やっちゃおう、バーサーカー!! (ヘッラクレッス)
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プロローグ――英雄召喚――

 冷たい地面の感覚が肌から心まで染み渡るかのような錯覚を起こさせる。こんなところで寝たままでいられるはずもないのに、心地いい冷たさにこのまま寝てしまおうかと一瞬思ってしまう。そんな思考のなか布のすれる音が聞こえる。

もうきたのか、そんなことを思っている間にすでに音は自分のすぐ後ろへと迫っていた。

 急いで逃げなければ、そう思い立とうと足を踏み込んだとたん、

 

 

「うぅ...」

 

 

 転んだ拍子にすりむいた傷が痛む。

 その傷は傍から見ると擦り傷と呼べるようなものではなく、立って歩くというのは不可能なほどの傷だった。

 そして、先ほど漏れてしまった声。それは、後ろから迫るものにはこちらの位置を教えてしまうようなもので、

 

 

「おぉ、こんなとこに居やがったのか。」

 

 

 見つかるのは至極当然なことであった。

 

 

「おいおい、鬼ごっこはもう終わりかぁ?せっかく付きやってやってるんだからさっさと逃げてみろよっと!」

 

 

「うあぁっ!?」

 

 

 見つかると同時に横っ腹を蹴られ吹き飛ばされる。窓にわずかに残ったガラスを割り飛ばしながら建物の中へと蹴り込まれた。

 更なる暴行により痛みが増したからだ。ガラスが刺さり切った皮膚から血が流れ出る。

 しかしこれで相手との距離を稼ぐことができた。

 ()()()()()()()足でしっかりと地を踏みしめ、奥へ奥へと駆け抜ける。

 幸いなことにここは廃れてつぶれてしまった教会のようだ。

 部屋は無数にありうまく隠れることができれば逃げ延びることができるかもしれない。

 そう考え、特に古ぼけた部屋へと駆け込む。

 後は、相手が自分が逃げたと思って帰ってくれることを祈るのみだ。

 しかし、そううまくことが運ばれることはないようで、

 

 

「見つけたぜ」

 

 

 ドアを開け、男が顔を出す。

 何で?と思考がまとまらず狼狽してしまっていると、

 

 

「納得してないような顔だな?でも、そんな難しいことじゃないぜ。どう見ても古いこのへやの扉のほこりだけがなかったらどんなアホでも気付くだろ?」

 

 

 馬鹿にしたような態度で男はこちらの顔色を窺う。その表情に浮かぶのは、こちらの無能さをあざ笑うかのような侮蔑の表情、そして、これからこちらを甚振ることを想像しているのだろう嗜虐的な笑み。

 

 

「ひっ...」

 

 

 その表情を目にした少女はただならぬ恐怖を感じ思わず声を上げる。

 助けて、と助けを請うことを一瞬考える。しかし、それが無駄なことはわかっている。

 もう助からない、その事実が少女の表情をさらに恐怖へと染め上げる。

 

 男は表情を崩さずじっくりと少女との距離をつめていく。一歩、また一歩と近づくたびに絶望の色を強くする少女の表情を楽しむように。

 そして、少女の前へとたどり着くと懐からおもむろに()()()()()()のナイフを取り出す。

 

 取り出したナイフにまるで恋人に対するかのような接吻をし、男がナイフを縦に一振りする。

 

 

「っっっ!」

 

 

 それと同時に少女の腕が切り裂かれる。

 血が流れ出し足元に大き目の水滴をたらす。

 

 そこから男はさらに激しく少女の体を切りつける。何度も何度も。

 次第に少女の足元に少女の血でできた水溜りが出来上がる。

 

 そんな中、少女は自分の意識がだんだんと薄れていっているのを自覚していた。

 

 

(死んじゃうのかな?)

 

 

 少女は自分の死を意識し始めた。そうすると、今まで生きてきた生活が思い起こされる。

 

 

(これが走馬灯かぁ)

 

 

 生れ落ち、親に捨てられ、同じような仲間とすごし、仲間が■され、一人で必死に行き、迫害にあい逃げる日々。

 

 思い起こしてもいい記憶ではないかもしれない。

 しかし、それは少女が日々を必死に生き抜いた、少女の生の証であった。

 そして、少女がなによりも憧れていたものがあった。

 

 人と普通に会話し、友達を作り、何より、家族を得ることだった。

 

 

(まだ、死にたくないな)

 

 

 故、少女はまだ死にたくないと思う。

 

 

(まだまだ生きてやりたいことがいっぱいあったのに)

 

 

 故、少女はまだ生きていたいと望む。

 

 

――本来ならかなうことのない望み。しかしてそれは奇跡よって叶えられる。

 

 

 地面が光る。

 教会に不思議な力とともに封じられていた儀式の痕跡がその血と、その意思により機能を果たす。

 

 光の中からその巨体が現れる。

 2mを遥かに超え、岩石を思わせる体の男。

 男は少女を背にし、少女を害するものにその怒りの咆哮を上げた。

 

 

「■■■■■■■■■■■ーーー!」

 

 

 ここに神話にも語り継がれた人類最強の英雄が顕現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




初投稿です。

文章力がないので駄文になります(確信)
なので辛らつなのでもいいので意見・感想などくれるとうれしいです。










あ、文章力ないので更新遅れます(ボソッ


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神を目指した者たち
英雄は、日々を駆ける


今回なんとバサクレス登場極少。
本格的に出るのは小山おじさんのあたりからの予定(仮)


 

 モノリス内、町の中心部から離れたモノリス近郊に『外周区』と呼ばれる場所がある。エリアの端ということもあり、人が住むことはなく、マンホールチルドレンとして『呪われた子供たち』が暮らしているくらいである。

 

―――そんな町を何者をも凌駕する速度で駆け抜ける男の姿があった。

   傍らには小さき少女を携えて。

 

 彼らが目指すのは彼らの遥か先を疾走する普通なら存在し得ないほど巨大な虫の形をした生物、『ガストレア』である。

 

 

 

 ガストレアは本来であればモノリス内に侵入することはない。ただそんなかにも例外(イレギュラー)は存在する。

 

 例えばモノリスの間に存在する磁場の影響が弱いところからの侵入であったり、また、磁場の届かない地下深くからの侵入であったり、上昇気流にうまく乗り上空からの侵入などである。

 

 今、彼らが追っているのはその例外によって齎された『感染者』の成れの果てである。

 

 ガストレアとは『ガストレアウイルス』によって遺伝子を書き換えられることによって誕生する生物である。このウイルスは空気感染こそしないものの血液感染によって感染することはあるのだ。

 つまり、ガストレアに襲われ体液を送り込まれればどうすることもできない。

 襲われる側の人間が民警のようにガストレアに対抗する手段を持っているものだとしたら、まだいいだろう。

 しかし、もし何の装備も力も持たぬ一般人が襲われたとする。そうすれば、いったいどうなるのか?

 考えるまでもないだろう。襲われた人々は『感染源』となり得るガストレアにウイルスを感染させられ―――

 

 ガストレアへと、その姿、形を変貌させてしまう。

 

 

 彼らが追跡しているガストレアもそのうちの1体、少し前まで普通の生活を営んでいたはずの人間だった生物である。

 

 その見た目からおそらくはモデルスパイダーの単因子だろうと思われるガストレアはその多数の足を巧みに使い、恐ろしいまでの速さで町を駆け抜けている。もう10分と掛からずに多くに人々が住む街の中へと侵入してしまうだろう。

 

 

――だが、それを追っている彼はその速度を歯牙にもかけないほどの速さで疾走し、対象との距離を詰めんとしていた。

 

 

 そして、追跡が始まってから30秒ほど経過したかというとき遂に彼らは追跡対象へとたどり着く。

 

「■■■■■■■■■ーーー!」

 

 そして、吼える。今まさに目の前の標的を討ち取らんと。

 

 その声を聞いてガストレアは一瞬ではあるが動きを緩めた。

 

 そう、()()()()()()()のである。

 

 それは、彼を前にしたときにしてはならないこと。

 彼はその一瞬の隙といえるかわからないほど小さな隙間に完全な攻撃を容易く加えることができる技術を持っているのだ。

 

 だが、そんなことまで理解できるほど、このガストレアは有能ではない。

 故に、この勝敗ともいえる事象は彼に追跡されたというだけですでに決まっていたのである。

 

 そして今、彼の持つ神聖さすら感じる無骨な黒い斧剣によってガストレアは真っ二つに叩き切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼、里見蓮太郎は勤めを果たした後、タイムセールで手に入れたもやしを手に自分が所属する会社へと訪れ、先ほど終わらせた仕事の顛末の報告をしていた。

 

 

――その頬に冷や汗を浮かべながら。

 

 

「死ぬ前に、何か、いいの残したことはある?里見君」

 

 

 と、物騒な声で機嫌を悪くしている少女は、天童木更(てんどうきさら)

 十年前、蓮太郎が引き取られた天童家の末の娘であり、彼の勤め先の天童民間警備会社の社長である。

 

 

「す、過ぎたことはしょうがねぇだろ」

 

 

「この、お馬鹿ッ!」

 

 

 狭い室内に怒声が響き渡るのと同時に蓮太郎に鋭いパンチが飛んでくる。すんでのところでかわすと少女は、少女は噛み付くかのような表情で蓮太郎を睨んだ。

 

 

「ちょっと、何でかわすのよ腹立たしいわねッ」

 

 

「無茶言うなッ!」

 

 

 そう言うが早いか蓮太郎が逃げようとすると少女も拳を高く振り上げながら追ってき、応接セットを中心にぐるぐると逃走劇が始まる。

 

 なぜ、このような事態に陥ったかというと、それは、里見蓮太郎の所為にあった。

 

 いつものように仕事をし、無事、ガストレアを倒すまではよかった。しかし、そのあとに迫るタイムセールに急ぐあまり、()()()()()のを忘れてしまったのである。

すこししてから気づいたものの、すでに手遅れであった。

 警察に連絡をとっても、気にするな、と哄笑とともに電話はすぐに切られてしまったのである。

 

 

「なあ、また新しい仕事を受けた時に頑張ろうぜ、木更さん」

 

 

「馬鹿なこと言わないで!これが最後のチャンスだったのよ!」

 

 

 そう、この会社はお世辞にも裕福、ましてやどうにか経営できている、と言うのもおこがましいほどに貧しかった。雇っている民警も蓮太郎ただ一人。さらに、まだ会社が小さく、蓮太郎の民警としてのランクが低いという理由で仕事が極端に少なく、収入が少なかった。

 

 

「ちょっと里見君、今週は収入ゼロよ。一体誰のせいだと思ってるのこの甲斐性なし、最弱、お馬鹿。それと君の中では社長への仕事の報告よりもスーパーのタイムセールのほうが優先されるの?」

 

 

 そして一旦言葉を切り、拳を握ったまま震える。かと思うや、机に両手を突いて立ち上がった。

 

 

「――なにより、どうして私にもタイムセールのこと教えてくれなかったのよッ!」

 

 

 言い切ったと同時に、タイミングよく木更のお腹がぎゅるぎゅるとなり、彼女はお腹を抱えたまま力なく椅子に座った。目に光はなく虚ろだった。

 

 

「会社経営って思ったより大変なのね」

 

 

「・・・・楽だと思ってたのか?」

 

 

 そこからは会社の立地が悪い、や宣伝すればいいなどまた大していい案も出ないような会話に花が咲いた。

 蓮太郎が爆発して人を呼び寄せる話まで言ったところで蓮太郎は呆れ半分に部屋を見回す。

 

 

「なぁ社長。まじめな話、俺以外にも人雇おうぜ」

 

 

「使えそうな人がいたらね」

 

 

 せっかくワンフロアを貸しきって事務所を構えているのに、使用するのは二人の社員しかいないのではもったいなさ過ぎる。そう思って、割と真剣な意見を言ったつもりだったが、そっけなく返されてしまった。そして、この話題を打ち切ると指をぱちんと鳴らした。

 

 

「報酬を貰い忘れたお馬鹿さん、お茶をいれて」

 

 

「チッ、はいはい、ただいまお持ちしますよ、お嬢様」

 

 

 貧乏な生活を送っているのに気位は高い社長に疑問を持ちながら、急須に湯を注ぎ机の上に差し出す。

 

 

「ん、ご苦労」

 

 

それからしばらくの間、ノートパソコンを操作していた木更が顔を上げ尋ねる。

 

 

「ねぇ、君が倒したガストレアって感染者だったのよね?」

 

 

「あぁ、そうだ。感染源のほうは見つけられなかったけど、おそらく同じモデルスパイダーの単因子だ。でも、飛べるわけでもないし、もう他社が見つけて始末してるだろ。危険なやつなら応援が掛かるはずだし、警報も発令されてない。」

 

 

 相手はただの単因子だ。それに、もしあいつがステージⅢ以降の危険なものなら応援要請が来るはずである。それがないのならば、すでにあっさりと駆逐できたのではないか、そう考えたのだがそれを木更の声が一蹴する。

 

 

「そんな情報はないし、それどころかもうひとつ感染者が出てたみたいね。まあ、こっちはすでにどこかの誰かが対応してくれたようだけど」

 

 

 そう言って木更は蓮太郎にもノートパソコンを見せてくれる。そこに写っていたのは、ガストレアの目撃情報があった場所を見ることができる民間機関のウェブサイトだ。

 

 

「ないわよね?」

 

 

「ああ・・・・・でも目撃情報が一つもないなんてことあり得ねぇだろ。新しい感染者も出てたって言うのに」

 

 

「でもここにあるじゃない」

 

 

「どうして政府は周囲一帯に警告を出さないんだ?これは一大事だッ!」

 

 

「里見君政府は無能じゃないけど警報とかの強制手段はほとんどとらないから、期待しても無駄よ。まあ、だからこそ民警(わたしたち)の仕事があるんだけど」

 

 

 いやな仕事だな、と自分たちがしている仕事認識を改め、舌打ちしたところで緩く頭を振って思考を切り替える。そして、これからの指針を宣言しようとしたときにもう一度木更が話し始める。

 

 

「あともう一つ気になることがあるの」

 

 

 思いもよらない発言に思わず、何?と蓮太郎はつい声をだ出してしまう。

 

 

「外周区に現れたもう一つの感染者だけど倒され方が異常なのよ。」

 

 

「どういうことだ?」

 

 

「ガストレアが一発で真っ二つに切られているの。いや的確な表現をするなら、ものすごく強い力で叩き切られている(・・・・・・・・)。これが相当高レベルの序列の民警の所為ならまだわかるわ。でも、この街の高序列の民警は誰一人そんなところにいった様子はなかったらしいの。これっておかしなことじゃない?」

 

 

 話を聞いていると確かに変な話だ。民警が手を出していないガストレアが高位の民警でしかできない倒され方をしている。一般人が倒したのか?いや、あり得ない。一般人がそれほどの力を持っているわけがない。だとするとそれをやったのは誰なのか。確かに気になる話だ。

 

 だが一旦思考を切り替える。自分まずできることからこなしていこう。

 

 

「その話もかなり気なる内容だが、まずは感染源のことだ。これから『先生』のところに話を聞いてくる」

 

 

「ええ、時間をとらせたわね。私も同業者にそれとなく探りを入れてみるわ。里見君、残る感染源も私たちで狩るわよ、可及的速やかに」

 

 

「わかった」

 

 

 そこからまた少し話し会話が続き、雰囲気を悪くして会話は終了し、蓮太郎は予定通り『先生』の元へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そこで彼、里見連太郎は『先生』―室戸菫といた。多少地獄を味わうも当初の予定どうり、今現在発見されていないガストレアの相談でだいぶ思考もまとめることができた。

 

 じゃ、とそう言い帰ろうとしたとき、

 

 

「ところで、君が倒したガストレアを調べた後もう一体ガストレアの死体が来たんだがこれをやった奴に心当たりでもないかな?」

 

 

 と急に声をかけられる。

 

 

「いや、民警じゃない奴かもってくらいしか・・・」

 

 

「そうかそうか、いや、いいんだ、気にしないでくれ」

 

 

「はぁ・・・」

 

 

 少し気になるが別にいいか、と気にせず蓮太郎は帰路に着く。その後ろでは、霊安室で一人唸る研究者が居た。

 

 

 




少女の名前何にしよう?
イリヤでいいのかな?

次回は2週間後くらになっちゃうかもです
忙しくてのぅ・・・・・


至らない点、違和感部分どしどしください即刻直しますので!


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悪鬼漂う森にて

非常に短いand結構話飛んでます。
原作未読者さんにはわかりづらい内容かも。


 室戸菫は自分の憩いの場所である霊安室で一人思考に耽っていた。思い返すのは少し前に見たガストレアの無残な死体。強烈な一撃を持って命を刈り取られた死体は何度見ようが腑に落ちないことがある。

 

 

(あれを、本当に民警でもないただの一般人がやっとでも言うのか?)

 

 

 そう、この疑問の答えがいくら思考しようとも出てこない。故に、彼女はこの長い時間ずっと頭を回してきたのだ。

 しかし、この話のみに時間を割くのはあまり褒められたことではないと彼女は理解しているがゆえに一度思考を切り替える。

 

(ま、なんにせよこれからわかってくることか)

 

 事実、この案件の下手人についてはこれから判明することとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「蓮太郎、倒したぞ!妾たちが一番乗りだ」

 

 そう声を上げ蓮太郎のほうを延珠が振り向く。彼らは現在、モノリス近郊の森の中に居た。木更のおかげで感染源ガストレアを捕捉、そして誰よりも早くに接触することに成功し、ちょうど今、駆逐を完了したところだった。

 倒すのに成功したのはいいが、延珠が少し無理したこともあり、蓮太郎は延珠の心配をしつつガストレアに癒着してしまっているジュラルミンケースを見た。

 

 ジュラルミンケースの持ち手にはおそらく、ガストレア化する前の被害者が自分の手とつないでケースを放さないようにしていたのであろう長い手錠がくくりつけられていた。

 

 蓮太郎はちょうど今降り始めた雨を感じつつ手錠ごとケースを無理やり引き抜く。背筋が震えた。いやな予感がする。普通ならそろそろ他の民警が到着してもいい頃合のはずだ。しかし、この一帯には今になってもまったく人気が感じられない。一刻も早くここから移動したほうがいい。そう考え延珠に声をかけようとしたところで、

 

 

「ヒヒ、ご苦労だったね里見君」

 

「えっ?」

 

 

 後ろから声をかけられ振り向く。そこにはすぐ目の前に白貌の仮面があった。そして顔を摑まれそのぬかるんだ地面へと叩きつけられた。抵抗しようと暴れるが逃れられる気配はなく、さらに暴力的な力で木の幹へと恐ろしい力で投げつけられる。

 延珠も蓮太郎の危機に駆けつけようとするが相手の相方にその道を阻まれた。

 

「!?」

 

「君のところの社長さん、私の後援者についてなりふり構わず嗅ぎまわっていてね。彼らから早々に片をつけろとのお達しだ」

 

 

 彼の名前は蛭子影胤(ひるこかげたね)。娘の蛭子小比奈とパートナーを組んでいた元民警であり、そのときの序列はなんと驚愕の百三十四位。してその正体はガストレア大戦当時にガストレアに人類が対抗するために生み出された機械兵、『新人類創造計画』の一人であった。

 

 実力に関しては言うまでもなく高い。身体能力一つとってもただの人なら遠く及ばないの力を持ち、さらに、機械化兵の能力として斥力フィールドという不可視のバリアのようなものを扱うことができる。今の(・・)蓮太郎ではどうあがいても太刀打ちできない相手であった。

 

 だが逃げる、などということはできないだろう。それをあいつらが許すはずもない。だからこそ戦わなければ。よく見ると影胤の服に返り血が付いているのが確認できる。つまり、他の民警の援護も期待はできないということだ。

 

 まず、銃を使い牽制。しかし、それは容易くイマジナリー・ギミックによって弾かれる。こいつ相手に銃は下策。そう考え接近戦に持ち込もうと近づき己が最も信じる型の拳を振るうもまたもや防がれる。

 

 攻撃が防がれたということは隙ができたということになる。そこを影胤は見逃さない。銃剣を展開し蓮太郎の肩に刺したかと思えば三度弾が放たれる。

 

「くっ・・・!」

 

 肩を抑えつつ岩に背後をふさがれているのを確認した。

 逃走経路はここにはない。

 

「君に一つ技を見せてあげよう、『マキシマム・ペイン』!」

 

 突如斥力フィールドが大きく膨らみ押し寄せる。それによって蓮太郎は岩に叩きつけられ、さらに圧迫される。

 肉は潰れ、骨もかなり痛めつけられているのがわかる。

 そして圧力が消え去ったところでひざを付きせり上がってくる血を吐き出す。

 

「ほう、まだ生きているか・・・」

 

 感心しているかのようにそうつぶやくと蓮太郎の体に影胤はさらに銃弾を注ぎ込んだ。

 マキシマム・ペインによって痛めつけられた体に銃弾が一発、また一発と打ち込まれる。一発打たれる毎に意識が飛びそうになるが、次に打ち込まれる弾丸によって意識が戻される。まるで拷問のようだった。

 

 ここまで強いとは。

 

 蓮太郎はどうあっても勝ち目はないことを悟る。

 

 そして自分が居れば延珠は逃げることをためらうだろうということもわかっていた。

 

 だが、延珠だけなら逃げること自体は可能なはずだ。こんなところで自分ばかりか延珠までは死なせたくない。だからこそここで行動するならただ一つ。延珠に逃げるように指示を出すことだ。そうすることで少なくとも彼女は助かる。

 

――だがそんな思いも影胤の一言で絶望へと変わる。

 

「残念だったね蓮太郎君。

――小比奈、悪いが先にイニシエーターから消えてもらうことにしよう」

 

 それは目敏く蓮太郎の思考を読み取っての行動だった。

 彼ならそうするだろう、と。

 なら、さらに絶望させてやろう。彼にはそれぐらいがちょうどいい。

 

 そして、延珠に向かって二人は駆けていく。

 

「パパ!とどめはわたし!」

 

「ああ、いいとも」

 

 弾丸と斬撃が延珠を襲う。

 延珠も防御の姿勢をとろうとするがおそらく防げないだろう。

 一対一なら延珠は彼らの対抗できるほどの実力を持っている。

 だが、相手が一人ではない以上延珠では対処しきれない。

 

「延珠ッッッッ!!」

 

 もう何をしようとも手遅れであることは明白だった。

 誰もがそう思っていた。

 

――だがそうはならなかった

 

「何ッッッ!?」

 

「???」

 

 弾丸が弾かれ斬撃は突然現れた巨漢によって受け止められる。

 武器を持たないほうの腕(・・・・・・・・・・・)で。

 

「ねえ、」

 

 天使のような少女は自然と話しかける。

 

「わたしたちとも遊びましょう?」

 

 彼らから見えたその顔は、さながら死へと生者を誘う死神かのように思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 空を見上げると少しはなれたところに漂う黒いモノが見える。

 そしてそれの少し後にはヘリコプター。どうやらあのヘリコプターもあれを追跡しているようだ。

 

 しばらく追跡しているとヘリコプターの扉が開かれる。

 まさか、と思うや否や少女が飛び出しガストレアを蹴り落とした。

 

「へえ」

 

 やるもんだ、と思う。

 あんなところから飛び降りるなんてバカなんだろうか。普通ならしない。

 そのあと男までが飛び降りるのが見えた。おそらく、先に下りたイニシエーターを追いかけたのだろう。

 いくらか高度を下げて降りたようだがまだ死ねる高さだ。

 

 それに先ほどからこの森に不穏な空気が漂い始めているような気がする。

 さらには先ほどまであった人の気配が少しずつ消えている(・・・・・)

 

「急ぎましょう」

 

 そう告げると彼は安定性を保ちながら速度を上げ森を駆けてくれる。

 

 おそらくガストレアの退治は先ほどの蹴りで終わっていただろう。

 だがこの漂う邪気、とでも言えばいいだろう気配を放っている人物が居る筈だ。

 急がなければ彼らが危ないかもしれない。

 

 人が自分の知ってる範囲で死ぬのはとてもじゃないが看過できない。

 少し離れているがまだ間に合う。

 

 そこからは早かった。

 あっという間、というよりも遥かに早くガストレアの落下地点に到着する。

 

「延珠ッッッッ!!」

 

 到着後、最初に聞いたのは叫び声。声に込められた悲痛の思いからもはや悲鳴といってもよい声。

 目を向けるとそこには先ほどのイニシエーターが一組のペアに襲い掛かられている状況。

 

――なるほど、こいつらか。

 

 理解した瞬間にイニシエーターと相手との間に体を入れさせる。

 そして彼は相手の攻撃を防ぎ、その尋常ではない膂力でもって相手二人をいとも簡単に弾き飛ばす。

 

「何ッッッ!?」

 

「???」

 

 いきなり現れた相手に渾身の攻撃を防がれたからだろう、あるほうの表情は驚愕に染まりもう、一方は何が起こったのか即時に理解できないようでいた。

 

 だがそんなことにいちいち気をかけるほどこっちの状況は芳しくなさそうだ。

 おそらくプロモーターであろう少年は見るからに重症の怪我を負ってしまっている。

 いち早く病院にでも連れて行ったほうがいいそうだろう。

 

 そのためにもさっさとこいつらを撃退してしまおう。

 

「ねえ、わたしたちとも遊びましょう?」

 

 場に緊張が走る。

 だがこちらが心配することなど何もない。ただ静かに相手を見つめるだけでいい。

 

 痺れを切らしたのか日本の小太刀を持つイニシエーターが先に仕掛け、そのあとから仮面をつけている男がその洗練された動きで迫ってくる。

 彼もその動きに合わせるように構えをとる。

 

 隙など双方ともにない。

 故に勝つのは絶対的な『強さ』を持つもの。

 

 両者の距離が縮まった。

 と同時にどちらともなく己が武器を振るう。

 

 その場で倒れている少年は先ほど実際に仮面の男の実力を目の当たりにしたからだろう、こちらに警告を飛ばしているようだ。

 しかし少女はすでに確信している。勝つのは間違いなく彼だ。

 

――なぜなら彼は、すべての上に立つような英雄なのだから。

 

 

 

 

 

 





それと最近までリボーンの勘違いもののやつ書いてました。
漫画を読んでたと思ったら二次小説がいつの間にかマイPCに(白目)



あ、呼符でジャックでました(唐突)


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邂逅

遅くなりました

いや、めんどくさかったとかじゃないですよ?
FGOがイベントやるもんだからつい、ね?


 

 彼、蛭子影胤は思考をフルに活動させ考える。今私たちが戦っている者は何者だと。

 

 銃というのは対人戦において、しかるべき距離で使用すれば最強の武器だといえる。銃弾の速度は音速の域にまで到達しており、さらに銃によってはさらにその上を行く速度で飛ぶのだ。とても人間なんかでは反応できないし、対処など無理だろう。

 

 だが、この男にはこれが効かない。

 

 別段特殊な対処方法をとられているわけでもなければ、銃弾が当たっていないわけでもない。体に弾かれている(・・・・・・・・)のだ。

 

 いったいどんなカラクリがあるのかは知らないが、非常に厄介である。

 

 ならば、と影胤は接近戦に切り替える。接近戦では圧倒的な強さを誇る小比奈も交えて多彩な攻撃を仕掛けることができる。これは大きなアドバンテージだ。相手のイニシエーターであろう少女は一向に戦闘に参加する様子はない。つまり1対2の状況だ。実力が未知数である相手に何の算段もなしに戦闘を仕掛けるのは無用心であるが、この状況なら撃破は可能なはずだ。

 

 しかし、その思惑は次の瞬間崩されることになった。

 

「ッ!」

 

 陽動を仕掛けるはずの小比奈が一瞬のうちに吹き飛ばされた。

 接近戦では今まで負けなしであったはずの小比奈がだ。

 

 ここで攻めるのは悪手だと理解した影胤はすぐさま飛びのこうとする。しかし

 

「■■■■■■■■ーーー!」

 

 引くことが許されることはなかった。

 男が恐るべきスピードでこちらへ向かって駆けてきたからだ。

 影胤からしてみるとこれは完全に隙を突かれたことになる。

 

 

 迎撃しようにも今の状態ではなすすべがない。

 だが、こんなところでまんまと倒されてしまうわけにはいかない。

 

 影胤は瞬時にできうる対抗策を導き出す。

 

「マキシマムペインッ!」

 

 それは2つの物体間で互いを離すように作用する力、斥力を利用して自分の身を守る最強の盾を膨張させ、周りのものを押しつぶすことも可能とする技だ。この力の前では弾丸さえも彼を傷つけることはできない。

 青白いフィールドが広がり攻撃を防ぐために男へと迫る。だが、男はそれがどうしたと言わんばかりにさらに距離をを詰め腕を振るう。

 そして男の攻撃と激突した。

 

 その瞬間影胤が大きく後ろへと飛ばされた。

 木を多数折りつつ派手に転びながらしばらくして岩へと叩くつけられようやく止まる。

 

「な..に...?」

 

 影胤は一瞬何が起こったのか理解できなかった。

 

 今使用したのは絶対の防御力を誇る盾のはずだ。余程の威力の攻撃を与えられない限りはダメージどころか衝撃さえまでも吸収することができる。

 そう、普通ならただの人間なんかの攻撃をいなせないはずがないのだ。

 そのはずなのに容易く破られてしまった。

 

 その事実は彼らを怯ませるのには十分だった。

 

「バーサーカー」

 

 一言、少女が男の名?を呼ぶと男は一気に後退し蓮太郎と延珠を抱えあげ少女の下へと舞い戻る。

 

「本当なら今すぐにでもあなたを倒しておいたほうがいいんだけど、彼、早くしないと死んじゃいそうだから今回は見逃してあげるわ。バイバイ」

 

 そういい残して少女と男は去っていった。

 

 彼、蛭子影胤は自分たちの実力がいかに高いかなど自負しているつもりである。しかし、今の戦闘が続いていたのなら命がなくなってしまうのは確実であった。

 あの見ず知らずの男はそれほどまでの相手だったのだ。

 

「やれやれ、面倒なことにならなければいいのだがね」

 

 今回の計画で障害として数えていたのは蓮太郎ただ一人であった。

 しかし、今の男までもがこちらの邪魔をしようものなら、正直いうと今回の計画は早々に破棄したほうがよいレベルだ。

 

 それでも蛭子影胤は動き出す。

 幸いにもケースは今こちらの手元にある。これさえあれば計画の実行自体は問題ではない。

 

 "戦争にて我らに価値を"そのためならどんなことでもしようじゃないか。

 

 影胤は気絶した小比奈を拾い上げ一人森を進む。

 計画を続行するために。

 

 

 

 

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 連太郎は目を覚ますと、まずは自分がベッドに寝かされていることをまだ覚醒しきっていない頭ながらに理解した。そして、次に現状を理解しようと目の前の人物に話しかける。

 

「よう、木更さん。俺はどのくらい寝てたんだ?」

「丸一日と少しよ。治療にも、ものすごく時間が掛かったんだから。それに、もしあの人たちが連れてきてくれなかったら命があったかどうかも危うかったのよ?まあ、それでもしっかりと生きていてくれたのは、偉いと思うわよ」

 

 そこで蓮太郎はふとひっかかる箇所があったのをすぐさま尋ねた。

 

「あの人って誰だよ?」

「え?里見君たちの危ないところを助けてくれたって延珠ちゃんが言ってたんだけど、里見君は見てないの?」

「あぁ~そういえば気絶する前に延珠をかばってくれた人がいたような・・・・」

 

 よく思い返してみると確かにいたような気がする。

 結構大きな人だったような...?

 

「ってかここにはいないのか?」

「ええ、里見君たちを連れてきてからすぐにどこかへ行ってしまったわ」

「・・・・・礼の一つでもしたかったな」

 

 次にあったときは何かお礼をしようと蓮太郎は誓ったのだった。

 

「で、延珠はどこに?」

「ここだっ!」

「うおっ!?」

 

 隣から急に出てきた延珠に蓮太郎は大いに驚く。

 そんな賑やかな病室の雰囲気も長くは続かない。

 

 蓮太郎はこの後蛭子影胤のIP序列を知り、ケースの中身を知り、ステージⅤが関係することも聞き、東京エリアを守るために戦うことを決意するのだった。

 

 

 

 

 

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 暗い森の中、今はもう誰も利用することのない廃墟と表現するのが正しい建物の中に二人の姿はあった。

 

 まず見えるのは男の方。少女のすぐ横で動きを見せないその男は大きな体を持ち、その筋骨隆々とした姿は見る者に男の実力がどれほどのものか悟らせるようであった。

 

 次に見えるのは少女。大人びた雰囲気を持ってはいるが年齢的にはまだ10といったところの少女である。少し大き目のベッドに寝転びリラックスしている姿は年相応のあどけなさが感じられる。

 

 この建物は少し前に彼女たちが発見したもので、見た目ほどボロくはなさそうだったから使っているものだ。

 現在彼女らは今日動き回って疲れた体を休めるためにここにいた。男のほうはどういうわけかいくら活動しようと疲れることは無いが、少女は違う。

 普通の人間とは違う特殊な体質をしてはいるが疲れるものは疲れるのだ。

 行動し続けようと思えばできるが、いつ動くことになるかわからないため、休めるときに休む、を心掛けている。

 

「今日はおもしろい人たちと会ったね」

 

 そう少女は傍らの男に話しかけた。

 しかし、男がその言葉に返事をすることはない。

 なぜかわからないが出会ってから今に至るまでに男が言葉を発したことはない。

 だから、少女はそのことを特に気にせずさらに話しかける。

 

「イニシエーターの子たちもなかなかだったけど、あのパートナーはもっとおもしろそうな体をしてたでしょう?

 ふふ、あれはなんなのかしら」

 

 少女が知るところではないが蛭子影胤は強者である。その実力は「元」がつきはするがあのガストレアを打倒できる幾万の猛者の中でも特に異常とされる位階にあわや足を突っ込もうかという百三十四位である。

 

 だが少女はさもおもしろそうに今日であった男――――蛭子影胤のことを考えていた。

 

 普通の人間がもし蛭子影胤と戦ったなら殺される、或いは生き残ったとしてもその実力の次元の違いに武器を取るのをやめてしまうかもしれない。

 

―――なら少女の余裕はどこから来るのか?

 

 それはひとえに彼女の従者の実力にあった。

 

 鋼の肉体はあらゆる攻撃を無効化し、岩のような腕から振るわれる一撃は全てをなぎ払い、その存在は少女に際限のない安心感を与えてくれる。

 

 

 彼は、絶対に負けない。

 

 

 その気持ちがある限り少女は何者にも怖気づくことなく、屈することもないだろう。

 

 

 

 その後しばらく話した後少女は眠りに付いた。

 通常の人とは違うがやはり幾分か疲れが溜まっていたようだ。

 

 今まで喋り続けていた少女が眠ってしまったことでこの場所に一時の静寂が訪れる。

 そんな中でも男は変わらず、ただ少女のすぐそばに立っていた。

 その姿はまるで、

 

 

―――いとしき我が子を慈愛の目で見る父親のようであり、

   儚い夢を掴み取ろうとする哀れなヒトのようだった。

 

 

 彼がこの地に呼ばれた理由は誰にもわからない。

 だが彼はかすかに残る理性で決意を固める。

 

 

 この小さきものを守り通す。

 

 

 彼の表情は変わらないし、その口からは言葉も発されない。

 だがその裏には固く、何よりも固い意思があった。

 

 

 

 

 

 




バサクレスが神秘も何もない人と戦ったら戦闘も何もないと思うんだ(確信)


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