神ヲ喰ラウ者(休載中) (流々)
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プロローグ

処女作です
本当に下手くそなので
読んでてイライラするかもしれません汗
宜しければ優しく見守ってください!
では張り切っていきましょう!


 

「はあ、はあ、はあ、クソッ!」

 

「生きていれば必ず助けが来る!もう少し頑張るんだよ!」

 

少年は建物の陰に隠れていた。

父も母も幼かった妹も友も皆喰われてしまった。

 

少年は唯一難を逃れた姉と二人逃げていた。

この世界を混乱へと陥れた謎の生命体「アラガミ」から。

 

助けが来ないことは分かっていた。

以前父に聞いたことがある。

ここは「壁」からも「サテライト拠点」からも遠いのだそうだ。

だから助けは...ゴッドイーターは来ない。

 

姉も当然それを知っているはずだ。

それでも少年を励ます為に空元気を出したのだろう。

 

「隠れててもいずれ見つかる...この崖を降りるよ!いいね?」

 

姉に促されるまま

立ち上がろうとしたまさにその時だった。

 

「ね...ねーちゃん...う...後ろ...。」

 

姉のすぐ後ろではどこか肉食獣のようであり小型の恐竜でもあるようなアラガミ「オーガテイル」が大口を開けていた。

 

姉は弟の声にならない声に

また怯えきった表情に全てを察したのかもしれない。

あるいは恐怖からそれができなかったのかもしれない。

いずれにせよ姉は振り返ることもなく

少年の事を突き飛ばした。

そこで少年の意識は途絶えた...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...⁉︎痛ッ!」

少年は目を覚ました。

と、同時に全身を刺すような痛みが走った。

 

「(ああ、そうかあのアラガミに喰われちまったのか...)」

 

その時少年の脳裏にある人物の姿が浮かんだ。

自らに迫る死の恐怖と戦いながら

凛とした表情で少年を突き飛ばした姉

いつも強く、優しく、美しい。

そんな姉の事が...。

 

「...はっ!ねーちゃん⁉︎」

 

少年は我に帰り飛び起きた。

おそらく姉に突き飛ばされた際、崖に転落したのだろう。

全身に痛みが残ってはいるが

落ち方が良かったのか奇跡的に大きな怪我は見当たらない。

 

「おい!ねーちゃん!どこだよ!おい!」

 

少年はすぐに姉を探した。

たった一人の最後の肉親を。

 

しかし少年の足が止まった

なぜなら姉を見つけるよりも先に

オーガテイルを見つけてしまった(・・・・・・・・)からである。

 

いや見つかってしまった(・・・・・・・・・)というべきだろうか。

そもそもこのご時世たった一人の人間を探すよりも

アラガミの群れを探す方がよっぽど簡単なことだ。

闇雲に探しても当然こうなるのは分かっていた。

 

それでも少年の足を止めたのは三体のオーガテイルではなかった。

 

オーガテイルが咥えているなにか(・・・)が少年の足を止めたのだ。

いや、少年はそれ(・・)がなんなのか瞬時に悟ったからこそ

足を止めたのかもしれない。

 

それは白く、細い人間の腕のまさにそれであった。

 

「おい...嘘...だろ?」

 

先に述べたようにこんな世界ではたった一人の人間を探すよりも

アラガミの群れを探す方が簡単なことである。

つまりそれが、たとえ人間の腕だとしても

姉のものである確率など限りなく0に等しいのだ。

 

それでも少年はすぐにそれが姉のものであると確信した。

その腕の手首に当たるであろう部分。

そこには紛れもなく

幼き頃の少年が姉にプレゼントした

お世辞にも美しいとも綺麗とも言えないオリジナルのブレスレットがぶら下がっていた。

 

「ねーちゃん...そんなもん...全然似合わないのに...着けていやがったのかよ...ちくしょう...ちくしょおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

少年は思わず叫んでしまった。

それはオーガテイルが少年に気づくのには十分過ぎる音量だった。

 

「ギャオギャオギァァァァァ!!」

 

オーガテイルが雄叫びのような声をあげながらこちらへ向かってくる。

ここには助けは来ない。

少年は膝をつき目を閉じた。

 

「(もっともっと力があればなにも失わずに済んだのかな...オレもすぐに行くよ...ねーちゃん...みんな)」

 

少年の疲労は限界だった。

目を閉じどれくらい経ったのだろうか。

こちらへ向かってきていたはずのオーガテイルはまだ少年を捕食しない。

 

「(ああ、ねーちゃんもこんな感じだったのかな。もう死ぬから世界がゆっくりになるのかな...)」

 

「こんなところで寝ていると風邪をひくぞ?」

 

「⁉︎」

 

少年は突然誰かに話しかけられた気がして反射的に目を開けた。

 

そこには栗色の髪を靡かせた

神器使いが佇んでいた。

オーガテイルの姿はない

 

「ゴッド...イーター...?」

 

 

 

「ああ、お前を迎えに来た。」

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
今回はプロローグとのことで
ゴッドイーター2の主人公がフライヤに来る前なにをしていたのかなって感じで書いてみました!
アニメの主人公と同じく壁の外出身って設定です!
次回は適正試験編です!
主人公の名前も明らかに!


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Mission1:ゴッドイーター

どーも!
來です!
読んでくださってる方がいてとても嬉しいです!
感想返信できなくてすみません~_~;
幾分気がつかなかったもので 汗
皆さんのご期待に添える作品になればいいなと思っております!
では、今回は適合試験編です!


「気を楽になさい。貴方はすでに選ばれてここにいるのです.....。」

 

 

栗色の髪の男に連れてこられてどれほどの時が経ったのだろうか。

ここはフェンリル極致化技術開発局というらしい。

ここのクルー達は「フライア」と呼んでいる。

あながち移動要塞とでも言ったところだ。

 

そしてオレは今そのフライアの中でも一際巨大な部屋にいる。

ベッドと言うべきか

実験用の台と言うべきか

なんとも言えない物の上に仰向けで寝ている。

 

そしてこのどこから話しているのかもわからないような声の主が

「ラケル・クラウディウス博士」

長い金の髪に黒のベールを纏っている車椅子の女性だ。

他にも色々と自己紹介されたような気がしたが

どうもラケル博士の覇気が無いようで野望に満ちているような不思議な眼差しが苦手であまり頭に入らなかった。

 

 

「今から貴方には対アラガミ討伐部隊「ゴッドイーター」の適合試験を受けていただきます。」

 

 

どうもそういう事らしい。

オレはなんちゃらとかいう偏食因子に適合する可能性があるらしい。

ここに来て直ぐにその事を知らされた。

適合失敗する可能性が決して低く無い事も。

姉の事も整理がついておらずどうしたらいいのかわからなかったオレは直ぐに答えを出す事はできなかった。

 

それから何日か経ってゴッドイーターになる決心をした。

もはや適合失敗して死ぬのも怖くなかった。

いや、他に生きる道などなかったから誘導されたと言うべきか。

 

 

「試験と言っても不安に思う必要はありませんよ。貴方はそう。荒ぶる神に選ばれた者ですから...フフッ」

 

 

「不安なんか無い。早く始めてくれ。」

 

 

成功するか否かなんてどうでもいい。

だがその発言はラケル博士にはどうも本意とは違う受け取り方をされたようだ。

 

 

「あらまあ。頼もしい限りね。では、貴方に祝福があらん事を...。」

 

 

その言葉を聞き流しつつ

明らかに危なげな機械にセットされた「腕輪」に腕を掛け「神機」を握りしめた。

 

 

「ギュィィィィィン ガシャンッ」

 

 

と思うのも束の間腕輪が締まりその上にあった危なげな機械が作動した。

 

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ...く...ぁぁぁぁぁぁ」

 

 

今まで感じた事の無いような痛みに襲われた。

例えるとするなら右腕を内部から喰い貪られる様な痛みだろうか。

思わず台から転がり落ちた。

意識が遠退いて行く

 

「(ああ...オレもここまでか...。)」

 

 

 

 

 

 

その時だった。

 

 

「ルル!」

 

 

「(ねーちゃん...?ああ...迎えに来たのかな...。)」

 

 

「ルル!あんたバカな事考えてるんじゃなでしょうね?」

 

 

「(え?なんだよ...何がいけないのさ...オレもみんなの所に...。)」

 

 

「違う!あんたは生きてる!あんたはあんたにできる事をやるのよ!あんたにはアラガミを倒せる力がある!こっちに来ようなんて100年早いよ!」

 

 

「(オレにできる事?アラガミを倒せる力?)」

 

 

思い出した。

この命を姉に救われたあの日の事を。

両親に救われたあの日の事を。

 

 

「(オレの命はもう...オレだけのものじゃないんだな...ねーちゃん...)」

 

 

「それでこそ私の弟だよ。ルル。がんばって...」

 

 

 

 

 

「適合失敗か?」

 

 

その言葉とほぼ同時に意識が覚醒した。

まだ痛みが残っているが少しずつ引いていくような感覚がある。

 

 

「いいえよく御覧なさい。」

 

 

「はぁはぁ...オレはゴッドイーターになる...救われた命で...はぁ...今度は誰かを救う為に...誰も...失わないように...オレはゴッドイーターにならなきゃいけないんだ...!」

 

 

渾身の力を振り絞り神機を支えに立ち上がった。

 

 

「フフッ...貴方に「洗礼」を施した時とそっくり。おめでとう。これで貴方は神を喰らう者「ゴッドイーター」になりました。そしてこれから更なる「血の力」に目覚めることで極致化技術開発局「ブラッド」に配属されることになります。ゴッドイーターを超越した選ばれし者「ブラッド」....来るべき新たな神話の担い手...。まずは体力の回復に努めなさい。「神禊(かみそぎ)ルル」貴方には期待していますよ...。」

 

 

その言葉に呼応するかのように

オレは神機を振るった。

 

 

 




はい!
こんな感じです!
適合試験って痛そうですよねえ 汗
特に2の試験は~_~;
そういえば主人公の名前は神禊ルルくんです!
神機に関しては作者も何を持たせようか迷ってまして名言は避けました...。
あまり小説なんかじゃ見かけないポール系とか良いかなーなんて思ってたりします 笑
とりあえず感想等ございましたらよろしくお願いします!


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Mission2:男の正体

どーも!
來です!
昨日の今日で投稿します!
原作を再プレイしながら書いているので
忘れないように 笑
では張り切って参りましょう!


「適合試験お疲れ様です。訓練は明日からと聞いております。」

 

 

綺麗な金髪...と言ってもラケル博士とは対照的な短髪の彼女は

「フラン=フランソワ=フランチェスカ・ド・ブルゴーニュ」

とまあ舌を噛みそうな名前のフライアのオペレータである。

フライアクルー達には「フラン」と呼ばれている。

ラケル博士にわからないことがあれば彼女に聞くようにと言われ訓練日程を確認しに来た次第だ。

 

 

「明日...か...。」

 

 

明日と一言に言われても今日は何をしたら良いのか。

話し相手もいないオレにとって正直ここでの生活は退屈そのものだ。

 

 

「それまでフライアを見て回ってはいかがですか?庭園なんて良いところですよ?」

 

 

そんなオレの思考を読み取ったかのようにフランは暇の潰し方を提示してくれた。

それも行くあてのないオレの為にオススメのスポット付きで。

 

 

「なるほど庭園か...よし!これから行ってみるよ。」

 

 

「でしたら奥のエレベー...」

 

 

「ああ!場所は教えてもらわなくても大丈夫!散策がてら行ってくるから。」

 

 

庭園に行こうとしたオレに対してフランは道を教えてくれようとしたみたいだったが

すぐに着いてしまっては暇を解消することは出来ないし

何より必死に探して辿り着いた方が感動も大きくなるんじゃないかと思いその言葉を遮った。

 

 

「え...ええ。そうですか。ではお気をつけて。」

 

 

「ああ!ありがとう!」

 

 

フランも動揺を隠せない様子ではあったが

笑顔で送り出してくれた。

任務に出るゴッドイーター達はみんなこんな気分なのか

なんてことを考えながら

フランの元を去った。

 

 

 

 

 

 

それからどれほどたったのか。

わかってはいた。

わかってはいたがこのフライアは広すぎる。

こんな事なら素直にフランから道を聞いておけばよかった。

 

そんな事を考えながら通路を歩いて行くと

急に開けた場所に出た。

 

 

「...花畑?いや違う!ついに辿り着いた!ここが庭園だぁぁぁぁぁ!!!...あ...。」

 

 

ここが庭園だと気が付いて

つい叫んでしまった。

誰も居なければそれでも良かったのだが

奥の木の下に1人の男がいた。

それもオレのことをここに連れてきた、あの栗色の髪をした男だ。

 

フライアの広さとこのところの多忙さから気が付いていなかったが

彼とはここに来てから話したいと思ってはいたが一度も会うことはなかった。

 

だからなのかオレは吸い寄せられるように彼の方へ向かって歩いて行った。

 

 

「ああ...適合試験お疲れ様。」

 

 

彼もオレに気付いたのか急に話しかけられた。

 

 

「本当に死ぬかと思ったけどな...。」

 

 

オレは少しだけ皮肉を込めて冗談を言ってみたが半分は本当のことだ。

 

 

「ああ...無事終わって何よりだ。まあ座るといい。」

 

 

どうやら冗談は通じないらしい。

 

 

「じゃあお言葉に甘えて...。」

 

 

ここまで来るのに疲れも溜まっていたし言葉の通り座らせていただくことにした。

 

 

「ここはフライアの中でも一番落ち着く場所なんだ。暇があるとずっとここでぼーっとしている...。」

 

 

どおりでその辺を歩いていてもすれ違わないわけだ...。

 

 

「なかなかいい場所だな。こんな要塞にこんなところがあったなんて。」

 

 

「ああ...すごく気に入ってる。」

 

 

まあそうだろうなと思った。

相当気に入ってなければ暇があるたび来たりしない。

 

 

「そういえばまだ名乗っていなかったな。」

 

 

確かにオレは彼の名をまだ知らなかった。

 

 

「俺はジュリウス・ヴィスコンティ。これからお前が配属される極致化技術開発局ブラッドの隊長を務めている。」

 

 

「あ...あのー...。(な...嘘だろ?ブラッドの隊長⁉︎ゆくはオレの上司じゃねーか...やべえ...口の利き方ミスった)」

 

 

上司だと知りとりあえずフォローをしようと口を開きつつ

崩れ切った座り方を正そうとした。

 

 

「あまり恐縮しなくていい。これから、よろしく頼む。」

 

 

しかし冗談は通じないジュリウス...もとい隊長殿だが

あまり形式的なものは気にしない人だったようだ。

 

 

「さて...休んだ後でフライアをゆっくり見て回るといい。また後で会おう。」

 

 

と言いながらジュリウス隊長は去っていった。

 

 

「ジュリウス...じゃなくて...隊長殿!今後ともよろしくお願いします!」

 

 

「フッ...ジュリウスでいい。」

 

 

立ち上がり理想的な角度で頭を下げるオレに対して

ジュリウスは呼び捨てにしても構わないと告げ去っていった。

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
お姉さんに続き
もう1人の恩人のジュリウスさん登場です!
かっこいいですねえ 笑
次回は訓練回です!
露出の多すぎる猫耳女子とチャラい先輩が登場します!
よろしかったら感想等よろしくです!


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Mission3:おでんパン

どーも!
來です!
小説を書くのも簡単じゃないなって思ってる今日この頃
読者の皆様を満足させられているか心配です 汗
とはいえ今回も気合いを入れて書いていきます!


「ふぅ...。」

 

 

オレは今し方訓練を終え自販機でドリンクを購入したところだ。

これからロビーで休もうかと思っている。

このところは訓練続きで正直体はボロボロだ。

にもかかわらず未だに自分の神機を手にした訓練は一度も行われていない。

どうも調整中らしく、訓練が始まって早3日レプリカ神機での訓練をしている次第だ。

 

 

「あ!お疲れ様〜!」

 

 

ロビーについたところで声をかけられた。

声のしたベンチの方を確認すると

猫耳をあしらった様な髪型に、超短パン、おまけに上半身は布切れ一枚というなんとも目のやり場に困る様な少女が謎の食べ物を食していた。

 

 

「君もブラッドの新入生...じゃなくて、新入りの人だよね⁉︎」

 

 

「ああ、神禊ルルだ。「君も」って事は君も新入りって事でいいのかな?」

 

 

彼女の口ぶり的におそらくブラッドの同期であろうと察したオレは

軽く自己紹介を済ませその事を確信付けるための質問をした。

 

 

「私はナナ!ルル君の言う通り!ブラッドの新入りです!よろしくね〜!」

 

 

「ああ!よろしく!」

 

 

オレはこの時内心ホッとした。

先日ジュリウスの件があったばかりにも関わらず、万一彼女が先輩なんかであった場合

生意気な新入りなんてレッテルを貼られかねない。

それと同時に知り合いの少ないこの場所で、同期という気兼ねなく話せる相手に出会えた、というのも一つの理由である。

 

 

「そういえば、ナナも訓練受けてきたんだろ?どうだった?」

 

 

「うーん...イマイチ...だったかなあ〜。ルル君はどうだった?」

 

 

「オレか?オレは完璧にこなしてきたよ。」

 

 

本当はノルマをクリアするのもギリギリで今もかなりヘロヘロではあったものの

少しだけナナをからかってやろうと思い冗談を口にしてみた。

 

 

「あーなになに?なんか期待の新人って感じ?」

 

 

よしっ!食いついてきた!なんてことを考えつつさらにからかってやろうと心の中で卑しい笑みを浮かべる。

 

 

「まあな。オレこう見えてもあのジュリウスにここに連れてこられたんだよ。」

 

 

ジュリウスに連れてこられたことに関しては確かな事実だが

当然これも冗談のつもりで述べた言葉だった...しかし

 

 

「えっ!本当に⁉︎隊長に?よーし!私も負けてられないな〜!」

 

 

少しだけ驚きを見せたナナは急に気合を入れて

謎のパンを一気に口へと詰め込んだ。

 

 

「お、おい!そんな詰め込んだら...!」

 

 

正直冗談を言っていたことなんて忘れてしまう様な衝撃を受けた。

なにせ目の前の細身の女の子が

どう見ても串付きのおでんが入ったコッペパンをものの数秒で平らげてしまったのだから。

 

 

「えへへ〜。平気平気!あ!そうだ!お近づきの印に〜...」

 

 

ナナはおそらくおでんに刺さっていたであろう串を器用に咥えながら

サンタクロースも顔負けの大袋を漁り始めた。

一体何が出てくるのだろうか。

そんな心配をよそに、ナナはあるものを取り出した。

 

 

「はい!どうぞ!お母さん直伝!ナナ特製のおでんパン!すっごく美味しいから、よかったら食べてよ!」

 

 

まさかとは思ったがさっきのパンが出てきた。

それすなわちその袋には大量の「おでんパン」が入っているのか

はたまた異空間にでも繋がっているのか。

そんな思考を知ってか知らずかナナは満面の笑顔でおでんパンを差し出している。

 

 

「これ、おでんパンっていうのか!サンキューな!」

 

 

彼女の笑顔に負けたのか、それともただの怖いもの見たさか。

自分でもよくわからなかったがなぜか嫌な気もせず、快くおでんパンを受け取った。

 

 

「おっと!私そろそろ訓練の時間だから!いってきまーす!」

 

 

明らかにミスマッチなおでんパンに見惚れているとナナは急に思い出したかの様に訓練へと向かった。

 

 

「さて...いただきますか。」

 

 

一人になってしまったのでありがたくおでんパンをいただこうかと思ったその時だった。

 

 

「残したら後で怒るからね〜!」

 

 

わざわざ戻ってきてまでそれを伝えたかったのか。

 

 

「ああ!残さないよ!約束する!訓練頑張って!」

 

 

「はーい!じゃあ今度こそ、いってきまーす!」

 

 

彼女は再びエレベーターへと走っていった。

オレはそれを見送りつつ何の気なしに手にしていたおでんパンを口にした。

 

 

「な⁉︎うまい...!こんな美味いもん、頼まれたって残さねーっつーの。」

 

 

おでんパン。

香月ナナの手により神禊ルルはおでんパンの虜になるのであった。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
今日はおでんパン...もといナナちゃんの登場回です!
しかしナナちゃんは目のやり場に困りますよねー 汗
すこしませがき入ってるし 笑
それと本当は今回例の先輩も登場させようと思ったのですが
ナナちゃんのお話が少し長くなったので次回に持ち越します!
ごめんね!先輩!
それでは今回もご感想等ございましたら、よろしくお願いします!


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Mission4:神機

どーも!
來です!
このところ忙しかったので更新遅くなりました!
すみません!
では張り切ってまいります!


 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

オレは今日も訓練に勤しんでいる。

とは言えまだ1週間とかそこらだ。

そしてたった今オレはオーガテイルを斬り伏せた。

しかし別に本物のアラガミというわけではなく、バーチャルによって作られたものである。

 

などと考えているのも束の間

新たなオーガテイルがこちらに向かってくる。

 

 

「チッ!」

 

 

それに対して即座に迎撃態勢をとる。

が、しかしオーガテイルの動きは異常なまでに早い。

直線的に突進を仕掛けてきていたはずのオーガテイルは

こちらの初撃を寸出の所で回避すると地面を蹴り飛び上がり大口を開けた。

 

 

「クソっ!ジュリウス!この野郎!」

 

 

オレはジュリウスに毒づきながらも後方へ飛び

オーガテイルの捕食行動を回避する。

 

 

「やられっぱなしで居られるかよ!」

 

 

間髪入れずにオーガテイルとの距離を詰め始める。

その距離約30mといった所か。

オーガテイルも尾を振りかざし棘を飛ばすモーションに入った。

それでもオレは足を止めない。

残り10m。

オーガテイルの棘が射出された。

 

 

「あんまりオレを見くびるなよ?アラガミ風情が!」

 

 

5m、4m、3m。

オーガテイルの棘が迫ってくる。

2m、1m...。

 

 

「はぁ!!!」

 

 

気合一閃、オレは全神経を両足に集中させ前方へと踏み込んだ。

オーガテイルの棘攻撃には幾度となく訓練失敗に追い込まれてきた。

それでも、弱点はある。

それは、一般の成人男性よりもやや低めの身長のオレにとって

オーガテイルの棘の射出点が遥かに高い位置に存在することである。

故に狙いすまされた棘は、斜め上方より降り注ぐように向かってくる。

オレはそれを利用した。

 

そもそも神機使いの保身行動とされるものは大きく分けて二つある。

一つは神機に装備されている、「装甲」を展開する事。

そしてもう一つは後方もしくは左右へ飛びしさる事で敵の攻撃を「回避」する事。

 

この状況において、この二つの選択肢どちらを取っても決して致命傷になる事は無いはずである。

 

それでもオレは選択肢のどちらにも当てはまらない前方へと踏み込んだ(・・・・・)のである。

 

しかし冷静になって考えてみてほしい。

先に述べたようにオーガテイルの攻撃は斜め上方よりこちらへと向かってきている。

尚且つ回避行動の解説を安全な地帯へ飛びしさる事、としてみよう。

そう、安全な地帯であれば左右後方である必要は無い。

 

つまりオレはオーガテイルの棘を紛れもなく前方へ回避(・・)したのである。

 

並みの人間では精神的に不可能なことかもしれないし

正直なところオレもこんな事は恐ろしい。

それでも生き残るために最善の策を選択するのが生かされたオレの使命であると考えている。

 

 

「がぁぁ⁉︎」

 

 

この踏み込みにはさすがのオーガテイルも不意を突かれたらしい。

反応がほんの一瞬だけ遅れた。

オレにとってはそれで充分だった。

神機レプリカを振りかざしオーガテイルの大口を引き裂いた。

 

と、同時に廃墟であったはずの周りの風景が殺風景な金属色の壁へと移り変わった。

 

 

「ああ...お疲れ様。」

 

 

声を掛けてきたのは教官でありブラッド隊長のジュリウスである。

 

 

「お疲れ様...じゃねえっつんだよ!ジュリウス!お前殺す気か!」

 

 

「フッ...と言いつつクリアしてるじゃないか。レベル20攻略おめでとう。ナナもかなり戦えるようになってきているし、お前らならもう...」

 

 

「あー!おつかれー!」

 

 

ジュリウスがなにかを言いかけた所でナナがこちらへと寄ってきた。

 

 

「おう!おつかれ!なんだ今日も元気だな!」

 

 

ナナの元気に疲れが吹き飛んだような気がした。

 

 

「そんなことよりさ!訓練したらお腹すいちゃったよ〜!一緒にご飯にしよ!ご馳走するよ!」

 

 

「どーせおでんパンだろー。」

 

 

「あーなにその嫌そうな感じ〜。そういうこと言ってるとあげないからね〜。」

 

 

ナナは少し拗ねたように先にロビーへと向かった。

 

 

「はいはい。オレは犬かよ。そういうことだ。悪いなジュリウス。話はまた後で。」

 

 

オレはおでんパン欲しさに軽く挨拶を済ませ、ナナの後を追った。

 

 

「フッ...文句を言いながらも付いて行くんだな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レベル20クリアしたの〜⁉︎ルル君ってすごいんだね〜!私なんてまだ14だよ〜。」

 

 

「なぜかジュリウスはオレにだけスパルタだからなー。自ずとクリアするしかなくなるんだよ。」

 

 

オレとナナは軽い食事(おでんパンではあるが。)を済ませロビーで談笑していた。

 

 

「フフ♪フフフ♪フッフッフッ〜♪」

 

 

すると突然鼻歌が聞こえてきた。

 

 

「ん?」

 

 

オレはふとそちらを見ると向こうも気がついたようであった。

 

 

「あれ?見ない顔だね、君ら。」

 

 

と思うのも束の間声を掛けてきた。

金髪にニット帽。

一言で表すならチャラ男といったような身なりの男である。

 

 

「こんにちは!」

「ども。」

 

 

オレとナナはフライアでは確実に下っ端なのでとりあえず挨拶をした。

 

 

「あ、ひょっとして噂の新人さん⁉︎」

 

 

「ああ...じゃなくてはい!これからお世話になります。」

「お世話になります!先輩!」

 

 

彼はオレたちが新人だとすぐに気づいたらしい。

そんなに噂になっているのか。

そしてまたついタメ口を使いそうになってなんとか立て直す。

 

 

「口の利き方なんかなんでもいいって!そんなことより先輩...なんかいい響き!」

 

 

どうやらごまかせていなかったらしい。

しかし見た目に違わぬキャラだったことが幸いし、追求されることもなかった。

 

 

「よし!俺はロミオって言うんだ!先輩がなんでも教えてやるから、なんでも聞いてくれ!」

 

 

この先輩の好意はオレにとってはありがたかった。

ナナはここに来る前ラケル博士の児童養護施設に居たらしく、なにかあればラケル博士に相談している。

しかしそのラケル博士が苦手なオレは聞きたいことが溜まりまくってた所だ。

 

 

「あ、その前に言っておく!ブラッドは甘くないぞ!覚悟しておけよ!」

 

 

なにから聞こうか迷ったがやはりまずはすべての根底に存在することを聞こうと思った。

 

 

「そうだなあ。そもそもブラッドってなんなんだ?」

 

 

「お、おお、いい質問だね。うーん...そうだなあ...ブラッドは...えーと...血の力を持っていて...そう!血の力に目覚めると...必殺技が使えるんだ!うちの隊長なんてすごいんだぜ!どんなアラガミだってズバーン、ドバーンって倒しちゃうんだからな!」

 

 

あー聞く相手間違えたかなーなんて思っていると

必殺技という響きにナナが反応した。

 

 

「すごーい!じゃあロミオ先輩の必殺技ってどんな感じなんですか?」

 

 

正直それは気になる。

その必殺技ってものにも個人差が現れるのかどうか。

今後自分たちが習得していく上で重要なことである。

 

 

「ば、バッカ、お前、ほら...必殺技ってのはさ、そんなすぐに手に入るもんじゃないんだよ...」

 

 

ん?ってことはロミオは使えないってことでいいのだろうか?

しかし使えないとなるとあくまで後輩という立場であるオレが突っ込むのも申し訳なく感じる。

 

 

「あ、そうだ!今みたいな質問はさ、ブラッドを設立したラケル博士にどんどん聞けばいいと思うな!」

 

 

それができたら苦労しない。

なら別なことを聞いてみるか...。

と思っているのも束の間...

 

 

「じゃ、またな!」

 

 

ロミオはそそくさと去っていった。

 

 

「あれ...?質問タイム...もう終わり?なーんかまずいこと聞いちゃったかなー?」

 

 

ナナが不思議そうにつぶやいた。

 

 

「さあ...な。でもまあいい先輩っぽくてよかったよな!仲良くできそうだ!それよりオレたちもそろそろ休むか!」

 

 

なんとなく察しはついたがそんなこと追求してもしょうがないのでオレたちは各々部屋へと向かい体を休めることにした。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
少々長くなってしまったのと
間が空きすぎてしまい少し文体がおかしいかもしれません。
今後もなるべくマメに更新するように心がけますが
間が空いてしまっても必ず更新いたしますので気長にお待ちいただけると光栄です!
では、感想等お待ちしております!


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