怒号を聞き流しながら、四人は自分のカードを物珍しそうに見る。

 

「本来はコミュニティの名と旗印も記されるんだが、おんしらは“ノーネーム”だからの。少々味気ない絵になっておるが、文句なら黒ウサギにいってくれ」

 

「っていうか私にもくれるのね」

 

「言っただろう?これはおんしらのコミュニティの復興の前祝いだと。霊夢も“ノーネーム”に所属するのであれば、渡すのが道理と言うものだ]

 

「なるほどね」

 

「ふぅん…ところで、もしかして、水樹ってやつも収納できるのか?」

 

そう聞いておきながら、十六夜は水樹にカードを近づけてみると、水樹は光の粒子となってカードの中に飲み込まれた。

 

その証拠に、カードのギフト欄には、“水樹”という文字が追加されている。

 

「おお、これ面白いな。もしかしてこのまま水を出せるのか?」

 

「出せるとも。試すか?」

 

「だ、駄目です!水の無駄遣い反対!その水はコミュニティのために使ってください!」

 

チッとつまらなそうにする十六夜。そしてその様子をハラハラしたように見つめる黒ウサギ。

 

白夜叉はそんな二人を朗らかに笑いながら見つめた。

 

 

「そのギフトカードは、正式名称を“ラプラスの紙片”、即ち全知の一端だ。そこに刻まれるギフトネームとは、おんしらの魂と繋がった、“恩恵(ギフト)”の名称。つまりは鑑定できずとも、それを見ればだいたいギフトの正体が自ずとわかるというもの」

 

「へぇ。じゃあ俺のはレアケースなわけだ」

 

ん?と十六夜のカードを覗き込む白夜叉。そこには確かに、“正体不明”の文字が書かれていた。

 

それを見て十六夜はヤハハ。と笑い、白夜叉は目に見えて表情が変わった。

 

「………いや、そんな馬鹿な」

 

パッと十六夜からカードをとりあげると、真剣な眼差しで穴が開くほどにカードを見つめて、、不可解とばかりに呟く。

 

「“正体不明”だと……?いいやありえん、全知である“ラプラスの紙片”がエラーをおこすはずなど」

 

「何にせよ、鑑定はできなかったって事だろ。俺的にはこの方がありがたいさ」

 

そう言いながら白夜叉からカードを取り返す十六夜。

 

白夜叉はそれも気にせず、難しい顔をして黙り込んでしまった。

 

 

 

その横で、霊夢がふと納得したように声を上げた。

 

「なるほど。このカードもギフトなのね」

 

「どうしたんだ?霊夢」

 

その声に反応して皆が霊夢を見る。

 

「いやぁ。さっきからギフトの名前がどうたら言うから何だろうって思ってたのよね。だって私のカードにはそんなの書いてないから」

 

そう言って霊夢は自分のカードを見せる。

 

そこには、他の三人と違い、名前だけが記されていた。

 

 

「「「「「え?」」」」」

 

それを見て、霊夢以外の全員が今日何度目かの驚きを口にした。

 

 

「いや、私も見たときはびっくりしたんだけどね。このカードがギフトの一種って聞いて納得したわ」

 

「こっちは全然納得できないんだが?」

 

十六夜の言葉に全員が同意する。

 

 

「いやね。たぶん私のギフト(能力)が自動で発動しちゃってね。カードからの干渉をすり抜けちゃったみたい。だからほら、能力を解除すればこの通り、ギフトが表示されるでしょう?」

 

霊夢の言う通り、彼女が指をパチンと鳴らすと、カードにみるみると幾つかのギフト名が記されていく。

 

博麗霊夢・ギフトネーム“空を飛ぶ程度の能力”

           “■■■■■■■■■■■■■■■■■■■”

           “博麗の巫女”

           “幻想の守護者”

           “地仙”

           “魑魅魍魎の威光”

           “ムゲンの可能性”

 

 

 

そして、それを見て、またもやみんな唖然とした。

 

「いやもう…霊夢さんに常識は通じないみたいですね…」

 

その言葉に皆が同意を示すのであった。




今会は短めです。ちょうどキリが良かったですし。

まぁ前回につなげてもいいレベルの長さなんですけどね…

私はあんま長文かけないのでご容赦ください。



追記
仙人のギフト忘れてました…ごめんなさい!

霊夢さんは山(?)に籠もってましたし、天には登ってないかなというのと、死んではいないだろうってことから地仙ということにいたしました。




というわけで、それじゃあ、また今度とか!


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第19話 サウザンドアイズを後にするようですよ?

お久しぶりです。ええ。本当に。
謝ることが多いですが申し訳ないです。

もう開き直ってまいります。

この小説は書きたい場面があって書き始めたので、そこまでは絶対失踪はしませんので!(遅れないとは言ってない)
どうかお付き合いいただけると幸いです


「して霊夢よ、これは一体どういうからくりなのだ?」

 

十六夜のカードに引き続いて、不思議を通り越して意味不明な状態のカードを見て、白夜叉が尋ねる。

 

「これってのは、急にギフトが表示されたこと?」

 

「そうだ。それもあるし、この文字が化けているのもどうなっているのだ?おんしはそこの小僧と違ってこれを自分で引き起こしたようだしの」

 

と、若干怖い顔で白夜叉は霊夢に返す。

すると霊夢は、

 

「よくわかったわね。と言っても大したことはないわ。ただ私のギフトがカードのギフトを拒絶して表示されなかったから、そのギフトを封印しただけよ。封印したら副次的に文字が化けちゃったみたいね」

 

「ふむ……?」

 

そう言うと白夜叉は難しい顔をして黙り込んでしまう。

何やら熟考しているようだ。

 

 

と、そこで黒ウサギが思い出したように声を上げる。

 

「あ!そういえば霊夢さん!あの世界の果てでのギフトゲームは何だったんですか!?あれは主催者権限としか思えないようなものでしたが…?」

 

「む?それは本当か霊夢?そうならば私は東のフロアマスターとして、なんやかんやせねばならんのだが」

 

「その主催者権限っていうのは何なのかしら?説明された気がするけどあんまり覚えていないのよね」

 

そう霊夢は悪びれもなく言う。

 

「その質問には私からしっかりと答えようかの。主催者権限というのは、簡単に言えば相手をゲームに強制的に参加させることができるギフトのことを指す。許可の無い者がそのギフトを行使すれば、黒い契約書類が発行されて、その者は“魔王”と認定される…といったものだ。黒ウサギよ、その契約書類は何色だったかの?」

 

話を振られた黒ウサギは、しばし逡巡して、苦笑いを浮かべて答えた。

 

「えぇーと……紅い和紙でしたね」

 

「意味がわからんな」

 

「ですねー♪」

 

黒ウサギと白夜叉は揃って遠い目をした。

 

 

「ん?ちょっと待って?もしかして今の話からすると霊夢は魔王なの?」

 

魔王という単語に反応して、そう聞いたのは、今まであまり話について来れていなかった飛鳥だ。

 

「ふむ…本来なら罰する所だが、箱庭に召喚されて間もなかったこと、それに霊夢は私に勝ったからの。今回はサービスで目を瞑るとしよう。だが、今後は許可なく使用することは禁ずる。よいな?」

 

「構わないわ。別にわざわざギフトゲームにしなくてもいいし」

 

「そういうことを言っているわけではないのだが…」

 

白夜叉は霊夢の返答に苦笑いを浮かべた。

 

 

と、ふと霊夢は思いついたような顔をしたとおもったら、急に賽銭をねだるような顔をして、白夜叉に詰め寄る。

 

「そういえば…私はあなたとのギフトゲームに勝った訳なんだけど…何をしてもらおうかしらね…♪」

 

そんな霊夢に白夜叉はげっという顔をして

 

「…ギフトカードはあげただろう?」

 

「それは耀が試練をクリアした分でしょ?」

 

「……主催者権限を使用したことは目を瞑るぞ?」

 

「あなたから目を瞑るって言ったんじゃない」

 

「…………本来はおんしも“与える側”の者だろうに」

 

「貰えるものは貰っておくものよ」

 

「人それを貧乏性という」

 

「十六夜、静かに」

 

そんな問答(+十六夜の茶々)を繰り替えして、白夜叉も堪忍したようだ。

 

「はぁ〜〜仕方ないの。で、何をしてほしいのだ?儂にできる事ならある程度はするが」

 

「「「「ん?今なんでもするって」」」」

 

「言ってない。断じて言ってない」

 

問題児四人の声が重なった。

 

「そうね…じゃあここを私達も使えるようにしてほしいわ。ほら?この店って名無し、旗なしお断りでしょ?でも私達は“ノーネーム”だから普通ならこの店が使えない。それだと困る。だからこの店を普通に使えればいいわ」

 

「そうですね。我々“ノーネーム”は普通ならこの“サウザンドアイズ”は使えない訳ですから、使えるようになればかなり助かります」

 

「ふむ、それくらいならお安い御用だ。だがそれだけで良いのかの?」

 

「ついでに割引とか」

 

「………考えておこう。それではおんしらにはこの店の使用権を特別に与える。他の支店でも使えるように、これを渡しておこう」

 

そう言って白夜叉は全員に契約書を渡す。

そこには“サウザンドアイズ”を使うことを許可する旨が書かれていた。

 

「これは見ての通り許可証だ。ギフトカードにでもしまっておけば良い。あぁ、この支店を使うときは別に見せなくても良いからの?」

 

「それは助かるな。いちいち出してたら面倒そうだ」

 

「何にしても助かります!ありがとうございます!白夜叉様!霊夢さん!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

少し話した後、六人と一匹は暖簾の下げられた店の前に移動した。

 

「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」

 

耀が礼をして白夜叉に言う。

 

「あら、だめよ春日部さん。次は対等の条件で挑まないとだもの」

 

「ああ。吐いた唾を飲み込むなんて格好がつかねぇからな」

 

「今度はもっと大舞台で戦いたいわね」

 

耀の言葉を十六夜と飛鳥が挑戦的に正し、霊夢も好戦的に言う。

 

「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ………ところで、」

 

白夜叉はにこやかにしていたかと思うと、スッと真剣な顔になって黒ウサギたちを見る。

 

「……今更だが一つ聞かせてくれ。おんしらは自分たちのコミュニティが置かれている状況を本当に理解しているか?」

 

「ああ、名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ」

 

十六夜はあっけらかんと返す。

 

「ならそれを取り戻すために、“魔王”と戦わねばならんことも?」

 

「聞いてるわよ」

 

霊夢も同様に返した。

 

「…………。では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティ加入するのだな?」

 

その言葉に黒ウサギはドキリとするが、四人の顔を見て気を取り直した。

四人とも白夜叉の話を聞いても、全く表情も何も変わっていなかった。

 

「そうよ。打倒魔王なんてカッコイイじゃない」

 

「“カッコイイ”で済む話ではないのだがの………全く、無謀と言えばよいのか勇敢といえば良いのか。まぁ、魔王がどういうものなのかはコミュニティに帰れば否応なしにわかるだろう。それでも魔王と戦うことを望むならとめはせぬが………」

 

白夜叉はそこで言葉を切り、飛鳥と耀を交互に見やる。

 

「……そこの娘二人、おんしらは確実に死ぬぞ」

 

予言をするように断言をする。東の階層支配者であり、主催者権限を持つ白夜叉の助言は、有無を言わさぬ威圧感があった。

 

「魔王の前に様々なギフトゲームに挑み力をつけろ。小僧と霊夢はともかく、おんしら二人の力では魔王の前に成すすべもなく羽虫のように弄ばれるだけだ。そんな様はいつ見ても悲しいものだ」

 

「………ご忠告ありがとう。肝に銘じておくわ。今度は貴女の本気のゲームに挑みに行くから、覚悟しておきなさい」

 

「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い………ただし、黒ウサギをチップにかけてもらうがの!」

 

「嫌です!!」

 

即答だった。

その返答に白夜叉は拗ねたように唇を尖らせた。

 

「つれないことを言うなよぅ。私のコミュニティに所属すれば生涯遊んで暮らせると保証するぞ?3食首輪付きの個室も用意するし」

 

「3食首輪付きってそれもう明らかにペット扱いですから!!」

 

黒ウサギのツッコミが響き渡った。

そして終始賑やかなまま、五人と一匹は無愛想な女性店員に見送られて、“サウザンドアイズ”二一○五三八○外門支店を後にした。




次こそは早くしたいな…と思ってますが、4話か5話あたりの修正をしないと次が書けないので、そこを修正し次第次を書きまする。
しばしお待ちくだされ。


ちなみにマーリンをお迎えしました。術ネロ育ててたからスキル素材も全く足りないんですよね…どうしたらいいんでしょうね?


というわけで、
『それじゃまた、今度とか!』


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第20話 コミュニティの現状なのですよ…

はい、善は急げってことで早めに書きました。

この次こそは修正しないと難しいのでしばしお待ちくだされ…

ではどうぞ


白夜叉とのゲームを終え、先程通った道を戻って、黒ウサギ達は“ノーネーム”の居住区画の門前についた。

門を見上げてみれば、旗を掲げていたであろう跡が見える。

 

「この門を抜けた先が我々のコミュニティでございます。しかし本拠の館は入り口から更に歩かねばならないのでご容赦ください。この近辺はまだ戦いの名残がありますので……」

 

「戦いの名残?噂の魔王っていう素敵ネーミングな奴との戦いか?」

 

「は、はい」

 

「ちょうどいいわ。箱庭最悪の天災が残した傷跡、見せてもらおうかしら」

 

先程、“サウザンドアイズ”で白夜叉に言われた件で機嫌が悪かった。

プライドの高い彼女にしてれば、羽虫と同じように扱われたのが気に食わなかったのだろう。

 

黒ウサギが躊躇いつつ門を開けると、門の向こうから乾ききった風が吹き抜けてきた。

砂塵から顔を庇うようにする四人。

そして煙が開けると、視界に広がったのは一面の廃墟であった。

 

「っ、これは…?」

 

街並みに刻まれた傷跡を見た飛鳥と耀は息を呑み、十六夜と霊夢はスッと目を細めた。

十六夜は何を思ったか木造の廃墟に歩み寄ると、囲いの残骸を手に取った。

それを少し握ると、木材は乾いた音を立てて簡単に崩れた。

 

「……おい、黒ウサギ。魔王とのギフトゲームがあったのは―――今から()()()()()()()?」

 

「僅か三年前の出来事でございます」

 

「ハッ。そりゃ面白い冗談だ。いやマジで面白いぞ。この風化しきった街並みが三年前だと?」

 

 

そう。彼ら“ノーネーム”のコミュニティは―――まるで何百年という時間経過で滅んだように、崩れ去っていた。

整備されていたであろう街道は砂に埋もれ、木造の建築物は軒並み朽ち果て、要所で使われていた鉄骨や針金は錆つき、街路樹は石のように枯れて放置されていた。

とてもではないが、三年前まで人が住み暮らしていたとは思えない有様であった。

 

「………断言するぜ。どんな力がぶつかっても、こんな壊れ方はあり得ない。この木造の崩れ方なんて、膨大な時間をかけて自然崩壊したようにしか見えねぇ」

 

「ベランダのテーブルにティーセットがそのまま出ているわ。これじゃあまるで、生活していた人間がふっと消えたみたいじゃない」

 

「………生き物の気配が全くない。整備されなくなった人家なのに獣が寄ってこないなんて」

 

三者三様に、このあり得ない光景に衝撃を受けていた。

黒ウサギは廃墟から目をそらして、朽ちた街道を進む。

 

「…………魔王とのゲームはそれほど未知の戦いだったのです。彼らがこの土地を奪わなかったのは魔王としての力の誇示、そして一種の見せしめでございましょう。彼らは力を持つ人間が現れれば遊び感覚でゲームを挑み、二度と逆らえないように屈服させます。僅かに残った仲間たちも心を折られて……コミュニティから、箱庭から去っていきました」

 

黒ウサギが唇を噛み締めながら、何かを押し殺した声でそう教えてくれる。

大掛かりなギフトゲームのときに、白夜叉らがゲーム盤を用意するのはこれが原因だ。

力あるコミュニティと魔王が戦えば、その傷跡は癒えぬ傷となって醜く残る。ここを襲った魔王はそれを楽しんだのだ。

 

黒ウサギは感情を押し殺した瞳で風化した街道を進む。飛鳥も、耀も、複雑な表情で続く。

対して十六夜は、瞳を爛々と輝かせ、不敵に笑う。

 

「魔王――か、ハッ、いいぜ、想像以上に面白そうじゃねぇか……!」

 

 

 

 

一方、今までだまり続けていた霊夢はというと、十六夜以上に目を輝かせていた。

 

「……すごいわ。本当にすごいわ!()()()()()()()()()()()()()けど、ここまでの範囲で行うなんて。黒ウサギ!この箱庭に呼んでくれて本当にありがとう。ここなら私も()()が出せるかもしれないわ!………ん?どうしたの皆?」

 

霊夢の急激なテンションの上昇に、問題児三人は引いた。

 

「霊夢……急にどうしたのよ。大丈夫?」

 

「……霊夢、怖い」

 

「黙ってたと思ったら急に賑やかになりやがって…オレが言えた義理じゃねぇけど少し不謹慎じゃねぇか?」

 

流石の問題児達でも、霊夢のテンションは異様だったようだ。

だが、その霊夢の言葉を受けて、急に雰囲気が変わった者がいる。

そう。黒ウサギだ。

 

「………霊夢さん。ここのような惨状を創り上げられると言うのは本当でしょうか?」

 

黒ウサギは若干危うい空気を醸し出しながら霊夢に尋ねる。

 

「ええ。結界で囲って時間軸を弄る、数百年後のこの場所を現在に移す、時間の流れの速い時空に飛ばす…とかいろいろなやり方で見た目だけならできるわね」

 

霊夢はそう、なんでもないように答える。

 

 

 

「では、この惨状を元に戻す事はできますか?」

 

 

それは、黒ウサギの積年の思いを乗せた質問であった。

そして、一縷の望みにかけた、心からの願いでもあった。

 

しかし、現実は非情である。

 

「……それは難しいわね。さっき『見た目は』って言ったのは、この土地が完全に殺されているから言ったのよ。そうなると、豊穣やらのギフトがないと厳しいわ。それも強力なものが必要ね」

 

霊夢は残念そうに答える。

その答えに黒ウサギは絶望したような目になる。

 

「……では、霊夢さんにも出来ない…と?」

 

「いえ、そういうわけでもないわ。流石に一度に全体を蘇らせようとしたら神格を開放しないといけないから、()()()()()()()から出来ないけど、少区画ずつなら神をおろして出来なくはないわ。私一応巫女だし」

 

霊夢の言葉に、黒ウサギはパァっと明るい顔になる。

そして霊夢にぐいっと近付く。

 

「本当でございますか!?」

 

「え、ええ。でも準備やら何やらが必要だから今日はできないからね」

 

黒ウサギに詰め寄られて若干顔を引きつらせながらも、頷く。

すると黒ウサギが霊夢に飛びつく。

 

「ありがとうございます!ありがとうございます!!」

 

「はいはい。それじゃあ本拠に行きましょう?コミュニティの人たちを待たせているのでしょう?」

 

「はっ!私としたことが!そうですね!早速行きましょう!」

 

霊夢に諭された黒ウサギは、ハッとして足早に本拠への道を先導し始めた。

その顔は、晴れやかなものだった。

女子三人組は、やれやれと思いながらもついていく。

 

だが、十六夜は霊夢の言葉が気になったようだ。

歩き始めた霊夢に並んで、十六夜は疑問をぶつける。

 

「ところで霊夢、さっき言った()()ってのは何なんだ?」

 

「あぁ、そんなこと?まぁ信条っていうほどでもないんだけど、私は怒ったときか、私より強い相手と戦うとき以外は、神格を使わないようにしているのよ」

 

そう言われて、十六夜はふと霊夢とのギフトゲームを思い出した。

 

(そういやコイツあの時は…神格を開放した様子は無かったな。黒ウサギもそう言ってたし。っていうことは…俺と黒ウサギの二人がかりでも取るに足らないってことかよ…!)

 

「……ちなみにそれは何でだ?」

 

「そんなの決まってるじゃない」

 

そこで切って十六夜の方を向いて、

 

「その方が、面白いからよ」

 

とびっきりの笑顔でそう言った。

 

「………ヤハハ。全く。本当に面白いなオマエ!」

 

「急にどうしたのよ」

 

「オマエに言われたくねぇよ。まぁいい。今度戦ったときこそは本気を出させてやるからな」

 

「何か三下っぽいわよ…まぁ、精々私に『本気』を出させるように頑張りなさいな」

 

「あら、そのときはもちろん私もゲームに参加させてもらうわよ?」

 

「…私も参加したい」

 

「ええ。もちろんいいわよ」

 

「あっズルいですみなさん!私も負けっぱなしではいられません!」

 

「オイオイ、黒ウサギは審判やらで参加できないんだろ?」

 

「ぐっ…まぁ霊夢さんならなんとかしてくれるでしょう!」

 

「ヤハハ!違いねぇや!」

 

 

問題児たちは、朽ちた道を賑やかに進んでいった




そういえばパールヴァティー出ました。単発で。
あとデレステでありす出ました。舞い上がってます。楽しい。


次回は遅くなりそうかもです。修正が地味に面倒なので……
というわけで
『じゃあ、また今度とか!』


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