聖杯戦争の攻略 (クレシアン)
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オレと相棒

2作目となります!
最近流行りのfgoとモンハンを合体できないかなと考えたぶん結果がこの作品です。

お楽しみ下さい!


「珍しくついてないな…全く……」

 

 

どういう状況だコレは。

 

オレは各ゲーの大会に出るつもりだったのだが。

 

突如聞こえた爆発音と共に崩れゆく会場、瓦礫で潰される人々。

運良く瓦礫に潰されなかったオレは救助を待っていた、筈だった。

 

 

「サーヴァントが居ないが、本当にこいつがマスターなのか?アサシンさんよ。もう7人集まったんだぜ?」

 

 

大柄なおっちゃんが呟いた。

 

 

「間違いない、私のスキルを以ってすればこの少年はマスターだ、それもかなりイレギュラー(・・・・・・)な。」

 

 

隣の外国人風の青年が答え、オレに銃を向けた。

 

 

「すまないが少年よ、私の勝利の為に死んでくれ。」

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

オレの名前は(にのまえ) 百十(はくと)

 

とびっきり変な苗字ととびっきり変な親のネーミングセンスにより名付けられた大学生だ。

 

自慢では無いが恐らく街を歩けば2人に1はオレを指さして写真でも撮るだろう。

 

天才ゲームプレイヤーニノマエ。

 

2039年さらに二次元に特化した日本のゲームは世界に広まり世間に広まる中、オレは持病のサヴァン症候群での瞬間記憶と由緒正しいか知らん家の財力と運の良さで世界でトップのゲームプレイヤーになっちまった。

 

そこそこ立派な豪邸の我が家に住んでるのはオレ一人、両親は赤ん坊の時に謎の事故で死んだらしい。

 

人間親という自由の束縛がなきゃあかなり趣味を伸ばす事はできる。

てなわけで学校で流行ってたゲームでピコピコ遊んでた訳だ。

 

 

趣味も世界一と成ればもはや職となる。

観客の前とか大会でゲームをするだけでゲームが普及したこの社会じゃ億単位は稼げる。

 

 

最も、今この状況じゃ金もクソもあったことじゃねえが。

 

 

 

長ったらしい説明文すまんかったな。

え?誰に言ってるかって?

画面の前の君だよ君。

 

(※ この間0.5秒。)

 

さて、状況を整理しようか。

こいつらの会話から特定する。

 

気になるキーワードはサーヴァント、マスター、アサシン、スキル。

オレは目を閉じて今のキーワードを想像した。

 

検査結果:もしかして fate

 

あ、やっぱりそうか。

ちょい昔にゲームやらアニメやら流行ってたアレか。

 

つまりこうだ、オレは聖杯戦争とやらの参加者らしい。

なるほど、それなら由緒正しいやらなんやらが一瞬で片が付くネ!

 

もう何故現実世界に作品がとかありきたりな質問なんてするかアホ。

 

しかし問題が複数。

オレに聖杯戦争攻略の要であるサーヴァントがいない事と、この状況。

 

そもそもアサシンは他のサーヴァントよりやや性能が劣る。

体力に自信がないオレがそこに付け入る隙は無いし、気配を断つ事ができるマスター殺しに向いたこいつの使い方を熟知したマスターと賢そうなこいつ。

 

 

詰んだか。

オレの人生も案外クソゲーなもんだったかね。

楽をして金を手に入れようとしたオレにバチが当たったか。

 

 

引き金が、今。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くっそが。

なんでだ、なんで心は諦めてんのに。

 

 

 

こんな時でも頭が考え続けやがる‼︎

 

 

 

あのマスターは既に7人いると言い、あいつはオレをイレギュラーな存在と言った。

 

 

つまりまだサーヴァントが召喚される可能性があるのでは?

オレにソレを動かす才能があるのでは⁇

 

 

故に、オレは聖杯戦争の型にはまらない何かだ。

絶望的であり、無限の希望を秘めている。

 

 

 

 

 

 

「来やがれ‼︎」

 

 

 

だから、

 

 

「サーヴァント」

 

 

頼む、来てくれ、

 

 

 

「ハンター‼︎」

 

 

 

オレの相棒‼︎

 

 

 

 

 

「なっ…⁉︎」

 

「くっ……少年、まさか今召喚を⁉︎」

 

 

 

 

そこには居た。

オレがプレイしたそのゲームの主人公、

 

 

 

「サーヴァントハンター、召喚により参上した。」

 

 

 

 

 

 

 

モンスターハンター。

幾多の狩猟を乗り越え、幾多の村を、街を救う彼女は、まさに英雄であり、

 

 

 

 

オレの相棒だった。

 

 




(マスター)


❮名前❯
一 百十(にのまえ はくと)
❮性別❯

❮年齢❯
21歳
❮身長❯
173cm
❮サーヴァント❯
・ハンター
・???


❮魔術❯
無し
❮武器❯
無し
❮備考❯
一度目にした物を決して忘れないサヴァン症候群の持病を持ち、それを活かしたカメラアイを持つ。
圧倒的な記憶力と辞書やwikiを記憶した膨大な知識、さらに持ち前の幸運により天才ゲームプレイヤーと呼ばれている。
ゲームの腕前は破格だが完全に感覚を頼る物は苦手。
全てが常識となる彼は感覚が麻痺しイレギュラーさを容易く受け入れる。
運動は動きを記憶しても身体が着いていかない為苦手。
天才さを周囲に振り撒くタイプでは無い為、嫌われる事なく、わりとモテたりする。
筋肉の無い痩せた体型で、髪で目が隠れている。

「人間は常に新しくなくてはな、常識こそ最も重い束縛とは思わないかい?」


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デレデレサーヴァント

二日連続です。

息切れしない程度に努力します


「マスター、下がっててくれ。」

 

 

 

 

アサシンは両手銃に持ち替えた。

 

「百十!武器を頂戴‼︎」

 

武器…?

宝具らしき物はハンターには無い。いや、装備していた武器こそこいつらにとっての宝具…か?

 

 

「装備:天羽々斬‼︎」

 

 

なんでこの武器を選んだかは知らん。

ただひと昔の作品で一時期愛用してその片手剣がしっくりきただけだ。

それと、この世界での威力を試したいからか。

 

 

ハンターは滑らかな動きで銃弾を回避して行き、水を纏う刃で確実に捌いていく。

 

「くっ……」

 

「ハンター!そのまま突っ込め‼︎」

 

アサシンはあえて距離を詰め左に廻り銃撃するが、

ハンターは盾で銃弾ごとアサシンを、吹き飛ばした。

 

 

「ぐあっ……‼︎」

 

 

アサシンは軽い悲鳴を上げ壁に激突する。

 

 

 

凄い、イメージ通りに動く!

 

 

「すげえよ!」

 

オレは口からつい言葉が零れる。

なんて新鮮感だ、楽しすぎる‼︎

 

 

「ここは見逃してあげる。

だから手を引いて欲しいな?」

 

 

そんなオレを他所にハンターはアサシンに言った。

 

 

「何を…!」

 

「マスター、ここは言葉に甘えるとしよう。

彼らは、強い。」

 

「ちっ……」

 

 

アサシンとそのマスターはその場から去った。

 

 

「奇襲した詫びとしてはなんだが、改めて自己紹介しよう。」

 

 

 

アサシンは振り向き、

 

「サーヴァントアサシン、

シャーロック・ホームズだ。

君達との再戦、楽しみにしているよ。」

 

 

と高笑いしながら姿を眩ませた。

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

再び静まる崩れた会場にポツリと立つオレに彼女が話しかける。

 

「久しぶり、百十。

最近あんまり遊んでくれなくて寂しかったよ?」

 

「え⁉︎ああ…それは、すまんハンター。

他のゲームの大会が近くて、まあこの様に会場は粉砕した訳だが。」

 

 

 

声がつい裏返る。

 

だって目の前に居るんだぞ、あのモンハンのハンターが。

 

どうやら今現在のデータの状況がこのサーヴァントに反映されたらしい。

 

 

モンハンもかなり自由に主人公の外見をいじれる様になった。

 

二回り下くらいの小柄な身長に外見だけで作成したブナハのドレス装備が似合う、実にオレ好みの女の子が目の前に居るんだぞ!

 

 

ちなみにオレはロリコンではない、断じて。

 

 

「ハンター、だなんて嫌だな。

私の本名で読んで?」

 

 

「ぐぬぬ……」

 

 

 

こいつ……ゲームの端末に入れたSDカードを読み込んだか知らんがオレのツボ(・・)を熟知してやがる。

ええ、上目遣い可愛いですはい。

 

 

 

 

「わかったよ……

よろしくな、スミレ。」

 

 

 

「はいっ!

絶対役に立つからね‼︎マスター♪」

 

 

 

 

 

こうしてオレは聖杯戦争に参加する事になった。

 

 

 

 

 

「さて、帰るか。…痛っ!」

 

 

 

オレは立ち上がると脚に痛みを感じた。

どうやら瓦礫で擦りむいた様だ。

 

 

 

 

「大丈夫百十?

ちょっと待ってね。」

 

 

スミレはポーチから取り出した瓶を飲み、

 

 

「ん⁉︎おまっ……」

 

 

 

……口移ししやがった。

 

 

 

「えへへへ」

 

 

「おい⁉︎今の普通に飲めんたんじゃないか⁉︎」

 

 

「ダメだよ、回復薬Gは私達の身体にしか反応しないから。

だからこうするしかないの。」

 

 

「どこまでが本当かわからんが……」

 

 

 

呆れたオレは身体の違和感に気付く。

 

痛くない。

 

擦りむいた所以外の打ち身やその他諸々、全ての傷が完治していた。

 

 

やべえな回復薬G、ハンター(・・・・)こんなの飲んでたのかよ……

 

 

 

「ま、傷も治ったし帰るかね。」

 

「はーい♪」

 

 

 

「あ、姿消しとけよ。

そんな派手な格好されたら噂になる。」

 

 

「えええええ⁉︎」

 

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

翌朝

 

 

 

 

「おはよー、

ねえねえ朝だよ、ねえねえねえねえ、起きて起きて。」

 

 

「ぐっ……夢じゃなかったか。」

 

 

 

結局昨日は帰り道に報道陣に見つかって散々話し掛けられた。

そのせいで家に帰った瞬間爆睡だ。

 

 

身体に乗っかった体重を感じたオレはゆらりと立ち上がった。

 

 

「まだ6時じゃないか…随分早くないか?」

 

 

「だって……お腹空いた。」

 

 

 

えぇ…

 

 

 

 

青年調理中

 

 

 

 

「しかし意外だな、スミレは料理が出来ないのか?」

 

 

「ずーっと狩りばっかだったからね。料理はあの猫ちゃんに任せっきりだったよ。」

 

 

「なるほど。」

 

 

そうか、少なくともスミレは戦う事を生き甲斐とし、狩りこそが人生だった。

 

………なるほど、なるほど。

 

 

 

「ご馳走様!」

 

 

「はいはい」

 

 

オレは皿を洗いながらスミレに聞く。

 

 

「今日、少し出掛けるか?」

 

「えっ、それってデート⁉︎」

 

 

何故そうなる。

 

 

「違うわアホウ、お前の服とお前をこの世界に馴染ませる為だ。」

 

 

「わーいデートだぁ♪」

 

「聞けよ⁉︎」

 

 

 

まあ狩りしかしなかったこいつに少しでもこの世界を見せてやりたい、そんな理由だ。

 

 

 

……やれやれ楽しいなあ、全く。

 




【元ネタ】モンスターハンター
【CLASS】ハンター

【マスター】一 百十

【真名】 スミレ

【性別】女

【身長・体重】144cm ・40kg

【属性】?

【ステータス】

筋力:A〜A+
耐久:E〜A+
敏捷:E〜A
魔力:E
幸運:C〜A
宝具:EX

(装備品によりかなり変動)

【クラス別スキル】

共感性 A+

…マスターの思考回路をそのまま行動にする事が、または行動の参考にする事ができる。
マスターの頭脳や戦闘センスがかなり反映される。
天才ゲームプレイヤーニノマエのセンスは通常の比ではない。
その他にマスターと様々な点が共有される。

コレクター EX

…どんな武器や防具であろうと資金と素材があれば作れてしまう。モンハン最大級の謎である。


道具作成 C+

…素材さえあれば道具の調合が可能。
成功率は保障できない。


戦闘続行

…2回までの戦闘不能が無効される。
1日経てばリセットされる。



【保有スキル】

緊急回避

…どんな攻撃でも必ず回避できる。
タイミングを見誤るとかなり隙ができる。

素材獲得

…自前のナイフでどの様な素材も剥ぎ取れる。
素材は武器や道具となる。

【宝具】

英雄の証(ウェポン・ライブラリ)

対龍宝具 E〜EX

幾多の人々を救った彼女は幾多の武器を持つ。
性能、属性、威力はかなりバラつき、神をも滅し、神をも秘める武具を装備する事が可能。

【解説】

ロリッ娘サーヴァント。
イレギュラーな存在だがハンターが聖杯戦争に呼ばれる事は実は過去にあった。
マスターの技術によりステータスがかなり変化する為、それが愛想にも影響する。
つまりスミレはマスターにデレッデレな訳になる。
HRは999のカンストでモンスターを狩りつくした。
武器使用率は太刀=双剣=大剣>片手剣=スラッシュアックス>>チャージアックス=操虫棍>ランス>狩猟笛=ガンランス=ハンマー>>>>>>>>弓=ライトボウガン=ヘヴィボウガン。
なかなかの大食いだがその分動く。

現在はブナハとフィリア装備を混ぜた見た目重視だが使用率がかなり高くマスター以上に気に入ってたりする。
成人並みの知識はある為、魅せ方を理解している。
そのくせ直球に褒められたり煽てられると取り乱す。
ポニテ黒髪の蒼い眼。

「愛は経験値以上の強さの秘訣だよ♪」


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一 百十の考え


昨日寝落ちして投稿できませんでした。
朝の投稿って読まれにくいですかね……


 

ここ、如月市は首都にありながらも人口は10万人くらいで自然を中途半端に開拓した辺境だ。

 

 

オレの家は開拓されていない側(・・・・・・・・・)、卯月町にあるからなかなかに空気は美味い。

とはいえさすが首都、少し歩けば駅やバス停に、少し移動すればあっという間にコンクリートジャングルだ。

 

 

「百十〜♪」

 

スミレが手を出してくる。

 

「………はいはい、わかったよ。」

 

オレも弱いね、差し出された手を握った。

 

 

スミレの様な派手な格好を改めるのは当然だがこの街は割と平気な場所がある。

 

ゲームの聖地、水無月町だ。

元は自然豊かのこの町はオレが出身してるという理由で開拓されてしまった。

本当に木々に申し訳ない気持ちになる。

 

ここならゲームのキャラクターのコスプレやらで和気藹々としてるし、モンスターハンターの防具に見立てた服もなくも無い、ここで服を探そう。ただ、問題がある。

 

 

「おい……あいつニノマエだぜ!」

 

「マジかよ!本物初めて見た‼︎」

 

くっそ……あっという間に注目が集まっちまった……

これだからあんまり出歩きたくないんだが。

 

「あ、あの‼︎」

 

「⁇」

 

2人の女性に声を掛けられる。

 

「サインください!」

 

「ああ……わかったわかった。」

 

 

 

と、グダグダしてる内に野次馬が集まっちまった。

 

 

「オレにもサインくれー!」

「握手してください!」

「おお、これが世界一位の手…」

 

 

まずい、囲まれ始めたな。

 

 

「すみません、妹と買い物してるのでこれ以上はちょっと。」

 

オレは手で道を開けて通過する。

路地裏へ行くとスミレが案の定膨れっ面だ。

 

「妹ってなんなの!彼女でしょ‼︎」

 

「いや、すまんかった……ってオイ。

あんなのファンサービスだろ。」

 

 

「女の人にキャーキャー言われて鼻の下伸ばしてた癖に……」

 

いかん、完全にいじけてる。

 

「オレに彼女が居るなんて知られたらそれこそ大事件みたくニュースになっちまう。そしたら聖杯戦争どころかじゃなくなっちまうだろ?」

 

「むー…」

 

「家帰ったら可愛がってやるから、な?」

 

頭を撫でてあやす。

やれやれ、何言ってんだかオレも。

 

 

「しょうがないなあ……

うん…妹ってのも悪くないかも……」

 

「調子に乗るな。」

 

「痛たっ!」

 

頭に軽くチョップしといた。

こんな事をしてる内に、

 

「い、いらっしゃいませ!」

 

店に着いた。

女性の店員はオレを見て一瞬戸惑うがそのまま声を出した。

さすがプロ。

 

 

「この娘に似合う服を店員さんにお任せしたい。ほれ、ついていけ。」

 

「わかりました。」

 

「はーい。」

 

 

 

ま、少しは楽しみでもあるかな。

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

1時間後。

さすが女の買い物、覚悟してたが。

 

 

「お待たせ致しました。」

 

「ほいほいお疲れさん。」

 

店員に指示され試着室の前へ行く。

さてはあいつ見せびらかすつもりか。

 

「どう?可愛い?」

 

「へぇ……」

 

ほーピンクでまとめたか。

なるほどなるほど……

 

「いいんじゃないか?」

 

「そ、そう?嬉しいな。」

 

何狼狽えてんだよ。

 

 

「他にもあるから…」

 

と、5〜6種類くらいの服を見せられる。

 

「どうかな、どれがいいかな?」

 

いや、なんというか。

そりゃあスミレが可愛いのもあるけけど店員のセンスも凄えな。

 

「全部似合ってるな、可愛いぞ。」

 

「も、もぅ…そんなこと言って…」

 

 

顔真っ赤だぞ。

褒められるの弱いのか?

 

「うーん、選べないから全部買うか。」

 

「いいの⁉︎凄く高くつかない?」

 

「数十億は貯蓄あるから大丈夫だ。」

 

「私よりお金あるんだ……」

 

 

まあ募金した残りの1割なんだけどね。

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

昼食

 

 

「想像してはいたがよく食うなあ。」

 

「ハンターは身体が基本なの!

うん、おいしい‼︎」

 

「そりゃよかった。」

 

「ごちそーさま!」

 

 

聖杯戦争といっても何したらいいかわからん。

 

落ち着いて状況を整理するか。

 

 

サーヴァントは気配みたいなのでバレるから一般市民を危険に晒すのは少し嫌だ。

だからあまり街で遊ぶのもよろしくない訳で。

 

いや待て、こう考えるのは…?

 

 

「……百十?どうしたの?」

 

「あ、悪い。考え事をしていた。」

 

 

一つ作戦?を思いつく。

 

「スミレ、少しいいか?」

 

「なぁに??」

 

「装備、龍の護石」

 

「わっ⁉︎」

 

スミレの首にペンダントが掛かる。

 

「どうだ?何か見えるか?」

 

「うーんと、一応。」

 

よし、成功したみたいだな。

スミレに装備させた龍の護石には千里眼というスキルのポイントが13あり、空きスロットに装飾品を入れてある。

千里眼のスキルポイントを溜めて発動する自動マーキングというスキルはモンスターハンターではあまり人気じゃ無い。

が、敵を認識すると言う点においてこれが聖杯戦争にも影響するのならこれほど頼もしい事はない。

敵の居場所が常にわかるとなるとかなり楽だ。

 

 

「サーヴァントが近づいたら言ってくれ。

戦闘態勢に入るぞ。」

 

「うん、わかった」

 

 

さて、とりあえず折角の休日だし家で作戦でも建てるか。

いよいよ現実的になってきた。

 

 

「家に帰る前に少し寄りたい所がある。」

 

 

とオレらは卯月町の小さな診療所へ行く。

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

診療所

 

 

 

「おや、百十君久しぶりだね。」

 

「ええ、久しぶりです元爺さん今日は目の確認を。」

 

60代後半の白衣を着た老人がオレを出迎えてくれる。

老人は宮野 元と書いてある名札がを首にぶら下げている。

 

「ああ、専用機械いつも通りの場所にあるからお好きに使いなさい。」

 

「ありがとうございます。

スミレ、少し待っててくれ。」

 

 

オレはそう言い残し、奥の部屋に入った。

 

聖杯戦争になりオレのカメラアイを使う機会はグンと増えるだろう。

調整は必要不可欠だ。

 

 

 

「お爺さんは百十と知り合いなの?」

 

待ち時間にスミレは純粋な質問を言った。

 

「そうさ、私は百十君が小さい頃めんどうを見ていたんだ。」

 

「百十の…?」

 

 

「百十君は物心着く前に両親を急に亡くしてしまってね。

特殊な家計だからか彼の情報は名前以外何も無いんだ。

そして百十君はある日事故で両眼が失明してしまったが、理由もわからないが彼の視力が回復したんだ。」

 

「そして彼はカメラアイという特殊な眼を手にする事になった。

そう、今から10年以上は前、彼は10歳くらいだったかな。」

 

「えっ⁉︎てっきり百十は16〜18歳くらいだと思ってたんだけど…」

 

「表向きには、だね。百十君は今自分が何歳か、いつ生まれたかわからないんだ。」

 

「そんな…」

 

「だからしっかり支えてやって欲しい。

百十君はもっと幸せにならなければならないのだから。」

 

「うん、わかった。」

 

 

「終わりました、視力、記憶力共に異常無しです。」

 

「それはよかった、いつでも定期的に来なさい。」

 

「了解です、いつもありがとうございます。

ほら、帰るぞ。」

 

「うん!」

 

 

「あまりゲームばかりじゃダメだからね。」

 

「う…は、はい。」

 

 

オレはギクリとした。

軽く頷き、オレ達は家へ帰った。

 

 

 

一邸

 

 

「さて、作戦会議を始めようか。」

 

「おー‼︎」

 

スミレはソファーに座るオレの腰の上に乗りながら言った。

もうツッコミ入れるのもたるい。

 

「まずはアサシン、一度は対峙してなんとかその場を凌いだけど現在では1番の脅威だ。」

 

シャーロック・ホームズか。

やはり賢そうな雰囲気だったし。

 

「続いてはキャスター。

この状況を確認されてる可能性もあるし魔力耐性の無いオレらじゃキツイ。」

 

「うーん…なるほど。」

 

「が、他の騎士よりはやや劣る奴がノコノコと仕掛ける事は無い。」

 

オレは宙に浮いたパネルを操作しながら如月市の地図を見る。

 

「よって、立ち向かう3騎士には正面突破を、残りの奴らには迎撃をして確実に仕留めていく。」

 

「つまり、私達からは何もしないの?」

 

「そういう事だ。」

 

魔力の無いオレがマスターであるとは気づかれにくい。

当面は様子見だ。

 

 

聖杯戦争も一種のゲームだ。

勝てる戦いにしよう。

 

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

19:00

 

 

「様子はどうだったかね?」

 

 

「ランサー、アーチャーは街を巡回中でした。他はまだ…」

 

セイバーと呼ばれる女性は長い髪を揺らし申し訳なさげに言う。

 

「いやいや、焦らずともいいさセイバー。奇襲でもされない限りは君の戦力が揺らぐ事はない。」

 

「安心はできません。

まだ得体の知れない未知のサーヴァントもいるのですから。

それと元。

私は真名で呼びなさいと何度いったらわかるのですか。」

 

「ああ、すまない。

この老いぼれは頭がどうも記憶力が無くての。

それと、そのサーヴァントなら今日会ったさ。」

 

 

「な、お怪我はありませんかマスター!」

 

 

「問題無いさ、彼なら上手く使いこなせるだろう。

しかし、内面はとても傷ついたよ。」

 

 

元は茶を飲み、

 

 

「まさか百十君を幸せにする為に参加した聖杯戦争が百十君と争う事になるとは……」

 

「……?」

 

 

「いやはやパーシヴァル、運命とはやはり厳しいものですな。」

 

 

「…………」

 

 

パーシヴァルは自らのマスターの言葉にきょとんとした。

 





現在判明している事

セイバー サーヴァント:パーシヴァル マスター:宮野 元
ランサー
アーチャー
ライダー
キャスター
アサシン サーヴァント:シャーロック・ホームズ
バーサーカー
ハンター サーヴァント:スミレ マスター:一 百十


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ランサー


fgo、イベント終わってしまいましたね……もう少し龍の逆鱗を頑張って集めた方がよかっただろうか……





 

 

一邸

 

0:34

 

 

「百十、起きて。」

 

オレはまたスミレの声で起こされる。

しかし昨日の朝とは違う、良く透き通る冷静な声。

 

「どうした?」

 

「近くにサーヴァントがいるよ、マスターと一緒でこちらに向かっているみたい。」

 

「‼︎」

 

 

いきなり、いや、それが普通か?

魔力、結界が無いと何かしらで悟られた可能性が高いな。

 

 

「装備、夜刀【月影】」

 

悪いが例の英雄王の様な油断はしない、高レベルな武器を用意させてもらう。

 

オレ達は庭へ向かう、さすがに家を破壊されてもらっては困る。

 

「来るよ…300m…200m…100m…」

 

 

「……来たか。」

 

 

塀に上りやがった、月を背にした侍の様な姿につい目を奪われた。

身長の3倍をも長さを持つ大槍を、手に2本。そして口に…?

 

 

「ふごふごふごふご?(此奴はどの英霊か?)」

 

なんだこいつ。

何を言っているのかさっぱりわからん。

 

「ああ、すまぬすまぬ。

この時代でいうボケとやらは難しい物だ、やはり拙者にはとてもとてもだ。なあ朱里ちゃんや。」

 

口に咥えた槍を背中にかけ、男が話す。

 

「マスターは敬称呼べ、下衆が。」

 

「これはこれは失敬!」

 

OLの様な格好をした眼鏡の女性が現れ、男は塀から飛び降りる。

……でかいな。槍のせいで感覚は狂うが2mはありそうだ。

 

「夜分に失礼、拙者、前田慶次が其方の相手をしよう。

こちらは拙者のマスターの朱里様だ、親切な拙者は予め宣言しておくぞ。」

 

 

「前田慶次…か。」

 

なるほど、ランサーは日本の武将だったか。

 

「名乗りを上げい、未知のマスターとその英霊よ。」

 

 

いざ尋常にみたいなやつか?

 

 

「わかったよ、オレは、」

 

 

 

と自分の名前を言ったか言ってないか、

前田慶次は手に持つ槍をオレに向かいぶん投げた。

 

「百十⁉︎」

 

 

「これは失敬、手が滑った。」

 

 

残りの槍をくるくると回し、彼は卑しい笑いを見せる。

 

 

「マスターは始末した、ならばサーヴァントは捨て置いても問題はない。」

 

2人はオレの家から立ち去ろうとした。

 

 

 

「おいおい、まだ死んでないっての。」

 

 

「‼︎」

 

「ほう。」

 

 

オレは僅かに軌道の逸れた槍を蹴る。

 

 

「完全な不意打ち、さらに其処の英霊も反応が遅れたとみたが。」

 

 

スミレはオレの目の前に刀を添えていた。

 

 

「生憎とガンアクションには慣れていてね、何処をどう飛んでくるかは全て記憶しているんだ。

あとはオレの意思でスミレを動かすだけだ。」

 

 

「私の百十を舐めないでよね!」

 

おい、いつからお前の保有物になった。

 

 

「かっかっか!

英霊を主の意思で動かす、か。

面白い、面白いぞ‼︎」

 

 

「油断するなランサー。

こいつらは、確実に私達で仕留める。」

 

 

朱里は手に風を纏う。

 

(あれが魔術って奴か?

つまりあいつは魔術師か。)

 

 

「改めて名乗ろう、拙者はランサー、前田慶次。

下衆と慕われる邪な英霊だ。」

 

「私はこの下衆のマスター。

間桐朱里だ、訳あって魔術師の家計に位置する。」

 

 

 

「間桐…なるほど。」

 

しっかりとfateしてんな。

 

 

「ゆくぞ…‼︎」

 

前田慶次は棒高跳びの様に飛び上がり、槍をスミレに叩き付ける。

 

「甘い!」

 

 

スミレは太刀で槍を受け回し蹴りをした。

 

「ぐっ……」

 

前田慶次は上手く着地をした。

 

 

「拙者の力に対抗するとは、見た目に反しなかなかの怪力。

これは拙者も本気を出さねば。

頼むぞ、マスターよ。」

 

 

速度補正(クイックシフト)

 

(っ‼︎速度を上げる魔法か!)

 

 

「破壊力と速度を併せ持つこの美技に酔うが良い!」

 

 

「百十、双剣にして‼︎」

 

なるほど、火属性故の熱さが奴には効かないのか。

ならば、

 

「了解!装備、封龍剣・超絶一門。」

 

 

「ふむふむ、武器を変えるか。」

 

 

スミレは双剣で上手く槍をいなして、前田慶次に擦り傷を付けていく。

 

 

 

「ぐっ……なかなかに良い剣捌きよな。」

 

彼は大きく槍を持つ腕を振り、

 

 

「吹き飛ぶが良い!」

 

 

マスターに魔法をかけられた攻撃をもスミレは防いだ。

さすがだ、双剣にしてこの火力、

しかし、

 

 

 

「隙ありぃぃ、蜻蛉切‼︎」

 

 

(ここで投槍…‼︎

しかも、オレとスミレを狙って!)

 

 

こいつ、オレとスミレを離す為にあえて真面目に戦う振りをした…⁉︎

 

まずい、このままでは…‼︎

 

 

 

 

 

 

霹靂せし星空の霰(クラウ=ソラス)

 

 

 

「「「⁉︎」」」

 

 

 

突如現れた斬撃により槍が打ち落とされる。

 

「誰………?」

 

「新手か?」

 

 

戦いに集中したせいでスミレのマーキング範囲にかからなかったか…

 

 

 

 

「鼠相手に随分汚い面を晒しますね、ランサー。」

 

「けっ、美味しいとこを邪魔してくれるな。セイバーよ。」

 

 

 

「セイバー…⁉︎」

 

 

意図は知らないがこのセイバーがオレ達を助けた…のか?

 

 

「マスターの命令により加勢しました。

下衆のサーヴァントを打ち破る為に協力しましょう。」

 

 

「あ、ああ。

この際細かい事は後だ、いくぞスミレ‼︎」

 

 

「うん!」

 

 

 

 

2体のサーヴァントでランサーを囲む。

 

 

 

「うむ、どちらか単体ならまだしもこれはキツイな!

ならば拙者、これにて退散‼︎」

 

 

 

前田慶次は煙玉の様な物を取り出し、朱里は風で煙を広げる。

 

「けほっ、けほっ!

こりゃ…逃げられたか。」

 

 

オレは必死に煙を払う。

 

「百十、追う?」

 

「いや、やめとこう。

ここで追えば奴らの思う壺だ。」

 

 

 

こうして深夜の争いは終了した。

 

 

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

「えっと…セイバーさん?

先程はどうもありがとう。」

 

 

すっかり目が覚めてしまったオレはお茶を淹れた。

 

 

「パーシヴァルで良いですよ。」

 

 

「そうか、パーシヴァルさんは誰の命令でオレを助けたんだ?」

 

 

「マスター、元様です。

あの方がもし貴方が危険に晒された時、助太刀する様にと。」

 

 

「元爺さんが⁉︎

あの人、マスターだったのか⁉︎」

 

 

ついオレは叫んでしまう。

実際、かなり驚いてしまったからだ。

 

 

「マスターは聖杯戦争に参加した貴方をとても心配していましたよ。」

 

「そう……か。」

 

 

そうだよな、オレも爺さんが心配だ。

 

 

 

「少しの間ですが聖杯戦争に慣れない貴方をサポートしましょう。」

 

「ああ、ありがとう。」

 

 

「それにしても……」

 

 

パーシヴァルはオレの膝を枕にしてすやすやと眠るスミレを見た。

 

「ランサーに劣らない力、スピード。そして複数の宝具……まるで未知のサーヴァントです。」

 

 

「オレからしたら聖杯戦争事態がまるで未知だよ。」

 

「ふふっ……そうですね。」

 

 

 

 

オレはパーシヴァルの微笑む姿を見てドキリとしてしまう。

スミレとは違い、可愛らしいというよりも美しいという魅力。

 

いかんいかん、仮に協力してもいずれは対峙する事になるかもしれない。

 

 

(あの宝具……全く軌道が見えなく今迄に記憶に無い動きだ。

聖騎士の1人であるパーシヴァル、末恐ろしいな。)

 

 






【元ネタ】
【CLASS】ランサー

【マスター】間桐 朱里

【真名】 前田慶次

【性別】男

【身長・体重】201cm・171kg

【属性】中立・悪

【ステータス】

筋力:A+
耐久:B
敏捷:A
魔力:D
幸運:E
宝具:D



【クラス別スキル】


対魔力:C
…第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。


【保有スキル】

透過A+

…精神面への干渉を完全に無効化する。
いかなる場合も自分らしさを折る事は無い。


変幻自在A+

…自らが召喚するマスターを選ぶ事ができる。
召喚するマスターの相性は一切問わない。

【宝具】

『蜻蛉切』

対人宝具 D

6mをも長さを誇る大槍。
持ち主に対しての重さが0になるが、相手にかかる負荷は本来のまま。
手から離れていても引き寄せる事ができる。

【解説】

騙し討ちや話術に長けた下衆のサーヴァント。
生前の悪癖が影響し武士の精神など関係無しに相手を陥れる。
また、ランサーには珍しくかなりの怪力の持ち主に加え身体強化などの魔術と相性がとても良いのでマスターとの魔力面での相性は問わない。


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聖騎士パーシヴァル


わかってます。はい、先週何故投稿しなかったですね。
でもfgoのイベントありましたよね、オルタチケット(たぶん)集めとかギルの育成とかあったんです。

ゲームやりながらだとどうしても集中できない…この頭が憎い……

とりあえずまずは、
すみませんでした。
ですね。

今週からは冬休みに入るので頑張ります。



 

「百十!起きて‼︎朝だよ!」

 

 

「うおっ⁉︎」

 

とても寝起きに聞く声音量じゃねえ。

てかまだ眠いっての。

 

 

「おはようございます百十様。」

 

「うおおあ⁉︎」

 

お前も居たのかよ。

 

「パーシヴァル、さん?」

 

「はい、貴方をサポートする役目がありますから。」

 

確かに大きな戦力になるし助かるんだが。

それだと、

 

 

「元爺さんは大丈夫なのか?

君が見てあげるべきでは。」

 

「いえ、ここから診療所までは私の攻撃は届きます。

むしろサーヴァントが釣れて好都合です。」

 

「………そうか。」

 

範囲攻撃…?

剣状の宝具だった筈だが…

 

と、オレが考えようとした時。

 

ぐぅぅぅ。

 

 

「……おい、スミレ…もう少し我慢してくれよ…」

 

「えっ⁉︎私じゃないよ!」

 

「だとしたら……」

 

 

「くっ……不覚っ。」

 

「「お前かよ‼︎」」

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

「申し訳ない…まさか食事を提供して頂けてもらえるとは。」

 

「こういう時は礼を言うものだよ。」

「そうそう」

 

お前は何もしてないだろうが。

 

 

「そういやパーシヴァルさん、聞きたい事があるんだけど。」

 

「どうかしましたか?」

 

「アルトリア・ペンドラゴン、って人知っているかな?」

 

「アーサー様⁉︎何故貴方がそれを?」

 

ビンゴか、これで上手く繋がるかもしれない。

 

「ただの知識の確認」

 

「ふむ……?」

 

「百十はなんでも知ってるんだよ!」

「なんでもってのは言い過ぎだ。」

 

「ふふ……」

 

「ん?どうかしたか?」

 

 

「貴方達は本当に仲がよろしいのですね。羨ましいです。」

 

「そりゃあ私は百十のお嫁さ…ぎゃふ⁉︎」

 

「お前毎回突っ込み入れられるのわかって言ってんの?」

 

「むー……」

 

「まあ仲が良いならそれに越したことはないよ。」

 

一応な。

 

 

「まあそれは置いといて、そろそろ行くか。」

 

「行くって何処に?」

 

「学校だよ学校。」

 

「「学校……?」」

 

あ、こりゃ2人ともわかってないっぽい。

 

 

 

説明中

 

 

「へー‼︎そんな場所あるんだ⁉︎」

 

「集団で学を得る……素晴らしい発想です。」

 

「という事で夕方には帰るから留守番頼むよ。」

 

「えー私も行きたい!」

 

「私も少し興味はあります。」

 

「なんてこった」

 

 

てなわけで霊体化させた2人を連れて行く事になった。

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

如月大学

 

ゲーム関連の専門学校と普通の大学が織り混ざった異色な学校。

そこそこの頭が無いと入れないとかなんとか。

オレは過去問の答えを洗いざらい記憶してたっけな。

 

 

「あっ、一だ。」

「一君久しぶり〜」

「一先輩おはようございます。」

「げっ、ニノさん…」

 

ゲームばっかのオレが悲しいぼっちだと思ったか?

別にそんなことはない。

 

姿を見せない様に2人に釘を刺しておき、何事も無く時間が過ぎる。

 

(百十って医学部なんだね、お医者さんになるの?)

 

(ただ元爺さんの手伝いをしたいだけさ、今の仕事で満足してるし。)

 

とか、

 

(現代の医療はとても進んでらっしゃるのですね、感動します。)

 

(まあね、人間はほぼ進歩してるのさ。)

 

 

などと話を挟みながら。

しかし、突然パーシヴァルが異常を察知したらしい。

 

(百十様お気をつけて。

この建物には…他のサーヴァントのマスターが居ます。)

 

(なんだと⁉︎いや、如月市にある学校はこの大学一つのみ。

ありえなくはない。)

 

そのせいで小中高は苦労したが。

なんて考えてる場合じゃない。

どうする?

あっちも気づいてるだろう、しかし人の目がかかるし……

 

(あちらが動いたなら叩く。

スミレは自動マーキングを付けろ。)

 

(わかった!)

 

 

医務室

 

 

「どうだ?キャスター。」

 

「どうもこうもあちらに気づかれたっぽいわ。」

 

「そうか……しかしあの爺さんがまさか謎のサーヴァントにセイバーを貸すとはなあ…」

 

「後から裏切る可能性もあるし、勝算の低い戦いは避けましょう。」

 

「やれやれ…まさか生徒が敵になるとは…めんどうったらないぞ。」

 

 

 

 

4限終了

 

 

 

「結局なにもして来なかったな。」

 

「私達に怖気づいたんじゃない?」

 

「とりあえず家に帰るか、パーシヴァルさんに聖杯戦争について聞かなきゃならん。」

 

「了解しました。」

 

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

一邸

 

 

「なるほどなあ…」

 

 

話によると最近の聖杯戦争は聖堂教会のせいでなかなかに乱れているとか。

スミレの様な謎のクラスが召喚されたり特に関係の無い一般人がマスターになったりだ。

さらには時期も場所もかなり不定期。

そのせいで遠坂、間桐、アインツベルン、衛宮の聖杯戦争常連者はとても苦労しているらしい。

ん……?衛宮?

しかし基本的なルールは冬木の聖杯戦争と変わりなく、オレの知識でもなんとかやっていけるだろう。

 

「情報提供ありがとう。

さて、それならやる事は一つ。」

 

オレは宙を二回なぞり電子パネルを浮かび上がらせる。

 

「システムオープン。干渉開始」

 

「…⁉︎」

「…これは?」

 

「人工衛星にハッキングして今の情報と如月市の情報を照らし合わせる。

オレがゲームの対戦相手のデータ収集に使用してる手だ。」

 

「……‼︎」

 

「卑怯…だと思ったか?

別に構わないぞオレは。」

 

 

「ううん、持ってるものを全て利用して相手を倒すのは私達も同じだから。」

 

 

「…そうか。」

 

 

「出た。

判明したマスターは間桐朱里、衛宮刃、遠坂光、レイルスフィール・フォン・アインツベルン、んで元爺さんか。」

 

「一瞬でマスターの情報を……これが百十様の魔法ですか…」

 

 

「なんか違うけどそういうこと。」

 

 

ちなみにオレについては全て?で情報が埋められている。

どういう事だ。

 

「百十!敵が来てるよ‼︎」

 

「忙しい奴らばかりだな……

パーシヴァル、一緒に頼めるかい?」

 

「お任せください。」

 

 

こうして1日で2回目のサーヴァントとの戦いが始まる。

 

 





カメラアイ(サヴァン症候群)

一度見た物を完璧に記憶する事ができる。
細部まで記憶するのでは無く、全体を写真の様に記憶し、その中で細部を見直す。
百十の場合は瞬きをすることによりカメラのシャッターの様に記憶し、その時見た視界などでは無く瞬きするまでの視界を記憶する。
弱点は目を背けたくなる事や間違えた事も記憶し、一生脳をよぎってしまう。

サヴァン症候群を除いても百十の頭脳は目を見張るものがあるが。


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だから君が好き


なんなんでしょうねこのタイトル。
自分で書いて寒気がしました。

話は変わりますがついにHRが200行きそうですよ!
この暇人が!と友達に良く言われます。
僕としてはミツネ装備してくれて頑張っているハンターさんを見るだけで勝手にランク上がっていきます。
正月は従兄弟達を手伝うので賑やかそうで楽しみです。




 

「これは……骸骨?」

 

サーヴァントじゃない?

 

「お気をつけください百十様、これ(・・)は取るに足らない雑魚兵ではありますが数は多いです!」

 

「スミレの自動マーキングは敵を反応するが…なるほど、そういう事か。」

 

「どうする?百十‼︎」

 

「もちろん蹴散らせ!

たぶん親の残した、たぶん大切なこの家を傷つけさせるな‼︎」

 

「たぶんは余計だよ⁉︎」

 

 

とは言いつつもお二人さんさすがの戦闘力。

次々に骸骨を蹴散らしていくではありませんか。

 

「私の剣の前に散れ!

霹靂せし星空の霰(クラウ=ソラス)‼︎」

 

パーシヴァルの剣が輝きを増し、骸骨を蹴散らしていく。

 

「す、すげぇ……」

 

(なんだ今の⁉︎

斬撃?じゃない…??)

 

「って、おわっ‼︎」

 

骸骨兵が近いてきやがった‼︎

 

「百十‼︎…させない!」

 

スミレが双剣を巧みにぶん回していく、助かります本当。

 

「悪い、助かった!」

 

「セイバーさんが蹴散らしてくれるおかげだよ……っと‼︎」

 

操作して後ろの骸骨を砕かせた。

 

「油断せずいこう!

新手にも気をつけてくれ‼︎」

 

「「了解!」」

 

 

(しかし骸骨を操るサーヴァントがいる…筈なんだよな?

今なら絶好なチャンスだが…)

 

「‼︎」

 

パーシヴァルさんが何かに気付いた様だ。

 

「診療所も襲われている…‼︎」

 

「元爺さんを助けてやってくれ!

こっちはスミレでなんとかなる‼︎」

 

「かたじけない!

敵を撃て‼︎霹靂せし星空の霰(クラウ=ソラス)‼︎」

 

 

「………‼︎」

 

(あんな離れた位置まで…⁉︎

誘導作用のレーザーか?)

 

 

 

 

 

なんて考えている場合じゃない‼︎

スミレの操作に集中だ!

 

「きゃっ⁉︎」

 

くそ、数が多すぎんだろ……‼︎

なんとかならないのか⁉︎

 

「百十、これ使って‼︎」

 

「うおあ⁉︎」

 

スミレがナイフを投げて来た、危ねえ……

 

「麻痺投げナイフだよ、当てれる?」

 

「なるほど……」

 

 

ガンアクション世界一と世界チャンピオンの腕パクった俺のダーツ術舐めんなよ。

 

 

「命中‼︎」

 

「さすが私のマスター‼︎」

 

ナイフをさらにパスされてスミレを援護していく。

なるほど、この手があったか。

スミレちゃんマジナイス!

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

「任せろ……スミレ‼︎」

 

麻痺投げナイフを命中し、骸骨を硬直させた。

 

「せいっ!」

 

んでもってスミレが硬直した骸骨を斬りつけた。

 

 

「「よし‼︎」」

 

部活の掛け声みたく拳を合わせた。

 

てか痛ってええ‼︎

なんて力だよ手加減してくれ。

 

 

「百十様、ご無事ですか?」

 

「ああ、スミレのおかげで大丈夫だ。

そっちは?」

 

「幸いマスターの方角へ向けた召喚は多くなかった様ですし、こちらも問題ありません。」

 

 

 

「そうか……なんとか切り抜けたのかな。」

 

(しかし…雑魚兵だとしてもなかなかの数だ。これを召喚した主はそこそこの魔力を投げ打ってでも今回の襲撃に価値がある収穫をしようとした?)

 

 

なんのために…そんな考えがオレの頭をぐるぐる廻る。

 

 

「百十!やったね‼︎」

「あ、お、おう‼︎」

 

 

スミレがくっついてきて我に帰った。

まあ細かい事は後だな。

 

「痛っ……」

 

 

「どうしたの⁉︎」

 

 

「骨の残骸で足をひっかけたっぽいな。」

 

あれ、このパターンはどこかで…

あ、やばい。

 

 

 

 

「じゃあまた…する?」

 

「な、や、やめろその言い方‼︎

回復薬Gもったいないし自然回復でいいって!」

「資金カンストして遊び気分で回復薬999個買ってたし農家がドン引きするくらいハチミツ量産したから大丈夫だよ‼︎」

 

「ちょ、読者の前でそんな事言うな!」

「もー、つべこべうるさい‼︎」

 

 

「んぐぐ……⁉︎」

 

 

もの凄い力で色気の無い口移しをされる。

 

「ぷはっ……お前人目を考えてくれよ…」

「えへへへへへへへへ」

 

へが多い。

てかパーシヴァルさんの前で……

 

 

「なるほど、仲がたいへんよろしいかと思いましたが……

お二人は婚約なさっていたのですね!」

 

「うん、そうだよ。」

「違ーう‼︎」

 

なんか、こう、なんだ。

疲れる………

 

 

ぐったりとして家へ入った。

 

 

 

「それはそうとお腹空いた!」

「あ……わ、私も少々……」

 

 

 

 

溜息を一つ吐き、

 

「飯作ってるから、今の内に風呂入ってきてくれ。」

 

とオレは風呂場を指差した。

 

「はーい。

セイバーさん一緒に入ろう?」

 

「私ですか…?構いませんが…」

 

 

 

 

ぬぬ…美女2人か羨ましいなあ。

 

「百十も一緒にどう?」

 

 

「誰の飯作ると思ってんだ。」

(なんでわかるんだ怖い…)

 

 

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

 

「おっ、百十の使ってるスポンジ発見…ふひひひひ」

 

 

逆の立場なら完全にアウトな事をスミレはしていた。

 

 

「……スミレさんは…本当にマスターの事を好いてらっしゃるんですね。

何か特別な理由があると見ましたが…」

 

「特別な理由?

そんなの無いよ〜?私は百十が本当に好き。理由なんてそれでいいの。」

 

回答になっていない返事をする。

そしてスミレは少し考え…

 

 

 

 

「うーん……でもやっぱりあるかな、理由。」

 

「⁇」

 

 

「私達ハンターはさ、腕のあるプレイヤーをとても好んでいるは確かだよ。

その人のおかげで名は知れ渡るし優遇されるし!いいことづくしだね。」

 

「なるほど、百十様はその腕がかなり立つが為にスミレさんは大好きなのですね。」

 

 

「それもそうだけど私は違う。

腕が立つプレイヤーは火事場……私達の特殊なスキルを発動させる為にわざと体力を減らしたり爆弾で自爆させたり……私達にとっては決して楽じゃ無い事をする時もあるの。」

 

「……なるほど。」

 

 

 

 

「でも百十は全くそういう事はしない。

他のプレイヤーにも変わり者扱いされる事もあるけど私を第一に考えてくれた、だから百十が大好き。」

 

「優しい方ですね、百十様は……あなた程の実力者が惚れてしまう訳ですね。」

 

「うん……あはは、なんか恥ずかしいな……」

 

 

少し狭い湯船で2人は笑った。

 

 

 

 

 

 

 

「あいつら遅いなあ……

飯冷めちまうぞ。」

 

 

話題の原因ともなるマスターを差し置いて。

 

 





話の展開があんまり進まなくて申し訳ないです…
ただシリアスさを出来るだけ抜いて書きたいのでほのぼのとした作品にしたいのですよ。
こんな作品でもゆっくりと付き合って頂けると嬉しいです。


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